ロッキード問題に関する調査特別委員会 第25号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/08/25
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、委員長から申し上げておくことがございます。 本日出頭を求めておりました小佐野賢治君から、去る八月二十三日、前尾議長あてに、医師の診断書を添えて、書面をもって、病気のために出頭できない旨の申し出があり、議長から当委員長にこの通知がございました。 この際、診断書を朗読いたします。 診断書 住所 東京都世田谷区野毛三の九の一 氏名 小佐野賢治 大正六年二月十五日生 病名 高血圧症兼冠不全 上記疾病にて加療中のところ、血圧上昇著しく、狭心症発作頻発し、種々検査の結果、当分の間絶対安静、加療の必要ありと認めます 上記の通り診断します 昭和五十一年八月二十三日 東京都杉並区方南一−四一−八 医師 山口三郎 附記 従来より高血圧症及び冠不全にて加療中でありましたが、本年二月以来、血圧の著明な上昇(収縮期二三〇mmHg拡張期一三〇mmHg)を認め、加えて本年七月二十日頃より狭心症発作の頻発及び増強を招来し終日臥床治療を続けております。 なお、参考のため、現在の心電図及び発作時のハートコーダーによる心電図が添付されております。 小佐野証人の不出頭の件につきましては、理事会において協議、決定いたしたいと存じますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定をいたします。 ————◇—————
○田中委員長 ロッキード問題について調査を進めます。 質疑の通告があります。順次これを許します。まず、稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 最初に運輸大臣にお尋ねしますが、前の運輸大臣なり運輸政務次官が逮捕されて、その次の運輸大臣なり運輸政務次官も、これはよくわかりませんけれども、いわゆるいろいろ嫌疑がかけられておる、こういうようなことは、運輸行政ことに航空行政に、どこかに問題点があるのではないかというふうに、いろいろ言われるわけですね、こういう点について具体的に、どういう点をどういうふうにしたいというふうに、あなたは考えておられるのか。また今回の運輸大臣なり運輸政務次官の、過去のですが、逮捕されたということ、そういうようなことについて、どういうふうにあなたはお考えなのか、まず、その点からお聞かせを願いたい、こう思います。
○木村国務大臣 元の運輸大臣なり運輸政務次官がエアバスの導入問題に絡みまして検察庁に留置され、取り調べを受けておるという事実は、私にとっては非常に残念なことでございまして、一日も早く事態が明白になることを望んでおるわけでございます。 そこで、いまお尋ねのように、航空行政に関連して、そういう疑惑を持たれたということにつきまして、現在、運輸行政を担当いたしております私として最も考えてみなければならないと思うことは、当時の航空行政そのものが、方向なり、あるいは進み方が間違っておったか、あるいは間違っておったために国民の利便に非常に悪い影響を与えたかどうか。こういうことをまず第一に考えてみなければならない問題だと思っております。 当時の実情をいろいろ調べてみました。ことに問題は、四十五年の閣議了解でもって、将来に国内航空におきましてジェット化、大型化を推進するという方針が了承をされたわけでございます。これが四十五年十一月のことでございます。国会でもたびたび御論議がありましたように、四十五年にそういう閣議了解があって、しかも結果的には大型化、エアバスの導入を四十九年というのは、少し、その間に期間があり過ぎるではないか。それがつまり大型化の機材を導入することにいろいろな問題があって、いまいろいろ疑いを受けておるような問題があって、そのことのゆえに、これが延びたのではないか。本来ならば、もっと早く入れるべきであるのが延びたんではないかというところが一番の問題点になっておるのでございますが、その点が当時の実情に、どうかみ合っておるかいないかということが一番問題として私は調べてみたのでございます。 で、四十五年、六年、あのころの状況は、すでにしばしば事務当局からも当時の航空事情については御説明申し上げておりますように、万博後の航空需要の横ばい、それまでは相当伸びると予想されておりましたものが横ばいになってきておる。それに対して航空二会社が少しでも自分のシェアを拡張しょうということで、早期の大型化の導入の計画を持っておった。こういう事態の上に立って当時の運輸省航空局としては、どういうふうに対処すべきかということを検討してまいったのでございますが、いまのような情勢それから飛行場の整備の問題あるいは大型機に対する安全性の問題、そういうことから考えまして、やはり大型化の導入は慎重に検討をして、急ぐべきではないではないかという意見を事務当局はずっと持っておったということが事実でございます。同時に、当時、国会におきましても野党の先生方の御意見も、急げという御意見ではなくて、むしろ急ぐ必要ないではないかという意見がほとんどでございました。そういうことから考えましても、当時の情勢としては、これが国民的な一つの正しい航空行政に対する要望であるというふうにも受け取れるわけでございまして、四十九年に大型化を導入したということは私は決して間違っていない、かように考えておりますので、航空行政の結果そのものについては間違ったことはない。 ただ、そういう行政の結果を生む、その前段階におきまして、いまのようないろいろな疑惑や不信を持たれるようなことがあったということは、きわめて遺憾なことでございまして、これは今後に対しても十分注意をしなければならない、かように考えて、今後の航空のみならず運輸行政全般を進める上におきましても、結果のよし悪しのみならず、その結果を決める過程の段階において、いやしくも国民から疑惑を受けることのないように、仕事の進め方にも総点検をいたしたい、こういうことで、いまその準備を進めておるところでございます。
○稲葉(誠)委員 いまの答弁を聞いていますと、さっぱり具体性がないわけですね。これは後で、いろいろな調べが進むに従って、いまあなたの言われたことと違う結果が出てくる可能性があったときに、あなた、それ、どうしますか。それはあなた、大きな責任問題になってきますよ。 そこで、橋本なり佐藤なりの被疑事実を刑事局長、簡単に言ってくれませんか。橋本でいいです。
○安原説明員 橋本元運輸大臣につきましては、運輸大臣として四十五年一月十四日から四十六年七月五日まで就任しておったものであるが、四十六年一月ごろ運輸省の運輸大臣室で全日空の若狭取締役から、全日空及び日本航空が大型ジェット機を国内幹線に投入する時期に関して、全日空の業績低下を防ぐため、運輸省において、全日空が大型ジェット機を投入することの可能な同四十九年四月まで日本航空の大型ジェット機投入を延期させ、日本航空と全日空の両者が話し合いをするよう指示、指導した上、その話し合いがまとまった時期に認可されたい旨の請託を受けて、その報酬として供与されるものであることの情を知りながら、四十七年十一月一日、丸紅東京支店において若狭取締役らの依頼を受けた丸紅の職員から現金五百万円を収受し、もって自己の前記職務に関して収賄したという受託収賄の嫌疑でございます。
○稲葉(誠)委員 いま被疑事実を読みましたけれども、そうすると、これは調べたと思うのですが、運輸大臣から当局に対して、どういうふうな指示が具体的にあったのですか、この請託を受けた結果として。調べているでしょう、それを。大臣、橋本さんが請託を受けて金をもらったわけだよね。若狭らから。だから、それに対して請託を受けた結果として運輸省当局にいろいろな指示があったのでしょう。これを聞いているのですよ。それは具体的にどうなっているの。
○木村国務大臣 被疑事実は、いま刑事局長が言いましたような四十六年の一月という時点で、若狭社長が橋本当時の運輸大臣に会って延期のことを要請したということになっております。それで当時、航空局の現職でありました幹部の者たちに全部聞いてみました。その当時、運輸大臣から、そういう指示があったかどうかということを聞いてみましたところが、だれもそれは聞いていない、こういうことでございます。
○稲葉(誠)委員 時間の関係があるものですから、今度は法務大臣に聞きます。 きのう、ぼくはテレビを見ておったのですが、あなたの方の両院議員総会、あなたは出てなかったですけれどもね。そしたら、船田さんが「ロ事件の解明は引き続きやるべきだが、政治的考慮のもとに解明し、国民の納得する程度で結末をつける必要がある。」こういうふうに発言しましたね。ぼくは聞いていましたけれどもね。後で書いた紙には、それを省いたそうですけれどもね。こういう政治的考慮のもとに解明するというのは、具体的に何を意味しているのですか。こういうふうなことを自民党としては考えているのですか。
○稻葉国務大臣 私は、終始ロッキード事件についての真相解明については政治的介入はしない、政治的配慮などというものは一寸でもあってはいけない、こういうことをしばしば申しているとおりであります。
○稲葉(誠)委員 運輸大臣は、ロッキード事件は国務大臣として政治的考慮のもとに解明したい、こういうふうにあなた自身は考えているんですか、あなた、どういうふうに考えているんですか。
○木村国務大臣 私は、しばしばここでも申し上げておりますように、ロッキード事件は至急に、徹底的に解明すべきであるという考えに変わりはございません。
○稲葉(誠)委員 そうすると運輸大臣は、国務大臣として政治的考慮のもとに解明するということについては反対ですか、反対でないのですか、どっちですか。
○木村国務大臣 私は、その政治的考慮のもとにという意味がよくわからないのでございます。きのう話を聞いておりましたが。どういう意味かわからないわけでございまして、私はそういうことは考えておりません。
○稲葉(誠)委員 きょうは時間がなくなっちゃったものですから、それでちょっと途中で、ちょん切れちゃったものですから申しわけありません。 児玉の関係で聞きますけれども、児玉譽士夫の捜査は三十何回、調べに行って、やっているわけでしょう。児玉の起訴を見ると、これは外為も、いわゆる児玉の容疑として加わっておる十七億幾らというふうに一応、常識的に考えられておる線、全部いっていませんね。そうすると、現在、何を中心に調べておるわけですか。児玉の病状はどうですか。
○安原説明員 児玉の関係につきましては、外為法あるいは所得税法違反ということで公訴提起をしたもの以外の十七億の性質、使途について究明中でございます。 なお、病状につきましては、前回、田中委員長が臨床で尋問されたとき以後、良好になっておるという報告は聞いておりません。
○稲葉(誠)委員 大臣、この使途の解明が今後かけられた法務省、検察当局の大きな使命ですね。その中で国会議員が出てくるということも考えらわる、こう思うのですが、こういうことについては、あなたとしては一切政治的考慮を加えないで徹底的に厳正にやる、国会議員の名前が仮に出てきてもやるということに変わりありませんか。
○稻葉国務大臣 これは言うまでもないことです。しばしば申し上げているとおり、そんなことは言うまでもないことでございますね。
○稲葉(誠)委員 それじゃお聞きしますけれども、児玉と中曽根さんとの関係について、あなたの答弁をぼくはしさいに検討しますと、佐藤三選のときに金の縁は切れた、こう言っているのですね。それはそれでお聞きしますが、そうすると、それまでは金の縁はどういうふうにあったということなんですか。
○稻葉国務大臣 河野一郎さんの主宰しておった春秋会時代から、児玉それから萩原吉太郎氏、永田雅一氏、この三人が幹事役で第三金曜日の会、三金会というものがあって、そこから資金の援助を春秋会は受けておった。その後、二つに分かれて大ぜいが中曽根派ということに——中曽根派とは言わなかったけれども、そういうことになったわけですから、それまでは金の縁はあったわけです。それを三選以来、そう政治に関与されてはかなわぬからというので縁を切った、こうなっているわけです。それは結構なことじゃないかと思ったのです。
○稲葉(誠)委員 金の縁を切ったということは、個人的なつき合いがあるということまでを否定しておるわけじゃないですね、そういうわけでしょう。そうすると、これは中曽根さんがどういうふうに関連したのかわからぬけれども、私はコーチャンの言うことが全部正しいとも思わないし、全部うそだとも思わないし、これはうそとまことがまじっているのだと思います。あらゆる人の供述がみんなそうですから、そういうふうに思いますが、この二、三日前から朝日新聞の中に出ておる問題、四十七年の十月五日ですか、これでコーチャンの証言によると、中曽根さんが、いわゆる陰謀と言われるもの、ちょっと陰謀という内容がはっきりしませんけれども、それを覆すために努力をしたということが公然と出ておるわけですね。こういうことについては事件全体の流れから非常に重要性があると思うのですが、これをあなたは重要だというふうにお考えになりますか、どうでしょうか。ここまで、はっきり言われてきておるんだから、中曽根さんの疑惑なら疑惑を晴らす意味においても、晴らすかどうかは別として、重要だというふうにお考えになりませんか。
○稻葉国務大臣 捜査当局の関心を持つべきコーチャン発言だというふうには受け取っておりますね。
○稲葉(誠)委員 捜査当局が関心を持つべき発言だというふうに受け取っておるということになると、刑事局長、このことについて——ぼくは、事情聴取したから、その人がああだこうだ言われる考え方は間違いだと思うのです。それは参考人として調べられることが幾らでもあるわけですから、その点どうこう言う考えはもちろんありませんが、いまの大臣の答弁から言うと、この点について中曽根さんを参考人なり何なりとして呼ぶというふうなことにならざるを得ない、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。それは御推察に任せるということなの。
○安原説明員 コーチャン証言につきましては、八月の七日に東京地検に尋問調書が到着いたしておりまして、その内容を捜査当局はしさいに分析、検討しているはずでございますが、その結果において取り調べの必要があるとすれば、何人であるを問わず取り調べるはずでございます。
○稲葉(誠)委員 これは、いま言った答弁で、一応時間の関係もあって、きょうはやめておきますけれども、また別に、これは後から、いろいろと出てくると思いますよ。 もう一つお聞きしたいのは、小佐野証人、証人というか、きょう出てこないわけだ。小佐野さんがいままで言ったこと、二月十六日に言ったことについて問題点がいろいろあるわけですが、その 一つとして、たとえば二月十二日にハワイからの帰途、金浦空港で趙社長と会い、送ってもらった、その際ロッキード事件に関する話をしたことは切ない、こう言っていますが、ロッキード事件に対する話をしたかどうかは別として、送ってもらった、証言ではこう言っていますね。しかし、その後の調査では、二月十二日に趙重勲と一緒に大韓航空の五〇三便で伊丹に着いていますね。一緒に着いていて、趙重勲は二月十三日の十八時三十分、羽田からKALの〇〇一便でソウルに帰っていますね。このことは事実ですか。
○安原説明員 いま御指摘の客観的な入出国の事実は、入管局の記録によって明らかでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、いま言ったこの一部の事実について、一部と言うかな、いま私が言ったことについて、小佐野氏の言っていることは偽証の疑いがある、このことはお認めになりますね。
○安原説明員 小佐野賢治氏の証言は、私の記憶では、いまの趙社長に会って、送ってもらったということになっておりますが、その送ってもらったということが、日本まで送ってもらったということであれば食い違いはないわけでございますので、簡単に、その言葉だけで虚偽を述べたというふうに判断するのは、ちょっとむずかしいようにも思いますが。
○稲葉(誠)委員 だから、きょう小佐野に来てもらって、細かく、ここのところを詰めようと思っていたところなんですよ。それで、これは日程がずれているわけだ。ずれているというか、二月十六日の証人喚問までに四、五日、間があるわけだ。そこで箱根へ集まっているわけでしょう。午六山荘とかなんとかいうあれがありますね、別荘みたいなところへ集まっておる。そこへ渡辺尚次が行ったとか行かないという話もあるわけだ。そこで一体、何が話し合われて、だれとだれが集まったか。こういうことについては捜査当局としては関心を持っておると見てよろしいですか。
○安原説明員 先日、参議院のロッキード特別委員会で、共産党の小巻議員の御指摘であったと思いまするが、渡辺尚次全日空副社長が小佐野賢治氏と、その大韓航空の麺社長が来たときに箱根で会談しておるという事実があるがどうかとおっしゃいましたので、その点は、すでに偽証で公判請求をしております渡辺尚次という被告人の挙動に関する情報として捜査当局に伝えさせていただきますということを申し上げたわけでありまするが、その真偽の内容については承知いたしておりません。
○稲葉(誠)委員 児玉関係の捜査というのは今後、大体おおよそどういうルートをたどって、そして終局に近づくのか、こういうふうなことのおおよその見通しが一つと、それからコーチャンの新しく出た回想記みたいなものを見ると、何か改めて五億円を小佐野にやると言って要求して、それを何か契約書を前にさかのぼらせたり何かしてつくっていますね。その五億円が入ったというふうに考えられるのか、入らないと考えられるのかはわかりませんけれども、場合によっては小佐野にいっていないということになれば、これは詐欺の問題が起きてきますね、あるいは横領の問題が起きてきますね、児玉の問題は。こういう点については一体どういうふうになるのですか。結局こうなれば、児玉に関連して小佐野も、参考人になるか何か知らぬけれども、調べざるを得ないのではないでしょうか。
○安原説明員 前段の児玉ルートの捜査の関係につきましては、これからの捜査方針の内容でもございますので申し上げるわけにはまいりませんけれども、たびたび御理解を賜うておりますように、何と申しましても本人が少なくとも現段階において勾留に耐え得る健康状態にないというようなことを含め、また供述が必ずしも長時間、期待できないという状況であるということが、この種事件の性質上、捜査をきわめて困難にしていることは事実でございますし、さらに福田太郎氏が死亡されておるというようなことも障害でございますが、いずれにいたしましても現在、太刀川秘書を児玉と共謀の上ということで外為法違反で捜査中というふうに、あらゆる手段を講じて究明に努めておるわけでありまするが、なお若干の日時を要すると言わざるを得ない状況でございます。 それから、コーチャン証言ではなくて、いわゆる朝日新聞に報道されておりますコーチャン氏の会見記の内容につきましては、当然、捜査当局としても関心を持っておるわけでございまして、その真偽を申し上げるわけにはまいりませんが、その関係で、いま御指摘のようなことについて捜査する必要があれば当然、取り調べをするということに相なろうと思います。
○稲葉(誠)委員 それは捜査をする必要があればでなくて、これは捜査するのがあたりまえなんだ、こう思いますけれども、答弁としては、それ以上ここで言えないことですから……。 最後に、この前あなた刑事局長、小佐野の偽証については国会で考案してほしいというふうな話がありましたよね。あなた言われた。ぼくも聞いていてびっくりしたわけだ。なかなか勇気のあることを言ったなと思ったのですが、これはあなたの真意はどういうところにあるのですか。それをお聞きして、時間が来たのであれしますが。
○安原説明員 別に勇気の問題でございませんで、要するにこの種事件は、議院証言法の違反というのは国会あるいは委員会の告発が訴訟条件であるということにかんがみれば、原則はやはり告発を待って捜査をするというのが最も望ましい形ではないかということを考えますとき、しばしば私に対しまして偽証の成否をお尋ねになりますけれども、国会御当局においても御判断あってしかるべき事柄ではないかということを、法律に即して申し上げた次第でございます。
○田中委員長 諫山博君。
○諫山委員 刑事局長に質問します。 中曽根氏について捜査の対象になっているという報告は聞いていないという答弁をしたことがありますが、現在はその状態は変わっていますか。
○安原説明員 変わっておりません。
○諫山委員 中曽根氏については、捜査当局が重大な関心を持たざるを得ないと言われたコーチャン回想録で具体的に嫌疑が提起されております。速やかにこれは捜査をすべきだし、いまなお捜査の対象としていないとすれば、きわめて怠慢と言わざるを得ないわけですが、法務大臣、いかがでしょう。
○安原説明員 先ほども申し上げましたように、コーチャン証言の内容をしさいに分析、検討中でございますので、必要とあれば何人を問わず調べるはずでございます。
○諫山委員 コーチャン回想によりますと、コーチャンの目の前で児玉が中曽根に電話をした、児玉はしばしば中曽根を通じて調査、措置をとるということをコーチャンに話していた、中曽根は努力を約束したしコーチャンの期待どおり中曽根氏の努力によって有利に逆転した、こういう記載があります。この点は捜査当局として当然関心を持つべき内容だと思いますが、法務大臣、いかがですか。
○稻葉国務大臣 先ほど稲葉委員にお答えしたとおりであります。
○諫山委員 刑事局長、いかがでしょう。
○安原説明員 およそ犯罪捜査に関しましては、新聞を初めあらゆる情報に関心を持つべきは当然の心構えでございます。
○諫山委員 捜査当局としては、この点の真偽は捜査いたしますか。
○安原説明員 内容の真偽については、いま申し上げる段階ではございません。と同時に、捜査の方針について私から言うべき筋合いでもございません。
○諫山委員 法務大臣に要望いたします。 稻葉法務大臣が中曽根派の高級幹部だということは言うまでもないことです。中曽根氏に対して非常に濃厚な疑惑が提起されている、しばしば委員会で疑惑が提起されたわけですが、コーチャン回想録によって一層それが鮮明になっております。しかるに中曽根氏がいまなお捜査の対象として挙がっていないということは重大な問題です。私たちは法務大臣が中曽根派に所属しているということと無関係ではないのじゃなかろうかというふうにさえ思わざるを得ません。この際私は、稻葉法務大臣は中曽根派を退くべきである、やめるべきであるというふうに考えていますが、いかがですか。
○稻葉国務大臣 私は、ロッキードの事件の真相解明について派利派略は用いない、そんなことは毛頭、これっばかしもないということをしばしば申し上げているとおりであります。中曽根派を退くとかなんとかということは別問題でありますな。別問題。 それから、ちなみに参考のために申し上げれば、ここでお約束したとおり、ロッキード事件解明までは夜の会合にも昼の会合にも出ない、こうなっているのだから、御安心ください。
○諫山委員 これは突然の問題提起ですが、やはり世間の疑惑を解消するためにも、法務大臣が慎重に検討すべき問題だと思いますから、ぜひ改めて御検討いただきたいと思います。 次に小佐野氏について質問します。小佐野の国会での証言がコーチャン証言と食い違っていることは法務大臣も認めておられます。また朝日新聞に発表されたコーチャン回想によれば、それが非常に大きく食い違っているという点が浮き彫りにされるわけです。たとえば小佐野は、コーチャンとは二、三回しか会っていないと言うけれども、コーチャン回想によれば七、八回という数字が出ております。さらに児玉に渡した金の中には小佐野の分も含めていたのだという趣旨が回想に出ております。さらに二階堂氏を通じて田中総理に小佐野が工作をした、こういうことも出ているわけですが、当然いままで以上に小佐野の偽証の嫌疑というのは濃厚になった、これは大久保その他の場合と同じように、国会の告発を待つまでもなく偽証罪の被疑者として取り調べるべきである、逮捕すべきである、こう考えるわけですが、いかがですか。
○安原説明員 いま種々御指摘の、小佐野証言とコーチャン証言ないしは朝日新聞の報道との間に客観的に違いのある数点、すべてとは思いませんけれども、客観的には違いがあるということは間違いのないところでございますが、御指摘の、それだから取り調べをすべきだという御意見に対しましては、御意見としては伺っておきますが、私から取り調べをするともしないとも申し上げるわけにまいりません。
○諫山委員 捜査当局が重大な関心を持つべき、回想と客観的に食い違いがある。これを捜査するのは当然のことですが、まだその捜査は開始されていないのですか。
○安原説明員 しているとかしていないとか、するつもりであるとかいうことを申し上げるわけにはまいらないということをお願いしているわけでございます。
○諫山委員 偽証罪について国会の告発があったらという趣旨の答弁もされているわけですが、しかし、大久保その他の関係者の場合には、告発を待たずに強制捜査に踏み切ったわけです。あの時点では告発を待たずに強制捜査に踏み切ったのに、小佐野の場合にはなぜそれをしようとしないのか、なぜ区別をしなければならないのか、御説明ください。
○安原説明員 たびたび申し上げております。するとかしないとか申し上げたわけでありませんので、しないことを前提に御議論いただきましても、これは議論の前提を欠くことになるのではないかと思いますと同時に、やはり告発を訴訟条件とする犯罪につきましては、国会の告発があってこれを論ずるというのが原則であろうということを申し上げたわけでございます。
○諫山委員 もう小佐野の証言に嫌疑がかけられてから長期間たっているわけですね。私は一般原則が何であるかということを聞いているのではなくして、大久保たちにとったようなことがなぜ小佐野についてなされていないのかという点ですが、法務大臣、何か根拠があるのでしょうか。田中角榮と刎頚の友という間柄であるということと関係があるのかというふうに疑わざるを得ませんよ。
○稻葉国務大臣 大久保利春の場合と小佐野賢治氏の場合とに何か差があるのか。何か差がありそうですが、私、正確に答弁する技術を持っておりませんから、刑事局長に答弁させます。
○諫山委員 刑事局長のような立場を変えないとすれば、自民党の方は頑強に小佐野告発に反対しているわけですから、自民党が反対する限り小佐野の偽証罪の捜査というのは着手できないということにならざるを得ないわけです。何が原則であり何が例外であるかというようなことじゃなくて、現実には自民党が反対する限り捜査ができないということになるわけですが、そうするつもりですか。
○稻葉国務大臣 いまのあなたの御発言については、私はおかしいと思っております。私は、自民党だとか共産党だとかこんなことによって真相解明に差異がある、そんなばかなことはあるべきはずはない。だからしたがって、偽証で何とかするかどうかということについて、どこの党が反対しているとか賛成しているとかいうことで差異を設ける意思はないです。それはないです。
○諫山委員 予算委員会で自民党が一致して告発に賛成すれば、当然これは告発されているわけです。しかし、刑事局長の立場でいけば、その自民党の態度が変わらない限り、大久保たちの場合は告発を待たずに捜査に着手したけれども、小佐野の場合は着手しないというふうに聞こえるのですが、どうですか。
○安原説明員 私はそのようなことを申した覚えは全然ございませんので、原則を申し上げて、国会御当局でも御判断いただく事項ではないかということを申し上げたわけで、やむを得ない場合には、一般論としては告発がなくても捜査することのあるべきことは、大久保の事例が示すとおりでございます。
○諫山委員 この点は、結果的には私が指摘したとおりになる。自民党の理事が頑強に反対すれば、小佐野は責任を逃れるということになるはずですから、ぜひもっと御検討いただきたいと思います。 それから二階堂氏について聞きます。内閣官房長官の職務権限というのがマスコミではいろいろ言われております。本件に結びつけて言いますと、輸銀法を改正するかどうか、改正するとすれば、どういう時期にどういう順序で法案を提出するか、こういう問題について官房長官は職務権限を持っているはずです。また「内閣の重要政策に関する情報の収集調査」という固有の職務権限を持っております。 コーチャン回想によりますと、小佐野が二階堂氏に会っていろいろ情報を伝えている、二階堂経由で首相にパイプが通じているというような内容になっているわけですが、この点は、官房長官の職務権限という観点で分析をしているのかどうか。
○安原説明員 どうも、ある報道の真実を前提として、きわめて具体的なことでお尋ねでございますので、その前提を前提とする限りお答えするべきではないと思いますが、官房長官の職務は、御指摘のとおり、一般的には「閣議事項の整理その他内閣の庶務、閣議に係る重要事項に関する総合調整その他行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を掌る。」というような事務を持っております「内閣官房の事務を統轄し、所部の職員の服務につき、これを統督する。」権限を持っておられるわけでございます。
○諫山委員 その点の法律的な解明はもう済んだのでしょうか。
○安原説明員 それはまさに具体的な事件の捜査の中に官房長官を調べているということを言えということになるわけでありまして、申し上げるわけにはまいりません。
○諫山委員 すでに報道されていますように、二階堂氏が五百万円の金を受け取ったらしい、そして職務権限も、いま私が読み上げたように、非常に大きな疑惑がある、特に職務に関連する事項で収賄をしたという可能性もきわめて強い。まあ新聞の報道によれば、最もクロに近い灰色高官というような表現も使われているわけですが、私たちはクロだというふうに思っているわけです。こういう点を明らかにするために、私はぜひこの機会に、二階堂氏を証人として喚問していただきたいということを求めます。
○田中委員長 理事会で検討します。
○諫山委員 終わります。
○田中委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 法務大臣、前にあなたは、政局がざわざわするというのはどうもやはり捜査にとっては好ましいことではないということをおっしゃったのですが、今日この現状における政局は、まさにもう尋常一様じゃありませんよね。もうただごとならぬ。全く狂奔といいますか、こういう事態に至って、一体法務大臣はこの政局を率直にどう見ておられるのか、この事件捜査との関係、ひとつ率直なところでお答えをいただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 政局は御承知のようなとおりでありますが、これ、結局話がつくと思っていますから、捜査当局も安心しているでしょうと私は思います。
○坂井委員 とても話のつくような状態ではない、全く末期的症状ですよ、これは。まあ、それは法務大臣も内心まことに微妙な、非常に複雑だろうと思うのです。正直、はたから見ましても。ましてや国民の目から見て、全くわからぬですよね。人は三木おろしと言い、あるいはロッキード隠しと言い、まあいろいろ言われておりますが、いずれにしても私は、この段階に至りまして、やはり事件の真相解明のための捜査の本来的な刑事立件ということを目指して、今日まで大変苦労されてきたと思うのです。 そこで、具体的にお尋ねしますけれども、確かに全日空あるいは丸紅ルートについてはある程度の成果を上げた。そこで、今日のこの事態、捜査の進展を、もう山を越したと見るのか、あるいは少なくともまあ一段落だ、こういう見方に立っているのか。それはどうでしょうか。
○稻葉国務大臣 法務大臣稻葉修個人といたしましては、二段落だと思っております。それから、三つ目の山脈はなかなか険しい、こういう感じであります。
○坂井委員 そうしますと、児玉ルートは残っていますよ、これは当然やらなければいけない。そこで、あなたがそういう二段落だという認識でおありであれば、まあ三山越えぬことには本当の段落にならぬわけですが、ただ、捜査とそれから国会における証人喚問との関係につきまして、確かに捜査が強制捜査に乗り出した段階では、法務大臣は、国会の証人喚問が捜査に対して支障を来すのではないか、それでまあ主役、わき役論を出された。いまの段階ではどうあなたはお考えになりますか。国会は主役でしょうか。
○稻葉国務大臣 私は、がんこなようでございますけれども、やはり刑事責任の追及、すなわち犯罪捜査活動というものの主役は検察当局である、それが、捜査の結果、取り調べはしたけれども、いろいろな関係で不起訴になったという者の政治的道義的責任を明らかにするという主役は国会の国政調査権。そのときは捜査当局の調べた材料というものをどの程度に提供するかは別として、それはわき役、こういうふうに私は譲りませんね、その点は。
○坂井委員 真相解明、これは政治道義的責任の解明のためには、いわゆる構造の解明をしなければならぬ。結論的に構造の解明ということにやはり国会は目的を置いて今日まで努めてきた。 そこで、この段階における証人喚問ですが、これは法務大臣、どうお考えになりますか。
○稻葉国務大臣 私は前から言っているように、証人喚問が捜査に原則として差し支えるなんて言うたことはないのですね。ただ、やり方だとかそういうことになると、それから強制捜査にでもなった場合に国会の逮捕許諾権との関係でぶつかったりするとまずいかなという考えを持っておりますけれども、したがって今日の段階でそんなに支障があると私は思いませんね、証人喚問。
○坂井委員 今日においては、証人喚問は支障は一向にないと思う。少なくとも私は、前の段階では確かにやり方の問題もあったでしょう、強制捜査にようやく入った段階だ、したがって少なくともやはり捜査に対していささかの支障を来すんではないかという懸念があった。しかし、いまの段階では全くそうではない、むしろ国政調査権を発動いたしまして、証人喚問がいよいよこれは軌道に乗せてしかるべき時期であろう、こういう法務大臣の御判断であろう、私はこう思うし、あなたはうなずいていらっしゃるし、全く私も同感であります。そういう限りにおいては法務大臣のいまの見解、これはそのまま私は了としておきたいと思います。当然ここで中曽根氏の喚問をどうしてもやらなければという、私たちは強く実は考えているわけであります。 そこで、具体的にお尋ねしますが、細かい内容を申し上げるまでもなく、朝日の記事ということで、ごらんになったと思います。四十七年の十月の五日、六日、この両日の一連の行為に対しまして、捜査当局は具体的にお調べになっていますか。
○安原説明員 中身を申し上げるわけにはまいりませんという原則論から、申し上げるわけにはまいりません。
○坂井委員 じゃ、なお私はあえて具体的に聞きますけれども、少なくとも五日、六日の一連の行為についてはYXのボーイングとの共同開発、それからYXとPXLの国産化の白紙還元の問題、それからトライスターの導入に関する問題、こういうところを焦点として五日、六日の行為が行われたというところには少なくとも着目をしておられるでしょうね。
○安原説明員 抽象的で恐縮でございますが、あらゆる情報等につきまして捜査当局は関心を持っていることは事実でございますが、いま御指摘のような具体的なことについて着目しているかどうかということを申し上げることは、御猶予願いたいと思います。
○坂井委員 小佐野氏について伺っておきますが、確かにコーチャン証言と食い違いがあるということは、これはお認めになっておるとおりであります。ずばりお伺いいたしますけれども、偽証性が一番強いんだと言われる具体的なものは何でしょうか。
○安原説明員 むしろお尋ねしたいぐらいでございまして、要するに、数点において双方の供述に食い違いがあることは事実でございます。
○坂井委員 さきの質問者からも出ましたけれども、小佐野氏が国会の証人喚問の際、ハワイからソウルに立ち寄った。そして大韓航空の趙重勲社長を伴って日本にやってきた。あの際に、安原刑事局長は先ほど答弁されましたけれども、小佐野氏の証言は、「送ってきてくれました。」こういう答弁です。あの際のあの一連の質疑の流れからいたしますと、あれは金浦空港で送ってくれた、こういうような、実は情景としてはそういうことだった。ところが、事実はそうではありませんでして、趙重勲社長が一緒に日本に来た。なぜわざわざ趙重勲社長があえて、証人喚問をされておる小佐野氏と一緒に日本まで来なければならなかったかというところに一つの大きな問題があろう。しからば一体、日本にやってきて、そこで小佐野氏と趙重勲氏両人が打ち合わせをしなければならぬという事態ではない。そうであるならば、韓国においてすでにそうしたことはできるわけであります。つまりだれかと会わなければならなかったというのが、わざわざ日本に来なければならなかったという最大の理由であったと思う。一体、日本にやってきてだれと会ったのかというところがまさに問題だと思いますので、渡辺副社長の話が先ほど出ておりますけれども、だれかと会っておりますね、だれかと。そのだれかと会っているだれかは、少なくとも捜査当局はつかんでいらっしゃるでしょう。
○安原説明員 先ほども申し上げましたように、小巻委員の渡辺尚次副社長と会っておるというような情報につきましては、捜査当局に重要な情報として伝えてございますが、その後の捜査の内容については、申し上げるわけにはまいりません。
○坂井委員 もう一点だけ聞いておきますが、三十ユニットに関係する分でありますけれども、これは金の三千万円の流れは全部突きとめられましたでしょうかということが一点。 それから、少なくともこの金を受け取ったという国会議員については、もし立件でき得ないとするならば、職務権限が明確でないのか、それとも請託の事実が明確でないのか、それとも賄賂性が明確でないということなのか、それはどうなんでしょう。
○安原説明員 現に逮捕勾留中の橋本前運輸大臣、それから佐藤前運輸政務次官の被疑事実となっております五百万円ないしは二百万円というものは、いわゆる三十ユニットの一部であります。その他につきましては目下捜査中でございまして、どういうところに問題点があるかということは申し上げる段階ではございません。
○坂井委員 終わります。
○田中委員長 永末英一君。
○永末委員 福田副総理、大平大蔵大臣がお見えでございますので、この際、政局等に関することをロッキード事件問題解明に関連しつつお伺いしておきたいと思います。 福田副総理は、昨日の午後開かれました自民党の両院議員総会は、党規約にのっとった正規のものとお考えですか。
○福田(赳)国務大臣 私はそう考えております。
○永末委員 昨日のNHKのテレビを通じて三木総理は、この両院議員総会は認めないと執行部は言っておったということを表明しておるのですね。これはあなたはどう思いますか。
○福田(赳)国務大臣 私は執行部からそういう話を聞いておりませんです。
○永末委員 三木総理の発言は、三木総理自身の判断ではなくて、執行部が言っておったと言っておられるが、三木総理自体は、執行部の一人である。最高責任者であるならば、他の口をかりて自分の意思を言ったと見ざるを得ない。そうなると、三木総理がきのうの両院議員総会を認めない、こういう立場であなたと会談をするということについて、あなたはそういう両院議員総会を認めない総理の考え方に賛成ですか。
○福田(赳)国務大臣 まだ総理からそういう話について何らの話を承っておりません。したがって、私がそれに対してどういう見解であるか、私は先ほど申し上げましたように、両院議員総会は有効に成立しておる、そういう見解です。
○永末委員 この両院議員総会では、いわゆる挙党体制確立決議案が満場一致で成立をいたしております。この挙党体制確立決議案というのは、臨時国会の召集に先んじて党を刷新せよ、こういうことが内容でございまして、したがって、これを踏んまえてあなたと大平大蔵大臣は三木総理に会われたと思います。したがって、これを踏んまえて三木総理にあなた方の気持ちを率直に言われたのでありますから、それを簡明に、何を主張したかをこの際明らかにしていただきたい。
○福田(赳)国務大臣 当面、臨時国会を開くということは非常に重大な国務である。この臨時国会を開いて、有効な成果を上げられる、それにはどうするか、こういうことを真剣に話し合っておる、これが実情でございます。
○永末委員 この両院議員総会は党の正規のものであるとあなたはお考えでございますから、したがって、そこで満場一致成立をしておりますこの決議に従ってあなたは行動せられるわけですね。
○福田(赳)国務大臣 当然そういうことでございます。
○永末委員 大平大蔵大臣も同様でございますか。
○大平国務大臣 同様に考えております。
○永末委員 さて、この両院議員総会の性格についても両者に意見の食い違いがあり、そしてテレビを通じての三木総理の考えを伺いますと、自分は要するに任期三年の総裁に任命をされて、いまその職におるのである、そしてこのロッキード事件の徹底的究明が自分の仕事である、ロッキード事件の究明というのは総選挙で決着をつけるのである。こうなりますと、結局、臨時国会から解散まで自分の手でやるのだということを国民の前にその意思を明らかにしたと見ざるを得ない。だといたしますと、この考え方は、昨日のこの両院議員総会の挙党体制確立決議とは全く相反するものだと、われわれから見れば、判断せざるを得ないのでありまして、話がつくのでしょうか。大平さんは絶望しないときのうの記者会見で言われたようですが、大平さん、話がつくとお考えですか。
○大平国務大臣 これは党内の話でございまして、永末さんに御心配をいただいて大変恐縮でございますけれども、自由民主党内で鋭意お話を続けておるわけでございまして、この話し合いの中から解決策を見出すべく努力をいたしておりまして、絶望はいたしておりません。
○永末委員 大平さん、あなた方は政権をとっておられる政党なのです。したがって、あなた方が党内事情だとお考えのことは、そのまま日本国民のいろいろなことに関係を持つ。したがって、われわれは政治家の一人として、あるいは政党の一員として、このことを、あなた方の気持ちを率直に国民の前に明らかにしてほしい、こういう意味で考えておるのですから、内輪のことだからというようなことは申されない方が、堂々たるステーツマンとしてのあなたの立場として当然でなかろうかと私は思います。 さて、昨日会談を通じながら、大平さん、いま絶望しないとおっしゃいましたが、三木総理の進退が決着をしなければ臨時国会召集にあなた方は応じませんか、副総理。
○福田(赳)国務大臣 私は三木総理の進退のことを言っておるのじゃないのです。挙党体制ということを言っておるんで、その挙党体制が確立しない限り、臨時国会は開催しても意味がないじゃないか、こういうことを言っておるのです。
○永末委員 三木総理の発言からいたしますと、自分は総裁である、したがって自分に協力をしてくれることが挙党体制だと考えている。すなわち総裁の座は動かさない、副総理、またもう二つの大きな柱である大平大蔵大臣が協力をしてくれることだ、これを国民の前に明らかにしております。挙党体制というのはそういうことですか。
○福田(赳)国務大臣 挙党体制にはいろいろの態様があります。とにかく全党一致となって国政に取り組むという体制である、こういうふうに御理解願います。
○永末委員 三木総理が自分の地位は動かさないんだということを金科玉条のようにして言うなんということは、挙党体制に合致いたしますか。
○福田(赳)国務大臣 要するに三木さんの進退問題、これも含めまして挙党体制、こういうことを言っておるのです。もう絶対に三木さんがやめなければならぬ、こういうことをあの決議が言っている趣旨ではない、こういうふうに理解しております。
○永末委員 当初、三木さんの進退を言っているのではないと言われたが、いまやあなたは三木さんの進退を含めましてと、いまのが本音ですね。
○福田(赳)国務大臣 そのように考えられます。
○永末委員 お二方、両方とも日本の経済に重要な責任を持っておいでの方でございまして、お二方から見て臨時国会の開催はいつごろが望ましいと考えておられますか、お一人ずつお答え願いたい。
○福田(赳)国務大臣 私の考え方は、開催というよりは成果を上げることだ。その成果を上げることが一刻も早い方がいい、そういうふうに考えております。その成果を上げるためには、その見当をつけて、そしてこの臨時国会の早期開催をする、こういうことである、こういうふうに考えております。
○大平国務大臣 実のある臨時国会を、一口も早く持ちたいものと念願しております。
○永末委員 もうお二方、きょうまた交渉せられるようでございますが、三木総理の方が、福田副総理の言われた三木総理自身の進退を含めて挙党体制をとろうとされても、あの人の意思ははなはだかたいと見ざるを得ない。だといたしますと、話がつかないのに臨時国会を召集しようということを三木総理が決意をしたときに、あなた方は賛成をされますか。
○福田(赳)国務大臣 臨時国会を開くということは懸案を処理する、こういうことであります。その懸案を処理する体制さえ整いますれば早く臨時国会を開きたい、そういうふうに考えております。
○永末委員 懸案を処理する体制のつくり方に両者に基本的な食い違いがある、このように国民は思っておるわけです。したがってこの質問をいたしておるわけでございまして、福田副総理は、きのうの会談後も今後の糸口らしきものはつかめなかったと記者会見で言われました。また、国政の阻害の状況を見るとこのままのんべんだらりといける状態でもない、こう言われて、きわめて時間的に問題解決に対しては切迫をいたしておるときだと思う。相手方も私はそうだと思いますね、三木総理の方も。したがって、なるほど、いい言葉で言えば懸案の処理のめどがつけば早急に臨時国会をということになりますが、自分の進退がかかっておるのでございますから、その進退について三木総理は自分のことは自分で決めるんだ、力で自分はやめることはしないのだということを国民の前にきのう覆われたわけでございまして、だといたしますと、その懸案の処理が三木総裁の進退にかかっているとすれば、きわめてこれはむずかしい。したがって、臨時国会の召集ということの内閣のやるべき仕事に引っかけてあなた方の同意を求めてくることは容易に想像せられる。その場合にあなた方はどうされますか。
○福田(赳)国務大臣 私は、三木総理の進退問題が前提であるのだ、こういうふうに申しておるのではないのです。その三木総理の進退も含めて、そういう場合があるかもしらぬ、ないかもしらぬ、そういう場合も含めて挙党体制というものはどうやってつくれるんだろうか。要するに挙党体制なんですよ。その場合の一態様として三木首相の進退という問題に及ぶかもしらぬ、及ばないかもしらぬ。私どもの念願するところは挙党体制である、その挙党体制ができなければ、これは懸案処理と言ったってできません。その懸案処理を私は急いでおる、こういうことを申し上げておる。
○永末委員 また言葉を重ねられましたので、私は伺わざるを得ないのでありますが、三木総理の方は自分の進退など考えていない態度ですよ。そうしますと、あなた方の協力だけが挙党体制をとるただ一つの道だ。いまあなたは挙党体制をとることが自分の念願である、しかし相手方の方は同じ挙党体制と言っておりますけれども、相手方の考えていることと、あなたの方でその総理の、総裁の進退を含めてと考えているところには開きがある、これを詰めなければ一本にならない、同じ挙党体制でも意味が違うのである。したがって、それが合うという確信を持ってやられるのですか、合わない場合にどうするかということを考えざるを得ない段階じゃないですか、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 とにかく国政の最高指導者、それからわれわれ重要閣僚、これは国政に責任を持っているのですから、これは最高のステーツマンシップをもって話し合う、そうすれば話のつかぬはずはない、こういうふうに思っているのです。
○永末委員 昨日の会見後の記者会見で、三木氏は臨時国会を召集して冒頭解散存やる気配はあるかという輿間に答えて、あなたは明確な答弁をされなかった。もう一度あなたの、三木総理が冒頭解散に対して考えている感触についてひとつお述べを願いたい。
○福田(赳)国務大臣 私は、よもや三木総理が冒頭解散ということを考えておるというようなことは夢にも思いません。
○永末委員 大平さんはどんな感触でございましたか。
○大平国務大臣 臨時国会を開きまして、国民生活に重要な関連のある懸案を処理することが当面重要切実な国務である、これにこたえるのが政治責任であるとお考えになっている総理が、冒頭に解散するなんということは物理的に不可能であると考えております。
○永末委員 大平さんいまおっしゃったように、三木総理は、自分が考えるロッキード事件の徹底的究明というのは決着点は総選挙だとおっしゃっている、したがって、その総選挙までに何らかのロッキード事件の解明をやらぬのに、それをほうっておいて冒頭解散というのは論理的矛盾ですね、いま言われたが。もう一遍ひとつはっきり言っておいてください。
○福田(赳)国務大臣 私もそのように思います。
○永末委員 昨日、両院議員総会で船田中氏が、ロッキード事件の解明には政治的考慮を加えてやるのだという発言をいたしました。この政治的考慮というのはきわめて内容、意味がわからない表現でございますが、福田さんはこれを聞かれて、何を船田氏が言っておるとお考えになりましたか。
○福田(赳)国務大臣 私、伺っておりまして、余り気にとめずに聞いておったものですから正確な言葉は覚えておりませんけれども、ちょっと感触としてどういう考えを述べられたのかなという疑問を持ちました。 私といたしましては徹底解明でございます。が、私は徹底解明ばかりでないのです。この解明で事件処理は終わらぬと見ているのです。つまり、こういう事件を引き起こした背景、根源をえぐり出すというか、矯正するというか、これをやらなければまた第二、第三、第四のロッキード事件が起きてくる、それに取り組むということまで考えてこの事件に当たらなければならぬ、そういうふうに考えております。
○永末委員 大平さんの御意見もこの際承っておきたいと思います。
○大平国務大臣 船田先生、尊敬する大先輩でございまして、この方がどういうお考えで御発言されましたかは、船田先生の名誉にかけて、御自身に直接お聞き取りをいただいた方が適当であろうと思います。 私といたしましては、ロッキード問題はもとよりでございます。この種の問題につきまして、政府として厳正に真相の解明を行い、公正に処理してまいることは、厳しい政府の責任であると存じております。
○永末委員 政治的考慮という発言については、国民は非常な疑いの念を持ってこれを聞いたわけですね。いままでの三木内閣の立場は、ともかくロッキード事件の解明の司法的な手続は全部これは自由に検察当局に任せておる、それが一応一段落をつけた段階においては政治的道義的責任を国会が解明するについて協力をすると、こういう立場である。そこへ持ってきて、政治的考慮を加えてと、こう言われると、それをごまかすのではないか、そしてこの発言は、福田副総理が正規に党則によって成立をいたしておると言うその両院議員総会で、代表的な意見として、いわば基調演説みたいな形で言われたものである。そうなりますと、一体この挙党体制確立派とでも申すべきものは、ロッキードをごまかすのではなかろうかと、こういう疑いを国民から持たれても仕方のないこれは重要な発言であったと私は思うのです。それだけに、このことをその代表者であるあなた方に聞いておかなければならぬ。 そこで、ロッキード事件の進め方については、三木総理がいままでこの委員会を通じ国民に明らかにしてきたように、やはりその徹底的解明というのは、司法的な手続によるある段階で一応の終結がついた場合には、政治的道義的責任を明らかにすることについては、どういう政局になろうともあなた方は国会に協力してやる、こういう御意思ですね。
○福田(赳)国務大臣 その点についてはいささかも三木首相と変わる意見は持っておりません。いかなる事態がありましても、この問題を曲げて通るというようなことは、これは政治の国民に対する責任として許されざることである、こういうふうに考えております。しかるのみならず、申し上げたように、さらに進んで、私は、再びロッキード事件を起こさないようなその措置について考えなければならぬとさえまで考えておるということをつけ加えておきます。
○永末委員 終わります。
○田中委員長 稲葉君。
○稲葉(誠)委員 福田さん、副総理の立場ですから最初にお聞きをするわけですけれども、私どもは親三木でも反三木でももちろんないわけですよ、これはあたりまえな話でね。ただ、立場は国民の立場に立って聞くわけです。 国民の皆さんは、自民党の中が——いま政局を担当しておるわけだから、それが何でこうごたごたしておるのか、あなたに言わせるとごたごたしてないと言うかもわからぬが、ごたごたしておると国民は見ますわね。何でこんなにごたごたしておるか、これが基本的にわからぬわけですよ。どういうわけでこんなふうにごたごたするのですかね。
○福田(赳)国務大臣 どうも率直に申し上げまして、自民党の中がごたごたしておちぬと、こういうふうには私は見ておりません。まあ、ごたごたしておりますよ。 これは本当に国政に有効に取り組むためにはどうするか、こういう見地から考えますと、どうもいま自由民主党の一体的な団結が欠けてきた、国政が非常に進みにくい状態になってきた、国政を一日たりともゆるがせにするということはできないです。そういうためにはどうしてもここで自由民主党の団結を取り戻さなければならぬ。先ほどからお話がありましたが、挙党体制ですよ。その挙党体制をどうやってつくり上げるかという論争がいまある、こういうことなんです。(発言する者あり)ロッキード問題だ何だといまちょっとお話がありましたが、そんなものとは全然関係がありませんです。
○稲葉(誠)委員 挙党体制のとり方があなた方の考え方と、それから三木さんたちというかな、よくわかりませんけれども、考え方が違うのですか。同じなの。同じならごたごたするわけはないわね。どういうふうに違うんだろうね。
○福田(赳)国務大臣 とにかく三木さんのいまの体制でなかなか全党的な結束ができない、こういうことが問題になっているのです。それをどういうふうにしたら挙党体制になるか、これがいま議論の争点なんですよ。この挙党体制ができなければ国政が進まんじゃないか、こういう問題があるわけであります。そこでいま、挙党体制をどういうふうにとるかという論争をしておる、これを急いでおるというのが現状でございます。
○稲葉(誠)委員 だから、三木さんだと全党的結束ができないという理由がまた国民にはわからないのですよ。三木さんがいいとか悪いとかと言うのじゃないのですよ、ぼくはよく知りませんからね。どうして三木さんの場合だと全党的結束ができないのでしょうかね。ロッキードをやり過ぎたからか。そういうことなんですか、結局。
○福田(赳)国務大臣 さようなことはないと思います。
○稲葉(誠)委員 じゃ、どうして三木さんでは全党的結束ができないの。はっきり言ってよ。
○福田(赳)国務大臣 人と人とのつながり、これが団結なんですよ。ところが、臨時国会が開かれたらこれは劈頭解散になるんじゃないかなんというような危惧の念を持っておる、そういう観測をしておる人も党内には非常に多い。私はそういうことはあり得ないじゃないか。先ほど大平大蔵大臣も申されましたが、現実の問題としてもあり得ない。また、総理の感触としてもあり得ない。しかし、何が起こるかわからぬよ、こういうような空気が非常に多いのですよ。そういうようなことで、どうも党内の意思統一、意思の疎通というものが十分にできておらない。そこに問題があるということを私は申し上げておるわけです。
○稲葉(誠)委員 あなたはさっき、ロッキード事件の解明ということはその背景、根源というものをつかなければいけない、こういうふうに言われましたね。ぼくもそのとおりだと思うのですが、あなた、この前田中さんと総裁選挙をやって破れたときの田中さんの金権選挙というもの、総裁選挙でうんとお金を使ったということを批判しましたよ、ここで、二月二十八日のぼくの質問で。その田中派とあなたとが手を組むというのは、国民は全くわけがわからないんじゃないですか。田中派と一緒になって、一体この事件の背景、根源なんというのを究明できるのですかね。国民はあなたの態度をおかしいと思いますよ。いままでは反田中、反田中でやっていて、今度は一緒になってやるなんて、そんなのはちょっとわからぬ。政治家というのはそういうものかと思いますよ。あるいは国民は疑惑を持つかもわからぬけれども。どうやって背景、根源を究明するのですか。田中派と組むことによってこんなことできるのですか。
○福田(赳)国務大臣 私どもは、派閥でどういうふうに行動するということじゃないのですよ。党内の同憂の士と相携えてやっている、こういうことでありまして、何かあなたは、田中派と組んでいる——田中さんはいま離党してしまったのですよ、あなた。(稲葉(誠)委員「じゃ七日会」と呼ぶ)七日会の中にもりっぱな人がたくさんおります。そういう人と私どもは特別の感情を持つ、そういう必要は何らない。本当に日本国を思うという人は、どなたであろうともこれと提携する、私の信念でございます。
○稲葉(誠)委員 背景、根源とは何なの。背景、根源を究明するというのでしょう。だから、この金権選挙というか、金権政治というか、具体的にあなたはどうやりたいということなんですか、それは。
○福田(赳)国務大臣 細かいことは私ここで申し上げる考えはありませんけれども、やはり政治は力であり、力は金である、こういう風潮がわが政界に流れておらないか、私はこれを否定することはできないですよ。そういうところから、そういう考え方を調整するところから出発しなければならぬ、こういうふうに思うのですよ。つまり制度、これもいろいろ有効な制度もありましょう。ありましょうけれども、何よりも何よりも大事なことは、私ども一人一人の政治家の姿勢であると思う。われわれが本当に清潔な政治をやっていかなければならぬ。これに徹しなければ幾ら制度を変えたって、本当の制度のねらうところの実を上げることはできないと思うのです。私はそういう意味において、かねて党風を刷新しなければならぬ、こういうふうに言っておるのですが、党がそういう清潔で、そして剛健な党風になるようにということ、これから出発しなければならぬ。そして、その上に立って、これを進めていく上にいろいろな有効な手段があれば、制度であろうと運用であろうと、これをあらゆる角度から検討していきたい、こういうふうに考えております。
○稲葉(誠)委員 答弁としては非常に優等生の答弁ですね。やはり役人上がりの人の答弁だな、これは。(「失敬だ」と呼ぶ者あり)失礼なら取り消しますが……。 それで、きのうあなたが三木さんと会った後の記者会見を見ると、いま私としては、あくまで話し合いを尽くす考えだ、しかし、今日、国政が相当阻害されており、のんべんだらりと行ける状態ではない、こう言っているのですが、国政が阻害されているということは、どういうことを言っておられるのですかな。別に国政は阻害されておらないと思うのですがね。どういうことなんでしょうか。三木さんがやっておるから国政が阻害されておるの。そういう意味なのかどうかは別として、国政が阻害されるというのは、具体的にどういうことですか。
○福田(赳)国務大臣 国政の中で一審大事なことは、国会の運営だと思うのです。その国会の運営にいたしましても、さあ臨時国会を開いて懸案を処理しなければならぬという課題に当面しておる。臨時国会を開いて果たしてうまく懸案が処理できるんだろうかというところに問題がある、私はこういうふうに考えておるのですよ。それらの点を念頭に置きまして国政を急がなければならぬ、こういうふうに申し上げておるわけです。
○稲葉(誠)委員 それは三木さんだって同じ考えじゃないの。違うの、あなたの考えと。
○福田(赳)国務大臣 三木さんも同じ考えだと思います。
○稲葉(誠)委員 それならあなた、ごたごたする理由は何もないじゃないの。だから、率直に言えば、きのうのNHKで、三木では選挙に勝てないという意見が私には理解できない、こう三木さんは言っている。あなた方の考え方だと、三木さんじゃ選挙に勝てないという考え方なの。どういうわけで三木さんでは選挙に勝てないという考え方なの。(発言する者あり)いやいや、それはぼくらの方としてはどっちでも構わないけれども、これは基本的な問題に関係するわけよ。三木さんの経済政策の運営が悪かったというのなら、あなたが経済を担当していたのだから、あなたにも責任があるわけですよ。それはそうでしょう。まずその点ね。三木さんでは選挙に勝てないということで三木さんがやられているというふうに、きのうNHKで三木さんは言っているようだったね。それはどういうことだというふうにあなたは理解するの。あなたなら選挙に勝てるのか。
○福田(赳)国務大臣 三木さんでは、こういうのじゃないのですよ。三木体制では、こういうのです。つまり現在のような不統一な体制ではということです。それじゃ選挙に勝てるはずがないじゃないですか。ひとり自民党ばかりじゃない、ほかの政党だって、内部でごたごたしておって統一、団結がない、こういう状態でどうして選挙に勝てますか、そのことを申し上げておるわけであります。
○稲葉(誠)委員 そうすると、財界はあなたの方を支持しているわけだというのでしょう。そういうことじゃないの、これは。だから、あなたの方じゃ自信を持って、今度は挙党体制だとかなんとか言っているのでしょう。財界が支持しなければ、あなたはそんな意気込むというか、あなたの方に勢いが出てこないんじゃないですか。それが国民の常識ですよ。国民は、三木さんでは選挙できないという、大変失礼な言い方ですよ、失礼な言い方だけれども、三木さんでは財界が支持しない。財界が支持しないということは、それは結論はどういうことか。どういうことを意味しているか、ぼくの言うこと、わかるでしょう。それ以上言わぬけれども。あなたなら支持しているということ、だから、そこへ選挙に結びつけて結論が出てくるということじゃないですか。財界があなたを支持する理由というのは、どういうわけなの。
○福田(赳)国務大臣 財界が私を支持しておるかしておらないか、また支持しておるとすればその理由いかん、これは財界の方からお聞き取りのほどをお願い申し上げます。
○稲葉(誠)委員 そうすると結局、どういうふうなことになるかわからぬですが、あなたとしても大平さんとしても両方に聞きましょうか、話の結果によっては重大な決意をして、それであなたの方としても閣外に去るという決意まで場合によってはされるか、こういうことについては、大変失礼な聞き方をするのですけれども、お聞きをさせていただきたいと思うので、福田さん、それから大平さんの順序でお答えを願いたい、こういうふうに思います。
○福田(赳)国務大臣 私はいま決着がつかない場合を予想してどうのこうのということを考えておりません。これはもうみんな国の政治に非常な大きな責任を持っておる同志でありますから、これはもう本当に高いステーツマンシップに立てば必ず話がつくんだ、そういう展望に立って行動しておるわけでありまして、いまそれが実現しなかったという場合にどうするああする、考えたこともございません。
○大平国務大臣 不幸にいたしまして前国会で重要な案件が積み残されておるわけでございまして、この状態におきまして財政の運営、経済の運営には大きな支障が来しておるわけでございます。したがって、私ども実のある臨時国会をいち早くお願いしなければならない、そのために党内に一致したこれを遂行する体制を築き上げなければならぬという意味で、いませっかくお話し合いを続けておるところでございまして、これは必ずやり遂げねばなりませんし、また私はやり遂げられ得るものと思っておるわけでございまして、みずからの進退につきましてただいま何ら考えておりません。
○稲葉(誠)委員 あなた方の進退のことについて考えてなくて、三木さんの進退を含めて考えるというのは、どういう意味なんですか。
○福田(赳)国務大臣 党の挙党体制、これを一体どういうふうに確立するかということを考えておるわけです。そういう際にいろいろな問題が起きてくるということはもちろんで、三木さんがおやめになると言えば、私ども当然、これは総辞職ですから、やめますよ。しかし、話の決着がつかない場合にはどうするかというあなたの御質問でございまするから、決着がつかない場合を予想して自分の進退をどうするかというようなことは考えておらぬ、こういうことです。
○稲葉(誠)委員 そうすると、あなたとしては、三木さんの進退を含めるということについて、そういうことを希望しておるわけですか、結局。そのためみんな集まっているのでしょう、ざっくばらんに言うと。そうじゃないですか。それならそうで、はっきりした方がいいのじゃないかな。
○福田(赳)国務大臣 挙党体制をとるにはどうするかということをいま論議しているのです。いま三木さんの退陣を前提にして私どもが話し合っておる、こういうわけじゃないのです。そういう場合もこれはあり得る。あり得ますけれども、それを前提として話し合っておるのじゃないのだ、こういう御理解を願います。
○稲葉(誠)委員 前提として話し合ってないけれども、岸てこへいくということも考えられる、こういうことですか。
○福田(赳)国務大臣 そういうこともあり得ることを前提としていろいろのケースがあるのです。いろいろなケースがある。要するに挙党体制をとるにはどうするかということで話し合っておる、こういうふうに御理解願います。
○稲葉(誠)委員 法務大臣、あなたは何派だっけ。——派閥は別として、あなたはいわば、三木派、主流派だ、いまの現閣僚。そうすると、ごたごたしているのは福田さんも認められましたね。一体あなたとしては、ごたごたしているということを、何でごたごたしているだろうということについて理解できますか。三木さんの内閣の一員として理解で「さますか、あなたが。それはできないでしょう。どうなの。なかなかむずかしいよ、答えが。(「むずかしくない」と呼ぶ者あり)いや、むずかしくもない。とにかく安心して勇気を持って答えてください。
○稻葉国務大臣 ごたごたしない方がいいと思ってます。ごたごたしない方が。しかし、実際、福田副総理も言われたように、ごたごたしているようです。一日も早く三者で話をつけてごたごたをおさめてもらいたいと念願しているだけです。 それからもう一つ申し上げます。あなた、えらい三木さんの何だか肩を持っているように聞こえるんだな。(稲葉(誠)委員「え、何」と呼ぶ)三木さんに肩を持っているように聞こえる。(稲葉(誠)委員「だれが」と呼ぶ)あなたが。そうじゃないですか。何だかこっちの方二人を責めて何かやっておられるようだが、そういうことを言われると、主流派としては非常に迷惑だ。というのは、三木さんについては私どもも党内対話を飛び越えて野党対話をやっているという私にも批判がありますからね。そういうふうな誤解をあなた、与えるから、それは困る。
○稲葉(誠)委員 それはちょっと、ぼくは最初から言っているように、親三木でもないし反三木でもないとはっきり言っている、最初に。国民の立場に立って聞いているんだと、こう言っているのです。だから、国民の立場に立って考えれば、国民はロッキード事件の真相を一日も早く究明してもらいたいと、こういうふうに考えておるわけでしょう。それをきのうの両院議員総会の船田中さんの発言のように、ロッキード事件究明は政治的考慮のもとに国民の納得する程度で結末をと、こうしゃべったと、こういうふうに出ているわけですよ。だから、ここら辺のところが、あなたは違うかもわからぬけれども、ほかの、ぼくの誤解かもわかりませんよ、誤解かもわかりませんけれども、ほかの方々は、いかにもロッキード事件解明に政治的な考慮を加えろ、こういうことで集まっているというか、それも含めて集まっているというふうに聞こえるわけですよ。聞こえるからぼくは聞いているんで、だから、何でこんなふうにごたごたしているんだろうか。いまのあなたの答えでもはっきりしないのだけれども、何で自民党の中がごたごたしているかということをもう一遍はっきり答えてもらいたいのが一つと、あなた自身は政治的な考慮を加えるという考え方はない、これはもう再三言っているからわかりました。わかりましたよ。あなたはわかったけれども、きのうの船田中さんの発言、代表の発言にあらわれているような形で言うと、あなた方でない反主流というか何というか、そういう人たちは、ロッキード事件というのはもういいかげんにしろ、ここら辺で適当に終わらせろということを含んでいるというふうにしか国民はとらないですよ、この発言から見ても。だから、これはおかしいではないかということを私は聞いているわけですよ。
○田中委員長 法務大臣、ちょっと。先ほどの発言で、三木の肩を持っておる云々という。これは、稲葉君は社会党を代表している。野党の社会党が三木総理の肩を持っている、こういうふうに聞こえることはよくない。当を得ざる発言と思うから、これは取り消しましょう、あっさり。あっさりがいいよ、あっさりが。
○稻葉国務大臣 あなた、この間、わき役、主役で、あっさり取り消せと言って、取り消させる方も取り消させる方だが、取り消した私もちょっとおかしかったのだな、あれは。
○田中委員長 きょうはいいよ。きょうは答弁。稻葉大臣、委員長の発言に対して答弁。
○稻葉国務大臣 委員長の発言に対しては留保、それから、稲葉委員の質問に対しては答えます。 われわれは、三木さんにしても、私にしても、副総理にしても、大蔵大臣にしても、先ほど答えられたとおり、ロッキード問題については徹底究明ということで一致しているのです。船田さんの発言がそれに反しているようにあなたおっしゃいますけれども、政治的考慮をするというのは政治的介入はしないということをやるのが政治的考慮と、こういうふうに言っているのじゃないですかな。
○田中委員長 稲葉君、ちょっと持って。稲葉君はただいまの法務大臣の発言で了承できますか。
○稲葉(誠)委員 いや、了承できません。
○田中委員長 それじゃ、質問を続けてください。
○稲葉(誠)委員 政治的考慮のもとにということを言っていることは、そこに政治的な介入をして適当におさめろ、そういうふうにだれでも国民はとりますよ。それはあなた、聞いていた人はみんなそういうふうにとりましたよ。それがあなた方の——あなたは違いますよ、あなたは違うけれども、そうでない人たちの真意ではないかというふうに国民はとるし、私もどうもそういうふうにとらざるを得ない、こういうことを申し上げておるのですよ。それがあなた、後でプリントしたときに政治的考慮云々というものを削ったでしょう。削ってプリントしたんじゃないですか。あなたがおっしゃるようなら削る必要はないじゃないですか。あなたは出てなかったから、あなたに聞いても悪いかもわからぬけれども。
○稻葉国務大臣 船田さんの発言にも、ロッキード問題は徹底的に究明することは当然だという前提を言っておられますな。ロッキード問題をやることは当然だ、それは当然だがと……(「いいかげんなところでやめるべきだと言っているのですよ」と呼ぶ者あり)いや、いいかげんにやめろと言っているのじゃない。あなた、人の発言というものは、人の言うことは、悪意に、悪意に、悪意にと、こういうふうにとらないで、まあこういうことじゃないでしょうかといって善意にとっていくのが、私は、自民党の挙党体制を願うがゆえに先ほどのような解釈をいたしました。
○田中委員長 先ほどの発言に関連をして田中武夫君。
○田中(武)委員 一つは、稻葉法務大臣、社会党が三木さんの肩を持って云々ということは、最初から質問者が言っておるように、どちらかの肩を持ったんじゃないんですよ。そういうことは不穏当です。社会党に対する侮辱とも考えます。 さらに一つ、いま委員長が言われたことについて……(「まず答弁、答弁」と呼ぶ者あり)
○田中委員長 いまゆっくり答弁させますから。
○田中(武)委員 それは法務大臣が留保するということは、これまた委員会に対して侮辱です。したがって、その点については委員長の職権をもって議事録を訂正するとか、削るとか、そういう方法をとってもらいたい。 以上、提案します。
○田中委員長 職権をもって処理をするまでに稻葉大臣からお答えをいたします。
○稻葉国務大臣 私は稲葉誠一委員がと、こう言ったのです。社会党がとは言っていないのですよ。ですから、稲葉誠一さんが副総理と大蔵大臣に御質問なさることは、いかにも三木総理に協力してやったら挙党体制できるじゃないかとかいろいろ言われるから、だからどうしても、私は主流派ですから、そういう点はあれですけれども、余りそういうふうにお二人を責めないでほしい、こういう……。
○稲葉(誠)委員 実は率直に言いますと、三木総理大臣も御出席願って、そこでお話を私の方から聞いて、そして、それと福田さんなり何なり、大平さんとの違いとか、そういうようなものをお聞きするのが、そして政局のごたごたの原因が何であるかとか、どういうふうに収拾するとかということを聞くのが筋なんですね。ところが、三木さんいろいろ総理大臣ですから御多忙——御多忙の御をつけるとまたいろいろ言われるかわからぬけれども、多忙の関係もあって出てこられなかった、こう思う。そこで、主流派のあなたに、主流派を代表してあなたにお聞きをしたいということで聞いておったわけなんです。私は別に親三木だとか反三木だとか、最初から断っているのですよ。国民が疑問に思っている、何でこういうふうにごたごたするのだろうか、それはもう権力欲の争奪ではないか、そしてそれはまた、ロッキード隠しに通ずるのではないか、このことを国民が疑惑に思っているからこそ、おいでになったお二人にお聞きをしているわけなんですよ。それをあなたがちょっと曲解したんじゃないか、こういうふうに思います。私はどうもそういうふうにあなたが曲解されたんじゃないか、こう思うので、私は、前から断っているとおりに質問しているのです。国民が何を求めて何を疑問に思っているか、それを明らかにしたいということで質問をしておるわけですから、これは了解願いたい。了解願いたいというか、あたりまえのことですからあれしたいというふうに思います。 私の質疑の時間が終わりましたので、私は約束を守りますから、その点について法務大臣から最後に一言お答えを願って、私の質問を終わります。
○稻葉国務大臣 あなたの御真意はよくわかりました。私は誤解しておりました。
○田中委員長 ただいまの問題になりました法務大臣の発言に対しては、本日午後理事会を開き、理事会で検討をすることにいたします。 次は諫山博君。
○諫山委員 稻葉さん、きのうの両院議員総会に出席しなかったようですが、これは所用があって出席できなかったんでしょうか、ボイコットしたんでしょうか。
○稻葉国務大臣 私は、いまロッキード事件の当面の責任者でございますから、そういう党内のごたごたの会合に出ない方がいい、こう思ったからです。わかりましたか。
○諫山委員 福田さん、ロッキード事件は徹底解明だと言われましたが、徹底解明された状態というのは、どういう状態だと思っておりますか。
○福田(赳)国務大臣 いわゆる三つのルートについて、資金の流れの状態が解明され、そしてその解明の上に立って、処罰すべき者、処罰すべからざる者、結論が出て、その経過並びに結果、それが国民に報告をされる、こういうことが事件としての徹底解明である、かように存じます。
○諫山委員 そうすると、たとえば田中角榮氏が受け取った五億円はどのように流れていったか、だれに渡ったか、どういう団体に行ったのか、そのほかさまざまな金のルートがあるわけですが、これを調べられる限り調べ、明らかにして、国民の前に公表する、国民が、ロッキード事件というのは何であったか、すみずみまで理解できるような状態にする、これが徹底解明だというふうに言われますか。
○福田(赳)国務大臣 とにかくできる限りの調査をいたしまして、金の流れはどうなったか、その流れの中で罪に当たるケースはどうである、当たらないケースはどうである、そういうことを調べ上げて、この調査の経過並びに結果を国民に報告をする、これが徹底解明の全作業である、そういうふうに考えております。
○諫山委員 田中角榮の五億円について言うと、捜査当局としては、流れは末端までつかんでいる、ただ、現在犯罪の容疑を抱くに至らないという説明のようです。そうすると、結局、刑事的な責任は一応置いて、道義的、政治的な責任の追及という問題が出てくるわけですが、これはだれに渡ったのか、だれが幾ら受け取ったのか、ここまで明らかにならないと徹底究明は終わらないというふうに御理解ですか。
○福田(赳)国務大臣 その辺になりますと、これは捜査当局の捜査意思、捜査能力、そういう問題でありまして、私がケース・バイ・ケースのその一つのケースについてどこまで調べなければならぬとか、あるいは調べてどういうふうに処置しなければならぬとか、そこまで申し上げることはできませんが、その辺はひとつ検察当局の方によくお聞き願いたいと思います。
○諫山委員 刑事局長に質問します。 田中角榮の五億円というのは一つの例として聞いているわけですが、従来の論争を宛ておりますと、金の流れは調べた、刑事責任が出てくるような結論には到達してないということのようですが、国会の方から、この五億円がどのように配分されたのかという点で、資料を求められたら提出するだけの捜査は終わっていますか。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、検察当局の捜査というもののあり方は犯罪の捜査のために必要な限度にとどまるべきものであるということで、単なる道義的違反ということは捜査権の対象ではないということを前提にいたしまして御理解いただきたいのでございますが、五億円の趣旨につきましては、賄賂であろかどうかというようなことを究明する過程におきまして、その使途等も、金の性質あるいは情状という問題として捜査はしたはずでございますが、その中身につきましては申し上げるわけにはいかない。と申しますのは、捜査の中身でありますとともに、これはいずれ公判廷において明らかにされていくべき事柄でもあるからでございます。 と同時に、先ほど御指摘のように、今回の田中前総理起訴に当たりまして、検察当局はその金の使途を究明したが犯罪の容疑を見出すに至らなかったと言うておりますので、その点については捜査当局の言うとおりであろうと考えておる次第でございます。
○諫山委員 福田さんに重ねて査問します。 福田さんの言う徹底解明という趣旨は幾らかわかったのですが、これがなされずに総選挙を行うべきではないという見解ですか。
○福田(赳)国務大臣 これはぜひそうあってほしいと期待しております。
○諫山委員 政治的道義的責任の追及ということになると、当委員会の役割りがきわめて大きいわけです。そして当面焦点になっているのは、ロッキード社の金を受け取った側の人たちに証人に出てもらうということです。私たちの党としては最も緊急に証人喚問すべき人として中曽根氏、田中角榮氏、さらに本日二階堂氏を要求いたしました。そして稻葉法務大臣の説明では、現時点で証人喚問をしても捜査上は支障はないということのようですが、あなたはこの三名の人は、あなたの言われた徹底解明という立場からして証人喚問に反対ですか賛成ですか。
○福田(赳)国務大臣 具体的な名前になりますと私は申し上げるわけにはいきませんけれども、政府といたしましては、国会の調査権行使のために必要な資料の提供とかその他のことにつきましてできる限りの御協力を申し上げるということが筋であろう、かように考えております。
○諫山委員 あなたは自民党の大幹部で実力者なわけですが、自民党の反対さえなくなれば、大体私がいま指摘した証人喚問というのはすぐにでも実現できる状況にあるわけです。あなたが本当にロッキード事件の徹底解明を主張されるなら、当然そういう場がつくられるように、自民党の実力者として努力すべきだと思いますが、いかがでしょう。
○福田(赳)国務大臣 国会の運営につきましては、これは政党間の問題でありまして、その間自由民主党が皆さんに応対をするわけでございますが、私は自由民主党の総裁ではないんです。内閣において副総理である、こういう立場でありまして、副総理の立場におきましては、政府としては、国政調査権の国会における行使、これにつきましてはできる限り誠意を持ってこれに対応すべきものである、そういうふうに考えております。
○諫山委員 きのうの両院議員総会の模様を報道したけさの朝刊を見て私が憤慨にたえなかったことの一つは、最も灰色の色彩が濃いと言われている人たち、三十ユニットの金を受け取ったと言われていろ人たち、そして自分では金を受け取ったことを認めているような人たちが、凱旋将軍のような形で会場に入ってきた。たとえば「開会直前、会場いっぱいに大きな拍手がこだました。「よー」とか「やー」のかけ声が飛ぶ。「逮捕」がウワサされた加藤六月、福永一臣両代議士が相次いで入場した。二人とも満面に笑みを浮かべて相好を崩し、片っぱしから同僚議員と握手、握手。「がんばれよ」の掛け声も。」これは政治的責任、道義的責任をいささかも感じている立場ではないわけですね。こういう問題を徹底的に明らかにする、そして国民の批判にさらすということがロッキード事件の徹底解明の趣旨だと思いますが、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 徹底解明が終わりまして、どうもあの人はぐあいが悪い人だったというようなことになった人がそういう会合に出てきたということになれば、またいろいろ御所感もありましょう。私どもも一種の感慨を持たざるを得ないですが、まだうわさされているというような段階におきまして、私どもがあれは灰色だ、あれはクロだ、そんなことをきめつけるわけにいきません。私どもは、いま御指摘の人につきましては潔白であると信じておる。そういう人が両院議員総会長の招集があった、それに対して出席をしてくる、これは自民党の議員といたしましても当然の義務である。私はその義務を尽くしたその二人の行為につきましてはむしろ敬意を表する次第でございます。
○諫山委員 この光景では、御本人はもちろんのこと、きのう拍手で歓迎した人たちもいささかも責任を感じてない、こういうふうにしか読めないということなんです。 で、二階堂氏について、きょう証人として喚問するように要求したわけですが、きのうの集まりの舞台回しで二階堂氏が非常に大きな役割りを果たしたということもすでに報道されているとおりです。こういう点で政治的責任、道義的な責任の追及がどのように大きいかということが証明されるわけですが、大平さんはどう思いますか。
○大平国務大臣 私は党運営の責任を持っておりませんので、党を代表してあなたに国会でお答えする立場にございませんので、その問題につきましての答弁は差し控えさせていただきます。
○諫山委員 福田さん、ロッキードの真相究明は峠を越したと見ていますか。
○福田(赳)国務大臣 これは法務大臣にお聞き願いたいので、私には皆目わかりません。
○諫山委員 刑事責任の追及だけではなくて、政治的道義的責任の解明も含めて、ロッキード事件は峠を越したと理解していますか。
○福田(赳)国務大臣 私もそのことについては非常に関心を持っておりまして、法務大臣、経過は 一体どうなっているのだ、いろいろ聞くのですが、法務大臣は頑迷固陋と言っては悪いですが、なかなか教えてくれません。
○諫山委員 私は政治的な責任、道義的な責任の解明も終わったのかと聞いているのです。
○福田(赳)国務大臣 政治的道義的責任問題というのは、これはこれからじゃないでしょうか、本番は。一部はあるようですが、まだこれからそういう議論があるのではないか、そんな感じがいたします。
○諫山委員 この解明で最も重要な手段は証人喚問だ、とりわけ金を受け取ったとされている人たちの証人喚問だと思うのですが、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 政治的道義的責任間胆というのは、私は国会の調査権の場の問題である、こういうふうに考えるので、私といたしまして、いまの問いにどうも答えようはないというふうに答えるほかはないと思います。
○諫山委員 稻葉さん、ロッキードの特捜本部を解散するかのごとき情報が流れているのですが、そうなんですか。
○安原説明員 全く聞いておりません。
○諫山委員 私は、刑事責任の追及と政治的道義的な責任の追及というのは、すでに言われているように、車の両輪のように進めなければならない。そして福田さんが本当に徹底解明こそがロッキード事件の本質だという立場を貫いて、その点で自民党がまとまるならどんどん真相は明らかになる。仮にぬれぎぬの人がおったとすれば、そういう人たちの無罪も明らかになってくるというふうになるわけで、とにかくこの委員会でもっと積極的に証人喚問が実行できるようにまとめるのが当面の課題ではないかと思うのですが、そういう立場で努力されますか。
○福田(赳)国務大臣 政府といたしましては、徹底解明を旨として調査権の行使をしていただきたい、かように存じます。
○諫山委員 終わります。
○田中委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 実はきのうの自民党の両院総会のニュースをテレビで見ておりました。副総理にお聞きしますけれども、船田氏のきのうのあの発言というのは、事件の解明は今後もやっていくだろうが、政治的考慮で解決をして国民が納得する程度にとどめておくことが必要だと考えますと、確かにこれはおかしいということをさっきおっしゃいましたね。稻葉法務大臣、考慮というのは政治的に介入しないことだというようなことをあなたはおっしゃっておりますけれども、そんなばかなことはないですよ、このくだりは。前後ありますけれども。これは副総理、確かにおかしいですね。政治的考慮でもって解決をして納得する程度にとどめておく必要がある、これは明らかに徹底解明じゃありませんね。
○福田(赳)国務大臣 私は船田さんの御発言を詳細に聞いておりませんでしたが、聞いておりますと、ひょっとどうもひっかかるような印象だったのですよ。しかし、はっきり申し上げますが、政府としても自民党としても、徹底解明、これはかたい原則でございますから、それにもとるような行動はいたしません。これははっきり申し上げます。
○坂井委員 法務大臣、ちょっとひっかかりませんか。
○稻葉国務大臣 現場におって聞いておれば、ひっかかったかもしらぬですね。
○坂井委員 この発言はずいぶん問題だと思います。その後で、三木内閣のやっていることは少数による独裁政治のようなもので、三木首相には信頼を置くことはできない、このくだりについては、副総理、どうですか、同時に大蔵大臣。
○福田(赳)国務大臣 三木首相と私の問の信頼関係におきましては、いささかも動くところはございませんです。
○大平国務大臣 船田先輩の御発言につきましては船田先輩にお聞き取りをいただきたいわけでございまして、私がいろいろコメントすることは適当でないと思います。
○坂井委員 先ほどからの議論を聞いておりまして、さっぱりわからぬです。正直に申しまして。副総理、とにかくわかるように説明いただきたいのですが、つまり、ごたごたの原因というのは何ですか。何なんでしょうか。挙党体制だ——いままで挙党体制だったのでしょう。しかし、挙党体制にひびが入った。信頼関係がなくなった。やっぱり一人一人の団結の問題とかいろいろなことでひびが入ってしまった。だから挙党体制が必要なんだ。いまごたごたが起こっておる。一体ごたごたが起こってきた原因、ごたごたの真因というのは何ですか。理由なき反抗ということもありますけれども、理由はあるのでしょう。最大の理由、ごたごたの最大のポイントというのは何ですか。
○福田(赳)国務大臣 私は率直に申し上げまして、これは党の執行体制と一人一人の党員との問の信頼関係だと、こういうふうに思います。残念ながら、そういう関係が非常にいま動揺しておる。そこで先ほどから皆さんからごたごただと、こう言われるような状態が出てきておる。そこで、何としてもこれは執行体制、それと一人一人の党員との間の信頼関係を確立しなければならぬ、これがつまり挙党体制なんですよ。それをどうやっていま確立するかということに心胆を砕いておるというのが現状でございます。
○坂井委員 私もお断りしておきますけれども、決して三木総理の肩を持つ者ではありませんが、三木総理が徹底解明をやるんだと、こう言っていますね。その姿勢には今日変わりはないし、政治生命をかけておるんだと、こうも言っておる。 そこで、信頼関係がなくなった、これは三木総理の方がやっぱり悪いのですか。要するに、自民党の皆さんから見て信頼をするに足りない総理、総裁だ、こういうことになってしまったわけですか。それとも、三木総理の方が皆さんを信頼しないからとんでもないんだと、こういうことなんですか。つまり、わかるように教えてくれないと、さっぱり私はわからぬです。正直に。意地悪でも何でもないのです。本当に国民がわからぬだろうと思うから聞いているわけです。
○福田(赳)国務大臣 国民はよくわかるんじゃないでしょうかね。自民党がごたごたしておる、こういうふうに考える。そのごたごたの原因は一体何だと言いますれば、これは団結体制がないということなんですよ。そのもとは何だと言えば、私は執行体制と一人一人の議員との間の信頼関係というものに動揺が来ておる、そこなんだ、問題は。国民によくわかることだと思います。
○坂井委員 少なくとも三木総理は徹底解明をやろうと、こう言うのですね。そして副総理も徹底解明だと、こういうのですね。副総理も大平大蔵大臣も、皆さんそうだ、徹底解明だ。徹底解明はよろしい。真相解明をやる。国民に公表する。まだその後もやるんだ。つまり第二、第三のロッキード事件を起こさないように、そこまでやらなければこの問題の解決にならぬ。その展望はぼくは結構だと思うのですよ。 こういうことでしょうか。三木総理は、真相解明をやって国民の前に全部あからさまに何もかも出してしまいます。そこまでしか言わない。後の政局展望とか、この事件の反省、教訓の上に立ったそういう後の手だてといいますか、体制づくり、そういうものの見通しというものが政策的にもないんだ、あるいは能力に欠けるんだ、こういうことですか。
○福田(赳)国務大臣 どうも坂井さん、ロッキード事件といま自民党の中のいわゆるごたごたといわれる問題を絡めて考えておられる。ロッキード問題につきましては、私も大平大蔵大臣もあるいはほかの皆さんも、これは変わりはないのですよ。徹底究明しなければならぬ。とにかく大政党でありますから、いろいろな人がおりますよ。一部の人でいろいろな感触を持っておる人がありましょうけれども、これは党の意見といたしまして、また政府の意見といたしまして、徹底解明という点につきましては何ら問題ないのです。これははっきり申し上げておきます。 問題がありますのは、そうじゃなくて、このロッキード問題というようなことでなくて、いまの執行体制とそれから一人一人の議員との間の意思の疎通といいますか、あるいは理解といいますか、そういうところに動揺がある、こういうことなんです。その動揺をどういうふうに是正して、そうして一体の体制を立てるか、これがいま自由民主党が置かれておる重要な課題である、こういう御理解でいていただきたい。
○坂井委員 国民は、率直に見ましてやはりこれはロッキード隠しだ、みんな無理なくそう思っておると思いますよ。福田副総理が、国民はわかっているのだ、こうおっしゃるならば、あえて私をして言わしめれば、まさにわかっている、ロッキード隠しだ、こういう理解でしょう、一般的には。そうではないんだと言うならば、それなりの説明が必要だし、同時に、ごたごたの原因は一体何かというその原因を具体的におっしゃってくれないと、つまり、いま一般的に認識していることは、今度の自民党のごたごたというものは、これはロッキード隠し以外の何物でもない、そういうことにすんなり皆さんとっておる。しかし、それでおさまり切れない。それはもう承知し切れないものがある。それは怒りを買いますよ。反発を買いますよ。 副総理、お伺いしますけれども、たとえば真相解明とあなたはおっしゃったのだが、灰色高官は全部あなたもやはり公表されるのでしょうね。灰色高官の公表の範囲、方法、これはどうお考えになっていますか。
○福田(赳)国務大臣 灰色高官という言葉、これは皆さんやマスコミから聞いておりますが、私は 一度も灰色高官ということを考えたことはございませんが、要するに、これは私の想像では、政治的道義的責任の問題に関連してそういうことを言われるのだろう、こういうふうに理解されるのですが、そういう前提だといたしますと、これは私は国会の調査権の発動によって処理さるべき問題である、こういう理解でございます。
○坂井委員 総選挙がありますね。国民の審判にゆだねるべき最も大きな争点というのは何でしょうか。
○福田(赳)国務大臣 恐らくロッキード事件の済んだ後になると思いますが、そういう際でありますので、これからの政治を清く正しくやっていく、そのために一体どういう姿勢をとるか、こういう点が私は最も大きな国民の関心事であろう、こういうふうに考えております。
○坂井委員 きょう午後から三・福・大会談と称する会談があるのです。見通しは灰色ですか。
○福田(赳)国務大臣 これは国家的に非常に大きな会談でございますので、何とかしてこれを成功させたい、私はこういうふうに念願をいたしておるのです。きのうの段階におきまして、記者団からどういう展望になるかというから、これは灰色という展望か、こういうふうに申し上げましたけれども、私の気持ちといたしましては、何とかこれを白だという結果に持っていきたい、こういうふうに考えています。
○坂井委員 白にならなかったら、きょうはどうなんでしょうか。まず白になるという、あなた自身、副総理もそれは希望的観測を述べられたのでしょうが、いまの両者は基本的にやはりどうしても合意できない、客観的に見ましてそういう感じを非常に深く持つわけですね。ですからこそ灰色だ、こういうふうにおっしゃっているのでしょうが、しかし、白にならなかったらどうするのですか。
○福田(赳)国務大臣 きのうの段階では灰色だったというが、何とかきょうは白にしたい、こういうふうに考えておりますので、白でなかった場合、つまり公正な結果が出なかったという場合につきましてはどうするのだというようなことは考えないことにいたしておる、かように御理解願います。
○坂井委員 終わります。
○田中委員長 次回は、明二十六日午前十時理事会、十時三十分委員会を開くこととし、本日は散会いたします。 午後零時四十五分散会