ロッキード問題に関する調査特別委員会 第20号
- 発言数
- 305 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/08/05
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告をいたします。 さきに本委員会において偽証の疑いで告発をいたしておりました渡辺尚次君に関し、検察当局から、去る七月三十一日公訴提起を行った旨、処分通知書が私あてに参りましたので、この際、ここに御報告を申し上げます。 なお、この通知書は本日の会議録に掲載をいたします。 —————————————
○田中委員長 ロッキード問題に関して調査を進めます。 質疑の通告があります。順次これを許します。松浦利尚君。
○松浦(利)委員 きょうは主として稻葉法務大臣にお尋ねいたします。 まず第一点としまして、田中前総理が逮捕されました七月の二十七日、官房長官、中曽根幹事長、そして法務大臣あるいは河本通産大臣、こういった皆さん方があるところにお集まりになっていろいろと相談をなさった。どういうことを話し合われたのですか。
○稻葉国務大臣 あの日は、私、実は初め出ぬつもりだったのです。ところが、閣議が終わって、その次に週休二日制閣僚協議会……(「そんなのは関係ないよ」と呼ぶ者あり)いや、関係あるんだ。そういうものがあって、ぼくは強く、週休二日制は法務省は困るんだと、前から反対の意見を述べておいたのに、こんなことをきょう一日ですらっと決めるのはよろしくない、きょう初めてこれを見るんだから、もう一回検討して、この次でもいいじゃないかと言ったんだけれども、何か押し切るような形でやったから、これは官房長官いかぬ、そういう文句を言いに、急に、会合をやっているというなら、そこへ出てやってやろう。それだけの話です。それが中心です。
○松浦(利)委員 大臣、われわれは、会合されたことがいかぬと言っておるんじゃないのです。ただ問題は、田中前総理という方が逮捕されたその晩に、それだけの首脳が集まって会議をするということになりますと、これからの政局運営あるいは臨時国会との関連あるいは捜査の問題、こういったものが当然話として出てこなければ私はうそだと思うのです。私は、法務大臣がうそを言われる人だと決して思いませんよ。しかし、いま言っておられることは、たったそれくらいのことなら、何も夜、会合しなくてもいいことなんだから。問題は、むしろそのときに、田中前総理逮捕という時点を迎えて、皆さん方自身でこれからの政局運営その他についての話が出たんでしょう。正直におっしゃったらどうですか。
○稻葉国務大臣 あなたは妙な、勘ぐったようなことを言いますが、その日に急に、きょう会合をやろうなどというのではなかったと聞いております。前々からの予定できょう会合するということを聞いたから、私はそういう閣僚懇であれだけ懇懇と、まず党内対話をもう少しやらなければ、これは党内の不満が起きるのは当然じゃないか、独禁法のときもそうだった、二回ぐらいの閣僚懇で、こういう商法の根幹に触れるような問題を、法務大臣のこれだけの意見を無視して決めて、そして党内で後で非常に問題になったじゃないか、だから、まず党内で対話をしないで、どうして三木内閣及びその主流派に対する党内の批判を少なくしていくことができるのか、しかも臨時国会を開くという重大なるときにこういうことをやったのでは、ますます党内が一致結束して——非常に重要な三法を残しているのだから、ロッキードも大事だろうけれども、国民生活の方も重要なのだから、そういう点については教育した方がいいよ、それだけを懇々と言うた。それだけを言うにも三十分やそこらかかりますわ。あなたはそれをいかにも、田中前総理が逮捕されたその晩に急に祝杯を上げるようなことをやって何とすると言う。そんなふざけたことはありません。
○松浦(利)委員 法務大臣、せっかく検察当局がまじめに——それはいろいろ政治的なプレッシャーもかかったでしょう、そういった中で思い切って捜査に努力をしておる最中に、法務大臣や何かがそういうときに集まって会合する。私たちも参加しておらないから内容はわからないけれども、そこに法務大臣が仮に出席するということは、国民全体が誤解をして見る。これは田中前総理だけをスケープゴートにして、あとはそのままにして逃げてしまうというような、何か目的を持ったあれだぞという印象を国民全体が持ったら、法務大臣としてどうしますか。それは国民の方が、疑う方が、おまえの方がけしからぬ、私たちはまじめにやりました、その会合をそういうふうにとる国民の方がけしからぬと、あなた、ここで開き直れますか。そうじゃないでしょう。私がいま言わんとするのは、なぜそういう大切な時期に法務大臣がのこのこ、のこのこと出ていって誤解を受けるような結果を招来したのか、そのことを私はあなたに指摘しておるのですよ。だから、あなたが行ったという限りは、少なくともこれからの捜査状況の説明とか、あるいは政局の運営について幹事長と官房長官が打ち合わせをしたというふうに思うのが当然じゃないですか。
○稻葉国務大臣 そういう捜査の見通しなんか、捜査の途中において私の口からしゃべることはない。ここでもしゃべらぬことを、仲間内だけだからといってやすやすとしゃべるものじゃないです。そんな軽率な人間ではありません。 それからもう一つは、政局の推移について何とかと言うけれども、国会議員として、こういう三法を残しておって——一日も早くロッキード問題の解明を急いでもらって、そして早く臨時国会を開いてあの三法を通して国民生活に安心を与える、これは政治家として当然に考えるべきことでしょう。それはそうです。
○松浦(利)委員 それじゃ、そういう話をやはりされたわけでしょう。政治家としてそういう話に触れたのでしょう。
○稻葉国務大臣 そういうことが多少ありましたから、私は、臨時国会をいつ開けるのかという見通しが、捜査の見通しがまだこんな段階でつかない。それよりも大事なのは、こういう党運営について三木さんというか官房長官というか、それか勢いまの執行部のそういうやり方は少し気をつけて、党内融和にいくようにした方がいいぜ、これがおれの信念だよ、こういうことを言うたのです。それは大事なことでしょう。大事なことじゃないですか。
○松浦(利)委員 大事なことですよ。だから、言われることは私はいいのですよ。言われることを私は追及しておるつもりは決してないのですよ。ただ、田中前総理を逮捕したその晩に皆さん方お集まりになって会合するということになってくると、いま私が言ったような誤解を国民がとるでしょう。そうすると、結局、あなたは政治家として当然そういうことは触れた、こういうふうに言っておられるのだから、そのことについて、法務大臣が出席したこと自体が非常に軽率だったというふうに私は思うのですよ。
○稻葉国務大臣 前総理が逮捕されたその日にと言いますけれども、これは前から決まっておった会合だったそうです。そしてそのことは知らされておったから、ああ、いい機会だからいろいろなことを言うておこう、こういうことです。一番私の重点なのは、党運営について欠くるところがあるのじゃないかということを言いたいのです。ロッキード問題の解明や、それから三法の積み残し法案の通過や、重大なことがあるのだからもう少し慎重にみんな話し合っていったらいいじゃないか、ことにきょうは前総理が逮捕されたような事態が起きたのだから、ますます党内は混乱するよ、こういうことを申し上げたわけです。ですから、政治家の会合としてその日急にやったというなら、それは非難されても仕方がないのですけれども、私、他意ないです。本当に私、他意ないです。
○田中委員長 関連して、大出俊君。
○大出委員 大臣、私はいろいろこれは方々で聞いてみたのだけれども、不納得なんですよ、幾らそう言われても。あなた、余り力むとなお不納得だ。だれとだれとだれが出たのですか。私は、同じ時期に、週休二日制とあなたはおっしゃるが、週休二日制は私の専門ですから、ロッキード特別委員会と並行して内閣委員会をやっているのだから、植木総務長官が所管なんだから、全部話は聞いているのだ。一番最初のころあなたが、そんなもの、週休二日なんてやると日本が滅びるなんと言ったという話まであるのだから。しかし、あの晩は、私の質問で週休二日は決まってしまっているんだから、そんなはずはないと私は思っているので、だれとだれとだれが出たのですか。
○稻葉国務大臣 週休二日は決まっている、そんなことはないよ。これから決めるのですよ。しかも、まるまる二日ではなくて、いま一日半だね。それが一日六になるか七になるか、そういうテストを一年間やる、こういうことなんです。週休二日が決まっているなんて、とんでもない話ですよ。それがまず第一。 それから、だれとだれとが集まったかというのは、稻葉修、それから櫻内義雄、それから井出一太郎、河本敏夫、中曽根康弘。
○大出委員 時間がないから簡単に言ったのだけれども、一月に出した人事院の意見書があって、試行になっている、試験的にやるという、そんなことは初めからわかっている。だから、あなたの理屈で言えば、正式にということは、それはこれからでしょう。試行というのは、長いこと議論してきたのだから、これはもうはっきり結論が出ていて、私に公の内閣委員会の席上で答えた後なんです。これは。そうでしょう。答えてしまってから相談したって、しょうがないじゃないですか。 私が不思議に思うのは、あなたがその後で何を言っているかと思うと、国会日程を全部説明をして、ロッキード事件というのは一週間か十日くらいで結論を出すんだ、決着をつけるんだ、だから八月の二十五日ごろから臨時国会を開くのだ。後でいろいろ言われて、あなたは、私は議員として言ったけれども、何もそれは大筋は違っていないとあなたは言っている。その大筋はそこで相談したのじゃないですか。 さらに勘ぐれば、中曽根さんの問題などがいっぱい出てきている。一つ間違うとこれは三木内閣の命取りだ、政党内閣だから。だから、十日なら十日、その辺で、八月の十日か十五日か知らぬけれども、早く幕を引こうという相談をしたのじゃないの。そうとったっておかしくないじゃないですか。どうなの、これ。
○稻葉国務大臣 とんでもない話ですな、それは。とんでもない。 それから試行、試行と言いますけれども、週休二日制の試行、これは一年でやめるというのですよ。一年でやめるというなら、何もやらなくたっていいじゃないかと私は思うですな。一年でやめるというのだから。それが一つ。 それから、政治日程なんというものは、私は大衆に向かっては一衆議院議員として言うけれども、そんな党の幹部が決めることを、内閣総理大臣の決めることを、衆議院で決めることを、野党とも連絡しなければならぬことを、ロッキード問題の解明のめどもつかない段階でそんなことを言えるわけがない。 それから、中曽根氏の何とかの問題なんて、私は全然知らないもの、そんなことは言えるわけがない。おかしいですね、あなたのその質問は。
○大出委員 おかしいですね、法務大臣。答弁がおかしいですね、いまの話は。おかしいですよ。週休二日なんというのは、あなたはつんぼさじきだろうけれども、所管の委員会で長いことやってきているんだ。一年やっている、こんなものは。いまさらがたがた言うことはないんだ、そんなものは。 それならば、櫻内さんはなんで出たの。では、週休二日制の話をするなら、所管の大臣はだれなんですか。植木総務長官でしょう。責任者は植木さんでしょう。井出さんは単なる座長ですよ。所管は植木さんじゃないですか。では、植木さんをなぜ呼ばないの。中心人物を、一年間も苦労してやってきた人間を、私は貧乏くじを引いたといって嘆いていた植木さんをなんで呼ばないの。櫻内さん、何が週休二日に関係あるの。中曽根さんはそれでは一体どうなの。何が週休二日に関係があるの。 あなたは国会の日程を、ロッキードも終わらないうちにそんなこと言えたはずはないなんて言ったって、あなたは自分で言ったではないですか。法務大臣だから逆指揮権だってあるんだ、そんなことを言えば。政党内閣なんだから幹事長に火がつけばひっくり返るじゃないか。そんなら、こんなもの幕を早く閉めちゃおうというので、あなたは逆指揮権だってやろうとすれば、これは法律的にはできるんだ。早くやっちまえと、あなたはけったたいたと言っているじゃないですか。しかも、検察を呼んで聞いてみたいなんて言ったじゃないですか。語るに落ちるんだ、それは。だから、これだけ国民も疑惑を持てばいろいろな問題が起こる。しかも前総理逮捕のその晩とは何事。私はまた祝杯でも上げたのかと思った。そうじゃないの。それはいけませんですよ。派閥次元で動くやつは許さないということを総理はこの間ここで答えたじゃないですか。明確に派閥次元じゃないですか。納得できませんよ。
○稻葉国務大臣 櫻内義雄氏は新政同志会の会長でありますね。そういう資格ですね。それから週休二日制の主管大臣は植木君であることは私も重重。それで植木君にはよく言ってありますよ、ちゃんと。その週休二日制を論議する目的で集まった会合であると私ば言っておるのではありませんね、初めから。それをあなたは……(「おかしいよ、それでは目的は何なんだ」と呼ぶ者あり)いや、私はそういうことを言いに行き、しかもいわゆる主流派というものが集まっているのだから、それこそ主流派だけで党の運営をやっちゃいけないよ、こういうふうになるじゃないか、だから言わぬこっちゃないじゃないか、こういうことを言いに行くのは全党的な立場でございますね。私、決して派閥次元でその会合に出ているのじゃないですね。
○大出委員 これで終わります。関連質問だから終わりますが、櫻内さんは中曽根さんの政治資金問題で責任をとっていろいろ記者に話しておられたのだから、あなたのやはり仲間でしょう。間違いないですな。 それから稻葉さん、私はジャパンライン問題であなたに質問したけれども、児玉さんに言われて一番先口をきいたのはあなたなんだから。そうでしょう。児玉ルートが進まないのは、あなた、自分が一番最初に頼まれたからと私は実は信じていた。だからあなたに質問したが、あなたはいろいろお答えになったから当面それでいいですが、改めてこれはやり直します。 だから、どうもおかしいと私は思っていたのだが、ここで稻葉さん、あなたは中曽根派で、櫻内さんがそうで、さて中曽根さん御本人が出ているわけでしょう。この三人は間違いなく中曽根派の現幹事長、法務大臣、新政同志会の責任者というようなことでしょう。あと、出ておられる井出さん、これはまぎれもない三木派の方でしょう。河本さん、なんで週休二日に通産大臣が出てくるか、私は知らないけれども。郵政大臣を連れてくるのなら、郵便局を持っているから無理もないが、これは井出さんと河本さんは三木派でしょう。そうすると、三木総理はこの席で、私どもの質問に答えて、派閥次元でなんというようなことを断じて許さぬということを言っておられた。これ、二つの派閥しかいませんね。二つの派閥だけで週休二日をお話しになったのですか。 私は締めくくりで申し上げておきますが、そういうことをおやりになると語るに落つるということになる、あなたの方々の発言が。真剣にやっているのですから、こういう大変な誤解を生むようなことは、少なくとも法務大臣なんだから、おやりになるべきでない。いかがでございますか。改めてお伺いします。
○稻葉国務大臣 あなた、ひん曲げて初めから、この会合は週休二日を目的とした論議をする会合であったと決めつけて、そこでそんな二派だけでやるのはおかしいじゃないか、それから通産大臣は週休二日と何の関係があるのだとか、初めからその目的で集まった会合だという前提で質問されますけれども、そうではないのですね。ずっと前からの予定された会合だというので、法務大臣は本当は、えらい日に当たったものだから、出たくなかったのです。けれども、ああいう決め方では少し党内対話が、閣内対話が少ないんじゃないか、これじゃ党の将来の運営がむずかしいのじゃないか、こういう心配で実は出たのです。それが誤解を生んだとなれば、今後、一切そういう会合には出ません。
○大出委員 終わります。
○松浦(利)委員 この二十七日の会合で、週休二日制だけでないということはそのとおりだと思うのです。やはり政局その他のことの話し合いがあったはずなんです。それであなたは一日に香川県でいろいろと見通しを出しておられる。大体臨時国会は二十日から二十五日ごろの間に召集されて、四十日ないし五十日間だろう。捜査の山は大体一週間から十日で終わる。こういう話をあなたはどんどんやっておられるでしょう。その根拠になっておるのは、実は二十七日の会合だったのでしょうが。二十七日にいろいろ話が出たのをあなたが個人的に発表したのでしょう。どうですか。
○稻葉国務大臣 その会合で決めた話を個人的に、一日、香川県へ行って言うたのではございません。
○松浦(利)委員 ございませんと言うけれども、関連してくるでしょう。関連するじゃないですか。二十七日にそういう話を決める決めぬの問題じゃないのです。主流派三木派と中曽根派だけしか集まっておらぬのだから、決める決めぬの問題じゃない。そこである程度意見統一をして、そしてあなたが一日に香川県でそういう発表をしたのでしょう。そういうふうに理解するのがつじつまが合っておるじゃありませんか。また、国民の側がそう思うのは当然でしょう。思う方がおかしいですか。
○稻葉国務大臣 実際やってないことだから、誤解は生むかもしらぬけれども、そういうふうに国民が決めつけられることは困るのです。非常に困ります。(「困るようなことはやめてくれ」と呼ぶ者あり)だから、今後は出ないと言うんだ。あらゆる派閥的な、派閥独自の会合、総会にももう出ないことにした。ロッキード問題がきちんと解明されるまでは一切出ない。どうもその方がいい。
○松浦(利)委員 一日にあなたが個人的に政治家の立場で発言をしたというところにちょっと問題があるのです。それが個人的であったにしても何にしても。私は善意に解釈しておったから、恐らく二十七日の会合でそういう話が出て、およその方向が出たから、あなたはそういう空気を受けて発言をした、こう思っておった。ところが、一日の場合は、法務大臣稻葉個人がそういう見通しだということを、あなたは個人的に発言をした、こう言われるのですね。 だとすると問題があるのですよ。このロッキード事件というのは、政治日程との絡みで、臨時国会の召集をする前にロッキード事件だけは究明を終わる、できるだけ真相究明を終わるというのが従来の方針だったでしょう。しかも、ここの証人喚問すら私たちは協力してストップしておるのですよ。そうすると、そのあなたが法務大臣稻葉個人で発言をした二十日ないし二十五日に臨時国会を召集するというなら、それまでにこのロッキード問題というのは全部山を越してしまう、一週間か十日たったらもう山を越してしまう、そういう感触をあなたは実際法務大臣個人として持ったわけですか、この発言をしたときには。その点はどうなんですか。
○稻葉国務大臣 あなたはいろいろなことを事実を知って御質問なさっているようですが、その事実は新聞じゃないの。そして、それは全部正確だという前提ですか。(「あなたが質問し出したら困るよ。」と呼ぶ者あり)いやいや、答弁の内容です。これも答弁の内容。 そこで、私はこういうことなんです。具体的に言いますと、香川県の木村武千代君という代議士がおりますが、これともうずっと前から約束しておったものですから、ここへ行って、そして発言した内容は、十二月の九日に任期満了でございますから、その前一ヵ月以内に総選挙をやるという選挙法のたてまえからいって、それから、五十二年の予算の編成だってあれですから、そう暮れに近づいて総選挙というわけにもいかぬでしょうから、十一月の第一日曜ぐらいには選挙を終わっていた方がいいじゃないかと政治家として思いますな、こういうことなんです。 それから、ロッキード解明の山場は一週間か十日で見えるだろう、こういうのではない。田中前総理の逮捕という重大事件に遭って、これで山を越したんだろうと言われると、それは困りますな。そういうわけのものじゃないでしょう。ですから、まだ山を越したというわけでない、山を越すかどうかの見通しはここ一週間くらいでできるんじゃないでしょうか。この一週間内に山を越すというのではなくて、山を越しているかどうか、いつごろ山を越すだろうかという判断は、この一週間くらいにはできるんじゃないでしょうか。一日も早く解決しよう、一日も早く真相を究明しようというのが私の希望であり、刑事訴訟法の命ずるところであり、国民の要望するところであり、ロッキード問題特別委員会の要求するところだから、これには応じなければいかぬ、そういう意味で申しました。
○松浦(利)委員 それじゃ、新聞が正確でないということのようですからお尋ねしますが、要するに、山を越さないで臨時国会を召集したら、捜査に支障があるでしょう。それはどうですか。
○稻葉国務大臣 これからどういうことになりますか、わかりませんけれども、不逮捕特権を持つ身分の人がそういうことになればぶつかりますから、やはり捜査に支障を来すおそれがありますな。
○松浦(利)委員 そうすれば、いま軽々にいつごろ召集というようなことは言えないはずでしょう。それはどうですか。
○稻葉国務大臣 だから、いつごろ召集ということについてはなかなかわかりません、こう申しておるのです。
○松浦(利)委員 それじゃ、さらにお尋ねをいたしますが……
○稻葉国務大臣 ちょっと待ってください。済みません。 二十日過ぎとか二十五日過ぎとか言われているけれども、そういうふうなことは軽々には見通しはできません、こう言っているのです。
○松浦(利)委員 それから、政治日程と捜査関係とを調整するために、従来は検察当局の自発的報告を待っておったのだけれども、これからはひとつ検察当局を呼んで聞いてみましょうかというようなことをあなたは言われたと報道されておるのですが、これは事実に反しますか。
○稻葉国務大臣 反しません。こういう状態で、国民も皆じりじりしているから、それから一つには、ああ山は越したんだなというふうに誤解をされているような向きもあるから、それでどんなふうになっているのだろうと聞いてみようかとは思うが、まだ決心はつきかねております。こういう現実です。
○松浦(利)委員 そうしますと、法務大臣は、政治日程の絡みで検察当局から捜査状況をあなたが呼んで求めるという場合もこれからあるわけですね。政治日程の絡みでは出てくるのですか。
○稻葉国務大臣 帰りまして、こごにいる安原さん、それから次官の三人で、そういうことはどうだろうと言ったら、いや、それは従来どおり向こうの自発的な報告があるまでお待ちになった方がいいですよと言うから、ああそうかい、結構だ、そうしよう、こういうことになっています。
○松浦(利)委員 そうしますと、きょう議運で政治日程の話が出されつつあるわけですけれども、きょうの議運で政治日程の話というのは出てきませんね。率直に言うと、捜査の状況がかいもくわからずに政治日程だけ進行させれば、捜査に支障があるわけでしょう。そうなってくれば、当然きょうの議運では日程なんかの審議はできないでしょう。法務大臣としてはそれはやめさせなければいかぬでしょう。日程を決めるのはやめてくれ、捜査に支障ありと言うのは当然じゃありませんか。
○稻葉国務大臣 よく世上二十日とか二十五日とか、こういうことを言われていますから、きょうの議運でもそんなところをめどにいろいろお話が出るかもしれませんね。そのときに、国会でお決めになることについて一法務大臣が捜査に支障があるからなんということを言えますか。捜査に支障があろうがなかろうが検察庁は不覊独立、不偏不党、厳正公平に微動だにもしないでやるわけですから、お開きになるならお開きになって結構でございますよ、それは。
○松浦(利)委員 それはおかしいじゃありませんか。不逮捕特権というものが出てきたら捜査に支障があるのでしょう。臨時国会が開かれて不逮捕特権が行使されたら捜査に支障があるのでしょう。あなたはさっき支障があると言っておられたのだから。われわれもこの委員会の証人喚問すらも協力しておるわけですよ。そうでしょう。あなたは法務大臣として当然言うべきじゃありませんか、官房長官なら官房長官あたりに。当然政治日程の絡みについては、政府にも院の方から話があるわけですから、答えなければいかぬ。院の方も、それに対して捜査日程が全然わからずにそれは勝手に決めてくださいというわけにいかぬでしょう。そうじやありませんか。
○稻葉国務大臣 私が議運にそういうことを言うべきじゃありませんね。そんなことは言うべきじゃない。いままで、三法の重要性にかんがみ、先国会が終わった途端に早期臨時国会召集という議論がありました。そのときには、七月中とかそういう時期にはぶつかるんじゃないかね、こう言うてきました。しかし、だんだんこう日が詰まってまいりますと、選挙の後ろが詰まっているもんですから、どうしたって臨時国会を開かなければいかぬのですな。そういう段階に来てまでも七月初旬ごろ開くとか中旬ごろ開くとかいうのは捜査に支障があるから困ると言っておった私の持論を、いまここでこの段階でまたずっと継続していく。やはり時間との関係でそういうことは考慮されなければならぬ、こういうことがございます。
○松浦(利)委員 そういうことを二十七日に話し合われたのでしょう。(稻葉国務大臣「それは困る」と呼ぶ)それば困ると言ったって、われわれの方はそういうふうに思うのです。 そこでお尋ねしますが、十二月九日の任期切れでいよいよ押し迫ってきた、こういうことですね。あなたの説によれば、あなたの計算でいかれると十一月七日が選挙だそうだけれども、しかし、いずれにしてもいまの事件の解明ルートで、全日空ルートと児玉ルートというのはほとんど——丸紅ルートは、田中前総理ということで一つの頂点に来つつありますけれども、これだってまだわかってはおらない。しかし、全日空ルートと児玉ルートというのは、捜査当局は一生懸命しておられると思うのですが、われわれの判断としてはこちらの方は余り進展しておらない。余り歯切れのいい御返事はないわけでしょう。そうすると、このルートと臨時国会がかぶさってくるということをあなたはもうすでに想定しておられますか。このルートの捜査と臨時国会がかぶってくるというようなことは、あなたは政治日程の中で考えておられますか。
○稻葉国務大臣 その辺のことになりますと、捜査当局と連絡してない私よりは、連絡が私よりは密接にいっている安原刑事局長の方がやはりいいんじゃないでしょうか。
○安原説明員 お尋ねは、臨時国会が八月ですか、ある近いうちに開かれた場合においてロッキード事件の捜査と重なり合うことがあり得るかというお尋ねと思いますが、私どもは、少なくとも検察当局としては、このロッキード事件がいつ終わるかということについていまだ明確なめどをつけておるわけではございませんので、そのお尋ねにはお答えいたしかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、私ども検察当局といたしましては、いま御指摘のように、いわゆる丸紅ルートにつきましてはある程度の解明が進んでおるという自信を持っておりまするけれども、全日空の関係あるいは一番巨額の金が流れたと目される児玉ルートについては、いまだ解明のめどがついていないという状況でございまして、このようなものについてのおおよそのめどがつかないと捜査は終わったということにはならないと考えておりますので、そういう時期がいつかということはわかりませんので、基本的にはいまのお尋ねには答えるわけにはいきませんが、私どもは捜査の終了、おおよそのめどというのはいま申し上げたことを考えておる次第でございます。
○松浦(利)委員 そうすると、法務大臣、結局児玉ルートと全日空ルートは、いまの刑事局長の御答弁によると、いつということはわからないにしても非常に苦労しておられることは事実ですね。そうすると、臨時国会が並行して開かれて議員としての不逮捕特権というものが行使される事態を迎えるときには、この児玉ルートと全日空ルートというのは捜査が非常にしにくくなりますね。ますますしにくくなりますね。われわれは素人の考えでもそう思うのですが、法務大臣としてはそう思われるでしょう。支障がある、非常に支障が出てくると。
○稻葉国務大臣 まあ、児玉ルートの方も不眠不体で鋭意捜査をやっておりますから、そうして田中前総理の逮捕以来のそちらの捜査も終末に来そうですから、精力が児玉ルートなんかの捜査に非常に向いていくんじゃないかと、私、想像ですけれども、そういうふうに思いますね。ですから、捜査に支障があるといったって臨時国会をそんなにおくらすわけにもいきますまいという、これは法務大臣としてでなく、あの予算の重要性について認識を持つ国務大臣としてそう思うんですね。 それからもう一つは、こんなこと申してあれですが、万一の場合に、許諾請求して、この世論の中で議院が、衆議院でも参議院でも、拒否するというようなことにならぬでほしいもんだ。こうやって証人喚問までお待ちになっていただいている良識のある国会ですからねえ。その国会の御良識に期待しているわけです。ちょっとよけいなことを申しましたけれども。
○松浦(利)委員 いや、よけいなことじゃないですよ。それは当然あなたとして言うべきですよ、期待をしておるということはですね。 それで捜査当局にお尋ねをいたしますが、ピーナツ、ピーシズの関係は田中前総理の逮捕で一応の山を越しておるわけですが、その前のユニット領収証関係ですね。四十七年十月三十日、それから十一月六日ですか、三千万と九千万、一億二千万、この関係は捜査当局の方では進んでおるのですか、解明されつつあるわけですか。
○安原説明員 いわゆる御指摘のユニット領収証にかかわる一億二千万円相当のものの使途につきましても、目下究明中でございます。
○松浦(利)委員 官房長官が来られましたので、いまの刑事局長の答弁については後でまた質問を追加します。官房長官お忙しいようですから、私の質問に限定して協力してくれるということでありますから、いまお尋ねしておきます。 実は、七月の二十七日、先ほど法務大臣にお尋ねをしたのですが、田中前総理が逮捕された夜、官房長官、それから幹事長、そして法務大臣、通産大臣、そして櫻内義雄さん、五者会談があったのですが、どういうことをお話しになったのでございますか。
○井出国務大臣 さきに河本通産大臣がブラジルへ行かれまして、その行かれるときに送ってあげたといういきさつがございました。そこで、帰ってこられて、一遍報告をしよう、こういうことでそれが延び延びになっておりまして、ちょうどあの日にぶつかったわけでございまして、通産大臣の報告を伺い、かつは週休二日制の問題等もございまして、これも一つの話題でありました。私は大体その程度で御免をこうむってその場を辞去したということがいきさつであります。
○松浦(利)委員 そのときに法務大臣から捜査の見通しや何かのお話がありましたか。政治日程等の話もそれぞれの立場で御議論なさいましたか。
○井出国務大臣 あるいは法務大臣にそれはお尋ねになったかもしれませんが、大体、私、先ほど申し上げましたようなことでございまして、そういう会合でいまのような、おっしゃるような……(「そういう会合だから出る」と呼ぶ者あり)いやいや、そんなに他意あるものでもありませんし、さらっとひとつ御了承を願いたいです。
○松浦(利)委員 御了承するせぬの問題でなくて、結果が起こっておるわけですから、その結果についてこれ以上もう官房長官に質問はいたしませんが、感想を聞かしてください。先ほども法務大臣に話したのですが、今度の捜査が特定の派閥、特別の集団がある派閥をねらい打ちしてやっておる姿が二十七日の姿で如実に出てきた、こういうふうに国民全体がだんだん誤解をしつつあるわけですね、誤解というより本当かもしれぬけれども。そういうふうになった結果をいま呼び起こしておるわけですよ。先ほど大出委員からも質問がありましたが、大体三木総理は、この問題は一特定派閥の問題ではない、峻厳な立場で解明していくのだ、そういうことを常時言っておられた。にもかかわらず、田中前総理が逮捕されたその晩に、しかもその五者が寄り集まってそれで話し合いをするということがどれほど国民に誤解を与えるか。そのことについて、官房長官、あなたも御出席になっておったわけですから、そういう会合をすべきでなかったと私は思うのですが、その点について官房長官の御見解を承っておいて、どうぞ御退席ください。
○井出国務大臣 そういうことが誤解を与え、また、どうも野党の松浦さんまでがそういうふうに質問をなされますということは、これは結果から申し上げますと、まずかったというふうに私も心得ております。しかし、いまおっしゃるように、派閥次元でどうとか、そういうことは、従来の一生懸命やっておるロッキード解明の姿、こういうものをごらんいただけば、このことがあらぬ誤解といいますか、それは遺憾でありますけれども、基本的な態度がそんなことによってゆがめられるとかいうふうなものでは全くない。これはひとつ御信頼を願いたいと思います。
○松浦(利)委員 刑事局長、ユニットの関係の解明は、いつごろということは仮に言えないとすれば、もう大体解明の直前まで来ておるのか、それとも相当距離があるのか、そういう点についてはどういうふうに把握しておられますか。
○安原説明員 恐縮でございますが、いつは言えないがどの程度は言えるという問題ではございませんので、要するに究明に努めておるということで御了承願いたいと思います。
○松浦(利)委員 刑事局長、私が心配をしておるのは、臨時国会との絡みなんですよ。不逮捕特権というものが生まれてきたときに捜査がやりにくくなるでしょう。ですから、政治日程との絡みというものを考えて質問をしておるのですけれども、それでもなおそういう御答弁ならそれで結構ですけれども、質問の趣旨を理解した上でもう一遍聞かしてくれませんか。
○安原説明員 本来、検察は政治日程等に左右されることなく不偏不党、独立不覊の立場で捜査を進めるわけでありまするから、政治日程に左右されるものではないという立場で、したがって、いかなる困難がございましても法律の許される範囲において最善を尽くすつもりでおりますので、御心配いただくのはありがたいことではございますが、そういう意味において検察当局はいささかも緩むところはないということで御信頼をいただきたいと思いますし、仮に逮捕許諾請求というようなことがございましても、逮捕ができないわけではなくて、許諾を請求して立法府の御承認を得れば、逮捕ができるわけでもございますので、法律的には手段があるわけでございますので、政治日程に気を奪われることなく懸命の努力を続ける所存であると聞いております。
○松浦(利)委員 刑事局長、さらにお尋ねしますが一実は児玉譽士夫関係が、先ほどから言うように、本人が病気で生命の保証とかなんとかで捜査が非常にやりにくいと思うのですが、少なくとも一九七二年の十月以降十一月にかけて約十億の領収証が児玉譽士夫から切られておるのですね。特に十月三十日のトライスターの決定した翌日から六日の間に約六億円近くの資金が流されておるわけですよ。そうしてこの間に非常に起伏が大きい。全日空トライスター導入にかかわる動きが民間側も政界側も激しいですね。これに非常に国民は疑惑を持っておるのですよ。ところが、これは単純収賄であればもう全部時効ですね。このかかわる部分については、四十七年ですから全部時効ですよ。こういうものについても捜査は実際にされておるのか。それとも当面時効前の丸紅ルートのピーナツ、ピーシズだけを追っかけて、そしてこちらの方はこれから、そういうふうなことでやっておられるのか。それとも実質的にはこの関係についてはすでに手をつけてどんどん捜査を進めておるのか。この点が、ここに絡む部分が非常に私たちは疑問に思うのですよ。非常に多額ですからね。十七億二千四百三十四万円の領収証が切られておるのです。その中には当然コンサルタント料も入っておるでしょう。しかし、支払いは、児玉譽士夫の契約によると、大体一月一日と七月一日になっていますからね。ところが、それにかかわらない部分がたくさん出てきておる。しかもその間にトライスターが決定されてきておる。このいきさつについて解明が進みつつあるのかどうか、その点についてはお答えできますか。
○安原説明員 具体的な捜査の進展ぐあいというようなものについて申し上げるわけにはまいりませんが、基本的には、いま御指摘のようなことにつきましても解明を進めておるわけでございますが、たびたび申し上げておりますように、児玉譽士夫の病が重篤でございまして、厳しい取り調べに応ずる健康状態にないということが、もう一番大きな原因として捜査の進捗を円滑にしていないことは正直に申し上げて事実でございますが、なおあらゆる手段を講じてこの究明に努めたいというのが検察当局の決意でございます。 なお、時効にかかっている云々のお話でございますが、昨日も別の委員会で申し上げましたが、すでにその当該被疑事実とされることが時効にかかっていることが明瞭であるという場合には、御案内と思いますけれども、捜査権を発動すべきではないわけでございますが、時効にかかっているかどうかということは実態を究明しなければわからないことでございますので、まず現段階においては事実の究明ということに努めておるということでございます。
○松浦(利)委員 しかも、この年の十一月十三日に国会が解散されておるわけですから、その点は国民の疑惑を晴らす意味でも徹底的に究明をしていただきたい。これは希望ですが、申し上げておきたいと思います。 さらに、小佐野ルートの関係は、きょうまた新聞等の報道で正確ではありませんけれども、何か大変な病気で主治医がつきっきりというような状態が生まれてきておるというのですが、これも国会の偽証問題ということが当然出てくるというふうに私たちは思っておるのですけれども、この小佐野関係についても、そういう状態であっても少なくとも捜査はスムーズに進行しておるのですか、障害があるのですか。
○安原説明員 いつも国勢調査権は尊重すべきであるという心構えでおりまするけれども、具体的な人の名前をお名指しいただきまして、調べるかどうかということのお尋ねには、捜査中でもございますので、お答えしないことをお許し願いたいと思う次第でございますが、病気ということでございましても、人命の尊重ということを考えながら検察当局として適切な手段をとるということが一般的なたてまえでございます。
○松浦(利)委員 これも刑事局長にお尋ねをいたしますが、実はある週刊誌に北炭の社長萩原吉太郎さんが自分で書いて寄稿しているのです。その寄稿文章の中に、自民党の総裁選挙のときに東京地検の特捜部に呼ばれていろいろ総裁選挙のことを聞かれた、名誉棄損のことかと思っていたらそうじゃなかった、中曽根さんのことを聞かれた、その記録が特捜部にあるはずだ、こういうものを署名入りで寄稿しておられるわけです。総裁選挙後に萩原吉太郎さんを呼んで特捜部で事情聴取したという経緯があるのですか。
○安原説明員 そういう報告は受けておりません。
○松浦(利)委員 しかも、そのときに調書もとられたからその調書もあるはずだ、こういうふうに寄稿してあるのですが、調べてみていただけますか。
○安原説明員 報告を受けていないと申し上げました以上、どういうことかという事実の有無は私としては確かめたいと思いますけれども、結果は、その内容のいかんによりましては刑事訴訟法四十七条の関係で申し上げかねる場合もあるかもしれないということも留保させていただきたいと思います。
○松浦(利)委員 さらに、これは法務大臣がいいと思うのですが、国会でこれから証人喚問を再開することについてあなたはどう思われますか。もう再開していい時期だというふうに判断されますか。もうしていいのではないですか、法務大臣としては。
○稻葉国務大臣 国会でお決めになることですから、そういう点について、たびたび言っておりますが、こういう段階に来まして、いいだの悪いだのと言うと、また問題ですから、微妙なところに、きわどいことになってきていますから、ひとつそれは国会でお決めになってください。
○松浦(利)委員 いや、国会で決めることに対して、この前あなた方が意見を求められて理事会に意見を述べられたわけでしょう。だから協力しておるわけでしょう。だからそのことをいまお聞きしたのですが、お答えにならなければそれで結構です。 もう時間がありませんから最後になりますが、灰色高官の問題です。この灰色高官の問題については、いろいろ私たちの党も灰色高官の定義をしておりますが、各党全部それぞれあると思うのです。しかし、最終的にその決まった内容について、これは灰色高官である、灰色高官といってもシロかクロかしかないのでしょうけれども、俗に言う文学的表現で灰色高官というものを仕分けるのは、だれが仕分けるのですか。それはこれに決まった、この基準に該当するあるいは該当しないというのはだれが決めるのですか。
○稻葉国務大臣 それは、政治的道義的責任の追及の問題ですから、国会が国政調査権に基づいてお決めになることでしょう。
○松浦(利)委員 それでは稲葉委員に……。
○田中委員長 稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 大臣、きょう午後二時からいわゆる最高検その他の首脳会議が開かれる。法務省からも吉田刑事課長が出席しますね。これは、あした田中前総理の勾留が一応満期でしょう。その前の日に、きょう開かれるわけだから、非常に重要な会議だと思うのですが、一体何がどういうふうに話し合われることになるわけですか。
○稻葉国務大臣 安原刑事局長に答弁させます。
○安原説明員 会議といいましても捜査の一環でございますので、どういうことを会議するかということを具体的に申し上げるわけにはまいりませんが、すでに世間にも報道されておるように、本日午後二時から最高検察庁において会議が行われます主題は、一般的にロッキード事件に関する法律上、事実上の問題点が話し合われるはずでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、例のピーナツですか、あの時効が一応八月九日でしょう。そうすると、その時効には絶対かけない、これはあたりまえですけれども、それはいまの段階で断言できますか。
○安原説明員 検察当局としては、およそ一切の事件について、犯罪の嫌疑があるにかかわらず時効にかけるなどということはいたしません。
○稲葉(誠)委員 大臣、検察庁法十四条で、田中前総理の逮捕のときには、検事総長からあなたのところに逮捕の許可を求めてきたわけですね。これはそれでいいわけですが、そうすると、今度の起訴の場合においても当然検事総長から法務大臣に対していわゆる請訓というのが行われるわけです、請訓規程があるのだから。請訓が行われて、田中前総理を起訴するかどうかについて、あなたに対する許可を求めてくるわけです。そのときにあなたはどういう態度をとりますか。
○安原説明員 御案内と思いますけれども、処分請訓規程というのがございまして、それによると、公訴提起について大臣の指揮を仰ぐという意味での請訓をしろという規程が訓令としてございますが、その中にはいま御指摘のような事柄についてはないわけでございます。したがいまして、これはあくまでも検察当局の自主的な判断に基づいて、事柄の重要性にかんがみて大臣の指揮を仰ぐということでございますので、必ずくるとかこないとかいうことは、検察当局の判断に任せられる事柄と思っております。
○稲葉(誠)委員 それは余りこだわる必要ありませんけれども、逮捕のときにも許可を求めているんだから、あなた、起訴のときに当然あれがくるのがあたりまえで、これは伊藤栄樹君が「逐条解説検察庁法」というのを書いているわけだ。その中に、その点、出ていますから、これはあたりまえの話だと思いますが、起訴について検察当局から大臣のところへぼくは許可を求めてくると思いますよ。逮捕のときもそうだったんだから、これはあたりまえの話で、そのときあなたとしてはどういう態度をとりますか。
○稻葉国務大臣 いま安原刑事局長が言ったように、自分でやるか許可を求めてくるか、許可を求めてきたら、その時点で決して世の批判を受けるような対処はいたしません。
○稲葉(誠)委員 話、別になりますが、ことしの二月二十八日に私が予算委員会で、これは福田副総理に対して質問したわけですね。その中でこういうことを私は聞いたわけですよ。ロッキードの問題や金権政治の問題、それで一番大事なのは自民党の総裁選挙だ、結局そこに問題が非常にあったということを聞いたわけだ。福田さん、こういうふうに答えているのですね。議事録の中で二ページですね。私の質問は「総裁選挙が金によって動いているということは事実かどうか知りませんよ、いいですか、そういう印象を少なくとも国民に与えておるということにも原因があると見てよろしいでしょうか。」まあこれは金権政治のこと、ロッキードのこと聞いているわけだ。福田さん、こう答えているんだな。「それは私もそういうふうな感じをいたします。あの総裁選挙で、政界における金支配の風潮というものが一段と高進をした。断層というか、非常に区切りをつけてそういう傾向が前進したというふうな感じであります。」福田さん、こう言っているのですよ。これ議事録ありますからね。大臣はどういうふうに思われますか。
○稻葉国務大臣 それ、人それぞれによって見方は違うのだと思いますね。(稲葉(誠)委員「いや、あなたのことを言っているんだ」と呼ぶ)私は、このくらいのところがこんなになったとは思っていませんね。
○稲葉(誠)委員 いや、このくらいがこのくらいになったと言ったって、あなた、よくわからない。それはいわゆるどの程度になったの。四十七年七月五日か、総裁選挙によって金権政治というものが非常に高進したということは、これは認めるわけでしょう、その割合は別として。福田さんはこういうように認めているんだよ。はっきり言っているんだよ。
○稻葉国務大臣 福田さんは自分で総裁にもお立ちになったし、派閥の大将ですからそういうことに詳しいでしょうな。私は、派閥には属していますけれども、派閥を持っている人間じゃありませんから、どのくらい使われるんだか、そんなことは全然知りません。
○稲葉(誠)委員 あなた全然知らないかどうか別として、この自民党の総裁選挙で中曽根派というのは一体どういう態度をとったのですか。
○稻葉国務大臣 四十七年六月ですな、(稲葉(誠)委員「七月」と呼ぶ)七月か、これは田中総裁支持です。中曽根派は。
○稲葉(誠)委員 田中支持に回るまでの経過において、一たん福田派を支持しかけた、何かいろいろあったらしいですけれども、そしてそれが終局的に田中支持に回った、こういうことでしょう。それで田中総裁、総理大臣が出現をした、こういうわけだ。そのときに世上いろいろなことが言われているわけだ。そこで何か一部では非常に、福田さんのあれで見ると、「あの総裁選挙で、政界における金支配の風潮というものが一段と高進をした。」とこう言うのですから、そこで金はある程度というか何というか、流れたと私、断定しませんけれども、そういうふうな話があるのじゃないですか。よく言われておりますね。言われていることは知っているでしょう。何億円だか何か知らぬけれども、そういう話は知っているでしょう。
○稻葉国務大臣 余りよく知りませんけれども、私。
○稲葉(誠)委員 あなた方が田中支持に回った根拠というのはどういうことなんですか。
○稻葉国務大臣 衆議、万機公論に決しました。
○稲葉(誠)委員 いまになって——あなた方が田中総理を実現させたということ、そのことで田中さんの金権的体質というものが大分出てきて、ロッキード問題が出てきて、こういう結果になったわけですね。いまになってあなたの方では田中総理を実現させたということについてどういうふうに考えるんですか。どうもこれは、やはりいまになって考えるとちょっとまずかったのじゃないかとかなんとか、いろいろなことを考えるのですか。その当時はこういうふうな状態になるということは見抜けなかったのですか。
○稻葉国務大臣 全く盲のように不明の至りであります。そうしてわれわれの支持した総裁であった人、総理をやった人がこの事件で逮捕に至ったということにつきましては、責任の一半を負わなければいかぬ立場にあるなと深く反省をしております。
○稲葉(誠)委員 いろいろあるのですが、太刀川という人とあなたとの関係——あなたとの関係という言葉は悪いのだけれども、あなたとの関係というか、あなたのキャップとの関係というのかどういうのか知らぬけれども、それはどういうふうなことなんでしょうか。
○稻葉国務大臣 私、太刀川君に入学試験のときに会ったかどうか、もう記憶がないのですが、単なる中曽根さんの別な秘書からの紹介状だけで会ったのか、本人がその紹介状を持ってきて会った上で中央大学の事務局の方へ、こういうことだから、すれすれというところまで行っておって救う道があるなら入れてやってくれ、こういうことを言いました。その後、入ったのか落ちたのか、報告も受けないでずっときているのです。そういうことです。
○稲葉(誠)委員 そうすると、あなたとしては、たとえば中曽根派の人でもいろいろ疑惑になった——疑惑というか何というか、名前が出ている人がおりますね。そういう場合でも、それに対しては絶対遠慮をしないというか、断固としてやるということで承ってよろしいのでしょうか。
○稻葉国務大臣 憲法十四条に基づいて人種、信条、性別、社会的身分、門地によって差別はいたしません。
○稲葉(誠)委員 山を越すか越さないかという話がありますね。これはあなたとしては、捜査が山を越すというのは、具体的にどういう状態になったときに山を越すというふうに考えておられるのでしょうか。
○稻葉国務大臣 刑事責任があるかないか、この関係者のいろいろ捜査網の中に入った人物の起訴、不起訴が大体めどがついたというときを捜査の山を越したというふうに私、考えます。
○稲葉(誠)委員 それじゃ、刑事局長はどういうふうに考えているの。
○安原説明員 これは先ほど申し上げましたように、二十数億に余る金がロッキード社から日本国内に流れ込んだと言われておりますので、その金の入り、出に関連いたしまして不正行為が存在するかどうかを大体において究明しなければ捜査は終わったということにはならないというのが検察当局の考え方であるということでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、刑事局長、専門的に、おおよそのめどは一体いつごろになるのですか。捜査の山というのは相当おくれるのじゃないですか。それは、たとえば児玉の関係の十七億幾らという金がどういうように流れたかということを調べるわけでしょう。率直に言って、これはとてもむずかしい。ぼくの口からむずかしいと言うのはおかしなあれだけれども、なかなかむずかしいわね。ことにその中に犯罪になるものもあるし、ならないものもあるだろうし、むずかしい。いわゆるあなたの言う捜査の山というのは相当大幅におくれるのじゃないですか、大幅という言葉は悪いかもわからぬけれども。
○安原説明員 非常に困難な事柄を使命としておる検察といたしましては、そんなに早く終わるとかいうことを簡単に言えない状況にありますけれども、少なくとも捜査のことでございますから、いま遅くなるとか早くなるとかいうことを私の口から申し上げる立場にもありませんし、また、その資格もございません。
○稲葉(誠)委員 大臣、あなたの国務大臣としての質問になる、こう思うのですが、いま世間でいわゆる人心一新論というものが盛んに出ていますね。どこでどういうふうに出ているのかわからないが、毎日、新聞に出ています。これはどういう考え方なんでしょうか。それに対して大臣としてはどういうふうにお考えなんでしょうか。国民はその点について非常に関心を持っているわけですよ。その点はどうなんでしょうか。遠慮なく答えてくださいよ、国務大臣としてのお答えになるかもわからぬけれども。ひとつ何というか、遠慮なくというか少し——まあ答えてもらおうか。
○稻葉国務大臣 私、世間で言われている人心一新というのはよくわからないのですがね。まあ党内で人心一新と言っているのはこういう意味だというふうに新聞には伝えられておりますね。総理をかえる、党の執行部もかえる、そんなふうに言われておりますけれども、それで果たしていい政党に全部なるんだろうか、疑問に思うのです。それからまた、議会政治がそれで軌道に乗る第一歩になるんだろうかということについては非常に疑問を持つわけです。だれの味方をするとかしないとか、そういうことは一切なく考えてですよ。ですが、こんな状態で、これじゃいけない、変えなければいかぬ。どういうことを変えるのかというと、正義をして支配せしめよ、金力をして支配せしむるなかれ、こういうふうに価値観を改めなければ人心一新、本当の意味の正しい政治をやる人心の一新にならない。国民もまた、金さえあれば、物さえあればということを幸福の最大のものにしてはいかぬ。そういう点についても、国民も価値観を変えてもらわなければいかぬ。金などよりはもっととうといものがあるはずだ、私はそういうことに真剣に考えております。
○稲葉(誠)委員 いわゆるあなたの方で言われている人心一新論というもの、そのことはロッキードの捜査の進展に、どうなんだろう、影響を与えるのかな。立ち入って質問して悪いですけれども、どうも国民はそれを心配しているわけだ。国民は、いわゆる人心一新論というものがロッキードの捜査に影響を与えるんじゃないか、こういうふうに心配しているわけだ。そこら辺のところはどうでしょうか。
○稻葉国務大臣 検事総長の立場を政治家が言うことはいかぬのですけれども、検察はあなた、独立不羈、不偏不党で、どうなろうと、雑音に惑わされて捜査能力が低下するなどということは、口が裂けても申さないでしょう。また、言うべきものじゃないです。そういう検察庁の立場を政治家が言うべきじゃない。政治家として、やはりそれらの人がいい環境で、いい雰囲気の中で真実究明を徹底的にやれるような社会的雰囲気を醸成しなければならぬのですから、余り雑音が激しくならぬ方がいい。前にも言うておったのです。前にも、一生懸命に二階でやっているのに、下でおやじとおふくろが大げんかしているというのはやはり受験勉強のじゃまになるという表現で申したことがありますが、そういうふうにやりやすいようにしてやりたいと、ことに法務大臣は思います。
○稲葉(誠)委員 ちょっとこれ以上聞くのはどうかともぼくも思うのですが、現在の検察庁なり捜査陣営は一生懸命やっている。一生懸命やりやすい状況というのは、いまの執行部、あなた方の閣僚というか何というか、総理大臣なり法務大臣なり、あるいは執行部というか、そういうふうなものでいった方がこれはやりやすいというふうにあなたとしては考えるわけですか。(「それはあたりまえだ」と呼ぶ者あり)それはあたりまえだという声があったが、それはあたりまえだ——それも遠慮しないで答えてよ。あたりまえだという答えでいいんだよ。
○稻葉国務大臣 その点につきましては、私は、検察庁は私のとっている態度はやりやすいと思っているんじゃないかと、ひそかに自負をしておりますがね。
○稲葉(誠)委員 この前、大庭さんがここで証言したときに、これは松尾社長が亡くなっちゃったからあれですけれども、児玉と政府筋にやられたという言葉を述べまして、これは大出さんの質問で言いましたよね。これはぼくも覚えているので、それが一番のあれだったんですが、児玉と政府筋にやられたということで、その後このことについてどういう捜査をしているわけですか。 それから、政府筋というのは一体どこなんだろうね、これは。この辺が一番国民が知りたがっているところだ。まず、この点は一番国民が知りたがっているところだということはどうですか。細かいことは向こうに聞くけれども、児玉と政府筋にやられたということで、その政府筋というのは一体どこか、何かということは国民が一番知りたがっているところだ、こういうことについては、大臣どう思いますか。
○稻葉国務大臣 それは私がどう思うかということより、大事なのは捜査当局がどう思っているかということですね。(「いやいや、国民が知りたがっていることなんだから」と呼ぶ者あり)ええ、ですから、捜査当局はそれに関心を持って一生懸命にやっているのでしょうと私は思います。信じていますね。
○稲葉(誠)委員 刑事局長……。
○安原説明員 国民が関心を持っていることと捜査当局の捜査とは必然的には関連はないと思いますけれども、国民の信頼を受けるような検察を運営すべきだということは間違いのないところでございまして、そういう態度から、トライスターの導入の経緯につきましては、検察当局としてはその経緯に関心を持ち、その間において不正の存否ということを究明している最中でございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、この政府筋というのは、大体どこら辺だということについてはおおよその——見当をここで言うわけにはいかないけれども、見当を言えということをぼくは言わない、そんなことを言っても無理だから言わぬけれども、おおよそのこの捜査はできつつあるのですか。ただ、ちょっとこれは事件が古いから、時期古いから、直ちにそれが犯罪に成立するかどうかということはぼくも疑問だと思いますけれども、これは非常に大きな問題ですから、国会での証言もあったところですから、そこら辺のところはどうでしょうか。
○安原説明員 新聞紙上にはいろいろ報道がなされておりますが、どの程度かということはひとつ御容赦願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 きのうの参議院の質問の中で、「検察庁は、児玉に入ったロッキード資金の入りと出のプロセスで、児玉と政界との関係を必要に応じて調べている。」という答弁があったようですね。これはまだ速記をもらってないもので、新聞のあれで聞くのですが、吉田刑事課長は、児玉と政界との関係を必要に応じて調べているということですが、その児玉と政界との関係というのは具体的にどういうことなのでしょうか。
○安原説明員 私、吉田君そのものでもございませんので詳しいことは聞いておりませんけれども、彼はそういうことを申した覚えはないようでございまして、要するに、児玉に対する金の出入りの関係で必要とあればいかなることも調べるであろうということがそのような報道になったように本人は報告しておりました。
○稲葉(誠)委員 いまの点は、ぼくは反訳を見てないもので、確かに記事によって違うのです。その点が抜けているところと書いてあるところとありますからそれはちょっとあれですけれども……。ただ、児玉の十七億幾らの金の入ってくるのと出ていくののプロセス、その中で政界との関連でどういうふうになってくるかということは捜査の対象になっている、このことは——まあなっているというか、なり得るというか、なるであろうというか、そういうことは間違いないわけでしょう。
○安原説明員 なっている、なるということは申し上げられませんが、なり得るということは一般的に言えると思います。
○稲葉(誠)委員 大臣、いまの点が一番大事なところだから、児玉とその金のあれについて政界との関係、これでい覆ることがあろうと——いかなることがあろうとということはいろいろ意味があるけれども、うなずいているけれども、わかった——ああそう。いかなることがあろうとも、あなたとしては、この解明が中途で挫折したら国民の検察に対する信頼は失われますよ。だから、この点について全精力を傾ける、自分の方の派から出ても何でもそんなことは構わぬ、それだけの決意がありますか。
○稻葉国務大臣 大ありですね。
○稲葉(誠)委員 大ありですという意味がちょっとはっきりわからない。いつもあなたはよくしゃべる——しゃべると言うとぐあい悪いけれども、よく理路整然と説明するわけですよ。いまのところはぱっと結論だけ出てきちゃったんですけれども、もう少し順序立ててわかるように説明してくれませんか、大ありの理由を。
○稻葉国務大臣 自民党のどういう人が出ようと、どんな派閥に属する人が出ようと、四つの野党のうちのどこから出ようと、そんなことにこだわる私ではありません。
○稲葉(誠)委員 小佐野賢治氏の件で、これは二月十六日の証言とコーチャンの多国籍企業小委員会の証言とが食い違っていることはわかった。ぼくも、あの内容を検討しますと、率直に言ってそれが直ちに偽証だというのはちょっと距離があるように思うのです。ですが、今度コーチャン証言の新しいものが連邦地裁から来ますが、来たときに、この点については捜査はある程度というか、進展をするということは常識的に考えられるのではないでしょうか。
○安原説明員 すでに公表されておりますコーチャン証言の内容と二月十六日の小佐野賢治氏の証言との間に客観的に食い違いがあることはもう紛れもない事実でございますが、それについて今後どういう態度をとるかというようなことについては申し上げる立場にはございませんので、御了承願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 いや、私は二月十六日のあの国会の証言と公表されたコーチャン証言との間で、直ちに偽証だというのはちょっとまだ距離があるように思う、こう言っているのですよ。それは、ポイントは金の授受の関係についての否定とかなんとかがあれば、これは偽証の問題が起きてくる。いままで偽証でやったのはみんなそれだ。それがポイントだね。そうでしょう。
○安原説明員 少なくとも、検察当局が国会御当局の告発を持たずに偽証で捜査したものは金の授受に関連する偽証でございました。
○稲葉(誠)委員 だから、新しいコーチャン証言が出てくれば、そこでどういうふうに捜査が進展するか。これはコーチャン証言の内容を見なければわからぬから、ぼくとしてもここでちょっとこれ以上のことは言えないわけだ、ぼくは見ているわけではありませんしね。ですけれども、そこで進展をするのではないか、こういうふうに思いますがね。 それはそれとして、そこで小佐野賢治氏の所得金額、それから国際興業の申告所得金額、これについて国税庁から概略を説明願いたいと思います。ぼくは資料をもらっておりますけれども、ちょっと概略説明してくれませんか。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 国際興業株式会社の公示された申告所得金額につきましては、四十八年四月から四十九年三月期、一年決算でございますので……(稲葉(誠)委員「四十六年から言ってください」と呼ぶ)それでは四十六年から五年間について申し上げますと、四十六年の四月から四十六年の九月期は二億二千三百万円、端数をちょっと省略させていただきます。それから四十六年十月から四十七年三月期にかけましては二億六千八百万円、四十七年四月から四十八年三月期にかけましては五億三千三百万円、四十八年四月から四十九年三月期にかけましては二十六億、それから四十九年四月から五十年三月期にかけましては十億五千九百万円、五十年四月から五十一年三月期にかけましては四億六千百万円、こういうことでございます。 なお、小佐野賢治氏個人の公示されました申告所得金額でございますけれども、四十六年分につきましては二億九百万円でございます。四十七年分につきましては一億八千五百万円、四十八年分につきましては二億七千百万円、四十九年分につきましては五億四百万円、五十年分につきましては三億五千五百万円。 以上でございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、この所得は、小佐野氏のいわゆる世間で言われておる財産が、一兆円あるとか何兆円あるとか言われておりますけれども、これはぼくは確かめたわけではないけれども、そう言われておるわけですね。それと比べるとこれは非常に少ないという印象を与えるわけですね。 そこで、この小佐野氏関係のコンツェルンがいろいろあるわけですが、その税務を見直すということを国税庁としては考えておるかどうかということです。ということは、これはやはり国民が一番大きな疑惑を持っておる点ですが、ただ、率直に言うと、これはぼくもいろいろ聞いてみると相当長期にかかりますよ。相当複雑だし長くかかるし、それから外国へもあれしているからそう簡単にはいかない、こう思うのですが、長期にかかっても、このいろいろな税務を、直ちにそれを査察しろとかなんとかということを言っているわけではないですよ、まだそこまで行ってないわけですからね。その税務を見直すということを国税庁としては考えているのかどうか。どうも所得が少ないように思うのです。世間で言われているのから見ると。だから、その税務を見直すという考え方があるのかないのか、あるとすればどうするのか、こういうことについてお答え願いたいと思います。
○山橋説明員 お答えいたします。 先日も先生の御質問にお答え申し上げましたが、税務当局といたしましては、小佐野賢治氏及び国際興業等の申告につきましては、所得が非常に高額でもございますので、得られる限りの情報や資料に基づいて従来適正に処理をしてきているところでございます。また、最近におきましては国会での質疑や新聞報道等でいろいろと取り上げられているような事項がございますので、このうち税務に関係すると認められるものにつきましては、現在その内容を十分検討中でございまして、今後調査をするに当たりましてはこれらを十分活用していきたいというふうに考えているわけでございます。 また、先ほど資産に比べまして申告が非常に少ないではないかというふうなお話もございましたが、まあ、お話し申し上げましたように、従来から国際興業及び小佐野氏の所有資産と申告所得の関係についても十分検討していることは言うまでもないことでございまして、ただ、税務におきましては、その資産の取得資金というものが、課税の面から見まして適切に調達されているかどうかとか、あるいはその資産から生ずる所得について適正に課税されているかどうかという点につきまして検討、処理をするということでございまして、資産の現在の、たとえば時価が非常に多額であるということによって直ちにどうこうという判断を下し得るものではないというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、小佐野氏並びに国際興業の関係につきましては、強い関心をわれわれ持っておりまして、多岐にわたって検討しているところでございます。
○稲葉(誠)委員 最後ですが、これは刑事局長の方がいいかな。 ロッキード関係の、田中角榮氏がこういう状況であした満期でしょう、これで強制捜査はもう終わりなんですか、どうなんですか。これはぼくも関心を持っているけれども、国民が一番関心を持っているから聞くんだ。終わりではないでしょうね、こう聞きます。
○安原説明員 私自身、これから捜査がどう進行するかについての予想、見取り図を持っていないわけでございますので、わかりません。
○稲葉(誠)委員 これで終わりだというふうに断言できますか。これは断言できないでしょう。
○安原説明員 同じ言葉で、わかりません。 ただ、私、この際お願いしておきたいのは、私がわかりませんとか申し上げることができませんということを申し上げますと、大体新聞報道では積極論、立場を肯定したように報道されるのははなはだ遺憾でございまして、私は答えられないということを申し上げておることをひとつよろしくお願いいたします。
○田中委員長 松永光君。
○松永委員 三週間ぐらい前の週刊雑誌、比較的著名な週刊雑誌でございますが、その週刊雑誌に与野党十名ぐらいの代議士の名前を挙げて、その代議士たちが全日空から献金を受けておる、その献金は法に触れる疑いもある、こういった趣旨の記事を載せた雑誌が出ました。 〔委員長退席、谷垣委員長代理着席〕 その雑誌に関連して、与野党数名の代議士から名誉棄損であるということで告訴が検察庁に出されておるはずなんですが、その告訴が出されてもう三週間ぐらいたっております。この告訴に基づく捜査が現在どういう状況になっておるか、お聞かせ願いたい。
○安原説明員 久保三郎氏につきましては本年の七月二十二日、それから江藤隆美氏につきましては本年の七月三十日というように、御指摘のような事件につきましての告訴状が週刊文春等を相手に出ておることは事実でございます。このような事柄が事実に反するかどうかということが問題でございますが、これは、このロッキード事件の捜査が進行するに従って本件告訴事件についてもおのずから事実が判明するであろうというふうに私は思います。 いずれにいたしましても、このような告訴は、人の名誉にかかわり人権に関することでありますので、迅速に捜査、処理すべきものであると考えております。
○松永委員 私が承知しているこの告訴状の出た時期はもっと早いんじゃないかと、こう思うのですが、それはそれといたしまして、この雑誌の記事は、検察庁の捜査に関する国民の信頼にも関係のあるような記事になっておるわけです。 すなわち、この記事の中身を見ますと、どうしてそういう記事を出したかという事情についても記事になっておりまして、植木、青木、藤原ら、すなわち逮捕された全日空の三名の供述が一致しておるということが書いてあります。それから、押収してある献金メモにも記入されておって、それが三名の供述と一致しておる、こういうことを書いた上での献金を受けた者ということの氏名の発表になっておるわけですね。 私どもは、逮捕、勾留されて取り調べを受けた被疑者の供述が検察庁から外部に漏れることは断じてあり得ないというふうに確信いたしております。また、検察庁が押収した証拠物件が、公判廷等で提出される前に、しかも捜査が終了しない前に外部に出るということは絶対にあり得ないと確信しておるわけなんでありますが、この記事からすれば、いま申したようなわけで、三名の供述が一致しておる、その一致した三名の供述と押収してある全日空の献金メモとが一致しておる、こういう書き方で書いてありますから、見ようによっては検察庁の捜査そのものについて国民が不信感を持つような記事すら載っておるわけでありますから、これはひとつ特に注意した捜査、そして速やかな捜査をお願いしたいわけであります。 そしてまた、これは与野党数名の告訴でありますが、元来政治家にとっては、事実に反する、事実無根の事柄を記事にしてそして名誉を棄損されるということは、選挙も近いことでございますし、政治家の死命に関する問題です。先ほど刑事局長は、ロッキード事件の真相が判明すればおのずから云々ということでございましたけれども、そうじゃなくして、重大な事柄としてとらえて、速やかにひとつ真相を解明して、そして事実無根であって政治家の名誉が不当に棄損されたということであるならば、これは速やかに、不当に名誉が棄損されたものであって事実と違うということを明らかにすることを私は特に希望したいわけなんでありますが、刑事局長の御所見をもう一回承りたい。
○安原説明員 御指摘のように、捜査途中において供述書の内容が外部に漏らされるとか、あるいは証拠物の内容が漏らされるということは絶対あり得ないことでございますので、そのようなことを引用してかような記事が書かれたことについては、検察当局としては警察を含めてはなはだ迷惑に考えておる次第でございまして、そういう事実はないとかたく信じており、信じていただきたいと思うのでございます。 なお、御指摘のように、政治家の名誉にかかわる問題でございますので、事の真否につきましては迅速な処理を図るよう御要望のあったことを検察当局に伝えさせていただきたいと思います。
○松永委員 ロッキード事件の中のいわゆる児玉ルートの解明の問題についてでございますが、この点について昨日の参議院のロッキード委員会で吉田刑事課長が、児玉ルートに関しては、児玉については、脱税、外為法違反等で一部起訴したが、本人の病状から捜査上困難な問題もあり、順調に進展しているとは言いがたいが、悪条件を克服し、児玉ルートのロッキード資金の入りと出について、鋭意究明を続ける、こういった趣旨の答弁をしておられるようでありますが、吉田課長がそういう答弁をしたことは間違いないのかどうか。それから、刑事局長の捜査当局から受けた報告もそのようになっておるのか、その点を確かめてみたいです。
○安原説明員 昨日の参議院ロッキード問題特別委員会におきます久保亘議員の質問に対しまして、吉田刑事課長がいかに答えたかということにつきましては、同人の報告によりますと、いま御指摘のように、児玉については、本人の病状等捜査上の困難があり、必ずしも順調に捜査が進捗しているとは言いかたいが、児玉関係のロッキード社の資金の出と入りについては、最善を尽くして今後も捜査を行う、しかし、何を捜査するかは答えられない旨答弁をしたという報告を受けております。
○松永委員 さらに、その捜査の過程で、不法な行為があればいかなる者といえども厳正な処置をする、こういった趣旨の答弁があったかどうか。
○安原説明員 その趣旨の答弁をしたという報告を受けております。
○松永委員 この答弁の趣旨でございますが、吉田課長が答弁したその真意、それからこれは刑事局長自身の考え方も聞きたいのですが、そういう捜査の過程で、不法行為があれば厳正な処置をするということは捜査の基本原則、大原則でありまして、そういった捜査の基本原則、大原則を述べたのであるというふうに理解してよろしいかどうか。
○安原説明員 おっしゃるとおりでございます。
○松永委員 先ほど稲葉議員からも質問がございましたが、その吉田課長の答弁の中で、「児玉と政界との関係を必要に応じて調べている。」こういう趣旨の答弁があったような新聞の記事もあります。そのことについて先ほど刑事局長は、吉田課長の報告としてはそうした答弁はした覚えはないというふうな報告だということでございます。私もそうだろうと思うのです。何となれば、そういう答弁をしたとすれば、捜査の内容について具体的な答弁をしたということになりますので、その点もう一回確かめておきたいです。
○安原説明員 御指摘のとおりでございまして、捜査の過程において不正の存在が疑われるときは、いかなる者といえども調べるという趣旨を申し上げたわけで、それはしたがって政界というようなものも可能性としてはあるという程度のことにしかすぎないので、事実を申し上げたわけではございません。
○松永委員 そうすると、きのうの吉田課長の答弁の趣旨は、児玉ルートの捜査が難航しているということ、それから難航しておるけれども悪条件を克服しながら鋭意究明を続けるということ、それから一般論としてであるが、不法行為があれば何人といえども厳正な処置をする、こういう趣旨の答弁だったということになると思います。 ところが、そのことに関する新聞の記事を見ますと、大変大きな字で、与党の幹事長の周辺に捜査が及んでおる、または及ぶかもしれないととられかねない大きな見出しがついておる。この見出しといま局長が答えられた答弁の中身との間には食い違いがある。少なくとも答弁の中身からはいま申したようにとられるような見出しが出てくるはずはない。この見出しは答弁の真意を伝えてない、答弁の真意をねじ曲げておる、こういうふうに私には思われるのですが、局長の所感を承りたい。
○安原説明員 ねじ曲げるとか、そういう主観的な意図は存じませんが、客観的に見て真意を伝えていないような印象を受けます。
○松永委員 私は、刑事事件の捜査、なかんずく強制捜査というものは、大変厳粛な重々しいものだというふうに理解をいたしております。検察官を中心にして、法律で与えられた権限に基づいて強制力を行使して被疑者を逮捕、勾留する、自由を奪って取り調べをする、あるいは強制力を行使して家宅捜索をして証拠を収集する。そういった一連の作業が強制捜査でありますが、逮捕、勾留して取り調べをする側も実は人間なんですね。証拠を収集してきて、その証拠を調べて、事実についての認定をする、判断をするというのも人間、逮捕、勾留されて自由を奪われる人も人間なんですね。人間の判断や人間の認定には時にあっては誤りなしとしないわけです。そういうこともあるので、この捜査というものは大変むずかしい仕事であると同時に、厳粛な重々しい仕事であると私は考えております。検察官はこのような厳粛な気持ちでロッキード事件の捜査をしているというふに私は確信しております。少しも、一片も、そういう点については不信の念を持っていないのでありますが、そういうふうに検察官、検察当局が厳粛な気持ちで真剣に捜査をしておるのでありますけれども、しかし一部には、こうしたむずかしい、重々しい事件の捜査というものを茶化したり、おもしろおかしく書いたりするような雑誌などが見られるということは、私は決して好ましいことではないと思うのです。この点について、局長、どうお考えですか。
○稻葉国務大臣 私、この間ちょっと古い木を読んでおりましたら、百人の有罪者を逸するよりも一人の無罪者を罰することは断獄者の慎まなければならぬところである、そういう厳粛な気持ちで捜査当局は対処しておることは御信頼いただきたいと思います。したがって、私などもそういう厳粛な態度でこれに処して、薄氷を踏むがごとく答弁などもやっているつもりでありますが、(笑声)ときどき——皆さんお笑いになりましたが、私は非常に寂蓼というか悲哀というか、索漠たる気持ちであります。したがって、そういう点についての報道などにつきましても、世道人心を、この不幸な事件を契機として、金力支配の政治を正していくという国民の道義心、そういうものをこういう機会にこそ言論の機関は大いに鼓舞し、激励し、誘導し、先導していただきたい、こういうふうに思うのでございまして、私の申さないことまでも、行き過ぎて書かれたりすることははなはだ心外なんです。 以上申し上げます。
○松永委員 まあ刑事事件の捜査というのは、私も申し上げたが、大臣も同じような御意見のようでありますけれども、本来厳粛なものでなければならぬ。重々しいものでなければならぬ。したがって、私どもは言論機関の活動について、それに制約を加えたりするような気持ちは全くありませんけれども、刑事事件の捜査というものがそういうふうに厳粛な、重々しいものであるということを前提とした報道が望ましいというふうに私は考えるのです。 しかしながら、一方においては、関係者の発言というものが、いま言ったような、おもしろおかしく論評してみたり、あるいは勝手な推測で報道がなされたりするということになりかねないわけですね。これは、大臣に申し上げるのは申し上げにくいのですけれども、また真実であるかどうかわかりませんので申し上げにくいのですが、大臣が四国で、香川県下だと思うのでございますけれども、ロッキード事件に関連したお話の中で、ロッキード事件はまだ捜査が山を越したわけじゃない、山を越したわけじゃないのでありますから、今後も被逮捕者などが民間側にも出るようなことはあり得る、出るかもしれない。これはまあ一般論として理解できます。その次のことなんです。「これがまたしたたかなんだ。」という言葉が出てきますね。これは、おっしゃったのかどうかは知りませんよ。もしおっしゃったとするならば、そういう修飾字句、「したたかなんだ。」というような、そういった言葉がありますというと、今度は言論機関の方では、これは大変な大物だとか、横綱級の大物だとかというような推測が加わって、そしておもしろおかしく報道されるということになるのじゃなかろうか。私は、そのことは決して好ましいこととは思わないのです。しかも、時と場合によっては、そういった表現の結果、実際どうなるか知りませんけれども、もしいわゆる大物なるものについて強制捜査が及ぶかもしれないような場合には、その大物に及ぶかもしれぬという予報を与えるみたいなことになりまして、結果的には捜査にとっても好ましくないのじゃなかろうかというふうに私は考えるのです。 そういうこともありますので、先ほど、今後発言は十分注意するとおっしゃいましたが、これがまたしたたか者なんだとか、いやあるいは横綱級とか、そういった修飾の言葉等がおもしろおかしい報道を誘発するようなおそれなしとしないと私は思いますので、そういう点についてよくよく留意された発言をなさることを希望するわけであります。
○稻葉国務大臣 まことに、新聞の記事を見ればそういうふうに思われるでしょう。そして、よく発言を注意するようにという松永さんの御忠告はありがたい。負うた子に教えられて浅瀬を渡る、こういうことを申し上げては失礼ですけれども、私は御承知のように頭も悪いし、しゃべり方が雑で下手ですし、演説は自民党の中で一番下手なんです。それで、真意がよく理解されない場合があります。これも舌足らずでございまして、まことに御心配をかけました。 私の言ったのは、捜査は山場を越したというふうに思っておられるかもしらぬけれども、そういうものでもないでしょう。皆さんもそう思いませんか。そして、これから民間といわず、政界といわず、官界といわず、出てくるかもしれませんよ。これがしたたかなんでしてね、こういう調子でございまして、民間のみを指して大物だとか、したたかだとか——こんな事件に関連して金を授受するというやつはみんなしたたかじゃないですか。そういう意味のことなんです。そういう意味のことなんですが、まあ大衆演説ですし、それから後援者の人のあれですから、この人はこういうりっぱな人ですという前提で、こっちはしたたかではない、そういうことも心にあって、せっかく応援に行くのですから、聴衆がみんなそれじゃ今度はこの人をやってやろうというようにするのが任務ですからね。 そういうわけで、誤解を生じましたことはまことに申しわけありませんが、私の真意はそういうところにございました。
○松永委員 終わります。
○谷垣委員長代理 午後一時三十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○田中委員長 では、会議を開きます。 ロッキード問題について調査を進めます。 質疑の通告があります。順次これを許します。まず、正森成二君。
○正森委員 私は、まず稻葉法務大臣に伺いたいと思います。 稻葉法務大臣は、二十九日の衆議院ロッキード問題調査特別委員会で、五億円の金を受け取ったという外為法違反で調べており、この金の趣旨が明らかになれば当然、贈収賄容疑の有無も明らかになると、こういうぐあいに答弁になり、安原刑事局長も、その容疑の取り調べをしているが、何の趣旨で金の支払いがあったか当然調べ、それを掌握するためにも、田中により、その金がどのように使われたかも調べると、こういうぐあいに言っておられますが、そのとおり間違いありませんか。
○稻葉国務大臣 私の点はそのとおりでございますし、それから、安原局長は見えておりませんけれども、まあ、かわって申しましょう。そのとおりです。
○正森委員 五億円の犯罪の成否について調べるためには、どういう趣旨で渡したかということも大事でありますが、同時に、それがどのように使われたかというように見ることも、きわめて重要であることは申すまでもありません。 ところで、報道機関によりますと、国税庁では、これらの金が越山会などの田中派の政治団体の収入として計上されていない、あるいは田中個人の収入として申告所得もされていないというように報道されておりますが、それは間違いありませんか。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 新聞報道につきましては、私たちは関知しておりません。
○正森委員 私が聞いておるのは、新聞報道に関知しておるかどうかじゃなしに、そういう事実があるかどうかということであります。ですから、たとえば政治団体に献金されておるということを調べたことがあるなら、ある、調べたけれども、そういう事実はないなら、ないという答弁をすべきであって、新聞報道に関知していないなんて、そんなふまじめな答弁があるか。
○田中委員長 山橋次長、丁寧に答えて。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 五億円の問題につきましては、先生御承知のとおり、田中角榮の資産問題に関する国税の課税関係の見直し調査を、いわゆる金脈問題に関連いたしまして、いろいろとやったわけでございます。すでに、その結果につきましては国会で御報告をしたとおりでございますけれども、国税当局といたしましては、田中角榮、その親族、秘書等及びいわゆる関連法人につきまして、所得の発生と資産の形成の関連に配意して綿密な調査を行ったと考えておるわけでございます。しかしながら、今回問題になりました五億円につきましては、残念ながら、その調査の過程においては把握されておりません。まあ国税当局としては現在その把握できなかった理由というものを判断できる材料がないわけでございますけれども、検察当局の調査によりまして五億円の金の流れが明らかになりますれば、その段階で判明することになると考えているわけでございまして、その金の流れにつきまして現在われわれとしては、どういうふうな形になっておるかということは存じていないわけでございます。
○正森委員 それでは私が重大な疑惑について一つ申し上げたいと思います。 御承知のように、ピーナツが領収証では八月九日、受領日は十日ということで一億円。ピーシズが十月十二日、一億五千万円。四十九年の一月二十一日にピーシズが一億二千五百万円、二月二十八日に一億二千五百万円。こういうようになっておりますが、われわれが調べたところでは、田中ファミリーの幽霊企業として、従業員が一人もおらず電話もない、こういうようになっております室町産業や軽井沢商事に、ほぼそのころ、これに見合う同額の金額が増資されておる事実があります。たとえば室町産業について言いますと、領収証の期日の二月二十八日、これはその後、三月一日に受領されたというようになっておりますが、その二月二十八日に、恐らく一月二十一日の分も合わせて二億五千万円、これが増資されているわけであります。それから、さらに軽井沢商事というのを昭和四十八年の十二月に新たに設立をしておりますが、十二月に一億二千五百万円、そして三月に七千五百万円、合計二億円が増資されております。私どもが、その増資関係の個々の株主について調査いたしましたところ、いずれも五百万円から一千万単位、軽井沢商事の場合には二百五十万という人もありますけれども、それらは大部分、田中角榮氏の、たとえば榎本さんであるとか有名な秘書グループ及び田中角榮氏のお姉さんであるとか、その子供さんであるとかいう、いわゆる田中ファミリーということで、それ以外にも、われわれが電話をかけて確かめたところでは、私は全く出資をしておらないという返事が返ってきている分があります。そうだとすると、われわれが、かつて二年前に田中ファミリー問題のところで指摘いたしましたように、この架空の会社というのが、裏金を表金に変え、そしてそれ以後、貸付金、貸出金その他で、いろんな名目に使うトンネル会社であるという指摘は非常に疑惑の色が濃くなってくるわけであります。そこで私は、この室町産業や軽井沢商事の増資関係について明白にお調べになったかどうか。及び、これに密接した時期における貸付金等の支出について詳細にお調べになっておるか。それをまず最初に国税庁当局に、そして法務省当局に伺いたいと思います。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたように、田中角榮の資産問題に関する国税関係の見直し調査につきましては、本人、その親族、秘書及びいわゆる関連法人、室町産業等も含めますが、その関連法人につきましては、所得の発生と資産の形成に関連をいたしまして詳細な綿密な調査を行っているわけでありまして、室町産業、東京ニューハウス、軽井沢商事等の増資関係につきましても、その資金の出所等につきまして綿密な調査を行っておるわけでございます。
○正森委員 資金の出所について綿密な調査を行っているということでしたが、その結果、何ら疑いがないということでありますか。私どもはとうていそのようには思われません。常識的に考えても、きわめて短い時間に室町産業にも五百万円出資をしておられる方がある。あるいは、その後、四月に東京ニューハウスが増資しておりますが、それにも出資しておる、軽井沢商事にも出資しておるということで、名前の重複している人が半分以上あります。そういう人、しかも秘書であるとか、あるいは親族であるとかいうような人が、それを全部、自分たちのお金から出しておるというようには必ずしもわれわれは考えられないわけです。しかも、その日付というのが、このロッキードのお金を五億円受け取られたそういう時期に、まさに符合して、特に室町産業に至っては、これは当然、国税当局は御承知のとおりでありましょうが、設立のときには越山会の事実上の会計責任者と言われる佐藤昭さんの自宅に設立された会社であります。そして東京ニューハウスというのは、これは田中角榮氏の自宅に最初は本店が置かれたという関係になっております。 そこで、われわれは、昭和四十九年のあの金脈問題が起こりましたときには一応の説明で納得されたかもわからないけれども、それから以後、二年たって、時の総理大臣であった田中角榮が五億円という莫大な不正なお金を入手しておる、こういう事実が明らかになり、しかも、その入手した、まさにその日に増資を行い、あるいは、それと同じ時期に増資を行い、あるいは新しく会社を設立しておる。その金額がほぼ合致しておるという場合には改めて見直すべきではありませんか。しかも、われわれの調査では、そんな金は出しておらないという人がおるのです。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げましたように、田中角榮の所得調査につきましては、さきの資産問題が発生いたしました際に綿密な調査を行って、すでに国会で御報告したとおりでございます。しかしながら、今回、伝えられるような事実につきましては、新しい一つの事実でございますので、目下、検察当局において取り調べ中のことでもございますので、その推移を見守りつつ税務上の処置を判断をいたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○正森委員 私は国税庁当局には反省の態度が全くないと思うのですね。何か非常にいばったように当時綿密な調査をしましたと言っておるけれども、綿密な調査をしておって五億円も裏金が入っておるということがわからなかったじゃないか。だから、それは綿密ではあったかもしれないけれども正しくない調査だったという疑いが非常にあります。そういう場合に何でも検察庁に責任を押しつけて、検察庁の捜査が進めば、あたかも、その後について調査をするような、そういう態度は、国税庁として非常に納得がいかないものじゃないですか。一般の国民なら、五億円はおろか何百万円あるいは何十万円でも合致しないという点があれば、翌日にでも税務署が飛んでくる。ところが、かつて一国の総理大臣であった者については、少なくとも五億円という金が確実に入ったということは、わが国の検察庁当局が確かめておるのに、そして当時の二年前の綿密な調査の中では、それらを発見できなかったという新たな事実があるのに、それをもう一遍、調査しようという気になるのはあたりまえではありませんか、そして私どもの党は、たとえば室町産業であるとか軽井沢商事であるとか、従業員が一人もおらず電話もないというような企業については、これは裏金を増資というかっこうをかりて表金に変え、そして自分の所得を隠蔽し、あるいは政治資金の出所を隠蔽する道具である、こういうことを指摘してまいりました。いまにして思えば、われわれは、その指摘が非常に疑惑を持ち、正しい面があるというように考えざるを得ないと思います。もし国税庁当局が法務省の後について調べていくというような態度をとるならば、国民は、納税について国税庁がいろいろ言っておることについて全幅の信頼を置かず、一般の庶民は厳しく徴税されるけれども一国の総理大臣をしておった者には手心を加えられるというように考えても仕方がないでしょう。 そこで、法務省当局に伺いたいと思います。このような田中ファミリーの増資との関係についてお調べになる意思があるかどうか、まず伺いたいと思います。
○安原説明員 当面、先ほど御指摘の五億円の流れの関係における捜査の問題かと思いまするが、五億円につきましては、すでに八月の二日に檜山広を、ロッキード社のためにする支払いとして田中前総理に支払ったということで公判請求をしておるわけでありまするから、検察庁としては公訴を提起するだけの資料があるという確信のもとに公訴を提起したわけでありまして、五億円が田中前総理に行ったということについては検察庁当局としては、それを確信をしておるわけでございますが、なお五億円がどういう趣旨で支払われ受領されたかということは、これから究明をする必要のある問題でございますので、その五億円の趣旨を明確にする過程において、必要とあれば、その流れということも当然に調べるべき筋のものと思います。
○正森委員 いま安原刑事局長から答弁がありましたが、私は当然、五億円の田中角榮個人からの流れというものを追及しなければ、五億円の趣旨あるいは五億円の、いろいろの働きかけの資金としての性格というものは明らかにならないと思います。私が指摘しておりますのは、室町産業なり軽井沢商事に、このまさに同じ時期に増資をされた額が、田中角榮が受領した五億円にほぼ合致しておるという事実を指摘するわけですが、これは決して、その会社のために使われたということを言っているのではありません。この会社は架空の会社であり、裏金を表金にして、さらに、そこから貸付金、貸出金というかっこうで、ある場合には政治資金に使い、ある場合には部下の選挙資金に与える、こういう操作が行われたのではないかという問題点を提起しているわけであります。いまの安原刑事局長の答弁は、私のこういう疑問も含めて金の流れについて捜査がされるというふうに受け取りたいと思いますが、いかがですか。
○安原説明員 いわゆる田中金脈そのものが常に犯罪であるというわけにはまいりませんので、先ほど来申し上げておりますように、今回の五億円の受領ということの金の性質を明らかにするという必要があれば、その金の流れということは当然、究明さるべきであるという意味におきまして、捜査の必要があるということであれば、そういうことも当然に調べなければならないであろうということを申し上げたわけであります。
○正森委員 私はもう一つ指摘しておきたいと思います。 数日前に自殺ということで亡くなられた笠原氏がおられます。この笠原氏は、ここ二、三年以来、家を新築されて、おかわりになりましたが、そのときの町の自治会での届け出では室町産業の事務員となっております。そして同様この人物は丸紅からロ社の金を受け取るについて自動車を運転したという疑いも持たれております。そうしますと、この人物はお金を受領をし、かつ室町産業への増資等の関連についても捜査された疑いがあり、あるいは捜査されていなくても、自分自身の良心の苛責から、いろいろこういう点について悩んで自殺をした、こう考えられる筋合いも大きいわけであります。ですから、そういう点についても法務大臣としてはお心にとめられて、徹底的に金の流れを明らかにするという御決意があるかどうか、念のために伺いたいと思います。
○稻葉国務大臣 捜査当局がやることでございますね。捜査当局があれだけの陣容、能力それから誠意を持って今日までずっとやってきて、ここに至ったわけですから、抜かりのあろうはずがない、それを信じて政治的介入は一切しないという私の決意を申し上げます。
○正森委員 法務省に伺いたいと思いますが、田中角榮が現在のところ外為法違反で逮捕されていることは御承知のとおりであります。同時に、われわれが承知しておるところでは収賄についても取り調べが行われ、収賄の疑いが濃いと聞いております。 そこで、一般的、理論的な問題として伺うわけですが、収賄で、もらった金が選挙に関し使われておるというようなことであれば、これは外為法違反と収賄罪と、それから当時の規定の政治資金規正法の二十二条の、選挙に関し外国や外国の法人から金を受け取ってはならない、寄付を受けてはならないということは両立し得る犯罪ですか。それとも収賄であるということになれば、これを選挙のために使っても政治資金規正法は成立しないのですか。一般的、理論的な問題としてお答え願いたいと思います。
○安原説明員 理論的な問題といたしましては、外国為替管理法の規制に反して非居住者からの支払いとして受領するということと、その受領した金員が職務に関する違法な対価であるというならば、そのことは同時に賄賂を収受したという収賄の罪と、しかも、その金が職務に関する違法な対価であれ、その使い道が贈賄者、収賄者において選挙に関する寄付としての賄賂として受け取ったということが理論的にあり得ると思いますが、そういうことになれば一個の行為にして三個の罪名に触れるということに理論的に相なると思います。
○正森委員 そこで、私どもがいろいろ調査をいたしましたが、このお金は選挙に関して使われておるという疑いも非常に濃いわけであります。たとえば四回にわたってお金が受領されておりますが、そのうちの一つ、昭和四十八年の十月十二日、これはまさに一億五千万円が受領された日であります。この日に田中角榮は一体だれと会っておるか。当時の記録及びわれわれの調査によりますと、午後は橋本幹事長と参議院対策で密談をしております。その後、砂防会館内の田中事務所で後藤田官房副長官とウイスキーを飲みながら重要な雑談を行っております。つまり、まさに一億五千万円を受け取った日に選挙対策で橋本幹事長と会い、そして後藤田正晴氏と重要な雑談を行っておるということになるわけであります。 後藤田正晴氏について言いますならば、同じく十月二十四日の午後五時二十分ごろ田中角榮氏と田中事務所で会談をしており、このときにはプライベートなことで訪ねた、別の新聞の報道によると選挙のことで相談をした、訪ねたということが言われております。そして後藤田正晴氏が十一月二十五日に退官をいたしましたが、退官後の十二月二十七日にも田中角榮氏を訪ねまして何事か話をしております。後藤田正晴氏が昭和四十九年七月七日に行われました、あの参議院選挙で徳島地方区から立候補して、それまで自民党の参議院議員であった久次米健太郎氏にかわって公認をかち取り、当時、非常にやかましい問題になりました買収選挙と言われるものをやったということは非常に有名な話であります。 そこで、ここに三睦同志会と読むのでしょうか、三木総理大臣の地元における後援会が「昭和四十九年参議院選挙をふりかえって」ということで出しておられる出版物があります。これは三木総理大臣の後援会関係の書物であります。この中には、私はうそは書いておらないと思います。わが党の調査団が現地へ参りまして、この点について伺いましたら、その関係者は、ここに書いてあることは全部本当である、こういうことを言っておられます。それを見ますと、後藤田正晴氏が政界入りを決意して県内で動きを見せたのは昭和四十七年六月ごろである。そして、年の瀬も押し迫った十二月三十一日に徳島で記者会見をして「衆議院選挙は準備不足で見送りました。つぎの参議院選には必ず出ます。私は絶対に公認になりますよ。」こういうことを言い、そして昭和四十八年の十月一日、第二次公認で後藤田正晴氏の正式の党公認が決定されております。十月一日に決定された、まさに二週間もたたない十月十二日に、しかもロッキードの金が渡ったその日に、首相官邸ではなしに、砂防会館の田中事務所で田中角榮氏とウイスキーを飲みながら何事か話をしておられる。そして、それから以後後藤田氏が非常にたくさんのお金をお使いになったというのは事実であります。この三木総理大臣の地元の後援会の書物の記載するところによれば、後藤田正晴連絡所の大きな立て看板を立てられましたが、それは立て看板の製作費が一本一万円であり、看板の置き賃が一万円から二万円払った。それを五千本立てた。これだけでも一億円をはるかに突破しておるわけであります。こういうような金が一体どこから出てきたかということについて疑問を持つのは当然のことであると言わなければなりません。これ以外に、選挙の押し迫ったときに当時の三木国務大臣が徳島に乗り込んで演説をされた内容も、ここには事細かに書いてあります。時間がありませんから、その点は省略するとして、こういうような点があるとすれば、重大な疑惑があるということでPXLの十月九日前後の問題についても検察当局は当然、重大な関心をお持ちのはずである。そして、このお金が選挙に関し渡されたものであるということであれば、政治資金規正法違反の問題も当然起こってくるというように思いますが、いかがでしょう。
○安原説明員 政治資金規正法ではなくて、当時は、選挙に関し外国人から寄付を受けることは公職選挙法の違反であったと思いますが、いずれにいたしましても、使うときに選挙に使っただけでは違反にならないのでございまして、寄付を受けるときに選挙に関して寄付を受けなければならないということになるわけでございます。もし御指摘の事実が事実としてそうであれば、そういう違反になるということは間違いないところでございます。
○正森委員 そこで、私は防衛庁長官に伺いたいと思います。 防衛庁長官は、田中角榮が逮捕されて以後も、PXLについては疑惑はない、こういうように仰せられたようであります。きのう私は参議院のロッキード特別委員会に傍聴に参りまして、この御発言の趣旨を傍聴しておりましたが、念のために、ごく簡単に、その御趣旨をお述べいただきたいと思います。
○坂田国務大臣 PXLにつきましては疑惑は感じられないと私が申しましたのは、次期対潜機問題の経緯について、当の防衛庁のこれまでの調査結果から、防衛庁につきましては疑惑がないと判断し申したものであり、今日においても、いささかも変わっておりません。
○正森委員 防衛庁に関しては疑惑がないということは、防衛庁長官以下の職員について疑惑がない、こういう意味であろうかと存じます。しかし、私はここに六法全書を持ってきておりますけれども、非常に残念なことながら、自衛隊法の第一七条によりますと「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」こういうぐあいになっております。また防衛出動を命令し得るのは内閣総理大臣だけであります。また国防についての最高のいろいろの施策を決める国防会議の議長もまた内閣総理大臣であります。そうだといたしますと、防衛庁について疑惑がないというように言うだけで、それで国民の疑惑が解けるでありましょうか。防衛庁長官をも指揮監督し、防衛出動についても防衛庁長官だけでは命令できない、内閣総理大臣がその出動を命令しなければならないというときに、いわば三軍の最高司令官である、そういう人についてもし疑惑があるということになれば、これは防衛庁はPXLについて職員については疑惑がないと、そう言っておるだけで国民の疑惑は解消できないという性質のものじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○坂田国務大臣 私の申し上げましたのは、そういう意味でございまして、田中前総理がいま逮捕されておられるわけで、これは、いま検察当局が調べておるわけでございます。しかし、いままで私どもが調べました限りにおいては、ないということを申し上げておるわけでございます。
○正森委員 法務省に伺いたいと思いますが、収賄について、もし起訴することがあるとすれば、非常に重大な関係を持ちますのは職務権限であります。職務権限については、トライスターについて閣議で決定した方針に基づいて指揮監督権を有する、あるいは輸銀法について内閣が法案を提案したというようなことで職務権限があり、恐らくトライスターであろうというような論調が、このごろ多いようでありますが、同時に、四十七年の十月九日にPXLの問題について、いままでの議論を白紙に還元をして専門家会議をつくることにする、専門家会議は約十カ月たった四十八年の八月十日に発足するということで、翌々日の十一日には輸入に重点を置いて考えると外人記者団に言うておられるというような点から考え、また内閣総理大臣が国防会議の規定におきまして、いろいろ権限を持っておられるということになりますと、PXLについては当然、職務権限があると言わなければなりません。 私は法務省に伺いたいのですが、いやしくも、お金を渡すときに、ロッキードにしろ丸紅にしろ、これはトライスターだけのお礼ですよ、これはトライスターだけについて将来よろしくやってくれということで、PXLは絶対にやってもらわぬでもいいんですよ、万一やってやろうというおぼしめしがあるならば、おっしゃっていただけばPXL用ということで、また別に持ってまいりますよというようなことを言うことは、まずないと思うのですね。ロッキードの飛行機の販売について、購入について、いろいろお世話になりました、これからもよろしくというのが普通であって、これはトライスターだけであってPXLは絶対に関係しないんだ、総理大臣これはやってもらっては困りますよ、万が一やってもらうときには、これじゃ足りないでしょうから別に持っていきますから、それまでは絶対にやらないようにというようなことはないと思うのですね。ですから、収賄で起訴する以上は、それはトライスターについて、もちろん職務に関し収賄したのでありましょうが、同時にPXLについて収賄をしたという疑いを払拭することができない。当然そのことを考えて捜査をしておられると思いますが、いかがでしょう。
○安原説明員 具体的な事件の捜査の内容に関することでございますので、ただいま正森委員から取り調べの方法について貴重な御意見を伺ったことで、とどめさせていただきたいと思います。
○正森委員 取り調べについて貴重な御意見と言われるところを見ると、私の意見は採用される可能性があるというように判断をして、それでは、きょう、あすじゅうが微妙なところでありましょうから、これ以上、質問するということは控えさせていただきたい、こう考えております。 そこで、私は坂田防衛庁長官に重ねてお伺いいたしたいのですけれども、防衛庁もいろいろ調査の結果を出しておられますが、十月の二日に、たしか大蔵省から、いままで防衛庁が国産だと思い、その折衝をしておったT2もしくはFST2改ですか、それについて外貨事情もあり、輸入という方で考えたらどうかというような内示があって、これは大変だということで十月七日、幹事会などを行い、そして対地支援戦闘機等については国産でもよろしいが、PXLについては、これはもう少し考えなければいけないというようなこともあり、十月九日に当時の防衛庁長官が、わざわざ田中首相を早朝、訪ねて、そして対地支援戦闘機についてはよろしくというようなことになった経緯であるというように伺っておりますが、それはそのとおりですか。
○坂田国務大臣 大体そのとおりでございます。
○正森委員 そうだといたしますと、十月二日に大蔵省から内示があるまでは、FST2改あるいはT2については、ほぼ国産でいけるだろう、まだ確定していたわけじゃないですけれども、そういうように防衛庁としては思っておったというように考えてよろしいですね。
○坂田国務大臣 ちょっと、もう少し御質問を。
○正森委員 PXLは、これは輸入だ、こういうあれでしたけれども、十月二日ぐらいまでは対地支援戦闘機FST2改については国産でいけるだろうと思っておったのが、大蔵から内示があって、これも輸入にすべきじゃないかというようなことがあって、それから非常に精力的に防衛庁が国産を折衝されるわけですね。ですから十月二日までは、ほぼ国産で対地支援戦闘機についてはいけるであろう、最終的に決まったわけじゃなかったけれども、そういうぐあいに受け取っておられた、これは事実ですね。
○坂田国務大臣 われわれは何としましても支援戦闘機の問題は国産にしてもらいたいというふうに思っておったわけでございます。ところが、二日に内示がございまして輸入もひとつ考えてみてくれということが出たので、これは大変ということで、いろいろ折衝したということでございます。
○正森委員 軍事学の用語に陽動作戦というのがありますが、陽動作戦というのはどういうことですか。
○伊藤説明員 作戦上の問題でございますけれども、相手のねらいどころを外しておいて、それに対して所期の目的を達するというようなことだろうと思います。
○正森委員 結局、本当はAを攻撃しようというときに、Bをまず攻撃して敵の注意をそこへ引きつけて、Aを突破する作戦を有効ならしめる、これが陽動作戦ですね。そういう点からいいますと、坂田防衛庁長官、まさに大蔵省や、あるいは一部の官庁が行った、それまでT2とかFST2改は国産であると思っておったのに輸入にしたらどうかということを十月二日に言うてきた、これはえらいことだと思って防衛庁があわてふためき、あるいは、あわてふためかなかったかもしれませんけれども、それで十月九日に、これは国産になった、やれやれとこう思ったときに、真のねらいであるPXLについて、これは輸入で専門家会議で将来検討するぞ、こうなれば、ひっかかったのです。Bの点について撃退できたからAはまずまず大丈夫。しかもAについても完全に軍門に下ったわけではない。まだ、これから専門家会議で検討の余地がある。こういうことになるわけですね。だから軍事専門家の防衛庁を、大蔵や、その背後にいた人物が陽動作戦にかけた。対地支援戦闘機の問題が突如、出されてきたのは、軍事学的に言えば、そういうことになる可能性があるのです。いいですか、これは決して笑い事じゃない。そういう知恵を一体だれがつけたのか。そういうことをわれわれば問題にしなければならないと思うのです。 そこで、私は自治省に伺いたいと思います。後藤田正晴氏に対して四十七年下期から四十八年上期について政治献金をした会社等について伺いたいと思いますが、私が調べたところでは、両方の約一年間にわたって千二百万円が献金をされておる。それは四十七年下期では望月印刷、ここから五十万、日東タイヤから百万、秋北バスから二百万、十和田電鉄から三百万、それから関西電力から百万、四十八年上期は日本電建から四百万、東洋電気通信工業から五十万、以上千二百万というようになっておると思いますが、いかがですか。
○前田説明員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問の政治団体でございますが、政治団体の名前をちょっと、おっしゃっていただきたいと思います。
○正森委員 小佐野氏の政治団体は東山政治研究会。
○前田説明員 それは後藤田さんの政治献金でございますね。 自治省に提出されております東山政治研究会からの収支報告書によりますと、同会に対しまして、ただいまおっしゃったとおりの額が寄付されております。そのように報告されております。
○正森委員 いま私が指摘いたしました千二百万円のうち、小佐野氏関係でないのは関西電力からの百万円と望月印刷からの五十万円で、ほかの一千万円余りは全部、小佐野賢治氏の関連企業であります。ですから小佐野賢治氏が非常に強い影響力を後藤田正晴氏に対して持っておられたということは事実であります。そして私は昭和四十八年十二月の「文藝春秋」に記載されたもの及び昭和四十九年七月の「現代」に記載された記事を持ってまいりましたが、後藤田正晴氏は官房副長官に在職中から週末には頻々と徳島へ帰っておられましたが、そのときに「どういうわけか、帰る前日、小佐野邸を訪問して挨拶するのである。日ごろコワイ顔をしている後藤田も、このときばかりは年下の小佐野に対して、直立不動の姿勢をとる。」こういうぐあいに書いてあるわけであります。つまり、このことは小佐野賢治氏が後藤田正晴氏を政治資金において九割くらいまる抱えにし、そして徳島へ帰るときに政治資金を出してくれる人のところへ毎回毎回、行っては、あいさつをして帰るということになっておったということであります。 私は、政治家が政治献金を受け、政治献金を出してくれる方にあいさつに行くということは決してあり得ないことではない。しかし、この人物が、十月九日のPXL白紙還元について田中角榮、後藤田正晴氏、相沢英之氏、この三人が集まって非常に重要な会議をされ、そのメモに基づいて会議が方向づけられたというような事実とオーバーラップさせて考えてみるときに、そして小佐野賢治氏が、あのコーチャン氏等のチャーチ委員会での証言によって、戦略戦術について非常に重要な意見を言うてくれた、政府の各レベルについて、いろいろ誤解があったときに、これを解くために非常によくやってくれたというようなことを重ね合わせて見ますならば、私がいま名前を挙げた人物については非常に疑惑があるというように言わなければならない。これは法務大臣がときどき、うなずいて聞いておられました。首をかしげられたこともありましたけれども、だれが考えても、そういう疑惑があるというように感じるわけです。そうだとすると、疑惑があり、しかも渡された金は選挙のために使われたという可能性が非常に強いというように思うのですが、これらの疑惑について当然のこととして、これらを含めて、これだけとは言いませんが、捜査をなさるべきである。国民はそれを望んでおる、こう思いますが、いかがですか。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、ロッキード社の製造機の売り込みに関する問題としてのPXLの問題あるいはトライスターの導入の問題の経緯は、検察当局として当然その真相を究明する立場にあると思いますし、コーチャン証言につきましても当然のことながら重大な関心を持っておるわけでございますが、それ以上、捜査の内容に介入することは差し控えたいと思いますが、ただいまの御意見は御意見として承らせていただきました。
○正森委員 坂田防衛庁長官に伺いたいと思いますが、もちろん現在、疑惑を究明中でありますから、私も断定はいたしません。しかし、少なくとも起訴状の外為法によると、非居住者であるロ社のための支払いとして居住者である田中角榮が受領した、つまり外国のお金であるという点については故意があったということは、検察当局がすでに認定しておるところであります。だから、外国の金であるということは知っておった。そこで、私は二月六日にチャーチ委員会で行われた証言記録を最近もう一度、読み返してみました。そうしますと、チャーチ委員長が、わが国に例をとったわけではありませんけれども、西ドイツに例をとりまして、西ドイツのあるトップクラスの高官がロッキード等からお金を受け取るということは、どういうことになるのかということでチャーチ委員長が意見を述べ、コーチャン氏に反省を求めておられるくだりがあります。そこでこう言っているのです。「NATO同盟国空軍のトップクラスの将軍が収賄し、それによって弱みをにぎられ、恐喝される危険な立場に身をおくことになるということを、あなたは一度でも考えたことがありますか。」続いて「上層部にいる人間が利用され、ゆすられ、あるいは脅迫されうるということも。」こう言っているのです。検察の調べは間もなく全部が明らかになるでありましょうが、いままで明らかになっておるだけでも、わが国の自衛隊の最高指揮権を有し、国防会議の議長であった人物が航空機の売り込みに関して外為法違反を行い、収賄を行った疑いがきわめて濃い。この人物のこのような行為は外国の大きな企業が知っており、わが国の児玉譽士夫という右翼戦犯が知っておる。チャーチ委員長の言葉をかりるならば、自衛隊の最高指揮権を持っておった田中角榮は右翼からゆすられ、脅迫され、外国からゆすられ、脅迫される弱みを持っておったということにほかなりません。これはわが国の国防の上から、きわめて重大なことであると言わなければならないのです。それでは一国の本当の独立というものはあり得ません。防衛庁長官は、かつての自衛隊の最高指揮官が、こういう立場にわが国を置いておったという事実について、どういうように思われますか。また疑惑が少しでもある場合は、P3Cの導入について絶対に行うべきではないというように思います。それについてどう思われますか、御答弁を願いたいと思います。
○坂田国務大臣 一国の最高指揮官でございます田中前総理大臣が逮捕されたということは、まことに残念至極なことであるというふうに思います。このP3Cをどうするかという問題は、私はたびたび本委員会においても申し述べておりますように、やはり国民の疑惑が残らないように、国民の納得のいく形で決めなければならないというふうに思っております。それでなければ、どんなにすぐれた対潜機を備えましても、その防衛の力は力になり得ないのだというふうに私は考えるからでございます。
○正森委員 法務大臣は、チャーチ委員長が言っておられますように、ゆすられ、脅迫される立場に身を置くということを考えたことがあるかという追及ですね、この指摘に対して、一国の法の厳正さを確保する法務大臣としては、どうお考えになっておられますか。
○稻葉国務大臣 事きわめて重大であり、かつ、ざんきにたえないと思いますな。
○正森委員 それでは、私は時間がございませんので、次の点に移りたいと思います。 法務省当局に伺いたいと思いますが、昭和五十一年五月十日に公判請求をした児玉譽士夫に対する公訴事実によりますと、児玉譽士夫は法定の除外事由がないのに昭和四十八年五月中旬ごろから同年六月中旬ごろまでの間に自宅においてクラッターからロッキードのためにする支払いとして現金合計四億四千万円を受領したというようになっておりますが、この公訴事実については、十分な証拠に基づいて公訴を提起されたと思いますが、いかがですか。
○安原説明員 当然のことでございます。
○正森委員 ところが、新聞あるいは週刊誌の報道によりますと、この四億四千万円というのは、実は額面総額百六十六万六千六百六十七ドルのドル建て小切手で、前年の四十七年の十月三十一日にスイスのクレジット銀行が振り出したものである。直後の十一月二日にロッキード社のトム・パロー副社長が日本に持ち込み、そして同月初めに児玉譽士夫を訪れて、この小切手は小佐野さんに渡してほしいということを言ったものであった。ところが、それが翌年の一月三日に盗難にかかったものとして盗難届が出されておる、こういうぐあいになっておるわけであります。そこで盗難にかかったとされるので、いま起訴が提起されました日時に同じドル建ての金額を送ったけれども、一ドルの値段が変わっておったために四億四千万円ということになったとされているわけであります。 そこで、私どもが非常に疑惑に感じますのは、このときに立ち会ったとされる福田太郎氏も、そういうことを言っておる。そして、このお金は実は本当は政府高官に渡される予定だったのだけれども、小切手の場合には後で裏が残るから、小切手で受け取るのはまずいということになって、現金でなくては受け取らないということになったので、何びとかが、このお金を立てかえたのではないか。そして、その立てかえたものを埋めるために同額の金が送られてきたのではないかという疑惑があり、そして、そうだとすると最初の紛失したとされる小切手について、小佐野賢治氏に渡してくれ、こういうことをクラッター氏が言ったということが事実であるとすれば、これはきわめて重大な問題であるというように思わざるを得ないわけであります。そこで、このような疑惑について報道されておりますから、疑惑のあるところ、お調べがあると思いますが、お調べをなさるおつもりがあるかどうか、あるいは、お調べをなさっておられるかどうか、伺いたいと思います。
○安原説明員 公にされたことといたしまして、四億四千万円相当の金が、いわゆる盗難に遭った小切手の見返りとして送られてきたものだということは認められるわけでございますが、その趣旨等につきましては、捜査の内容に関することでございますので申し上げるわけにはまいりません。
○正森委員 捜査の内容ですから、なかなか言いにくいとは思いますけれども、しかし小佐野賢治氏の疑惑につきましては、他の同僚議員からも言われておりますし、また後藤田氏に関係して私もいま指摘したところであります。すべてこれらの問題について疑惑が明らかにされることを望んでおきたいと思います。 最後に法務大臣に伺いますが、法務大臣は、七月の十二日であろうかと思いますが、四国へ行かれました。そこで愛媛県の大西町中央公民館で、私は鎌倉に家があるが、東京では家を借りている。前に竹下君が住んでいたところだが、彼も大きな家をつくって移っていかなければ、いろいろ言われることもなかったろうに、こういうぐあいに演説されたということを承知しておりますが、これはどういうような趣旨でありますか。
○稻葉国務大臣 私の生活態度に関する所信の一端として、わが国の歴史を見て、一番よく治まった、民に不平不満がなかったという時代は、歴史家がたくさん言うておりますが北条時代だ。北条時頼は大江広元について政治の勉強をした。どうやって国民を治めようかと研究夜中に及んで、疲れたから先生、一杯飲むかと言って出してきたさかなが生みそだったとか、そう書いてありますな。そういう為政者の態度こそ今日のこういう金権政治の世の中において見習うべきものだ。鎌倉なんだから生みそでなくてもイワシや小サバぐらいあったろうに、こういう演説をしたのですね。それで私は、ああいう家を借りておりますが、竹下君に気の毒だけれども、あそこにいればいいものを、でかい家を建てて移るから、いろいろ言われるのじゃないかねということを言いましたな。私の今日の政治家としての心がけとして、やっぱり国民生活水準より余りかけ離れた私生活は慎んだ方がいいのではないかと思っているものですから、そういうことを申しました。
○正森委員 時間がございませんので申し上げておきますが、北条時頼などを引用なさるのは、これはなかなか学のあるところを示されるので結構だと思うのですが、わざわざ竹下君も新しい家を建てて移らなければいろいろ言われることもなかろうにというのは、やっぱり新しい家をお建てになって移られるのについて何らかの疑惑があったように、われわれは、げすの勘ぐりか知りませんが感じるのですね。しかも、総理は二階建てとおっしゃいましたが——総理じゃない、まだいまのところは法務大臣でありますが、二階建てとおっしゃいましたが、登記簿謄本をとってみると鉄筋コンクリートづくりの三階建てなんですね。そうして評価額が二千三百三十万六千六百円でございますが、現場でいろいろ聞いてみますと、評価額というものの三倍ぐらいが時価である、約七千万円である、こう言うのです。そして竹下登氏の申告所得を見ますと、四十八年が約一千二万、四十九年が一千五万、五十年が一千三十七万、こういうぐあいになっておりまして、可処分の金額は、これは全部の申告ですから、税金も払わなければならない、飯も食わなければならないということで、恐らく半分から三分の一であろう。そうなりますと、とても足りないのですね。そこに、わが党の橋本敦議員の、竹下登氏は四十七年から五十年の初めまでに九千二百七十四万円、政治献金を田中派からもらっておる、それを流用したのではないかというような疑惑が起こってくることになるのじゃないかというように思うのですね。そこで、私は大臣の御発言を聞いて、さすが大臣と思って、こういう点を調べて、調べた結果ますます大臣のあの愛媛での発言というのは根拠があったなというように一面では思ったわけですが、大臣もそう思われますか。
○稻葉国務大臣 まことに同僚議員であり、内閣の閣僚の同僚である竹下君に、こんなに迷惑がかかることとは思いませんでしたな。まことに気の毒です。今度会ったら謝っておかなければならぬと思っております。私、言うたのは、ちょうど私がいま借りている家が、官房長官時代、竹下さんがおったところだというので、非常に親しみとなつかしみを感じているのですな。彼はここの家にいたのか、ここの家にいればなというだけのことなんで、大変に迷惑をかけて、竹下君に相済まないと思っております。
○正森委員 なつかしさの余り、つい家を変わらなければ疑われることもなかろうにという同情の言葉で言った、こう言われるのでしょうか。まあ、そういうことにしておきましょう。 時間が来ましたから、これで終わります。
○田中委員長 御苦労さまでした。 坂井弘一君。
○坂井委員 児玉譽士夫とロッキード社間で結ばれました第三次改定合意契約、つまり四十八年七月六日の契約でありますが、この第四項のAには、いわゆる新しいL一〇二つまりトライスターを全日空から大韓航空にリースする場合においても日本円十億を支払う、こういう契約内容になっております。なぜ、こういう契約に至ったのかという経緯をさかのぼってみますと、当初、日本航空のボーイング727三機を大韓航空にリースパーチェスをして売り払ってしまう。この際このボーイング727三機の売却に対して働きかけ、介在をしたのは小佐野氏ではないかということを前回、私は指摘をいたしました。その際、木村運輸大臣は、この問題については調査をいたしましょうということを約束されたのでありますが、調査されたと思いますので、この際、報告をいただきたいと思います。
○木村国務大臣 詳細は事務当局の方から申し上げます。
○松本説明員 御報告申し上げます。 昭和四十七年当時、日本航空といたしましてはボーイング727−100型の売却をしようということを考えておったわけで、これは事業計画と申しますか、運営路線に張りつける機材からは実は外してあったわけでございますが、これをどこに売ろうかということで、いろいろと、あちらこちら物色しておったときに、小佐野氏から大韓航空を紹介された。たまたま大韓航空というところと話し合いをしていくうちに御案内のリースパーチェスという形で商談がまとまって、御案内のような結果になったというふうに承知をしております。
○坂井委員 小佐野氏の紹介による、もう一度、念を押しておきます。間違いありませんね。
○松本説明員 727の売り場所はどこかいいところがないか探しているときに、たまたま小佐野氏から大韓航空が727を欲しておるようだが、どうだという話があった、この程度のことに承知をしております。 〔委員長退席、谷垣委員長代理着席〕
○坂井委員 日本航空から大韓航空に対しますリースパーチェス契約、つまり購入切りかえ選択権つき契約が結ばれたのが四十七年五月二十日であります。それから約一ヵ月半後、つまり七月に入りまして小佐野氏が大韓航空の株を取得する。九・九%と言われておりますが、実際は九・九九%、これが正確であろうと私は思います。 そこで、この株取得の経緯につきまして、これは昨日の参議院でございますか質問に対しまして大蔵大臣が、いわゆる株式を取得する際の外貨使用許可の問題につきましては、企業秘密に属するので、政府もこれに対して口外する自由はない、こういう趣旨の答弁をされております。私、伺いますが、この株式取得につきましては外為法三十二条、三十五条、この許可を必要とすると思います。そこで、大韓航空の場合は、これは韓国における上場会社ではありますけれども自由に取得できる株式ではない。つまり日銀に対しまして個別申請をして大蔵大臣の決裁を受ける必要があるということだろうと思います。 そこで、まず一点伺いますが、この株式取得の申請及びこれに対する許可、これはいたしましたか。
○藤岡説明員 対外投資につきましては、いまもそうでございますが、当時も原則的に自由化されておりまして、自由化されておりますということは、所定の様式に申請を書き込みまして日本銀行へ持っていけば原則的に許可されるということでございます。大蔵大臣に一々許可を取るということではないわけでございます。
○坂井委員 この株式の購入価格、株価及び株数、これはここで御答弁いただけないでしょうか。
○藤岡説明員 本件につきましては当事者である小佐野氏自身が、この国会証言で九・九%持っておるということを言っておられます。したがいまして、大韓航空の証券の公表されましたデータに基づきまして、全体の株数に九・九%掛けますと当然、数字が出てくるわけでございますが、それ以上の細かいことを当方から申し上げますことは、先日、大臣も申し上げましたように、企業の秘密に属するということになりますので、御容赦いただきたいと思います。
○坂井委員 私の方から申し上げましょう。九・九九%、この株価総額百三十四万五千ドル。いかがでしょう。
○藤岡説明員 初めに小佐野氏が九・九%の株を取得いたしまして以来、大韓航空は何回か増資をしていると思うのでございます。その増資に全部応募しているか、あるいは全部ではないけれども一部応募しているかということはございますが、増資の際に応募してまいりますと、金額的には当初の投資額よりもふえるということになるのじゃなかろうかと思います。
○坂井委員 私は金額を申し上げたのです。合っているか合ってないか、それだけお答えください。
○藤岡説明員 先ほど申し上げましたような経路で計算いたしますと、大体その程度になろうかと思います。
○坂井委員 百三十四万五千ドル、これが正確だ、こう理解しておきます。 日本航空から、ほかに、つまりボーイング727三機以外に、同じくボーイング727を小佐野氏の働きかけによってリースをした、売り払った、そういうことはございませんか。
○松本説明員 大韓航空に対して、いま御指摘のようなことがあったというふうには承知いたしておりません。
○坂井委員 日本航空は、ボーイング727三機を大韓航空に小佐野氏の仲介といいますか、によっていたしました。それ以外に、同じくボーイング727を他に売却したというような事実はありませんか。
○松本説明員 昭和四十七年度以降、日本航空が727を処分いたしましたケースについて申し上げますと、伊藤忠商事あるいは三井物産あるいは日商岩井、こういうふうなところにまず売却をいたしまして、その売却されました先からまた別の会社へそれが売却されていった、その機数は六機、こういうふうに承知をいたしております。
○坂井委員 たとえば、その中で四十九年の春ごろ、これは三井物産、西ドイツ一機、伊藤忠はイギリスのエアラインに一機リースをして売却をした。ところが、この二機につきましては、最初小佐野賢治氏が日本航空に働きかけた、大韓航空に売らないかという話が小佐野氏から持ちかけられた。一機二百万ドル、値段が安い、断った。その後いま言ったような西ドイツ、イギリス、これにこれが売却された、こういう経緯がございますが、運輸省は把握されていますか。
○松本説明員 ただいま御指摘の前段の四十九年の春ごろ、伊藤忠商事から、これはダンエアと申しますのは、イギリスの会社であると承知しております。それから五十年の三月でございますが、三井物産から、これはエア・パナマ、これに727がそれぞれ一機ずつ売却されていったということは承知をいたしておりますが、それ以外のいま御指摘のございました詳細な点については、私ども何ら報告も受けておりませんので、承知をいたしておりません。
○坂井委員 事業計画変更認可申請及び譲渡認可申請、つまり航空法百九条、それから日航法第十二条、手続はとられましたか。
○松本説明員 先生御指摘の手続は、先ほど来申し上げておりますような伊藤忠でありますとかあるいは日商岩井でありますとか、そういうところへ売却をするところまででございまして、それから先の段階については、私どもの管轄外と申しますか、承知をしないところでございます。
○坂井委員 最初、小佐野氏からの働きかけがあったという点を指摘いたしましたが、その点についての御答弁がありません。
○松本説明員 先ほども申し上げたつもりでございましたが、そういうふうな具体的な点については、私ども一切承知をいたしておりません。
○坂井委員 捜査当局に伺いますけれども、このロッキード社と児玉譽士夫の第三次改定合意書の、先ほど示しましたいわゆる全日空からトライスターを大韓航空にリースした場合において日本円十億払う。この契約の前後、特に経緯を追っていく中で、小佐野氏の途中における大韓航空の株九・九九%の取得、そういう事実、そういう一連の流れの中から、当然この問題についてはきわめて強い関心を寄せて捜査の対象にしていると思いますけれども、いかがでしょうか。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、児玉譽士夫の収入を、特にロッキード社の関係における収入というものの全貌を究明するのが捜査当局の一つの目標でございますから、現実には報告は受けておりませんけれども、そういうことに関係があるかないかという意味において、関係があるものとすればそういうことも捜査の対象になったものと思います。
○坂井委員 運輸省に質問を戻しますが、日本航空のボーイング727三機を大韓航空にリースパーチェスをして売り払う、その際に日本航空と大韓航空との間で部品、エンジン等のリース及び整備の受託契約、そういうこともなされていますね。
○松本説明員 最終的に売却をいたしました時点については、予備エンジン等がついておった形であったと私、記憶しておりますが、いま御質問のございました整備の受託契約については、ちょっ私いま明細を承知いたしておりません。
○坂井委員 さらに伺いますが、日本航空機製造株式会社、日航製から大韓航空にリースされた事実はありますか。
○松本説明員 ただいま御質問の点については、私ども承知をいたしておりません。
○坂井委員 これは運輸省の資料、日本航空機製造株式会社から大韓航空に対しましてYS11を三機リース、これは第一項目。第二項目、大韓航空のDC9エンジン整備受託、それから大韓航空にDC9エンジンをリース。運輸省航空局の資料なんです。御存じありませんか。
○松本説明員 大変申しわけございませんが、いま先生お読み上げの資料をちょっと私、記憶にございませんので、申しわけございません。
○坂井委員 私の方からもっと正確に申し上げましよう。 日本航空機製造株式会社と大韓航空との間においてYS11をリースをした。四十年の六月にYS11−200A二機、それからYS11−100四機、それからYS11−300一機、合計七機、これはリースパーチェス契約、この際小佐野氏が介在。 ところが、この七機のうち、四十九年に実はリースパーチェスをしておったのですけれども、一機を残しまして六機売却をした。この譲渡の一機当たり平均価格が三十万ドル、日航製から大韓航空に対してYS11七機リースパーチェス、そのうち一機を残して六機を売却、一機平均三十万ドル。そうしますと百八十万ドル、値段が非常に安い。売却を受けました大韓航空はその直後フィリピン・エアラインにこれを転売した。その一機平均価格が四十二万ドル、したがって一機平均十二万ドル、六機でありますから七十二万ドルという利益を大韓航空が上げた。逆に言いますならば、日本航空機製造株式会社はそれだけ安く売った。この問題に関して当初は小佐野氏の働きかけがあった、介在をした、こういう事実を指摘いたします。運輸省御存じありませんか。
○松本説明員 日本航空機製造株式会社は、御案内のように、航空機のメーカーでございますので、したがって運輸省の所管に属する企業でございません。また、この会社がYS11を売却または売却できない場合にリースパーチェスの形あるいはリースの形で相当数外国航空企業に売りさばいたということは、常識として承知はいたしておりますけれども、個々の案件については、前段申し上げたようなしさいでございまして、私どもは承知しておりません。
○坂井委員 大蔵省に伺います。 この売却に当たりましては、航空機工業振興法の第二十九条に基づきまして通産大臣と大蔵大臣は協議しなければならないことになるはずであります。当時、通産大臣は中曽根康弘氏、大蔵大臣は福田赳夫氏であります。航空機工業振興法第二十九条の手続は踏まれましたか。
○藤岡説明員 ただいまおっしゃいました航空機の規則に関しましては、国際金融局の所管ではございませんので、私からはちょっとわかりかねます。
○坂井委員 調査をいたしますか。報告を願いたい。
○藤岡説明員 主管がどこかということも私はちょっと存じておりません。
○坂井委員 通産省でしょう。——通産大臣と大蔵大臣の協議になるわけですけれども、主管は通産だろうと思いますが、通産省お見えでありませんので、大蔵省の方から通産省に対していまの件につきまして調査をするように……
○谷垣委員長代理 委員会からがいいじゃないですか。
○坂井委員 委員長、そういうことで、委員会から調査をするように、ひとつ通産に対して申し入れ、報告を受けるというようにひとつ計らっていただきたいと思います。
○谷垣委員長代理 いいでしょう。わかりました。
○坂井委員 土地転がしならぬ飛行機転がしということになろうかと思うのです。これは全く笑い事でない話であります。この事実関係というものをどうかひとつはっきり——私はそれをいま指摘したわけでありますが、はっきりしていただきたいと思います。 当然運輸省もそういう点については、私が指摘することにひとつ意を注がれまして、運輸省は運輸省なりに調査をしていただきたいということをひとつ要請しておきたいと思います。 捜査当局に対しましても、いまの点につきまして、今回そうした一連の児玉とロッキード社間の改定合意書、特に第三次改定合意書に対して私は非常に注目を実はいたしておりまして、そういう点で、それを中心に置きましてそれを質問する中で、小佐野氏の働きかけ、介在ということについては、これははっきりしませんと、非常に大きな疑惑もありますし、事件の解明にはならない。これは常識的にそういう判断に立ちますと同時に、客観的にも、いま申しましたような周辺にいろいろな問題がある、そういう事実の一端を申し上げたわけでありますので、そうした点についても——捜査はいま着目をしてやっておるのかどうかということについて聞いたって意味はないと思います。ただ、私がいま問題提起をいたしましたので、十分そういうところに意を注いで、捜査当局はひとつ総力を挙げて解明に取り組んでいただきたいということをひとつ特に要請をしておきたいと思います。 そこで法務大臣、お伺いしますが、田中前総理の逮捕についてあなたが三未総理に報告をされたのはいつですか。
○稻葉国務大臣 七月二十七日午前六時三十分ごろであります。電話でございます。
○坂井委員 それ以上聞かぬでおきましょう。 そこで、田中前総理が受け取った五億円がロッキード社の航空機売り込みに対する成功報酬ではないか、それともPXLの国産化方針白紙還元にに関するものかという点でいろいろ言われているわけでありますけれども、どっちなんでしょう。トライスターの売り込みの方でしょうね。成功報酬の方でしょうか。
○安原説明員 朝来たびたびお尋ねを受けておるわけでありますが、まさに金の趣旨は捜査の内容に関しますので、申し上げるわけにはまいりません。
○坂井委員 もしトライスターの売り込みに対する成功報酬であるとするならば、まさに総理のいわゆる職務権限ということが問題になろうかと思うのですが、いかなる機種を購入するかということについては、確かに形式的には航空会社の自主的な判断、決定ということでありますけれども、実体的にはそうではない。当然、総理が機種の決定には関与する。これは従来の国会における答弁等から推してみましても容易に実は想像できるわけであります。 そういたしますと、つまり総理の職務権限に関して受け取ったということを立証できなかったとしましても、少なくとも職務に密接に関連する行為、つまり機種の決定に対してあるいは購入に対してくちばしをはさむというようなことですね、職務に密接に関連する行為ということに該当しますと、これは当然収賄罪ということの立証になりますね。
○安原説明員 刑法の贈収賄罪の職務に関するとは何かということの解釈をお答えしたいと思いまするが、それにつきましては、当該公務員の本来の職務に関するもののみならず、職務に密接に関連するものも入るということでございます。
○坂井委員 全日空ルートの方でちょっとお尋ねしたいのですが、先般私、輸銀融資によりますいわゆるトライスターの購入に関係いたしまして、輸銀の総裁、それから運輸省、会計検査院との間で実は若干のやりとりを行いました。その結果、特殊な値引きが行われていることを実は確認したわけであります。つまりレター・オブ・インデント、正式契約の後に、ロッキード社と全日空との間で手紙のやりとりが数回行われた。この手紙のやりとりがまさに実は問題であります。 一方、アメリカにおける公聴会でホートン前会長も証言しておりますが、キックバック、こういう表現で、幾らかの賄賂とキックバックはどう違うんだというやりとりがあります。いずれにしましてもキックバックつまり裏金として一億六千三百余万円というのがいま判明した額でありますが、この額にはとどまらない。もっと額はふえますね。相当ふえるでしょうね。一説では全体で二億数千万とか三億とか言われております。もっとふえるのじゃありませんか。どうでしょうか。
○安原説明員 すでに逮捕した被疑事実あるいは公判請求した公訴事実にも明らかになっておりますように、全日空がロッキード社からいわゆる裏金として外為法の違反で受け取った金は御指摘の一億六千万円というふうに承知をしております。
○坂井委員 それだけで終わりになりますか。そうじゃないでしょう。もっとふえるでしょう。
○安原説明員 積極、消極、どちらの面を踏まえても、捜査の内容に関連いたしますので、申し上げるわけにまいりません。
○坂井委員 会計検査院も、この輸銀融資と、ロッキード社から全日空にキックバックされたいわゆる裏金、この関係につきまして非常に重要な関心を寄せておる。すでに特殊な値引きが行われておるし、その特殊な値引きがまた手紙のやりとりの後で行われたというようなことについても会計検査院はすでに承知をしております。これは当然捜査当局もこの手紙等は押収されている、こう思います。したがってその中身について私は聞こうとも思いません。いま申し上げたいことは、この裏金が一体いかなる性格のものであるかということがはっきりしない。はっきりしない段階で輸銀融資が直ちに不当であるかどうか即断できないと思うけれども、少なくともこの輸銀融資が今回のキックバック、つまり裏金と非常に重要な関係がある。事によると、輸銀融資そのものが不当ということにもなりかねない。こういう点については当然着目し、重大な関心を捜査当局は寄せているでしょうね。
○安原説明員 巨額の裏金が入っているということが明らかになっておるわけでありますから、それがどういう趣旨のものであり、どのように使用されたかということも当然捜査の対象になっているはずでございます。
○坂井委員 田中前総理の逮捕容疑事実の中には、東京都内において居住者である丸紅前会長檜山広らから現金五億円を受領した、こうなっている。その前に、七月十三日に逮捕されました檜山の容疑事実の中には、同社取締役数名と共謀の上クラッター氏から五億円を受領した、こうなっております。そこで、檜山の場合は「同社取締役数名」、こうなっているのですが、田中前総理の場合は「檜山広らから」、これは一体何を意味するのでしょうか。この「檜山広ら」の「ら」は。つまり丸紅関係以外のところからもということを意味するのでしょうか。あるいはいままでまだあらわれていない入りの部分、そういう人物がある、こういうことでしょうか、
○安原説明員 田中前総理を逮捕したときの被疑事実は七月二十七日現在の被疑事実でございますが、御案内のとおり、捜査というものは、順調に進みますならば、時々刻々に真相が解明されていくものでございまして、八月二日檜山広起訴の段階におきましては、ここに公訴事実にございますように、その共謀者とは大久保利春であり、伊藤宏であり、ジョン・ウィリアム・クラッターであるということでございまして、当然ただいまの田中前総理に対する被疑事実の心証も、これら三人と共謀した檜山広から受領したという疑いを持って捜査しておる段階でございます。
○坂井委員 法務大臣、実は中曽根康弘氏の派閥であります新政同志会、これは実質的には政治団体ですよ。ところが無届けであったということで問題になりました。あわてて届け出をした。ところがでたらめ報告をやった。そこで四団体に対しまして政治資金規正法違反という容疑でもって調べられた。ところが、この新政同志会が届け出以前に新政治調査会から受けた政治活動費等約二億円、これは警察がおらぬからわからぬかな。それ以前に受けた二億円がある。政治活動費として新政治調査会から新政同志会に二億入っておる。これは捜査の対象になっているかどうかと聞いても答えは出ませんかね。政治資金規正法の関係ということであれば警察でしょうが、私はいまそういう点を指摘しましたが、それらについて何か答弁があれば、ひとついただきたい。
○安原説明員 遺憾ながら承知しておりません。
○坂井委員 警察庁が中曽根四団体の政規法違反容疑について容疑内容が明らかになり次第、固まったならばこれは東京地検に送検するという方針は固めているはずだと思いますが、昨日の吉田刑事課長の答弁でも、そういう点まで念頭に置きながらの答弁であったかどうかは別といたしましても、中曽根氏からの事情聴取することの可能性ということについては頭から否定はしていないということになりますと、そういうこともあり得るのではないかというようなことになろうかと思うのですけれども、少なくともいま前段申しました政規法違反容疑、これは警察庁ではっきりしましたならば、地検に送検をしてくる、こういうことについては検察庁は警視庁との間においてよく承知されていることですね。
○安原説明員 警察が政治資金規正法の違反の容疑ありとして捜査いたしましたならば、当然、訴訟法のたてまえ上、検察庁に送致してくるはずでございます。
○坂井委員 稻葉さん、私いま二億の問題を指摘しましたが、あなたの派閥の政治団体に関することでございます。いまの点につきましては、ちと福田自治大臣あたり、警察庁関係、そういう点の指摘を受けたということで、早速に調査をしてみなさいと、あなたから特にひとつ強く要請していただきたいと思う。
○稻葉国務大臣 私は、そういうことが新聞などに出ましたときに、これはいかぬじゃないか。大体政治資金規正法だとか選挙法だとか売春防止法なんというものをざる法などという観念を持っているからこういうことになる、法律をばかにするからこういうことになるのじゃないかと言って、事務当局をよく訓戒いたしまして、それから同僚の会議にもそういうことを申しまして、今後きちんとやらにゃならぬし、そしてこれは明確に虚偽申告だから、罰則の適用を受けるよ、だから捜査を受けたなら正直に申し上げて、受けるべき罰則は受けるべきものだ、逃げ隠れしたりごまかしたりしちゃならぬ、こういうことを言うてあります。もうすでにきちんと言うてございます。
○坂井委員 時間が参りましたのでやめますけれども、最後に指摘だけしておきたい。運輸大臣に対しての問題提起。 航空業界再編問題、路線問題等につきまして、運輸省部内で用意されました資料が幾つかあります。私はいま手元に実は持っております。日を改めますけれども、どうやらこれは運輸省のマル秘資料らしい。マル秘。これもマル秘。それから同じくです。同じく。これは非公開資料。同じく。一連の問題につきまして、きょうは時間がありませんので次に伺いますから、あなたの部内の資料を全部一遍整理してごらんなさいよ。われわれは当初この委員会が始まるときに、航空再編問題あるいはエアバスの導入の延期あるいは機種決定、選定等々に関する一切の資料をということで要求をしました。その際出てきた資料というのは、審議会に対する諮問、その答申、それから閣議決定等々、つまり表向きの資料ばかりなんです。なぜそういうことになったのかという経緯が全然明らかでない。したがって、当時の橋本運輸大臣等の発言のごとき、ある日突然というような感じのものが出てくる。しかし、これらを見ますと、そういう経緯がきわめて克明である。わかる。だれがなぜそのような発言をしたのか、またなぜ非公開の委員会をやらねばならなかったのかというような点が一目瞭然であります。したがって、運輸大臣はそういう点についても十分御承知のはずだと思いますので、次回私はそういう点につきまして質問をいたしますので、どうかあらかじめ御準備をいただきたいと思います。 以上で終わります。
○谷垣委員長代理 河村勝君。
○河村委員 法務大臣、あなたは先ほど、あなたが所々方々で発言をされたことに対する新聞等の取り扱いに対して自粛を要望された。しかし、安原刑事局長がさっきマスコミに対して自粛を要請したのは相当な理由があると思いますが、あなたの発言についてはどうも余り同情の余地がないのです。先ほど松永君がこの一日の高松における発言についてあなたに忠言をした際に、あなたは、民間にもありそうだ、これもまたしたたかなあれなんですというような種類の発言は、ただ民間だけを言ったのではなくして、民間とか政界とか官界とかに限らずに、田中前首相の逮捕だけで終わるものではなくて、これはまだまだ山を越したものではないのだ、そういう趣旨であった、こういうことを言ったのだ、そういうふうに釈明されましたね。しかし、それはそうじゃないのですね。 私も新聞報道必ずしも全部が正しいとは言えないものだと思います。ですから、各新聞をずっと並べてみて共通項だけをとってみたのです。 〔谷垣委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、あなたがいま釈明をされたのは二日の大阪における発言ですね。一日には各社共通して、田中逮捕で被追及者が全部終わったんではなくて、民間にもありそうだ、これがしたたかな者であって、これにふたをするわけにはいかない、こういう発言をされているのです。それで、二日の日に記者会見でその点はどうかというふうに追及をされて、そこで初めて、後で釈明をされたように、民間とか政界とか官界に限らず、田中前首相の逮捕によって事件の解明が山を越したものではない、そういう釈明をされているんですね。だから、一日の日には、確かに民間にもありそうだ、それもしたたかだということで、新聞やなんかで、表現は別として横綱級とか大物とかいうふうに書かれてもやむを得ないような表現に相なっておる。それが二日目になりますと、民間、政界はまだいいとして、官界に限らずと今度は官界まで出てきちゃって、それだものですから、今度は、捜査は官界に及ぶというふうに書かれる。だから、あなたの発言自身そういうふうにとられても仕方のない内容になっているわけですね。だから私は、やはり本音が出ているんであって、あなたはそういうふうに書かれることを意識して、一日の日には民間大物、二日の日には官界ということを、そういうふうに報道される予定で発言をされたものだ、そういうふうにとらざるを得ないと思うのですが、いかがですか。
○稻葉国務大臣 そういうふうにおとりになるのは自由かもしれませんけれども、そうとられるのは私は非常に不本意なんです。不本意ですね。というのは、あの段階では前総理のような人が逮捕されたんだから山を越したんじゃないかというようなふうに一般的に言われていますから、そういうわけのものではないでしょうと、まあ民間は大分たくさん行きましたわな。それで、政界はまだそういう段階ですね。これから捜査の進みぐあいによっては政界、官界、民間、こういう意識で、民間はずいぶんやったのにまだ残っているのかというふうに思うといけないから、民間にもまだ残っているんじゃないかと思う、しかし私はわかりませんよ、報告を受けていないからわかりませんが、そういうことでしょうねと、そういうことなんです。そうすると、新聞社の若い諸君は自分で希望を持つんですな。あるものを描いて、希望を持ってここへ、ここへ手が伸びなければ、それで私のことを、そういう慎重な表現を端的に短絡して拾う、そういうやられ方。私は人の意見は聞いてよく人にも伝えるというたちの人間なものですから、私はそういうことを言うのは、必ずうまくやってもらえると思っているくらいであって、こう言えばそう書くことがねらいで、そんなさもしい考えはない、私は。それはあなたの、私の性質に対する誤解です。直してください。
○河村委員 直せと言われても、客観的事実を総合するとそう考えざるを得ないのでありまして、これはやはり刑事局長が大筋の見通しについて報告をあなたにした、それを小出しにしてそれで大体やっておる、そういうことじゃないですか。刑事局長、どうですか。
○稻葉国務大臣 そういうような、いままだたくさん残っているとか、そんな報告は受けていません。だから、前総理逮捕によってもう山を越した、もうすぐにでも終結だというふうに思われるのは、私の感覚としてはどうもそうでないように思う、そういうことを申したので、打ち合わせて小出しに、あなた、そんな頭のある人間じゃないですよ、私。
○河村委員 それはまだまだたくさん残っているというようなことではなくて、一日の日には民間の大物という感じの表現、二日の日には官界にも及ぶであろうという表現、これは刑事局長、あなたはやはり報告の中でそういう種類の示唆をしたんじゃありませんか。
○安原説明員 このことにつきましては、ここ一日、二日お尋ねを受けておりまして、率直に事実を申し上げるとともに、大臣にも御報告申し上げたことでございますので、また重ねて申し上げますと、私は重要なポイント、ポイントにつきましては大臣に御報告を申し上げ、そして御判断を仰ぐこともございますが、捜査の山を越したかどうかということ、それからいわゆる大物民間人が残っておるかどうかというようなことについては報告は申し上げておりません。したがいまして、それは言うならば大臣の御経験に基づく御推察であろう、かように思っております。
○河村委員 そこで、いま捜査が山を越したという話が出てまいりましたが、先ほど、捜査の山を越したという時期について、法務大臣は、あなたは起訴、不起訴がおおむね確定したときという発言をされて、それに対して刑事局長は、巨額の金がロッキードから動いておる、その金の入りと出についての事実関係が解明されたときでなければ捜査が山を越したとは言えない、そういう趣旨の発言があったと思います。これは一体どう違うのですか。常識的に言えば、事実の解明ができなければ起訴、不起訴が決まるわけがないから、事実解明ができた時期という方が先のように思われますが、その点どうお考えですか。
○稻葉国務大臣 それ、正確には刑事局長の方がいいんでしょうが、実際は範囲は、時期といいますか、実質は余り変わっていないと私は思います。いま逮捕されている人の起訴、不起訴が決まったら解明、こういうんじゃないのです。私のは。捜査網に入っているうちからこれからも逮捕者が出るかもしらぬし、それが起訴、不起訴が決まるというのと、刑事局長の言うこのロッキード社から入った金がどういうふうに渡ってどう行ったか、この事実関係が解明するとき、それが山を越したとき、実質は変わらないように私は感じますけれども。
○河村委員 実は、それがいわゆる灰色高官名公表の時期と関連があるから確認をしたいと思ったのでありまして、先週のこの委員会で私があなたにお尋ねしたことがございます。それは捜査終結の時点で国政調査権に基づいて政治的道義的責任の有無を明らかにする。それに対して政府は最善の協力をする。その捜査処理終結の時点、これは民社党と自民党との約束でありますが、この捜査終結の時点というのは何かということを伺った際に、あなたは起訴、不起訴が大体決まったときだ、そうおっしゃったものですから、ですから、捜査の山を越したときというのは捜査終結の時点と同じなのか、こういうことになるわけですね。少し矛盾があるように思いますね。どうなんですか、その点は。その後の方が誤りでなければそれで結構なんですけれども。
○稻葉国務大臣 捜査網に入ってくる、これからも入ってくるであろうそういう者の全部が起訴、不起訴にならなくても、主たる者が起訴、不起訴ということになれば、まあ捜査は山を越して、その時期には、いわゆる刑事責任は免れたけれども、政治的道義的責任の追及にお入りになる時期になっていいように私は思うんですが、これは間違っているとあれですから、刑事局長に。
○安原説明員 先ほど来たびたび申し上げておりますように、私どもとしては、検察当局としてはロッキード社から流れ込んだとされる二十数億の金の出と入りの究明、その間に不正行為の存否ということを明らかにすることが目的でございますので、その目的がおおむね達せられたというようなときが捜査の山を越した、あるいは捜査が終わる時期ということでございまして、もとより捜査当局の仕事は刑事責任の存否ということが当面の目的でございまするから、大臣のおっしゃるように、その終わったときには起訴、不起訴が決まるときということでございまして、起訴、不起訴が決まるその起訴、不起訴の対象となるものは、ロッキード事件の全貌を解明した段階において起訴、不起訴が決まったときということでございますから、結果的には一致するのではないかというふうに私は思っております。
○河村委員 私は言葉じりをとらえて言うわけではありませんで、ただいずれ、やがて灰色高官名の公表という大事な時期に差しかかりますので、その時期があいまいになっては困ると思ってお尋ねをしているので、したがって捜査の山を越したときというのも、捜査終結の時点というのも、これは実質的には同じことだ、そう考えてよろしいわけですね。
○稻葉国務大臣 結構でございますね。
○河村委員 そこで、全体の解明について気にかかるのは、先ほどから議論になっている児玉関係ですね。これは先ほどからその困難性についてのいろんな事情の説明もありましたが、同時に、あらん限りの努力をして解明をするという、努力するお話も伺いました。しかし、われわれとしましても、これが現実の問題として三月十三日に所得税法違反で起訴し、五月十日に外為並びに外国貿易管理法違反で起訴をした。それ以来もうすでに相当長期間たって、その後このルートからの進展はほとんどない。水谷何がしはもう釈放され、太刀川何がしについても進展したようにはうかがえない。だから、同じ解明されなくても、解明のめどがついていなくとも、全日空関係については恐らくこれは金のルートが明らかになって、あとそれが一体刑事事件として立件できるかできないかという点に主な問題があるであろうというぐらいの見当はつくのですけれども、児玉関係についてはかいもくわれわれにも見当がつかない。われわればかりでなくて、一番大きな金の流れであるこのルートが五里霧中のような印象を受けるというのは、国民としてみんな非常に心配しているわけですね。 そこで、これはお答えにくいのかもしれませんけれども、われわれも臨床尋問という非常に緩い形のものでしかないから成果が上げられないという面ももちろんありますが、国会が行う場合には、特に背後に強制力がありませんからね。しかし、今後児玉の病状が変化がなくて、依然として検察庁としても逮捕あるいは収監ができなくて、いまのような検察庁としても臨床尋問程度のことを続けていかなければならない、こういう状態が続いてもなおこれの事実関係をおよそ解明するだけの自信がおありなのかどうか。われわれとしては児玉の病状がこのままで続いたならば、この部分だけは少なくとも疑惑のままに終わってしまうのではないかという懸念を持っているので、その辺のところをお尋ねをしたい、そう思います。
○安原説明員 御指摘のような問題点のあることは事実として率直に認めざるを得ないわけでございますが、自信があるかどうかは別といたしまして、いろんなあらゆる手段、方法、資料を活用いたしまして、検察当局の力を振りしぼって真相の究明に努めたい決意でおるというふうに捜査当局から伺っております。
○河村委員 そういう御返事しか私もできないんだと思います。 そこで、アメリカ側の資料ですね、これが一つの有力な材料になっておると思います。それでコーチャン証言、これはもうこっちにとってきて一応利用可能になったと思いますが、なおクラッター、エリオット、この二人の証言が残っているわけですね。これが聞くところによると、八月の六日かそこらに再開をされる見通しだということが言われておりますが、これの見通しは一体どうなっておりますか。九月か。
○安原説明員 コーチャン証言調書につきましては、近く速記からの反訳が終わりまして、コーチャンの署名を得て、そして近くわが国に送付されてくるという見込みでおりますので、この入手はもう近いというふうに考えておりますが、御指摘のように、エリオット、クラッターにつきましては、両名が米国法に基づくイミュニティー、免責特権の付与を要請して、そのために尋問が進まないという状況でございまして、そのことにつきまして傍観するわけにはまいりませんので、わが方からも米国司法省に対しまして、ぜひ迅速に、特段の差し支えがなければ両人に米国法に基づく免責特権を与えて尋問を再開できるように取り計らってほしいというお願いをしておるわけでございます。 そういうわけで、一応はそういう手続上の障害のために、九月八日に両人の尋問を開始するということになっておりますが、私どもの見込みといたしましては、米国司法省の協力、米国政府の協力のもとにイミュニティーが与えられますならば、もっと早く証人尋問が再開されるというふうに期待をしておる次第でございます。
○河村委員 まあ九月八日では、実際問題として捜査の役には立たなくて、公判廷では役に立つかもしらぬけれども、当面の役には立たぬ、こういうことになるわけですね。 そこで、アメリカ国内法上の刑事免責でありますが、この事件で日本側から証言を求めている事項、それを彼らがしゃべることによってアメリカの国内法に触れるという可能性が一体あるんですか。
○安原説明員 米国法に基づいてどういうことがエリオット、クラッター氏についてアメリカ法上の犯罪が成立するかということにつきましては、私どもなりに推測はあるわけでございますが、こういう席上で申し上げることは差し控えた方がいいと思いますが、全然ないとは言えないと思います。
○河村委員 こちら側の尋問事項は、もっぱら主として金のルート、趣旨等に関するものだと思います。それがアメリカの国内法で贈賄等に当たるはずはないわけですね。本人が日本に来れば別、アメリカにいる限りはですね。それにもかかわらずイミュニティーを要求するというのは、想像し得るのは、この中の金が一部アメリカに還流をして、それがどこかに使われるということ以外にはなさそうに思われますが、そういうことがあるのですか。
○安原説明員 私どもはそういうことを推測して申し上げておるわけではなくて、いろいろアメリカの国内法、それから国内法もいわゆる連邦法とか州法とかいろいろございまするから、必ずしも明確にしておるわけではございません。 なお、アメリカ司法省としても、全然そういうおそれがないということであればそういうことを主張すること自体がナンセンスだということになると思いまするが、いま慎重に検討しているところを見ると、それなりの理由があるのじゃないかというふうに考えております。
○河村委員 これは司法当局同士の取り決めによってやっていることではありますが、もともとこれは政府間の大きな問題でありますね。特にこの事件が、そのもとはニクソン、ロッキードの非常に緊密な関係、それからニクソン、田中ラインとなって日本に及んできた、こういう背景があることだけは、これはもう公知の事実ですね。ですから、この事件は、もちろん日本側で金をもらったのは悪いには相違ないけれども、アメリカ側にも重大責任があるわけですから、これはもっと大きなところで政治的な折衝をして、それでアメリカ側に本当にイミュニティーを必要な事情があるならそれをやってもらう。この司法共助協定の中には、どうもそれを余り強く言えないような条文が入っているわけですね。「要請国に対する援助は、被要請国の当局のとる措置として自国において訴追を免除する結果となることのある措置をとることにまで及ぶ必要はないものとする。」という、わざわざこちらから当然にはアメリカ側のイミュニティーを要求できないような条項を結んでいるのですね。それでは私はとても通常の司法当局同士のかけ合いでもってできるとは思わないのですね。これはもう少し大きな立場でもってやる必要があるのじゃありませんか、法務大臣。
○稻葉国務大臣 日本国政府として、アメリカ国政府に対しいろいろなことを言って努力はしております。どういう具体的なことということをただいまの段階で申し上げにくいのですけれども、御趣旨のようなことで努力はしております。
○河村委員 いまの段階でお話しできないとおっしゃいますが、もともとこのアメリカ側の全資料を司法共助協定の中に閉じ込めた張本人というのはキッシンジャーですね。これはもう明確な事実であって、私どもがアメリカに参りましても、その気配はきわめて明確であって、アメリカ上院まで結局そこに全部国務省を通じて預けてしまったという感じであります。だから、通常の方法ではだめなんですね。ですから、その辺のところからやらないと、このイミュニティーを得ることは不可能だと私は思う。だから、何も言えないというのではなしに、そういう高度の政治的な方法をとらなければならないと私は考えているのですが、いかがでございますか。
○稻葉国務大臣 高度な政治的な努力を全然してないわけではありません。
○河村委員 これがなくてもできるというなら結構でありますけれども、私どもの見るところでは、金の流れに関する限りは、少なくともクラッター、エリオットの絡んでないものはないくらいでありますね。ですから、私どもから見れば、少なくともこれは一日も早くやるべきことだと思うのです。ぜひ今後の努力を期待をいたします。 それから一つ。先日、田中前総理の運転手笠原政則という人が自殺をいたしましたね。自殺するにはそれなりの事情があったと思います。関連があるかどうか、これは私どもにはわかりませんが、とにかく検察庁で事情聴取した直後のことであります。だから、やはり法務省としても重大関心を持っておられるはずであります。どのような報告を検察当局から受けているか、並びにそれについての所見を伺いたい。
○安原説明員 御指摘のとおり、笠原運転手を七月三十一日の午後とそれから八月一日の午前から夕方にかけて、田中前総理の外為法違反容疑事実の関係の参考人として取り調べをしたことは事実でございます。しかし、今回自殺というようなことになりまして、法務、検察当局といたしましては、非常に痛恨の至りでございます。お気の毒であるというほかはないわけでありまするが、その間、かりそめにも検察当局の取り調べの行き過ぎが自殺の原因であるということになってはいないかということは当然に明らかにすべきこととして、当局から報告を求めましたが、取り調べの状況を聞きまするに、きわめて円滑というか、順調な雰囲気のもとに行われて、本人に対して死に追いやるというような取り調べなどという、いわゆる人権を無視したような取り調べは一切いたしていないということでございましたので、その点は東京地検当局の報告を信頼しておるわけでございます。 となれば、なおさらなぜ亡くなったのかということがわからないという状況でございまして、昨日も法務委員会で申し上げましたように、どういう事情で自殺ということになったのかということについては、なおわかる範囲で調べたいというふうに考えておる次第でございます。
○河村委員 時間がなくなりましたから、これで終わります。
○田中委員長 次回は、来る十一日、この日は午前十時、正確に委員会を開きます。 本日は、これにて散会をいたします。 午後三時四十三分散会