ロッキード問題に関する調査特別委員会 第19号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/07/29
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りをいたします。 本日、最高裁判所岡垣刑事局長から出席の要求が出ております。これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと決定をいたしました。 ―――――――――――――
○田中委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。まず、稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 法務大臣、最初にお聞きするのですが、刑事責任は捜査当局がやる、それから政治責任なり道義責任は国会で追及する、これが本筋だというのは、私もそのとおりだと思いますね。そこで、法務大臣の言われる政治責任というのは具体的にどういうふうなことを指して言われているんでしょうか。ちょっとそこら辺のところがよくわからぬものだからお聞きするわけです。
○稻葉国務大臣 それはこっちがあなた方に聞きたいのです。私どもは刑事責任の追及者なんで、政治責任、道義責任の追及者はあなた方なんですからね。だから、私が教えていただきたい、こういうことですな。
○稲葉(誠)委員 そうすると、あなたは、いわゆる灰色高官、いわゆると言いますよ、いわゆる灰色高官の発表ということについて、この際それを、政治の粛正とかなんとかいろいろな意味を込めて、国民の期待もあって、できるだけ広げて発表したいという考え方なのか、あるいはうんと狭めて、うんとというかどうか、狭めて発表したいという考え方なのか、そこはどっちなんでしょうか。
○稻葉国務大臣 議長裁定にあるとおり、最善の協力をするのでありますから、刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえて最善の協力をするわけですから、故意に狭めたり故意にばんと広げたり、そういうことはできませんね。
○稲葉(誠)委員 故意に広げるということは、これはだれもそんなことを聞いているんじゃないんですけれども、あなたのいまのお話だと、いわゆる灰色高官の発表ということについても狭める意思はないと、その判断については国会にお任せするということでお聞きをしてよろしいでしょうか。
○稻葉国務大臣 国会に任せると言ったって、刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえて、とあるのですから、その踏まえた範囲内で国会の意思に最善の協力をするということ以外申し上げようがありませんね。
○稲葉(誠)委員 刑事訴訟法の立法の趣旨というのは、刑事訴訟法の恐らく第一条に書いてあることをいうのだと思うのですよ。そうでしょう。
○稻葉国務大臣 はい。
○稲葉(誠)委員 だから、「この法律は、刑事事件につき、」刑事訴訟法だから刑事事件についてに決まっていますが、「公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。」これは刑事訴訟法の第一条に書いてある目的ですね。そうすると、ここに「公共の福祉の維持」と、こう書いてあるわけですね。そこで、国民がこの事件の真相をどうか明らかにしてほしい、それは刑罰だけの問題じゃなくて、政治責任、道義責任というものを含めて明らかにしてほしい、しかもそれが国会の中でもそういう意思が非常に強く出ておる、こういうことになれば、この刑事訴訟法の趣旨というものは、いま私の言ったようなことに沿って当然解明、踏まえてやられなければならない、こういうふうに思うのです。だから、国民は一体いま言ったいわゆる灰色高官その他についてどういうふうに要望をしているか、期待をしているか、どういうふうに理解をされておられるわけでしょうか。
○稻葉国務大臣 国民は、うんと公開せいという気持ちじゃないかと、率直に私は思いますね。
○稲葉(誠)委員 いま言った、法務省としても最善の努力をするということになってきますと、国会で、これはちょっと恥ずかしい話なんだけれども、政治的責任だとか道義的責任を追及するといっても、国会の中で、こんなことを言うと怒られるけれども、資料というものが十分に備わっているとは考えられないと言うと怒られてしまうけれども、それは何といっても捜査当局が資料を持っておるということになるわけでしょう。そうすると、差し支えない範囲のものは、国会に提出の要請があれば提出して法務省としても協力をする、こういうことに承ってよろしいでしょうか。
○稻葉国務大臣 だから、この間申し上げましたように、わき役としての責任を果たします。わき役としての役割りを、十分に最善の努力をいたします。こう言っているんですね。
○稲葉(誠)委員 そうすると、国会の政治責任、道義責任の追及に、ちょっとくどいんですけれども、最大限の協力をし、必要な資料というものも法務省当局としては提出をするというふうに承ってよろしいでしょうか。
○稻葉国務大臣 刑事訴訟法所定の手続に従って、許される範囲内において最善の努力をする。
○稲葉(誠)委員 あなたが新潟でいろいろ、二十四日、二十五日講演会か何か行っておられますね。これは行くのは結構なんですよ、そんなことをかれこれ言うわけじゃございませんから。それの中で、何か一部、いまの公表問題で、広げようという勢力とそれを狭めようとする勢力とがある。そういうふうな意味のことを言っておられるのではないのでしょうか。それから、ロッキード事件のようなことを二度と起こさないようにしたいとの考え方から、この際、徹底的にうみを出す方がよいとの方針を強調した。これはそういうわけですね。その考え方には変わりはないわけですか。
○稻葉国務大臣 その徹底的にうみを出すべきであるということを強調した、これはその記事は正確ですな、うみを出さぬ方がいいとは思っていないですから。それから、前の方の広げるとか狭めるとか、両勢力あるなんということは言ってないですね。二つの勢力があって、一つは狭めたいという勢力と、広げたいという勢力とあるなんということは言うてないのですよ。私も法律家ですから、あなたほどではないけれども、そうはみ出したことは言ってないのです。ですから、そういう記事をもととしてやられるのは余り答える熱意がないんですね。
○稲葉(誠)委員 それはぼくもそのままのことを信用しているわけじゃ決してございませんけれども、ただ、あなたの選挙区に行っての話だから、つい気軽に話が出たんだと思うんですよ。気軽に本心が出たんじゃないか、こういうふうに思うんです。(稻葉国務大臣「違う、違うんだ」と呼ぶ)待ってて、まだこっちが言っているんだから。こっちが言うのが終わってから答えなければだめよ。 それから、何かあなたが断固たる決意をもって臨む。これはいいですね。何か二階に上げられて、はしごを取られるおそれもあるけれども、断固たる決意をもって臨むなんていうことを話したんですか。直接そのとおりに話しないだろうけれども、全体としてそういう意味のことを話したことはあるんですか。じゃ、どういうことを話したの。
○稻葉国務大臣 その前提が何かあったと思うんです。いまよく覚えていませんが。しかし、選挙区に行ったから気軽に話すなんて、逆だね。私は人の選挙区に行ったら気軽に話すけれども、自分の選挙区で気軽に話せるものじゃないです。みんなそうじゃないですか。
○稲葉(誠)委員 そうすると、いずれにいたしましても、話はわかりますが、きのうですかおとといですか、田中前総理が逮捕されたわけですね。これで勾留請求しているんだと思いますが、きのう勾留請求して、きょう勾留になったのかどうか知りませんが――きのう一応請求はやったんでしょう。まだ結論が出てないかもわかりませんが、請求はきのうやったんだよ。そうすると、これは証拠隠滅のおそれがあるということで逮捕をし、それからそういうふうな意味を込めて勾留請求して、同時に当然接見禁止の請求もしておる、こういうわけでしょう。その点はどういうふうになっているのですか。
○稻葉国務大臣 そういう手続の順序を踏んだきちんとした答弁は刑事局長でないといけませんので、どうぞ。
○安原説明員 逮捕の理由は、被疑事実のとおりでありますが、必要性といたしましては、証拠隠滅のおそれがあるということでございますし、勾留の必要性についても同様であります。 それから、接見禁止の決定についても請求をいたしております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、証拠隠滅のおそれがあるというのは、具体的に考えられるのは、その五億円のもらった金の使途について、そればかりじゃありませんけれども、外部の者と接触するということは証拠隠滅のおそれがある、こういうふうなことに通常理解されるわけですけれども、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○安原説明員 御理解は御理解といたしまして、その理由の具体的な内容につきましては、まさに捜査の内容に触れますので、答弁を控えさせていただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 そうすると、外為法の二十七条一項三号、これはどういうような構成要件になっているわけですか。ということは、ただ非居住者のためにする金を受け取ったというだけじゃないと思うのですが、そこに何らかの構成要件が加わるんじゃないですか。たとえば認識がどういうふうになるかとか、そこら辺のところはどういうふうになっているわけですか。
○安原説明員 外為法二十七条一項三号違反の構成要件そのものは、御案内のとおり、本邦に居住するいわゆる居住者が、本件の場合は檜山広らが、法令により許される場合でないのに、本邦に居住しないいわゆる非居住者、本件の場合はロッキード社のいわば代理人の立場で他の居住者、本件の場合は田中前総理に対して、本件の場合現金五億円を支払い、またはその支払いを受領したというのが構成要件に該当する具体的事実でございますが、犯罪の成立は、御案内のとおり、主観的要件を充足する必要がございますので、いま御指摘のとおり、ロッキード社のためにする檜山らからの支払いであるということの認識を持っておったという疑いがあるということになるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、逮捕した以上当然疎明がついて逮捕した、こう思うのです。勾留の請求をしているのですから。そうすると、ロッキード社からの支払いであるということを認識して受け取ったということで逮捕され、勾留請求されておる、これはあたりまえのことですが、そう理解してよろしいですか。
○安原説明員 いま申し上げたとおり、そういう認識があったということを疎明して逮捕状が出たわけでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、もらった五億円の金をまた受け取った人がいる場合に、受け取った人はどういう場合に外為法の違反が成立するわけですか。
○安原説明員 外為法違反ということに限って申し上げますならば、やはりロッキード社のためにする支払いとして受領するという認識がなければならないということになります。
○稲葉(誠)委員 そうすると、当然、五億の金の使途については、これがその認識を持って他の者に渡ったかどうかということで、いま逮捕、勾留され、身柄は入ってないけれども、そういう者に対して今後事情聴取か何か知りませんけれども調べが行われるということは、これは常識ですけれども、考えられるわけでしょうか。
○安原説明員 さしあたり外為法違反の事実で逮捕、勾留を請求しているわけでございまするから、その事実の捜査に重点が向けられるわけでございまするけれども、当然のこととしてそういう前総理が受領した金がどういう趣旨のものであったかということに捜査は及ぶはずでございますし、そのことを究明する関係におきまして、その金がどういうことに使用されたかも、その趣旨を究明する必要上調べるということは当然に考えられると思います。
○稲葉(誠)委員 そうすると、田中さんが受け取ったと言われる五億の金は、田中さんは政治家です、前総理として政治家ですから、当然常識的に見て政治的な資金としていろんな面で使われた、こういうふうに、これも常識ですけれども理解をしてよろしいでしょうか。
○安原説明員 それはまさにこれから調べることでございまして、いま私の口から申し上げる事柄ではないように思います。
○稲葉(誠)委員 そうすると、この金はロッキード社からの金であるということがわかって受け取ったとするならば、そこで、檜山の方では当然その趣旨に対していろいろ言っているわけですね、それが固まって逮捕をされたというふうに考えられるので。法務大臣、これは外為法違反で逮捕し、勾留するわけですけれども、当然贈収賄のところにもある程度の目安をつけて逮捕なり何なりをした、こういうふうに普通は理解されるのですが、そこら辺はどうなんでしょうか。
○稻葉国務大臣 田中前総理については、五億円の外為法違反の容疑で逮捕、勾留の上取り調べをしている段階であり、本件容疑の捜査過程で五億円授受の目的、趣旨等が明らかになれば、おのずから贈収賄罪の容疑の有無が明らかになるでしょう。いずれにせよ、収賄罪の成否をいま論じますことは時期尚早であります。
○稲葉(誠)委員 確かに時期尚早なんです。まだこれから捜査なんだから。だけれども、そこまでいかなければ国民の期待というか何というかには、捜査だからなかなかそう簡単に行きませんよね、いろんなあれがあるからそう一概に言えないのですけれども、というふうにこたえられないというふうには考えられぬじゃないでしょうか。国民は当然贈収賄罪の解明にまでいくものだというふうに期待をしておるんじゃないでしょうか。
○稻葉国務大臣 それはそういうことかもしれませんが、捜査当局としては、そういう先入観を持たず、事実を事実として究明していくというのが本筋でありますな。
○稲葉(誠)委員 外為法の違反の場合は、金を受け取ったことははっきりしているし、非居住者のための受け取りだということもはっきりしているんじゃないですか。だから、外為法違反そのものとしてはそんなに調べる必要はもうないんじゃないでしょうか。どうなのこれ、事件としては。そうじゃないの、これ。余り立ち入ったことを聞くと悪いからこの程度にしますけれどもね、そういうことじゃないですか。
○安原説明員 捜査のことでございますから、稲葉先生は御専門ではございましょうけれども、捜査当局がやることでございますので、私から調べる必要があるとかないとかいうことは申し上げる立場にはございません。
○稲葉(誠)委員 それから、総理大臣の職務権限に関して、この前、芦田さんですか、何か事件があったことがありますね。ぼくはあの事件はこの事件と大分何か違うように思うのですよ。何か総理大臣の職務権限が問題になったように言われているのですけれども、そのときの事件、筋と何か違うのじゃないかと思うのですがね。あれはどうなんでしょうか、この事件の参考になるのですか。
○安原説明員 稲葉委員御指摘のような判例が国務大臣である芦田均についてあったことは承知しておりまするが、今回の事件とその判例との結びつきというようなことは、まさに具体的な事件についての法律解釈を私の口から申し上げるわけにはまいりませんので、ひとつ御猶予願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 それは当然田中さんを逮捕するときに、東京地検としてはその問題について十分な検討を経てやった、こういうふうに思うのです。それはいいと思うのですけれども、それからこの総理大臣の職務権限の中で、いわゆる職務と密接な関連を有する行為、準職務行為、しかも準職務行為というのは慣習上もしくは事実上所管する職務行為も含むというようなことも言われておるようなんですね。これについては、これは法務省に聞くのは、いま捜査の段階でちょっとぐあいが悪いから、内閣法制局の方ではどういうふうに考えているわけでしょうか。これもいまの段階ではなかなか微妙な点があるかとも思うのですけれども、差し支えない範囲で答えていただきたいと思うのですが。
○真田説明員 刑法の百九十七条収賄罪の構成要件として「職務ニ関シ」というのがございますが、この「職務ニ関シ」ということの意味としましては、法令によって定まっている本来的な職務そのもののほかに、本来的な職務ではないけれどもこれと密接な関連のあるものを含むのだというのは、それはもう確立された判例の態度であると言うことができると思います。そのほかに、ただいまお触れになりましたように、慣習上または事実上管理する職務も入っている、含まれるという判例もございます。御指摘のとおりでございます。 内閣総理大臣の場合に、密接な関連のある職務というのは一体どういうものがあるだろうかというようなことは、実は私の方で具体的に考えたこともないものでございますので、といいますのは、もともとこれは判例がつくり上げた概念でございますし、従来の判例は大体職務権限の限定されている下級の公務員について判例があるわけで、トップクラスの内閣総理大臣の職務についてこれと密接な関連のある職務とは何だというようなことは、実は判例を幾ら探しましてももちろんないわけでございますし、私がここでいま頭の中で考えまして、たとえばこういうものが当たるのじゃないだろうかというようなことを申し上げることも、実はこれがもともとが判例がつくった概念であるということでもありますし、また現在特定の事件が捜査上非常に微妙な段階にございますので、ここで具体的な例を申し述べることは差し控えたい、こう思うわけでございます。
○稲葉(誠)委員 運輸大臣、せっかくおいでになったのですからお聞きするわけですけれども、全日空の簿外のやつの約一億六千万ありますわね。五千万と約一億一千万、一億六千万だと思うのですが、いろいろなことから見て、この金が運輸省関係へ流れたということがある程度流布されておるわけですね。そういうことがもし今後、今週中か来週中かわかりませんけれども――どうなるかわかりませんよ、わからないけれども、事実として出てきたときに、あなたとしては一体どういうふうな態度をとられるのですか。その可能性が一体あるのかないのかわかりませんけれども、どうなんでしょうか。
○木村国務大臣 当時の実情について私もできる限り調べてみたわけでございますが、いま御指摘になるようなそういうことはないという確信を持っております。しかし、運輸行政は連綿継続をしておるわけでございますから、万一そういうことがあった場合には現在の運輸大臣として私も責任を感じざるを得ない、かように考えております。
○稲葉(誠)委員 田中・コーチャンの会談について、この前の参議院の七月十四日、それから衆議院で七月十五日、これは何か三回というようなことを答えられて、そして後で訂正されたわけですが、何か初め三回と言った根拠はどこかにあるのですか。
○安原説明員 七月十四日の参議院のロッキード問題に関する調査特別委員会におきまして、共産党の橋本敦委員から、速記録によりますと、「じゃ、最後に伺いますが、田中氏とコーチャン氏が何回会ったか、一回だけか一回以上か、どのように聞いておられますか。これも公表された事実があるんですね。」という御質問がありました。私は終始一貫いたしまして捜査の内容にわたることは申し上げることを差し控えさせていただいてきたつもりでございますので、この際にも「公表された事実があるんですね。」というお尋ねでございますので、公表されたものとしては何回あるかを答えれば足りるという考えのもとに答弁に当たったわけでありますが、そのときの答えが「記憶が悪いんで、不正確かもしれませんが、三回ぐらいじゃなかったかと思います。」と不確かな記憶に基づいてお答えをしたのでございます。しかしながら、その後田中・コーチャン会談は一回しか会っていないという新聞報道があることが判明いたしましたので、自分の記憶違いであることがわかりましたので、何かの機会をつかまえて訂正をしたいと思っておりましたところ、たまたま翌日の当委員会において横路委員から同様の御質問がございましたので、一回に訂正したというのが事実でございます。
○稲葉(誠)委員 田中・コーチャン会談で三回というのを一回に訂正したというと、何かあとの二回のことについてもないというふうに訂正したというんですか。そこら辺のところがはっきりしないのですが、それは後の質問と一緒に答えてください。 そこで大臣、いま田中さんがこういう状況になりましたね。そうすると、コーチャンが日本へ来て、十一週間くらいどこかにおったとか、ホテルオークラにいたとかなんとかいいますね、いろいろな議事録に出てくるんだけれども、田中さんと何回会ったか、どういう具体的な話が出たかということについては、これは当然捜査当局として大きな関心を持たざるを得ないと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○稻葉国務大臣 私は捜査当局からその点についての報告は受けておりませんから、何にも知りません。それで、後の方、当然捜査当局は調べているんだろうな、こういう御質問ですが、それもわかりませんな。捜査当局を御信頼いただきます。
○稲葉(誠)委員 質問の中では、具体的な事実を指して田中・コーチャンの会談が五回行われたとかあるいは七回行われたとかいって、その中に児玉あるいは小佐野も列席をしておるということが出てきましたね。だから、当然そのことについては捜査当局としては大きな関心を持っておるのではないですか。
○稻葉国務大臣 よくこの委員会におきましても参議院の委員会におきましても、そういう事実を述べられまして、捜査当局は関心を持っているかというような質問を受けますが、それに対して私から関心を持っているとか持ってないとか、私、知らないのですから、持っていますとも言えないし、持っていませんとも答えられないですね。ただ、捜査当局は間抜けじゃないから御信頼願います、こう言っているのです。
○稲葉(誠)委員 証券取引委員会、SEC、これは私もアメリカに行ってヒルズ委員長なんかに会ってまいりましたが、そこから資料が届いていますね。私が行ったとき、五月の末でしたけれども、そのときも新たな資料をこちらに届けるということを言っておったのですが、このごろになってその証券取引委員会からの資料が届いているかどうか。司法省を通じて届いているかどうか。内容を聞くんじゃありませんよ、届いているかどうかということをお聞きしたいと思うのです。
○安原説明員 御案内の実務取り決めに基づきまして、証券取引委員会の資料も入手しております。
○稲葉(誠)委員 それは七月ごろに入った新しいのもあるのですか。
○安原説明員 詳しくいつどこから何回というようなことにまで立ち入ることは、実務取り決め上ちょっと差し支えがあると思いますので、御勘弁願います。
○稲葉(誠)委員 その中で、シグ・片山氏が新しく七月ごろに調べられておるというふうなことが言われておる、そういう事実はございますか。
○安原説明員 いまのお尋ねは、東京地検でシグ・片山氏を取り調べたかというお尋ねであろうと思いますが、そうなりますと、たびたびお願いいたしておりますように、本件につきましてだれを取り調べたかということ自体、今後の捜査が任意の協力を前提とする以上、ひとつ御勘弁を願いたいとお願いを申し上げる次第でございます。
○稲葉(誠)委員 いや、東京地検で調べたということじゃなくて、SECにシグ・片山氏が七月ごろ呼ばれておるのではないか、こう聞いておるのです。コーチャン、クラッター、エリオット、みんな呼ばれているのじゃないですか、新しく。
○安原説明員 そのこと自体がSECの資料の中身を申し上げることにつながるわけでございますので、ひとつ御勘弁を願います。
○稲葉(誠)委員 最高裁せっかくおいでになっているから聞きますけれども、アメリカへ岡田二課長と堀籠氏と行かれましたね。一時間ぐらいで話が済んで帰ってきたということですね。差し支えない範囲で、一体どういう点が問題になって、どういう結果になってきたんでしょうか。もうコーチャンの場合はけさの四時で凍結が解除になったということですから、そのこと程度は話してもいいんじゃないでしょうか。 それから、資料はいつごろルートを通じてこちらへ来るのでしょうか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 前提となりましたファーガソン決定というのが、起訴しないということを明確にしたルールまたはオーダーということでございますので、これは起訴しないというふうなことを、ルールといいましても、刑事訴訟規則でつくるとか、あるいはオーダーと申しますか、適当な事件で決定なり判決なりとなりますと、これは対象もございませんし、非常に困難なことはよくおわかりのことだと思います。しかし、そういう全然困難なことを言われるということはどういうことであろうかということで、それで岡田課長らが行きましたときには、まず日本の法制をよく説明したわけであります。日本の法制ではこういうことになっておって、なかなかそれがむずかしいということ、それでまたルール、オーダーというものは、まさに日本で考えている事件に関する決定だとかあるいは刑事訴訟規則の制定だとか、そういうことに限られるのかどうかということを頭に置いて、いろいろと会談したわけでございますけれども、その結果、得た感触では必ずしも、そういう決定だとか、あるいは訴訟規則をつくるとかいうことには限られないという感触を得て帰ったわけでございます。帰ってきて、その得た感触をもとにしまして、最高裁判所の方で、実質的にファーガソン決定の意図するところを満たすであろうという内容の書面を向こうへ送付したということになります。その結果、きのうでございますが、凍結をしたファーガソン決定について、それを解除するということを、スチーブンス所長が担当したようでございますが、それがしました決定を、きのう夕刻に、堀田検事が向こうにおりますが、それを通じまして、スチーブンス所長のあれとして送ってまいったわけでございます。これは、ほんの仮訳になりますけれども、こういう内容でございまして、一九七六年七月六日の裁判所の決定に関して日本国最高裁判所は宣明書を発した。それで、その英訳文を命令に添付する。したがって、東京地方裁判所の尋問嘱託に基づいて、証人らの証言調書を直ちに翻訳し送付することを命令する。こういったこと。さらに、この命令の写しと前述の宣明書とを直ちに証人らの弁護人に交付して、弁護人らの当命令に対する異議申し立ては一九七六年七月十八日の正午、これは日本時間で言いますと、きょうの七月二十九日の午前四時になりますが、までに、することを命ずるというふうな内容の決定でございまして、非公式の連絡によりますと異議の申し立てばなかったということでございます。したがって、近いうちに少なくともコーチャン証人の証言調書は日本へ送られてくることになるであろう、こういうふうに考えております。
○稲葉(誠)委員 これは法務省刑事局長ですが、ロスにおけるコーチャン証言のあれが日本に来るというと、それをもとにして、それだけに頼るわけじゃありませんけれども、それをもとにして捜査は一段と進展をするというふうに常識的に考えられますね。そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○安原説明員 中身を知りませんので何とも論評の限りではございませんけれども、かねがね私どもは本件の捜査のベストを尽くすためには、ぜひ必要だということを申しておりましたので、それなりに期待はいたしております。
○稲葉(誠)委員 それは、いま逮捕しておる、たとえば田中前総理の捜査についても当然、役に立つというふうに、これも常識ですけれども、一般論として理解してよろしいでしょうか。
○安原説明員 尋問事項の中身に触れるようなことにもなりますので申し上げかねますが、先ほど申しましたように、ロッキード事件の捜査のベストを尽くすために必要な資料であるということでもって、おはかりをいただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 ちょっと、さきへ戻ってあれですけれども、さっき田中氏の証拠隠滅のおそれということで、ぼくは具体的に聞いたわけですけれども、どうも伝えられるところによると、ロスにおける連邦地裁なりなんなりの証言、コーチャンは終わってしまったのですけれども、クラッターなりエリオットの証言に対して、こちら側から何らかの働きかけ、働きかけが直ちにどうこうという意味じゃありませんけれども、働きかけがあったということが言われているのですね。本人が直接やったかどうか別ですよ。だれを通じたか、あれですが、そういうことが一部に言われておるようなんですが、その点については、どういうふうに把握をしておられますか。
○安原説明員 そういうことが言われていることは承知いたしておりますが、事実として把握はいたしておりません。
○稲葉(誠)委員 言われておることを聞いておれば、それが事実かどうか、これは証拠隠滅につながるおそれが非常に強いですね。本人がやったのかどうかわかりませんよ。だれがやったのか知りませんけれども、そうなってくると、そういう点についても当然、今後、捜査の対象にならないというとおかしいですね。その点については、どういうふうにお考えでしょうか。
○安原説明員 一般論としては、そのとおりでございます。
○稲葉(誠)委員 いや一般論としては、そのとおりなのはわかり切っているんだ。それはあなた、あたりまえの話だ。一般論を聞くんなら、ここで聞く必要はないんでね。具体的に、これだけのことを言われて、あなた、そういう話を聞いているというんだから、聞いていれば、その事実については、あなたは調べるのはあたりまえの話じゃないですか。これは大臣、どう思いますか。あたりまえだよ、これは。
○稻葉国務大臣 しばしば申し上げているように、私から、調べるのはあたりまえだとか、調べるのは不当だとか、そういうことは、もう言わないのです。この段階に来たら。私はだんだん口が重くなりまして。ただ、この段階ですから、私は何の指図をしたり、そういうことをしてないことは、よくおわかりになっていただけると思うのですが、どうかひとつ有能、勤勉、善良なる検察当局を御信頼いただきたいと申し上げるわけです。
○稲葉(誠)委員 さっきの五億円の金ですね、このお金がどういうふうに使われたかということ、これは非常な問題点で、いま捜査の対象になっているわけですね。時期を見ますと、これはやはり四十九年の参議院選挙の、その前の段階で、その資金に使われたのではないか、こういうふうに、これも一般論として常識的に考えられるわけですね。そうすると、参議院選挙の総指揮をとった人がいますね。何とかという人がいますね、ちょっと、ぼくは名前をど忘れしましたけれども、何とかという近ごろ、よく出てくる人がいますが、こういう人が、その金を受け取ったとして、これはあれですか、ロ社からの金であるという認識が必要なんですか、非居住者からの金であるという認識が必要なんですか。これは後で聞きますけれども、いずれにしても、そういう認識があれば外為法違反になる。仮にならなくとも、そういうことが、もう非常に大きな関心になっている以上、そういう人に対しても当然、事情の聴取ということがあっていいだろうというふうに国民は見ておる、こう思うんですね。その点については刑事局長、どうでしょうか。
○安原説明員 犯罪の容疑という意味におきましては、主観的要件の充足として、非居住者からの支払いを受領するのだということの認識がなければならないと思います。それで、よろしゅうございますか。
○稲葉(誠)委員 特定してなくてもいいの、ロ社と。
○安原説明員 理論的には、特定してなくても何人か非居住者からということで、理論的には成立するのではないか、これは法律論でございますが。
○稲葉(誠)委員 だから、いま言ったように、後のもう一つの質問、その金が何に使われたかということ、五億の金が何に使われたかということが一番大きな問題でしょう。その金が常識的に見て当時、四十九年の参議院選挙に使われたのではないかというふうに言われている。これは、ぼくが言うんじゃないですよ、あっちこっちから出てくるわけです。そうなってくると、その総指揮をとった人というのは何とかという幹事長らしいんだけれども、その人にも、その金が渡ったということが言われ、その金が選挙資金だということになれば、当然、事情聴取か何か受けないと国民は納得しないんじゃないか、こういうふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
○稻葉国務大臣 国民が納得するとか、しないとかいうことを頭に入れて、政治的考慮を頭に入れて捜査はやるべきものじゃありませんから、きっと、あれでしょう、そういうことを一切、抜きに捜査すべきものは捜査し、捜査すべからざるものは捜査しない、こういうことでしょうな。そして、よく田中前総理の逮捕によって捜査の山は越したのかどうかなんということを質問されますけれども、それもわからないですね。だから名前が越山だから、そういうわけにはいかないなんて言ったって……。
○稲葉(誠)委員 田中前総理の逮捕によって捜査が山を越したなんて、ぼくは聞いてませんよ。ぼくは、山を越してない、これからだと見てるのですよ。これからしっかり、がんばってもらわなければ困るのだ。〔稻葉国務大臣「その点は同感だと言っているのですから」と呼ぶ〕同感だと言うが、だから、田中前総理の逮捕によって山を越したのではない、こういうことでしょう。今後の捜査というものを大いに期待してくれということならば、そういうふうに答えてくださいよ。
○稻葉国務大臣 あなたはお名前を挙げられませんけれども、よく名前の出てくる人というようなことで御質問になったような点についても、捜査の山を越したわけでないからということを申し上げれば、あなたの御質問に答えていると思って、言うたのです。
○稲葉(誠)委員 大臣として、よくそこまで思い切って言ったとぼくは思いますよ。これはなかなかりっぱだと思います。 実は、きょうの、これはまた新聞を見て聞くと、あなた怒りますけれども、しかし、新聞を見て国民はいろいろ判断しているわけですから、きょうの朝日新聞を見ますと「中曽根・橋本登・二階堂・佐藤孝氏 米関係筋情報 日本に渡った米資料に名前」「ロ社報告書などに」「現段階は参考資料検察側態度 捜査の裏付け必要」というようなことが大きく出ているわけですね。ごらんになったと思うのです。私も、けさ見たわけですが、ざっくばらんな話、これを見て、これに対する質問というのは、ぼくも良心的に言うと、なかなかむずかしい。それは事実だ。むずかしいけれども、これをごらんになったときの、あなたの感想というか、感じはどうでしょうか。
○稻葉国務大臣 新聞を見て一々感想を抱くほど私は敏感じゃないのです。
○稲葉(誠)委員 あなたのところの中曽根という人の名前が大きく出ているのですよ。中曽根という人を、ぼくはどんな人か知りませんけれども、この人たちと児玉とのつき合いというのは、どの程度のつき合いなんでしょうか。
○稻葉国務大臣 その新聞を私は見ましたが、その新聞の中に中曽根談話というのが出ているのですね。〔稲葉(誠)委員「知らない、見てません」と呼ぶ〕いや、それは見てもらわぬと困るのだな。それを見てください。そのとおりです。
○稲葉(誠)委員 これは赤坂に「金竜」という料亭がありますね。それは、あなたに大変失礼だけれども、行って悪いと言うのじゃないのですよ。どこへ行こうと自由ですから、そんなこと構いませんけれども、よく――よくと言うとまた言葉が悪いから、よくは抜きにしましょう。〔「たびたび」と呼ぶ者あり〕たびたびでもないかもわからぬけれども、行かれるところですか。
○稻葉国務大臣 いろいろな不規則発言で、たびたびとか、ちょこちょことかありましたが、まあ、ちょこちょこかな。
○稲葉(誠)委員 そこは児玉譽士夫と小佐野賢治とが初めて会ったところですね。これは大橋富重の公判調書に出てくるようですね。これは、まだ確定してませんけれども、初めて会ったところとして出てくるようですね。児玉がよく使っていたところではないですか。そして中曽根派がよく使うところであるというふうに一部の人が言っておられるのですが、そこはどうなんでしょうか。
○稻葉国務大臣 まあ、そういう質問に答えるのも、どうかとは思うけれども、児玉、小佐野なんという人が使っていたということは知らなかったですな。そういうことは聞いてませんですね。昔あれは場所が変わる前から、私が当選したころから北村徳太郎先生にごちそうになったところなんでね。それ以来だから、まあ、ちょこちょこですよ。それは、たびたび行くほどの財力はないからね。
○稲葉(誠)委員 小佐野について国税庁は、たとえば国民相互銀行あるいは東京スタジアムあるいは国際興業プレミアム、こういうようなことについて脱税の問題で、どの程度の、これは正式に調査と言えるかどうか別ですが、どの程度の調べというか何かを、いままでしているのですか。
○山橋説明員 お答えいたします。 国税当局といたしましては、小佐野賢治氏並びに国際興業の申告につきましては、所得が非常に高額でもございますし、得られる限りの情報とか、あるいは資料に基づきまして検討を行いまして、従来、適正に処理をしてきているところでございます。しかしながら、また最近におきましても、国会での、いろいろな質疑や新聞報道等で、いろいろ取り上げられておるわけでございまして、そのような事項のうちで課税に関係すると認められるようなものにつきましては、既往の申告状況あるいは課税状況の再検討のほか、反面調査あるいは実態調査等の手段によりまして、その内容を十分に検討しているところでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、いまの小佐野氏の脱税かどうかということについての一応の目安が出るのは、一体いつごろなんでしょうか。
○山橋説明員 脱税かどうかの目安がいつごろつくかというお話でございますけれども、これは現在いろいろな材料を集めて検討しているわけでございまして、いまのところ、そのめどが、いっつくかということにつきましては、ちょっとお答えしかねるというふうな感じでございます。
○稲葉(誠)委員 国民が非常に疑問に思っているのは、たとえば丸紅ルートそれから全日空ルート、これはずいぶんやって進んでいるけれども、児玉プラスエックスのルートというか、そういうものは進展をしてないじゃないかということについて、いろいろ疑惑を持っているわけですね。だから、その方の捜査は、差し支えない範囲で、いま、どの程度進んでおるわけなんでしょうか。たとえば、この前、田中委員長が行かれたけれども、あの証言、見てみると、いままでの検察官の調べとは大分、違っているようにもとれるのですが、どの程度、進んでいるのですか。それから、田中委員長が行って後で国会で報告になりましたものと児玉の言っていることとは、どういうふうに違うのですか。
○安原説明員 公表された資料によりましても、ロッキード社から児玉に相当巨額の金が流れておるということになっておりますので、当然、捜査当局といたしましては、それの真否それから、その金の流れということは捜査の対象にしておるわけでございますが、御案内のとおり、今日までのところ四十七年度の所得税法違反の事実、それから約六億にまたがる二回にわたる外為法の違反ということで公訴を提起した段階でございまして、なお鋭意捜査中でございますが、率直に申しまして、御案内のような児玉の病状にかんがみまして、捜査が、いわゆる、その他のルートに比べまして着々と進捗しておるということは遺憾ながら言えないのが実情で、これは率直に、そうでございますが、なお、あらゆる手段、方法を考えまして、その真相の究明に努めるのが捜査当局の気持ちでございます。
○稲葉(誠)委員 この前、児玉譽士夫、ここで臨床で田中委員長、行かれましたよね。そこで衆議院の、これは法制局にお尋ねしたいのですが、この証言に関する法律がありますね、正式には何とかいうむずかしい名前ですが、これで現行法で、向こうへ行って証人尋問といいますか、それは現行法のたてまえからいうと、できないことになるのでしょうか、どうでしょうか。ちょっと、そこのところお聞きしたい。実は民訴の二百六十五条か二百七十九条、これは二百八十以下は準用してあるのだけれども、そこのところは準用していないものだから、この条文は、ちょっと、そこのところで私もひっかかるのですが、そこは、どういうふうに考えてよろしいのでしょうか。それが一つ。 それからもう一つ。仮にアメリカの合衆国法典の百九十条のbというのがありますね。これは私も調べたのですが、これでは何か、この場合は「上院の各常任委員会は、上院の会期中たると休会中又は閉会中たるとを問わず任意の時期、場所において会議を開き活動する権限を有し、」こうなっていますね。このアメリカの合衆国法典第百九十条のbとの関係ですね。これは立法論になるかもわかりませんが、そこら辺のところをひとつ御説明願いたいと思います。
○川口法制局長 御指摘の問題は、このロッキード問題が予算委員会で取り上げられた当時から、必ず問題になるだろうことは予測できましたので、関係のところとも、いろいろ相談しながら勉強をいたしました。 結論を申しますと、現在の議院証言法の解釈論としては、この議院証言法上に乗せた証人尋問、つまり証言拒否、宣誓拒否、偽証というふうな罪に問うような権力行使、これはできないと考えております。 理由を申しますと、なるほど国会法や衆議院規則には、審査または調査のため委員を派遣することができるという規定が衆議院規則にはあります。しかし、その問題を議院証言法に真っ正面からは取り上げておりません。そして、ほとんど議院証言法の条文を読みますと、院に出頭さして証言させるというのは、どうも初めから決めてかかっているような感じでございまして、立法論はいざ知らず、解釈論としては無理であろうと考えております。 御参考までに民事訴訟法と刑事訴訟法を読みますというと、明確に明文で、その裁判所外において証人尋問をなすことができる、それから証人の現在する場所で証人尋問をすることができる、そして、それに対する罰則も整備しております。このような、院内のことは別でございますが、院外の国民に対して処罰、刑罰をもって強制することの権力というのは、どうしても、もっと明確な規定がないというと、私どもとして解釈論で補充することは困難だと考えております。 なお、これは当然、申し上げるまでもないことでございますが、田中委員長が、この間おいでになりましたり、あるいは将来また各党代表がお出向きになって、ある外部にいる人間のうちに行って、その同意を求めて、いろいろ事情を聞く、これは、ちっとも差し支えないことでございまして、まさに、その委員派遣で、ただ、これが問題は、そのとき、うそをついたり黙って答えなかったりしたときに処罰できるのかという意味では、そこまではいけないでしょう、こう申し上げておる次第でございます。 先ほど稲葉先生が御指摘になりましたように、アメリカの一九七〇年の、これは俗に立法部改革法という名前で呼ばれておりますが、それの百三十四条に「上院の各常任委員会(各小委員会を含む)は、上院の会期中たると休会中又は閉会中たるとを問わず任意の時期、場所において会議を開き活動する権限を有し、罰則付召喚状その他により証人に出頭を求めて、信書、図書、文書を提出せしめ、必要と認める証言をなさしめ又は適当と認める支出をなすことができる。」非常に明確に、こういう条文がございますが、これが実際に、いわゆる臨床尋問なんかで、どのように活用されているかという本当の中身のことまではわかりません。わかりませんが、恐らく、これを活用してやっているのじゃなかろうか、これは学者に聞きただしましたところ、そう私が判断するのじゃなくて、恐らく、これを運用してやっているだろうと思う、こういうことでございます。
○稲葉(誠)委員 時間が来ましたので質問を終わりますが、いま言われた議院証言法の関係ですね、これはなかなか重要な問題だと思うので、これは委員長なり理事会で十分、御研究を願いたいというふうに思います。 終わります。
○田中委員長 十分、検討いたします。 庄司幸助君。
○庄司委員 まず検察庁に伺いますが、先ほど最高裁の方から報告がありました連邦地裁の決定ですね、これで証言の日本送付を認めた。後はニュースですが、地検の検事は、つまり東条さんと堀田さんですね、東京地検に報告ができることになった、こういうことなんですが、これは間違いございませんか。
○安原説明員 資料を出させておりますが、ファーガソン裁定の追加裁定の中に、一切、当法廷における証言の内容については他言は相ならぬという趣旨の裁定がございますが、その裁定を含めて今回そういう禁止が解除されましたので、法廷で聞いたこと、そのことを他言することが許されるという意味において、新聞報道を通じて、それを報告ができるようになったという理解をされたものと思います。
○庄司委員 そうしますと、この堀田、東条両検事ですね、早速にも検察庁に、皆さん方も一刻千秋の思いで待っている資料ですから、もう報告を始められておると思うのですが、その点どうですか。
○安原説明員 そういうことは聞いておりません。 なお、何と申しましても東京の地方裁判所の裁判官に二百二十六条による証人尋問の嘱託をお願いして、東京地方裁判所が、それぞれのルートを通じてアメリカの裁判所に証人尋問を嘱託したのでございまするから、あくまでも正式の結果というものは、その証人尋問の嘱託に基づくアメリカの証人尋問調書が、日本の裁判所を通じて、われわれ検察に来るということが最も正しい受け取り方でございますので、その調書が一日も早く到達することを念願しておる次第でございます。
○庄司委員 そうすると、検察庁の方としては、特に今朝来、この両検事に対して、報告できるようになったわけですから、その報告を求めるような電話連絡なんかはなさらないのですか。なさるつもりはありませんか。
○安原説明員 検察庁のやることにつきましては、私からどうこう言うわけにはまいりません。
○庄司委員 続いて、先ほども質問ありましたが、けさの朝日新聞に、これは「米国の最も信頼すべき関係筋」からのという書き出しですが、わが国に渡された米側資料の中に、中曽根、橋本登美三郎、二階堂進、佐藤孝行の名前が出ている、こう書いてあります。これが事実だとすれば、非常に重大な問題だと思います。これらの四名の方については、ロッキード事件発覚以来、衆参両院の審議の中でもさまざまの疑惑が指摘されて、三名の方についてはすでに証人喚問の要求が出ている方々ばかりなんです。それから中曽根さんについて言いますと、これは新聞報道、東京新聞の七六年二月二十二日付ですが、四十七年の総裁選挙で田中派から七億円もらった、こういうふうに言われておりますし、告訴事件にまで発展したことは周知のとおりであります。それからまた、PXLの問題についても、これは同じく東京新聞の七六年二月二十日付ですが、氏が当時国産派から輸入派に変身した、PXLの国産化の白紙還元に関与したのではないかという疑惑が提示されているわけです。 〔委員長退席、谷垣委員長代理着席〕 あとの三名の方については、すでに証人喚問の要求も出ているぐらい疑惑があるわけです。こういった疑惑に照らしてみるならば、アメリカ側資料の中にこういう人たちの名前が出てくるということですね。これは決して意外ではない。むしろ日米それぞれの調査による疑惑の方向の一致を示すものと見られてもいいのではないか。 ところで稻葉法務大臣、きのうの本委員会におきまして、この田中逮捕の問題をめぐって、ロッキード事件を派閥次元でとらえてはならない、こうおっしゃっています。捜査に影響を与えるような発言はしない、つまりだれが潔白だなどとは言わない、こうおっしゃったわけですが、この四名の方について潔白であると言い切れる筋ではないだろうと思うのですが、その点、大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○稻葉国務大臣 法務大臣としては、もちろん、これは怪しいとか、これは潔白だとか、そんなことを言う筋合いのものではありません。
○庄司委員 そうしますと、先ほど稲葉委員に対する御答弁で、中曽根さんについては新聞で談話を発表している、新聞談話はそのとおりだ、こういうふうなことをおっしゃったわけですが、そのとおりだとおっしゃったのは、これはいろいろ書かれていますね。とにかく「大変迷惑だ。」こういうことを言っています。「迷惑だ」というのは、つまりおれは関係がないんだという意味だろうと思いますが、そのとおりだというのは、いわゆる中曽根さんがおっしゃった、中曽根さんは潔白で、大変迷惑している、こういうことを書かれている、こういう意味のことでございますか。
○稻葉国務大臣 あなたにも先ほど稲葉委員の御質問と私の答えを聞いておられたでしょうが。稲葉委員の御質問は、中曽根氏と児玉譽士夫との関係はどういうことになっているかと言うから、それはそこの新聞に中曽根さん自身が談話で発表しているでしょうが、そして縁は切れていると言っているでしょうが、それはそのとおりです。ということを言っているのです。あなたは、部分的に私が質問されて部分的に答えたことを全般に広げてそういうふうに理解されるのは、もう少しきちんとするところは……。勝手に広げられては困る。
○庄司委員 私はきちんとしております。あなたは、新聞談話そのとおりだ、こうおっしゃったから私は聞いたのです。これはまさに捜査の方向を規制するものだ。そういうことは私は言えないのじゃないかな、こう思うのです。その点どうですか。
○稻葉国務大臣 いや、稲葉さんの質問は、児玉との関係はどうか。それは私も知っていますからね。昭和四十三年だったか、佐藤榮作さんの三選のとき以来縁が切れている、こう談話を発表している。そのとおりだ。あとは知らない。
○庄司委員 そうしますと、これは安原刑事局長に伺いますが、こういう重大な指摘があるわけです。これはあなた方は新聞報道のことを一々取り合っていたら切りがないとおっしゃるかもしれませんが、しかし、いろいろコーチャン証言も日本の司法当局の手に渡るという段階になったわけです。恐らく派遣されている堀田、東条検事あたりからも、重要な事項についてはそろそろ、全文が来なくとも捜査上必要なことは連絡がある段階だろうと思うのですよ。そういう点で、こういう時点にかんがみてもこういった四名の方々についてこれは捜査の対象にしているころじゃないかと私は思うのですが、捜査の対象になさっているかどうか、あるいは捜査上関心をお持ちになっているかどうか、これは内容はいいですから、形式上の問題で答えてもらいたいと思います。
○安原説明員 庄司委員はせっかく内容と形式をお分けいただきましたけれども、要するに関心を持っているかどうか、内容にわたることでございますので、これからの捜査の中身の問題としてひとつ御勘弁を願いたいと思いますが、本日出ておるような新聞の報道等も有力な情報として関心を持っていることと思います。
○庄司委員 いろいろ関心を持っているということはお答えになりました。 それで法務大臣にもう一回お伺いしたいのですが、きのう松本議員が指摘した例の佐藤孝行後援会の集会でのあなたのあいさつの問題なんです。この集会ですね、いつごろ持たれたのか、それは御記憶ありますか。
○稻葉国務大臣 二月の末ごろか三月初めのように記憶していますがね。間違っているかもしらぬけれども、いまそんな記憶です。
○庄司委員 間違っております。私どもの方で調べましたら三月二十七日です。三月二十七日といいますと、大臣、これはもうロッキード事件の暴露の始まりではなくて、国会論議も相当やられた。あわせて証人喚問も三回くらいやられている。そして同時に、アメリカに対して三木総理の親書が出されたり、返書が来たり、各党の調査団もアメリカに行っている。そういった時点で、疑惑について相当いろいろ出ている時点なんですよ。その時点で大臣が、いかに同じ派閥の代議士の方の集会といえども、行って、佐藤孝行氏は潔白だといったような発言をなさるというのは、あなたは派閥次元で物を考えることはないとおっしゃっておりますけれども、派閥次元でどうもかばうような発言をしている、こうとられても仕方のない問題じゃないかと思うのです。同時にもう一つは、法務大臣が、佐藤孝行さんについては潔白だ、こうおっしゃっているわけですから、やはり捜査上について何か予断と偏見を持っているのではないかと疑われてもやむを得ないような御発言じゃなかったかと思うのです。その点で、私がいま申し上げましたが、あなたのあのときの発言についてもう一遍あなたの御見解をひとつお伺いしたいと思うのです。
○稻葉国務大臣 三月二十七日ころというと、自由民主党の航空対策特別委員会でそれらのことが問題になったころじゃないかと思うのです。そのことについては、私も副会長で政調におったことがありますから、佐藤君はよく勉強して、そして航空業界再編成、それらについて人を説得するに足る意見を持っておりましたことは事実です。聞くと、なかなかよく勉強しているな、そしてこれとロッキード問題との関係はその当時としては何ら、普通に素直に考えれば、疑う余地はないな、それなのにいろいろ新聞に出たり、それから選挙区でどういうところから出たのか、ビラみたいなのか何か知らぬけれども、相当ひどいことを書いているから、それは事実ではないと私は思いますな、こういう演説で、絶対潔白とかいう言葉を使ったかどうか。それは佐藤孝行さんの後援会でつくった新聞だか号外だか、ビラですから、それはやはり後援会として佐藤さんを擁護しようというときには、法務大臣が潔白と言った、こういうふうに書かぬとうまくないということもあるのじゃないですか。私が、絶対潔白ですなどということを本当に言うたかどうか、それこそ記憶に定かでありません。私の言う意味はそういう意味のことを申したのです。
○庄司委員 あなたはどうも記憶が定かじゃないですね、確かに。日にちもうろ覚えだ。いまの記憶が定かでないから、私は、一番証拠になるあの後援会の集会でのあいさつ、これは佐藤さんの後援会のあれですから、当然後援会の方々が責任を持って書かれたものだと思うのです。だから、あなたもいまおっしゃいましたが、法務大臣が潔白だと太鼓判を押せば、後援会の人も喜ぶ。まさに法務大臣の地位が利用されている。その点で私は、法務大臣が潔白であるというようなことを言い切ったことは、法務大臣として非常にうまくない、こういうふうに思うわけです。 それから、さっきいわゆるそのとおりだと言ったのは、児玉と中曽根の関係だ、四十三年以来児玉と中曽根さんが関係がないとなぜ断言できるのか。これもやはり法務大臣が捜査当局に予断と偏見を与えてしまうのじゃないか。児玉と中曽根さんの問題は法務大臣が知らない問題ですよ。これは捜査の途中で出てくるかもしれません。なぜこういう断言ができるのですか。
○稻葉国務大臣 おしまいの方からやりましょう、二番目の方から。 児玉、中曽根の関係について、私は立ち会っているから、昭和四十三年だと思うが、佐藤さんの三選のときに萩原吉太郎さんとそれから永田雅一さん、児玉ば出ていなかったけれども。そしてこっちの方は中村梅吉さんとか私とか中曽根さん、それから櫻内さん、大石さん、山中貞則さん、野田武夫さん、それはぴしっと記憶はきわめて定かなんです。それで財界の人から佐藤三選に中曽根派をまとめてくれぬかという結論――いろいろありましてそういう結論です。そういうわけにはいかないのだ、こういうことで、後で中曽根康弘さんから私に、総裁をどうするか、つまり総理大臣をどうするかということについて、政治家に対しそういう干渉がましいことを具体的に言われるのは非常に困るから、今後一切政治資金のおつき合いは断ろうか、こう言うから、それはいい精神だな、こう言って、それ以来断ち切っているから、私は知っているから、そのとおりでございます。こう言っているのです。知らないことを、彼がそう言っているからそのとおりだなんと言っているのじゃないのです。わかりましたか。
○庄司委員 わかりませんな。児玉との関係については中曽根さんがいろいろ取りざたされているが、深い交際などは一切ない、これは中曽根さんがおっしゃっているだけなんです。あなたは毎日毎日中曽根さんと児玉さんの間を見ているわけじゃないでしょう。ただそのころのいろいろな話を聞いて、そういうことはあり得ないと思っていらっしゃるだけでしょう。 それから、あなたは大分いまお名前を挙げられたけれども、第一次FXの問題で出てくるお名前の方々です。大分お知り合いですね。これは私もひとつ留意しておきたいと思うのですが、私いまお聞きしたいのは、佐藤孝行さんの問題です。佐藤孝行さんについていまでも潔白だと断言なさるのかどうか、これだけひとつお答え願いたいと思います。
○稻葉国務大臣 わからぬのです。
○庄司委員 それじゃ、そのほかの、けさの朝日に名前の出ている三人ですね。つまり中曽根さんも含めると四名ですが、これについても潔白だと断言できますか。
○稻葉国務大臣 わからぬのですが、潔白だと信じたいですね。信じたい。大体、私、潔白だと信じていたということが検察当局に響きを与えると思ったら大間違いで、そんなことは断じて検察当局はさらさらするものではありません。
○庄司委員 イワシの頭も信心からと言うですからね。 それで私もう一つ伺いたいのですが、実はおとといから、田中逮捕以来いろんな新聞が、一流紙が田中の金のばらまき方の問題でも取り上げているわけです。大体共通していますな。たとえば「田中が大臣を務めた官庁では、主要幹部が給料以外の田中からの第二給与を受け取っていたことは公然の秘密である。」こう書いています。 それからまた別な次の日「「盆、暮れには必ず現金が贈られてきた。もらうのは事務次官、局長、部長、特定の課長。金額はまちまちだったようだ。田中角榮というゴム印を押した和紙の封筒にはいっていた。もっとも、田中派からはずれている役人には渡されなかった」と、経済官庁出身の元高級官僚は証言している。」こういうことをほかの新聞にも書いてあります。 そこで、これは読み上げると切りがないのですが、この問題について少しお聞きしたいのですが、これは法律論でひとつお伺いします。 もしこういうふうに大臣の地位にある人が、その所管する官庁の高級職員に対してそういう第二給与みたいなかっこうですね、これはいわゆるですが、そういうお金を与えていたということになれば、これは国家公務員法違反の疑いが私は出るんじゃないかと思うのですが、これは法律論としてどうなのか、ひとつ刑事局長からお答え願いたいと思います。
○安原説明員 国家公務員法の所管庁でございませんのでよくわかりませんが、どういう違反なのかをひとつお教えいただいて考えさしていただきたいと思います。
○庄司委員 それじゃ、ひとつ読み上げます。 国家公務員法の第二十七条(平等取扱の原則)というのがあります。 〔谷垣委員長代理退席、委員長着席〕 これは官庁の公務員について「すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われ、」云云「差別されてはならない。」これには罰則百九条で、一年以下の懲役あるいは三万円以下の罰金と、こうなっています。それから同二十八条、給与、勤務時間等は国会により随時変更すると書いてありますね。それから三十九条(人事に関する不法行為の禁止)「何人も、左の各号の一に掲げる事項を実現するために、金銭その他の利益を授受してはならない。」その三に「任用、昇給、留職その他官職における利益の実現又はこれらのことの推薦」、こういうことが書いてあります。これは罰則があって、百十条、三年以下の懲役あるいは十万円以下の罰金。それから六十三条ですね。「職員の給与は、法律により定められる給与準則に基いてなされ、これに基かずには、いかなる金銭又は有価物も支給せられることはできない。」これも罰則が百十条で「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金」とこう定められております。 こうやっていわゆる官庁の公務員に対して大臣が、あるいは上級者でもいいですよ、こういう方がいわゆる第二給与みたいなものを与え、あるいは盆暮れに定期的に金を与えるということは、この国家公務員法に抵触するおそれがあるんじゃないかと私は思うのですが、その点どうなのか、あるいはそうでないとすれば、賄賂に当たるものではないか、その辺どうなんですか。
○安原説明員 国家公務員法の解釈につきましては、私がこのような公の席で申し上げるのは権限外でございますので控えたいと思いまするが、いわゆる給与ということに当たるのかどうかというようなこと自体、やはり問題があろうかと私はこの場で思います。 なお、大臣が部下の職員に対して金銭を渡すことがその職務に関する違法な報酬であるというようなことになれば、大臣と下僚との関係においても贈収賄ということはあり得るということは法律論としてあります。 しかし、いずれにいたしましても、具体的な事実の問題でございますので、私から最終的な結論を申し上げるのは差し控えたいと思います。
○庄司委員 それでは、これは新聞にどんどん書かれているわけですから、これはひとつ関心を持って調査してもらいたいと思うんです。 それから最後に、時間もありませんから簡単に伺いますが……
○田中委員長 庄司君、行政管理庁がおりますよ。
○庄司委員 委員長ありがとうございます。それでは行政管理庁、この点、国家公務員法の関係でどういうことになるのか、これは一般論でいいですから。 それから行政管理庁としては、こういういわゆる上司が金を与えることによって行政が曲げられるおそれも私はあると思うのですが、そういうことについてはあなたの方では関心を持たれるのかどうか、それから持たれるとすれば、これは監察の対象になさるのかどうか、この点だけひとつ……。
○鈴木説明員 ただいま御指摘になりました問題につきまして、国家公務員法上の解釈の点につきましては、刑事局長の御答弁のとおりでございます。私どもも所管外でございますので、その見解をここで申し述べるわけにはまいらないと存じます。 それから行政管理庁として、この問題について監察をする意思があるかどうかという点でございますが、これは御案内のとおり、行政管理庁設置法の権限とそれから監察する場合の手段、方法に照らして、この問題が監察になじむかどうかを判断いたすわけでございますが、行政管理庁の監察といたしましては、各行政機関の業務の実施状況を監察し、勧告するという規定でございます。したがいまして、この行政機関の行政としてそれが行われていれば監察の対象になろうかと思いますけれども、ただいまお話のございました点につきましては、なお個々の職員の給与、第二給与等の御指摘のございましたそういう問題でございますので、直ちに私どもの監察の対象にはならない、なじまないものであると判断いたす次第でございます。
○庄司委員 これで終わりますが、最後に、私は木村運輸大臣に一言だけお伺いしたいのですが、あなたはいわゆる五億円の贈収賄の疑いもあるような田中角榮の派閥に属しておられるわけです。そして運輸大臣をやっておられるわけですが、私どもの調べですと、田中角榮系の政治団体からあなたに、越山会から百万円、これは昭和四十八年七月一日から十二月三十一日までの間、それから政治経済調査会から百万円、四十九年七月一日から十二月三十一日の間、それから財政調査会から百五十万円、四十八年一月一日から六月三十日、同じく百万円、四十八年七月一日から十二月三十一日、同じく二百万円、四十九年七月一日から十二月三十一日、合計六百五十万円が四十八年の一月一日から四十九年の十二月三十一日まで、まさにピーナツ、ピーシズの時代に渡っているわけです。このような――あなたの派閥の領袖、しかもいま国民の大変な批判を浴びておりますね。しかも、三木総理も大変心配だとおっしゃっている。こういう問題で問題になっている人からあなたが六百五十万円もお金を受け取っておられた。これは、まさにピーナツやピーシズのかけらが紛れ込んでいる可能性もあるわけです。金に「ピーナツ」とは書いておりませんから。そういう点で、あなたは三木内閣の閣僚の一人として、また田中派の大臣の一人として、どのような責任を感じていらっしゃるのか、どのような受けとめ方をなさっていらっしゃるのか、この点だけ一言伺って終わりたいと思います。
○木村国務大臣 私は、田中派の一人として政治活動もやってまいったわけでございますから、田中前総理からかつて政治資金をもらっておるということは事実でございますが、これは正規の手続によって処理をされておるわけでございます。 ただ、いまお話しのように、それが現在問題になっておる金から出ておったかということはもとより知る由もありませんし、当時だれとしてそういうことを感じておった者はいないわけでございます。ただ、現在不幸にしてこういう事件になったということでございますので、一日も早くこれが解明され明らかになるということを望んでおるわけでございます。
○庄司委員 終わります。
○田中委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 けさの報道によりますと、日本に渡りました米資料におきまして、自民党の幹事長の中曽根氏、また橋本登美三郎氏、二階堂進氏、佐藤孝行氏の名前が挙げられておる、こういう報道がされているわけです。先ほど刑事局長は、こうした新聞報道につきまして、情報については関心を持っている、こういうお話でございましたが、報道されなくても関心をお持ちであったのではないでしょうか。
○安原説明員 報道に関心を持ったわけでありますから、報道がされなくて関心を持つということはあり得ないわけでございまして、言葉を返すようで失礼でございますが、要するに、あらゆる情報、つまりロッキード社の企業活動に関するあらゆる情報につきましては、捜査当局は当然ながら関心を持っておったことは事実でございます。
○近江委員 今回のこの報道につきましては、非常に強い関心をお持ちですか。
○安原説明員 私が持っている関心の強度については私から申し上げることができますが、捜査当局のことでございまするから、強いか弱いかは別といたしまして、通常のと申しますか、そういう関心を持っておるということ、持っておると私が思うということでございまするから、その点でひとつ御理解をいただきたいと思います。
○近江委員 昨日、総理は、三木内閣の閣僚からもしも逮捕者が出たら良心に従って処置するというような趣旨の答弁をされたわけでございますが、法務大臣は、もしも三木内閣の閣僚から逮捕者が出た場合、内閣の責任はどうとるべきであるとお考えでございますか。
○稻葉国務大臣 昨日、総理大臣の申されたとおりであります。
○近江委員 自民党幹事長あるいは、これは仮定でございますが、総務局長が逮捕されたような場合、自民党総裁としての責任はどうとるべきであると考えておられるか。総裁としてしかるべき責任をとられるべきであると考えておられるかどうか、法務大臣にお伺いしたいと思います。
○稻葉国務大臣 それは法務大臣でなく、自民党総裁三木武夫さんにお聞きいただきたいと思います。
○近江委員 もちろんそうでありますが、少なくとも法務大臣として、こうあるべきであるということは総理にも当然進言されるべきだと思うのですが、法務大臣としてはどのようにお考えでございますか。
○稻葉国務大臣 その場合の進言をいたすべき立場には法務大臣はございません。
○近江委員 昨日、全日空の若狭、藤原の二人が外為法違反で起訴されたわけでございますが、若狭につきましては、予算委員会で偽証罪でも告発しておるわけです。しかし、どうしてこの偽証罪での起訴がなされなかったのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○安原説明員 若狭得治につきましては、偽証罪の告発を受けておるわけでありまするが、昨日、勾留期間満了の段階において、なお偽証罪の関係については捜査をする必要のある部分があるということで、処分保留ということで、外為法違反だけで起訴をした次第でございます。
○近江委員 田中前首相が受領をしましたこの五億円につきましては、トライスターの謝礼という見方が非常に強まっておるわけですが、こうなってまいりますと、ますます田中前首相の収賄容疑というものが濃くなってくるように思うのですが、この受領いたしました五億円の性格につきましてはどのようにごらんになっておられますか。
○安原説明員 現在、外為法違反ということで、ロッキード社からの支払いとして田中前総理が受領したということの被疑事実で捜査中でございますが、当然のことといたしまして、それがどういう性質の金であるかも目下捜査中であるというふうに理解しておりますので、いまのところ、どういうものであるかということはお答えする段階にはございません。
○近江委員 また、一部報道によりますと、この五億円につきましてはロッキード社と田中前秘書間に裏契約が存在して、売り込み成功の報酬と見られておるわけでございますが、この点につきまして捜査当局としましては関心をお持ちですか。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、ロッキード社からの支払いとして五億円が田中前総理に渡されたということの疑いを持っておるわけでございまするから、当然のこととして、それはどういう理由、動機でこういうものが来たかということは捜査の対象となるはずでございます。
○近江委員 昨日、総理は、わが党の坂井議員の質問に対しまして、議員個人の政治資金につきましても何らかの規制を検討したい、こういう旨の答弁があったわけでございますが、政治資金が賄賂として使われているこうした現状から、何とかすべきじゃないかと考えるのはこれはもうあたりまえのことだと思うのですが、法務大臣の認識はいかがでございますか。
○稻葉国務大臣 なかなかむずかしい問題でございますので、私、即答をするだけの自信がございません。
○近江委員 しかし、これは総理もその旨の発言をなさっておられるわけでございますし、これは非常に大事な問題なんですね。したがいまして、非常にむずかしいから答えられないということでは私の質問に対しての答えになっておらぬと思うのですね。ですから、総理と同じお考えでございますか。
○稻葉国務大臣 検討を要するように思います。
○近江委員 私はいろいろと調査いたしてまいりました。そこで、議員に対する政治献金が余りにも野放しにある実情を少し紹介してみたいと思うのです。 田中前首相の関係する政治六団体、すなわち越山会、財政調査会、新政経振興会、政治経済調査会、経済社会研究会、関西財政経済研究会、ここのところから四十六年の上期から五十年の上期までどのくらい議員が政治献金を受け取ったかと申し上げますと、一億五千万円台が一人、一億四千万円台が一人、一億一千万円台が三人、一億円台が一人、九千万円台が一人、八千万円台が一人、六千万円台が四人、四千万円台が七人、こうなっております。四千万円台以上で申し上げますと以上のとおりでございまして、合計十九人で十五億六百三十六万円になっております。それから、政治献金として受けた国会議員は、いま申し上げた期間におきまして百八人、金額は二十一億二千百九十六万円、このようになっておるのですね。支出費目は組織活動費、調査費、こうなっております。 非常に膨大な額に達しておるわけでございますが、法務大臣はこうした中身につきましてどのようにお考えでございますか。 その前に、ちょっと委員長に許可をお願いしたいと思うのですが、私がいま申し上げた資料をちょっと大臣にお見せしたいと思いますので、お許しを願いたいと思います。
○田中委員長 どうぞ。
○稻葉国務大臣 なるべく節度を持ってやってもらいたいものだな、余りにも政治に金がかかり過ぎるようだなという感じを持つわけです。
○近江委員 大臣は、まだ具体的なそうした構想は固まっておらない意味の御答弁があったわけです。しかし、総理の答弁と全く同じである、こうした発言があったわけですが、議員のこうした政治献金の規制をどのようにしたらいいか。やはり大臣としても何らかのことはお考えになっておると思うのですが、その点ひとつお考えがあれば具体的にお聞きしたいと思うのです。
○稻葉国務大臣 国民から疑惑を持たれている金権的性格を払拭するという必要上、節度がもっとあってほしい、真剣に検討しなければならぬ問題である、こういうふうに思います。
○近江委員 この政治家のモラルの問題がここで大きく浮かび上がってくるわけでございますが、私は、このロッキード事件の一つの教訓といたしまして、一定の限度のもとに個人献金に限るべきじゃないか、このように大原則を確立しなければいけないのじゃないかと思うのですが、この点についてはいかがですか。
○稻葉国務大臣 一律にぴしゃっとそういうふうに決めていいかどうかは、私はあなたと意見をちょっと異にいたすものであります。
○近江委員 三木内閣の出発は、田中金脈事件を受けまして、自民党の金権体質をいかに払拭するかにあったのじゃないかと思うわけです。三木総理みずからおっしゃっておられたわけですが、いま総理いらっしゃいませんけれども、三木総理が就任前におっしゃった言葉は、企業から政治献金を受けるとその代弁者となりやすい、このようにおっしゃっておられるわけです。さらに、過日のTBSテレビの「総理に聞く」という番組でも、日本には一億もの国民がいるのだから広く浄財をもらって賄えるという趣旨の発言をして、暗に個人の政治献金が望ましいことを示唆されておるわけです。 法務大臣にお聞きいたしますが、再びこのような疑獄事件を起こさないようにするために、積極的に政治献金は個人に限定すべきである、こういう方針を立てるべきじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。
○稻葉国務大臣 検討を要すべき重要な問題であると思います。
○近江委員 この問題は、非常に重要な問題でございますし、十分ひとつ検討してその方向でやっていただきたいと思うのです。 それから、職務権限につきましてちょっとお聞きしたいと思うのです。 この田中前首相の逮捕は外為法違反容疑となっておるわけですが、その行き着くところは収賄罪がねらいであるというのは当然だと思うのです。収賄罪の適用のためには、総理大臣としての職務権限が何であるかということを明確にする必要があろうかと思うのです。私は、総理大臣の職務権限につきましては、行政権を握る内閣の代表であり、一般国務、外交関係について国会に報告、行政各部を指揮監督する、これは憲法七十二条、内閣法五条、六条などから考えましても、行政全般について職務権限を持っていると考えるわけですが、この点についてはどのようにお考えでございますか。
○安原説明員 憲法、内閣法に内閣総理大臣の権限が明らかになっておりますように、御指摘のように、行政各部を指揮監督する権限をお持ちであるということは、総理大臣の職務の特徴であるというふうに理解しております。
○近江委員 もう一度ちょっと念を押しておきたいと思うのですが、過去の収賄罪につきましての判例につきましては、この点につきましては幅広く解釈する立場が支持されているわけですね。「職務ニ関シ」との条文も、職務と密接に関係する行為と解して収賄罪の立証をしているのじゃないかと思うのですけれども、この点もう一度ひとつ確認しておきたいと思います。
○安原説明員 刑法の職務に関するということの解釈といたしまして、本来法律または慣習等によって確定しておる職務のみならず、その職務に密接に関連する事柄も職務に関するの範囲に入るというのが判例の確立した見解でございます。
○近江委員 なお、国会議員の職務権限についてもちょっと伺っておきたいのですが、通常、国会議員の職務は、法案の審議や議決、国政調査等が考えられるわけです。国会議員の所属する委員会によってもこれらの職務は限定されるという見方もあるわけですが、私は、国会での職務につきましては、実質的な議員の役割りや党内における立場等を考慮に入れるべきであると思うのです。そのためにももっと幅の広いものとなるのじゃないか、このように考えるのですが、国会議員の職務権限についてはどのようにお考えでございますか。
○安原説明員 国会議員の職務権限そのものに関する解釈は、むしろ国会御当局でしていただきたいと思いまするが、要するに、国会議員の職務あるいはそれに密接に関連すると思われるものが国会議員の職務に関することとして刑法の収賄罪の適用の対象になり得るという抽象的なことで、御猶予を願いたいと思います。
○近江委員 法務大臣はこの二十四日、新潟県での時局講演会におきまして、刑事責任の追及に一応のめどがつくまで臨時国会の召集時期は決めない方がよい、このように発言なさっておるのですが、刑事責任の追及に一応のめどが出るまでとは、具体的にどのような時期を指しているわけですか。
○稻葉国務大臣 また演説の内容を引用されましたのですが、臨時国会の召集時期については党の決定がありますね。いますぐにいつごろ開くなんて決定しないのだ、そうして、捜査当局がいまロッキード事件についての捜査をやっている、それのおおよそのめどがつくまでは決定しないでおいた方がいい、いつ開くということをあらかじめいまの段階で決めないでおいた方がいいという党の決定は妥当である、こういう演説をしているわけです。ですから、自分が刑事責任追及のめどを持って、そして言っているのではなくて、党の決定したことをそのまま引用して、それは妥当である、こういう演説でございます。
○近江委員 党の考え方というところに力点を置かれたわけでございますが、松野政調会長は、衆議院の任期から逆算して臨時国会の召集時期は八月二十日から下旬の間と判断しておられるようでありますが、このころには捜査のめどはつくと捜査当局は見ておられるわけですか。
○稻葉国務大臣 捜査当局がいつごろまでというめどをつけているという報告をこちらへしておりませんから。法務大臣ですからね、私から松野さんのような発言をいたしますと、そのころまでにはやってほしいというような、何かこう指図でもするような結果になっては大変でございますから、時期については一切、二十日から下旬だなんていうことは私は申してはいないのです。したがって、松野さんの御意見は、御意見としてそういうことを述べられたのか、それも私、聞いておりませんからわかりませんけれども、私としては、臨時国会開会のめどを二十日から下旬の間なんという考えをいまの段階で持っているわけではありません。もう少したてばまあ見当がつく時期が来るのかもしれないし、その辺のところはなかなかお答えしにくい点でありますね。
○近江委員 非常にお立場もよくわかるのですが、大体八月中にはこのめどがつく、この辺のお考えはありますか、どうですか。
○稻葉国務大臣 御承知のように、いろいろなことがありましたので、さあ、その辺のところも、きょう私から申し上げるのは妥当ではないのではないか。
○近江委員 さらに新潟での大臣の御発言でございますが、検察当局はシロとクロの判定しかないが、国会はシロの中から灰色を見つけろと言う。その際、いわゆる灰色高官名の公表をめぐって自民党内は公表賛成派と反対派に分裂するおそれがある、私はこの際出すべきうみは出した方がいいという立場を貫く、こうした発言があったということを聞いておりますが、自民党内の反対がありましても、法務大臣として灰色高官名の公表については積極的に臨まれると見てよろしいでしょうか。
○稻葉国務大臣 国会正常化に関する議長裁定はそういう点が明瞭になっておりますからね。だから、刑事訴訟法の立法趣旨を踏まえて、国会の国政調査、すなわち灰色高官の定義とか、それから範囲とか、公表の方法とかいうことについて国会からの要請があれば、いま言いましたように刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて最善の協力をする、こういうことになるわけであります。
○近江委員 そうした前提条件を踏まえて、たとえ自民党内で猛烈な反対があっても大臣としてはいま御発言になったことを断固貫く、こういうお考えでございますか。決意をひとつお伺いしたいと思います。
○稻葉国務大臣 反対があるかどうかわかりませんのですね。もし仮に、刑事訴訟法の立法趣旨を踏まえて最善にここまでは協力をすべきものだというのを反対があってもやるか、それはそのとおりでございますね。
○近江委員 大臣の決意をお聞きしたわけですが、じゃ、断固ひとつやっていただきたい、このように思います。勇気をもってやっていただきたいと思います。 それから灰色高官の定義、公表の問題ですが、先週の委員会で総理は、灰色高官の定義は国会が決めるべきであるような発言があったわけですが、国会の定義によって政府は灰色高官の公表を行うつもりですか。
○稻葉国務大臣 国会の決定に無条件というわけにいかないのですな。灰色高官の定義及びその範囲、公表の方法等、刑事訴訟法の立法の趣旨に合っているかどうかは、われわれ捜査当局、それから法務省の権限でございますから、それはよく法に照らしまして、そうして決定したいと思います。
○近江委員 そうしますと、国会が灰色高官の定義をした場合、それを参考にして政府が判断して新たに定義づけをする、こういうことなんですか。
○稻葉国務大臣 そういうこととはちょっと違うかと思います。灰色高官を定義してもらいたいと思っているのですから、私らは主役じゃない、そちらが主役なんですから、道義的政治的責任の追及は。道義的政治的責任の追及にいわゆる灰色高官の公表とか非公表とか、そういう問題が出てくるわけですからね。ですから、主役がお決めになったことについて刑事訴訟法上許されるものは応ずる、許されないものは、刑事訴訟法の解釈は私どもはこういうふうに思っていますが、こういうことを申し上げることになるんじゃないかと思います。
○近江委員 もう時間ですから、あと一問で終わります。 そこで、灰色高官の定義づけの時期についてお伺いしたいと思うのですが、先日の委員会での総理の御発言を聞きますと、捜査の終了時点でその実態を見てケース・バイ・ケースで定義を決めるような発言をなさったわけですが、私はいまこの時点で定義を決めるべきであると考えておるわけです。捜査終了時点では当然各方面からの圧力も考えられますし、それを決定する政府側に対する国民の不信も考えられるわけです。そのためにも、いまの時点で灰色高官の定義を行い、捜査終了時点で公表するのが本筋であると考えるのですが、いかがでございますか。
○稻葉国務大臣 いまの点につきましては、私の答えるべきことではなくて、そちらでお決めになることだと思いますね。
○近江委員 じゃ、時間ですから終わります。
○田中委員長 永末英一君。
○永末委員 最高裁は、ロサンゼルスの連邦地裁のファーガソン裁定を受けて、七月二十四日の午前中に裁判官会議を開かれて、判事会議ですか開かれて、これに対する意見をまとめられた。それはどういう内容で、どういう性質のものですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 七月二十四日に裁判官会議で、アメリカの連邦裁判所に対して送るということが決められました書面の内容でございますけれども、これは、東京地方裁判所の裁判官から米国の連邦地方裁判所に対するロッキード事件の証人三名の尋問嘱託に当たって、すでに、検事総長それから東京地方検察庁の検事正から、右三名の証人について、その証言内容やこれに基づいて入手する資料中で仮に日本国の法規に抵触するものがあるとしても、証言した事項について起訴しないという旨の意向を明らかにしているということ、しかし、最近また改めて検事総長から最高裁判所に対しても同趣旨のことを確約するという旨が明らかにされた。この事実を前提としまして、最高裁判所は、前記の諸事情にかんがみて、検事総長のこの確約が将来にわたりわが国のいかなる検察官によっても遵守され、本件各証人らがその証言及びその結果として入手されるあらゆる情報を理由として公訴を提起されることはないことを宣明する。こういう内容でございます。 その性質ということになりますと、東京地方裁判所――最高裁から見れば下級裁判所でありますが、東京地方裁判所の裁判官が必要であると認めて、そして外国に証人尋問の嘱託をした。ところが、その嘱託した結果が、言うなれば、俗な言葉で申しますと、宙ぶらりんになっておる。この下級裁判所がした嘱託の目的が達せられるように何らかの努力をするということは、これは最高裁判所がやるべき司法行政上の行為として当然のことであろうということでやられたものでございます。 以上でございます。
○永末委員 その決められましたものは一体どういうぐあいに呼ぶのですか、法律上ですね。たとえば相手方から要求のありましたものはルールとかオーダーとかいう言葉を使いましたね。この最高裁の裁判官会議で決めたものというのはどういうものなんですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 最高裁判所宣明書という題になっております。
○永末委員 それはこのロッキード事件にのみ関係ある、すなわちロッキード事件でロサンゼルスの連邦地裁に対する東京地方裁判所からのコーチャン、クラッター、エリオット三名に対する嘱託尋問に関してのみ効力があるんですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 もちろんこれはロッキード事件についての証人尋問についてのみ出されたものでございます。
○永末委員 この最高裁の宣明書なるものは、検察庁を縛るものですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 最高裁判所の出した宣明書というのは、これは先ほど申し上げましたとおりに、最高裁判所がそういうふうに宣明しているということでございまして、いま御質問になりました点については、これはその宣明書の内容を読んで御了承願いたいと思います。
○永末委員 宣明書は内容を読んでと言いますけれども、いただいていないものですから、それは本委員会に御提出願えますか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 これは御要望があれば提出することは差し支えないと思いますけれども、しかし、内容そのものは、先ほど申し上げたとおりに、将来とも検察官によって遵守されて、起訴されることがないということを宣明する、これだけのものでございます。
○田中委員長 岡垣局長、差し支えがないですね。
○岡垣最高裁判所長官代理者 と思います。
○田中委員長 じゃ、提出をしてください。
○岡垣最高裁判所長官代理者 はい、わかりました。
○永末委員 これら外国人三名に対するわが国の法令による訴追については、検察庁がなお独自でこれはやれることであり、それをしないことも検察庁が刑訴法に基づいて決定することである、こういうことですね。この宣明書が、検察庁の訴追するしないについて日本の法令上何らかの効力を及ぼすものではない、こういう性格のものですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 その点につきましては、先ほど申し上げましたとおりに、宣明書というのはあて名というものはございませんので、最高裁判所がただそういうことを宣明しておる。送ったのは連邦地方裁判所でございますけれども。先ほど申し上げましたとおりに、その宣明書はこちらの方へ提出することにいたしますので、それで御了解願いたいと思います。
○永末委員 検察庁側はこれをどういうぐあいに受け取るのですか、この宣明書が出たというのは。その御見解をひとつ伺っておきたい。
○安原説明員 今回の最高裁判所の決議に際しまして、検事総長から同じ名前の宣明書を最高裁判所に提出いたしておりまするが、その中身は、要するに、今回の証人尋問の、嘱託尋問の実施の際におきまして、各証人の証言及びこれに基づき将来入手する資料の中に仮に日本国の法規に抵触するものがあるとしても、当該証言をした事項については証人三名を日本国刑事訴訟法第二百四十八条によって起訴を猶予する、並びにその意思決定は当職、これは検事総長ですが、検事総長及び東京地方検察庁の検事正の後継者を拘束するものであるということを宣明したものでございまして、その宣明した事実を明らかにして最高裁判所に提出したものであります。これを受けまして、先ほど岡垣局長申されましたように、「最高裁判所は、前記の諸事情にかんがみ、検事総長の右確約が将来にわたりわが国のいかなる検察官によっても遵守され、本件各証人らがその証言及びその結果として入手されるあらゆる情報を理由として公訴を提起されることはないことを宣明する。」という宣明をしていただいたわけでありますので、検察庁、検事総長以下の証人並びにアメリカの裁判所に対する確約を最高裁判所が保証していただいたというふうに私どもは理解をいたしております。
○田中委員長 ちょっと、安原局長、いまお読みになった検事総長の宣明書ですね、それも提出ができますね。
○安原説明員 恐らくこの最高裁の決議の中身の一部をなしますから、当然御一緒に出します。
○田中委員長 そうすると、当然提出ができれば、両方提出をしてください。
○安原説明員 最高裁の決議の中身になりますから、最高裁の決議をお出しになるとき当然ついてまいります。
○田中委員長 それがついて出る、わかりました。
○永末委員 検察審査会の活動にはこれは無関係でございますか。
○安原説明員 具体的な事件の起訴猶予については検察審査会というものがございまして、検察官のそういう措置について意見を述べるということが検察審査会の権限でございます。その権限を排除するものではございません。しかしながら、あくまでもその検察審査会の意見は検察庁を拘束するものではない、アドバイスでございますから、検察、検事正が確約をいたしました以上は、たとえそのアドバイスがございましても、この確約に反することはできないということに相なるものと思います。その責任は別でございまするが、検察庁としては確約を守るわけでございます。
○永末委員 これはきのうの夕刻でございますか、相手方からこれを受けて、いままで凍結されておった処置を解くということは、到達したようでございますが、これは電話で来たわけですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 これは電信で参りました。英文の内容が電信で外務省を通じて参ったわけでございます。
○永末委員 それはしたがって正式文書の到達、こう理解していいものでございますね。
○岡垣最高裁判所長官代理者 その電信の中には、スチーブンス所長からの依頼によって、向こうにいる堀田検事が最高裁判所あてに送ったものでございますので、それによって私どもは正式に受け取ったものと理解しております。
○永末委員 さて、コーチャンの尋問に関する調書は、その決定をきのうの夕刻相手方がやってから、あなたの言葉で言いますと反訳され、そうしてその調書がこちらへ送られる、こういう手続になりますか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 おっしゃるとおりでございます。恐らくあれは速記者によるソクタイプで符号で打ってあると思いますので、それを通常の言葉に直して、さらに証人がそれを見て、そして間違いないということでサインをする、それからこちらへ送り返される、こういうことになると思います。
○永末委員 それはいつごろわが方に到着するというお見込みですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 その点につきましては、いまはっきりといつごろということを申し上げるわけにはいかないと存じます。というのは、証人がまだそれを見て、それからここは正確でないとかなんとかいう問題があるかもしれませんし、ですから、いつごろということはちょっと申し上げかねると思います。ただ、そう遠くはないだろうということだけは申し上げられます。
○永末委員 この宣明書送付を相手が受領したことによって、まだ尋問の行われていないクラッター、エリオット等も同じく尋問が行われた暁には、わが方として調書を入手することになると思いますが、このクラッター、エリオットの尋問というのはどうなっておるのですか。
○岡垣最高裁判所長官代理者 これは法務省の方でお答えいただいた方がいいかとも存じますが、私どもが得ている情報では、日本の関係だけではなくて、アメリカ法上免責特権というものを主張していて、そのために証人尋問ができないという状況にあるように聞いておりますので、その点については私どもからは何ともお答えできかねるわけでございます。
○永末委員 法務大臣、このロッキード事件については特に司法共助の了解をお互いにしてやっているのであって、そしてわが方の努力すべきことはすべてこれ出尽くしておると思いますね。ところが、いま話がございましたように、エリオット、クラッターはアメリカ国内における免責をアメリカ国にやっておるということになりますと、わが方としてはこれはなかなか届かないということであります。しかしながら、司法共助の精神に基づけば、わが方としてアメリカ政府に対して、やはり早く尋問をやって、送れということが要求できますね。どういうお立場で、どうしようとしておられますか。
○安原説明員 いわゆる実務取引面によりますと、双方の政府の約束といたしましては、今回のような問題のアメリカにおける刑事訴追の免除という特権の付与ということまでは協力は約束いたしませんよということになっておるわけでございまするが、御指摘のようなことでクラッター、エリオットの尋問が延期されておる状況でありまして、その理由は、いま最高裁判所当局から御説明のとおり、アメリカ法による訴追免除を要求して尋問がとどまっておる、その他の日本側からの事情による事由は何もなくなっておる、いまやそのことだけにかかっておるという状況でございますので、私どもといたしましては、御指摘を待つまでもなく、ぜひ、そういう取引面には約束はしていないけれども、アメリカにおける訴追免除の特権を付与されるよう極力御努力を願うよう、法務省当局からアメリカ当局にお願いをしておる段階でございます。
○永末委員 水谷文一が七月十九日、この処分保留のまま釈放されました。これはロッキード事件には関係がないという判断でございますか。
○安原説明員 ないかどうかはちょっと申し上げかねますが、少なくともあの逮捕された被疑事実は脱税でございまして、脱税につきまして公訴提起するのに、聞くところによると、脱税額の算定等に相当なお捜査を要するところがあるということで、処分留保で釈放になった次第でございます。
○永末委員 普通の脱税なら、いまの時期に出てきておるというのは一般的通念としてはおかしいのである。しかしながら、まさに児玉との密接な関係があり、今回のロッキード事件に関係があるだろうという一つの一般的な背景の中で、実際の容疑としては所得税法違反の容疑でもって逮捕されたことは事実でございまして、しかもそれが釈放されたというようなことになりますと、国民の目から見ておると、これは一体関係がないのかどうか、関係がないと判断したかどうか、こういうことが疑われる。逆に今度は太刀川に対しましては、これは強要罪で逮捕し捜査が行われたわけでございますが、これは起訴されましたね。そうしますと、似たような関係にある片一方が釈放され、片一方が起訴される、それはやはりロッキード事件に関係があるかないかが判断の基準ではないか、こういうぐあいに思われますが、太刀川の場合はロッキード事件に関係ありという判断ですか。
○安原説明員 いわゆる他事件の捜査の必要があるかどうかが当該人間の逮捕勾留の相当性、必要性の理由にはならないことは御案内のとおりでございまして、太刀川につきましては、強要罪について公訴を提起するだけの資料があったということであり、なお勾留の継続の必要があるということで勾留のまま公訴提起をしたわけでございますし、一方は公訴提起するだけの十分な資料がなかったということで、やむを得ず釈放をしたというのが実態でございます。
○永末委員 先週わが田中特別委員会委員長が児玉の尋問を行いました。さて、検察庁はもう三十回に及ぶ尋問を続けておるわけでございます。児玉の田中委員長による尋問は公表されたわけでございますけれども、私どもはあの尋問の結果を聞きまして、まことに心外にたえない、何ということを言うかという感じがいたしました。検察庁当局は児玉の尋問を通じて金の入りは大体把握されたわけですか。
○安原説明員 公表された資料によりますと、十七億余りが児玉の収入になっておるという資料がございますけれども、少なくともそのことにつきまして検察庁は究明中でございますが、いままで明らかになったところとして公にいたしましたのは、四十七年の収入、約八億の収入と、それからその後におきます四億四千万、一億二千万相当の外為法の違反による約六億の収入ということが明らかになっておるわけでありまして、その余の収入につきましては目下捜査中でございます。
○永末委員 いま安原局長の申されたように、少なくとも外為法違反の容疑で六億円に上るものが収入として取得されておる。児玉が田中委員長に答えましたのは、その契約に基づくロッキード社との顧問料以外は知らぬということですね。これは法務大臣、この二つ突き合わせますと、児玉はまことに怪しいですな。うそを言っていますね。どう思われますか。
○稻葉国務大臣 田中委員長のここで報告されたことと、安原局長がいま述べたことは矛盾しておりますね。児玉は一切関係ないと言っているけれども、実際は、いま刑事局長が関係あると言っているのですから、明瞭に違っております。
○永末委員 法務大臣、衆議院が院の活動として行ったことに対する児玉の陳述と捜査当局が調べておることは違うわけでございまして、これは何とかならぬのですか。これは一般の国民の声です。何ともならぬのか、お答え願いたい。
○稻葉国務大臣 何ともならぬのかと言われると、何とかなりそうなものだ。しかし、何とかなりそうなものだということの内容は、こうです。といま自信を持ってお答えできません。
○永末委員 何とかなるように努力してください。 終わります。
○田中委員長 それでは、この際、暫時休憩をいたします。 午後一時一分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕