ロッキード問題に関する調査特別委員会 第17号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/07/22
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。まず、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 まず最初に運輸大臣にお尋ねをいたしますが、大体、航空局の飛行場部長という人の職責は、どういう職責ですか。簡単におっしゃってくれんですか。どういうことをするんですか。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 飛行場の建設の計画、それからその工事の実施の問題、こういったものが飛行場部の所管になっております。
○松浦(利)委員 飛行機の機種について発言をするとか、そういう権限は持っておられるんですか。
○高橋説明員 具体的に飛行機の機種についての発言をする権限はありませんけれども、たとえば滑走路の長さとか、そういった関係で、飛行機の大きさと比べてその飛行場の使用ができるかできないかというふうな問題については、飛行場部の飛行場の管理の問題でありますけれども、それより前に、やはりそういった飛行機材を飛行場に入れることがいいかどうか、できるかどうかということは、むしろ監理部のエアラインの路線計画を審査する方の立場で判断することが多いと思います。
○松浦(利)委員 飛行場部長は、特定の航空会社に対してどういう機種がいいぞというようなことを言う立場にありますか。
○高橋説明員 そういう立場にはおりません。
○松浦(利)委員 昭和四十四年、四十五年、四十六年当時の飛行場部長はどなたですか。
○高橋説明員 丸居幹一であります。
○松浦(利)委員 わが党の調査によりますと、当時の飛行場部長が、二種、三種の飛行場を持っておる県の担当者を集めたとき、あるいは上京してきたときに、特定の航空会社、たとえばボーイング社ならボーイング社、そういった特定の飛行機会社のカタログを示して、これからはエアバス導入の時代になる、全日空に対してはボーイングがいいというふうにぼくは言っておったのだ、そう言いながらDC10のカタログ、それからボーイング747のカタログ、こういうのを見せて、その性能等について説明を加えるというのは、飛行場部長としての権限に入るわけですか。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 私、想像でございますけれども、当時、飛行機は大型化の傾向にございましたので、飛行場の設備の方も漸次大型化する必要があったと思うのであります。そこで、一般的な問題として、二種空港、三種空港等の管理者が集まったとき、あるいは会ったときに、将来こういったことになるのが傾向ではないかということを説明する、その説明するときの材料に具体的なそういった機材の写真を見せたというふうなことはあったかもしれませんけれども、先生のいまお尋ねのようなことにつきましては、これは飛行場部長の権限ではないと思います。
○松浦(利)委員 それがバランスしてカタログを提示して説明するならいいのですけれども、四十四年、四十五年当時はDC10とボーイング747を示しておった。四十六年後半からはトライスターだけを説明の資料として出しておられるわけですよ。わが党の調査ではそういうことが出ておるのですね。 そのことは、逆に言いますと、運輸省全体がもうすでにロッキード・トライスターということで、権限のない飛行場部長までが二種、三種担当の県の係官を集めたときにそういう説明をするということは、もう四十六年後半には、ロッキード・トライスターというもの一つに運輸省が固まってしまっておったというふうにわれわれは想像するわけね。こういう問題について、大臣、調査をし七みられる意思はありますか。
○木村国務大臣 本人によく聞いてみなければわかりませんから、それは聞いてみますが、御承知のように、DCそれからダグラス、ボーイングはロッキードよりも早く実用化しておるわけですから、話の順序としては恐らく、最初はまだロッキードが実用化しておりませんから、話の中に入ってこなくて、後になってロッキードが大体もう実用化しそうだということで入ってきたというふうに、素直に考えればそういうふうに思いますが、よく本人にどういう意図か一遍聞いてみます。
○松浦(利)委員 当時の担当者にあちらこちら聞いてみますと、当初は二つの会社を言っておったのに、突然トライスターだけになった。その当時は何も思わなかったけれども、いま考えてみると、やっぱりどこかおかしかったんじゃないかなという気がするということがわが党の調査でも言われておりますので、そういう点はひとつきちっと調べていただきたい。運輸大臣にお願いをしておきたいと思います。 それから続いて、実は橋本元運輸大臣の件について御質問をしたいと思うのですが、橋本さんは実は告訴状を出しておられるわけです。その告訴状は、「週刊東洋経済」の五月二十二日、これの二十三ページですね。この中にこういうことが書いてあるんですね。これは匿名の記者座談会という形になっておるのですが、「児玉に渡ったカネのうち五億円が四七年の田中内閣初の総選挙の資金として使われたらしいという情報はある」「その件では、橋本が、幹事長としてそのカネを受け取り」云々と、それから「橋本といえば、彼はその五億円の真相を明らかにしたうえで、自民近代化の捨て石となって代議士をやめる決意を固めて」云々と、こういう記事に対して、五月二十日に実は名誉棄損で告訴状を東京地検検事正に出しておるわけでありますが、この告訴状については検察当局の方はもう受理しておられるんでしょうか。
○安原説明員 御指摘の告訴状は、五月二十五日に東京地検で受理しております。
○松浦(利)委員 受理されて、告訴人から事情聴取はしておられるんでございますか。
○安原説明員 報告によりますと、両名から事情聴取はいまだしておらないということでございます。
○松浦(利)委員 議員の名誉にかかわることだということで告訴状を出しておるわけですが、受理されて、この扱いどうされるんですか。いつごろこの告訴についての調査をなさるおつもりですか。
○安原説明員 いつ、この告訴事件について捜査するかということについては聞いておりませんが、私の推測でございまするけれども、御指摘の名誉棄損とされる事実は、児玉から橋本氏に五億円が流れたという点が真実に反するということで名誉棄損になっておるようでございますので、児玉からの金の流れというものは、他面ロッキード事件の究明の非常に重要な部分として現に捜査中でございますので、その告訴事件そのものではなくても、ロッキード事件の児玉からの金の流れを究明する過程において、おのずから真否も明確になっていくんじゃないかというふうに私は思っております。
○松浦(利)委員 これはわが党の調査で明らかにしたことですが、実はロッキード事件が国内で二月五日に明るみに出た直後に、私たちは調査の結果情報を入手したのですが、実は児玉譽士夫が橋本氏に対して非常に反感を持っておった。そして児玉が旧海軍の物資を調達していた上海時代からの親交のある人物らに対しまして、橋本はけしからぬやつだ、飛行機のことで億単位の金を持っていった、何かあったら言ってください、ひねってやる、こういうことを亡くなった福田太郎氏にも漏らしておったという情報を私たちは聞いておるわけですが、検察当局はこうしたものについてはすでに把握をされておられるのか、あるいは仮にこういうことが言われておるとすれば、このこと自体は捜査の対象になるのかならぬのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕
○安原説明員 ただいまも申し上げましたように、児玉の言動というものはロッキード事件の真相究明のためにその関心を抱き、かつ捜査の対象として究明に努めておるところでございまするから、いまのようなこともその過程において明らかになると思いますが、少なくとも現段階において私はそのような事実があったということは承知しておりません。
○松浦(利)委員 私たちはこのことを、児玉譽士夫を証人にここへ喚問をした際に本人に直接聞こうと思っておったのですが、証人喚問できません。また、きょう特別委員長に御足労いただいて臨床尋問をいたしますけれども、これもイエスかノー程度のことではっきりいたしません。ですから、ここで捜査当局にお願いをしておきたいのは、これは非常に確実な情報として児玉の発言として伝えられておるのです。ぜひこの真相についても究明をしていただきたい。その気があるかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、児玉の言動については全力を挙げてその真相の究明に努めることは、検察当局の不動の方針でございます。
○松浦(利)委員 法務大臣、これは後から斉藤委員からも質問があると思うのですが、どうも政府高官に対しては慎重過ぎるほど慎重な扱いをする。そうすると、民間に対しては非常に厳しい、どうも官尊民卑の思想があるんじゃないかという、そういう批判が最近非常に出てきておるわけですね。私はいま安原刑事局長が言われたように、慎重に児玉譽士夫のルートを一生懸命解明しておる検察当局の御努力はよくわかります。しかし、いま言っておる官尊民卑のようなやり方について、私はそうじゃないと思うんだけれども、この際本当に、この真相究明に向かってどんなに壁があってもそれを突破してでも徹底的にやる、そういう批判にこたえるためにも徹底的にやるということについて、法務大臣として、いまそういうちまたの声が出かかってきていますから、あなたもいままでは非常に積極的な発言をしておられたのに慎重になった、三木総理もだんだん後退をしてきた、どうもこれはおかしいぞ、こういう疑惑が出てきておるのですが、この際法務大臣からそういう点についての心境を聞かしていただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 私はしばしば申し上げているとおり、憲法十四条にちゃんと法のもとに平等なんですから、官であろうと民であろうと、その間に差異を設けるなんていう精神は毛頭、ゼロゼロゼロゼロPPMもない。検察当局もその点については、一点疑いを差しはさむ余地はありません。 ただ、捜査の過程でございますから、もしそういうふうに一時国民から危惧の念を持たれてもそれはやむを得ぬが、結果としてそういうことはなかったということを明らかにするつもりであります。
○松浦(利)委員 文化庁からおいでいただいておると思うのですが、いまの大臣の決意に関連をしてちょっと文化庁の方から資料でお聞きをしたいのです。 宗教法人は届け出するだけで、委任事務として各県が行っておるのだそうですが、その際に設立の資金ですね、どこからどれくらい入ったかという寄付行為、この点についての資料その他については提出する義務があるわけですか。
○石井説明員 具体的な寄付の内容等については、提出する義務はございません。
○松浦(利)委員 それは調べることはできるのですか。
○石井説明員 宗教法人法という法律がございますけれども、これは本来、宗教団体の活動につきまして、宗教団体が法人格を持っていなくてもよろしいわけですけれども、その活動に際しまして財産的な基盤を与えまた公益性を与えるという趣旨から認められているわけでございまして、できるだけその宗教の中身に立ち至って調査するとかということはないようになっているものですから、私どもといたしましては、そういう具体的な内容に立ち至って調査するというような権限はないというふうに思っております。
○松浦(利)委員 いまお聞きのとおりで、宗教法人についてはもう一切文化庁は立ち入って調査する権限、機能というのはないわけですね。 そこで、ちょっとお尋ねをしておきたいのですが、実は橋本さんが水雲山潮音寺というのを御郷里の潮来につくられたのですが、それがお寺の規模から見て——信心深い方だからおつくりになったのだというふうに私は思うのですけれども、しかし、その設立の資金が七億近くもかかっておるのじゃないかという話があるのです。しかも、この役員の中に、常任理事としていま逮捕されておる全日空の渡辺尚次、丸紅の檜山広、それから理事として全日空の若狭得治そして丸紅の広江勲それから元事務次官町田直、こういう関係者が全部参加をしておるわけです。いま不規則発言がありましたが、これはロッキード観音じゃないかという冗談すらも新聞記事あるいはその他に出されておるわけですね。私は、本人の名誉のためにもこの際御本人が明らかにするのが一番いいと思うのです。しかし、そういったものについていま文化庁はもう全然チェックする機能はないわけですが、検察当局としては——これ、ちょっとロッキードとは無縁のような関係に見えますけれども、しかし、金の行き着く先が問題なんですから、そういう意味では調査してみられる気持ちがありますか。
○安原説明員 松浦委員御案内のとおり、目下検察当局はロッキード社から流入いたしました金の使途なりその使用の趣旨なりを究明する立場にあるわけでございまして、そういうことには懸命の努力をしておるわけでございますが、御案内のとおり、検察当局の職責といいますか責務といいますか、権限は刑事責任を追及するということにございますので、そういう意味で権限を行使し捜査をするということでございます。したがいまして、それを超える事柄につきましては当局としては権限がないわけでございます。いま御指摘のようなことがいま申しましたロッキード事件の刑事責任の追及に関係があるということになれば、先ほど法務大臣も申しましたように、相手がだれであろうと憶することなく真相の究明に努めると思いますが、いまのところ私はそのようなことについて検察当局が捜査しているということは承知しておりません。
○松浦(利)委員 それでは、私の時間は三十分ですから、最後にお尋ねをいたしますが、実はこれも朝日ジャーナルに、捜査の最高責任者である検事総長が最近政界の要人と会っているというような報道が出されておるわけですけれども、そういう事実、ありますか。 それから、こういうことが流されておるということについても、法務大臣、さっき決意を言われましたけれども、どうもという一つのあらわれがこういう記事で出てくるのじゃないかという気がするのですよ。ですから、そういう事実があるのかないのかお聞かせいただいた上で、もう一遍法務大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○安原説明員 昨日、参議院のロッキード委員会で、社会党の久保議員のことについての週刊文春の記事のことにつきまして、それが捜査当局からその事実が漏れたごとき前提のもとの記事があったことに関しまして、捜査当局としてはそういうことは一切ない、絶対あり得ないことである、したがって法務大臣はその際に捜査当局としてははなはだ迷惑千万であるということを申されたわけでありますが、いま御指摘の検事総長の問題につきましても、迷惑千万でございまして、直ちに朝日ジャーナルの方にその事実でないことを指摘して反省を求めましたところ、それは誤記であるということが朝日ジャーナル当局においてそれを認めておりまして、全く事実無根でございます。
○稻葉国務大臣 刑事局長がいま申し上げましたことで御理解いただけるものとは思いますがね。どうも人の名前が近ごろだんだん具体的に出てきまして、捜査当局としても少しそういうことについては多少危惧の念を持っておるやに聞いております。捜査のきわめて微妙な今日の段階で、雑誌等の記事等を根拠として委員会でぼつぼつ名前の出るということにつきましては、私もどういうものかな、こういう心境でおりますがね。ただしかし、委員会のおやりになることですから、別に差し出がましいことを申すわけではありませんけれども、私どもは官だとか民だとか、政党だとか派閥だとか、そういうことによってふらふら右、左するものでは断じてないのです。いろいろ危惧の念を持たれたりしますが、それはしかし、最後に決着をつけたときに、きょうの松浦さんの私に対する質問なんかにつきましても総理に対する御批判なんかにつきましても、これは結果としてきちっとやれば、途中で法務大臣後退したのじゃないかとふらふらしているのじゃないかとか言うたけれども、失敬なことを言うたものだなと後でわかってもらうよりしようがない、私、いまそういう心境でございます。
○松浦(利)委員 私たちの質問が急で、本当に失敬なことになる結果になるように私は期待をして、斉藤委員と交代します。
○大橋(武)委員長代理 斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 官房長官お見えでございますので、承りたいと思いますが、三木総理はロッキード事件の真相解明について政治生命をかけるとたびたびあらゆる場所で発言をされております。今日なおその決意については変わりはないというように考えております。 そこで、ロッキード事件の解明に政治生命をかけるという内容でございますが、徹底的にあらゆる手段を尽くして真相を究明し、その真相を国民の前に明らかにするという責任からそのようなことをおっしゃっている、だろうとも思います。 そこで伺いたいわけでありますけれども、非常に現実性を帯びてきておりますので、仮定の問題には答えられませんなどということで答えられては困るので、具体的に伺いたいと思うわけであります。それは、真相究明が進んでいって、きわめて不幸なことでありますけれども、十七名の国務大臣の中に逮捕者が出たというような場合に、真相究明をした結果こうなったのだということでは、約束を果たしたことにはならぬ。仮に十七名の国務大臣の中から疑わしき者が出たあるいは逮捕者が出たという場合の三木総理の責任は、どう表明されるのでありましょうか。 実は、きのう参議院へ出席されたそうなので、きょう衆議院へも御出席いただけると思っていましたけれども、残念ながら総理の出席はいただけません。そこで、きわめて重要な問題でありますけれども、あなたに伺うわけで、官房長官としては答えられないということでは困るのです。お答えください。
○井出国務大臣 いま斉藤さんが御指摘になりましたように、この不幸な事件に対しまして総理が真相の解明に全力を挙げるというこの姿勢は、私、側面から見ておりまして、毫も変わっておらないと考えております。 そこで、いま非常に端的なお尋ねでありますが、すでに斉藤さんが御指摘のように、これはなかなか答えにくい問題にお触れになりました。また、私はそういうことはないというふうに信じておるものでございまして、したがって、いま万々一というような場合を予想してお答えを申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 やはりあなたは、私が予想したような答弁しかしていない。そのようなことはないということを確信しているというなら、あなた何か詳細な資料をお持ちですか。知っていなければ——十七名の閣僚の中にはそんな者はいないということを断言できるなら、その根拠を示しなさいよ。知っているからでしょう。だから、私は初め断ったのです。仮定の問題だけれどもそういうことがあり得る、あった場合にはどうするかというのですから、あった場合には潔く辞職しますなり、責任をとりますと言うのがあたりまえじゃないですか。根拠を言ってください、根拠を。そういうことはないという根拠、何ですか。
○井出国務大臣 根拠を示せとおっしゃられましても、私もこういう席で法務大臣がお答えをしておる程度の認識しかございませんので、別に根拠をいま示せと言われましても、大変むずかしい問題でございますが、閣僚を信頼しておりまする立場からいたしまして、そういうことは万々ない、こう期待もいたし、信頼もいたしておる、こういうことでございます。しかし、さっき、万が一にもと申し上げましたように、そういう事態になりますれば、事は大変重大でございまして、いま私がどうも斉藤さんの御満足のいくようにお答え申し上げかねておるのは重々お察しがいただけるものだ、かように存じます。
○斉藤(正)委員 ロッキード事件究明に政治生命をかけるというのは、初歩の段階では私は三木さんの執念だと思っていたのですよ。ところが、現職国会議員の証人喚問あるいはきわめて重要だと思われている人たちの証人喚問の野党要請に対し、自由民主党の諸君はもちろんのこと、総裁である、総理である三木さん自体が、最近きわめて消極的になってきているのですよ。このことは、口では徹底究明、政治生命をかけるなどと言っているけれども、そうじゃない。最近具体的に心境の変化が彼の中にあるというように思わざるを得ないわけであります。あなた、官房長官ですから、総理としての見解はその程度にしかお答えできないと思うのでありますけれども、それほど今度の事件というのは重要な事件であって、ロッキード隠しとかロッキード隠れとかいろいろに言われておりますけれども、現職閣僚の中に万一そのような人が出た場合であっても、真相究明だ、真相究明だと言って総理の席についておっていいのかどうか。(「それはいいんだ」と呼ぶ者あり)いいという声もありますけれども、これはきわめて私は疑問だと思う。事の重大性にかんがみ考えるべきだというように思うのです。 では、もう一度伺いますけれども、これは総裁としての立場を聞くのですから、あなた、よけい答えにくいと思うのだが、自民党に三役というのがありますね、副総裁が入れば四役になるのでしょうけれども。幹事長、総務会長、政調会長をいわゆる三役と言っている。場合によっては四役とも言うようでありますけれども、この中から逮捕者が出た場合はどうしますか。党の幹部から、役員から出た場合はどうです。
○井出国務大臣 御指摘のように、党の役員、最高幹部はおっしゃるとおりでしょう。しかし、斉藤さんも私に先回りをしてお手助けを願っておるように、大変答えにくい問題であるとおっしゃいましたとおりでして、私自身どうも党の立場というものは全くの無役でございますし、先ほどの答弁を繰り返す以外にはない、こういう次第であります。
○斉藤(正)委員 法務大臣に伺いますが、このロッキード事件というものの重要性にかんがみ、いま私が官房長官に質問いたしましたように、あなたを含めて現職の閣僚なりあるいは党の三役、四役に逮捕者が出た、疑いのある者が出たというような場合に、三木内閣が真相究明、真相究明といって存命していいものかどうか、法務大臣としての見解はどうですか。 〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕 私は、非常に重要な問題であって、やはり異常な決意をすべきだというように思うのでありますけれども、いかがですか。
○稻葉国務大臣 斉藤さん、それは法務大臣の立場で答えるべき問題ではないのじゃないでしょうか。閣僚から関係者が出た、被疑者が出たとか逮捕者が出たとか、あるいは被起訴者が出たとか党の役員からそういう者が出たとかいう場合に、それは総理がお答えになるべき問題であり、それから党の総裁としてお答えになるべき問題であって、私は犯罪捜査をやっている検察当局を一般的に指揮監督している法務大臣でございますから、そういう総理の答えるべきこと、総裁の答えるべきことを、あなた、私に聞いたってだめですよ。 ただ、私としては、ロッキード問題は徹底的に究明しなければならぬ立場だ、また究明する意思であります。正義をして知らせしめよ、たとえ三木内閣は滅ぶとも、カーライルではないけれども。法務大臣の立場はそうあるべきものであって、あと、あなたの聞かれたようなことは、総理とか総裁とかがお答えになるべきことだ。
○斉藤(正)委員 いや、私の聞き方が悪かったかもしれませんけれども、あなたの立場でもしそのような場合があったとすれば、内閣をほうり出すぐらいな重要な問題だという認識があるかということを聞いたので、それはいまあなたの答弁で、内閣が倒れようとというふうな言葉がありましたから、それでいいと思います。 そこで伺いたいのですか、最近の世論は——三木さんも非常に世論を気にする方でありますけれども、世論は、何かしらロッキードそのものに捜査なり追及なりが偏ってしまって、この伏線としてロッキード事件を生む温床になった業界の再編成あるいはエアラインの路線の認可等々の追及がおろそかにされている。なるほど本件はロッキード事件でありますけれども、ロッキード事件を生んだどろどろしたどす黒い業界の再編成あるいは路線の認可等の問題がないがしろにされている。それは勘ぐれば、自民党の派閥にも関係をして、ある特定派閥を重点的に追及をし、ある特定派閥はこの際まあまあというようなことで手を緩めている(発言する者あり)不規則発言ややじがあればあるほど信憑性が強いんですよ。そのように言われているんです。三木さんもやはりだめだという世論が起こりつつあるんですよ。私は、ロッキード事件そのものの追及、もちろん必要でありますけれども、あの事件を生んだ基盤となった、温床となった航空行政、特に業界再編成や路線の問題等々をめぐる追及にもっと力点を置くべきだというように思うんですけれども、まず官房長官からお答えを願って、そして法務大臣の答弁を聞きたい。
○井出国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、三木総理のロッキード問題に対する姿勢は、これはもう徹底的に解明をしなければならぬ。これは私そばで見ておりまして毫も変化はございません。 世論の動向等にお触れになりまして、これは潮の満つるがごとく引くがごとく、あるいは一進一退はあるかもしれません。しかし、それはあくまで現象でありますから、もっと本質をにらまえてそして対処する、この考え方はどうか御信頼をいただきたい、こう思います。
○稻葉国務大臣 三木総理の真相究明に対する態度につきましては、いま官房長官がお答えになったとおりであります。法務大臣はどうかと言われれば、先ほど松浦さんの御質問に答えましたとおり、私はずっと言っているように、人によって差異を設けたり、政党によって差異を設けたり、そういうことは一切いたさない。党利党略、派利派略を越えて法をして支配せしめよという気持ちでおりますことは、先ほど申し上げたとおりです。どうぞ御信頼いただきたい。あなた、多年文教等においてあなたともいろいろなことをやった、そういう仲じゃありませんか。私のことを疑われては困ります。
○斉藤(正)委員 いみじくも答弁で、私とあなたの関係などが正式な答弁として出るところに、やはり人脈あるいは派脈といったようなものが大きく作用しているんじゃないかとしか思われないのですよ。すなわち、ロッキード事件に直接関係をし、影響力を大きく持ったといわれる派閥を、あるいはその領袖を徹底的に追及することによって三木内閣に反撃が試みられている。おかしいじゃないか、もっと重要な問題がある、これは一体どうするんだ、もしそういうことでごまかすとするならば、われわれにも重大な決意があるぞというようなことで、三木内閣をいわゆる主流派として形成している派閥に対して盛んに牽制が行われ、したがって、肝心かなめなロッキードの主役に対して追及の矛が鈍った、こういうことが国民の中に言われているんですよ。あなたはいま絶対そのようなことはないと言われておりますけれども、これはやはり率直に国民の疑惑に答える必要があるというように思うのです。松浦さんの答弁でかえてほしいなんということでなくて、私の質問に答えてください。
○稻葉国務大臣 あなた、いま何か、派閥にねらいをつけてその派閥から反撃を食ったりというような御発言がありましたね。それならば、一番私のところに来そうなものじゃないですか。いま捜査当局を持っている法務大臣のところに来そうな、反撃だとかあるいはねらいとか、そんなことは全然ないのですから、そういう圧迫というか、この間ここでおどかされとか言いましたが、そういう事実がないものですから、そういう気持ちは全然ありません。 それから、ねらいをつけているなんて、私はそんな射撃の名人じゃないです。あなた、特定の派閥にねらいをつけるとか、特定の政党にねらいをつけるとか、人にねらいをつけるとか、そんなことで法秩序の維持ができるものでしょうか。しかし、そういう点は疑いを持たれて質問されるのですから、私も不徳ですけれども、私、そのねらいをつけるだけの頭ないのです。頭以外は体にどこにも欠点はありませんけれどもね。そんな悪知恵なんか毛頭ございませんから、ひとつ御信頼をいただきたい。しかし信頼できない、こういうことは過程においてはあっても、私は結果として、先ほど申し上げたように、ああなるほどあいつの言うたことは本当だったな、皆、人によって差別しなかったな、派閥によっても政党によっても全然差別はなかったなという結果が出るように努力に努力を重ねて、それは人間ですから、能力において足りないところはありますから、完全無欠とは言えなくても、それに近いものに努力を重ねて、後で斉藤さんも、ああ稻葉君、済まなかったな、あんなことを言って、いやどういたしまして、そういう時期の来ることを念願しているわけです。その時期はいつだかということは申し上げかねます。
○斉藤(正)委員 官房長官、時間ですから、最後に一言だけ。 あす総理は福田、大平会談をやって臨時国会召集の時期等も決める。しかし、何かきょうの新聞報道によりますれば、きのうの参議院での答弁から、八月末というようなことが言われております。八月末というのは、いまロッキード事件解明の時期がいつともお約束できないという法務大臣のお答えでございましたけれども、一応のめどを八月末に立てて臨時国会召集というように言われたのかどうか。 もう一つ。運輸大臣がいますけれども、過日、国鉄職員に夏期手当を支払うだけの金が国鉄当局になくて、運輸大臣は八月中に関連法案を成立させるということを約束に大蔵省から資金運用部資金一千億を引き出した、そういう事実も御承知の上で八月末に臨時国会を召集というようなことは、閣内の意見というのはめちゃくちゃじゃないですか。木村運輸大臣はそれこそ政治生命をかけなければならないような形になっていると思うのですね。しかし、三木さんはうまいことをいつも言って、いや、ロッキードだけが政治じゃない、三法も大事ですというようなことを言うけれども、現実に、臨時国会は八月末だなんて言えば、木村運輸大臣が大蔵大臣と約束をした八月いっぱいに関連法案を通し、九月一日から実施をするということで、それじゃ、まあ財源もややできるので目をつぶって貸しましょうということだったのでしはう。全く閣内の意見というのがそういう具体的な細部になると支離滅裂なんです。臨時国会召集のめど、ロッキード事件解明の、終わりたというのじゃないでしょうけれども、時期、そして運輸大臣の責任等々も絡めて、お帰りの前に答弁してください。
○井出国務大臣 きのうの参議院で、三木総理から臨時国会についてそれほど明確な線が出ておると私、思っておりません。これは斉藤さん御承知のように、われわれいま大変苦慮しておるのでございまして、政府は前の通常国会で三法案を積み残して今日に至っております。したがって、運輸大臣もいらっしゃいますが、大変国鉄を抱えて苦慮しておられる事情もよくわかるわけであります。そういうような意味で、とりあえず総理外、副総理、大蔵、この三者が財政事情等をもう少し分析をしてみようというような宿題が明日にかかっておるわけであります。 さりとて一方、ロッキード問題、連日このように国会において御努力をされてくだすっておりますが、これまた、法務大臣からお聞きのように、もうしばらく様子を見なければという事情も一方にあるわけであります。他方、まあ国会のことでございますから、野党の皆様方の御感触も考慮に入れなければならぬ問題でございまして、そういう点、ある時期が限られてきておるというあたりをいま苦心しておるわけでございまして、国会の側においてもこれはぜひ御協力を得なければならぬ。こういうふうな各般の問題を踏まえて適当な時期を決めなければならぬ、こういうことで、いま私が明確にいつ幾日と申し上げるのには、少し諸情勢を検討する時間をお与えいただきたい、こういう感じでおります。
○斉藤(正)委員 どうも全く雲をつかむような答弁で、具体的にはわからないわけでございますが、もう一遍お答えいただきたいのですけれども、国務大臣の中からあるいは党の三役なり七役の中からたとえ疑わしき者なり逮捕者が出ても、なお総理は現職にとどまって本件真相解明のために断固がんばるという決意なのか、そのときはそのときで考えさしてくださいというのか、どちらにウエートがかかっているのですか。
○井出国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、真相を徹底的に解明をする、その基本線はいささかも変わっておらないわけでありまして、決して無責任なことはできない、こう私は思うのであります。したがって、万々一というふうな点にお触れになったわけでございますが、それはいまあらかじめそういうことを予想してお答えを申し上げるわけにいかない。真相を究明するというこの態度の一貫しておるということだけ申し上げる次第でございます。
○斉藤(正)委員 それじゃもう一つだけ。木村大臣が八月中に関連法案を通す、こう言った。八月末では臨時国会を召集したって成立しっこないですね。河野参議院議長は国内にいる間は、四、五十日は必要だ、こう言っている。モントリオールへ行ったら二カ月は必要だというようなことを言い出している。木村運輸大臣が政治責任をとらなければならないようになるんですよ。ああだこうだ言わないで、恐らくこのままいけば、電電を含めて、特に国鉄職員には九月の給料が払えないのです。夏期手当ならとにかくとして、普通の給料が払えないというようなことになった場合に、一体どういうことになるのですか。法案の賛否は別ですよ。三木内閣の責任としてどうするのですか。あなたの口添えなり総理の骨折りでそのようなことは断じていたしませんと断言できますか。いかがです。
○井出国務大臣 そこがいまわれわれの苦心をしておるところでございまして、まだ何も臨時国会の日取りがいつ幾日と決まっておるわけでございませんので、その間に諸般の条件を調整をしまして、場合によれば野党の側にもお願いをしなければならぬ、ひとつこういう時期であるから何十日もかかるということでなく超スピードでおやりをいただきたい、こういうこともお願いしなければならぬ、このように思っておる次第であります。
○斉藤(正)委員 たびたび本委員会でも問題になっておりますけれども、トライスター一〇一一の価格について世間では非常に疑惑を持っております。しかし、これは本委員会で解明することによって国民の疑惑というのは解けると思うのです。そういう意味では何か運輸省の肩を持つような質問になりかねませんけれども、それでもなお疑問が残りますのでお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 いろいろな契約が丸紅とロッキード社なり、あるいは全日空とロッキード社なりとの間に取り交わされております。運輸省の調査によりますれば、巷間で言われているような価格の違いはございません。しかし、丸紅等の資料によりますれば、一番高い飛行機が六十一億六千五百十万円で最低の価格が四十七億九千七百十六万円で、その差額は十三億六千七百九十四万円もある。同じトライスター一〇一一で何でこんなに違うのだろう。それは国際線用につくってあるとかいろいろ仕様が違うとかと言われておりますけれども、それにしても十三億六千七百九十四万も違うなんということはおかしいじゃないか、こういうことが言われております。 そこで、ロッキード社と丸紅なり全日空なりの間に約束をされた割引項目ですね。以下申し上げるもので間違いあるかどうか、お答えください。 一番機から六番機までの契約であります。宣伝費が一機について五万二千ドル。中古機引き取り該当額が一機につき五十万ドル。シミュレーター・二台分が三百ないし四百万ドル。三百ないし四百万ドルなんという、ないしなんというのはおかしいのですけれども、これは一体どうなのか。別に、各機に対して四十万ドル。さらに別枠として各機に対し五万ドルを差し引く。こういうことになっていると聞くのでありますけれども、間違いございませんか。
○松本説明員 お答え申し上げます。 まず、航空機の価格を何をもって押さえるかというのが、実は簡単なようでややこしい問題でございまして、したがいまして、私どもが航空機一機当たりの一番確実な価格として押さえるべきものは全日空としての帳簿価格、これをもって押さえるのが一機一機の価格としては一番確実な価格ではなかろうか、こういうふうに思います。 しかし、それでは今度は、いま先生御指摘のディスカウント、値引きを一体どういうふうにやったのかというふうな細かな経緯が、そちらの面から見ますと必ずしも十分にはわかりません。そこで、ドル建てのままで恐縮でございますけれども、いまおっしゃいました一号機から六号機までというところで一応の整理をしてみますというと、まず基本的な価格というものがベースにございます。この基本価格というものは一号機から六号機までにつきましては千八百十八万四千ドル何がし、こういうことに押さえられておるわけでございます。それに対しまして仕様の変更がございます。それからエスカレーション条項というものがついてございます。このエスカレーション条項と申しますのは、米国内における物価の値上がりに比例して価格を上げていく一まあ下げる場合は恐らくないと思いますので、上げていくと申し上げてよろしいかと思いますが、これの計算式は私も委細は存じませんけれども、米国の政府機関によって出されております賃金係数、こういったようなものをもとに一定の計算式によって、エスカレートする部分を上乗せをする。仕様書の変更につきまして差が出てまいります理由は、あるいは国際線用であるとかあるいは国内線用であるとか、あるいは多少細かな点の手直しがあるとかないとか、こういうふうな点ででこぼこが多少出てまいるわけでございます。これらを操作いたしましたことによって一応のベースの価格というものが出てまいります。これで見まする限りにおきましては、一号機から六号機までが、高いところで千九百二十万、これが高い方でございまして、一番安い方が千八百五十七万になっております。 その価格を一応根っこにいたしまして、いま先生がおっしゃいましたような今度はディスカウントの問題が出てまいります。ただいま先生の仰せられましたディスカウントの項目、額については、実は私どもが全日空によって調査をいたしましたところと多少の違いがあるようでございます。実はこの契約そのものは全日空とロッキード社との間において契約が行われております。したがいまして、私どもも全日空とロッキードとの間の契約については逐一説明を聴取いたしましたけれども、丸紅とロッキードの間の問題につきましては、あるいは丸紅と全日空との間の問題、これらにつきましては直接的に丸紅から事情を聴取いたしておりません。したがいまして、私どもの申し上げるのは、いま申し上げましたように、全日空とロッキードとの間の契約をベースにして私どもが全日空から聴取したところというふうに御理解いただきたいのでございます。 まず頭割りの値引きといたしまして一機四十万ドルをパーでかけております。それから中古機の売却奨励金といいますものを頭割り五十万ドルパーでかけております。それから広告宣伝費これにつきましては一機当たり五万二千ドル、それの六機分、さらに五万ドルをその上に上乗せをいたしまして、その総額を六で割っておりますので、一機当たりにかけてまいりますと六万三百三十三ドル、ただし六号機は端数処理をいたしましたので三百三十五ドル、こういうふうに変わってきております。シミュレーターという点についていま御指摘がございましたが、シミュレーターにつきましては、一号機から六号機までのディスカウントの項目の中には立っておりません。これは七号機以降にシミュレーターの分を投入しておるわけでございますが、シミュレーターにつきましては、七号機以降の分ではございますが、私どもの承知しております額は二百九十八万ドル、これがシミュレーターに対するディスカウントでございます。さらにずっと後の方の飛行機になってまいりますと、広告宣伝費的なものはなくなってまいります。これは六号機までで終わりでございます。そのほかに、したがいまして一一号機から一四号機まで、ここはディスカウントの要因が頭割りのディスカウントと、それから中古機の奨励金、こういった基本的なディスカウント要因だけでございまして、一五号機から先になりますと、これもシミュレーターの一種ではございますけれども、整備要員を訓練教育するための仕掛け、これを開発するに要する経費をディスカウントの中に入れる、こういうことで一機当たり何がしか、二十三万ドル程度の金を投入しておる、これをディスカウントの要因に入れている、こういうふうに私どもは承知をしておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 大体私のお尋ねと答弁は合っておるわけでございまして、そういうことでたとえば六号機が大変安いようなかっこうに発表されている資料もありますけれども、それはいま説明のあったようなものを六号機へ集中して引いたというようなことからそういう結果になるんだ、こういうことで了解できると思うのです。しかし、そのほかにもしロッキードから全日空へ金が支払われているということになりますれば、これは価格ではないし、商取引以外のものだというように考えて差し支えないと思うわけであります。 そこで、検察当局に伺いますけれども、この七四年一月二十四日付の米国資料による四十万ドル、これはすでに全日空幹部の逮捕によって明らかになっていると思うのでありますけれども、問題は七四年一月七日、四十五万ドル、L一〇一一コミッションズ(ANA)という資料があるわけでございまして、これは手つけずだ、まだ検察当局は手をつけていないというように思うのでありますけれども、あることはもちろん御承知でありますが、これと一月二十四日のものは金額は四十万ドル、片一方が四十五万ドルで違いますけれども、重複しているというようにお考えになって、捜査をされないのか、あるいはこれは捜査の内容に入りますからお答えいただけないかと思いますけれども、全然別なものだというように私どもは考えているわけでありますが、いかがでございましょうか。
○安原説明員 公表資料によりますと、四十五万ドルというものがチャーチ委員会等の公表資料で出ておるわけでございますが、御指摘のとおり、先般藤原亨一という全日空の者を外為法違反で逮捕、勾留をいたしておりますが、この関係の四十万ドルは、いま斉藤委員御指摘のように、裏金として藤原亨一がロッキード社から受領したということになっておることは、逮捕状の事実記載のとおりでございまして、その四十万ドルといま御指摘の四十五万ドルとがどういう関係にあるかということは、目下究明中でございます。
○斉藤(正)委員 先ほど松本次長から答弁がございましたように、契約に基づく割引等々で各機の値段が決まってきておりまして、それは当、不当は別として帳簿上正しいものになっているというように思いますけれども、それ以外のものについてはやはり何がしかの黒い目的を持って渡されたものだというように思います。捜査中だそうでございますので、これ以上申し上げませんけれども、この七四年一月七日付の四十五万ドルにつきましてもさらに調査を進めていただくように要請をするものであります。 次に、時間がございませんので、もう一遍東亜国内航空のDC9の導入について、不可解な点が多々ありますので、お尋ねをいたしたいと思うわけであります。 過日私の質問に答えて、昭和四十八年一月二十日、東亜国内航空はダグラス社との間に十四機の購入仮契約をした、そしてこの月の三十一日に東亜国内の田中社長は運輸省の記者会見室を使って記者会見を行い、当社はDC9の購入を決めたというような発表をいたしております。正式には二月七日に申請が出されておるわけでございまして、ここにその資料もございますけれども、正式なものである。いろいろ答弁を見てみますと、当時の運輸大臣はあらかじめそういうことを聞いているというようなことを言っておりますけれども、口頭で聞いたとかなんとかいうものじゃなくて、正式な申請書が出ていることは事実であります。これに対して四十八年二月十五日、航空局長から田中東亜国内航空社長に対して、引き続き検討を要する種々の問題があって、了承しがたい、こういう返事が出されております。そしてその種々の検討ということはきわめて基本的な問題でありまして、「運航乗務員の確保が機材導入テンポと整合性があるか及び乗員養成計画」がどのようになっているか。「機材整備面で他社(JAL)の技術援助を得るとしているが、その確認及び自社による整備体制を確保するための整備員の養成計画(現有機材の整備能力を低下させずに)」「路線運航計画と機材稼働状況(稼働率が低下すれば採算性が低くなる)」というようなことで、きっぱり断わっているわけであります。しかし、文章上は、「空監第九十八号 昭和四十八年二月十五日 東亜国内航空株式会社殿 運輸省航空局長内村信行 DC9の導入について 昭和四十八年二月七日付け東国航企画第四七−一三四号をもって申し越しのあった標記の件については、引続き検討を要する種々の問題があり、目下のところこれを了承し難いので了知願います。」という文書になっておりますけれども、行政指導としては私が申し上げたようなことを指導されたはずであります。これほど基本的な航空機の運営に関する基本問題が未解決であったにもかかわらず、四十八年四月二十八日にDC9を運輸省は了承したのであります。この時期は一体どういう時期なのかということでありますけれども、きわめて重要な問題がここにはらんでおるわけであります。 すなわち、その一つは、田中当時の総理大臣の存在であります。質問に答えて、この問題に対して田中総理は、「私と橋本幹事長と、ときどきゴルフをやっておったんですが、この一、二年やってないのでいっかやろうと、こういうことでございまして、寄ったわけでございます。」だれと寄ったかと言うと、東亜国内航空の会長というよりも、元毎日新聞の会長であった田中さんのことであります。「私は、いま、次の日曜日にそういうことができるかどうか予定を組めないような状態だから、別な人とやってくれと、こういうことを述べたときに、DC9の問題に対して四、五分話がありました。これは、東亜国内航空というものの運営上必要な、適当な機種であるということで、いま運輸省にお願いしていますと、運輸省でも国会でも議論があった問題だし、運輸省は安全第一で慎重に調査をしておるはずだからその結果を待ちなさい、」というように言われた。東亜国内の田中代表が時の総理田中角榮氏あるいは橋本幹事長とゴルフの約束を取りつけようとして、ゴルフは断わられたけれども、DC9の導入については要請をいたしております。こういう事実を、ロッキード事件じゃございませんけれども、検察当局は御存じでございましょうか。
○安原説明員 当局としては承知しておりません。
○斉藤(正)委員 またこの時期は、小佐野賢治氏が東亜国内航空の取締役に就任をされた時期でもあります。しかもこの時期というのは、過日内村前事務次官、前々航空局長が証人として本委員会で答弁をいたしましたように、一、二回という表現をいたしておりますけれども、小佐野賢治氏が時の航空局長内村君を訪ねた時期と全く符合が合います。法務大臣、お疲れのようですけれども、ロッキード事件は鋭意真相解明に努力をされているようでありますが、私は航空業界全体に何かしら大きな力が背後に動いていたというように思わざるを得ないわけでございます。 もう一つ具体的に申し上げますと、佐藤文生さん、悪いことで使うのじゃないのでお許しをいただきたいと思うのですけれども、朝日ジャーナルの三月五日号に、ロッキード疑獄追跡特集というのが出されておりまして、上田哲君、黒柳明君、宇都宮徳馬さんそして佐藤文生君が座談会をやっているのです。その中で佐藤文生君が、「私はロッキード問題が起こった時に感じたのは、そんなことが現実にあったのだろうかという驚きでした。私は四八年に、運輸政務次官をしておって、東亜国内航空がDC9を買う話が上がってきて新谷運輸大臣が、「一四機と来ているけれども、日本の航空行政上、需要と供給その他いろんな面で検討した結果、一四機では多い」ということで、私と新谷さんで八機に減らした。」こういう発言をされておるわけでありまして、もちろん事務当局に多少というか、いろいろな検討はさせたんでありましょうけれども、最終的には政務次官と大臣で八機で許可せよということを決めた、こう言っているのです。 さらに、過日も若干触れましたけれども、ちょうどこの時期に三井物産は全日空の株千百八十七万七千株を東亜国内航空へ売り、阪急電鉄が持っていた東亜国内の株百二十一万六千四百七十株、全日空の株は五十円、東亜国内の株は五百円ですから、金額にいたしますと、全日空の株が十四億六千五百九十万円、東亜国内の株が十四億五千八百万円、ほぼ等価でありますけれども、こういう株の移動もあるわけでございます。 私はこういうもろもろの条件がほとんど同時期にぴたりと一致する裏に、やはり日商岩井が扱うボーイング、あるいは丸紅が扱ったトライスター、そして三井物産が扱うDCといったようなものをかっこうよくあんばいした政府高官なりあるいはその背後に黒幕が介在をしている疑いが、いま申し上げましたような具体的な例から十分だ。 したがって、いまロッキードで夜も日も明けない状態でありますけれども、この種の面も当然調査の対象にすべきだというように思うのでありますけれども、法務大臣、いかがでございますか。
○稻葉国務大臣 運輸行政の背後に何か怪しげなる大きな力が動いているのではないかという御質問ですが、私、運輸大臣でございませんから、そういう運輸行政の背後に大きな力が動いているかどうか、まず運輸大臣からよく聞きまして、そういう力が動いているのだということになるとこれはゆゆしい問題で、捜査の対象にしなければいかぬかな、こういう感じがいたします。
○斉藤(正)委員 運輸大臣にそんなこと聞いたって、知りませんと言うに決まっているのですよ。あなた、とぼけてはいけませんよ。ロッキードだって運輸大臣に聞いて、なるほどおかしいですよといって始めたものじゃないでしょう。アメリカの多国籍企業小委員会なりその他で出てきた問題で、その後お聞きになったかもしれません。この問題はまだどこでも問題にされていないのですよ。アメリカで問題にされればやりますとか、運輸大臣から聞いたらどうもちょっと臭いですからやりますとかいうのじゃ、何ですか、一体法の権威というのはどこにあるのですか。私がいま申し上げましたように、幾つかの資料、データからぴったり符合するものがある、したがって、ロッキードもさることながら、この問題にも目を向けていいのじゃないかということを申し上げているのです。
○稻葉国務大臣 あなたのおっしゃるいろいろな事実は、運輸行政の背後にいろいろな事実がある、こういうことですから、それを一番よく知っているのは何といったって運輸大臣なんです。そして、運輸大臣は法を曲げる、法務大臣は法を曲げない、そんなばかなことはないのですよ。運輸大臣も法務大臣も同じ内閣の国務大臣として法を守って一生懸命やろうとしているのだから、法を守る非常な責任者である運輸大臣が、運輸行政の背後に法を曲げるやつがいるということになれば、運輸大臣がわしに、どうもおかしいから、わしもおかしいから、あなたどうなんだ、こうやって相談するのは当然じゃありませんか、当面の担当大臣は運輸大臣なんだから。
○斉藤(正)委員 どうもちょっとわからぬですが、運輸大臣から言われればとか、国会から言われればとかいうことじゃないと思うのですよ。法の番人として、あなたはいま私が申し上げましたようなことは、私が言わなくても知っているはずなんだ。当時の航空局長内村君が宣誓をして証言台に立って、小佐野と一、二回は会っています。こう言っているのですよ。田中当時の総理大臣と東亜国内の当時の田中社長は、さっき言ったようなお話をしているのですよ。そして、申請後わずかに二カ月にしてDC9の、なるほど十四機は多かったけれども、八機にして認可しているのですよ。そこらが私はロッキード事件と無関係ではない、介在している人物がみんなこうダブっている。しかも、申し上げましたような大きな企業なり何なりにあんばいよく各飛行機を振り分けて代理店の仕事をさせているというようなことから、ひとつこれを機会になお調査を進めていただきたい、こういうように思いますので、もう一遍お答えください。
○稻葉国務大臣 内閣の組織は主管が分かれておりますから、ですから、運輸行政の背後に怪しげなる雲があるということは、やはり担当大臣たる運輸大臣が一番よく知っているのだから、そのために関係閣僚懇談会という連絡協議会というものがあるのですから、そういうところでよく討論をして、そしてなるほどそういうことか、そうするとこれはほうっておけないな、こういうことになるわけでありますから、そしていまあなたがおっしゃったようなことは、恐らくはですね、捜査当局に抜かりがあろうはずはないというふうにも言い得ると私は思いますので、その辺のところでいかがでしょう。
○斉藤(正)委員 終わります。
○田中委員長 松浦君、何か御発言がございますか。——松浦君。
○松浦(利)委員 この際、証人喚問の動議を提出いたします。 来週二十八日、国際興業社主小佐野賢治君を本委員会に証人として喚問されるよう、しかも直ちに採択されるよう動議を提出いたします。
○田中委員長 松浦君にお答えを申し上げます。 ごもっともな、重要な御発言と存じます。この動議の取り扱いについては、直ちに理事会を開き相談をいたしたいと思います。 暫時休憩をいたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時十三分開議
○田中委員長 これより委員会を再開いたします。 ロッキード問題に関する件について質疑を続行いたします。 質疑の申し出により、順次これを許します。まず増本一彦君。
○増本委員 法務大臣にお伺いをいたします。 すでに二月の十六日に、小佐野賢治氏も証人として喚問をされ、当国会において証言をされています。当然のことながら、法務大臣としても小佐野賢治氏の証言については重大な関心をお持ちであると思いますが、その点いかがですか。
○稻葉国務大臣 議院証言法違反の罪は非常に重い罪ですから、いやしくも犯罪捜査当局を担当する法秩序維持の任務を持つ法務大臣として、関心を持つことは当然であります。
○増本委員 そこで、大臣からいま大変重要な御答弁があったわけですが、法務大臣としては、一般的に見て、このコーチャン証言の信憑性は十分にお認めになっていらっしゃると思いますが、その点はいかがですか。
○稻葉国務大臣 いまアメリカから来ている公開されたもの以外のコーチャン証言というものは見ておりませんから、その信憑性を問われても何とも言えませんが、公表された部分についての信憑性は相当なものである。それから、今度最高裁がうまく意思表示をしてくれて、捜査当局が使い得るその証言の内容は秘密でございますから存じませんが、公開されている分についても相当な信憑性はあるように思います。
○増本委員 そこで、大臣が重大な関心をお持ちの二月十六日のこの小佐野賢治氏の証言の中身と、コーチャン氏がアメリカのいわゆるチャーチ委員会で証言をされた公表部分の証言とを見ても、重大な食い違いがあるわけですね。 コーチャンは、児玉に紹介をされて、この小佐野氏の影響力が絶大なものであって、いろいろ売り込みについても戦略上の相談を何回にもわたって行った、それが飛行機の売り込みにも大きな効果があったという趣旨の証言をしているわけです。二月十六日の小佐野証言では、いわばそれを真っ向から否定するような証言があります。ここにわれわれが、重大な証言の食い違いがあり、議院証言法から見ても偽証の疑いがきわめて大きいものであるということを常に強調してきたわけですが、この二つの証言の食い違いについて、法務大臣はどうお考えになり、そしてまた、現在の捜査の進展状況等から見て現状をどういうように認識され理解されておられるのか、その点についてお伺いをしておきたいと思います。
○稻葉国務大臣 いまそういう点が非常に問題になっておるわけで、捜査当局がぼさっとしているわけではないから、十分その点についても検討中というふうに思います。したがいまして、捜査当局の検討中である事柄について法務大臣がこういう席で、どっちが本当らしい、どっちがうそらしいなんと言うことは、捜査当局の、この厳正公平な捜査に多少の影響を与えるおそれなしとしないということで、私の答弁を差し控えさしていただきます。
○増本委員 いままでの大臣等の御答弁から十分に推認し得る点は、小佐野氏は少なくとも重要参考人かあるいは議院証言法上も偽証としての被疑者の立場に立たざるを得ないというように思われるわけであります。 その点で捜査当局にお伺いしますが、これまでに小佐野氏に対する取り調べや捜査状況はどうなっているのか、お答えをいただきたい。
○稻葉国務大臣 それらの具体的な状態につきましては、刑事局長に答弁をさせたいと思います。
○安原説明員 もう御理解いただいていると思いまするが、具体的な人の名前を名指して調べたかどうかというようなことについては、一切お答え申し上げることを御遠慮させていただきたいと思います。
○増本委員 われわれは、われわれ自身からの究明の審議の過程でも重大な疑惑を持っているわけであります。先ほどの午前中の動議にもありますように、ともかく一日も早く、早急に小佐野氏の証人としての喚問を委員長にも特に督励をお願いをしたいと思います。 そこで、小佐野の証言とコーチャンの証言との食い違いのほかに、二月十六日の予算委員会における証言では、小佐野賢治氏みずからが体験している事実とかあるいは外形上十分に認識できる事実と小佐野賢治の証言とが食い違いをしている、あるいは事実に反している部分が各所にあるのではないかというように考えるのですが、この点は捜査当局やあるいは租税関係の国税当局のこれまでの調査結果ではどういうようになっているか、御報告をいただきたいと思います。
○安原説明員 先ほど大臣から申されましたように、当委員会、予算委員会等におきます証人の証言については、だれかれを問わず重大な関心を持っていることは事実でございます。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 国税当局におきましても、予算委員会におきますところの証言につきましては重大な関心を持っておることも確かでございます。
○増本委員 私が伺っているのは、証言の中身から見て事実に反している部分があるではないか、その点について、捜査当局ないし国税庁として当然調査や捜査をされているはずである、それがどういう状況にあるのかという点であります。
○稻葉国務大臣 おっしゃるとおり、捜査をしているはずであるとあなたが推定されることは、推定に合っているのじゃないかと思いますね。ぼさっと——あれだけの重大な衆議院、参議院における予算委員会及びロッキード特別委員会におけるそういう証言というものは関心を持たざるを得ないわけですから、そういう点についてじんぜん日を送っているようなことは、それはあり得ないわけです。 ただ、その結果、捜査しているというなら、どういう程度までどういうことを調べてどういうことがわかったかなんという内容は、申し上げるわけにいかない。
○増本委員 時間がございませんので、じゃひとつ具体的な事案で大臣と当局の見解を伺いたいと思います。 二月十六日の証人喚問で小佐野賢治氏は、自民党の古屋委員の質問ですが、なぜ航空機会社の株を個人としてたくさん持っているのかという問いに対して、一つは、将来の事業は航空機事業に移るから、二つ目に、ホテルと航空は一体のものでなくてはならないからという趣旨の証言と、あわせて第三に、株がたくさんふえたのは、「各社とも、増資、増資をやりますから、最初わずかのものが増資をし、今日までふくれ上がってきたということもひとつ御理解いただきたい」こういう証言をしております。 また、同じ委員会で共産党・革新共同の東中委員の、四十四年から四十五年に急に株がふえたのはなぜかという質問に対しては、「割引券の関係で名前を社内へ散らしておいたのを一本化したんじゃないかと思う」、こう証言をしている。 法務省、大蔵省の証券局や国税庁あるいは運輸省当局は、この小佐野の証言が事実に合致しているものと認識をしているのかどうか、その点をお尋ねしておきます。
○稻葉国務大臣 法務省については刑事局長……。
○安原説明員 先ほど冒頭御指摘のように、コーチャン氏と知り合った関係において小佐野氏がここで証言したことと多国籍企業小委員会におけるコーチャン証言とが客観的に食い違っていることは、これは何人も否定できないと思いまするが、なお、それが偽証につながるとかあるいは事実に相違するとかいうようなことは、捜査の内容にも関連することでもございますし、特定の人の犯罪の嫌疑ということをこの場で私の口から申し上げるわけにはまいりません。
○増本委員 大蔵省は、割引券でばらばらにしていたのをまとめたのだとか、あるいは増資によって株がふえただけで御本人はそれ以上の作為がない趣旨の証言をしていますが、これが事実に合致している証言であるのかどうか、その点は調査しておられるでしょう。いかがですか。
○安井説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の予算委員会での御質問の中に、共産党・革新共同の東中先生が御指摘なさいましたように、四十六年三月の末に三十七万株だったわけでございます。それから後、四十七年三月にこれが倍の七十四万株になっておりますけれども、これは倍額増資の結果でございます。それから四十八年三月に七十六万株。これは端株がふえた程度でございまして、四十九年三月にそれが百九万四千株になっておりますが、これも株主割り当てが相当部分を占めております。五十年三月には百十一万株でございまして、これも大半が株主割り当て、一対〇・〇二の割り当ての増加でございます。五十一年三月に一躍千百万株になっておりますけれども、これは五百円株が五十円株になったものでございますから十倍になったということでございます。 有価証券報告書に出ております数字はそのとおりでございます。
○増本委員 安井さん、あなたは一番肝心の部分のふえ方について数字を答弁していないですね。私たちが問題にしているのは、四十四年から五年にかけて急に株がふえて、四十四年の三月末の時点で小佐野賢治氏とその関連企業の役員たちが持っていた株は、小佐野賢治ほか九名で二万一千九十二株だった。この事実は間違いないでしょう。それが、四十四年の九月二日の倍額増資で全日空の資本金が九十三億円になった直後の九月の末日の時点では九万四千株にふえている。あなたが三十七万株になったと言われるのは、前に、この九月末現在で九万四千株にふえていたのが、その半年後の四十五年三月三十一日現在で見ると十万四千三百株、その後一年たった四十六年三月末であなたの言った三十七万株になる。倍額増資になったその時点で二万が九万四千になり、しかもその期間は全く増資がないのに三十七万株に一挙にふえているわけでしょう。その経過も、指摘した私の数字も間違いないでしょう。
○安井説明員 はなはだ申しわけないのでありますけれども、有価証券報告書に小佐野さんの名前が出てまいりますのは四十六年三月期からでございます。と申しますのは、有価証券報告書には大株主を大体十名程度記載するようになっておりまして、それ以前につきましては有価証券報告書に何ら記載がないわけでございます。私どもといたしましては、四十六年三月以降につきまして有価証券報告書のチェックをいたしましたということでございます。
○増本委員 私どもは全日空の経営管理室に問い合わせて調べました。あなた方の方も、そういう株の動きが証言と合っているか合っていないかというようなことはどうして調査をしないのですか。それは企業に聞けばわかることでしょう。 全日空経営管理室の調べによると、四十四年の三月末日現在の小佐野賢治氏と国際興業の役員の持ち株状況が、合計十名で二万一千九十二株。それからさらに同じ経営管理室で、その後の数字の状況を聞いても、四十五年の三月末日現在で十万四千三百株。 では、伺いますけれども、四十四年の三月末から四十五年の三月末までの間に何回、全日空は増資がありましたか。
○安井説明員 お答え申し上げます。 私どもの手元にございます四十年以降の全日空の増資状況でございますが、これは有価証券報告書に出ておりましたものからとったものでございますが、四十四年九月、四十六年九月の二回だったと思います。
○増本委員 いま証券局長が答弁したように、四十四年の九月二日に倍額増資が行われた。それ以前の持ち株数が、さっき指摘したように二万一千株。増資、増資ということで株がふえたというのだったら、倍の割り当てですから、四万二千株であるのに、増資直後の四十四年九月末現在で小佐野賢治氏の株を見ると九万四千株。増資、増資でふえたのではなくて、さらに株の買い増しをしてきたという事実が十分に記録によっても認められるところではありませんか。 さらに、その後の増資の状況は、四十六年までないわけだから、四十六年三月末現在で三十七万株にふえたというのも、このわずか一年の間に二十六万株ふやしたということも、いまの証券局長の答弁で明らかなように、増資によってふえたものではないということは明らかになりませんか。いかがです。
○安井説明員 非常に申しわけないのでありますけれども、有価証券報告書に記載されておりますところの株式につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、実は四十五年三月以前は上位から十名程度の株主の中に入っておらないものでありますから、ちょっと私どもとしてはそこまで——先生が御指摘になられた数字は全日空の方でお調べいただいたものでありますから正確だと思いますけれども、私どもの方ではそれを調査いたしておりませんので、まことに申しわけありませんけれども、お答えをしかねるわけでございます。
○増本委員 では運輸省の方に伺いますけれども、運輸省は全日空の小佐野賢治氏の昭和四十四年以降の持ち株状況をお調べになっておりますか、その状況をちょっと説明してください。
○高橋説明員 お答えします。 私どもも調べるソースはやはり有価証券報告書でございますので、先ほど大蔵省の局長が答えましたことと同じことしかつかんでおりません。(発言する者多し)
○田中委員長 お静かに願います。
○増本委員 あなた方、法務大臣を初め運輸大臣も、このロッキードの問題については真相究明もするし、小佐野賢治氏の証言についても重大な関心を持っている、こう言いながら、持ち株状況そのものすら、証言の内容に出ているそのことすら、吟味しようとしなかったのですか。しかも、運輸省は全日空に対しては監督権があるわけでしょう。それに関連した証人が予算委員会で証言までしている。私も質問通告で、四十四年以降の株の状況はどうなっているか、その点をよく調べておいてくれということでお話をしているはずじゃないですか。
○高橋説明員 お答えいたします。 言葉が多少足りませんでしたけれども、大蔵省の局長の答えたこと以外に私どもが調べて知っておりますことは、四十五年度末の持ち株数が十万四千株、これは大株主の順位から数えて二十八番目、持ち株比率〇・五六というところは調べております。それから前のことは調べがつかないわけでございます。(発言する者多し)
○田中委員長 お静かに。
○増本委員 航空局長、この十万四千三百株というのは、どこから調べたものですか。(発言する者あり)
○高橋説明員 これは、全日空の会社が持っております大株主名簿から調べたものと聞いております。
○増本委員 有価証券報告書以外に大株主の名簿とか台帳で調べたということでしょう。それだったら、株主名簿に登載をされているものについて、四十五年以前の問題についてももっと調べているはずでしょう。あなた方調べているはずなんだ。いま尋ねているのに、どうしてこの国会では答えることができないのですか。
○田中委員長 松本君、答えは区切って答えをしないで、調べてあることを全部言うてください。時間がかかってもよろしい。
○松本説明員 私ども、最初は有価証券報告書をもって調べておったわけでございます。ところが、四十五年、四十六年あたりのところで一つの段落が出ているではないか、こういうお話もございましたので、したがいまして、全日空が持っております大株主の名簿について、四十五年の時点で小佐野賢治がどのような状態にあったか、これはいま申し上げましたように、小佐野氏は十万四千株、二十八位、〇・五六%、こういうことであった。それが四十六年においては、先ほど来何度も数字が出ておりますように、三十七万何がし、一・九八%、九位、そしてこの二%、九位というポジションは、おおむねその後五十一年に至るまでも変わっていない、こういうふうな調査をしてあるわけでございます。
○増本委員 四十五年だけ調べて、なぜそれ以前さかのぼってちゃんと調べようとされないのです。この二月十六日の小佐野証言では、航空企業に対する投資はもう二十年以上も前から私はやっているのだということまで言っているでしょう。それだったら、さらにさかのぼって、株の取得の状況というものを調べているはずでしょう。大株主名簿だけ調べて、一般の株主名簿は調べないなんというような、そういう調査なんというのはやりっこない。あなたはまだ隠しておるはずだ。知っておるはずでしょう。数字の確認だけだもの、やってください。
○松本説明員 御指摘ではございますが、四十五年についていま申し上げました数字でございまして、それ以前は、実は私どもとしては、小佐野賢治氏の名前において承知をしていないわけで、国際興業というのが昔、四十一年ごろでございましょうか、一%にも満たない数字、〇・八六でございますか、あったという話を承知をしておるわけでございますが、小佐野賢治氏という名前になって出てきているのは、私どもが承知しておりますのは四十五年以降、二十八位、〇・五六%から始まっておる、こういう次第でございまして、四十四年にしからば小佐野氏が何%、どのくらいを持っておったかというふうなことに相なりますると、非常にその比率も少ない、額も少ないものでございますので、先生の重々の御指摘ではございますけれども、私どもとしてはそこまでの立ち入った調査はしていないわけでございます。
○増本委員 私たちが調べた中身はいまお話ししました。全日空の経営管理室で調べたところ、小佐野賢治個人の名義では、四十四年三月三十一日現在で二千株なんですよ。ほかに九名、関連企業の国際興業の役員の名前で、二千株であったり千四百株であったり持っている人間がいる。そして、それが合計して二万一千九十二株ということになっておるのです。それがさらに順次ふえていっておる。 じゃ、航空局とそれから大蔵省証券局、両方で全日空に当たって、小佐野賢治の株の取得の状況、あるいは小佐野賢治以外の関連会社を含めてどういう推移になっておるかを今日まで調査をして、当委員会に明らかにしてください。委員長にもお願いしますが、いかがですか。
○田中委員長 お答えしますか。
○高橋説明員 お答えいたします。 全日空に聞きまして、わかりました範囲を調べて報告いたします。
○増本委員 さっきのお話で、増資があったのは四十四年の九月と四十六年の九月とこの二回ですね。それぞれが倍額増資ですね。そうでしょう。いま私が問題にしておるのは、四十五年から四十六年、この期間に十万株が三十七万株にふえておる。この期間には、増資が私がいま指摘した二回以外にあったのか、あるいはまた転換社債が発行されていて、その転換社債が株に転換をされているというような事実でもあるのか、この点をもう一度明確にしてください。
○安井説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、四十四年九月二日と四十六年九月一日にはそれぞれ有償の一対一の増資でございますから、倍額でございます。そのほかに四十六年九月、同じ日でございますが、このときは有償の倍額増資のほかに一般公募が二百八十万株あるようでございます。 転換社債の株式の転換は、その間にはないようでございます。
○増本委員 それならば安井さん、四十五年三月三十一日に、運輸省の航空局長もいま答弁をした十万四千三百株が三十七万八十四株に、一年後の四十六年の三月末にふえた、これは何が原因でふえておるのですかね。
○安井説明員 繰り返して同じことで恐縮なんでありますけれども、私ども証券局といたしましては、有価証券報告書に記載されている内容が正確であるかどうかということが仕事でございますので、四十六年三月以降の大株主として記載されておる以降につきましては調査をいたしますけれども、それ以前につきましては、証券局としては、この有価証券報告書と関係がないものでございますから、調査をいたしかねておるということでございます。
○増本委員 聞いたことに答えてくださいよ。あなたに調査しろと言っておるのじゃない。四十五年三月末現在で十万四千株であったものが、増資もない、転換社債もない、その一年後の四十六年三月末には三十七万株にふえて、二十六万株ふえたわけでしょう。これは、あなたの方の有価証券報告書やそれから航空局長の株主順位二十八位といういまの答弁で明らかになっておるんですね。なぜ二十六万株ふえたんですかね、そのことを聞いておるんですよ。
○安井説明員 本当に申しわけないのでありますけれども、確かに、御指摘のように十万株が三十七万株になっているのだと思いますけれども、それが何による増加であるかということは、有価証券報告書上にはないわけでございますから、ちょっと私ども、何かということを言えとおっしゃってもわからないのでございます。
○増本委員 この期間には増資はなかったですね。もう一度確認しますよ。増資はありませんね。転換社債の転換もない。小佐野の証言では、増資に次ぐ増資で今日のようにふえた、こう言っているでしょう。これは事実と違うじゃないですか。法務大臣、いまの大蔵省、それから運輸省当局とのやりとりお聞きになっていらっしゃったと思いますが、彼は増資に次ぐ増資で全日空の持ち株がふえてきた。特に重大なのは、四十六年三月末に三十七万株になったときに全体で九位、個人では筆頭株主になって、そしてこのとき役員待遇ということで社賓ということにもなった。コーチャン証言で言う影響力を行使できる土台をいわばこのときに確実なものにしたということにもなるわけですね。しかし、その期間、彼の証言に反して、増資に次ぐ増資で株がふえたのではない。増資の事実もない、転換社債による転換の事実もない、こういうことですから、これは議院証言法から見たって証言の中身について重大な疑惑ありということになると思いますが、いかがでしょう。
○稻葉国務大臣 私に判断を求められても何とも申し上げようございません。株のこと、さっぱりわかりません。
○増本委員 株のことを聞いているのじゃないのです。証言では、全日空の持ち株を含めて、航空会社の株がふえてきたのは増資に次ぐ増資だ。しかし、株が十万株から一挙に三十七万株、三七倍にもふえた時期には増資もなかった。それから転換社債を株に転換するという事実もなかった。有価証券報告書を見ますと、転換社債を全日空が最初にやったのは四十九年になってからですよ。いまのは四十五年から四十六年の一年間の話ですから、そうすると、事実と小佐野証言との間には違いがある。宣誓した証人が事実と違うことを証言しているということになりませんか。この点も法務大臣としては重大な関心をお持ちになってしかるべきだと思うけれども、大臣のお考えはどうだ、こういうことを伺っているのです。
○稻葉国務大臣 小佐野証言がどこのところが事実と違っているのでしょうか、わからないのですね。どこのところか……。
○田中委員長 増本君、大事な点だから、もう一度質問してください。
○増本委員 私がいままで問題にしましたのは、四十五年三月末には、小佐野賢治氏の持ち株が十万株であった。四十六年三月末にはそれが三・七倍で三十七万株にふえた。小佐野賢治の二月十六日の証言によりますと、こういう株のふえ方というのは増資に次ぐ増資の結果なんだという趣旨の証言をしている。ところが、この四十五年の三月から四十六年の三月までの一年間には、全日空が増資をしたという事実がないということを安井証券局長も認めているわけです。そうすると、増資以外の理由によって株がこれだけふえてきているということになる。これは国会での証言と明らかに違うではないか。宣誓した証人が株のふえた状況を増資に次ぐ増資のためだと言ったけれども、事実は増資以外——増資か当時なくて、それ以外の買い増しを進めたとか、そういう手段によったものであるということになるわけで、これは証言が事実と反しているということになるではないか、その点について大臣はどう考えているか、重大な問題ではないか、こういうことです。
○稻葉国務大臣 わかりました。事実と違っているようですね。
○増本委員 そこで、証言と事実の違いがあるということになれば、宣誓した証人ですから、議院証言法でこの点も十分問われなければならない問題ですね。いかがですか。
○稻葉国務大臣 事実と違っているですが、うそをついてやろうというて事実と違ったことを言うたのと、買ったのを増資によってふえてたんだと、自分は実際買ったんだけれども、それを記憶違いで言った場合とありますから、直ちに議院証言法違反に結びつくかどうかはちょっとわからないですね。
○増本委員 大臣、この点は、証言が事実に反している重大な問題ですからね。だから、それがどういう理由でそうなったのかという点はまさに捜査をすべきことでしょう。調べてみなければわからない点ですね。こういうところにも議院証言法との関係で、これに違反している重大な疑惑ありというように考えざるを得ないわけですよ。法務大臣としてこの問題について十分に捜査をすべき問題であるというようにお考えになってしかるべきだと思いますが、どうです。
○稻葉国務大臣 そういうことはもう簡単なことでないでしょうか。うそをついてやろうと思って故意にうそをつくのと、それから記憶違いで、買ったのを増資によってふえたんだと思って言うたか、そんなものはすぐやっていると思いますよ。
○増本委員 大臣、それではこれはわれわれも国会の場で当然小佐野氏を喚問してもう一度聞かなくちゃならない。しかし、捜査当局としても、これは明らかに偽証の疑いがきわめて重大な事実でしょう、事実と違うんだから。それがどういう経過でなったのかということこそ文字どおり解明しなければならない問題ですから、だからその点どうなのか。大臣、もう一度はっきり答えてください。
○稻葉国務大臣 この関係の人の国会における証言はもうだれかれを問わず、重大な関心を捜査当局は持つべきことは当然です。それは当然です。しかし、現実にどうやって本当に調べておるか、調べてないか、どこまで調べがいっているか、そういうことについて私がいまここで、捜査途中でございますから、言わぬ方が正しいと思います。
○増本委員 いま当委員会で指摘をした事実ですから、これは大臣としてはどうでしょう、これは捜査をすべき事案であると思いますか。
○安原説明員 いま増本委員の御指摘の事実が事実であるとすれば、証言との間に食い違いがあるということは認めるべきであると思いますが、それを偽証とするかどうかというような事柄の具体的な事件の問題につきましては、私ども、法務大臣あるいは補佐する事務当局として申し上げる立場にございませんので、よく御理解いただきたいと思います。
○増本委員 大臣のそういうことのお考えなんですが、いま刑事局長から、それは客観的な事実と違いがあるということであれば議院証言法違反という問題が起きてくるということですから、これに対して、具体的にそれを捜査するかどうかという点については言えないけれども、一般的に言えば、そういうことでしょう。その点で大臣としてはおやりになる意思があるのかどうか、はっきりさせてください。
○稻葉国務大臣 私は、担当の捜査本部の検事ではございませんから、そういうことを私に言わせようったって、それはだめじゃないですか。
○増本委員 このようにいま具体的に指摘をした事実関係から言っても、この小佐野証言については、単にコーチャン証言とそれから二月十六日の小佐野証言との間に重大な事実の食い違いがある、供述の食い違いがあるというにとどまらず、彼の証言の中身も客観的な事実との間に重大な食い違いがある。ここが実は重大な問題なんですよ。だから、この関係も具体的に解明をしていくためには、一日も早く当委員会における小佐野賢治の喚問を日を決めて実現をしていただく。それとあわせて捜査当局も、これだけ政府当局の答弁の中身から見てもその証言が具体的な事実関係と明確に違反をしているわけですから、その点については重大な指摘として当然捜査をすべきであるというように思うのですが、最後に大臣の決意のほどを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○安原説明員 前もってお断りしておきますが、私は本件について偽証罪の成立する疑いがあると申したつもりは毛頭ございません。客観的に事実に相違しているということは認められると申したわけでありますとともに、捜査すべきであるという御意見は御意見として承りますが、私ども、法務大臣の側から捜査すべきであるということを言うことは、捜査に対する介入になりますので、検察の判断に任せたいと思います。
○増本委員 終わります。
○田中委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 井出官房長官にお伺いしたいと思います。 いわゆる灰色政府高官の定義とその公表の範囲及び方法につきましては、わが党の基本見解をあなたにお渡しいたしました。そこで、これは当然のことながらという前置きを置きたいと思いますが、政府においてもこの公表等については十分検討されて、しかるべき機会においてこれを決定されるという必要があろうと思うのです。三木総理も、これは公表を前提とした真相の解明ということを常々言われてきたことでありますし、先般、国会側においても当然検討してもらいたいという趣旨の発言でありましたが、政府においてはこの公表についてはいまどのような検討をされているか、具体的にどうされるかということについてひとつ見解を承っておきたいと思います。
○井出国務大臣 ただいま御指摘のように、先般坂井さんから公明党としての御見解を私も拝見をいたしまして、これは総理の手元にも伝えてあるわけでございます。 そこで、いま御指摘になりましたいわゆる灰色高官の問題でございますが、これは総理も答えておりますように、国会の側においても御検討いただく、政府側でもこれは何らかの措置をとらなければならぬ問題でございましょうが、その辺、いま捜査も進行途上にございますから、ある時期をも待たなければなるまいかと思うのでございます。そういう次第で、これは専門の法務当局ともよく打ち合わせをいたしたい。その間にはお示しになりました貴党の御意見も重要な参考資料にいたすべきだ、こう思っています。
○坂井委員 結構と思いますが、当然政府においても検討し成案を得るという考えで検討はする、こういうことでございますね。ですから、少なくとも捜査終結の時点ということになると、これは全く遅過ぎると思いますので、それまでの段階で、それまでに少なくとも成案を得るというような方向で検討され、成案を得るというように理解してよろしゅうございましょうか。
○井出国務大臣 その時期的なめどについてまだ明確には申し上げにくいのでありますが、政府側としてもこれは重大な関心を持たなければならぬ問題と思いますので、鋭意検討をいたすつもりでございます。
○坂井委員 福田大臣おいででございますので、実は先般、私、選挙活動以外のいわゆる政治活動のために議員個人、政治家個人が受け取る政治献金のことについてお尋ねしたわけでありますが、その際、残念ながら総理ははなはだ理解できていない。選挙部長がどういうことなのか、量的制限なんということも言い出した。ずいぶん意思が統一していないものだなと思って、私は驚くやら感心するやら唖然としたわけであります。少なくとも福田大臣は明快にお答えになったと思います。 そこで、この際、捜査とやはり重要な関係があると私は思いますので、これはぜひ確認をしておきたいと思います。つまり、いま申しましたような政治家個人が受け取った政治活動のための政治献金につきましては、金額のいかんを問わず政規法の適用は一切受けない、これが一点。さらにもう一点、その受け取りた金をその政治家が政治活動のために全額使ったとするならば、これは税法上のいわゆる申告の必要も生じない、これでよろしゅうございましょうか。
○福田(一)国務大臣 坂井さんには先般も申し上げたところでございますが、御指摘のような、政治家個人が受け取った政治資金につきましては、政治資金規正法上収支報告をする必要はないわけでございます。これはもう法の趣旨からいって明瞭であります。あのときには、総理から、改正後の政治資金規正法の場合は変わった旨のお答えがありましたが、これは総理が言われた趣旨は、改正後は政治家個人が受け取る政治資金について、ことしの一月一日から新しく改正されましたから、量的な面でも質的な面でも寄付の受領制限が設けられたことを言われたものと考えております。ただ、改正後においても収支報告をする必要がない点は、改正前と同様であります。法律にはそれは規定してございません。 かお、後段の税に関係ある問題は、個人で受け取って、そして政治活動に使ったならばいいが、使わない部分がありますというと、これは雑所得として当然報告というか税務署に報告しなければなりません。それを怠っておれば脱税の問題が出てくる、かように私は理解しております。
○坂井委員 大臣のお答えのとおりであります。 そこで、これは刑事局長にお伺いしたい。金の流れをことごとく明らかにしていくということで捜査を進められていらっしゃることは当然だ。そこで、収賄はいま言ったが、しかし、それとの関連でいわゆる政治献金、これがやはり金の流れを追及する上の捜査の大きな対象にならざるを得ない。そこで、いま言ったような感じの金、つまり政治家個人が受けた、こういう分につきましても、当然捜査、調査の対象としておりますね。
○安原説明員 たびたび当委員会でも申し上げておりますように、ロッキード社から流れました金の行方、使用、処分の関係につきまして不正行為の存否を究明するのが当面検察の使命でございますので、その間におきまして刑罰権の対象となる不正行為が存すれば、これは当然捜査の対象になるわけでございまして、その捜査の対象となる罪名を必ずしも世間で言われております贈収賄に限っておるわけではございません。
○坂井委員 わかりました。 もう一つお伺いしますけれども、これは明らかに政治団体に受け入れるいわゆる政治献金、これが政規法に違反しているかどうかということについても、これは捜査、調査の対象にしていらっしゃることは間違いないと思う。そこで、その場合に想定され得ますことは、いわゆる政治団体が寄付を受けながらそれを計上していない、あるいはまた、寄付でありながら実態は会費と偽って計上しておる、その他外国法人からの寄付の問題でありますとか、あるいは選挙運動、選挙時における寄付の問題でありますとか、いろいろあろうと思いますけれども、特に最初に言いましたこの二つ、いわゆる寄付を受けながら計上していない、さらに寄付を会費と偽って計上した、これは相当関心はおありでしょうね。いかがでしょう。
○安原説明員 相当の関心というようなことは捜査当局の判断の問題でございますから、私から申し上げるわけにはまいりませんけれども、先ほどもたびたび申しますように、贈収賄と限らず、政治資金規正法その他不正行為の存否についてこれを究明するというのが検察の使命であるというふうに理解しております。
○坂井委員 私どもからちょっと一言申し上げておきましょう。政治家の政治団体、この収入支出の食い違いの分がかなりあります。この食い違いの意味につきましては、実はわが党においていま克明に調査を進めておりまして、非常に関心を持たざるを得ないということだけはここにひとつ明確に申し上げておきたいと思います。したがって、そういう点についてもひとつ十分な配慮をされまして捜査当局はその解明をされますように、これは要請をしておきたいと思います。 最後に一問、警察庁、全日空の献金リストを入手されましたか。
○福田(一)国務大臣 ただいまの質問につきましては、事務当局が参っておりません。そうして捜査の内容いかんは私の方には何ら報告はないことになっておりますから——なっておるというか、たてまえ上私はそういうものをすべきあれではないのですから、私からはお答えはできない。したがって、もし必要があれば、事務当局を呼んでお聞き取りを願いたい。刑事局長なり何なりを呼んでお聞き取りを願いたい。私からはお答えすることはできません。
○坂井委員 全日空に関します実は騒音料の問題につきまして、これは非常に重要な問題がございますので、近江巳記夫委員にかわりたいと思います。
○田中委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 ジェット機騒音迷惑料、このように言われておりますが、特別着陸料の問題についてお伺いしたいと思います。 この特別着陸料につきましては、空港管理規則第十一条に基づく運輸大臣の設置、管理する公共用飛行場使用料に関する告示に基づきまして昭和五十年の九月一日から航空機騒音対策の財源措置としてジェット機の着陸一回ごとに使用者から国が徴収をしておるわけでございますが、この概要につきまして説明をいただきたいと思います。時間の関係がありますから、要点をひとつお願いしたいと思います。
○松本説明員 お答えいたします。 いま先生おっしゃいましたように、騒音対策というものが、空港整備の外部不経済的な事態を通り越して当然内部経済に取り組まなければならない、こういう時点に立ち至ってまいりました。そこで、長期的に見て空港整備を一体どのようにしたらよろしいのか、こういうことについての長期的な計画を諮問するという形で、四十九年の四月に私どもは航空審議会に諮問をまず出したわけでございます。その諮問の過程においていろいろと議論をしてまいりますうちに、やはり自己財源的なものの充足、こういうことがどうしても必要になってまいったわけでございます。そこで、昭和五十年の予算とも絡みましてこの自己財源的なものをどのように処理をしていくかということのために財政小委員会というものをつくりまして、そこにおいて諸般の検討が進められました。この答申が昭和五十年の八月に、財政小委員会からの報告というものをもとにした「航空機騒音対策のための新規財源措置について」、こういう答申として出てまいったわけでございます。 この答申に書いてあることはどういうことかと申しますと、ジェット機の離着陸が空港周辺における騒音障害の主たる原因となっている事実にかんがみ、新たに空港使用料の中にジェット機の離着陸についてのみ適用される空港使用料、こういうものを創設すべきである、この場合、従来、着陸料というものは重量に比例して取る、こういう考え方で進んできておるけれども、そもそもの話が話であるので、当然ジェット機の音の大きさというものに関連性を持たせたそういう形で取るようにすべきである、こういうふうな答申をいただきました。 これをもとにいたしまして私どもは五十年の八月十一日に着陸料に関します告示を改正いたしまして、先生いまおっしゃいました特別着陸料、こういうふうに呼んでおりますけれども、ジェット機に関する特別の着陸料金制度というものを創設したわけでございます。 この場合に、この特別着陸料を課すということになりますと、当然のことながらそれは航空会社が払うわけでございます。そこで航空会社の負担力というふうなものをも考慮すべきである、こういう審議会の御議論もございまして、したがって、先ほど申し上げましたように、騒音に重点を置くとしながらも、航空機の大きさというものもやはり考慮の中に入れて料金を算出すべきである、こういうふうなことでございました。それから、必要とされる財源、あるいはその航空機にどのくらいのお客が乗るかどうか、そういった諸般の細かな数字を彼此勘案いたしました結果、おおむね旅客一人頭六百円、この程度——実はもう少しその前後の議論が細かにあったわけでございますが、要するに一人頭六百円程度の料金を付加する。これを運賃改定にいたしますと、プロペラ機の運賃まで上がってしまいますので、これは適当でない。やはりジェット機の特別料金というふうな形で設定するのが公平の原則に合うのではないか、こういうふうな議論で、この料金について航空審議会に私どもは諮問をいたしました。その結論を待って、五十年九月一日からジェット特別着陸料制度というものが発足し、それに伴って、ジェット機に乗ります旅客につきましては運賃のほかに六百円の付加料金がつく、こういうふうなのが現行のいわゆる特別着陸料制度のあらましでございます。
○近江委員 運輸省といたしまして、この特別着陸料の考え方につきましていままで基本的な文書を作成されたことはありませんか。いかがですか。
○松本説明員 私、正確に記憶がございませんが、ジェット料金というものが出てまいりました基本は、「航空機騒音対策のための新規財源措置について」と申します航空審議会の答申が基本になっておりますので、これに対する解説的なものは、あるいは部内資料として、あるいは航空審議会に対する説明資料といったようなもので当然つくっておると思いますけれども、部外に出すような資料としては、私ちょっと記憶にございません。
○近江委員 運輸省としてはいままで三通お出しになっていますね。四十九年秋「騒音料金設定の問題点」、四十九年十二月二十五日「特別着陸料構想について」、五十年二月十七日「特別着陸料(告示案)の考え方について」、これを見てまいりますと、正確に申し上げますと運輸省の基本的な考え方を見ましたときに、財政小委員会あるいは航空審議会の答申と根本的な内容の食い違いがあるわけですね。これは非常に大変な問題だと私は思うのです。 私、ここに資料を持っております。運輸省の特別着陸料、これは告示案ですね。このように告示をしたいという基本的な考えですが、「空港別の料率差は原則的には設けないこととするが、例外的措置として、全騒対事業費の約八割を投入している大阪空港については、原因者の負担額を嵩上げすることが社会的にも容認され易い方向であると考えるので、特に他空港の二倍の水準に料率を設定することとしたい」と出ておりますね。それから、財政小委員会、航空審議会の答申では「むしろ全空港の騒音対策経費を関係全空港の利用航空機で負担するという考え方の方がより合理性があると考えるので、各空港について均一の料率とすることが適当である。」こうなっておるのです。大体こうした告示をしたいという原案がまるっきりこういう、枝葉末節の部分の変更ならうなずけますけれども、基本的に、大阪空港については二倍取る、こうなっているものを、財政小委員会あるいは航空審議会の答申では均一にしてしまっているわけですね。これについてはどういう経緯があったのですか。
○松本説明員 いま先生が前段の方でお読み上げになりました資料を私、手元に持っておりませんので、それに明快に直截的な御返事を申し上げかねる点があるのでございますが、考え方といたしまして、航空審議会の答申の出てまいりますまでの段階においていろいろな議論があったことは事実でございます。それは、おっしゃるように、非常にたくさんの騒音対策費を必要とする特定の空港については高くするとか、あるいはほとんど問題のないような空港はむしろ安くするとか、そういうふうな措置をとったらどうだ、こういう議論が委員の間においてなされたことはあったわけでございますけれども、しかしながら、同じような考え方で、実は着陸料というものは、仮に非常に金のかかった空港でありましてもそうでない空港でございましても、現時点におきましては航空ネットワークの均一性という意味から、同一着陸料を徴収しているではないか。そういたしますと、このジェット特別着陸料というものをあくまで着陸料の一環としてとらえるというのが根っこの考え方でございますので、これを騒音対策費の多寡によって増減をさせるということは航空ネットワーク一元論からいって少しおかしいのではないか、また、その算定の仕方もきわめて多岐にわたって複雑、繁雑になり過ぎるのではないか、こういういろいろな議論の過程を経まして、先ほど私お答え申し上げました中にあるいは抜かしたかもしれませんが、現行の着陸料についても各空港を通じて均一の料金が課されていることにかんがみて、ジェット特別料金についても各空港について均一の料金とすることが適当である、こういう答申をもらっておるわけでございます。したがって、その答申の趣旨を尊重し、これに従って告示を立案し、それぞれの必要な施策を決めていったわけでございますので、先生おっしゃるような議論が内部的な議論として、中間的な議論としてあるいはあったのかも存じませんけれども、少なくとも表に向かっての一貫した議論といたしまして、答申以後そのような議論があったというふうには私どもは承知をしていないわけでございます。
○近江委員 答申、答申ということをおっしゃいますが、大体運輸省から原案をお出しになるわけですよ。それは枝葉末節の言葉の使い方とか、そういう場合は多少の変更がある場合もありますけれども、基本的な考え方についてこんなに変更になったことはないわけですよ。 委員長、ちょっとお許しいただきたいのですが、私の手元に資料がありますから、ちょっとごらんに入れます。——いま次長にお見せいたしましたが、運輸省の一番基本的なこういう案で告示をしたい、そこまで固まっているわけですよ。それが財政小委員会——この財政小委員会にはもちろん若狭社長も入っておられるわけです。委員が十名です。それからさらに審議会という経過をたどっておるわけでございますが、この審議会と財政小委員会の報告あるいは答申というものは全く一言も変わらぬわけですね。同じままでストレートに上がってきておる、そういう問題があるわけです。運輸省なら運輸省がこのように告示をしたい、そこまで固めたその案が、その背骨というものがそのような経過をたどってひっくり返される、こういうことはあり得るのですか。過去にありましたか。
○松本説明員 先ほど私お答えの中で、答申が出た後でいろいろと変えたことはないはずでございますとお答え申し上げましたが、ただいま拝見いたしましたところによりますと、五十年の二月ごろの内部のいろいろな議論の資料のようでございます。したがいまして、おっしゃいますように、航空審議会の財政小委員会にこれが出されたのか、出す前に私どもの中で議論しておった資料か、ちょっと私、明快な記憶がございませんけれども、いま御指摘のありました、およそ航空審議会に諮問した場合には、もう官僚の方で大体答えができておるのではないか、そのとおり賛成、賛成というのが審議会ではないか、こういうふうな御意見かと思いますけれども、航空審議会の運用につきましては、実は審議会の独自性ということが最近は特に強く主張されておるわけでございまして、端的な例で申し上げますならば、関西空港につきましての諮問のごときは、実は私ども速やかなる御審議をということで、本当に最初のうちは速やかに答えを出してもらえるつもりでありましたものが、四十六年に諮問してから三年もかかった、こういうふうなこともございまして、これなどは一つの極端な例かもしれませんけれども、いろいろなたたき台として私どもが出しますものについて、審議会の委員の方からいろいろな御議論がありまして、その結果決まる、こういうことでございますので、告示の案として私どもが確定したものを持っておりまして、それをふところに入れながら審議会に諮問をしたということでは決してございませんし、また審議会が私どもの案をそのままのんだわけでもございませんし、またそれに対して、じゃ、通り一遍の議論で何となく決まってしまったのかというと、そうではございませんで、かなり激しい議論のやりとりがあったというふうに私、承知をいたしております。ごく初期の段階でいろいろな案があったことは確かでございます。これは先ほど私、申し上げたとおりでございますが、航空審議会において財政小委員会の議論が煮詰まっていくに従いまして、議論は一本化されていって、御承知のような答申の形にまとまっている、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○近江委員 昭和五十年度の騒音対策関係予算は総額で二百二十四億円になっておるわけですが、そのうち大阪関係が百八十一億円と七七%を占めているわけです。こういう状況下におきまして、大阪空港と他の空港との料金を等しくする、こういうふうになってまいりますと、大阪の騒音対策費の大半が大阪に発着しない旅客に転嫁されることになるわけでありまして、受益者負担あるいは原因者負担の原則に反するものになるわけですね。これは運輸省の告示案の中で書いてあるわけです。 さらに大阪空港のジェット機の五十年四月現在の発着回数は日航が五十六、全日空が百四十、東亜がゼロになっておる。発着の中で全日空が七一%を占めているわけですね。全日空の経営上のメリットが特に大きくなるわけです。大阪空港で全日空は全ジェット機の中で七一%離発着しているわけですから。運輸省は大阪空港については他の空港の二倍の水準に料金を設定する、このように告示をしたいという案に書かれておるのです。「大阪空港については、原因者の負担額を嵩上げすることが社会的にも容認され易い方向であると考えるので、」こういう中身になっておるわけですね。そこで、わが党として調査をいたしましたけれども、「大阪空港については、原因者の負担額を嵩上げすることが社会的にも容認され易い方向であると考えるので、特に他空港の二倍の水準に料率を設定することとしたい。」このように決定することが他の航空会社と比較して経営上非常に不利であり、大阪空港も他の空港と均一の料率にすることが必要であった、これが全日空の方針であったわけです。 そこで試算をしてみますと、大阪空港における運輸省の統計から見てまいりますと、四十九年度国内線旅客利用者数が千九十二万三千人、五十年度もほぼ同数だと思いますが、五十年四月現在の発着回数が日航五十六、全日空二百、東亜六十八、合計三百二十四便、全日空が六二%で六百五十五万三千八百人、このうちジェット機の発着回数は日航が五十六、全日空百四十、東亜ゼロ、合計百九十六。先ほど申し上げたように、全日空が約七〇%になるわけです。そうしますと、全日空の全体の量が六百五十五万三千八百人ということを申し上げたわけですが、全日空の発着回数二百回のうち、ジェット機の発着回数率は七〇%になるわけですから、これの七〇%といたしまして、四百五十八万七千六百六十人、これを一人六百円ずつ取るわけですから、二十七億五千二百五十九万六千円になるわけです。大阪空港を他の空港の倍にした場合、全日空としては二十七億五千二百五十九万六千円経営上得したことになるわけですね。これは航空会社の経営としては大変な問題だと思うのです。 そこで考えられることは、非常に全日空の有利なように、政府としては大阪空港は二倍取るのだと決めておりながら、結局財政小委員会あるいは審議会の過程において、全国一律にならされてしまっておる。一番得しておるのは全日空なんです。これはどう思いますか。この間どういう動きがあったのですか。
○松本説明員 まず第一に、先生いまいろいろ御試算になったそういう数字で計算すれば、あるいはおっしゃるようなことであるのかもしれませんけれども、先ほど来御説明申し上げておりますように、五十年の初めのころに実はいろいろな案があったことは確かでございまして、その中には、いま先生が御指摘のような、特定の空港について特別高く取るとか、あるいは重量比をうんと減らして騒音比によってうんと高く取るとか、いろいろな案が出たり消えたりしておったことは事実でございます。しかし、それが審議会の場において議論されました結果、これは特別着陸料ということでいくべきではないか、こういうことに大勢が決まってまいりました時点で、着陸料であります以上、どうしても特定の空港に云々、こういうわけにはまいらない状態にもなってまいります。現に、先ほど来騒音対策費についても御指摘ございましたけれども、昭和五十年の例でいきますと、六十五億の特別着陸料の収入に対しまして、騒音対策として二百三十四億出しておるわけでございますので、これですべてを賄っておるわけでもございませんし、そういう点をいろいろ勘案いたしますと、非常に複雑怪奇な制度にする、あるいは理屈のつけにくい制度にするというよりも、やはり特別着陸料の一環としてとらえるということの方が素直でもあるし、筋も通るし、また徴収も容易である、こういうふうな考え方に審議会の議論が落ちついていった、こういうふうに御理解いただきたいと思う次第でございます。
○近江委員 問題は、各省でいろいろな原案をつくるわけですよ。運輸省の場合は告示案ですよ。このように告示したい、そこまで練り上げて出してきているわけですよ。いろいろな議論があったけれども、しかし大阪空港については二倍を取らなければならない。いろいろな議論があったということはいままで言ってきているわけですよ。にもかかわらず、このようにはっきりとこの告示案の中で示しているわけです。あなたがおっしゃったいろいろな理由があるけれども、正確に読みますと、「空港別の料率差は原則的には設けないこととするが、例外的措置として、全騒対事業費の約八割を投入している大阪空港については、原因者の負担額を嵩上げすることが社会的にも容認され易い方向であると考えるので、特に他空港の二倍の水準に料率を設定することとしたい。」とはっきり出ているのですよ。それをひっくり返しているわけです。 さらに、この大阪空港には、ボーイング727、これは座席が百六十九ですが、このジェット機がおりる場合には五万八千七百七十円払わなければいけないのですね。そうしますと、一人当たり六百円を掛けますと、九十八人あればこの額になるわけです。ということは五八%になるわけですね。ボーイング737、この場合は一機おりるたびに四万五千四百七十円払うわけです。これは七十六人乗っておればこの額になるわけです。それは搭乗率六六%です。ところがDC8−61になってきますと、座席が二百三十四、これに対して着陸料が九万八千三百四十円、百六十四人乗らなければならない。これは七〇・一%です。DC8−62、これは百六十五座席、九万六千六百四十円、百六十二人乗らなければいけない。すなわち九八・二%、いわゆる満席にならなければ赤字になるわけですね。 こういう点から見ていきますと、日航の場合、平均利用率が四九・五から五六・一、DC8−61の場合は七〇%、DC8−62は九八%になっているわけですが、常に特着料の支払い分に対してこれは赤字になっておるのです。ところが全日空の場合、利用率が六〇・六から六八九%ですね。そうしますと、先ほど申し上げたように、ボーイング737は六六%、727は五八%、これでいけるわけです。これだけでもほかの航空会社に比べて非常にプラスになっているわけですね。こういうようなことの、そこまで持ってくる経過につきまして、若狭さんもいわゆるこの財政小委員会に入っているわけです。非常にそういう働きかけがあったということを言われておりますが、運輸省としてはそういうこと関知してないのですか。そんな簡単に運輸省の告示案というものは、そんなに大きく背骨が曲がるのですか。
○松本説明員 まず第一に御理解願いたいと存じますことは、告示が出ましたのが五十年の八月でございますので、告示案というような形で議論された資料ではあるようでございますけれども、その時点で、答申ももらわずに告示の出せるはずもございませんし、告示案という、その形をとったのがいかがであったかというふうにむしろ私は思うわけでございまして、答申ができて、告示の案として固まったものが途中でひっくり返ったということではございませんので、この点はぜひ御理解いただきたいと思います。 それから、いま個々の航空機についての特別着陸料が非常におかしいじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、これ先ほど申し上げましたように、航空機の重量と、それから騒音量とを一定の式に入れて計算をいたしておりますので、したがいまして、比較的騒音の低い航空機は安くつき、比較的騒音の高い、たとえばいま御指摘のございましたDC8−61のようなものは騒音量が一一七、それに対して、いま出てまいりました727になりますと一〇五でございます。こういうふうな点が効いてきている。これがまた特別着陸料は騒音量というものを十分勘案して決めるべきだというその思想を盛り込んだ結果でもございますので、単純に、御指摘ございましたように、旅客利用率その他をもって算出したという数字ではございませんので、騒音量の低いものに有利になっているというふうな点はぜひ御理解いただきたいと思います。
○近江委員 それはわかりますよ。やはりその機体によって非常に騒音度が高い、その辺の傾斜はわかるわけですが、いわゆる政府が出す告示案というものはそんな甘いものですか。そうでしょう。これは、このように告示したいという案でしょう。それがいろいろな経過によって、そういうように、いろいろな議論の末、大阪空港については二倍にする。ところが、二倍にすると全日空が大変な損をする。これは経営上重大な支障がくる。これはもう数字から私が説明申し上げたとおりですよ。そういう経過の中で、いわゆるこういうように均一化されてしまった。その間におきまして、相当な、いろいろないわゆる働きかけ、工作があったことは、これはもう容易に推測できるわけでございます。 で、刑事局長にお聞きしたいと思いますが、こういう当然重大なことがこういう形で変更になってきている。こういう経過につきまして、当然そういう働きかけが行われたということは、これはもう十分想像できるわけです。 そこで、わが党としましてもいろいろといままで調査もしてまいりました。相当そうした動いたというようなそういう形跡が濃厚であるわけですが、警察当局でもこの辺の資料は十分手に入れておられると思うのですけれども、この辺の問題につきまして、捜査上の支障もあろうかと思いますけれども、重要な対象になっておるかどうか、それだけひとつお聞きしたいと思うのです。
○安原説明員 御明察のとおり、そういうことを捜査の対象にしているかどうかということは、ひとつ御勘弁願いたいと思います。
○近江委員 じゃ、時間がありませんから、終わります。
○田中委員長 河村勝君。
○河村委員 法務大臣、俗に言う灰色高官名の公表問題、これについてお尋ねをいたします。 あなたは、今日までしばしば当委員会においても、このいわゆる灰色高官名の範囲あるいは公表の方法、そういうものについては、捜査終了の段階で決めればよろしいという発言をしておられます。いま官房長官も坂井委員の発言に対してあいまいな答弁をしておりました。あなたは今日の段階、いまの段階においても、なお捜査終了の段階でもって灰色高官の範囲あるいは公表の方法、そういうものを決めればよろしい、そういうふうにお考えですか。
○稻葉国務大臣 ただいまのところはそういうふうに考えております。
○河村委員 現実の問題としまして、この灰色高官名の公表というそれ自体については、今日までのいきさつから言って政府もそれを拒否することはできないと思います。 〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕 しかし、この高官なるものの範囲であるとか公表の方法、こういうものについてはかなり論議があるはずです。だから私は、そうすんなりと政府並びに与野党間でこれが一致するものとは思われない。これは一方的に政府で決めるべき筋合いのものではないと思う。そうであれば、非常に時間を要する。それでもよろしいのだろうか。捜査終了の段階に至って、それで初めてこういう中身の検討を始めるということで間に合うのか、その点どうお考えです。
○稻葉国務大臣 一つは捜査終了の段階をどういう段階のことを言うかという点にもありますし、もう一つは、その段階まで何にもしないかというと、準備はあってもよろしいのじゃないかと思います。
○河村委員 準備というのはどういうことですか。
○稻葉国務大臣 内々の準備です。
○河村委員 内々の準備というのは、内々では相談相手があっても相談することはできない。ただ法務当局あるいは政府内部だけでもって内々に検討する、こういうことですか。
○稻葉国務大臣 灰色とはどういうことを言うのかとか、そういうことについてこういうことを国会はおっしゃるかもしれないし、こういうことを言われるかもしれないというような点について内々の準備と、こう言う。
○河村委員 それでは話がまとまるはずがないですね。大体そうなると、本当に事を決めるための相談は、捜査終了の時期がどこにあるかということは、これは後でもう一遍お聞きをします。それから始めたのでは、当然臨時国会問題がありますね。臨時国会問題が仮に始まって、そこでやるとする。ところが、この問題で手間取っておれば、これは当然そう簡単ではありませんね。公表するものを政府・与党は拒否できなくとも、政府高官の範囲あるいは公表の方法、これについては、私は相当与野党の間では——特にその高官名の範囲などについては、政府・与党は率直に言ってなるべく狭くしたいと思うでしょう。ですから、なかなか私は簡単にまとまるとは思われない。そうすれば、臨時国会が始まっても国会は当然空転をいたしますね。空転をすれば、今度は財政特例法その他緊急を要する法案がありますね、こういうものはいつまでたっても成立できない。これは、あなたは法務大臣であるけれども、国務大臣ですから、これは重大なことですね。それを考えれば、大体捜査のいまの段階から言って、もう相談に入らなければならない時期、単なる内々の準備ではなくて、ロッキード委員会なりあるいは政府を含めた相談とか、そういうものを相談すべき時期に来ているのでありませんか。いかがです。
○稻葉国務大臣 法務省、検察庁は、真相究明のため、刑事責任追及のため全力を挙げているわけですから、その刑事責任被追及者の範囲が多ければ、そうすれば、同時に政治的道義的責任もついて回るわけですから、政治的道義的責任を追及される範囲が少なくなるというわけですね。いま、そういうことで非常に近づきつつあるわけですから、大体めどというか、見当というか、そういうものがつけば、いわゆる政治的道義的責任者というものの範囲、灰色というものの定義だとか、そういうものは国会で、むしろそっちの方が主役でございますから、そちらでお決めになった方がいいのです。(「この間はわき役と言った」と呼ぶ者あり)いや、道義的政治的責任の追及については。いわゆる灰色とかいうことについて定義を下されるのは、むしろ主役たるそちらでないか。ですから、その決め方につきまして、私ども内々準備を進めていかなければならぬ。 それから、それが追及されないうちは財特法だとかおくれるじゃないか、空転するじゃないかと言いますけれども、それはロッキード問題の究明の場と財特法の審議を進める場とは委員会が違いますから、両々相まって進めていかれたらどうでしょうかな。
○河村委員 あなたのおっしゃることは、理屈はそうですし、私どもも国会を空転させることをいいことだと思っておりません。しかし、事柄が重大ですから、ロッキード事件の究明を済ませないで実質審議に入っていくということは、私どもきわめて良識ある政党から考えても、まず無理だと思うのです。 それから、あなたの言うことは矛盾があるのです。いま捜査がどんどん進んでいるから、捜査が行われる行われ方いかんによって、それで刑事責任の範囲が広がったり、灰色の部分が減ったり、要するに、その関連によって、範囲が狭くなったり広くなったりするというお話だけれども、これは量の問題ですね。量の問題であって、質の問題ではありませんね。ですから、灰色の部分についての定義づけ、これは、それにかかわらずできるはずだと私は思う。そうでしょう。いかがです。
○稻葉国務大臣 それはおっしゃるとおりですね。
○河村委員 そうしますと、結局あなたがいま渋っておられる理由というのは、当初から渋っておられた理由といまもって変わらないように思われるのですね。 私どもも、四月当初からこの事件の性格から言って、刑事責任の追及だけでは事は片づかない、どうしても政治的道義的責任を解明する責任が国会に残るということを予測して、それでかつていろいろな協定もつくりました。だけれども、私どもも、やはり捜査というものは純司法機関として独立性を保たなければならないし、それによって捜査は順調に行わるべきであると考えておった。同時に、善意の参考人等を呼んだ際に、もし事前に公表問題等が明らかになっておれば、それは参考人の事情聴取にも支障がある。そういう事情も承知しておりましたから、今日まで極力待っておって、直接この問題に触れることを避けてきたわけです。ですけれども、いまの段階になりますと、捜査は順調に進んでいる、まあ少なくとも国会の証人換問まで抑えて、それでいま核心に触れるところまで来ておる、だから捜査機関が、いまこの問題を議論することによって独立性を阻害されて、捜査意欲を失うというような状態ではもはやないはずだ。もはやないはずです。このぐらいのことでそんなことはないはずです。いえ、いえ、どうも頭を振って返事をされておりますが、しかし、この灰色高官名というものを一般論として定義づけをする、これの議論に入るということが捜査の支障になるなんという段階はもはや過ぎておるはずだ、私はそう思う。いかがですか。
○稻葉国務大臣 灰色とはどういうことを言うのかということを与野党で御議論なすっていかれることは、何ら捜査に響くとかいうことはないと思いますが、あなた、この段階に来てもうよかろうとおっしゃられるけれども、これからが本番ですからな。そして、それはそんなに長くかからないですね、ずいぶん長くかかってきたのですから。これからが本番と言っちゃ言葉がちょっと適当でないかもしらぬけれども、大事なところですね。ですから、そういう捜査に妨げのあるような公表の仕方とか灰色高官の範囲とか、まだちょっと早いのじゃないでしょうか。少し早いのじゃないでしょうか。
○河村委員 私は、それをいま発表しろと言っているのじゃありませんよ。捜査が一応終結した、それからスタートしたのでは、本当に国会が動き出す段階になって、その運行に、空転とまでは言わなくとも支障を与えるおそれが多分にある。だから、いまから本格的な詰めを、これは与野党もやります。いまあなた、灰色高官というのは政治的道義的責任の追及であるから国会が主体としてやるべきだとおっしゃいましたね。そのとおりだと思う。そうでなければなりませんが、しかし、こうしたものの実体を、捜査資料を全部握って知っておられるのは検察当局並びにあなた方であって、したがって、当然あなた方はそれについていろいろな意見を述べなければならないでしょう。勝手に国会で決めろと仮にあなたがおっしゃっても、与党とあなた方とは一体ですから、当然あなた方の意見が影響を及ぼさざるを得ない。そうなれば、法務省も積極的に参加をして、この際ロッキード委員会と一緒になってこの作業を始める、そういう時期に来ているのでしょう。そうすれば、ちょうど捜査終結の段階に間に合いますよね。そう思いませんか。
○稻葉国務大臣 捜査終結の時期と臨時国会開会の時期というようなことについて私からかれこれ申し上げるべきことではありませんけれども、なるべく捜査がある程度めどがついてからの方がいいのではないか。これは一般の常識ですわな。 そこで先生、大変に気をもんでおられるけれども、どうしてそんなに気をもまれるんだかわからない。しかもこの段階で、捜査の本当のところのめどは、そう遠くはないかもしらぬけれども、まだついていないきょうの段階で、あなたから、相談にあずかれ、捜査資料を持っているおまえたちいろいろなことを教えろと言ったって、教えられるわけのものでもないものね。いま大事なときですものね。
○河村委員 私はそんなことを言っているのじゃありませんよ。あなた方は知識を持っているから、灰色高官名の範囲を定義づける際にも、当然有力な意見は持っておるはずだ、だから討議に加わりなさいということを言っているのであって、同時に、捜査の初期の段階ならともかく、いまの段階になればおおむね輪郭あるいは事柄の性質、どういうものが刑事責任があって、どういうものが実際に政治的道義的責任はあっても刑事責任を免れるかというような分類ぐらいのもの、そういうものはできる段階にもう来ているはずですよ。だから、胸突き八丁はわかりますよ、わかるから、捜査に邪魔するようなことをしようと言っているのではありませんよ。時間的にそうすんなり決まるとあなたは思っているのですか。ここにいる与党の人たちが、何かにこにこか何だかわかりませんけれども、とにかくそうすんなりわれわれの言うのをオーケーと言うはずはないのだし、そこで時間がかかることはわかっているはずでしょう。それを私は言っているのです。いかがですか。
○稻葉国務大臣 おっしゃることについて多少私に誤解がございました。もう捜査はここまで来たんだから、分類ができてきて、刑事責任追及の範囲からはみ出したものだけれども国会がそれは政治的道義的責任があるものとして追及される場合、こういう段階に来たとあなたはおっしゃるけれども……(河村委員「そうじやありませんよ」と呼ぶ)そうじゃないの。
○河村委員 どうもあなたは故意にとぼけている。まだそれは公表する時期に来たと言っているわけではありませんよ。範囲や公表の方法、そういうものを確定する作業を開始する時期に来たであろう、それをやっておかなければ、あと八月の十日になるかどうか知りませんが、少なくとも二週間やそこら見なければ、そう簡単にいくはずはない。だからその作業に入るべき時期ではないかということを言っているわけです。
○稻葉国務大臣 私の考えとしては少しく早いように思います。
○河村委員 少し早いというのはどういうことですか。捜査終結までは作業に入らないということですか、そうではないのですか。
○稻葉国務大臣 あなたは臨時国会の開催だとかそういう時期とも絡ませて捜査終結の時期と言われると、捜査終結の時期を起訴だとかそういうことに置かれるのだったら、そこまで臨時国会を待たなくてもいいのではないか、大体問題になっておる点についての強制捜査に入ったら、起訴、不起訴を待たなくてもいいのではないか。その点は臨時国会との絡み合いで言うならそういうことですし、それから政治的道義的責任を追及される皆さんの方で、いわゆる灰色とはこういうものであるという与野党の話し合いをされるについて、法務省あるいは捜査当局が一緒になってこれを相談しながら決めていくべき性質のものではないのではないでしょうか。それはやはり刑事訴訟法の規定に基づきいろいろな捜査はしたけれども起訴に至らなかったものの場合はどういうものがあるかというようなことは、国会の皆さん、弁護士さんもたくさんおられるわけですから決められないことはないので、捜査当局が一緒になって作業すべき問題じゃないでしょうな。
○河村委員 そうすると、先ほどあなたは内々準備をするというのは間違いであって、国会で決めれば法務省はそれに従いますと、こういうことですね。
○稻葉国務大臣 私、内々準備してというのはこっちの内々のことを言っているのじゃないのですよ。あなた方が内々準備されるべきものであると、こう言っている。
○河村委員 それは詭弁でしょう。さっきあなたは、あなたの方の側で内々準備すると、そう言ったのでしょう。私らにはそう聞こえましたがね、日本語としては。——そうですが、それじゃ法務省サイド……
○稻葉国務大臣 いわゆる灰色とかいう問題は、道義的政治的責任のことに関して言うのだと一般に言われておりますから、それは主役たるあなた方の方でおやりになるべきことを、こっちが内々準備するばかはないじゃないですか。
○河村委員 それじゃわかりました。要するに、それは国会でお決めください、法務省としては決められたことに従いますと、そういうことですね。それでよろしゅうございますね。
○稻葉国務大臣 よろしゅうございます。
○河村委員 それでは、公表の方法についてはいかがですか。
○稻葉国務大臣 その公表の場になりますと、あなた方は、これは灰色だ、だから出せ、こう言われても、それを全部出せるか出せないかは、刑事訴訟法の手続に照らして——それは当然でしょう、違法なことをやるわけにはいかないのですからね。それは刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえて、こういうふうにちゃんと議長裁定にも条件がついているわけです。そういうわけです。
○河村委員 それでは何にもならないんですね。国会でお決めください、だけれどもそれに従って公表するかどうかということは全然関係のない問題で、それは法務省で随意に判断するというのでは、国会で決めたって何にもならないじゃないですか。それはおかしいでしょう。
○稻葉国務大臣 あなた方がお決めくだされば、それに従って刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえて協力を申し上げますと、こういうことです。
○河村委員 われわれは、たとえば公表の方法を一応別にして、政府高官の範囲を確定する相談をする場合には、ただ抽象的にこれが灰色であるとかなんとかいうことを相談するんじゃありませんよ。これは当然刑事訴訟法の立法趣旨、具体的に言えば刑事訴訟法四十七条ただし書きの、本来秘匿すべきものではあるけれども、公益上相当であるかどうかという、そういう価値判断を含めて、われわれは当然相談をいたします。それで話が仮にまとまった、だけれども、いまのあなたの御答弁だと、政府あるいは法務省としては、国会が公益上相当と判断してもそれは信用ができない、あるいはそれを聞くわけにはまいらぬ、公益上相当であるかどうかは法務省サイドでもう一遍考えて公表するかどうか決める、こういうことになるわけですか。
○稻葉国務大臣 簡単に言えばそういうことになりますね。ただ、議長裁定にもあるように、政治的道義的責任を追及する場は国会である、こうなっておりますね。それで灰色というものの定義を決められますね。そうしてこれこれは灰色だ、刑事責任の追及はできないというからこれは灰色だ。そこで、これはどういうわけで起訴にならなかったのか、皆抗議をしろ、こういうことになりますと、そうはいかぬ、これは無条件に皆やりますというわけにはまいりません。それは最善の協力をするとなっているのですから、最善の協力、無条件の協力とはなっていないのですから、違うでしょう。
○河村委員 それは無条件とはなっておりませんけれども、しかし、さっきあなたが、とにかく道義的責任の範囲は国会で確定するものだ、あなたはそれはそれでよろしいと言われた。その際に、われわれとしても当然、何でもかんでも、一応容疑者あるいは参考人で招致されている者を残らず灰色だと決めるわけじゃないのですよ。ちゃんと一定の要件を決めますね。たとえばあっせん収賄で言えば、職務権限はないけれども、しかし実質的に影響力のある者がやった場合、これは法律的に欠格かもしらぬけれども、犯罪構成要件を欠くかもしれないけれども、これは灰色に入るであろう。そういうような種類の定義を決めますね。ですから、別段あなた方に、何でもかんでもということではなしに、そうした一定の要件を国会で決めます。そうしたら、それには異議あるというならば、決める前に当然あなた方は意見を述べなければいかぬでしょう。それで国会でもって御自由にお決めください、それに従いますと言っておいて、最後の判定は法務省でやるというのはおかしいでしょう。もし国会でもって作業をやったものの定義の基準みたいなもの、それがどうもおかしいというなら、当然そのときに異議を言わなければおかしいでしょう。いかがです。
○稻葉国務大臣 この刑事訴訟法の四十七条だったか、そういうことであらかじめといいますか、従えるのか従えないのかの相談に応じたらどうか、こういうことですと、それはそういう場合はあるかもしれませんが、何しろ私はあなたのおっしゃる刑事訴訟法四十七条ただし書きとかいう、そういう事柄につきまして余り知識はありませんで、あなたの質問は手に負えない。だから、刑事局長に答弁させます。
○安原説明員 河村委員はもう御案内と思いますけれども、先ほどからお聞きしておりますと、灰色高官というものは単に抽象的に定義を決めるだけではなくて、その灰色高官とは、刑事訴訟法の精神を踏んまえて捜査当局からでも公表できるような灰色高官をわれわれは考えるから、それに従ってはどうかというふうに私は理解したわけでございますけれども、理念はまさにそのとおりで、まことに適切なお考えと思いますけれども、従えとおっしゃいましても、立法府でお考えの四十七条の解釈とわれわれ書類の保管者——四十七条とは、もう御案内のとおり、それを判断するのは検察官でございますから、検察官が公益上の必要ありとする判断とは、判断の主体が違います以上、理論的に違うこともあり得るわけでございますので、そこで、ただこれを、言葉は悪うございますが、立法府の判断に四十七条の解釈についても従えとおっしゃいましても、検察当局としての自主的な判断もまさに書類の保管者として当然にあるわけでございますから、食い違いのある場合もあるというふうなことを考えますと、理論的には、盲従と言っては語弊がございますが、直ちに即断的に従うわけにはまいりませんということを大臣が申されたわけでありまして、検察当局といたしましても、政府の機関の一部といたしまして、議長裁定にありますように、最善の協力をするということでございますので、その判断並びにその運用につきましては、それこそ最善の努力をすることによって、できる限り立法府の御判断に一致するまうに努めたいとは考えておりますけれども、ただすぐ従えとおっしゃいましても、それは無理なことでございますということを法務大臣が申し上げたものと思います。
○河村委員 あなたがとにかくそれは国会で決めることだとおっしゃるから、そういうことになるのです。私も法務省と相対で相談をして決めるというふうに聞き取れる発言をしたならば、私の言い方も間違いかもしれませんが、しかし、当然いまからそういう基準をつくる作業に入って、法務省も後でそごを来さないように積極的に意見を述べる場を当然いまから持つべきではないか、こういうことなんですよ。それならよろしいのでしょう。
○稻葉国務大臣 それは正しい協力だと思いますね。
○河村委員 時間になりましたから、最後に一つだけ聞いておきたいと思いますが、捜査終結の時期の判断の問題です。 私ども民社党が四月に自民党との協定を結んだ際には、当然捜査が終わってからでなければ無理であろうと考えましたので、捜査処理終結の時点でこの問題を取り扱う、そういう協定をいたしました。いま捜査終了あるいは捜査終結、いろいろ言葉は使っておりますが、同じことだし、また、議長裁定で「事態の推移をみて」というのも結局同じところを目途としておるわけですが、捜査の処理終結の段階、時点、これは大体どういうふうにお考えですか。どういうような時期——まさか前にあなたがおっしゃったように、捜査本部解散、乾杯の時期だなんていうことではないはずだと思うので、その点のところを……。
○安原説明員 われわれ検察当局といたしましては、ロッキード社から流入いたしました資金の入りのみならず出方につきましての全貌が解明されまして、その間に不正行為が存在すれば、その起訴、不起訴について一応の処理を終わった段階というふうに考えております。
○河村委員 大体どのぐらいの時期だと思いますか。
○稻葉国務大臣 それがわかれば世話はないのですね。
○河村委員 終わります。
○大橋(武)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後三時十七分休憩 ————◇————— 午後七時一分開議
○田中委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。 昨二十一日、本委員会において児玉譽士夫君の自宅に委員を派遣して調査を行うことに決定をいたしました。御承知のとおりであります。 本日、午後四時過ぎから約三十分間委員長たる私が児玉譽士夫君に対し質問を行ってまいりました。 一問一答の形式でその速記録ができてまいりましたので、これに基づいて御報告をいたします。 問あなたは、ロッキード社とコンサルタン ト契約を結び、航空機の売り込みについて協力 してきたと言われておりますが、そういう事実 はありますか。 答 私は、英語はわからないので、コンサル タントというのは何だかわからないのです。し かし、売り込みを頼まれたということはない。 私は、ロッキードから顧問になってくれと言わ れまして、顧問になりました。 問 それで契約書ができておりますね、何回 か書きかえましたか。 答 あれは私は、契約書というものは二回、 ただ二回だけ、いきなりアメリカ人と通訳が来 まして、社内事情だからこれに署名をしてくれ と言うので、私は署名をしたことが二度ありま す。それで、英語で、向こうの字なんで読めな いのです。それで、これから署名をするときは 日本語に訳して持ってこいと言っておきまし た。その後は持ってこなかった。 問 あなたが、ロッキード社に出した領収証 の総額は、約十七億円となっておりますが、こ の金は全部受け取りましたか。 全部でなければ、幾ら受け取ったのですか。 答 私は、年間五千万円の顧問料以外に、そ ういう大金は受け取ってはおりません。それか ら領収証を書いたことも見たこともありませ ん。私は紙一枚書いていないのだ。 問 コンサルタント契約のお金は何年間ぐら いお受けになったか。 答 六、七年だと思います。 問 その金は、コンサルタントの報酬と航空 機の販売手数料ですか。 それ以外の金も含まれておりますか。 答 それは顧問料だけであって、そんなお金 ではありません。 問 トライスターの売り込みについて、政治 家その他政府関係者に働きかけたことがありま すか。 あるとすれば、それはだれですか。 答 私の政治家とのつき合いは、川島先生が 生きているときまでです。それ以後は政治家と つき合いはありません。それで、いかなる政治 家でも私は飛行機のことでお目にかかったこと はないし、頼んだこともございません。 問 次期対潜哨戒機の選定について、国産化 の方針を白紙還元させるため、工作をしたこと がありますか。 答 全然聞いたことがありません、それは。 問 政府にP3Cオライオンを採用させるた めに、政治家その他政府関係者に働きかけたこ とがありますか。 あるとすれば、それはだれですか。 答 そういう話をしたことはただの一人もい ないし、ただの一回もございません。 問 ロッキード社からの金を、政治家その他 政府関係者に渡したことがありますか。 あるとすれば、それはだれですか。 答もう政治家には、ただの百円のお金を差 し上げたことも、全然ございません。 問 コーチャン氏の証言によると、あなたは、 小佐野賢治さんをコーチャン氏に紹介したこと になっておりますが、そのとおりですか。 答 全然でたらめです。私は、いかなる人に も、小佐野さんだけでなく、どなたにもコーチャ ンを紹介したことはないのです。 問 また、コーチャン氏は、小佐野賢治さん とあなたと三人で、トライスターの売り込みに ついていろいろ相談をしたと言っております が、そのとおりですか。 答 それも全然違います。事実無根です。 問 あなたは、ロッキード社からの金を、協 力の報酬として小佐野さんに渡したことがあり ますか。 答 全然ございません。 問 また、ロッキード社から小佐野さんに直 接金を渡されたことを聞いていませんか。 答 私は聞いておりません。 問 あなたは、日航や全日空にDC10を採用 させないように拒むための工作をしたことがあ りますか。 答 全日空にですか。それはありませんです。 というのは、日本航空の松尾さんという人は、 私は知っていますけれども、非常な人格者で、 飛行機の問題なんかを、私のような門外漢の言 うことを聞く人では絶対にありません。全然聞 いておりません。 問 あなたは、全日空の大庭社長を退陣させ るための工作をしたことがありますか。 答 大庭という人は私は知らなかった。どこ か、そう、帝国ホテルの結婚式のときに、だれ の結婚式だったか忘れたが、松尾さんが大庭を 私に紹介したことがある。これが大庭君ですか らと紹介をされたことがあるのです。それしか、 もう二度と会ったことはありません。だから、 知りもしない人に、大庭をやめさせる工作なん かするはずがないのです。 問 あなたは、トライスターを採用させるた めに、全日空の人に働きかけたことがあります か。 あるとすれば、それはだれですか。 答 全日空には私は知り合いは一人もいない のです。だから、訪ねてくるわけがないでしょ う。 問 あなたは、トライスターやP3Cオライ オンの売り込みについて、丸紅の人に相談をし たことがありますか。 あるとすれば、それは丸紅のだれですか。 答 丸紅は、これまた一人も知った人がない のです。だから、そんなことを相談しようがな いです。 問 あなたは、ロッキード社との間に、大韓 航空ヘトライスターを売り込むことについて契 約を結んだことがありますか。 答 ありません。 問 これについて、小佐野さんの協力を得ま したか。 答 私はほとんど契約というものはしており ません。それを、この事件が起きてから、あら ゆる書類はぼくの知らない判を押してあるので す。だけれども、これは私が知らない、全然見 たことがないのです。 それで、大韓航空のことは、クラッターから 一度飛行機を売ってくれと話みたいなこと—— の話かありました。だか私は、大韓航空を—— 大韓民国をぼくは知っているのです。それで、 韓国が三十八度線を守って精いっぱい戦ってお るのだから飛行機なんかは買うものか、そうい うものを韓国に売りつけるのは反対だとぼくは 忠告したのです。だから、忠告はしましたが、 それを契約するなんていう話はあべこべです。 問 韓国に買わすことは反対だとおっしゃる のは、どんな理由ですか。 答 韓国の大統領とも私は親しい。それに、 三十八度線を本当に力いっぱい守っておるん だ。それに高い高いそんな飛行機なんかを売り つけることはない。 ここで喜多村医師が顔色を変えてそばに寄りまして、いわゆるドクターストップをかけます。臨床尋問はしばらくこれによって中断をしまして、その間血圧を測定、注射を行いまして安静を取り戻したのであります。 続いて最後の問い。 問 大韓航空に高い飛行機を買わして苦労を さすことは感心せぬと思われたということです が、小佐野さんとはこれは相談をしたのではあ りませんか。 答 小佐野に話したことはないのです。 問 それでは、わが国の政治家とはだれとも 相談したことはありませんね。 答 売るのが反対なんですから、相談のしよ うがありません。 問 お尋ねすることはこれで終わりました。 以上、御報告を申し上げます。 次回は、来る二十八日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会をいたします。 午後七時十三分散会