ロッキード問題に関する調査特別委員会 第15号
- 発言数
- 395 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/07/15
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告をいたします。 去る六月十六日及び二十四日の全日空副社長渡辺尚次君の証言につきまして、偽証の疑いがあるものと認め、七月八日告発の議決を行い、告発状の作成その他告発の手続はすべて委員長に一任されておりましたが、翌七月九日告発いたしましたので、ここに御報告を申し上げます。 なお、告発状は本日の会議録に掲載をいたします。御承知を願います。
○田中委員長 次に、七月九日、東京地方検察庁検事正高瀬禮二君より、ロッキード問題に関する調査特別委員長あてに、渡辺尚次君が六月十六日及び二十四日本委員会において行った証言について、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条に該当すると認められるので、右の者を同法違反により七月九日逮捕した旨の通知が参りました。 以上御報告をいたします。 なお、本通知状を本日の会議録に掲載をすることにいたします。御承知を願います。 —————————————
○田中委員長 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず、松永光君。
○松永委員 大蔵大臣に御質問いたします。 昭和四十七年の十一月に、対外経済関係を調整するための租税特別措置法等の一部を改正する法律によりまして、租税特別措置法、関税暫定措置法、日本輸出入銀行法、いわゆる輸銀法、この三本の法律の改正がなされたわけでありますが、このうち輸銀法の改正について、輸銀法の改正の時期が全日空等が新機種を購入する時期と非常に接近した時期になされている等がございまして、そういうことから、輸銀法の改正というのは、対外経済関係を調整するという名目で、実際は全日空などの航空機購入を容易ならしめるためになされたのではないか、対外経済関係の調整、いわゆるドル減らしというのは口実であって、実際は全日空等の航空機購入を容易ならしめる、こういった目的のために改正がなされたのではないか、こういう疑問を持つ者があるやに私ども聞いておるわけでございます。 そこで、きょうは、大臣から、輸銀法を改正するに至ったいきさつ、当時の日本が直面しておった経済問題、特にドル減らしをしなければならぬという事情がどういうふうな程度にあったのか、そういった輸銀法改正の背景、いきさつ、これをひとつ明らかにしてもらいたい、こう思うのです。
○大平国務大臣 御承知のように、わが国は、明治以来資本の輸入国といたしまして、終始国際収支の問題には悩み続けてきた経済弱小国であったわけでございます。したがって、輸出をいかにして振興してまいるか、輸入をいかにして規制していくかというようなことは、わが国の経済政策上間断ない問題として取り上げられてまいりましたことは、松永委員も御承知のとおりであります。 しかし、世界経済を無差別自由の原則で拡大してまいらなければ、わが国の本来の意味の発展もございませんし、わが国も経済大国の一つとして、それに順応した国内体制がとれるように早くならなければならぬという願いは、かねてからあったわけでございます。OECDに加盟いたしましたし、またIMFの八条国に移行をいたしまして以来、資本の自由化の段取りを逐次進めてまいりましたゆえんのものも、そういう意味でわが国が世界の経済の無差別拡大の立場に立って協力できるような姿勢を逐次努めていきたいという方向を目指しての努力であったわけでございます。しかし、依然として、国際収支のくびきから脱却できない限りは、なかなか思い切った措置ができなかったわけでございます。 ところが、幸いにいたしまして、昭和四十七年、いま御指摘の時期になりまして、わが国の国際収支は俄然好転してまいりまして、四十七年の一−三月、経常収支は九億五千八百万ドルの黒字でございます。四十七年の四−六月は十二億一千二百万ドルの黒字、七月−九月は二十億八千四百万ドルの黒字、十月−十二月は二十三億七千万ドルの黒字という、わが国の歴史かつて見ない大幅な黒字を引き続き記録できたわけでございます。外貨準備も四十七年十二月末には百八十三億六千五百万ドルという空前の数字を記録できたわけでございます。 こうなってまいりますと、当然のこととして、輸出優遇措置あるいは輸入抑制の制度というようなものをこの際見直してまいる必要が出て——見直してみるばかりでなく、それを実行に移すことができる基盤ができてまいったわけでございます。 そこで、既存の輸出優遇措置の縮小を図る一方、輸入を促進するための関税上及び金融上の措置を緊急に講ずることにいたしたわけでございます。そのためにいま御指摘の租税特別措置法の改正を企図いたしまして、その一環として輸出入銀行法の改正が行われたわけでございます。 その改正は、輸入金融の対象である重要物資の中に、原料、材料のみならず、いま問題になっておる設備を含めるということにいたしたことが第一でございます。それから、前払い以外の輸入資金、頭金以外の輸入資金全体を融資の対象にするということにいたしたことが第二点でございます。また、その他、海外投資の積極化を図るために、長期事業資金やアンタイドローンの貸し付けを行えることにした。そういう改正をいたしたわけでございますので、一口に申しますと、そのようにわが国が国際経済の状況に対しまして、わが国のいびつな国内体制を開放的な国際体制に合うようにいたしたことでございまして、その結果として、設備が輸銀の融資対象になったということにすぎないわけでございまして、そして飛行機は設備の一つでございますけれども、逆に、それを融資対象にするためにこの改正を行ったというようなことでは決してなかったわけでございまして、改正の結果としてそういう副産物が生まれたというように御理解を賜りたいと思います。
○松永委員 通常、法律を改正する場合の作業からいいますと、まず担当課の方から議論を積み上げていって、そして省としての議論がなされて法律改正というふうな省議の決定、それから閣議、こうなっていくと思うのでありますが、この輸銀法の改正の場合はどうだったのでしょうか。輸入を緊急に拡大するという必要性からいって輸銀法の改正が必要である、こういった議論が下からだんだん積み上げられていって、その結果として改正ということになったのか。 しかし一方においては、四十七年九月一日のいわゆる鶴見・インガソル会談において、「日本の民間航空会社は、米国から約三億二千万ドル相当の大型機を含む民間航空機の購入を計画中である。」これらの「購入契約が締結され次第、これら航空機の購入を容易ならしめる意向である。」云々と、こういうふうな鶴見・インガソル会談においての約束事があるわけでありまして、この約束事は当然にといいますか、輸銀法の改正を伴う内容の約束と思われるわけですね。そういたしますと、輸銀法改正問題についての論議は、鶴見・インガソル会談で、日本の民間航空会社が米国から輸入する航空機について購入を容易ならしめるということを決めてありますから、このことが輸銀法改正を必然的に伴う、そういう約束事だというふうに理解してよろしいのでしょうか。 そういたしますと、下から積み上げられた議論じゃなくして、鶴見・インガソル会談の結果として輸銀法の改正をすることになった、こういうふうになろうかと思うのですが、そこの関係はどうなるでしょうか。
○大平国務大臣 鶴見・インガソル会談は、それに先行いたしまして箱根におきまして、鶴見氏とそれから当時アメリカからミッションが参りまして打ち合わせが行われたことがございました。日米間の貿易が非常にアンバランスになってまいりまして、アメリカはこのままいきますと対日貿易は四十二億ドル内外のアンバランスを記録するのではないか。アメリカの計算によりますと日本の黒字になるのではないか。日本の計算によっても三十四億ドルぐらいになるというようなことが議論されておったわけでございます。 そこで、こんなことじゃえらいことだから、何かこれをもう少し圧縮する道がないかということでございました。そうすると、政府が直接圧縮する道というのは、政府は食糧管理特別会計を持っております。食管がどれだけの食糧ないし飼料をさしあたって買う用意があるかというようなこと、これは政府が決心すれば買うことができるわけでございます。それから、当時濃縮ウランの処理の問題が日米間で相談になっておりましたので、そういったことも、政府が決心いたしますと、対米支払いが時期的にどれだけ行われることになるかという見当がつくはずでございました。 そういったことは政府に直接関係したことでございますけれども、この鶴見・インガソル会談の記録にありますように、水産物でございますとか航空機でございますとかいうのは政府が輸入する権限はないわけでございまして、これは普通の貿易でございますし、航空機は航空機会社が計画して決めることでございまして、政府はこれに対しまして何らの権限を持っていないわけでございます。けれども、そういうやかましい要請がございますので、どういう購入計画があるかということを各省ベースで調査をいたしまして、十億ドル内外の購入計画があるようだからということを、アメリカにインフォームしたというにすぎないわけでございまして、この鶴見・インガソル会談で政府がこの購入について輸銀法の改正を約束するとか、そういう責任を負うとか、そういう性質のものでは一切ございませんと私は理解いたしております。 ただし、ここに「日本政府は、購入契約が締結され次第、」——購入契約は民間の航空会社がやられることでございますが、「これら航空機の購入を容易ならしめる意向である。」ということでございますが、これは、政府ができることは手助けはいたしますということでございます。たとえば輸入手続等につきまして、いろいろ輸入許可が出た場合に、政府がそれを促進するとかいうことでございます。 いま問題になっておる輸入金融でございますが、輸入金融は、これまで航空機会社はアメリカのEXIMと民間の銀行の共同融資で金融を受けておったわけでございます。今度日本の方にだんだんドルがたまりましたので、そいつを円の方に切りかえたわけでございます。そういたしますと、今度輸銀の金融ということに、同条件で輸出入銀行から融資するようにいたそうということにしたまででございまして、その場合には、その金融の手続を容易にいたすというような意味も、このうちに含まれてきて差し支えないと思いますけれども、この会談で輸出入銀行法の改正を約束するとかいうような性質のものと私は毛頭これを評価いたしておりません。
○松永委員 この鶴見・インガソル会談についての第二項の(b)の欄の最後の方を読みますと、私にはそう読めたわけでございます。というのは、日米間の貿易収支が余りにも日本にドルがたまり過ぎるという傾向があったので、そのドル減らしという意味での輸入の促進ということが合意され、そしてその中に、この航空機の問題に関連して「航空機の購入を容易ならしめる意向」こう書いてあるものですから、ドル減らしに役立つような形での航空機の輸入、そしてその輸入を容易ならしめる意向が日本政府側にあるということを組み合わせて考えますと、このときに大体、輸銀法の改正をして、そして日本の民間航空会社が購入する輸入資金について、日本の輸銀が日本の民間航空会社に融資できるという道をつくるということが前提となって、こういう表現になったんじゃなかろうかというふうに私は理解したものですから、先ほどのような質問をしたわけなんでございます。 ところで、もう一つ疑問は、先ほどの大臣の御答弁にもありましたが、緊急に措置をする必要があるということで輸銀法の改正等がされたということでございますが、なるほど農産物等を輸入する場合には、国内の農業との関係の調整という問題がありますけれども、しかし、農産物等の輸入の場合は、直ちにそれだけドル減らしの効果がある。しかし、航空機等の場合には、輸銀法の改正をいたしましても、実際にドル減らしの効果が出てくるのは八カ月あるいは十カ月後である。そうなってくると、緊急な措置ということには該当しにくいのじゃないかという感じがするわけでありまして、その意味で、ドル減らしという意味から言えば、農水産物の購入量をふやすということはわかるけれども、輸銀法の改正では、法律を改正した後まだ八カ月もあるいは一年もしなければドル減らしの効果が出てこないじゃないか。だとすれば、緊急な措置としては必ずしも妥当じゃなかったんじゃないか、 〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕 もう少しゆっくり時間をかけて論議して改正してもよかったんじゃないか、こういうことが言われると思うのでありますが、その点についての大臣の御見解をもう一回承っておきたいと思うのです。
○大平国務大臣 日本の体制を開放体制に持っていくということは、できれば早い方がいいわけでございまして、四十七年の秋を契機といたしまして輸銀法の改正ができたということでございまして、それが今日まで続いてきておりまして、その後国際収支は逆調を記録したわけでございますけれども、ともかくそのときに改正になりました体制は、その後も私どもは堅持することができておることは幸せだと思うのでございまして、つまり、一国の制度というものは、そのときどきの国際収支の逆調いかんによってしょっちゅうネコの目が変わるように変えていいものとは思いません。一たん制度を改正いたしましたならば、それが安定して長く規制力を持つということが望ましいと思うので、日本の場合もそうなっておるわけでございます。 ただ、当時相当ドルが、先ほど申し上げましたように、黒字がどんどんたまってまいりましたので、それが緊急な輸入によりまして特に対米アンバランスが是正されるということは、日米両国とも希望したことでございました。事実その後そのとおりにまいりまして、四十八年一−三月は経常収支で申しますと四億九千四百万ドルの黒字でございましたけれども、四−六になりまして四億一千六百万ドルの赤字に変わりまして、四十八年の七−九は一億一百万ドルの黒字、それから十月−十二月は三億一千五百万ドルの赤字、四十八年いっぱいはどうやらこの緊張が解けたことになったわけでございます。したがって、どこの国からもおまえの方は黒字をため過ぎておるじゃないかというようなことが言われずに済んだ状況であったと思うのであります。 だから、いろいろな、どの品物がどう入ってどうなったという、一つ一つ分析するとこれはどうなりますか、私もよく克明に解明したことはございませんけれども、その後の物の出入りを通じましてノーマルな状態に返ったということができると思うのであります。航空機の場合も、三億二千万ドルぐらいが四十七、四十八両年度に入るであろうという計画が日本の民間航空会社で持たれておるということを聞いておるということがこの鶴見・インガソル会談の記録にあるわけでございますが、実際はそれ以上に入ったわけで、それ以上に日本は買ったと私も記憶 実績はもっと入っておると思うのであります。しかし、いずれにいたしましても、そういった双方の努力の結果、四十八年度の国際収支は平常に戻っておるということになったと思うのでございます。
○佐藤(文)委員 関連して。大蔵大臣に質問いたしますが、四十七年九月のハワイ会談において外務大臣として御出席されましたが、その際の会談の内容を簡単にお話し願いたいと思います。
○大平国務大臣 突然のことでございまして、その当時の記録を見て正確にお話ししなければならぬと思いますけれども、いま問題になっておる日米貿易収支のアンバランスに絡んだ観点から申しますと、そういった日米間の貿易収支のアンバランスという問題の具体的検討は、鶴見・インガソル会談のレベルにゆだねたわけでございます。田中・ニクソン会談ではそういう問題は取り上げなかったと記憶いたしております。最後のコミュニケにおきまして、鶴見・インガソル会談ででき上がった成果は歓迎するということにいたしたと思いますけれども、首脳会談におきましては、貿易収支のアンバランスの問題につきましては、事が技術的な問題になりますので、鶴見・インガソル会談にゆだねたというのが実相であったと思います。
○佐藤(文)委員 その年の一月のサンクレメンテから九月のハワイ会談に及んで、サンクレメンテのときには日米よき。パートナーの関係を結ぼう、それからハワイ会談のときには、再度内外の記者団にお会いになったときに、私も党の新聞局長でそこへ出席しておりましたが、日米継続的なこういうトップ会談を続けていこう、こういうような発表があったわけですが、その会談の中で、具体的にロッキード一〇一一、これの購入についての話はございませんでしたでしょうか。
○大平国務大臣 ロッキードという機種の購入はおろか、私が申しましたように、日米間の貿易収支のアンバランスというような具体的な問題の討議は、両首脳の間には話題に上らなかったわけでございまして、貿易収支のアンバランスの問題は鶴見・インガソル会談にゆだねた、いまお話し申し上げたとおりでございます。
○佐藤(文)委員 それでは、そのハワイ会談では、この航空機の具体的な購入の話、そういうものはなかったと理解してよろしゅうございますか。
○大平国務大臣 そういうものはございません。
○佐藤(文)委員 よろしゅうございます。
○松永委員 今度は運輸省にひとつ質問いたします。 例の四十六年二月の大型ジェット機導入に関する延期の行政指導についてでございますが、大臣のいままでのいろいろな答弁から、大臣自身が大型ジェット機の導入延期の行政指導がなされたいきさつ等を後になってずいぶんお調べになったそうでありますが、その結果、私どもの方に、航空局で作成された「昭和四十六年二月の大型ジェット機導入に関する行政指導について」という書面をいただきまして、それによりますと、四十六年に入ってから、全日空それから日本航空、この両社の航空機の導入のテンポが過大ではないかというふうな議論が出てきて、そして日本航空と全日空との両方の計画を見ますと、これはどうしても供給過剰になる、そういったことから、大型航空機導入については少し時期をずらす方が望ましいのじゃないか、こういったような行政指導がなされたんだ、こういう説明のようでございます。ところが、大臣、昭和四十五年、昭和四十六年、その当時の国会関係の資料を見ますと、もうその前に大型機導入というのは四十七年は無理じゃないかというふうな議論がこの国会の中でなされておるわけですね。 たとえば四十五年四月十三日の衆議院の決算委員会で、公明党の鳥居議員の当時の橋本運輸大臣に対する質問などを見ましても、こういうふうになっていますよ。「全日空の機種選定は今月、来月あたりに焦点がしぼられているわけですけれども、そういうことはありませんか、どうでしょうか。私は来年に延ばすべきだと思うわけですが、空港整備の点からいっても、七二年というのが無理な現状で計画変更なさるそうでありますから、やはり選定を急ぐべきでない、こういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか。」こういう質問が、これは四十五年四月の時点でなされておるわけですね。それに対して当時の橋本大臣が「お話しのように、ここ一、二カ月の間に決定することはありません。当然運輸省とも相談し、かつまた、関係方面の意見も聞いた上、慎重に決定いたしますので、その点は御理解願いたい。」、要するに、国会の議論として四十五年四月の時点で七二年導入というのは無理じゃないか、そういった議論がなされておるわけですね。 そういった議論等から見ますと、大型ジェット機の導入はいつごろが望ましいかという問題については、四十五年ごろの時点で四十七年というのはちょっと無理じゃないか、こういった議論がなされておるわけですから、運輸省の中でもそのころから時期についての議論があったのじゃないでしょうか、どうですか、その点は。
○木村国務大臣 確かにいまお話しのように、国会におきましては四十五年の四、五月ごろから野党の委員の方からもそういう趣旨の質問がございまして、当時の運輸大臣もそういうふうに答えておるわけでございます。そのころはまだ万博が行われておったときでございますし、航空需要も相当高かったというふうな状況下でございますが、その時点で将来のことをどういうふうに想定するかということはなかなかむずかしい事柄であったと思います。しかし、国会でそのような御意見が出るくらいでございますから、その当時かなりの需要がありましても、進んで新しい機種の大型機を入れるということは、安全性の問題、それから当時の港湾整備の状況等から考えて、需要が高いだけではだめなんでございまして、そういう点からも憂慮されての御質問であった、かように私も当時の様子を調べておるわけでございますが、運輸省の中には、はっきりと導入をずっと後へ延ばすべきであるとかあるいはいつごろやるべきであるかという考えがまだ固まっていなかった、そういう状況下でそういう御質問があったわけでございますので、大臣の答弁も、慎重に考えましょうという答弁になっておると思います。
○松永委員 予算委員会やこの委員会における全日空関係者の若狭あるいは渡辺氏、この人たちは、三井物産がDC10についてすでに発注をしておった、こういった事柄については全部知らないというふうな証人としての証言をしたわけなんですが、また運輸省の方でも、そういう関係についてはその当時どれだけ御承知であったのか。四十七年あるいは四十六年の時点で大型航空機導入に関する件につきましては国会でいろんな論議がなされておったわけでありますから、全日空等の監督をする立場にある運輸省において、もう少し適切な行政指導なりあるいは注意なりをしてこられたならば、全日空の不祥事件といいますか、こうなっているんですから不祥事件と言っていいでしょう、そういったことは未然に防げたのじゃなかろうか、私にはそういうふうに思われる節があるのです。 と申しますのは、これも国会における論議でございますが、四十七年三月二十四日の予算委員会分科会における論議として、これは楢崎議員さんの質問なんでありますが、その質問を見ますというと、三井物産が全日空に売る目的ですでにエアバスとしてDC10を六機注文しておる。さらに四機をオプションしておる。しかし、それは別に全日空と正式の契約を結んで買ったわけじゃないから、三井物産の先買いであるというふうな趣旨。それから、マクダネル・ダグラス社の工場に全日空用にリザーブされた飛行機ということでDC10が五機おるそうです。この飛行機の一連番号は、二九番、二三番、四七番、五〇番、七八番、こういった詳細な事実を指摘しまして、今日になってみると、この指摘というものは、客観的には正しい点の指摘だったわけですね。三井物産が全日空に売る目的で六機を確定発注、四機をオプションしておった。それは、全日空と正式の契約を結んでおったんじゃない、したがって、先買いと言えば言えるようなものだ。こういったことは、四十七年の三月の時点で、その客観的な事実を承知の議員さんがいるぐらいにあったわけですね。しかも、その点について運輸省に対して結論として質問者である楢崎さんは、自分が述べたことは間違っているかどうか、真実かどうか調査しなさい、こういうことで質問が終わっているわけです。そうすると、当然その当時の運輸省の航空局の関係者が調べられたんじゃなかろうかと思うのでございますが、その当時、そういう調べを詳細になさったかどうか、どうですか。
○松本説明員 いま先生おっしゃいましたような御質問がございましたので、当時、航空局といたしまして三井物産に対しそのような事実があるのかどうかということを調査したようでございます。その結果、三井物産からの回答といたしましては、そのようなことは承知していない、こういう回答がございまして、それをもって私どもの方は一応調査を打ち切っておる、こういうのが実情でございます。
○松永委員 そこなんですよね。客観的には、四十七年の三月の時点で楢崎先生から御指摘のあったことは、これは事実だったのですよ。航空行政の責任官庁である運輸省の航空局が少し熱意を持って調査をすればわかったわけですよ。そうなってくると、三井物産が全日空との間に正式の約束と言えるかあるいは言えないかという問題はありますけれども、三井物産が六機確定発注、四機オプション、それでもうできておったということがわかったわけですね。そうすれば、当然に全日空にもその事実を指摘して、そしてどうするんだということの措置ができたと思うのですが、ただ照会したというだけで、それに対して三井の方からノーという返答があったので打ち切ったということですが、その点の何といいますか、行政のあり方が非常に無責任といいますか、熱が足らぬじゃなかろうかというふうな感じがしますね。いかがですか。
○木村国務大臣 あの当時の実情から言いますと、楢崎委員の御質問の中にもございましたように、三井物産がいわば先物買いのかっこうでダグラス社とオプションを含んだ仮契約をして、それは全日空へ全部売るんだという気持ちはあったのかもしれませんが、売るという下約束も何もなくて見越しでやっておるというのが実情だったようでございます。したがって、そういう質問がございまして、その結果について運輸省として全日空の方へただしたところ、いま航空局次長が申し上げたようなことで、全日空はあずかり知らないということでございましたので、それ以上間に立つ三井物産のところまで手を伸ばして、一体、おまえの方でオプションしておるようだけれども、これは全日空と確たるあらかじめの約束ができて注文しておるのかどうかというところまで確かめた方がよかったではないかという御意見のようでございますが、当時の行政としてそこまで出ることはやはり考えものじゃないか。航空会社そのものを監督しておるわけでございますので、航空会社へ売り込むいわゆるそういった貿易商にまで手を伸ばして、おまえの方はどういう考えでやっておるのだということまで聞くのはどうかと思いますし、また、いまそういうことがいろいろ問題になっておりますから、いまになって考えればそういう感じはいたしますが、当時、それ以上の何も問題というものの意識はなかったわけでございますので、私は、やはり全日空に直接ただして、全日空としてはそういうことはあずかり知りませんという回答があったわけですから、そこまでがやはり行政としてはいいところじゃないかというふうに思うわけでございます。
○松永委員 いや大臣、大臣のおっしゃることももっともですけれどもね、しかし、質問されたのが野党の有力議員で、国会で調査して報告書をつくる、こういうことでございますからね。そのことに対して、ちょろっと調べた程度で回答するというのは、ある意味では、国会における議員の発言あるいは要求に対する処置としても、やや国会軽視という非難も起こりかねないんじゃないでしょうか。国会の場所で、調査して報告してください、こうやった以上は、もうちょっとやはり熱を入れて調査する。なるほど三井物産の方は、運輸省としては監督官庁じゃないということでありましょうけれども、しかし、航空機の問題になってくるわけですから、関係がないとは言えないわけでございますから、そういう点でやや行政のあり方としてずさんじゃなかったかな。これは結果論でありますけれども、その時点でぴしっとした調査がなされておって、事実はこうじゃないかということで、全日空の関係者にぴしっとした指導をしておれば、あるいは不祥事は防げたのではなかろうか、こういうふうに私には思われてならぬわけです。これは今後もあることでありますから、やはり国会からの指摘があった場合には、もっと熱意を持って調べるあるいは監督指導もする、こういうことでなければならぬと思うのです。運輸省というのは、何といいますか、雑な言葉で言えば、利権に関係のあるようなあれが多いと言われているところでありますから、なおさらのこと行政は責任を持って厳しくやる、こういう姿勢が望ましいと思うのであります。 そういう点で、運輸省としては航空行政を中心にして、今度の不祥事を契機として、今後の運輸行政のあり方についてどういう反省をしておられるか。私がいま指摘した点は結果論でありますけれども、やや行政の姿勢が厳しさを欠いたという点が指摘されるわけでありますから、どういうふうにひとつ今後の運輸行政のあり方について考えていらっしゃるか、大臣の御見解を承りたいのです。
○木村国務大臣 さっき、当時の状況について、全日空にだけ聞いたと申し上げましたけれども、いま次長の話によりますと、物産の方へも照会をしております。 当時、楢崎さんの御質問の中にも、情報としてこういうことがある、日本航空がDC10を買う計画がある、しかし、全日空に三井物産がDC10を売り込もうとしておるというふうな事柄に関して、日本航空の方は、政府が直接監督をしておるから、しさいに監督もあるいは調査もできる立場にあるけれども、全日空は、民間の会社であるので、一般の監督の範囲以上を出るわけにいかないということで、まず全日空の方に買わせておいて、そうして日本航空にも買わすという、両方にDC10を売り込もうとしておるような傾向がある、それを政府も進めるといいますか、全日空に対してもDC10を買わないかというふうな圧力といいますか、そういうこともあるような情報もあるがという意味のお話もあったわけでございますが、当時運輸省としては、そういうととは一切やっておりませんので、そういう情報をそのまま正確なものとして究明するという必要はないということで、調査の範囲もおのずから三井物産に事実を照会したということにとどまっておったと私は思っておるわけでございます。 しかし、いまから考えますと、今日のような問題がその背後にあったということから考えまして、今後こういうふうな問題で国会におきましていろいろと御質問等がございますれば、それらにつきましてももう少し裏の裏までいろいろと調べ得る限りは調べ、調査でき得る限りは調査して、将来にわたってその時点で問題の種を少しでも残さないように、この努力はやはり航空行政に当たる運輸省としてはやらなければいけない、かように考えておるわけでございます。 〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕
○松永委員 木村大臣はその当時の大臣じゃないわけですからね。しかし、私は、このときの質問を見ますと、「必ず政治がからんでいる。十分御注意していただいて」云々という御指摘もあるわけなんです。そして、三井物産に関することが事実かどうかひとつ調査してください、こういうことであるわけですから、その当時の航空行政の責任者がこの指摘を真剣に受けとめて、そして事実の調査もぴしっとやる、そしてまた、全日空の関係者にも、そういう指摘があるくらいだからということで厳重な注意をすべきじゃなかったかと私は思うのですね。その当時の大臣でない木村大臣に申し上げるのはなんでありますけれども、どうぞひとつ、将来議員からの指摘等があった場合には、もう少し真剣に受けとめて、できる限りの事実の調査もするし、それに基づいて適切な行政をやっていく、こういう姿勢を私は強く期待をいたしまして、私の質問を終わりまして佐藤議員にひとつ譲りますけれども、最後にそういうことを強く要望いたしておきます。
○田中委員長 佐藤文生君。
○佐藤(文)委員 運輸大臣あるいは松本航空局次長に質問いたします。 大型機導入延期の問題で、いろいろな問題がその根拠として出てきましたが、まず第一に輸送需要の変化、それから第二が航空各社の占有率、利用率の見方、それから三番目が安全性と航空事故のその当時における現状並びに騒音対策、四番目が航空各社の公正な競争、五番目が航空各社の整備能力、六番目が飛行場の整備計画、七番目が資金導入計画、八番目がその当時における国会論議の動向、こういうぐあいに分けられますが、この中で、昨年の運輸委員会で私が質問しました飛行場の整備計画につきまして、空港特会の内容に相当な改革をしなければ今後の航空行政の円滑なる運営ができないであろう、私はこういう意見を述べて質問をいたしました空港特会の内容、そういうものについて、そのよい点と改正しなければならない点があると思うのですが、私は、その特徴と改正しなければならない点をお聞きしたいと思います。
○松本説明員 お答えいたします。 先生御案内のように、私ども昭和四十二年を初年度といたしまして第一次の空港整備五カ年計画をスタートしたわけでございますが、この時点においては空港特会というものがなかったわけでございまして、これは一般会計の中で何がしかの金を将来に対して先づけをする、こういう形でスタートをしたわけでございます。しかしながら、一般会計の中において融通できます額というものはおのずから限られておりますので、したがって、これはやはり特会制度を導入することにより相当の自己資金、自己財源というものを持って空港整備に対処していかなければならないのではないか、こういうことになりまして、御案内のように、四十六年から第一次の五カ年計画を中途改定いたしましてスタートをした第二次の五カ年計画、この一つ前、四十五年の時点から空整特会というものに踏み込んでいったわけでございます。したがいまして、空整特会というものはまず相当な自己財源を確保しておく、その自己財源というものはやはり受益者負担の原則に立つのである、こういう考え方で発足したことは御承知のとおりでございます。 一方、現在のような事態になってまいりますと、空港特会の中で自己財源として確保できます金額というもの、これは結局のところ受益者負担の原則によって旅客に転嫁をしていくということが究極的には可能でございます。したがいまして、もちろん対抗いたします鉄道運賃との対比その他全国的な交通ネットワークの中にどのように航空輸送をとらえるかとか、そういったようないろいろむずかしい議論もございますけれども、ともかくも運賃の適切なる設定によりまして旅客の負担、受益者負担というものをベースにして何がしかの空港特会用の財源というものを確保するということは、現在のところ確立した法則になっておる。 けれども、全般的に空港整備をしていこうということになりますと、その空港整備にあてがうべき予算の額というものは、これは仮に五カ年計画をつくりましても、予算といたしましては単年度、単年度の勝負になってまいるわけでございます。したがいまして、単年度の議論をしてまいります場合においては、やはり空港整備というものも一般の公共事業と横並びの問題点が非常に多いわけでございますので、したがって、空港整備というものに特別に多額の資金を投資するというふうなことは必ずしも期待し得ないわけでございます。 でございますので、今後の空整特会のあり方というものを、従来第二次の五カ年計画を曲がりなりにも完成をしてまいりましたこの時点において、今後の空整特会のあり方というものについて当然前向きな検討をすべきではないかという御指摘はまことにごもっとものことであろうかと思いますが、しからば具体的にこれをどうするのかということになりますと、これは運賃政策的な問題、あるいは予算編成上の技術的な問題、あるいは公共事業の中におきまして空港整備というものをどのようにとらえるかというふうな問題、あるいは空港整備という事柄の中において現在非常に大きな問題になってきております環境整備という問題をどのようにマッチさせていくかというふうな問題、いろいろと検討すべきむずかしい問題がございますので、現時点において航空当局自身が具体的な成案を得るに至っているわけではございませんが、御指摘のように、今後の問題として、真剣にかつ早急な結論を得るように取り組んでいかなければならない問題ではないか、このように考えております。
○佐藤(文)委員 運輸大臣に質問いたします。 国鉄が非常な赤字を背負って、再建に大変な努力が必要になりましたが、その原因というのが、一番大きく貨物から出ておる。その貨物がなぜ赤字であるかということでいろいろと調査しますと、投資がおくれてきた、時代の流れが進展して、投資が行政的におくれてきたということが非常な大きな原因になっております。 航空行政の中で、大型機を導入していく、大型化していくという過程の中で、空港整備の空港特会の内容において、この時代の流れとともに改正が行われてない。いま松本次長がそれを指摘しました。そのとおりでございます。これは予算編成上の過程において、運輸省は空港特会の自己財源というものをよほど、具体的に言うならば、大蔵折衝の過程の中で先取りの精神でやっていかないというと、航空行政の円滑なる運営が行われない。ただ受益者負担のみに、これでカバーしていくようになりますというと、もうそれも限界でございます。したがって、ローカル空港初め空港整備の声が非常に大きくなり、大型化と同時にそれぞれの滑走路の延長等が行われなければならないのにかかわらず、空港特会の内容が非常にいびつにおくれておるということを私はかねてから考えておりまして、それを運輸委員会でも、きょうも私はこの問題を取り上げたのですけれども、大臣として今後の航空行政の中で最もやらなければならないことは、空港特会の内容の改正とその充実である、こういうぐあいに思いますが、御意見をお伺いしたいと思います。
○木村国務大臣 今後の日本の国内交通の全体の姿というものをまず考えていかなければなりませんが、総合交通体系がどうあるべきかという問題の中から、今後の航空輸送力というものをどういうふうにすべきであるかということになるわけでございますが、過去の実績等から考えまして、今後航空需要というものは、やはり何といっても航空輸送力の持つ特性からいたしまして、早急に伸びるということは現在の経済事情等からは考えられませんけれども、逐次需要は横ばいから多少上向きになっていくということは、まずまず推定できると思います。 そういう国民の需要にこたえるために必要なことは、何といたしましても、企業の面からいいましても、経済的な運営のできる輸送力の提供ということになると思いますが、そうなればやはりできるだけ大型機を国内路線においても使用できるようにするという必要がだんだん強くなってくると思います。 そういう観点から、空港の整備の問題になるわけでございますが、国鉄の場合も同じでございますけれども、利益者負担のみで将来の航空需要に対応する空港の整備というものをやっていくには、私はやはりいろいろと困難な点もあると思いますし、それから相当長期間かけなければ実現できないという、資金上いろいろな制約があると思います。 そういう意味から考えますというと、今日までの空港整備は今日までの実情のようにやってまいりましたけれども、今後の問題といたしましては、やはりここで——いまあなたの御意見等、まことに私も同感の点がたくさんございます。それらを十分勘案いたしまして、空港整備の特別会計というものの内容をどういうふうにやっていくかということは至急に検討をいたしまして、新しい構想をその中に盛り込んでいきたい、かように考えておるわけでございます。
○佐藤(文)委員 日本航空、全日空、東亜国内航空、近距離航空、南西航空、この空港特会内における航空五社、こういう企業の自己負担というか、それと国費とのバランスというんですか、そういうところは松本次長、どうなんですか。私はここら辺が非常に、企業と航空行政との関係それから空港特会内における企業のウエート、そういうものが行政上チェックをぴしゃっとして——何かひとついま明確になってないような気がするんですよ、私はそう思うんですよ。ですから、こういうところを空港特会の会計の中でぴしゃっとした行政の線を引かないというと、非常に私は乱れた航空行政の根源が何かこの付近から出てくるような気がしてしようがない。運輸省として空港特会の内容の改正、充実に当たって、そういう具体的な点はどうなんですか。
○松本説明員 ただいまの御質問のうち、航空五社がどの程度の分担をそれぞれしているかという点については、実は私いま資料を持っておりませんので御容赦願いたいのでございますが、五十一年度予算の例で申し上げますならば、空港整備特別会計の収入と申しますか、全規模が一千億ちょっとでございますが、その一千億ちょっとの中で特別会計の純正自己財源といわれますもの、つまりこれは空港使用料収入、その中身は着陸料、それから航行援助施設利用料、それから特別着陸料、これらから成り立つものでございますが、こういうものと、その他雑件収入的なものを入れまして大体五〇%ちょっとでございます。 しかし、このほかに航空機の燃料税というものがございます。この燃料税収入の十三分の十一というものは、一たんこれは一般会計には入りますけれども、いわゆるひもつきのような形で空整特会の中にほうり込まれてまいりますので、これをも加算いたしますと、大体七五%近くがいわゆる自己財源と申しましょうか、あるいは受益者負担と申しましょうか、こういった形のものになっておる。 そのほかに通行税というものがございます。通行税をどう考えるかという点については、これは非常に議論の多いところでございますので、いま私が断定的な御返事を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、通行税相当額というふうなものをもあえて自己財源的なものというふうな考え方で繰り込みますと、八〇%あるいはややそれを超えるという程度のところが、大きな言い方をしました場合の自己財源という形になっておりまして、純粋に一般会計から入ってくるものというものが二〇%足らず、こういうふうな形になりますのが従来の例でございました。 そこで、ただいま申し上げましたように、空整特会というものの中にいわゆる自己負担あるいは受益者負担という形で入ってまいります額というものは、一見航空企業が拠出をしておる、こういうふうに見られないこともない、またそのような見方をされる向きもないではないように聞いておりますけれども、これはしかし旅客が航空輸送を利用いたしますことに関連をして、つまり運賃の中に当然そういうふうなものは必要コストとして入ってきておるわけです。特段にこれを運賃の中のこの分である、たとえば特別着陸料のように、旅客一人当たり六百円でございますというふうに、これを明示するか否かということは別といたしまして、航空企業というものがこれを納入いたします場合の収入源は運賃でございますので、運賃というものは旅客から収受するわけでございますから、これらの特別会計の大部分を占める財源というものは、旅客の運賃にその源泉を求めておる、つまり旅客一人一人がこれを負担しておる、こういうふうに理解すべきものではなかろうか。したがって、航空企業が空港特会というものを直接的に支えているというふうな理解の仕方は当を得ないものではないか、私はこういうふうに思うわけでございまして、あくまでも航空輸送を直接的に利用しておる旅客、荷主、こういう人たちの払います運賃というもの、その何がしかが、いろいろなルートは通じますけれども、最終的に空港特会の中のいわゆる自己財源、大きな目で言いました場合の自己財源的なものとして計上されてくる、こういうことではなかろうかと思うわけでございます。 したがいまして、私どもがこれを運用いたしますに当たりましては、先ほどちょっと大臣も御答弁申し上げましたように、やはり、航空輸送というものが全体的な交通体系の中でどのような地歩を占めるべきものであり、それを育成していくのに当たって何が一番大事なことか、こう申しますれば、言うまでもなく、安全の確保そして円滑なる航空輸送の確保、この二つになろうかと思います。安全の確保のためのしかるべき保安施設に対する投資あるいは円滑なる航空輸送というものは、必要な大きさの航空機を必要な度数に応じて運航するということになってまいろうかと思いますので、その離発着が可能であるような空港の整備というふうなことに集約されてこようかと思うわけでございます。 ただ、この場合、最近のように、ジェット化が進んでまいりますと、ジェット機の持っております騒音という問題が全く別個の問題として生じてきておるわけで、当初はこれを外部不経済のごとくに考えておったわけでございますが、いまや当然これは内部経済の中に取り込まるべきものであるというふうに私どもも考えておるわけでございます。 したがいまして、第三次五カ年計画の中では、周辺地域と調和した空港の建設ということを幾つかの大きなテーマの中の一つとして取り上げようということを考えておるわけでございますが、先ほど来御指摘もあり、また御答弁申し上げました空整特会のありようというものの基本といたしましては、やはり受益者負担という原則を、この際そう根底的に動かすというようなものであってはならないだろうと思います。 ただ、その受益者負担というものは、決して航空企業がダイレクトリーにどうこうしておるというふうな理解の仕方を私どもはしていないわけでございまして、あくまでも航空旅客なりあるいは荷主なり、こういった者の利便の確保、そういうふうな点に最大の重点を置いて、そして、先ほども御指摘がございました、それに対応できるような空港の整備をどのような形でしていけばよろしいかという、多少予算技術上の問題も含めました点について、今後の研究課題にしていく必要があろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(文)委員 大臣、航空行政の中でやはり空港特会の見直しということが目玉だと思います。十分御検討願いたい。乗客の運賃にも関係するし、燃料税の問題にも関係するし、騒音対策にも関係をするし、大型化に進む航空行政にも直接関係していく空港特会の内容だと私は思います。したがって、これが時代の先取りからおくれていきますというと、私は航空行政というものにその付近から非常に危険を感ずるわけでございます。十分に御配慮して検討を加えていただきたいと思います。 次に、昭和四十七年の七月一日の航空行政における憲法、これは現在まで生きておるのですが、これを手直ししなければならないというようなことが運輸行政の中であったでしょうか、なかったでしょうか。
○木村国務大臣 四十七年の航空行政の運輸省の基本方針でありますこの通達の内容、これに従いまして今日まで航空行政をやってまいったのでございますけれども、顧みまして、今日までは別段あの方針を変更しなければならないという必要性は感じておりません。しかし、航空事情も年々変化するわけでございますから、私たちはいつまでも一つの方針を墨守するというふうなかたくなな考えは持っておりませんので、いついかなる時期か、こういった基本方針をその時代の要請なり航空事情なりに合うように見直していくという時期もあるかと思います。決して一つ事にこだわってかたくなに物事を考えるという態度は持っておらないわけでございます。
○佐藤(文)委員 松本次長、日中航空協定を締結した日はいっでございますか。
○松本説明員 昭和四十九年の四月二十日であったと記憶しております。
○佐藤(文)委員 日台路線が日本航空のダミー会社によって再開された日はいつでございますか。
○松本説明員 日台路線の復活によりまして、日本アジア航空が東京−台北の運航を開始いたしましたのは五十年の九月十五日でございます。
○佐藤(文)委員 四十九年、五十年、この日中航空協定と日台路線の再開という、これは航空行政において非常に大きな変化と申しますか、事柄であったと思います。その前後でもって、やはりこの四十七年の通達という運輸行政の憲法をそのまま基本に考えて、日中航空協定、そういうものをやったのですか。
○木村国務大臣 日中の航空協定につきましても、やはり四十七年の運輸省の基本方針、つまり国際線は日本航空、それから近距離につきましては全日空につきましてはチャーター便を認める——いま国際間の問題でございますから国際線についてだけ申し上げますと、その方針を前提として考えたわけでございます。
○佐藤(文)委員 台北、北京、やはり両方維持していきたいという基本方針、それはその当時も運輸省、変わりございませんでしたか。
○木村国務大臣 日中の国交が正常化いたしますと同時に、台湾との関係が非常に異常な形になってまいりましたわけでございますけれども、われわれといたしましては、日中間も日台間も航空路線というものは維持していきたい、こういう方針で貫いておったわけでございます。
○佐藤(文)委員 非常にその当時、日中、日台間の路線の問題で航空行政の中でやはりいろいろなケースを考えたと思うのですが、その過程の中で、この四十七年の七月一日の大臣通達でそのまま乗り切っていこうということがあったんだろうか、あるいは相手の出方によればこれを変化しなければならない、要するに改正といいますか、何か変えなくちゃならぬというような、そういうことはなかったのでしょうか。これは松本次長。
○松本説明員 先生御承知のように、四十七年七月一日の示達というものは具体的なありようを書いてあるわけでございまして、基本的な物の考え方は四十五年十一月の閣議了解でございます。その閣議了解の中の国際線の関連につきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げたような次第になっておるわけでございますが、これにつきまして先生御質問の日台の問題が出てまいりましたときに、これをどうするのかということをいろいろと議論する方があったことは事実でございます。しかし、私どもの考えといたしましては、四十五年十一月の閣議了解というものの基本的な考え方というものをその際に変えるべき時期ではない、こういうふうな基本的な考え方を一貫して貫いた、こういうふうに理解をいたしております。
○佐藤(文)委員 終わります。
○田中委員長 午後一時三十分から再開をすることにして、暫時休憩をいたします。 午前十一時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十三分開議
○田中委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。 ロッキード問題に関する件について質疑を続行いたします。 この際、お諮りいたします。 本日、最高裁判所岡垣刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さように決定をいたしました。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横路孝弘君。
○横路委員 総理大臣にお尋ねしますが、いよいよ捜査も政府高官へと迫っていると言われている段階なんですけれども、ロッキード事件の疑惑の焦点の人々の中に、自民党に所属している国会議員の人の名前が世上いろいろと挙げられているということについては、総理大臣、これは御存じでしょう。いかがですか。
○三木内閣総理大臣 それは、いま私はこの段階では存じません。
○横路委員 いや、実際にその捜査対象になったということで調べられたとかどうだとかいうことじゃなくて、世上そういうことが言われておる。その政府高官の解明というのが今回の事件の最大の到達すべき目標だということは、これは総理大臣、御存じなんでしょう。
○三木内閣総理大臣 世上というのは、新聞とか週刊誌とか、そういうものを指すならば、世上、私も読むわけですから、承知をいたしております。
○横路委員 その中に、たとえば総理大臣を経験した人だとか大臣を経験した人、たとえば運輸大臣を経験したというような、つまり大臣経験者もその言われている中に入っているということも、総理大臣、これは十分御承知でしょう。
○三木内閣総理大臣 いろいろな人の名前が出てきておるということですね。名前が、世上という中にはいろいろしておりますけれども、それが深い根拠があってあるものだとは、私はそうは思いません。それは捜査当局から発表されたわけではないのですから。いろいろな推測の程度だとは思いますが、いろいろな人の名前が出ておることは事実でございます。
○横路委員 つまり、その政府高官と言われる中に、可能性の問題としては、そういういわば大臣の経験者と言われるような人たちも入っている可能性もあるということについては、だから総理大臣はもちろん御承知でしょう。
○三木内閣総理大臣 いま横路君は新聞とか週刊誌とかいう世上ということでございますが、私はまだ捜査当局からいろいろな報告を受けておるわけでございませんので、そういう疑いを持たれておる中にそういうものが含んでおるかどうかということを私から答えることはできませんが、いろいろうわさには、新聞とか週刊誌などにいろいろな人の名前が出ておることは事実でございます。
○横路委員 そこで、これだけ大きな問題になってきているわけですから、との委員会も証人喚問を続けてまいりまして、全日空の関係、三井物産、丸紅と呼んできたわけです。いわば民間人だけを呼んで、肝心の政治家については自民党が反対をしているという段階なわけですけれども、私は民間人よりもむしろ政治家は進んで問題をみずから明らかにすべきじゃないか。そのことが本当に政治不信感みたいなものをなくして信頼を取り戻す道だと思うのですけれども、あなたは自民党の総裁としてどのように考えていますか。
○三木内閣総理大臣 これは国政調査あるいは検察による犯罪捜査、これが両々相まって事件は解明されるものだと思います。両方が、やはり国会は政治責任とか道義的責任を追及していくし、また検察は刑法上の責任を追及していくわけで、これが真相解明に両々相まって行われるものだと思いますが、現在の段階では、検察当局の捜査というものが、横路君がごらんになりましても山場に差しかかっておることは事実ですね。そういうことで、検察当局の意見としては、検察の方で関係人として取り調べる人あるいは国会における証人喚問の対象になって証人として喚問される人がもしもダブるようなことがあった場合に、どうしても公の場でいろいろ言うわけですから、個人の関係人として調べる場合と公の場合の発言というものに対しては、発言の環境が違うわけですから、そういう点で何かこれと捜査上——捜査は秘密に行うという原則もございますし、また一方においてはそういう公の場所で言ったこと、これは偽証罪もございますので、そういうことで何か取り調べの場合に非常に支障を来すような場合もなきにしもあらずというのが検察が述べておる理由でございます。私もそれはわかる気がするのですよ。 そういうことで、これはいつまでも証人の喚問を抑えようという意図はないのです。当然に国政の調査権として証人の喚問というものは議員であろうがなかろうが、何人もこれを軽視することはできないのですから、十分に証人喚問をされてしかるべきである。何かいま山場を少しずらすことができれば、捜査上の効果という面から言ってもありがたいんではないかというふうに私も考えまして、やはりお互いの、両方の目的というものは、真相を解明する、しかも効果的に、迅速に、厳正に、このことが目的ですから、そういう目的から考えて、しばらく山場をずらした方が適当なんではないかということで国会に対してお願いをしておるわけでございます。当然国会がお持ちになっておる権利でございますから、それ以上の判断は国会にゆだねるよりほかにない、こういう考えでございます。
○横路委員 私が言っているのは、こういうような状況になってきて、むしろ議員というのが進んで一この委員会でも全日空だとか三井物産とか呼んだわけですけれども、むしろ率先して議員の方が先頭に立ってやはり明らかにすべきじゃないか。よくアメリカあたりでも、疑惑をかけられた場合に、テレビの前に出てみんなから質問を受けて、もしシロならばシロだということを主張するということをやっておりますね。そういうことをいまこそやるべきじゃないか。たとえば、われわれの聞いているところでは、われわれが証人喚問を要求して、本人みずから出て証言したい、そうでなければ、野党から証人喚問の要求が出る、これを断ってしまうということだと、何かみんなからクロじゃないかと言われて非常に困っている、むしろ積極的に出たいという人をも、どうも聞いてみますと、皆さんの方で抑えているような気がするのですが、どうですか、総理大臣。
○三木内閣総理大臣 私自身はそういう事例を聞いておりませんけれども、当然に、公の地位についておる者とすれば、いまが適当な時期かどうかということはわかりませんが、やはり将来において、進んで公人としてそういう投げかけられた疑惑に対して責任を解明することは、私は公人として適当だと思う。いまの場合が適当かどうかということの判断は別ですよ。しかし、そういう疑惑をかけられたような場合には、やはり公人としてその疑惑を晴らすために、それはもう各国でもそういうことをやった事例は多いですから、それは横路君の言われるとおりだと思います。
○横路委員 もし本人が出たいという意思表示をした場合に、これは自民党の総裁としての質問になりますけれども、それでも捜査の都合上だめだということになるのですか、どうですか、それは。
○三木内閣総理大臣 私は、そういうものを抑えるという権利はないのですよ。いまでも、私が言っておるのは、国会が自主的に、こういう点があるのです。だから、こういうことを頭に入れてひとつ御判断願えぬかということですから、これを抑えて、何人にもこうせよああせよという権限は私にはないわけでございます。
○横路委員 きのうの各与野党の国対委員長会談、その中で自民党の方から回答のあった証人喚問に関する回答は、あなただって了解の上で出ているのでしょう。関係ないところで出されたのですか、どうなんですか。
○三木内閣総理大臣 これは政党内閣ですから、やはりいまの場合は、こういう山場に差しかかったから、証人の喚問というものはちょっとこういう時期をずらしていただいたらありがたいという捜査当局の意向を政府が体して、その政府の意向を党がそのことも頭に入れてそういう判断をしたものだと思うわけです。
○横路委員 どうもやはり総理大臣の姿勢というのが、特に最近変わってきたように感ずるわけです。灰色高官の公表という問題についてもかなり後退をしているという印象を受けるのは、私だけじゃないと思うのです。そんな意味で、どうも椎名さんの方とすでに話ができ上がっているのではないか。あなたは、やはり内閣を延命するために、真相の公表という点においてどうも自民党の党内で妥協するのではないか、こういうことがもっぱら言われているわけでありますが、こういう意見についてどういうぐあいにお考えですか。
○三木内閣総理大臣 私は、みずからの政権を延命するために、ロッキード隠しといいますか、そういうことに妥協する考えは毛頭ありません。今度の場合でも、こういうことを少しずらしてもらえぬかというお願いをすることは、あるいは国民に疑惑を与えるかもしれないですね、こういうことを私が言うことは。しかし、いまこういう山場に差しかかったときには、やはりそういう捜査上の支障があるのではないかと私も考えるものですからあえて言っておるので、こういうことを言ったことによって、私が事件を解明するという最終の責任は私にもっと重くのしかかってくると私は思っておるんですよ。しばらく時期をずらしてもらえないかというようなことを言うことは、やはりこの真相解明に対する私の責任は一層重くなる感じです。私自身は、こんなことを言うことによって。 そういうことで、どうか横路君、私の真意というものに対して疑いを差しはさむことのないように——私はみずから言っておるんですよ。長い政治生活の総決算としてこの問題の真相の解明に当たりたいという決意は変わらないということでございます。だから、いま、少し時期をずらしてもらえないかということが、この問題に対して私の真相解明の決意にいささかでも後退したというお考えがあるならば、これは全くの誤解である、そういう考えはない。また、私の政権の延命のためにロッキード問題と妥協する考えは毛頭ない、明らかにしておきます。
○横路委員 じゃ、ともかく真相の公開、公表ということが内閣の延命よりも優先をする、たとえ自民党内でもって三木内閣つぶされても、公表だけはきちんとするということでよろしいですか。
○三木内閣総理大臣 私は、そんなことまでして延命しようとは思わないですよ、この内閣は。そんなことまでして延命しようということは毛頭考えてない。横路君、私も長く議会に議席を置いてきた者ですから、そんなことをして私が延命しようなどとは考えていませんから、どうか野党の諸君も、そういう点、根本的に私の姿勢に対して疑いを差しはさむことはやはり私の真意を解さないものである。だから、私の言っておることはどうか御信頼を願って、そして真相を解明して、日本の議会政治、これは新しいスタートに立たなければいけませんから、こんなに毎日毎日、ロッキード問題、ロッキード問題というのが紙面のフロントページに出る政治というものは正常な形ではない。これはやはり新しい一つの政治の出発点に立たなければならぬわけでございます。ロッキードばかりが政治のすべてではないのですから、そういうことでございますから、一日も早く、先ほど申したように、迅速に、効果的に、厳正に事件を解明したいという私の決意にはいささかの後退もない、明らかにしておきます。
○横路委員 捜査もいよいよ山場に差しかかっているというのは、一般的に贈賄側、これは贈収賄として立件されておるわけではありませんが、贈賄側から収賄側、つまり政府高官へ捜査が進む、そういう意味での山場という意味ですか。
○三木内閣総理大臣 いま十一名ですかね、検挙。十一名、それから参考人として数百名の人が調べられたわけですが、いよいよ今度の事件の、だれが見ても核心に入ってきつつあるということは、これは事件の内容に対して詳しく聞いていない者でもおわかりですよね。これは世上そういうふうに皆伝えておるわけでございます。
○横路委員 逮捕が十一人で、あと参考人というのはどういう関係ですか。
○三木内閣総理大臣 恐らく事件の関係者として、参考にいろいろ意見を聞いた人の数が……。それは刑事局長から……。
○安原説明員 ただいま総理の申されましたことは、逮捕者は十一名であり、かつ被疑者、参考人を含めて、取り調べをした者の総数が二百五十名くらいになるという趣旨でございます。
○横路委員 総理、何か言いかけてやめたのがどうも気になるのでありますが、参考人と被疑者合わせて二百五十名、この二百五十人のうちの被疑者というのは何人ぐらいなんですか。
○安原説明員 逮捕されている十一名が正確に言えば被疑者でございます。
○横路委員 児玉譽士夫もおるでしょう。あれも被疑者でしょう。
○安原説明員 失念しておりました。逮捕だけではなくて、被疑者としては児玉譽士夫がございます。
○横路委員 その三木さんの決意は三木さん個人のものですか、内閣全体としてそこのところはしっかりと意思統一できているのですか。
○三木内閣総理大臣 当然に内閣全体のものでございます。
○横路委員 たとえば、一昨日の物価特別委員会で福田副総理が、要するに真相解明の途中でも臨時国会を召集しなければならぬみたいな発言をされていますね。これはどういうことなんですか。
○三木内閣総理大臣 これは、御承知のように、ロッキードが政治のすべてでないわけでございますから、前国会で積み残した財政特例法案、運賃、料金の改定、こういうものは一日も早くやりたいと私は願っておる。これは早いに越したことはないというぐらいでございますが、ロッキード事件の真相解明がこういう段階で国会を開くことが適当だと思いませんので、両方をにらみ合わせながら、ロッキードの真相の解明というものがどういう段階で臨時国会をお願いするかということは、いままだ政府としての判断は結論に達してないわけです。しかし一方において、一日も早く国会を開きたいという一つの考え方と、ロッキード事件の解明を早く進めたいというこの二つのことをにらみ合わせながら、やはり適当な時期には臨時国会の召集をお願いしなければならぬと思っておりますが、まだいつだという日にちは、そこまで固まってはいないわけでございます。
○横路委員 大平さん、財特抱えておって、この間の大蔵委員会でも意思の表示があったわけですけれども、これはどうですか、臨時国会については大蔵大臣としてどう考えていますか。
○大平国務大臣 できるだけ早く臨時国会が持たれて、特例公債法案の成立をこいねがっております。
○横路委員 総理大臣、この財政特例法にしても国鉄運賃関係にしても、これはきわめて重要な法案で、従来のあれから言ってもそんなに簡単に衆参両院で成立するというような法案ではないわけですね。そうすると、特別国会でゆっくりやった方がいいのじゃないですか。どうですか、これは。
○三木内閣総理大臣 そうはまいらぬのでございます。それは財政特例法案にいたしましても、予算は通ったけれども、やはりその大きな裏づけになる財源である特例公債の発行が決まらぬということは、経済界にも非常な不安感を与えますから、これはどうしても、横路君の言われるように重要な法案であることは否定しませんよ。しかし、財政特例法案は、衆議院においては議了されたという経緯もあるわけでございますし、参議院においてもある程度審議をされたわけですから、そうむやみに野党の各位が引き延ばし戦術に出ようとは思いませんから、能率的に意見の違いは違いとして審議をしていただければ、そんなに無制限に日数がかかるとは思わない。野党の良識を信じておるわけでございますから、まず一定の常識の線でこれは議了になるものだということで、もう臨時国会では無理で特別国会でなければ無理だというふうな、そんなせっかちな結論は政府として考えておらないわけでございます。
○横路委員 ただ、解散といったって任期満了という期限が先にあるわけでありますから、時間的なことを考えればこれはきわめてむずかしい時期に来ているということは言えるだろうと思います。 最後に、この特別委員会というのができる経過というのがいろいろあるわけですね。五党首会談、それから両院議長の裁定という経過をたどってきておるわけです。この委員会の趣旨も、徹底的にこのロッキード問題についての政治的道義的責件を明らかにするというのがその目的になっているわけでございます。したがって、今日のようにこの委員会が現在国会議員の証人喚問をめぐって対立をしている。これでもう三週間続いているわけであります。こういう中で、国対委員長の与野党間の話というのも今日実質的には決裂をしているような状況の中では、これはやはり最初の五党首会談のあの段階に戻って、今日この状況にどう対応するかということを話をしなければならぬと思うのでありますが、五党首会談の提案があった場合には総理大臣としてはこれに応じますか。
○三木内閣総理大臣 私は、こうやって常にこういう質問のあるときに持ってきているのですよ。五党首会談のこれはきわめて重要な議長裁定だと思っておりますから、これを誠実に履行したい。私のまた責任でもある。この中にもやはり国政調査権に対して「事態の推移をみて」というような裁定になっておることは、こういうちょっと山場だけをそらしてもらえないかという私の発言が、議長裁定の精神に反しておるとは私は思ってないわけでございます。
○横路委員 ちょっと山場というのは一、二週間ぐらいですか。
○三木内閣総理大臣 事件の重要な参考人というものがやはりある程度の調べが終わったという段階でしような。だれもかれもという意味ではない。重要な参考人の取り調べが終わった段階が私の言う山場でございます。
○横路委員 その重要な参考人というのは、たとえばどのあたりですか。総理がそうおっしゃるのだから、頭の中にその重要な参考人というのは描いておっしゃられているわけでしょう。
○三木内閣総理大臣 人間を描いているわけではないわけですけれども、やはりこの事件に深く関連を持ったであろうと思われる参考人ということで、いま頭の中にどういう人々ということを描いて申し上げておるわけではないわけでございます。
○横路委員 それで、そういう五党首会談の内容をめぐっていま議論があるわけでしょう、総理大臣。したがって、それについてそういう提案が野党の方からあった場合には、あなたは受けて話をするという用意があるのかないのか、結論だけで結構です。
○三木内閣総理大臣 いまそういう声は起こっておりませんし、五党首と議長の方々も、いま私どものやっておることが裁定に違反しておる、したがってこの際五党首の会談をもう一遍やらんならぬというような状況にはないのではないかと思います。いま何もこういう形が起こっておりませんので、ここで私がいろいろそれに対してお答えをいたしますことは適当ではないと思います。
○横路委員 どうもきのうの国対委員長会談やらこの委員会の三週間の経過というものを、総理大臣は御存じないようですね。これは、ずっと証人喚問を続けてきて、いざ自民党の国会議員という段階でストップという話になっているわけですから、もう世間ではロッキード隠しだ、こう言っておるわけですよ。そういう状況の認識をきちっとしてもらわぬと、だからだんだん、もうあなたは椎名さんと話がついたのじゃないか、三木さんの手で解散なんという、いままであなたをおろそうとしておった中からもそういう声が起きてきておるわけでしょう。そういう声が起きてきておるのは、どうもその辺のところで話をつけたのじゃないかということに一般の人はなるわけですよ。だから、その五党首会談、議長裁定の内容をやはりしっかりと見ておいてもらわなければならぬし、野党から要求があった場合に、あなたはいままでそれはいつでも気楽に会いますとおっしゃってきたのだから、それはやはり会談に応じてもらわなければ困ると思うのですが、いかがですか。
○三木内閣総理大臣 いま何にもそういう声も起こっていないときに、私がここで申し込みがあれば会いますとかなんとか、いまの場合はこれに対していろいろお答えをいたすことは適当ではないというふうに考えます。
○横路委員 最高裁にちょっとお尋ねいたします。 きのうの裁判官会議の内容がどういう内容だったのか、いまの段階で皆さんの方でどういうことをお考えになっているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○岡垣最高裁判所長官代理者 お答えします。 きのうの裁判官会議で熱心にいろいろな角度から検討されたわけでございますけれども、それがどのような問題点についてどのような御議論が出たかということはただいまは申し上げられないと存じます。ただ、その会議の結果、事務当局に対して御指示のありましたことは、これはなおまだ検討すべき点がある。それで場合によっては現地に人を派遣して調査する必要もあるということでございまして、事務当局としては、それらの御指示のあった問題につきましてさらに調査をしてそして御報告をし、さらに検討していただく、こういうことになっております。
○横路委員 これは余り詰めると問題が起きてまいりますから、余り私ども詰める気はきょうはないのでありますけれども、ただ、これからの状況、これをなるべく早くやはり一定の結論を出さなければいけないということには時間的に迫られているわけですね。捜査が終わっちゃってから一定の決定の方向に沿った何らかの措置がとられたとしても意味がないわけでしょう。違いますか。これは急いでやらなければならぬと思う。
○岡垣最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 事務当局といたしましても、きのう早速外務省を通じましてアメリカの司法当局と接触できるかどうか、いま交渉中でございます。では、それがいつごろできるのか、そういうことはまだ向こうからの返答もございませんし、いまここでお約束するわけにはいかないことでございます。
○横路委員 この決定そのものには従った形になっているわけですよね、決定そのものには。最高裁がこれから調べるためにその派遣をするというのは、両方の法制度の違いもあるし、そういうことについて、つまりこの内容について少し確かめることがあるという意味なんでしょうか。それはまあ法務省サイドではこれは結局従っているわけですからね、その辺のところの関係はどうなるのかな。
○岡垣最高裁判所長官代理者 これは最高裁判所の裁判官会議の内容から全く離れて事務当局として考えているということ、つまり先ほど申し上げたような御指示がありましたので、それについてわれわれが考えていることとしてお聞き取り願いたいと思いますけれども、あのファーガソン決定というものは、日本国において将来その証人が起訴されることのないということを事実上ではなく法律上保証するという文言が入っておるわけでございまして、これはその文言どおりきちっと受けとめますと、現在の刑事訴訟法なりあるいは検察審査会法なりというものとの関連できわめて困難であることは、これはどなたもおわかりになれるところだと思います。しかし、これは日本にはない制度でございますが、アメリカにあるイミュニティーの制度というものとの関連において考える場合には、なお起訴されることはない旨の法律上の確約と申しますか、それがただ文言どおりだけのものなのかどうか、そこのところももう少し考えてみる必要がある、あるいは向こうで求めているオーダーあるいはルールというそういう内容でございますけれども、これも日本のたとえば刑事訴訟規則であるとか、あるいは個々の具体的事件についての決定あるいは判決であるとかというものと概念的にぴたっと一致するものではございませんので、そこら辺にあるいは何らかの含みがあるのではないかというふうなことが問題になるであろう、そういう観点からわれわれ事務当局としては今後検討していきたいというふうに考えております。
○横路委員 たとえば規則と言っても、これは司法行政だとか訴訟手続ということになるわけですね。ですから、判決とか決定とか言ってみたところで、具体的な事件じゃないところでそういうのが出せるはずもない。ただ、何らかの形での最高裁としての意思の表示は、これ非常に例外的な措置としてできるのじゃないか。つまり、ある程度最高裁としての権威化といいますかオーソライズしてしまえば、これで納得するものかどうか、これは法務大臣、どうなんですか、その辺のところは。どの辺のところまであなたの方で期待をしておるのか。最高裁に対してお願いするという立場にもないのかもしれませんけれども、しかし、どうなんですか、その辺。
○安原説明員 いま岡垣最高裁刑事局長が申されましたとおり、要するにファーガソン裁定というものはアメリカの法制の中においての裁定であるわけでございますので、日本の法制の中においての裁定でないというところにむずかしい問題がありますので、最高裁といたされましてはその点を明確にして、どの程度のことを日本の最高裁でやればそれがファーガソン裁定の要請に応ずることになるのかということを明確にするために、いろいろ調査をしたり、あるいはアメリカに人を派遣して明確にしたいと申されておるわけでございまして、何とか法務省といたしましても、あるいは検察当局といたしましても、ファーガソン裁定に沿う最高裁判所の処置がなされることを期待し、お願いをしておる次第でございます。
○横路委員 この決定自身も、きわめて日本の主権に対するある意味では干渉なんですね、こういうものを持ってこなければだめだというわけですからね。それに応じたということになると、それは確かに従来の司法制度の枠をかなり越えてしまうという危険性も一方であるわけです。ただ、真相を全部明らかにするためにはそういう手段も必要である。きわめて微妙な段階ですから、余り私も詰めた議論はいたしませんけれども、最高裁の方で検討されている内容として、可能性としては、やはり何らかの形での意思表示をする、それはたとえば裁判官会議の決定という形になるのか、規則や法律をいじるというのはなかなかむずかしいと思うのですけれども、どうですか、検討している範囲というのはどの辺のところまで検討しているのか、差しさわりのないところでひとつ。
○岡垣最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 先ほど委員からも御指摘がありましたように、裁判所としましては、現在の憲法並びに法律の範囲内で事を処理するほかはないことは明瞭でありまして、いかなる場合があってもこれを踏み外すことはできないわけでございます。しかし、これは地方裁判所が外国裁判所に対して嘱託尋問しているものに関連しているのでございますし、裁判所としてできるぎりぎりの検討はして対処したいというふうに考えているわけでございますが、じゃ、具体的にどうかという先ほどの御質問でございますけれども、ルール、オーダーの範囲はどうだろうかというふうなことを確かめたいというふうに思っているというところで御了解願いたいと思います。
○横路委員 これは余り詰めません。いずれにしても、これは半年も検討しておったのでは全然役立たないわけでありますから、そういう時期的なこともありますので、ひとつ急いで結論を出していただきたいというように思います。 そこで、法務省の方に、全日空に関するこれまでの捜査について法務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 全日空に関して、今度の事件は、エアバスの導入ということに関連して言いますと、昭和四十四年に児玉譽士夫が秘密代理人になる、そしていろいろあって、四十七年の十月三十日に全日空がトライスターに決定をするということで一応は終わりですね。この段階では、全日空というのはいわば飛行機を買う側になっているわけですね。ロッキード社というのは売る方なわけであります。今度は四十七年以降になりますと、確かに追加発注の問題というのはロッキード社と全日空との間には出てくるわけでありますけれども、いままで捜査されている範囲は、四十四年から四十七年というよりも、トライスターに決まってしまってから後のロッキード社から入ってきたお金がいわば裏金であるということですね。これでよろしいでしょうか。
○稻葉国務大臣 それは私にはわかりませんから。もしわかれば、刑事局長に答弁させます。
○安原説明員 全日空の関係でいま捜査の対象として逮捕されておる者の被疑事実は、もう御案内と思いますけれども、五千万円に上るロッキード社からの金の受領、それから藤原に関する一億一千万円に当たる金の受領ということでございまして、そのことが外為法の違反等に問われておるわけでありますが、いま捜査の対象といたしましては、そのことを明確にするという捜査のみならず、そのことの得られた金がどのように処分されたかということを含めて捜査をしておるということでございます。
○横路委員 つまり四十八年から五十年というお金は、皆さん方の被疑事実によると、ロッキード社から入ったお金ですね。しかし、この当時に全日空——全日空というのは本来贈る側になるのがおかしいわけですね、立場から言うと。飛行機を買う方なんですから、買う方が売る側のロッキード社と一緒に贈賄側になるというのは、そもそも筋から言うと少しおかしいわけですよ。 そこで、ここで二つ切り離して考えるべきじゃないのか。つまり、四十八年から五十年の、いま皆さん方が捜査されているのは、お金は確かにロッキード社から入ったけれども、全日空は——それはある意味ではロッキード社のためになっているのかもしれないけれども、むしろ全日空のために使う裏金をすでに取引関係が生じたロッキード社の方に要求をしてその金を入手して、これを全日空のために使った、大体こういう筋書きじゃないんですか。四十七年以前は別ですよ。四十七年以前は別ですけれども、四十七年の決まった以後のことについてはそういう筋道じゃないでしょうか。法務大臣、いかがですか。
○稻葉国務大臣 捜査当局としては目下そういういろいろな筋について捜査しておるわけであります。
○横路委員 問題はつまりトライスターを決めちゃった後なんですね。ロッキード社からお金が行っている、いままでの皆さん方の容疑事実というのは。そこのところの意味は何かということなんですけれども、それはつまり、これは法務大臣よりも刑事局長がいいかもしれません。要するに、むしろ全日空にとっていろいろなところにその金を使った。それはいま調べている最中なんでしょうけれども、ロッキード社のために使ったというよりもむしろ全日空のためだという感じじゃないですか。
○安原説明員 横路委員の御専門の立場からいろいろコメントをいただきましたけれども、先ほど申し上げましたように、金の使用処分について、その処分の理由を含めて真相の究明に努めておるということで御勘弁を願いたいと思います。
○横路委員 そうすると、この質問をしても答えてもらえないと思うのでありますが、たとえば路線の認可だとか国際線への進出だとかいうような、間接的にはそれはロッキード社のためになるかもしれません、トライスターを使えば。しかしながら、直接的には全日空のためにかなり動いたということに、これは時間的に言ってどうしてもそう考えざるを得ないんですがね、全日空の線というのは。これはうなずいておられますけれども、どうですか、そういう推察でよろしいですか。
○安原説明員 御意見として承らせていただきました。
○横路委員 そこで四十七年の十月三十日、これはトライスターを全日空が決めたわけですけれども、このとき全日空の方から運輸省の方に報告がありましたね。あったかないか、つまり全日空の若狭社長の方から運輸大臣に対して報告があったのかないのか。そのときの運輸大臣はだれなのか。これは運輸省の方でお答えいただきたい。
○松本説明員 四十七年十月三十日にトライスターに決めたという報告は大臣あてにございました。当時の大臣は佐々木秀世大臣であったと思います。
○横路委員 そこで、これはわれわれなどの調査、それからいままで一部新聞でも報道されているのでありますけれども、この十月三十日に若狭氏が政界に対する献金の決裁をしております。そして十一月の上旬に渡辺副社長が各七、八人の議員のところに総額約一千万ぐらいのお金を届けたという事実がありますが、これは私ども全日空の方から話を聞いておるわけなんです。そのメモと領収証一部、これは捜査当局の方に押収されているというように聞いていますが、そういう事実ございますか。法務大臣、どうですか。
○稻葉国務大臣 どういう証拠物件があるかということは、捜査密行に非常に支障を来しますな。私の口からどういうことがあり、それは押収されているとかいないとか言うべき問題ではないのじゃないですか。
○横路委員 われわれの調査によると、つまり全日空の方の確認なんですけれども、どういう趣旨のお金か、その金の内容についてはわかりません。しかし、当時の運輸大臣に十一月上旬渡辺副社長が百万円というお金を届けているという事実があるのですが、捜査当局で確認しておられますか。
○田中委員長 安原刑事局長。(「ちょっと待って。いまそんな具体的な名前を挙げるのは困る」と呼ぶ者あり)委員長にお任せください。一応答弁を聞きましょう。安原刑事局長。——安原局長、用心して答えなさい。(発言する者あり)真実を述べなさい、真実を。
○安原説明員 大臣が証拠物についてもその存否、御指摘の事物の存否を含めて、あるかないかを含めて申し上げないと申されたことは、取り調べの内容についても同様でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○横路委員 それでは、私の方でそういう質問をしたわけですから、皆さんの方でそれはひとつ確認して調査していただきたいと思いますが、いかがですか。
○安原説明員 そういう横路委員から情報の御提供があったということは伝えますけれども、それを捜査するかどうかということは、挙げて検察当局が独自に判断することでございますので、私の口から御約束するわけにはまいりません。
○横路委員 このときの七、八人は大体運輸関係の議員と言われている人たちでありまして、このほかにも大臣の経験者も中に入っているようであります。全然そういう事実は、捜査中ということ以上には現在の段階では言えない、こういうことですか、法務大臣。
○稻葉国務大臣 あなた専門家ですからよく御存じですが、言えるわけはないんですね。
○横路委員 いずれ内容はこれはすべて明らかにされると思うのでありますが、先ほどもお話ししたように、お金の趣旨がどういう趣旨であるかということについてはわかりませんが、そういうことは全日空筋からわれわれ調査の結果得ているわけであります。 それでは先にもう一つ進めまして、日台航空路の問題について若干お尋ねをしたいと思うのであります。 この日台航空路の再開ということはきわめて突然だったと思うのですが、運輸大臣、あなたが日台航空路再開——大体当事者ばかりですから、事務当局に答弁させないでひとつ御本人でそれぞれお答えをいただきたいと思うのですが、運輸大臣、あなたがこれを知ったのはいつですか。
○木村国務大臣 これは私が知ったとかそういうことではなくて、日台航空路が途絶して以来、台湾側、日本側ともに復活したいという機運があったわけでございます。そこで、国交はないわけでございますから、それぞれ民間ベースでそういう相談をしておるという事実が前提になりまして、航空路の復活ということになっておるわけでございます。
○横路委員 これはその七月段階に至るまで、あなた逐一その経過は全部知っておったのですか。
○木村国務大臣 どういう経過のお話か知りませんが、そういう機運が出てきて、そして民間同士の間でそういう話し合いが進められておるということは、当時におきましても、新聞等にも出ておりましたし、われわれもそういうことは知っておるわけでございます。
○横路委員 新聞だってほとんど出てないですよ。昨年の七月になってからですよ。交流協会と台湾側との間の民間の協定、この協定ができる前にあなたはこれを知っていましたか。どのくらい前から知っていましたか。
○木村国務大臣 もちろん、できる前から情報として把握をしておりました。いつごろから知っておるかとおっしゃいますが、私もいつごろ知り始めましたというのはちょっと記憶ございませんが、協定ができる前から情報としてつかんでおりました。
○横路委員 三木さん、あなたが日台航空路の再開という報告を受けたのはいつですか。去年の話です。
○三木内閣総理大臣 この問題は、横路君の言われたように、新聞にも余り出なかったと思うのです。だから、本当のいよいよという、直前と言ってもいいくらいまでは私も知りませんでした。
○横路委員 どうですか、記憶を喚起していただいて、去年七月七日にあなたがスハルトと会談したときに、その合間に宮澤外務大臣から五分か十分程度報告を受けたのじゃないですか。違いますか。
○三木内閣総理大臣 私もよくその当時のことは記憶してないのだが、全く直前であるということだと思います。
○横路委員 この話の経過を一番よく知っているのは宮澤外務大臣、あなたですね。総理大臣に報告したのはいつですか。
○宮澤国務大臣 これは交流協会が台湾の相手方と話を進めておったものであろうと思いますが、私どもの方は御承知のように台湾にはそういう外交関係はございませんから、正規の情報ルートがございませんで、私自身もほとんどこのことを存じませんでした。交流協会の方から話がかなり進んでまいりましたというようなことを聞きましたのは、やはり七月ごろではなかったかと思いますけれども、そういう状況は、私、聞きました段階で総理大臣に御報告はいたしたかと思います。が、はっきりした日時を記憶しておりません。やはり七月のそのころではなかったかと思います。
○横路委員 四月二十日の日に事実上の合意を見ているのじゃないですか。世上宮澤私案なんて言われていますがね。四月二十日あたりに合意を見ているのじゃないですか。
○宮澤国務大臣 全くそういうことを存じませんし、航空路の問題は実は私の所管ということでないものですから、私が案を出したというようなこともございません。
○横路委員 所管でないのにいろいろとあなたが登場するから、これは後でお話ししますけれども、お尋ねしたい点が出てくるわけです。 これはずっととだえておりまして、五十年、昨年の六月十七日に、佐藤さんのいわゆる国民葬ですか、亡くなったときに出席のために日本に参りました台湾側の秘書長そのほかと椎名、灘尾さんたちが会談をして、その辺が一つの雰囲気づくりになった。そして決定的なのは、宮澤さんとぼけているけれども、あなた七月一日に参議院の外務委員会で発言されていますね。秦野さんの質問に対するあの答弁がいわゆる日台航空路再開の条件だったのじゃないですか、七月一日の答弁が。
○宮澤国務大臣 そのころ秦野委員からアジアの問題、わが国の周辺の問題について外務委員会でお尋ねがございまして、中国との関係等についてもお尋ねがございました。私は従来から本院並びに参議院で申し上げているとおりのそのままの答弁をいたしておりまして、それはごく、いわゆる従来どおりの質問であり従来どおりの答弁であったと記憶をしております。何か特定のことを考えてお答えしたというようなことはございません。
○横路委員 しかし、あのときの答弁に対して中国側からはずいぶんいろいろな抗議の発言——正式に抗議をしたということじゃなくて、抗議の意思表示みたいなものがありましたね。あったでしょう、あの七月一日のときというのは。つまり、日中の平和友好条約と日台航空路というのは、大体友好条約の方が先じゃないかと言われておったわけですよ。それがいつの間にか逆転をしてこれが先行をした、そのいろいろな地ならしというのがこの七月一日の発言じゃないかと言われているわけです。したがって、再開したときの台湾側の声明を見ても、この宮澤発言というのは大平さんの当時の例の国旗であるかどうかについての発言を否定したものとして非常に歓迎されているわけです、あなたの答弁が。台湾側のその声明は御存じでしょう。
○宮澤国務大臣 台湾側がそういう声明をいたしましたことは記憶をいたしております。それで、その部分は秦野委員にお答えしたことは私がかねがねお答えしていることでございますけれども、わが国と台湾とは国交がないわけでありますから、わが国にとって台湾の国旗というようなものは存在しないということが一つ、それから台湾と国交のある国にとって台湾の国旗が国旗であると思うかというお尋ね、たしかそういう筋と思います、がありましたから、それはそういう国にとってはさようでございましょう、それはしかしわが国にとってはそういうものはございませんという、いつも申し上げていることを申し上げたように記憶をいたしております。
○横路委員 総理大臣、つまり平和友好条約という非常に大事な中国側との話のときに、この答弁や日台航空路の再開というのは、あなた、突然だったというお話だったでしょう。これは突然だったのでしょう。三木さん抜きで進められたのでしょう。
○三木内閣総理大臣 私抜きというか、民間で進められたものであったわけですから、政府がこれに対して関与しなかったものだと考えております。
○横路委員 つまりあなた、話としても知らなかったのですか、黙認しておったのですか。平和友好条約の話が大事な段階に来ておって、この問題がぽっと出てきたわけでしょう。違いますか。
○三木内閣総理大臣 前もっても私、知りませんでした。しかし、民間でそういう話が進んで妥結をしたということでございますから、政府がこれに対してとやかく言う問題でもないということでございます。
○横路委員 大平さん、この発言はやはり大平外務大臣当時の発言とかなり違う発言で、あなた、あの当時どういう受けとめ方をなさいましたか。いろいろ発言があって後で何かオフレコ扱いにして消えてしまったような発言もあるようですが、当時どうだったのですか。
○大平国務大臣 ただいま私、外交をあずかっておりませんので、それに対するお答えは御遠慮させていただきます。
○横路委員 つまり、この問題というのは、日中から日台に逆転させたのじゃないかということなんですが、宮澤さんは児玉譽士夫とか太刀川恒夫というのは知っていますか。全然知りませんか。
○宮澤国務大臣 お二人とも面識がございません。
○横路委員 人を介して日台航空路の関係で児玉などから何か話を聞いたことはないのですか。
○宮澤国務大臣 私は児玉という人に面識がないものでございますから、したがいまして、人を介して私にというようなこともございませんし、またあり得ないわけであります。
○横路委員 そこで、日航の子会社に決まったわけですけれども、これに至る経過をちょっとお尋ねしたいのですが、当初台湾側は東亜国内航空を非常に強く要望しておったでしょう。違いますか、運輸大臣。
○木村国務大臣 これは両者の民間の協会同士で話をしておりましたので、その時点で台湾がどういうふうに希望しておるか、そういうふうな話は私は聞いておりません。台湾側は早く航空路の復活がしたいということで交流協会と折衝しておったようでございます。
○横路委員 あなたの方でこれを決める手続というのはどうやって進められたのですか。
○木村国務大臣 これは民間同士の問で話ができまして、そうしてそれぞれ東京−台湾、日台間を運航する企業が一応両者の間で合意を見るわけでございますが、そうすると航空法によって申請が出るわけでございます。私の方はその申請を受けてそれを認可するという手続をとるわけでございます。
○横路委員 その決定をした自民党内の手続なのです。七月十五日には交通部会と航空対策特別委員会の合同会議を開いてこのことが問題になっていますね、その三社をどうするかということについて。そういう中で、交流協会に対して台湾側から言われた、原則として東亜国内へというような話や何かが出ているんじゃないですか。この七月十五日の合同会議はどういう結論だったのですか。
○木村国務大臣 もちろん、一つの航空政策の決定でございますから、党のそれぞれの所管の部会を開いてもらって報告をいたしたわけでございますが、そのときの結論は、この問題の処理については、挙げて運輸大臣に一任するという決定になったのでございます。
○横路委員 運輸大臣に一任というのはもうちょっと後じゃないですか。このときは、運輸大臣は自民党の了承を得て決定するんだという、その自民党の了承が必要という決定内容になっているんじゃないですか、七月十五日は。その後じゃないですか、運輸大臣一任というのは。運輸大臣一任は七月二十一日ですよ。違いますかな。
○木村国務大臣 いや、交通部会それから航空対策特別委員会の合同委員会は、十五日に運輸大臣に一任、ただし、党の首脳部等の了解をとるということは言われておりましたけれども、その部会としては私に一任をされておるわけでございます。
○横路委員 そのとき東亜、全日空、日本航空が、それぞれこの路線を自分のところでやりたいということの意思表示がありましたね。その場合のそれぞれは、どういう飛行機の機材を使うという意思表示だったのですか、東亜、全日空、日本航空は。
○木村国務大臣 どういう機材を使うかというところまでは当時われわれは掌握をしておりません。要するに、日台路線の復活をやるのについて三社がそれぞれやりたいという意思表示をしておることは事実でございましたが、機材その他の詳細については何も聞いておりません。
○横路委員 それはちょっとおかしいんだな。たとえば東亜国内の方は、田中社長が十七日中村航空局長と会って、これはDC9で——まあこれは航続距離の問題がありますけれども、しかしDC9でやれるのだということで、旅客増が見込まれる場合には大型機をチャーターする、DC10チャーターだということで東亜国内は言っているし、全日空の方は、五つの路線についての認可申請を七月の十九日にして、これは全部トライスター使用ということですよ、二十八便、五つの路線について。日本航空はいままで使っている機材ということですね。違いますか。
○木村国務大臣 当時、新聞等には、各会社がこういう機材を使ってやりたいというふうなことは出ておりましたけれども、運輸省といたしましては、まだどの会社にこれを認めるかというところまでいっておらぬわけでございますから、使用機材がどうとかこうとかいう話は、そこまで詰めてはいないわけでございます。
○横路委員 しかし、全日空の場合は、たとえば路線の認可申請をしているでしょう。路線の認可申請するときに、ちゃんと機材の方もやっているじゃありませんか。これは七月の十九日ですね、五路線でトライスターを使うというのは。
○高橋説明員 大臣の答弁を補足して申し上げますと、七月の十五日に自民党の交通部会と航空対策特別委員会の合同部会があったわけでありますが、そのときは機材の問題、そういった議論ではなかったように聞いておりますが、そのあと七月の十九日付で運輸省あてに、全日空から合計五路線の申請が出ております。これの中身によりますれば、使用機材はトライスターであります。
○横路委員 この路線にトライスターを使うとしたら、何機必要ですか。五つの路線で二十八便という計画ですね。
○高橋説明員 使用機数は三機だったと記憶しております。
○横路委員 この申請が七月の二十四日に取り下げになっていますね。取り下げるに当たって、あなた、運輸大臣、全日空の方といろいろ約束したでしょう。これはどういう約束をして取り下げてもらったのですか。
○木村国務大臣 その日に三社を呼びまして、取り下げる——まあ申請をいたしておりますのは全日空だけでございましたので、取り下げることを話をしたわけですが、いろいろ全日空側からの意見は出ておりましたけれども、約束は何らいたしておりません。
○横路委員 その取り下げるに当たって、国際線の定期航空路の見直しというのが全日空の方から強く出たのじゃありませんか。いいですか。一度会ったのが七月の二十二日でしょう。それから七月の二十四日にまたあなたと若狭社長との会談が行われて、そして「航空政策見直し 運輸省近く諮問」なんという大きな記事が七月の二十六日に、これは新聞に出ておるわけです。つまり取り下げと引きかえに、あなたの方は全日空に対して、日台路線の方は待て、そのかわり運輸省の方でも、例のいままで来た一連の、四十五年から四十七年といういままでの路線を少し変更するみたいな、近い将来の国際線進出への保証というようなものが、そのときの、取り下げるときの条件になっているのじゃありませんか。
○木村国務大臣 七月の二十二日に航空三社を呼びまして、この問題の処理については私の方で決めるからという話をし、またそれぞれの会社の意見は聞いたわけでございます。その後、二十四日の日に同じく三社長を呼びまして、この処理は政府に最終的に一任するようにという話をいたしました。同時に、申請を出しております全日空には、そういうことであるから取り下げてもらいたいという話をしたわけでございますが、そのときに、航空行政の見直し等について、もちろん全日空からいろいろ話があったことは事実でございます。新聞にはそれを受けて、航空のあり方について再検討し再諮問する、見直すというふうな記事が出ておったことは、私も当時覚えております。しかし、それは新聞の記事でございまして、私が申し上げましたのは、そういう話に対して、航空企業のあり方についての一つの方針をいつまでも墨守するわけではないけれども、こんな異常なときで、しかも今後の航空の推移、旅客の移動、そういったこともまだはっきりしていない時期に、あの閣議の了解あるいは運輸省の通達の方針を見直すという時期としては適切でないということで、これは断ったわけでございます。したがって、何ら約束はいたしておりません。
○横路委員 話は出たけれども、あなたの方で断ったんですか。若狭社長の記者会見によると、どうもそうじゃない。 さらに、あれじゃないですか、国内の幹線の増便といいますかね、そういうような問題についても、何かその当時東亜の方からも話が出ているわけでしょう。断ったんですか、話が出てそのままになったんですか、その辺のところはどうなんですか。
○木村国務大臣 私が断ったと申し上げるのは、航空企業のあり方の政府の方針を見直すという問題については、それはいまはできませんということを申し上げたことでございます。国内路線のいろいろな調整問題は、いろいろな希望が出ておりましたので、それは参考として十分承っておいたわけでございまして、もちろん各社ともいろいろな意見や希望が出ておりましたから、それは全部承っておるわけでございます。そういう問題をその席で、じゃこれはこうする、あれはこうすると言える問題でもございませんので、聞きおいたわけでございます。
○横路委員 七月二十二日に自民党の総務会が開かれて、これはいろいろ議論されていますね。異論が大分出たようですけれども、これはどういう議論だったんでしょうか。
○木村国務大臣 私は、その総務会に出ておりませんので、どういうふうな議論が出ましたか、詳細には知っておりません。
○横路委員 法務大臣の方にお尋ねしますが、一番初めにお尋ねしたように、この日台路線の問題というのも、突然昨年の七月になって出てきた問題なんです。児玉へのいろいろな金の流れなんかを見ておりますと、四十八年、四十九年、五十年と、PXLの関係もあるのかもしれませんけれども、どうもわれわれなかなか判断のつかないお金がかなり流れておるわけですね。 そこで、一つお尋ねしておきたいのは、 ロッキード社から全日空にお金が入った。これはつまり、飛行機を売る方、買う方という形の中でお金のやりとりがあって、それを全日空の方は裏金に使ったということが被疑事実になっているのですけれども、その金がどこに行ったのかということが捜査の対象にいまなっているわけでしょう。これはよろしいですね。
○安原説明員 全日空に入りました、先ほど被疑事実で指摘の金がどのように使用、処分されたかも、その被疑事実に関連して捜査の対象になっておるのでございます。
○横路委員 そうすると、たとえば全日空はいろいろ路線を新しく獲得する、あるいはチャーター便をふやすとか、こういう日台航空路の問題とかいうようなそんなところも、ともかくこの航空関連の問題になっている四十四年から五十年ぐらいのところ一連がやはり捜査としては大きな範囲になっているというように考えてよろしいですか。
○安原説明員 どのように金が使われたかが捜査の対象になっているということで御理解をいただきたいと思います。
○横路委員 そこで一つ、きのうの議論でちょっと刑事局長に確かめておきたいのですが、田中前総理大臣がロッキード社のコーチャン氏と会った回数について、田中さんの方の意思表示ときのうの御答弁と何か若干違っているようでありますが、あるいは新聞報道によると、三回じゃなくて五回じゃないかというような報道もあるようでありますが、この辺は大体いつごろどんなぐあいにこの二人は会っているのでしょうか。
○安原説明員 結論から申しますと、私の記憶違いでございます。その問いを、先ほど速記録を見ますと、参議院の共産党の橋本委員が、「田中氏とコーチャン氏が何回会ったか、一回だけか一回以上か、どのように聞いておられますか。これも公表された事実があるんですね。」という御質問でございまして、私は捜査当局が調べている内容を申し上げないということは終始一貫してお願いをしておることでございますので、あくまでも公表された事実としてどのような回数があるかということのお尋ねがあったということを前提として、私の答えは、「記憶が悪いので、不正確かもしれませんが、三回ぐらいじゃなかったかと思います。」と答えておりますので、これはあくまでも公表された事実として何回かということをお答えしたつもりでございます。したがって、その後調べてみますと、公表されたものとしては、田中氏のおっしゃるとおり一回でございますので、私の記憶違いであったということが判明した次第でございます。
○横路委員 それはあくまでも公表されたもので、公表されてないものについては、これはちょっと何とも言えぬ、こういうことになるわけですかな。
○安原説明員 それ以外につきましては、従来終始一貫してお願い申し上げておりますように、それ以上であるかないか、一回であるかということを含めて申し上げるわけにはまいりません。
○横路委員 これはだんだん明らかにされてきているのですけれども、アメリカの上院の証言を見ても、いわゆる政府高官に直結しているのは丸紅サイドですね。これは公表された事実で、その丸紅の方の二百万ドルというのが直結しているわけです。捜査の中から全日空の問題が出てきておるわけですけれども、この檜山の被疑事実の中に「同社取締役数名と共謀のうえ、」というのがありますね。これは公判廷になれば、「数名」というのはだれだれでということになるわけですけれども、大久保、伊藤以外の者も含まれているということにこの「数名」というのは理解していいのでしょうか。名前まで明らかになっているならば、この「数名」というのは何名であって、だれであるのかということも明らかにしてもらいたいと思います。
○安原説明員 「取締役数名と」と、わざわざ名前を書かなかったことは、捜査の必要上名前を秘匿したかったという捜査当局の要請であろうと思います。それであっても逮捕状が出ましたということは、被疑事実としては特定しておるということでございますので、この段階ではそのように御承知おきを願いたいと思います。
○横路委員 それはよくわかります。 それで、四十八年八月から四十九年二月、つまりこのユニットの関係は、これは時効の関係でここから除かれているのか、このユニットの関係がここに入ってないというのはどういうぐあいに解釈をしたらいいのでしょうか。
○安原説明員 先般の大久保利春の偽証の逮捕状の記載の中にも同じような記載がございましたが、あれは本人が受け取ったということであるにかかわらず、被疑事実としてしなかったのは時効の関係でございますが、今回の場合は、むしろ檜山前会長がそれに関与したかどうかを含めていまだ判明しておらないということが逮捕の段階で被疑事実の対象にもならなかったわけでございましょうと思いますが、仮に関与しておられたとしても、時効の関係で被疑事実としては成立しなかったものと思います。
○横路委員 檜山の場合は外国為替及び外国貿易管理法の違反ですね。これは法律の要件としては、受領したと。ここで「もつて非居住者のためにする居住者に対する支払の受領」ということになっておるわけですが、これも当然出た方ですね、出た方もこれは当然解明しなければならぬということになると思うのですが、いかがですか。
○安原説明員 外国為替管理法違反の被疑事実の真相を究明するという意味においても、やはりその点を調べるべきであろうと思いますし、また現にその方針でおると聞いております。
○横路委員 そこで法務大臣、先ほど総理大臣が捜査も山場に来たと言うのは、いわゆる政府高官に迫りつつあることだ、常識的に見てももう大体贈賄側と収賄側という分け方をすれば、贈賄側で残っているのは一人、アメリカ側の証言の中に出てくる範囲の中ではこれはあと一人だけなわけでありまして、これはその辺のところまでいかなければだめなのか、さっき総理大臣答弁があったように、次は大体世上一般に言われているような情勢でよろしいのかどうか、これはいかがですか。——意味がわかりませんか。つまり、捜査のいまの段階ですよ。
○稻葉国務大臣 捜査のいまの段階については、検察庁から報告を受けておりませんから、内容はよくわかりませんですね。ただ、すべて有能な人のそろっているところでありますから、必ず徹底的に捜査をして解明してくれるものと信じておるというところです。
○横路委員 大分口がかたくなったようでありますが、段階としては、いわゆる贈る側——まだ贈収賄というのは立件されていないわけですから、ただ贈る側の捜査は大体ある程度網はしぼるところはしぼったというふうに見ていいのですかな。
○稻葉国務大臣 なかなかそういうふうにしぼったと見ていいかどうか、ちょっとわからないですね。
○横路委員 刑事局長、どうですか。——法務大臣が歯どめをしてはだめじゃないか。
○安原説明員 いや、私語いたしておりまして、大臣の御答弁を聞いていなかったものですからお尋ねした次第でございます。 御案内のように、十一名の逮捕者の中には全日空の社長、それから丸紅の前会長といういわばトップの人がおられるわけでございます。しかしながら、まだ被疑事実としてそういう金を受領したということを捜査中でございまするから、そういう意味では明確になったと言うべきではないと思いまするけれども、いわばロッキード事件の一つの本質が、ロッキード社から出た金がどのように日本国内に流れて使用されたかということを究明することが当面の目標であるといたしますれば、そういうトップの人の逮捕に及んだということは、少なくともそういう意味では金の入りというものについては相当の山場に来ておるということは客観的に言えるのじゃないかと思いますが、それ以上は申し上げかねます。
○横路委員 警察の方ですね、公安委員長、警察庁の方は警視庁の方と十分打ち合わせをされて捜査されていると思うのですが、あなたの方で担当した捜査についてはどうですか、順調にいってますか。まず警察から……。
○土金説明員 お答え申し上げます。 警察庁は警視庁と一体となって捜査をいたしておるわけでございますが、本事件の捜査に当たりましては、地検、法務省と緊密な連絡をとって共同捜査をやっておるわけでございまして、警察のいままで担当しておったそれぞれの被疑者の逮捕あるいは捜査につきましても、現在順調にいっているわけであります。
○横路委員 あなたの方は全日空サイドを中心に担当されておりますね。この全日空サイドというのは四十八年以降のことが中心でありますし、そんな意味では丸紅ルートと違って時効という問題は余り考えなくてもいいような、いままでの容疑事実はですよ、という分野があると思うのですけれども、これもやはり贈る方からだんだんいわゆる政府高官の方へと捜査は進んでいるわけですか。そういう意味で順調にいっていますか。
○土金説明員 現在、金の流れについて全体的な把握に努めているわけでございまして、その入った金がどういうふうになるかと、もちろんそういう問題も含めて捜査をいたしておるわけでございますが、ただいまの段階でその見通しということを申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○横路委員 それはまだ見通しが立たぬ状況だという意味ですか。一応ある程度めどはついているけれども、その内容はちょっとしゃべれない、こういうことですか。
○土金説明員 お答え申し上げます。 入っただけで終わりだということではもちろんございませんので、今後その方面についても捜査を、現在もいたしておるということは申すまでもございません。
○横路委員 法務大臣、もう捜査がいよいよ大詰めだということになるといろいろと事情聴取——二百五十人ということでありますけれども、やはり国会も国会議員の証人喚問というところまで来ているわけですけれども、捜査の方だって、もうそろそろ国会議員から事情聴取、別に被疑者ということでなくてもいいわけですが、事情聴取という段階に来ているんじゃないですか、どうですか。
○稻葉国務大臣 それも報告を受けておりませんから、私申し上げるわけにまいりませんな。
○横路委員 何かきょうから急に厳しくなったようですね。口がかたくなったというのは、これはやはりだんだんそういう段階に入ったということなんでしょうね。核心に迫ってくると法務大臣の口はだんだんかたくなるというのは、この間の委員会であれがありましたが、刑事局長どうですか。もうそろそろそういう段階じゃないんですか、いずれにしても事情聴取の。
○安原説明員 これからの捜査の見通しを申し上げるわけにはまいりませんので、御容赦願います。
○横路委員 最後に、これはちょっと法務大臣に言っておきたいのですが、いまこのロッキード事件の捜査というのは、みんなしっかりやれという意味で、ある意味では国民がこれくらい検察庁にわりあいと好感を持って声援をしているというのはないと思うのですね。ところが、どうもちょっと気になるのは、いま北海道で、これは学校の先生方、北教組、この地方公務員法違反という捜査がずっと行われておって、そして事もあろうに、裁判、公判前の証人喚問ですね、つまり任意出頭に応じない人たちを裁判所に引っ張ってきて、そして証拠調べをやる。ロッキード問題ではみんな応援しているわけですけれども、これでやっている方法ですね、刑訴法二百二十六条ぐらいですかな、余り悪用してもらっちゃ困るんですね。ロッキードでやっているやつを悪用してそんな捜査をしてもらっては、これはちょっと悪乗りしているということになるのであって、その辺のところは、ちょっと法務大臣、ロッキードでみんなが応援しているから、ロッキードでもって使った手を何でもかんでもあっちこっち使っていいのだということにはならぬのですよ。これはどういうことなのか。ちょっと最近例がないでしょう。刑事局長、どうですか。
○安原説明員 いろいろ御見解もあろうと思いまするけれども、検察当局といたしましては、憲法を遵守し、刑事訴訟法を守って、厳正公平、不偏不党にやっているつもりでございます。
○横路委員 これで終わりますが、ともかくロッキード事件で使った証人尋問、前に調べるというものですね、いまコーチャンのを嘱託でやっているわけでしょう。これは戦後は一時期労働事件で使われたことがあるのですけれども、最近ほとんどないのですね。それをロッキード事件であれしたからといって、そんなところに悪乗りしてもらっちゃ困るということだけを申し上げて、私の質問を終わります。
○田中委員長 中島武敏君。
○中島委員 総理きのう四党国対委員長の申し入れに対して、自民党宇野国対委員長から自民党の態度についての回答がありました。これによりますと、証人喚問はしばらく差し控えたい、捜査の推移を見きわめた上、その時点でだれを呼ぶかについては決める、こういうことでありました。先ほど三木総理は、との態度は議長裁定に反しないと言われました。それは、議長裁定の中にある「推移をみて」という言葉を引用して言われましたが、しかし、この議長裁定で言われました「推移をみて」と申しますのは、これはいわゆる灰色高官の公表を捜査終了の時点でなければやらないという意味ではないのだ、推移を見て灰色高官の公表を行うのだ、こういう意味であります。 また、政府が国会の国政調査に協力するということにつきましては、三党首と三木総理・総裁との間において合意がある問題でありまして、そしてまた、これが五党首合意、議長裁定の中に盛り込まれていると私どもは思っております。 そういう点では、先ほど述べられました総理の議長裁定についての解釈は正しくないのではないか、この議長裁定で述べられていること、これに、現在自民党がとっておられる態度はやはり違反をしていると私は思いますが、総理の見解を問いたいと思うのです。
○三木内閣総理大臣 この議長裁定の四項目は、中島君の言われるように、国政調査権に対して最善の協力を行うということが主眼でしょう。その間には「国会の国政調査権の行使に当たっては、政府は、事態の推移をみて、刑事訴訟法の立法趣旨をもふまえた上で」と、こう両方にかかっているように思うのでございますが、その主たる点は、国政調査権に対して政府が最善の協力をするということに主眼があることはお説のとおりだと考えております。
○中島委員 そのことはひとつ確認されました上に、この「推移をみて」と申しますのは、いわゆる三党の党首と三木総理との合意、大筋において合意をされると述べられたときの文書が基礎になっている。つまりそこでは、先ほど言いましたように、灰色高官の公表の時期の問題であります。この問題について、捜査の結果が全部終わってからだ、こういうふうにはなってないわけでありまして、そしてそのことを、自民党と民社党との間の申し合わせの中には、捜査が終わった時点、捜査が終わってからという意味のことがありますので、そうではなくて、事態の推移を見ながらということである、こういうふうに当時はっきり公にもされている問題であります。ですから、この点も私は総理に確認をいただきたいと思うのです。
○三木内閣総理大臣 実際問題として「推移をみて」ということは、捜査が進んでおる段階ということでは真相の解明になりませんから、やはり「推移をみて」ということは、ある程度真相の解明がついてからということが常識的だとは思いますよ。いま捜査が進んでおる段階で真相の解明といっても、真相が解明されてないわけですからね。それは推移というものは、やはり捜査がある程度終わらないと真相の解明にはならぬと考えるのが常識でないでしょうか。
○中島委員 私のいまの問いに対しては総理はまともにお答えにはならなかったのですが、議長裁定の解釈はすでに公にされておりますとおりそのとおりである、そのことを総理はいまは否定されなかったというように私は承りたいと思うのです。「推移をみて」というのは、これはまた別の問題であって、捜査との関係でいま総理が発言されたと思います。私どもは総理がいま発言されたようなふうには思っておりません。 重ねてお尋ねしたいのですが、証人を呼ぶことはしばらく差し控えたい、先週も総理はそういうふうに言い、本日も繰り返しておられるわけです。いまロッキード問題特別委員会におきまして私どもが要求しております証人は、当時の町田事務次官、佐藤孝行氏あるいは福永一臣氏あるいは橋本運輸大臣あるいは田中総理大臣あるいは小佐野賢治氏、こういう人を要求しているわけです。 そこでお尋ねしたいのですけれども、だれを呼ぶかということを決定すること、つまりいついつに呼ぶということではなくて、だれを呼ぶかということを決定することそれ自体は、捜査の支障になるというようにお考えでしょうか。これは法務大臣にお尋ねしたいと思います。
○安原説明員 法務大臣から捜査の支障ということと、証人喚問と捜査の関係においての支障の有無ということについてお答えをいたしておりますことは、あくまでも一般論として申し上げておるわけでありまして、だれを呼ぶことが支障があるというような具体的なことを申しておるわけではございません。 なお、いま中島委員の御質問は、だれを呼ぶと現実に証人を喚問することそのことではなくて、またいつであることも決めないで、要するにだれを証人に呼ぶかということを日時不定で決めること自体が支障になるかどうかという問題と思いまするが、そのことにつきまして捜査当局の一般論から申し上げますならば、具体的に証人喚問を実施なさるということの捜査に対する支障ということは申し上げたわけでありまするが、決定をすること自体が直ちに捜査の支障になるかどうかということについては、支障があるということを積極的に申し上げることは私どもとしてはちょっと考えられない、かように思います。
○中島委員 いま安原刑事局長の答弁はそうですが、総理もやはり同じように思われるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○三木内閣総理大臣 そのとおりだと思います。
○中島委員 先ほど総理は、重要参考人の取り調べが終わってから国政調査をやればよろしい、証人喚問やればよろしい、そういうふうに言われましたが、しかし、その段階で国政調査が本当に保証されるかどうか。 まず伺いたいのは、野党の要求する証人喚問に、自民党として必ず応じるといまからあらかじめ約束をされることができますか。
○三木内閣総理大臣 自民党が、証人喚問に絶対に応じないというようなことはできないと私は思います。
○中島委員 野党が要求する証人喚問に、必ず応じるということをあらかじめ約束できますか。
○三木内閣総理大臣 それは委員会で御決定を願わなければならない。自民党が証人喚問を拒否するということはできない。しかし、その決定は、だれを呼ぶかということは、委員会において決定さるべき問題である。
○中島委員 重ねてお尋ねしますが、臨時国会の前に政治的道義的責任の追及、証人喚問を行って政治的道義的な責任の追及を終える、臨時国会を召集する前に終えるということを総理としてお約束できますか。
○三木内閣総理大臣 なかなかこれが終えるということの意味、この政治的責任と道義的責任、これと刑事上の責任というものが、刑事上のこの責任の追及が終わった段階で政治上の責件の追及も皆終わったと、必ずしも軌を一にしない面もございます。だから、中島君のいま言われるように、刑事上の責任、政治上の責任、こういうものも皆終わってから臨時国会ということになりますと、なかなかやはり予定がつかないと思いますから……。したがって、国会の審議には、このロッキード事件の解明というものがある程度終わる段階が私は好ましいとは思いますけれども、しかし、一方においては財政的な要求もあるわけですね。この判断はむずかしいところですよ。大蔵大臣もおりますが、これは一日も早く財特法は国会で議了して、予算執行に不安なからしめるようにしてもらいたいと考えることは当然でしょうし、運輸大臣もおって、運賃、料金の改定をしないと、一カ月に対して非常な収入の不足を来すわけですから、私は大臣の顔を見るのがつらいぐらいですよ。しかし、やはり現実の政治というものも考えなければならぬわけですからね。そういう場合に、これが何にも目鼻もつかないうちに国会を開いた場合の国会の場というものも想像しないわけにはいかない。そういうことを考えて、一体臨時国会の召集というものをいつにするかということは、実際まだ具体的な日時について判断つきかねている。しかし、ロッキード事件の解明がすべて終わってから臨時国会を開くことを約束せよということは、これはなかなかいまの段階ではちょっと断言しづらいと思います。解明が終わってからということの判断というものも、なかなかこれはやはり人によって違うかもしれません。 まことに不明確なような御答弁ですけれども、事情御了察を願います。
○中島委員 重要参考人の取り調べが終わってから、それから国政調査をというふうに言われる。しかし、その時点で国会におきましても、自民党としても、野党が要求する証人喚問に必ず応じるなどということはいまからお約束できない、あるいはまた、臨時国会が召集される前に証人喚問を終え、政治的道義的な責任の追及を終えてしまうなどということももちろん言えない。それじゃ、臨時国会が召集されたとしたならば、実際どうなるか。これはいま総理も言われたように、財政特例法案、運賃や料金の値上げ法案、あるいはまた政治情勢もかなり激動してくる、あるいは解散、総選挙という事態も生まれないという保証はない。 そうしますと、この証人喚問、また政治的道義的な責任の追及ということ、このことが、捜査の支障を来さないためにといって後に譲ることによりて、この問題での真相究明が保証されないという事態も生まれてくるということが予測されるわけであります。そういう点から言えば、私は、やはり本当にこの問題の真相究明をやるためには、いま直ちに証人喚問を行う、政治的道義的な責任の追及を行うということが当然のごとではないかというように思うのです。いかがでしょう、総理。
○三木内閣総理大臣 いろいろこの真相解明の段階というものがあるわけですよね。いま刑法上の——法律上と言った方がいい。法律上の責任追及というものがこういう核心に入ってきておる段階ですから、そういうところで、やはりこういう時期を少しずらしてされていただければ、捜査当局が捜査に何らの不安なくやれるという点で、法律上の責任追及にはその方がやはり効果的な追及ができるということでございますから、そういう点で国会の方でいろいろ御理解を願えないか、こういうことを申しておるわけです。しかし、この問題は法律上の責任追及だけで終わる問題ではないわけですから、政治上の責任の追及も、両方が両輪のようなものですから、したがって私は、このことで政治的責任の追及の場というものを何か先へずっとずらしてしまおう、そういう意図はないのですよ。ただ、まあ一つの真相解明の段階ごとで、いまは法律的な責任の追及というものが非常に進んできておる段階であるから、ちょっとその一つの山場をずらして延期していただければ、捜査当局としても非常に効果的な真相解明ができるということは理解できるから、国会に対して御理解を得られないであろうかと申しておるわけでございます。
○中島委員 このままいけば、総理のいまの態度から言えば、来週も証人喚問は差し控えてもらいたい、こういう態度が貫かれるのだと思うのですが、国会がこのロッキード特別委員会で真相究明のためにいろいろ政府に対して問いただしをしたい、これは続けていく必要があると思うのですが、そのとき総理は必ずいつでも、国会の要求があるときには、出席をされますか。
○三木内閣総理大臣 休会中の国会に総理が出た前例は余りないというのですが、こうやって私も何回か出てきておるわけですから、ずいぶん努めてはおるわけで、毎回約束せよということは、いたしかねるということでございます。できるだけ国会の国政調査権には協力をいたしますけれども、毎回やるたびに出てくる約束をせよということは、ここでは、ロッキードばかりがすべてでないですから、いろいろな、外交も一日も休みないし、内政上の問題もあるわけでございますから、これを約束をせよということは無理でございますが、国政調査権に対してはできるだけ協力をしたいという考えでございます。
○中島委員 真相解明は重大な問題でありますから、国会が要求するときには総理は出てくるべきだということを率直に申し上げておきたいと思います。 別の問題ですが、全日空が国会議員に配りました無料パスの問題についてお尋ねしたい。 全日空は、国会議員全員ではなくて特定の国会議員に対して無料パスを配っていた。わが党議員にはもちろん配られておりませんが、このロッキード事件が起きましてから全日空の方ではこれをやめておるわけであります。この中には三木内閣の現職閣僚もたくさん含まれております。これはそれまで漫然ともらってきたということのようであります。自主的にそんなものは要らない、こう言ってやめられたのではないようであります。 総理は、総理に就任されましたときに、資産の公開とか非常に清潔を強調されたわけでありますが、全日空から無料のパスを特定の人たち、特に内閣の現職閣僚がたくさんもらっている、こういう姿勢で今度のロッキード事件に対する真相究明が本当にやれるのかどうか、そういう姿勢かどうかということについて見解を問いたいと思うのです。
○三木内閣総理大臣 そのことによってロッキードの解明ができないというふうには、私は考えておりません。
○中島委員 すっきりとこういう問題はきれいにしておくということが私は必要だと思うのです。 次に、田中金脈の問題についてお尋ねいたします。 総理は、総理になる直前には、文春が書いた田中金脈の疑惑はただされなければならない、あるいはまた田中首相の疑惑は違法性がなければそれで済むという問題ではない、臨時国会ではっきり解明すべきだ、こういうふうに言ってこられました。総理になった途端に、田中氏自身が明らかにすると言っているのでその結果を待ちたい、最大限できるだけ早い機会に明らかにされることを願っている、こういうふうに答弁されまして、その後も同趣旨の答弁を繰り返してきておられます。現在田中氏からこの問題についてまだ明らかにされておりません。総理は現在も田中氏が田中金脈問題を明らかにすることを期待しておられると思いますが、いかがでございますか。
○三木内閣総理大臣 田中氏の件に関しては、違法性のあるものは税法上などにおいてはこれを追及いたして、税法上の違反に対しては措置をしたことは事実でございます。また一般的な田中氏のいわゆる金脈と言われるものについては、その内容については長期にわたって個人的な関係のものでございますから、われわれがこの内容に対して深く入ってこれを知っておるというわけでもございませんし、田中氏自身から国民の前に、政治家がこういう疑惑を受けることは好ましくない、この真相を明らかにして国民の理解を求めたいという趣旨の発言がございました。やはり政治家というものは信用ということが大事でございますから、そういう国民のいろいろ疑問に思う点に早く答えたいと田中氏自身が考えておることは、公人として当然のことだと思う。したがって、先般も何か、長期にわたっておるので専門家にも依頼して調査をしておるというような発言を聞いたことがございますが、一日も早くこういう真相が明らかにされて、そしてこの疑問点が解明をされることを私は望んでおる次第でございます。
○中島委員 いまも総理が言われましたように、非常に長期にわたっている。まだ田中氏みずから明らかにされていない。もう何年にもなりますね。こういう田中前総理の政治姿勢について総理はどうお考えですか。
○三木内閣総理大臣 私は一日も早くこういう問題が、疑問に思っておる人々に対して明白に答えられることを望んでおる、これが私の態度でございます。
○中島委員 昨日、衆議院の法務委員会また参議院のロッキード特別委員会で稻葉法務大臣が、田中前総理と丸紅の檜山、全日空の若狭との一連の会談などについて捜査当局が強い関心を持っていることを明らかにされた。このことに対して田中前総理は、側近筋を通じてというのですが、権力を持った者がロッキード事件をある特定の方向に持っていこうとしている、こういうふうに強く反発をしたという報道がされているのであります。また、こうした動きについては必要があればある時期に断固たる措置をとる考えである、こういうふうに述べたと報道されております。 私は法務大臣に伺いたいのですが、断固たる措置をとるというようなことを述べているとすれば、これはもうおどしじゃないでしょうか。これは検察に対する不当な圧力ではないでしょうか。法務大臣はどうお考えでしょうか。
○稻葉国務大臣 昨日の法務委員会で稲葉誠一委員の質問でしたかね、参議院ではどなたでしたか忘れましたが、いまあなたのお挙げになったようなことを述べられました。私はそれに対して、そういうことを肯定して、それについて捜査当局は関心を持っているなどと答えたのではないのです。そうなんですよ。捜査当局は真相解明を一生懸命にやっているのですから、あらゆる関係について捜査をしているでしょう、こういうことを申し上げたので、いまおっしゃったような事実を並べて質問者がおっしゃいますことについて、検察当局はそういう問題について重大な関心を持っていますと答えたのではありませんから。事実はそのとおりですからね。 それから、いま、それに対して何かおどしみたいなことを言われましたが、ちっともそういうことを感じませんな。私、何にもそういうことを受けてないもの。ですから、全然おどされの感じは持っておりません。
○中島委員 断固たる措置をとるということについて、法務大臣個人がおどしの感じを持たない。これはその受け取り方の問題であります。しかし、こういうことを発言することは、やはり検察に対する大変な圧力じゃないかと私は思うわけであります。そして国民はいま、田中前総理を頂点とする今度のロッキード問題の疑惑、ここに非常に目を向けているわけであります。そういう点では、私がいま言いました田中・檜山会談とか、田中・若狭会談とか、田中・コーチャンの関係とか、こういう問題は一体どうなのか、あるいはまたエアバス導入、この中にはトライスターをもちろん含むのですが、それを容易ならしめるための輸銀法改正の方向を決めました鶴見・インガソル会談、田中・ニクソン会談あるいは小佐野氏や児玉との関係、こういうものをすべて明らかにしないと国民は納得しないと思う。 そういう点で総理に伺いたい。総理は、こういうことをすべて、何らかの方法で国民の前に明らかにする、そういう決意をお持ちかどうか、このことを伺って、関連質問に移りたいと思うのです。
○三木内閣総理大臣 どういう形で真相が解明されるかということは、いま検察でも鋭意法律の面から真相解明をやっておるし、国会においてもこれから、やはり政治的責任という側面から追及もあるわけですから、そういうことを通じて国会あるいは検察当局、法律的な政治的な両側面からこの真相はできる限り国民の前に明らかにされなければならぬ問題だと考えております。
○田中委員長 東中光雄君。
○東中委員 いま捜査が非常に重大な段階に来ている。解明ということを盛んに言われておるのですが、責任の追及の前に事実の解明が要るわけだと思うのです。いまの段階で、入った金というのは三つのルートから、その額もわかっている。あとその使用先なり行き先がいま捜査の中心になっておるという段階でありますが、この行き先、使用先、どこへ行ったかという事実ですね、それは全部解明しなければ事件について解明したということにはならぬと思うのです。それについての今度刑事責任の有無の問題は、その事実に即して、贈収賄であろうがあるいは政治資金規正法違反であろうが、あるいはその他のもろもろの法律違反があれば、その問題としてまた追及するということになると思うのですが、事実の徹底解明、金の行き先を全部明らかにするということと、それからロッキードのために何かの政治的行動をやったということがあったかなかったかという点を明らかにすべきだと思うのです。 総理は、早くやれということを言われるのですが、早くやることは大切ですけれども、早く全面的に解明することが大切なんであって、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○三木内閣総理大臣 それは法律的な責任を追及する場合にも、いま指摘されたような問題もやはり取り調べの内容になってくると思いますね。したがって、早くやるということも必要なことは——私はやはりこういう問題は、できるだけ迅速に問題を処理するということは必要だと思いますよ。しかし、その迅速なということは、問題を中途半端に、この問題の真相解明を中途半端に終わらしていいという問題ではないと思う。やはりいま御指摘のように、迅速に、しかもできるだけ全面的に真相を解明されることが望ましいことは御指摘のとおりだと思います。
○東中委員 行き先をいろいろ追及してみたけれどもどうもわからなかったのだ、お宮入りがたくさんありました、しかしもう時期が来ておるからこれで終わるのだ、こういうことに絶対にならない。真相、事実を究明するという点で総理の決意をお伺いしておきたいと思います。
○三木内閣総理大臣 いろいろやってみたけれどもどうにもなりませんでしたということでは、私はやはりこの問題が処理できるとは思っておりませんね。いろいろやったけれどもだめでしたというようなことで、これだけの国民的疑惑を招いた問題だ、そういうことで決着がつく問題だとは私は思ってないわけです。
○東中委員 具体的なことについて法務省にお聞きしたいのですが、丸紅関係のいわゆるピーナツの一億円の問題の時効は来月の八月九日になるはずであります。そうしますと、単純収賄あるいは贈賄関係、要するに時効三年の分については、これの関係の強制捜査あるいは逮捕は勾留期間が二十日間、それから検察庁の持ち時間が、いわゆる逮捕状を請求するとすれば二十四時間、警察からやるとすればさらに四十八時間、ですから二十一日ないし二十三日前に少なくとも強制捜査、逮捕に入らなければ、逮捕期間を有効に使って時効前に起訴をするということができなくなると思うのですが、そうすると、少なくとも来週の初め、十九日か二十日ごろには収賄関係について強制捜査をしなければ有効に捜査を進めることにならぬというふうに思うのですが、いかがですか。
○安原説明員 具体的な捜査計画のことでございますので、私から、さようでございますと申し上げるわけにはまいりませんけれども、計算上はそういうことになります。
○東中委員 計算上そうなるということは、計算上そうなるのがわかっておって、しかも実効のないようなことを検察庁はやるはずがないというふうに、本当に追及しようとしておられるならばそういうことになるというふうに理解をして、次に進みます。 小佐野関係についてお聞きしたいのですが、コーチャン証言では、小佐野は児玉とともにロッキード社のあの売り込みについて最も大きな役割りを果たしたという趣旨の証言が一貫しているわけでありますが、その証言の中で、たとえば「政府のいろいろなレベルに誤解があったこともあり、それが私のねらいを御破算にしかねなかったので、両氏に頼んで、さまざまな人に接触してもらい、誤解を解いてもらいました。このような例が、ほかにもたくさんありました。」児玉、小佐野両氏に対してそういうふうなことをやってもらったということを証言しておりますし、あるいは小佐野氏は児玉氏と一緒にこの仕事をやってくれたんだから、金も渡っておると思うという趣旨の証言もしております。 これは公表された有力な一つの資料であり、それなりの証拠能力はあると思うのですが、これに対して小佐野氏は、本院での証言に際しては全く全面的に否定する証言をしているわけです。そのことについて、この証言で、公表された資料で、それに基づいての捜査は当然進められていると私は思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○安原説明員 ロッキード事件の捜査の、何といいますか、内容の本質は、ロッキード・エアクラフト社の日本国内における企業活動の中に不正があるかどうかということを究明するということでございます。その関係で公表されましたコーチャン証言等につきまして、また国会における証言等につきまして検察当局が関心を持っていることは事実でございます。
○東中委員 関心を持っているというのは、それは捜査当局の当然のことであって、問題は、それで捜査を進めているかどうかということだと思うのです。 それで小佐野関係でその証言についての追及あるいは調査というものをやっておられるのか、おられないのかということを聞いておるわけです。少なくとも明白に違っているわけですから、しかも証言の性質からいって意識的に違うことを言っておるということも明白ですから、偽証の点について調べていらっしゃるのかどうかということであります。
○安原説明員 東中委員御指摘のとおり、公開されましたコーチャン証言と予算委員会におきます小佐野氏の証言とが客観的に違っておることは、それは何人も否定できない事実でございますが、それを偽証として間擬し、捜査しているかどうかということは、一般論のとおり申し上げるわけにはまいりません。
○東中委員 小佐野証言では、児玉との関係について、これは普通のつき合いだ、ふらっと年に何回かやってくる程度の問題だ、用件はなくて、お茶でも飲んでいく、こういった関係だということを証言をしています。このことに関連して、児玉、小佐野の関係で、国民相互銀行の株式百三万株を四十八年十二月に小佐野は取得して、国民相互銀行の五一・六%の株式保有で会長に就任したという経過がありますが、このときに、児玉と小佐野は共同して、あるいは児玉から小佐野に株式を渡すというふうな経緯がありますが、大蔵省の方でこの経緯を明らかにしていただきたい。
○後藤説明員 いま先生御指摘の株の移動でございますが、児玉譽士夫が四十七年度下期中に国民相互の株を取得いたしました。これは十万八千株と私ども承知いたしておりますが、これを四十八年度中に処分いたしましたこと、あるいは小佐野賢治氏あるいは国際興業が四十八年ころから国民相互銀行の株を取得しておりまして、先生御指摘のような国民相互銀行の株式の過半数になっておるということは、有価証券報告書等から私ども承知をいたしておりますが、ただそれが、児玉の株がなくなって小佐野の株になっておる、直接つながっておるかどうかは、私ども銀行行政の立場では詳しいことを承知いたしておりません。
○東中委員 有価証券報告書では四十八年の三月に児玉が十万八千株を取得して、九月に増資があって、十八万五千三百株の株主になった。そして同じ年の十二月の四日に小佐野に譲渡したということになっているようでありますが、実際の実情を調査してみますと、四十六年六月段階で小佐野が国民相互銀行と某地銀、と申し上げておきますが、ある地銀との合併話を進めるようになった。そのときに、その年の七月児玉が国民相互銀行の役員の持っている持ち株のほとんど大部分、九万六千株ぐらいを取得している。それが四十八年になって合併話が決裂すると間もなしに児玉から小佐野にその持ち株の全部十八万五千三百株を譲渡している、こういう経過になっておるわけですが、この間に株価の変動があります。これは上場株ではありませんから個別に買うわけでしょうから、そういう点で言えば、密接な連絡がなければこういうふうには進むわけがないわけです。その点についてどう考えていらっしゃるか。 それから小佐野が児玉から譲渡を受けたのは無償譲渡か有償譲渡かという点についてはいかがですか、お伺いしたいと思います。
○後藤説明員 私ども金融行政の立場といたしましては、大口の株主、経営に影響力のあるような株主の変更につきましては関心を持っております。したがいまして、それが結果的にどうなっておるかということは承知をいたしておるのでございますが、先生御指摘のような、どの株がどういう値段でどういうふうになったかという経過につきましては、詳細存じておりません。したがいまして、この無償かどうかということも、私ども存じておらない次第でございます。
○東中委員 国税庁の方でお調べになったと思うのですが……。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、児玉譽士夫につきましては、去る三月の十三日に、昭和四十七年分の所得税法違反につきまして告発をいたしましたが、その後も、四十八年分以降につきまして、引き続き相当数の査察官を動員いたしまして、児玉をめぐる資金の流れと資産形成の全貌を明らかにすべく目下鋭意調査中でございます。お尋ねの件につきましても、そのような情報があることは承知しておりますし、十分それを念頭に置きまして児玉の調査を進めているところでございます。 ただ、具体的な問題につきましては、現在調査中でございますので、ひとつ御容赦をお願い申し上げたいと思います。(東中委員「小佐野関係」と呼ぶ)そのような情報は十分念頭に置きながら調査を進めております。
○東中委員 小佐野関係、もし無償譲渡であるとすれば、ロッキードのこの事件で問題になっておるその時期に符合して、三億あるいはそれ以上の譲渡が児玉から小佐野にやられておることにもなっていくわけでありますが、そういう点についての国税庁の関係の調査はやっておられるのかおられないのか、いかがですか。
○山橋説明員 お答え申し上げます。 児玉関係の調査につきましては、ロッキード関係からの問題あるいはフィクサー所得あるいは株の売買、実はいろいろな所得の形態がございまして、お尋ねの国民相互関係の問題もその一連の問題として、現在鋭意念頭に置きまして調査を進めているわけでございます。(東中委員「小佐野を聞いているのです」と呼ぶ)国民相互関係の株の取引の問題も、児玉の株の売買の関連でございまして、調査の対象になるのは当然であります。(東中委員「小佐野について入っているのですか」と呼ぶ)国民相互の関係につきましては、当然株の売買の問題ですから……。
○東中委員 小佐野のことを聞いている。あなたは児玉とは言うけれども、小佐野とは言わぬから、小佐野についてはどうかということを聞いている。
○田中委員長 小佐野も売買の中に入っているという意味でしょう。
○山橋説明員 国民相互の関係の株の取引関係の問題につきましては、十分そういう情報を念頭に置きながら調査をしておるわけでございます。
○東中委員 小佐野についてはどうかと聞いているのに、児玉のことについて答える、これは非常におかしいじゃないですか。小佐野についてもやっているのかやっていないのか、そこをはっきりしたらどうですか。
○山橋説明員 お答えいたします。 国民相互の株の取引の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろな情報がございますので、それを十分念頭に置いて調査をしているわけでございまして、その関連の調査は多岐にいろいろと調査をしておるわけでございます。国民相互の関係の株の動きの一環でございますので、その株の動きの関連で必要に応じて調査をするのは当然でございます。
○東中委員 非常に国税庁はことさらに何か意識して回避をしている。小佐野のことについてやっているのかやっていないのかということについて聞いているのに、ことさらにその名前だけはのけちゃう。これは調べる側が調べられる側に気がねをしているのではないかという感じが非常に強くするわけです。だから、このロッキード関係の事件について言えば、いろいろな証拠隠滅とか証人威迫的な行為がありました。それがいまここで地で示されているような感じがするのですが、もう一回はっきりとそれ自体についてお答えいただきたい。
○田中委員長 山橋君、小佐野の関係を聞いているんだから、小佐野も含めてこうならこうという答えをはっきりして……。
○山橋説明員 お答えいたします。 国税当局といたしましては、児玉の案件をめぐりましていろいろな取引、株の取引その他フィクサー所得、いろいろな問題がございます。したがいまして、それをめぐる調査の過程におきましては、その関連者につきまして調査をしているのは当然でございまして、小佐野国際興業社長につきましても種々の報道がございますので、十分それを念頭に置きながら情報を活用して調査を行っているところでございます。
○東中委員 時間が参りましたので、最後に一言だけ聞きたいのですが、小佐野と児玉との関係について、小佐野証言は、全くお茶飲み友だちだ、それで年に数回会うだけだ、こういう白々しい証言をしているのですが、いまのこの国民相互銀行の問題一つを見ても、上場株じゃありませんから持ち株を全部渡すというふうな状態が、このロッキード問題が起こっているときに起こっている。 それからもう一つ、全日空の株の取得の問題についても、私が質問したのに対して、割引券をもらう関係で、株をばらしておいたのを集めただけだというふうな証言をしているのです。しかし、その株は調べてみれば、なるほど二千株ずつ重役に確かに散らしてあったという事実はあります。しかし、それ以後、児玉がコンサルタント契約を結んだ四十四年の一月以後、四十四年から五年にかけて二千株から九万四千株にふえ、さらに四十五年の三月には十万四千三百株にふえ、四十六年の三月には三十七万八十四株、ここまでふえている。その当時の時価で換算すれば年間一億あるいは三億五千万ないし五億円ぐらいの株をずっと全日空のものを買っているわけですね。そういう事実が明白にあって、そういうことについて私が指摘をして質問しているのに対して、いや、割引券の関係でばらしてあったのを集めたと思うんだという証言だけしか答えてないのです。結局は児玉との関係を切る、全日空との関係を切る、そしてコーチャンの証言を全面的に否定する、一貫したそういう証言であるということは、裏をとることによって明らかになってきているということが言えるわけであります。そういう時点で警察あるいは検察当局はこの偽証問題を何とも考えないのかということであります。国会が告発してなくても捜査を発動することができるんだということは前々から言われておるとおりでありますし、それから強制捜査でなくても、任意捜査であっても偽証容疑で調べ始めるということは当然あり得ることでありますから、そういう点について警察、検察、法務省当局はそういう方向でやっていないのか。それから、これからやるというふうにならないのかどうか、そこのところをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、捜査の方針あるいは現にやっていることの中身を申し上げるわけにいかないという観点からお答えをしておるわけでございまして、ひとつよろしく御理解をいただきたいと思います。
○土金説明員 ただいまの法務省の御答弁と同じでございます。
○東中委員 公になっておる資料のみに基づいてそういう疑惑を言っておるのに——公開捜査というのもあるわけです。公になっておる資料に基づいてそういう嫌疑が濃厚になっておるというのに、なお捜査の秘密なんというようなことを言っておるとすれば、全く独断的な、じっと構えておるという感じを受けざるを得ないわけですが、いまの国税当局の、小佐野賢治についての名前をどうしても最後まで言わないという姿勢といい、非常に捜査当局の真相解明という点について重大な疑惑を持たれておるこの小佐野賢治に対する態度は私ははなはだ遺憾だということを申し上げ、できれば総理にそういう問題についての所見をお聞かせ願えればありがたいと思います。特定の人だけおいておくというのはおかしいですよ。
○三木内閣総理大臣 特定の人を擁護するというような必要は毫もありません。
○田中委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 三木総理に伺いますが、臨時国会の召集時期はまだ固まっていないということでありますが、少なくとも捜査の進行あるいは捜査終結、その絡みでは考えざるを得ないということでしょうか。
○三木内閣総理大臣 まあ、捜査の進捗状態等もにらみ合わして、これはもう早いにこしたことはないのですからね、積み残し法案の処理というものは。そういう非常に急がれている事情も踏まえて、時期については判断をしなければならぬと思いますが、まだこうやって捜査がいま核心に入ってきておるわけですから、もう少し捜査の進捗状態を見きわめて臨時国会の問題というものに対して判断をしたい、こう考えておるわけでございます。
○坂井委員 そうしますと、捜査の進行というのは相当念頭に置かれておる。 総選挙ですが、任期満了による選挙、それから解散選挙、いずれを総理は想定されていますか。
○三木内閣総理大臣 まだ解散のことは全然頭に考えておりません。これはどうせ本年やらなければならぬですけれども、いまはもうロッキードの解明、それから積み残し法案の処理ということで頭がいっぱいでございます。まだ解散を具体的に考える段階には至っていないわけでございます。
○坂井委員 まあ、考えないではないけれども、いまの段階では言えないということでしょう。 そこで伺いますが、今日まで証人喚問を続けながら、当委員会が精力的に取り組んできたと思うのですが、この証人喚問が政治的道義的責任の究明及びいわゆる捜査当局の刑事事件としての立件に対して役立ってきた、そういう認識、評価を当然されておりますね、総理は。
○三木内閣総理大臣 確かにいわゆる国会の証人喚問の場合の発言で偽証というようなことで検察当局が逮捕をしたというような事例もございますから、役立ってきた面も私はあると思います。
○坂井委員 大いにあったと思っておりますが、ただ、今日の段階に至りまして、国会議員を含む証人喚問については捜査に支障を来すのではないかという、そういう考えが総理はやはりあるようでありますが、一体なぜ捜査に支障を来すのか、さっぱり国民は納得できないと思う。具体的に何が捜査の妨害になるのか、総理はどうお考えになりますか。
○三木内閣総理大臣 一つは、捜査の段階がいろいろ段階があるわけですからね。いま非常な核心に入ってきておることは、これはだれの目にも明らかです。そういう段階でやはり証人喚問でいろいろ発言をするわけですから、証人はやはり証言を拒否することはできぬわけですから、いろいろな発言をしますと、また個人に対していろいろ参考人としてでも事情を聞かれる場合、どうしても公の場で発言をすると、そのことはその後の調査に対して非常にやはりそれにこだわることになりますから、したがって実際の捜査の場合において全然支障がないとは私は言えないと思いますね、公の場で言うわけですから。また公の場で言うのと個人の場、個人で調べられる場合との場というものも心理的に違いもあるでしょう。そういうことで、捜査当局がこういう核心に入った段階だから少し時間的にずらしてもらえないだろうかということは理解ができるわけでございますから、そういうことで御理解を願えればありがたいんだ、こう申しておるわけでございます。 しかし、国政調査権はやはり国会の持っておる重大な機能でありますから、これはいつまでもそういう状態に置けるわけではないわけですから、少し時期的に延ばしてもらえないかということだけを申しておるわけで、証人喚問という国会の機能に対して、これを軽視したり否定したりする考え方は毛頭ないわけです。ただ、そういう事件の捜査段階からして、そういうことを御理解願えまいかと言っておるのでございます。
○坂井委員 総理、いまお述べになったことは私は実は具体的な理由としてはもっともだとは言えないのです。反論はいっぱいあります。ありますが、あえてそれはさておきまして、この国会と捜査はまさに車の両輪だと総理もおっしゃった。私もそうだと思う。この両者というのは相侵さない立場で、それぞれマイナス面が全然ないとは言えないと思いますね。でき得る限りそういうマイナス面を排除しながら、まさに両々相まって、それぞれが異なる真相解明に向かって進むというが本来的なあり方でなければならぬと思う。時によっては捜査優先、国会は後回し。あるいは法務大臣の主役、わき役論じゃありませんが、やはりそういうところに本音の辺がちらりとのぞいているのではないかという気が実はしてならぬわけです。 そこで、その議論はさておきまして、先ほど総理が言われましたが、いわゆる重要参考人の取り調べが一段落した段階、重要参考人には政治家を含みますか。同時に一段落する段階、その時期は一体いつごろと総理はお考えなんでしょうか。
○三木内閣総理大臣 これは私から申し上げることは少々無理があると思いますね。これは鋭意検察当局でやっているわけですから、これがいつの段階で重要と思われる参考人としての取り調べが済むかということは、ちょっと私から予測することは控えたいと思います。
○坂井委員 一段落というのはさっぱりわからぬ。ですから、ぎりぎり捜査終結ということじゃないか。それまでは証人喚問ができない。つまり真相解明のための当委員会が全く機能できない、空白状態、休戦、こういうことになりますか。
○三木内閣総理大臣 これはやはり国会としての権能を持っておるわけですから、御理解を願えればありがたいということで、国会としてこれの判断にまつよりほかにはないわけですが、これはやはり捜査というものにも一つの段階があるわけですからね。こんな状態がいつまでも続くわけではないわけで、一応の捜査の重要な段階が過ぎれば、当然に証人の喚問というものはあってしかるべきです。そういうことで、一応のいまの捜査段階の場面というのは、もしも両方に、一方においては国会の証言、一方においては関係者として取り調べを受ける、両方が一緒になるような場合があった場合にはなかなか支障を来す場合も起こるのではないかなという感じが私自身もするわけでございまして、御理解を願いたいと申しておるわけでございます。
○坂井委員 じゃ、議会の子をもって任ずる総理ですから、認識論として、このいまの時期で、今日の段階で証人喚問をストップするということは、一方においては国民の知る権利がありますね。特に憲法十五条、これは公務員の選定、罷免については国民は固有の権利を有する。そのための情報提供ということは必要ですね。いま国民は知りたい。この事件の真相解明への当委員会における証人喚問、これによってもたらされるところの情報、これを知り得たい。権利がある。憲法上保障されているわけです。それが一時的に中断される。知り得ることができない。このことに対して総理はどうお考えになりますか。
○三木内閣総理大臣 いや、そういうことにはならぬでしょう。一方において捜査当局の真相解明というものは何らの拘束なしにやれるわけですからね。これでやはり真相を解明したいという国民の願望にこたえるわけですからね。だから、何も中断されるというようなことにはならぬ。一層に真相解明という国民の願望に向かって法律的な責任の追求の手はやはり非常に進んでいっておるということですから、ある時期を限ってということでなくして、全体、ロッキード事件の真相を解明したいというのが、国会と検察当局との目標は一緒ですからね。そういう場合に、おのずから両方の、国会の場合と検察当局の場合といろいろ調査をしておる段階がありますからね。いま捜査当局の段階が非常に核心に入ってきておる段階だから、この時期を少しずらしてもらえば捜査当局というものも何らの障害なしに捜査に専念できるということだけでございまして、国民の知る権利に対して重大な障害を与えるということには私はならぬと思います。大きく言えば、結果的には真相の解明に対して国民の願望により一層こたえるということにも、この事件が解明された後にはなる結果にもなると思うわけでございます。
○坂井委員 まさに認識の相違だろうと思うけれども、国民の大多数は総理のようなお考えに立っていないと私は思うのですよ。いまの時点でいずれにしろ証人喚問をストップさせたということは、われわれからすれば、まさに国会が国民に対して約束をしてまいりました真相解明、そのことが一時的であれ中断をしたということは、みずから国民に対する約束を放棄するということにもつながりかねない。国政調査権が有効に機能し得ないという状態、これが総理のおっしゃる本当に捜査に支障を来すんだ、重要な支障を来すんだということであるならば、これはやはり具体的にこの支障の内容がなければならぬと思うのですね。さっき言われたようなことは、これはぼくは支障にならぬと思うのです。むしろ、真相解明のための当委員会の今日までの活動というものがやはり大きなプラス面をもたらしたのではないか、刑事捜査の上においても。そういう認識の方が一般的な国民にはあるということですね。私はそう感じております。 そこで、この議論をしてもどうもかみ合いそうにありません。少なくともこの事件の真相のいわゆる全貌を公表するということ、このことについてはできる限りということで、かなり後退されたような感じ、その点、さきの委員会ではそういう総理の答弁であったのですが、この公表については、起訴されるような特定の高官の公表というようなことはこれはもちろんのこと、少なくとも今度の事件に関係をしたそういう人たちも当然公表の対象になり得ますね。
○三木内閣総理大臣 いま私が申し上げることは、いまのこの捜査がこういう段階で、この事件の終了後にどのように真相を国民の前に明らかにするかということを、この者に対してはこうする、あの者に対してはどうするということを申し上げることは適当ではないと私は思います。 ただし、これだけ国民の疑惑を受けた事件でございますから、できるだけこの真相は明らかにされなければならぬと私は考えております。できるだけということはお気に入らぬようでありますけれども、やはり総理大臣といえどもその国の法制を踏まえてやらなければならぬわけですから、どんなむちゃくちゃなこともできるわけではないわけでございますから、それを申し上げたわけで、やはりこの真相は国民としても知りたいでございましょうし、できるだけ真相は明らかにされなければならぬと考えております。そういうことに対して私の責任を感じておることは事実でございます。
○坂井委員 アメリカのウオーターゲート事件の教訓に学ぶまでもありませんが、例のニクソン氏の法律顧問のディーン氏に対して、刑事免責まで与えて大統領の権限を守ろうとした。こういうところにやはり総理も、当初から、この事件が勃発いたしまして、まさに日本の民主政治の危機である、政治生命をかけてと、その決意に立つならば、少なくとも政治、道義的責任の解明ということはこれはきわめて大事なことであるし、同時に、このことがいわゆる腐敗行動そのものの解明であり、そこからやはり日本の民主政治体制というものの立て直しをしなければならぬのだ、少なくとも総理はこういう決意に立たれていらっしゃると私は信ずるがゆえにあえて申し上げているわけでありまして、ただ私は、ですから、今度の事件の真相解明に伴う公表はすべからく国民の目の前に明らかにすべきである、こういう考え方に立っております。 少なくとも、その疑惑を持たれる特定の人があるいは起訴されるそうした人たちだけが公表されて、あとはいいというようなものではない。それは総理の認識においても一緒だろうと思う。まあ、こうした腐敗行動の実態を明らかにするということは、先ほども述べましたけれども、国民の知る権利という点からしましても、そうした政治の腐敗行動を具体的に是正する方策が、国民が知り得てこそ初めてそこでまた講じられるのだ。これはやはり主権在民の大原則だろうと私は思うのですね。やはりそういう立場に立つべきではないか、こう思います。 そこで伺いますが、この灰色高官、灰色高官と言いますと、総理この間も文学的表現なんて言われましたけれども、私はあえて言いましたよ、いわゆる法律概念としてはなじまないが、いわゆる灰色高官、この公表問題ですけれども、灰色高官の定義につきましては、一般論としては法務大臣五つ挙げられたわけですね。で、総理御自身は灰色高官の定義についてはどうお考えになりますか。
○三木内閣総理大臣 私は灰色というのは実際よくわからないのですね、どういうことを言っているのか。新聞で使って、一般に非常に流行してきたのですが、だけれども、私はやはり、恐らく皆さんの言っておることは政治的な責任というようなことを非常に強く言っていられるのではないか。刑事上の責任は検察でやるわけですからね。政治的な責任というようなことで、その点に重点があるのではないかと思いますが、実際は灰色ということは私自身にもよくわからないわけでございまして、わからないものに私が定義をするということは困難でございます。
○坂井委員 わかりました。それでは灰色高官の定義とその範囲というものは、総理、これは国会で決めた方がよろしいでしょうね。どうですか。
○三木内閣総理大臣 まあ、これだけ灰色、灰色ということが国民の中にも非常に一般になじんできた言葉になっているので、灰色というものはこういうものを指すということが国会の中で明確になれば、これは真相解明ということに対して非常に有益であろうと思います。
○坂井委員 国会で決める方がよろしい、有益である、そうだと思います。 そこで、国会で決めたいと思いますが、その定義と範囲を決めまして、さて公表の方法ということになるわけですが、少なくとも、国政調査権に基づく議院証言法の活用による国会の判断と責任においてやはり公表をするという形が一番望ましいのではないか、実は私はそう考えるわけであります。裏返しに言いますと、政府あるいは捜査当局にいたしましても、この公表につきましてはなかなかやりづらい面があるだろう。あえて申しますならば、密室的な形の中で恣意的な判断というもの、取捨選択が行われるということも、過去の疑獄事件の例に学びましてそういう危惧もなきにしもあらずということでありまして、つまりこの公表につきましては、国会の責任と判断において公表する、この形が一番望ましいのではないか、またこのことが両院議長裁定の趣旨にも沿うのではないか、こう考えるわけでありますが、総理、いかがでしょうか。
○三木内閣総理大臣 ロッキード事件の真相は国民にできるだけ明らかにさるべきだと思いますが、どういう形の方が適当だということは、私はまだこれが適当だという自分自身の結論的な意見は持っていないわけでございまして、いろいろと御意見を私自身も承っておくにとどめたいと思います。
○坂井委員 いずれにしましても、われわれの方でその定義なり範囲、そして公表方法等については、私たちの責任によってつくりまして、そしていかなる範囲を公表するか、公表の方法等につきましては考えたいと思いますが、ただ一点ここで聞いておきたいと思いますが、議院証言法に基づきまして、国会がいわゆる刑訴法四十七条ただし書きによって要求をいたしました場合に、法務大臣が検察当局の資料提出あるいは証言を拒否する、それで結局は内閣声明が出されるというおそれが出てくる。この場合、そうした内閣声明は出さないということをここで確約いただけますか。
○三木内閣総理大臣 これは実際にそういう場面になって判断をすることでございまして、まだそういう事態に立ち至ってない捜査の途中でいろいろここで結論を申し上げることは、私は適当でないと思います。
○坂井委員 国会の責任と判断においてという前段があります。したがって、その場合に、いま申しましたような経緯の中で刑訴法四十七条ただし書き、資料が出てくる、みずからが、国会が判断いたします。その場合に内閣声明は出さないでしょうねと、こう申し上げているわけでありますので、少なくとも総理は、そういうことは断じてないとここで明言できますならば、総理の姿勢として首尾一貫をしておる、国民はこう受け取ると私は思います。しかし、いままだこのような段階でというようなことになりますと、一体どうなるんだろうか。かつてのあの造船疑獄のときの、あれは指揮権の発動でございますけれども、あのような形でやはりうやむやになるのではなかろうかなというような疑いを国民は持つでしょう。したがって、ここで総理として、そうした内閣声明は絶対出さぬ、それぐらいのことは国民にお約束されていいんじゃないでしょうか。
○三木内閣総理大臣 何もまだ具体的にそういう問題も起こってないのに、先にいろいろ私がそういう事態を実際問題として検討しなければならぬのかどうか。問題が具体化していないときに、私がなにはしない、かにはするというようなことを申し上げることは適当でない。問題が起こってきた場合の判断でございますから、いまそれを予測していろいろ申し上げることは適当でないと申しておるわけでございます。
○坂井委員 運輸省に伺いましょう。 一九七三年七月六日のいわゆる第三次改定合意書、これは児玉とロッキード社、この中にはロッキードあるいは全日空による大韓航空へのリース契約を得た場合に日本円十億円を支払う、こうなっておりますね。そこで伺いますが、全日空の所有するトライスターにつきまして、全日空から運輸省に対しまして、大韓航空ないし外国エアラインにリースしたいという話が持ち込まれたことはございませんか。
○松本説明員 お答えいたします。 そういう事実はございません。
○坂井委員 外国航空会社に機材のリースをする場合に、全日空が、この場合全日空トライスター、運輸省に対しまして使用計画の変更の認可をとります。通産省からは無為替の輸出承認を受ける、こういうことになると思います。一定期間のリースでありますから、いまのような承認、認可はかなり厳格であります。少なくとも第三次改定合意書に見られるリースということがうたわれるわけでありますけれども、そのためにはかなり政治的な配慮もしくは全日空に相当量の余裕機材がなければ、これはなかなかリースということはむずかしい。しかし、一方におきましては、第三次改定合意書には、明らかに全日空から大韓航空にリースした場合と明示されているわけであります。こういう契約がなされておる。したがって、その実行のための行為、工作がなされた、あるいはなされようとしていたというようなことについて、運輸省は御存じですか。
○松本説明員 先生いまおっしゃいましたような、全日空から他の外国航空会社等に対してトライスターをリースするというふうな話は私ども全く聞いておりませんし、またその事実もございません。
○坂井委員 コーチャン証言、「小佐野氏とは児玉氏と同様売り込み戦略を相談しました。どう売り込むか、だれに会ったらいいか、またそういう人たちに紹介してもらうとか、そういったようなことを相談しました。」二つ目、「児玉氏から小佐野氏への紹介で、私は日本にいる間に小佐野氏とは大変懇意になったのですが、大変役に立ちました。」三つ目、例の児玉に渡しました七百万ドルの一部を児玉氏が小佐野氏に支払ったのではないかかという問いに対しましてコーチャンが、「私はあったと思う。小佐野氏は児玉氏と一緒にこの仕事をやってくれたのですから。」と、こういう三つの重大なポイントになるコーチャン証言があります。 そこで、トライスターの売り込み工作にこれは大いに関係がある、このリースにも関係がある、実はこう見るわけでありますが、大韓航空関係のこのリースについていろんな働きかけがあった。この場合、小佐野氏は、申し上げるまでもなく全日空あるいは大韓航空の大株主であります。非常に強い発言力を持っておる。実は重大なこの点について関心を持っておるのでございますが、捜査当局もこの点にはきわめて重大な関心を持って捜査をされていると思いますが、いかがでしょうか。
○安原説明員 その点については、法務省当局は報告を受けておりません。
○坂井委員 では、そのことは後にしまして、もう一点申しますが、児玉宅でのスイス・クレジット銀行振り出しの小切手紛失分、これが五億円、この金が小佐野氏にあてたものとの一部の報道がございました。先ほどのコーチャン証言からも、小佐野氏の金の受領があったのではないか、児玉から当然小佐野氏に渡されたと思うという証言があります。もしロッキード社から小佐野氏が金を受け取ったとするならば外為法違反になる疑いが出てくる。こういう点についても捜査当局は関心を寄せて捜査をされておると思いますが、感触でも結構ですから、刑事局長から御答弁いただきたい。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、ロッキード社のわが国内におきます製造機の売り込みに関する不正行為の存否ということが捜査の対象になっておるわけでございますということを申し上げることによって、御理解いただきたいと思います。
○坂井委員 ずいぶん口が重いのですね。 先ほども出ましたけれども、小佐野氏の二月十六日の証人喚問での証言につきまして、私は偽証の容疑きわめて濃い、捜査当局、感触いかがですか、それも言えませんか。
○安原説明員 御明察のとおり、申し上げることができません。
○坂井委員 では、運輸省に伺いましょう。 問題なのは、なぜ第三次改定合意書の中に、全日空から大韓航空にリースした場合においても十億払うというような内容の契約が成立したかということであります。 そこで、この点につきまして最初に確認をしておきたいと思いますが、まず第一番目、運輸省はトライスター購入計画を四十七年の十月の三十一日に聞いた、これは先ほどの答弁のとおりですね。それから二つ目、四十八年二月十二日から四十八年三月二十六日の間に六機トライスター購入の是非について通産省から問い合わせを受けて承諾をした。三つ目、この六機の購入に当たって全日空から資料を取り寄せて説明を聞いた、遅くともそのときに運輸省はトライスター二十一機を購入する計画のあらましを聞いた、しかし、この時点では、二十一機購入は別問題としまして、そのうちの六機について輸入申請があった、これを検討してオーケーのサインを出した。これは確認だけで結構です。
○松本説明員 最初の六機分につきましては、四十八年の三月八日付で確認書を出しております。
○坂井委員 特に二十一機の話は、第三番目に言いましたけれども、購入する計画のあらましを聞いていますね。
○松本説明員 全日空が二十一機を一括して仮契約と申しますか、したわけでございますので、その時点において全日空が購入しようとしている機数は二十一であるということについての話は一応聞いております。
○坂井委員 二十一機の購入が多過ぎるということを指摘したいと思います。第三次改定合意書が、最初の分がロッキード社が大韓航空から新規L一〇一一、二機から六機の第一次確定発注またはロッキードあるいは全日空による大韓航空へのリース、こうなるわけでありますが、この最初の二機から六機というものと後のリースの分については深いつながりがある、こう見ております。実は私どもが調査をいたしました全日空の二十一機のうち七、八機やはり多い。これは内村証言においても確認をされました。 結論だけを捜査当局にお聞きしたいと思いますが、これは関心、持っていらっしゃいますね。多過ぎる機材……。
○安原説明員 いま御指摘のように、全日空としては多過ぎるじゃないかということが言われていることは私も承知しておりまするが、それを捜査の対象にしているかどうかは申し上げるわけにはまいりません。
○坂井委員 多過ぎるということを聞いておるという、大体わかりますが、それで理解しておきましょう。 そこで、当時の全日空が国際線への進出を非常に強く希望した。定期便、近距離であります。日中路線の実質交渉に入ったのが四十八年の二月二十一日でありますが、このときには、日航が独占している国際定期路線を開放して複数企業の運営体制を採用すべきである、こういう要望書を全日空が運輸省に出しておる。この二十一機導入計画を見ますと、一号機、二号機、七号機、八号機、これは国際線使用機ですね。そこで、その後、四十八年十一月の二十日、石油ショックが起こりました、最初の機材が入っている途中で。その際に運輸省は、各エアライン三社に対しまして、「石油及び電力の使用節減について」という趣旨で行政指導されましたね、文書で。
○松本説明員 おっしゃるような指導をいたしております。
○坂井委員 ここにそのときの行政指導の文書がある。確認いただくまでもないと思いますが、この中に「観光チャーター便の新規契約は、当分見合せること。観光チャーター便で既契約のものについても、利用者の協力を求める等により可能なものは極力運航を削減すること。」つまり大変な石油危機でありまして、便数等航空機の削減ということを強力に指導された。ところが、トライスターだけぽっと入ってきますね。次から次へ契約しまして二十一機、これは十八機までですけれども、その際は運輸省は黙って見ておったのですか。特に輸入許可も一時ストップになるはずだと私は思うのですが、七号機から一〇号機までこの四機、これが四十九年二月七日に輸入承認がされまして、次の一一号機から一四号機までの四機、これにつきましては四十九年の八月二十九日に輸入承認、これは通産省から運輸省に問い合わせがあったはずでありますけれども、この時期に運輸省は通産省に対して、結構です。そう答えたのでしょうか。
○松本説明員 航空機の輸入についての通産省からの問い合わせに対しては、先生おっしゃるとおりの返答をいたしております。支障ない旨の返答をいたしております。
○坂井委員 支障なかったのですか、全然。それでいいのですか。行政指導と矛盾しませんか。
○松本説明員 これらの航空機が日本の国内に入ってまいります時点、その時点におきますこれらの大型機の張りつけ、大型機を張りつけます路線の状況、それは少し先の話になってまいります。そういうことを踏まえましてこのL一〇一一そのものが直ちに、これが先生先ほど御指摘のチャーターにそれをそのまま使うという趣旨で入れているわけではございませんので、本来的には国内幹線及び主要ローカル線に入れるということの趣旨であるわけでございますので、そういう点を勘案いたしますと、さらにまた、全体の航空機の中で大型機を入れました場合には、それ相当の中型機と申しましようか、従来全日空が持っております727−200、こういったようなもののリースバックをするとか、そういうふうなことによって提供座席数をあんばいするということも可能でございますし、個々の張りつけにつきましてはその都度の事業計画で審査をしたい、こういう考えであったと思います。
○坂井委員 時間が参っておりますから急ぎますが、刑事局長、全日空の入りの分、先ほどもお話がありましたが、まだありますね。会計検査院もかなり検査されているようであります。いろいろと確認をいたしてまいりましたが、もっと入っているんじゃないですか、いま捜査のあなた方が公表された分以外に。いかがでしょう。
○安原説明員 たびたび申し上げておりますように、ロッキード社から入っている金の全貌の解明に努めておるわけでございますが、その中に、いま御指摘のようなことがあるかどうかは申し上げるわけにはまいりません。
○坂井委員 総理。あなた政治資金規正法に大変詳しい。今度政治献金も捜査の対象にされておる、結構だと思う。それで、選挙活動以外の政治活動として政治家個人が献金を受けた場合、政治資金規正法にかかりますか。たとえば、私がある人から、あるいはある企業から——余り大きな額言ったって始まらない、ピーナツ一個で百万円ですか、一億でもよろしい、現ナマでもらった。ポケットに入れた。政治活動に使わしてもらいます。これは政治資金規正法のどこに抵触しますか。しないと思う。これはどうしましょうか。
○三木内閣総理大臣 坂井君の方が私より詳しいかもしれぬが、よそから政治活動の費用を受ければ、届け出をしなければならぬものだと私は解釈する。
○坂井委員 個人、三木総理あなた個人、政治団体じゃないです。
○三木内閣総理大臣 福田自治大臣からお答えいたします。
○福田(一)国務大臣 ただいま御指摘のとおり、個人として受け取った場合には、政治資金規正法には届け出というかそういう問題は起きてきません。いまあなたがおっしゃったとおりです。これは法解釈の問題もありますから、詳しいことは政府委員から説明させます。
○三木内閣総理大臣 坂井君、今度の場合はそういうことはできなくなったことは御存じですね。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 改正前の政治資金規正法は、政治団体にかかる政治資金について規制をいたしておりまして、政治家個人についての資金については関知するところではありませんので、仰せのとおり、届け出その他についての規定はございません。 それから、改正後の政治資金規正法は、個人についての収入につきましても規制をいたしております。これは量的制限と申しまして、収入の額についての制限を規定いたしております。
○坂井委員 入るのはいいのでしょう。
○佐藤説明員 結構であります。
○坂井委員 終わりますが、ひとつ御検討ください。政治家個人に対しては、政治資金規正法の一つの盲点です。それで今度の場合、つまり金の流れの中で個人のふところに入った。団体に入った場合には、政治資金規正法に該当するならばこれはそれなりに規正法にひっかかって責任を問われる。しかし、個人に入った場合には問われない。その辺の絡みを今度の捜査の上でこれをどうしんしゃくし、判断するかという問題があろうかと思います。同時に、今後の新しい改正法によっても、これからの政治資金規正法の新しい問題点として十分これは研究される必要があるという点を申し上げまして、質問を終わります。
○田中委員長 永末英一君。
○永末委員 三木総理は先ほど捜査が核心に入ったと言われました。捜査が核心に入るということはどういうことですか。
○三木内閣総理大臣 御承知のように、すでに逮捕された者が十一名、その中にはロッキード事件に関連する会社などの最高の責任者も入っているわけですね。これに対して参考人として調査を受けた人が二百五十名ですか、こういうわけですから、したがって、ロッキード事件の解明というものがいよいよ捜査のやはり中心点に迫りつつあるということは常識的に私は考えられるのではないかということでございまして、ロッキード事件の真相解明というのですから、やはり入ってきた金の究明ばかりでなしに、それがどういうふうに使われたかという金の流れというものの真相解明ということが大事でございましょうから、入ってくる側の方の人はたいていの人がやっぱり強制捜査を受けたというわけですが、どういうふうに流れたかということが一方の方の問題点ですから、こういうものに対して解明が向かっていくということは、捜査の核心とも言えるのではないかと私は考えて、そう申したわけでございます。
○永末委員 いま総理は、金が入ってきた、その金がどう使われたかということがいよいよ捜査の中心になる段階だと言われた。別の言葉で申しますと、贈賄側の逮捕は大体山を越した、これから収賄側と目される人々の捜査に移る段階だ、こう言えるのではないかと思いますが、そう理解してよろしいですか。
○三木内閣総理大臣 まあ金の流れでございますから、やはり全部が贈収賄と言えるかどうかは別として、金の流れと言った方がやはり適当かと思います。
○永末委員 金の流れには違いございませんが、その中にはいわゆる収賄に該当するものもあり得るということは見てよろしいですね。
○三木内閣総理大臣 そういうこともやはり取り調べの問題になることは当然だと思います。
○永末委員 総理は、この当委員会にこれから証人喚問で出てくる人は、いまあなたのおっしゃった言葉をかりますと、その金を受けた人、こういう者だと疑われる人だと思いますか。
○三木内閣総理大臣 私は特定の人に対してどうこう言っておるわけではないわけです。一般論として申しておるので、そういう特定の人々に対してどうこうということは私は申していないのでございますから、その点は誤解のないようにお願いをいたします。
○永末委員 証人喚問というのは一般的な言葉です。しかし、当委員会といたしましては、いままでそれぞれの証人喚問をいたしてまいりましたが、総理の言葉をかりますと、要するに金の入りの方でございますね。先ほどから同僚委員も申しておりますように、新たに証人喚問要求している者の中には、いわば出の方に該当する者もございますし、関係のないと目される者もあるわけでございまして、したがって、一切の証人を当分忌避するということはおかしいではないか。すなわち、その中にはいろいろの種類の証人がおるはずであって、なぜ一体一切の証人の喚問をしばらく見合わせねばならないか、これは国民の立場から見ますと、きわめて理解に苦しむのである。したがって、私いま申し上げましたように、金の出の方に関係のあると目されないような人々の証人喚問は、これは委員会が一致すれば当然呼んでいいわけだと思いますが、いかがですか。
○三木内閣総理大臣 まあ一般的に私は申しておるので、個々については申してないことは先ほど申したとおりで、捜査がこういう段階でございますから、しばらく時期を延期していただくことが捜査当局の捜査を促進する意味において効果的だろうということを申しておるわけでございまして、それはロッキードの真相解明をうやむやにするという意図からは出てないのです。ただ、やっぱり物にはいろいろな段階がございますからね。いま捜査当局の段階がいよいよ重大な段階に入っておることは明らかですから、こういう時期でしばらく延期していただければ、捜査当局も何の障害もなしに捜査に専念できるということで申しておるわけでございまして、それは御理解が願えるのではないかと思うわけでございます。
○永末委員 あなたは五月二十六日の記者会見で、真相を知りたいという国民の要望には最大限にこたえたいという旨の発言をされました。この委員会でも同様の御意思を発表されておられます。さて、もし当委員会でこれから証人として喚問せられた人が被疑者になったという場合、証人を喚問しなかったので——われわれがしたいと言っている人が被疑者になれば証人喚問できませんね、もし被疑者になって逮捕され、起訴されますと。そうしますと、国会を舞台にして証人喚問という形式で国民が知りたいと思うことは、証人喚問の道を閉ざせば知り得なくなるという結果になります。これでいいのでしょうか。
○三木内閣総理大臣 国会の場合でも検察の場合でも、真相を解明するということが共通の目標ですから、国会だけで——国政調査権というのは刑事責任を追及する場ではありませんから、国民は刑事責任の追及をおろそかにしてくれとは思っていないんじゃないでしょうかね。国民とすれば、やはり刑事責任の追及ということは、国法に触れるわけですから、厳しく追及してもらいたいと思っているんじゃないでしょうかね。だから、そういう意味で、国民の知りたいという、こういう願望に対してこたえることを妨害するのではないかというふうには私は思わないわけです。両方が、側面が違うわけですから、両々相まって真相を解明してもらいたいというのが国民の願いである、こういうふうに考えておるわけです。
○永末委員 予算委員会から当委員会にかけまして証人として喚問せられた者が検察庁等の捜査によって被疑者として強制捜査の対象になり、逮捕されたという事例がたくさんございますね。そういう意味では国民は国会の役割りというものを高く評価しておると思います。したがって、いまあなたはなお両々相まってと両手を挙げられましたけれども、この証人台に立つ人は被疑者ではございませんでしょう。一個の人格者としてお立ちになるわけでございますから、それをしばらくやらせないことが果たして国民が願っていることだろうか。捜査は捜査の必要上、いつでも強制捜査に入られたらいいのであって、それがいつかわからないものを対象にして、それを頭に置きつつ、証人喚問を自民党として阻止するということは国民の考えているところと一致しないのではないでしょうか。もう一度お答えを願いたい。
○三木内閣総理大臣 私は必ずしもそうは思わないのです。やはりいま国民は刑事的な責任の追及——これは事件の真相解明の非常に問題の核心でもあるわけですから、これは徹底的にやってもらいたいということでございますから、できるだけ効果的に真相解明ができることを国民としても一番望んでいるんだと思うのです。もしこれをずっと先に延ばして、証人喚問をうやむやにするという意図があるならば言われるとおりでしょうが、そうでないのですからね。だから、ある一つの時期が過ぎれば大いに証人喚問をしていただいて、政治的な側面から責任の追及をやっていただいていいわけです。永末さんも、民社党との間の申し合わせなんかも御存じでしょう。河村さんもいられるが、第四条の中にもそういうふうな、段階を置いて一つのものを考えておるようなことがやはり必要でないでしょうか、物に段階があるわけですから。いま刑事責任の追及ということが一番重大な局面に来ておるわけですから。
○永末委員 あなた方とわれわれとの間の約束は、いわゆる政治上、道義上の責任を明らかにするために、起訴せられなかった者の公表について捜査の処理が終結した時点でやる、こういうことでございました。あなたがいま言われているように、捜査が何か山に差しかかったら証人喚問をやめるなんということは一切約束しておりません。——私も持っております。
○三木内閣総理大臣 それはそうです。証人のことでございませんが、やはり物には一つの段階があって、いまは捜査当局の捜査が非常に核心に入りつつあるということで、しばらく延ばしていただければありがたいんだと申しておるわけでございます。
○永末委員 総理その私どもとあなた方との約束は、そこに書いてあるとおり、政治的、道義的責任を明らかにするために国政調査権を働かそうという場合は捜査の終結する時点だ、こう申し上げておるのであって、いまのような証人喚問について、捜査があるところまでいったらやめますのだということは一切約束しておりませんよ。そうでしょう。お答え願いたい。
○三木内閣総理大臣 そのとおりです。
○永末委員 この政治上、道義上の責任を明らかにするために国民に事態を公表するということで、過般法務大臣は、公表する方法について二通りある、検事総長から法務大臣が報告を受けて公表する場合もあるし、法務大臣から総理大臣が報告を受けて公表する場合もあると言われました。あなたはこれら二つの場合のうちどちらをおとりになりますか。
○三木内閣総理大臣 先ほどお答えしましたように、事件が終結した後において真相をできるだけ国民に明らかにすることが必要だと思っておりますが、どういう方法が一番いいかということは、いま結論は持っておらないわけでございます。しかし、真相はできるだけ明らかにさるべきだと考えております。
○永末委員 政治的道義的責任の範囲でございますが、いま当面問題となっておりますのは、トライスターの導入に関する件、P3Cの導入に関する件でございますが、ロッキード会社がわが国において取引関係に入ってきたのはもっと年代が長いのでございまして、総理は道義的、政治的責任を問う場合に、どれぐらいの範囲だとお考えですか。
○三木内閣総理大臣 それは範囲というものは、なかなかこの問題でいつまでということは言えないと思います。国会においても相当前のこともいろいろここで論議されておりますから、何年から何年までというふうには言えないと思いますが、ロッキード問題に関連ということの大枠はあるでしょうけれども、年限を限ってこれからこれまでとは断定はしにくいと思います。
○永末委員 法務大臣に伺いたいのでありますが、全日空の社長がこれで勾留期間が延期をされましても、大体今月末で最大限の勾留期間が尽きてくると思います。また、檜山丸紅前会長は八月の五日か六日ごろ勾留期限が切れると思います。先ほど総理の言葉をかりますと、入る方が大体において終結——とは言われませんけれども、そういう段階から、出た方の捜査に入りつつあるが、これが捜査の核心であり山場である、こういう意味のことを言われました。だといたしますと、七月の月末、八月のきわめて早い段階までには出た方の強制捜査が始まると理解してよろしいか。
○稻葉国務大臣 それは永末さんのみならず国民の非常に関心を持つところでしょうが、それを私に言えと言っても、これは、そういう時期が重大な段階だとか、うっかり言えません。
○永末委員 重大な段階かどうかの質問は私が総理に申したのであって、その総理との質疑を通じて、強制捜査の対象になる質が変わってきつつある、だから捜査の核心だ、こう総理が申されたので、それをあなた聞いておられた。したがって、私はいま勾留期限の満期の数字を示して、それ以前にはその変わってきた人々に対する強制捜査へ行くのは理屈ではないかということを申して、あなたはこれに対してどう思うかと聞いているのだから、お答え願いたい。
○安原説明員 先ほど共産党の東中委員のお尋ねに対してお答えしたと思いますが、これからの捜査の見通しについて申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、永末委員せっかくの御計算は御計算として正しいと思います。
○永末委員 総理、この政治的道義的責任を政党として明らかにするということは私は必要だと思いますが、あなたの方では、次期総選挙の公認候補を最近決められようという動きがある。そして、いまのように、もし強制捜査を受けたという人は、公認から外しますか。
○三木内閣総理大臣 自民党はそういう人の出ないことを期待しておりますが、そういう場合に、もしもの場合の処置はまだ検討はいたしておりませんが、それは当然に、そのときその場合においては良識のある措置をすべきだとは考えています。
○永末委員 入りの方は大体においてわかってきたような話がこの委員会でも最近御報告があるのでございますが、公安委員長に伺いたいのでありますけれども、昭和四十八年一月三日、児玉譽士夫宅で盗難があったという届けが玉川署にございました。これはどういうものの盗難届であったのか、明らかにしていただきたい。
○土金説明員 お答え申し上げます。 四十八年の一月三日の盗難につきましては、旅行から帰宅し、その際携行していたアタッシュケースなどを一階八畳の間に置いてあったところを盗難に遭った、こういう届け出がなされておりますが、その被害届の内容は、現金三百六万円、それから書類入り封筒、金庫のかぎなどが入ったアタッシュケース一個が盗難に遭った、こういう届け出でございました。
○永末委員 捜査はされましたか。
○土金説明員 児玉より届け出を受けた玉川警察署におきましては、署長以下五名が現場に赴き、現場検分をしたほか、犯行手口等を検討いたしまして、同様手口の前歴者及び書類盗難事件の関連性等につきましても捜査いたしてまいりましたが、いまだ犯人の検挙に至らず、現在に至っている次第でございます。
○永末委員 その盗難されたアタッシュケースの中には、クレジット・スイス銀行発行の小切手が入っているという陳述はございましたか。
○土金説明員 そういう供述はございませんでした。
○永末委員 大蔵大臣に伺いますが、昭和四十七年の十一月の初旬以降、クレジット・スイスの発行いたしました小切手がわが国で換金された御調査はされましたか。
○藤岡説明員 この件につきましては、すでに刑事事件として捜査中と伺っておりますので、大蔵省といたしましては特にお答えするような立場にはないと存じております。
○永末委員 いわゆるロッキード事件が起こりました直後に、私たちはあなたの方に調査を依頼して、最初はもう山ほど持参人払い小切手があるからなかなかわからぬというような話でございましたが、調査はされたのですか。
○藤岡説明員 お答え申し上げます。 この件につきましては、二月にすでに捜査が始まっておりまして、私どもは外為法の規定によりまして、犯罪のための捜査はできないという立場になっておりますので、しておりません。
○永末委員 大蔵省が知らぬということになると、法務大臣ですか。この小切手につきましては、事実だけでいいのですが、国内で換金されたと見ておられますか。
○安原説明員 たびたびでまことに恐縮なんでございますけれども、やはりロッキード社から入った金の処分の問題として、まだ捜査中の段階でございますので、その点はひとつ御容赦願います。 ただ、盗難の小切手があったということの関連で、その見返りとして入りました、その後ドルのダウンによりまして四億四千万円相当のものにつきましてのクラッターからの受領につきましては、五月の十日ごろ児玉を外為法違反で起訴したということは事実でございます。
○永末委員 ファーガソン裁定が出ましたが、法務大臣、わが国はこの裁定に応じたのですか。
○稻葉国務大臣 応じたという意味はむずかしいですが、普通一般の用語として、応じたかっこうになっておりますね。
○永末委員 この裁定は、いわゆる最高裁のオーダーないしはルールをもって法的に相手方の免責を何か規定するものをつくれというがごとき意味のものなんですね。もしそれがわが方でできるのならこれは応じるということもございましょうが、先ほど話を聞いておりますと、よくわからぬのでもう一遍聞きに行くというのでしょう。聞きに行かなければわからぬようなものを応じたのですか。
○稻葉国務大臣 だから、応じるということの意味がむずかしい、こう申したのですね。私が一般の常識として応じたかっこうになっておるということはそういうことで、わが国の法制上許されるかどうかひとつ御検討をお願いしたいというふうに最高裁に申し上げた。こういうのを応じたと言えば応じた、疑問を持っていてまだ応じるか応じないかわからないと言えばわからない。だから、応じたようなかっこうだというのは、そういう諸般の事情を申し上げたわけです。
○永末委員 これはよその国の裁判所がいわゆる裁定を下したのでございまして、われわれは主権国家でございますから、両国間にかかわることは、これは何らかの国際的取り決めがあり、その取り決めに基づいて行われることであるならば、これはスムーズに流れましょうが、過般の司法取り決めの中でこのことは含まれていると見ておられますか、そうでないと見ておられますか。
○安原説明員 先般の実務取り決めの第七項で、この司法共助の点については、双方の政府当局がその実現に最善の努力をするものとする、という努力目標ということで実務取り決めはいたしておりまするが、基本的にかような司法共助が証人喚問の嘱託でできるかどうかということは、それぞれ、わが国では司法共助法という法律がございますし、アメリカにもその趣旨の法律がございまして、その法律の運用として行われるわけでございまして、目下のところは、その司法共助するということ、そのことの双方の国に条約がございませんけれども、いわゆるレシプロカルといいますか、相互主義の保証のもとにやるという体制になっておりまして、アメリカ政府も相互主義の保証のもとに今回これに応じたということでございます。
○永末委員 そういたしますと、この前の共助取り決めの第七項によって、すでにあちら側が裁決をすれば当然事項としてわれわれがやらねばならぬということではなくて、相互主義で、まだこれからの問題、こういうことですね。
○安原説明員 御質問の趣旨を正解しているかどうかちょっと自信がございませんが、司法共助、すなわち証人尋問の相互にやることが義務づけられているかと言えば、相互主義の保証のもとに行われておるわけでございますから、今回アメリカに相互主義の保証のもとにお願いした以上、アメリカからも同種の依頼があれば応じなければならないという関係でございます。
○永末委員 明治三十八年三月十三日法律第六十三号外国裁判所ノ嘱託ニ因ル共助法というのがございますが、その第一条ノ二、六項に、相手方からそういう嘱託があった場合には、同じことを相手方にもさせろ、こういう項目がございますね。そうしますと、われわれが、いままでは法律上ない刑事免責の何らかの手続をこれからやろうとしているわけでございますが、それをやった場合には、そのことと同じことをアメリカにも要求するという御趣旨ですか。
○安原説明員 相互主義の保証は、それぞれの国の法制の範囲内において証人尋問するという保証があるということでありまして、その国の法制を超えたことまでをお互いに相互主義で保証しているものではないというふうに考えております。
○永末委員 この相手方の裁定を見ますと、いわゆる事実上ということとは別に、法的にやれということを言っておる。そうしますと、わが方の起訴便宜主義は、刑事訴訟法で明定しておりますものは、いわゆる検察官の行政行為としてその裁量に任せられておるわけですね。言うならば、アメリカ側の言葉をかりれば、事実上の行為としてやる、こういうことでございまして、そうしますと、一体これを上回る法律的なもの、何ものかを求められているとお考えですか。
○安原説明員 その点がまさに明確にされなければならない問題だと思うのです。それで、あくまでも今度の証人尋問はアメリカの法律の枠内において行われたものであると理解しておりますので、そういうアメリカの法制の中でああいう裁定というものがどういう意味を持つのかということがまさに明確にしなければならない点でございますので、先ほど最高裁御当局から御答弁のございましたように、その辺の疑問点を含めて係官を派遣して、そこをクラリファイしたいという御意思のように承っております。
○永末委員 これから、先ほど最高裁の刑事局長のおっしゃるように、相手方の意思をもし確かめるということになりますと、きわめて時間がかかる。そうしますと、やっとこれによって手続が終わり、そうしてあちら側であとこれから行われる二人の証人の嘱託尋問が終わって、そしてそれをわが方で使おうとする場合には、起訴には間に合いませんね。公判で使おうという意味ですか、起訴にも使いたいのですか。
○安原説明員 一人コーチャンという人の証人尋問は終わったということでございますが、あとの二人につきましては手続上の異議の申し立てがございまして、さしあたりチャントリー・コミッショナーは二十六日にその二人について証人尋問を開始するということを裁定されたと承っておりますので、私どもといたしましては、でき得るならばその証人尋問が終わるまでには何らかの対応策が見出されて、そういう尋問調書が入手できるようにということを期待しておるわけでございます。
○永末委員 その尋問調書を入手して起訴に役立てたい、こういうことですか。
○安原説明員 そういう願望を持っております。
○永末委員 これは最後の質問でございますが、いわゆる免責という言葉が使われておりますけれども、免責というのは、相手方がその証言をすることによって刑事訴追されないというのが普通の考えだと思います。ところが、この前の委員会でわが党の河村委員が質問いたしましたときに、あなたのところの課長は証拠の禁止ということもあり得るという言葉を使いました。われわれの理解しておるところでは、証拠に使いたいからこの証言を求めておったのだと思いますけれども、これは一体、いま何らかの法律上の法的な措置ということを言っておりましたけれども、証拠の禁止をすれば、それで相手方が満足するかのような答弁に聞こえたのですが、この辺の見解を明らかにしていただきたい。
○安原説明員 いわゆるアメリカの訴追免除の制度というものの範囲はたしか一八五〇年ごろから始まっている制度でございまして、ときには永末委員御指摘のように、その人間に対しての不起訴の特権を与えるということであったときもあるようでございますが、その後の判例の変遷を重ねまして、現在の制定法では、先ほど申しましたように、証拠禁止、そのことについて自分が罪を、訴追を受けるおそれがあるということを主張して証言を拒否した場合に、おまえの証言を用いては、いかなる刑事事件においてもその証言を不利には使わないよという限度にこのイミュニティーの範囲はとどまるのだというのが現行の制度だというふうに聞いておりますので、そういう意味で先般私どもの刑事課長が証拠禁止の限度の効果しかないのだということを申し上げたのであると思います。
○永末委員 いまちょっとこれだけ確認しておきたいので委員長、お許し願います。 それはアメリカ国民がアメリカ国内においてイミュニティーの制度に乗る場合に起こり得ることでありますが、今回のわれわれが嘱託尋問をやっている場合には、この委員会でも法務大臣は証拠として使いたい旨の答弁をされたと思うのである。それを使わないという意味ではございませんね。だから、この嘱託尋問で調書を手に入れた場合にどうするのか、もう一遍お答え願いたい。
○安原説明員 本人以外の者の刑事事件の立証には使える、本人のためには使えない、こういう意味でございます。
○永末委員 終わります。
○田中委員長 それでは、来る二十一日、水曜日午前十時から理事会、十時三十分から本委員会を開きます。 本日は、これにて散会をいたします。 午後五時十九分散会