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77回国会衆議院1976/05/24

ロッキード問題に関する調査特別委員会 第2号

発言数
172
登壇者
9
会派数
5
開催日
1976/05/24

会議録

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  請願の審査に入ります。  本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  審査の方法についてお諮りをいたします。  各請願の内容につきましては、文書表によって御承知のことと存じますし、先ほどの理事会で御検討をお願いいたしましたので、この際、各請願について、紹介議員からの説明の聴取等は省略し、直ちに採決を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中第一六九ないし一七二の各請願は、いずれも採択すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。  なお、残余の請願は、いずれも採否の決定を保留いたしたいと存じますので、御了承を願います。  ただいま議決をいたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、ロッキード事件の真相究明に関する陳情書外二件であります。念のため御報告を申し上げます。      ————◇—————

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りをいたします。  ロッキード問題に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。  この際、午後五時より委員会を再開することとし、暫時休憩をいたします。     午前十一時十五分休憩      ————◇—————     午後四時四十七分開議

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。  ロッキード問題に関する件について調査を進めます。  この際、稻葉法務大臣の発言を許します。稻葉法務大臣。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 この機会に、ロッキード事件の捜査状況について要点を申し述べます。  第一は、捜索、差し押さえの実施でありますが、東京地方検察庁は、警視庁、東京国税局と緊密な連絡のもとに、去る二月二十四日、児玉譽士夫に対する所得税法違反により、同人の自宅など十一カ所の捜索、差し押さえを実施し、自後三月十三日までの間に合計約七千九百点の証拠物件を差し押さえました。  なお、二月二十四日の後に三回にわたり捜索、差し押さえを実施しておりますが、これらはいずれも補充的なものであります。  第二に、本件関係者の取り調べについてであります。  東京地方検察庁は、二月二十四日ロッキード事件捜査本部を設置して以来、本部長である検事正の指揮のもとに、検事二十八名、検察事務官六十名が捜査に専従しておりますが、これまで取り調べた本件関係者の総数は百八十名を超えており、その範囲は児玉及びその周辺関係者、脱税及び外為関係者、丸紅その他の民間及び官庁関係者に及んでおります。  児玉の病状は、本件捜査に着手した二月時点に比して特に悪化しているとは言えませんが、主治医である喜多村教授の診断では、脳梗塞後遺症により引き続き安静加療を保持する必要があるとのことであります。  児玉の取り調べは、約二十回にわたり、医師立ち会いの上、休憩をはさんで短時間行っております。  第三に、告発及び起訴でございますが、東京地方検察庁は、三月十三日東京国税局より児玉の所得税法違反の事実につき告発を受け、即日同人を東京地方裁判所に公判請求をいたしました。  公訴事実は、昭和四十七年分の実際総所得金額が約十一億八千五百万円あったのに、総所得金額が約四千三百万円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もって約八億五千万円を脱税したというのであります。  第四に、実務取り決めの締結について申し上げます。  政府は、三月十二日フォード大統領の返書を受け、その趣旨を理解し、これにより米国側資料の提供を受ける旨の閣議決定を行い、これに基づき法務省をして米国司法省との間で米国側の資料入手のための具体的取り決めを行わせることにしました。  そこで法務大臣は、三月十五日法務事務次官鹽野宜慶、法務省刑事局刑事課長吉田淳一外一名を米国へ派遣し、米国司法省と右取り決めのための折衝を行わしめた結果、三月二十四日右取り決めが締結されました。  第五に、米国側関係資料の入手について申し上げます。  検察当局は、法務省と米国司法省との間で締結された前記実務取り決めに基づき米国司法省から関係資料の提供を受けるため、四月五日河上和雄、東条伸一郎両検事を米国に派遣し、両検事は同省から関係資料の提供を受け、同資料は田山太市郎特捜資料課長らが空路で運搬し、同月十日これを検察当局が入手いたしましたが、その後も数回にわたり資料の提供を受けております。  なお、右資料の大部分は、約十回にわたり警視庁に提供されております。  第六は、児玉の追起訴について申し上げます。  東京地方検察庁は、五月十日警視庁より児玉の外国為替及び外国貿易管理法違反の事実につき送致を受け、即日同人を東京地方裁判所に公判請求をいたしました。  公訴事実は、昭和四十八年五月中旬ころから同年六月中旬ころまでの間に、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして現金合計四億四千万円を受領したというものであります。  第七、現在の捜査状況について申し上げます。  東京地方検察庁においては、現在東京国税局と協力して児玉に対する昭和四十八年及び同四十九年分の所得の脱税容疑、並びに警視庁と協力して児玉、丸紅関係の大久保利春及び伊藤宏に対する外為法違反容疑について捜査中でありますが、今後国外からの資金の流入状況はもとより、国内に流入した資金についても、その全貌を解明すべく全力を挙げております。  そのためには、国内捜査はもとより、米国に居住する重要関係人の供述を得ることが必要であるため、四月二十九日東京地方検察庁堀田力検事が右関係人に対する事情聴取や司法共助等に関する準備活動のために渡米し、五月十四日帰国いたしております。  第八に、今後の見通しについて申し上げます。  東京地方検察庁では、今後、国内に流入した資金の使途を解明し、その過程において贈収賄その他の犯罪行為があれば厳正公平な立場で捜査処理を行うべく鋭意捜査を継続中であり、私は検察当局の捜査処理に全幅の信頼を置いており、この事件については、国会の終了に当たり、特別委員会の委員各位に対し厳然たる決意をもって臨むことを表明し、私の報告を終わります。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 法務大臣の発言は終わりました。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 質疑の申し出があります。順次これを許します。まず大橋武夫君。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 当委員会は、院議によりましてロッキード事件の徹底的究明を目的として設置せられたるものであります。  政府はかねてから本問題の究明については熱意を持って努力する旨言明されております。私は、もとより当然の次第と考え、これを信ずるにやぶさかではありませんが、本日、当委員会審議の劈頭に当たりまして、特に責任大臣たる稻葉法相のロッキード問題捜査処理についての所信をお伺いしたしたいと存じます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 本問題は、衆参両院に特別委員会を設けられるほど重大な国民の関心事でございますから、事件発生以来私は捜査当局を一般的に指揮する責任大臣として、厳正公平はもとより、特に事案の性質にかんがみ、不偏不党、党せず偏せず濶達にやってもらいたい、それから余りにも気負うて功名心などに走ってはいけません、冷静沈着にやりなさい、こういうことを申しました。いまでもその決意に変わりはありません。今後もそういう態度で臨み、特別委員会の皆さんの御期待に沿ってまいりたいという所存であります。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 新聞等の報道によりますると、法務大臣は国会の会期終了後、五月二十五日に記者会見においてロッキード事件の中間報告を行う旨が伝えられております。その真意はいかがなものであるか、この機会に奉りたいと存じます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 その伝えられた新聞報道なるものは、私の真意に沿いません。不満足であります。私がかねがね法務委員会等でこれの御質問を受け、いつかは、国会の終了する段階にはどの程度に捜査が進んでいるか、それからこれに臨む法務大臣の決意の表明等当然あってしかるべきではないか。中間報告というお言葉でしたけれども、そのときはですね、それは中間報告という意味はよくわかりませんけれども、とにかくこれだけの重大関心事に、国会が終わるのにうんともすんとも責任大臣の意思表明がない、そういうことでは国会に対しても御無礼であり、国民に対してもまことに礼儀に失するように思う。しかしそういう機会がなければ、ちょうど定例の記者会見が閣議後ありますから、二十五日の閣議後の記者会見が最初でありますから、その際にでも申し上げるのが一つの方法かな、こういうことを申し上げたのであって、国会においてこういう機会を与えられましたことは私の非常に満足とするところであります。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 ロッキード事件は、日米両国にまたがる国際的な性格を有しておりますので、その捜査は性質上種々の困難を伴うことはもとよりであると存じます。  そこで、現在までのアメリカ側の協力態度はいかがなものでありますか。またアメリカ側関係人に対する事情聴取、また司法共助の見通し等について御所見を伺いたいと存じます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 詳細は刑事局長に答弁をいたさせますが、概観的に見て私の感触は、アメリカは非常に協力的である、こちらもしっかりやらなければいかぬという概観を持っております。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 いま大臣の申されましたように、資料の入手につきましては、先般取り決めました実務取り決めに従いまして、先ほど大臣から御報告のございましたように、数回にわたりまして資料を連邦司法省から入手しております。そしてその資料はそれなりに価値のあるものと考えております。  それからあと司法協力の問題といたしましては、何と申しましてもこの事件の特質上、重要な関係人がアメリカにいることは事実でございますので、そういう人々から事情を聴取することが捜査の方法としてきわめて有効適切でございます。そういう意味におきまして、そういう人たちから事情聴取したいということにつきましては、アメリカ連邦司法省としては、この事情聴取に応ずるかどうかはその関係人の自由意思でございますが、その自由意思に基づくことでございまして、連邦司法省としても強制をするわけにはまいりませんが、そういう面接が実現するように側面から協力するという体制でおるわけでございます。  また問題の司法共助、これはいま申しました面接が実現いたしません場合に、刑事訴訟法に基づきましてその証人の尋問をわが国の裁判所からアメリカの裁判所に嘱託することでございますが、この点につきましては、裁判所間のことでございますので、直接にアメリカ政府は責任を持って実行するわけではございませんが、そういう司法共助の実現についてもできる限りの最善の努力をするということで、取り決めにもございますし、事実上、先ほど大臣から申されました下準備のために参りました堀田力検事に対しまして、そういう証人尋問の実現についても司法省、政府として大いに協力するという体制であります。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 先ほど大臣から、今後の捜査の見通しについて承ったのでございますが、この段階において詳細なる事項について御説明いただくということはもとより困難であろうと思います。しかしながら、この事件に対する国民の関心の大きいことから考え、また国民の要望もあることを考えまするというと、この機会にできるだけの範囲でさらに詳細に御説明をいただければ喜ばしいと存じます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 国民を代表せられる国会議員の皆さん、特にロッキード問題調査特別委員会の委員の皆さん等もちろんであります。国民全体もですね。適正かつ迅速に決着をつけろという御要望のあることも人一倍私はわかっておりますし、そういう点について、人の子でありますから非常に焦燥を感ずる。そんなことではいけないのかもしらぬけれども、そういう点もございます。だがしかし、問題は日米両国にまたがる国際的なスキャンダルですから、なかなか重大事件であると同時に難事件である、こう存じまして、ただいまのところは鋭意捜査を見守っており、そして私の感じでは、捜査は相当進んでおる、いいところまでやってきたな、こういうふうに感ずるわけでございまして、きっと皆さん方の御期待にも、国民の期待にも沿えるものである、またそうしなければならぬというわけでございますが、問題は、碁の制限時間みたいに何時間なんということで、そういう終点を決めてやる性質のものではありませんから、大体いつごろまでは片づくでしょうなどという見通しを申し上げるわけにはまいりません。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 終わりました。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 大臣、いまのあなたの報告を聞いておりまして、捜査は順調に進んでおるというふうに理解してよろしいわけですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 順調に進んでおると御理解あって結構でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、順調に進んでおる、何を目指して順調に進んでおる——言うまでもなく国民の期待しておるいわゆる贈収賄事件を目指して捜査は順調に進んでおる、こういうふうに理解してよろしいですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 御説のとおりでございます。本日初めて公式に、第八の項目で、今後の見通しにつき、その過程において贈収賄その他の犯罪行為があればと、贈収賄という言葉を正式に法務大臣の口から委員会に対して申し上げたのは本日が初めてであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 贈収賄というと、公務員が職務に関することでなければなりませんね。ロッキードの関係で、たとえばトライスターの導入に関連して言うと、その所管官庁はどこになるわけですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 そういう専門的なことになりますと、正確に——間違うとまた問題を起こしますからな、安原刑事局長に答えさせます。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 いま大臣は、贈収賄に向けて順調という言葉を申されましたが、もう少し正確に現段階を申し上げますならば、アメリカから入手した資料と、それから国内調査の関係で得た資料をもとにいたしまして、綿密、詳細な分析を行いつつあるわけであります。その結果といたしまして、国内に導入された資金と、その資金の使途を解明するという意味におきまして、使途の解明に向かって順調に進んでおるということでございます。その使途の解明から、いま稲葉委員の御指摘の、何びとかの贈収賄に結びつくこともあり得るという意味において、使途の解明から続いて贈収賄の解明ということに相なるわけであります。いまの段階は、まだ使途の解明に向かって順調に進んでおるというふうに御理解いただくのが正しい現在における捜査状況かと思います。  それから、いまのトライスターの導入に関して公務員に贈収賄ということが成立するとすれば、その関係官庁はどこかというお尋ねとすれば、それは運輸省の関係ということに相なるというふうに思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、わかっておることですけれども、PXLの場合はどこですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 仮定の御質問でございますが、PXLというものは防衛庁の購入する飛行機の関係でございますので、直接には防衛庁の関係ということに理論的には相なると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 なぜ私がそういうふうに聞くかというと、大臣あなたのいまの報告みたいの中に「官庁関係者」と書いてあるから。だから官庁というのは一体どこなんだろうということを聞くために、いまのぼくの質問が出てこないと答えは出てこないでしょうが。そうでしょう。ぼくの言うこと無理はないでしょうが。そうすると、いまあなたの言われた官庁関係者というのは、運輸省並びに防衛庁の関係者を含んでおる、だれでもこういうふうに常識的に理解しますね。あたりまえでしょう、私の言うのは。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あたりまえでございましょうな。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、官庁関係者というのは、いまわざわざここに官庁関係者とあなたが挙げられましたね。これはどういう意味で言われたのですか。私が言ったように、運輸省と防衛庁の関係者を含んでおる、こういうふうに理解してよろしいでしょうね。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 そのとおりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 捜査が順調に進んでいるということは、当初の段階では実務の担当者を調べるわけですね、だれが見てもね。その段階は一応終わって、それより上の人の取り調べにすでに入っておる、こういうふうに常識的に見られるのではないんでしょうか。私どもの入手した情報では、名前は申し上げませんけれども、相当上の人をすでに調べておるということが伝えられておるのですけれども。実務担当者、一番下のクラスですよ、大臣。一番下の人じゃなくてもっと上の人を当然調べているからこそ、捜査は順調に進んでいるということになるわけでしょう。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 必ずしもそうではございませんで、先ほど申しましたように、資金の導入とそれから資金の国内における出の関係、処分の関係というものについての解明の方向に向かって進んでおるということを申したのでございまして、贈収賄の関係まで具体的に進んでおるという段階ではないわけでございまするから、必ずしも御推察のように上部の者を調べておるということにもならぬと思いますが、いずれにいたしましても運輸省、防衛庁の関係の人を調べておるということの御報告を申し上げることで、現段階においては御猶予を願いたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 なぜ官庁関係者という言葉をあなたはわざわざ使ったわけですか、この中に。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 百八十名の中に官庁関係者もおるから、官庁関係者という言葉を使ったのです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、その官庁関係者というのがどの程度のクラスの人であるか。私どもの聞いている範囲では、相当な上の人を調べておる、それは参考人か被疑者か知りませんよ、調べておるというふうに伝え聞いておるのですが、そういうふうに聞いてよろしいでしょうか。下の者もいるかもしらぬけれども、上の者もいると。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 下とか上とか中くらいとか、どういう標準で言われるか知らぬけれども、いろいろあるでしょうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 いろいろあるということの中で私は私なりに理解いたしますが、そうすると、その百八十名の人はこれは純然たる参考人ですか。あるいはこの中に将来被疑者としていくかもわからない人も含まれておるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 それもいろいろあると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 いろいろあるというのはどういう意味なの。もう少し誠意をもって回答しなければなりませんね。だから、そうすると、そういう人も含まれておるというふうに——含まれておるというと誤解があるかもわからぬから、そういうことが含まれることもあり得るというふうにお聞きしてよろしいでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 将来のことは存じませんが、現段階におきましては参考人としての取り調べでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、アメリカへの嘱託尋問、司法共助の第七項ですか、これをするときには当然、いつどこでだれがこういうふうな金銭をこういう趣旨で受け取ったということの条項を含めて尋問事項を書いて嘱託しなければなりませんね。これは間違いないでしょう。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 御指摘のとおり、証人尋問を嘱託する場合においては、捜査途中でございますが、ある程度被疑事実を特定する必要がございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、その被疑事実の特定というのはどの程度になるわけですか。それをいま話すことはぐあいが悪いということ。どうなの、それ。大丈夫よ、その程度話したって。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 稲葉委員御明察のとおり、その内容を申し上げるのは、いまそういう段階ではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 内容を申し上げるのはいまの段階じゃないとしても、その行われる段階というのは、捜査が相当進んで、もう終末とはいかぬけれども相当それに近い段階に進んだときであるというふうに判断してよろしいでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 それはその捜査の相当進んだというのは、容疑が固まりつつある段階であるのか、容疑を生じた段階であるのかということになれば、その程度はいろいろございましょう。しかしながら、相当進むというのはどういうことか知りませんが、いずれにいたしましても嘱託をする以上は、被疑事実を特定する程度に裁判官に疎明をする程度の容疑は生じておるということにはならなければならないということが理論でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、現在の状況で贈収賄が立件できる見通しが今日までの捜査でできておるんですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 これまた先ほど申し上げましたように、現段階で申し上げられることは、資金の使途についての解明に向かって進んでおるということでございまして、贈収賄の容疑が生じつつあるかどうかということは、いま申し上げるには捜査の余りにも内容にわたることとして御猶予願いたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 この前も刑事訴訟法の四十七条のただし書きの問題で、公益の必要があるときにはいわゆる灰色の高官名を発表できるという話がいろいろ出ていますね。ぼくは灰色という言葉で十把一からげに言うのは賛成しないわけですね、これは何回もお話ししているとおり。全然犯罪の嫌疑がなくてただ調べられたというだけでそれが灰色になったのでは、これはもう人権問題としてあれですけれども、たとえば職務権限があった、金銭の授受もあった、ただ時効にかかっておる、こういうふうな場合はいわゆる灰色でも非常に黒い方に近い方ですわね。そうでしょう。そういう場合に、国民が、一体その政治道義の上からいっても、そういうふうなものを発表するのを希望しているというふうに大臣としてはお考えになっておられるんでしょうか、どうでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 これは国会の、ことにこの委員会などで国政調査権に基づき国会法百四条の発動がなされたということになれば、国民を代表する皆さんとして、国民がそういうことを期待しているということを現実に感得することになりますが、ただいまのところ、ただ感じとしてそれはそうだろうな、こうは思いますね。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 ちょっと待ってください。  ちょっと諸君に御報告をいたしますが、稻葉法務大臣は五時三十分から五時五十分まで二十分間の間参議院本会議に御出席になります。御了承をいただきます。  稲葉君、どうぞ。お待たせしました。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、その灰色の中に、たとえば職務権限が法律的に非帯にむずかしい、むずかしいけれども、もらったことは間違いないんだ、こういうふうなものも灰色の中で黒い方に近いところに見てよろしいでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 刑事責任の点においては黒とは言えないですけれども、本問題は、単に刑事的責任だけでなくて、道義的責任、政治的責任の追及が将来の政界の浄化のために必要だというような面を持った事件でございますから、そういう面では、ただいまお挙げになられましたようなことは、政治的、道義的には黒だという御判断は、そのとおりだと私も思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、これはちょっと法律的な問題になるのですけれども、自分がもらうのではなくて、自分の後援会とか自分の派閥か何かがあるでしょう、そういうところに金を回してやる場合がありますね。そういう場合は、法律的に見て一体どういうふうになるのですか。また、そういう場合にそれを発表するということは、政治道義、政治の刷新の意味からいって重要性があると私は思うですが、どうなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 それは同じことじゃないですか。どうでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 刑法の面からいって賄賂罪ということになれば、第三者に対する賄賂供与ということになる場合もあり得るということであろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 そうすると、自分はもらわないけれども、第三者に、自分の後援会とか派閥とかに金を回したという場合でも、結局は灰色の中で全然嫌疑がないというものとは別に分けて考えて、そういうふうなものも国会において当然灰色の高官として発表すべきであるということが、国会法の規定の中で国政調査権の発動としてしっかり出てきた場合には、それにあなたも従われる、政治刷新の上から従われる、こういうふうにお聞きしてよろしいと思うのですが、いいでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 議長裁定にあるとおりでございますから、最大の御協力を申し上げるというふうに総理大臣が約束しているのですから、それでもっておわかりいただけるものだと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 あなたがどこかでお話しになったとちょっと聞いているのですが、たとえばいま政変が起きている——起きているかどうか知りませんよ、あるいは解散になる、そういうことになると捜査の進行上非常に困るということを、何か鹽野次官と安原刑事局長があなたに言ってきたとかなんとかということが一部伝えられておったのですが、この真相は一体どうなんでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 これは厳正公平なるべき、不偏不党なるべき検察庁が、雨が降ろうがやりが降ろうが、政変があろうが解散があろうが、ロッキードの追及に非常に差し支えるなどという弱音を吐くわけはない。ただ、それを指揮監督する法務大臣としては、これは頭脳的な非常にむずかしい捜査をやるのですから、たとえば悪いけれども、一生懸命に試験勉強してかあっとなっているときに、妨げられるような、そういう雑音はない方がいい、これは親心として当然じゃないでしょうか。そういうことを申し上げているつもりです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 最後にお聞きしますけれども、あしたから、あるいはきょうからというか、きょうをもって捜査は一つの段階を画して新しい発展にいくということが一体考えられるかどうかということ、もっとほかの言葉で言うと、きょうで国会は終わるわけです。国会会期中だからということで、あなたの方としては一あなたがやっているわけじゃないけれども、検察庁の方もいろいろ遠慮していたというか、そういうこともあったと思うのだけれども、国会が閉会になってきたという段階において、今後の捜査というものは一体どういうふうに、一段と進展をするというふうに理解してよろしいでしょうか。そこら辺のところはどうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 私がきょう特に発言を求めて先ほどのような報告をしたのは、他意あってではなくて、先ほど申し上げたとおり、これだけの関心を集めたことについて、きょうで国会が終わるというときですから、一応いままでの総ざらいをして今後の私の決意を申し上げておいた方がいい、こう判断してやったことであって、捜査の流れというものは、国会がある、国会が終わったなどということでがらっと変わる、そういう性質のものでは決してありません。流れはそのまま今後も自然に動いていくということに御理解願いたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉(誠)委員 最後の質問ですが、私も検察当局が全力を挙げて国民の大きな関心事であるこのロッキード事件、最終的には政府高官名の出てくる贈収賄事件の究明に全力を挙げてやっていてくれると信じているわけです。確信しているわけですが、おおよそのめどとして、一体いつごろに大体のあれが終わるのですか。それはやはりアメリカの嘱託尋問の結果を見ないとわからぬということですか。この前聞いたら、未来永劫続くわけじゃないと言ったけれども、あたりまえの話だが、進展ぐあいから見たおおよそのめどはどこら辺かということは、国民は知りたがっているわけです。おおよそのめどはどこら辺でしょうか。時間が来ましたから、最後にこの質問をして私の質問を終わります。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 先ほど申し上げましたように、こういうむずかしい事件ですから、捜査終了、捜査本部解散、乾杯という時期がいつか、おおよそいつごろかというふうに決めてやるべき問題じゃありませんから、おおよそいつごろかということも、世間でよく言うセミの鳴くころだとか、ホトトギスだとか、そんな表現でおおよそいつごろかということを私がここで申し上げることはよろしくないというふうに思うのです。大体あなたも専門家で、捜査がいまこういうところまで来ている、これは大体いつごろまでいくなということは、稲葉さんほどの専門家が、しかも検事もやられた人がわからぬわけはないと思うのです。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 庄司幸助君。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 あしたから閉会になる、しかし流れは変わらないのだ、いま大臣はこうおっしゃったのですが、しかし、検察からすれば、国会議員の不逮捕特権、これはあしたからなくなるわけですね。そうすると、やはり新しく取り調べ上一つの便利な事態が発生すると思うのです。その辺で新しい段階を迎えるのじゃないかと思うのですよ。検察もその辺で張り切っているのではないかと思うのですが、その辺の感触はどうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あなたの感触と私の感触と違うようでございますね。そういうことには関係なく捜査の流れは自然に流れておる、こういう感触でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それでは次の問題に入ります。  いま捜査されているわけですが、この事件が発生した時期、これは安原刑事局長でいいのですが、事件が発生したのは、長く考えれば第一次FX戦争の昭和三十二年ごろからロッキード社が絡んでいる、また児玉も絡んでいる。そういう点で、あなた方がいま捜査の対象になすっている人物は後で伺いますが、対象の期間ですね、いつからいつまでのことをいま大きな力を注いで捜査なすっていらっしゃるのか、これをひとつ伺います。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 検察当局が行います仕事の目的は刑罰請求権の適切なる実現ということでございますので、刑罰請求権のない事柄につきまして、およそ人間の非違を調査するのは検察の仕事ではございません。そういう意味におきまして、当然のことながら時効というものを考えなければならないわけでございます。そして本件につきましては、多国籍企業委員会のコーチャン証言に端を発してこのような問題が、アメリカの方から日本に向かって疑惑が投げかけられておるわけでございますので、そういう疑惑があるかどうかを明らかにするのが検察の目的でございます。  そういうことから考えますと、おおむね昭和四十七年以降のロッキード社の企業活動について、そういう犯罪の存否ということを中心として考えます以上は、大体そういうところが焦点になっているというふうに考えていただいて結構だと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 単純贈収賄罪の場合は時効が三年、請託の場合は五年、それから枉法の場合は七年。そうしますと、単純贈収賄だけを調べるとなれば四十八年の五月までの分ですね。請託の場合では四十六年の五月、枉法の場合だと四十四年五月、こうなりますが、いまお調べになっている範囲はこの四十四年五月まで入りますか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 庄司委員から時効を前提として細かい年度のお尋ねでございますが、およそ捜査というものはよく実態を究明いたしませんと、いまの枉法か請託か単純収賄かなどということはよくわからないわけでございますから、そういう意味において、捜査をしているのは四十七年以前は時効になっているじゃないかというお尋ねでございますと、これは調べてみないとわからないことでございます。そういう意味で、先ほど四十七年以降中心と申しましたが、事務当局のただいまの補足によりますと、四十七年以前の四十六年にもわたって捜査を進めておるということでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それは実は四十四年からが重大な時期なんです。四十四年の一月に児玉がロッキードと秘密代理人の契約を結んだ。六月にはトライスターの手数料契約をやっています。それから四十四年の夏には日航DC10のオプション破棄の問題があるのです。四十五年五月には大庭さんが退陣する。それから橋本運輸大臣が航空業界再編試案を出しておられます。四十六年二月は橋本運輸大臣が大型ジェット機導入延期の示唆をやっております。だから、四十六年で区切られますと、これはだめだと思うのですよ。少なくとも四十四年、ここからやらなくちゃならない。そうしないと、流れはわからないわけですね。その辺までお調べになっていますか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 いろいろ御示唆をいただきましたが、要するに、私の申し上げたのは、年度というよりも、ロッキード社が日本の国内で営業活動をやっていることにつきまして、贈収賄を含めて不正行為の存否ということを調査して、その存否を明らかにするという目的のために検察は現に活動を行っているわけでございますから、いま御指摘のような事情も背景事情として当然に重大な関心を払って資料収集をしておるものと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 米国から数回にわたって資料を入手されたと言いますが、その米国から入手された資料の内容ですね。四十四年の時期からの分を内容上含んでいるかどうか、これはお答えできると思うのです。内容の細かい点を伺っているのじゃないですからね。その四十四年からの分が入っているかどうか、これを簡単にひとつ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 内容の細かい細かくないということを超えまして、どういう資料が中にあるかということは取り決めの関係でも申し上げられませんとともに、このことは何も取り決めによってやったからできないのではなくて、刑事訴訟法四十七条本文の、公判開廷前においては資料を公にしてはならないという原則からいいまして、捜査中の現段階においては明らかにするわけにはまいらないということをどうかひとつ御理解いただきたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それでは、別な角度から伺いますが、こうやって捜査がだんだんおくれてまいりますと、時効の方もどんどん前へ進んで、せっかくやりたいものもやれなくなってしまう。そういう時効にかかる事件が増加してくると思うのです。当初、計画どおり順調に進んでいるとかなんとかという法務大臣の答弁があるのですが、時効がだんだん進むわけです。その辺も考えて、順調に進んでいると思うのかどうか、この点。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 検察が捜査に着手しました以上は、みすみす時効にかけるなどということは最も恥ずべきことでございますが、そういう点も十分配慮して鋭意迅速な捜査を進めておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それから、官庁関係者、この点で伺います。  先ほどは、運輸、防衛は理論上は入るという御答弁でしたが、大蔵、通産は入りませんか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 官庁関係者として主たるものは運輸、防衛の関係者でございます。いま御指摘のものは入っておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それから、官庁関係者という言葉ですが、これは現職だけなのかあるいは過去その職責にあった者も含むのか、その辺どうですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 詳しいことは存じませんが、捜査の対象が相当年次にまたがってやっておりますから、退職した人も入っているのであろうと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると、官庁関係者という言葉が大変あいまいなんですが、たとえば局長とか事務次官、この辺も官庁関係者に入るのか。それから、大臣が言った言わないで問題になっていますが、アジとか小サバ程度のものじゃないと言っていますが、事務次官とか局長なんというのはこのアジ、小サバという概念に入るのかどうか、これを一言。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 現在任意捜査を遂行中でございますから、どうしても任意に協力を得なければならぬということになりますと、今日非常に熱心な取材活動の状況下におきましては、特定したこととなるような事柄、あの人は調べられたということ自体が相当名誉に影響する環境下にございますこの特殊の事情から考えまして、局長か次官かということになれば、おのずから特定をするわけでございますので、そこまで申し上げることはひとつ御勘弁を願いたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それでは、今後の問題ですが、政治家は調べておられるのかおられないのか、この点をひとつ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 現在までの報告によりますと、いわゆる政治家は取り調べておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 なぜ調べておられないのか、その点ひとつ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 政治家を恐れるわけではなくて、いま捜査の必要がそういう段階に来ておらないということであろうと推測いたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうしますと、政治家も含めてこれからお調べになる場合、任意捜査だけなのか、あるいは強制捜査も含めてお調べになるつもりなのか、その辺ひとつ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 捜査は任意捜査が原則でございますが、必要に応じては強制捜査もあり得るわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 今後の捜査対象に総理大臣経験者、それから大臣経験者、これも含まれておりますかどうか、ひとつ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 まさに捜査の内容を申し上げることになりますし、また計画を申し上げるなどということになりますので、そういうことは申し上げられません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それから、民間については「丸紅その他」こうなっておりますが、「その他の民間」の中に三井物産、日商岩井、それから日本航空、全日空、東亜国内航空、川崎重工あるいは小佐野賢治、この辺が「その他の民間」の中に入っておりますか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 私の聞いておるところでは、丸紅のほかに全日空とか日航等が入っているというふうに報告を聞いております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それは当然ですが、三井物産や日商岩井あるいは小佐野賢治、川崎重工、東亜国内航空、これは入っていませんか。これは当然入ってなくちゃならないのですよ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 具体的に報告は受けてないことでございますが、国産化計画で川崎重工という名前が新聞紙上にも伝えられておりますし、オプションの問題で三井物産の名前も出ておるわけでございますから、私の想像でございますけれども、そういう関係者からも背景事情として事情聴取しているのであろうと思います。  なお、小佐野賢治氏につきましては、先ほど原則論を申し上げましたように、特定の人間の名前を申し上げることはひとつ御勘弁を願いたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは含まれているようだと私は感触を受けたわけであります。  それから、中間報告の七ですが、こういうふうに書いてあります。「警視庁と協力して児玉、丸紅関係の大久保利春及び伊藤宏に対する外為法違反容疑について捜査中であるが、今後国外からの資金の流入状況はもとより、国内に流入した資金についても、その全ぼうを解明すべく全力をあげている。」それで「米国に居住する重要関係人の供述を得ることが必要」だ云々と書いてありますが、この国外からの資金の流れですね、これはニューヨークタイムズあるいはニューズウイーク等を見ますと、例のディーク社の問題が浮かび上がってきているわけです。同時にやはり米国内の報道を見ますと、ディーク社とCIAの資金ルートの関係が明らかにされつつあります。その点で外為法違反調査の問題でCIAも調べる必要がある。それからディーク社ももちろん調べる必要がある。そういうふうにわれわれ考えるわけですが、あなたの方ではそういうお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点ひとつ。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 先ほど大臣から報告いたしましたように、資金の流入状況については精細に調査を進めておる、それが順調に進んでおるということでひとつ御理解をいただきたいわけでございまして、具体的にディーク社、CIAというようなことにつきましての具体的な捜査の内容については答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは時間がありませんから押し問答しませんが、当然そういうものが浮かび上がってくれば調べなければならないと私は思うのです。その点ひとつ念を押しておきます。  それから最後に、この間わが党の諫山議員が安原刑事局長に対して、児玉のいわゆる取り調べの問題ですね、現在自宅にいるわけですね、それでこれは証拠隠滅されたなどという情報もあるわけです。焼き捨てた、そういう点、やはり拘束して取り調べる必要があるということで、いわゆる民間病院に入れるなり、あるいはおたくの収容施設に入れるなりして面会禁止をして調べる方法があるのではないか、こう聞いたら、あなたの方では、理論的に示唆を得た、それで研究してみる、こういう御答弁があったわけです。その辺、御研究の結果どういうことになったのか、これをひとつ最後にお伺いします。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 民間の医師を、勾留をしておる場所に入れて診察をさせるという方法は可能のようでございます。したがいまして諫山委員のような方法も考え得るわけでございますが、具体的にそういう段階にあるかどうかというようなことについては、いま申し上げるわけにはまいりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 終わります。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 坂井弘一君。

坂井弘一公明党

○坂井委員 司法共助の準備活動をしておる旨報告があったわけですが、その中でいわゆる米側の重要参考人の供述を得るための方法として嘱託尋問、この嘱託尋問についてはかなり話が詰まっておるのかどうか。行われるとすれば、めどとしていつごろ嘱託尋問に入る予定なのかについて、まずお伺いしたい。     〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 先ほど大橋委員のお尋ねに対してお答え申し上げましたように、嘱託尋問をする段階に至りますれば、アメリカの司法省といたしましてはその実現のためにできる限りの協力をするということで、先般の堀田検事の渡米の際にもそういう心証を得ておるわけでございますが、いつ、だれについてやるかというようなことにつきましては、これは捜査の方法でございますので、申し上げるのを勘弁していただきたいと思います。  と申します理由は、先ほども参議院の内閣委員会で申し上げたわけでありますが、今日、国民の関心の高いがゆえに当然のことではございますが、一たんそういう証人の取り調べを嘱託したなどということが報道されますと、その証人に対しての取材活動が非常に苛烈になるわけでありまして、これは国内のみならず国外においてもそのことが恐れられるわけでございまして、そうなりますと円満に証人が尋問に応ずることがなくなり、あるいは円滑に証言をすることがなくなるという恐れを多分に捜査当局が持つわけでございまして、これは具体的にひとつ、いつ、どこで、だれがということについてはお尋ねをいただかないことが、真相究明のために最善の策ではないかとわれわれは愚考しておるわけでありますが、御理解をいただきたいと存じます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 米側から数回に分けて資料の提供がされておるということでございますけれども、一番新しい資料の提供を受けた日はいつでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 先般、いま申しました下準備のために渡米いたしました堀田検事が司法省から入手して帰っておりますので、五月十四日ごろでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 先般訪米いたしました。その際、証券取引委員会のヒルズ委員長が、実は新資料について日本側に提供する用意がある、二、三日中にもという発言が実はあったわけでございますが、その資料についてはまだ到着をしていないということでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 最終が五月十四日で、坂井委員の御一行がおいでになりましたのが最近でございますから、そういう資料は入手していないはずでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 司法省を通じて提供するというような話はございませんか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 いま御指摘のような話は聞いております。

坂井弘一公明党

○坂井委員 実は、その際もヒルズ委員長、証券取引委員会のメンバーとの話し合いの中で、証券取引委員会としては、コーチャン、ホートン、これの供述を得ておる。したがって、供述調書については、これは日本側に提供された資料の中に当然あろうと思われますが、これをひとつ御確認いただきたいことと、同時に、このコーチャン、ホートン氏の供述が今回の事件の金の流れの中で、いわゆる政府高官に関連するような供述であるか否かについても、あわせてひとつお知らせをいただきたい。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 坂井委員御案内の実務取り決めでも、さような資料の内容は秘密が保持されなければならないという約束がございますとともに、これはそういうことを離れましても、捜査の資料をいま公にするということは刑事訴訟法でも原則的に禁止されておることでございますので、その点につきまして申し上げることは御猶予願いたいと思います。  ただ、これはアメリカという資料の提供者がそれを公にすることまで実務取り決めは拘束しておりませんので、ヒルズさんがおっしゃることは自由でございますが、私どもの口からその内容なりその評価を申し上げることは御猶予を願いたい、かように思います。

坂井弘一公明党

○坂井委員 それでは、法務大臣にお越しいただきましたので伺っておきますが、先ほど報告されました内容は、だれからその報告をお受けになったのでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 刑事局長を通じて捜査当局から受けたと思います。

坂井弘一公明党

○坂井委員 では、刑事局長に伺いますが、報告をされたのはどちらからでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 私どもは常に、国会で御質問等がございますと、具体的な事件につきましても、直接担当者である検察当局にどういう事情であるかというようなことを聞きまして、そして国会法百四条に基づいてお尋ねにお答えをしております。そういう意味におきまして、検事総長から正式に大臣に報告されるのではなくて、国政調査権に対応する準備といたしまして、私は必要の都度、検察当局に必要な事項についてお尋ねしております。  その内容を先般法務大臣に申し上げたのが今回の報告になっておるわけでございまして、私も直接ではなくて、ここに控えております刑事課長を通じて検察当局から聞いた結果を法務大臣に申し上げた結果が本日の御報告の内容になっておるわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 念のために伺いますけれども、検察当局、非常に漠然とするわけですが、少なくとも検事総長からの報告ではない、それから地検の正式な報告ではない、こういうことでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 国会に対してお答えをする資料の収集を求めるために、法務大臣の権限を使って、私ども補佐の者が検察庁、この場合は東京地検でございますが、そこから聞くということによって東京地検が答えることが、ある意味では報告だと思いますが、しかし、これは国政調査のための資料要求に対する検察当局からの報告でございまして、正式の事件処理に関するあるいは捜査に関する報告かと言えば、そうではないという意味においては正式の報告ではないということにもなろうかと思います。

坂井弘一公明党

○坂井委員 では、法務大臣に伺いますけれども、法務大臣は受けられた報告のままにきょうは発表された、こういうことでしょうか。つまりその中で、少なくとも法務大臣としてはこういう点についてはいかがなものだろうかということで、もう少し内容的に突っ込んだ報告を求められて、それらもあわせて報告をされたということなのかどうか。たとえば、先ほどから議論になっておりますところのいわゆる官庁関係者ですか、これはこれに関連してでありましょうが、いわゆる政治家は調べていないということでございますが、あわせて御答弁をいただきたいことは、まことに任意の参考的な事情聴取というようなことも政治家には一切行っていないということでしょうか。当然報告を受ける段階でいろいろ疑問がおありだろう、そういう点についても法務大臣は何ら内容については触れられないで、刑事局長から受けられた報告のままに報告をされた、こういうことなのか。それはちょっと私には信じられないわけでありますので、その辺のいきさつについて、内容についていま少し具体的に、法務大臣が受けられたその内容をここで報告を願いたい。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 刑事局長から受けた報告を右から左にトンネルの役をしただけではもちろんありません。私としてもこの報告に基づいて、これはこういうことだな、これはこういうことだなと、まあ、今回のはきわめて常識的なことで、大体みんな見当のつくことですから、特にこの点については入っているとか入っていないとか、そういう不粋なことをやりませんで、今回のはそのまま出してございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 それでは、次の中間報告はいつごろどういう形でおやりになろうとしておられますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 今後の捜査の進みぐあいによっては、この委員会は閉会中も御審査なさるということですから、そういう機会に新たな捜査の進み方があれば、事態の推移を見て国政調査に最善の協力を申し上げる、約束どおり実行いたします。

坂井弘一公明党

○坂井委員 その場合、庁法十四条で当然法務大臣が、本部ならば検事総長ということになるわけでありますけれども、つまり正式なる報告を徴して、そうして特別調査委員会に報告をされるというようなおつもりでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 検事総長から捜査の報告を徴してと言われましたが、いつか検事総長が見えられたときに、実務協定ができたとき、いよいよ資料がこれで入るなというので、いろいろお骨折りであれしたというあいさつに来られたときには、私、満幅の信頼を置いてよけいなことをこっちはせぬからということを申しましたところ、いやしかし、重大な段階にまいりますれば必ず御報告をいたしますと、こう言っておられますからね。特にこちらから催促して徴するというつもりはいまのところないのですね。きっと捜査の重大な段階にくれば報告があるに決まっていると、こう思っております。そういうときには、この特別委員会というものは国政調査権に基づく調査なんですから、それには議長に総理大臣が約束しているのですからね、当然に政府として最善の御協力を申し上げる意味において、検事総長の報告をお伝えする、こういうことになろうかと思いますね。

坂井弘一公明党

○坂井委員 いまの御答弁につきましては、事件の推移を見ましてまた改めてひとつ議論をしたいと思います。  そこで、ロッキード社の調査特別委員会を設けましたね、その報告がいわゆるSECになされる、公表の可能性は十月が非常に強いという、そういう問題がございます。これはわれわれがヒルズ委員長にも実は確認をいたしました。その場合にさきのガルフ社の報告と同じような形、つまり、その中にいわゆる贈収賄に該当する政府高官、これがまた含まれる可能性これありと見てとったわけであります。もとよりこの証券取引委員会の公表につきましては、これは株主保護という本来的な目的のためにこれを公表するという趣旨でございますので、情報の自由化法等には直接には関係は持たない、たとえホワイトハウスあるいは国務省から圧力といいますか、あるいは延期というようなことがあったとしても、断固やるんだ、こういう非常に強い、かなり熱意のある、誠意のある回答を得たわけであります。  そういうことになりますと、まず十月には自主的に証券取引委員会が、今回のロッキード事件に関する、しかも日本に関係する部分の公表がなされるということになりますと、わが方の捜査もやはりこれと関連なしとしないということになろうかと思います。     〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕 そういう一つのめどのつけ方というのがおのずから出てこようと思います。先ほどの御答弁によりますと、見通しということについては、これはやってみなければわからぬ、いつ終わるとかなんとかと、そういう軽々なものじゃない。よくわかりますが、しかしながら、いま言ったような、そういうアメリカにはアメリカの一方の事情がございますから、したがって、わが方としても、十月公表以前に捜査を終了しよう、こういう腹組みがおありなのかどうかということについて、この際伺っておきたいと思います。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 この間斎藤特使も同じようなことを申しておりまして、SECの報告が十月の中旬を予定しておるということは聞いておりますが、またその際には、われわれの得た情報では延期される可能性もあるというようなことでございますが、いずれにいたしましても、捜査の目的を達成するためにそういう公表というものが支障があることも予想されるわけでありまして、検察当局としては、そういうこともにらみ合わせて、適正、迅速というようなことで鋭意努力をするものと私は思います。

坂井弘一公明党

○坂井委員 刑事局長の御答弁で、私はやはり十月というのを一つのめどに置いてる構えという感じを、実は率直にそう受け取りました。それはそれなりに結構でございます。  そこで、いわゆる捜査終了の段階という言葉がしばしば使われるわけでございまして、その段階では、米側から提供されております生資料の比重は、いまの段階と捜査終了時点とはおのずからその比重が異なる。したがって、捜査終了段階においては、これは公表に踏み切る、その場合にはこれは再交渉に乗らなければならぬ、原則的にはそういうお考えなのか。その場合に、捜査終了時点の公表というこの捜査終了時点というのは、一体具体的にいかなる段階を指して捜査終了時点とされておるのかについて、これはひとつ明確にしておいていただきたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 さっきちょっと申し上げたと思いますが、捜査本部解散、終わり、乾杯、これが捜査終了の段階じゃないでしょうかね。

坂井弘一公明党

○坂井委員 そうしますと、公判も全部終了した時点と……(稻葉国務大臣「公判は関係ありませんね」と呼ぶ)そうですが。起訴、不起訴決定段階、なお補充捜査等も終えた段階、こういうことになりますか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 そういうきちっとした法的な意味における捜査終了ということにつきましては刑事局長にひとつ……。  普通一般的に言って捜査終了というのは、捜査本部が設置されたのですから、きょうで捜査本部は解散しよう、こうなったときに、乾杯するかは別として、そういうときだと思いますね。

坂井弘一公明党

○坂井委員 実際立件できるかどうか、贈収賄罪が成立するかどうか、これは時効等の問題等非常に微妙なことになってまいります。そこで、行政指導そのものは、法的根拠がないのだからこれは職務権限には当たらない、したがって贈収賄罪の成立がむずかしいというようなことを一方において言われるわけですけれども、これはどうも当たらない。つまり、今回のこの事件を見ますと、エアバス導入等に対しましても頻々に行政指導が行われておる。こうした行政指導そのものは、この背景に金品等の授受がなされておるというようなことであるならば、この種の行政指導は当然職務権限に該当する、こう思うわけでございますが、そのとおり解してよろしゅうございましょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 よく行政指導と贈収賄の成立ということが問題になるわけですが、私ども、一般論といたしまして、職務行為あるいは職務に関するというためには、その職務が法令上に根拠がなければならない。しかしながら、行政指導と申しましても、それがたとえば直接その指導することが法律に書いていなくとも、たとえばそれぞれの省の設置法の中に、そういう行政指導する根拠が見出せ得るならば、それもまた法令上の根拠があることとして職務行為ということになり得る場合があるというふうに私どもは考えておるわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 時間が来ておりますので、終わります。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 河村勝君。

河村勝民社党

○河村委員 先ほど安原刑事局長は、今回の事件の捜査の対象は、アメリカ側からの上院での証言等から起こった事件であることもあって、四十七年以降のその事実が対象になる、こう言って、その後四十六年にもわたって調べているという答弁があって、さらに四十四年ころからの問題については背景事情として調べているかもしれないというような答弁がありましたが、この背景事情という意味がわれわれにはよくわからない。しかし、その意味いかんによっては非常に重大であります。この背景事情というのはどういう意味ですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 私、最初に四十七年と確かに申しましたが、それは正確ではございませんで、いま検察当局が対象としておるのは、ロッキード社の日本国内における企業活動にまつわる不正行為の存否ということが抽象的には対象になっておるわけでございますから、そういう意味におきまして、それは必ずしも四十七年以降に限られるものではないという意味において最初の答弁を訂正したわけでございますが、何と申しましても、検察、いわゆる刑事訴訟法による捜査の対象となるのは刑罰請求権、いわゆる公訴権の存在するものについてのみ捜査の対象になるわけでありまして、その他の行為はこれは検察の対象外でございまするから、明らかにどういう点から見ても時効が完成しておるというようなものについてそれを捜査するのは権限の踰越でございまするから、そういう意味において犯罪行為にならないことについて捜査の対象にすべきではないということを申し上げますとともに、およそ人間、そういう会社の行為というものについては、よって来るゆえんもあろうという意味において企業活動の全般をとらえないと、それの不正の行為の存否というものの究明がしにくいこともあろうという意味において、私は、それが犯罪に直接つながることでなくても、ロッキード社の日本国における企業活動、営業活動の全般にわたって、それが犯罪になるならぬにかかわらず、一般的な事情として詳しく調査をする必要があるということを申し上げたのを、犯罪にならないことであってもそれは背景事情としてというふうに申し上げたわけでございます。

河村勝民社党

○河村委員 非常に慎重に言っておられるけれども、結局は時効がはっきり成立しておるか、あるいは仮に金銭の授受関係があって政治的、道義的には責任が大きなものであっても刑事事件として成立する可能性のないものについては、事実関係が立証可能であっても、それは結局手を触れないでおいてしまう、そういうことになるのですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 直接検察の対象にすべきではないという意味において、ある意味において背景事情として調査することもありまするが、それは検察の直接の対象ではあり得ないということを申し上げたわけでありまして、具体的なことでございまするから私は一般論として申し上げておるので、果たしてそれが検察当局のやっておることと完全にマッチするかどうか自信はございませんけれども、およそわれわれの報告に聞いておるところでは、ロッキード社の日本国内における営業活動の全般にわたって調査、捜査を進めておると聞いておりますので、そういうことは犯罪にならない場合においても背景事情として関心を持って調査しているのではないかと思いますので、その点を申し上げた次第でございます。

河村勝民社党

○河村委員 法務大臣、そこで非常に大きな問題になるわけでありますが、今回の事件が捜査が終結した段階で、そこで仮に刑事事件とはならなくとも政治的、道義的責任の非常に重いものがあることが予想される。それを究明するのが国会の国政調査権の役割りであって、その事実を究明するために政府は協力をする。私どもが当初自民党との間に交わしたものもそうであるし、同時に議長裁定もそうなっております。  いまここでもって刑訴法四十七条ただし書きを適用するとかしないとかいう議論はいたしません。しかし、とにかく事実関係を究明することがあって、そういう法文を適用する場合もあり得るわけですね。ところが、現実にいま言われたように、刑事事件として成り立たないものは、これはもうとにかく検察庁の仕事ではないのだ、だから背景事情としてうっすら出ているかもしれないけれどもそれは直接の調査の対象にならないということになりますると、結局いかに捜査終結の段階になっても、政府の協力があっても、これは事実関係というのは究明できない、方法がないという結果になるおそれがある。そうなると、せっかくの約束事が空文になってしまうという結論になるわけですが、そういうことになるのですか。そうだとすると、大変重大だと思いますが、法務大臣の見解を伺いたい。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 あなたは言葉は非常に穏やかでやわらかいですけれども、えらい鋭いことをお聞きになりますね。  私ども、刑事局長もおりますが、こういうふうに考えます。検察庁は刑事責任の追及の機関であって、道義的、政治的責任追及の機関ではありませんことは申すまでもありませんけれども、議長裁定もああいうふうになっておることを検察庁も承知しておりますね。そうして当面の責任者は法務大臣でございますね。道義的、政治的責任追及に対して、政府がこれにできるだけの協力をするという当面の責任者は私だと思います。法務大臣。そういうこともあの議長裁定を踏まえてよく検察庁は承知しておりますから、そういうことを十分承知の上捜査に当たるわけでございまして、やみくもになってしまう、何だかおかしなことになってふたをされてしまうというような御心配はなさらぬでもいいんじゃないかと私は思います。

河村勝民社党

○河村委員 当面、法務大臣を信頼をして、この問題はきょうはこれ以上お尋ねをしないことにいたします。  ところで、司法共助、この実務取り決めの問題でありますが、全般としてアメリカの態度はきわめて協力的であるという発言がございました。そこで、堀田検事、最近帰られたそうでありますが、現にロサンゼルスに行ってコーチャンあるいはクラッターに事情聴取をしようと申し入れて、それで拒否をされたというように聞いておりますが、それは事実ですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 堀田検事が、いま御指摘のように、アメリカにおる関係者からわが国の検察官が直接面接して取り調べをするというようなこと、あるいはそれが不可能な場合にはいわゆる司法共助というような方法をやることについての可能性あるいは下準備のために参りましたことは事実でございますが、具体的に御指摘のようなコーチャンとかクラッターという人について面接を申し入れて断られたというような事実はございません。

河村勝民社党

○河村委員 それなら、なぜロサンゼルスまで行ったのですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 そういう可能性の有無を検討しに行ったというだけでございまして、現実に堀田検事が取り調べの命を受けて行ったものではございません。

河村勝民社党

○河村委員 しかし、可能性の有無を検討するために、ただロサンゼルスに行って街を歩いてわかるわけはないのですね。本人に事情聴取に応ずる意思があるかないか、それを確認しない限り、検討というのは不可能ですね。であれば、そういう行動をとっているのが普通ですけれども、ただロサンゼルスまで行って周りの方でちょっと小当たりに当たって帰ってきた、そういうことになっているのですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 面接の実現につきましてもアメリカの連邦司法省が協力をするということになっておりますので、ロサンゼルスにFBIというような者もおりますから、そういう関係者との面接というようなことで行ったわけでございますが、なお詳しい事柄につきましてはこの段階で申し上げる時期ではないように思います。

河村勝民社党

○河村委員 恐らく直接事情聴取というのは不可能になっている段階であろうと私どもは考えております。であれば、当然アメリカ側に協力をしてもらって、直接向こうから事情聴取をしてもらわなければならぬというところであろうと思いますが、そこで、アメリカ側で事情聴取してもらう段階ですね、嘱託尋問ではなくて、その段階では、これは通常の参考人としての事情聴取ですね。ですから、したがってこれは出てこいという強制力もないし、同時に、質問をしても黙秘権を行使すればそれは通ってしまう、しゃべらなくてもよろしい、そういう性質のものだと理解してよろしいですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 御指摘のとおり、あくまでもすべて任意の協力を得る取り調べでございます。

河村勝民社党

○河村委員 そこで、アメリカ側が側面的に協力をしても、そういう事態が発生をして事情聴取に応じてくれない、そうなると嘱託尋問の形式をとるわけですね。嘱託尋問の場合に、これは私わからないからお聞きをするのですが、起訴前ですね、起訴をしない以前であっても、これは裁判所から裁判所へ手続をとることによって証人として尋問はできるのですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 刑事訴訟法の二百二十六条に「犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、第二百二十三条第一項の規定による取調」——これは任意の取り調べでございますが、「に対して、出頭又は供述を拒んだ場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。」という規定に基づく証人尋問をアメリカの関係裁判所に嘱託しようとするものでございまして、公判前でございます。

河村勝民社党

○河村委員 わかりました。  関連質問がありますから、かわります。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 永末英一君。

永末英一民社党

○永末委員 司法共助によりまして事情聴取を行ったりないしは嘱託尋問を行わなくても、本件に関する検察の仕事は終結させ得るとお考えですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 永末委員のお尋ねはまさに捜査のポイントを、非常に重要な点をお尋ねのことでございまして、それに、そうでございますともそうでないとも答えることは、捜査のいまの段階ないしはこれからの見通しを申し上げることにも相なるわけでありまして、お答えすることを御勘弁願いたいと思いますが、一般論としまして、これはやはりアメリカに有力な関係人がおるわけでございますから、そしてアメリカから資料も入手しておるわけでございますから、こういう関係人から直接取り調べをするということが有力な捜査方法であるということは間違いないと思います。

永末英一民社党

○永末委員 わが方の検察当局がわが方の法令に基づく権限を持ってやっておられることだから全責任を持ってやれる。ところが、外国人については、外国政府の協力ないしはその外国人の同意がなくてはできない。いわばわが方の法律体系における権限外のことですね。したがって、責任を持って検察の仕事を終結せしめる以外のところが条件であると、これはそれが成就し得ない限り終結しない、こういうことになるわけですね。したがって、私はここを聞いておるのであって、その辺のお考えをもう一度、今度は法務大臣、聞かせてください。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 なかなかむずかしい質問ですね、それは。極力迅速に、一日も早く終結させたいと思っているわけですが、そしてアメリカも、そういう日本の捜査には極力協力をするという姿勢でございますから、心配な点ではありますけれども、一生懸命努力するよりしようがないですね。

永末英一民社党

○永末委員 本日のところは、大臣、条件であるともないともまだ言えない、このように承ってよろしいな。

稻葉修自由民主党法務大臣

○稻葉国務大臣 さようでございます。

永末英一民社党

○永末委員 もう一つ伺っておきたいのは、先ほど「官庁関係者」という言葉の内容について質疑が行われましたが、運輸省、防衛庁が主たる官庁である。「主たる」であるから、ほかの官庁、関係していますね。ほかの官庁はどこが関係していますか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 ほかの官庁につきましては報告を受けておりません。恐らく運輸省と防衛庁がほとんどでございまして、特に申し上げるほどの官庁でもないのじゃないかと思いますが、報告は受けておりませんので、ここで申し上げるわけにはまいりません。

永末英一民社党

○永末委員 先ほど、主たると申され、いまもほとんどと言われた。それはしかし、あなた、報告を受けてなければ防衛庁と運輸省のみ、こう言われなくてはつじつまが合いませんね。正確にお答えを願いたい。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 強いてとか推測で恐縮でございますが、外為法の関係というようなもので大蔵省の国際金融局の人から基本的な知識について、あるいは為替の実務について聞いておるということが入っておるのではないかと思います。

永末英一民社党

○永末委員 先ほど大蔵省は関係ないと言われたのは、参考人として事情聴取を行ったという程度のものではないという意味でございましたですか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 先ほどは通産省と聞かれましたので、そういうものは入っておるとは聞いておりませんと申し上げたわけであります。

永末英一民社党

○永末委員 内閣はございまんか。

安原美穂法務省刑事局長

○安原政府委員 存じません。

永末英一民社党

○永末委員 質問を終わります。

田中伊三次自由民主党

○田中委員長 本日は、これにて散会をいたします。     午後六時二十六分散会

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