予算委員会 第2号
- 発言数
- 221 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/10/30
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 補正予算三案の審議につきまして、理事会において協議決定いたしましたことを御報告いたします。 三案に対する審査期間は、本日から七日間とすること、質疑時間各会派割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ三百三十分、公明党及び日本共産党はそれぞれ百二十分、民社党六十分、第二院クラブ三十分とし、質疑順位につきましては、お手元に配付いたしました質疑通告表の順位とすること、以上でございます。 そのように取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 補正予算三案審査のため、本日、住宅金融公庫総裁淺村廉君及び日本銀行総裁森永貞一郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 昭和五十年度一般会計補正予算 昭和五十年度特別会計補正予算 昭和五十年度政府関係機関補正予算 以上三案を一括して議題といたします。 これより質疑を行います。(「議事進行。委員長、議事進行の動議は先に取り上げるべきだよ。」と呼ぶ者あり)宮之原貞光君。
○宮之原貞光君 まず、三木内閣の政治姿勢の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 昨日、野党四党が、たまりかねて独禁法改正法案を衆議院に提出をいたしました。内容は前の国会のものと全く同じの、与野党一致で修正をされたところの改正案でございます。対話と協調が一枚看板であるところの三木さん、これをいかがされますか。もちろん賛成でしょうね。
○国務大臣(三木武夫君) 御承知のごとく、独禁法の改正案は衆議院で全会一致通ったわけでございますが、参議院においては、宮之原君も御承知のように、審議が全然行われずに廃案となったわけでございます。したがって、この国会においては、私はこの国会の性格をやはり景気回復などを中心とする補正予算、財政関連法案、緊急を要する問題にしぼりたい、独禁法のごとき経済基本法ともいうべき法律の改正は通常国会に出したいということで、この国会は提出議案をしぼった次第でございます。
○宮之原貞光君 その重要法案という重要さにおいては、これは独禁法の重要性というのは一番あなたが御存じじゃないですか。それを今度の国会に、後に回しました。あれだけ前の国会で与野党一致したのですから、上げようと思ったら一日で上がってくるんですよ、衆議院から。それは私は理由にならぬと思いますがね。その理由らしい理由を言ってください。
○国務大臣(三木武夫君) 参議院においてもある程度審議がされておれば別ですけれども、全然審議がなかったわけですから、これはやはり参議院は参議院としての二院のたてまえからいろいろ御論議があると思いますから、こういう基本に関係するような法律案は通常国会において御審議を願う方が適当である。今日は不況克服のごとき緊急を要する問題になるべくしぼりたいということが、この国会に対する政府の方針でございます。
○宮之原貞光君 参議院で審議を拒否したのはどの党ですか。あなたが総裁をやっているところの自民党の諸君なんですよ。逃げ回り、委員長は雲隠れしてできなかったのじゃないですか。衆議院では同じ自民党が賛成をして上げてきたものを、参議院の自民党は反対だからといって、自民党は二つあるんですか。同じ党の総裁としてどうですか、それは。はっきり答えてくださいよ。
○国務大臣(三木武夫君) いろいろな経過はあるにしましても、結論としては御審議を願っていないということで、衆議院の場合とは事情が違うと考えております。
○宮之原貞光君 これはどうしても納得できませんよ。同じ党の総裁であるところのあなたが、参議院で同じ自民党が反対されたからもう一回やり直すんだというのは、これは総裁としての指導力が全然ないということを意味しませんかね。その点どうですか、どういう御反省ですか。
○国務大臣(三木武夫君) 衆議院で全会一致したからもうすぐに参議院に通せということは、参議院というものの立場として私はそうはいかない。参議院は参議院としての、二院制の立場から十分御審議を願うべき問題というものはあり得る。ことにそれが重要な経済の基本に関係するようなものは、やはり参議院は参議院としての立場から十分御審議を願って、衆議院でもう通ったものだからすぐ上げろというふうには参議院の使命というものを考えてはいないわけでございます。
○宮之原貞光君 これは私は論理にならない論理だと思うんですよ。私は何も衆議院で満場一致で上がったから参議院で直ちに上げろと言っているのじゃない。参議院はそれぞれ審議せにゃならない。しかし、審議の座に着かなかったのは、あなたが総裁をやっているところの与党の自民党の皆さんなんですよ。一体それをどうお考えになるかというんですよ。それならば、いわゆる前の国会では例の値上げ三法は参議院でつぶれている。お都合がいいときにはそれをまた出す。片一方はどうも都合が悪いから、独禁法は出さなかったんだと国民にとられてもしようがないじゃありませんか。いかがでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) いわゆる値上げ法案というものは、予算にすでに組み込まれた、財政に関連する法案でございまして、これは予算は衆議院を通過しておるわけでございますから、したがって予算の裏づけでもありますから、これは私の言う緊急な一つの法案である、財政に関連する法案ですから、そういうことでこの問題は審議を促進していただきたいと願っておるわけでございます。
○宮之原貞光君 独禁法は、総理のかねてからの主張によりますと、いわゆる自由経済の基本をなすところの重要問題だということを常に強調されておった。これぐらい重要なものなんですね。そのことについては言を左右にして出されないと言う。これは国民が聞いても納得しませんよ。私はこればかりに時間をかけるわけにはいきませんから先に進みますけれども、こういうことでしたら、あなたの対話と協調という言葉は全くこれは御都合主義だと言われても仕方がありませんじゃないですか。対話と協調というのは、政党の場合他の野党との対話と協調であって、あなたのいまの言をかりれば、与党内の対話と協調の政治姿勢じゃございませんか。いかがでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 私は統制経済の時代も経験をしておるわけで、やはり日本の場合は、自由な国民の創意というものを発揮するためには自由経済体制がいいというのが私の信念です。しかし、その自由経済体制というものが、自由に放任をしておくというような自由経済体制では私はない。やはり一つのルールというものが、社会的なルールというものが要る、企業の社会的責任というものが論じられておるときですから。そういう意味において私の考え方は変わらないんですよ。 また、対話と協調ということでございますが、私は三木内閣が出発をしたときに三つの約束をしたわけです。公職選挙法の改正、政治資金規正法の改正、独禁法の改正と、これは内閣の出発したときの三法案を出すということでいたしたわけでございますが、公職選挙法、政治資金規正法、これはまさしく対話と協調の成果として、ああいう画期的な法律でございます。私は、この公職選挙法とか政治資金規正法を皆さん余り評価なさらぬ人もおりますが、そうでない。これは公職選挙法のごときは、あれを厳格に施行するならば、日本の選挙は面目を一新するべきものである。政治資金規正法のごときも、これはいままで果たし得なかったのですから、大変な改革である。ただ、残念ながら独禁法というものの改正が、いろんな事情がございまして、これは可決に至らなかったわけでございますが、その間、いままでの公職選挙法などを宮之原君がごらんになりましても、対話の成果である、かように考えておるので、私の政治姿勢を変えたものではないということでございます。
○宮之原貞光君 これ以上この問題でやろうと思いませんが、ただ、一つはっきりしておいてもらいたい。それならば、次の国会には、次期国会には必ず出すというお約束、できますか。
○国務大臣(三木武夫君) そのような考え方でございます。
○宮之原貞光君 どうも先ほどからお聞きしますと、総理の対話と協調というのは、これは御都合主義の対話と協調だと私は言わざるを得ないんです。それは、その後のやはり総理の政治姿勢にも私は端的にあらわれておると思うんです。たとえば不況の問題でいろいろ出てくると、不況の問題は後から触れますけれども、これは現在の三木内閣に私は責任がないとは言えないと思う。それを覆い隠して政治休戦ということを言ってみられたり、あるいは自分が都合がよければ問答無用の三法のいわゆる強行採決を衆議院でやっちゃう、こういう対話と協調。 また、二、三日来の新聞によりますと、いわゆる先進国首脳者会議のために党首会談を開かれるというんですがね、いわゆる新聞に伝えられるように、党首会談というものはそれを目的として開かれるのですか。どうですか、党首会談。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、国会開会中でございますから、野党党首との間に御了承も得たい。 また、この会議は私は重要な会議だと考えておるわけです。日本が戦後初めて参加する多面的な国際会議で、いままでにこういう会議はなかった。しかも、日本とアメリカ、ヨーロッパというこの三極関係といいますか、このことは経済のGNPの中でも七〇%を占めるわけですからね、自由世界の中で。貿易は四〇%を占める。日本との非常に関係の深い——いろいろ立場は政党の立場によって違いはありましょうけれども、アメリカとの関係、ヨーロッパとの関係というものを緊密な関係を維持するということは、これは日本の国益の上から言ってもゆるがせにできない問題であります。この三つの地域の首脳部が寄って話し合いをするという意義は非常に大きな意義がある。 しかも、この会議にはアジアからは日本だけですから、アジアの声というものも全体のグローバルな問題とにらみ合わせながら、やっぱりアジアの声もこういう首脳部の会議において反映されなければならぬし、とにかく自由世界に対して責任を持っておる国々であることは間違いないのですから、それがこの世界的な不況、これを何とかして景気をひとつ回復しようじゃないか、そのためにはみんなが協力しようではないか、また一方に南北問題などあって、第三世界といわれる国々に対しても何らかの新しい仕組みを生み出そうではないかという会議を私は軽視することはできない。こういうものに対して野党も日本の国益を踏まえていろんな御意見をお持ちになっておるであろうから、そういう声も聞きたいんだという私のこの野党に対して持っておる考え方というものは、どうか素直に受け取ってもらいたい。 これは三木内閣の問題ではありませんよ。三木内閣のために私はこんな首脳会議に出ようとは思わない。それよりも、これは日本の国際的評価にも関係する会議でありますから、野党の方々にも、いろいろ党において法案の取り扱いなんかにおいて意見の対立はあっても、こういう国家的な課題に対しては野党も率直に意見があったら聞かせてもらいたいという私の願いが無理なことでしょうか。私はやっぱり責任を持つ者としてそういう願望を持つことは当然のことだと。どうか、そういうことで、あんまりいろいろ勘ぐらないで、素直にこの私の申し出を野党の各委員も御考慮を願いたいと思うのであります。首脳会議について、国会の御質問に対しては私は誠意を持って答えるつもりでございます。
○宮之原貞光君 先進国首脳者会議の問題は後刻お聞きいたしたいと思いますが、ただ、国会審議中だから了承を得たいというなら、それは国対委員長会議ぐらいでいいですよ、そういうことでございましたら。しかし、これは後ほどお聞きいたします。 次に、政治姿勢の問題と関連をしてもう一点聞きたい点があります。 これは総理の教育を政争の外にというこの政治姿勢と関連をした問題でございますが、この件で、前の通常国会におきますところのわが党の鈴木君の質問に対して、文相を自民党の党是によって拘束せず、永井文相の主体的な文部行政を総理・総裁として保障する約束ができるかと、こういう質問に対して総理は、議事録によりますと、私は総理・総裁として約束してもいい、自民党の考え方を教育に押しつける考えは全然ない、党人でない永井君を起用したところのわけもここにある、教育というものを政治の争いの圏外に置くのが強い念願だ、永井君大いに自由にやってほしいと、こういうきわめて大胆率直な答弁をされているのです。私はその限りにおいては評価したいと思うんです。ついては、その物の考え方ということはこれは終始変わらないところの三木内閣の政治姿勢だと理解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(三木武夫君) いまは経済問題というものが大問題でございまして、国民生活というものは政治の中心ではあるが、長い目で見れば私は教育だと思うのです。これは一日にして教育の問題というのは解決しませんから、長い民族の将来を支配するものは教育である、教育を大事にするということは政治の根幹だと私は思っておるわけであります。したがって、この教育というものは一政党がこれを利用するものであってはいけない。政党が、自民党に限らず、社会党もそうだ、どの政党も日本の教育を自分の政党が利用するということは、これほど国民に対しての背信はないと私は思っておるわけです。したがって、やはり自民党も教育の場を自民党の党勢拡張に利用するという考えはありません。これはもう党派を離れて、民族の長い将来のために教育を考えていくという態度が教育、文教行政の基本的姿勢でなくてはならぬ。だからこの中で、そうでしょう、やっぱり議員でない永井道雄君を私が起用した理由もそこにあるわけでございます。
○宮之原貞光君 なかなかりっぱな決意ですが、ひとつその筋をずっと貫いてもらいたいと思うのです。 そこで私は、いま総理のこの決意のほどのあかしにもなることでございますけれども、一つ聞いておきたいことがあるんです。総理も御承知かと思いますが、いま教育界で、中間管理職としての主任制度というものを会社並みにあるいは一般官庁並みに置くかどうかということで大変な議論があるんです。私は議論は大いに結構だと思うんです。また文部省も、一応担当局長が試案なるものを出しました。しかし、やはり関係者の非常な批判を受けて一応撤回し、白紙に返して、いろんな方面の意見を聞きながら慎重にこれを決したいという永井文相の態度のようなんです。私もそれは結構だと思う。 ところが、自民党の文教部会からは、それはけしからぬ、いわゆる中間管理職の導入としての主任制度というのは党の方針なんだ、党の方針を文部省は聞かぬとは何事だというような形で、早く政令を出せ出せという有形無形の圧力を加えてきている。これがそのまま実現されますと、教育界は私は勤評闘争時代以上の大混乱を招くのは必至だと思う。こういうような形を一体総裁として許されていいのか。あるいは総理としてどうお考えになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 具体的な問題の処理については文部大臣からお答えをいたすことにいたしますが、自民党はやはり政党として文教政策を持っておるわけですから、自民党が教育の場を党勢拡張の場に考えるということは私は総裁として許さない、そういうことになる。しかし、文教政策を持って、自民党がこういう文教政策というものをひとつ文部省として考えてもらいたいということは政党の当然の使命でございますから、そういうことはあり得るでしょう。私が言っておるのは、自分の党の党勢を拡張するために教育の場を利用しないということである。これは許されないことでございまして、文教政策については政党がいろいろと、社会党もお持ちでしょうし、いろいろ宮之原君と意見の違う場合もあるでしょう。それはしかし、教育を政党が利用するということとは問題は私は本質的に違う。具体的な問題は永井文部大臣からお答えいたします。
○宮之原貞光君 これはぼくは具体的な中身よりも、あり方の問題ですがね。何も私は政策のあることを否定しませんよ。政策を押しつけるということは、これは政党の教育に対する介入じゃありませんか。文部省がこの問題はきわめて重要な問題だから慎重にしなきゃならないと言っているのに、これは年内にやらなけりゃおまえどうだ、こうだというような物の言い方でやっているということは、これはあなた押しつけじゃありませんか。違いますか。
○国務大臣(三木武夫君) 政党内閣でありますから、政府と政党との間に緊密な連絡をとることはこれはもう当然でございますが、それが自民党という党利党略から文教を利用するということは絶対に許さない、これが私の方針でございます。
○宮之原貞光君 それなら、いまの具体的な質問に対してどうお答えになるんですか。——総理に私は聞いているんですよ、あなたの政治姿勢なんだから
○国務大臣(永井道雄君) 私は、政争の外に教育を置く、そして教育を充実していくということが総理大臣の施政方針演説に書いてあるわけでございまして、まさにその御趣旨に沿ってこの内閣に参加したわけであります。したがいまして、第一回目の施政方針演説に述べられたことは私の仕事の原則でありますから、政争の外に教育を置くという考えをもって臨んでいくわけであります。 具体的な問題を生じてきたときにどうするかということでありますが、次のように考えるべきではなかろうかと考えております。 まず、一般には、教育の問題はきわめて広い国民的な問題でありますから、私は実は自民党の言うことだけを聞く必要もなく、場合によっては日教組の意見も聞き、その他の教育団体の御意見も聞く、さらにまた母親の意見も聞くという、広い国民の期待にこたえ、対話を交わしながら進んでいくべきであると考えております。また、自民党の意見を聞く前に、なお考慮いたさなければならないものは国会でございます。国会においては与党もあり野党もあり、それぞれの党が教育についてお考えになり、それが立法行為に及ぶこともございますし、また、既存の重要な教育基本法のごときものもあるわけでございます。そうした意味におきましては、自民党の文教部会がお考えになる前に、私としては尊重すべきものは二つあるわけであります。第一には国民であり、第二には国会における国民を代表する方々の教育に関する憂慮であります。 さて第三に、宮之原先生が御指摘の問題を生ずるのでありましょう。今日のわが国におきましては議院内閣でありますから、それ以外のものは存在し得ないのでありまして、その議院内閣における一員として私は内閣に席を列しているわけでありますから、国務大臣としての責任を免れることはできないばかりでなく、それは正しくありません。したがいまして、予算の執行などに関しまして、また予算の編成などに関しては、当然文教問題というものもそうしたものに触れる面がございますから、その限りにおいては、私に議院内閣の一員であるという意味合いから生ずる責任もあるでございましょう。しかしながら、第一ないしは第二に申し上げました考慮すべき重要な国民の憂慮、さらに国会の方々の教育に対する深い御関心というものを念頭に置いて、自民党の方々がいろいろの御意見を私に話されるときには、これを傾聴しながらも、なお必要な場合には私の見解を述べて対話し、そうして施政方針の最初に述べられたる原則である、教育は政争の外にあって、わが国の将来を充実せしめるものであるという総理大臣の御趣旨を貫徹すべく私はこの職についているわけであります。
○宮之原貞光君 これは委員長の方からもぼくは閣僚の皆さんに注意してもらいたい。質問に的確に答えていただけば結構なんですから。演説は要りませんし、そういう私は一般論、抽象論の質問をしておるのじゃないんですよ。先ほどの総理の政治姿勢と関連をして、具体的な問題として出てきておるから具体的にこの問題はどうされるつもりなんですか、どうしますかということを聞いておるんですからね。それに的確に答えてくださいよ。
○国務大臣(三木武夫君) 野党の方々にも御了承を得たいのは、全部行政に対して私が知っておる問題ばかりではないわけですね、全体としての私は責任を負いますが。したがって、私がこの問題は文部大臣に答えさせますから、どの大臣に答えさせますからと言ったら、これはやはり総理大臣一人で全部答えなければならぬというふうにはお考えにならないで、具体的問題についてはいろいろ担当の大臣が答えるということに対しては寛大な態度を野党の各位もおとりを願いたいとお願いをする次第でございます。私も勉強はいたしますけれども、全部いろんな具体的問題について総理大臣一人で答えよということには無理があると思いますから、この点はどうか御了承願って、そのためにこうして全大臣がおるんですから、その大臣が担当の行政事務についてはお答えをするということは、それはやはり野党の各位もそういうことに対してはもう少し寛大にお考えを願いたいということをお願いをいたしておく次第でございます。
○宮之原貞光君 総理、私は総理に具体的な中身まで判断をしなさいと言っておるのじゃないんですよ。政治姿勢の問題と関連をして、文部省自体慎重に扱うと言うのに党の方からやれやれと言って押しつけるという、その姿勢が正しいのですかどうですかと、そこのところをあなた、きちんと答えてもらえばいいんですよ。
○国務大臣(三木武夫君) それは、党はいろいろな文教政策を持って、自分の文教政策を実現させたいと努力をすることは事実ですが、そのために、教育というものの将来を考えて、われわれの納得のできないことを圧力に屈するようなことはありません。
○小野明君 関連。 関連して総理にお尋ねをしたいと思うんです。先ほどからお聞きをいたしておりますと、総理が総論だけで答えられておって、宮之原委員が非常に顕著な具体論をもってお尋ねをいたしておるのでありますが、その具体論に対して総理が一向にお答えにならない。先ほどの総理の御答弁の中にもありましたけれども、何よりも教育を重大に考えているといまおっしゃったばかりであります。宮之原委員が指摘しておるのは、きわめてこれは教育上現場に大変な混乱を起こす重大問題である。これを放置をしておいて——事前に文部大臣とも十分な打ち合わせがあってしかるべき問題であろうかと私は思うんです。教育を重大と考えるなら、この予算委員会に臨むに当たってその程度の打ち合わせはあって、いまの宮之原委員の具体的な質問に的確にお答えなさるが私は適当であろうかと思うんです。 それで、いまのような問題については、大臣がお答えになったが、私は、自民党文教部会がごり押しをやっておる。それで一局長と一緒になって、大臣をたな上げして先に新聞発表をやっておる。こんなばかなことが許されていいものですか。また、これほど重大問題を、総理がこの委員会の場においてそれは行き過ぎである、それは許さない、こういう態度を表明してしかるべきだと私は思うんです。そこを私はお尋ねをしたい。御答弁を願いたいのです。
○国務大臣(三木武夫君) こうやって自民党が何か圧力かけて新聞発表したとかいういろいろな事実関係を、あなた自身の立場からいろいろと御批判になって、いろいろな具体的な問題、内容もまた主任の問題とかいろいろ具体的な問題に触れますので、そういう問題については文部大臣がお答えする方が適当だと言っているので、私としては、総論総論と言われますけれども、総理大臣は大いに総論を持たなければいかぬという私は意見なんです。総論なしで各論ばかりがある総理大臣はありません。 そういうことで、やはりそれは全体としての私の姿勢というものは申し上げますが、しかし、具体的なそういう問題について、自民党から圧力がかかったとかいろいろな問題については、そういうことを詳細に知っておりますのは文部大臣ですから、文部大臣が詳細にお答えをいたしますということは——これまでも私に全部答えよということは多少無理があるように思う。私はそれだから、具体的に問題を知っておる当人がお答えをした方が宮之原君の、質問者にも御満足がいくと思いますので言うのでございますが、前にこういう問題を宮之原君が質問するからちゃんといろいろといままでの経過を調べておけというような、そういうことがございましたら、私もこの問題は事前にするんですが、突然ここでこの問題はどうだと言われましたので、それを詳細に知っておる文部大臣からお答えさせますというのですから、私は余り無理なことを申し上げておるとは思わないわけでございます。
○小野明君 ちょっと頭にくる御答弁がありましたので、あえてもう一問、関連ですから簡単にやります。 いま総論が必要だと。それはよくわかります。しかし、各論があっての総論でなければいかぬわけですよ。三木総理、どうもたとえば生涯設計計画にしても各論なき総論ばかりで、花も実もない三木内閣というのが国民大衆の批判なんです。いまの御答弁を聞いて、いよいよこれは各論のない総論ばかりの三木内閣という感じがいたしますので、こういう重大問題は各論を詰めた上での総論、こういう御答弁をいただきたいと思うんです。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、総論があって各論がなければいかぬと考えています。総論があって各論がなければいかぬと。そういうことで、この問題について、私もいろんな末端に対してできるだけ勉強いたしまして、いろいろな問題を私自身がここで一遍に急に問われてもお答えできるようにしたいとは思いますが、何分にもそうもまいらぬのでございますから、その場合には担当の大臣からお答えするということがあり得ることは御了承を願わなければならぬわけでございます。
○委員長(大谷藤之助君) 文部大臣、どうですか。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの問題は、具体的な中間管理職職制化についてのことでございますから、その問題について党から圧力があったか、さらにまた私がどのように考えているかということを申し上げるのがよいかと思います。 まず第一に、党におきましては当然この種の問題について御意見が多々ございますが、宮之原先生も御案内のごとく、奥野文部大臣が御在任の時分にも、五段階給与という式のものは実現する考えはございませんということを国会で述べておられます。したがいまして、職制を是が非でも実現せよと私に圧力をかけたということを私は考えておりません。 第二に、私はこの問題をどう考えるかと申し上げますと、これは現場の実情を見ていろいろ考えていくべきでありますが、今日まで一度として中間管理職を職制化すべきであるというふうに申したことはございません。したがいまして、現段階においてもさように考えております。 第三に、先生が関連でお話しになりました、大臣をよそに置きまして局長と党の人が話して事を進めているというようなことがあるのではないかということでありますが、そうでありますと、私は局長に対する管理能力を欠く大臣ということになるわけでありまして、これは非常に困った事態でございますが、私は当該の局長とも十分に話し合いながらこの仕事を進めているわけでございまして、したがいまして、この問題について局長は私が職制化する考えはないということを十分に承知をいたしております。
○宮之原貞光君 次に移りますが、スト権の問題について総理はたびたび今秋までに結論を出したいと、こう言っておられるのですが、新聞を見ますと、いろいろもたもた与党の方でやっておられるようですが、しかし、総理が今秋をめどに結論を出したいという方針は変わりないと、このように理解してよろしゅうございますか、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 宮之原君がごらんになってもわかりますように、いま専門委員会の懇談会であれだけ精力的に各方面の労働問題に対して見識を持っておる人がこの問題をとらえて議論をしておるわけですから、この結果を踏まえて閣僚協議会で今秋の結論を出したいという目標のもとに、目途として、そういう段取りでこの問題を処理したいと考えておる考え方に変わりはございません。
○宮之原貞光君 変わりがなければ結構ですが、ただ、やっぱり総理ね、総裁としての指導力の問題、いろいろ力関係もありましょうけれども、よく総理がはっきりされたことが党のいろいろな内部事情で後へ後へと引く。さきの一番典型的な独禁法と同じですよ。そうならないようにひとつこの問題もやってもらいたいと思うんです。それは決意をもってやっていただくということは、これはもう理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(三木武夫君) 今秋結論を出したいという段取りで進めておるということでございます。
○宮之原貞光君 もう一つ、これは総理府長官ですかね。これは昨年の春闘の段階の合意事項を中心にして三公社五現業でいままでやっておるわけですが、あの第五項目に「非現業職員の労働基本権については、公務員問題連絡会議で引き続き検討する」というお約束があったと思います。それは現在どのように進んでおるんですか。
○国務大臣(植木光教君) ただいま御指摘のように、四十九年春闘のいわゆる五項目の合意事項の中に、非現業職員の労働基本権問題が含まれていることは事実でございます。したがいまして、この労働基本権問題を処置いたしてまいりますために、公務員問題連絡会議を開きまして、過去三十余回にわたりまして鋭意それぞれの項目について検討を続けているところでございます。 なお、すでに措置したものがございまして、御承知のとおり十項目あるわけでございますが、運用によって処理すべき三項目につきましては、各省庁に対しましてすでに連絡をし、十分趣旨を徹底しているところでございます。また、具体案の作成に努力すべきものにつきましては、前国会におきまして法人格の付与法案あるいは国会法及び地公法の一部改正法案という形で御審議を仰ぐというところに来ております。 さらに、引き続き検討すべき三項目につきましては、現在も鋭意検討しているところでありまして、ごく最近では、十月の十三日に開催いたしました連絡会議におきまして、各関係省庁の次官にお集まりをいただいて協議をいたしております。団結権の問題、それから交渉不調の場合における調整等の方法、あるいは刑罰規定の再検討、これらを行っているのでございますが、まだ協議中でございまして、これらについては結論を得ていないところでございます。
○宮之原貞光君 これまたいつまでも引き続き検討中では困ると思うのですよ。これは少なくとも三公社五現業と歩調をそろえた形で、めどとしてはやはり今秋までに結論を得るようにやってもらわなければ、最終的な結着点なしの引き続きでは困るのですが、この点、そのようなめどで努力していただくところのあれがありますか、どうですか。
○国務大臣(植木光教君) 非現業の問題につきましては、三公社五現業のようにことしの秋までという時間的な制約はないのでございます。しかしながら、そういう制約はございませんけれども、これらの問題についてはやはり早急に結論をつけるべきであるという考え方であり、その姿勢であるということは私ども間違いございません。 ただ、問題が、ただいま申し上げましたように非常にいろいろな要素を含んでおりまして、たとえば消防職員の団結権をとってみましても、ボランティア活動を続けておられる消防団との関係でありますとか、いろいろな問題がございます。あるいは交渉不調の場合における紛争処理の機関を新たに設置すべきかどうかということについては、各省庁間でいまいろいろな交渉も行われているわけでございまして、そういうものを新たにつくる必要があるかどうか、つくるべきであるかどうか、そういうものができたときには各省庁間の交渉はどのような位置づけがなされるのであるか、いろいろな問題があるわけでございますので、私どもいまこれらを精力的に協議しつつ取り組み、結論を得ようとしているということでございまして、ことしの秋までという制限につきましては、努力はいたしますけれども、なかなかむずかしいものがあるということを御理解をいただきたいと思うのでございます。
○宮之原貞光君 これは確かに春闘の五項目の中に時期的なめどというものは、はっきりはしておりません。しかしながら、やっぱり同じ公務員という範疇の中での問題ですから、片一方は早く結論を出して、片一方は一年も二年もおくれたというのでは困るので、最大の努力はするということだけはここでお約束願いたいのですがね。
○国務大臣(植木光教君) 公務員問題連絡会議の回を重ねまして、御指摘のように最大の努力をしてまいります。
○宮之原貞光君 次は、田中金脈の代表的問題であるところの信濃川の河川敷の廃川処分についてお尋ねをいたしたいと思います。 総理はこの問題について、国民の納得のいく処理ということを前提に廃川処分をやるということをはっきりされておるわけでありますが、去る九月二十六日、事実上の実権者である田中角榮氏立ち会いのもとに、長岡市長と室町産業の間で合意をしたと言われる、いわゆる同用地の処分方針というものを御存じですか、どうですか。まず、それからお尋ねします。
○国務大臣(三木武夫君) そのことは承知いたしております。
○宮之原貞光君 承知しておられる。——何か補足があるの。
○国務大臣(仮谷忠男君) お答えをいたします。 国民の疑惑を受けぬように措置をしたいという総理の方針に従いまして私どもも行政指導を行ってまいったのでありますが、その結果、長岡市長より、処分後の土地の利用は長岡市の発展の見地から地域住民の利益を優先するということ、この場合に、長岡市の必要とする用地は室町産業から提供をするということ、廃川処分後の土地利用計画の決定は小林長岡市長に一任をするということ、この点について室町産業との間に合意に達したという報告があっております。 なお、必要とする土地の提供については、これは有償か無償かは、まだこれは国有地でありますから決定をする限りではないが、もし処分後、有償の際には国民の納得する価格で行われるように市長も考えておるようでありますし、私どももそういうふうに行政指導をいたしてまいりたいと思っております。 なお、この機会に申し上げたいと思うんですが、この報告は、九月二十九日の長岡市の市議会の本会議にも報告をされておるようでありますし、さらに十月の七日の長岡市の町内会長会、これは三百三十人出席したようでありますが、ここでも報告をし、いろいろ質疑応答のあった後に、市長の方針には全面的に同意をし、積極的に推進をするようにという申し合わせが行われたということもあわせて市長から報告をいただいております。
○宮之原貞光君 建設大臣に聞いておきますが、総理の言う国民の納得のいくという処理ということになりますと、少なくとも同用地のすべてが、県なり市なりの計画に基づくところの公共利用地としてこれは活用されるのが当然である。少なくとも、いささかも田中氏と室町産業に利権的金脈としての機能を一切許さない、そういう余地を与えないというものでなければ、これは国民の納得するところの処理と言えないと思うんですがね。そのように建設大臣は心得てやられる方針なんですか、どうなんですか。そこのところをきちんと聞かしてもらいたい。
○国務大臣(仮谷忠男君) お答えいたします。 室町産業との話し合いの場には田中角榮氏も同席されておったようでありまして、第一項の土地利用は長岡市発展の見地から市民全体の利益を優先する、こういうことがはっきりと約束されておりますので、お説のような方向で私どもはこの利用計画は立てられるべきものである。しかも、その利用計画は市長に一任をするということでありますから、そういう方向で進めると思いますし、進めるように指導をしたいと思っております。
○宮之原貞光君 これは私は今後の処理としてきわめて大事な問題ですから、さらに念押しにもなるかと思いますが、聞いておきますけれども、実はさっき建設大臣が、長岡市長が市議会、町内会に提示をしたと言う中身ですね。あるいは現在考えられておるところの公共施設というのは六つか七つほどありますね。しかし、それにみんな使っても大体これは十万坪前後ですよ。そうすると、二十二万坪という広大な用地ですから、十二、三万坪残る計算になるんです。これは室町産業にやりなさいでは困るんです。したがって、その残りの部分も市なり県なりが公共用地としてこれを利用できるような処理の仕方というのが、私は総理が約束されたところの国民の納得する処理だと理解をいたしたいのでありますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(仮谷忠男君) 率直に申し上げますと、廃川敷処分までは私どものやることであって、処分後は個人の土地になりますから、果たしていまの段階でそういうところまでわれわれが指導していいか、言っていいかという問題ではありますけれども、私は、公共用地として市が利用する場合でも、あるいは市でない方が利用する場合であっても少なくとも市民全体の利益を優先して利用するということになれば目的は達成されるのではないかと思いますが、詳細の面については、まだそういうところまではこれは話を進める段階ではございませんので、一応市長の考え方を私どもは支持をする、これに対してはできるだけの私どもは善意ある努力をしなければならぬと、かように思っております。
○宮之原貞光君 そこがおかしいと私は言うんですよ。建設大臣、あなたの方の権限で廃川処分にするかどうかというのは決めるんでしょう。決めるところの前提条件として、私は、総理は国民の納得のいくところの方向で処理をしたいと、こうおっしゃっておると思うんですよ。その場合に、廃川処分後、この敷地は何のたれべえということまで私はここで言って聞いておるんじゃない。少なくともその全体は、室町産業の所有として若干でも残ってそれが田中金脈とつながるという、後にいろいろな疑惑を残すようなことであっては、おたく自体も困るでしょうが。あなたの所属しておるところの系統から考えても、あなた自身も困るでしょう。だから、そこはきれいさっぱり、そういう疑いは払拭するような形の、もやもやがきちんとしたときに廃川処分をするならすると、こういうことが理由になるんじゃないですか、どうなんですかそれは。
○国務大臣(仮谷忠男君) 宮之原先生、河川法上の廃川処分は、処分後の土地利用とは無関係でやられるのがこれはたてまえであります。それ以上私どもが……
○宮之原貞光君 そこが問題になったから言っているんですよ。
○国務大臣(仮谷忠男君) はい、そうです。行政機関の私どもがそれ以上立ち入ることについては、これはいろいろな問題があるわけなんです。これは御理解をいただきたい。決して逃げ隠れするつもりで言っておるわけじゃございませんが、処分を行われた後の利用計画については市長に一任をするということでありますから、一任された市長が私はいいかげんなことはしないと思うんですよ。そういう面についてはこれから先十分に相談をしながら、国民の納得するような方向でもっていきたいというのが私の考え方でありますから、それ以上の問題についてはもう少し時をかしてください。まだそこまで私どもは具体的に話し合う段階には至っておりません。まだ処分をするかしないかというその段階で、国会でもいろいろ議論をされておるときでありますから、そういう意味でひとつ御理解をいただきたいと思います。
○宮之原貞光君 せっかくの答弁ですけどね、建設大臣、それはあなた、小林市長に一任すると言ったって、じゃそれならば市長はどうするのかと、物の考え方としてはね。後にまだ室町産業に猶予を残すようなことでは困るぞと、こういう行政指導があってしかるべきじゃございませんか。そういうものをしっかりきちんとして、後に一点の疑念も残さないような形でやるのが私は総理が約束されたところの国民の納得のいくものだと、こう思っておるんですがね。いかがでしょう、総理、そうじゃございませんか。
○国務大臣(三木武夫君) これはどういうふうな処分になるか、いま話し合いの途中でありますが、私の頭にあるのは、国民の納得のいくというのは、その土地によって室町産業が暴利を得たというようなことは国民が納得しませんから、やはりそれを売り渡す場合には、もとの原価プラス土地の、いろいろ土地造成なんかに金がかかればその費用もあるでしょう、それから金利、こういう程度で、その土地で非常に暴利を得たというようなことのない措置であるべきである。しかも、その土地利用は公共優先という立場でその措置をされることが適当である。具体的にどうなるかということはいま話し中ですから、いま私がここで申し上げる筋合いのものでもないが、そういうことが国民の納得のいく措置ということで私の頭にあることでございます。
○宮之原貞光君 私はそれが国民の、本当に総理が言うようにそうだと思うんです。それで具体的に建設大臣にお聞きしておるんです。それならばやっぱり建設大臣は、長岡市長にあとは一任しますでこれは処理されては困るんですよ。その原則を一体長岡市長はわきまえておるのかどうかということを確認をして物事を処理しなければ、何のことはない、あと半分は室町産業が処理をしたということになればますますおかしくなるでしょうが。そこのところを私は建設大臣のいわゆる指導の精神としてはどうされますかと、ここをお聞きしておるんですよ。
○国務大臣(仮谷忠男君) 宮之原先生のお気持ちはよくわかるんですが、私は小林市長という人を非常に尊敬しています。非常に熱心で、しかも勇気のある人だと思っております。その人がそれだけの気概でこの問題を取りまとめたこと自体を私は非常に高く評価をしておるわけであります。もちろんそれなら二十万坪というものを全部市が引き受けて、それに全部公共施設をやれと言って、そんな約束ができない限りは処分はできませんよと言っても、これはなかなかむずかしい問題じゃないでしょうか。私は、要するに市の必要とする土地は提供するということになっておりますから、それに対する公共施設は進めてもらうことをもちろん積極的にわれわれは努力し援助をしなければならぬと思っておりますが、少なくともあの土地全体を通して室町産業が不当な利益を受けることがない、しかもその土地は公共のために、あるいは市の発展のために利用されるということになれば、まず市長の申し出というものを私は信用して、お互いに相談をしながら、あるいは行政指導をしながら進めていくべきではないかと、かように思っておりますから、これはぜひひとつわれわれの考え方も決して悪意ではございません、善意でどこまでも努力をせなきゃいかぬという、そういう考え方に基づいてやっておることでありますから、御理解を賜るようにお願いをいたしたいと存じます。
○宮之原貞光君 わが党もこれは実際現地に行っていろいろ聞いてきましたよ。したがって、私はまたこればかりやる時間的な余裕もありません、いずれ委員会でやりますけれども、ただ率直に申し上げて、信頼をします信頼をしますで事が処せられるところの問題じゃないんです。それは。第一あなた、小林市長自体半分弱ですかと、御本人までこう言っておるんですから、あとの広大な土地を一体どのようにするかというおおよそのめどということぐらいなければ、この問題の処理というのはおかしくなるということははっきりしていますよ。だから、市だけではなくして県の方にもやはりこの問題はさせる。そういうようなほんとに国民の納得のいくところのやはり処理ということがこの問題にされない限り、私はこの問題はこれで終わりになるということはないことだけは警告申し上げておきます。 なお、関連をして私は総理に聞きたいんですが、だからといって総理、この問題は一つのめどがついたからといって、私は総理が田中氏自身が国会で釈明すべきであると、こうお答えになったところのものは、これは免責にはならないと思うんです。したがって、この問題については今後さらに私はやはり総理として努力してもらわなきゃなりませんがね、いかがでしょう、この点。
○国務大臣(三木武夫君) 私はあの当時は、田中総理が総辞職されるということは、そういうことは的確に予測はしておりませんから、そうでない場合には当然に国会において釈明されることが適当であると、そう私は考えたわけでございます。その後田中氏自身も、国民の前にいろんな誤解を解きたいと本人もテレビの前で言っておったのを私直接聞きましたから、そういうことをされるものであるということを私は期待をいたしておるわけでございます。
○宮之原貞光君 この間の仮谷発言、ですね、この問題を契機にいたしまして、その前にまた稻葉法務大臣の発言問題もありまして、いわゆる閣僚の発言というもののあり方ということが非常に私は重要な問題になってきておると思います。それだけに閣僚の皆さんにもいろんな点で発言ということには慎重に考慮してもらわなきゃならぬと思いますが、よく多くの閣僚というのは地方に行政視察なりに行かれて住民に約束をされる場合があるんですね。しかし、そのことも私はやはり約束をされたものは責任を持たなきゃならないと、こう思うのですが、そういう物の考え方についてどうなんですか。
○国務大臣(三木武夫君) 約束したことは必ず実行する、実行できぬことは約束しないということが政治の信頼の基礎である。ただ宮之原君、こういうことはあるんですね、やはり時期的にその実現というものがずれることはありますよ。これは三木内閣、各論やらぬというお話ですが、いろんなことをやっておるでしょう、こうずっといろいろごらんになっても。各論ですよ、このごろやっておることは。ただしかし、全体の総論がある、そのもとで、各論というのはこれまでごらんになってもいろいろやっておるじゃありませんか。ただしかし、全部が全部直ちにということのできぬ場合があって、時間的にずれることがある。このことはやはり御承知おきを願わないと、もう言ったことは、そらやらぬじゃないかと言っても、すぐにそういうふうなことにはいかない。いろいろやはり時間的なずれもあるけれども、言ったことは必ず実行しなければいかぬ。これはもう政治の信頼の基礎であることは宮之原君の言われるとおりでございます。
○宮之原貞光君 総理は時間的なずれということに大分アクセントを置かれて話していますが、まあそう予防線を張らぬでもいいんです。 そこで、これは小沢環境庁長官にお尋ねしたいのですが、大臣が某代議士の後援会に招かれて奄美大島に渡ったことがありますね。その八月の九日、現地の住民代表とのなにで枝手久島石油企業誘致反対の陳情を受けて、あなたの当時の発言は録音も私は持っておるのですが、また当時NHKのニュースでも報道されたのですが、いろんな問答の中でこう言っておるのですよ。山を切り崩す、海峡をふさぐ、海を埋めることは自然破壊なんだ、これは取り返しのつかぬことだ、埋め立てはそれ自体が自然破壊だと私は言っておるのだ、だから、いまここで企業誘致に反対と言っておるのではないけれども、自然を破壊するような企業の進出は許さないのだと、こういうことをあなたは明確に向こうで答えられておるのですよ。私は現地の皆さんの話を聞きますと、非常にこのことでなかなかあの環境庁長官は思い切ったことを言うということで評判が高いようで、あなたが応援に行ったところの某代議士も鼻高々のようでございますが、このことは間違いございませんね。そしてなおまた、あなたは帰って通産省と視察の結果を報告していろいろ話し合いたいと、こういうことも言って約束をされておるのですが、間違いございませんね。
○国務大臣(小沢辰男君) 私、現場も拝見いたしました。私の環境行政の基本姿勢は、二十年、三十年、五十年あるいは百年後、後悔しないような日本民族としての環境保全というものをしっかり考えて取り組んでいくというのが基本姿勢だと。その録音があれば聞いていただきたいと思います。その前にそういうことを言っております。 現場で見まして、一つの山を崩しまして、それから二つ外洋に通ずる出口がございます。この一方を締め切るというような計画のようで、私は具体的には何にも聞いてなかったのですけれども、現地でそういうふうな話がございました。それはあの環境を見ますと、とても環境破壊として私が許せるようなものではないと、こういうことをはっきり申し上げました。いまでも変わりはございません。それから石油の基地あるいは石油化学というふうに聞いたものですから、精製設備も含めた。これは現在のところ、日本の石油の精製の能力から見てそんな急ぐ問題でもないということを考えまして、この点は私の方から通産省のエネルギー庁にも、一体どれぐらいの必要性があるのかということについていろいろ問い合わせをしたり、研究をいたしております。しかし、とにかくあの現場で見ました限りにおいては、あの自然破壊は私としては環境庁の責任者として許すことはできないと、この態度は変わっておりません。
○宮之原貞光君 いま答弁をされたところの問題は、私が先ほど申し上げたところの筋と大体違わない、こういうように理解をしたいと思うのですが、ただ現地では、そういう環境庁長官のけなげな発言にもかかわらず、この五十三年からは工事をやるんだと当該の会社は宣伝をしておるというので、またいろんな物議を醸しておるのですが、そういうようなことも通産省としてはゴーのサインを押されたことはあるんですか。それとも、そのことはやっぱり小沢長官のお話のように、まだ慎重の段階なんですか。その点どうなんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私が参りましたときも申し上げて、その録音にあると思いますけれども、全く行政上の手続そのものが全然ない。私どもも何にも聞いてないわけです。まして埋め立てになれば運輸省の方にも言わなきゃいかぬわけでありますが、運輸省にも何ら手続はまだないわけでございます。そういう段階でございますから、私はいま現地でどういうようなことが言われているかわかりませんが、公的には行政上の手続が中央に全然来ておらない問題でございますので、私は仮定の問題として、そういうような山を一つ崩して、島を崩すわけでございますから、そういうようなものは私の立場では納得できない、反対であると、こう申し上げてきたわけでございます。
○宮之原貞光君 そうすると、これは今後そういう申請があるにしても、環境庁の長官としては、いま言明されたような立場からこの問題については同意するわけにいかないと、こういうように理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(小沢辰男君) 私が現地で承りました——先生ごらんになったかとうかわかりませんが、外洋に出口が二つありまして、その真ん中に大きな島が一つあります。この島を崩して、外洋の出口の一方をふさいでしまって、そうしてそこにずうっと大きな何か埋立地をつくるというようなことを聞いたものですから、それはとても私の立場で許すことはできないと、こう言ったわけでございますので、私は実現にそういう計画があるのかないのか、そういう点は中央には全然出てきてないわけでございますので、いま私が言うた限りにおいては責任を持ちます。しかし、計画が出てきてないのですから。先ほども先生がおっしゃったように、企業の進出について私は一般的な反対をしているわけじゃありません。その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。
○宮之原貞光君 次に移りますが、経済財政の運営の諸問題についてお聞きいたしたいと思います。 まず大蔵大臣にお聞きいたしますが、四月一日の五十年度予算案成立直前に、私がこの見積もりの問題についてお聞きをしたときの大臣の答弁は明確に覚えていらっしゃいますね、大蔵大臣。
○国務大臣(大平正芳君) 記憶しております。
○宮之原貞光君 私は、記憶されておるならはなはだけしからぬと思うのですよ。しかも、いま終始その態度は変わらないというのならね。だって、あなたは私に具体的に何らお答えされておらないばかりか、そのような事態にならぬよう努力をいたしますと、こういうようなかっこうで逃げの答弁に終始されておいて、先般来本会議でも質問があったように、それから一週間後にはもう五十年度もこの税制の収入が大変な赤字になるんだというようなことでどんどんやられて、四月十九日には大蔵省自体で赤字国債を検討中だという新聞報道さえもされておるのですね。国会では一週間、十日前にそういうことは言えませんとこう言っておって、そうしないように努力しますと言いながら、一週間、十日たったらもう全く大変だ大変だというPRを一生懸命される。私は本当に国会審議のあり方から見て、こういう御答弁の姿勢というものはどうかと思うのですがね。これは一体国会軽視だと言われても仕方ありませんじゃないですか。国会は、やはりそのときの情勢というものを的確に皆さんつかんでおられたら報告されて、そしていろんな意見を交換する中で前向きの結論を見出すというのが私は国会の審議だと思うのです。とにかく予算を通すためには何でも臭い物にふたをしてでも通しさえすればいいというこの政治姿勢が私はこういう結果を生んだと思うのですが、どんなもんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 政府は国会に対しまして厳粛な責任を持っておるわけでございます。したがって、政府が国会に対してお答えすることにつきましては、あなたがいま言われたとおり正確でなければならぬわけでございます。当時の状況といたしまして、三月の中旬における確定申告の状態も的確にまだ私の手元では掌握できていない状態でございましたのでありまするし、下期の経済の実態も、政府が予想いたしておりましたものを改定するというようなこともいたしていない段階でございましたので、私としては、あなたが言われるように、かたくななというそしりを受けるかもしれませんけれども、正直に、間違ったことを国会で申し上げるべきでないと判断いたしまして仰せのような答弁になりましたことは御了承をいただきたいと思います。
○宮之原貞光君 じゃ、その当時としてはかいもく見当つかなかったということですか。
○国務大臣(大平正芳君) 大体その月の税収は一カ月たった後で初めて私どもにわかるわけでございますので、当時四月一日と申しますと、全国の収税官庁におきましてそういうデータが整理されつつありました段階でございます。しかしながら、私どもとしては相当大きな歳入の落ち込みがあるのではないかという懸念は確かに持っておったことは事実でございますけれども、それがどれだけになるかということにつきまして自信が持てない場合に、そういう自信の持てない数字を国会でふらふら申し上げるというようなことは、私は国会に対する礼を失することになると判断しております。
○宮之原貞光君 これは私は、私みたいな経済の素人でも、あのときも指摘しましたから、わかることなんですよ。たとえばあなた、相続税など三税、税収額の各月別の対前年同月の伸びを前の年の十月ごろからずっと見ていけば、ずっとこう下がっておる。言うならば、その十月段階に五十年度の予算編成をされたころの時期と大変な見込み違いがあるということは、そのときではっきりしておるのですよ。それを一回十月段階で決めたからというので、無理やりに、いや税収があるんだあるんだというような五十年度予算を編成をする。もしあなたが本当に的確な数字で何兆億ということははっきりわからなかったというなら、それはそれでもいいでしょう。しかしながら、その傾向というものはもう前の年の十月、十一月段階からわかっておるのです、暮れには明確に。そういうならば、少なくとも予算を組まれるところの立場にあるところのあなたにとっては、そういう情勢というものを的確に見取って予算編成をなされてしかるべきだと思う。それを政治というものが優先をして、後から経済の見通しをひっかけるというやり方が、私は今日の赤字財政を招き、不況を招いておると、こう思うのです。私はその典型的なやつがこの問題だと思うんですよ。それをいまごろ大臣は、いやその当時はわからなかったからとか、あるいはまたはっきりしなかったからということでは、私はやっぱり明確な国会審議にならぬと思うんですがね。だって、あなた自身十月二十日の本会議の答弁ではそういうことを言っておられるでしょう。野々山君の質問に対して、大体大変な歳入欠陥の危惧があるということはもう当時でもわかっておったんだ、しかし予算を成立させるために云々と、あなたはこう言われておるんですよ。そんな本会議の答弁と、また私ども真剣に議論をしておるところの場合とで、ちょこちょこっとはぐらかされては困りますね、これ。一体どうしてくれるんですか。不明なら不明と言ってくださいよ。われわれごとき素人でもわかるのに、エリート中のエリートだという大蔵官僚が税収入の見通しがわからぬということはないですよ。それをほおかぶりしておって、いささかもこれは狂いはなかった、国際経済のしからしむるところですというのが三木さんの話でしょう。そういうことでは国民は納得しませんよ。わかるように解明してください。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、国会に対しまして政府は正直でなければならぬと思います。わかっておってわからないと言うことはいけないと思います。事実、わからない場合にわかっておるようなふりをするのはなおいけないと思うのであります。 今日の経済状態は、宮之原さんもおっしゃるとおり大変な激動期でございまして、私どもも全力を傾けてその掌握に努めたわけでございますけれども、残念ながら大きな狂いを生じたことは御指摘のとおりでございまして、まことにざんきにたえないわけでございますが、これは私どもがわざとそういうことをやったわけでは決してないわけでございます。精いっぱいやりました結果がそういうことになったわけでございますことは、たびたび私が申し上げておるわけでございますので、その点は重々御了解を賜りたいものと思います。
○宮之原貞光君 これは重々御了解を願いますの話じゃないんですよ。あなたいろいろ言われたけれども、わかっておったけれどもわからぬと言ってとぼけただけの話でしょうが。こういう数字を見ていてさえも、昨年からずうっともう税収というのはすとんと落ちておるんですから。マイナスになっているじゃないですか。こういう問題は、これは大変な問題になる、予算が成立しましたらいずれまた皆さんに相談をしたいと思います、これはまたいずれどうだと言うなら話はまだわかるけれども、そのときはすっとぼけてあなたは外しておるんですよ。それでおって、舌の根も乾かないという言葉がありますが、まさにそのとおり、すぐに一週間後には八千億足らないんだと言うのは、これは余り私は国会をばかにしておると思うんです。そうじゃありませんか。私みたいなわからぬ者がわかっておるんだから、わかっているところのあなた方がわからぬと言うのは不思議ですよ。これも三木総理の答弁ですけれども、やっぱり世界経済のなせるわざですかね、どうなんですか、この原因は。あなたの責任だと私は思うんだがね。
○国務大臣(大平正芳君) もう一つ申し上げて御了解を得たいと思いますが、税収の見込みというものは、過去の実績というものを踏まえて将来の伸びを見積もるわけでございますが、もう一つは、将来の伸びを見積もる場合に、その基礎値になりますのは経済の見通しなんでございます。 経済の見通しは、ことしの予算を編成する場合に、政府としては経済の見通しを政府の責任で立てたわけでございます。それをベースにいたしまして私ども歳入を見積もったわけでございますけれども、この経済の見通しの改定ということは、四月の段階で政府はやっていなかったわけでございます。仰せのように、この事態は相当大きな変化が来るのではないかという予測は確かにあったわけでございますけれども、この改定をいつやるかということにつきましては、もう少し五十年度の経済の推移を見た上でやるべきであるということでございましたので、当初の経済の見通しそのままを政府の経済の見通しとして採択いたしておったものでございますから、私は内閣の一員といたしまして、その経済の見通しを離れて別な見通しを立てて国会に御答弁申し上げるということはできないわけでございます。さればこそ、ことしはできるだけ早く補正予算を策定いたしまして御審議を仰がなければならぬ、その場合には当然経済の見通しも改定する必要があろうということで、例年に比べましてことしは早目に作業を急がしていただきまして、いま御審議をいただいているようなことに相なりましたことは御了承をいただきたいと思います。
○宮之原貞光君 これは私は御了承で済む問題じゃないと本当は思っているんですよ。しかも、これは何も大平さんだけの責任じゃないと思う。いまいみじくも言ったように、ある一つの見通しを持っても、閣議全体としては自分の考えを述べるわけにいかないという、そこらあたりの問題もわからぬでもないですが、私はしかし、これは一番担当に当たるところのあなたとしては、やはりこの責任は逃れないと思っているんですよ。 なお、続いて経済の見通しとかかわるところの問題でございますけれども、参議院本会議におけるところの総理の御答弁をお聞きいたしますと、とにかく物価を抑えることに最重点を置いた、それが成功したから今度は不況の対策だと、こういうことを言われておる。どうもこの話を聞く限りは、物価と不況の象徴であるところの失業、倒産という問題は、これは一体的なものじゃなく別々のものであって、まず物価をやったから今度はひとつ不況対策なんだというふうにしか、これはあなたの答弁からは御理解できませんが、そのように理解していいんですか、経済政策というのはそんなものかということを。
○国務大臣(三木武夫君) 宮之原君も御承知のように、三木内閣が出発したときは異常な物価騰貴ですね、卸売物価が三一・三%、消費者物価が二四・五%、年率の値上がりが。こういうふうなインフレが続いていけば日本経済は破綻に瀕するわけですから、これは通常国会などの御議論も、皆さんもやっぱり物価問題に集中された国会です。国民の声もそういうことでございましたから、やはり政府が物価を抑制しようということに重点を置くという政策選択は、私は誤ってはいなかった。しかし、いま不況とインフレが同居しておる。これは初めてで、いままではこういうことはないわけですから、非常にやっぱり物価を抑えながら不況というものを深刻化しないように持っていく、両面作戦のような責任があるわけですね、経済政策。その中でどちらへ重点を置くかということは、そのときの政府の経済情勢をにらんでの判断によるわけで、物価に重点を置いた。しかし、いま宮之原君が御指摘になるように、その問題はやはり雇用の問題とも関連しますから、政府は二月、三月、六月と不況対策をやったわけです。だから、不況問題に無関心で物価ばかりやっておったのじゃない。 そういうことでやりましたけれども、何分にも日本の戦後の経済の中で成長率がマイナス成長というのは去年初めてですからね、〇・六。一〇%以上も成長しておった経済が続いておる中に、〇・六というマイナス成長は初めて経験したのですから、非常に冷え込んでおったので、第一次、第二次、第三次というもののなかなかやっぱり景気の回復の足取りが遅い。そこで今度は補正予算を組んでまで本格的な景気対策に乗り出したわけでございまして、これはもう世界各国とも、どこか格別よその国がそういう不況とインフレの中で非常にうまくやっておるかというと、各国ともやはりインフレと不況というものとの両方踏まえて、皆苦心をして経済政策をやっているわけです。日本の場合は物価問題というものを重点に置いて、しかも不況が深刻化しないようにという配慮を加えながらやったということで、経済政策の選択としては宮之原君、私は誤ってはいなかったということでございます。
○宮之原貞光君 私は、国民の求めているのは、やはり失業とか倒産とか、あるいは賃下げのないという状態での物価鎮静、言うならば経済政策の基本というのは、完全雇用というものと国民生活の水準というものが常にバランスをとられてやられなければならぬ。どういう社会経済体制であろうとも、私は基本的にはこれは正しいと思うのです。ところが、どうも総理の答弁やらあるいは福田副総理のお話をお聞きすると、とにかく物価だ物価だと、これでひとつ一〇%になったから今度はこれだというふうにしか、これはどう抗弁をされようと映らぬのですよ。そこに私は、話が飛びますけれども、この間の毎日のいわゆる世論調査ですね、三木内閣の支持率の猛烈なダウンというのは、そこにやはり国民の不満というのがあるのが最大の原因じゃないかと思うのですね。どうもこう考えますと、昨年の七月の参議院選挙で、物価でこりたのだから、したがってもう頭の中には物価しかない、したがって、他の重要な要素という問題を非常に軽視をされたということしか感じられぬ。何だか、あつものにこりてなますを吹くような経済対策というものしか私は組み立てられていないのではないかというような気がしてならぬのですが、この点、福田副総理いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 私もいま三木総理から申し上げましたように考えておりますが、とにかく一昨年暮れから昨年の春にかけてのあの物価の状態、これはもう国民が世の中はどうなるだろうかというところまで心配しておったと思うのです。そういう中で物価抑制政策、インフレ鎮圧政策、こういうものに重点を置く、こういう考え方をとることは、これは私は国家としてもまた国民のためにももう当然のことだったと、こういうふうに思うのです。 ただ、宮之原さんがおっしゃるように、経済政策は物価だけ安定していればそれでいいかというと、そうじゃないと思います。物価だけを考えるというなら、これは物価の安定というのはいともやさしいです。しかしそうじゃない。しかし、逆に今度は景気さえよければそれでいいのかと、こういうことでありますれば、これもいとも簡単でありまして、物価なんか考えないで景気景気と言えば、それは当面は景気はよくなりまするけれども、それはつかの間のことであります。これはすぐまたそれこそ本当に深刻な不況がまたやってくる、こういうことになるわけです。その辺は宮之原さん、私ども十分心得ております。 ただ、その時点、時点でどこに重点を置くかという、こういう問題で、まあ昨年度は何といっても物価に重点を置く。しかし景気の方に配慮をしなかったかというと、そうじゃない。すでにもう二月の時点で景気対策、第一次対策をとっておる、こういうのです。まあしかし、いま今日の時点においてはどちらかと、こういうことになりますと、まだ今日の時点になったって物価のことを忘れては私はならぬと思います。物価のことも考えながら、しかし、より重点を景気の回復、雇用の問題、そういう問題に置いていかなければならぬだろうと、こういうふうに考えております。
○松永忠二君 関連。 いま宮之原委員が歳入の欠陥で、三兆四千八百億も歳入欠陥が出ている、それについては大蔵大臣は厳しい責任を感ずるというようなこともお話があった。私は財政の歳入欠陥というのは経済の見通しの上に立っているものだと思うのです。いま盛んに大蔵大臣も言われたことは、経済の見通しをまだ変えていない段階の中で、財政のいわゆる欠陥を云々することはできないというようなことも現に言われている。それは私は事実だと思うのですよ。したがって財政の欠陥というもの、歳入不足というのは、経済の見通しと不離一体のものである。経済の見通しが誤ってきたところに財政の欠陥が出てくるのである。原因は経済の見通しに誤りがあったところに歳入欠陥の原因があったわけで、したがって歳入の欠陥で厳しい責任を感じていると言うならば、いわゆる経済の見通しを誤ったことについても厳しい責任を感ずるのは、私は当然なことだと思うのです。 で、いまお話も出ているように、やはりこうした見通しは、物価を一けた以内に抑えます、そうして四・三%の経済成長はいたしますという両方を約束したのであって、こういう問題について国会で再々議論されたときに、少しぐらい下がることはありますけれども、まあ四・三%を目標にして施策をやりますと言ったのが、第四次不況対策をやらなければ年度成長二・一%にならないという状況の中で、やはり経済の見通しを誤った、そのために財政に欠陥も出てきた。財政の欠陥に対して厳しい責任を感ずるとともに、経済の見通しについてもその誤りのあったことを厳しく感ずるというのが私は当然なことである。何も、物価をやったからその次に経済不況対策でございます、それをやって四・三%になるならば私は責任云々問題はないけれども、当然そういうものは謙虚に私はあるべきだと思う。 私は財政の欠陥というのは経済の見通しと不離一体のものであって、むしろ根本は経済の見通しを誤ったところに財政の欠陥が出てきたわけだ。したがって、私は特に福田副総理にその点の見解を聞くとともに、謙虚にその経済見通しの誤ったことについてはやはり責任のある——順序をまず物価に優先して、それから不況をやったことをとやかく言っているのじゃない。やはり順序を追ってやったとしても、目的を達成しなかったことについて謙虚に反省の意思表明がないところに私は問題がある。そういう点について、特に担当の福田副総理の謙虚な御見解を聞かしていただきたいと思うのです。
○国務大臣(福田赳夫君) 松永さんのおっしゃること、私も大体そのように思います。つまり、経済見通しがこれを大幅に改定しなければならぬ、こういうことになったことはまことに遺憾であり、また残念で残念でたまりません。これはただ、その間における政策の選択といいますか、政策運営、これを間違ったかと、こういうふうに本会議なんかで言われますから、それにつきましては大筋で間違ったとは思わないと。 見通しは確かに狂ってきたんです。なぜ狂ってきたか、こう言いますと、これはやっぱり何といっても輸出の不振です。これはもう全く思ったのとうらはらというか、逆な現象になってきておる。これは世界経済の落ち込みということから来ている。それがまた主として影響いたしまして設備投資の不振、これにも及んできている。そこで、個人消費は伸び悩みというか、そういう状態であるが、かなりこれはふえています。一四、五%の増加です。それから第一次、第二次、第三次、この政府の施策によりまして、政府の投資、これも一五、六%の増加です。そういう中で、国民総生産から見るとこれが二・二%しかならぬ。名目で言うと一〇%しかならぬ。そういう原因はどこにあるかというと、これは輸出の不振と、それから設備投資の不振である、そういうことなんです。 その世界経済の見通し、これは非常に私ども間違ったんです。その間違ったことにつきましては、私は率直に、これは大きな間違いをした、こういうこと。その点を責められるということになれば、これはもう幾らでもその責任をこれは感じていかなければならぬ、こういうふうに感じておるわけでありますが、とにかくこの経済見通しを改定しなければならなくなった。特にその成長率の点です。その点につきましては、これを深く遺憾とし、残念に存じております。
○委員長(大谷藤之助君) 関連はなるべくこの程度にとどめていただけませんか。——それじゃ、ごく簡単に願います。
○工藤良平君 関連。 いまの経済見通しの問題ですけれども、景気が非常に不況の状態になった五十年度予算の編成から現在にかけての経済見通しについて、その見通しの誤りが非常に多かったということをしきりに言っておりますけれども、この経済の見通しのいまの不況の際における誤りというものは、もとをただせば、その大もとである四十七年、八年にかけての異常な日本の経済の過熱というもの、そういう点について、私どもはむしろいまより以上の経済の見通しの誤りが非常に大きくあった。すでに景気が、円切り後、手当てをした、それに伴って補正を組んだ、財政投融資もつぎ込んだという形の中で急速に上昇していった。それに加えて四十八年の一般会計の当初予算、さらに補正と、こういうものが異常にふくれ上がっていった。そういう見通しの大きな誤りというものが、極端に言うと今日の異常な不況というものを長期化さしていったという、私は経済見通しに対する政府の対策の誤り、手おくれというものが今日の状態というものを導き出しているというように実は考えるわけです。 この点を明確に分析をしておかないと、副総理が本会議でも言いましたように、この前来た道はたどらないと言うけれども、それをすでにたどろうとしている。私はその点の責任をどうするのかということが、むしろ今日の経済分析の際の非常に重要な要点だと思うわけで、この点に対してはまた明後日私は質問をいたしますけれども、この点を明らかにしておいていただきたいと思うわけです。
○国務大臣(福田赳夫君) 認識は全く私同じでございまして、もうこれから先、もと来た道に返るということは絶対にこれはいたしません。
○宮之原貞光君 どうも、いままでの本会議答弁からしますと非常に素直な答弁のようで、また本会議みたいな答弁をされるとこれはやらなきゃならぬと思っておったのですけれども、いいでしょう。私は、やはりその見通しというものを皆さん間違われたからこそ、経済見通しはまた十一月に改められたのですからね。これはもう歴然たるところの事実なんですから、国民にやはりそのことは端的に私は表明しておく必要があると思うんです。それを、いや、いささかも狂いございません、世界経済の云々ですと、すべて輸出の不振ということになすりつけて言い逃れしようとするところの政治姿勢は私はやめてもらいたいと、こういうことだけは申し上げておきます。 なお、時間もありませんから次に急ぎますが、いわゆる公共料金の値上げの問題と絡みまして、これは副総理でしたか、本会議で、公共料金の値上げではなくして、新価格体系への移行なんだという答弁をしゃあしゃあと、まあ国民を私はえらくばかにした答弁だと思うんですが、そういう答弁をされているんです。一体、副総理のおっしゃるところの新価格体系というのはどういうものなんですか、ちょっと聞かしてください。
○国務大臣(福田赳夫君) 申し上げるまでもございませんけれども、昨年の一月一日に原油の輸入価格は四倍に上がったんです。その前後の引き上げを含めますと五倍になっておるわけです。ほとんどの製品に影響を持つ原油の価格が五倍になるといいますと、これはもうほとんどすべての製品の価格もそれの影響を受ける、こういうことになるわけであります。事実その影響を受けまして、諸製品がこの原油価格の高騰の後を受けましてどんどんと引き上げられた。これはもう御承知のとおりであります。そういうことで、その原油価格引き上げに対する諸商品の価格引き上げの現象が一回りいたしまして、私は今日におきましてはその五倍価格を受けての新しい物価水準、私は本会議で新価格体系というふうに申し上げましたが、あるいは新価格水準と言った方が適切かもしれません。そういう新しい水準、それがもうできちゃったんです。 ところが、ある種の事情でその順応ができなかったというか、その順応に乗りおくれた、あるいは乗り足りなかったというものがあるわけです。それらは、これからまた順応というか、価格の調整が行われないと、これは適正な価格水準という状態にならぬわけでありますが、その最大のものが私は公共料金である、こういうことを申し上げておったんです。つまり公共料金は、その原油価格の高騰を受けて価格が当然改定されなきゃならぬ。ところが、物価政策、そういうような見地からこれを政府が介入して抑えてきておる。そういうものにつきましては逐次これを新価格水準に持っていく必要がある。こういう状態に置かれておるわけでありまして、一般の商品につきましてもそういうものがないかというと、私は大体そういう新しい水準になっておると思うのでありまするけれども、例外的なものはなしとしないとは考えます。しかし、特に公共料金におきましては政府が介入いたしまして人為的に価格を抑えてきておりますので、逐次これを秩序立てて改正していかなければならぬ、こういう状態に置かれておる、こういうことを申し上げておるわけであります。
○宮之原貞光君 今度はまたここで新価格水準という言葉を使われる。体系というのと水準というのはどう違うんですか。私はやっぱり学問的には別だと思っているんですがね。体系というのを今度はいとも簡単に水準というふうに手直しされるんですが、そこのところをわれわれ素人でもわかるようにひとつ解明をしてください。 しかも、これは衆議院の議事録などを拝見いたしますと、河本通産大臣の新価格体系論の中には、企業の利潤ということも考えなきゃいかないという形で、非常にアクセントをそこに置かれての御答弁があったんです。これは福田さんと違うんですよね。ああなるほどと思うのは、あの石油価格の石油業法の十五条を発動して、今度は逆に、あの法に規定されておるものと逆の値上げをすることに一生懸命行政指導されているのも、何か一体通産省というのは企業利潤というものを頭に置いてのこれはまた新価格体系かと。こうなりますと、先ほど副総理の言われたところの答弁ともまた食い違ってきて、政府自体、私は非常にこの概念があいまいじゃないかという気がしてならぬのですが、そこらあたり、ひとつわれわれがわかるようにきちんと御答弁願いたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、参議院本会議で新価格体系というふうに申し上げましたが、私が言わんとするところは、宮之原さんもただいま申し上げましたので御理解願ったと思うのですが、体系というと、何か価格が統制経済下にある、新しい統制体制だというような響きも与えないでもないではないかなあと、こういうふうに考えまして、まあ体系といっても別に支障ないんですよ。ないんですけれども、その後考えて、新価格水準と言った方がより私の言わんとするところを明確に表現することになろうかと、こういうふうに考えておるわけであります。 それから河本通産大臣との間に何か違いがあるかというようなお話でございます。私はあるとは考えておりません。私がただいま申し上げましたような意味におきまして河本通産大臣も申されておる。私は、民間商品につきましても例外がないわけじゃない、こういうふうに申し上げましたが、その最も端的な例は石油の問題があるわけなんでありまして、河本通産大臣もその辺を頭に置きながら申し上げておるのじゃないか、私はそう考えております。
○国務大臣(河本敏夫君) 私が衆議院の予算委員会で申し上げましたのは、この新価格体系という言葉にはいろんな意味がある、こういうことで例示的にいろんな場合を申し上げたわけでございますが、一般的には、やはりいま副総理が言われたような意味で私は使われるものだと思います。 それから、特に石油の話が出ましたから一言だけ申し上げておきたいと思いますが、いま石油産業は非常に逆ざやになっておりまして、そのために年間数千億の赤字になっておるわけでございます。こういう情勢が続きますと、今後経営不安が起こりまして、そのために石油の安定輸入ということがむずかしくなる。何とかいまの経営状態を改善しなければいかぬ、こういうことで、今後どうしたらよいかということにつきまして、きょう石油審議会を開きまして、いま諮問をしておるところでございます。その御意見を聞きまして今後のあり方を決めたい、かように考えておるところでございます。
○国務大臣(福田赳夫君) 私がただいま民間の商品につきまして、大方新価格体系に移行したということをつけ加えましたのは、新価格体系という言葉を使いまして民間に一つの動きがあるんです。というのは、いま操業度が非常に落ちております。そこで、企業におきましては赤字経営というものが多い。その操業度が低くなった穴埋めを、新価格体系という名のもとに価格の改定を行うべきだという意見があり、一部の学者の中にもそういうようなことを言う人もあるわけであります。私はそれは非常に危険な考え方だと、これは声を大にして言っているんです。やっぱりそうじゃないんです。もう大体において原油の輸入価格が四、五倍になった、それの順応はできたんだ。しかし、それにもかかわらずいま赤字企業というものが多いが、それは操業度が落ちておる、そこに原因があるんだ。この操業度につきましては、いま政府は経済政策、操業度改善のための政策をとってこれを改善しますよと。しかし、操業度が落ちた、それで赤字が出る、それを新価格体系という名のもとに価格のつり上げをするという動きが出てきた。これは非常に危険なことであるということを申し上げておる。政府部内においては統一した意見でございまするけれども、民間には一部そういう意見もあるということを申し添えておきます。
○宮之原貞光君 どうもお話を聞いておると、私は、政府は新価格体系ですか、水準ですか、まあいま変えられたから水準と申しましょう。その水準という名のもとのこれはやっぱり高物価政策に転換をしておる、移りつつあるとしか思えないんですよ。そういう筆法で、また今度の値上げ三法以外に電報料、電話料、国鉄運賃、さらには私鉄の運賃というものを上げられるつもりでしょう。慎重に検討しますということしか答えは返ってこないけれども、本心は上げるんでしょうが。ノーならノーと、はっきりいまここで私はその点は言っていただきたいのですがね。 同時に私は、福田副総理がさっき言われたところの業界の動きを通産省のやり方は助長しておるんじゃないかと思いますよ。たとえば、石油業界が大変な赤字だと、こうおっしゃるんだけれども、その十五条を発動する、これは少なくとも私はこの石油業法の十五条というのは「低廉な供給」ということが相当ウェートがあると思うのだけれども、それよりも、何か石油の安定価格という口実のもとに、政府みずからが値上げのいろいろな働きかけをされておる。こういうことでは、私は先ほど副総理の指摘されたところの業界の動きに、さらにそれを倍加させるみたいな役割りしか果たさない。そういうことになっていきますと、これはまた来年の経済見通しで、物価は一けたに抑えるんだという見通しは私は完全に崩れると思うのです。こういうことをして、あえて来年の年度末には一けたに抑えられるという自信がありますかどうか。あったらひとつお答え願いたい。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの産業界全体といたしまして需給は非常に緩んでおる状態である。つまり供給過剰の状態です。また、裏を返せばこれは設備過剰、そういうような状態であり、またそこで操業度が非常に弱い、こういうような状態です。そういうような状態の中でありますので、これは物価というのはコストとそれから需給、これの盾の両面から決まるわけですが、需給がそういう状態である。そういう状態下において物価が上がるという基調は私はない。そこにさらに、私が非常に喜んでおりますのは、ことしの春闘においてああいうなだらかな解決になってきた、そういうような背景もあります。それから国際物価、これは多少上昇の傾向にありまするけれども、まあ昨年みたいなああいう激しい上昇傾向でもない。そういうことを考えますと、これは基調的には物価は安定的な基調、これがさらに私は固まっていく、こういうふうに見ておるわけでございます。特に消費者物価、これにつきましては九・九ということを五十年度の経済見通しにおきましても言っておるわけですから、これは一けた台ということの意味です、これを今度の経済見通しにおきましても改定いたしておりません。これはぜひ実現いたしたいし、また実現できると、こういうふうに見通しております。
○国務大臣(河本敏夫君) いま石油製品の値上げ問題につきまして、石油業法の十五条に言うところの標準価格制度、このことについてのお話がございましたが、この問題も含めまして、石油審議会においてどうすればよいかということについて、今後数回審議会を開いていただきまして議論をしていただこうと、こう思っております。 ただ、石油製品のうちで、灯油は国民生活に非常に大きな影響がありますので、これはできるだけ上げないように行政指導をしていきたいと、こう思っております。ただ、余りこれを低く抑えますと、灯油と軽油あるいはA重油、こういうものは比較的類似の品物でございますので、灯油を燃料がわりに、つまり軽油やA重油のかわりに使用する、そのために灯油のストックが減るということになりますので、あまり不合理な抑え方はできませんけれども、しかし、できるだけ低い水準に灯油は抑えていかなければならぬ、こういう考え方でおるわけでございます。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 午後四時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————・————— 午後四時三十四分開会
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 理事の辞任及び補欠選任についてお諮りいたします。 渡辺武君から、都合により理事を辞任いたしたいとの申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岩間正男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 午前に引き続き、宮之原君の質疑を行います。宮之原君。
○宮之原貞光君 赤字国債問題について若干お尋ねしたいと思いますが、戦後、特例法公債が発行されましてからこれがちょうど二回目になるわけですが、初めて登場したときの四十年は確か福田さんの時代だったと思います。その当時、この問題が財政法の第四条に違反するという論議、あるいはまた与党の中からも余り便宜主義じゃないかと、こういう批判が出たことは御記憶だと思いますが、そのときに福田さんは、年度途中の収入減という異常な事態なんで特例中の特例でございますと、きわめて神妙な態度で答弁をされておったんですがね。それから十年たりてまたぞろこう出てきた。一体この点、どういうふうな気持ちで大蔵大臣はこれを出されたのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、財政法はいわゆる赤字公債の発行を認めていないことは御指摘のとおりでございます。しかし、ただいまの状況は赤字公債の発行にまたなければならないような事態でございます。すなわち増税をなし得る経済状況ではないと思いまするし、また、ただいま中央地方を通じて計画中の財政支出を削減してまいるということは、経済の落ち込みをさらにひどくし、雇用の不安を増大することになりますので、今日の事態は赤字公債の発行をもってしのがなければならないような事態でございまするので、特例法を国会に御提案申し上げまして御審議をいただき、それに基づきまして、財政法四条によらざる公債の発行をお認め願うということを考えたわけでございます。異例中の異例の事態であるという御指摘でございますが、私もそのとおり心得ております。
○宮之原貞光君 異例中の異例なら、これを世直し公債だなんて胸を張って大きな声で言えるようなしろものじゃないと私は思うんですよ。本当にやはり皆さんの財政編成の見通しが誤って出さざるを得なくなった、こういう事態の中で私はこの特例法公債というのは出ていると思うんです。それをそのような態度でやられるところの与党の皆さんがおるということは、とりもなおさず特例法を出しさえすれば赤字公債はいつでも出せるんだと、このような安易なお考えで出されておるんじゃないですか。どうですか、その点は。
○国務大臣(大平正芳君) 特例法を出す以外にいわゆる赤字公債を発行する道がないわけでございますので、そういう方法を選ばざるを得なかったわけでございますけれども、これを出すに当たりましては、五十年度における歳入の欠陥を補てんするということだけに、また、それに必要額だけを補てんすることを目的とするということでお願いいたしておるわけでございまして、われわれといたしましては、異例中の異例の措置であるだけに、非常に限局された目的と方法によりましての発行をもくろみ、御審議をいただいておる状況でございます。
○宮之原貞光君 年度途中で歳入の見通しが非常になくなったから、異例中の異例だという御答弁のようでございますが、それを素直に受け取りますと、年度当初から赤字公債を出すようなのはこれはとらない、これは間違いなんだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(大平正芳君) ことしは御案内のように、当初もくろみました歳入が予想どおり収入として実現しない状況になってまいりましたので、その欠陥を、不足を補うために特例公債をお願いしようということでございます。明年どのようになりますか、これは明年の予算編成の問題として具体的に考えてまいらなければならぬわけでございます。明年の当初から特例公債をお願いしなければならないかどうか、それが仮にお願いするとして、どれだけの金額になりますか、そういった点につきましては、ただいままだお答えする用意がないわけでございまして、すべてこれ五十一年度の予算の編成にかかる問題でございまして、これからのわれわれの課題でございます。
○宮之原貞光君 私は明年度の問題もさることながら、一般論として聞いておるのですが、どうも大蔵大臣の話だと、場合によっては年度当初からも出せるという解釈のようですがね。しかし、財政法の規定しておるところの公債というものの解釈はそんなものでしょうか。私はこれは全くいまのものは強引な拡大解釈だとしか思えぬのですが、財政法の第四条はどういうように理解されておるのですか。
○国務大臣(大平正芳君) 財政法の第四条をどう拡大解釈いたしましても、あなたの言われるいわゆる赤字公債を発行する道はございません。したがって、特例法の制定をお願いする以外に道はないわけでございます。
○宮之原貞光君 特例法というのはあくまでも特例ですから、そのもとになるところの法律はあるんでしょう、財政法というのが。そこでは否定するものを特例法で出せるという解釈は私はないと思う。そこで欠けておるところのものをさらにそれをよりよくする、あるいはさらに便宜的な、たとえばどうするというならわかりますけれども、肝心の本法なるところの財政法は否定しておるのに、特例法を出しさえすれば年度初めからでも出せるんだという解釈は私は成り方たぬと思うんですが、どんなものでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、財政法は赤字公債の発行を認めていないわけでございます。したがいまして、財政法によって発行の道はないわけでございまするので、どういたしましても国会に新たな権限をお願いせにゃならぬわけでございますので、過去におきましても、財政法第四条ばかりでなく、財政法の各条章にわたりまして財政法にないことをやろうとする場合におきましては特例法の御制定を国会にお願いしてまいりましたことは御案内のとおりでございまして、今回の場合も、その前例を踏襲さしていただいておるわけでございます。
○宮之原貞光君 私は、政府の考え方は非常に公債の発行というのを安易に考えておられると思うんですよ。この財政法の四条にいたしましても、いわぬる建設公債というのもただし書きで書かれておるぐらいに、いわゆる原則的には否定をされておることなんです。それをさらに赤字公債というかっこうになりますと、私は財政法のたてまえの精神から言えば、そのことはまかりならぬぞというのが戦後一貫してとられてきたところの政策であるし、また方針だと思うんですよ。それを、たとえば公債の問題にいたしましても、自然増収が非常に多くて、ことさらに必要ないときでもどんどんどんどん政府は都合のいい場合には出される。またこうして見通しを誤るとまたやる。そういうようなことでは、私はいわゆる今日の財政法に規定をされておるところの問題よりも、皆さんはその本法よりもむしろ財政運用ということを主体に置いて考え過ぎておるんじゃないでしょうか。私は、もし特例法を来年にわたって出すというような見通しなら、むしろ財政法のあり方を、改正をしてそれを出して、議論をして決めた上で出すべきが筋じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) 宮之原委員が仰せになるような精神で健全財政を貫くために財政法は厳しい規定をいたしておるわけでございまして、財政法上赤字公債を発行する道は閉ざされておるわけでございます。もしここで財政法を改正いたしまして、いわゆる赤字公債を発行する余地をつくるというようなことは望ましいことではないわけでございまして、異例中の異例のことは、そのときにその都度国会の議決をお願いして実行してまいるのが筋道だと考えておるわけでございまして、政府といたしましても財政法はそのまま、健全財政の原則を貫いておりまする財政法は尊重してまいらなければならぬわけでございますが、こういう事態でございまするので、財政法によることなく、特例法の御制定をお願いするという措置に出ておるわけでございます。
○宮之原貞光君 特例というのは十年に一回ですというなら話はわかりますよ。けれども、来年も出すのでしょうが。いまわかりませんと、こうおっしゃっているけれども。そういうようにこれから何年続くかわからぬようなかっこうをしていて、それを特例と言えますか、あなた。それでは私は余りにも政府の言い方は便宜的だと、こう思うんですよ。四十年当時議論をされたところの、いまこちらにいるところの与党の皆さんからも言われたところの記録ありますが、衆議院でね。非常に便宜主義だと言われてもしようないじゃありませんか、それ。どういう歯どめをするというあれがあるんですか。少しその辺聞かしてくださいよ。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、特例公債をお願いするということは異例なことでございまして、政府としてまことに遺憾な事態だと考えております。したがって、これを発行するにつきましては、それを十分納得がいただけるだけの手だてをしてやらなければならない。すなわち財政の運営それ自体を大変厳しくやってまいらなけりゃならぬことは当然でございますけれども、今度お願いする特例公債の消化あるいは償還等につきまして、より厳しい規制をみずからに課しまして、それからの脱却をできるだけ早くいたしまして、健全財政に返る方途を探っていくというようにやらねばならぬと心得ておるわけでございまして、明年、私の見通しといたしましては、依然として特例公債をお願いしなきゃならぬような事態になるのではないかと予想いたしておりまするけれども、これもぎりぎり詰めに詰めまして、規模にいたしましても、また発行いたしまする公債の処理にいたしましても厳正な措置を講じた上でお願いしなければならないと考えておりまして、一日も早くこういう状態から脱却するように財政運営を厳しくやってまいりますことは、当然の前提として心得ておるつもりでございます。
○宮之原貞光君 来年のことについて大分ほかされた答弁ですけれどもね、もう新聞は、すでに来年は赤字債が二兆五千億もあるんじゃないかと、こういうふうに報道しておるわけでしょう。たとえば常識的に考えてみましても、当然増費という当然増のこの経費を考えても、これは大体一〇%増と言われておる。こういうので、歳入歳出に対するところの洗い直しというものについてもどうも見る限りにおいては積極的でない。こうなれば、これはもう来年は必至だということは常識でもわかるんじゃないですかな。それならそれであなた方、やっぱり物の考え方をきちっと出して議論をさせてもらわなければ、ちょうど四月の初めの税収の見通しみたいに、またぼやぼやとして予算が通った後は来年はまた赤字国債当初から出しますと、こういうふうに決まっているじゃありませんか。そこらあたりの見通しは、私はきちんと大蔵大臣としてこういう重要な国会の場ですからはっきりしてもらいたいんですよ。
○国務大臣(大平正芳君) 国会の御審議をいただくにつきましては、歳入歳出全体にわたりまして十分の検討を遂げて、御審議にたえるだけの用意をしてお願いしなければならぬわけでございまして、ただいまから漠たる展望を申し上げるというようなことは私は慎みたいと考えておるわけでございます。 概算要求が八月末に私どもの方へ出していただいておりますので、目下はこれの査定にかかっておるわけでございます。歳入につきましては税制調査会を中心にいま勉強をいただいておるわけでございまして、鋭意、歳入歳出を詰めまして明年の予算を固めてまいらなければならぬわけでございますけれども、一応の展望といたしまして、依然として特例公債に依存せざるを得ない状況になるのではないかと憂えておるわけでございますが、その金額はできるだけ少ないものにしぼりたいという念願で、いませっかく努力をいたしておるところでございます。
○宮之原貞光君 これは経企庁長官が本会議で演説された経済演説を見たって、ことしの下期の経済成長率を六%にやりたいと。来年また急に落とすわけにいかぬでしょう。この六%が五十一年度も続くという展望に立つならば、これはもう明らかなんですよ。額をふやすのか減らすのかというのはこれからの詰めでしょうけれども、明確にこれは来年も赤字国債を出さざるを得ないという状況なんでしょうが。そう思いますよ。 いま大蔵大臣の方では額の問題だけだと、こういうような話ですが、そうなりますとまた私がお聞きしたいのは、蔵相の演説の中で、特例法の公債ということについては依存しない、それに依存しないところのいわゆる堅実な財政に可能な限り早く近づけしめたいと、こういう演説をまた片一方でやられておるんですよ、それとの関係はどうなるんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 財政法が認めていないような公債の発行ということに漫然依存するわけにまいりませんので、できるだけ短期日の間にこれから脱却いたしまして健全財政に返らなけりゃならぬと思うのでございまして、そういう時期をできるだけ早めるように努力してまいることがこれからの財政運営の基本の方針にならねばならぬと考えておる趣旨を財政演説で申し上げたわけでございます。
○宮之原貞光君 非常に抽象的な答弁ですがね。来年あなたの演説のように復帰ができなければ、再来年はできるのですか。それからまた、そういうことのないようにいろいろ処置をしていきたいというならば、どういう方針を具体的にお持ちなのか、いま明らかにしておいてもらいたい。
○国務大臣(大平正芳君) 本来の財政の領域の財政政策の問題といたしましては、歳入歳出両面にわたりまして厳しい見直しをしていかなければならぬと考えておりまして、そういう作業はいま私どもの方で鋭意やってまいっておるところでございます。またそうしないと、公債をお願いするにいたしましても、あるいは税制の改革をお願いするにいたしましても、国民の御納得が得られるはずはないと思うのでございまして、まずそういう歳入歳出にわたりまして厳しい見直しをやるということが財政政策プロパーの問題としてあるわけでございます。 第二に、ただいま財政は経済を支える一つの有力な手だてといたしまして景気政策を行っておるわけでございますが、この財政政策の運用を通じまして経済の回復を招来いたしまして、明年度以降、健全な経済を通じて妥当な歳入が確保されて、健全財政に役立つような状況をつくっていかなければならぬわけでございます。先ほど申しましたように、いまのような状態のもとにおきましては、まず経済に力をつけることが第一でございまして、歳入不足を増税等で確保することは賢明でないと考えておるわけでございまするので、ことしとか来年とかいう年は、経済に力をつけるというために財政がその役割りを果たす、その責任を果たすという年でなかろうかと考えておるわけでございます。こういう財政と経済との相互依存の関係がございまするので、経済がだんだん活力がついてまいりますと、その結果、健全財政を招来する時期もまた早まってくるというように期待できることと思っておるわけでございます。ことし、来年、ちょうどそういう過渡的な状態に処しての対応策を誤らないように財政政策の運用をやらなけりゃならぬと考えておるところでございます。
○宮之原貞光君 それは経済に活力をつけるような景気対策、いろいろなもの、それは結構でしょう。しかし、やっぱりもう一つの大事なのは、財政の歳入歳出の徹底的な洗い直しをしない限り、これはだめですね。私はその中身をきちっと言いなさいとは申しませんが、どういう点が大蔵省内で、また大臣のところでその問題点として議論されておるか、そこらあたりははっきりしていただきたいと思う。そういうことなしに、何とはなしに歳入歳出を見直しますということでは国民の皆さんは納得しませんよ。 御承知のように国債残高が十五兆五千七百七十二億という膨大なものでしょう。国民一人から見れば約十五万円くらいの借金を背負っていることなんですからね。これだけでも私は解散をして信を国民に問うぐらいの値打ちのあるところの問題だと思っているんですよ。それをただ抽象的に歳入歳出を洗い直しますということだけでは私は納得できません。もし省内で議論されたところの問題点があれば、こういう問題、こういう問題が議論の対象になっているということだけは少なくともここではっきりしてもらいたいと思う。
○国務大臣(大平正芳君) ことしの補正、いま御審議をいただいておる補正予算で五百四十億ばかりの既定予算の節減をお願いして、これを節減に立てて御審議をいただいておるわけでございます。これは従来の感度から申しますと二倍以上の節約に当たっておるわけでございまして、現実に国会で認められた歳出権というものの節約を求めるということは難事中の難事でございますけれども、各省庁の協力を得まして、今年度はそれだけの節減をお願いすることにいたしたわけでございますが、この歳出を支えておるものといたしまして、すでに慣熟した制度がございます。慣行がございます。そういったものを切りかえていかなければ、現実に予算の削減というのはなかなかできないことでございます。これに対する抵抗も非常に強いことは宮之原さんも御承知のことと思うのでございます。したがって、これの切り込み方は従来になく厳しく当たっていかなければならぬし、それにはひとり各省庁ばかりでなく、中央、地方を通じ、また官民全体を通じましての御協力を得なければならぬのでございまして、いまはせっかく主計当局におきまして、すでに概算要求いただきましたものにつきましての厳しい査定に入っておるわけでございます。 それから歳入でございますが、歳入につきましては、まず新たな税制に手をつける前に、現行税制の中で増収の道が図れないかということでございますが、御案内のように政策税制、すなわち租税特別措置法というものでいままで政策的に減免税をやってまいりましたものを、これはいま鋭意洗い直しておるわけでございますが、しかし、ほとんど大部分は国会の御審議を得なければこれは動かすことができないものなのでございます。ただ、行政府の手でできますことにつきましては、すでに御案内の金融機関の貸し倒れ引当金の率を下げることによって増収を確保するということでございますが、それはすでにことし一部をやらしていただいたわけでございますが、その他の面につきましては、いま鋭意検討中でございまして、来年度の御審議を願うべく用意をいたしておるわけでございまして、したがって、現行税制の洗い直しを通じまして、そこに不公正が温存されていないように十分な検討を遂げないと、次に新たな税を起こすということにつきましての理解は得られないのではないかと思うわけでございますので、とりあえずそういった見直しをいま鋭意やっておるところでございます。 そういったことをやり遂げた後で、現行税制自体につきまして検討を加えるべきではないかと思うのでございまして、そういった点についての準備は、検討はいたしておるわけでございますけれども、まだ来年は少なくともそういう現行税制の中の問題点を見直すという点に私としては力点を置いていかなければならぬのじゃないかと、いまのところ考えております。
○宮之原貞光君 どうもはっきりしませんがね。もう少しぐらいは中身を、こういう問題、こういうところあたりが問題点で、いま検討中ぐらいははっきりしていいんじゃありませんか。新聞にはたくさん出ておるじゃありませんか。たとえば五十年度に切れるという例の会社臨時特別税ですね、これはことしで終わるのか、来年も引き延ばすという方向で検討されておるのかどうかとか、例のお医者さんの優遇税に対してどういう検討を加えておるのか、あるいはいま大臣のおっしゃったところの租税特別措置法でどういうところあたりが問題になっているのか。もちろんそれは法改正をしなければできない問題にしても、皆さんが収入、歳入を増強するための問題点というものをやはり明らかにして、こういう問題点が一つの問題点で検討中なら検討中ですと、こう言わないで、国民には何も知らさないで、ただ来年も赤字国債でございますなんというのは、これは承知できませんよ。だから私は、一番最後の結論まで申しくださいと申し上げてない。しかし、検討の対象になっておるところの問題点ぐらいは明らかにされるのが私は蔵相としての任務じゃないかと思うんですがね、いかがでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、その点につきましては目下税制調査会とも御相談いたしておりますが、具体的なことでございますので主税局長から御説明させます。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、当面の重点といたしまして、租税特別措置を全面的に洗い直していただきたいということを税制調査会にお願いをいたしております。その場合、法律的に租税特別措置法に規定されております項目のみならず、いままで国会初め各方面での御議論で、これは税負担の不公平を招いているのではないか、措置法に規定していないものであっても。そういう御指摘を受けましたものを全部洗い出して御審議の場に提供いたしております。いままでのところ、所得税関係の特別措置につきまして御審議を願っておりますが、法人税関係の特別措置は次回以降に御審議を願うことになろうかと思います。
○宮之原貞光君 いつまでに出すのですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 今度の通常国会に何らかの具体的改正案を提示できるようにということでお願いをいたしております。 それからなお、会社臨時特別税につきまして新聞にいろいろ報道されておりますことは私も存じておりますけれども、これにつきましてはまだ税制調査会に具体的な検討をお願いいたしてはおりません。しかし、これは御指摘のように期限切れが参りますから、どう対処いたしますか、暮れまでに、十二月までに税制調査会に御審議をいただきたいと思っております。 社会保険診療報酬につきましては、すでに政府の税制調査会からは御答申をいただいております。これは社会保険診療報酬の適正化と関連して措置すべきであるという御議論があることも重々御承知のとおりかと思いますが、ただいま診療報酬につきまして改定の作業も別途行われているようでございますので、その動きを見ながら政府としての態度を決定していただくという運びになろうかと考えております。
○宮之原貞光君 交際費課税。
○政府委員(大倉眞隆君) 交際費課税につきましても、いま私申し上げました特別措置の中のものとして、法人税関係のものとして次回以降御審議の対象になってまいります。十二月までに結論をいただきたいと思っております。
○宮之原貞光君 ぼくはやはり決意の中には中身がなければ何にも意味ないと思うんでね。いま少し聞かれたら答弁をするという形では、私はきわめて不親切だと思いますよ。なお、先ほど大臣のおっしゃったところの、行政府でやれるところのものも今度やったんだ、例の貸し倒れ引当金ですね、そういうお話なんですけれども、私はあれを見て率直に言いますけれども、きわめて中途半端でお茶を濁しておると思うんですよ。どうしてこれが千分の五まで引き下げられないのか、あるいは法人企業関係の千分の二十というものは、なぜこれは洗い直しできないのか、その理由を聞かしてもらいたい。
○政府委員(大倉眞隆君) 政令で繰入率が規定してございますという意味で、行政府限りで改正を行いますものとして貸し倒れ引当金の繰入率を取り上げて検討いたしました。その際、金融保険業に限るか、あるいは一般産業、個人を含めてすべてに及ぼしてこの際改正するかということを議論いたしましたけれども、大臣の答弁の中にもございましたように、現状において全産業に影響を及ぼすような改正はいましばらく時間をかけて検討した方がいいのではないか、実績との乖離が非常に目立つ金融保険業について改正を行うべきであろうという結論を得た次第でございます。 なお、引き下げの率でございますが、これは宮之原委員よく御承知のとおり、四十七年前の千分の十五から四十七年に十二にいたし、さらに四十九年に十にいたし、二年たたずに今度また八まで順次引き下げようという改正でございますので、現状から見まして私どもとしましては妥当な引き下げであろうと考えております。
○宮之原貞光君 そこがどうも私にはわからぬのですよ。こういう金のない非常なときなんでしょう。たとえば四十八年上期の金融機関の貸し倒れ引当金の設定の状況を調べてみれば、実際の貸し倒れ率は都市銀行は〇・〇〇二%、地方銀行が〇・〇〇四%、信託銀行は全然なしと、こういうように大部分のものが非常に率が低いんですよ。だから、この引当金は次の期間にはみんな利益になって入ってくるんです。とても千分の五でも十分間に合うようなこれはもう内容ですよ、会社内容が。そういうものにはなかなか手を入れないでおって、これが千分の八が限度でございますというものの言い方、それを来年は正常に、早く赤字公債に頼らないようなことにしますと口では言いながら、やれるものをやらない。そんな銀行に弱いはずがないと私は思うんですよ。それが自民党の体質かもしれませんけれどもね。こういうものは、やっぱりきちっとするものはしておいて、国民に納得いけるような処置をするのがあたりまえじゃないでしょうか。これでは本当は会社は困るでしょう、これだけの貸し倒れ率から見たって。はっきりしておるじゃありませんか。それをどうして千分の五まで引き下げられぬのですか、思い切って。聞かしてくださいよ。
○国務大臣(大平正芳君) 千分の十五でありましたものを現在千分の十まで切り込んでいっているわけでございますが、今度、いま私が申し上げましたように千分の八までとりあえず詰めるということにいたしたわけでございますが、私どもそれで満足しておるわけでは決してないわけでございます。千分の八までまいりました段階におきまして、さらに切り込むことあるべしということで、千分の五という数字につきましては金融機関にも提示して検討を求めておることは御承知のとおりでございます。 で、この実際の貸し倒れが現実に仰せのとおり、・それよりもずっと低めでありますことは御指摘のとおりでございます。相当なアローアンスをもって引当金が積まれておるということは御指摘のとおりでございますが、このことを税源として拾い上げていく場合におきまして、いま私どもは漸進的な方法をとらしていただいておるわけでございまして、一挙に切り込むということにつきましては経営上問題がありはしないかということでございまして、まず漸進的な方法をとらしていただいておるわけでございますので、決して現行税制の中での増収を怠っておるということでは私はないと考えております。
○宮之原貞光君 いま経営上という話が出ましたけれども、貸し倒れ引当金と実際の貸し倒れの率というものを見てみたら、これは経営上成り立ち過ぎて困っておるぐらいでしょうが、銀行筋は。そういうものには手を入れないというところに私は問題があると、こう言っておるんですよ。それを漸進的にといったって、会社があるいは銀行が成り立たなけりゃそれは問題はあるでしょう。大変な引当金が次に利益金としてなっていくんですからね。 私は、こればかりじゃないんですよ、いわゆる政府機関のこの関係の問題にしても全然皆さん手をつけられていない。このことについては通常国会でわが党の田中委員なり藤田委員からも指摘されたけれども、何ら手をこまねいてやろうとしない。言うならば当然政府がやれるものさえもやらぬでおって、安易に来年は赤字国債ですと、こう頼るんじゃ国民はたまったものじゃないですよ。本当に入るを図るというならば、政府自体が現在の歳入のあり方というものを徹底的に洗い直して、これだけやりますから、だから国民の皆さんがまんしてくださいと言うなら、それは総理の発言のように納得するでしょう。そういう態度は全然見えておらないで、ただ来年も安易に赤字国債、年度当初から出しますでは、これは納得できませんよ。一体政府機関に対してどうされるつもりですか、関係の。十の公社がありましょう。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申し上げましたように、各省庁ばかりでなく、当然政府機関、公団、事業団すべてにわたりまして厳しい選択をお願いしなければならぬ段階でありますことは御指摘のとおりでございまして、またそういうことをやらなければ公債の発行とか、あるいは増税とかいうようなことについて国民の御納得を得られないという御指摘も私は仰せのとおりだと思うわけでございまして、そういうことにつきましては御指摘の方向で鋭意努力してまいるつもりでございます。
○宮之原貞光君 ぼくはやはりきちんとしてもらわなければいかぬと思うのですよ。たとえば国民金融公庫の場合、四十年以後貸し倒れ引当金は常に二百億以上です。ことしなんか三百九十三億八千九百万とも言われておる。貸し倒れの実際よりも常に百倍以上の引当金で留保しておるのですよ。これは当然そういうものじゃなくて、国の財源に返してもらわなければならない仕組みのものさえも公庫のところにずっと金を置いておくという、こういうやり方をしておいて来年もどうかというような話だとたまったものじゃない。ですから、私は少なくとも積極的に洗い直しますというお約束ぐらいはやっていただきたいと思うが、どうでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) いま、国民金融公庫のお話が出ましたけれども、それはそういうことによりまして国民金融公庫の金利を引き下げたり、サービスの改善をやっておるわけでございまして、そのことのために国民金融公庫の運営が放漫に流れておるというものでは私ないと思いますけれども、しかし、こういう厳しい状況でございますので、洗い直す、再検討するということにつきましては厳しくやってまいることをお約束をいたします。
○宮之原貞光君 時間の制約もありますので、これ以上は申し上げませんけれども、もちろん私どもは赤字公債の発行には反対ですよ、これははっきり申し上げておきます。しかしながら、政府のやり方は余りにも洗うべきものを洗わないで、まあまあでいって、とにかく公債に頼るという安易な考え方が常に流れておるという点に非常に私は問題があるという点だけは御指摘申し上げておきたいと思います。 次に公共事業の問題についてお聞きいたしたいのでございますが、いわゆる今度の不況対策の問題について、政府自体は福田さんの演説の中でも、停滞をしておる最終需要の盛り上げの最大のものは個人消費だと、こう演説の中で言われておる。それでいて、この予算書を見ますと、公共事業重点というか、超重点主義なんですよね。これはどういう関連がありますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 個人消費を刺激するというためには、やはり減税ということになると思うのです。また、政府需要を盛り上げるというためには公共事業ということになる。いずれにいたしましても、減税をするにしても、また公共事業をやるにしても財源が要るのです。その同じ財源を使って需要を喚起する、こういうことになると、この公共事業の倍数効果、これは非常に大きいです。ところが国民の消費、これが大した効果が出てこないのです。減税を一兆円したというと一兆円の効果。ところが、同じ金を使って公共事業をやる、そうすると、これは何倍かになる。そういうことを考えますと、いま当面何が大事かといいますと景気対策だ、そのためには最終需要を盛り上げる。そうしますと、これは公共事業という考え方になってくる、こういうことでございます。
○宮之原貞光君 減税の問題もやりたいんですが、時間的なあれもありますから省きますけれども、その公共事業、私は確かに副総理がおっしゃったように景気回復への速効薬の一つであるということは否定しませんよ。けれども、問題はその公共事業の視点の置きどころですね。これはあれだけ評判の悪かった日本列島改造論の象徴だと言われるところの本四架橋、新幹線、高速道路、あの大型プロジェクトというものをまた浮き上がらせておる。どうもその意味がわからぬのです、私どもは。高度成長からもうおさらばしたんだというのが三木内閣の特色だと言いながら、その象徴であるところのものをまた浮き上がらせるというそのやり方はどうしても理解できないんですがね。これはどういうあれですか、またもとに返ったわけですか。
○国務大臣(福田赳夫君) いわゆる高度成長にまた舞い戻る、こういう考え方はこれはもう絶対にいたしておりません。今度の景気対策、これを見ましても住宅が一番主になるんです。また、それに関連する下水道だ、上水道だとか、あるいは地方の道路でありますとか、あるいはダムでありますとか、あるいは教育だとか、医療だとか、そういう諸施設でありますとか、大体生活関連を主にしているんです。ただ、これに付帯いたしまして新幹線、これとそれから高速道路、これを取り上げている。 いま宮之原さんは本四架橋という話がありましたが、これは取り上げていないんですよ。これは前々の予算がある。本年度の予算がある。その予算の執行として処理するわけでございますが、高速道路、それから新幹線を取り上げたのはどういうわけかといいますと、いま、ことしの予算が少なかった関係もありまして、そういうようなことで途中で工事が切れちゃうんです。そうしますと、たとえば東北新幹線のごときはこの秋ごろになりますと、これは精細に調べたわけじゃございませんけれども、地元の人の話によりますと一万人の失業者が出る、そういうような状態です。これはほうっておくわけにいかんじゃないかと、こういうようなことで、これは補足的、付随的に現に執行中の工事を継続して実行するという措置を講じたわけでありまして、主力はどこまでも生活関連の諸施設である、こういうことなんです。 その公共事業のうち、そういう大型の新幹線だ、高速道路だ、そう取り上げてみましたけれども、これは現に継続中のものを早く完成した方が国家的に有効であろう、こういうような考え方でございまして、いま新幹線、高速道路、いろんな計画がありまするけれども、これは当然来年度以降、長期計画、中期計画ができます。その際に見直しをするということになるものであって、それをそのまま今度の予算を頭として実行しようと、そういう意図は全然持っておりません。
○宮之原貞光君 この論争は前の国会でも議論をされておりますね。五十年度の当初予算を出されるときには、いま副総理がおっしゃったように、いわゆる改定計画については、五十一年度から始まるところのいろんな新全総とかあるいは五カ年計画というものの中で見直しをします、だから今度はスローダウンをしましたというお話だったのです。今度は突然アクセルを踏んでスピードをほっとまたそれで速めている。四十九年のときにはスピードを速めて、五十年度を落として、補正予算でまたスピードを上げているというようなかっこうですよ、これは。一体、おさらばをした、さよならをしたという例の日本列島改造論に象徴されるようなしろものに対して、こういうような印象を与えるところの政治姿勢で果たして、せっかく今度できたものを来年度見直しますと、こうできますですか。できぬでしょうが。本音は変わらぬのじゃないですか、これ。
○国務大臣(福田赳夫君) 新幹線につきましては、東北新幹線とそれから上越新幹線、こういうのを現に施工中であります。それの工事が途中で予算の関係でとまりますので、そこで失業者が出る。失業者は出しちゃいかん、こういうのでその工事を継続してやろうというので、それらの工事が結果において早く完成される、ほうっておくよりは早く完成されるという効果はあるんです。しかし、新しい工事をこれから別なところで始めようと、こういうわけじゃないので、これから見直しをしようという意図には全然支障はありません。
○宮之原貞光君 これはまた後の同僚議員から続きをやってもらいますがね。 次に進みますけれども、住宅政策の問題につきまして、総裁来ていますか。これは前の国会で同僚の上田議員から非常にこの問題については議論になった。ところが、一向その後改善をされてないんですね。四月二十八日の第二次申し込みに対して、いわゆる業者の一括申し込みが千三百四十戸、いわゆる業務取り扱い以外のところに受け付けさせるのが四百五十六戸というものが残っておる。あれだけそういうことはしませんと約束しながら、またこういう事態になっておる。一体この責任を総裁としてどう感じておるか。同時にまた建設大臣の見解も聞きたい。
○参考人(淺村廉君) ただいま御指摘がございましたように、実は三月十一日の参議院の予算委員会におきまして、上田先生からいろいろ銀行のマナーに問題があるのではないかということを例を挙げてお示しをいただいたわけでございます。私ども大事な仕事をやらせていただいておりますので、そういうことがあっては大変と存じまして、早速その問題を調査しまして、先生がおっしゃったような事例がやはりございまして、業者に場所を貸して、協賛という形で金融公庫の業務の宣伝をしたというようなことがわかりましたので、仕事熱心とは言い条、そういう形は困るということで厳重に私のほうからも申し渡しました。もちろん銀行の方も、うかつであったということで非常に恐縮をいたしまして、再びかようなことはないということになりました。なお、私どもは、そういうことを絶対するな、疑わしいことはするなということを通牒を出しまして、全金融機関にその後直ちに言ったわけです。 そういうことで、私のほうはおかしな点があればどんどん直したいということでやってまいっておったわけでございますが、せんだっての四月の、今年度の第一回の申し込みの受け付けに当たりましても、事前にいろいろと指示はいたしておきましたが、一日で締め切らざるを得ないような非常な盛況でございまして、枠をはるかに突破するというような事態になったわけでございます。そこで、どうもこれは何か非常に異常だということで、申し込みが多いことは事情はわかるけれども、何かおかしなことがあるんじゃなかろうかということも懸念されましたので、私の方で事情について一々調査をしたわけでございます。 その結果、ただいま先生から御指摘がございましたとおり、私どもとしてはまことに申しわけないと思いますが、遺憾な事例が出まして、特に私どもは業者が申込人の申し込みを一括代行して持ち込むということを、これはひとつやめてほしいということを申しておったわけでございます。大変それは便利でいいじゃないかという苦情もずいぶん出ておりましたけれども、不正が介入するおそれがあることはやめるべきだということでやっておったわけでございます。 それから、そういうのがただいま千三百四十ほど出ましたが、その調べによりまして、私の方で取り扱いを認めていない店舗において受け付けた事例が出てまいりました。私の方は銀行のどの支店も全部公庫の業務を扱わせるということにはいたしておりませんので、公庫の業務に精通した職員が配置されていないような所は遠慮してもらっております。ところが、そういう所も今回のこの受け付けに少し介入をして扱ったという事例がわかりました。それから、少しこれは私の方も神経質過ぎたかと思いますけれども、申込書が不備である、不備なものを受け付けたという事例もやはりこの際徹底的に追及しておかないと、またいろいろと弊害のもとになりますので、それも追及しまして、その結果も出てまいりました。 そこで、私の方はやはりきちっとすべきものはしなきゃなりませんので、その事態によりまして、私の方で全国に九百八十七の金融機関に業務を委託いたしておりますが、そのうちの二つに対しましては、少しくルーズに過ぎたということがありましたので、今年度いっぱい公庫業務の扱いを停止するという措置をとりまして、せんだっての第二次の受け付けも、この二つの金融機関は扱っておりません。それから七つの金融機関に対しましては、金融公庫の総裁の名前で、文書で慎重に業務を扱うようにという通知、厳重注意を発しました。それから百十の金融機関に対しましては、これは申込書が不備だとか、いろいろごちゃごちゃございますけれども、そういうものに対して支所長の方から文書なりあるいは口頭で厳重注意を申し渡したのでございます。 こういうことでやりましたところが、金融機関も一日で締め切られるとはまさか考えてもおりませんでしたので、若干同情すべき点もあったかと思いますけれども、非常にびっくりいたしまして、私どものこの措置を大きく受けとめまして、今後絶対かようなことはしないということを誓っておるわけでございます。私どもといたしましては、大事な仕事を委託しておる立場といたしまして、こういうことが起こったことは大変に申しわけないと心から恐縮をいたしておるわけでございます。 それからもう一つ申し添えますと、そういう私の方のルールに違反した受け付けをしたものを全部無効にするかという問題でございますが、これは善意の申し込みの方が、そういうルールで持ち込むということになってしまったということでありますと、大変そういう方にはお気の毒になりますので、今後は私どもはこういうものは無効にいたしますけれども、今回のこれにつきましては、改めて金融公庫の方で精査いたしまして、合格して差し支えないというものに対しましては合格の措置をとりました。それで、もちろん合格できないものもございました。そういうことで、実害はもちろん出ておりませんが、また、扱っておりますものは、内容としては公庫の申し込みの基準にちゃんと合致する、中身としては合致するものばかりでございます。 こういうことで私の方はやっておりまして、先般第四次の追加枠をちょうだいいたしまして、十月の一日から申し込みをいたしましたのであります。これは十三日間引き続き受け付けまして、残念ながら建設の分は抽せんということにいたしましたが、この受け付けにつきまして、金融機関のマナーを十分監視をいたしましたところが、非常にこの点は厳正かつ公平に行われておりまして、私ども大変申しわけないと存じましたが、まあこういうふうに姿勢が直れば、今後再びかようなことは繰り返すまいと考えておるわけでございます。大変みっともないことでございまして、申しわけなかったことは深くおわびを申し上げます。
○上田哲君 関連。 宮之原委員の御指摘のように、この問題は前国会で大きな議論となりまして、なお結論、御報告をいただいていない部分が多いわけでありますから、関連してなるべく簡潔にお尋ねをいたします。 まず、二つの銀行窓口を処分されたという話なんでありますけれども、その根拠法あるいは規定、それがどういうものに基づいて行われたのか。 もう一点は、このことについて住宅金融公庫、建設省には責任はないのか。 まず、そのことをお答えいただきたい。
○参考人(淺村廉君) 私ども金融公庫の業務を金融機関に委託してやらせていただいております根拠は金融公庫法の二十三条でございまして、その結果、金融機関との間に業務の委託に関する契約というものを結んでおります。それに一条から二十条までいろいろと規定がございまして、その第十五条に、金融公庫は委託業務の処理が不適当であると認めるときは……
○上田哲君 条項だけでいいですよ。
○参考人(淺村廉君) ちょっと読みます。
○上田哲君 いいです、要らないから。条項でわかるから。
○参考人(淺村廉君) そういうことで、十五条によりましてそういう処分をいたしたわけでございます。
○上田哲君 責任はあるのかないのかと言っているんです。
○参考人(淺村廉君) 私は、委託機関の長といたしまして、当然非常な責任を感じております。
○上田哲君 これはいま宮之原委員に対してのお答え、あなたのおっしゃるのは、五十年度上期の七万戸分についての不正部分なんです。この前、三月の十一日で問題になったのは、四十九年度追加分の五万戸分なんであります。これについては、いまあなたが御報告になったり新聞で報道されたようなことが、同じことが行われているのであります。関連質問ですから細かいことは申し上げられないけれども、たとえが横浜銀行と太陽建設でしたか、そういう具体的な例も挙げて、具体的な物証と言っては少し言葉は固いけれども、具体的なものを見せながら、あなた方に各銀行の名前も挙げて調査を求めたのであります。 その内容は、銀行の窓口と建設業者が一緒になって、住宅ローンと公庫の融資分とをワンセットにしてひとつまとめてやってくれとか、あるいは銀行に預金をしてくれとか、こういう醜い関係の中で、実は一人が一枚ずつしか取得することのできない用紙を、これをまとめて、たとえば百枚を一緒に持っていったというようなことが明らかになっていたんです、そのときすでに。これはもう一遍繰り返すけれども、新しい五十年度上期七万戸分ではなくて、四十九年度追加分の五万戸分なんです。このことについて具体的に私たちは例を挙げて御質問をしたのに対して、絶対にそのようなことはない、また、これはそういう事実があっても違反事項ではない、そして最終的には、国会にありがちな答弁として、検討調査するということでおしまいになっているのであります。この点がどうなったなんということを私どもはまだ十分に受け取っておりません。これは御報告をいただかなければならないのです。 それから、こういう具体的な事例があって、しかも皆さんの方でおやりになったことは、公庫の方でおやりになったことは、五十年度上期の七万戸分について調べてみたら、驚いた驚いた、こんなことが出てきた、そこで千八百戸分の不正受け付けの分を摘発をして、わずかに銀行の二つの窓口を厳重処分をしたと、こうおっしゃるのです。これはあたかもあのときから事例が指摘されていたように、悪いのは窓口も確かであります。しかし、銀行にそういうことを建設業者と一緒になって許している監督官庁の責任ではないかということがみごとにすり抜けられて、初めの部分では検討追及を怠っていて、半年もしてから、九月になって口をぬぐって、調べてみたらこんな悪いやつがいた、調べたわれわれの方は正義の味方であるというようなことで、あなた自身もテレビに出て正義の味方のような話をなすっていらっしゃった。こんなばかげたことが許されては私はいけないと思うのです。今回の五十年度上期分、七万戸分について、マイホームの夢を踏みにじったこの問題については厳重に精査して、いまおっしゃったように根拠法があるのですから——あのときは根拠法がないとおっしゃった。根拠法があるのならば、厳正に処置をされる。なお、そんなことを知らないで申し込んだ一般申込者に対しては被害を与えてならないことは言うまでもありません。これは厳重に申し上げておく。 しかし、それは厳正にしなければならないけれども、あなた方の監督責任が、調査いたしますでほおかぶりをしては許されないことは、そのわずかに二カ月前に五万戸分において行われた具体的な事例を突きつけられているにもかかわらず、調査もしなかった、報告も国会に対してしてない。そのときに厳重にやっていれば、さっきの話を聞いていると三回目は大丈夫だとおっしゃっているが、なぜ一回目にちゃんとしなかった。それなら二回目に千八百戸の間違いは起きないではありませんか。そういう怠慢をぬけぬけと、まるで途中から正義の味方のような顔をされて、悪徳業者を摘発したのは行政監督の責任の遂行であるというようなことをおっしゃられるのは、はなはなだしく正義に対する裏切りだと私は思う。 第一点は、四十九年度追加分についての内容はどうなっていたのかということを、そして、それについてどのような手段をその後打たれたのかということ。第二点は、この監督官庁の責任として住宅金融公庫が絶対にそのようなことはございませんと何遍も言われた。あったのです。あった以上は、そのことに対して住宅金融公庫総裁、建設大臣、国民に対してどのような責任をとられるかを明確にしていただきたいと思います。
○参考人(淺村廉君) せんだって、春にいろいろ御指摘がございまして、先ほどちょっと銀行のマナーについて御報告をいたしまして、その結果、私の方で厳重に注意したことを上田先生に御報告を、非常に手抜かりでございまして、申しわけございません。 それから五万戸の分につきましては、たしか国会で一々事例を指摘していただきまして、私も当時調べたことについてお答えをいたした記憶がございます。なお、詳細についてもちろん私の方で調べておりますが、そのすぐ後に、ただいま申し上げました四月二十八日の受け付けが始まりまして、私どもはそれを重点にいたしましていろいろ調べまして、そうしていままでは取っていなかった、つまりお客さん一人一人の名前を全部金融機関から私どもの支所に連絡をさせるということまでやりまして、シラミつぶしに全部、数とお客さんの名前と突き合わせまでやりまして、そうして四月の分は適正を期しましたし、当然さかのぼって現在動いております五万戸の分も同じ措置を講じております。 そういうことで、私といたしましては、まあいろいろ御批判はございますが、この場合、金融機関を全国に八千以上も窓口を使いましてやっておるわけでございますから、このいい意味の信頼関係が崩れますと、またいろいろと問題になります。そういうことをあれこれ勘案いたしまして、最も現段階において必要な措置、適切な措置というものを考えたのがこれでございます。もちろん、これで決して私は済んだと思っておりません。秋の今回の受け付けはまあ一応おとなしくやりましたけれども、またぞろ何かやるというようなことがあってはまことにこれはもう大変なことでございます。決して金融機関もそんなような姿勢では現在ございませんが、これは両方とも、私の方も金融機関もともに今後一層自粛いたしまして、上田先生の御指摘のように、しっかりとやってまいりたいと考えております。非常に申しわけないと思っております。
○国務大臣(仮谷忠男君) 上田議員さんにお答えをいたします。 前の国会でこの問題について大変厳しい御批判、追及をいただきまして、私どもそのときにも、事後の態勢については万遺憾なきを期すということをお約束をいたしました。そして私は、国会が終了いたしましてから、御指摘をいただいた問題につきましても十分に調査等をさせました。そうしてその結果としては、まあいささか不備な点もあったけれども処罰をするほどのものでもないし、総裁を呼んで厳重注意をいたしたという報告を受けましたので、まず第一回はそれでいいだろうということで一応了解をいたしておったわけであります。 ところが、本年当初の第一期の受け付けをいたしましたところが、ただいま御報告申し上げましたような、一挙に十三万数千戸というのが殺到いたしまして、一日で締め切りをせなければならない。それに対して、その受け付け申し込み等についてまたいささか疑義があるといったような風評もありましたので、前回の強い御指示もありましたものですから、このたびだけは徹底的に調査をして、そうして厳重に措置をするようにということを私は総裁を呼んで厳命をいたしたわけであります。そして、その結果は、いろいろございましたけれども、公庫の指示に違反をしたものの金融機関やあるいは業者に対しましては、先ほど総裁が申し上げましたような委託停止を含む厳重注意、警告等を発して措置をいたしたわけであります。これ自体がもちろん不十分ということも申されるかもしれませんけれども、私どもとしては、すべてが悪意であったとも思われないし、中には善意なものもありますし、そういうふうなものも含めて、まず委託停止をするという、それを公表するという最大級の私どもは措置をいたしたのでありまして、これを機会に金融機関も業者も……
○上田哲君 監督官庁の責任ですよ。
○国務大臣(仮谷忠男君) 徹底的に自粛してもらうように願いたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、二回重ねてこういう問題ができ、しかも議会で議論され、批判をされ、おしかりを受けますことはまことに申しわけない限りでありまして、監督の者として心から議会にも国民にもおわびをいたしたいと存じます。今後は絶対にこういうことのないように推し進めてまいりますし、すでにその第二期、後期の実績があらわれてきておるわけでありまして、この精神をあくまでも堅持して、再び三たび御批判をいただくことのないように注意をし努力をいたしてまいりたいと存じます。
○委員長(大谷藤之助君) もう御遠慮願います。——御遠慮願います。
○上田哲君 一言でいい。明らかにね、明らかに、絶対ないと言ったことをやったんです。それが申しわけないということでは私は済まぬと思う。納得しません。
○宮之原貞光君 ぼくは、総裁のただいまの答弁からは、いささかも誠意が感じられないんですよ。これは議事録がありますけれども、あなたは三月十一日の答弁の中でこう言っているんですよ。申し込みは一人一件に限ると銀行にも立て札をさせます、だから業者が一括申し込みするようなことは絶対ありません、特例としても扱いません、させませんと、こんな約束をしている。そうして今度は、いまはしゃあしゃあと、銀行のマナーもよくなりましたという物の言い方でしょう。あなたは総裁自身として前にああいう答弁をしておって、いまごろ、あたかも銀行が悪いかのごとき印象を与えるような物の吐き方というのは、これは許しがたいですよ。自分の過ちは過ち。きちんとここで謝りなさい、あなた。そういうものを抜きにしておいて、ただ銀行のマナーがよくなりましたなんと言うのはとんでもないことでありますよ。しかも銀行のあの発言、見てごらんなさい。あれは手続上のミスでございますということでしゃあしゃあとやっておるんですよ。そんなことが許されてたまりますか、あなた。どうなんですか。それをはっきりおっしゃい。
○参考人(淺村廉君) まことに申しわけないことでございます。私も前回、まあこういう調査を全然したこともございませんので、指示をしたら必ずそのとおり実施されるべきものだと、そうなっておると考えておりまして、そのように申しましたが、その後どうも少しおかしいんじゃないかという心配がございまして、調べて、かようなことにいたしました。まあ私が認識が甘くて、そういう点は本当に私は責任を感じております。責任を痛感いたしております。謹んでおわびを申し上げます。
○宮之原貞光君 私はそれで納得しません。ですから、この問題は理事会できちんと私は始末をつけさせますからね。いまの答弁では納得しませんよ。それでいいですか。取り扱いは理事会にお任せしますから。
○委員長(大谷藤之助君) その問題については、後刻理事会において検討することにいたしたいと思います。
○宮之原貞光君 では次に移ります。 通産大臣にお聞きいたしたいと思いますが、いま繊維業界で東南アジア、韓国、中国からのいろんなしわ寄せを受けて、繊維品の輸入規制をやってもらいたいと、こういう声が非常に高まっておるんですが、私も国際的ないろんな事情もわからぬでもないけれども、これは秩序ある輸入だけでは済まされぬと思う、輸出だけでは済まされないと思うんですがね。いつまでも秩序ある輸出でいかれるつもりですか、どうですか、その点をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(河本敏夫君) いま御質問のように、東南アジアから、また中国、韓国から繊維品の輸入が相当入っておりまして、業界が混乱をしておるわけでございますが、これに対しましてはいろいろ方法はありますけれども、やはりわが国といたしましては自由貿易の原則を堅持する、こういうたてまえを貫きたいと考えております。 ただ、そうは申しましても、やはり個々の商品につきましては、相手方と十分話をいたしましてわが国の事情も了解してもらって、そしてできるだけ秩序のある輸入、こういうふうに持っていきたいと、こういうことで指導しておるわけでございますが、たとえば大島つむぎなども、ことしになりましてから三回にわたる話し合いをいたしまして、現在は輸入数量も話し合いの線、大体まあ年間三万五千反ないし四万反と、昨年の線を上回らない、こういうところでいま推移をいたしております。また商品の表示等につきましても、厳重に先方に交渉いたしまして、韓国産である、こういうことを明確にいたしまして、国内産のものと厳格に区別する、こういうことでいま進んでおるわけでございます。何分にも向こうとの貿易は、日本からの輸出が非常に多い、全体としての先方からの輸入が少ない、貿易全体として考えました場合に。そういう事情等もあり、やはりいま自由貿易の原則を堅持いたしませんと日本の経済全体にも大きな影響が出てくる。こういう観点から、いま申し上げましたような方向でできるだけ話し合いで個々の問題を解決していく、こういうことで進んでおるわけでございます。
○宮之原貞光君 多くは申しませんけれども、大島つむぎの例の輸入物問題にしても、秩序ある輸入ではもう済まない段階にきておるんですよ。これは皆さんは年間八十三万反の生産なんだから、そのうちの三万五千反前後だから大したことはないとお考えでしょうけれども、それは実際を私は知らないんだと思うんですよ。ここに私は図表を持ってきておりますけれども、いわゆる八十三万反のうち、一番は韓国産は中級品の三十二万反のところなんですよ。下の一番多いところの下級品は全然つくってない。そうなりますと、一二%前後の影響を受けておるんですよ。それは単に三万五千反から四万反だから秩序ある輸入では済まされぬ、こういう現状を私は認識していただいてさらに一歩進めてもらいたいと思うんです。そういう検討の余地はありませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 本年は、先ほど申し上げたような一応了解に達しまして、その線で進めておりますけれども、なお明年以降の問題といたしまして、さらにお話しのような点を十分注意をいたしまして努力をしてまいりたいと思います。
○宮之原貞光君 私は法規制をやるべきだという考えを持っておるんですけれども、できなければ最低、行政指導としてはいわゆる一応話し合いで決めたところの線はさらに厳しくするという措置は、最低限努力することをお約束していただきたいと思うんですよ。同時に、輸入関税の引き上げの問題とか、あるいは技術の提供とか、原料品を向こうに送るという問題については、国内でもこれをとめていくという何らかの行政指導というものなり行政措置というものが私は必要じゃないかと思いますが、その点いかがでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来繰り返して申し上げておりますように、わが国といたしましては、自由貿易の原則を堅持いたしませんと経済全体に非常に大きな影響がございますし、そういう点から輸入禁止とかそういうことはできませんけれども、行政指導でできるだけのことはこれはしていきたい、相手方と十分話し合いをしながら進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○宮之原貞光君 最後に、これは農林大臣にお聞きしておきたいと思いますが、近くサトウキビの生産者価格を決めることになっていますね、お聞き及びだと思いますが。端的に申し上げてこれはビートと肩を並べられたら困るんです。両者には生産費の違いが二千円もありますからね。少なくともパリティだけではもう時代おくれになっているという世の中ですから、生産費を最低限補償するということぐらいは私はやってもらいたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) サトウキビの価格につきましては現在検討をいたしておりまして、近く結論を出す予定にいたしておりますが、これは御存じのように糖価安定法によりまして決めるわけでございますが、昨年とことしでは砂糖をめぐる情勢も変わっております。私たちの考えは、昨年は農家の手取りが一万五千円、これは企業からの奨励金も含めて一万五千円ということになっておるわけでございまして、ことしは砂糖をめぐる情勢も変わっておりますけれども、しかし農家の手取りが一万五千円であったということは十分認識をして、その上に立って適正に決めたいと、こういうふうに考えております。
○宮之原貞光君 ビートとの関連を聞いているんです。ビート並みでは困りますから、生産費を加味される意思がありますかどうかということを聞いているんですよ。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ですから、昨年の農家の手取りというものを十分勘案をして、再生産というものが確保されるような形でわれわれは決めたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○宮之原貞光君 ビートとの関連。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ビートとの関連ということは、やはり同じ砂糖の価格ですから、それはビートとの関連を無視して決めるということはできない。
○宮之原貞光君 右へならえということでは困ります。生産費は加味されますかどうかということを聞いてるんですよ、私が聞いておるのは。生産費がビートとあれと違うわけですから、そこは勘案されるところの御意思がありますかどうかということを私は聞いている。そこだけ答えていただけばいい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ですから、私たちはいま、昨年はですね……
○宮之原貞光君 昨年のことじゃない。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いや、昨年のことを言わないとわからぬですから。昨年は企業からの奨励費が出て一万五千円という価格になったわけですから、ですからことしはやっぱり昨年を下回るというわけにはいかないということは大前提にして決めたいと……
○宮之原貞光君 それはわかる。ビートの値段がもうすでに一万六千円と出ておるから、生産費が違うから、少なくともビートとの違い、生産費を補償するという形に立てば、違いが当然出ますねということを確かめておるんです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあこれはビートとは私は……
○宮之原貞光君 物の考え方として。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 同じ砂糖の価格ですから、関連が出てくるのは当然だと私は思います。
○宮之原貞光君 生産費は見ないんですか。参考にしないんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 生産費は、もちろん最低生産費というものは基準にして基準価格というのがあるわけですから、それにパリティを掛けて、そしてそれを経済事情等を参酌して決めるというのが法律のたてまえになっておりますから、そういうことで決めたいと、そういうふうに思っております。いま検討をしております。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして宮之原貞光君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 黒住忠行君。
○黒住忠行君 質問に入ります前に、このたびの天皇、皇后両陛下の御訪米について。 今回の天皇、皇后両陛下の御訪米は日米親善のためこの上ない実り多いものであると思います。心からお喜びを申し上げる次第でございます。 ライシャワー・ハーバード大学教授がサンケイ新聞に手記を寄せられておりますが、その締めくくりで「天皇訪米を振り返ってみると、これ以上のご成功はなかったのではないかという気がする。日米両国の間で、相互理解と協力が重要だとの認識が高まりだしたちょうどその時に訪米が実現し、それが両国関係の新しい、よりよい時代を象徴するものとなった。しかし、今回の「訪米成功」は大部分、天皇、皇后両陛下ご自身——米国民が尊敬と賛辞をもって歓迎し、日本人が誇りとするお二人——に帰するといわなければならない。」こう言っておられます。また、御訪米先のアメリカ上下両院におかれましても、両陛下御訪米に先立ちまして、天皇御訪米中は日米友好デーとするという心温かい決議を採択されるとともに、フォード大統領を初めとしまして、朝野を挙げて歓迎の輪を広げられたことに対しまして深く感謝を申し上げたいと存じます。 このようなことでございますけれども、わが国におきまして両陛下の御訪米の歓送迎に当たりまして、国を挙げて御歓送迎申し上げるということに持っていけなかったことを残念に存ずるところでございます。天皇、皇后両陛下の御訪米につきまして総理のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 昨春はフォード大統領が来日をされ、今秋は天皇、皇后両陛下が二週間にわたって、ワシントンにおいてはフォード大統領との会談を初め、アメリカの主要都市を訪問あそばされて、代表的な人々、国民の間に接触を深められまして、非常な日米親善の成果を挙げてつつがなくお帰りになりましたことは、国民の皆様とまことに喜びにたえない次第でございまして、日米百十五年になる修好の歴史の中において、まことに最大の歴史的出来事でございます。 いま御指摘のライシャワー教授もアメリカの元駐日大使でありましたが、自分の感激の筆をさる新聞に寄せて、「天皇ご訪米とアメリカ人」という、私も感銘深く読んだわけでございますが、黒住君の御指摘のように、アメリカの社会において天皇、皇后両陛下は非常な尊敬と親しみを巻き起こしている、アメリカと日本との関係に一つの新しい段階を築かれた、このことは日本人が誇りとする天皇、皇后両陛下のお人柄の結果であるというように結んであったと記憶いたしますが、まことにこのことはわれわれといたしましても、国の象徴たる天皇、皇后両陛下がこういう御使命をりっぱに遂げさせられましたことは大変に喜びにたえない次第でございます。旅のお疲れもあるかと思ったら、きょうの園遊会でお目にかかりましたが、天皇、皇后両陛下のきわめてお元気な姿を拝しまして、大変にうれしく感じた次第でございます。
○黒住忠行君 次に、総理に政治姿勢について二、三お伺いいたしたいと存じます。 民主政治におきましては、対話と協調ということが必要であることは申し上げるまでもございませんが、政治というものは実行するということでなければならない、国民の信頼と支持を得るためには実行をしていかなければならないのでございまして、この点につきましてのお考えをお聞きしたいと存じます。 また、多数決原理は、申すまでもなく民主主義の生命でございます。政府・与党は公約を実行する義務がございます、選挙によって国民に支持されたのでございますから。国民は、なぜ国会が開かれているのに法案の審議等が進んでいないのか、審議方法で何でそんなにもめるのかというふうな政治不信の声もすら聞かれるのでございます。速やかに審議すべきものは審議するということが原点であると思うわけでございますが、議会制民主主義の原点、それらにつきまして総理のお考えを、いまの二点につきましてお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、自民党と野党との勢力が接近したからというのではない、議会政治そのものの本質が、いわゆる対話と協調というものが議会政治の成り立つ本質だと私は思う。もし与野党の間が対決主義で、ことごとく対決、自分の主張が通らなければどこまでも審議には応じない、それで対決するということでは議会政治は成り立ちません。そういう意味で、これは対話と協調が議会政治本来のものである、この考え方は私は捨てる考えはないのであります。 しかしながら、対話と協調と言っても、相手があることでございますから、自民党がその姿勢を崩さないことはもちろんでございますが、野党の側においても、やはり議会政治というものを運営し、健全に発達さすという共通の責任を持っておるということであります。責任だけが与党にあって、野党は責任がないのだというような議会政治は成り立たないわけでございますから、どうかこの私の願いである対話と協調が、与野党を通じての国会の一つの姿であることを私は願うものでございます。私はこの姿勢を変える考えはないのでございます。 また、国会においては、これは政党が違うわけでありますから、おのおの物の考え方も違うわけですね。それは十分に審議を尽くさなければならぬ。国会議員の責任は国会で審議をするということで、審議のサボタージュはこれは許されない。そういうことで、野党は審議に応じなければなりませんが、その間、やはり審議は十分にするということに対して、多数を持っておるからといって力で押し切ることは私はよくない。審議は十分に尽くして、その後は、意見が違ったときには多数決によらなければ、これは物は結末つかないわけでございますから、やはり多数決の原理というものは生きておるが、その多数決の原理を、いよいよその多数決の原理を実施する場合には、十分な審議を尽くし、その審議を通じて国民の世論の批判も受けるでしょうね。それだけの与党としての態度は要りますが、しかし最後は、これはもう多数決の原理によって物事は決めなければ、いつまでたっても、幾ら国会の会期があっても、結末はつかない。そういうことはやはり議会政治はけじめはつけなけりゃいかぬわけですから、そういうことでございます。 いま黒住君のお尋ねの多数決原理、また対話と協調に対する私の基本的考え方はそういうことでございます。
○黒住忠行君 三木内閣を評しまして、ときに総論得意、各論不得意というふうなことを聞きます。今度提案をされましたライフサイクル計画にお勇ましてもそのようなことが言えるのではないかということを聞きます。しかし、私は物事は総論から始まるのであって、その批判は当たらない。要はそれを実行することだと思います。国民の間に高福祉高負担というコンセンサスづくりが必要ではないか、それを具体的にどう実行しようかという問題もございます。さらに根本的には、人生上は何か。実り多い人生というものは心の触れ合いであると思います。人のために祈る気持ち、相互扶助の気持ちということが根底になければなりません。この問題につきまして国民の期待は大変大きいと思います。総理の御見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(三木武夫君) 宮之原君の御質問の中にも、私の政治を総論あって各論なしといういまもお話でございましたが、私は総理大臣は総論を持たなければいかぬ。各論ばかりあって総論のない政治は、それは混迷に陥ります。総論がなけりゃいかぬ。各論も——私は仕事をやり過ぎると、こう人が言うんですよ。一遍に何もかもやろうとして、私の受け取る批判は、批判というか、忠告というか、仕事をやり過ぎるんだ、各論をやり過ぎる、もう少しスピードを落とせというのが私の友人から私に対しての忠告なんですよ。一つの総論のもとに各論をいろいろやろうとして、恐らくいろいろな問題を黒住君お考えになっても、やっぱりこれだけいろいろな問題を片づけておる内閣というのは、そんなに私は恥ずかしいものだとは思わないのです。やり過ぎるぐらいやって、もう少しスピードを落とせという御忠告を受けるぐらいですから。各論もあるのですよ。各論の前に総論がなければならぬというのが私の基本的考えです。 ライフサイクルのごときもそうでしょう、考えてみれば。人間の寿命だって、昭和十一年ごろまでは平均寿命は男は四十七歳ですよ。女は五十歳ですよ、御婦人は。いまは男子が七十一歳で、婦人は七十六歳という長い生命を持つのですから、生涯の計画というものはすっかり変わったのです。やはり生涯というものが変わってきた。それに即応して、福祉政策というものも私はばらばらにやってはだめだ。やはり全体の総合福祉ということで、福祉というのは老後だけにあるものではありません、人間が生まれてから死ぬまでやはりそこに福祉政策というものは行われなければならぬし、それを総合して、人間が生きがいのある、希望のある人生を送らせるような計画はないかと総理大臣が考えることは当然の責任である。 これは、いまは非常に財政が窮屈なときにそんな考えを言ったって実現しないじゃないかと、こう言われますが、必ずしも金があるときだけ福祉をやって、ないときには福祉はやらぬのだという福祉は私はないと思う。やはり先に福祉をやろうということがあって、その苦しい中でそれをやるための財政というものをどうして考えるかという、福祉がやっぱり先になければいかぬでしょう。そういうことで、これはことしすぐにやるというのではないのですから、大きな一つのビジョンですから、自民党でもよく検討していただき、政府でも連絡協議会を開いて、私の言うことは全部——各論に至っては、いろいろ御議論かあると思う。全体としての物の考え方は私は誤っておるとは思わない。これは自民党のみならず、社会党も他の野党の諸君も、何とかして人間が幸せに送らすための構想というものは大いに各政党が競い合って検討してもらいたいと願うものでございます。
○黒住忠行君 私が申し上げましたことは、総論が云々ということは、物事には総論がなければならぬということを申し上げたわけでございます。その場合におきまして、このライフサイクルというふうな点においては、やはり人間生活とは何ぞや、心の触れ合うという気持ちから出発しなければならないのではないかということで、考え方について総理の御見解をお聞きしたい、こういうことで申し上げたわけでございまして、その点ひとつ誤解ないようにお願いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) よくわかりました。私を称して総論あって各論なしというこの批判に答えておく機会をお与えくださって、ありがとうございました。
○黒住忠行君 先ほど、天皇陛下御訪米の件につきまして御見解を承ったのでございますが、日米友好関係は成熟した段階に入ってきておると考えます。わが国の外交の基本というものは、かかる日米関係を十分踏まえた上で展開をされなければならないと思います。 ところで、日中関係につきましてお尋ねいたしますが、日中平和友好条約の締結の交渉、進展が必ずしもはかばかしくないように見ておりますが、その進展の状況につきまして、外務大臣の御説明を承りたいと存じます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、国連総会が行われました際、中国の外務大臣と、御指摘の件を中心にいたしましてかなり長い会談を二度行ったわけでございます。 今後の日中関係につきましては、一九七二年九月の日中共同声明において述べられておるとおりでございまして、それを発展させるということでございますが、御存じのいわゆる覇権という問題につきまして、われわれ両国はともに覇権を求めるという意思はない、わが国はないことは明らかでございます。また、第三国がそのようなことを試みることも、われわれとしてはもとより賛成ができることではないということは、これはわが国として申しまして明らかであろうと思いますが、私が申しましたことは、そのことには少しも異存はないどころではない、われわれとしては当然賛成であるから共同声明にそれを書いたのでありますけれども、わが国にはわが国の憲法があり、またわが国の外交方針がございます。中国には中国の憲法があり、中国の外交方針がございます。それが同じものでないことはもとより明らかでございます。わが国はわが国の憲法に従い、わが国の国益に従って外交を進めなければならない。そういう観点から申しますと、いわゆる第三国の覇権を求める試みといったようなものを、われわれは特定の第三国とは考えていない。一般的な平和の原則としてそれをとらえていくということ、並びにそれにわれわれはもとより反対であるけれども、それはわが国の外交方針に基づき、わが国独自の立場から反対をするのであって、中国側も中国の方針に基づき反対をされるということは、これは十分に理解できることでありますけれども、おのおのの外交方針に基づき、あるいは憲法に基づきそうするのであるというような点につきまして、かなり長いこと自由にかつ濶達に意見を述べ合ったわけでございます。 相当長いこと話をいたしましたので、喬冠華外務大臣と私との間にある程度人間的な理解と申しますか、親しみと申しますか、そういうようなものは生まれたように私としては感じております。それからまた、私の申しましたことを先方は少なくとも、賛成か否かは別といたしまして、十分理解をされたと思いますし、また先方の言われましたことも私なりに理解をいたしたつもりであります。 この会談は、条約の交渉を具体的にするという性格のものではございませんでしたので、いままでいろいろな事情から交渉が低迷をいたしましたので、何か誤解があったのであろうか、あるいはそうでないとしても、両国間の基本問題を二人で話してみたいということから行ったものでございますが、私はこの会談をいたしましたことが、今後この交渉が進展をするために、少なくとも私にとりましてはきわめて有益であったというふうに考えております。
○黒住忠行君 三木総理、福田副総理、外務大臣、キッシンジャー米国務長官が来日されまして会談をされたようでございますけれども、その際におきまして、わが国の方針といいますか、考え方等につきましてどのように披瀝されましたか、その会談の模様等につきましてお知らせ願いたいと存じます。
○国務大臣(三木武夫君) 先般、北京からの帰途、キッシンジャー国務長官が日本に立ち寄りまして、国会中でございましたから、一時間朝食をともにして話をしたわけです。 私の話の主たる題目は、来るべきフランスで開かれる六大国首脳会議、これに対してアメリカはどういうことを期待し、どういう一つの提案をこの会議にしようとしておるのかということを話し合ったわけでございますが、その内容は、アメリカ自身も、キッシンジャー国務長官はこれから帰って、ワシントンでいろいろ事務当局の間で検討をしておるはずだから、これに対して私がワシントンへ帰ってから具体的に検討するということで、具体的な内容を、アメリカ側のどういう態度で臨むかということを詳細に聞くようなところまではいきませんでした。大体の感触は聞きましたけれども、具体的なことは聞くような段階でなかったということでございます。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も、キッシンジャー長官が北京からの帰りに東京へ立ち寄ったその際に、あれは総理と会ったその日の昼でございますが、お目にかかりました。 そのお目にかかりました主たる私の目的は、先般の天皇、皇后両陛下の御訪米に対しまして、アメリカ政府並びにアメリカ国民、その示されたあの熱烈なる歓迎ですね、また、警備上なんかにつきまして特に意を配りましたあの努力、それに対しまして心から謝意を表したいと、こういうことです。かたがた、せっかく北京に行ってきたその帰りでございますので、北京へ行ってこられたその経過、そういうようなものにつきましての話を伺う。また、私から六大国首脳会談に触れまして、これはぜひ成功させてもらいたい。ちょうど戦前、国際経済会議というものが開かれてそれが不成功に終わった。あれが世界大戦争のきっかけになった。あなたは非常に重要な地位にありますので、これはぜひ成功させ、そして先進諸国が相携えてこの不況からの脱出、またインフレの阻止、それから世界の人々の生活の安定、これに何らかの積極的な結論を得るように努力してもらいたいということを強く要請いたしております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理、副総理がお述べになりましたことと重複を避けて申し上げます。 キッシンジャー国務長官の今回の訪中は、フォード大統領が予定どおり訪中をすべきか、するとして、そのための準備をするということで、これが主たる目的であったようでありまして、訪中をするということを事実上決定をいたし、その準備も完了いたしたようでございます。ただ、訪中の結果、非常に目立つような大きな発展があるということは米国側は別段期待をしていない。ただ両国が、両国間の上海コミュニケについて今後の関係を発展させていこうということについては合意があったということでございます。 次にまた、いわゆる米国の持っておりますデタントの政策につきまして、これは当然のことであるかもしれませんが、米国と中国とでは対ソ観が異なりますので、これについては、当然のことではありましょうが見解を異にする、意見の一致を見るということではなかったという由でございます。 それから朝鮮半島の問題につきまして、南北当事者の間のいわゆる対話等々何かのことができないだろうかという打診については、中国側は概して大きな関心を示さなかった由でございます。 なお、私から先般設立されました日米間の友好基金につきまして謝意を表するとともに、米国におきましてただいま議論になっております漁業専管水域二百海里の問題について、米国政府としては慎重な態度をとられるように、一方的宣言というようなことを行うことのないようにということを強く要請をいたしました。
○黒住忠行君 日韓関係でございますが、わが国には客観情勢についての冷静な認識を欠き、ときには一方に偏ったような議論があります。わが国としては、もとより韓国との関係を推進し、これをお互いに率直に物が言える大人の関係に発展さすことが肝要であると考えますけれども、総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 日本の場合、日本の一つの安全という見地から考えて、国民が一番心配するのは朝鮮半島の動向ですから、そういう意味において、私どもは朝鮮半島の平和と安定ということを願っておるわけで、韓国との間には外交関係が開かれておりますし、最も近い隣国でもございますから、韓国が安定して、そうして韓国の民生の安定、向上というものを心から願い、できるだけの協力をするべきだと思いますが、さりとて北鮮の動向というものをこれを無視して韓国の安全はないわけですから、北鮮との間においても、日本は現在は承認はいたしておりませんけれども、あるいは人事、文化、経済、こういうものの交流を積み重ねて、そうして相互の理解を深めていきたい。そうして南北の両国の間に、三年前には対話が始まったのですから、話し合おうという雰囲気があったのですから、それが中断されておることは残念でございますが、できるだけ南北朝鮮の間にそういう三年前のような状態というものが実るような、そういう情勢が生まれて、そうして話し合うような雰囲気ができるということを心から願っておるものでございまして、われわれの願いは朝鮮半島全体の平和と安定ということでございます。
○黒住忠行君 先ほど触れられましたが、主要国の首脳会議が十一月の十五日から十七日まで開催されることになっております。世界的不況下におきますところの中でのインフレ、エネルギー問題、資源問題、貿易の問題、通貨問題、あるいは南北問題等々、現下世界の情勢にとりまして最も重要な問題が論議されると聞いております。しかし、国会中でもございますし、不況対策その他最もわが国にとりましても重要なときに総理以下関係大臣が出席されますということにつきましては、国民に対しましても、この会議がきわめて重要である、わが国にとりましてもきわめて重要である、その成果をかくかく期待するがゆえにその会議に出席するんだということにつきまして、やはり明確にしていただく必要があるのではないかと考えますので、御意見を承りたいと存じます。
○国務大臣(三木武夫君) 私といたしましても、国会の御審議を願っておるさなかでございますから、でき得べくんば国会を終わってという日程を日本が望ましいということを先方にも伝えまして、各国とも配慮は加えてくれたようですが、どうしても、何分にも六カ国、イタリーが後で加わったわけですから六カ国になっておるわけですが、その首脳者が一堂に会するという日程の都合がこういう時期になって、国会には相済まぬと思っておりますが、事の重大性からして野党の各位も御理解を願えるものだとは思っております。 これから正規の手続をいたすつもりでございますが、なぜ重要かと申しますと、時期的に見ましても、世界各国がスタグフレーションというインフレと不況、このために同じように悩んでおるわけですね。むしろ日本よりももっと悩みが深刻たと言ってもいいぐらい各国とも悩んでおるわけです。それならその問題を一国だけで解決できるかというと、私はそうは思いません。この世界的な不況という中にも、それは各国とも集まる国々は先進工業国でございますから相当な貿易量を持っておるわけですから、海外の全部の主要国が不景気ということは、どうしたって世界貿易が縮小されざるを得ないわけでございます。これは日本だって、この不況の一番大きな原因の一つだと言ってもいいのはやっぱり世界的不況の影響を受けているということですから。そういうときに、何とかこの景気を回復しようではないかと、しかも集まる六つの国というものは今日の世界経済に対して責任を感じなければならぬ国ですからね、当然に日本はその中に入らなければならぬ国であることは言うまでもございません。 そういう時期であることと、問題が景気の回復、エネルギー、貿易、通貨、食糧、まあ食糧といいますか、第一次産品、南北問題、このどれをとらえてみても日本もまた大問題のものばかりですよ、これは。そういうことは、しかも日本だけで解決ができるかといったら何にもないわけです、解決できるものは。皆やっぱり六カ国の首脳が寄って相談し合って、何らかこの解決の道を追及せなければならぬという問題ばかりである。時期がそういう時期であって、問題がきわめてこれは世界的な協力を得なければ解決できない問題ばかりが議題になっておる。 しかも、やはり日本とすれば、これはもう戦後こういう多角的な国際会議に日本が出席する初めての会議であって、この会議において日本がどういう世界に対して寄与をできるかということは、それは寄与というのは金ばかりでありませんよ、一つの構想というもの、寄与できるかというものは、やっぱり日本の国際的評価に関係する。私は三木内閣というようなことを考えてないんですよ、これは。こんな一内閣という問題じゃない。日本の国際的評価というものに影響をするし、また、これからの世界経済の骨組みに影響しますよ、これは。 いままでの、世界はみんな不況でなかなか悩み抜いておる。しかも南北問題を考えても、国際会議をやったって、先進工業国と発展途上国との間にはほとんど何というか、対話というものが円滑に行われないような状態でしょう。こういう状態をそのままに置いておいて世界の平和というものは考えられないわけです、人類の大部分を占めておるのですから。この間に、先進工業国と発展途上国との間に何らかの調整をするということを発見しないと、人類の平和というものは非常にやっぱり悲観的に見ざるを得ない。こういう問題は、日本はアジアの一員ですから、アジアを代表するのは日本、まあ代表と言ってはおこがましいが、アジアの声というものをその会議に反映でき得る立場というものは日本ですからね。しかも、もうアジアというものが人口でいったら発展途上国の大部分を占めておるんですからね。そういうことで、しかも東西、南北問題、皆控えておるこのアジアの声というものをこの六大国に伝えることは必要である。 こういうことを考えますと、この六大国の首脳会議の持つ歴史的意義というものは私は非常に大きい。一遍で成果が上がるものではありませんよ。ないけれども、いままであったことはないんですから、その六カ国の首脳が三日間一ところへ泊まって、そうしてお互いに話し合うということは、そういう形で世界が協力しようという国際的雰囲気ができたということは、日本としては歓迎しなければなりません。これに日本が参加をして、日本としての見解を述べ、この問題の解決のために日本が日本の考え方を述べるということは、日本のためのみならず世界のためにも必要だと考えておりますから、私はでき得べくんば各方面の意見も聞いて、そういう国民的な見解というものを頭に置いてこの会議に臨みたいと願っておるわけでございます。党首会談なども機会を得て申し込みたいという私の気持ちはそこにあるわけでございます。
○黒住忠行君 主要国首脳会議の重要性につきましては、よくわかりました。 ところで、十二月十六日から国際経済協力会議というのが開催されるというふうに聞いておりますが、ただいまの先進六カ国首脳会議との関連におきましても非常に重要な会議ではないかと考えるわけでございますけれども、それに臨む態度等につきまして、ひとつ御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国際経済協力会議は、御承知のとおり昨年の二月以来、石油危機にいかに対処すべきかということでいろいろ苦心をいたしてまいったわけでございますが、わが国等が主張いたしておりました対話路線というものがようやく関係国の受け入れるところとなりまして、今回開かれることになったわけでございます。したがいまして、議題といたしましても石油だけに限ることはなく、エネルギー、一次産品、発展途上国の開発の問題金融関係の問題、四つの委員会をつくって討議をするということになりました。これによりまして、産油国並びに非産油の発展途上国が持っております問題をも含めまして、三者が一緒に協議をし解決策を探していこうということになったわけでございます。この意味では、ブレトン・ウッズ体制が崩壊いたしました後、ことに石油危機以後、これらの問題をいかに解決すべきかという、初めて関係国が寄りまして新しい制度を発見し生んでいこうという、そういう機会になり場になるものというふうに私ども期待をいたしております。わが国といたしましても、それに対してできる限りの貢献をいたしたいと考えているわけでございます。 他方で、六カ国の頂上会談につきましても、かなり同じ性格の問題をお取り上げになるわけでございますので、頂上会談の基調から、この国際経済協力会議に対処いたしますいわゆる先進国側の心構えというものが頂上会談からおのずから生まれてくるのであろうということを期待をいたしておるわけでございます。
○黒住忠行君 わが国の北方領土問題に対しますところの基本的な方針は、四島の一括返還であります。ところで、総理の外交ブレーンと自他ともに認められておりますところの平沢氏の提案は、国民感情を無視したものと言ってよいのではないか。遺憾に存じます。総理の北方領土返還に関しますところの基本的考え方につきまして、いま一度確認をいたしたいと思いますので、お答え願います。
○国務大臣(三木武夫君) 平沢論文というものが私の対ソ外交の姿勢について関連があるような、こういうことを世間に言う人がありますが、全然関係はない。平沢君は私の友人ではございますけれども、もう十年来いろいろそういう意見を発表もしておったわけですが、これは一ジャーナリストの見解であって、私とは全然考え方がその点については違うわけでございます。違うどころか、第一回の日ソの外相会議というものは、私が外務大臣で——一九六七年だと思いますが——参りまして、本格的な領土交渉というものを私がやったのですからね、コスイギン首相との。それは歯舞、色丹、択捉、国後、この一括返還というものの非常に強い交渉をやって、そのときに中間的措置で何かできないかというような当時の新聞の、黒住君御記憶にあるかもしれないが、そういうことを言ったので、これを本格的な領土交渉だと私は考えております。その後もトロヤノフスキー・ソ連大使なども、しばしばブレジネフ氏の手紙などを持って私のところへ訪問されることもございますが、しかし毎回、ソ連のような一つの大国が、しかもやっぱりシベリア開発を考えてみても、本当に日本とソ連との間にいろんな点で協力ができたならば、これはもう世界の面目一新するかもしれぬ。この四つの島にこだわって、そうしていつまでも日ソ間に平和条約もできないというような状態は、長い目で日ソ関係を見たときに、これは決してバランスシートの合うことじゃないじゃないか、この問題を解決しようではないかということを繰り返し私は言っておるので、私の考え方は、一括返還によって日ソ関係を、平和条約を結ぶという考え方は、私はもう前から今日に至るまでいささかも変わったものはないと、これは明らかにいたしておきます。
○黒住忠行君 世界情勢ないし外交の問題につきましては、なお若干お聞きしたい点がございますけれども、後に保留させていただきたいと思います。 さらにいろいろ経済問題財政問題につきましての質疑を行いたいと思いますけれども、本日はこれで中断をさせていただきたいと思います。
○委員長(大谷藤之助君) 黒住君の残余の質疑は明日行うことにいたし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十五分散会 —————・—————