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76回国会参議院1975/10/21

外務委員会 第2号

発言数
77
登壇者
10
会派数
4
開催日
1975/10/21

会議録

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る九月十七日、星野力君が委員を辞任され、その補欠として野坂参三君が、また、本日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として木島則夫君が選任されました。     —————————————

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。羽田野外務政務次官。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○政府委員(羽田野忠文君) ただいま議題となりました漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、近年わが国沿岸の水域におけるソ連漁船団の操業に伴い、わが国沿岸漁民との間で事故が生じている事態にかんがみ、事故の未然防止と事故発生の場合の紛争の迅速かつ円滑な処理を図ることを目的として、ソビエト社会主義共和国連邦政府との間で漁業操業に関する協定を締結するため、本年三月以来モスクワで交渉を行ってまいりました結果、去る六月七日に東京において、わが方外務大臣と先方イシコフ漁業大臣との間でこの協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、第七十五回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。  この協定は、本文十五カ条及び四つの附属書から成っており、漁船及び漁具に関する事故の未然の防止のために、漁船の標識及び信号並びに漁具の標識等に関する規定、漁業操業の規則の設定と遵守に関する規定、情報の交換等に関する規定等を定めるとともに、漁業紛争の処理を促進するための漁業損害賠償請求処理委員会の設置による紛争処理手続等に関する事項について定めております。  この協定の締結によりまして、特に近年わが国沿岸におけるソ連漁船団の操業の結果問題を生じていた日ソ両国の漁船の操業に一定のルールが課されることとなる結果、漁船及び漁具に関する事故の未然防止が図られることとなり、また、不幸にして事故が発生した場合には、事故から発生する損害の賠償請求の処理につき迅速かつ円滑な解決が促進されることになることが期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認あらんことを希望いたします。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 以上をもって説明は終わりました。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 この協定は、イシコフ漁業相が来日の際に、本年六月七日に署名を見るに至り、さきの第七十五回国会に提出され、衆議院先議で、本委員会でも全会一致承認すべきものと決定したのでありますが、ついに審議未了に終わった次第であります。この趣旨は、大体において各党の了解済みの問題でありますが、なおこの際に、最近に起きているいろいろなトラブルもありますので、三点ほどに分けて、その問題点をひとつ簡単に重ねて質問いたします。  第一の問題点は、ソ連は領海十二海里説をとり、わが国は三海里説をとっておりますが、この十二海里説と三海里説との調整は現在いかようになっているか、また、将来どういうふうに決定を見るに至るか、その見通しを承りたいと思います。

伊達宗起外務省条約局参事官

○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  領海十二海里と三海里、ソ連は確かに領海十二海里の説をとっておりまして、わが国は御承知のように三海里説という立場をとっているわけでございます。現在におきまして、これがどのように調整されているかということでございますが、わが国の立場といたしましては、国際法的に、国際法上確立した領海の幅というものは三海里であるという立場から三海里を守っているわけでございまして、領海十二海里をとっている国々に対しましては、それが従来の国際法、すなわち、三海里の国際法に違反するものとしてわが国の立場を留保しているという関係にございます。  ただ、現実には、数から申しまして、国際法というものは時とともに進化いたします関係上、領海十二海里説をとる国もふえてまいりまして、ソ連はその中の一国でございます。したがいまして、現実の問題といたしましては、ソ連が領海十二海里をそのまま主張し、わが国は領海三海里ということで、その間、調整というようなことが現実には行われていないという状況でございます。  将来の問題でございますが、御承知のように、現在第三次海洋法会議が行われておりまして、ことしもジュネーブにおきまして第三会期が行われた——第三会期だと思いますが、行われているわけでございます。そこにおきまして、領海の幅というものにつきまして議論が行われているところでございまして、大勢は、領海十二海里ということをもって今後の海洋法の原則としようという方向に進んでいるように私どもも承知いたしているわけでございます。  ただ、領海十二海里とすることにつきましては、種々の海洋法のその他の問題、すなわち、二百海里の問題でございますとか、国際海峡の問題でございますとか、その他いろいろの海洋法秩序、新しい海洋法秩序をつくり出す国際会議における種々の問題とパッケージという関係になっておりまして、残念なことながら、そのパッケージの取り決めにつきまして全参加国の合意が成立するに至っていないという状況でございます。したがって、将来、来年のニューヨークにおきます会期におきまして、これらの種々の問題につきまして、大方の合意という形でもって一つの合意が成立し、その一環として領海十二海里ということになりますれば、これが今後の海洋法におきます領海の幅を定める原則として確立するということになるであろうと私どもは考えているわけでございます。その際には、わが国といたしましても、領海十二海里という新しい国際法に基づいた権利を持つに至ると、そのように考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 領海三海里説の主張から十二海里に移行しょうという過渡的な段階において、日ソ間においてはその解釈の仕方その他からいろいろトラブルがいままで起きてきたのは事実であります。  第二の問題点として承りたいのは、この協定の効力発生直前の二年間に生じた事故も損害賠償請求の対象になっているということですが、この事故は、昭和四十八年、四十九年漁業に集結しているのにかんがみ、その合計一千百六十五件、四億四百五十一万円、これを救済の対象にしておるのかどうか、それを承りたい。  また、国会の承認がおくれた関係から、この期間の問題に対してどういう処置が払われているか、それをも重ねて承りたいと思います。

伊達宗起外務省条約局参事官

○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  この協定は、先ほども政務次官から提案理由を御説明申し上げた中にもございましたように、両国の漁船が競合して操業いたします場合に、そのルールを定めることによりまして事故の未然の防止を図るということと、その次に、不幸にして事故が起こった場合に、その事故の被害、被害者は日本漁船でございますが、日本漁民の民事的な賠償請求について、それを委員会を通じる和解と申しますか、そういうような手続にのせてその解決を容易にするということを主眼としているわけでございます。したがいまして、ただいま戸叶先生がおっしゃいました一千数百件の事故というものが四十八年の十月からの事故でございますが、その事故が、この協定の規定によりまして、この協定の発効よりも二年さかのぼったものがこの協定に定める委員会の紛争解決の手続の対象となるということになるわけでございます。したがいまして、これは法的な手続でございませんので、別にこの事故によって被害を受けた日本漁民の請求権がこの二年の期間内に入っていないものについては消滅するというような問題ではございません。ただ、先生が御指摘になりましたように、四十八年の十月の分につきましては、若干すでに時日を経過しておりまして、四十八年の十月に起こった事故数件につきましては、したがって、この協定に定める委員会の手続の対象になってこないということがあるわけでございます。これにつきましては、関係の漁民の方にはまことに残念なことかもしれませんけれども、いずれにいたしましても請求権が消滅しているわけでもなく、これらの漁民の人たちに対する補償といいますか、特別な措置というものは現在のところ考えられておりません。  以上でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 特別な処置が考えられてないと言うが、被害があったのは事実なのであり、条約の承認がおくれた関係で問題が片づかなくなったということでは大変で、その場合には、やむなき場合においてはやはり日本の政府なり何なりが責任を持ってこれを処理するというような方向づけがないと漁民の不安というものは消えないと思いますが、いかように考えていますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 四十八年に入りましての事故は、十月から始まっておりまして、最初に十月五日に事故があり、十月中の事故は合計五百二万円になっているわけでございます。  そこで、協定の発効がおくれた結果、この十月の事故が損害賠償請求委員会の対象にならないという問題でございます。そこで、私どもといたしましては、このような被害を受けた漁民がそういった損害賠償請求委員会の請求の対象外になるということは問題だと思うわけでございますが、実際問題として、条約の発効がおくれましたために、法律上は、条約上は、ソ連に請求できないという形になるわけでございます。そこで、今後損害賠償請求委員会が発足いたしますと、そこで類似の事故についていろいろ審査が行われ、それに対して損害賠償が支払われるということになってくるわけでございます。  ただいま伊達参事官から御答弁ございましたように、民事上の請求権は別にこれによって損なわれていないわけでございますから、私どもは、その後の損害賠償請求委員会の審査の状況等も十分注視いたしまして、それらとのバランスということを考えて、必要な請求をソ連側にしなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 いわゆる政治的解決でしょうが、その損害賠償請求権というものが法的になくても、民事上の請求権が損なわれてないから、そこで、ソ連側との話し合いによってそれを解決するという意図を持っているという意味の回答でしょうか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) そのとおりでございます。損害賠償請求委員会が発足いたしまして、いろいろなケースについての審査が行われるわけでございますが、それらの審査の結果と類似のケースも大分あると思いますので、そういったものの結果を見ながら、必要な措置をとらなければならないというふうに考えているわけでございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 いま地元の新聞、東京の新聞にも問題にされているのは、数日前に襟裳岬にソ連船が三十二隻ほどやってまいって、そうして沿岸漁民に一つの衝撃を与えるということですが、その出来事は、事実はどういうふうになっておるのですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 本年四月に、ソ連漁船の大室出周辺、これは伊豆大島の南の方でございますが、ずっとそこでの操業が終わりまして、六、七、八月に北海道周辺海域で若干の操業が見られました。例年だと、大体銭州と申しますか、伊豆大島の南の辺で操業が終わりまして、帰ってしまうわけでございますが、ことしは六、七月におきましても、北海道周辺において若干の操業が見られたわけでございます。その後、九月に入りまして、十ないし二十隻前後の漁船が、主として襟裳岬の周辺の、距岸十五ないし二十海里付近で操業を開始いたしまして、次第にその数もふえ、十月に入って、胆振沖から恵山岬の沖にまで操業区域が拡大されております。現在操業隻数は、私どもが確認しているところでは、三十五ないし四十隻のソ連漁船がその海域において操業中でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 太平洋沿岸水域における昨年度の総漁獲量が、わが国においては五十万トンないし七十万トン、ソ連は二十万トンと推定されていますが、ソ連船団の進出によって、わが国の中小漁業が漁網を切られる被害が四十五年から始まって四十六年四十件に達した。この段階で、四十七年六月に赤城農相とイシコフ漁業相との東京会談が持たれて、両国漁船操業についての専門家会議開催という運びになり、さらに本年三月、内村水産庁長官が訪ソして、協定案について合意を見、その上でイシコフ氏との正式協定がなされたのでありますが、ソ連は、すでにわが国より前にこのような協定を他の国と結んでおるのでありまして、こういう問題に対してはいろんな協定をつくり上げるのには経験を持っておると思うのでありますが、ここで問題点は、日本自身で水産漁場、産卵場を保護する、魚族資源保護というたてまえから、大量漁獲につながる沖合い底びき網漁やまき網漁等の禁止区域を設けているのだが、いろんな慣習上の相違からきているのかもしれませんが、ソ連側でトラブルを起こしたのは、この日本の魚類保護のたてまえというものを十分理解していなかった結果から問題が起きたと思うのでありますが、五十年六月八日の日ソ両国の共同声明において、漁業操業に当たって紛争発生の可能性を除去するための方策に合意したという旨が述べられておりますが、その合意の意味というのは、この種のトラブルをソ連側ではなくさせるためにみずから自制するという意味を表現したものでしょうかどうか、それを承りたいと思います。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、ソ連は領海十二海里、わが方は三海里ということで、ソ連側は従来から、三海里の外は公海であるからその漁業は自由であるという主張をしてきたわけでございます。そこで、私どもといたしましては、確かに日本の領海は三海里であるから公海には違いないわけでございますが、そこに、わが国の沿岸漁民が、従来からいわゆる底びき漁業とその他の漁業の紛争を避けるために、県の規則その他によりまして底びき禁止区域というものを多少公海に定めてあるわけでございます。そこで、先般六月にイシコフ漁業大臣が参りましたときに、安倍大臣とイシコフ大臣との話し合いの際、やはり日本が底びきを禁止している区域はソ連側も底びきをやめてくれないか、これがやはり漁業者の一つの仁義と申しますか、そういうようなものではないかというようなことを話しまして、同時に、わが国の沿岸の底びきの禁止区域はこういうふうになっているということを、海図によって詳細説明したわけでございます。その結果、イシコフも、お前たちの言うことはわからぬことはない、その話を専門家同士でしようじゃないかということになりまして、ことしの九月、モスコーで専門家同士の話し合いがあったわけでございます。その際、重ねてわが方から細かく底びき禁止区域の説明をしましたわけでございますが、ソ連側は、やはり公海の漁業は自由だという原則に非常にこだわったわけでございます。ただし、最後の段階に至りまして、全部日本のトロールと申しますか、底びき禁止区域についてわが方の漁業をやめることはできない。しかし、このような漁業紛争は日ソの国交上非常に悪影響を与えるという面もあるから、特定の水域、特にこれまでいろいろ紛争の起こった水域については、極力日本側の底びき禁止規則、あるいは銭州の周辺におきましては、わが方は産卵保護のために一本釣りしか認めておりませんので、そういった海域におけるまき網の自粛というようなことをやろうということを向こうが同意いたしまして、その結果、北海道南部の水域とサバの産卵時期における重要な産卵場である銭州及び大室出周辺水域におきまして、底びき網及びきんちゃく網漁業の操業をソ連側が国内の措置として差し控えるというようなことを表明したわけでございますむしたがいまして、この話し合いの結果、わが国の底びき禁止区域全部の自粛を向こうは言ったわけでございませんで、北海道南部の一部水域、特に昨年いろいろ紛争のあった水域と銭州周辺の水域について、底びきときんちゃく網の漁業の操業を自粛するということを言ったわけでございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 六月八日の日ソ両国の共同声明の直後に、イシコフ漁業相は、すでに、紛争発生の原因がソ連漁船のトロール漁業にあるならば、日本側漁業禁止区域ではトロールを行わない旨を述べているということが翌日の六月九日の読売新聞にも載っておりますが、そのイシコフ漁業相の物の考え方を九月における安部農林大臣との会談の席において、漁業者の仁義を重んずると、日本側に悪感情を与えないという形からソ連が国内の処置として北海道南部その他において自粛するという意味の表明をしたというのは、それは何か文書になっておるんでしょうか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) まず六月の場合でございますが、これは当時出しました共同声明の中で、日本国において有効である漁業規制措置を考慮に入れて、紛争発生の可能性を除去するための方策を講ずることに合意したということになっておるわけでございます。  この共同声明に基づきまして、その後、農林大臣がモスコーに行かれたときに同様の話をし、その結果、九月に専門家会議が持たれたわけでございます。その専門家会議で作成いたしました議事録の中で、次のようなことになっておるわけでございます。  議事録の5でございまして、「上記協定の目的及び精神に立脚し、かつ、日本国において有効である漁業規制措置を考慮に入れ、専門家は、両国の漁民が北海道南部の一部水域において底びき網及びきんちゃく網漁業を差し控えること及び銭州及び大室出し周辺のさばの産卵水域においてその産卵時期に上記の漁具によるさばの漁業を差し控えることを自国の権限のある当局に勧告することが必要であると認めた。」という記述になって議事録に残っているわけでございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 この協定を見るならば、ソ連が日本との間につくった協定の中においても、最も日本を理解し、親善の気持ちを込めている協定だと思うのです。これはイシコフ漁業相が日ソ親善におけるところの責任ある地位に置かれているせいもありますが、このような調子で、いま日ソ関係が非常にむずかしいときでありますが、どんな困難な問題もお互いに理解し合えば、相互理解の上に立って難問題も解決できるという事例を私はここに示しているこれは貴重な一つの協定だと思うのであります。覇権問題とか北方領土の返還の問題とか、いろいろの難問題がまだ前途に横たわっておりますけれども、問題を問題別に堀り下げて、お互いに相互不信を除けば、このような成果が日ソ間においては挙げられるという実例をここに示したものとして、貴重なこれは協定であると私は思うのであります。  そこで問題は、ソ連側よりも日本側で少しだらしない面があるんじゃないかと思うのですが、いま北海道南部におけるトラブルの発生においても、浦河地域には巡視船が保安庁から出ておりますが、室蘭や苫小牧においては巡視船というものが出ていない状況なので、沿岸漁民というものは非常な不安感を抱いておるのであります。これはどうぞ今後浦河だけでなく、やはり室蘭や苫小牧の方面においても巡視船を回していただきたいというのが地元の要請ですが、それに対してはどういうふうにお考えですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) わが方の監視船の点でございますが、これにつきましては、海上保安庁、水産庁、北海道庁がそれぞれ監視船を出して、わが国漁業者の漁業活動の保護に当っているわけでございます。そこで水産庁といたしましても、大体常時一隻の監視船をこの海域に出しておりますし、海上保安庁も二隻の監視船を出しております。その他道庁の船が出ておりますので、私どもといたしましては、予算の許す限り、そういった面の活動を拡大したいというふうに考えまして、五十一年度の予算要求におきましても、水産庁の監視船の経費の拡大を要求しているところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。  いま北海道の沿岸についての話が出ていましたが、例の伊豆沖の問題について、一部産卵期に規制の措置をとるという話が出ておりますけれども、それでは実はここに出ている漁業者の間で非常に不満がある。たとえば東京都、千葉、神奈川、静岡、一都三県のものが重要な漁場として出ているわけでありますが、特に一本釣りをやっているところの漁場なんです。どういった不満があるかということを御存じでしょうか。そしてそれを一体どういうふうに解決をしていこうとしているのか、その点を伺いたいと思います。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 銭州周辺のサバ漁業の問題につきましては、四十九年の春に非常にソ連の大幅なまき網の操業がございまして、大きな問題になったわけでございます。その結果、昨年の秋、ソ連側と話しましたときに、いろいろとわが国のサバの産卵保護の規則等について話をしたわけでございます。そこで、五十年はソ連は大室出周辺では多少漁業をやりましたけれども、いわゆるサバの産卵場である銭州周辺につきましては、ほとんど操業をやらなかったという実績が残っております。その結果、本年はほとんどそういう被害がなかったわけでございます。そこで、今年さらに重ねて九月にモスコーで話しましたときに、わが方の専門家からいろいろ、さらに詳細にサバの産卵保護に関する規則の説明等を行ったわけでございます。したがいまして、今後ソ連の操業がどうなるかという問題でございますが、五十年程度の規模の操業であれば、実質的に余り紛争は起こらないのではないかというふうに考えております。  それから、さらに、先ほど申しました議事録にもございましたように、向こう側は産卵期に漁獲を自粛するということを申しておりますし、さらに、「上記協定の適用水域における紛争防止のためにとるべき追加的措置を検討することを目的として引き続き協議を行うことが必要であると認めた。」ということになっておりますので、本漁期のソ連側の操業形態も十分見ながら、必要があればさらに追加的な措置をとる必要があるというふうに考えておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 お話しのように、産卵期に一つの抑制措置をとることは当然なことですけども、漁業協同組合等の話を聞いてみましても、たとえば一、二月、一番漁獲高の多い時期に、実はいま言ったようなトロール漁法に基づく操業をやるわけですね。したがって、最も漁獲高の多い時期、この時期はやはり規制していかなければできないのじゃないか、産卵期だけの措置では不十分だというようなことが強く主張されて、現段階では、もうこういうことだけでは解決できない。したがって、従前から言っているような領海十二海里の日本側の宣言をやってもらいたいということを強く要望しているわけなんです。この問題については、外務省側の見解はわかります、一応説明は聞いてはおりますけれども、水産庁の一体見解というのはどういうふうな見解なんでしょうか、この点をひとつお尋ねしたい。もう二、三お尋ねして終わります。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 銭州の漁場につきましては、先生御案内のように、十二海里の宣言によって全部わが国の漁業の利益がカバーできるかどうかという問題はもちろんございます。しかしながら、水産庁としては、領海十二海里の問題につきましては、現在遠洋漁業もほとんどもう外国の距岸十二海里の中で操業しているところはございませんし、沿岸漁民の保護のために、なるべく早く十二海里の宣言はやってほしいというふうに考えておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 したがって、これは外務省は政務次官ですか。もう少しやはり政府として統一をし、見解をもっと詰めていく必要があるのではないか。外務省側の主張している理由の中には、相当大きな問題点があることは事実だけれども、ひとつこの点については、やっぱりそういう必要のある問題だということを考えているのですが、どういったことを詰めていたんですか、外務省の政務次官。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○政府委員(羽田野忠文君) 領海の三海里、十二海里という問題は、直接には、この漁業関係では、十二海里にすることによって沿岸漁民の利益を守るという直接の効果が出てくる面が確かにあるわけでございますが、やはりこういう国際的な問題は、一国一国がその利害によって決めていくというよりも、やっぱり世界の一つの共通の問題として、世界共通に解決していくことが一番望ましい。しかし、いま実際には三海里を主張しているところもあり、十二海里を主張しているところもあります。そこで日本が、それじゃ日本は十二海里を主張すればいいじゃないか、漁業の問題ではそういうことも言えますが、先ほど伊達参事官が御説明申し上げましたように、日本は海洋国で非常にたくさんの日本船舶が国際海峡等を通過をいたしております。それから日本のこの海峡を外国の船舶が通航をしていると、こういう非常にむずかしい問題がございますので、こういう問題の解決と領海十二海里の問題の解決というのを一緒に解決していくと、その方法としては、やはり海洋法会議を効率的に、そして早くその共通の結論を出すように推進するほかはないということで、わが国は強力に推進をいたしております。先般の会議では結論が出ておりませんが、この次のニューヨークの会議でぜひ結論が出るように、外務省としても努力するつもりにいたしております。そういうことで、もうしばらく、そういう方向で進ましていただきたいと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 海洋法会議は世界的な視野に立つもので、日本全体の視野に立って問題の解決をしていかなければできない。しかし、まあ方向としては、大体そういう大勢もできてきているけれども、現実的に具体的にそこまで行くにはまだ時間的な余裕があると、しかも、現にいまお話したように、ソ連自身が十二海里説をとって自分の漁業権を確保しているという段階の中で、三海里で現実的に侵害を受けているということになれば、これは水産庁だけの問題ではないと私は思うんですよ。そういう過渡的な問題について、一体外務省としてどれだけの、国として日本として努力をしなきゃできないのかという、そういう課題が外務省自身にあると思うんです。大勢としてそういう方向が決められ、しかし、現実的にそれが出てくるには相当な期間がある。しかも、相手はその十二海里をとって、こちらが三海里で侵害をされているという事実があるとすれば、これは漁業権問題だけではなしに、日本のいわゆる権利としてもこういう点を一体どう保護していくかということについての具体的な交渉というものが、外務省自身からもなされるというのが筋合いだと私たちは思うので、こういう点について、政府の力を結集して、ひとつ解決を過渡的にもしていくように、具体的に解決できるように、やはり努力をしてもらいたいというようなことを特に望みます。  いまお話がありましたが、水産庁長官、今後のまだ協定、いまのような宣言の中から交渉し得る余裕もあるわけなので、事実上、実態をよく調べて、これは積極的な努力をしてもらわなきやならない。  最後に、一体、こういうことが行われているために、漁獲高にどういう影響が出てきているのか、あるいは魚価について具体的にどういう影響があるというふうに判断をされているのか、この点をひとつ聞かしていただきたい。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 漁獲高の問題につきましては、特に昨年でございますか、ことしの春、北海道のいわゆる日高沖で、ソ連が相当トロール漁業をやりまして、胆振、日高の沖の、特にスケソウダラの資源が影響を受けたのではないかということがずいぶん言われたわけでございます。その後、私どもの方の研究機関その他で調べたわけでございますが、それほど大きな打撃は受けていないというふうな判断を持っております。  そこで、これからスケソウの漁期が始まるわけでございますけれども、実質的にどういう影響が出てくるかというのは、もうしばらく様子を見ないとちょっとわからないというところでございます。専門家は、資源の状態から見て、そう漁獲高に影響はないのではないかと見ております。  それから値段の問題でございますが、特にスケソウダラの値段というのは、むしろ北洋でとってくる大量のものがございますので、そういったものの値段がかなり市場価格に影響いたしますから、値段につきましても、いまのところ、ソ連の漁船の操業によってスケソウダラがとれなくなって価格が暴騰したというようなことはございません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 その認識は、もう少し改めていってもらわなきゃできぬと思いますね。たとえば、いま言ったサバの漁獲高については、確かにトン数についてはそう大した変化が出てくるということでないとしても、魚体自身が非常に小さくなってしまっているんですね。そして魚価には非常に大きな影響が出てきていることも事実なんで、したがって、単に漁獲量だけを見て影響少なしというようなことを考えていかないように、ぜひ実態をもう少し明確にして、漁民の漁業権を守るという方向で、強力にひとつ主張をしていくように要望して終わります。

秦野章自由民主党

○秦野章君 ちょっと簡単に。  協定以前の損害ですね、政府から見て漁獲の方法とか地域とか、いろいろ複雑な問題があるわけだけれども、政府から見て妥当な損害だと、しかも、ソ連側の漁業操業の故意過失による不法行為だと、こういうふうに明らかに認められる額は一体どれくらいですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) その点につきましては、今後の損害賠償請求処理委員会でいろいろ審議をしていただいて決めるべき問題でございまして、私どもといたしましては、今日まで損害の報告があり、当事者がそれを請求するという場合には、全部損害賠償処理委員会に出したい、こういうように考えております。

秦野章自由民主党

○秦野章君 今度協定ができて、ルールができて、そのルールに乗っかって協定以前の問題を裁いていこうと、その線に乗っかって協定以前の問題も糸口にしていこうという配慮ですね、それはわかるのだけれども、やはり協定以前の問題は協定後の問題とソ連側の受けとめ方がちょっと違うのじゃないかという感じもしないではない。もっとも私法上の損害というものは、協定があろうとなかろうと損害は損害なんだ、そういう問題について、協定ができたからそこでやっていこうと余り安易に考えますと、おそらく未解決になるのじゃなかろうかという感じもするわけです。  そこで、政府から見て、私法上の問題だからよくわからぬとおっしゃるけれども、しかし、漁業保護の立場で見ると、客観的に見て、これはやっぱり妥当な損害の要求である。委員会で見るんだとおっしゃるのだけれども、その委員会にかわる——かわると言うか、水産庁が見て、そこらが大体この線だというような見方ができないものか、そういうように見ていかないと、これはやっぱり漁民まかせになって、まかせと言っても、これは結局、相手はソ連の漁民というよりもソ連の政府になりますから、無理なんですよ、交渉自体が。そういう感じがするので、大変私は何かギャップがあるような感じがするのです。そうして結局最後に、その損害というものが補償されなかったときに、一体それはどういうふうに、政府は全く責任がないということなのか、あるいはまた、それを具体的に何か善処していくという方法というものがあるんなら、それをひとつ聞かしてもらいたい。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 御案内のように、本件は民事上の損害賠償請求になるわけでございます。そこで、これまでは日本の漁業者にソ連の裁判所に訴えて取れと言いましても、そういうことは一応できないと、お国柄も違うということがございます。そこで、今度損害処理委員会ができまして、わが方の専門家委員が二名、ソ連の委員が二名ということで、十分そこで審査することになるわけでございます。本件は、協定にもございますけれども、いつ、どこで、だれがという問題が非常に重要な問題でございます。その点につきまして、協定以前と申しますか、過去二年間の事故については、必ずしも十分な挙証ができないというものもございます。私どもの目から見ましても、これはちょっとはっきりしない。たとえば夜間に切られたと、どうもソ連船らしいというようなやつもあるわけでございます。そういうものについて、果してどの辺まで挙証できるかというような問題がございますけれども、今後専門家の委員会ができまして、そこで審査をすることになるわけでございますから、私どもの方といたしましては、極力そこへ出まして、十分御審査を願って必要な措置をとってほしいというふうに考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この協定がきょう外務委員会を通過いたしまして、あす本会議が予定されておるわけでありますが、あす本会議で成立した場合、これは法律のいわゆる施行日と申しますか、この協定の成立する日にちは大体いつになるのですか。

伊達宗起外務省条約局参事官

○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  第十五条にこの協定の発効手続が書いてございまして、両方、各政府、日本政府とソビエト政府からそれぞれ国内法上の手続を終えて、それぞれの国内の承認を得たということを通知する公文を交換するということによって、その日に効力を生ずるということになっております。したがいまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、あす本会議で御承認をいただけるということになりますれば、その後、直ちにソ連側と連絡をとりまして、一日も早くこの公文の交換を行いたいと思っております。  実は、非常にこの協定の発効を急ぐという観点から、その公文の文章等につきましても、ソ連側とはあらかじめ話がつけてございまして、いち早く公文を交換できるように措置はとってございますが、いつということは、やはりちょっと相手のあることでございますので、確言はここでは申し上げられませんが、私どもとしては、今週中にでも発効させたいというように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうしますと、先ほど水産庁長官から、四十八年十月においては、十月五日に最初の事故があったわけですねで、五百二万円とおっしゃいましたけれども、これは十月中の全損害ですね。そうしますと、十月の終わりごろにも事故が起きているんじゃないかと思うんでありますが、もし今週中とした場合、大体何件で、どれぐらいの損害になるわけでございますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 今週中というと、二十五日になりますか——ちょっと被害申しますと、二十三日までの被害が、二百二万円でございます。それから、十月の三十日に、これは岩手県の沖でございますが、まき網が切断されまして、これははっきりソ連の船の名前まで全部わかっておりますけれども、まき網の切断による損害が三百万というのがございまして、二十五日に発効いたしますと、このケースだけは二年以内に入ってくるわけでございますが、それ以前の二百万は、これはちょっとこの委員会には請求できない、こういうことになっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは事故は、われわれいただいた資料には、ソ連の船が日本に与えた被害のみが載っているわけでありますが、逆に日本の船がいわゆるソ連の船に与えた被害というのは余りないわけですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 一番ソ連漁船との関係で問題なのは、ソ連の漁船は二千トン、三千トンのスタントローラーが多いわけでございます。それに比べてわが方は五トン未満の船から、二、三十トンの船ということで、わが方の船がソ連の漁業に被害を与えているというケースは、現在のところ全然聞いておりませんし、ソ連側からもそのような話は聞いておりません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 もしこの委員会、事故の損害賠償請求処理委員会で決定をした場合に、このお金はソ連はどこが払うのですか。これは国が払うわけですか、ソ連の。

伊達宗起外務省条約局参事官

○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  日本近海で操業しておりますのは、ソ連の漁業省の極東総局でございますので、これはソ連の国内において責任がどこにあるか、直接の責任者はどこであるかということでございますが、使用者責任という観点から決まりますとすれば、極東総局から出るということになるだろうと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、この協定が本来ならば先国会の終わりに通らなければならないところでありますけれども、それが結局おくれたわけであります。これはいずれにしても政府の責任というか政治の責任ですね。漁民には何ら責任はないわけですけれども、そうしますと、二百二万あるいは五百二万、こういうものについて、ただいま水産庁長官は、この委員会が成立した段階で向こうへいろいろ話をしていくと、そういう水産庁長官の意向であったわけですけれども、これはいずれにしてもやっぱり外交問題になってくると思うのですけれども、外務省としてはそういう問題についてはどうなんですか、積極的に応援をしていくつもりなのか、その点どうですか。外務省はわれ関せずで、後は水産庁よろしく頼むと、そういうことなのか。

橘正忠外務省欧亜局長

○政府委員(橘正忠君) この協定が発効して、発効日から二年前までが協定のクレーム処理の対象になるわけですけれども、こういう損害は実はその前からもあったわけでございまして、したがいまして、先ほど水産庁の長官が申し上げましたとおり、協定の手続に乗っての処理ぶりというものと、それからたまたまこの発効がおくれたためにこの協定の手続に乗るかと思われたものが乗らなかったケースと、それ以前に起ったケース、いろいろ均衡の問題もあるかと思うんでございます。したがいまして、このクレーム処理委員会での処理ぶりというものも、そういうものを今後処理していく上の一つの材料にはなると思いますが、その協定の発効、それからその二年前以前のものにつきましては、協定の問題とは別個の問題として、協定とは切り離して、しかし、実態的にはそういう均衡の問題も考えて、それぞれのクレームの実態によってもまた違いますので、その辺は水産庁ともよく相談して、対外面もございましょうが、それ以外の面もあると思いますので、まだ今後の検討問題と思っておりますが、ただいまのところ、別に特にどうするという方針は立てがたい実情でございますし、今後の問題だと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いまの協定による二年前以前の問題については、いままでソ連政府と折衝した感覚の上から見て、水産庁長官可能と思いますか。非常にむずかしいのか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) きわめて率直に申し上げまして、いままでのところ外務省を通じてクレームしているわけでございますけれども、ほとんど答えがないという状況でございます。今後、この処理委員会ができますと、両方の委員が顔を合わせるわけでございますし、こういった問題を専門的に追及する機関でございますから、いままでとは事態が相当変わってくるんじゃないかというふうな期待を持っております。  それから私どもが聞いておりますところでは、ソ連はアメリカ及びノルウェー、最近カナダともこのような協定を持ったようでございますが、ノルウェー、アメリカ等については問題の解決がしているケースもございますので、私どもといたしましては、従来よりははるかに改善されるのではないかというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ひとつ、この請求処理委員会にかかる問題はもちろんのこと、それ以前の問題につきましても、この協定がおくれたためになったところについては、特に水産庁としてもそういう努力を重ねていただきたいし、それが不可能な場合はどうするか、そういう点も、やはり願わくは何らかの処理がとられることを望むわけですけれども、その点を要望しておきます。  できなかった場合、ほかの方法で処理するとか、そういう道は別にないんですか。これはもうソ連が払わなくちゃ、結局漁民は泣き寝入りということになるんですか。それとも何らかの方法をいま考えておるんですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) これは民事上の事件でございますので、類似のケースもいろいろ関係があるわけでございます。そこで、将来の問題としていろいろ考えなきゃならぬ問題ございますけれども、現在のところ、私どもといたしましてこれについて政府がかわって補償するというようなことは考えておりません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それからこの処理委員会で事実関係の立証が非常にむずかしくなってくるんではないか。第三者が立証しなければならないということになってくるわけですけれども、そういう点の見通しはどうでしょうか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) この事実関係の立証が非常にむずかしい問題なことは御指摘のとおりでございます。昼間の場合でございますと、協定もできますし、いろんな面で従来に比べまして改善されると思います。たとえば監視船等もふやしておりますし、それから漁業者が自主的に見張り船を立てるとか、いろんなことをやることになると思います。問題は、特に夜間の場合がこれは一番問題なわけでございます。特に夜間の場合には、両国の漁船というよりも、わが国の漁民が設置しております定置の網が切られるというケースをどうやって防止するか。それにつきましては、もちろん補助金を出しまして灯火をつけるとか、いろんなことをやるわけでございますけれども、その辺の確認を今後どうしていくかという問題がございます。同時に、これまでも私どもが非常に困りましたのは、ソ連の船にいろいろ船の番号等は書いてあるわけでございます。最近は日本の漁師もABCは読めるわけでございますけれども、ロシアのアルファベットは全然わからないと。そこで、これは事故が起こったときでございますから非常にあわてていると、あわててアルファベットを書いてまいりまして、それを水産庁もらってソ連の大使館なり外務省に持っていくと、専門家はこれはロシア語には似ているけれどもロシア語ではないとか、いろんなそういったトラブルも過去において起っておりますので、近くパンフレットをつくりまして、そういった点についても漁業者に周知徹底させる。特に協定はこういうものであると、こういうふうなルールになっているからということを十分説明いたしまして、操業の秩序を守ると同時に、事故の確認につきましても万全の措置をとりたい。これによって全部カバーできるとは私も必ずしも思っておりませんけれども、従来よりは非常に条件は改善されるんじゃないかというふうに考えております。問題は、やはり夜間の定置の網が切られるという問題が一番われわれとしては頭の痛い問題でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 その点、せっかくできて期待を裏切ってはいかぬわけで、万全の処置をとってもらいたいと思うんです。  それで、この協定の目的は、そういう処理とともに、さらに大事なことは未然に防ぐということですね。そういう意味で、この協定によっていろいろ標識とか漁法の取り決め等が決められているようでありますが、かなり事故が減る予想なのか。特に四十九年、五十年ですか、もうぐっとふえておりますですね。これはなぜふえたのか、これができれば大体何件ぐらいに減る予定なのか、見通しはどうですか、簡単に。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 御案内のように、ことしの春、北海道の南の沖で非常に被害があったわけでございます。これにつきまして、その後、六月、イシコフが参りましたし、九月に大臣が行かれ、さらに専門家が話し合ったというようなことがございまして、大体経緯がわかってきたわけでございますが、ソ連の漁業相としては、やはり日ソ間の関係を考えて極力紛争は起こさないようにしなきゃならぬというかたい決意を持っていることは、イシコフの言動その他からもはっきりしているわけでございます。ところが、一方ソ連の漁業というのは、一種の国営漁業でございまして、各船団長にノルマが課されているようなんでございます。そこで、そのノルマの達成というのはこれまたソ連の船団長にとっては大きな仕事であるというところから、かなり昨年漁場の状況がよくなかったものでございますので、そのノルマの達成のために北海道の南部水域に非常に重点的に漁業をやったという事実がございます。そこで、今年八月、私どもが聞いておりますところでは、イシコフが極東の海域で操業する船団長全部を集めて話をした。それから九月の専門家会議にも向こうの船団長をソ連側は列席さしております。そういうようなところから、ソ連側もかなり注意を払っておりますので、事態は改善されるのではないか。さらに、協定にいろいろなことが書いてあるわけでございますが、それの遵守の義務は相互に負っているわけでございますから、今後、たとえば、日本の定置から五百メートル離れてやらなきゃならぬというのを違反しているというようなことが起これば、それについて具体的にソ連側に抗議できるというようなことになってまいりますので、私どもといたしましては、この協定によって事態は非常に改善されるだろうということを期待しております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 船をぱっと見た場合、ソ連のアルファベットでわかりにくいと言うけれども、そういう場合は、いまダンプカーあたり、番号を123と書いておるでしょう、わかりやすいようにね。ああいうように、ソ連の船団にも、ソ連123とか、こういうようなのは今度の協定にはないわけですか。ぱっとこの船はどの船だということがすぐわかるように、そういうわかりやすい標識を、ややこしいアルファベット文字じゃなしに、ぱっとわかるように、そういうのは内容に入ってないのかどうか。もし入ってなければ、これから後の話し合いでそういうのをつけるのも一つの方法じゃないでしょうかね。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 協定で標識をつけなきゃならぬということははっきりしておりますけれども、極力それがわかりいいものにするような努力は私どもとしてもしなきゃならぬと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 もう時間がありませんので、最後に、ソ連側から日本海の中にソ連漁船の避難場所を設けてもらいたいと、こういう要望があるようですけれども、日本側が非常に強く拒否したと、こういうことを聞いておるわけですけれども、これはわれわれの感じでは人道的な問題じゃないか。そういうのはやはり認めることがまたお互いの友好を進める上に非常にいいんじゃないか。この点についての経過を説明してもらいたいことが一つ。  それともう一つは、外務省に対して、先ほど十二海里の問題について、いわゆる海峡における通航の問題等いろいろ言っておりましたけれども、こういうもののために漁民の生活にかかわる問題がおくれるということは非常によろしくないんじゃないかと思うんですね。水産庁も、遠洋漁業の立場から考えても十二海里の宣言をしてもらいたいと、そういう意向のようであるならば、なおさら外務省としては努力すべきことであって、先ほどの答弁は非常に、余りにも漁民の立場を無視した  無視というか、配慮が届いてない、余りにも冷たい答弁じゃないかと思うんですが、そういう点、速やかに検討して、いつごろまでに決定を出すのか。何だかんだ言っているうちに、すぐ、またたく間に一年ぐらいたっちゃうわけですから、その点、答弁求めます。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) ソ連側は、実は今度だけではなしに、いわゆる安全操業の問題その他にからませまして、ソ連漁船の寄港を認めてほしいということは、もう四、五年前から執拗にわが方に要求してきておるわけでございます。そこで、その真の意図は、やはり水や野菜の補給、それから漁獲物の転載もそこでやりたいというようなことで、わが国の漁港なり港を基地として使いたいという意図があることは、もうこれははっきりしているわけなんでございます。そこで、ただいま先生からお話のございましたような人命の危険等の場合の緊急避難につきましては、これは現在の国際法のルールでも当然認めなきゃならぬわけでございまして、そういった場合におきましても緊急避難を断るというようなことは全然考えておりません。ただ、沿岸漁業との関係、その他特に外国人漁業規制法ができた経緯等から見ましても、基地的にソ連にわが方の港なり漁港を使用させるということは困るということでこれを断っておるというわけでございまして、緊急避難、人命救助等の場合は、もう当然これは認めるということでございます。

伊達宗起外務省条約局参事官

○政府委員(伊達宗起君) 十二海里領海についてでございますが、先ほども戸叶先生にお話しいたしましたように、外務省といたしましても、漁民の利益保護という見地からいたしますれば、領海十二海里も考えなければならない問題であるということは十分認識しているところでございます。しかし、他方国際法の立場、特に現在新しい秩序をつくろうといたしまして、数回にわたって全世界の国々が参加いたしまして、海洋法会議というものが開かれているさなかにおきまして、しかも、その十二海里領海という問題が、他の国際海峡の問題でございますとか、二百海里の経済水域の問題でありますとか、そういう重要な問題と一括した一つの問題として提起され、各国間で論議をされている現在におきまして、一方的に十二海里を、その結論を待つことなく宣言してしまうことが、他の面におきましてどのような不利を招くか、その辺のところはやはり慎重に考えていかなければならない問題ではないかと思うんでございます。特に、ことしのジュネーブ会議の最終段階におきましても、アメラシンゲ議長から、各国とも一方的にこの海洋法の会議の結果を先取りするようなことは慎むべしという警告と申しますか、要望が強く表明されていることもあるわけでございまして、漁民の利益というものを守らなければならないということは、国益という観点から十分考えていかなければならない問題ではございますが、また、その他の面における国益ということも考えつつ外務省としては対処してまいりたいと、そのように考えているわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この協定の一つの重要な柱が、事故を防止するということになっているのは先ほど来の説明ではっきりしているわけですが、これが協定が効力を発すると大幅に改善されるだろうと長官おっしゃいましたけれども、いままでの起った事故が、三海里から十二海里の間に起こった事故というのが比較的多いという話を聞いているんですけれども、事故の件数から見て、三海里から十二海里までの間で起こった事故というのは全体の事故の大体どのくらいのパーセンテージを占めておりますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) わが方の距岸三海里から十二海里の間の事故でございますが、四十八年の漁期にはこれが十一件でございます。それから、十二マイル以遠の海域が百十二件でございますから、約一割が三海里ないし十二海里の中でございます。ところが四十九年の漁期になりますと、この状況が非常に変わりまして、三海里ないし十二海里の間の事故が六百七十五件、それに比べまして十二マイル以遠の事故が三百六十七件でございますから、四十八年におきましては約一割であった事故が、四十九年は六五%まで三海里ないし十二海里の間の事故と、こういうことになっておるわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大幅に改善されるとおっしゃって、私たちも改善されるだろうという期待はあるわけですけれども、基本的には、漁民の方々も要求されているように、やはり十二海里領海設定するということがどうしても必要だ、長官もそのことを強く水産庁の立場としては要望するということを言われて、外務省の方としては大分渋っておられるようですけれども、関係省庁非常に多いということもあるでしょうけれども、これは、たとえば経済水域二百海里の問題についても、いわゆる海洋法会議の結論を待たずにいろいろ宣言しておるということも、最近の国では幾つか出てきております。これは自国の利益を守るという立場に立つならば早急に検討して十二海里宣言を出すということは、必ずしも海洋法会議の結論を待たなくてもやはりできることだと思うんですけれども、その点は水産庁と外務省の両方にお聞きしたいんですが、いかがでしょう。

伊達宗起外務省条約局参事官

○政府委員(伊達宗起君) 外務省といたしましては、先ほどもお答え申し上げましたように、十二海里というものは国際法において確立した領海の幅としてはまだ認めるには至っていないという立場をとっているわけでございまして、これを現段階におきまして直ちに十二海里宣言をするということは、アメラシンゲ議長の警告にもありますように、国際的に海洋法会議において決まってくるものを先取りしたという非難をこうむることは明らかでございますので、外務省といたしましては、なお慎重に検討していきたいと、そのように考えているわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 先取りというふうに言われますけれども、必ずしも絶対に宣言をしてはいけないということが決められておるわけではないわけですし、しかも、大勢としては海洋法会議でも十二海里が決まるという方向が大体出ているわけでしょう。そうするならば、いわゆるいま緊急の問題としてこういう事態が今後起こり、やはりそれを完全に解決していくという観点に立つならば、当然、十二海里を海洋法会議以前に関係省庁でよく協議をして出すということも決してできないことではないと思うんですよ。どうしてもできない、それが困難だと言われる原因は、羽田野さんどこにあるんですか。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○政府委員(羽田野忠文君) これは先生御承知のように、大体三海里説というのはずっと長く定着しておりまして、最近十二海里が出てくる、今度は経済水域二百海里、あるいは専管漁業水域二百海里とか、大陸だな理論とか、国際的な海に関するいろんな新しい主張、新しい立場がどんどん出てきておること、御承知のとおりでありまして、三海里から今度十二海里を主張する国がだんだん多くなっておることも事実であります。だからわが国が一番望まれることは、世界の全部の国が十二海里ということに統一見解ができることが一番望ましい。その統一見解ができたときに問題になってくるのは、いままで中に公海があったところがもう公海がなくなって、海峡とかいうようなものの相互船舶の通航問題というふうなものも、やはり国際会議の統一見解として解決されるということが一番望ましいことでございますけど、先生御指摘のように、なかなかこれがすぐ実現するような状態でない、だんだん時間がかかる、その間、ソ連は十二海里を主張する、日本は三海里を主張しているために、そのギャップを漁民の方が苦労して損害をこうむっておるということをどうカバーするかという問題でございますが、先ほどから伊達参事官がたびたび申し上げておりますが、ジュネーブ会議の最後の段階で、議長が、それぞれの国の立場があり、それぞれの国の利害があるけれども、できるだけこの海の問題は統一見解を出したいんだと、それまでにおのれの国の利益だということで先取りされたんじゃ何ともならないので、そういうことをなるべく慎んでくれと言う、これも私は非常に大事な意見だと思っております。最近も、たとえばアメリカが二百海里を主張するような傾向が出てきたり、あるいはメキシコが出てきたりして、これを向こうの利害でやられたんじゃ日本は困るという立場で、そんなことは言わぬでくれというような意向を持っておることも事実でございます。そういうときに、おれの方が二百海里を言うのは、ちょっとそういうことを言わぬで待ってくれと、議長の要請もあり、国際会議、いわゆる海洋法会議で決まるまで待ってくれと言いながら、お前の方で十二海里の方は勝手に、まだ国際会議で統一見解が出ないのにもう決めたじゃないかと言われると、これまた非常に苦しい立場もございますし、そういう世界の統一見解ということを考え、日本の国益ということを考え、やはりこの問題はもうちょっと慎重に検討せにゃならぬのじゃないかということが事実でございます。御理解をいただきとうございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 国際海峡の問題もあり、いろいろタンカーの自由航行の要求だとか、経済水域二百海里、いろいろあることはわかっておりますけれども、これまた機会を改めて、大臣の方にちょっと聞こうと思うんです。  それで、この間、専門家の会議がやられまして、あそこで出されておる、この底びき網やきんちゃく網漁業を差し控えるという中に、「北海道南部の一部水域」とあるんですね。これはどうも、どこが一部水域なのか、はっきりしないということで問題になっているようですけれども、それはどういう水域のことをここでは一部水域というふうに指しているんですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 先ほども申しましたように、専門家会議の際も、ソ連側は、公海漁業は自由だということを非常に強く主張したわけでございます。それに対してわが方から、日本のトロール規制措置について、沿岸の規制措置についてずっと説明したわけでございますが、向こうは、特に昨年問題を起こしましたのは、胆振沖、日高沖のあの漁場でございます。あの辺は昔から日本もトロールと底びきとその他の漁業に非常な漁業紛争がございまして、まあ今日のあの海域の底びきの禁止規則というのは、長い歴史があってできたものなんでございます。そういった伝統的な問題もある漁場のため、その辺のところは考慮を払おうということを向こうは言ったわけでございまして、大体、特に昨年と申しますか、ことしの春に紛争が起こった海域というふうにお考えいただいていいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 胆振沖と日高沖の一部水域……

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) の一部でございます。胆振沖と日高沖の一部でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると、あれはたとえば何海里範囲内とかというふうな、そういう厳密な規定ではないわけですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) わが方の底びき禁止区域は地域によって違いますけれども、大体距岸七海里ぐらいのところもございますし、十五海里ぐらいのところもございます。そこで今日まで、ことしの九月以降のソ連の操業を見ておりますと、一部の地区に十二海里の中に入って漂流しているケースはございます。ただ、十六日の情報によりますと、一部漁業をやったということもございますけれども、大体その十二海里の外で漁業をしておりますので、その辺のところが一つの目途になっているというふうにお考えいただきたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それから先ほども出されておりましたこの銭州及び大室出周辺のサバの産卵時期の漁業の問題ですね。これは、先ほども出されておりましたけれども、大体サバが集中してくるのが十二月の半ばか、あるいは下旬ごろから、そして実際に産卵期に入るのが二月の終わりごろから五月ころまで、そうすると、ここで言われる産卵期というのは二月の終わりごろから五月ごろということになれば、サバが集中してくる時期は規制には入ってないわけですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) その点につきまして、モスコーで話し合いました後、ソ連側とは話さなかったわけでございますけれども、日本の記者団との記者会見で、当時わが方の主席代表で行きました水産庁の松下次長が、大体サバの産卵期というのは三月だということを言ったわけでございます。それでわが方も帰ってまいりましてからいろいろ現在調べておりますけれども、一月にやはり一部産卵もあるというようなデータもございますので、その辺のところをはっきりしましてソ連側と話し合いたいというふうに考えておるわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 その点もやはり先ほど来出ておりますけれども、十分に詰めて、集中する時期も含めた内容にしていくように努力してもらいたいと思うんです。  それからもう一つの重要な柱というのは、やはり事故が起こった場合にそれを解決する、まあ賠償問題ですね、この問題だと思うんですけれども、効力を発生して二年以前までは請求できると、それ以前のが、大体おたくの方で出された資料によりますと、被害金額では一千七百万円ぐらいになっておると思うんですが、これは全く向こう側には話を持ち出さないのか、あるいはどうなのか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 先ほども申し上げましたように、現在までのところそれらの事項につきましては外交ルートを通じてソ連側に通報しておるわけでございます。それが何ら回答が返ってこないというのが残念ながら現状でございます。今度モスコーと東京に損害賠償の請求処理委員会ができまして、そのことのために両国の専門家が——これには顧問からそういう連中もつくわけでございますけれども、このことのためにそういう委員会つくってやりますから、まあだんだん顔なじみにもなってまいりますし、いろんないい関係が出てくるわけでございます。そこで協定発効後のケースについていろいろ審査が行われるわけでございますが、その結果を見て、民事上の請求権あるわけでございますから、こういうケースが過去にあって、これはあなたの方は民事上の賠償をしていないけれども、考えてくれないかというようなことは逐次話できるようなことになっていくんじゃないか、そういうようなことで、ケースバイ・ケースで処理しなきゃならぬと、何と言いましても非常に古いこともございますので、証人がいないとか、いろんな損害賠償を請求する手続上の問題等もあるケースもいろいろございますから、そこはケース・バイ・ケースで今後考えていきたいと、こういうふうに思っております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それから請求できる二年間の金額が大体四億円ぐらいというふうに出されておりますし、また、今後事故が起こった場合に事実上向こう側に請求しても、いわゆる証拠が不十分であるだとか、いろいろな問題で先ほど来お話のあったように非常に最終的に確認するのにむずかしい、そうした場合に、どうしても金額を請求しても支払ってもらえなかったという場合ですね、これは以前の問題も含めてですけれども、やはり何とか政府としてもそういう場合には、解決が長引いたような場合にどういう援助をするのか、あるいは未解決で、いわゆるたな上げされたような問題については、政府としては何らかの解決の策を考えるべきだと私は思うんですけれども、その点は考える意向は全くないわけですか。検討する余地があるんですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 本件につきましては、その類似のケースの問題もあるわけでございます。たとえば、夜、船が油を流しまして、その結果ノリ漁業者が被害を受けた、ところが加害者がはっきりしないと、そこで加害者がはっきりしている場合には民事上の損害賠償がはっきり請求できるけれども、どうにもしようがない、泣き寝入りになるというようなケースが漁業の面についてもあるわけでございます。おそらくほかの分野におきましても類似の問題はあると思います。そこで、加害者がはっきりしない油濁事故の問題につきまして、これをどう扱うかということは、現在環境庁、法律学者、いろんな公害の先生方も入りまして検討しております。そういうような他の分野の類似の問題とのバランスもございますので、国全体としてそういったものについてどういった処置をするかということが明らかにならない限り、このケースについて国がかわって賠償するというのはなかなか現段階ではむずかしいのではないかという感じがいたします。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 他に御発言もないようですから、本件について質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。  本件に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会をいたします。    午後零時四十二分散会      —————・—————

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