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76回国会衆議院1975/11/20

社会労働委員会 第4号

発言数
86
登壇者
12
会派数
4
開催日
1975/11/20

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 時間が非常に短いので、明確に答弁を願いたいと思います。  私は薬害についてきょうは質問いたしますけれども、医薬品の生産額は昭和五十年度においては二兆円を超えておる。これは二十年前の約八十倍という驚異的な伸びを見せておりますが、ところがその現在使用されておるところの医薬品の種類、これが四万品から、認可されているものを入れると八万種目とも言える膨大な数になっております。私は医療品の飛躍的な伸びが健康の増進に貢献したということは認めますけれども、その反面、副作用が非常に起こっておりまして、社会的問題になっております。  そこできょうはいろいろ申し上げたいのですけれどもそういうことは省略いたしますが、結局医療行政の怠慢を私は指摘せざるを得ないと思うのです。この医療行政の怠慢で、結局被害者は医療行政を信用できないということになって、ついに裁判に持ち込んでおるというような実情でございます。したがいまして、私はいまこそ医療行政、薬の副作用についての認識をひとつしっかりと厚生省当局でしていただきたい。そのためにきょうはそれについて質問をするわけでございます。  そこでまず、薬害について被害の調査、こういうものを厚生省が把握しておりましたら、簡単明瞭にお答え願いたいと思うのです。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 いわゆる薬害といわれるものの実態につきましては不明でございますが、現在、医薬品の副作用で被害を受けたという理由によりまして、国に対し損害賠償請求訴訟が起こされているわけでございます。その患者の数を申し上げますと、キノホルムの事件が二千五百八十五人でございます。それからストレプトマイシンの事件が一人、それからコラルジルの事件が十八人、それからミオブタゾリジンの事件が一人、それからクロラムフェニコールの事件が一人、それから大腿四頭筋の拘縮症の事件が三人あるわけでございますが、このほかにクロロキンにつきまして約七十人の患者さんが訴訟を起こす準備中であるというふうに聞いております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 薬害についての実態把握というものが厚生省でできていないのではないか。ただそういった裁判の場に出た分だけをあなたがいまお述べになりましたけれども、外国の例をとりますと、医学者が調査したところによりますと、薬の副作用が入院患者の重要な原因であった比率、すなわち薬害によってそういう被害を受けたというのが大体〇・四四%から一・八%に上っておる。また入院患者のうちの一〇%から三五%が副作用が発生している。こういうように報告をしておるわけですが、わが国におきましてはその実態がつかめていないのではないか。その実態調査に当たりまして、実は厚生省の方では四十二年度からモニター制度をつくっておりますけれども、このモニター制度によって四十二年から四十九年までの間に副作用報告件数がどのくらいあったのか、またその行政措置、これについてひとつお答え願いたい。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 副作用のモニター制度を発足させましたのが四十二年の三月でございます。国立病院なり大学病院、それから公立病院の一部をこのモニター制度の中に取り入れてやってまいりました。四十二年の三月に発足いたしましてからことしの三月末までで、報告がありました件数が合計二千三百八十九件でございます。こういったモニター病院から報告のありました症例につきましては、すべて中央薬事審議会の中にございます副作用調査会、そこで専門的な評価、検討を行ってもらいまして、その結果に基づきまして製造販売の禁止をする場合もございますし、使用上の注意を改定させる措置をとる場合もあるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そのうちで行政措置をとった件数は何ぼですか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 まず、最近製造販売の禁止あるいは停止がありました事例を申し上げますと、四十五年の九月にキノホルムがございました。それから四十五年の十一月にコラルジルがあったわけでございます。それから昨年の六月には塩ビモノマーを含有するスプレー式の殺虫剤、それからことしの二月にはジフェナミゾールの販売停止、それからことしの七月でございますが、ウレタンを含有する医薬品の製造販売を禁止する措置をとったのでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 いまのは製造販売停止の処置ですが、あなたの方の調査を聞きますと、四十二年から四十九年までの間二千三百八十九件、そのうち行政措置をとったのが八十件という報告が出ているわけです。  そこで、日本の薬と外国の薬と違うのかどうか知りませんが、たとえばスウェーデンがモニター制度をとりましたのが一九六五年です。一九七〇年の一年間で全医師の約八五%が副作用の報告をしておる。イギリスでは、人口は五千五百万人ですか、人口は少ないですけれども、それでありながら毎月二百件から八百件の副作用報告がモニターから出ているわけです。ところが日本では、あなたの方がモニター制度をつくりながら出てこない。ここに欠陥があると思うのです。  そこで、ことしに入って武田薬品工業がパサリンですか、これを、肝臓障害がある、副作用があるということで自主的に販売を停止した。これはメーカーにそういう義務が課せられておりますけれども、もしもメーカーがそれを報告しなければ、モニターからは一つもひっかかってこなかった。そういうことで、このモニター制度に私は非常に欠陥があるのではないか、こういうふうに考えるわけです。同時にまた、モニターによるところの副作用情報、これが医療機関、各医師にどういうふうにフィードバックしておるか、この点にも私は非常に問題があろうと思うのですよね。これについて、あなたの方はどういうふうにやっておるのか、また完全なのか、ひとつお答え願いたい。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 医薬品の副作用の情報を収集するためにはいろいろな方策をとっておるわけでございます。先ほど来お話しになっております副作用モニターの指定病院の制度が一つございます。それから、WHOの国際モニタリングシステムに昭和四十七年から入っておるわけでございます。同時に、新しく開発された医薬品につきましては三年間副作用の報告義務を課しておるわけでございまして、いまお話しになりましたパサリンにつきましては、そういった新薬の承認があり、製造があった後、メーカーに義務を課しました情報として把握をしたわけでございます。  それから、いまほかの国に比べてモニターからの報告が少ないではないかという御指摘があったわけでございますが、モニター指定病院からとっております副作用というのは、通常の方法で使った場合に人の体に予期しない好ましくない作用があるとか、あるいは重篤なりあるいは異常な副作用があるという、そういった点に着目をして限っておりますので、現在の報告の件数が必ずしも少ないとは言い切れないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、さらにこういった副作用の情報を収集するために現在いろいろな方策を講じておるわけでございます。  その一つは、毎年度モニター病院長あてに、報告用紙にあわせまして公文で協力の依頼状を送りまして、院内の関係者へ周知を図っていただいておるということ。それから、モニター病院に担当官が訪れまして直接協力依頼をしておりますし、それから、昨年からは報告様式を改善いたしまして、記載の便を図るように簡易な報告様式もあわせて採用することにしたわけでございます。そうしまして、集めました副作用情報につきましては、先ほど申し上げましたように、中央薬事審議会で検討していただきまして、その結果を副作用情報として隔月に発行しまして、病院長さんなり薬剤部長さんなり、あるいは報告のあったお医者さんに送るということで、施設内の関係者に周知徹底を図るようにフィードバックしておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 あなたの方はそれで十分だというようにお考えですか。実は昨年大阪大学の臨床薬理研究会、これが調査した報告がありますけれども、副作用モニター制度がほとんど機能していないという結果が出ておる。これはどういうことかと申しますと、大阪大学医学部の付属病院で、現在、入院患者の受け持ち医であるか、あるいはまたそれに準ずる医師が二百三十四名おるのですが、そのうち百二十六名がアンケートの回答をしてきた。その中にこういうことがある。  「厚生省の副作用モニター制度の内容を知っているか」こういう質問に対して、「知っている」と答えた医者は三人、「聞いたことがある」というのが五十七人、「知らなかった」というのが六十六人ですよ。しかも、「阪大病院がモニター病院であること」を、「知っている」というのが十一人、「知らない」というのが九十九人、「あいまい」なのが十六人。「モニター制度を利用して報告したことがあるか」と聞くと、一人もないというのです。「医薬品の安全な使用に必要な情報」が、「容易またはきわめて容易に得られる」というのが二三・四%、「困難またはきわめて困難」というのが三一%、「中間」が四四%。こういう結果から見ますと、ほとんど大阪大学病院あたりでも利用されておらない。これは権威ある病院なんですがね。それからまた、「最新の副作用情報、厚生省が新たに示した見解あるいは使用上の注意」これが十分伝わっているかというと、「十分伝わっている」と答えたのが〇%、「おおむね」というのが九・五%、「中間」が二一%、「伝わっていない」というのが五三%、実際に投薬しあるいはまたいろいろ薬の処方せんを書くお医者ざんで、「全く伝わっていない」というのが一一・九%、「無回答」が四%。  こんなことでは厚生省の医療行政、副作用に対するところの実態を把握できるわけがないと私は思うのですよ。厚生大臣はいかがお考えでしょうか。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 いま阪大病院の例を挙げられましたが、私どもは、国立病院と並びまして大学病院、総合病院というのは、副作用の情報を私どもの方に御通知いただくモニター病院の一つの機関であるというふうに考えておるわけでございますが、大学病院の場合には往々にいたしまして、お医者さんの入れかわりが非常に激しいという事情のある点が一つあるんじゃないかと思うわけでございます。ただ、副作用モニター制度というのは、どこの国でもそれぞれ発足させて間もない制度でございます。現在の制度が私ども完璧であるというふうには毛頭思っておりませんで、絶えず新しく情報を集め、それをフィードバックすることが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。  先ほども申し上げましたけれども、現在、集めました副作用というのは、医薬品の添付文書に使用上の注意事項としてはっきり書かせるということもいたしておりますし、特に重要なものにつきましては、そういった薬を扱っております業者から、ダイレクトメールあるいはプロパーの説明によって直接医師に伝達するように指導しておるわけでございます。先ほど申し上げました副作用情報、これは隔月に発行いたしておりますが、こういったものはさらに専門雑誌に載せるとか、あるいは昨年からは、特に重要な副作用情報につきましては、医師会等の協力を得まして、全国のお医者さんに直接伝達する制度というものを発足させまして、こういった情報というのはできるだけ早く正確に大ぜいのお医者さんに伝わるように努力しております。今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 四十九年度のモニターからの報告件数が三百十二件、そのうち死亡件数八件という資料をあなたの方から私の方に出してもらったわけでありますが、先ほど申しましたように、一つの大学病院、阪大病院を見ましても、ほとんどモニター病院であるということを知らないし、また副作用についてのモニターの回答ですか、報告を一遍もしていない。こういうようなことであなたの方が十分である、あるいはまた国民の健康を守るんだ、これでは私は余りにもお粗末じゃないかと思う。患者に聞きますと、大概、医者から言われた分だけ全部薬は飲まないと言うんですね。それを飲むと必ず副作用があるから半分か三分の一にする。現にお年寄りなんか特にそれがはやっている。そういうことを考えますと、どうも厚生省が製薬会社寄りの、企業寄りの姿勢。もっと副作用をかちっとして、そしてはっきりと担当する医者一人一人に通達できるような、あるいはまたできれば国民にもわかるような、そういうところの医師に対する病理教育というか薬害教育、これがどうしても必要じゃないかと私は思うのですが、これについてどういうように取り入れていくのか、これをひとつお聞きしたいと思います。

上村一厚生省薬務局長

○上村政府委員 先ほど来申し上げておりますように、医薬品の安全対策というのが、特に現在の薬の関係の行政の一番ポイントになる政策であるというふうに、私十分認識しておるつもりでございます。したがいまして、製造承認の段階から、何と申しますか、たくさんな資料の要求もし、安全性のチェックもしておるわけでございます。そして、先ほど申し上げましたように、製造承認後は三年間は副作用の情報を出してもらう。それから同時に、発売された後、こういった副作用モニターシステムその他を使いまして副作用情報をとっておるわけでございますが、私どものところに報告されます副作用というのは予期しなかったもので、と申しますのは、その製造承認の段階のときにあらかじめこの医薬品についてはこういう副作用があるというものについてまでは、報告をとっておらないという事情もあるわけでございます。  ただ、最後に御指摘になりましたように、実際に患者の診療に携わるお医者さんが、薬を患者さんに飲ませた場合に、その薬がどういうふうに吸収され、分布され、代謝され、排せつされるか、そういった働きを総合的に勉強して、治療効果なり副作用を明らかにしてもらうというふうなことは、お話しのように必要なことであるというふうに思うわけでございます。現在、大学の中でもそういった意味で、臨床薬理の講座というものを次第に整備するというふうなことになってきておりますし、それから医療関係団体でも、卒後教育の一環としてこういった臨床薬理について研修が行われるようになってまいりましたので、こういった面がさらに充実されるように努めてまいりたいというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 どうもあなたは、聞いていると、薬会社、製薬会社の報告、それだけ義務づけておるからそれでいいのだ、あるいはまた、これを利用するところの各お医者さんが寄っていろいろ研究するのだからいいのだ。そうすると、厚生省は一体何をするのですか。  たとえば、死亡事故を起こしたピリミジンペニシリンGについて見ると、死亡したのが慢性腎炎の男性で二十二歳。同成分の顆粒状一回二十万単位を一日三回、連続十二日間にわたって服用した。その結果、吐き気、微熱、全身倦怠の症状を起こし、最後は肝臓不全で死亡した。この男性は一年前にも、同成分の顆粒を約六カ月間使って肝炎になって入院した前歴がある。そういうような、こういった肝臓障害を起こしたケースは十三件にも上っておると言われておる。大事な人の命を、病気を治すのだということで、薬害すなわち副作用で死亡に至らしめるというようなことではもってのほかじゃないかと私は思うのです。  これは私は特にきょうは厚生省に指摘をしておきたいと思うのですよ。そして、もっと完全な、薬によるところの副作用情報——先ほど申しましたように、この一つの病院をとってもそうでしょう。一遍も回答したことがない、また知らなかった。しかもまた、厚生省からのこれが副作用がありますよという情報、これがまことに、来ているのは簡単なものなんですね。各お医者さんのところに来ているのを見ますと、こういうようなものが来ておりますけれども、こんなものではわからないと言うんですよ。だから事は人の命ですから、もっと完全な副作用情報をより多く、数多くキャッチして、それから今度は情報で各全医師に、全医療機関に全部通達していく、こういう体制を私はとってもらいたいと思うのですがね。そうでなかったら、薬害によるところの病気というようなものでそれでまた入院する。それがまた健康保険で入る。健康保険も赤字に決まっておるじゃないですか、それだったら。こんなことを繰り返しておったんじゃ私はお話にならない、こういうように思うのですが、大臣どうですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 薬というものは元来人間生活にとっては欠かすことのできないものでございますが、しかしまた反面、これにはやはりいま先生のおっしゃるような副作用等々の弊害もあるわけでございまして、したがいまして、これの扱いについては慎重を期さなければならない。第一の段階ではやはり製造承認がきわめて厳格でなければならないし、また予見できなかったような副作用等が出てきた場合には、販売の停止等々の措置を迅速にしなければならないということだろうと思います。  ただいまモニター制度についてのお話、御批判がいろいろありました。モニター制度はそう古い歴史をわが国においては持つものではございません。しかし、モニター制度というものによっていろいろとこの種のものを包括するように努力をいたしておりますという事務当局の説明もありましたが、私もかねがね、的確にこれがやられているのかどうかということについていささかの疑念を持っておりましたので、御指摘もございましたものですから、今後モニター制度の有効迅速な活用ということについてさらに努力をいたさなければならないというふうに思って、さようなことに努力をいたします。  ただし、国がどうもメーカーサイドに立ってどうのこうのということは私はないと信じております。なぜかなれば、国といえども、またメーカーといえども、最近は薬の副作用についての国民の関心も非常に高く、権利意識も強硬でございますから、したがって薬害あるいは薬の副作用によっていろいろと事件が起こり、ある場合にはメーカーが倒産をするというところまで追い込まれたものもございます。そうした事情にかんがみて、また国も訴訟を受けているわけですから、被告になっているわけですから、したがってそのような態度を通している場合においては国としても身が持てませんし、またメーカーとしてもそのような薬を便々と売っているということはひいては自分の基盤を危うくするということだろうと思いますので、したがって、私どもとしては決してメーカーサイドになにしているわけではありませんし、メーカーもこのことについてきわめてずぼらな態度でやっているものとは最近は思えないのですが、一層ひとつこれについては努力をいたしたいというふうに思っております。いま先生、外国の例を挙げましたが、外国においてもこの種の薬の副作用というものは相当あるそうでございまして、したがいまして今度はこういったようなことの副作用が出まして、諸外国の一部には薬について思い切った投与をしないというような弊害さえ出てきているということでございますので、その辺のことをよく勘案をいたしまして、ひとつ薬害のできるだけの除去に努めるようにいたしたい、かように思っております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 きょうは時間がありませんからあれですが、これをかっちりしていただかなければ国民の健康は守れない。特にアメリカの、米国食品・医薬品局ですか、本年二月から副作用情報の大幅な公開を行っておる、こういう情報も入っておりますよ。ですから、もっと厚生省がこの薬害については公開していくというぐらいの態度があってこそ初めて国民の健康は守れる。また、モニター制度につきましても、いまのようにやっておりますと言っても、結局知らない。知らないということは報告もしていないという、こんなことではならない。したがって、私はもっと強い行政措置、あるいはまたかっちりしたやり方をやっていただきたいということをきょうは特に指摘いたしまして、これで終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 森井忠良君。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間が三十分と限られておるようでありますから、私は問題をしぼりまして御質問いたしたいと思いますが、簡潔に、しかも親切に、わかりやすい答弁をあらかじめお願いをしておきます。  まず第一は、沖繩の被爆者の援護の問題でございます。  御案内のとおり、被爆者援護法をつくれという要望は、広島といわず長崎といわずあるいは沖繩といわず、全国津々浦々に満ちておるわけでございます。しかし、沖繩の皆さんは、歴史的に考えますと本土よりもさらにおくれた被爆者対策となっておるわけでありまして、一日も早く沖繩のおくれた部分については取り戻したい、こういうふうな立場から御質問を申し上げるわけでございます。  沖繩には三百名ばかりの被爆者がおられるわけでありますが、御承知のとおり、医療法が制定をされました三十二年、あるいは特別措置法が制定をされました四十三年、いずれもその恩恵に浴していないわけでございます。しかも、日本政府が当時の琉球政府に対しまして、そうは言うものの何らかの措置をしたいということで、四十一年からは総理府を通じてそれ相当の、言うなれば本土に近い措置がなされておったと理解をするわけでありますが、三十二年から四十年にわたります間は、同じ日本人でありながら全く具体的な措置がなされていない、こういう問題がございまして、御案内のとおり、沖繩の被爆者から何とかこのブランクを埋めてもらいたいという非常に強い要望があることは御存じのとおりでございます。一日も早くこのブランクを埋めてもらいたいと思います。  その当時、これは総理府の所管になったと思うわけでありますが、いま恐らくその事務を引き継がれて沖繩開発庁に移っておることと思います。そこでまず沖繩開発庁にお伺いしたいわけでありますが、私の理解では、四十一年から四十六年までの間は琉球政府を通じて被爆者に本土並みに近い措置をしておられると思うのでありますが、具体的にはどういうふうな状況であったのか、それが一つ。それから、一体それ以前、つまり医療法ができましたのは三十二年でありますから、三十二年から四十年までの間はなぜ措置をされなかったのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。

大濱忠志沖繩開発庁総務局総務課長

○大濱説明員 三十二年に法律ができまして四十一年から施行ということについて、その間のブランクはどうなんだという御質問でございますが、御存じのように、当時としては米民政府の行政権のもとにある非常に厳しい状況のもとにございましたので、実施につきましても米民政府の了解、承認ということが前提になっていたわけでございます。そういう理由から、政府としては当時この問題については非常に深い関心を持っていたわけでございますけれども、そういう条件下にあるということをひとつ御了解いただきたいと思います。  なお、四十一年からの実施された具体的な内容でございますが、これはもうほとんどその法律に基づくのと同じような内容でございまして、手帳の交付であるとかあるいは健康診断であるとか、入院費の負担であるとか、そういうふうな内容でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そうしますと、四十一年以降については本土の医療法あるいは特別措置法に盛られている内容が沖繩の県民に行き届いた、こういうふうに理解をしたいと思います。  そこで、それ以前、つまり四十年から三十二年までの間は、日本政府としてはこの四十一年以降のような措置をしたかったけれども、当時の米軍の了解が得られずできなかった、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。

大濱忠志沖繩開発庁総務局総務課長

○大濱説明員 当時としてはそういう事実があったやに記憶しております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 厚生大臣、これは私はゆゆしい問題だと思うのです。しかも、いま沖繩開発庁からの答弁にございましたように、日本政府としては措置をしたい、ところが、言葉が悪いかもしれませんが、米軍の反対に遭って、まあ同意が得られなくて措置できなかった。現在、沖繩の被爆者はぜひともこの穴を埋めてくれ。それで私ども野党四党並びに二院クラブの被爆者援護法案にも、実は金額にして今年度の場合わずか十一万円という金額でありますが、何とかしたいということで私どもの法案にも盛り込んでおりますが、事は非常に深刻だと思うし、先ほど申し上げましたとおり本土と足並みがそろっていないわけでありますから、何とかこの問題については切り離してでもとりあえず沖繩の皆さんの窮状を救うお気持ちはないものかどうなのか、大臣にお伺いしたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 原爆被爆者対策につきましてはいろいろと議論がございます。皆さんの方は援護法というふうな法体系のもとに処理をいたしたいというふうに考えておりますが、私どもの方はさように考えておらない。論争があるところでございます。いまは異種の、独特の社会保障立法における二法で措置をしているわけでありますが、そうなってまいりますと、この種の社会保障立法というものは結局現在時点における国民の立場というものを把握をいたし、それに対する必要性、ニードというものを把握をして、現在時点における必要性に対し現在時点の措置をいたすというのが法律のたてまえでございますので、過去のそういう状況を把握をいたし、それについてやるということは、どうも私どもの考え方の中からはなかなか生み出し得ないわけでございまして、今日、これについては、そのような措置をするということについては政府部内で結論を得ていないわけであります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 社会保障は原則としてさかのぼらないという点については理解できなくはないが、先ほど申し上げましたとおり、基本的な論争はいまさておくとしても、先ほど来答弁があったように、これは政府はやりたかった、しかし現実の問題として、日本に復帰をする前でありますから、いろいろ障害があってできなかったということでございましょう。したがって、これはいまから新たに金をもらうという形じゃなくて、具体的には、沖繩の被爆者は金を立てかえておるという発想だと思うのです、政府が措置してくれなかったので。これは当然原爆症その他本土の被爆者と同じような状態にあるわけでありますから、したがって、自分のなけなしの金を出して自分の健康を守ってきた、その立てかえ分を返すという形じゃないかと私は思うわけです。大臣の考え方はそういう意味では非常に冷たい考え方であります。必要性は十分認めていらっしゃった。当時、田中大臣は厚生大臣ではなかったかもしれませんけれども、私はそういうふうに理解願いたいし、現にこの四十一年から支出をしております金額は、先ほどお話しのとおり、現行二法に合わせて琉球政府を通じて被爆者に措置をされてきたわけでありますから、その発想からいけば、これはさかのぼるという議論にはなじまないのじゃないか。むしろ積極的に、復帰をしましたいま、厚生省として補償されるべきではないか。補償といいますか、補てんといいますか、そういう立場で質問をしておりますので、もうちょっと思いやりのある御答弁をいただきたいと思うのです。  それから、公衆衛生局長にお尋ねをしたいわけでありますが、被爆者の問題以外に、復帰をいたしまして、たとえばらい病の患者等やはり法的な措置がございますね。こういうものについてはさかのぼってといいますか、その当時の琉球政府を通じてずっと措置をされてきておる。したがって、原爆被爆者と、らいの患者とを比較をしますと、これ自体が私は差別のような気がするわけでありますが、その点については、そういう事実があったのかないのか、あなたの所管ではないかもわからぬけれども、御存じの範囲でひとつお答え願いたい。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 沖繩開発庁の方からお聞きいただくのが適当かと存じますが、らい患者につきましては、当時二つの療養所に収容されておりました約九百名の患者について、四十三年から四十六年末までの給与金、つまり日用品費の差額、一人平均五万円ということで打ち切りでございますけれども、補償を経過措置として出しております。ただ、なぜらい患者にこういうことが行われたかと申しますと、これは旧らい予防法に基づいて強制収容されていたという点に着目したのではないかと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 ついでに聞いておきたいのですが、沖繩の被爆者は地理的条件からしてもかなり離れておるわけであります。したがって、予算には、お医者さんを沖繩に派遣するとか、あるいは逆に沖繩から本土へ渡航してもらって、広島や長崎の原爆病院で治療をするというふうな制度をおつくりになっておるわけですね。これは具体的には沖繩の要望どおりにいっていますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 四十九年度は十名の患者さんに長崎の原爆病院に行っていただいたわけでございまして、私どもといたしましては、御要望は満たしていると考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 四十九年度は十名ですけれども、その前は三名になったり五名になったりしておるわけでしょう。いま、一日も早く診てもらいたいという方は何人あるのですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 そのような資料をいま手元に持ち合わせておりませんが、私どもの聞いておりますところでは、毎年十名前後の希望者があると考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 いままでは、この措置をされるまでは恐らく自費で来た人もかなりあると思うのですね。それから、先ほども申し上げました三十二年以降、医療法ができても自費で治療した人もずいぶんあると思うのです。そういった人の実態調査はどうなっていますか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 従来から沖繩県の方で若干の調査はいたしておりましたけれども、それほど十分なものではございませんでした。したがって、本年実施いたしました原爆被爆者実態調査におきまして、まず第一の基本調査は、これは全手帳所持者を対象にしているわけでございますが、さらに掘り下げた生活調査につきましては、本州の被爆者については二十分の一の抽出率でございましたが、沖繩につきましては三百六名の被爆者全員について調査をいたしております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 非常にいいことなんですが、沖繩の場合は全員調査。そうしますと、沖繩の被爆者の実態が明らかになってまいりまして、先ほど来私が申し上げておりますこともある程度明らかになることと思うわけでありますが、全部の調査を沖繩に限ってやるということは、その調査の後、実態が明らかになれば何らかの措置をしたいということですか。

佐分利輝彦厚生省公衆衛生局長

○佐分利政府委員 当然そのようなことを考えて調査の計画を立てたわけでありまして、具体的に申しますと、先ほど御指摘のございましたような、実際に本州の原爆病院で治療を受けさした方がいいという患者さんがどれぐらいあるか、また、健康診断について従来八、九名の専門医を毎年派遣しておりますが、その程度でいいかといった、主として原爆医療法関係の制度の改善が考えられるところでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 厚生大臣、再度お尋ねをするわけですが、非常に幸いなことに、今年度の予算で沖繩の全被爆者について調査をするという機会に恵まれたわけであります。したがって、私は先ほど金を立てかえたというふうな表現もいたしましたけれども、また当時の政府の意思についても明らかになりました。したがって、先ほどのような冷たいことを言わずに、この際実態調査に基づいて何らかの措置をしたいと。くどいようでありますけれども、本土の方よりも、同じように被爆者でありながらおくれていることは事実なんです。ギャップがあることは事実なんです。ぜひともそういう意味で前向きの御答弁をいただきたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 沖繩の被爆者の実態調査は全員調査をいたしておりますので、この調査ができ、解析ができれば実態の把握はできる。そうしたならば、現行制度の中における措置というものについてできるだけのことをいたすようにいたしたいと思っております。しかし、ただいま先生の御要望の一件でございますが、これについては、現行の体系というものの中からは出てこない措置でございますので、今日これについて私が承知をいたすというわけにはいかない。実はかなりの異例なことに属するわけでございますので、私としてはただいま、これを措置いたすとか前向きでどうするのというわけには申し得ないということだろうと思います。  なお、これは率直なところ、私は、沖繩復帰のときにこの種の問題の討議をどういうふうにしておったのか、よくつまびらかにいたしませんのですが、ああいう節によく討議をしておいたのかどうか、この辺は調べてみたいと思っております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 普通、社会保障の場合はいわゆる設権行為があってから、権利を確認する行為があってから具体的に適用になるというものだと私も理解をいたしますけれども、この問題については、先ほど話のあったとおり、政府も何とかしたいという意思があり、そして被爆者も何とかしてもらいたいという意思があっても、そこにいわゆる占領下という大きな障害があったわけですね。ですから一般のものとは違うと私は思うのですよ。そこのところをぜひひとつお考えいただきたい。平行線のままできわめて残念でありますけれども、強く再考を要望いたしましてこの問題については終わりたいと思います。  次に、児童手当制度についてはたくさんお聞きしたいことがあるわけでありますが、残された時間があとわずかでありますから、児童扶養手当にしぼって御質問申し上げたいと思います。  まず最初に、児童家庭局長さん、もう大蔵省に対して五十一年度の概算要求をなさっていらっしゃるわけでありますが、何か児童扶養手当について前に向いたようなことがあるのですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 児童扶養手当制度の改善の問題につきましては、基本的には額の問題がございます。これは御存じのとおり母子福祉年金等との絡みがございますので、まだ額は決めておりませんけれども、この問題の検討はしていかなければならぬ。  それからもう一つ、一昨年以来の問題でございますけれども、特に現在義務教育終了前までの期限がございますけれども、これを十八歳まで延ばすべきではないか、こういう御意見もございますし、国会の御意思も尊重いたしまして、実は来年度予算要求ではこれを十八歳まで引き上げたい、こういう予算要求をいたしたわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 まず額ですが、そうすると幾らになるのですか。ちょっとよくわからなかったのです、

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 これは母子福祉年金と同額にいたしておりますので、年金制度全体でどうなるのか、それとの絡みになると思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 若干意地の悪い質問になって恐縮なんですけれども、厚生大臣はもう国会で、たとえばお年寄りの福祉年金につきましては軽費老人ホーム程度のことはしたいというふうな答弁をなさったわけでありますが、どうも最近の雲行きはそのとおりにならない。恐らくお年寄りの福祉年金は二万円になるのではないか。大体右へならえいたしまして、いままでそういった年金と同じような歩調をとってまいりました本問題であります。児童扶養手当やあるいは原爆関係の諸手当、そういったものもふえるのではないかというふうに考えておりましたけれども、どうやら最近の雲行きは先ほど申し上げましたが怪しい。どの局に聞きましても、来年手当は幾らになるんだと言えば、年金待ちでございますという答弁が返ってまいります。  そこで、まず大臣、これはやむを得ずあなたに聞くわけでありますが、そういった意味で年金は一体どの程度上がるのか。抽象的でありますから、老齢福祉年金については来年は幾らにするのか、大臣の決意を込めた御答弁をいただいておきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 福祉年金一般についての今後のあり方でございますが、私としては気持ちの上で、そうした、いま先生のおっしゃったようなところへできるだけ早く持っていきたいものだというふうに思っております。しかし、これにつきましては、現在の制度が一般会計にのみ依存をしておるという制度下においては、おのずからそうしたことについての制約というものが出てくるものでございますから、したがいまして、財政方式を切りかえることによってこの問題を解決をいたしたいという趣旨でいろいろと申し上げているわけであります。したがいまして、そういったようなことについての作業をいま急いでいるわけであります。しかし、この作業はなかなか複雑かつ多岐にわたるいろいろな作業と折衝が必要でございますので、したがって明年度におきましては、これは参議院でも御答弁申し上げたところでございますが、従来方式によらざるを得ないかもしれません。そうした場合には、ただいまの金額そのものでこれをやるというわけにはいきませんから、財政事情も非常に厳しいところでございますけれども、何らかの形でもってできるだけの増加をいたしたいものと思って、いろいろと今日考究をいたしておる次第であります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そうすると、お年寄りの年金は二万円は非常にむずかしい、しかし現行よりも努力をして上げたい、こういうふうに理解をしたわけでありまして、ぜひ五十一年度から二万円ベースになるように私としては強く要求をしておきたいと思うのです。  そういたしますと、金額については、いま一万五千六百円の児童扶養手当についても、厚生大臣が答弁をなさったような形でふえると理解をしていいわけですね。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 母子福祉年金との絡みでございますので、当然そういうふうになると思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間があと五分しかありませんから、二つ三つ質問を続けます。  第一は、第二子以降の金額です。御承知のとおり、この制度が発足をいたしましたときは八百円で、第二子は四百円だったのです。つまり二対一の金額の比率であった。いまは一万五千六百円で、その次の子はわずかに八百円の加算という形になっております。そういう意味では第二子以降非常におくれているわけでありますが、これをうんとふやすお考えはないのかどうか、それが第一。  二つ目の質問は、いわゆる年齢を十五歳から十八歳に引き上げるということ。これは去年も厚生省、努力をなさったわけでありますけれども、私から申し上げるまでもなく、たとえば高等学校の進学率にいたしましても九〇%をはるかに超しました。したがって、もう義務教育終了年齢、つまり十五歳では実情に合わなくなっておる。ことしも、先ほど非常にいい前向きの答弁をいただいたわけでありますけれども、厚生省としては十八歳に引き上げたい。これは大臣、確かにそのとおりですよね。児童福祉法だってあるいは児童手当法だって、児童とは十八歳と書いてあるのだから、したがって、そういった点からすれば、五十一年度からは必ず十八歳に引き上げるのか、その辺、御決意のほどを承っておきたい。  それから三つ目の問題でございますが、私はどうしてもひっかかるのは、母子福祉年金あるいは母子年金、それと児童扶養手当の差別の問題です。特に支給時期につきましては、父親が死んだ場合は、たとえ忘れておっても何年もさかのぼって支給ができる。ところが児童扶養手当については、先ほどもちょっと言いましたけれども、設権行為ですから、本人の申請があって、そして申請の時点以降もらえる。そうしますと、役所の手落ち等で、具体的にはずいぶん知らない人があって、気がついたときはもう前のはもらえない、非常に苦しい思いをして子供を育てた、こういう制度があるのだったらなぜ早く教えてくれないか、さかのぼって支給をしてもらいたいという問題があるわけです。母子福祉年金あるいは母子年金と児童扶養手当、そういった支給開始の時期について大きな差別がございます。これを直す御意思はないのかどうか。  まず、以上三点についてお伺いしたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 いま三つの御指摘がございましたけれども、そのうちの十五歳から十八歳の問題につきましては大臣の方から御答弁をいたしますが、一番最初の第二子以降の金額が非常に少ないではないかという点と、それから支払い時期の問題につきまして私から御答弁申し上げます。  第一の、第二子以降につきましては、先生御指摘のとおり八百円、その次は四百円、こういうふうになるわけでございますが、これは実は年金の加算と同調をいたしておるわけでございまして、これだけが先行しているわけではございませんので、年金制度の中でこういう加算問題をどう取り扱っていくのか、これとの関連で検討をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。  それから第三番目におっしゃいました、国民年金の場合と違って支給がさかのぼらないというのはおかしいではないか、こういう御意見であろうかと思いますけれども、実はその児童扶養手当につきましては、御案内のとおり、そのときどきの状態に着目いたしまして支給するという性格的な問題がございます。と同時に、年金のように夫の死亡というような明確なものを支給要件といたしているものと違いまして、実は千差万別でございまして、養育をしているという事実をつかまえてやるわけでございますけれども、その養育の事実の認定自身も非常にむずかしい。その上に、離婚でございますとかあるいは遺棄、さらにはいわゆる蒸発というような問題、そういうきわめて微妙な個人的な事情というものを支給要件といたしております制度でございますので、どうしても本人の申請のあったときから働くという制度にせざるを得ないというのが趣旨であろうかと思います。また、実際上いつから別居状態にあるかということにつきましては、夫婦間の秘密の問題の事情もございましてなかなかこれを確定することはむずかしゅうございますので、現在の方式がより適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。  なお、この制度は発足いたしましてもう相当の経過期間がたちましたので、この制度自身の普及は十分達せられておると思いますので手落ちは余りないのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 この年齢引き上げの問題ですが、高校進学率というものもかなり上がってまいりまして、従来とは違っておるわけでございます。したがって、義務教育が終わったら直ちに稼得能力があるとは思えぬものですから、われわれとしては予算要求をしておるわけです。予算要求をしているのですから、われわれとしては何とかいたしたいというふうに思っていろいろ努力をしているのですが、どうも先生、来年の予算要求は大変のようでございまして、われわれがいろいろ折衝しておるところを見ると、従来のような甘い考えではなかなか問題は解決しないということで、私も緊褌一番やらねばなるまい、こういうふうに思っているわけであります。私どもとしても決意を新たにして、よほどのお声がなければ、従来のようなうかうかしたことでは大変だということであります。財政当局、お金がないようでございまして、何か歳入を上げようと思ってもなかなか意に沿わないので、したがってなかなかきついことをあれこれ申していることを私も耳にいたしますので、相当努力をしなければ、私がここで簡単に何とかいたしますとか、できますなどという大きなことを言うというのは、かえって食言になろうかと思われるというのが偽らざる最近の心境でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 最後に一言。  大臣の決意のほどについては私は高く評価をいたしますので、ぜひとも実現をしますように努力を願いたい。  それから、児童家庭局長の答弁の中には私の見解とかなり違うものがありますので、あなたの答弁を認めたわけではありませんが、時間の関係がありますので、この問題については再度また何らかの場で御質問をするということを御通告申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私、昨日全国の私立保育園連盟の関係者といろいろ懇談する機会を持ちました。     〔竹内(黎)委員長代理退席、菅波委員長代     理着席〕  その中で、いま大臣が最後に言っておられましたけれども、来年度の予算についてはかなり大きな不安を持っておられる、こういう状況でございます。したがいまして、もう一度、すでに答弁されたことも含みますけれども、再確認あるいはまた若干の新しい問題についても、保育所関係の予算関係について要望かたがた質問したいと思います。  第一の問題は、私、最近ある教員夫婦が、二歳半になる子供を家で見ていたそうですが、そのおばあちゃんが突然中風で倒れて寝たきりになってしまったということで、急遽どこか保育所がないかということでお世話を頼まれたのです。あっちこっち行ってみまして私びっくりしたのは、三歳以下を入れるなんというのはとんでもない話だ、こういう話なんです。それで、公立の保育園の園長にも聞いてみましたら、そこは定員六十名ですけれども、三歳以下というのは六名以下、つまりこれは予算その他いろいろ事情があるでしょうが、そうなるのは一つは、ここでもいつも問題になっております保母定数の問題があるのです。御承知のように、四、五歳児になりますと三十対一です。それから三歳児は二十対一、二歳児は六対一、ゼロ歳から一歳になると六対一になりますから手がかかる、あるいはまた、こうした基準では予算の関係上どうしても三歳以上の方がというようなことも一つの大きな原因になっているということを聞きました。  そこで、まず最初に定数の改善でございますけれども、この間二月八日の私の質問に対しましては、その解決についてはいろいろ努力するけれども、力点はとにかく過重労働の軽減というところに今年度、来年度は置きたいので、その後というような印象の答弁がありましたけれども、私はこれは非常に緊急の課題ではないかと思う。きょうの理事会でも、この保育所の定数改善を含む社会福祉施設のいわゆる定数基準についての小委員会を設けるというような問題でいろいろ検討しましたときにも、これは与党の理事も含めましてこの保育所などの定数改善の必要性、緊急性については認められているわけです。その解決の仕方についてはいろいろありますけれども、この問題について私は再度大臣に、この改善が非常に緊急な問題であるというように認識を改めていただきまして、いわゆる何らかの措置のために御努力願いたいということをお願いしたいと思いますが、この点についての大臣の見解を聞かしていただきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 保育所保母の定数についてお話がございましたが、保育所だけじゃなしに、社会福祉施設一般の直接処遇職員についての問題として、私はこれが労働過重ないしは労基法違反というようなことを残しておいてはいかぬということでございまして、就任早々ですが、これについてかなり激しい予算折衝をいたしまして、二年をめどにしてこれを解決するということで、ことし直接処遇職員を全部で六千名入れていただきまして、あと九千名残っているわけでございますが、これはひとつぜひ今度の予算編成期に解決をいたしたいというかたい決意であるわけであります。  なお、そのほかに最低基準の問題がございますが、これは率直に言ってとてもじゃないが、話はわかりますけれども、これをまた一遍に来年一緒にやれるとは考えられませんものですから、これはひとついろいろと検討もさしていただき、その後にいたさなければなるまいというふうに申し上げた方が、私は率直なまた正確な御答弁になるだろう、こういうふうに思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 ですから、後とか先とかと言うとまたいろいろ問題がありますけれども、この改善の必要性についてはお認めになっているわけでしょう。この保母定数の改善についてはお認めになっているのかどうかということです。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 この保育所の保母の定数の問題につきましては、先生御案内のとおり児童福祉審議会の保育部会におきましていろいろな議論を重ねてやっておるわけでございますが、その際にいままで措置いたしましたのは、児童福祉審議会で何回も討議したものにつきまして何回か答申ございました。それを、若干タイムラグはございますけれども、一応完成した形になっておるわけでございまして、したがいまして、これを何対何にするかということにつきましては、単にいまここでその必要性があるかどうかというよりも、むしろ保育所の実態あるいはほかの施設とのバランス、そういうものも十分考えて専門的な立場から検討していただく必要があるというふうに実は考えているわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 この点については再度、与党理事も含めまして必要性については意見が一致しておりますので、この点も十分踏まえてぜひ改善の方向で検討していただきたいと思います。  そしていま、私が次に質問しようとしたことの御答弁がすでにあったようですが、同じく二月八日の社会労働委員会の大臣の答弁で、いまの保母が病気になった場合の病欠代替要員の問題あるいはまた休憩交代要員の問題について、病欠要員については昨年度厚生省の要求は出したけれども、大蔵省の査定がゼロになった経過があるわけです。しかし、それは人材確保の問題があったからやむなく妥協したのだという答弁で、今度はこの二年間で労働過重軽減のために、先ほど答弁がありましたように断固としてこれをやるのだということを再度にわたって答弁がありましたけれども、今後の見通し、あるいはその決意のほどはいまでも変わらないのかどうか、もう一度再確認しておきたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 先生の御指摘のありました病休代替保母の確保については、私は全力を挙げて折衝したいというふうに考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それから、もう一つの問題ですが、この問題と若干関係がありますけれども、保母の休憩室の問題についてやはりきのう話が出ました。御承知のように、いま保育所の中で保母の休憩室がないために事実上休憩というものがなかなかとりにくい。これも労働基準法違反の、休憩がとれないということの原因にもなっているようでございます。したがいまして、この保育所の休憩室の設置について厚生省としてはいま一体どういう指導をされているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 保母さんの休憩室が必要であるというふうに私どもも考えておりますので、実は国庫補助を申請してまいりました際には、特に新築、改築含めてでございますけれども、必ず休憩室をつくるようにという指導をいたしております。実際上各県の方も、地方公共団体あるいは社会福祉法人含めまして、みなそれぞれ新築あるいは改築の場合にはほとんどつくっているというのが実情でございます。  それから問題は、既存の施設がございまして、これをどうするかという問題が一つあるわけでございます。これは改築していきます場合に、新築の場合と同じように指導していきたいというふうに実は考えておるわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうすると、保育所設置認可申請の際の行政指導で新築、改築という場合には、そういう休憩室を設置するように行政指導をしているというふうに理解してよろしゅうございますか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 原則としてそういうふうになっております。ただ施設によって、細かいことを言うようでございますけれども、事務室を広くとってそれが休憩室を兼ねたいとかいうことが出てきましたときには、やむを得ずそれを認めるという形にしておりますが、基本的には先生のおっしゃったとおりでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 さらに児童福祉施設の最低基準がありますね、あれにはいまのところ保育所の規定というのはないわけですね。保育所の事務室というのも規定がないのではないですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 現在、児童福祉施設最低基準というのがございますが、その基準によりますと、一応事務室については置くことになっております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうすると、事務室と同じように、この最低基準に、そうした休憩室などについて実際に行政指導をやられているとすれば、こうした規定の中にも入れるようにぜひ検討していただきたい、こういうふうに思いますけれども、どうでしょうか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 十分検討したいと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 もう一つは、財源的な保障も特別にいまないわけですね。ですから、財源的にもぜひ保障していただきたいのですが、この中で財源を生み出す一つの方法といいますか、もちろんこういうものについて特別にきちんと出してもらえば一番いいのでしょうけれども、いわゆる施設整備の補助対象がいま児童一人当たり五平米になっているわけです。これを大幅に改善するという方向でも一つの財源的な保障というものができようかと思うのですけれども、現在この問題について児童一人当たり六平米などというような検討もしているというふうに聞いておりますが、この改善についてどう考えているのか、御説明願いたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 現在では児童一人当たり五平米ということになっておりますけれども、実際上小さい規模の施設におきましては、なかなかそれではできないというのは先生御指摘のとおりだと思います。そこで、九十名定員になり百二十名定員なりそういうものの標準設計というものをいまつくっておりまして、そこで十分検討してまいりますと、どうしてもやはり九十名以下の定員の施設については五平米では足らない、最低六平米は要るというような状況になりましたので、それで実は予算要求をいたしておるわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 次に、きのうの話などでも出たのですけれども、十人刻みの保育単価の設定という問題が出ているのです。私もちょっといままで聞いたことがなかったものですから聞きましたら、過疎地帯のところなどで最近、三十人刻みでは、六十人を切れた場合にはどっと三十人になるわけですから減り方が激しい。こういうところは十人刻みでやったらどうか。聞いたらば昭和三十六年以前はそうなっていたという話ですし、東京都でも現に実施しているということでもありますので、この十人刻みの保育単価の設定というのは、いまシステムができていますから事務上もなかなか困難だという話も聞きますけれども、ぜひこれは検討した方が——私は、過疎ということで余りその方の事情は知りませんけれども、よく事情を聞いてみますと、やはり検討すべき事項だと思いますので、ぜひ厚生省としても検討していただきたい、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 保育所の一人当たりの経費を示すために保育単価というものを設定いたしておりますけれども、これを十人刻みにするかどうかという問題でございますが、実は御案内のとおり地域差、たとえば甲地、乙地、それから定員の規模別に見ましても実は五種類の規模別がある、そのほかにもいわば施設長の設置、未設置という問題あるいは年齢区分の問題、こういうものが多数ございまして、実は約二百にも及ぶ保育単価というものを設定しなければならぬ、こういう状態でございます。それをさらに細分化しますと、市町村の事務というのは大変なことになりまして、私ども現在時点でこの点を改正するという気持ちは実はないわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 つもりがないから現状になっているのでしょう。ぜひその実情を見て、市町村にもこういう要求があるとすれば、そういう事務量のいろいろな問題、障害を乗り越えて、この方がいいという声があるかもしれませんので、よく実態を見て、要望など聞いていただきたい、こういうふうに思いますけれども、この点ぜひ大臣にその方向で——事務当局としてはいまの答弁にならざるを得ないでしょうが、過疎地帯でそういう声が上がっているといいますので、ぜひ実態を見ていただきたい、そして取り入れる必要があればぜひ検討していただきたいというふうに思いますけれども、大臣の御答弁をお願いします。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 保育単価の計算の仕方なのでございまして、絶対的にこれで出ないとか、もうやり切れないということじゃないのですが、刻みを細かくすれば非常にニードに厳格に合うということだろうと思います。そうしたことで細かければ細かいほどいいのだろうと思いますが、実際の事務上の問題もありまして、私は、役所に行ってから少し堕落したのじゃないかと思うのですが、どうも自分で理想的に思っていることも、実際役所へ入ってみると事務面のことも没却できないということを考えております。そういったようなことで余り役人風になるのもまたいかがかと思いますけれども、この辺のことも考えて実際的に解決を図りたい、こういうふうに思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 労働省来ていますね。——以上いろいろやってまいりましたが、保母の労働時間の問題について最後に質問したいと思います。  御承知のように保母の場合は、いま労働基準法の八時間労働の面から見れば特例になっているわけでありますが、その根拠は一体どこにあるのか、その点を説明していただきたいと思います。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 労働基準法では、いろいろな事業場に対する基準法の適用につきまして、業種業態に応じて一号から十七号ということで事業を分類いたしまして運用いたしておりますが、社会福祉施設につきましては、肉体的、精神的に看護を要する者の収容や援助を行うというものでございますから、法八条の十三号というところに該当するということでやっておるわけでございます。  保育所につきましては、児童福祉法の規定を見ましても、「保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする」というふうにございますので、この十三号に該当する。したがいまして、労働時間の適用につきましてもいわゆる特例の対象になっておるわけでございます。  なお、標準産業分類でも、保育所は社会保険、社会福祉事業というふうになっていると伺っております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いまの説明ですと、いわゆる労働基準法の第八条の十三号の適用事業の範囲の中で「病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業」という中に保育所が適用事業の範囲として入る、したがって、保母もこの特例になるのではないかというのは、どこの何によってあるのですか。そういうものが決めてあるというのは、どこが判断して、何にそれは基づいているのですか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 労働基準法は、御承知のように原則として八時間、四十八時間労働制をとっておるわけでございますが、一部につきましては四十条でたとえば九時間、五十時間の特例というものが認められておるわけでございまして、それによってやっておるわけでございます。  なお、いまおっしゃったように、保母が果たしてどこに該当するかということは、その施設がどういう性質の施設、あるいは事業がどこに該当するかということによるわけでございまして、問題になっておりますように保育所は児童福祉法に基づく社会福祉施設ということで、そこで労働に従事していらっしゃるわけでございますので、その十三号の事業ということで特例の適用になるというわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 だからもうちょっと正確に。あなたの話の「病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業」に保育所が該当するというのは、どこで何に書いてあるのか。文書で書いてあるのか。政令だとか省令だとか通達だとかいろいろあるでしょう、それはどこにあるのですか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 それは結局法律の解釈の問題になりますが、施行通達を、昭和三十六年三月十三日に基発百八十五号通達というのを出しております。そこに、保育所は十三号である、ただし、これは労働の態様によって決める、しかし、一般的にはそういうものに該当するということで明示されておるわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうしますと、この労働基準法のコンメンタール、労働省の、あなたの方で編集しているもののいわゆる十三号の施設についての解釈がありますが、この中に確かに保育所も入っているのだけれども、ここにいろいろ並べられている「生活保護法による養老施設」とか「救護施設及び更生施設、児童福祉法による助産施設、乳児院、母子寮」云々という幾つかの施設がこれに「該当するとする解釈例記がある。」普通ずっとこの文章を読みますと、大抵「該当する」というふうに定義してあるんですよ。ここだけが「該当するとする解釈例記がある。」ということで、読んだ範囲内では、厳格にこれだというような印象ではなくて、何かそういう意見があるというような——判例でもそういう意見があるというふうに考えられているのですが、これのことを言っているのでしょうか。その通達には全部これが書いてあるのかどうか、ちょっと私、通達を見ていないので……。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 いまお挙げになりましたコンメンタールは少し粗いのでございまして、それに該当する解釈例記がある、その解釈例記が先ほどお答えいたしました三十六年三月十三日の通達でございます。そこには明確に保育所は十三号ということが書いてございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうしますと、この結果、御承知のようにこういう一番労働の激しい、先ほど大臣が言った労働基準法がなかなか守れないという過重労働にある人が特例で認められているということが非常に問題になっているわけです。したがいまして、この保母さんの問題については労働基準法の八時間ということでいけないのかどうか、こういうことについて特例除外するという問題について検討しているというふうに聞いておりますけれども、この点はどうでしょうか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 保育所の労働条件につきましては、たびたび当委員会でも御論議がございました。いまのような特例措置があっても、なおかつ違反が多いということで御指摘があり、先ほどこちらからお答えになったような努力が厚生省でなされているわけでございます。そういう意味でなかなかこの特例の撤廃ということもむずかしいわけでございます。しかしながら、たまたまいま先生御指摘になりますように、一般的にこういう激しい労働の場合に労働時間という問題は非常に重要じゃないかということでございまして、私どももその問題につきましては、労働基準法研究会等でいろいろ御検討願っております。そこで、四十六年の暮れに、研究会からも一般的に労働時間についての報告が出ましたので、それに基づきまして私どもは四十八年に通達を出しまして、規則は現在こうなっておりますけれども、できるだけ八時間、四十八時間労働制に持っていけ、そういう指導、これは保育所だけでございませんで、むしろ一般に旅館とかサービス業なんかに非常に長時間労働が多かったものですから、そういう指導をやっておるわけでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そういう方向でやっておられるのはわかりました。  そこで私どもは、こういう人々、特に保母さんについて特例事項でやる根拠が非常に薄弱じゃないかと思う。たまたま保育所がそういうものになるということについては、またいろいろ御意見があるということは知っておりますけれども、そこに働いている労働者が労働基準法から特例除外されなければならぬ、そして長時間という問題がそこに出ておるということは、労働基準法の精神からいっても、この特例除外をするということは私は妥当ではない、こういうふうに考えているわけであります。したがって、この問題について、いま検討されているというお話でありますけれども、ぜひその検討が生きる方向で御努力を願いたいというふうに考えておりますので、この点についての大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○石野政府委員 基本的には先生のおっしゃるとおりだと思います。私どもも労働基準法上の例外を認めておりますけれども、できるなら本則に立った労務体制、勤務体制というものをつくり上げる、こういうことで実は予算上もそういう八時間労働を前提としたものに積算をいたしておるわけでございます。それでもなおかつ、休憩時間等の問題もございまして、そういうものを排除するという意味でさらに緊急な予算措置をとっている、こういうことでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 もう一つ、いま休憩の問題が出ましたから……。  この保母さんの休憩の問題についても、この間、教職員の休憩の問題等を論議したときと同じような問題があるわけです。御承知のように、休憩時間は八時間を超えた場合に一時間、しかも、それは労働の途中で与えなければならぬし、その休憩時間というものは労働者の自由に利用できるものでなければならぬというふうに考えていますけれども、労働省、これはそういう解釈でいいわけでしょう。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○藤繩政府委員 休憩についてはさようでございます。ただこの場合は、一斉付与というようなものは適用しないことになっております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 ですから、そこは抜いてしゃべったわけですよ。余り先回りしないでください。  それで、その休憩の場合、保母さんの場合は子供が寝ている途中とかあるいはいろいろありますけれども、それでもやはり学校の子供たちと同じように、ここで論議されたように休憩というか、いわゆる待機みたいな性格に似た時間なんですね。したがって、先ほど問題になりました休憩室というようなところでやはり十分休めるような状況をつくりませんと、実際に休憩というようなものもできないということで、この休憩の問題については、特に公立でも三〇%ぐらい、民間でも二〇%ぐらいというようなことであっても、なかなか基準法どおりに守れないという問題が出ておりますので、この点でも、ただ基準法を守れ、守れということではなくて、休憩時間がとれるような方向にぜひ指導を強めていただきたいし、先ほど交代要員の問題なんか出ましたけれども、そういうような方向で、労働基準法を守れるような方向で休憩がとれるような状況をつくり出すようにぜひ努力願いたいということを最後に大臣にお願いしたいと思います。大臣、よろしゅうございますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 保育所保母のみならず、社会福祉施設に働く直接処遇職員の労働条件の改善、回復については、今後とも努力をいたす所存でございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 終わります。

菅波茂自由民主党

○菅波委員長代理 本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十一分散会

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