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76回国会衆議院1975/11/06

災害対策特別委員会 第4号

発言数
381
登壇者
46
会派数
5
開催日
1975/11/06

会議録

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 本日の質問に当たりましては、あらかじめ国土庁、建設省、農林省並びに北海道開発庁の出席を求めておりますので、順次質問をいたします。  まず第一に政府にお尋ねしたいのは、今次の五号台風、六号台風等を中心とした全国的な激甚災害に対するためには、速やかに治水治山事業の根本的な対策の確立が必要だと思うわけでございます。特に、北海道における石狩川流域並びに天塩川流域の大洪水の実態にかんがみましても、まず第一に、政府として新治水事業の長期計画を策定して速やかに実行する問題と、もう一つは、激甚災害対策特別整備事業の実施に当たって激甚災害河川の整備促進を計画的に進めるべきであるというふうに考えるわけでありますが、これに対して政府としての計画の策定と、これを実行するための予算上、財政上の措置の概要について説明を求めたいと思います。

増岡康治建設省河川局長

○増岡政府委員 お答えいたします。  いま先生がおっしゃいましたように、本年度の台風五号、六号によります北海道の災害は、災害額にして、申請額においても六百七十億という多大の災害を受けております。したがいまして、私どもは、北海道の川をこの機会にもう一度根本的に、大河川、中小河川を問わず洗い直してみようということで、いま鋭意研究をしております。  石狩川、天塩川等の大きな川につきましては、これは御承知のように現在まで相当工事費を投入したわけでございますけれども、その効果は確かにありました。しかし、遺憾ながら全体の事業量から見ますとまだまだおくれております。したがいまして、現在は第四次五カ年計画を施行中でございます。五十二年度から第五次五カ年になると思います。このときにはさらに、この北海道の河川に対して、今回の台風を踏まえましてこれが反映するようにいたしたいと思っております。  なお、ことしの災害につきましての北海道の各種河川につきましては、災害の復旧に全力を尽くしますとともに、補正予算その他、あるいはまた今後の助成事業を含めまして一つ一つの川について全力を挙げてこの計画を遂行しようということをやっておるわけでございます。  今回の北海道はまれに見る大きな豪雨でございましたけれども、私自身現地へ参りました。いろいろ見ますと、いろいろ反省すべき点もありますので、今後ますますこの北海道における治水事業につきましては前向きに対処いたしたいということで、もう一度見直そうという考えでおるわけでございます。  第二番目の御質問の中に激特制度の問題がございました。これにつきましては、従来私どもが河川事業を災害ごとに見詰めてまいりましたところ、従来のやり方ではどうしても救えない河川があるわけでございます。一般に災害が出ますと、災害復旧をやります。それに対しまして、関連事業あるいは助成事業を加えましてある程度の計画的な施行ができるわけでございますけれども、災害が来ましても土木災害のない場合がございます。同じ災害を受けましても、一般災が非常に大きいながらも土木災害がない場合は、一般の治水事業でやらなければいけない。一般の治水事業は、国力に応じて年々わずかながら全体の枠が伸びておりますが、その配分の問題になるわけでございまして、集中的に一般の治水に投入し得ないという問題があるわけでございまして、来年度要求しております激特制度というものはそのギャップを埋めたいということでございます。そういう意味で、これはいろいろな財政的な問題でまだ未解決な問題がございますけれども、そういうような激甚災害を受けて再度災害が必ず起こるというような川につきましては、一定の期間内に一定の計画を仕上げたいという一つの制度のもとにこの制度を考えまして、来年度要求をしておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいまの増岡河川局長の説明については、その内容の長期計画並びにこの激特制度による整備計画の内容等については、後刻資料を提出していただいて、そこで確認をしていきたいと思います。  いま説明がありましたが、これに関連して、北海道の公共事業に問題があるわけです。北海道の開発予算というのは、御承知のとおり農林省、建設省が主体になって、この公共事業費のうちの北海道分というものを北海道開発予算に集中をして、独自の北海道開発予算というものを確保しておるわけでありますが、一例を申しますと、昭和五十年度の北海道開発事業費の当初予算額は総額で三千九十五億円、そのうちいま述べられました治水事業費というのが四百十三億でありますから、これは北海道開発事業費の全体の一三%しかないわけです。これに対して、道路整備事業費は一千二百二億円ですから、全体の四〇%を占めておる。さらに、農業基盤整備事業費は五十年度七百四億円ですから、これは全体の二三%、さらに港湾、漁港、空港等を合わせて三百七十五億円ですから、これは全体に対して一二%ということになったわけです。  ですから、過去十数年来の北海道の開発事業の内容というものを見ると、どうも道路偏重のきらいがあるわけです。毎年四〇%以上も道路整備費が占有しておるという状態ですから、ますます公共事業の中でこの治水関係の事業というものが、北海道の中においても、また全国的にも落ち込んでおるというのは、これは関係当局において承知されておる点だと思うわけです。これをいま局長の述べられたような方向に積極的に河川事業の整備を促進するということになれば、当然明年度、昭和五十一年度の概算要求の中においてこういう点を特徴的に増額して関係各省から要求されておらなければならぬわけでありますが、いささかも変化がないわけであります。これはまだ概算要求が各省から大蔵に提出された段階ですから確定のものではありませんが、来年度の北海道開発事業費は総額にして三千六百九十億円、その中の治水事業費が五百三億円ですから、依然としてこれは全体の一四%程度、道路整備費が千三百二億円ですから、これが若干減って三五%、農業基盤整備費が八百九十一億円ですから、これが少しふえて二四%、港湾、漁港、空港は前年同様の一二%ということになっておるわけですからして、この概算要求をもってすれば、全然、北海道のおくれておる治水事業というものを積極的に拡大整備の方向に向けることはできないと思うのですね。災害復旧対策の場合においては、持定の予算額あるいは予備費の使用等が当然行われるわけでありますが、計上された公共事業の予算の内容から見るとこういう状態になっておるわけです。これは結局、建設省において、河川事業費等について、北海道に対する配分というものが非常に消極的だからして、北海道開発予算の組み立てがこうなっておると思うのですね。  これはまだ決定段階ではありませんが、概算要求は提出しておるわけですが、来年度予算の編成作業確定までの間においては、先ほど増岡局長の述べられた新しい河川対策等に対して十分即応できるような予算上、財政上の確保が必要だと思いますが、それはどうですか。

増岡康治建設省河川局長

○増岡政府委員 国全体のうち、治水事業におきます北海道のウェートは、相当従来より高いわけでございます。河川局の中の予算では相当重要視した配分がしてあるわけでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、他の事業と比べますと、確かに私ども河川局から見る目は、先生と実は同じ目で見ておるわけでございます。したがいまして、治水事業の全体がふえますと、やはりそれだけのものが北海道に行くということがもちろん一番望ましいことでございまして、今後ともそういう方向で私どもも大いに治水事業の重要性を上司に訴え、各方面に訴えてこれを伸ばしていきたい。その中におきましての配分につきましては、ことしの大災害の経験を十分生かしまして、今後とも——まだいま概算要求の最中でございます。また、先ほど話しましたような激特の問題とかいろんな問題がございます。そういう点で、きめの細かい点におきまして、一つ一つの川について重点が置かれるよう努力していきたいと思っておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、今次の北海道における激甚災害の中の、当委員会が九月二十二日、二十三日の両日にわたって、金丸委員長を団長とした現地調査を行いました問題の事項等について重点的にお尋ねをいたします。あらかじめ問題事項についてはこちらから示してありますので、明快、率直な答弁を願いたいと思います。  まず、北海道の三大河川の一つである天塩川上流の重要河川に剣淵川というのがあるわけです。この流域は御承知の和寒町、剣淵町及び士別市の一市二町にわたっておるわけでありますが、この地域が天塩川上流の激甚被害の地域でありまして、もちろん当委員会が現地調査を行ったわけであります。  そこで、この際建設省として、問題の剣淵川に対する改修工事の実施計画というものがどうなっておるか、まずこの点を説明してもらいたいわけです。  剣淵川については、御承知のとおり、昭和二十三年当時に道費河川として一部改修工事を行ったのであるが、その後二十数年間、全く原始河川の状態で放置されておるわけです。これが今次の当該地方における激甚災害の要因をなしておるわけです。  そこで、この一市二町の関係市町村の要望としては、速やかに天塩川と剣淵川の合流点を起点として、剣淵川本流約四十キロの区間でありますが、この区間を国の直轄区間に設定して、本格的な改修工事を実施してもらいたいというこの点です。  これにはもう一つの理由がありまして、それは、現在、剣淵川流域を中心にする天塩川上流地域の国営総合灌排事業が計画的に進められておるわけであります。やがてあと三年ぐらいで完成の時期に達するわけでありますが、特に現在、灌排事業を実施中の剣和幹線の用水路が竣工いたしますと、この剣淵川流域六千ヘクタールに及ぶ水田の灌漑が行われるということになるわけです。そういたしますと、今次のような大水害があった場合においては、この内水が増水して、現状の剣淵川をもってしてはさらに被害を拡大するというような状態が現出するわけであります。ですから、一方においては、この利水事業をあわせた国の総合灌排事業の進展とあわして、最も関係のある剣淵川のこの支流を全面的に建設省において改修工事を実施する、この治水と利水が一体的な総合公共事業として進んでいかなければ十分な成果を上げることができないわけです。これは建設省、農林省、さらには開発庁においても十分実情を承知しておられるわけでありますからして、特に剣淵川を直轄区域に設定する問題と剣淵川本流の改修事業の実施について、増岡建設省河川局長から責任ある答弁を願いたいと思います。また、農林省の岡安構造改善局長並びに北海道開発庁の黒田総務監理官においても、関連的な問題についてはこの際説明を願いたいと思います。

増岡康治建設省河川局長

○増岡政府委員 剣淵川の改修計画とその進捗状況、考え方という御質問でございます。  先生が先ほどおっしゃいましたように、剣淵川の改修は、昭和二十三年に補助事業の中小河川事業として着工いたしたわけでございますが、これにつきましては、改修計画区間が二十キロで全体事業が三十二億ということでございますが、昭和二十三年から昭和四十七年までは、いわゆる河道を整正しながらやってきたわけでございます。低水路を掘ってきたわけでございます。これはあくまでまだ九百トンぐらいの計画でやってきた。ところが、いまおっしゃいましたように、一市二町のいろいろな利水事業がどんどん進んでいくということもありますし、また一般の住民の災害を防ぐということから、昭和四十八年から再び下流部から改修をいま実施しておるわけでございます。  その改修方針といたしましては、全区間の低水路をもう一度蛇行整正いたしたいということで、それによって築堤を実施していくということをもう一度下流部から進めておるわけでございます。その中におきまして、いまもう一度区域延長の問題があります。これは確かに私ども存じ上げております。この問題がございますが、この区域延長の問題は、施行形態の問題でございますが、私どもはこの区域延長云々よりは、この剣淵川全体の改修が円満にいくようなことがまず第一である。その中に、議論におきまして区域延長は実は検討課題で残しておるわけでございます。  いずれにいたしましても、この利水事業に治水事業が追いついていかないというようなことから、私ども、上川地区におきましてこの剣淵川の問題を一番重要と考えておりまして、本年度におきましても、一億四千五百万の当初予算に対しまして途中からまた流用をやりました。それからまた、補正予算も組みました。そういうことで現在は、本年度でも二億一千五百万の金を投じておるわけでございます。こういう前向きの姿勢で、また来年度以降におきましてこのような考え方を今後とも続けていきまして、治水と利水が完全に一体となっていくように早く追いかけたいと私どもいま考えている段階でございます。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安政府委員 いま先生御指摘の剣淵川地域の農地の排水につきましては、まず国営事業で幹線排水路二本、これを実施いたしております。さらに、道営の農村基盤総合整備。パイロット事業で排水路の整備を行っているわけでございまして、後の方の総合整備パイロット事業はまだ着工早々でございますので余り進捗しておりませんが、国営の幹線排水路につきましては、その音無川についてはすでに四一%の進捗率になっております。今後の工事の実施に当たりましては、先生御指摘のとおり、これらの排水はすべて剣淵川へすることになっておりますので、建設省のやっております剣淵川改修工事の進捗状況と十分連絡調整をいたしまして私どもは今後工事を進めたい、かように考えております。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 先生の御指摘の剣淵川につきましては、従来河川改修が進められておる区間もあるわけでございますが、大部分のところは改修が進んでいないということでございます。片一方、いわゆる地域開発といたしまして相当な農業の基盤整備が行われておるわけでございまして、そういう中において、地域開発の昔と変わった状況の中で今回のような災害が起きたというのが現実であろうと思うわけでございます。したがいまして、開発庁といたしましても、いわゆる総合的な計画のもとに地域開発と河川改修という点の調和を考えて今後進めてまいりたい、そう考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、今次災害を受けた石狩川、天塩川を利用した国営灌排事業の農業施設の災害復旧工事の実施の問題であります。  実は昨日の農林水産委員会においても、農林省の岡安構造改善局長からすでに明らかにされた点もあるわけでございますが、当委員会として現地調査をした関係等もありますので、この際再度問題を明確にしておきたいと思います。  第一点といたしましては、旭川市を貫流する石狩川に構築されておる近文、共栄両土地改良区の管理に係る石狩川近文頭首工が今次災害によって損壊され、使用不能になったことは、当委員会の現地調査においても明瞭であります。しかも、この頭首工による灌漑地の受益面積は、両土地改良区の区域で六千八百ヘクタールに及んでおるわけでありますからして、明春の水田耕作期以前に災害復旧工事が完全に実行されないと、この頭首工の復旧工事が完成しないと、甚大な影響を与えるということになるわけであります。  そこで、この災害復旧の完全実施の問題が一つと、もう一つは、たまたまこの地域を対象にした共栄、近文地区の国営土地改良事業が昭和四十九年度から着工になりまして、すでに昭和四十九年度には三千万円、昭和五十年度には三億円の実施予算が確定しておりまして、新規の頭首工の構築が近く着工になる運びであります。そしてさらに、新規の頭首工については、農林省、開発庁としては五十一年度に五億円の概算要求が行われておりますし、農林省としては、この近文頭首工の構築工事について約十六億五千万の、五十年度から五十三年度までの国庫債務負担行為の概算要求もされておることをわれわれも承知しておるわけであります。  そこで問題は、一方においては災害で損壊した頭首工の緊急復興工事が必要である。一方においては、既定の総合灌排事業の中の新しい頭首工の建設が進められなければならぬという二つの問題が同時的に生じておるわけでありますが、昨日も岡安局長に指摘したわけでありますが、いまの政府のやることですから、ややもすればこの新規着工分を災害復旧に回すおそれがあるんじゃないかというような危惧が現地においても強いわけです。これだけ政府が信頼されてないという証左ですが、ここでこの際、当委員会においてこの点を明らかにして、地域住民や関係団体に安心を与えるようにする必要があると思うわけであります。  それから、あわせてこの際に質問しておきますが、天塩川と剣淵川の合流点の下流に、同じく天塩川第二幹線頭首工というのがあるわけです。この頭首工については、今次の災害によっての被害は受けておらないわけでありますが、この頭首工は約二・三メートルの高さをもって、堤長が六十二メートルの、これはまれに見る固定せきで構築されておるわけです。したがって、この固定せきのために上流の水位が上がって内水排除が非常に困難である。特に上流の剣淵川にも重大な影響を与えておるわけでありまして、毎年の融雪時や降雨のときにはこれが災害の大きな要因となって地域住民に被害を及ぼしておるわけであります。今次の災害においても、天塩川上流に完成されておる岩尾内多目ダムの洪水調整機能というものは十分に発揮されたわけですが、ただこの頭首工があることによってこれが十分な効果を発揮できなかったわけです。もし、これが可動せきであれば被害を減少することができるという現地の声が非常に強いわけであります。したがって、建設省としては、この天塩川の改修工事の実施に当たって、この固定せきである頭首工の改築の問題が一つあると思いますし、農林省、開発庁としても、現在実施中の天塩川上流地域の国営総合灌排事業の実施に見合ったこの第二幹線頭首工の改築工事というものが当然計画に含まされておるわけでありますが、この際、天塩川上流の災害の最大の要因をなす頭首工の改築の件について、農林省の実施方針とあわせて開発庁、建設省の所見を明らかにしておいてもらいたいと思います。この二点に対してお尋ねいたします。

岡安誠農林省構造改善局長

○岡安政府委員 まず最初の共栄、近文頭首工関係でございますけれども、御指摘のとおり、現在ございます共栄、近文頭首工は、八月二十二日から二十四日の六号台風の集中豪雨によりまして被害を受けております。それとは別に、御指摘のとおり、この頭首工はすでに老朽化いたしておりますので、現在の頭首工の下流百五十メートルの地点に新しい共栄、近文頭首工をつくるということで、すでに着工をいたしております。  私どもの考え方といたしましては、この新頭首工の建設は河川工事ということにもなるわけでございますので、そう長い工事期間を要するということは問題があるということで、早期完成というような方針でございます。お話のとおり、現在私どもといたしましては、五十一年度予算におきまして国庫債務負担行為を要求いたしまして、早期完成を期しております。  また一方、現在ある頭首工、これの被害、それによって取水が不可能になった場合の措置はどうかということでございますけれども、これは当然来年の農用水の利用時期までには用水機能に支障のないように回復しなければならないということで、災害復旧につきましてはすでに査定も終わりまして、緊急の災害復旧を行うつもりでございます。  この災害復旧とそれから新しい頭首工の建設は別個の問題でございます。私どもは、新頭首工をつくることを災害復旧のためにおくらせるというような考えは現在ありません。  それから、もう一つの点でございますが、天塩川の合流点に第二頭首工がございます。これについて農林省はどういう考え方を持っているかという御指摘でございますが、現在この地域につきましては、天塩川上流地区の灌漑排水事業というものを国営ですでにやっております。これは四十二年に着工いたしまして、全体計画といたしましては五八%以上の進捗率になっております。この計画の中に、第二頭首工を改良しようという計画を含めております。この改良工事につきましては、上流の河川と非常に関係があるわけでございます。それで、私どもは、この改良工事の実施につきましては、天塩川の改修計画と十分調整をいたしまして、それらの計画に合ったような新しい頭首工をつくるということを考えておりますので、御指摘のように、この頭首工の設置によりまして被害が増大したり新しく被害が起きるというようなことはないように、当然私どもは河川の流況をにらみ合わせまして改良工事をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

増岡康治建設省河川局長

○増岡政府委員 第二幹線の頭首工につきましては、いま農林省の方で御答弁なさいましたとおりでございますと、私どもはこの剣淵川の治水対策で、今回の災害を見ますと、同川の低水路の事業を一生懸命やらなければいけない。そういうふうにいたしまして、いま農林省の方でこの改良計画があるということでございますので、十分両者の間で調整いたしまして、早期完成ができるよう、お互いに治水、利水手を合わせていきたいと思っておるわけでございます。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 共栄、近文の頭首工の問題につきましては、新しく下流に現在つくりつつある頭首工につきましては、先ほど農林省から答弁がございましたように、早期に完成するという計画のもとに来年度の予算要求を行っておるわけでございます。  片一方、その上流の現在の頭首工につきましては、先般の台風によりまして災害を受けた。したがいまして、来年の営農に支障のないように早急に復旧を図っていただくよう、開発庁からも農林省の方に強く要請をするという考え方を持っております。  片一方、剣淵の方でございますが、この岩尾内ダム関連の土地改良事業といたしまして、頭首工が現在道営でつくられておるわけでございます。この頭首工は、坊主ダムと私ども言っておるわけでございますが、高さが非常に低いダムでございます。したがいまして、大きな洪水の場合には水面下にもぐってしまいまして、私どもが言っておりますいわゆるもぐりぜきという形になって、余り大きな影響は出てこないだろうという考え方を持っております。しかし、普通の常時におきましては、やはりそれだけせき上げがされておるわけでございまして、排水その他に影響が出てくるという考え方を持っております。  片一方、改修の方は、先ほど申しましたように、改修を促進していくということでございますが、やはり川幅、いわゆる低水路拡張、そういうような考え方でもって改修を促進するわけでございますが、そういう両方の中で現在の頭首工がどういうふうな影響を与えるかということを十分検討いたしまして、抽象的には先ほど申し上げましたようなことでございますが、なお具体的に検討いたしまして、両方の計画にマッチするような計画を立てて、必要があればいろいろ改良あるいは改修事業をやってまいりたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、農林省の渡邊審議官にお尋ねいたします。  問題は、今次の災害によって農作物の被害が全国的に甚大でありますが、特に被害を受けた農作物に対する農業災害補償法に基づく共済金の支払いの問題であります。  まず第一点は、現在、共済制度の取り扱いの作業についてはどこまで進展しておるかという点と、それから第二点は、特に北海道においては激甚な水害によって水稲の被害が非常に多いわけであります。前例を申しますと、昭和四十六年には大冷害がありまして、その際、農林省としては、水稲、陸稲の損害評価に関する特例措置を、これは経済局長名で通達をして、効果的な災害対策を実施して、共済金の支払いを行ったという前例があるわけでございます。ことしも水害によって産米の中に相当被害粒が出ておるわけでありますからして、それは被害米として除去して、正しい共済事故による被害認定をしなければならぬというふうに考えておるわけでありますが、そうした特例措置というものが具体的に講じられたかどうかという点。  第三点は、これは制度上の根本的な問題ですが、北海道の場合には、御承知のとおり、最近は農家単位方式による引き受けが普及しておるわけです。内地県の場合には、ほとんど旧来の一筆方式によっておるわけですが、今次の水害によって農単方式と一筆方式の長短が明らかになったわけですね。水害の場合には一筆方式の方が農家には有利である、冷害の場合には農単方式が有利であるということが明らかになったわけですが、ただすでにもう引き受けをしておるわけですから、北海道における農単方式の中では、水害による共済事故によって共済金を受けることがなかなかできないという事例が非常に多く生じておるわけです。この際何らかの特例措置を講じて——たとえば五ヘクタールの耕作面積を、農単で共済に引き受け契約をしておる。そういう場合に、全面積が平均的に二割足切りですから、二割を超える被害がなければ共済金の対象にならぬということになるわけですね。一筆方式であれば、水田一枚一枚の実損を認定して、それによって共済金の支払いをやる。ここに問題があるわけです。制度上から言って、たてまえ論から言えばいますぐどうするということはできないが、この実態に対処して、農林省としては何らかの行政上あるいは北海道連合会に対する指導的な措置を加えて対応する方針が決まったかどうか、その点と、最後にもう一点は、これを契機にして、来年度は農災制度全体の抜本改正を行うことを農林省においても内部的に進めておるわけでありますから、今次の災害にかんがみて、特に農作物共済のあり方等については基本的にどういう改正を意図しておるか。  以上、いま述べたような諸点について、的確な答弁を願いたいと思います。

渡邊文雄農林大臣官房審議官

○渡邉説明員 お答え申し上げます。  今次の災害によります北海道の農作物の被害認定の進捗状況でございますが、災害の激甚であることにかんがみまして、私ども損害査定につきましてなるべく早くするように指導をしておりまして、現在鋭意努力中でございますが、十一月の末までには関係の書類を提出するように指導をしているわけでございます。  それから、第二点の今回の災害の特性にかんがみまして、損害査定の特例措置を講ずるかという点につきましては、四十六年のときにも先生からいろいろと御指導ございましたわけでございますが、今回もそのときと同じように十分慎重に損害評価の特例措置を行うようにもうすでに通達もしておりますし、近く現地からも標本を取り寄せるというような形で、慎重に取り扱っていきたいというふうに考えております。  それから、第三点の農単方式で契約したために、たとえば一筆が水害で全損したような場合に、支払いの対象にならない場合が生ずるという点につきましては、先生御承知のように、現在の法律上はたとえ一筆全損をいたしましても、その結果、当該農家の総基準収穫量の二割に達しないような場合には、残念ながらてん補の対象とすることはできないわけでございますが、今回の災害の特性にかんがみまして、何かできないだろうかというようなことで、道庁等からも御相談もございましたし、結果的には北海道の連合会がたまたま特別積立金をある程度持っておりましたので、被害地の水没後の病虫害の防除に約八千万円の特別積立金を取り崩し、これを使用して支出するように指導をいたし、そのように決定したというふうに聞いております。  それから最後に、来年度の農災法の改正につきましての御質問でございますが、御承知のように現在省内に農業災害補償制度問題検討会というものを設けまして、十月の中旬に七回にわたります検討を一応終わりまして、検討結果の御報告もいただいたわけでございますが、明年度、関係方面とも御相談した上で、できますれば次の通常国会に法案を提出したいという方向で鋭意努力中でございます。  検討の中身の主な点について申し上げますと、一つはやはり補償の充実というような点で、共済目的とか共済事故の拡大あるいは損害防止事業を拡充強化する点について何か知恵がないか、特に最後には、先ほど先生お触れになりました農家単位引き受け方式をさらに進めるのがいいだろうということで、その際に特例としまして、農家単位引き受けの方式の場合でありましても、一筆全損のような場合に、これを分離して補償するような仕組みが何か考えられないかというようなことも含めまして、現在鋭意検討中でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これで終わります。

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 次に、安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 北海道の災害の問題について、続いてお尋ねをしてまいりたいと思います。  まず、激甚災の指定等に関する問題でありますが、昨日も兒玉委員からお尋ねがあったそうです。北海道の台風五、六号被害は、激甚災として政令で指定済みでありますが、九月上旬に引き続いて起きた災害の扱いは単独災害とするのだという点についてでありますが、五、六号の継続災害としての性格を持っていることは間違いないわけで、したがって一括激甚災扱いとすべきではなかったかと私は思うのでありますが、この点はどうか。  それからまた、時間の関係で続いてお尋ねしていきますが、局地激甚災の指定あるいは特定地方公共団体の指定については、いつごろまでに、どのような形で行われるお見込みか、この点もあわせて伺っておきたいと思います。国土庁から建設、農林の各省にまたがると思うのですが、それぞれお答えをいただきたいと思います。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 お答えいたします。  九月上旬の北海道に集中豪雨がありました件を、五号、六号と一つとして激甚指定をすべきではなかったか、こういう御意見でございますが、いろいろ、主として気象上の条件でございますが、二日ほどその間に晴天の日がある等の気象庁の御意見等によりまして、一応本激の指定ができないというふうな結果に立ち至ったわけであります。  そういう関係でございますので、その他の措置といたしまして局激の指定、これも第二の質問として言われておるわけでございますが、これは二月ごろをめどにして局地激甚指定をさしていただきたいというので、査定額等の結果を待っておるというのがただいま現在の実情でございます。  特定地方公共団体の指定につきましては、それぞれ各省で御指定していただくと思いますが、大体三月ごろになるんじゃないかというふうなめどとお聞きいたしております。

井沢健二建設省河川局防災課長

○井沢説明員 お答えいたします。  特定公共団体の指定の時期あるいは方法の場合に、災害の負担率を決めるわけでございますが、その決める分につきまして私の方でやっておりますので、大体の概要をお話いたしたいと思います。  まず、災害が発生いたしますと、それぞれの管理者から県を経由いたしまして、各県ごとに県の被害あるいは町村の被害ということで報告をいただきます。それの額によりまして、非常に大きくなればいわゆる激甚災害の指定をいたすわけでございます。その場合には、これはですから見込みで、この台風は激甚災害であるというふうに指定をいたすわけでございます。そういうふうに指定をいたすわけでございますが、その後災害の査定をいたしまして、総事業費を確定いたすわけでございますが、その査定につきましては現在続行中でございまして、私どもの方につきましてはおおむね年内に完成いたす予定になっております。  それで、今度は、そういうふうにいたしますと、私どもの方の分は二章グループと申しまして、建設省の場合には河川、道路、砂防、海岸、それから公営住宅、堆積土砂、湛水排除、それから農林関係では農地施設とかあるいは海岸、漁港、文部省は学校関係、厚生省、運輸省といったような各省のものもいただきまして、私の方で今度は標準税収というのを自治省からいただきまして、それとにらみ合わせまして比率でもって負担率を計算いたすわけでございます。そういたしまして、その指定の方法は主務大臣の告示で各省がやることになるわけでございまして、その時期につきましては、いま国土庁からお話のありましたように、三月の上旬ごろになるわけでございます。そういうふうにいたしまして、負担率が決まる段階でいわゆる先ほどの局激の指定も行うようなことになるわけでございます。  以上でございます。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 御説明いたします。  農地、農業用施設の局地激甚の指定についてでございますが、先生御案内のように、この局地激甚の指定は、その市町村の農地等の査定事業費が農業所得推定額の一〇%を超えまして、かつ査定事業費が一千万円以上である市町村を指定いたすことになっております。ただし、災害査定事業費の合計額が五千万円以上ある、こういう災害の場合に限られております。  北海道におきます九月上旬豪雨による農地等の被害激甚な市町村につきましては、現在災害査定を実施中でございます。この査定終了を待ちまして、さらに農業所得推定額等の算定を終えまして、例年の例でございますと大体一月の末ごろには局地激甚の告示をいたすことになろうかと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 九月上旬の災害が政令指定にならなかったということの理由づけは、何だか二日間お天気があったからということだけで、きのうもずいぶん兒玉委員との間のやりとりがあったそうですから私はさらに申しませんけれども、それぐらいはまけておけと、こう言いたいところであります。しかし、一応政令指定という段階まで来てしまった以上、これから後の局地災なり、特定地方団体の指定等の段階で、そういったような問題をも考慮して災害地の厳しい状況にこたえるべきではないかと思うのですが、これは代表してひとつ国土庁からお答えください。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 御指摘の点につきましては、これからの作業としては、先ほど申し上げましたように局地激甚の指定が残っておりますし、それからそういう北海道の実情その他についていろいろのお話をお聞きしておりましたので、政令指定の閣議におきましても、国土庁の長官から、特に北海道の被害市町村に対しましての措置といたしましては、各省財政、金融上の措置をできる限り講じていただきたいという発言もしていただいて、政府の取り組み方をそこでいろいろに発言していただいたというふうな経過をたどってきておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いずれにしても、厳しい事態の中で冬を迎える北海道の実情に合うような措置をひとつ強く要望しておきます。  それからなお、査定は、そういうふうな実情から北海道は特に早くどんどん進めておられるということを現地からも聞いておりますが、残った部分も取り急ぎ査定を終え、復旧工事に着手できるようにしていただきたいということもつけ加えて要望しておきます。  それからもう一つ、先ほどの芳賀委員の質問で、近文、共栄地区の国営直轄灌排事業についてお触れになった点ですが、もうすでに現在の施設は今度の災害でめちゃくちゃに壊れるぐらい老朽化していたわけです。ですから、もっと早目に本工事に着手しておれば、災害復旧の仕事もよけいな仕事をやらないで済んで、本工事で災害なしに台風をパスすることができたかもしれない。いままでもたもたしてきたというところに一つ問題があると思うのでありますが、それはいまから言ってもしようがありませんから触れないにしても、災害復旧工事をこれから大急ぎでやるわけですね。何しろ六千三百三十一ヘクタールの大きな面積ですから、来年の作付に間に合わないようなことがあっては大変ですから、それをやるわけですが、しかしこれは本工事をやるんですから、暫定的なものに違いないと思う。そして、同時に本工事の方もようやく着工と、こうなるわけですね。本工事ができないうちにその暫定的な復旧工事が来年あたりの水害でまた流れてしまったり、そういうようなことになっては大変ですから、災害復旧工事の施設が十分にもつうちに本工事が完成してもらわなければいけない。その引き継ぎというのは、私は非常に大切だと思います。そのことを、災害復旧工事の施設がもつ間に必ず現在の本工事を完成するんだということを——予算的な措置です。そのことをひとつ農林省並びに北海道開発庁から明確に言明しておいていただきたいと思います。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 御説明いたします。  御指摘の共栄、近文頭首工につきましては、六号台風によりまして下流の護岸が流失、沈下いたしました。さらに、水たたき及び護岸の一部が決壊する被害を受けたわけでございますが、御指摘のように下流約百五十メートルの地点におきまして国営で新しい頭首工の新設を計画いたし、本年度着工をいたしておるわけでございます。この緊急性にかんがみまして新しい頭首工につきましては、昭和五十一年度予算要求に当たりましても国庫債務負担行為を要求いたしまして、早期に完成を図ることといたしております。それからまた、それまでの間、旧頭首工から取水をしなければならないわけでございますので、新しい頭首工が完成するまで十分に耐えるような災害復旧事業をいたしまして、来年の作付以降に支障を来さないようにいたしたいと考えております。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 新しく下流でつくっております頭首工につきましては、できるだけ早く完成するということで、来年度の予算要求においても、先生御存じのように、十六億五千万という金を現在要望しておるわけでございまして、片一方現在の頭首工の災害復旧が十分来年度に間に合うと同時に、またそれが再度災害を受けない間に新しいものをつくっていくという考え方で予算を要望しておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 災害復旧工事をきちんとやってもらうということが一つと、それから後の本当の意味の土地改良事業を、予算がうまく獲得できないからなどというようなことでずるずる長引かせるようじゃ困るわけですよ。災害復旧事業をまた長くもつような仕事にして、本式工事をおくらせるというようなことでも困るわけですよ。その点を私は念を押すために申し上げたのですが、それでよろしゅうございますね。——うなずいていただきましたから、速記録には載りませんけれども、そういうことで了承します。  次に、上富良野自衛隊演習場周辺の災害対策の問題で伺いたいと思います。  台風六号による集中豪雨で、この上富良野自衛隊演習場の下流で、上富良野町、中富良野町、富良野市にわたりベベルイ川がはんらんしたわけです。下流の農地や住宅を流し、護岸、橋梁、道路等を破壊、特に東中、倍本地区ではベベルイ川の増水をまともに受けて一戸が孤立、自衛隊の救命艇で救出をした、被害総額は上富良野町だけでも三億八百七十万円と町の調べで出ています。自衛隊が救助活動で全国的な活躍をしたのは、これは私も御苦労さまと申し上げたいが、しかしこれは自衛隊の演習場が加害者という形で災害の中に立ちあらわれてきたというケースでもあるわけです。短い時間ですから、かつての買収の経過等も私も調べてまいりましたのでそれにも触れたいのですが、たとえば上富良野町史がある。この買収について、買収時は昭和二十九年、三十年から演習場として使用されているわけであります。その買収時まではその四千ヘクタールは森林であった、国有林と民有林。当時、買収に当たっていろいろないきさつがありますが、町長からは「本地が警察予備隊演習地として指定される場合は、防風林地を国費をもって設置せられるとともに、水源涵養林を保存、存置していただきたい」とか、あるいは「降雨時には、河川はんらんはもとより、地質が一帯に石英粗面岩質であることから、十勝岳山ろく地帯は地隙と表土流亡の危険にさらされ」——ここはもうエロージョンの本場なんです。ものすごく土が流れるわけですね。そういう地帯でありますだけに、対策を講じてほしいとか、そういうふうなさまざまな要望がある。それから、町議会の方は七項目の決議をして要求をしてきている。それに対して、今日までの段階でいろいろ対策は講じられてはきていると思うのですけれども、実際は水源涵養林はほんの一部だけ残ったにすぎない。防風林の方もわずかな対策しか講じられていない。エロージョン防止などは全く手がついていない。こういうふうな状況であったようであります。実弾射撃、戦車などの横行、それでめちゃくちゃに踏み倒していって、小さな沢もとめてしまう。表土は流れほうだいの荒廃し切った状況の中にある。そこへ、扇状の地形であるわけですが、八月二十二日から二十四日までの降雨量は二百四十ミリに近いということで、いま申し上げましたような被害が下流に生じた。こういうわけであります。  私は、ここで生じた被害は全部が全部自衛隊側に原因があるとは言いません。あんなにたくさん雨が降らなければこれだけの災害が起きなかったということは間違いないからです。しかし、あれくらいな雨が降ったって、それが昔ながらの大森林であればこれほどの災害にならなかったということは私は間違いないと思う。原因の大きな部分は演習場にあるのではないかと思いますが、その責任の所在をまず明確にしていただきたい。防衛庁から。

菅原竹雄防衛施設庁総務部施設調査官

○菅原説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘の今回の台風による被害でございますけれども、演習場内外の降雨を集水した河川が激流となりまして下流地域にはんらんいたしまして、そのことが原因であるけれども、その第一の要因といたしましては記録的な豪雨によるものであると考えております。あわせて、演習場の存在も災害を起こした一因と考えられております。  当庁といたしましては、演習場の設置運用によって周辺地域に被害を及ぼすことのないよう、また被害の軽減が図られるよう、従前から障害防止工事等あるいは損失の補償等を実施してきたところでございます。今回の台風による被害につきましても、その実態が得られ次第、関係機関と協議いたしまして、適切な措置を講じたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 地元から補償の要求等も出ていて、防衛施設庁は北海道開発局やあるいは北海道当局等と数度にわたって現地調査をもうすでにしているはずです。したがって、私は、もういまの段階ではその責任の程度等について話し合いがまとまっているものだと思って、きょうお尋ねをしているわけでありますが、いまの御答弁では、何かこれから検討するようなことなんですね。現に復旧工事の査定はどんどん進んでいるようです。その復旧工事についてどの程度防衛施設庁は責任を感じた措置をとるのか。建設省や農林省はそれぞれの法令の規定で措置するだろうと思うのですが、それに対して防衛施設庁はどうなのか。  それからまた、補償の問題もありますけれども、まずその復旧工事の問題についてどの程度責任をおとりになるのか。私は、農林省や建設省の災害復旧事業が所定の補助率で行われても、せめて地元の負担分くらいは防衛施設庁として負担してあげるとか、農林省や建設省の災害の査定に入らない小さなものもあるわけですね、そういうようなものは責任を持って防衛施設の周辺整備の一部として取り上げていくとか、それくらいの構えがあってもいいと思うのですが、どうでしょう。

菅原竹雄防衛施設庁総務部施設調査官

○菅原説明員 お答えいたします。  御指摘の問題につきましては、当庁といたしましても、八月二十三日及び二十四日の台風でございますけれども、札幌防衛施設局は九月二十五日から十月八日までに現地の調査を実施いたしております。  この結果につきましては、御承知のとおり、住宅が二棟とそれから公共施設の三十四カ所でございます。また、農業用施設の二十六件等の被害実態を把握いたしておりますけれども、その被害金額等につきましては現在は積算中でございます。できるだけ早く処置いたしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 調査をするのはいいですよ。しかし、問題はどの程度あなた方責任を感じているのかということですよ。あんな大雨が降らなければ災害がなかったということは間違いない。間違いないが、裸の四千ヘクタールの扇形の傾斜地の演習場があるという事実、それを防衛施設庁は管理しているはずなんですからね。その立場からもっと私は責任のある発言があってもいいと思うのですが、どうでしょう。

菅原竹雄防衛施設庁総務部施設調査官

○菅原説明員 先ほど申しましたように、今回の台風による被害は記録的な豪雨によるものでございまして、あわせて演習場内の河川の荒廃もその一因と考えております。御承知のとおり、上富良野演習場は傾斜扇状の演習場として展開しておりますので、その場内にございます河川の荒廃に起因する被害もございますので、従来より地元の要望を踏まえましてその対策事業の実施を図ってまいったのでございますけれども、今後とも早急にわが方の責任を痛感いたしまして、適切な措置を講じてまいりたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 まだ結論が出たわけではないのだから仕方ないかと思いますが、いずれにしても、わが方の責任を痛感した形で処理するという言明だけは、きょうのところはあったわけです。  私は、いま災害復旧工事の問題について取り上げているわけですが、これはまた後でも触れることにして、補償の問題も同時にやはりいまの言明の内訳の問題として取り上げておかなければならないと思います。特に農地や住宅や農作物等の被害、部落の集会場も被害を受けている。そういうふうな問題もあるわけで、これらに対して環境整備法があるわけですから、当然私はあの法律を動かすだけで相当の補償や見舞い等の措置が講ぜられるのではないかと思います。特に農作物の問題なんですが、さっきもお話が出ましたが、農業災害補償法があって、水田については農業共済金が出ます。出ますが、二〇%の足切りになっているわけですね。したがって、このベベルイ川の災害できわめてシビアな被害を受けても、遠くにある自分の本地の方に被害がなければそれを総平均していまの二〇%足切りが適用されていくものですから、共済金がもらえないというような人も出てくる可能性があります。上富良野町のベベルイ川のところへ通作で水田をつくっているが、自分の本地はずっと中富良野町の向こうにあって耕作をしているというような人もあるわけですよ。ですから、私は農業共済金の支給の問題についても、ベベルイ川の災害によって生じた被害についてはこれは補償の対象にするとか、そういうきめの細かな措置がなければならぬと思うのでありますが、どうですか。

市川博昭農林省農林経済局保険管理課長

○市川説明員 お答え申し上げます。  先生から農業災害補償制度につきましての御質問でございますので、私どものやっております制度の仕組みから御説明したいと思いますが、北海道におきましては御承知のように農家単位引き受け方式をやっておりますので、先生がおっしゃったような事例の場合でございますと、農家がやはりたんぼを何枚か持っております、北海道の場合で申しますと、平均いたしますと二十四枚のたんぼを持っておるということでございますので、先生がおっしゃるような事例が水害の場合に出てくる場合がございます。確かにたんぼ一枚は全滅してしまった、しかしほかのたんぼは被害がなかったということで、農家の経営全体で見ますと被害は二割未満である、したがって共済金が支払われない。これは御承知のように保険でございますので、そうした仕組みに基づきまして農家から掛金もいただいて、そして農家のたんぼを全部合わせまして基準収穫量が出てくるわけでございますが、それに対して被害量が二割未満の場合には払わない、しかし二割以上になった場合には払うという仕組みでございますので、今回の場合にその特例をこの制度の中でとることはきわめて困難でございます。  ただやはり、こうした実例が出てまいっておりまして、現にまた一筆方式と申しますのもとれる、選択できるという仕組みでございますので、むしろ北海道の場合におきましては農家の経営安定という観点からやはり農家単位の方が望ましいわけでございます。補償としてもやはり合理的でございますので、今後ともそうした農家単位を維持増大するという観点から申しますと、先生先ほどおっしゃったような、たんぼ一枚やられた、一筆であれば共済金がもらえるという場合の特例ということは、やはり制度改正の一環としてわれわれ今後検討してまいりたい、こう思っております。

菅原竹雄防衛施設庁総務部施設調査官

○菅原説明員 中富良野町民で上富良野町に通作している者があるというお話でございますが、当庁といたしましては被害者の住所のいかんを問いません。いかんにかかわらず、自衛隊の行為と受けた被害との因果関係におきまして、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づきまして適切な補償措置をとりたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 じゃ、いま私が申し上げたのは農業共済制度、いまあの辺は農家単位なんですよ。そういうことで外れる分についても、いまのような措置で進める、こういうことでよろしいのですね。

菅原竹雄防衛施設庁総務部施設調査官

○菅原説明員 結構だと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 原因の正確な究明とそれから調査がまだ完了していないという段階においても、防衛庁側の責任を十分感じた対策を講じていく、それは災害復旧事業についても、また補償事業についても同様だというふうに御答弁を私は受けとめるわけでありますが、これからの最終決定までの段階で、繰り返しますけれども、災害復旧事業の農林省あるいは建設省の補助残の地元負担については自衛隊側で負担をし、補助の対象にならないものについても自衛隊側でこれは全部負担をしていく、少なくも補償は十分にやるというふうなことでいくべきだということを、きょうはさっきのことで、明確な言明ができないということでありましたけれども、私はその包括的な責任論からいってそういうところまでいくべきだ、こう思うのですが、もう一度伺います。

菅原竹雄防衛施設庁総務部施設調査官

○菅原説明員 おっしゃるとおり善処いたしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 なお、ベベルイ川の改修事業の問題があります。この点は北海道費の負担の部分と、それから上流演習地の部分は町費負担のようでありますが、前向きの、つまり改良復旧的な方法で計画的に進めていくべきだと思うのですが、この点をひとつ建設省側からお答えおきをいただきたいと思います。これは後で結構です。  それから、時間がなくなってきましたから演習場内の整備の問題をこの際申し上げておきたいと思うわけです。  一番最初、この演習場が設けられる段階でいろいろな要求が森林の問題やあるいは河川の問題等についてあったということを申し上げていたわけでありますが、現状は全くでたらめな状況で、戦車を走らせたり戦争の演習をやるのなら、きちっと護岸なんかしてしまえばやりにくくてしょうがないというふうなこともあるのかもしれませんが、しかしそのままで、自然河川のままで放置されていたんじゃ下流はたまったものじゃありません。特に今回は水の問題でありますだけに、防災対策をきちっと今後進めておいていただくということが必要ではなかろうかと思います。地元の人はそうは言いませんけれども、もう私はむしろああいうところは演習場をやめてもらうということの方が正しいと思うのですが、きょうはその本質論はやるゆとりはありませんけれども、特に今度現地を見て気がつきますのは、演習場に入るまでは北海道費で担当している河川で、演習場から先は三本も四本も川が入っているのですが、全部演習場から中の方は上富良野町の河川であります。そういう仕組みであることが河川管理を十分に貫かれない形になってしまったのではないか、私はそうも思います。したがって、河川管理の責任をもう少し、上流も下流もなしに一体的に北海道がやるとか、もう少し管理を改善していく方法はないのかということ、このこともこの際お答えおきをいただきたいと思います。  そして、私はこの際に政府側にお願いしておきたいのは、この演習場がこんなような状況ではさらに今後においても新たな災害を起こすおそれなしとしないわけです。したがって、この際、防衛施設庁、関係各省、北海道及び上富良野町、それを一体的な立場において二度と災害が起きないような総合的な演習場内の整備計画をお示し願いたい。総合的でかつ一貫性のある具体的な計画をひとつお示し願いたい。きょうはやりとりする時間がないわけですから、これは後で結構ですが、ひとつそれをお示し願いたい。きょうのところは、先ほど申し上げましたベベルイ川の改修計画の問題と河川の管理の問題についてだけひとつこの場でお答えおきをいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  まず、河川の管理の問題でございますが、河川法に一級河川は国、それから二級河川は県知事さんというふうに規定されておりまして、もう一つ準用河川制度というものがございます。これにつきましては市町村が管理をしていくというふうになっておるわけでございます。ただいま先生おっしゃいました普通河川でございますが、これは河川法を適用あるいは準用されないということで、現在におきましては地方自治法に基づく管理条例を制定しまして、都道府県または市町村が管理する、あるいはその敷地が国有財産である場合には国有財産法による管理が行われておるわけでございます。  それで、このベベルイ川につきましては、北海道が制定しました北海道河川及び堤防敷地条例というのに基づいて管理が行われておるわけでございますが、一定の行為の許可につきましては上富良野町長に委任されておるということでございます。  それで、こういう普通河川を今後どういうふうに管理するのが望ましいかということでございますが、普通河川につきましては、普通河川の重要性によりまして今後いわゆる準用河川に指定していく、こういうのは市町村長さんの指定によって準用河川に指定していくということで、こういうふうにやっていけば河川管理の適正とかいうことが期待されるのではないかというふうに考えられます。  それから、もう一点の改修あるいは災害の問題でございますけれども、いわゆる河川改修には基本的には改修を促進して洪水の被害を防ぐ、もう一つは、災害を受けた場合にその災害復旧を早急にやるという二つがございます。  それで、このベベルイ川につきましては、下流部につきましては、昭和二十八年から富良野川中小河川改修事業ということで基本的な改修を進めております。そうしまして、現在は暫定的な河状整正ということを行っておるわけであります。そうしまして、上流部につきましては、演習場と関連しまして障害防止対策事業で昭和四十六年から工事を行っておる次第でございます。それで、今回の非常に規模の大きい豪雨によりまして未改修区間が多い上流部、それに災害を受けたわけでございます。したがいまして、本年は被災個所のうち特に緊急を要する個所につきまして災害復旧事業、それにあわせまして障害防止対策事業というものによりまして上流部の未改修区間の暫定改修というものを進めてまいりたい、あわせまして、その受け入れであります下流部につきましては従来どおり中小河川で改修促進をしてまいりたいというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もう少し明確にしていただきたいわけですが、時間が足りないのでこれで終わりますが、将来の整備計画のあり方について、きょう宿題でありますから、委員長のもとにできるだけ早目に入手していただけるように、委員長においてもお取り計らいをいただきたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 わかりました。  次に、横路孝弘君。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 台風がやってきて災害が起きると、いつも天災か人災かというあの議論が必ず起きるわけですけれども、問題点を二つほどにしぼってお尋ねをしたいというふうに思います。  一つは、今回の石狩川本流のはんらんの問題ですけれども、最初にちょっと数字だけお尋ねしますが、この石狩川本流で完成築堤というのが大体何%ぐらいなのか、それから計画高水位から計画築堤高未満、つまり計画高水位まで一応達しているというのはどのくらいなのか、高水位以下のものはどのくらいなのか、完全な無堤のものはどのくらいなのか、これは建設省の方に最初にお答えいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  石狩川につきまして完成堤防延長は全体の三四・四%を占めております。それから、暫定の堤防の延長の占める割合でございますが、これは三三・六%でございます。そして、ハイウォーター未満、これは無堤も含めてでございますが、その延長は約三二%ということでございます。延長でいきますと、全体では一千百六十七キロ、そのうちいま申し上げた率によって分かれております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 現在、第四次の河川についての整備計画というものが進められておると聞いておるのですが、これは五十一年で終わって、新規計画が五十二年からということですが、これは最終目標は大体どの辺で全体を整備する計画なのか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  五十二年以降の長期計画につきまして現在建設省で考えておることを御説明いたしたいと思います。五十一年以降昭和六十年まで、いわゆる六十年を目標としまして大河川、石狩川も当然入りますけれども、大河川につきましては戦後最大洪水に対して二度と同じような災害を起こさない、戦後最大洪水に対処し得るように整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、一応最終目標を六十年に置くということですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  最終年度六十年というのでございませんで、いわゆる計画高水流量に対する改修の総事業費というのは非常に膨大な額でございます。したがいまして、第一期の暫定的な目標といいますか、いわゆる六十年の目標としましては、とりあえず戦後最大洪水を安全に流すという整備水準を目標にしております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、一応計画高水位くらいまでは達成するということを当面の目標にするということですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 たとえば石狩川でいきますと、現在が一秒間に九千立方何がしの計画高水流量でございます。しかし、これを対象にして工事をやりますと非常に長年月かかるし、目標としても余りにも大き過ぎる。したがいまして、五十年災害とかあるいは三十七年でございますか、石狩川で大きな災害がございましたけれども、その洪水を目標にたとえば五十年のような洪水が来ても安心なように昭和六十年までには整備水準を上げたいということでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そこで、今回石狩川のはんらんした個所というのが大きいところで五カ所あるわけですが、これについて一つずつお尋ねしたいのです。  まず、江別の豊幌の築堤ですけれども、これは三十六年、七年水害の後に一応築堤ができまして、そのときの完成の高さは十メートル四十ということになっているわけです。そのときの計画高水位はEHWL十メートル四十ということになっているわけですね。今回最高水位がどのくらいかといいますと九メートル五十七なわけです。つまり三十八年に堤防をつくったときには十メートル四十の高さがあって、そして今回の水位は九メートル五十七だ。これは常識的には水は絶対超えるはずがないところが超えて大被害が出ておりますけれども、調べてみるとこの堤防の高さは九メートル五しかないわけですね。三十八年に十メートル四十あったものがいま九メートル五というと、一メートル三十五低くなっておるわけですね。ここはゴルフ場の中にこの築堤があるわけですけれども、一体これはどういうことなのか、まずその間の経過について建設省の方からお答えいただきたいと思います。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 いま御指摘の豊幌築堤につきましては、先生がおっしゃいました数字は、私どもの調査でもそういう結果になっておるわけでございますが、この石狩川の今回はんらんいたしましたいわゆる夕張川から下流の地区につきましては泥炭地が非常に多いということでございまして、端的に申し上げますと綿に水を含ませてその上に物を乗せると水がしみ出て綿がだんだん沈んでいくというような状況でございまして、いわゆる圧密によります地盤沈下地帯でございます。したがいまして、いわゆる暫定堤防といたしまして計画高水位の高さまで築堤をしたわけでございますが、その後そういう圧密沈下によりまして九メートル五まで沈下をしてきておるという実情でございます。これは私ども施工の問題といたしまして、一気に上げてまいりますとやはり圧密沈下が非常に大きいということで徐々に盛って、沈下を待ってまたその上に盛り上げていくというような形の施工法を過去においてはとってきたわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 ほかもちょっと確かめたいのですが、たとえば北村ですね。この北村については昭和四十二年に築堤を行っていますが、そのときの高さが十六メートル五ですね。今回の最高水位というのは十五メートル三十六なわけです。ですから、そのときの築堤の高さがあれば十分間に合ったわけですけれども、やはりここも水が超えてしまった。高さは十四メートル八十八しかない。そうすると、わずか八年間に一メートル十七も下がってしまったということになるわけですが、北村の築堤についてもこれは間違いありませんね。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 先生がおっしゃるとおりの数字になっておりまして、先ほど申し上げましたように、このあたり一帯、いわゆる豊平川から美唄川までの間につきましては全般的に沈下をしておるところが多いわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それから、大曲の右岸と左岸ですね。たとえば左岸で言うと、三十七年に施工して高さが十七メートル六十六、今回の水位は十七メートル二十で、現在の築堤の高さは幾らかというと十七メートル十七ですから、これも三十七年の築堤の高さがあれば十分水は超えなかったということが言えるわけです。大曲の右岸についても全く同じだと思うのですが、右岸の方は、やはり三十七年当時でしょうか、当時はどのくらいの築堤の高さがあったのでしょうか。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 いまの大曲の右岸の問題でございますが、これは堤防をつくるといういわゆる築堤方式じゃなしに、月形の捷水路をつくりましたときの土砂をここに盛り上げた、それが現在堤防のような形になっておるわけでございます。そういうようなことでございまして、当時どれだけの高さになっていたかということは現在私どももわからないわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 要するに、今回石狩川ではんらんした区域の堤防というのは、当時の高さがあれば大丈夫だというわけですね。  それからもう一つ右岸の方、これは月形になるんですね。当時堤防の高さは何メートルかわからぬというのも、これまたどういう事情なんですか。一応皆さん方の方で計画を立てられて、その計画に沿っておやりになったわけでしょう。おやりになって、当時高さがどのくらいだったか全くわからぬということになれば、これは工事をやって、後きちんと皆さんの方で検査もなさるのでしょうし、そういう資料も全くないということになれば、これは官庁としては全く管理体制不十分ということじゃないでしょうか。違いますか。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 先ほどの大曲の右岸の月形地区の問題だろうと思うわけでございます。これにつきましては、改修計画そのものはいわゆる暫定高さまで持っていくという計画はあったわけでございますが、まだその段階にまでいっていない、計画上の改修としては非常におくれていた地域でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 この右岸だって一応計画高水位は皆さんの方で設定された十六メートル四十九でしょう。今回の最高水位は十五メートル八十六ですが、現在の堤防の高さは十五メートル二十二しかないということですね。したがって、これはほかとの状況から見ますと、たとえば左岸の方だってちゃんと計画高水位の高さのものはその当時つくっているわけですよ。これは皆さんの方で点検はどうなんでしょうか。築堤をしてから後の点検はやっておられるわけでしょう。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 完成したといいますか、暫定の高さでございますが、でき上がりましてから大体二年ないし三年に一度ずつ測量をしてつかんでおるわけでございます。  先ほどの月形地区につきましては、例の月形のショートカットの問題がございまして、上流の方から逐次築堤を進めていた段階でございまして、先ほどの大曲の右岸地区がよくつかめていないというのは、まだその地点まで築堤が達していなかったということでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 二年か三年ごとに測量をやっているというなら、じゃ堤防が沈下しているなら沈下しているという現状を皆さん方は知っておったわけですね。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 沈下していたことはつかんでいたわけでございまして、それに対応してかさ上げを始めていた段階でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 しかし、二年か三年ごとにちゃんと点検をしておくということになれば、たとえば豊幌の築堤のように、一メートル三十五も下がっておって、しかも計画高水位よりもはるかに下回っておる、計画高水位十メートル四十に対して九メートル五ですから、一メートル三十五も下がっておるのを十分知っておって、そしてそれに対する対応、それは少しずつはやっていたのでしょうけれども、結局今度のような災害になってしまったわけでしょう。これは完全に河川管理の責任がある皆さん方の方のミスじゃありませんか、月形、北村、江別を含めたこの大水害、いままで本当に苦労していろいろ構造改善をやったりしながらやってきて、春からつくってきて、ともかく今回のこのはんらんで全部だめになってしまったわけですから。皆さん方の方では三年ごとにちゃんと測量をやっておった。測量をやるのは結局どういう状況かという認識をして、それに対する対策を立てるために測量をしておるわけでしょう。そうじゃないのですか。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 先ほど建設省の計画課長がお話を申し上げたわけでございますが、私どもの現在やっておりますいわゆる四次五カ年、この中において、いわゆる無堤地、まだ石狩川は堤防のないところがあるわけでございます。したがいまして、無堤地をいわゆる暫定堤防の高さまでもっていく、堤防をつくっていくというのがまず第一義的でございます。したがいまして、そういうようなところに重点を持っていっていた。したがって、低いということはわかっておりますけれども、なおそれよりも低い地点が現実にあった。全体から申し上げますと、本州に比較いたしまして、北海道の河川改修の歴史が浅いという点もあろうと思いますけれども、全体の川の改修の進捗状況が余りよくないということになるだろうという感じがいたします。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 三十六年、三十七年に水害があったわけでしょう。それで皆さん方築堤をされたわけですね。そのときの築堤の高さについては、そのときのいろいろな水位そのほかを計算されてつくられたわけでしょう。こんなに、一メートル三十五も下がっておれば、またある程度の雨が降れば災害になるということは、皆さん方十分認識しておったわけでしょう。違いますか。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 計画高水流量が出れば、そういう可能性もあるいはあるわけでございまして、そこを上げるということは、当然私どもとしても考えていかなければならないわけでございますが、それ以上にまだ無堤地が、堤防のないところが多かったというのが現実でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 無堤地というのは、たとえば石狩川の河口のところですね。確かにそれは部分的にありますよ。しかし、今回問題になったところは本当に北海道の米どころで、空知平野のど真中でしょう。しかも、三十六年、三十七年に水害があって、それに対する対応として築堤をされた。そのときの高さがあればともかく今回の水害は起きなかったわけですからね。皆さん方、知っていたけれども、しかも水が出れば被害が起きるということも認識しておったけれども、これはしょうがない、こういう答弁ですな、いままでの答弁は。責任は全然ないわけですか。感じませんか。これはものすごい被害なんです。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 現在の石狩川の改修は、三十六年、三十七年の洪水を契機といたしまして、それまでほとんど無堤地であったわけでございますが、そういう洪水を対象として、鋭意いわゆる築堤工事、はんもんを防ぐための築堤工事を現在まで進めてきておるわけでございます。それが不幸にいたしまして完成半ばにおいて大きな雨が降ったということでございまして、河川管理者として責任がないかとおっしゃられれば、ないと言うわけにもいかないと思いますけれども、現実といたしましては、ここ十数年の間、石狩川に——日本全体を考えましても、石狩川に、利根川に次ぐだけの百二、三十億の金を毎年つぎ込んでやってきておるわけでございます。しかし、それにもかかわらずまだ日が浅いために、十数年しかたっていないために、まだそういう改修が暫定の高さまでにも達していない、いわゆる無堤地が残っておるというような状況でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 築堤というのは、もちろん十年に一回か二十年に一回来るかわからない、そういうときのためにあるわけですよね。これは毎年毎年ちょっとした集中豪雨であふれるようであったら、それは築堤という機能を果たさないわけです。ですから、それを農民の人たちも期待をして、この三十六年、七年の水害の後要望がたくさん出て、ともかく上げようということになった。私が指摘したいのは、つまりその高さがあったら、確保されていたら、つまり新しいことを言っているわけじゃなくて、その当時つくった築堤の高さがあれば、今度は空知平野一帯はまず水害から免れたのではないかということを指摘しているわけです。これは別に否定はされないでしょう。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 先生がおっしゃるように、その地区においてはあるいは破堤を免れたかもしれません。しかし、それよりも低い地域がたくさんあるわけでございますから、そういうような地域がもっと大きな災害を受けた可能性もあるだろうと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 皆さんの方では、建設省の方では、そういう何か将来の洪水予想地域なんというのはこれから作業をやるということなんですけれども、開発庁の方では従来からそういう点は掌握はされておったんですか。つまり、堤防の高さは皆さん方全部知っておるわけでしょう。知っておると、この程度の雨でこういうようなはんらん予想地域、一応危ないなというような地域というのは開発庁で一応考えられて築堤作業というのは行ってきたわけでしょう。違いますか。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 いま私どもがやっておりますいわゆる想定はんらん、どこが切れればどのあたりまで浸水をする、これは河川改修等に対する投資といわゆる経済効果との比較において私どもは想定はんらんということを行っておるわけでございます。したがいまして、これは堤防がある、ないは別問題といたしまして、ある個所が切れた場合にはどこまで浸水をするか、はんらんをするかということは、図上で、仮定の上で検討されておるわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 確かにその地盤が弱いということもわかるのですけれども、ただ皆さん方の方で調査をされて、しかも五年とか十年ごとじゃなくて二、三年置きに一回ちゃんと測量されていたのならば、その地盤沈下の変化までずっと資料が皆さんのところにあるはずですね。     〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕 それでやはり対策が間に合わなかったのは事実でしょう。つまり、それをもとに戻すという対策が間に合わなかったことは事実なわけですね。  そこで、この月形から江別の豊幌にかけて、これは一体どのようにこれからなさるおつもりですか。やはり少なくとも前の築堤の高さまで早く戻していかなければいけないと思うのですけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 現在、災害を受けた地域につきましては、これは災害復旧をすることはもちろんでございますけれども、再度災害を防ぐということで、先ほど先生御指摘のように、いわゆる沈下地帯でございます、したがいまして計画高水位よりも少し上に、沈下の余裕を見まして改修計画をやるべくいわゆる緊急整備をしたいという考え方を持っております。と同時に、施工法につきましても、過去におきましては、非常に時間がかかるいわゆる自然圧密、自然の沈下を待ってだんだん上げていくという工法をとっていたわけでございますけれども、これは今後、相当金はかかると思いますけれども、いわゆる地盤改良といいますか、できるだけ事前に人工的に改良して地盤沈下を少なくしていこう、これで全部が防げるとは申しませんけれども、地盤沈下の量を少なくしていこうという考え方をとっております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはいつごろから始まるのですか。今度の補正予算そのほかにもこの関係というのは相当出ていますか。  これはやはり滝川そのほかの都市部というのは大体完全築堤になっているわけですね。そうすると、この石狩川全体の築堤をずっと見てみますと、やはり一番弱いのは、この月形、北村から江別の豊幌にかけてが計画高水位までまだいっていない、あるいは一応つくったけれども沈下してしまったという地域ですね。したがって、やはりこれは最優先でやってもらわなければ困るわけですけれども、それはどういうことになっているのでしょうか、簡単にひとつ……。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 まず、現在補正予算の中で、計画高水位まで上げるということで、直轄分につきましては二十四億、それからいわゆる道で行っております補助河川、これにつきましては四億弱、そういうようなものを計上しております。  それから、先ほど申しましたように、計画高水位よりも若干上げていくということにつきましては、来年度の激甚災害緊急整備費の中でやってまいりたいということで、来年度の予算要求の中にも計上されておるわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 これはちょっと調べてみて、どうしてもこれじゃ、十分事前に官庁サイドで知っておって、ともかくそれの対応がおくれたという点ではやはり人災だと指摘せざるを得ないわけですけれども、時間の関係でもう一点御質問をしたいと思うのです。  もう一つは、これは皆さんの方に再三、経過については報告を求めておったわけですけれども、基線川の美登位地区の美登位の樋門の操作ミスの問題なんです。現地の話し合いの中では、一応開発庁の方にミスがあったということを認めた発言が出ているのですけれども、どうも正式の報告としてはまだ皆さん方の方で調査中ということではっきりしないということなんです。結局、あそこの樋門のところは操作が三つあるわけなんですけれども、その三つのうちの一番上流の部分のところだけが操作方法が違いまして、これは写真があるからちょっと見ていただくといいのですけれども、ほかの二つが左回しにすると下がって閉まる。ところが、一つだけ逆操作のやつがあってあけてしまったというのがあって、そこから本流の濁流が流れ込んで、あそこの川下、当別太、それから美登位という地域に相当大きな被害を与えたわけですけれども、これについて皆さんの方で調査された結果というのははっきりしたのかどうか。  まず、過失があったのか、なかったのかという点が一点と、補償についてどのようにお考えになっているのか、その二つだけお答えいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  今回の樋門の被害でございますけれども、大部分は台風六号によります豪雨によりまして内水位が上昇したことと、それにあわせまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、一部外水の逆流があったことによるというふうに考えております。したがいまして、現在それぞれによる被害状況とその因果関係につきまして詳細な調査を実施中でございます。それで、その被害の状況と、それからその因果関係の水理調査、そういうものにつきましてはコンサルタルトに現在委託しておりまして、本年末ごろにその結論か出る予定になっております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それは開発庁の方にいわゆる過失があったということを前提にして調査されているわけですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 現実に水門の操作を誤って、一部本川の水が入ったということは事実でございます。しかし、その被害そのものにおきまして、そのウエートといいますか、雨そのものが非常に大きかったということによる被害と逆流によるウエート、そういうものを十分検討しまして、それから結論を出したいということでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 ですから、その結論を出すというのは被害の金額について、つまり補償する金額等について結論を出すということなんでしょう。そこまでに幾つか前提があるわけですよね。その前提のところはよろしいのですかと言っているのです。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 事実、その被害の率といいますか、実際過って操作したものですから、やはり実際被害があれば、その率によりましてそれに対処しなければいけないというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それで、これはどうして皆さん方自身でやられないのですか。この北海道コンサルタントというのは、過日の北海道議会でも開発庁との癒着関係ということで非常に問題になったところでしょう。これは国でもってそういう被害調査をやるのに、第三者に頼んでやるというのは、どういう経過でそういうことになったのか。しかも、ここは今度の道議会の中で、いろいろな北海道の仕事をするのに、設計の仕事そのほかについてここに圧倒的に仕事の量が行っているじゃないか、調べてみると天下りが多いというので、癒着じゃないかといって、これは問題になった会社です。こういうまさに皆さん方の行政ミスかどうかということが争われている問題についての調査を御自身でおやりにならないで、こういう会社に委託をしたというのはどういう経過なんでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  北海道コンサルタントにそういうふうな問題があるかどうか、これについては聞いておりません。コンサルタントに物事を委託するということでございますけれども、これは、現在のいわゆる工事量あるいは河川管理、それに比べまして、やはり定員の問題でこういう調査物は一般的にコンサルタントに委託します。そうしまして、国側としましても、その委託した内容につきまして十分審査をして、そしてその成果を得ているということでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 委託料を幾ら払ってやらしているのですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 この問題につきます委託料につきましては、手元に資料がございませんのでわかりません。いずれ調べまして先生に御連絡いたしたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 こういうのは国のいわば管理ミス、操作ミスによってそういう被害が起きたということで、しかもどこまで被害なのかという点は非常に微妙な問題でしょう。そうすると、常日ごろ開発庁に世話になっている企業が調査をして農民が納得がいくような数字が出てきますか。だから、一体皆さんの方に本当に誠意があるかどうかということで現地ではみんな怒っているわけですよ。それはいま確かに開発庁の職員が定員増加を抑えられて、職員のいろいろな条件も厳しいという点はわかります。わかりますけれども、仕事を頼んでいいものと悪いものとあるでしょう。しかも、その頼んだ相手はそうやって北海道の地元の議会でも問題になっているようなところですよ。これはもう何でもそういうものは全部ここの会社に頼むことに仕組みとしてなっているわけですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  一般的にコンサルタントに仕事を頼む場合には、コンサルタントの実力といいますか、それと仕事の内容というものをマッチさして委託しておりまして、必ずしも北海道コンサルタントにすべて頼むということはございません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 しかも、その被害調査というのは主に農業の被害調査でしょう。農作物の被害調査でしょう。どのくらいの被害が出たのかということですね。しかも、こんなのは現地に行ってみれば、本流のどろ水が入った地域などというのはわかるのですよ、どろがずっとたまっていますから。別な方の川、あそこの材木川の方から流れてきた水と、石狩川本流の水とでは全然違うわけですよ。本流は本当の濁流ですからね。しかも、汚れ切ったもので、行ってみると本当にどろの跡がはっきりしているわけですから。そうすると、どこまで入ったかという区域さえ確定をして、あと農作物の被害がどのくらいあったのかということを調査すればわかることでしょう。別に開発コンサルタントなどというのは農業被害についての調査の専門じゃないでしょう。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先ほどコンサルタントに委託した内容としまして、一つは被害調査、もう一つ水理解析というふうに申し上げたわけでございます。それで、そのコンサルタントに依頼しました主たる内容は水理解析でございまして、被害の調査というものは開発局が直接いろいろやってございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 地元へ行ったら、その農作物にどのくらいの被害があったかなどということも調査にまだ入ってないという話ですよ。現地へともかく開発コンサルタントの人が来て、少しその畑を見て回ったことはあるらしいです。  ちょっとお尋ねしますが、見て回った地域ですね、一応どの辺の地域をお考えになって対象としてやっておられるのか。特に問題なのは、美登位、川下だけで当別太の方が落ちているのじゃないかという心配があるのですけれども、調査した対象区域はどの程度の範囲でしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 調査区域につきましては、現在手元に資料がございませんけれども、いわゆる美登位水門に関連します湛水区域というふうに考えます。しかし、その実態につきましては手元に資料がございません。いずれまた十分調べたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 皆さんの方で一応操作のミスがあってそういう水が逆流して入ったということをお認めになって、それについて調査をされておられるということですが、現地の被害者同盟ができていますから、そことひとつ十分話し合いをされて、皆さんの方で一方的に開発コンサルタントだけの資料で結論を出さないように、そのことをひとつ確認しておきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先生のおっしゃるとおり、十分被害者同盟とも詰めてまいりたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そこで、その問題に関連をして、そのちょっと上流に太美の排水機場というのがあるのです。これは農林省の関係になりますけれども、昭和四十三、四年に篠津開発の一環としてここに排水機場ができたのですけれども、この排水機場の吸い口が三・五メートルと高いのです。そして、いろいろ調べてみますと、八十町歩くらい冠水するということを前提にして排水機場ができているようなんですけれども、特に最近は稲転の関係でこの地帯は稲作から畑作転換で小豆だとかカボチャだとかいうようなものをつくっているわけです。今回の、先ほどの美登位の樋門の操作ミスでもって水が逆流した。しかも、働くべき排水機が、吸い口が高いために、一定の地域冠水しないとどうも作動しないような仕組みになっているのです。これはどういう経過でこういうことになったのか。八十町歩も冠水するということを前提にしてつくられますと、そこの地域の人というのは、正直言って何も実益がないわけですよ。しかも、小豆にしてもカボチャにしても、水に一たんついてしまったらだめなんです。稲とその辺が違うところであるわけです。したがって、地元の要求は、どうしてこんな設計になったのかよくわかりませんけれども、もうちょっと下げるか、あるいはほかに一つ臨時の排水ポンプみたいな、一応冠水を予定した設計になっているようですから、その冠水地域はたとえば別に排水するというようなことを考えるか、何かその辺のところの検討と、あわせて経過について、時間もございませんので簡潔に御報告いただきたいと思います。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 御説明いたします。  ただいま先生御指摘のポンプ場は太美排水機場と申しまして、篠津の泥炭地域に広がります水田の湛水防止を目的といたしまして、昭和四十四年に設置したものでございます。この機場は、当時あの地域一帯が水田稲作地域でございまして、したがいまして十年に一回程度発生する二日連続の雨量による洪水を排除することを目標といたしまして、水稲の生育に支障のない範囲内で湛水を見込んでその規模、構造等を決定しているものでございます。したがいまして、若干の面積に湛水を生ずるということはあらかじめ計画に見込まれていたものでございまして、当時全地域が水田であった状況からいたしまして、当時としては妥当な計画であったというふうに考えております。しかしながら、先生がただいま御指摘のように、受益地の一部が畑地に利用されておる実情にあるわけでございますので、今後の土地利用計画並びに地元関係者の意向等も十分調査をいたしまして、その上で土地改良事業としてどういう処置を今後とるか検討いたしてまいりたいというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 これは皆さん方の奨励に従って畑地に変えたんですからね。好んで水田から畑地に変えたわけじゃないわけです。したがって、そういう点、二十四時間水についたらもうだめなんですね。カボチャも小豆もバレイショも、畑作というのはほとんど皆だめです。行ってみましたら腐ったカボチャだらけですし、小豆は枯れたままの状況です。したがって、その辺のところを、先ほどの美登位の水門とこれは関連しているのですけれども、ひとつ検討をしていただきたいというように思います。  最後に一点だけ質問して終わりにしたいと思いますけれども、石狩川の築堤そのものがだんだん進んでいきますと、今回どこでも問題になったのは、その内水排除の問題が大きな問題になってきたわけです。これはそれぞれ農林省、建設省の方に関係があるわけですけれども、特に各市町村の個別な要望は申し上げませんけれども、各町村から、特に石狩川関係の三十カ町村ぐらいが集まって石狩川の治水期成会というのができておりますけれども、ここから上がってきているものを見てみますと、全部どこにでも内水排除の問題というのが出てきているわけですね。したがって、これは築堤作業と同時に考えてやっていただかないと、今度はあの本流の方はいいけれども、その支流なりそれから内水排除の問題というのが出てくるんじゃないかというようなおそれがありますから、ひとつその辺のところを、築堤作業を急がれると同時に皆さんの方で十分検討していただきたいと思うのですけれども、計画としてどういうものをお持ちになっておられるのか、どういうお考えなのか、そこをひとつお答えいただいて終わりにしたいと思います。農林省の関係が一番多いですね。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 御説明いたします。  石狩川沿岸の農地を湛水被害から守る目的で内水排除のポンプ場がつくられたわけでございますけれども、現在、直轄、補助事業合わせて五十五の機場が稼働いたしております。これらは台風六号の際には外水の侵入によりまして二機場ほど湛水被害を生じたところもございますが、その他の機場につきましては、十分目的を果たしておるというふうに考えております。しかしながら、先ほども御説明申し上げましたように、受益地域の一部が土地利用がだんだん変わってまいりまして、水田が畑地的な利用になっておるというふうな状況もございますので、これらの点を勘案いたしまして、地元関係者にも十分意見を聞きまして、今後土地改良事業としてどういうふうな対策をとるか検討してまいりたいというふうに考えております。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長代理 多田光雄君。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 今回の五号、六号台風で全国的に非常に大きな被害が出ましたが、とりわけ高知県に次いで最大の被害を受けたのは北海道だと思います。北海道の石狩川水系の溢水、オーバーフロー、それから堤防の決壊あるいは樋門管理の、先ほど答弁があった操作ミス、こういう河川行政のいろいろなおくれについて、住民は天災ではなくてこれは人災だ、あるいは政治災害、政災だ、こういうふうに言っておりますし、私も九月十日の農林水産委員会でこの問題を指摘して責任を迫ったわけであります。そこでさらに、きょうは別な角度から政府の河川行政の監督のあり方、そして業界とのなれ合いあるいはこの行政のずさんさ、こういう政治姿勢についてまず伺いたい、こう思っております。  そこで、建設省に伺いますが、北海道には開発庁、開発局がありますが、築堤工事の実施あるいは指導監督それから維持管理の責任は建設省にあると思いますが、これを簡単に答えてください。イエスかノーでよろしいです。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先生のおっしゃるとおり、建設省にございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 建設省に伺います。  北海道の築堤のおくれは、先ほども論議になったように、これは自然条件から見れば泥炭地特有の軟弱地盤で沈下が大きい。それだけに技術的にもいろいろ御苦労をなさっているわけです。それだけにこの北海道の軟弱地盤に対する対策というのは、技術的に言っても非常に重要な内容だろう、これは皆さんも否定はできないだろう、こう思うのです。ですから、軟弱地盤に使う資材あるいは技術というものは、この北海道の石狩水系の築堤に関する限り非常に大事な問題だというふうに考えるわけです。  そこで、引き続き伺いますが、石狩川水系の幌向川右岸築堤の工事、千八百八十四メートル、そして開発局の予定工事費は六千八百十一万、落札価格は六千六百六十一万、これは中間ちょっと訂正されておりますが、この工事は契約工事期間として本年四月十五日から九月十日までとなっていますが、実際には七月二十三日に竣工届けが、請負業者の郷土建株式会社、これは江別市にあるのですが、ここから出されているわけです。これは確認できますか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  築堤延長は千八百八十三・六メートルということで、千八百八十四メートルで結構でございます。それから、設計金額六千八百十四万というのが、変更設計でいきますと六千七百五十七万ということでございます。あとは先生のおっしゃるとおり、竣工届け出年月日は七月二十三日でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 建設省、この幌向川右岸築堤工事の発注に際して、当局が当然業者に公示仕様書で指示するわけですが、その指示した土木用シートの引っ張り強度とその重量は幾らであったか。土木用シートというのは皆さん知っているでしょうけれども、こういうものですね。これは地盤沈下を防ぐとか、沈下を均一にしていくということでこういうシートを使っているわけですが、そのシートの引っ張り強度、それから重量は幾らだったか、一般論じゃなくて、ここの工事に政府が指示したものです。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  土木用シートの内容でございますけれども、これは仕様書に特記したわけじゃございませんで、いわゆる私たちが申しております金抜き設計書の規格欄にその引っ張り強度、それから重量というものが記載されておるわけでございます。引っ張り強度で申し上げますと、幅一センチメートルに対しまして三十五キログラム、それに重量でございますが、一平方メートル当たり百九十グラムということでございます。それから、この土木用シートは工事用道路の路盤に使ってございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 いま一センチメートル当たり三十五キログラム、これは縦横強度ですね。それから、重量が百九十グラム、こう言ったけれども、これは五を掛けて、そして百七十五以上というふうにやっていると聞いておりますが、それで結構です。  それで私、伺いたいのですが、公示仕様書で指示した、いま皆さんが言ったこの強度の土木用シートがこの工事で実際に使用されたと確認できますか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  このシートは、先ほど申し上げましたように、工事用道路に使用されておるということでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 この種の、この強度のものが、あるいはこの強度以上のものが使用されたと確認できるかどうかとぼくは聞いているのです。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、この仕様の問題でございますけれども、いわゆる金抜き設計書の規格欄に記載されておりまして、こういう規格欄に記載されておるということは、念のために後でこの仕様に合っているかどうかというチェックをする場合があるということでございます。それで、ちなみにこの使われた土木シートにつきましてチェック、試験をしたわけでございます。その結果によりますと、引っ張り強度でいきますと、平均的に一平方センチメートル三十六・五キログラム……

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 それは通常五センチ四方で検査に出しているわけですから、五センチに換算して言ってください。検査資料も五センチでしょう。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  五センチでいきますと、大体百八十三か四くらいになります。それで、重量で申し上げますと、一平米当たり二百八グラムというふうに試験結果が出てございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 それをもう少し正確に言ってください。試験結果によって、五センチ四方で縦が平均値幾らなのか、何キログラムなのか、横が何キログラムなのか、そして重さが何グラムなのか、それを正確に言ってください。平均値でよろしい。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 試験結果につきまして、引っ張り強さにつきましては、五センチメートル平方当たり縦が百九十三、それから横につきましては百七十二・一、重量につきましては一平方メートル当たり二百八グラムという結果でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 北海道開発局の「請負工事監督事務取扱手続」、ここに私はその規定のつづりを持っているのですが、これの十七条では次のように書いてある。「工事に使用する材料の搬入があったときは、使用前に」——「使用前に」ですよ、「その材料の数量を記載した書類を提出させ、かつ、契約担当官等が指定した主要材料については、あらかじめ品質の検査を行ない、合格品と不合格品とを区分しなければならない。」こう書いてありますが、開発庁、これは認めますね。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 先ほど先生がおっしゃったように、工事の面あるいは管理の面については建設省が所管しておるわけでございまして、私自身も先生お持ちのその赤い本、見ていないわけでございますから、ひとつ所管の建設省の方から答弁いたします。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 当然土木シートはこういう規定に従って、請負業者である郷土建会社から北海道開発局石狩川開発建設部に試験成績書を提出している。その試験提出書の中身がいまあなたの言ったものだ。建設業者から出されているものがその中身なんだ。それは私も持っている。  そこで聞くけれども、その成績書は——いいてすか、ここを聞いてくださいよ、いつ、どのような品名の土木シート——土木シートにもいろいろ種類があるから、強度の強いのも弱いのもあるから、どのような品名の土木シートを、どこの試験機関に依頼して作成さしたか、それを言ってください。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  土木用シートの製品名でございますが、これはナンバー一三一三番でございます。そして、試験の委託先でございますが、工業技術院北海道工業開発試験所でございます。試験した月日でございますが、昭和五十年の八月十三日でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 その数値を除いては、全部私の調べているのと一緒です。よく覚えておいてくださいよ。八月十一二日ですよ。  そこで伺いたいのは、北海道工業試験所が調べて出した原本の数字とそれが違うのです。そこで、通産省は、こういうように正規に出されるのだが、北海道工業試験所が提出した試験の原本を持っていますか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 この試験結果につきましては、北海道開発局の建設部の職員が立ち会って検査をしてございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 原本を持っているかどうかと聞いている。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 コピーを持ってございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 そのコピーというのは、開発局からもらったものでしょう。石狩川開発建設部もしくは江別の事業所、その他のコピーでしょう。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 いま申し上げましたコピーというのは——いわゆる現在持っておりますのはコピーでございます。そして、開発部におきましても、成績の検査表としましてコピーを持っておるといてうことでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 ところが、そのコピーが問題なんです。私が通産省の工業技術院からその試験の原本の数値を提出さした。  私から言いましょう。その試験の原本は、こういうことになっている。これは平均値、五センチ四方ですよ。縦が百六十四キログラム、五センチ当たり。横が百五十八・一キログラム、これも五センチ当たり。重さは百八十三グラム、平米当たりです。そうしますと、皆さんのところに出されているそのコピーの数字と、肝心の試験をやった北海道工業開発試験所の数字と、これは食い違っている。たとえば、縦にすれば二十九キログラム少ない。横にして十四キログラム少ない。重さは二十五グラム少ない。工業技術院から確実にそれをとっている。控えもあるのです。つまり、当局に出された数値は、実際の公的な試験所でやられた結果の数値と違っている。つまり、試験結果よりも強度の強い土木用シートが出されている。不思議でしょう。一体どっちが本当なんですか。試験所の結果が本当なのか、皆さんのところへ出されている試験所の結果のコピーが正確なのか。試験所の原本の数値が正しいという立場から言えば、開発局に業者の郷土建から提出された数値は途中でだれかによって改ざんされた疑いがある。そのだれかというのは、改ざんによって利益を得る者か不利益をカバーできる者しか考えられない。そういう事実を耳にしたことございませんか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えします。  そういう事実を聞いた覚えはございません。  それから、いま先生おっしゃいましたように、先生お持ちのデータと北海道石狩川開発部が持っております試験結果のデータが違う点、これにつきましては十分調査してみたいと思います。と申しますのは、われわれが持っております試験結果の数値につきましては、先ほど申し上げましたようにわれわれの職員が立ち会って検査した、そして野帳にもその点明記してあるということでございますので、先生おっしゃいますように非常な差異がある、一割か二割ぐらいですね、これにつきましては、果してどちらが正しいのか、その点は今後十分詰めてまいりたいというふうに考えております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 子供が数字を間違えたのとは違うのです。きょう災害委員会で私がこれを指摘しているのは、災害によって何十億、何百億という損害を与えておる。先ほども話があったように、開発局職員のミスで操作を間違えて逆流を入れている例さえある。人の命にかかわる問題でしょう、堤防建設という問題は。そこで、政府の指示した強度のものにその資材が合っているかどうかというのを明らかにすることは当然監督をするあなた方の責任でしょう。ところが、その資材が、試験所でやった、しかもそれ、立ち会ったと言う——立ち会ったでしょう。その数値と、その資料は業者へ来るわけだからその業者から開発局に出された数値というのがこれだげ違うというのはどういうことなんです。——よろしい。もう一つ伺いたい。この種の成績書というものは役所にコピーで出されるのですか。それとも試験に使った検体、実物を添付した原本、試験所から出てきた原本を原本として役所に届けるのか、どっちなんですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 いまの先生の御質問、現在明確になっておりませんので、十分調査したいと思います。  それから、先ほど北海道開発局の職員が立ち会ったと申し上げましたけれども、その立ち会った試験結果がいわゆる大きい方の数字、業者が開発部に提出された資料、その検査に北海道開発局の職員が立ち会っているということでございますから、先生お持ちの資料につきましても、われわれとしましてもどちらが正しいのか、その点を十分詰めてまいりたいということでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 工業技術院は検査に間違いはないと言っているんだ。しかも、いまあなたは私の質問に答えていない。役所に来たものは原本なのかコピーなのかと聞いている。答えなさい。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 それにつきましては現在はっきりしておりません。事実をつかんでおりませんので、調査しましてすぐ先生に御連絡いたしたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 言語道断ですよ。ここが肝心なところなんだ。きのうもそれを請求しているんだ。現品がなければ電話で聞けるわけでしょう。現品がなかったならは——こっちを向きなさい。委員長、こっちを向かせなさい。一体何をしているんだ。現品がなければ……

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長代理 質問をよく聞いて、落ちついて。答弁に時間がかかっても……

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 調査の現物は、こうやって試験所の判まで押されている。正式に印刷したものが出ている。普通は出される。それが出ていなかったならばこの品物とすりかえられても、数字をすりかえられてもわからぬでしょう。そこで私は聞いているのです。開発局に出されているものは、試験所で検査したこういう検体をつけた原本が出されているのか、これのコピーが出されているのかを聞いている。ところが、調べていないと言う。私どもが現地へ行って調べたら、開発局の石狩川開発建設部にも江別の事業所の現品はないのです。出されているものはこれのコピーなんです。したがって、現物もコピーになって出ている。現物をさわってみないで、コピーでどうして強いか弱いかわかりますか。私どもは、いま言ったように十月二十四日、現地でとじ込みを見せてもらった。そして、原本はどうしたかと聞いたら、そこの事業所長は、原本は提出されていないと言っている。これは、試験所では正確な数字を出した、しかしその数字は役所から指示されているこのシートの強度に達していない。そこで、改ざんをして改ざんすれば原本ではわかります。そして、原本を出すとわかるからコピーを役所に出したとしか考えられない、そういう小細工をしたとしか考えられない。だれが見たってそうです。しかも、それが一部の業者の中で問題になっている。耳に入らないのはあなた方だけなんです。私のところにも、この水害の中でこの問題について投書が来ているのです。  そこで、私はさらに、あなた方何とか言い逃れをするから、もう少し事実を聞いてみましょう。  これまで私の述べた常識で考えてみても、皆さんの指示している強度のそういうシートが使われていないという疑いが濃厚になってきた。しかも、文書が違う、数字が、しかも、重大なことは、実際に堤防に埋められたシートがさらに弱いものではないかという疑惑が持たれている。  これは建設省に聞きますが、先ほどの検査をした品名のものはナンバー一三一三ですね。それはこの文書に残っている。ところが、一三一三を依頼した同じ依頼人が、そのわずか五日前の八月七日に、同じ土木用シートではあるけれども強度の弱い品名であるナンバー一四一四、これを同一試験所に試験を依頼している事実がある。その検定資料も私は手に持っている。これは工業技術院から提出されたものです。検定には一回やると二万円から三万円金がかかる。本来一三一三を使うのならば一四一四の検定は要らないんだけれども、何で一四一四の検定をやっているか。こういう事実をあなた聞いていますか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  私、聞いておりません。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 それの成績書はここにある。  はっきり言いますけれども、実際は試験された結果よりも弱い一三一三を使ったというが、それよりもっと弱い一四一四を使ったという疑いがある。私は念のために郷土建株式会社からシートの注文を受けた発送元とメーカーに私自身足を運んでみた。そこの責任者に合った。そして、受注伝票を見せてもらった。その写しをここに持っています。そうすると、まさにこの幌向川右岸の築堤工事の現場の郷土建株式会社に発送されたのは、品名は、弱いPC一四一四の四十二枚、つまり九千四百五十平米分なんです。ここに受注伝票の控えがあるのです。しかも、日時は工事に必要な時期の四月二十八日と五月二日、そしてメーカーに聞いたら、一三一三は送っておりません、ここの郷土建とは初めての取引です、こう言っているのです。  そこて、会計検査院来ていますか。——いま述べたことでもこういう重大な疑惑が持たれて、部分的には業界に知られている。こういう問題について、会計検査院どうお考えになりますか。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 お答え申し上げます。  ただいた先生のお話を伺いまして、いずれ私どもの方の検査の対象になるわけでございますので、その節十分に検査してまいりたい、かように考えております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 建設省と開発庁、あなた方も言い分はあるだろうけれども、この論拠を覆す資料はない。もしこれが事実とすればどうしますか。これは建設省に伺いたい。開発庁も責任がある。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  もしこれが事実とすれば、業者が不当に利益を得ているということでございますので、そういう利益を国に返してもらうというふうな処置をとりたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 人ごとのように言っちゃいかぬよ。もしあったとすれば業者にも責任がある、その管理監督の建設省が何にも責任を感じてない、その政治姿勢を正すのがきょうのぼくの目的なんだ。  さらに、もっと問題がある。いいですか。これは会計検査院も聞いてください。工事の竣立検査は七月二十九日に行われた。ところが、あなた方が認めたこの規定からも工事の前に出されなければならない材料の強度試験の成績書が出されたのは、何と検査の終わった半月後の八月十三日以降じゃありませんか。その資料を見たらはっきりするでしょう。しかも、先ほど言ったようにコピーで出されている。シートというのは基磯部に置くものだから、本来であれば、ここに書いてあるように、最初からその試験強度を調べて、皆さんに提出して、皆さんの検査を受けなければならない。ところが、工事が完了してしまってからそれが出されている。いいですか。業者の責任と言ったけれども、業者の責任だけじゃないのです。まさに建設省の責任でしょう。これを行政のずさん、無責任と言う。また言えば業界とのなれ合い、企業サイド、まさに政府のやり方、その小型判。  そこで、私は会計検査院に聞きます。もし政府の指示したものと違っているようなものが出た場合に、あるいは工事が終わってしまってから、その資料の強度の試験書が提出される、一体こういうことについて、会計検査院どうお思いになりますか。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおりであるとすれば、まことに遺憾なことであると考えております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 そこで、これは建設省に聞きますが、こういう工事が終わった後に、しかも内容に疑義がある、それは皆さんわからぬと言う。仮にその中身がわかる、わからないは別問題にして、工事が終わってから半月もたってから試験結果が出てくる、こういうことに疑問を感じませんか。これは私の捏造でも何でもなくて、この数字を照らし合わせればはっきりする、どう思いますか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、特別の仕様書に規格を書いたのでございませんで、いわゆる摘要のところに書いてございます。と申しますのは、そういう場合には念のために検査もすることがあり得るということでございまして、なぜそういうふうになるかと申しますと、この幌向川の築堤工事に使われた土木用のシートでございますが、これがいわゆる築堤工事の基礎に使われたのでございませんで、いわゆる工事用の道路、軟弱地盤でございますので工事用の道路の下に敷いたということで、仕様書の方に規格を書いたのじゃなくて、摘要の方に書いたということでございます。したがいまして、一応検査が終わりましたけれども、今後もこういうシートを使うからその強度をチェックしようということで、チェックした次第でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 何とか言い逃れようとしておるようだけれども、会計検査院、それがただし書きだと言っているけれども、そのためにこそ中間検査もあるのだし、試験もさしているんです。十万や二十万の金じゃないんです。工事が終わってから調査費を出して念のためと、一体何のためですか。建設省に聞きたい。念のためというのは何の念のためですか。間違ったと判断するためか、どういうためですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、重要でない場合に、いわゆる工事用道路の下に敷くという場合には、そう強度を要求しておるわけではございません。しかしながら、今後もそういう使う場合が非常に出てまいると思います。したがいまして、そういう一応強度が合っているかどうかということをチェックしておく、いわゆるそのシートの品質をやはり確かめておく必要があるということでチェックしたという次第でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 そこで、大体経過を見ると、いま言ったように、内容の改ざんの疑いが十分ある、しかもコピーで出されている。検査の終わった後にこれが出されている。重要なことは、あれほど言っているのに、皆さんがその中身をつかんでないということです。  そこで、会計検査院に私一つ伺いますが、庶民から言えば少ない金額じゃないんです。直ちに実地調査をなさって、その結果を当委員会と私に報告するかどうか、これを伺いたい。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 お答え申し上げます。  先生の御趣旨に沿いまして、なるべく早い機会に慎重に検査いたした結果、もし御報告をする事態がございますれば御報告したい、かように考えております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 次に、会計検査院に私聞きたいのだけれども、もし使っている品名が一三一三でなくて一四一四、これは地面に埋められている、これの事実を現場で抽出調査なり、決算の問題もありますが、これをやるかどうか、それを伺いたい。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 いたしたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 いつやりますか。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 お答え申し上げます。  なるべく早い機会にできるよう検討したいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 さらに、会計検査院に伺いたいのですが、その使用先のいかんを問わず、材料が政府の指示したものに適切に合っているかどうかという検査は、たとえそれが金額が安いものにしても、事前にやるというのが民間の常識なんだ。物によっては後だということ、それがこういう結果を生んでいっているんだ。そうすれば会計検査院として、こういう建築関係に使うものを事前にしかるべき研究機関の試験結果を出させてそれを調べていく、調べさせていくという、そういう勧告なり指導というものが大事だと私は思いますが、どう思いますか。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおりであると考えております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 そうだとすれば、そういうことをこれから指示なり監督しますか、あるいは通達を出すとか。

田代忠博会計検査院事務総局第三局長

○田代会計検査院説明員 検討の結果にまちたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 建設省に伺います。  建設省は、あれほどいろいろ調べてくれと言ったけれども、十分調べてないようだ。しかも、試験結果の数字と業者が出した数字が食い違う。しかも、原本でなくてコピーが出されている。こういうことに余り痛痒を感じてないようですね。  そこで私は、これらの一連の経過をすべて調査して、当委員会とそれから私に報告してもらいたいと思いますが、どうですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  十分調査しまして御報告いたしたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 建設省に伺います。  こういう公示仕様書の提示と、それに合っているかどうかという機材、資材の点検、こういうものをもっと事前に厳密にすべきだと思いますが、どうですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  いわゆる構造に非常に重要なウェートを占める部分につきましては、十分事前に調査したいと思います。また、そうすべきだと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 なぜこんなことがあたりまえに通っているのかということ、建設関係にまつわる問題はこれ一つじゃないんです。シートだけじゃないんですよ。ここには業界と役所とのなれ合いがあるんだ、原本が出されないでコピーが出されてもあたりまえと思っている考え方。  そこで聞きますが、この郷土建のそのときの工務責任者は、前職は官吏だったか何だったか知ってますか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  わかりません。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 開発局の中堅幹部なんです。これも天下りなんです。聞くところによると、この問題で相当謀議をやったらしい。それには開発局の天下りがかなり参加しているということも聞いている。こういう政治姿勢だから業者のやっていることを摘発できないんだ。あたりまえになっているのです。末端の者の責任を追及するよりも、建設省や会社の役員の方が、幹部の方がえりを正さなければいかぬのです。  そこで、私は、もう一つ開発庁に聞きますが、こうした業者の手抜き——手抜きじゃない、これは不正工事です。そう断定せざるを得ない。それがまかり通っている一つの問題としては、第一線で働いている人が余裕がないのです。今度の災害でも不眠不休だ。残業がものすごく多いでしょう。病人さえ出ているということを私は報告を受けている。やりたいと思っても、やる手間暇がなかなか与えられない。そこへもってきて開発局の統廃合だ、人員整理だ。そこで私は、こういう事前のチェックをきちんとやるために、業界とのなれ合いを絶つ意味でも、やはりそういう部面にきちんと人員を配置してゆとりをもってやらせるかどうか、これを開発庁に伺いたい。

黒田晃北海道開発庁総務監理官

○黒田(晃)政府委員 いま先生の御指摘があったわけでございますが、私どもも公務員という立場でございまして、与えられた仕事というものにつきましては忠実にやっていかなければならない義務があるわけでございます。仕事の緩急の度合いという問題もあるわけでございますが、限られた人間の中で、その仕事の緩急の度合いあるいは重要の度合いに応じて適材適所に人間を配置してまいっておるつもりでございますけれども、なお先生の御指摘がございますので、十分その点気をつけまして、人員の配置その他について検討を加えてまいりたいと思うわけでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 時間が参りましたので、最後に一言。  先ほども問題になった当別の美登位樋門にしてもそうなんです。開発局の職員が行ってミスをして、樋門を閉めるべきものを上げて逆流が入った。私は現場に行っていて逐一それを聞いているし、私が当別から開発局に電話をして、あわてて開発局は重機械を持ってきてその晩土のうを撤去した。だから、石狩開建の事務長が私のところへ訪ねてきて、そういう当局の手違いというものを認めて、補償もいたします、第三者の公正な意見も聞く、こう言っているのです。ところが、その後現地に向かっては、開発局は、ああいうことを言ったことはありません、トラブルでございますと言っている。トラブルという英語の中には混乱だとか何かあるでしょう。混乱しているのは、あなた方が混乱している。いかに隠そうかとしている。当然補償すべきだし、みずからの責任を認めるべきなんです。何とかごまかそうとする。国家賠償をすると、だれかとが人が出ますからなんて脅迫さえしている。しかも、今度のこの幌向川右岸の工事を見ても、常識では考えられない、一般の国民が考えられないことが平気で業者と開発局の中でなれ合いとしてやられている。そういうものを国民が見たり知ったりしているから、今度の災害は天災でなくて政災だと言っているのです。ほかのオーバーフローしたところも一々しさいに点検すればすべて問題がある。しかも、この話の中で、建設省の答弁に立った、あなたかだれか知らないけれども、反省の姿勢もなく、業者の責任だ、調べてみますと言っている。まさに管理監督の責任を持っている建設大臣や大蔵省の責任でしょう。そこに、この災害が天災でなくて人災だと言われる政治姿勢の根本があるのですよ。みずから反省しないで下級職員に責任を転嫁して処分をしてみたり、業者をしかって解決する問題ではないのです。それを反省できないような人間なら、血も肉も涙もないのです。私はこのことを特に声を大にして言うのは、特に災害の問題で甚大な被害を与えられているから、私は怒りを込めて、抗議の声をも含めてこれを言っているのです。  先ほど約束したように、会計検査院も建設省も十分調査して、二度とそういうミスや事故や不正が起こらないように万全の措置をとってもらいたいことを特に要望し、そしてまた委員長にお願いしますが、その調査結果は、速やかに取っていただいて、ここで発表していただきたい、こう思います。  以上で終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長代理 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。     午後一時休憩      ————◇—————     午後一時三十一分開議

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長が都合により出席がおくれますので、指名により私が委員長の職務を行います。  質疑を続行いたします。水野清君。

水野清自由民主党

○水野委員 お許しを得て委員を交代して、ことしの七月中旬以降の全国的な干ばつ災害について質問をさせていただきます。  本年七月中旬以降、私の出身の千葉県下の降雨量がきわめて少なく、とりわけ八月は平年の五%から三〇%にとどまるという干ばつでございました。このために、主要畑作物であるサトイモ、ショウガなど、野菜類を中心とした夏作の野菜が干ばつによる被害がきわめて大きく、被害農家は千葉県下だけで四万戸を上回り、被害総額は県当局の積算で約百十六億円に達しております。  さらに、九月に入りましてから局地的に一部では降雨がありましたが、なお千葉県の香取郡、印旛郡を中心に山武郡など各地で、全県的でありますが、農作物に必要な雨が相変わらず降りませんで、このため、秋冬野菜に対する播種の時期あるいは白菜などの苗の植えかえの時期がおくれてしまいまして、この影響も今日考えられております。  これはひがむわけではないのでありますが、ことしは非常に台風の多い年でありまして、五号、六号台風初め大きな災害が非常に多かったわけであります。このためにほかの災害の陰に隠れておりまして、千葉県下を中心とする大干ばつがありましたが、どうも農林当局その他でも余り重要視をされないで、対策がおくれている感じがするわけであります。これは私の推算でありますが、五号台風、六号台風の総被害額が約六百億近い、こう言われておりますが、私が先ほど来申し上げました全国的な干ばつの被害は、千葉県の百十六億円を中、心に、およそ四百億円前後になる、こう言われております。六百億と四百億、被害総額で言えばそう違いはないわけでありますが、先ほど申し上げたように、どうも干ばつの問題は等閑視をされてきたのではないかと思うわけであります。  そこで、農林省に伺いたいのですが、これは統計調査を中心に伺うわけですが、この干ばつの被害状況を大体どういうふうに把握をしておられるか。千葉県を中心でありますが、ほかにも数県被害がある、こう言われております。しかも、全国的に私はさっき四百億ぐらいだろうと、こう申し上げましたが、そういうことについて御説明をいただきたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 七月中旬以降の干ばつによります農作物の被害地域は東北、関東それから北九州に及んでおりまして、その総被害面積は二十二万六千六百ヘクタール、それから総被害量は、数量にいたしまして四十七万三千五百トン、総被害の見込み金額は約四百六億円となっております。ただいま水野先生がおっしゃられた数字にほぼなっておるわけでございます。  農作物別にこれを見てまいりますと、まず水陸稲が五万四千トン、千トン以下の単位は省略させていただきます。それから、野菜が十七万二千トン、果樹が二万六千トン、雑穀、豆類が一万三千トン、工芸農作物が一万トン、このようになっております。  それから、地域的にこれを見てまいりますと、被害の発生した都県は全部で十七都県に及んでおります。中でも千葉、茨城、山形、福島、栃木、宮城、埼玉それから群馬、こういった県における被害が大きゅうございます。  千葉県の被害見込み金額でございますが、これは県別では一番大きくて約百十一億円となっております。総被害見込み金額の四分の一強という割合でございます。  作物としては主として野菜、雑穀、豆類、カンショ、水陸稲、こういったものが被害を受けております。  なお、先生のただいまの御質問の中で、農林省は、水害等に比べて干ばつ被害を軽視しているのではないかというようなお話もございましたが、重要視しなかったわけではなくて、干ばつ被害の特殊性といいますか、被害対象地域が非常に広範に広がっておる。それから、被害を受けた地域のほとんど全農家といってもいいくらいの農家がそれなりに被害を受けている。非常に被害者の数が多い。それから、干ばつ被害の特殊性といたしまして、期間が長くかかって、しかもその期間中に全く雨がなかったというようなわけではなくて、ある時期に若干の雨が降ったというようなことがありますと、かなり回復するといったような事情もございます。それらのことから、全体を調査して計数的に把握するにはかなり時間もかかったというような状況もありましたので、その辺の事情はひとつ御理解いただきたいと思います。

水野清自由民主党

○水野委員 そこで今度は、次に伺いたいのですが、御承知のように、この干ばつに対して、私の出身の千葉県だけでも天災融資法の発動をしてもらいたいという陳情がかなり農林省にあったわけであります。これに対して農林省側では、天災関係の融資の希望が千葉県一県からしか出ていないので、天災融資法の発動はむずかしい、こういうお答えをたびたびいただいておって、私どもは、過去のいろいろな先例はさることながら、何とか天災融資法の発動にこぎつけたい、その天災融資法の発動によって、いろいろな低利資金の融資であるとかその他の対策を講じてもらいたい、こう思っておったわけですが、天災融資法の発動についてはなおむずかしいのかどうかということについて承りたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 先ほどのお答えの中で申し上げましたように、被害の実態を把握する、それから現地のいろいろな事情を細かく聴取するといったことにやや手間取りました関係もありましたが、いま先生からもいろいろ御意見を承ったわけでございまして、地元の意見、状況を十分承知いたしましたので、私どもといたしましてこの段階におきましては、ただいまの七月中旬から九月下旬の干ばつ被害につきまして天災融資法それから激甚災害法を発動するという方針を決定いたしております。農林省だけでできる仕事でもございませんので、目下関係各省庁と種々打ち合わせているところでございます。

水野清自由民主党

○水野委員 天災融資法の発動に踏み切ったということは大変ありがたいことです。  そこで、二、三伺いますが、細かいことなんですが、ことしの夏前に私どもの県ではたまたまひょう害がありまして、降ひょうと農林省ではよく言っておりますが、その降ひょう被害に対して天災融資法の発動をしていただきました。ちょうどその地帯と今度の干ばつとが重なる地帯があるわけです。ここの地域の人たちは、これは町村あるいは農協の窓口でそういう指導をしているのかどうか知りませんが、降ひょうのときに天災融資法の発動に基づいて天災資金の借り受けをした人は今回は借りられない、こういうふうに言われております。これについてはもちろんいろいろなケースがありますから、そちらでも簡単にお答えできないと思いますが、一般的に借りられるのかどうかということをお答えいただきたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 今回の災害に対する天災融資法の発動によります融資の問題は、前の降ひょう被害に対します融資の話とは別個に措置される話でございます。これはこれなりに天災融資法による貸し付けが行われます。なお、貸し付けの限度額につきまして、つい先ごろ、本法、天災融資法自体の改正を行いまして、従来の内地一般の場合は四十万円というのを八十万円、倍額に引き上げております。その八十万円まで借りられます。  なお、ただいま先生がお話しになりました従来からの借入金がある者についての関係はどうなのかということが一つございますが、これはいま申し上げましたように全く別でございますし、なおかつ従来の借入金の償還があって今度の新しい限度をもってしてもなお不足であるというような場合には、加算して二十万円まで貸し付けられるということになっております。

水野清自由民主党

○水野委員 いまのお話だとちょっと誤解を生じると思うのですが、こういうことなんですね。天災融資法の発動を、同じ年ですから、ことしの六月か何かに降ひょうの害があって発動を受けましたね。そのときに特別被害農家として借り入れをしてきたわけですね。ですから、そういう農家がまたもう一遍特別被害農家に該当をして融資を希望している、こういう場合借りられないんだ、こういうことを言っているわけです。私、その理屈はわかるのですが、しかし非常に誤解を生じますから。特別被害農家というのは、私が言ったらおかしいけれども、要するに年間農業所得の五〇%以上の被害を受けた人が特別被害農家でしょう。そういう農家がもう一遍借りられるんですか。五〇%以上だが、まだ残り四〇%とか四十何%とか、あるいは人によって三〇%の農業生産額が残っているはずですね。これに対して、またこれが全部ダメージを受けた場合に天災融資法の発動の対象になるのかということを聞きたいということなんです。

若林正俊農林省農林経済局金融課長

○若林説明員 制度の仕組みの問題でございますので、私から御説明いたします。  前の災害で同一作期中に五〇%以上の被害を受けた農業者が再び残り作目について被害を受けたという場合でありましても、その被害の程度に応じて天災融資法の融資対象にすることができます。

水野清自由民主党

○水野委員 わかりました。もう少し丁寧な答弁をしてもらいたいと思ったのです。それはいいんですが、それならそういうことをきちっと説明をしておいて、末端の窓口機関で誤解がないようにしてもらいたいということが一つです。  それから今度は、天災資金の取り扱いについて、実は千葉県下から予想外にたくさんの天災資金の融資希望が出ております。八億三千万も出ております。この天災資金の融資希望に対して現実にはこれだけ出てきて実際借りる人がなかなかこれだけないのですよ。ないのは、実際はいろいろ農林省や県やあるいは町村や農協の窓口で、そっちに支障があるというふうな説明をされる場合もありますし、現にそういうこともありますが、逆に言うと、融資の書類が非常にむずかしい。何か三通もむずかしいものを書くそうですね。そういうことに一つ問題がある。それから、借りたお金の使い方、要するに融資の対象ですね。種代であるとか、肥料代であるとか、そういうように非常に限定されるというところに問題があるという苦情が、私どもが現地を歩くと、そういう苦情が非常に出てまいります。これについて少し改正をしていくお考えはないのだろうか。実はこの間天災融資法の改正をしたばかりなんですが、そういうところをもう少し親切に、簡便にやっていく手はないだろうかと思っているのですが、いかがですか。

若林正俊農林省農林経済局金融課長

○若林説明員 二つ御質問があったと思います。  手続きの簡素化につきましては、常日ごろ関係行政機関を指導いたし、迅速な融資が行われるように措置いたしておるつもりでございますが、実態を見てみますと、この融資原資は農業協同組合の原資を使うのが通例でございます。農業協同組合の融資に対して市町村を通じて利子補給及び損失補償契約をいたす、こういうたてまえになっておりまして、先ほどの融資申込書、これは市町村の確認を受けた上で農協に提出する、こういう仕組みでございます。したがいまして、農業協同組合の事務担当職員をかなり動員いたしまして、農家の方々の御希望をよく承って一緒に作成するというようになっておりますのが実情でございまして、農家の方々、日ごろなれない申請書でございますので、農協自身もその組合員のために懇切なる指導をいたしておると思いますが、なお個別具体的に、私の方からも県を通じて十分措置が講ぜられますよう指導いたしていくつもりでございます。  なお、第二点の資金使途の問題でございますが、先般、先生お話しのように、今国会において天災融資法の改正をお願いしたわけでございますが、天災融資法は経営資金としての現金支出を賄う、こういうたてまえにいたしておりまして、その資金の使途が法律上限定されております。肥料でありますとか、農薬でありますとか、えさの購入資金でありますとかいうようなものになっておりまして、特別の融資措置として低利に資金供給をいたすことから、当然のことながら目的外に使用されることはこれを防止していかなければいけない、こういう仕組みになっております。  われわれの行政指導としましては、融資機関であります農業協同組合に特別の口座をつくっていただいて、その口座に個人別に全部所要資金額を振り込んでいただく。他の資金と区別をいたしまして、主として農協から購入する農業資材が多いわけでございますので、農協でその購入資金として充てられることを確認をしながら、年間通じて支出していく、こういう行政指導をいたしております。農業協同組合の窓口で、それぞれの農家の実態を承知しながら支出いたしておりまして、最近年次におきましては、特にこの資金使途をめぐりまして問題が起こっているということは聞いておりませんが、いままでの指導体制を維持いたしていきたい、このように考えております。

水野清自由民主党

○水野委員 時間がないものですから、はしょらせてもらいますが、実際はいまのようなお話ですと、たとえば八十万円なら八十万円の口座ができますが、種苗代とかいろんなものを引いていくから余るわけですね。残る場合があるわけです。残ったものはまた返還する、こういうことになるので、私はもうちょっとそこに余裕を持たせた運用をされる必要があるのじゃないか、個人的ですが、そういうふうに思って御質問したわけです。  時間がないので、もう一つ承りたいのですが、千葉県の問題に限定をしますが、ことし、さっき申し上げたような干ばつで、サトイモとかショウガのような根菜類といいますか——これは野菜園芸の方の方、来ていますね。実は種がなくなっちゃったんですよ。来年の畑にまくサトイモの種がない、ショウガがないわけです。これを早くいまのうちに手当てをしておかなくちゃいかぬ、こういうことなんですが、これは私、あなたに質問すると言ってないから準備してないかもしれませんけれども、千葉県下ではほとんど手当てができない。わりあいに干ばつがひどかったので、関東でもできない場合が多い。聞くところによると、九州あたりまでサトイモの種を探しに行かなくちゃいかぬ、こういうことなんだそうです。そういう全国的な需給が逼迫した状況ですから、非常に種代が高くなってきているという問題もあるそうです。これは千葉県一県では処置ができない問題であります。どうかひとつ九州の農政局なんかへ手当てをして、早いうちに種用のサトイモ、種用のショウガというようなものの手当てをしておいてもらいたい、こう思っております。よろしいですか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 サトイモの種子は、従来一般的には生産者各自の自家採取、自家の手持ちを充てておったわけでございます。いまのお話のように、今度の干ばつによりましてそれが底をついた。したがって、よそからこれを融通せざるを得ないということでございますが、県外まで求めなくちゃいけないかということについては、いろいろ検討してもらっておりますが、県の方の話では、被害市町村の中で融通をまずする。若干残っておる農家もございましょうから、まず融通をする。それができない場合は、県の支庁管内で融通する。それもだめなら県下一円の管内で融通する。まず、その程度の中でもって何とか今回の干ばつによる不足は賄えるのではないかというように聞いております。それでどうしても賄えないというような話がありますれば、その場合は、さらに農林省もあっせんしてほかの府県との調整を図るということも考えたいと思います。

水野清自由民主党

○水野委員 いまのお話のような手順で済むならいいと思いますが、私はどうも済まないというふうにも聞いております。これはひとつ千葉県当局と連絡をした上で、必要ならば先ほど申し上げたような全国的な措置も考えていただきたい、こう思うわけです。  次に、国税庁から来ておりますね。国税庁の方においでいただいたのは、こういうふうに天災融資法の発動まで、いま農林省から御答弁があったように、考えられた干ばつ災害でありますが、税法上税の減免などは当然あると思いますが、考えられるのかどうかということをまず承りたい。

菅野文治国税庁直税部審理課長

○菅野説明員 ただいまの干ばつに対して減税があるかということでございますが、御存じのように、所得税はその年の実績によって課税するというたてまえになっておりまして、干ばつになったということで収入はまず減るわけでございますが、収入はまず収入の減として計算をされる。さらに、その他いろいろな費用がまた増してかかるということになりますが、その場合には費用がまた増額して計算されるということで、所得額が減少するということで税金が自然に減っていくというかっこうになっております。  また、農家の農業所得につきましては、御存じのように、農業標準率というものを使ってやっております。その際には、当然こういう地域につきましてはそれを加味した農業標準率をつくるということをやります。さらにまた、それでも救えない場合がございますが、その場合には、個別に見せていただいて、所得の状況に応じて税金額を減額するというかっこうになるかと思います。  なお、この点につきましては、相当の被害があったということでございまして、国税局その他におきましても、被害状況をよく調査して納税者の実情に合うような措置をせよということで、管下の税務署に通達をいたしておりますので、何とかやっていけるのではないかというように考えております。

水野清自由民主党

○水野委員 管下の税務署でいまのお話のように被害状況をすでに視察したところは私も聞いております。  そこで、もう一つ問題があるのは、これは話を具体的にしないとわからないので、サトイモならサトイモの話でやりますが、サトイモは、あの辺ではわりあいに所得の高い作物だと言われております。反収七万五千円ぐらいに何か税務署では見ておられるそうです。ところが、たとえば被害が五割としますと、残りの五割は所得があった、こういうふうにごらんになるわけですね。五〇%被害を受けたら、これは残りは所得があるだろう、こう見ているわけです。ところが、生産者の農民に聞いてみますと、要するにイモとしてはあるのですが、市場価値がない、こういうことなんです。私が現地を見たときにやっぱり見てなるほどとわかったのですが、サトイモを半分に切ってくれました。真ん中のところから半分に切ってみると、上の芽の方から、雨が降らないから腐ってきていて、腐りが入っているわけですね。イモとしては三分の一ぐらい削れば食えるわけですよ。それは自家用のイモであって、それを農協か何かを通じて出荷した場合に、これは市場価値がない。あるいはいいものだけ集めて出荷しても、ことしはさっき言ったようにサトイモとしては需給状況は逼迫しているのに全体的に市場価値が低い、実はこういう問題があるわけです。そういうところまで見ていってもらわないと、半分所得はあったのでしょう、七万五千円の半分はあるのでしょう、三万七千五百円あるのだろうという計算をされると困るので、これはおたくがすると言っているのじゃないのですが、するおそれがあるので、この際ひとつよろしくお願いしたい。こういうところを通じてお願いしておくと間違いないだろうと思って、わざわざこういうことを申し上げるわけなんです。私の質問時間が余りないものですから、もう一つほかの問題があるので、簡単にお答えいただけますか。

菅野文治国税庁直税部審理課長

○菅野説明員 ただいまの御質問でございますが、被害が半分ということのほかに、まだそういうように商品にならないものが相当ある、それを見るかということでございますが、その点も含めまして、現地の税務署によくそういう点を見た上で農業所得標準率をつくるとか、あるいは個々の被害者の所得状況を見るということで指示をしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。

水野清自由民主党

○水野委員 時間がないので次に移りますが、当面の問題は以上のようなことでありますが、構造改善局から来ていただいていますが、御承知のように、千葉県の場合は、東京の野菜類の大きな供給基地なわけです。現にことしの干ばつがすでに東京の消費者物価に野菜を通じて影響をしているという現象が出ているほどでありますが、現地に私どもは幾つかの国営の灌排事業その他を現在やってもらっておりますが、これについて、実はことし干ばつがありますとお百姓さんたちは、いままで余り賛成じゃなかったところが急に判こをついてきまして、われわれも入れてくれというのが非常に多いのですよ。ですから、かなり計画変更をしてもらえるのかどうかという問題がありますし、ちょっと細かいことですが、私のさっきから申し上げているのは、空港周辺の成田用水、それから佐原市周辺の北総東部用水、あるいは銚子中心の東総用水という三つの国営事業あるいはその付帯事業、これについてそれぞれそういう希望が非常に出てきている、東総用水はまだ始まっておりませんがね。それ以外に実はまた一つ、富里村、八街町というのは、千葉県で北総中央用水というものをかつて計画はしておったのですが、最近の都市化その他で現在ちょっと中途半端になっております。この地帯についてはどういうふうにお考えかということを、はしょってですけれども承って、それからいま言ったように干ばつで急に入れてくれというのが大分ふえてきた、成田用水に多いのです。いままで飛行場の反対なんかをしておった地域まで入れてくれ、こう言うのですが、成田用水の取水権の問題がありまして全体の面積がある程度限定されているものですから、さあそこへ一体入れるのかどうかという大きな問題が出てきている。いかがお考えですか。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 御説明いたします。  干ばつに対する基本的な対策といたしまして、灌漑施設の整備を早急に図る、これはぜひ必要なことであろうと私どもも考えております。  千葉県におきましては、ただいま御指摘のように、北総台地を中心とします畑地帯の灌漑並びに既存の水田の用水補給等を目的といたしまして、水資源公団によりまして北総東部用水、成田用水、東総用水というような三つの大きな事業を現在実施いたしておるわけでございます。これらの事業につきましては、北総東部用水は約五千七百町歩という非常に膨大な受益面積を持ちます大事業でございますが、四十五年に着手いたしまして、最近の総需要抑制あるいは資材、労賃の値上がり等によって若干工期がおくれておりますが、現在のところは五十五年の完了を目標にいたしまして鋭意努力をいたしておるわけでございます。  それから、御指摘の受益地域の変更につきましては、先ほど先生も御指摘のように、これは利根川の用水量というのは非常に厳しい規制がございます。そういう中で、そういう地域を計画変更して地区に取り込めるかどうか、これにつきましては今後十分地元の方々とも御相談をいたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、成田用水でございますが、これも四十六年に着工した事業でございますが、これは御案内の新東京国際空港との関連もございまして、この特別措置法との関係もありまして、五十三年には完成するということを目途として鋭意事業の推進に努めておるところでございます。  それから、東総用水でございますが、これは本年度中に公団法の手続を終わりまして、五十一年からは具体的な工事にかかりたいというふうに考えております。  それから、北総中央用水に関してでございますが、これは現在まだ調査中でございまして、今後それらの調査結果を待ちまして、どういう形で事業を進めていくか検討してまいりたいというふうに考えております。

水野清自由民主党

○水野委員 次に、これは千葉県の問題じゃないのですが、去る十月五日伊豆七島を襲った十三号台風の問題について承りたいのですが、実はこれは私のところへ宇都宮代議士の紹介で地元の八丈の町長さんがお見えになりまして陳情があったことなんですが、十三号台風の復興財源に競馬益金が使えるのかという問題が実は起こってきたわけです。競馬益金をこういう例に使ったのは、昭和四十二年の伊豆大島の大火で東京都が使った例もあるということですが、農林当局は競馬益金をこういうものに使うかどうかということはわりあいに例の少ないことなのではっきりした態度を示されないということだそうです。これは八丈島一島で御承知のように五十億円の大被害を出したわけですが、非常に局地的なためにいろんな法律の網にかかってこない。聞くところによると、天災融資法の発動もむずかしいのだそうですね。救済策がむずかしいということで困っているようでありますが、この競馬益金が使えるのかどうかということを承りたいと思います。

船曳哲郎農林省畜産局競馬監督課長

○船曳説明員 いまの御質問は地方公共団体、具体的に言いますと八丈町が競馬の主催者になって収益を上げる、それを復興に回す、こういうことかと存じますが、そのためには指定市町村になることが必要でございます。この指定市町村の指定は、自治大臣が農林大臣と協議して指定することに相なっております。その際、私ども、自治省ともども考慮しなければならない事項といたしましては、いま御指摘ございました地元の財政事情はもちろんでございますが、そのほか競馬の開催体制、それから具体的な開催の日取り、それから一定の開催回数の枠のやりくりといったようなことでございます。これらの問題につきましてはいろいろな制約がございますので、率直に申し上げまして困難な問題が多々あろうかと思います。しかし、私どもといたしましては、自治省と十分連絡をとりながら、地元の御意見を聞くことはもちろんでございますが、関係先とも協議しながら検討はしてまいりたい、このように思います。ただ、率直に申し上げまして、現実問題としてはなかなかむずかしい問題がございます。

水野清自由民主党

○水野委員 非常にむずかしい問題があるということはよくわかるのですが、八丈の十三号台風被害のような例というのは非常に少ないわけで、離島振興法その他で救えるものは救っていただけるのでしょうが、この際ひとつ地元の意見は聞かなくったって、八丈の町長はやりたいと言ってしょうがないわけです。ただ、競馬場をどこかに借りることが必要なのでしょうが、どこかやっている競馬場、東京都はなくなったのでどこかへ行って競馬場を貸してもらって八丈主催の競馬をやって、ギャンブル資金でこういうものを助けるのかどうかということは基本的な問題もあると思いますが、この際はひとつ積極的に自治省とも相談の上、自治省が頼んでこないから私の方は知らないんだということのないようにこっちからひとつ自治省に電話をかけて、国会でこんな質問が出たんだけれども、あなたの方は何も言ってこないじゃないかぐらいなことを言って、積極的にやってもらいたい、こうお願いするわけです。  それから、天災融資法の関係でもう一つ承りたいのですが、天災融資法の発動がむずかしいんかそうですが、こういうのは局地的には非常な被雲を出しているわけですね。局地激甚災というようなそういう制度もあるのですが、どうしても対象にならないのかどうかということをひとつ承って、私の質問を終わりたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 八丈島の災害は風台風といいますか、雨を伴わない風の被害が非常に大きゅうございました。その関係で、農業関係では温室とかビニールハウスなどの施設、それからその中の農作物、これらが被害を受けているわけでございます。施設の方では約五億、それから収穫物の方では約七億でございます。天災融資法の対象になりますのは収穫物の方でございますが、七億という被害は、その地域にとってみれば相当傷の深い大きな被害ではございましたが、国民経済に重要な影響を及ぼすというような規模ではなく、従来の基準からして天災融資法の対象には残念ながら考えられないということになっております。

水野清自由民主党

○水野委員 いろいろお答えいただきましてありがとうございました。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 柴田睦夫君。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 私もことしの七月中旬以降の干ばつによる農業被害の対策について、特に千葉県に焦点を当てて伺いたいと思います。  先ほどの質疑の中で、全国の干ばつ被害状況について御説明がありましたし、この干ばつに対して天災融資法と激甚法を適用する決意であるということを言われましたが、状況に関してちょっと伺いますが、天災融資法上の特別被害地域の指定、これが見込まれる県はどういうところがあるでしょうか、まずお伺いします。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 私どもの調査では、これは千葉県と九州の長崎県、この二県だけだというふうに考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 今回の干ばつ被害につきまして、十月二十日に参議院の災害委員会で質疑があったわけですけれども、あのときの政府の答弁を見ますと、この法律を適用するということについては非常に消極的であるというように見られるわけですが、昭和三十年に天災融資法が施行されてから、干ばつ被害に対して何回か天災融資法が適用、発動されるということがありましたけれども、過去の干ばつについての適用事例と比べてみて、今回の干ばつに何か違ったところがあるのか、適用するのを差し控えたいというような状況があったのか、お伺いしたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 天災融資法の発動は、単純に被害の金額、大きさだけでなく、その態様、程度がどうであるかというような実質的な内容、そのほかの事情も総合的に勘案して発動する必要があろうかと思います。  過去において干ばつの際に天災融資法を発動した前例はどうかということでございますが、三回ございます。ただ、その第一回目のは奄美群島でございますが、これは当時奄美群島に対する復帰に関する特例措置、これは法律上の措置がとられておりましたし、そういうようなこととの関係もあって、やや例外的な措置でございました。このときは被害規模は小さくて、六億円であったということになっております。この例外的な措置を除きまして、二回目は昭和四十二年七月から十月にかけての干ばつでございますが、このときは被害額は八百八十億円、特別被害県は兵庫、岡山、広島、山口、香川、愛媛、それと九州の七県、相当広範でございました。第三は、最近の昭和四十八年六月下旬から九月上旬までの干ばつに対してでございます。このときの被害額は九百三十億円、それから特別被害県は北海道、宮城、山形、福島、石川、長野、和歌山、鳥取、島根、広島、山口、香川、愛媛、こういった十三道県でございます。今回の千葉県を初めとする干ばつ被害に比べまして、奄美は特別でございますが、その二回目、三回目、いずれも規模においても範囲におきましても相当上回った状況にあったわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 確かに被害額の面から見ますと、いま言われた二回の場合は、被害額としては倍以上になるということですけれども、やはり四百億円という被害が計算される場合においては、これは法律を適用する上において当然だというように考えられると思うのです。それはほかの天災融資法が発動された災害、ほかの場合を見てみましても、たとえば昭和四十七年の霜の被害、これは七十八億五千万円で三県にまたがる。同年の海水異常では七十一億円でこれも三県、それから昭和四十九年の雪、これは百四十六億円で三県、同年の暴風雨は二百四十六億円で四県、こういう事例があるわけですけれども、それは広くて浅いというような問題はあるにしても、これらの過去の適用の例を見てみましても、ことしの干ばつに対して適用するということは全体的には当然だと、私たちはこう思っていたわけです。それですから、早くから適用するようにと、こういう要求をしてきましたし、また農林省が一般的に発動の要件として現実的な基準を二県以上にまたがって六十億円以上の被害、こういうように言われておりますけれども、そういう水準から見ればいろいろな災害の違いはあっても、四百億円という被害になって相当深刻な被害を受けている地域も多いわけですから、今回は適用されるということですからいいんですが、将来のことを考えて言うんですけれども、こうした場合に天災融資法の発動というのはやはり積極的にやるべきではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 天災融資法の第二条に天災の定義が掲げてあるわけでございますが、「当該天災による被害が著しくかつその国民経済に及ぼす影響が大であると認めて」云々とございます。この被害が著しくかつ国民経済に及ぼす影響が大であるということの認定、判断いかんという問題だと思います。  その場合、先ほど私申し上げましたように、単純に被害の全体の大きさだけではまいらない。どれだけの広がりをもって、個々の経営に、個々の農家にどれだけの深さをもってその災害、被害が及んでいるかということが、やはり全体としてまたもう一つ判断されなければならないかと思います。  その場合、干ばつの被害は、ほかの水害とか降ひょう、降霜の被害等に比べますとやや特殊でございまして、非常に薄く全体に広まるという性格を持っております。そうなりますと、全体としては大きいけれども個々の農家としては、場合によってはそれほど救済を必要としないというような事例もしばしばあり得るわけでございます。  今回の千葉そのほか各県の干ばつにつきましては、当時、この前参議院で御審議がありましたころはまだ最終的な計数等も掌握できておらず、それからその当時若干の降雨もあって持ち直したというような事情もあったものですから、確かに適用をためらっておったわけでございますが、その後の事情の推移等を考えまして今回発動することに踏み切ったわけでございます。  今後とも、一般論としてはいま私が申し上げましたようなことでございますが、やはり個別にその都度その都度の実態に即応して、いろいろ地元の事情も聞き、考えながら判断していかなければならない、余り機械的に運用できる性格のものではないというふうに考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 前のことを言って悪いかもしれませんけれども、農林省の方では最初千葉県に対しても自作農維持資金の災害枠で賄うように、こういう考えであったようですが、自作農維持資金の方は、結局「自作地を売り渡す等その農業経営に著しい支障を及ぼすことなしには当該資金を調達することが困難と認められるもの」、こういう法律の要件で、天災融資法の方は、一定の法定した被害を受けたことを市町村長が認定する、こういう要件になっているわけで、この救済の対象がやはり違っていると思うわけです。個別的に考えなければならないということは当然で、私もそれに異議はないわけですけれども、最初の段階で天災融資法でなくて自作農維持資金の災害枠で賄うというような考え方だと、結局自作農維持資金で天災融資を受ける条件のものをすべて包含することはできない、こういうようになると思うのです。ですから、やはり個別的に見てこれは天災融資法の適用の対象になるというような場合に自作農維持資金の方で賄うというような、そういう指導というのは間違っているのじゃないかと思うのですけれども、御見解を伺っておきます。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 自作農維持資金の融資の性格と天災融資法による融資の性格とは確かに趣旨が異なっております。自作農維持資金の方は、個々の経営の実態に着目して、先生の言われましたように、まさに自作農を維持するために必要だという場合に限って出される性格のものであります。しかしながら、現実の災害対策は、やはりそれなりに現在ある仕組み、制度というものを最大限に活用して対応するということがこれまた必要であろうかと思います。先ほど申し上げましたように、早い時期におきましては、干ばつの被害のあることは承知しておりましたが、天災融資法の対象になり得るかどうか、千葉県以外の被害はどうかというようなことも確認できなかった状況でございますから、その段階におきましては、現在ある制度としての自作農維持資金の制度を活用するようにということで指導したことは事実でございます。これは何も千葉県に限らず、従来から災害一般の場合に私どもとしてはそういうような活用の仕方でもって指導をしてまいってきておるわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 今回の干ばつについては天災融資法を発動することを約束されたわけですが、発動するとすれば政令の公布の期日、それから融資の枠、その見通しと、あわせて自創資金の災害融資枠の見通しが立っておれば教えていただきたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 いま各県からいろいろ数字を集めているところでございます。大体見当がついておりまして、関係各省庁、特に大蔵省でございますが、いろいろ協議をいたしているところでございます。  私どもとしては、天災融資の資金といたしましては総額で十億をやや前後するような金額、それから自作農資金では三億をこれまた前後するような金額というふうに考えております。この程度の資金は現在の予算の枠組みの中でやりくり、運用でもって何とか都合できるのではないかということで大蔵省とも話を進めている段階でございます。  なお、発動の時期はできるだけ早くということで、心がけておりまして、十一月の中旬過ぎくらいには何とか間に合うようにいたしたいというふうに思っております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 融資枠の問題についてですけれども、実は先ほど話がありましたが、ことしのひょう害のとき、千葉県で二億一千万円の希望が出たわけです。ところが、国から指定された千葉県の枠が一億三千万円で、結局申し込み農家に対して天災融資資金は希望の六割しか出なかった。この点について千葉県が県単で埋め合わせをしたわけですけれども、それでもやはり償還の条件などが違って、農民から非常にこれはけしからぬことだ、こういう意見が出ておりました。こういう前例があるわけです。特にいま農家の生活というのが大変な状況にありますし、一方、天災融資法の限度額の引き上げがありましたために、農民の方は、この天災融資法に対する期待が非常に大きくなっているわけです。今回の千葉県の希望額は八億三千万円ということになっておりますが、これは千葉県だけの問題ではなくて、それぞれの県の意向を尊重して十分な枠を取ってもらいたいというように思うわけですけれども、そのことについての見解をお伺いします。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 個々の融資の実績を見ますと、中には若干過大な申請をしているというような向きも全くないわけではなくて、一〇〇%申請どおりにはいかないという場合も、これはもちろんあり得るわけでございます。  今回の融資につきましては、できるだけ現地の意見、千葉県等の意見も聞きまして、実情に合ったような額を枠として配分するようにいたしたいと考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 千葉県の方から天災融資法の発動の陳情を農林省に出してすでに二カ月近くになっているわけです。県下の農家では、この秋冬野菜の生産に影響が出始めているということから早急な対策が打たれることを望んでおりますし、私も早急に進められることを特に要望しておきたいと思います。  それから、先ほども話がありましたサトイモの問題ですけれども、農林省の資料によっても、野菜の中でサトイモの被害が非常に大きい。千葉県のサトイモは、見る人によってはこれはもう壊滅的である。種芋が不足したり、またそこから予想される種芋の値上がりということで種芋の確保が心配されるわけですが、種芋の確保について、先ほど説明はありましたけれども、私たちの見るところ、恐らく県内で賄えるというような状況を通り越している、こう思いますし、農林省の方としても農政局の管内で融通するというような適切な処置をしっかりと考えていただきたい、このことを私からも要望しておきたいと思います。  それから、十月三十一日に発表されました総理府の物価統計によりますと、十月の東京都区部の消費者物価指数は、対前年同月比にして一〇・二%の増で、物価上昇がこれは二けたになっているわけです。この原因を総理府の方では、今回の干ばつによる野菜類の不足と言って、この値上がりの原因を天災に責任を負わせるというような分析をしているようですが、こういう見解は農林省としては正しいと思っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 十月の東京都区部の消費者物価指数、これは中旬の速報値でございますが、これを見ますと前月比で一・七%、前年同月比で一〇・二%の上昇となっております。上昇の要因としては、被服費の上昇、そういったほかの要因もございますが、野菜については、夏秋野菜から秋野菜に切りかわる時期であった。そういう事情があった上に、おっしゃられるように八、九月の干ばつに引き続くその後の低温があった、断続的長雨等もあったというようなことのため不作となっておりますので出回りが減少した、このため価格が上がったということがございます。その結果、指数としては低水準であった前年同月、前年は比較的低水準でずっと推移したという事情がございますが、そのときに比べて、あるいは本年前月と比較してかなり上がったわけでございます。前年同月比でもって二四・九%、対前月比で四二・六%、かなり上がっておるわけでございます。このことにより全体の消費者物価指数を押し上げたという事実はございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 消費者物価の上昇ということについて見れば、この干ばつで野菜が少量しか出回らなかったということが全体の中でどういう位置を占めるか、私は単に総理府の分析のようにすぐそれを肯定するわけにはいかないと思うのですけれども、この首都の近郊野菜の生産地の干ばつ対策というのは、これは言うまでもなく物価を安定させるということから見てもきわめて重要な問題である、こう思うわけです。干ばつを予防するには、根本的には畑灌の事業を推進するということであるわけですけれども、干ばつのような非常事態においては、地下水を農業用に利用するというようなことを特に水利の悪い地帯では考えなければならない、こう思うわけです。農林省は、この干ばつというような非常事態に当たって、暫定的に、一時的に地下水を利用するということについてどういう考えであるか、お伺いしたいと思います。

岡部三郎農林省構造改善局建設部長

○岡部説明員 お答えいたします。  畑地灌漑等で、小規模な地下水利用等によりまして干害を防止するための事業についてでございますが、従来の制度によりますと、団体営事業にいたしましても、公共事業という性格からいたしまして二十町歩以上の団地がまとまらないと採択にならないというふうなことがございます。ただ、例外としまして、野菜指定産地あるいは果樹濃密生産団地等の採択基準につきましては、五十年度までの特例といたしまして十町歩まで引き下げております。これにつきましては、五十一年度以降も継続して実施できるように現在努力中でございます。  それから、最近におきます畑地灌漑は、畑地灌漑単独で行われるというよりも、農道その他の土地改良事業等とあわせまして行われるというふうな場合が多いわけでございますので、こういうものにつきましては、畑地帯総合土地改良事業という事業によりまして、一団地が二十町歩なくても農道等で幾つかの団地が結ばれておるというふうな場合には、一つ一つの畑地灌漑のための団地は数ヘクタールであっても、地下水等を利用する場合にはそういうものが非常に多いわけでございますが、団体営事業として実施できるような仕組みに現在なっております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 だから、実施する仕組みはいいのですけれども、それが実施されて、水利がある、そして干ばつのときでも水がちゃんと確保されるというようにできておればいいのですけれども、現在の千葉県の北総台地の畑なんか見てみましてもそうはいっていないわけで、やはり地下水に依存している、こういうところが非常に多いわけです。ところが、いま地下水のくみ上げについてはいろいろな面から規制がされているわけですけれども、干ばつのときには地下水を取る以外にはないというようなところにおいては地下水を取る、地下水を利用する、こういうことについての農林省の考え方はどうかということです。

泉田収農林省構造改善局計画部資源課長

○泉田説明員 お答えします。  地下水の利用規制の問題につきましては、確かに千葉県では特定地域を限って一律的な規制が行われております。しかし、農業用水というのは、御存じのように水が使えないからといって引っ越しするわけにいかないとかいうような問題がございますので、そういうものにつきましては、特に特例的ではございますが、新規採取についても許可されることになっておりまして、現に昨年も本年も、若干件数でございますが、許可されております。なお、従前より採取しておりましたものにつきましては、現在そのまま使えるようになっております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 千葉県では、昭和四十八年の統計によりますと、県全体で工業用水が一日四十六万トン、それから農業用水が三十四万トン、この地下水を取っていたわけなんですけれども、昭和四十九年の七月になりますと、地下水くみ上げの規制をいままでの臨海部だけではなくて、内陸部の方にも広げるということになったわけです。それで、規制を広げた後の地下水のくみ上げ状況についてどう把握されているか、環境庁の方にお伺いしたいと思います。

西村純幸環境庁水質保全局企画課長

○西村説明員 お答えいたします。  千葉県の調査によりますと、一部は条例に基づく報告により、その他は実態調査によったそうでございますけれども、四十九年の県下全域の地下水揚水量は日量約百三万トンでございまして、うち農業用水は約九万八千トンでございます。それで、この農業用水につきましては、年間揚水量を三百六十五日で割った数字として出したものでございます。なお、四十八年の調査でも日量の把握をいたしておりますが、これは年間揚水量を揚水日数で割ったものでございまして、両年間を比較できる数字という形では把握されていないのが現状でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 ちょっと統計の単位が違って比較できないということですが、農業用水のくみ上げ、これが規制が広げられてから減少しているかどうか、そういうことも比較できませんか。

西村純幸環境庁水質保全局企画課長

○西村説明員 お答えいたします。  いま把握しておる数字では、その辺定かでございません。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 千葉県につきましては、工業用水が非常に大量に使われ、地下水も膨大なものがくみ上げられており、干ばつ、雨が降らないというようなときにおいても工業の方で水が足りないから操業ができないというようなことはまだ聞いたことがないわけです。  農業の方について見ますと、干ばつ災害、しょっちゅう免れないというような種々の状況であるわけですが、今回を見てみましても、今回の干ばつにおいては印旛郡や船橋市や八千代市、農業用水を地下水に依存している、こういうようなところでことしは非常に干ばつ被害が大きかったわけです。工業用水のように絶えず水が確保されることが農業をやる上においても必要であるわけで、いま農民の間からは、現在の畑灌事業が完成する、先ほどの説明によっても見通しとしてもまだ数年間かかる状態ですけれども、畑灌事業が完成されないその期間においては、農業用水として地下水をくみ上げるということについて工業用やビル用と同じように一律に規制するのは、これはもう非常に困る、だから一律規制はやめるように、こういう要望が県にも出されているわけです。現在、地下水に農業用水を頼らざるを得ないような地域においては、干ばつのときにくみ上げの規制について柔軟な態度をとって、干ばつに対する対策を立てるということは当然必要だと思うのですけれども、この点について地盤沈下というような関係で対策をとっておられる環境庁の見解を伺っておきたいと思います。

西村純幸環境庁水質保全局企画課長

○西村説明員 お答えいたします。  いま先生おっしゃいましたように、現在、農業用地下水のくみ上げを規制する法律がございませんで、千葉県等におきましては農業用水の取水によって地盤沈下等の地下水障害を生ずるおそれがある場合には、また現に生じている場合には、それを防止するために公害防止条例を定めまして地下水の採取の規制を行っております。それで、農業用水につきましても、一定規模以上の井戸の新設につきましては許可してはならないということになっておるわけでございますが、先ほど農林省の方からもお答えがありましたように、農業用地下水につきましては、その地下水にかえて他の水源を確保することが著しく困難であると認められるような場合に限って例外的に許可することができるという規定のある条例が多いようでございます。千葉県におきましても昭和四十九年度、五十年度においてその例があったと聞いております。したがいまして、御指摘のような干ばつの際であって、代替水源の確保が著しく困難である、かつ当該地域における揚水によって地盤沈下を著しくしないというような場合においては例外許可をするという措置もあり得ると考えますが、ただ一般的にどうかということになりますれば、やはり地盤沈下の実態なりあるいは代替用水の供給事業の進捗状況その他を総合的に勘案して条例の適切な運用が図られるべきものだと考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 いまの点に関連して農林省の方に伺いますけれども、ことしは千葉県の干ばつがああいうひどい状態になったというのは、結局は水が足りない、水で防げないという問題があったのですけれども、現実にいまの井戸で地下水を取っている、それをもう少し、干ばつのときですから、地下水を取るために井戸を新設するとかあるいは大きくするとかいうことが必要だったと思うのですけれども、千葉県の場合にそういうことに対してちゃんと対応ができたのか、できたとすればあんなひどいことにはならずに済むはずなんですけれども、そういう点は現実に調査しておられるかどうか、お伺いします。

泉田収農林省構造改善局計画部資源課長

○泉田説明員 お答えします。  現実に干ばつに際して緊急に井戸を掘るというような場合には、許可の手続というようなことはなかなか問題であります。千葉県庁からの御報告によりますれば、ことしの場合はそういうものが後になったとしても進めるようにしたという報告を受けております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 これは地下水の規制の問題に関連すると思いますけれども、やはり干ばつ対策というようなことを考えてみた場合に、地下水を農業にはもっと取る必要があるというような場合においては、工業用水、ビル用水その他に取っている部分を暫定的に抑えて、そして必要な農業用の地下水を確保する、こういうようなことも考えなければならないのではないか、こう思いますが、そういう点についてまた検討していただきたいということを申し上げて、終わります。

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 次に、大柴滋夫君。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 十三号台風のために八丈島を襲ったこの風水害、非常にいろいろ八丈島は災害を受けたのでありますけれども、政府の関係機関の皆さんに大変いろいろめんどうを見ていただきまして、私の後からも地元の国会議員が質問をするのでありますが、地元の者としてまず最初に御礼を申し上げておきたいと思うのであります。  この際、私は四つくらいのことについて、政府の関係機関がどういうお考えをお持ちで何をしてくれるかということをお尋ねしたいと思うのであります。  建設省なりあるいは林野庁の方がおられると思いますけれども、八丈島の坂下と坂上を結ぶ横間のトンネルを含んだ都道があります。これが風水害後しばしば山が崩れて交通が途絶する、こういうようなことを聞いておりまして、その上の山は保安林の山でありますけれども、東京都なりあるいは林野庁関係の方がおりましたら、現在ただいま横間の隧道付近の都道はどういうように改修をされているか、同時にまた、きょうあたりの雨でありますが、ずるずる落ちてくるような危険性はないのか、どういうような御調査でありますか、第一問をしたいと思います。

三野栄三郎建設省道路局地方道課長

○三野説明員 お答えいたします。  通称横間道路といいますのは八丈島循環線と申して、都道になっております。この横間道路につきましては昭和三十八年から四十三年にわたりまして改良事業を実施いたしまして、現在幅員七メートルの道路になっております。この道路に面しまして先ほどお話がございました保安林、非常に斜面の急なところに接してこの道路が設置されたというふうなことで、現在私たちが聞いておりますのは、その斜面のところは非常に転石が多く落石の危険がある。今度の災害で土砂崩壊、転石等がございまして、交通どめになったというふうなことを聞いております。私たちといたしましてはこの路線、特にこの区間につきまして災害の防除ということを実施する必要があると思いますし、また抜本的にはこの区間を別の路線にする方がいいのか、長期的な観点でそういう点もあわせ検討していく必要があるかと思いますが、当面の問題といたしましては、ただいま申しましたように、緊急にやらなければいけない災害防除、道路として必要とする災害防除を実施していくように都とも協議してまいりたいというふうに考えております。

鈴木郁雄林野庁指導部治山課長

○鈴木説明員 ただいま先生からお話がございましたのは、横間地区の大坂トンネル付近のことではないかと存じますが、この都道の上部の森林が今回の台風によりまして立木が倒れまして、崩壊現象を起こしまして都道に危険を及ぼすといったような状況になっております。林野庁といたしましては、担当の課長補佐を十月二十八日現地に派遣いたしまして被害の状況を調査いたしまして、東京都に対しまして復旧対策の指導を行ったところでございます。  その対策としましては、本年度は道路の上部に鋼製の土どめ工を国費、都費をもちまして緊急治山事業ということで施行をいたしまして、道路の保全を図ってまいりたい。また、来年度以降は山腹の壊れました個所につきまして山腹工事を行いまして、森林の安定を図りまして道路の保全を図ってまいりたい、このように考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そこで、あそこのトンネルを利用する人々は、あの横間の都道がちょいちょい通れなくなるので、たしか昭和十九年か二十年と思いましたが、軍があの横の方に作った軍道があります。恐らくこれは八丈島の町道だろうと思うのでありますが、それをバイパスにしたい、こういうような意向を持っているのであります。これはある程度お金がかかるだろうと思うのでありますが、どこか政府の機関でお調べになってこれをバイパスにしてみようというような、調査費その他を出してやってくれるような意向はございませんか。

三野栄三郎建設省道路局地方道課長

○三野説明員 お答えいたします。  御指摘のございました町道は八丈町の中道−伊郷名線と申しまして、幅員が約四メートルくらいの非常に狭小な町道でございます。いま御指摘がございましたように地元の方はこの横間の道路が非常に危険だということで、その補完的な道路として町道を改修してもらいたいという意向を東京都の方に言われておるようでございます。東京都といたしましては、横間のこういう落石の多い区間でございますので、その町道を補完的な道路としてやるか、あるいはその横間の道路をもう少し海岸の方に回してそういう危険な状態にならないようなルートを考えるか、いずれにしても災害のために交通どめになるそういう道路の対策について調査の必要があるだろうということで、都としては昭和五十一年度にそういった調査費を計上してこの問題についての調査検討をいたしたいと思っておるというふうに聞いております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そういう場合に、後の問題と触れますけれども、いま失対事業とか林道とかうまい関係でとりあえずそのバイパスというか軍道を一応通れるようにする、そういうような調査を政府関係でなされるとか東京都へサゼスチョンを行うとか、何かそういうことはできるのでありますか。

三野栄三郎建設省道路局地方道課長

○三野説明員 お答えいたします。  この町道は要するに道路法上の道路でございます。したがいまして、私たちのところといたしましてはそういう町道の改修について国の助成なりあるいは都が助成をする道が現在ございます。そういうことで、この町道を改修する場合にはやはり道路法の道路として整備をしていくことがよろしいのではないかというふうに考えます。ただ、事業費も非常に高くつくわけでございまして、その辺は八丈町等地元の関係と東京都とがよく協議をしていただきまして、今後どういうふうに進めていくか、そういうことを十分検討していただきたいというふうに私どもとしては考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 しつこくてまことに恐縮でありますが、町と都で相談をしなさい、その上に立ってというのでありますが、あなたの方からこれは非常に危険である、事故が起きぬさきにこっちにやった方がいいだろうというようなサゼスチョンはできませんか。

三野栄三郎建設省道路局地方道課長

○三野説明員 今回の災害等を含めまして私どもといたしましては東京都と協議をいたしまして、計画的に物を進めていこうということでお話し合いをしております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ぜひひとつ建設省の地方道課長の方の積極的な御指導をお願いしたいと思います。  それから、ちょっと建設省の住宅関係の方に聞いてみたいのでありますが、この間の災害で、住宅金融公庫その他は、うちが壊れておりますからお金を貸したのだろうと思いますが、どのくらいの申し込みがあって、どのくらい貸して、利子とか期限とか、そういうことはどういうようになっておりますか。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 住宅金融公庫の災害融資でございますが、十月末現在で受け付けておりますのは、住宅の建設関係で二十三件、約一億二百万くらいの金が出ております。それから、住宅の補修、修繕関係でございますが、これで五十一件、七千三百万ほどの金が出ております。条件は、金利が五分五厘でございまして、三年間元金据え置きで、木造の場合は十八年で償還ということでございます。  災害につきましては、一応通常の融資の限度額、木造の場合で申しますと、八丈の場合には三百九十万というのが限度額でございますが、災害復興の融資の枠でございますので、五百十万までの限度にいたしてございます。被災者はかなり多いわけでございまして、今後まだ希望者がかなり出ると思いますが、これはいずれも全員にお貸しするように準備をしております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 利子でありますが、これは東京都の方から何か利子補給とか、そういう制度はありますか。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 災害の場合と結びつくかどうかちょっと私いま詳しく調べてございませんが、東京都が、公庫が融資する場合に上乗せ融資をするという制度は聞いておりますが、この災害のケースについて利子補給等の措置をするかどうかということについてはちょっと私いま存じておりません。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そうすると、今後いろいろ補修その他の問題が出てくれば、それに対してはこのような条件で規格さえ合うならば、規格というか枠にさえはまるならば全部貸せる、こう思ってよろしゅうございますね。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 そのとおりでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 実は建設省の、あなたであるかどなたであるか知りませんが、実際はあそこは元来非常に風の強いところなんですよ、非常に平和な島でありますけれども。そうすると、うちの建て方等について、風速何メートル以上はこう建てろとか、町の条例か何かでこうしなさいとか、こういうような指導がなされてもよろしいのだろうと思いますが、建設省の住宅の方ではどういうようなお考えで、どんなことをなさっておりますか。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 建築基準法の四十条という規定がございまして、一般の通則に比しまして、気候でございますとか風土でございますとか、特殊な条件のところにつきましては条例で制限を加重することができる構えになっておりますので、東京都の条例でそういうことを書きました場合には、制度的には付加した基準を設けるということは現行制度で可能でございます。  そこで、先般の八丈島の災害は、先生御指摘のとおり大変被災した者が多かったわけでございますが、早速私ども建築研究所あるいは建築学会から調査団を現地に出しまして、原因を調査してもらったわけでございますが、現在その結果をまとめておりますので、その結果、必要な場合には必要な措置を考えたいと思っておるわけでございますが、中間的な現在段階での報告では、どちらかと申しますと、工事そのものが適切に行われていなかったところに原因があったというものが多いように聞いております。たとえば柱とかはりとか屋根等の接合部のかすがいとか、そういうものが非常に弱い。くぎだけでとめているとか、そういうものがございます。それからまた、ガラスが壊れまして、ガラス戸から風が吹き込むというようなケースも多かった。これなんかは雨戸をつくれば簡単によけられるというようなケースでございまして、建築基準法と申しますか、建築法規の問題よりもむしろ工事の施工面の注意が足りなかったという点が多いように中間報告では聞いております。したがいまして、私どもは東京都を通じまして、建築関係の諸団体に対しまして、特に技術者、技能者、こうした方々に対しまして、今後の住宅の復興に当たっては、そうした施工面についての指導を十分行うようにという相談を申し上げている次第でございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 八丈島の役場なら役場で、風が強いからそういう条例をつくりたい、こういうようなときには、東京都と建設省が一緒になってそれを指導していただける、アドバイスのために適当な技術者を派遣するとか、いろいろ経験上の知恵をかしていただく、こういうようなことはできますか。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 八丈島の場合には、建築関係の一応責任を負っておりますのが都になってございますので、私はそういう措置をとるとすればむしろ都がやるべきだと思いますが、その辺は地元の事情等よく相談いたしまして、適切な措置ができるように都とも相談したいと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 私ども都会議員でないので、ひとつぜひ建設省の方もいい意味の積極的な助言をお願いしたいと思います。  それから、厚生省の方、労働省の方来られましたか。——実は厚生省と労働省にお聞きしたいのであります。あそこには二百軒くらいの生活保護世帯があるわけであります。これはこれで生活が守られているわけでありますが、ああいう災害が起きますと東京から人も行かない、したがって宿屋の女中さんとか民宿のパートというのは全部職を離れるわけであります。同時にフェニックスの葉などを切ってそれを納めていた人も、フェニックスが色づいてしまったとか、いろいろの関係で、どうも私どもの聞いているところによりますと、生活保護世帯までにはいかないけれども、それに近い世帯が五十世帯くらいあるのではないか。これは支庁長も町長もそういうことを指摘するのであります。しかし、いまの法律上はどういう法律を適用するといってもなかなか方法がないのでありますけれども、五十世帯の人がとにかく、路頭に迷っていると言っては言葉が過ぎるかもしれませんが、途方に暮れているわけであります。五十世帯くらいの者を救う便法的な措置がいまあるかどうか。たとえば先ほど申しましたような横間の軍道に失対事業として、これを直すために、来年の四月なら四月まて何百人かの人——何百人といったって百人か百五十人の人でありますが、そういう人を雇うとか、あるいは食っていけるためにそれを助ける方法が何かあるかどうか、ぜひひとつ政府の関係機関のお知恵をおかりしたいのであります。

水田努厚生省社会局施設課長

○水田説明員 お答え申し上げます。  今回の八丈島の災害で、就労しておられた方で、いま先生のお話しのように、一時離職を余儀なくされた方の八丈島の復興ができるまでの間の対策、こういうものをどうしたらいいかという先生の御指摘でございます。  その間の対策としては、緊急失対的な仕事をやるか、あるいはそれにしましても当面の生活をどうするか、こういう問題があるかと思います。  私ども厚生省の方といたしましては、いわゆるつなぎのお金をお貸しする、こういう形に相なろうかと思います。  お貸しする方法としては、二つの道があるわけでございます。その一つは、災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律に基づく援護資金の貸し付けという道があるわけでございます。これは最高限度百万まで借りられる形になっておりまして、いまそういう困窮された方あるいは家を壊された方その他を含めまして、一応私どものところには、一億八千万ぐらいの融資してほしいという要請が東京都の方から参っておりますので、これに対しては私ども迅速に対処していきたい、このように考えておるわけでございますが、この災害援護資金の貸し付けを受け得る条件というのは、そこの御家庭が被災されているということが前提になっております。  非世帯であって、災害は受けておらないけれども、事業場が災害に遭ったために就労の機会を失った、こういう方の問題が残るわけでございますが、こういう方につきましては、世帯更生資金という制度がございまして、最高限八十万まで借りられることになっております。これは私どもの局の生活課というところが所管いたしておるわけでございますが、生活課の方が、そういう世帯更生資金の需要がある場合には国としても対処したい、資金の手当てその他の用意もあるので、早急に都の方でどれぐらい需要があるか調べてほしいということは、もうすでに都庁を通じて指導済みである、このように聞いております。なお、都の方からは、これに対する資金需要についてのお答えはまだ来ていないやに聞いております。  いまお貸しいたします私どもの施設課で所管いたしております災害援護資金の貸付条件でございますが、一応償還期間十年ということになっておりますが、三年間は無利子で、その間は返済の必要がないわけでございます。  それで、四年目から七年間にわたって返済していただくわけでございますが、この種政府の貸付資金としては一番低いんじゃないかと思いますが、年利三%ということでやっております。  それから、世帯更生資金の方も同じく利息は三%で、この世帯更生資金の場合は、一応据え置き期間は一年、このようになっております。ただし、世帯更生資金の場合も、経済復興がその過程でできない場合にはさらに一年返還の猶予を認めるというような弾力的な運営をいたしておりますので、両資金を使って、先生の御指摘の当面困っておられる世帯については対処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ちょっとお尋ねしますけれども、そうすると、自分の家が災害に遭った、勤めていろところが災害に遭った、その枠があるわけですね。

水田努厚生省社会局施設課長

○水田説明員 いま申し上げましたように、そういうボーダーライン的な方に対する融資制度としては、援護資金と世帯更生資金と二つの道があるわけでございます。それで、自分の家も罹災された方につきましては、災害援護資金というものをお貸しする、それから自分の家は罹災していないという方は、この災害援護資金を借りる資格がございませんので、ボーダーライン層には、本来融資するための世帯更生資金という融資制度があるわけでございますので、そちらを御活用いただく、こういうことでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そういうのは、町の方から五十軒分なら五十軒分貸してほしいということが東京都を通じて来ますと、あなたの方は大体五十軒分だけ貸してくれるものなんですか。

水田努厚生省社会局施設課長

○水田説明員 災害援護資金につきましては、これは法律に基づく貸付制度でございまして、これにつきましては、今回の八丈島はもとより本年度災害を受けた全国の世帯につきまして必要なものは全部お貸しするということで、無際限の対処をいたす考えでございます。  なお、世帯更生資金につきましては、これは予算措置上の制度でございまして、おのずと資金枠に限度がございますので、そういう意味で、私どもの局の生活課の方でできるだけ早くその資金についての枠取りをしたいという意味で、東京都の方に、そういう要望世帯があった場合には、私どもの方の生活課の方も資金の枠取りをしておかなければいかぬので、早くそこらあたりの需要測定をしてくれという指導をしたというのはそういう点からでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 まことにどうもいろいろのことを知らなくて恐縮でありますが、そういう世帯更生資金というようなものは、こういう制度があるからこれで困っておる人はお救いなさいと言って、あなたの方が町へ指導なさるのか、あるいは町や支庁が何かないかと思ってあなたの方へ来るまで待っておられるのか。あなたの方はそういう態度で八丈の役場の方へ、あるいは支庁長へ通知をいただけましたでしょうか。

水田努厚生省社会局施設課長

○水田説明員 これはおしかりを受けるかもしれませんけれども、行政機構というものは一応住民の行政につきましては都庁を通じて行政を進める、こういうかっこうになっておりますので、私の課の所管いたしております災害援護資金につきましては、都庁を通じましてもうすでに一億八千万という資金需要があるということを把握し、そのための資金の手当てその他の対策を講じているわけでございます。  なお、世帯更生資金につきましては、いま申し上げましたように、私どもの局の生活課から都庁を通じて八丈島の方に、早急に資金需要の測定をするようにお願いを申し上げているところでございます。  なお、私どもも、八丈島の町長さん以下町会議員の方も社会局にいろいろ陳情にお見えになりましたので、お会いする機会を持ったことは事実でございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 まことに恐縮でありますが、私の知っている町会議員はそっちの世帯更生資金などというものを知らなかったものですから、すみませんけれどもあなたの方で何か御徹底を願いたいと思うのですよ。  あと農林省の方にお尋ねをいたしますけれども、あそこは御存じのように、非常にフェニックスその他の観葉植物をもって生業としているところでありまして、いろいろ御協力を願ったのでありますけれども、ああいう島でこのたびのような風水害に遭って、いろいろ近代化資金その他を御便宜いただいただろうと思いますけれども、将来の八丈島の観葉植物はこのくらいつくってこういうようにしろというような何か御指導をなされた上にこのお金を出してくれる、こういうようになっているのでありますか。——まあそれはそれとして、とりあえずお金を出した。どういうようなことで処置なされているか。この八丈島の主としている園芸、観葉植物、これらについて農林省の方で知っておられる方があったらお願いをいたします。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 八丈の観葉植物と花卉、花でございますが、これは自然条件に恵まれて、最近需要も多い、非常によく出るということを聞いております。有望な農業経営で、比較的農業の中では企業的な経営が行われているというように聞いているわけでございます。  今回災害を受けましたのは、そういう栽培を行うところの温室とかビニールハウス、そういう施設、それから中の収穫物そのもの、どういう観点からそれに対して災害復旧の指導あるいは援助の手を差し伸べているのかというお話でございますが、将来の観葉植物の需給の関係とか流通の関係、そういったことにあるいは問題があるのかもしれません。私どもは、そういったところの市場の実態まで十分把握してということではございませんが、現在行っておりますところの経営そのものが非常に壊滅的な打撃を受けたということで、それをとにかく回復するんだということで、近代化資金を中心とする融資制度でこれのめんどうを見るということを考えてやっておるわけでございます。  一般的な経営問題あるいは流通問題、市場問題、さらには栽培上の技術の問題とかいろいろございましょうが、それは今後特に災害復旧ということとはまた別個に、一般的な農業経営指導の問題として、それはそれなりに東京都とも相談してしかるべく指導をしてまいる必要があろうかとは思っております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ちょっとこの際お尋ねしておきますが、何かフェニックスのフレームについて建設省の建設大学の学生さんが、学生さんというか、お役人さんというか、八十名だかが五十日行って非常に低廉な御礼でやっておられるというのですが、これはもう五十日と決まったものですか。場合によっては、なかなか人手がないのだから七十日くらい行ってやろう、こういうようになるものですか、その辺はいかがですか。建設省の方、だれか知りませんか。——それでは、恐れ入りますが、だれか建設省の方お調べになって御返事を願いたいと思います。  何か時間があと四分くらいしかないそうでありまして、はしょって最後の質問をいたします。  先ほど五十世帯くらい実際に食べられないのだ、一方には町道を直す仕事がある、国が失対事業の枠を設けていただければ二者両得というようなことに八丈島の方からいえばなるのだろうと思いますが、労働省関係はこの際せめて来年の春ごろまでそういう枠を設けていただける、こういうようなお考えにはなりませんでしょうか。

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 労働省守屋企画課長が見えることになっておるのですが、まだ見えておりません。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 それでは、同僚議員の質問が終わった際に、その問題だけひとつお答え願いたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 いま労働省が見えました。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 こういう質問であります。  八丈島には生活保護世帯が二百くらいありまして、どうもいろいろ調査してみますと、この間の風水害によって内地から旅行者も行かない、あるいはまたフェニックスの葉も枯れてしまったというようなことで、職にあぶれた世帯が五十世帯くらいあるのではないか。片一方には横間の都道というのがありまして、その横に町道があって、その都道がちょいちょい使えなくなるので、そっちの町道の方をバイパスとして通したい。だから、バイパスとして通すという要求と、五十世帯、飯が食えぬ人がたくさんあるので、それを救うために何か失対事業をするという二つの要請で、来年の三月ごろまであそこへ失対事業の枠を設けてくれる、そういうわけにはいきませんか、こういう質問であります。

石井甲二労働省職業安定局失業対策部長

○石井政府委員 お答えいたします。  失業対策事業を起こしてはどうかというお話でございます。失業対策事業につきましては、実は昭和四十六年の中高年の特別措置法によりまして、現行の失対事業は存続はいたしますけれども、新たに就労者を失業対策事業に抱えるということはその法律で一応けりをつけた段階がございます。したがいまして、現在、緊急失対法がございますが、これを新たに拡大するということは非常にむずかしいというよりも、法律的に実はその点は決着がついております。したがいまして、約五十世帯の生活保護をもらえない方々をどうするかという問題だろうと思いますけれども、私どもといたしましては、一つは、事情は実は私いま急に駆けつけたものですからわかりませんが、たとえばバイパスをつくるという別途の事業、あるいは公共団体が災害復旧事業をやるという場合に、職業安定機関とその就労を希望する方々との調整を行いまして、できるだけ職業安定機関がそういう一つの復旧事業に就労させるように努力をする、こういうことに相なろうかと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ちょっとあなたの言い回しがうま過ぎてよくわからぬのですが、要するに失対事業としてはできない。そうすると、特別なところで何かそういう枠をつくれば、そこへ入れるようにしたらいいんじゃないか、こういう返事ですか。どうもよくわからぬ。だめならだめと言ってください。

石井甲二労働省職業安定局失業対策部長

○石井政府委員 失業対策事業を新たに拡大するということは、先ほど申し上げましたように、法律的にすでに決着がついておりまして、これは実際上無理でございます。  ただ、その就労をどうするかということになりますと、ああいう島でございますから、新しい就労の場をどうつくるかということになりますと、たとえば災害復旧事業とか、あるいはいまのバイパスという問題がどういうことになっているか私はわかりませんが、そういう事業の中に職業安定機関が入りましてあっせんをするということが、この際の私どものとる道であろうというふうに考えます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 あっせんは大変ありがたいのでありますが、そうするとまたもとへ戻って、先ほどの建設省の地方道課長の方に何かお願いをしなければいかぬだろうと思うのでありますが、時間がないから最後のお願いだけ申し上げておきますが、ぜひひとつこの二つの要請のために失業対策をどうするか、バイパスをどうするかということで特別に東京都と相談をして、積極的な指導をお願いしておきます。ひとつよろしくお願いします。  以上で終わります。

金丸徳重日本社会党

○金丸委員長 次に、米原昶君。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 先ほど八丈島に天災融資法適用の問題について質問があったときに、お答えがありました。ところが、そのお答えの数字がちょっと違うのです。おっしゃったのは災害の中間報告の数字なんです。ところが、最近確定の報告が出ているのです。これを見ますと、たとえば農産物の被害を先ほど七億円ほどとおっしゃいましたが、驚くなかれ十八億の農産物の被害、これが最終的な報告なんです。八丈支庁の出した報告です。人口が一万余の小さい島でしょう。そこで農産物の被害だけで十八億というのは、大変深刻な問題です。その点、これは確定的な報告として出ているものですから、私もこれを見てちょっと驚いたんです。こういう点で、もちろん天災融資法の適用については、いろいろむずかしい条件がいままであるようであります。二つの県にまたがって、被害が大体合わせて六十億以上、こんなふうに言われているので非常にむずかしいことはわかるのです。しかし、深刻な点から言いますと、非常に局地的な災害ですけれども——私も実は災害か起こった翌日に八丈島に行ったのですが、そのときに、八丈があれだけの被害を受けたら、その南にある青ケ島あるいは北の方にある御蔵島とか三宅島、一連の同じ方向から来た台風だとすると、これらの近辺の島も全部やられているのじゃないかと思ったのですが、八丈に着いて聞いてみると、南の方の青ケ島は全然被害を受けていない。全く局地的な珍しい災害なんです。しかし、その激しさは全くひどいものであります、農産物の被害だけで十八億ですから。  この点から見ますと、私は天災融資法のあり方という点で考えてもらわなければならぬのじゃないかという点を第一に感ずるわけなんです。激甚災害の法律にしましても、最初同じような形だったけれども、現在では局地的な激甚災害の基準というものができて、局地的な災害にも適用されるようになった。そういう点から見たら、天災融資法の適用にももっと柔軟な態度をとる必要があるのじゃないか、こういうことを切実に考えるわけです。同時に、両県にまたがるという点では、ちょうど十三号台風が来たその後で、前線によって静岡県で大変な水害が起こっている。こういう点では、一つの台風に伴った二つの災害と見て、これをあわせて適用することはできないかどうか。気象庁の方にも意見を聞いてみましたが、それは非常にデリケートなところだけれども、必ずしも考えられないことではないということを私聞いたものですから、こういう点をどう考えられるか、まず聞きたいのです。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 ただいま先生の方から私どもの方へ、八丈支庁の報告という数字の文書をちょうだいしましたが、これを見ますと、被害の総額が、農産物関係で十八億となっております。私どもが聞いておりますのは、これは二十二日現在での集計でございますが、約七億、かなり大きな開きがございます。中間集計と最終集計、現在までの最新の集計との開きというふうにしても、ちょっと大き過ぎるのじゃないかと思います。これはなお念のため調べてみたいと思いますが、数字の話は、ここではちょっとどちらが正しいかというような確認はいたしかねますから、調べてみるということでお許しを願います。  天災融資法の発動の考え方につきましては、再三御説明いたしているところではございますが、災害の程度が著しくて国民経済に及ぼす影響が大であるというものを天災融資法の対象にするというのが基本的な考え方になっております。どの程度から国民経済に及ぼす影響が大であるというふうに判断するかという基準であろうかと思います。その考え方のもとには、地方の災害はできるだけ地方で、個人で処理し切れないものは地方公共団体で処理する、その手に余るものは国が一部手を差し伸べるという考え方があるのだろうと思います。  その場合、従来、私どもの実績では、先生ちょっと触れられましたように、国民経済に及ぼす影響大という場合には、少なくとも一県限りというような話ではないのだろうということで運用をいたしてまいっております。複数県というのが結果的に対象になってくる。それから、金額的には、いままでの実績では大体六十億程度の被害は少なくともあるものというのが一応の基準になってまいっておったわけでございます。それらの考え方からしますと、離島で局部的には、そういう地域にとってみれば著しい被害であったかもしれませんが、これは非常に申しわけない言い方になりますが、八丈の被害程度の規模では天災融資法の対象にならない。それから、静岡の災害なり、あるいは八丈島近くのいろいろな伊豆の島もある、そういったところの被害を全部合わせてどうだろうかということでございますが、おっしゃられるように気象的には、これは気象庁にも確認してみる必要があろうかと思いますが、一連のものであるという説明がつくならば、自然現象による被害として合算することはできると思います。ただ、静岡も、いま申し上げました二十二日現在の報告では農産物被害は五億ということで、それほど被害の規模は大きくない。合算してもなかなか天災融資法を発動する対象にはならないという実態があるわけでございます。  ただ、そういうものを放置しておいていいか、とにかく天災融資法の対象にならないにしても、それなりに災害救助、災害復旧の対象として国が助成の手を伸べられないものだろうかという問題がございます。八丈島の災害、これを具体的に見てみますと、先ほど来お話ありましたように、観葉植物、一部花卉、花もございましょうが、主として観葉植物、その施設関係と生産物、その被害が大部分でございます。一般の県の農業被害と異なりまして、そういう比較的企業的な経営になじむような農業、その企業の施設なり収穫物が被害を受けたというのが実態でございます。こういったものに対してどういう手当てが一番有効かということを考えますというと、むしろ運転資金的な、しかも限度の額がそれほど大きくはない天災融資法に基づく資金の融通よりは、現在いろいろ制度資金の手当てができるようになっております。たとえば近代化資金でありますとか、あるいは農林漁業金融公庫の施設資金でありますとか、そういういろいろな資金の手当てができるようになっております。それらをむしろ有効に活用するという手もあるのではないか。特に近代化資金に関して言いますれば、東京都は、従来からでありますが、特に今次の八丈島の災害に関しましては利子補給の上積みをするというようなこともやっておりまして、施設資金についても経営資金についても末端金利三%の融資を行うという方針を定めております。その方が全体としての融資の限度の額もはるかに大きうございますし、現実に即した対策になるんじゃないかということで、私どもも東京都と相談しながらそういう対策を進めるということで八丈島の災害には対処するようにいたしたいというふうに考えておるところでございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 天災融資法の適用がむずかしということは、私も最初から思っていたんです。思っていたけれども、余りにも災害の額が大きいので、いま言いましたように農産物だけで十八億というのは、実際私にとってちょっと意外なほどなんです。昭和四十八年度のあそこの農産物の出荷額が五億九千万円と言われておったのですが、今度の被害が十八億というのでびっくりするのも無理ないんですけれども、しかし実際にそうだとしたらこれは大変なことだというのが一つです。それと、町全体の被害総額が四十六億二千万円と出ておりますが、この点基準財政需要額と比べてみても数倍の大きさですね。そうだとすると、この小さい町の損害というのは、ちょっと想像を絶するものがあるんです。そういう点に融資法が適用できないとするのは非常に残念なんで、いま言いましたように静岡県にほぼ同時に災害が起こっておりますし、近県にもかなり災害が起っておりますから、これを総計して、もしも六十億を超えるような場合にはひとつ考慮していただきたいということをお願いしておいて次の質問に移ります。  というのは、それができないとしても激甚災害の指定は可能じゃないか。これは国土庁の方にお答え願わなくちゃならぬかと思いますが、いま言ったような状態で、局地的な激甚災害としての適用は可能じゃないか、こういう感じがするんです。農業の方は、土地、施設などの損害にかかるんだそうですが、その農林水産の施設だけでも五億八千四百万の損害が出ているし、あるいは商工被害が二億四千万出ております。こういう点では局地激甚災害の指定ができる条件がそろっているのじゃないかという感じがいたします。もちろんこれは所得の一〇%を超える損害になっているかどうかというのは、数字を私知りません。しかし、大体この数字から見たら適用できるのじゃないかと思うのですが、この点どういうふうに考えておられますか。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 お答え申し上げます。  御存じいただいておりますとおり、激甚災害の指定基準というのがございまして、条件が満つれば局地激甚の指定をいたしたいというので、そういう心づもりでおるわけでございますが、現在私らの方で考えておりますのが、先生も御指摘いただきました公共施設関係、これは公立学校と、八丈島の場合には公営住宅、そういうものを考えておりますが、その査定額が決まりましたらほぼめどがつく。それから、御指摘いただきました中小企業の方でございますが、これは被害額がまだ中小企業庁の方で確定していないようでございますので、御指摘のように比率がありますれば激甚指定ができるわけでありますが、そういうふうな関係で、いずれも前提となります査定額、被害額が確定いたしておりませんので、明確な答えができませんのを残念に思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 そうしますと、いまのところまだ確定的じゃありませんが、そういう公共施設とか中小企業関係には指定される可能性がなきにしもあらず、こういうふうに解釈します。  そうしますと、農業の問題が非常に重大なわけですが、農業の損害は実際のところかなり大きいので、ただこれに対して大体農業近代化資金を中心にしてやられるという方針だということを聞きましたが、自作農維持資金の方は適用できないのかどうか、これを一言聞いておきたいのです。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 自作農維持資金も災害の被災者に対して貸し付けることはできます。ただ、自作農維持資金の貸し付け条件は、これは一般の条件に比べればかなり有利な金利五%、それから貸付金の金額の限度が百万円、貸し付け期間は二十年以内ということになっておりますが、先ほど申し上げました近代化資金あるいは東京都が単独で行う経営資金は金利が三%というようなさらに下回る低金利になっております。それらの関係もありましてか、現在のところ特に自作農資金の枠について貸してほしいというような強い要望は出ておりません。要求があれば、当然その要請におこたえしていくようにしてまいりたいというふうに考えております。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 いまお答えになった点ですが、実は要望がないとおっしゃるけれども、東京都の方から一遍話はあったらしいですよ。自作農維持資金を出してもらえるような手はないかということを農林省に行って聞いたら、何か予算の枠ですか、ほかの方にことしはずいぶん取られるので、ちょっと八丈島に適用するのは無理だという話があってあきらめたということを聞いているものですから、実はそれで私聞いたのです。そんなことありませんか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 私のところまで、実はそういう具体的な詳細な話は耳にしておりませんけれども、そういう話があったとしたら、そういうことは何も頭からはねつけるような話ではなくて、全体の枠の中でそれぞれの事情に応じて配分すべきものと考えます。そのようにしかるべく措置いたします。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それから、もう一つ農業についてこういう話を聞いているのです。農業災害の補償として農業共済組合ですかの金が出る道があるのだけれども、たとえば必須共済事業というのですか、観葉植物とか花卉類というのは必須共済事業でないということで出ないのだということを聞いたのですが、これを出るようにしてもらえる道がないのかどうか、この点聞いておきます。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 農業共済の仕組みはいろいろございますが、施設園芸の共済の制度につきましては、現在試験実施として、これを手を挙げ、希望する府県に対して適用している時期でございます。東京都は、都としてその試験期間に参加するという形になっておりませんので、いまの共済の対象にはなっておりません。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それでは、さらにお聞きします。  もう一つ、応急の措置としての災害救助法による救助の問題ですが、たとえば応急の仮設住宅は限度額が五十四万八千円以内、こうなっておりますね。実際には、応急仮設住宅でも五十四万八千円くらいではいま建てられない。少なくとも九十万円はかかると言っているのですよ。これは実はこの災害救助法の規定では全然役に立っていないんですね。これを特別に出してもらおうとすると、東京都の知事が一々大臣と協議しなければならないことになっているそうです。それで、実際にはほとんど役に立ってないというので現地でも非常に批判が強いわけですが、こういう点についてはどうでしょうか。こういう問題をもっと簡単に解決する方法はないですか。

水田努厚生省社会局施設課長

○水田説明員 災害時の応急仮設住宅は、御指摘のとおり現在、一般基準約五十五万という基準を設定いたしましてやっております。これは全国的な標準的な価格でございまして、その地域の特殊性によって特別基準を設定しまして、実情に合うように運用いたしているわけでございます。  それで、お尋ねの八丈島の件につきましては、いろいろな特殊性があるわけでございます。その一つは、地元で大工さんを得ることができないので本土から持っていかなければならぬということによる特別の賃金、あるいは台風の常襲地帯でございますので、それに相応した補強策をとらなければならぬということで、私どもすでに都庁の方に約九十万で建ててよろしいという内意を伝えてございまして、地元の御要望どおり建築価格についても対応いたしておりますことを御報告させていただきます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 その次に、住宅建設の問題です。先ほど金融公庫の問題を聞きましたが、八丈島の場合、簡易耐火構造は五百七十万円まで、それから木造新築は五百十万円まで、そういう貸し出しを金融公庫でやられているようですが、住宅金融公庫で借りた金は月々の償還金が月収の四分の一以下になるようにしなければならぬという条件がありますね。そこで、さっき大柴さんの質問にも出ておりましたが、八丈島の場合非常に低所得者層が多いわけであります。そのために、月収の四分の一以下という条件では実際に借りられないという層がかなり広範にある。そこで、東京都の方で単独で制度資金の貸し付けというのを始めているようです。ところが、これの方も住民税の百五十倍なんです。運用面で大体二百倍までは借りられるんだそうでありますが、ところが住民税を三百円しか納めていない層、これはしかし最低ですが、こういう層が家を失った中にかなりあるのです。そうすると、これは二百倍しましても六万円でしょう。だから、何百万円なんという金はとうてい借りられっこないのです。そういうような問題があります。住宅金融公庫が災害のための特殊な条件をかなりつくられてやっておられることは認めますが、同時にそういうような実情で、実際には借りられないという層がかなりあるということがわかったわけであります。そこで、そういう条件のもとで住宅問題をどうしたらいいだろうか。緊急に低家賃の公営住宅でもつくるというような手よりほかないような感じがするのですが、この点を建設省の方はどう考えておられるでしょうか。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 ただいま御指摘の点でございますが、金融公庫の融資の場合、所得の大体四分の一というのは御指摘のとおりでございます。それで、五百十万を借りました場合に据え置き期間中の償還額が大体二万三千円、それから据え置き期間経過後で三万七千円ということでございます。ですから、四倍いたしますと十万から十二、三万くらいのところになるわけでございますが、これは、木造の場合五百十万というのは限度額でございまして、限度額いっぱい借りた場合にそうなるということでございます。しかし、限度額の範囲内あるいはそれよりもっと少ない金額でやった場合でも、償還が困難というケースはあろうかと思います。  ただ、先生いま御指摘ございましたような公営住宅の建設でございますが、災害の場合の公営住宅でございますと、三分の二の国庫補助ということで建設することは可能でございます。したがいまして、都あるいは地元の町と相談いたしまして、そういう希望があれば公営住宅についても助成する措置をとってまいりたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 三分の二の国庫補助とおっしゃったのですが、離島ですから、離島振興法の関係から言うと、むしろほかのものは五分の四、国庫補助が出ているわけです。そういう場合に、そういうことが適用できるかどうかということを聞きたいのです。

吉田公二建設省住宅局住宅総務課長

○吉田説明員 私、いまちょっと即答いたせませんで申しわけございません。後ほど先生のところに御報告申し上げます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それでは、ほかの問題を質問します。  さっき大柴さんからも質問がありましたが、横間の都道のところですね。保安林のところが木が倒れて、大体二十メートルの区間にわたって三百立米の土砂が流れている。もう一つのところでは十五メートルの区間にわたって二百五十立米の土砂が流れているわけです。ですから、さっき提案のありました町道を復旧するというのが一つの問題ですし、同時に、この二、三日前の雨でまた崩れたという報道も聞いているので、この保安林に対する防護措置を緊急に進める必要があると思うのですが、この点どんなふうに進んでいるのでしょうか。どういう措置がとられているか、もう一度聞きたいんです。

鈴木郁雄林野庁指導部治山課長

○鈴木説明員 先ほども大柴先生の御質問にお答えしましたが、先生御指摘のように、大坂トンネル付近で都道の上部の森林が今回の台風によりまして立木が倒れまして、都道に危険を及ぼすといったような状況になったわけでございます。林野庁といたしましても早速対策を立てるべく、現地に担当課長補佐を派遣いたしまして調査をいたしまして、東京都に対しまして復旧対策の指導を行ったところでございます。  対策といたしましては、本年度緊急に行う事業といたしまして、緊急治山事業ということで綱製の土どめ工を三カ所にわたりまして施行いたします。これによってとりあえず土砂が都道に落ちてくるのを防ぎまして、明年以降上部の山腹工事を施行いたしまして、道路の安全を図ってまいりたい、このように考えております。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 じゃ、農業関係でもう一間聞きますが、私が町長から受けた報告では、農業施設災害復旧資金の貸し付けの問題ですが、これを要求しまして、農業用構築物復旧資金の融資が出るというふうになったらしいけれども、こういうことですか。限度額六百万円まで、期間十二年、利子三%、農業経営資金の貸し付けが、限度額五百万円まで、期間十年、利子三%、私が町長から受けた報告の中にこういうのが出ておりますが、こういうふうになっているのでしょうか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 近代化資金に関しましては、施設に対する資金の限度額は、これは知事の特認でもって、枠は一件当たり三千万ということになっております。それから、地方農政局長の承認なりあるいは農林大臣との協議が調えば、それから上も、これはいろいろ個別の事情を判断してということになりますが、貸せるということになっております。東京都は、そういう現在ある制度資金である農業近代化資金、これにさらに利子補給の上乗せをするという形で、末端金利が三分になるという形での助成をするということにいたしております。それで、一般の場合は六百万という限度はあるわけでございます。でありますから、東京都が特認をするとか、あるいはさらにその上の所要額についてはそれぞれ所要の手続をとるということで、その額はさらに伸ばすことができることになっております。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 最後にお伺いしたいのは、文化財関係の問題です。  御存じと思いますが、あそこに長戸路屋敷というのがあります。これは昔の代官の屋敷の跡です。ここに古文書が二百六十七点、流刑になった人たちの関係の文書らしいですが、そういうものがあって、東京都の文化財の指定を受けていたわけであります。ところが、今度の台風でこの屋敷が、屋根が全部吹き飛ばされて、私も行ってきましたけれども、大変な損害を受けた。幸いに指定されている古文書は残ったようなんですが、非常にこれは文化財の保護という点から言うと重大な点だと思います。この後をどうしたらいいか、その屋敷の主人は困っておりましたが、こういう問題について、文部省関係の方でどういう措置をとったらいいと思われるか、話していただきたい。都から指定した文化財ですから、国には直接関係ないかもしれませんが、どういうふうにすべきか。家も、そのままにしていたのじゃ文化財を保存することができないような状態なんです。この点についての意見を聞かしていただきたいと思うのです。

吉久勝美文化庁文化財保護部長

○吉久説明員 先生御指摘の古文書につきましては、お話しのとおり都の指定したものでございまして、国の指定したものは八丈にはまだないわけでございます。  これの被害状況につきましては、東京都として調査をいたすべく準備中のようでございますが、まだ詳細な調査は終わっていないようでございまして、近く都として専門家を派遣いたしまして、どの程度の被害であるか、どのように水分等を含んだ被害状況を呈しているかということを調査するようでございます。その上で、私どもといたしましては専門的な保存等の調査で必要があれば十分指導いたしたいと思うわけでございます。  この古文書等の保存につきましては、国の指定したものにつきましては、たとえば収蔵庫をつくるとかあるいは保存庫をつくって、そういう雨漏り等による被害が生じないよう措置をいたしておるところでございまして、ここにおきましても、東京都の方に、必要があればそういう保存庫なり収蔵庫のようなものを整備させるということも一つの方法だと思いますし、被害が生じた古文書自体につきましては、科学的な方法で今後修理等の必要があれば十分指導してまいりたいと思います。  なお、家がトタン屋根だそうでございまして、所有者の方も今度はかわらにいたしたいという御希望があるようでございますが、なお町といたしましては、町で実は町立の歴史民俗史料館をすでに設置済みでございまして、そういうところに寄託を受ける、その上で町民その他に十分な公開の機会も提供するというようなお考えもありますが、これについては、所有者の方とまだ十分な了解に達していないようでございます。  いずれにいたしましても、都の指定のものでございますけれども、私どもも、十分貴重な史料のようでございますので、東京都あるいは町の教育委員会の方で十分な調査をした上、必要な修理なりあるいは保存等の措置につきまして十分な指導を加えてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 行ってみましてわかったのは、私は全体が文化財として指定せられているのかと思ったら、建物の方は指定されていなかったわけです。文書だけが文化財の指定を受けている。ところが、建物自体も昔の代官屋敷でしょう。だから、昔の建て方がそのまま残っていたわけであります。これは文化財としても相当の価値があるものだと一目見てわかるのですがね。それが、いままでの小さい災害での修理が金がなくてできなかったものだから、本当言うと——幕藩体制の時代にできたもので非常に珍しい建物なんです。それで、くぎを全然使わないで組み合わせてできているのですね。これ自体が文化的な価値のかなり高いもので、本当言ったら、あのままを何か再建する方法があったらいいなと思ったのですが、法的には若干無理かもしれません。文化財の保護の仕方としては、いまおっしゃったようなやり方がいいのですが、これはまあ当事者の意見も聞かないで、勝手にこちらの方から考え方を押しつけるわけにいかぬでしょうが、そういう点で今後ともできるだけ大きな援助を与えてくださるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私は、台風十三号の八丈島におきます被害について御質問を申し上げたいわけでありますが、ちょうど台風が十月の五日八丈島を襲いまして、翌六日には私、真っ先に八丈島に駆けつけてまいりました。私どもの党も災害対策本部を設置いたしまして、都議会議員三名を含む多くの党員を動員いたしまして、それぞれ災害の救助活動に当たったわけであります。そして、いろいろ調査をした結果、直ちに舞い戻ってまいりまして、九日の日に内閣総理大臣あてに要望書を提出いたしました。そのときに官房長官がおいでにならなくて、官房副長官である海部君を通じて要望書を提出いたしましたところ、官房副長官の海部君は、必ずこれは各省庁に、その御要望書についてはきめ細かく配慮し、そして指導をする、善処する、このようにお約束をしてくださったわけでありますので、その要望書に基づいて御質問申し上げたい、このように思うわけであります。  先ほど同僚議員の方からいろいろ御質問がありましたけれども、いわゆる激甚法に基づく災害としての指定あるいは天災融資法に基づく救済、このことについては法律的に言って大変むずかしい点がある、しかし静岡並びに八丈島を一つの関連として考えたときに、これが激甚災害法あるいは天災融資法等の適用を受けられるかもわからないということで、前向きに御答弁をしてくださっているわけでありますけれども、私は、その中にあって局地激甚災、これについては八丈島の台風については少なくとも十分に適用は受けられる、そういう被害をこうむっている、このように思うわけでありますが、局地激甚災に対する指定基準、これはどのようになっておりましょうか、まずお伺いをいたします。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 お答え申し上げます。  種類を三つに分けておりまして、まず第一番目の基準でございますが、これは公共施設関係、先ほど申し上げました学校、公営住宅等々でございますが、読み上げますと、査定事業費が「当該年度の標準税収入の一倍をこえる市町村が一以上ある災害。」、それにただし書きもついております。  それから、(2)といたしまして、農地、農業用施設関係の災害復旧でございますが、これは復旧に要する経費の額が「当該年度の農業所得推定額の一〇%をこえる市町村が一以上ある災害」、ただし下限を設けておるただし書きがついております。  それから次に、(3)といたしまして、中小企業関係でございますが、「当該市町村に係る当該年度の中小企業所得推定額の一〇%をこえる市町村が一以上ある災害」、これも農地、農業用施設と同じように下限を設けております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それじゃ、具体的にお伺いいたしますが、中小企業庁の方にお伺いいたします。  この中に、中小企業関係の被害が、もうすでに私の知っている範囲内においても七億円以上あり、そしてさらに拡大をしている。現在、大体調査の結果によりまして十億円ぐらいは少なくとも中小企業の被害があるということになれば、これは一〇%以上に該当するものである、ゆえに局地激甚災には間違いなく指定されるものである、そのように私は思うわけでありますが、その点について御答弁願いたい。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 台風十三号によります八丈島の中小企業者の被害は、ただいま先生おっしゃいましたように、当初は七、八億ぐらいの数字が出ておりました。十一月六日現在でございますと約十一億円程度になるのではないかというふうに考えられます。ただ、これらの被害額はまだ暫定数字と申しますか、正確な数字ではございませんので、これらの数字が確定し、そしてまた、ただいま国土庁の方から御説明がありましたように、中小企業の所得の推定額を確定いたしまして、それが基準に合致するかどうかを見ました上で、関係省庁とも協議いたした上で決定いたしたいというふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いわゆる中小企業の町の所得、これは、私も地元の議員でありますからある程度調査をいたしまして、四十億から大体六、七十億になるわけでありますけれども、そうなった場合、完全に十一億円ということになれば、これは局地激甚災に該当するということになると思うのですけれども、中小企業庁の方ではもうかなりそういう点についていろいろお調べになっていると思うのです。もちろんおたくの方がそれの窓口でありますから、専門的な立場でもうそのことぐらいは調査ができていないなんということでは大変に手おくれの状態だと思うのですけれども、その点についていかがでしょうか。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 中小企業の所得の推定額は、御指摘のとおり四十億を上回る程度、あるいは六十億までいかない、その間ぐらいにあるのではないだろうかというふうに考えます。ただ、私どもといたしましては、やはり関係の都道府県、東京都とも十分相談いたしまして、それらの数値を確定いたしました後にしかるべき協議その他の措置をとってまいりたいというふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 中小企業庁は当然中小企業庁の立場からそういうことをいろいろ御調査なさっておられる。いま私が大体私自体の調査の上から申し上げて、中小企業庁の方々の方とはさほど違わないことになれば、当然局地激甚災というものがこれに適用されてくるということになろうかと思うのです。  さらに、公共施設の問題でありますけれども、河川とか港湾とか建物、あるいは町立学校あるいは町営住宅、保育園、かなり災害をこうむっているわけでありますけれども、その点につきましていかがですか、お調べになって。公共施設が局地激甚災に該当するのではないかと私は思うのですけれども、その点についての御答弁を願います。

山本重三国土庁長官官房災害対策室長

○山本説明員 私どもの方は、公共土木施設関係、その他公共施設につきましては、関係各省にたくさんございまして、各省からただいま報告を受けております額につきまして、これを八丈町の標準税収入との関係を見ておりますが、いまのところはっきりお答えできない状況じゃないか。と申しますのは、公共施設関係につきましては、報告額を実際に関係各省の係官が行きまして査定をいたします。その査定の額がはっきりいたしませんと何とも判断できませんので、いまの段階では適用ができるかどうかはっきりしたお答えはできない。しかし、かなりの額には上っておるという報告を受けております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 政府の方は、法律があるから、当然それに基づいていろいろやるわけですけれども、やはり法律にも血の通った解釈の仕方というのがあるわけですよ。たとえて言うならば、先ほども東京都で利子補給で三%にした、これは東京都の自治体として努力して三%に利子補給でするわけでありますから、そういう意味で国は何をやったかということになると、それを盾にして全くこういう問題について前向きに善処しようとされていないのです。公共事業についても、少なくとも全体的な網がかからない、激甚災あるいは天災融資法がかからないにしても、局地激甚災としては、当然これに対しては善処をしていくというような姿勢が必要だと私は思うのですが、その点について、いま八丈島の皆さん方は、きょうのこの答弁については注目をされているわけですから、あなたの答弁が前向きでないということになると、やはり八丈の方々は、災害をこうむられた上になお国の冷たい施策にがっくりとくるわけですから、その点についてお伺いします。

山本重三国土庁長官官房災害対策室長

○山本説明員 私どもも、局地激甚の指定につきましては、関係各省と協議し、中央防災会議で決定いたしました基準に基づいてそれを判断しているわけでございまして、一方、八丈町の被害状況につきましては、私どもの担当の係官も派遣して十分調査しておりまして、その実情をよく承知しております。そういう意味で、被災地の皆様方に対して十分おこたえできるように、できるだけ善処したいという気持ちは十分持っております。ただ、この段階で被害額が確定しておりませんので、その点ではっきりしたお答えはできないということで御了承いただきたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 次にお聞きしたいのですが、農業施設災害復旧のために、限度額を拡大して長期低利の資金の措置に対してどのようにされたかということについて、国のとられた措置についてちょっとお伺いします。  農業近代化資金を含めて農林公庫から融資を受け、すでに償還期限が来た場合、既存の負債額があるわけです。既存の負債額がある上に、さらに今度の被害をこうむって融資をしてもらいたいという者に対して、どのような御指導をなされるつもりでしょうか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 東京都が、先ほど来お答えしておりますように、農業近代化資金の制度をさらに活用して、一部自己負担の利子補給を行って、末端金利が三分になるような農業施設資金を貸し出しているということでございます。これにつきましては、従来の枠に加えて、東京都では所要枠はおおむね三億円というふうに考えておるようでございます。この分については、当然近代化資金の原資を農林省としては出すという考えでおるわけでございます。  それから、累積している借入金がある場合どうするかというお話でございますが、これは近代化資金に限らず、制度資金で貸し出しているものにつきましては、災害の起こります都度、私どもといたしましては、これをしゃくし定規に、契約条件どおりに償還させるということは実情に合わない、災害の場合はそれなりに相手の実情を見て、しかるべく償還期限の延長なり、その他条件の緩和を措置するようにという指導をいたしております。  八丈の場合も、農林漁業金融公庫等にその趣旨は十分伝えてございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いまお話がありましたように、公庫とかあるいは信用農協連合会等を指導して、個別に話を聞かれて、償還猶予というような処置をとっておられるというようなお話でありますけれども、ビニールハウスが大変につぶれ、そしておまけに金目になるところの農産物がだめになってしまっているわけでありまして、そういうところから考えまして、さらに都の方としては三%になる利子補給をしているわけでありますけれども、これに対して、地元の方は利子が非常にかさんでくるし、三年間の言うならば据え置きの中にあっても利子は払っていかなくてはならないというわけでありますけれども、こういう場合、据え置き期間を長くするとか、あるいは無利子でその三年間の据え置き期間を猶予するというような処置はできないものでしょうか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 一般的な償還期限の延長ということは措置できましても、据え置き期間をさらに長くするとか、さらには無利子にするというようなことは、これは非常に極端なといいますか、これ以上考えられないような仕組みになりますので、そこまでのことは従来私どももやった経験はございません。据え置き期間をさらに長くするとか無利子にするというところまでは、東京都においてもなかなかむずかしい話ではないかというふうに思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは、局地激甚災が適用された場合、中小企業融資の資金の点についてはどのような配慮がなされますか。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 災害の場合におきます政府系中小企業三機関の貸し出しにつきましては、限度につきまして別枠を設けるほか、実情に応じまして、貸付期間の延長、それから事務手続の簡素化、据え置き期間の延長を実施いたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 信用補完の点については、やはり何らかの処置か講じられるのではないですか。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 信用補完につきましては、激甚災害法十二条の規定に基づきまして、激甚指定がありました場合において、現在の保険限度額に別枠を設けて保険を引き受けることにいたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それから、具体的な問題になりますけれども、大賀郷の小中学校が、御存じのとおり一部が全壊をいたしました。三原中学等においてもかなりの被害が出たわけでありますけれども、小中学校を含め八丈島にある学校はもう老朽化がものすごくひどいわけでありますけれども、この際、それに対する耐用期間というものを繰り上げて新築をされるというお考えはないか、文部省の方。

柏木健三郎文部省管理局教育施設部長

○柏木説明員 お答えいたします。  八丈島の小中学校の災害、御指摘のように二校ほど全壊などもあったわけでございますけれども、私たちの調査によりますと、現在持っております小中学校の校舎の約八割以上は鉄筋コンクリート、あるいはコンクリートブロック造等の恒久建築になっております。今回、災害を大きく受けましたのは、御指摘のように木造の老朽校舎でございます。こちらは非常に風が強かったこともございますけれども、シロアリの害が木造校舎について大きかったことも、この災害をもたらした一つの原因というふうに調査の結果聞いております。  木造校舎の耐用度につきましては、私の方で危険点数というようなものをつくりまして、四千五百点以下を改築できる、そしてそれに補助できるという仕組みにしてございますが、現在残っております校舎につきましても、御指摘の点、いろいろの関係を調べまして、その点数等を、調査の落ちているもの、あるいは古い調査によりますものなどについては、東京都を通じて指導して、さらに調査を進めていきたいと考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 シロアリが大変に木材を腐食さして、それが原因だというようなことですけれども、シロアリよりも何よりも六十七・八メートルも吹いた台風の強風が原因であることは当然であります。私も学校をずっと回ってみましたところが、やはり全壊をした部分はかなりもう老朽化が著しいわけですから、その点について文部省としても、もっと積極的にこういう問題について東京都と協議をし合って、この際やはり全壊をした部分を含めて新築をするというようなことをしませんと、いま現在の老朽しているところの補修ではもうどうにもならないような状態になっているわけですし、子供さんの授業等にも大変に差し支えるわけですからね。その点、もう少し前向きに答弁できぬものですか。

柏木健三郎文部省管理局教育施設部長

○柏木説明員 ただいま申し上げましたように、木造校舎の危険改築につきましては、四千五百点という点数を定めてございます。しかし、こういう風道の常時強いような場所でもございますし、これらのことにつきましては、東京都と相談しながら、協議しながら点数の査定その他について善処してまいりたいと、こう考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは、中之郷の藍が江漁港ですね。ここは防波堤が決壊しておりますけれども、これについて御調査されたと思いますが、ちょっと御報告願いたいのです。

根本清英水産庁漁港部防災海岸課長

○根本説明員 ただいまの中之郷漁港の防波堤の災害は、約四十メートルにわたりまして防波堤の上の方が高波で飛ばされております。これをこのまま放置しておきますと、波があるときに漁船が漁港を利用できないというような状態であります。特に、年が明けて一月から二月にかけてトビウオの盛漁期になります。このときにはどうしてもここの漁港を使わざるを得ないし、また西風の強いときでございますので、どうしても一月の盛漁期に入る前に防波堤を復旧しておきませんといけないということで、地元からの要望、都からの要望等がありましたので、直ちに、十二月いっぱいぐらいで復旧が完了できるように応急工事の協議を東京都との間でいたしまして、これが調いまして、東京都の方も直ちに予算を組みまして、十一月の初めに契約をいたしております。恐らく盛漁期までには間に合うと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いまあなたがおっしゃったとおり、確かに冬にかけて西風がかなり強いわけです。一月から二月には春トビのかなりの漁獲量が予想されるわけでして、中之郷の藍が江漁港がもしも防波堤ができませんと、船だまりができないし、船を高いところからおろすことができないわけですから、そういう意味において、これは至急さらに督促を加えてその復旧に当たっていただきたい、このように思うわけです。  次に、先ほどもいろいろありましたけれども、やはり横間都道ですね。横間都道の土砂の崩壊については、きょうもあの横間都道は不通になっておりますね。このところずっと雨が降るたびごとに、御存じのように大変に保安林が根こそぎやられた、その土砂が雨と同時に流れてくる。そして、道路のところに落石があって通れない。こういうことになりますと、全く八丈島は二分をされてしまって、しかもあの横間道路は経済道路であるだけに、不通になってしまった場合には、八丈島の方々は大変にお困りになるわけですから、そういう意味において、先ほどもお話がありました旧軍の防衛道路の整備というものは非常に大切だということになるわけですけれども、これについて建設省の方ではどのようにお考えになっているか、もう一度お伺いしたいのです。

三野栄三郎建設省道路局地方道課長

○三野説明員 お答えいたします。  御指摘のように、通称横間道路でございますけれども、非常に転石等がありまして、今回の交通不能というような事態になったわけでございます。これは都道でございまして、都といたしましては、いまお話がございましたいわゆる防衛道路、これは八丈の町道でございます、中道−伊郷名線と申しますけれども、この町道を代替的な路線として整備をしていくか、あるいは現在の都道をもう少し海側の方に回すか、そういうふうな抜本的な対策を立てる必要があるということで、五十一年にそういった全般的な調査をいたしたいということを考えておるようでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そうしますと、町道ではありますけれども、これは八丈島の方でかなりそういう要望が強いわけでありますから、八丈島から都を通じて現在の横間道路にかわる道路の舗装とかそういうものが要請された場合においては、当然建設省としては前向きにこれにお取り組みになるかどうか、その点についてお伺いいたします。

三野栄三郎建設省道路局地方道課長

○三野説明員 これは町道でございまして、道路事業として国の助成を申請してきた場合につきましては、私どもとして前向きに検討してまいりたいというように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 八丈島はこのたび被害をこうむりまして、農家の方々は、御存じのようにフェニックスとかあるいは観葉植物がほとんど被害をこうむる、こういうような状態になったわけであります。フレームの方も倒壊をしてしまうというようなことで、観葉植物が一朝一夕に立ち直るということはないわけでありますけれども、農林省の方といたしましては、観葉植物が少なくともマーケットに適応できるように復旧するにはどれくらいかかるというようにお考えになっていらっしゃいましょうか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○杉山政府委員 大変申しわけありませんが、そういう市場流通の関係、どれだけ回復に期間を要するかということは、担当の専門官がちょっとここに居合わせませんので、後ほどまたしかるべく御答弁させていただきます。  ただ、私どもとしては、一日も早く復旧ができて、一日も早くそういう流通も正常化するようにということで、災害復旧のお手伝いを、あるいは指導をするということを心がけております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 専門家がいないのでちょっとおわかりにならないということですけれども、実際にフェニックスとかあるいはその他の観葉植物が昔の生気を取り戻して、そして市場価値ができるのは三年はかかるというのですね。その三年の間、市場に復帰できるまでの間というものは、この観葉植物をやっておられる方々は、御存じのようにほとんど収入がないわけです。収入がない中においてただ黙然としているわけにはいかないわけでして、そこで一番大切なのは、やはり何といっても経済復興の問題なんですけれども、経済復興に対しては、なかなか具体的に予算を組むということ自体がむずかしいというような問題があるわけですけれども、この経済復興に対してどういうふうに政府はお考えになっているか。そういうふうに非常に打撃をこうむられて生活が困っていく、そして当然三年間というものは、市場にそぐわない植物であるということになると、もう実入りがないわけでありますけれども、そういう点について、経済復興の問題、財政的な措置、それから失対も含めてどういうようなお考えか、御答弁を願いたいと思います。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 いま先生御指摘の点につきまして、まず失対問題についてお答えさせていただきたいと思います。  失業対策事業につきましては、実は昭和四十六年の中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法制定の際に、従来ございました失対事業について、その時点で失対事業に就労している方々についてのみこの事業を継続実施するというように法律制度が改正になったわけでございます。そういうことになりますと、それ以後のこういう就労希望の方々につきましては、これは法律的にも制度的にも失対の事業を拡大するということはきわめて困難な問題であるということになるわけでございます。  しかし、私どもといたしましては決して手をこまねいているということではございませんで、災害を受けられた方々につきましては、その就労の場を確保いたしますために、たとえば災害復旧事業であるとかあるいはその他の公共事業、これは当然出てまいると思いますが、そういう場所に極力これらの方々の就労の場が得られるようごあっせん申し上げたい。他地域へ移れるということでもございませんので、そのように措置してまいりたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いま災害復旧事業に就労させる、あるいはバイパス等ができた場合には、そういうところに収容をしながら救済の措置をとっていくというようなお話でありますけれども、八丈島の被害というのは、これは八丈島自体の大きな被害でありまして、やはり八丈島といたしましては何か特定財源が得られる方法を考えて町の公共事業を促進するように今後持っていかなければならぬのではないかと思うのですけれども、その点について国としてはどのようにお考えになっていますか。また、それに対してどういうふうにアドバイスをされるか、お伺いいたします。

菊地信雄国土庁地方振興局離島振興課長

○菊地説明員 私どもは災害復旧については所管してございませんけれども、やや長期の離島振興という立場で公共事業の事業計画の作成に当たっております。来年度以降の公共事業の事業計画の作成に当たりましては、地元なり東京都とよく御相談申し上げまして、できるだけ御要望に沿うように配慮してまいりたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 だから、特定財源が得られるような方法というのはいろいろぼくはあると思うのですが、そういう点についてもやはり御相談に乗ってくださるということですか。

菊地信雄国土庁地方振興局離島振興課長

○菊地説明員 特定財源と申しますか、私どもは公共事業の事業計画を作成しているわけでございますので、全国の離島の公共事業予算というのが決まります。決まりましたら、その予算の枠の範囲内でできるだけ八丈島は配慮してまいりたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 ともあれ、八丈島は御存じのとおり大変な被害をこうむったわけでありますけれども、私も総理大臣の方に要望書を提出いたしてありますし、そういう点について今後きめの細かい施策をとっていただきたいし、そしてこういう問題について前向きにすべてをやっていただきたいということがまず第一点であります。  それから、最後にお聞きしますけれども、もし六十八メートルという強風がいま東京に吹いたとしたならば、高層建築もありますし、それからまたこれだけの過密化している状態の中にあって、電話、電線あるいは鉄道その他、いろいろの問題が惹起されてくるのではないかと思うのですけれども、八丈島に今度の問題が起こったにしても、それは対岸の火災というふうに見ておるのでなくして、東京都にもしこういう問題が起きた場合にはどういう被害が予想されるか、恐らくそこにおられる皆さん方は専門家でございましょうから、東京都の場合、六十八メートルの強風がもし来た場合にはどういう被害が予想されるか、ひとつ各省庁ずうっと御答弁を願いたいと思います。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 お答え申し上げます。  いまちょっと各省庁のおいでになっている皆さん方と顔を見合わせて、どういうことかというふうに御相談もした気でおったんですが、どうもやはりわかりにくいというふうなことでございますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 よろしくお願いしますなんて私に言ったってだめですよ、それは。少なくとも六十八メートルという強い風が八丈島を直撃したわけでしょう。それであるならば、どうして東京都にそういう風が直撃しないと言えましょうか。となると、当然ここにおいて国土庁を中心として、もしそういうふうな強風が来た場合に東京都としてはどういう災害対策を講じなければならないか、またどういう被害が予想されるか、これは当然調査をしていかなければならない問題じゃないですか。そんな、よろしくお願いしますじゃ、そんな答弁では私納得いきませんよ。ちゃんと答弁しなさい。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 それでは再度、地方防災会議の窓口が国土庁ですから、紀埜審議官。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 ちょっと意見が早急に、どういう形の災害が予想されるかという、ここの場をかりまして御答弁するような数字その他がいま直ちには出ないと思います。これからの課題にさせていただきます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それじゃお約束願いたいのですが、いいですか。やはり東京都がこういうふうな台風に直撃をされた場合に、当然それに対する防災という問題も考えなければならないわけですし、またどういう被害が予想されるということも当然国土庁では考えなければならないわけでありますから、宿題として、今後そういう問題についてもやはり一つの想定というものを考えながらあらゆる災害に対処する、東京はもし地震が来れば大変な災害をこうむると同じように台風においてもやはり私は相当、高層ビルもありますし、そういう点については御研究をされた方がいいと思うので提案をしているわけですから、やはり前向きに御答弁願わなくちゃだめですよ。その点どうですか。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○紀埜政府委員 ちょっと、想定してどういうふうにやるかというのは、一度各省の人の御意見もよく聞いて私の方では調整させていただきたい、かように思いますので、よろしくお願いします。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 結構です。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 栗田翠君。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 去年の七夕災害で静岡県は大変大きな被害を受けておりますけれども、またことし十月七日、八日の豪雨で被害を受けております。  去年は、あの七夕災害は激甚災に指定されたような大災害でして、死者四十三名初め全半壊の家が二千七百六十五戸、床上、床下浸水で七万五千戸以上という大被害でございました。金額で千二百四十六億数千万円という被害を受けているわけです。ことしの被害はそれに比べれば規模としては小さいものですけれども、しかしやはり死者六名、全半壊の家屋をたくさん出し、浸水家屋も非常にたくさん出ておりまして、七十六億三千五百万くらいの被害を出している。言ってみれば、毎年毎年雨が降るたびにこのような被害が続出しているということになります。私は今度の被害でも各地を調査いたしましたけれども、規模こそ去年に比べて小さいですが、災害を受けた人にとっては悩みは全く同じで、何らかの有利な法の適用をしてもらいたいという切実な要望があるわけです。  まず最初に、農業被害その他について天災融資法の適用ができないだろうかという問題で伺いたいと思いますが、第一に、静岡県の農林水産物、それから施設の今度の被害を見ますと、三十八億四千九百九十四万、約三十八億五千万円の被害になっております。同一時期に起こりました八丈島の農林水産物、施設の被害が十八億一千万というふうに聞いております。これを合計いたしますと五十六億五千九百九十四万ぐらいになるわけです。二つ以上にわたります地域で災害が同一時期に起きて六十億を超えた場合には、天災融資法の適用がされるという法の規定になっていると思いますけれども、その他愛知県、東京都などにも被害が出ておりますが、これを合計して六十億を超えた場合には、この融資法を適用するおつもりがありますか、いかがでしょうか。——いらっしゃらないのですね。それでは、これは後ほど調査をしてお返事をいただきたいと思います。  続きまして、この被害は主に都市の中小河川のはんらんによる被害が非常に多うございます。私は特に去年以来いろいろ調査していますと、上流の乱開発が下流に被害を及ぼしている場合というのが非常に多くて、河川改修の問題というのは引き続き大きな課題になっていると思いますけれども、去年八月一日に七夕災害に関しましてやはり災害対策特別委員会で質問をしておりますが、そのときに、巴川の起こした大災害を今後二度と起こさないために改修の必要があるということで質問いたしました。このとき増岡河川局長がお答えになっていますが、去年のお答えですが、今回の被害を十分念頭に置いて巴川の遊水地の設置と放水路の早期通水ということに全力を挙げるつもりである、しかも来年度予算に直ちに反映することばかりを考えているという、非常に積極的なお答えがあったわけです。その後これはどのように取り組まれておりますでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  まず、巴川の遊水地の問題でございますが、これは来年度におきまして多目的遊水地ということで積極的に予算要求してまいりまして、新しい制度のもとに遊水地の促進を図りたいという考えでございます。  それから、放水路の方でございますが、これにつきましては、用地買収はおかげさまをもちまして一応の見通しがつきました。この用地買収につきましては、四十八年度から四十九年度におきましてまず県とそれから静岡市の用地先行資金二十三億円をもちましてほぼ完了しております。工事につきましても四十九年度に引き続き、五十年度におきましても早期通水を図るように促進していきたいというふうに考えております。しかしながら、この放水路の下の受けます、大谷川でございますが、これにつきましては、河口から約二・四キロ区間でございますが、用地の交渉が現在難航しておりまして、これにつきましても早急に妥結を図っていきたいというふうに考えてございます。  そして、今後の進め方としましては、この放水路につきましても、やはり来年度新しい制度を要求しております激特制度、これによりましてやっていきたい。遊水地は先ほど申し上げましたように現在は都市河川治水緑地事業で実施しておりますけれども、これを特定多目的遊水地事業ということで、多目的な遊水地としてさらに促進を図っていきたいということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 建設省の土木研究所が五十年三月に去年の七夕災害を調査した結果の報告書を出しております。この中で、巴川の改修の問題についていろいろ研究をして触れておりますけれども、こういうことを言っているわけですね。去年大水害を受けました麻機地域は低地なんですけれども、この麻機低地がなくなりますと、大谷川河口では放水路がいまの二倍の計画がないとだめであるということが言われております。それから、いままで検討してきた結果をまとめてみると、対象洪水の規模が今度の七夕災害に比べてかなり小さかったために、一応これらの低地が開発されても、治水緑地を設けることによって処理できると考えていたけれども、今回の洪水を対象とするときは改修計画を全面的に変えなければならないということを言っておりますけれども、この意見書は今度の計画の中には十分組み入れられているのでしょうか。それとも以前のままの計画でいまのような計画が進められているのでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  土研でいろいろ研究しておりますが、私たち、現在計画を検討中でございますが、その中には土研のそういう研究成果を入れまして新しい計画を煮詰めておるという段階でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 先ほど激特という新しい制度、激甚災害対策特別緊急整備事業ですか、これをいま予定していて概算要求などもしておられるということをおっしゃいましたけれども、静岡県下ではどのようなところにこの要求をされておりますか。これは河川改修ばかりでなくて、砂防、地すべり、その他述べていただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  まず、河川から申し上げますと、先ほど申し上げた巴川の放水路でございます。それから、ぼう僧川も大きな災害を受けましたので、ぼう僧川につきましても来年度予算要求をいたしたい。それから、小豆川につきましても来年度予算要求を予定いたしております。  それから、砂防につきましては、いま砂防課長が参っておりますので、そちらの方からお答えいたしたいと思います。

中村二郎建設省河川局砂防部砂防課長

○中村説明員 お答えいたします。  砂防関係につきましては、昨年の七月七日の災害によりまして、安倍川、巴川流域並びに由比町におきまして、激甚な土砂災害か——由比町は地すべり災害でございますが、発生しております。これにつきましては、四十九年度は緊急砂防事業費、それから五十年度は通常砂防事業費等において対策を実施しておるわけでございますが、残事業が相当の額に上りますので、砂防ダム、流路工、地すべり等につきまして激特の新しい制度の中で促進をしてまいりたいと考えております。  区域は、砂防といたしましては静岡市、清水市、地すべりといたしましては由比町でございます。  個所数といたしましては、ほぼ三十カ所程度になると思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 河川改修についてのこの制度の適用基準というのはどんなふうになっているのでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  激特の適用基準でございますが、浸水戸数としましては二千戸、全壊戸数でいきますと五十戸程度というふうに考えております。  それで、激特制度の趣旨でございますけれども、いわゆる災害を受けまして堤防などが切れますと、災害復旧とかそういう制度で工事が進捗するわけでございます。しかし、堤防が非常に低いとかあるいは堤防がほとんどないとかいうことで洪水がはんらんしまして一般被害が非常に大きいという場合には、本来河川改修で手当てをしておったわけでございます。しかしながら、河川改修で手当てしますと非常に時間がかかる。それで、一般被害を受けた人々の立場に立てば、いわゆる施設災害があれば早くできる、なければ早くできないということじゃ非常におかしいということで、新しい制度で工事を進めていきたいということでございます。ただ問題は、激特制度の場合ですと、やはり治水特会の中でございますから、全体の予算の枠というもののアップも並行して必要じゃなかろうかというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、いまの基準に合致したものは全部当てはめて適用していくということですか。それとも、合致したものの中から選択をしていくということになるんでしょうか、もし適用される場合ですが。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先ほどの適用基準は、現在大蔵省といろいろ折衝中でございます。それで、そういう適用に当てはまる川につきましては、現在、来年度要求ではすべて要求しております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 浜松市が今度八千六百八戸の浸水の被害を受けております。浜松の場合、一市町村の中に何本もの川があって、複合的にこの水害を起こしているのですけれども、こういう場合には適用されるのでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  その洪水による被害が河川法適用河川であれば適用を受けますけれども、それがいわゆる普通河川でございますと河川法の適用を受けませんので、激特制度は当てはまらないということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 浜松市の今度の水害ですが、市街部に非常にあって、デパートの地下などにも水が入りましてかなりひどい水害でございました。商品などの被害が多かったようです。この浜松の水害の原因は一体どこにあるとお考えでしょうか。それから、これを改善するためにどんなふうにしていこうというふうにお考えでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  ことし十月初旬に浜松市で大きなはんらんがあったわけでございます。これは原因としまして、短時間に多量の降雨があったこと、一時間に八十ミリとか、そういうふうに非常に大きな降雨があったことと、それともう一つ被害の原因としましては、低地地帯でございまして、そのため排水不良となりまして未改修河川の溢水による原因、これが大きな被害をもたらしておるわけでございます。  それで、浜松市内に流入しております中小河川、その中で新川というのがございますけれども、新川につきましては昭和四十八年から工事を実施しておる次第でございます。この新川につきましては、従来継続してきた下流部の河積の拡大、これを促進する。それと同時に、今回の出水にかんがみまして、あそこに佐鳴湖という湖がございますけれども、佐鳴湖を含めまして総合的にいわゆる治水計画を立ててまいりたいというふうに現在検討中でございます。この結論を待ちまして、いわゆる再度災害を防止するということで改修を促進するように今後とも努力を続けてまいりたいということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 佐鳴湖水系の治水問題では大きな運動が起こっておりまして切実な要望になっております。これを初めとして馬込川、芳川、それから準用河川の新川の改修、それから領家都市下水道の整備、急傾斜地の崩壊対策事業の整備の問題だとか、その他要望が出ておりますが、こういうものについて、今回の災害にかんがみまして、早急に改修できますように特に努力をお願いしたいと思います。  それでは続きまして、太田川水系の問題について伺います。  太田川は——太田川及びその支川になるんですけれども、去年の七夕災害でも、またことしも大きな被害を出しております。去年の七夕災害では、袋井では太田川本流が決壊しまして、家屋が何軒も流出しているという大きな被害が出ております。ここは二級河川ですけけれども、静岡県内では一番大きな二級河川で、掛川市、袋井市、磐田市三市を貫いていますし、また周智郡それから磐田郡という二つの郡を貫いているという大変大きな川になっているわけなんですけれども、ことしの十月七、八日の集中豪雨では、磐田市内では太田川水系のはんらんは大変なものだったと思います。半の池川、加茂川、水堀川、八幡谷川、東久保川、倉西川、中沢川、蟹田川、中川、敷地川、これはぼう僧川に注いでいる川の系統ですけれども、ここが全部はんらんしまして、大被害、四億五千万円ぐらいの被害を出しておりますし、また掛川でも西山沢川などの被害が出ております。  ここで地元の話を聞きますと、本流の太田川の改修なしには、小手先の改修をしても、もうこういう各地に起こる被害は解決しないのだというのがみんなの切実な声になっているわけです。満潮時になると、この太田川というのはかなり上流まで川の水が逆流してきまして、それに注ぎ込んでいる支流が全部溢水するという状態になっております。  ところで、こういう問題は以前から大きな問題になっていまして、去年の十一月十九日付で太田川原野谷川改修促進期成同盟会が陳情書を出しておりますけれども、この陳情に沿ってどのような対策をいま立てておられるでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  手元に陳情書がございませんので、陳情書に対する対応の仕方ということはちょっと御説明できません。しかしながら、太田川水系におきまして、どういうふうに改修を進めてきたか、あるいは今後どういうふうに進めていくかということを御説明申し上げたいと思います。  まず、太田川水系の河川改修事業というものは、本川の太田川につきましては、支川の敷地川、原野谷川、それから逆川を含めまして、昭和二十七年から中小河川ということで実施中でございます。それから、先ほどお話がありました支川のぼう僧川につきましても、その支川の今之浦川、加茂川を含めまして、昭和四十四年から中小河川改修事業として新規に現在実施しておる次第でございます。それからまた、二次支川の小藪川は小規模河川という制度をもちまして、これも昭和四十四年度より工事に着工しておりまして、現在鋭意工事を進めておる次第でございます。  しかしながら、先ほども先生お話ありましたように、四十九年における大きな災害あるいは五十年における原野谷川の支川の西山沢川などの災害とかぼう僧川のはんらんとかいうのを考えまして、やはりこの西山沢川などにつきましては、災害関連事業を含めまして推進を検討中でございまして、ぼう僧川につきましては、先ほど申し上げましたように、五十一年度の予算要求としまして、激特事業として実施するように検討している次第でございます。そうしまして、中小河川あるいは小規模河川とかを含めまして、鋭意改修の促進を図ってまいりたいという所存でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いま二十七年から進めているというお話でしたけれども、しかし工事がやられていながらも相変わらず去年、ことしと被害が出ているというのが実情です。この陳情書を見ましても、太田川の全面改修をするのには百六十億円の巨額を要するということになっております。そうして、現在のような事業費の割り当てでは五十年以上かかってしまう。その間にずいぶん大きな被害が幾度も出ることだろうということなんです。去年の七夕災害で出ました被害だけで二十五億余円。そこで、去年の陳情書を見ましても、個所個所で改修の具体的な要望が出ておりますけれども、それだけで八億九千五百万円ぐらいの要望になっているわけなんですね。これに見合っただけの予算はなかなかついていないというのがいまの実情でございます。  ここで、大体、こういう中小河川の改修の問題について、県が促進をしていこうと努力をしていても、なかなか予算がつかない状態だということを県知事が言っているわけなんですね。これは山本県知事が清水へ行きましたときに河川改修で陳情を受けまして、支流の河床が上がってきているので何とか早くしてほしいという要望に対してこう答えているのです。「県の責任河川の全改修は約八千億円、そのうち危険度の高いものだけでも約二千億円はかかる。昨年の七夕災害にかんがみ河川予算はふやしたが、それでも五十億円である。」、こういう状態なんです。ですから、現在、危険個所だと言われているところだけで二千億円、ところが、県の予算はふやして五十億円、このふやし方が足りないという見方もあるわけですけれども、これをそのまま素直に見れば、これだけで四十年かかるということになるわけで、危険個所はまだまだふえるから、こんな状態では後追いになりまして、またまた来年も災害が起こるということは防止できないのではないだろうかという状況だと思うのです。こういうことから考えてみて、特に太田川の場合には非常に大きな川です。ここで県の河川として扱っていた場合に、なかなか全面的な改修ははかどらないのではないだろうか、こういうふうに考えるわけなんですね。  ちょっと伺いますけれども、太田川はいま二級河川なんですけれども、一級河川、二級河川の違いというのですね、あるいは二級河川を一級に引き上げるときの基準といいますか、これはどんなものが基準になっているのでしょうか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  一級河川は、国が直接河川を管理するということでございまして、その中におきましても、一級河川の指定区間につきましては知事さんに管理を委任するということでございます。二級河川は、県といいますか、知事さんが管理する河川ということでございます。  それで、二級河川を一級河川に昇格させる場合の基準でございますが、一級河川というものは、国土の保全あるいは国民経済上特に重要な水系を指定するということにしておりまして、水系の規模、これは流域面積とか流量とかそういう水系規模でございます。それから、治水、利水的な要素、そのほかに事業の緊急性、河川管理の重要性、管理体制というものを総合的に勘案して決定することにしております。  以上が、一級河川に格上げする場合の一つの基準でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 この太田川なんですけれども、現在二級河川になっておりますが、さっき言いましたように、三市二郡にまたがっている県下最大の二級河川です。それで、流域五万余ヘクタール、非常に重要な都市の中を流れておりまして、しかもいま言いましたように、たびたび災害を起こしていて、改修の必要度というのも大変高い川なんですね。一級河川に格上げをしてほしいという切実な地元の要望がございますが、この辺についてはどうお考えでしょうか。ぜひともやっていただきたいと思うのですが……。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  河川改修をする場合に、まず一級河川にした方が早く進むか、あるいは二級河川の方が早いかという問題が一つございますけれども、それにつきましては現在、建設省におきましては、いわゆる中小河川といいますか、補助河川です、そちらの方に重点を置いて予算の配分というものをやっておる次第でございます。  それで、太田川につきまして一級河川にする問題でございますが、太田川は、現在の河川管理の体制その他につきまして、従来から静岡県において水系を一貫して管理を行ってきております。引き続き今後も県において管理するということが適切であろうというふうに判断しておる次第でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 一級河川の場合、国が直轄ですから国の大きな規模の予算の中で改修ができると思うのですけれども、さっき言いましたように、中小河川に主に予算を今度努力して配分しているとはいえ、二級ですと、さっきのような県知事の話のような内容になるわけですね。そういうことからの要望でございますが、そういう必要性から考えてこの点はどうなんでしょうかね。もう一度お答えいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  昭和五十年の予算の配分を見ておりましても、いわゆる直轄河川につきましては昨年に比べてほとんど予算の伸びがないわけでございます。しかしながら、いわゆる補助河川につきましては去年よりもやはり伸ばしている。先ほどの巴川につきましても大幅に予算を伸ばして改修の促進を図っておるということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 二年にわたって起きております被害の大きさから見ても、いまの予算の増額の仕方ではとても足りないように思います。その点では政府としても住民の被害の大きさを考えて大いに努力をしていただきたい、改めて要望いたします。  それでは、次の問題に移りますけれども、今度の災害を見ても、最近の災害すべてそうですけれども、水害の場合、開発との関係というのは非常に密接です。この太田川のはんらんの場合には、磐田原台地の北部の開発というのが非常に問題になっております。この北部台地は圃場整備が現在八〇%完成していて、県の磐田原灌漑排水が五八%ぐらい完成しております。東名高速道路、バイパス、こういうものができて、こういう条件の中で雨水の流れの速さが開発前の二十倍になったということが言われているわけなんです。ですから、普通の雨でも浸水するようになってしまった。結局、開発を考慮に入れないで河川の改修がされているし、またされていない場合もある、こういう状態です。特に今度問題になっていますのは、この圃場整備がやられているのが四十一年から、ところが下流部の方の整備がされているのが四十九年から、つまりその間に八年間の差があって、先に上部の方の開発がされて後になって下の方の整備がされる、こういう状態になっている。これはまさに水害が政治の責任だということが言えるんじゃないかと私は思うのです。この北部地区の開発は、こういうことから考えても下部整備が整うまでは控えるべきではないだろうか、それと合わせて下部の河川の改修をもっと早急にやるべきだと思いますが、その点についてのお考えはいかがですか。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  具体的な地域的な関係では、現在手元に資料がございませんのであれでございますけれども、やはり圃場整備をやる場合には下流の河川改修の進捗状況とテンポを合わせて進めていくということが一つじゃなかろうかと思います。しかしながら、圃場整備も、農民の皆さん方の所得がふえていくとかあるいは食糧増産の一環とかいうことがありますが、できるだけやはり下流の改修の進捗状況と合わせて進めていきたい、そういうふうに考える次第でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 ところが、実際そうなっていないからこういう被害が出ているという問題なんですね。ですから、圃場整備をするならば下流にもっと早く予算をつけて改修をしなければこういうことになるという実態だということをお話ししているわけです。そうあるべきだということを言われながら実際そうなっていないという点ですね。そこに問題があるわけです。これは磐田原台地だけじゃなくて掛川市なんかでも同じなんですけれども、掛川も太田川水系ですが、今度はんらんしております。これは、逆川その他太田川水系の中小河川の上流が大変な開発をやられております。たとえば区画整理事業で言いますと、県営城北区画整理、それから下西郷区画整理、七日新田区画整理、その他その他と九つぐらいの区画整理が上流でやられていて、市街地の改造もやられているのですね。掛川駅前の都市改造事業その他がやられている。それから、大きな工場が進出してきております。日楽、山水電気、資生堂、NEC。それから、農業土地改良、こうやられているわけなんですね。この点で、いままで逆川という川はかなりりっぱに改修されていましたけれども、このように上流で開発がされている以上は逆川と同じ川が二本ないと足りないということがいま言われる状態になっているのです。ところが、二本どころかこの川そのものが改修がきちんと間に合っていないというのが現在の状態でございます。  それから、これと同じことが沼津の原地区でも言えるわけですね。沼津では、去年の七夕災害、それからことしの九月二十三日の集中豪雨、そして十月五日の台風十三号、三回被害を受けております。川が、前川、新中川、沼川、みんなはんらんしていまして、これは愛鷹台地の開発によるものだということが、学者の研究でもはっきりしているわけなんです。  ここから出されています要望は、ここでも早期に抜本的な改修をしてほしいということですが、たとえば高橋川の放水路をつくってもらいたいという問題だとか、それから各河川の拡幅、それからしゅんせつなど、非常にたくさんの予算がかかりますが、これをやらない限り間に合わないということ、もう一つは愛鷹台地の開発を、下の整備が済まないうちは抑えるべきである、こういう強い地元の要望が出ています。幾度も幾度も水をかぶって、そのたびに逃げ惑い、畳を全部ぬらし、財産を失っている被害者のことを考えれば、これは大変切実な要望になっておりますけれども、こういうこともあわせて考えていただきまして、この河川改修の予算は十分に努力をしてつけていただくようにしていただきたいと思います。その辺の御決意を伺いたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  上流の開発と河川改修とのバランスの問題、先生のおっしゃるとおりでございまして、今後ともできるだけバランスをとっていくように、河川改修を鋭意促進してまいりたいという所存でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 次に、榛原郡相良町の問題ですが、今度の豪雨で五億円の被害を出しております。町の総収入が五億ぐらいですから大変な被害になるわけですけれども、ここの被害の一番大きな原因が、萩間川という川の上流にゴルフ場がつくられて、相良カントリークラブというゴルフ場ができたのです。ところが、このゴルフ場を建設するときに町や県と約束が交わされておりまして、下流の河川の改修をして、とにかく防災工事を先行させた上でゴルフ場をつくるのだ、そういう約束が交わされていたにもかかわらず、実際にはそれをやらずにゴルフ場をつくってしまったわけですね。ゴルフ場といえば芝生が敷かれて、緑のコンクリートなどと言われるぐらいで、実に水はけがよくて、一度雨が降りますとざっと流れてきて後はすぐ乾いてしまうという状態ですから、このためにこの下流が決壊しまして、いま言いましたように金額で五億、取り入れたばかりの稲が全部流れるというような大変な被害になったわけです。この場合、これは県と町とゴルフ場経営者とが話し合いをして災害防止を先行させるということになっていながら、それをやらないのに建設させたという県、町などの大きな問題があって、いま責任追及がされていますけれども、こういうもうけのためにこういうものが建設されて、またそれを厳しく取り締まっていない県、町の問題というのがいま出てきています。これで個人災害を受けた方たちというのはどうしようもない状態なんですけれども、こういう点については正しい的確な指導をお願いしたいと思います。その点についていかがでしょう。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたしたいと思います。  ただいまの地区につきましてはよく実態を調査しまして、そして県を十分指導してまいりたい所存でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 下田市も災害を受けております。ここで、いろいろな災害救助のために出動した人たちの費用などがいま問題になっておりますけれども、消防団の出動費が一人千円しか支払われていなくて、一回夜を徹して救助をしても非常に少ないということが問題になっております。調べましたところ、磐田市でも千円、浜松市でも七百円という状態になっているんです。ところがこれは実際には交付税などの形で出ているものはもっと多いように聞いているのですが、こういうふうな状態が現実にあって、本当だったらばもっと適切な額を支払われるべきなのにこういうふうになっているという、これが実情です。この点について正しい指導をしていただきたいと思いますが、どうお考えになりますか。

原徳安消防庁消防課長

○原説明員 お答えをいたします。  市町村の消防団員の出動手当でございますけれども、消防団員は市町村の特別職の職員で、その出動した場合につきましては、費用弁償としての出動手当が出る仕組みになっておるわけでございますが、これはそれぞれの市町村の条例で額を決めることになっておりまして、必ずしも市町村によって同一でない実情にございます。  ただ、国といたしましては、地方交付税の単位費用の積算に当たりましては団員の出動手当というものも当然計上いたしておるわけでございまして、五十年度につきましては一回について二千円ということで、昨年千五百円でございましたので、昨年に比べまして五百円ほどのアップをいたしておるわけでございます。  ただ、個々の市町村を見ますると、必ずしも交付税の額に達してないということがございますので、毎年交付税法の改正が提案される際に、市町村に対する指導といたしまして、府県を通じまして出動手当の額の適正化、交付税の状況等も示しながら予算措置が的確に行われるようにという指導をいたしておるような状況でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 地方の財政が非常に緊迫しているために、交付税の額全額が支給されていないで、こういうところでしわ寄せが来ていると思うわけですけれども、これは災害の場合にもっとその他いろいろな十分な予算がかけられていればこういうことはないし、抜本的に言えば、災害が起こらないような予算措置をとって河川改修などがされるべきだと私思います。だけれども、末端のこういうところにしわよせがいかないようにするのが政治の姿勢だ。ですから、正しい指導をお願いしたいと思います。  最後に、時間が来ましたので一つだけ伺わせていただきます。  小笠郡小笠町に黒沢川という川がございます。これは一級河川ですが、非常に小さな川です。これがいつもはんらんなどをしまして、また水はけが非常に悪いために地域の中小のみぞなどがあふれまして水害常襲地になっています。今度の豪雨でもあと三十分雨が長く降っていたら水害になっただろう、こういうふうに言われているんです。この黒沢地区はいわば小笠町の中心地に当たるところで、行ってみましたけれども岳洋中学なんという中学が真ん中にありますし電電公社やらいろいろな主な建物、中央公民館なんかもありますし、商店がびっしり並んでいるようなところなんです。ここがいつもいつも水浸しになるということで、町の発展にも大きくかかわる状態にいまなっております。これは内水排除の予算が幾らかついているようですけれども、何年もかかる状態ではないだろうかと思います。ここの内水排除、このような水害の問題を防止していくための御計画をちょっと聞かせていただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  先生がおっしゃった地域につきましては、私も昨年現地へ参りまして、やはりここはぜひ内水排除対策をしなければいけないということを痛感しておる地域でございます。  それで、一級水系の菊川のいわゆる二次支川であります黒沢川の下流部五百メートルにつきましては、まず五十年度から直轄区域に編入したい次第でございます。そうしまして、内水対策としてポンプ場、いわゆる排水機場を設置してその被害を軽減するという計画を持っております。そうしまして、この排水機場につきましては五十年度、いわゆる本年度から用地買収に着手しておりまして、できるだけ早期に完成する方向に持っていきたい、促進を図ってまいりたいと思っております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 何年もかかるようでは困る状態ですね。  それから、町から出されている陳情書を見ましても、菊川の改修予算の中で処理するようになっているけれども、これでは菊川そのものの改修も必要なので、なかなか間に合わない。これは別に枠をとっていただいて、しかもぜひとも予算を早くつけて町の真ん中が水浸しになることのないようにという強い要望がございますので、この点をぜひとも強力に進めていただきたいと思います。  最後に、その点での御決意を聞かせていただいて、質問を終わりにいたします。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  まず第一点の、菊川の予算の枠の外で考えるという地元の御要望でございますけれども、その地元の気持ちというのを痛切に感ぜられる次第でございます。しかしながら、菊川だけでございませんで、直轄河川におきましては、やはりポンプ場をつくる場合にはその河川の枠の中で処置をしておる。しかしながら、やはりポンプ場につきましては重点的に予算を配賦しておるということでございまして、菊川の排水ポンプ場につきましても今後ともできるだけ速やかに完成するように持っていきたい、そういうふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは終わります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 宮田早苗君。

宮田早苗民社党

○宮田委員 何しろ昨日から大ぜいの先生方が御質問をなさっておりますので、私がこれから質問いたします件、多分に重複する面もあるのじゃないかというふうに思っておりますので、その点は御理解の上、もしそうでございましたら、簡単でよろしゅうございますので、御答弁願いたいと思います。  まず、今回の災害に対しまして地元の皆さんから早く復旧をしてほしいという強い要望が各地域から出されておるわけでございますが、今度出しました補正予算では関連事業を含めて総額が一千十億円余りということに計上されておるわけでありますが、被害の実績がきわめて大きいわけでございまして、この補正で十分に対処できるかどうか、大変疑問に思っておりますので、その点からお答えを願いたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  河川改修関係としまして一千億以上の補正が、おかげさまで国会を通ればつく次第でございますが、私どもとしましては、河川にとりまして政府としましてはわりと大きい補正の追加額をいただいたと、その点非常にうれしく思っておる次第でございます。  しかしながら、やはり災害の個所が非常に多い、災害対策をまず重点的にやっていくということで、そういう補正の金につきましても、まず五十年にやられた地区、災害を受けた地区、そういうふうに非常に激甚な地区につきまして重点的に予算を配分して、そしてできるだけ再度災害を防いでいきたい、こういう所存でございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 国の総需要抑制政策とそれから災害地の復旧工事、これについて御質問いたします。  政府のとってこられました総需要抑制政策によって災害地の復旧工事が大変おくれておる、こういうふうに思っておるところでございますが、その結果、地域によりましては、工事のおくれがこの夏の災害をより大きくしたような傾向も見えるわけでございます。たとえば私どものところにもよく陳情が来ておりますが、北海道は三笠市の幾春別川のはんらんを取り上げてみましても、市議会の河川改修に関します意見書を引用いたしますと、四十一年八月の水害を契機に河川の改修工事が始まったわけでございますが、四十二年から三年間工事が実施されただけで打ちどめということになったわけであります。三笠市民が心配をしておりました事態が今度の台風六号によってもたらされたわけでありまして、家屋あるいは道路、農作物等の被害総額が二千億円に達したということになっております。  そこで、建設省の担当者にお伺いいたしますが、総需要抑制が災害復旧や改修工事の計画にどれだけ影響しているのか、その点をお答え願いたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  総需要抑制が河川改修の進捗にどういうふうに影響しているかということでございまするが、たとえて申し上げますると、現行の五カ年計画にどういうふうに影響しておるかということを御説明申し上げたいと思います。  第四次五カ年計画、これは昭和四十七年度が初年度でございますが、総投資額四兆五百億円、そのうち災害関連とかあるいは地方単独事業を除く治水事業三兆円で実際に工事が行われたわけでございます。そして、五十年度、本年度は第四年目に当たっておるわけでございます。そうしまして、治水事業三兆円につきましてその進捗状況を見てみますと、昭和五十年度末、本年度末では約二兆円、三兆円に対して二兆円に達しておる次第でございます。そして、進捗率は約六七%程度、しかしながら補正予算で追加がいただけるとすれば、この進捗率は約七一%になるわけでございまして、いわゆる五カ年計画の進捗率にほぼ見合っておるという次第でございます。しかしながら、今後の事業の実施につきましては、最近における災害発生の状況あるいは用水不足の実情、そういうものから計画の重点的な、かつ効率的な運用を図ってまいりたい、そういうふうに努めておるところでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 北海道の幾春別川の河川改修工事の問題についてもう少しお聞かせ願いたいと思いますが、一応この改修工事が三年間続けられて、結果として一部の改修工事というだけに終わったという、この結果はどういう理由でそういうことになったのか、その点をもう少し説明を願いたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  幾春別の改修は、昭和四十一年の大災害を契機としまして、昭和四十二年以降鋭意促進しておる次第でございます。  それで、改修のやり方としましては、どうしても下流部から改修を促進していくということで、現在半分近く改修区間が済んでおるわけでございます。今度の災害は、その上流の未改修区間からはんらんしたものでございます。それで、幾春別の改修としましては、蛇行といいますか、川が非常に曲がっておるわけでございますけれども、まずその蛇行の著しい地区をショートカットを行って、あるいは築堤をするということで、順次下流から施行していくというふうに考えております。  それからもう一つ、この幾春別につきましては上流に桂沢のダムができておりまして、本年度の災害におきましても、大きくこの幾春別のいわゆる洪水流量の低減に役に立っておるという次第でございます。そしてまた、幾春別の事業費としましても、六億五千万程度の予算をつぎ込んで、今後ともその促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 最近の災害の特徴は、御存じのように、局部的な集中豪雨によります山崩れ、土石流等による被害、また中小河川のはんらんというものが非常に多いようでございまして、急傾斜地、地すべり等の危険個所を四十七年に調査しておられますが、危険個所の再点検をもう一遍行って、緊急を要する個所を選んで重点的に予防措置を講ずるべきである、こういうふうに思います。また、災害の発生いたしました中小河川の改修、荒廃した渓流などについて、再発を防止するため何らかの処置をとらなければならぬ。特に緊急対策というものが必要なときになっておると思いますが、その点についてどうお考えになっておるのか、お聞きします。

大工原潮建設省河川局砂防部傾斜地保全課長

○大工原説明員 先生御質問の前段の急傾斜あるいは地すべり、土石流関係の点検の問題についてお答え申し上げたいと思います。  急傾斜、地すべり、土石流、三者含めましたいわゆる土砂害は、四十七年の激甚災にかんがみまして総点検を実施したわけでございます。その当時、急傾斜といたしましては全国で約六万個所、地すべりにつきましては三省庁の共管でございまして、建設省所管、農林省所管、林野庁所管という三省庁の共管でございますが、約一万個所の地すべりの危険個所が調査されております。さらに、土石流につきましては、約三万五千渓流がその当時調査されたわけでございます。  急傾斜につきましては、人命の問題ということでございますので、過去に調査しました時点よりもさらに物理的な条件だけにたよりました。過去の調査は崩壊の予測といいますか、危険度を個人の判断に一部任したという調査でございましたので、四十七年の調査におきましては、がけの傾斜角度が三十度以上、高さ五メートル以上という斜面で、人家五戸以上に災害を及ぼすような地域というふうなとらえ方をしたわけでございます。したがって、現在までの災害の状況を見ますと、おおむねそういった調査された個所で災害が発生しておるという実態でございます。ただ、災害の発生の中で、人家が五戸未満、特に一戸、二戸というふうな点在の個所で災害が起こったという事例が相当数あるわけでございます。  地すべりにつきましては、過去に地すべりが発生した個所あるいは地すべりの危険性があるような個所というとらえ方でございまして、現在のところおおむね予想された個所で災害が発生しておるという実態でございます。  しかしながら、土石流の問題につきましては、本年の高知の災害等の事例を見ましても、過去に調査されました個所以外でも相当出ておるというふうな実態もございます。  現在のところ、前段で申し上げました急傾斜あるいは地すべりにつきましては、法律的に危険個所の指定をいたしまして、その個所につきましては住民に知らせる、あるいは標識を立てるとかいうふうなことが法律事項で義務づけられております。しかしながら、土石流につきましてはそういったことがございませんので、そういった人身事故を避けるというふうな意味でも、住民に対して危険個所の実態を知らせるという意味での調査を現在やっておるところでございまして、これらの情報サービスという意味での検討を実施中でございます。したがって、急傾斜あるいは地すべりにつきましては、現在のところ再調査の計画は考えておりませんが、土石流につきましては、そういう意味での検討をしておるところでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 次に、中小企業対策の問題についてお聞きいたします。  今回の激甚災害法の改正によりまして、農林漁業及び中小企業に対する融資限度額が引き上げられたわけであります。中小企業庁の方にお答え願いたいわけでございますが、商工中金、中小公庫、国民金融公庫、この三機関の災害融資見込み総額は幾らになっておるか、まずお聞きします。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 政府関係金融三機関の融資額につきましては、これは被害額の方から推定するほかありませんが、現在激甚災害の指定を受けている地域の被害額がおよそ百億円でございまして、その点から考えますと、融資額といたしましては三、四十億円程度ではなかろうかというふうに想像いたしております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 商工中金資金のうち、三%の特別融資貸付見込み、これはどうなっておるか、もう一つは、商工中金の利子補給額はどれくらいになっておりますか、ここ数年間の実績がございましたら、示してほしいと思います。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 利率三%適用の融資額につきましては、大変恐縮でございますが、ただいま手元に資料を持ち合わせておりません。ただ、いままで行いました特利適用貸し付けにつきましては、それぞれの災害ごとに数字がございますので、これはいま調べまして、この後で御報告をさせていただきたいと思います。  それから、本年度の予算につきましては、利子補給の金額といたしまして、四百九十万円が計上されているところであります。

宮田早苗民社党

○宮田委員 中小企業経営者の声を聞きますと、貸付枠の拡大も結構なことでございますが、六・二%の金利をすべて三%にしてほしいという希望が非常に強いわけでございますが、そのような措置はとれないものかどうか、これもお答え願いたいと思います。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 金利につきましては、低ければ低いほど借りる中小企業の方々にとっては結構なことだというふうに存ずるわけでございますが、現在の激甚災害指定になりました場合の金利六・二%または三%は、それ自体が政府関係中小企業金融三機関の貸出金利の中でも優遇されたものでございますので、これをさらに引き下げることは、金利体系全般に大きな影響を与えることとなるかとも思いますので、低い方が望ましいとは思いますが、その実現はきわめて困難であるというふうに考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 この程度で終わらせていただきますが、これまでの質疑で出ておりましたけれども、指定市町村に隣接した市町村の中小企業に対する援助の方法は、今後ぜひひとつ考えてもらわなければならない問題だと思います。例といたしまして適切かどうかあれですが、電源立地を促進するためのいわゆる電源三法では、発電所の立地する隣接の市町村に対しても交付金を出しておるわけでございまして、これは国が出す話でございますが、商工中金融資というのは、申すまでもなく利子を取って貸し出すのでございますので、激甚災害地であろうが災害地でなかろうが、中小企業の受けた災害を救済する政治というものが特に必要になってきておるわけでございまして、こういう点について、ひとつ御見解がございましたら聞かしていただきたいと思います。

安田佳三中小企業庁計画部金融課長

○安田説明員 御説明申し上げる前に、先ほどの従来の特別融資の実績について御説明させていただきます。  四十六年におきまして特利適用貸し付けは二億九千六百万円ございました。四十七年におきましては六十一億六千二百万円でございます。四十八年におきましては八億八千五百万円、四十九年におきましては四十億七千六百万円が特利適用貸し付けということになっております。  それから、ただいまの御質問でございますが、激甚災害援助法は、国の一般災害対策やらあるいは被災しました地方公共団体が行います独自の対策では十分に対処し得ないような、そういう大規模の災害について国が財政援助を行うという趣旨で定められているものと考えるわけでございます。したがいまして、この激甚災害の地域指定に当たりましては、中央防災会議におきまして決定されました基準によって激甚災害法の適用を受ける地域を指定することにいたしております。  ただいま先生から御指摘になりました点は、たとえばことしの八月五日から八月二十五日までの間の災害につきまして、高知県下におきまして、ある市町村は激甚災の指定を受け、ある市町村は激甚災の指定を受けてない点についてのアンバランスの問題ではないかというふうに推測いたしますが、確かに高知県下におきましては九市町村が激甚災に指定されまして、高知市は指定されておりません。これは高知市の場合は、中小企業の所得額に比べましてその被害の割合が一〇%未満、比率が小さいという状況でございましたので、基準に合わないために指定にならなかったわけでございます。  このような事情がございまして、特に高知市関係の方々から、この基準を見直すべきではないかというような声が出ているのも私ども承知いたしておるところでございます。しかしながら、この基準の改定につきましては関係する方面が非常に多うございますので、なかなかむずかしい問題があるかと存じます。しかしながら、私どもといたしましては関係省庁とも十分連絡をとりながら、何か方法がないかにつきまして慎重に研究してまいりたい、かように考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 中小企業の経営につきましては、災害がなくとも不況という大災害に見舞われて四苦八苦しておるときでございますし、こういう状態の中で今度は災害に見舞われて、大変苦境に立たされておるのじゃないかというふうに思っております。そういう点については、より小まめにその救済方法というものを考えてあげるときだというふうに思っておりますので、通産省の中小企業庁、格段の御支援をやっていただきたいということを最後に要望いたしまして終わります。  どうもありがとうございました。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時一分散会

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