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76回国会衆議院1975/11/20

決算委員会 第4号

発言数
122
登壇者
12
会派数
4
開催日
1975/11/20

会議録

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これより会議を開きます。  昭和四十八年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、総理府所管中経済企画庁について審査を行います。  まず、経済企画庁長官から概要の説明を求めます。福田経済企画庁長官。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 昭和四十八年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  経済企画庁の歳出予算現額は四百八十四億三百万円余でありまして、支出済歳出額は四百十三億六千百二十二万円余であります。  この支出済歳出額を歳出予算現額に比べますと、七十億四千百七十七万円余の差額を生じますが、これは翌年度へ繰り越した額が六十一億七千四百十万円余と、不用となった額八億六千七百六十七万円余であります。  歳出予算現額につきましては、当初予算額が八百五十七億八千二百三十四万円余でありましたが、関係各省庁所管へ移しかえた額三百九十一億六千二百八十八万円余と、予算補正減少額一億四千五百四万円余を差し引き、前年度より繰り越した額十九億二千八百五十七万円余を加えまして四百八十四億三百万円余が歳出予算現額となった次第であります。  支出済歳出額の主な内訳は、離島振興対策事業費百六十七億七千八百六十六万円余、水資源開発事業費九十八億四千五十六万円余、国土総合開発事業調整費四十二億三千七十七万円余、国土調査費三十四億五千七十五万円余、豪雪地帯対策特別事業費一億六千百二万円余、振興山村開発総合特別事業費一億一千九百十九万円余、経済企画庁の一般経費六十三億二百二十九万円余等であります。  次に、翌年度へ繰り越した額は、水資源開発事業費三十八億二百十三万円余、離島振興対策事業費二十三億六百二十三万円余、豪雪地帯対策特別事業費三千四百七十二万円余、振興山村開発総合特別事業費一千二百四十五万円余であります。  不用額は八億六千七百六十七万円余でありまして、その主なものは、水資源開発事業において用地買収が難航したこと等により治水特別会計へ繰り入れを要することが少なかったためであります。  以上、昭和四十八年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要の説明を求めます。高橋会計検査院第一局長。

高橋保司会計検査院事務総局第一局長

○高橋会計検査院説明員 昭和四十八年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これにて説明の聴取を終わります。     —————————————

井原岸高自由民主党

○井原委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。唐沢俊二郎君。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員 ただいま会計検査院の報告にありますように、何ら違法または不当と認めた事項がないそうでございますので、大臣にそれでは経済政策についてお伺いをいたしたいと思います。  副総理は、狂乱物価のときに始まって、やっと御努力が奏功して物価が鎮静しましたら今度は不況対策、景気浮揚のためにいろいろ尽力されて、非常にその御心労のほどをお察しするわけでございます。当面の経済政策につきましては、各委員会や本会議でもいろいろ取り上げられておりますので、全然関係なくはないのでありますが、少し中期的なお考え方を伺ってみたいと思うわけでございます。  国民の多くは非常に今後の経済のあり方について不安を持っておる。これが貯蓄性向の高い一つの理由だと思うのですが、物価の安定を図りながら高度の雇用水準と国際収支の均衡を維持していくために、どのような安定かつ適度の経済成長を図るべきであるかということが基本的な問題だと思うのです。  かつて大蔵省で経済安定のための緊急措置法案の要綱を出しました。私も、実はその経済安定基本法の要綱というものを党の経済調査会で御審議いただいたこともあるわけです。また民社党さんでは、経済安定計画化基本法の要綱をまとめられましたし、社会党や公明党さんでも、それぞれ御検討されておるようでございます。立場が違いますので、ニュアンスは非常に違うけれども、目的については同じで、市場のメカニズムの中で経済を総合的にどうやって誘導していこうかというところにありまして、項目は多年度財政の考え方を入れるとか、景気変動の準備金、いろんな名称で呼ばれておりますが、そういうものを創設するとか、景気対策のための何らかの機関を設けるとか、また景気調整のための税制の活用等、項目については余り変わりがない。お手本になっておりますのは、経済が日本よりもっと欄熟している、前からもっと問題が起きている西欧先進国の諸政策、特にそれを体系的にまとめたのが御承知の西ドイツの経済安定成長促進法でございます。お手本が同じだから似てくるのも当然でございます。  そこで、三木内閣の経済の最高責任者であるし、同時に安定成長論者としては自他ともに第一人者を許す副総理がどういう安定化構想を持っておられるか、これが出れば、名曲決定版じゃありませんけれども、非常に決め手になるんじゃないかと思うので、どういう安定化構想をお持ちか、それをまず伺いたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 大変大事なお話と承りましたが、私は、過去の、戦後の経済政策のあり方、これをいま非常に深く反省し、これを合理化しようという考え方を持っているのです。  戦後ずっと見てみますと、大体一、二年の不況、二、三年の好況、一、二年の不況、二、三年の好況、これをずっと反復しているのです。そしてその山は高く谷は深く、そしてその結果、国民経済の中に大変なロスがある。それからもう一つは、社会的不公正がその間に進行する。景気は循環、この傾向は自由社会においては避けることはできませんけれども、なるべくその山を低くする、谷を浅くする、これは政策のかじのとり方でできるに違いない。  なぜ過去の景気循環というものがそういう非常に高い山、深い谷という形で起こったかということを考えてみますと、結局物価と国際収支なんです。さあ景気が非常にいいとなると国際収支が悪化する。これは国にとっては大変な問題ですね。それから物価が高くなる、これは国民生活にとって大変な問題だ。そこで引き締め政策をとるわけです。その引き締め政策を一年、一年半とっていると景気はまた鎮静いたしまして、物価、国際収支が改善される。そこで引き締め政策を解除する。そうすると、また日本国民の持っているエネルギーが爆発して高度成長ということになったわけでございますが、これは私は、本当に国民経済の見地から見まして、また日本社会から見まして避けなければならぬ、そして景気は安定的にずっといく、そういう形にしたいということをかねがね考えておったわけです。  ところが、わが国の高度成長を支える条件というものがいろいろ整っておる、そういう中において国民のコンセンサスを得て安定的な成長という路線をとることができなかったのですが、今度石油ショックというものが起こった、これは私は非常にいい契機である、こういうふうに考えるのです。  これから先の経済を考えますと、いままでの物価、国際収支のほかに雇用の問題というものを考えなければならぬ。さらに資源という問題を考えなければならぬ。それから十年の間に日本の経済のスケールが二倍半にもなる。今日になってみますと、これから先、高い成長で十年間に二倍半にも経済力を持っていったら、工場だ、それに関連する諸施設だに要する国土が一体あるか、こういう問題まで起こってきているのです。そういうことを考えますときに、これからの経済運営というものは成長の高さというものをかなり考えなければならぬじゃないか。同時に、その中身につきましても、これは成長の速度を落とすのですから、成長中心の経済ということでなくて生活中心、そういう方向への転換を考えなければならぬじゃないか、そういうふうに思うのです。  そうすると、やっぱりある程度のそういう政策誘導をするためには、政策手段といいますか、そういう方策を装備しておくというか、そういうことが必要になってくるので、まさにいま唐沢さんが御指摘のような安定法というか、そういうことは考えなきゃならぬ時期に来ておると思うのですよ。少し経済政策全体として管理的な考え方をずっと持っていかなきゃならぬ、けれども、その方向を実現するための手段、いま事務当局にもそういう方策が一体どういうふうなものであるか、あるいはいま御指摘の景気調整資金、これはいま当面ちょっと、特例公債を出しておるその際に、財力を備蓄するなんというような、そういうことはちょっと考えられませんけれども、その特例公債がなくなった後で、一体そういうファンドをもって景気調整に当たるか。私はそれは非常に必要なことであり、いいことだろう、こういうふうに思っておるのです。  それから税制の面ですね。これは非常に有効に働くと私は思うのです。いま企業増減税の話なんかありましたが、企業ばかりじゃない、私は、個人というか所得税とか各般のものについて、これは限度が要る、国会との関係もありますから。国会がお許し願いますれば、税制についても、ある程度の弾力的な手段を持つことが考えられるか考えられないか、そういうこと。  それから、そういう個々の手段、いろいろあると思いますけれども、そのほかにやっぱり政府としては、あるいは設備投資の状態だとか国民消費の動きでありますとか世界の貿易環境でありますとか、そういうものを見て財政というものを、これはよほど気をつけなければならぬだろう、こういうふうに思いまして、いませっかくそれを勉強しておるのです。これはいま私は三カ年の調整期間を要するということを言っておりますので、調整期間でありまする本年度あるいは五十一年度ですね、このときにこれを実現をするということにいたしましても、これはちょっと変則的な状態ですから、いかがとも思いますけれども、その後の経済運営としては、それはまさにそういう点を考えて御理解を得なければならぬだろう、こういうふうな感じがいたしております。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員 全くいま副総理がおっしゃったとおりのそういう経済基調です。トレンドの変更で高度成長を続けるような要因が少なくなり、むしろそれを阻害する要因が御指摘のようにたくさん出てきたわけですが、そうすると、結論としては、いまは変則的な状態であるから、個々には考えるが、まとまったものは出すべきではないのじゃないかというふうにもとれるのでございますが、田中前首相が日本の国土の均衡ある総合的開発発展ということで日本列島改造を持ち出された。三木総理が揺りかごから墓場までという一つの福祉的な考え方を発表された。そして副総理に対しては、経済の第一人者として非常に国民の期待も大きいと思うのですが、それを総合された安定構想を発表される、あるいは一部法制化してもいいというようなお考えは、当面はちょっと時期が変則であるから適当ではないと考えられるかもしれないが、ここ一、二年のうちに、そういう構想をまとめられて、たとえば発表されるというようなお考えはおありでございましょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 四十九年度それから五十年度、五十一年度、これは調整期間と私どもは考えておるのです。これは臨機即応の構えをしなければならぬ。しかし、この調整期間を終えたその後は、これはまさに私が多年提唱しておる安定成長軌道にしっかりと日本経済を乗っけていきたい、こういうふうに考えておるわけなんです。  その際に、われわれはそういうことを実現するためには十分な政策手段を持たなければならぬ、こういうふうに考えまして、いま御質問がありました問題を考えているのですが、その前提としまして経済全体を一体安定成長体制下でどんな展望で持っていくかという中期路線、これは来年度の予算の編成もありますので、調整期間ではありますけれども、五十一年度を初年度とした五年間の展望をしてみたいと思うのです。中期経済計画といいますか、これを策定する。これはその概貌を年内に策定し、発表します。  しかし、今度は法制的手段ということになりますと、調整期間である来年度これを握っておく必要があるかというと、来年度はまあそういう変則的な時期でありますので、これはまた変則的ないろいろな諸施策をしなければならぬというので、そういう政策手段がぜひ必要だという時期はこれは安定成長期、つまり五十二年度以降に適用せらるべき問題である。  そこで、いまもうすでに勉強を始めているのです。その中で、唐沢私案というものがあるというのも承知し、それも拝見しておる。非常に参考になるのです。まあ一生懸命勉強しまして、そして完全なものをつくり上げて、そして国会の御審議を賜らなければならぬ、こういう考えでございます。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員 それじゃ時間がある限り、少し細かく伺いたいと思うのでございますが、中期的な考えを入れるというと、財政でございますが、これは大体そもそも財政は単年度主義で来ておりまして、若干そういう例外が認められておるわけです。いま特例法による国債を発行しますと、償還計画を立てるのですが、十年という計画では中期的なものではないんで、もっと実態に即応した中期計画というものを、三年でも五年でもいいですが、これをやはり策定すべきではないか。そして、どうしても財政単年度主義に反するのはいかぬとおっしゃるのなら、国会の承認を得なくて、国会に提出したり一般に公表するだけでもいいのではないかというので、そういう財政多年度的な考え方についての大臣のお考えと、それが出ますと、来年から大体五カ年間の計画を立てるというようなお話なんですが、財政計画にリンクした五カ年計画、特に歳入にリンクしない計画というものは砂上の楼閣になるおそれもありますので、たとえば農林省が四本、建設省五本だと思うのですが、長期計画と呼んでいます五カ年計画がございますね、これを全部年度をそろえて、そして諸外国みたいにローリングしていくというふうに、いまはたくさん、十五、六ございますが、これはみんな年次がばらばらである、経済社会基本計画を頂点に置いてたくさんあるけれども、年度がみんなばらばらですね。こういうのをそろえて、これをローリングプランにするというような指導を各省に対してやられるおつもりはないのでございましょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 大変貴重な御意見でございますが、この年末までに中期経済計画の概貌をつくるわけです。そして来年の春ぐらいにそれを決定版にしていきたい、こういうふうに思っておりますが、その機会に、国民の消費の動向はどういうふうに考えるか、世界の経済環境はどうなるだろうか、したがって、その間輸出はどうなるか、それから経済活動はどういうふうに動いていくだろうか、したがって設備投資はどうなるか、そういう際に望ましい成長の高さというものを維持する、そのためには、やはり財政の任務というそこへ大きなおもしがかかってくるわけです。ですから、財政を抜きにして経済展望をするわけにはいきません。  したがって、財政というものはいろいろ支出項目があります、歳入項目がありますから、そう具体的な計画というところまでは、なかなかむずかしいのでありますが、展望と言われる程度のものはぜひつくってみたい、こういうふうに考えておるわけです。  それから、そういう財政展望をする、またそれを含めて中期の経済計画を立てるということになれば、いま各省にそれぞれいろいろな長期計画がありますが、これは全部それにそろえて、ここで見直しというか改定をしなければならぬということになるのです。したがって、いままでも何年度、初年度というのですが、今度はくつわをそろえて前進というような形になるのです。そういう際に毎年毎年見直しをする、これは当然のことです。これが毎年新しい計画を立てるというところまでいけるかどうか、行政能力もあるし、また行政の繁雑というようなこともあります。そしてローリングプランだ、第二年目に、また次の五年間を展望して全部の厚い資料まで整えるという煩瑣な問題がありますから、その辺はどう考えるか存じませんけれども、実質的に毎年毎年過去を振り向いて前を展望する、そしてこれは相当大きな改定を要する状態だなというときには、それを改定して非常にきちんとしたものにするという必要はあろうか、こういうふうに考えております。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員 時間がありませんので、あと二問だけ伺いたいと思いますが、景気調整のための税制の活用、いろいろ法人税、所得税を初め国によっては内国消費税だ、付加価値税だ、さらには雇用主に税金をかけてみたり、手元資金に税金をかけてみたりいろいろいたしておるわけですが、基本的にはさっき大臣おっしゃったように、景気変動準備資金と同じように景気のいいときに始めないとおかしいわけですが、いま財界で減価償却で投資税額控除とさらには投資補助金、投資ボーナス、それを期待する声が大きいわけでございます。  私は、こういう景気の悪いときには景気を浮揚させるためにそういう措置をとらなければいけないが、一方財政は非常に莫大な歳入欠陥を抱えて、大平蔵相も増税をしなければいかぬのだ、こうおっしゃって、二律背反で非常にむずかしいと思うのですが、取るべきものは取って、あるいは景気を浮揚させるために必要なものについては逆の税制措置をとって、それこそ投資税額控除とか投資補助金——投資プレミアムですね。こういう日本の基幹産業だとか国際競争力を養う上にどうしても必要な産業というもの、さらには設備投資を伸ばすために非常に必要なもの、こういうものについては、やはり一部検討していただくべきではないかと思うのですが、その点について伺いたいのが一つ。  それからもう一つは、非常にむずかしいことですが、景気予測というのは非常にむずかしくなってきている。昔みたいに不況が一年で好況が三年、日本経済は非常にバイタリティーがあって、おしなべて見ると非常に向上していくときはいいのですが、非常にむずかしいのでございますね。それで民間でも各種機関があって、それぞれまちまちの景気予測をやっている。各省でもいろいろな景気予測をやっておるのですが、民間や各省のそういう景気予測の機関とよく連絡をして、権威のある景気予測をする部や課というものが、たとえば経済企画庁の調査局か調整局か、経済研究所、どこでも結構だと思うのですが、そういう部とか課を設けられて、権威のある科学的な経済予測をする場所を、大物大臣がおられるときにぜひつくっていただきたいと思うのです。  そうして、こういう財政の危機でございますから、要らないあるいは御用済みの公社、公団はある程度整理するとか昇給をストップするとか、車を一割削減するとか、いろいろな意味で経費削減をするということは、こういう時期にやるべきだと思うのでありますが、必要な部とか課というものは、こういうときこそ新設すべきではないか、こういうのは大物大臣がおられるときでないとできないと思いますので、この二点について伺って質問をやめます。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 私が先ほど申し上げました景気調整手段、その一つとしてはやはり償却に対する課税、これを弾力的にやれるということも非常に有力な手段になってくるのじゃないか、そういうふうに思いますが、来年これをすぐやるか、唐沢さん、こういうお話でありますが、どうも来年の段階とすると、まだ調整第三年目なんですよ。三年目ということは、設備、人員、これを企業がおしなべて過剰に抱えておる、こういう状態の時期で、来年一年かかって、そういう状態を払拭したい、こういうふうに思っておるのです。そういう際で設備投資にそう大きな期待をかけることはむずかしいのじゃないか。一方財政をながめると、なかなか窮屈だ、そういう状態のときに補助金を出すなり、あるいは減税をするなりして設備投資を奨励しようといたしましても、企業全体とすると乗ってこないのじゃないかと思うのです。  そんなことでちょっといま長期路線とすると、ぜひそういう問題を考えるべきだというふうに考えておるのですが、来年の問題としてどうかというような感じがします。  それから、経済企画庁の機構の整備につきまして、御激励を賜りまして感謝にたえませんけれども、いまかなり機構を整備しておるのです。いま関係の両局長も見えておりますが、かなり陣容を整備しておりますので、なお一層力を出しまして、見通しの科学的な策定ということに全力を尽くします。  来年の財政は、不要不急の経費はできる限り抑えなければならぬ。しかし景気対策という問題がある。そういうことで、そういう方面での必要なものは、財政窮屈でありまするけれども、積極的に充足していかなければならぬと思いますけれども、そういう環境下で私が先頭に立って、おれのところの人をふやせというのは、なかなか言いにくいですね。よく考えていきます。

唐沢俊二郎自由民主党

○唐沢委員 終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 最初に大臣に。さっき理事会で委員長から、大臣だって人間だから飯食わせろという話がありました。気の毒ですが、十一時十五分から飯を食べて十五分しか時間がありませんよ、こういう約束になっておりますから、どうぞ十五分になったら飯を食べにいってください。  そこで、おいでになるうちに第一にお伺いしたいのは、五十年度は四・三の成長を犠牲にしても、物価安定、年度末一けたということを再三再四の、これは大変な副総理としての公約なんですが、現在のように相次ぐ公共料金の引き上げが行われたり予測されているときに、年度末一けたに対する見通しはいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 年度末一けたという政策目標は、これは大体実現できるし、これは実現させなければならぬ問題だ。全力を傾倒いたしまして、これを実現さしたいと思っております。いま物価が非常に安定基調に向かってまいりまして、物価の基盤は何といっても卸売物価ですが、この卸売物価は今日この時点で、昨年に比べまして〇・八というのですから、ほとんど横ばいですよね。そういう状態です。その反面におきまして、消費者物価の方は一〇%がらみの上昇をこの一年間でやった。なぜやったかというと、やはり賃金が上がったということも響いておりますが、もう一つは公共料金です。公共料金、いろいろ改定してきておるわけです。ことに米価改定、こういうものが響いておる。  これから先を展望しますと、同じような問題を抱えておるわけでございまして、その公共料金問題というのは相当重荷なんです。しかし、この公共料金を抑えっ放しにしておくということになりますと、これまた企業経営の面から見ましても、国家財政の面から見ましても、これは重大な事態になりますので、これは逐次なだらかにこれを改定していかなければならぬ、こういうふうに思いまして、ことしは酒、たばこ、郵便料金をお願いしておる。来年また幾らか出てくる、再来年も幾らか出てくる、こういうふうな展望になるわけでございますが、それにいたしましても物価は安定基調であり、ことにことしの春闘はなだらかな形でおさまってきておる。  そういうことで、国の総需要、これを十分に見ていかなければなりませんが、いま総需要の方はこれをふやす必要がある。また必要があってふやしますけれども、それでも需給は非常に緩和基調にある。それから個別物資につきましても、その需給、これにつきましては十分、これは農林省の関係が多いのですが、これも監視というか、目を光らしてまいりますが、そういう態勢をとってまいりますれば、私は来年三月の政策目標、これは実現できるし、また実現をしなければならぬ、こういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 依然として一けたに対しての自信をお持ちのようで、大変国民のためにも結構なんで、ぜひ実現してもらわなければいけないのですが、ずばり二つ目にお伺いしますが、従来やはり大臣の言ってこられたことが、ほぼ大体達成されているという、国民的なその意味における信頼があるように思うのです。年度末一けたはいいんですが、来年度は一体どの程度にお考え、あるいは目標を置いておやりになろうとしているのか、これをひとつずばりお伺いしておきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 私は、来年は物価を預金金利、これ以下にしたいということを前々から考えておったのです。ところが、その預金金利の方が一%引き下げになった。そういう今日の段階になりますと、どうも預金金利以下に来年度中にこれを持っていくということは、なかなかむずかしくなってきたような感じがするのです。しかし今月の、十一月の四日以前の金利水準、これは一年ものの定期でいいますれば七・七五%ですし、二年ものでいえば八%ですが、その辺はぜひ実現をしたい、そういうふうに考えております。つまり七%と八%の間。これは来年の経済見通し、それから物価をどう見るかということは財政なんかにもいろいろ影響してくるわけですが、その予算の編成とも絡みながら、どのくらいを目標にするかということを具体的には決めますが、大体七、八%のところで決めたい、こういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 前のどこかの委員会で発言されたときの、預金金利に抑えるといったことから大分後退せざるを得ない、金利も下がっていますからと、こういうお話のようですが、しかとお伺いしましたので、七%から八%という大臣の目標が達成できるような、予算編成などを通じての努力を期待したいと思います。  二つ目にお伺いしたいのは、いよいよ予算編成期になりました。三木総理が例のPPBS、企画計画予算編成制度、俗にマクナマラ方式と言われますが、大蔵省も四十三年以来、これに対する検討を進めてきましたし、相当作業が進んでいるんだろうと思うのですが、来年度の予算編成に当たって、三木総理の期待するような、松野政調会長に指示をしたような、五十一年度からこのPPBS方式が導入できるかどうかということをまずお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 このPPBSという考え方は、お話のアメリカのマクナマラ氏が防衛予算を査定するという上で採用した手法でございますが、あの考え方自体は非常に大事な要素を含んでおる、こういうふうに思いますが、あれを広範に採用することは、なかなかむずかしいんじゃないか。あるいは、わが国は防衛費なんというのは大したことはありませんけれども、大きな歳出項目は何といっても公共事業ですね。  公共事業の成果をどういうふうに判断するか。本四架橋、こういうことをやった場合に、それは経済的に社会的にあるいは環境的にどういう効果をあらわすだろうかということを科学的に分析するなんというようなことになりますと、これは確かに、一つの政策手法になってくるわけなんでありますが、そういうことで数年来、大蔵省が中心になってこの研究開発をやっておるんですが、まだこれを実際問題として採用するというところまでの段階に至っておらぬ、こういうふうに考えておりますが、そこまでいきませんけれども、しかし、それに類似した手法、そこはひとつやっていこうというので、企画庁あたりでもいろいろなことを考えておるわけでありまして、その中間的に考えておるいろいろな手法につきましては、いま政府委員から申し上げさせていただきたいと思い  ます。

辻敬一経済企画庁長官官房長

○辻政府委員 PPBSの問題につきましては、大蔵省を中心といたしまして四十四年度から予算計上をいたしております。また、各省にPPBSの担当官も置きまして、それから各省に担当の組織も設けたわけでございます。そこで、全体といたしまして、理論の調査、研究でございますとか、ケーススタディーでございますとか、研修でございますとか、そういうものをやっておるわけでございます。  当庁といたしましても、その一環といたしまして、四十四年度以来、システム分析調査室というのをつくりまして、人員を置きまして、予算も計上いたしまして行っているわけでございます。当庁としてやっておりますのは、PPBSというよりは、PPBSの基礎的手法に当たりますシステム分析という問題を取り上げてやっているわけでございまして、これまでに公共施設のシステム分析でございますとか、あるいはコミュニティーの実証分析でございますとか、そういうテーマに取り組みまして、引き続き研究を実施している段階でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 四十四年から予算をつけて検討されていて、五十年で七年間ですね。何かわが国の予算編成の合理化というたてまえから、やはり導入すべきであるというような結論は出ているのでしょうか。七年間やってみたが、まだその結論も出ない、あれもこれもやっています、調査していますという段階なのでしょうか。それが一つ。  それからもう一つは、確かに予算編成の合理化という点に、このPPBSが役立つだろうということは言われていますし、私などが考えても、なるほどと思う節があります。ありますが、実際にもう七年間検討された結果、わが国にこれを導入しようとしたときの決定的な欠陥、受け入れるわが国の制度上の欠陥、この欠陥を直さない限り、この導入は、いわゆる相当程度の効果を上げるわけにいかないというような、現在これを導入しようとする側の日本の制度上の、これはひとつ改めない限り十二分に生かすことができないというようなことも検討ができておられるかどうか。  たとえば当然増のごときものが、この方式によって洗い直せるかというと、むずかしいのじゃないか。あるいは実際に交通安全だ何だということを予算上どの程度の分配をしたらいいのかというと、これもちょっとこの方式でやろうとしても、むずかしいのじゃないだろうかというようなこともいろいろと検討されて、これもむずかしい、これもどうも適応しないというものを、幾つかありますが挙げていくと、結果的には、いまのようにわが国の予算に対する分割的な配分制度が各省別々に行われているというそのままにしておいたのでは、この導入はちょっとむずかしいのじゃないだろうか。大臣、さっきおっしゃられていましたが、やはり部分的には採用が可能かもしれないが、どうも全面的に導入ということはむずかしいのではないかとおっしゃったのも、その点を言われたのではないかなという感じがするわけです。  したがって、大きなアイテムの二つ目にお伺いした、この導入をしようとしたときの受け入れ側のわが国の制度の上でこの点を改めない限り、どうもこれは一〇〇%導入はむずかしいというようなものが、もう七年間の検討て——まあまあ結論ではないのですが、壁のように大きなその欠陥というものに突き当たっているのかどうか。そうでないと進展がないと思いますから……。その二つに分けて大きくお答えをいただきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 アメリカでも防衛予算の査定ということから出発しましてこれを全面的にやろうか、そういうような空気が出たのですが、どうもそれはむずかしい、こういうので後退してしまったわけです。  わが国の場合なんかを考えますと、この公共事業なんか、これは陳情だとか地元民の動きでありますとか、いろいろそういうことである程度情実的な決定になる、そういうこともなきにしもあらず、こういうふうに見られるわけでございますが、もしその科学的手法をPPBSというようなことで、これは科学的にはこういう判断が一番いいのだ、正しいのだ、そういうような判断が出るというようなことになれば、これはだれもそう大きな地域エゴでありますとか、あるいはその他の自己の立場に立っての主張、それを抑制するのに非常に大きな力になるだろう、こういうふうに思うのです。  しかし、なかなかその技術関発がむずかしいということで、まだそれを実現に至っておりませんけれども、そういう手法は非常に貴重なものだ。これは国家的、社会的立場で決めるべきものであって、あるいは特殊な一部の国民の利益のためということでないようにしなければならぬわけですから、そういう考え方というものが権威をもって打ち出されるということは必要であるというので、いま官房長から申し上げましたように、いま中間的にシステム分析ということをやっておるわけでございますが、まだこれを放棄したというところまではいかないのですが、あのアイデアをわが国に適用する形でどういうふうにやっていくかということにつきまして各省検討を進めておるというのが率直な段階でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これは参考までに聞くのですが、四十四年から今日まで予算はどのくらい使っているのですか。

辻敬一経済企画庁長官官房長

○辻政府委員 経済企画庁の分だけで申し上げますと、四十四年が三百万円、四十五年度三百十六万九千円、四十六年度三百三十四万四千円、四十七年度三百六十万一千円、四十八年度三百九十四万一千円、四十九年度三百九十八万二千円、五十年度四百三十八万五千円ということになっております。このほかに大蔵省で一括計上いたしております経費を移しかえて使用いたします分がございます。四十五年度からでございますが、大体各年百万から二百万程度の金額でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この予算の推移を見ましても何か本腰の入るような、入らないような、せっかくおやりになるのなら、もう少しチームも拡大したり、取り上げるテーマもふやしたりしながら早期に結論をお出しになる方がいいのではないかという感じがしますね。  ことしの一月六日に、三木さんが年頭のあいさつかたがた松野政調会長に会ったときに大変執念のようにこれを言われたそうですが、どうもいまのお話ですと、来年度予算にこれが導入されることは、いかに三木さんの御執心があっても、これはむずかしいという判断をせざるを得ないし、来年度も導入されるかどうかわからないという感じ。恐らくそういう御答弁になるだろうと思います。  したがって、もっと早く私どもが知っている範囲でもこれに対する検討、われわれにはできませんが、これは企画庁で専門に予算づけをして行っている以上は、同じように三百万、三百万でやっているのではなくて、もうちょっと時期を早めるような、結論を早めるようなことを、いまの財政あるいは経済の実態から言っても一つの転換期ですから、大至急にこの導入が可能か不可能かというような結論をせめて出せるような、来年度あたりからは、もうちょっと予算づけも行い、拡大した検討をする必要があると思いますが、大臣いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 予算編成期を直前に大事な御指摘をいただきましたので、そういう方向で、右にするか左にするか、その辺の決着をつけるようにいたします。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 次いで、総合研究開発機構についてお伺いをいたしたいと思います。  途中でどうぞ時間が来たら、大臣は退席されて結構ですが、これは民間の出資が大分少ないのですが、まだ予定どおり入っていませんが、これはどういう原因でしょう。局長で結構ですから。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 ただいまおっしゃいますように、民間の出資が予定に比べますと芳しくございませんで、四十九年度末現在の、つまり昨年度でございますが、実績は民間の出資及び寄付が十四億円でございまして、これは本来予定いたしましたものが三十三億でございましたから、十九億不足したわけでございます。  それから、五十年度につきましては、本来五十年度分として予定いたしましたものは十三億三千万でございますけれども、現在までのところ、まだ数億しか入っておりませんで、不況が最大の原因でございますが、おっしゃるように大変芳しくない現状でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 数字がぴったりじゃないような気がしますが、大同小異で大したことございませんから、あえて申し上げませんが、これはあれですか、入らない分だけ事業が計画どおりいかないというので、どこかが停滞している、計画した事業が研究委託なり、研究をしようとしていることができないでいる、こういうことになるわけですか。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 これは政府の出資が昨年度末までに五十億ございまして、結局政府の出資と地方公共団体の出資、これが十七億、昨年度末までございます。それから、民間の出資及び寄付を合わせまして、基金といたしまして、これの運用益で毎年の事業をやってまいるということでございますので、現在までのところでは、政府の出資及び地方団体の出資が予定どおり行われておりますし、まだ発足当初で事業規模もそれほど大きくございませんので、現段階においては民間の出資不足が直ちに事業活動に影響するということにはなっておらないわけでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 開発機構の四十九年度年次報告がここにあるのですが、講演会をやってみたり、あるいは研究委託をしたり、研究の助成をしたりというふうに、ここに依頼したものあるいは委託したものが一覧表に出ています。要するに、いまおっしゃったのは、いままで入った分で、これだけのものはもうやれている、これから入ってくるものは新たなテーマをつくって、委託なり、助成なり、自分自身の研究なりをやるんだ、このテーマに関する限りはいまの予算で十分だ、間に合っています、いま入っているお金で間に合っている、こういうことになるわけですか。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 長期の計画がございまして、初めの初年度、二年度あたりは事業規模自身もそれほど大きくございませんが、将来、予定どおり政府の出資及び民間の寄付等が集まりますれば、それに応じて将来の事業規模を大きくしてまいるという予定でございますので、先のことは——当然、いつまでもこういう状態が続きますと、初めに考えておりました将来の事業規模の拡大がそれだけ抑えられるということにはなると思いますけれども、現在の段階では、先ほど申し上げましたようなことでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 私、時間がなかったからこの集計をやってみなかったのですが、この助成契約金額なり、それから委託金額なり、委託契約金額なり、それから研究費なり、これは全部集計してどのくらいになりますか。おたくのいまおいでになる人に、ちょっとそろばんをすぐはじいてみるように言ってください。  そして、その間にお伺いしますが、その金額と現在までの基金、これは運用益によって賄うわけですが、運用益というものはどんな形で入っているのか、現在までのその内訳をちょっとおっしゃってください。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 運用収入といたしまして、四十九年度が三億二百万円でございます。五十年度につきましては七億四千三百万円の予算になっております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そうすると、約十億の運用益ですね。そうなりますね。それで、さっき言ったように、これの内訳をちょっとおっしゃってください。どういうふうにしてこれは出てくるのでしょうか。元が約八十二億ですよね、その運用益が約十億になっているわけでしょう。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 運用先別の果実の部分がちょっと内訳がございませんけれども、五十年九月末現在の基金運用残高という形でちょっと申し上げますと、普通預金が六千二百万円、定期預金が五億、それから有価証券が七十九億一千四百万円でございます。その内訳は国債が一億二千九百万円、地方債が十七億四千七百万円、金融債が十七億八千二百万円、社債が三億九千百万円、特殊債が二十二億四千六百万円、貸付信託が十六億一千九百万円、これで、五十年度におきまして基金の運用による収益率を約九%と見込んでおります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 ちょっと、有価証券の運用益ですよ。いままで説明されたのは運用益の内訳を説明したのでしょう。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 先ほど申し上げましたように、この国債なり有価証券がこれだけ残高がございまして、これによって一年間にどれだけの果実が生じているかという内訳を、ちょっといま持ち合わせておりませんので、残高の方で申し上げたわけでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 いまちょっと調べ始めたようですが、委員長にお願いしておきますが、後で資料として内訳を出していただくようにお願いしたい。そうしないと、これではちょっとわからないですね。いまぼくが計算しようとしてもできないから。  それで、いまの全部の事業契約の集計はどのくらいになりますか。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 このお手持ちの資料の八ページにございます委託契約金額、これをトータルいたしましたものは一億二千七百七十二万一千円、一二七、七二一、〇〇〇ということに相なります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 後ろにいる人も、さっきのことをよく聞いていないからいけないんだな。研究助成もあるでしょう。助成の契約もあるでしょう。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 失礼いたしました。  その次が十ページの研究助成の方でございますが、このトータルが七千二百八十八万二千円、七二、八八二、〇〇〇でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 わかりました。これでいきますと、五十一年が大体契約期限の終わりですから、まだゆとりがあるからやっていけるということになりますね。  そこで次にお伺いしたいのは、民間におけるこの種のいわゆる研究機関というものが約二百ぐらいあるわけですね。その中から助成なり委託をする対象を選ぶのは、どんな方法でお選びになるのか、それが一つ。  それからもう一つは、たとえば同じような研究内容の機関が二つ以上あったときに、その中から一つを選ぶという方式は、どういう方式でお選びになるのか。  三つ目に、この種の委託研究なり、あるいは助成なりをした研究の成果がやがて出てきますね。一番早いので五十年の十二月には一つ出てきますね。地方文化の問題なんかで一番早いのが一つ出てくるわけですね。この出てきたものが、どのように国政に反映させられるのか、その手法ですね。どういう形で一体この研究の成果というものが現実の政治の場に取り入れられていくのか、その手法ですね。それを三つ目にお聞かせいただきたい。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 第一のお尋ねでございますが、研究テーマの選び方でございます。テーマの選定と申しますか、外部の研究機関に委託する際のやり方でございますけれども、民間の研究機関の研究実績、やはりいろいろな機関ごとに得意な分野等がございます。従来の実績等もわかっておりますから、そういう研究実績や研究能力等に関しまして、最も新しいデータをなるべく広範に収集いたしまして、それから、これらを参考にして当該プロジェクトを委託するにふさわしいと思われる民間研究機関を一カ所ないし数カ所指名をいたします。そこで、当該テーマについて、それらの機関から研究計画書を提出させまして、機構においてその計画書を妥当と判断した場合に、その機関を委託契約いたすことになるわけでございます。  それから助成につきましても、これは各研究機関からこういうことを研究したいというのがたくさん参るわけでございまして、これらのどこを選ぶかということは専門の委員会をつくっておりまして、機構の者だけでなく、外部からの専門の学者等を委員にお願いして、内容について十分精査をいたしまして、限られた予算でございますので、最も効果のあると認められるところに助成をいたすということを心がけております。  それから第二の御質問で、同じテーマについて複数のところから来たらどうなるかということでございますが、限られた予算を有効に活用するためには、一つのテーマについて、どちらの研究機関の方がより成果が上がるであろうかということを十分検討して決定するということになると思いますが、いままでのところでは、同じテーマを二つ以上の研究機関から希望が出たということはないようでございます。  それから第三の、成果についてでございますが、おっしゃるように、まだ発足後日が浅いものでございますから、自主研究では一つ中東の油等につきまして研究が出ておりますけれども、委託調査等はいずれも二年、三年を要する長期のテーマでございますので、これから来年あたり続々出てまいるわけでございます。これらにつきましては、やはり政府の中を中心といたしまして、その他にも資料を配付して、関係者の啓蒙と申しますか、そういうところに基礎的にこういう機関の研究成果を活用してまいるメリットがあると思います。具体的に現在どういう手法で政策に反映させるかという、具体的な仕組みを考えるところまで行っておりませんけれども、今後研究成果が出てまいるに応じまして、それがどのように活用されるかという実態を見ながら、おっしゃるような点も検討を進めてまいりたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 ちょうどここで大臣が来ればいいように考えていたのですが、まだ二、三分来ないようですね。恐らく聞いていないから、適切な答弁がいただけないかもしれませんが、いま質問申し上げたのは、おっしゃるとおり既存の研究機関あるいは研究を行っている何らかのグループ、その存在を認め、その存在の内容がどんなことをやっているかを調べて、そこに委託をするというのが、いまの御答弁ですね。  私は、これをずっと見せていただいている間に、自主研究というものにおたくはしぼるべきだ。しぼるべきだというのは次の意味なんですが、自主研究に何をやらせるかというと、今日の段階において一体どういう研究が必要かを自主研究で研究をする。どんなテーマが必要かをこの開発機構はまず自主的に検討をする。     〔委員長退席、唐沢委員長代理着席〕 その検討したものを、既存の研究機関その他に委嘱をするとか委託をするという、いままでの決まったやり方をこの際白紙に返して、公募ではないけれども、一般にそのテーマを発表して、自主研究の後にできたこのテーマに対して、わが国の現状からいって適切な研究が必要だというものを自主的に選ぶ、そいつを実は一般公募の形でお出しになる、国内ばかりではない、国外もあわせて私はやるべきだと思うのですね。  本当の意味のシンクタンクが生きようとするときに、最初から、もうわが国内にある既存の研究機関、研究グループ、こういうものをぴちっと始終見ておいて、その研究内容がどうなっているであろう、どんなことを主にやっているであろうというのを調べておいて、それに委託をする、あるいは委嘱をするというだけの考え方は、この際誤りじゃないか。そうでなくても、いよいよ国際的に連携を深めながら、一つの経済だけを考えても、あるいは通貨の問題一つをとらえても、国際的な関連において、環境の問題も、いま世界の環境会議が開かれていますが、地域社会のどんな小さな問題も全部地球表面上つながりを持つようになってくるし、また、持たせた中で考えていかなければ、海外経済協力にしても何にしても、絶対的な効果というものは上がらないというような現状においては、視野をもっと広げて、やはりこの機構は自主研究という場で大部分の仕事をなさる。  そうして、その中からいま何が必要なのかのテーマを真剣に討議をして、そのテーマに対して、既存の研究機関だなんだというだけではなくて、国内はもちろん、一般にこれに対する適切な、奨励を含めたりいろいろな手段があるでしょうが、やはり報酬を考えながら適切なところと契約をするという前提に同じように立ちながら、やはり公募という形をとる、国内ばかりでなくて国外にもそうするというようなことに大転換をしていかなければ、日本のいままでの長い歩みの中から、われわれの仲間だけが考えた小さなものに答えが閉じ込められてしまうおそれがあるから、国際的な観点を常に持たなければいけない現在の世界情勢を考えたときには、せっかくあるこの開発機構というものが、いまのような非常に小さな、国内だけに限定するような状態では、本当の意味の、当初つくったときとは違ってきた現段階においては、これは合わないのじゃないか。  したがって、くどいようですが、もう一度申し上げますが、既存の研究機関なり——これは大臣から、ちゃんと予定どおり帰ってきてもらいましたから、お答えがいただけると思いますが、せっかく金を使い、せっかく頭脳を使いながら仕事をしていかれるのに、既存の研究機関が何を研究しているかを調べて、そこへ委託をするという形をとるのではなくて、この機構そのものは自主研究を大部分の仕事にして、その研究の何を引き上げてくるかというなら、現在わが国において何が必要かというテーマを真剣に討議することに大部分のエネルギーを使う。  そうして、そのテーマというものを選択できたら、そのテーマを広く日本に、あるいは国外にも公募の形で発表をして、それに対する研究の成果らしいものを、やりたい人は、グループであろうと個人であろうと研究機関であろうと応募の資格があるということにして、広く求めるということに転換をすることが、いまの段階における開発機構としては非常に必要ではないのかということを第一に考えるわけですね。これに対して大臣からも結論的なお答えをいただきたいと思います。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○小島政府委員 大変有益な御示唆をいただいたと思います。ただ、現状を申し上げますと、何分にも発足当初、二年目でございまして、いまは先ほど申しましたような仕組みで委託なり助成なりをいたして、その成果が来年以降出てまいるということでございますので、やはりその成果をしばらくは見る必要があると思います。  それからもう一つは、民間のシンクタンクが一時たくさんできましたけれども、その後経済界の不況によって、いずれも非常にピンチに立つところも多いし、それから、非常に優秀な研究機関であっても、民間からの委託等が非常に少なくて、財政的にピンチに立っているというところもございます。やはりこういうシンクタンクは、別にいまありますものが全部必要だということは申しませんけれども、日本の将来の経済、社会を考えます上で、こういうシンクタンクの持つ役割りというものが非常に大きいと思います。それがたまたま非常に深刻な不況のために、せっかく芽を吹いたものが、途中でばたばたいってしまうというようなことになりますと、これはやはり国家的な損失でもございます。  そういう意味もございまして、これはうちのこの総合開発機構を通ずる委託調査なり助成というものが、やはりそういう意味で民間のシンクタンクの上にプラスになっているということも事実でございますので、この急場におきましては、やはりかなりの効果があると思います。ただ、おっしゃるような点は将来の開発機構のあり方として非常に大きな問題点を提供していただいたというふうに思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 シンクタンクを政府が指導的立場でつくったというわけは、これは民間にもいろいろの同様のものがありますけれども、やはり経済という狭い範囲でなくて、社会の問題、また科学技術の問題、さらに広くは国際社会の問題、幅広い立場で最も権威のある検討をするという趣旨でございます。原さんから、主体性を持ち独自の、というのですが、まさにそのとおりのことを願っておるわけですが、それにいたしましても段階がありますので、いままだ発足間もない、また民間の声も聞く必要があるというようなことで民間に委託調査ということもありますけれども、趣旨はまさに原さんの御指摘のとおりでありますので、そのような方向へ漸次誘導してまいりたい、かように考えます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣途中ですから、ちょっとおいでになったら違った締めくくり答弁があったと思うのですけれども、後で辻さんからよくお聞きを願って、いま委嘱が済んでいるもののほかに、これから新しい研究テーマが出ていくわけですから、そういうものに対しては、やはり自主的に研究テーマを選ぶことに重点をこの機構は置いて、それが国内、国外を通じて一般から大胆に公募をするというような形で広く、国際連帯性を常に考えながら、やはりこの種の委託なり委嘱なりを行う、広く公募の形をとるということにぜひ——現在の国内におけるシンクタンクに対する助成、これを全部だめにしてしまってはいけないという配慮は大変貴重ですし、いままでやっていることを否定はいたしませんから、新たに行う研究に関しては、やはりテーマを選ぶことを思い切って主体にしながら、選んだテーマを既存の研究機関などに委嘱をする、委託をするということだけでなくて、やはり広く公募の形で、国内も海外も通じて公募をするということに、ぜひひとつ御検討願いたい。  そうしないと、この機構がもったいないという意味で、これはお願いをしているわけですから、後でどうぞひとつ辻さんからもお聞きをして、大臣からもそういうものを検討をしていただくようにお願いをしたいと思います。大臣から検討できるかどうか……。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 そのように心がけてまいりたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 最後に、経済計画というものがずうっと昔から何度も行われて発表されてまいりました。新たにいま新経済五カ年計画なるものが作成されつつあります。政府が発表する経済計画というものは、どうも大衆の側からいうと、大変な不信感がいままで出ている。そのとおりにならないじゃないかとか、あるいは五カ年計画だと言ってみたり、十年で所得倍増をぶち出した池田内閣時代のことは例外としましても……。  しかし大衆の側からいいますと、あの池田さんの十年所得倍増、このキャッチフレーズでばんとぶち出されたあの経済計画、所得計画というのは大衆に大変強烈なパンチを与えましたし、いまでもわれわれの記憶に残るほど、政府の発表した経済計画の中では、いい悪いとか内容の疎密というものは別問題にいたしまして、とにかくある程度国民がおやつと関心を長く持ったという点では、あの池田内閣における所得倍増を中心にした計画というものに対して、まあまあ一つの評価ができるんじゃないかと思う。その前後、五カ年計画だといわれて出される、二年三年でまた新しい五カ年計画が出るわというような——当然これは毎年毎年見直しをされていいのだと思いますが、しかし経済計画というものに対しては、国民がもう何となく免疫の状態になって、余り信憑性とかこれに対する関心を持たないというような感じが実はしているわけです。  そういうことも含めて、今回新経済五カ年計画がつくられつつありますけれども、いままでの経過をたどって、反省すべきは反省して、新しい経済五カ年計画は、従来のそういった大衆から見た不信感を呼ぶようなことをなくしていくんだという心構えがあって、副総理、企画庁長官、とにかく経済の第一人者と言われる大臣が就任をされた現在、発表する新経済五カ年計画は、ちょうどかつての所得倍増ではありませんが、何かぴしっと国民大衆に信頼感を持たれるようなものにしなければと思うのですが、従来の鳩山内閣以来出されましたことの反省を含めて、新しい信頼性をかち取るための新経済五カ年計画にする決意なり構想を、先にまず大臣からお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 いま行われているのは経済社会発展計画、こういうことでございますが、私考えてみまして、あれは非常に精細な五カ年間の分析をいたしまして、社会経済はこういう姿で動いていく、その具体的な姿はこうだという事細かなところまで展望しているわけです。私は、大筋といたしましては、あの石油ショックがなければ、あの計画の線に沿って経済は動いてきた、またねらうところの政策もその方向で動いてきた、こういうふうに思います。ところが、その具体的な内容の個々の問題になりますと、そのときどきの経済情勢、財政情勢、そういうようなことで相当開きもあり、ことに石油ショックで大混乱になりました、経済社会発展計画もめちゃくちゃになってしまった、こういうことでございますが、あれがなかりせば、ねらうところの方向というものはずっと流れてきておる、こういうふうに思うのです。  そういう経過を反省いたしまして、余り事細かなところまで展望をし、国民にこういくんですよと言うと、ちょっと行き過ぎになるような感じがしてならないのです。ですから、きわめて大まかな展望、こういうふうにしたらどうだろう。しかもその大まかな展望といえども、これは世界情勢の動きということがあります。そういう中で若干の変動はあり得るというのですから、たとえば成長率を見るにいたしましても、何年度は何%、何年度は何%といっても、そのように動き得ないです。そこである程度の幅を持つことが考えられないか。何%ないし何%、その辺でいこうじゃないかというようなことも考えられないか。それから具体的な内容にいたしましても、余り事細かにということでなくて、こういう施策についてはこういう方向で、そして重点的にはこういうことを実現するのだということにしないと、事細かに具体的に示したものが実行されないと、国民からこの計画自体が信用を失ってしまうことになりはしないか、その点にもまた格別の配慮をしなければならないか、こういうふうに考えているのです。  したがって、いままでの計画でありますと、あれを初めからしまいまで読み切る国民は非常に少ないのじゃないかと思うのです。やはり国民に読んでいただけ、御理解がいただけるような、簡明でそしてはっきり国民が、これからの経済の動きというものについて展望がつかみ得るようなものにしたらどうだろう、こういうふうに考えておるのですが、御注意のとおりいろいろな反省をいたしまして、国民の経済計画であるというふうにいたしたい、こういうふうに思っております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 おっしゃるとおりだと思いますが、そうは言っても、五カ年の見通しを立てて、いまの激変する中で過ちとは言わないまでも、変化に富んだ状態ですから、狂ってくるのはあたりまえだと思いますから、やはり言われているローリングプラン方式ですか、毎年見直しを行うというようなことを、この新経済五カ年計画には取り入れるということが前提になっていいのではないかと思いますが、そういうお考えはありませんか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 その点は、これからよく——それが事務的に実行し得るかとうか。あれを一つつくるということになりますと、大変な作業が要るわけです。ですから非常に厳格な意味においてローリングプラン、毎年毎年新しいものをつくっていくということが可能であるかという問題もあるのです。しかし実質的に見直しをするということは、ぜひやらなければならぬと考えておりますし、また国際環境等が違ってまいりまして、この計画は基本的に直さなければならぬ、大幅な見通しの狂いがあったというような際には、これは改訂版をつくらなければならぬ、こういうふうに思います。できれば毎年毎年というふうにしたいところですが、その辺ができるかできないか、ひとつこの二、三カ月の間によく検討してみたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この新経済五カ年計画は、来年の五月ごろできると言われているのですが、いつごろになりますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 来年の予算の編成がありますので、概略のものは年内につくっておく必要があると思っておるのです。概略案という名前になりますか素案というようなものになりますか、それは年内に策定し発表する、こういうふうにしたいと思いますが、年内のものが概略案、素案になりますのは、ことしの経済の動きが十二月の時点だとまだつかみ切れません。不確定要因を抱えての概略案になる。月日が進むに従いまして、経済の動きの実態というものが明らかになり、先々の展望も出てきますので、概略案は年末につくりますが、正確な決定版はややおくれる。一応三月の時点ということを考えておりますが、なるべく早くそれを策定したい、かような考えでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そこで、時間がないので余り具体的にはお聞きできませんが、大綱だけは年末におつくりになる。つくろうとする中で、二、三これはと思う重要な問題があるわけですが、せめて、この経済計画前半の目標成長率を——さっき来年度の物価が七から八%ということをお伺いしましたが、どの程度に大臣はお考えになっているかをちょっとお伺いしておきたいのです。  たとえば、同盟など労働組合の側から言わせますと、やはり雇用というものを考えたときには、ぜひ七%程度にはしなければいけないじゃないかというようなことを言っていますし、それから、きょうの読売新聞によると、三菱総研の発表した今後十年間の実質成長率というものは大体こんなものじゃないかという試算なんかを見ますと、六・六ぐらいと言っているのに対して大分下回っているようですが、計画前半で結構ですから、目標成長率というものを一体どの程度にごらんになるかというのを第一にお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 今後、五十一年から五カ年間の経済成長率をどの辺に見ることが妥当であるかということの一番基礎になりますのは、世界経済なんです。貿易、輸出が一体どういうふうになるだろうか、この見方がまだ区々でありまして、それで、六〇年代には八%伸びた。実績です。しかし、大方の人の見方は、それよりはかなり下がるのではないか。これは石油ショックの影響もずっと出てくるし、これから資源有限時代というので、かなり不安定要因を含んでの世界経済であろう。そこで、貿易の伸びをいままでのようなそう高い水準と見ることは妥当ではないのじゃないか、そういう動きでございますが、非常に抽象的ですが、基本的な考え方としては、世界先進各国、その国々の成長率の中で先端を行くというか第一グループというか、その辺を見当にして決めたらどうだろうか、こういうふうに考えておるのですが、いま経済審議会の方でそういう点を詰めておりまして、まだ最終結論に到達しておりませんけれども、この間総合部会の中の空気は、中・長期、大体まあ六%くらいがいいかなというような意見が多かったですが、最終結論には到達しません。  そういう中で、初年度の五十一年度を一体どうするかということになりますと、これは財政との関係が非常にあるのです。つまり、来年は、大勢といたしましては個人消費は伸びていくでありましょう。設備投資はそうは伸びない。輸出は多少明るさを取り戻しておるものの、輸出のシェアが小さいものですから、仮に伸びても景気を引っ張る力とはならない。そこで、どうしても財政にこれを依存するということになるわけです。ところが、財政の方はことし五兆五千億円の赤字だという状態です。そこで景気牽引力の責任をどの程度財政に持たせるか、こういう問題もある。  そこで、来年をどの程度にいたしますか、非常にデリケートな問題であり、余り高く成長率を見ますと、また歳入の落ち込み、来年は当初から恐らく特例公債を出さなければならぬという予算になるでしょうが、特例公債のまた特例公債だなんということになったら、これはまた大変ですから、そういう配慮もしなければならぬ。そういうことで、予算の基盤になる成長率を一体どういうふうにするか、これについてはきわめて慎重な検討を要する、こういうふうに考えまして、ただいま決めかねておるのですが、成長率が大体どの辺かというと、おのずから財政の規模も決まってこようか、こういうことですが、具体的に数字をもって、これを申し上げることはまだできない段階でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 最後にまとめてお答えをいただきますが、財政の国債依存度をどの程度に考えるかということが一つの基本になります。  それからもう一つは、資源とか環境面のコストをどのように考えるのか、あるいは福祉並びに社会的便益実現のためのいわゆる社会的費用の負担ですとか、その転嫁の方法ですとか、こういうものが煮詰められないと、五カ年計画をつくっても、本当につくったことにはならないという感じがしますから、そういう点を大ざっぱにどうお考えなのかが一つです。  それからもう一つは、きょう新聞にすでに発表されていますが、料金じゃなく、国鉄運賃を来年度以降八〇ないし九〇%値上げをするというようなことが、大蔵省の考えとして出されていることが大々的に報道されたわけです。御存じの国鉄運賃が一〇%上げられますと、これが実質にはね返ってくる指数の上では〇・一%程度にはなると言われておる。米価なんかは、一〇%上がるということで〇・四%ストレートに響いてくる。一〇%上がっただけで〇・一というはね返りがすでに言われているのに、来年から運賃が八〇だの九〇%などというものを、いま予算編成期の中でどう考えるか知りませんが、経済閣僚協議会の取り締まりの任に当たっている長官として、一体これをどのように、裁こうとなさっておるのか。これは非常に重要な問題だと思うので、この点をお伺いしたい。  最後には、先ほどもちょっと言いましたように、三菱の総合研究所あたりが、実質成長率今後十年で五・二%だろうと大変下回った発表をしておるのですが、これは三%、五%、七%というふうに分けてみると、現在の企業のコストを割ったり何かしておる面からいって、やはり物を値上げしない限りだめだ。それで、ポイントとしては五から六%ぐらいの実質成長がない限り、民間の企業も経営が成り立たないと言われているのに、実際には現段階においては五・二ぐらいしか予想できない状況だ、こう言われていますが、これに対して長官はどのように今後、民間の企業の経営を含めながら、将来実質成長の目標をどの程度に置いてやっていけばいいとお考えになるかを三つ目にお伺いして終わりたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 第一の国債依存度の問題ですね、これはいまこの時点でなかなかつかみにくい問題です。かつて公債を、正確に言うと四十年度にちょっと出しておりますが、本格的に出しましたのは昭和四十一年度ですが、そのとき大体の見当は五カ年間で国債依存の状態を脱却する。ただ、国債というものをそうむげに排撃するという考え方はなかったのです。つまり景気が沈滞するというような際に、公債を出して、そして景気を持続する、持ち直すという手法、これは大事な手法であるというので、財政制度審議会でも五%程度はいいじゃないか。私もそれを目標にして五カ年間ずっとやったのですが、四十六年になりますと、ちょうど五年目を終わったときですが、もう五%を割るという展望になり、ちょっと工夫をすると公債を出さぬでもいいような状態にもなってきたわけなんです。  そういう経過があって、五%説というのがありましたが、その後特例公債を出さなければならぬ、それから特例公債の前に建設公債を相当多額なものを出す。私は、大体経済は三カ年の調整期間を経て五十二年度ぐらいから、まずまず安定という状態になるだろう、こういうふうに見ておりますが、建設公債をフルに発行する、そして特例公債を上積みされた、それが五十一年度においても続くことが必至である、そういう非常に異常な財政状態のつめ跡というものは、かなりまた尾を引くのじゃないか、こういうふうに見ておるのです。  ですから、いま公債の依存度をどの辺にするかということになりますと、なかなか申し上げにくいのですが、過去において五%を目標にし、それを実現したという経過があるということは、これは一つの大きな参考資料にはなろうと思いますが、しかし、いまこの段階で何%と言い切ることは、私はまだその時期になっておらぬ、こういうふうにお答えするほかないのであります。  それから第二の、国鉄の運賃の問題ですね。いま国鉄の再建問題、これは非常に重大な問題となってきておるわけで、その再建問題の一環として検討を進めておるわけであります。そこで、これを五十一年度予算に織り込むかどうかということ、またどういう形で織り込むかということで、いま真剣な検討が進められておる、そういうことでございますが、先ほど私は消費者物価において来年度におきましては七%ないし八%ぐらいの線でおさめたい、こういうことを申し上げたわけです。やはりその辺との関連も十分に考えなければならぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、具体的に国鉄ばかりじゃありません。電電公社の電信電話料金、この問題もある。またNHKから聴視料の引き上げの問題などという要請も出そうな空気もあります。  そういう全体の中でとにかく何がしかの引き上げをいたしましても、七%ないし八%の上昇にとどめ得るという範囲内のものにしなければならぬというふうに思うので、国鉄ばかりでありますれば結論は早いわけですが、ほかにもいろいろありますから、その兼ね合いでどういたしますか、とにかく物価に衝撃的な影響というか七、八%という目標を阻害しないという程度のものにしなければならない、こういうふうな見解でございます。  それから企業の状態をどう考えるかということでございますが、私は、いま日本経済はマクロ的に見ると大変——大変と言うと語弊かありますが、まあまあ世界の中ではいい動きをしておるわけです。にもかかわらず個々の企業が非常に苦しい状態である。事実そのとおりだと見てます。それはなぜかというと、操業度がまだ望ましい水準に到達しないのですよ。過剰人員、過剰設備を抱えておる。人件費の負担あるいは過剰設備に対する金利費の負担、これが企業の採算を圧迫しておるという状態なんで、何をおいても操業度、稼働率指数を上昇せしむるということを経済諸政策の当面の目標にしなければならぬというふうに考えておりまして、大体本年度末、来年の三月までには九〇近いところまで持っていきたい、こういうふうに考えているのです。  そして調整期間の第三年度であります昭和五十一年度にはこれを九五、これは大体望ましい水準と言われておりますが、その辺まで持っていく。そこで企業は、ばらつきはありますけれども、全体とすると安全運転、損益分岐点を上回る経営ができるような状態になるだろう、こういうふうに考えております。その辺をにらんで諸政策を運営してまいります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 終わります。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 庄司幸助君。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 私は、日韓経済協力の問題で質問したいと思います。  三木さんが訪米なさって首脳会談やったわけですが、その際また新韓国条項、いわゆる韓国の安全は日本の安全にとって緊要であるといったような点を確認されてきたわけですね。それから韓国の側においては、いま朝鮮民主主義人民共和国とのいろいろ対抗上、いわゆる自主防衛確立のためと称して防衛産業の育成に血道を上げている状況があるわけです。それから米韓共同声明を見ますと、これでも自主国防体制確立が強調されているわけです。それから朴大統領が韓国の国防大学で演説、あいさつなすった内容の中で、数年内に国防産業も軌道に乗る見込みだ、このため防衛税などを新設した、こういうことも報じられているわけです。また、アメリカは韓国の近代化五カ年計画、これへの援助を延長する、あわせて韓国の軍近代化あるいは自主防衛、この面での日本側の援助、これを要求する発言も相次いでいる。  たとえばシュレジンジャー国防長官が訪韓いたしまして、八月二十七日に記者会見をやっておりますが、この際こういうことを述べているわけです。韓国の軍需産業育成についての日本の役割り、こういう質問に対して、日本は軍事的、経済的、そして軍需産業の面でも韓国に大きな影響力を及ぼすことは当然だ、こういうことをシュレジンジャー国防長官が述べたわけです。それから九月十五日に、ソウルで開かれた第八回日韓定期閣僚会議、これは副総理が首席代表として出席されたと聞いておりますが、この閣僚会議で対韓経済援助の推進強化をうたったわけです。この対韓援助は、いわゆる総力安保体制を経済面で支えながら、直接間接に朴政権の軍事力増強計画を推進する大きなてこの役割りを果たす、こういうふうに言われているわけですが、この点、シュレジンジャー国防長官の発言とも関連して重要な点だと私は考えているわけです。  その点でお伺いしたいわけですが、こういった日米首脳会議あるいはシュレジンジャー長官の訪日、訪韓あるいは定期閣僚会議が日韓で開かれた、こういった一連の動きの中で、韓国の軍事力増強への協力、これをアメリカや韓国から要請されたのではないか、こう思われるのですが、副総理も閣僚会議に出席されたわけですし、あるいはまた米国の首脳ともお会いになっているわけですから、この辺がどうだったのか。要求されたのかされなかったのか。  それから第二点は、これは経済企画庁長官として、また副総理として、韓国の防衛産業育成の政策についてどういう認識を持っておられるか。この防衛産業育成に日本の政府が協力するのかしないのか、この辺をまず明らかにしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 わが国の対韓経済協力についてアメリカから要請されたという事実は、かつて一度もございません。これははっきり申し上げます。  それからわが国が韓国の軍事力増強のための経済援助をするか、こう言うと、これもそういう方針はとっておりませんし、そういうこともいたしておりませんです。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それでは若干細かい点、これは大蔵省あるいは通産省も出ておられると思いますから、お伺いしたいと思います。  先般来、韓国に対する武器輸出の問題で国会論議があったわけです。その点で、まず確認の意味でお伺いいたしたいと思いますが、韓国への武器輸出について、これは四十九年十二月十九日の衆議院予算委員会での河本さんの答弁の中で、韓国については武器輸出の三原則は該当しない、それで韓国に武器を輸出しない条項というのは、外為法の四十八条二項で「外国貿易及び国民経済の健全な発展」を図る見地から承認しないという御答弁があったわけです。その点で韓国への武器輸出が「外国貿易及び国民経済の健全な発展」をどのように妨げるとお考えになっているのか、その点ひとつお答え願いたいと思います。

岸田文武通商産業省貿易局長

○岸田政府委員 わが国の武器の輸出につきましては、御指摘がございましたとおり、一般的には武器輸出三原則というもので処理をいたしておるわけでございます。この基本的な考え方といたしましては、輸出は基本的にはすべて自由であるというのがたてまえである。この旨は外国為替及び外国貿易管理法四十七条に書いてあるわけでございますが、同じく四十八条によりまして、「国際収支の均衡の維持並びに外国貿易及び国民経済の健全な発展」のために必要があるときには、承認制にかけることができるという旨の条文が用意されております。いわばその運用の一つといたしまして、武器の輸出に関して、従来武器輸出三原則というものが用意されており、具体的内容としては共産圏向けの輸出、第二には紛争の当事国あるいは紛争のおそれのある国、第三には国連等の国際機関の決議によって禁輸が定められている国、これらの三つの国に対しては武器の輸出を慎むという原則で処理してまいったわけでございます。  御指摘のございました韓国向けの輸出につきましては、私どもの解釈としましては、この武器輸出三原則に直接該当するものではないが、もっと広い意味において先ほど申しました外国為替及び外国貿易管理法四十八条の運用上、武器の輸出は当分の間行わないということが適当であると考えてまいっておるわけでございます。  韓国と日本との関係につきましては、予算委員会でもお答えのございましたとおり、南と北との間で一般の平和状態とは違った関係、一種の緊張状態とでも申すべき関係がございます。こういった地域に対する輸出に際しまして、特に武器ということになりますと、武器輸出三原則には該当しないまでも、やはり慎重な配慮が必要であろう、こういう意味合いから、いまのような運用をいたしておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それで私が聞いたのは、四十八条二項で「外国貿易及び国民経済の健全な発展」を図る見地、その点で外国貿易の健全な発展に影響があるから承認しないというのか、それとも国民経済の健全な発展に影響があるからしないのか、そのどちらなのか、あるいは両方なのか、その辺をお伺いしたがったのです。

岸田文武通商産業省貿易局長

○岸田政府委員 御承知のとおり、わが国の貿易構造は原材料のほとんどを海外に依存し、それを加工して輸出するという形態になっておるわけでございます。したがいまして、わが国の外国貿易及び国民経済の運営自体は、やはり世界が平和であり、そして相互の貿易が円滑に行われるということが、貿易のためにもまた国民経済のためにも必要である、こういう考え方に立っておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように、韓国向けの輸出については、この条項を援用いたしまして、当分の間武器の輸出は行わないという原則で処理しておるわけでございますが、韓国と北との関係、いま申しましたように純粋の平和の状態とは違った一種の状態にあるということになりますと、紛争のおそれが現にあるというわけでもないし、また紛争のおそれがあるというような状態とも思いませんけれども、しかし、それだから自由にするという態度でよろしいんだろうかということを内部でいろいろ検討いたしまして、武器三原則の一つの応用といいますか、延長といたしまして、いま申し上げましたような考え方をとっているわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると両方だという解釈ですね。つまり外国貿易と国民経済の健全な発展の両方だ、それは武器三原則の応用だという精神でやっているという点は確認しておきたいと思います。  それで次に、これは大蔵省の問題だろうと思いますけれども、資本輸出ですね。つまり韓国に対する投資の問題でお伺いしたいと思います。  特に韓国の武器産業あるいは軍需産業、こういうものに対する投資の問題です。これはことしの十月二十四日、衆議院の予算委員会で橋本通商政策局長が質問に答えて「外資法上資本進出は原則として自由化されておる」こういう御答弁をなすっているわけです。しかし外為令の二十八条ですね、これはいわゆるこういった投資の問題で大蔵大臣や通産大臣の承認が要るわけですが、これを一部または全部を日銀あるいは外国為替銀行に承認を委任しているという条項ですが、この二十八条に基づく通達がございますね。  この通達によりますと、いまの日銀あるいは外為銀行の自動承認の問題に触れておいて、「国際協力上又は外交上の問題があると認められる投資の場合」あるいは「わが国経済に重大な悪影響を及ぼすおそれがあると認められる投資の場合」これは自動承認の枠の外に置いている。これらを除いて自動的に許可を与える、こうなっております。それからこれに基づいた通達がございますね。これは「「外国為替管理令等に基づく許可事務等の委任について」通達の内部処理について」という大蔵省のものがありますが、先ほど述べた「通達記三(三)「国際協力上又は外交上の問題があると認められる投資の場合」とは、」ということですね、解釈をやっております。その三番目に「武器、弾薬、麻薬等公の秩序、公衆の衛生、道徳又は国際的な平和と安全の維持に反すると認められる場合」というのが、この意味なんだということを述べておられますが、こういった二十八条、あるいはそれに基づいた通達、あるいはその内規、これで武器産業あるいは軍需産業への直接投資については、日銀の自動承認から除外されているはずなんです。  ですから、橋本通商政策局長が十月二十四日の予算委員会で述べられた「外資法上資本進出は原則として自由化されておる」という御答弁と若干違う。その点で、韓国に対しては、いま言ったような二十八条や通達あるいは内規、これは適用されていないのかどうか。もっと端的に言えば、日銀の自動承認から除外されているかどうかですね。私はいないはずだと思うのですが、その辺どうなのか、ひとつお答え願いたいと思います。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 韓国に対します直接投資につきましても、他地域に対するものと全く同様の扱いになっております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうしますと、橋本通商政策局長の御答弁というのは、これは間違いだったということになりますね。  そこで、一つ確認してもらいたいのですが、韓国についても武器産業あるいは軍需産業への直接投資は日銀の自動承認ではなくて、大蔵省、通産省の承認が必要だということになると思いますが、その点いかがでしょうか。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 明らかに武器を製造するための投資であるということでございますと、それは日銀の自動承認から外れまして個別の審査ということに相なると思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それを確認しておきます。  それで、いままで武器産業あるいは軍需産業への直接投資の承認を求められた件があるかどうかですね。特に韓国についてはどうなのか、これをお答え願います。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 ただいままでそういう事例はございません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 今後そういう事例が出た場合ですね、これは承認するのかどうか、これをひとつお答え願います。承認する場合はどういう審議をなさるのか、その法令、根拠、その辺もひとつお聞かせ願いたいと思います。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 今後のことでございますので、それを承認するかしないかということは、ただいま申し上げかねるわけでございます。  いずれにいたしましても、武器製造のための設備とか企業というものを輸出するんだということに相なりますれば、それは先ほど来申し上げましたように、日銀の自動承認から外しまして、大蔵省を中心にいたしまして関係各省間で十分その内容等を検討いたしました結果、許可するかしないかの判断を決めるということになろうかと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうしますと、武器輸出の三原則、この考え方はそのとき参考になりますか。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 当然武器輸出三原則の精神に準じまして物事を判断していくということになろうかと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 その点ですね、これは単なる参考とかあるいは準じてというだけじゃなくて、やはり武器と同様、武器産業につながるような投資、これについても明確な原則を確立をしておく必要があるんじゃないか、こう思うのですが、その辺どうでしょうか。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 直接投資の場合は物の輸出と違いまして、物が出るのではなくて金が動くわけでございます。したがいまして、物の輸出のように非常に明確な形で出てこない。したがって、輸出の場合のようにきっちりとこういうもの、こういうものというふうに列挙して制限をするというわけにはいかないのでございまして、やはり個別のケースごとにその内容等を必要があれば十分審査をするということになろうかと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 その場合武器三原則、これを準用するという御答弁があったのですが、韓国は武器三原則を適用していないわけですね。そうすると、そういう場合韓国についてはどうなるのですか。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 先ほど通産省の方から答弁がございましたように、いま武器三原則をやや延長したような形で韓国についても物を考えておるということでございますので、そういう考え方は当然反映されてくるものと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これはひとつ長官にお伺いしたいのですが、韓国に対する武器産業への直接投資、これは承認しない、これは武器三原則の原則から言っても当然なんですが、その辺やはり明らかにする必要があると思うのですが、そういった態度を明らかにできませんか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 ただいまの説明員からお答え申し上げたところで明らかになっていると思うのですが、輸出と違って金を出すのですから、その金がどういうふうな働きをするか、これをよく見定めなければならぬ。それが見定めがつきまして、どうもこれは三原則の精神と違うということになれば、また三原則の流れに沿っての処置をしなければならぬ、こういうふうに思いますが、これは金ですから、きちんとした基準というものはないのですよ。いろんなものに使われる、その使われ方がどういうふうな実態か、これが三原則の精神にもとるというようなことになれば、これは恐らく大蔵省は承認をしない、こういうようなことになると思いますが、武器を商品として直接輸出するという場合と多少運用は違ってくる面も御理解願いたい、こういうふうに思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 なぜ私がこういう心配をしているのかということですが、それは次のような問題が韓国で進行中だということなんですね。  たとえば韓国の商工部で機械工業育成総合支援対策、こういうものを発表したわけです。この中で、すべての機械工業を防衛産業に活用するよう育成指導する、こういう文句もあるわけです。そして育成の基本方向として、一つは、国内二千四百余の機械類生産工場中育成価値がある二百から三百の工場をその専門化企業として指定し、集中育成する。二番目は、昌原基地の早期建設で機械工業の構造革新と早期の土着化を期しながら、三番目として、すべての機械工業を防衛産業に活用するように指導育成することにした、こういうふうにあるのです。  そういう点、韓国の特にこの商工部の発表によりますと、機械産業という字句がありますから、韓国の機械産業への投資は特別にチェックをしないと、防衛産業に組み込まれていく危険があるのです。副総理がいみじくもおっしゃったように、金のことですから、どういうふうになるかわからない、しかし韓国の方針の中に、こういった機械産業をすべて防衛産業に組み込んでいく、二百から三百を指定していくということも言われているわけですから、そういう危険が出てくると思うのです。その点で、明らかに武器産業であるというものには、当然武器三原則の精神にのっとって、これは投資の承認はしないという方向が出ると思いますが、金のことだからどうなるかわからないと言った中の、韓国の機械産業への投資、これは韓国に、防衛産業に組み込むという方針が明確にあるわけですから、これは日銀の自動承認からやはり除外すべきだと思うのです。  それからまた、防衛産業に活用されるおそれのある産業への投資は承認しない、これは明確にしておいた方がいいと思うのですが、とにかく現行制度ではなかなかチェックできませんから、いわゆる韓国の機械産業への投資は日銀の自動承認にしない、除外する、これをひとつやってもらいたいと思うのですが、その辺の御答弁をお願いしたいと思います。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 特定の、たとえばはっきりした武器を製造するような機械設備であるというふうなことですと、その辺の判断はわりに容易にできるかと思いますが、非常に一般的な機械である、汎用機械であるというふうなことになりますと、それを、これは武器を製造するのだと決めつけて不許可にするということは、なかなかむずかしいのではないかというふうに考えるわけであります。同じ機械が同じように出ていって、それがどういうふうに使われるかということでございますので、それの使われ方、将来の使われ方に基づいて許可、不許可を分けるというふうなことは、行政事務の上からいきましても、非常にむずかしい問題ではなかろうかと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 その点で、いま申し上げた商工部発表の総合対策、この中で、専門企業に指定する、これを防衛産業に活用するように指導育成すると言っているわけですから、この指定される企業は明白に防衛産業のための企業だと言えると思うのですが、この指定されている企業ですね、これは大蔵省で調べておく必要があると思うのですが、これは調べておりますか。

渡辺喜一大蔵大臣官房審議官

○渡辺説明員 どういう企業がその専門的な企業として指定されておるかということは、私どもは承知いたしておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは重要な問題なんですね。韓国側は指定産業に指定する。そうすると、これはもう防衛産業に重点づけていく、軍需産業になるわけです。こういうところに日本の資本が野放しに出ていくということになれば、先ほどおっしゃった武器三原則の原則から言っても、非常に重大な問題になると思うのです。その点で、これは指定企業は調べようがあるわけですから、日本の大使館もあるわけですから、調べることができると思うのです。これをひとつ調査してもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。これは大蔵省当局がお答えできないなら、ひとつ大臣から、重要な問題ですから、お答え願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 どうも難題ですが、わが国だって自衛力の増強をやっているわけでしょう。庄司さんが賛成か反対かわかりませんけれども、わが国もやはり自衛力増強計画ということをやっておるわけです。韓国もまた自衛力の維持、増強ということをやっておるわけです。どこの国でも、それは同じ立場にあると思うのですが、その背景としては、やはり経済力、こういうものがある。わが国が資本進出をする、それがそういう意味においてつながって、韓国の自衛力の増強と関連がない、こういうふうには私は思いません。思いませんけれども、これは韓国と深い関係に立っておる北鮮だって、恐らくそういう立場をとっておると思うのです。中国が、あるいはソビエトがこれに対して経済上の援助をする、これは私は世界的にどこの国でもあり得る事態だと思うのですよ。  ですから、経済的な意味における援助を、これはその先々の影響まで見て、つながりつながって、これが防衛力になっていくのだから、それは差しとめたらどうだ、抑制したらどうだという考え方は、国際的に通らない議論じゃないでしょうか、私はそう思います。  それですから、社会通念として、すぐ軍事力につながっていくというようなことは、これは抑える、こう言っているのです。それは、私はその体制は堅持していきたい、こういうふうに思いますけれども、庄司さんの議論を推し進めれば、食糧を供給します、これだって軍事力につながらないとは言えぬ。繊維を輸出します、繊維産業を興しますと言ったって、これも軍事力につながらないとは言えぬ。こういうことで、これはちょっと国際通念としては厳し過ぎる御注文じゃないか、そういうふうに思いますが、おっしゃることはよくわかりますから、行政的に截然と峻別のできる直接の武器、そういうものにつながるものについては、これは抑制方針をとってまいります。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 大臣、私が申し上げましたのは、何も食糧とか繊維の話を申し上げたのじゃないのです。現に韓国の商工部が機械産業を軍需産業に指定していく、重点育成していく、こう言っているのですから、機械産業についてのことを伺っているわけです。特に、大臣が先ほどいろいろ見定めて、武器三原則と違うものはチェックする必要があると御答弁なすったわけですから、そういう点で、機械産業について明確に軍需産業に重要なかかわり合いを韓国の商工部が持たせておるわけですから、これぐらいは、指定された企業がどこどこなのか、その企業に日本側が投資する際はこれをチェックする、チェックするぐらいは当然だろうと私は思うのです。  私が申し上げたのは、そういう意味ですから、当然この指定企業を調べるぐらいはできると思うのですね。その辺どうなんですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 まあ機械といってもなんでしょうね、機械産業の水準を上げるということは、韓国の経済を整える上において非常に重要である、それがまた軍事力の問題につながっていくという問題は一つありますが、それは繊維を輸出します、これがまた韓国の防衛力につながっていくという、その極端な場合と、これは相通ずるものがあるわけなんです。機械産業だからといって、これを戦争につながるのだ、これを援助するなというとらえ方は、またちょっと行き過ぎた考え方じゃないか、世界の社会通念と相反しておるところではあるまいか、そんな感じが私はいたすわけであります。  とにかく、わが国といたしましては、いま南北ああいう関係にありますので、直接武器を輸出するというようなこと、直接武器産業に対して投資をする、これにつきましては抑制方針をとりますけれども、一般の機械産業水準を上げる、それが影響して軍事力の基盤をなすというところまでいくのは行き過ぎじゃないか、そういうふうに考える次第でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 だから、日本国民の日韓定期閣僚会議に対する疑惑の念は消えないのだろうと思うのです。とにかく韓国側は、政府側が機械産業はもう防衛産業に結びつけていくんだ、そのために育成強化していくんだ、そのため二百から三百指定するのだと、こうはっきり言っているわけなんですね。だから向こうの意図は明確なんですから、それをやはりチェックして、いわゆる武器輸出三原則の精神にのっとってチェックしていくということは、当然やはり日本の政府がとらなければならぬ態度だろうと私は思うのです。その点で、問題はすでにそういう方向で日本の資本進出が始まっているという問題もあるのです。  これは先ほど申し上げた昌原という機械工業基地、この位置づけがやはり、安永哲さんとおっしゃるのですかね、この方は商工部の重工業次官補、この方の発言があるわけです。  韓国機械工業育成の基本目標として、一番目に機械資材の自給率を上げる、二番目には輸出重工業としての位置づけ、三番目には国家安保と直結した防衛産業と結びつけながら育成する、そしてこの成長の揺りかごとして昌原基地がある。昌原基地を、初めから国際水準の規模と技術を備えた企業を集中的に建設する。ことしの六月末現在二十七の重点業種のうち四十企業の入住が確定しており、年末までに二十八の工場が着工する、十四の工場が完工する予定である、こういうことが述べられているわけです。この昌原機械工業団地に入住を決定した韓国企業に対する日本企業の技術提携、資本援助、これがすでに始まっているのです。  これはたしか一九七三年十月に、商工部長官の李洛善さんという方の序文がついた「投資案内韓国の機械工業 その長期育成計画と昌原機械工業基地建設計画」、こういうのが発表されて、日本の方にどんどん持ち込まれているのですね。昌原基地への入住御案内なんです、これは。そういうものが持ち込まれて、これに乗って次の六社が技術提携あるいは資本援助をやっているのです。  七四年、昨年には起亜産業、これはチェーン類とスピンドルリングをつくっているところですが、ここに日本スピンドルほか一社、四十四万ドルの投資、四九%です。それから三宝精器、ダイカストキャブレター、ここには日本ダイカスト工業、借款五十万ドル、日本気化器製作所、資本三十七万五千ドル、これは五〇%、こういう投資がやられている。それからことしになってからは金星社、これはテレビのブラウン管をつくっているところですが、日立製作所、これは技術提携ですね、総販売額の二・五ないし三%の手数料といいますか、これを取る。それから次は大韓重機工業、ここに旋盤ミーリングマシンについては日立製作所が技術提供をやる、着手金三千万ドル、それから冷間圧延用ロール製造、これも日立、これが着手金百万ドル出しております。それから鎮海電池、これは蓄電池製造で、湯浅電池が資本百十八万九千ドル、四九%の参加。最後に昌原工業ですね、これは鋳物をつくっているところですが、伊藤忠商事が韓国貨幣で四億ウォンですね、一〇%の参加。こうやって日本側の企業がどんどんいわゆる資本輸出をやっているわけです、あるいは技術提携をやっている。  ですから、韓国について先ほど商工部のいろいろな話を申し上げましたが、副総理がおっしゃるような、当初は平和産業の目的で投資や技術援助がやられていっても、その後防衛産業に組み込まれていく、こういうおそれが強いわけですが、歯どめがないのですね。そういう歯どめをやはりつくる必要があるんじゃないかと思うのです。  これは私の単なる杞憂ではないのでして、これは外務省の北東アジア課が入手した資料ですが、韓国の軍需調達に関する特別措置法、これは仮訳となっておりますが、一九七三年二月十七日の法律第二千五百四十号で出ているのです。これによると、軍需企業を指定することができると、指定することになっているのですね。指定された企業に対しては、資金の融資であるとか補助金の交付であるとか、その他の優先策がとられている。それについての施行令も出ているわけです。「企業の指定は、商工部長官が行なう」こうなっているのです。  そういう点で、やはりこの指定企業を調べて、それに対する投資の誘導の問題ですね、極力回避していく。武器三原則の精神にもとるような状況になっては困るわけですから、これをやはり調査をしてチェックをしていくことが、どうしても私は必要だろうと思うのです。そうでないと日本が死の商人を輸出していると、こういうことになってくるわけです。これは日本の平和憲法から言っても、アジアの平和と安全に対する日本の責任から言っても非常に大事な問題だと思うのですが、こういう指定企業を調べてチェックをするということが大事だと思うのですが、長官、その点でもう一遍、先ほどのような御答弁では国民は納得しないと私は思うのです。これはやはり何らかのチェックの機構をつくる必要がある。この点御答弁を願いたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 企業というものは軍需ばかりじゃないんです。これは直接武器を生産しておるという産業もありましょうが、しかし、そういう企業ばかりじゃない、いろいろな企業がある。しかし、いろいろな企業が軍事力とかかわりがないかというと、これはあると思うのですよ。わが国が対韓援助をしてできた浦項製鉄所ですね、これなんかも軍事力とかかわりがないかというと、大いにかかわりがあると思うのです。しかし、より多くかかわりがありますのは韓国の経済の安定にかかわりがある。韓国はいまどういう状態だというと、対日貿易だけを見ましたって、これは貿易七億ドルぐらいになりますか、大変な赤字状態になっておるわけです。ほかの国についても赤字のある国も多々あるわけであります。  そういう状態を改善をする、これは韓国としては大変な課題にいまなっておるわけであります。そういう国際収支の状態を改善するということは、これは韓国の経済の最大の課題ですが、総合的にいろいろな産業を育てなければならぬ。そういう際に、機械産業なんというものも、これは重要な立場にあるわけですから、それが回り回って軍需に関係がある、こういうようなことで投資なり経済上の協力をするということまで抑えちゃうということになれば、その考え方はもう非常に広範なことで、韓国ばかりじゃありません、これは。日本はあらゆる国の状態を調べまして、これは軍需にどういう関係があるのかというようなことで、わが国自体としたっていま大変なことで、中小企業なんか、仕事がない仕事がないと弱っているんですよ。そういう際にそれまでまた抑えちゃう、こういうことにもなるんで、まあ先ほど申し上げました、よほど注意をしておりますので、その辺のところが妥当じゃないか。特定の工場、会社を指定いたしまして、それには援助はしてはならぬというところまでやっていくのは、ちょっと行き過ぎじゃないかと、私はそう考えます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 私が申し上げているのは、これは一般論じゃないんですよ。この軍需調達に関する特別措置法ですね、これで指定されている企業は明らかに軍需産業です。これは明確なんですね。だから、少なくともそういうところ、軍需産業の指定を受けているようなところへ日本の資本輸出が行われるとすれば、結局韓国の武器なりあるいは防衛力、これを強化するために日本の資本が輸出される、明らかにこれは武器輸出の三原則の精神から言っても抵触するわけです。だから、私は一般論じゃなくて、特定したこういう問題を提起しているわけです。ですから、この法律によって指定された企業、これぐらいは調査の上、それに対するチェックをする、これぐらいはやってもらわないと困ると思うのです。それぐらいのことできませんか、明確なんです、これは。

岸田文武通商産業省貿易局長

○岸田政府委員 輸出の関連について補足的にお答えをいたしたいと思います。  武器自体の輸出は、武器の定義が軍隊によって直接戦闘の用に供せられるものということになっておりますし、その性質上、紛争と直接、間接にかかわりのあるものだろうというふうに理解しまして、先ほど申し上げましたような運用をしておるわけでございますが、それに加えまして、武器製造の専用設備につきましても武器に準じて扱うという運用で今日までやってきておるわけでございます。ところが、一般的な機械、たとえば旋盤であるとかボール盤であるとかいうような工作機械類でございますと、それが一体どこに、どういうような形で使われるのかということは事前にチェックすることが不可能でございます。また、使われ方自体もフォローすることが不可能ではないかと思っておるわけでございまして、それらについて特別の基準を設けるということは、技術的に不可能であるという考え方で処理しておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それでは、私はひとつ資料として要求したいと思うのです。  先ほど挙げた六社、これが資本提携あるいは技術提携をやっておる相手先の韓国の企業、これが、軍需調達に関する特別措置法、これは仮称ですが、この指定を受けているかどうか、この点、調査の上資料として本委員会に出していただきたいと思います。これが一つです。  それから最後に、私これは海外経済協力の調整をやっておられる長官にお伺いしたいのですが、いま日本の漁業界で、特にカツオ、マグロ業界が、韓国マグロの輸入によって深刻な打撃を受けている。これはもう血を吐くような叫びがあるのです。そういう中で、この間宮城県の漁民が遠洋航海でマグロをとってきて、転覆して大分死にました。家族の中で自殺なすった方も出てきているわけです。この韓国マグロの輸入の問題です。日本のカツオ、マグロ業界にとっては死活の問題になっている。これについての規制を考えておられるかどうかを、いまの資料要求と一緒にお答え願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 前段の資料の問題につきましては、これは外務省と打ち合わして、その結果、お答えを申し上げます。  それから、カツオ、マグロの問題、これが非常に深刻な問題であることはよく承知しておりますが、これは、この間六大国の首脳会談でも、とにかく自由貿易をどこまでも守り抜こうじゃないかという申し合わせをしておるのです。それで、わが国の主張は、両国の業界間で利害の対立がある、両国民の間に利害の対立がある、そういう事態があるだろう、ある際にも、これを法的に規制するという行為はお互いに慎もうじゃないかということです。そこで、どこまでも話し合いでこれを解決する、こういうことです。その点まで共同宣言には書いておりませんけれども一そういう主張をし、大体そういう理解になっておるわけですが、そういうことで、この間中国、韓国からの生糸の問題なんかもありましたが、これも話し合いで、かなり煮詰まってきております。  それから、マグロの問題につきましても、いま話し合いを継続中でありまして、そういう世界自由貿易という方針を堅持しつつ、話し合いで解決するということで、これを円満に解決したい、かように考えております。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 坂井弘一君。

坂井弘一公明党

○坂井委員 福田副総理兼経済企画庁長官に、二、三の基本的な問題につきまして、率直に、正直に、ひとつ御答弁をちょうだいしたいと思います。  最初に、国債発行問題であります。福田副総理が大蔵大臣の当時、つまり四十一年度から本格的な国債発行時代に突入いたしまして、当時政府がねらっておった国債発行と、現在のそれとでは非常に大きな違いがあると思うわけでありますけれども、この今回の国債発行の現状を、福田副総理は一体どう認識されておるのか。当時とはうんと違う、当初とは違う、その辺の基本的なお考え方というものを、ひとつまず最初にお聞かせをいただきたいと思う。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 私は、国債発行すなわちインフレだというふうな理解、つまり国債は悪だという考え方はとっていないことは、昭和四十一年当時も申し上げたわけです。これは節度が必要なんだ。国民経済のバランスを超えて多額に国債を発行するということになると、これはインフレのもとになるわけです。それから、経済全体の中のバランスを得つつ国債を発行いたしましても、それが消化されないということになると、また経済全体のバランスを失う結果になる。つまり、消化されない場合には、それは日銀引き受けということになって通貨の増発になる。過剰流動性ということになり、それがまた需要を呼び起こすということになってバランスを破るわけですが、国債発行による財政の運営が経済全体の中でのバランスを得ておるという限りにおきましては、インフレというものは起こらない。ただし、発行された国債が完全に消化されるということが必要である、こういうことなんです。  四十一年度に発行された国債、これは四十二年度になると、もう少しよけい発行したのです。これは五年間で安定させるというのですが、そういう方向で努力してまいりまして、四十六年度予算編成のときは依存度が四%台になる。当時野党の皆さんから、国債発行しないでも済むじゃないか、こういう話もありまして、あるいはそういうことができたかもしれませんが、私は、少額の国債発行という状態は続けておきたいということを申し上げたわけなんです。  それはなぜかというと、戦後初めて四十一年度に公債発行をした。公債発行した、これは大変なインフレになるぞということで、世間も大変心配したようです。しかし私は、公債発行というものはこれは悪じゃない。ときによっては、またこれは必要なんだ。また将来国債を多額に発行することが必要になるという事態が起こるかもしらぬ。そのとき国債発行というものを一度なくしておいてまたやりますと、これはまた大変だといって心配をかけるかもしらぬから、とにかく少額の国債だけは、つまり五%以内程度の国債は毎年発行する状態に置くことの方がむしろ望ましいというふうに考えまして、これは火種だと、国債火種論というふうに言われておりましたが、今日になるとあの当時と様相が違いまして、とにかく五兆五千億円だ、地方の公債を、あるいはその他の政府機関の出す政府関係の起債、これを含めますと膨大なものになるわけですが、しかし理屈は私は同じだと思うのです。  つまり、いま経済が非常に緩んでおる、需要がない、供給力は大変なものがあって、それがあり余っておる、そういう状態下において国債を発行して需要を喚起いたしましても、なおこれは企業の操業率というようなものは望ましい水準にも達しない、こういう状態でありますね。ですから、国の経済全体のバランスの中から言いますと、多額の公債を発行することにはなりましたけれども、いささかのその点においての不安はない。ただ多額であるだけに、第二の問題、これは完全に消化されるかされないかという点に大変問題がある。また困難がある。しかし、これは完全に消化させなければならぬ、こういうふうに考えまして、その消化につきましては最大、また細心の工夫をしてみたい、こういうふうに考えておりますが、いまのところ、これは完全に本年度は消化される、こういう見通しでございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 当初の国債発行は、いわゆるフィスカルポリシー、非常にその役目を重視しておった。国債火種論ということをいまおっしゃったんですが、景気が回復したら、できるだけ国債依存度は低めていこう、ないし国債を発行しないで財政運営ができ得るという状態が一番望ましいのではないか、つまり、そういう考え方で出発しただろうと思うのですが、いま副総理おっしゃる火種論ということを当然踏まえながら……。ただ、今日、赤字国債が二兆二千九百億、その依存率というのが二六%、大変な大量発行、赤字国債の発行ということになってきたわけですが、大平大蔵大臣は、先ほど原委員の御質問の中にもございましたが、いわゆる財政制度審議会が大体五%というのは安全弁だと、いまもお答えにございました。今日二六%、これでもまあ二六%が高いのか低いのかというような議論につきましては、そのときの情勢によるんだというような、きわめてあいまいもことした御答弁しか返ってこない。  そこで少なくとも福田副総理が、いわゆる国債の財政に対する依存度というものが望ましい水準というのは一体あるんだろうかということ、同時に、いまの二六%という依存率は、これは少なくとも好ましくないというお考え方が率直に私はあるのではなかろうかというような気が実はしてならないのですけれども、     〔森下委員長代理退席、委員長着席〕 その辺についてひとつ正直に、率直に御答弁いただければ御見解として承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 一年度の財政、それを国債で二六%依存だという形は、私は好ましい形ではないと思います。いま世界を見ても、これはそんな高い国というのは、先進国の中ではまあ一つぐらいありますか、そんな程度でございまして、この状態はできる限り早く改善しなければならぬと思いますが、ただ目先のこと、昭和五十一年度というようなことを考えてみますと、これは財政技術の問題がありますからどういう数字になりますか、ここで見当はつけにくいのですが、しかし財政が景気上昇の主軸となって役割りを担わなければならないということだけは、これは非常に明確に見通されるわけです。  ですから、来年すで依存度の改善、これがどこまでできますか、あるいはできるかできないか、その辺はまだ検討中でございますが、これは長期的に見ると、どうしたってこんな状態を長続きさせるわけにまいりません。逐次改善をしていくということにならざるを得ませんが、私が一番心配しておるのは、公債依存度が高くたって、それ自体はいいのですけれども、そう心配はしませんけれども、心配するのは、それだけの大きな公債を出して、一体それがうまく消化できるのかできないのか、そこに問題があるのです。  その辺を考えますと、二六%というような依存度の大量公債、これは決して好ましい状態ではない。来年改善できるかできないか、しかし、これはなるべく早く改善をするという長期的展望をもって財政と取り組んでいかなければならぬだろう、かように考えます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 まさに国債のこれだけの大量のものが果たしてうまく消化できるかということ、これも大変な問題だろうと思いますが、国債の消化、発行の流通市場をまずやはり整備しなければならぬという問題も、これは早急に進めなければいかぬわけですけれども、なかなか困難な面も多々あろうと思う。同時に、消化によっての国債の償還計画ですね。これ考えますと、実際赤字分の二兆二千九百億、これの償還につきましては、いわゆる百分の一・六の繰り入れ、それから剰余金の全額繰り入れ、それから必要な場合における予算の繰り入れ、これ百分の一・六といいますと、ざっと三千億。そうしますと、剰余金はまず期待できないということになりますと、これは一兆円以上の予算繰り入れということによらなければ、この償還が不可能である。  こういうことを突き詰めて考えていきますと、これまた全く率直にお伺いしますが、この償還財源には新税を創設するしかないのじゃないか、つまるところは。付加価値税の導入、さもなくんば、やはり高度成長を期待して償還を行う、このいずれかによるしかないのじゃないか、こういうことに必然的に結んでくるわけですが、この辺はいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 公債を発行するということは、これは国民経済に与える影響から言いますと、大体増税をして財政の均衡を得るというのと同じ経済効果を持つわけですね。つまり、公債が完全消化されるということはどういうことかというと、公債を消化するに足る貯蓄ができるか、こういう問題です。税は貯蓄じゃございませんけれども、これは強制貯蓄という側面を持つわけであります。ですから完全消化される公債と、それから税とは経済の大局から見て同じ効果を持つ。前提は公債が完全消化されることである。完全消化されるということは何であるかというと、個人の消費が今度は国の消費、公債を財源とする国の消費となって出てくる、こういうことですね。しかし、二六%の依存率というような大量公債を消化することは、これはもう長続きさせることはできません。ということは、それは完全消化に支障を生ずるということなんです。したがって、公債の発行はだんだんと減らしていかなければならぬ。そうすると置きかえるのは何だというと、これは強制貯蓄といいますか、租税ということになってくるので、中期的な財政の展望とすると、その辺も真剣に考えなければならぬ課題である、そういうふうに考えております。

坂井弘一公明党

○坂井委員 国債発行をやはり少なくしていかなければいかぬわけなんです。ところが、来年度やはり三兆円以上出さざるを得ない、そういう状態にさらに突っ込んでいってしまう。そうなりますと、赤字国債の残高も五兆以上ですね。そんなことを考えていきますと、これは全く率直にいって、果たしてこれは償還できるのか、とても不可能ではないか、こういう危惧をだれしも持つだろうと思うのです。そのことにつきましては、いま副総理が基本的な考え方についてお述べになったわけですから、あえてこれ以上触れませんが、そうなりますと、来年度の国債費は一体どれぐらい見込んでいらっしゃるのでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 来年度の国債費は、来年国債をどの程度発行するか、それによって動いてきますので、いま幾らと言うわけにはまいりませんです。

坂井弘一公明党

○坂井委員 でしょうね。そうしますと、来年度の予算の伸び率をたとえば一五%とまず仮定した場合に、本年度より三兆一千二百五十六億の増、こういうことになるわけです。そうなりますと、そのうち一兆八千億は当然増になる、こう言われるわけですが、こういう状況の中で予算の繰り入れというのは一体可能なのかどうなのか、これもちょっと予算の繰り入れというのは至難だろう。そういう状況がどういうように推移しますか、いずれにしましても予算の伸び率、たとえば私が言ったのは一五%と仮定した場合、こう前提を置いての議論として申し上げたわけですけれども、それはそれといたしまして、来年度の経済につきまして副総理が調整過程の最終年度となる非常に大切な年である、こう言っておられます。そこで、先ほども議論がございましたが、しからば実質経済成長率はという問いでございますけれども、これはこの年内なお経済の動向、推移を慎重に見守りながらということで結論をなかなかお出しになれないようですが、腹組みとして来年度実質成長率はどれぐらいお見込みになっているのでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 これは率直に申し上げまして、まだあれやこれやと頭をひねっておる、こういう段階でございます。つまり、にらまなければならぬ一つの大きな要素として財政ということがあるのです。財政の規模を一体どうするか、財政に一番大きな役割りを担わせなければならぬ。仮に六%成長だというと、かなり財政の規模つまり財政の中での公共投資とかそういう面の規模を拡大しなければならぬということになるが、そういうことが財政として適切であるかどうかというような判断もしてみなければならぬ。これは財政との見合いですね。これはまだ大蔵省と打ち合わせをしておるわけでもない。それからさらに、そのほか輸出はどうなるかとか、あるいは設備投資はどういう状態になるだろうか、国民の消費はどういう動きをするだろうか、いろいろなことを見詰めて、この程度を目標にして、これを実現するための主軸を財政に、こういうことになるわけですが、その財政との調整をどういうふうにするか、これが問題点なんで、そう急成長というようなことは、国際情勢から見ましても妥当ではありませんけれども、しかし雇用の情勢あるいは企業採算の状態、そういうようなものから考えますと、そう低い成長ということにもいかない。その辺をにらみながら、年末までには最終的な結論を得る、こういうことにいたしたいと思っております。

坂井弘一公明党

○坂井委員 ことし実質経済成長率四・三%を見込んだわけですけれども、最終的には二・二%に修正をした。経済見通しというのは、あくまでも見通しなのか、少なくとも目標を掲げまして、この成長率が達成できなかった場合、これはやはり政府に責任があろうと思うのです。当然のことです。少なくとも今回の見通しの誤りといいますか、それにつきましては、いろいろな問題がふくそうしたということの中でという御説明、御弁解等々これあり、このことについては私はあえて触れようとは思いませんが、ただやはり問題は来年度の実質経済成長につきましては、目標を掲げましたからには、この達成には政府は責任を持って経済、財政運営を行っていかなければならぬことは当然だと思いますし、同時に物価の安定ということにつきましても、目標値を掲げました以上は、この達成は過ちなくやはり達成をするという責任のあるものでなければならぬ、こう思いますので、いま申しましたことに対する副総理としてのお考え方というものをひとつお聞かせいただきたいと思います。  それから、この来年度の経済成長率に関係いたしまして、先般のランブイエ会議で三木総理が、現在日本は不況対策に取り組んでいる、来年度の実質成長率は五ないし六%になるよう経済運営をしたい、こういう公約をされた。五%ないし六%と言われたわけであります。この会議での世界景気全体を七七年までに回復させるというこの目標を達成するために、今後各国からわが国に対しまして、むしろ成長軌道の上向き修正、これを要請してくる、強く働きかけてくるという公算がきわめて大なのではなかろうか、こういう見方もあるようであります。  たとえばアメリカは、本年七−九月期から来年同期までの実質成長率は年率で七ないし八%にしたい。これはフォードさんの公約がやはり同じ数値を出されておる。ところが、それに対して欧州側は、アメリカは金利水準をもっと低目に保つべきだというような、そこでまた要請まで出されておる。つまりEC諸国は全く上向き成長は期待できない、ゼロ成長ないしマイナスであろう。したがって世界景気回復に対する日米に対する期待というものは非常に強い。そういう中から、わが国に対してやはり成長軌道をもっと上向きに修正しろという、要請というよりも圧力めいたものがさらにのしかかってくるのではないか。少なくともそういうことが今後起こり得るとしますならば、五十一年度予算編成にもこのランブイエ精神というものが一つのたがとなってくるのではないか、実はこういう感じがするわけなんですが、副総理、いま申しましたようなことに対して率直にどうお考えになっていらっしゃいますか、この際ひとつお聞かせいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 六カ国がランブイエに集まりましたが、その中で、GNPでいいますと、日米両国で六五%になるのです。日米両国がどういう経済の動きをするかということで、これは世界経済全体に相当の影響がある。ところが、その重大な影響のある日米両国がどういう状態にあるかといいますと、アメリカは、私は確かに景気回復軌道に乗った、こういうふうに見ております。アメリカ当局も自信を持っておる。わが国もまた上昇過程に乗ってきた、そういう状態でありますので、その影響というものは必ず残った四カ国にも影響し、さらに六大国以外の国々にも影響していくんだろう。ですから私は、来年の世界経済というものは、ことしに比べてやや明るい展望が持ち得る、そういう状態だと思います。  そういう中で、わが日本がとにかくアメリカとともに上昇過程に乗っておる、そういうことでほかの国から、わが日本に対してもっと積極の政策をとるべし、こういう圧力があるとか要請があるということは考えられません。あの会議における日本の経済政策に対する評価は非常に高かった、こういうふうに思います。同時に、いまこれからの動いておる経済のことを申し上げましたが、ことし一九七五年、この年をとってみますと、先進諸国というものはみんなマイナスです。アメリカが上昇過程に入ったというが、これでもマイナスです。ただ一つわが日本だけがプラス成長だ、こういう状態にありますので、国際社会から日本が何というか景気政策について注文をつけられるというような国際環境ではもう全然ないのです。恐らく三木総理大臣は、わが国の経済の状態については、胸を張ってこれを説明したんじゃないかと、詳しくは聞いておりませんけれども、そう想像いたします。

坂井弘一公明党

○坂井委員 まさに胸を張って説明されたんだろうと思う。思いますよ、私も。ただそれだけに、今度EC側から見ますと、日本経済、ある意味では羨望のまなざしもあるんだろう、さらに世界景気の回復のためにということで、それならば日本になお期待いたしましょうというものが、まずわが国に向けられるのではなかろうか。その場合には、やはりさらに上向きの景気対策を日本はとってもらいたいという要請ですね、そういうものがなされるのではないか。そのことが、来年度予算の編成の中で実質経済成長率を考える場合に、そういう国際的な要因というものが大きくやはり作用するのではないか。つまりわが国だけのいわゆる財政主義中心の予算編成というようなものは許されないような環境下にまさに置かれつつあるのではないか、実はそういう気がするわけなんです。  それで、多少前後して恐縮でございますが、たとえば来年度の予算でございますが、一説には景気刺激型予算ということを考えておるというようなことも言われるわけですけれども、実際に来年度予算の性格は一体どうなるのか、これは全く基本的なことで、副総理の腹中にあれば、まず基本的にひとつお答えいただければ大変ありがたいと思うのですけれども、同時にその場合に、どれぐらいの伸び率を想定されておられるのか、お考えがあれば、ひとつこの際承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 来年の予算につきましては、ただいま作業中でありまして、作業もまだ初期の段階なんで、具体的なお答えはできませんが、大局的に見まして、行政経費、つまり景気に直接の関係のない経費につきましては、これはかなり厳しい態度をもって臨まなければならぬだろう、そういうふうに考えています。つまり、これからいろいろな条件からわが国が、いままでのような高成長をとることはできない。それに対応しまして、政府も企業も家庭もみんな姿勢を変えなければならぬときですよ。そういうときに、政府は率先して範をたれると言ったら行き過ぎかもしれませんけれども、政府も姿勢を変えたぞということを国民に示す必要がある。そういうことで、一般の経費につきましては、非常に厳しい態度をもって臨まなければならぬ、そういうふうに考えます。  ただわが国は、われわれの生活環境つまり公共諸施設が非常におくれておる。そういう事態もありますので、景気対策という側面から見ますと、いわゆる公共事業費を中心としての伸び縮み、これは、経済の成長を一体どこへ持っていくのか、こういう角度で決めなければならぬ。来年という年は、わが国としては企業操業度がまだ足らぬ、こういうような事態でありますので、やはりそれを補うためには、財政つまり公共投資を中心とした諸事業が大きな役割りを占めなければならぬ、こういうふうに思います。ですから、一面において非常に行政執行という面においては厳しい、しかし景気対策という点においては景気を刺激する、甘辛と言うか、そういう両面を持った性格の予算になるんじゃないか、またそうしなければならぬだろう、こういうふうに考えています。

坂井弘一公明党

○坂井委員 基本的な考え方というのは一応わかるわけです。ただその場合においても、やはり建設国債、赤字国債を含めまして、公債発行の規模がどのくらいになるのか、これまた大変心配なところです。伸び率もまだ決まりませんし、いま直ちにここで論ずるわけにはまいりませんので、この問題につきましては、それといたしまして、ただいま御答弁にございました公共事業中心の景気浮揚策、これはあくまでも副総理の御持論なようでございます。  確かに景気回復を軌道に乗せるために公共事業を中心に行うということ、これはわかるわけですが、一面やはり減税政策ということも盛んに言われるわけですね。このことについては、さきの予算委員会におきましても副総理は、所得税減税等が景気浮揚には即効性を持つものではないという御趣旨の発言等もございましたが、ただ、今日の段階で経済の動向をずっと注視してまいりますと、なるほど公共事業によるところの景気浮揚策と、もう一本やはり側面的に所得減税、減税政策というものが相またないと、今日的な、これほど景気が冷え込んだ、この深刻な事態を脱出するためには、またどうしてもこの辺で所得税減税等を実施すべきではないか、こういう意見もかなり強いようであります。  つまり申し上げたいことは、公共事業中心の景気対策、これはおのずから限界がある。したがって、そこに減税政策を活用するということによって設備投資あるいは消費需要を喚起する、これは定説だと思います。同時に、ゆるがせにできないのは心理面の効果、これは非常に大きかろうと思う。それによる消費刺激効果は決して小さくない。たとえばアメリカ、西独、これは外国の例を出しますと、わが国の経済情勢はまた違うということで、副総理御反論になりましょうから、強いて申し上げたくはないわけですけれども、つまりこれも本音の辺でお聞かせいただきたいと思うのですが、減税政策、これは全然お考えになりませんか。いかがでしょう。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 結論的に申し上げますと、景気対策としての減税政策ということは考える余地はない、そういうふうに思います。理由は予算委員会、本会議等におきましても申し上げたのですが、いま消費は停滞、伸びがとまっておるが、しかし、さらばといって、そう低い伸びではないのですよ。ことしの成長はどういう状態かと経済全体から見ると、一〇%成長です。実質は二・二%ですね。しかし、これは名目で言うと一〇%、その中で設備投資はマイナスだ、輸出もマイナスだというのだが、なぜそんなプラス成長になるかというと、やはり個人消費です。これは一五%ふえている。それから第一次、第二次、第三次、第四次、この財政対策ですね。これが支えとなって一六%ふえる。そこで全体とすると一〇%成長が実現されるという状態なんです。  私が基本的に考えておりますのは、これは世界の環境が非常な変化をしてまいりまして、そしてこれから先をながめてみましても、資源保有国がどういう態度をとるかもしらぬ非常に不安定な状態、そういう中で資源も持たないわが日本とすると、いままでのような、さあつくれつくれ、使え使えというようなわけにはいかない、政府もあるいは企業も家庭も、みんな新しい世界の流れというものを見詰めての切りかえをしなければならぬ。そういうときに、生活をひとつ切りかえましょうという動きが出てきておるのです。この動きというものは大変大事な動きだ。これはここで意気阻喪させるというかそんなことじゃない。もっともっとこれを育成しなければならぬ、そういう時期なんだ。そういう基本的な構え。  それから、また第二に基本的な問題は赤字財政だ。建設公債、これは多額に出る。その上積みとして、また来年決定的に特例赤字公債を出さなければならぬ、こういうような状態。完全に消化されませんと、これはインフレですよ。完全に消化するためにはどうするかというと、国民が貯蓄をしてくれるほかない。そのほかに完全消化の道というのはないのですから、国民の貯蓄というのはどうするかというと、これは使え使えでは貯蓄はできるはずがないです。そのことを考えましても、これは景気がよくなるために個人の消費がどうしても大事なんです。さあ皆さん、お使いくださいといって減税いたしてあげます、そういう考え方はとれない。  しかし、そういう基本論を別といたしましても、今度は財政論、経済論として見た場合に、減税するためには財源が要るのです。この財源も公債を出してという貴重な財源です。それを景気という問題が当面の最大の問題である、そのためにどういうふうに使ったら有効かというと、個人の消費というための減税をしたって、これはそれだけの話でありまして、あるいは一兆円の財源がある、一兆円を減税したからといって一兆円の効果が起こるという状態にはなりませんよ、貯蓄をする人だってあるのですから。それっきりの話です。しかし、これを公共事業である住宅をやりましょう、あるいは下水道をやりましょうと言えば、使いっ切りじゃない。その財産は国民財産として残るのです。残るのみならず、その景気刺激効果というのは何倍かになってくるわけです。私どもは低目にこれを二倍くらいに見ておりまするけれども、この景気波及効果というものは、減税の場合とまるっきり違う。  それからもう一つ、私どもがにらんでおりますのは、雇用という問題です。減税をしましたという場合には、減税を受けた人だけが購買力がつくというだけの話ですが、しかし公共事業をいたします、そういう際には雇用という面に莫大な効果があるわけですから、そこにも大変な違いがある。  いま国家として、大変大事なことは何だということを考えると、インフレを抑えながら景気を刺激することである。インフレを抑えるという側面、つまり公債消化という側面から見ましても、また景気対策という面から考えましても、どうも減税論というのは耳には聞こえはようございますけれども、これは私ども国政をあずかる者としては、これはいただけませんというお答えをするほかはない、こういう考えであります。

坂井弘一公明党

○坂井委員 その辺が意見の分かれるところでございまして、これは非常に残念なんです。確かに需要創出効果ということからしますと、公共事業は大きいですよ。波及的効果もあるでしょう。ただ私は言いたいことは、その前に不公平税制等を見直さなければいかぬと思います。そういう前提はあるとしても、所得減税——低所得者層は大変な状態にあるということですね。このことを言いますと副総理は、それは景気政策ではなくて、いわゆる社会政策の次元でとらまえる問題である。筋論から言えばまさにそうだと思う。ただ、だから私はこれを柱に持ってこいというのじゃなくて、公共事業が柱とすれば、これは補完的な意味合い、意味づけをして、そうして低所得者層が今日のいわゆる不景気の中で、一口に言うたら、やはり政府の経済政策の誤りですよ。その犠牲を強いられた、そういう人たちを一体どう救済するかということもあわせ考えなければならぬ。これは筋論とすれば社会政策上の問題である。しかしながら、それが何によって引き起こされたかということを、なお一歩立ち入って、まず謙虚に国が考える。  そういう姿勢の中で、少なくともそういう人たちをこの不景気の中から脱出させるためにという考え方をそこに導入できないか、それが景気浮揚に補完的な、側面的な役割りを持たせるという考え方がそこに生まれてこないか、それがいわゆる個人消費の喚起ということに結びついて、公共事業を中心とした景気対策と両々相まって今日の不況からより一歩早く脱出をするという効果が生まれるのではないか、こういう意味合いにおいて、さきの質問においても、そういう趣旨で副総理にお尋ねをしたということでありまして、この辺につきましては、いま御答弁を聞く限りにおいては、なかなか議論がかみ合いそうにございませんので、わが方の考え方だけをここに申し上げておきます。  なお、話は変わしますが、公共料金の問題でありますが、どうも、公共料金は一般に政府や地方公共団体が関与しているサービス料金や商品価格である、こう言われているわけでありますが、たとえば石油製品のように、政府が価格決定に関与していても公共料金と言わない、そういうものもある、つまり公共料金の定義がどうもはっきりしていないわけであります。一体経済企画庁はどういう品目を公共料金としておるのか、はっきりしていないと思うのですが、今後正しい公共料金政策を進める上において、政府の公共料金に対する定義、これをこの際ひとつはっきりお示しいただきたいと思うわけであります。  ここに「公共料金概念の混乱」、この中に「公共料金という名称の名づけ親は、政府だといわれている。しかしその命名者からも、公共料金がどんな性格のものでどのような内容をもったものか十分説明されていない。」こう言われているわけでありまして、一体公共料金って具体的に何なのでしょうか。定義づけ、性格だけ、ここで一遍はっきりお聞かせいただきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 公共料金とは、その価格の決定に関し政府が関与する、そういう種類のものであります。

坂井弘一公明党

○坂井委員 そういう種類のものでありますと、きわめて一般的なお答えなんですね。具体的にずっと品目がここに挙がっているのですが、きょうは時間がありませんので、このことについては中身に入ることは差し控えますが、もう少し御検討ください。  それから、公共料金を言う場合に、いわゆる総合指数との対比で、公共料金は他の物価に比べて低目に抑えた、こういうことをよくおっしゃるのですが、大企業製品と対比しますと、公共料金の方がはるかに高いのですね。これはちなみにずっととってみましたが、大企業製品を挙げて見ると、そういたしますと、四十五年から四十八年、ノーマルな期間の指数で見ますと、公共料金の上昇率が一二・〇、これに対しまして大企業の工業製品が一〇・六、こういうことになろうかと思うのです。これもひとつ御検討ください。  そのように、必ずしも公共料金が低目に抑えられたということはどうも言えないようでございますので、なお公共料金を凍結するなり、公共料金の値上げに対しては、これは極力抑えていくという方向で、やはり政府は努力しなければならぬのではないかということを実は申し上げたいわけであります。  このことは、意見としてだけ申し上げておきます。  最後に、もう一回、ランブイエに返りますが、この首脳会議及びいわゆる米仏秘密協定、この成立によりまして為替問題がいよいよ本格的な日程に上ってきたようであります。協定の中身につきましては、申し上げるまでもございませんが、いわゆる金本位志向であったフランスとアメリカとの間で妥協が成立したということを意味しておると思いますが、この際、福田副総理、わが国は、為替政策につきましては、今日までアメリカ追随で一貫してきたように思います。今回の新しい米仏協定に対しまして、一体どういう認識あるいは評価をされておるのか。  さらに、来月はパリで、この問題に対する一連の国際会議が開かれる、来年一月にはジャマイカでIMF暫定委員会、一気にIMF協定の改正、ここまで持ち込もう、こういう公算が非常に強いということが新聞報道でもなされているわけでございますが、そうなってまいりますと、わが国経済の基本的問題にもかかってくると思いますので、いま申しました問題に対して、副総理は率直にどういう認識、評価、さらに今後のわが国経済に及ぼす、そうしたいろいろな観点から、とらまえられようと思いますけれども、今後の方針なり御所見なりを承りまして、質問を終わりたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 いま為替相場の問題につきましては、二つ問題があるのです。  一つは、いま変動為替制をとっておるわけでありますが、これを固定制にしたらどうかというフランスの意見、それから変動制がいいのだ、固定制は窮屈に過ぎる、こういう主としてアメリカの意見、こういう二つの種類があり、その他の国はその中間的な考え方だ、こういうふうになっておりますが、これが第一点。  それから第二点は、来る一月のIMFの総会において、アメリカがIMF協定では、これまで金ドル本位の固定制をとっておるわけです。それが公認をされておるわけでありますが、変動為替制もまた、その公認をされているという形で協定の中に挿入すべし、こういう意見がありまして、その辺の調整をどうするか、こういうことなんですが、これは私個人の考えですが、いま世界がこういう情勢の中で、固定制に直ちに復帰するというのは、これはなかなかむずかしいことだろうと思います。  各国の経済運営が非常に窮屈になる、当面は何か別の工夫をこらすことを考えるほかないのじゃないかというふうに思いますが、さらばといって、いま変動為替制というものを野放しにしておくということになりますと、これは、いま六大国首脳がインフレのない成長、これを申し合わせたわけでありますが、それの実現というものに向かっての共同歩調というようなわけにもいかないし、ひいては世界の経済の安定ということも実現できない。そこでまあ、変動相場制はやむを得ないけれども、おのおのの国が、為替が安くなるということは輸出に非常に都合がいいことでございますから、そういうような思惑等で、変動為替制を奇貨として、為替の乱高下、つまり激しい上げ下げをするというようなことのないように、相互に緊密な連絡をとり、節度ある行動をとるということが今日の事態としては最も適切なところではあるまいか、そういうふうに考えます。  まあ、大蔵大臣がわが国を代表して国際通貸基金に臨みますが、大蔵大臣にもそういう姿勢で対処してもらいたい、こういうふうに考えております。

井原岸高自由民主党

○井原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十九分散会

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