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76回国会衆議院1975/12/12

外務委員会 第6号

発言数
152
登壇者
21
会派数
5
開催日
1975/12/12

会議録

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これより会議を開きます。  社会保障の最低基準に関する条約(第百二号)の締結について承認を求めるの件及び千九百七十一年の国際小麦協定を構成する小麦貿易規約及び食糧援助規約の有効期間の再延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件、以上両件を議題とし、政府よりそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官羽田野忠文君。     ―――――――――――――  社会保障の最低基準に関する条約(第百二号)の締結について承認を求めるの件  千九百七十一年の国際小麦協定を構成する小麦貿易規約及び食糧援助規約の有効期間の再延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件   〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 ただいま議題となりました社会保障の最低基準に関する条約(第百二号)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、一九五二年に国際労働機関の第三十五回総会で採択されたもので、その内容は、医療、傷病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付、家族給付、母性給付、廃疾給付及び遺族給付の九部門の社会保障給付について、給付事由、保護対象者の範囲、給付内容、資格期間、支給期間等について最低基準を規定したもので、この条約を批准する加盟国は、失業給付、老齢給付、業務災害給付、廃疾給付及び遺族給付のうち少なくとも一部門を含む三部門について義務を受諾することとなっておりまして、わが国は、この条約の批准に当たり、傷病給付、失業給付、老齢給付及び業務災害給付の四部門について義務を受諾することといたしたく、これらの部の規定の趣旨は、わが国におきましては、主として健康保険法、雇用保険法、厚生年金保険法、労働者災害補償保険法及びこれらに基づく政省令により充足されているところでありますが、この条約を締結することは、わが国における社会保障制度の発展及び社会保障の分野における国際協力のため、有意義と考えられます。  この条約は、第七十五回国会に提出してその締結について承認を求めましたが、審査未了となったものであります。  なお、当面義務を受諾しないその他の部につきましては、諸条件の成熟を待って受諾することが適当であると認められる時期が参りましたならば、随時、条約第四条1の規定に基づき政府において当該部の義務を受諾する通告を行うこととしたい考えであります。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百七十一年の国際小麦協定を構成する小麦貿易規約及び食糧援助規約の有効期間の再延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  一九七一年の国際小麦協定は、本年六月三十日まで有効期間が延長されていましたが、この議定書は、同協定の有効期間をさらに一年間再延長するもので、一九七五年二月ロンドンで開催された関係国政府間会議において採択されたものであります。  一九七一年の国際小麦協定は、小麦貿易規約と食糧援助規約との二部から成っており、小麦貿易規約は、従前の国際小麦協定に比し、価格帯、供給保証等のいわゆる経済条項を欠いておりますが、小麦の市況の安定化のため加盟国が情報交換、協議を行うこと等を規定し、食糧援助規約は、開発途上にある国に対する食糧援助について規定しております。この議定書は、この両規約の内容に変更を加えることなく、その有効期間を一年間再延長することを定めており、小麦貿易規約の有効期間の再延長に関する議定書と食糧援助規約の有効期間の再延長に関する議定書との二部から成っております。  この議定書を締結することは、小麦貿易に関する国際協力の促進が期待されること、開発途上にある国の食糧問題の解決に貢献することとなること等の見地から、わが国にとり有益であると考えられます。なおわが国としては、食糧援助規約の有効期間の再延長に関する議定書に基づく食糧援助を米または農業物資で行う方針であるので、同議定書にその旨の留保を付しました。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。以上三件につき何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     ―――――――――――――

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 引き続き両件に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 私は社会保障の最低基準に関する条約、つまりILO百二号条約について、第七十五国会においてもこれについての審議がございましたが、その中身を引き続き確認をする部分、あるいは一部その中身について、そのうちどういうふうな対応が持たれてきたかということについてお尋ねをしておきたいと存じます。  七十五国会の節、このILO百二号条約の審議に当たりまして、時まさに国際婦人年ということであり、また中身からいたしますと母性給付であるとか家族給付、遺族給付等々につきましては特に全国の女性にかかわり合いの深い部門でもございますので、各党から婦人議員が出ましてこれに対しての質問を展開したわけであります。  その節、やはりぬぐい切れない一つの残念な気持ちとしてございましたのは、今回この条約を締結しようといたしておりますわが国が、家族給付や母性給付や遺族給付という部門について、いまだ国際最低基準に到達する中身を持っておりませんために、この義務を受諾することがその部門についてはかないません。この課題について政府としては今後どうお答えになるかということを宿題にしつつ今日に至っているわけであります。  したがいまして、まずお勢ねをしたいのは、七十五国会の節に、遺族給付について研究を進めていらっしゃる旨が御答弁の中にございますけれども、昭和五十一年がちょうど厚生年金保険法の再計算期に当たるということもございますので、その節いろいろな点での改善を予定をして作業を進めているという向きの御答弁もございました。したがって、でき得るならば、この遺族給付の部門については、恐らくその町点で基準に合致するように間に合わせていきたいという中身を答弁でも打ち出されているわけでございますが、この事柄がその後どのように進められ、五十一年に向けてどのような取り組みがなされつつあるか、これについての御答弁をまず承りたいと思います。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 お答えいたします。  厚生年金の来年度改正の作業を目下鋭意詰めを急いでおるところでございますが、御指摘の遺族年金の改善につきましては、ILO百二号条約の基準との関係で、従前所得の三〇%というレベルの問題が一応問題とされておるわけでございますけれども、私どもは、でき得るならばこれに合致するようなレベルまで引き上げたいということで目下作業を進めておりますけれども、何分遺族年金は厚生年金のみならず、各種の年金制度に共通する問題でもございますし、またわが国の遺族年金は国際比較をいたしましても、給付レベルの問題は別といたしまして、拠出要件その他ではわが国の方が国際的にかなり高水準にあるというような問題もございまして、率直に言いまして、この改正問題の作業は関係方面との折衝に非常に難航しておるというのが現状でございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういたしますと、いまの御答弁からすれば、七十五国会当時、特に五月三十日の当委員会におけるわが党の河上委員の質問にお答えになって、そして中身はまことに期待の持てる御答弁であったわけでありますが、この御答弁の中身というものはその後、後退をしているというふうに理解をさせていただいてようございますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 厚生省の立場では、前にお答えした態度が後退しているということはございません。客観情勢が厳しいということを申し上げたわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 客観情勢が厳しければ厳しいだけ国民化活は厳しいとお考えいただいていいと思うのです。その中で厚生省の果たす役割りというのに対して、その厳しい生活の中から期待を寄せている国民が非常に多いということをひとつ御認識いただいて、客観情勢が厳しいために厚生省はやりたいこともやれない、こういう御答弁で終わらせないでがんばっていただかなければならぬと思うのですよ。ひとつ当初のとおり、七十五国会での御答弁の中身を生かすということを再度ここではっきり確認をしていただいて、そのための努力を最大限にやっていただかなければならぬと思います。次の通常国会でどのようにお臨みですか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 この問題につきましては、厚生大臣以下非常にかたい決意で最後までがんばるつもりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 ほかに家族給付にしろ母性給付にしろまだこの水準を満たしていない、したがって義務を受諾することができないという部面については、何といってもこれは国際的最低基準でありますから、この国際的な最低基準を一日も早く満たしてもらわなければ困るというのが国民の声だと思います。その他の部門、つまりいま私が申し上げました家族給付、母性給付、そういう部面について、国際的な最低基準を満たすためにいまどのような努力が具体的になされているかというところをひとつお聞かせいただきたいと思います。いかがですか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 年金関係で申し上げますと、残った問題が障害年金分野でございまして、具体的には傷病給付と廃疾給付の接続の問題でございます。現在厚生年金の障害年金は、廃疾認定日が初診の日から三年目ということになっておりまして、一方健康保険における傷病手当金は六カ月、結核については一年六カ月でございますけれども、そういうことで傷病手当金と障害年金との間に空白があるわけで、これをどのように埋めるか。これは年金制度の側から申し上げますと、三年の廃疾認定日をどこまで繰り上げられるかということでございます。この点につきましては私どもといたしましては、この三年をできるだけ短縮するということで来年の改正にぜひ盛り込みたいものと思っておりますけれども、これは年金だけで片づく問題ではございませんで、やはり医療制度がアプローチしなければなりません。一方健康保険はいろいろ財政事情もございますので、廃疾認定日の短縮という点は、私どもの立場ではぜひ来年の改正に間に合わせたいものだというふうに考えております。

大森薫厚生大臣官房審議官

○大森(薫)政府委員 他の給付部門につきまして御説明申し上げます。  まず家族給付でございますけれども、現在の日本の児童手当制度はILOの内容と大きな隔たりがございまして、これを早急に改善することは現段階では非常に困難であるということでございます。  それから次は出産給付でございます。現行の健康保険によります分娩費の最低保障額は六万円でございますけれども、これが必要な費用を十分に賄っていないというような状況になっておりますので、これにつきましては現在検討を進めておりまして、現金給付によりまして必要経費をできるだけカバーするような内容の分娩費の支給、これが実現できるような努力を現在やっておる最中でございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それぞれのお話を伺うておりましても、ここ一年以内に恐らく国際的な最低基準を十分に満足できるような中身になるという見通しが確としてわいてまいりません。まことに心もとないと思うわけであります。  ところでもう一つ、いまの情勢からするとどうしてもお伺いしておかなければならないのは、具体的にお伺いするとそういうことでございますけれども、これから一年、二年、三年、日本は高度経済成長から低成長下の日本ということになってまいります。低成長ということになってまいりますと、その中での福祉政策というものはどのように考えられていくか、これは大変に気にかかるところであります。ただいまの自治体の中でも、お年寄りに対しての医療の保障をもう一度検討して、むだを省いていこうではないかという向きが声として出てみたり、また、いままで公費で負担してきたところをいささかでも削減して、公費で負担をしなくて済むような方法はないものか、いわゆる大きな目で見たときに、社会福祉の中身に手をつけて、現行の中身よりもさらに後退をしていく方向で何とか低成長のつじつま合わせをやろうとする気配が一部に見えてまいっております。こういうことから非常に気にかかるのは、低成長下での福祉政策はいかにあるべきか、福祉の中身は断じてゆがめてもらっては困るし、後退してもらっては困るというのが国民の実感でございますから、このことについて基本的な姿勢をこの節承っておきたいと存じますが、いかがでございますか。

大森薫厚生大臣官房審議官

○大森(薫)政府委員 お答え申し上げます。  経済が安定成長をたどりますという見通しのもとにおきましては、福祉施策のための財源を確保することがなかなか困難であるということは当然予想されるわけでございます。しかし、今後急速に進行してきます人口の老齢化現象というものに対処していきますためには、社会保障を充実することがますます重要な課題になってくるものと考えます。したがって、今後は国民の負担能力あるいは他の関連の諸施策とのバランスあるいは財政の長期的見通し、そういうものを十分検討いたしまして国民の合意を得ながら施策の推進をしてまいりたい。場合によりましては、国民の負担というものを現状よりももう少し引き上げるということも当然必要になってこようかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 非常に抽象的な御発言でございましたが、その熱意のほどは喪失しないで持ち続けて、さらに高福祉に向けての努力というものを大いにやっていただきたいと思います。  さて、七十五国会の六月十三日の当委員会で、いよいよILO百二号条約についての締めくくりの場所を持ったわけでありますが、その節、宮澤外務大臣から特に御発言がございまして、「政府といたしましても、婦人関係ILO条約の履行を確保し得るよう、国内法の整備を行いました上、これを批准いたしますととは、国内における勤労婦人の地位向上につながるのみならず、労働問題の分野におけるわが国の国際信用を高めることにもなり、きわめて有意義と考えておりますので、今後とも十分検討してまいりたいと考えます。」という御発言があったわけでございます。残念ながら、本日この席には大臣がいま御着席でおありにならないようでありますけれども、外務省とされましては、当面国内法の整備を行った上で批准をしていかなければならない、特に勤労婦人の地位向上につながるという意味で、早期に批准をしていかなければならないと考えていらっしゃるILO条約といえばどういう条約がございますか、それを御明示しておいていただきたいと存じます。いかがでございますか。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 働く婦人を守るための諸条約といたしましては、ILO八十九号条約、これは工業に使用される婦人の夜業に関する条約、それから百三号条約、母性の保護に関する条約、それから百十一号条約、雇用及び職業についての差別待遇に関する条約などがございます。  外務省といたしましては、関係国内法令の整備ができました上は、できるだけ早くこれらの条約についても批准の手続をとりたいと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いま御答弁になりましたそれぞれの条約につきまして、国内法についての整備の進展の度合いは具体的にどれくらいになっているか、その点の御答弁を、各省お出ましでいらっしゃるならお伺いしておきたいと思います。

桑原敬一労働大臣官房長

○桑原政府委員 お答えをいたします。  先ほどお述べいただきました八十九号条約、夜業に関する条約でございますけれども、条約の中身は、先生御存じと思いますけれども、夜十時から朝七時までの間における七時間の継続時間を含む十一時間夜業をしてはならない、こういう規定になっておるわけでございます。片や労働基準法の方は、午後十時から朝五時まで継続七時間という形で、内容が食い違っておるわけでございます。第二番目の母性保護、これは出産休暇の規定をしておるわけでございますが、産前産後十二週間、産後も六週間強制的に休むようにというのが条約の趣旨でございます。ところで基準法の方は、産前の方は六週間でございますけれども、産後の場合は、医師の証明、本人の請求があれば五週でよろしい、そういう内容的な食い違いがございます。三番目の百十一号条約でございますけれども、雇用及び職業についての差別待遇禁止でございますが、条約の方は皮膚の色とか宗教とかいろいろな詳しい条件がございますが、基準法は、賃金に関して、性によって差別してはならないというように非常に狭く規定いたしております。そういうようなことで、もっぱら基準法にかかわる問題がたくさんございますので、私どもといたしましては基準法の全面的な見直しをいまやっております。労働大臣の諮問を受けまして基準法研究会を鋭意やっておりまして、女子、年少の問題も現在鋭意御審議いただいております。この辺の結論をいただいて私どもとしては前向きに取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いまの御答弁からして一つだけ確認をしておきたいのは、その御答弁の中にございました委員会での結論というのは一体いつごろ出される御予定で作業を進めていらっしゃいますか。

桑原敬一労働大臣官房長

○桑原政府委員 基準法の改正問題は、基本問題が非常にたくさんございまして、労働時間の問題もございますし、休暇の問題もございますし、広範囲な面で、特にいまの日本の経済社会の変化に対応してどうあるべきかという基本問題がございます。したがって、鋭意やっておりますが、特に先ほど申し上げましたように、婦人、年少の問題、現在取りかかっております。そういうようなことで、時期は明示できませんけれども、できるだけ早急に御審議をいただきたいというふうに私どももお願いをいたしておるようなわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 この問題については、最初に申し上げましたとおりに、婦人関係の問題をたくさん含んだ百二号条約であり、さらにそれを受けての外務大臣の御発言がただいま申し上げましたようにもございましたわけですが、昨日参議院の外務委員会におきまして、わが党の田中野美子議員の方から、女性についての政府内における任用問題を一つ取り上げられまして、特に外務省におきましては、かつて市川参議院議員に対して、五十年の三月二十五日のたしか予算委員会の席上であったと思いますが、宮澤外務大臣の方から大使、公使の任用についても適当な婦人における人材があるならば求めてまいりたいというふうな御答弁があって、そして昨日は、公使について具体的に人選を進めているという向きの御答弁が重ねてあったようであります。この問題がもし具体的に進んでいるのならば、一体いつごろそれが具体化されるということになるか、その点をひとつ次官からお答えいただければ幸いだと思います。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 外務省におきまして、女性の大公使への任命ということはいま当局の方で検討を命じられまして検討中でございます。  具体的にどこまで詰まっているかということにつきましては、その派遣先の国情とか治安とかそういうふうな配慮もありまして、いま検討しておりますけれども、いつごろまでにどういうふうに実現するということはまだ申し上げるような段階になっていない状況でございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういう御発言ならば、それは検討なすっていることを私は疑うわけではありません一けれども、いつごろそれは言えるかというのは、よくわからないというのが永久に続くような場合もまたときどきございますので、ひとつ、いつごろまでにははっきりさせたいという気持ちでいま取り組んでいるのだがというぐらいあたりまでは出していただいていいんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 これは先生のおっしゃること、私ごもっともだと思いますが、人事の件につきましてはなかなかその時期を申し上げられない。  実情を申し上げますと、いま現役の落手外交官の中に婦人の人が非常に多く出てきておりまして、こういう優秀な人の中から、婦人外交官をいわゆる大公使のポストにできるだけ持っていこうということは、外務省は真剣に取り組んでおるのです。先生の一番御下間になっておる、いつまでに実現するかということにつきまして、私からいま申し上げることはちょっとできませんのがはなはだ残念でございますが、この程度で御勘弁願いたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 ただ、しかしいまの御答弁からすると、近い日に、恐らく次の人事異動ということが具体的に問題にされる時期に、婦人の大使あるいは公使が必ず誕生するに違いないという感触を私は得ておりますが、そのように考えておきましてようございますね。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 次の人事異動ということを御確約することはできませんが、ことしは国際婦人年でもありますし、婦人議員さんからの強い要請もたびたび承っております。なるべくそういうふうに努力をいたしたいというふうに考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 実は善隣外交とか、平和外交とか、友好関係を一層促進するという側面から考えてまいりますと、婦人外交官の果たす役割りというのは非常に大きいということを次官も十分に御認識になっていることは言うまでもないと私は思うわけです。ところで、善隣外交とか、平和外交とか、友好というものを深めてまいります場合に、近隣諸国、特に日本とつながりの大きい中国であるとか朝鮮半島等々について見てまいりますと、当委員会においても朝鮮半島の問題というのは質問の七割から、場合によったら八割くらいの部門を占めるぐらいに取り上げられてまいりました。  ところで、いま一つきょうお尋ねをしておきたいのは、各大学における外国語のコースの中に中国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語あるいはイタリア語という語学がそれぞれ第二外国語として指定をされているということはもうこれは常識化いたしておりますが、朝鮮語を外国語のコースに取り入れている大学はないんじゃないかと私は思います。大阪外国語大学においては、これは専門的に外国語を勉強する大学でございますから朝鮮語のコースがございますけれども、同じ外国語大学でも、東京外国語大学の場合にはいまだ朝鮮語のコースがないと私は存じております。この点、文部省の方からひとつ、各大学においてどういうふうにこの朝鮮語のコースが取り扱われているか、特に文部省とされては、公立であるとか私立の大学についてまでの点検はなかなか大変でいらっしゃるだろうと思いますが、少なくとも国立大学については現状がどのようになっていて、そしてどのようにこれについては取り組みをしていきたいかというお考えはおありになるのではないかと思いますが、いかがでございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野(文)政府委員 現在大学におきまして行われております朝鮮語教育は、御指摘の大阪外国語大学の外国語学部の朝鮮語学科、それから私立の方では天理大学の外国語学部の朝鮮語学科、これにおきまして専門教育として朝鮮語教育が行われております。それからそのほかに、いわゆる一般教育における外国語教育として朝鮮語を教えております大学が、私どもの承知をいたしております限りでは、亜細亜大学、和光大学、京都産業大学、天理大学でございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 政務次官、いまお聞きになったとおりなんですが、外務省の中には外国語の研修の機関がございますね。朝鮮語などについては、大学で全く学ぶ機会を持たないままに外務省に入って、そして新たにそこで初めて朝鮮語の研修を受けるという方が、恐らくは朝鮮語コースにおける大半の方々ではないかと思うのです。その他の分野における外国語については、私は、以前にある程度修得するという機会をそれぞれ持ち得た、そして後に外務省においても研修をさらに受け得るというふうな状況にあるのじゃないかと思いますが、この朝鮮語の問題については、もっと大学においてこれを取り入れて修得をするという機会が与えられていいのではないかと思いますが、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 先生御指摘のとおりでございます。一番近い、しかも一番関係の深い隣国語、朝鮮語というものは非常に使われる部門あるいは外交上必要な部門が多いわけでございます。私の方でも文部省に対して、そういう外国語の中で特に朝鮮語について、もう少しく大学の課程においてこれを修得するような方法を考えるようにということを要請してまいりたいと考えます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 これで終わりたいと思いますが、大学局長、東京外国語大学の中に朝鮮語のコースがいまだないということでございますので、ひとつそれからまずお脅えをお始めいただくということはいかがかと存じますが、いかがでございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野(文)政府委員 東京外国語大学に朝鮮語教育の体制をつくるということにつきましては、かねて御指摘をいただいているところでございます。私どもも実は今年度大学側に対しましてこの問題について検討を求めております。今年度は大学側の協議が相整わない段階で来年度の予算要求をしなければならぬというふうなことになりましたので、明年度の予算においては新増設の要求をいたしておりませんが、引き続いて大学側に対して積極的な検討を求めて、東京外国語大学における朝鮮語教育の体制を整えるように、私どもとしては努力をしてまいりたいと思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 終わります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 河上民雄君。

河上民雄日本社会党

○河上委員 私は、いわゆる国際小麦協定の有効期間の再延長に関する議定書について二、三御質問いたしたいと思います。  これは前の国会で本委員会を通過いたしておりますので、特に改めて御質問することも少ないかと思いますが、その後の二、三の推移の中から改めて重ねて御質問したいことがございますので、お伺いしたいと思うのでございます。  この前の国会で審議されましたときに一番問題になりましたのは、この小麦協定は前の協定と違って価格条項を含んでおらない。やはり価格条項を含む協定でなければならないんではないかという点にあったと思うのですが、伝えられるところによりますと、価格条項を含む協定のための準備の作業が行われておるやに聞いておりますが、その作業状況はいかがでございますか。またその見通し、そしてまた今回も、今回もというか、その作業が十分に成果を得ないで物別れになった場合、いまわれわれが審議いたしておりますように、年この協定の延長を図っていくというお考えでありますか。その点をまず初めに伺いたいと思います。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 お答えいたします。  本貿易規約の二十一条におきまして、経済条項を含む新たな協定の準備作業を行うことが定められておるわけでございますけれども、ことしの二月に至りまして、その準備のための作業グループが設置されまして、いままで三月と五月、九月と三回会合しておるわけでございます。この作業におきましては、各国の政府の立場を拘束しないというようなかっこうでございまして、いろいろこの協定の中に盛り込むべき要素を検討しておるわけでございますけれども、いままでのところ、主として備蓄の要素というものが考えられておるわけでございまして、そういった問題を中心にいたしましていま協議が進められておるわけでございます。  それから今後の協定の成立の見通しでございますけれども、現在までのところ、いつごろ新しい経済条項を盛った協定ができるかということを明確に述べますことは非常にむずかしいかというふうに存ずる次第でございます。と申しますのは、この協定を成立させるためには、いろいろな一般的な小麦の需給状況の問題あるいはまたその協定の内容、価格帯とかそういう問題に入ってまいりますれば、いろいろ技術的な交渉もあるわけでございまして、そういった意味から、なかなかいまのところいつごろできるかというふうな明確な回答を申し上げるということはむずかしい状況でございます。  そういった状況でございまして、現在の小麦貿易規約の有効期間、来年六月まででございますけれども、そのときまでに新しい経済条、項を盛った協定ができるという可能性は、いまのところ必ずしもはっきりしておりませんけれども、ちょっと乏しいということでございますので、そういった意味から、来年の初めの理事会におきまして、新しいその協定をさらに延長するかどうかということにつきまして検討するということも考えられております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 それならそれもやむを得ないことかもしれませんけれども、食糧問題は世界的に非常に重要な問題になっておりますが、いわゆる世界的に備蓄をしなければならないという考え方が強くなってまいりまして、いわゆるキッシンジャー構想というものがございます。三千万トン備蓄をする、そしてそのうち二千五百万トンは小麦で五百万トンは米でやるというような構想が伝えられておりますけれども、こういうようなキッシンジャー構想については西ドイツなどはかなり批判的なように聞いておりますが、日本政府としてはこのキッシンジャー構想、備蓄計画について、どういうような態度で臨まれておられるのか、それを伺いたいと思います。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 御指摘のとおり、いまアメリカの考え方といたしまして、新しい国際小麦協定の中には備蓄の要素を取り入れるべきであるということでございまして、小麦と米を合わせまして三千万トンの国際備蓄を形成しようという考え方がございます。わが国の立場といたしまして、御承知のとおりFAO、国連の食糧農業機関のパーマ事務局長が提案いたしました、いわゆる各国が、自主的に備蓄をいたしますという考え方には、現下の日本の食糧事情、あるいはまた国際的な穀物事情から見まして、きわめて望ましいこと、だというふうに考えておるわけでございまして、そういった考え方にはわが国といたしましても従来から賛成しておるわけでございます。  しかしながら、このキッシンジャーといいますか米国の提案しておりますところの三千万トンの構想につきましては、これはもちろん小麦の需給状況というものが、従来の過剰状態からかなり均衡した状態に入っておるということで、新しい協定の要素としてはあり得るのかというふうには考えておるわけでございますけれども、その備蓄を形成いたしますに当たりましては、いろいろ各国の輸入国の負担というような問題もございますので、そういった利益とそれから負担という問題を勘案いたしながら慎重に検討しておるわけでございます。  なおかつ、わが国の立場といたしますれば、新しい国際小麦協定の中にはやはり従来どおり、価格の要素というものが織り込まれるということが非常に重要かと思っておりまして、特に価格の安定ということと、それから供給の確保というものがやはりこの小麦協定の中には織り込まれるべきであるというふうな立場を表明しておる次第でございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 アメリカの構想の中に五百万トンの米というものがありますけれども、これについて日本というものがかなり当てにされておるのですか。それとも日本はこれに全く関与しないわけですか。どういうことになっておりますか。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 五百万トンの米につきましては、アメリカにおきまして日本を対象に考えておるというふうには当方は考えておりません。

河上民雄日本社会党

○河上委員 備蓄計画につきまして西ドイツの批判などを見ますと、これは一体需給の安定を図るものであるのか、それともいわゆる開発途上国に対する援助計画というそういう趣旨が強いのか、その辺思想的に非常に混同があるというふうな批判があるわけですけれども、恐らく日本におきましてもそういう問題はあるんじゃないかと思うのですが、最近新聞を拝見しますと、東京に本部があります国連大学で、飢餓問題の解決に取り組むプロジェクトを立てているというような報道もございますが、一体この備蓄計画に対して日本政府はどういう態度をとるか。単に需給のバランスということだけを脅えていくのか、それともいわゆる第三世界に対する援助計画といいますか、援助の姿勢というものを織り込みながらこういう問題に対処していくつもりなのか、その辺の政府の姿勢を伺いたいのでございます。  と申しますのは、先般われわれが社会党の訪米使節団で参りましたときに、ここにおられる江田委員を団長にいたしまして、私どもお供をしたんでございますけれども、そこでも日米間の論議の中でそういう趣旨の討論が若干あったわけでございます。というのは、アメリカの議員から、日本がアメリカの食糧を安定的に買ってくれるということは大変ありがたいというような趣旨の発言がありましたのに対しまして、ここにおられる江田先生が、それはむしろ日本としては恥ずかしいことで、戦後三十年間かかって日本はむしろ農業をだめにしてきた、そのためにアメリカの食糧に依存しなければならなくなったんだ、そういうような言葉がございまして、そこでいろいろ議論した末に、われわれは飢餓に苦しむ第三世界というものを忘れてはならないので、日米の需給のバランスさえとれればいいという考え方は間違いだ、そういう意味で、大規模農業で成功したアメリカと、それから小規模農業の粋を尽くして今日に来た日本とが協力することによって、むしろ第三世界に奉仕する道が見出されるのではないかというようなことに日米議員間の意見が大体一致してきたというようなことがあるわけでございます。  私は、このいわゆる備蓄計画というものの構想を読みまして、このときの討論を思い出すのでありますけれども、政府は、こういう問題についてどういうようにお考えになっておられるか。大学のこのプロジェクトの構想を聞くにつけても、小麦協定の審議に当たって伺うわけでありますけれども、いま言ったような問題について政府としてはどうお考えになるか、ひとつ伺いたいと思うのです。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 先ほど申し上げました開発途上園の食糧問題というのはきわめて重要であることは申すまでもないわけでございますが、現在、小麦理事会の作業グループで議論されております備蓄の問題につきましては、先進国が開発途上国の備蓄の費用を持ってやるとか、あるいはまた、先進国の輸入国が備蓄したものを場合によっては開発途上国に回すというような、いろいろな議論ももちろんあるわけでございます。私たちのいまの基本的な考え方といたしまして、食糧援助あるいはまた開発途上国に対する農業開発という問題は、一応別個の問題といたしまして、むしろこれは取り上げるべきじゃなかろうかというふうに考えておりまして、食糧援助規約にはもちろん日本も参加しておりますし、かつ賛成しておるわけでございまして、そういった問題を一応小麦の貿易の問題とは切り離して考えた方がよりすっきりするのではないかというふうには考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 この問題を区別するということは、確かに西ドイツ側の批判のように大事なことだと思うのでありますけれども、しかし単に日米間、先進諸国間の食糧需給のバランスということだけに努力を傾注するのではなくて、やはり世界に生きる日本でありますから、国連大学のプロジェクトが示すように、先進国が協力して第三世界に奉仕する道を見出すように、この機会に特に政府に要望して、私はこの件に関する質問を終わりたいと思います。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 私は、最初にILOの百二号条約に関連いたしまして、条約の中身そのものではございませんけれども、本年の十一月六日に、アメリカ政府がILOに対して脱退を通告したという問題について伺いたいと思います。  まず最初に、アメリカ政府はいかなる理由で脱退したのであるか、簡単に説明してください。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 アメリカ政府は、ことしの十一月六日に国務長官名の書簡をもちまして、ILOの事務局長に脱退の予告と申しましょうか、あと二年たてば脱退するという趣旨の手紙を出したのでございますが、その手紙によりますと、いろいろILO本来のあるべき姿からだんだん変わってきておるということを問題にしておるようであります。たとえば政、労、使の三者がそれぞれ独自の立場から代表してILOの討議に参加するという、いわゆる三者構成主義というのがだんだん形が崩れてきておる、これでは困るではないかということが一点。それから人権関係の侵害がいろいろの国で指摘される場合に、ある国に対しては非常に厳しくこれを批判するけれども、ほかの国については非常に緩やかに、余り問題にしないで見逃している、いわば国によって差別を行っているんではないか。それからもう一つの点は、そういう人権侵害がありました場合に、昔から確立しておりますILOのいろいろな手続がございますけれども、そういった手続をやや無視して、きわめて政治的な立場から特定の国の人権侵害を問題にする、こういった手続無視の面があるのだ。それからいま一つは、全般的にILOは労働者の利益を増進するということを主眼としておるのにもかかわらず、ILOが直接関係すべきでない一般的な政治問題をいろいろ取り上げ過ぎている傾向があるのではないか。たとえば国家間の関係がどうであるべきであるとか、経済関係を取り上げるとか、非常にILOの本来の姿から逸脱しているというような点を問題にしているようであります。そういった現状がこの二年間に改善の方向に向かえば、必ずしも脱退はしないかもしれない、むしろ脱退をしたくないのだ、脱退することを実は予期もしていないのだ、今後二年間に事態が改善すれば引き続きとどまるという含みも、その手紙の中からは読み取れるようでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 いま国連局長から答弁がありましたが、二年間の予告になるわけですが、そのキッシンジャー長官の、ブランシャールというのですかILOの事務局長あての書簡は、私も拝見いたしました。四つの理由による、こういうように言われているのですが、それについての私の考えはまた申し上げて質疑をするとして、わが国はこのアメリカのILO脱退についてどういうように評価し、どう対処しようとしているか、それをまず伺いたいと思います。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 わが国といたしましては、一応キッシンジャー長官のブランシャール事務局長あての書簡にありますとおり、アメリカとしては脱退するのが本意ではないんだ、最近のILOの状態を心配しまして、それをILOの本来の姿に戻すべくアメリカが希望しておるという、いわば積極的な意図もあるんではないか、こういうふうにわれわれとしては受け取っております。ただ一般論といたしましては、ILOに限りませず国連関係の諸機関その他の国際機関、できるだけ世界じゅうのすべての国が加盟しているという姿が望ましいと思います。いわば普遍性が望ましい。それからアメリカのような比較的重要な国については特にそういうことが言えるかと思いますし、それからその国際機関の運営の適切性から申しましても、みんなが引き続きとどまっているという状況が望ましいと思いますし、他方アメリカが万が一ILOからいなくなりました場合には、いろいろ影響が出てくることも当然予想されますので、日本政府としましては日本政府なりに、そういった場合の懸念を何回かアメリカの政府当局にも表明してまいった次第でございます。日本政府といたしましては、今後ともアメリカの動向いかんにかかわらず、もちろん主要加盟国としての責務を引き続き果たしてまいる所存でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 いまの答弁で、わが国がアメリカのILO脱退通告にもかかわらず、主要加盟国としての責任と義務を果たしていくつもりであるという態度はわかりました。  新聞報道その他伝えられるところによりますと、アメリカがILO脱退の意思をほのめかしたのは、本年の六月十二日にILOが多数決でパレスチナ解放機構、PLOのオブザーバー参加資格が決定されたときである、こう言われております。そのときにアメリカ側は政府代表、労働代表、使用者代表の三者代表がこぞってイスラエル代表とともに一斉に退場して、特に政府代表は、この決定がどんな結果を生むかいまは言えないという含みのある捨てぜりふを残して退場したということが報道されておるのですね。私は、キッシンジャー長官の四つの理由も読みましたけれども、キーシンジャー長官は、開発途上国が――本来わが国などは、ILOで政府代表と労働者代表がしばしば意見を異にするというのは普通のことですね。ところが開発途上国などでは、政、労、使が  一体になっているというのが一つ不満だ、こういうことを言い、また政治的な決定というのは、たとえばPLOのオブザーバー参加資格が非常に問題があるとか、それから手続的に問題があるとか偏っているというのは、たとえば社会主義諸国でアメリカ側が人権侵害が行われていると主張しているのに対して、これは十分に調べてくれない。ところが、一方南アとかそういうような問題とかいろいろな問題は、非常に厳しく取り上げるというようなことが不満である。こういうように報道されておるのですね。恐らく私はそれは多くは当たっていると思うのです。しかし、もしこういうことでILOを脱退するというようなことになりますと、このことは同時にアメリカにも返ってくるんじゃないでしょうか。たとえばパレスチナ解放機構をオブザーバーとして参加させるというようなことがけしからぬということになれば、それを推し進めていきますと、これはILOだけからでなしに、国際連合全体から脱退しなければならないことになる。三者が常に同じ態度をとるのはけしからぬということになると、こういう重大なことについて退場する場合に、アメリカ側は労働者代表もただの一言も異議をとどめないで政府と一緒に退場している。これも三者一体ではないかということになれば、アメリカが脱退するために口実としておるところは、すべてこれはアメリカは国際連合を脱退しなければならぬとか、あるいはアメリカ自身もそういうことをやっているじゃないかということにかかってくると思うのですね。ですから私は、アメリカがこういう脱退通告をしたのに対して、ワルトハイム国連事務総長が、キッシンジャー長官が脱退表明の中で示した立場を再考慮して、きわめて重要な国連専門機関の加盟国としてとどまり、これを支持することができるよう希望するというように言われたのは、まことに当然であると思うんですね。わが国は国連事務総長のこういう見解に基本的に賛成なのかどうか、念のために伺っておきたいと思います。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 この問題は本来アメリカ自身が決定すべき問題であることは当然でございますが、先ほど申しましたように、国際機関に重要な位置を占めているアメリカならアメリカという国がそこからいなくなるということは、いろいろな面でまずい点もあると思います。国連及び国連機関の普遍性という見地から、できれば踏みとどまってもらいたいというのがわれわれの気持ちでございまして、実はILOから万が一脱退しました場合に、これが国連のその他の機関あるいは国連自体からアメリカが脱退する、いわばアメリカの脱国連的な方向に向かえば、これは非常に望ましからぬことではないか。そういった見地からも、日本政府といたしましてもアメリカがよくよく慎重に検討して対処をしてもらいたい、こういうふうに私たちは思っております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 他国が決定すべきことについてのある意味ではわが国の見解ですから、非常に慎重な表現をせざるを得ないということは私も了解しております。あなたのお考えで非常に慎重ながら考えがわかりましたから、この点についての日本政府の考えをこれ以上伺いません。  そこで私がお聞きしたいのは、万が一アメリカが、二年たってアメリカが指摘した点について不十分だということで脱退をせざるを得ないというようなことになったといたしますと、いままですでにILOでたくさんの条約が各国批准されておりますが、その条約の履行についてのアメリカ側の態度はどういうことになりましょうか。  一つ問題提起をいたしますと、たとえばわが国にもう八年くらい前になりますか、あるいは十年になりますかドライヤー氏がお見えになって、有名なドライヤー報告なんというものが出たのは御承知のとおりでありますが、たとえば、ILOで締結した条約などについて労働組合の権利侵害の疑いがあるという場合には、ILOは実情調査とか調停の機構が設置されておって、そしてその国へ調べに行くとかあるいは呼んでいろいろやるというようなことが行われているわけですね。そうしますと、条約そのものは廃棄しなくても、条約に伴ういろいろな手続が十分に行われないということになりますと、これはアメリカは事実上そういう条約を批准しておっても実効がないということになってくるんではありませんか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 先生の御質問に対する一部のお答えになるかもしれませんが、条約論といたしましては、御承知のように国際労働機関憲章に脱退の第一条五項がございまして、その脱退の効果につきましてさらに規定してございます。「この脱退は、加盟国がいずれかの国際労働条約を批准しているときは、その条約で定めた期間中は、その条約から生じ又はその条約に関係するすべての義務の継続的効力に影響を及ぼさない。」ということになっております。したがって、御指摘のような場合、仮にアメリカの脱退が効力を二年後に生じまして、アメリカがILOから脱退するということになりましても、個々の条約は条約に期間の定めがある期間はアメリカについて適用があるという関係になるであろうと思われます。したがいまして、その条約義務違反というようなことが生じております限り、これはやはりILOにとどまっておったときにおけるアメリカの義務が継続しているわけでございますので、私もここでは確言はできかねるわけでございますけれども、ILOの手続が条約の義務として履行されていくのではないか、そのように考えるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 法律上の御見解は承りました。ただ、後は、そういうような場合に調査団を受け入れるかどうか、事実問題としてはアメリカがどう対処するか、これはわからないということだろうと思うのですね。法律的には、いまあなたがおっしゃったとおりだと思います。  次に、分担金をアメリカは四分の一ぐらい分担しておるようですが、この分担金を持たないということになりますと各国に割り当てられるようになりますが、これは大変なことだと思うのですね。その場合に、わが国としてはもちろん経費の節減もさることながら、応分の負担をする用意がなければならぬと思いますが、これは、仮定の問題ですけれども、二年たちまして万が一そういうことになった場合には、もちろんわが国政府としてはそういう態度をとるでしょうね。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 このILO憲章の第一条五項で脱退の手続が書いてございますけれども、その中に二年間たった時点までに、それまでの財政的負担を履行していることを条件としているということがございます。アメリカ政府も二年間の予告の脱退通告を出したが、今後引き続き二年間は会議にも出席するし、拠出金も支払いますというようなことを言っているようでございますから、恐らく、そういうことをやるんだろうと思いますけれども、いまおっしゃいましたように、アメリカの分担金率は二五%できわめて大きい割合を占めております。でありますので、そのアメリカがILOの加盟国でなくなりました暁には、ILOの財政基盤に非常に大きな変化をもたらすことになりまして、具体的にどういうふうな拠出金の割り振りになるか、その時点にならないとわかりませんけれども、可能性としては、当然ながら、たとえばわが国のような場合に、いままでよりもずっと大きな分担率を引き受けろというようなことになりかねないということも私ども多少懸念していろわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それでは、ILO関係については前国会でも質問しておりますので、この程度で終わらしていただきたいと思います。  小麦協定について伺いますが、政務次官にまず申し上げたいと思います。  前国会で私がこの一九七一年の国際小麦協定一いうのは、従前の国際小麦協定に比して、価格帯だとか、供給保証というような経済条項を欠いておる。これは、商品協定としては最も中心的なものを欠いておるわけだ。それを、政府の提案理由の説明の中に書いておらないというのは、はなはだ不親切ではないか。質問されて初めて触れるというようなことでは、これは必ずしも誠実な態度ではないという点を指摘しておりました。ところが、きょうの提案理由の説明を伺っておりますと、その点を明白に触れられておりますから、その点について御考慮なさったということで、まず敬意を表明さしていただきたいというように考えております。しかし、それにもかかわらず、この出ております小麦協定というのは、私どもが三月に審議いたしましたものと同じものをもう一年延長ずる、こういうことになっているんですね。ですから、基本的には全く同じものであります。ですから、商品協定として非常に重要な経済条項、私は前国会で質問いたしましたから、最高価格がどうとか最低価格がどうとか詳しいことは申しませんけれども、輸入国側としては一番関心事である、どれだけ需給関係について売り手市場になりましても、最高価格で一定量は輸入ができるというメリットはないという点は変わっていないと思うのですね。  そこで、そういう点を前提にして一、二伺いたいと思いますが、この国際小麦協定の二十一条には御承知のようにこういう規定があるわけですね。「理事会は、公正なかつ安定した価格で、加盟輸入国に小麦及び小麦粉の供給を、加盟輸出国に小麦及び小麦粉の市場を確保するため、適当な時期に、価格並びにこれに関連する権利及び義務の問題を検討する。この規約の有効期間中にこれらの問題を有効に処理するための成算のある交渉が可能であると判断される場合には、理事会は、国際連合貿易開発会議事務局長に対し交渉のための会議を招集することを、要請する。」こうなっていると思うのです。  それで前回のときにも伺いましたが、あれからまたたちましたし、来年の六月三十日になればまたこの協定も効力を失うということになりますので、この二十一条に基づいてもっと十分な商品協定を結ぶためのいろいろの準備がどういうぐあいになされているかどうか。準備グループというのができて、すでに三ないし四回その準備会議が行われているようでございますが、それについてのお考えあるいは経過を教えていただければ非常に幸せだと思います。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 この準備の経過につきましては、事務局の方から説明さしていただきたいと思います。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 お答えいたします。  ただいま先生の御指摘ございましたとおり、規約二十一条に基づきまして新しい経済条項を盛りました協定の作業を準備することが決められておるわけでございます。本年二月の小麦理事会におきまして、新しい協定をつくるための準備グループというものが設置されたわけでございまして、これは現在までのところ三回会合しておるわけでございます。この会合におきましては、アメリカそれからエジプト、インド等からいろいろ提案が出ておるわけでございますけれども、新しい小麦協定の要素といたしましては、米国の考え方といたしましては、国際的な備蓄という要素を取り入れてはどうだろうかというふうな考え方が出されておるわけでございます。それからインド、エジプト等からは、いわゆるその価格というものにつきまして、やはり開発途上国というものの輸入国と、先進輸入国というもの二つに分けまして、一種の小麦の二重価格というものをつくってはどうだろうかというふうな考え方もいま出されておるわけでございます。現在までのところ、この作業グループにおきましては、アメリカの考えでございますところの国際的な備蓄を国別に形成しようという考え方につきまして、全くノンコミッタルな考え方で討議は進んでおるわけでございます。と申しますのは、アメリカ自身のこの考え方も必ずしも十分固まったものでもないようでございまして、一つの試みといいますか、の考え方として出されておるわけでございますので、そういった問題を中心にいろいろ議論がなされておるわけでございます。これに対しましてわが国初めカナダ、豪州からECあたりも、その新しい小麦貿易規約の要素といたしまして、やはり備蓄というものが一つの要素になり得るかもしれないということはいま考えておるわけでございますけれども、いまのようなかっこうで国際備蓄をすることが妥当かどうか、あるいはまたさらにいわゆる小麦規約の中には、ただいま先生の御指摘のございましたとおり、その価格の価格帯というものをつくって価格を安定させるという問題と、輸入国の供給確保という問題を取り入れるべきであるというふうな主張を現在やっておる段階でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 いまアメリカが備蓄の問題というのを持ち出しており、EC諸国関係は必ずしもそれに無条件に賛成ではないというニュアンスはわかりましたが、そのほかにも準備グループとしては検討すべき問題がずいぶんたくさんあると思うんですね。これはいろいろ言われておるようですが、網羅的に申しますと、まず第一に、対象穀物の範囲、協定の有効期間、価格に関する規定、それから在庫保有に関する規定、輸出量を割り当てる規定、輸入国の買い入れ義務、輸出国の供給義務、それから輸出国の地位にある国が輸入国になるような場合の措置、これはソ連なんかは非常に関係あるわけですが、いろいろ開発途上国に対する特別な配慮とかたくさんの問題点があると思うんです。これについて全部お答えしてほしいとは言いませんけれども、いまのお答えは非常に抽象的な初歩的な答えだったと思うんですね。だからもう少し詳しく言うてくれませんか。そのほか交渉によって必ずしも決める必要のない技術的な問題ですね。たとえば価格を決める場合に、通常の海上運賃によってどこそこへ運ばれるという場合には、それをただ単につけ加えたらいいわけですから、何をもって通常の海上運賃にするかというようなことは、これは技術的に決められる問題ですが、それらについてはもう妥結しておるのかどうか。いまのお答えだったら、簡単過ぎると言えば簡単過ぎる説明ですからね。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 ただいま先生の御指摘にございました、いわゆる新しい協定に盛り込むべきいろいろな要素というものは、きわめて重要であることはわれわれとしても承知しておるわけでございます。しかしながら、現在までのところ、準備作業グループにおきましてはそこまでの細かい議論というものまでにはまだ立ち入っておらないわけでございます。したがいまして、まだ十分かたまったものでもございませんし、先ほど申し上げましたとおり、各国の態度も必ずしも明確にされておらないというのが現状でございますので、いまの段階ではそれにつきまして必ずしも一つ一つ明確にはちょっと申し上げにくい段階でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 私は前回も質問したのですけれども、あなた方は、現在のような国際小麦協定が十分なものであるとは思っておられないということは言われたと思うのです。これをもう少し充実させなければならないということですが、たとえばここに「輸入食糧協議会報」というのがあります。一九七五年五月に「国際小麦協定の現況と新国際協定の準備」、こういうことで食糧庁企画課の山内さんという人が論文を書いておられる。それを見ますと、やはり事務局の間で大分いろいろ考えがあるんじゃないですか。  たとえばこの人はこう言っておるのです。ずっと書いてきました後で、「協定作成に至るまでに解決しなければならない問題があまりに多く、かつ大きいために、不満の対象が定かでなく、精神衛生上もよくないことである。」こういうぐあいに書いておるのです。これは、食糧庁の役人が精神衛生上よろしくないということは、ノイローゼになりかねないという意味でしょうかね。だからよほど苦労しているのじゃないですか。ですから、そういう苦労を早く解決して精神衛生上これを健康な状態にするためにも、もう少し気合いを入れて準備するということが必要なんじゃないですか。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 いま先生御指摘の論文につきましては、これはあくまで個人的な見解を述べたものというふうに私どもは解釈しております。ただ、そこに書いてございます内容でございますが、精神衛生上悪いというふうなことが果たしてどういう表現なのか、果たして適切かどうかは私ども断定できませんが、少なくとも現在の小麦協定そのものがいろいろな問題をはらんでおるということは、これは事実でございまして、先ほど野村次尾の方からお答えがございましたように、その問題を今後どのように解決していくかというための準備グループが現在持たれておる。その中で、各国が提案をいたしておりますことにつきまして、もが方といたしましてもそれを十分にフォローいたしまして一緒に議論していく、こういう態勢でよりよき協定をいかにして今後作成していくかという段階に現在あるわけでございまして、個々の価格の問題あるいは範囲の問題その他につきましても、現段階におきましては何ともまだ決まっていないという状況でございますので、ここでそれについて細かく御説明するということはできない、こういうことでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それでは、現段階では残念ながらまだ精神衛生上の不満を解消するには至っていないということのようですから、これ以上は伺いません。  ただ、時間も残り少なくなってまいりましたので私から申し上げておきたいと思うのですが、御承知のように世界食糧会議、ローマで十一月五日、アメリカのキッシンジャー国務長官が演説をいたしました。その演説の内容は、食糧を政策の手段としないというように言ったと通常はとられておるのですが、慎重に読んでみますと必ずしもそうではございませんで、たとえばその結論部分に、「そして、われわれは食糧分野における全世界的な協力を相互依存の世界におけるエネルギー、インフレーション、環境保全といった他の挑戦に対する回答の一つのモデルとしよう。」こう言うておるのですね。これはその回答の一つのモデルにしようということですから、非常に前向きであるというようにとればとれるのですが、同様にこの発言は、またキッシンジャー氏が、食糧問題というのをエネルギーやインフレーションや環境保全といったものと同列に考えて、その解決の一つのモデルにしようというように言ったものであるというようにとることもできるのですね。現に、「米食糧戦略の第一歩 世界食糧会議を取材して」ということで、世界週報に松田鈴夫というロンドン特派員が報道してきておりますが、その中では、明白にそういうような評価をしております。そして、食糧問題というのは、もう石油問題などよりももっともっと差し迫った、人間の生存にかかわる問題であるというのは疑いを得ないところなんですね。アメリカはこの食糧というものを、石油で産油国、OPEC側がいろいろやる場合には、場合によってはこれを世界戦略の一環として使おうということをちらつかせておるということも事実であります。  たとえば、アメリカの海外開発評議会のジェームズ・P・グラント会長というのは、「アメリカが独占している世界の最重要資源である食糧を巧みに操作すれば、それによってアメリカは、ゲームのルールを決めることができるであろう。」こういうように言っているのです。また、別のアメリカの高官は、「食糧生産国の独占は、産油国のそれを上まわるものであり、食糧消費国の意思決定は、食糧生産国の行動如何によるものであるが故に、われわれは彼らに対して影響力を持っている。」こういうように言っております。ですから、国際小麦協定の審議をするに当たって、われわれは、わが国の現在の食糧需給の状況がどういうふうになっており、わが国の食糧生産のどの程度をアメリカに仰いでいるかということもやはり考慮しなければなりません。わが国の食糧自給率が非常に低いということは前の質問でいたしました。たとえば、わが国が輸入しているもろもろの商品のうち、小麦はどのくらいアメリカに依存しておりますか。飼料用トウモロコシはどのくらい依存しておりますか。大豆はどのくらい依存しておりますか。できるだけ新しい資料で食糧庁、答えてください。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 小麦につきましては、日本の総輸入量の大体五五%をアメリカから輸入しております。大豆、トウモロコシにつきましては、ほぼ九七、八%輸入されておると考えております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 私が持っております資料では、小麦についても七三年の場合は六七%となっております。あるいは最近は五五に下がったのかもしれませんけれども。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 七三年につきましては、オーストラリアが非常に不作でございまして、通常大体二〇%程度輸入しておりますオーストラリアからの輸入がなくなりました関係上、これをアメリカに振りかえて輸入したために、その年だけに限りましては六〇%を上回っておる、こういうことでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 政務次官に政治家として伺いたいと思います、技術的なことは前国会でも伺いましたので。  いま、アメリカの高官の発言なども引用いたしましたけれども、表向きの会議ではいろいろ、食糧を世界政策の一手段としないというようなことは言っておりましても、心の中では、やはりゲームのルールを決めることができるのだ、こういうぐあいに言っているのですね。そういう中で、わが国は食糧の自給率というのが非常に低い。ヨーロッパの先進産業諸国に比べてもうんと低いというような状況は、わが国の平和と安全を考える上でもきわめて危険な状況であります。自衛隊の増強も、政府・自民党の立場からいえばそれは重要でしょうけれども、しかし、食糧の絶対量が不足しており、それが外国に握られており、それも外国のある一国に圧倒的に頼っておるという状況では、言葉の正しい意味では安全はあり得ないし、独立も非常に問題が生ずる場合があり得るというのは、古今東西世界の歴史であります。それに対して次官は、政治家としてどういうぐあいに将来食糧政策を考えようとされるのか、それを伺って私の質問を終わりたいと思います。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 食糧がその国においていかに大事であるかということは、われわれは過去の経験で身をもって体験してきているところであります。戦後、わが国の食糧の自給率が一時非常に低下をした、最近は食糧の自給率を高めなければならないということで、政府も国家の方針としてこれを推し進めております。先生御所論のように、人間の生存に一番必要な食糧というものをほかの国に依存しているということは、それ自体がその国の政策決定、これに非常な大きい影響を及ぼす場合があります。そういう意味からも、わが国の食糧の自給率というものは今後とももっと高くしていかなければならない、こういうふうに考えております。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 大橋敏雄君。   〔委員長退席、石井委員長代理着席〕

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 ただいま議題になっておりますILO百二号条約は、周知のとおり、一九五二年第三十五回ILO総会で採択されたものでありますが、わが国の国内法の不備、いわゆる義務を受講するための条件を満たしていないという立場から今日まで批准することができなかった、長年の課題となってきたわけですが、このたびようやく批准の運びとなってきたわけであります。これは喜ばしいことと思いますけれども、実は先般ジュネーブで開かれましたILO第六十総会では、すでにこの百二号条約だとかあるいは百三号条約つまり女性保護ですね、これが現状に適応しているのかどうかの洗い直し論といいますか、活発に論議されたということを私は報道で知りました。言うならば、わが国はようやく百二号条約を批准しようという段階に来たというわけでありますが、国際的には百二号条約の内容がもう古いものになってきた、もっと新しい現代に対応する社会保障の、あり方を規定すべきであろうということで大変な論議がなされたわけです。今回わが国はこの百二号条約を批准するに当たっていろいろと議論されているわけでございますが、私も去る六月四日、当委員会でこの条約に関して質問いたしました。その際、九部町中五部門が条件未達成であるということ、それが特に女子、婦人に関するものであって問題であるということが非常に厳しく各委員からも指摘をされたわけでございますが、私もそのことについて繰り返し質問したわけです。政府もこれを認めてその改善に努力をするとお約束なさいましたし、さらにこの委員会で決議がなされました。「政府は、一〇二号条約に関し今回受諾しない部門、特に、母性給付及び遺族給付について、本条約の趣旨をふまえてその改善をはかるとともに、すみやかに条約第四条1の規定に基づく義務受諾の通告を行うよう努力すべきである。」ここまで委員会で決議がなされたわけでありますが、こうした立場から批准の見通しについてお伺いをしたいと思います。また、決議の中に「国際婦人年の意義に照らして、政府は、未批准の婦人関係ILO条約をすみやかに批准するよう努力すべきである。」このようにも言われているわけでございまして、このような立場からこれらの批准の見通しについてお伺いをいたします。   〔石井委員長代理退席、委員長着席〕

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 この百二号条約のうち今回義務を受諾できない部門につきましては、厚生省を初めとしまして、ほかの関係官庁でただいまいろいろ国内法との関係から検討をやっておられるわけでございますが、外務省といたしましては、残りの義務を受諾できるように、一口も早く国内体制が整備されることを願っているわけでございまして、従来に続きまして関係省庁にその整備を進めていただくようにお願いしてまいるつもりでございます。その整備ができました上は、もちろんその条件の整い次第、遅滞なく義務の受諾をILOに通告いたしたい所存でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 ただいま申し上げましたように、この委員会で議決をした内容でありますので、当然努力するという約束もあり、真剣な対応がとられると思いますが、関係各省のそうした方々との具体的な連絡会議とかなんとかということはどのようになっているのでしょうか。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 いろいろ多くの国内官庁が関係しておりますし、実は常時外務省から関係省庁にその後の検討状況はどうであるかということを聞いておりますし、関係省庁としましては、その都度その都度、一つのめどがつきました段階で大体こういうふうになってきていると、逐次私たちに通報してくれるような仕組みで関係省庁との協議検討を続けております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは百二号条約より水準が高いと言われている条約、関連条約でありますけれども、百二十一号業務災害それから百二十八号老齢、遺族、障害、百三十号医療、疾病、出産、これ等についてどの程度の見通しが立てられているのかお尋ねいたします。時間の関係がありますから細かいことはいいとしまして、大まかにいまから言うことをお答え願いたいと思います。要するに、いま申し上げましたような条約について速やかに批准すべきだと思うわけでありますが、早急に批准する用意があるかどうかということですね。また、もし早急に批准することのできないということの理由があれば、その理由だけ申し述べていただきたいと思います。

森英良労働大臣官房国際労働課長

○森説明員 お答え申し上げます。  御指摘の条約のうちの百二十一号条約につきましては、すでに昭和四十九年に承認をいただきまして、批准手続を了しております。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 百二十八号条約でございますが、この中で、三部門のうち老齢給付の部門の給付水準等につきましては、一応基準に合致すると認められますけれども、この適用範囲の問題につきまして、国内法令との適合性についてなお詰める必要があると思われる点があるものですから、これらを国際機関とも連絡をとりながら慎重に検討してまいりたいというふうに脅えております。

大森薫厚生大臣官房審議官

○大森(薫)政府委員 百三十号条約でございますけれども、この条約は医療と傷病給付と両部門から成っておりまして、この両部門とも基準を満たさなければ批准ができないというような内容になっているわけでございます。  このうち医療部門につきましてはおおむね基準を満たしているということでございますけれども、傷病給付部門につきましては、傷病給付の支給期間が現行の日本の制度の二倍になっているというようなこともございまして、現段階におきましてはこれを批准することができないような状態でございます。百二号条約批准後の課題といたしまして今後真剣に取り組んでまいりたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いまの三人の方のお答えは私の質問に答えた形にはなっておりませんけれども、問題点だけは明らかに把握なさっているようでありますし、先ほど申し上げましたように、当委員会で決議した内容は、そういう条約を一日も早く批准せよといった内容でありますし、政府もそれに答えたわけでありますから、問題点ははっきりしておりますので、それを一日も早く解消できるように努力していただきたいことを強く要望しておきます。そして社会保障を国際水準並みに一日も早く引き上げる、こういうことを要望しておきます。  次に、労働省の方にお尋ねいたしますが、先ほど申し上げました、先般行われたILOの総会の状況報告はもうお聞きになっていると思いますので、そういう考えからお尋ねするわけですけれども、総会の会議中、保護と平等の問題につきまして、男性と女性の役割り分担の考え方についても、そのリーダーシップをとったのは北欧四カ国であった。この北欧四カ国の政府提出の、雇用、職業に関する婦人と男子の機会の平等と法規の平等に関する決議案の内容や、あるいは直接的な母性保護は別といたしましても、それ以外の余分な保護は必要ないと主張する欧米の皆さん、また男性との競合を主張するのも欧米の皆さんであったとか、また、こういうものはわが国の婦人代表者の気持ちを大きく揺さぶったというような内容が報道されておりました。また育児休暇の件につきましても、公的基金で保障するのが当然であるというような世界の風潮であったということであります。また、直接的な母性保護にいたしましても、建前産後十二週としているわが国に比べまして、開発途上国でも十四週という報告がなされたとかいうことを聞いたわけでありますが、それらから見れば、わが国は本当に立ちおくれている、追いつくためには相当の努力が必要である、こう感じたわけでありますが、労働省の方のこれに対するお答えを願いたいと思います。

森山真弓労働省婦人少年局長

○森山(真)政府委員 お答えいたします。  去る六月に行われましたILO総会におきます婦人の問題に関する討議につきましては、私どもも資料その他で把握いたしているところでございますが、先生おっしゃいましたようなことが問題になったと聞いております。  そのようなことを提案されました諸国に関しましては、日本とは非常に違った社会的な条件、あるいは経済的な背景あるいは歴史的ないきさつ等がございまして、そういう提案になっているのではないかと判断するわけでございますが、わが国におきましても、日々世の中動いているわけでございまして、労働基準法その他、以前につくられました法律だけでは十分でない、あるいはその中で再検討されるべきものもあるという問題意識はございますので、現在、先生も御承知のように、労働基準法につきましては研究会が鋭意行われているわけでございますし、そのほかの社会全体の意識の改善あるいは啓蒙というようなことにつきましては、私ども日ごろの行政指導を通じまして努力いたしているところでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 要するに、わが国の婦人対策が大変立ちおくれているということが、このILO総会に出席した日本の代表、御婦人の皆様の共通した感想であったようであります。もともとわが国でもそのことが問題になり、指摘され、その改善が叫ばれてきたわけでございますが、こうした国際的な場に入っていって初めてわが国の実態も理解され、把握されたということでありますので、これを契機にILO百二号条約を通しまして、これからわが国の社会保障並びに婦人に関する条約の批准を最大限に努力していただきたい、このように強く要望するものであります。  またこの総会で、一九五〇年代に採択された百号条約賃金の平等と、百十一号条約雇用と職業における平等についても、このままでいいのかどうかと大変議論がされたと聞いております。女性と男性の労働の場の機会、待遇の平等をいわゆる新しい角度から発展的に検討し直そう、こういう動きが活発であったとか聞いたわけでございますが、私は、まごまごしていたら日本は世界の笑い物になるのではないかと懸念しているわけであります。いま婦人局長さんの御答弁には、今後の努力の気持ちがあらわれたようでありますけれども、その程度の内容では、あるいは意欲では、とても国際水準にはついていけないのではないかと思います。  また、ILOの百二十二号、「家庭責任をもつ婦人の雇用に関する勧告」というものがありますね、これも近い将来の総会の議題として検討し、勧告の訂正を強く主張していきたい、こういう動きがあったと聞くのですけれども、これについての理由をお聞かせ願いたいと思います。

森山真弓労働省婦人少年局長

○森山(真)政府委員 いまの問題につきましては、私が聞いておりますところでは、家庭責任を持つ働く婦人の問題という勧告の内容が、家庭の責任を婦人だけが負うということを前提にしていろいろなことを言っているのが不当である、家庭の責任も夫と妻、父と母、男女が平等に分担するべきではないかという考えの提案ではなかったかと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私もそのように伺いました。女性と男性の労働の場の機会、待遇の平等ということがそういう立場からいろいろ議論されて、この百二十三号の勧告の内容というものは、幼児を持つ両親の雇用という考え方で、女性だけに家庭責任があるかのような勧告になっている、そのことについて問題視されたようであります。要するに、男性と女性の競合をもっと明確に打ち出していこうという動きのようでございますが、当然わが国でも男女平等といいますか、この差別をなくしていく方向で進んでいるわけでございますが、今後労働省としてこの立場から見た場合に、特に手を入れられていくのはどこか、お尋ねしたいと思います。

森山真弓労働省婦人少年局長

○森山(真)政府委員 家庭責任の問題あるいは家庭のあり方につきましては、法律あるいは行政で律し切れるものではございませんで、むしろ社会通念あるいは一般の国民の意識ということに深く根差しているものであるというふうに思いますので、私どもといたしましては、働く婦人を通じまして、あるいは労使を通じまして社会一般の考え方というものを改めていくように啓蒙、指導を続けていきたいというふうに考える次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 このILOの第六十総会で、特に印象的だったという感想を私は持ったわけでございますが、この十年間の女性問題に対する考え方の変化というものをILO条約などに素早く反映させていこうという意欲的積極的な姿であった、こういうことのようでありますが、私が冒頭に申し上げましたように、すでにこの委員会でも議決されましたこの二つの内容、「国際婦人年の意義に照らして、」云々ということと、あるいは「政府は、一〇二号条約に関し今回受諾しない部門、特に、」云々というこの議決された内容について、今後具体的に推し進められていくわけでありますが、国際婦人年という立場にも立ちまして、これらが十分反映され、充実されるようにお願いしたいと思います。外務省としては、この批准する直接責任ある省でありますので、いままで申し上げましたことについて、最終的に政務次官からまとめてお答えを願いたいと思います。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 ILO条約のうちでいまだ批准をしていないもの、あるいは今回批准をお願いしている百二号条約のうちでも、義務受諾ができない部門、こういうふうなものにつきましては、いま厚生省、労働省その他の関係官庁で真剣に検討をしていただいております。  外務省といたしましては、なるべく早く批准ができ、あるいは義務受諾ができるような国内体制を整えて、これが整い次第、批准あるいは義務受諾ということをして、この条約を締結した以上は、これを履行するという体制を早く確立したいということで努力するつもりでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私の質問はこれで終わります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 渡部一郎君。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 私は、本日議題となっておる両協定につき、大橋委員の御質疑に続きまして、補足的に質問させていただきたいと存じております。  一つは、まず小麦協定の方でありますが、本協定は、前委員会で指摘されているとおり、暫定適用が行われ、今回は暫定適用のないようにというのでお話が進んだはずであります。ところが、今後またこの協定の、いま議題となっております再延長のもう一つ再延長、再々延長と申しますか、それが行われる見通しがあるのではないか、こう思うわけでありますが、その点はどうお考えでありましょうか。本協定の国会提出がいつも非常におくれぎみであり、暫定適用を当然とするかのごとき雰囲気を持つということは、わが国の憲法上の規定及び国会に対する行政府の責任という点から見て問題があるのではないか、こう思うわけであります。その点、しかと明確に承りたい。毎度毎度こういうことが行われることははなはだ不穏当ではないか、こう思うわけであります。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 現在新しい協定の準備作業が進められておりますけれども、その新しい協定のいつできるかという成立見通しを立てることは非常にむずかしいわけでございます。しかしながら、現在の規約の有効期間中に新しい協定が成立する可能性は、いまのところちょっと少ないのじゃないだろうかというふうなことは、すべての加盟国が大体感じてまいっておるわけでございます。そういった意味から、ことしの十二月初めの理事会におきまして、来年の二月に場合によっては、必要があれば、この特別理事会で再々延長の問題を審議するということがいま取りざたになっておるわけでございます。  将来仮に再々延長になった場合の国会との関係につきましては、条約局の方からお答え申し上げます。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 御指摘のように、最初の延長それからただいまの再延長の場合に暫定適用ということをせざるを得なかったわけでございますが、これは何分にも時期が、二月にできて、結局その間に時期的に申せば通常国会に出せるという勘定と申しますか、になるわけでございますが、条約の内容と申しますか、条約の加盟国間の話し合いというものが若干、単純にすっきりといかないという面がございます。  具体的に申しますと、今度の場合、これは二月にできて現実に四月にわが国が署名を行ったわけでございますが、どうもECの態度が食糧援助規約などにつきまして非常に明瞭でない、ECが入るか入らないかわからないというような状況がございまして、その出方をもうちょっと見守ってみないと日本側の最終的な態度も決定できないというような状況があったわけでございます。したがいまして、そのようなために、今度の再延長議定書につきましても、前通常国会、七十五通常国会の末期に至りましてようやくその情勢がはっきりしてきたというような関係もございまして、時期的に通常国会に御提出申し上げることができないために、暫定延長をいたしまして、その旨は理事会に御報告申し上げ、かつまた、この協定の御承認につきましては、最も早い機会に御承認を得たいということも申し上げまして、御了承を得た上で今国会に出したわけでございます。  再々延長の場合でございますと、どうもこれは将来のことでございますので、状況がわかりませんけれども、私どもとしては、先ほど申し上げましたような不測の不確定要素がない限りにおきまして、時間的に間に合えば、当然のことながら通常国会に出して御承認を得たい、そのように考えているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 そのようないきさつがありますことを、当委員会に対する御説明は不足であります。商品協定群におきましては、交渉終結の日時等が不確定なために、全部整足してから説明するということができにくいのはわかります。しかしながら、伊達参事官は、当委員会の審議になるまではそれを秘匿してしゃべらない悪癖がおありであります。したがって、他の商品協定群についても、いまどういう見通しでいつごろ出そうか、それぐらいはお話しになってもよかろうと思うわけでございます。ですから、ひとつもうちょっとフランクにお話しになったらどうでしょうか。われわれも何も隠している物を引っ張り出すことに興味を感じているわけではないが、あなたの方もそう隠し立てをなさらずに、この問題、材料を提供されて、お話しになったらどうでしょうか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 ただいま渡部先生がその他の商品協定について言及なさったわけでございますが、私どもも決してそれを秘匿して隠し立てをしたりしているわけではございません。本年に至りまして実は三つの商品協定ができ上がっております。六月に錫に関する商品協定ができ上がりましたし、それから十月にココアの商品協定、それからこれはもうごく最近でございますが、今月に至りましてコーヒー協定、この三つの協定ができ上がっているわけでございます。これにつきまして、内容はただいま私どもも検討中でございますけれども、できる限り早急に商品協定に参加するという方針でおりますので、その方針を決めて、かつまた国会御提出の準備ができますれば、できる限り早い機会に国会に御提出申し上げるというふうに考えております。  ちなみに、大体先ほど申し上げました三つのうちの、錫、ココア等につきましては多分この次の通常国会には御提出申し上げる準備が整うのではないか、そのように考えている次第であります。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 どうして六月に結ばれたものをこの国会に提出されなかったのか、半年もかかるのか、まことに奇妙な感じがするわけですね。いま条約局は、何か知らぬけれども条約をためておいて国会へ出さない趣味がおありのようで、だんだん条約がふえてきておる。現在三十を上回る条約が国会へ提出されておらない。条約局はどういうわけでそんなに条約をためることに専念されておられるのか。当委員会に付託しないということに何か特殊な方針を持っておられるのか。私は非常に不本意であります。これは先日も申し上げたはずでありますけれども、この辺一遍整理なさって、通すべきものは通す、審査すべきものは審査し、国政の意向を反映した上で外務省が行動するのが適当ではないか。   〔委員長退席、石井委員長代理着席〕 条約群のある物は、実に二十年も前の条約を抱えておる。まだ出す気配すらないなんという条約も持っておられる。非常に不穏当であり、かつ御説明を欠いておる。国民にわかってもらう外交ではない。商品協定でさえこの始末である。それは私は不当のそしりを免れない、こう思うのですね。言い分もたくさんおありでしょうが、ひとつその辺御説明を賜りたいし、また今後の御決意を承りたい。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 御指摘のように、わが国が当時におきましては参加することを目途としつつ署名した条約がございまして、それがいまだ国会の御承認を得るために提出申し上げるに至っていない条約というのは多々ございまして、この点は前国会において先生の御要求に応じまして御提出申し上げた次第でございます。私どもといたしましては、日本が入ることを決めた条約、入ることにメリットを認めた条約というものはいち早く入るべきであると考えておりまして、これを条約局といたしまして別に阻止しているというようなことはございませんで、できる限り努力をしているつもりでございますが、何分にも時間的に準備が整わないというようなものが多々ございまして、したがって、国会の御承認を得るために提出するまでに至らないという事情でございまして、今後とも私どもはさらに努力をいたしまして、人質も強化する等、最近において少したまりかけてきた傾向のある条約を何とか早急に処理すべく努力をいたしたい、そのように考えている次第でございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 政務次官にお伺いしますが、これはただの努力ではできない。いままでの外務省の努力と人員とそれから予算では、条約がたまる一方であることはもう明らかです。そうすると、ここにいままでとレベルの違った対応策が要る、決断が要請されているわけであります。この問題について政務次官の御決断を承りたい。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 条約が長い間国会の御承認をいただかないままでおるということは、はなはだ好ましくないことでございます。これは先生から過去にもこの御指摘を受けまして、現在外務省、御承認をいただかなければならない件については早急に国会に諮って御承認をいただくという方向で進めております。そしてその成果は相当上がっております。特にこの条約の処理について、人員その他機構とかいうものをここで改めることは、あるいは増強することはせずして、いまの努力をもってすれば、近い将来これを解消することができるというふうに私は考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 政務次官、ちょっとそれは御答弁不十分でありますから、後ほどよくお聞きいた、だきまして、これは少しネジを巻いていただきまして対応策を早急におとりいただきますように、省内に号令していただきたい、これは私は要望しておきます。御返答は要りませんが、よろしくお願いします。  それからその次に、この穀物協定を拝見しておりますと、非常に何とも言えぬ感じがするわけであります。それは、商品協定群それ自体の持つ意味合いというものが、いわゆる第三勢力諸国の動向を反映しない国際情勢下にあっては、これはかなり有効に働くことができた。つまり、先進工業諸国群の非常に大きなイニシアによりまして情勢が動いておる間はよかったのですけれども、近来に至りましたら、その点が非常にコントロールがきかなくなってきております。また、大きな不況のあらし、あるいは食糧、資源、エネルギー等の諸関係のはなはだしい変動というものが、商品協定の持つ性格というものをある意味で打ち破るものになりつつあります。昔とは協定群の持つ意味合いが大幅に変わってきた。しかし、全然意味がないと言っているわけでは決してありませんし、この協定の持つプラスの内容があることは、前回の当委員会における質疑の際に、国際会議におきましてこうした話し合いができる状況を残しておくということに意味があることを政府委員は答弁されました。私もその意見については同意をいたしておるものであります。  しかし、ここで考慮しなければなりませんのは、こうした商品協定というものはいまや有効な戦略になり得ないのではないかと思われる節がある。ますますその可能性は濃厚である。しかも米ソ間の穀物協定のように、二国間で協定が結ばれている形跡が最近は非常に強い。アメリカとソ連、アメリカとポーランド、中国とカナダ、オーストラリア、アルゼンチンというような、二国間協定がますます多く結ばれていく形跡にある。そうすると、実際にはこの商品協定群の持つ意味合いというものが二国間協定で補強しなければならぬ、そうした方向性にあることは十分見てとられるところであると思うわけであります。  わが国としては、商品協定群を今後どういう形で再考慮するかというのは、わが国外交戦略として、またわが国の食糧戦略として非常に大きな問題になろうかと思うわけであります。外務省及び農林省あるいは関係諸官庁の間において、商品協定はこのまま効力が非常に薄いものになり、国際会議を開くという以上の意味合いというものをはなはだ喪失しつつあるけれども、その程度でいいんだというふうに消極的に理解されていくのか、それとも、この際、商品協定群はこういう形で新しくつくり直そう、新しいアイデアを出していこう、創造的なわが国の外交戦略の一つとして育てようというふうに考慮なさっているのか、ここは非常に大きな問題があると思います。  そこで、商品協定群を今後どういうふうになさるおつもりであるか、関係各省の御答弁を承りたい。まず農林省から御答弁していただきたい。その次、外務省から御答弁していただきたい。

本橋馨農林大臣官房参事官

○本橋説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のとおり、商品協定は従来はどちらかというと価格の下支えとか、そういうような機能を果たすような面が多かったわけでございますが、最近ではいろいろな産品の需給状況の変化、あるいは開発途上国のその中への介入の仕方といったようなもので、従来の商品協定そのままの状況でいいかどうかという議論は確かにあると思います。  そこで、たとえば商品協定を具体的に考える場合におきましても、価格帯の考え方とかあるいは備蓄の考え方とかそれぞれについて、従来とは異った面も相当考えて工夫をしていかなければならぬのではないかというふうに考えております。当面この小麦、穀物に関しましては現在いろいろ議論が進行中でございますけれども、そういう従来のまま、そのままでいいというようなことでいいのかどうか、その辺は検討を要するところかと思います。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 ただいま先住の御指摘ございましたとおり、商品協定がいろいろなむずかしい問題を抱えておるということはわれわれも承知をしておる次第でございます。  先ほど先生が商品協定群とおしゃったわけでございますが、商品協定にはいま御審議願っております小麦のほかにも、先ほど来御説明申し上げましたコーヒー、ココア、錫、砂糖等あるわけでございます。従来商品協定というのは、どちらかと申せばそういった商品の過剰な事態に対処しましてその価格を下支えするという点も確かにあるわけでございます。一次産品の市況というものが、いろいろ物によって違いますけれども、だんだんと堅調の方向にあるわけでございまして、そういった意味から、やはり輸入国と輸出国との非常に利益のバランスのとれたものにしたいというのが私たちの基本的な考え方であるわけでございます。  いずれにいたしましても、その商品協定というものは、輸出国と輸入国とのバランスというものがうまくとれなければ、永続的な効果を持たないだろうというふうに考えておる次第でございます。そういった意味から、今後の商品協定というものは、もちろんこれが一次産品問題のすべての解決の手段であるというふうには私たちも思っておりませんし、これはその他のいろいろな措置を補完する役目を持っておるわけでございまして、これがすべての万能ではないということも私たちも承知しておるわけでございますけれども、そういった意味から、先ほど先生のおっしゃいましたとおり、二国間のいろいろな協定とかあるいは合意とかいうようなものがあるわけでございますが、日本の場合にも、先般安倍農林大臣とバッツ長官との間でいろいろ農産物に関する了解事項もあったわけでございます。  さらにまた、一次産品の商品協定という問題は、御承知のとおり、いま特に開発途上国の側におきましても、やはりそういった商品協定というものの締結を非常に望んでおるわけでございまして、そういった南北問題の解決の一環といたしましても、わが国といたしましては、そういった商品の特性に応じ、商品協定になじむものがあれば、やはりそういったものに応じていくということは開発途上国の要望に沿う一環ではないかと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 いまのお話、お二人とも原則論を述べられました。碁や将棋で言うなら古い定石を述べられたわけであります。新しい定石が必要だと私は申し上げておる。その戦略がなさ過ぎるのではないかと申し上げておるわけです。  条約局に伺いますが、条約局というのはこういう戦略を考えるところだろうと思うのです。御判断がないわけではないし、御研究も日夜研さんを怠らぬものがあるだろうと思うのです。ひとつそういう御研究をお願いしたいと思うのですが、どうですか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 条約局と申しますと、もちろん全般的に条約問題について担当しております局でございますので、政策的にどうあるべきかというところにつきましては、それぞれの地域局ないし機能局というものが主管の分担というふうになっておりますので、それについて別に研究を怠っているというわけではございませんが、やはり特に商品協定の問題に関しましては、ただいま野村経済局次長からお話のありましたところが外務省の方針であるというふうに考えております。   〔石井委員長代理退席、委員長着席〕 もちろん私どもといたしましては、全般的に条約と申しましても、外務省でございますので、ただ単なる法律家ではございませんので、外務省の立場からいろいろな意見を申し上げることもしているわけでございまして、その意味からも、今後いろいろな、御指摘のような問題も検討してまいりたい、そのように考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 最後に一項目申し上げたいのですが、労働省の方もおられますし、農林省の方もおられますし、外務省の方もおられますから、ちょうど三者の方にお伺いしなければならぬ点があります。  それは、食糧問題は世界的に見ますと安心できない状況にありますし、国連の最近の統計によりますと、一年間に七千九百万人の割合で世界人口はふえつつあります。西暦二〇〇〇年ではこの調子では六十四億九千万人余り、現在の約二倍の人口になるわけであります。そうしますと、いまの農林省の持っている食糧増産計画、あるいは世界的に見られる食糧増加の各種計画では全然追いつきません。また、技術開発のスピードを全力を挙げたといたしましてもこれは追つかないことは明らかです。また、労働省のいまの考え方から言うと、人口のふえただけは、母子給付も何とかする、遺族給付も何とかする、老齢年金も何とかするというふうな人口の問題に目を向けないで、ふえた人口だけはともかく手当てするよという考え方だけでは、これはまたナンセンスでありましょう。要するに、ふえただけの人口をとても押さえ切るだけの資源もなければ、設備もなければ、予算もないからであります。また外務省は、農林省と組んで食糧の輸入計画を立てたとして、現在ですら世界の小麦輸入の中に占める日本の割合というものは非常に高い。先ほども御説明になっておりますけれども、大豆なんかにおいては九九%に近い輸入をしておる。オリジナルカロリーからいったら四五%であるという報告を農林省はすでに出しておられる。日本の自給、オリジナルカロリーは四五%、五五%を輸入しておる。それがもっと圧力がかかってきたとしたらどうしようもない。ところが、わが国は人口計画に関しては、関係各省庁で全く打ち合わせが行われていない。そして、先日の国勢調査によりますと、一億一千百四十万という猛烈な数の人口増加が行われておる。そして、その人口圧というものは、この狭いわが国においてますますかかってきており、行政の基本を覆そうとしておる。  そこで伺うわけですが、一体外務省は日本の人口をどれぐらいを適正規模だと考えておられ、そして外交案件に対する政策を立案せられておられるのか。まことに妙な言い方、人口問題の方は厚生省に聞いてくださいと言いたいのでしょうけれども、そうはいかない。その辺がいいかげんでおって、農林省と穀物だけでたくさん輸入しましょうやなんていいかげんな交渉をしておれば、ここ数年のうちに、そういう穀物輸入計画を初めとし、商品協定も何も一遍で吹き飛んでしまうほどの問題になろうとしておる。これは二、三年ですよ、全然だめになるのは。ところが農林省は、この人口問題についてどういう見解をお持ちか私は聞いたこともない、見たこともない、伺ったこともない、ほのめかされたこともない。だから、農林省のいる前で返事をしてもらいたい。農林省は農林省で返事をしてもらいたい。労働省は労働省で返事をしてもらいたい。日本の人口計画を何かと思っているのか。どれぐらいを適正規模だと思っているのか、何年後にどれぐらいに抑えようと思っているのか、そうして、自分の政策ができているか、説明してもらいたい。私は、この間の予算委員会で総理にるる申し上げた。総理は、それについては一応理解あるやのごとき御返事も賜った。それなのに、関係省庁がそういう政策ができていないとは私は言わせない。ひとつ各省から御一名で結構ですから御返事をいただきたい。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 外務省としましては、別にそのお答えを逃げるわけではございませんけれども、どれぐらいの規模が日本の人口として最も適正であるかということについて、特に突っ込んだ検討はいたしておりませんけれども、先ほどからおっしゃっておられます食糧との関係で、いろいろの面から平素から考えております。  御承知のとおり、私の担当分野の国連の関係におきましては、国連総会自体、それからことしの九月にありました国連経済特別総会、それから、国連貿易開発会議、それからもう一つは、昨年世界食糧会議で設置されました世界食糧理事会等、数々の場で世界の食糧問題全般についていろいろの討議が行われているわけであります。  これにつきましては、特に開発途上国の側におきまして、非常に大きな食糧の不足がありますので、これらの会議を通しまして、国連関係諸機関といたしましては、いかにして今後遠い将来に向かって開発途上国における食糧の不足の問題を解決するかということにつきまして、真剣な討議を行っております。これは、食糧備蓄の面、肥料の増産の面、あるいは開発途上国における農業開発、食糧増産、そのための資金援助の面、それから先ほどからお話に出ております商品協定など、いろいろの角度から具体的な施策が講じられております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 人口を考えないとむだだと申し上げておる。農業だけのことをいま言っているのじゃない。農業の計算の底に人口問題がなければならぬということを申し上げておるのです。それがなくて、そういう農業の自給計画などというものは世界的に御相談になっても無理でしょうと申し上げて、人口に対する基礎的な考え方があるのですかと伺っているのです。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 外務省といたしましては、日本の適正人口水準につきまして、特に具体的な数字は持っておりません。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 わかりました。

瀧巖農林省農林経済局国際部国際企画課長

○瀧説明員 農林省といたしましては、すでに農産物の需要と生産の長期見通しというものを策定しておりまして、閣議で決定されているわけでございますが、これは、基本といたしまして、人口の伸びというものを四十七年から六十年まで一・一%で伸びるという前提のもとに、農産物の自給率を高めていくということを政策の基本に置いているわけでございます。その場合の総合自給率は、四十七年度七三%を六十年度におきまして七五%に上げていく、そういう見通しのもとに総合的に農政を推進していこう、こういうふうに考えているわけでございます。

桑原敬一労働大臣官房長

○桑原政府委員 お答えをいたします。  労働省は、完全雇用政策を目標にいたしまして、雇用基本計画をつくってまいりますが、そういう関連におきましては、人口問題は非常に私ども関心を持って進めております。特に私どもは、来年度から五カ年間の雇用政策基本計画をつくりますので、そういう観点で、人口問題を十分的確にとらえながら進めておりますが、先生の御指摘のように、どのぐらいの適正な人口がいいかというようなそういう発想をいたしておりませんことを申し上げたいと思います。お話しのように、人口政策に基づいて出てまいります十五歳以上六十五歳米満の労働人口をつかまえまして、その方たちに適正な職業を与えていくというような発想をいたしております。先生の御提言につきましては、私ども今後十分反省していかなければならぬ問題だと思っております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 ただいまの御答弁を伺っておりまして、やはり問題点が浮んでいるわけであります、が、農林省は、人口の伸びに関しまして非常に安易な予測計画をつくられておる。一・一%の伸びというものを六十年度まで予定されているということは人口抑制の考え方がないことを示しております。この考え方はきわめて危険なだけではなくて、農業の自給という問題を根本から覆すだけでなく、将来――もう将来ではなく、現実において行われておりますいわゆる食糧を中心とする安全保障、食糧が外交の主力の武器として国際外交に登場している現在から言えば、これはもうきわめて危険な考え方であると言わなければならないと思います。  私はいまここに厚住省もお迎えしておればよかったのでありましょうが、これらあらゆる政策の基礎に人口問題をどの辺に置くということが大事なのかという御相談を、ひとつ関係省庁でしていただきたい。その御相談の上で、適正人口であるとか人口の伸びをどの程度にするとか、そうしてそれに対する態度が決定されなければならないと思います。たとえば私どもがやかましくお願いして実施していただきました児童手当制度についても、児童手当制度をそのまま施行することが人口の伸びをふやす場合がある。また、これを適切に運用すれば、やはりたくさん産むと損をするというような考え方が一つの背景として、人口を抑制する方向にも誘導することが可能である。だから、あらゆる政策を人口政策を基礎にして見直しをする必要があるのではないか、私はこう思っておるわけであります。  この間総理にはさんざん申し上げましたけれども、その脈を関係省庁でよく御連絡の上、各省庁の行政の基礎として人口はいかにあるべきか、もちろん公害の問題にも資源の問題にもエネルギーの問題にも、外交問題に至るまでも及んでくるこの大問題に対して取り組んでいただきたい、こう思うわけであります。  こうした意見を総括的に申し上げまして、政府を代表して政務次官にひとつ御答弁をいただきたい。関係省庁のこの問題に関する十分な打ち合わせ、適正人口に対する十分な対策、立案、それに対する行政的なさまざまな措置の再検討、それを私はお願いするわけであります。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 食糧問題と人口問題、これは現在並びに将来にわたって世界の一番重大な問題であると思います。この重大な問題を片づけるためには、やはり一国だけでなくして、世界的な問題としてこれをとらえ、世界的な問題として片づけていかなければならないと思いますが、まずその方法として、それぞれの国がそれぞれの国の国土、資源、人口、こういうものから割り出して、その国の適正人口がどれだけであるか、そして食糧の自給率その他をどういうふうに持っていくかということを一つ一つの国が確立して、それを全部持ち寄って世界の問題として片づけていくということが私は必要であると思います。  そういう意味で、先生御指摘のわが国の人口の問題、それに対する食糧の自給の問題ということは、基本的に考え、かつ解決の方向に持っていかなければならない問題だと思いますので、私の方も各省庁との連絡を密にしてこの問題に取り組んでまいりたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 私の申し上げた重点は、各省庁でいま打ち合わせができていませんから、打ち合わせをする、そしてそれを各省庁の行政の中において反映させていく、それから人口問題に対する基本的な政策を樹立する、この三つを申し上げたのです。それはよろしゅうございますね。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 問題としては、十分先生のおっしゃることを把握いたしました。これをどこがまとめをするかというようなことにつきましては、外務省がすることが適当であるのか、あるいはこれは内閣がすることが適当であるのか、いろいろな問題があると思います。これは将来の問題です。しかし政府としては、この人口問題、食糧問題というわが国の基本的なものをまずまとめ、そしてその解決の方法というものを打ち出していかなければなりませんので、そういう方向に進むということを私はきょう申し上げます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)委員 私の意見に賛成してくださいますね。もう一回、やかましく申しますが。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 賛成をいたすくらいじゃございません。私も同感でありますし、これは早急にすべきことだと考えております。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 永末英一君。

永末英一民社党

○永末委員 ILO百二号条約につきましては、前国会で質問を十分にいたしておきましたので、今回は省略いたします。  小麦協定に関する議案について御質問いたします。  このもとになる小麦貿易規約というのは、一つは小麦に関する国際貿易ができる限り自由な流れが確保できるようにという目的のようでございますが、最近、三年前の米ソ二国間協定によって、米国の小麦が多量にソ連に輸出をされまして、それによってわが国の穀物関係の需要もきわめて激変をして、いわば大きな被害をこうむったことがございます。またことしも米ソ二国間で協定が結ばれて、米国の小麦が多量にソ連に移動をしていくということのようでございました。だといたしますと、この小麦貿易規約なるもので考えておる多国間で記録をとったり、あるいは通報しながら、円満な世界全体の規模における小麦の需給というものを安定していこうということと、大国でございます米ソ二国間でそういういわば一つの円満な流れを大きく撹乱しようということと相反しているように思うのでございますが、これらについて一体どういうぐあいに政府はお考えか、お答え願いたい。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 いわゆる国際小麦協定といわゆる二国間の取り決めとの関係かと存じますが、従来からも、こういった国際小麦協定とは関係なしに、いろいろ二国間で穀物の供給等につきまして合意に達したり、また協定があったということは、事実あるわけでございまして、そういった意味から、この小麦協定というものと二国間取り決めというものが全然相矛盾するものだというふうにはわれわれは考えておらないわけでございます。  なおかつ、米ソ穀物取り決めでございますけれども、これは御承知のとおり、たまたまことしのソ連が非常に不作であるわけでございまして、従来小麦が不作であるわけでございますが、来年の十月から毎年六百万トンをアメリカから買い付けるということでございますけれども、従来ソ連はアメリカからそれと同じ程度の穀物を、小麦を買っておるわけでございまして、そういった意味からむしろこの米ソ穀物協定というものは、従来突発的にソ連がアメリカその他の国際的な小麦市場におきまして撹乱的な買い付けをするというものに対する一つの歯どめになっておるということでございまして、この米ソ穀物協定というものはわが国にとりましても必ずしも悪いものじゃなくて、むしろ歓迎すべきものではないかというふうに考えておる次第でございます。

永末英一民社党

○永末委員 いまことしの話をされましたが、三年前にも似たようなことがございました。この小麦貿易規約によりますと、「小麦の貿易が他の農産物の市場の経済的安定性に関連することを認識して」云々と、こうなっているわけですね。三年前は、まさしく米国の小麦がソ連に多量に移動いたしましたために、米国内における穀物事情が急変をいたしまして、それがわが国に対する米国の穀物や豆数等の輸出に関連をして、そうしてわれわれの家庭の生活環境まできわめて大きな被害をこうむった。こうなりますと、どこかで何かの歯どめがないと困る。一体この小麦貿易規約なるものはそういう歯どめの役割りを目的にしておるけれども、実際なし得ないのではないかという懸念もございまして、三年前はどういうことでしたか、お答え願いたい。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 三年前の状況におきましてソ連が大量の穀物等の買い付けを行ったということが、いわゆる国際穀物市場におきまして相当大きな問題を投げかけたことは事実でございます。三年前の事情におきましては、その当時はソ連のみならずほかの国におきましても非常に飼料穀物等の不作もございまして、相当世界的な問題であったわけでございます。そのために、いわゆる小麦の値段も一時七ドル近くに上がったということが事実であるわけでございます。  それと今回のいわゆるソ連の買い付けというものを比べますれば、今回はアメリカその他カナダ、豪州等におきますところの穀物の生産というものが非常に伸びておるわけでございまして、たとえばアメリカの生産をとってみますと、小麦だけにつきましても一九%、約五千八百二十万トンになっておるわけでございまして、昨年に比べて二〇%近くの増産になっておるということで、十分こういったソ連の買い付けをも吸収し得るわけでございますし、先ほど申し上げましたとおり、従来ソ連も六百万トンくらいは買っておったわけでございます。なおかつ、米ソ穀物取り決めにおきましては、将来アメリカの穀物の生産がある一定の水準を下回る場合には、ソ連の穀物の買い付けを拒否できるというふうな規定もございまして、むしろそのほかの伝統的な輸入国に対する配慮も行っておるというふうに了解しておるわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 ソ連の小麦粉を含む輸入量の年次推移を見ますと、きわめてばらつきが多いわけでございます。そのばらつきは一対十以上にも及ぶ広範囲のばらつきがある、こういうばらつきというものは是正をされ、安定したこういう小麦類の移動がソ連に関して確保できるものかどうか、お見通しをお聞かせ願いたい。

瀧巖農林省農林経済局国際部国際企画課長

○瀧説明員 従来の実績から見ますと、先年御指摘のとおり、ソビエトの穀物の輸入のばらつきというものは非常に激しゅうございます。そういった実績から考えますと、決して今後の見通しにつきましては楽観ができないということだけは申し上げることができるかと存じますけれども、これはソ連の国内でもいろいろ努力をしているようでございますし、今後の見通しについてはかなり困難な問題があるかと存じます。

永末英一民社党

○永末委員 いまのお二方の御答弁はちょっと相矛盾しておるようでございまして、国はそれぞれ主権を持っておるわけでございますから、その輸入量の規制を他国からやるわけにはまいりませんし、小麦が増産されてそこに物があるのなら、ソ連が輸入したい場合には動くでございましょうが、問題はその動いておることが第三国に影響を及ぼすと困るのでございまして、先ほどの御答弁では、三年前の事例があればこそ安定的な需給関係を結ぼうというので、そういうふうにだんだんなっているようでございますが、どうなんでしょうか、再び三年前のようにみそ、豆腐のたぐいまで、大豆の輸入が困難になって、家庭の主婦がそれの入手に困るというようなことがないようにいける見通しなんですか、またそれが再び起こるかもしれぬ、こういう見込みなんですか、いずれでしょう。

瀧巖農林省農林経済局国際部国際企画課長

○瀧説明委員 先ほど申し上げましたように、中長期の見通しというのは非常に困難でございますが、今回のソビエトの不作に伴います影響につきましては、現在米国を初め、私どももそう思っておりますけれども、国際穀物市場に対します急激な影響というものはあるまいかと存じます。実際この十日にアメリカの国務省が発表しているところによりますと、ソビエトは二千八百万トンほどの穀物をすでに手当てをしているということでございますが、市場の動きを見ておりますと、ソ連の大変な減産というものが発表になった後数日間の市況の動きというものは、すでにそれを織り込み済みと見られまして、ほとんど動いていないわけでございます。ただ、今後非常な繰り越しの需要というものがソビエトの側にあると思われますので、中期的にはこういった国際穀物市況を支える要因になっていくのではないか、そういうふうに考えているわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 ソ連におきます穀物生産はきわめてばらつきが多いわけでございまして、余ればいいのでございますが、足らぬ場合に問題が起こる。ソ連建国後五十年以上でございますが、いまだに穀物生産の安定性がないのはソ連にとっては非常な問題であろうかと思いますけれども、われわれ外国にとりましては、そのことがわれわれの方の穀物関係の問題に響いてくればこれは問題でございまして、いまおっしゃったように、ことしの減産についてはすでに穀物市場は織り込み済みであるということでございますが、どの程度の減産があれば響いてくるのか、あるいは将来予測せられる程度のことであるならばわが国の穀物関係には影響がなくて推移する、こういうお見通しなのか、お見通しのところをお聞かせ願いたい。

瀧巖農林省農林経済局国際部国際企画課長

○瀧説明員 非常にむずかしい問題だと存じますが、少なくも、かつての非常な過剰在庫があった六〇年代と現在とは非常に違っておりまして、私どもの資料によりますと、世界の穀物の在庫率、在庫率と申しますと、現在の在庫を世界の消費量で割ったパーセンテージになりますが、それがかつては大体二割前後の水準であったものが、最近になりますと大体一割程度、一割をちょっと出ている程度のところにきている。そういうことから見ますと、非常に世界の生産が不作で一割程度の減産があればこの在庫は消化されてしまう。そうした場合には非常な穀物の窮迫状態が起こるという可能性はあるかと存じます。ただ、幸いに、ことしはアメリカの方の史上最高の大豊作がそういった状況を吸収しているということでございますが、今後ともこの穀物の需給問題につきましては不安定な状況が続くのではないかと思っておるわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 中国は一九七一年の小麦貿易規約に参加しておりますか。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 中華人民共和国は、この協定の締約国とはなっておりません。

永末英一民社党

○永末委員 中国はきわめて多量の穀物を輸入しているようでございますが、わが国といたしましては、中国がこの機構に参加することを望みませんか。

野村豊外務省経済局次長

○野村政府委員 一般的に申せば、いろいろ小麦の国際的な取引、貿易等に関係のある多くの国が参加するということが望ましいわけではございます。しかし、こういった小麦協定規約に入るかどうかということはあくまでもその国の問題でございまして、かつて中国がこの小麦規約に関心を示したというふうなことをわれわれ承知したことはございますけれども、現在までのところ、中華人民共和国がこの小麦規約に参加するというふうなことはまだしておりませんし、いまのところ、この商品協定に対する考え方はわれわれとしては十分よくわかっておらないというのが実情でございます。

永末英一民社党

○永末委員 やはり全世界的な小麦の流通について話し合おうというのなら、多量の輸入国である中国が同じメンバーとして入ってくる方が世界秩序としては望ましいと思います。折に触れて、そういう中国側の意向を確かめられていくことがしかるべきではなかろうかと思います。  昨年のローマにおける食糧会議におきまして、備蓄ということが一つの大きな問題になりました。先ほどの御答弁のように、一割減産があるとなかなかいまの安定した状態を持続しがたいであろうというお見込みを伺いましたけれども、備蓄というのは一体いまどうなっておるのですか。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 備蓄問題につきましては、先ほど来お話もございましたが、現在国際小麦協定の準備グループで話されておる備蓄の問題もございますが、現在食糧庁の方で考えております米、麦の備蓄に関しましては、米につきましては来年の十月末、本米穀年度末に百五十万トン、さらにそれを五十四年度末までには二百万トンにふやすということでございますし、それから小麦に関しましては、現在二・三カ月の手持ちを持っておりますが、それをさらに五十四会計年度末程度には約三カ月、約百五十万トンぐらいになろうかと思いますが、そのぐらいのものを積み増ししていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。

永末英一民社党

○永末委員 米以外の穀物の輸入国でございますわが国の場合の備蓄目標と、生産国でございますアメリカ、カナダ等の備蓄の目標とは違うと思いますが、その辺のわが方の目標がどの程度の痛さであるか、どの程度努力しなければならぬかということに対する御評価を伺っておきたい。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 先生御指摘のとおりカナダ、アメリカ等におきます備蓄というのは、これは生産国でございますから当然問題は別でございますが、特に食糧に関して言えば、先ほど申しましたように、小麦につきましては現在大体三カ月程度、輸入国といたしましては諸般の情勢特に海外からの輸入のとだえる、たとえばストライキ対策等も考え合わせまして、三カ月程度の積み増しというものが一応形としては考えられるのではないかというふうに考えております。

永末英一民社党

○永末委員 私が言っておりますのは、生産国の場合にはあちらこちらへ出さねばなりませんから備蓄率が高いのではないか、わが方は輸入国でございますからきわめて局限された分量しか備蓄できないと思いますけれども、生産国はどれくらいの責任を持っておるのでしょう。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 現在のところカナダ、アメリカ等におきまして、備蓄についてどういう責任を持つとかあるいは輸入国がどの程度の責任を持つというような話し合いは行われておりません。一般論といたしましては、カナダ、アメリカ等の生産国におきましては、生産量から国内消費と輸出を差っ引きました量が備蓄といいますか、在庫として国内に蓄積される、こういう形になっておりますので、それが責任量としてどの程度ということについては、目下のところ全くそういう話し合いは行われていない、こういう状態でございます。

永末英一民社党

○永末委員 わが国の食糧備蓄、穀物備蓄というのは、国際会議において話された線においてやっているのか、それともわが国のみの事由でやっておるのか、お答え願いたい。

清水洋一食糧庁業務部輸入課長

○清水説明員 穀物備蓄と申しますのは、あくまでその国の需給の安定を図る、こういう観点から行っておるべきものでございまして、国際的に決められたためにそれによってそれを動かすという性質のものではないというふうに考えております。

永末英一民社党

○永末委員 質問を終わります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。  まず、社会保障の最低基準に関する条約(第百二号)の締結について承認を求めるの件についで採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、千九百七十一年の国際小麦協定を構成する小麦貿易規約及び食糧援助規約の有効期間の再延長に関する議定書の締結について承認を認めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両件に対する委員会報告書の作成等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。  ただいま委員長の手元に、小林正巳君、土井たか子君、正森成二君、大橋敏雄君及び永末英一君より、婦人関係ILO条約の批准促進に関する件について本委員会において決議されたいとの動議が提出されております。  この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいま議題となりました動議についてその趣旨の御説明をいたします。  案文の朗読をもって趣旨の説明にかえさせていただきます。  案文を朗読いたします。    婦人関係ILO条約の批准促進に関する件一、国際婦人年の意義に照らして、政府は、未批准の婦人関係ILO条約をすみやかに批准するよう努力すべきである。一、政府は、一〇二号条約に関し今回受諾しない部門、特に、母性給付及び遺族給付について、本条約の趣旨をふまえてその改善をはかるとともに、すみやかに条約第四条1の規定に基づく義務受諾の通告を行うよう努力すべきである。  右決議する。以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。(拍手)     ―――――――――――――

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 別に発言もありませんので、直ちに本動議について採決いたします。  小林正巳君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 起立総員。よって、小林正巳君外四名提出の動議は、本委員会の決議とすることに決しました。  この際、宮澤外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣宮澤喜一君。  速記をとめて。   〔速記中止〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 速記を始めて。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 ただいま採択されました御決議に関し、政府といたしましても婦人関係ILO条約の履行を確保し得るよう、国内法の整備を行った上これを批准することは、国内における勤労婦人の地位向上につながるのみならず、労働問題の分野におけるわが国の国際信用を高めることにもなり、きわめて有意義と考えておりますので、今後とも十分検討してまいりたいと考えます。  また、このような観点から、先ほど御採決いただきましたILO第百二号条約につきましても、今回義務を受諾しない部門につき、今後とも引き続き関係各省間で緊密な連絡を保ちつつ、政府として最善の努力をいたす所存であります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 お諮りいたします。  本決議の議長に対する報告及び関係各方面に対する参考送付等の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこの程度にとどめ、次回は来たる十七日水曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。     午後一時三十分散会

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