科学技術振興対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 360 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/11/13
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 本日は、特に使用済核燃料の再処理に関する問題調査のため、動力炉・核燃料開発事業団理事長清成適君、同副理事長瀬川正男君、同東海事業所再処理建設所長中島健太郎君、動力炉・核燃料開発労働組合中央執行委員長円道正三君及び同東海支部執行委員長鈴木猛君、以上五名の方々に参考人として御出席願っております。 なお、瀬川参考人は所用のため午後から出席されますので、御了承願います。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用のところ、本委員会に御出席くださいまして、ありがとうございます。本日、労使双方から御出席を願ったのは、労働問題を取り上げるためではなく、使用済核燃料の再処理問題について、科学的、客観的立場からの双方の率直な御意見を承ることが主目的でございますので、その点お含みの上、それぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べくださるようお願いいたします。 それでは最初に、理事者側を代表して、清成参考人よりお願いいたしたいと存じます。
○清成参考人 私、清成でございます。 本日は、最初に何か述べよというお話で、何を述べていいのかわからぬのですけれども、私がふだん考えておりますことを簡単に申し述べたいと思います。なお、十分かその程度というお話でございましたので、詳細には意を尽しかねるかもしれませんが、どうかその点は後からまたいろいろ御質問によってお答えしたいと考えます。 御承知のとおり、東海の再処理施設は、フランスのサンゴバン社からの技術導入でつくっておるものでございます。このサンゴバン社は、再処理施設には非常にすぐれた技術と経験とを持っておるとは申しますけれども、しかし、われわれの施設のとおりのものをつくったという経験はございません。ですからして、すべてが新しい設計になっておるわけでございます。この点が、軽水炉あるいは電機品というようなものの技術導入におけるように、そっくりそのままの技術導入というものではございません。大変趣を異にしておるのでございます。それで、われわれはこのサンゴバン社の技術には全幅の信頼を置いておりますけれども、やはりどうしても、一緒になって考え落としやあるいは不良個所というようなものを発見して改善していくというつもりでございまして、その意味から申しますと、それからまた、現在海外で実用されておりますところの実用プラント、それのキャパシティーから申しましても、われわれの工場は、パイロットプラント的な性格を持つ、こう考えなければなりません。 そこで、その再処理工場では建設を進めまして試験の段階に入っておるわけでございますが、この試験の様子をいまちょっと申し上げますと、通水作動試験というのを四十八年二月ごろから四十九年十月ごろまでやりました。引き続きまして、化学試験というのを四十九年十一月から五十年三月までやりました。次にウラン試験というのをいまちょうどやっておるところでございますけれども、五十年九月から五十一年四月ごろまでやる予定でございます。引き続きまして、ホット試験というのを五十一年六月ごろから五十一年十二月ごろまでで終わりたい、こういうふうにいま考えておるところでございますが、このように試験だけで約三年半かけまして性能をテストして、そうしてこの不良個所を全部見出して直していく、そうして従業員の教育訓練をやる。こういうような、他の工業にはおよそ例を見ないような慎重なやり方をやるということは、再処理というものが高放射性の物質を取り扱うために厳重に遮蔽されたところのセルの中での遠隔操作ということによらなければならぬという特殊性がございますが、それといま一つは、上に申し上げましたところの特異の技術導入のあり方というものによっているものでございます。これをまず第一に申し上げておきたいと思います。 それから第二には、いまわれわれがいろいろやっておりますところの仕事は科学技術の分野でございますので、すべてのことを科学的、客観的に論理で、あるいはまた数量をもって具体的に比較しますと、その結論はおのずから一致するはずでございます。しかるに、いろいろな議論や検討が往々にして背馳いたしておりますのは、議論の前提に良識を逸脱したような見解の相違があるためでございます。 われわれは、この良識ある考え方としましては、次の数例を例示してみたいと思うのでございますが、まず第一には、国際関係というものは非常に冷厳なものである、希望的な観測は許されないという冷厳なものであるということが第一でございます。第二は、専門的な事項につきましては、世界で肯定、是認されておりますところの責任ある権威者の見解に従うべきであるということでございます。第三番目には、すべてのことに対策を持ったところの筋道の通った議論であるべきである、こういうことでございます。それから最後には、世の中のことすべてゼロとかあるいは絶対とかいうようなことはもう当然あり得ないのでございまして、すべてはリスクとベネフィットとを見識をもって選択をする。これがこの世の中のすべてのことの実情でございます。そういうことがわれわれ良識ある考え方だ、というふうに考えていま例示をしたわけでございます。 次には、工業技術的な常識というものはどうしてもわれわれの仕事になければならぬというふうに私は思うのでございますが、この工業技術というものは、最初から無欠陥というようなものはあり得ないものなのです。それで、どうしましても、この設計とか、あるいは工作の不良を逐次改善してだんだん完璧の域に達するというのが常道でございまして、ただ、こういう工業技術に関しましては、いつも規制値というものでもってすべての現象を押さえて安全を図っていくというのが常道なのでございます。したがいまして、絶対安全とか絶対安心というようなことは、これはもう工業技術の実体を無視した言い方でございまして、こういうふうにはわれわれは考えておりません。 それからまた、工場とか、あるいは作業場あるいは病院というようなところはそれぞれ特徴のある仕事の場でございまして、これは決してお座敷とかあるいは事務室というふうに考えるべきでないということは、これは皆さんもおわかりのとおり常識でございます。 こういうふうに、いま申し上げました科学的、具体的、良識的であることと、あるいは工業技術的に常識というものが大事だというようなことを申し述べましたのでございますが、こういうようなことが組合と意見が相違しておる主要な点でございまして、事業団としては、組合の懸念には十分こたえた上での実施のつもりでございました。決してこの要望を無視しての強行というふうには考えておりません。 それから最後に申し上げたいことは、善意と誠意と信頼ということでございます。これは再処理に限りませず、動力炉の開発なんというような非常に大きな国家的な力を結集しなければならぬような大きな事業というものは、関係する機関も、それに従事する人員も非常に膨大なものになるのでございまして、その関係する人々の間に善意と誠意と信頼というものがなければ私は成功はおぼつかないと思うのでございます。こういう意味からしまして、事業団が一番注意しておりますし、今後特に注意していきたいと考えておりますことは、第一番はよきヒューマンリレーションということでございます。これは第一線の作業者とそのグループリーダー、それからまたそのグループリーダー何人かとさらに上の管理者というような形に、だんだんと常に密接なコミュニケーションを保っていく、そしてベクトルを一致させていくということでございまして、私これが一番大事なことだと思っていま心がけておるところでございます。 その次は、従業員全体が生きがいのある、そして人間の真の幸福が得られるようにしていかなければならないということでございまして、これは私は一番大事なことだろうと思うのでございますが、すべて人を疑ってかかる、あるいは人を敵と見てかかるというようなやり方は、私は決して人間を幸福にするものではない、こう確信をしておるのでございまして、こういうような形でもって今後運営してまいりたい、こういうふうに考えております。 冒頭に、何について述べるのかは私よくわかっておりませんので、私がいま考えておりますことだけを申し述べました。私の最初の意見といたします。
○八木委員長 ありがとうございました。 次に、組合を代表して円道参考人にお願いいたします。円道参考人。
○円道参考人 私、動燃労の中央執行委員長をやっております円道でございます。 きょうこのような席に出られるようになりましたことは、原子力開発を実際にやっている者として、また現場の技術者の意見などを直接聞かれることに対して敬意を表したいと思います。 労組としまして、再処理工場は、先ほど理事長も申しましたけれども、大量の放射性物質を取り扱う、またその作業性そのものもほとんど遠隔操作で行う、こういう化学プラントと位置づけております。 まず、このウランテストの話に入る前といたしまして、私は化学薬品を用いた化学試験について少し触れます。 化学薬品を用いた化学試験は、ウラン試験前に行われました。このときも労組は、人員の不足、設備の不備、教育、訓練の不足、安全管理体制の不備、連絡体制の不備など多くの問題点を指摘し、解決するよう努力してきました。事業団当局は、労組の指摘を無視し、ごり押しで化学試験を開始しました。このような進め方は、労組はいろいろと危惧していましたが、それが化学試験中に相次ぐ事故となってあらわれました。薬品によるやけど、転落死亡事故、硝酸ガスの噴出事故、五人一度に被曝するコバルト60によるガンマー被曝事故など数多く挙げられます。これは、労組や現場の技術者の指摘を解決しないで進めた結果起きた事故であると考えています。 試験というものは、あらかじめ予測された問題を処置し、科学的な見通しを持って行うものである、このように考えています。昨日、私この席に傍聴させていただきましたが、政府の説明を聞きましたところ、試験は問題点を出すために行うものである、このような趣旨の話をされていました。しかし、あらかじめ問題がわかっているのに処置をしないで試験を行い、問題点が出てくると、それが試験の成果あるいは目的であるというやり方は、科学的方法論としても納得できないものであります。 ウラン試験は、実際の使用済み燃料を使うホット試験前の最後の試験であり、試運転であります。労組はウラン試験に入るに当たり、人員の不足、技術者の教育と訓練の不足、管理体制等の十四項目に上る問題と要求を出してきました。これらの問題の解決のために、われわれはウラン試験の一時延期も申し入れてきました。しかし、事業団当局は再びウラン試験を一方的に強行しました。この結果、たび重なる汚染事故あるいは身体汚染事故が労組の指摘したとおりに起きました。私は、このまま続けると無数の事故が起こり、また無用の被曝をすることになるのではないかと懸念しております。 現在の段階では、技術者、研究者の良識としても、ウラン試験を一時中止し、職場のよごれたところを除洗、修理の必要なところを修理改善し、教育の不足に伴う問題の解決、そして安全管理体制を確立すべきであると考えております。これら化学試験とウラン試験を進めてきているようなやり方で、これから進む使用済み燃料を用いるホット試験に行くならば、われわれは、現場の技術者はもとより、広く国民にも迷惑をかけるのではないかと考えています。 われわれは、科学技術は本来人類の平和と繁栄のために使われるべきであり、軍事利用はもとより、労働者や国民の犠牲の上に開発が進められるようなことは避けなければならないと考えております。このような点に立ちまして、私たちは本当に皆さんにも信頼されるような再処理工場を実現すべく努力していきたい、こう考えております。 以上です。
○八木委員長 ありがとうございました。 以上で、参考人の意見開陳は終わりました。 —————————————
○八木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹中修一君。
○竹中委員 きょうはわれわれが最も関心を持っております再処理工場の問題に関して、集中的な審議をするということで、ただいまは事業団、また労働組合の代表の方からそれぞれ御意見を承ったわけであります。さらに昨日も当委員会でこの問題に関する政府の御見解を伺ったわけでありますけれども、私どもは本日のこの委員会の論議を通じて、いま問題になっております再処理工場の整々円滑なる試験が行われ、そして一日も早く所期の目的が達せられるように、きょうの委員会で一歩前進することを望んでいるわけであります。 御承知のとおり、わが国の原子力政策というものはいままでとかく開発とか建設が先行しているような感じがするわけであります。そういう点からいっても、いまの原子力行政の中で開発と安全管理、相互にチェックし合うべきものが一つの機構の中にあるということで、前国会でいろいろ内外の強い指摘を受けて、これを切り離す、すなわち原子力局と原子力安全局を切り離すという提案がなされたわけでありますけれども、残念ながら廃案になってしまった。今国会に再び提出をされているわけでありますけれども、私は速やかにこの法案が成立をして、原子力行政においても開発と安全規制が画然と分かれた職分でなされることを望んでいるものであります。 いままで私どもは原子力の開発のあり方を見ておりますと、先ほど申し上げましたように開発と建設がどうも先行しているような感じがする。使用済み燃料、いわゆる廃棄物がコンクリート詰めにして放置されているとか、その後は外国にお任せをするのだというようなことで、われわれ自身も非常に不安に感じているのです。そういうことで、この再処理工場が一日も早く実際に稼働することを望んでいるわけです。しかも、使用済み燃料というものは中に残存しているウラン、あるいは新しくプルトニウムができるということで、これは資源のないわが国としては大変大切な一つの仕事だと思うのです。そういうことでこの工場の建設について私ども非常に期待をしていたわけであります。 当初、この工場が四十六年の六月から建設に入りまして、本来のスケジュールからいくと本年の一月から稼働する、本格操業を始めるということであったわけです。それがいろいろな御理由もあるわけでしょうけれども、いまの予定では先ほどの話もありましたように、五十二年の春ごろでなければ実際の操業ができないというお話でございました。非常に残念なことだと思うのです。多大な国費も使っていると思うのです。従業員も非常に心配していると思うのです。この二年以上おくれたというのはどういうことなんでございましょうか。事業団側にお尋ねをしたいと思います。
○清成参考人 ただいまお話しのとおり、再処理工場というのは核燃料サイクルの中では非常に大事な位置を占める施設であるということは御指摘のとおりでございます。この核燃料サイクルの中の再処理工場というものは、前から日本では相当にその重大性を認識されておりまして、それで私たちのところの事業団のできます前身の日本原子燃料公社といわれておったときから、この再処理というものに対しては非常に大きな責任を負って研究開発を進めておったところでございます。ただ当時は、非常に差し迫った問題というふうに恐らく受け取られていなかったのではなかろうかと、私はいまになって推測するのでございますが、先ほど安全より開発が先行しているというお話でございましたが、むしろ原子力発電と歩調をそろえて進むべきものが再処理だと私は考えておるのでございますけれども、そういう面で原子力発電の方の開発が重きをなして、そして再処理の方がなかなか取り上げられなかったという点だと私は思います。 最初に計画されましたのはキャパシティーが〇・三トン・パー・デーというような小さなものを計画しておったのでございますけれども、それではてんで採算がとれないじゃないかというようなお話から、私の聞いておりますところでは、海外調査団を編成しまして大山義年先生を委員長とする海外調査団が各国を調べて、その当時でございますと、大体〇・七トン・パー・デーであれば最小の実用規模ではなかろうかという御報告をお出しになったということを聞いております。したがいまして、それではこの〇・七トンということで計画を進めるべきだというようなことで大変手間取ったようでございますが、それから先の実際の建設につきましても、サンゴバンを選んで、それの契約の交渉には相当に長引いたというふうに聞いております。事業団ができましてからも、これに対する漁業の補償の問題では大変な長年月を要しておることを私知っております。二年くらいおくれるといまおっしゃいましたけれども、実は最初の予定からすれば、二年でなくてもっともっと長い間おくれておるというふうに認識しております。 したがいまして、現在の原子力発電のやり方から考えますと、とうていいまのような予定ではだめでございます。これは各電力会社がいまイギリスのBNFLと非常に苦心をして再処理の委託契約をしようと努力しておる点からも明らかな点でございますが、われわれの事業団としましても、非常に遅延した点は申しわけないと思って責任を感じておりますが、周囲の事情、いままでのところはなかなかやむを得ざるものがあったという点だけは私は認めていただけるのじゃなかろうかと思うのでございます。これは言いわけみたいになりますが、そういうふうに考えておるところでございます。
○竹中委員 いろいろいま理事長から計画が小さ過ぎた、あるいは世間の一般の認識が薄かった、また漁業補償の問題があったというお話ですけれども、私がお尋ねしているのは、四十六年の六月に建設を始めてからおくれてきている。これは計画変更もあったからそうかもしれませんけれども、実際に建設を始めてからおくれている、その主たる理由をお尋ねしているわけであります。
○清成参考人 いまおっしゃいましたように、四十六年六月から建設に入りましたが、先ほどもちょっと冒頭の陳述で申し上げましたように、四十八年の春には大体の建設を終えまして、通水作動試験というのに入っておるわけでございます。それで、それからの試験の様子を先ほどちょっと申したわけでございますが、まさに最後まで三年半もかかるという、これはサンゴバンの設計というものが再処理については非常にすぐれた経験を持っておりますけれども、ああいうものを同じものをどこかでつくっておるということではないので、どうしても試験に入るといろいろなふぐあいの点が出てくることはもう当然でございまして、そのような点から通水作動試験におきましてもいろいろな配管のミス、あるいは機器の操作のふぐあいというようなことが相当出てまいりまして、それらを一々手直しをすべきものは手直しをする、後刻手直しするものはするというふうに整理しながらやってまいりますと、先ほどのように相当長い期間が試験にかかる。それで、再処理というものの特殊性を考えますと、これをあわせてやっては非常にまずいと私は思うので、発見されましたふぐあいの点だけは徹底的に直していきたいというふうに考えますので、いま申しましたような最初の予定と食い違ってくるということが起こってきたわけでございます。今後もいろいろそういう点はまた起ころうかと思いますけれども、私たちはできるだけ徹底した安全主義をとりまして、出てきた不良は撲滅して次に進むということをやりたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹中委員 そうしますと、理事長さん、最初の計画の方がむしろ甘かったんだ、いまの実施しているスケジュールが、試行錯誤を繰り返しながら慎重にやっているこれが本当のスケジュールだと考えてよろしゅうございますか。
○清成参考人 これは実はいまおっしゃるように考えるということはちょっと問題がありますので、先ほど申しましたように、われわれとしてはこれは最初の経験でございます。したがいまして、本当のところを予測するということはなかなかむずかしい。しかしながら、必要最小限のトラブルを見込んでの予定ということを最初に立てますが、事業というものは、これを推進していくためにはやはり一つの目標というものを立てなければなりません。それでどこまでも安全、安全とやっておけばどこまでもおくれていくものでございまして、われわれ民間で数十年経験しておりますのは、どうしても目標というものは強目にと申しますかきつい目に立てておきまして、それを目標にして進んでいって、ある程度のそごというものは初めから腹の中にしまっておくというようなやり方でないと事業というものはできないのでございます。したがいまして、われわれは最初の経験でございますから、本当の予測というのはやってみないとなかなかつかないというのが一つと、それからもう一つは、事業を能率よく完遂するためにはある程度目標を高く置いていかなければいかぬというその二つの理由でございます。
○竹中委員 お話は大体わかりましたけれども、多大な国費と国民全般の関心を呼んでいるものですから、ずるずる延ばすことはとらないでいただきたいと思います。いまお話を伺いますと、大変時期的にも延びたということで、恐らく予算の面でも相当違ってきていると思うのですが、おわかりでしたらお示しをいただきたいと思います。
○清成参考人 この予算は、最初は大体二百二十八億という予算でもってスタートをいたしました。ところがこれが、多少のなにはございますけれども、やっておりますうちにいろいろ安全その他の面からこれに追加すべきことがたくさん出てまいりました。そういうような意味から、現在では、二百二十八億円に対しまして大体百三億円ぐらいよけいにかかるという形になります。その百三億円というのはどんなことでかかるかと申しますと、安全性を高めるためのいろいろな改良工事というようなもの、それから電力から新たな事態としていろいろ要求されておりますところの核燃料の貯蔵庫、それらのものを新設しなければならぬというような関連費用、それから操業準備のためにいろいろ先行手配等をやらなければならぬものもございます。それから、先ほど申しましたように、スケジュールが遅延しますと実は大変な金を食いますので、こういう工事の遅延のためと、それからまたエスカレーションその他でもって約八十二億円というような形で、大体百三億円ぐらいが予算上二百二十八億からはみ出すのではなかろうかと思っております。 なお、そのほかに今後廃棄物のもっと減少の研究だとか、廃棄物の処理の研究だとかいうようなことで約三、四十億。これは再処理の建設費ではございませんけれども、関連の研究開発費としてかかるだろうというふうに予想しております。
○竹中委員 予算のふえたことについて、いろいろお話をいただきました。その中で一番先に安全性を高めるために相当な予算を使ったということですが、具体的に御説明いただきたいと思うのです。
○清成参考人 私、細かい数字をいま記憶しておりませんので、中島参考人にかわって申し述べさせていただきます。
○中島参考人 ただいま御質問の安全性を高める改良工事、具体的にはたとえば貯蔵プールがございます。燃料を受け入れた場合に貯蔵するプールでございます。その中に燃料を入れるのでございますが、当初はこれを裸で入れるということで、また諸外国もそうやっていたのでございますが、それよりももう一つコンテナに入れてやった方が水の汚染も少ないということがだんだんわかってまいりましたので、そういうための追加分がございます。それからまた、他の具体例で申しますと、高放射性の固体廃棄物貯蔵庫がございますが、これは外国によっては非常に荒っぽくて、土中埋没するところもございます。われわれのところはこれをステンレスタンクで水中に入れるということにしておったのでございますが、その場合に、この安全性をさらに高めるために貯蔵庫そのものに上屋がけをするというふうなための追加費用というのがございます。それからもう一つは、先ほどのお話の中のスケジュールがおくれたためというか、その分だけ試運転期間が延びたのでございますが、そういたしますと、そのための試運転費の増額がございます。これがかなりの金額でございますが、これは直接的にもあるいは間接的にもその施設内でのさらに慎重な手直し、改造ということが含まれておりますので、これがやはり安全に関する金というふうに考えてよろしいかと思います。 なお、ただいま理事長が申しました金額でございますが、これは五十年度の金でございまして、そのほかに五十一年度といたしまして約七十億程度の追加がございます。
○竹中委員 おくれた理由が大体わかりましたのですが、いずれにしろ原子力関係というのは安全を第一にしなければいけない。これはもう言うまでもないことだし、先ほどの事業団側あるいは労働組合側の意見陳述の中にも、とにかく安全を第一とするということを言っておられまして、まさにそのとおりだと思うのです。安全と言えば従業員の安全、それから理事者ももちろんそのそばにおるわけでしょうけれども、また地域の安全、いわゆる周辺の安全というふうに二つあると思うのです。この地域の安全について、たとえば茨城県あるいは東海村と地域住民の安全に関して何か協定を結んでいるとか、あるいはどういうふうな話し合いをしているとか、ということがございましたらお答えいただきたいと思います。
○清成参考人 従業員の安全はさておきまして、いまの地域の方の御質問でございますが、茨城県は原子力施設を非常に古くから経験しておるところでございます。茨城県と所在の町村、それと私たちの方の原電、原研それから動燃というようなところとが協定を結びまして、いろいろな環境保全に対しますところの協定並びに安全確保に対しますところの協定というようなものを結んでおるわけでございます。これは非常に膨大なものございますので、一々内容を申し上げることはできませんけれども、官庁も中に入っていただきまして十分練り上げた案でございまして、双方納得のいくような案になっておると私は信じております。もちろん、現在までに地域の住民に被害が及ぶというようなことはわれわれは一度も経験したことがございませんので、これだけは申し添えておきたいと思います。
○竹中委員 茨城県と所在の市町村との間に、環境保全並びに安全確保について協定を結んでいるということでございますけれども、いままでいろいろ話し合いがあったと思うのですが、いままでの過程の中で、こういうことはいけないとか、意見が合わなかったとか、あるいは反対があったとかという経過があるのかどうか。そして現在はどうなっているのかをお尋ねしたいと思います。
○清成参考人 私はそういうことをほとんど聞いておりません。現在、非常な反対というようなことは何も聞いていないのでございます。
○竹中委員 そうしますと、いま再処理工場を建設してテストに入っているが、たとえば、再処理工場を建設するときにはその協定書の条項によって相手方の同意を求めなければいかぬとか、テストをするときには相手方の同意を求めなければいかぬとかあるいは了解を求めるとか、そういうふうな仕組みにはなっているわけでしょうか。
○清成参考人 これは、いまの新しい施設を、たとえば再処理施設を今度は別につくる、あるいは大きな原子炉を置くとかいうようなときには、いろいろな了解、説明というようなことがあると思いますけれども、いまの再処理施設の中へ研究施設を新たに置くとかいうようなことは、大きなものはわれわれ自発的に相談あるいは通知はいたしますけれども、協定書によってそういうふうに義務づけられているということではないと思います。
○竹中委員 施設についてはいまお答えをいただきましたけれども、たとえば、化学試験から今度はウランを使ってのウランテストをする。前よりは放射線についての危険度が出てくるわけですね。そういう場合はどうなんでしょうか。
○清成参考人 それは、協定書によってその村の同意を得なければならぬというふうにはなっておりません。ただ、われわれはウラン試験に入るときには必ず通知もしますし、いい関係をつくりたいというようなことから、自発的にこちらから連絡をしておるということでございます。
○竹中委員 協定書にはないけれども自発的に連絡をしている、ウランテストも連絡をしたということでございますけれども、ウランテストをするということを連絡した場合の、茨城県当局の反応はどうでございましたか。
○清成参考人 従業員のこともさることながら周辺の環境に悪い影響を与えないようにぜひひとつ慎重にやってもらいたいという意思表示がございました。もちろんわれわれもそのつもりでやるわけでございます。
○竹中委員 周辺の安全について、県当局あるいは所在の市町村といろいろ協定がなされ緊密な連絡をされておる。いまのお話だと非常に協力的にしていただいているということで、大変結構なことだと思うのです。 今度は従業員の安全なんですけれども、従業員の安全に関して、いまの地方自治団体と協定をしているようなことは、もちろん労働組合とも安全に関する協定ができておるのでしょうか。
○清成参考人 従業員の安全、これは一番大事なことでございますが、大体のわれわれの趣旨は、国で定められた保安規定というものが中心になるわけでございます。したがって、保安規定が忠実にまた完全に守られておれば、従業員の安全はもちろん確保されるというふうにわれわれは確信をしておるわけでございまして、われわれの事業団の諸規則は、すべてがこの保安規定が中心になってできておるのであります。それで、従業員の安全はわれわれは十分に確保されておるというふうに信じておるのでございますが、この安全というものの考え方がいろいろあるのでございまして、この点われわれの考え方を少し申し上げておかなければいかぬというふうに思います。 放射線につきましては、ICRPの勧告というのが世界で信頼されておるところの勧告でございますが、この勧告値は、他の工業用の物質よりははるかに厳重な値を定めておるのでございます。それをもとにしました各国のいろいろな規制値というものは、おおむねICRPの勧告よりもさらに厳しいものになっておるわけでございます。そこで、事業団では、このように十分に安全を見込んだ国の規制値を超えないように、目標をさらに定めてこの管理をしておるのでございますが、原子力施設ではすべて放射性の物質を取り扱うものでございます。そこで、何らかの原因で放射性の物質がこぼれたり、あるいはまた作業者が放射線に触れるというような機会、これは当然予想されるのでございます。このような場所を管理区域としまして、その出入や作業の方法を規則でもって定めまして、常に放射線の量を検出して安全を保つというようにやっております。 規制値以下でありますれば、人体に対する障害は全くないのでございますが、事業団では、御承知のように、ICRPのALAPの趣旨にのっとりまして、規制値は規制値としましても、実際に受けるところの放射線の量をできるだけ低く抑えたいというふうに努力をしておるのでございます。いま述べましたようなことから、管理区域内で何らかの、局長はよくマイナートラブルという言葉を使われますが、そういうようなことは、いわゆる放射線事故というふうにはわれわれは考えておりませんので、これは適当でない。その状況によっていろいろ判断しなければならぬというふうにわれわれは了解をしております。そういう点で、従業員の安全というものは私は十分に確保されているというふうに考えておるのでございます。
○竹中委員 いま保安規定を忠実に守り、これを中心にしてやっていっているという安全確保についての努力をお話しくださったわけですが、この安全に関して労働組合と協定ができているのですか。
○清成参考人 安全に対して労働組合とは、安全に対する協定というよりも、保安規定を実行することでおのずから協定ができておると考えてよろしいと私は思います。
○竹中委員 いまお尋ねしておりますのは、たとえば化学試験をする、ウランテストをする、こういう次の段階に進むときに、組合とどういう協議をしているか。どういう話し合いをしているか。またその場合に、組合の同意を求めなければならぬというようなことになっておるのかどうかということです。
○中島参考人 ただいま御質問のような直接的な協定はございません。 何か安全に関する問題があった場合には、安全衛生委員会というものがございます。これは定例は月に一回開いております。これは労使同数でございまして、議長に事務所長がなるということで運営しております。なお、その他こちらから投げかける場合もございますし、組合の方からの要求があって臨時に開くこともございます。それからさらに、これは労使という関係ではございませんけれども、われわれ安全を確保するという立場から言いますと、組合も当局もない、従業員一体となってやらなければならないということから、そういう意味では職制における課単位の会合、あるいは班長とか係長クラスを含めた会合とかあるいは部単位で班長以上集めた保安連絡会、こういったことは非常に頻繁にやっております。
○竹中委員 そうすると、協定上別に、同意を求める、そういうふうな仕組みにはなっていないけれども、安全衛生委員会を定例月に一回開いている。または保安委員会を開いてしょっちゅう協議をしておる。意思疎通は十分できているというふうに思われますけれども、そこら辺の話し合いがいろいろ問題になっていると思うのですが、後でまたお尋ねしますけれども、新聞の記事によりますと、ウランテストの最中に従業員の手に何か液が漏れて液がくっついて汚染をした、あるいはくつ底に被曝をしたというような記事が非常に大きく取り上げられておるわけです。そうしてまた新聞の論調の中にも、動燃は一体何しているんだというような激しい論調が書かれているわけです。この事実についてお答えをいただきたいと思うのです。
○清成参考人 細かい事実は中島参考人に述べさせますが、私から最初に申し述べますと、いま御指摘の指先にウラン溶液がついた、それからくつ底を汚染していたというような事故は、先ほども申しましたような管理区域内での非常に小さな、何と申しますか、アンユージュアル・オカレンスと私は勝手な言葉を使っておるんですが、そういうことでございまして、私たちはこれは事故とは考えておりません。そのようなことはほとんど安全問題としては取り上げるつもりもございません。非常に微量なものでございまして、もちろん規制値なんかをはるかに下回る量でございますので、われわれとしてはそう考えておりませんが、実際の付着しました……あるいは数値その他については中島からお答えいたします。
○中島参考人 いま御質問がありました指先の汚染、これはことしの九月二十日でございます。内容といたしましては、分析課員が分析するためのサンプル、試料をサンプルびんから出すときに液がこぼれて手に触れたということでございます。その後直ちに、シフトリーダーといいますか班長が指先をさらに洗うように指示し、それでもなお若干残っていたために、当直責任者という管理職がおりますので、それが来てさらにもう一度洗った。しかし、どうしても若干残るということから、それと同時に放射線管理課長を呼びまして、その指示に従ってあと除染をした。ただ、中指のところだけが若干、バックグラウンドの倍程度でございますけれども、残ったということから、サビオというばんそうこうで補綴をした。その後二日くらいたったところでそれはもうなくなっていたということがございます。これは事実関係でございます。 もちろん、汚染の程度というものは非常に微弱ではございますけれども、やはり原因を追求する必要がある。いかなる場合でも、その表面的に出た現象は軽微であっても、われわれ現場を預かっておる者といたしましてはこれを十分追求し、対策を立てる必要がございますので、そういうことをいたしまして、現在はその対策といたしまして——当時は手袋を着用していなかったのでございますが、手袋を着用するとか、あるいは当面試験的にグローブボックスの中でそういうサンプルを扱うとか、ということできております。 それからなおもう一つ、くつ底の汚染でございますが、これはやはり九月の下旬に二回ばかりございました。これはサンプルを、いまのは分析する方でございますが、今度はサンプルをとる場合に、そのサンプルをとるところで多少しずくがたれて、それがくつについてくるというのが原因のようでございます。先ほど理事長が言いましたように、われわれ管理区域というものはすでに設定しておりますし、さらにいま言いましたような場所では二重の区域、すなわち立ち入り制限区域というものをさらにその中に設けております。したがいまして、いずれも二重の関所の中の方でそれは見つかっているのでございます。しかし、そういうことについての原因を調べる。同時に、いまの場合の対策としましては、なぜ漏れるか。サンプルのしずくがたれるかというところから、そのサンプリングの方法も改良したということをやっております。この程度のことがやはり時には起こるかと思いますけれども、いま言いましたような措置をとにかく徹底させていきたいというふうに考えております。
○竹中委員 お話を伺いますと、人体に影響を及ぼすようなものでない軽微なものである、それぞれ措置したということでございますが、その被曝者のその後の健康管理その他はどうなっているのでしょうか。
○中島参考人 本人はただいま元気に分析作業に従事しております。
○竹中委員 先ほどのお答えの中で、今後もこういうようなことは起こるかもしれぬということでございましたが、何せ本物を使うホットテストを控えているわけで、その場合こういうような事故が起こらないような仕組みになっているのでしょうかどうか。
○清成参考人 いまおっしゃいましたようなホットテストというのは、御承知のとおり使用済み燃料を本当に使うわけでございます。そのときには、いまのような問題が起こりますとなかなか処置が厄介でございます。起こらぬとはこれは保証できませんけれども、起こると厄介でございますので、そういうことがないように、できるだけウランテストの間にそういうところを全部探し出してしまいたいというのが、われわれの本当の望みでございます。したがいまして、私は大部分は起こらぬようにできると思いますが、ある程度やはり何らかのことはホット試験の中で出てこないとはこれは保しがたいのでございます。望ましいことではございませんけれども、そのときにはケース・バイ・ケース、その状態に応じて、これは一体どういうふうな補修をするか、方法はどういうふうにしてやるかということを検討した上で、慎重に取り組みたいというふうに考えております。
○竹中委員 大体わかりましたけれども、ホット試験ではそういうことは起こってはいけない。したがって、いまのウランテストの間にそういうことが起こり得べきものは全部起こらせて実験をするのだ、そこが目的だというようなお話ですけれども、そういうところにわれわれをモルモット扱いにするのではないかということが、私は出てくると思うのです。そういう点の御配慮はどうなんでしょう。
○清成参考人 モルモット扱いというのは私に言わせると非常に言葉が悪い、はなはだもっておかしな表現でございますが、そうではなくて、いろいろな事故を起こしますけれども、その事故を——事故と申してはまずいのですが、いろいろなふぐあいな点を発見するのでございますが、それが出てきて多少放射線に触れても、その放射線というものは、使用済み燃料にありますようなフィッションプロダクトからのものやらあるいはプルトニウムというようなものでなくて、天然ウランまたは劣化ウランという非常に微弱な放射能のものでございますので、そういう点は非常に対処しやすい。それで十分人体の安全というものは守られるということをわれわれは確信してやっているのでございまして、決してモルモット扱いにしているのではございません。たとえば病院で看護婦がレントゲンを扱います。でも、これは決していまの看護婦をモルモット扱いにしているのではないのであって、幾ら規定された作業をやっても、はるかに法の規制あるいは身体に障害を及ぼす危険に比較すれば小さい値だということを確信するからやっているので、私はそのモルモットという言葉だけはやめていただきたい、こう思うのでございます。
○竹中委員 いや、私が使っているのじゃなくて新聞その他で使われているということなんです。そういうことでいま二、三の例を伺ったわけですが、心配しなくてもいいんだ、こういうことですけれども、一般の国民にしてみれば、新聞に非常に大きく取り上げられる、そのことが非常に問題だと思うのです。そのことがまた従業員に非常に将来の不安を与えるということになると思うのです。 時間がぼつぼつ少なくなりましたので簡単に、報道機関に対するやり方というのですか報道機関に対してどういうようなPRをしておられるか。また事故があった場合に、どういうふうな処置をとられたかということです。
○清成参考人 これは余り大きなことは言えませんのではなはだ困るのでございますが、まことに私たちそういう点にふなれでございまして、ある点から申しますといろいろPRの不十分な点ということは、私これは率直に認めなければいかぬと思いますが、何とかしまして、私たちは淡々とこれに対処しますことによりまして、そういう面を通して報道関係の方には御理解をいただく。そうしてまた、いまの詳細漏らさず御報道は結構なんでございますが、私は希望しますならばファクトファインディングということを本当にやっていただきたい。真実を本当にはっきりさせさえすれば、これはガラス張りでございまからどんなにでも報道していただく方が私はかえっていいと思うのでございますが、そのファクトファインディングをやっていただくこちらの方の努力が足りないということがあるいはあったかと思いますので、今後はできるだけそういう点はなくしていくように心がけたいと思うのでございます。実はここには大分御列席の方もおられますので、よろしくひとつお願いしておきます。
○竹中委員 一般の国民は何せ新聞で知るわけですから、どうぞ報道関係との接触をよくして正しい報道をしてもらう。そのかわり物事を隠すとかなんとかいうことじゃなくて、自主、公開ですから御努力をお願いしたいと思うのです。 きのうの政府の御所見の中にございましたのですが、ウラン試験に入るべく諸般の準備を進めるとともに、動燃事業団の労働組合と交渉を重ね、本社における団体交渉三回、東海事業所での労使協議会を八回実施し、事務折衝を十九回にわたって行った。労働条件、安全問題、教育訓練の三点が焦点になったけれども、このうち労働条件については大体の妥協点に達した。問題は安全問題と教育訓練についてだが、なかなか理解が相互にできなかったようだ。そういうことでございますけれども、組合はいまウランテストの中止を要求しているとかいうふうにも聞いているわけでありますけれども、いま申し上げましたように団体交渉が三回、労使協議会を八回、事務折衝が十九回にわたった。これはそれぞれの段階でこういう折衝が行われているわけだと思うのですが、それぞれの権限とか交渉する双方の人員とか議題そういうものについて御説明をいただきたいと思います。
○清成参考人 いまおっしゃいましたような回数で本社並びに東海事業所でいろいろな事務折衝をやったのでございますが、本社におきましては労務担当理事、これが主になりまして、総務部長を中心として行ったわけでございます。本社におきましては、組合の方は中央執行委員長以下の中央執行委員ということであります。それから東海の支部において行いましたのは、東海の事務所長を中心としまして、現場の中島所長、こういうのが入りまして、それから労務課長、管理部長、こういうのが入ります。それから組合の方は東海支部の方の執行委員長その他の役員ということになっておりますが、それでお答えになりますか。
○竹中委員 事務折衝を現場からだんだん積み上げて中央交渉に入るというふうな形だと思うのですが、相当な回数お互いに議論しているというふうに思うわけですけれども、組合にお尋ねをいたします。 いまずっと議論した経緯の中で、結局労働条件についてはある程度の妥協点に達している。しかし、安全問題とか教育訓練の点についてまだ十分な合意に達してないように見受けられるわけです。そうして安全問題についていろいろまた疑念があるというふうに客観的には受け取られるわけですけれども、どういう点が疑念になっているわけでしょうか。
○鈴木参考人 いま御質問の件は、私たちウランテストに入るに当たっては十四項目の要求を事業団にぶつけてきました。(竹中委員「ぶつけると言わないで出したと言ってください。」と呼ぶ)出してきました。この中に御指摘のように労働条件の問題あり、さらに教育訓練の問題あり、それから安全上の施設的な問題もありました。そういう中で、特に労働条件については、私たちはこのように再処理問題については受けとめて取り組んできています。 というのは、この再処理工場というのは、先ほども副理事長の方からお話がありましたけれども、フランスのサンゴバン社というところで設計して日本でつくるという形になっております。フランスのサンゴバン社の設計思想は、人をたくさん使って安全を確保していくのだという考え方なわけです。ですから、その安全を確保する上で労働条件というものも非常に重要な要素になってくるということで、労働条件等についてもウラン試験前に要求をしてきたということです。 どうなっていたのかという点ですけれども、私たちはそもそも、執行委員が頭で考えたりするわけではなく、現場の人たちと話し合いをしたりあるいはアンケート等をとったり、そういう中で現場の要求としてまとめてきたわけで、特に申し上げておきたいのは、六月末から七月上旬にかけてとったアンケートの中で、ウランテストの前までやっていたサンゴバンテストが十分でしたかという設問に対して、不十分だったという人が六割もいたわけです。それからこれは再処理なり原子力施設の場合に、特殊な問題になるわけですが、ホットなりあるいは核物質を扱う状態で補修をするときに被曝の問題が非常に問題があるわけです。これはつい最近、ことしの初めでしたけれども、原子力発電所の労働組合の電労連が、被曝が年々倍々とふえてきている、こういう問題を重視してくださいという提言をしたわけですけれども、私たちもそういう点で、修理技術というのはこのウランテスト前に十分訓練されて、ウランテストもホットに相当した形でやるべきである。これはホットに入ってからの被曝に重大な影響があるわけで、こういう点でもアンケートをとってみましたけれども、これについては、七六・五%の人が保守訓練は不十分であるということを回答してきておるわけです。こういうものを含めた形で、当初は七月中旬からウランテストに入るということを言っていましたけれども、その時点で、入るについてどう考えますかという設問に対しては、入るべきでないという答えをした人が七八%にも上ったわけです。その点では、私たちはやはり最後まで安全問題、教育問題、これは直接安全にかかわり合いがありますから、そういう点で中央執行委員会でも、八月二十八日の団交で、この問題だけはどうしても譲れないということで、再考を促したという経緯があるわけです。
○竹中委員 ちょっと、アンケートという言葉を初めて伺ったのですが、アンケートは全組合員でございますか。それとも、いわゆるウランテストが実施されるその内容あるいは技術、そういうものについて詳しい人たちのアンケートでしょうか。
○鈴木参考人 再処理工場の従業員。組合員でない方もおられますけれども、その人たちを対象にやりました。
○竹中委員 安全について、結局安全というお話は、いま訓練も入ってくると思うのです。教育訓練について不十分という点はどういうことでしょうか。
○鈴木参考人 先ほどもちょっと触れましたけれども、被曝の問題で関係があると言った、その修理技術は高まっていますかという設問も一つの例になるだろうと思うのですけれども、これで約八割近い人たちが不十分だということを言っていることを私たちは非常に重視しましたし、それから要求の回答に相当するものでも、たとえば、新しく入ってきた人に対してどういう教育をしますか、と事業団に対して回答を求めたところ、一週間座学をします、座学というか講義ですね。それから一週間現場に張りついた形で研修します、それから三週間はフリーな形で交代勤務に入ってもらいます、四週間日については、チェックするという意味で教育を見ます、という回答が返ってきているわけです。 私たちはこの点について、先ほどからも触れていますけれども、この程度の教育で、潜在的な危険性、それも科学的なプラントとしての性格、それから大量の核物質を扱うという性格、そういうものを加味した上で考えてみますと、これで十分なのかということがやはり現場からの指摘として問われたということが言えるだろうと思います。
○竹中委員 いまお話を伺いますと、現場の声、現場のアンケートを主として考えていったということだと了解してよろしゅうございますね。
○鈴木参考人 私たちは、いまアンケートの結果が数字で出ていますから、非常にわかりやすいということでお答えしましたけれども、ウランテストに入る前に、各課単位の職場集会あるいは——そういう場所ではことし入った人からかなりの年代の人までいますし、職制上も言いづらいこともあるということで年代別にも分けたり、それから組合と直接関係ない、組合員ではないのですけれども、出向の方々ともお話し合いを持つということで、こういう意見をまとめたということです。
○竹中委員 どうも時間がなくなりましたのであれですけれども、いま出向のお話が出てまいりましたけれども、これに関連してお話ししたいと思います。いろいろ調べてみましたら、サンゴバン社が注文を受けて日本揮発油株式会社が下請で建設を始めた。さらに、昭和四十九年十月にいわゆるウォーターテスト、通水試験を終了したその時点で動燃に所有権が移された、引き続いてサンゴバン社がその試験を担当しているというふうに、私、ものの本で読んだのですけれども、現在のウラン試験もサンゴバン社が担当しているわけでしょうか。
○中島参考人 担当という言葉が出てまいりましたけれども……
○竹中委員 それじゃ、ついでに責任とか、そういうこともひとつあわせてお答えください。
○中島参考人 まず、工場の運営の責任は建設所長にございます。 それから、サンゴバン社がいま試運転を担当しているという見方でございますが、これはわれわれは試運転契約を結んでそれに基づいてやっておるのでございますが、彼らが直接これを運転あるいは担当するのではなくて、われわれに対して——言ってみれば、この場合は私なのでございますが、私にこういうことをやるというスケジュールを出します。それに基づいてオーケーを出して、そしてあとは職制でやっていく。職制といいますのは動燃の職制でございます。そういう形でやっているのでございます。それで、もちろんたてまえはそうであっても、一々現場の細かい指示まで上がってくるのでなくて、そこは現場の課長に権限を委譲してございます。したがって、現場の課長が、その場合は、今度はサンゴバン社のエンジニア・イン・チャージ、責任技術者と話し合いで仕事を進めるということにしております。したがって責任上はきわめて明確でございます。
○竹中委員 事業団が直接責任を持ってコントロールをしてテストを行っているということで理解いたしますけれども、先ほどもちょっと出向者のお話が出てまいりましたが、職員の中でいわゆる事業団プロパーの人と出向者、さらに下請の人、こう三種類あるのじゃないかと思うのです。その上にサンゴバンから派遣されている人もいるのでしょうけれども、そういう人たちの中で、先ほど来組合が非常に教育訓練を問題にしておりますけれども、何か教育訓練の上で、差別と言えば変ですけれども、差があったり何かしてないものでしょうか。
○中島参考人 現在、正確な数字は別としまして、約三百二、三十名が再処理の仕事に従事しております。それで、その中で約百名が出向、残りの二百二、三十名がプロパーでございます。それから、あと下請といいますのは、たとえば洗たくとか清掃という程度でございます。それからもう一つは、保守の点で、たとえば計装のようなものにつきましては、専門の保守会社から——これはやはり一種の下請でございますが、来ております。 それで、教育訓練上の差があるかどうかということになりますと、これはその人たちのバックグラウンドが皆違いますので、それに応じた教育訓練をするし、また、応じた配置にしております。つまり、職場というのは、三百人おれば三百人全部一律ではございませんで、まず部長がおり、課長がおり、係長がおり、班長がおり、その下にオペレーターがおるという形でございます。したがって、出向の場合でも、課長の人もおりますし、それから係長の人もおります。あるいはその下の班長という人もおりますし、いわゆるオペレーターという人もございます。それからまた、再処理の仕事は、中身が非常にバラエティーに富んでおります。入り口のところは機械処理関係とか、あるいは燃料の受け入れということで、どちらかといいますと機械工業的な仕事です。それからあと、化学処理の運転関係、これは化学工業的な仕事。それから工務部というところで保守業務がございます。これはまさしくメンテナンス、先ほど出てきた修理も入ります。それから分析というのもございます。したがって、それは差があるというのは私は当然だと思います。これはその人に応じて適材適所に配置するし、それに応じた教育訓練をするという形にしております。
○竹中委員 時間がございませんのでこれで終わりますけれども、事業団側あるいは組合側からいろいろ意見を伺いました。何といっても安全の中でこの再処理工場が一日も早く整々に運転されることは双方とも強く望んでいることだと思うのです。その中で、いま伺っていましても、特に安全問題、教育訓練問題についてまだ完全に両者の意見が合意に達してないという点も見受けられると思うのです。そういう点はあくまでも双方誠意を尽べして、これからがんばっていただきたいと思うのです。この前の、いま問題になっておる原子力船「むつ」の場合でも、船長以下機関長、女子の司厨員に至るまで、ああいう難局の中で国家の財産である原子力船を成功させなければいけない、非常に苦しい環境の中で使命感に燃えて任務を遂行したということにいまでも非常に感激をしているわけです。新しい仕事をする、大変いろいろな条件、ハンディキャップがあるわけですけれども、それを克服をして、労使ともに日本の原子力のために使命感に燃えてひとつがんばっていたただきたいというふうに思います。そういうことを希望いたしまして質問を終わらしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○八木委員長 米内山義一郎君。
○米内山委員 この原子力問題を議論するときには立場の問題がありまして、たとえば原子力船のあの「むつ」の騒動の場合に、いま質問なさった竹中先生はまるで東郷大将みたいにあの船の上に乗っていらっしゃった。私はいかり綱の下に漁民と一緒にいたのです。そういうふうなことで、この問題を単に労使の問題とか科学技術の問題だけでは議論が不十分だと思う。 きのう原子力局長の報告を聞きますと、安全検査の上で安全と確信を持ったから許可した、こう言うのです。起きた事故というものは不注意のようなものだ、たとえば手袋をかけてさえおれば問題がなかったという答えもありました。試料の採集びんのふたを改善すればいい、こういうふうな御見解のようなんですよ。ところが、この安全性の問題というものについてわれわれはもう非常な勉強もさせられたし、しました。「むつ」へ定係港を決めるときに反対運動が起きましたが、そのとき原子力事業団の理事で、原子力科学者としてはどんな立場にあるか知れないが、かなり著名な科学者と称する者が地方新聞に論文をわざわざ書きまして、これに反対するのは火を恐れた原始人みたいなものだ、というのから始まる。それから出航に対して漁民が阻止したときに、当時の科学技術庁長官は、森山さんですが、これに反対する者は科学に対する挑戦者だ、こう言うのです。当時青森県知事は、反対する者は一部少数、しかも、革新に扇動されている漁民の一部にすぎない、こういうことで強行出港した。ところが、ああいうトラブルが起きた。そういう放射線漏れがあってからもなおかつどういうことを言ったかというと、安全だと言うんです。これは県知事の有名な、歴史に残る言葉だと思うが、警報装置が正確に作動した、だから、人体には影響しなくても済むようだ、こういう安全性なんです。そうすると、おかしい話になるが、半鐘がぶら下がっているから火事の心配がないというような安全性なんですよ。他の科学技術と違いまして、放射能、放射線、原子力に関与する当事者はもちろんです。一般社会も非常に神経質でもあるし、過敏なんです。私の友人の娘さんが東海村の原子力関係の技術者の奥さん、まあお嫁に行っていますが、夏帰ってきたとき聞いたら、こういうことを言う。主人の体も心配だけれども、生まれる子供のことも心配だ、こう言うんですよ。炭鉱で働く奥さんも御主人の帰るまでは心配しているが、生まれない先の子供の心配まではしていないんだ。これは原子力産業に従事する、動く人の特殊な環境だと思うのです。 しかも、事業団があって政府が金をつけただけでは原子力開発というものは一歩も進みません。現場のこういう専門家なり働く人があって進んでいくんですよ。その中のコンセンサスが得れないということは、むしろ外国から発明特許を買ってきて開発を早めようということよりも、そっちの方に根本的な問題がある、私はそう思うのです。 「むつ」の場合は、竹中さんとぼくの見解は違うが、国のために一生懸命やったというお話だが、あそこには労働組合がなかったんですよ。なかった理由はいろいろあるが、間もなく自分の社へ帰る出向者がいるんです。だから、そういう意味で労働組合もつくりづらかった。そして、内部告発という言葉はおかしいけれども、理事者側はできるだけ自分の仕事をりっぱに世間に見せようという、新聞にもいい話だけ書かせよう、国からは金を取ろう、こういう考えがあるんです。これは現場の働く人と全く違う立場なんです。だから、もしあそこに専門家も含む立場の違う人がいれば、われわれももっと先にそういう情報を、あの炉が欠陥の多いものだということを聞く機会もあったかもしれないが、そういうことがなかったのはそこに問題点がある。そうして安全だ、安全だと言った結果がだれの利益になったかと言うんです。膨大な時間のロスです。膨大な金のロスです。そうしてその後に大山委員会というのができまして、一応これに対しての締めくくりをつけた。その点はあるいは災いから福が生まれたかもしれませんが、大体こういう仕事をしながら、トラブルが起きてから初歩的なミスであるとか試行錯誤であるとか言うことは、競輪に当たらないで頭をかいているような醜態じゃないかと、私はそう思う。その点理事長はいま、いままでと多少違っている、絶対ということは言えないと、そのとおりなんです。そういうことは何かというと、お互い科学というものに謙虚でなければ、徹底的に謙虚でなければこういうことは後を絶たないという教訓だろうと私は思う。 実は私は科学技術についてはまるきりの素人です。そういう観点からお尋ねしますが、まず組合の側から、現地の委員長さんからお聞きしたい。今度の事故の経過、そしてあらましをまずお尋ねしたいと思います。どうぞひとつ気楽にお答えください。
○鈴木参考人 まず初めに、先ほども中央の委員長から申し述べましたけれども、私たちは仕事の進め方なりテストのやり方というのは、予想できることには対処する、直す必要があるのじゃないかということであればやはり直してからウラン試験なりに入っていくべきだという立場をとりました。そういう点でこの事故、特に九月二十日の指汚染被曝事故についての経過を言うならば、まさにウラン試験前に現場の組合員からこういうところは直してくださいと言ってきた修理個所の一つに指摘されているわけです。これは一人の人が指摘したのではなくて何人かの人が指摘している。そういうことが一つの原因になっているということをまず重視しなければならないだろうと思います。 それからもう一つは、全く予想しないようなトリウムなどが濃縮された溶液が分析課に送られてきたという、この二つが非常に重要だろうと思います。 このウランテストに入るに当たっては、事業団は、先ほどもありましたけれども、ウランだから健康に害を及ぼすようなことは全くないということで従業員に対しても教育をしてきていましたし、特に、この被曝事故の際にも、このように落ちないということは現場の人たちは全く予想していないわけですね。ですから、このウラン試験に入るときの危険評価というのでしょうか、こういうところを注意しましょうという中にも、ウランの色で危険を評価するということで、ウランの硝酸溶液の薄いものは無色に近いわけですけれども、だんだん濃くなってくるに従って黄色い色が強くなる、この黄色い色によって危険評価をしましょうと教育されているということです。それから、むしろ、このウランテストではウランという核物質による被曝とか汚染というよりも硝酸などによるやけどの方が心配だという教育もしているわけです。 こういう背景の中で九月二十日の被曝事故が起こっているわけですけれども、特に、この被曝を受けた現場の人は、まず送られてきた試料びんに溶液がついていたと言うのです。これは前も言いましたけれども、施設的な手直しの要求の中に、現場から分析課に試料を送ってくる気送管というのがございまして、その中に試料びんを入れて現場からすとんと分析課に送ってくるわけですが、その試料びんが途中でとまったり、液がこぼれたりして飛んでくることがあるから、ウランテスト前に直してくださいという指摘を組合はしたわけです。ところが、この事故の場合には、その試料びんの周りにすでにウランの溶液がついていたということです。ですから、これはウランテスト前に指摘したように、こういうものを改善しておれば起こらなくても済んだのじゃないかということは言えるだろうと思います。 それから、手についたときに本人は硝酸によるやけどをまず心配したのですぐ手を洗ったそうです。ウランによる被曝というのは全く考えていませんから、次の仕事をし、また手を洗い、さらに次の仕事をし、また手を洗うというようなことをやって、一時休憩するためにハンド・フット・モニターに手を入れたらだあっと振り切れたというのですね。それ以後、合計で一時間近い時間を洗っているわけです。最初は水だけ、固形石けんで洗い、中性洗剤で洗い、さらに放管課長が来てからはチタンペーストという除染剤を使って洗っているわけです。それにもかかわらずバックグラウンドまで落ちない。そういう状況にあったということです。これはウラン試験中に分析課に送られてくる試料の中に、トリウムなどの濃縮されたものが送られてくるということは、最初に分析課の現場の人たちは全く予想していませんでしたから、なぜこんなに落ちないのだろうという疑問を非常に持ったということを私たちは聞いております。 その後私たちは、この事故があってすぐ事業団に申し入れをして、疑問点については教えてほしい、あるいはこういう点については分析をしてほしい、そういう問題をぶつけてきました。その中で特に問題だったのは、先ほども言いましたけれども、事故が起こってからですら事業団は、濃縮などというのは少しはあるかもしれないけれどもまずないだろう、というような言い方をしていました。それから、これは特に残念なことなんですけれども、私たちに事故が起こってからすぐの説明では、本人のミスではないということを現場の担当の課長なり部長が言ったわけですけれども、新聞記事になったときにはあたかも本人のミスであったという形でのニュースが流れる。そういうようなところも私たちとしては非常に残念だし、事業団の事故に対する姿勢を浮き彫りにしているのじゃないかというようなとらえ方もしています。
○米内山委員 先ほど理事長もモルモットという言葉はきらいだと言うが、レントゲン室にいる看護婦さんがいかにレントゲン線、放射線を浴びても、体じゆう石けんかけて二時間洗ったということはわれわれは聞かない。その点でいまのウランというか、硝酸とまじったそういうものの方がかなり程度が悪いものじゃないか。やけどになるとか肉が腐るとかいうところまでいかないだろうが、かなり危険なものを含んでいるもので、試験したのがウランテストだといま初めてわかった。組合の方ではそのテストに使うウランは安全だと考えておったのですか。それとも危ないところがあるかもしれないと考えておったのか。このことについて事業団側に何か申し入れをしたことはありませんか。それに対して事業団はどう答えたか。
○鈴木参考人 九月二十日の事故が起こる以前に、私たちは現場からの声としていまウランテストに使っているウランにFPなどが入っているのではないか。これは裏返せば、いわゆる天然ウランとか天然ウランを濃縮した製品でない方のウランを使っているのではないか。ということは、一度原子炉で燃やした燃料を再処理なり濃縮したときの残りのウランなんじゃないかという疑問が出てきたわけです。急遽、私たちは支部での事務折衝を持ちまして、現在のウランの受け入れ分析はやっているのかとか、あるいは履歴について問いただしたわけです。その中では事業団は、いまの核燃料の世界情勢から言っても一度原子炉を通ったようなウランが濃縮に入ることはまず考えられないということ、それからそういうものは絶対使ってないということを声を大にして言ったわけです。ところが、この九月二十日の事故以後、私たちが被曝したその溶液のウランの同位体の分析をしてくださいとか、あるいは簡単な言葉で言えば、全放射能はどの程度ありますかとかいろいろなことをやってくる過程で、ウランの236というのが出てまいりました。これは一般には天然には検出されるほど入っていないと言われるものなわけです。ところが、これについても事業団は、これ自身は安全上そう問題でないから、このまま試験は続けます、あるいはアメリカにまで照合したけれども、担当者がいなくて、もうかわってしまって履歴がわからない、だからこれ以上追求することはしない、ということを言ってきているわけです。私たちはウランの郷そのものは安全上非常に問題であるとかということももちろん問題になるわけですけれども、安全上という点でいろいろな問題はありますけれども、やはり日本で初めてやる再処理工場の約十トン近いウランを使う場合に慎重の上にも慎重を期すという点で、やはり受け入れ分析をすべきであったということは、以前から私たちは主張をしてきています。ですから、そういう点ではやはりFPの問題だとかプルトニウムが入っているのかどうかという問題もあります。プルトニウムについては、以前やった分析法では定量下限以下ということではあるけれども、再度分析をするということを申してきています。
○米内山委員 事業団の方からお尋ねしますが、そうしますと、いま使ったウランというのは実験する目的で手に入れたものでしょうが、どういう条件で、安全性は確実だかどうかということを確かめて買ったのか。どこから買ったんです。要すれば、天然ウランでないものが出てくるなんというのは、どこかの燃えかすか何かのようなものじゃなかろうかと思うが、それはどういうふうな目的で、どこから買ったものですか。
○清成参考人 ウランテストには、先ほどもちょっと話に出ましたように、照射済みの燃料でないということ、結局はわれわれが考えておりますのは、核分裂生成物並びにプルトニウムが入っていては困る、こういうことがわれわれの条件でございます。したがいまして、そういうことを満足するために注文の仕様には、劣化ウランということを指定いたしました。それからして、なおこれの濃縮度を添えろ、それからして不純物の値を添えろという仕様をつけて発注したわけでございます。発注しましたのは大体はサンゴバン社でございまして、そのサンゴバン社はアメリカから材料を買ったわけでございます。それからなお、天然ウランのものつきましては、私の方の人形峠で生産したものをメーカーに支給しましてこれは扱わしたということでございますので、一応われわれのところでは、そういうウランテストに必要なフィッションプロダクトとプルトニウムがないこと、それから、そのウランの濃縮度を大体知っておることという乙とで大体よろしいと考えておるのでございますが、大体いまの再処理というものは、これは精製の工程でございます。したがいまして、非常に精密な受け入れの分析というものはわれわれやる必要はない。それからウランの濃縮度も〇・二であれ、〇・二五であれ、〇・三であれ、そういうことは大した問題じゃないのでございます。したがいまして、受入れのウランの受け入れ分析というものを本式にやる必要はないというふうにわれわれは確信しておりますが、ただ、しかし、こういうことのために、われわれ最初のウランテストでもありますので、非常に念には念を入れまして、フィッションプロダクトとプルトニウムだけはどうしてももう一遍われわれの手でチェックしようということで、ガンマ線のスペクトルでもって受け入れの際にチェックをいたしました。それでフィッションプロダクトとプルトニウムがないということを確信して使っておるわけでございます。 したがいまして、われわれのところで使いますところのウランテストのウランは、先ほど申しましたように、フィッションプロダクトを含まないものなんであって、いま先ほどちょっと東海の方の方からお話がありましたように、ウラン236というものが微量の検出があった、後になって分析しますというと、そういうものが検出されたということでございますけれども、これはフィッションプロダクトやプルトニウムと違いまして、安全管理の問題から言えば、これは問題にならぬものでございますので、われわれがそれ以上にウラン郷というものについてあげつらう必要もない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○米内山委員 残念ながら、そういうことになると、いまここで折り返して聞くだけの知識がありませんので、この点については問題点があると思うのですよ。安全性には問題がないとおっしゃるけれども、これは事前に、受け入れるときに組合の方で心配して、これを分析するようにという要請があったことも事実でしょう。なかったのですか。
○中島参考人 そういうことはございません。これを受け入れたのはもう数年前でございまして、そういう要求が出てきたのはこの九月二十日であったか、あるいは十七日であったか、いずれにしろウラン試験を始めてからでございます。
○米内山委員 組合の方からお尋ねしますが、そうしますと、組合で事業団側に分析を要求したのはトラブルが起きた後なんですか。簡単にひとつ。
○鈴木参考人 先ほども申しましたけれども、事故は九月二十日に起こっておりますが、私たちが受け入れ分析をやってほしいと要求したのは九月の十六日です。事故が起こる以前です。
○米内山委員 はい、わかりました。その後に事業団が分析したその結果を公表したのですか。これは事業団側から聞きます。
○中島参考人 公表というと何か広くということになりますが、少なくとも組合には説明してございます。それからなお、いま九月の十六日にあったと言うのですが、それはこれと直接関連のないことで要求があったということでございます。
○米内山委員 その分析結果を組合側で受けまして、そういう物質は今後も使っても皆さんの健康の問題や何かのために適当なものとお考えなんですか。
○鈴木参考人 私たちが申し上げたいのは、このウラン236自身については、ほかのウランの236なり郷と同じような注意をしていく必要はあると思っておりますし、そのくらいの——そのくらいといいますか、そういう注意をすればいいだろうと思います。しかし、現在も、事業団もこう申しておりますけれども、プルトニウムについては、先ほどの話ですと、ガンマスペクトルをやって、ないことを確認したと言っていますけれども、このウラン試験に使う三種類の燃料がございます。天然ウラン、劣化ウランが〇・三五と〇・二〇、この三種類のウランの、天然ウランを除く〇・二〇、〇・三五、これのガンマスペクトル、こういう。六ターンを比べて相違がないから、プルトニウムあるいはFPがないということを言っているわけです。ですから、正確に言えば、天然ウランのこういうピークと比べて全く同じだからFPなりプルがありませんと言うのでしたら私たちもわかりますけれども、そうではなかったということは、先日の放管課長同席の事務折衝でも明らかになっております。 それから、プルトニウムについては、ないとは言わないということを東海では言っております。それは定量下限以下ですという言い方をしています。ですから私たちは、この微量のプルトニウムの分析というのは非常にむずかしいですから、ウランを分離した形でぜひプルトニウムの分析をやってほしいということを言いまして、事業団もやるということを言って現在分析中ということを伺っています。ですから、そういう点からいけば、このまま続けても安全だということにはならないと私たちは思います。 それからやはり、日本で初めてやるんだということをもう一度受けとめて、こういうものを受け入れ分析しておくのが、本当に慎重にやっていく、あるいは安全に再処理を一日も早く動かしていくということへの近道だろう、と私たちは判断しています。
○米内山委員 こういうふうに、ささいなことではないのですよ。これは大ごとなんですよ、この安全性の問題とか。今後、民主的に公開的に原子力開発を進める上には、非常に基本的な問題だ。自分たちと一緒に開発の任務を背負っている労働組合との合意ができがたいような事態であるということは、すでに社会とのコンセンサスさえ困難だというこれは一つの象徴なんですよ。 そういう点で、何ゆえにこれが困難だ。まあ、たとえば「むつ」に対する大山委員会の報告を読みますと、いろいろと技術的な問題点の指摘もありますが、特に考え方の問題と運営、運用の問題に大きな問題点がある。むしろ行政側にも問題があるということが指摘されている。特にその中で、外国の発明を買ってきた、自分たちには研究の時間もかけない、銭もかけない、ただ、でき上がったものをインスタントラーメンを買うようなかっこうで急いでいるのが日本の原子力開発の現状だ。そういう表現はなさっていませんが、考え方としてはそういうことなんです。しかも、こういうナショナルプロジェクトというような名目をつけましても、企業のエゴというものが露骨に動いているのが現況なんです。みんな背中に自分の会社をしょっている連中が出向という形でいます。それがあの原子力船失敗の大きな根源になっていることは明らかでもあるし、指摘されている問題点でもあります。こういう事態はおたくにもあるわけだ。 そこで、今後この組合と合意を得るためには、企業側というよりも組合がどういうふうに前向きにぶつけていくか、要求していくか。これはまあ言葉のあやの問題ですが、その考え方を、中央執行委員長の円道さんからひとつ見解の御披瀝を願いたいと思うのです。
○円道参考人 いまの御質問でありますけれども、私たちは特に今回のこのウランテストを開始するに当たって、この進め方の問題点として、すでに職場にあるいろいろの技術的な問題等も具体的な要求等をしまして、指摘してまいりました。その中で、今回の事故そのものもすでに私たちが指摘していたことであります。そういう中でこういう事故等も起こっていることを考えますと、しかも、日本で最初の再処理技術をやっていくという立場に立てば、少なくともこの試験をやるに当たって、あらかじめ予測されるそういう問題をすべてつぶして、しかも科学的な見通しを持って進めていくということが非常に大切ではないかと思います。しかし事業団当局は、この労働組合のいろいろな指摘に前向きの姿勢で受けとめるどころか、それはやはり見解の相違なる発言をいたしまして進んでいることは、私は非常に問題だと思います。 一つの例としましては、これは八月二十五日あるいは二十六日の理事長あるいは副理事長の異例の文書が従業員に渡されたわけですけれども、管理的にも技術的にも十分できている、放射能が出て健康に害するようなことはない、こういう発言をしながら、労働組合の具体的な指摘に対して改善して進めていこう、こういう姿勢を全く示しておりませんでした。私はこの問題で、やはり日本で最初の再処理工場を動かすのであれば、現場の技術者の英知を集める、このことは当然必要ではないかと思います。そういう中で、われわれがいろいろな角度で指摘していることを率直に受けとめて、対処しながら慎重に進めるべきではないかと思います。 その中で私はやはり二、三点つけ加えて指摘しなければいけないと思います。その中で、パイロットプラントだからといって、ふぐあいなところを残して進むということは私は間違いだと思います。これを改善して、まずわれわれ現場に働く技術者、あるいは動燃事業団という言葉を使ってもよろしいかと思います、その英知のもとで一つ一つ安全に進めていくことが必要だと思います。 その中で、先ほど鈴木東海支部委員長も言っておりましたけれども、トリウムの濃縮の問題等につきましても、これはすでに組合の調査でもわかったわけですけれども、この濃縮される過程については、再処理以外の開発部門ではすでに技術的に明らかになっていた。しかし、このようなすぐれた研究実績も、技術者や研究者の成果が再処理に生かされていない。同じように労働組合の指摘も生かされてきていない。このことを私は考えますと、「むつ」の大山委員会でも指摘されておりましたわけですけれども、やはり科学の進歩にはいろいろ試行錯誤をしながら進めていく、このことは私たちもそのとおりに思います。しかし、あらかじめわかっているものをそのままにして進むことには、私たちは、科学の方法論としても許されることではない、こう考えております。
○米内山委員 そうしますと、今後、いまはウランテストが中断されておるのか、続行されておるかどうかわかりませんが、次にホット試験というものがあるんだそうですか、ホット試験というのはどういう形でなされるものか。その点について、現場であるいは組合で、この点は心配だというような点、神様じゃないから、百ある心配を百指摘するわけにはいきますまいが、気のついている主なる問題点をひとつお知らせ願いたいと思います。これは組合の方からお願いします。
○円道参考人 まず最初に、ホット試験の前に、私たち次のことを主張しているわけですけれども、最初に触れておきたいと思います。 このウランテストを現在やっているわけですが、これをやはり中止しまして、まず最初に事故の原因を徹底的に調査し、究明していく。こういうことがホットテストの前にはぜひ必要だと思います。必要です。その次に職場の安全点検及び試験のいろいろな角度の見直しが必要ではないか、このように考えています。この中で、プラントの安全あるいはウラン試験の見通し、あるいは実施等について、詳しくその結果について労働組合に提示すべきである、このように考えています。 また、安全管理体制の問題でございますけれども、実際このような事故が起きているわけです。実際に夜中交代勤務にいろいろついているわけですけれども、安全管理部門の人たちが実際に直に入っていない。ですから、いろいろ事故が起きたときでも、要するに放射線管理の専門家がすぐそこに集まってくる、こういう状況にはなっていない。こういう点も早急に改める必要がある。私たちはこう考えています。そういうことを含めながら、ホットに向けては現場の技術者が本当に自信を持っていけるような教育、もう一つは訓練を詰めていかなければいけない、私たちはこう考えています。 そのために現在はいまわかっている問題点を早急に処置して、その次に進めるべきではないか、このように私たちは考えています。そしてホットに入るにあたりまして、私たちは従業員といたしましても、そこに働く人たちの被曝、これをぜひ避けなければいけない、こう考えています。その中で従業員の被曝については、特に発電所等では定期検査あるいは修理のために非常に被曝しております。私たちは、こういうときにこそ技術の成果のもとで被曝を低くして放射線障害からの危険を防止していくということを早急にいまから準備しなければいけない、こう考えています。 また再処理の持っている特徴といたしまして、原子力発電所からほとんど使用済み燃料が集まってくるわけですけれども、その中でやはり発電所で言いますと、百万キロワットクラスのものが約百基分に相当するような環境へのクリプトンあるいはヨード等が放出されると私たちは受けとめています。この問題も早急に解消する技術を確立してそれを実施していくべきである、私たちはこのように考えています。また海洋放出につきましても、放射能をもっともっと下げるようにその技術開発とその実施のためにもっと時間をかけてやるべきである、このように考えています。 また再処理プラントはフランスから導入しているわけですけれども、実際にフランスのサンゴバンでは、そこに働く労働者は五班三交というような労働条件で働いております。また日本の電力会社においてもほとんど、五班三交代と言ってはおりませんけれども、そのような労働条件下で働いております。私たちは少しでも、現場にいる人たちが勉強をしながら、将来の第二プラントを動燃の現場の技術者がみずからやっていけるようなそういう労働条件をいまから確立していかなければ、将来の原子力の課題にこたえることができないのではないか、こう考えています。
○米内山委員 いま労働組合の委員長からきわめて前向きで積極的な御提案を含めて発言があったわけです。 最後にぼくは理事長に求めたいことは、汚染とかそういうトラブルの問題は、単に事業団の工場内だけの問題じゃないと思うのです。特に、再処理工場の場合はいろいろな環境に影響を及ぼすものが大量に出ることは明らかだし、さらに現在進められている日本の原子力開発の現状から見ましても、いまの規模のものが何カ所にも何十倍ものものが必要とされる現況にあるわけです。そうすると、この開発から出るいろいろな物質の問題は、地球規模でわれわれは真剣にまじめに研究し、検討してやらなければならない問題なんです。ところが、いまの日本の原子力開発の現況というものは、そういうことは後回しなんです。大ビルディングを建てて、あるいは大都市を建設をしながら、トイレもなければ屎尿処理場もないというような状況なんですよ。だから、そういう企業の要求に基づいて急がざるを得ない矛盾があるわけです。そういうことのために、働く人だけじゃなく国民全体が不安に包まれているのがいまの原子力に対するコンセンサスの困難さだと私は思う。ですから、今度のトラブルというのは、あなた方事業団から見れば災難であるかもしれないが、これはある意味においては警報が鳴った、いわゆる安全装置の一つだと思うのですよ。この安全装置というものを無視して、軽く見て、この問題は手袋をはめてさえおれば問題がないとか容器の部分を改造すれば解決できるというようなものじゃないと思う。 私はそういう意味で、まず最初に、いまの現場で働いて原子力そのものを担っている人たちの意見というものには聞きがたいものは一つもないと思う。それを労使の問題と考えるところに過ちがあるので、これを人類の文明のために努力するんだと考えれば、お互いに謙虚にやっていけば、あるいは問題の解決に近づくことさえも可能かもしれない。これをいままでのような「むつ」のような態度、一貫した原子力開発態度でいくならば、これはとんでもないことになることを心配せざるを得ないのです。だから私は、そういう考え方に対して、技術の問題よりも思想の問題について、理事長の御見解を最後にお尋ねしておきたいと思います。
○清成参考人 先ほどから先生と組合側とのやりとりをここでいろいろ拝聴をしておりましたが、これに対しては、何も組合ときょう対決するつもりも何もありませんので、これについての発言は差し控えまして、いま先生からお話がありましたようなことを中心にいたしまして、考えを申し述べたいと思います。 まず第一に、私最初に申したいことは、事業団は大企業と同じだというのに近いようなニュアンスのことを承りますけれども、われわれはこれはもちろん産業界から出向しておるものでございますけれども、私たちは大企業のそういう体質その他のものを事業団の方へ持ち込んでいるつもりは毛頭ございません。これは私はっきり申し上げておきたい。どこへ出しても恥ずかしくないだけのそういう点は心得ておるつもりでございます。 それから、再処理みたいなものは工場内だけのものの汚染じゃないのだ、環境に非常に大きな影響があるのだ、しかも、その環境と言っても、地球規模で検討しなければならない、いまのようなフィロソフィーでやっているのじゃ非常におかしいのだというお話がございました。実は、先ほどから私が冒頭に申しましたように、すべてのことを科学的に、具体的に、良識的に工業技術的なファクトファインディングをやれば、決して違った結論が出るものではないということを重ねて申し上げたいというふうに思うのでございますが、そういうふうなために原子力の方では規制法というものがあるわけでございます。われわれは、事業団がどうこうと申しますよりは、国の原子力に対する原子炉等規制法、この法律でいまおっしゃられたようなフィロソフィーは国で十分に考えられておるというふうに確信をしておりますので、われわれが規制法にさえ沿って本当にやっていけば、先生のおっしゃるようなことはもう全然問題なく解決するのだというふうに、私は国を信頼しておることでございます。それで、私事業団におりますからして国の政策が云々ということは触れませんけれども、そういうふうに考えておることだけを一つ申し上げておきます。 もう一つ最後に、さっきのようないろいろなことを考えまして、ここでちょっと触れておきたいと思いますことは、いろいろなファクトファインディング、客観的に、科学的に、具体的に、良識的に、工業技術的にわれわれが考えていってこうだということになりますと、そうしますと、それを執行する責任は事業団が負っております。したがいまして、私は見解が違っても事業団の見解でもってこれは実行してまいりたい。それによって何か生じましたときにはわれわれが責任を負うつもりでございます。それで、これはやっぱり事業をやるという責任をわれわれは負わせられているのであって、私は、たとえば組合だけじゃございません、いろんなところから、あるいは官庁からもいろんなことをしかられますし、言われますし、そのほかわれわれがいろいろ組織しておりますような学識経験者を集めたような委員会あるいは懇談会というようなものでいろんなことを言われますが、そういうものを全部われわれとしては虚心に受け入れておるつもりでございまして、受け入れまして、そして先ほど申しました科学的な、具体的な、良識的な議論によってファクトファインディングをやりまして、それに従ってやっていくということでございまして、決して私は独断的にやっておるというつもりはないのでございまして、この点だけははっきりしておきたい、こういうふうに思うのでございます。
○米内山委員 官僚の天下りであっても、企業からの出向者であっても、それは差し支えないものなのである。私も、いまは社会党の代議士だが、青森県の農村、漁村から出向してきておる。しかし、里というものは争えないものなのである。要すれば企業には企業の体質というものがある。これをすっかり清算して、企業の特質というものを清算して、国民のための開発ならば何もそこにかきねをつくる必要はないのです。みんなと一緒に開発しようということになりさえすれば、里がどこであろうとも一向われわれは言葉にも使わない。しかし、「むつ」で見るとおり、出向者というのはいろんな意味で、ああいう最初のものをつくるときでも自分の本社の企業秘密というものを持ち込みながらやっていることが現実にあの炉の欠陥にあらわれたのだから、私はその点をひとつ科学技術以前の問題として要求しておきたいと思うのです。そこが一つの壁なんですよ。日本の産業界が原子力に要求しているというものは、環境上からも非常に無理なんですよ。こういうことの一環の仕事としてあるから、出向者の態度というものをわれわれは警戒しなければならぬし、指摘しなければならぬと考えているわけです。この点だけ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○清成参考人 先生御質問を終わるとおっしゃいますけれども、どうも切り捨て御免は困りますのでちょっと一言だけ申しますが、本当に私は企業的体質を事業団に持ち込んでいるつもりはございません。「むつ」の方の問題は私の所管範囲外でございますから私はどんなことが起こっておったかは存じませんけれども、わが事業団に関する限りは企業的体質というものはございませんで、私はこの規制法の下に従ってやる、広くみんなと一緒にやっていくということをやっておるつもりでございますので、どうかひとつ御了解を願いたいと思います。
○八木委員長 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○八木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 再処理工場で九月二十日に起こりました畠中君の被曝事故について、けさほども一応の説明がありましたが、私どもは、被曝した本人及び周囲の関係者の驚きといいますか、ショックというものはその時点では大変なものであったというふうに聞いているわけであります。やや前の話ではありますけれども、そういう点で組合の方にひとつその当時の雰囲気のリアルなところをお話しいただきたいと思います。
○鈴木参考人 九月二十日の汚染事故が起こった際に、現場の人たちがどういう状態であったのかということは、私どもも組合として調査をいたしました。 それで、実際に溶液を手につけたというのは二時十分ごろだったわけで、実際に汚染が発見されたというのは二時四十分ですけれども、これから約三時間近い時間、畠中さんと同じグループの人たち八人はびっくりしちゃって、もうみんな真っ青であった。特に本人は、手が蒼白になっていくのが自分で見てもわかったということを言っています。これはウランだから大丈夫だというふうに思っていたのが、何で汚れたのかよくわからないということがまず第一点にはあっただろうと思います。それから、聞くところによりますと、本人のお母さんが被爆者であるというようなことも本人は当時頭の中をよぎっているというような状態もありまして、同じグループの人たちは、本当に何で汚染したんだろう、何で落ちないんだろうということでもうみんな真っ青でその事故除染に当たっていた、という状況を私たちは聞いています。 そういう点で、先ほどからも微弱な事故だとか、あるいは許容量からいったら大したことはないんだという議論もありますけれども、実際に現場の人たちは非常に驚いたというのが実感だというふうに聞いています。
○瀬崎委員 今後の参考人の方々の御答弁でひとつお願いがあるのですが、どうしても技術的な問題ですから専門的な言葉等が出るのはやむを得ないと思うのですけれども、聞かさせていただいているわれわれの方は素人でありますから、可能な限り一般にわかりよい言葉と説明をぜひお願いしたいこと、それから一回ごとのお答えはひとつできるだけ短かく核心を突いてお願いしたいことを要望しておきたいと思います。 そうしますと、ただいまの鈴木参考人のお話によれば、要は、本人を含めてその周囲にいた人々が全く予期しなかったことが起こった、しかも起こってみたことについてはきわめて恐しいことなんだという印象を受けた、こういう理解でいいわけなんですね。重ねてお聞きしておきたいと思います。
○鈴木参考人 予想できないことが起こったということは、どういう原因で落ちないのかということがわからないということですから、非常に安全サイドに物を考えれば、やはりそういうことになるだろう、そう思います。
○瀬崎委員 私どもも、科学技術庁及び動燃の理事者の方々からは一定の情報は得ているのでありますけれども、一応きょうおいでいただいております組合の方が、今度のウランテストに入って以後において知り得ていらっしゃる一連の事故、トラブル等について、日時とそれからその事故の項目を簡単に述べていただきたいと思います。どちらの方でも結構です。
○鈴木参考人 九月四日にウラン試験を開始してから、九月十九日を初めとして十一月六日まで私どもが知り得ている汚染なり、身体汚染事故を含めますと十一件ございます。特に先ほどから問題になっています九月二十日のは非常にクローズアップされていますけれども、九月十九日に、ウラン溶液がポンプの軸受けから漏れるというようなことがありました。それから九月二十日には、先ほどからも出ています身体汚染事故、それからくつ底汚染事故が起こっています。それから九月二十五日には同じくくつ底汚染が起こっているわけです。十月十一日、それから十月二十一日には洗たく廃液が漏れるという事故、全く同じような事故が起こっています。それから十月十四日、これはアルファ汚染があります。それから十月三十日にもアルファ汚染があります。これの際には非常に問題なところがありまして、手に傷があったというような問題もあり、これは非常に重要な問題だろうと思っております。それから十一月六日には、これは分析課なんですけれども、溶媒抽出といいまして、ウランを除く操作をしたとき、水槽の方に、先ほども出てきていますトリウムとかプロトアクチニウムというものが残るわけですけれども、これで汚染を起こしているということがあります。それから十一月七日には有機装置のTBP分析中にビーカーが倒れてひざについた。これについてはわれわれも立ち会いで承知しているというようなことがあります。それからつい最近わかったのですけれども、十一月六日にプルトニウム蒸発かんからのウラン溶液が漏れる、こういう事故も最近では起こっているということです。
○瀬崎委員 いま言われた中で聞いていてちょっとわかりにくいのに、アルファ汚染という事故がありますね。これは一般的な説明を加えていただけばどういうことになるのですか。
○円道参考人 アルファ汚染と申しますのは、実際そこで使っております放射性物質が、ウランを使っているわけですけれども、そこから崩壊して出てくるものがアルファ線が主であります。ほとんどアルファ線でありますけれども、そういう放射能の種類を指しております。特にアルファ線というのは非常に重さが重くて、要するに空気中に飛んでもわずか数センチしか飛ばない、そういう物質であります。
○瀬崎委員 きのうも生田原子力局長が、九月二十日の事故についてはきわめてささいであるということを強調された。私は、しかし、ささいではあっても同じようなことが何回も繰り返されるということになるならば、その背景には重大な問題を含んでいると見ざるを得ないのではないかというふうに言ったわけでありますが、まさにそのケースにいまウランテストは該当しつつあるように私は思いました。 そこで、私もきのう、それ以前に聞いておりましたプルトニウム蒸発かんの液漏れ事故について、その原因は一体何であったかということを科学技術庁にただしたら、生田局長は、フランジのネジの締めつけが緩かったからだ、こういうふうな説明があったわけです。このプルトニウム蒸発かんというのは、このかんの中の圧力というのですか、これは一般の大気の圧力と比べてどういう状態で通常は使用されるのですか。これはひとつ理事者というよりも、どなたか技術的関係の方に説明をいただきたいと思います。
○中島参考人 大気圧もしくはそれよりもやや低い圧力です。
○瀬崎委員 私の聞いておるのでは、一定以上の圧力に上がりますと、自動的に運転停止になるような自動制御装置があるんだというふうに聞いているのですが、そうなんですか。また、もしこういう制御装置があるとすれば、それはなぜ働かなかったのかという不思議が残るのですが、どうなんでしょうか。
○中島参考人 おっしゃるような制御装置はついております。実は、それはフランジの漏れとは直接関係はございませんで、フランジというのは配管を締めつけているところですね。したがって、そこにはパッキングというのが入っております。そうしますと、これは保守の問題にもなるのですが、一定期間たてばある程度緩んでくるということも起こるわけです。したがいまして、このエバポレーターには下にドリップトレーというのがありまして、そういうのがあったときには受けることができるようになっております。この日に漏れたというのもそのドリップトレーに漏れたのでございまして、これは当然落ちるところに落ちた。外に漏れたのではございません。
○瀬崎委員 私がいま聞いているのは、きのうの生田局長の説明に対する当局側の再説明を聞いたのではなくて、このプルトニウム蒸発かん内の圧力のことを聞いているわけなんです。その漏れたときのかんの中の圧力は、先ほどあなたの御説明では大気圧かあるいは若干低目にしてあるとおっしゃったのですが、実際にはどのくらいの気圧が記録されておるのですか。
○中島参考人 後で調べてお伝えいたします。
○瀬崎委員 先ほど言いましたいわゆる自動制御が働く気圧は幾らですか。これはわかるでしょう。
○中島参考人 これも後で調べてお伝えいたします。
○瀬崎委員 私が聞いたところでは、この自動制御装置の働く圧力というのは〇・二キログラム・パー・スケアセンチメートル。一平方センチメートル当たり〇・二キログラムと聞いておるのです。ところが、この液漏れが起こったときには最高値一・八キログラムにまでなっている。そこで、先ほど私が言いましたように、なぜ制御装置がついているのにそれが働かなかったのだろうかとお聞きしているのです。こういうことについては全然担当所長としては御存じはないわけですか。
○中島参考人 私、先ほどの質問をちょっと取り違えまして、液漏れの話と何か関係があるのかないのかはっきりしなかったので、ドリップトレーの話を申し上げたのでございますが、その原因につきましては現在調査中でございます。
○瀬崎委員 液漏れを起こした量は一体どのぐらいなんですか。
○中島参考人 およそ二百リットルで、ウラン量で約十キログラムです。
○瀬崎委員 ところが、その受けざらですね、漏れたのを受けることになっているとかいう、ドリップトレーとか専門語で言うそうですか、これにもまた検出装置がついておって、漏れてくればこれがちゃんとわかるようになっておるのだと聞いておるのですが、この装置は一体働いたのですか、働かなかったのですか。
○中島参考人 停止しておりました。
○瀬崎委員 私は、かん内の圧力の異常上昇と、それからいまのフランジが緩んでおったということと、それから検出装置が受けざらにもついているということの関連はよくは知りませんけれどもこれがほぼ同時に起こっているという限りにおいて、どれもこれも働いていないということに非常に不思議な感じを受けるのですね。だから少なくとも、なぜこういうふうなことが起こったのか。ただいま調査中ではこれは済まないと思うのです。何か一つだけならこれはまた言えますが、こういうふうに二重、三重の装置があってどれも働いていない。二百リッターも三百リッターもこぼれるまでわからなかった。これは一体どこに欠陥があるのですか。
○中島参考人 したがいまして、現在調査中でございます。
○瀬崎委員 大体このウランテストに入るまでに、あなた方は念には念を入れるということで通水テストもやった、化学テストもやった、こうおっしゃっているわけなんでしょう。こういうフランジの締めつけなんかの漏れば当然この段階で発見されるべきだし、そのためにウランテストの前にやっている試験だと私は思うのですね。それがいまごろになって発見されて、しかも原因は調査中である。こういうことで、安全確保とかなんとかと先ほどきわめて完全なことをやっているようにおっしゃったけれども、われわれにそう思えといって思えますか。
○中島参考人 ただいまの質問の思えますかということについては、私は思えると思うのですけれども……。
○瀬崎委員 では、なぜこういうことになったのか。一遍納得のいく説明をしてください。調査中だと言われるが、これは一体いつの事故ですか。大分日がたっているじゃないですか。
○中島参考人 かなり技術的な問題が入っておりまして、したがって、うかつなことを申し上げられませんので調査中だと申し上げたわけで、これはわれわれもいまチームをつくって調査しております。
○瀬崎委員 これはそれほどやはり重大な原因を含んでいる。技術的には相当むずかしい問題も含んでいるということなんですね、いまの言葉は。
○中島参考人 調べてみないとわかりません。しかし、重大だということにつきましては一言ございまして、これが系外に出たとかいうならばまた非常に重大でございますが、これは受けるべきところに受けたということは確かめられたわけでございます。
○瀬崎委員 冗談じゃないですよ。日本で初めての再処理工場の技術開発をあなたは担当していらっしゃるのでしょう。だから、これが人体にどういう危害があったかどうかなんてことを私は聞いているのじゃなくて、事故が起こってからもう相当な期間があいている。そしてわれわれはこういうことを聞きたいからきょうおいでいただいているのです。それに明確な説明ができなくて目下調査中だと言う。このような管理体制というか技術指導の体制で、この日本で初めての大きなテストプラントが果たして今後うまくいくのかどうかということに私は心配を感じている。これに対してあなたは十分な説明を全く与えていない、こう思っているわけです。 さて、ここで労働組合の方にお聞きしたいのですが、いまのような説明が当局からありました。こんなことはもうとっくに解明されていなければいかぬと私は思うのですが、組合の方ではその原因について何か心当りはありますか。
○鈴木参考人 この問題は私、おととい、きのうといろいろな人に聞きましたけれども、かなりいろいろな人が知っているということがあります。それで、単にフランジが緩んでいてこぼれたのだということではなさそうだというのが現場の人の意見です。特に、いろいろな制御系があるのだけれども、どうもそれを入れないで試験をやっていたというところが、何のための試験をやっているんだということで、ぼくは再処理にいませんけれども、そういう感じを持っています。 それから、ここは実際の使用済み燃料を扱えばホットになる部分なわけですけれども、こういうところにフランジをつけていていいのかなということは現場の人なんかも言っていますし、私もそう思っています。それでいまのお話ですと、単にフランジが緩んでいたから液がこぼれたという回答ですけれども、これについてはやはり単にそれだけが原因ではなくて、いろいろな制御系統がなぜ入っていなかったのかというような問題が非常に重要だろうと思います。といいますのは、私たちも現在はウランを使っての、これは蒸発かんを動かすという操作ですけれども、実際の使用済み燃料を使った試験になりますと、あるいは装入になりますと、ここにはプルトニウムが濃縮されてくるわけですね。外国の再処理なんかの臨界事故等を見ますと、バルブの漏れとか、こういう制御系なり監視系がきちんとしていない状態で動いていて臨界事故なんかを起こしているという点で、私は非常に重要だと言えるだろうと思うのです。
○瀬崎委員 確かに畠中君の被曝事故も重大な問題を指摘しておれば、このプルトニウム蒸発かんの液漏れ事故も、もうきわめて重大なサゼスチョンを与えている、暗示を与えていると思うのですよ。第一、きのうの生田局長のあの説明は一体何だと言いたい。これは政務次官、よく聞いておいてくださいよ。至極簡単なフランジの締めつけの緩さだ、こういう説明なんです。ところが、いま聞かれましたように、一定の異常な圧力か出たらこれを制御する装置もあったが、これも働いていない。それからドリップトレーという受けざらに漏れてきたら、これを顕示する装置もあった。これも働いていない。その理由を当事者に聞いたら、相当な期間たっているのに、いま調査中であって、まだここで正確なお答えができない。こういう話になってきたのですね。こんなことで再処理工場のテストをどんどんホットで進めていいと考えられますか。 おまけにおとといでしたか、私の部屋に説明に来られた桜井管理官は、外国では大体ウランテストなんかは省略して、いきなりホットにはいるんだ。まあ森山長官流に言えば、ばか丁寧なことをやっているような話なんです。もしウランテストをやらずに、いきなりホットでこういうことが起こったらどうなりますか。これはひとつ科技庁を代表して、政務次官のちゃんとした発言として、どう指導するのか聞いておきたい。
○片山政府委員 ただいまの問題、調査中ということでございますから、その限りにおきましてはその結果でないと御答弁はできませんが、一般的な考え方として、やはり科学技術を進歩さしていくというのはゼロから一〇〇にすぐ飛ぶわけじゃない、これはやはり幾つかの段階を経て成功していく、こういう性格のものだろうと私は思います。しかし、その中において、やはりいろいろな段階において安全性ということ、そういう角度からは……(瀬崎委員「そういう問題じゃないですか、研究開発の過程の問題ですよ」と呼ぶ)いや、しかしその場合でもゼロから一〇〇にぽんとなるわけじゃない。そこにやはりいろいろな実験がある。しかし、それが安全性に、あるいは事故に突入していく、そういうものは絶対避けなければならない。しかし、その段階的な故障とか、あるいはたまたまふなれのためにあるというのは、科学の進歩の中に若干あるんだろうと思うのです。しかし、これが人体に影響する、あるいは事故を起こす、こういうことには絶対ならぬように一つの体制をとる。こういう形でひとつ御理解いただきたいと思います。
○瀬崎委員 私は、これが人体にすぐどういう影響を与えるかはちっとも聞いていないのですよ。少なくともこれだけの大事故をやっているんだから、しかも誇るべき技術陣を持っているとおっしゃっているんだから、こういうものぐらいの原因は端的に問えばすぐ答えられるようになっているはずだと私は思うんだけれども、それが答えられないのが問題だ。いとも軽い事故のように政府側が見せかけようとした、こういうことが問題だ。おまけにウランテストなんかはよけいなことをやっているようなことまで言っている。ここが問題だ、こう言っているわけですよ。失礼だけれども、その政務次官の指導では思いやられますな。 私、もう一つ聞きたいのです。九月二十九日から一週間ほどですか、ウランの計量管理というんだそうですか、数量を管理するために、受け入れたウランと現在どのくらいのウランが在庫としてちゃんとあって、収支が合うかどうか、何かそういうことをたな卸しされるそうですね。この結果、ウランの収支が一体どのような状態になっているのか、おっしゃっていただきたいのですが。
○中島参考人 これは収支と申しましても、ウラン試験の最初のものでございまして、われわれは予備的収支と申しております。それが第一点でございます。 それから一週間ではなくて二週間やったんでございますが、その結果といたしまして、俗にMUFと言うのでございますが、これはマテリアル・アンアカウンテッド・フォー、日本語で余り適当な言葉はないんですけれども、俗にMUFというふうに言っております。欠員と言っても結構だと思います。およそ八十キロ程度出ております。これは全体のインプット約二トン五百か六百に対しまして約三%に相当しております。この原因につきまして、以来、調査したわけでございますが、まずこういうのがもしも廃棄物処理場の方に行きますと、そこでまたエバポレーターなり化学沈でんでとらえるのでございますが、それはいわゆる工程ロスということになるわけです。それにしては多過ぎるということで、その辺も全部調べたわけですが、これは分析結果から廃棄物処理場には行っておりません。したがいまして、これはどっかの計量的なやはり誤差及び計量の未熟さがあったんであろうということから、さらに追及しております。現在わかっておりますのは、その中の——われわれはいまウラン試験中はプロダクト、製品ですね、これは正常には出さないで、また一たんもとへ戻しております。その戻すライン——工場というか、燃料を溶解いたしますと、その次のステップで計量という操作をするわけです。(瀬崎委員「簡単にやってください」と呼ぶ)ちょっとこれ、しかし、簡単にやりますと誤解されますので——計量するんですが、リサイクルラインの方の計量がやや精度の落ちる方法を使っていた。つまり、分析方法には計量分析法と工程分析法とありまして、工程分析、これは要するに拙速をたっとぶ方です。それから計量分析は、一週間たってもいいからじっくりやれという分析ですね。入り口の本来入ってくる方は計量分析で正確にやっていたんですが、リサイクルの方が工程分析であったというところから、かなりバイアス、偏差と言っております。が入ってきたということがいまわかってきております。何分にも第一回の予備的な試験でございまして、それにしては三%程度の欠量というのは、私自身の経験から言うと、いい方であったろうと考えております。
○瀬崎委員 私どもが常識的に聞いておるのでは、普通、燃料加工工場等では確かに三%程度のウランが欠量する、消えてなくなることはあり得る。しかし、このような実験プラントの場合に二・五トンのウランを使って短時間に八十三キログラムがなくなる。正確には三・三%に当たりますね。これは専門家に言わせれば、多過ぎる、このように聞いているわけなんです。決していい方だなどとは私は聞いておりません。しかも、あなた自身も、先ほどの答弁の中では、MUFとかなんとかややこしい表現を使われたけれども、これは少し多過ぎるように思うのでいろいろと原因を究明したと、こうはっきりおっしゃっているわけでしょう。その原因の究明に大分手間取っている。実際問題としては、先ほど二つほど挙げられましたね。計量の誤差ではないか、未熟さではないか。こういうものを勘定に入れないと、どうもこの八十三キログラムの欠量は多過ぎる、こういうことなんですね。そうあなたおっしゃったわけですね。 だから、わずかな期間のウランテストでこれだけのことが出てくるんですよ。まず第一に、収支がやはり相当ふつり合いになってくる。実際にはこんなに多く減らないはずなのにウランが消えてなくなる、という言葉はちょっと誤解を与えるかもしれないけれども、一般にわかりよくしようと思えばそういうことですね。しかし、その原因がなかなか明確につかみ得ない。その原因として分析の未熟さも挙げられている。誤差も挙げられている。こういうことだから、もっともっと慎重を要する性質のものではないか。きわめて軽微な事故だというふうに印象づけられるけれども、やっている内容の中にはこういう不安定な要素が多分にあるのではないか。 われわれは責めているんじゃないのです。こういうことを率直に認め、率直に発表し、そして、その完全な対策のために慎重の上にも慎重を、科学的な上にも科学的な処置をとってほしい、このように期待をしているわけです。ひとつ理事長、こういう点については一般の人々の誤解を招かないように必ず、こういう事情で八十三キロもこれは一応欠量した形になっているんだという説明がつくまで、よくこれを調査していただきたいと思うんですが、いいですか。
○清成参考人 いまの問題を私聞いておりまして、余り細かいことは知らぬのですけれども、私が率直に感じますところでは、この計量管理の問題、こういうことを通しましてだんだんと上達していくということではありましょうけれども、これをもう少し精度を高く持っていくということが大事だろうと私は思います。したがいまして、こういうようなことをだんだんだんだん経験していくことが開発の真意でもありますので、いまおっしゃったことは私ども全く同感でございますので、十分調査しまして——いま何か相当調査しているそうでございますが、これはこれだけじゃございませんので、さっきのMUFという問題はいまの保障措置関係の方では非常に大事な問題になるわけでございますので、これをどういうふうにするかということは世界の問題で、少しでもこれを改善する方向に持っていくようにわれわれのところもそれに参加して努力しているのでございますから、一層再処理の方も一緒になってやらせていただきたいと思います。
○瀬崎委員 私は、経験を重ねていただくことはいいんですね。ただし、先ほどのプルトニウム蒸発かんの漏れの問題でも原因調査中という形になっている。はっきりしない。それからいまのたな卸しの結果についても、やはりまだ調査を必要とする分がある。こういうものをいいかげんにしながらどんどん先に進むということが、つまり不安を生むことであり、自信をなくすもとだから、その点を十分心得てください、こうお願いしているわけです。ちょっと時間の関係もありますから先へ進みたい。後でまたつけ足していただいたら結構だと思います。見切り発車ではありません。先ほどから言われる畠中君の被曝の問題にしても、あと十何件か御説明いただきましたそういう同種類の事故にしても、背景には、われわれはやはりいまのことが無関係ではないように思うんですね。 そこで、具体的に畠中さんが指に溶液を付着されたその経過について、これは事実関係だけをひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。というのは、私どもが聞いているのに二通りの事実があります。一つは、試料びんの周りにすでに液がついていたんだ、それが指についた。こういう説明と、一つには試料びんのゴムぶたをあけようとするときにその操作がまずくて液が手についたんだ。この二つの説明があるわけですね。これは、同一の行為について二つの事実認識があっていいわけではないから、やはりこういう機会に一致させておきたいと思うんです。したがいまして、まず、ひとつ畠中君の所属している組合の方ではどちらの立場、認識を持っていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○鈴木参考人 先ほどもお答えしましたけれども、試料びんに初めからついていたというふうに、私どもの調査ではなっております。
○瀬崎委員 これは事業団の方ではどういうふうに認識していらっしゃるのですか。
○中島参考人 これは認識ではございませんで、その二十日の翌日、本人とそれからその直接上司である班長、それから主査、課長が立ち会って、本人と確認の上で調べた調査によりますと、ふたをあけたときに液がこぼれた、それが手についたということでございます。それから、まずくてとか過ってとかいうことは、言っておりません。
○瀬崎委員 この点について、いままだなおやはり理事者の方では、びんをあけるときに付着したのだというお話なのですね。もしこれが誤りではなしに液がついたのだとすれば、あけるたびにつくことになりますので、これは大変だと思うのですね。だからここは大事だと思うのです。もう一遍ひとつ組合の方のお話を聞いておきたいと思います。
○鈴木参考人 先ほどもウランテストに入るに当たっての要求書の中で、手直し個所の問題、こう言いましたけれども、その手直し個所の一つに、試料びんのふたがとれて液がついて飛んでくる、こういうことがあるので改善してほしいという現場の要求があります。ということを私は申し上げました。そういう点からいっても、私は試料びんの周りについていたというのは、そういう現象があってついたのだろう、ということが言えると思います。
○瀬崎委員 いや私が聞いているのは、組合が勝手に推測したのではなくて、組合の方もやはり本人とそれからその周囲にいた人、立ち会いの上で確かめられたのかどうか。その事実確認の方法を聞いているわけです。
○鈴木参考人 本人と直接執行委員が話をして確認しております。
○瀬崎委員 私は本人自身が二通りの話をするはずがないと思うのです。私も御本人から事情を聞いて、実はもともとびんに液が付着しておったように聞いたのですね。 そこで、少なくともびんに液が付着する限りは、付着する根拠がなければならないと思うのです。いま、一つはふたがとれて飛んでくるような場合があるというようなお話もありましたけれども、そのほかに、あらかじめ、分析室に入ってくる前に、びんに液が付着するであろうケースというのは予想されますか。これは組合の方で説明してください。
○鈴木参考人 手直し個所の問題の一つに、サンプリングペンチの問題があります。これは工程中のホットの部屋から試料を自動的にとる装置なんですけれども、この操作が非常にしづらいという提案があって、ここも改善してほしいということが出ておりますけれども。このサンプリングベンチというところで針を刺して試料を入れるらしいのですけれども、その針を抜いたときに液がぽたぽた漏れることがあるということは、現場の人たちから聞いています。
○瀬崎委員 あらかじめびんがぬれておったのか、ぬれてなかったのか、それは別として、いま言われたサンプリングのときにぽたぽたと——注射液みたいなものでどうもやられるらしいのですが、それがこぼれてびんにつくというようなことは、理事者の方はあり得ることだとお考えになっていますか。
○中島参考人 これにつきましては、あり得ますね。そうたくさんじゃございません。
○瀬崎委員 ひとつそういう点では、理事者側にもお願いしたいのは、本人も先ほど冒頭の話でわかるように、仰天しておったというような状態ですね。大変ショックを受けている。そういう点で、そのときの実情の認識の仕方について問題はあると思うのですが、いま言われたようにやはりびんがあらかじめぬれている、つまり溶液が付着しているという可能性は否定もされてないわけですから、こういう点についての改善等は私は当然やってほしい、こう思うのです。 そこで次に、試料分析に当たっての事前の教育訓練がどうであったかということに進みたいと思うのです。 これはこの間の予算委員会の席上で清成理事長がこういうことをおっしゃっていますね。「ウランの系列でこういうものを扱いますと、必ずそれには微量のドーター核種というものがあることは、十分にこれはもう知らしてございます。」、十分という言葉を使っていらっしゃるのです。 そこで一応教育を受けている側にお聞きしておきたいのですが、現場の技術者、従業員の方々は、ウランの系列にドーター核種があることを十分知っていらっしゃったかどうか。何かそういうことを具体的にあらわすような資料でもあれば、それも含めてひとつ説明してほしいのですが。
○鈴木参考人 私どもは、ウランテストに入ってから、先月の中旬ですけれども、現場の状態というのが交代勤務をやるということで非常につかみづらいということがありましたので、アンケートを試みてみました。回収率七〇%以上あったわけですけれども、その中で、ウランにドーターがあることをよく知っていたという人は約三〇%。それ以外については、知らなかった、あるいは知っていたけれども放射線を出すことについては知らなかった、それからその他ということになっています。ですから、ウランテストに入るに際して十分教育しているということは言われてきたわけですけれども、実際にこういう事故が起こって、ドーターのことについて、それだけについても調べてみるとこういう結果になっているということです。
○瀬崎委員 きのう私がこの場で質問したときに、生田原子力局長は、教育訓練の問題について、これを施す側の認識とこれを受けている側の認識とに相違がある場合は一体その違いをどう考えるのかと聞いたときに、両方を同等に重視する必要がある、こういう趣旨の発言をされているのですね。いまのように、理事長は十分教えてあるとこうおっしゃっているし、片一方は三割しかそのことについて承知しておらぬ、こういう違いが生まれた。こういうふうな現実を、きのうの行政監督に当たっている政府側答弁などに照らして考えれば、少し検討の余地があると思うのですが、これはひとつ清成さんか中島さん、どちらでも結構です、答えていただきたい。
○中島参考人 教育する方とそれから受ける方、この間にそごがあるということは元来望ましくないことですけれども、やはりあり得ると思います。で、その場合に、やはりわれわれとしまして、つまりわれわれといいますのは職制の方で教育する側としましては、そのわれわれが教えた結果がどういうふうになっているのか、教育の効果がどうであったかということは十分にしんしゃくしなければならぬと思っております。 その方法としては幾つか考えられますが、われわれも一時調査的なこともいたしました。一つのドラスチックな方法、思い切った方法としては、試験をするという手もありますけれども、そういうことをしなくても、無記名でいろいろな調査をしてみるとかあるいは場合によっては個人面接でやってみるとかそういうふうなことで、とにかく両者のギャップのないように持っていきたいと思っております。いままでもそうでありましたし、これからもますますそういう方面では力を注いでいきたいと考えております。
○瀬崎委員 そこで、そういうふうな両方の受け取り方の違いが具体的にどういうところにあらわれているかという問題になるのですが、指を被曝させました溶液というのはミキサセトラと言われる工程で採取されたものですね。このミキサセトラの工程でウランの娘核種であるトリウム234などが濃縮される、こういう事実についてこれも清成理事長が国会で発言していらっしゃるのですが、ミキサセトラ工程で多少濃縮されることはわかっていた。今回の分析は実際の操業のときには行わないことなんだけれども、たまたまそれをやったことによって、その結果多少ではない、相当濃縮されていることがわかった、こうおっしゃっているのです。ここで私、問題なんです。十分教えてあると片っ方でおっしゃっているんだけれども、片一方ではミキサセトラ工程での娘核種の濃縮は多少起ることは知っていたけれども、これが相当濃縮されるのは今度たまたま分析してわかったんだ、こういうお話。ここに矛盾を感じるんですね。 一つはこれだけの大事業であり、危険なあれなんですから、事前に理論的にか、あるいは実験的にか、相当の濃度、私どもの聞いているのでは三十三倍と言われるのですが、こういう濃縮が起こることを知り得ることは不可能であったのか。もしまた可能であったなら、なぜそういうことを事前にやらなかったのか。この点の疑問が一つ起こります。 いま一つは、このミキサセトラの工程というのは再処理プラントでも心臓部分に当たる重要なところでしょう。そうなりますと、しかもきわめて危険な工程部分であるとも聞いております。ですから、ここにトリウムなどの相当の濃縮があるということを事前に調査もしない、認識もしないで運転するということは、これはやっぱり無謀のそしりを免れないのではないかという疑問も生じます。この二つについて、ひとつお答えをいただきたいですね。これは清成さんのお答えいただいたことに対する私の疑問ですから、ひとつ理事長にお願いしたいと思うのです。
○清成参考人 確かにそういうことを予算委員会で申しました。私はそのとおり至極淡々とそういうふうに考えておるわけでありまして、いまお話がありましたように、ウラン系列のものを扱うといえば、ウランのドーター核種があるということは、これはよく教えてもありますし、当然わかっておりますわけでありますが、ただミキサセトラのあの工程でもってどのくらい濃縮されるかということは、これはわれわれ多少濃縮されることはもちろん知っておりますけれども、どのくらいに実際濃縮されるかということを確かめたわけでございまして、確かめてもこれはそんなに、三十三倍になっても、これはもうずっと規制値以下のものでございますし、そう大してわれわれとしては、意外ではありますけれども、大変なことをやったというふうには考えておりません。 大体将来はあそこのところは溶接してふたをしてしまって、あそこのところはもうさわらぬものだ、ウランテストのときだけ念のためにわれわれは何と申しますか、研究的な意味でそういう実験をやってみるということなんでございまして、私が言いましたのは、大体正直に言ったと考えていただいていいのじゃなかろうかと思っております。
○瀬崎委員 いまのお話だと、将来実用運転のときにはあそこはもうふたをしちゃってさわらないところだ、さわらないところだから、そこに何が起こっていようと構わないというふうな発言。これは一体科学者の発言として通るかどうかということですね。とにかくあの装置全体が、きわめてこれはやはり原子力利用の各種の施設の中では最も危険度の高い施設でしょう。しかも、日本で全く初めてやることなんですから、たとえそれがどの程度人体に対する危険があろうとなかろうと、あるいはまた手をつける場所であろうとなかろうと、そこで何が起こっているかということをちゃんと科学的にはつかんでデータにしておく。これが本当の技術開発の態度ではないかと私は思うのですね。 このことについて改めて理事長と組合の方と両者の御意見を聞いておきたい。私の態度が誤りだと言われるなら、それでも結構だし、そのとおりだと言われるなら、はっきりしてほしい。
○清成参考人 そういうことをはっきりさしておこうと思ってのサンプル採取だというふうに考えております。
○円道参考人 私たちは、実際にホットになってしまいますと、なかなか現場に入ることもできないほど放射能が高くなるわけですから、これはやはり事前に化学的に解析しておくことが必要だと判断しています。 しかし、今回のトリウムの濃縮については、すでに同じ事業団の中にありますけれども、そこで化学者や技術者の力によって濃縮についての調査はすでにされております。それが今回のウラン試験には生かされていなかったと私たちの調査で受けとめております。
○瀬崎委員 いまの話ですと、どこかおたくでそういうことをちゃんと事前に調査されておるという話ですね。わかっておったはずだと……。
○中島参考人 われわれの東海事業所には技術部というのがございまして、その中に研究開発室というのがございます。そこでは、われわれこの工場の設計の当初からいろいろなプロセスケミストリーといいますか、プロセスの化学をやっているグループがございます。そこでいろいろな目的に使えるという意味でのコードの開発は、計算コードはしておりました。ただし、トリウムにつきましては、今回、このことがあってからそのコードを入れて計算したということでございます。
○瀬崎委員 そうすると、事前にはやっていなかったということですな、いまのおたくの話によると。せっかくそういう技術部に研究開発室を置いて、やろうと思えばできる技術等は備えていらっしゃるのですね。ところが、やっていなかった。やっていなかったにしても、やはり問題だと思うのです。やっておったらやっていたで、そういうことがちゃんと事前に、今回のウランテストに生かされていなかったという点では問題だ。特に、幹部の方がこういう大事な研究開発室でやっていることについて、いろいろ助人を得ないと説明ができない。あるいは、清成理事長はそういうことを知らずに多少の濃縮はあるだろうぐらいに思っておったのが、実際やって、えらいこっちゃという、こういういまの再処理工場全体の管理体制。これは聞けば聞くほどわれわれは確信が持てるどころじゃなくて、不安が増大するんですね。考えていただきたいと思うのですよ。 また清成理事長を引き合いに出して申しわけないけれども、こういうこともおっしゃっていますね。運転員あるいは作業員は研究者、管理者のような広範な知識はあるにこしたことはないけれども、そうはいかぬので、必ずしも必要ない、不要であるという趣旨のことを述べていらっしゃるのです。この点については、これは一遍労働組合の方にお聞きしたいんですが、私どもが常識的に考えますのでは、第一に日本で最初の再処理技術の開発に全員当たっていらっしゃるのだ。第二には、先ほども言いましたように、原子力施設の中でも、最も危険度の高い再処理技術の開発に従事していらっしゃる。恐らく、現在のそのような現場の技術者の方々が、われわれはそう簡単に第二、第三の再処理施設をやってくれとは言っていませんけれども、もしそういう事態になったときには、それぞれ指導者として活躍されるのだろうと思うのです。そういうときに、現場の技術者にはこのような広範な知識は不要だという形で指導部が臨んでいいのかどうか。これはこのような新しい技術開発のときの理念の問題としては私は問題があるように思うのですね。皆さんの方はどうでしょうか、組合の方で。
○円道参考人 教育の問題ですけれども、私たちはフランスから技術導入をして動かすわけでありますけれども、実際にフランスの場合をとってみましても、バルブ操作とかそういう点が非常に多くありまして、そこに働く人たちも非常にたくさんいる。具体的に言うと、コールドテストでは四百六十人ほどいると聞いております。また、ホットテストには五百六十人も働いている。こう聞いておりますけれども、実際に日本で最初にやる再処理工場でありますけれども、この国内の原子炉研修所のような、教育訓練センターのようなもの自身、実際の再処理にはありません。そういう点で私たちはやはりプロセス上あるいは化学的性質から総合的に学んで、そして安全に動かすことが必要ではないか、こう考えています。そういう意味で現場の方もそういう教育の問題に対して非常に強い要求があります。 また、つけ加えておきますけれども、実際に現場に働く技術者自身が実際にデータ解析をするようなあるいはいろいろ検討をするような机と申しますか、そういうものが実際貸与されていない。個人机でありますけれども。ですから私たちはやはりそういうものを、データ整理等もよくできるような居室の要求も私たちは以前から出してきております。そういう現状を踏まえて教育の問題はもっと根本的に掘り下げながら、やっていくべきだと私は考えます。
○瀬崎委員 私はぜひいまのような現場の技術者なり従業員の意欲はくんでもらいたいと思うし、事業団全体としても今後の日本の再処理技術を担うであろう人材は、この事業団から全部養成して出してやるのだというぐらいの大きな気構えがあっていただいていいのじゃないか。管理者はこうこうだけれども、一般の方はまあ自分の受け持ち分野の知識だけあればいいんです。こういうところはみみっち過ぎると思うのですがね。理事長、いかがですか。それで時間がかかるならかかってもいいじゃないですか。
○清成参考人 残念ながらいまのお話にはどうしても私はそのとおりでございますと申し上げるわけにはまいりません。それはやはりその運転員というものに、設計者、管理者あるいは研究者のような広範な知識というものは、何度も申し上げますけれども、あれば非常に結構でございます。しかしながら、それは最初から、ウランテストに入るときから持っていなければならぬというふうにはどうあっても考えられません。そういうような知識はオン・ザ・ジョブ・トレーニングを続けていきながら会得していくというのが、これは工業の普通でございまして、それをそういうふうにして会得しました全般にわたる知識というものはおっしゃるように非常に大事なものであって、これは作業者としては自分たちのやっておる仕事が、全体のどういうふうな部分を受け持っているのかという非常に大きな認識と気慨と誇りとにつながりますし、本当の人間の幸福を発見する非常に大事なことだとは思っておるのです。それが大事でないとは決して申しませんけれども、そういうものをすべて完備してからでなければウランテストにかからぬというような形には私はどうしても考えておりません。
○瀬崎委員 誤解があってはいけないですね。いま組合の言われていることも、私の言っていることも、あらゆる研究者、管理者、現場の技術者、同水準の知識を持たなければならないとは言っていません。こういうふうな総合的な科学施設ですから、それぞれの専門分野もありましょう。しかし、やはり自分の専門分野あるいは自分の受け持ち運転分野の知識だけあればほかのことは全然知らなくてもいいんだという、そういう視野の狭いことでいいかどうかということを私は尋ねているわけですね。そういうことについて、一応の水準のことだけは知った上で、自分の受け持ち部署を大いに勉強していきたいというのが先ほどの組合の方々の御意見であろうと思う。この欲求は十分満たしてもらいたい、こういう趣旨なんです。実はそういうことが抜けると、今回のようなまずい結果になるんじゃないかとぼくは思うんですね。 というのは、先ほどもちょっと出ておりましたが、畠中君が九月二十日、分析取り扱いをしていらっしゃったときには手袋をはめていなかったと聞いているんですね。またそういう説明でした。しかも、当局もそれでよいということであった。その当局側の指導の中に、試料の分析に当たって黄色い色の強い溶液を取り扱うときは手袋を着用しなさい、無色に近い溶液の場合は素手で扱うように、こういうふうな指示があったとわれわれは聞いているんですね。一応これはどういう根拠からそういう区別を当局側は指示をされたのか、それを伺っておきたいですね。
○中島参考人 これはいままでも東海事業所では天然ウランを長年扱ってきておりまして、そういった経験からのものでございます。なお、こういうことは別に経験からだけではなくて、ウラン試験の前に、これは分析課でありますと分析課員が集まっていろいろ討議した結果、そういうことになったということでございます。
○瀬崎委員 つまり黄色の色の強い溶液とはどんな内容のものであり、また無色に近い溶液のものはどんなものであるのか、ちょっと簡単に説明していただけませんか。
○中島参考人 一応黄色というか、色がつくようになる濃度、それがおよそ数十グラムというところで、まあ大ざっぱにその辺で分けようということでございます。
○瀬崎委員 ウランの濃度のことですか。
○中島参考人 そうです。
○瀬崎委員 だから結局、おたくの方の指導によれば、ウラン濃度の高い方は気をつけなければいかぬから手袋をはめなさい、無色に近い方はウラン濃度が低いから安全でしょう、こういうことになったと思うのですね。今度被曝が起こったのは、一体黄色い方に近い方なんですか。無色の方の液で起こったのですか。
○中島参考人 色のつかない方です。
○瀬崎委員 つまり、どちらかと言えば、おたくの方の指導では安全だと言っている方で素手で扱って被曝が起こっているわけだから、こういうところに一応の知識を皆に普及しておけば、こういうことについては当然批判が出ると思うのですが、もろに信用してやって、いわば不要な被曝を今回起こしているのではないかと思うのです。こういう反省もあるから清成さん、さっきの私の話じゃないけれども、少なくとも一定の共通の普遍的知識は普及しておく方が私はいいと思うのですね。
○清成参考人 ほかの方を全然教えてないなんということは決してございません。再処理全般のことはもちろん教えますけれども、深く知るのは自分の関連のところということであって、自分の担当だけのことということでもありません。その自分の担当が関連するほかのことは、もちろんそれは知悉してなければできませんので、全般のことを非常に詳しくということは必要ない。したがって、再処理全体の関連というようなことは、それは十分教えてあるはずでございます。
○瀬崎委員 ところが、くどいようだけれども、そうおっしゃるから、いま中島所長が説明されたように、本来はウラン濃度の高い方、つまりどちらかと言えば黄色の色のついている方が危険だというので、これは手袋をはめなさいという指導になっておるのですね。逆にウラン濃度の低い方、この方は安全だろうから手袋の着用はなくてもよい、こういう指導だったのですよ。ところが逆に、安全であるはずのウラン濃度の低い方で、ウランではないウランの娘核種であるトリウムであるとかプロトアクチニウムの被曝が起こっているわけです。こういうことについては、私はなぜ先ほど言わなかったかというのは、理事長の国会での発言を裏返しますと、こういうことになるのです。管理者や研究者のような広範な知識は一般の従業員に必要ないということは、逆に言えば管理者や研究者は十分な知識を持っているから、それに頼っておけ、こういうことなんですね。ところが、頼っておったらこういうことになったわけですね。大丈夫な方で被曝が起こっているわけです。こういうことになるから、私は、決して管理者とか研究者にずさんさがあったとか手落ちがあったと言っているんじゃないのですね。全体としてやはり教育訓練水準をやる方もされる方も上げておけば、こんな初歩的なミスはないだろうということを私は言っているわけなんですね。いま中島所長が認められたようにこれは事実ですから、こういうところははっきりかぶとを脱いで、やはり私どもの方針は間違いであったということをお認めになるのがいいと思うのですね。——時間の関係もありますから発言をなるべく節約してください。
○清成参考人 実際問題としましては、これは逆に裏返して申されましたけれども、おまえの話を裏返せば管理者、設計者、それはすべて知っているはずなんだ、それはまあ裏返してしまえばそうなるかもしれませんけれども、実際問題として、私たちは非常に謙虚に考えておるわけです。作業者は、もちろん新しい連中が多うございますから、それでよろしゅうございますけれども、われわれ管理者といえども、あるいは設計者といえども、実際に当たりますというとなかなかそう簡単に全部が全部を実地に当たってマスターしているという形にはまいりません。だからして、さっきの色のついていない方は手袋をはめぬでよかろうというふうに大体同意したのも、そういう実地の経験が足りないからであって、ですからしてそこら辺が、それじゃ管理者も何もわかってないじゃないかということとは——これは実地の経験というものはそう理屈とはちょっと違う。したがって、われわれは謙虚に、やはりサンゴバンの指導のもとに一緒になって、試験によって再処理なるものの技術を会得していこうというふうに、これは本当に謙虚に考えておるのでございますから、そういう点、ひとつ誤解ないように。
○瀬崎委員 次々におかしなことを言われるのですよ。いまの色の薄い液で被曝が起こり得ることをあらかじめ予見できなかったのは、これは実地の経験が不足しているからだ、こうおっしゃったのでしょう。しかし、これは何も実地の経験があろうとなかろうと、このウランというものの扱いは、娘核種が出てきて、それをうっかりなにすると被曝が起こり得るということは周知徹底しているはずだとあなたもさっき言っていたでしょう。それとまた矛盾してくるのですよ。片一方ではそういうことを理論的には周知徹底しておきながら——しておったら当然色の薄い方にだって娘核種による被曝はあり得るのですよという注意になってこなければいかぬ。手袋はやはりはめなさい、こういうことになっているはずなんです。なってないと言うのでしょう。こういうふうなことが現に起こっている。これは経験不足じゃなくて、やはり理論水準の問題もあると思うのです。これは何も管理者とかそういう人を責めるのじゃなくて、みんなが勉強しようという意欲を持っているのだから、時間を十分にかけて、そして教育訓練というものの徹底を期してもらいたい。一定の枠を決めてこれ以上は必要があるとかないとかいうのじゃなしに、こういうことが起こった機会に、不十分だから超こってきたのですから、実地訓練の不足だというふうな、そんな考え方ではなしに、やはりもともと理論的な問題の積み重ねも含めて不足しているのだという考え方に私は立ってほしい。基礎的な問題も不足している、こういうふうにわれわれは見たいということを言っているわけなんですね。これくらいなことがあらかじめ理論的に予見できなくて、今後何でもかんでもやってみなくちゃわからぬ、何か起これば全部実地の訓練不足、経験不足で片づけられたら、それこそやる人はモルモットということになるのですよ。あなたはモルモットという言葉がきらいかしれないけれども、やっていること自身はやはりモルモット扱いですよ。ちょっと不謹慎ですよ、それは。 時間があれば私は幾らでも言いたいのだけれども、その件についてもう一つ言っておきたいのは、被曝後の問題です。除染措置の問題は先ほど出ましたから省いて、これもちょっと組合の方にお聞きしたいのですが、この九月二十日の被曝事故が起こってから、いままでは指につけてなかったガラスリングという計測装置を新たにつけるようになった。しかも、このリングにはステンレスカバーがかぶせてあるけれども、これに穴をあけるという改造を加えた、このように私は聞いたわけなんですね。事実そのような新しい計測装置が携帯されるようになったのかどうかということと、そのようなリングに装置改善ということが加えられたのかどうかということ。そして、もしこれが事実であれば、何の必要からそのようなことが実行されるようになったのか、ちょっと教えていただきたいのです。
○鈴木参考人 九月二十日の事故以後、娘核種のベータ線についてもかなり注意をしなければいけないのじゃないかという私たちの指摘もありましたけれども、現場サイドからもベータ線用の測定器をつけてほしいという要求もあったと聞いております。それで労協なんかの席上では、十月一日から、いわゆるガラスリングというのはガンマ線用なわけですけれども、それにステンレスのカバーがついている、そうですとベータ線用の測定器としては使えないわけで、そのステンレスに穴をあけてベータ線用にしてこの事故以後着用したというふうに説明を受けています。
○瀬崎委員 ということは、それ以前の計測装置では、つまりベータ線あるいはガンマ線もか知りませんが、こういうものの測定ができないような状態であった、したがってこれ以後はそういうガンマ線とかベータ線などの測定も必要だということがわかったので、こういうものを改めて採用するようになった、いまのお話はそのように理解していいわけなんでしょうか。ちょっと再度お願いします。
○鈴木参考人 ウランテスト以前にも、コバルト60なんかを使う作業がありましたし、管理区域設定をする段階、これはウランテスト前から管理区域設定をされておりましたけれども、その段階からTLDという線量計をガンマ線用だということでつけていました。ですから、少なくとも九月二十日の事故以前はそれだけでずっとやってきた、管理してきたということです。
○瀬崎委員 そうすると、今度新たに加わったのはベータ線の測定もある程度できるようにした、ここが違うわけですか。
○鈴木参考人 はい。そういうことだというふうに、私たちは事業団との事務折衝や労協の席上で伺っています。
○瀬崎委員 大体いまのような組合側の説明は、それで当たっているわけですか。事実そういうふうに改善されたわけですか。
○中島参考人 現在つけておりますのは試験的に行うということでございます。
○瀬崎委員 試験的にとにかく九月二十日以後そういうものをお使いになるようになったそもそもの動機は一体どこにあるわけですか。
○中島参考人 われわれは、ウラン試験前に安全管理部とそういう保全管理の方法につきましていろいろ協議しました。そして一応TLDで十分であるということにしてきたわけでございます。それは現在でも変わっておりません。しかし、九月二十日にああいうことがありましてから、多少心理的な不安もあるようだ、現場の方からもそういう要望も若干出てきたということで、安管部と相談の上、試験的にやってみようということで、したわけです。
○瀬崎委員 つまり、放射性物質というような核種に対して、いままであった九月二十日以前の計測装置ではあらゆるものに対応するような計測状態ではなかったので、試験的にそういうものをつけて、どの核種に対しても計測が可能であるようにしたと、こういうことなんですか。
○中島参考人 先ほども申しましたように、現在でもTLDで十分だと考えております。
○瀬崎委員 なかなかがんこなお答えで、これだけ論争していても仕方がないし、これは一度技術的に本当にTLDだけでいいのかどうかは、組合の方にも技術者がたくさんいらっしゃるわけですから、検討していただいたらいいと思うのです。 さて、次は、これも午前中の論議に少し出ておりました、今回ウランテストに使っている天然ウラン、劣化ウランの履歴の問題ですね。この劣化ウランが未照射であるのかどうかということの技術的な決め手は一体何なのかですね。未照射と言うと、また言葉が聞いていらっしゃる方にわからなかったらいかぬと思いますが、人工的に放射線の照射を受けたウランであるのか、そういうものは受けていないウランであるのか。これの見分けは一体何によって行うのですか。これは理事者側の方で。
○中島参考人 未照射であることの技術的な決め手という御質問に対しては、かなりこれはむずかしい話も出てくると思いますが、簡単に申せば、FPとかプルトニウムが有意に存在しないということであると理解しております。
○瀬崎委員 この未照射であるかないかということと、ウラン236との関係は一体どうですか。
○中島参考人 特に関係はないと考えております。
○瀬崎委員 これは安全審査の方で聞きたいのですから、次長答えられますね。——安全審査上、今回のウランテストに使い得るものは未照射のものなのか、あるいは照射済みのものなのか、どっちなんですか。
○山野政府委員 今回のウランテストに使用するものは天然ウラン並びに劣化ウランと承知しております。
○瀬崎委員 そんなことを聞いているんじゃないのですよ。つまり、人工的な放射線照射を受けているものか受けてないものか。この区別がもう一つありますがな、天然か劣化以外に。どっちなんですか。安全審査ではどうなってますか。
○山野政府委員 その点は未照射であると存じております。
○瀬崎委員 その安全審査を行ったとき、そのウランが未照射であるかどうかというものの判別はどういう手段によってつけるということを前提にしておったのですか。
○山野政府委員 安全審査の段階では、未照射の天然ウランないし劣化ウランを使うという前提で安全審査をいたしております。
○瀬崎委員 その未照射であることの判定を何によってつけようというのかと言うのです。それを聞いているのです。
○山野政府委員 安全審査の段階で、フィードすべきウランが未照射かあるいはそうでないかという判断の手法までは立ち入っておりません。
○瀬崎委員 その判断の手法に立ち入らずに未照射のものを使いなさいと、こう言っていても、その使っているところが未照射のものを使っているのか使ってないのかわからなかったら、これは全く安全審査は無用の長物になってしまうじゃないですか。そんなしり抜けの安全審査をやっておったのですか。
○山野政府委員 これは、安全の確保につきましては、ウラン試験等に入りました後も絶えず立入検査によって常時監視をいたしておりまして、そういう段階で、もし照射のものがフィードされるといったふうなケースは発見し得ると考えております。
○瀬崎委員 だから、その照射のものを発見し得るとおっしゃった、つまり照射のものと未照射のものとの区別は何によって発見しようとしているのですかと、その方法を聞いているのですよ、安全審査したときの。
○山野政府委員 そのフィードされたウランの中にフィッションプロダクトあるいはプルトニウムが有意にあるかないかということでございます。
○瀬崎委員 確かにそれは、安全審査に当たった人々もそういうふうなことでやっているんですね。これは一般的な学説としては、いまおっしゃった核生成物質とかプルトニウムの量をはかることと、それからもう一つは、有力な手段としてウラン郷の存在、あるいはこれの存在していないということも手段の一つでしょう。これは一般的にはそういうふうにわれわれだって教えられているわけですね。そのことについては中島さん、どうなんです。
○中島参考人 とにかく未照射というのは使用済み燃料ではないというものに対するものでございます。したがいまして、いまのU236などというものが微量あろうとなかろうと問題にはいたしません。
○瀬崎委員 そうすると、あなたの考え方によれば、このウラン236というものは照射済みのものであれ未照射のものであれ、どっちにも存在するのだと、こういうことなんですね。
○中島参考人 それとは関係ございません。そういう話とは関係ございません。
○瀬崎委員 どうして関係ないのですか。だからあなたは、そのウラン236は一体未照射のものにも照射済みのものにも両方とも存在すると考えているのかどうかということを私は聞いているのですよ。
○中島参考人 何か言葉の議論であるようでありますけれども、(瀬崎委員「いや、科学的な真理性の問題ですよ」と呼ぶ)要するに世の中には使用済み燃料または未照射どちらかしかないわけでございまして、使用済み燃料をこれを一般再処理すればまた未照射になるということでございます。
○瀬崎委員 つまりその再処理から生まれてくる、それは照射済みのウランになるでしょう。この中にもウラン236はある。それから照射を受けていない天然ウランなども含みますね、そういう中にもウラン236もある。つまり両方ともに郷があるのだというお考えなのか。ウラン236というのは照射済みの場合にしか生まれてこない、存在しないのだと考えているのか、そのどちらですかということを聞いているのですよ。
○中島参考人 ちょっと質問ですけれども、こういうことですか。ウラン236が……(瀬崎委員「照射済み、未照射を通じて存在するとあなたは考えているのか、ウラン236は照射済みのものにだけしか存在しないという考え方なのか、このどっちかということを聞いているのです」と呼ぶ)程度の差がありますね、それは。恐らく使用済みの方に多いと思います。
○瀬崎委員 一般的な学説としてわれわれが聞いているところでは、天然ウランなどにはほとんどウラン236は死滅した核種として存在しない、これは文献にもちゃんと出ているわけですね。そこに程度の差ぐらいで、そちらの方にも存在するのだということになれば、われわれがいままで教わってきたこととは全く違った見解になる。したがって、いまの中島さんの新説については一体どこに根拠があるのか。どういう文献を見ればそのような天然のものとか未照射のものにもウラン236が存在すると書いてあるのか、教えてください。
○中島参考人 私の見ている限りでは、天然というか、これまた言葉がむずかしいのですけれども、まあ天然の場合に〇・〇〇一%以下というのを見たことはございます。(瀬崎委員「どこにあるのですか、それを教えてください文献を」と呼ぶ)ちょっといま思い出せません。
○瀬崎委員 必ず一遍それは出していただきたいのですよ。おたくのそういう発言は、生田原子力局長の口を通じてこの間の予算委員会か何かでもたしか発言されているのですよ。だから、もしそれが正しいということになると、国会で権威づけられてくるんで、これは科学的学説の上に国会の権威がかぶるわけですね。その点はやはりはっきりさせておく必要はあると思うのですよ。
○八木委員長 ちょっと、いまのその点は、先ほど組合の方の参考人の方の御発言にも、天然のウランには検出されるほどのものは、ウラン236は入っていない、こういう見解の表明がございましたのですが、中島参考人はそのような見解ではないのですか。
○中島参考人 同じ見解でございます。ただ、微量でも全くゼロということはないという意味で、程度の差はあれということを申し上げたつもりでございます。
○瀬崎委員 だから、あくまで存在し得るという見地でしょう、おたくの場合は。だから、それの出どころ、つまり文献上あるいは学会に発表されているのなら、そういうことをぜひ知らせてほしいわけです。
○中島参考人 私も実は全知全能でございませんで、国会で権威を覆すとかあるいは新学説を発表するようなつもりは毛頭ございません。それで、ただ私自身が聞いている範囲で言いまして、〇・〇〇一%以下、以下ですから、これはその程度はどこになるかわかりませんけれども——という表を見たことがあるわけです。
○瀬崎委員 見たことがあるでは済まないので、後日おたくの見たと思われるそういう文献をぜひ出していただきたいのですね。 といいますのは、今回の動燃でお使いになっているウランの中には、いまのウラン236が検出されたということになっているんでしょう。だから、これがもしも未照射の中には存在しないということになってくると、結果、おたくの方の使っているのはいわゆる照射済みのウランを使ったことになってくるのですよ。そうなってくると、これは安全審査に違反しているという事実が生まれてくる。ここが重大なんですよ。これが人体に危険かどうかということの問題ではなくて、つまり国が法律によって決めた安全審査に反するウラン試料というものをいま使って、安全審査に違反したウランテストを行っているということになるので、ここのところはきわめて重要である。つまり、程度の差では済まない問題だということを私は言っている。
○中島参考人 私が先ほどから申し上げていることを大分誤解されているようでございますので、統一して見解を申し上げたいと思いますが、私先ほど申しましたように、世の中には使用済み燃料か未照射しかないんだということです。じゃ、未照射とは何かと言えば、FPあるいはプルが有意に存在しないことであるということを申し上げただけです。(瀬崎委員「私は、それだけではないということなんです」と呼ぶ)それにつきましては、私は、ウラン236があったからすなわちこれは未照射ではないということは申しません。
○瀬崎委員 これは逆に言えば、ウラン236が出ておるということは、十分照射済みのものであるという可能性もあるのですよ、おたくの言葉をひっくり返せば。 もう一つ、おたくは天然のものあるいは未照射のものにも程度の差はあれウラン236はあるとおっしゃるから話がややこしくなるんだけれども、もしそれがないということになれば、おたくの使っているウランは明らかに照射済みのものを使っていることになって、安全審査違反ということになってくるのですよ。だからこれは、照射か未照射かということの分岐点を決めるもう一つの目安としてきわめて重要だ。確かにプルトニウムの存在、FPの存在、これも一つの目安なんですね。一般の学者が指摘するのは、ウラン236の存在も一つの目安、こう言っているわけです。 ですから、これはここでもうこれ以上時間をかけて論争しても、恐らく益のないことです。いずれあるいはこれは本委員会にまた専門家の御出馬をお願いすることになるかもしれないし、その前にぜひひとつ、中島さんが確信を持って、程度の差はあれ両方に存在するとおっしゃる、その裏づけを私どもに出していただきたい、教えていただきたい、こう思うのです。 まあそういうことでこれは終わりまして……(中島参考人「いまの、何か一方的で困るのですけれども」と呼ぶ)私としてはその根拠さえ出してもらったらいいのです。それだけのことです。
○八木委員長 では、ちょっと発言を求めておられますから、瀬川参考人。
○瀬川参考人 私どもは、このウランテストに使います劣化ウランに対しましては、ウランテストの安全性という観点からは、フィッションプロダクトとプルトニウムとこの二つを、それがあるかないかということだけがウランテストの安全性の問題だというふうに考えていますので、特に236が〇・〇〇二あったからといいまして、ウランテストに特に支障があるとは考えてないわけですが、まあこれは先ほどの御質問とちょっと……。
○瀬崎委員 違うのです。私は安全審査との関係を言っているわけですね。安全審査は、明らかに未照射のウランに限るとなっている。
○瀬川参考人 私どもは、フィッションプロダクト並びにプルトニウムが入っていない限り未照射のウランと同じ扱いをして構わないんだというふうな解釈をしております。
○中島参考人 安全審査の報告書もよくごらんいただきたいと思うのでございますが、ウラン試験には未照射ウランを使うと書いてございます。そしてその中身が書いてございまして、天然ウランまたは劣化ウランと書いてございます。(瀬崎委員「ただし劣化ウランの場合だって二通りありますよ、照射と未照射と」と呼ぶ)それで、先ほど言いましたように、使用済み燃料でないものが未照射である。それでその区別は技術的に何事かとおっしゃるから、私は、FPとプルだ、これが有意にあるかないかだということを申し上げたのでございます。
○瀬崎委員 時間が経過しているので申しわけないのですが、まあこういうちょっと横道の論議に、固執されたのでなったんですが、どうしてもはっきりさせておきたいのは、天然か劣化かの区別はウラン235の含有率によって決まってくるわけでしょう。それから、照射か未照射かというのは、一つは、いま言われているフィッションプロダクトあるいはプルトニウムの存在、一つはウラン236の存在、これによって照射か未照射が決まってくる、われわれはこういうふうに教えられているとこう聞いている。ところが、ウラン236の方は問題外とおたくの方はおっしゃっている。これは見解が相違している。だからこの見解を何らかの形で、これは科学的な問題ですから、一致させるために、ひとつおたくの方の主張される根拠を一遍出してください。未照射のものの中にもウラン郷があるんだとおっしゃるから、その根拠だけ出していただいたら、この問題の決着はつくわけなんです。 とにもかくにも、瀬川さんの言うように、安全性に問題があるかないかじゃなくて、一応やはり法制上、安全審査に従ってしかおたくはウランテストができないのですから、その安全審査で未照射ウランを使えとなっている以上は、これはやはり科学的に未照射ウランでなければならない。解釈上未照射ウランであればよいという問題ではないわけですね。この点で、先ほどのウラン236の問題はどうしてもやはり決着をつけざるを得ぬわけです。この場ではもうこれでいいですから、とにかく資料として出していただきたい。そこを委員長、ひとつ後ほど要請していただきたい。
○八木委員長 発言要請がありますから、清成参考人。
○清成参考人 きょうこれだけはっきりさせておきたいのですけれども、安全審査に未照射ウランを使う、それで未照射ウランとは劣化ウランまたは天然ウランというふうに書いてあるという話は、いま中島参考人から言ったとおりでございますが、この安全審査のこの条文をわれわれが実際に使うときには、これはやはり私は、その趣旨に沿ってやるのが正しいというふうに考えます。したがいまして、いまのようなかっこうで未照射というものを科学的にとおっしゃいますけれども、われわれはこれを、未照射のウランというものを使うのはウランテストに使う、したがって、ウランテストに必要にして十分であれば、私はこれは構わぬと思うのでございますので、先ほど中島が申しておりましたように、たとえ一遍照射されたものであっても、これを再処理して、そしてプルトニウムとそれからフィッションプロダクトがなくなっておれば未照射と考える。安全審査の未照射というのをそういうふうに解釈してもよろしいんだろうというふうに私は考えます。
○瀬崎委員 どちらにしても、これは先ほど、ウラン236が両方のウランに共通して存在するのか、それとも未照射のものだけにはないんだということになるのか。ここでまた話は違ってくるのですから、それはひとつ資料を出していただきたいと思います。 最後に、この再処理工場に取り組む理念と姿勢の問題について、いろいろおたくの理事者の方々の発言が食い違っているんです。たとえば、十月十六日の「いばらぎ」という新聞に、清成理事長がこうおっしゃっている。「ウラン試験開始については、それまでに補修や手直しする個所は全部終了し、問題になることはないと考えている。」、これによれば、ウランテストに入るまでに全部補修が済んでいることになる。もう手直しするところはないはずなんです。さっきから大分手直ししなければならない個所が出ているわけですが、これはおかしいと思うが、発言としてはありますね。 それから、十月二十一日の朝日新聞では、今度は瀬川副理事長がこうおっしゃっている。「ウラン試験開始後に組合側から示された八十二の要修理個所を検討したところ、すでに措置済みが三十六件、手配中が十三件、ウラン試験中に必要に応じ手直しするもの十二件、当面補修改造の必要ないもの二十一件」「できるだけ従業員の積極的な提案も求めて検討を加え、必要な手直しを行って、一歩一歩安全を確認してゆく方針である。」、これは瀬川さんの言葉。これによれば、直しつつもあるし、また今後も直そうとしている、こういうふうに言っていらっしゃる。大分清成さんの言い方と違うのですね。 それからまた、同じくその「いばらぎ」で、清成さんが、「パイロットプラントは本プラントのように完全に補修するわけにもいかず」と、もうできないとおっしゃっていますね。「またその必要はなく、」、必要もないと言っている。「当然そのままでやっていくが、第二プラントはそうはいかない。組合が指摘した八十二件などもよいサゼスチョンになる」。つまり、組合の指摘は第二プラントのサゼスチョンだ、こうおっしゃっているのですね。瀬川さんは現在のプラントでもやはり直すところは直す、こうおっしゃっている。これは、また何か読んだら違いますよ。 しかも、このいまの清成さんのを読んでいると、パイロットプラントという考え方が、実用化目的のプラントではなくて、理論的計算なり設計なりの正しさを実験やテストで試していくためのプラント、こんな理解に私は読み取れるんですよ、これ。これが本当に実用化運転を目指すものなら、そんな完全に補修するわけにもいかず、その必要もないなんというようなことでは済ませられないはずなんですね。この点で、これも非常にわれわれとしてはそれこそ解釈に苦しむ。そして、十月三日の創立八周年記念式典で清成理事長がおっしゃった、これは要旨でありますが、ウラン試験は一年くらいじっくりやりたい、安全にやりたい、こういうようなお話も出ているのですね。これでいくと、少々期間は一さっきは大分自民党に責められて、急ぐとおっしゃったけれども、これでいけば、いろいろ問題が出てくればいろいろ調査もし、研究も重ねて、時間がかかってもやはり開発プラントにふさわしいような慎重な技術蓄積も図りたいというようにもとれるのですね。 こういう点で、一体どれが本当のこの再処理工場に臨んでいる責任者の理念、姿勢なのか。一応権威のあるものをはっきりさせておいていただきたい。これで私は終わりますから。
○清成参考人 私たちの意見を大変よく読んでおいていただきまして、ありがとうございました。最初にお礼を申し上げます。 どれも真実でございます。いずれも真実です。そういうふうにそれを非常に違う、違うとお読みになるのが私は非常におかしいのであって……(瀬崎委員「これを同じように読めと言うのですか」と呼ぶ)いやいや、私が言っておりますのは、ウラン試験に着手するのに必要なところはもう全部補修してしまってあるということを申したわけでございます。したがって、開始に必要でないものはウラン試験中にも直していくということでございますね。したがって、瀬川さんのと一致するわけでございます。それからして、パイロットプラントと申しましたのも、実はパイロットプラント的性格を持っている、先ほども実は……(瀬崎委員「的と書いてないですよ」と呼ぶ)それは新聞のミスでございます。(笑声)それで、パイロットプラント的性格を持っておると先ほども実は申し上げた。それは、先ほど申しましたように、サンゴバンのものは非常に容量が小さかったこと、それから先ほど申しましたように導入の方法というものが特殊な、それをそっくりそのままの導入でないということから、あれは改善を加えていくべきものでございまして、したがってこれはパイロットプラント的、こう申し上げたわけでございます。 しかしながら、今度は、それじゃパイロットプラントはどうあってもいいのかというふうにお読み取りになりますけれども、決してそうじゃないので、これは眼光紙背に徹するようにそれを読んでいただけばよくわかると思うのですけれども、こういうことでございます。実は、御承知のとおり、再処理工場というのは、あの工場にだってこれは百数十キロのパイプが使われておる。それらはコンクリートの厚い遮蔽の中へ相当に入っております。したがって、安全に必要なところはどうしても直しますけれども、そうでないところはあれをそのまま——操作が便利になるとか都合がいいとかいうようなことのためにあれをいまから直すわけにはいかないのでございます。これは技術の問題としていかない。これはもう、瀬崎先生ちょうど工学技術者でございますのでよくおわかりだと思いますけれども、そういうことはできないので、能率や操作の面では多少不便を忍んでも、ですから手数をかけても注意深く運転していかなければならぬと思うのですが、これは事安全に関係がありまして、従業員の安全を害するとかあるいは環境の安全を害するというようなことがあれば、これはどんなことをしてでも直さなければいかぬ、これは当然そういうふうに考えております。どうかひとつその点を——第二プラントのときには、しかし、せっかくこれは従業員一同が指摘しましたり、なおそれを組合の方からも同じようなことを提案してあれば、これはやはり第二プラントの非常に貴重な参考としてわれわれは尊重していこうということでございます。ですから、誤解はないはずでございます。
○瀬崎委員 ちょっと一言だけ。不公平になるといけませんから、組合を代表して一言だけ要望を述べていただき、それから委員長にお願いしたいのは、うやむやにならないように、資料の問題として、先ほど出ましたプルトニウム蒸発かんの液漏れですね、この事故は調査中だということがありましたので、この調査結果の資料。それから二つ目には、ウランのたな卸しをされたところが八十三キログラムの行方不明が起こっている、これに関する資料。それから三つ目は、中島学説によれば、ウラン236は未照射のウランにも存在するということなので、その学説の出どころというものについての資料。この三点をひとつぜひ要請していただきたいと思うのです。これでもう私の質問を終わります。
○八木委員長 最初に組合の方から、円道参考人。
○円道参考人 簡単に主張します。 先ほど、安全上問題にならないところはやらないと理事長は言っておりましたけれども、これは非常に大変な問題でありまして、たとえばサンプリングベンチのように非常にサンプリングしにくい、そういう個所があります。これはすでに労働組合の現場の技術者も主張しています。それをもし直さないとすれば、これはむだな被曝をすることになります。これを改善して非常に操作性がよくなりますと、もっともっと少ない被曝で済むはずです。そういう点で見ますと、私たちはやはり現場の技術者が、変えていただきたい、改良していただきたいという問題は、積極的に直さないと、私たちは将来のむだな被曝線量を高めることになります。そういう点で非常に心配です。 以上。
○八木委員長 ただいま、三つの資料の要請があったのですが、出せますでしょうか。
○瀬川参考人 はい。
○瀬崎委員 それでは終わります。
○八木委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 今日、再処理工場の建設という問題は、莫大な国費を使っておりますし、国民の関心も非常に高いわけであります。いままで、原子力行政の問題というものは、非常に数多くの事故が発生もいたしておりましたし、特に象徴的な「むつ」の件を見てまいりますと、非常に残念な姿であるわけであります。現在、「むつ」にいたしましても母港から追い立てを食いながら修理する場所すらない。また修理するにいたしましても、あと何年かかるかわからない。この間に投じたわれわれの国費また優秀な人材、こうした非常にむだなように思うわけであります。そういうことで、この再処理工場の問題にしても、「むつ」のようなそういう無惨な姿にはさせたくない。これはみんな思うわけです。恐らく従業員の方々もやはりそういう気持ちでいろいろ問題を提起しておられる、このように思うわけであります。「むつ」のようになってしまったのでは手おくれであります。そういうことで、国民の代表としてのこの国会の場におきましていろいろと激励もし、われわれの要望も申し上げ、皆さん方にその中間地点において十分なそうした受け入れをしていただいて、今後のそうした対策をとっていただきたい。こういうことできょうは来ていただいた。このように思うわけでございます。 そこで、先ほど清成さんのいろいろなお話伺ったわけでございますが、モルモットというのは非常にいやな言葉だということを何回もおっしゃっておられたわけでありますが、先ほど他の委員からも話が出ておりましたが、あなたは八月の二十五日に「ウラン試験の開始にあたって」という通達をお出しになって、「いま事業団がウラン試験にはいる準備は技術的にも、管理的にも充分できたと確信している。従業員諸子は、我々を信頼し、安心してこれに取組まれることを望む次第である。」こうした理事長としての通達をなさっておる。ところが、この茨城の新聞を私もここに持ってきておりますが、こうした記事で見てまいりましても、悪いところはこれから出てくるだろう、そういうような予測がここに書かれてあるわけでございます。そうなってまいりますと、口ではモルモットというのはきらいだということをおっしゃりながら、従業員には絶対安心だ、やってもらいたい。しかし、こうしたいろいろなことが出てくるであろうということをおっしゃっているわけですね。これはモルモットということになるのと違いますか。その点についてはどうですか。
○清成参考人 いや、これもまた一つも矛盾はいたしませんのですね。実際にはわれわれとしてはウラン試験は十分に安全に入れるというだけの自信があるのでウラン試験に取りかかるわけでございますので、それはやはり安心してウラン試験に従事していただきたい、こういうことを言うのは当然でございます。ただし、ウラン試験なるものは先ほどから申しますように、この試験を通じていろいろな設計上の点あるいはその工作上の点のふぐあいを発見して、それをホットにならぬ前に、補修しやすいうちに徹底的に補修して、完全なものにしてホットテストに入りたいということでございますので、いろいろ出てくるというふうに言っておるのは、準備ができたから安心して入るということと私は一つも矛盾しないと思うのでございます。準備ができたからこそ、本当にそういういろいろな不良の個所を発見してやるという熱意に燃えてやれるわけでございまして、私は矛盾していないと考えます。
○近江委員 モルモットはきらいであるということを何回もおっしゃっているわけでありますし、そうであるならば、従業員の方から八十数カ所のそうした手直しということの要求があった。だけれども、あなた方は修理をしたということをおっしゃっているわけですが、従業員の方からすれば、修理が万全にいっていない。わかっておることからやってもらいたい。これを直さないこと自体がモルモットじゃないですか。これはひとつ労組を代表して円道さんでもどちらでも結構ですから。
○円道参考人 私たちは、まさにいままでの化学テスト、それにその以前に行いました通水作動試験、いろいろ段階がありますけれども、その都度出てきた問題は解決して、その次に進むべきである、こう考えています。そして、私も朝お話ししたわけでありますけれども、試験は私たち現場の技術者が本当に処置し、そして科学的な見通しの上で進めるべきであると思います。そういう点で、私たちはいろいろな角度で積極的に提案してきているわけですけれども、これをそのままにして技術的にも管理的にも安全だ、こういうもとで進められるようでは、私たち現場で働く者としては非常に不安を持つのは当然であります。そういう点で、ぜひこれからのホットに向けても、このような形で進むと、やはりホットになってしまったら手直し、改造ができません。放射能が高くて大変です。またいまのような形でいくと、そういうこと自身を、現場の指摘を、労働組合が積極的に提案しているやつを取り上げないで走っていけば、現場の人たちはやがて指摘するのに疲れてしまいます。現場の人たちが建設的に意見を吐いたものはどんどん取り入れて初めて、私たちが求めている再処理工場に近づくのだ、私はそう思います。そういう点では、ぜひ労働組合の、現場から出てきた技術者の要求を率直に受けてもらって、改善して進んでもらいたい。私はそう思います。
○近江委員 いま円道さんの方から痛切なそうした声があったわけであります。このモルモットということにつきまして、言行一致しなければいけませんよ。理事長は、そういうことはきらいだとおっしゃるなら、現実にそういう現場におられる方々のその声をやはり行動にあらわしていく、これがあって本当にあなたのおっしゃっていることがそうだな——それでなければ言葉だけですよ。本当はやはりどういうのですか。まあ労使のそういう関係という点でどうも問題をとらえておられるように思うのですね。この辺がやはり基本的な問題になってくるのじゃないですか。どうですか、この点。
○清成参考人 いや私は近江先生のおっしゃるように慎重に考えておるわけなんでございます。決して何も違ったことをやっているわけじゃございませんので、組合が先ほども——きょうは組合との議論じゃはなはだまずいのですけれども、そんなこう順序になるものですから、仕方がない、やりたくないのですけれども申しますが、提示されました八十二カ所というのは、これはわれわれずっと前からやっておったことでございますので、調査しました結果、その当時にも明らかにしましたように、もうすでにその中で措置済みのものは、そのとき三十六件ある。それからして、手配中のものは十三件ある。それでウランテスト中に検討して、必要があればウランテスト中に改造するというものが十二件。それから当面補修改造の必要がないものが二十一件。こういうかっこうで八十二件になっておるわけでございます。したがいまして、こういうことはもうすでにやってありますものが、取り入れているものが大部分。取り入れなくて当面必要がないというのは、先ほど申しましたようにパイロットプラントではこういうことはやれない、これはこの次の本当のプラントのときにやるべきだ。これは安全に本当に関係がないものは、パイロットプラントのときにはこれはやはりやむを得ないのでそれでやっていこうというようなものでございまして、これは九月八日にわれわれがこういうことを発表しておりますので、現在ですと、これはもうずっと手配済みのものその他のものが数増しておりまして、非常に組合の言うようなかっこうにどんどん進んでおるわけでございます。したがって、ホットテストに入って非常に補修がむずかしいから、ウランテストのうちにやろうということは、もう繰り返しわれわれが言っているところでございまして、そのとおりでございます。したがって、ウランテストでできるだけ悪いところを出してしまって、それで補修を完了しておきたいというふうなのは、全く同じことでございます。
○近江委員 現在ウランテストをやっておられるそのさなかに、先ほども報告がありましたように十数件の事故が起きているわけですね。ですから、これ以上進めていくという点におきましても、やはり非常に従業員の人たちも心配があるわけです。ですから、少なくとも提言したそうした個所について完全に修理をしてそれからさらにスタートをしてもらいたい、こういうように言っているわけですね。それで、いま理事長からそういうお話があったわけですが、本当にいま理事長が報告されたようなそういう改修状況になっているのですか。あなた方、要望したことは全部いっていますか。
○鈴木参考人 つい先日もこの件に関して事務折衝を持っております。それで、いま理事長が述べました件数については若干行き違いがありますけれども、検討中というものもかなりあります。しかし、しなくてもいい二十一件というのは、どうもこちらの資料と合いませんで、しなくてもいいと東海事業所側で答えていたのは六件だというように記憶しております。それから私たち、手直し個所について非常に特徴的にあらわれたのは、やはり九月二十日の汚染事故であろうというふうに見ています。
○近江委員 そういう食い違いがあるということが非常に明らかになったわけでありますが、その辺の詰めをやって、この改修ということについては全力を挙げますか。そうしないと、われわれの意見は通らないじゃないか。結局、理事長自体が機械を動かすわけにはいかぬわけでしょう。従業員が全部やるわけでしょう。そうすると、われわれの言うことを聞いてくれない、これは意欲を喪失しますよ。非常に大事な問題です。われわれは何もそれをとめようとか、あなた方のことを足を引っ張って動かさない、そういうことではないですよ。「むつ」の二の舞をさしたくないという、おこがましい言い方ですが、われわれの親心ですよ。その辺の食い違いについては、本委員会においては一つ一つ突き合わすということは、これは莫大な時間もかかるでしょうし、そこまで私は要求しませんけれども、さらに煮詰めをやって、いわゆる従業員からの提言の点については積極的にそれをやっていきますか。
○瀬川参考人 先ほどの八十二件の問題は、ウランテストに入る前の労使間の説明会なりあるいは労使交渉等における段階におきましては、組合の方からは八十件というものが要修理個所であるというふうに指摘されておりましたが、ただそのリストはいただいておらなかったわけであります。労使交渉の間で、そのうち組合側から十数件ほどは口頭で具体的に指摘がありました。いずれにしても、その間こちら側も口頭で労使交渉で説明がほぼ終わったものというふうに考えて、その間組合側の指摘する八十件のリストの提出を要望したわけでありますが、その提出がかなり手間取っておりまして、それらの経過から、私どもは一応ウランテストに入ることには支障がないというふうに考えてウランテストに入りました。ウランテストに入った直後に、組合から八十二件の要修理個所のリストが提出されたわけです。で、提出された直後に要修理個所八十二件を検討してみましたら、先ほど申し上げましたように、すでにそのうちで三十六件が措置済みであるとか、手配中が十三件であるとかいうようなことがそのときわかったわけであります。さらに、いまの御質問のような御趣旨も私どもとしてはふだん十分念頭に置いておるわけでございまして、この八十二件のうち十一月十日現在では四十八件が措置が済んでおるし、手配中のもの十三件は八件が済んで、残っておる手配中のものは五件であるというふうに、逐次八十二件の問題も善処はしておる次第でございます。 ただ私どもは、トラブルがあったたびに全部とめてその一つを修理するということよりも、ウランテストのうちの第一キャンペーンだけ一応済ませまして、そこで相当補修をやりまして、それからウランテストの第二キャンペーンをやる、さらにまた補修を行って第三キャンペーンをやる。そういう段階を区切りをつけながら次のステップへ進むという点は十分今後配慮していきたいと思っております。
○近江委員 この問題は最後にもう一度返りたいと思います。 今度はもう少し中身に入ってみたいと思うのですが、原子力局長からいわゆるウラン試験についてのそうしたお話があったわけでございますが、再処理施設の建設に当たっては原子力委員会において設計の基本、環境への影響等について慎重な審査を行っており、さらに設計及び工事の段階においては原子炉等規制法に基づく厳重な規制を実施しております。清成理事長もこの原子炉規制法に基づいて厳重にやっていくのだ、だから、もう心配ないのだということをおっしゃっているわけですね。ところが、「むつ」の例を見ましても、いわゆる原子力委員会でお墨つきをもらったということで進めていって、ああいう結果になった。あの出港直前から私たちは科学技術庁長官に、とにかく万全のそうした点検をし、それからでも遅くないじゃないかと、何度足を運んだかわからぬわけでありますが、いろいろ沖繩海洋博へのそうしたこともお考えになっていたのじゃないかと想像するわけでありますが、いろいろなことで焦る余り出港させてしまって、いまや取り返しのつかない足踏み状態を続けておる、こういうことなんですね。 そこで何点かずっと私お聞きしていきたいと思うのであります。まず労組の方にお聞きしたいと思いますが、先ほどから清成理事長はいわゆる管理区域ということを盛んにおっしゃっているわけですね。この管理区域というのはいわゆるウラン試験に入る前には実際にきちっと設定されていたのですか。
○鈴木参考人 実際のウランテストに入る前、局の認可がおりた時点から設定されていました。
○近江委員 原子力委員会の中にはいろいろな部会があるわけですが、再処理施設安全審査専門部会、これがいわゆる原子力委員会に上げてきて、それに基づいて許可を出したわけでありますが、そこには「ウラン試験中には、保安規定に準拠して、管理区域が設定されるが、試験期間中には天然ウラン又は劣化ウランのみが使用されるので、管理区域の区分はされない。」こうなっておりますね。そうすると、その管理区域を設定されたというのは、いわゆる動燃としてやはり設定していこう、しなければいけないという気持ちで設定されたわけですね。これはどういうことなんですか。
○中島参考人 実は再処理工場の管理区域には三つございまして、英語で言っているのですが、グリーン、アンバー、レッドという三区域がございます。その区域を区分しないという趣旨でございます。
○近江委員 それじゃこの管理区域の問題は了解しました。 それから「教育訓練の計画についても、ホット試験以降の再処理施設の操作上の安全性を確保するという観点からの配慮がなされており、妥当なものであると考える。」。ところが、労組の方におきましてはアンケート調査をやっていますね。そうすると、この教育訓練という問題につきましては非常に問題があるということを言っておられるわけでしょう。これは結局、安全審査部会では、いわゆるたたき台というものは動燃から上がってきておるわけでしょうが、それを検討して問題はない、あなたたちは大変な問題がある、こういうようなずさんな計画では困る、ということを言っているわけですね。その食い違いについてはどう思いますか。
○鈴木参考人 この安全審査専門部会の教育訓練計画があるから大丈夫であるというのは、ウランテスト中に、ホットテストを想定したという訓練計画があるからウラン試験に入っても大丈夫である、こういう言い方だと思います。しかし労働組合としては、ウランテストに入るにふさわしい教育訓練がなされているかどうかということを問題にしているわけです。ですから、ここでは次元がちょっと違うというふうに考えますけれども、先ほどから申していますように、やはり私たちは現場の声等から、ウランテストに入るにふさわしい教育訓練というものがまだ不十分であるというふうに判断して要求したわけです。
○近江委員 この「ウラン試験と安全」というところで、朝日新聞で中島篤之助氏が「見過ごせぬ従業員の訓練不足」ということをおっしゃっているわけですね。また組合からも、このままではウラン試験に入れない、そういう強い要望があったわけであります。ところが、同じく朝日に、これは瀬川さんが、「修理と教育訓練は十分のはず」、こういう反論をお出しになっておるわけですが、こういう両者が異なった見解のもとに進めていく、そういう中ではいいものができるわけはありませんよ、いい結果が出るわけが。労組等のそういう要求に対して、あなたたちは謙虚にその訓練計画なり何なりを点検をしてさらに充実をさせていこうと、こういう気持ちはなかったのですか。あなたたちがやっておることは万全である、こう思っておるのですか。
○清成参考人 私は、いまおっしゃるように、教育訓練につきましては決して万全だというようなことを考えておるんじゃありません。しかしながらいろんな、きょう私が劈頭に申し上げたことは、そういう見解の違いに起因するところを最初に申し上げたんでありまして、すべてについて——私は議論というものは科学的に具体的に客観的に、それでしかも良識的になされなければならぬと思うのでございます。したがって、そういう点がどうしてどこが不足なんだという点はやはり議論してでないと、具体的に例が挙がってきませんと、ただ不足するんだ、不足するんだ、いやウランを扱うとこわいんだ、危ないんだ、こういうことだけではどうも非常にまずい。そこで、そういう具体的に、科学的に出された議論でしたら十分傾聴して、必要なところは取り入れていく。これは当然のことでございます。そんなかたくなにやっているんじゃございませんけれども、私どうもいまの様子を見ておりますと、これはまたしかられますけれども、どうも「三人市虎をなす」というような言葉を思い浮かべざるを得ないようなかっこうに考えるわけでございます。
○近江委員 このいわゆる教育訓練の問題でありますが、要するに労組側から具体的なそういう提案がなかったじゃないかという御指摘があったんですが、あなた方は抽象論だけ言っておられたのですか。
○円道参考人 私たちはこの教育訓練問題につきまして、アンケート等で具体的に調査してきました。その結果をもとにして事業団側に、教育訓練不足に伴う不安の解消ということで具体的に提案しております。それは現場の技術者、それも中堅の人たちあるいはその下で働く人たち、そういう意見を取り上げて、そして新しくカリキュラムを組んでやるべきである、こういう主張をしております。 特にウラン試験に入るに当たって、私たちはいま入るべきでない、こう主張した根拠になりました問題につきまして説明しますと、一つは化学試験を行っている中で、私たちは長い間人員不足を要求してきました。この中で、化学試験を行っている中に、次々と出向あるいは事業団内における人事異動に伴ってたくさんの人たちが再処理に、人員不足のところを補うために入ってきました。しかし、実際にそこに働いている配属になった人たちは、先ほど鈴木参考人が言いましたように、一週間の説明、そして実際に中に入るに当たって約四週間になりますけれども、そういう教育を終えていった。しかし、再処理工場の特徴としましてたくさんのバルブがあります。理事長もおっしゃったように、非常に長い配管で複雑にできております。そういう中で、非常に自分自身が交代勤務でそれぞれ深夜に働いてみたり、あるいは昼間働いてみたり、いろいろ分かれている中で、とても自分で動かす自信がない、こういう要求のもとで私たちは、そういう自分たちが動かす自信が持てるために教育した上で入ることがこの職場の安全に近づくということを主張しています。その中身については、先ほど言ったように、実際に動かす人たちの意見を取り上げて、もう一回カリキュラム等をつくっていただきたい、こういう提案をしております。
○近江委員 まあ、重大ないまの御発言であろうかと思うんですね。やはりバルブ一つの操作に当たっても、自信がなくて手が出せない。そういうような人を配置していわゆるウラン試験に入る、これでは再処理施設安全審査専門部会、その教育ということにつきましてもここでうたってありますが、現場では違うわけですよね。あなた方は安全だ、いわゆる教育については万全にしておる。ところが、働いている従業員の人は、圧倒的なそういう気持ちを持っておるんですよ。これだけのずれがあるままにその試験をやる、これは強行試験、これは「むつ」と同じですよ。いまもその教育計画、またその訓練というものは万全であったとお思いですか。これはどなたでも結構です。
○瀬川参考人 私が朝日に書きましたのは、これは理事長からも先ほど何遍もお話出ましたが、教育訓練が完璧にできておるという意味で書いたのではありませんで、ウランテストに入るのには当面支障がないとみなせるというふうに書いたわけでありまして、その意味は、昨年の十一月から化学試験に入ったわけでございますが、昨年の中ごろまでは全体の試験も一年ぐらい、そのうち化学試験は三カ月ぐらいという予定でおったわけですが、やはりいろいろな実情を考慮しまして、昨年十一月に化学試験に入りましても三カ月の予定を半年かけて化学試験をやったわけでありまして、約二倍に期間を延ばしたわけであります。それらから考えまして、ウランテストはやっていけるだろうというふうに考えたわけでございますが、ただ、いま先生から御指摘のありましたように、やはり従業員の人たちとあるいは気持ちの上でずれがあるとかいうようなことも考えていかなければいかぬかもしれません。したがって、組合に教育・訓練計画に対して要望事項を一応できるだけ出してもらうように申し入れてありますし、またウランテストに入りましてから教育、訓練はその都度実情に合わして、スケジュールとか内容の変更を加えながら現在は進めております。
○近江委員 こうした問題につきましてはいわゆる労使一体になっていかなければならない。これは大きな技術開発の問題でありますし、呼吸が合わないことでは成功なんかするわけありませんよ。それを一方的に他に求めることではいけないわけです。お互いに尊重し合い、そしてそれを実行に移していく、その中に信頼関係が生まれてくるわけです。一方的に上から、私たちはこういう見解に立っているのだ、従いなさいと言ったって、不安でバルブ操作もできないというようなまるで鉄砲を持たずに戦場に立ってやれというのと同じですよ。これは不安になって、二の足を踏むのはあたりまえです。こういうことではなかなか進むものじゃないわけです。そういう労使の間という意識を捨てて、本当に話し合って、意見をどんどんと聞いていただいて、今後さらにそれを実現に移していただきたい、このように思うわけであります。 それから、「作業中には、手袋、マスク等の防護具を着用する等ウランの吸入防止に留意される。」あと細かいことをいっぱい書いてあるわけです。これはウラン試験にかかわる試運転計画について専門部会が言っているわけです。そうすると、その事故が起きたときも手袋もはめてなかった。審査部会でもこれが指摘してあるのに、動燃はなぜこれをやらなかったのですか。どういうわけですか。
○中島参考人 ここは「作業中には、手袋、マスク等の防護具を着用する等ウランの吸入防止に留意される。」ということでございまして、一般論で書いてございます。それでこの後、われわれとしましては、直接ウランを扱う場合には手袋等を着用せよということにしてございました。ただし、分析の場合には、先ほど申しましたように、一定レベルのところでは素手で扱ってもいいというようなことにしておったわけございます。したがいまして、サンプルをとる方は、当然直接扱いますので手袋をしていたわけでございますが、分析の方は、まず扱う量も少量であるということ、それからなるべく操作性をよくしようという意味で、ある一定限度以下はつけなくてもよろしいということにしていたわけでございます。
○近江委員 そういうことは労組側は知らなかったのですか。専門部会からそういう注意が出ておる。どうですか。
○鈴木参考人 知っておりました。しかし、私たち具体的に現場に入ってそういう作業を確認するということまで実質的にはやれなかったという側面はございます。
○近江委員 こういうように皆さん方の判断というものは現実には誤っているわけですよ。ですから、皆さん方がこれでいいと思っても、やったことが結局こうした結果を招いてくるわけです。専門部会で、このように注意しておることにつきまして、なぜもっとそれ以上の対策を立てないか。これでは、モルモットという言葉はきらいだとおっしゃっても、やはりこれはそれにも通ずることになるでしょう。その点は本当に反省しますか。
○中島参考人 先ほども言いましたように、分析の場合の試料の扱いについて対策が十分ではなかったことにつきましては反省しております。
○近江委員 それから「ウラン試験中には、天然ウラン又は劣化ウランのみが処理されるため、発生する気体、液体及び固体の各廃棄物に含まれる放射性物質はウランのみである。」、こうなっているのですね。ところが、なぜ236は出たのですか。そうすると、専門部会というものは最高権威者が集まってやっておるのですが、そういうものは含まれてないとここに書いてあるのです。これはひとつ科学技術庁にもお伺いしたいのです。科学技術庁、どうですか。専門部会にこう書いてある。含まれてないというのが、なぜあったのですか。
○山野政府委員 そこにはウラン236の表現はございませんが、専門部会は専門家の集まりでございまして、ウラン235の娘核種として236が共存するということは、当然頭にあったと存じております。
○近江委員 そうすると、ここの記述は、動燃としてはどういうように意味をとったのですか。また、専門部会はなぜもっと詳しく書いてあげないのですか。
○中島参考人 ウランと言いますのは、235も236も238も総称してウランと言っております。それで、したがって一々アイソトープのややこしい数字は挙げないということでございます。
○山野政府委員 私ちょっといま質問を取り違えておったようでございまして、235の娘核種236という表現をいたしましたが、トリチウムとトリウムと取り違えておりまして、訂正いたします。
○近江委員 この専門部会においては、236の存在ということは全然書いてませんね。なぜ書かなかったのですか。いろいろ予測されることは書いておくべきでしょう。
○山野政府委員 この審議の背景には、当然そういったふうなことは審議されたのでございますが、これは御承知のとおり報告書でございますので、細かい点は取り立てて書いてございません。
○近江委員 私が言うのは、知らずにこの記載をしてないのか、知っておった上で記載してないのか。知らないでこういう報告書を出したとすれば、この原子力委員会というものは、先ほど理事長からお話しになっているように、世界的な権威であるとか、そういうものには従ってほしいとか、いろいろなお話があったわけでありますが、知らずにこういう報告書を出しよるとするならば、権威を疑わざるを得ないでしょう。どうなんですか。
○元田説明員 ウラン試験計画の安全審査につきましては、先生おっしゃっておりますように原子力委員会の再処理施設安全審査専門部会で審査したわけでございますが、その過程におきましては、先ほど来議論が出ておりますように未照射の天然ウラン及び劣化ウランを使ったということになっているわけでございます。文章といたしまして236ということの表現がないことは事実でございます。
○近江委員 なぜそういうものが出たかという解明につきまして、われわれは技術者じゃありませんから詳しいことはわかりませんけれども、しかし釈然としませんよ。あなた方の答弁だって何だかはっきりしない。これはひとつ徹底した調査と究明をやっていただきたいと思うのです。後日、本委員会にその報告書を提出してもらいたいと思います。これは委員長からひとつ言っていただきたいと思うのです。
○瀬川参考人 私どもはウランテストを実施するに当たりまして、安全審査に手続しましたときは、先ほど元田さんがお話しのように未照射の天然ウラン及び劣化ウランという言い方をしておるわけでございます。一般に私どもは、劣化ウランという一つの売買上の呼称といたしまして買い入れる際に特にウラン郷があるなしは特に必要がないものとして購入スペックにも指定しておらぬわけでございます。 また、何で劣化ウランにウラン236がどこからどう入ったのかということも動燃としてはちょっと調査は不可能かと思います。それと、劣化ウランと称する場合には明らかにウラン235が〇・二%とか〇・三%——私ども〇・二%と〇・三五%の劣化ウランを二種類買ったわけでございますが、天然ウランは御承知のようにウラン235が〇・七%でございます。したがって、劣化ウランの中のウラン235の〇・二%ないし〇・三%のものにウラン郷が〇・〇〇二%前後あってもなくても、天然ウランに比べて放射能としてはきわめてずっと低くなっている。つまり、235と236を足しても天然ウランには及ばないという常識的な感覚もございまして、したがって、私どもは劣化ウランを購入してウランテストに使う場合には、ウラン236が仮に入っているかもしれないということが頭の中にありましても、問題はその中にプルトニウムが入っておるかどうか、あるいは核分裂生成物が入っておるかどうか、その二つだけを調べて安全性上の検討をするわけでございます。以上です。
○八木委員長 先ほどの要求される資料、どういう資料だということをもう一度はっきり言ってください。
○近江委員 事故が起きたとき、動燃当局としても非常に驚いたわけでしょう。予想していない数値が出た。そういうことであれば、その問題について、われわれはこうやって聞いているわけでありますから、当然はっきりさせる必要があると思うのですよ。この点はどうですか。
○中島参考人 われわれとしてそんな特別大きな数値が出たわけじゃなし、そう特に驚くというほどのものではなかったわけでございます。ちょうどここにもおりますけれども、当時われわれは夜間の場合に当直責任者ということで管理職を配置しておりましたが、その本人の話によってもそんなに大ショックを受けたというふうには一般の人がとっておらないというふうに聞いております。しかし、先般来述べておりますように、その調査、それからその対策につきましては、十分に講じてきたつもりでおります。
○近江委員 じゃ、その調査、また万全な対策を今後おとりになるわけでございますから、その報告書を後日提出をしていただきたいと思います。よろしゅうございますね。
○中島参考人 はい。
○近江委員 それから、理事長はウランを用いても試験中必要に応じて容易に各部を点検、修理、改造することができる、こういうふうにおっしゃっているわけでありますが、一度ウランを用いますと、修理改造には当然除染が必要になるわけでありまして、また防護具等を使用いたしますと、作業性も非常に悪くなるわけであります。そして作業上発生したごみ一つをとってみましても、放射性廃棄物として取り扱わなければならないということは周知の事実であるわけですが、あなたは簡単にできるとおっしゃっているわけですが、これはそんなに簡単にできるのですか。いま申し上げたような非常に困難なあれがあるわけでしょう。ですから、指摘された事項については作業段階を一時ストップするとかいろいろなことをしても、とにかくそうした改修を急いでやっていくということが前提になるのと違いますか。
○清成参考人 いまのはウランテストの段階でございますね。ウランテストの段階はホットテストのような非常な困難はないと考えております。したがいまして、簡単な除染はいたしますけれども、ホットテストみたような大がかりな除染ということにはならないで、これは十分補修ができるというふうに考えております。 それで、とめるとめぬということは、先ほどちょっと瀬川副理事長が申しましたように、ウランテストは三段階に分けてやっておりまして、第一段階というのは、部分部分のウランを用いての機能試験をやるということでありまして、その段階で悪いところをすっかり出しまして、その一つ一つを全部直しまして、補修をした後でさらに部分部分のものをもう一遍試験をしまして、その補修したものが有効に働いておるかどうかを確認いたします。それで確認をしてなお不十分であれば、さらに補修を加える。それでその部分部分が完全に補修が有効にきいておるということを確認した後に、全体をつないだ再処理工場としてのテストをやる、これが第三段階というふうに言っておりまして、その段階でまたいろいろなふぐあいなところが発見されれば、それも直しました上で十分試験をして、ホットの試験に入る。こういうことでございますから、ホットの試験に比べればはるかに簡単にできるというふうに申せると思います。
○近江委員 それはホットとの比較でありまして、現実はなかなか大変なんですよ。違いますか、労組の人。その点、ちょっと答えてください。
○鈴木参考人 おっしゃるとおりでございまして、私どもが手直し修理個所を申し入れたときにも、工程ではウランを使っていなければ——管理区域は設定されていましたから、持ち出す際には線量なんかはチェックする必要があるでしょうけれども、当然ウランの除染とかいう作業はしなくてもいいわけで、ウランを使っちゃってからやる作業よりもずっと早くできるでしょうし、作業の性能もいいということは、私たちは指摘していました。 それから先ほど手直し個所について提示がおくれたという話があったのでここでちょっと触れておきますけれども、私たち七月の末から八月の上旬にかけて手直し個所について四度ほどにわたって事務折衝を持っています。この中で非常に特徴的だったのは、手直しの必要があるだろうけれども時間がない。それから私の課でやっているとほかの課に迷惑をかけるのだというようなこと、それから材料がなかなか入らないのだというようなことで、大部分のものについては、すぐ直すとかウランテスト前に直すというふうな態度でなかったということと、七月の中旬から入るというのが、ほかの問題が出てきて交渉が一時中断しているというのが事実です。
○近江委員 この問題もやはり見解に差があります。この現場の働く人たちのそういう声を聞くということは、これまた能率向上にもつながるわけでありますし、そういう点を十分尊重していただきたいと思うのです。
○清成参考人 ちょっと発言したいのでございますけれども、私たちが言っておりますのは、けさほどから言っておりますように、ホットテストに比べればはるかに除染が簡単で補修もできます。ただ、しかしながら、ウランを使わなかったときと比較すれば、もちろん除染はそれだけの手数はかかります。当然でございますが、それらのものを容易か容易でないか、困難がどの程度かということは、やはり具体的に科学的に実際に数量的に出てこなければ意味がないのでございます。ただ、ウランがあればないときよりも除染が困難だ、これはあたりまえのことでございます。そんなようなことはわれわれ考えておりません。けさほどからの見解の相違というものの解決策として、私が最初に申しましたように、科学的に具体的に客観的に数量的に常識的議論がなされなければ見解が一致しません。見解を一致させるための方法を私はけさから申し上げておりますので、その点誤解のないようにしていただきたいと思います。
○円道参考人 私たちは労働組合として、試験の進め方として、あらかじめわかっているものについては直して進むべきである。それは科学的にも道理が通っていると私たちは判断しております。ですから、いま理事長のお話がありましたけれども、現場の技術者のわかっているやつは直して、その上で化学試験と本質的に違う、要するに核物質を使うウランテストに入るべきなんです。そしてウランテストで出てきた問題は当然ウランテストで全部解決して、次のホットに入るべきなんです。そういう点で、一つ一つ試験の目的が違うわけなんですから、その都度起きた問題については解決して進むのが当然ではないか、私たちはそういう点でもこの問題を主張しているのです。
○近江委員 わかりました。それからいわゆる細かい一つ一つの点におきましても、非常にいろいろな問題があるように私は思うのですが、たとえばこのサンプルにつきまして、ウラン濃度につきましてはリットル当たり五十グラム以上については汚染の可能性ありとして注意せよ。この五十グラムというのはどういう基準から出たんですか。四十九グラムだったらいいんですか。どういう科学的な根拠からそういうものが出ているのですか。
○中島参考人 これは先ほども申し上げましたかと思いますけれども、多分に経験的でございまして、色で目視できる限度は五十グラム程度である。それは決して四十九でいいとか、五十一がどうとかいう数字ではございません。判断の目安でございます。
○近江委員 そういう感覚的といいますか、そういうような指示で、働いておる皆さま方は安心できるのですか、どうですか。
○鈴木参考人 九月二十日の事故はこういう判断基準のもとにやっていた中で起こっているということです。ですから、私たちはその件に関して、予想していなかったことによって起こってきております。この問題はまたあります。しかし、やはり危険評価というものは、濃縮というものを含めて考えるならば、こういう判断基準というのは誤りであったと言えると思います。
○近江委員 これだけの科学の第一線の、言うなら仕事を皆さんやっておられるわけですが、そういう中にも、こういう現場の人たちからきわめて不安なそういう指摘があったわけですが、こういう一切の作業の安全基準であるとか、そういうことを総点検を一回やるべきじゃないですか。そして本当に現場で働く人たちも安心して仕事ができるようなそういう基準を設けるべきじゃないでしょうかね。総点検を一回やりますか、どうですか。
○中島参考人 分析につきましては、その直後に課員一同を集めて課会も開き、それからワーキンググループもつくって基準類の見直しをいたしました。その結果としていろんな対策を生んだわけでございます。これは分析課だけでございませんで、化学処理課でも、けさほどから申しておりますように、サンプルのとり方を改善するとかいうようなことをしております。なお、こういうことはずっと永続的に、それこそ永遠の問題であろうと思いますが、続けるつもりでございます。
○近江委員 いまあなたサンプルのことばかりおっしゃっていますが、私はさらに、余り細かいことはありませんけれども、そういうことまで言うのもどうかと思っていましたが、いわゆる放射線管理基準であるとか安全作業基準であるとかすべてを一回総点検したらどうかということを言っているわけです。にもかかわらず、あなたサンプルのことだけ言うのですが、一応申し上げてみますと、放射線管理基準、たとえば手袋の着用につきましては作業の種類によって定める、このようになっておりまして、手袋装着の具体的基準は明記されてないのですよ。こんなずさんなことがありますか。あるいは安全作業基準、「再処理建設所工務部分析課分析所一階実験室発行の安全作業手順(ウラン試験中に適用)がある。この手順の内容は、室への出入手順、」そして「終了後の整理、汚染確認、廃棄物処理、物品搬出入の手順、放射性固体廃棄物の取扱について記されているのみであって、この実験室で行う分析作業自体の安全のための注意事項、遵守事項などについては、一切記載されていない。また、ここには、抽出液など取扱物質の予想される放射性物質、その量、強度等については、何ら記載がない。従って、これは、人と物品の出入管理基準であって、安全作業手順、マニアルとは云えない。」、安全作業基準もこうです。あるいは「ウランにおける低放射性固体廃棄物の取扱いについて」、これはウラン以外には全く着目しておらないわけです。 こういうように一つ一つ細かい点を見ていきましても、非常に問題が出るんですよ。だから、すべての点にわたってあなた方は一生懸命にやっておられるということは私もわかるわけですよ。だれしも自分の仕事に情熱を燃やして使命と責任感を持ってやっておられること、やってないなんて、そんなこと言いませんよ。だけれども、まだまだわが国で最初のことをやるのですから、もっともっと総点検をして、また働く人々の立場に立ってやらなければいけないのじゃないですか。「むつ」の二の舞いをさせたくない、そういうことで私は申し上げているわけです。ですからもう一度総点検をなさって充実したものになさる必要があるのじゃないでしょうか。この点についてひとつお伺いしたいと思うのです。
○中島参考人 ただいまお調べの向きは恐らくあれでございましょうか(近江委員「これは東海地協顧問団の……」と呼ぶ)われわれ俗に幻の顧問団と呼んでおるのですが、それにつきまして、かなり中身が細かいもので、こちらとしても実はこうなんですよというのがございますが、余り長くなりますので一々申し上げることはちょっといたしませんけれども、たとえば分析の方法なんかにつきましては、これは分析方法だけを書くものでございまして、そういう核物質の取り扱いについては、別途必要な遵守事項を決めて教育しております。それが一々そういう教材の中にこれは入れないということでございます。 それからウランの、たとえば低放射性固体廃棄物の取り扱いにつきましても、ウランだけだとおっしゃいますが、先ほどからも出ておりますように、ウランというのは、もう天然自然に存在するものは必ず自然崩壊によって生ずるド一ター核種を含んでおるのでございまして、一々それに着目して長ったらしい文章にはしないということになっておるのでございます。
○近江委員 あなた方はあなた方の立場で、確かにそれはいま答弁なさったように、いろいろお考えもあろうかと思うのです。しかし、働いている人々から、あるいはまた技術的にそうした力のある人も調査をして、そうした点を指摘もしているわけです。ですから、やはりその辺を謙虚に、いい面はどんどん受け入れて、さらにチェックをしていく、こういう態度をとってもらわなないと——一々反論なさって、完璧である、完璧である、そんなことをおっしゃるなら、われわれとしても技術的には素人でありますけれども、学者を引っ張っていってさらにこれは徹底的な調査もしなければならぬ。そういうことになるわけですから、やはりそれぞれの立場でがんばっておられるわけですから、そうした点につきましてはさらに点検をなさるという謙虚な姿勢が要るのと違いますか。どうなるんですか、それは。
○中島参考人 非常にありがたいお言葉で、われわれもさらに謙虚に物事は考えていきたいと思っております。 なお、そういう基準類、特に作業マニュアル類は、これは特に年に一度総点検というよりも、仕事をしながら新しいことを加えていく、あるいはもうここは不要になったから捨てておくというふうに、改定を加えていく性質のものでございまして、それは先ほども言いましたように、永遠の問題としてやっていきたいということでございます。
○近江委員 絶えずそのように再点検をしつつ、またそうした現場の方々の意見も聞いて、信頼できる仕事ができるように今後やっていただきたい。これは強く要望しておきます。 全体に時間もずれておりますのでもう終わりたいと思いますが、最後に、いわゆる労組側からも提言がありましたように、やはりウラン試験に入る前から指摘もしている。しかし、そのことは完全に改修もされてない、こういうことで非常に不安を働いている人も持っているわけです。ですから、これはウサギとカメのたとえにもあるように、一時的にもたとえ中止をしてでも総点検をして、徹底的な手入れをして次に進む、こういう考えがないかどうか、これを一点まずお伺いしたいと思います。 それから、今回の事故に関する一切の資料を出していただきまして、その原因というものを公正にかつまた科学的に徹底してひとつ究明をしていただきたい。これをしていただけるかどうか。これは二点であります。 それからウラン試験計画、私は総点検ということを先ほど申し上げたのですが、さらに教育、訓練計画の抜本的な見直しをして再検討し、徹底した安全総点検を行っていただきたい。これは三点であります。 さらに、こうしたことをなさるにつきまして、現場の技術者あるいは働く従業員の方々の意見も十分尊重していただいて、そうした一致協力した体制のもとで進めていただきたい。 この四点のことにつきまして、簡潔に御答弁をいただきたいと思うのです。
○瀬川参考人 ただいま先生の御要望は、十分私ども常時考えているわけでございまして、事故のたびに私どももその原因をいろいろと調査して、かなりいろんな角度から今後の対策等も分析しておるわけでございまして、したがって、事故のたびに何か、かなり日にちがたった後で説明が行われるという点に、しばしば組合からも言われるわけですが、私どもは、そういうふうに事故が起きたら原因を分析して、対策はどうすべきかという点を盛んにいま掘り下げることをやっております。 いま御質問の御趣旨に対しましては、私どもはやはりマニュアルの改定とか、あるいは現状のトラブルをどういうふうに分類してどういう対策を広範囲に行うか。これはやはりウランテストの第一キャンペーンを進めて、第一キャンペーンの最終段階でそういう総点検的な取りまとめをやりたいというふうに考えております。
○近江委員 どうも抽象論の御答弁なんですが、理事長どうですか、いま申し上げた四項目について簡潔にひとつ。
○清成参考人 先ほどお話がありました総点検というようなことは、これはもういろんな基準類の点検は、先ほども参考人から申しておりましたように、総点検を一度にやるやらぬというような問題ではなくて、必要に応じていつもこれはやっていなければならぬということだと思います。したがいまして、そういう趣旨でもって、われわれは一遍ぱっとやったらまたやらぬというような総点検ではなくて、ことごとに常時チェック・アンド・レビューをやっていくという態度で進むつもりでございます。 それから、施設や作業の総点検は、これは先ほどもちょっと触れておったと思いますけれども、安全衛生委員会という労使双方から同数の人間が出ましたものを十分活用してやっていきたい。これが施設や作業その他の総点検になるというふうに考えておりまして、われわれとしては、必ずこれは、先ほどからも言いますように、科学的な事項でございますので合意点が得られると思うのでございます。したがって、なるべく見解を合わせるような努力をしなければならぬというふうに考えております。
○近江委員 もう終わりますが、ウラン試験はとりあえず一時的にも中止をして総点検をして、改修すべきことは全部やる、これについてはどうですか。
○清成参考人 このウラン試験中には全部のものを、大体ふぐあいなところを直すことはもう毎度言っておりますとおりでございまして、先ほども申しますように、第一段階から第二段階、第三段階といって、これはもう当然補修していくのでございます。したがいまして、いまウラン試験を中止して点検するというような必要は私は認めておりません。それで、ウラン試験をやりながら——やっていかなければなりませんが、第一段階を済ませば、おのずからその部分は中止して補修することになります。それから次の部分で、そこの試験が終わりますれば、その仕事はストップしてそこのところを補修するというかっこうになるわけでございます。また今度は、第二、第三段階でやってみましてふぐあいであれば、これは全体の関連を見るのですから、全体をストップして補修する、こういうことになるわけでございますが、御質問の意味がわかりませんが、いまウラン試験を全部中止して補修しなければならぬとは考えておりません。ひとりでにそういうふうになりますということを申し上げたいと思います。
○近江委員 じゃ、労組の人、いま理事長のそうした御見解があったわけですが、そのいわゆる第三段階に分けてやる。いま第一段階ですわね。これが終わった時点で総点検をして総改修をする。そのときに当たっては、そういう働く皆さん方の十分なそういう声も反映していく、こうしたお話もあったわけですが、あなた方それで、その当局の姿勢で十分な今後の協力をしてやっていけますか、どうですか。
○円道参考人 先ほど理事長の御発言の中で、安全衛生委員会にそれをやらせる、こういう発言がありましたけれども、安全衛生委員会はそれぞれの事業所におきまして事業所長の諮問機関という形になっております。私たちは、事安全の問題は労働組合として労働条件の重要な問題と受けとめます。ですから、私たち自身もいままでの取り組みであったように具体的なアンケートをやってみたり、あるいはいろいろな階層の人たちと話し合いをしていろいろな角度で詰めていきます。これにつきましては、団交あるいは労使協議会等のこういう席上でもって、事業所のあるいは事業団の考え方を、私たちの詰めてくる問題に積極的にこたえていただきたい、そして改善して進んでいっていただきたい、私たちはこう思います。
○近江委員 いま円道さんからお話がありましたように、そうした意見を十分ひとつ今後基本態度として取り入れていただいて、一致協力して前進していただきたい、このことを要望しまして、私の質問を終わります。
○八木委員長 内海清君。
○内海(清)委員 予定時間よりかなり延びておるので、なるべく重複を避けまして、ことに私は科学者でも技術者でもございませんから、きわめて常識的な質問になるかもしれません。しばらくごしんぼう願いたいと思います。 私、けさからのいろいろな質疑応答、これを承りまして、実は大変に遺憾に思うのです。少なくとも労使の皆さんはわれわれから見ればいわゆる専門家的な存在の方である。しかも、科学的、技術的な問題でありますから、これは結果はおのずからそういうふうなものが出てくるはずである。しかも、一つ事業所の中で一つの目的に向かって、そうしておのおのの立場を守っておられるわけだ。ただ、そこには管理者と従業員というこの一つの違いがあるわけなんです。これは管理者と組合というものがおのおのの立場を認めて尊重しながら十分話し合えば解決のつく問題が大部分であると私は思うのです。ただ、普通の一般の生産工場とかその他の工場とはよほどその辺が違うと思うのです。しかも、けさから聞きますと、一つの問題で意見の一致したものはまずなかった。ところが、分析し、試験するのが——これまたこれには組合員がほとんど入っておられるはずである、管理者だけでやってないと思うのであります。そういう立場から考えまして、どうも私はけさから聞きましてはなはだ遺憾に思うわけなんです。しかも、この再処理工場というものは国の仕事の一部を担っておられるわけです。そこには労使を通じて皆さんの責任もありましょうし、あるいは義務もありましょうし、同時に権利もありましょう。そのことは十分すでにお考えになっておると思うのです。 そういうことを考え合わせますと、これは全く労使に最初からの不信感というものがあるのだろう、こうしか思えないのです。私も民間工場におったことがございます。民間工場というのはやはり企業が存在して従業員があるわけで、あなた方の立場と違うかもしれないけれども、組合と経営者の一番対立点は労働条件の問題である。この安全教育というふうなものは、いわば労使共通の問題であると私は思う。私どもがおりましたところでも、全国的な組織でも、この安全問題などについては労使が本当に話し合って、全国的に各工場を点検して歩いたりしておる。そういうことから考えますと、どうも私は不審でならない。こういう形であるならば、ここで幾らやってみても、あるいは今後いままでの形でいかに話し合われても、なかなか一致点は見出しにくいのではなかろうか。あるいは理事者の方にも、国の機関であって、あるいは予算の制限があるかもしれない。その他いろんな制約があるかもしれない。この点はあるいは民間企業よりやりにくい点もあるかもしれない。けれども、少なくとも国の重要な仕事の一部でありますから、どうしてもやらなければならぬものは政府も認めなければならぬ。これは私はなし得ると思うのであります。そういう立場をまず持ちまして、私は、なるべく重複いたしません。いろんな問題で、私の考えておりましたものにつきましても今朝来ずいぶん話がございましたので、なるべく簡単に御質問を申し上げたい、こう思うのであります。 特に昨日、きょうもお話ございましたが、原子力局長の説明によりますると、いままで労使の間において、本社における団交あるいは現地における労使の協議会、さらには事務折衝あたりで、いわば七月の下旬ごろから三十回ぐらいな会合を持っておられるわけです。これでなおかつ現在こういう状況であります。これは、いま私が申し上げましたように、この形で幾らやったって一致点はむずかしいと私は思うのであります。しかし、こういう問題こそ本当に早く一致点を見出していかなければならない。これは労使の立場から申しましてもそういうことでしょう。あるいはわれわれ国の政治の一部に携わっておりますが、国家的立場から申しましてもそういうことであります。今後のエネルギー問題を考えるときにきわめて重要な分野を担当しておるわけです。 そこで私は端的に申し上げますので、あるいは言葉の足らぬところあるいは御無礼の点があったらお許しいただきたいと思います。 いま申しましたような立場から、私は理事者側にまずお尋ねいたしたいと思うのでありますが、組合から十四項目の要求が出た。それは昨日の説明でも、大体労働条件と安全の問題と教育の問題に分類されるであろう、こういう説明があった。きょうもそれに類したものがあったわけです。ところがこれは、いま申しましたように、普通の組合で言えば、労働条件が一番むずかしい問題なんです。ところが、これは大体妥結した。安全と教育の問題は相互関連いたしましょうが、この問題は双方の意見が全く平行線であるということが昨日の説明でもあったわけです。これはいま申しましたような意味合いで、私はその点大変不可解なように思うのであります。そこで、まず当局にお伺いしたいと思いますのは、けさからの話にもずいぶんございましたが、組合では教育がまだ不十分である、それはいわばウランテストをやるのになおまだ十分な知識がないんだ、だから困るんだ、一口に言えばこういうことだと思うのです。したがって、これに対しては当局は今日までどういう教育をされたか、この点をまずひとつお伺いいたしたい。
○中島参考人 まず一般論で申し上げますと、これは今朝来申し上げでおりますけれども、再処理の仕事といいますのはかなりバラエティーに富んでおります。非常に機械工業的な仕事もございますれば分析的な仕事もある、あるいは化学工業的な仕事もございますし、保守課というところの仕事もございます。したがって、その全般教育につきましては一般教養的な原子力の基礎知識なども含めまして、まず入社時に一月間の集団教育をいたします。それからなお一週間の集団教育を今度は工場といいますか事業所としてやりまして、その後各課に配属いたします。そして各課におきましては、先ほど言いましたバラエティーに富んだような内容でございますので、たとえば化学処理課について申しますならば、扱う化学プロセスそのものに教育の重点が置かれますし、機械的な仕事については、われわれのところは燃料の受け入れとかあるいは勇断というような操作がございますが、この辺につきましてはむしろ構造的なもの、それから今度は中での操作、これには特に遠隔保守といいましてマニピュレーターなどを使った保守がございますが、そういったものが主になります。また、分析におきましては分析そのもののマニュアルの講義もありますし、それからそれによる実習といったものが含まれるわけでございます。
○内海(清)委員 そういうことは大体わかりますから、そういうところは簡単にやっていただきたい。
○中島参考人 その程度でよろしゅうございますか。
○内海(清)委員 はい。いま承りますと、大体一般的なあれだと思うのですがね。どこでもやっておるような順序を大体踏んでおると思う。 そこで、ウランテストに入るまでに通水テストと化学テストが行われたわけです。ウランテストの次には実用のいわゆるホットテストというものが行われる。いまウランテストの段階で特にこういう問題が起きたということなんですね。だから通水テストと化学テスト、この段階についての問題が一番問題だと思うのです。このウランテストというのはホットテストの前に行うものであって、ホットテストというものを完全にやるためにこれを行う、こういうことなんですな。だから、これは恐らくそのために化学テストというものも、天然ウランとかあるいは劣化ウランとかいういわゆる障害が少ないこういうふうなものを使って、機器や装置の十分な機能をまず確認する、ウランテストを行う場合に遺漏のないようにやる、こういう意義があると私は思うのです。そのためにやられるのだと私は思うのです。そうすることによって、今度は次のホットテストに完全に移行しようというのだと思う。この点はどうなんでしょうね。理事者の方ももちろんそうお考えになっておるし、あるいは組合の方もこのウランテストをやる目的については、組合の方は何かそのほかに特別のものがありますか。
○鈴木参考人 先生がいまおっしゃられたとおりだと思います。そのほかに特別のものがありますかという点では、私たちは先ほども円道参考人が言っていますけれども、放射線を取り扱う職場なり大量の核物質を扱う職場として、やはり国内の原子力発電所における定期点検なり、運転時の被曝が非常に増大してきている。こういう問題を踏まえたときに、やはり修理なり保守、訓練というのが非常に重要であるということをウランテストの前に指摘してきました。ですから、そういう意味から言えば、私たちは実際の使用済み燃料を使ってからの被曝対策として、ウランテスト時にそれを非常に重要視してやってください、しかもウランに入るに当たってはそういう作業マニュアルなり訓練をやっておいて、ウランテストの際にはホットテストも想定して作業改善なり改造をする、そういうことをぜひやってほしいということを申してきましたので、その点は非常に重視しているというふうに言えるだろうと思います。
○内海(清)委員 そうすると、ウランテストに入る前、化学テストが済んだ段階でいろいろな設備の改善とか補修があれば、それはもちろん当局もこれは点検なさるだろうし、組合もこれは申し出た、こういうことですね。この点検あるいは被曝線量がふえるというのは、これは原子力発電所でもいまいろいろ問題なんです。私どもここでもいままでも論じてきております。これはいま技術者が少ないということがなかなかむずかしい問題ですね。ことに、下請などにいろいろな問題が出てきておるわけだ。だから、これはわれわれもよく承知しておりますが、これはひとつ当局側にお尋ねいたしますが、そういう改善あるいは補修すべきものはウランテストの開始前に大体措置されましたか、どうですか。
○中島参考人 御質問はウランテストの前に必要な改修は行ったかということだと思いますが、それはそのとおりいたしました。
○内海(清)委員 そうするとこれはできたんですね。手直しすべきところは手直しされた。それではその問題は組合側はどう受け取っていますか。
○円道参考人 私たちは実際の現場の人たちの調査あるいはそういう要求に基づいて、具体的に八十カ所なり、そういう形で提案しております。一つの例で申しますと、たとえばサンプリングベンチ、こういうところがあるわけですけれども、これは取り扱いが非常に困難です。こういうものについてはいまのうちに直しておかないと、ホットに実際入ってしまったら手直しは非常に困難です。そういう点も含めて数多くの問題点を指摘しております。
○内海(清)委員 そのことは、直しておかなければウランテストに支障があるか。何か危険がある問題ですか。
○円道参考人 これにつきましては、ホットテストの前の最終的な運転、こういう位置づけから見ますと、当然ウランテストでいろいろ行う試験はホットを想定してあるものであると私たちは受け取ります。そういう点で見ると非常に重要な試験でありまして、そういう点から考えますと当然改善等をやった上で進むべきだ、またそういう中で安全という問題も確かめられて、もっともっと科学的にも深まっていくと私たちも受けとめております。
○内海(清)委員 そのことは理事者側と十分話し合われましたか。
○円道参考人 これはいままでも話しております。
○内海(清)委員 それにつきまして当局の方はいかにお考えになっていますか。
○瀬川参考人 いまの組合の委員長の、ウランテストはホットテストと同じであるという点は、私どもは完全に考え方が違うわけでありまして、ホットテストを完璧なものにするためにウランテストをやるのであるというのが根本の趣旨なわけです。
○内海(清)委員 いまのお答えで、ホットテストを完璧にやるために、組合としてはウランテストのときにすでにそれを補修してテストに入るべきだという考え方であるし、理事者方は、これはウランテストにはその問題はいま必要ないんだと、こういうお考えかと思いますが、その点はどうですか。私は全く素人でよくはわからぬが、できるならば早くそれは完璧なものにしてテストに入った方がいいのじゃないかという気がいたしますが、まあしかし、いま申しましたように、国の一部の機関で予算に縛られるとかいろいろな問題もあると思うのです。そういうところをひとつ率直にお答えいただきたい。
○中島参考人 ウラン試験は、やはりウランを使ってみなければわからないことをテストするのがまず第一の目的です。ホットを想定するというのは、ウラン試験の一番最後の段階でございます。その前にとにかくウランで動くのか動かぬのかということを確かめなければならないということでございます。
○内海(清)委員 そこらに両方の見解が違うと思うのですね。それは全くいまおっしゃるとおりで、悪いと思った個所を直してウランテストでよくいったら次も安心である。ウランテストをやってみて、ここは悪いからそれを直してホットテストに入るんだということですがね。それはウランテストの段階になってみなければ全部はわからないかもしれません。あらかじめわかるものはこれをあらかじめ直しておくということは、別に差し支えないんじゃないかと思いますが、その点いかがですかね。
○中島参考人 先ほども申しましたように、したがいましてウラン試験を行うに必要な手直し、改造、これは十分済んでウランの試験を始めたということでございます。
○内海(清)委員 だから当局はウランテストに必要な補修はやった、それからホットテストに入るにはウランテストの最終段階においてなおどういうところをやらなければならぬかということをやる、ここに一つの基本的な違いがあるのですね、これは。その意見について両者で十分話し合われて、いままで話し合われたが了解点に達しなかったと、こういうことですか、当局側ひとつ
○中島参考人 われわれウラン試験を計画したのはかなり前でございまして、ことしの五月ごろから組合には申し入れをして話し合いを開始したわけでございます。しかし、七月に組合の役員の改選があったり何かして、その間とだえたということはございますが、一貫して早くから交渉は始めておりました。ただ、先ほども当局側の参考人が申しましたように、八十二カ所の問題にしましても、われわれは早く具体的にその内容を提示してほしいということを再三申したのでございますが、非常に遺憾ではあったんですが、われわれがウラン試験を始めてから数時間後にその具体的な内容を提示したということであったわけです。これは実は教育訓練につきましても、教育訓練の必要な具体的な項目について示してもらいたいということを再三言ったんですが、それはとうとう出てこなかったというようなこともありまして、われわれとしてもそういつまでも日を置くわけにはいかない。で、九月の初めにウラン試験を始めたということでございます。
○内海(清)委員 どうもいま両者のお話を聞きますと、そういう点について十分話し合いという態度がないようである。ですから、これはウランテストには差し支えないので、ホットテストまでに直せばいいということであれば、それは十分技術としての科学的根拠があるわけでしょうから、組合と話されれば組合もそれはわかるんじゃないかと思う。それだったら、ひとつウランテストの済んだ段階で十分補修して点検して、ホットテストに万遺憾なきようにしてくれと言うことは、これはおそらく技術者である限りには私はわかると思う。だからその辺の話し合いというものが、私はまだ足らなかったんではないかと思う。これは教育の問題は、これからまたお尋ねいたしますけれども、組合何かありますか、
○円道参考人 私たちは、ウランテストの位置づけという問題について少し述べておきたい、こう思います。 私たちは、やはりウランテストそのものはホットテストの前の試験である、ということについては、変わりありません。しかも、化学テストでは得られない、そういうウランの特性を用いたテストである、こういうふうに受けとめております。その中で、非常に大切なところが先ほど中島参考人の方から抜けているのではないかと私は思います。それは、すでに化学テスト等において明らかになっている問題は、ウランテストに入ろうとそれは直していかなければならない問題だと思います。 それで私たちがすでに指摘しているように、たとえばサンプリングベンチという言葉を具体的に説明するとおわかりいただけると思いまして、一つ例を挙げます。これはウランテストに入ろうと入らなくても、取り扱いにくいごとはすでに明らかになっております。で、私たちは、ウランテストの中でそういう取り扱いにくいやつを直しながら、しかもそのハンドリングの要するに操作性の訓練もやる、これが大きな教育訓練の一環ではないか、私たちはそう受けとめております。 この中で具体的に出てきた問題につきまして、実際のホットに入ったときどこを直せばいいのか、どういうところに注意したらいいのか、こういう点がそういうホットを想定する中で次々と出てくるわけであります。ですから、化学テストでできた問題は解決して一つ一つ進むべきである。私たちはそう思っております。そういう意味で私たちは、話し合いはいままで数多く労使交渉をやってきました。それは直して改善して進むという、そういう考え方でもって話し合いしております。ただ話し合いはするけれども改善をしない、こういうことでは私たち技術開発をあずかる現場の技術者としては、これはなかなか納得できないところであります。そういう点につきまして、私はやはり少なくとも安全な再処理工場を本当に実現していくという現場の技術者の要求、そういうところを一つ一つ組み上げながら進むべきである、こういうふうに主張しているわけです。
○内海(清)委員 それぞれ両方の言い分があるわけです。私は、同じ技術者だから、とことん腹を割ってお話しになれば了解点に達すると思う。こういう科学的、技術的な問題を同じ技術者同士で話し合っていかぬということは、その前に何かがある、こう解釈せざるを得ないのです。 そこで、教育の問題がありますが、これはもろちん未知の作業に従事するわけですから不安感が伴うことは当然でしょう。まして原子力関係の仕事でありますから、いろいろ不安感があることは当然だと思うのです。で、この不安解消の基本的なものは、やはりはっきりとした基礎知識を与えるということであろうし、それに基づいてその作業に対する反復訓練を行うということだ。まあほかにもまだまだあるかもしれませんが、大きい要素は私はこういうところだろうと思う。これを徹底させるということだと思うのであります。 今度の再処理工場のプラントというものは、理事者側ではパイロットプラント的なものだとお考えになっておるようであります。ところが、これに対して組合は、このプラントはどういうものだというふうにお考えになっていますか。もしこれがパイロットプラント的なものだと考えるならば、これは開発の一つの段階だと私は見るわけです。完成したものならもうそういうことはない。そうすると、いろいろな問題が起きれば、それを今度は実用プラント、この段階ではホットテストですか、これに反映させて、その場合にさらにトラブルのないようにするということが必要なんだと思うのですね。組合はこのプラントはどういう性格のものというふうにお考えになっておりますか。
○円道参考人 私たちは、この再処理プラントにつきましてはパイロットプラントということの位置づけについては、中身の問題としていろいろな角度で違いが出ております。やはり、日本でこれだけの規模で初めてやるということから見れば、パイロットプラント的性格は帯びていると私たちは受けとめております。しかし、パイロットプラントだからといって、現場の技術者あるいは研究者から見て改善個所がいろいろあるのにそれを残しておいていい、そういうものではないと私たちは受けとめております。ですから、パイロットブラントだから多くのふぐあいな点を残しておいていいというものではない。それを直して、パイロットプラントでも工学的に本当の目的を達成できるようなものにしていくことが開発途上の問題だと私は受けとめています。
○内海(清)委員 これはパイロットプラント的存在だということは両方一致したわけだ。したがって、いま組合の言われましたように、悪いところは当然直していかなければならない。これがいま私が申しましたいわゆる開発の一段階と見るということなのです。改良、改善してこれを完全にするということであります。ところが、その悪いところを直すという段階になって、さっきの問題のように、両者の意見がなかなか一致しないということです。そうして、それが不信感へまで発展しておるということです。この点は私は十分お考えいただかなければならぬと思うのですね。両者がお考えになられぬと、このままではこの問題は進みませんよ。私どものいままでの経験に顧みましても進まぬと思うのです。同じ職場で同じ目的を持った仕事についておられるはずであります。私が最初に申しました、労働条件で対立があるのならわかるけれども、こういう技術的な問題あるいは科学的な問題で対立があるというのはどうもなかなか納得いかぬというのは、そこなんです。ですから、私は、これはひとつ十分お話し合いいただきたいと思うのです。 けさからここでいろいろお聞きしましたが、それらの問題をひとつ虚心担懐に新しい立場でお話し合い願いたいと私は思います。しかし、テストにはすでに入っておるわけだ。この点も頭に置いてお話し合いいただきたいということを要望いたしたいと思うのであります。 この教育の問題につきましても、これはいままでフランスの技術が入ってきて日本で初めての開発だから、これについてはいろいろ技術的にも研究されあるいは体験もされる、あるいは人を派遣するとか呼んでくるとか、いろいろされたと思うのですね。一番大事なことは、こういう問題は、実地について研究することと、同時に基礎的な知識を得るということ、これが教育の重点でなければならぬと私は思うのです。さらに具体的に申しますと、いろいろやっておられるようですからそれらの点は省きたいと思いますけれども、今回のサンゴバン社のプラント、これは外国ですでに稼働しているのがあると思う。そういうところにもやはり技術者が行かれたわけですか。この点をひとつお伺いしたい。
○中島参考人 主としてフランスのラアーグという再処理工場、これもサンゴバンがつくった工場で、中のプロセスも動燃とよく似ております。そこに、そこだけではございませんが、約十五名の人員を派遣して実習させたわけでございます。
○内海(清)委員 それへ行かれて、そうして、私どものいままでの経験によれば、新しいものを開発するというときには必ず基幹要員といいますか、十分研究した、あるいは実地についても訓練された者、基幹的な者をまずつくる、それによって他の一般を教育していくということをやってまいりましたが、いま向こうには十五人行ったということでありますが、まだほかにもあるだろうと思いますけれども、そういう点はいかがなっておりますか。
○中島参考人 フランスのラアーグ再処理工場に行った人間以外に、原研に再処理試験施設という小型の試験施設がございまして、これは原燃時代からの話でございますが、そこへは延べで約三十名の人員を派遣して、向こうと一緒になりまして共同研究という形で建設それから運転に従事してきたわけですが、その人間がいまわれわれのところの係長クラス、主としてそういうところになっております。
○内海(清)委員 そうすると、係長クラス以上については大体基礎要員的な教育が行われておった。他の者はそれからさらに教育した。それから、できまして相当後から入った人がおると思います。これは大体高等学校卒業程度だろうと思いますが、もちろん学卒の人も多いのだと思いますけれども、重要な点はやはり高等学校程度。これの教育はどういうふうにしておられますか。
○中島参考人 いま係長クラスまでと申しましたが、その下に班長というのがございます。その下に一般のオペレーターがいるわけでございます。いまの御質問は、そのオペレーターの高卒の方だと思いますが、これは先ほど申しましたように、入社時に一カ月の集団研修、それから事業所に来てから一週間やりまして、これは全部集団です。その後各課配属になって、各課で必要な教育を行うという形です。
○内海(清)委員 いまのプロセスで教育されますが、それはどの辺を目的にした教育か。たとえば、いまやられておるウランテストにはこの程度の教育をしたらいいという教育なのか。もっと全般的な突っ込んだ深い教育なのか。その辺はどの辺を目標にして教育をしておられるのか。
○中島参考人 これがちょっとむずかしいのでございますが、やはり個人差がある問題ではございます。 まず、先ほど言いました入社時の集団教育、これはかなり教養的なものが多くて、原子力発電とかあるいは核燃料サイクルとかあるいは放射性物質の取り扱い、それから一般安全とか、そういったもので約一カ月です。後の、各課に配属になってからの教育について、それがいまのウラン試験に対してどういう水準にあるかというような御質問だと思います。これは非常にバラエティーがあるものでございますので、一概に、どういうように具体的に物を申し上げていいか非常にむずかしいのでございます。それで、われわれとしては、やはりそれらを指導、監督する立場にある班長あるいはその上の係長、それらを統合しました各課としてレベルがどうだということを十分に調査いたしまして、この程度ならば大丈夫というふうに判断したわけでございます。
○内海(清)委員 一般的な教育は、これはいわゆる概括ですよね。再処理工場についての概略的な教育だと思います。これはまあどうでもいい。 そうすると、あとは配属されてそれぞれのパート、パートでそれに必要な教育をやる。だからもっと簡単に言うてみれば、いまウランテストをやっておられるから、立場としてはウランテストに間に合う教育だということも言えると思うのですね。それはよろしいですか。
○中島参考人 結構です。
○内海(清)委員 組合もそういうふうに認識しておられますか。
○鈴木参考人 いま教育をする側の立場ということでお話があったわけですけれども、入社時の一か月の教育というのは、動燃に入って服務規程でそういうものももちろんやるということですから、いわゆる核燃料サイクルがどうとかこうとかいう問題、あるいは再処理という事業の問題、そういうことをまるまる一カ月やっているということではまずないというふうに御認識いただきたい。それから、各事業所に行っての一週間というものについても同様である。それから、各担当、特にここで申し上げれば、再処理に行って教育を受けるというような場合に、再処理で働くためには再処理の保安規程というものをよく勉強しなければなりません、あるいは放射線規程というものを勉強しなければなりませんけれども、こんなに厚いものです。こういうものを勉強するのに、それから各パートの勉強をするというのに一週間というのは非常に短いということが言えるだろうと思います。
○内海(清)委員 いま組合側では教育が不十分だということですね。理事者側では大体これでそのパートにおいては問に合う教育だ、こういうことですね。ここにも一つ大きな違いがあるわけですね。これらについても、恐らくいまのお話を聞けば了解点に達するまでの十分な話し合いはできていないと思うのですね。こういう問題は実際はどうなんでしょう、動燃の工場の中ですからそこに実際両者がおられるわけだ。現実としてこれが話し合いがつかぬというのは、どうも私にはわからぬ。 じゃ、ここで組合の方にもひとつお尋ねをしたいと思うのですが、教育問題はいわば経営効果を上げるために経営者の責任だといえば、これはそういうこともあると思うのです。けれども、やはり大事なことは、従業員も、初めに申しましたような一つの目的を持った工場なんですね、そのことは十分御承知だから、その使命感に燃えて、あるいは責任感に燃えて、教育ということ、知ることに対しての自主的な意欲も必要じゃないかと私は思うのですね。そういうことに対して組合としては従来どれだけの教宣をやられておるか、あるいは組合としてのそういうことに対する教育をやられておるか、この点をひとつお尋ねいたします。
○鈴木参考人 まさにおっしゃられるとおりだと思います。私たちは、先ほども出ました十四項目の要求の中に、そういう技術者として成長できるような時間を保証してください。現場の話を聞きますと、ある主査なんかの人から話を聞きますと、若い人を教育したい、指導したいけれども時間がないと言うのですね。ですから、そういう点での時間を保証してください。それから、先ほどもこちらの参考人が述べましたけれども、いわゆる皆さん居室というものを持っておるわけですけれども、再処理の現場の人たちは個人机を持っていない。それから居室についても非常に狭いというような状況がありますので、私たちは居室等についてもふやしてくださいということを申してきたわけです。そういう中で、やはり勉強できるような雰囲気なり時間を保証するということを主張してきました。それと、やはり働く者自身が勉強するということでは、労働組合が主催して勉強会あるいは安全講演会等も継続的に取り組みしています。
○内海(清)委員 組合としてもいろいろ教育をやっておられるようです。その場合に、もちろん組合の技術者がおられますからそれでやられるのだと思いますが、全般的について管理者側の人はより研究されておると思うのですが、そういう組合の教育機関に対して管理者が出ていろいろ講義をするとかいうようなことがいままでありますか、どうですか。組合の方にお尋ねいたします。
○鈴木参考人 組合主催のそういうときには、なかったですね。
○内海(清)委員 これは私は、そういう教育の問題には組合も経営者もないと思うのですよ。教育することは現実にそこにあるのですから、だからよりよい教育を積み重ねるという態度でこれは臨んでいただかなければならぬと思うのです。だから問題によれば、やはり経営者側のその専門のパートの人にやってもらうことがいいかもしれない。これは十分考え得ると思う。もし組合から要請があれば、経営側の方はそれはいとわれませんか。ちょっとお尋ねいたします。
○中島参考人 これは喜んでそういうのに参加——参加というか、派遣したいと思っております。過去にもそういうことがありまして、出そうかと言ったら、いやその必要はないのだというようなこともあったのでちょっとあれなんですけれども、そういうことに全然こだわっておりません。
○円道参考人 それにつきましては、私たちが具体的に再処理の勉強会をやるに当たって会場等も貸していただきたい、こういう具体的な提案をしているわけですけれども、事業団側は学習のための会場も貸さない、こういう事態も過去にありました。あと私たちは、そういう中でも現場の第一線にいる人たちがみずから自分たちで働くプロセス上の問題からいろいろ調査しながら勉強しよう、こういう姿勢でいるわけでありますけれども、その辺の資料等についても、提供を願ってもなかなか提供してくれない、こういう問題点が一つあります。 また現場の問題につきまして、先ほど鈴木参考人が言っておりましたけれども、もう少し具体的に話ししますと、実際に保安規定あるいは放射線障害予防規程等のたくさんの作業マニュアルの問題もあります。たくさんあるわけですけれども、実際に現場で働く人たちは、その書類を置く場所もなかなかない。しかも理事長の発言のように、オン・ザ・ジョブ・トレーニングといいまして、実際の現場教育という形で配属されているわけですけれども、現場にいる人たちは実際に装置を動かすのが精いっぱい、こういうのが現状です。ですから、私たちは当然自分たちみずから勉強していかなくちゃならぬ、こういう気概でおります。しかし、それを実現していくような労働環境はいま再処理には欠けているのだ、こういうことも私は主張したいと思うのです。それでやはりこの中で、少なくとも現場の人たちは第二プラントを目指しているのですね。積極的に勉強していきたい、こういう意欲を持っている人たちはたくさんいると私たちは受けとめています。また、今後の取り組みとしましても、やはり正しい科学的な知識を持てるように私たちはこの教育の問題は受けとめて進めていきたいと受けとめております。
○内海(清)委員 当局側にお尋ねいたしますが、いま言われましたことは事実でございますか、そのとおりでございますか。
○中島参考人 余りこういうことでここで言いたくはないのでございますが、会場の使用につきまして、やはりわれわれとしましてもルールがございます。そのルールに従っている場合には貸しております。ルールに反した場合にはお断わりするということでございます。
○内海(清)委員 これは当然管理者でありますから、いわゆる管理の責任がありますから、それはここは貸せないとかあるいはここはきょうは支障があるとか、そうすればこちらを使ってくれとか、いろいろあると思います。これも私は、そんなことこそ全く話し合いの問題だと思うのですよ。それを表面にかざして言うてきても貸さないのだ、あるいは言うてきたけれども貸さないのだというふうなことがあること自身が私はおかしいと思う。だから管理者としてはもちろん、その点は組合もお認めにならぬと、管理者には管理者としての責任がありますから、それぞれの都合があるだろうと思うのです。その辺、もっとお互いに開放した立場でお話し合いになることが私は必要だと思うのです。時間がなくなりますからそれはそのくらいにしておきます。 それで、いままでの関係で十分話し合いがつかないままにこのウランテストに理事者側の方はお入りになったということは、ウランテストを実施するのに必要な教育、訓練はすでにできたと、こういう御認識ですね。
○清成参考人 これは、いまの問題には、そういうふうに考えてやりましたということを先にお答えいたしますが、先ほどから内海先生のお話を私は非常にありがたく思っておるところでございます。まことに肯綮をつかれた御所論でございまして、まさにそういうふうに私も感じます。 科学的な問題が意見が一致しないということは、私は朝から申しましたようにないはずだと思いまして、先ほどからおっしゃいますように、一番一致しにくい労働条件では大体の合意を見て、そして安全と教育の問題で不一致というようなことは、本当にわれわれとしても恥ずかしい。世間から見たら、本当に何と言うかと思って、これは私としても非常に責任を感じておるところでございます。 そこで、先ほどから、私いろいろ朝から申し上げましたのは、これを解消する一つの手段としていろいろなことを感じますことを先ほどから申し上げたわけでございまして、しかも最後に申し上げました点が私は一番大事な点だ、私、理事長としてそういうことを痛感しております。 それは、一番最後に申しましたのは、善意と誠意と信頼というものの上に立たなければ、私は、先生のおっしゃるように、こういうことは成功しないと思うのでございます。これは関係する人間も非常に多くなりますし、機構も複雑になるということからこういうふうに申しておりますので、私はけさ冒頭に申しましたことの最後のところを繰り返して表明いたしたいと思いますけれども、事業団としても今後どうしてもやりたいと思っておりますことは、やらなければならぬと思っておりますことは、よきヒューマンリレーションを打ち立てる、これが私はおっしゃるとおり最重要事だというふうに思っております。そして、これも先ほど申しましたように、第一線の作業者とグループリーダー、そのまたグループリーダーと管理者というような段階で、やはりただ理事長と組合員、組合の執行部というようなところで幾ら議論しても、先生のおっしゃるとおりいかない。したがいまして、どうしても、私は現場でいいヒューマンリレーションを打ち立てていくいいコミュニケーションをやらなければならぬというふうに考えているわけでございます。それともう一つは、最後に申しました全従業員がやはり生きがいと真の人間の幸福というものにもう少し私は真剣に考えをいたさなければいかぬというふうに思うのでございます。 いろいろ先ほどから、どうも私は余り議論したくないようななにがたくさん出まして何でございますけれども、そういうような点は本当にいま私が申しましたことを虚心に帰ってやるならば必ずできるというふうに私は思うのでございまして、いろいろな点、いろいろな事情ということは、これはこういう席上申すのははばかりますが、これは確かにそういう科学的問題以前のことがあるという御指摘はまさに御名言でございます。十分われわれとしても注意してやっていくつもりでおるわけで、忍耐強く本当に息長くやっていくつもりでおりまして、こういうことをやりませんければ、いまのようなことをやりませんければ、本当の意味のフィジカルプロテクションなんという問題は解決しないというふうに思います。どうしてもそういう問題からむしろ精神的な問題に入っていきたいと思います。 そんなことを最後に私の意見として申し上げておきたいと思っております。
○内海(清)委員 いま理事長がお話しになりましたことは、私も全くそのとおりだと思うのです。両方が虚心に本当に話し合うということがなければならぬと思うのです。ところが、さっきの問題にしても、ウランテストに入るにも、理事者側は、これでもうウランテストをやるには十分の教育、訓練ができた、これで安全の面も確保される、こういうお考えであるし、組合は、教育はできてない、こういうことなんですね。これではいつまでたっても平行線、一致することはないわけです。このことはお互いにはなはだ不幸なことだと思うのですよ。でありますから、皆さん方には、ここで端的にぶしつけにお尋ねして御迷惑な点があったと思うのですが、ここで聞かなければ、いままでの話を聞いておって、あなた方がお話しになることは絶対ないと私は考えたからあえて申し上げたのです。その点御了解いただきたいと思う。けさからのを聞いておりましたら、何でそんなことをいままで話をせぬのかという気がするわけです。だから私はあえてここで申し上げた。この御無礼の点は御了解願いたいと思う。 それから、この際でありますからついでに私が疑問に思っております点をひとつ組合の方にも端的にお尋ねを申し上げたいと思います。 一つは、組合は、教育は不十分であって、安全の面等から考えてウランテストはまだ危険があるという御認識だと思うのです。これはなぜ危険があるか。皆さんも技術者でありましょうから、専門的な立場でこれの見解をお聞きしてみたいと思うのです。組合の方にお願いいたします。
○円道参考人 いまの指摘は次に述べるとしまして、私たちはやはり本当に話し合いをしながら、それで皆さんの指摘されてきたように、日本の本当の安全な原子力を確立していくためには私たちはもっともっと声を大にしていかなければならない、こういうふうに受けとめています。その中で私たちは、話し合いとともに中身のある実行を伴わないと、やはりそれは話し合いだけに終わってしまう、こう思っています。その中で一つ例だけ挙げて、私たちの本当の安全な職場をつくろうとしている姿勢を御理解いただきたい。こう思います。 私たちは、やはり化学テストに入るときも具体的に提案してきました。今回ウランテストに入るのにも具体的に提案してきました。一つの例を言うと、ここに穴がある、これは落ちたら大変なことになる。このような具体的な問題まで私たちは指摘してきました。しかしながら、この問題に対しても残念ながら話し合いではなかなか聞き入れてくれなかった。こういう非常に悲しい出来事の中に、現場の技術者の中にも、たとえば朝私たち具体的に話したわけですけれども、コバルトによるガンマ被曝事故、あるいは転落事故とか、具体的にこういう事故につづられた、こういうふうな開発では私はいけないと思います。ですから、私たちはいま考えられる問題にはすべて手を打って、そして事故を未然に防いでいく、こういう姿勢で次々と進んでいかなければならないと私たちは受けとめています。そういう点で、私はやはりウランテストの個々の問題、小さなあるいは大きいという言葉もいろいろあろうかと思いますけれども、一つ一つの汚染事故、あるいは身体汚染事故を科学的に究明して、それに対する具体的な対策を打つ、またそういう内容について一つの安全の問題として事故事例の解析とその研究はやはり将来の科学技術に一番役立つことであります。これは具体的な生き証人と言ったらよろしいでしょうか、あるいは失敗は成功の母という言葉で言ったらいいでしょうか、そういうことに私たちは具体的なやつを教材としてもっともっと使っていくべきだと考えております。その点につきまして、やはりウランテストにおけるいろいろなトラブルもあります。それは徹底的に現場の技術者が納得いくように解析し、それについては一つの教材として、再処理ばかりでなくて、私たちの職場にはほかにもたくさん高速増殖炉の問題あるいは新型転換炉、いろいろな開発をやっています。生きた教材としてどんどん使っていくために、この問題を一つ一つ解明していくことが必要ではないか、こう思っています。そういう点で、私はやはりこの問題は単なる労使間の問題ではなくて、将来の科学技術のあり方としてここで再度主張しておきたいと思います。そういう中で現場に働く人たちの犠牲や、あるいは広く国民という言葉を使ったらよろしいかと思いますけれども、そういうほかの化学プラントの公害の例を決して原子力の中に繰り返さない道ではないかと私は思っています。そういう論点で私はおります。 あと、最後に質問されたこと、ちょっと失礼しますけれども、どういう点だったか……。
○内海(清)委員 もう一遍申しましょう。いまのお話は私はそのとおりだと思います。ただ、ここには実際の仕事をしていく上には一つのプロセスがあり、あるいは制約された面がありますから、お互いにその立場も十分理解し合って、そうしてこの話を進めていかぬと話は進みません。このことは十分考えていただきたいと思います。 私がいま申しましたのは、組合の方では教育、安全の面においてまだ不十分な点が多い、したがってウランテストは危険である、危険なことが多い、こういうお考えのように簡単に言いますと受け取りましたが、なぜ危険なのか。これをひとつ専門家の立場で見解をお聞かせいただきたいと思います。
○円道参考人 ウランそのものは、これは一つは天然に存在したり、いろいろあるわけですけれども、実際に大型プラントで大量の核燃料物質を取り扱う、こういう中で、しかも大量の化学薬品を使う、こういう複合をした現在の再処理工場でありますから、私たちはやはりいろんな点で一つ一つ安全の解析をしていかなければ、私たちが予期しない事態に遭遇するのではないかと、こういうふうに受けとめています。 で、いま起きている事故そのものが非常に危険であるかどうかということについては、私はやはりこういうことを、たくさん続いてきているこういう一つ一つの事例をおろそかにすると非常に大変なことにいってしまう。こういう点で私は、個々の問題について事の大小いろいろ議論はあろうと思いますけれども、たくさん続いてきていることについて非常に心配しています。現場の技術者もそういう点で非常に危惧している、こういうふうに受けとめています。
○内海(清)委員 ただいまのお話は、理事者側はどういうふうに受け取っておられますか。
○中島参考人 まず、いま、これも余り言いたくないことですけれども、たくさんの方が聞いておられますので、ひとつ申し上げたいのですが、昨年のときに、ここに穴があると言ったにもかかわらず何もしなくて、そこに転落事故が起こったというような言い方をしておりますけれども、それを聞きますといかにもそのものずばりを指摘して、そこに何かこう転落したように思われるといけないのでちょっと実際を申し上げますが、それはそんなことはございません。それからもう一つ、これは私は非常に遺憾だと思うのは、そういう転落事故があったことは事実でございます。ただし、これは化学試験とは全く関係のない、まだ建設の残工事が残っていたときに下請の方が道案内人の案内で歩いたにもかかわらず落っこっちゃったというようなことでございまして、それをいかにも再処理で不安全なことがあったために事故が起こったと言うのは、これはみずから傷つけるものじゃないかというふうに私は考えているわけです。 それから、いまのウラン試験の問題でございますが、まあ一つ一つをあのように数え上げれば確かにあれは足し算しますと九件でしたけれども、そのようになります。しかし、それが即私どもが考えております危険というふうにはつながらない。先ほどからも何遍も言っておりますように、私はその現象が仮に軽微であっても、その原因は十分に追及するし、対策は講ずる、そうして一つ一つその安全性を高めていくという姿勢はできておるわけです。その上では、私は全然失望もしていないし、まず順調に進んでいるのじゃないかというふうに考えております。
○内海(清)委員 どうも聞けば聞くほどますます離れておられるという感じがいたします。しかも、私がいまのを聞いてさらに遺憾に思いますのは、そういう問題こそ内部で十分話し合われれば、無理にこれが早く外でかれこれ言われるよりも、内部で解決できる問題じゃないですか。それが内部では話し合いせず、内部で解決の努力をしないで、それが外に早く流れてしまうところに私はまた問題があると思う。そういう外から見ておれは、流れた問題に対してはいろんな見方が出てくるわけです。これは私はあとで申し上げたいと思いますけれども、こういう問題こそ、特に企業内の問題は労使で自主解決すべきであります。外に出すべきでありません。外に出すときには、どうしても話し合いがつかない、組合がストでもするときには、あなた方は国の仕事の一部をやっておられますから、そのときには、こういうことで話し合いがつかぬのだと国民の理解を得られることが必要だと思うのです。それまでは外へ出すべき問題ではないと私は思うのです。私から言わせれば考え方がどうもおかしいんですね。私が間違っておるかもしらぬ、けさから長かったから頭がぼやけておるかもしれませんけれども、私はさように思うのです。 そういう問題について、けさから私聞いておりましてもう一つ組合にお尋ねしてみたいのは、アンケートによって八十二カ所ですか、いろいろ問題の個所があったと、こう言う、それを是正を求められたと言う。ところが、けさからのあれを聞きますと、公式にこれを理事者側に提案されたのは、ウランテストに入った九月の四日という。これの開始の日に公式の提案があった、こういうことなんです。これこそもっと——まあその日でなければこのアンケートがまとまらなかったのかどうか知りませんけれども、もっと前もって話し合いがあるべきであろうという気がするんです。それが外にアピールの形で出てしまうものですから、これは知らぬ者から考えれば何しておるんだというようなことになる。あなた方はいろいろなにがあったかもしれませんけれども、それでもしもあなた方が、一応正式のはその日であっても、前から十分話をしておって、そうしてその話し合いに理事者側が応ぜられぬというのであるならば、強行にテストをやったというのなら、また話は別なんです。このあたりの事情をひとつ両者の方からお聞かせいただきたいと思う。
○鈴木参考人 先ほども一部御報告しましたけれども、七月の末から八月の上旬にかけて、たしか二十何カ所かにわたってお互いに出し合って検討したと思います。ところが、先ほども言いましたけれども、時間がないんだとか材料が入らないんですとか、あるいは私のところでそれをやっていると、ほかの課に迷惑をかけます、そういうような形で、あるいはウランテスト前には必要ないですというような形の回答が非常に多かったわけです。私たちは先生が御指摘のように、もともと外に出そう、そういうような気は全くなかった。これについてもいろいろなことがありますけれども、ある新聞社の方などは事業所の方から聞いたというようなことも私たち聞いています。まあこういう中でずっとほかの問題の交渉が続いてきている中で、私たちは無理に出そうという気はなかったにもかかわらずこれを逆に八十カ所なんてないんだというようなことをほかの企業なりあるいは新聞記者の方に事業所側が言うというようなことになってきたときには、出さざるを得ないような状況になってきているということです。ですから、私たちは本当にこの手直し個所はやはりけじめをつけて直してウランテストに入ってくださいというのは、基本的な点でずっと持ってきておりますし、交渉もしていきたいというふうに考えてきたわけです。ですからウランテストに入ってからも、これについては交渉を持ってきているというのが現状です。それで、再度申し上げますけれども、やはりけじめをつけて入るという、この姿勢を最初の交渉の時点で受けとめてもらえなかったというのは、私たちとしては非常に遺憾であったということです。
○瀬川参考人 ウランテストに入る前の経過につきましてただいま鈴木君から話がありましたが、私どもは、八月いっぱいは労使間のウランテストに関する事務折衝をやらせるようにしたわけですね。そのために、初め八月十七日でしたかな、ウランテストを予定したのをさらに八月二十五日に延ばし、また八月二十五日をさらに延ばして様子を見ようとしたわけですが、その間、ほぼ二十回ぐらい事務折衝があったように聞いておりますが、また、八十カ所という件数は、その間——労使間——組合側からそういう話があったけれども、事務折衝の面では八十カ所の内訳、具体的なリストというものは八月中は結局出なかった。そのうちの何カ所かは具体的な例として組合側から指摘はあったようでございますが、いずれにしましても、私どもは八月二十五日のウランテストをさらに九月にずらして、事務折衝上の組合側の反発のようなものをいろいろと様子を見たのですが、どうも具体的な修理個所に関する話というものが大分とぎれてきたように見えましたので、それで九月四日にウランテストに入ってもいいだろうというふうに決断したわけです。そうしたら、たまたま九月四日に八十二カ所の具体的リストが組合側から出てきた。時間的な経過はそんなふうになっております。 しかし、私どもは、先ほどからも申し上げますように、ウランテストに支障あるものはとにかくウランテストまでに直す。それからウランテストに入っても、急いで手配すべきものは手配をして、材料その他手配をして早急に着手する。また、ウランテストの第一キャンペーンをやれる範囲内では、一応第一キャンペーンをやってから修理をするとかいうようないろいろな分類をして、それなりの対策が逐次進んで、残っておる件数もわずかになってきておるわけです。しかし、ウランテストそのものは、やはり修理個所を見つけるということが本質的な問題でありますので、やはり修理個所もまた新たな点が出ていることもあるわけですが、それらは第一キャンペーンで洗いざらい見つけ出して、第一キャンペーンの終わりに全部これを検討して、第二キャンペーンの間で修理したいと思っています。なお、そういう対策を十分進める間において、組合側と常にこれから意見を聞くというような接触は十分緊密にやっていくことは、私どもは決してやぶさかではないつもりでおります。 それからウランテストが終わりましても、いろいろな準備その他ができてホットラインに入る際には、さらにホットラインに入ることにつきまして組合とさらにいろいろ検討を十分したいというふうに考えております。
○内海(清)委員 この点はやはり両者のそれぞれ言い分がまたありますので、これを突っ込んでいけばさらに言い分がふえるだけだと思いますから、これはこの辺でおきます。 それで最後に、もう時間が大体来ましたが、もう一つ組合の方にお尋ねして終わりたいと思います。 元来、こういう労使の問題は、ことにこれは原子力の問題でしょう。だから素人が外から見たら非常に実情がわかりにくいのですね。ただ外に出た、アピールされた問題をそのまま見やすい、こういうことなんですね。だから、これはやり方によっては大変な不安感を与えるわけですよ。ことに皆さんは国の仕事の一部をやっておられるのですね。国民にいわば不安感を与えるわけだ。だから、私が最初から申し上げておるように、皆さんはわれわれから見れば専門家同士なんです。専門家同士で十分話し合いをして、つまり、さっき申しましたような自主解決をすべきですよ。これは私は最初申しましたように、労働条件ならあくまでも平行線ということがあるが、こういう科学技術の問題であくまでも平行線というのは、私はどう考えてもなかなか納得がいかない。話し合いには緩急の順序もあろうし、いろいろな関係もわかって、お互いに理解し合って現状よりよくしていく、そうして一層生産意欲に燃えていくということがあると思うのです。ところが、その話し合いがとことんまでされないで、これがとかく外に出るということ、これを私は大変遺憾に思うし、どうもわれわれ普通の状態から考えると、これはおかしいと思います。あくまでも自主解決を図って、どうしても行き詰まってできぬ時分には、またそれによってとるべき手段がおのおのにあるはずなんです。おのおのの立場でとるべき手段があるはずなんです。話し合いもせず、そこまでいかず、一々それが外に出てしまうということは、どう考えても私は理解がいきにくいのであります。最後の手段を講じる、そこまでいっても解決しないときは、先ほど申しましたように国民の皆さんの理解を得るために十分それぞれの立場をアピールされたらいいと思う。それを聞いて判断するのは国民である。世の識者である。こういうことだと思います。それによって批判される場合は、私はやむを得ないと思うのです。国民の理解と批判を受けるべきである、私はこう思います。もう時間が参りましたから、それについてのお答えは結構でございます。 最初から申しましたように、あくまでもひとつ——きょうは大変御無礼なことを言って、皆さんお互い言いにくい、お答えいただきにくいこともあったと思うのですが、私は聞いておって、このままいくならば両方が話を打ち明けて腹を割ってやられることはないと思うから、この場であえて御無礼とは存じながら発言をいたした部面が多いのであります。 どうかひとつそういう立場に立って、今回の審議を契機にして、今後両者で十分話し合いのできるような立場に立ち返って、そうして再処理工場の本当の姿が出てまいりますように特に要望申し上げたいと思います。それにつきましての理事長なり組合の方からの御所見がありましたらお伺いして終わりたいと思います。
○清成参考人 先ほど申しましたように、きょうは内海先生の本当に的を射た御意見を承りまして、われわれまさにそういうふうに考えます。 繰り返しますけれども、われわれとしては十分話し合いでつくというふうに信じ切っておりますので、それを具体化してまいる決心でおります。どうかひとつよろしく御指導いただきたいと思います。
○円道参考人 私たちも長い間討論を重ねてきたわけですけれども、私たち自身も原子力基本法の三原則の精神にのっとって、やはりこの原子力の問題は単なる一企業の問題であると受けとめておりません。しかも、日本の将来の問題として、技術屋としても科学技術の発展のためには多くの障害にもぶつかると思います。その中で、そこに起きた多くの問題を将来の教訓になるように、公開し、その問題を徹底的に解明しながら進めていくべきであると考えております。そして私たち自身が多くの国民の税金を使っている、こういう立場に立っても、皆さんの納得のいくような安全な再処理工場を追求するように、私たちもがんばっていきたいと考えております。私たち、いろいろな点で新聞報道等の問題もありましたけれども、現場で働く技術者がこれから将来を担っていくに当たって、これから積極的に責任ある提言もいろいろな形でやりながら、国民にも受け入れられるような原子力というものを本当に実現していきたい、そのように私たちも努力していきたいと考えております。 労使間の問題につきましても、技術的な問題、多くの問題を解決するために私たちは積極的に努力していきます。
○内海(清)委員 いまお聞きしてそれぞれあれでありますが、どうぞひとつ、いままでのことにこだわらずに本当に虚心坦懐に話し合って、悪いところは悪いと、改良すべき点は改良すべき点として、がまんすべき点はがまんすべき点として、率直に立場を認め合って、十分今後進めていただきたい。それがいま皆さんがお話しになったことに沿うことだと思います。この点を強く要望しまして、終わります。
○八木委員長 以上で、参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、本問題調査のため、大変参考になりました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。 次回は、来る十九日水曜日、午後一時理事会、午後一時十五分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十七分散会