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76回国会衆議院1975/11/19

運輸委員会 第2号

発言数
212
登壇者
18
会派数
4
開催日
1975/11/19

会議録

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 これより会議を開きます。  陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 海部副長官にはお帰りになったばかりで、お疲れのところ大変恐縮でありますが、時期も切迫した問題でありますのであえておいでをいただいてお尋ねをしたいのでありますが、言うまでもありませんが、公労協を中心にしたストライキ権の回復の問題であります。  これはすでにこの六月にも総理からお話が出ているように、今秋には結論を出すという約束でありました。ところが、十一月を秋と言うのかどうかは別にしまして、秋ももう旬日を残すところになりました。しかも、閣僚協から委託されました専門懇の結論というか、答申もまだのようでありますが、かたがた組合の関係は二十六日からストライキを構えているという情勢にあります。この是非について議論もあろうかと思うのでありますが、いままでの経過からいたしますると、残念ながら政府が期日までに約束を果たし得なかったとするならば、このスト突入も政府の責任であるというふうに説明されてもやむを得ないのではないかと思うのであります。  ついては、ここまで参りまして、遠からずもちろん専門懇の答申が出ると思うのでありますが、これを受けての閣僚協では、先般も公式の場所でお約束をしているようでありまして、当事者、いわゆる当局者並びに組合の意見を聴取するというお約束をしておりますが、その当事者の意見をいつのころお聞きになる御用意があるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○海部政府委員 七四年の春闘終結時の口頭了解事項に従いまして、この秋ごろをめどに結論を出すという政府の方針は変わっておりませんし、ただいまも鋭意努力しておる最中でございます。  それで、たしか十三日だったと思いますが、公労協の代表の方とも私がお目にかかりまして、閣僚協としていつ意見を聞いてくれるかという申し入れを受けまして、実はきょうその回答をする期限になっておるのでありますが、先ほど、閣議終了後、官房長官、労働大臣とも御相談をいたしまして、わが方としては二十一日に関係大臣が時間を出し合いまして、公労協、全官公、公務員共闘、全施労、全動労ですか、この労働代表の方の意見をお聞きする心づもりでおります。これはまだ、いま相手側にこちらの都合を通告してあるところでありまして、御返事はまだ来ておりませんが、多分そうなるだろうと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 次に、本問題はいわゆる公制審の答申を受けての作業に入っているわけでありますね。それで、公制審の方の答申というか、これは、スト権について、労使の不信感を排除し、節度ある労使関係を確立するためにということで、それを受けて、労使関係の現状というか実情はいまのままでは放置できない状態にあるからということで、この問題を閣僚協で取り上げて、専門委員懇談会で細かい点を調べてもらおうというふうなことになっていると思うのです。  ところが、最近いろいろなところで議論が出ております。また、新聞紙上にもそういうものが伝わっておりますが、この公制審の答申を踏まえての作業から少しく逸脱している議論がかなり出ているようにわれわれは見ているわけでありまして、これは問題の本質を大変たがえるものではないかと私は思っているわけであります。公制審のこういうような答申というか、そういうものを踏まえての作業であるならば、閣僚協としては、スト権を与えるという前提、与え様については、いろいろと条件というか形がもちろんあると思うのでありますが、いずれにしてもスト権を与えるという原則の上に立って、その手段、方法を検討していくということでなくてはならないかと私は思うのでありますが、ところが、いま、専門懇を中心にした議論あるいはその他のところの議論を見ますというと、ややもすればスト権を否認する理論というものを展開していることが大変目につくわけであります。  すでに国鉄総裁が当事者として当国会においても言明しているように、スト権を認めないでは現在の事態を改善することにはならない。こういうふうに当事者が言っている。労働組合は、もちろんスト権を回復してもらいたい、これは当然の権利であるからスト権がほしいということを言っておるのでありまして、そういう言明から言っても、スト権を与えないという前提でいろいろな議論を展開することはこの際不見識ではないかというふうに私は思うのでありますが、御所見はいかがでしょう。  あるいは与えないための条件の議論を幾つか出していくというやり方は大変ひきょうなやり方ではないかというふうに労働者からとれば思えるわけであります。そういうことから考えまして、スト権の確立を中心にして、いかにこれを正しく処理していくかということが中心であるべきはずのものが、いま申し上げたような相反する意見が出ているということは大変遺憾だと思うのでありますが、官房副長官といたしましてはどういうふうにお思いになりますか。  特に、このスト権ストという悪循環を絶ち切るということは何回も国会で担当大臣並びに総理からもお話があったとおりでありまして、そうだとするならば、やはり明確な態度を打ち出してスト権の内容について議論をすることが当然ではないかというふうに思うのでありますが、いかがでしょう。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○海部政府委員 政府の閣僚協議会といたしましては、スト権を与えるとか与えないとかいうことを前提にしての理屈立てとか意見聴取などを考えておるわけではないのでありまして、文字どおり、国民の皆さんに大変迷惑のかかるストをやめてもらうためには、あるいは労使が話し合いで労使関係を確立してもらうためにはどうしたらいいだろうかという気持ちでいっぱいでございまして、専門懇は御承知のようにそういう結論意識を持たない各界各層の二十名の代表の方々にお集まりを願って、どうしたら労使関係がうまくいくようになるだろうかといろいろな角度から意見の交換をしていただいておるさなかでありまして、近くその結論も出てまいるように聞いておりますし、また、その結論を踏まえまして、閣僚協といたしましてもまた目的を持たないで、どうしたらいいかという本当に白い立場でいまは検討を続けておる最中でございますので、先生のおっしゃるような御心配のない議論が進められておる、少なくともいま政府は目的意識を持って意図的なことを考えたりやったりしておらない、というふうに御理解をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 副長官のお話は多少持って回ったようなところがあるが、もちろんいまの時期でありますから当然かもしれませんが、しかし、最後に、心配することはありませんよ、正しくやりますよという言明のようでありますから、私はそのとおりに受け取って安心してお任せをしたい。  いずれにしましても、スト権を与えるということは、これは手段、方法でありましょうから、問題を正常にしていくということがもちろん目的であります。そういうために、その事態を解決するためにはスト権を与える以外に方法はないという当事者の御意見もあるわけであります。労使ともにそういうふうに考えているわけでありますから、それ以外の議論を展開されることは、まさに暗やみにまたもう一度この問題を引きずり込んでいくということでありまして、事態はかなり深刻になる心配もあるわけでありますから、十分考えていただきたいというふうに思うのであります。  お疲れのところでありますから余りくどい話をしては恐縮でありますが、私はそういうふうに思うのであなたの御意見もそのように受け取っているわけですが、いかがですか。違いますか。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○海部政府委員 これは明確に申し上げておきますけれども、先生は何か、政府の閣僚協あるいは専門懇はスト権を与えないための理論構成をいろいろ考えて出しておるのじゃないかという意味の御心配がおありのようでございましたので、そういう御心配は要りません、政府は目的を持って特定の理論づけをしてくださいというような気持ちを持ったり、そういう誘導したりはしておらず、文字どおり各界各層から出られた代表に、スト権を与える立場あるいは与えてはいけない立場等いろいろあるのですけれども、そういういろいろな意見を交換してもらっておるさなかでございまして、閣僚協としてはいまのところ真っ白な立場でおりますし、それから先ほど申し上げましたように、閣僚協の立場でこれから関係労使の方の御意見もまさに承ろうとしておるところでございますから、そういう真っ白な立場におりますということを申し上げたわけでございます。  とにかく、結論を今秋ごろまでに出すという口頭了解がございますから、その了解事項に従って結論を出すべく鋭意努力を続けておる最中であるというふうに御理解をいただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 閣僚協はまだ問題を専門懇に任せておる立場でありますから、そういう意味ではもちろん白紙だと思うのでありますが、ただし、基本方針は公制審の答申を受けて専門懇に御委託になっているはずでありますから、基本線はスト権の問題を中心にしておやりになるということは理の当然だと思うので、私はあたりまえのことを申し上げておったわけでありますので御了解をいただきたいと思うのです。ただ、そのあたりまえのことに反する意見がちらほら出ているので大変心配をしており、あるいは労働組合の中にも不信感があって、二十六日からストライキで臨もうかという決心というか、せっぱ詰まった考えをしているようでありますが、そういう問題についてもこの際は早急に十分に考えるべきだと私は思っております。  副長官も専門懇の座長か何かでいらっしゃっているんですか。何か関係ありますね。ついては、専門懇のほうの答申というか、そういうものは急がせておられるだろうと思うのでありますが、いつごろ出るような予定でありますか。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○海部政府委員 専門懇に私もときどき意見を拝聴するために時間のある限りは出席しておりますが、特別の関係は何もございません。意見を拝聴させてもらいに行っておるということでございます。  結論はなるべく早く出していただけるようにお願いはしておりますが、いまのところ何日に専門懇の答申がいただけるということはまだ承っておりません。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 そうしますと、専門懇の答申がいつ出るかわかりませんけれども、当事者の意見は閣僚協として先ほどお話があったように二十一日にとにかく聞くということでありますね。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○海部政府委員 これは、わが方では二十一日に聞こうという準備をしまして相手方に通告がいたしてございますが、御返事がまだ来ておりませんので、返事が来ましたらそのとおりなると思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 きょうこれからお会いになるのですか。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○海部政府委員 実は、きょうこうして当委員会へもお呼びいただいて来ておりますし、それから昼からもいろいろ政府関係の仕事がございますので、そういう用意をいたしましたということを一応お電話で事務局からこの時間にはすでに通告をいたしておると思いますけれども、返事はまだ聞いておりません。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 海部副長官には大変恐縮ですが、もうちょっと御同席いただきたいと思います。  次に、運輸大臣にお尋ねしますが、いよいよ運輸大臣の手元にもスト権の問題が現実に回ってくる日程だと思うのであります。きょうはスト権の問題についてお聞きするのですが、最近、このスト権を与えるのには国鉄の経営形態の変更が必要であるという議論がなされている向きがありますが、これについてはどういうふうにお考えでありますか。  すでに三木総理は参議院の方で、経営形態の変更は考えておりませんということを言われている。その後たしか本会議で、たばこの問題か何かのときには多少これに説明を加えられておるようでありますが、基本の線としては経営形態を変えるつもりは持っておらないというふうに言われております。それから、もう一つは、国鉄に限定するわけでありますが、国鉄の総裁は、これも公式の場所で、経営形態の変更は国鉄本来の使命達成が困難になる、だから、経営形態を変更したりというか、民営に移管するというようなことは考えられないというように言明されておるわけです。  そこで、運輸大臣は、経営形態について——経営形態を変えるというのは大体民営であります。あるいは分割もございますけれども、おおむね民営ですね。分割の場合は分割民営というのが多いですね。この民営について、いまの事態から見て、特にスト権を与える場合にはそういうものが必要だという御意見を持っておられますかどうか。当事者がそういうふうに言っておるし、総理もそういうふうに言っておられるんだが、国鉄再建問題懇談会ですか、大臣が主宰されてあなたは各方面の御意見を聞いておるようでありますが、いままでの問題点の議論は大体終わってまとめの段階のように聞いております。その中でも、このスト権の問題というか、労使の不信感あるいは労使の紛争について幾つか意見が出ておりますが、その意見を見ますと、スト権を与えないという意見は一つもないように思っておるのでありますが、この二つについて御所見を承りたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 国鉄の再建にいま私たちは一生懸命になって取り組んでおるわけでございますが、まず、スト権云々の問題の前に、国鉄の経営形態という問題は国鉄の再建問題との関連においても一つの問題であることは事実でございます。  いま、国鉄の再建につきましては各方面でいろいろな建設的な意見が出ておるところでございます。私が主宰をいたしております国鉄再建問題懇談会におきましても経営形態の問題についていろいろな意見が出ておることを私も承知をいたしております。その経営形態につきましては、いま久保さんがおっしゃるように民営移管論ということが経営形態の中心の議論になっておるわけでございますが、私は、あの再建問題懇談会等で、いろいろな知識経験を持っておられる委員さんのそういった意味の発言につきましては十分耳を傾けて聞いておるところでございますが、しからば、政府としてあるいは運輸大臣としてこれはどうであるということにつきましては、私は、現在、この問題についてどうこうという結論はまだ持っておりません。ただ、総理大臣が先般、たしか参議院の予算委員会だったと思いますが、民営への移管は考えていない、研究課題としてはいろいろあるけれども考えていないという答弁をしておられますが、私も同じように現在は考えておるところでございます。  それから、スト権の問題について再建問題懇談会でいろいろ意見が出ておるが、スト権を与えてはいけないという意見は出ていないようだというお話でございますが、実は、再建問題懇談会におきましては、検討の項目を次々と決めて、その問題でいままで御意見を聴取しておるわけでございますが、このスト権問題については、これを議題にしてまだ御意見を聞いておりません。いままでの他の項目についてのいろいろな意見開陳の中でスト権問題についてはちょこちょこ触れられておるところがございますが、スト権問題ということの議題で懇談会を開いておりませんので、これは今後そういう場合にいろいろ御意見を開陳していただけることだと思っております。  いま大体いままでのものをまとめておりまして、まとめ上がりましたらそれをもう一度懇談会に送りまして総ざらえ的にまた御意見を聞かせていただきたいと考えていま準備を進めておるところでございますので、いままではスト権問題を議題にしての意見はまだ出ておらないわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 スト権の前に再建が第一であるというような御発言がございましたが、あなたがおっしゃるのは、いわゆる財政再建だろうと思うのです。しかし、財政的な再建だけでは国鉄の再建はできないのは御承知のとおりでありまして、働く者の協力というか、労使関係の信頼感というか、そういうものが何といっても必要なことはお認めになりますか。いかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 私が国鉄の再建と申し上げておりますのは、ただ単に財政再建ばかりではございません。私は、最初から、この問題に取り組みますときから、国鉄の現状から考えて、再建には財政上、経済的な再建と精神的な再建と二本柱が中心になって初めて再建ができるという考えを持って臨んでおるわけでございます。  財政再建ともう一つの精神的な再建という問題につきましては、やはり、労使が一体となって今日の国鉄の現状を憂え、そして再建に向かって十分信頼関係を持って再建に当たる、責任のある行動をとって再建に当たるということが一方において非常に重要であるという認識を私は持っているわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 スト権の前に再建が必要だということは、そういう意味ではなるほど再建はスト権を含めて再建なんですね。いわゆるスト権と言ったら大変語弊がありますが、労使の協力というものが土台になって再建ができる。そういうふうに世間でも見ているし、当事者もそう見ているのですね。だから、これは別に答弁を回避する必要はないんではないかと思うのですよ。きょうは別にひっかけるつもりで私は質問しているのではないのですからね。私の方は真剣にそういうふうに考えておるのでありまして、この時期に大臣の答弁というのは非常に大事だと思うのです。  そういう意味で申し上げているのでありまして、重ねてお尋ねしたいのでありますが、再建には、スト権と言ったら語弊があるが、労使の協調というか、協力というか、これがやはり土台である。その土台をつくるためにいま議論の焦点になっているのがスト権の問題であるというふうに、私は理解しているわけであります。そういうふうに理解して間違いはないと私は思うのですが、いかがでしょう。  それから、続いて申し上げますが、スト権の問題はまだ議題にされておらないということでありますが、先ほどの海部副長官のお話によりますれば、二十一日に閣僚協としては当事者の御意見を聞いていくということです。かたがたあなたが主宰している再建懇談会の方の議事の進め方はいよいよまとめの段階でありまして、言うならば、そこでスト権を議論されることも結構でありますが、それでは閣僚協の中であなたが是非を判断するには懇談会が結論を出さなければ閣僚協で御意見が述べられないようにも聞こえますけれども、これは話が違うのじゃないかと思うのですよ。いずれにしても、このスト権をどう処理するかということは再建に通ずることでありますから、先ほどの言明をもう一遍わかりよくお願いしたい。  それから、もう一点は経営形態の変更の話でありますが、結論的に総理大臣は変えないと言ったが、運輸大臣はいまのところ考えていないということです。これは国鉄ばかりじゃなくて、三公社五現業を含めて、そこで働く者がいま経営形態を議論されたら大変だということで——大変だというのは、経営形態を変更するという考えを政府首脳部が持っているとするならば、これは職場に大変な動揺を来すと私は思うのです。  この経営形態の変更については、たとえば専売公社にしても、電電にしても、あるいは国鉄はもちろんでありますけれども、長年いろいろな議論が出まして、結局、結論として経営形態は変更すべきではない、現況のままで改善すべきものがあれば改善していこうということに大体落ちついていると私は思うのでありますが、そこで、現在、担当の運輸大臣が国鉄の経営形態の変更について質問されたことについて何も考えておらないということは総理大臣の言明どおりであるのかどうか、一遍これははっきり御答弁いただいた方がいいと思うのですが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 経営形態につきましては、総理大臣が予算委員会等で申し述べたとおりでございます。私も同様に考えております。  それから、国鉄の再建とスト権との問題であなたにひっかけられるんじゃないかといって警戒をしながら答弁をしているわけではございませんので、スト権というものは、申すまでもございませんが、本来労働基本権としてそれ自体の問題があるわけでございます。スト権は労使の団体交渉の一つの補完的な機能を持っておるものでございますので、そういうものであるという認識の上に立っております。  したがって、私が国鉄の再建問題について申し上げたいことは、団体交渉は現在認められておるわけでございますので、その団体交渉の場において、労使ともに、スト権があるなしの問題とは別に国鉄再建のために協力してやろうという精神のもとで団体交渉が進められることが最も大事であるというふうにいま認識しておりますので、スト権は労働基本権の問題で、これを公共企業体の労働組合に与えるかどうかという問題はその問題として検討すべき問題である。  ただ、久保先生もおっしゃるように、スト権というものを与えられなければ再建を図ろうとしても精神的にそれとのひっ絡みでなかなかできぬではないかという御心配を言っておられるわけでございますが、そういう意味では私は完全に関係がないとは言い切れぬ問題だとは思いますけれども、本来別の問題であると思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 私は別の問題という表現にちょっとひっかかるのでありますが、スト権というのは労働者の基本権でありまして、それを度外視して経営というものを議論すること自体おかしいのではないかというふうに私は思っているのです。基本権を取っちゃっておいて経営を議論するということはナンセンスにも通ずるのではないかというふうに思うのです。だから、運輸大臣、その基本権と別だなんというのは、きょうは少し気楽に御答弁がいただけない証拠のように思うのでありますが、私はそう思うのです。  再建も経営も、これはそこで働く者がいて経営ができるわけでありますから、働く者の基本権を剥奪しておいて、それでおまえたち自主性を持っておやりなさい、協調しなさいと言っても、これは無理な話だと思うのであります。それが証拠に、そういうものは議論だから、理屈だから、つけようによっては幾らでも何とでもなるかもしれないが、現実の事態はどうなんですかということです。今日まで来ている事態、現実の事態というものを直視した場合に、これはスト権を与える与えようは別として、与える以外に道はないというのが当事者のいままでの意見じゃないのですか。だから、それを度外視して再建を議論することは大きな欠陥だと私は思うのです。これはしつこいようですが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いままで国鉄はスト権を認められていないわけでございますが、かといって、過去におきまして国鉄の再建のために労使が協調していなかったということではないと思います。いままでも十分に協力をして今日の国鉄再建に努力をしてまいったことは事実でございます。しかし、スト権というものは労働者の基本権でございますので、労働者の側から言えば、その形態がいかにあろうとも、労働者の立場としてはスト権を認めてほしいというのは当然であると私は思います。  そういう意味で、今後の国鉄の再建につきまして、スト権を与えるか与えないかという問題は、私は絶対に関係がないということを言っておるわけではございません。理屈だけ言いますと別個の問題としてあるべき問題でございますけれども、事実問題としてはやはり関係があるということは承知をいたしておるわけでございます。  ただ、このスト権を認めるかどうかという問題はいろいろ重大な要素をたくさん持っておりますので、いま官房副長官から答弁がございましたように、閣僚協を受けました専門懇で、学識経験者の中で十分にいま検討してもらっております。その結論を受けて閣僚協で最終的には結論を出すという手順でやっておるのも、スト権という問題がただ単に与えるべきか与えるべきでないかということを軽々に決定すべき問題でないほど重要性を持っておりますので、そういう手順を踏んでおりますので、その答申を待ってわれわれとしても結論を出したい、と、かように考えておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 いままでのお話だというと、時期が時期でありますからお話が徹底しないのかもしれませんが、スト権を与えるか与えないかの議論は、これはもうすでに終わったと思っているんですよ。スト権を与える形としてどういうふうにしたらいいか、あるいはそれに応じた当事者能力はどうあるべきかということが議論の焦点になったと私は思うのです。七、八年もかかって、足かけ約十年もかかっているのでありますから、公制審の答申が出てから今日までそういうものを踏まえて先ほど申し上げたようにやってきているのでありますから、逆戻りというものはいかがかというふうに私は思うのであります。もしもそういう後戻りの議論になるようでありましたならば、これは大きな混乱でありまして、あなたがおっしゃるところの国鉄再建というものはかなり困難なものになってくる。だから、そういう点を十分お考えの上で善処されるようにきょうのところは要望しておきましょう。いずれにしてもむずかしいようですからね。  ただし、もう一つ御返答いただきたい点があります。国鉄総裁がいらっしゃいますが、国鉄総裁はすでに国会にも参りまして、御承知のようにこの問題についてはっきりしたお話をして御意見を述べられております。それは言うまでもありませんが、今日の事態を解決するにはやはりスト権を認める以外に方法はないと思うと、これは条件つきかどうかは別にしてそういうふうに思いますと言うし、それからさっきも申し上げたように、経営形態を変更するなどという議論は、国鉄本来の使命を達成するのにはそんなことは困難だ、できっこないのですというようなことをおっしゃっているのでありますが、この言明は監督する大臣としてお認めになりますか。いかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 これは国鉄総裁が総裁としての判断によって見解を出しておられるわけでございまして、私がそのことについていまここでとやかく判定すべき問題ではない、国鉄総裁はそういう意見を持っておる、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 なるほどこれは国鉄総裁の意見でありますから、それは意見ということでありますが、これはやはり尊重さるべきものでしょうね。家の中で着流しであぐらをかいて話をしたような話ではないのでありまして、経営の根幹というか、基本に関係するものでありますし、しかもこれは公式に責任ある国鉄総裁の立場でおっしゃった言明でありますから、少なくとも認めるというか、尊重するのが当然かと私は思うのですが、これは尊重なさるんでしょうね。もしもそれを尊重しないということになったらこれはえらい問題になると思うのですが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 国鉄総裁が言っておりますことは、事実問題として条件をいろいろ考えてスト権を与えた方がよろしい、ただし最終的には高度の政治的な判断の問題ではあるがということで言っておられますので、国鉄運営の当局の責任者としての発言は、この問題を解決する上にそれはそれなりに判断の一つの資料にはいたしたいと私は思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 それでは副長官は結構です。ありがとうございました。  それでは国鉄総裁に一つだけお尋ねしたいのですが、いままであなたがいらっしゃる前からちょっと質問していたのですが、最近、専門懇とかあるいは国会の中とかいろいろなところで国鉄の労働組合に対するスト権の問題でいろいろな議論が出ておることを御承知かと思うのであります。その中で特にいまも大臣にお話し申し上げましたように、総裁はこれまで、スト権は条件つきであろうが何であろうが今日の事態を解決するのにはとにかく与える以外に方法はないということと、それからもう一つは経営形態の変更についても、国鉄をいまの経営から変えていくということは使命達成に困難を来すであろうというような言明をされておるのでありますが、あなたのような意見もいまたくさん出てきています。これは当然だと思います。  それ以外に少しく変わった意見としては、ストライキ権は与えるべきではないとかあるいは国鉄は民営にしろとかいうような意見が出てきているのでありますが、これまでのあなたの言明からすれば、国鉄を預かる最高責任者としてそういう意見が出てきても当然受け入れられないものだと私どもは了解するのですが、そうでしょうね。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 お答え申し上げます。  まず、争議権の問題につきましては、過日の予算委員会でもお答え申し上げたとおりでございますが、私ども当事者としての長年の経験から国鉄としてはこういうふうに考えているということを申し上げた次第であります。すなわち、現行法制のいわゆる行政処分だけでは争議行為の抑止効果がもはや限界に来て期待ができない、したがいまして国民の迷惑を最小限にする、ストを一回でも減らすといったきわめて現実的な議論から出発いたしますと、現状のままでいくよりも、一定の条件をつけていわゆるスト権を付与した方が望ましいというふうに考える次第であります。  次に、国鉄の民営論でございますが、これは過日参議院の予算委員会でお答え申し上げたとおりでございますが、次のように考えております。すなわち、民営企業による能率性であるとか自主性であるとか弾力性といったような面については参考とすべき面が多々あると思いますが、仮に国鉄を民営にした場合、採算性が必然の結果として強調される結果、営利性の高い部門のみが重視されて不採算路線などが軽視されるという弊害を生ずるおそれが考えられます。また、分割して民営にするというようなことにいたしますと全国的のネットワークが分割される、したがってそれから非能率性が生まれるという懸念が多分にある。以上を考えまして、民営では国鉄本来の使命達成が困難になるので、公共企業体として現体制のままで民営のとるべき長所をとって前進した方がいいのじゃないか、と、かように私は考える次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 そうしますと、もしもいま言明されましたような御意見に反するものが出てくれば、これは当事者としては受け入れられないというふうに了解してよろしゅうございますね。お答えいただきましょう。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 私といたしましては、争議権並びにいわゆる民営論につきましては、先ほど申し上げたようなことが現実的であり、かつ、私どもが考えて望ましいというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 わかりました。  この間、二、三日前でありますが、ある新聞にあなたの写真が大きく出ていまして、冒頭に書いてあったのは「メーヨー・メーファーズ」という中国の言葉で、これはもとの十河総裁の言葉だということですが、このように仕方がないということはないのだということでおやりになることを私は期待しております。  運賃というか、料金の問題についてちょっとお尋ねしようと思いますから、国鉄総裁、もう少しおいでになっていてください。  国鉄の料金改定の申請が出たときに、わが党としては運輸大臣に対して申し入れというか意見を一応出しておいたのでありますが、不幸にして申請どおり実は認可になって、聞けばあしたから実施されるそうであります。この理由としては赤字補てんということの一部だそうでありますが、赤字補てんは何によってやるかはいろいろ議論のある一ころであります。よしんばこの料金でやるにしても、料金と運賃との理論的な構成というか、そういうものが非常に混乱しているのですね。そういうものに明快な解答も与えないまま認可したことはいかがかと思うのです。これが一つ。  しかも、これはいままで常識ばかりじゃなくて、実際に運賃というのは運送費です。AからBまで運んだ運賃であります。もっとも、最近は乗ることに意味があるという旅行の仕方もございますが、これはごく一部であります。そうなりますというと、特に急行というか、そういう乗り物の中でのサービスというのは運賃にプラスアルファをして、いわゆる運賃が土台でその上につけ足したものが料金であるというふうに世間一般では考えるし、また、そういう理論だと思うのですね。これはいま短い時間での答弁はできないと思うのです。あなたらが答弁できるはずはないと私は思うのでありますが、料金の計算基礎というのは何によってしているのか、料金というものの区別は何によってするのかですよ。私のつたない知識によりますれば、普通列車よりはどこにもとまらぬ長距離の特急というのが一番金がかからないものだと承知しております。なぜならば、途中駅にとまるたびにブレーキをかける。それだけエネルギーを損する。また発車する。そのときには始動には多くのエネルギーが要る。ところが、急行なら一遍始発駅を出れば終着駅まですっ飛ばしであります。これが一つと、それから、中間駅におけるところの人件費についてもこれは余り要らないというようなことも一つある。ところが、そういうものが速いから高いという議論がどんどん横行してきて、最近はとどまるところを知らずというのはいかがかと思うのです。  それから、グリーンという料金がございます。グリーン料金というのは昔の一等か二等か知りませんが、これは大体普通の倍というのが常識ですね。そのかわりこれは立ちんぼというのはないのですね。いまは立ちんぼもある。そういう中でそういうものが明確でないまま値上がりしてきたというところに問題があると思うのです。  それから、車両の設備のいい悪いでありますが、なるほど一人の席のスペースは優等車の方が定員が少ないから広くとってあるかもしれませんが、それがどんなふうに計算されるのか、その計算の基礎も後で資料で出していただきたいと思うのですが、そういうものがある。  しかも、こういうものが運賃より高くなっていくということは、何といっても運賃、料金の体系が大きな混乱をしているということですね。これに整理を加えないで、ただ単に赤字補てんの安易な道として、運賃は国会にかかるからめんどうだ、料金でやっちまえというようなやり方は国民の合意を得るわけにはいかないのではないかというふうに私は思うのでありますが、運輸大臣なり国鉄総裁はそういう反省をしておりますかどうか、ここだけ聞きましょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 あすから実施をいたします料金改定でございますが、確かに久保委員のおっしゃるようなすっきりと説明のできない面も事実上たくさんあると私も思います。これは今年度の国鉄の収支のバランスが年度当初予算として考えましたときよりもさらにひどくなりまして、そのひどくなったものの一部はやはり利用者に負担をしてもらわなければならないであろう、その負担の仕方をどういうふうに考えるか、国鉄の方で考えなさいということで、国鉄の方で考えたわけでございますが、その考えた案を実施いたしまして今年度中にその実効が上がらなければいけないという時間的な制約もあったわけでございます。  もう一つは、来年度からスタートをしようといたしております再建計画がこれに間に合うように確定することもとても不可能であろうということで、したがって、そういう普通でない事情のもとで今回の利用者負担ということを考えましたので料金の改定ということになったわけでございます。  しかも、いま御指摘にありましたように、運賃よりもむしろ料金の高いところもあるということも事実でございますが、これらは運賃その他の面におきまし了いずれ調整をいたしまして、あるべき姿にしていきたいと思っております。  こういう問題は再建と並行して考えていかなければなりませんので、当座の緊急の課題としてこういう案を国鉄が出してまいりました。運輸審議会でもいろいろ御検討をしてもらったわけですが、緊急事態としてやむを得ないであろうという答申をいただきましたので実施をしたということでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 総裁はいいです。判こを押したのは大臣ですから、大臣にお聞きしましょう。  いずれ調整するというお話で、委員席から笑い声もした。それは値上げかということです。調整というのは料金を下げる場合もあると思うのですね。私はそうでなくてはいけないと思う。しかも、何の理論的な根拠もなくて、ただこの辺でひとつ上げてみようじゃないか、これをこれだけにすれば大体四百億ぐらいになりそうだ、それはちょっとぐあいが悪いからこっちを上げようかというようなことで、そっちをつついたりこっちをつついたりして結論で出たのがあれだというふうに私は思うのでありまして、これでは国民がどうして納得するはずがありましょうかということです。運賃体系について、あるいは料金体系について、国鉄再建を図るならば、これはやはりもう少し基本的に基礎から研究してもらいたいと私は思うのであります。  それから、もう一つは、これは国鉄運賃、料金ばかりではありません。運賃全体について国民の合意が得られない今日です。いま私鉄運賃も運審で審議中のようでありますが、合意が得られない。合意が得られないというのはどういうわけか。国民の意見がちっとも入っていないということなんですよ。今度の運輸審議会も、国鉄の料金についてもあるいは私鉄の運賃についても公聴会をおやりになる。公述人からいろいろ意見も聞く。ところが、むなしさがいっぱいで、言っただけで何にもならぬということです。しかも、正当なことを言っているわけですね。それが全然聞き入れられないで、形の上だけでやるだけです。だから、口の悪い人には運審はいわゆる隠れみので形骸化しているとさえ言われる。  もっとも運審がどういうふうな修正をしても、尊重すると法律には書いてあっても、運輸大臣が尊重しなければ原案のとおりということでありますから、運審もあきらめて原案どおり答申したのかもしれませんけれども、今後運賃や料金の改定について国民の合意を得られる方法を検討すべきだと思うが、その考えはございますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 利用者に負担をかける運賃、料金の問題でございますので、利用者であります国民の意見も十分参考にいたさなければならないと思って従来ともやっておるわけでございますが、その一つの方法として、運輸審議会というものを設けまして、そこで公聴会その他の手続によって国民あるいは利用者の意見を聞いて参考にして運輸審の方で審査をしてもらうという仕組みを通して、国民、利用者の声というものを反映するように現在やっておるのでございますが、もちろんそれ以外に、当然の平素の心構えといたしまして、国民のいろいろな意見がいろいろな機会を通じて出ておりますので、原案をつくります際にもそういうことも十分考慮に入れて原案をつくってまいっておるわけでございますが、今後ともこういう意見はできる限り参考にして原案をつくっていきたい、と、このように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 もう一つは、今度の国鉄の料金値上げによって、航空運賃に比べて非常に高いところがたくさん出てくる。全日空か何かの調べによるとかなりの路線が航空機の方が安いというのです。そうなりますと、これは航空機の運賃の値上げに短絡していく危険があると思うのですが、そういう御心配はしておりませんか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 今度の料金を含めましての国鉄の運賃全体から言いますと、御指摘のように航空機の方が安いところも出ております。しかし、航空機と国鉄運賃とがどういうふうに調整をされていかなければならないかということは一つの大きな問題でございますが、今回の料金改正でそういう結果が出たから直ちにそれよりも安くなっておる航空運賃を上げなければならないという考えは持っておりません。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 これが航空と国鉄のバランスのとれた運賃、料金のあり方だとお思いにはなっていないのでしょうね。いわゆる運賃、料金で、サービスの配置というか資源の配置が大体決まっていくわけですね。そうなるというと、たくさん運べるものは安い方がいいのですね。たくさん乗れるから。少ないものは高くしておかないと殺到しまして困りますね。特に最近のような時代になると環境の問題も出てくる。だから、言うならば、国鉄運賃は安くて航空運賃は高いのがあたりまえということが大体常識になっておるようでありますね。私は航空運賃を上げろとは言わない。しかし、そういうことをやっていくというと、国鉄運賃は上がったんだから航空運賃も上げなければいかぬというふうに理屈としてはなっていく心配があると思うのですね。よもや御認可にはならないだろうと思うのでありますが、念のためにそれをお聞きしたわけであります。  それから、もう一つは、先ほどの御答弁の中で、運審に御審議をいただいていると言うのだが、運審では利用者の声を聞いておられると言うが、ちっとも実現したためしがないのです。利用者が直接運賃の審議に当たるような方法は考えられないのかどうか。いまの法定主義撤廃反対ということもそこから来ているのですよ。利用者自身の声がちっとも通らぬ。そこで政治的にみんな片づけられてしまう。そこに問題があるのですね。これはお考えいただいた方がいいと思う。  運審について運輸大臣は尊重されているようなお話がありますが、先般は記者会見でまだ運審にかかっている私鉄運賃を年内には認可したいようなお話をされておりますが、これは少しいかがかと思うのですが、真意のほどはいかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 私鉄の運賃で現在運輸審議会にかかっておるわけでございますが、それについてのこの間の私の発言は非常に誤解をされた表現になっておりますので私自身も非常に迷惑をしておるわけでございます。  たまたまあのときに、閣議後の記者会見で閣議の模様を話しました後で、いま私鉄の運賃が運審にかかって公聴会も開かれておるがどうなるのかというふうな話が出ましたので、私は、手続としては、ああいった運賃は運輸審議会にかかって、公聴会を開いて、公聴会の結果を踏まえて運審で検討されて運輸大臣に答申がある、と、そういう手続経過を説明したわけでございまして、それじゃいつ上げるんだ、いつ答申が出るんだという話もございましたが、これは運輸審議会がなさることでございますから、いつ答申が出るとか出ないとかいうことは私は関係しないところでございますが、ただ、過去のこういった問題の審議の経過をずっと見ますと、公聴会も終わり、そして運審の内部の検討もずっとされて、普通の手続で、普通のかっこうで答申が出るであろうということを申し述べただけでございます。また、それじゃ答申が出たら年内にやるかどうかという問題も、答申を受けて実施をするかどうかという問題は、これは政治的判断で決める問題であると申し上げたのでございまして、年内であるとか来年とか月内とかいうふうなことは言っておらないわけでございますので、私の申し上げた真意はそういうところでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 時間でありますが、最後に運輸大臣並びに国鉄総裁にも申し上げておきたいのです。  冒頭にストライキ権の問題で私は御質問を申し上げたのでありますが、組合は政府の態度をそんたくして、もはや話し合いでは解決がつかないというせっぱ詰まった気持ちで二十六日からストライキに入ろうという決定をしております。これは単に労働組合をとやかく非難するだけでは問題の解決はないし、また、政府自身あるいは当局者自身の責任を逃れることはできない問題だと私は思うのですね。特に、担当大臣あるいは当事者である国鉄総裁の責任は重大だと私は思うのですよ。この解決のために、もはや時間もたくさんございませんけれども最大の努力を払うべきだと思うのですが、いままでの大臣の御答弁を聞いていると、まだ専門懇の答申もないさなかでありますからなかなか思うようなお話が出ないのかもしれませんけれども、その点だけは十分承知して対処してもらいたいと思いますが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 この問題につきましては、昨年春の時期から来年、つまりことしの秋ごろまでには何らかの決着をつけるということを政府も約束をしてまいっております。しかし、事が非常に重要な大きな問題でございますので、先ほど来副長官も申し上げておりますような手順を経て、現在その問題の処理に当たっておるわけでございますので、政府としても誠意を持ってこの問題の処理に当たっておるわけでございます。  ただ、聞くところによりますと、この問題を構えて二十六日でございますかにストを行うというふうな話が出ておりますけれども、これはやはり事の重大性を十分に認識していただいて、良識を持って行動をとっていただきたいということを私からも切に要望をいたす次第でございまして、この問題につきまして、いまの手順で何日に出しますというふうな約束もできていない状況でございますが、とにかく何とかしていこうということで政府も努力をしておりますときに、あらかじめ日にちを決められて、それまでに何らかの結論が出なければ国民の日常生活に大変な影響のあるストを打つということはどう考えても常識でない、私はかように思いますので、切に良識のある行動をとっていただきたいことを要望しておる次第でございます。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 御指摘のように、二十六日からのストを打つと、これは容易ならぬ事態になりますので苦慮いたしておる次第でございますが、その中にはわれわれの手の及びづらいところもあるのです。組合の諸君ともよく話して、重大な結果になるのでお互いにひとつ常識を出してくれという話し合いをいたしておりますが、にわかに私どもの手の届かぬところにあるので大いに苦慮いたしておる次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 終わりますが、言葉を返すようでありますが、大臣、労働組合に良識を持ってと言うが、その前に政府自身の御反省も必要かと私は思うのですよ。それから、担当大臣として誠意をお示しになる時期を間違えないでお示しになることがこの際は必要ではないのかと思う。そういうふうに私は考えているわけですから、どうぞよろしくお願いします。  以上で終わります。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 最初に運輸省にお尋ねをいたしますが、十月二十三日に花巻空港拡張可否に関する現地公聴会を強行されたという事実を中心といたしましてお考えを承りたいと思います。  この花巻空港は、三十九年四月に四十万平方メートルの用地をもち、千二百メートルの滑走路一本をもちましてオープンをいたしました第三種空港でございます。以来十何年たっておるわけでありますが、その間、いまから四年半ほど前に県が拡張計画を発表いたしまして、五十一年の春までにジェット機が発着できるよう二千メートルに滑走路を延長したいという計画を発表いたしまして以来、議会ももめたし、地元も大もめにもめてきておるのは御承知のとおりであります。  そこで、昭和四十六年の八月、そのもめ出したころから半年たつやたたないうちにすぐに地権者の反対期成同盟会がつくられまして、そしてこの反対運動が始まったわけです。それから今日まで四年余り過ぎておるのでありますが、たまたま第二次空港整備計画の終点が目の前にあるということと関連をいたしまして、にわかに風雲があわただしくなりまして、なお八十三名の多数を擁する反対同盟の意見や気持ちをそんたくしないで公聴会をやるということに踏み切られました。  そこで、まず、最初に公聴会についてお尋ねをいたしますが、これは欠陥公聴会ではないかということです。公聴会ですから賛成、反対それぞれ半分くらい出てもいいわけなんですが、反対者も余り関係のない人が一人出ただけということでありますし、傍聴者ゼロ、警察官に取り囲まれて反対同盟を圧迫しながら官製公聴会をやったというのです。これは欠陥公聴会としか言いようがない。  それで、これは航空局長からお答えしていただければよろしいが、その公聴会の開かれる前に、あなたの方の担当する管理課長さんであると思いますが、八月末ごろにこういうことを言っていらっしゃるそうであります。現地におきまして、「ぐずぐずしているので地域社会にひび割れを持ち込んでおる。だから早く決着をつけたい」という意見の表明をされたことがある。そして十月二十三日の公聴会が終わる。これは異例の公聴会であったが、その後でやはり課長が記者会見をされたようでありますが、その中で一番問題になる発言というのは、「反対派の代表と公聴会開催のぎりぎりまで話し合ったが、妥協点を見出せず残念だった。花巻空港拡張問題が第二の成田になるとは考えていない。あくまで県と住民間の話し合いが基本だが、すべては時が解決してくれるだろう。」という談話を発表された。そういう点から考えまして、われわれはあなた方に、何かやみくもに一つの目的に向かって進み、何があろうと反対者はけ散らして通るのだというような姿を感ずるのでありますが、中村航空局長、この花巻空港の拡張に関する公聴会を無理にお開きになった理由は一体何であったのでしょうか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 私どもといたしましては、花巻空港の施設変更に関する公聴会は決して無理に強行したというふうには思っていないわけでございまして、先生も御承知のように四十九年九月に知事から申請が出てきておるわけでございます。申請が出れば当然当局としてはこれを審査しなければならないわけでございますので、審査をする場合には公聴会を開かなければならないというのが法に決められた手続でございます。  したがいまして、昨年の九月に申請が出まして、ことしになってその内容について一部訂正の申し出がございまして、これによって審査していただきたいという県の非常に切実な要望もあったわけでございます。したがいまして運輸省としては審査をする。その前提として公聴会を開催いたしたわけでございまして、この公聴会につきましても手続的には十分な余裕を持って開催したというふうに考えておりますので、無理押しをしたとか、また、早くこれを片づけたいということでやったという意識的なものは決してないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで、もうちょっとそのことを説明してほしいと思うのですが、早く事を解決したくないという御方針であるとするならば、地権者の反対同盟の方々の意見をもう少しくみ上げる度量があってもよかったと思うのでありますが、それはおやりにならなかった。それで、あなたの局の課長さんの、いまの、ぐずぐずしておるからいろいろな意見が出てくるのだ、早く決着をつけてしまえばいいのだという八月末の発言があり、あるいは十月の当日の、すべては時が解決する、傍聴人がゼロだったといったって公聴会は有効だというような発言がありまして、何か、許可をする前提としてとにかく何でも公聴会をやっておけばよろしいのだ、形だけは備わるのだというつもりで公聴会をお開きになったんじゃないかという疑いがとれないのですが、この点はいかがですか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 担当課長が現地におきましていろいろ申しました内容につきましては、その全部を私はつまびらかにいたしておりませんし、また、それがどのように伝えられておるかという点については私といたしましてもよく調査しなければわかりませんけれども、課長といたしましては、八月に現地に参りましていろいろ現地の意見を聴取したわけでございます。ぐずぐずしていないで早く決着をつけなければならないというような端的な表現は恐らくしていないというふうに私は思います。とにかく、昨年の九月に申請が出まして、その後も私どものところにも反対を表明される方あるいは県当局もたびたびお越しになりまして、私はたびたびその方々ともお会いをしてきたわけでございまして、決してやみくもにやったということではございません。  それから、公聴会の公示をいたしまして、それから開催までの日時につきましても約一カ月とってございますけれども、これは従来の公聴会開催までの日時から比べますと相当な余裕を持ったということでございます。  それから、われわれとしては、この公聴会の開催の前日まで、どうかこれが平穏に開催されますように、また反対の方も——これはもちろん反対があっていいわけでございまして、われわれはその意見を聞くために公聴会を開いておるわけでございますから、どうか土俵に上がって反対であれば反対と言っていただきたいということで全力を挙げて説得をした、しかしながら、遺憾ながらこの説得に応じていただけなかったということでございまして、その点についてはきわめて遺憾であったというふうに思いますが、私どもは公聴会開催の瞬間まで全力を挙げたというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 その点はあなたの方は全力を挙げたとおっしゃるが、反対期成同盟会の人たちと県との間にはただ一回も本当の話し合いらしい話し合いがなかったということは、あなたの方もそれを承知しておられなければならないはずであります。連絡したがだれも出てこなかった、だから来なくたってかまわないよ、私たちは私たちの道を行くよというようなことでは、それは行政の態度として問題がある。  そこで、警察庁にちょっとお尋ねいたします。警備課長さんにお尋ねしますが、機動隊を警察官を含めて導入して反対期成同盟会の行動を制肘したりなんかなさって、結果的には傍聴人ゼロというふうに持っていってしまったわけですが、その導入については要請があったのか、なかったのか。また、前々からどこからかそれを予想されて連絡を受けていらっしゃったのか。それから、もう一つは、こういう事態は、運輸省の課長さんの意見によれば、第二の成田空港になるものとは思わないとおっしゃるが、これは思いたくないということでありましょう。しかし、われわれはこのコースは成田空港の事件の再現だと思っておりますから非常に心配しておるが、成田空港のようなことになるという心配は持っていらっしゃらないのかどうか。この点についてちょっと御所見を承りたい。

若田末人警察庁警備局警備課長

○若田説明員 ただいまお尋ねの警備要請の関係でございますが、これは事前にもございましたし、当日もございました。  それから、花巻空港の関係が成田のような形に発展をするかということでございますが、これはまだ先のことでございますのでよく判断はできませんけれども、成田とは違った形で、それほど大きな問題にはならないのではないかというようなことを現在は私どもは考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 機動隊が入ることが、言うならばおとなしい人たちを刺激するということが多いのでありますから、その刺激を避けられることの方が第一だったと私は思いますが、事前にも要請があったとおっしゃったが、これはどこからあったのですか。機動隊に出てきてもらいたいなんてどこから要請があったのですか。

若田末人警察庁警備局警備課長

○若田説明員 主催者でございます運輸省からございました。警備要請でございますので、具体的に排除いたしましたりすることについてはまた現場の状況によりますが、一応警備要請ということが事前に運輸省からございました。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省から要請をされて警察庁は機動隊を動員したと言われるが、それでは運輸省に伺いますが、平和的であるべき公聴会が機動隊にあらかじめ守られなければ開かれないということを運輸省が予想された理由は何でありますか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 先ほど申し上げましたように、運輸省といたしましては、前日までこの公聴会が平穏裏に開催されることを願って全力を挙げてきたわけでございますけれども、しかしながら、いろいろな入ってまいります情報によりますと、あるいは当日いろいろな実力行使ということが起こるかもわからない、会場が混乱をする可能性がなきにしもあらずであるというふうな情報もあったわけでございます。それでわれわれとしては、そういうことがないようにこの前日まで関係者ともいろいろ話し合ったわけでございますけれども、万が一にもそういう事態があったときにわれわれとして一番心配いたしましたのはけが人等が出ることでございました。  したがって、そういうこともおもんばかりまして、県当局とも相談いたしまして、警察当局にも警備についての包括的なお願いをしたわけでございますけれども、具体的に機動隊の出動を要請いたしましたのは、当日、公述人や主催者が会場に入ろうとするときに実力をもって阻止されまして、このまま会場に入ることを強行しようとするとやはりけが人が出る、混乱するという事態が現実に予想されましたので、そのときに具体的な出動を要請した、こういうことでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 先ほど警察庁の警備課長は、第二の成田になるような心配というものは感じていないとおっしゃった。あなたの方は、風声鶴唳におびえるがごとくあらかじめ機動隊員の準備をしてくれ云々というような物々しい気持ちを持っていらっしゃったということは、そもそも話し合いとか対話ということを抜きにして——前日まてあなたは接触を持っていらっしゃったということでありますが、これはその日のそういうことが終わった後に小原武郎反対県民会議議長の言われた言葉が新聞に載っておりますね。「昨日来、運輸省に公聴会を延期すれば次は絶対抵抗しないなど、思い切った提案をしたのに受け入れられなかったのは残念だ」として、そういうことを前提としてこの欠陥公聴会を批判していらっしゃるわけです。あなたもなぜそうがんこにかたくなな態度をとって、何でその十月二十三日にこだわったのか、ここのところがわからない。  それで、私はもうちょっと角度を変えて尋ねますが、それは県の態度とあなたの方の態度とちょっと表現の仕方が違う点があるのですね。県の方は、運輸省の第二次、第三次空港整備計画にのっとってわれわれはこういうことを考えておるのだと言う。第三種空港であるわけなんですが、だから、あなたの方の第三次空港整備五カ年計画案というものも県の方では発表しておるわけです。そうすると、その中で、時代が変わってきたために見直しをしなければならぬということから第三次空港整備計画を五十一年度に始まる五カ年計画でつくるのだ。これの基本方針としては、「環境基準に適合した空港の整備を進める。」ということで、「環境基準」という新しい言葉がはっきり出てきておる。その次には、「総合交通体系の一環として航空輸送の特性を活したネットワークの形成を図り、需要に対応した輸送サービスの供給を確保する。」となっている。これは四つの項目の中の二項目でありますが、その基本方針のもとにあなたの方は第三次空港整備五カ年計画案をおつくりになった。それに従いまして、国の方は第二次空港整備計画では一年間に百三十万人の需要があると見込んだけれども、石油問題より発生した高度成長より安定成長への転換、新幹線の建設計画の変更、国民総生産額、推定額の変更等によって、国において花巻空港の需要予測を推定したところ、昭和六十年の需要はその当時の半分の六十一万人とするということになったんだと県民に発表しております。  あなたの方の運輸省主導型によって花巻空港は拡張が推進されておるのでありますか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 第二次五カ年計画の中で、花巻、岩手県におきます航空のありようを考えた場合に、当然予想される輸送需要というものから勘案いたしますと、これをジェット化しなければならないという計画であったわけで、その計画にのっとりまして事実国におきましても一部の予算を計上してきたことは確かでございます。  しかしながら、具体的にこの花巻空港をどのように拡張するかということにつきましては、第三種空港の設置管理者である県が決意し、またこれを国に申請をする、こういうことでございますから、花巻空港の具体的な拡張あるいは施設変更の計画というものはあくまでも県の発意によって行われておる、こういうことでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういうことでいいでしょう。だったら、十月二十三日の公聴会のような、一波万波を呼ぶがごとき、ことさら波乱を求めるがごとき一方的強行の公聴会を開く理由はなかったのではないか。延期されれば反対同盟会は出すと言っている。それを力で押し切ったということは容易ならざる権力政治のあらわれだと思いまして、私は非常に慄然としたものを感ずるのです。  そこで、県との関係について、現地の実情をあなたの方はどのように把握されておるのか。もうちょっと聞きますが、反対同盟と県の対話というものは一回もなかったと私は言っておりますが、あなたの方はどうつかんでいらっしゃるか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 私は県と地元との対話がなかったというふうには考えていないわけでございます。県は、そもそも四十六年にそういう計画を発表いたしましてから、地元、地権者その他とは当然精力的に折衝をしてきたわけでございまして、そういう対話をし、折衝をしたからこそ約三分の二程度の地権者の同意を得て、すでに用地の買収等も行われておるということではないかと思います。  それから、絶対反対を唱えておる方があることもわれわれはよく承知しておりまして、そういう人々に対して県が対話を求めたことも報告を聞いておるわけでございますけれども、遺憾ながら絶対反対を唱えておる人と県との対話がなかなかスムーズに行われていないということは事実でございます。県ば、県民に対して、当然この計画はしかるべき機関を通じて周知をし、また、その意思も反映させて意思決定をしておるというふうに考えておるわけでございまして、地元との対話が全然ないという状況でこの計画が進められてきたというふうには考えていないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで、振り返っていただきたいと思うのです。昭和四十八年八月に、県は買収価格について郵便をもって反対同盟の方々に通知を出した。同じく四十八年十二月に、その地権者の反対同盟のメンバーのところに買収申し入れを郵便でやっておるわけなんです。非常に反対同盟をこわがっているといえばそれまでのことでありますが、大事な地権者に対して、しかも在村ですから、その村、その町、その市にいる所在地主でありまして、何も不在地主じゃないのだから、それらの人たちに対しての態度を見ただけでもずいぶん形式だけの手続を踏んでいらっしゃるとしか考えようがない。  いまの航空機というのは近代的なものでありまして、昔の乗り物とは違う新しい文化の産物であるから、その発着場である飛行場の拡張にしても、設置にしても、これは少なくとも日本とか人類とか大きな理想を描いて、住民の人たちの理想と合致する計画でなければならぬと私は思うのです。それが欠陥公聴会までやらざるを得ない。その欠陥公聴会は、あなたの部下はあなたの意見を受けてオウム返しにおっしゃったかどうか知らないが、あなたの方に責任がある。ゼロであったからといって公聴会というものは成り立たぬものではないと言い、そしてすべては時が解決するとおっしゃった。そういう考え方でおやりになるのでは、いかにも近代的民主政治というもののかけらもうかがえないじゃありませんか。局長、民主的におやりになったつもりでございますか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 この法律に定められたいろいろな手続、これは事案の処理をできる限り公正にかつ民主的に行うことを前提として定められておるわけでございまして、われわれとしてはそれに忠実にのっとってやったつもりでございます。  それで、欠陥公聴会という御指摘を先生から受けたわけでございますが、正直言いまして、当日の公聴会があのようなかっこうになったということについてはきわめて遺憾であったというふうに私は思うわけでございますけれども、その前日までの私どもの努力あるいは情勢判断というものを総合的に結論づけますと、あの状態におきましては公聴会を延期しなければならないという必然的な理由はどうしても見出すことができなかったということでございまして、われわれとしては公聴会を開催したわけでございます。当日もわれわれはできる限り傍聴人もたくさん入っていただいて公聴会を開催することにしたわけでございますけれども、不幸にして傍聴者もお入りになれなかったということで、結果的にああいうかっこうになったことは残念だったというふうに私は思います。  たびたび申し上げますけれども、あのときに公聴会の開催を延期するということは事柄の解決にはならないというふうに私は判断して、私の責任において公聴会の開催に踏み切ったわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで、大臣、あなたは聞いていらっしゃったかどうか知らないが、あなたの所見をお聞きしたい。  延期すれば円満な公聴会ができたかもしれないと私どもは言っている。ところが、航空局の方は、いかなる情報をもとにされたかわからないが、解決にならない、あれしかいい方法がなかったと言い、そして、機動隊を導入したその公聴会が最も民主的な方法であったという御説明であります。これは的確に同じ例じゃありませんが、宮崎においては、拡張計画を持ちながらも、住民運動のいろいろな動きを反映してまだ具体的な行動に出ておらないという話が伝わっております。今度の場合は、四十八年以降、県当局が土地開発公社という隠れみのでもうすでに七十二万一千八百平米の用地を買収した。言うならばもぐりですでに拡張工事をやっているようなもので、それを合法化するために県の方はいまさら後戻りはできぬということで、それに五十億六千万円の投資をしてしまった。利子だけでも四億六千万円払っておる。これは大変なんだ。後戻りができないから、運輸省、何とかメンツをつくろって許可してくれと、そういうミスの後始末、失敗の後始末、行き過ぎの後始末、不法行為の後始末をするために公聴会を強行して、そしてやみくもに許可に持っていこうとするのじゃないかという気がする。そこには航空政策もなければ、もう少し円満に事を運ぼうというものもない。  大臣、飛行場をつくって周辺が発展したというところが元来ありますか。あったら教えてもらいたい。そういうことについてあなたはこの問題をどうお考えになっていらっしゃいますか。大臣としての所見をお聞きしたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 先ほどいみじくも太田さんから、こういう問題は民主的にやるべきであるという御発言があったわけでございますが、私ども全く同感でございまして、民主的にこういう問題に片をつけるのには、設置者の方もあるいはこれに反対する側も民主的に行動をとってもらい、処理に臨んでもらわなければならないと思っておるわけでございます。  言うまでもありませんが、設置管理者は県でございまして、昨年の九月にこの拡張の施設変更の申請が出て、公聴会を開きましたのがことしの十月でございます。その間、先ほど航空局長が申し上げましたように、地元ともいろいろ接触もいたし、反対する側とも接触をいたしておりますし、また、県当局もいろいろな折衝をしておるということを私も了知をいたしておるわけでございますが、そういうふうにやる方も極力民主的に事を運んできたつもりでございます。一年というアローアンスがありますし、また、公聴会の告示にいたしましても、規定の上では十日前というのをあえて一カ月前にし、また、告示の方法も官報だけで済むものをいろいろな個所にも公聴会の掲示もいたしておるということでやってまいったわけでございます。  そこで、反対される方が当然あるわけでございますが、反対される方も、そういう公聴会の期日の指定があり、場所等もはっきり決まりましたらその場に出られて堂々と反対の陳述をされることが本当に民主的にこういう問題を処理するルールであると思いまして、これが乱れますといろいろな問題がこういう事案のときには起こることを憂えるものでございます。それはいろいろな途中の手続といいますか、行動その他で遺憾な点もあったでございましょうし、その点は反省をいたしますが、全体として見たときに、政府側なり県がそういう無理な非民主的なことをやったというふうにはどうしても考えられない。こういう問題については、今後もあることでございますが、反対される方は反対の意見を申し述べる機会がちゃんとつくってあるわけでございますので、そこで堂々と反対をしていただくというふうになれぬものかなということを感じておるわけでございますが、そうは申しますものの、今後ともこういう問題のときにはできる限り民主的に一層注意をしてやるという構えばさらに徹底をいたしたいと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういうことはできるだけ話し合いでやるべきだし、民主政治のルールは守ってもらわなければなりませんし、そのために公聴会という制度があるのですから、公聴会を形骸化するということはいかぬと私は思う。  いまの航空局についても、中村さんも従来から各ポストにおいてよく物のわかった態度、御方針をいろいろとっていらっしゃったように私は思うから、あなたが航空局の方へいらっしゃったら、飛行機会社に巻かれたりあるいは特殊な思惑に巻かれることなしにりっぱにおやりになると思っていたところが、これはだれにあなたは操られたのか聞きたいが、よう答えることはできないでしょう。  そこで、新しいあなたの方の航空輸送量の見通しからすれば、花巻空港の発着人員が六十一万人ということでしょう。これは東京方面から来るのが一日に五百人、行くのが五百人ということですね。いまはわずか五十人ぐらいしかおりておらない。これは十倍の人が出てくるかどうか、私は非常に疑いなきを得ません。そこで、最後に、飛行場にはある程度価値判断も必要だと思うから、飛行場によって栄えた都市はないということ、このことを私は断言しておく。  そこで、この問題について反対派の方ももう少し話し合いがされたならばその話し合いに応じようという構え、芽を見せていたのだから、ある程度皆さんも円満な常識的な民主政治のコースに戻られるよう、この問題はしばらく凍結ということは考えることはできないか。このままほっておくとすぐにも許可がおりそうだというようなデマが盛んに飛んでおりますが、その点はどうですか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 第二次五カ年計画のときに想定いたしました輸送需要というものば現状におきましては相当変更をしなければならないということは当然でございますけれども、現在作業中の第三次の新しい五カ年計画の中におきましても、当然開通を予想される新幹線による輸送を前提といたしましても、花巻空港というもののジェット化は、これを進める必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  これは将来予想される輸送需要というものに対応し、また、現在就航いたしておりますYS11型機が今後どうなるかということも考えますと、将来、花巻、いわゆる岩手県に空港はもう要らないのだということであれば別でございますが、そうではない。また、そうであってはならないと私は思います。そうなると、この花巻空港、花巻周辺の空港におきましてはジェット化というものは進めなければならないというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、現在申請の出ておりますこの事案というものについては、現在作業いたしております第三次五カ年計画というものの考え方からいたしましても、これを凍結するということは適当ではないというふうに思っておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 時間の関係でこれで終わりますが、あなたの方はトラブルメーカーになってもらっちゃ困ると思う。何かないかしら、事がなくちゃ困るとトラブルを求めている、運輸省航空局はトラブルメーカーだ、と、このことに関して見ると何かそんな気がしてしようがない。だから、そんなことを思われないように、その問題については私はいま凍結を提案しておきましたが、円満にこの問題を遂行するためにはどうしたらいいか、あなたはもう少し慎重に考えてほしいと思います。これは要望しておきます。飛行場問題はそれで終わります。  次は、北海道道南バスの再建問題ですが、道南バスの問題についてはいろいろな怪情報が乱れ飛んでおりますから、私どもも真相はわかりませんが、言うならば、本格的にバス企業が会社更生法の対象になるという例としては歴史を開くものです。それが、代表取締役とか、社長とか、常務とか、あるいは外部の有力者とかいうような人たちが寄ってたかっていろいろなことをやって、それで、余り好ましいことじゃないので、社長二人を含めまして数人が逮捕された、前社長も前々社長もともに起訴されたというような形に相なっておりますが、それがくしくも会社更生法の対象会社とならざるを得ないというところに追い込まれました。  それで、ここのところに一つ問題があると思いますのは、昭和四十六年のころにはバスは三千三百万円の黒字を出しておりましたが、その四十六年の三月まで六年間ほど、徳中康満という現在会長をやっている人が——これはその会社の創始者の二代目ですが、この人が社長をやっておりました。それから二年半という間、四十八年の十月まで猪又という人がやっております。その猪又さんのときには、四十七年の決算でもうすでに五千二百万円の赤字を出し、全事業で一億四千九百万円の赤字へと、赤字が飛躍しておるわけであります。     〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕 そして、四十八年の十月に、元陸運局の自動車部長でありました根本さんという方が社長となられて、約半年そこに就任をされております。これが四十九年の三月までですが、その四十九年の三月に、問題を起こして逮捕された小倉という社長がどこやらからか乗り込んで来てその社長になり、一年間おりまして、どうにもならなくなって、五十年の四月に徳中という会長さんにほんのわずか、一カ月譲り、五月にはまた背任横領罪の容疑で逮捕された亀田という人が社長さんになって、亀田さんの五カ月、約半年の間にまたいろいろなことが起きる。  このように経営者がしばしばかわっておるが、その中で、陸運局の自動車部長をやっていらっしゃった練達堪能の士、よく裏表がわかるだろうという人が実は半年社長をやっておられるわけです。そのころには乱脈というのですか、問題点というものは非常に明らかに露呈されていたと思うが、手も出せず足も出せずに退任をされておる。この会社の危機というのは四十六年三月ごろから始まっておるというのでありますから、もう根は深い。しかし、陸運局はどうしてだまされていたか。やがて小倉という人にかわりまして、そうして言うなら融通手形その他不正手形が乱発されるということに相なっていくわけです。  陸運局は、運輸省はどうしてだまされていたかということについては何かお答えがありますか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 道南バス株式会社の経営がだんだん悪くなってまいりました経過につきましては、いま先生がお述べになりましたとおりでございます。  また、経営者の関係もそういった形で次々と交代しているわけでありますが、私どもも、なぜこんな急激に悪くなったのかという点につきましてはいろいろな角度から見ておりますが、もう一つ腑に落ちない点が残ります。  この周辺は室蘭市を中心とする各市町村でありますが、人口の伸び悩みがあるとは言っても、激減している地域ではございません。ほほ横ばいに近い状態で推移しているわけであります。しかし、利用人員の方はやはり減っております。これは恐らく自家用自動車の進出といったことによると思いますけれども、利用人員が四十五年あたりから見ますと最近ではもう二割方減ってきておるというふうなことで、収入が非常に落ちてまいりました。それから、一方におきまして、営業費用の方は諸般の経費の値上がりによりまして毎年上がってきているという関係にございます。ただ単なる輸送収入と輸送経費の逆ざやということだけでございますれば、もちろん十分じゃありませんけれども、私どもは二年に一遍ずつ運賃の見直しをいたしておりますし、また補助金の増額も図っているわけでありますので、かほどまでに急激に悪化するということは考えられなかったと私は思います。  この大きな原因は、バス部門の落ち込んでいく収支を改善しようということで、当時ブームでありましたところの北海道の観光開発というようなことに目をつけて、土地あるいはレジャーランド等の投資をいたしまして、そのことが裏目に出た、石油ショック以来それが全く裏目に出てしまったということでこういう結果になったのであろうと思います。もちろん、現状につきましては、現在逮捕されあるいは起訴されておりますような特定な方々の経営姿勢の問題が多分に影響していると思いますけれども、大きくは、そういう土地その他の兼業部門に手を出した時期が誤った、そして裏目に出たということが大きかったと思います。  この間におきましての陸運局のことでありますけれども、道南バスと申しますれば、御承知のように北海道でもかなり大きい会社の一つであります。私ども補助金も出しておりますので、そういった面からずっと監督をし続けてきたわけでありますけれども、大変残念なことに、私どもの監督権の範囲からいたしますと、この兼業不動産への投資というような点につきましてはなかなか捕捉しがたい場合もございますし、特に、また、経営者の人が何らかの意図をもって手形の乱発その他をしようといたしますと、なかなか陸運局の目が届かないということもあり得るわけであります。また、この、根本さんという、運輸省から、陸運局から行きました経営者の人も全権を握ってそういったことを切り回すというところまでになかなか至らなかったのではないかというふうな気がいたします。  ただ、しかしながら、私どもは、そういったことを理由といたしまして、運輸省あるいは陸運局の行政責任がないのだ、運が悪かったのだということを申し上げるつもりは全然ございません。すべて結果論になりますけれども、私たちとしては、こうなる経過の間でもうちょっと先を読みまして手が打てなかっただろうかということを残念に思います。不動産投資その他につきましても、陸運行政の及ばない——これは内部干渉と言われるかもしれないけれども、全事業が乱れてくればバス事業にも当然影響が及ぶわけでありますから、そういった意味で会社全体の経営姿勢を陸運行政の一環としてもっと早くに監視かつ警告ができなかったかという点につきましては大変残念でありますし、私どもも深く反省をしているところでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうなんですね。あなたのおっしゃったことは常識として通ると思うのです。それは陸運局のえらい人であったからといって、民間のバス会社に入って代表取締役になって真実の代表権が行使できるほど能力というものはある方がおかしいのでありまして、なくていいでしょう。けれども、自分が入ってみても、銀行に行ったところが銀行はちっとも援助してくれない、私は銀行に顔がないといって逃げるわけにいかない。事業をやっているのにメーンバンク一つつくれないとは何ごとであるか。五つも六つもの銀行を回ってわずかの借金を申し込んでおるというような状態であった。これは情けない話である。  それから、もう一つは、理由を尋ねてみると、三年間も銀行から借りた利子というものを払っておらない。そんな会社にどうして続けて貸しますか。もうかった会社がなぜそんなことをしておるか。そこのところをもう少し突っ込むだけの眼力というものは、求める方が無理かもしれませんけれども、ないのは残念だと思う。そこでいよいよ倒産ということになっちゃう。不渡り手形が出ちゃったのだから倒産ということに相なりました。そして会社更生法の適用ということになりますが、これは会社更生法の現在の具体的な適用の仕方というものについては私もちょっと知識がありませんから裁判所に承りたいところなれど、法務省の第四課長さんがおいでになっていただいておりますから稲葉さんにお尋ねしますが、更生計画実施と相なったときには、言うならば債権でございますが、その会社に持っている債権というものは大口、小口と何か差別のある取り扱いを受けるのでしょうか。あるいは担保のある銀行や大口取引業者のようなところが有利で、担保を持たない一般の弁当屋さんや印刷屋さんというのは不利なんでしょうか。そういう最近の実例についてちょっと御説明をいただきたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 会社更生法の適用の問題でございますが、会社更生法は、御承知のように、更生手続が開始されますと、その時点ですべての債権の行使というものが更生手続によらないとできないということになります。その後で更生計画というものが管財人の手によって作成される、その更生計画によってその債権の処理がなされるということになるわけでございますが、その過程におきまして、まず大口、小口の問題でございますが、小口債権については、特に裁判所の許可がありますと、更生手続によってでなくても、つまり、更生計画が認可される前でありましても管財人が弁済をすることができるということになっております。また、その更生計画におきましても有利な取り扱いをすることができるというふうになっておりまして、実際上もそういうふうに、つまり、小口の債権、十万円以下でありますとかあるいは三十万円以下というようなものにつきましては分割弁済というようなことをしないで一時に払ってしまう、あるいは更生手続の中でそういういろいろな処理をしないでもいいように先に弁済してしまうというようなことがなされるという例もあるようであります。  それから、担保権のある債権と担保権のない債権でございますが、これはやはりその権利に合った処遇をしなければならぬということが更生法に規定されておりまして、現実の取り扱いといたしましては、担保のついている債権につきましては弁済の猶予だけをやって、原則としては切り捨てはやらないというような扱いが多く見られるようでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういうことなんですね。そういうようなことが実際の更生法の内容であろうと思います。  そうすると、ここでいろいろと問題になる問題もあると思うのです。それはたとえば一億一千万円も持っている大口債権者に、その会社の取締役をやっている吉田某という人があるんですが、その室蘭石油の債権については更生法の申し出の駆け込み訴えをいたしまして代表取締役から担保を取ったというような、なかなか賢いと言えば賢いが、全く乱脈な内容もうわさされているわけです。したがいまして、今後この会社を更生決定に持っていかれることは事実でありますが、この沿道の二十四市町村というものは場合によっては出資までしてでもいいから足を守ってくれと言っているくらいでありますから、そういう意味におきましては会社更生法の適用事業となりましていよいよ近く発足を見ることになろうと思う。その点は地元の方にも非常に協力的な空気がございます。  だが、問題は、そこでもう一つお尋ねしておきたいのだが、この足を守るということが完全更生法でできるだろうかということになると、これも初めてのことだから運輸省はしっかりしてもらわなければいかぬと思うのですが、百八十八系統の中の六十八系統が赤字でございますから、赤字は切っていけ、黒字だけでやれということになれば更生は楽でございますが、それじゃ交通機関の使命は守られない。赤字路線というのは皆さんの方で措置されております補助金もあることでありますから、その赤字路線というものに対して切り捨て御免というようなことにならぬようにぜひ気をつけてもらいたいと思うが、どうか。これは運輸省の見解ですよ。  それから、もう一つは労務債でございますが、いろいろな賃金だとか臨時給という問題があります。ストライキも回避して円満な解決を図るべくいま当該労働組合は歯を食いしばっておりますが、年末一時金というような問題になりますと、雪の時代にそれだけの資金のゆとりがなければ払えないというような問題が起きやしないか。実例によれば、もち代とか貸付金という形でその要望に応じて労働の安定を図ったという例はいままでの会社更生法の中にたくさんございますから、そういういろいろな方法もあると思いますが、労働の不安というものも解消してもらわなければならぬと思う。  この足の不安と労働の不安に対して、この点はどうお考えになりますか。守るべきだと思うが、どうか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、会社の経営状況が悪くなって更生手続が始まる、そのしわが全部沿線住民あるいは働いている人に寄るということは大変よくないことであると思います。したがいまして、まず路線の問題につきましては、私ども、地方バスの路線を維持して住民の足を守るというふうなことを原則といたしまして、更生手続が進められる過程におきましてもそういったことはぜひ尊重してまいりたいと思います。  それから、労働者に対する諸払いの問題でありますけれども、現在まだ払い切ってないものもありますし、それから、いま御指摘のように年末にもち代を払わなければならないということもあると思います。非常に苦しい資金繰りの中と思いますけれども、金額の問題につきましては労使双方の協議で決められるべきだと思いますけれども、やはり適正な金額が用意されて支払われることが望ましいし、また、それができますように私どもも経営者側に要請をいたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 では、時間がありませんから最後に大臣に一言お答えをしていただきたいが、それは陸運行政の根本的な態度についてであります。  これは最初局長からお話がありましたからある程度理解されますけれども、運輸省といたしましては、こういう場合も実例がたくさんあるが、道南バスの更生法あるいは備北バスの経営者不在問題というものがありますから、こういう時代にあなたの方はしっかりしてもらわなければいかぬ。ところが、その倒産の原因なんかを考えてみると、大抵経営首脳陣が落ちつきがない。内部抗争やいろいろなことで落ちつきがないということやら、経営活動に対する厳しい心構えが不足しておるということやら、もうかるからというので甘えちゃうということやら、それからあとは金融というようなもののルートが細い。いろいろなことがありますから、こういうこともよく御研究の上——陸運行政としては道運法百二十六条によって報告もとることができる。だから営業報告書もとっていらっしゃるのでしょう。毎期毎期とっていらっしゃる。立ち入り質問もできるのですからね。そういうようなことで生きた監督をしてほしいですね。そして、これからの荒波に抗して住民の足を守り、道路運送事業が健全な発展をするように目を光らせてもらいたいと思うのでありますが、その点はいかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 陸運行政の中で、特にきょう問題になっておりますバス事業につきましては、太田委員御承知のように、特に山間路線を持っておるようなバス事業はそれ自体がいま非常に経営の危機に陥っておるわけでございまして、そうでなくても赤字路線を何とか切って収拾をしなければやっていけないというところが非常に多いことを私も非常に心配をいたしております。それだけでもそういうふうな問題が出てきておるわけでございますが、したがって、そういうむずかしい経営の中におります経営責任者というものは普通以上の配慮を持ってその運営に当たらなければならないわけでございますけれども、本件のように、非常な心得違いで他の事業に手を出すことによって本体のバス事業に大変な影響を与えて倒産するに至ったということは本当に遺憾に私は思うわけでございます。  そういう状況にありますときに陸運行政に当たる者は、平素から実態を十分に把握をしておりまして、こういう時期に至らない前に、事前に何とか注意をし、反省を促すということが必要であるのでございまして、今後は、こういう点には出先の陸運局長の指導を一層十分にやりたいと思っております。  また、万一こういう事態にまで立ち至りました場合には、陸運局は監督官庁であるから、中におるところの経営責任者初め株主が再建するのを横から見ておって適切な指導を与えればいいということでは済まないのではないか、法律上の問題は別として、陸運局長自身がこの中に入って経営者たるべき者と十分相談もし指導して再建に当たってほしい、と、こういうことを実は私は伝えておるようなわけでございまして、そういう心組みで今後このむずかしい陸運行政はやっていかなければ国民の要望にこたえられないのではないかということを私は心配しつつ、指導を厳重にいたしたいと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ありがとうございます。それでいいと思うのです。そういうことでやってください。  ただ、局長に最後に要望しておきますが、中に立ち入ると言えば、今度は陸運行政をやる個人の問題が、人の問題が出てきますよ。能力がないのに能力があるがごとくに見せびらかしてみたり、いばらぬでもいいところをいばってみたり、自信を持つべきところで持たないで、持たぬでもいいところで自信を持ち過ぎたり、こういう点をあなた方で十分にしっかりと対処してもらわなければいかぬと思う。  以上で終わります。

佐藤守良自由民主党

○佐藤(守)委員長代理 三浦久君。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 私は、まず、国鉄料金の値上げについて御質問をいたしたいと思います。  非常に残念でありますけれども、運輸省は十一月十二日に国鉄料金の値上げを認可いたしました。このため特急、急行、グリーン、座席指定、寝台等々の各種料金があしたから平均三二・二%値上げされることになりました。国民生活に非常に大きな影響を与えることになりました。各新聞も、「里帰りも、ままならず」とか、「「空より高く」が続出」とか、「空も私鉄も追い越した」とかいうような見出しをつけて、その反響について報道をいたしております。事実、多くのところでグリーン車を利用すると航空運賃よりも高くなっているところがありますね。  底知れぬインフレ不況のもとで生活に非常に苦しんでいる国民の生活を擁護するという観点から言うと、今回の値上げというものはきわめて不当なものであるというふうに私は思っております。ですから、そういう意味で、いまからでも遅くないからこの値上げの認可を取り消すべきであるというふうに私は考えておりますけれども、大臣の御所見を承りたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 国鉄は、三浦委員御承知のように非常な経営の危機に直面をいたしておるのでございまして、今年度におきましても、当初予算を立てます場合に予定したときの収支のアンバランス以上に実績は悪くなってまいっております。その額は大体千六百億ぐらいでございますが、これを政府の助成なり融資等の方法で埋めなければなりませんが、このうちの一部は利用者である乗客あるいは荷主にやはり負担をしていただいて協力してもらわなければなるまいということで、国鉄に対しましては赤字の大体四分の一ぐらいはそれでカバーできるように考えなさいということで、国鉄がいろいろ検討をいたしたわけでございます。その結果先般運輸大臣が認可いたしましたような内容の料金改定ということで出てまいりまして、運輸審議会等でいろいろと御検討いただいて、その答申を得て認可をいたしたわけでございまして、午前中の久保委員の御質問にもお答えいたしましたように、これは決してりっぱな料金改定であるとは私も実は思っておりません。しかし、ことしじゅうにどうしてもこれだけぐらいのことは利用者の負担において協力してもらわなければならないということから考えますとやむを得ぬことである、と、かように私は考えておるわけでございます。  もちろん、運賃との比較あるいは料金の種類の内容、相互間の比較等いろいろ問題点があることは私も知っておるわけでございますけれども、いわば緊急的にやむを得ないということでこういうふうな認可をいたしておりますので、これで利用者の御協力を得て、今年度の国鉄の経営がうまくいくようにやっていきたい、かように私は思っておるようなわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 昭和三十五年まではこの料金というものは国会の議決事項になっていたと思います。国鉄運賃法を改正いたしましてこれを法定事項から外したわけでありますけれども、そのときにも運輸委員会でいろいろと議論がされております。これは昭和三十五年五月十一日の運輸委員会の議事録ですけれども、この中には料金を法定事項から外すということの理由としてこういうふうに政府委員が述べているのです。「急行料金を法定事項から運輸大臣の認可事項にいたしましたことは、御説明申し上げた通り輸送需要の実態に適合した輸送を提供したいということでありまして、」云々と言って、そして、「そういう趣旨で改正をしたのであります。それから急行、準急、特急料金が基準運賃に対して高過ぎるということもありまして下げたわけでございまして、この急行料金だけを繰作して増収をはかるということは考えておりません。」と答弁されているわけですね。これは御存じでしょうか。(「古証文だ」と呼ぶ者あり)

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 いま先生から御指摘のように、国鉄運賃法から料金が外されましたのは昭和三十五年でございまして、そのときに法案を出しました提案理由によりまして、急行料金というものは本来付帯的な料金であり、他の競争交通機関、自動車であるとか航空機というものが発達いたしてきておりますので、そういうものに対してこういうサービス料金というものは弾力的に対処する必要があるということで、昭和三十五年の改正を行ったという説明をいたしているわけであります。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうすると、いま私が議事録を読み上げましたけれども、こういう答弁が行われたということは御承知ですね。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 議事録を私は拝見いたしておりませんが、議事録にそういうことが載ってあれば、恐らくそのとおりの発言があったものと思います。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 ちょっとこの会議録を読んでください。赤く線が引っ張ってありますから。  昭和三十五年当時でも料金収入の割合が高い、だからそれを下げなければならないのだということ、それが法定事項から外す一つの理由になっているわけなんです。  それで、お尋ねしますけれども、昭和三十五年度の旅客運賃と料金収入の割合はどういうふうになっておったのでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 旅客運賃と料金との比率でございますが、昭和三十五年度で運賃の占める比率が八七・六%、料金が一二・四%でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 昭和四十年度ばどういう比率になっておりましょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 昭和四十年度の比率でございますが、運賃が七八・三%、料金が二一・七%でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 昭和四十九年度はもう少し高くなりませんか。私たちの計算では三二%になっておりますがね。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 いま申し上げましたのは昭和四十年度でございまして……(三浦委員「私が聞いたのは四十九年度です」と呼ぶ)失礼いたしました。昭和四十九年度は運賃が六七・六%、料金が三二・四%でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうしますと、昭和三十五年度で料金収入の割合が一二・四%だ。それでも高過ぎるのだから下げなければならないと言っておって、昭和四十九年度は三二・四%に料金の比率が上がる。それをさらに今度料金だけ上げるわけですから、三二・四%よりも料金収入の比率が高まっていくということは明らかだと思うのですね。  それは、昭和三十五年度の答弁から推測すると料金収入の割合が非常に高過ぎるのじゃないかというふうに私どもは思っておるわけですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 先ほど昭和三十五年におきます運賃法の改正の提案理由を申し上げたわけでございますが、自動車、航空機等の著しい発達に対処するために弾力性を持ったサービスを行う必要があるというのが改正の理由でございます。  当時下げる必要があったといいますのは、自動車、航空機等との競争関係から下げざるを得ないということの意味で理解いたしているわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 いや、それは違うのですよ。この議事録ではちゃんと「そういう趣旨で改正をしたのであります。」と言っています。これは合理的な運賃体系をつくりたいんだということですね。弾力的に運用したいんだということが一つありますね。それから、「急行、準急、特急料金が基準運賃に対して高過ぎるということもありまして下げたわけでございまして、この急行料金だけを操作して増収をはかるということは考えておりません。」とはっきり言っているわけなんですよね。ところが、いま運輸省がおやりになっていることはこの答弁と全く逆なことをやっている。たとえばいま申し上げましたように料金収入の割合が三二・四%にも上がっておる。それをさらにその比率を高めるというようなことをやる。料金収入だけを上げて増収を図るということはいたしませんということを言っていながら、今回は料金収入だけを上げて収入を文字どおり図ろうとしているわけでしょう。そうすると、先ほど不規則発言で「古証文だ」なんということを言っていましたけれども、しかし、これは料金を法定事項からはずすための理由として述べられているのであって、それ以後もずっとこの考え方は生きておるというように私どもは考えています。  そうしますと、いまあなたの方で料金の値上げを認可して料金の収入比率をうんと高めていくということは、これは高過ぎるというふうにお思いになりませんか。どうなんですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 運賃と料金の比率といいますか、シェアがどの程度であるのが正しいかという点につきましては、これは絶対的な基準というものはないのじゃないかというように考えております。特に、昭和三十五年以降国民生活も向上いたしておりますし、利用者の需要というものが高度化いたしてきておりまして、速いサービスであるとか、あるいは楽に汽車に乗れるとか、そういう利用者の要求、要望がやはり高まってきておるわけでございまして、国鉄としてはそれに対応してそういうサービスを行っている、したがって、傾向といたしましては料金の収入全体に占める比率というものは逐次高まっていく傾向にある、と、こういうことだと考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 しかし、料金というのは付帯的な料金であるということはあなたもさっき言われましたでしょう。そして、料金と運賃の割合について絶対的な基準はないのだとおっしゃっていますが、それは間違いだと私は思うのですよ。たとえば料金を法定事項から外したのは、やはり財政法第三条の特例法があるからできたのでしょう。どうなんですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 そのとおりでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうしますと、財政法第三条の特例に関する法律というものは、「国有鉄道における旅客及び貨物の運賃の基本賃率」は法律で定めなければならないというわけですね。ただし、その他の料金は認可事項でよろしいというわけでしょう。  それではなぜ料金を認可事項にしたのか、法定事項から外したのかといえば、それはさっきあなたがおっしゃったように付帯的な料金だからです。付帯的な料金というものは基本賃率でもって計算した運賃よりも高くなるというようなことは、これは財政法第三条の特例に関する法律の趣旨から見てとうてい許されないことだと私は思うのですが、どうですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 国鉄の運送というのは、旅客の場合に東京から大阪へ人を運送する、あるいは東京から宇都宮に人を運送するというのが基本的な運送の形態であるわけです。その運送をする場合に、先ほど申し上げましたように、速く行くとかあるいはゆっくり座っていくというようなサービスがつけ加わるわけでございまして、そういう基本的なサービスに対する対価、これは法律で定められるという趣旨に理解いたしているわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 それではちょっとお尋ねしますけれども、財政法第三条の特例に関する法律で、料金は認可事項でよろしい、基本賃率は法定事項でなければならないというふうに決めたのはどういう理由からなんですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 それはいま申し上げましたように、基本的なサービスに対する対価であるから、法律で決める、それに対しまして、速く行くとかあるいはゆっくり座っていくというようなサービスというものは基本的なサービスではございませんので、そういうものは法律で決めなくてよろしい、と、そういうような趣旨であるというように理解いたしているわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 国民に対する負担という関係からこういう法律ができているのじゃないですか。やはり、国民に対して大きな負担をかけるというようなものについては法定事項にしておかないとならぬ、軽微な負担の場合にはこれは認可事項にしてもよろしい、弾力的な運用事項にしてもよろしいという、そういう趣旨もこの中に含まれていると私は思うのですよ。ですから、この財政法第三条の特例に関する法律で法定事項でなければならないとされている基本賃率、この基本賃率に基づいて計算をされた運賃よりも料金の方が大きくなるというような、そういう料金の決め方というものはこの特例法の趣旨に違反しているというふうに私は思うのですが、そういうことをあなたの方は思わないのですね。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 運賃と料金との関係でございますけれども、先ほど申し上げましたように、最近の利用者の需要の動向からいってできるだけいいサービスを受けたいという希望が強くなってきておりますので、サービス部分の占める比率は当然多くなってくるということであろうかと思います。  したがって、付帯的な料金というような意味合いにおきましてはそういう料金の占める比率が余り大きくなるということは好ましいことではないと思いますが、しかし、それがオーバーしたら財政法三条違反であるというような解釈は持っておりません。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 これはもう第三条の特例に関する法律の趣旨を全くねじ曲げた解釈だというふうに私は思います。  それじゃお尋ねしますけれども、特急とか急行とかというのは法律に規定されていますね。国鉄運賃法第六条ですか、「特別急行料金及び急行料金並びに寝台料金」とかとずらっと書いてありますね。では、特別急行とか急行とかというのはどういう概念なんですか。その定義をちょっと教えてください。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 特急、急行の区別というのはいままで非常にあいまいであるといいますか、混乱している点があるわけでございますけれども、その基準というのは二つあるのじゃないかというように私は考えておりまして、一つは設備の面、もう一つはスピードの面ということでございます。  設備の面につきましては、特急の車両と急行の車両とでは定員の数が違っております。それから、同時に、特急の場合には必ず座れるというたてまえになっております。急行の場合には指定券を買えば別ですけれども、原則としては必ずしも座れることが保証されていないという仕組みになっております。それが設備の面からの区別でございます。  それから、スピードの面につきましては、特急の場合は大体最高速度が百二十キロ程度で、急行の場合には九十五キロということで、列車のスピードを出す能力が違っております。ただ、現実問題として、線路の状況等によりまして必ずしもそれだけのスピードが出ないために急行と特急との間の時間差が少なくなっている例はございますけれども、原則としてばそういうスピードの点の差があるわけでございます。  また、もう一つスピードの面でございますけれども、急行より特急の方がとまる駅が少ないということで、それだけ早く行けるということになるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうすると、余りはっきりしていないのですね。あなた自身も混乱をしているということを認められているわけですけれども、いまのような特急、急行の定義は内部で何か文書になっておるのですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 国鉄の内部でそういう扱いをしているわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 文書はあるのですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 後ほど国鉄の方に聞いてみたいと思いますが、文書があるかどうか、私の方は確認いたしておりません。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうすると、運輸省としてはそういう文書はあるのですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 運輸省といたしましても、特にそういう文書をつくっているわけではございません。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 それはちょっとおかしいと私は思うのですね。特急とか急行というのは法律的な概念なんですよ。それをあなたの方で設備の面とスピードの面でいろいろと定義づけられておられるわけなんですけれども、そうすると、そういう定義に基づいて運輸省でも国鉄でも仕事をしなければいけませんね。国鉄であれば、ダイヤを引いたときにはこの列車は特急にする、これは急行にするというようにしなければいけませんね。これは職員がやります。それから、また、運輸省の場合ですと、特急料金、急行料金というものの値上げの申請が来ると、それについてはこれならよろしいとか、一定の概念を持って仕事をやらなければいかぬでしょう。当てずっぽうにはできないわけですよ。そうすると、仕事をする職員にいまあなたのおっしゃったような概念をびしっと周知徹底させておかなければ統一的な仕事はできないと思うのですね。こういうものだぜという口コミだけではできないはずなのです。なぜそういう文書をおつくりにならないのですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 国鉄の方がどういう扱いをいたしておるか詳しくは承知いたしておりませんが、私ども運輸省鉄道監督局といたしましては、いま申し上げましたような基準で特急と急行とを区別しているということは担当者は熟知いたしているわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 それは私はおかしいと思うのですよ。おかしいですよ。実際にその概念だってきわめてあいまいな概念ですよ。これは後でお尋ねしますけれどもね。運輸省が法律の解釈を、それも特急、急行とは何かと言われたって、普通の人はなかなか答えられないようなものですよ。これは鉄監局長は何と答えようかと思っていろいろ勉強されてきたからわかるのであって——わかるといっても、いまつくったのかもしれませんけれども、これは一般的に職員が熟知しているなんという概念じゃありませんよ。ましてや国鉄の職員が熟知しているなんということもありませんよ。ですから、あなたの答弁はちょっとその場逃れじゃないかなという感じが私はするのですけれどもね。  それでは、スピードの問題についてお尋ねしますけれども、さっきあなたも半ばお認めになっていらっしゃるように、特急よりも急行が速い例というのがありますね。私たちも調べてみましたが、どうでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 一部特殊な例としてあるようでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 それは特急の方が遅くとも構わないのですか。法律上の概念なんですよ。そうすると、それは特急じゃなくて急行にするという指導をするという意味なのか、それとも、一部急行よりも遅い特急があっても構わないのだという意味なのか、どうなんでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 特殊な例と申し上げましたのは、区間的に非常に短いところでそういう例が出ているように聞いておりますが、先ほど申し上げましたように、急行と特急というのはスピードだけで区別いたしているわけではございませんで、設備の問題もあるわけでございます。特に、地元の方々からスピードは少し遅くてもいいから特急をとめてほしいという御要望もございまして、それにこたえて特急をとめるという場合もあるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 比較的短い区間と言いますけれども、私が調べたのではそんなことはないですね。たとえば山陰線の「あさしお2号」は特急です。それからあと、中央本線の急行の「アルプス2号」は約二百キロあるのですが、これを比べてみますと、この計算はあなたの方でしてもらえばわかるわけですけれども、特急の方が時速は五十九・八五キロです。急行の方が時速六十三・九キロなんです。急行の方が速いのですよね。これは三百キロもあるんですから、決して短い区間じゃありませんよね。  それから、施設の面で違うと言いますけれども、特急と急行の寝台車の設備は同じじゃありませんか。同じものもあるでしょう。どうですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 特急と急行の寝台で設備が同じものについて、若干料金上の差異があるといいますのはスピードを加味した話だと思います。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 いや、特急の寝台と急行の寝台——たとえば一つ星なら一つ星がありますね。これは同じ車なんですよ。設備面では同じなんだ。ところが、片一方は特急で片一方は急行だ。スピードが違うからだと言う。しかし、スピードはさっき言ったように急行の方が早いところがあるのです。特急か急行かというのは、これによって料金が截然と違うわけですから、特急とは何なのか、急行とは何なのかという概念をはっきりさせておかなければいけないと思うのです。たとえば、いまのような鉄監局長のお話ですと大体のヤマカンなんですよ。職業的な勘といえばそうかもしれませんけれども、ヤマカンなんです。だから、国鉄がこれは特急にしましょう、これは急行にしましょうと言えば大体そのとおりになってしまうというような性格を帯びているわけですね。これじゃ国民が納得するようなものじゃないと私は思います。国民は、今度料金を一方的に上げられて、また、ダイヤ改正のたびに急行が特急になってしまって、どんどん国民の負担が重くなるのじゃないかと考えているわけですね。それを大変心配されているわけですよ。  それで、私はもう一回お尋ねしますけれども、特急と急行の概念をもう一度ぴしっとおっしゃっていただけますか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 特急と急行の区別につきましては、先ほど、設備の面でスピードの面と二つの面で区別ができるということを私は申し上げたわけでありますが、先ほど御指摘のありましたように、特急と急行との区別について混乱している例がありますことはそのとおりでございます。  国鉄の料金の値上げの公聴会の際にもそういう点の指摘をいただいているわけでございまして、私どもといたしましては、今後、国民、利用者の側から見て不合理であるというダイヤの編成については、そういうものを調べた上でできるだけ是正していきたい、その方向で努力いたしたいと考えておるのでございますが、先ほどお話のありました例については、設備は同じであるけれどもスピードは特急の方が遅いという例はない、設備が同じ場合には少なくとも特急の方がスピードが早いということであって、設備も同じでありスピードも遅くてそれを特急としている例はまずないのじゃないかと考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 私どもが国鉄に急行と特急の違いはどうなんだと聞きましたら、国鉄はこう言っていました。その線区内の優等列車を言うのだという答弁が返ってきました。しかし、それじゃちょっとぐあいが悪いわけですね。その線区内での優等列車を言うのだということになりますと、全国一律でもって急行料金、特急料金を取っているわけでしょうから、そういう概念はぐあいが悪いというのであなたみたいにお直しになったのじゃないかと思うのですけれども、そういう意味ではこれは決して天下公知の事実でもなく、また国鉄職員、運輸省の職員の周知の事実でもなく、熟知されている事実でもないのですね。ですから、その辺は謙虚に反省をして、整備するものは整備することが必要だと私は思います。  それから、また、料金と運賃の問題についても、運賃よりも料金が幾ら高くなったっていいんだというようなことをあなたは公言されたわけですけれども、これはだれが見たって財政法第三条の特例に関する法律の趣旨に違反していますよ。だから、そういう点も是正をするべきである。したがって、運賃を上げろと言うのじゃなくて、こういう不当な料金の引き上げはやめるべきであるということを私は強く要望しておきたいと思うのですね。  国民の側から見れば、いま言ったように特急、急行の料金の概念も非常にあいまいだ。恣意的なところがある。それから、いま言ったように財政法第三条の特例法の趣旨にも逸脱している。それから、また、現在いろいろなところで国鉄財政の再建について討議されているわけですね。運輸省の内部にもございますね。国鉄の内部にもございます。大臣の私的な諮問機関もあります。また、国会の中にもあります。いろいろなところで国鉄の財政再建について検討しているのに、上げたってその再建には何の影響も与えないような、ただ国民に負担を与えるだけのつまみ食い的な料金の値上げだというふうに国民は思っていると私は思うのですね。こういう料金の値上げは今後しないようにしてほしいということと、もう一つは、いままで料金というのは運賃の改定の際に一緒にやっておったでしょう。そして実質的には運賃の審議と同時に料金の審議も国会で行われておったわけですよ。ところが、今回は料金の値上げについて当運輸委員会にも何の報告もないのですね。それで全然審議されないままにほっと認可が決まっちゃっているのです。こういうことは従来の慣行から言えば国会軽視じゃないかと思うのですが、こういうこともやめていただきたいと私は思いますが、いかがですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 今回の国鉄の料金の値上げでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、本年度における国鉄財政の資金不足を補うための緊急的な措置であり、そういう意味でやむを得ないものであるということでございますので、そういうことで御了解いただきたいと思うわけでございます。  また、今後料金を運賃と切り離して上げる場合があるかどうかという点につきましては、今後国鉄財政再建をどういう形でやっていくかということにも関連するわけでございますが、必ず運賃と料金とは一緒にやるということも言えないわけでございまして、そのときの情勢によりまして、場合によっては料金だけの改定で済ませるということもあり得るのではないかと考えておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうすると、さっきの三十五年の運輸委員会での答弁ですけれども、「料金だけを操作して増収をはかるということは考えておりません。」とはっきり述べているのだけれども、これはいいかげんな答弁だったということなんですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 先ほど申し上げましたように、国鉄財政再建をこれからやるわけでございまして、その再建のやり方として申し上げたわけでございまして、昭和三十五年の答弁があるから、国鉄財政再建をやる場合にもそういうことに拘束されなければいかぬということではない、と、さように考えておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 大体、再建の方向もはっきりしていないのに料金だけ上げるというようなことがけしからぬと私は思っておるのですよ。  終わります。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 きょうは国鉄の官公需について聞きたいと思います。  まず、国鉄の官公需の総額は大体どれくらいあって、それは大企業と中小企業の割合がどれくらいになっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 国鉄の資材局長でございます。お答えいたします。  御承知のように、国鉄の四十九年度を例にとりますと、資材購入の購入金額は大体約三千二百億円に達しているわけでございますが、この資材購入に当たりましては、中央で調達するものと地方で調達するものと二つに分かれておりまして、中央で調達する物品について申し上げますと、いわゆる金額面で申し上げまして、中小企業の方に発注したものが一五%になっているわけでございますが、中央地方を含めまして申し上げますと、大体約二七%程度のパーセンテージを占めております。  それから、契約件数面でございますが、件数と金額は必ずしも一致しないわけでございますけれども、件数面で申し上げますと、逆に本社と地方合わせまして大企業が二〇%、中小企業が八〇%というかっこうになっております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 工事関係はどうですか。

岡部達郎日本国有鉄道建設局長

○岡部説明員 お答えいたします。  四十九年度の総工事金額は約二千七百億円でございまして、そのうち大企業が六八%、中小企業が三二%という発注率になっております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 中小企業に対する割合が非常に少ないというふうに考えられる。全体としてやっぱり大企業に寄りかかった発注だと思いますね。そういう点で引き続き中小企業はいろいろと現在不況下に呻吟しているわけですが、中小企業に資材関係でも工事関係でももっと発注をふやしていくという意思はありませんか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 先ほども申し上げましたように、国鉄の資材につきましては、中央と地方に分けて調達いたしておりますが、その中で、中央で調達する資材は大多数が御案内のごとく随意契約によっております。と言います理由は、中央で調達する品物は、たとえば運転保安上重要な資材であるというふうなものがほとんどでございまして、たとえばレールとか車両とか、そのほか車両部品とかあるいは自動車、燃料といったようなものが大多数でございまして、契約の方式として、運転保安等との関係もございまして、指名競争入札等になじまない。したがいまして、技術あるいは経験等の面から言いましても、中小企業に対する発注になじまないものが大多数を占めております。  しかしながら、地方調達における資材の大部分は、いま申し上げますように国鉄として公開競争入札をたてまえとしてとっておりますが、それになじむものが大部分でございます。したがいまして、本社ももちろんでございますが、主として地方調達品の中で、中小企業に対する配慮といいますか、参加の分野というものが非常にたくさん開けておるわけでございまして、そういう中において今後ともさらに法律の趣旨にのっとりまして努力をしていきたいというふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 具体的に、来年、新幹線は二月と三月に半日休んで大変な改造をしますね。路盤とか線路とか架線とか、たしか二月二十五日と三月の何日かやります。ああいう改良の相当大規模な工事が大変必要になっているという状況だと思いますが、こういう改良工事については大企業と中小企業との参加のぐあいはどういう状況になっているのでしょうか。

岡部達郎日本国有鉄道建設局長

○岡部説明員 一般に工事は資材とちょっと違いまして現業機関で発注しておりますが、工事の規模、性格あるいは目的、経済性等から発注単位を決定しまして、業者の資力、信用、技術力、工事成績と、それから運転事故防止が特に必要でございまして、そのために特別に工事指揮者という資格を与えておりますが、そういったものに適した業者の中から選択して入札しております。先ほど申し上げましたように、全体工事としては中小企業が三二、大企業が六八となっておりますが、この場合に、比較的小さい工事で専門種別の工事であるとかローカル的な問題の工事については中小企業を極力活用するようにいたしております。  それで、先ほど御指摘の軌道工事でございますが、この前も東北線とかあるいは新幹線の軌道保守をいたしますと、これも十社参加いたしまして、そのうち三社は大手、七社は中小企業というわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、たとえば来年新幹線がやるレールの更換とかポイントの更換ですね。それから交差するポイントの施設とかあるいは架線ですね。こういう工事には、技術の確かなところというふうなことはあるかもしれませんが、できるだけ中小企業も参加してやれるということですね。

岡部達郎日本国有鉄道建設局長

○岡部説明員 そのとおりでございまして、現に社数で言えば中小企業の方が多うございます。いま申し上げた十社のうち三社だけが大手で、七社が中小企業であります。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そういう点で、特に路線の改良工事等には、たとえば盛り土の斜面とか切り通しですか、その斜面とかあるいは山崩れ等々の危険個所の工事とか、それから新幹線のそういう大規模な改修とかについては極力中小企業に仕事を発注してやらせるというふうに努力してもらいたいと思いますが、それはできますね。

岡部達郎日本国有鉄道建設局長

○岡部説明員 先生の御趣旨のとおりいたしたいと思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 では、次に伺いますが、物資の購入の点で特に目につくのは被服だと思うのですね。この被服の発注ですね、これは額として何人分ぐらいで、金額でどれぐらいのものですか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 お答えいたします。  被服の問題につきましても、先ほど一般的な資材の契約の場合に申し上げましたように、中央で調達するものと地方で調達するものとに分かれておりますが、大体大ざっばに申し上げまして、国鉄職員の制服は大体中央で一括して調達しておるということでございます。そのほか、比較的厳密な仕様といいますか、様式を要求されないものや、地域的により仕様、規格が異なるもの等の一部分につきましては地方で調達をいたしております。  ひっくるめて申し上げますと、四十九年度の実績で被服類の購入実績の金額ば約五十八億円に上っております。そのうちで、本社といいますか、中央で調達するものが約四十二億五千万円、地方が十六億円、こういうかっこうになっております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 その膨大な四十二億という本社でやっているものは特に制服ですね。これはどういうところに発注しているのですか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 御承知のように、職員の制服は接客のサービス上からも全国の職員に独自の規格に基づきまして均一な品質のものを着用させるという必要があることは当然でございまして、しかも大量に発注しなくちゃいけないということで、原反から始まりまして、紡績会社を軸とした縫製工場を組み込みました受注体系が前々からできておりまして、それに一括発注して契約上の全責任を負わせている。こういうかっこうをとっております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 その社名はどういうところですか。何社ぐらいですか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 毛とか綿とか、その種類によって違いますが、総括いたしまして、本社で申し上げますと大体二十四社に発注をいたしております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 その二十四社の名簿を出してもらいたいと思いますけれども、どうですか。二十四社の、いま現に発注している会社の名簿を後で私の方に知らせてもらいたいと思います。大手でしょう。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 その二十四社の中の二十二社はいわゆる大手でございます。二社が中小企業でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 分割発注ということについてですが、これは大変な物量ですよ。それをあなた方は大企業にほとんど——二十四社のうち二十二社というのですから、全くそれは大企業にストレートに発注しておると思うのですよ。それを分割発注する。中小の縫製品会社というものもありますから、そういうところにそれをもっと分割発注して、少なくともその半分を中小企業に渡すというふうなことをできませんか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 被服の発注につきましては、先ほども申し上げましたように全国均一で、しかも品質のいいものを選ぶということがたてまえでございまして、特に、最近は終戦直後あたりと違いまして、職員の要望といいますか、クレームといいますか、これが非常にきつくなっております。それで、職員の代表と被服委員会などを持ちまして、その改善等については努力を組合側といたしておるわけでございますが、現場におきましても、その品質の点においてのいろいろなクレームとかあるいは問題があったということも過去において多々ございます。  そういう意味におきまして、均一であることはもちろんでございますけれども、品質も上等なものを選ぶ、しかも大量に発注しなくちゃいけないということから、国鉄といたしましても、やはりどうしてもそれにふさわしいメーカーを選んで発注せざるを得ないというかっこうになるわけでございまして、過去における経験その他からただいま申し上げました二十四社に——これ以上ふやすということも余りにもまた細かくなりますので、大体ここらあたりが限度じゃないかということで数を限りまして、先ほど言いました二十四社に発注いたしておるという実情でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 だから、それを改めて——最初の織物ですか、原料はもちろん紡績業者とかいうものでいいでしょう。しかし、それを加工することが大部分なんですね。そしてそれはいまの水準からすれば決して技術が劣るというようなものではない。現にそれは大部分は下請に出るのでしょう。そういう点から言って、第一次発注の大もとのメーカーに、紡績業者にだけ発注するというのは、やはり大きくそこにマージンが取られるわけですよね。それは下の方に行けば行くほど零細な、本当に安い単価でやらされるというふうなことになるわけです。したがって、生地をつくるところは大手で、それはしようがないが、しかし、加工については、それが多いという意味では日本は中小企業の天国というか、これが役割りは大きな役割りを果たしていて、実際の加工については腕がりっぱですよ。しかし、その経営は地獄みたいなもので、大変な経営状態になっている。だから、素材は大企業がやっても、加工については、制服をつくらせるところについては、もっと直接に中小企業のしっかりしたところに対して発注するべきで、それこそ分割発注です。  この分割発注ということについてばいろいろのことを考えてやるべきだと思うのですよ。生地をやるところは生地、加工するところは加工ということで、こういう加工企業に対して分割発注の方法も取り入れる。これは閣議決定の方向じゃありませんか。分割発注をして、できるだけ中小企業に仕事を渡しなさいということでしょう。一番大量の制服関係のものをあくまで大企業だけにやらなければいかぬということは間違っていると私は思うのですが、その点はどうですか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 ただいま縫製業者の問題につきましての御質問だったかと思うのですが、被服の受注体系のシステムにつきましては、先生も十分御承知だろうと思いますが、最終的には一定の縫製の加工業者が製作いたしておるわけでございます。  御承知のように、加工業者は資本金におきましてもあるいは従業員の数におきましても零細でございます。したがいまして、能力の上におきましても非常に零細でございます。したがいまして、この縫製業者と契約するということも観念的には考えられますけれども、やはり大量のものを集中して国鉄として発注いたしますし、したがいまして資金的にも非常に大量の資金が一時的に要るというふうなこと、あるいはまた、この被服のいわば付属材料といいますか、ボタンだとか、裏生地だとか、そういうものもやはり備えなくてはいけないということ、それからいろいろと品質上に問題が起きた場合に、そのクレームなり問題点を何物にも増して独自の力で解決する処理能力があるのかどうかということ、こういった点でいろいろな問題がございまして、われわれのただいままでの経験では、一つ一つの加工業者の皆さんがそういった工程管理なり資金面なりあるいはクレームの処理なりということについて責任を負うということは非常に大変なことでございまして、むずかしい問題じゃなかろうかということもありますし、また、御承知のように従来から商社等が仲に入りまして、そういう面での業務の調整といいますか、あるいは負担といいますか、そういうことをやっているというシステムもでき上がっているわけでありますので、そういったシステムの中で解決していく。やむを得ないことですけれども、そういう観点から、われわれは原反業者、紡績会社と契約をいたしまして、それに工程その他いろいろなクレーム処理等の全責任を負わせるというかっこうをとっているわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 だから、いま言ったように、あなたが言ったことは全部それは中小企業に可能であるという議論なんですよ。実際に加工しているのは彼らである。だから、問題は、それをたとえば協同組合とか協同受注組合とかいうふうにして一人一人、一軒一軒に対してばらばらにというんじゃなくて、一括してある程度の中小業者の組合なり受注団体をつくって、そうしてそれに金融その他の便も当然図ってやる。いままでよりもこれははるかに大きな条件で改善されるわけだから、そういうふうにして分割するということ、当然それは中小企業の仕事の内容なんですよ。内容を考えてごらんなさいよ。全部これは中小企業の手を経るものなんです。いまお話を聞いていると、そういうことについてあなた方があくまでも大企業でなければならぬと言う理由は何にもない。  問題は、そういう融資制度とかあるいは受注機構とかいうことを工夫すればいい。閣議でも協同組合に対して発注をできるだけ工夫せよということになっているのですから、国鉄が閣議の線に沿うてそういうことを見直すということをできないのですか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 先ほど来申し上げておりますように、現実の問題として先ほど言いましたようないろいろな問題がございます。したがいまして、仮にそういったことを考えてみても、私らの経験上から申し上げましても、現実的に非常に困難な問題じゃないかと考えております。特に、国鉄における資材購入の使命上、制服につきましても大量に発注する関係でかなり安い値段で購入いたしておるわけでございますが、そういった購入金額等の関係におきましてもひいては国鉄の財政にも絡む問題でございますが、そういう関連におきましてもお説のようなやり方というものは現実の問題として非常に困難な問題じゃないかというふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 では、大臣にお聞きしますけれども、これは資材の面から言えば、いま言ったような国鉄の非常に莫大な物資購入のいわばナンバーワンだと思うのです。そういう点で、大企業が二十四社のうち二十二社が独占しておる。しかし、その仕事の内容は、原料は大企業ですが、それ以下の部分についてはむしろ中小企業の分野でありますから、そういう分野の受注団体を協同組合とか同業組合とかの方法によって分割発注をさせて、できるだけ中小企業にも一その点ではいままでよりも利潤や加工賃もよくなるというふうな方向に改善する意思についてはどうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 国鉄を含めまして、官公需をできるだけ中小企業あるいは協同組合に多く与えるという政府の方針に従って運輸関係も目標を設けながらやっております。  運輸省の管下の建設公団その他もございまして、国鉄のごときはバラエティーが非常にたくさんあるわけでございますが、かなり中小企業等にも発注をいたしておるように私は聞いておりますが、さらにこの点は方針に従って一層徹底するようにやっていきたいと思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 大臣も閣議でも言っているように、中小企業には協同組合とかいったようなものにできるだけ分割発注で分けてやるという方針をとっているわけですし、中小企業庁もそういうわけであるので、国鉄はその面についてはそういう方向でぜひ再検討をしてほしいと思うのです。  そして、二十四社の社名については、後で委員長の方であれしていただいて、出してもらえるようにしていただきたいと思います。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 先ほどの第一点の分割発注という問題でございますが、しつこい答弁でまことに恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、現実的に過去においてもいろいろな経緯があるわけでございますが、そういった点も踏まえて考えますと現実的に非常にむずかしい問題だろうと思います。  しかしながら、たとえば中央の調達品等におきましては、これは先ほどは申し上げませんでしたけれども、大部分は中小企業が入っているわけでございまして、そういう中小企業の分野で生かせる分野につきまして、先ほど大臣の御答弁がございましたようにさらに努力いたしたいというふうには考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それから、もう一点印刷関係ですが、聞いてみるとカレンダーのようなものは大企業がやっているらしいのです。カレンダーとかポスター類とかがたくさんありますが、ああいうものの中小企業の割合はどうですか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 ただいま印刷物の問題についてお話がございましたが、印刷物と言いましても、国鉄ではこの分野が非常にいろいろと分かれておりまして、たとえば駅頭等でごらんになりますような宣伝関係のポスターとかいうものは、これは別に宣伝関係の備消品としてそちらの方でつくっております。  本社の私の方でタッチしておりますのは、各種の帳票類なり資料あるいは記録といった印刷物について発注いたしておりますが、全般的に申しまして、本社、地方を問わず、大体八割ないし九割近くが中小企業の発注分野になっております。  それから、カレンダーにつきましては、具体的にはこれは大企業も中小企業も両方とも入って入札させてやっておるという実情でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そういう点については極力中小企業の分野に回してもらいたいと思いますが、努力しますか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 お説のような方向で今後とも努力をいたしたいというように考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それから、いろいろの金属加工品についてはそういう点でやはり莫大なものがあると思いますが、そういうものも中小企業に一層受注を多くしてもらいたいということだけ申し述べておきますが、その点も努力できますか。

竹田信人日本国有鉄道資材局長

○竹田説明員 お説の金属加工品でございますが、これにつきましても、一部、犬くぎとかボルトといったようなレールの付属品は専門業者でないとできない問題もございますが、総じてこれは随意契約なりあるいは指名競争入札でやっておりますし、特に地方調達につきましては指名競争入札でやっておりますので、そういった能力なり経験なりを持っておられる業者に対しては常に参加の機会は開けておるわけでございますので、そういった線で今後とも努力していきたいと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 その次に海のことを一つ聞いておきますが、大阪港の帆船だった人たちが機船に変わった。大体百トン未満の小船主ですね。この人たちが今度の船舶職員法によって二人乗りを義務づけられるということで大変困っている。こういう点で、来年の三月三十一日まで延期がされて、特別の考慮が払われているのですが、これはもっと引き続き一人乗りができるようにしてほしいということが一点。  それから、もとからの小さな船主で、百トン以下の船ですが、この事実を見ておりまして、こういう船も実情は同じだ、少なくとも阪神、尼崎付近の平水区域では同じように一人乗りを認めてほしいということ、これは実態論でありまして、われわれもそれをぜひそうしてもらいたいのですが、どうでしょうか。

高橋全吉運輸省船員局長

○高橋(全)政府委員 いま先生から御指摘の点でございますが、実は、帆船から機船に登録がえをするように運輸省としては指導してまいりまして、その経過措置といたしまして、すでに三十九年からこの措置をとってまいりまして、これは特別な措置でございます。  したがいまして、来年の三月末をもって終了するように実は措置してございますが、いまいろいろと御指摘の零細企業の方々でございますので、その点もあわせ考えまして前向きに対処いたしたいと思いますが、ただ、これは海上安全船員教育審議会というところに諮りましていろいろ御意見を聞きながら対処してまいりたい、このように考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 では、時間がありませんので大臣に最後にお伺いしますが、事は天下の問題で、スト権であります。スト権については、去年の春闘でことしの秋までには結論を出すと言ったですね。そういう約束をしたわけです。そういう点で、国民はいまこれを注目しているわけなんですね。全労働者がこれを要望しているわけであります。秋口といいますといまなんですが、そういうことで労働組合側は二十五日を期限としましてぜひ結論を出してほしいということを言って、その公約の履行を要求しておるわけですけれども、それは必ず履行されますね。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 昨年の春、政府として、ことしの秋ごろまでにこの問題について何かの結論を出したいということは言っておりますが、そこで、その問題に関連いたしましては、すでに御承知のように専門懇談会でいま検討してもらっておるわけでございます。いずれこの結論が出ますればこれを関係閣僚協議会に諮った上で結論を出すことになろうかと思いますが、ただ、それが何日であるかということは別にお約束もしておらなければ、明定はしておらないわけでございます。  ところが、組合の方では二十六日までに何らかの結論を出さぬとストをやるというふうなことが言われておるようでございますけれども、これはきわめて重大なことでございまして、国民生活に及ぼす影響も非常にはかり知れないものがございます。したがいまして、そういうことであらかじめ日限を切ってストをやるというふうなことは避けられて、良識のある行動をとっていただきたいことを私はこの席をかりて要望いたしたいと思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 先ほど藤井総裁もはっきりと言っているのですね。いまやストライキ権を与えるべきときであると当事者ははっきり言っているのです。このことについて国鉄がそう言っているのですから、これはもう国民、労働者側もそうだし、当事者もそうだし、その間にはさまれている政府自身がこれを天の声として、そうだ、それに従わなければならぬというふうに前向きに結論を出す姿勢をとっているのでしょうね。どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 この問題は非常に重大な問題でありますからこそ先ほど申し上げたような手順を踏んでいま検討をいたしておるわけでございまして、いまの段階ではまだいずれかとも私から申し上げられる段階でもございませんし、差し控えたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 来年の秋、つまり五十年の秋と言ったのですね。見たところもう秋なんですね。冬はもうすぐ近くにいるし、そういうことで、秋ということは、すべてこの期間に期限を設定して要求することも可能であるし、合法的なんですよ。一番ぐずぐずしていていいかげんな態度をしているのは政府なんです。これは公約にもとると私は思う。これをぐずぐずしていて、そうして大上段で弾圧の姿勢をとるとすれば、それは全く信義を逸するものであって、これは大きな間違いでありまして、国民、労働者、国鉄、国鉄総裁とみんなが望んでおることが大勢でありますから、その方向で最後の決断をすることを最後に要望しまして、大臣に、そういう誠意があるのか、ただ弾圧でこれをやろうかというふうなことなのか、いいかげんなのか、この辺をひとつ最後に聞きたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 政府といたしましては、できるだけ早く結論を出したいということで鋭意努力をいたしておりますけれども、日限を限ってストをやるというふうなことは、これは被害を受けるのは国民でございますから、ひとつ良識ある行動をとっていただきたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 最後に申し上げておきますが、大臣の態度は反動的な考え方であって、それは承服することはできません。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 大臣にお尋ねを申し上げるわけでございますが、明日からいよいよ国鉄料金の大幅値上げが実施されることになっております。国鉄当局から料金改定の申請が出たときからこのことはもうすでに予期していたことでございます。  しかしながら、若干伺っておきたい点がございますが、今回の料金改定は当面の財政危機打開のため緊急措置であると言われているわけでございますが、この点は大臣はお認めになりますかどうか。  この料金改定によって膨大な国鉄財政の建て直しができるとだれも思っておりません。試算によりますと、今回の料金の改定によりまして、五十年度は十一月二十日から来年三月三十一日までで三百八十七億、平年度にしても一千百億ということでございますので、そういう点を考えてみましても、この料金改定をしても膨大な国鉄財政の建て直しはできるとはだれも思っていないわけでございますが、この点について大臣はどのようにお考えでございますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 御承知のように国鉄再建のために来年度から抜本的な方策を立てて実施しようといたしているわけでございまして、根本的には運賃、料金もその再建の方策と見合って見直していく計画で現在検討を進めております。  それはそれといたしまして、五十年度の国鉄の収支の状況を見ますと、当初予算のときにすでに七千億近いアンバランスがあったわけでございますが、さらにその後ベースアップあるいは予定どおりの収入が入らないということで千六百億ぐらいの収支間の不足が出てまいったのです。その一部をやはり利用者の方に負担をしてもらうべきであろうということで、大体その四分の一程度、四百億相当のものを利用者に負担していただこう、その具体的な内容については国鉄の方で案を立てるようにということで今回申請があり、運輸審議会の答申を得まして先般認可をいたしたわけでございまして、いま申し上げましたようなことで、その後の今年度の赤字の四分の一ぐらいをこれで補てんし、あとは政府の融資その他の方法で補てんしていきまして本年度をしのいでいきたいということでございまして、あくまでもこれは臨時緊急的なものであるという考え方に立っておるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 大臣も、これで当面の赤字の幾らかを穴埋めできるということであって、国鉄再建については別途の方法によらなければならないということは御承知のとおりだと私も思うわけであります。  料金のみについて言えば、昨年も改定され、またことしも改定ということになるわけでございますが、いままで運賃と料金についてはワンセットで国会の審議の対象としてまいったわけでございまして、戦後料金を単独で値上げしたということは私の記憶にはございません。法のもとでは運輸大臣の認可事項で、国有鉄道運賃法の適用外でございますけれども、従来の慣行は運賃、料金のワンセット審議であったのをここで料金のみを外して改定を認可した。  そこで、今後もこの方向で行くのか、それとも全く今回限りのことなのか、この点についてはいかがでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 従来は、松本委員御指摘のように運賃と料金と常に同じ時期に改定をいたしてきておるわけでございますが、今回は、先ほど申し上げましたような当面緊急対策としては、利用者に負担してもらうのにはもうこの方法しかないということでこういうやり方に踏み切ったわけでございます。  今後はどうなるかということでございますが、料金というものは運賃が本則でございまして、それに対するサービス等関連の負担でございますから、運賃というものが基本に決まりまして、同時にそれとの関連において料金が決まるということが普通、通常の行き方であろうと思います。     〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、通常の場合には運賃、料金を含めまして改定をするのが普通のときの状態であろうかと思うわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 通常の場合は運賃、料金をワンセットで今後もやっていくということです。しかし、いまの国鉄の現状からして、これから先は認識の問題でありますけれども、当分の間国鉄再建はもう不可能な問題だとするならば、いま大臣が言われるように、考え方としては運賃、料金ワンセットで行きたい、だけれどももうやむを得ない、できるものから取っていこう、国民に負担を押しつけていこう、と、こういう考えだと受け取るわけです。  そこで、重ねてお伺いしますが、これは全く今回限りの措置と受け取ってよろしいかどうか、この点を伺います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 これは国鉄再建の問題に絡みまして、適時適切な運賃が常に決められるという仕組みでありたいということが私たちの基本的な考え方でございます。そういうところから今後の運賃、料金の問題を考えていかなければなりませんので、一つの物の考え方としては、運賃と料金は常に一本というようなかっこうで今後とも改正があることが望ましいと私は思います。  しかし、いまの運賃と料金の決め方等が緊急の場合に両方同じような方法でいけないというふうなことがその背後にある現状から言いますと、緊急的な処理方法としては、今回やりましたようなことがまた緊急の事態にあるいはあり得るかとも思いますけれども、できるだけそういうことは避けていきたいと思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 これはそうお逃げになるのが当然だろうと思います。しかし、これは重大な問題でございまして、このように決められているから運賃、料金はワンセットはやめにして外してやるんだというやり方は、ぜひ今回限りにしてもらいたいと私は思います。これが一つ通過したから、これで味をしめて、だから次から次へとその方法でいくんだということになったら、これは問題だと思います。この問題については大臣は明確なお答えはできませんでしょう。これ以上追及しても恐らくできない問題だろうと思います。私ははっきり申し上げておきますが、これは今回限りの措置として、この問題は今後は一切やらないというふうに大臣としてもぜひ明言をしてもらいたいと希望するわけでございます。  そこで、普通旅客運賃は国有鉄道運賃法によって制定されるわけでございますが、定期の旅客運賃はどうなのか、国有鉄道運賃法によるのか、運輸大臣の認可によるのか、どちらなのか、これは念のためにお伺いをするわけでございます。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 定期運賃につきましては、運輸大臣の認可によるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 運輸大臣の認可でございますが、問題は割引率の問題でございます。今回の措置でもグリーンの定期旅客運賃は大幅な値上げをした。しかし、グリーンというのは新幹線だけに限られた問題でございますし、これによって危機打開に少しでも貢献しようということでしょう。そういうことでグリーンの定期旅客運賃も値上げをしたのだと思います。  ところで、通勤通学の定期旅客運賃も割引率いっぱいまでは大臣認可で値上げができるわけでしょう。どうですか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 そのとおりでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ですから、割引率いっぱいまで値上げができるとするならば、今回国鉄の当面の財政危機打開のためというのならば、むしろやればよかったと私は思うのですよ。なぜ通勤通学定期の旅客運賃だけをそのままにしたのか、できるものをなぜやらないのかという、こういう一つの言い方もあるわけなんです。  御承知のように、国鉄の通勤、通学定期の割引率は、一カ月の定期を例にとれば、通勤の方は五二・一%、通学の方は八一・二%という数字でございます。これは一カ月ですよ。そうなってまいりますと、通勤については限度いっぱいの割引とすれば二・一、通学については三一・二という、これだけが増収になるわけだと私は思うのです。どうでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 もし割引率を下げればそれだけ増収になるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それだけ増収になるわけでしょう。そこで、問題は、私は上げることに賛成するわけじゃないのですけれども、通勤、通学者のために朝晩のラッシュアワーがあると言っても差し支えないと思うのであります。昼間はがらがらで走っているところがかなりあるわけです。そういった現状から見たときに、国鉄の赤字の一因はここにあるとも言えるわけでしょう。安い運賃で朝晩一度にある一定の量だけは全部運ばなければならないという大変困難な仕事を公共事業として国鉄は引き受けているわけです。値上げについてわれわれは反対であるけれども、なぜこれをやらなかったのかと言えば、結局は通勤、通学者の反対というか、世論の反対というか、そういうものを恐れてやらなかったのだろうと私は思うわけです。  ですから、私がここで提案しておきたいのは、定期の旅客運賃の割引率改定の問題は、運輸大臣の認可でなくて国会審議の対象の中に加えるべきではないか、そうしなければ首尾一貫しないのじゃないかと思うのでありますけれども、いかがか。これでは全く御都合主義だというふうに私は思うわけです。定期旅客運賃の割引率改定は今後国会審議の対象に改めるかどうか、この点についてお答えをいただきたい。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 現在、定期の割引率につきましては最低限度を法律で決めておりまして、そこまでの率を運輸大臣が認可するというやり方をとっているわけでございます。  運輸大臣が認可する場合には、私鉄あるいは自動車、バスというような他の競争交通機関といいますか、他の交通機関がどのような割引率を採用しているかというようなことを勘案しながら決めるということで、やはり法定主義にはなじまない問題ではないかというように考えているわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 結局いままでどおりでいくということでしょう。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 特に法律で決めるという考え方は持っていないわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それですから私は上げることに反対でありますけれども、こういうふうなことでなくて、いっそのこと定期の旅客運賃の割引率の改定の問題もいわゆる普通旅客運賃の改定の問題と同様に国会審議の対象とすべきだ。これは通勤、通学者にとってみれば重大な問題なんです。いろいろな他の物との関連もあるということはいまあなたがおっしゃったとおりなんですから、そういう点からすれば国会審議の対象に加えるべきであって、要するに大臣の認可事項の中に入れておくべきではないというふうに私は思うわけでございます。  時間の関係もありますから先へ進めますが、運賃改定については、二倍論、来年はぜひそれを実施したいなどというような声がちらほら出ております。あるいは七〇%、八〇%の値上げだというようなことを言っておるわけでございますけれども、国鉄は現在の状態をそのままにしておいて、全部とは言いませんが国民にその負担を押しつけてくる。今度のような問題でも、運審が通ったからそれで大臣が認可する。これでは全く国民がいつもいつもしわ寄せを受けるということになると私は思う。ですから、この辺で国鉄自身の体質改善、サービス精神の高揚をしなければならぬ。ほかにもまだまだいろいろな問題があります。そしてまたさらに従業員の方々の、これは全部とは言いませんけれども、いわゆる親方日の丸式の考え方が国鉄再建を阻害しているのだというふうに世間では言っているわけですね。  こういう点について大臣はどのように思われるか、大臣のお答えを聞いて国鉄に関する問題の質問を終わりたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 国鉄の再建は、ただ単に運賃を十分に値上げをして収支のバランスをとるということだけでは絶対に再建はできないと私は思っておるわけでございます。ことに、財政上の再建と精神的な再建について、本当に労使ともにこの危局に当たっておる国鉄の再建に努力するのだという基本的な合意と協力がなければできないと私は思っております。  そういう観点から来年度スタートすべく再建案を現在いろいろと検討いたしておるわけでございまして、その中で、いまいろいろお話がございました運賃問題にいたしましても、松本先生は定期の割引を全部法律で決めるべきだというお説ではございますけれども、運賃の賃率そのものを現状のような法定のままに置いておって再建後の国鉄がその計画どおりに再建計画を果たして進めることができるかどうかということともあわせて考えてみますときに、私は、むしろ根本的に運賃法定主義というものを再検討すべき時期ではないかと考えていろいろと各方面の意見も承っておるさなかでございますが、いまの現状で申しますと、やはり定期の割引等が一つの幅をもって法律で決められており、その幅の範囲内では主管大臣の認可ということは現状ではまず適切な行き方ではないか、と、かように思っておるわけでございます。  今後の問題といたしましては、いま申し上げましたように運賃法定主義というものを基本的に見直してみたいと思っておるわけでございまして、これにつきましては国会の御審議等も必要でございますが、現在、再建に当たってはそういう心組みでおるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 国鉄の問題はそれまでにしまして先に進めますが、十月の十三日の東京大手町の気象庁講堂における運輸審議会の公聴会は、御承知のように首都圏の大手私鉄七社の運賃値上げをめぐって行われた公聴会でございますが、運審は運輸行政を進める上でのいわゆる隠れみのと世間では言われておりますが、事実そのようなことがあるのかないのか、まず、この点を大臣に伺いたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 運輸審議会は、制度上きわめて明確でございますように、運輸大臣からは独立をいたしまして法律に決められた諮問事項について審議をいたし運輸大臣に答申をするという機関になっておるわけでございます。運輸省といたしましては、運輸審議会のその答申を受けまして、それを尊重して処理をするというたてまえを貫いておるわけでございます。  先般、私鉄運賃の際にたまたま公聴会が開かれておりますときに私が記者会見で申しましたことがきわめて誤り伝えられまして、私自身が非常に迷惑をしておるわけでございますが、私があのときに申し上げましたのは、運輸審議会が隠れみのになるように聞こえるような物の言い方はしておらぬのでありまして、運審の手続をずっと私が申し上げて、諮問すれば審査をし、公聴会の必要なときには公聴会をやって、そして答申があるんだという、この手続を言ったにすぎないのでございますが、どういうわけか、その答申が出て値上げの時期まで私が明示したがごとく言われまして大変迷惑をしておるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 私の質問の意図を察して、その答弁を先に言われました。ありがとうございました。  そういうことについて先ほど久保委員も質問されまして、いまと同じようなことを大臣も言われました。私はもう二回聞きました。わかります。ですけれども、問題は、あの新聞記事が一斉に一般紙に載ったときにもう世間の人はそう見てしまっているわけですね。先ほど私が申し上げた運審は隠れみのだということは新聞にも書いてあります。ですから、そういうふうに世間が信じている。そこへもっていって大臣がいま国会でそのように答弁なさっても、なかなかそれを世間の人は信じないわけです。いま大臣が言われたことが事実であるとするならば、新聞記者の方が間違ってそのことを伝えたとするならば、あの時点においてなぜそれの訂正を新聞社に対して申し入れをしなかったのかと私は思うわけですよ。それをしないから、世間ではあの新聞記事を信じて運審は運輸省の隠れみのだと思っておるわけです。ですから私が前段で申し上げたような質問をせざるを得ないわけなんですね。  なぜあのときに訂正を申し入れをしなかったのか、その点の事情はいかがなんでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 大臣の御発言が誤って伝えられているということで、私どもといたしましては直ちに訂正の手続をとったといいますか、大臣の真意を御説明申し上げたわけでございますけれども、クラブの方でそれを受け入れることができなかったということでああいう記事になったわけでございます。一部の新聞では、私どもがそういう訂正を申し入れたということを書いている新聞もあるわけでございますけれども、全体として私どもの訂正方を受け入れるということではなかったわけであります。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 局長が言われるように、事務当局としては大変驚いて運審の会場にかけつけたとかなんとかいろいろなことも書いてありました。いま、記者クラブに対してもその申し入れをしたとおっしゃいますけれども、事実それが訂正された新聞記事というものは私どもは見ていないわけです。ですから、そういうときにはやはり有料広告でも何でも出してはっきりとしなければ運輸省の立場もないし、運審の立場もなくなると思う。私はそう思うのですよ。記者クラブで書いてくれないからうやむやにしてしまうということでは、運審を隠れみのだと世間が言っているとおりになってしまう。そういうときこそ運輸省として談話を発表するなり何なりなさったらいいじゃないですか。それをしないからいけないので、私は、それは事務当局の怠慢だと思いますよ。  そこで、私鉄の運賃は去年も上げられ、またことしも、大臣の発言が誤り伝えられているようでありますけれども、年内に恐らく上げるだろう、と、こういうことですな。いろいろな新聞記事によりますと、結局、来年国鉄を上げる、来年になって私鉄を上げたのではダブルパンチになるからことしのうちに私鉄を上げておこう、と、こういうふうに書かれています。いわゆる政治的判断によってこれをやったとか、また、自民党に対する献金の見返りだなどというふうなことも世間一般では言われているわけです。ですから、こういう問題は一つ一つそのときそのときにずばりとそのものをはっきりとしておかないと運輸当局としても大変御損ではなかろうかと思うので、あえて私は御忠告をするわけでありますけれども、大臣、その点はいかがでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いま鉄監局長が申しましたように訂正の申し入ればしたのですが、読者の皆さんには徹底するような記事にならなかったということは私も非常に残念に思うわけでございますが、ただ、あのときの私の発言は運審が隠れみのであるということとは合わないのですね。その答申が出て処分をすると仮に言ったとしても、答申が出ましたら、それを受けて処分をするのは運輸大臣の義務でございますので、あのときに運審がどんな答申を出そうとも、運輸省は前から一つの原案を持っておってそれを曲げずにやるんだ、そして強引に運審にも運輸省の原案を押しつけてそのとおりの答申を出さすんだというふうに受け取られていれば、これは恐らく運審は隠れみのだということが当たるかもしれませんが、運審が審査されて、公聴会も開き、われわれは審査された答申の内容を尊重してその事後処理をしていくということでございますので、隠れみのであるとかなんとかということとは全然食い合わない話であるのにもかかわらずああいうふうな表現をされたことば、私は本当に残念に思っておる次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 要するに、国鉄の料金の問題にしてみても申請のとおりですよね。その辺を運審がもう少し自主的に審査をして、申請はあったけれども、遠距離と近距離の問題についてはどうだとか、あるいは寝台車の下段と中段が一緒になったとかいうような問題についてもいろいろ世間では言われているわけですから、やはりある程度の手を入れることは当然だと思うのです。それが何でもかんでもそのまま申請のとおりできてしまうから、うのみにしてしまうから隠れみのだなどということが出てくるのであって、その点は、運審の自主的な審査というものを十分にやり、また、公聴会を開いて十分意見を聞いたら、その意見を十分尊重して、大臣に対する運審としての自主的なりっぱな答申ができるように私は期待をするわけです。  問題は後に移りまして航空局長にお願いをいたしたいわけでございますが、大臣、この問題は後の方でちょっと大臣のお話を聞きますので聞いておいていただきたいわけですが、沖繩の下地島の訓練飛行場の早期完成を望む声が、先般宮古島を視察いたしました際に高く出てまいりましたが、本件につきまして当局としてはどのように考えているのか。  まず、この下地島の訓練飛行場の早期完成について、どのように航空局長はお考えなのか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 下地の訓練飛行場につきましては、現在鋭意用地の造成をいたしておるわけでございまして、大体五十年度いっぱいで滑走路が完成する予定でございます。当初の予定に比べますと若干おくれておるわけでございますけれども、現在のところ五十四年度には供用開始できるようにするということで考慮いたしておるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いまお答えがありましたように、下地島の訓練飛行場の完成時期というのは当初五十一年ということだったけれども、いま五十四年度じゅうには供用開始になる見込みだという局長の御答弁であります。  そこで、いままでに下地島の訓練飛行場に投資した額というものは、現地で私どもが聞いてまいりましたのは、復帰前に八億八千五百万円で、その後四年間で昭和五十年度までで約四十億円弱ということでございました。  五十一年度の予算に二十四億五千万円の要求が出ているということでございますけれども、これをお認めになる御方針でございましょうか。こうなりますと、いずれにしましても総額百四十億余りの投資をすることになると思うわけでございます。この五十一年度の予算の二十四億五千万円の要求に対してどのように当局ではお考えでしょうか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 今後の工事のスケジュール等を考えますと、二十四億五千八百万円という予算は妥当なものであるというふうにわれわれは考えておるわけでございまして、大体そのようにこれの実現を図りたいというふうに思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そこで、これは現地の方々のお話であって、私も未確認なんでありますけれども、七月の十三日付の朝日新聞に、日航と全日空が下地島訓練飛行場の建設を延期または中止を政府に要請したというふうな報道があるそうでございますが、これはそのとおりでございますか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 これは現在策定中の第三次五カ年計画に対する各航空会社の率直な希望ということの中に、投資についてはその投資効果というものを考えて、優先順位をつけて優先度の高いものからやってもらいたいという希望が出たわけでございます。その中に、下地島の訓練飛行場については、現在のただいまの経済情勢という点から考えるともっと早く完成してもらいたい空港もあるということで、下地島の訓練飛行場についてはその完成を若干おくらせてもいいんじゃないかというふうな考え方が航空会社から出たことは確かでございます。  ただ、これは、第三次五カ年計画の全体の工事規模をどのようにするか、それの財源をどのように調達するかという全体の問題把握の中でこの問題が出てきておるわけでございます。したがって、今後の航空会社のことを考えた場合に、下地島に訓練飛行場が要らないんだというふうに航空会社が考えておるということではないというふうに承知しております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いまの朝日新聞の報道を現地では非常に気にしておりまして、大変な焦りと動揺が感じられたわけでございます。政府はあくまでも初一念を貫いて完成をさせる気のようにうかがえますが、航空会社ではほかに第三次計画の中でもっともっと先にやってもらいたいもの、早くやってもらいたいものがあるんだから下地島は後でもいいんじゃないかというふうな御意見と伺ったわけです。後ほどまた触れたいと思っております花巻空港の問題にしても、現地では非常な反対がある。そういう中でどうしてもやらなければならない。ところが、こちらの下地島の訓練飛行場の方は、現地では早くやってもらいたいという気分ですね。  しかし、あれを完成させて一体メリットがあるんだろうかという気が私はするわけです。訓練飛行場としてあそこを使おうという考えで始まったわけですね。しかし、現在パイロット訓練はアメリカ本土へ行ってやっている。また、その方が効率的だというふうにも航空会社等では考えているようでございまして——大変とうも言い方もおかしいのでありますけれども、いわゆる南海の孤島ですよ。ああいう何の娯楽設備もないようなところへ行っては、若い人たちが訓練に疲れた体をいやす何物もないというふうにしか考えられない。これからどれほどの設備をするかわかりませんけれども、教官だって行く気がしないだろうと思うのです。そういうことを考えてみたときに、全体のことを考えてみたときに、あの下地島の訓練飛行場にことしもまた予算を投入して、五十一年度にも投入してやっていって、これはマイナスになるんじゃなかろうかというような気も私はするのです。  これをしゃにむにおやりになることは、極端な言い方をすれば、何かどぶに金を捨てるような気もする。宮古という空港があるわけですし、下地の方では全く訓練飛行場としてしか使用できないと私は思うのですね。そういうことを考えてみた場合に、できたとしても、日航にしてみても全日空にしてみても恐らく使わないんじゃなかろうか。そうなってきたときには、ここに金は投資した、完成はした、だけれども宝の持ち腐れだということになり、結局は国費のむだ遣いではないかという気が私はするわけですが、この辺のことについて大臣と航空局長はどのようにお考えになるか。全体の大きなことを考えてみたときに下地が果たして完成する必要があるかないかという点ですね。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 訓練飛行場について考えます場合に、その場所が適地であるかどうかということがまず第一の条件でございます。それから、そこが長期安定的に使用できるかどうかということでございます。  下地について考えますと、下地に場所が決定するまでについてはいろいろいきさつがあり、また、先生もよく御承知のことと存ずるわけでございますけれども、これはいろいろな人の意見を聞き、沖繩県自身といたしましてもこれを非常に熱心に誘致されたわけです。航空会社についても、いろいろ検討した結果そこが適地であるという判断で決めたわけでございまして、これは単なる地上の便利、不便利ということもさることながら、やはり相当広い空域を使うわけでございますので、空域ということも含めて適地かどうかということを考えなければならぬわけでありまして、そういう観点から見ると下地の訓練飛行場というものはきわめて適切な場所であるというふうな判断に立っておるわけでございます。  それから、そこが長期安定的に使えるかどうかということになりますと、現在たとえば日航につきましてはアメリカのモーゼスレークで訓練をいたしておりますけれども、これは、現在のところはその場所は米国としては特に定期航空には使っていない。いわばあいておるというところでございますのでこれを使用できるわけでございますが、今後も長期的に安定的にそこを使用できるという保証はないわけでございます。したがって、将来のことを考えると、やはり日本国内に安定的な適切な訓練飛行場をつくらなければならぬわけで、そういう要請は現在でも変わっていないというふうに私は考えるわけでございます。そうすると、最後にそういうものができた場合にそれが経済的に成り立つかどうかということが重要な問題でございますけれども、これは工事費等も物価の上昇によって相当アップいたしておりますけれども、これの運営をどうするか、そしてそのコストをどのようにエアラインに負担させるかという問題については今後いろいろ問題もございますので、適切に処理するように検討してまいりたいと思っております。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 私としても、いま航空局長が申し上げましたような考え方で訓練飛行場の選定をいたしたいと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 国費のむだ遣いにならないように、その点を私は念を押しておくわけです。つくったけれども宝の持ちぐされになってしまったのではどうにもならない。そういう点について日航、全日空からの申し入れもあるわけですから、十分配慮して最後の完成をお願いしたいと私は思います。また、完成した後も十分それが活用できるように考えていただかなければならないと思いますので、その辺のことについて日航、全日空に対していまから話し合いを十分進めて、納得させて使用させるような方向を打ち出していかないと、せっかくできたけれども宝の持ちぐされになったのではしようがないと思いますので、念のために申し上げたわけです。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 航空会社は現在におきましても下地島の訓練飛行場はぜひ使用したいという希望を持っておることは変わっておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、この使用料が高くなる可能性があるので、これについてはいろいろな減免措置その他についてなるべく航空会社の負担が少なくて済むように御配慮いただきたいという要請は来ておりますので、この点については今後の問題としていろいろ検討したいと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 あと十五分ばかりしかございませんので花巻の問題に移りますが、この問題は先ほど太田委員からもお話がございましたので、若干重複する点があると思いますが質問する次第でございます。  第二次空港整備五カ年計画の一環として花巻がやることになった。聞くところによりますと、用地の取得が予定面積の八〇%を超えた、着工の目安としているところの三分の二以上の同意率を得たということで公聴会も開かれた。この公聴会の問題についてはずいぶんいろいろと問題があったことは先ほどの太田委員からの質問でもわかることでありますが、これに対しまして、公聴会が終わったので一応認可を行うのかどうか、年内に行う気があるのかどうか、この辺を明確にお答え願いたい。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 これは現在詳細に調査中でございまして、いつ結論を出すかということは、いまのところまだ予定として決めておりません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 年内に認可をするということについては全く未知数である。それでは、来年はどうするのですか。来年度、要するに昭和五十一年以内にはこれを認可する考えがあるのですか、ないのですか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 昭和五十年、五十一年ということを含めまして、とにかくいつ結論を出すかということをスケジュールとしてまだ決めていない、現在事案の内容を審査いたしておる最中でございますので、結論の時期についてはいまのところ何とも申し上げかねる、こういうことでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは、その問題はそれまでにしておきまして余り詰めませんが、いわゆる第二次空港整備五カ年計画で拡張計画を立てたけれども完成を見ることができなかった。花巻以下五つか六つそういった飛行場があるようでございますけれども、こういったものは来年度から始まるところの第三次の空港整備計画の中にそのまま引き継がれるのかどうか。  われわれが聞くところによりますと、第三次空港整備五カ年計画の方は、既設空港の質的の改善、すなわち騒音防止対策あるいは空港の安全施設の確保という面に重点に置くというふうに聞いております。そうなりますと、第三次計画の主目標と、いわゆるこれが引き継がれるとするならば、この第二次の空港整備五カ年計画による未完成空港の目標とするところと違いがあると思うのです。第三次計画が私がいま申し上げたようなことを主としておやりになるという枠の中で、第二次計画の残った空港に対してはそのまま引き継がれるというふうになるわけですか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 第二次五カ年計画から第三次五カ年計画にどのように移行するかということにつきましては、本質的には、第二次五カ年計画当時から考えておりました地方空港の整備とジェット化の推進という点については変わっていないというふうに考えております。ただ、その場合に、従来にも増して環境対策というものを重視するということでございますので、単に飛行場と言いましても、離発着できる設備があればいいということではなくて、周辺との調和というものを考えた空港づくりをしなければいけないということでございます。  そういうこととあわせまして、いわゆる全国的なネットワークというものを形成するための空港の整備は第二次五カ年計画から引き続いてこれを促進していかなければいけないというふうに思っておるわけでございます。ただ、その場合に、いわゆる空港ごとの緊急度というものにつきましては、地元の熱意とかあるいは経済的なメリットとか、いろいろなそういうものを総合的に勘案いたしまして、優先順位をつけて工事を進めていくということにおのずからなろうかと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 地元の熱意の問題においては、第二の成田空港になるのではないかと言われているくらい地元では賛成、反対がいろいろあるようでございますし、問題が多いと思います。しかも、また、需要度におきましても非常に減便している状態がはっきりしております。東亜国内航空においても、昨年の秋から、この利用者の減少に伴って花巻線は減便しております。  この現象は、高度経済成長が終わって安定成長時代に入ったというわが国の社会情勢と、また、インフレと不況とが併存するという、こういう中においてば今後航空機利用者の大幅増というものは困難じゃないか。特に言うならば花巻のような中途半端なところにおいて、ですね。まあ、千歳ということになりますと、これは新幹線がないし、当然な話、千歳はやはり増強しなければならない。しかし、花巻のようなところばちょうど中途半端のところだと私は思うのですね。こういったところはこれから大幅に旅客がふえるということはちょっと見込めないのじゃないかという気がするのです。  いろいろと数字を調べてみましても、とてもじゃないけれども、運輸省で考えているような将来の拡張計画を立てた四十六年当時の伸びぐあいと現在では全く様相が変わっていると思うのです。言うならば、百八十度もえらく変わっちゃったのではなかろうかと思うわけですね。こういうことを考えましたときに、花巻の拡張計画は、現在の千二百メートル滑走路を二千メートルに延長するという最初の方針のままいっていいのだろうかどうかということと、それから、また、最初計画を立てた当時の航空機はどういう航空機を使おうかというようなことも当然あったろうと思うわけですが、これらの問題は実際の航空需要から言って現況にいま合わなくなってきているのではなかろうかと思います。  そういう点を考えてみたときに、このDC9クラスの中型機がYS11の跡を引き継ぐのではないかと思いますし、それから、また、いわゆる航空会社あたりでもローカル空港の滑走路に適した機種の開発、研究というものが検討されているように伺っておりますし、果たして二千メートルの滑走路が必要かどうかと思うわけですね。実際、DC9クラスの製造を行っているところのアメリカのマグダネル・ダグラス社ではDC9型の政良機としてのDC9SF600型の青写真を作成しており、千二百メートルの滑走路でも十分発着できるSTOLも開発されているというふうに聞いているわけです。東亜国内航空でも、現在使用しているDC9型の新鋭機を利用してこの夏に釧路で短距離離発着のテストを数回行って、これも非常に成果があったということを聞いているわけです。  そういう点を考えてみますと、この千二百を二千に延ばすということが果たして必要であろうかどうかという点を私は非常に危惧するわけでございます。特に、空港拡張に対する県民、地元住民の反対というものが非常に多いということは先ほどの太田委員の質問の中にもございましたが、現地の公聴会の、あの十月二十三日の問題もございます。そうしてみたときに、この県民の生活に直結しないところの空港拡張計画を果たしてこのまま進めていっていいものかどうかと私は思うわけです。  先ほど太田委員も触れられましたけれども、拡張計画にかかるところの費用は、四十六年度の当初六十一億だったのが、四年たった今日ではもう二・八倍の百六十八億だ。大幅に増大しているわけですね。百六十八億の内訳は、二十二億が国費、それから七億が県の一般財源、残り百三十九億が県の起債による。こうなりますと、国の負担の二十二億を除いた大部分が県の負担でございますが、この百四十六億の県負担の分を考えてみましたときに、地方自治財政の危機ということが言われている今日これが県民の負担になるわけで、決まったんだからしゃにむに第三次の中に押し込んで花巻も二千メートルにするのだということは非常に危険じゃないかと私は思うのです。新しい機種も開発されたし、二千を必要としない、千二百でも十分だということがいろいろ言われておりますし、そういうときにこの拡張計画をこのまま推し進めることが果たして適当かどうかということになるわけですね。  事実、岩手県そのものにしましても、五十年度約四十億の財源不足だということが言われて問題になっており、これは高校を建てるとするならば十四校ぐらい建つ。こういった事業費を一つの空港の拡張に投入してしまう必要が今日あるかということも考えられるわけです。また、拡張した後に本当にそれだけ旅客がふえるのかということになってくると、いま目先の景気の落ち込みの状態から考えて、まず、乗客のふえるなどというととは余り考えられないということになってくると思うわけです。  そういう点を考えまして、この拡張計画を縮小するかあるいは凍結して延期するかという必要があるのではなかろうかと私は思うわけでございますが、この点についての事務当局のお考えと大臣のお考えを聞いて私の質問を終わりたいと思います。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 先ほど先生から花巻空港の利用者が減少しておるというお話がございましたけれども、実は、花巻空港と東京との便は現在大体週一便でございます。従来は、最近まで二便就航いたしておったわけでございますが、これが一便になったのは利用者が少なくて一便にしたということではなく、むしろ、これは羽田の発着枠その他のいろいろな関係でやむなく一便にしておるということでございます。事実、利用率等を見ますと、四十六年当時から常に八五%以上を占めておりまし三今年に入りましてもずっと八五%以上の利用率を占めておるということで、そういう意味では需要は相当に強いということが言えるわけでございます。  それで、第三次五カ年計画におきましては、第二次五カ年計画で考えましたような一般的な需要の伸びというものは当然見られないということで、これは相当修正するわけでございますけれども、そういう修正をいたしましても、しかも新幹線を考慮に入れましても、花巻については相当な輸送需要が見込まれるということはいろいろな計算上出てくるわけでございます。したがって、そういう輸送需要にこたえるということと、それから全国的なネットワークの一環を形成するということを考え、かつまた現在就航いたしておりますYS11機の後継機の問題を考えますと、花巻における空港のジェット化計画というものは進める必要があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。もちろん、現在申請が出ております事案について許可するかしないかということは、航空法の規定に基づいて審査するわけでございますので現在のところ何ともいえませんけれども、ただ、たとえばこの規模を縮小するというお説がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、今後の空港のあり方というものは、単に離発着ができさえすればいいということではなくて、環境対策も考えなければいけないので、そうなると空港用地というものはできるだけ広い方がいいわけでございます。  それから、滑走路につきましても、確かに、現在のDC9で千八百メートルぐらいで離発着できるというデータもあるわけでございますけれども、通常の状態で、普通の条件下で常に安全に離発着できるということになりますと、現在の技術をもってしてはやはり二千メートルが必要だということがわれわれ航空局の技術の判断でございますので、将来のことはわかりませんけれども、現在のところは、将来そういうふうな航空機が開発されるであろうということを前提にして縮小するということは非常に危険なんではないかというふうに私は考えておるわけでございます。  それから、メリットにつきましては、先ほど申し上げましたように輸送需要というものを考え、かつまた花巻の置かれております距離というものを考えますと、東京と千歳とか東京と九州というような圧倒的な航空の優位性というものは確かに認められませんけれども、しかし、あの距離は新幹線がございましても航空のメリットを十分発揮できるという距離ではないかというふうに思っております。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 来年から第三次の空港整備に入るわけでございますが、この基本的な考え方は、先ほど局長が申したような従来の考え方にさらにそれにアクセントをつけますのは環境整備、周辺対策ということになるわけでございます。そこで、国内の空港の整備につきまして、いまお話しのように今後いかなる機材がこれに充てられるかということと、また、YS11の経済性が非常に低いので、これがだんだん使用されなくなってくるというふうなこともあわせて考えなければなりませんし、また、新幹線等陸上におけるスピードの高い交通機関がどの程度日本全土を覆い尽くすか、また、その計画なりその完成の時期はいつかというようなことも考えて、所要時間の比較ということも考えて整備をしていかなければならないと考えておるわけでございますが、東京であるとか大阪であるとか、日本の主たる経済都市を中心にして考えますときには、東京−花巻といったような距離にあるところがジェット化いたしましても効用の発揮できる限界のところではないだろうかという感じが私はいたしております。  したがって、花巻空港を将来ジェット機の就航ができるように拡張するということはやはり無理のないことであろうと私は思いますし、また、こういうものは府県が設置管理者でございますので、県の方といたしましてもこの方針を現在も堅持いたしておりまして、ぜひ拡張整備をいたしたいという方針でございますので、その意向も考えながら、今後、いま局長の申しましたような基本的な考え方を持ちながら今後の整備に当たりたいと思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 問題は、この花巻の問題を初めとしましていろいろと地元で合意ができていない問題で、私は、これはもう一遍よく再検討すべきじゃないかと思います。それはやはり県当局では推し進めようとするでしょう。大変な借金を抱えている。その金利を払っている。これは大変なことなんですから何とか完成させたいと思うでしょうけれども、これはいろいろな事情があるんですから、十分これを聞いた上でやらなければいかぬ。  それから、先ほど国内旅客の減少を私は指摘したのですが、私の手元に持っている五十年四月四日の日経産業の資料でも、これはちょっと古いのですが、全日空と東亜国内航空のいずれも国内旅客数は減少を示している。特にローカル線が全日空が四%減で、東亜国内航空でも前月比一二%と大幅な落ち込みだ。その中で花巻が三六%減だと書いている。こういう資料を私は持っておりますので、さらに、ことしの四月以降最近までの主要なところの国内旅客についてだけで結構でありますが、いまどんな状態になっているのかということを後で資料として提出してもらいたいと思います。これだけお願いしてきょうの質問を終わります。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 次回は、明後二十一日午前十時理事会、十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十一分散会

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