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75回国会参議院1975/03/29

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
372
登壇者
35
会派数
5
開催日
1975/03/29

会議録

安孫子藤吉自由民主党

○安孫子藤吉君 ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもって私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。  これより主査及び副主査の選任を行いますが、選任は投票によらず、主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安孫子藤吉自由民主党

○安孫子藤吉君 御異議ないと認めます。  それでは、主査に宮之原貞光君、副主査に玉置和郎君を指名いたします。     ―――――――――――――   〔宮之原貞光君主査席に着く〕

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 一言ごあいさつ申し上げます。  ただいま皆さんの御推挙によりまして、本分科会の主査を務めることになりました。ふなれでございますが、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。  本分科会は、昭和五十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管について審査することになっております。  なお、三十一日の委員会において主査報告をやることになっておりますので、議事を進める都合上、本日、自治省及び文部省、明後日、厚生省及び労働省という順序で進めさしていただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 次にお諮りいたします。  慣例では、予算の細部にわたる説明を、各省庁審議の冒頭に、それぞれ聴取するのでございますが、時間の都合上、これを省略をし、それぞれの審査日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ―――――――――――――

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) まず最初に、五十年度総予算中、自治省所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは最初に、三菱石油水島製油所の事故原因調査委員会の調査結果はどういうふうになっているか、お尋ねいたします。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 水島製油所のタンク事故調査委員会は、三月二十六日までに十回の委員会と五回の現地調査を行いまして、現在鋭意審議を進めているところでございますが、現在、中間報告の作成の段階に入っておりまして、それぞれの専門の委員の方々から草案が提出されまして、これに基づきましていま討議が行われております。今、明日、最終的な意見調整が行われることになっておりまして、大体予定どおり三十一日には中間報告は発表できるものと考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 三十一日予定どおりということでありますが、三月七日の公害対策及び環境保全特別委員会の理事会で、消防庁のほうから、大体三月二十六日ごろには発表できる予定であるということを述べられておりますが、どうしておくれたんでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 二十六日に十回目の委員会を開催いたしたわけでありますけれども、まだその委員会におきましては最終的な意見調整が終わらなかったために、さらに今、明日最終の意見調整の委員会を開いて三十一日発表と、こういう段取りになっております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは少し、私のほうで調査をいたしました具体的な問題について、特に九十日備蓄が、通産省を中心にして国策的に進められようとしていることと関連をして、タンクの安全性確保という立場からお尋ねしてみたいと思うのですが、すでに公にされておりますものの中に、この三菱石油水島製油所の二百七十番タンクは、水張り工法をとりながら設計上四十日間、水を張ることになっていたのに、四日間で水を抜いて、タンクの沈下が続いている状態で工事を終えたということが述べられておりますが、これは事実でありますか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 二百七十号タンクの水張りは、大体八十六日間の検査を行っております。設計上は、満タン後四十日という予定になっておったようでございますけれども、満タン後四日を経て水抜きをいたしておるというのが実情のようでございます。この満タン後、四日で抜きましたのは、満タン後の消防署における検査が終了いたしましたので抜いたようでございますが、この水張りが、長ければ長いほど望ましいということは、一つの見方として言えるかと思いますけれども、現在、この水張りが短か過ぎたために、不等沈下等の問題が、この事故につながったというような現在事故調査委員会の御意見はないようでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いまのようなお答えでございますが、事故調査委員会の委員長自身が、水張りを設計どおり行わなかったことが直接事故の原因になったかどうかはわからないけれども、しかし設計どおりに行わなかったために、タンクの沈下が継続しているさなかに、この水抜きをやったということは問題である、こういうことを談話で発表されております。私は、やはりこの問題について、消防庁のタンク建設に関する工事監督検査に問題があるのではないかと感ずるのです。すでに特別委員会でもお尋ねをしておりまして、明確な回答を得られておりませんけれども、大体この二百七十番タンクというのは、四十八年の九月六日に倉敷消防本部は設置許可を出しておるのです。ところが、四十八年の八月十日には、すでにタンクが完成して注水を開始している。設置許可の出る一月前にでき上がっているのです。こんなことでは、安全確保というよりは、むしろ経済性に重点を置いたタンクの工事が行われている、企業の基地建設が行われている、こう言われても仕方がないんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) タンクが完成いたしまして水張り検査をするわけでありますけれども、この水張り検査に当たりましては、地盤の安定ということも一つのねらいになっておるわけであります。これは結局タンク建設に当たりまして、いつの時点において沈下量を最小限の段階まで持っていくかというのが、やはり一つの問題点になるようでございます。確かに、水張り検査を相当期間かけて行いまして、沈下がある程度安定をしてくるという段階まで水を張っておくということは、今後のタンク建設に当たりまして望ましい姿であろうというふうに考えておりますけれども、むしろ現在、事故調査委員会等で論議をされておりますのは、タンク建設以前において地盤の沈下の安定を行わせるということの方がむしろ望ましいのではないか、こういうようなことも意見として言われておりますし、特に地質関係の専門家の先生方の意見としては、そういう意見が出ております。この辺は今後タンクの設計、建設に当たりましての安全基準等に十分これは織り込んでいく必要があるというふうに考えております。  また、この二百七十号タンクにつきまして地元の建設許可の手続が、正式の許可が、タンク建設後に行われておるという点は、確かに事務手続上非常に問題になったところでございますけれども、この点は、地元消防本部に対して十分私どもも注意をさして、今後こうしたことのないように取り扱いさしていきたいというふうに考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 あなたいま水張り検査と言われますが、これは検査じゃなくて、水を張るというのは工法の一つじゃないですか。水を張るというのは検査のためにやるのですか。そうじゃなくて、地盤を安定させる工法として工事の設計の中に入っているのじゃありませんか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 現在タンク完成後に水を張ります場合には、その両方を兼ねていまやっておるわけでございます。それで、水を張ってまいります過程におきましては、段階的に水を張ってまいりまして、その間に沈下の状況を見ながら、そして必要な地盤修正を行いながら満タンにして、そして満タンの段階におきまして、消防機関の方におきまして、そのタンクについてのいろいろな水漏れ等の検査を行いまして、水張り検査が終了するということになっております。その水張りの過程におきましては、やはり工法の一部分を形成をしているという形になっておるわけであります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 そうなってくると、やはり三菱石油からタンクの建設を請負いました会社の土木部長が、安全性を無視したわけではないけれども、経済性を考慮するのは企業としてあたりまえのことである。こういうことを言われておりまして、こういう立場でやられたとするなら大変問題がある。結局、石油危機直前のことでありまして、それで経済性を考慮するという立場からこのタンクがかなり完成を急いだ、こういう条件があったのじゃないか。  で、大臣、建設許可が正式に出ておらないのに完成しておったタンクというのは、これは違法構築物にはなりませんか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  これは形式上はやはり違法だと思いますが、実際には大体つくることを認めておられて、地元においてもあるいは地元の関係者においても。それでいまもあなたが御指摘になったような問題が起きたのだと思いますが、形式的にはやはり好ましくないと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 形式的にであるか、実質的にであるかは、いろいろ議論の分かれるところだと思うのですが、私は、こういうふうな形で企業が、法律を無視してつくっていくというところに問題があると一方では考えておりますが、もう一つは、この二百七十番タンクの事故原因に関して、元請でありました千代田化工建設の方から、消防庁並びに事故調査委員会に対して、不等沈下が原因ではなくて、このタンクを建設した別の会社の設計に誤りがあったというレポートが提出されたと聞いておるのですが、消防庁ではこれをごらんになっておりますか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 事故調査委員会にそういう意見書が提出されております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 消防庁には出されておりませんか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 事故調査委員会は、消防庁に設置されておりますので、あて名としては、「消防庁事故調査委員会殿」といったような形で出されております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 消防庁の方からは、企業のそのようなレポートは、参考とするわけにはいかぬというような意味で、このレポートを提出した企業の方に返却された、こう聞いておりますが、そのようなことはありませんか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) この事故調査委員会におきまして、いろいろ関係の会社から資料を求めておりますけれども、そうした中に、それぞれの会社の見解に基づく意見というものも出てきております。これらを広く参考にしながら、事故調査委員会では検討を進めておるわけでございまして、特にこれについて資料を返却したということはございません。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それは大変おかしなことで、私は関係の企業にもいろいろと質問をいたしまして聞いておるのです。それで、最終的にはっきりしましたのは、事故調査委員会の方は、その会社側が出した原因究明に関するレポートを受理いたしました。ところが、消防庁の方は、企業サイドのものを一々取り合っているわけにはいかぬというような態度で、突き返された、こういうことなんです。私は、いまの消防庁長官のお答えは大変おかしいと思うのですが、そのことはまあおきまして……。  それじゃ、私は、そのレポートが述べていると思われる点について――私、直接レポートを見ることができませんので、その点についてお聞きしてみたいと思うのですけれども、もともとこの二百七十番タンクというのは、一緒に建設されました十一基のタンクのうち、石川島播磨重工業が請け負いました四基の一つだと聞いておるのです。それで一般的には、三菱石油から千代田化工が全部請け負って、それを千代田化工が下請けの形で石川島に出す、こういうような形がとられたものだという受け取り方をされるのですが、実際はそうではなくて、三菱石油が、直接タンク本体については石川島何基、千代田化工何基、東洋高圧何基というような割り当てをやって、したがって、元請であるべき千代田化工は、タンク本体の設計については何ら知ることができないという状態で二百七十番タンクの工事は行われた。私が調べたところではそういうことのようであります。そして二百七十番タンクの基礎工事だけは熊谷組が施工いたしまして、その基礎工事ができ上がったあと、本体は石川島播磨重工業が独得の工法をもってやりましたために、一遍建設いたしました基礎工事のある部分をまた掘り返したり、壊したりして、そして新たな工法によってタンクをつくった。しかも、そのタンクのつくり方というのは、通常の、下からずっと積み上げていくつくり方ではなくて、二百七十番タンクは、基礎工事ができたあと、エアダクトを据えつけまして、そのでき上がった部分だけ、上に押し上げていくというやり方で、これは安上がりの工法なんでしょうけれども、そういう工法をもって完成したタンクだと聞いております。この工法というのは、まだ世界的に特許が下りておりませんで、特許申請中の工法をもってつくった。だから、この工法については、その評価についてまだ確定的なものが出ていない工法をもってつくられたものであるという点が一つ。  もう一つは、この二百七十番タンクは、六十度のC重油を入れるという設計になっております。ところが実際には九十度のC重油がこれには入れられておった。温度の三十度差というのは、専門家の言によれば、かなり、その底板と側板との接合部分に加わる力において非常に大きな差があると聞いております。そうすると、設計の段階で問題があり、工法に問題があり、それで基盤の底板のつくった場合とタンクの本体をつくっていく場合の一貫性という点において問題があって、はしごが分離されたことによってなお問題が起こり、しかも六十度の重油を入れるということで設計されたものに実際は九十度のものが入れられることによって、設計上非常に問題があったのではないかと言われておるんですが、こういう点については消防庁としてお調べになっておりますか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) まず第一点の請負の関係でありますけれども、この二百七十番タンクは三菱石油から千代田化工に元請として出しております。その千代田化工の元請によりまして、基礎工事につきましては熊谷組、タンク工事につきましては、石川島播磨重工が下請となっているというのが、契約書から見ましたこの工事契約の内容のようでございます。また、そうした石川島なりあるいはまた熊谷組からさらに孫請と言いますか、そういうものも行われておるというのが現状でございます。  それから工法の問題でございますが、タンク本体につきましては、石川島播磨重工がただいま御指摘のような底板をつくりまして、そして一番上の側板を組み立てて屋根をつくって、それをエアリフト工法によって上に持ち上げて、順次、上の側板の方から積み重ねるというふうな工法をとっておる。このタンク本体の工法自体につきましては、現在までのところ、私ども、事故調査委員会の先生方の意見を拝聴いたしておりますけれど、タンク本体の工事自体には問題はないにしましても、やはり基礎工事ができ上がってから、この空気を入れるための穴を掘った、それによって基礎工事が痛められておるという可能性は十分にあるじゃないかと。さらに、この穴がコンクリート製の穴でございましたそれが、埋め殺しになっておるわけでございまして、そのために基礎の部分について強弱の差のある地盤になってしまった。この点も一つの問題点であろうということが言われておりますが、ただ、この穴を掘りましたところと、独立階段がありましたところが、非常に真反対のような位置に二百七十号タンクの場合はございました。果たして、これが直接にこの事故に結びついたかどうかという点は、どうも明確な結論にはまだ達しておりません。  それから、タンクの油の設計の温度の問題でございますが、いわゆる六十度の設計というふうに申されておりますのは、タンクの加熱コイルの設計温度が外気温五度の場合に六十度以上の温度を、タンク内の油が六十度以上の温度が保てるように、加熱コイルの設計のめどが、そういう設計になっておるわけであります。それで、油が入ります温度は、脱硫装置からの油は八十八度で入ってくる、八十八度を基準にして設計をする、こういうことになっておりまして、この六十度というのはそういう意味でのタンク加熱装置につきましての外気温五度の場合の最低限の設計温度でございます。通常、油が入ってくる温度は八十八度ということでございまして、大体、仕様の内容も八十度ないし九十度の油が脱硫装置から入ってくるというような仕様の実態でございましたので、設計とは食い違いはないようでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いまの最後の部分ですが、重油の液温によってタンクの側板と底板接合部に発生する圧力というんですか、専門的には何か曲げ応力というんですか、その力が十度ごとにミリ平方で四キログラムずつ変わっていく、こういう報告があるんですが、だとすれば、やっぱり液温に対応する強度というのが設計の中に当然入るべきものだと私は考えております。だから、まあそういう点にいろいろな問題があるようでありますか、とにかく、企業の側が経済性を考慮する余り、新しい工法を取り入れ、しかもその新しい工法というのが、請負の仕方によって底板をつくったものと本体をつくるものとが違っていくために、その連携がうまくいっていない。そこに事故の原因となる――直接か間接か知らないけれども、原因となっていく要因があったのではないか、こういうことが一面から言われているわけであります。それで、まあそういう点について、私は、事故調査委員会がもうすでに中間的な報告を非公式にいろいろと漏らされているようでありますけれども、これらの点について、きちっとした報告が三十一日には出てくるのかどうか。  それからもう一つ、あなたが言われました、千代田化工が一括請け負って、そして千代田化工が基礎工事は熊谷組に、本体は石川島に契約したのであるということならば、石川島の本体の設計書はその千代田化工に対して提出されておりますね。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 石川島なり熊谷組なりの設計自体は、千代田化工を経て三菱石油に提出されたという形になっておるようでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それは、あなたの方はどこからお聞きになっているか知りませんが、私は、直接関係いたしました企業の関係者を呼んで聴取をしておるんですが、石川島の本体設計は特殊な工法であるために、元請であるべき会社もこれを知らされていない、そして、その本体の工事は、三菱石油と石川島との直接話し合いによって決まっているものである。こう聞いておりますが、そうじゃありませんか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) この工事請負の関係につきましては、三菱石油の方から明確に千代田化工の元請ということが説明をされております。また、工事の細かい内容につきましての、たとえばいま御指摘のような、エアリフト工法のような、ある程度企業自体の秘密に属する事項につきましては、そういう工法をとるという元請の承認を得て――工事内容につきましては、そうした企業の秘密に属する部分について直接元請に知らしていないというようなことはあるかもしれませんけれども、工事計画その他につきましては、すべて元請を経て、三菱石油に提出されているように、私どもに提出されております資料はそういうふうになっております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 時間がありませんので、最後に大臣にお尋ねいたしますが、今後、もし九十日備蓄というようなことでCTSや製油所などが全国に次次に増設されていくというようなことになりますと、このタンクの工事ということは、安全性確保のために非常に重要な意味を持ってくると思うのであります。それでこの工法を含めて工事の監督、検査をする専門的な機関というものが必要になってくるのではないか。そうしないと、今度の二百七十番タンクの事故を見ておりますと、いろいろと複雑に絡み合った問題があるように思うんです。その専門的な安全性確保に関する監督機関の設置について大臣の所見を伺っておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  ごもっともな御指摘でございまして、いま消防法の改正に当たりまして第三者機関をつくって、そういうことを監督する第三者機関をつくるということで、いま消防庁としては検討をさしておるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 その第三者機関というのは、従来の行政上の監督ということだけではなくて、専門的な、技術的な監督も含めてつくられるものでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) まだ具体的な構想の段階までは至っておりませんけれども、やはり技術的なものを重点に置いて、その機関が、そうしたタンクの配置、設計、それから施工監理等ができますような、そういうものがあった方が望ましいのではないかと、こういうことで、私ども検討をしているところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 以上をもちまして久保亘君の質疑を終わります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私は、きのうに引き続いて、人事管理の問題で自治省の考えを伺いたいと思います。  まず第一に質問いたしたい点については、これは政府委員の方々は、それぞれ政府委員の方々が今日までにたどってきた経歴に関連をすることでありますので、できるだけ大臣自身の方からの所見を伺いたいと思うんです。  いま大臣の手元へ、昭和四十四年にいわゆるキャリアといわれる方々が、現在どうなっているかという名簿をお渡しをいたしましたが、大体私は間違いないと思うんです。この方々は、今日までの五年の間に、三カ所ぐらいのポストを渡り歩いて、現在では大体、昭和四十九年にそれぞれ県の課長というようなポストについておられます。これと比較をして、地方におきまして人事委員会の試験によって県庁の職員として就職をした人、こういう方々は、まだ今日、同じ大学を出て公務員になった人でも、末席の方で実務をそれぞれ担当をしているわけであります。県に入った人たちが、現在、自治省のキャリアといわれる人たちがついているポストに到達するのには、大体四十四、五歳ぐらいというのが標準的な期間になっておると思うんです。こういうふうに、同じ公務員の場合でも、県に入った公務員、それに対していわゆるキャリアと称せられる上級職試験の甲、この方々が県に配置をされるときに、わずか四、五年の間でこれだけの差をつけなければならない理由があるのか、こういう点についてまず、自治省の大臣の所見を伺いたいと思うんです。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘のような事情はあるようでありますが、私は、この人事の問題については、それぞれの長になるべき人並びに人事委員会――地域の人事委員会が決定をしてやればいいという、自治の精神でこれが行われておるんだと思っております。   〔主査退席、久保亘君着席〕

野田哲日本社会党

○野田哲君 ちょっとかみ合ってないんです。自治省へ入って、あるいはその他建設省とか厚生省とか、そこから派遣をされてくる人は、二十七、八歳で課長として派遣をしてくるわけです。県庁で正規の試験を受けて入った人は、二十七、八歳はまだ一番末席の方なんです。二十年ぐらいたたなければ、自治省で二十七、八歳で来る人と同じポストにはつけないわけです。わずか四、五年で県の課長のポストにつく、片一方は二十年ぐらいかかる、二十年以上かかる。こういう差をつける理由は一体どこにあるのか、こういう点なんです。で、こういう点が、大臣ね、県庁の中で非常な違和感を生んでいる、混乱を起こしているというふうにお考えになりませんか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) そういう意味では違和感は起きる可能性はあると思いますが、また同時に、今度は、中央からそういう意味で行ってる人を使って中央との連絡をよくできるというような面もまた、地方公共団体の長になる人から言えばですね、責任者――地方公共団体の最終的な責任者は長なんですから、その人から見ればそういう者がいてくれる方が便利であるということもあるだろうと思うんです。私はそういう意味でいままでは行われておったんだと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 じゃ、ひとつ具体的な例を挙げて、大臣の判断を伺いたいと思うんです。  岡山県に、――これは後で調べていただけば私の言ったことは間違いないと思うが、石倉寛治という課長がおられます。これは自治省から行った方ではないんです。自治省ではないが、同じような形で厚生省から行ってる方なんです。この人が、ごく最近のことですけれども、自分のところの課長補佐を指して、職員に向かって、課長補佐というのは小使みたいなものなんだ、こういう発言をしているんです。そうして、職員の代表に対して、後で問題になって、わび証文を書いてるんです。わび状もここにありますけれどもね。――こういう問題が起きるということは、そこにやはり中央から行った、管理職についた方々の一つは非常な優越感を露骨に示しておると思うんです。こういう事実が具体的に起こっているわけですが、これがまあ表面化するか、あるいは潜在的なものであるか――長年、県庁で働いて課長補佐をやってる人を、職員の前で、小使みたいなものだと、課長補佐というのは。これはね、やはり非常に問題がある。これは単に偶発的に起きた問題ではないと思うんです。優越感を示しておると思うんです。で、こういう点について、大臣はよく、自治体の方からも要請されるから中央からも出すんだと、こういうふうに言われ、それについてのメリットもあるということを、いまも大臣言われましたけれども、デメリットの方も現にこういう形であるわけなんです。  そこで、大臣、問題を起こしたりあるいは非常に違和感を生じて扱いかねるということで、地元の方の知事が、予定された期間よりも短い期間で、これはひとつぜひ本省の方へ帰してもらいたいと、こういうような要請が起こったときには、予定期間に達していなくても――自治省として、各省にも協議をしてもらいたいと思うんですが、帰していく、そういう措置をお取りになりますか。いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、実を言うと、そういうようなことを、いま言ったような発言をするようなことをした人があったとしたら、まことに不穏当なことを言ったもんだと思っております。自分のことを言っちゃ恐縮ですけれども、私は大臣しているけれども、事務官でも、課長でも、局長でも、みんな私は対等に扱っているつもりです。また、私が大臣だから偉いとは思っておりません。物を決裁するときには偉いというか、私が決めるんだという気持ちは持っておるけれども、日常の行動において、生活において、ましてや、そういうときには平等という考えをいつでも持っております。私は、地方にいるから偉くないとか、中央にいるから偉いとかというような考え方は払拭すべきだと思っております。しかし、そういうことが、地方の方から要望があれば、これはやっぱり人をやることも決して意味のないことだとは私は思っておりません。連絡というような意味で長官が、また長が非常にやりいいという面もありますから、そういうようなことがあるとはいいながら、片一方において、そういうような事実があるとすれば……。私は、これはしかし、そういうことを決めますと、一つの方針として決めると、非常にまたマイナスの面が起きると思うんですよ。それはどういうことかというと、あの課長を追っ払ってやろうじゃないかなんと言って、そういうことでやる場合もなきにしもあらずで。何もそうするとは言いませんよ。そういうことがあってもいけませんから、その人の行為というものを十分、性質その他大体わかりますし、そういうこともよく判断して、個々の問題について考えることは私は当然だと思っております。しかし、これを一般論として認めるというわけには、そういうようなデメリットが出るといけませんから、私は個々の問題として取り扱わしてもらいたい。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ケース・バイ・ケースとしては考えると。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) そのように考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それでは次に別の問題で伺いたいと思うんです。  自治省の方では、全国地方自治体トップマネージメントのセミナーか何かそういうような、毎年開かれている集会に対して、私の資料によると、自治省後援という看板でやられておるんですが、後援という措置をとっておられますか、これは行政局長いかがですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) トップマネージメントに関するそういう講習会その他について、援助措置をやったことはたしかあると存じます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 昨年の八月二十八日から三十日の間、山中湖畔で、第十回の全国地方自治体トップマネージメント特別集会というのが開かれております。ここに特別講師として招かれた人が、講義を行っております。その講義ここにあるわけなんです。本になって出ておるわけなんですが、「事務と経営」という本になって市販をされています。この講師がしゃべったテーマは「地方行政における労働問題への対応」、こういうテーマになっています。内容はいろいろあるんですが、問題があるんですが、時間の関係もありますので一番問題だと思うところだけちょっと読んでみます。  こういうくだりがあるんですね。これは地方自治体における交渉について触れておるところですけれども、「交渉に際しては、不測の事態が起きることを考えて、警察にあらかじめ十分な連絡をしておくことがベターであると考えている。不測の事態が起こってから」警察へ連絡をしたのでは「手遅れだ。」「つねに緊密な連携をとってやっているので、」――私のところでは不測の事態は起こっておりません。つまり、交渉に当たっては常に警察との間にホットラインを通じておけ、こういうことをしゃべっている。これは現職の市長です。私が捏造しておるんじゃなくて、これは「事務と経営」の去年の十一月号に載って市販をされています。こういう講師が出られるセミナーでも自治省は後援をされておるわけですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) その山中湖において行なわれた講習会というのを、私、実はよく記憶しておりませんが、自治省自体で、市町村長さんなりそういうマネージメントの研修をやるとき、私の方の責任で講師もよく選び、その講習内容についてもよく打ち合わせいたしますけれども、いまの御指摘のことは私記憶ございません。恐らくあるいは事務能率協会かどっか民間の行なわれたことだと存じます。  そういう場合に、講習の内容その他につきまして概括的な御相談を受けて、これが地方団体の事務にプラスになるものであれば後援ということで名前を貸す、あるいはその講習会を権威づけるために協力をするということはいたしておりますけれども、その一人一人の講師のお話の内容まで実はあらかじめ精査するものでもございませんし、私自身の方としては、ちょっと責任を負いかねる面ではないかと思います。  いま先生の読み上げられた講師は何か現職の市長さんだそうでございますので、私も地方団体いろいろ経験しておりますけれども、非常に激しい交渉が行われ、かん詰めその他が常に行われるようなところもあれば、またそうでなくて、交渉のルールを比較的きちんとお立てになっておって、何と申しますか、正常な雰囲気で交渉が行われているところもあって、恐らくそういう特殊なケースの体験をお話しになったんじゃないかといま伺って想像するわけでございますけれども、そこまでは実は私の方もあらかじめ認めたわけではございませんし、私の方は責任を負いかねるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 後援というのは銭を出しているんですか、どうなんですか、これは。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) ほとんどの場合金銭的な援助はしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 こういういま申し上げたような例もあるわけですから、看板を貸すにしても、自治省という後援の看板がかかるとね大臣、これはやっぱり自治体の長側にとっては大変な権威があるものと考えているわけですから、慎重にやはり――一々講座の内容までチェックするわけにはいかないと思いますけれども、これはやはり慎重にしてもらいたい、こういうふうにお願いをしておきます。  次に、現に自治体で行われておる人事管理について幾つか例を挙げて、自治省の見解を承りたいと思うんですが、これちょっと行政局長。(資料提示)自治体の所属長に指導記録というものを随時提出をさしているところがあるんですね。その内容の中に、いま手元にお見せしましたように、資産状況、住居の状態、交友関係、そしてその人の友人の勤務先、住所、思想傾向、こういう欄があるわけです。こういう指導記録を随時提出をさせる。こういう人事管理は、これは戦前の特高のやり方と全く同じようなことをやらせているわけなんです。自治体における人事管理で、そこまでのことをやらなければならないのかどうか。こういう内容を提出させるということは、これは人権侵害、プライバシーの侵害ということになるんじゃないかと思うんですけれども、行政局長いかがですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 人事管理をやる場合に、その職員のことをあらゆる面で知悉しているということは管理者としては必要な場合もございます。まあ私が、仮に課長をしておりまして、課の職員の、ある意味では私的な悩みの相談も受けるようなこともあるぐらいに、そういうことは必要だと思いますけれども、これをこういう統一的な書式の形で、ある意味では、常にある種の情報を収集しているような形でやるというところまでの必要性は、実は一般的にはないんじゃないか。おっしゃるような懸念というものも当然ここには生じると思いますので、こういうことは一切役所は関知しないということでは、円満の人事管理はできないという面もあるかもしれませんけれども、逆に、こういうことを組織立って常に情報として収集しておるということについては、より慎重な検討が必要であるという気がいたします。

野田哲日本社会党

○野田哲君 では、もう一つ例を挙げたいと思うんですが、市役所の「職員身元保証規則」、こういうのをつくっているんです。これを見ると、市役所の職員は、身元保証書を出せということを義務づけているわけです。そしてこの保証人は「市長が適当と認める者でなければならない。」と、こうなっているんです。そして市長名で、所属長に通達を出しています。身元保証書を出せということで、身元保証書の提出については、三月三十一日までに職員から身元保証書を提出せよとか、いろいろありますが、問題点は「身元保証人は、本市に在住し、独立の生計を営む成年者で確実な所得又は資産を有する者であって、市長が適当と認める者でなければならない。」と、こういう通達を出しているんです、この規則に基づいて。市長が適当と認める者を保証人として差し出さなければならない、これを規則で制定しておる。こういう点は、これもやはり基本的な人権を侵すことになりはしませんか、いかがですか行政局長。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 地方公共団体が職員の身元保証に関する事項を条例なり規則で定めるということ自体につきましては、これは、先生御承知と思いますが、「身元保証ニ関スル法律」というのがございますが、こういった法律にも違反せず、また憲法なり地公法で規定してございます平等取り扱いの原則ですね、こういうものにも違反しない。あるいはまた、そのこと自体を職員の採用上の条件にするといったものでないといったような場合には、これは差し支えないというのが私どもの解釈でございまして、多くの地方団体でもそういったものを持っているところもございます。  ただ問題は、市長が適当と認める者でなければならないと言っている団体はあるようでありますけれども、その点については若干問題はあろうかと思います。先生の御懸念のような点も出てくるかと思いますが、実際上は、保証人が不適当であるからといって採用しなかったという例は私ども存じておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 あのね、これは、「身元保証規則」というのが制定されておって、従前の保証規則にはそういう条項はなかったわけです。それを途中で、改正をして、新たに、「市長が適当と認める者でなければならない。」というふうに途中で改正をしているんです。そうして、新たにそういう形で身元保証人の提出を要請をしているんです。これは、採用にならなかったとか何とかいうことよりも、職員の間では、これによって大変混乱が起き、困った状態になっているんですよ。  問題は、こういう形で、「市長が」「認める者でなければならない。」ということで義務づけておることは、これは人権侵害にはなりませんか、法律違反にはなりませんかと、法律的に聞いておるんです。いかがですか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 通常の場合、市長が適当と認めるという場合はこれはあり得ると思いますが、それが、いま申し上げましたように、その認める条件が法律なりあるいは平等取り扱い原則なりというものに抵触されて乱用されるということになるとこれは問題だと思います。しかし、いまおっしゃるように、そういった乱用なり悪用なりされるような懸念のあることはまあできるだけ差し控えた方がいいだろうというような感じがいたします。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは、先ほど言ったあれと一連のものとして考えてもらわなければいけないんです。いわゆる指導記録。指導記録とこの身元保証規則、これは一連のものとして現に扱われているんです。そうして、ときどき市長が、身元保証人を集めて、その保証をしておる職員のことについて、指導記録で出されたことに基づいて、保証人に今度はね、ああだ、こうだという注文をつけているわけです。明らかに人権侵害ですよ、これは。  以上申し上げたことはね、大体感づかれておると思うんですけれども、山口県の徳山市長のやっておることなんです。それで一遍、徳山市の実情を――、ほかにもね、ここにいっぱい資料がありますよ。私は労使間の問題がどうか、こうか言っているんではないんです。問題は、そういう形が、職員の人権侵害にわたってはいないか、という点に触れておるんで、労使間の問題ということではないんです。別の観点から言っておるので、実情を調べてください。私は、問題点が幾つかあると思うので、法律に明らかに違反しておる点については、自治省としても、しかるべき措置を、指導としてとってもらいたい、こういうふうに思うんです。  で、次に、大臣に伺いますが、いま福岡県の三橋町あるいは広島県の加計町で起こっておる問題御承知だと思うんですが、これらのところで起こっておるトラブルの背景としては、きのうも予算委員会で申し上げましたけれども、やはり自治省がつくったあのラスパイレスという資料が、中身がどういう形で比較されておるかということを理解せずに、盲目的にこれを政治的に使った面が非常に強い。こういう点について自治省としては、責任を感じておられますか、いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ラスパイレスというのを使った。俸給を決める場合にあるいは昇給を決める場合に、これを一つの基準として認めるということは、私も毎々申し上げているように、人事院でも、国家公務員と地方の企業との比較にはこれ使っておるんでありますから、ラスパイレスというもの自体が絶対悪であるとか、これを使ってはいけないとか、そういうものだとは私思っておりません。やっぱり一つの基準として使っていいと私は思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 使い方がね、使い方が曲げられて使われておるという点が現にあるということなんです。まあその押し問答はともかくとして、よく考えてもらいたいと思うんです。  そこで、福岡県の三橋町とかあるいは広島県の加計で起こっておるようなことは、自治省でも承知されておると思うんです。交渉をしたことが議会で否決をされるとか、あるいは大幅に削減をされるとか――条例制定の直接請求手続によって大幅に削減をされる、こういうような状態が起こっておるわけでございます。こういう状態が起こったことについて――私どもも、議会の議決権あるいは住民の直接請求権というものは、これは地方自治の民主的な諸制度として尊重していかなければいけないと思うんですが、地方公務員のこれによる交渉権というものが、いま三橋町や加計町で起こっている、このような状態について、交渉権が保障されているとお考えになりますか、いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は交渉権を否定するものではございません。しかし、交渉してもまとまらないというような場合には、やっぱり議会の議決を待つよりほかにないと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 きのうも閣議で、大臣は高一点の姿勢をとられたそうですが、交渉してまとまったことが、交渉して一遍、町長との間にまとまり、あるいは市長との間にまとまって判をついたことが、議会で覆されるという状態については、これは交渉権が保障されていることになりますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、議決権の方が優先すると思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの状態では議決権が優先しているんだが、だからそれでは、地方公務員の団結権を保障するためには、現行制度を改善をする必要はありませんか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私はどうもそこがわからないんですが、そういう交渉権があるからといって、住民の最終的な自治体の意思決定を議会でやるということは、これは民主主義政治の根幹になるんじゃないですか。もしそういうことでまとまらないで、交渉がいつまでも続いているというようなことがあったとしたら、かえって住民の利益を阻害する場合があると思うんです。だから限度というものはあっても、一応まとまらないということであれば、これはやっぱり最終的には議会で決めるということが法律で決まっておるんだから、現行の姿ならばそれは当然であるし、将来の問題としても議会政治というものを認めるんであれば、私は議会にその権能を与えておくということは当然だと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 最後に申し上げますが、大臣、私が言ったのは、まとまったものが議会で否決をされるという状態は、団結権、交渉権が保障されているとは言えないじゃないですか。だから、公務員制度調査会とか連絡会議で公務員労働基本権の問題が審議をされているわけですから、これはやはり議決権なりあるいは直接請求権と、それから職員の団結権の保障とどう兼ね合いをさせるのか、こういう点を十分検討してもらいたい。このことを――いまあなた、首を横に振らぬで、要請をしておきます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) いや、高一点などといわれると、一言だけ申し上げたい。それは私は、いま相談をしておるという段階であって、あなたが先ほどおっしゃったのは、決まったものについて、それをかえるんでは保障されないじゃないかということをおっしゃったから、それに対してお答えをしておる。まだ決まっておりませんよ、審議をしているだけですよ。高一点の問題になりますと、その審議をしている段階において法律が現にあるのにそれに反することをしておるということであればこれは認めてはいけない。法治国のこの姿は、これではいわゆる法治国というものが承認されたことにならないじゃないかということを私は閣議で主張したわけです。

野田哲日本社会党

○野田哲君 最後に。時間がありませんから最後にします。  大臣はぼくの言ったことと全然違う。この間の公労協のことを言っておられる。私が言ったのは、市長や町長と職員組合が交渉して決めて判を押したことが町議会なり市議会で崩されるということでは、これは団結権、交渉権が保障されているということになっていないから、そういう隘路について、ネックについて十分検討してくださいよと、こう申し上げたんです。終わります。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 最後に、いまの問題について。  職員に団結権が認められている、交渉権が認められている、その一定の範囲でやるというふうに決まっております。給与の問題については、交渉によって最終的な決定権が与えられておりませんので、交渉である程度、こういうことを同一企業と約束したとしても、それは最終的には議会の議決のものが決まるという体系になっておりますから、その意味では、現在認められている交渉権が保障されてない、ということにはならないと思います。給与についても、最後まで交渉で決めるというような法体系になれば、先生のおっしゃるとおりになると思いますが、それをどうするかは、よくこれからずっと続けて検討される問題だと存じております。

久保亘日本社会党

○主査代理(久保亘君) 以上で野田哲君の質疑を終わりました。     ―――――――――――――

久保亘日本社会党

○主査代理(久保亘君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  ただいま、野田哲君が委員を辞任され、その補欠として志苫裕君が選任されました。     ―――――――――――――

久保亘日本社会党

○主査代理(久保亘君) 引き続き質疑を行います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣ね、先ほど天下りの議論がありましたが、私は、よしあしをいま議論しようとは思いません。概して評判が悪いということだけは申し上げておきたいと思うのです。  そこで、ちょっと気がついていることで、やっぱり御注意を喚起しておきたいのでありますが、たとえばささやかなことですけれども、「このたび自治省へ帰ることになりました。」こういうことを、抜け抜けと地方議会なんかでよくあいさつする。帰ることという発想の中に、ずいぶん問題意識のずれがあるような気がするわけです。私は、そういうことを幾つか体験をしながら、やっぱり皆さんの方で考えておくべきだと思いますのは、たとえば二年ぐらいの間に自治体の中で三つの課を異動して歩く。自治体は、特に中央と違いまして、住民等と接触をしながら継続中の仕事というものをずいぶん持つわけです。それが、わずか数カ月でころころ動く、あるいはまた、いま本省の方へ異動して来る場合でも、自治体には自治体の都合があるわけでして、仕事の切れ目というものがありますね。それを何か自治省あたりの人事の都合で、ここにあいたから、おまえ回れ、ということになりますと、仕事の最中に手を休めてこちらへ来てしまうという、こういうあたりではずいぶん自治体の都合というようなものを、事もなげに扱うというケースだってしばしばあるわけです。これについてはやはり十分な配慮をすべきだ、こう思うのですがいかがですか。

山本悟自治大臣官房長

○政府委員(山本悟君) ただいまの御指摘の点、必ずしも全然あり得ないというわけにはいかないことでございまして、十分注意をしなければならないことであろうと思います。ただ、自治体の中で実例でお出しになりました二年間ぐらいでたびたび変わる、この自治体の中で、変わることにつきましては、当自治省側といたしましても、はっきり申し上げまして、全く、もちろん自治体の任命権者の方にお任せをいたしておるわけでございまして、物を言うことはまずあり得ないと存じます。ただ、自治省との間で交流が行われるような際には、仕事の切れ目、あるいは人事異動の時期、こういったようなことを十分配慮すべきだと、これはおっしゃるとおりでございまして、なるべくそういうことでお話し合いができるように努力を今後も続けてまいりたい、かように存じます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 次に、少し地方財政問題についてでありますが、いろいろと議論が沸騰しておりますから、もうそろそろまとめの時期でありますが、私は、全般的に触れませんけれども、いずれにしましても、この地方財政問題というのは、ここまでくるには、それなりの形成過程を持っておるわけでありまして、何か単独の要因で急に変になったというものではない。やっぱりある程度の形成過程や蓄積というものを持っているわけです。でありますから、やっぱり手直しをしていくには、根気も要るでしょうし、何よりもぼくはまあ静かな雰囲気で丁寧に議論をし合うという、こういうふうなものが、ましてまた、こういう大問題の解決ですから必要だと思うのでありますが、何かボールの投げ合いではなくて。  そこで、大臣どうですか。いろいろ皆さんそれぞれ知恵も出し合っているし、いろんな意見も出そろっておるんですが、この際、自治省レベルだけでの検討というのではなくて、自治体側といいますかね、たとえば地方六団体やその他のものを加えた、ちょっとあれは革新市長会か何かで、超過負担解消で何か懇談会のようなものを設けないかというふうな提起がございましたね。たとえばああいうふうな発想に基づくような懇談会のようなものを、資格は何でもいいですよね、あえていまのところ規定しませんが、そういう場をやっぱり設けたらどうだろうと思いますが、いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私たちが常々言っておりますのは、いま先生がおっしゃったように、対立的な議論をしておっても、いつまでたっても解決はしない。私は人件費の問題は重視しなければいかぬということを言っているんですが、それも事情があって、今日に来るまでの、人件費が上がってきた事情というものを考えてもらいたいという気持ちも、私はわからぬわけじゃないのですよ、過去。しかし、いま高度成長の時代から低成長に入るのですから、ここでもう一遍そこいらを見直さないと大変ですよ、ということを強く主張しているわけなんです。同時に、超過負担の問題も考えなければならないと、こう言っておるわけです。そこで、あなたがいま提案されたお互いに不毛の議論をしないで、一遍よく話し合いをしたらいいじゃないかという点、私非常に結構だと思います。それについては、いま知事会その他の六団体で超過負担なんかの問題について話がありますけれども、ああいうところで、人件費の問題も取り上げてもらいたいと思うわけです。それでお互いに話をして、そして直すものは直す、こういう姿勢でいかないと、私は調査会とか審議会とかいうのは幾つつくっても、その基本姿勢がそこへ来ていないと、不毛の議論が行われて、屋上屋を重ねる制度ができるだけだと、こういうふうに考えておりますので、私は、あなたがひとつお互いに話し合う気持ちでやらせにゃいかぬじゃないか、ということには賛成でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 確かにいま大臣も言いますように、いままでの事情というふうなものはわかる。しかし、これからのいわば経済動向なり、低成長時代に入って、いままでどおりのパターンじゃいけない、だから見直そうじゃないかという点は、でありますから、僕は、それなりに総合的な審議をすべきであると思います。そこに、ただ一つこれが原因だというような受けとめ方をする論議が先鋭的に出てくるから、ぼくが先ほど言うように、静かな雰囲気で丁寧に議論をしようということと、そごを来すのだと思うのでありますが、いずれにしても、いま大臣お答えになったように、そういう自治省だけで考えるんじゃなくて、地方団体との合意をむしろ取りまとめるとでも言いますかね、合意を盛り込まれるようないい答えを見出していくとか、そういう姿勢での相互の検討というものを強く要求をしておきたいわけです。  それで、私この問題についてなお若干の意見を述べて見解を求めたいんでありますが、実は地方財政問題に端を発して、特に賃金問題をめぐる労使のトラブルもそろそろ出始めておりますけれども、新潟の場合についてお伺いしますが、労使の間のトラブルについて実情をどの程度承知しておりますか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 知事からそういう話がございまして、職員団体との間で副知事以下で折衝している。何度もやったようでありまして、話があまりつかないためにきのうでしたか、半日ストをやったようでありますが、そこらのところまでの情報は存じております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私は、原則として労使の問題は上手であれ、下手であれ、双方で決めなさいというのが私の主義ですが、それはそれとして、ちょっと見解伺っておきたいんでありますが、いずれにしても、新潟が特に全国に先駆けてトラブルが起きなければならぬような状況にあるかどうか。  この議論は一まず別にしても、交渉事項でもあり、あるいは条例の規定事項でもある賃金等について、一方的な制限がもし加えられるとすれば、それはやっぱり適当でないのではないか、このように考えるのですが、いかがですか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 給与問題につきまして先ほども御論議ございましたように、なるほど交渉の対象になることは言うまでもございませんけれども、最終的判断は条例で決めるということになっています。しかしまた、昇給といったような問題につきましては、個別的に私どもがどうこうと言うべき問題でございませんで、やはりこれは団体が、労使である程度話を煮詰めていくということはいま御指摘のとおりであります。しかし、どうしても話がつかないということになりますと、先ほど大臣のお答えもございましたけれども、議会の判断を仰ぐといったようなことも出てくるだろうと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そうしますと、話し合いがうまくつかなければ議会の判断を仰ぐ、というのがたてまえと理解をしていいですな。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) たてまえ論ではありませんで、そういう場合もあるだろうということをいま申し上げたわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 僕は、労使のトラブルというのは、一方だけが、特に労働組合だけが悪であるという、そういうことでは何も決まりがつかないと思うのでありますが、たとえば、一斉昇給は、条例違反ですよ、というその種の答弁をなさっていますな。では、あべこべに、一斉に上げないのは条例違反ですよ、という解釈も出ますか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 昨日の予算委員会でお答えいたしましたのは、基本的に地公法の二十四条なり、二十五条なりの規定からいきますと、昇給等につきましても条例事項になっているわけでございます。したがって、昇給に関する規定が条例にありまして、その規定に違反している場合には、当然条例違反であるということを申し上げたわけです。それは具体の団体の条例を見なければいけませんけれども、一般的には、国家公務員の一般職給与法、これに基づく人事院規則、こういったものに準じて条例なり、人事委員会規則等が整備されているはずでありますから、条例違反になる場合が多いということをきのう申し上げたわけであります。  いまの、今度は逆に、一斉昇給延伸ですか、これは法律の解釈上は、先生もよく御存じのように、「十二月を下らない期間を優良な成績で」と書いてございますから、非常に形式論で言えば、十五カ月でも、二十カ月でもいいということになるわけですね、その後任命権者の判断によって。しかし、それは常識的ではないだろう。やはり原則的には、条例で規定するのが妥当ではなかろうかという感じを持っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いずれにしましても、私ここで注意を喚起しておきたいのは、総合的に決まりをつけなければならぬ問題をたくさん含んでいながら、特に賃金問題について労使のトラブルが先鋭化をしていくというのは、あまり意味のあることじゃありませんから、そういう意味で、新潟の事情について少し見解を伺っただけでありまして、この点は、私もよく皆さんの考えはわかりました。ただ、いずれにしても、きのう大臣が、予算の総合審議でお答えになっていますように、一定の期間をかけて、双方の理解と協力が得られるような円満な解決が望ましいという回答は確認をしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか、大臣。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) いま、一定の期間をかけてとおっしゃいましたのは、私は公共体の長と、いわゆる給料というか、そういう待遇の問題については、ある程度慎重にやるべき必要があるということは申し上げておりますけれども、ただ、ちょっとあれすることは、超過負担の問題と給料の問題とは、ちょっと違うんですね、内容が。超過負担というのは範囲を決めるとか、単価を決めるとかいう意味で、非常に動かし得る面が多いわけですね。ところが、給与の場合は、ちゃんと法律で大体方向が決まっているわけですね。超過負担の場合決まっていない面が、きのうも指摘された面がございましたけれども、あるわけなんです。そこいらが違うわけなんです。私が、公共団体の方たちとの話し合いをするのに、自治省も加わってやったらいいと申し上げているのは、超過負担の問題を申し上げているわけでございまして、人事の問題について申し上げておるわけでないということだけはひとつ御理解をしていていただきたい。ただし、そういうことでも、人事の問題も話があってもいいんですが、そんなことであまり長たる人の権限を縛る、自治を阻害するというようなことになってもいかぬし、また、議会の権限を制限する――地方自治体の議会の権限を制限するというようなことについては、これは考えなければいかぬじゃないかと私は思っておるんで、分けて考えなければいかぬということだけは申し上げておきます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 この点については、先ほどもちょっと野田委員からもありましたが、私、それに時間を使いませんが、ただ、賃金問題をいろいろ労使が話し合って決めるというのは、一方は、その労働者の生存権の問題ですわね、生存権の問題。憲法上のですね。もう一方の、住民の意思をいわば最高のものとして議会で定めるというものとは、質的にやっぱり少し違う。どちらも恐らく正当に主張されるべき権利でしょう。それだけに、その間の調整というものが、いまやっぱり少し未決事項になっておるという気がいたしますので、この辺の検討はいずれまた提起をいたしますけれども、皆さんの方も、やっぱりその調整については十分検討されるべきだとこう思いますが、いかがですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) おっしゃるとおり、公務員にも、労働者としての立場がございますと同時に、いまそれが民間の労働者と違う扱いをされておるのは、それが公務というものに従事する公益という前に一歩譲っているかっこうで、民間の労働者よりもある意味で制限された労働基本権しかないということでございます。これについての検討は常に十分に行われてしかるべきだと考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 次に、少しどっちかというと人口急増地域とか、そういうところにおける財源、財政問題が議論されるのですが、私は少し趣を変えまして、少し過疎圏、だんだん、だんだん人がいなくなるとか、言うならば、高度経済成長型のパターンで言うと、さっぱり収入のないところとか、そういう地帯の問題でありますが、御存じのように、過疎地域の財政構造の特徴というのは、歳入面では交付税、国庫支出金、それから起債ですね、これがもう非常に比率が高いですから国庫依存型になっております。一方歳出面では、しばらく、高度成長時代には建設省を中心とする投資予算というようなものが横綱を占める、こういうパターンになっていると思うんです。が、それが率直に言って、インフレ要因や、確かにインフレ要因の一つである人件費の高騰等で、ずいぶん余裕がなくなったということをおっしゃるのですが、これはきわめてわかりやすい話ですが、普通建設事業を中心とする支出構成になっているわけですから、それがさまざまな形で制限を受ければ、総体的に人件費率が高まっていくという、こういう現象がすぐあらわれることはあたりまえだと思いますね。  そこであれですか、私は、この財政事情の悪化要因や圧迫要因の一つに、かつて交付税の中には、事業費補正というのがございましたね。これはぼくは、事業費補正のよしあしをいまここで議論しますと大問題になりますから、これはしません。現実問題として、それが四十六年頃少しドルショックで景気が悪くなって、税全体の中の交付税の入りが悪くなった。それをしたがって交付税から外へ出しまして、起債に振りかえるという措置をしましたね、四十六年か七年頃に。で、そういったようなものもあって、実は、そういった措置というのが、こういう過疎圏あるいは過疎地域における財政の圧迫要因にずいぶん大きい役割りをしているわけです。で、いずれにしても、それらについては適当な緩和策ですね、調整策というふうなものが財源全体の中で考えられるべきだと、こう思うのですが、これはいかがですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 公共事業費の配分に伴いまして事業費補正という制度が過去において非常にウエートをもって考えられた。これに対しては、非常に、社会党の方から御異論がございました。地方自治というものを、それによって引っ張っていくじゃないかという御議論もございました。たまたま税収入の伸びる時期でもございましたので、その割合を落としております。それによって、昨年あたりでございますと、先生御出身の新潟県あたりでは非常に起債の充当率が下がった、結果的に。そのために一般財源を食うということでの問題がございましたので、四十九年度につきましては、激変緩和の意味で相当地方債の別枠の認可をいたしました。したがって、新潟県御自身、本年度の財政のやりくりはうまくいったようでございます。ただ、その公共事業費に対する起債が交付税等のひもがついておらない、償還額を一応交付税でみるというかっこうになっておらないために、それが将来財政の圧迫になるのじゃないかという御指摘だと思いますが、御承知のように財政計画におきましては、当省が承認をいたしました地方債につきましては、全部年度ごとに償還額を財政計画の歳出に立てておりますから、地方団体全般としてはきちっとバランスがとれておる、このように考えております。後は、それだけの財源をどう配るかという問題でございますが、私どもの方としては、過疎地における地方交付税の傾斜配分の問題もございますし、また、市町村等については七割、八割という交付税算入の形になりました過疎債、辺地債というものもございます。そういうものを全般を見ながら公平に配分することによって、全体としては財政バランスがとれていくという自信を持っております。いろいろ先生からも御指摘がございますので、それらを胸に秘めながら不公平にならないように財源の配分をしてまいりたい、こう考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 なお、この激変の調整というのは続けますか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 激変というものは年度と次の年度の問題でございまして、三年目にわたっての激変ということは考えておりません。これはもう明らかに地方公共団体御自身が、自分でお考えをいただいてやるべきものだと思っておりますが、ただ、私どもとして検討しておりますのは、事業費補正の中でも港湾の問題とダムの問題、これは非常に地域別にでこぼこがございます。したがって、いまのような事業費補正のやり方では少し下げ過ぎたのではないか。あるいはお叱りをいただくかもしれませんが、思想的には反しますけれども、現実の財政として考えました場合には、若干、その二つについての事業費補正は五十年度で引き上げていきたいということを考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それから、これはちょっときのう資料をあれしたのですが、ちょっといままでの起債の伸びぐあい、これからの歳出に入る公債費の予測ですね、それをきのう資料を求めておいたんですが、何か大体年次ごとに数字を示されますか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 全然聞いておりませんが、伺っておりませんので資料は持ってきておりませんが、明年度以降の公債費の額となりますと、年々発行する公債費によって違いますので、この点は明確な推定はできませんが、本年度程度の起債を発行した場合にどうなるかということを前提においてのものは、つくればできると思います。ただ、基本的に先生に申し上げておきたいことは、私どもは、地方債を増発することに反対でございます。できることでございますならば地方債はやめて、交付税と地方税で全部地方財政計画が賄えるようにすることが好ましいと思っております。  ただ、御承知のように、庁舎の問題でございますとか、あるいは大きな建設事業のように所要の一般財源を数年度にばらして払わなければ財政的に問題がくるというために認める地方債については、これは制度的に存続をせざるを得ないと思っております。まあいま程度の地方債がいいところじゃないか、もう少し減らせても若干減らせる程度の問題じゃなかろうかと思っております。いま申し上げたことは一般会計分の問題でございます。下水道とか、水道とか、病院とか、こういったものは、需要の伸びが続けば、地方債が伸びる方がこれは地方の住民のためになるということで、公営事業系統のものについては今後もできるだけ実態に合うように努力をしてまいりたい、こう考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣、まあ特に四十六年ごろ一時景気の落ち込みでこれは大変だというんで、列島改造論の発想じゃありませんけれども、ずいぶん景気浮揚策としての公共事業がとられ、つけられ、それの裏負担分というのは、率直に言って起債となってずいぶん自治体には大きなウエートを占めることになったはずです。景気が落ち込んだころにそいつは返さなければならぬという段取りに入るわけですね、これから返済始まるわけでありますから。そういう意味では、いま財政局長、起債の考え方について原則的な話がありましたが、私もそれはけっこうですが、しかしいずれにしても、いままでの借り分の返済は相当大きい重圧にこれからなるのではないか。それだけにそれに対応する対策というのは十分講じなければならぬのじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) それはもう借りかえとかあるいは返還とかいう問題については、これは当然考慮しなければなりませんが、私は、国全体として考えてみるというと、景気が落ち込んだときに、ある程度の何か対策を行うということも、今後ないとは言えないと思っております。それは、その経済の情勢の推移を見ながら国として考えていっても、また、それが若干地方財政に影響があるというか、起債その他の面で問題が起きるとしても、将来景気を回復するために必要だというようなことであれば、私はそういう点も考えなければならない事態が起きることも一応予測しております。これはなかなか、低成長時代に入るということをよく言っていますが、なかなか厳しいんですよ、環境は。非常に厳しい。みんな大したことないだろうと思っているようだが、非常に厳しいということを私は認識しているからこういうことを申し上げている。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) ただいま大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、自治省が許可をいたしました一般会計分の地方債の償還額は、必ず当該年度の償還額だけ財政計画に歳出を立てておりますので、これでバランスがとれておるわけであります。あとは財源の配分だということで御理解を願わないと、別途に何か特別の措置を講ずるということになりますと、見合い歳出が財政計画上なくなってしまうということになりますので、この辺のところはひとつ先生によろしく御理解をいただきたいと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私もその仕掛けは承知しているけれども、それが十分でないから指摘をしているわけで、いずれにしても、少し型どおりの言い方ですが、企業主導型の景気浮揚策のツケを、いま自治体がもらっているということを厳しく指摘をしておきたいわけなんです。  最後になりますが、これはささやかな自治体負担ですが、しかし、これは将来に大きい問題になると思うので、それぞれ見解を求めますが、私が直接問題にするのは、汚染米の買い上げ問題なんです。総合的な施策としては、公害に係る物的補償全体の問題でありますから、それの議論は、手だてはしなければならぬと思うのでありますが、現実に汚染米の買い上げで自治体は負担を負っている。そこで、この財政負担について自治省ではどう対応しているかということと、環境庁は来ておりますか――環境庁にお伺いしたいのは、実は、たとえば、ことしの予算で農林省は、六千万か何かを買い上げのめんどうを見なきゃならぬということでいろいろ苦労なさったようだが、仕掛けがないから、仕組みの方は、環境庁でつくるまではお預けだということになって、そっちにしりが回っているわけですね。この問題について環境庁としては――特に、私は、休廃止鉱山なんかのさまざまな復旧措置には、無資力の場合に、国がずいぶん手厚いめんどうを見ておりますが、性質としては、あれと同じ考え方で対処をすべきだと思うんですが、この問題について、自治省と環境庁、両方答えてください。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 全く御指摘のとおりでございまして、原因者が明らかな場合には当然原因者が財政負担をするということでございます。不明の場合には、私どもはやはり国の責任というものを明確にしていただいて、それで制度が確立をいたしまして地方団体に負担が出る場合には、これを特別交付税なりあるいは交付税で見る、これがたてまえだと承知しております。現在は国の責任が明確になっておりません。その意味で私どもとしては何らの措置も講じておりません。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○説明員(青木英世君) 先生御案内のとおり、健康被害につきましては、公害健康被害補償法という法律がございまして、法律的な救済の道が開かれておるわけでございます。いまの財産被害と申しますか、物的被害につきましては、そういう統一的な制度がない、こういう現状でございます。  そこで、環境庁におきましては、五十年度以降、できるだけ早い機会に結論を得べく、財産被害あるいは物的被害におきます費用負担のルールをどうするかということを確定しまして、これに基づいて各省庁で必要な制度あるいは措置を講じていただく、このように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いずれにしても、この点については、どうも皆さんの検討は時間が長くて、検討しているうちに財政負担は一方的に自治体にかさむわけですから、これはひとつ本当に早急に結論を求めるように強く要望しておきます。  これで終わります。

久保亘日本社会党

○主査代理(久保亘君) 以上で志苫裕君の質疑は終わりました。   〔主査代理久保亘君退席、志苫裕君着席〕

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 自治省関係の審議でございますので、与えられた時間がわずかでございますから、地方財政、地方自治法、これらのことにつきまして若干の質問をいたしたいと思います。  最初に、大臣にお伺いしたいんでございますが、これは、高度成長で国土が全く環境破壊をされた、こういうことで環境汚染というか、こういうことで非常な論議があり、臨時国会まで開かれましてこういうものについての法的な規制という、こういうことがなされたことはよく御存じのとおりであります。三木総理大臣もかつては環境庁長官であった、こういうことから非常に前向きにこれに取り組まれ、現在、三木内閣もまた、環境を保全するということにつきましてはどの内閣にも負けない厳しい姿勢であろうかと思うのでありますが、これは、国が取り組む姿勢はもちろんのこと、地方自治体もこれは同様に環境破壊に対しましては厳しい姿勢でなければならない、こう思うのでありますが、大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 環境破壊と言いますか、破壊に対する取り組む姿勢と言いますか、汚染を防ぐと言いますか、これはもう中央と地方とを区別すべきものではないと思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いま大臣からお答えがございましたが、しかるに、その慎重さに欠けておるということが問題になって、各市町村、地方自治体でそういうことがしばしば問題になるわけでありますが、これは、開発の進んでおるところとまた、そうでないところと地方自治体にもいろいろありますので、これはいろんな問題が出てくるだろうと思うんでありますが、私は、具体的な例を示しまして、地方自治体のあり方とか、こういうものに対する姿勢というものについて大臣にお伺いするわけであります。  茨城県の常陸太田市の茅根町、ここにゴルフ場の建設をめぐりましていろいろトラブルが起きているわけでありますが、八・三ヘクタールの市有地が業者に払い下げられようとしておる。これが大変な問題になっているわけであります。  これからその個々の問題については述べるわけでございますが、最初に、この問題きのうお知らせしておりますので、概略経過がどういうようなことになっているのかひとつ御説明いただきたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 御指摘のとおり、常陸太田市が市有地を四十九年十月二日、昨年の十月二日でございます。八・三ヘクタールの土地を八千三百円で売却をしたということを知っております。調査もしております。これは、最初、何か四十八年――いまから言えば一昨年でございますが、最初市有地を借りてつくるような計画だったらしくて、市有地に関する同意書の下付願あたりが出たりしておったんでございますけれども、その後何かいろいろ批判があったのかどうか、市有地を現実に買ってやるということになって、その契約が四十九年の九月十七日、昨年の九月十七日に仮契約ができ、それから、これは議会の議決事項でございましたので、十月二日に議案を提出して議決をされ、そして売却をされた。そういうふうに承知しております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 ちょっと農林省にお伺いをしますが、この、いま問題になっております市有地ですね、八・三ヘクタールの。これは国から、国有地から払い下げを受けたところでございますが、このいきさつについてお伺いしたいんであります。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) お答えいたします。  いま先生御指摘の林野は、孤立の小団地でございまして、昭和二十八年の十一月に旧国有林野整備臨時措置法によりまして、当時の久慈郡佐都村、現在の常陸太田市でございますが、そこに売り払ったものでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 その払い下げの目的ですね、それを払い下げた土地がどういうことに、使用目的といいますか、払い下げるときの目的があるわけですけれども、その辺ちょっと……。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) この森林につきましては、売り払いますときの条件といたしまして、十年間林業経営の用に供するということを条件にして、当該村に売り払ったわけでございます。その後、常陸太田市になりましたけれども、常陸太田市では、これにつきまして三十四年から三十六年の間に杉・ヒノキというものを造林いたしまして、林業経営を営んでおりました。ところが、いま自治省の方からお話ございましたように、昨年十月ごろこれが売り払われたというふうに聞いております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 ここは水源林、また採草林というこういうことで指定は受けていませんけれども、また、治山治水の上からいいましても、重要なところであるというところから、営林署の治山施行地、こういう形になっている。それからこの土地は、水源林という、こういう働きもあったはずですけれども、その辺はどうですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 先生御存じのように、森林につきましては、水源涵養、国土保全あるいは環境保全という公益的な機能をどの森林も持っておりまして、その中で特に必要なものにつきまして保安林等の指定をしておりますけれども、この地域につきましては保安林等の指定はいたしておりません。ただ、一部、営林署のほうで治山工事をやった個所はございますけれども、総体的には、先ほど申し上げましたような特に緊急に必要な個所ということで、保安林の指定はしておりませんが、一般的に、森林としては公益的な機能をそれぞれ持っておりますものですから、そういう意味からの管理としては、これらの森林につきましても十分そういう管理をしていく必要があろうかと思いますけれども、特に保安林の指定というところまでは至っておりません。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いま、林野庁からお話がありましたように、森林法の地域指定は確かにないかもしれませんが、しかし、この地形からいきまして、治山治水、また水源林としての適用地域といいますか、こういうことは言えると思います。これは十年間の拘束は確かに切れました、二十八年ですから。しかし、この土地というのは、いまも林野庁からお話がありましたように、治山治水の上からもまた、――どの山でも、そういう働きはあるんだという、関係ないみたいな話をしていますけれども、ここは、特に地形からいいましても、森林法の地域指定という、そういう厳しい指定はないかもしれませんが、森林法の適用地域として考えられる地域だと、このように思うんですけれども、どうですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 最近、林地の開発というものが非常に進んでおりますので、前回の国会で成立さしていただきました改正森林法によりまして、昨年の十月三十一日以来、普通林につきましても、開発につきましては十分な規制をするとい形にいたしております。その場合に、森林の培養保続ということは当然でございますが、それと合わせまして、水資源の涵養とかあるいは国土保全、さらには環境保全という観点から十分な開発規制を行いまして、開発をする場合には、一ヘクタール以上の地域につきましては知事の許可を得るという形にいたしております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 今度は、土地利用法、それからまた、改定いたしました森林法、こういうことからいいまして、こういう八・三ヘクタールという大きな土地が売買されるということは、これは問題があるわけです。けれども、これは、施行になる前に駆け込みで持ち込んだということもありますので、その期日のことについて云々するわけじゃございませんが、しかし、いまお話ありましたように、この開発行為を許可するかどうかというときには、この新しい改正になりました森林法からいいまして、第十条ですか、2項の二の「森林の現に有する水源のかん養の機能からみて、」云々という項目がございます。こういう点については、いままでと違って非常に厳しく見ていくという、水源涵養ということについて、国としての剣剣な取り組みからこの法律になったという、このように見てよろしいと思うんですけれども、その点についてはどうですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 先生御指摘のとおりでございまして、当該地につきましては、本年の三月十三日に開発許可の申請が受け付けられてりおます。したがいまして、当然県で審査をいたしますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような考え方で各県に対して指導いたしておりますので、この当該事件につきましても、該当県において、先ほど申し上げましたような考え方で十分審査するというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 要約いたしますと、これは業者が、ここにゴルフ場をつくるということになりますと、当然、県に申請をするわけでありますが、県の権限ということなんでしょうけれども、林野庁といたしましても、その地域のいま申し上げたような機能ということにつきまして、十分な調査の上、検討の上、これに対して、あるいはこの法に照らして、こういう水源涵養というこういう機能が乱されるということでありますと、許可等については非常に厳しく見なきゃなりませんし、それに対しては、もしそれに厳しく見ないような県の姿勢等がありましたら、やはり林野庁からも厳しく指導するといいますか、厳しくというか、指導するということは当然のことだと思います。これは開発行為の許可のもし申請があった場合のことですけれども、こういうことはいまお述べになったことの中から十分察しられるわけですが、そのように考えてよろしいですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 改正森林法の精神に照らしまして十分指導してまいりたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この森林につきまして、特に八・三ヘクタールというような残されたこの森林を大事にする。その周辺の状況等につきましても十分な管理をしなきゃなりませんし、治山治水やまた、いま申し上げたような水源涵養という、こういう点からいたしまして、この森林の持つ意味というのは、いままでとは違って非常に重要視しなければならないときに来ておると思います。まあそういう点で、その八・三ヘクタールというのは重要な意味合いを持っておると、こういうことを確認いたしたわけであります。  さて次に、この市有地が払い下げられるに至る経過でございますけれども、手続上の問題等若干問題があるんじゃないかと思います。で、まずこういう市有地の売却等につきましては、市議会に提出して議決を受ける前に仮契約をする。仮契約はしてもよろしいことになっているわけですけれども、ところが、この常陸太田では仮契約の四十九年九月十七日、そのときに全額お金が支払われているということがあるんです。こういうことになりますと、議決の前に支払いをしたということになり、これは地方自治法の九十六条に当然違反するんじゃないかと、こう思うんですけれど、どうでしょうか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) この契約の議決があった後に、市民連合鈴木さんという方外五名から住民監査請求がありまして、その中に九月十七日、つまり議会の議決は十月二日でございますから、それよりもはるかに前に代金受領したのはおかしいという指摘があったようでございます。で、これを調べましたところ、九月十七日というのは間違いで、十月一日の夕方五時過ぎに業者が小切手を持参して役場へ来たということでございます。で、議決は二日でございます。それで、十月一日に収入役がその小切手を受け取って、収入役名義の預り書を出した、一時預かっておくと。そして議決が済みましてから現金化を依頼して、代金受領は十月の七日になっておるそうでございますので、このとおりであれば問題はなかったかと思います。  なお、その監査請求につきましては、監査委員が――まあ先ほど言いました代金の先立って受けたということ以外に数点にわたって訴えがなされておりますが、監査委員が、これを監査結果して違法ないしは不適当なところがないということで、請求された方に通知をしておりまして、その後、住民訴訟の出せる期間に住民訴訟は出しておりませんので、一応その監査請求の問題も現在決着がついていると。調べた結果、こういうことです。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そこは非常に微妙なところでしてね。まあ論議のあるところだと思います。これはいろいろな手続を踏んだり、また地元でもいろいろなことをやっておるようでありますから、われわれが、それに対してどうこうということはあれですけれども、十月二日に臨時議会を開いて、そこで決めようというのに、一日の夜、まあぎりぎりになって――ぎりぎりといいますか、あやふやな疑義を持たれるこういう形でなぜしなければならなかったかというところにも実は問題があろうかと思いますし、まあ局長のおっしゃるように、私どもは私どもで、いろいろ聞いておるわけですけれども、そういうことをここで、ああでもない、こうでもないと論議しようとは思いませんけれどもね。市は市として――やはり後からは、いろんな形で――その当時こういうことをきちっと考えて、そして疑義のないようにすれば、何事もなかったわけですけれども。まあ知らないわけはないんでしょうけれども、事前にこういう問題を起こす、これは地方自治体としては非常にまずいことであり、当然地域住民としては、これに大きな疑義を持つのは当然だろうと思います。真偽のほどは私は、ここでどうこうとは言いませんけれども、こういう手続のあり方といいますか、こういう、いまそうでなくても環境問題等につきましては、非常に住民も神経とがらしておる。議会というのは、議員の構成によりまして議決するかもしらぬ。しかしそこに至る手続等につきましては、より慎重でなければなりませんし、特に地方自治法上からいいましても、厳粛にここはしなければならぬことですが、まあ聞いたら、こういうことで別に違反でないと思います、ということだけでは済まされない、やっぱりもっと地方自治体に対してきちっとした手続を踏むような指導をすべきといいますか、このように思うんですけれども、どうですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) もちろん、地方自治体がたとえば市有財産を売る、あるいはその地域のそういった林野をつぶしてと申しますか、ゴルフ場をつくることへの適否というような問題については、特にいろいろ議論も多いところでございましょうから、先生おっしゃいますように、あらゆる意味で疑惑を招かない慎重な配慮が必要だということは全く異論ございません。おそらくこの件に関しても、そういうもともと問題もありまして、市有地の使用に関する同意書が出てきたころから、その市でも何か議会で問題になったことだそうでございますので、そういう慎重な配慮は十分やったと思いますし、市議会で議決するについてもいろいろ議論のあったことと存じますが、それらはすべて御指摘のような慎重な手続をもってやられておれば、あるいはこういう問題にならなかった。その意味での配慮は十分に必要だと存じますが、まさにこれ地方自治の中身そのものでございまして、常々そういうものについては慎重にせいという指導は、私のほうもいたしますし、県を通じて指導もいたしますけれども、今後ともそういう点で間違いのないような指導はあらゆる団体に対してやってまいりたいと存じております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この間の、九十六条に違反するかどうかということについては、しかるべきところで判断するだろうと思いますが、ここは、先ほど林野庁からお話ありましたように、国有財産、しかも水源涵養という、こういう上からいいましても、治山治水からいきましても非常に大事といいますか、十分に考慮しなきゃいかぬ、ほかのところとちょっと違うわけです、更地なんかと。こういうことからいいまして、行政財産ではないかもしれませんけれども、まあ普通財産といたしましても行政財産に準ずるといいますか、このぐらいの考え方で慎重でなきゃならぬ。いま局長のおっしゃるように、これは確かに慎重でなきゃならぬのは当然ですが、特に国から払い下げられたところであり、確かに十年の期限は切れるかもしれません。しかし、そこの持つ意味というものを考え合わせますと、普通財産とはいいながらも、行政財産に匹敵するような考え方で真剣に取り組まなければならぬ。こういうことからいいまして、九月の定例会終わってすぐ臨時会を開いてというこういうことで、まあそれ以前からいろいろ問題あったんでしょうけれども、どうも力づくで押し込んだみたいなふうにしかとれない。非常にまずいことであり、また、こういう住民無視といいますか、このような形が行われておるということは非常に残念至極に思うわけなんです。いままでこういうことについては、自治省としても適宜指導してきたということですけれども、どうも、自治省が何でも口をはさむことはあれですけれども、こういう法に照らしてなすべきことはきちっとするような指導というのは当然あるべきだと思うんです。  ここのゴルフ場の計画につきましても、四十八年の三月ごろこの計画を県に出した事前協議の段階では、これは一応却下されておるんですね、県からは。ところが、そのうち市が、これ八・三へクタールを貸しますという、こういう公文書を出して、それに基づいて県の方もこれを許可するという、こういうこともあるんですね。私有地を、しかも八・三ヘクタールというこの土地を、先ほど来申し上げているような行政財産にも匹敵するようなこういう土地を貸すということだって九十八条に抵触するわけですけれども、こういった議会の手続も経ずして、そういう形をとって、そして認可をもらわせるような、こういうことをするということは、これはどこから見ましても、こういった行為は、これは厳しくされなければならないんじゃないかという、このように考えるんですけれども、この辺はどうでしょう。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 恐らくこれ地元では大変に影響のある問題でございますので、いま先生の御指摘になったような見地も踏まえて大議論があったというか、いろんな議論があったんではないかとわれわれの方は想像するわけでございます。御指摘のように、重要なことが簡単にすらすらっと決まるとも思えないわけでございまして、恐らくそういうことがあったろうという気はいたしますが、いずれにしても、そういった重大な問題を踏まえての地元の手続というのは十分慎重でなければならない。まさにおっしゃるとおりでございまして、これは、市町村が自主的に判断なさることでございますけれども、いやしくも法規に違反しないように、ないしは手続は慎重にするようにということは常々指導してまいったところでございます。今後もそういうふうにいたしたいと思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 非常に微妙なところですから、ここで結論を急いでどうこうということではございませんが、自治省としましては、自治法上に疑義があり、問題があることについては、ひとつ厳しく対処していただきたいと思うんでありますが、またしばしばこういう問題が起きた、開発とか、こういう問題が起きたときには、そこの市町村の中の一つの部落といいますか、限られたある集落、そこに大きな影響が及ぶという、こういう問題が起きるわけですね。そして議会の議決ということになりますと、ここから代表している議員がいらっしゃらないとか、ここの住民の方々の声が十分に反映しないとか、そういうことで時間がたてばたつほど、それが燎原の火のごとくにいろんな問題になるので、短兵急にこれは押し通したのかもしれません。まあいろいろな憶測ができると思いますが、地方自治法の第二条の、これは地方自治の根本精神になるかもしれませんが、地方公共団体は、「地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持すること。」と、うたわれておりますね。こういう精神からいきまして、やはり集落また部落、これは大きな町の中の、大きな面積の中のある集落かもしれません。しかし、この自治法の精神からいきまして、そういう人たちの意見も十分にこれは聞かなければなりませんでしょうし、その声も反映しなければなりませんし、また問題があるならば説得もしなければならないだろう。こういう観点から見まして、どうしてもこういうふうな開発等の場合には、力の論理といいますか、住民の少ないところについては押し切られてしまうきらいがあるわけですけれども、こういうことについては、やはりその地域の声が十分に反映する、こういうことについての配慮といいますか、こういうことについては自治省はどうお考えなんですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 現在の地方自治制度が、こういう意味での代議制をとっております関係上、先生の御指摘になった問題は常に起きるわけでございます。たとえば、一番典型的に起きるのが、ごみ処理場みたいなものでございまして、それをつくるというと、被害を受ける地域はほんの限られたところだと、そこでは強い反対があっても、それを代表する議員は一人しかおらぬというようなことでなかなか――全体の多数の力で押そうと思えば、ある程度反対を押し切っても無理が通る。構造的にそういう点は避けられない運命だと思いますが、それらを、いまおっしゃるような点を十分配慮しながら、全部円満に片づけていくのが本来の地方自治の運営でございまして、たとえ少数といえども、本当に利害関係がそこだけに集中しているようなものについては、その地域の人の立場に立って考えるということを議員さん全体がやっていただかなければならない。そういうむずかしい問題は常に伴いますけれども、それらを克服して全体の福祉のために忍ぶものは忍ばなきゃならないかもしれませんけれども、その特に限られた地域を不当に虐待するといいますか、苦しめるとかいうようなことがないような運営を図っていかなければならない。まさに御指摘のとおりでございます。それについては、常々そういう線で、私の方あるいは県を通じて市町村の自治運営がうまくいくように、指導をさらに強めてまいりたいと考えています。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この地域の人は、およそ三百人から超す方々が関係していらっしゃる。ここを流れる間沢川というのがあるわけですけれども、この下流の方におよそ十五町歩からの――十五ヘクタールからの田園がある、こういう環境の中ですから、いま局長のおっしゃるように、当然これはこれらの方々の声も反映されなければならぬわけなんです。しかし実際、そういうことをやっておりますと、時間がかかるのかどうなのか、いろいろなことがあって、これを押し通そうということとしか思えないこういう行為、自治省としては確かにこれは今日までも指導してこないで怠慢だと私、申しませんけれども、いまだにこういう問題があとを断たないということは非常に問題だと思います。  またもう一つ。この前、岩手県へ参りましたら、北上市で、東北縦貫道の高速自動車道に伴う流通基地ができるわけなんですけれども、これは九十九ヘクタールという大変なところですが、ここへ県営の灌漑排水事業で工事やっておりました、国や県の金をかけて。そこが今度は計画変更になって、そしてそこに流通市ができる。九十九ヘクタール、相当な優良農地です。地域指定もあるわけでありますが、ところが、県の第三セクターである岩手開発、これが農地法の十分な転用の申請、これもなされないで、用地買収に入る。これはまあ普通の会社ならいざ知らず――ということはございませんけれども、普通の会社でも大変ですけれども、第三セクターでさえもこういうきちっとしたことをいたしませんで、地元で大変な問題になっておる。自治省の奥深くにいらっしゃると、ちょっと考えられないような事実があるわけなんです。そしてこの既成事実をつくって、その上に立って、自分たちの意思を通していこうという、こういうことがまかり通るようなことでは――これは地方自治体の問題で、国が、不当なことはくちばしをはさみませんとか、こういうことを言いましても、これはもう少しこういうことの根絶といいますか、もうそんなことを押し通すような時代じゃございませんし、十分にこれは考えていただかなけりゃならぬ問題です。こういうこと等も踏まえまして、こういう既成事実等で住民無視といいますか、その目的が簡単に変更になったり、地域住民の声が反映しなかったり、これは一地方自治体の問題だけではなくして、やはり自治省としても真剣にこういう問題については対処しなければならない大事なときを迎えておるのではないか、このように思うわけです。まあこういうことにつきまして、局長と大臣の一つ所見といいますか、お考えをお伺いして、もう時間もございませんので終りたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 先生、いま自治省の奥深くと言っていただきましたけれども、私も、地方行政を現実に経験してまいりまして、県も三つほど勉強させていただいたわけでございます。そのときにやはり行政をやる者として一番の悩みというのは、やっぱり相当広い範囲の大きな利益と、それからそのために一部の範囲に与える犠牲、その調整をどうするかというのが一番いつも気持ちを悩ますといいますか、解決のやっかいな問題でございました。恐らくいま御指摘になりました東北縦貫道の問題については、私は現地の状況を知りませんので論評は避けたいと思いますけれども、恐らく東北縦貫道を通す、あるいはそこに大きな流通基地をつくるということは、これによって利益を受けるというか、福祉を増進する人たちも相当たくさんおられるのではないか。同時にまた、それがその地元にとっては大変な優良な農地を失うという地元への犠牲を強いるということになるだろうということでございますので、その間の調整、これが実際行政に課せられた最大の責任であると存じます。そこで、その責任を果たすに際しまして、大きな利益を追求する余り強引過ぎてあっては、これは決していいことではございませんが、さりとて一部の地域だけの声に耳を傾けて、その仕事が進まないとすれば、また全体の大きな利益を失うということにもなります。その間の配慮というもの、それこそが本当の国の行政であり、かつ自治行政も同様でございますが、常にそれを配慮してまいらなければならないことだと存じますので、私の方が今後さらに指導を強めていくということにつきましても、全体の利益、大きな利益と一部の犠牲というものとの均衡をいかにバランスをとっていくか、そういうことに最も、何と申しますか、広い目で見ての重点的な配慮を払ってまいる、それが必要な配慮ではあろうかと存ずる次第でございます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま局長からもお答えをいたしたところでありますが、国全体の利益を守ることと当該地域の利益を守ることとの利害の問題は常に出てきておるところでありますが、しかし、余りにも国を尊重することによって地域の利益を阻害するようなことがあってはならないという気持ちは十分理解をいたしておりますので、今後ともそういうような気持ちで施政に当たりたいと考えておる次第でございます。

志苫裕日本社会党

○主査代理(志苫裕君) 以上をもちまして藤原房雄君の質疑を終わります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 自治大臣に最初にお伺いしますが、昨年の参議院選挙のときに、堀米選管委員長が企業ぐるみ選挙について異例の警告を行いました。その内容について大臣のまず御見解を聞きたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 選管の委員長が企業ぐるみ選挙について談話を発表されたところでありますが、われわれは、企業ぐるみ選挙といってもいろいろのケースがあるのでございまして、企業が選挙活動を絶対にしてはいけないとは考えておりません。したがって、問題は個々のケースを、ケース・バイ・ケースといいますか、その事態に応じてこれを判断をし、そうして行き過ぎがあればこれを是正する、こういうことで臨んでまいりたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 個々のケースとおっしゃるわけですが、それでは具体的にどのように実態を掌握をする努力をなさっているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 実態の把握を、私は、これは事象として新らしく起こってくるものでありますから、過去においてどういうことがあったかということは別といたしまして、今後どういうふうにするかというようなことは、また別の形態があらわれる可能性がありますから、そのときどきに応じて処理をいたしてまいりたいと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 現在統一地方選挙、すでに知事選挙が始まっています。そして次には府県会議員その他地方議会の統一選挙が始まるわけですが、そういう段階で企業ぐるみ選挙が激しく行われております。  具体的にひとつ実例を示して見解を聞いていきたいと思うんですが、一つは、新日本製鐵の広畑製鉄所であります。概要はすでに政府側の方にお知らせをしてありますから、かいつまんでその特徴を挙げていきたいと思うんですが、姫路の市会議員選挙ですが、これに向けて、一つは企業内候補の四名に対して――広畑製鉄所が推薦をしている四名の候補者に対してのみ構内事務所を貸与する、こういうことが行われております。広畑製鉄所における現在のまだ働いている労働者及び関係者を含めまして八名の立候補予定者があります。わが党も、また公明党からも立候補を予定をしておりますし、そういう方々がおるんですが、その中の四名に対しては企業が推薦をして、そしてその選挙事務所といいますか、選挙の選対事務所、これを認める、そして作業長やあるいは組合の支部長を各選対ごとに勤務を変更させて昼、常に勤務ができるような常昼――常に昼勤と、この勤務に変更する。そして通常業務はやらさないで、その選対本部につききりでやっているという状況です。給料を会社で持って、そして選挙準備運動に専念をさせる、こういうことを行っています。それからさらに、従業員の家庭を次々と訪問をさせるという、そういうことを行っています。いろんな資料ありますが、そこでは家庭訪問の手引きをつくっています。  どういう形でやられるかと言いますと、何時間、〇〇時間無災害達成記念品というものを持っていくわけですね。それは工場ごとに、大体作業長と組合の役員がペアで家庭訪問をする。持っていく記念品は大体二千五百円相当のすき焼きなべとか、あるいはてんぷらなべ、くつ下、石けん、こういったものを持っていって、そして日ごろの安全活動に対する労をねぎらう。そしてその記念品を渡しながら企業の推薦をする候補者について協力を依頼をする。そして親戚や知人その他の名簿を出さす、そして一緒に行ってもらう。具体的に選挙運動に協力を作業長と組合の役員が行ってやるわけです。こういう状況が起こっています。あるいはまた、非常にひどいのは昇格試験があるわけです。昇格ですね。労働者が職長になる、あるいは作業長になっていくというようになりますが、その昇格試験の際に面接をやる。面接の際に、あなたは議会制民主主義を守るところのこの広畑の企業が推薦をしている、そういう組織内候補についてどう思いますか、という質問をするんです。こうなりますと、昇格試験に合格しようとすると、いやでもおうでも自分の思想、信条は抜きにして、当然支持をします、と言わなきゃ、これは昇格をしない。事実そう答えた者だけが昇格しているわけです。こういう状況も起こっているんです。  片一方では、そういう労働安全運動の協力をしてもらった記念品だといって、二千五百円相当のものを持っていく買収選挙。それから片一方では、こういう昇格をえさにして、そして選挙運動に協力をさせる、支持を強要する、こういうことがやられている。あるいは、社内報がありますが、社内報でも、それを通じて、これは冷延工場のニュースですが、それでも、特に企業の推薦をしている候補、これの宣伝ですね、これを繰り返す。まさに企業の総力を挙げて選挙活動が行われているんですが、私は、これらすべては、利益誘導やあるいは選挙の自由を妨害をする、そういう選挙違反の疑いがきわめて濃厚だと思うんですが、この点についてはどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたが、いわゆるこの企業ぐるみ選挙ということが言われますが、いろいろ批判があったわけでございます。しかし、その態様はさまざまでございまして、一定の形で定義づけられるようなものがあるわけではないと思うのでございます。ただ、その内容はいろいろと、企業所属の個人が自由意思に基づいて個人として行動をする形と、企業の意思決定に基づいて、あるいは企業の組織等がそれに参加をすると申しますか、そういう形態とか、いろいろ言われておるようでございます。ただ、いずれにいたしましても、個人の自由意思に基づいて法令で許された範囲内で行われる限り、これは一つのそういった政治活動といったような形のものは自由であると考えます。また、企業がその意思決定に基づいて関与することは、企業のいわゆる権利能力の問題であろうかと存じますが、企業は社会的な実在といたしまして、その企業の定款で明示された範囲内の行為のほかに、その社会的役割りを果たしますために、相当と認められる範囲内の行為というものは行うことができる。そういった意味で政治献金等もできるというふうに解されておりますし、また、国や特定の政党の政策を支持、推進あるいは反対をするなどの政治的行為をする自由というものも有しておる、それは自然人たる国民と同様に持っておるんだというふうに解されております。これは四十五年のいわゆる八幡判決等でもそういう判示があるわけでございます。  ただ、いま具体的ないろいろな事例をお示しいただいたわけでございますけれども、いま申し上げましたような意味で、企業がある程度政治的な活動ができる、あるいは企業の中で通常の方法である候補を推薦するということもこれは許されておるわけでございますが、そういった点からすれば、たとえば事務所あたりを貸与をすると申しますか、そういう事例をお述べになりましたが、そういうことも許されることだと思っております。職員をそれに従事をさせるという事例を挙げられたわけでございますが、これも先ほど先生も御指摘いただきましたが、特別な関係を利用して利害誘導というかっこうでやるとか、あるいは選挙の自由妨害に当たりますような威迫をするといったようなこと等がございますれば別ですが、一応本人の意思で会社との了解のもとで従事するということが直ちに違法かどうか、そこの実態をよく聞いてみないとわからないわけでございますが、全部が違法であるというようなふうには感じないわけでございます。  それから、従業員の家庭訪問というようなこともございますが、私も、それが実態がどういう形でなされたのかわからないわけでございますけれども、何か、交通安全運動のための労をねぎらうと申しますか、そういうことでやっておられるということで、果たしてそれが真実どういう意味のものであったかはちょっとお聞きしただけでは私どもも判断はできないわけでございます。そのほか、昇格試験の問題等もお話がございました。これも実態上よくわからないので判断もいたしかねます。そのほか、社内報の問題がございますが、これも通常の形で推薦をしたことをいわば適格紙で、通常の方法で知らせるということであれば別に問題がないというふうに考えるわけでございます。  総じて、全般的に、そういう企業の活動というものが候補者とどういうふうに結びついておるかということは、やはり個々のケースで考えるべきでございまして、企業が何もできないというわけではないけれども、ただ、その企業の中で特別な直接の利害関係を利用して利害誘導をするとか、あるいはまた二百二十五条にございますように、当選人を威迫する、あるいは選挙運動人とかあるいは公職の候補者等に威力を加える、そういったようなことをいたしますと、これは明らかに違反になるわけでございまして、個々のケースについてこれは判断せざるを得ないと思うわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 警察庁の方の見解はいかがですか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) いまの件に関しましては、警察といたしましては現在のところ具体的な事実関係を把握しておりません。こうした行為につきまして、違法になるかどうかという点につきましては、それぞれの行為の実態に即して法に照らして判断すべきであると思いますので、そうした具体的な状況が判然しない限りは、ここで直ちにはっきりした見解を申し上げることはいたしかねますけれども、一般的にはただいま選挙部長の言われたような判断に立って考えるべきであると、かように考えます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 具体的に、先ほど言いましたように、安全運動に協力をしたという口実で、そういう名目で二千五百円相当の品物を持って訪ねて行って、そうして選挙に対する協力を要請をする、そういう行為ですね。これは実態に即して――実態をまたつかまなければならぬというようにおっしゃるだろうけれども、それは買収ですね、こういったような違反のおそれのある行為ということは言えるんじゃないですか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) そういう関係者が、個々に訪問して物品を渡すということは、一般的に申し上げまして、選挙運動の場におきまして、投票獲得の意図があったり、あるいは買収というふうな趣旨が関係者の言動その他からはっきり立証できれば、これは当然違反行為として論議すべきであろうかと、こういうように考えますけれども、一般的な形態に対する判断と、捜査上やはりそうした具体的な事実関係をつかんでの判断ということは、やはりどうしても異なってくるわけでございまして、そうした意味におきましていまおっしゃったような現実の行為は、どうした具体的な状況のもとになされるか、その事実関係の把握がはっきりしない限りにおきましては、はっきりした見解ということはなかなか申し上げられない段階であろうと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、事実関係をつかむために調査はなさるんですか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 現在までのところ、警察といたしましては、そうした事実関係をつかんでおりませんでしたから、ただいまいろいろお話がございました点につきましては、関係の警察の方に連絡いたしまして、その措置に任せるようにしたいと、かように考えます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは新日鉄だけではありません。川崎重工の神戸の工場でも同様のことが行われております。出張扱いで勤労課の職員を選挙の専従にする。そうして二月末には勤労課から各職場長あてに指示文書、これを出しまして、そうして後援会が主催する集会への出席依頼の文書を本日中に配布をするように通達をする。業務命令ですね、こういうことをやっている。そうして一日動員に対しては一日五百円の実費支給という形で行われる。それをさらに下請企業に対しても、勤労課が窓口になって、そうして支持者名簿の提出を要求をする、こういう状況が行われている。私は、これは、下請企業との関係から言いましても、いわゆる選挙の自由の妨害にも該当する重大な行為だというふうに思います。  さらに、こういうこともあるんですね。これは岡山クラレの工場ですが、ここでは工場長名でことしの三月十二日付各部課長あての文書です。それは「地方選総決起集会開催の件」ということで、そうして三月十七日の十六時十五分から十七時十分まで、場所は体育館、参加者は従業員及びその家族、工場内関係会社従業員。参加要領はどうかと言いますと、各部署は十六時に作業を終了し、帰り支度をした上団体で入場してください、こうなっております。ですから、仕事を早目にやめて十六時には全部――それぞれの場所で仕事を全部やめて帰り支度をして、そうしてちゃんと十六時の十分が就業完了目標と、こういう目標まで出して、そうして整列をして来なさいと、それで集会場では、それぞれの職場ごとに座る場所が決められておる、そういう状況ですね。こういうことがやられております。  私は、これはひとつ大臣に御意見聞きたいと思うんですが、働いている労働者が、そういう職制の人から選挙の協力を言われる、これについて断りたいと思っても断るのが非常に困惑をするとか、あるいはこのように工場長名で通達が各課長に出て、そして各課長から、職場の労働者に、きょうは四時じまいだと、そして四時に終わったらみな帰り支度をしてここへ集まれ、整列をして体育館の集会に行くんだと、こう言われたら断りにくい、断るのに困る。こういう状況になる人が相当出てくるというように思うのですが、この点はいかがですか。常識的に考えて私は大変だと思うんですが、ちょっと大臣。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、その具体的な例についてとやかく申し上げるわけには、まだ事実を認識してませんから言えませんが、こういう、どこまでが限度であるかということは私は、なかなかむずかしい問題があると思う。多数の人が仕事をしておる、たとえば組合なんかでも、きょうは午後はみんなで集まってひとつそういう話を聞こうじゃないか、というようなことをするのがいけないのかどうか、あるいは各課でもって、きょうはそんなこともあるからというような話があってもそれを縛らなければ――私は、必ずしも選挙違反というような形ですべきかどうか、これは非常に問題があると。私は、そういう意味では選挙というものはできるだけ自由にしておいたらいいと思う。何も、そんな会合出たからといって、その人に投票、必ずそこへ出た人がみんな投票しているとは、私は、そういうことがあったとしても、考えておりません。それは中へ入って、われわれでも例がありますが、どっちにしようかなと思っててだな、あのあんどんの中に入って、違った者を書いたりすることもあり得るんで、そんなことを一々縛るなんて、そんなことはできるもんじゃないですよ、個人の意思というものは。だから、それは限度を、ものの限度というのがあるんで、あんまり、そういう意味で規制することがいいのかどうかということは、私はいろいろ問題があるのではないか、自由を認めるという意味で。たとえば、そういうときに出て来なかったから、おまえは免職だとか、こういうことをもって威圧を加えたり、そういうことまでやれば、これは当然いけないということになりますが、集まってください、ということを書いたからといって、それが果たしてなるのかどうか、そこらが非常に疑義があると思います。あんまり自由を、選挙の政治意識を高めるという意味から言っても、私はそういうことは余り制限はしないほうがいいんじゃないかという感じを持っています。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃね、大臣、一般に会社に雇用されて働いている労働者が、課長から、こういう選挙の問題でも、自由だけれども、ぜひ出て来てくれと、それはあなたの自由ですよと、いろいろな言い方もするでしょうが、しかし、あの給料上げてもらう、あるいは昇格をする、こういう考課の基準ですね、これはそういう職制の人が持っているわけでしょう。で、実際上はそれがどれだけの影響を与えるかどうかは別にして、課長の機嫌なり、上におる人の機嫌を損じたりしたら、自分は損をする、ひどい目に遭ったらかなわぬ。――あるいは少なくとも損をしたらかなわぬ、こういうふうに考えているのが一般の常識でしょう。私そう思うんですが、その辺はどのようにお考えですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、そのように思って出たからといって、そのように思っている人が出ても、反対の方に書きますよ。それから、大体そういうことをやれば、組合が許しちゃおかない。なかなか、そういうことについてはまた敏感ですからね、そっちの方からも反撃があるわけだし、えこひいきをしたというようなことになれば、それは、私は、そういうことが起きると思いますよ。だから、まあ、出ないと昇給はストップしますよって、こう出れば、これはもう明瞭に、はっきりしてきますけどね。私は、そういう意味では、そんな強制ということが明らかにならない限りは、そういうことはあったって、特別私は、悪いとは思っておりませんね。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ、強制だと感じようが感じまいが、あるいは強制しようがしまいが、いずれにしても、言われた当の労働者というか、本人の方は、その点で不安を感じたり、あるいは困ったなあということに、自分の意見、意思と違う場合ですね。しかし、はっきりとそれを言い切ることができない労働者というのは、まだまだたくさんおる。これは大臣もしょっちゅう言ってますわね。国民は、もっとしっかりせないかぬ、したら選挙違反はなくなるんだ、汚ない選挙はなくなるんだ、とおっしゃるぐらいですから、そういう人たちがまだまだたくさんあるわけです。しかも、この場合は、企業と組合とが一緒になっているんですから、組合の方からも問題は出てこない、組合の方からはね。だから、それに、いやだと言うとすれば、本人だけが言わにゃいかんわけですね。これは相当勇気が要ることになる。そういう状況なんです、このいま言いましたところの状況は。こうなると、不安を感じたり困惑をする。あるいは、たとえばもう具体的に昇格試験の面接の際に、面接試験でそういうことを言われれば、自分の自由な意思を発表して、どうのこうのと言うこともできない。そういう不安あるいは困惑――困ったと思う、それは当然だと思うんですよ。この点もお認めになりませんか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、いまの状況では、どっちが強いかというと、社長なんかの言うことよりは組合の言うことの方がよっぽど強い。だんだん、組合の労働者の言うことの方がむしろ、まかり通っておる時世になりつつあるので、むしろもう対等までになってますよ。そんなことを心配して、出て行ったからったって、こたえようなんて考えていやしません。いまみんなだんだん意識が高まってきた。労務者というか、労働者の意識が高まってきた。私はそう思っております。実際にはそんなことはあっても、いや私は、あんなことを言われたけど、なに、入れやしませんよって。よく私のところなんかでも、まあそんな例はあれだけれども、繊維工場なんかで、工場長があんなことを言ったけれども、あんな者に入れるものかいと言って、私らのところへ言うて来る者がたくさんいますよ。だから、そんなことで自由意思を縛られるような時代じゃなくなってきた、いまは。私はね、そういうことをやって、かえってマイナスになる場合もあると思うんですよ。威圧を加えられた、何だ、という反発の方が強い場合がある。これは、労働組合運動をしても同じことはあるんですよ。組合運動したからったって、何言ってんだと、おれはおれの自由だ、というわけで、逆の方へ入れる場合もある。私は、余りそういうことは考えないでいい。しかし、強制をしたり利益誘導を完全にしたという証拠があれば、これはどうしても処置をしなければならない、こう考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、強制をしなくてもその本人が不安に感ずる、困ったと思う、こういうことになれば公選法の二百二十五条の三号の選挙の自由妨害に該当するというように思うんですが、もう一度大臣、ちょっとその点をお伺いしたいと思うんですが。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 先ほどからのお話のように、たとえば管理職のある者が、従業員に対して優位の立場にあるといったこととか、あるいはまた親企業あたりは系列会社に対して優位な立場にあると、そういったことが自然と起こるのではないかというような話でございますが、大臣から申し上げましたとおり、選挙投票というのはこれは確かに自由なわけでございますから、個々人が自由に投票したらいいという前提を一つ置いた上で、そういった場合に、いまおっしゃいましたような二百二十五条の場合は下請会社等の例が当てはまるだろうと思いますけれども、利害関係を利用して威迫をするというようなことが事実上あれば、これは違反になると思うんでございます。ただ実際上、どういった形態でやったのか、ただ集まって、みんなの意思でひとつこう推薦しようというようなことでもやっておるようであれば、別にそれは問題にならないと思うんです。あくまでも、そこは事実関係に即して判断をせざるを得ないというふうに考えます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最高裁の、三十六年の十月三十一日、最高裁の第三小法廷で、威迫とは、不安というか困惑の念を抱かせ、選挙の自由を妨害する行為というように判決を下しています。ですから、この威迫とは、そういう優位の立場にある者が選挙運動で行なう。そうして相手の者に、不安なり困ったという気持ちを持たせたらそれ自身がもう選挙の自由妨害の行為なんだと。これがこの三十六年十月三十一日の第三小法廷における判決になっています。ですから、私は、これらの問題は、そういう優位の立場にある者が仕事を、しかも早目にやめて、企業と組合が一緒になって決起集会に参加をさせる、しかもそれはだあっと並んで行くんですよ、昔の軍隊のように。だから、だれが来たか、来ていないか全部わかる、課長が引率するんですから。自分の職場で来た者はだれだ、来なかった者はだれだかわかる、そして集合させるんです。これに反対をしてやるというのは大変なこと、不安や困惑の念を持たざるを得ない、あたりまえのことだと思うんです。私は、この点ではきわめて――こういう選挙の自由妨害の行為が先ほど言いましたように三カ所ありますが、そのほかにもあります。親企業ぐるみの選挙、そしてまた企業と労働組合がより合体をしてやった場合には、ますますこの選挙の自由が妨害をされるということになってきているんです。ですから、少なくともこの点について私は、厳正な選挙を、そして自由な選挙を保障する。そして三木内閣は、このきれいな選挙を推進をするために特別に予算もふやしているわけですから、そういう立場から言っても、警察当局も、これについて厳正なひとつ調査をし、そしてその実態に基づいて違反行為については警告をし、またそれに対する適応した処置をとるべきだと思うんですが、こういった点についてのひとつ御見解を聞きたいと思うんです。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 警察におきましては、今回の統一地方選挙に関しましても厳正公平な立場で、違反についての取り締まりを行っているところでございますが、そうした取り締まり過程におきまして、そうした具体的な違反容疑が出た場合には、それぞれの行為を法に照らしましてひとつ厳しく取り締まりたいと、こういう方針は今後とも貫いてまいりたいと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま挙げたたとえばクラレの岡山工場のこれは、三月十七日やられたことですが、これについては調査をされますか。そしてその点について報告をしてもらえますか。

平井寿一警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(平井寿一君) 選挙違反の取り締まりで、違反行為の実態というものを、広く的確にとらえるように努力しておるところでございますけれども、違反自体が出た場合に、その都度取り締まり側にそれが入るとは必ずしも限らないわけであります。しかし、根本的には、いま申し上げましたように的確に違反の実態に応じて取り締まりを進めていく、こういう立場に立っておりますので、いま申し述べられました点につきましても、そうした具体的な容疑点が把握されましたら、これは法の適正な執行と、こういう立場に立って対処してまいりたい、そういうふうに考えています。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 法務省見えてますね。――三月二十五日付で、日本共産党岡山県委員会の委員長峠田氏の告発が岡山地方検察庁にされていると思いますが、それは御存じですか。

土肥孝治法務省刑事局参事官

○説明員(土肥孝治君) お答え申し上げます。  本年三月二十五日、日本共産党岡山県委員会委員長が告発人となりまして、岡山地方検察庁に、株式会社クラレ岡山工場長の北村修を公職選挙法違反で告発されたという事実がございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まだ告発をして日がありませんから、これから、すでに捜査を開始されておると思いますが、昨年の参議院選挙は、御承知のような金権選挙で、国民の大きな批判を受けたわけです。私はこの金権選挙を生み出す根本に二つの問題がある。一つは政治献金の問題ですし、一つは企業ぐるみ選挙です。したがってきょうは企業ぐるみ選挙の具体的な実例を三つの工場を例にして明らかにしたわけですが、先ほども言いましたように、三木内閣がきれいな選挙を目玉の一つにして取り組んでおられる限りは、これはこういった問題についてもひとつ厳正に調査をし、そして法違反の容疑については迅速に処置をしていく。こういうことが何よりもこういった事態をなくし、そして正常な状態、正しい選挙、自由な選挙に引き戻していく非常に大事なかぎだと思うんです。私は予算を増額するだけ、啓蒙するだけじゃなしに、そういった事態について、事実について厳格に調査もし、そして厳正に、選挙の自由を妨害をするような行為を許さない、あるいはまた買収選挙を許さない、こういう態度こそ必要だと思います。したがって、この点を最後に特に要求をして、そして大臣の方からひとつ見解をお聞きをして終わりにしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいまお述べになりました御趣旨についてはわれわれも同意でございます。そういう考え方で臨んでまいりたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 私は、時間の関係もありますので、公職選挙法の関係一本にしぼって、主として大臣の見解をただしたいと思います。公職選挙法の改正は、三木内閣の一番大きな公約の一つであります、今国会の焦点の一つでもあるわけですけれども、政府が改正案をいつ提出をされるのか、まずその時期についてお伺いをいたしたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御案内のように、三木内閣といたしましては、選挙の公正を期する、また選挙の腐敗を防止するというようなたてまえから、党と連絡をとりましてそうして改正案の要綱はもう決めたわけでございます。そしてきょうは、各党首に対しても会見をして、ひとつ理解と協力をお願いをいたしておるところでありまして、党首会談が終わった段階において、政府としていつ提出するかということを決めますが、もういつでも大体提出できる準備はできていますから、これは閣議を必要としますから、場合によっては、一日の閣議になるか、あるいは四日になりますか、来週中には遅くも提出することに相なると存じます。

和田春生民社党

○和田春生君 そういたしますと、準備はすでにできている、来月の一日もしくは四日の閣議で決めて提出をすると、そういう段取りであるというふうに確認してよろしゅうございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私としては、その方針でいま進めております。

和田春生民社党

○和田春生君 そういたしますと、その準備をしている政府案の内容でありますが、公職選挙法の改正については、多くのポイントがあるわけです。具体的な個々の内容については、提出をされてから審議をされるわけでありますからお伺いいたしませんが、項目的に並べて何と何が入っているのかということをお伺いいたしたい。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 自民党の方でも、大体総務会まではっきりしたものをつくられましたので、大体そういうことを尊重しながら、私どもとしては準備をしている。いろんなことが想定されますので、いろんなケースを考えながらやっておりますが、主な内容は、一つは、衆議院の定数是正の問題でございます。これは衆議院の公職選挙法の特別委員会の小委員会である程度各党合意された範囲がございますので、そういった定数是正の問題が一つと、それからもう一つは、いまのこの法定費用の基礎になりますいろいろな費用弁償とか――宿泊費の代金とか等の費用弁償あるいは労務費といったようなものが実情に合わないと、昨年の通常国会でかなり引き上げたわけでございますが、その後の情勢から見て、もう少しこれはやっぱり引き上げるべきじゃないかということにいたしております。――それと同時に、この法定費用というものも勢い上げるということになる点が一点でございます。それから、供託金が最近の実情から見てかなり低いのではないかという声もございますので、これを引き上げるということも考えておるわけでございます……。

和田春生民社党

○和田春生君 途中ですが、わかっていますから供託金とか法定費用の改定とかいうふうに項目を言ってもらえばいいです、説明は要りませんから。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) いまの供託金の問題、それからもう一つは公営を拡充したいという問題でございます。それからもう一つは、非常に金のかかり過ぎるというようなことでいろいろ話題がございましたので、一定の場合を除いて寄付の禁止をいたしたいと、選挙区における寄付禁止という項目が一つございます。それから選挙時においては、非常にビラ公害と言われるような状態もございますので、機関紙の号外等について規制を考えておるという点がございます。それからあと、金のかからぬという意味では、解散電報といったようなものがめちゃくちゃにやられるということは、これはやめたらどうであろうかといったようなことも検討しておるところでございます。それからもう一つ大きな項目として連座制をいまよりも強化をしようという点がございます。  主な点は大体以上でございます。

和田春生民社党

○和田春生君 そういたしますと、かなり技術的な問題も入っておりましたが、私が、参議院の予算委員会の総括で三木総理にもお尋ねをしたときに、ポイントとしては、衆議院の定数是正、それから参議院の全国区のあり方、参議院の地方区の定数、それから金のかからない選挙、政治資金の規制と、そういうような問題があったわけですが、参議院の全国区制並びに地方区の定数の問題については、政府の予定している公選法改正案の中には入っていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 御示しの点について問題がいろいろあることは、従来から議論されておるわけでございますけれども、それだけに大改正をやるということになりますと、いろいろな意見がございますので、現在の要綱の中には、今後さらに十分検討をもう少し進めるということで入っていないというふうに御理解いただきたいと存じます。

和田春生民社党

○和田春生君 それでは、これは大臣にお伺いしたんですが、政治的な問題として今国会で衆議院の定数の是正という問題は取り上げられることがほぼ確実になった。定数ということになると参議院の地方区もあるわけです。参議院の地方区の定数の是正という問題は今国会中に出すのか出さないのか、政府としての腹をお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) この参議院の地方区の定数是正の問題は、これは性質が違う面もありますけれども、全国区の問題とも関連して参議院制度の問題にも関連しながら考えておりますが、この参議院の全国区の問題につきましては、いろいろ議論もこれあり、自民党の参議院の議員の意向等も十分承ったんでありますが、議員側におきましては、まず今回は少なくとも地方区の定員の問題は見送るべきである。しかし、これは研究をする、また同時に、全国区の問題についても比例代表等を今後の問題として研究をする、こういうことに実はいろいろずいぶん折衝をいたしまして、三木内閣としては、何とかこの問題にも手を染めたいという考え方で、総理が発言をいたしておったところでございまして、そういう方向に向けないかどうかということを言ってみたのでありますけれども、どうしてもいまのところ意見の一致を見るに至っておりません。いろいろの意見がございまして、したがって、今後の課題とするということで研究を続けていくということにいたしたわけでございます。

和田春生民社党

○和田春生君 そうしますと、当初われわれが承知しておったところによりますと、政府与党の中では、参議院の全国区のあり方と衆議院の定数是正と、これはワンセットにして考えたいという意向が強かった。今度それが切り離されて衆議院だけは定数是正が公選法で用意されている、今度は参議院では地方区の定数というものが一つ戻っているわけです。そうすると、これは政府の方針としては、参議院の全国区と地方区の定数というものをワンセットとして考えていきたいということに、いまちょっとそうも受け取られる御答弁があったんですが、そう理解してよろしゅうございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  参議院の比例代表の問題と定数是正を一括するということでやっておったんであります。私は、実を言いますと、この選挙制度の問題というのはできるだけ政党間の選挙のルールを決める問題でもありますから、できるだけ私は、各党の間で話し合いができればいい、また、各党と話し合いができないでも、自分の党内においても意見がまとまらないのに、政府はこうしますよというような態度で臨むべきではないというのが私の基本的な考え方でございます。したがいまして、できるだけ党内の意見も徴し、また各党の意見も聴する。しかし、この場合において、ある程度まとまらなくてもそれは選挙制度の問題、政治の問題でありますから、政府も踏み切っていけないということはございません。しかし、できるだけそういうふうな党内の意見、あるいはまた各党間の意見というものを取り入れる努力をした後において、そしてそれがどうしてもむずかしいということであれば、何も今回だけが改正の時期ではございませんから、また、適当な時期に考えるという意味で研究をしていくということも一つの考え方であると思っておるわけでございます。

和田春生民社党

○和田春生君 三木総理が、ここにおられますと、話はわりあい早くなるんですが、いままあ、おられないわけですが、実は予算委員会の質問のとき、自治大臣もお聞きになっておったと思うんです。総理は、こういうのは選挙のルールなんだから、各党間で話し合って決めたい、要すれば、やっぱし党首会談の問題としたい、こういうお話でした。きょう党首会談が行われておりますが、その模様も、済んだ分についてはある程度伺っているんですが、選挙法の改正について、それほど具体的な突っ込んだお話はなかったやに承っておるのであります。  で、問題は、いま大臣がおっしゃったように、これは各党間でルールを決めるんだから全部議員立法にゆだねる、国会でひとつその点についてはまとめてもらいたい。そういうことであるならば、各党間の相談あるいは自民党内の相談、いろんな面の絡み合いということで、時期等についてもはっきりできないということは理解できるわけです。そこで、私、最初お伺いしたわけです。政府案をお出しになる、そういう方針をすでに決めていると言っているんで、そうすると、政府案の分については各党間の話し合いというのは、ある程度できたものもありますけれども、政府がイニシアチブをとるという形になると思います。しかも、私たちの承知しているところによると、四月の十八日に、衆議院の本会議で、公職選挙法の改正案の提案趣旨説明という段取りがすでに決まっているというわけで、もう後二十日足らずで、もし四日の閣議という形になると、残すところ二週間以内である。一体、各党間で話し合ったものは取り入れるというものとその関連はどうなるんでしょうか。その辺をちょっとお伺いしたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 提案をするまでに、各党間で、できるだけの折衝をするということも必要でございますが、提案したらそのままその法案を通すということでもございません。これは修正ということも御案内のようにあり得るわけでありますから、その間においてまた各党間のお話を承り、各党間でどうこのわれわれの提案する案をお受けとめになるかということで決めていくよりほかに方法がないかと考えております。

和田春生民社党

○和田春生君 そうすれば、それまでに間に合わなくても、各党間の話し合いというものを尊重しつつ、政府案を一応提出するが政府案にはこだわらないと。提出後においても、そういう問題について、言うなれば、与野党も一緒になってつくり上げる。国会における修正、これはもう国会の権限ですけれども、政府の態度としては提出案にはこだわらない、提出後においても各党間の話し合いというものを十分尊重していく、それが三木内閣の姿勢である、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、原則としてはそうだと思いますけれども、いやしくも原案を出した政府が、それはどうなってもよろしゅうございます、換骨奪胎何でもおやりください、というような無責任な提案の仕方はないと思う。われわれも、その場合お話し合いがあって、そして理解を得ることであれば賛成をいたしますと、こういうことでありますが、しかし多数決ということもございますからね。ここいらはなかなかむずかしい問題で、一言にして私がこれをお答えするのはかなり困難ではないかと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 自治大臣としては、なかなかむずかしい立場ということはよく理解できるわけですが、何と言っても、最初に申し上げましたように、三木内閣最大の公約であり、特に昨年の参議院選挙を通じて、いまの選挙のあり方というものに非常に大きな批判が巻き起こっておりまして、その批判の焦点というものを考えてみると、一つは選挙に金がかかり過ぎるということであります。まあ、でたらめな金を使ってばらまく、ずいぶんはでになる、これはいかぬ。これを規制するということはわかると思うんです。一つは、やはりいまの全国区の制度自体が、日本全国を対象にした非常に広い範囲の選挙区です。しかも、六十万票、七十万票ととらなければ当選できない。そこでやはり金のかからない選挙と全国区のあり方というものは非常に密接に関連をしていると思います。  もう一つは、人口がいろいろ移動してまいりまして、非常に各地域における定数のアンバランスということが問題になってきている。これは訴訟にまでなっている問題であります。衆議院だけではなくて昨年の参議院選挙に直接関連して、人口の多い県の方が人口の少ない県よりも総定数が二分の一というようなそういうアンバランスというのはぐあいが悪いではないか、ということが訴訟にまで持ち込まれているという形で、世論の指弾を浴びたわけです。で、選挙制度というものを正すという形になって、しかもこの重要な国会で、いまの大臣のお話によると、政府案を出す以上、換骨奪胎というところまでは言わないという形になると、最初から参議院の全国区と地方区の定数が外れているという形になる。これが入るか入らぬかということは、換骨奪胎のような大改正になるわけですね。そのポイントというものは、今国会では政府の腹、三木内閣の腹としてはもう仕方がないんで、投げた、次の国会か将来に持ち越すと、こういうふうにも受け取れるんですが、いかがでしょうか、その辺は、大臣。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 審議の過程におきまして、この問題が各党間で話し合いがつくということであれば、私はもちろん、これは政府としては尊重すべきであると思います、本来の選挙というものの姿から言ってですね。ただ、いまの段階では同じく比例代表制をとると言っても拘束にするか、非拘束にするかというような問題とか、あるいはこの数をどうこうするという、地方区の問題にしても必ずしも一致を見ていないように私は了解をいたしておるのでございまして、党内においても実はいろいろな意見がありまして、最後に大体要綱をどう決めるかという、自民党のつくった要綱をどう決めるかという最終の首脳会議を開いたときに、まあまあこの方向で行くよりいたし方あるまいということになったわけでございまして、その問題でありますが、私は、話し合いが各党でつくということであれば、これは当然われわれとしては認めないわけにはいかないと思っております。

和田春生民社党

○和田春生君 全国区の問題については議論をし出すといろいろな問題があると思うんです。ただ、どうも比例代表制ということを大前提に置いて、拘束式か非拘束式かというようなところに焦点が行っているんですが、地方区もひっくるめて考えると言えば、いろいろ発想を転換すれば方法があると思います。それは、きょうは時間もございませんから、ここでは問題にしたくないと思うんですが、しかし、やはり全国区の問題については、そういういろんなことがあると言うけれども、参議院の地方区の定数というものは現実に昨年の選挙で問題になった。そして衆議院の定数が是正されるという場合にほおかむりでいくというわけにはいかないのではないか。やはり現状においても、是正をしなければならぬ部分は是正をするという考えが当然あってしかるべきであって、全国区の方が拘束式か非拘束式か、比例代表ではっきりしないんで、参議院の地方区の方の定数は預かりというのはどうもおかしいんではないか。そういう制度全体をひっくり返すというか、いまと全く違った形態に改正するのは大問題であるから、これは詰めなくてはいけないけれども、地方区の定数の問題は技術的な問題なんです、多分に。これは各党の意見が一致すれば確かにほとんど問題がない。衆議院では一致をいたしました。参議院でもそれが一致をしないはずはない。政府が、その点について各党間の話し合いをすると言いながら、政府案を提出の前では、その話し合いをする時間がない。これは提案されてしまうと、もう国会は余すところ会期では一カ月間ぐらいしかない。その間に各党の話し合いということを大臣おっしゃっているわけですが、どうも参議院の地方区の定数是正というものについては政府も与党もさっぱり熱意がないんではないか、国民の大きな批判の焦点をそらしているんではないかという感じがするんですが、やっぱし選挙の制度運用については自治大臣所管でございますけど、大臣としてのお考えいかがでしょう、参議院の地方区の問題。この定数是正という問題ですね。これをちょっとお尋ねしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) いま、あなたも、はからずもお触れになったような気がするんですけど、参議院の全国区の問題につきましてはこれを地方区と一緒にして、そして地域的な代表にするとか、あるいはこれを地方区だけにしてしまうとかという問題も一つの問題点としてあるわけであります。そのような問題等々もございまして、参議院の比例代表制を出さなくても地方区の問題は当然出さにゃいかぬのかどうかということについては、議論がいろいろまた考え方の面でありまして、なかなか意見が一致しなかったというのが実情でございます。

和田春生民社党

○和田春生君 そうしますと、かつては、先ほど触れましたように、衆議院の定数と参議院の全国区がワンセットだという、選挙の制度論としては全くナンセンスな議論が大分表に出ておったようでございますが、それが引っ込んでまいりますと、今度は参議院の全国区と地方区という参議院の制度全体をやはり関連をさして考えるべきだから、地方区の定数はいま直ちに取り上げたくないという意向なのか、その辺はいかがなんでしょうか。そういうふうに姿勢は変わってきたのかどうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、姿勢が変わったというか、最初からこの問題はあったわけでございます。で、党内において――自民党の中でございますけれども、これはもう比例代表制と定員増は絶対に離さないんだという党議を決めておったわけですけれども、その党議を決めたときにも、いま言ったような問題、私がさきに述べたような問題もあったわけでございます。  私も実は、自治大臣になる前には選挙制度調査会の委員をしておりましたから、いろんな国対もやっていましたから、いろんなことは大体事情はわかっておるんですが、なかなか、これをまとめるのに困難で、党内でさえまとまらない問題を、よそへ持っていって話をするというわけにもいかないということで、いまのところ、党内にまとまらないものをわれわれが提案したからといって、しかし、それはむしろせっかく改正をしなければならない問題までこれをつぶしてしまうということは、いかにも残念である。であるから、一応できるものから手をつけていくという形で今回の法案を提出すると、こういうことにいたしたわけでございます。

和田春生民社党

○和田春生君 そういたしますと、いま大臣がおっしゃいましたが、できるものから手をつける、そのできるものというのは、衆議院の定数、それから法定費用、あるいは供託金、公営の拡大、あるいは選挙区への寄付の禁止と、まあ金のかからないという選挙の一部だと思うんです。ほかに、もっと根本的な問題が、政治資金規正法初めあると思うんです。これは別に置いておいて、その程度のことをまず政府としては考えている。これはもう参議院の全国区のあり方と参議院の地方区の定数是正という、非常に大きな問題だと思いますが、これについてはいま政府としては特段に考えていないんで、もし各党間の意見でもまとまれば、そしてこの国会で間に合いそうなら、まあそういう話に応ずることもやぶさかではないが、まあまあしかしあきらめたんだと。自民党と政府を使い分けますけど、いま政党政治で、与党というものが現在内閣を組織しているわけですから、そういう意味でお伺いしているわけですが、いま私が言ったような感じだというふうに受け取っていいわけですね。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) まあ、大体そういうことにお受け取りを願うより仕方がないんじゃないかと思うんです。ただ、私が、各党間の意見がまとまればと言ったのは、多数の意見とでもいいと思っております。全部がまとまらなくてもよろしい、多数の意見がまとまれば、そういうこともあり得ると、こういう考え方を持っております。

和田春生民社党

○和田春生君 多数という場合には、与党を含む多数もありますし、参議院になってまいりますと、逆転委員会もあるわけですから、野党が全部まとまっても多数ということもあり得るわけでありまして、そういうことで、今後の審議にかかる分もあると思うんですが、この問題で、いま大臣だけに問うても、なかなかむずかしい問題もあろうと思います。  そこで、ちょっとこれは当面の公選法改正ということと直結をしませんが、その制度の根本的な問題としてお伺いしたいんですけれども、いま参議院の定数ですね、地方区、これを決めるという根拠は何なんでしょうか。それで、この参議院制度が生まれたときに、何を根拠にして現在の定数が決まったのか、これは政府委員の方でも結構でございますから、お尋ねしたい。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) いま、御案内のとおり、総数については、定数については、公選法で規定してあるわけでございますが、そもそものこの定数を決めたときがどういう状況であったかということは、余りはっきりしたことは実は記録が残っておりませんで、ただ、昭和二十一年に衆議院本会議で、当時の大村国務大臣が提案理由として述べられておるものがあるわけでございます。それによりますと、「参議院の地位と職能とに鑑み、議員の定数は衆議院議員に比し相当減少することが適当であると考えられまするが、他面、議案審査、其の他議院の活動に支障なからしめることが必要でありますから、是等の事情を酌量致しまして、議員定数は之を二百五十人と致したのであります。其の中百五十人を地方選出議員とし、各選挙区に於て選挙すべき議員の数は、最近の人口調査の結果に基きまして、各都道府県の人口に比例にして、最低二人、最高八人の間に於て、半数交代を可能ならしめるが為にそれぞれ偶数となるように定めることとし、残りの百人を全国区選出議員と定めたのであります。」と、こうなっておりますが、これに関連して私いろいろ資料も調べてみたのでございますけれども、当時甲案と乙案とございまして、甲案というのがその中でまた四つに案が分かれておる。乙案というのが三つに分かれておりまして、いろいろ考え方があったようでございます。現在のものは、たまたま甲案の一案と乙案の一案がちょうど一緒になったということでございます。  簡単に申し上げますと、甲案の方は、一応人口を基準にいたしまして配当基数というものを定めてみる。二以下のところでもみんな二人はもちろん配当いたします。残ったものが百五十人の範囲内でどう配分するかとなりますと、出た基数のうちのその中に含まれる一番大きな偶数分をまず出していくと、最後にまだ余るものは、その端数の大きいところから配分していく、そういった考え方。乙案の方は今度は逆にそういったぴちっとした基数ではなくて、人口段階に応じまして、乙案の第一案のごときは人口三百五十万以上、人口二百五十万から三百五十万未満、人口百五十万以上二百五十万未満、人口百五十万未満と、この四段階に分けまして、二人から八人の間でということでやった、そういったことで彼此勘案して決められたというふうに承知しております。

和田春生民社党

○和田春生君 いまの説明でもすでに明らかなように、総数とか全国区と地方区のバランスというものは、多分に政治的というか、一つの勘で決められたんだと。しかし、地方区の定数というのは、甲案にしろ乙案にしろ、明らかに人口ということが基礎になって決めている。各県別の人口、それが唯一の根拠であって、それ以外の根拠はない。ただ、最低数を幾らかで押さえておいた上にバランスをとるか、全部人口比例でいくのか、そういう点はあると思いますが、アメリカの上院議員のように、各州それぞれ二名なら二名というふうに全部人口の大小にかかわらず決めているとかいうようなこととは違うわけですね。当時の人口によって二人から八人という数字が決まっている。しかし、この当時決めた人口というのは、御承知のように、戦後の疎開その他の状況も残っておった、日本の全体としては大変異常な人口配置というものが基礎になっておる。そこに都市化現象がだんだん、だんだん進んできた、人口移動が起こったと、当然私は、それに対して修正してしかるべきですし、少なくとも人口が逆転をしているというようなところにおいては、多い方が少ない県よりも参議院の定数が少ないなんということは、これを決めたときの根拠そのものを覆す現象が起きてきている。そういう点についてはやはり政府としても、当然選挙制度という面からいけば、将来の全国区や地方区のあり方は別として、正すべきは正すということでなければいけないのではないか、こういうふうに考えるんですが、自治大臣、当の責任者としてどういうふうにお考えですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 実はまあ、そうおっしゃる気持ちはよくわかるんですが、うちの党の方でいろいろ考えてみてもらっても、今回は一応見送りと、こういうことに党内で決まったものですから、そういう意味では、それおかしいじゃないかとおっしゃればあれでありますけれども、これは与党と政府との関係でありまして、どうもわれわれが、それではといって、与党の意見と違った案を出すということは、本来、私は、選挙というのはやっぱり政党間のルールということでありますから、その原則によってまあ問題を後に回さざるを得なかった、ということだと御理解を賜りたいと思うのであります。

和田春生民社党

○和田春生君 その点確かめたいと思いますが、参議院の地方区の定数是正というのは、大変大きな問題になっているが、自民党内の意見がまとまらなかった、与党の意見がまとまらなかったので、政府としても見送ら、ざるを得なかったのだ、端的に言えばそういうふうに理解してよろしゅうございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) さようでございます。これは与党というのは、衆参両院議員と御理解をしていただきたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 それでは最後は、ぜひ政府にも考えてもらいたいという要望なんですが、公選法を見ますと、都道府県の議員等については人口に比例して決めろということは、大変はっきり決められておる。それから衆議院の定数については、五年ごとの国勢調査の人口の結果に基づいて改めることを例とすると書いてある。完全には実行されておりませんが、ある程度は修正されてきた。参議院の地方区の定数は人口に基づいて決定しておきながら、その点についてはルールがはっきりしていない。やはりこういう問題については、特に議員定数というものは各党間の利害また選挙民にとっても非常に重大なかかわりがある問題である。地方議会にだけはかなりはっきりしたルールを決めておるが、肝心の国会の方にはそういうルールが決めていないというところに、問題の必要性を感じながら、政治的な処理でうやむやにされておるところがあるのではないか。したがって、衆・参両院についても定員を決める場合に、選挙区と定数を決める場合のルールというものをはっきり決めておく必要があるのじゃないか。選挙制度全部ががらがらっと変わるような大きな場合には、これは別でありますけれども、そういうことをはっきり公選法に決めるということを考えるべきである。各党間においても相談すべきだけれども、政府としては、当然そのことについて用意をし、また提案についてのいろいろな検討を行わなければならない。私どもはそう考えるわけです。その点について大臣の所見をもう一度お伺いいたしまして質問を終わりにいたしたい、こう思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 大変貴重な御意見を承らしていただいたと私は思っております。将来の十分参考にさしていただきたいと思います。

志苫裕日本社会党

○主査代理(志苫裕君) 以上をもちまして、自治省所管に対する質疑は終了しました。午後二時三十分再開することとし、休憩いたします。    午後一時三十三分休憩      ―――――・―――――    午後二時三十三分開会

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) ただいまから第四分科会を再開をいたします。  昭和五十年度総予算中、文部省所管を議題といたします。  なお、参考人の出席要求に関する件についてまずお諮りをいたします。  本日、昭和五十年度総予算中、文部省所管審査のため、日本道路公団の役職員及び豊橋市教育長長谷川博彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 異議ないものと認め、さよう決定をいたします。     ―――――――――――――

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 最初に、国立学校のあり方についてお尋ねいたします。  私が国立学校と申しますのは小中高等学校のことであります。最近、小中高校の教職員の給与等に関連をして、国立学校を基準にして高いとか低いとかいうことが論ぜられ、中には地方公務員である学校教職員の給与が国立学校の教職員を上回っているのは何かよくないことのような主張をして抑える傾向が出てきておりますが、この問題について、地方公務員である教職員の勤める学校と国立学校、特に附属小中高校などと比べて教育の諸条件というのは一体比べられるのかどうか、その点について大臣の見解を伺いたいと思います。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ちょっといまの御質問の点で、給与について均衡を求める声があるが、その諸条件は公立と国立と違うんではないか、そういう御趣旨ですか。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私がお尋ねしておりますのは、給与のいわゆる本俸的なものだけを引っ張り出してきて、それでもって地方公務員の方が国立学校の教職員よりも非常に高い処遇を受けているというような判断をすることが正しいかどうかということをお聞きしているわけです。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 久保先生も御承知のとおり、公立学校の教育公務員の給与は、教育公務員特例法の二十五条の五によりまして「国立学校の教育公務員の給与の種類及びその額を基準として定めるものとする。」ということになっておるわけでございます。したがいまして、国立学校の教職員と公立学校の教職員との給与はこの規定に基づきまして厳格に同じとは申しませんけれども、お互いに同一水準にあるということが法律の期待するところであろうと思います。したがいまして、最近、公立学校の教育公務員の給与水準のことが云々されておるわけでございますが、その問題につきましては、私ども、やはりこの教育公務員特例法の規定に基づきまして公立学校の教育公務員の給与の水準というものは決定さるべきであるというふうに考えております。  ただ、その他の教育条件ということになりますと、これは御承知のとおり、国立の小中高等学校というのは、これは大部分が教員養成学部の附属でございまして教育実習その他の目的のために設置されておる学校でございますから、したがいまして、教員の人事構成でございますとか、あるいは建物の面積でございますとか、設備でございますとか、そういった点につきましては、その本来の性格の異なるに応じましてある程度公立学校と異なった面があるということは、これはいわば当然なことであろうかと思いますが、そうした違いを別にいたしますれば、国立の小中学校と公立の小中学校の間には基本的な相違はあるべきではない。また、現にそう大きな違いはないと理解をいたしております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それじゃお尋ねいたしますが、私は、給与の対比の面でもそんなに開きがあるとは考えておりませんし、それぞれ地方自治体の条件によって若干の差を生じているにすぎないのであって、それは地域の条件によってそういう状況が生まれているにすぎないと思うのですが、国立の学校は小中高校を問わず父母負担がいま全体的に軽減という方向でこの文教行政が進められているにもかかわらず、東京都内を中心に見てみましても、国立の小中高校の納付金、PTA会費あるいは入学時の負担金などはかなり異常な状態にあるとお考えになっておりませんか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) そういう問題については、大学局長からお答えをさせます。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) ただいま国立の附属学校につきましての父兄負担あるいはPTAの負担についてのお尋ねがございましたが、PTAの問題につきましては、それぞれのPTAのやはり自主的な立場から、活動の方針を決めまして、必要な会費を拠出するというのが基本的なたてまえでありまして、会費の額、活動の範囲にもおのずから広狭があるのでございますが、国立大学の附属学校におけるPTA等の会費は公立学校の場合に比べますと、先生御指摘のように、相当高額になっております。その内容でございますが、PTA等の狭義の運営費のほか、直接、児童生徒の福利厚生、図書、課外活動等の経費として使用されるもの、それから一部研究費等にも充てられておるようでございます。これらの中には、それぞれ歴史的な沿革等もございまして、そのPTA等が従前後援会当時でありますとか、いままでの沿革で独自に若干の施設を持っておるもの等もありまして、そういうふうなものの改修でありますとか、そういうものに充てておるもの、あるいは公立学校ではそのつど児童生徒から個別に徴収をして、学校納付金の中で整理区分されておるものを、PTA会費の中に一遍にまとめておるものといった関係等もあろうかと思います。御指摘のように、文部省としましては、附属学校がややもすると、PTA等からの経費に依存するという弊風がございました。四十三年、四十四年当時からこの点が非常な問題になりまして、まず最初に、非常に文部省として問題にしましたのは、四十三年、四十四年当時、施設の一部をPTAが負担してつくったという傾向がありまして、これはとにかく適当でないからということで、四十三年、四十四年以降、附属学校経費につきましての施設等への受け入れの禁止、あるいは父兄負担の軽減を図るということで、今日まで努力を重ねておりまして、この数年間におきまするPTA会費等の父兄負担は、附属学校全体としますと、若干ながらダウンはいたしておるのでありますが、一部の附属学校等につきましては、やはり相当の額になっておるところがあるようでございます。一番身近な、東京で申しますと、東京学芸の附属あるいは東京教育大学の附属、あるいは東大の附属というふうに並べてみますと、東大の附属は大体公立学校並みでございますが、東京学芸、東京教育大学の附属につきましては、附属学校の全国平均よりも大体二倍ぐらいと言いましょうか、多額になっておるようでございまして、実はこの三月も東京学芸大学と、東京教育大学の附属学校の責任者を呼びまして、これの検討、改善方を強く要請をいたしておるというような実情でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私のところにことし東京学芸大学の附属高等学校に入学いたします生徒の納付金の領収書の写しがあります。この東京学芸大学附属高等学校のこれはPTAの名稱なのか、何か知りませんが、泰山会長というのと、それから学校長と連名で領収書が発行されておりますが、一つは、泰山会入学金五千円、泰山会特別会費三万円、泰山会何とか、妙高施設充実費一万五千円、生徒会入会金一千円、計五万一千円を領収書の一方が切ってあります。もう一方の方は、三万円を、上記金額卒業時返済借用金として確かに領収いたしましたと、そうして学芸大学附属高等学校長と泰山会長の連名で領収書が出されております。まだ入学の手続をする段階で、PTAの会員にもなっていない人たちに何らの協議もしていないわけですよ。入ることを条件にして、卒業時返済借用金として三万円取っているわけです。そのほかにいろいろな入会金とか、特別会費とかといって、五万一千円、都合八万一千円納付させております。こういうのは、国立学校のあり方として正常な行き方だとお考えになりますか。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) いま、具体の東京学芸大学の附属高校のケースを挙げられまして御指摘がございましたが、附属学校の入学金の全国的な状況は、小学校の場合は約九千円、中学校一万円、高等学校が七千八百円というのが、全国平均の数字でございます。入学金等を、ただいま申されましたように、相当額を取るということは、附属のあり方からしても、基本的に問題があると私どもは考えます。いまの具体の問題につきましては、私どもももう少し詳細に大学の方へも照会をし、状況も把握してみたいと思いますが、およそ附属学校の目的とするところが、実験研究学校であり、あるいは学生の教育実習の場である。ですから、できるだけ多彩な学生を入れておかなければならぬというようなこと等もあるわけでありまして、こういった入学時における父兄負担額が全国平均から見ましても非常に多額になっている特定の附属校につきましては、私どもも具体の指導をする必要があろうかと、かように考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 このような取り方で集められた金というのは、教師の研究費とか、図書費とか、旅費とか、そういうものにかなり使用されているということは実態としてあるようであります。そうすると、一般の地方公務員として教職員が勤めております公立の学校の場合は、給与の中から教師は非常に多額の、教師としての仕事に携わるための出費を必要としていると考えます。これは、私の経験に照らしてもそう思っております。だから、そういう点で、一概に数少ない特例的な国立の学校と、地方公務員の勤める公立の学校とを対比しようとすることが無理なんじゃないでしょうか。そういうふうにお考えになりませんか。国立の小中高校というのは数が非常に少ないんです。しかも、それはある意味では、現在ではまだ特殊な学校なんです。そういうところと公立の学校の実情を同じ線上において対比をすることが可能だとお考えになりますか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) ただいま大学局長からも答弁を申し上げましたように、国立におけるそうした状況というものは、これは好ましくないという前提で御答弁を申し上げたと思いますし、また、先生の御指摘も本来そうした多くの父兄負担があるべきではないという御意見のように承るわけでございます。  それから一方、公立学校におきまして、それではそういう類似の事情がないかと申しますと、これは国立の附属ほどではございませんけれども、やはり若干そうした状況がございまして、そうした事態は改善をするように私ども指導をいたしておるわけでございます。その方法といたしましては、校費を充実するという方法によって、そうしたPTA等の私費負担の教育費を減らしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。ですから、国立学校におきましても、公立学校におきましても、そうした私費負担は好ましくないという前提で、施策を進めておるわけでございますし、かつまた、先生の御意見もそうであろうと思います。といたしますならば、やはりそういうものを別にして、本来あるべきではないものでございますから、そういうものを別にして、給与は給与で比較をし、その当否を論ずるということが適当ではないかというふうに思うわけでございます。私どもが公立学校の教員の給与の水準について申します場合は、御承知のとおり、これはいわゆる給与法に基づく正規の給与のことを申しておるわけでございまして、その給与のあり方は、最初に申し上げましたように、教特法の二十五条の五で、公立学校も国立と同じ基準でということでございますから、そうした観点からいろいろ御意見を申し上げておるということでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 前半は、それでいいんです。後半は、私が言っている意味をちょっと御理解願っていないと思う。国立の学校は、そういう父兄からの多額の金を月例であるいは入学時の特例で集めていかなければ運営できないような実態がある。だから、それを速やかに国費の負担に切りかえていくということをやらなければいけないと私は思っているんですよ。と同時に、そのようなことは、公立の全国の小中高校に対しても文部省の予算措置の中で考えられていかなければおかしいではないかと、こういうことなんです。父兄から取れるところはそれでやっておけと、これではいかぬ。  それからもう一つは、もし国立と公立が大体生徒の側にとっても、教師の側にとっても同じ水準でなければならぬという考えが成り立つとするならば、公立の高等学校の授業料を下げなきゃいけない。国立はいまだに授業料は八百円でしょう。いま全国に八百円以下の高等学校の授業料というのはもうごく特別の府県を除いてほかにありませんよ。だから、文部省がもし教員の給与をどうこうと言うならば、それより先に全国の公立高等学校の授業料を国立並みに下げろと、下げた分だけは国費をもって――文部省の助成金をもって各県に学校教育費としておろすと、それだけのことをやらなければいけないんじゃないか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 実は先生おっしゃるとおりだと思うのでございますが、公立学校の私費負担教育費、これはやはり公費に切りかえていくべきであるということは御指摘のとおりでございまして、そのためには公費予算の充実ということが必要なわけでございます。これは何も国費だけではなくて、地方団体自身の予算の充実にまたなければならないわけでございますが、傾向といたしまして、たとえば、昭和三十五年度の小中学校の全教育費に対するPTA等の私費負担教育費の割合を申しますと、これは三十五年におきまして四%でございました。四十年におきましてはそれが二・二%になりまして、四十五年におきましてはそれが〇・九%、四十七年におきましては〇・六%というふうに漸減をいたしております。今後とも、こうした方向に努力をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、公立高等学校の授業料についてのお話がございましたが、四十九年度の実態で申しますと、大部分の県が千二百円でございますが、たとえば青森、岩手が八百円、宮城が九百円、栃木が九百五十円、埼玉が八百円、東京八百円、神奈川六百円、それから長野八百円、それから京都、大阪六百円、兵庫八百円、沖繩三百六十円、こういう状況でございまして、読み上げましたもの以外はすべて千二百円でございます。したがって、大体国の基準と申しますか、国の水準にいっておるということが申せるかと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 あなたの水準というのは、国より授業料が高ければ水準にいっていると考えているんじゃないですか。それは反対でしょう。私が言っているのは、授業料というのは低い方で水準に到達していると考えないと、国より高く取っておるから水準どおりだというんじゃ困るんですよ。国立の学校は八百円しか取っていないんですよ。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) いま初中局長から具体の県名を挙げてお答えいただきましたが、四十九年度、ただいまの時点で申しますと、国立が年額九千六百円で、公立の平均は一万二千円ということになっております。国よりも高い県は、三十六県が国立の附属高校よりも授業料が高い、これが現状でございます。  それからもう一点、先ほど……。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、いいです。  残念ながら時間がありませんので、この問題は追ってまたお尋ねをいたします。  それで私は、国立と一般の公立とを比較する場合に、部分的にとって比べたりすることは非常に問題がある、条件がいろいろ違う、こういうことを一つ申し上げたいのと、それから国立学校の水準の高い部分――授業料で言うならば、低い方が水準が高いんです。そういうものに公立学校を合わせる努力をしていかなければいけない、こういうことを一つ申し上げたい。  時間がなくなりましたけれども、もう一つ、基本的な考えだけお聞きしておきたいと思いますが、日本芸術院の改革について、これまで何回か国会でも論議がされたことがあるように伺っておりますが、いまの芸術院というのは、法律や政令に定める目的を十分に果たしつつあるのかどうかということであります。特に、日本芸術院は会員終身制をとっておりまして、そしてどなたか亡くなられるとその後を補充するというやり方になっておるようでありますが、この会員の補欠の選出などについてもいろいろと昨今取りざたされるような、余り芸術と無関係な、非常に反芸術的な問題があるように聞いております。この際、芸術院の徹底的な改革、あり方についての再検討等をするとともに、当分、芸術院会員の補欠の選任を中止をするというお考えはありませんか。

安達健二文化庁長官

○政府委員(安達健二君) 日本芸術院は、文部省設置法なり日本芸術院令によりまして「芸術上の功績顕著な芸術家を優遇するために置かれる機関」、栄誉機関ということでございまして、その会員の選考あるいはまた、芸術院の行いますところの芸術院賞あるいは恩賜賞の選考というようなことが中心的な仕事になっておるわけでございます。  そういうようなことにつきまして、日本芸術院の会員によるところのその運営というその考え方そのものは、やはり芸術家でもって自主的に行わせるという根本的な考え方は、やはり現在の状況からいたしまして、維持することが適当であるとまず第一点は考えておるわけでございます。  それから第二点といたしまして、この会員の選考あるいは芸術院賞等の選出等につきましては、この運営上の問題といたしましても、ただいま御指摘のようなことがないように、芸術上の功績に従って、それにふさわしい人が選ばれ、賞を与えられますようなふうにいたすべきであるということで、このことにつきましてのいろいろな御批判等に対しましては、そういうことがないようということで、再三、毎回その申し合わせをいたしまして、金品等あるいは訪問等を受けないというようなことを毎年申し合わせをいたしまして努力をいたしておるところでございまして、その意味におきまして、ただいまお話のございましたように、補欠選任を一時中止をするというようなことは、なお早急にはそういうことにまで及ぶべきではないのではないかと考えておるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 あなたは、そういうふうに言われますが、実際には芸術院というのが、それじゃ、この法律や政令の定めるところに従って、芸術に関する重要事項を審議したり、芸術の発達に寄与する活動を行って、文部大臣や文化庁長官に対して建議を行ったり、そのような活動が実際に行われておりますか。

安達健二文化庁長官

○政府委員(安達健二君) 具体的には、そういうような重要事項の審議のことは、従来もちろんないとことはございませんけれども、芸術院が本質的に栄誉機関であるということからいたしますると、やはりその芸術行政に対しまして深くかかわり合いを持たれるということは、必ずしも芸術院の本旨に沿うかどうかということについては、私はむしろその会員の選考、あるいは芸術院賞の選出というようなことを中心とする現在の運営の方がむしろ芸術院の実体に合うのではないかと、かように考えておるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 あなたは文化庁の長官ですか。

安達健二文化庁長官

○政府委員(安達健二君) はい。

久保亘日本社会党

○久保亘君 なら、そんなことを言われていいんでしょうか。日本芸術院令によって、日本芸術院の目的として私がいま申し上げたことは決まっておるんですよ。それを文化庁長官が否定されるような、芸術院というのは余りそんなことはやらぬ方がいいんだと、こう言われるんでしたら、まず、その政令から変えてきてください。  それから、芸術院会員というのが、私は、昔のように芸術家というのは私は何も清貧でなければならぬとは思っておりませんが、芸術というのは、官製のいろいろな機関の中に組み入れられないで、自由に大衆の中で生き生きとして活動していくというところにその芸術の真の意義があると考えている。ところが、芸術院とか、日展とか、官製のものが非常に幅をきかしていまして、そしてボス的に、官僚的に、特に美術、絵画の部門などでは芸術家を支配する。そして、本当にいまから名もなきところから伸びようとする若い芸術家の活動に頭からおもしをかぶせるようなものになっていったり、それから、この芸術院会員になるということが、芸術家の精神を捨てても非常に経済的な利益を生むということから猟官運動まがいのことが懸命に行われる。この芸術院の存在そのものが、そういう意味では日本の芸術をスポイルしているんじゃないか、こういう気持ちがいたします。どんなことがあるんだろうかと思って実際に見てみましたところ、芸術院会員に就任する前の年と就任した年と比べますと、画家のその一号当たりの価格というのが大変な高騰を来すもんだということが年鑑等によって明らかになっております。たとえば、ある方は、就任前には一号五十万の絵をかいておられたのが、芸術院会員に文部大臣から任命を受けると同時に八十万になる。号三十万ということは、八号の絵をかきますと二百四十万とその値段が上がるということであります。そうすると、会員として年俸百二十万の年金をもらうというようなことが問題じゃなくて、芸術院の会員の資格によって経済的な利益が非常に多く与えられる。しかも、日展や芸術界全体に対してボス的な発言権が強化されるということになれば、私は、この芸術院会員の選任をめぐって余り思わしくない――いろいろつまらぬことを、選挙のときにやるのは政治家だけだと国民は思っておるのかもしれませんが、むしろ、芸術家の世界にそういう問題が持ち込まれている。しかも、そこに政治権力との結びつきなどもしばしばうわさをされる。こういうような状況になってまいりますと、芸術院はその芸術院設立の目的を遠く外れてきているのではないか、そして、そのことが本当の意味での芸術家の活動を阻害し、そして日本の芸術の真の発展に弊害をもたらしているんじゃないか、こういう感じがするので、芸術院のあり方について、大臣、抜本的なひとつ検討を試みられるおつもりはありませんか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 芸術院に関連いたしまして、いまのような問題が仮にあるとすれば、これはゆゆしいことでありますから、十分に検討しなければならないと思います。ただ、芸術院自体におきましても、仮にも事前運動というようなものがあってはいかぬではないかというような意味での院長名の注意と言うんでしょうか、そういうものも、これは一番最近のものですと、四十九年に出ているのでございます。それで、やはりこの芸術院のような場合には、これは芸術ですから、政府があれこれ言うというよりは、やっぱりその芸術院自身の自主性というものを非常に重んじなきゃいけない。  それから次に、いま経済的な問題で芸術院に政府が助けたりすることは、かえって芸術を、何と言うか、弱くしてしまうということをおっしゃいましたけど、これも、私は問題は二面あるように思うんです。つまり、それでは何にも政府が芸術院というふうなものに経済的に補助をしないで、全くそういう政府の責任を果たそうとしないで、一切民間に任せてしまうという形になってくると、やはり芸術家に対する国の責任というものを十分に果たし得ない面がある。ですから、経済的には政府としても応援をするけれども、しかし、この芸術それ自体のことは全く干渉しないでどんどん発展していくようにするというふうになるのが一番望ましいんだと思います。そういう角度からいって、必ずしも現状において満足すべきでないような問題も生じているおそれがあるというので、院長の方でもこういう注意を出しておられるわけでありますから、私はそういう御活動というものを見守りまして、それで芸術院自身の自主性によって一層よく本来の目的が果たされるように運営されるということを文部省としても考えていくのが一番妥当ではなかろうか、そういう考えでおりますが、しかし、御提起になりました問題というようなことは、私たち自身も十分に考えていくようにしたいと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 最後に、東京都の美術館の運営などをめぐっても、やはりそういう官製の芸術、悪い言葉で言えば、芸術官僚を官製の芸術院が生み出している、そういうことによって、本当の意味での大衆の中に生まれる芸術というものの芽がつぶされる、こういうようなことを危惧して、芸術院解体論を唱えられる方もあるぐらいなんです。だから、私は、やっぱりこの辺で政府が芸術の振興のためになすべきこと、なしてはならないこと、そういうようなことを、現在ある芸術院というものを完全に肯定した立場で論ずるのではなくて、もう少し芸術と行政とのかかわりというものについて根本的に見直しをする時期が来ているんじゃないか、こういう気持ちがしているんです。そういう意味で大臣にぜひひとつ御検討を願いたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 以上で久保亘君の質疑を終わります。     ―――――――――――――

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  ただいま久保亘君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任をされました。     ―――――――――――――

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 引き続いて、質疑に移ります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 きょうは、教育環境の整備という観点から幾つかの問題を取り上げてみたいと思います。  まず、近年の都市化と公害との関連で、学校環境の悪化が非常に憂慮すべき問題と多々なっています。一般に文教の地域について、環境基準でどういうような考慮が払われているのだろうか、あるいは空港周辺や高速道路などの周辺で、しばしば教育環境の劣悪化が非常に問題にいまなっているわけです。これらを文部省が一体どういう措置をしようとしているのかなどと、私も地域のPTAの会長などを長く務めてまいりましたから、しばしば思うのであります。これらも確かめたいところでありますが、きょうは時間がありませんから、私の方から一例を出しまして、これらの問題について少し煮詰めたいんです。  その一例は、杉並区の上高井戸にあります杉並区立の富士見丘小学校、これは住宅街にある非常に静かな小学校で、教育環境というのは非常に良好であったわけです。ところが、昭和四十六年に学校の敷地の一部を削る形で、これは八十坪も削っているわけですが、中央高速道路の工事が始まった。現在、おおむね完成をしている。ところが、高速道路を背中に抱えるようにして、道路開通後の環境悪化というのは、この学校についてはもう目に見えるようになっているんです。文部大臣は、こういう状態についてどういうふうにお考えになりますか。(写真提示)ここが中央道、これは学校ですね。まず、簡単に御意見を承りたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 簡単に二点申します。  やはり、そういう道路の建設というふうな一種の開発ですね、そういうものと、静穏なところで学校を続けていくということと、どうしても矛盾する側面があると、これが第一点。  そこで、文部省として、どうすべきかということが第二点ですが、そういう場合、あらゆる努力をいたしまして、やはり、学校の立場に立って学校環境というものをでき得る限り守るという、そういう立場で臨まなきゃいけないと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、ここの自動車の通行量、騒音、排気ガスなどの程度というのをどういうふうに公団の側は予測をしていますか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) 中央高速道路は、五十七年度における交通量を推定いたしまして、六万四千台とわれわれはその数を想定いたしております。同時に、環境の騒音につきましては、道路の環境基準が決められておりますので、その範囲内におさめるという方針で施策を進めておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この述べられた数字というのも、これは憶測ですね。仮に、こういう予測が上回る通行量、騒音、排気ガス、いま排ガスや騒音などの問題について余りはっきりしたこと言われませんが、これが事実上取り締まりは、動き出してしまえば、もう不可能ですね。したがって、開通前に十分に確実な環境維持の見込みを立てる必要がある。そういう点については、総裁、約束ができますか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) 御指摘のとおり、われわれは考えられる最も正確な科学的な根拠をもちまして推定いたしておりますが、具体的に実際にどうなるかという点につきましては、そのときにならなければ確定しない面が多々ございます。しかしながら、そのためには、やはりその国の決めた方針に従いまして観測をする、そうしてデータをとりながら、それに応じた対策をしていくというのが、われわれのなすべきことだと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これらの点について、文部大臣、やっぱり道路公団との間に合意がなければいかぬと思います。しかし、恐らく文部大臣はこの事態を、今日問題にするまで御存じなかったはずです。そういう点は、今後どうされますか。

今村武俊文部省管理局長

○政府委員(今村武俊君) 文部省では、まだ確定的にはなっておりませんが、保健体育審議会の答申がございまして、学校環境衛生の基準なるものがございます。それを検討して文部省の基準とすべく体育局の方では検討中でございますが、私ども管理局では、その基準の中に示された騒音の判定の基準がございます。その一定の騒音の判定の基準を超えるような騒音のある学校につきましては、公立文教施設整備補助金の中で、二重窓、換気装置の、建物の改造だとか、あるいは木造の建物を鉄筋に改築するための補助金を出すとか、そういう措置によってできるだけの措置を講じたい、こういう立場におります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこは、あとでもう少し触れます。  環境基準が、この地点では昼間大体六十ホンでしょう。ここの住民運動を代表される皆さんと私は総裁とも会ったことがありますから、あなたのところの考え方はわかっているわけです。しかし、この高速道路についての六十ホンがたとえば守られるとしても、ここは御存じのとおり、放射五号の道路が下を通っています。そうすると、この二つの道を合わせますと、いま文部省の側から答弁がありましたけれども、この学校は子供にとって大変不幸な学校になることが明確に予測をされますね。道路二本を合わしてこれらの騒音なり環境基準なりというものを全然お考えになっていないのです。道路公団の側は、中央道なら中央道それだけのものでよろしい、責任はそれだけしか負ってない。しかし、その学校の周辺におけるところの基準というものは、文部省がしっかりあれを負いながら、この高速道路についてはストップさせるとか、いろいろの手がありませんと、文部大臣、これはいかぬのです。いま管理局長が言われたような形だけでこの問題の解決にはなりません。ここで文部大臣、やっぱりはっきりさせなければならないことは、どうしてもいま申し上げたような環境基準というものがしっかり守られるまでは、ここの作業というものは中止をしてもらう――いや、作業は進んでたとえばおるにしても、とにかく、この道路が使われることは合意が得られるまでは中止をしてもらう、こういうことがやっぱり必要かと思うんです。そうお思いになりませんか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) これは、私たちももっと今後一層積極的に道路公団と話し合っていく、そして、この環境の基準というものを明確にしていくということは非常に必要である、それは御指摘のとおりであると思います。その努力を一方で進めるのに対して、もちろん、お子さんあるいはお子さんの御家庭の方々がいろいろお考えがありましょうし、それをどんどん意見を述べていただくということは大事だと思いますが、すぐ工事の中止というところにいってしまうというところまで飛躍すべきかどうか。むしろ、私たちとしては、学校環境の確保という立場から当然教育行政をやるべきでありますから、積極的に道路公団と話し合いをして、環境の確保ということに努力を注いでいくということをまずすべきではないかと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 管理局長のお話にありましたけれども、実は、この学校の空調、何か故障ばかりしているようです。二重窓、これらの関係で、夏、子供たちが体育の時間にプールに入る。上がってくる。ある教室はふるえなければならぬ、ある教室は大変に暑いなどという形が現実の問題として起こっていまして、決してあなた方がずっと頭の中で計算をされたその金額によってつくられたところの学校の環境整備というものは、子供たちの健康という面から見た場合、あるいはその置かれた環境という面から見た場合、十分なものになっていないんですよ。そういう点もまた検討されなければならぬことであります。これに隣接する烏山団地の中央高速道に対するところの反対闘争というのは非常に熾烈でありましたから、新聞が住民闘争として何遍も書きました。ここではシェルターで覆うということで公団と住民運動の側との話がついているようです。ところが、この学校のところは、私も見ましたけれども、遮音壁だけです。鳥山団地では住民の反対があの当時強くあったから、公団の側は恐らく話に応じていった。ここの部分は反対の運動なり、意見を述べる機会というものは非常におくれてきたから、強引につくられてきたという感じがどうしてもするんです。この学校の近くには実は老人ホームなどがあります。こうした住宅街のど真ん中に高速道路を通すんですから、それなりに事前に十分な対策がないといけないわけです。その配慮が欠けていたと言わざるを得ないんですが、これは公団の側は一体富士見丘小学校PTA並びに学校当局と何回かお話し合いを持たれましたか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) この地区における高速道路につきましては、地元の各方面からいろいろ御要望がございました。そこで、われわれも工事を進めるに際しましてはできる限り対策を講じたいと思いまして、地元の方々の御意見も聞き、結局四十八年の十二月には、この地区の代表の方も含めた関係の方々とお話し合いをいたしまして、そこで高層住宅のある烏山の住宅の部分には最小限度のシェルターをつける、それ以外のところは、騒音の発生の程度等を考えまして遮音壁の高さを考えながら全体として国の、守るべき指定されました基準に合うようにしたい、こう思って話し合いをしたわけでございます。その後もしかし御指摘のように富士見丘小学校のPTAの方々からはさらに何らかの措置を講ずべきであるという強い御要望が出まして、私の方は、出先の者及び本社におきましても数カ月にわたっていろいろ事情を申し上げ、さらに御協力を得るように目下話し合い中でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 総裁、私はこの地域、富士見丘周辺の住民の皆さんとお話し合いをされたことを、私も立ち会っていますからよく理解をしています。しかし、PTAの皆さんとは総裁、じっくりこの細部にわたった話し合いというのは必ずしもPTAの皆さんが納得するような形では進んでいませんよ。そのことは総裁おわかりのとおりなんです。これは文部大臣、非常に重要なところなんです。たとえば、反対する住民運動がありました。そのことと別にPTAはPTAとして自分たちの子供たちのいわゆる健康あるいは学校教育環境水準、そういうものを守るために意見を持っています。住民運動が先行した場合、住民運動の中に、ある場合はエゴ的なものも含まれますから、そういうものの中に、この学校PTAが真剣に考えている学校施設と学校環境基準、水準、そういうものとをごっちゃにされると困るわけです。この独自な動きに対しては、やっぱりそれに対応するところの話し合いというものがなけりゃならぬわけでしょう。このことをやっぱり今度の事案を中心にしながら真剣に考えてもらいたいと思います。  そこで、私は提案でありますが、文部大臣、実はここに、学校のここのところにすぐ上りおりのインターチェンジができるんです。そして、このインターチェンジはいま作業が中止になっています、話し合いが最終的につきませんから。この上りおりのインターチェンジというのは、これからの学校環境というものを考えた場合に大変な影響を与えますからこれはやっぱりなくする、これからお調べになってからのあれですが、私の意見で言えばなくする、そういう立場というものを十分に理解をしていただきながら、公団の側と文部省の側との話というものは煮詰まるべきである。同時に、公団の側とPTAとの間の、あるいは学校当局との間の話もそういう立場に立って幾つかの問題が出ていますから、大体七項目ぐらいのものがありますから、それらの問題の話し合いがとにかくつかないうちは、いませっかく中断しているわけですから、この中断の状態というものを続けながらこの問題に対処をする、こういう形で理解をしておきたいと思いますが、よろしいですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) いまの問題につきましては、もちろん、私たちの方も実情がどうなっているかということを十分に調べまして、そうして、この事態に対応していくということ、それからこの住民だけでなくPTAの方々と道路公団が十分に話し合いを進められるようにすることをまた私たちもお願いするということ、さらに、学校自身の立場というものも尊重するということ、こういう角度から十分にこれは検討していきたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 総裁、文部大臣が答えられたような形でこういう話し合いがおたくとの間で進む、この道路についての開通は、その合意がPTAを含んででき上がるまではしない、このことだけははっきりさせてください。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) ただいまランプのお話が出ましたが、ランプにつきましては、住民の方々と話し合いのときに、位置及び構造についてさらに検討をすることになっておりまして、半年もかかりまして検討した結果、去年の九月に変更案をお示しいたしまして、目下地元の方とお話し合い中でございまして、このランプにつきましては、工事の執行は話し合いがつくまではしないというふうな約束をいたしまして、現在話し合い中でございますので、工事にかかりますにはまだ至っておりません。しかし、その他のと申しますか、本線の交通につきましては、ただいま先生の御要望と同じ趣旨の御意見、御要望がございますが、同時にまた、一刻も早く通せという、そういう要望も今度は他の地域からございまして、われわれもその間におりまして苦慮いたしておる次第でございます。広く全般的に高速道路が社会的にどういう影響を持つか、あるいはあの地域に対しましてもどういう影響があるか、プラスであるかマイナスであるかという点を慎重に考え、でき得ますならば、地元の方にもこの道路の意義、公団のなし得る対策というものにつきまして十分御理解いただきまして、われわれといたしましては、御理解を願って、なるべく早い機会にお話し合いを済まして開通させていただきたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまの答弁じゃだめなんです。私はさっきはっきり分けたように、その住民運動一般の中にこのPTA問題を解消してはいけません。この富士見丘小学校PTA、これはいわゆるここの学校と、そして何と言っても一番大切にしなければならない子供の生命と健康、それに不安があるわけですから、その不安について、五号線との関係も含みながら、騒音問題だとか排ガス問題だとか、そういうものについてちゃんと話をつけなさい、それまでは開通なんというのは、それは遠方にいるところの人は求めるかもしれないけれども、最も大切な子供、そうして発言することがいま認められていない子供、これたちを心配しているところのPTA、この意見というものがあなたの中でしんしゃくをされないということにはならぬのですから、そのことを十分に踏まえながら、いま文部大臣がお答えになったように、十分な話し合いというものがなされ、その合意がない以上は開通はあり得ない、それはいいでしょう。合意があればいいわけですから、合意に持っていく努力というものをしてください。

前田光嘉日本道路公団総裁

○参考人(前田光嘉君) 学校の教育環境について特にPTAと他の住民運動とは別に特に配慮しろということにつきましては、私たちもすべての住民運動をどれが大事でどれが大事じゃないかという判定はむずかしゅうございますけれども、しかしながら、この地区につきましては、大変PTAの方々も御心配いただいておりますので、さらに、話を続けまして何とかして近い機会に合意を得たいと思って努力しておるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 とにかく、いまもう一遍念を押しておきますが、PTAの皆さんとの合意、それは非科学的なことを述べているわけじゃないし、単に感情的に物を言っているわけではない。子供たちの健康について、あるいは学校教育が十分に守られていくという保証について、お母さんたちが、あるいは父親たちが心配するのはこれは当然のことなんですから、それに対しての合意が前提である、このことだけは確認をしておきますが、文部大臣、もう一遍、それでよろしいですね。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいま和田委員が申されましたように、PTAの方々の御意見というものを十分に聞きながらこうした道路の開発というものは考えていただくようにしてほしいというのが私どもの考えであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 学校用務員問題に移ります。  用務員さんというのは明治以来、小学校の運営の中ではほとんど学校に置かれてきたわけです。あるときは小使さんなどというべっ称でもって呼ばれてきて、われわれが戦後の運動の中で用務員という一つの名前をつくってまいりました。これも長い運動の歴史がありまして、そして、この用務員さんたちは二十八条二項に基づいてどうしても必要な職員を置くことができるとするだけでは不十分であるということで、新しくこの一項を設けるべきだ、そして職務内容や勤務時間なども明確にすべきだ、こういうふうに述べ続けてきた。そして文部省の側も実はそれらに対して前向きの姿勢を示されてきたわけです。時間がなくなりましたからもう少ししゃべりますが、この問題は、文部省側と折衝されてから実に久しい、私も何回かそのことを取り行ってきた。ところがあるときは教頭法と抱き合わせにされてみたり、あるいは事務職員の問題と抱き合わせにされてみたりという不幸な状態が起こっている。私は、これはやっぱりもう長い歴史があることですから、切り離して、そして存在をしているんですね。早く決着をつけるべきだと思うんです。もうこの国会中くらいには明確に法改定の内容が出されるべきであると、こういうふうに考えるんですが、よろしいですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 学校用務員が学校に必要な職員であるということは御指摘のとおりでございます。ただ、これを学校教育法に規定するということにつきましては、他の職員との権衡等もありまして、いろいろ検討すべき問題が残っておると思いますが、何らかの形で学校用務員の地位を明確にするということにつきましては、和田先生のせっかくの御意見でもございますので、御意見を承りまして、十分検討さしていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは言わずにもわかっているのです。大臣、交付税の算定の中では、私は交付税の考え方は別ですよ。これは地方固有の財源ですから、文部省やその他からいろいろなことを言われる筋合いのものでは実はないんですがね。ともあれ、いま政府がとっていることですから、そのことをいま蒸し返してもしようがありませんが、交付税の算定では、用務員一名あるいは事務補助員一名で計算されているんです。そうすれば、つまり一ないし二名というのはもう認められているんですね。認められているのに、用務員を置くものとするというように明文化されないのはさっぱりわからぬわけです。そして戦後、用務員さんというのはずっといたわけです。あるいは教頭だとかあるいは主任だとかいうようなのは、それぞれそのときどきの教育方針によって後から出てきたんです。後から出てきたものがずっと何か先行するような形でのあれが出てしまって、明治以来ずっと続いている用務員さんというのは、何かやっぱり頭の中には感覚的に差別意識がありながらほっぽらかされるという、これはもう人権問題にもつながる非常に大きなものを包蔵していますから、いま局長答弁がありましたが、この実態をお認めになって、私が述べましたように、この国会中にでも改定の方針を出されるように、その趣旨に基づきながら、ぜひ一定の方針を出していただきたいと思いますが、大臣よろしいですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 十分検討すべき課題と考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、私の趣旨に基づいて検討されると大臣とっておいてよろしいですね。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) それは、もちろんいまの申された趣旨に基づいて検討すべきものと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 次に、学校給食の問題なんですが、学校給食はほとんどの小学校で行われています。これは、現状は教育の一環であります。ところが、給食費がほとんど父兄の負担になっているわけですね。しかも、インフレで父兄の出費はいよいよ増大をいたしています。特に昨年は二度にわたって値上げがありました。現在国庫補助は約八%、自治体は約三%、残り八九%が父兄負担、学校給食法の六条の二項の規定を改めて、学校給食費というのは公費負担とすべきだと実は考えるんです。いかがですか。

諸沢正道文部省体育局長

○政府委員(諸沢正道君) 現在の学校給食は、御指摘のように、学校給食法においてこれは奨励法になっておるわけでございまして、そこで経費の負担区分につきましては、施設、設備、人件費については公費負担、食材料費等の食費については保護者負担と、こういうたてまえになっておるわけでございまして、今日、公費の負担もふえておりますけれども、もちろん、父兄負担が増大していることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、これについて国の考え方といたしましては、食材料につきましても、脱脂粉乳、生牛乳、小麦等につきましては、それぞれの角度から補助を行っておりますし、また、物資の大量購入、一定期間の保存というようなことによる合理化を図るためのコールドチェーンあるいは給食センターの施設の整備等の補助をいたしておりますし、来年度の予算におきましては、大量に物資を買いつけるための基金の援助という形で御承知のように十二億五千万を予算に計上してございますけれども、そうした政策を通じてできるだけ合理的な価格で、品質のいい食材料を購入するという方向で考えるといたしまして、負担の考え方は、現在の給食法にありますような考え方でいくのが現在の給食のたてまえとしては適切ではなかろうかと、かように考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 残念ながら時間がなくなりました。したがって、希望だけ述べておきますが、私たちは先ほど述べましたように、この義務化をすべきだ、こういう立場です。したがって、そこに向かって真剣なこれは大臣、検討をしていただきたいと思うんです。当面、国庫補助率をやっぱり大幅に引き上げる努力というものをもっと続けてもらわないと、牛乳が上がったってほっぱらかしだという形になりますね。あるいは小麦等については措置がやっぱり不十分だということになりますから、そういう食材料等についても出すべきものはちゃんと出すと、あるいは物価にスライドさせる、こういうような形のことをやりながら、当面、私は調べてみましたが、私立を含んでもう小学校は九七%近くやっているわけですからね。そうすれば、これはもう第一段階として、小学校ぐらいは義務教育に欠かせない条件ですから義務化するのは当然だろう、こう大臣思っているんです。  同時に、そこに従事する給食調理員の方々の問題ですが、これも明治二十二年以来の長い歴史があります。こういう長い沿革の中で、やっぱりいま言ったように、学校給食法は義務化をすると同時に、調理員の身分、定数、職務内容というものを、審議会にかけていますからどうだというようなことでいつまでも遷延させるのではなくて、早い機会に明確にする、こういう態度をぜひとっていただきたいと思うんです。  そうしてもう一つは、洗剤問題なんです。皆さん方御存じのとおり、子供たちにシャボン玉を吹かせるのに洗剤を使っていけません。いわゆる合成洗剤や中性洗剤のものでシャボン玉を吹くと危険ですと、こう言っているんです。ところがあなた方――私たち反対だけれども、進めている給食センターなんといったら合成洗剤でもって後洗いをさせる、そのためにたんぼに流れ出て被害が出る、あるいは農家の主婦たちに斑点ができる、こういうような被害がずっと出ているんですから、これらの点についても、子供たちにあれだけの注意をされて通達を出されたんですから、ちゃんとしっかりしたけじめをつけられる、こういうことが必要だと思うのですが、時間がなくなりましたので意見を述べておきますが、大臣からちょっと所感を承りたいと思います。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) この学校給食の問題というのは、教育上の問題もありますが、財政的側面というのがなかなか重大だと思います。義務化のことを和田委員述べられましたが、義務化というと恐らく公費負担と関連する面が出てくる。公費負担と関連いたしまして考えますと、三千億円を多分超す額が必要になってまいりますから、これは直ちになかなかそれに移っていくというふうなことは考えにくい側面を持っているように私は考えております。  そこで、しかし、インフレの中で非常に学校給食費も高くなっているではないか、やはり食材料を安く確保していくということで、現在流通機構との関連で、比較的改善が見られるのは十四の地方自治体に限られてますから、ですから、これをもう少し広げていくというのが確実にこの給食の条件をよくしていく一つの角度ではないだろうかというふうに考えております。でありますから、目標としては、条件をよくすることにあるのでありますが、直ちにこの義務化ということについては、これは前向きに検討しましょうというふうに申し上げると責任を伴わないように思います。  なお、洗剤などの問題もおっしゃいましたが、こういう問題は直ちにでも十分に考えて、われわれとしても指導、助言をしていくべきことであると考えております。

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 以上で和田静夫君の質疑を終わります。  この際、お諮りいたします。  分科担当委員外委員矢追秀彦君から発言したい旨申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、発言を許します。矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) 私は最近、歯科医療が非常に問題になりまして国民から大きな不満が出ておりますが、この問題に関連をいたしまして、う触の予防と、それから歯学部あるいは歯科大学の大学の問題を中心に質問を進めたいと思います。時間が限られておりますので、ひとつ簡明にお答えをいただきたいと思います。  まず初めに、学童にう歯、いわゆる虫歯が非常に最近年々ふえていることは御承知と思いますが、この虫歯の予防に対する学童の指導、これはどのようにいま行われておりますか。

諸沢正道文部省体育局長

○政府委員(諸沢正道君) 虫歯に対する学校の指導といたしましては、一つは、できるだけ虫歯を発生せしめないように予防についての指導をする、それから次に、虫歯についての定期的検査を励行して早期に虫歯を発見せしめる。三番目に、発見した虫歯については早期に必要な手当てをするという、以上の三つの観点があろうかと思うのでありますけれども、それらにつきまして学校では学校保健、あるいは保健指導という形でこれをやっておるわけでございまして、現在小中学校におきまして、それぞれ小学校では体育、中学校では保健体育の時間においてこの虫歯に関する知識及びそれに対する予防、事後の処置等についての勉強をさせますし、それから特別活動においては、給食等々の指導を行いますいわゆる学級指導という時間にいまの保健指導という形でいま申し上げたような点を指導をしていくというようなことをやっておるわけでございます。  なお、実際に虫歯が起きた場合の処置につきましては、低所得階層のお子さんであります準要保護、要保護の子供につきましては、現在、学校病として、たとえばアマルガムの充てんというようなことを公費負担をもってやる、こういうような措置を講じております。  以上でございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) 小学校学習指導要領によりますと、この虫歯に対する保健のところでの出てくるのが五年生なんですね。小学校五年生になりまして初めてこの百八十八ページに、「う歯とその予防について知ること。そしゃくとう歯の関係、う歯の現状とその原因、う歯の予防のしかた」こう出てくるわけです。  厚生省の方にお伺いいたしますが、五年生になると永久歯はどの程度生えそろっていますか。

笹本正次郎厚生省医務局歯科衛生課長

○説明員(笹本正次郎君) 大体、乳歯、永久歯の交換が大体五歳ないし六歳ごろから始まりますので、はっきりしたあれはございませんが、相当程度の交換が行われておるというふうに思われます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) したがいまして、私は五年生でもちろん教育していただいて結構だと思いますし、むずかしい問題になってきますと五年生ぐらいが適当かと思いますが、実際は一年生からやらないと間に合わない。臼歯が一番最初生えるのは六歳ですから、これは小学校一年生で出てきますし、私としては、小学校でも遅いという考えを持っているわけです。一番やらなければいけないのは、これは体育局の方のあれではありませんが、むしろ、社会教育局になるかと思いますけれども、母親、特に妊娠したとたんにもうこれは教育をしなければなりません。そういった意味では、婚前教育まで持っていかなければならぬと私は思っておりますけれども、そういう意味で、少なくとも五年生では全く遅いんではないか。一年生でもっとわかりやすい形で入れるべきではないか。そういった意味で、次の改定のときには一年生の段階にこれをおろしていただきたい、こう思うのですが、その点いかがですか。

諸沢正道文部省体育局長

○政府委員(諸沢正道君) 御指摘のありましたように、教科としての体育では五年の段階で教えるのが適当であろうと、こういう考えのもとに、五年生のところに入っておるわけでございますけれども、いまの保健指導というのは、教科の体育だけではなくして、学級指導といいまして、教科外の活動があるわけでございますが、その学級指導の中の保健指導という領域におきまして、虫歯のことは小学校の一年から取り扱うことになっておりまして、その取り扱いにつきましては、「小学校保健指導の手引き」というのを出しておるわけでございますけれども、その保健指導の手引きにおける、虫歯についての指導の目標、内容の参考例というのを掲げてございますが、たとえば小学校の一、二学年におきましては、「う歯について関心を持ち、口の中をきれいにする。」「うがい(ぶくぶくうがい)や正しい歯のみがき方」等を知らせる、というふうに発達段階に応じて取り扱うこととしておるのが現状でございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) 一応されていると思いますけれども、現状においてはなかなか減っていないのが現状です。これはもちろん学校だけで幾らがんばってもだめでして、家庭の問題、あるいは食品の問題が一番私は大きな問題だと思っておりますけれども、もう少し強力な体制ができないものかどうか。ただ、そういうところに書いてあるからいいのではなくて、いまこれだけ社会問題になったわけですから、ざらに新しい年度から強力な指導をしていただきたいと思います。その点について、いまの現状の中からどうお考えになりますか。

諸沢正道文部省体育局長

○政府委員(諸沢正道君) 御指摘のように、小学校の子供の虫歯の発生率は年々増加しているという憂慮すべき状況でございまして、さらに指導徹底する必要があるという御趣旨は全く御趣旨のとおりだと思います。ただ、学校としてもいろいろ教育活動の分野がございますので、どういうふうにやったら最も効果的かということになるわけでございますけれども、現在主としてその面を専門的に担当いたしますのは、年度初めに行います学校の定期の身体検査における、歯の分野における学校歯科医の診察と、その事後指導の徹底というようなことがあろうかと思うのでありますが、それらの点につきまして一層趣旨の徹底を図るように、今後も関係者の会議等を通じてやってまいりたいと、かように思っておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) いま言われた学校歯科医の問題ですが、これは一生懸命やっていただいて、一応そのどれが虫歯であるかないかのチェックが行われるのですが、実際それが診てもらえないのが現況で、夏休みなんか歯医者さんに殺到して、特に小児関係の治療をしても点数が全く同じですから、子供さんの方が、最初の方は非常に手間がかかるわけです。したがって、診療拒否が非常に多く出てくる。こういうふうなこともありまして、点数の問題は、また別の場所でやりたいと思いますけれども、そこで私、提言なんですけれども、これは厚生省にお伺いしたいんですが、もちろん、学校歯科医の指導のもとに学校にも衛生士を置いていただいて衛生士が初級の、いわゆるピットカリエスと言われているものの充てんぐらいは十分できると思いますので、その点ができるようなことができないものか。現在の歯科衛生士学校というものを一年制のものは全部やめまして二年制にする、あるいは三年制ぐらいにして歯科衛生士の程度を高めまして、いわゆる初級の充てんはできる。ただし、もちろん歯科医が監督指導をするということで各学校に、これは予算等の問題が絡みますけれども、歯科御生士を常時置かなくても、たとえば週に一回来てやっていくとか、徹底的にチェックをしていけばいつかなくなっちまうわけですから、そういう形がとれないものか、その点、厚生省いかがですか。

笹本正次郎厚生省医務局歯科衛生課長

○説明員(笹本正次郎君) 歯科衛生士の業務の中で小さな虫歯に対してアマルガム充てんをできるようにしたらどうかというお話でございますが、現在の歯科衛生士の業務としては、御承知のとおり、予防処置と診療の補助というのができるわけでございます。私の方では、診療の補助の中でアマルガム充てんについては少なくとも窩洞形成は、これは現在ではまだ一遍つくられたものを修正するということについては非常にむずかしい点があるという点から歯科衛生士の診療の補助の業務という範囲からは窩洞形成については一応除きまして、アマルガム充てんあるいは研磨ということについては、現在の歯科衛生士においても可能であるというふうに考えておるわけでございます。  それから、なお二年制問題につきましては現在七十数校の衛生士学校、養成所がございますが、約四〇%が二年制になっております。したがって、暫時この傾向は二年制に移行していくというふうな傾向になっておりますので、これらについては、私どもも二年制が望ましいという方向で従来から考えておるところでございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) 局長いかがですか、衛生士の学校の補助は。

諸沢正道文部省体育局長

○政府委員(諸沢正道君) どういう方がその治療に当たるかというのは、厚生省の御専門の御意見ございましょうが、考え方として、学校において子供の虫歯について発見と指導だけでなしに簡単な治療ができるようにした方がよくないかという御提案だと思いますが、その趣旨は確かに一つの私考え方だと思います。ただ、現在の状況を考えました場合に、それだけ治療のできる方を特定の日に限って学校に確保し、かつ学校においてその方に適当な治療ができる施設設備を提供するというような条件を満たし得るかどうかということになりますと、現段階ではかなりむずかしいんではなかろうか。したがいまして、せっかくの御提案でございますけれども、今後の検討の課題としてひとつ考えさしていただきたいと、かように思うのでございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) これはぜひ御検討いただきたいし、学校に全部となりますと大変ですから、ある程度地域で統合するとか何とかの形はできるんじゃないかと、こう思うのです。  次に、同じくう触の予防につきまして、私は昨年の分科会でも質問をいたしましたが、小児歯科の講座の問題でありますけれども、現状は一々やっていただくと時間がかかりますので、資料をいただいておりますので、国立大学では現在は講座としてあるのは東京医科歯科大学ただ一つでございまして、後、私立の大学はほとんどあるわけです。これについては国立にぜひ講座をつくっていただきたいということでお願いをしてまいりまして、ようやくその機運が兆して来ていると思いますけれども、教官数を見ましても非常に少ないわけです。北海道大学で十名、これは全部兼任です。東北大学で四名、東京医科歯科大学が診療室が五名、新潟大学は全員兼務で十名、大阪大学は診療室で三名、広島大学が診療室で八名、九州大学は全員兼務で十二名、こういうふうな状況でして、一番こういう問題になっておるときに、私はこの辺の定員をどうしていくのかあるいは講座を今後進めていくのか、この辺で予算の関係があるかと思いますけれども、小児歯科の講座はやはり時代の要請に応じてどうしてもつくっていかなければならぬと思います。今年度はどうなっておるのか、来年からの計画をできましたらお伺いしたいと思います。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) 小児歯科の講座につきましてはただいまお話ございましたように、国立大学では一大学にのみ講座が設置されております。小児歯科の問題につきましていろいろな要請も強くなっておるところでございまして、五十年度の予算におきましては、大阪大学に小児歯科の診療科を設けるという予算をただいま御審議いただいております。助教授一、助手一、看護婦二をもって構成する診療科を設置いたしたい、かように考えております。  なお、講座そのものの問題でございますが、先生御案内のように、ただいま歯学部の基準としまして、基礎八、臨床九、十七講座をもって歯学部を構成するということをやっておりますが、これに小児歯科を置くことが望ましいというのが現在の基準でございます。文部省としましては、ただいま大学設置審議会の基準分科会でいろいろ御検討いただいておるのですが、基礎、臨床含めまして十七講座という講座の総枠そのものは、大体これでよろしいのではないか。ただ、講座の立て方を従前よりもやはりこれを弾力化して教育研究所の必要に対応できるようにする必要があるのではないかという意見をいただいておるのでございます。文部省としましては、今後、小児歯科学等必要性の強いものにつきまして講座の編成組みかえとか、教育研究内容を改変するとか、弾力化するとか、こういう観点から教育研究診療上の要請を十分カバーできるように、この面につきましては前向きの措置を今後やってまいらなければならない、かように考えておるところでございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) それから小児歯科学の授業時間数ですが、これは非常に大学によってはアンバランスがありまして、一番多いところが岐阜歯科大学の百二十六時間、少ないといいますか、大阪大学の場合には歯科保存学の中に含まれておりまして、具体的な時間は出ておりません。少ないところが東京歯科大学の三十時間、公立の九州歯科大学の十五時間、これだけになっておるわけです。これに対しては授業時間はやはりかなりふやしていった方が私もいいと思いますが、それに対して今後文部省としてはどういう指導方針で臨まれますか。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) ただいま御指摘のように、現在の歯学部関係の授業時間のめどといたしましては専門関係ミニマム四千二百時間でございまして、これに対しまして小児歯科につきましては一・五%をこれに充てるということを大体の基準としてやっておりまして、現状はただいま先生御指摘のとおりでございますが、大学設置審議会の関係者の間でただいま中間案ができまして、それぞれ検討に入っておりますが、歯学部の教育の問題につきましては、従前のように、約四千二百時間を授業科目ごとに細かくパーセンテージを示すのじゃなくて、基礎歯学、応用歯学、その他と三つの分類にいたしまして、四千二百時間のパーセンテージの大枠を示し、後は各大学のそれぞれの判断にゆだねた方がよろしいのではないか、こういうふうな考え方に相なっております。  小児歯科学につきましては、応用歯学の中に小児歯科学という授業の科目の例示を明確にして、応用歯学全体として六三%ないし七三%をこれに充てたらどうかというのが設置審議会のいまの中間報告でございます。先ほど講座の問題でお答えいたしましたが、小児歯科の面につきましては、私どもも非常に要請が強くなっておると存じますし、国公私立大学を越える基準そのものはただいま申しましたような大枠にして、そうして、その中でやはり時代の要求、要請に応じまして小児歯科等につきましては現在のパーセンテージを実質上回るような方向に文部省といたしましても努力をしなければならないものとかように考えております。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) いまカリキュラムの問題が出ましたのでお伺いをいたしますけれども、いま歯科医のモラルの問題等もやかましく国民から批判を受けておりますけれども、いわゆる学生時代にそういった社会に向けるということが専門課程の中でもほとんどないわけです。私自身も阪大で歯学部で受けたのが医学概論と阪大の場合は医事法制、それから歯科経済学という形で習いましたけれども、二人とも開業医の先生のお話でしてあまりぴんときませんでした、はっきり言いまして。医学概論はわりあい興味がございましたけれども。そういったわけで、こういったもう少し歯科医というのは元来からどうしても口の中という小さな部門で、しかも、歯という非常に小さなことをやっておりましたので、なかなか社会ということに目を開く――こういうことを言ったらしかられるかもしれませんけれども、少なかったわけです。そういった意味で、もう少しそういう歯科社会学といいますか、社会歯学といいますか、そういうような意味でいまの医学概論とか、保険のあり方とか、あるいは医療報酬というのはいかにあるべきかとか、あるいはまた医師というものあるいは歯科医師というものが社会の中でどういう立場にあるべきかということ、大体学部の四年生ぐらいでいよいよこれから卒業というところ辺で何か一つあった方がいいんじゃないか、もうちょっとまとめられないかと、こう思うわけです。四年生になりますと臨床実習が始まりまして、患者さんを診る方に必死で、いま患者さん多いから問題ないのですけれども、前は歯科大学の私立の場合などは患者さんに来てもらうことが、単位をとるために患者を頼み捜して、知り合いに頼んであなた歯を抜いてあげるから来てくれと、こういうようなことで、単位をとるためにむしろ乱暴に患者さんを引っ張ってきたような経緯もありまして、いまそういうことはありませんけれども、そういうような状態ですので、もう少しそういった歯科社会学というふうな形で何かまとめられないか。そういった点で、いま文部省としては、どういうふうな検討をされておるのか。これは特に大臣からお伺いしたいと思います。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 先ほど大学局長から申し上げました大学設置審議会の中間報告というのも、これからの歯科医の養成に当たりましては、いま矢追先生申されましたような点を注意すべきである。具体的に申しますと、やはり歯科医の社会的責任というようなことも一層重要になってくるわけでありますから、たとえば、歯科社会学とかあるいは歯学史とかあるいは歯学概論、こういうふうなものを重要視すべきであるという、中間報告はそういうお考えでありますが、私たちとしましても、まさにそうであるということで、この報告の御趣旨というものを尊重していきたいという考えを持っております。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) 時間がなくなりましたので、この間、予算委員会の一般質問でも、これは毎年問題になりながら解決のできない、いわゆる寄付金の問題が出てまいりましたけれども、これはやはり減らすためにはどうしても私学に対する助成というものを強めなくちゃいけない。今回かなり予算はふえましたけれども、現在の状況の中ではまだまだ私立の方も大変なようでして、何千万ということが実際出てくる。その反面、国立をふやせばいいじゃないかということもありますし、この問題、特に国立大学の歯学部はこれからどういうふうな計画でふやされる方針ですか、大体どの辺までを。医科大学の場合は各県に一つという方針ですが、歯学部の場合はそこまで必要なのかどうか。これは私どもちょっと計算しておりませんけれども、これから五十年度予算ではどういう方向ですか。今後どういうことになるのか。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) 国立大学におきます歯学部関係の拡充の問題でございますが、一つの問題といたしまして、現在、国立大学の歯学部のそれぞれの学部ごとの入学定員の大半が四十名でございます。東京医科歯科大学八十名、大阪が六十、東北等五大学が四十名であります。現在国立大学で整備をいたしております講座とか、そういったものは、国公私立大学を通じまする基準から申しますと、大体八十名可能な基準に相なっておりますし、その意味で文部省といたしましては、各大学に定員増の計画等につきましての検討をお願いをしておる。ただ、これはいろいろ医進課程の問題でありますとか、いろいろな問題がございますので各大学の方でどのような対応に相なるかということはございますが、既設の歯学部の学生定員の増を図るという問題が一つございます。  それから第二の問題といたしまして、国立大学におきまする歯学部の創設の問題が一つございます。これにつきましては、五十年度予算におきまして、四十九年度予算に引き続き徳島大学に歯学部の創設準備経費の計上をいわゆる御審議をいただいておるところでございますが、教官の確保等に若干の時間がかかりましたので五十年創設というところまでいかなかったのですが、できますれば、五十年中にすっかり創設準備をいたしまして徳島大学の歯学部創設という問題はできるだけ早い機会に実現を図りたい。さらに特に歯学部関係、歯の関係の診療科の増強であるとか、この関係の講座の増設であるとかが既設の医学部でやはり非常に要請が出ておりまして、五十年度予算におきまして特に岡山大学、長崎大学、徳島大学におきまして既設の医学部に歯の関係の講座増をそれぞれ図りまして、歯の関係の研究協力体制の充実を五十年度予算で期したい、かように考えております。  歯の関係につきまして、今後、国立大学の整備の明確な年次計画と申しましょうか、全体の入学定員をどこまで持っていくかとか、この点につきましてはなお諸般の事情を見ながら引き続き検討さしていただきたい、これが現状でございます。

矢追秀彦公明党

○分科担当委員外委員(矢追秀彦君) 定員増の問題、いま大学側の方でいろいろ問題もあることも承知をしておりますが、特に阪大の歯学部というのは非常に狭いところで六十人教育をやっているわけでして、そういった点ではまだほかの大学には少し余裕があるように思いますし、特に私立の場合はいつも問題になる水増しの問題ですね、定員が百二十でありながら二百名とったり、文部省からのデータでいきますと、大体学生の定員が国立大学の場合は現員に対して一・〇一倍、公立が一・〇七、私立に至っては一・七三と、こういうふうな状況でして、要するに、国立大学の方でもう少し先生方大変ですけれどもがんばっていただければこういう私立がむちゃなことをしなくてもいけるんじゃないか。やはり定員の中で教育をしないと、その定員で全部の施設ができているものですから、私も何カ所か私立の歯科大学――私は専門が病理学ですので病理学の実習も見てきましたけれども、ちょっとあれじゃできないですね。実際二百人もいますと顕微鏡実習をやるにしても大変でして、テレビでやっておるわけですね。それから技術の面もそういったテレビでやることがいいのかどうか、これは議論のあるところだと思いますけれども、定員以上とっておると非常に支障が来たされる。しかも高い金を払って入っている、しかも高い寄付金で入っているから、出てから早く元を取ろうということで悪徳歯科医の発生になるということが世間の方から反発を買っていると、こういう状況ですから、一つは、こういうふうなゆがんだことが起こらないように、まず、国公立の歯学部をふやしていただきたいのですが、いまの定員の中で少しふやすような指導を、これは大学の先生方とよくお話し合いをしていただいて、ぜひお願いをしたいと、こう思うわけです。  時間が参りましたので最後に文部大臣にまとめてお伺いをいたしますが、いま問題になっている歯科医の問題は、ただ、単なる歯科だけの問題ではないという私の考えです。一つは、やはり高度経済成長の生んだひずみの大きな一つです。それからもう一つは、学校教育でない方からこのいわゆる高い治療というのが入ってきたのです。これはアメリカから実は開業医のルートから最近のこの非常に高価な治療というのが出てきたわけです。要するに、それがたとえば週一回土曜日に勉強に行くだけで十万ぐらいの月謝を払って、それで非常に高度な技術を身につける、そうして高い医療代を、きちんとしてやっている先生ならいいですけれども、なまはんかにやって、隣がやっているからうちもこれで取ってやると、実際三万円のものを五万円取る、これは私、詐欺だと思うんですね。三万円のものを五万円取ると、これは完全な詐欺なんです。五万円のものを五万円取ればこれは適正ですけれども、そういうふうなものはむしろ学校じゃなくて、そういう開業医のベースから流れ込んできたんです。こういったこともやっぱり経済成長があったからこそこういうのができたんで、こういうやはり高度経済成長からこれから低成長になるわけですから、そういった中で学校教育、特にこの歯科医の問題もそういう意味でぜひ文部大臣も受けとめていただきまして、そしていまいろいろ指摘をした虫歯の予防から始まりまして、これはまた学校で幾らがんばっても食べる方が問題なんです。食品の規制もやらなくちゃいかぬのです。この辺も含めましてぜひその学校歯科医のあり方、子供に対するう蝕予防のあり方、また、母親の教育のあり方、そして大学のあり方、また、大学の教育自身も下手をすると――技術の進歩はしなきゃいけません、学問の進歩も必要ですが、やはりそれが社会へ出ていった場合にいまのようなそういうぼろもうけをするというふうな方向に行ったんではこれは何にもならぬわけですから、そういった点を含めましてぜひ前向きな取り組みをしていただきたい、こう思うわけですが、最後に所信をお伺いして終わりたいと思います。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいま先生御指摘の問題はきわめて広範な、かつむずかしい問題を含んでいると思います。とりわけ社会における医歯療行政の問題というふうなものも含まれているかと思いますが、一般的に申しまして、御指摘のように、高度経済成長の中で歯科医のあり方、あるいは学校における虫歯の増大というふうなことも、あるいは本当にバランスのとれた健康な生活というものを志向していく考え方というものが家庭においても学校においても弱体であったというようなことに関連があるのだと思います。  そこで、これは御家庭の御協力も得なければいけませんが、先ほど体育局長から申し上げましたように、学校における保健というもの、これは十分に今後指導の徹底を図っていきたいと思います。  医歯療行政については文部省は直接仕事をする立場にございませんけれども、しかし、歯科医の養成という問題は直接責任がございますから、先ほども申し上げましたように、社会的責任を果たし得るような歯科医の養成ということから私立の学校のあり方について、他方、国立における養成の計画について全般的に配慮いたしまして、これからのもっと安定した社会における歯科医の養成の問題というものにも十分に積極的に取り組んでいきたいと考えております。

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 以上をもって矢追秀彦君の質疑を終了いたします。

加藤進日本共産党

○加藤進君 文部大臣にお尋ねします。  三木総理も永井文部大臣も教育は静かな場で行われなくてはならぬ、こういうことを絶えず強調しておられます。私もまた、その点は同感でございまして、教育こそ静かな、そして子供たちに望ましい環境を保障していく、こうでなければ、教育基本法に示されておるような心身ともに健やかな国民を育成するということは不可能だと思います。その点につきまして、そのような静かな教育環境を保障していくということに教育行政のきわめて重要な任務がある、こういうふうに私は考えますけれども、その点は大臣いかがでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 教育を静かな場所で行っていきますために教育行政が環境の整備、保全、そういうものに非常に重要な責任を持っていると考えます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そこで、しかし教育のために好ましい、いい環境をつくるということは、これは単なる願望だけじゃ私はできないと思います。教育行政の担当者が相当の勇気とそして努力を持って初めてそのような条件をいわばつくり出すことができる、私はそう思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) きわめて私は微力でございますけれども――勇気と努力というものは、教育行政担当者にとりまして先ほどからの目的を達成する上できわめて重要であると考えます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 先ほど和田委員の方からも強く指摘されました東京都の杉並区富士見丘小学校の問題であります。PTAの代表の皆さんの願われることはいまでさえ環境は決してよくないけれども、少なくとも、この程度の環境だけは守っていただきたいということでございます。こういう要求について、文部大臣、これは当然だ、こういうふうにお考えになるでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 親御さん方が子供の教育のためにでき得る限りよい環境を保全しようという要求を持たれるのは当然であると考えます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そういう要求は正当であり、当然であるというなら、そのような要求を実現さしていくためには、それなりの行政上のやっぱり努力と責任がかかってくるのではないかと思うわけでございます。その点で、今日まで文部省はこのような問題が単に富士見丘小学校だけの問題ではない、全国各地さまざまな教育施設がこういう問題をはらんでいるという点から見ましても、私は、特に文部省が積極的に、意欲的にそのための努力を払われておるとは今日考え得ないのでございまして、その点について文部大臣はこの際勇気を持ち、努力を傾けて、そのような父母の要求、子供たちに好ましい教育の条件をつくっていく、こういうことのために努力します、こういうことを改めてお約束いただけるでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) いま先生が申されました角度から努力をしていくということを私も考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 実は私は昨日PTAの皆さんの代表とそれから建設省、公団、そして文部省の方にも来てもらいまして、話し合いをしていただきました。残念ながら余りかみ合わないのです。というのは、父母の要求は正当だということを大臣も認められました。その要求にこたえるような建設省の姿勢もないし、あるいは公団の姿勢もないし、文部省としての確固たるいわば行政の姿勢はまだ取り得ない。ここに問題がある。私はその意味では本来なら自分たちの教える場を保障するという学校のことなんですから、子供のことを考え、父母のことを考え、いわば自分の財産、自分の大事な場所をいわば公害によって汚染されるという危険にさらされてきておるわけでございますから、本来、文部省自身が学校というものはこういう条件にあることが望ましい、環境基準を明確にしていただいて、それを一歩も退かない、引かないというくらいの決意を持ってその実行をたとえば建設省に対し、あるいは公団に対しあるいは都に対しあるいは閣議にこのことを要求する等々の積極的な努力を払っていただいて私は当然だと思いますけれども、その点いかがでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 学校の教育を推進していきます上での環境衛生の基準というものを立てまして、文部省はこれを守るように努力することは当然いたすべきことであると考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その当然なことがやられておらないというところに行政の問題があると私は指摘しているんです。だからもしそのことが当然だと言われるなら、それを言葉の上だけでなしに、進んでPTAの皆さんと懇談し合い、PTAの皆さんが何を要求しておるかを文部省自体が責任を持ってつかむ必要がある。そういう立場を十分考慮しながら、あるいは公団にあるいは建設省に文部大臣責任を持って申し入れをする、交渉する、それを実現させる。こういう私は行政上の責任があるということを先ほど来申し上げておるわけでございまして、その点を改めて文部大臣、御確認いただけますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 行政上の責任の原則を申し上げましたのです。個々具体の問題について、先ほどの話は道路公団との関連で起こってまいりましょうし、また、他の関連で起こってくる事柄もございましょうし、そうした個々具体の問題に関連いたしまして、私たちの対処の仕方というものを決めるべきであると考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 この予算委員会分科会におきましてたまたま富士見丘小学校の問題が典型として出されたということから申し上げましても、この問題については、指摘されたように文部大臣もみずから進んでその改善の措置をとる、こういう決意を承りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) この問題につきましては、私の理解いたしますところでは、住民の方方、それからPTAの方々に当然一つの考えがございまして、そして道路公団の方は道路建設ということからもう一つの考えというものがあるんだと理解いたしております。さらに、学校あるいは区の教育委員会というようなものにも当然学校というものをどういうふうに今後運営していくかということで考えがございましょうから、私たち文部省の立場というのは、学校教育というものを望ましい状況の中で推進いたしていくということにありますから、この問題につきましては、いま申し上げました各当事者の相互における話し合いというものが進んでいくように私たちもお願いしているわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その点につきましては、最後に、実はきのうもそういう点で各関係省庁の方たちもある程度合意されました。地元の方たちとお互いにひざを交えてこの問題で何を改善しなくてはならぬか、どのような措置を具体的にとらなくちゃならぬかということをひとつ文部省の責任においても推進していただきたい、よろしゅうございますね。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまのお言葉どおり、私たちも、この問題について協力的に臨んでいきたいと考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 では、次の問題に移ります。  これはちょっと地図を見ていただきたいと思います。(地図提示)これは愛知県の豊橋市の地区内に現に起こっておることであります。すでに新聞紙上にもこのことは大きく報道されましたが、浜松の航空自衛隊の戦技研究班というもの、この班によって訓練が行われています。これは豊橋市の伊古部町にある高豊中学の真上と思われるようなところで、しかも、低空でこの演習が実施されておるわけであります。すでにこの問題につきましては、豊橋市議会におきましてもわが党の井口議員がこの問題を指摘いたしました。豊橋市の教育委員会もこの問題については積極的に自衛隊に働きかけるというような努力を払われておるわけでございます。  そこで、防衛庁の方にお尋ねしたいのは、この戦技研究班の訓練の内容は何か、目的は何かということを簡潔にひとつ御説明いただきたいと思います。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) お答えいたします。第一航空団の戦技研究班におきましては、航空機による戦技運用の訓練を実施するということと、操縦士の練度の保持向上を目的として種々の飛行姿勢の変化を伴う訓練を行っております。具体的にはダイヤモンドの隊形であるとか、あるいはクローバ・リーフ・ターン――編隊横転等と呼称している、飛行態勢を単機または編隊で訓練を実施していると、こういうことでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その点の説明ではちょっと納得しかねるわけでございますから私が補足します、これはもう防衛庁から聞いた話でございますから。  ともかく、この訓練は海上から陸上へ進入いたします。海上の海岸線を伝って五十メートルのところの低空を飛行します。そうして陸地に至るとずっと上がりまして、百五十メートルの地点に達しますとそこでいわゆるクローバー型の曲技飛行なるものが行われます。旋回飛行が行われます。その旋回飛行が行われるまさにその下に先ほど申し上げました中学校があるわけでございます。子供たちは目の前にその操縦士の顔まで見えると言うんです。どんなことが子供たちの声として言われているかをちょっと御紹介いたします。騒音に至りましては最高八十ホンを超えています。これは前の演習ですよ。ずっと続いています。子供たちは、よく晴れた日は、朝起きると憂うつになると言っています。なぜかおわかりでしょう。飛行機が飛ぶからです。体育はできないけれども、雨の日は本当に静かで落ちつきますと、こう言っているんです。先生たちは、気の散る盛りの学校の子供です、卒業前で私たちまでいらいらしています、何とかしていただけないでしょうか、こう願っています。この学校の校長先生はどう言っておられるかと申しますと、どうも学校が目標にされておるような気もする、目標が学校にされておるんじゃないかと心配しておられる。騒音と墜落、墜落の不安を常に感じますと、こう言っておられるんですが、この墜落の不安というのは架空のものじゃないんです。御承知のとおり、すぐ名古屋の小牧空港において昨年夏墜落事故が起こりました。二名の若い学生がそのために亡くなりました。さらに、この問題が起こっている三月十三日、新聞によりますと、九州の築城基地を進発した同じような自衛隊戦闘機、訓練中についに有明海に墜落です。こんな事故は起こりかねないんです。こういう演習のもとに何と学校があるということなんです。しかも、その高さは百五十メートルから二百メートルです。顔が見える。こんな状態を許しておいていいのか、こういう問題がございますし、この問題は決してきのうきょう起こったことじゃないんです。  私は、きょう特に参考人として来ていただきました豊橋市の教育長長谷川さんにその点についてお尋ねしたいのでございますけれども、教育委員会を代表して長谷川教育長は再三にわたってこの問題を自衛隊に訴えられておるはずでございます。一番最初はいつごろであったか、相当前の話だと私は聞いておりますが。その後再三にわたって足を運んで、そして強い要請をされたと思っています。そのいわば教育委員会の立場からの要請と、そして、これに対する自衛隊の回答はどんなものであったか、簡潔でよろしゅうございますけれどもお聞かせ願いたいと思います。

長谷川博彦豊橋市教育長

○参考人(長谷川博彦君) お答えいたします。  最初は、四十六年五月三十一日でございます。自来、現在までに四回航空自衛隊第一航空団を訪れまして要請をいたしております。協議しております。現在も協議中でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それに対しましてどんなことが申し入れられましたか。それから、それについての航空自衛隊の御回答はどんなものでございましたでしょうか。

長谷川博彦豊橋市教育長

○参考人(長谷川博彦君) 最終的に訪問いたしましたのは、五十年三月三日でございまして、そのときの航空自衛隊の司令からのお話はやはり基準点を洋上に移すという問題でございますが、場所の変更でございます。二番目は、エンジンパワーを限界まで下げて騒音の件を調整しよう。三番目に、飛行時間の変更と短縮、これをできるだけ授業後の訓練にしようということでございます。四番目は、訓練回数の減少と高度を少し高くしよう、こういう四つの点でございまして、航空団として取り得る限りの検討を行いたい、と同時に、防衛庁とも協議しようという回答でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もう一つだけお尋ねしますけれども、この訓練空域のもとでは豊橋市の所管の教育施設としてどのようなものがございましょうか。

長谷川博彦豊橋市教育長

○参考人(長谷川博彦君) お答えいたします。  自衛隊の方で言っております基準点を中心にいたしまして、半径二キロの範囲内に中学校一つ、小学校一つ、それから屋外教育センターといういわゆる学校教育関係の施設がございます。その隣に社会教育施設の「少年自然の家」がございます。以上四カ所ございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 文部大臣もお聞きいただきたいと思います。  ここは愛知県における最も観光の適地なんです。そしてレクリエーションの地域なんです。だからPTAの諸君だってこの屋外教育センターに行くんです。子供たちは「少年自然の家」に行くんです。そういうところの真上なんですよ。しかも、いまお話になりました四年前からこの点については何とかしてほしいという要請を再三にわたって防衛庁にやっておられる。  そこで、私聞きたいのですけれども、防衛庁、そしてこういう訓練そのものを認可されたのは私は運輸省ではないかと思っておりますけれども、運輸省と防衛庁は、この問題について一体四年間どういうふうに措置され、考えられておったんでしょうか。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) 先ほど先生の御質問の中で多少私の方からお答えさせていただきたい点がございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 簡潔にお願いします。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) 先ほど目標にして戦技訓練をやっているんではないかというようなお話がございましたけれども、そういうことは決してございません。  それから墜落の危険があるではないかと。もちろん、空飛ぶものでございますので、墜落する危険はございますけれども、墜落した場合に与える被害ということを考えまして、その航空基地ごとに退避の方向等を決めました訓練をやっておりまして、必ずできるだけ海上へ落とすということで、先ほど先生御指摘の築城のF86Fにつきましても有明海まで持ってまいりまして有明海へ落ちたと、そういう訓練をやっておりますので、できるだけ海上へ落とすということになっております。  それから、教育委員会との関係でございますが、先生から確かに御指摘ございましたように、私ども四十六年に豊橋の教育委員会の方からお話がございまして、教育センターが目標のようなので変更してほしいというようなお話もございまして、当時、検討した結果、目標を一・五キロメートル西側に移すということでやってまいってきました。そしてさらに、先ほど先生御指摘のように、本年二月の二十日でございますか、教育委員会の関係者が基地に参りまして訓練時間とか、あるいは場所の変更ということを申し入れがございまして、さらに三月三日、先ほど御指摘のように、文書で要請書が第一航空団の方に出たわけでございますが、それを受けまして、第一航空団の方におきましては訓練要領の再検討ということをいたしまして、先ほど教育委員会の方からも御指摘がございましたように、飛行訓練時間の変更、それから最低高度の引き上げ、それから目標点の変更と、それから飛行経路の変更というようなことをやったわけでございまして、たとえば飛行訓練時間帯を見てみますと、改正前におきましては九時から九時半、十一時から十一時半、十三時から十三時半というような三回の時間帯、これを必ずこの時間帯にやっておるというわけではございませんで、ただやる時間帯として、こういうのを設定しておりましたけれども、いろいろお話し合いの結果、授業に差し支えない三時半以降にやると、当分の間三時半以降にやるというようなことに改正しておりますし、また、最低高度の引き上げにつきましては、五百フィートを七百五十フィートに上げるというような改正をやっております。  それから先ほど先生からも御指摘ございましたけれども、目標点につきましては、五百メートルばかり海上の方へ移すということで、できるだけ陸地の方へかかるかかり方を少なくするというような改正をやっております。  それからさらに、飛行経路の変更につきましては、海岸の目標を二分いたしまして、音の分散を図るとともに、全体的に経路を海上に移すというようなことをやっておりますわけでございます。  先ほど……

加藤進日本共産党

○加藤進君 結構です、いろいろあと質問したいことがありますから。大体、私の方でもわかっております。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) じゃまた後で申し上げます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そこで一つお聞きしたいのですが、試験飛行を一時中止されたでしょう。あなたたちそれだけ自信を持っておられるような試験飛行ならなぜ中止されたのですか。そして中止して後、試験飛行その他で若干の手直しはされましたけれども、海上五十メートルのところを若干手直しをして、そうして陸上に入って百五十メートル以下には下がれぬという、百五十メートルの限度を大体二百メートルに上げられたという程度の手直しであって、しかも、その下には学校が現存することも明らかだし、いままで八十一ホンまで上がったその騒音が、今度やってみたときには七十ホンをなお超えつつあるというのが今日の現状ですよ。そういう状況は、もう全部私たちも資料としてもわかってきております。その点は御確認いただけますね。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) 私どもいま先生の御指摘のホン等につきまして、八十ホン以上あるとか、そういう点につきましてはまあ先生の方の御調査でございますので事実だろうと思いますけれども、私が確認する立場にはございません。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私の調査じゃないのです、大臣、学校の調査なんです。毎日学校ではちゃんと記録をつけているんです。そうして全部こうちゃんと図表になっているのですよ。(資料提示)これ見れば一目瞭然です。こういう状態を四年間続けてきた。そうして四年間続けてきて、ことしになって新聞が騒いだことであわてたんです。それで若干の手直しをして、教育委員会はちょっとまあこの程度でがまんしてほしい、学校長もこの程度でがまんしてほしい、こう言っておりますけれどもね。私は、教育行政を担当される文部大臣やその他の立場から見て、そんなことでがまんをして、かしこまりましたどうぞ遠慮なくやってくれとは言いがたいということが基本的な問題なんです。  そこで、私、運輸省に聞きます。運輸省がこういういわば訓練飛行とそれに伴う訓練空域について、これは航空法に基づいて厳格に航空法の規定に基づいてやっておるというふうに見られるんでしょうか。そうでないんでしょうか。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) お答え申し上げます。  これは曲技飛行という――われわれの航空法で申しますと、「曲技飛行」という分野に入る飛行であろうかと思います。この曲技飛行につきましては、航空法の第九十一条というのがございまして、九十一条で一般的には低いところでやるそういう曲技飛行とかあるいは人家の密集している地域の上空であるとかあるいは航空路であるとか、それから航空交通管制圏と申しまして、飛行場の周辺でございますが、そういったところでやることは原則として禁止しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 「ならない」となっておるわけですね。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) はい。しかしながら、一定の安全の措置ないしは人家の密集しているようなところを回避いたしましてやります、そういうふうな飛行につきましては、特別のそういう措置が講じられている限りにおいては運輸大臣が許可することができるという規定がございまして、このただし書きでございますけれども、ただし書き許可とわれわれは言っておりますけれども、そういった許可手続をしていただきまして、われわれといたしましては、所要の、そういう安全上の問題、そして騒音上の問題、そういった問題で所要の措置が講じられておれば許可するということでやってきております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それで聞きますけれども、じゃ、これはそういう航空法に基づく例外措置ですね。航空法に基づかない例外措置を認めたというような事例は一体いままでどれくらいありますか。現在どういうふうになっていますか。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) 九十一条のただし書き許可と申しましております許可は、こういった浜松の渥美半島の周辺のこういった曲技飛行のほかに、防衛庁のやられます曲技飛行のほか、一般の民間の曲技飛行、そういった飛行場のたとえば上の方でやります曲技飛行、そういったことにつきましても、安全上の問題その他所要の措置が講じられておるということを確認した上で許可している例はほかにもございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は民間のことを聞いているんじゃないです。防衛庁がやっておられるんですから。防衛庁がやっておられるようなこういう例外措置として今日どのようなところで、どういうふうにやられているかということです。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) 具体的に申しますと、昨年の十二月に、たとえば那覇の空港の上空におきまして、やはりこの浜松のブルー・インパルス隊と申しますけれども、この曲技飛行隊がちょうど防衛庁の、あれは那覇の飛行場に移転いたしました記念飛行だろうかと思いますけれども、記念飛行をやられましたときに、この曲技飛行をやりました。そのときにやはりわれわれのこの九十一条ただし書きの許可をしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 記念飛行なんというような特別な例を聞いているんじゃないんです。空域を設定して、その中では曲技飛行をやってよろしいと。しかも、それは航空法によると五百メートル以下に下がってはいけないのに、百五十メートルまで下がってもいいというふうにあなた方は承認されたわけでしょう。そんな例は一体どこにあるのか。今日までそれが四年間続いているんです。私の聞いておる限りは、それは浜松の航空隊の基地、すなわち飛行場そのものと、ここ以外にはないと聞いておりますけれども、それは間違いですか。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) この浜松の曲技飛行隊は浜松に所属しておる飛行隊であるというふうには聞いておりますが、その限りにおきまして、この飛行隊が実習をやりますいわゆる訓練飛行、そういったものは、先生ただいま御指摘になりましたような空域、そういったところでしかやってないというふうに聞いております。ただ、このブルー・インパルス隊はあちこちへ参りまして、ときどき展示飛行その他をやることがあります。そのことを先ほど申し上げましたわけでございますけれども、いわゆる所属しておる部隊としてどこで訓練をやっておるかと申しますと、ただいま御指摘のような二カ所、そこでやっておるというふうに聞いております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 だから恒常的に、これはあれでしょう、運輸省、毎年毎年その許可は更新されるわけでしょう。四年間にわたって恒常的にこのような例外措置が、例外規定が適用されておるということは、これはこの伊良湖のこの地域における訓練以外にない。しかも、これは海上五十メートル、そして陸地におきましても百五十メートルまで下がってもいい。下がっている下に何があるかというと、四つの学校がある、こういう地域でございます。しかも、その地域は国定公園なんです。環境庁もいらっしゃると思いますが、国定公園なんです。こういう国定公園の中で、しかも、学校の施設があるということはちゃんとわかっておるし、その学校の施設が目標ではないとおっしゃいますけれども、海上には海岸線があります。海岸線からどこへ入っていかれるかというと、沢を上られるわけです。わずかに沢を上りますと目の前に学校があります。学校を、目標にしないったって、目にちゃんと入るのです、真っ白ですから、一番よく目に入るんです。だからこういうものを目標にした訓練であるといってこれは不思議じゃないのです。私はそんなことは考えておりませんと、それは考えなくても目に入るのです。そういう状態のもとにわれわれの学校が存在する、しかも、四つの教育施設が存在するということで、私たちは事柄は重大だと考えておるわけでございます。文部大臣、その点についてお開きになって所見はいかがでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 先ほどからのこの問題についての御討議を承りまして、学校ないし教育関係の施設が四カ所あるという場所で、飛行機の問題から生じる騒音というような問題が起こってきていることは非常に重要なことであると考えます。いろいろ先ほどから出ました問題につきまして、私たちといたしましても、教育委員会の方方、これは県も市も含めまして十分に私たちとしても協議をいたしまして、十分調査をして検討すべき事柄であるというふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、高度が低いとか何とかということだけを言ってるわけじゃないのです。これがきわめていわば技術を要する曲技飛行なんですよ、クローバー・リーフ・ターンというのです。クローバーの葉のような状態のターンなんです。これができるのはそうないのです。そういう一番危険な、いわば試験飛行、訓練飛行を非常に低空でやるということなんです。私は何がゆえにこんな低空で、こういう危険な訓練を認めなくてはならぬのか。航空法にはちゃんと五百メートル以上に限ると曲技飛行について特別規定があるのです。この規定を外してまであえて運輸省がこれを認可された、しかも、こういう内容のいわば訓練をやらして欲しいなどということを、あの環境の非常に静かな、そして教育施設の存在する子供のための大事な地域の上空でやられるなどということはおよそ私たちは国民として許しがたい、こういうふうに考えるわけでございますけれども、運輸省、四年間認可したということについて、これを初めからやり直せとは私たち言いません。しかし、少なくともいま私が問題にしましたように、こういう特別の、しかも、浜松の航空自衛隊戦技班の訓練にだけ特別に一空域を設定して、そのような状態をいわば教育施設の上空で演習するというようなことに私は認可を与えるべきでないので、こういう認可について検討されて、そして、こういう認可についてはわれわれはこれを廃止する、白紙へ戻す、こういう立場でこの問題を対処していただきたい、航空法の規定があるのですから、五百メートル上空でやられるということについてまで私たちは今日問題にしません。その上空にやっていただくというようなところにいわばこの問題を戻していただきたい、こういうふうに考えますけれども、運輸省、いかがでしょうか。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) お言葉を返すようで恐縮でございますけれども、九十一条の条項は一般的にそういったことは禁止されておりますけれども、「但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。」という条項がございまして、われわれはこの条項を発動いたしまして許可しておるわけでございますが、ただ、無条件で許可するわけじゃございません。当然、先生の御指摘のような、いまのような安全対策、それから騒音対策、そういったことが十分確保されるということをわれわれは前提といたしまして許可をしておるわけでございまして、なお、騒音問題につきまして、いろいろ問題があるようでございますので、そういった問題につきましては、飛行態様を改善していただいて、影響をできるだけ少なくしていただくというようなことは当然防衛庁の方でもお考えになっているようでございますので、今後はそういう方向でさらに検討させていただいて、しかるべき処置をとりたい、このように思っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 重ねて文部大臣、こういう教育施設の密集しておる地域で、きわめて危険な高度な曲技訓練などということを実施すべきではないと、私は静かなる環境を保障して初めて教育が実現できると、その趣旨が実現できると言われるなら、その点につきまして、環境庁もそうですけれども、文部省、子供の教育を守るために、この点についてはひとつ運輸省にもあるいは防衛庁に対しても私は厳重と申しますか、強い申し入れをやっていただいて私は適当ではないかと、当然ではないかと考えますけれども、その点の御所見はいかがでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 先ほどから承りまして、騒音ないしこの曲技飛行の問題について、やはり私たちは私たちの責任におきまして、十分に教育委員会と協力いたしまして実情を調査する必要がまずあるかと思います。その調査に基づきまして、私たちとして、教育環境を保持していくために必要であると考えられることにつきましては、そのような態度で臨みたいと考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 環境庁はどういうふうな御所見でしょうか。ここは自然公園です。国の国定公園です。国定公園にきわめて近いところの低空です。こういうことがやられている、公園としての趣旨、公園としての目的にこれが沿うものと、こういうふうにお考えになるでしょうか。これは好ましくないとお考えになるでしょうか。

日下部甲太郎環境庁自然保護局計画課長

○説明員(日下部甲太郎君) この件につきまして、実は私ども実情を承知していなかったわけでございますが、一般的に申し上げまして国定公園、国立公園というような自然公園の中において著しい騒音を発するという行為は好ましくないものと考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 文部省も文部大臣もあるいは環境庁もそう言っておられるのです。だから、そういういわば意向をも無視して運輸省が今後とも引き続いて認可をしますと、こう言われるのか。これは御意思を体して前向きにこれが廃止できるような方向で検討さしていただきますとお答えいただけるのか。その点、ひとつ運輸省明らかにしていただきたい。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) 先ほどから申し上げましておりますとおりでございますが、所要の安全対策並びに騒音対策の手が講じられておる限りにおきましては、私どもとしましては、そういう申請が出てきた場合には、十分その辺の内容をチェックさしていただきまして、許可するかしないかを判断さしていただくということになろうと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そのとき、いままでの四年間の認可のときに、そういう空域での低空飛行、目の前に、あるいは眼下に学校施設四カ所も存在する、教育施設が四カ所も存在するということは考慮されておりましたか。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) 防衛庁からの申し越しによりますと、訓練は……。

加藤進日本共産党

○加藤進君 簡単にやってください。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) 訓練は洋上でやる。陸地にかかる場合には人家の密集地帯を回避して飛行するというふうな申し入れでございますので、そのように飛行をされる限りにおきましては、われわれとしては安全であり、かつまた騒音の被害もそれほど及ばないというふうに判断いたしまして許可したわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 だから、永井文部大臣、教育施設のことを全然考えていないんです。密集しているかしていないかということだけなんですよ。私があえて今日ここに言ったのは、ここは非常に好ましい自然環境です。その中に学校あるいは教育施設がある。その教育施設に目をつぶって、こんなものはどうでもいいなどということで、このように危険なサーカス的な訓練をここで行わせるなどということは、私は、運輸省の立場というのは、これは国民の側に立った生命と安全を守るという立場で私はないと、その点をひとつ文部省が教育の環境を正しく守るという立場から、もっと強くこの点についての要請を出していただいて、ぜひともこの点の改善の措置をとらせるように努力をしていただきたい、こういうふうにお願い申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 運輸省も確かに、いま教育という言葉は出ませんでしたけれども、法に基づいてその当時責任ある決定をしようと努力されたものと考えますが、しかしながら、この分科会におきまして先ほどから御討議がございましたように、学校教育並びにその他の教育施設を含む問題があるということは私たちも承って十分に承知いたしました。そこで、これはまず責任を持った実情の調査ということが先行すべきことであると考えますが、その調査に基づきまして各省庁と十分話し合いながら解決すべき事柄であると考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 したがって、私は結論的に申し上げますけれども、とにかく、そういう危険を伴うような高度な曲技訓練でございますから、それを低空で行うなどということはぜひやめてほしい、五百メートル以上の上空ということが航空法にあるんですから、その原則に基づく処置をこの問題についてはぜひとっていただきたい、このことを文部大臣にも強くお願いし、防衛庁あるいは運輸省にもお願いしておきます。その点はよろしゅうございますね。運輸省どうですか。その点についてそれでは納得しがたいと、こういうふうな御意見でしょうか。その点ひとつはっきりしていただきたい。

中曽敬運輸省航空局技術部長

○政府委員(中曽敬君) 原則的にはそのようなお考えには賛成でございます。防衛庁ともよく協議いたしまして、この問題に対処してまいりたいと思います。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) いま先生からお話ございましたけれども、ここで戦技訓練をやっておりますというゆえんのものは、戦技訓練をやる場所、空域等につきましては、飛行場からの距離とか、気象条件とか、海岸線等の地上を視認できる地形状況とか、そういうことをいろいろと勘案した上での空域を設定していただいておるわけでございまして、ことに先ほどから先生から御指摘がございましたように、教育委員会からの御指摘もございましたので、私が先ほど申し上げましたように、授業等についてはできるだけ影響のないようにということで時間帯等も設定いたしておりますし、そういう改善措置をとった上で現在やっておるわけでございますので、当分の間現行のやり方でやっていきたいというように私ども考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 時間がありませんから、私はそれでは納得しませんよ。現に行われておる状況のもとで、とにかく、騒音だけでも七十ホンを超えているということは現実です。多少空域を変えましたけれども、今度は新たな小学校が対象になっています。中学校でなしに今度は小学校が対象になっています。こういう区域だということを十分認識していただいて、ひとつ文部大臣もせっかくの努力をしていただきたい。  最後に、私、防衛庁がおられますからお聞きしますけれども、最近、岐阜県の中津川の上空でUFO、これは未確認の飛行物体だそうでございますけれども、こういうものがあらわれて地域民が非常に話題にしています。好奇心があり、あるいは不安を持っています。場合によったら空飛ぶ円盤ではないかとか、あるいはこれはベトナムやカンボジアの情勢と関連があるような飛行体ではなかろうかなどということまで現に地元に起こっておりまして、これは報道陣も関心を持っています。それから名古屋市の科学館も重大な関心を持って撮影班をそちらに差し向けておるというような状況でございました。この点につきまして各務原航空隊に問い合わしたところが、われわれの航空隊にはそのような飛行を行ったことはないということは確かめられておりますけれども、防衛庁はそれらのことをどう考えられるのか、あるいは防衛庁は知らないということなら、この問題についての真相究明のために防衛庁としてもそれなりの努力を払われるかどうか、その点だけお聞きしたいと思います。  それで終わります。

菅沼照夫防衛庁参事官

○政府委員(菅沼照夫君) ただいま先生御指摘の飛行物件につきましては、これは三月の十一日、それから三月の十三日に地元の新聞になぞの飛行物体として夜な夜なあらわれるということで報道された件だと思いますけれども、この問題につきましては、けさほども私どもの方から小牧の航空自衛隊の第三航空団に聞きましたところ、当時、調査した結果、緑と赤、それから白色の明かりをつけた物体が東北から南西へ毎晩八時四十分ごろ通過するということで航空機ではないかということであったわけでございますが、その後三空団の監理部長、飛行安全班長が参りまして航空機であることを確認いたしまして、そうして東京航空交通管制部に問い合わせましたところ、その時間帯に東京発福岡行の全日空の定期便のトライスターが中津川市上空を高度約三万一千で通過しているということがわかりましたので、問題の飛行物件はこの全日空機であるというように考えられます。  なお、先生御指摘のように、この時間帯については自衛隊機は訓練をいたしておりません。

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 以上をもって加藤進君の質疑は終わりました。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私は、初めに教職員の給与の第二次改善についてお伺いをいたしたいと思います。  人材確保法に基づく教職員の給与の第二次改善案が現在参議院の内閣委員会で審議をされております。今度の改善の中で教頭職を一等級にすることになっておりますことについて教頭職が法制上確立されたための措置だと、このように説明をされております。しかし、これは人材確保法成立の際の約束であった教員給与体系に中教審の答申の五段階制の給与は持ち込まないという趣旨に反するものではないのでしょうか。まず、それをお伺いしておきます。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 先般の国会におきまして学校教育法の一部改正によりまして、いわゆる教頭職の法制化が行われたわけでございますが、その御審議の当時、奥野文部大臣からも申し上げておりましたように、文部省といたしましては、教頭職が法制化されましたならば、ぜひ現行の一等級に格づけをしていただきたい、こういう気持ちを持っておったわけでございます。したがいまして、先般三月七日に人事院に要望いたしました文部省の要望書におきましても、教頭職の法制化に伴いまして教頭を現行の一等級に格づけをしていただきたい、こう要望したわけでございます。ただ、そういたしますと、校長の等級と教頭の等級が全く同じということになるわけでございまして、現行の一職一等級という給与体系の基本の原則からいたしますと若干問題があるのではないか。そこで、校長の等級をどう考えるかということについて人事院の御判断をいただきたい、こういうふうに要望したわけでございます。それに対する先般の人事院勧告は、校長について特一等級というものを設定をしたい、こういうことでございますが、ただ、人事院の規則の案を伺いますと、経過的には校長の二分の一を特一等級にし、教頭の約四分の三見当を一等級にしたいということでございます。そういうことでございますが、私どもといたしましては、先般、人確法が国会で御審議になりましたときに、五段階給与はやらないというふうに申し上げておるわけでございますが、いま申し上げましたような考え方並びにその人確法成立後に教頭職の法制化が行われたというような事情を総合的に考えますと、人事院が今回勧告されたああいう形も一つの考え方であろうというふうに理解をいたしております。もちろん、政府といたしましては、人事院の勧告を尊重するという基本的な立場でございますから、その方向でただいま法案の御審議をお願いをしている次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私は、教頭職を一等級にするというような職務に対応した優遇措置、それを講ずるのではなくて、たとえば教職経験年数二十五年以上、こういう者はすべて一等級にすると、こういうような教職員の給与水準の全体のレベルアップ、これを図ることが人材確保法の趣旨に最も沿うものであると、このように考えているわけですが、いまのお話によって、校長先生の二分の一は特一等級にすると、こういうふうな人事院勧告、これを尊重していかれて、文部省の方は五段階給与には絶対しないと、このように言明されることができるかどうか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) いわゆる五段階給与というものが何かという問題があるわけでございますが、私どもは、五段階給与と申しますと、教頭のための等級を設定する、あるいはいわゆる上級教諭という者のための等級を設定すると、こういうことが五段階給与と言われますものの内容かと思いますが、ただいま申し上げましたように、教頭につきましては現行の一等級を適用していただきたいということでございますし、また、ただいまのところ、上級教諭というような給与の等級をつくるとか、あるいはそういう新しい職を設定するというようなことは考えていないのでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それじゃ、レベルアップの点はどうですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) それで、レベルアップの点でございますが、一般の教諭の方でございまして、校長あるいは教頭にはならないけれども、先生として大変りっぱな方がいらっしゃると、こういう方々の優遇を図らなければならないということにつきましては私ども全く同感でございます。ただ、お示しのように、一定の年数を経たならば機械的にこう上位の等級に移っていくということになりますと、やはりいまの俸給表というものは一職一等級ということを前提とするいわゆる職階給でございますから、やはりその原則との兼ね合いが非常に問題になるであろうと思います。そこで、ただいま申し上げましたように、校長、教頭にならなくとも、優秀な先生を優遇するということにつきましては十分理解できるところでございますが、機械的ではなくて、何らかの適切な基準によりましてそうしたことが行われるということは、これはやはり今後、検討すべき課題であろうというふうに考えております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私が言っている五段階給与というのは、少しあなたの言われるのと食い違いがあるかもしれませんけれども、校長先生というのが特一等級になりますね。今度教頭さんが一等級ですね。そうすると、今度教務主任とかクラス主任とか、そういうものがありますね。そういうものが一つの給与段階になって、それから今度平教員と、その下にまた、いまは余りないかもしれませんけれども、臨時教員、そういうもので五段階になるのではないかということを大変私ども心配したわけです。  そこで、いま申し上げましたように、勤続年数、経験年数ですね、それで二十五年ぐらいでその教頭であって最後には校長にならなくても、それでずっと行かれる先生もあるでしょうし、あるいは教頭にならないうちに非常に優秀な方は途中から校長になられる方もあるでしょう。いろんな形態があろうかと思います。そういうようないろんなことを考慮して五段階級の、何というのですか、給与ですか、そういうものにはしないと、こういうことを大変教員の先生たちは心配をしておられるわけですね。その点でお伺いしたんですけど、私の考え方が違っているのかどうか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたように、いわゆる上級教諭のための等級の設定、あるいは上級教諭という職の法制化というものは現段階では考えていないわけでございます。また、お示しの教務主任等につきましても、これはそういう方々の処遇の改善というものを私ども必要だと考えておりますが、ただ、それは等級の設定とかあるいは職の設定――職と申しますか、つまり身分の設定というような形では考えていないわけでございます。  それから優遇の点につきましては、お気持ちは非常によくわかるわけでございますが、具体的に、どういう基準で考えていくかということはなかなかむずかしい問題がございますので、これは十分検討をさしていただきたい。これは形式的には人事院の課題になるわけでございますが、文部省としても、非常に大きな関心を持っておりますので、検討をしてまいりたいということでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 現在高校の教員の中で、一〇%の産業教育手当あるいは定通教育手当ですね、こういうものを受けている教員に対しては、今度の改善によって四%の特別調整手当をやりますね、それは支給をされないと聞いておりますね。これはそのとおりですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、産業教育手当あるいは定通手当を受給する高等学校の先生に対しましては、義務教育等特別手当について調整をするということが人事院勧告の説明にございます。この点につきましては内閣委員会等でも御議論のあったところでございまして、産業教育手当あるいは定時制通信教育手当というものはそれぞれその職務の特殊性に基づいて支給されるものであるから、したがって、そういう手当を受けているからといって今回の特別手当を出さないということは不適当ではないかと、こういう御論議があったわけでございます。文部省も含めて政府といたしましては、人事院勧告を尊重するというたてまえでございますから、そうした人事院の考え方はやはり尊重するという基本的な立場でございますが、しかし、産業教育手当あるいは定通手当というものの本来の趣旨を考えますと、やはり慎重に考えるべき課題であろうと思います。こうした手当の本来の趣旨が損なわれないように、十分人事院においても御配慮を願いたいというふうに考えております。これに対しまして、先般の御審議の中における人事院総裁の御答弁を伺っておりますと、その辺のところは十分今後検討していきたいという答弁でございますので、人事院における取り扱いに私どもは注目をしておるということでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 大臣、それについては、どうお考えになっておられますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 産業教育手当、定通手当を支給されている教員が今度の人事院勧告の待遇改善の対象から外れたということについては、私たち了解しておりますが、ただ、この問題について、すでに初中局長がお話申し上げたことと私は同一の見解であります。と言いますのは、人事院は第三者機関でありますから、そこから出ます勧告というものは、これは尊重しなければいけない。しかしながら、産業教育手当、それから定通手当というのは、それ自体意味がございましてできたわけのものでありますから、今後ともに、その趣旨というものが尊重されていくことを私たちとしても望んでおります。これに対して人事院も、今回は勧告の中にその問題は含まれておりませんけれども、しかし、なお今後、検討課題として考えていこうということでありますので、そうした御検討が進むことを期待している次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 もともとその特別調整手当というのは、教職員の職務内容の特殊性、それから専門性、こういうものを考慮して支給されるものであるという趣旨からすれば、産業教育手当とか定通教育手当を受給している教員にも当然これは支給されるべきものだと私どもも考えておりますので、いまの人事院勧告を尊重されるというお立場でございますから、むしろ、今度人事院の方に十分働きかけていただいて、特に産業教育に当たっておられる方というのは、私、相当経験の深い方だと思うんです。ですから、その点を十分考慮して、今回は、いまのお話ではひょっとしたらやむを得ないというような感じを受けるのですけれども、ひとつその点は十分考慮をしていただくように御配慮を願いたいと思うんですが、もう一遍御答弁いただきたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 先ほど申し上げましたように、私たちも産業教育、定通、両手当の趣旨というのは当然重んじるべきものであると考えておりますから、今後ともに人事院において御考慮願いますように、私たちとしても人事院の方に御要望申し上げているわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 このたびの給与改善措置によって一般教職員と事務職員との給与の差が約一三%だと聞いております。十三%前後拡大する、こう言われておりますけれども、しかし事務職員は直接ではないとは言いながら、間接的に教育に携わっているものでありますし、この職務内容の特殊性から言っても、一般教員との給与の格差を是正する措置が必要ではないか。先ほど和田委員からも学校用務員の問題にも触れておられましたが、同じような問題だと思うんです。その点はどうですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 事務職員が学校におきまして非常に重要な役割を果たしておられるということは御指摘のとおりでございますし、その待遇の適正を期するということも当然必要なことだと考えます。ただ御承知のとおり、いわゆる人確法は教員の給与についての法律でございます。今回、その法律に基づいて教員の給与についての改善が勧告されたということでございます。したがいまして、当然に事務職員が含まるべきであったということにはならないわけでございますが、しかし、ただいま申し上げたような趣旨から、また、国会における附帯決議の御趣旨等からいたしましても、やはりその処遇というものは改善をしていくべきだというふうに考えております。ただ、事務職員の処遇ということになりますと、学校事務職員の問題だけにとどまらず、広く事務職員一般に影響するところが大きい、なかなかむずかしい問題だと思います。文部省といたしましては、当面どういう方法を考えておるかということを申しますと、一つは、昭和三十二年に通達を出しまして、事務職員の等級格づけの適正化を進めるようにということを申しております。具体的には、四等級格づけということでございますが、実際に行われておりますのが十九府県ということでございます。したがいまして、文部省が指導いたしておりますような格づけが全部の府県について速やかに行われるようにということが第一点でございます。  それから第二点は、任用、配置の問題でございます。国立学校の事務職員等でございますと、附属学校におりましても大学本部の事務局と交流がございましたりいたしまして、相当年齢に達し、相当経験年数を積んだような場合には、適正な地位が与えられまして、それに相応する等級格づけも行われるわけでありますが、小中学校の場合は、大抵は一人の勤務でございます。そういうことからなかなか年齢や経験に対応する処遇が行われないということがあるわけでございますが、しかし、それにいたしましても、地方市町村の教育委員会との交流を図るとか、あるいは都道府県教育委員会との交流を図るとか、あるいは市町村役場との交流を図るとか、これなかなか困難な問題だと思いますが、やはりそういう方法もぜひ考えて、そして事務職員に対して適正な処遇が行われるようにしていただきたい。これが第二点でございます。  それから第三点は、超過勤務手当につきまして、実態に即した超過勤務手当が支給されるようにお願いをしたい。こういう三点を骨子にいたしまして、文部省といたしましても積極的に指導を進めておるところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それじゃ次に、教頭の枠外配置についてお伺いをいたします。  昨年、いわゆる教頭職の法制化法が成立いたしましたが、これは教頭職を管理職専任として、教頭職を教員定数の完全枠外配置にするという修正によって成立をしたものですね。これによると、現在の教頭の数、三万八千名だけ教員の定数が拡大されることになるわけです。このことは、わが党の受田新吉議員が修正案の趣旨説明で明確に述べておられることでございますが、当時の奥野文部大臣も同意されていることでもあります。しかし文部省は、一万六千名の枠外配置として、これを三カ年で実現するとして、ことしは千人の増員を予算化しておりますね。これは教頭職法制化法の成立趣旨に反するものではないんでしょうか。その点を大臣と文部省にお尋ねをしたいと思います。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、義務教育諸学校の教職員につきましては標準法という法律があるわけでございますが、この法律におきまして、小学校は六学級以上、中学校は三学級以上の学校につきまして、〇・五人の教頭定数がすでに算定されておるわけでございます。ただいま御指摘のような法律の修正があったものでございますから、〇・五人という定数配置ではなくて、一人の配置にいたしたいというふうに考えまして、いろいろ検討したわけでございますが、標準法も昨年成立いたしまして、現在第二年次ということで進行中、途中のことでもございますので、本年度は五百名の定数増を計上いたしまして、さらに余裕がございますれば、ただいまお話がございましたように、五百人を追加をいたしまして、千人の定数増を図ったということでございます。この教頭問題につきましては、御指摘のような経過並びに趣旨があるわけでございますので、今後とも十分検討してまいりたいというふうに考えております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 この問題、私どもの方では、毎朝、国会対策委員会で受田先生がずいぶんこれを力を入れて報告をされておった問題で、それですから、当然三万八千人の増員があるものだと私どもは想像しておったわけですね。ところが、いまさっき申し上げたような状態でして、そうすると、国会で議論をして奥野文部大臣からも答弁があっても、それは空文化してしまう。こういうふうなことにならないんですか、その点はどうなんですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 御趣旨は大変よくわかるわけでございますが、御承知のとおり、現実には教頭さんはほとんどの学校に設置されておりまして、その職務を行っておるわけでございます。かつまた、教頭さんの相当数は授業を担当するということが比較的少なくって、大部分は教頭職に専念されておるという実態でございます。したがいまして、その教頭の職務の遂行という点から考えますと、実態はおおむね先生が御指摘のようなことになっておると理解をいたしておりますが、ただ、定数措置といたしますと、御指摘のような問題点が残されておると思います。したがいまして、そうした点につきましては、今後とも十分検討してまいりたいと、こう申し上げておる次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それでは、私ちょっと質問を飛ばしていきますけれども、最近、女子の先生が大変多くなっておりますね。これは小学校においては教員の五一%、中学校においては二十数%が女子の教員でございますね。そうなると、これはつい二、三日前に提出をいたしました女子教職員の育児休暇の問題にも触れてこなければなりませんけれども、女子教員が産前産後の休暇あるいは育児休暇、こういうものをもしもとるようになったときに、それはやっぱり補助、その穴埋めをする先生というのは、いま足りないわけでしょう。ですから、どうしても教頭さんがもしも学校で自分が担任の授業を持っていれば、そういう先生ができたときには、児童は自習をしなければならない、あるいは事故があったときに、そのクラスはすぐに自習時間をしなければならない、こういうふうなことになってしまうわけでしょう。それですから、その点でずいぶん受田先生ががんばってそのことを報告をしておられたんです。それがこういうふうなことになってしまうと、何かずいぶん趣旨が違ってしまったような感じがするんですけれども、その点はどうなんでしょう。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) 産休でございますが、小中学校におきましては、年間に一万三千件ばかりの発生の件数がございます。それに対しまして御承知の産休代員という制度がございまして、ちょっと詳しく申しますと、昭和四十七年度の状況でございますが、小中学校におきまして一万三千四百六十八件の産休がございます。これに対しまして、臨時的任用措置といたしまして、一万二千九百六十七人が任用されております。それから定数の臨時的な加配をいたして対応しておるものが百八十九名ございます。それから配当教員の枠内で措置をしておるというものが三百十二ございます。したがいまして、すでに配当された定員の中で措置をしておるという数は、ただいま申し上げましたように、約一万三千のうちの三百名程度ということでございます。ですから、大部分の産休の欠員に対しましては、臨時代員が任用されておると、こういうふうに御理解をいただけるかと思います。規定の配置で措置をいたしております三百十二名は、これは御承知のとおり、大規模の学校でございますと、級外教員等も配置されておるわけでございます。そうした教員が配当されておるというふうに理解をいたしております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 もう時間がなくなりましたから、いま育児休暇の問題にちょっと触れたわけですが、永井文部大臣にはまだこの問題について御質問をしていなかったと思いますので、一言お答えをいただきたいのは、いま申し上げましたように、相当数の女子教員が小中学校でお勤めになっているわけですが、そのような状況の中で女子教職員の育児休暇制度、これを設ける必要があると思いますが、この点について大臣はどのようにお考えでございますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 女子の教職員の育児休暇制度の問題は、これは勤労婦人福祉法第十一条でございましたか、にもうたわれていることでございますから、私は非常に意義深いことと思います。ただ、いままでの経過を私が承知しておりますところでは、国会でもこの問題が検討されてまいりましたが、審議未了になったということも承っております。そこで、意義深いことでございますが、今後、国会でのこの問題についての御審議というものを私たちは十分に見守りましていきたい、そういう考えでおりますわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それでは、質問またもう一遍元へ戻りますけれども、文部省は養護教諭と事務職員を本校数の八〇%まで完全配置するということですが、教頭職の法制化法案の附帯決議では一〇〇%配置することになっていますね。そうすると、養護教諭の場合は、そういう先生を養成する上にもいろいろ問題がありますから、すぐに一〇〇%というのはあるいは無理かもしれないけれども、事務職員については附帯決議のとおり一〇〇%完全配置をすべきではないか、このように思いますが、その点はどうお考えでございますか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○政府委員(安嶋彌君) この義務教育諸学校の教職員定数につきましては、先ほど申し上げましたように、標準法があるわけでございまして、ただいま先生御指摘の七五%設置するという内容も昨年の改正でそこまで基準が引き上げられたわけでございます。その引き上げられた基準の充足が現在進行中でございまして、五十年度はその第二年次に当たるわけでございます。したがいまして、私どもは、すでに法律としてお認めをいただいておる第四次計画の完全実施ということに当面努力をすべきであろうというふうに考えております。さらに、事務職員、養護教員をふやしていくという課題につきましては、第五次の課題として検討をしてまいりたいということでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それでは、最後に、学校五日制の問題について大臣にお伺いをしたい。  人事院は四十九年七月の勧告で公務員の週休二日制について五十一年一月から試行し、五十一年四月から実施したい旨を述べておられますが、政府は学校五日制を実施することについてどのようにお考えになっておられますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまのこの週休二日制の問題、とりわけ公務員の週休二日制というものが実現するときには、これは当然教員の問題というものもそこに関連するものとして取り上げなければならないことは申すまでもないことでございます。ただ、週休二日制直ちに学校五日制かというふうに裏表の関係にあるかということは非常に検討を要することだと思います。そこで、学校五日制の問題というのは、ですから週休二日制との直接的関連という形で考えるのではなく、それも考慮はいたしましょうけれども、しかし、他方学校が五日になりましたときの授業の編成のあり方とか、あるいは学校が五日になれば子供たちが二日間学校以外のところにいるわけですから、そうすると、そういう場合の教育環境というものの整備をどのように行うか、また、それに対する指導をどういうふうに確保できるか。かなり多岐にわたる問題が含まれているように思いますので、必ずしも週休二日制イコール学校五日制というふうには考えずに、学校五日制の問題というものは相当慎重に準備をして考えなければならないものだと思っております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 この間大臣は、もしも学校を五日制にする場合、土曜日は社会教育への奉仕の日とすると、こういうふうに述べておられましたね。この真意は何でございますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ですから、それは仮定の問題として申し上げたわけでありますが、それが先ほど申し上げました教育環境の整備とかあるいは指導ということと関連してくるわけでございます。二日お休みになれば全く好き勝手なことをしているということは非常に望ましくないことでございまして、やはりそれが有効に使われていくということが大事だと思います。そういたしますと、現在の学校教育というのは、これは学校外の活動への奉仕ということも、あれは昭和四十七年でしたか指導要領に関連する通知の中でもございますけれども、しかしどちらかと言いますと、学校教育というのは教科書中心的でございますから、仮に五日制になった場合には教科書中心的でない課題も考えていくべきではないか。そういう中で特に奉仕というふうなことを――奉仕的な活動でございますね。奉仕的なことをただ口で言うんじゃなくていろんな活動、そういうものも十分考えるべきものの一つであると、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○主査(宮之原貞光君) 以上をもちまして文部省所管に対する質疑は終了いたしました。  明後日は午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十三分散会      ―――――・―――――

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