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75回国会参議院1975/03/31

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
308
登壇者
35
会派数
4
開催日
1975/03/31

会議録

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十年度総予算中、農林省所管審査のため、本日の分科会に参考人として全国鶏卵販売農業協同組合連合会会長池田隆政君の出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 昭和五十年度総予算中、農林省所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いま国対関係で、時間がおくれて恐縮です。  そこで私、短い時間ですが、今日の社会で一番問題になっております食糧問題について二、三点を大臣からお伺いいたしたい、こう思います。一つは、昨年の八月に、私、参院派遣で、インドネシアのスマトラのランポン州の三井、三菱、伊藤忠、日綿等はそれぞれ一万町歩単位で、ヘクタール単位で農業開発をやっている、この実態を見に行きました。当時トウモロコシが残念ながらべと病にやられて全滅をして、インドネシアの大統領の作付禁止命令が出ている、こういう事態に私、直面したわけです。そこで、その後一体作付状況等がどうなっておるのか、要点で結構ですからお伺いしたい。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 御指摘のスマトラにおきましては、現在三井、三菱、伊藤忠の三社が現地資本との間におきまして合弁で農業開発を行っております。これら三社のうちで、トウモロコシの生産を行っておりますのは三井と伊藤忠の二社でございます。トウモロコシの生産につきましては、先生御指摘のとおり、一昨年露菌病が発生をいたしまして、インドネシア政府は昨年の二期作の作付を禁止いたしたわけでございます。その一方、インドネシア政府はフィリピンから露菌病の抵抗品種を導入いたしまして、三井物産との合弁企業でございますミツゴロに対しまして種子の委託栽培を行わせまして、その普及を行っている段階でございます。したがって、それらの成果が上がりますれば、今後トウモロコシの生産は順調に推移するんではなかろうかというふうに考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 その後の変化はいろいろあったとは思いますが、そこで大臣にお伺いしたいのは、こういう形の東南アジアにおける一社一万町歩、四社で四万ヘクタールですが、幾つかほかにあろうと思いますが、この農業開発は日本に穀物や飼料を輸入しようといういわゆる開発輸入を目指しておるのか、あるいはもっとほかのねらいなのか、そこらはいかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 東南アジア諸国に対して農業協力あるいは技術協力等もいたしておるわけでございますが、これは、そういう地域において食糧の生産が行われて、そして食糧を自給していく、その輸出余力というものができたときにこれをわが国に輸入をするように御協力を求める、こういう基本的な態度でわが国としては農業協力、技術協力等今後行っていこうという基本的な考え方でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 当初私、いろんな週刊誌や新聞等で拝見したときは、初めは、船にたくさんいまにもトウモロコシが積まれて日本へ運ばれそうだと、こういうことがどんどん報道されましたですね。いま大臣の御答弁、真意は一応わかりますが、私も現地を見て、これは出先の農林省の方もいらっしゃるし、それから日本の大使館も、いろんな出先で話を聞き、現地で話を聞いて、結果、米がインドネシアで不足すれば——主食ですが、トウモロコシが主食に転用される。そうなりますと、いまインドネシアの人口は一億一千万、増加率は三・五%、一年に四百万人ふえる。二年半で一千万人がふえる。この中で、穀物をちょっとやそっと生産をしても、増産をしてもなかなか迫っつかない。そこで日本が短兵急に、そこで生産されたトウモロコシその他の穀物を日本に運ぼうとすれば、重大な現地の食糧を奪っていくという形の受けとめになって、社会問題化する状況があるのではないか、こういうことを私は懸念したんですが、そういう点につきましては十分認識をされておるわけですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま辻委員から御指摘がありますように、農業協力の場合はあくまでも相手国の農業振興に役立たせるといいますか、協力をするというのが基本的な考えでなきゃならぬと思うわけでありまして、わが国の国内において飼料穀物等が自給できないというふうなことから、いまお話がありましたように短兵急にやるということになりますと、いろいろと国内、国際的にも問題がこれまでも起こっておるわけでありますし、今後とも起こる可能性は十分あるわけでございますから、やはり相手国の農業振興に協力をして、そして生産余力ができた場合にこれをわが国が輸入をする、こういう基本的な考え方だけは今後とも通していくことが長期にわたる国際協力、さらにまた、わが国において相手国に余力ができたときの輸入がスムーズにいき得ると、私はそういうふうに考えておるわけでございます。この方針を貫いていきたいと思うわけであります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 東南アジア諸国はおしなべて似たような状況にあろうと思いますので、いまの基本的な姿勢といいますか、方針は非常に重大で大事であると思います。それをひとつぜひ貫いて現地のやはり食糧確保に日本が長期的に協力をしていく、こういう構えを絶対崩さないようにしていただきたいと思います。  そこで、それではこの東南アジアで、たとえばえさとなりますとトウモロコシが中心になりますが、農業開発を行って社会的な問題化せずに輸入し得るというような地域はいまのところあるのかないのか。いかがですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 飼料穀物に限って申し上げれば、御承知のとおり、一般的にはなかなか輸出余力が乏しいわけでございますけれども、まずタイにおきましては、大体トウモロコシを八割方輸出向けということでつくっておりますし、今後もそういう傾向ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。インドネシアは、もちろん主食である米が不足すればトウモロコシを転用するということもございますけれども、インドネシアにおきましては、トウモロコシの生産のうち若干を従来も輸出の実績がございますし、今後ももちろん生産が上がれば輸出をするというような可能性があるのではなかろうかというふうに考えております。FAOにおきましても、LDC諸国、特に東南アジア諸国におきましては今後やはり生産を伸ばしまして、需要と生産のバランスは、やはり生産が少し需要を上回るというようなことを長期的には予測をいたしておるようでございます。しかし、短期的には御指摘のとおり、まずそれぞれの国におきましては、国内の需要を満たすということが先決であろうというような状態と考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 タイのバンコクで、組合貿易といって農業団体が貿易をやっております。私はそこへ半日ほど行っていろんな方からお話を聞き、大使館でも各地の専門の方をお招きして二、三の話を聞きましたが、タイは、組合貿易の関係の方のお話では、大体余力は、まあいま九十万トンとか百万トン輸出しているが、せいぜい今後余力は出ても二割程度しかふえない、こう言っておりますが、見通しはどうですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) タイのトウモロコシを中心としての生産でございますけれども、これはやはり完全な肥培管理というような状態ではございませんで、肥沃なところを選んで転々と移動するというのが主体のようでございます。そこで、やはり土壌の肥沃度の低下ということがございまして、一時非常に生産量が伸びましたけれども、最近は多少停滞をしているというようなことが考えられるわけでございます。したがいまして、輸出余力もこのままではなかなか伸びない。タイ政府としましては、ぜひこれは生産の状態を変えまして、輸出力を増大いたしたいというふうに考えておるようでございます。そこで、私どもといたしましては、国際協力事業団の事業の一環といたしまして、協同組合間、日本の協同組合と向こうの協同組合間の協力事業というものを将来伸ばすということで、先般も調査団を向こうへやりましたし、今後もできればそういう形でもって生産を増強させ、輸出意欲を増大させたいというふうに考えておるわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 一つはメコン川の流域、カンボジアの方ですね。ここにトウモロコシのそういう可能性がありますが、これはなかなかほかの要因があってむずかしいと思います。それからビルマ地域は、これは鈴木大使がメキシコの大使をやっておられて、最後に私寄ったときに、前、鈴木さんと思ったのですが、ビルマの大使をやっておって、あそこは非常にそういう意味で問題はあるが、親日的であるし、こういうトウモロコシ等の可能性もあるので、政府の本格的な調査団を入れて一遍調べてみる必要があるのではないか、こういうサゼスチョンを私はいただいたことがあるのですが、ビルマの方にこういう政府レベルの調査団を送って、そういうことについて調査をされる、こういうようなお考えはありませんか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) ビルマにつきましては、従来は必ずしも政府段階で、大型プロジェクトにつきましての協力要請はなかったわけでございますけれども、個々の技術協力につきましては要請がございました。先般田中総理がビルマに参りました節も、会談の内容の中には、やはり農業関係で協力をしてもらいたいというような要請もございました。しかし、現在の協力の内容はまだ固まっておりません。やはり灌漑を主といたしまして、大規模な土木事業等を内容としました協力要請を将来ぜひしてほしいというようなお話でございましたので、これは今後、やはり政府間でまず詰めまして、条件等が整えばそういう段階になるのではなかろうかというふうに考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 東南アジアは、ずっと長い将来は別として、当面国内の食糧、穀物の充実ということが第一で、なかなか日本がそこに求めるということは、ごく大まかに言って容易ではない、こういう感じもしますし、大体御答弁の趣旨もそうであったと思います。  そこで、第二に、食糧のアメリカ依存度の問題ですが、いま大体外国の穀物は二千百万トン輸入していると言われますが、私もアメリカのシカゴ市場を一度見てきたのですが、あそこで二千百万トンのうちどのくらいの穀物を買い入れているのか、その量とパーセントは幾らですか、簡単で結構です。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) アメリカはやはり現在、世界最大の農産物供給国でございます。したがって、世界各国とも圧倒的にアメリカに依存をいたしておるわけでございますが、日本の依存量を申し上げますと、七一年から七三年の平均で申し上げますと、日本の麦類、これは小麦、大麦等でございますけれども、総輸入のうちでアメリカに依存しております比率は五〇%でございます。それから大豆につきましては八九・二%、それからトウモロコシにつきましては六九・六、それからコウリャンにつきましては五八・六というのが日本の総輸入につきましてのアメリカの依存度であります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 五〇%から八九%にわたって主要なえさ、穀物をシカゴ市場にほぼ依存をしておる、こういう実態です。  そこで、アメリカはいままで核兵器をもって世界戦略の一つに、重要な要素に据えておりましたが、最近食糧をもって戦略の重要な柱に立てている、こういうように私たちは思いますが、一国に、もちろん大きな生産の場でありますが、これだけの量を依存するということはいろんな意味において問題があると思うんですが、大臣、これはどうお考えになりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 穀物等につきましては、これはアメリカに依存する率は日本だけではなくて、世界も非常に高いわけで、アメリカはそういう意味においては世界の最大の食糧の供給国と言ってもいいんじゃないかと思うわけでございますが、そういうふうに非常にアメリカが食糧について世界的に優位性を持っておるということは、これはまあ事実であろうと思うわけでございます。そういう中で、この食糧につきましても、これを戦略的な手段に使うのではないかというふうな意見等も出ておることも事実でございますが、私はやはり、食糧は人間の生命を維持する基本的な物資でありますし、石油とはこれは同列には考えるわけにもいかないんではないか。これは世界の食糧会議等の決議などから見ても、食糧を戦略的な手段に使うというふうな考え方は私は持っておらない、こういうふうに思っておるわけでございます。  非常にそれは、アメリカ自体が食糧については優位性を持っておるということは事実ですが、石油のような戦略的手段といいますか、政治的武器にこの食糧を使うというふうな意図は、いままでのアメリカの世界食糧会議等における発言、あるいは行動等から見てもそういうことはあり得ない、そういうふうに私は考えておるわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 この食糧を戦略の手段に使うかどうか、この論議はきょうは私は避けます。しかし、欧州の諸国を歩いてみればこれは言うまでもないことですが、やはり一国のいろんな意味の、広い意味の安全という点からフランスが一六二%の自給率を持ち、西ドイツが八〇%、イギリスが非常に二〇%とか落ちておりましたが、いまは六五%前後の自給率に高めている。こういう動きを見ますと、わが国もやはりこの食糧の自給度というものを一層高める、あるいはいままでの計画を見直す時期に来ておるのではないだろうか、こう思いますが、この点についてはどういうようにお考えでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 穀物、特に飼料穀物等につきましては、わが国としてもアメリカをはじめとして外国に依存しておる率は非常に高いわけでございますが、これはまた、これまでの高度成長の中にありまして国民生活の向上、食生活の水準が伸びていったということを背景にいたしまして、畜産物の消費が非常に高まってきたということから飼料穀物の輸入が増大をしたわけであります。今後ともこの飼料穀物の輸入というものは、畜産物消費がわが国においても伸びていくことは明らかでございますので、私は伸びていかざるを得ないと思うわけでございます。  したがって、六十年目標をわれわれ立てまして、農政審議会に諮問いたしましてこの御答申を得るわけでございますが、その試算の中におきましても、飼料穀物の自給率は今後伸びるというよりは低下をしていくというふうにわれわれは試算もいたすわけであります。これは今後のわが国における畜産物の消費の増大というものと関連をし、さらに、わが国の国内において飼料穀物が生産条件として合わない、飼料穀物、特にトウモロコシ、コウリャン等が今後わが国において生産を増大することは不可能であるということを前提といたしまして、六十年はさらに飼料穀物についての自給率は低下せざるを得ないというふうに判断をいたしておるわけであります。  国内においても、でき得る限りの自給力を高めていくということは当然でありますし、麦だとか大豆等につきましてはそういうまだ生産余力があるわけでございますから、これが自給力を高めるために努力をいたすわけでございますが、全体的に見れば飼料穀物は自給率を高めることが非常に困難であるし、むしろ今後は低下せざるを得ない。したがって、飼料穀物については今後とも海外諸国との間の、輸出国との間の協力関係を維持しながら輸入の安定を図っていく、そして、アメリカがやっぱり大きい輸出国でありますが、ただアメリカだけに頼らないで、その他の輸出余力を持っておる国々との間の多角的な貿易の面もさらに進めて、そして供給の安定、輸入の安定というものを図っていかなければならないというのがわれわれの基本的な飼料穀物に対する考え方でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 この飼料作物の自給度が低下するのはもうやむを得ない、こういうことで見ておられるようですが、これはこの間参院の予算委員会で公聴会等においてもいろんな御提言もあって、論議の仕方、やりようによってはその見通しをかなり向上させる可能性もあるのではないかと思いますが、これについては、この論議は、別の機会にまた幾つかの資料に基づいて論議をいたしたいと思います。  そこで、農業政策の根本は、私は、食糧の自給度をどのぐらいに定めるかというところに根本があるのではないか、それに基盤の整備や土地の改良やいろんな問題が全部つながっていくのではないかと思いますが、農政の基本は食糧自給度のパーセントをどこに定めるかにある、こういう大筋についてはどう考えられますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) やっぱり私は農政の基本的な考えとしては、国民食糧を確保するということであろうと思うわけでございまして、先ほど辻委員からも御指摘がございましたように、わが国の安全保障といった立場から見ましても、食糧を確保する、国民食糧を確保するというのが一番大きな眼目でなければならぬわけでありますが、やはりその眼目を貫いていくために基本となるべき課題は、何としても国内の自給力を高めて一いくということがその国民食糧を確保するための第一の大きな柱であることは間違いがない、そういうふうな観点から、これからの農政の基本的な方向を自給力を高めるということに集中をしていくべきである、こういう考え方でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 次に三つ目ですが、これはちょっと私の感想と意見が入りますが御容赦いただきたい。  それは、一月下旬から半月ほど中国の農村、人民公社を歩いて、最近における中国農村の実態をいろいろ見てまいりました。詳しいことは別として、その一つに、いま全国挙げて中国の農村は水利の建設、土づくり、備蓄に全力を投球している、こういう感じを受けました。その中の一つ、土づくりですが、山西省の山奥に有名な大寨という人民公社があります。一万一千の人口で、毎日大体平均二千人、多いときには三万人、全国の農民が参観に来るという非常に有名な場所です。そこで山を崩して谷を埋め、大きな地下水路をつくって、上に土をかぶせて大規模な畑地造成をやっている、全部石を積んで急斜面を平たくしてやっている、こういう実態を見ました。  その中で初めて開いた畑にどのぐらい穀物がとれるかと聞きますと、小麦、トウモロコシで反に直して八百俵ぐらいとれた。なぜかといいますと、中身は堆肥を大体初年度に一万八千キロ、五千貫ぐらいは入れるのだと、その状況を見てきましたが、大変な堆肥を入れております。いま中国の農村は全力を挙げて土、つくりをやっている、こういう状態にあります。私がおる北陸や東北、米の単作地帯を見ると、せっかく生産した稲がらを燃やして灰にしている、化学肥料と農薬で米をつくっている。そういう意味では、冷害でも来たらどうなるかと心配されるほど地力は低下といいますか、やせていく一方です。これは私、この二つを比べたときに、非常に日本の地力低下という点から肌寒い思いがしたのですが、これから五年、十年、十五年たったら一体この生産力の開きというものがどうなるか。これが私は大変気になったことですが、大臣、こういう問題についてどうお考えになりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま中国の大寨のお話が出たわけでございますが、私どもも中国において、大寨地区において非常に大きな土づくりを中心にした構造改善の事業が進められておるという話も聞いておるわけでございますが、確かにいまお話がございましたように、わが国においても最近の地力が非常に弱くなってきておるという事実は、これはもう全体的には出てきているのではないかというふうに認識をいたしておるわけでございます。この地力を保全し、これを高めて強めていくということが、これからの農業生産の自給を高めていく上においても非常に重要な課題であることは間違いないわけでありまして、農林省としても、実は全国的に土づくり運動というものも予算措置等も行いまして行っておるわけでございますし、特に化学肥料にこれまで重点が置かれ過ぎた、これはまあ労働力等にも問題があったわけでございます。  ですから、化学肥料のみを中心にした、いわゆる無機物を中心にした肥料というものが地力というものを弱めたことになるわけですから、今後はわが国の農業の歴史等を振り返ってみましても、地力を維持し、保全をし、これを高めていくにはやはり国内における堆肥といいますか、を中心にした有機的な肥料を積極的にこれを活用をしていくということは、これから私は非常に大事になってくることじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう点で、今後は、そうした有機肥料を使うことを農家においてもそれができ得る条件をわれわれが政策面において、施策の面において整備をして差し上げるということも、これは必要じゃないかと思うわけでございまして、いろいろな具体的な措置等もとっておるわけでございますが、まだ十分でないことは私ども認めざるを得ないと思うわけでございまして、今後、この堆肥等を中心にした有機物肥料を使った農業生産に、無機物肥料を中心とした農業生産から移っていくという方向へこれはひとつ大きく踏み出していきたい、そのためにいろいろな面でひとつ私も力を注いでみたい、こういうふうに考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いま言われたように、有機質、要するに地力は堆肥からということになると思うのですが、これをつくるような条件を整備しなければいけないという、そのとおりだと思うのですね。そこで田舎、農村では堆肥の大事なのはよくわかるけれども、冬一生懸命堆肥をつくったって米価の中にちゃんと算定してくれなければ、弁当持って町へ行って働いた方が早いのだ、こういうことで、これはまあ当然ですね。だから大臣、そういう有機質で堆肥をうんとつくってその地力を養うということが重要なこれからの方向である、こういうことを確認をされるならば、来るべき米価の算定の中に、冬堆肥をつくったら、それは労賃部分としてきちっと評価されるような、そういう算定方式を取り入れられるお考えであるのですか。それがなければ、言うだけで意味がないと思うがいかがですか。

三善信二食糧庁長官

○政府委員(三善信二君) 先生御承知のように、米価算定の場合には、米の生産費調査を基礎にするわけです。米の生産費調査の中には、米の生産に投下された材料とかあるいは労賃部分というのは当然入っているわけです。したがいまして、米価の算定につきましては、自給肥料の部分は材料費と、それから自給肥料をつくるに要した労働費、これは間接労働費として入っておりますし、材料費の方は物価修正をしておりますし、それから、労賃分は都市均衡労賃に評価がえしているということで現在入れております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それはまあ少し入っているでしょうね、入っておりますよ。だけれども、堆肥を本当につくれるような労賃部分が算定されていないから、だからこれは農家の人が堆肥をつくらないので、堆肥をつくったということがそれだけのちゃんと自分の労賃部分に反映するなら、これはやはり弁当持って町に行くより、うちにおって堆肥つくっていた方がそれは農民はいいんですよ。だからそれが、やはり幾らかそれは含まれているでしょう。しかし、奨励していくというか、それを前進さしていくというものについては、私はこれは非常に弱いのじゃないか。そういう点で、今後の米価算定の中に積極的に堆肥をつくって地力を維持する、前進さす、こういうものをこれから考えていかなくちゃならないと思いますが、これは大臣どうですか、大筋で。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま御指摘がございましたように、今後の政策として自給肥料を、あるいは無機物肥料を積極的にこれを使うという方向に現在もそれぞれ予算措置等もとっておりますし、これはぜひとも進めていきたいと思いますし、その自給肥料のウエートが米づくり等において高くなれば、それだけこれがまた米価に——いま食糧庁長官も言っておりますが、その中にそれだけまた反映をされることは、これもまた計算上そういうことになるわけでございますから、それはそれなりに、とにかくこれからの土づくりというものを考えて、積極的な堆肥づくり、あるいは土づくり、そうした無機物肥料を活用する、そういう条件をつくるということについては予算措置もやっておりますが、これはもうさらに進めていきたいという考えでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 これは調べて、この家は堆肥をつくったというその数字を見て算入をするのでは、これはやっぱりだめだと思うのですよ。積極的に堆肥をつくれるような条件をつくる中には、米価の中に、堆肥をつくればそういうものはちゃんと見ますよという、そういう方向を出さなければ、弁当持って稼ぎに行った方がいいようにしておいて堆肥をつくれといったって、これは私は数字は出てこないと思うのですよ。そういう積極的な方向をひとつ出して、具体的な施策で幾つかあるでしょう。その一つにはやっぱり米価の中にそういうものがきちっと算定されていくということが大事だと思うのですが、大臣答弁を受けて長官、もうちょっとそれをさらに前進さすような御答弁ないですか。簡単で結構です。

三善信二食糧庁長官

○政府委員(三善信二君) この自給肥料の有機質肥料の問題は、私は、そういう有機質肥料を使うような一つの運動ないしまた使うような条件を別の角度からつくることがまず前提条件だろうと、そういうことを農蚕園芸局でいろいろやっておられます。そういうものを受けまして、現実に生産費の中にどれだけ労働費として要したか、労働時間として要したか、あるいは材料として幾ら使ったかということで、その結果として米価算定の中にはこれは入ってくるわけでございます。本質は、私はまず農家の方が有機質肥料なつくれるような、そういう体制づくり、条件づくりをすることがこれは大事であると思います。その辺のところは農蚕園芸局長から詳しく御答弁をさしていただきたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 大臣が五分しかおられないので、要点だけ聞かしてください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) ただいまの御質問に関連いたすわけでございますが、堆厩肥の生産投下が減っている一番大きな原因は、やっぱり労働の減少ということでございます。大事なことは農家も知っているわけでございますから、そこで大臣もまず条件づきと申し上げましたが、全体運動と同時に、問題は農家の方々が、いわば労力不足に対応して堆厩肥を生産できるような体制づくりをするということで、そのためにはやはり農家個々ではなくて、集団的にまずまとまって、しかも簡単な機械を使って堆厩肥ができるようにするということ。これをいろんな形で、いわばモデル事業と申しますか、実験事業として実施しております。たとえば四十九年度から始めたわけでございますが、水田主産地地力培養事業ということで、簡単な機械を使って、集団でまとまって堆厩肥を生産、投下するという、いわばモデル事業を始めたわけでございまして、さらにそれを五十年度大いに拡充いたしております。こういう事業を実施して、その展示効果と申しますか、その波及効果によって、農家の方々が労力不足に対応して堆厩肥が生産できるようにする、これも一つの条件整備の大きな手段でございますから、畑も含めまして、予算もいろいろ拡充しておりますが、今後進めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 これは二面が大事で、やっぱりそういう施策を用意をするということと、米価の中にそれをきちっと算定を確認をしていくという二つが伴わないとなかなかうまくいかないと思うので、この点はひとつ大臣、ぜひ真剣に考えてお願いしたいと思います。  あと五分しかおられないのでもう一つお伺いしたいんですが、これは大変牧歌調になって申しわけないのですが、一昔前は、東海道を汽車で走りますと、黄色いなたねの花が咲いて、隣にピンクのレンゲがある。麦の穂波が揺れて、次に田植えが始まる、こういう田園がずっと展開したわけです。いまは新幹線で東海道をわれわれ一年に六十回も七十回も走っていますが、見ていると、三月か四月稲があって、あとは稲の切り株だけ、そういう意味では非常に荒涼たる感じがします。片面では農家は電化、いろんなものが備わって、ずいぶん近代化をした。それから農作業用トラクターから耕運機、田植え機、コンバイン、あらゆる機械が備わって近代化した。しかしこの姿を見ると、非常にいびつな日本農業の姿じゃないか、こういうことを非常に私強く感ずるわけです。  この間もいろんな話をしておりましたら、日本は二千二百万トンも外国から穀物を買い入れているのだけれども、あれだけ国費を投じた土地ですね、これを四カ月ぐらいしか使っていないということだけれども、これはもったいない話じゃないか、こういうことを言われた。いつも日本の農村におるとこれが普通かと思うんですが、ほかの様子をいろいろ見てみると、膨大な国費を投じ、農民も負担をしてせっかくつくった土地改良、耕地ですね、これが一年に三月か四月つくって、あとの三分の二は遊んでいるという、このいびつな姿をやはり私は何らか改善措置をされていかなければならぬのではないか、そういう点で——時間がもう二分しかないのですが、大臣、こういう姿をやっぱり変えていくということが日本の農政の大事なポイントじゃないかと思いますが、これについての御見解をお願いをいたしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ昔は非常にのどかな田園風景が農村で見られておったが、その点最近では農村が荒涼化してきておる、こういうふうなことに対して、今後とも農村において、もっと昔のような一つの姿といいますか、非常に明るいような形の農村の環境づくりもせなければならぬのじゃないかと。また、農地等においてももっと高度化してこれを使う必要があるのじゃないかというお話でございますが、私はもうまことにもっともな御意見だと思うわけでございまして、農業は、先ほど申し上げましたように、国民食糧を確保すると。さらに農村における居住者に対して健全な就業の機会を与えていくということが重要な役割りであろうと思うわけでございまして、また、この農業が行われておるところの農村におきましては、やはり緑の自然を保全をし、管理するとともに、農家を中心とした健全な地域社会が営まれるということが必要でございまして、そういうことを考えますと、やはり農業と農村の健全な発展なくしてはわが国の経済の調和ある発展というものはない、こういうふうに思うわけでございます。  したがって、今後の農政を推進するに当たりましては、世界の食糧事情等もありますし、そういう面からわが国の自給力を高めていくことは当然でございますが、そういう中にあって、農村の今後の国家社会に果たす役割りを十分明らかにしながらこれからの政策を進めていかなければならぬ。まあ私たちとしてもそういうふうな基本的な考え方に立って、農政審議会にも六十年を目標とする一つの長期的な展望のもとにこれからの生産目標等も諮問をいたして、近く御答申を得る状況になっておるわけでございますが、そうした御答申を踏まえて、これからの農村のあり方というものを中心にいたしました食糧の長期的な視点に立った政策、総合政策というものを打ち立てていきたい、こういうふうに考えるわけでございまして、その場合における農村の方々の生活の場である農村地域の総合的な開発整備等の推進によりまして、環境を明るくする、あるいはまた農村の、農民の福祉を向上させる、そういうふうなことを総合的にとらえながらこれから着実にひとつ施策を進めていきたい、こういうふうに思うわけでございまして、やはりこれからの農村というものは魅力ある農業、そしてまた明るい農村の環境というものを確立していくことが非常に大事なことであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 これで終わります。私は、具体的にあと三点聞きたかったんですが、時間が参りましたから終わりますが、小規模の土地改良の問題、それから農業労働災害補償法の制定の問題、それから農業用倉庫の問題三点をお伺いするつもりで政府委員の皆さんにお願いしておきましたが、時間がありませんからあとで個別にまた伺うことにいたしまして、終わります。     —————————————

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  予算委員の異動に伴い、辻一彦君が辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。     —————————————

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 私は、養蚕、コンニャク等について、主として大臣と質疑を交そうと準備したのですが、大臣たまたま本会議でしばらくの間退席しておりますので、担当の局長にひとついろいろと伺ってまいりたい、このように思います。  養蚕が日本の近代産業の発展過程においてその大黒柱をなしておった。生糸は輸出産業の大宗であるということをわれわれはまあ子供であったころ学校で教わったわけですが、今日ではその蚕糸業を統轄する蚕糸局も独立局からまあ合併局というような形になった。かつて外貨獲得の主要産業であった蚕糸業が、今日では輸出ではなくて輸入国に変わっていろいろ問題をかもしておる。一体これはどういうわけなんだ。なぜこうなったのか。これに対するひとつ当局の認識について伺っておきたい、このように思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 御指摘のように、わが国の蚕糸業は、戦前においてはもちろんのこと、戦後も三十年代までは重要な輸出産業でございました。ところが、これが近年輸入産業に変わってきているというのは、理由は大きく分けますと二つあろうかと思うわけでございます。一つは、需要の面におきまして、合成繊維の出現によりまして世界の絹織物の需要が減退いたしたということがまず第一点あるわけでございまして、このために三十年代の前半におきましてアメリカに対する輸出が非常に減少いたしまして、現在ではほとんど輸出がない、こういった需要の面がございます。  それからもう一つは、生産面におきましては、生産コスト面で有利な中国、韓国等が繭・生糸の生産を増強いたしたわけでございまして、わが国の生糸は、コストの条件を見ましてこれらの国となかなか対抗が困難でございます。したがいまして、いまのように需要面で輸出が減ったという一方、国内需要の方は、需要はこれはふえたわけでございます。これは国民所得が上昇いたしますので、国内の需要がふえたわけでございますが、生産面では関係者もいろいろ努力をいたしているわけでございますが、おおむね横ばいという事情でございます。したがいまして、輸出需要は減少した。しかしながら国内需要はふえた。ところが、生産はほぼ横ばいでございますから、その間をコスト面で有利な中国、韓国等から輸入が増大した、こういう事情にあるわけでございます。  まず、現状事実認識はそういう認識を持っているわけでございますが、しかし、まず何と申しましても、わが国の蚕糸業はわが国農業の重要な分野でございます。そういたしますと、何といたしましても繭・生糸の自給率を維持向上することは、やはりこれは必要でございます。その場合には何と申しましても、やはりコスト面でなかなかむずかしい条件、労力、コスト上の事情がございますから、そのためにはやはり基本的には生産性を上げることが必要でございます。したがいまして、従来も各種の生産性を上げるための振興対策を進めているわけでございますが、これを一段と推進いたしますと同時に、他方では繭糸価格安定制度の適正運用両々相まちまして蚕糸業の振興を図ってまいりたい、こういうように考えているわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 ただいま二つの理由を挙げましたが、第一の理由で、合成繊維が出てきたので生糸に取ってかわる。確かにそういう部分もありましょうけれども、それでは世界の人たちの生糸というものに対する愛好、好み、そういうものが本当に合繊に取ってかわられて需要が少なくなったと、このような認識ですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) もちろん絹織物に対する特殊の事情がございますけれども、従来量的に大きかったのはアメリカの絹のくつ下を中心といたしまする需要でございましたが、これが完全に合繊にかわられたことでございます。それ以外に一部欧州等の需要がございますが、量的にはこれは大きいものではございませんで、何と申しましても、合繊に大宗たるくつ下の需要が食われてしまったというのが世界の需要減退の大きな理由であると思っているわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 もちろん、年代が変わりましたから事情はその後変わっているとは思いますけれども、御承知の三十三年に大暴落がありましたね。あのときに私もたまたま衆議院に席を持っておりまして、最大の需要先であるアメリカへ飛んで調査しました。その段階で、もちろん合成繊維も当時出ておったわけですが、アメリカの一般の人たちはやはり絹織物というものに対する好み、あこがれ、こういうものは多分に持っておる。したがって、あの暴落はそれじゃどうして起こったのかということで訪ねて行ったわけですから、第一線の最末端の好み、需要、そういうものが本当に減ったのかと考えると、そうでないと。  そこで、日本から生糸を輸入して加工する加工業者に当たってみました。この人たちはどういうことを言うかというと、われわれは日本から生糸を輸入して加工する、アメリカの人たちが絹織物を求めておることはわれわれも十分承知をしておる。ただ、ここで問題は、原料である生糸の値段というものが問題だと。もちろん、われわれは買うんだから安い方がいい。安い方がいいけれども、何としてもめちゃくちゃな値段の値動きでまじめな実業としての加工業の原料としてはこれはなじまない。原料が高くなった、安くなったで直ちに製品の値を高くしたり安くしたりはできぬ。そこで、できれば安く安定することがいいんだけれども、高値でもいいから安定してくれ。安定して原料が手当てができればそれを一つの原点として加工が発展できるんだと、こういうことを主張しておりました。私は、やはりこのことは真実をついておると思うのですよ。何としても値の上がり下がりがきつ過ぎる。ここに使いたいけれども使えない、こういう最大の原因がある、このように思うのです。  何回も私がこういうことを言っておるから、また栗原が言う、こういうことでしょうが、需要についてはこういうことが言われておるわけです。もちろんこれは必需品ではありません。趣味の繊維、おしゃれの繊維、ぜいたく繊維である。したがって、人間にしゃれ心がある限り、言うならばおしろい、口紅が存在する限りは絹織物の需要というものは減らないのだ。しかも、それは膨大な数量じゃなくて、人間の使う繊維のうちの〇・〇二%足らずの繊維である。言うなら希小価値を持ち、そうしたところに生糸のレーゾンデートルがあるのだ。だから、べらぼうにふえるというものじゃないけれども、一定の人間のしゃれ心を満たす量はぜひとも必要なものなんだ、こう言われておるわけですね。そこで、やはり価格の変動が日本の生糸の輸出をチェックしたのだ、妨害したのだ、阻害していったのだ、このように私は思うのだけれども、少しこれは行き過ぎですかな、こういう考え方は。いかがでしょう。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 需要の減少の原因としますと、一つには合繊維、これは確かに事実だろうと思うわけでございます。  それからもう一つ、もちろん絹等に対するいわば、できれば絹を着たいということは確かにございます。その場合に、やっぱり価格条件があるわけであります。価格条件もさらに分けますと、先生の御指摘の安定の問題と、やはり価格の高さと申しますか、水準と両面あろうと思うわけでございます。したがって、繭糸価格安定法のたしか第一条で「輸出の増進」と書いてございまして、そのためには価格の安定が重要なことであるということで始まったわけでございますから、安定はもちろん大事でございますけれども、それともう一つは、やはり水準の高さの問題があろうかと思います。  そこで後段私が申し上げました、いわば生産面のコスト差、日本のコストとそれから中国、韓国とのコストの差、これがまたあるわけでございまして、安定はもちろん大事でございますが、あわせまして価格水準の高さ、低さというものがやはり需要を決める大きな原因になろうというふうに考えるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 この辺にかなり問題があるように私自身は見ておるわけです。おしゃれの繊維として生糸を求める、この心持ちは、もちろん、高い安いの問題は確かにありますけれども、それじゃ安いものを求めておるかというと、必ずしもそうでないんですよ、最末端の最終需要者は。それは中間に存在する人たちはその値のあり方によってもうけがどうなるかという問題があるところにいろいろ問題があるのだけれども、最末端の需要家は必ずしも安いものを求めておりません。実態から言うとこれは笑い話なんですが、都内の百貨店あたりでも同じものを十五万円、十万円、八万円とつけておくと十五万円が売れるというのだな、これは。絹織物を着ようとするときには、おれはこんな安い絹織物を着ていると言わぬのですよ。こんな高い絹織物を着ているというところにやはり需要の根源があるんですね。だからここの値のあり方についての問題は、高いから消費が少なくなった、こういうことは必ずしも言い得ない。  ただ問題は、もちろん生活の中の一部分ですから、景気によって非常に影響を受ける。何を先に締めようとするかと言えば、こういう必需品でないものにまずきんちゃくを締めていく、このことは事実です。しかし、買おうという意思がある限り、高いから買わないというんじゃなくて、買おうと思えばむしろ値のいいものを買おう、こういうことだと思うんですね。だからこの辺はひとつ、ただ単に高いからとか安いからというんじゃなくて、そういう点の面も十分配慮をしてこれからの施策を考えてもらいたい、このように思うわけです。  そこでまあ問題は、輸出産業から国内産業に、悪い言葉で言えば転落したというか、没落した養蚕なんですが、それではこれから先養蚕というものはどうなっていくのか、養蚕の展望はどうなんだと。もちろんまあ予算の中にも一部分関連した部分はありますけれども、本気になって今後養蚕というものを日本の産業の一部門としてやっていくのか、まあ成り行きまかせで減ってもいいと、こういうような状況なのか、この辺はいかがでしょう。これはひとつ大臣から日本の養蚕業、蚕糸業、まあ蚕糸業といっても中心は養蚕業ですが、養蚕業を日本農業の中でどんなぐあいに位置づけていくか、今後積極的に守り発展さしていくのか、あるいは一つの惰性として成り行きにまかせる、だんだんだんだん縮小していくなら縮小していくのもやむを得ない、こういうお考えなのか。その辺はきわめて大事な点なので、大臣から所見を伺いたい、このように思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 養蚕を考える場合に、わが国における生糸の需給はどういうふうになるかということも大きな判断の基礎になるわけでございますが、現在の状況からまいりますと、やはりある程度の外国産の生糸を輸入をしていくということは今後とも必要ではないか。これは、生糸需要というものが私は今後は、大幅な増加というのはやはりわが国においては期待ができないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。そういう意味から、大量の輸入はもちろん必要ではないわけでありますが、そうした需要関係を十分考えながら、これからのわが国の蚕糸、養蚕対策というものを位置づけていくということが必要であろうと思うわけでございますが、そうした生産状況等も、生産需給等の需給関係等も十分配慮して、そしてやはり、養蚕農家の再生産が確保されるというふうなことの前提に立ってこれからの養蚕対策というものを進めてまいらなきゃならない、こういうふうに思っておるわけでございます。輸入等につきましても、そうしたわが国における養蚕農家の再生産を確保するという立場に立って現在も輸入の一元化を行っておるわけでございまして、こうした輸入の規制措置等ともあわせて再生産を確保する中でひとつ養蚕対策を進めてまいりたい。こういうふうにも考えております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 まあ、需給の関係に焦点を当てることも当然なんですが、先ほどお留守の節に局長ともやりとりをしたんですが、やはり人間しゃれ気のある以上、繊維として、織物として生糸、絹織物を求める。そうすれば、これはなくともいいものではない、こういう面がある。一方、養蚕に携わる者はこれは特殊な事情があるんですよ、どういうことかと言うと、まあいろいろこう押し詰められてきて、いま養蚕が残っておる地帯は、これは養蚕でなくちゃならぬという宿命を持っているんですよ。火山灰土、軽しょう土地帯でおそらく祖先は、まあ植えたり抜いたり、ほかのものがよかろうというようなことでやっても、一たん日照りを受ければどうにもならない。干ばつを食う。そこで結局、ある程度の干ばつに耐え得る根の深い深根性の植物、すなわち桑を植える、これなら日照りにも耐え得る。で、桑をつくればお蚕を飼うよりほか仕方がない。こういう立地的な宿命的な養蚕業、まあ私は養蚕農民と、こう言うのですけれども。したがって、それが、そんなものをつくってももう不必要なんだと言えば、これはまた別な施策を講じてもらわなきゃなりませんけれども、少なくとも国内市場で足らなくて輸入までするというような実態を持っておる蚕糸業、その根源である養蚕業、これはどうしてもやはりその道で生業を立たせてやらなきゃならぬ。このことは、単に再生産ということじゃなくて、そういう条件下にある農民のやはり生活を守ってやる。それは形の上から言えば再生産ができると、こういう価格問題になってくるわけですけれども。  そこで問題は、米、麦のように人間になくちゃならぬ必需品じゃありませんから、生産費所得補償方式によって価格を補償しろということはなかなか議論としてはむずかしいわけですけれども、しかし、いま言ったような反面、いやなら転業をしろ、転作をしろと言っても、転作できない状況下にある特殊な農民、したがって、その養蚕で生きていかなきゃならぬという条件下の養蚕農民。そうすれば品物が必需品であるかないかによって生産費所得補償をするということではなくて、他の旧から養蚕農民の生活を補償する生産費所得補償方式をやらなきゃならぬ、こういう観点が出てくると思うのですが、この点はいかがでしょう。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国において今後とも生糸の需要というのはやはりあるわけでございますから、そういう面に対応して、やはり国内における農産物の自給力を確保していくという立場に立っても、これは養蚕業というのは必要でもございますし、また同時に、いま御指摘がございましたように、養蚕以外では生産条件が合わないという地域等もあるわけでございますから、そういうことも配慮すれば、当然養蚕業を今後とも振興し確保していくということは、これはもう当然のことであろうと私は思うわけでございます。そういう中にあって、この養蚕農家の経営の安定あるいは再生産の確保ということは、これまたそういう前提に立てば、今後とも大いにやっていかなきゃならぬわけで、農林省としても、生産対策、構造対策等を通じましてこうした問題に対しても力を注いでおるわけでありますし、価格対策等につきましても、生産費所得補償方式という形をとるということは、養蚕・生糸、繭・生糸といったような流通の状況等から考えますとなかなかこれはできないわけでございますが、しかし、輸入の調整等も図り、あるいはまた、この価格政策についても再生産を確保するというふうな配慮の中でこの価格の決定を行っておるわけでございますので、全体的に生産費所得補償方式をとるということは不可能でございますが、価格政策の強化とあわせて生産対策、構造対策を進めていけば、私は十分今後とも養蚕農家の経営の安定は図っていける、こういうふうに考えておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 私もきわめてつつましく、必需品でないものであるから、そういう面からは生産費所得補償方式というものを強引に要求はできないけれども、しかし、生産条件がこれ以外にはという生活の立場に立てば、これは、やはりこれを守るためには生産費所得補償方式、少なくともそういう金額が補償されなけれりゃなるまいじゃないか、こういうことを強く言いたいのですよ。そしてまた、養蚕というものが相手が桑ですから、どうも不必要になったからことし抜く、よくなったからすぐ来年と、こういかない植物で、ここにまた問題があるわけです。そこでまた一方は、生活必需品でないだけに不況等の影響はきわめて鋭敏に受ける。いままでうまくいったけれども、流通過程の価格の問題は不況の影響を受けてどんと下がったと、じゃ桑を抜け、桑が抜けない、よくなったからそれ植えろ、すぐ植えられない。ここに養蚕問題の非常にむずかしい農政があると思うんですね。  私は端的に言うと、だから養蚕の問題は、不況のときに谷間ができ、そしてやがてはまた平常に戻るんだから、この谷間は政治の、農政の橋でつながなきゃだめだと、その橋の役割りを演ずるのが蚕糸事業団である、このように受けとめておるわけですね。そして、蚕糸事業団かその谷間をうまく橋をかけて、そして永年作物をつくっておる養蚕農民の生活を困窮に追い込まないように谷間を渡らせる、これが蚕糸事業団の受け持つ最大の任務である、まあこのように思うんですが、いかがでございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も確かに、そういう面において蚕糸事業団の役割りは非常に大きいとも思うわけでありますし、こうした不況の際においては、価格が暴落、下がって、そして非常に蚕糸、養蚕農民に打撃を与えるというようなことも配慮して、輸入等につきましても、一元的な輸入という非常に厳しい調整、規制措置をとっておるわけでございますので、こういうことを総合的にやはり推し進めることによって、私は養蚕農家の経営の安定というものは図っていけるんじゃないか。ですから、輸入の調整措置、さらにまた蚕糸事業団の機能の有効な発動、さらにまた生産あるいはまた構造対策の推進、そういうものをあわせて推進することによって、農家の安定というものは今後とも図っていかなきゃならないと思う。やはり今後は生糸の需要というのは日本にあるわけでございますから、それに見合う養蚕農家の振興を図っていくことは、これは当然のことであろうと考えております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 そこで、価格の問題と価格構成の問題について少しお尋ねしたいんですが、かつて輸出産業の大宗であった生糸、その国際価格を決定する場としての横浜を中心に神戸の取引所、これは確かに必要であり、重要な機関であったと思うんですね。今日は商品としての蚕糸業、生糸という問題から言うなら一歩後退して蚕糸業は国内産業になった。国内産業になり、しかももっと矮小化されて養蚕農民の生活問題になってきておる。こういうときに、はたしてかつて国際商品の価格構成の場である横浜の取引所は、今日そのままでいいのかどうか。で、はたして、まあおそらく需給均衡の価格、そうした価格構成をやる場であるとおっしゃるだろうと思うけれども、じゃ、本当にそれではあの取引所が生産、消費、需要との間の需給均衡の公正な価格形成の場になっておるかどうか。実態はそうではなくて、全く糸へん一とは無縁ないわゆる相場師的な金が投入されて、およそ供給と需要とは無縁である、こういう状態になっておるような気がしてなりません。しかも  一方、谷間のかけ橋をかけるために事業団というものがつくられ、そしてこの事業団の大きな任務は、その根源である養蚕業を、繭の値段、そして製糸業加工の労賃、こういうものをそれぞれ配慮しながら価格を安定していこうと、こういう任務を持った事業団が活躍する。そういうときに、はたして横浜の、表向きでは公正なる需給による均衡のある価格形成の場であると言うけれども、実態では恐ろしくその考え方とはかけ離れた場になっておる横浜取引所、神戸取引所、生産取引のあり方、これがはたしてこのままでいいのかどうか、これらについてひとつ大臣の所見を承りたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 商品取引所は、いろいろと批判もあることはこれは事実であろうと思うわけでございまして、商品取引所自体が先物買いでありますし、やはりヘッジする機能ということで、需給の安定を図っていくというようなこともあるわけでございますが、その中にはいまお話のような非常な空売り、空買いというようなことで、かえって市場を混乱させるというふうなことも場合によってはあり得るわけでありますが、全体的には、商品取引所の適正な運営が図られれば、私は価格についても安定が図っていかれる、そういうふうには機能的にはなっておると思うわけでございます。商品取引所だけではなくて、先ほどから申し上げましたような、わが国においては、生糸につきましてはその輸入につきまする調整、規制措置等もあるわけでございますし、そういう面から、全体的には商品取引所の存在というものが養蚕農家に大きく影響を与えるというふうな状況にはなってないと、そういうふうに考えておるわけでございます。この価格も一応きまるわけでございますから、養蚕農家といいますか、生産農家に対しては、これでもってしわ寄せがくるとか、そういうふうな状況にはないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 どうも大臣、いろいろ教わってはおるだろうと思うんだけれど、どうも認識も大分足らぬように思いますね。そうじゃないんですよ。実際には繭の取引、繭の値段が横浜を中心にした相場から逆算されたりしまして、しかもいろいろな経過を見るというと、繭の出荷最多日を中心にしての相場のあり方等を研究すれば、かなり問題があるんです。しかし、時間がありませんから、きょうはそういう議論はいたしません。問題は、谷間のかけ橋を担当する事業団、これをしっかり運営していただきたい、これが私の考えです。特に国内生産では足らぬということが現実であり、輸入もしなきゃならぬ。したがって、輸入についてただいまは輸入を禁止しているのではなくて、一元輸入をしておるんだと、そのとおりでいいと思います。そして輸入されたものは、たとえ幾らで輸入されようとも、やはり国内の糸価格に、そしてこれに関連した業者に不測の損害、不利を与えないようなやっぱり運営をしっかりしてやってもらいたい。  特に、輸入先は韓国、中国等でありますが、一般には中国の安い糸が入ってくるから繭値が安いんだ、こういうぐあいに喧伝されております。しかし、まあ私も、先ほど辻君も中国の話をしておりましたが、中国とは少しくつき合いもありまして、いろいろとこの問題については論議もいたしました。全国養連の亡くなった前坂田会長も、大変問題があるので、それでは直接中国と話し合ったらどうかと言うので、一緒に北京までお供して行って、そして話し合ってまいりました。中国でも確かに生糸をつくっておりますが、日本へ安く売り込んで、日本の関係農民に不利を与えるようなことはいたしません、まあこう言っておるわけですけれども、しかし、先般入札を前にして値を下げてきた、それ見ろというようなことで、大分問題化しておるわけですが、たとえ安く買ってきても、それが安いから事業団から安く出るというのではなくて、たまたま安く輸入できることは結構なことだと思うんですよ。  まあ、中国では足元を見て安く売るのではない、国際価格が安いから安く国際価格で仕切るのだ、こう言っておるわけですが、政府でも、日中国交回復ができ、近くは条約も結ばれるという状況でありますから、ぜひ大臣等もお出かけになり、政府レベルでわが国の需給関係をしっかり見通して、貴国からはどのくらいをひとつわが国に供給してもらいたい、こういう話などをするのが一番私はいいと思っておるのです。そうすれば決して不安も起こらないし、安心もできますし、相手国でもおそらくそういうことを望んでおると思いますが、機会が得られたら、大臣出かけて、単に糸の問題ばかりでなしに、もっと別の機会に論議したいと思いますが、先ほど話のあった飼料の問題、えさの問題等も、日本の農業と全く競合しない問題等について徹底的にお話し合いになるお考えはありませんか。もしあればひとつ私も御案内したりお供をしたいと思っておりますが、いかがです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ生糸につきましては、わが国の需給の情勢から見て今後は大量な輸入ということにはもちろんならないわけでありますが、ある程度の輸入は必要であるわけでございます。そういうことから、中国をはじめとしてその他の国々も生糸を輸出したいという御要請があるし、また、事実輸入をいたしておるわけでございますが、その際、やはり中国産生糸だけを特別扱いをするということではなくて、国際貿易上その他の国に比較して特別な取り扱いをしておるわけじゃなくて、全体的に輸出国につきましては公正妥当な取り扱いをすることは当然であろうと思うわけでございます。  まあ生糸だけではなくて、中国との間には農産物関係もこれからますます緊密な協力関係というものを打ち立てていかなければならぬことは、これはもう当然のことでございます。国交回復もして、その後着実に両国間の経済の協力関係というのも伸びておるわけでございますから、私も農林大臣の立場において、もしそういうふうな中国へ出かけていくというふうな状況になれば、もちろん喜んで出かけていって、さらに農林水産物を中心とした提携の強化というものについては話し合いをしていきたい。行くことについては決してやぶさかではないわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 時間が参りましたので、まあ養蚕関係いろいろ論議しましたが、結論は立地条件的に宿命的な養蚕地帯の養蚕農民が生きていける具体的な配慮をぜひ積極的にやっていただきたい。それにはかけ橋の任務を担当する事業団をより積極的にひとつ機能させてもらうよう指導していただきたい、こう思います。  時間もございませんので次に、最後になりますが、コンニャクの問題についてひとつ大臣の所見を承っておきたいと思うのです。  もともとコンニャクは、これまた立地条件にきわめて厳しいところで栽培されておりました。コンニャク以外にはつくれないというようなところでコンニャクがつくられておったわけです。そういう成り行きもあり、特に肥培管理で生産するコンニャクは日本だけであり、コンニャクを食うのも日本だけだというような事情のもとで、生産農民を守るという意味で輸入規制品になっておる。今日もまあそのとおりであるわけですが、これが昨今、特に米の生産調整をやりましてから、転作の中にコンニャク田んぼに下るというような現象が起こってきたわけですね。そして田んぼでコンニャクが栽培される。特にコンニャクには余り私も学問的にはわかりませんけれども、まあ三要素のほかに微要素が必要だというようなことを言われるのですが、田んぼは水が入るものですから連作をやっていいものができる、まあこういうようなことで存外、国内作付反別が多くなってきておるんではないかと思います。これはどうですか局長さん、その段階の反別の広がり等。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) コンニャクイモの生産、これは従来は主として山間傾斜地帯を中心に行われていたわけでございますが、御指摘のとおり、稲作転換のものもあるわけでございまして、約一千百ヘクタール程度の水田でコンニャクの栽培が行われております。しかしこれは、これによって全体の栽培面積がふえているというわけではございませんで、地域によって違いますが、先生一番お詳しい群馬県はまさしくふえておるわけでございますが、全国で見ますと、これ数字で申しますと、四十二年はコンニャクの栽培面積は一万七千六百ヘクタールでございました。それが四十五年は一万六千八百ヘクタール、それから四十六年は一万六千百というふうに少し減っておりまして、稲転が出始めましたのは四十六年からでございますが、その後も一万五千六百と、四十九年が一万五千八百という状態でございまして、確かに稲転で一千ヘクタール程度はございますが、それを含めましても、全国ベースの栽培面積はむしろやや微減という状況にございます。ただし、地域によりまして違いまして、群馬県などにおいては確かにこれはふえておるわけでございますが、全国ベースはそういう状況でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 これもやはり立地条件がきわめて厳しい、他に転作ができないという条件下で、前々からコンニャク対策は消費者対策でなくて生産者対策一本でいいではないかということを主張し続け、行政府当局も、特に農林大臣も全くそうだねということでずっと話がなってきたわけです。コンニャクが高くなれば食わなくたって別に生き死にに関係があるわけじゃない。これはまあ一つの嗜好品ですから、高ければ食べなくてもいい。ところが、生産者の方はそれが安くなってほかのものをつくれと言われても、ほかのものにかわれないところにやはり宿命がある。だから、生産者が生きていける価格対策というものを常に守ってもらいたいというのが農民の悲願であり、私たちの主張であって、それをそのとおりということで今日までやっていただいてきておるわけです。  昨今、特にコンニャク市況の問題でいろいろ変化もあるわけですが、そういうコンニャクに対して、なま玉、荒粉、精粉、こういうものは輸入規制にあるけれども、練った製品には、ちょうど生糸の輸入が規制できても織物が規制できないのと同じような状況で、まあまあ原産地からおそらく来ているんでしょう、韓国あたりで練ってビニールパックにして入ってくる。まあべらぼうな数字ではないと思うのですけれども、そういうことがやはり何というか、相場の成り行きに影響する。よそから入ってくるんじゃ大変だ、こういうような形で買いたたかれる、こういうような状況があるのですが、その辺の実情は、この前ちょっと触れましたが、調べましたか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) コンニャクの原料は、輸入制限品目としていわゆる外割りを行っておるわけでございまして、それで需給バランスをとっておるわけでございますが、コンニャク製品につきましては、これは栽培しているところは日本だけでございますし、消費も日本だけでございましたから、まさかこういうものが製品で入るとはだれも考えていなかったわけでございますが、昨年の十月ごろから韓国において日本向けに製品をつくりましてそれが入ってき始めたわけでございます。そこで十一月ごろ若干入りまして、関係者いろいろ心配したわけでございますが、その後十二−一とは輸入がとまっておりました。二月にまた若干入ってまいりましたが、現状では合わせまして約四百トン程度、これは製品でございます、というふうに推定されておりますが、この程度でございますと、これは量としますとまあ〇・二%程度でございますし、現在これが直ちに市況に悪影響を及ぼすという実態はございません。ただし、おそらく心配は、こういう傾向はさらに続くのではなかろうかということの心配ございますが、ただ、いまの状況では、一遍入って中断してその後また若干入っている。まあ輸入しているところ、あるいは販売しているところ、非常に特殊なところでございまして、どうも全体に影響しているとは見がたいわけでございますが、私どもさらに実態を十分調査いたしまして、現状ではまず影響ございませんが、これがどんどん広がると問題が大きいわけでございますし、ただし、これから夏場に向いますとまた腐敗の問題ございますから、しばらくはまたとまるのではなかろうかと思いますけれども、十分動向を注視いたしまして、こういった製品の無秩序の輸入によって国内に悪影響ないようにしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 大臣、いま局長は数量的には大したことはないと、こうおっしゃる。いま事実数量的には微々たるものだと思いますけれども、入ってくるということが、そして、いままで規制製品である、規制品であると考えておったところへ、ちゃんと抜け穴があるんだというそのことが、入ってきたのは微々たるものだよと、こう言ってくれればいいけれども、韓国から製品が入ってくるのだから幾ら持っていたってそれはだめなんだよと、こういう形で宣伝されるわけですね。これがなかなか大変なことなので、これらについてひとつ今後ぜひ、特殊な立場に立つ生産農民がやはりこれまた生きていけるような御配慮を、御処置を願いたい、このように思うんです。  そして、いま一つは、実はいまお話があった群馬県では全体的には微量であるけれども、かなり作付がふえております。そして、共販をやろうということで経済連が中心になって七割ぐらいを共販に入れました。大変努力すると同時に、荷を抱えて実はうんうん言っておるという場面もございます。そういう中で、これは制度的にどうこうというのじゃありませんけれども、自主規制をする、やはり価格を維持していくために、また、いろいろそういう御配慮をしてもらうためには、無政府生産でなくて計画生産という自主規制という面も打ち出さなければならぬという方向へ進みつつあるわけですが、これらについてもぜひそうした自主的な気持ちを温かく受け取って、行政の面からもこれらについてぜひ温かい支持、援助の指導を与えていただきたい、このように思うわけです。もう時間も参りました。ひとつ大臣の所見だけ伺って私の質問を終わります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) コンニャク製品が韓国から入ってくるということは、まさに伏兵あらわるというふうなことで、コンニャクの生産者には大きなショックでもあったと思うわけですが、その後の状況はいま局長からも説明がありましたように、入ってくる量は非常に微量、全体のわが国の生産量からすれば非常に微量であるし、輸出業者等もコンニャク協会等も話し合っておるわけでございますし、夏場になるわけですから当座は心配はないと思いますが、今後この点については悪影響が出てこないように、これはやはり政府としても積極的に行政指導その他を通じまして対処していきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。  コンニャク全体としては、先ほどからも局長がお話しいたしましたように、群馬県等においては生産が伸びておるようでありますが、全体的には生産は必ずしも伸びておらない。そして、需要の方はむしろ強含みというようなことになっておるというふうに聞いておるわけでございますが、自主調整といったことについて共販体制を進めていくことも大変結構なことであると思いまして、政府としても共販体制を進める場合において利子補給等の措置等も講じておるわけでありますが、県でやっておられるようでございますが、今後ともそうした問題等も含めて、ひとつ政府としてもいろいろな生産対策とあわせて講じてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。   〔主査退席、副主査着席〕

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは小委員会ですから座ったままでやった方がよくないかと思うのですが、いいですか、委員長。  豚肉につきまして七・七%、それから加工原料乳について一〇・五%、それから生糸について一二%と、いずれも政府の諮問の価格が結果的にはすんなりと答申されたという形になっておりまして、続いて肉牛の問題がありますし、それからビートがあり、なたねがあり、大豆があり、続いてすぐもう麦類、そして米と、こういうことで農産物の価格というのが非常に大変重要な段階だと思うのですよ。私は特に昨年からの農政、農業をめぐる国内外の情勢から言いまして、大臣のおっしゃるように攻めの農政にならなければいけない、国民的にも、農家の立場から見ましてもやはり増産をしていかなければならない、自給力を高めていかなければならないというような段階に、まず必要なことは幾つもありますけれども、まずやはり大切なのは価格政策だ、こういうふうに考えておったんですけれども、しかし、結論を見ますと、これは、この価格問題は大変悲観しなければならぬような情勢になっておるように思いますね、大変悲観すべき状況だと。そこで、こういう答申が出たんですけれども、政府の決め方としましてはどういうようなことに進んでおるのか。この三つの問題につきまして、豚肉と加工原料乳とそれから生糸につきまして答申を受けたが、さてどういうふうに進んでいるのかという点をまずお尋ねしたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 畜産物の価格、すなわち加工原料乳の価格、安定市場価格、安定基準取引価格、それから限度数量、さらに豚肉につきましては、安定基準価格、安定上位価格をいずれも本日中に告示をして決めたいと思っております。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 生糸につきましても、これは二十八日に蚕糸業振興審議会に諮問をいたしたわけでございますが、御案内のように、生糸の価格は繭糸価格安定法によりまして、「生産条件及び需給事情その他の経済事情からみて適正」な水準に安定させることを旨とすると、こうなっておりまして、この法律の規定に従いまして、審議会に諮問いたしまして、それに対しまして、生産条件及び需給事情を考慮すればこのような決め方をすることはやむを得ないという答申をいただきまして、これに基づいて本日決定することにいたしております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そういう答申が三つについてあって、さて、それについて政府としてはどういうような決め方をなさるのか、どういうふうに決めようとなさっていらっしゃるのか。その点をお尋ねしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま局長から御説明申し上げましたように、畜産振興審議会の答申を得たわけでございますが、これを十分検討いたしまして尊重し、政府としても、政府が畜産審議会に提出した試算を若干修正をいたしまして最終的に決定をし、きょうの告示となるわけでございますが、この額等につきまして、あるいは修正部門等につきましては局長から答弁をいただきます。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) それでは、本日告示を予定しております価格について御説明いたしますと、まず加工原料乳の保証価格につきましては、一キログラム当たり八十円二十九銭、これは前年に比べまして一四七%の増になっております。  次に、加工原料乳基準取引価格は、一キログラム当たり五十七円五十七銭、これは前年比七・八%の上昇でございます。  それから、生産者補給交付金に係る加工原料乳の数量の最高限度、ちょっとこれは対象となります限度数量でございますが、これは昨年と同じ百三十八万トンというふうに告示予定にいたしております。  次に、指定乳製品の安定指標価格はバター、これは原料用のバターでございますが、一キログラム当たり九百九十九円、九・三%の増でございます。それから、脱脂粉乳は二十五キログラム当たり一万一千五百四十円、これは前年と同様据え置きでございます。全脂加糖練乳、二四・五キログラム当たり八千十八円、三・七%の上昇になります。脱脂加糖練乳、二十五・五キログラム当たり六千六百円、これは前年と同様据え置きでございます。  なお、参考のために申し上げますと、補給金の単価、不足払いの単価でございますが、一キログラム当たり二十二円七十二銭、昨年は十六円六十一銭でございましたので、三六・八%の増になります。  なお、申し落としましたが、加工原料乳の保証価格八十円二十九銭は試算の段階では七十七円三十八銭でございましたので、二円九十一銭修正をして試算の水準を引き上げることに予定しております。他の価格、数量等は試算どおりでございます。   〔副主査退席、主査着席〕 補給金単価はそれにつれまして上昇いたしております。  次に、豚肉の安定価格につきましては、安定基準価格は五百五十六円、前年に比べまして九・七%の上昇でございます。安定上位価格はキログラム当たり六百八十円、これも同じく九七%でございます。なお、これは皮はぎ法により整形したものの一キログラム当たりでございますので、湯はぎ法の場合はこれより七%下回ってきめることにいたしております。したがいまして、安定基準価格は湯はぎ法の場合は五百五十六円より三十九円下回る。安定上位価格は六百八十円より四十八円下回る水準にきめる予定にいたしております。なお、試算の際の安定基準価格は五百四十六円でございました。上位価格は六百六十七円でございました。  以上でございます。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 次に、生糸の安定帯価格について御説明申し上げますと、これは三月二十八日に蚕糸業振興審議会に諮問をいたしたわけでございまして、この諮問につきましては、この安定帯価格、これは基準市価を中心にいたしまして安定上位価格、安定下位価格及び最低繭価あわせまして安定帯価格というわけでございますが、この価格のきめ方について諮問をいたし、その場合、参考試算といたしまして算定の基準となります生産費の資料を出したわけでございます。その場合、基準糸価は四十九生糸年度が一キログラム当たり一万円でございますが、それに対しまして一万一千二百円と、一二%アップということで試算を提示いたして審議を願ったわけでございまして、先ほどのように、これはやむを得ないということの答申を得まして、このとおりにきめるということで本日付で告示する次第でございます。したがいまして、前年に対しまして基準糸価が一万円が一万一千二百円という一二%アップ。その他の安定上位、安定下位等の安定帯価格もほぼ同様でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、先ほど申し上げましたが、こういう価格を政府としてきめる、続いて牛肉の問題、それからビートの問題とかなたね、さらに大豆、麦類という問題が波及してくるわけですけれども、昨年の例もそうですが、大体こういう形ではね返ってくるということになりますと、農産物の価格というのは、ことしの大体見通しというものはつくというふうに言って過言ではないように思うんですね。  そこで伺いたいんですけれども、中身に入って細かく聞きましても時間の関係もありますから、伺いたいのは、農林省としてはしょっちゅう大変細かい計算をしておられまして、敬意を表しておるところなんですが、そこで、こういう価格できめた場合に、ことし五十年度養豚農家がどの程度減ると、あるいは肉牛の、乳用牛の頭数がどれだけ減る、養蚕農家がどれだけ減るという見通しを立てていらっしゃるのか。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 豚肉につきましては、生産は前年度の九七%ぐらいの生産を予想をいたしております。ことしに入りましてから、若干前年に比べて出荷が減ってまいっておりますし、さらに二月一日現在での繁殖雌豚の頭数も、やや前年を下回っておりますので、今回の価格決定によりまして生産を刺激する効果は期待できると思いますが、それが効果があらわれまして、生産がふえますには若干のタイムラグがございますので、今年一年間を通じての予測といたしましては前年を約三%下回る、このように見ております。  次に、牛乳の生産でございますが、前年度の生産に比べまして約二九%の増、生産量にいたしまして四百九十六万八千トンの増加を見込んでおります。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 養蚕につきしては、まず全体の養蚕の総農家戸数につきましては、従来から年々少しずつ減少する傾向にございます。その傾向の中で規模拡大が進みまして、一戸当たりの桑園面積あるいは収繭量というものは増大するという頑固が続いております。したがいまして、今回価格決定いたしましたが、この基本的傾向はやはり続くであろうと。しかしながら、全体の掃き立て卵量あるいは収繭量等は、まあおおむね前年と同じではないだろうか。実は前年におきまして価格がかなり変動いたしました。四十九年は基準糸価を一万円ときめましたが、当初それを下回った時代がございまして、あとになって強力な需給調整というもので価格が上回ったという事情がございまして、多少その間に変動がございましたものですから、昨年は収繭量も若干減少いたしましたが本年価格をこのようにきめまして、しかもこれを安定させるように確実な施策を構ずるということになりますと、大体前年と横ばいではなかろうかというふうに見ているわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 後の方から申し上げますと、養蚕農家にいたしましても、四十六年から四十九年に約九万戸減っておるわけですね。農家戸数としては三割減っている。さらに四十八年と四十九年と比べますと、二万四千戸という戸数が減っている。その率で言いますれば、それはちょうど七%を超す減り方になるわけですね。私は乳用牛にいたしましても、それから豚の問題にいたしましても、養蚕農家にいたしましても、こういうような価格のきめ方になりますと、もっと激しく減るんじゃないかというふうに考えるわけなんですね。昨年は御承知のようにそれぞれの価格について、かつてない状態に上がったわけで、四十何%とか三十何%とか上がった。しかし、まあ飼料の問題もいろいろありましたですが、それにいたしましても大変な減り方をしているわけですよね。  豚で言いますと、これも七%減っているでしょう。三年の間に、戸数としては三五%減るという状態。乳用牛にいたしますれば、これはこの一年間に一五%戸数が減ったと。そしてこの三年間に四割減るというような、大変な減り方をしているわけですね。そして豚にいたしましても、農民的な豚経営という点から言いますと、非常に問題があるという指摘を、私、農林水産委員会でやってきました。それから乳用牛にいたしましても肉牛にいたしましても、これは非常に考えなければならぬ点があるんじゃないか。これから頭数をふやしていくという場合大変な頭数をふやそうという考え方ですから、そういう場合にやはり飼養戸数というものはある程度維持していくという、そういう考え方がありませんというと、これはできないと私は思っておるわけです。にかかわらず、こういう価格の決定になりますと、これはとんでもない激しい減少を続けるんじゃないかという心配をしているんですけれども、先ほど申しましたように、農林省としてはいつも詳細な資料的な、統計的な検討をされるところです。  ですから、いま生産量の話があった。生産量の話ではなくて、豚の戸数がどの程度減るというふうにごらんになっているのか、養蚕農家はどの程度減るとごらんになっているのか。一〇%減ると思うのか、一五%減るとごらんになるのか、そういう点を伺っておるわけなんです。私は、先ほど申し上げているように、小家畜については農民的な畜産というものは考えなきゃいかぬと思っている。それから大家畜については、大規模という問題はそろそろ限界に来ているという考え方を持ちますし、養蚕もこの状態でいきますというと、本当にこれはとことんまで追い詰められるというふうに思っておりますので、お尋ねしておるわけで雪。どれだけ減るというふうに考えていらっしゃるのか。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 最近、特にここ数年来飼養戸数の減少がかなり大幅になってまいっております。搾乳牛につきましても一〇%以上の年率で減っておりますし、昨年は十数%という高い数字になっております。肉豚につきましても、戸数が一〇%から二〇%近い減少を毎年続けておるわけでございます。反面、これは規模の拡大がそれだけ進んでおるという面も見られますけれども、私どもといたしましては、たとえば酪農で申し上げますと、現在規模の大きな層がかなり急速に伸びておりますものの、規模の小さな農家の脱落を十分カバーするだけの全体としての飼養頭数がふえるというところまではいっておらないわけでございますが、最近のような一〇%をかなり上回るような年率で減るということは、これは規模拡大と言いながら減り過ぎだという認識を持っております。したがいまして、もう少し全体としての飼養戸数の減少ということは、モデレートな形での減少は今後とも続けていくものと見られますけれども、現在のような大幅な減少は、全体の頭数を維持するために好ましくないというように考えております。したがいまして、われわれといたしましては、中堅の七、八頭層あるいは八、九頭層というものがさらに一層規模を拡大していくような対策に今後重点を置いていく必要があるというように考えております。  全体といたしましては、酪農の場合もまだ九・八頭でございますので、平均からいたしますれば頭数の引き上げ、拡大という二とは今後も続けなければいけないと思いますが、たとえて申し上げれば、四十頭とか五十頭とかいう家族経営での大体労働の限界近くまでまいっておりますところは、さらにそれ以上規模を拡大するというよりはむしろ経営内容を充実する。牛の資質をよくするとか、あるいは生産基盤を拡充をして粗飼料の安定的自給を図るというようなことによりまして経営の内容充実を図っていく必要があるというように考えます。  いずれにいたしましても、全体としての減り方としては大き過ぎるということで、われわれといたしましてはもう少しモデレートな減少のテンポに直していくべきではないかというふうに考えております。  なお、お尋ねございました、来年度の価格決定に際し覇して、生産量の見通しはあるものの、頭数についてはどのように見通しておるかというお尋ねでございますが、これは価格だけではなくして、その他いろいろな要因がございますので、価格算定の際、具体的に明年度は何戸を目標とするというような計算はしておりませんけれども、長期的に見まして、ただいま申しましたように、現在の急激な減少の仕方というものはある程度とどめて、もう少しモデレートな減少テンポにして、全体としてはなお規模の拡大を促進する必要がある、このように考えております。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 養蚕につきましても、御指摘どおり養蚕農家数はここ数年年率七、八%程度減っておるわけでございます。ただ、全体の桑園面積は約十億万ヘクタール程度で、おおむね横ばいで、微減傾向の横ばい中でございまして、したがって、規模拡大が進んでおるわけでございますが、ただ何と申しましても、養蚕の場合はやはり桑園という土地に結びついたものでございますから、従来は七、八%の減少でございましたが、だんだん戸数も四十九年は三十万戸を割ったという時代でございますから、今後は減少率とすれば従来よりも少し小さくなるのではなかろうか。ただし価格算定の場合、それを幾ら減ると見込んで算定いたしたわけでございませんが、多少減少するという傾向は続くけれども、減少率は多少小さくなるだろうというふうに見ている次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 価格の決定に当たりまして、この価格でどの程度の、どのくらいまでの畜産農家の生産費をカバーできるというはじき方を当然すべきだと思うんです。そうしますれば、どの程度のものがことし脱落する、つぶすという形になるわけですよね。だから、繭の生産量はこの程度に見ている、あるいは豚の肉の生産量はこの程度だ、三%減る、あるいは牛乳の生産量は一・何%ふえるというようなはじき方も必要でありますけれども、どの程度この生産費を決めた場合に農家が生産費を償えないのか、そこのところをはっきりしてもらわないと、農家の立場から見ますと、これはさっぱりよくわからぬわけですよ。私はどうも畜産行政は特にそうだと思うんですが、何か肉をつくることに一生懸命になっていて、農家のことはどうも二の次の二の次になっているような気がしてならないわけです。  これによってどれだけ——農家を歩いて見ればわかるんです。畜舎がいっぱい遊んでいるんです、これ。飼ってないですよ、もう。鶏だっておらぬし、本当にこれはまあひどいものですね、大変な勢いで減るんですから。年率一〇%という勢いで減っていくんですよ。三年たったら三〇%減るんですから、これは三分の一になっちゃうわけです、養豚農家というのは。まあそのほかの何でもいいです。酪農でもそうです。こんな勢いでいって——だから、そこのところをはっきりしてもらいたいと思うんですよ。私はそれがはっきりしないというと、農家の立場から見ても、この問題はどうもあいまいもことしているというように思うんですがね。  そこで、規模拡大というお話がありましたけれども、私は、これはいまやもう幻想だと思っているんです。和牛だってそうでしょう。乳用牛だってそうでしょう。これは限界だと言っていいと思うんです。それからブロイラーにしても、それから採卵の鶏にいたしましても豚にいたしましても、これは一層インテグレーション化しますよ。農民的な畜産としては全く手の届かないところにこの二、三年の間に追い込められるんじゃないでしょうか。それでも農林省だと言うんですか。通産省に移したらよろしい、こんなものは——というぐらいに私は考えている。まあそこまでは言いませんですけれどもね、これはまあちょっと話であって。ですが、なかなかこれはそれほど言いたいぐらいにいやな感じがあるんですな。困っちゃうわけです、これ。  そこで、これからそういう考え方があるかどうか。こういう生産費を決めた場合にどの程度の農家がカバーできるんだと、それ以外は恐らく脱落するであろうという数字をはっきり示してもらって、畜産行政の本当にシビアなところを、農民が非常にきつく受けとめている、そこのところをすっきり出してもらう。そうすれば、もっと畜産局もこれはちっとは頭を切りかえて、豚肉だけ考えたり牛の肉だけ考えたりしないで済むんじゃないでしょうか。そういう考え方がこれからあるかどうか。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 乳用牛につきましても、頭数が毎年平均で一頭前後伸びてまいっておりますので、私どもといたしましては、今後なお規模拡大は可能であり、進めるべきであるというように考えておるわけでございます。  なお、養豚においても同じように考えておるわけでございますが、ただ、先ほど申しましたように、戸数の減少テンポは少し早過ぎるという点は、われわれとしてはもう少し適正なところまで持っていくべきだというふうに考えております。  なお、お尋ねございました生産費をどれくらいカバーしておるかということ、現在戸数で直ちに計算をしておりませんけれども、たとえて申し上げれば、養豚の場合、豚肉価格の場合には審議会に農林省が提出いたしました試算によりましても、従来の需給実勢方式という算定方式によるものと、生産費方式によるものと二つ例年のように提出しておりますが、実は豚肉価格の場合は生産費方式のほうが需給実勢方式よりも毎年でございますが、安く出るわけでございます。これはあくまでも平均でございますから、生産費が平均以上の農家はなお償わないという問題もちろん残りますけれども、そういう点から見ますと、私どもといたしましては、生産費が、ちょっといま正確な試算を持っておりませんけれども、試算におきまして出しましたのは平均価格が五百五十二円というふうに出しましたが、これは試算におきます生産費方式によります中心価格でございますが、五百五十二円ということにいたしましたが、その後、政府決定に至ります段階で若干手直しをいたしますので、これが約五百七十円になろうかと思います。そういう点からいたしますと、今度の決定いたします中心価格は六百十八円、基準価格と上位価格の真ん中でございますが、六百十八円ということになりますれば、平均的に見ますれば他の平均生産費は十分償うのではないかというように考えております。もちろん生産費所得補償方式というような算定をいたしますれば、それは後の数字よりはもう少し高いところにまいりますので、カバーする農家は少なくなろうかと思います。  なお、酪農につきましては、これも現在概算でございますので、正確には申し上げるデータまだ持っておりませんけれども、大体加工原料乳地帯の酪農農家の約六〇%の農家は生産費をカバーするという水準であるというように推定をいたしております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 えらいですね、とにかく豚にすれば半分程度の農家は生産費が何とか償えるだろうと、それから酪農で言えば大体六〇%程度の農家が生産費が償えるだろうというお話なんですが、そうなれば、これはもう二、三年かかって四〇%減ると見なければいかぬです。酪農——加工原料乳の問題についても、これは二、三年のうちに四〇%の農家はつぶれるというふうに見なきゃいかぬでしょう。あるいは豚にしても二、三年の間にそういうような形態になってくるんじゃないでしょうか。ですから、そういう形にいって……。まあこれはこのぐらいにいたしまして、次にいたしましょう。  それで、価格を上げると消費が問題になる、消費の壁に当たるということでしょう。それならどこか逃げ口があるのか、出口があるのか。豚にいたしましても、これから決まる肉牛の問題にいたしましても、それから酪農の問題にいたしましても、一体出口というのがあるのかどうか。畜産の危機というのは唱えられて数年になりますよね。大変なところに来ておると思うんですけれども、一体出口はあるのか。いまの局長の答弁でいきますと、豚というのは半数程度は生産費を賄える、酪農で言えば六〇%程度の農家は生産費が償えるというような冷酷な話ですと、これは逃げ口は一体どこなんだということを心配しますね。えさの問題について特殊な政策をとるというようなお考えはないでしょうか。  それからついでに、時間がございませんから……。いずれにいたしましてもこういう考え方が今度は麦類なり、大豆なり、なたね等にも当然波及してくると思うのです。しかし、これは非常な熱意を燃やして大変な増産をしようというわけなんです。大事なところだと、いままでから言えば大変な増産、数量としては微々たるものですけれども。いままでの経緯から言えば大変な増産をされようとするんですが、しかし、こういうような考え方で臨んだ場合に一体そんなことができるのか、六十年の見通しなんていうのは根底から崩れてしまうという感じを私は持つわけです。奨励費をふやすなら別です。なたねにいたしましても、大豆にいたしましても、麦類にいたしましても、奨励費の二千円を三千円なり四千円にふやすというならこれはわかりますよ、そういう考えはないんでしょう。そうしますと、いまみたいな価格は麦類なり、なたね、大豆などに波及していくとなりますれば、六十年を目標にした問題なんていうのは全くの見せかけであったというふうに言わざるを得ないんじゃないでしょうか。そこら辺について大臣どうお考えですかね。困っちゃうんです、これ。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の畜産物価格、さらにまた生糸の価格の決定に当たりましては、私も慎重にこれに取り組んできたつもりでございまして、畜産審議会あるいは蚕糸業振興審議会におきましても十分議論を尽くしていただきまして、その答申を得て畜産価格につきましてはさらに修正すべき点を修正いたしまして、最終的に決定したわけです。私はこれまでの算定方式もずいぶんそれぞれやったわけでございますが、そういう算定方式、そしてそれに盛り込む要素等につきまして、たとえば労働賃金等につきましても十分配慮をいたしてきておる、こういうふうにも考えておるわけでございまして、全体的にはいろいろと御批判はあると思いますが、再生産は確保できるのではないか、こういうふうに基本的には考えるわけであります。  しかし、いま御指摘のように、飼養戸数等が著しくこの二、三年来減少していくということに対しては、これはやはり考えなければならぬ問題でもあろうと思うわけであります。全体的に見ればこの価格政策を維持し、適正に価格を決めていくと同時に、全体的にはこれからの対策としては価格政策のみでなくて生産対策、飼料基盤の充実等についてはさらに積極的に取り組んでいかなければならぬのは、これも当然のことでありますし、また、農家の経営改善のためのいろいろな方策も取り込んでいく。融資等につきましても、農家に相当大きな石油ショックに伴うところの畜産危機に伴ってまだまだ負債が残っておる、これが足を引っ張っておるということもあるわけでございますから、こうした金融措置等もこれはさらに再検討して、これを強化する措置を講じていかなければならぬわけでもあるわけでございます。  その他やはり生産農家の方々が生産意欲を持っていただくような、いろいろな問題をここで総合的に取り上げて、基本政策として何としても六月、七月ごろの段階には打ち出すことが六十年目標を達成するために必要である、こういうふうに思うわけでございます。ちょうどそういう意味では、そうした価格政策の面におきましても、あるいは生産対策等あるいは金融対策等につきましても、六十年目標というものを打ち出す段階においていろいろと洗い直していく段階には来ておると、私もそういうふうに考えておるわけでございますので、今回の決定は決定として、さらに農政審議会等の意見も聞きながらひとつ総合的な政策というものを樹立をしていかなきゃならぬ、またそれをしていきたい、こういうふうに思うわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 時間がありませんので——大臣、先ほど局長から答弁がありましたように、豚で言いますと大体半数の豚農家の生産費はカバーできると……。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) ちょっと。そういう説明をしたのではございません。先ほど申しましたのは、豚の生産費方式によります試算を審議会に出しておりますが、その数字は、政府の最終的な決定によりまして若干手直しをいたしてみましても、平均価格、平均生産費で見まして五百七十円前後になると思います。今回決定いたします安定価格の場合は、中心価格が六百十八円になりますので、まあ六百十八円というのは平均価格と見ていただけばいいわけでございますので、それと五百七十円を比べますと生産費はかなりカバーをしておる、戸数によって何%ということはちょっといま資料を持ち合わせておりませんけれども、平均で見る限り相当カバー率は高いはずだという見通しを持っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 ですからこの問題はそれだけにしましょう。そして規模拡大——豚なら豚、鶏なら鶏、肉用牛なら肉用牛、酪農なら酪農の専業農家という従来の畜産局の方針というものは、これは大きな問題があると思っているのですけれどもね。そのことが耕種農業と切り離されてどんどん進んでいった、突っ走ったということから耕種農業との中に大変な矛盾が起きているじゃないか、農業全体の中に大変な矛盾を引き起こしているじゃないか、逆にそのことが畜産に対して大きなまた壁になっているんじゃないかということをこの間も農水で言ったわけです。ですから、局長も複合農家、複合経営、つまり畜産というものと耕種農業というものを複合するという、そういう考え方というものも大いに尊重していきたいというお話でありましたですが、ぜひそういう面についての新しい意味での大きな努力をしてもらいたいと思いますですね。  それからもう一つは、これは別な話なんですが、私のところにこういう資料が来まして、飼料作物のこれは穀類の薫蒸に燐化アルミニウム剤というのを使っている、これは大変有毒な物質だと、こういうのですね。で、その気化率が非常に低い、そこで穀類の中にその有毒物質というものがやはり残っている、そういうものがえさの中に配合されて入っているということを非常に心配しているのですね。手紙をよこしました人は、実験をしてみて燐化アルミニウムというのは非常に気化しにくいやつだ、したがってこれは非常に危険じゃないかということなんですね。手紙をよこした方は畜産の指導員です。これは公務員です。匿名なんですけれども、その点についてちょっと伺って、もしそういうことがあるとするなら、これは気化について特殊な政策をおやりになるか、あるいは別の農薬を、薫蒸剤をお使いになるか、どちらかのことをやってもらいたい。十分気化できるような形にするか——固体として残るというのですね。それが穀物についているということ、それが配合飼料としてそのまま配給されておるということを心配しているのですね。いかがでしょう。

二瓶博農林省農蚕園芸局審議官

○説明員(二瓶博君) ただいま先生からお話ございましたように、農林省の方にも投書が参っております。そこで、これが対策につきましても検討をいまやっておる段階でございます。そこで、現在輸入穀類に使っております薫蒸剤、これは二つだけでございまして、一つは臭化メチル、それからもう一つがいまお話のございます燐化アルミニウム、この二つでございます。臭化メチルの方につきましては、実は厚生省の方で、小麦につきまして残留許容量というものを決めてございます。それに対応いたしまして農林省では、農薬安全使用基準というものを決めまして、その使用の適正化を図っておる、これが臭化メチルの方でございます。いま、先生御指摘の燐化アルミニウムの方でございますが、これにつきましては、わが国におきましてはその使用の実態を見ますというと、先ほど申し上げました臭化メチルを大体九九%使っております。後の一%をこの燐化アルミニウムが現在薫蒸剤として使用されている、こういう状況でございます。そういうような使用のウエートといいますか、こういう問題もございます関係か、まだ厚生省の方で残量許容量を決めておらないわけでございます。したがいまして、現在農林省の方で安全使用基準、それに見合った安全使用基準というのを決めてないというのが現状でございます。ただ、先生御指摘のように、この燐化アルミニウムといいますものは、臭化メチルに比べますと残留性が一般的には低いと言われているんですが、問題は強性毒性を持っております。毒性が非常に強いものでございます。例の毒物劇物取締法の対象になっておりますいわゆる特定毒物ということになっておるものでございます。そういうことでございますので、まだ安全使用基準等は決めておりませんけれども、農林省といたしましては、四十六年から作業員等の危害防止を図るというような見地から、「燐化アルミニウム植物検疫薫蒸における危害防止対策要綱」という対策要綱を局長名で出してその励行を図っておるわけですが、たとえばこれを取り扱う者は、先ほど申し上げました劇物毒物取締法によりまして、取扱者は知事が指定するわけでございます。そういう指定する者であるということ。さらに単なるその取り扱いだけでなしに、そういう植物検疫の面で、また精通をしているという者であるというようにするとか、あるいは防毒マスクをつけろとか、手袋の方は、これは水に触れますとガスが出るものですからよく乾かしたあれでやれとかいうような、そういう危害防止の措置等もやっておるところでございます。したがいまして、ただいま先生が御指摘のございましたように、この燐化アルミニウム剤、これは結局水分と作用いたしまして燐化水素ガスというものを出しまして、これが薫蒸効果を発揮するわけでございます。  ただ問題は、先生がお話されましたように、これが水分と反応いたしまして燐化水素ガスを出します際に、それがだんだん残りはせぬかという御指摘だと思います。これにつきましては、現在のところいろいろデータ等も調べておるわけでございますが、そういう残ったものまで含めてみまして、まあ一般的な国際的なデータで見ますというと、残留はまず少ないという形になっておるわけでございますが、ただ問題は、非常に毒性のあるものでもございますし、こういう面につきましてはさらに厚生省の方と十分連絡をとりまして、この面の安全性の確保といいますか、こういう面にはさらに留意してまいりたい、かように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 時間が過ぎましたので、後ほどこの問題については審議官の方ともお話したいと思います。  以上で終わります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 時間が限られておりますので、問題をしぼって農林大臣をはじめ各局長に伺いたいと思うんですが、特に私はこの食糧の自給率の向上を図るという立場から問題を煮詰めてみたいと思うんです。特にまず最初に農林大臣に伺っておきたいことは、このわが国の食糧問題に対する農林大臣の基本的な見解についてまず伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在の世界的な農産物の自給の情勢から見まして、今後ともやはり食糧につきましても世界的に不足をしていくという基調が推移的であろうと、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。それだけにわが国の農政を進めていく場合においては一番大事なことは、何としても食糧の自給力を高めていくということでなければならぬわけでございますが、この食糧の自給力を高めていく際にあって私たちとしてはやはり土地とか水の確保を図っていく、さらにまた土地の高度な利用を推進をしていくということも必要でございますし、同時にまた農家の方々が生産意欲を持ってこれからの食糧自給に精進をしていただくための諸施策というものもあわせて講ずる必要があるわけでございまして、そういう面につきましては、たとえば金融対策の強化であるとか、あるいはまた税制対策を推進するということも必要であろうと思うわけでございます。  また同時にあわせて先ほどから御審議等もございましたように、農産物の七割までは何らかの価格制度によって維持されておるわけでございますが、この価格政策というものはしたがってこれからの農業の再生産を図っていくということにおきまして非常に大きなウエートを持っておるわけでございますから、価格政策を推進、改善、強化をしていくということも大きなこれからの課題であろうと思うわけでございます。  私といたしましても、そうした食糧自給力の向上という観点から現在農政審議会に今後の農産物の需要と生産の長期目標につきまして諮問もいたしております。さらに今後の農政の基本的なあり方についても諮問もいたしておりますので、この御答申を得て、先ほどから申し上げましたような観点に立って長期的な今後の展望に立った食糧総合政策というものを樹立をしていかなければならない、大体五、六月か七月ごろにはぜひとも総合的な食糧政策を樹立をいたしまして、そして御批判等を待ちたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 非常に時代的にも曲り角に立っているときでもありますし、新しい農林大臣の誕生で農民も非常に期待をしているところも私はあると思うんです。特に世界の食糧自給を今後どういうふうに見通しておるのか、この点について。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 世界の食糧事情につきましてはいろいろ伝えられております。かつて非常に在庫が豊富な時代もございましたけれども、ここ数年天候その他非常に異変がございまして、世界最大の食糧生産国である米国等におきましても昨年は非常に減収であったということもございます。またソ連、中国等におきましてもいろいろ気候変動の影響を受けるということで、ここ数年は非常にタイトな自給状態で推移してきているわけでございます。短期的な見通しといたしましては、最近の穀物その他の価格が上昇いたしておりますので、各国とも作付の意欲が非常に強いということで、天候の異変等がなければことし並びに来年につきましては、昨年よりも自給程度はある程度緩和するのではなかろろうかというふうに考えられます。しかし長期的にはやはり人口の増加、それから所得の増大によります食物消費の高度化等の見通しがございますので、やはり食糧の自給は楽観を許さない、むしろ堅調で推移をしまして価格も相当不安定な状態で推移するのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 食糧自給の問題は後で少し触れたいと思いますけれども、考えてみれば日本の国だけで食糧自給ができるわけでは当然ないと思うんです。そのためにはやはり諸外国からの輸入というもの、特にアメリカやオーストラリアからの輸入という問題がこれ非常に大きな問題であろうと思うんです。こういう問題について、やはり商品協定の問題とか、長期にわたっての輸入契約というような問題に農林省が積極的に私は取り組むべきではないかと思うんです。この点についてのお考えを伺っておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいまお話がございましたように、わが国としての農政の基本的課題は食糧の自給力を高めていくということでございますが、もちろんわが国だけで完全な食糧の自給体制ができるわけではないわけでございまして、わが国において生産できない農作物につきましては外国に依存をせざるを得ないわけでございますが、これまでは低位安定というふうな、そういうふうな食糧情勢、農作物の世界の事情であったわけでございますから、容易にこれを確保することができたわけでございますが、いま経済局長からも話がありましたように、今後は不足という基調の中で高位不安定という状態が続いていくわけでございますから、なかなか安易にそうした外国に農産物を依存するというわけにもまいらないであろうと思います。それだけに、今後とも国民食糧の確保という観点に立てば輸入の安定とい小ものを図っていかなければならぬわけでございますが、その輸入を安定していくためには、やはり今後いまお話がございましたように、食糧の輸出国との間に協力関係をさらに推進するとともに、長期あるいは中期にわたるところの協定といった輸入の協定をつくっていくことが安定確保につながっていくわけでございますけれども、これはぜひとも推進していかなければならぬ。最近におきましても、たとえば砂糖等につきましてはオーストラリアとかあるいはタイとの間に民間ベースではありますけれど長期的な輸入の協定が結ばれまして、そして政府としてもこれに対して協力をいたしておるわけでございます。そういう形を今後とも農作物全体について積極的にひとつ進めてまいりたいというふうに考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 きょうは時間がないから、砂糖とか牛肉の輸入協定の問題等については触れることはできませんけれども、実際たとえば一つの例が砂糖の問題を取り上げても、六十万トンを輸入しているあのオーストラリアとの契約にしましても、消費者には案外メリットがないんですね、砂糖業界には相当メリットがあるのかもしれませんけれども、あるいは国内生産者には案外メリットが少ないという点、こういう問題は日本の国内でできる自給率の問題、それから安定的に輸入しなければならない問題、国内生産者をどう保護するか、そうして消費者にどうするかという具体的なやはり長期にわたったビジョンをはっきりすべきじゃないかと思うんですね。結局一時的な場当たり的な農政になっているために、やはり輸入についても問題点があるので、消費者や生産者が一番苦労している。流通過程にメスを入れなければならない問題点は日本の国に相当あります。しかしそういうところにメスを入れなければ生産者も保護されない、あるいは消費者も守られないという、こういう点があるわけでございまして、食糧の自給率は日本の国でどこまでできるか、そうしてできない地域についての安定的な長期にわたる輸入協定、これはやはり国民的な合意が私は必要だと思うのです。一農林省だけで解決できない問題は確かにあると思うのです。備蓄の問題にしても、あるいはまた輸入する砂糖にしろ、牛肉にしろ、長期的な分野に立って日本の農政と輸入をどう絡み合わしていくかというこういう問題は、総合的に検討を加えなければならないのじゃないかと思うのですね。こういう点についての考え方がやはりちょっと弱いのじゃないかと、したがって新しい安倍農林大臣が、この問題に大きな私はメスを入れてこの問題に取り組んでいただきたいというのが強い要望ですけれども、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにそういう総合的な長期的な視点に立ったこれからの安定輸入というものを図っていかなければならないことは当然であろうと思うわけでございまして、砂糖協定が、長期的な協定が結ばれて、これが消費者にはメリットがないのじゃないかという御指摘もあるわけですが、この協定を結んだことによってやはり世界の砂糖の相場というのをずいぶん冷やしたことになるわけでございますし、また国内において六十万トン今後安定的に輸入できると、そうして価格もわりあいに安定した形で輸入できるということで、今後の国内における消費者価格というものを考えた場合に、これは価格安定には大きなメリットが出てきておるというふうに判断もいたすわけでございますが、そういうふうな形でとにかくいまおっしゃるように、全体的に国内における生産、消費というものも十分判断をして、そうして輸入の確保についてあらゆる角度から配慮をした形でこれを進めていくということは当然のことであろうと思います。これもあわせて長期政策を打ち出す際において十分ひとつ検討をしてまいりたいと思うわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そこで長期政策の中で、食糧自給の向上のために農用地の確保とそれから造成が必要であることはもう御存じのとおりです。これについての具体的な対策について伺いたいと思う。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 土地改良という事業につきましては、これはやはり長期計画的に実施しなければならぬ、こういうことでございまして、現在四十八年度を起年といたしまして十カ年の土地改良長期計画をつくりまして、これに従いまして現在事業をいたしておるわけでございまして、具体的に申しますと、圃場整備を百二十万ヘクタール、それから農用地の造成を七十万ヘクタールを達成したいということでやっているわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 この問題が具体的に、四十八年から五十七年の約十年間、農用地三十万、草地四十万ヘクタール、これは自給率向上七五%ですか、そのために必要な農地を計画しているわけでありますけれども、四十八年ごろから総需要抑制でこの計画は相当狂ってきているのじゃないかということを私は見るわけですけれども、この問題について。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 御存じのように土地改良長期計画は事業費ベースでやっております。そこで予備費を含めて十三兆の予算の消化、こういうことになっておりまして、四十八年から五十年までの推定、五十年の予算をそのままといたしまして、それから四十九年決算が出ておりませんけれども、推定いたしまして二兆弱の経費を使っているわけでございまして、予備費を含めた十三兆に対しては一五・三%の伸び、伸び率で申しますならば一二・三%の伸び、こういうかっこうになっているわけでございます。  いま先生が遅れているではないか、こういうお話でございました。今後この長期計画どおり達成しようとする場合には一八・六の伸びでいかなければならぬ、現在の長期計画のベースが一六・四%でございますので、達成不可能な伸びではないのだろうというふうに考えているわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 農林大臣、これは農林大臣だけの責任じゃ私はないと思うけれども、このままいって、確かに物価の上昇、人件費の高騰等があって、これは五十七年までにこれだけの土地は確保は私は不可能だと思う、率直に言って、もう三年目でしょうけれども。したがって曲り角に立った総合的な農政を改革する意味においても、農林省のメンツとしては三年目に変えるなんて、ちょっとメンツがあるかもしれませんけれども、そんなものにこだわってもこれは仕方がない問題であるし、土地改良計画というものをもう一遍ここで新たに見直して、七五%の食糧自給確保をするためにはやはり土地改良計画を見直さなければならないのじゃないか、こう考えるのですけれども、この点について農林大臣。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在進行しておるところの土地改良長期計画十三兆円、その事業の進捗率が総需要抑制等によりまして遅れておることはこれは事実であろうと思うわけです。このままのペースでいきますれば、五十七年に七十万ヘクタールを確保するということはとうていできないわけでございますから、いま局長が答弁いたしましたように、これに対しては一八・六%の今後伸び率でやらなければならぬ、これもなかなか容易でないことも事実でございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、やはり自給力を拡大をしていくということになれば、何としても農用地を確保するということが大きな課題でありましょうし、六十年目標としては、実は八十六万ヘクタールの農用地造成を図ろうと、五十七年には七十万ヘクタール、それを三年ベースで伸ばして八十六万ヘクタールを確保したいということを基本として長期政策の中に打ち出すという考えでございますが、まあそれには農林省も挙げてこれはもう国民的な理解を求めながらやっていかなければならぬわけでございます。  これはしかし今日の世界の情勢から見て、また国民の農業食糧確保という面に対する理解というものも大分進んでおりますから、私はこれからのやり方によっては必ずしも不可能ではないと思うわけでございます。ただそういう段階になって、いまのそれじゃ計画というものを、これまで遅れてきたから、全体的に見直して、新しいひとつ長期計画を打ち出したらどうだという御意見もあるわけでございまして、いまの御質問も、そういう点も含めての御指摘であろうと思いますが、この点につきましては経済の高度成長から低成長に移っていくという一つの経済構造の変化というものを踏まえて、国全体として新全国総合開発計画あるいは各種の長期計画の取り扱いも再検討しなければならぬという時期にきておりますから、そういうこととも全体にそういう段階になればひとつにらみ合わせて、これはそういうことになれば、これもあわせてひとつ検討もしたいと、こういうふうに思うわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これはこの五十七年まで七十万、それから六十年まで八十六万ヘクタール考えたら、六十年までの計画をここで一遍洗い直して、長期総合政策の中に入れた方が農林省としてもやはり達成やりやすいのじゃないかと私は思うのですよ。幾ら頑張ってみてももう達成不可能な現実になっているわけですから、この点についてやはり、農用地の確保の面、造成の面からはこういう点が言えるのではないか、したがって土地改良計画を明確にしておかなければ私は心配なのは、農民がやはり五年間でできる、あるいは七年間でできるような計画になっておるのが実際七年間かかった、八年間かかったという立場になって、それだけやはり収入が入ってこなくなってくるわけですね。造成計画が遅れたために、そのために農民の負担が相当多くなってくるという点、こういう点がまた農業の大きな曲がり角に立ってくるのではないかと思うのですね。こういう点でやはり五年間でできる。農地ができて、そこから果実が得られると思っておった農民が、土地の造成がおくれたために七年間かかる、八年間かかる。そのためにやはり負担金も大変になってくるという、こういう問題もからんでくるのではないかと思うのですけれども、この点についての考え方を。   〔主査退席、副主査着席〕

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 御指摘の基盤整備事業がおくれる、こういうことから農民負担がふえ、営農に支障を来たすじゃないか、こういう御指摘でございます。一般的には、確かにこういう事態が続きますとやはり営農に支障を来たすことは確かだと思っております。ただ、反論申し上げるわけではございませんけれども、基盤整備の完成のおくれがイコール実質的農民負担の増大ということになるかならぬかという問題、これは物価と農産物の価格という関係もございましてなかなかむずかしい面もあります。それから一般的な土地改良事業におきましては、部分的には必ず振興していく。そうすると部分的な効果は出てくる。ただ、その償還は完了後と、こういうようなことで、部分的にはできた分だけが、それが一つの効力を発揮をする、こういう面もあるわけでございます。しかし、何と申しましても一般的にはいま言われたようなこともございますので、工事の著しい支障の生じないように意を用いてまいりたい。また、毎年度の予算におきましても重点的な地区を指定して経費をつける。またその地区内においても、特に必要なものを重点にやってまいる。こういうようなことで部分的にも効果を派生させるように努力してまいりたいと考えております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 長期計画というのは軽々しく変更すべきものではないと思うわけでございますが、しかしこの長期計画、新土地改良計画も四十七年に策定をされたわけでございますし、この時代の経済情勢と現在あるいは今後というものは大きく変わっていくわけでございますし、まあ政府全体の長期計画もそういう判断に立っていろいろと手直しをするというか、新しく発足をするということが進んでおるわけでございますから、農林省の長期計画もそうした新全総の計画等がこれは密接な関係もあるわけですから、新しい今後の経済情勢を踏まえて発足をする場合は、これと相関関係があるわけでございますから、こういう点も含めて、これはやっぱり場合によっては再検討をする必要が出てくるんじゃないかということも私は十分考えておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは日本の、農政だけではなしにあらゆる大型プロジェクトを全部見直そうという段階でありますから、やはり農業だけがそういう別な立場はとれないし、一八・六のこの財政投入ということは、おそらく決められた現日本の予算の中ではそれだけのことはできないのではないかというのが私たちの予算審議を通しても考えられる問題でございますので、これはよく検討していただきたいと思うんです。  それからもう一つ、造成と相反する問題として、やはり壊廃が相当この高度経済成長下において行われてきたのは、これは事実です。農政がゆがめられたのも、これもやはり一つの事実だと思うんです。昭和四十五年から四十九年のこの五年間平均で農地の拡長が四万七千二百ヘクタール、壊廃が十万二千七百ヘクタール、こういうふうな計画と現実の違いが相当狂いが出ているわけですね。しかし、造成の方は改めてやるにしても、自給率七五%達成のためにはやはり壊廃の問題ももっとしっかり見直していかなければ、あるいはてこ入れをしていかなければ、何か農政がゆがめられる、あるいは高度経済成長のためにゆがめられてきたのが、さらに何か今後壊廃の方がふえていくような傾向が見られるわけですけれども、この点についての考え方を承っておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいままでは農地の造成も行われたわけでございますが、それ以上に壊廃が進んできたことは事実でございます。これが農業の力というものを非常に弱めたということも、これは事実であろうと思うわけでございまして、今後は、私たちとしては大体六十年目標を立てる場合に、先ほど申し上げましたように八十六万ヘクタールの造成を行わなければならぬ。しかし、その中にあってある程度の壊廃も進むということも計算もいたしておるわけでございます。また、事実壊廃を全然進まさぬ、全然壊廃をさせないというわけにもいかないとも思うわけでございますが、しかし壊廃につきましては、これはもう極力押さえていく、そして優良農地を確保していくということが何としてもこれからの農政にとっては大事なことでございます。  そういう面から、私どもとしては、たとえば農地法につきましても今後は転用規制をさらに厳正に運用していくということも今後必要になってくると思うわけでございますし、あるいは今回農業振興地域の整備に関する法律の改正案等もお願いをいたしておるわけでございますが、こうした農振法改正によりまして農用地区における開発規制を、新しい制限措置をつくるようになるわけでございますが、こういう開発規制等もさらに強化をしていく、あるいはまた農地の保有合理化法人の土地買い入れ等の機能の強化を図っていく、そういう壊廃に対する規制措置といったものをこれからも十分ひとつ強化をいたしまして、それによって壊廃の速度を押さえていくということが必要であろうと、こういうふうに考えるわけでございます。そうした制度の運用とあわせて農用地の確保を図っていきたい、こういうふうに考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 ここで具体的に私、この壊廃問題が進められた一つの問題点として指摘をしたいと思うんですけれども、昭和四十五年に農協法の一部改正を行って、農住都市構想を進めるような計画が行われたと思うんですが、このときの経緯について、そして現在の進捗状況、実態はどうなっているのか、これについての概略を説明していただきたい。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 先ほど大臣からお答えがございましたとおり、農用地の壊廃というものは、これは全然とめるというわけにはまいらないわけでございますけれども、これが無計画に進むということでは農地の所有者である農民の利益を損なうということにもなりますし、優良農地が特につぶされることにもなれば今後の農業にも問題があるということから、農協がやはりこの農地につきまして、農民が売りたいという場合にはこれを計画的に処分ができるようにというような配慮から農協法の一部を改正をするというような経緯がございます。  それと前後いたしまして、農協の方から農住都市構想という構想が提案をされまして、農協が中心になりましてその後この考え方を進めているわけでございますが、これは一口で申し上げますと、土地所有者である農家によります秩序ある宅地等の供給を促進いたしまして、壊廃された周辺の農地と調和ある住宅団地の建設、それと都市農業の発展ということを図ろうということでこの構想が進められているわけでございます。  現在このような構想を推進するために二十都道府県におきまして農協系統によりまして農住都市開発協会というようなものが設置されております。これらの協会は大体こういう構想の推進のために調査研究、それから研修並びにプロジェクトにつきましてのマスタープランをつくるというようなことを主として事業内容として仕事を進めておるわけでございますけれども、一部の協会につきましては直接土地を売買するというようなことをやっている協会もございます。  以上が大体概要であります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは非常に大事な問題で、今後の農政を進める上においても、この問題はちょっと徹底をしなければ壊廃問題がさらに進んでいくのではないかという点で私非常に危惧を感ずるわけです。特に全国農住都市建設協会を四十五年ですか、これをつくったのは。それでこれをもうやめられたわけですね。そして何に変わったのですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) これは、構想を変えまして、現在は社団法人で地域社会計画センターというものに変わっております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 ここで農林省が認可をした団体を地域計画センターに変えなければならない。これは地域計画センターに変えたいろんないきさつ、きょうは議論する時間がありませんけれども、こういう農住都市建設協会があまりにも不適当であるからやはり地域計画センターに変えなければならない理由があるわけです。この理由を実は私皆さんからもいろいろ、そうじゃないという意見が出るかもしれない。しかし私、反論する理由を具体的に持っております。しかし、きょうはもう四十分しか与えられた時間がないからそんな細かなところまで入る予定はございません。しかしながら、この農住協会があまりにも変質をして協会自身が土地の売買を行って定款とかあるいは約款とかと非常に違ったいろんな方向に走り出している事実は数多くあるわけです。  たとえば群馬県の組合開発協会についてはどのように掌握されておりますか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 群馬県の組合開発協会も先ほど申し上げました農住構想の一環として組合系統がつくった団体でございます。先ほどちょっと申し上げましたように、各県二十都道府県できております協会のうち一部につきましては、土地の売買等を行っているという中に群馬県がございます。群馬県の組合開発協会につきましては、本来的な仕事でございます調査研究、それから職員の研修その他マスタープランづくりのほかに現在まで土地の売買をやっておりまして、取得した面積等を申し上げますと、ほぼ五十ヘクタールの面積の土地を取得いたしまして、そのうち十九ヘクタールは処分し、現在三十一ヘクタール余り所有をいたしておるというような状況でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 処分したやり方についても、あるいは北海道で土地を買ったり、これはもう県会でもだいぶ問題になってきた。特に農民から集めた約百億の金を不動産売買に使っているというのがこの実態なんですね。いわんや優良農地等を壊廃し、転売をしているという実態が明るみに出てきたわけです。こういう形をやりますと、やはり農用地というものは確保されない。  たとえば一つ、あまり抽象的な話ばかりしてもわかりませんので、具体的にこの群馬県の組合協会で、農住協会が住宅を建てるために買った土地が当時の副知事あるいは現在の群馬県の土木部長の名義に変わっているわけです、こういう土地が。これは(資料を示す)登記謄本です。これは組合協会の本来からすべき実態じゃないんですよ、これ。こんな実態——組合協会が買って、農民の土地に住宅をつくるとかあるいは農民の意図した最初の定款どおりいくのであればいいですよ、役員がうまく土地を利用しあるいは転売で利益をかせいでいるというのが実態であって、そのために農用地がつぶされてしまっているという実態なんです。こういうことが許されれば、農民が農協に積んだ金あるいは県信連に積んだ金が流用されて土地売買に変わっているという。いわんやそれが一生懸命農林省が補助をした土地が壊廃をされてしまっているという、こういうマッチポンプ的なやり方をやっていくようでは、幾ら農地を造成しようとしたって私はこれは不可能だと思うのです。こういう問題にやはりしっかり目をつけていかなければ、片一方では助成金を出して造成をする、片一方では農民から集めた金で土地を買収し、それをつぶしていくというやり方では、食糧自給七五%と言ったって、これは幾ら大臣ががんばろうとしたってこれは不可能だと思うのです、こういう問題は。  あるいは千葉県にもそういう具体例があるんです。千葉県のやはり開発協会でも高速道路が今度できる。これは午後から私建設省で具体的にやりたいと思っておりますけれども、千葉県の開発協会にしたって農住協会で買った土地が不動産業者に転用されてしまっているという実例が数多くあるわけですよ。こういうふうなやり方をやっていくと、幾ら農地をつくると言ってもこれは不可能だと思うんです。こういう点についてのやはりもっと明確な線を、農林省が地域開発センターに変えたのであれば、全国にこの二十団体が出資をしてつくった農住都市開発協会、これをもう一遍洗い直して、新たにこういう問題に手を加えておくべきではないかと私は思うんですけれども、これは農林大臣の見解を伺っておきたいと思う。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農住都市開発協会、いま局長も答弁をいたしましたように、各県二十ぐらいあるわけでございますが、その中の一部につきましては必ずしも適当とは認められない土地取得等の状況があることはもう事実でございまして、いま御指摘のとおりであろうと思うわけでございます。この協会に対するやはり監督責任というのは県にあるわけでございますが、しかし、協会に出資したり、融資したりするのは農協でもあるわけでございます。こうした農協系統の資金というものがやはり農民本位に使われるということがこれはもう農協本来のあり方でなければならないわけですから、そういう面からいくと、違法ではないとしても不適当である事例も私も群馬県の例等も聞きまして、これはもう本当に不適当だというふうに考えておるわけでございます。県等とも十分協議して、県の指導を十分していただかなければならぬわけでありますし、また、農協系統の資金の使われることに対しては農林省としてこれに対しても指導監督の責任があるわけですから、これをひとつ十分指導していかなければならぬわけで、県信連等の資金の運用等につきましては監査も今後農林省としても十分強化することにもいたしておるわけでございますし、これはひとつ非常に国民的な不信感を買う事態が起これば大変なことでございますから、十分農林省としてもこの点は考えてこれからも指導強化を図っていきたい、こういうふうに思うわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 時間が来ましたので、最後にもう一問農林大臣に。  これは二カ所だけじゃなしに、私が知っておるのは幾つもあるわけです。こういう点を野放しにしておくとまた四月から金融の緩和と相まってやはり県信連からこういう金が引き出されて、相当農地が壊廃されるという危惧が非常にあるわけです。したがって、農協法の再改正とまではいかないでしょうけれども、もう一遍ここで総点検なりあるいは具体的な調査をして、それに対するいままでの歯どめをしっかりかけた上で前に進むか、どうするかということのもう一遍洗い直しをはっきりすべきじゃないかということを私は要望しておきたいんですけれども、この点について。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 私もそうした農協関係の資金の運用がどういうふうになされているかということについてはもっとやはり農林省としても実態を把握する必要があるわけでございますし、今後とも、これまでもやってきたわけですが、さらに洗い直しといいますか、実態把握等はやりたいと思います。そうして指導を強化して、こういう資金が不適当な方法あるいは不適当な方向へ使われないように指導に努めていきたい、こういうふうに思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 最後に、時間がありませんので、一、二しか触れることができませんでしたけれども、私はやはり日本の将来にとって食糧自給の問題というのはこれから十年、二十年将来にわたる大きな問題であろうと思うのです。したがって、農林行政に携わる農林省にとっては非常に重大な問題であるし、いわんや流通過程の問題等も農林省が担当している。国民生活にやはり一番関係の深いところは私どもは農林省であると言っても過言ではないほど重要な問題があるわけでございまして、いままでのちょっとしたこういうやり方を見ておりますと、農林行政の甘さというものが私はいろいろ指摘をされるのではないかと思うんです。新しい農林大臣が勇断をふるって、農政特に国民的な見地の食糧確保という問題についてのやはり国民的な合意を得、そうして国民の待望する食糧自給に心配をかけないという、こういう行政をやっていただきたいということを要望して私の質問を終わりたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、きょうは鶏卵価格対策についてお伺いしたいと思うんです。  御承知のとおり、この数年間というものは飼料が暴騰いたしましてわが国の畜産が空前の危機に直面したということはしばしば論ぜられてきたところでありますが、特に生産費のうち七〇%が飼料代になるという鶏卵生産の場合には大変な打撃を受けておる、これも今日の一つの常識になっておると思うんです。ところで、今度の国会におきましては、先般審議いたしました畜安法の改正によりまして、牛肉はとにかくまあまあというところで一歩前進いたしました。しかし卵の場合はこれは全く放置されているというのが実情だと思うんです。御承知のとおり、卵は民間の卵価安定基金、ここでわずかな価格差の補てん制度があるという程度でございまして、政府としては、国としてはいままで卵の価格についてはほとんど全く補償制度というものをとっておらない、こういうことだと思うんです。ですから生産者の場合に、生産者の側からすれば、とにかく規模拡大をひたすらに行って何とか生産費を償っていく、こういう形で進んできたと思うんですね。私のほうでいろいろ資料を調べてみましたら、たとえば、これは数字でございますけれども、昭和四十二年では大体五百羽飼っていれば生産費が償えた、ところが五、六年の間に五百羽じゃとても採算が合わない、三千羽飼わなければいけないということになっておるようであります。さらにことしなどは大体五千羽ぐらい飼わなければペイしないだろうとまで言われておるんですね。これはもう業界の常識になっております。そこまで生産者の側からすれば、とにかくひたすらに規模拡大をしてやってきた。まあ言いかえればこれは半ば強制されてやむを得なくてやったと言えると思うんですけれども、こういう実情。  そこで、この問題が最近やかましくなってきまして、農林省としてもいろいろ考えておるということをお聞きいたしました。たとえば五十年度の予算の概算要求の説明のときには、農林省としては、ことしの目玉商品は牛肉と卵の価格補償だ、こういうふうに大みえも切られました。しかしふたを開いてみれば大したことはないんですけれども、そこで第一にお聞きしたいのは、農林省としては一体卵価安定に対するどういう対策をお考えなのか、これを五十年度の予算との関係で簡単にお答え願いたいと思うんです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 卵価安定対策につきまして、まず基本的な考え方を私から申し述べます、具体的にまた局長から申し述べますが。  まあ卵価安定対策としては、従来から計画的な生産の推進あるいは畜安法に基づく調整保管、全国液卵公社制度あるいは卵価安定基金制度等によってその価格及び養鶏経営の安定を図ってきたところでございまして、近年における輸入飼料価格の高騰等に伴う養鶏経営の不安定を改善するために、特に四十九年度におきましては計画生産の一層の強化を図ってまいりましたし、また卵価安定基金に対する利子補給も行ったわけでございます。さらに生産団体によるところの調整保管の助成、液卵公社による買い入れ増強、資本金の増資等も行ってまいったわけでありますが、五十年度においてはさらに計画生産の推進経費につきましての助成策を強化をいたしておるわけでございます。あるいは卵価安定基金の補てん財源に対する助成と計画生産の有機的関連づけ等を図って、鶏卵の価格及び経営の一層の安定を図ることといたしておるわけでありまして、四十九年度、五十年度と逐次政府の対策も強化をしてまいってきておるわけでございます。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) ただいま大臣から申し上げましたことの若干の補足でございますけれども、予算的には五十年度で重点を置いておりますのは、一つは卵価安定基金、現在民間に二つございますけれども、それに対します補てん財源の一部補助を五十年度から新たにやるということで五億七千三百三十万円という予算を計上しております。さらに、大臣が申し上げましたように、今後は需要に見合った計画生産を推進する必要がございますので、それを推進するための指導費といたしまして、協議会を開催するとか等の経費が中心でございますが、約六千六十三万円の予算、これも新たに計上をいたしてお願いをしておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうしますと、五十年度の予算は合計して大体六億三千万円ということになるわけでありますが、しかし、そのぐらいの六億円程度の予算で何ができるかということが一つ問題だと思うのです。しかし、きょうは時間の関係がありますので、この問題はいずれまた別にいたしまして、次にお伺いしたいのですが、この農林省が昨年九月に発表されました「鶏卵価格安定対策について」というものがございます。これを拝見いたしましたが、この卵価安定基金に対して強化するといま大臣もおっしゃったけれども、これのところで「現行基金は、加入生産者と農業者団体の掛金のみで運営されているため、加入率も低く(全生産量の約二五%)、必ずしも十分な効果を達成していない。そこで、基金の補てん財源の一部につき助成を行うことにより、基金を強化し、これによって生産者の加入を促進し、」云々と、こういうふうに言われておりまして、この基金に対する姿勢を一歩前進したということをおっしゃっておられる。この点では、考え方として、いままでの重い腰を上げたという点では一応これを評価することができるかもしれませんが、しかし、問題はまさにここにあると思うのですよ。  それは質問で一つ一つ確認していけば一番いいんですが、時間の関係で私の方から、私の方の見方、考え方を述べまして、それを確認を求めたいと思うのですが、たとえばこの安定基金の契約数量、これがやはりこの政府の助成の姿勢が明らかになった段階で急速に伸びてきていると思うのですよ、一つは。たとえば全農系の基金の場合でしたら四十九年が二十四万九千トンであったものが五十年度では三十一万九千トン、全鶏連系では四十九年が二十万トンであったものが、   〔副主査退席、主査着席〕 五十年度では四十五万三千トンにまでふえている。これはやはり政府のそういう積極的な姿勢に対する期待だったと思うのですね。しかし、これが同時に全鶏連系の契約書などを見ますと、第二条に、生産者は安定基金に対して各四半期ごとの始まる二十日前に掛金を納付するということになっておるんですが、これも聞いてみますと、昨年十二月中に、この五十年度の各四半期分が全額納入されたと、こういうことなんですね。これは大変なことだと思うんです。契約書によりますと、二十日前と書いてあるんです。ところが、実際はもう半年も前に掛金の全額が納付されておると、このぐらい生産者の方々は非常に積極的な姿勢で政府の助成を受けとめておられると思うんですね。  そこでお伺いしたいんですが、政府の基金に対する改定案といいますか、それが去る一月二十日に出たと思うんですけれども、その内容をお知らせ願いたいと思うんです。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 五十年度から、民間にございます卵価安定基金に対しまして国が補てん財源の一部に新たに助成をするということにしたわけでございますが、このねらいは、もちろんその価格が低落した場合の経営打撃を緩和するということが直接の目的でございますが、それと同時に、従来、民間だけでやっておりました以上に国が援助をするということによりまして入りやすくするということによりまして、加入率を高め、しかも補てんを実施します場合には、別途行います需要に見合った計画生産という事業に加入者が協力をしていただくということを条件にして補てんを行うというような結びつきをすることによりまして計画生産の達成を実現をしていこうと、その担保にしようというような考えもあって、その二つをねらいとしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、従来は自主的に民間でおやりになってたと、これに対しまして今回は国が補てん財源の一部を補助するというふうに変えますので、それに伴いまして国の財政支出の対象としてふさわしいような制度の中身につきまして若干の修正をしていただくということでございます。自主的なものであれば、とかく国は申し上げる必要もありませんけれども、やはり国が助成をいたしますということになりますれば、他の価格安定制度、助成対策等とのバランスの問題もございますし、財政の支出ということになりますと、それなりの合理的なやり方を期待したいということで、仕組みについて若干改善をお願いすることにしておるわけでございます。  その主な点を申し上げますと、補てんにつきましては、従来は日別の価格を毎日見まして、一定の基準価格から下がりました場合には、下がった分を補てんをするというのが原則的な考えでございますが、今回は日別ではなくして、月別に幾らの価格が実現をしたかということを市場におきます形成されます価格を見た上で把握しまして、それと基準価格との差を補てんをするというやり方にしたいと思っておるわけでございます。これは、私どもで、他の畜産物についても同じような補てん制度を、民間のものに対する助成という形でやっておりますけれども、これも大体そういうことになっていますし、特に卵の性格からいたしますと、各農家とも原則として毎日出荷するというのでございますが、卸売価格は毎日変動しておるわけです。浮動をしておるわけでございますので、一日、仮に下がったといたしましても、直ちに補てんするというよりは、一定期間基準価格より下がったということによって初めて経営が打撃を受けるわけでございますので、一日下がりましても翌日回復すれば、基準価格以上になれば打撃を受けないわけでございますので、これはやはり一定期間をとらえてやるべきではないかと、これは極論いたしますと、一年間を見て考えていいじゃないかと、こういう議論もございますけれども、従来、毎日やっておったのをいきなり一年間にするということは制度的に飛躍がございますし、農家でもなかなか受け入れにくい点もあるだろうということで、私どもといたしましては月別に直しております。まあ、他の制度も大体月別でやっておるということで月別補てんに改めるというのが一点でございます。  それからもう一点は、補てんの限度でございますが、従来は基準価格を下がりますれば、その一〇〇%全部補てんをするということにしておりますけれども、これはやはり基準価格、これも他の制度とも関連をいたしますけれども、私どもで肉用牛なり、子豚についてやっぱり価格安定制度をやっております、国が若干の助成をいたしまして民間でやっていただいておりますけれども、この場合も基準価格を下がったものをまるまるということではなくして、その下回った差額の八〇%を限度として補てんをするということにいたしておりますので、その部分、二〇%は経営努力にも期待するということで、八〇%を限度として頭切りするといいますか、そのような仕組みに改めていきたいというように考えておるわけでございます。  もう一点、強いて申し上げれば、これは国が一応三カ年間ぐらいに三十数億ぐらいの補てんを、三十四億の補てんを必要とするであろうという推定のもとに、初年度といたしまして、その初年度分の二分の一を国が予算を計上いたしまして助成することにしておるわけでございますが、実は将来の価格の見通しといいますのは、なかなか的確にやりにくい面がございます。特に最近のように、えさ価格が非常に変動しておりまして、これまで何回も上がりまして、ことしになってかなり下がってきておると、今後の見通しいかんということになりますと正確には見通しにくいということ、それから需要も御承知のような不況下でございますので、平常の年よりはやっぱり異常な推移をいたしておりますので、的確に見通すことはできませんけれども、一応その程度の補てんを必要とするという想定のもとに予算を組んでおるわけでございますが、仮にそういうことで予算を計上いたしましてやった場合に、初年度の場合であっても、補てん財源に不足を来たすというような場合も全く予期されないわけではないわけでございます、価格が予想外に下がったというような場合は。したがいまして、そういうときには、補てんの限度額——総額におきます限度額というものをやっぱり設けておく必要があると思います。ただ、当面、積立金が十分まだ掛金あるいは国の助成だけでは補てんはできないけれども、年度内にさらに掛金が納入されるというような場合には、その限度において借り入れするということは、これは自己財源においていずれ返還可能でございますので、そういう借り入れ財源を原資にして補てんするということも考えていっていいというように思います。  いずれにいたしましても野放しではないと、やはり補てんの総額におきます限度を設け、それに必要な借り入れの場合にも、健全な運営をするために農林省が承認をするというような仕組みでやっていただきたいということをお願いをしているわけであります。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大変具体的によくわかりました。  しかし、そこでこれが私はやっぱり問題だと思うんですが、まず最初に、局長は今度のこの改定は、とにかくいままでのやり方に対して若干の修正をし、そしてそれを合理的なものにしたい、こういうふうにおっしゃったんですが、この基本的な考え方がまず問題だと思うんですよ。というのは、具体的な内容、またあとで聞きますが、これは最初に大臣に聞いておきたいと思いますが、これはもう大変な違いだと思うんですね。決して若干の修正なんというものじゃないんですよ。これは根本的な違いですよ。  というのは、まあとにかく農林省は六億ばかりのわずかな金で——農林省から言えばわずかな金ですよ、わずかな助成金で基金の運営にまで根本的な介入をするということではないかと思うのですね。で、しかもいま局長がおっしゃっているように、改定案の中身が、一つは日別計算を月別計算に変えると、それから補てん率をいままで一〇〇%であったものを八〇%に変えると、それからその補てんの範囲を、以前は全額をとにかく補てんするというたてまえでありましたが、これを原資が切れたら打ち切るんだと、こういうことですけれども、ところが、実際に先ほど私言いましたように、もうことしの契約は去年の十二月に全額払い込みされておる、その後に農林省がこういう改定案をお出しになるということになりますと、一種のだまし行為になるじゃないか。こんなふうに農民は考えていないわけだ。さっき言ったようにこの契約書はいままでの契約書ですね。これで農民は掛金を払って契約をしたと。ところがその後にいま言ったように、月別一〇〇%じゃない八〇%だと、原資で打ち切りだ。こういうことになりますと、これはまるで何ですよ、他をだます、農民の皆さんをだましたことになりはしないか、そういうことになるんじゃないかということです。したがって、これは民法でいっても正式に結ばれた契約書ですね、民間の。こういう民間の契約に対して行政府がこういう一片の通達で、案で、これをほごにするようなことが許されていいのかどうかということを私どもは大変疑問に思うんですが、この点大臣どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) この卵価安定基金に対する補てんにつきましては、これまでの基金制度が民間によって行われておりまして、政府はこれにタッチしておらなかったと。これに今後補てん金で助成するわけでございますから、それは助成をすれば、それに対するいろいろの規制といいますか、そういうものがやはりほかの制度との関連においても起こってくることもやむを得ないわけでございまして、たとえば野菜の安定基金につきましても、あるいは小牛、肉牛の安定基金制度につきましても、限度額八割ということになっておるわけでございますし、大体そういう他の制度との権衡もあってそういうふうな縮てんをするということになれば、そういう仕組みにならざるを得ないと思うわけでございます。  この制度を発足するといいますか、新しく補てんをするという段階は、実は昨年の予算編成を行うという事務当局の段階において十分生産者団体その他にも説明をした上でこの予算編成措置を行ったわけでございますから、だまし討ちというようなことではもちろんないわけでございますし、私としてはこれだけ政府が対策を強化するわけでございますから、これによって卵価安定基金の運営というものは安定をしていくというふうに考えておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 助成をする、助成をすると盛んにおっしゃるんだが、さっきも言ったように、六億の金、これだけわずかな金を出して、そしていままでの民間で長いこと一応一定の期間やってきたこういう基金のやり方を何かひっくり返そうとするようなやり方は、私はやはりその行政府としては大変出過ぎた態度ではないか。なるほど助成だからある程度のことは話し合いでこういうふうにした方がいいんじゃないかと、他の制度との関連もあるからということもあるかもしれませんが、この場合はそうじゃないですよ。これは根本的な契約のやり方を変えていると、こういうことになるわけで、私どもは、やはり政府というものは金は出すが口は出さないということが本来の政府のやり方でなければいけない。しかし、もちろん全く口を出していればいいということではありません。ありませんけれども、こんなむちゃな変え方をおやりになるということはどうしても納得できない。  そこで、もう少し具体的にお聞きいたしますけれども、たとえば補てん金を八〇%にするという問題ですね。これだって他の制度、他の制度とおっしゃるけれども、たとえば野菜の安定基金制度の場合はどうでしょうか。ことしから補てん額は従来の八五財を九〇%にするのでしょう、高くするのでしょう、政府は。これは当然のことですよね、あっていいことですよ。野菜の場合には八五%から九〇%に上げると言っている。しかも卵の場合には従来一〇〇%だったものをこれに水をかけて八〇%にする。これはどうも論理から言ったっておかしいじゃないかと思うので、この八〇%に下げるその理由をもう少しはっきり教えてもらいたいと思います。  それから、時間がありませんから一問ずつでなくてまとめて質問いたしますが、第二は、この日別計算を月別計算に変えると、こういうふうにおっしゃっていますが、これでやりますと大変な違いが出てくるのですね。たとえば月の初めに安くなって後半で持ち直してくるといった場合、平均されると全く補てんされないという場合だって起きるわけです。これを私の方でいろいろ試算して見ましたら、たとえば昨年の八月の事態です、このときはキロ当たり十七円八十八銭の補てんになっていました。ところが、これをいま月別の方式で計算をいたしますと四円十四銭ということになります。四分の一以下になるわけです。これはひどいではないか。いままで農民の皆さんの権利といいますか、あれが、取り分が四分の一以下になる。さらに私の方の試算でやってみましたら、大体これを年別で平均をしてみますと大体一〇%ぐらい減ると、こういう計算になるのですけれども、こうすれば大変これは改定でなくて改悪だと言ってもいいようなことだと思うのですが、この問題。  それから三番目に、補てんを原資の範囲で打ち切るというお話ですけれども、このいまの第一、第二の問題と総合して考えてみますと、補てん額はもっと下がってくると、こういうことに相なると思うのですよ。ですから、これは改定でなくて改悪以外の何ものでもないじゃないかというふうに結論づけられると思うのですが、その点どうですか。簡単にひとつ。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 八〇%限度を設けますのは、他の畜産物、具体的に申し上げますと、子豚とか子牛等につきましても八〇%を限度といたします。その辺をにらんだ上で八〇%と決めておるわけでございます。  日別計算を月別計算に改めましたのは、これは毎日卵は出荷されますものです。特に農家別に見ても毎日出荷されると、この辺は野菜などとはずいぶん違うわけであります。野菜ならばその一定のシーズンだけ特定農家が出すということになると思いますが、これはもう毎日出るのが原則でございます。したがいまして、価格が上がった場合にはこれは一部積み増しということもある程度はやっていただけますけれども、原則としてそれは全部収入になるわけでございます。したがって、下がったときに補てんをすると言いましても、毎日卵価が動いて上がったり下がったりして、また季節的にもかなり高下がございます。そういうのを前提といたしますれば、一定期間、長期間にわたって基準価格が下がった場合に初めて経営が打撃を受けるといいますか、大きな影響を受けるわけでございますので一日だけで判断するのは適当ではない。その期間を数カ月とか一年とかいういろいろな見方がございますが、私どもは最小期間といたしまして一カ月というのが適当ではないかという判断をしたわけでございます。  補てんを無制限ではなくて補てん総額についても限度を設けるということは、自主的に積み立てて、それに対して国が援助をするという制度でございますので、健全な運営ということのためには自己財源で返済が可能な限度において借り入れをして補てんする場合はあり得ますけれども、無制限に価格が下がったからといって補てんをするということはこの制度を破壊するおそれがあると、去年は非常に価格が暴落をいたしまして四十数億の借り入れをいたしまして、それに対して国は三カ年間にわたって九%の利子補給をやるという緊急措置をとりましたけれども、これはそういう制度であったのでやむを得ず国といたしましても助成をいたしましたけれども、今後の本基金の自主的な運営かつ健全な運営ということを考えますれば、やはり限度を設けざるを得ないという考えに立っておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 どうもいまの説明では、理論的にも実際的にも納得できるようなことでなくて、いわば金を出している政府の側としての一方的な見解のように考えるのです。  そこで、きょうはわざわざ全鶏連の会長の池田さんに来ていただいておりますので、ひとつ参考人から御意見を伺いたいと思うんですが、きょうは本当にお忙しいところありがとうございました。とにかくさっき申しましたように、最近皆さんの御努力で加入者も大変ふえてきたということを聞きまして大変結構なことだと思うんですが、きょうはひとつ一、二点、時間も余りございませんので、簡潔に御意見を伺わせていただきたいと思うんですが、やはり私が最初申しましたように、この加入者の拡張ということの一つの理由といいますか、原動力といいますか、としては、やはり安定基金に対する国の助成が決定したということが一つの理由だったんじゃないかと思うんですけれども、私はそういう前提の上で質問をしてまいったわけですが、その点についての御意見。  それから二番目に、しかしその助成の裏には、先ほど私が論じましたように、危険の補てん制度を、むしろ改善でなくて改悪するようなものを私は感じたわけですけれども、全鶏連の皆さんとしてはどのようにこの問題をお考えなのか、また、もしこの案が取り入れられるならば、一体生産農民にどんな影響がくるのか、この二点について御意見を伺わせていただきたいと思うんです。

池田隆政全国鶏卵販売農業協同組合連合会会長

○参考人(池田隆政君) お答えいたします。  卵価基金に本年度非常に多数の養鶏家が御参加、加入してまいりました理由というのは二つあると思います。  まず第一は、昨年来のえさの価格が極端に値上がりをいたしましたり、卵価が長期にわたって暴落をいたしましたりして養鶏家は二重の痛手を受けておったわけでございます。経営が危機に瀕したわけでございますので、卵価基金に加入されていた養鶏家の方々は何とか切り抜けることができましたが、加入されていない養鶏家の方々との差が非常にはっきりいたしまして、だれが見てもはっきりとわかるというような事態になった。したがって、養鶏家は経営を続けていくために卵価基金に加入することの必要性をよく理解なさったのが一つの理由だというふうに考えております。  もう一つは、基金の補てん財源が加入契約の養鶏家と農業団体の積立金だけでございましたものが、昨年末の契約の段階で国の積立金の補助の予算が大蔵に要求されたということも一つの理由であろうというふうに考えております。  それから次の問題でございますが、国庫補助がついたことでの問題でございますが、農林省の畜産局からただいまお示しをいただいております要件どおり契約を変更いたしますと、基金加入の養鶏家のサイドから見ますと非常に不利になると思います。補てんを従来の一〇〇%から八〇%の補てんに削減をいたし、その上また補てんの計算を日別を月別の計算に変えるということになりますと、これがまた一〇%ほど削減が加わってまいりますので、輸出では従来の七〇%ぐらいの補てん率になると思います。このようなことになりますので、契約をいたしております加入養鶏家の了承が得られないのが実情でございます。  また、今後どういう影響があるかというお尋ねでございますが、養鶏家が基金に加入されるときに契約書を締結いたしておりまして、この契約書の契約期間というのは本年の十二月三十一日までということになっております。この契約では、補てんは一〇〇%補てんをいたしますし、補てん金の計算は日別でするという条項が明記してあるわけでございまして、このことから加入養鶏家は国の積立金助成が実現すれば従来より補てんが強化されるということはあっても不利になるというようなことは予想もしていなかったのでございまして、養鶏家の了解が得られないのでございます。したがって、全日本卵価安定基金の総会におきましても、また全鶏連の総会におきましても補てん条件を悪い方に変更するということは認められないということで承認が得られないのでございます。補てん条件を農林省畜産局の御指示どおり変更いたした場合は年度途中からでも養鶏家が基金から離れていくのではないかということを憂慮いたす次第でございます。  以上でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 農林省もいまお聞きのとおりです。とにかくこういう案に対しては生産農家としては承認できないと、こういう非常に強い気持ちがあるわけですね。  そこで、私もう時間もなにですから、一言だけ大臣にもう少しはっきりお聞きしたいと思うのですが、こういう生産農家が納得しないというふうな改定案というものは、私は潔く撤回をしなすった方がいいんじゃないかと思うんですがね。何のための助成か、助成はしたわ、農民が全部反対はしたわ、こんなべらぼうな国費の使い方というのはないと思うのですよ。ですから、そういう意味でどうでしょう、その点簡単に一言だけひとつ御答弁を願いたいと思うんです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) この卵価安定基金の補てんに対する政府の助成問題につきましては、これは昨年事務当局で予算編成を始める段階から十分なお話もいたしておるわけでございます。これに対して全農関係の方は了解をしていただいて発足をいたすわけでございますが、そういうことでございますので、まあいろいろと御批判、御意見等はあるわけでございますが、現在政府としてはいま畜産局長が申し述べたような方式によりまして卵価の安定を図っていきたいという考えは、ひとつ今後とも理解をしていただきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。いまこれを直ちに変更するというふうな考え方は持っていない次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 もっといろいろと詰めてみたいと思うんですが、しかし問題は、いま論議したようなところに問題があるんです。それで、いま大臣がおっしゃった全農系の方は了解を得ているとおっしゃっているけれども、全鶏連と全農系の契約量は、先ほど私数字で申し上げましたけれども、全鶏連の方は五割も多いですね。やはりそういう大きな主要な団体の意見があるにもかかわらずこれを強行するということになりますと、どうも農林省のやり方というのは少しむちゃだという結論に私はなると思うんですが、一応きょうは時間がきましたので、この問題はこれで終わりますが、最後に一問だけお聞きします。  基準価格の決め方ですね、これはどうも聞いてみますと、需給実勢価格方式でおやりになるというふうなお話を聞いておるんですが、私はいまの養鶏産業の実態から見まして、飼料の価格、飼料情勢というものは大変不安定な段階で、どうしてもこの基準価格を生産費を補償できる価格で決めるべきではないかと、それぞれ団体としては要求も出ておるようでありますが、これはぜひ本当にこの生産費を補償できる、償う価格で決めていくべきではないかと思うんですが、それに対する答弁をいただきまして、私の質問を終わります。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 卵価安定基金の制度は、通常の場合は市場におきまして自由に価格の取引が行われ、自由な価格形成が行われると、その場合卵価の場合は季節変動もかなりございまして、春先から夏にかけては非常に下がると、それ以降はかなり上がるわけでございますが、そういう変動を前提といたしまして、春先から夏の値下がり時期に極端に下がらぬように補てんを行うというのでございますので、私どもといたしましては、需給の実勢というものを基準にいたしまして、それに最近の生産費の動向を豚肉の場合と同じように生産費指数ということで考慮をいたしまして、それから春先から夏にかけて季節変動としてほかの畜産物以上にはっきり値下がりをするわけでございますから、それの値下がり率が平年程度ならばこれはがまんをしていただくと、平年以上に極端に下がる場合には補てんを発動するという考えでおるわけでございまして、全農系統の基金は本年度キログラム当たり二百七十三円ということで申請がございましたので、農林省としてはすでにこれを承認をいたしております。この辺が妥当な線だというふうに私どもは考えております。

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 参考人には御多忙中にもかかわらず、本分科会の審査のため御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  以上をもちまして、農林省所管に対する質疑は終了いたしました。  速記をとめて。   〔速記中止〕

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 速記を起こして。     —————————————

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 分科担当委員の異動について御報告申し上げます。  田英夫君、鶴園哲夫君が分科担当委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君、瀬谷英行君が選任されました。     —————————————

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十年度総予算中、建設省所管審査のため、本日の分科会に参考人として日本住宅公団及び日本道路公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 昭和五十年度総予算中、建設省所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。  速記をとめて。   〔速記中止〕

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 速記を起こして。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 建設大臣に最初にお伺いいたしたいと思うんですが、国土庁の資料によりますと、「東京における人口・諸機能の集中の概況」というのがあるんですけれども、南関東一都三県の人口は増加を続け、現在約二千六百四十万人、昭和二十五年のほぼ二倍となっている、こういうことなんですね。ことしは昭和五十年ですから、二十五年で二倍になっているというとこれから先どんなことになるのかという心配があるわけです。建設省としては、この東京を中心とする人口の増加の状態をどのように見ておられるのか、今後の趨勢というものは一体どうなっていくとお考えになっているのか、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 建設省としましては昭和六十年までの長期見通しというものを立てておりまして、それによりますと、大都市圏の集中というものは、最近若干の人口の逆流現象というようなものが見られますけれども、なお依然として集中は激しいものがあり、特に四十五年度の国調によりますと、自然増が社会増を上回ったという特色的なことが見られます。しかし、いずれにしましても、人口の集中は六十年までは依然として高い率で推移するというふうに見ておりまして、なお、他方国土庁の方で発表されました大都市圏の人口の想定によりますれば、抑制型あるいはこのままで推移する趨勢型あるいは中間の型と、この三つに分けまして数字が並べられておりますけれども、いずれにしましても、昭和六十年までに抑制型というものでも八百数十万一都三県で伸びるというようなことでございまして、これからの大都市問題というものはこういった人口の内容の変化は見ながらも、なお数量的には激しい集中が緩和の方向はたどりながらも続いていくというふうに考えている次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 これから八百万伸びるというわけですね。いま二千六百四十万、八百万伸びれば完全にこれは三千万を超すわけです。話半分ということもあるけれども、あるいはうそ八百ということもあるけれども、これはうそ八百じゃなくて、八百万本当に伸びるということになれば三千万は完全に超える。日本の人口の約三分の一が関東、東京を中心とした首都圏に集中してしまうということです。これはどう考えても異常なことになりはしないかということが危惧されるわけです。  そこで、日本列島改造論というのを一年ほど前の予算委員会では田中総理が力説をしておりましたことを私も記憶しております。その日本列島改造論のねらいというのは一応うなずける点もあったわけなんですがね。しかし、土台がはっきりしないで高い建物だけこさえようという感じが日本列島改造論から感じられた。まさに文字どおり空中楼閣みたいになっちゃう。しかし、この日本列島改造論というものは田中内閣から三木内閣にかわって以来、完全に消滅をしてしまったというふうに理解をしてよろしいのか、あるいはその考え方というものは継承しているというふうに理解をしてよろしいのか、これは非常に大きな問題でございますけれども、大臣としてはたとえば首都圏における人口の急増ということだけを考えてみても、容易ならざるものがあるということは御理解いただけると思う。その問題を一体どのようにお考えなのか、この点をお伺いしたいと思うんです。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 田中前総理の日本列島改造論それ自体は一つの論文でありますけれども、私どもはいま瀬谷先生おっしゃったように、人口の集中、産業の集中、収拾のつかないような状態になった現状がそうでありますし、やはりその人口や産業をできるだけ分散をして、そしていわゆる国土の均衡ある発展を図っていくということはこれは日本の政治の大きな目標ではないか、建設行政の一つの目標ではないかと思いますから、その基本的な精神において、田中さんの日本列島改造論そのものを否定することはできないと、私どもは基本的にはそれは認めておるわけであります。ただ、たまたま土地問題や環境問題あるいは省資源問題等、日本の経済も国際的に見ても大きな変化をしておる現状でありますから、あれをそのまま実行するということはこれはもうできないわけであって、やはり新しい経済の秩序に応じて今後は進めていかなきゃならぬと思いますが、われわれがやっておることも、首都圏にいたしましても、人口の集中、産業の集中をどうしても排除することを考えていかなきゃならぬ。そのために努力をいたしておるわけでありますから、基本的な精神というものはこれは生かしていいのではないか、必ずしもこれは感情的に否定する性質のものではないと、そういう考え方で進んでまいりたい、かように存じております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 この間、国土庁長官にも質問したんですが、あのときもちょっと申し上げたんですが、この同じ部屋で、たとえば外を見て空の色を見てみろと、青空というのは見られないんです。あの日もやっぱり同じような非常に汚れた色ですよ、これは。こういうよどんだような鉛色の空の状態というのがここのところずっと続いているわけです。東京で青空が見られるというのは盆と正月ぐらいなものだ、大ぜいの人が東京から抜け出してしまった後には青空が見られるということなんですね。空気ばかりは汚れていようと、汚れていまいと食いもののようにすぐに味がわかるというものじゃないから、お互いが気がつかない。しかし、これは考えてみるときわめて深刻な問題だろうと思う。  そこでこのままで漫然と八百万も九百万もふえるだろうといって黙っていていいのかどうかという問題があります。そこに首都移転論というのが出てくるわけですが、私も個人的な感情を抜きにして、東京に何も人がいなければならぬということはないのだから、思い切って人口の分散ということができなければ首都を移転してしまうというぐらいの決断は必要とするのじゃないだろうか、こういう気がいたします。大臣としてはこの首都移転の問題、ずっと前に河野一郎建設大臣当時に首都移転の構想というものが発表された記憶があるのですけれども、いまやこの首都移転という問題は、単なる頭の中の青写真ということではなくて、現実の問題として考える必要があるのじゃないかという気がいたしますが、その点どうでしょうか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 国土庁長官はこの意味で少なくとも超党派でこの問題を検討してみようということでいろいろと委員会なり会議をつくっておられるようでありますが、私ども現在の首都がこのままの状態でいろいろな分散の方策をとっておりますよ。われわれ建設省でも周辺に大規模宅地をつくって、そこへ住宅を持っていく、そういうふうなことを考えて、少しでも都心の人口を分散するようにしようということをやっておりますけれども、その程度微温的なことで、果たしておっしゃるようなことができるかどうかという問題、私はそういう意味においては一つの大きな課題だと思います。  ただ、問題が社会的にも経済的にも非常に大きな問題でありますし、特に何と申しますか、最高の中枢機関の移動ということになりますから、これは単なる経済的な問題といったことよりも、国民的な一つの合意が必要ではないかと思います。そういう意味においては各階層、各党派は超党派でこの問題を、人口過密をどうするかという問題を考えていくという一つの課題として進めるべきではないかと思います。まず首都だけでなくて東京に一番人が集まる原因は何かといえば、それだけ大学があるからじゃないかと思います。むしろ大学をそのまま移転することが一番大きな東京の過密対策の一つの問題点ではないかと、こういう議論さえあるわけでありまして、場合によったらそういうものも含めましてこの問題は真剣にむしろ超党派で国民的な課題として取り上げていくべきだとかように考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 確かに大学の数が東京に多過ぎるということはお説のとおりです。したがって、学生の数というのはばかにならぬということもそのとおりだと思うのです。しかし、大学だけ移転してしまってそれで片がつくかというとそんなものじゃなかろうという気がするんですね。ともかく床下浸水から床上浸水というような状態になってくれば、どんな人だって家を放棄して逃げ出さ、ざるを得ぬ状態になってくるわけです。いま東京をたとえていうと、がまんはしているけれども床下浸水から床上浸水とだんだん逃げ出さざるを得なくなる状態が迫ってきておるというような気がするわけです。これはもう党利党略の問題じゃないわけです。現実の問題です。まさに東京は窒息状態、窒息寸前の状態。それから東京周辺はパンク寸前の状態。東京周辺の埼玉県にしても、千葉県にしても、神奈川県にしても同じことなんですが、私どもが日常見聞をしていることは、東京に入り切れないであふれた人口があふれ出して、はみ出していく、周辺の県に。その現象がいろいろな面であらわれてきた。ともかく、われわれ選挙をやってみても、前回の選挙から今回の選挙にかけて百万人ふえている。その前の選挙からまた二百万人ふえている。よその小さな県一県分、二県分ぐらいの人口がこの狭い県にあふれ出しているというのが現実なんです。したがって、通勤、通学も地獄の様相を呈する。学校も足りない、医者も足りない、道路も渋滞をする、何もかも間に合わなくなってくるという現象が遠慮なく出てきた。したがって、東京だけではなくて、東京に首都があるがために非常に大きな悩みを抱いているのは、東京周辺の県もそれ以上に深刻であるということは率直に認めなきゃならぬ。それを率直に認めたならば、これは政府としてももはや単なる青写真を描く段階ではない、現実の問題として思い切って一歩を踏み出すという必要がもうきているんじゃないかというふうに考えられるんですが、その緊迫の度合いをどのように思っておられるかということが私は気がかりなんです。まだまだあと八百万や一千万ふえても何とかなるさというふうな考え方でいれば、これは首都の問題もじわじわと苦しくなってくるだけですね。根本的な解決が図られないという気がいたしますが、その点の感じ方といいますか、とらえ方ですね。それは一体政府としてはどのように考えておられるのでしょうか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 率直に言ってこの問題は余りいままで声にしなかった問題であります。確かに河野大臣がそういう構想を持ったということは私どもも聞いておりましたけれども、何か首都の移転といったようなことをタブーのような感じの時代も一応あったようでありますが、私は、瀬谷先生のいまの積極的な御意見、非常に心強い思いがいたしました。われわれがそういうことを言い出すと与党が何かの思惑でというふうにいろいろ勘ぐる向きもいままではあったわけでありますけれども、こういった問題が先生方からもそういう積極的な御意見が出るということは、むしろ私どもは勇気を非常につけられるものだと思っております。幸い国土庁長官大変熱心で、この問題について具体的にもいろいろと超党派のいろんな意見を聞く会をつくっておるようでありますから、私どもも同調してこれは積極的に進めていくべきだと、こういう考え方であります。努力いたしてまいりたいと存じます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 この狭いところにますます大ぜいの人間が住むという状態をがまんしている限り、もういろんな問題で窮屈な思いを忍ばなきゃならぬということが出てくると思うのですね。土地問題にしたってそうなんです。狭いところに大ぜい人間が住むのはあたりまえなんだという前提に立てば土地問題もなかなか解決せぬと思うのです。  そこで、一つの具体的な問題として、高層建築の問題があります。特に、われわれの周辺を見ただけで、新宿やら霞が関やらにも途方もない高い建物ができております。これはまだホテルであったりあるいは事務所であったりということで、恒常的な住まいになっておりませんが、住居まで最近は十五階建て、二十階建て、二十五階建てといったような住居があらわれてくるようになりました。生活環境としてこういう高層建築がふさわしいものであるのかどうか、望ましいものであるかどうかということは十分にこの辺で考えなきゃならぬという気がいたしますが、大臣はどう思っておられますか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 具体的な問題いろいろありますから局長から答弁させますが、私は日本人はやはり庭つきの一戸建ての家へ住まいするということが最終的な理想じゃないかと思うのです、本当は。家を一軒持って、小さいながらも庭がついてそして暮らしていくという、私はそういうのが日本人としての最終的な気持ちではないかと思っております。しかしそんなこと言っておれないのが現在の状態であるし、特に、賃貸住宅等を思い切ってつくって、そして住宅難を解決していくためには、やはりいまのような状態でなしに、整理をしてビルの建築でもしてたくさんの賃貸住宅者がそこに住まいのできるようなことにしなきゃこれは住宅政策に進んでいきませんから、そういう形にいま進めていっているわけです。これも一つの方法であります。ヨーロッパあたりは全部それでいっておりますから、それでいいと言えばそれでいいんじゃないかと思いますけれども、私はやはり大変古い考え方を持っているかもしれませんけれども、日本人としての本当の感覚はやはり一戸建ての庭つきのものを最終的には希望するのじゃないかという、感覚としてはそういう感覚を持っております。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) ただいま大臣申されたとおりだと思います。ただ、先生御案内のとおり、大都市におきましてはどうしても住宅の容積を守る、ふやすということと同時にオープンスペースを大いにとらなきゃなりません。  そういたしますと、勢いどうしても土地の高度利用を図らなければならないということに相なります。したがいまして、やはり人間の生活の許す程度までは、ある程度高層住宅もやむを得ないんじゃないかということで、十分高層住宅におきます居住性の確保等にも気を使いながら、高層住宅を大都会においては建てておるというのが実情でございます。心情といたしましては、日本全国をとらえますれば、いま大臣のおっしゃったとおりわれわれもそのとおりに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 大臣の言われたことは私も同感ですけれども、庭つきの住まいというのが望ましい。高層住宅になりますと庭なんかつかないわけです。いかに高層住宅の場合、生活環境に配慮したとしても、しょせんこれは仮り寝の宿なんです。人間が落ちついて住む場所としてはふさわしくないというのはだれも認めているんじゃないか。家庭というのは家の庭と書くわけです。ところが、高層住宅では庭がないわけです。家庭じゃなくて庭抜きの家だけなんです。これじゃ余りにもこれは情けないということになりはせぬかという気がするのです。  しからば、庭つきの住宅を、それはもちろん高層住宅で、暫定的に住まいは確保するということも必要だということを私は認めないわけではありませんけれども、庭つきの家を保障することができないほど日本の国土は狭いかどうかということが一つあります。これはどうしてもしようがないんだ、はみ出しちゃうんだから。上に伸びるほかないんだと言えばそれまでなんですけれども、日本の国土全体を考えれば、昔のように外国へ行って侵略をするなんていうことをしなくても、現在以上に爆発的に人口が伸びない限りは、まあ何とか、普通の地に足のついた家庭だって確保できないことはないんじゃないかという気がいたしますけれども、その点は、これは大臣でなくても結構なんですけれども、土地の面積と、それから家庭を持つということ、これは不可能なのか可能なのか。  これはたとえば、いまの東京みたいに三千万もの人口が集中してしまえば、これは論外ですけれども、そうでない分散をした場合に可能なのか不可能なのか。戦前の東京というのはこんな高層住宅は見当たらなかったわけです。せいぜい大きくたって丸ビルですよ、丸ビルが歌になったぐらいですからね。ところがいま丸ビルなんというのは、とても歌の文句じゃあんなものは問題になりません。しかし、戦前の東京を考えてみると、そんなに高い月給取る人でなくても、普通の勤め人でも、庭のついた家を借りるということはそんなに困難じゃなかったというふうに私は記憶しているのです。だから、戦前の日本の住宅の状況、もっとも住宅の様式も変わりましたけれども、その点から考えて、住宅政策としてもう少しゆとりのある、地に足のついた家を国民に保障するということの可能性はないのかどうか、それはできないものかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) 現在でも日本じゅうで建っております家の約七割が木造住宅でございます。いずれも一階もしくは二階建てということでございまして、全国的に見ますとそういうふうな状況でございます。ただ、大都会におきましては先生おっしゃいますように、それが全部そういうようなことでありますと、やはりオープンスペースをとり、道路をつくり、公園をつくり、その他のいろんな生活諸施設をつくり、なおかつそういうふうなものをつくるということになりますと、住める人口が非常に少ないということになります。ただ、いろんな分散等が相当進みましても、いま言った大都会については、今後も中高層化ということはやむを得ないかと思っておりますが、日本じゅうを見ますと、先生のおっしゃるような余裕のある住宅を計画的につくっていくということは、今後の方向として十分検討に値することだというふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 政府自身の考え方が、できる限り高層住宅ということを奨励するのではなくて、なるべく常識的に、家庭らしい家庭を保障するという考え方に立つならば、今後の、たとえば住宅公団等で建設をする住宅の場合の考え方にも、それを反映させていった方がいいのじゃないかという気がするのです。具体的な例として蕨地区に、日本車輌跡に住宅公団が建設をしようとしている芝園団地というのがあります。これの話をいろいろ聞きました。衆議院の建設委員会でも取り上げられているということを聞いて議事録も拝見をしたんでありますけれども、なるほど高さが四十二メーター、十五階建て、長さが五百メートルということになると、この日陰になるところはやり切れないという気持ちを持つのは当然だろうと思うんです。だからこんな高さ——やっぱり私ら別に科学的にものを言っているわけじゃないんだけれども、せいぜい住まいの高さというのは七、八階どまりにしたらどうなんだろうという気がするんですよ、これは。別に科学的根拠で言っているというのじゃない、勘でですね。たとえば参議院会館だって七階でしょう、十五階になるとその倍以上になるわけです。そんな途方もなく高いもので、しかも長さが五百メートルになると戦艦大和の二倍になるわけですからね、これは山脈ができるようなものです。うっとうしい感じがまず出てきます。あの陰を電車で走るということを考えただけでちょっと憂うつだなという感じがするんです。  だからそういったようなものはやはりコストの面で考えたらやむを得ないということになるかもしれませんけれども、望ましい姿ではないんじゃないか、せいぜい十階以上には伸ばさない、高さを上げないというようにしていくのが本当じゃないだろうか、日照権の問題といったようなことは建設省としてもいままではあまり考えたこともないんじゃないかという気がいたしますけれども、日陰になる地域のことを考えてみるとおてんとうさまがそれだけ出てくる時間が少なくなるわけですからね。こういうことは野っ原に、人家のない大平原に建てる場合はいざ知らず、既成の住宅地域に建てる場合にはこれは慎重に検討する必要があるんじゃないかという気がいたしますが、その点はどうでしょうか。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) 確かに先生おっしゃいましたとおり、環境に対する配慮がいままでの住宅建設に不足ではなかったかという御指摘をいただいております。しかし実を申しますと、住宅公団等が建てます住宅は、たとえばその地域の容積率から見ますと満杯にしないように建てております。そのかわり相当広いオープンスペースをとっておりまして、まあ快適な住宅環境、むしろ民間と住宅公団とが競争しまして建てるのは環境のいい点だけと、あとは民間の方が広い場合が多いのですけれども、というぐらいのつもりで最近環境の問題に力を入れておるというのが実情でございます。特に日照の問題等につきましては、確かにいままではできますたびに判例にまかしてまいっておりました。そういうことではやはり都市の整備が計画的にいかないじゃないかということもございまして、現在建築基準法の改正案の中に日照の基準というのを、日照から見ました住宅建設の基準というのをつくっておりまして、恐らく公団が建てますものはすべてその基準の中にあるような方向で検討しておるというのが現在の実情であろうかと存じております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 公団にお聞きいたしたいと思うんですが、公団とすればこれは予算の枠というものがあり、なるべく多くの入れ物を用意したいという親心で出発をしているんだろうとは思いますけれども、しかしこの十五階建てといったような、ともかく十階以上の建物というものはいままででも経験はあると思いますけれども、果たして問題は、特に北側の日陰になる地域でもって問題はないものかどうか、それから風通しの面、風の通りが悪くなる、あるいはうんと高くなると、われわれも霞が関ビルで経験したのですけれども、とんでもないところへ風がおりてくるわけです。浜松町のビルでもそうですけれども、風が恐らく上の方に当たって逆流をしてくるのではないかと思いますが、大変強い風があるというような現象があります。それらの現象は恐らくかつてつくるまでは計算に入ってなかったんじゃないかという気がするんですが、こういう風の動きだとか日陰とかいうようなことを考えて果たして差しさわりがないというふうにお考えになったのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんですが。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) この川口芝園の団地につきましては、いまお話がございました十五階建ては線路を隔てまして隣の住宅と約七十メーター離れております。したがいまして高さは御指摘のように四十二メーターでございますけれども、冬至九時から午後一時まで日照が、その線路の向かい側の住宅にある、冬至四時間日照がある、こういう計算をいたして設計をいたしております。それから建物十五階建てで延長の長い建物でございますので、設計をするに当たりまして東大の生産技術研究所に委託をいたしまして風洞実験をいたしました。風害がどうなるかということもチェックをいたしてございます。その結果によりますと、長い棟のつまのところの近いところでは若干建物がない場合に比べて風が強くなるということが出ております。それで、地元の方との話し合いにおきましても、つまのところには高い喬木のような植栽をしてほしい、こういう要望がございまして、私どももそういうような植栽を計画いたしております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 冬至に日照四時間というふうに言われますけれども、太陽の当たる時間が制限されてしまうということはこれは考えなければならぬことだと思うんですね。  で、こういう問題もあるんですよ、これは道路の関係ですけれどもね、きのう私は国道十七号バイパス道路とそれから百二十五号国道との交差点に行ってみました。まだ交差点できたわけじゃありません、これから住民と話し合いに入るという段階なんですけれどもね。この交差をしている内側の三角地帯があるわけですね、この三角地帯に行ってみたら、まあその地域の住民は高速道路の建設に協力をしないわけではないと言うんです、協力をしないわけじゃないけれども、道路と道路が斜めに交差をする内側はいわば三角地帯になるわけでしょう。それが道路が高さ八メーターでもって立体交差をするようになっているわけです。そうすると、その北側に当たるところは谷底に入っちまう、設計図なんかを見ますとね。こんなところへとても住めたものじゃない、道路にはひっかからないけれども高速道路の谷底に入って日陰になる、こういう場合に一体どうなるんだろうと非常に心配をしているわけです。これは住宅のための日陰ということももちろん問題ですけれども、そういう高速道路のための日陰ということもやはり考えなければならぬ。これは新幹線の場合だって同じだと思うんです。いままであまりにも日陰という問題については関心がなさ過ぎたような気がするんです、お互いに。しかし、だんだん好き勝手なところに土地を求めて家を建てるということが庶民にできなくなってきた状況においては、わずかの日当たりの問題でもこれは貴重になってくるわけですね。この道路の陰になるといったような場合に、補償の対象になるのかならないのか、そういう場合にはいっそのこと谷間に入るような家は全部撤去してもらうようにその該当地域として考えるということはできるものなのかできないものなのか、その点もこの機会にお伺いしたいと思うんです。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 御指摘の十七号のたしか大宮バイパスのところだと思うのですが、突然の御質問でつまびらかにまだしておりません。たしか交差するところで住民と、おっしゃるような日陰の問題、騒音の問題等で現在計画の推進にトラブルが起こっているということは耳にいたしております。先生のいま御指摘の、一般的に道路の、特に高架道路が及ぼす日陰の問題につきまして、最近あちらこちらで御指摘のような問題が起こっておりまして、いま私どもとしては騒音等の環境問題にあわせまして日照権の問題、日陰の問題について研究中でございます。特に高速道路、東名高速で一部そういうところがございまして、とりあえず日陰になるためによけいに要る何といいますか燃料費、そういうものの補償を検討いたしております。根本的には解決になりませんが、ただいまも申しましたように、いかようにこれを解決するか、買い取ってしまうのか、あるいは別途のもので土地を一応一遍買い取って、それから他の土地利用に売り渡すようなことも考えられます。そういった幅広い観点から現在検討中でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私がきのう見てきたところは、十七号バイパスと百二十五号の交差点で熊谷インターチェンジ予定地なんです。しかし、これはまあどこでもいいのですよ。おそらく類似のケースは多いのじゃないかと思うのですね。立体交差をする場合、どうしても高くなるでしょう、道路が、またぐ方は。その高くなった道路の反対側といいますか、日陰になるところ、そこは鼻先を高速道路が通ってやかましい上に、今度は日陰になるというダブルパンチを食うわけです。おそらくそんな例はいっぱいあると思うのですよ。ダブルパンチを食うけれども立ち退き該当地にならないということになると、これはもう補償の要求も何もできない。  だから、そういう場合に一体どうするかということなんです。そういう生活環境としては、どうにもならなくなるわけです、谷間でうるさくて日が当たらなくて。これは住宅公団の場合でも同じなんですけれども、日照権の問題については、基準法の関係でもまだ検討中ということなんですけれども、そういう場合、民間のマンションであろうと住宅公団であろうと、あるいは道路であろうと新幹線であろうと、そういう公共の、あるいは大きな建物なり道路なりができることによって日陰になる人の環境の問題は、具体的にこれは考える必要があるのじゃないだろうかという気がするのですよ。これはもちろんそこまでは予算に入れてなかったかもしれない。しかし、今後の問題としては当然そういう地域の環境保障ということは考えなければいけないだろうと思うのですね。その点、基本的な考え方を——個々の問題について言うと大変時間がかかりますので、基本的な考え方を大臣に私はお伺いしたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 一般論としては、やはり新しい道路を構築する、あるいは住宅をつくる、そういうことによってその地域の住民に環境上重大な変化を生じて、しかもそのことが耐えがたいものであるということになれば、それに対して当然の処置は考えなければならないと思いますし、むしろ構築以前にそのことを含めて考えていかなければならぬ。道路なんかは特にそうだと思います。これから先、高速道路をつくる場合においては、つくった後でその地域の騒音あるいは振動、そういったものがどう影響するかということを前もって十分に調査をして、そういうものを含めた道路の構築というものを考えなければならない、これはもう当然でありまして、考えていくつもりであります。ただ、現実におっしゃったような立体交差なんかにして、もうそれ以前にそこに家があって、しかも本当に軒先に道路がきて、しかも日陰になり騒音で耐えられないというようなところは私もよく知っています。そのものは法律の規定がどうあるなしにかかわらず、それに対して何らかの対策を立てなければ、放っておくわけにはいかないと思います。これは個々の問題としては具体的に検討してまいるところでありますが、一般論としては先ほど申し上げたとおりであります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 「新幹線鉄道騒音に係る環境基準設定の基礎となる指針の根拠等について」という大変長たらしい題名で、中央公害対策審議会騒音振動部会のこの答申があるわけです。これは新幹線なんですけれども、新幹線であろうと在来線であろうと、私鉄であろうと道路であろうと、これは同じだろうと思うのですよ、被害を受ける立場になってみれば。そこではしなくも新幹線の建設計画に絡んでこういったようなことが出てまいりましたけれども、騒音対策等を考えてみた場合、この新幹線の場合でも、学校や病院、静穏を必要とする施設のことも考えなければならないし、それから移転補償の跡地等については、緑地とか倉庫とか、緩衝施設その他騒音による影響を受けない施設に有効に利用することが望ましいというのがあるわけです。  要するにこれは土地利用の適正化という形でこういう答申が出ておるわけですね。これ細かく指摘すると大変長くなりますから、大ざっぱに申し上げますけれども、要するに、新幹線のような施設をつくる場合の土地利用の適正化ということを、国及び地方公共団体において調整を図る必要があるということを答申はいっているわけです。私はこの答申にあるようなことは、単に新幹線だけではなくて、高速道路であっても、あるいは国道であっても同じことではないか。これは総合的に考えなければならないことではないかと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 最近新幹線につきまして、おっしゃるとおりの環境基準等の議論を進めまして、実は道路につきましては、すでに環境基準及び要請基準が定められておりまして、その環境基準に合うように、満足するように、これからの高速道路等の道路は建設しなければならないということになっております。具体的には道路をつくります場合には、やはり環境の静穏を要するように、たとえば住宅専用地域というようなところは道路をつくらないように、路線選定の際に十分それを考慮する、それからやむを得ずそういった住居地に近く、あるいは住居地に接して道路をつくらざるを得ないような場合には、たとえば道路の構造を堀割りにするとか、あるいは場合によっては地下道にするとか、そういう構造面で対処するとか、それから先ほど私ちょっと申し忘れましたが、最近こういった騒音、日照等のことで道路が非常に地域住民に被害を与えるということが大変な問題になっておりますので、実は昨年道路局長通達をもちまして高速道路あるいは国道等を、幹線道路をつくります場合には、必要があれば道路の両側に十メーターないし二十メーター余分に土地を取得いたしまして、そこに植栽をする、あるいは場合によっては遮音壁を設置する、そういう道路路面として使わない部分も道路側で築造できるように、環境施設帯と申しましてそういう措置を講じ得るようにいたしております。根本的には、先生もただいま御指摘のように、沿道の土地利用をうまく誘導していくということが永久的な、根本的な解決であろうかと思いますが、いま申しましたように、道路構造面でも定められた環境基準を守るようにいろいろな手だてを講じつつあるところでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 住宅の問題にしても、私は大きな建物を建てることによって影響を受けるところの地域の人のことを考えながらやっていく必要があるだろうと思うのです。住宅公団とすれば、既定の計画というものがあるでしょう。これからも日本全国にたくさんうちを建てなければならないという使命があるということは私も承知しております。しかし、入れ物さえつくればいいというものじゃないと思うんです。この際、できる限り政府の方にもいろいろな面で費用負担なども考えてもらって、そして、一たんつくってしまうと簡単に、たとえば十五階建てを上の方をちょん切るというわけにいきませんから、つくる当初においてあまり高いものはつくらない。ほどほどに、まあほどほどにというとむずかしいんですけれども、お互いの常識の中で、それは高過ぎるんじゃないかというふうに思われるような高層住宅はなるべく避けていく。特に住宅の場合ですね。これはビルの場合はある程度やむを得ないと思うんですよ、高いものができても。しかし、住宅の場合はそういう配慮というものをやっていくべきではないか。見上げるような高層住宅というものは避けていく。これは防災上からも必要じゃないかという気がいたします。その点についての公団側の考え方、それから大臣の考え方、双方お伺いしたいと思います。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 従来、土地の高度利用、それから外部のオープンスペースを十分にとるというようなところから、大体十五階建て程度の住宅をこういう既成市街地の中においては計画をしてまいっております。もちろん、その際には周辺の日照条件を悪くしないように、そういう点の配慮、あるいはそのオープンスペースは周辺の環境改善に寄与できるようなオープンスペースにするというようなこと、あるいは長い建物ができまして、騒音の反射音を周辺に与えるというような点につきましては、植栽をする、あるいは壁の仕上げ材料等を工夫する、そういうようなことで、あわせて、建てます住宅自体につきましても、これは建築基準法に定めるところに適合するのはもちろんのこと、安全上あるいは災害時の避難上十分なことを考えてやってまいっておりますし、今後とも、ただいま先生御指摘になりましたような点を十分配慮しながらやってまいりたい、こういうふうに考えております。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) いま公団からもお話がありましたように、土地を効率的に利用すれば高いにこしたことはありませんでしょう。オープンスペースをとることも、よくとるとすれば上に伸びた方が一番いいわけでありますけれども、それかといって、十五階も二十階も三十階もという住宅は、私ども子供を住ませたくないという感じが率直にいたします。外国などの例もありますが、どこまでいったらいいか知りませんけれども、やはり建物をつくりさえしたらいい、あるいは戸数さえ何とか数をそろえたらいいという考え方の住宅の建て方は、これは反省すべきだと思います。建てた住宅は永久に住まいにしなきゃいかぬところでありますから、そういう意味からいって、一体じゃあ住宅は何階建てがいいのかということになりますと、これはいろいろ専門的にも研究する必要がありますけれども、やはり常識以上のものは考えるべきではないと思っておりますし、そういう意味では、できるだけひとつ周囲の環境等も考えながら今後住宅政策を考えていくべきだ、そういうふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 道路並びに住宅のあり方の問題なんですけれども、鉄道も同じですが、鉄道が走っているところも——特に私鉄なんかの場合は曲がりくねって民家の軒先をかすめるようにして走っているというところが多いんですよ。たとえば京成電鉄にしてもあるいは湘南にしても、国鉄でも中央線なんかそういう傾向がありますけれども、私鉄の方がそういう点はもっとひどいような気がいたします。そこで、要するに鉄道が、——私鉄、国鉄を問わず、鉄道が通る場合の環境、これはある程度線路の用地と住宅との間に空間地帯を置く。そして騒音、振動といったような問題をそれによって緩和していくという考え方を持たなければならぬじゃないかという気がするんですよね。環境庁という、かつてそういう役所はなかったんでありますけれども、環境庁とか国土庁とかいう役所ができまして、建設省とどんなようなつながりをもって仕事をしていくのか、そういう点あまり私もよくわかりませんけれども、おそらく建設省と国土庁、環境庁なんというのは連携をとっていかなければならぬ性格の役所だと思うんです。たとえば道路をつくる場合に、道路の自動車騒音というものを防止をするということも考えなければなりませんが、先ほどちょっと間に余分なスペースを——余分なというわけではありません、これは必要な余分なスペースですね、ある程度のスペースをとる。その間緑地帯にする、木を植える、あるいは小公園のようなかっこうにするといったような余分をとっておくということは私は必要だろうと思う。  道路にそういう余分をとると同時に、鉄道にもそういう余分な地域をとる。できれば高速道路なんかの場合は、いままで高速道路は高速道路、新幹線は新幹線、別々に土地取得をやって別々につくっておりました。しかし、考えてみるとこれはむだなことのような気がするんです。東北縦貫道路をつくるならば、東北新幹線の線路予定地と、これは全部一緒にはならぬかもしれませんが、ある程度は一緒にすると。そしてその道路の真ん中に新幹線を走らせるというようなことにすれば、新幹線の両側に道路ができ、さらにその両側に緑地帯ができるというような形になって、公害問題もある程度は——完全にというわけにまいりませんけれども、ある程度はこれは解消していくんじゃないか。できればその道路の内側か外側にモノレールでも走らせる。そうすると、新幹線がただ通過するだけという地域の住民の不満を解消することもできるだろう。自動車の輸送だけでなくて、公共輸送——大量までいかなくても、たとえばモノレールだとある程度まとまった輸送ができるわけですね。こういったような輸送機関を建設できるような構想でもって道路をつくり、さらにその道路と有機的につながる住宅地域をつくるということをやっていくことが計画的な国づくりの面で必要なことではないかという気がいたします。これは、大臣のお考えと同時に、国土庁なり環境庁なりの考えもあわせてお伺いしたいと思うんです。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 先ほど申しました、道路の両側にスペースをとる。やや詳しく申し上げますと、普通の国道の場合には両側に十メートルの範囲内でスペースをとる、植樹をするというようなこと、それから高速自動車国道、あるいは都市高速道路のものにつきましては二十メートルの範囲内でとるというように通達を出しております。実は御指摘の新幹線あるいは京成電鉄というようなものばかりではありませんで、首都高速、あるいは阪神高速道路にも御指摘のように非常に住宅と接近して建設されておるところがございます。すでにこういう道路はできておりますけれども、五十年度からそういうところでもいま申しましたような十ないし二十メートルの環境施設帯をこれからり得るというような方向で現在予算面で考えております。  それから、新幹線と高速道路を一緒にするということはしばしば御指摘を受ける問題でございますけれども、現実に実際に計画をいたしますと、新幹線と高速道路は全く構造の基準が違うものですから、曲線といいあるいは勾配といい、すべて新幹線の方がシビアといいますか、曲線は大きくなければいけませんし、勾配は緩くなければいけない。それからところどころにインターチェンジが高速道路の場合にはあるというようなことから、一緒に同じ空間を使って設計をする、仕事をするということが現実にはなかなかむずかしいという状態でございます。  それからモノレールの御指摘がございました。ちょっと御質問の趣旨と違うかもしれませんが、私ども確かに幹線道路をつくります場合、地域住民が自動車交通ばかりじゃなくて、むしろ中型、中量の通勤機関といいますか、通勤・通学機関を要望される場合が非常に多うございます。私どもは昨年からでございますが、道路の中で道路整備と同時にモノレールを設計し、事業実施できるようにという方途を開きつつある次第でございます。

小幡琢也国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(小幡琢也君) 国土庁は国土の適正な利用を総合的に推進するために設けられた役所でございまして、ケース・バイ・ケースでございますけれども、各省庁の行政がばらばらに行われることのないように必要な調整を行うことにしているわけでございます。御指摘のような場合を含めまして、これから土地利用の望ましいあり方あるいは環境保全ということに十分配慮をいたしまして、環境庁とも十分連携をとりましてひとつ施策を進めてまいりたい、かように考えております。

酒井敏夫環境庁大気保全局特殊公害課長

○説明員(酒井敏夫君) 先ほど先生から御指摘ございましたとおり、新幹線鉄道騒音につきまして現在中公審に諮問中でございますが、先ほどおっしゃいましたが、専門委員会で一応報告案がまとまりました。その中で御指摘のとおり、沿線地域におきまして道路、公園、緩衝地帯その他公共施設につきまして適正に配置整備するということが望ましい。特に専門委員会におきましては建設省あるいは運輸省からそれぞれ係の方の出席を得まして、十分関係省庁間におきまして意思の疎通を遂げまして、その上でこの専門委員会報告がまとまったわけでございます。特に道路あるいは鉄道等がばらばらに計画されるということにつきましても十分論議がなされまして、その結果ここにありますとおり、国の行政機関相互並びに国及び地方公共団体の間において調整を図る必要があるということが強調されておるわけでございます。今後この審議につきましては部会——騒音振動部会を経まして答申が得られましたならば告示ということになるわけでございますが、その段階におきましても環境庁といたしましては、十分関係省庁行政機関と意思疎通を遂げましてこの措置が有効に行われるように努めてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 それでは最後にお伺いしたいことが一つございますが、その前に新幹線と高速道路の話が出ましたがね、新幹線、たとえば東京周辺になりますと必ずしも二百キロのスピードを出す必要はないと思うのです。これは東京周辺三十キロ圏、あるいは四十キロ圏ぐらいは住宅地なんですから、むしろスピードを出さない方がいいと思うのですね。そういう場合はカーブがあっても、勾配があっても私はがまんできるんじゃないかと思う。現に新幹線の計画自体が東京都内ではそうなっているんですよね、当初計画では。たとえば東京駅から秋葉原まで行って秋葉原から地下へもぐって日暮里でまた地上に上がるというふうになっている。これは大変な勾配ですよ。カーブだって、勾配だって大変なものなんです。こういうことを考えると、都心周辺ではかなりの勾配なりあるいはカーブがあっても差し支えはないということになるのです。それと、もう一つは必ずしも新幹線に限定しなくたっていいと思うのです。公団の地下鉄を引っ張っていって地下鉄は東京都内でこそ地下をもぐって走ればいいんだけれども、何も東京から外へ出まして埼玉県なり千葉県の畑の中を走るのに地下にもぐる必要はないのですからね。そういう場合には高速道路等と並用して両方利用するということが、これが効果的ではないかということ、これも検討する値打ちはあるんじゃないかと思うのです。  それと、いま一つサイクリング道路を考えてみたらどうかということです。いままで私が指摘したことは道路であり、鉄道であり、歩道でした、あるいは緑地帯、緩衝地帯でした。しかし、いまの道路には自転車で走る余地というのはないんですね。あまりにもなさ過ぎる。危なくて自転車じゃ走れない。しかし、これからガソリンを節約をしなければならない。なるべくマイカーよりも油を使わないような自転車を使うということも奨励していかなければならぬだろうという気がするのですが、その場合に自転車で安心して走れるような場所がなさ過ぎる。だからもっとサイクリング道路というもののスペースをこれからの道路計画においては考慮していく必要があるんじゃないか。国道ができる。高速自動車道路ができる。自動車とオートバイだけでもってかみなり族を満足させることはできるけれども、善良なる市民のサイクリング道路というものはもうまるきりないということじゃいかぬと思うのです。だからあわせて道路建設の際には緑地帯も結構だし、あるいは新幹線等の高架下を利用するということも結構なんだが、そういう面で自転車道路というものをもっと重視をして、全国的に張りめぐらすという考え方は必要じゃないかと思うのですが、その点を最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 先生御指摘のとおり、わが国の自転車は最近非常に普及してまいりまして、現在保有台数は四千万台に及ぶというふうに言われております。また、自転車の利用の仕方も通勤、通学、買い物等の日常生活に利用されるほかに、いわゆるスポーツを目的としたサイクリングということにも非常に多く用いられるようになっております。この傾向は今後余暇時間が増大するとともにますます強くなるものと思われます。したがいまして、建設省ではただいま御指摘のように、一般の道路を改築、新設する場合にはもちろんできるだけ自転車道を並設してまいる。  それからなお交通安全施設として歩道のことをやっておりますが、その中でも最近は既設の道路に歩道とともに自転車道を設置するということを重点的に実施をいたしておる次第でございます。  また、特に都市内の通勤等について自転車の利用を安全にするというために実は一昨年の、四十八年の八月に警察庁の方と御相談をいたしまして全国で六十四都市を自転車利用安全のモデル都市として設定をいたしまして、現在三カ年計画で自転車道の計画と事業の実施を進めておる次第でございます。このモデル都市の実績を踏まえてさらにすべての都市に全国的に及ぼしていこうという考え方でございます。  また一方、先ほど申しましたいわゆるレクリエーションのためのサイクリングロードにつきましては、昭和四十八年度にこれも自転車道のみでも県道に認定し得るということにして、積極的に自転車サイクリングロードの国庫補助事業として積極的に実施を図っております。御指摘のように、非常にサイクリングロードの補助事業は全国的に評判がよくて要望も非常に強うございまして、現在二年目、来年が三年目でございますが、三十九路線全延長二千三百キロに及ぶ自転車サイクリングロードの事業を実施しておるところでございますが、今後とも重点的にこういった事業を進めたいというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ここに建設省と国鉄の協定書というのが実はあるわけでありますけれども、この内容は、道路と鉄道とが交差するときの費用の分担が主としてこれによって決められているわけです。いろいろな構造なんかのことについても触れられておりますけれども、まあ主に工事費の算定基準だとかあるいは費用の負担区分だとか、こういうものがずっとむずかしく書いてあるんですが、その附則のところに、どうもこれは私ちょっとわからないんですけれども、この協定ができたのが実は昭和三十一年十二月十八日、当時の建設事務次官の石破二朗さんと国鉄総裁の十河信二さんですか、この二人の間で結ばれ、しかもそれに伴うところの細目協定というのが結ばれているのが三十三年の三月三十一日、道路局長、計画局長、国鉄の副総裁、これで決められているんですが、この附則のところに「この協定は、新たに道路と鉄道との交差に関する立法措置が行われるまでの間における暫定の協定とする。」と書いてあるんですがね。大臣、暫定というのは、もう二十年になるわけですね、これで。十九年目ですか、来年になればもう二十年ですがね。この二十年が実は私は、暫定協定だと、暫定というのは二十年の長い期間にわたって暫定だと言っているのはちょっとおかしいと思うんですがね。つまり昭和三十一年ころという時期を考えてみますと、第二次大戦のいわゆる戦後が終わったというふうに経済白書も、当時確かにもう戦後ではないというのがようやく出てきた時期のことだと思いますよ。そのころでありますから、まだまだもちろん経済復興、国土の再建というようなことが非常に重要視されていた時期だと思うんですね。それから昭和三十五年に第一次の安保闘争があって、池田総理が出て、所得倍増が出てきたというのはもうこの後ですわな、ずっと。そして、それから経済の高度成長というものがずっと続いて四十五年ころからあるいは四十年ころからもうそろそろ経済の高度成長についてはブレーキをかけていかなくちゃいかぬということで、それが四十八年ころになるともうがくんと様相が変わってきたわけですが、しかしそれにもかかわらず、ここでまだ建国協定というそのころの趣旨、そうしたものが生きているということも何か私はおかしいと思うんですがね。現実には大部分のものが相変わらずこの建国協定、これによって行われているわけですが、この立法措置というものを実は考慮しているわけですねこれは。  ただ、暫定的な協定であるということでなくて、「立法措置が行われるまで」ということで、当時建設省がこれはひとつ法律としてはっきり規定をしていきたいと、こういうことを考えておられたと思うんですが、現実にはこの協定でどんどん行われてきたわけですから、最近の地方自治体の意見というものも実はこの協定そのものの中に入っていないし、国民の意思というものも全然この中に入っていないわけですが、まあ建設省なり国鉄は国民の意思をそんたくして協定を結んだとは言っているんでしょうけれども、立法化ということになればこれは明らかに国民の代表の国会で議論されなくちゃならぬわけですが、それが何らされてないまま二十数年そのまま放置をされている。しかもその当時と今日とはかなり情勢は違っていると。こういう中でまだ相変わらずこれが幽霊のごとく生きて市町村あるいは国民というものをある程度縛っているというのは、どうも私はよくわからないのですが、それほど重要なものであるならばこの趣旨を生かして立法したらいいと思うのですが、もう二十年になんなんとしている間も暫定協定ということでやっているということで、その辺、どうして二十年も暫定措置で、しかも非常に重大な市町村の財政にも関連のあるような事項を相変わらず暫定協定という形で結んでいるというのは、私はどうも理解がつかないのです。しかも当時は、はっきりここに、立法措置ができるまで、ということで立法化を予定しているわけですね。これはどういう事情でいままで立法化もしないでこのまま放置されているのですか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 御指摘の建国協定は昭和三十一年にできましたが、そのつくりました趣旨は、道路法の三十一条に、鉄道と道路との交差の場合には、その構造から方式、工事の施工方法、費用の負担等について、あらかじめ鉄道事業者と道路管理者が協議しなければない、という条項がございます。ところが、個々の踏切の立体交差化に当たりまして、道路管理者と国鉄、まあ鉄道事業者とが個別に協定をその都度結んでおるということは、非常にその都度複雑な事務手続あるいは交渉が必要になりますので、こういったことを避けるために、建設省と国鉄とが統一的な取り扱いについて協定をしたものでございます。この三十一年当時協定したときに、二十年近く前のことでございますので確たる資料等はございませんが、やはり踏切道の改良といいますか、立体交差化に関する立法措置の動きが運輸、建設、両省にあったように見受けられるわけでございます。したがいまして、いま御指摘の協定の附則一号に「立法措置が行われるまで」の暫定的な措置であるというふうな附則が一項加わったわけでございます。  実はその後、いま申しました踏切道改良促進法というのが昭和三十六年に制定をされました。これは運輸、建設、両省で出したわけでございますが、踏切の改良、立体交差化の促進をする法律でございますが、この法律におきまして、第六条で、費用の負担については「鉄道事業者及び道路管理者が協議して負担するものとする。」というように、特に従来のこの建国協定の取り扱いを変更することなく両者の協議でやるというような法律の内容になりましたので、この建国協定はこの附則によりますと暫定措置というようなことになっておりますけれども、その後の踏切道改良促進法が立法された段階では、暫定措置ではなくて、一つの、恒久的と言うと言い過ぎでございますが、この方法で建国協定で相互の費用負担をするということになった次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 しかし、少なくとも実際にはそういうふうに、まあ道路管理者、場合によれば市町村あるいは都道府県、そこと協議してやるということであるならば、そういう踏切道改良工事の法律ができているのですから、むしろそっちの方に問題を移して、いつまでもそういう何かおしりの青いものを残したような形のものは、やっぱり時代とともに成長していくはずなんですから、これなんかもひとつ考え直された方がまず適切だろう、何かちょっと前時代の幽霊が出てきたような感じで私は実はこれを読んでたわけですけれども、そういうことでひとつ考慮をしていただきたいと、こういうふうに思うのです。  で、これはちょっとそういうことだけを申し上げておいたわけですが、実はきょうの本題は、確かにこういうような負担区分でやられるという場合は、同じ市町村でもそんなに常識的に踏切というのがひどく多いということはないということの前提で私はつくられていると思うのですけれども、これは実は神奈川県の大磯町から陳情が建設局にも国鉄にもおそらく出ていると思うんですけれども、大磯町というのは皆さん御承知のように、東西に非常に長い町であって、そして鉄道に向けて縦の方向で山が迫っているというところでありまして、この中で、今度の改良工事が——一つの町で駅は一つしかございません、大磯駅しか。ここに十六の踏切が実はあるわけでありますが、この中には国鉄が独自の事業としてやっておられている工事も幾つかあるわけでありますけれども、今日のように自動車をたくさんみんな持つようになると、しかもこの東海道線が複々線になっていくわけでありますから、いままで以上にやっぱり踏切の閉鎖時間というのは私は当然多くなると思います。だから大磯町が、これは国鉄と当然協議していると思うんですけれども、なるべくひとつ立体交差化をしていこうということは当然だと思うんです。  ところが、この立体交差を見ましても、自動車が通れる立体交差というのはきわめて少ないですね。十六の踏切を閉鎖して自動車が通れるというものはほぼ半分程度——私も正確に数えておりませんが、ほぼ半分程度のものであって、後は本当に自転車かリヤカー程度のものが通れる地下道とかあるいは跨線橋とか、そういう程度のものが多いわけです。しかし、大磯町としては負担から見てみますと大変大きな負担になるわけですね。おそらく、こんな踏切が十六も一つの町にあるというところも非常に少ないだろうと、私は思います。隣の二宮町では三つぐらいしかないわけですから、この町に限って十六あるというのは、ちょっと異常だといえば異常なほどあるわけです。しかし、現実には複々線工事に伴いまして、ここ数年間でそれらを立体化しなくちゃならぬということになりますと、この建国協定に基づいた形のものではやはり、立体化するとなると道路も橋をかけるということになる、そうなればほかの方へ少し回さにゃいかぬ、地下道にするにしてもやっぱり幾らか余分な土地が要る。いままでの、実際には自転車ぐらいが通っていたような踏切を閉鎖するにしても、回って行く道をちゃんとつけてやらないと、縦に、直角に、線路に対して来るわけですから、なかなか山を越えてということはそう簡単にいきませんから、側道的なものをつけなくちゃいかぬし、それについても国鉄側は私はある程度計画はされていると思うんですけれども、そういうことで、大磯町としての費用負担というのは非常に大きいわけですね。国鉄独自でやられる事業を除いて全体工事で約三十億かかると、いままでの形でいきますと、その中で町そのものが負担をする金が十五億ぐらいということになると、たとえこれを起債を目いっぱいに認めてもらったにしたところで、これは将来に対する返還ということが大変大きな問題になるわけです。  それで建設大臣、これ考えてみまして、大磯町の四十九年度の年間一般予算というのは十八億ぐらいです。十八億で町が土木事業をやっているのが三億八千六百万円ぐらい、割合でいくと二一%ぐらいですから、余りものすごくたくさんやっているという、土木事業の割合が非常に多いという町村ではないと私は思うんです。どっちかというとわりあい少ない方の町村だと言えると思いますが、それにしても、踏切の立体交差の事業だけで土木費の実に五二%近く費やさなくちゃならぬ、これからも、それは起債の返還の安い金を借りても、これはもうそれより少くなるということはないということになりますと、下水道の工事もやらなくちゃいかぬだろうし、あるいはいままでの道路の改良もやらなくちゃいかぬだろうし、あるいは河川の改良もある程度やらなくちゃならぬ、こういう地域であるだけに、おそらくこのままでは幾ら大磯町が仕事をしないにしても、この踏切だけでおそらくまいっちゃうんじゃないかと、こういうふうに思うんですがね。  国鉄の方ではもちろん大磯町とある程度御相談はなすっているようですが、国鉄も御承知のように赤字でございますから、国鉄にも率直に言ってあんまり無理は言えない。町の方もそういう形で財政的に詰まってきておるということになると、やっぱり国建協定などを余り正確に適用されるということになると、町の負担というのはますます多くなる。また同時に、国鉄がそこへもう一つつくっていくということになりますと、これはやっぱりその排水、下水の工事というようなものも様相が変わってくるわけであります。そういう工事、あるいは回り道の工事、あるいは道路の据え付け部分をどうしていくか、こういうような問題も非常に大きな負担になっていくわけですが、この辺、まずこれから国建協定によってやっていくにしても、まだ、これから相当な工事量があるわけですから、そういうものはあんまり足切りなんかはしないで、ちゃんと出すものは出してもらわないと、これは吉田茂さんもあすこで亡くなられたんですが、実は亡くなってもやはり十分に冥福ができないだろうということすら、われわれ思うわけですがね。それから石田さんもこの地域にたしかお住まいのところなんですよね。そういう地域であるだけに、これはやっぱり大臣、何とかひとつ問題を考えてもらわないと、このままではどうにもしょうがないじゃないか、これは非常に特例的な地域ですから、ここで一つの例を出したから、私、全国にその型が全部及ぶというような、そういう地域じゃないと思うのですよ。一つのこれだけの小さなところに十六も踏切があるのを直していくというのは、これは国鉄の内田さんですか、高橋さんですか、に伺わなくちゃわからぬですけれども、まあ地域が広ければ別でございますけれども、これだけの地域でこれだけの踏切があるというところは恐らく余りないんじゃないでしょうか。そういう点で、何らかこれは考慮をしていただかないと、協力しろ協力しろというふうに言われても私はどうにもならぬじゃないか、こう思うんですが、どうでしょうか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 大磯町の東海道線の複々線化によります踏切の除却事業でございますが、御指摘のように、大変な数を一挙にやらなきゃいかぬということでございますので、実は昭和四十四年に国鉄、県、町、建設省が協議をいたしまして、どの踏切はどういうふうにするという全体計画を立てております。その全体計画の中で、すべて町道でございますが、本格的な立体交差化、すなわち、自動車が通れるように二車線以上にする立体交差、これは鉄道の上を道路がまたぐようでございますが、そういった町道を四本選びまして、約九百メーター間隔に四カ所計画をいたしました。現在、その後、四十五年からこの立体交差化事業に着手をいたしております。全体事業費は約十八億と見積もられておりますが、建国協定に従いまして、道路管理者側の費用負担は十八億のうち十五億という勘定になっております。建設省といたしましては、足切りなどせずに積極的に助成をすることにいたしまして、国庫補助金九億四千万円を計上いたしております。これに伴う町の負担は五億五千万、残りの三分の一ほどになるわけです。これも非常に町の財政を圧迫するということから、この協議の結果、神奈川県におきまして、この町負担のうちの一部、約七千万弱でございますが、これを県費で町に補助する、町負担分を一部肩がわりするというような、これは大変異例なことでございますが、こういう財政負担の緩和ということも考慮いたしまして現在実施しておるわけでございます。御指摘のように足切りをするようなことはなく、出すべきものは全部出していこうと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは私の計算が間違っているかどうか知りませんけれども、大体いままでの普通の考え方でいきますと、三分の二は国の方が持っていく、いま県費の補助ということを大変強くおっしゃられたのですが、せいぜい県費が一割以上県費補助をしてくれるならいいですけれども、現実にはそんな金じゃないわけですね、町全体から考えてみると。ごくわずか、三、四%、計算してみるとそんなものですね。あと、ほとんど形の上でそのぐらいやっているものだという程度のものであって、そういうことでもし大磯町の財政がもつというなら、恐らくそういう要請は出てこないと思うんです。神奈川県もいままでのところは確かにどちらかというと金のある県であったわけですけれども、最近の情勢では必ずしも富裕県ではなくて、現実には赤字県に転落をしているという事態の中で、大磯町だけに恐らく——国が出すなら国鉄との関係ということで出せると思うんですがね、県としては、国鉄の線増に伴って県が特別に出すというわけにはこれはなかなかそういう形にはいかないと思うんですよね。そうなると、やはりこれは国の計画でもあるししますから、国鉄が負担金というのはわりあい軽いんですわな。ほかに出しているから軽いということかもしれませんけれども、建国協定に基づいて国鉄が負担している部分というのはかなり低いですわね、割合でいきますと。  だから、本来ならば国鉄がこれによってもっと出してもらいたいというのが私は町自体の要求だろうと思うんですけれども、国鉄を余りいじめても、赤字のところをいじめてもしようがない。高橋さん出られておられるのですけれども、そう追及されたっておれは財布は空だぞと、こう言われてしまえばこれは困るわけでありますがね。この辺は国と国鉄でもう少し何らかの形をとってやらないと、私ども複々線の問題、確かに神奈川県の輸送力増強計画の一環でありますから、町民との間で話がつきさえすれば、そういうものは進めてほしいと、こう思うんですけれども、ただ、町やその沿線の人たちの犠牲を余りにも強化してやる理由というのは大磯町にも私はないと思うんですね。これは駅が三つもこの間にあるということであれば、大磯町としても町民の利益という問題から町も負担する理由があると思うんですけれどもね、現実にはこの大磯町の東の方に駅があるということなわけですね。もう少し中央にあればもう少し私は問題は違うと思うんですが、大磯町の東の方にある、西の方の人は必然的に二宮駅を利用せざるを得ないということが実態だろうと思うんですけれども、そういう形で町の両端に駅があるということでありますから、そういう意味での踏切道の利用というものはますます多くならざるを得ない、こういう事態だと思うんですけれども、大臣、その辺はもう少しこういう特殊なものには特殊な対策というものがあってしかるべきではないだろうかと、こういうふうに思うんですがね。それでなければ私ども国鉄さんの方にもっと出してくれということを要求しに行かざるを得ないと思うんですね、これは。まずそれは建設省の方で私は第一次的には何とかすべきだ、こういうふうに思うわけですけれどもね、大臣どうでしょう、これは。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) そいつはよくわかります。建国協定で大体工事を始めた当時はやはり道路がほとんど大部分でした、都府県道ですね。だから建設省、それなりの仕事をやってきたわけで、いまでも応分の負担をして努力しようということは先ほど局長から申し上げたとおり、決してそんなことでしり込みはしておりませんが、大体立体交差が非常に必要になってきたということ、鉄道の線増によって今度は生まれた原因でして、そういうものから考えてみると、率直のところが、人の領分までみんなこっちがしょい込むということについては、これはやはり政治の筋というものがありますから、そうかといって、大変国鉄に御同情のようでありますが、私どもそう思っております。赤字を大変抱えている、苦労していることはよくわかりますが、さりかといって、やるべきことはやはりやるべきだと思うのでありまして、そういう意味ではひとつ運輸省とも国鉄ともこの問題十分相談をいたします。そうして何らかの形で推進をしていくように努力をいたしてまいります。それでよろしいですか。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも、よろしくお願いしますと言われると、これは困るわけですが、具体的にやはりここの大磯町は、私はほかも同じようにやれという意味ではございません。ただ、大磯町が特殊なそういう町であるからこれは国の方でやはり考えてもらわないと困る。いまのお話ですと、結局運輸省と国鉄と何か……

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 相談をして。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 建設省だけで持つということはできないようだという感じなんですが、国鉄の方はこれはどんなふうにお考えですか、この問題は。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○説明員(高橋浩二君) まず最初に、この大磯——二宮間には、いま先生もおっしゃるように十六カ所の踏切がございます。非常に数が多いじゃないかというお話でございますが、この区間は延長六キロございますので、平均しますと四百メートルに一カ所ということでございます。全国の平均が大体いま五百メートルに一カ所の踏切でございますので、それから見ますと少し踏切の数が多過ぎるということは言えますが、そんな極端に多いということじゃございません。しかし、踏切の数が私どもから見ますと、やはりなるべくもう少し踏切の数については整備統合したいということで、できればもう少し踏切の数を整備いたしまして、りっぱな踏切、自動車の通れる道はりっぱにいたしますし、人が通れるところは人道橋でもう少し整備をしていくということで、全般的にその立体化の費用は安くならないものかなということをまず第一点申し上げておきます。  ところで、いまたまたまこの区間につきましては十六カ所ございますけれども、町との費用分担をするということでただいま協議を進めておりますのは、この十六のうち四カ所でございます。で、その他の踏切につきましては、いろいろ理由はございますが、つけかえ道路の代替とかいろいろなことで国鉄側がとにかく負担をいたしまして立体化を図ろうというふうに協議を進めておりまして、町との協議の爼上に乗っておりますのは四カ所の踏切でございます。この四カ所についてもう少し詳しく申し上げますと、この四つとも非常に道路の幅員が狭い踏切でございまして、この四つを足しますと、幅員を四つとも足した場合に十四メートルの幅員になっておるわけでございますが、今回費用の分担ということでいろいろ地方財政が非常に苦しいということになっております最大の理由は、この十四メートルの幅を三十一メートルの幅、倍以上の幅に道路の方を広げようという計画が一緒に入っております。したがって、国鉄と道路側との費用分担に一ついては、在来ある踏切を除却して立体化する場合の費用負担について、三分の一、三分の二というような協定に従っていまやっておるのでございますけれども、その改良部分については、国鉄側の改良部分というのは複線を複々線にするのが改良部分でございますし、道路側の改良部分というのは、いま申し上げた十四メートルを三十一メートルの幅にするというのが、これが改良部分でございますので、改良部分についてはおのおのの管理する側で負担するということになって、いま申し上げた非常に大きな金になりますのは改良部分が含まれておりますので、その点ひとつ御承知おき願って、私の方も在来の踏切を除却、立体化については、この区間それほど数も多くございませんし、地方財政さほど圧迫するほどの大きなものではないんではないかというふうに考えているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 確かにいままでは狭くてよかったわけですわね。しかし、これだけ自動車というものが普及されてくる、しかも駅は遠いということになると、確かに国鉄の側から言えば、拡幅部分なりあるいは立体化に伴うそういう取りつけ部分の大部分は町が負担しろという言い方ですね。これだけではどうも、その辺を建設省がどうしてくれるかということがないと、幾ら町と国鉄とが話を詰めてもなかなか現実には詰まらぬところだと私は思うんですよ。だから、その辺はやっぱり建設省側が何らか考えてもらわなければ実際大変なことになると思うんですがね。その辺は建設省側はもう少し具体的に何を考えておられるのか、私もこの質問はきょうここで突然出しているわけじゃございませんので、それ相当に前からほかの自民党の方々にもこれは協力をしてもらうという意味で、自民党の方々にもこの問題は何とか処理をしてもらいたいということで、かなり前から私申し上げているわけですからね。恐らく建設省の方としても、もう少し具体的な御意見がきょうは実は伺えるだろうと、こう思って実は来たわけなんで、それに比べて、国鉄にも相当な部分をおっかぶせて、そして何とか逃げ切ろうということでは、これはちょっと私ども承知しかねるわけですが、もう少し具体的に検討もされていると思いますから、もう少し出してくれていいんじゃないかと思うんですが。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 先ほど私申し上げましたように、建設省が道路管理者である町当局に踏切除却事業として道路事業費の補助をするというのは、協議の結果四カ所、いま高橋局長おっしゃったものだと思います。この四カ所につきましては道路事業として取り上げておりますので、これの地方負担、先ほど申しましたようにわずかでありますが、県が補助をしております。そういった点で町負担についてはこれからも考えてまいりたいと思います。しかしながら、この四カ所として取り上げられていない簡易立体交差といいますか、これはすべて町と国鉄の方で、現状のままの幅、あるいは一部統廃合して地下道等でおやりになっておることでございますので、この辺の国鉄負担、町負担ということにつきましては、私ども手を出すといいますか、口を出すこともございませんので、いま申しましたように、四カ所の立体交差事業として取り上げております分につきましては、これから十分大臣のさっき申しましたように町負担についても考えてまいりたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それで、かかっている部分はそういうことで理屈がわかるんですが、わりあい予想外にかかっているのは関連町道ですね。たとえば立体化する、だからこれはこういうふうに道路を切り回さなければそこへ行かないとか、あるいは下へもぐるから真っすぐにやるというとなると非常に急坂路になる。そういう点で、やっぱり町道のいろいろ整備等を伸ばしていくとか、こういう費用というのが、これは見積もりでこれからも上がるだろうと思いますけれども、これからこれ恐らく七億から十億という金になっていくだろうと思います。いまの計算では六億九千万円ぐらいですか、これはもっともっと上がっていくだろうと思うんです。それと、なるほどあとの四つ以外の踏切は、これは国鉄側が、恐らくほとんど閉鎖と同じような状態でありますから大した金額では私はないと思うんですが、高橋局長の方からも、国鉄が全額持っておられる金額というのは、町の方にどういう説明をされているかわかりませんけれども、一体それがどのぐらいかかるのか、その点をちょっとわかっていたらお示しをいただきたいと思いますが、一番大きい問題はやっぱり関連町道の整備ですね。このあたりが一番大きいわけですけれども、その辺についてはこれからどうなさるつもりか、これは国建協定とは別の問題であろうと思いますけれども、その辺は建設省としてはどんなふうにお考えですか。大体それに対しても三分の二ぐらいの補助率で補助をしていくというつもりなのかどうなのか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 実は、先生のおっしゃる関連町道の話は事務的には伺っております。確かに関連町道として、踏切の統廃合に伴って線路の山側に相当な規模の町道が東海道線と並行しているという計画があることは伺っております。しかもその中に相当長いトンネルを掘らなければならないというようなことで非常に金がかかるということも伺っております。ただ、実はこれにつきましては、まだ町当局から補助対象にしてほしいと、そういった具体的な御提案がございませんので私申し上げるのを差し控えておったわけでございますが、もし地元の方でお話がつきまして、これを市町村道としての国庫補助事業として踏切とは別に採択の要望が出るということになりますれば、その段階で検討をして前向きで対処したいというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それからこの複々線化に伴う排水工事がいろいろ出てくると思うのですが、この辺は全部国鉄がやってくれますか、それともどうなんですか。一番大きいのは直接排水溝をどうつくっていくのかという問題にもなりますし、もう一つお聞きしておきたいのは、こことここの踏切をこう遮断しちゃうと、閉めてしまうということになりますと、いままで使っていたところに側道的なものをつくらなくちゃならぬ。それでなければ行けないということにもなりますし、住民としては恐らくそういう回り道というのはいやだと思うでしょうけれども、それはそのまま私もそっくり認めるわけにはいかぬと思うし、ある程度のところは遠回りしてもらう必要があろうと思うんですが、そういう踏切を閉鎖したことに伴う側道関係、まあ一部確かに東の方の踏切についてはある程度国鉄側の方の負担でおやりになっているようでございますが、そういう問題も今後出てくると思うのですけれども、そういう側道についてはひとつ国鉄側で御負担願えるのかどうか。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○説明員(高橋浩二君) 最後の御質問の側道の問題でございますけれども、いま具体的にこの区間で町と協議いたしまして、踏切をやめていただくということで話がつき、そのやめるかわりに別のところに立体交差をつくるというものが二カ所ございます。ここのやめる場所については、線路のわきに側道を国鉄の負担でつくるということにいたしております。それ以外は踏切を廃止いたしませんので従来どおりでございますから、私の方も側道を計画してないということでございます。  それから最初の御質問は排水についてということで、具体的にちょっとわかりませんけれども、新しく線をつくることによって排水処理がふぐあいになるというものにつきましては全部国鉄の負担でいたします。従来の在来線については、在来線の排水路が、もともとたとえばパイプが少し細過ぎる、したがって、この際あわせて太くしたいというような在来線に係るものについての排水路は、これは国鉄と建設省の間で排水路の費用の分担の別の協定がございますので、それに従ってもし必要があればやるということになろうかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ちょっといまの答弁の前に、国鉄が全体の持っている金額があるでしょう、その金額はどのくらいか。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○説明員(高橋浩二君) 実は、十五カ所の踏切がございまして、町道ですね、そのうち四カ所は費用の分担でいま協議をいたしております。残った十一のうち二つは廃止ということで協議が成り立ちましたので、残り九カ所の踏切を国鉄負担でというか、道路のつけかえその他ということで、九つの踏切については国鉄が実は支出をするということで協議がまとまったわけでございますが、この九つの費用が幾らになるかについては、一つの橋梁だけですとわかるんですけれども、一線でき上がりますと一線に切りかえて、そうしてその立体交差分をまた継ぎ足していくというような切りかえの費用まで見込んでございませんので、推測でございますが、恐らくそういう費用も含めますと四、五億ぐらいの金になるだろうかと思います。したがって、私の方としては、この区間については列車の安全ということを非常に考えまして、踏切をこの際全部征伐をしてしまいたいという基本的な考え方から相当の実は負担をしているかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、大臣ね、いままでのお話で、これからも四カ所のうちで、まあ負担をすると言っても、何かいままでのお話では特別なお計らいというようなことが全然ないわけですけれども、この辺は何か——これも十年間にこの四つの踏切つくるというのなら、立体交差するというならいいですが、まあそれでもいいと思うんですけれども、そうすると国鉄側が一番困るだろうと私は思うんでね、その辺実に痛しかゆしで、平常にやってもらっても、それは線増しなければこれはいいわけですけれども、線増という至上命令がある程度あるということになりますと、この辺は何らか普通の負担区分なり普通の利子だけでは、これはとても町の負担が大きくなりますからね、だから利子補給を考えるなり特別な負担を上乗せするとか、何かそういうことをひとつ考えてもらわなくちゃいかぬと思うんですけれども、実際できてから昭和六十八年までの毎月の年間返済金というのは、いまの計算でさえ六千万から八千万というものを返していかなくちゃならぬわけですね、いまの計算で。恐らくこれはまだふえるだろうと思うんです。  そうなってきますと、たとえ金は貸してもらっても返還が非常に困ると、将来ずっといまから二十年もそれだけの負担をしょっていかなければ——かなり大きな額です。将来はこれ以上にまたいろんな金が、これ起債で求めていく金が出てくるでしょう。あそこでもう下水道の問題もいま問題になっておりますけれども、これもやっていかなくちゃならぬということになると、これ以上の金額というものが毎年の返還、償還の金になるわけでありまして、それだけで恐らく仕事はできなくなっちゃうということですから、まあ利子補給等はきっとこれからお話が出るであろうと思いますが、また当局の方からも、利子補給だけでなくて、負担をもう少しふやしてもらう措置を何か特例的に考えてもらわなければ、やっぱり国鉄の方としても複々線化が本当の意味で進まない、踏切の除却が進んでいかない。したがって、スピードも出せないでありましょうし、あるいは事故も起こり得るということになるわけですから、その辺は普通の場合とはちょっと私違うと思うんです、線増ですからね。局長、その辺は何かもう少し前向きな考え方は局長にはありませんか。なければ大臣の方でも結構ですが、大臣の方ができるかもしれませんけれども、何か前向きの回答をいただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) よくわかります。おっしゃることはよくわかるし、特に町村、市の財政が非常に将来も気遣われるということもよくわかります。ただ、いま最初の協定により四カ所がまだ進行中でございまして、でき上がったわけじゃなくしておって、二カ所がいま工事中、あと一カ所はまだ未着工ということでしょう。でき上がるのは五十三年ということですからまず約束したものを完全にひとつやるようにということが先決問題なんです。それを進めながら——聞いてみますと、まだあと九カ所ですか、これはそのままに放置するわけにいかぬということを国鉄でも言っておるようでありますから、どの程度の踏切になるのかですね、もう少しひとつ、さきに建国協定もあることですから、まあ死んだとは言うものの二十年間生かしてきておるんですから、そういう面でひとつ十分に相談をさしてみてください。必要によったら県や市町村ともお話し合いをしてもいいと思っているんです。  それから、たとえばそうやっておる中にいわゆる関連町道というものがあるわけですが、関連町道というものがあれば、これはいま生活環境の方の市町村道についてはいろいろ積極的に考えている建設省の方針があるわけでありまして、そういうようなものも活用できれば活用してまいりたいと思いますから、ここで何かないか言われても、すぐ、じゃそうしましょうとは申し上げられませんが、よく御趣旨を体しまして、国鉄とも相談をするし、関係市町村ともお話し合いをして、少なくとも前進をするように努力をいたしてまいりたいと存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私の質問、これ終わりますが、国鉄の方にお願いをしておきたいと思いますが、これはよく国鉄の工事には多いんですが、これは後で細かいことは事務当局の方に申し上げておきますが、その工事の最中に住民のいろんな——工事をやったためにたとえば排水が変わっちゃうわけです。そういうようなものをそのままにしてあるんですね。で、せっかく国鉄としてはいい線増工事をやろうとしているにもかかわらず、結局はそういう工事のやり方いかんによって地元の人に非常な反感を買うということがあるわけですね、大変。で、その辺はひとつもう少し具体的に考えていただきたいし、また、まあ恐らくこのくらいでは私問題にはならぬと思いますけれども、やっぱりいろんな意味での公害が起きてくるわけですね。今度の博多新幹線なんかも、私は実に国鉄けしからぬと思うのは、団地のど真ん中を国鉄を走らせるなどというのは、私はもう全く問題があると思うんです。  それで、せっかくやった防音壁も何らその効果なしと、こういうことでは、せっかくいいものをつくろうと努力しても結局は住民から反感を買われる。新幹線問題というのはそうだと思うんですね。いいものをつくったって、いま新幹線沿線、この間も私のところにずいぶん押しかけてこられましたけれども、新幹線の公害をなくしろということで押しかけてこられておりますけれども、そういうことで、そういうただ線増さえすればいいんだ、ほかのことは構わないんだということであっては困ると思うんですよね。これは局長も御承知だと思うんですが、私の地元では例の新幹線でもめているわけですけれども、これだって国鉄が対処をしてくれれば問題は解決するんですよ。ところが、防音壁の問題も話にはならない、こういう高圧的な形でいくと、せっかくいいことをやろうとしても、いまの形のところでは大変住民の反対に出会うわけですからね。今度の場合だって、私、普通の通勤や買い物の人にとってみれば、幾つかの踏切をとめられて、恐らくかなり回り道をせざるを得ないというのも幾つか起きていると思うんですよ。  まあそういう住民にはいままでの便利さが踏切を取られることによって不便をするわけですし、まあ遠くもなるわけですね、橋になればね。すっといままでは線路の向こうへ行けたのを、今度は橋を渡っていくということになると、かなり橋ができたにしても大回りになる。そういう意味で、工事のやり方そのものを、私はもう少し一つ一つの工事はちゃんと片づけて、住民に迷惑がかからないように、おれが線増してやるから、おまえら文句を言うなという態度であっては、やっぱりいろいろ問題が起きると思いますから、まあ細かいことはここで申し上げませんでして、後お渡ししますけれども、そうした面をやっぱりうまく解決をしていただきたいと思うんですね。どうもそういうところが始末が悪いといいますか、締めくくりが余りよくないという面がかなりいままであるように私は聞いておりますけれども、その辺この踏切除却の問題に限らず、国鉄の工事をやる場合の姿勢として、私はもう少し住民との間で共感を得られるような工事、そういう工事をやってほしいと思うんですが、どうでしょうか。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○説明員(高橋浩二君) 具体的に個々の問題よくわかりませんけれども、いま先生の御指摘のように、私の方はできるだけ工事をする場合には、地元の代表の方々と、どういうふうな仕事の進め方をする、いつどこでどういうふうにやるかということ、あるいはいろいろ問題が派生した場合の処置のとり方等について地元の代表の方々とお打ち合わせをした上で工事を進めるように指導いたしておりますけれども、どうもいまお話を伺ってみますと、その辺が不十分なようでございますので、十分現地に指導いたしまして、地域の方々に苦情が出ないように工事を進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 私は、問題を公共事業等に伴う自然環境の破壊、あるいはそれに関する保全、文化財の保護等、そういう問題にしぼって政府の考え方を伺っておきたいと思いますが、時間もありませんので文化財等は省略をいたして、主として公共事業に伴う自然環境との調和をどのように進めていくべきかという点にしぼって質疑を進めさせていただきたいと思います。  まず最初に、環境庁は先般緑の国勢調査をおやりになりましたが、これはどういう趣旨で、どのようにこれを活用されるのか、それをまず最初に伺っておきたいと思いますが、最初に政府委員のおくれてきた方に申し上げますが、われわれは国会審議をできるだけ早く進めるために時間は十分に連絡をしてあるはずですが、おくれてくるために大臣も大変執務上お困りになる。こういうことのないように、特に政府委員には予算委員会の本委員会を通じてでも絶えず私どもは申し上げているのですが、そういう点についてはこれから十分に注意していただきたい。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) 大変申しわけございません。  緑の環境基準、国勢調査は昨年実施したわけでございますが、これは全国の土地、国土につきまして自然度というものがどういうふうな状況になっているか、これは自然度の一から十までございまして、そういう区分をしておりまして、非常に緑の少ない地域あるいは市街地のようなところは一、それから多いところは九、十というふうになっておるわけでございますが、そういう類型をつくりまして、全国の自然環境の状況がどうなっておるかということを一斉に一年半をかけて調べたわけでございまして、その結果は今後の環境基準の作成あるいは自然環境保全地域の指定というようなことに役立てていくというふうな考え方でおるわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 今日まで高度の経済成長の中で、公共事業が非常に大幅に日本列島改造といったような言葉も出てくるくらいに行われてきたわけですが、特に私は公共事業等国あるいは地方公共団体が行う事業を通じて、自然破壊を伴うような、あるいは環境の破壊を伴うような事例があちらこちらに出ているということで、国の、あるいは地方公共団体の責任というものについて少しはっきりした姿勢をこの際正していただきたい、こういう気持ちで申し上げているわけであります。  具体的な実例として、これは全国の一つの例かと思いまするが、北上川の五大ダムの最後のダムとして残されている御所ダムの建設がございます。これはもう非常に長い間懸案になっておったものでありまするが、ようやく二、三年前に補償についての話し合いがついて、そうして地元の四百世帯に及ぶ農家、長い歴史を持つ農家が水没者として移転をしなければならない。この問題については私は相当深く関連もさせ、政府当局、ことに建設省とは十分のお話し合いをいたして今日に至っておるわけであります。その過程におきまして、私は環境の保全ということについては、やかましく建設当局にも検討していかれるようにということを要望してまいったのでありますが、昨年の秋、御所ダムの定礎式におきましても、依然としてあそこの七ツ森の山の一部を削るという計画を進めておられるという話を聞きましたが、この計画は一体どういうことになっているのか、まずそれを伺っておきたいと思います。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。  いまの先生の御指摘の御所ダムにつきましての七ツ森地区の問題でございますが、私どもこのダムの材料といたしまして、ロックフィルダムとコンクリートダムを併用してつくるダムでございまして、どうしても原石山が欲しいということでいろいろ地質調査を方々やったわけでございますが、その結果、この原石山は御所ダムの建設のためにはどうしても必要でございまして、いまの先生の御指摘の森を、やはりこれを採取しなければいけないということでございまして、私どもはこの跡地の緑化だとか利用方法等につきましては、いま地元、県ともいろいろ協議してやろうということを考えておるところでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 もう何年も前からこのことは注意を申し上げてまいったわけであります。にもかかわらず、定礎式のお祝いの席において私はついにあえて発言をせざるを得なかった。次官も御出席になっており、河川局長も御出席になっておりますが、その席において私はあえてお祝いのかわりに苦言を呈せざるを得なかったことは御承知だと思います。それほど私は、建設省が自分の事業については一生懸命やるけれども、環境の保全については怠慢であったということを指摘せざるを得ないのであります。大変残念であります。しかし、現実はそうなんです。しかもこの七ツ森というのは、その奥には小岩井農場という日本一の美しい大農場があり、その奥の方には岩手県のシンボルである岩手山、日本で言えば富士山に当たるような美しい山が控えております。その前庭となる山の一角を崩してしまうということについては十分な配慮がなければならないし、できるならば、そこから石を取らないでほしいということまで私は再三申し上げてきた。そこで、いまいろいろと対策を講じているということでありまするが、そのようなことを私どもの口から言わなければやらないというようなことでは大変おかしいのであります。  一方、環境庁は、いまのように緑の国勢調査をおやりになって、そしてどのようにして日本国土に緑を保存していくかということについての基礎的な調査もやっている。そしてまた四十七年の六月六日には「各種公共事業に係る環境保全対策について」という閣議了解までやっておられる。これは一体どのようにいま作用しておりますか。いまの御所ダムなんかについてはどういうことを協議しておられますか。この閣議了解はどう生かされているか。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) ダムの建設等、各種の公共事業の実施に当たりましては、先生いまおっしゃいましたような昭和四十七年の六月六日の「各種公共事業に係る環境保全対策について」という閣議了解に基づきまして行われることが前提となっております。したがいまして、それぞれの事業主体は、やはり計画の立案とかあるいは工事の実施などに際しまして、あらかじめ十分にその環境に及ぼす影響等につきまして予測評価を行って、その結果、自然環境の破壊等、自然環境の保全上支障を及ぼすことのないような範囲で所要の措置を講じて実施さるべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。それからさらに実施後におきましても……

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 もういいから、具体的に協議をしたかどうか。していませんね。協議をしておりませんね。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○政府委員(柳瀬孝吉君) まだ、いまのダムの関係におきましては、当時、実施基本計画ができる段階におきましてはまだ閣議了解の前の時期で、環境庁のできておらない、前の時点でございますので協議を受けておりません。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 建設省は、この閣議了解は知っておられますか。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 閣議了解の内容はよく知っておりまして、その後の、そういう閣議了解の後のダムにつきましてはいろいろと折衝を持っておりますけれども、本御所ダムにつきましては、いま環境庁からお話がありましたように、ダムの計画がその前であったということでございますけれども、私どもの心構えは、すでにかかったダムでもその精神を生かしながらいまやっておるつもりでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 心構えでやっていると言っても、現実何もやってないでしょう。だからこそ私が定礎式でああいうことを言わざるを得なかった。逆に私はそのために、お祝いの席でなぜあんなことを言ったのかということで逆に批判を受けている。工事をストップさせた、御所ダムの工事をとめたのは岩動だと、こういうようなことを言われている。しかし、御所ダムの工事はとまっていませんね。順調に進んでいますね。総需要抑制下の中において、公共事業費を節約してでも——その中において、私の発言の以後においても工事は順調に進んでいる。このことをまず確認してください。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) いま先生のおっしゃるとおりでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そこで、こういうような閣議了解があったら——当時環境庁はできてなかったかもしれない、しかし、これをやろうという政府の姿勢なんですから、相談するところはあったでしょう、厚生省か何かね。あるいは省内でもあったでしょう。それをどうしておやりにならなかったのですか。そこに私は問題がある。建設省がダムをつくればいい、道路をつくればいい、そういうようなこと。これは地方自治体においても同様であろうと思う。そこに私は自然環境というものに対する認識というものが甘いものがある、それを反省していただきたいわけなんです。大臣、いかがですか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 水の需要のために水資源開発をどうしてもやらなければならぬ、そのためにダムが必要である。ダムをつくるとなれば何百戸の戸数を犠牲にしなければならぬ。それがその地域の人々に容易ならぬことであることは私はもう十分に承知をいたしております。特にそのための原石採取というものをやって山はだを崩してしまうということは、終わった後のその山がまことに荒れただれて、私は、現実に高知においてその姿があるわけでありまして、おっしゃることは本当によくわかります。まあいろいろと聞いてみますと、どうしてももうあすこでなけらねば何ともならぬというところまで追い詰められて建設省もこれを決定したようでありますが、それなら原石採取後の跡地の緑地の問題とか利用方法については、これは地元、県と十分に相談して、遺憾のないように最善の努力をしてこれに報いなければならぬ、そういう考え方を持っておりまして、そういう方針で進みたいと思います。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 自治省、どうですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 先生御承知のとおり、政府各省の組織といたしましてそれぞれの所管をお持ちでございます。いまのこの問題につきましては、建設省と環境庁が御所管になっている仕事に係る問題であると存じます。で、私の方は地方団体の組織運営、財政その他に責任を持っておりますが、さりとて地方団体が行う事業でありますれば、その内容に全く無関心というわけではございませんので、環境の保全とか公害の防止とかいうことについては常々配慮を払う必要があると考えておる次第でございます。まあ何せ各省庁にわたります問題でございますので、こういう問題に必要があれば私の方からも各省に連絡し、そういう点についての事業の執行について遺憾のないように常々指導してまいりたいと思っている次第でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 大変それじゃ無責任だと思うんですよ。あなた方はやっぱり都道府県の行政のやり方については、最終的には国民に責任を持っている役所だと思うんですよ。自治体だからそれはいいというようなことにならぬと思うのですよ。自治体にもそういう認識を持たせる必要があるし、また自治大臣は勧告権を持っているはずですよ、おかしな行政をやったりしたらね。施主が地方公共団体、都道府県である場合だってあるでしょう、こういうダムについては。これはもちろん建設省と関係しますよ。そういう意味において私は自治省はもう少しやっぱり突っ込んでこの問題にも関心を持ち、関係各省ともよく話もし、また全国知事会においても十分にこれは徹底さしていただきたいと思うのです。  ここに、きのうの読売新聞にこういう記事があります。環境庁が原生自然保全の指定を何カ所かやりましたね。その結論のところを読んでみますよ。これ、林野庁とか何かとの話し合いがなかなかうまくつかないということで延びたと。そういう場合には拙速が大事だと、こういう場合にはね。そういうような意見が出ていますがね、その最後のところに「他の省庁や自治体の自然保護の理念は、環境庁とはまだ遠くへだたりがあることは事実」と。つまり自治体ということは、これは都道府県を全部呼ぶわけにいかぬから、その代表として私は自治省においでをいただいたのです。しかもこの御所ダムについても最終的に補償をする、その補償の調停のときには、調印式には知事が立ち会っているんですよ、正式に。判を押しているんですよ。それほど国の直接やる事業についても地方公共団体というものは深入りしている、関係しているんです。だから、こういったような問題についても地方自治体、公共団体が傍観者の立場ではないはずなんです。そういう意味において自治省の自覚というものは私はもっと持ってもらわなければいかぬと思う。どうですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 先生の御指摘になる、自治行政の上においても環境保全あるいは公害防止ということについて十分な関心を払わなければならないということについては私全く同感でございます。地方自治体の運営については、そういうことについても常に配慮を払うべきであるものと存じております。これに対する指導というものを行政の中身にわたって直接私の方がやりますということになりますと、やはり政府各省の仕事の問題もございますので、常に先頭に立ってというわけにもまいりませんけれども、政府各省それぞれの所管ございますが、それらにお互いに連絡をよくとり合って協力をして、地方団体の行政が適正を欠くことがないよう指導してまいるということについては常に心がけておるつもりでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 時間ももう余りないんで簡単にしぼって聞きますけれども、そういう意味で建設大臣にひとつお考えいただきたいのは、あるいは環境庁の大臣とかその他関係大臣、国土庁の長官とか自治大臣とかそういうところで、関係省庁で、とにかく国みずからが、あるいは地方公共団体みずからが自然を保全していかなければいけないというその先頭に立っている、立つべき人たち、そういう地位の、立場の国、地方公共団体、それが逆に公共事業という名前において自然環境を破壊をしているとか損なっているとか、こういうようなことでは問題がありますよ。民間の企業が公害をやったり、自然環境を破壊したりするのはとめられませんよ、これでは。そういう意味において、政府部内において、こういう関係省庁にいろいろまたがる問題ですから、こういう自然環境等、公共事業等、国の行う事業については関係の何か連絡協議会でもつくって、そうして緊密な連絡のもとに政府そして地方公共団体一体となった何らかの対策を講じ、協議をして緊密にやっていくための組織というものを——これは法律でつくる必要はありません、政令でつくる必要もないかもしれませんが、少なくともそういうことを閣議でひとつ御検討いただきたいのですが、建設大臣いかがでしょうか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) お説のとおりであります。私ども公共事業を進めていくためには、特に最近は環境庁の意見も十分聞きながら、何といっても地元の賛成ができなければいけないことでありますから、ただ、地元は非常に公共事業の推進には強いわ、環境との問題の板ばさみでわれわれも非常に悩むときがあります。しかし、そういう問題は関係当局が十分に相談をしながら、地元の意見をよく聞いて、そして円満にまとめていくということが一番大事ですから、おっしゃるとおり、今後そういう問題については関係各省十分連絡をとって進めていくように努力をいたしてまいります。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 十分連絡をとるというだけでなくて、やっぱり何か一つの協議会みたいな組織をおつくりになっていただきたいと思います。そうでないと、ここでおっしゃっただけで、後はわけがわからなくなっちまうんですよ。それをひとつここで約束をしていただきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 建設大臣が約束すべきものかどうか、少なくとも環境保全という観点から考えると、環境庁長官が主になって各省庁に呼びかけていくという形がいいと思いますから、環境庁とよく相談をいたしまして、お説のとおりの方向で進めるようにいたしてまいります。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 それじゃ、それは前向きに政府としてお考えいただく、その実現に強く私は期待をいたしております。  そこで、最初の具体的な実例として御所ダムを挙げたわけですが、御所ダムのために採石をする、山を削る。その削った姿はどういうことになるのか。具体的な写真か何かあったら説明していただきたい。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) いま先生のおっしゃるように、こういう写真が実はございますが、どういうふうに御説明申し上げましょうか……。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 いや、それは私に説明……、大臣にお見せしてください。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) これが現況でございまして、取った後と、その前と後の写真があります。結果的にはこの山を取るわけでございまして、かっこうが違ってくるわけであります。風景が違ってくる。そういうことで、また大きな背景といいますか、先生のおっしゃる岩手山も見える。いろいろなことがいろいろここにございます。先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもはやはり取った後の跡地をいかに上手に利活用すべきか、緑化するかということで、これから研究し、いままでした成果をさらに上げるべくいまいろいろな委員会もつくってやろうという、そういうことになっておるわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そこで、大臣ごらんのように、山は削られた跡を緑で塗っているからあんまりかっこうが変わっていないとか、大したことないようにお感じになると思いますけれども、山はだを削った跡がどういうふうに地はだが出てきているかということもプロセスとしてあるのですけれども、それはないのですよ。そういうことでごまかされちゃ困るのです。これはもっと細かい問題ですから、あとは別の機会にあれしますが、そこで私は、かねてからこの問題については建設省にも申し上げているように、どうしてもそこでなければ原石がだめなんだということになるとすれば、跡地の緑化のために専門家の委員会をつくって、多少の時間をかけても、十分に自然環境が守られた、保全されたのだ、復元されるのだ、そういうようなための懇談会みたいなものをおつくりになって、そうして住民なりあるいは日本の国民にとっても納得のいくような措置をおとりいただきたいんですが、この点についてはいかがですか。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 御所ダムにつきましては、いま先生のおっしゃる跡地の問題、やはりダムはどうしてもそこから砕石を取らざるを得ないものですから、この跡に対しまして、みての森原石山緑化懇談会というものをつくりまして、これは来月、四月の半ばから発足する予定でございます。この中には、特に先生から非常に強い御指摘もございまして、地元の方々、県の方々という以外に、県の環境保健部長さんという方が御推薦なさる方、あるいは岩手県の観光連盟会長が御推薦なさる方というふうに、非常にその面の明るい専門家の方々をまじえましてこの懇談会を進めていきまして、やはりりっぱな一つの跡地利用計画を私ども助言をいただきたい、そう考えておるわけでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 それはひとつ早急にりっぱな案が出るように御努力をいただきたいと思います。建設大臣も、これは単なる地建の問題ではなくて本省の問題であり、かつまた全国に及ぶ一つのモデルケースとしてこれをお受け取りをいただきたいんですが、大臣いかがでしょうか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) そのように考えております。そのように進めてまいります。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そこで、水源地域対策特別措置法というのはこれは国土庁の所管でございますね。こちらの方から見ていまのような問題はどうお考えですか。

松本作衛国土庁土地局次長

○政府委員(松本作衛君) 国土庁におきましては、国土利用計画法によりまして土地利用基本計画をつくりまして、その土地利用基本計画によってそれぞれの地域の将来の土地の利用のあり方というものを各都道府県ごとに決めていただくことになっております。いままで御指摘がありましたような具体的な事業が進んでおります段階におきましては、土地利用基本計画のあり方としては、現状を確認していくということになろうかと思いますが、お話のような水源地域対策という水資源上の問題もございますから、それらの点につきましても十分考えていかなきゃならないというふうに思っておる次第でございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 そこで、私は、林野庁長官見えていますね。——さっき新聞の記事を読んだように、やっぱり林野庁あたりが、国有林で林野庁の特別会計の独立採算といったようなことからかなり無理した伐採計画を立てておられる。何年か前に私は倉石農林大臣のときに、きのうですか、環境庁から指定された北上山系の中にある早池峰山の地域で、国有林が無残にも山はだを見せるような非常に大がかりな伐採計画を実施しておる。そして下流においては防災ダムをつくるという、まことに矛盾したことをおやりになっている。そこで私は、農林大臣にこの点を申し上げて、そして全国的に伐採計画の練り直しをやっていただいて、また、そのような上流で木を切って下流で防災ダムをつくるという矛盾した政府のやり方に対して反省を求めたわけです。そこで、いまのようになかなか環境庁と話が合わないために指定がおくれるといったようなこともあります。  屋久島の問題ですね。これなんかも早くあれしないと大変なことになると思うんです。たとえば屋久島においては、何年か前には航空写真で撮ったところが十五万本屋久杉があると。屋久杉というのは御承知のように千年以上たったものを屋久杉と言うんですね。ところが、四十八年の調査でそれがたったの三万本という結果が出ている。最近あの地域を実地に歩いている人たちに言わせると、二万本くらいしかないとまで言われている。ところが、十五万本という基礎に基づいて四十年間に六万本切るという林野庁の計画があったんです。これは一体どうなっているのかですね。それで屋久杉は、あそこの場合には大体四千年から六千年ぐらいたったものなんですよ。切ってしまったら、まず五世紀も六世紀もかからなければいまの屋久杉は出てこないんです。もういわば再生産が不可能なと言ってもいいような天然記念物というかそういうものなんですよ。地元の民生の問題もありましょうけれども、この点については一体どういうふうになっているか、ちょっとお伺いしたいと思います。

松形祐堯林野庁長官

○政府委員(松形祐堯君) 屋久杉は、ただいま先生御指摘ございましたように、千年以上を屋久杉と言っておりまして、それ以下を小杉と称しておりますけれども、大変貴重な存在でございます。したがいまして、大正十年からでございますけれども、約四千三百ヘクタールという保護林を設けまして、これを厳正に学術参考林として保護してまいっておりますが、いろいろ意見等もございまして、昭和四十五年度でございますが、環境庁その他いろいろ相談しながら保護林を八千三百ヘクタールまで増加いたしたのでございます。その中で、それを含めまして、御指摘のように千年以下の小杉を含めまして航空写真から判読できるものが約十五万本ございます。そして九万本が永久に残る、六万本につきましては約四十年間程度をもって更新していくという計画をしたのでございます。なお、その十五万本の中で約一万二千本が屋久杉と称するものでございまして、そのうちの六五%の七千五百本は将来とも残る、こういうふうな計画になっておるのでございます。  なお、それ以外のところは、四十年かかって屋久杉の植林というようなかっこうでするわけでございますけれども、伐採されました屋久杉というものは非常に貴重な家具材でもございますし、また、屋久島という島、私八回ほど山へ登っております。各沢ごとに登って計画を立てた本人でもございますけれども、一万六千人ぐらいの住民のうち約七割が何かなし木材に関連して生活しているということ、あるいは出荷額等につきましても、水産、農業が余りございませんので、林業が中心だということでございます。したがって、地元のそういう伐採中止の声があることも存じておりますし、また一方、そのような地元の産業の育成というものもございますので、御意見等のようなことを背景にいたしまして、私ども十分配慮しながら、これの厳正保護というものに今後とも努めてまいりたいと考えておるわけでございます。したがいまして、地元産業の振興というような面等もいろいろにらみ合わせながら対策を立てていこうと、こういうことでございます。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 これで終わりますが、地元産業と言っても、あなた、ほとんどほかの県の人が来て買っていって、そして根っこなんかは民芸品として鹿児島県かどこかの業者がつくって、それがまた屋久島に戻って、ほとんど付加価値なしにただ交流するというようなことで、なかなか地元民に付加価値が還元してないのが実情なんですよ。その辺はあと議論の余地があるかもしれませんけれども、置いておきます。  そこで、締めくくりとして、私は、建設大臣でありかつ国務大臣として、ひとつ締めくくりを御答弁いただきたいと思うのですが、いまのように国の公共事業あるいは地方公共団体のやること、そしてまたいまの林野庁のような問題等々、国がみずから自然環境に対しては何か鈍い感覚になっているのじゃないか。これは道路の建設にしてもそうです。最近は道路をつくれば、その両側は緑の種を吹きつけて余り土は表に出ないようにいろいろ工夫しておられます。そういう努力は私も認めます。このことも、国が率先して、こういう公共事業を通して国の事業が自然破壊をしないように、自然調和をするように十分な配慮をひとつ特にお願いしたいので、国務大臣としての仮谷先生からひとつお話をまとめて結論をお出しいただきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) もうお説はそのとおりであります。いままでは、どっちかと言えば高度経済成長という見方で公共事業推進という形がどんどん進められて、そのためにある程度環境が破壊されてもそれがむしろ当然だといった考え方で、それが前面に押し出されておりましたけれども、もう世の中がそういう世の中になったことは岩動先生御承知のとおりでありまして、何といっても環境を十分整備しながら、そして住みよい福祉国家をつくっていくという、国の方針がそういう方針に変わってまいりますと、公共事業そのものは、まあいままでも私どもそういうつもりでおりますし、現在はすでに自然との調和をとりながら公共事業を進めるという基本政策のもとに進めておりますから、これは建設省に限らず、どの省にいたしましても、これから先国が事業を進めていくために、環境保全というものを十分に考えながら、それと並行して進めていくべきだということは当然でありまして、そういう方向で努力いたしてまいります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 私は、道路建設問題について、特に東関東自動車道の用地の買収の問題について焦点しぼって質問したいと思うんです。  まず最初に、東関東自動車道並びにもう一つ関越高速道路の工事状況について御説明願いたいと思います。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) お答えいたします。  東関東自動車道の鹿島線の市川−千葉間、この間は東関東自動車道と一般国道、一般に湾岸道路と称しております一般国道と重複する区間でございますので一括して用地買収を進めております。当初、昭和五十三年度の完成を目途に事業を進めてまいりましたが、最近の総需要抑制下でございますので若干この目標はおくれる見込みでございます。同じく東関東自動車道の千葉−成田間二十九キロメートルにつきましては、御承知のようにすでに供用開始されております。完成をいたしております。その先の成田から潮来間につきましては、四十七年度から事業に着手いたしまして、四十九年度まで調査をいたしました。昨年度、ルート発表いたしまして、現在地元との設計協議及び関係機関との協議を進めておるところでございますが、この区間も当初、昭和五十四年度に完成させる予定でございましたが、若干いまの段階ではおくれる見込みでございます。  関越自動車道、新潟線につきましても、すでに整備計画が決定されまして、日本道路公団の施工命令が出されておりまして、このうち東京−川越間の二十一キロメートルはすでに完成して供用されております。川越−東松山間の十八キロメートルは、ことしの八月に完成して供用する予定でございます。東松山から先の群馬県の渋川に至る間は、現在用地買収の促進を図っておりまして、一部橋梁等の工事に着手をいたす段階に来ております。それから渋川から以北、新潟までにつきましては、各種の調査、測量、設計協議、特に長大なトンネルの区間がございますので、その辺の調査に重点を置いておる次第でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 まず、関越高速道路の概況でちょっと伺っておきたいんですけれども、これは大体当初の計画から何年間ぐらいずれ込む予定ですか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 実は、総需要抑制で二年連続私どもの計画しました予算が押さえられております。大幅に相当おくれるということが申せますが、何年ぐらいといいますと、これからの状況によりますので、ここで、しかとした御返事はいたしかねますが、近く長期計画を練り直しまして、五十一年から五カ年計画を策定するという段階にございますので、その長期計画の中ではっきりした見通しを立てたいというふうに思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは大臣に一言伺っておきたいんですけれども、今後の道路計画ですね、この問題については総需要抑制で四十八年以降相当計画もおくれている。まあ公共事業の抑制等のいろいろの問題があるし、地元との環境等の問題がある。今後の改定に当たって道路建設の問題についてはどういう考え方で臨んでいくのかというその方針だけ伺っておきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 道路建設は、それぞれ地区の要望にこたえて、あるいは今後の国道の計画的な方向で進めていくためにも、われわれは計画どおり進めていきたいという考え方には変わっておりません。ただ、御承知のような状態でありますから、今年度も公共事業を大幅に抑制せざるを得ないことも御承知のとおりでありまして、そういうことが一日も早く緩和されて予定どおり工事が進行できるようにと思って、私どもはその方向で努力をいたしておるわけであります。したがいまして、新しい経済基本計画も五十一年度から発足するようでありますから、結局いままでの計画は一応五十年度で見直して、五十一年度から新しい計画で出発するという形にならなきゃならぬことはやむを得ないことじゃないかと思いますが、それにしても、できるだけ従来の計画を踏襲して推進をしていくようにいたしたいと、こういう気持ちでおります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうすると、いままでの計画がおくれた分を、予算を、まあ安定成長下においてどれだけの予算かというと、非常にこれは大変な問題だと思うんですね。そこで、期間を延長してでも、あるいは五カ年計画を洗い直しても、いままでの計画は全部完成するという、こういう計画ですか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) そのとおりでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それではこの東関東自動車道ですね、具体的に工事の路線発表から現在の用地買収にまつわる問題について、どの程度進行しているのか、この点。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 具体的な細部にわたりましては、道路公団から伊藤理事がお見えになるということで……。  東関東自動車道鹿島線の、いま御指摘の成田市から北の方、潮来町の間、この間につきましては四十六年の六月に基本計画が策定され、翌四十七年の六月に審議会におきまして整備計画が決定されまして、この整備計画に基づきまして日本道路公団は施工命令を受けまして調査を進め、昨年の四月に路線発表を行っております。以後、引き続き各部落単位の事業説明を行いまして、昨年の十二月に、一部の区間を除きまして測量立ち入りの了解を得て中心ぐいの設置を行いました。この三月に残りのいま申しました一部区間も中心ぐいを設置したというふうに報告を受けております。なお、この区間の完成目途は五十四年度でございますが、先ほど申しましたように若干おくれる見込みでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは問題なんですね。基本計画が四十六年の六月にもうでき上がって、四十七年の六月に整備計画が大体役所の方では全部決定して、まあこの路線が漏れたかどうかという問題は後からの議論になると思いますが、こういう問題から四十九年の四月にこの路線発表が行われたわけですね。そうしますと、この千葉県佐原市の大倉地区は通過予定地ですか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 通過予定地に入っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 この佐原の大倉地区、この土地を買ったのは、千葉県の農住都市開発協会が購入していると私は思うのです。四十七年の末に購入しているわけでありますけれども、この農住都市開発協会、これは農林省が助成金を出し、あるいは補助育成して、開発公社として各県に二十ばかりつくった。この農住協会の農住都市構想の一環としてつくった問題だと思うのです。これの趣旨についてもう一度伺っておきたいと思う。

斉藤吉郎農林省農林経済局審議官

○説明員(斉藤吉郎君) 千葉県の農住都市開発協会でございますが、ただいま先生のお話のとおり、農住都市建設の促進を図るという目的をもちまして、千葉県知事の許可を受けまして設立されました社団法人でございます。  会員、事業内容等のあらましは、事業内容といたしましては、農住都市の建設に関しますところの調査研究、あるいは知識の普及、さらに農住都市建設にかかわりますところの用地並びに施設、さらに建物の取得、造成並びに処分、さらにその他用地取得及び分譲あっせんというのが事業内容になっておるわけでございまして、会員といたしましては百二十五会員、県庁、県下の農協、県連合会等がこれに加わっておる、そういう団体でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 道路公団も、よく私指摘しておきたいのですけれども、この農住協会というのは、あくまでも農民が都市近郊において住宅建設を推進するというもとに農民が土地を手放した土地なんですね。当時は非常に安いけれども、農住都市開発協会というこういう協会が、農協を組織とし、あるいは開発協会で住宅を促進するというもとで近郊農業においては協力するという立場からもこの土地を手放したと思うんですね。ところが、この都市開発協会が具体的にどういう内容でやっているかということについては、私、朝ほど農林省に指摘をしました。しかし、この農民が土地を手放さなければならない理由の中には、この役員が、やはりいろいろな問題点があると思うんですね。特に、この千葉県の農住都市開発協会の役員はだれですか。

斉藤吉郎農林省農林経済局審議官

○説明員(斉藤吉郎君) ただいま御指摘の千葉県農住協会の県の職員で、この協会の役員を兼務いたしておりますのは、県の副知事が副会長……

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 会長はだれ、会長が問題だよ。

斉藤吉郎農林省農林経済局審議官

○説明員(斉藤吉郎君) 会長は農協中央会長でありますところの染谷誠先生でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 この協会が——農協の会長です。衆議院議員です。それから県の役員が入っている、副知事とかそういう役員が入っている。こういうわけで農民も農住協会へ住宅建てるという趣旨のもとで私は土地を当時手放したと思うんですよ。ところが、この土地を具体的にどのように処分をしようとしているのか、あるいは処分をしたかというところが問題なんですね。時間が余りありませんのでね、細かなことは私の方から申し上げますけれども、この道路計画を発表したのが四十九年四月ですよ。本来ならば、この道路ができなければここへ住宅を建てる予定ではなかったかと思うんですよね。ところが、四十六年の六月にはもう基本計画ができて、ここには道路が通るということは大体それ以後においてわかっていたはずなんです。あるいはわかっている問題なんですよ。ところが、この農住協会が土地を転売したのは東京の三不動産会社に転売をしているわけです。もし道路が建設されるのであれば、農住協会から当然道路公団との間に売買されるというのが本来の姿だと私は思うんですね。ところが、四十九年の四月にこの道路の計画を発表した、農民から土地を買い上げたのは四十七年の十二月前後ですよ、この地域一体を買い上げたのは。そこに自動車道が通るというもとに四十九年の十二月に東京の三不動産会社に売買しているわけです。これはあくまでも道路公団が道路を通すという状況がわかったもとで農住協会が転売しているという、ここが受けとめられないわけです。この点についての農林省の方ですか、具体的に手放した理由等について調査されておりますか。

斉藤吉郎農林省農林経済局審議官

○説明員(斉藤吉郎君) 御案内のとおり、千葉県の農住協会直接の管轄と申しますか、管轄は先ほど申し上げましたように千葉県でございまして、この関係につきまして目下千葉県を通じましていろいろと調査中でございまして、現在まで詳細には承知しておらないわけでございます。ただいままでの間で承知しているところについて申し上げますと、ただいまの佐原市の大倉所在の本件土地でございます。これにつきましては、当初宅地として販売するという本来の農住協会の計画で取得をいたし、その後お話のございました関東自動車道が当該土地を縦貫するということになりましたために、住宅地区としては不適当であるということになりましたために不動産業者に売り渡したというぐあいに聞いておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これが問題なんですね。不動産会社に転売をする理由は何もないわけなんです、私から言わしてみれば。本来ならば農住協会が、もし道路が引かれるのであれば農住協会が転売すればいいわけです、道路公団に買ってもらえばいいわけでしょう、本来から言えば。これをわざわざ路線計画が四十九年の四月に発表して、その当時は農住協会が持っておった。その十二月にわざわざ東京の三不動産会社に売買しなければならないという理由が、あれは京橋に本社を持つそういう不動産会社に売買しなければならない理由がおかしいですよ。  もう一つおかしなことがある。四十九年の七月に、これは不動産会社の名前を挙げますけれども、株式会社大産というところです。これが実際に佐原の市長に宅地開発事業の申請を出しているわけですよ、これは。形だけだと私は思うのですよ。佐原の市長は、もうこれはおかしい、そして道路公団と協議をされたいということで突っ返しているわけです。わかり切っている問題、だれが市長さんでも、だれがやってもこんな問題突っ返す。道路公団が四十九年四月に発表しているわけですから。この問題について道路公団と株式会社大産との間に協議が行われましたか、どういう協議が行われましたか。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) 四十九年の四月に路線発表をしました。いまの大産所有地につきましていろいろ大産の方から計画を持ってきまして、道路の通る実際のところを知らしてくれというような接触がございました。これに対してはルート発表後でございまして示してございます。その後いろいろ自分の方の計画に支障のないようにしてくれというような意味合いの接触が事務所とあったようでございます。その程度でございます。   〔主査退席、副主査着席〕

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それはおかしな話で、自分の方の計画に支障のないようにしてくれと、支障があるようにわざわざ土地を買っているわけですよ。もう四十九年四月に道路が通ることを発表して、接触の段階でも事実上大体わかったわけでしょう。道路公団、それを教えたわけでしょう、どうですか。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) ルート発表は当然一方的なものでございますので教えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 だから、四十九年の四月に発表していますから、大産とのこの話し合いについてはもうすでにルートを教えているわけです。それからそのときはまだ大産は買ってなかったんです、用地を。登記謄本を私は調べましたら買ってないんですよ。買ってなくて四十九年の十二月、皆さん方の方と協議をしなさいという佐原市長からのアドバイスがあって道路公団と協議をした。それから四十九年の十二月に買っているわけです、この不動産会社は。これはまた、くしくも三つが同じように買っているわけですよ。これはもう道路公団が買い上げてくれるという、あるいはこれは高く買ってもらえるという一つの証拠に不動産会社が登記したわけじゃないですか。この点についての約束はなかったのですか。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) 当該土地についての用地買収の話は、私の知っている限りでは全然出ておりません。まだその段階になっておりません。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 きょうはそれでとどめておきましょう。細かな問題はあれでしょうけれども。これは具体的にその話の約束ができていなければ、これはもうこんなところに不動産会社がわざわざ介入をする理由がないんですよ、恐らくね。道路計画がわかって、わざわざ都市開発協会が売るように進めているわけですよね。ここに私は政治的な意図、あるいはまた道路公団とこの都市開発協会と、それから三不動産会社のまつわるいろいろないやなものを感ずるわけです。この点についてどうしても大倉地域を通らなければならないという現在の路線であるならば、道路公団としてこの問題どう処置していますか。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) この地点につきましては、ルートがどうしてもここを通らなければならないという具体的な地理的な条件はございません。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 ない……。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) あります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 あるでしょう。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) はい。したがって、このルートをいまから変えるというつもりはございません。したがって、不動産会社というようなあれがございますけれども、大体この土地を私の方では取得をして仕事を進めていきたいと考えております。   〔副主査退席、主査着席〕

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 こういうやり方で公共事業をどんどん進めていこうという、建設大臣、こういう例が各地においていろいろ見受けられる点も私はあると思う、新幹線にしてもあるいは道路の建設にしても。しかし、この一つの例が、特に農林省が監督官庁でもありますけれども、農住協会については建設省も農住都市構想の一環として補助金出して育てたわけです、これ。こういう問題が住宅建設というもとで農民から安く土地を買い上げて、そしてそれを悪徳不動産会社に利用されて、そして道路公団がまた高い値段で買わなきゃならないというようなことになっては、一番悲劇を受けるのはこれはまじめに土地を供出した農民ですよ、これは。こんな姿が公共事業であっていいかどうかという問題ですね。特にこの千葉県の農住協会の問題については、やはり県の幹部も入っている、しかも農協の幹部、いわんや議員等も入ってこういう問題が絡まってくるということについては、私はこれは非常に不自然だと思うんですね。こういう問題について、農住協会に対して農林省はもっと厳しく、あるいは建設大臣、補助金も出し、農住都市構想で住宅団地をつくろうという、こういう考え方は私は洗い直すべきじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。

斉藤吉郎農林省農林経済局審議官

○説明員(斉藤吉郎君) 農住都市の構想そのものにつきましては、そのとおり事が運べばこれまた一つの結構な話であるということであろうと思うわけでございます。ただいま先生御指摘のように、具体的にわたりました場合において、若干不適当であるようなものが見受けられるということにつきましては、午前中農林大臣に対します先生のお話でも、大臣からお答えをしまして、残念なものがあるということは認めざるを得ないということで、そういうものにつきましては、今後とも直接の責任官庁でありますところの都道府県を通じまして、これと十分な連絡をとって、その運営に過ちのないように期してまいりたいというのが現在の考え方でございます。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) いま農林省の方からもお話がありましたように、農住の問題は、都市周辺の農民が農地を提供してくださって、そうしてそこに住宅が建設されるということについて、われわれが非常に望んでおることであって、そういう趣旨で今後もぜひ農住都市開発というものは考えていきたいと思っておるのでありますから、あくまでも趣旨は宅地を提供するということでなければならぬのであります。せっかくそうしてつくった、農民から買い上げたものが、目的の方へいかずに道路公団の用地に買収されるといったようになることは、これは経緯はいろいろあるようでありますから、そのことのよしあしは別問題でありますが、目的に反したことでもありますし、私は一般論として、われわれはどうしても公共事業を推進していくためには用地取得をしなければならぬのでありますから、どこまでも適正な価格で公正に行われるということは、これは申し上げるまでもございません。いわんや用地取得が一部の不動産業者に不当な利益を与えるようなことがあっては断じてならぬということは当然のことでありまして、これはわれわれの今後厳重に戒めていかなければならぬということでありますし、そういう方針で進めてまいっておるつもりでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それが進んでいないんですよ、建設大臣、農住都市建設構想と言うけれども。その前に、道路公団に最後もう一つ伺っておきますけれども、やはりこの用地の買収に当たっては、私は農民も相当監視している問題です。不当な利益で転売されるようなことがあったら、これは農民は大変な怒りですよ、ある意味では。農協に金を預け、あるいは県信連に金を預け、その金で用地を取得され、そしてその農住協会が今度は不動産会社に土地を流し、その不動産会社が利益をこうむって道路公団が買わなきゃならない。国民は高い税金取られて、それを負わされるというような感じです。あるいは農民は非常にそういう被害を受けなきゃならないという問題、こういう点についての、この用地取得について、やはり道路公団というものはこの建設に当たって、この用地買収に絡んだいろんな疑惑が、あるいはもう千葉県でも大分問題になっている土地です、これは。こういう点について厳重な処置をしていただきたい。私はほんとはこういうところは路線変更してもいいんじゃないかというぐらいの気持ちを持っていたわけですよ。こういうわざわざ計画示し合わせたような土地、こういう問題について疑惑の絡むような土地を用地買収をしなきゃならない、しかし、道路の設定過程から言って相当無理なような真ん中を買い取ったわけでありますから、非常に不可能かもわかりませんけれども、この用地買収に当たっては、やはり国民が納得のできるような線の用地買収を私はやってもらいたいと思うんです。この点についての意見を。

伊藤直行日本道路公団理事

○参考人(伊藤直行君) おっしゃるとおり、恐らくは今年度は用地買収には入らないと思いますが、五十一年度もちょっといまのところではまだそこまでいかぬように考えておりますけれども、用地買収になりましたときには厳正な方針を持って臨むつもりでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 まあ、この問題が、やはり農林省、建設省から補助金を出して、そして育てた、こういう農住協会がゆがめられてきているというところに私は一つの大きな問題点だと思うのです。住宅計画の中で、農住都市構想に基づいて全国で農住団地をつくっておりますけれども、大体実際どのぐらいできたんですか。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) いまの先生のお話でございましたが、農住協会そのものには一切補助をいたしておりません。そうでなくて、農地所有者の方に補助しておるわけでございます。農地所有者の方がいろいろと賃貸住宅をおつくりになります場合に利子補給金を出しております。そういうものに対しまして、農住協会の皆さんが計画の作成なり、指導なり、その他あっせんに当たられるというのが実情でございます。現在、農地のための賃貸住宅建設融資利子補給制度というものによりまして、四十六年度から始めたものでございますけれども、全国で約四千七百戸現在までに建っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これはきょうは時間がないから、建設と用地の取得の状況とを詰める時間がありませんから、建設大臣、言っておきますけれども、全国で二十協会あるんですよ。二十の協会が用地を取得した面積というのは相当なものですよ、これは。いわんやこの協会が、宅地ではなしに、たとえば群馬なんかの場合は、札幌にまで手を伸ばして土地を買っているわけですよ。まさしく転がして用地を取得して、それで利益を得ているにしかすぎない。こういう実態で、団地をつくるどころか、まあ政府が国民の住宅難の解消という美名のもとに農協法を改正し、そしてその住宅をつくるんだといった名目からは、ずいぶんかけ離れた農住協会の実態になっている、農住都市構想の実態になっているわけですよ。これはむしろ用地の買収のための、あるいは土地を売って利益を得るための団体にしかすぎないような農住都市構想にしてしまったと言っても過言ではないです。こういう点を、やはり農林省も、けさ私は農林大臣と具体的にこの問題で少し詰めましたけれども、建設省としても、この農住都市構想が果たしていまの時点で計画を進めようという住宅建設計画に合っているのかどうか、もう一遍洗い直して、そしてこの住宅を建てるものは住宅を建てる、あるいは用地の余分に持っているというか、あるいは住宅建設以外にこういう用地を取得しているという問題等についても洗い直して、やはり住宅建設に取り組むべきではないかと思うのです。これはこのまま住宅が建つと思って住宅五カ年計画やあるいは今後の計画に入れていくようなことになったら、私は大きな狂いが生じてくるのではないかという点を指摘しておきたいと思います。この点について、建設大臣。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 私どもの期待した趣旨と反した方向に仮にいっておるとすれば、これはぜひひとつそういう方向は是正をしてもらって、本来の趣旨で本当の農住都市計画が進めていけるようにわれわれが期待し、むしろ私ども農林省の方にそういう方向で進めてもらいたいということを相談をしておる立場におるものでありますから、御指摘を受けた問題につきましては農林大臣ともよく相談をいたしまして、そういう方向でひとつ間違ったものがあるとすれば、直ちに実行してもらうように指導をしていただく、そういうふうに努力をいたしてまいります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 その考えでこの農住協会については具体的に手を入れて、そして住宅建設のこの計画にマッチしていくような姿をとるべきではないかと思うんです。私は時間がありませんので、要望として、いやしくも、やはり農民が一生懸命優良農地を確保し、あるいは近郊の土地をつくって、あるいは自分の金を出し、あるいは国から助成もあったかもしれない、しかし、食糧自給の立場から考えても、こういう土地を確保しなければならないという現在の時点にありながら、やはり一部の不動産が暗躍し、あるいはそういう協会が農民から集めた金、あるいは県信連の金をうまく利用して用地取得に走るというようなやり方、そして転売でもうけるというやり方、こういうやり方で進めているというやり方は私は納得できないと思うんですね。したがって、住宅計画の美名に隠れたこういう問題が再度再発しないようにここで総点検、洗い直しをし、そして国民の要望するような住宅計画を進めていっていただきたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思うんです。

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 速記を起こして。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、きょうは信濃川河川敷問題、これについてお伺いするんですが、その前に、御承知のように田中金脈問題というのは日本の政治史上のいわば一大汚点と言われるほどの大問題でありましたが、三木内閣成立いたしまして、クリーンを標榜し、あるいは金脈問題を国会で明らかにするとまでおっしゃったんですが、その後の経過を見ますと、この金脈問題というのは大変どうもしりつぼみの傾向があると思うんですよ。たとえばあの脱税問題にしても、大蔵省はわすかの追徴金で事を済まそうとしている、こういうこともありますが、もう一つの土地転がしの方ですね、宅建業法違反の問題、この問題はまさに建設省の所管の問題でありますし、まずそこから私はお伺いしてみたいと思うんですが、建設省は先月ですか、警察庁に通告をされたわけです。その後まあ警察庁が、あるいは警視庁がいろいろ捜査されて結論が出たと思うんですが、まずそういう面から警察庁がどういうふうにこの事件を処理されたか、結論だけひとつ最初お伺いしておきたいと思うんです。

四方修警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(四方修君) 御質問の新星企業の宅地建物取引業法違反につきましては、去る二月二十七日に建設省から通知を得ましてから、警察庁におきましては警視庁において捜査を行うよう指示をいたしまして、その後鋭意捜査を遂げました結果、去る三月二十六日に同社、並びに同社の前社長及び現在の社長、この三者を被疑者といたしまして、宅建業法第十二条違反の容疑で検察庁に事件を送検をいたしました。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その際に何か警察庁としては検察庁に意見をつけられましたか、どうですか。

四方修警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(四方修君) 当然のことながら、意見を付して送検をいたしております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 どういう意見をつけてなすったんですか。

四方修警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(四方修君) 一般の消費者に被害が及ぶような、つまり通常私たちの方で検挙いたしておりますような、そういう意味での悪質性は認められなかったわけでありますけれども、免許が失効いたしまして無免許であるということを知りながら宅地建物の取引をやったということで、相当な処分をされるべきであるという意見を付して送検をいたしたわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 室町産業はどういう処理をされましたか。

四方修警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(四方修君) 室町産業についても捜査を行ったわけでありますけれども、宅地建物取引業法違反には当たらないというふうに判断をいたしました。送検はいたしておりません。   〔主査退席、副主査着席〕

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 結果はいまお聞きのとおりですが、とすると、どうも大山鳴動してネズミ一匹という感じが私どもにはいたします。あれだけの大事件が新星企業の十一件だけ書類送検をした。まあしかし、その中でも警察庁としては相当の処分が必要であるという意見を付して出したと、これはまあそれなりに評価できると思いますが、とにかく室町産業は不問だと、まあ大変どちらかというと金脈の源流というものをよけて通っていっておると、むしろその除外されたところの方が大きな疑惑が残る結果ではなかったかと私は思うんです。  そこで、建設大臣にお聞きしますけれども、大体これは建設省の所管の問題、宅建業法違反は。   〔副主査退席、主査着席〕 その際、建設省はとにかく三カ月間も時間かかって調査をした。しかも八件だけ警察庁に通告と、しかし、調べてみたらそのうち一件は時期が違っておったというふうなことで、大変ずさんな結果になっておる。建設省としてはこの一連の問題を本当に取り組む姿勢を持っていらっしゃるのかどうか、それをまず大臣にお聞きしておきたいと思うんです。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 大変私どもとしては残念なお言葉を承りますが、慎重にこれはわれわれは調査をし検討をして結論を出しませんと、少なくとも事がそれぞれの人に関する問題になりますから、そういう意味では慎重の上にも慎重を期したということでありまして、決していいかげんに扱ったとは思っておりません。しかも事が宅建業法の違反かどうかという問題が私どもの調査の課題でありますから、そういうものをよく調査をしてみて、そしてその結果が御承知のとおりのようなことになったわけでありますから、私ども決していいかげんにその場限りで、何か逃げ腰でやったというふうな考え方は毛頭ありません。厳正に調査し結論を出したと、かように思っております。なお、必要があれば詳細は局長から答弁いたさせます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大臣は非常にまじめにやったとおっしゃるんだけれども、いま言われたように結果が出ているわけですね。いまも言いましたように、全く何か大山鳴動してネズミ一匹しか出てこなかったというような結果、これでは国民は納得しませんし、私どもも納得できない。で、私が大臣に聞くのは、要するに、何か今度の一連の宅建業法の違反、土地転がしの問題は、前にも大臣が建設委員会でありますか、何かでも言っておられたように、被害者がない、形式犯だというふうな非常に甘い、どちらかというと甘い見方、もっと厳しく言えば、企業サイドの見方とも言えると思うんですが、そういう姿勢があったと思うんです。その点を私大臣にお開きしたんですが、再度そういう点をはっきりしていただいて、問題はまだ私きょうこれから出すんですけれども、その姿勢を、まずそういう企業サイドの姿勢ではないと、あくまでも厳正にやるんだという態度ならば、再度ひとつ所見を聞かしていただきたいと思うんです。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 宅建業法というのは、御承知のように不特定多数の者に対して宅地を販売してはならない、しかも反復継続してはならぬと、そういうことでありますから、それに違反するかどうかという問題であります。不特定多数の者でないということはもうはっきりいたしておりまして、そういう意味においては一般の人に何ら迷惑をかけていないということははっきりいたしておるわけであります。継続反復というのをどういうふうに解釈するかという問題であります。これは一応議論の余地があるところでありますけれども、いずれにしても宅建業法の免許なしに、更新が切れてから無免許で少なくとも宅建業をやっておるんだから、これは一応宅建業法違反の疑いがあるというふうに私どもは断定をいたしたわけでありますが、それ自体にもいろいろ考え方はあると思いますけれども、私どもは少なくとも免許なしに土地を売買したんだから、いずれにしても違反だと、こういう結論を出したんであります。そういう意味で決して私どもはいいかげんな扱いをしたとは思っておりません。御理解を願いたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃあ、この問題がまさに中心問題だと思うんで具体的にお聞きしますけれども、信濃川の河川敷の買い占め問題ですね。これは田中金脈問題の中でも最大の事件で、国会でも再三再四取り上げられた問題でありますが、いま不特定多数で被害者がないんだと、迷惑をかけてないんだとおっしゃっておるんだけれども、私どもの見方からすると、現実に農民の被害者がたくさんおるという事件だったと思うんですよ。まさに形式犯でなくて実質犯であるというふうに考えておるんですが、この信濃川の河川敷の問題をどのように大臣としては解決されるつもりなのか、その方向をお聞きしたいと思います。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 信濃川の室町産業の買収行為につきまして、被害者が出たかどうかという問題につきましては、宅建業法という問題との関係において見ますれば、買収いたしました三十九年から四十年の当時の状況、それから室町産業はそのときに宅地とする目的で買収したといういろいろな客観的情勢から見まして、確証がない等の点から見まして、業法上違反がないというふうに考えたのでありまして、宅建業法を離れまして、当事者の間の契約上あるいは得べかりし利益があったのにかかわらず損をしたというような問題でありますれば、これは当事者間の問題として民事事件として扱うべきでありまして、宅建業法の問題としての焦点の問題ではないというふうに考えた次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その具体的な論議に入る前に、大臣にお聞きしたかったのは、先ほども警察庁の答弁の中で、なるほど法的に見れば不問といいますか、それほど問題でなくとも、社会的に見ればそれは重要な問題だから相当の処分が必要であるというふうに意見を付して送検をされた。だとすると、それに比較して建設省のいまの大臣のお言葉から考えまして、私は非常に消極的だというふうに考えるのですが、その辺は大臣どうですか。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 私からちょっと補足さしていただきます。  先ほど警察庁がお答えになりましたのは、新星企業に対して意見を付して出されたということでございまして、室町産業につきましては建設省で調べました結果等も意見として警察庁の方に出してございますが、それに加えまして別個の立場から御判断になり、平たく言えばシロということで送検されなかったというふうに理解しているのでありまして、私どもは室町産業につきましても新星企業に対しましても、同じ姿勢でもってその意見の陳述やらあるいは傍証固めと申しますか、われわれのできる範囲のことは時間を相当かけまして、慎重に審議したつもりでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃあ、話を進めましょう。  その河川敷の室町産業の買い占め事件、これは先ほど宅建業法の違反じゃなくて、商法か、民法か、契約の問題だと、こういうふうに言われておるのですが、じゃあその契約の問題から詰めてみましょう。御承知のように、あの契約は当時建設中の堤防がかすみ堤である、本堤防でないんだと、だから水をかぶるのだというふうに農民はいわばだまされた形であの契約を結んだ。私、昨年の十一月に現地の蓮潟の農民の皆さんといろいろ懇談会を開いて、具体的にお聞きいたしました。あなた方は一体どうしてあの契約を結んだんだと、いや、当時とにかく水をかぶるのだと、そういうことだから、つまり堤防が本堤防になって、もう水をかぶらないんだということを知らされなかったから、どうせ取り上げられるものならばしようがない、この際処分しようと、売ってしまおうと、こういうふうに考えて契約を結びましたと、証言しておられるのですね。だとすると、宅建業法の四十七条「業務に関する禁止事項」というのがありますね。「重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」、これは禁止事項ですよ。この禁止事項に該当するんじゃないですか。つまりだまされたんですから。その点でやはり宅建業法違反ということになるのじゃないかと思うのですが、これはどうですか、建設省。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 四十七条の規定は、重要な事項、業務に関し相手方に故意に告げなかったと、こういう規定でございます。で、当時の状況から勘案しまして、かすみ堤であって、そして将来これが本堤防になるかもしれないというようなことは、当時の状況からいたしましてまだ、仮定の話ならばともかくといたしまして、三十九年から四十年に買収いたしました当時におきましては、そういう計画は客観的にもございませんでしたし、四十一年の建設大臣の、当時の橋本建設大臣の答弁にもこれははっきりとかすみ堤であるということを後で御答弁になっているところから見ましても、これはむしろ本堤とするということの断定を下す方がむしろ不確定な事実でございますから、そういうはっきりした事実を相手方に告げなければならないことは重要な事項の中に入ると思いますけれども、不特定な事実を相手方に告げる義務はないというふうに考えるものでありまして、この四十七条の重要事項の告知義務には当たらないというふうにわれわれは考える次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 三十九年、四十年の当時、かすみ堤で本堤になってなかったと、こうおっしゃるのだが、しかし、結果から見るとこれは本堤になっているわけでしょう、現実に。だとすると、この計画がもちろん途中で変更するということもあるかもしれませんが、あれだけの工事ですよ。あなた方現場へ行ったことありますか。大変な大工事ですよ。あの工事がそう簡単に、かすみ堤から本堤に切りかえたなんていうそんなものでないことは、これは現場を見ればもうはっきりするんですよ。ですから、農民にすればだまされたと、こういう気持ちを持つのはあたりまえだし、また今度の田中金脈事件というのはいかに悪質なものであるかということが、あの一連の土地の買い占め、新星企業から室町産業、あるいは幽霊会社をいっぱいつくっていわば計画的にやった非常に悪質な事件だったわけでありますから、当然この河川敷の場合でもそういうふうに見ることの方がむしろ常識的なんであって、そうでないそうでないと強弁されるから私はおかしいじゃないかと、こういうふうに言うんです。これは社会的な常識ですよ。いわばあれだけの工事を、だまして農民から土地を取り上げた、こう見るのが私は当然なんで、だとすれば、私は建設省がもっと積極的に調査をし、あるいは警察庁もその捜査をする、これは当然の私は公務員としての義務だろうと思うのですが、その点どうですか。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 繰り返しになりますが、本堤の変更というのは確かに四十三年に行われました。私が先ほど申しましたのは、農民の方方が室町産業に売った当時、この室町産業が、これは本堤になるかもしれないよというようなことを言わなかったということであるならば、その当時としてはそういう客観的事実は知り得る状態になかったし、確定していなかったことは明らかであるということを申し上げたのでありまして、したがって、その重要事項を告知しなかったということには当たらないということを申し上げたのです。その後本堤の計画が確かに変更になりました。したがって、後になって考えてみれば、あのとき売らなければよかったというようなことが随伴して起こるかもしれませんが、それは当時の状況からわれわれは判断いたすのであります。当時の状況、そういう意思をもって、そして買い、かつ明らかにそれがなることがはっきりしておった客観情勢があるのに、それを告げなかったということに該当しているかどうかということが一つの決め手であろうというふうに考えたのでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 だから、あなた方は一方的に断定するんではなくて、われわれのような意見もあり、農民のそういう声もあるんですから、なぜそこを調査しなかったのかということを聞きたいんです。ただ、法解釈をやって事を済ますというのではなくて、現実の政治ですから、実際にそういう問題が起きたら、なぜこの室町産業に対して徹底的なメスを入れなかったのかということなんです。そこで、どうも建設省は私聞いても同じような答弁しか出てこないんだが、この契約の問題から言いますと、刑法あるいは民法上疑義がやはりあるんですね。これはいままでもずいぶん論議もされてきたのですが、そこで、法務省にもお聞きしたいんですが、この契約は刑法第二百四十六条「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ処ス」というこの詐欺の罪、これに該当するのかどうか。あるいは第二番目に、こうした事態における契約というのは、民法九十五条「錯誤による意思表示」として無効というふうに処理できるのではないかというふうに考えますが、この辺の法的な見解をお聞きしたいと思うのです。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○説明員(根岸重治君) 刑法の関係について私からお答えいたします。  一般に、詐欺罪が問題になっている事件について成立するかどうかということにつきましては、具体的な事案に関することでございますので、直接私の意見を申し上げるのは適切でないと思いますので御勘弁いただきたいと思いますが、一般論として申しますと、ただいま建設省からの御答弁にもありましたけれども、詐欺罪が成立する場合には、いわゆる欺罔行為が必要なわけでございます。その際に、ある事実を知って告げなかったことが詐欺になるかどうかという問題になると思いますが、その場合の問題点としましては、その買い主なら買い主の方が、そういう事実があるということを確定的に知っていたかどうかということがまず一つ問題になると思います。  次に、知っていたことを告げないことが直ちに詐欺になるというわけにはまいりませんで、たとえばあの土地が値上がりしそうだという情報を知っておった場合に、必ずその情報を相手に伝えないと詐欺になるというふうに一般的には直ちには言えないわけでございまして、それが条理上あるいは法規上そういう告知義務があるという場合に限って詐欺罪の成立を認めるというのが判例実務の通説であると思います。したがいまして、本件の場合、ただ知っていた事実を告げなかったというだけで詐欺になると直ちに断定することはきわめてむずかしいというふうに考えるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 民法上の、九十五条は。

古館清吾法務省民事局参事官

○説明員(古館清吾君) 本件の事案につきまして、民法九十五条の錯誤が問題になるのではないかというお尋ねでございますが、ただいま私どもこの事実関係については十分承知しておりませんので控えさしていただきたいと思いますけれども、ただいまの建設省の答弁の内容からによりますと、ただいま売り主はかすみ堤の計画のもとにある土地につきまして、客観的にそういう土地につきまして、そういう土地であるという意思で売ったということでございますから、その売り主については思い違いということが全く見受けられないような感じがいたすわけでございます。そうだといたしますと、民法九十五条の適用はないであろうというふうな考え方でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 どうも答弁がやっぱりだんだん後退しているという感じなんですが、いまの刑法の問題にいたしましても、この間のこれは法務委員会ですか何かで、刑事局長は、一般的にはそうだと、これは詐欺になる、しかし具体的には、具体的な河川敷の問題はこれは建設省の解釈が必要だというふうなことを言っておられたんだが、いまの答弁はそれより後退しているような感じがするんですがね、どうですか。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○説明員(根岸重治君) 刑事局長の答弁も、よくお読みになりますと、私の理解するところでは、法律上の告知義務があるような場合にはということでお述べになっていることでございまして、私のただいまの答弁は、ただ単に告げなかったというだけではむずかしゅうございますと言っておるわけでございまして、法律上あるいは条理上ということを加えましたけれども、告知義務があるようなケースは別としてということを私も申し上げております。変わらないと思いますが。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃ、とにかくこの問題はもう少し保留して次へ進みましょう。  先ほど局長から宅建業法違反でないというお話があったんですが、御承知のように室町産業は免許取得の前にこの土地を取得しておるんですね、御承知のように。三十九年、四十年というのはまだ免許を持っていないのですから、室町産業が免許を取ったのは四十二年三月二十日から四十五年の三月十九日までですね、三年間です。ところが、室町産業やったのはその前なんです。しかも二十数万坪ですよ。そして契約件数も数百通という、相手の農民からいっても百人以上、もう膨大な、大変な土地を買ったわけです。で、しかもそれが免許を持ってないときに買ったんですが、一体これは、これがいわゆる売買行為あるいは宅建業法違反にならないのかどうか、この点はどうです。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) お答えの前に御理解願いたいんですが、実は宅建業法が四十年に改正になりまして免許制度に切りかえられました。それ以前は宅建業法上は登録制度というのがございまして、登録によって業を営むことができることとし、そしてその営業上のいろんな禁止規定等が書かれておったわけであります。ところで、この室町産業の場合につきましては、いま言いました法改正前の登録制度による登録を受けていたというふうに、責任者の陳述によればそのように述べておりますし、事実われわれも東京都の関係でございますから東京都に問い合わせたりいたしましたが、登録簿は東京都で廃棄済みになっておりまして確認はできなかったのであります。しかし、東京都か免許しようとする際——免許を受けておりますから、これはその後。そのときには、申請者につきまして無登録でいままで営業していたかどうかということは厳重に調べることになっておりまして、だから無登録で営業していた者に免許を与えるはずはないというふうに考えられるわけでありまして、そこでわれわれは、室町産業と新星企業につきましては免許失効後の昭和四十五年以降について調査いたしたいということを国会でも御答弁申し上げ、四十五年以降に焦点をしぼって調査をした次第でございまして、登録時代のことは調査いたしていないのでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ですから、登録制時代のことは知らないんだとおっしゃるんだけれども、それではやはりこれだけの疑惑は私は解明できないと思うんですよ。徹底的にやっぱり調べてみる。東京都がこんなふうに言ったから多分そうだろうと、それでは私はこういう問題の処理としてはまことに不十分——不十分というよりも怠慢と言ったっていいと思うんですけれども、そういう点で私は疑惑がやはり依然として非常に濃いというふうに思うんですね。しかし、内容が大変です、大変だし、先ほどのこの契約の場合にも一出ましたが、本堤防でやったことを知らなかったというのは、要するにこの契約書にはこうなっておるんですね、停止条件つき契約というものなんですね。つまり、あれが廃川敷にならなければ契約は発動しないはずだという、そういう停止条件つきなんですね。ですから農民は、まさか遊水地がそんなになるはずがない、こう思い込んで契約をした、こういうことです。ですから、この問題でもやっぱり依然として明確になってない、こういうことになると思うんです。  それで、まあそういうことですが、まことに大変なことですが、最初建設省が、あるいは警察庁が室町産業を不問に付す理由として挙げられたその理由というのは、要するに不特定多数間の取引でない、あるいは反復継続してない、あるいは取引が——これは新聞などで報道するんですが、身内、知人に限られているというようないろんな理屈でございましたけれども、しかし、これはどう考えてみても、この相手の農民が百人もいて、契約書が百通もある、そういう事件だとすれば、これはやっぱり業として、売買行為として成立すると見るべきではないかと思うんですが、その点はどうでしょうかね。これは建設省、法務省両方に聞きたいと思うんですが。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほど大臣から申し上げましたとおり、この宅建業法上の業としての行為に該当するかどうかということの判定には、地目だとか、あるいは山林であるとか、河川敷であるとかというような地目だけにこだわるわけではございません。明らかにそういう意思を持って、他に宅地として転売する意思を持って行ったかどうか、しかも一それを反復継続して消費者に転売するという目的を持ってやったかどうかということが一つの業という態様に該当いたしますので、で、われわれはそれを中心に調査を行ったのでありまして、相手方の陳述のみならず、それと照合いたしまして事実関係をできるだけ時間をかけて詳細に調査いたした次第でございます。その結果、買収してまだ売却はしておりませんから、持っているということだけでございます。その当時これを他に売却するという意思は持っていなかったという当事者の発言でもありましたし、それからまたこれを明らかに他に転売する目的であるという何らかの確証が実際には得られなかったのであります。たとえば田中前総理が、これは何かのお役に立つものに使いたい、こういうことをおっしゃったというようなことがありますけれども、たとえそうでありましても、これは工場敷地というように自家用、自分が使うというようなものであるならば業にはなりませんし、それからまた繰り返しになりますが、他に転売するという事実が確認できなかった、以上のようなことを総合勘案いたしまして、宅建業法上の業にはならないのではないかというふうに考えた次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大事な問題が幾つか入っておるんですがね、時間が大変ないので大急ぎでまとめてやりますが、いまの問題で、まず意思があったかなかったか、こうおっしゃるのだが、で、なかったと認めておると、当事者がそう言っていると言うんですけれども、いみじくもいま田中さんの言葉が出ましたが、田中さんはとにかくこの土地を利用して事業を行う、その目的で室町産業を設立したんだと、こう記者会見でおっしゃっておるんですから、明らかにこの土地を利用して何かやる、事業をやるというんだったら、これは単に自分の工場を建てるとか自分の家を建てるとかというふうな問題でないことは、これは常識として私は結論づけられると思うんですよ。で、反復継続してやってなかったと言っても、将来、とにかくあそこの土地は、当時坪五百円くらいで買った土地は、これが数万円、五、六万円、あるいは十万円というところまで上がっているのですね。これはもちろん不動産業者にすれば、それを転がしてもうけるというのがこれは必然的な運命でしょうから、商売それ自体がそういうことを目的にしているのだから、それは現に売ってなくても、将来売ることを予想して買ったということは、これは当然考えられることなんですね。ですから、どう考えてみても河川敷の買い占めが宅建業法違反に該当しないという結論はどこから見ても出てこない。それは形式論で何か理屈を言えばそういういまのような答弁になるかもしれませんが、それではだれも納得しないと思うのですよ。  そこで、もう時間がありませんから、この点をお聞きしたいのですが、宅建業法というのは消費者を、言うならば国民を保護する目的でつくられた法律だと思うのですね。第一条の目的に明記されております。ところが、この事件は、その被害者が現に存在して、とにかくだまされたのだとみんな言っておる、そういう問題でしょう。だとすれば、室町産業を単に形式犯とか、あるいは業に該当していないというようなことで不問に付すというのは、この法律の精神に照らして私はやはり不当だと思うのですが、その法律の目的、第一条に照らして、建設省はどういうふうに考えておられますか。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) この法律の目的は、宅地建物の取引を行う業者に対しまして、いわば消費者保護という立場から、かような住宅難の情勢下にもございます重要な監督責任がございますので、その一般大衆の営々としてつくった、非常に金のかかるその財産の売買を扱い、あるいは仲介をし、あっせんをするという営業につきまして、不特定多数の者に損害を与えないように諸種の規定を置くことによって、それを保護し守るということに最大の主眼があるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 だとすれば、やはりその売った農民がだまされたと、損をしたといってはっきり言っておるのですから、これは。これは例外ありません、みんなそう言っておるわけです。だとすれば、この法律の精神から考えれば、やはり非常に問題があるので、そういう意味では建設省がもっと積極的に調べて、そして通告なり告発なりをおやりになってしかるべきじゃないかと思うのですが、それはどうです。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほど来申しておりますように、宅建業法上の取り扱いといたしまして、われわれはこれが無免許営業であるかどうかということにしぼってただいま御答弁しておるわけでありまして、そういう意味において、室町産業の当該行為というのは無免許——いろいろの点をいままで申し上げましたから申し上げませんが、総合勘案いたしまして無免許営業には当たらないという点にしぼって調査をし、かつ警察当局の方にもそのような御意見を送付した、こういういきさつでございまして、そのだまされたという契約の内容の問題は、宅建業法を離れまして、当初申し上げましたように、その契約上の問題として当事者間で争われるべき問題ではなかろうかというふうに答えた次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃあ、契約上の問題としてはやはり疑問が残ると、だから大いにこれは捜査すべきであると。これは何も建設省だからといって——皆さんは公務員だし、その公務員は、不正犯罪があると思量したときには告発する義務があるということが刑事訴訟法二百三十九条に規定されておりますから、私は建設省であるとかなんとかというのではなくて、そこまで皆さんが判断をされているならば、私はこれをやはり積極的に調査、捜査すべきだと思うのです。そのことをお聞きしたいのですが、どうですか。

大塩洋一郎建設省計画局長

○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほど当事者間の契約上の問題であると申し上げました意味は、当事者間の間にいざこざがあるわけでございますから、その事柄の内容というものをよく判断しなければ、得べかりし利益が発生したのかどうか、得べかりし利益であったのかどうかということが焦点になるのではなかろうかと思いまして、そういう点はやはり当事者間の問題であり、契約の問題ではなかろうかということを申し上げたのでありまして、その点に関しまして建設省の立場としましては、関知しないという意味で当事者間という言葉で申し上げた次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この問題は、ひとつもう時間も、私の持ち時間が切れておるので、ここでこれ以上詰めることはできませんから、これはまた別の機会に私はこれをもっと追及したいと思うのです。  で、とにかくこの問題は何といっても政治問題でありまして、この疑惑が晴らされない限り国民の信頼というものは回復できないと私は思う。三木さんは、信なくば立たずと大変りっぱなことをおっしゃる、まさにこういうことでは国民の不信を強めるばかりだと私は考えますので、この問題はいずれまた別の機会にお聞きすることにいたします。  最後にお聞きしたいのは占用許可の問題であります。きょうは三月三十一日、ちょうど占用許可の期限が切れる時点でありますが、いままで建設省はこの占用許可の問題は新しい立場で考えるということをおっしゃっておられ、また亀岡大臣も軽々には取り扱わないということをおっしゃっておるのですが、現地ではとにかくまだやはりあすこは、皆さん御承知かどうか知りませんが、大変野菜には適した土地なんですよ。長岡の周辺の野菜はほとんど一手にまかなっておると言っていいくらいの土地なんです。で、やはり農民とすれば、いつまでも占用したいと、こういう気持ちがあるのですが、その点でひとつ建設省としてはこの河川敷の占用を今後認める、そうしてまた同時に、この問題が解決しない限りは河川敷の解除、廃川敷という処分はしないということを、ひとつ明確にこの時点でもお聞きしておきたいと思うのですが、どうでしょうか。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) いま先生がおっしゃいましたように、現在の当該河川敷につきましての占用期間がきょうで切れるわけでございますが、私どもは現在の時点におきましてはまだ廃川処分をしていないわけでございますから、旧地主の方方が占用をお申し出になりますと、私どもはその内容を十分審査いたしまして、受理し、また許可する方針でございます。これはもういま国のものですから、たてまえでそうでございます。  それから二番目の御質問でございますけれども、先生御承知のように、河川管理者といたしましては、もう堤防ができまして四年以上も経過しているということでございます。したがって、もう堤防も安定しておりますので、やはり全国的な同じルールによりまして廃川処分をすべきであろうということでございますが、最近まで雪が降っておりまして、ようやく雪もなくなりまして、四月中旬からやはり廃川処分のための外業の調査はやらなければいけない、内業はほとんど済んでおりますが、そういうことを早くやっておこうという段階でございます。いずれにいたしましても、この廃川処分は、河川管理上はやはり処分をすべき時期に来ておるわけでございますが、いろいろな時期等につきましては、慎重にひとつやらしていただきたいと、こう考えておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ちょっと一言だけ、じゃあその廃川敷に時期が来ている、時期が来ているとおっしゃっておるのだが、なるほど物理的には、土地の条件から言えば時期が来ているかもしれないですが、こういう政治的なこういう問題で、国民がもう、全国民いや世界、やっぱり注視していると思うので、そういう点では、あくまでもそういう政治的立場からひとつこの問題を慎重にやっていただきたい。このことを最後に要望しておきまして、私の質問を終わります。

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 以上をもちまして、建設省所管に対する質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管に対する質疑は終了いたしました。  これをもって本分科会の審査は終了いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒住忠行自由民主党

○主査(黒住忠行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後六時散会      —————・—————

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