予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 374 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/29
会議録
○河田賢治君 ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより主査及び副主査の選任を行いますが、選任は投票によらず主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河田賢治君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に黒住忠行君、副主査に栗原俊夫君を指名いたします。 ————————————— 〔黒住忠行君主査席に着く〕
○主査(黒住忠行君) ただいま皆様方の御推挙によりまして主査を努めることになりました。皆様方の御協力を得てその責務を果たしたいと存じますのでよろしくお願いを申し上げます。 審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。 本分科会は、昭和五十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管を審査することになっております。 三十一日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日午前を運輸省、午後郵政省、三十一日午前を農林省、午後建設省という順序で進めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(黒住忠行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 次にお諮りいたします。 各省庁予算審査の冒頭、各省庁から聴取する予算の細部にわたる説明はこれを省略し、それぞれの審査日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(黒住忠行君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 昭和五十年度総予算中、運輸省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○瀬谷英行君 まず、これからの労使慣行の問題等について大臣にお伺いしたいと思います。 三月二十七日に春闘、大がかりなストライキが行われるかどうかというきわめて緊迫した事態になりましたけれども、ともかく労使双方の話し合いの結果、ストライキに入らず一応話し合いがついたということは、これは一つの成果であると、こういうふうに認識してもよろしいんじゃないかと思うわけであります。政治というのは、結果が一番大事なわけです。どんなに理屈をこねてみても、たとえば日本列島改造論という幻想を振り回してみても、結果的には物価が上がってインフレになってどうにもならぬということになると、これはもう理屈の方はどんなにもっともらしくても何にもならぬわけです。その意味では、三木内閣がどういう政策を現実に行うかということが一番大事なことだろうと思うんでありますけれども、春闘におきましても、まあ去年の春闘は大分荒れましたが、ことしの場合はともかく、必ずしも全部が全部ぴしゃっと決まりがついたわけではないと思いますけれども、三月二十七日のストライキというものは回避されたという結果が出ました。このことは、どっちが勝ったとか負けたとかいう問題ではなくて、ともかく話し合いでもって結論が出たということ、これは尊重すべきではないかという気がいたします。今後の労使のあり方についても、この三月二十七日の結果というものを一つの教訓にして新しいルールを確立していくということが望ましいのではないかと思うんでありますけれども、大臣の率直な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 去る二十七日に予想されておりましたかなり大規模にわたるであろうと思われておりましたストも、労使双方のストを避けようという非常に熱心な努力によりまして、国民に迷惑をかけることなしに、ストも行われずに終わったということは、われわれとしてもまことに喜びにたえないところでございます。 まず、在来春になりますと賃上げ春闘、そしてスト、それに対する処分ということで、非常に国民に迷惑をかけてまいったのでございますが、三木内閣ができましてから、三木総理も従来のようなやり方で果たしてどうだろうかということを組合側にも呼びかけをいたしましたし、また政府部内におきましても、変わった新しいかっこうで、こういう問題は処理すべきではないかという非常に強い意欲を示してきたわけでございます。今後、今回のこの例が非常に私は貴重な、そういう意味では手本になるのではないか、やはり政府側も、あるいは組合側も、あるいは企業側も、すべて国民というものを背景に考えて、物事を処理していかなければならないと思うわけでございまして、いずれも国民の側に立っての立場でございます。 私は二十七日のような収拾処理の方法というものは、将来に向かって十分これを生かす。そういうことで、今後の春闘そのものについて、われわれとしても変わった形で賃上げ等の労使の交渉はすべきであると思いますし、また違ったパターンで新しい時代にふさわしい、また国民の歓迎するような形でこれが今後解決されることを心から望んでおるわけでございまして、その意味におきましては、二十七日の労使双方の処理の仕方については、非常に今後の大きな、りっぱな手本になるものだと評価をいたしております。
○瀬谷英行君 国鉄総裁が処分問題等について談話を発表したといったようなことがありましたけれども、手続き上の問題はどうあれ、ともかく二十七日の大きなストライキを回避をするということのために、総裁がきわめて大きな役割りを果たしたということは、どうしてもこれは認めざるを得ないんじゃないか、こういう気がいたします。その点は率直に私は認めるべきではないかという気がいたしますが、大臣としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(木村睦男君) いろいろなストが行われるわけでございますが、その中で私は一番国民に大きく、広範囲にわたって迷惑を与えて支障を来すのは、やはり国鉄のスト——違法スト、これではないかと思います。二十七日にもその危険性が十分あったわけでございますが、幸いに国鉄の総裁以下非常に努力をされまして、それがあのような状況で、違法ストも起こらずに済んだ、一部には若干の問題がございましたが、全般的に見ましたときに、国民にそれほど大きな迷惑もかけないでおさまったということは、われわれとしても国鉄の努力を評価するものでございます。
○瀬谷英行君 木を見て森を見ないという話がありますけれども、その種の狭い視野でもって物事を判断をすると大局を誤ることになると思います。これから大事なことは、やはり労使間の慣行を、過去の経験を生かすことによって、新しい労使間の慣行を樹立をしていくという努力が必要になってくるのだろうと思うのでありますが、そのためには法律的にもいろいろと問題があると思うのです。それらの問題を整理をして、これからともかく春闘のたびに同じことを繰り返すということをしないで済むような方法を政府として考えるべきではないか、こういう気がいたしますが、その点について大臣としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(木村睦男君) 私は先ほども申し上げましたように、二十七日の事態は将来にわたって非常に参考にすべきことであると思います。一つの慣行——悪い慣行にしろ、いい慣行にしろ、やはりそういうものは時代の進展とともに変わっていくべきである、ことに余り歓迎されない慣行というものは、少しでも早く改められるべきである、かように思うわけでございます。今後こういった問題については、新しい慣行をひとつ打ち立てていきたいという気持ちを非常に私も強く持っております。二十七日の状況もその一つの非常に大きな参考になりますので、今後、将来に向かいましては、われわれといたしましても、国鉄と十分連絡をとりながら、新しいひとつ慣行をつくって、国民に迷惑をかけないように労使の問題は解決していきたい、そのように考えておるわけでございますので、この点につきましてはひとつ各方面の理解と御協力とをお願いしたい、そういう気持ちでございます。
○瀬谷英行君 国鉄の問題をいろいろと論ずるに当たっては、国鉄の財政再建ということがいろいろ問題になっておりますけれども、現状ではこれはどうにもならぬということになるのじゃないかという気がいたします。ほうっておいていいという性格のものじゃないと思うのです。しかし、まずその国鉄の財政再建ということを考えるに先立って、これは国鉄に仕事の上での大きな荷物になっている全国新幹線網、で、全国新幹線網をさらにどうするかということを考えていくと、日本列島改造論、これが一体どういうことになったのかということを考えてみなければならぬと思うのです。 一年前までは、田中総理が日本列島改造論の必要性を事あるごとに強調しておりました。私は、昨年の予算委員会での田中総理の答弁の中に、何回かこの日本列島改造論というのが出てきたのを記憶をしているわけです。三木内閣によってこの日本列島改造論というのは完全に消滅をしてしまったものかどうか、構想を変えたものかどうか、それともこの列島改造論というのは、具体的な問題はともかくとして、その骨格は継承されておるというふうに理解をしていいものかどうか。それらの問題は新幹線の今後の建設問題と相まって一番基本的な問題のような気がいたします。その点についての政府の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) いわゆる日本列島改造論というのは、田中前総理の基本的な構想でございますけれども、これは政府としての日本列島改造論では当時でもなかったわけでございます。現在の新幹線の全国七千キロの計画というものも、当時成長経済の過程の中において、今後の日本の将来を考えますときに、ことに地域的な均衡のとれた発展、あるいはまた過疎地帯における国民生活の基盤を整備する、そういうふうな観点からいたしますというと、私は日本列島改造論という、いわゆる一つの日本の開発発展計画があろうとなかろうと、いま申し上げましたような日本の将来を考えるときに、陸上の国鉄の交通網の整備ということは、私はこれは非常に重要なことであると、かように考えておるわけでございます。その中で、十年前に新しいシステムとして開発し実施されましたこの新幹線鉄道、やはりこれが今後の陸上の交通の基本的な輸送体系のまたその中心をなすべきものであるということは、やはり鉄道政策、運輸政策としても、私は捨ててはならない構想であると、かようにいまでも思っております。 いま高度成長経済から安定成長へと経済情勢は変わっておりますけれども、しかし日本の将来を考えますときに、必ずやさらに次の経済的な飛躍、国民生活の向上というものはどうしても果たさなければならないわけでございますから、そういう点から考えますと、新幹線計画というものは、現在一応決まっております計画について、そういう点からのあるいは見直しであるとか、あるいは実施計画の時間的な延長であるとか、そういう問題はそのときそのときの情勢に応じて対応策を考えていくべきであると私は考えますけれども、やはり新幹線というものは国鉄輸送力の、ことに旅客輸送の非常に有効な手段として今後ともこの基本的な考え方は堅持しながら、これの充足に努めていくべきであるというふうに私は考えております。
○瀬谷英行君 新幹線は全国七千キロというプランなんですけれども、博多−東京間約千キロです。博多−東京間が開通をしたと言ってみても、この七千キロに比較をすると七分の一ですよ。しかも、この博多−東京間というのはおそらく一番収益の上がる区間です。人口密度も一番濃密な地域です。したがって、この千キロは採算の面から言ってペイするであろうということは素人でも想像がつくわけです。じゃ、これから先の六千キロ、それは果たして採算が合うかどうかというと、非常に問題じゃないかと思うのです。おそらく採算の合わない地域に莫大な投資をしなきゃならぬということになると思うんでありますけれども、国鉄総裁としては、今後の新幹線網の建設について一体どのようなお考えを持っているのか。 これは、なるほど全国的に新幹線網を張りめぐらすことは過密過疎の解消、あるいは理屈の上から言って、どの地域にも同じようにその恩恵を浴させる必要があるということはわかるんでありますけれども、財政上国鉄がやっていけるのかどうかという問題はあるわけです。これらの新幹線で生じた赤字というものは政府にそのまま肩がわりすることができる性格のものかどうか。どんなにがんばってみたところで、人間のいないところを鉄道が走るようになれば、これは採算が合う道理がないわけです。その点考えてみると、これからの新幹線というのは大体収支の面でもある程度の予測がつくだろうと思うんです。その場合の財政負担をどのような形でだれがしょっていかなけりゃならぬのかということは、国鉄自体が具体的な問題に取り組んで考えるべきだろうと思うんでありますが、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 新幹線に関しましてごもっともな御懸念でございますけれども、新幹線網に限らず、交通網というものは、これが先行すべきものじゃなくて、日本全体の経済の動きに即して、その一つの手段として後からついて行くべき性格のものであると、私はさように考えるのでございますが、全国の総合計面であるとか、あるいは経済社会計画であるとか、こういったものが最近の経済情勢の変革によりまして見直しを余儀なくされている。これは御承知のとおりですが、これが見直しされて新しい経済情勢に即した経済体制、計画ができますれば、交通網はそれに一つの手段としてついていくのは当然のことである、かように考えられますので、現況から申しますと、少しこの七千キロはでか過ぎるぞというような議論もわかりますけれども、基本計画、経済計画ができてから御議論をすべきものであろうと、かように考えるのであります。 で、東京−博多はペイするけれどもあとはペイしそうもないじゃないかという御議論、まさに御説のとおりでございますけれども、こういう交通網はそれを必要とした経済政策が国の経済に大きな貢献をするということであれば、一国鉄の財政だけをもって、これが反対であるとか賛成であるとか言うべき性格のものじゃないと私は考えますので、そういうものを張りめぐらすことによって国が大きく利益を受けるということならば、これは政府からいただくか、その根幹をなしておる国民の御負担になるんだろうと思うが、国鉄財政ではやれぬけれども、国には大きに役に立っているというものであれば、料金を改定してちょうだいいたしたい、かように考えております。
○瀬谷英行君 経済政策あるいは経済計画というお言葉が出てまいりましたけれども、それがはっきりした後でないと新幹線網等についても考えられぬというふうに受け取られますね。それはもっともだと思うんですが、ただやみくもにどこでも構わず——どこでも構わずというわけじゃないけれども、日本国じゅうに網を張りめぐらすように新幹線網を張ればいいというものじゃないと思う。しかし経済政策そのものがどういう形になっているのかということですね、今度は。これは政府の問題になってきますね。政府自身は七千キロの新幹線網を必要とするような政策を依然として持っているのかどうか。総需要抑制という現段階においては、しばらくはこの東京−博多間以外については歩調を緩めるということなのか。これは地域の要望等もあって複雑だろうと思うんでありますけれども、まずその基本的な考え方から先に立てないと、新幹線網が一体どうなるのか、われわれにも見当がつかないわけです。その点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(木村睦男君) 現在政府が一番重点的に取り組んでおりますのはインフレ、物価対策でございます。そのために長期の経済発展計画等につきましても昭和五十年度一年は一応見合わせて、このインフレ、物価の推移を見ながら五十一年度に入ってからすべてにわたってこういった経済長期計画というものを立てていこうという基本的な態度であるわけでございます。 そこで新幹線と密接不可分の関係にありますいまの国鉄の再建の計画にいたしましても、この政府の経済発展計画、長期計画というものの見通しを下敷きにして再建計画をつくっていかなければならないと思っておりますので、再建計画も五十一年度からやっていこうということで、現在その基礎的な検討をいたしておるわけでございます。 したがって新幹線につきましても、この国鉄の再建計画の中に組み入れていかに今後進めていくかということになるわけでございます。で、七千キロ計画というものは、一応新幹線計画としてつくり上げました私は一つの青写真である、かように考えておるわけでございまして、青写真としてはそれなりに私は意味がありますし、また必要なことであると思います。ちょうど在来線の国有鉄道が明治二十五年に敷設法ができまして、あの付表に百線前後の多くの建設線がずっと載っておりますけれども、当時にいたしますというと、あれが国有鉄道の建設の計画であったと思うわけでございますが、あれからもう一世紀にもなろうという今日、あの当時の計画の中で全然まだ手をつけていない路線もあるという、まあこういうことでございますので、新幹線につきましても、基本的な一つの青写真というものはありますけれども、そのときどきの経済政策あるいは国土の利用計画、長期経済計画、そういうものをすべて背景に考えながら、常に見直しながら、実行の面においてはその中のとるべきものを適当な時点においてとっていくという行き方でいかなければいけないのではないか、かように私は考えておるわけでございます。 そこで現在、新幹線につきましては、工事中のものが三線、さらに着工しようかといっておるものが五線、当面としてはあるわけでございますが、これらの問題は、国鉄の再建計画との関連において十分検討をしながら進めていきたい、かように思っておりますので、財政再建計画のある程度の基本的な考え方が固まると同時に、またこれと並行してこれらの問題の進め方等も考えていきたいと思っております。ただ言えますことは、この厳しい経済情勢のもとですから、当初考えたとおりの、建設中のものにいたしましても計画どおり、たとえば五十二年中に完成を目途としてやっておりますけれども、そのとおりにできるかと言えば、必ずしも私はそれは現段階ではできますとは断言できない状況にあるということだけ申し添えておきたいと思います。
○瀬谷英行君 中央公害審議会から騒音公害の問題について答申がありました。住宅地は七十ホンで商業地域が七十五ホンといったような答申があったわけですね。これなかなか大きな問題だろうと思うんであります。これをまともに実施をするためにはかなりの障害があるわけです。障害という意味は財政上の問題を主に私は言っているわけなんですけれど、これらの財政上の負担というものをあえてこれから耐え忍んで、しかも、おそらく東海道、山陽よりも収入の点では多くを期待できない線区の建設を行っていくということは、国鉄にとってはなかなかの大きな重荷になるんじゃないか、負担としては重過ぎるんじゃないか、こういう気がするわけですね。独立採算制という枠の中で、新幹線という大きな荷物をしょい込んで、おまけにそれには公害対策、騒音対策、こういったような問題がさらにからんでくるということになると、従来のような機構なり考え方ではとてもやっていけないことになりはしないだろうかという感じがするわけです。国鉄総裁としては、一体どういう形でもって政府の全国新幹線網というものを整備をしていこうということなのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) ただいま御指摘のように、環境庁を中心とする公害の七十ホンないし七十五ホン、これは現在の技術から言えば非常にシビアな、酷な基準でございまして、これが実施されるということになると、その防止策が仮にとれたとしても莫大な金がかかってくるということでございまして、結局そのかかった金はだれが負担するかというと、国民が御負担願わぬと新幹線なり交通網が動かぬわけでございますので、その関係の方々とも御相談をし、運輸省の方々の御指示も仰ぎながら、そういった金をかけるのも国民であり、そういう公害が防止される受益の側も国民であるというような性格のものなんで、そこらを一体どこらにとっていくかという非常にむずかしい問題でございまして、苦慮いたしていることは事実でございます。 まあこういうことになって、今後は新幹線がどうだということになりますと、さなきだに新幹線網というのは建設費が恐しく御承知のように高い。で、あのとおりでどの程度実現するかしれませんけれども、きわめて素直に解釈して、あなたの言っていることのまあ最小限度でも充足するということになりますと、新幹線の建設費は大体三〇%ぐらい上がりゃせぬか、あるいは過去において五%ぐらいで公害の防止はできるんだというような、まあ簡単に考えておったんでございますが、あれをやれば最小限度三〇%ぐらい上がってくる。御承知のように、国鉄の財政非常に窮迫してるんで、そういう新幹線網をつくれば、やはり政府のお世話になるか、ひいては結果的には国民の御負担を抑ぐより仕方がないというんで、非常に苦慮しておるわけであります。
○瀬谷英行君 その騒音の問題は、私は中央公害審議会から一つの答申出ていますがね。この騒音の問題は、何も新幹線に限らないわけですよ。たとえば銀座でも赤坂見附でも、ああいうところで標示見ていますと、まあ七十ホン前後の音は常時しているわけです。もう国道なんかの場合は、これは一晩じゅうかなりの音と振動を伴っているわけです。ところが新幹線だけ騒音を規制すればいいというもんじゃないような気がするんですね。在来線だって騒音を規制しなきゃならぬと思う。貨物列車なんかの場合はかなりの音を出しています。それから国鉄だけではなくて私鉄についても同じことが言えると思うんですね。私鉄であろうと国鉄であろうと、やかましいことはこれは同じわけですよね。それから飛行機だってそうでしょう。空港の近くで騒音に悩まされる、こういう問題がある。それから道路だって同じ。 そうなると、この中公審の答申というものは広く、新幹線のみならず、空港の問題から、あるいは在来線、国鉄、私鉄、すべてにわたって配慮されるべき性格のものではないかと、こういう気がするわけです。新幹線だけ何とか音が出ないようにすればいいというもんじゃないと思うんですが、その点、運輸大臣としてはどのように解釈をされるんでしょうか。
○国務大臣(木村睦男君) 瀬谷議員のおっしゃることと私も全く同じように考えております。国民生活ができるだけ静かな環境の中で営まれるようにというのが騒音の規制でございますから、新幹線だけがやかましい音を立てておるわけではございません。航空につきましても現在暫定的な基準が出ておりまして、それを標準にしていろいろと騒音対策等もやっておりますし、また自動車の交通にいたしましても、いろいろ規制も考えておるわけでございます。 そこで新幹線の騒音の問題でございますけれども、いま中公審の専門部会の結論としては、七十ないしは七十五ホンということでございます。ことに現在八十ホン以上のところは三年以内に七十あるいは七十五ホンにするようにというのが一応の結論でございますが、これは純粋に、専門部会ですから騒音ということだけを頭に置いての基準でございます。さらに審議会にかかりますときには、それを実際実施する場合の社会経済的な角度から、あるいは技術的な角度からさらに違った要素を加えて結論を出されることと思いますけれども、それにいたしましても、日本国内で生活しておるわれわれができるだけ静かな環境の中で生活するようにというこのたてまえから言いますというと、交通機関によって多少のいろんな差はありますが、それはそれといたしまして、新幹線についてもある程度の騒音規制というものは当然受けなければなりません。 しかし、いま国鉄総裁からも申し上げましたように、現在の専門部会で一応出ております結論、これに似たかっこうで最終的な基準が出ますというと、これは大変な影響を受けるわけでございます。先ほど来私が新幹線について申し上げましたのは、この騒音規制に対する措置まで言及いたしませんでしたが、さらに再建計画の中で新幹線計画をどう進めるかというときには、当然この騒音防止のいろんな諸施策のための経費というものも考えていかなければなりませんし、その額は大変大きいものでございますので、これを全部国鉄の負担においてやるということは、私は不可能であろうと思います。そういうことも含めまして、今後の再建計画の中で検討をいたしていきたいと、こういうふうなことで進めるつもりでございます。
○瀬谷英行君 七十ホンとか七十五ホンとかいう 一つの案が出されましたけれども、三年の間に音を小さくするなんということは、そう簡単にできるものじゃないと思うんですよ。そこで一つの方法としては、私は新幹線にも問題があると思うんですが、何で二百五十キロのスピードを出さなきゃならぬか。いま二百十キロで走っておりますけれども、問題はこのスピードにあると思うんです。だからもしこのスピードをある程度ダウンをすれば、音の問題はある程度解決するんじゃないか、こういう気もするわけです。東京−大阪間は三時間で走ってしまいましたけれども、新幹線ができるまでは東京−大阪間の特急というのは六時間半かかったわけですね。六時間半かかってたものが三時間に短縮されたから、これは革命的であることは間違いないけれども、そんなに短縮しなくとも、時速百キロで走ったって東京−大阪間は五時間で結べるわけです、計算から言うと。百二、三十キロで走ったって四時間ですよ。五時間か四時間ぐらいで最初走っていれば、そう問題は起きなかったんじゃないかという気がするんですが、その点はちょっと細かくなるけれども、どういうものでしょうか。
○説明員(藤井松太郎君) 御指摘のとおりでございますが、スピードを落としましても騒音の減り方はきわめてこれは気に食わぬのだけれども、少ないので、仮に二百十キロで走っているものを百キロぐらい落としまして百十キロにしても、ホンの下がるのは五、六ホンしか下がらぬということになるので、スピードダウンしたらいいんだということは簡単に言えそうもないということと同時に、新幹線が二百キロで走ることがいい悪いの議論は別として、そういう走行をするという前提のもとに恐ろしい建設費がかかっているので、これを百キロで走るんだということになれば、現在線も百キロで走っているんですから、端的に言えば新幹線要らぬじゃないかという議論になってくる。しかし新幹線も非常に国民各位のあれもあるんでございますけれども、三時間で走るということで御賛同を得ている向きもあり、にわかに新幹線は要らぬのだという議論もにわかに軽々しくできる議論じゃなし、そこら非常にむずかしい問題と思いまして、運輸省あたりとも御相談申し上げている途中でございます。
○瀬谷英行君 スピードの問題も、少し私は技術的な自己満足の面があるんじゃないかという気がするんですよ。三時間で走れたからというんでいい気分になっている。東京−博多間六時間五十六分という宣伝が大いに行われました。あと四分で七時間になるわけですね。何もそんなに無理して四分ぐらい刻んで六時間五十六分でございますというようなことを言わなくたって、七時間でいいじゃないですか。そういう点、私はやはり国鉄には多少でもスピードでもって何か自己満足にふけるというきらいがあるような気がするわけです。いまスピードは大事だというふうに言われたけれども、安全の面から考えると、私は二百キロ以上のスピードを四六時中維持をし続けるということは、去年新幹線の事故、非常に多岐にわたって事故がふえてまいりましたけれども、この事故の件数と無関係じゃないと思うのです。 それは、あれだけの巨大な重量を持った長い編成のものが二百キロ以上、昔の飛行機のスピードでもって、しかも五分か十分置きに走っているということは、どう考えても物理的には無理が生ずると思うわけです。そういう無理を生じさせないようにするためには、安全という面もちっとは考えなければいかぬ。安全という面も考えるならば、私は二百キロ台のスピードに固執すべきではなかろう、こういう気がいたします。 たとえば上越新幹線、これは東京−新潟間に予定されているわけです。この三百キロ足らずのところをたとえば時速平均百四十キロぐらいで走ったって二時間で行けるわけですね。いままで約四時間近くかかっていたのを二時間にすれば、それで私はいいんじゃないかという気がする。ところが、二百キロ以上のスピードを出したとなれば、これは一時間半でもって結ぶと、こういうことに国鉄としては、恐らく技術屋さんの立場からすれば、したいんじゃないかという気がするんです。しかし考えてみると、それによって得るところの時間というのはわずか三十分です。一時間半か二時間かという問題を考えてみると、私はこの辺でやたらとスピード競走をやって公害問題をまき散らすということは余り得策じゃないという気がする。そういう点から言うと、在来線も百三十キロぐらい出しているんだから、百三十キロや百五十キロじゃ在来線と変わりがないと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、在来線と違うことは、これは高架にして踏切がなくなっているから踏切事故というのはなくなっているわけですよ。新幹線じゃ。だから、そういう面で考えてみると、新幹線がいまのような形態で百五十キロぐらいのスピードで走ったとしても、私は文句は言われないと思う。 ヨーロッパの鉄道なんというのは二百キロ以上も出しているところはないように思うのです。あれは技術的にはやっぱり国鉄と同じで、三百キロぐらいのスピードを出そうと思えば出せるはずなんです。それをそんなにスピードを上げていないということは、安全の面も考えてのことではないかという気がするわけです。その点はむしろ日本の国鉄がヨーロッパの鉄道に見習うべき点もあるんじゃないかという気がいたしますが、その点ヨーロッパの鉄道の運営の方法と比較して、日本の国有鉄道というのは果たしてどういうものか、ちょっと疑問があるわけなんですが、その点はどうでしょう。
○説明員(藤井松太郎君) いま御指摘の御高説ごもっともなんでございますけれども、ヨーロッパにいたしましても、新幹線ができたんでこれをいち早くおれの国もつくりたいというようなことで大分努力をやっているし、アメリカあたりも努力をやっているということでございますけれども、新幹線が成功したのは日本の技術が偉かったとわれわれ考えるんじゃなくて、全然新しいルートを選んで走れるような線路をつくったということですね。ヨーロッパみたいに古い都市の、しかもかたい石ころの都市が張りついたところにおいては、都市をネグレクトしない限りああいう路線を選べぬ、したがって走れぬというようなことではないかと、これは私の私見でございます。 それから、ああいう高速度のものですから、一層その安全に注意することはごく当然の話なんで、できるだけわれわれも安全対策を講じて、去年あたりの事故どうだというような御議論もございましたけれども、とにかく安全の点だけは金にかかわらずこれからも進めていきたい、かように考える次第であります。ところが国鉄が六時間五十六分なんておかしいじゃないかという、こういう言い方、実は私もある程度それに賛成なんでございますけれども、国鉄も商売人でもないくせに商売人みたいな気分も、若干売り物商売をやっているんで動いているんで、これは七時間というよりも六時間何分と言った方が売れ方がいいんじゃないかといったような助平根性の動いていることも否定できないと思いますが、御高説は十分意に体して検討するつもりでございます。
○瀬谷英行君 六時間五十六分だろうと七時間だろうと、どうということはないんですよ、似たようなものです、乗る身になってみれば。そこのところを六時間五十六分ということで宣伝をするところに、何か国鉄のみえを感じるわけです。しかし私はそういうみえを張るという意識は抜きにしなきゃいかぬと思うんです。やはり七時間でもいい、みえを張らず無理をしないスピードということを今後考えていくべきだろうと思うんですよ。無理をして事故を起こしたり、故障が続出をしたりしては何にもならぬわけですね。だからそういう点で、どうもいままでの新幹線には無理があったような気がする。 それと同時に、新幹線をつくるとしゃにむに新幹線にお客を乗っけようとする、要するに在来線を不便にして、新幹線に全部これを乗っけようしするようなダイヤを組んでいるんじゃないか。そのために在来線が大変不便になっているんじゃないかと、こういう個々の指摘もあるわけなんです。だから私は、いささか、総裁の話にあったけれども、商売人じゃないくせに商売人ぶろうとするということですね。その必要はないと思うんですよ。幾ら商売人ぶってもうけようたってこれは元来がぼろもうけをするための設備ではないわけです、国鉄というのは。だからそれよりも、在来線の利用者も、あるいは新幹線の利用者も利用者本位に考えるというのがたてまえでなきゃいかぬ、ちょっとたてまえを外れているような感じがするわけですが、その点はどうですか。
○説明員(藤井松太郎君) おおよそお説のとおりだと私も思いますけれども、新幹線が最近博多まで行きまして一日の乗客七十二万人ということは、これは一般の御利用になる方が非常に歓迎してくださっている証左であるということ。それから新幹線ができたから現在線おかしくなったじゃないかということも考えますけれども、恐しく投資をやっているんで、われわれとしてもできるだけその投資を取り返したいということは当然の話なんで、そういうこともありますけれども、おしかりのように、多少そういうような商売気が動いて現在線を不便にしたんじゃないかというようなことは、これは十分意に体して反省をしなくちゃいかぬと、かように考えています。
○瀬谷英行君 今後の新幹線建設計画というのは、いつ完成するかわからぬけれども、上越なり東北なりの計画はあるわけです。しかし上越なり東北なりの新幹線計画に際しては、これは公害対策でもって後からとやかく言われないように事前に万全を期するという必要があろうと思うんです。そのために予算を惜しむべきではないと思うんですね。その点、私はこれからの問題なので特に念を押したいと思うんです。それから在来線の方がそれによって不便になる、あるいは在来線の不便さが何ら解消されないということでは、これまた何にもならぬと思うんですね。そういう点、今後の問題として総裁としてはどのようなお考えであるかということをあわせてお伺いしたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 今後つくる新幹線の公害の問題に関しましては、これはもうお金がかかりましてもできるだけこれは——一〇〇%に抑えるということはできませんけれども、金にかかわらず抑えられるだけ抑えてみたい、かように考えます。 それから在来線を不便にしているという、私も若干はそういう気もしますけれども、根本的に言えば国鉄の財政がきわめて苦しいからで、われわれも在来線をできるだけ動かして皆さんに喜んでもらいたいことは、これは一〇〇%賛成なんでありますけれども、だけど国鉄の財政は御承知のような状態になっておりますので、もう少し財政が健全化すればお説のようなことはより容易になるであろう、かように考えます。
○瀬谷英行君 総裁からいまはしなくも国鉄の財政が苦しいからというお話がありました。これは率直な見解だろうと思うんですよ。しかし苦しまぎれに新幹線の建設に当たって、なるべく在来線から新幹線にお客を吸い込んでしまおう、こういう政策をとったり、かえっていままでよりよけいな金をかけなきゃ乗れなくなっちまったという、そういう苦情が出たりというんじゃこれは意味がないと思うんですよ。元来、国鉄財政の今日のような状態というのは、これは宿命的なものですよね。国鉄が日本国じゅうに張りめぐらされている以上は避けられない問題だと思うんです。この避けられない問題をいろんなところにしわ寄せをさせて、あるいは合理化から労働問題にまで波及をさせたり、あるいは鉄道の運営について利用者つ波を及ぼしたりということではいかぬと思うんです。国鉄財政の再建のためには、なるほど一キロ当たり五円十銭というんではこれは確かに安いとは思います。しかし、だからといって単純に値上げをすれば収益が上がるという性質のものじゃないだろうと思うんですね。特に貨物輸送なんかの場合はそうですね。 だからこれは輸送体系というものをどうするか、輸送分野をどうするかということを考えていかないことには問題は解決しないだろうという気がする。いまの旅客と貨物の収入の割合を見ても、昔とは全然違うわけです。これは自動車なり船なりほかの輸送機関というものが出てきたから便利な方に走るわけです。そういう点を考えないと、単に運賃を単純に上げるというだけで事は解決すまいという気がいたします。それはあわせて交通政策として考えるべきだろうと思うんです。しかし、それにしても政府が七千キロの全国新幹線網というものを依然として考えているということであれば、なかなかこれはやりくりが大変だろうと思うんです。一体今後の問題としては、その運賃はどのようにしていくつもりなのか、どのぐらいの運賃値上げということをいつ考えておるのか、そのやり方は一体どうなっておるのか、国民としては非常に関心を持たざるを得ないところなんでありますが、その点を最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 五十一年度から国鉄の再建計画を立てていこうということでいま検討に入っておるわけでございますが、いま瀬谷委員のお話のように、やはり全体の総合交通体系がどうあるべきか、また将来にわたってその体系はどう変わっていくかというふうなことをまず考えまして、その中で国鉄の使命はどうであるかということが前提になると思うわけでございます。その上に立っての再建国鉄について、一体それでは経営費はどう見るべきであるか、運賃はどうあるべきであるかということをそこからまた割り出していくようになると思うわけでございます。 現在でも御承知のように、国鉄の経営に必要な経費を運賃で賄っておる割合は大体七〇%、残りの三〇%は借金をしたり補助金が出たり、あるいは不要財産を売ったりというふうなことでやりくりをやっておるわけでございます。そこで今度は、一つの鉄道事業というものの中で、利用者によるつまり受益の負担、それから公共性の観点から国ないしは地方公共団体がどの程度これを負担すべきであるという問題も、私は一つの基本理念として今後再建の中では考えていくべき問題であろうと思うわけでございます。その実情から言いますというと、いまの国鉄の運賃は確かに私は安いと思います。他の公共料金等と一応こういう場合には比較をして議論をするわけでございますが、たとえば、はがきの料金と同じように戦前からずっと料金が上がってきたとしたならば、国鉄はいまのちょうど倍にして、はがきの十円と同じになっている、あるいは新聞料金に比較してみますと、もう五倍上げて新聞料金と大体同じであるというふうな地位にいまの国鉄の運賃は置かれておるわけでございます。 したがいまして、鉄道事業というものは公共性は十分ありますけれども、やはりその経営を賄う費用は運賃収入というものが基本になるということは、私は鉄道事業の理論的な一つの原則であると思います。そういうふうな点も踏まえながら、今後の国鉄の再建問題を具体的に検討いたして具体策を立てたいと思っておるのでございますが、同時に、やはり経営の合理化ということは常にやらなければならないことも当然のことだと思います。そういったいろんな要素を踏まえまして、国鉄の再建を図ってまいりたいと、かように思っておりますので、これはやはり利用をされる国民の国鉄でございますから、国民各界、各層の皆さんの御意見あるいは国民を代表しておられる国会の皆さんの御意見、これらも十分この中に入れまして、最終的な再建策を立てていきたいと、かように考えておりますので、ひとつこの点につきましては、いろいろと御協力なり御指導をいただきたいということを切にお願いをするような次第でございます。
○主査(黒住忠行君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○主査(黒住忠行君) 速記を起こして。
○森中守義君 大臣、いま地方行政委員会で地方税法の一部改正が審議されておりますね。この地方税法の一部改正の中に運輸省関係が入っていて、しかもその入っている中身ですけれども、バス、トラックは事業所税から免税になる。ハイヤー、タクシーは一〇〇%及び五〇%という、こういうようなことがいま非常に大きな問題になっておりますが、どういうお考えをお持ちになっておるか。つまり同じ免許事業、同じ認可制度の中にある、いわば道路運送法の位置づけとしましては、いずれも公共性にはそう凹凸はない、こういう認識を私は持っているわけです。それなのにトラック、バスが免税になって、ハイヤー、タクシーが地方税の対象になるということになると、これははなはだ問題がある。そこで地方税法の所管はもちろん自治省でしょうが、自動車行政をあずかっている運輸省としては、一体こういう法改正に至る経過の中で何らかの運輸省としての意見を自治省の方に出されたのか、あるいは自治省の方から合議があって運輸省の了承の上にこういう措置になったのか、その辺のことをまず最初にお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 事業所税の問題につきましては、いままでもいろいろと御意見が出ておるわけでございますが、いまお話しのように、バスとかトラック等はゼロでございまして、ハイヤーは別でございますが、タクシー二分の一と、いろいろこれについても御意見を伺っております。 で、運輸省といたしましては、バスとか私鉄とか、そういった大量輸送機関というものと、それからタクシーのように個別的な輸送機関というふうなものが、やはりある程度こういう問題で違いがあっても必ずしも不公正だということには、事業の実態が見てないのではないかというふうな感じを持って折衝に当たったわけでございます。ただ三分の二ならなぜいけないんだというようないろいろ議論もあろうかと思いますが、一応これで実施をいたしまして、またその実情を見て不合理な点は見直していかなければならないということも考えておるわけでございます。なお実際に事業所税は地方税でございますので、いろいろ個々にわたっては均一課税的な機能もあるわけでございますから、そういう面で調整をとるということも考えられますし、そういうふうなこともありましたので、自治省との折衝の過程におきまして、現在法案として御提出をいたしておりますようなことで運輸関係の事業所税は一応決定を見たのでございます。
○森中守義君 これは一概に決定を見たと言われましても、事料金に関係がありますからね、少なくとも自治省サイドと運輸省サイドは変わった見方をしてもらわなければ困る、こう思うんですね。 それで実は会議録を少し調べてきましたが、たしか二十七日の地方行政委員会に運輸大臣が出席を求められて和田静夫君との間に幾つかの問答が重ねられた。大体いまおっしゃいましたような意味合いに類似しておりますが、ちょっとこれが非常にこれからの重要な問題になりますから追認をしておきたいと思う。つまり和田君が、公益的見地から対象となっている非課税、不均一課税は起こり得ると解してよいか、こういう問いに対しまして首藤税務局長が、第六条規定により非課税、不均一にすることができます、それは公益上の理由で判断ができるのである、こういう公益上の問題が前提になっておりますが、こういう答弁をされておる。これについて和田君が、運輸大臣はいまの答弁を了承するかどうか、こういう問いがあった。大臣は、大体了承します、こう言っているわけです。これがこれからのぎりぎりに来た地方税法の修正をどうするかという問題にもなってきますが、修正が成るか成らないか別の問題としまして、大体了承したという趣旨は、これはやっぱり公益性をある程度吟味しなきゃいかぬ、むしろ私は固有の意見からするならば、同じ道路運送法の中に、しかも運賃条項八条の中で認可制度及び道路運送法の中の免許事業という、こういう観点からいけば、どれが非常に強い公益性がある、どれが非常に薄いということは、もう少し正確に吟味する必要があったんじゃないか。結果におきましてバス、トラック、ハイヤー、タクシーというものを区別をして地方税法にかけるべきものではなかったろう、そういう意味で、私はかなり運輸省の措置に不満があるということなんです。 そこで、これは自治省の方でも、条例によらねばなりませんので、条例策定の際に、恐らく自治体もこれ大混乱を起こすと思いますよ、公益性の濃度の問題をめぐりましてね。もちろんハイヤー、タクシーは課税すべきでないという運動が現在ほうはいとして起こっている、これを各都道府県がどういったようにとらえていくのか。意外に投げた一石というものは非常に大きいというように私は思う。したがって自治省とこれは速やかに協議をされて、条例制定の上に、税務局長が言っておりますように、公益上の観点からいくならば軽減し得る、あるいは附則別表かなんかと同様に無税、免税になし得るというような言い方をしておりますが、そういう行政指導を自治省と一緒におやりになる考えありませんか。
○国務大臣(木村睦男君) 先般の地方行政委員会で私がお答えしたのはそのとおりでございまして、やはり地方税としてそういった不均一課税ということがありますのも、やはり地方によって実情が違うということでそういうことになっておると思うわけでございます。したがって同じ交通機関に対する運輸省側の評価、これはいろいろ御議論があろうと思いますけれども、やはり大量輸送機関とそうでないものというふうなことで、全然それらが同じであるという評価も必ずしも私は正確な評価ではないとも思うわけでございます。 そういうふうなことで、現在のような案で御提案をいたしておるわけでございますが、森中委員の御指摘のように、今後はこの実施に当たりましては、御指摘のような問題については自治省と十分相談をいたしましてやっていきたいと思っております。
○森中守義君 大臣ね、これは昨年の九月でしたか、暫定運賃から本運賃に切りかわっていますね、昨年の九月タクシー料金がね。このときにももうすでに自治省では地方税法の改正の素案ができておった、少なくともいま審議中の予算の概計の作業に入っていた時期なんですよ。そこで暫定運賃から本運賃に切りかえる際に、当然こういうことは問題に供し得る時期だったと私は見ておる。そこで六大都市等における平均七二、三%のアップの際にこういう事業所税というものが料金改定の一つの要素になっていたのかどうか、これひとつ非常に大きな問題なので、ちょっと当時の状況をお聞かせ願っておきたいと思います。
○政府委員(高橋寿夫君) 当時運輸大臣はまだ運輸省に来ていらっしゃいませんでしたので、私がかわって御説明申し上げます。 地方税法の改正案が、当然のことでありますけれども通常秋ごろからいろいろ議論になるわけでございますが、そういった当時におきましては、いわゆる事業所税というものをどういった形で実現していくのかという点についてはまだかなり政府部内でも混沌といたしておりました。実はこれは国税でやるべきか地方税にすべきかということすらも当時はまだ決まっていなかったわけであります。御承知のように建設省、国土庁、それから私の記憶では通産省、運輸省、自治省、五つか六つの省が都市施設の整備、それから都市から過大な業務及び人口集積を地方に分散するという趣旨のもとに実はもう二、三年前からいろいろ提案がなされてはいつもつぶれておったということでございました。したがいまして、五十年度の税といたしましてこれが一体いかなる形になるかということにつきましては、私ども昨年の七、八月以来いま先生御指摘の六大都市の暫定運賃を本運賃に切りかえるという作業をいたしておりましたときには全然決まっておりませんでしたので、したがいまして、これはコスト等に算入することは不可能でございました。
○森中守義君 しかし、それはどうも、余り時間もないから深く掘り下げることはできないけれども、時期的には一緒ですよ。しかし、それはそういうように算入するような中身ではなかったとこう言われるならば一歩譲るとして、一体いよいよ成案としてまとまった場合、これは運輸省としては、七四%暫定を本運賃に切りかえたのだが、事業所税でこれ取られるならば、一体七四%平均というものはどのくらい目減りするのか、こういう試算ぐらいしましたか。これは試算しておかなければおかしいんだね。そうなると、これはもうすべて料金抑制の時代にあえてハイヤー、タクシーの料金を上げたわけだから、その辺のことはきちっとある程度整理して責任持って言いませんと、これは大問題ですよ。七四%をいよいよ自治省の案がかたまって地方税法が表に出てきた、そういう段階に上げられた本運賃の中にどのくらい見るべきであるのか、結局平均の上昇率というものは事業所税の新しい課税によって目減りするわけだから、その目減りするのはどのくらいになりますか、ちょっと計算してもらいましょう。
○政府委員(高橋寿夫君) このことによる課税額は、私どもの計算では、政府原案どおり課税された場合に三億五千万ほどと考えております。これは東京だけではなくて、いま予想されますところの全都市につきまして原案どおり課税された場合に三億五千万というふうに一応試算いたしております。このことはタクシーの総収入に対しまして、正確なパーセンテージはいまちょっとわかりませんけれども、率としては、私は非常に小さい率であると思います。それから、たとえ率は小さくても、私どもとしては、もしも九月二十幾日かに物価対策閣僚協議会を開きまして、六大都市の運賃を決定するという時期までに、多少でも地方税法というものの輪郭ぐらいが明らかになっておりましたら、あるいはそういったことを仮定の数字で入れることもできたかもしれませんけれども、九月末の現在では、そういったことをやるためには、私どもに関してこの事業所税がどうなるかということについての情報は全くございませんでしたし、現に事業所税が本決まりになったのは、少なくともタクシー運賃を認可いたしました日よりも数カ月後であるということです。
○森中守義君 ちょっと正確にしておいてもらいたいんですがね、その六大都市の平均したアップ率が幾らなのか。それといま金額で、その成立した場合を仮定して三億五千万程度の納付額だと、こう言われておるんですが、それは微率ということなんだけれども、大体どのくらいの率になるのか、概算でもいいですよ、何%ぐらいになるのか。
○政府委員(高橋寿夫君) まことに概算でございますけれども、総水揚げ高約六千億円、それに対しまして、この税として納めなきゃならない金額が年に三億五千万円という、大変ラフでございますけれども、そういった勘定になります。
○森中守義君 だから七四%の中に微率と言われるけれども、どのくらいの分に相当する率になるのかと、こう聞いているわけです。その率が出なければ。それと平均の上昇率は幾らでした。
○政府委員(高橋寿夫君) あのときの上昇率は三三%程度でございます。これはいま先生七〇数%とおっしゃいましたのは、そのことも正確なんでありますけれども、実は昨年の一月二十九日にやりました暫定運賃二九%というものと、それから十月一日から認可いたしました本運賃の三〇数%と合わせまして七〇数%になるわけでございます。
○森中守義君 だから二九%となると本運賃幾ら、暫定が二九%ですね、本運賃が……。
○政府委員(高橋寿夫君) 本運賃は東京につきましては三三・九%でございます。
○森中守義君 そうすると、平均すると合わせて幾らになりますか。約六〇%ちょっと出るぐらい……。
○政府委員(高橋寿夫君) これは六〇より実は多いわけでありまして、二九%上がったところへまた三三%乗っけますから七七%ぐらいになると私どもは考えております。
○森中守義君 だから七七%の中に金額じゃ三億五千万なんだが、率としてはどのくらいに相当するのかと、こう聞いておるんです。簡単に試算できるだろう。 それじゃ自動車局長、時間がないからもうそれはいい。結局、運賃八条でいけば適正な原価の保障、適正な利潤の保障という、こういう二つの柱があるわけですね。そういうもので運賃をはじき出したと、まあ申請者側の希望どおりにいったかどうか、それはわかりませんが、とにかく適正な原価の保障、適正な利潤の保障というのが中心なんですね。しかもさっき自動車局長が言っているように、これは一運輸大臣、運輸省の専決じゃなくて、閣僚協のこれは決定でしょう。そういったように、非常にこういう料金あるいは運賃などがやかましい時代に、閣僚協まで持っていって決めた。だからごうごうたる非難があったにしましてもそれなりに一つの権威を持ったものだというように私どもは理解をしておった。ところが今回、金額は三億五千万、率は定かでない。しかしながら、平均七七%の暫定と本運賃と合わせたもの、この中に事業所税に取られる分が算入されていないわけだから、当然これは新たな運賃改定運動が起こるのじゃないか。そこが私は問題だと思うのです。これはもう内閣一体の責任でしょう。物価安定ということは各種料金の抑制ということが大きな問題ですよ。それなのに改めて地方税で取る。片一方の方は、いやそれは昨年の運賃改定の際に要素として全然見ておられないのだからこれじゃやりきれませんという理屈になっていくのは大体目に見えているような気がするのですね。新しく出てきた場合にどうするのか、これ歯どめがききますか。 これが実は、私は運輸大臣を呼び、運輸省として一体どう責任を感ずるのか。もうこれからタクシー料金の申請がどう出ても絶対に崩しません、認めませんという姿勢をとり続け得るかどうか。それから申請する側は、バスやトラックは無税じゃないか、おれの方は課税された。同じ道路運送法の中で運賃条項が適用されておるにかかわらず、こういう不均衡なことをやるのだから、その分だけはやっぱり見てくれという意見が出てくるのを制止できますか。何か運賃を上昇させるために拍車をかけたというような感じが私はするのですよ。そうなるならば、これは内閣の方向とずいぶん違うじゃないかということに通ずる議論になるわけですが、どうでしょう、大臣。
○国務大臣(木村睦男君) あるいはそういう議論が出るかもしれません。私もそう思いますよ。
○森中守義君 現に私が出しているのだもの。
○国務大臣(木村睦男君) ただ運賃というものは、いずれにいたしましても運賃を決めますときに査定をいたしました事情がその後変わる要素は幾らでもあるわけでございます。たとえば途中から燃料が上がったとか、あるいは人件費が上がったとか、あるいは思わぬ他の事情で経費が上がったとかいうことはあるわけでございます。したがいまして、それらを全部総合いたしまして、ある時期にどうしてもこの運賃ではいけないというときに運賃改定の申請が出るわけでございまして、今回の事業所税につきまして、タクシーについて二分の一の措置をとられたということで、事業所税に取られるものが経費の中に入って、それが経営全体に響いて現在の運賃ではいけないということで申請が出ると思います。しかし仮に出るといたしましても、運輸省で想定をいたしました場合に、それは十分現在の運賃の中で吸収でき得るものであると、他に合理化なり節約なりというふうな工夫もあるわけでございますから、そういうこと全部を勘案いたしまして、その運賃改定の申請が適切であるかどうかということを判断いたすわけでございますので、必ずしも事業所税が全廃になるところが二分の一かかったからすぐに運賃をこれこれ上げなくてはならないというところに必ず結びつくということは、私はにわかには断定できないのではないかと思います。いま事務当局が調べて数字をここに持ってきましたが、今回のタクシーの場合、運賃への影響率は二分の一に事業所税がなったということで、〇・〇八%ぐらいであるという算定をいたしておるわけでございます。この非常に微小な影響から見ますというと、私は現実にこれだけで、事業所税が全廃にならなかったから運賃を改正しなければならないというところには、実際にはそこまでいかないのではないかというふうに判断をいたしております。
○森中守義君 なかなか大臣、楽観的な判断をされても困るので、これはやっぱり二つの面で引き金になりますね。一つはいま御指摘のように〇・〇八%で寄与率はきわめて低率だ、だからやらないだろうという観測は、これはちょっと私は早計過ぎると思う。やっぱり一つの引き金になりますよ。差別をつけられた。七七%の中に、こういうものが特定運賃の要素として算入されていなかったというやっぱり根拠をひとつ求めることになるでしょうね。それと、バス、トラックとの間に差をつけられた、こういうある種の反発もありましょうから。二つの側面から、やっぱり改定の運動というものは大臣が楽観をされるような状態には私はないと思う。 そこで先に進めますが、私の調査ではタクシーの一日一台の水揚げはおおむね二万五千円から二万六千円。それからトラックの場合、これは小型が一日たとえば引っ越し等をやる場合一台十万円。かなりの相違がある。そこで一体、公益性、公共性ということの位置づけ、定義というものをもう少し運輸省でもきちんとしておけば、こういうような格差はつかなかっただろうと思う。いまの大臣であったか、あるいは前の徳永大臣であったか記憶がはっきりしませんが、もともと公共性というものは大量輸送手段である国鉄であろうし、あるいはバスであろう。しかしながら、こういう大量輸送手段が今日の状態においては必ずしも対応性が一〇〇%いっていない。したがって、タクシーなどはこういう大量輸送手段にかわるべき、いわば代替輸送という意味で公共性があるんだというふうなことを一遍私は聞いたことがある。 そういう角度からとらえていきますならば、少なくとも道路運送法の中における免許事業あるいは運賃八条条項、均等に見られている。しかも最終的には閣僚協に持ち込んでこういう料金の決定が行われるということになれば、個々的にずっとやれトラックだバスだ、あるいはタクシーだハイヤーだというものを吟味していけば、それはいろいろあるでしょう。どれが公益性が強い、あるいはどれが公益性にやや落ち込むところがあるという、そういうことはあるでしょうけれども、私どもが一般的に認識する限りにおいては、バス、トラック、ハイヤー、タクシーは、さっき申し上げたような理由を含めてそう大きな凹凸があるとは思えない。しかも、それは認可制、免許制と、こういうことなんですからね。なぜそれを区分けしなければならなかったか、これを一遍私ははっきりしてもらいたい。 やや卑俗な言い方をしますと、今回の事業所税の新設に当たって、早く運動を起こしたバスやトラックは運動の効き目があったから除外された。ハイヤー、タクシーは運動の盛り上がりが非常に遅かったからはずされたというような、こういう見方をするのは少し皮肉に過ぎるかわかりませんが、どうもやっぱり区別をつける論拠というものが、合点がいくような論拠として受け取れないんですよ。そんなことを実は私は考えるわけですが、辻にかく事業所税というものを、同じ道路運送法の中にとらえられているのに二つに分類をされた、片や課税、片や無税ということは、全く運輸省としては適当でない。自治省も、私はさっき申し上げた首藤という税務局長ですね。こういう人たちの答弁でも、まだまだ公益性に対する認識というのが詰めておるが十分仕上がった上でこれをやったとは思えない。まあ内容について吟味いたしましょう、公益性に妥当性があるならば軽減の措置をとるとか、免税の措置をとるということを答えているわけですね。やっぱり詰め方が運輸省も自治省も十分でなかったということじゃないでしょうか。自治省見えてますか。呼んでいたつもりだったが……。まあそれはいいです、もう時間がありませんから。 とにかく大臣ね、非常にこれを吟味に吟味を加えた結論がこうであったということは私は受けとれないんですよ。どうお考えになりますか。やや意見を押しつけるようでいけませんけれどもね。やっぱりこういうのはフェアに物を見ていかないと困りますよ。だから私は結論としてさっき申し上げましたように、まあ修正は私どもは用意いたします、それが成るか成らないか別な問題ですが、速やかにやっぱりこの区別された問題、差別的な問題というのは正常に置き戻すように努力をさるべきであろう、こう思うのですがね。いままでおしゃべりしたことをひとつまとめて御答弁いただいて、この項を終わっておきましょう。
○国務大臣(木村睦男君) 交通事業について、公共性というものの定義を明確にすべきであるというお話でございますが、私もその趣旨には同意なんですが、なかなか公共性とはどうかと、いわんや交通機関によって公共性の違いをどうかということを、きわめて明確にやるということは実際はむずかしいわけでございまして、それぞれの交通機関の持っております機能なり使命なりというものを、まあいわば量的の場合もございましょうし、質的に見る場合もございましょうし、そういう角度から常識的に公共性に多少のニュアンスの差をつけるというふうなところがせいぜいのところではないかと私は思うわけでございます。そうすると、今度は同じ公共性を見るにいたしましても、税金を取るという観点からながめます場合あるいは運賃という観点からながめます場合、それぞれの観点によっても私は若干それぞれの観点の持つ機能から言って同一である、同率でなければならないということにもならぬと思いますので、その辺は非常にむずかしいのでございます。 そこで今回、具体的に事業所税がバスやトラックがゼロで、ハイヤー、タクシーが二分の一であると。じゃあ一対二といいますか、一対〇・五といいますか、とにかく一つのそういう差があるが、その公共性というものはその差の数字の示すとおりに違いがあるのかとたたみ込まれますと、これに対してもはっきりした答弁は私はできないと思います。 もう一つは、今回の事業所税の問題について、よく扱われた方は陳情その他が非常に早目にやられたんで、それに大いに耳を傾けてやったんで、陳情の遅い方は損したではないかという御意見でございますが、こういう問題のときには運輸省といたしましては、陳情のあるなしにかかわらず、やはり運輸省の独自の立場でこの事業の実態を見ながら処理してまいっておるのでございますが、今回の場合にも私は調べてみましたら、陳情なるものはやっぱり同じ時期、つまり事業所税が大体煮詰まりそうだという一月に入ってからそれぞれ陳情が出ておるようでございます。したがって陳情による差というものはございません。 それから早々の間に決めたんで、どうもタクシーについては他に比べて冷遇をされておるではないかという御意向であるようでございますが、その辺は、私ははっきり言いまして二分の一ということが絶対に正しいんだということは、私は言い切れぬと思うわけでございます。だから今後、法律の実施後の状況を見まして、また不均一課税というようなところからの、現実に地域別に見まして調整を図るというようなことも、私は物事を円滑にまた少しでも実態に沿うようにやる方便としてはそういう措置ももちろん考慮しなければなりませんし、将来にわたってはこの税率そのものも、またすべてにわたって見直す時期もなければならないと思いますので、そういう機会にはいまの森中委員の御意見も十分頭に入れまして検討をいたしたい、かように思っておるような次第でございます。
○森中守義君 これは大臣、いまさらのように公共性、公益性ということを議論すること自体が私はちょっとやっぱりおかしいと思うんですよ。なぜかと言えば、何回も繰り返すようですが、道路運送法の中の免許事業であり料金は認可なんだ、しかもその認可はどれこれの区別なく今日の物価問題に焦点を合わしている。閣僚協で決定するんでしょう、それ自体もやり方としてはあんまり適法じゃありませんね。けれどもそれが公益性が強い、公共性が強いということで私どもは了承している。それならば、その中にランクをつけることが一体いいのか悪いのかということを私はさっきから指摘をしているわけです。 ですからその辺のことを考えますと、かなり運輸省の中に物の考え方に混乱がある。その混乱のこれは一つの象徴だと思う。だからいま改めて公益性、公共性を定義づけなさいと、こう言っているんじゃないんですよ。その混乱を早く整理をして差別がないような扱いをしなきゃいけないんじゃないのかというのが私の主張なんですが、これはほかにも問題を持っておりますから、このくらいにしておきますが、とにかく出された問題、投じられた一石は余りにも反響が大きいということを十二分に大臣も考えてもらわなきゃ困るし、それとこれから先、タクシー、ハイヤー、バス、トラック、あるいは国鉄、航空いろんな運輸省が抱えている輸送部門の運賃の改正、料金の改正というものが、一応国会が済んだならばまたぞろ出てくるんじゃないか、こういう気がするんです。いまのような混乱状態の中にあるならば一体どうなるのか、それを大臣が政治判断をする、閣議でもそういう政治判断をして抑制の方向に向かうという意思をお持ちなのか、出てきたならば仕方がないから個別に審査をして認可いたしましょうというような方向に向かおうというのか、このお考えを最後にこの問題について承っておきましょう。
○国務大臣(木村睦男君) 運賃の決定は申すまでもございませんが、法律の条文に従ってそれぞれ査定をして決めるわけでございます。そのほかに、物価対策等からの考慮も当然あるわけでございます。したがいまして、今回のこの問題に端を発して仮にタクシーの運賃改定の申請がありました場合には、これは従来どおりの方法で審査をし査定をいたしまして、そして、どうしても改定をしなければ事業の健全な発展にも支障があるという場合はこれはせざるを得ないと思います。したがって、それは実際に今回のこの事業所税の問題が原因になるのかならないのかということは別問題といたしまして、常にそういう態度で運賃には対処いたしておりますので、それにつきましては別に従来と変わった考慮をするということはないわけでございます。
○森中守義君 いまの御発言は大変重大な問題で、出てくれば審査の結果やらざるを得ない、こういうことは、全面的に申請に対しては対応する、こう受け取っていいんですね。
○国務大臣(木村睦男君) もちろんでございます。これはもう申請主義でございますから。
○森中守義君 そうなると、これはまた議論が果てしなく続きますが、いまの内閣の方針にそれは沿ったものですか。
○国務大臣(木村睦男君) これは内閣の方針とかということは無関係で、運賃は申請が出ますと受理して審査をする。ただ運賃改定を認めるかどうかという問題はこれは判断の問題ですから……
○森中守義君 それを言っているんです。認めるのかと。
○国務大臣(木村睦男君) それはそのときの運賃の値上げの必要があるかどうか、また上げるとしたら何%がいいかということは、これは運輸省の判断によるわけでございますので、これは個別的にそれぞれのケースによって決定をするということでございます。
○森中守義君 つまり手続的なものを言われたのであって、政治的に判断をして認める認めないというものは別なものだと、こういうふうに解していいんですね。——それなら理解できる。
○国務大臣(木村睦男君) そうでございます。
○森中守義君 そのとおりですね。それではいまの差別の問題は、先ほど答弁の中にもしばしば善処したいということのようですが、大いに注目しておきましょう。 そこで、ちょっと時間がなくなりましたが、航空関係の四十五年の十一月二十日の閣議了解、それから四十七年七月一日の「航空企業の運営体制について」という運輸大臣の通達、これは率直に申し上げて、二、三前の大臣ですが、見直しという話、まあそういう約束を私はしておる。が、依然としてこのことは処理されておりません。けれども、この閣議決定及び大臣通達というものは、これが現実的にどういう効果をあらわしてきたのか、その測定をどうなさっているのか、ちょっと時間がありませんから簡単にお答え願いましょう。
○国務大臣(木村睦男君) この四十五年の閣議了解、四十七年の大臣通達、この方針に従って現在航空行政が行われておるわけでございますが、背景になりますいろんな輸送の事情その他はこれは年々刻々に変わるわけでございますので、この大枠の方針の中で、そのときどきの実情に応じて実際の航空行政の指導に当たっておるわけでございます。 ことに四十九年度に入りましてから、景気の停滞とともに世界的に航空事情は非常に悪くなってきております。わが国の航空事情もそれと同様に非常に悪くなってきておる。こういう事態の中におきまして、この通達なり閣議了解の基本的な運輸行政の指導方針というものと果たしてぴったりマッチしておるかどうかという問題は確かにあると思います。幾多の点でそういうことを私も感じるわけでございますが、いま四十九年はそういう事態に入ってきた、と同時に経済全般の状況もいま変わりつつある。またわが国といたしましては物価、インフレ対策に取り組んでおる最中で、やっと鎮静化しつつあるという光明を見出しておるときでございますので、私はいましばらくこういったわが国をめぐる、また国内の経済の状況等の推移をいましばらく見て、そして前々から通達並びに了解事項についての見直しという点については、もうちょっと事態を見た方が、直ちにいまの現状に照らしてこれを見直して直す、またすぐ直さなければならない場合があるかもしれないというふうな、私は現在が事態であると認識をいたしておりますので、いましばらく景気の動向なり物価の安定というものが、大体これでおさまって、しばらくこの状態が続くのだという時点に立って考えた方がより一層適切ではないか、こういう気持ちでいま現状を見守っているというような次第でございます。
○森中守義君 これは指摘するまでもなく、閣議了解というのが四十五年の十一月二十日、それから大臣通達というのが四十七年七月一日、この間約二十カ月ありますね。そういうわけで、まことに私は運輸省の対応性というかおくれている。閣議了解というのが出たならば、これを裏づけるものが大臣通達であったと思うのですよ。恐らく行政の進め方としまして、閣議了解出して二十カ月もたたなければ大臣通達が出ないとは一体何事なのか。それ自体、運輸省の対応性が必ずしも完璧だったとは言えない。そういうことを一つ私は前提に置きながら、もはやこの閣議了解、大臣通達というものは、何といっても時代おくれですよ。経済事情は変わってきた。少なくとも大臣通達が出されたその前後というものは、いわば高生産、高成長の最高潮に達した、非常に航空需要が旺盛に喚起された時代。そういうものを背景にして、こういった政策展開をやったわけです。 いまの航空企業の状態どうなんですか。もう打って変わったような状況になっている。にもかかわらず、こういうものを踏まえてしばらく模様を見たいという、そういう大臣の発想それ自体に、私はいささか官僚的な、慎重さは結構でしょうけれども、新しい時代に対応していくという、そういう機動性というのか、俊敏さというのか、そういうものに欠けているという、こういう実は評価を私はするわけであります。それならば、こういうのを踏まえながら航空企業は一体どうなっていくのか。たとえば最近、特別着陸料というものをまた新しくつくろう。いまの航空運賃、航空料金というものはおおむね極限じゃないか。しかもその中には燃料税が入っている、援助料が入っている。いろんなものが、いわば公租公課が入って今日の料金体系をなしている。目減りをした、景気が落ち込んだ。さらにこういうものが新設されていくということになりますと、一体どうなっていくのかということを考えると、これはもう速やかにこういう新しい体制に適応するような政策の展開というものが必要になってくるのは当然だと思う。しばらく模様を見さしてくれということであれば、新しい公租公課等は付加していかない。一切現状のまま推移するのだというのならばまだわかりますよ。ダブルトラックの問題等、次から次に問題が出てくる、こういう混迷期においてそういうことができますか。その整理をつけるのが、もう一回閣議決定をやるか大臣通達を新しく用意するか、少なくとも新政策というものが生まれてこなければだめじゃないんですか。これは一つ航空問題だけではない。藤井総裁もおられるけれども国鉄も一緒ですよ。まさにもう限界を越えている。極限に来ている。にもかかわらず、フレッシュな政策というものが全然生まれてこない。どうしようというのですか。 だから自動車問題の際に、私は混乱があるとこう言っておりますが、まさに混乱というのか混迷というのか、わが国の輸送全分野にわたりましてもう大変な動乱期に入っているというふうにも私は見るんですよ。ですから、できるものからやっていこう。つまり具体的に申し上げるならば、特別着陸料などというものはもうよしなさいよ、こんなもの。特別会計が足りなければ財投を入れ込んで…、しかも特別着陸料などは外国のものを少し見てみましたら、フランスの場合、これは国際線で三フランだから二百四円、それから国内線で一フランですから約六十八円、これに対して日本は六百円取ろうと、こういうわけです。六百円では現行運賃のおおむね五%に相当する。こういうものを取っていけば結果的に運賃にはね返る。運賃にはね返っていくことは需要減退を一層促進することになりはしませんか。こういったようなことを実は考えていけば、新たな航空政策というものは四十五年、四十七年の高生産、高成長の遺物なんだから、まさに幻ですよ、これは。現代に対応するものをおつくりになったらどうですか。
○政府委員(中村大造君) ただいま大臣が御答弁申し上げた点につきましては、決して四十五年、四十七年のこの体制をそのまま当分踏襲していくということを申しておるわけではございません。ただ、この運営体制について見直しをすべきであるという意見は実はもうすでに昨年から出ておったわけでございまして、その見直すべきであるという根拠は、むしろこの運営体制というものをさらにより発展させるべきだという根拠から見直し論も相当強かったわけでございます。 それから、事実四十六年以降昨年までのいわゆる航空三社の実績というものを見てみますと、少なくとも昨年の上半期までは幹線、ローカル線ともに、いわゆる利用率というものは伸びてきておったわけでございまして、確かにこの計画を樹立いたしました当初のときの五十年見通しというものに比べますとやや落ち込んではおりますけれども、とにもかくにも高度成長の波に乗って相当な伸びを示しておったということでございます。そういうことを根拠にして一つの見直し論があったことは事実でございます。 それからことし、去年の下半期以降になりまして、この需要が非常に減退したということで、こういう点からまたこの運営体制の見直しというものが今度は別の観点から提起されておるということではないか。われわれとしてはその両方の面について、現在ないしは将来の経済見通し、あるいは航空に対する需要見通しというものを正確に判断をして、今後体制をどうすべきかということを決めなければいけないというふうに大臣は申し上げたんだと私は理解しておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、たとえば最近の二月の利用率、三月の利用率、三月でもごく最近の利用率というものを毎日重大な関心を持って見つめておるわけでございまして、したがいまして、そういうふうな客観情勢をよく判断いたしまして、今後の体制の問題というものを対処していきたいというふうに思うわけでございます。 たとえばダブルトラックの問題もちょっとお話が出たわけでございますけれども、この閣議了解ないし通達の線を見ましても、これはあくまでも旅客の利便ということを前提としてこれを提示しておるわけでございまして、したがって輸送需要があるところについてはできる限り公正な競争をさせる、こういう発想でございます。したがいまして、そのような適用する路線がどこにあるかという判断はございますけれども、一般論として申せば、現在の時点においてもそういう条件が整うところについてはダブルトラックをいたしまして、公正な競争をさせるということは必ずしも否定されるべきではないんではないかというふうに思っておるわけでございまして、四十五年、四十七年の方針というものは十分現在の客観情勢の中でこの施策に踏み切ってやっていけるんではないか。ただこれを墨守するわけではございませんので、当然できるだけ早く新しいビジョンを打ち立てて、それに即応した体制づくりを固めていかなければならないと思っておるわけでございます。
○森中守義君 もう時間が来ましたので、これ一問で終わりますが、これなどは深く掘り下げた政府側と私どもとの議論をもう少し交わさなければ十分な答えにならない。したがって非常に短い時間で幾つかの問題をお尋ねしているわけで、聞く方も満足ではございませんし、お答えの方もそれなりにむずかしいかと思いますが、最後に申し上げたいのは、いつか私はこういうことを聞いたことがあるんです。一体閣議了解あるいは大臣通達というものは何を根拠にしたのか、根拠法は何だ。結局これは航空法のたしか百何条かにちょっと関係の条項があるんですけれども、しかし、これはいずれもがまことに概念的にとらえただけであって、そういう政策をどうするこうするという内容に入っていないんですね、百十二条だ、航空法の。こういうものを根拠にしたものだと私は思っておったんです。 そこで、いまの空港整備にかかわる特別着陸料の新設とかいろいろありますよ。しかしながら、やっぱり基本になる運営体制というものは、もうちょっと準拠すべき何物かがなくちゃいかぬ。それならば今日の航空法で事足りるかと、こういうことになりますと、これは十分じゃない。しかもいまの航空法は、これから審議しますから明らかになるでしょうが、少なくともプロペラ時代のものであって、現状を完全につかんでいない。だから私は、いまの法体系のもとで、こういう管理体制等がとらえにくいだろう。これは法律にやっぱり基づかなければ、その都度の政府の御都合で、こういうものをつくった、ああいうものをつくった、情勢が変わったから変えてきたという行き方では困ると思う。だから可能なことだと私は思う。 つまり航空事業法的なものを新しく制度化してみたらどうなのか、これはいろいろ問題があるでしょう。じゃ日本航空株式会社法はどうするんだ、中身は何かいろいろあるでしょうが、少なくとも免許にかかわる航空運送事業者として、航空法でとらえておくだけではなくて、管理運営体制もある程度国会の承認を求めて、あるべき航空政策はこういうものなんだということが、何か確立できるようなことは考えられないものかということを、私は平素考えておった。そういうものをお考えになる大臣の見解はどうなのか。詳しくはまた航空法のときに少しお尋ねすることにいたしますが、こういう航空企業、とにかく一つの混迷期ですから、これを脱却するにはそういう方法などもこの際は考えていいのではないかと、こう思うんですが、最後にそのことをお尋ねして、私の質問を終わります。
○国務大臣(木村睦男君) 先般、衆議院の方を通過いたしまして参議院でこれから審査をお願いする航空法の改正でございますが、今回の改正は四年前にもうなりますが、雫石の事故にかんがみまして、交通安全、ことに空中における航空の安全という角度に焦点をしぼって改正案を検討いたし、提案をいたしておるわけでございます。 で、航空法の中には、あれを貫きます一番の原則は、やはり航空安全の確保ということが大原則でございますから、そういう観点から飛行場なり、あるいは航空事業というものもあの中で規制できる面があるわけでございます。したがいまして、現在航空法の改正を御審議いただくわけでございますが、われわれといたしましては、いまの御審議をいただく改正法は、先ほどのような趣旨による改正でございますので、航空法全般を見ての全面改正ではないわけでございます。三年という歳月がかかっておりますが、私たちは並行して現在の航空法の不備、また実情に合わない点、その後いろいろ出てきておりますので、並行しながら航空法の全面的な改正はぜひ必要であると、かように考えております。 その中で、いま森中委員御指摘のように、事業法的なものを、それじゃ別の法律にして事業法としてしっかり把握するかどうかというふうな問題も、私は貴重な御意見として十分検討の際には考慮いたしたいと、かように思って、今後航空法の改正の検討をやりたいと思っております。 それからなお、四十五年、四十七年の閣議了解なり通達は、当時、申すまでもありませんが、航空事業者が四社あるいはそれ以上ありまして、この事業者の再編成ということを主眼にしての閣議了解であり通達であるわけでございますので、これらは現在、この結果、国内、国際含めまして三社がお互いに協調しながら運営に当たっていっておるわけでございます。したがって、これらの閣議了解なり通達を見直すという意味合いは、それらの三つの事業体の態様というものがこのままでよろしいか、現在の実情に合っておるかいないか、またここで一応社会経済情勢が安定をいたしました時点において、次の発展のためにこれでいいかというふうな観点から、これはやはりその時期に十分検討し見直す必要が出てくるのではないかと、かように考えておるわけでございます。
○桑名義治君 私は新幹線のトンネル問題について、総括質問のときにお尋ねをしたわけでございますが、改めてこの新幹線のトンネル問題についてお伺いをしておきたいと思います。 と申しますのは、その質問をした節に総裁のお話のように、いまから先の新幹線というのはどうしてもトンネルを避けていくことができない。ところが現段階におきまして、上越新幹線では十四市町村、それから東北新幹線では十九市町村、それから山陽新幹線では二十一市町村で渇水の問題やその他のいろいろな紛争問題が起こっておるわけでございます。そういった意味からも、今後の新幹線を増設していくためには、延ばしていくためには、このトンネル問題は避けて通ることのできない重要な問題の一つであろうと、こういうふうに考えているわけでございます。 そこで、この問題を提起するときに、その代表的な福岡トンネルを例に挙げてもう一遍見直してみたいと、こういうふうに考えておるわけでございますが、私はそういった意味で、この福岡トンネルを掘るときの事前調査が完璧でなかったんではないかということを特に指摘をしたいわけでございます。と申しますのは、なぜ毎分最高二十二・五トンの水が湧出をしたかというその主な原因として、一つは地質的な問題があったと思います。それは、大半は古生代末の三群変成岩と呼ばれるいわゆる緑色をした非常にもろい、水の流れやすい、いわゆる水道をつくりやすい土層であったということが言われておりますし、それからもう一つは、いわゆる大きな断層が二つあったということ、それからもう一つは、そういう弱い地質の中にマイトをかけて、その振動によって新しい水道がつくられたんではないか、こういうふうに学術的には言われているわけでございます。そういった意味から、この福岡トンネルをつくる段階において事前調査が少し雑ではなかったんだろうかと、こういうふうに私は考えていたわけでございますが、この点についてはどのようにお考えでございますか。
○説明員(内田隆滋君) 先日、先生から御質問がございましたときもお答え申しておるわけでございますが、トンネルの事前調査というのは、ことに大トンネルにつきましては相当の調査をいたすわけでございます。ただこれは限度がございまして、福岡トンネルの場合にもできるだけのボーリングをやっておりますし、また弾性波調査もやっておりまして、そういう地質的な面の調査並びにトンネルのいわゆる力学的な面の調査等につきましても十分やっておると——十分やっておるという意味は、普通、他のトンネルでやっている程度の調査は十分やっていると、したがって、そういう意味では土質の状態等については把握できているわけでございます。 ただ水の問題というのは非常にデリケートでございまして、事前にたとえばその山の水位等につきましては調査はボーリングのときにできますけれども、ただトンネルを掘った場合にどの程度の水が出てくるかというようなことは非常に地質のデリケートな問題に関係がありますので、これはあらかじめどの程度の水が出るというようなことは予想はできないわけでございます。したがって、そういう点では、トンネルのぐあいで大なり小なりの渇水問題が出てくるということになろうかと思います。したがって、トンネルの地質調査が不十分だったからこういうような問題が起こったということではないというふうに考える次第でございます。
○桑名義治君 私は事前の調査が不十分であったためにこういう問題が起こったというふうに言っているわけじゃなくて、ここにトンネルを通すことが無理ではなかったのではないかということを申し上げているわけです。たとえばこの資料によりますと、国鉄のへのボーリングで地下水の自噴を見たことや、また工事を容易にするために同地点で地下水抜きの水揚げをされた実績からも立証できると——これは県の一つの資料でございますけれども、こういうふうに非常に地質的にもろい地質であるということ、先ほど申し上げたように大きな断層が二つ流れておったということ、それから過去、古老たちがよく言っておりますけれども、非常にもろくて、過去にもそういう断層が崩れた事例もあるというような事柄が言われているわけでございます。そういったことから、こういうふうに大量の湧出が起こったんではないかというふうに言われているわけです。そういった意味から、私はむしろここにトンネルをあけることが不適当ではなかったんではなかろうか、こういうふうに考えているわけですが、事前の調査の段階で、そういういわゆる御判断もぜひやっていく必要が今後あるんじゃないか、このことを提起しているんです。どうですか。
○説明員(内田隆滋君) ボーリングの途中におきまして被圧水が出た、その確認があった、あるいは断層等につきましても事前にわかっておったわけでございますが、被圧水の問題につきましてはこれはもういわゆるポケット的に水がそこで圧力を受ける、そこにボーリングをすれば自噴するというようなことは、これは各所で起こっておりますし、また日本の地質におきましては、普通の場合に断層があるというのは、これはもう幾つかの断層があるというのは常識でございまして、むしろ断層があるから掘れないというようなことではトンネルは掘れないということに通ずるんではないかというふうに考えます。したがって、トンネルを掘削する難易の度合いはございますけれども、現在のわれわれのトンネル技術をもってすれば、こういう地質においてこの程度の水があってそれで掘れないということはないし、またその場合の影響に対しても十分対処し得るという自信を持って着手しております。
○桑名義治君 時間がございませんので、この問題ばっかり論議するわけにはいきませんが、いずれにしましても地質の大半が古生代末の三群変成岩であったという非常にもろい土質が全面を覆っておったということは事実でございます。それに加えて断層がある、そしてそこに発破をかける、これは因果的に考えましても当然大量の水が湧出するということは考えられるわけでございますので、今後ともこういった問題も加味しながら、今後のトンネルの問題には対処していっていただきたい、こういうふうにまず申し上げておきたいと思います。 そこで水の問題につきましては、いまから先考えられることは、若宮の問題、福岡トンネルの問題を取り上げてみますと、この前の質問のときも申し上げたわけですが、福岡県があそこに二億五千万円を投じて多目的ダムをつくるという計画があるわけでございますが、この前の質問の中ではこれは現在予定をされている年月よりも延ばさざるを得ないであろうというような意味のお答えがあったわけでございます。で、このダムの建設が実際に可能であるかどうかという問題は非常に大きなこの地域にとっては問題を含んでいるわけです。御存じのようにあそこは産炭地でございます。非常な現在過疎になっているところでございまして、何とか産炭地という意味で復興していかなきゃならぬということで工業団地も近くにできております。その工業団地のいわゆる水もそのダムから供給をする。さらに若宮町、宮田町、こういった町に一日に約五千トンの水を住民の飲料水として供給するという、そういう計画もあったわけでございます。 そういうことを考えますと、ただ単にその地域一帯の住民の飲料水が枯渇した、あるいはまた農業用水が枯渇をしたこの地域一帯の住民の飲料水と農業用水を供給することで、問題が解決するわけではないわけでございまして、そういった意味を含めると、これはいわゆる回復をするためには膨大な予算がかかる、補償がかかる、こういう心配もしているわけでございますが、果たしてこのダムを完全につくることができるという保証がございますか。そういう確信がございますか。その点について伺っておきたいと思います。
○説明員(内田隆滋君) この点につきましては前の予算委員会のときにも御説明いたしましたように、現在湧水防止のためにトンネルの中の防水工事を鋭意実施中でございまして、また犬鴨川につきましてもベントナイトによる注入を実施中でございます。これらの工事は、大体本年度いっぱい現在の実施状況から言ってかかると思いますけれども、われわれとしてはこの工事が終わりますれば、まず漏水ということはとまるんであるというふうに考えております。これがとまればダムの建設は支障がないというふうに考えるわけでございます。そのときも御説明いたしましたように、いろいろのことをやりましてもいわゆる水道ができまして、それを注入でとめる場合に、ある程度、シーズニングと申しますか、断層の場合はそうなんでございますが、粘度が来て穴をだんだん詰めていくということによって復水していくという現象もございますので、完全にとまるかどうかというのはやってみないとわかりませんけれども、われわれとしては、もとに戻すようにできるだけの努力をいたしたい。なお、やってみた結果、どの程度復水するか。後は、もしそれが完全に復水できなければ若干の年月を要するのではないか、若干の年月さえいただければ、他のトンネルの工事の例から言いまして、完全に復水ができるということは間違いないと考えている次第でございます。
○桑名義治君 いまの御答弁をお聞きしておりますと、早急な対策は立てられないというようなニュアンスで受けとめざるを得ないわけでございます。そしてまた、これが特殊ないわゆる土質であった、地質であったということで、非常に困難を伴っているということはうかがわれるわけでございますが、今後の問題として考えられます問題は、とりあえず来年度の作付がこれが可能であるかということが一つと、それから完全にその地域の飲料水が確保されるかということが一つと、それから地域の住民の方から要求をされておりますため池の拡張並びに新設の要求が三カ所出ているわけでございますし、あるいは防火槽の作製が要求をされておるわけでございますが、こういった問題が充当をされているかどうかということがまず一つあると思います。 それから先ほど申し上げたように、ダムの建設がおくれますと、できておりますいわゆる工業団地の誘致が非常におくれてくるということになると、莫大なお金をかけたその利子でさえも補給が非常に困難な状態に入ってくる。というのは、産炭地という非常に財政的に弱い市町村がここにあるわけでございますので、こういった支出に対してどういうふうな措置をとっていくか、大きく分けますと、この二つに分かれてくると思いますが、この問題に対してどのようにお考えになっていらっしゃるか、国鉄としては最近の財政事情というのは非常に悪化をしております。その段階でこういうふうな大きな支出を強いるということは非常に苦しい状況下にあるわけでございますが、しかしトンネルを通してこのような状態が起こった以上は、これはどうしても補償をしておかないと、今後のまた問題にも、新幹線をつくるという段階におきましても、また大きな障害になることは事実でございますので、この点についてどういうふうにお考えですか、これは総裁と運輸大臣にお伺いをしておきたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 鉄道隧道を掘りまして、その渇水の問題がまま起こるということは事実でございますけれども、本件に関しましては、先ほど申し上げましたように、犬鴨川に粘土注入をやるということは、底から水が漏っているから漏らぬように底を張るということですね。と同時に、その漏ってきた水がトンネルに沿って流れるから、これをトンネルから注入して流れぬようにするというので、これは大体成功するだろうというふうに思っておるんですが、これが成功しなくて、そういう被害が残って、しかもそれがトンネルの掘削に明らかに起因するんだということになれば、これは全部私の方で責任をもって補償いたします、こういうことであります。
○国務大臣(木村睦男君) 本件のような場合には、よほどいろいろな点を考慮して工事を進めるべきでございますし、もちろん国鉄としても周到な準備と計画でやっておると思いますが、しかし上手の手から水が漏れるということもないとも保証できません。そういうふうな不幸な事態のときには、いま総裁から御答弁申し上げましたように、国鉄の責任でそれはカバーしなければいけないと思います。
○桑名義治君 もう時間が四分しかありませんので、次の問題に移りますが、いずれにしましても、トンネル問題は今後新幹線の建設をしていく上においては避けられないことでございますので、ひとつ慎重と、さらに技術革新の歩を進めていただきたい、このように要望しておきたいと思います。 それから門司の裏の方に白野江という地域があるのでございますが、ここは主に漁業とそれから採石、これが中心になって生活を営んでおるところでございますが、ここの港に現在百九十メートルばかりの防波堤があるわけでございます。この防波堤は、台風のときにはここにある四十隻の船が全部避難をしなければならないという状況に置かれているわけでございまして、昭和十八年の台風のときには、ここに停泊中の船が八隻これはもう粉々になってしまったというような事例もあるわけでございます。現在の百九十メートルにわたる防波堤も、これも十年間にわたって初めて百九十メートルに延びたというような事柄で、地域の人としては、これは何とかしてもらわなければならぬというような要望が強いわけでございます。 いろいろな状態を聞いてみますと、いままでの予算関係の中で、これに取り組む姿勢が非常に弱かったために予算措置ができなかった、しかし今後はこういう問題については強力な態勢をこしらえていくというお話でございますけれども、いずれにしましても、こういった小さな港が日本のような土地柄ではたくさんあるのではないか、しかも台風地区におきましては、完備をしていただかないと、最近のように船のふえた、あるいは船がだんだん大型化していっている現況の中では、よその港に避難をすることも台風時にはできないというような憂慮すべき状態が起こっているというふうに私は判断をしているわけでございますが、こういった問題に対する今後の処置の仕方についてまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(竹内良夫君) いま先生のおっしゃいました北九州の白野江船だまりといいますのは、北九州港の門司港付近にございまして、港湾法上の避難港ではございませんけれども、そこに石材運搬船がたくさんございまして、大体四十杯ぐらいおりますが、この石材運搬船の機帆船のたまりとなっております。それがだんだんと狭くなりまして、利用者からその拡張について要望が強い、それを受けまして北九州港の港湾管理者といたしましては、本年三千万円、四十九年度でございます。昭和五十年度の予算案におきましては、同じく三千万円を用意しているわけでございますが、この実施につきまして、地元の事情等ございまして着工が大変おくれております。五十年度におきまして、もうできるだけ早くやっていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。 なお全体の防波堤の長さは約三百メートルぐらい必要ではないかというように考えておりますが、このような小さな船の避難というのは大変むずかしゅうございますけれども、このような性質の防波装置、安全に対する政策に対しては、極力推進していきたい、このように考えている次第でございます。
○桑名義治君 白野江港についての今後の方針をお聞きしたわけでございますが、三千万円、三千万円ということで、まだまだ三年、四年、五年ぐらいはかかるんじゃないかというふうに思われるわけですが、九州方面というのは台風の通路でございますので、こういった小さな港については、少なくとも台風を避けられる程度の設備は早急に進めていただきたい、こういうように要望しておきたいと思います。時間が参りましたので、この問題についての大臣の御決意のほどを伺って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 全体の予算の枠にどうしても縛られるもんですから、一年や二年で全部やるということはなかなか困難でございますが、今後とも極力努力をいたしたいと思っています。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 分科担当委員の異動について御報告申し上げます。 予算委員の異動に伴い、桑名義治君の補欠として内田善利君が選任されました。 —————————————
○内田善利君 私は離島関係の運輸行政について御質問したいと思いますが、実は離島の港湾整備、これは四次にわたった五カ年計画で相当整備されていると、このように思っておりますが、私は最近奄美大島に参りまして、数年前にも経験したことを今度また経験したわけです。それは離島航路が整備されて大型客船が通るようになりました。ところが港湾の方は整備がおくれているために、はしけに乗って、はしけから本船に移ったわけですが、その日はちょうど天気も晴れておりましたし波もないので、岸壁ではできないのかと申しましたら、岸壁に最初は「クイーンコーラル」という六千四百トンですか、の客船が着いていたわけですけれども、それが離れていきまして、そしてわざわざはしけに乗ってそれに移ったわけですけれども、こういう姿がまだ日本で行われておるということは非常に人間無視でもあるし、また運輸行政の貧困さを私は示していると思うんです。こういうところは日本の国土の中で、私も離島振興審議会の委員をしておりますが、あるんでしょうか。一万人以上の人口のところで、こういうはしけで本船に渡らなければならないような港があるのかどうか、まずお聞きしたいと思いますが。
○政府委員(竹内良夫君) 日本の全国の離島の港湾をすべてチェックいたしますといろいろございますけれども、奄美に関しましては私本当におくれているという感じがいたします。大体内地の離島の関係におきましては、まあ主な港につきましては、大型船が着船できるというように整備されておりますけれども、この奄美群島に関しましては確かにいろいろな点においておくれているという感じがいたしております。
○内田善利君 ほかにはないということだと思いますが、昨年も徳永運輸大臣が行かれまして、非常にびっくりなさったと、そのおくれにですね。そのように聞いておりますが、私も何回も参りまして、あの沖永良部の島に行ったときに限って、本船から突き落とされたという表現が適切かと思いますが、また上るときにも波の高低によりまして、それに任せて船が上がってきたときに——私は余りにもひどいから写真を撮ってきたんですが、こういう小さなところに——貨物倉庫です、こういう小さなところに、はしけがこう波で揺れる、その揺れるところをころ合いを見計らって飛び込むわけです。ちょっと持っていって見せてください、大臣に。大臣行かれたことがあるかどうか知りませんが。 そういうことで、女、子供、非常に危険です。聞きますと、終戦当時沖繩から沖永良部島に帰ってこられた方々が、何といいますか、母港を目の前にしてたくさんの方が落ちて亡くなられたと、こういうように聞いておりますが、非常に危険なわけですね。まことに人間性無視、運輸行政の貧困さを物語っておると、このように思うんですが、私は、この五カ年計画以外に、何らかの特別措置で早急に積極的に取り組んでいただいて、こういう港湾はなくしていただきたい、こう思うんですけれども、その予算、そして対策をお聞きしたいと思います。
○政府委員(竹内良夫君) まず奄美大島の現状をちょっと申し上げますが、現在重要港湾に指定されております名瀬港というのがございます。そのほか避難港に指定されておる古仁屋港がございまして、そのほかに三十三港の地方港湾がございますけれども、それぞれ定期船の寄港港として、あるいは地場産品の積み出し港や生活必需品の搬入港として、あるいはまた漁船のための港湾として島民の日常生活に非常に密着している機能を持っているわけでございます。その整備につきましては、昭和二十九年以来国の特例措置に基づく復興事業、それから振興事業、これはそれぞれ昭和二十九年から三十八年まで、また振興事業は三十九年から四十八年までとして実施されまして、相当の成果をおさめてはいるとは思いますけれども、確かにいま先生のおっしゃったように、現在の定期船が大型化しているというような事情もありまして、それに追随していないというような状況でございます。 たとえば名瀬港だけは一万トンの船が着けるわけでございますけれども、徳之島の亀徳には五千トンの船がようやく静穏時にだけ着けるというような状態で、そのほかの港は二千トン級の船が静穏時のときに着けると。したがいまして、少し波があるともう着けないというような状態でございます。そういうわけでございますので、運輸省といたしましては昭和四十九年度以降さらに一層整備の促進を図るということに努力している最中でございます。実はいろいろ問題ございますけれども、昭和五十年度の予算に対しましては、総需要の抑制等の問題もございまして、港湾の全国予算は四%減というような惨めな形になったわけでございますけれども、この奄美に関しましては思い切って対前年度比で四五%——一四五%という伸びを入れましてこれの対策を考えている次第でございます。 で、大きな方向といたしましては、主な港につきまして大型の定期船が着船できるということを目標にいたしまして、現在、計画といたしましては一万トン級の船の岸壁をそれぞれ整備していきたい、このように考えておりますけれども、私の感じといたしましては、それよりも前に、現在就航しております五千トン級の船が、天候がある程度悪くても接岸できる七メートル五十の岸壁を極力早く整備、それに対する防波堤とかあるいは航路を整備していくというのに全力を挙げていきたいというように考えている次第でございます。
○国務大臣(木村睦男君) ただいま内田委員から写真を拝見したわけでございますが、実は奄美大島の港湾の整備につきましては、あそこの出身の保岡衆議院議員がたびたび私のところにも見えまして、つぶさにその実情を訴えられまして、私もそれなりに、まだ残念ながら行ってみてはおりませんですけれども、ひどいということも十分認識をしておりました。 そこで、いま港湾局長が申し上げましたように、五十年度の予算編成につきましては、全体では、総額は減っておりますが、奄美大島の港湾整備につきましては前年よりも五割近い予算を計上をいたしまして、参議院で予算が成立いたしますればこの案が実現できるわけでございます。これでできるだけ早く整備をしてあげたいと、かように思って今後とも努力を続けるつもりでございます。
○内田善利君 もう一つ、五割増でもなかなかそういうふうになるかどうか疑われるわけですが、ひとつ配慮いただいて、早急に取り組んでいただいて実現を見るようにしていただきたいと思います。今度行ったときには、はしけから乗らないで済むようにひとつしていただきたいと、こう思います。 それからもう一つの問題は、やはり運輸省関係なんですが、これも向こうに行きまして陳情を受けたわけですけれども、実は軽車両運送事業の問題ですけれども、これは奄美大島、沖繩の特徴ということですけれども、あそこだけしかないということですが、利用者の便宜をはかるということで昭和四十六年十二月、許可、認可等の整理に関する法律で道路運送法が改正され、そうして軽自動車が軽車両等運送事業として取り扱えるようになったと、このことで大島支庁長も喜んで皆さんに進められて、皆さんも、いま二百三十七両あるそうですが、この方々も喜んで、ある人は生計を投げ出して、まあいままでの仕事を変えてということですか、喜んでこの業に従事されたわけですが、ところが突然、四十八年の三月一日、鹿児島県の運輸事務所長の電話連絡で公示が来たわけです。これは乗車定員四名、積載量二百キログラムの条件では届け出は受理しないと、こういう公示が来た。それから今度は四十九年五月一日付、再び公示が参りまして、今度は新規届けは四十九年五月六日以降は受理しない、こういう公示が来ているわけですね。喜んで発足して、今日まで非常に大島の島民の皆さんに喜ばれて運送業をやってきたのに、一片の公示でこういうふうに変更になり、また受理しない、こういうことになって非常に困っておられるわけですが、こういうことはどういう法的根拠によってできたのかという一つの問題ですね、これまずお聞かせ願いたい。
○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。 軽自動車を使いまして人や物の運送をするということでございますが、昭和四十六年に許認可整理法によりまして道路運送法から軽自動車による貨物運送事業が外れたわけでございます。したがって、まだ道路運送法には軽自動車による旅客の運送事業は残っているわけでございます。貨物運送事業をどうして外したかと申しますと、軽自動車によって貨物を運ぶという場合には、初めから軽自動車を一人前の貨物自動車として運送するという場合は比較的少なくて、通常のトラックでは入れないような道ですね、そういったところに、小回りがきくものだからそれを使うとか、あるいは通常のトラックからさらに中継して付随的な運送をする、いわゆる一般のトラックの付帯的な運送行為、こういったことをやるために軽自動車で貨物を運ぶ場合が多いというふうな実態がございましたものでございますから、そのようなものは許認可整理という趣旨から道路運送法の免許を取らなくてもよろしいと、こういうふうにしたわけでございます。 ところが、そのときにも明らかに貨物を運ぶ場合だけ外したわけでございまして、旅客を運送する場合には外しておりませんので、今日でも軽自動車で旅客を運ぶという場合には、軽自動車以外の普通の乗用車を使いまして旅客を運送する場合のタクシー事業に該当いたしまして、この免許が要るのでございます。そのことを、現在沖繩あるいは奄美大島におきましては、免許を取らずして軽自動車によって旅客を運んでいるということが見られますので、これに対しましては、やはり明らかに無免許営業という形になりますので、取り締まりをいたしたいということでしたわけでございます。 そこで先ほどの陸運事務所長の公示でございますが、沖繩でも実はそうなんでございますけれども、貨物自動車ですという形で届け出をいたしまして、この貨物自動車に人間を乗せて、実質的には無免許のタクシー行為をしておる、こういうことがあったわけでございます。本来、この軽自動車を貨物運送に使うんであれば、座席定員というのは前の方の二人だけあればいいわけでありまして、後ろは貨物を積むわけでありますから、四名も座席定員を持っている必要は本来貨物に使うんであればないはずであるということから、この軽自動車による旅客運送という違法状態を防止するために、貨物自動車という形で軽自動車を使うならば当然座席定員は二名というふうに考えまして、そういった指導をしたわけでございます。ただこのことは、もともと沖繩から始まったわけでございますけれども、沖繩という地域の特殊な事情、つまり本土からの産業等の沖繩への移動等も十分行われないために、なかなか沖繩では私たちが考えてたように経済復興が思わしくない、そしてかなりたくさんの方がいわゆるまともな職業につけずに余っていらっしゃる、そういった方がこの道路運送法から軽自動車による貨物運送事業がフリーになったのを奇貨といたしまして、いわゆる違法でありますが、この人を運ぶということを始められたわけです。そういったことがございました。かなりの数が沖繩でございます。これにつきましては、もちろん沖繩の出先機関を使いまして取り締まりをいたしておりますけれども、私どもはこれにつきましては、何といっても沖繩県自体の経済的な復興、それによる余剰人員がなくなるということが第一義であると考えておりますし、また沖繩というところは非常に道路状況等も悪いために、一般のバス、タクシーのサービスが必ずしも思うに任せないという点もございます。そういったこともやはり改良いたしまして、沖繩の県民の方がそういった軽貨物自動車にタクシーとしてこれに乗るということがないように、しなくて済むような環境をつくりたいという形で鋭意努力をいたしております。奄美大島につきましても、そういったことで、こういった車を使わなくても、バス、タクシーという、いわゆる合法的な乗り物によりまして県内の交通が十分間に合うような方法を一生懸命進めたいと、こういう形で現在指導いたしておるところでございます。
○内田善利君 私は法的根拠を聞いたわけですが、そうすると、いまおっしゃったように、バス、タクシーを利用しろということですね。結構なんですが、私も船に乗って行ったことがありますが、午前五時に船は着きます。バスも何もおりません。タクシーもおりません。ただこの人たちが来ておられるために非常に助かっているわけです。夜も九時に出帆、ですから、やはり遠いところから来るときには非常に便利なわけです。 大臣の弁明書の中にも、こういう、まあ切り文句になりますが、これは軽貨物が貨物輸送よりも旅客輸送を主体としているために好評を博しているので、白トラが低賃金がゆえに荷主に好評を博しているのと同じ理由によるものであると、こう書いてありますけれども、これにも異論があります。私は、最初大島支庁長が喜んで皆さんに勧めたということも考えてみますと、また四十六年の十二月に法律に基づいて許可になって、二百三十七両がいま動いていて島民が非常に喜んでおるわけです。この辺もよく見ていただきたいと思うんですね。島民が非常に反駁して、あんなものはやめちまえと言うんだったらいいんですけれども、そうじゃなくて非常に利用者が多い。私も実態見てまいりました。ここで発言する以上は、実態見ないで発言できませんので。非常に利用しているわけです。まああるから利用している、あるいは弁明書にあるように、こういったことで利用しているのか——それはありましょう。ありましょうが、やはり今日までやってきて、公示を突然出しておるということ。と同時に、ある人が大臣に対して不服審査請求をしておるわけですが、それに対して六カ月以内に反論を出しなさいと。で、六カ月以内に反論を出した。その結果大臣からは何にも言ってきていない。何にも言ってきてないのに公示は出てくると、こういうことで、もう少しこの実態を見きわめた上で、違反ならば違反だと最初からきちっと指導していけばいいんですけれども、見て見ぬふりをしてきたという言葉が適切かどうか知りませんが、私に言わせれば確かに見て見ぬふりをしてきたと、よく利用されておるのでと、こういうことじゃないかと思いますが、違反であれば違反であるときちっと指導していけば私は納得されると思うんです。今日まで来ながら、不服審査請求をした、六カ月以内に反論を出した、大臣からは何にも言ってきてないのに、公示は取り締まっていくんだと、こういうことで、私はこの方々が非常に困っているんじゃないかと思うんですけれども、この点はどうなんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 現地の方からの不服審査、それに対する弁明書、反論等のことにつきまして、現在私ども検討中でございますが、近く結論を出しまして御本人にお答えをいたしたいと思っておりますが、お答えの中身は、やはり従来の法律解釈を踏まえたものになると思います。しかし私は、そういったこともさることながら、やはり先生お示しのように、こういった離島のような、道路状況等も必ずしもよくないというふうな地域において、一体いかなる交通サービスが一番そういった地域に合うのかというふうな観点から十分検討いたしまして、現在のバス、タクシーというふうなものが、本当に島民なり、あるいは本土から行かれる方の足にマッチしているかどうかという点も十分検討いたしまして、マッチさせるように指導もいたします。それから、そういった小さい島にふさわしいタクシー・キャブというものはいかなる仕様、設計のものがいいかという点につきましても、必ずしも従来の行きがかりにとらわれないで前向きに検討いたしまして、こういった離島の足を確保するという点について鋭意努力をいたしたいと思います。
○内田善利君 大臣の御所見をお聞きして終わりたいと思います。どのような対策を講じていったらいいか、そういう点についてですね。
○国務大臣(木村睦男君) 非常にこういうような場合にはわれわれとしても苦慮するわけなんです。というのは、地域の住民の方が非常にこれで便利をされておるわけでございますし、恐らく大きな交通事故とか、あるいは法外な運賃を取るとかいうことも恐らくないんじゃないかと思うわけでございます。ただ本則から言いますというと、旅客を運送するわけですから、安全性もなければいけませんし、運賃も適切でなければいけませんし、安全のためには運転する人も高度の運転免許の資格が要りますし、そういうふうなことで免許制にしておるわけでございます。 しかし、こういう地域では、それには相当な投資あるいは金がかかるわけでございますけれども、それだけの免許をもらってタクシー事業をやるのには需要の方が追っつかないで採算がとれないということで、自然発生的にこういうふうなものが、沖繩においてもそうでございますし、奄美大島においても起こっておると思うわけでございます。しかし、あくまでも安全という点には運輸大臣は責任があるわけでございます。これをこのま放置しておいてもしも事故が起きたら、一体運輸大臣は何をしておるかということに、必ず責任はこちらに来るんです、もう当然のことでございます。そういう観点から、こういうところでも、こういういわゆる違法の状態は早くなくしなければなりませんし、それには他の大都市や中都市等と同じようなかっこうのタクシー事業では実情に合わない。で、いま自動車局長が申し上げましたように、きわめて軽自動車ででも、こういうところでは軽自動車でやれるようなタクシー事業というふうなものを、まあ特殊事情を勘案して例外として認めるとか、そういうふうな実情に合う、しかも安全運転ができる保障があるというふうなものを何とか工夫して認めてあげることがいいのではないかと思っておりますので、そういう点も含めて検討をいたしたいと思っております。
○内田善利君 時間が参りましたので終わりますが、よくひとつこういった方々、めんどう見て、実態を見ていただいて、善処していただきたいと思います。 以上で終わります。
○河田賢治君 ちょっと時間がおくれてはおりますが、予定された範囲内で終わりたいと思うんです。 きょうは特別に気象庁に関する問題にしぼって、余り他の関係省庁の方も呼ばずに、それにしぼってやっていきたいと、こう思うんです。 で、御承知のとおり気象観測、その予報というものは、国民の生命や財産を守る、自然の災害から守ると。もちろんその災害が起こったときには海上保安庁なり、あるいは陸上では消防隊なんか出ますけれども、この気象業務を完全に遂行する、正確なものを渡す、そしてまた予報が完全に国民あるいはその官庁等々に周知徹底しておるかどうか、こういうことがまず問題になると思うんです。したがって災害が多く起こった場合には、気象庁自身も何らかのそれは責任を持たなきゃならぬ。決して気象を観測するだけが仕事ではないんで、そしてそれが国民の間に周知し徹底され、そうしてできる限り災害を避ける、あるいは守っていくということになるわけですが、こういう問題で海上保安庁や消防庁あたりでは常に国会にそういう報告が出ているわけですね、毎年。これは国会の決議がないから出さぬのかもしれませんけれども、しかし少なくとも気象観測とその予報、それらの結果について何らかそういうものを出すべきではないかというふうに私は考えるわけです。 まあそれが一つと、それから気象が御承知のとおり観測され、予報もされたと。ところが中には、この予報を余り重視せずに、注意や警報が出る、これにもかかわらず船を出したりいろんなことがあります、実例としまして。しかしまた気象庁の方の問題をとらえれば、必ずしもその地域地域で正確なものが出てないというようなこともあるわけですね。なかなか気象というものはいろいろな諸条件がありますから、すべて正確に確実に観測できるものではないでしょう。けれどもそれに近づいていくことが私は大事だと思うんです。そういう意味から、最近の気象の観測、その予報等々についての、どのような最近の傾向があるか。何というか、確率といいますかな、そういうものがどういうふうになってるか、そういうことを一応大まかに、ごく簡単で結構です、ひとつお話し願いたい。
○国務大臣(木村睦男君) 御質問の前段でございますが、気象庁の業務報告を国会にやったらどうかというお話でございますが、もちろん国会の意思でそういう御決定なり何なりがありますればそれはやるわけでございますが、まあそれ以外に自発的にということになりますと、やっぱり気象庁だけのことじゃございませんので、今度はほかから、またほかの報告を出せというふうになりますので、国会の意思によってそれに従うつもりでございます。 なお、後段の点は長官からお答えいたします。
○政府委員(毛利圭太郎君) 気象庁におきまして、先生がお話しになりました最近の気象庁の傾向ということでございますが、気象庁におきましては、先生御指摘のように災害の防止でありますとか交通の安全を目指しまして、いろいろ新しい気象学の進歩でございますとか気象技術の進歩発展などを取り入れ、また新たな施設整備、機械などを充実することによりまして、われわれ気象庁で出します天気予報並びに注意報でございますとか警報、気象情報などの内容を充実し、より正確にしまして、気象庁に与えられました任務を遂行するために努力している次第でございます。 近年、予報の精度を上げますためには、気象庁といたしまして大型の電子計算機を導入いたしまして、数値予報と申しまして電子計算機による天気予報の技術も取り入れてまいりました。また、ADESSと申しておりますけども、通信機械にも電子計算機を取り入れまして気象情報の早い伝達を図ってまいりました。また、昨年のテストを経まして、昨年の秋からAMEDASと申しておりますけれども、地域観測網という全国の……
○河田賢治君 それは後でよろしいですわ。長官に聞きますが、この間の三月二十日ですか、あの前後のときに長崎では引き船が、十六名の乗り組みが強風による転覆で七名が死んでおります。このときは余り波もそう高くないんですけど、まあ引き船ですから凌波性がないと思いますけれども、こういう問題があるわけですね。これがどの辺を通ったか私は知りませんが、相当こういうものが、早く船が受け付けられれば、まあ五島列島の近くだと思うんですから避難できたんじゃないかと思うわけですわ。それからまた、同時にこの三月二十日でしたか、御承知のとおり東京では非常にたくさんの雪が降りました、気象庁の方はこの雪も余り予想されなかったらしいんですが。それからまた御承知のとおり、しれとこ丸が東京を出ましたけれども、金華山沖で大きな波に遭ってとうとう三十三時間太平洋を少しぶらついたというような問題があるわけですね。だから、こういう点から見ましてもまだまだいろいろな災害について天気予報が、予報されたことがどうなっているかということは、やっぱりある程度官庁としましてもこれは知っていかなきゃならぬ。単に自分のところは予報を出したと、警報を出したということだけではなく、やはりこういうふうに大きな強風があって、それがいろんな地点でこういう問題を起こしているわけですから、これらが本当に確実に周知し、徹底したかどうか、そういう問題も調べて、まあ私はやる必要があると思うんです。単に出すだけじゃだめだと思うんですね。本当にいろいろな中継局なり、あるいは船なんかが、あるいは漁連、こういうところはそれを受けて確実に施行したかどうかというようなことまで調べていきませんと、余りこれは国民の命や財産を守るサービス官庁として私は不適当だと思うんです。 そこでちょっとお伺いしますが、この前天皇が、十月の十二日ですか、読売新聞社の関係で大手町の気象庁をそのとき御視察なさった。で、毛利長官の案内でずっとあちらこちらを見られて、まあ新聞によりますと、予報部では「最近は天気予報もよくなったんだね。まだあたらないこともあるが、……観測所の数が足りないのか」、こういう御質問があったと、これに対してあれは書いておりませんけれども、そのとき毛利長官は「気象学がまだ発達していませんので……」と恐縮したと、こういうふうな報道があります。私はどんなそれ以外に御質問があって、どんな御答弁があったか知りませんけれども、まだ本当に気象学が十分発達していないというお考えですけれども、つまり気象についてのまだ十分なわれわれの人知の力ではできていない部分があると、世界的にも。また日本のように特に地形が山岳地帯が多くて、また南北に非常に細長く横たわって、海洋の影響も受けるというところですから、特別にやはり日本の気象を確実につかむにはいろいろな設備や方法が要ると思うのですね。そこで、ところが、こういう時期に、気象庁では第三次業務整備計画というものがあるのですね。見直されて、特に第一年度計画として出されておる。それもやっと二十六日、共産党の岩間議員が質問する。それからまた二十七日の災害対策で衆議院の山原議員が質問して、そのときまあ初めてどのところを廃止し、どのところを減らすか、合併するか、あるいは二十四時間の二十四回の観測通報を八回に減らすとか、こういう具体的な、つまり業務計画の内容がそのとき発表されたわけです。 で、この問題について少し私は立ち入っていまここでお聞きしたいと思うのです。このまずやり方なんですけどね、まず、この結果がどうなろうとこいつはまあ後にしまして。この問題についてはずいぶんと長官のところへも直接いろんな陳情が行ったと思うのですね、昨年からことしの二月にかけて。それはもう御承知ですね。長官、簡単に答えてください。来たら来たでいい……。
○政府委員(毛利圭太郎君) 陳情は、長官宛ての陳情書、また電報、はがきなどで参っております。
○河田賢治君 これは、陳情が行くのみならず各地で町役場なり町会なりあるいは県議会なり、こういうところで決議しているわけですよ。つまり、あなたがたが個々の地方の住民にサービスする特殊な気象条件もあります。ところが、そこの地域から、これは減らしてもらっちゃ困るとか、減員せぬと、そして二十四時間のうち二十四回通報を八回にするというようなことをせずに、もつと従来どおりやってもらいたいというそういう要求が出たわけでしょう。 まあ私の方で調べたのでは、たとえば新潟の相川測候所、ここでは地元の相川町議会で五十年の一月に反対の決議をしている。新潟の地方の気象台長、総務課長が県議会長へ説明に行ったがまともに回答ができなくて退散したと、翌十四日には管区の気象台長が急遽説明に行ったが同じ結果になった。ついに三月二十日県議会で相川測候所の削減中止に関する要望書というものが満場一致といいますか超党派。特にあちらは自民党の方の多いところです。共産党の議員なんてもう二人くらいしかいないのですね。そういうところでも超党派で採択されているわけですね。つまり、新潟の言わば県民の意思としてここに出ている。 あるいは前橋でも、桐生の市議会で通報所の存続要望が採択される。県議会でも三月十四日に、気象業務の強化充実についての意見書、これが採択されている。それからまた長野の上田気象通報所、この廃止の問題、二名削減の問題で、県議会で、上田通報所の廃止、諏訪測候所の夜間閉鎖反対及び気象事業の充実についてというのが採択されている。あるいはまた白浜、これなんかでも白浜の町議会が反対決議をする。和歌山県議会でもことしの一月にやはり反対決議。田辺の市議会もそうですね。こういうふうにしてまあこの辺もやっている。あるいは岩手の湯田、ここでも町当局は委託観測所として存続するが町がやると言っている。まあここは減らして、そして町自身が職員を一名入れてそしてそこで観測業務をやろうと、こういうことが言われております。これはまあ地方自治体に対する大きなしわ寄せになります。こういうような問題が起きておる。 それからまたそのほか小名浜、いわき市が陳情書を提出。輪島(石川)市会議長陳情に上京。あるいは三島(静岡)関係町議会が反対決議。伊良湖(愛知)これも県議会が三月二十日に反対しておる。豊岡も関係町で陳情書の提出。それから西郷(島根)町議会、漁協が反対で、県でその当時は陳情書作成中ということになっておる。広島の床原、ここでも関係市町村が反対、陳情書提出。宿も(高知)市議会で反対決議。厳原(長崎)関係町議会で反対決議。至るところで、今度の、廃止されたり、あるいはそういう通報の回数が減らされることについて、つまりいま気象庁でおやりになろうとするこの業務のサービスを低下させるという問題に対する住民の意思が、みんなこういうふうに上がってきている。 一体、気象庁の長官は、こういう住民、そのまた代表者である町会やあるいは県議会の意向というものをどういうふうにお考えになるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。簡単に頼みますよ、あとまだたくさんありますからね。
○政府委員(毛利圭太郎君) ただいま先生御指摘になりましたように、陳情書が各地から出ておりますが、その中で、第一年度、昭和五十年度の削減の方針といたしまして、二十四回気象観測通報を八回の気象観測通報にいたします一つの柱と、通報所の併設廃止の柱と、その他の柱とございまして、直接これに関係いたします陳情書というものは、その中である限られた数になっておりまして、そのほかの場所につきましては一般的ないろいろな陳情がある現状でございます。 気象庁といたしまして、このような陳情書などいろいろお聞きしながら、先ほど申し上げました気象庁の目的であります災害防止のための努力、気象予報精度の向上という目的のために、いろいろ施設の充実、その技術の発展を入れながら努力しておるんでございまして、これらのいろいろな陳情、お話をお聞きしながら、われわれとしても今後の方針に、もしも努力して反映することができるものがございましたならばそういう方向で取り入れることも考えながら、十分に衆知を集めまして慎重な検討を続けて方針を進めておる次第でございます。
○河田賢治君 検討されても、もうすぐ四月一日から実施されるところがあるわけでしょう、そういうところが反対しておるでしょう。これから検討するとか、衆知を集めて何やるとか言っても、もう四月一日来ているんですよね。第一、気象業務法というものをあんた御存じでしょう。「この法律は、気象業務に関する基本的制度を定めることによって、気象業務の健全な発達を図り、もって災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与する」ということがもう第一条の「目的」にうたわれているんですよ、ね。ところが、県議会、地方自治体だけでなく、それはまた住民の意思や産業を反映するんですけれども、漁業にしましても、農業にしましても、気象観測というものが、雨一つ降ったらもう自分たちのつくった製品がだめになる。たとえば北海道あたりではコンブなんかを干します。雨が一滴落ちたらもう品質ががた落ちなんですよ。あるいは牧草の取り入れどきとか、あるいはそのほかいろんな農産物が気象の関係で被害を受けるわけなんですから、だからこれらができるだけ親切にそこの住民に与えられるということは、それらの人々の生活また利益を守ることである、財産を守ることになる。大きな至難の問題でなく、そういうような自分たちの生活にかかわる問題が今日あるわけなんです、気象業務としては。ですから、それは役所としましては、できるだけ、いま政府は合理化だ合理化だと言っておりますけれども、しかし合理化というのは国民の必要なサービスをだめにしてそして合理化をやれと言うんじゃないと思うんですよ、政府だって。三木さんなんかもずいぶん今日では、公共の福祉だとかあるいは人間尊重、弱者救済ということも言っておられる。そうだとすれば、その精神ならば、やはり公共部門である気象庁あたりは、一方研究はしなくちゃならない、他方また国民に対するサービスをできるだけ減らさぬように、これにむしろ上積みするような措置をとることが私は必要だと思うんですよ。 第一、この問題につきまして気象庁の内部でいろいろ論議があったようです。議事録を見てみますと、非常にもうむちゃなんですね。部外から陳情があったら、すでに来ているけれども、圧力で引き下がることをするなというようなことを東京管区の気象台長が言っておるんですね。それから、一般の人はようわからぬから、議員対策はできたら、まあ地方じゃ困るだろうからこれは本庁でやってもらえとかね。あるいは、測候所の勤務態様の変更なんぞも問題である。地域サービスについては地元に説明する必要があるだろうが、サービスの低下については反論しかねるというような正しい見解を持っておる台長もおりましたけれども、そういうときには当局は、地元への説得なんというものはもう理論でいけと、こういう調子なんですね。なかなか理論言ったってお百姓さんや業者にはわからぬだろうからって、こういう調子なんです、ね。 〔主査退席、副主査着席〕 こういうふうに、もうずいぶんと陳情やなんかでお弱りになって、とうとう最後には御承知のとおり、あなたの方が御承知だと思うんですけれども、とらの巻をつくられたんですね、それに対するどのような答弁をするかって。これは三月の十日です、気象庁が、昭和五十年度「業務整理等に関する考え方」、こういうものを回して、そうして答えを知り得るようなとらの巻が出ているんですね。——これはお出しになりましたですな。
○政府委員(毛利圭太郎君) 「第三次業務整理等に関する考え方」という部内の文書を作成いたしました。
○河田賢治君 いずれにしましても、「考え方」で、つまり住民に対してですね、うまくいろんなことを逃げる口上をこれは伝えたにすぎない。この地方自治体の見解や、あるいは各漁業、農業、あるいは林業とか等々、日本のかなりおくれた産業の方が一番こういう自然条件の影響を受けるわけですから、これらの要請、これらの要求というものを無視してそうして気象庁は今日の削減計画あるいは整理計画を立てておられるんです。これは私は、もう本当に、現在の事態で、しかも今日は不況が来て、あちらこちらでは皆生活が困難になってきておると。そしてまた気象庁の業務もこういうふうにしてあれするということは大変国民の見解を無視したものだと。 しかも御承知のとおり、航空航路に当たっての気象庁関係では、こういう問題は出ていないわけでしょう、ね。航空は大事だとおっしゃるかもしれませんけれども、飛行機に乗っている人だけが大事なんであとの方は構わぬというんでは、これは筋が通らぬのじゃないですか。これはどうなんです。
○政府委員(毛利圭太郎君) ただいま先生御指摘になりました二十四回気象観測通報を八回の観測通報に置きかえました点でございますが、これは、昨年の十一月からわれわれが全国に約千百カ所に観測点を置きましてリアルタイムで資料を集めるようになりました。この結果、いままで二十四回観測通報を行っていましたところ、人手で観測しておりました資料が全部機械で資料がとれるようになりまして、これを、同じ業務は一つにするという考え方で、二十四回観測通報のうち八回を人がやるというふうに置きかえたのでございます。その際に、二十四回観測通報を行っております個所はもともと気象庁で、たとえば不連続線でございますとかあるいは低気圧などの急激な発達などを監視いたしますために、離島でございますとか僻地のようなところ、みさきでございますとか、そういうところに二十四回観測通報個所を置いて天気の急変をいままで見ていたのでございますが、これが機械でできるようになりました。その意味におきまして、もちろん二十四回観測通報を行っておりますので、これを航空機、航空関係にも知らせることによりましてわれわれとしてはその資料を使っていただいていたのでございますが、そのうちで約半数の個所につきまして、今年度、第一年度につきましては二十四回観測を八回の観測通報に置きかえたんでございますが、残り主要な航空路にございます官署につきましてはなおそのまま存置するという方針で第一年度の方針を立てた次第でございます。
○河田賢治君 いずれにしましても、こういうふうにして気象業務が二十四回観測情報というものが八回になる、それから、あちらこちらの小さいところがなくなる、あるいは夜間が閉鎖されるとか、とにかく今日気象関係の地域では大きな問題になってきたわけです。で、恐らくこの中にも言っておりますが、いろんなこういう問題が予算の関係だと言って大蔵省がやかましいと、けれども、大蔵省がやかましければ胸を張って、これは大臣とも関係するんですけれども、やはり大蔵省に対してサービス部門というものは要求しなくちゃならぬと思うのですよ。国民に明らかになるように責任を持ってそれをやる必要がある。もしもこのような第三次業務計画ができていろいろなサービスが低下する——観測もいろんな機械ができたけれども、とにかくそれを運用しても、これが従来よりも低下してまいる、観測と予報業務が、実際に、——予報はできますよ。それが実際に低下した場合にはあなた責任とりますか。少なくとも、いやしくもあなた方はそういう仕事を自分のいわば命としてされているわけですから、業務を。そうすると、それがうまくいかなければもう自分でその職を賭す、そのまた責任をとるという態度がなくちゃならぬと思うのですよ。それなくして私はそういう大きなこういう変革を庁内に与えちゃならぬし、また国民の側にとってもそうだと思うのですよ。一体そういう腹のつもりはあるのですか。そのことを一遍聞いておきたい、これから結果は後に出るでしょうから。
○政府委員(毛利圭太郎君) 先生御指摘になりました、気象庁が国民に対しますサービス並びに予報その他の内容の点でございますが、この点につきましては、気象庁といたしまして、一昨年になりますか、電子計算機によります天気予報の予想天気図の発表をいままで一日に一回出しておりましたものを、おととしよりは一日に二回予想天気図をつくるというふうにわれわれの気象の技術を大幅に取り入れまして進歩を図りました。また、このときに予報のモデルの内容を改良いたしまして、いままでよりも、われわれは格子間隔と申しておりますけれども、計算する地点の数をふやしまして、より精度の向上を図ったのでございます。また、昨年の秋に、これはいろいろ気象庁に長い間要望がございました集中豪雨対策として、われわれとして努力を続けてまいりました。いろいろな御要望によりまして集中豪雨をよりよく当てるということの努力を続けてまいりましたのに対しまして、いろいろわれわれのお話を聞いていただきまして、先ほど申し上げましたように、全国に本年度百十カ所ばかりの雨の観測地点をリアルタイムで東京に直ちに集めることができるようになったと、こういう施設をいたしましていままでよりもさらに集中豪雨、雨の監視に対しましての技術的な向上並びにそれをもとにいたします情報の向上は図られているものと信じております。その意味におきましてわれわれはこういうふうな技術、施設、こういうものを、十分に現在までございます気象庁の人員、施設を活用いたしますとともに、新しくこういうふうに導入いたしました近代技術を導入いたしまして情報、天気予報その他の向上を図り得るものと信じております。
○河田賢治君 そのいろんな機械なんかを入れたと言って、それは確かに便利な面もあるにせよ、しかし機械だってやっぱり人間が使うのでしょう。いろいろ電子計算機だ何だとか言いますけれども、最近の一番科学の粋を誇って新幹線ができましたが、新幹線あのとおりの故障でしょう。原子力発電所、これだって御承知のとおり至るところで原子力発電所が発電能力をなくしているのです。みんな現代の一番の科学の粋を集めてつくったものですよ。それが今日どこもここも故障だらけでしょう。こういう機械だけを信じてやりましても、これは余りにも機械技術の過信になると思うのです。ないよりましのものもありますよ、それは私は否定するわけではありません。しかし、それだけ存頼りにすることはこれは間違いだと思うのです。そういう結果が生まれると思います。 そういう点で、まだほかにたくさんあるんですけれども、時間の関係で、いろいろ詳しくそういうことを論議する時間が実はございません。そこで、若干具体的な問題で、地元から出たりなんかしている問題で、ひとつ気象庁の考え方をお伺いしたい。 舞鶴の海洋気象台は四つのうちの一つで、しかし日本海側の気象行政、日本海側にあってはただ一つの海洋気象台になるわけですが、ここに気象台の予報課というものがありますが、この中枢の定員が非常に少ない。第一、定員がいま十二名、これは舞鶴だけなんですね。ほかの函館、神戸、長崎等はもっと人が多い。ところが、ここは十二名で、測候課の業務と予報課のと、これらが複合制になっておるので、舞鶴のこの問題を解消するために複合制をやめてもらいたい。通信業務なんかも引き受けているんですから、ミスも大分ある。だから、どうしても専任の通信員を配置してもらいたい。それで、海上予報中枢としての位置づけが明確でない。御承知のとおり、もうあちらこちらが削減されたりなんかしますと、舞鶴が中心になるわけですね。広い日本海域を受け持つわけですが、少なくとも五名ぐらいの増員ですか、十七名にすべきだとここの職員の諸君は考えております。この問題について簡単にひとつお答え願いたい。
○政府委員(毛利圭太郎君) 舞鶴海洋気象台におきましては、日本海側にございまして、ただいま先生御指摘のように、日本海側の海上予報中枢として任務を持っておるわけでございますが、陸上の状況につきましては、京都に地方気象台がございまして、京都府につきましての責任は、陸上につきましては京都の地方気象台が持っておりまして、舞鶴は指定地区予報区という分担を担任しておる状況でございます。その指定地区につきまして、予報、警報の作成、発表を行っておるわけでございます。人員は総計七十七名おりますが、観測、予報関係の方が二十三名。船がございますが、清風丸という船の船員と海洋、海上関係で四十三名、総務関係十一名、以上七十七名が現在仕事をしているわけでございます。この予報の、先生御指摘になりました海上予報中枢という仕事は、地方海上予報、予報と警報というものを作成する義務を持っておりまして、これにつきましてわれわれはそれなりの定員を考えて配置いたしました。また観測につきましては、舞鶴はただいま二十四回の観測通報を実施しておりまして、観測につきましてもこの人員を配置しておるのでございます。 なお、複合の状況についてお話がございましたが、現在この予報課と測候課という二つの課の現業の人が複合の勤務をしておる実情でございますが、なお、このような状態は地方気象台におきましても、やはり技術課という一つの課におきまして、予報と観測と通信の業務を行っている現状が別にございます。そのような点につきまして、われわれといたしましては、人員査定に当たりまして、十分に慎重に審査をいたし、業務を調べましてこの定員を考えて置いてあるのでございまして、現在このような定員状況で十分与えられたる舞鶴気象台の任務が実現できるとわれわれは考えております。
○河田賢治君 とにかく、やがて週休二日制というようなものを人事院では近く発表すると言っておりますし、そういうふうになりますと、人員の問題については、御承知のとおり海上保安庁にしましてもあるいは税関なんかでも非常に夜勤が多いわけですね。若い人でももう毎日夜勤ばっかりで、昼間は家庭の団らんもあまりとれないとかと言う方もあります。金さえ出せば、超過勤務手当を出せばそれでいいというような考えでずいぶんいま超過勤務というものが、まあちょっと予算を見ましても、正確には出ませんけれども、気象庁あるいは海上保安庁とか、あるいはまたそのほか税関ですね、羽田あたりの、こういうところは多いわけですね。これは次の来たるべきあれに対しては、きちんとこの辺は時間と賃金というものをごっちゃにせぬと、やっぱり考えるべきだと私は思うんですが、そのことを考慮して今後やっていただきたい。 それから観測器材の問題等についてほんの一言、二言ごく簡単にお答え願いたい。ブイロボットの六号設置はいつできるのか。それから沿岸波浪計の設置計画がどうなっているのか。これは、かつて私も実際の波浪計なんかをちょっと見ましたけれども、いずれにしましてもこういうものがありませんと、いろいろ今日日本海方面でも波浪が非常に高かったりして、かつて島根県では昭和四十六年でしたか、一月の四日、お正月中に船が百八十隻も、しかも大体手こぎ船ですね、これが波で岸壁に当てられて、それでもう全部使用が不可能になったことがあります。原子力発電所の突堤、これがつぶれちゃった、コンクリートの大きなやつが。そういう問題がありまして、私もそのときに災害対策で行って実際に見てきたわけなんですけれども、とにかく、こういうふうに日本海でめったに吹かぬ東北の風が吹いて、それで波が非常に高かった、こういう問題があったわけです。その当時もやはりこういう波浪計や何かを置いてもらえばもっと早くこれが予知できて、そして漁連に通ずれば、船をもう少し高いところに上げればその危険が避けられたということを言っておりました。だからこういう点は私は、いろいろ電子計算機やその他いろんなそういう高級なものに頼っておられますけれども、できるだけこういう沿岸の波浪計とか何とかをひとつ早くやってもらいたい。聞くところによりますと、——一つにしますけれども、運輸省の港湾局もやっぱりやっておられる。それと合わせて六十か七十ばかりおつくりになる。ところが、港湾局は港湾局で同じようなもの、まあこれは仕事の関係上つくられるのだと思うのですけれども、海上保安庁も保安庁でつくられる。こういうふうになりますと連絡がないような気がするんですね。それは特別にこっちだけしか使えぬというものかもしれませんけれども、同じような波浪計ならどっちでも利用できるとかということもあるんじゃないかと思うんです。しかも、これが何でも年に一カ所ぐらいしかつくらぬ。これを六十カ所つくるには五十年、六十年かかってしまうのですね。おそらくこんな長い計画というものはないと思うんですね。大した金でもないんですからね。こういうものを、港湾局なんかとの関係と、それから何カ所ぐらい、そしてまずどのような設置計画を持っておられるか、ごく簡単におっしゃっていただきたい。
○政府委員(毛利圭太郎君) 第一のブイロボットについて申し上げますと、気象庁は重要事項といたしまして毎年一個のブイロボットの設置を計画し、実施してまいりましたが、第六号ブイロボットに関しましては五十年度の予算でこれを実施いたしまして、日本海の中部におきまして五十一年度から運用をする予定でございます。 次に沿岸波浪計につきましては、気象庁におきましてはすでに石廊崎に四十九年度にその施設を整備いたしましたが、五十年度には経ケ岬にこれを整備する計画でございます。 なお、このようなことにつきまして、ただいま先生から御指摘がございました運輸省の中の港湾局とか海上保安庁その他につきましては、気象庁といたしましても十分密接な相互連絡を図りながらこれを計画、実施したいと存じております。
○河田賢治君 それからこのマリアナ対策はもう終わったといって、「いず」それから「みうら」ですか、海上保安庁の船なんです。けれども、気象庁の職員がそこへ出向していたらしいんですが、これにかわる——そこまでいく、いかぬは別としまして、これと同じような形態のものをやはり気象庁としても置く必要があるのではないかということと、それから「のじま」それから「おじか」、これは海上保安庁所属の定点観測船が第二年度で削減される計画になっているということを聞いておるんですが、これも定点観測はやはり重要ですし、こういうものをどんどん減らすばかりが能じゃないんで、よっぽど役立たぬというんならそれはわかりますよ。けれども、まだまだ長官が天皇に言われたように、気象学はまだ発達していないんだと言えば、やっぱりいろいろなものをある程度つくって、擬勢には見えてもやはりそういうものをそろえて、だんだん学問的にもこれを向上さしていく。実際にもまた、半分役立てば半分だけ役立つようにそういう指導をしていくということが大事じゃないかと思うんですが、この点を一つ。
○政府委員(毛利圭太郎君) 第一点の、「いず」「みうら」にレーダー観測員が乗っておりました件でございますが、気象庁といたしまして、人工衛星の写真を受けましてこれを非常にきれいな写真が撮れるようになりまして、これを広い海上の資料に置きかえることができるという判断が昨年の春以来できるようになりました。また先ほどのブイロボットの展開、すでに六号になりまして、日本海、本邦南方海上、東支那海、三陸沖、日本海中部と、このようにブイロボットの展開ができた時点におきましては、十分に「いず」「みうら」でやっておりました観測を置きかえられるという判断をいたしましてこれを本年度より中止いたした次第でございます。 第二点の、「のじま」「おじか」の定点観測のことでございますが、これを変更する計画はただいまのところございません。
○副主査(栗原俊夫君) 河田委員、時間ですから簡単に。
○河田賢治君 もう時間があまりございませんので、港湾及び漁船用の気象業務について。 御承知のとおり、港湾気象官というのが横浜、神戸、名古屋で一名だけだというんですね、配置されているのは。これはポストだけで有名無実になっているということが現場の人々からも言われております。一体こういうものをもっと充実させるのか。させるとすれば、どういうふうにやるか。こるはごく簡単でいいんですが、一つと、それから漁船の気象情報というものをいま非常に漁船は望んでいる。だから、この間も日本海西部漁業気象連絡協議会というものを開いて、これが漁業専門の漁業気象部というものを設けてくれ、こういう要求が出ているんですね。それほど漁業者にとっては現在の漁業に対する観測や予報のサービスが足らぬということだと思うんですね。こういうふうな問題が出ているんですから、この点はやはり一応連絡協議会が要望しておりますので、それに対するあなた方の考え。 それから最近やはり漁船からたくさん情報を受けるわけですね、いろいろな気象上の。こちらからのサービスが少ないと言うんですね。外国ではもう盛んに漁船にいろんな補助措置をしております。 〔副主査退席、主査着席〕 法律にも、御承知のとおり、気象業務法の第十二条で、観測機の購入の補助、器材の貸付ということが明記されているんですね。外国ではこれをやっているんですよ。ところが、日本ではこれはあまりやってない。あまりじゃない。全然。むしろ漁民の方からサービスを気象庁が受けておるというようなことも聞いております。だから、本来ならばこういう問題で漁船に相当の新しい器材がどんどんできるわけでしょうから、これをやっぱりある一定の漁区に対して貸し与えるとか、貸し付ける、そして反対給付を受けるとか、こういうことが必要じゃないかと思うんです。ですから、こういう点はこれはまだこれまでおやりになっていないけれども、漁業関係者からそういう考えもあるということですから、この点はひとつもう一遍願いますわ。 最後にこれは大臣、合理化計画というものは、こういうふうに、御承知のとおり全国の漁業関係者に、また農業の関係者等にも大きな影響を与えております。合理化というものが至上命令かもしれませんけれども、しかし、合理化も所によってはやらなければならぬ、ずいぶんと不要のものもありますし、そういうものにできるだけ合理化の的を当てて、そして必要な国民サービス的なものは、これをもっと拡充していく、そういうお考えが必要じゃないかと思うんです。だからこういう点について合理化計画のいわば再検討を私は求めたいと思うんですが、これはひとつ大臣からお聞かせ願いたい、これだけ申して私の質問を終わります。
○政府委員(毛利圭太郎君) 港湾気象官のことにつきまして一点申し上げますと、神戸、横浜、名古屋についてこれは実施いたしまして、業務量も査定してわれわれは仕事を考えて実施しております。 さらに漁船に対しますサービスの充実で連絡協議会その他の要望でございますが、漁船に対しましては、われわれといたしまして全般海上予報というものを船舶気象無線通報によっておりますのが一点。海上保安庁などを通じました地方海上予警報というのを行っておりますのが第二点。NHK、日本短波放送などによる漁業気象通報が第三点。その他NHK、ローカル、民放放送局などによりますローカルの海上予警報を行っております。さらに無線ファックス放送によりまして地上天気図、外洋波浪図などを提供しております。特に漁船に対しましては漁業用海岸局を通じまして予警報を最寄りの気象官署から特に伝達し、漁船からの天気相談などにも応じております。これらの点につきましては、先生御指摘のようにわれわれも今後さらに充実、一層の拡張をはかっていきたい所存でございます。
○国務大臣(木村睦男君) 気象庁の業務も国民の税金によって行っておるわけでございますので、できる限りの合理化はやらなければならないと思います。同時にサービスの仕事でございますから、サービスの低下にならないように、より的確なより精度の高い気象情報を提供をして、それぞれ役立たすように今後とも努力をいたすつもりでございます。
○最上進君 私は国民の立場から幾つか素直に率直な質問をさせていただきたいと思います。 まず第一に、国鉄の総裁にお伺いいたしますけれども、国鉄のいわゆる財政再建計画というものが四十八年に策定されまして、実施されまして以来ことしで三年目に入るわけでありますけれども、今日まで最もどこに重点を置いて国鉄の財政再建を図る、そういうお考えでこられたのか、まずお伺いいたしたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 国鉄の財政再建につきましては、御承知のように政府並びに国民の御援助と、国鉄自身の努力ということが三つの柱になっておるのでありますが、まずもって国鉄自身のやるべき努力ということに関しましては、国鉄は年々仕事の量がふえるのでございますけれども、人員をだんだん縮減していくと、縮減していくと言うことははなはだ語弊があるのでございますが、機械力でもって置き変えて、いわゆる省力機械を入れることによって人件費を減らそうという努力を重ねまして、現在まで大体四万人ぐらい数の上では減っておりますけれども、現実にはその問の仕事の増は大体三万人ぐらいでございますので、それらを入れると大体七万人ぐらいの人件費の合理化をやったという結論になるかと思いますが、それにもかかわらず物価の狂騰であるとか、その他の事情によりまして国鉄財政が非常な危機に瀕しているということははなはだ残念に存ずる次第であります。
○最上進君 ただいま、国民の御援助あるいは御協力、国鉄が努力しているというお話しでありましたけれども、国民の援助を得てこの再建計画というものを実現していくと、そういう気持ちが本当におありになるのかどうかということを私は非常に昨今感じます。で、私は特に現場に出て、いま利用している国民の協力を得たというなら、まず国民がいかにいま国鉄に対して不満を抱き、そしていろいろな批判をしている、そういうことを私は総裁自身がやはりお知りになる必要があるというふうに考えておるのですけれども、第一、総裁はいま国鉄を御利用になったり、汽車を利用されるということはどのくらい月のうち、お通いのときは何で……。
○説明員(藤井松太郎君) 私は原則として列車で通っておりますので一日二回と申したら……一回のときもございますが、大体そういうようなことであります。 その第一の質問、これは非常なむずかしい御質問でございますが、別にわれわれとしてはこれは現在努力が足らぬとおっしゃられればそれは百点になってないと私もよく存じておるのでございますけれども、国鉄自身ができるだけ命がけと言うのは言いようが強過ぎますけれども、そういう努力をして、後はわれわれが生産した輸送を御利用くださるのは国民であり政府であるというようなことで、私どもはこれ以上はできないというような努力をする限りにおいて、後はひとつお助けを願いたいというのが心情でございます。
○最上進君 先ほどの御説明で四万人ぐらいという数字があったんでございますけれども、私は国鉄当局のお話を先般伺っておりまして、四万三千人という数を聞いておりますけれどもそうじゃないのでしょうか。
○説明員(藤井松太郎君) 正確に申せば四万三千人というふうに申し上げておりますけれども、その反面、仕事の増に絡みまして三万人ぐらいの増を押さえておるということで正確に言えば七万三千人というようなことになるかもしれませんけれども、そこらは大体その四万、三万というふうに申し上げております。
○最上進君 私は世代が違うからかもしれません。私自身とにかく本当に国鉄の財政再建ということを考えて発言するならば、三千人ぐらい、四万人と四万三千人の違いを、私は発言の中でもやはり慎重にしていただきたい。三千人のいわゆる給与というものが年間にどのくらいな額になるのか。私は三千人ぐらいの数字だから切り捨てて云々という姿勢というものが非常に残念でならないのです。そういうことについても以後お気をつけていただきたいと思いますけれども、話は二十七日のストが回避されたわけでございます。それは関係各位の皆さんの御努力があったからであるというふうに考えておりますけれども、その中で特に物議を醸し出した総裁の御発言があったわけでございます。いわゆる処分留保の問題でございますけれども、この中で二十五日に総裁が、国労、動労にいわゆる昨年春闘の処分を当面留保するという、そういう談話をお出しになって示されたということでございますけれども、その後、連絡が不十分であって所管の運輸大臣すらその話を聞いていなかったというようなことを私は後で新聞で知ったわけでございますけれども、それは事実だったんでございましょうか。これは大臣にひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 国鉄総裁の談話につきましては、ちょうどあの日に委員会が開かれておりまして、私は後になってああいう談話が出たということを聞いたわけでございます。その後いろいろ調べてみますというと、事務の方には談話の全文ではありませんが、大体こういう趣旨の談話を出すということで電話か何かで連絡があったということは聞いておりますが、そういう連絡の方法でございましたので、内容については運輸省事務当局も詳細はつまびらかにしていなかったということでございます。
○最上進君 翌日の閣議におきましても、かなりこれについては論議があったようでございます。新聞の報道によりましても、稻葉法務大臣あるいは福田自治大臣からも強い御指摘があったというふうにも伺っております。ただいま運輸大臣からのお話を伺っておりましても、所管の大臣にすらこうした問題について何ら相談がないということに対して、私自身第三者の立場から見ていても、これは非常に不可思議に、不思議に思えるわけでございますけれども、こういう問題、これほど重大な問題について、私は余りにも軽率な発言であるというふうに感ぜざるを得ないわけでございます。その後三木さんも断固この問題については強い姿勢で、処分の方向で臨むという態度を示されておりますけれども、今度、慎重になられておると思いますけれども、藤井総裁としてはこの処分問題、どのようにお考えでございましょうか。
○説明員(藤井松太郎君) 御承知のように一たびストをやりますと、国民各位の御利用になる方が非常な御迷惑をこうむる。これは当然の話でございますが、その御迷惑を軽減しようということに急な余り、いま大臣のお話がございましたように、十分な御連絡をせずにああいったたことをやったということでございまして、その国民の迷惑を軽減する努力は今後ともあらゆる機会をとらえて払うつもりでございますが、その方法が皆様の御賛同を得るような、御納得のいくような方法じゃなくちゃいかぬことは当然でございますので、この点はまことに申しわけなく存じておる次第でございます。
○最上進君 ちょっと私が質問したことと答えが違うわけでございますけれども、その処分をする姿勢、これはどういう態度で臨まれるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。時期も明示していただきたい。
○説明員(藤井松太郎君) ストは、これはもう御承知のように禁止されておりますので、これをあえて犯した者は、これは処分せざるを得ないわけです。これ当然でございますけれども、かつて過去に見られたように処分をやることによって反対闘争とは何だろうというようなエスカレートすることも、結果的に、はなはだ望ましくないと。これは申し上げるまでもないんで、処分はいたしますけれども、でき得べくんばそういう国民に対する御迷惑をできるだけ小さいような形においてやりたいという意味で、種々考慮もいたし、関係の者とも相談しておるという段階でございまして、いま、ただいまいつ処分するつもりであるということを申し上げる段階には相なっておりません。
○最上進君 国民に迷惑をかけることを回避するための御努力であったと、これはもう私、理解できるというふうに考えております。しかし、二十七日にストが回避されたとはいえ、私自身は高崎から毎日通っております。そういう中で見た二十六日あるいは回避された当日、二十七日の国民の混乱、こういうものはやはり私自身見てまいりまして、かなりひどいものがございました。 その中で私が一番主張したいのは、その混乱を回避するための措置であるにしても、それ以上に私はもっと国民に対して大きなその不安感というか、動揺を与えたということも事実であるというふうに考えております。特にその中で私が指摘したいのは、この法治国家で法に触れた者をなぜしっかり処分することができないんだろう、そういうこと。 それともう一つは、この法に触れた者がまかり通る現在の日本の社会あるいは私はあの日は夕方、東京駅から上野まで電車にいつものように乗りましたところ、ストは回避されたとはいえ、あの電車の横の腹には、とにかく大きなスト奪回という汚らしい非常に大きな文字が落書きがされている。いつも見るストのときの光景でありますけれども、こういうことにしても、とにかくあの汚らしい、国民に動揺を与える落書き一つにしても、私はいままで国鉄当局が組合側との話し合いの席でなぜああいうものをやめさせることができないで、今日まで放置してきているか。こういう点を指摘したいわけでございますけれども、こういう点はどのようにお考えでございましょうか。
○説明員(伊江朝雄君) 御指摘のとおりの現象が時として出ますことを非常に申しわけなく思っております。御承知のとおり、国有鉄道の大切な車両でございますし、それからひいては国民の貴重な財産だということで、これは労使とも実はこういった問題について、非常に真剣に話し合いをしたことも過去においてございますし、時として張らせる張らせないで大きなトラブルを起こしたこともございました。最近はしかし、組合もやはり国民の非難ということももちろんございましたし、また貴重な国民の財産という認識もございまして、最近は非常に少なくなったことは事実でございます。しかし、これを事前に防ぐ方法といたしましては、私どもやっぱり組合との話し合いということが一つ。それからまた話がこじれましてもこれを張らせない、あるいは落書きさせないという手だてが必要だと思っております。これについてはやっておりますが、実はもう朝の通勤に使用いたします電車、客車は、その前の晩に整備を終わりまして、翌日朝早くから出発するわけでございますが、真夜中に、しかもその運転区の所属でないよその組合員がひそかにやってまいりまして、いつの間にか張って逃げてしまうと、こういうふうな状況でございますので、なかなか捕促しがたい。そして発見いたしましたときには、もう朝のラッシュに向かって出発しなきゃならぬ時間になってくるわけです。こんなような状況で、やむを得ず、そのラッシュの時間中、つまり通勤輸送にあのままのかっこうで使って、皆様の御批判をいただいているというのが現状でございます。これにつきましては、先ほど冒頭に申し上げましたように、組合の良識に訴えると同時に、私どもの事前の手配で、できるだけこれをやめさせるようにすると。 〔主査退席、副主査着席〕 これしか現在道がございません。またそういうふうな方向に、先ほどもちょっと申し上げましたように、だんだんなってきていることは事実でございます。今後とも努力をしてまいりたいと思います。
○最上進君 話によりますと、その落書きを消すのにもかなり莫大な費用を年間費して、どこかの業者に委託してやっているというようなお話でございますけれども、それは一体どのくらいいまかかるのでございましょうか。
○説明員(伊江朝雄君) いましさいにどのくらいということは、まだ私手元にございませんけれども、いずれにいたしましても、一般に清掃は請負会社に清掃を委託しておりますので、その全体の中の一部だと存じますが、ビラはぎのためだけの経費は何ぼであるかということにつきましては、現実にただいまちょっと掌握しておりませんので、いずれ詳細調査いたしまして御報告にあがりたいと思います。
○最上進君 そうするとビラはぎのための予算というのをやはり組んでいるんでしょうか。そういうことを認めておられるんでしょうか。
○説明員(伊江朝雄君) 先ほどお答え申し上げました私どもの姿勢から申しまして、特にそういったものは経費として計上するわけにはまいりませんし、結果的にその経費を支出せざるを得ないというかっこうが、最も現状認識として申し上げる言葉だと思います。それで現在、私どもも先ほど総裁が御答弁申し上げましたとおり、やはり要員の縮減、省力化ということに努力いたしております。したがって、そういう車両の清掃その他は一般の請負というかっこうで請負にさしております。その請負経費の中の一環としてビラ張りのはぎ取りの作業があると、こういう認識でございますので、別に特別に組合がビラ張りをするということを前提にしての経費を組んでおるわけではございません。
○最上進君 国民の税金のむだ遣いであるという指摘以上に私が指摘したいのは、これはやはり何といってもあの大きな落書きというものがあれだけの雑踏の中をまかり通る、これを私は指摘したいわけです。子供たちに何と申しわけをあれはするんでございましょうか。私は、とにかくいい大人が、りっぱな大人がああいうことをやっぱりやって、しかもそれが何の、法に触れていながら罰せられない、私はこれをどうしても放置しておくことはできない、というふうに考えております。この辺で、もうストは結構だろうけれども、とにかくストの際にああいう列車、公共のものに対して落書きをさせるようなことだけは、国鉄当局はもうしっかり本腰で組合側と話し合いをしてほしい。それが通らないのなら、法に触れているんですから、警察との連絡ということだって、真夜中だからこれが何も見つけることができない、だれが書いたかわからないというようなことで放置するのでなくて、警察というものがあるんですから、法に触れているならば、徹底的にやはり私はこれを追及して挙げていく、そういうことが私は非常に大事なことであるというふうに考えております。金銭面でのいわゆるむだ遣いという指摘よりも人心の荒廃につながる、これを私は非常に恐れているわけでございます。この点をひとつぜひ要望しておきたいというふうに考えております。 それと二十七日のスト回避の問題に戻りますけれども、これで大変——朝、私も二十七日、高崎から東京へ出てまいりました。もう乗っている人はグリーン車一車両においても三人か四人というような車両がありました。私自身の乗った車両もとにかくわれわれのほかに三、四人しか乗った人がいなかった。そういうことで非常に乗車率が落ちていたというふうに私は考えたわけでございますけれども、大体どのくらい乗車率が落ちていたのか、その辺もう集計を出されていると思いますので出ていたらお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(伊江朝雄君) まだ集計ははっきり出ておりませんけれども、大体運休いたしました旅客列車は二百本程度でございます。したがいまして、現在一日に旅客列車が一万八千木ばかり走っておりますけれども、それの大体百分の一が百八十本でございますので要するに一%弱の人が御利用になれなかった、こんな状況でございます。 〔副主査退席、主査着席〕 それから現実に走っております列車の効率は御指摘のとおり確かに低い列車が多うございます。これはまだ数字ははっきりいたしませんけれども、毎日の報告によりますと、前後に旅客が分散したということが想像されますので、この数字につきましては具体的に申し上げられませんけれども、大体そういうかっこうであったというふうに思います。
○最上進君 どちらにしても国民は二十七日ストが回避されたにしても大変大きな迷惑をこうむっていることは事実です。私はあの日、帰りに上野から高崎へ向かう列車の中で、とにかくきょう東北本線で二時間もおくれたからこの列車にたまたまいま乗ってます、実は乗り継ぎがうまくいかないでこの列車に乗ったけれども、座席も確保していない、そういう人や、あるいは新幹線がその日やっぱり一時間以上もおくれてそしてやっとこの列車に間に合ったけれども座席が確保してないということで、あなた払い戻しはしてもらいましたかと質問いたしましても、とても疲れちゃって二時間も立ちっ放しで来て、それで疲れてしまって払い戻しなんかする元気もありませんでしたというような人たちがかなりいらっしゃる。皆さんそういう人たちがやはり私の乗った「あさま」で長野まで行かれる。そういうことを見ていて、実に国鉄というのはやっぱり不親切だ。それで車掌さんに、どこか席があいていたらと言っても、これはもう全部切符は満席になって売り切れていてあいてはおりませんという答えだけが返ってくるんです。そういう中で乗っていた、座れなくってもう本当に下に座り込んでいるお年寄りもいる。そういう姿を見ていて、実に私はけしからぬ、こういうことがやはり国鉄の運営の中で許されているということに非常に強い憤りを感じたわけでございます。 そういうことでぜひひとつ——野党の人たちが人員を削減することがサービスの低下につながるというような御指摘をしておられますけれども、私はそうじゃないと思う。やはり駅の改札に立つ人にしても、本当にやさしい気持ちを持ってすれば、われわれがいつも目撃するようなひどいいわゆる教え方だとか、そっぽを向いて指をさすようなことは私はなくなるというふうに考えているわけでございます。これについては当然組合の幹部の人たちも原点に返って、人員が減ればサービスが低下するような、そんな考えじゃなくて、やっぱりするのは人間自身です、人間のやっぱり気持ちの持ち方であります。そういう意味で、何か国鉄の幹部の皆さん、そして組合の幹部の皆さんの中に、職員に対する指導というものに欠けている面があるんじゃないかということを痛切に私はここ六カ月ばかり通っている中で感じることが多いわけです。そういう点、とにかく、どういうふうにサービスをとにかく向上させ、しかも、国鉄の財政再建には国民の協力を求めるんだということを総裁自身が言っておられる中で、いまのようなサービスの状態の中で国民がどうして協力をいたしますか。その辺はどのように考えておられますか。
○説明員(伊江朝雄君) 私からお答え申し上げます。 御指摘のいろんな事情につきましてはまことに返す言葉もございませんし、そういうふうな事態をときどき発生させるという国鉄の現在の体質そのものについても、部内の私どもも非常に残念に存じております。したがいまして、今後はやはり何と申しましても現象にあらわれるのは職員の心がけの問題でございますし、また、そのためにはお互いに相互信頼できるようなよき労使慣行と、それから何でも話し合って決められる共通の広場というのが前提だと存じます。先ほどおっしゃいましたように、確かに要員が少ないからサービスができないとか、あるいは権限を持った職員がいないからサービスができないというふうな性質のものではございませんで、私どもも列車のつくり方、つまりダイヤと申しますが、そのダイヤの構成の仕方につきましても、やっぱり便利でありますとか快適でありますとかあるいはスピードでありますとかというふうなことで、われわれのつくる側の方の立場も当然いろんな配慮を細かくしなければならぬと同時に、第一線でそれを運営してくれる第一線の職員の温かい心がけということも非常に大切なことだと思いますので、御指摘のとおりの事情は十分に反省をいたしておりますし、今後そういうふうな方向で努力をしてまいりたいということでございます。その結果は国民の共感をいただくということにつながろうと思いますので、そういう意味におきまして、ぜひ国鉄の心の再建と申しますか、ともどもにこれから努めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○最上進君 時間だそうでございますのでこれで打ち切りますけれども、まだまだ私は指摘したいことがここ六カ月間の短い通勤期間の間ですら感じることがたくさんあるわけであります。先ほど総裁から、国民の協力のもとに財政再建を図るという言葉が出ていることに非常にいま私は驚きを感じているわけでございます。現実が余りにも違い過ぎる。国民は協力するどころか非常に強い不満を持っているということだけは御承知おきいただきたいと思います。 この次の機会にまた質問を譲りたいと考えまして、質問を打ち切りたいと思います。
○主査(黒住忠行君) 以上をもちまして運輸省所管に対する質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(黒住忠行君) 速記を起こして。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 予算委員の異動に伴い、河田賢治君の補欠として山中郁子君が選任されました。また、瀬谷英行君、内田善利君が分科担当委員を辞任され、その補欠として辻一彦君、矢原秀男君が選任されました。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十年度総予算中、郵政省所管審査のため、本日の分科会に参考人として日本放送協会の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○主査(黒住忠行君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 昭和五十年度総予算中、郵政省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森中守義君 少し大臣と公社の総裁に、質疑の通告以外のことにわたりますので多少申しわけないと思っておりますが、御了承いただいてお答えいただきたい。 ことしの一月十一日でしたか、電電公社の電信電話の値上げは凍結をする、こういう政府決定が行われた。したがって——公社側ではどうしてもことしからでなければ困るという御意向に聞いておる。それを政府が抑制をしたということになれば、当然なこととして、郵政省におかれては、凍結をしただけの具体的な業務指導といいましょうか、あるいは政策指導というか、こういうものがあってしかるべきだというように考えるのが一般的だと思う。したがって、どういったようなことを総裁に対して凍結時間における公社の運営の方法等について指示をなさったのか、それからひとつお答え願いたい。
○国務大臣(村上勇君) 結局、電電公社の赤字の問題を解決しなければ一応この値上げストップということはできないものですから、前年度の赤字千五百億、それから今年度の所要額というものの二千五百億、合わせて四千億ばかりのものを政府資金でまかなうことに一応することにいたした次第であります。
○森中守義君 これは、いま程度の御答弁では、とても料金凍結された電電公社としてはさてうまいぐあいに回っていくかどうか、これはもう考えてみただけでも話にならぬと、こう思うんですよ。 そこで、これは実際問題としまして、凍結に値する政策指導があったというようには思えない。であるならば、米澤総裁の方では、凍結はあったんだが、どういうことがあっても国民への電電公社としてのサービス提供をダウンさせる、あるいは公社関係職員諸君の労働条件を低下させるということはお考えになっていないと思う。そういう保証が具体的に実際問題としてとれるかどうか。やはり必要とした七円、十円というものが一年間凍結されるにはやっぱり低迷が続いていくわけです。そうなるとどっかにサービス提供がダウンする、あるいは労働条件が切り下げられる、こういうことがまず一般的に考えて起こり得る可能性がある。したがって、そういうものが一年間凍結という政府の抑制策に会いながらも、どこをとってみてもサービス低減にならないという保証、労働条件等の低下にならないという保証がありますか。
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。 まず昭和四十九年度のことから入っていきたいいと思いますが、昭和四十九年度におきましては、昭和四十八年の十一月の石油ショックによりまして非常な物価高騰を起こしました。また、そのために仲裁裁定におきましても定昇込みで三〇%を超すベースアップが行われました。この物価の高騰等によりまして、しかし、公社といたしましても三百二十万の電話をつけると、そして昭和五十二年度末におきまして電話申し込みの積滞をなくなすというこの方針はぜひやりたいということで三百二十万の電話をつけると。しかし、実質的には、そういう物価値上がりによりまして、建設勘定におきまして約千億円の目減りを生じておるというのが現状でございます。 それからその次に、ではこの人件費の、いまの仲裁裁定三〇%によって、従来なら何とか補正予算を組まないでこれたんでございますが、昭和四十九年度はそれができなくなりまして補正予算を組むと、そして資金的には千五百三十億円を借り入れる、いわゆる政府資金として借り入れると。ですから、きわめて低率のもので借り入れると。しかし、これはすぐ返さなきゃならぬというものでございます。 それからもう一つは、この総需要抑制の影響で経済が非常に悪くなりまして、大体、予定収入に対しまして三・何%という、パーセントは低いのでございますけれども、額といたしまして約七百億円から八百億円ぐらいの減収を生ずるという、その一二つの影響が出てまいりました。まだ、四十九年度の最終的な決算は済んでおりませんけれども、約二千億円近い損益勘定の赤字を生ずると、こういうことでございます。しかし、資金として千五百三十億円を次の年、すなわち昭和五十年度において返さなきゃならないということが一つ昭和五十年度に引き継がれた問題でございます。昭和五十年度に対しましては、政府の総需要抑制のために、建設勘定の資金全体、資金といいますか、投資額といたしましては五%の伸びでございました。公社はいわゆる昭和五十二年度末におきまして全国的規模で電話の積滞を解消すると、すなわち、今後三年間に九百万の電話をつければいいと。したがって、総需要抑制のもとではありましたけれども、昭和五十年度、いま国会に提出されております予算ではその三分の一の、三カ年に九百万つけますから、その初年度といたしまして、初年度といいますか、三で割りまして三百万をつけると。これがいま予算には出ておるわけでございますが、資金内には五%のベースアップを組んでおりますが、すでに二千五百億円の赤字になっていると。ですから、昭和四十九年度の千五百三十億プラス二千五百億、合わせて四千三十億円の資金を政府資金から借り入れると。これは一般の投資のための特別債とかあるいは財投と別になった性質のもの、だと思います。 そういう措置をいたして、昭和五十年度は何とかそれで、サービスも落とさないし三百万の電話もつけるということでいきたいと思います。しかし、この行き方というものは、昭和五十年度はそれでやれますけれども、今後は、そういうことが非常に困難である。公社といたしましては、昭和五十一年度の予算を、これは八月末に郵政大臣のところへ概算要求を出しますが、七月の時点におきまして、今後財政基盤をしっかりさせるということで案をつくりたいというふうに考えております。五十年度は、先ほど申し上げました方法によって三百万の電話を架設するということでいきたいと思います。 それからそのベースアップなり、その当事者能力のお話でございますが、これは、私は、前から当事者能力を拡大するのがやはり電電公社の経営のために、ひいては国民のためにいいという考えを持っておりますが、これはまた御質問がありましたらお答えいたします。
○森中守義君 四十分という非常に短い時間でお尋ねしております。とても詰めた話にはなりませんし、あくまでも概念的なお尋ねに終わるわけですが、結局いま総裁の言われます意味は、私もわからないでもない。ただ値上げが抑制をされた、そのために計画していたことが実行に移されない、この辺のいわば経営の危機といいましょうか、そういうものが非常に強調される。心情としてはわかりますよ。 ただ問題は、いま実施に移されている四十七年から五十一年まででしたか、第五次長期計画、これが一体どうなるか、これが私はある意味では原点だと思うのです。多少内容的に申し上げますと、四十六、七年というのは、名実ともにわが国の高生産、高成長、異常成長の時代、ここに焦点を合わして、たとえば電話の充足、こういうものを計画されたのが、いわばいまの長期計画だろうと思うのです。当時の経済事情と今日の経済事情は根底から変わってきた。しかもこれから先の経済予測をだれがするか、だれがしたものが一番適切なのかということになると、またきちんとした定見が出ていない。経企庁の福田さんが、いや四・五%に落とし込むんだと、こういうようなお話しもされるんですけれどもね、依然として世間に出ているものは四十八年の二月に策定をされた九・四%の成長を保証する長期経済計画、全然見直しもなければ新しいものが出ないんですよ。そこへもってきてこういう景気というものが低迷をしている。それならば、多少電電公社が独自でそういう予測をお立てになるということはやや冒頭に近いような気もしますけれども、やはり一つの経営体、企業体としましてある程度の経済の予測をつけながら少なくとも現在継続されている第五次五カ年計画というものは出発の時点、当時の経済環境というものは違っているわけですから。 ここでひとつ五次計画を、計画の途中であったにしても一ぺん見直してみる、そこでいま御指摘になる三百五十万を凍結されたから三百万に落とし込んだ。しかし、ここ一年ぐらいは極力積滞の解消をやりたいと、こう言われるんだけれども、これを長期的に見るとやっぱり五カ年計画の洗い直し、見直し、あるいはこれ短期に打ち切って新しいものを作り直す。最も新しいものといいましても、やや私はその五カ年というのは国全体の計画としても非常に長過ぎる、こういう一般論が妥当だというように受けとめているんですが、そういう意味でいまおやりになっている五カ年計画というものはこの際ひとつもう一回見直し、やり直し、つくり直しをやるというところから出発していかないと、いまとにかく因っているから五十一年度は何とかしてくれとか、こういう議論にはちょっとつながっていかないような気がするんですね。何か場当たりという言い方は余り適切でございませんけれども、少なくとも長期的な計画性を持ったものには結合できないというように、私はしろうとだけれども考える。そこでいまの五カ年計画をこのまま終了年度までお持ちになって、それからまた新しくおやりになるというのか、来年のことをある程度想定をされるならば、それに一つの焦点を合わせながら新しい計画をつくって出直そうというお考えであるかどうか、その点どうでしょうか。
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。 五カ年計画の今後といいましても、五十年度の予算につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、五十一、五十二を含めてどうするか、公社はまあ経営ということはやはり長期のことを考えなきゃなりません。それで、五カ年計画に対しましては、逓信委員会でもいろいろ御質問がございましたんですが、私はいまも見直し中であるというふうにお答えいたした方が適切じゃないか。と言いますのは、今後昭和五十一年から政府がお決めになる国の計画もまだ伺っておりませんし、まあしかしフレームワークのものは恐らく八月ごろにはできるんじゃないかと。ですからそのフレームワークも考えに入れまして、七月ぐらいの時点に見直しをいたしたいというふうに思います。したがって、いままで高度成長で国の財政が進んでまいりましたけれども、今後だんだん安定成長になると言われておりますが、まあ具体的に私たちが案をつくる場合にはそのフレームワークを伺ってやる。ですから公社の中で言いますと、実はこれに対しまして私の方の労働組合からもいろいろ意見が出ておりますし、また社会党の先生方からもいろいろ要望書を伺っておりますが、そういうものの意見も十分伺いながらいきたい。ただ電話の架設に対しましては、どちらもとにかく電話の積滞を早くなくなしてくれと、この点は私一致しているんだろうと思いますが、その他、たとえばデータ通信の問題その他画像通信とか、そういうものに対しましてどうするか、これは今後そういう御意見も見直しの際に一応伺いながらいきたいと、このように考えております。
○森中守義君 いま総裁の御指摘になりましたその社会党関係ね、これはもう確かに三月の十八日に私の方の党内における電気通信合理化対策特別委員会の委員長勝間田清一の名をもって総裁及び郵政大臣に申し入れをしている。いま総裁からそういうお話がありましたので、相当これは慎重に受けとめていただいているなということで、いいことだというように思っておりますがね。この中の内容全部一読してもらいましたか。
○説明員(米澤滋君) 社会党のたしか先生が五、六人お見えになりまして、私その際に、それはもう事前に拝見しておりましたので、大体基本的なことはその席でお答えしてあります。よく熟読してあります。
○森中守義君 まあ結局私が申し上げたいのはいまの五次計画策定の時点、当時取り巻いていた環境というものは非常に大きな変化を遂げている。したがってその見直しをいまから考えているんだということですから、それ以上申し上げることはございませんけれども、経済成長中心の公社計画であったとは言い切れないにしましても、やはりそういう経済事情に対応する計画であることは否定できないと思う。そこでこれから先というものは、もう少しとらえ方、時限を変えて、やはり人間尊重、不公正是正、そういうものに社会の公器としての電気通信事業が対応できるように、個々的な内容を申し上げると時間が足りなくなってしまいますから申し上げませんけれども、ぜひ方向としてはそういうものに固めていっていただきたい。しかもそのことが凍結の問題とも関係いたしまして、やはり国民の側に立てば、これからのことが電電公社で計画として策定をし、これを実施してもらえるならばという、こういう期待と信頼はあると思うのですね。対応しなければどうもうまくいかないじゃないか、こう思いますので、できますならば、そういったように計画の策定自体が在来の方針を大きく転換をさせる、こういうことで受けとめていただくならば大変幸いだと思う。いいがでしょうか。
○説明員(米澤滋君) 大体基本的にはそのような方向で見直しをいたしたいというふうに思っております。
○森中守義君 それから、電波局長見えておりますか。 昨年の国際会議、ここで周波数の割り当て変更、それと規則の改正等が行われて、この結果国内における波の再配分、再編成ですね。それと通信士の資格認定と制度に大きな影響をもたらすことになりますが、これは作業が進められておりますか。
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の会議と申しますのは、昨年開かれた世界海上無線通信主管庁会議というものだと思います。これにおきましては、海上移動通信におきますいろいろな問題が討議されたわけでございまして、いま御指摘の周波数の問題、通信士の問題、このようなものについて検討されました。これをわれわれの方で実行に移すべく現在鋭意検討中でございます。
○森中守義君 鋭意検討中と言われるけれども、波の方では五十一年の六月一日まででしょう、確定を急がねばならぬのは。そうなると、たとえば水晶片をただ入れかえるだけで事が済むということであるにしても、かなり作業としては大変じゃないでしょうか。大体これによって海上及び陸上局の波の変更の数はどのくらいになるのでしょうか。
○政府委員(石川晃夫君) 先ほど申し上げましたこの会議の結果で、周波数変更を行うことになっておりますのが、短波帯の無線電信と、短波帯の無線電話でございます。その対象になります数でございますが、無線電信につきましては約四千五百の船舶局でございます。無線電話につきましては約四千九百の無線局が対象になっているわけでございます。この周波数の変更にあたりましては、電波法の七十一条の規定によって措置することになるわけでございますが、この周波数の変更が完了する時期は御指摘のように無線電信につきましては七十六年の六月一日でございますし、無線電話につきましては七十七年の十二月三十一日というふうになっております。これらの変更につきましては短時日にこのような多数の船舶局を対象とするものでございますので、関係の向きとも十分連絡を取りながらこの変更が円滑に実施できるように措置してまいりたいというふうに考えておりますが、やはり一番重要な問題は周波数の水晶片の取りかえ、こいうものが最重点になるというふうに考えられております。
○森中守義君 これはいま確かに御指摘のような状態であることは私も認めますが、限られた日限の間にこういう大規模な再編成が実際問題としてできますか。
○政府委員(石川晃夫君) 過去におきましてもこのような、ちょっといまいつ行ったか失念しておりますが、過去においても数回周波数の変更はございました。その際でもやはり円滑に行われております。
○森中守義君 いま一つは、通信士の一般級というのを国際レベルに合わせよ、こういうことのようですね。これは私は、ある意味では電波法の改正、これに求めなければならぬように、一つの考えはありますしね、あるいは電波を受ける、単に省令の改正にとどまるという見方もあるようですが、これはどういうことになるのですか。 いま一つは、あの内容を簡単な言い方をすると、一般級というのはわが国の現在の一級及び二級との中間くらいになるのかあるいは二級、三級の中間になるのか。そうなると、一級、二級、三級、電話級というそれぞれのオペレーターが約五万ぐらいいるでしょう。こういう膨大な現在の資格者ですね。新たに外航船舶等に乗り組むがゆえに一般級の資格を付与するということになればこれは大変なことだと思う。これが一つと、それと現在の外航船に乗り組んでいる通信長あるいは次席というような人たちの資格の与え方、つまり国際的に取り決めた一般級だけを資格を持たせればいいのか、義務船舶等の場合にはかなりその辺に大きな問題が起きるのじゃないかと思いますし、また船会社であろうと、あるいは船通協というのがありますね。こういうところの関係等とはずいぶん込み入った話をしないとまとまりにくい、こう思うのですが、すでにそういう用意もなさっているのですか。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御質問いただきましたこの一般級でございますが、これは今度新しく無線通信規則に導入されました無線通信士一般証明書制度の制度というものでございまして、これに対する国内的な対応措置でございますが、これは実は各主管庁の自由にゆだねられているわけでございます。これに対応しまして新たな資格を設けるかどうかというようなことにつきましても、わが国としまして従来からの従事者制度というものから考えましていろいろ検討を進めていかなければいけないのではないかというふうに考えております。ただいま御指摘のどの程度のクラスのものかということでございますが、今度の一般証明書の資格の内容から検討さしていただきますと、これは海上移動業務のみに限定された資格でございます。したがいましていま先生から御指摘がございましたように一口で言えば一級無線通信士と二級無線通信士の中間になるという考え方でございます。ただ一般級におきましては、国際的には従来のその一級無線士よりも無線工学の面におきましては若干程度が高くなっております。それから通信実務については一級無線通信士よりもやや低いのではないか、こういうような感じでございますので、ちょうど中間というように感じるものでございます。
○森中守義君 これは周波数の処理よりももっと複雑であるし、しかも個々的な現在の資格を取得している人に影響もありますし、そう簡単にはいかない。そこで追加された規則の中に多少余裕を持たせる必要がある。そういう経過措置を少なくともその主務管庁会議できちんと約束づけられているのかどうなのか。つまり、期間的な余裕を各国が持たないとそう簡単にいかないと思いますね。ただまあ私は、諸外国と違って、いま通信士の資格認定をして実務につかしているのはイギリスだけのようですから、そういう意味ではわが国はかなり厳密な資格試験によってやっているわけなので、十分言いわけはできると思うのです。しかし、実際の作業が困難です、これは。そう簡単にいきませんよ。下手をすると大騒動を起こす可能性がある。したがって相当長期にわたって一般級のレベル化を図るというそういう構想が現実的に持てるのかどうなのか、これについての問題を最後に聞かしてもらいましょう。
○政府委員(石川晃夫君) 先ほど申し上げましたように、この一般級につきましては各主管庁の自由にゆだねられているということでございますので、わが国といたしましては、郵政省といたしましてこの問題について真剣に取り組んでいるわけでございます。したがいまして、その関連するところと言いますのは、先ほど御指摘があったようないろんな方面との関連がございますので、われわれとしてはこれを慎重に取り扱わなければいけないということを考えておりまして、したがいまして、その間のいろんな各省関係の団体との折衝を十分いたしましてわれわれの考え方を固めていきたい、かように考えております。したがいまして、いつからどのように移行するかという点については今後鋭意検討を進めていきたいというふうに考えております。
○森中守義君 技術庁は見えていらっしゃいますか。 昨年あるいは一昨年来ちょっと問題にしてきました通信衛星の問題及び放送衛星の問題ですがね。これは何か最近まで聞くところによれば、当初五十一年の実験衛星を上げるということで話がまとまった。無論電電公社の通信衛星もあるいはNHKの放送衛星も国の仕事に全部符節を合わせる、こういうことで単独の開発と打ち上げを思いとどまって、全部集約されたような経過がありますが、これはもともと五十一年に上げるということが前提にあったようです。それがまた今度一年延びた。来年になればまた一年延びていく。もともと宇宙開発委員会の毎年見直しということがどうしても私は理解できないんですよ。それはなるほどN型ロケットの開発の問題にもいろいろありましょうから、そういう部門別の見直しという意味ではわかりますけれども、しかしながら、毎年これを見直して、新しく方針が次から次に変わっていったのでは、一体いつ日本の通信衛星、放送衛星を打ち上げるということに成功するのか。無論ロケットの問題はアメリカと話がついたようですからこの問題は解消した。それならば、もうこの際、そろそろある程度踏ん切りをつけないと、五十五年が放送衛星の幕あけだという、一体そういう時期に間に合うのかどうなのか。間に合わないということになると、宇宙空間における国家権益というものはどんどん侵犯をされるおそれがある。同時にまた——後で問題にもいたしますが、京浜地区の大変な地震などもみんな心配をされる今日なのです。一体、地上における固定された一つの通信施設が果たしてどの程度の耐震構造として期待できるのか。こういうことを考えますと、やっぱりこれは急がねばならないし、しかも離島通信だとか災害通信のことなど公社では考えての通信衛星であったようです。NHKは難視聴解消という、こういう一つの大きな目的があったようですが、これはまず技術庁に最初お尋ねしますけれども、毎年見直して五十二年になる、また来年になりますと、また五十三年というように、だんだん先送りになっていく可能性があるように思うのですけれども、一体いつになればきちんとこれが決まるのか、その辺の一つの定見を聞かしておいてもらいたい。
○政府委員(伊原義徳君) お答えいたします。 通信衛星、放送衛星、特に静止衛星でありますと、御高承のとおり、わが国ではまだ打ち上げ能力がございませんので、米国の航空宇宙局すなわちNASAでございますが、NASAに依頼をいたして打ち上げるということにいたしておりまして、当初昭和五十一年度打ち上げを目標といたしておりましたわけでございますが、実はこれの打ち上げを依頼するにつきましては、打ち上げ費用の支払いの前払いということが必要でございまして……
○森中守義君 簡単にやってもらいたい、時間がなくなっちゃうから。
○政府委員(伊原義徳君) はい。当初のこれは主として事務的な問題でございますが、前払いの予算上の手当てが昭和五十年度で十分だと思っておりましたところが、NASAの方ではその標準支払い方式を固執いたしましたために、昭和五十年度の予算を待っておりましては五十一年度打ち上げが間に合わないと、こういうことになったわけでございます。この点NASAとは相当、数回交渉いたしまして、特例を認めようということをやったわけでございますが、どうしても特例は認められないということでございましたので、やむを得ず五十二年度ということにいたしたわけでございます。 宇宙開発計画との関係でございますが、一度決めた計画がそう変わっては困るということはまさに御指摘のとおりでございます。ただ、先生御高承のとおり、この宇宙開発の問題は、やはり非常に技術がまだ進歩の段階にあるものでございまして、それから社会の需要も非常に変わってき得るわけでございまして、そういうことでございますので、宇宙開発委員会といたしましては、基本的な考え方は変えないけれども、毎年毎年そのときそのときの時代の要請に応じ、かつ技術の進歩の状況、国際環境の変化等、これを見しまして部分的手直しをする。したがいまして、ある年には見直したけれども改定はしなかったということもございます。たまたま今回はそういうふうなことで見直しを一部したわけでございますが、五十二年度がさらに先に延びるのではないかという御懸念につきましては、そういうことが絶対ないように私どもは鋭意仕事をいたしております。そういうことで、また将来、先生のおしかりを受けることが絶対ないようにしておるつもりでございます。
○森中守義君 いまのお話ですと、すべてNASA、米側の理由による、こういうことのようですが、国内では全然問題ありませんか。 それから、もう時間なくなっちゃうので……。いま一つは、アメリカ側は、いま言われたような理由のほかに何か他意があるんじゃないだろうか、こういう憶測も決してないではない。そういうことをお聞きになっていませんか。
○政府委員(伊原義徳君) 先生のいまの御指摘の点、国内的な問題といたしましては、宇宙開発事業団を中心といたしまして、改めて目標となりました五十二年度打ち上げ、これを完全に実施いたすための体制の整備をいたしております。それから、それに必要な予算も見ていただいておりますので、国内的問題として、打ち上げがうまくいかないということは万々ないと考えております。 それからアメリカ側にそういう事務的な理由のほかに何か他意があるのではないかという御質問でございますが、一般的に申しまして、米国側といたしましても、外国の衛星の打ち上げを支援するという基本的な方針、これはニクソン大統領が一九七二年に声明をいたしております。そういうこともございまして、一般的には協力体制にあるわけでございますので、特に日本に対して変な考えでもって日本の仕事を少しも妨害するというようなことはないわけでございます。
○森中守義君 時間がそろそろ参りますので、あと二、三問で終わりますが、例の防災通信の確保ですね。これは先年来一、二回災害のたびごとに問題に供してきたわけです。そこで今回、この国会における予算審議を通じて、まさに中枢管理都市とも言われる京浜一体に直下型の激震が来た場合にどうなるのか、こういうことがいま非常に大きな関心を呼ばれ、いろんな学界なり何なりでも問題にされているわけですが、どういうようなものが来ても通信の確保は完璧だという、こういう状態にありましょうか。これはひとつ消防庁も見えておるようですし、消防庁、それからそれぞれ、その責任を持てるというな体制なのかどうなのか、ちょっと聞かしてほしい。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘ございましたような災害の発生した場合の対策でございますが、これにつきましては、われわれとしては災害に関する情報を、とにかく迅速、正確にとるということが一番必要ではなかろうかというふうに考えておりますし、いままでの災害の例を見ましても、やはりこれが一番必要であるということが証明されているわけでございます。したがいまして、そのような状態におきまして緊急を要する通信だけはいついかなるときでも確保できるようにということで、日ごろから電電公社、警察、消防、建設関係、それから国鉄、このような国の機関とか、あるいは都道府県の防災関係機関の無線局の施設、そういうようなものにつきまして運用体制とか、あるいは整備の強化、こういうことを図るように常々指導しているところでございます。
○政府委員(佐々木喜久治君) 地方団体におきます災害時における通信関係でございますが、これは災害対策基本法に基づきまして地域防災計画によりまして、それぞれの地方団体がその持っております無線通信系を有機的に活用して災害時の通信確保を図るということにいたしております。たとえば神奈川県におきましても、県内の防災行政無線、それから横浜市、川崎市の消防無線及び市の行政無線、それから水道局関係の無線が有機的に結合いたしまして情報収集伝達体制が地域防災計画に定められておるわけであります。さらにまた警察無線の連絡、それからアマチュア無線を利用いたしました情報収集といったようなこともそれぞれの地域防災計画に定められておるわけであります。 なお、東京都における通信体制につきましては若干おくれておりますが、これは現在各種の行政無線が錯綜をいたしておりまして、これについての通信統制の方策についていま鋭意検討を進めておりまして、東京都におきましての災害対策につきましても、近くそうした通信伝達体制というものが確立されるという予定でございます。
○説明員(山本孝君) 電電公社におきましては公衆電気通信を担当しておりますが、十勝沖地震あるいはロサンゼルス沖の地震などを参考にいたしまして三つの柱を立てております。一つは、健全な都市が災害のために途中切断されて通信ができなくなることがないようにする、それから第二番目は、被災地に対しまして孤立するようなことがないようにしたいということ、それから三番目には、もし災害が起きました場合に、これに対してできるだけ早く復旧するということを目途にしております。そのためにバイパスの伝送路をつくりましたり、あるいは非常用の移動電話局装置をつける、あるいは東京、横浜、川崎など間もなく応急復旧用の移動無線電話機なども設けまして、重要機関の通話を確保するほか一般公衆電話として公衆の方々にも利用していただくというふうな体制を整えております。
○森中守義君 結局それぞれお話を承ったわけですが、さてその横の連絡というのがどういう規模のものに対してどういう対応をとれるという、残念ながらそういうものがいまきちんとない。ことに防災行政無線の置局の問題でも、いま私の調べでは、運用中のものが六——これは計画完了したものね、それから一部運用中のものが十三、申請が四、計画中十、準備中十四と、これが全国の都道府県を大別をしてみる行政無線の今日の配置状況。こういったような状態ですから、これはやっぱりひとつ長期的なものと現実的なものと二つに分けて、早急に計画を練り直してもらいたい。つまり、長期計画といったものといいますと、これは相当金が要ります。とかく今日のように地方自治体が超過負担だどうだというわけで、なかなか財政が困窮状態にある。そこで、相当金を食うものを自治体でひとつやりなさいと言ってみてもなかなかできないと私は思うんですね。だからこれはひとつ大臣、一遍関係者を大臣がお招きになって、そこでひとつ閣議の決定ぐらいあるいは閣議了解ぐらいで相当国の金を入れませんとできませんよ。そういう長期的なものをおつくりいただきませんとね。これは何と言ってもこういうものが国民社会にとっては一番大きい問題なんだ。ややこういうものが一部専門家の範囲の中にとどまっているような状態ですから、これ一歩脱却して、政治の面でもう少し内容を充実をした、要る金出しましょう、いろいろな長期計画には債務負担行為でほとんど消化しておりますからね、そういうものを一体五千億要るのか一兆要るのかわかりませんけれども、試算をしても大体出てくると思う。こういう長期的なものを一度ひとつ練り上げていただきたいということが一つ。 それから先ほど京浜地区を言ったわけですが、なるほどチリ地震や何やというものを参考にされておるということですけれども、もしこれで七、八というものが来た場合にどうなのか。一部には耐震構造の通信施設を持っておるから、そういうものを開発するから大丈夫だと、こう言われるけれども、これはやっぱり地上における物体ですよ。地上における物体には限度がある。しかし相当広範囲に激震地それからその円を描いて何キロ、何十キロということになりますとこれはもう容易なこっちゃないと思うんですね。そういうことを考えていけば、やはりその耐震構造で、地上の施設で大丈夫だというようなことだけでは言い切れない気がする。そこに実はさっき申し上げた通信衛星との結合というがひとつの大きな問題になってくると、私はそう思うんですね。ある程度具体的なものを想定をして、一度ひとつ郵政、電電公社あたりで中心になられて、想定的なものでも実施計画をつくってもらうといいと思うんですね。ただそういう耐震構造がどうだというのは、私もこれは素人でよくわかりませんけれども、一つの物の考え方としてはそういうところに集約されてくるんじゃなかろうか、こういうように思うんです。いかがでしょうか。
○国務大臣(村上勇君) 通常の災害等につきましては、それぞれただいまの施設でも間に合うと思いますが、しかし、不幸にしていまお話しのような超非常災害というような、特に地震等の場合に、通信網等につきましてはなお検討する必要があろうと思います。したがいまして、私の立場から前向きに検討をして、閣議等で各省に呼びかけて、一つの何か成案を得たいと思っております。
○森中守義君 これで時間が来ましたから終わりますが、とにかく郵政省といい、電電公社といい、日本放送協会といい、いまや非常に大事な関頭に立っている。ですから、こういう短い時間では何事も言えませんし、お聞きできないのは残念に思いますけれども、ここはひとつ村上勇郵政大臣のこれこそ勇断と決意と実行をもって国民の逓信事業をぬかりなくやり遂げていただくようにお願いを申し上げまして、またいずれかの機会にもう少し詳しくお尋ねすることにいたしまして質問を終わります。 —————————————
○主査(黒住忠行君) 分科担当委員の異動について御報告申し上げます。 予算委員の異動に伴い、森中守義君の補欠として田英夫君が選任されました。
○田英夫君 私は、主として放送の問題について郵政大臣に伺いたいと思います。 大臣は、郵政省がスポンサーになっている「ハーイ前略東へ西へ」という番組を御存じですか。これは郵政省がスポンサーだと聞いておりますが、事実でしょうか。
○国務大臣(村上勇君) まことに申しわけがないんですが、私余り見ておりませんです。
○田英夫君 担当どなたか、当局の方で結構ですが、そういう番組がありますか。それは郵政省の提供と聞いていますが、事実でしょうか。
○政府委員(高仲優君) 先生おっしゃるとおりでございます。
○田英夫君 その番組は過去かなりNETの十チャンネル日曜午前十一時三十分から十五分間という形で放送されているそうですが、今後も続けられるとすれば、予算はどうなっているのか。つまり、郵政省の広報予算、そうしてその中に占める放送番組提供の予算は一体どうなっているか。資料がなければ大まかなところで結構です。
○政府委員(高仲優君) 郵政事業特別会計予算の成立額の中からいろいろ広報関係に経費を使っておるわけでございますが、その中の一部としてその番組スポンサーをやっているというふうに理解しております。
○田英夫君 大臣、これごらんになってないそうでありますが、私も人から教えられまして見てみましたけれども、一体郵政省は、これ何の目的で、この広報予算もそうですが、官房長の言われるところによると、何の目的でこれを放送しておられるのか、この辺はいかがでしょう。
○政府委員(高仲優君) 広報と申しましてもいろいろあるわけでございます。非常にかたい形でパンフレット、図書等を出す場合においてはなかなか人々の耳には入りにくいという点を考えまして、余り宣伝臭あるいは広報臭のしない形で郵政事業を身近に感じていただきたいという趣旨からやっておるものと私、理解いたしております。
○田英夫君 郵政事業といえば郵便の問題から電波の問題、さまざまあるわけでありますけれども、私、全部をもちろんこの番組見ているわけじゃありませんけれども、実はなぜ郵政省が広報という立場から、いま官房長言われたようにかた苦しくなくて結構ですけれども、かた苦しいのはいけませんけれども、親しみやすいということからも、私はなぜ郵政省がああいう番組を提供なさるのか理解に苦しんでいるわけです。それでは、自衛隊がやはり広報的な立場からという形で放送をしております「ミミの体当りレポート」という放送があるのを御存じでしょうか。
○政府委員(高仲優君) まことに申しわけございません。私、それは承知いたしておりません。
○田英夫君 これは実は電波、特に放送をあずかる、つまり現在の電波法、私は反対ですけれども、郵政大臣がその免許権を持っている。その責任においてこれを御存じでないということは、責任者が御存じない、大臣はともかくとしても、非常に問題ですよ。これはすでに昨年の夏から非常に問題になった番組ですよ。
○政府委員(高仲優君) 私、お答え申し上げましたのは、郵政省の広報を担当しておるという立場から申し上げたのでございまして、電波、放送主管ということでございますと、これは電波局長でございます。
○田英夫君 どうですか。
○政府委員(石川晃夫君) 私もただいま御指摘の番組ついては、実は私、見たことないんでございますので、内容がどのようなものか申し上げるわけにいきませんが、ただわれわれといたしましては、放送の番組につきましては、放送法の第三条のたてまえがございまして、番組の編成の自由ということでわれわれ現在規律しておりますので、この場合も番組の編成の自由ということのようにわれわれ解釈しております。
○田英夫君 これはそういう立場の問題じゃなくて、ごらんにならなかったのは実はあたりまえなんです。東京じゃ見られないわけですよ。東京の放送局はみんなこれ拒否したのです。地方のUHF局が数社、一番最初は青森テレビ、去年の八月あたりから非常に問題になりまして、つまり自衛隊、「ミミ」というのは木原光知子さんというかつての水泳の選手ですよ。彼女が自衛隊に体験入隊して、自衛隊のことを見る形で宣伝をするという番組です。ところが賢明なる放送局の皆さんは、そういう自衛隊の宣伝番組を放送するわけにはいかないと言って拒否をされた。で、田舎と言っては失礼だけれども、経営が苦しいUHF局が数社がこれを放送して、そこの放送労働者の皆さんの反対運動が起こって、いまだに問題になっている、こういう番組なんですよ。これはひとつ大臣、ぜひ頭にとめておいてください。こういう問題が起きているわけです。 そこで私が伺いたいのは、ほかのメディア、つまり新聞とか雑誌とかに載る場合は、これは郵政省の所管でないということが言われるかもしれませんが、少なくともテレビ、ラジオという放送のメディアで政府の宣伝が行われるということになれば、これは放送電波の免許権を持っている郵政大臣としては重大な関心を持っていただかなければならぬのですが、各省の広報番組、広報予算というものを郵政省はつかんでおられるでしょうか。
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。われわれといたしましては、各省の広報予算についてはつまびらかには承知していないわけでございます。
○田英夫君 そうだろうと思って私伺ったのですがね。そういうことで実態そうでありながら、免許の権限だけ大臣が握っているというのは大体おかしいのじゃないですか。郵政大臣、そうお思いになりませんか。
○国務大臣(村上勇君) 放送番組につきましては、これは、免許の問題と放送番組の問題は違いがある。全く違って、番組に対しては郵政大臣であろうが、郵政省のだれであろうが、それに干渉することはできない。放送の自由、番組の編成の自由ということは、これはもう先生御承知のとおりであります。
○田英夫君 そこがだから間違っているのですよ。そういうお考えだから、だから日本の郵政大臣が権限を握っているというところにそもそも間違いがあるので、そっちを直せばいい。アメリカのFCCのような形にすれば、その委員会の責任において放送の内容も——日本にもちゃんと放送法という法律があって、さっき電波監理局長言われたように、番組の内容について干渉しちゃいかぬということがはっきり書いてあるわけです。大臣といえども、政府といえども干渉してはいかぬのですよ。ところが、実際には自民党の幹部の方や政府の方は、しばしば放送に干渉している。これは私は、あえて自分じゃ申し上げませんけれども、私の体験の中にもたくさんありますよ、実例が。挙げていったら私の持ち時間がそれだけで尽きてしまうぐらいたくさんありますよ。私の体験談です。名前を挙げていってもいいですよ、自民党幹部の方の。前総理大臣も出てきますよ。そういうことをやっておきながら、放送法の精神に反して、電波法の方では大臣が権限を持っている。そうして政府の放送を使っての宣伝活動を郵政大臣はつかんでいないわけですね。郵政省の提供番組さえ御存じないので当然でしょうけれども、防衛庁初め各省の宣伝のための放送のあれを全然つかんでおられない。私どももこれはなかなかつかめませんよ。しかし放送労働者でつくっているマスコミ共闘会議というところで調べたところによると、これも放送だけを抜き上げることが不可能なので、新聞の広告も含めて、四十九年度予算の中の政府の広報予算を全部拾い上げてみると、百九十四億円という数字になりました。ところで新聞、テレビを含めて、すべてのメディアで百億円以上の予算を使っているところは、民間の企業で言うと六社しかないという結果が出ています。松下電器だとか日産、トヨタといったところ、あるいは東芝、そういった大企業六社があるだけであります。政府は百九十四億円、しかもこういう不況の状態になってくると、当然宣伝予算というものを各企業とも縮小いたします。ますます政府の予算の占める、提供番組の占める位置が高くなってくる、これが非常に問題じゃないですか。そういう形で国民の税金を政府の宣伝に使うという、ここに非常に問題があって、そうしてその大元の権限は郵政大臣が握っている。免許の権限は握っている。これは民主主義の原理に反するのですね。ですから私は、この前の総括質問で一言そのことを大臣に伺ったわけです。 大臣は、JIC提供というクレジットがついた番組にお気づきになったことありますか。
○国務大臣(村上勇君) どうも寡聞にして……。
○田英夫君 そうだろうと思うんです。JICなんといって国民でわかる人は一人もいませんよ。JICというのは、日本広報センターという総理府の外郭団体の略称であって、その予算は全額国の予算からのものであります。つまり国の機関といっていいですね。それがいま膨大な予算を投じて番組提供をやっている。私自身の体験をここでは申し上げましょう。かって私がある放送局のそうした報道ドキュメンタリー番組などをつくるところの責任者をしていたときに、このJIC——日本広報センター提供の番組をつくれということを経営者から押しつけられた。そしてツークール、半年で億の数字を提起してくるわけです。つまり、スポンサーとして数億の金を出すから政府の広報活動をやってくれと、こういう形はっきりその事務局長の名前を申し上げてもいいけれども、その人が私に言いました。そしてその人の言うには、自民党の悪口だけは言わない、あとは内容をお任せする、しかし、精神はあくまでも自民党政府の広報活動だということを忘れないでいただきたい、こういう注文がつくのであります。いま不況になってくると、先ほども申し上げたように、ツークールで数億という番組提供料を出してくれるスポンサーというのは、まことに貴重なんですよ。民間放送会社として。そういう形でいまや民間放送の中に、政府の宣伝活動をやる番組がふえてきている。そしてそれをJIC提供と最後に一言入れろという、私はそのとき責任者としてこれを拒否いたしました。少なくとも日本広報センター提供とつけなさいと、ほんとだったらそれに括弧して、この機関は政府予算によって賄われていますと書きなさいとぼくは、私は言ったんですが、これは相手側が拒否をいたしました。こういう問題が一方で起こっているわけですよ。だから私はこのことを取り上げたんです。政府が国民に対して行政の円滑な運営のために国民に理解を深めてもらうという形で広報活動をやることを私は一向に文句を言うつもりはありませんよ。しかし、先ほどの「ハーイ前略東へ西へ」というのをそれでは、過去一カ月の、つまり週一回ですから四回になるでしょう、その台本を資料として出していただけますか。
○政府委員(石川晃夫君) 私たちの方といたしましては、この番組の内容には干渉しないというようなたてまえでやっておりますので、ただいま御指摘のございましたシナリオ等についてわれわれの方から要求するということはできないということになっております。
○田英夫君 これは大変おかしいんで、それは放送局の常識でそういうことはあり得ません。
○政府委員(高仲優君) 先ほど私申し上げた中で、もう一度確認しておきたいのは、郵政事業特別会計予算支弁でやっておると、その広報活動は電波局関係のものを対象にしておるのではなくて、郵政事業特別会計——郵便、貯金、保険三事業の広報活動としてやっておるわけでございます。したがいまして、電波主管庁としての郵政省がその主管庁のゆえをもってやっているというのではなくて、事業経営主体としての郵政省が広報活動して番組を提供しておるものでございます。なお、台本の提出の御要求でございますが、私これは別段提出するのも差し支えないと思います。これは電波の主管庁でなくて……。
○田英夫君 じゃ約束してくれますか。
○政府委員(高仲優君) 郵政事業特別会計という形でこれはもちろん私たちスポンサー側のみが当事者というわけではございませんので、一応相手方に話をする必要はあろうと思いますが、私としては提出するのに別段の差し支えはないだろうと考えております。
○田英夫君 これはもう差し支えないなんていうのはあたりまえなんですよ。監理局長おかしいですよ、そんなことを言うのは。秘密でもなんでもないんですよ。これは放送局がつくっているもんですよ、それを出せと言って番組内容の干渉になるわけじゃありませんよ、そんなのは。そんなことを言ったらいま実態は全部干渉ですよ。それをもし知らないんでいるんだったら、電波監理という意味で放送の免許権を持っている郵政大臣の怠慢になりますよ、その実態も知らないんだったら。それどころか、いまドラマなんかスポンサーの方が役者だれ出せまで言っておるんですよ。司会者だれ使えまで言っておるんですよ。それもいけないということになりますよ。それはまあいいですよ、時間がないから、そういうところに深入りするつもりはないんで。大体郵政省の放送問題に関する姿勢、お考えというのは、だんだん聞いていらっしゃる皆さんも浮き彫りになってきたろうと思う。そういう形で過去二十何年にわたって、私は、二十何年というのは、昭和二十六年に電波法を改正して、せっかくそれまで民主的だった体制をぶっ壊して郵政大臣に免許権を奪いとった、それ以来郵政省の姿勢というのはめちゃくちゃになっているわけですよ。このことは改めてさらに何回となく私は逓信委員会その他で郵政省にお考えを直していただくようお願いをするつもりです。 そこで、次の問題ですが、たしか五年前と思いますが、当時の小林郵政大臣が日本のテレビ局は十年以内にすべてUHFに切りかえると、こう発言をされたけれども、この問題はすでに以来五年、十年以内ということになれば半分たってしまったわけですが、各県一局のUHF局はその後誕生をいたしましたけれども、すべてのVHF局がUHFに切りかわるということは一向に進んでいない、この問題一体どうなりました……。
○政府委員(石川晃夫君) 郵政省といたしましては、昭和四十三年に当時の重要無線通信の周波数需要が逼迫してきたという状況を踏まえまして、その当時VHF帯で放送しておりましたテレビをUHF帯に移行しようという方針を立てたわけでございます。めどといたしましては十年を目途としたわけでございますが、その後その重要無線通信に必要な周波数需要というものはその後ますます増加してきているわけでございますし、また無線局の数も非常に増加しております。現在、このVHF帯におきます無線局の数といたしましては十万局を超えているわけでございます。したがいまして、その重要無線通信に必要な周波数というものの逼迫状況というのは当時以上になっているわけでございますが、VU移行の問題を円滑に進めるという点につきまして、われわれは従来からその具体的な移行計画あるいは経費、受信者対策、それから技術的な問題、こういう問題について慎重に検討を進めてきているわけでございます。したがいまして、省といたしましては、従来どおりその方針で進んでいくということではございますが、ただ関係各方面と十分な連絡をとって国民の理解を得られる形で進めていきたいというふうに考えております。
○田英夫君 いまのお答えですと、どうもよくわからないんですが、大臣、この小林郵政大臣の発言は生きていると考えていいのか、消滅したと考えていいのか。
○国務大臣(村上勇君) これは生きていると思います。
○田英夫君 現実の問題としては、民放キー局初め、すでに放送を確立しているVHFの経営者の人たちまでもが反対をして、そして世論の反対に遭って消滅をしているというふうに私は理解せざるを得ないと思っているんです。あえてこの席で申し上げますけれども、なぜUHFに切りかえる必要があったのか、これは監理局長、そう言われたけれども、これはあえて私は言いたくないけれども、UHFに切りかえていく、UHF局をつくっていくという中でいわゆる黒いうわさが各所で流れたということをもう国民の皆さんは知ってるんですよ。そういうものにまつわって、郵政大臣が電波割り当ての権限を握っていて、したがって郵政大臣は伴食大臣じゃなくなったということを識者は言ってるんですね。昭和二十六年以来、電波の免許権を握った途端に郵政大臣は伴食大臣ではなくなったと、失礼ながら。こういうふうに言っている意味はそこにあるわけです。現に各地でUHF局が設立をされていく中で、競願を整理するという形でそこの権力者にまつわる黒いうわさが各地で流れた。その延長線上に小林発言があると言われているわけですよ。そういうことは、せっかく広報予算をお持ちなら、うそなら打ち消しいただければいいし、そもそもそうしたことに至る根源も、先ほどから繰り返して申し上げているとおり、電波法第四条からの一連の郵政大臣が放送局をつくるときの電波の割り当ての免許の権限を持っているというところに諸悪の根源があるんだという、これを正せばそうした黒いうわさもなくなるわけですね。アメリカののFCCのように民間からも代表を入れて、かつて日本が終戦直後にやったと同じように、そういう形になぜ戻せないのか、そういうお考えはないかどうか伺います。
○国務大臣(村上勇君) いろいろ御意見がありますが、昭和二十七年から郵政大臣云々と申しますと、私も三十年から三十一年にかけてやりました。しかし、そういう免許によって何かを得ているというようなものがありましたら証拠を挙げていただきたい。私は……
○田英夫君 そんなことを言うんだったら挙げますよ、たくさん。
○国務大臣(村上勇君) 私は、私自身そういうことは全くないということをはっきりここであれしておきます。 そこで、いまの要するにそういうような一つの方法によって勝手に郵政大臣が免許しているわけじゃないわけなんです。そういう段階を踏んで初めてその免許を付するということになっておりますので、これはもう先生御承知であろうと思います。でありますから、これをいま私が私の時代になって、それはいけないからやり変えるんだということはいま申し上げることはできません。
○政府委員(石川晃夫君) 大臣の御説明を補足させていただきます。 現在郵政省の中に電波監理局があるわけでございますが、以前は、昭和二十五年におきましてはこれが電波監理委員会という形で設置されていたわけでございます。昭和二十七年に現在の形になったわけでございますが、そのときの考え方といたしましては、行政委員会——当時は電波監理委員会でございますが、これは行政委員会でございましたが、この行政委員会のうちで審判的な機能を主とするものは除いて、その業務を各省庁の内局に移すということになるのが妥当であるという政府の考え方に基づきまして郵政省設置法の改正を行いまして、現在の……
○田英夫君 それは知ってますよ。
○政府委員(石川晃夫君) 電波監理局になったわけでございます。その監理局を郵政省の中に持ってきたその精神でございますが、それはやはり電波監理行政をできる限り民主化しようということでございまして、民主的に公正に運営されるように、その郵政省の付属機関の中に電波監理審議会というのがございます。この審議会におきまして、この審議会の委員は国会の同意を得て任命される委員でございます。この委員の方々において電波法に義務づけられております事項の審議が行われるわけでございまして、たとえば放送局の予備免許につきましてはもちろんでございますが、そのほか放送用周波数の割り当て計画、あるいは制定、それから一部修正の際にもこれを大臣からこの審議会に諮問して、そして公正な運用を行うというような方法をとっておりますので、われわれといたしましては電波監理行政が公正に行われているというふうに考えております。
○田英夫君 そういうことはもちろん私はとっくの昔に知った上で御質問しているんです。そのくらいのことは放送局にあるいはマスコミに何十年もいれば知ってますよ。第一、私に言わせれば、電波法の改正が行われたことは、私は取材をして知ってますよ。あの占領行政の是正という名のもとに自民党政府が一連の民主化破壊の逆行のいわゆる逆コースといわれたあのときの一つの政策なんですね、これが。どうしてせっかくあった電波監理委員を解体をしてしまったのか。 さっきアメリカのFCCの問題を申し上げたけれども、自民党政府の方はもう少しこの放送という問題、電波という問題について民主主義との関係を厳正に厳粛に考えていただきたいと思います。たとえば、こんなことをここで申し上げる必要はないかもしらぬけれども、アメリカではある地方の小さな放送局で起きた事件ですけれども、黒人の差別をするような白人の放送局に対して、黒人が市民運動でこれに対して免許の取り消しをしてくれとFCCに申し立てた。そして結局これはとうとう高等裁判所にまでいったわけですけれども、市民も放送に対する利害関係者である。こういう権利をはっきりと勝ち取った上で、たとえばこういう問題が起きていますね。CMで言えばたばこのCM、たばこはアメリカでは御承知のとおり民間の会社によってつくられている。したがってCMの非常に大きな問題です。そのときにCMにおいても公平の原則を守らなければいけないというこれはFCCの立場が貫かれていて、たばこのCMをやったときには同時にたばこを吸うと肺がんになる恐れがあるということを言わなければならないということを義務づけている。アメリカではそこまで厳しくCMの内容にまで、逆にさっき監理局長言われたあれからすると干渉と言われるかもしれない。そうじゃないんです。FCCがやる場合にはFCCそのものが非常に民主的な組織になっているから、これは干渉ではなくて国民の利益のためにという立場からそこまでやっているわけですよ。こういう問題をお考えになったときに、いまの日本の現状というものが一体どういうものなのか。 最後にお聞きしますが、田中総理大臣はテレビに出るのが大変お好きで、「総理と語る」という番組を昨年は年十二回を二十四回に倍増された。あれは「総理と語る」じゃなくて、総理が語る、だと言った人がいる。まさに田中さんの独演会であった。三木さんは余り積極的ではないようでありますが、私は日本でもアメリカがやっていると同じように、総理大臣が一時間番組に一回出るたびに野党の党首も同じだけの時間を国の負担において、まさにさっき申し上げた予算のむだ使いを変なところで不必要な番組を提供してやるんじゃなくて、それだけのお金があるんだったら国の負担においてNHKなり民放なりで、総理大臣一時間やれば野党も一時間、たとえば残る四野党が四カ月に一回くるという形でもいいでしょう。少なくとも与野党が同じようになるように、場合によっちゃ法律をつくってもいいじゃないですか。アメリカはそうしているんです。これがまさに民主主義における公平の原則というものの適用だと思いますが、そういうお考えがあるかどうか、最後に伺います。
○国務大臣(村上勇君) これはあくまでもわが国の放送法が放送事業者の自由な規律によって公平の原則が実現することを期待しているものということでございます。私はNHK自身がどういうふうにあれしようが、それを私どもの方で干渉することはどうかと思います。で、この間そういう御意見がありまして、委員会でそういうような御質問があった。その明くる日の朝、私はテレビを見ましたら、社会党の成田委員長がNHKの朝のあれに出ておりましたので、非常に公平にやってるんだなあと思って、何ですか、選挙を何とかというような題でやっておりましたが、そういうふうで、私ども別にそういう点について何も気にしておりません。先生の御意見よくわかります、私も。わかりますが、しかしまた一面、これお言葉を返すわけじゃないんですけれども、放送討論会とか何とかいうのでは野党の方何人、それから自民党の方は一人しか出ていないというようなところもありますので、これはもうわれわれが番組の自由を、私からいろいろどうしてほしいというようなことは言うべきでない、こう思っておりますので、ひとつ御了承願います。
○田英夫君 もう少し放送の公平の原則、放送法第三条の問題を本当の民主主義の立場から大臣も事務当局の皆さんもお考えいただきたいと思います。これは、さっき私あえてたばこのCMの問題、アメリカの例を申し上げました。いま放送討論会で自民党も一人で各党一人じゃないかなんていうのは、これは全くその辺がおかしいんですね。あそこへ行けば自民党は一つの政党ですよ。これは、しかも官房長官が出てれば政府の代表も出ているわけでしょう。ですから、私はさっきあえてはっきり申し上げたのは、総理大臣が一時間しゃべられたら野党は合計一時間だと、あるいは四カ月に一回回ってくるという形にならざるを得ないかもしらぬ、こう言っておるわけですよ。これは政党の発言というのはそういうものだと思いますよ。そんな放送の内容には干渉いたしませんということを一方で隠れみのにしながら免許権だけは握っているという、そんなことは民主主義の原理に反するということは国民の皆さんみんなわかっていますよ。これは政府・自民党のために私は申し上げてるんです。 きょうは時間がありませんからこれで終わります。
○国務大臣(村上勇君) またゆっくりひとつ。
○辻一彦君 私、テレビの僻地や山間地における難聴といいますか難視の問題、これについて数点伺ってみたいと思います。 最近地方を歩いて僻地や山村に参りますと、必ず出てくる問題はやっぱりテレビがよく見えないという問題です。これは僻地の山間地で、言うならばテレビが一番の文化といいますか、レクリエーションというか、非常に期待をしている、それがゆがんだりしていろいろ見えない、こういうことで、解決の方法はないかという声をよく聞きます。いま三木内閣も社会的不公平の是正、格差の是正、こういうことを一番大きな看板にしておりますが、私は文化の面における格差というものは、具体的に言うと、僻地等ではテレビが十分見られないと、こういう中にあるんでないか。これを何とかして早く解消するということが大変大事じゃなかろうかと、そういう観点からお伺いいたしたい。 そこで最初に、全国におけるテレビの難視の状況がどういう実態にあるか、このことについてまずお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 辺地におけるテレビジョンの難視聴の状態を申し上げます。 この難視聴解消につきましては、従来から放送事業者に対しましても機会あるごとに指導してきたわけでございますが、まだやはり山間僻地におきましてはテレビジョンを受信できないところが相当あるわけでございます。で、統計によりますと、昭和四十九年——昨年の三月末におけるテレビジョン放送の難視聴世帯数は約百二万世帯でございました。ところがその後一年間たちまして、各地に中継局あるいは共同受信施設というものを設置いたしましたので、ことしの三月末には約九十一万世帯になるというふうに推定されております。
○辻一彦君 そうすればやっぱ一年間に十万世帯ずつぐらいだんだん減っていく、こういう計画ですか。
○政府委員(石川晃夫君) そのとおりでございます。
○辻一彦君 いろんな努力をされておるということはそれなりにわかりますが、非常にたくさんまだ残っている地帯がありますし、それからこういう問題があるんですね、私ちょっとじゃその実態を具体的な例として話しながらお伺いしたいと思います。 これは福井県に、これも山村地ですが、美山町というのがあって、籠谷というのがありますがね。ここで一体難視難聴がどういう程度かといいますと、風が吹いたりするあるいは雪が降りますから、雪が降ると画像が何といいますか流れて非常に見えなくなってしまう。それから字が読めない。ところが戸数はわずかにこの部落では七戸なんですね。それから一キロの間に三十戸がずうっと、そういう部落というのは谷川に沿ってずっと分散をしておる、そういう状況の中なんですね。そこでいろいろこの地元の方がNHKの当局とも話し合っているんだが、戸数が少ないという点ですね、これが最大のネックになっておるわけなんですね。だから声としては、高いテレビを買ってもやっぱそういう点からだめになってしまう、テレビが見られない、こういうことで山奥に嫁さんも来てくれないとか、それからそういうことで町へ出かける、過疎化に拍車をかけるとか、こういう状況があって非常に困っておる。そこでこれを何とか解決をしたい、こういうように思うんだが、しかし部落の数が少ないためにこの設備を分担するとすると個々の負担がやはり大変高くつく、こういうことで、こういう地帯というのは一つの谷間のようになって非常に困る、こう言っておるわけですね。こんな実態の上に立って、こういうような実態のところは一体全国にどのぐらいあるのか。いま言われる九十一万戸というのはこれはやりやすいところからだんだん私は進んでいっているのじゃないかと思うんですね。というのは、部落の数がかなりあって、そして負担能力もあると、そういうところは手をつけやすい。だからそれがだんだん進んで、こういう問題を持つところはどうしても後に残されておるのでなかろうかと、こう思います。そこでこのようなケースに当たるようなところというのは一体どのぐらいあるとこう把握をされているのか、これをお伺いしたいと思います。
○参考人(遠山寛一郎君) 全国難視の実態についてお答え申し上げたいと思います。 先ほどの説明にもございましたように、四十九年度末の残存難視は九十一万、約九十万ございます。で、これを私どもとしては大体三つに分けて把握をしておりまして、一つは比較的難視世帯がまとまっておりまして、先生御指摘のような十軒とか五軒とかいうものじゃなくて、百あるいは七、八十というふうに比較的まとまった世帯の構成である難視世帯これが約三十万、三分の一の三十万ございまして、それからもう一つの三十万は現実に先ほどの例にも当たるかもしれませんが、簡単な共同受信設備であるとか、あるいは電波がやや届きにくいために自分のお宅の裏の山へ空中線を置いて、それから比較的長いフィーダー線を引っ張って見ているとか、多少無理を願ってごらんいただいているものが三十万ぐらいあるというふうに把握しておりまして、あとの三十万というのは大変世帯が散在しておりまして、先生御指摘のようにこれの解消にはまあ新しい技術を開発するとか、あるいは少なくともかなり解消に費用を要するというもの、いわゆる散在が三十万ある、そういうふうに把握をいたしております。
○辻一彦君 大体どうですか、いろいろな努力をされているわけですが、やはり第一の方のまとまった部落、百戸とか七、八十戸といえば田舎でもかなり大きな部落ですね、これは負担能力というのはかなりあるわけですね、個々に分けますから。こういうところは私はわりとやりやすいところであると思うんですが、一年に十万戸世帯、いわゆるこういう難視問題が解決されてくるとするならば、そのうちこの三段階はどういう割合で十万世帯が分かれておりますか。
○参考人(遠山寛一郎君) やはり世帯のまとまっているところがテレビを早く見たいという要望も非常に強いわけでございまして、そういうことからこの三十万につきましては現在のぺースで解消を進めてまいりますと、もちろん置局及び共同受信によってやるわけでございますが、三、四年のうちには解消し得る、やはり手順からいきまして、要望の強さからいきましてその他のところはその次の段階にならざるを得ないというふうに、大変事務的でございますが考えているところでございます。
○辻一彦君 まとまっている地域の方が非常にテレビを見たいという要望が強いということですが、これはわりと負担が少なくて済むからやりやすいからやってくれという声であって、実際はまとまっている部落ならわりと便利なところだから、かせぎに行ったり町に出る機会が多い。だからレクリエーションやらそういう娯楽の機会もわりと多いわけですね。しかし数が少なくてそして経費の負担が重くなるので腰が重いが、ここいらに住んでいる地域の人こそ本当はテレビに対して非常に強い要望というものを持っている、せめてテレビを見たいというこういう声が本当は強いんじゃないかと私は思いますが、これはどういう認識を持っておられますか。
○参考人(遠山寛一郎君) もちろん戸数が少なくて大変へんぴなところへ住んでおられるという方の方が一戸一戸のテレビを見たいという御要望というのはより強いかと思います。テレビが唯一の楽しみだというような形において御要望が強いかと思いますが、数が多うございますとわりあい一戸当たりの経費が安く済むというのは先生御指摘のとおりでございますけれども、やはり数が多いとそういうかたまりとして御要望がございますので、そういうところから片づけていくというのが現在の手順になっております。もちろん大変機械的に数だけで判断をしているわけではございませんが、大まかに言えばいまのような手順で解決をしているということでございます。今後はだんだんそういう、先ほど百ぐらいと申し上げましたけれども平均的な問題でございまして、数十、四、五十のところも現実にもやっている場合もございますし、現地の御要望なり電波事情などを考慮いたしまして、電波事情と申しますのはやはり一たん電波を受けてそれから共同受信をつくるなり置局をするわけでございますので、そういう電波事情などを考慮いたしまして取り進めてまいりたいと思っておるところでございます。もちろん基本的には放送法にも示してございますように難視解消というものはNHKの基本的な責務であるということは最後まで貫いてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○辻一彦君 いま御答弁のように、声の強いのは経費が安くつくからやりやすい、こういうことでわりとまとまったところに声が強いので、やっぱり私は声なき声といいますか、言えばかなりな負担がかかるから、しかし何とかならぬかと、この声にぜひとも耳を十分に傾けてほしいと思うんですが、この点どうでしょうか。
○参考人(遠山寛一郎君) ただいまのような点は十分気をつけて難視解消の具体的な仕事を取り進めてまいりたいと思っております。
○辻一彦君 そうしますと、第一の段階はわりと進められるけれども、二、三段とありますと二段段、三段をそれでは具体的に解消していくに大体どんな手順とどのぐらいの計画をお持ちなのか、これはいかがでしょう。
○参考人(遠山寛一郎君) ただいまのところは何しろ三十万、先ほども申し上げましたように事務的に考えまして三、四年程度の仕事もございますので、その先については一体そういう散在の難視をどういうふうな技術的な方法をもって解消するかというようなことは研究段階でございまして、一例を申し上げれば、いままでより格段に小さい電力の置局を工夫するとか、あるいは将来的には放送衛星というふうなものも利用できるかもしれないというようなことではございますが、何しろ今後の検討課題として現在取り進めておるところでございます。
○辻一彦君 そうしますとあれですか、これから三、四年は第一段階の百戸から七、八十戸ぐらいのまとまった部落の、地域のいわゆる難視解消と取り組み、二段、三段のそのあとの方はもう当分は手がつけられない、こういうことなんですか。
○参考人(遠山寛一郎君) 大まかに申し上げているわけでございまして、もちろん電波の事情あるいはその地域の世帯の配置と申しますか、世帯が散らばっている状況とか、そういうことで取り上げ得るものもございますので、まあ総体的には先ほどから申し上げておりますように、現地の御要望なりあるいは電波事情などを考慮して取り進めていくということで、やはり百万の中の三分の一というのをなるべく早く片づけたいというのが私どもの現在考えておるところでございます。
○辻一彦君 お考えはわかりました。しかしそれではどうも大きな地域、まとまった地域は難視がかなり三、四年の間に解消されていくとしても、この声が一番強い地域はずいぶん先に取り残される、こういうことに実態としてなると思うんですね。 そこで大臣にお伺いしたい。これは三木内閣の一枚看板は何といいましても社会的不公正をどう是正するか、これは税制の面におきましても、あるいはいろんな財政の面においても、あるいは福祉の面においても、いろんな面が私あると思うんですね。しかし大事なのは、やはり文化における社会的な不公正といいますか格差をどう解消していくかということがそれらに劣らず大事なのではないかと思います。そこでこういう僻地、山間地ですね、いまNHKの計画では当面はどうも具体的な難視解消の対象にならないというような地域ですね、これをこのまま五年も六年も放任しておいていいものかどうか、私はやっぱりこれに対して具体的な対策を政府として考えるべきでないか、それが三木総理の言う格差解消に文化の面でつながることでなかろうかと、こう思いますが、これについて御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 御指摘のように、辺地におけるテレビジョン放送の難視聴につきましては、都市の受信障害の場合のように、原因者が責任を持つというたてまえで解消を図るということは比較的困難でございます。そのために郵政省としましては、従来から放送事業者に対し、中継局を設置してでも何とか難視聴解消に努めるように機会あるごとに指導してきたところでありますが、いまだテレビジョン放送を受信することのできない地域が相当残されておりますことはまことに遺憾であります。これらの地域の難視聴を解消するためにテレビジョン放送難視聴対策調査会を設置いたしましたが、この会議におきましても国も積極的な対策を講ずるべきであるとの意見が出されているところであります。したがいまして、郵政省といたしましても今後とも辺地難視聴解消のためにさらに一段の努力をしてまいりたいと、かように思っております。
○辻一彦君 まあ調査会をつくってそして取り組む、それは結構ですが、いまNHKのお話を聞いても、大きいところは三、四年でかなり変わってくる見通しがあるようですが、残されている部分というのが、言うならば九十万戸のうちに、まず第二段の三十万戸、そして一番後の三十万世帯というのはこれはずいぶん後に残るわけですね。これを調査会をつくって意見を聞いて、いい意見が出ていますと、そんなことではとてもそれは格差を縮めることにはならないので、もっと積極的な、具体的にこういうものについてどう取り組むかと、こういうことについて政府の御見解はないんですか。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘の点でございますが、この難視聴地域の先ほどございました九十万という中の三十万は、先ほど遠山参考人からお話がありましたように、わりあい楽に、技術的にも楽に進むところでございます。ところが残りの六十万でございますけど、実はこれが今後の問題になるというふうにわれわれも自覚しております。したがいましてただいま大臣から御説明申し上げました、この難視聴対策調査会におきましても、この点について慎重に、しかも各種のデータを集めて検討を進めているわけでございます。で、この答申が近く出るはずでございますが、その中には審議された内容が相当詰められた形で出てくるとは存じますが、われわれといたしましても、その答申を受けて、さらにそれを行政に反映させたいというふうにも考えておりますし、また先ほど遠山さんの方からお話がございましたように、このような非常に戸数の少ない、いわゆる過疎になっている土地でございますが、これは今後大きな地域が解決されるに従ってこういう地域がだんだん残っていくと、しかもその戸数が少なくて、しかも範囲が広がっていくと非常に技術的にもむずかしい、あるいは経費的にも非常に高価につく内容のものでございます。この点につきまして、技術的には、先ほど遠山さんからございましたような小さな電力で、しかも簡易に置けるというような方法でテレビの絵を、きれいな絵を送れないかどうか、この辺を現在NHKの方でも研究しておいでになるわけでございます。数カ所において実験も行われているわけでございますが、その成果自体につきましては、やはりまだいろいろ問題点も残っているようでございまして、この点はNHKの方でいろいろ詰めていただいてなるべく早く実用化できるように努力していただきたいと、かように存じております。それからそういうところが使えない点、これは非常に技術的に、経済的にむずかしい点でございますが、このあたりは調査会の答申などに基づきましてわれわれとしてさらに検討を進めていきたいと、かように存じております。
○辻一彦君 NHKの方からいま研究されていることを後でちょっとお伺いしたいと思いますが、その前に、このテレビジョン放送難視聴対策調査会、これですね、いまのお話は。ここでかなりその話が、中身が詰められるということです、それから、近く答申が出るということですが、大体具体的にどんなことが論議をされて、どのくらい話が、その中身が詰まっているのか、それをちょっと聞かしていただきたい。
○政府委員(石川晃夫君) このテレビジョン放送難視聴対策調査会でございますが、これは四十八年の六月にできたものでございます。この中を大きく分けますと、辺地における難視聴の問題と都市における受信障害の問題と、この二つに大分けされるわけでございます。都市の問題につきましてはいろいろむずかしい問題がございますので、専門家の方に鋭意努力していただきまして、現在小委員会などをつくりまして詰めているわけでございますが、それと並行いたしましてこの辺地における難視聴対策の問題につきましても現在検討を進めております。この調査会におきましては、この三月に答申を出すという目標で現在まで作業を進めてきたわけでございますが、あいにく都市における受信障害の問題、これが非常に法制的にむずかしい面が出てまいりましたために、若干予定よりも答申の出るのがおくれているわけでございます。間もなく出てくると思いますが、現在もとめている最中でございますので近く出てくるというふうに考えております。この中に先ほどの辺地の難視聴の問題もあわせて答申されるということでございます
○辻一彦君 都市の方は大変技術的にむずかしい問題であるから専門家のこれにゆだねてということですが、その僻地や山村の方ですね、これは一体答申が出る場合になって、たとえば一つとして具体的にどんなものが出るのですか、中に。
○政府委員(石川晃夫君) まだ答申が出てきておりませんので、その内容につきまして詳細には申し上げられないわけでございますが、聞くところによりますと、国からの助成の問題あるいは融資の問題、あるいは地方公共団体からの融資の問題、このような問題について検討がなされたというふうに聞いております。
○辻一彦君 そこは大変大事なことですね。小さな部落で数が少なければ負担能力というのは大変だと、そこで何らかの助成やあるいは融資がほしいということになると思うのですが、どのくらいのことが項目的になされる、というよりも、中身としてどのくらいのことが、調査会でいろんな調査をしデータを集めて論議をされておるのか。たとえば国のそれを、小さい困難な地域にどういう助成をし、どういう融資をするということが望ましいと、こういう中身がどのくらいついているのですか。
○政府委員(石川晃夫君) その中身につきましては、私は答申をもらう方でございますので、実はまだ中身を十分承知していないわけでございますが、ただいま申しましたように、助成の問題とか融資の問題につきましていろいろなデータを集積いたしまして、そして検討を進めているというふうに聞いております。
○辻一彦君 その調査会には、あれですか、郵政省の関係はだれも入ってないのですか。その聞いているというようなそんなあいまいなことじゃなしに、ちゃんと論議をされて、それぐらいのことは局長御承知であろうと思うのですが、いかがなんですか。
○政府委員(石川晃夫君) これは、ことにこの都市における受信障害という問題につきましては、非常に関係するところが、また利害関係が錯雑いたしますので、委員は外部の方にお願いしているわけでございます。郵政省といたしましては、事務局といたしまして担当の課長が入っておりますが、これは意見を述べる内容のものではございません。したがいまして、委員の先生方で十分御検討をいただくという仕組みになっております。
○辻一彦君 だから、私は意見を聞いているのじゃなしに、その調査会でもう答申が出る直前になっているまとまった中身で、融資や助成ということをどういう検討をされているか、まとまっているのか、このことを伺いたいと言っているのです。
○政府委員(石川晃夫君) 最終的には少し予定からおくれまして二、三カ月後になると思いますが、現在その作業中というふうに聞いておりまして、そしてどのようにまとめるかこれから最終的なまとめに入るというふうに聞いております。ただ、いままでには十分意見はいろいろ出されたということでございまして、その意見がどのように調整されたかという点についてはつまびらかになっておりません。
○辻一彦君 それを余りせんさくする気は私ありませんが、要するに大臣、こういう地域で、僻地を皆さんもお歩きになると思いますが、やっぱり住みなれたところで、それは町移ってしまえと言えばそれまでだけれども、やっぱり先祖代々長い間住みなれて、そして道もある程度できていけば通勤の範囲というのが車を持てばかなり拡大しますから、空気もいいし緑もいいしということで、住むには夏は蚊もいないし、ということでいいわけですよ。しかし、そういうところに住むにしても、テレビが見られないというのじゃ、これはどうもならぬという、そういう声が強いのですね。そういうものに対して、自家用車をどんどん持っておる、そんな人じゃなしに、田舎の方を見れば、やっぱり国が何らかの助成やあるいは融資とか地方公共団体の、こういうことによってこの問題を解決してほしいという声は当然私は強いと思うんですね。そういう方向をいま調査会で答申にまとめられつつあるということですが、そういう答申のおおよそが出ているとすれば受けて、一体政府はこれに対して格差是正という角度からどう取り組まれるお考えかお伺いしたい。
○国務大臣(村上勇君) たとえば無電灯の部落とかあるいは電話のないところとかいろいろありましたが、これらを解決していくこと。特にテレビジョンが見えないというようなところを見えるようにするということは、これは国民の文化生活の上にも、また国民生活の上にも最も大事なことだと思います。私は福井の美浜もよく承知しておりますが、ほんとうにああいう環境で、こういう文化のもっと恩恵に浴すべきところが各種の放送が見えないということでは、これは非常にお気の毒でありまして、一日も早くこういう問題は何とか国、地方あるいは放送局と、また御本人というようによく相談して、そして理屈を重ねるよりも早く見えるようにして差し上げるということが大事だと、こう思っております。しっかり答申が出ましたら積極的に努力してまいりたいと、かように思っております。
○辻一彦君 それでは答申が出て、それを受けて来年度の郵政省の、国の施策の中に、予算の中にこれを盛り込んで積極的に取り組むと、こういう用意がおありなんですか。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御指摘がございましたように、われわれといたしましてはこの答申を十分尊重いたしまして、それを行政に反映させたいと、かように考えております。
○辻一彦君 いや、それはわかりました。大臣、これはやっぱり予算の中に具体的に組みこまれなくちゃならない問題ですから、大臣としてのひとつ御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 十分に検討した上で、そういうように具体化するように努力したいと思います。
○辻一彦君 答申が出たら受け流すということの絶対にないように、ぜひ来年度の予算の中にこの僻地の声を聞き入れる、それが施策に具体化するように、いまの点確認をいたしたいと思います。 そこで、NHKの参考人にお伺いしますが、そういう僻地の方に早くひとつ難視を解決するためにかなり小さな電力であって云々という問題が出ましたが、いろいろ御検討されておるようですが、二、三具体的にいま考えておられることがありましたらちょっとお伺いしたい。
○参考人(遠山寛一郎君) もともと難視解消につきましては、放送局をつくる場合と共同受信がございましたが、これは大分前から一応二百以上ぐらいのかたまりがあれば置局で解消すると、二百に足りないものは共同受信でやるという、まあ例外もたくさんございますけれども、大体そういう郵政の御指導もありまして、そういう方針でやってきたものでございます。先ほどから申し上げておりますように、だんだん難視世帯が散在をしてまいりました、かつ、かたまりも小さくなってまいりましたので、今後の考え方のもとは、やはり一つの局でサービスする地域が小さくなるということでございます。 小さいところをサービスするにはどうしたらいいのかということが、いま検討している基本でございまして、その一つとして出力百ミリワットという局をいまつくって、これも郵政の許可をいただいて二十八カ所で実験をしております。これは一つの試みでございます。 それから、先ほど基本を申し上げましたように、小さいところをサービスするにはどうするかということで、電力線からあるいは空中線、機械などについて引き続いて検討をしていきたいと思っておるわけでございますが、ただいま実行しておりますのはその実験局でございます。今後の問題点は、以上申し上げたようなところであろうかと思います。
○辻一彦君 いま言われるように、だんだん地域が小さくなって、なかなかこれは大変な問題ですが、そのところにひとつぜひ力を入れてほしいと思います。そこで小さい地域で、施設を何年か前につくったんですが、業者がたまに見てくれる程度で、推持や管理がなかなか大変だという声もありますですね。たとえば大野市の勝原という町が、まあ大変谷間で、そして雪の深いところですね。こういうところで、この共同の受信施設をつくったんだが、後の経費というものが、管理等がかなり高くついて非常に困っている。こういう点も少し前に、私、秋に会ったときに具体的に聞きましたが、こういうような地域の声も含めて、大臣ひとつ答申後の施策にいろいろと具体化をしてほしいと思うのですが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(村上勇君) 先ほどお答えいたしましたように、一日も早く国民に文化生活のできるように十分努力したいと思っております。
○辻一彦君 私のいま取り上げたのはごく二、三の例にすぎないんですが、大体小さな部落に行くと同様なことをよく聞きます。もちろん中には、地理的な関係で僻地でも大変テレビがよく入るというところも間々ありますが、多くはいまのような声が、私多いと思うのです。 そこで、郵政当局並びにNHKに強く要望しておきたいんですが、それは区分で言えば一区分、二区分、三区分とあって、どうしても第一の方がやりやすいので早く手がいくと。しかし、本当にテレビを見たいという声は、第三の、散在している、そういうところに大変その声が強いと。この声をいろんな機会に十分くみ上げて、国のひとつ施策の中に、それからNHKもこれから難視解消に進まれる中に、ぜひとも強く取り入れて努力をいただきたい。このことについて、一応政府とそして遠山参考人の御決意のほどを伺って質問を終わりたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 施策を担当する者といたしましても、ただいま先生のおっしゃるとおり、われわれも鋭意努力していきたいと、かように考えております。
○参考人(遠山寛一郎君) 先生のただいまの御意見、十分今後の難視解消の具体的な進め方の中で努力をしてまいりたいと思います。 それから、先ほどの大野市のような例で、いままでかなり大きな共同受信があった、それがだんだん老朽してきたというようなものにつきましても、新しいNHKの設備にかえるというようなことも逐次計画をしてまいりたいというふうに考えております。
○辻一彦君 じゃ終わります。
○矢原秀男君 では、まず最初に、コマーシャルの問題について大臣にお伺いしたいと思います。 いま家庭の中で大変コマーシャルについていろいろの声が起きております。これは一般新聞の投書欄でございますが、読んでまいりますとこういうことが出ておりますね。「テレビCMの音量を抑えて」いただきたい。「このごろはテレビのコマーシャルも華やかになり、あの手この手と、目と耳にうったえての商魂のたくましさに驚かされる。そして、番組を選ぶ自由と引換えに、コマーシャルの強要を、ある種のあきらめと、惰性の中で受けとめてきた。けれど、番組がコマーシャルに切り替ったとたん、急に音量が大きくなる。いやが上にも視聴者の耳にうったえようという宣伝策だろうが、終始一貫して自分の選んだ音量で聞けるという、見る側の権利も認めてもらいたい。幼児を寝つかせている茶の間、病人が静かにテレビに見入る時、夜更け、他人に気遣いながらテレビを楽しむ人々……コマーシャルが始まって、あわてて音量を小さくする。そんな経験は恐らく私だけではないだろう。コマーシャルは是非、一定の音量に抑えるよう切望する。」、とこういうふうに投書欄に出ております。 何といいましても、いまの住宅事情が大変でございますので、アパートとか、そうしてそういうようなところでありますと、特に夜になりますとテレビドラマを中断して突然大きな声を起しながらCMの音楽が始まってくる、近所の迷惑を考えてあわてて音量を調節するために立ち上がってくる。こういうことが最近の十数年間毎日各家庭で繰り返されているわけでございますが、今後も全国の家庭でどれほどこういう点に気を使っていかなくてはならないか、こういうふうなことでございます。 私も民放関係のいろいろな資料を見ておりますと、自主的に非常に涙ぐましいほど検討している、そういう数年のいろいろな具体例というものを読ましていただきまして、ああ本当に非常に努力はされているなと、こういうふうに非常に感じているわけでございます。 そこで、私がまず質問をしてみたいことの一つは、音の評価の基準をやはり決めることを民放でも努力をされておりますね。これの現況の問題点を見ておりますと、一つは、ボリュームはまちまちの段階である。二番目には、基準ということはいきなり討議できない現状である。三番目には、音のよいものでも悪くしている現状である、こういうふうに技術者の討議の中で御報告をいただいております。これについて政府ではどういうふうに考えていらっしゃるのか、まず、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) テレビにおきますコマーシャルの音量の問題でございますが、政府といたしましては、別に特段この基準を設けるとか、そういうようなことで規制しているわけじゃございませんが、やはり常識的な線といたしまして、放送番組の音量が普通の番組とコマーシャルと異なるというようなことは余り好ましいことだとは思いません。やはり全体が均一化されまして、そうして調和のとれた形で放送されるべきであろうというふうに考えております。
○矢原秀男君 次に、CMの音量の基準設定でございますけれども、これもお話を伺っておりますと、フィルムという媒体に入った、それから再生されるそこまでの音量基準であるというふうになっておるそうでございますが、やはり規定すべき特効薬としては、一つは、容積に対してモニターレベルをどのくらいにするかという問題、もう一つは、モニターレベルの設定というものが最終的には一つの音量を形づくるということである、こういうふうな特効薬としての課題が出ているわけでございます。この点についてはどうですか、政府側は。
○政府委員(石川晃夫君) 技術的に非常にむずかしい問題でございますが、やはりある一定の音量が形づくられるということは適切だろうと思います。その音量がどのくらいでどういう形で出されるべきであるかということになりますと、これはやはりその放送局におきますいろいろ設備とかそういうような問題によりまして、いろいろな途中における経過によりまして出てくる形が違うと思いますが、やはり考え方といたしましては、先生御指摘のようなことでいいのじゃなかろうか、かように考えております。
○矢原秀男君 そこで、CFに関する音量競争が生まれていることについての指摘もあるわけでございます。 一つは、一般のプログラムに対してCFのボリュームが非常に大き過ぎる、この中には一つは調整ができないものだろうかということがございますね。もう一点は、規制する一つの根拠があいまいな形で受け取られているということ。もう一点は、これに対して一つの基準をつくることが必要ではないのだろうか、現状では決められていない。こういうふうに技術者の中でも非常に努力をされているわけでございます。こういう点についてはどうですか、見解を。
○政府委員(石川晃夫君) まず第一点でございますが、このようなものは調整できないのかということでございますが、この点は、やはり音がいろいろモニターを通りましたり、その他いろいろ音響関係の装置を通りまして出てくるものでございますから、調整ができないというものではないというふうに考えられるわけでございます。 ただ、これに基準をつくるということになりますと、これも現実にはその基準はできないということはないかとも思いますが、ただ、コマーシャルというものと普通の番組というものとどのような関連性を置くのかという点については、実はこれは番組の問題でございますし、われわれといたしましても、その点、われわれとして基準をつくるということは非常に困難かと思います。やはりこれは、先ほども申しましたように、放送全体が調和のとれたかうこうで放送局自体がその点を十分留意して番組を編成するというのが適切ではなかろうかというふうに考えております。したがいまして送る側といたしもしては、やはり全体の番組の調和という点につきましてはいろいろ打つ手もあるのではなかろうかというふうに考えております。
○矢原秀男君 そこで、政府の方へ私たちが要望しておきたいことは、自主番組の編成にはやはり干渉してはいけない、こういうことは厳然としてあることでございますから、これは憲法の第二十一条、表現の自由であるとか、放送法の第三条の番組編集の自由、こういうことがございますので、政府としてはこういうことに介入をしてはいけない、こういうことは私は当然であろうと思うわけです。 本題に入る前に、この問題について政府も私の言うとおりの姿勢を守ろうとされていらっしゃるのかどうか、それだけをお伺いしておきます。
○国務大臣(村上勇君) この問題は各所でいろんな人から、そういういま先生の御指摘のCMの音量についてのお小言をいただいております。がしかし、御承知のような、いまお話しのようなことで、郵政省としてこれに対してどうと言うことはできませんが、しかし、私は、聴視者がいやな感じ、いま御指摘のように病人がびっくりしたり子供や赤ちゃんが目を覚ましたり、いろいろいやな感じを与えることによってそのCMの目的が達成されなくなるんじゃないか、そういうようなところをとらえて、その業界あるいは団体に対してそういうような要望をすることは差し支えないんじゃなかろうかと思っております。で、研究した上でそういう要望をすることが、聴視者だけでなく、その放送会社自体も、大体せっかくのCMに対して国民が耳を背けるということになれば目的が逆に出ることになりますので、これは十分前向きで、私どもの許されておる範囲でできるだけのことはいたしますので、御了承願います。
○矢原秀男君 私、いま大臣のできる限りの要望はしたいと、こういうお話でございますので、私は政府の方でやっていただきたいことは、このコマーシャルの問題を見ておりますと、コマシャルの音量規制に対する障害が一つだけあったんですよ。それを政府はやっていただかなくちゃいけないんです。 それは何かといえば、代理店も制作会社もスタジオも光学録音の段階から民放の局も、一番困っていることは、企業、スポンサーですわ、これが注文つけるんですよ。ですから、民放局の方ではみんな御家庭の方々が喜んでいただけるようなことをしたいと思っているけれども、スポンサーに問題があるんですよ。これは政府から問題をやはり厳しく言っていただかないと、局とか代理店とかへ行きますと、やはり分秒刻みでお金を取りながら経営されていらっしゃるわけですから、だからスポンサーの声によって、あっと、こうなるわけなんですね。ここに悪弊があるわけです。どうでしょう、大臣、これ。
○国務大臣(村上勇君) 私は、スポンサーそのものがむしろ国民の耳触りのいいようなCMをやってもらうことがそのスポンサーの目的が達成できることでありまして、国民がいやな、耳にふたをするようなことではそのCMの目的が達成できないと思いますので、だんだんと注意したり、国民世論等を聞いているうちには必ず、ほうっておいても本当は正常にならなければならないものだと、こう思っておりますが、私どもも法で許されておる限り、その団体あるいは業界に対して一応強く要望していきたいと、こう思っております。
○矢原秀男君 スポンサーに対する問題点を見ておりますと、一つは音質はどうでもいいと言うんですわ。もっとボリュームを上げろという注文がどんどんどんどんテレビを見ながら出てくるわけなんですね。 その例が一番ひどいのは、たとえば三社ぐらいでお金を出しているとき、A、B、Cと十五秒ずつドラマの間に組まれるでしょう、そうすると三社のCMが入ってくる。そうすると、やはりどうしてもうちの社のがちょっと低いのと違うか、もっと上げろと、目立たぬやないかということで非常に無理を言っているんですね。これが一つは非常に乱れている原因です。それから二番目には、先ほども申し上げておりますけれども、視聴者から音が高い、こういうふうにすべていろいろな苦情がくるのですけれども、スポンサーは逆に音量を上げろ音量を上げろと、こういうことになるわけですね。それから三番目には、現実はそういうふうなことでございますので、当然、音質は無関係に音量競争を行っているという現実でございます。 こういうふうな中から、いつもテレビを見て、スポンサーの人たちがまず局と代理店にすぐ苦情に行く。局に行けば代理店にそれが伝わっていく。代理店に来ればまた局と相談していく。そういうふうにして、どうしても大きな企業でお金がどしどし出ていくところはそういう無理を言いつけている、こういうことでございます。 郵政大臣、そういうスポンサーの方でもよいところと悪いところと私あると思うんですね。善悪があると思うわけです。そういう非常に権力を振り回して民放や制作会社や代理店、そういうところに圧力をかけていくそういうスポンサーに対して、大臣として、本当にどういう姿勢が臨まれていくのか、きょうから。その点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) いま先生の方から具体的な問題が提起されましたので、私からお答えしたいと思います。 いま先生御指摘の点につきましては、内容的に見ましても非常に私たち納得のいきにくい内容のものでございます。ただ、われわれといたしましては、直接、このスポンサーに対してどうこうするということはできない立場でございますので、この点などにつきましては、先生からこういうような問題点の指摘があったということにつきましては、民放の場合は民放連などを通じてそれを反映させるというのが適切かというふうに考えておりますので、そのようにしていきたいと思います。
○矢原秀男君 その点で、いま答弁ありましたが、やはり私がいま申し上げているように、民放連からということになると、民放とかいろいろなところは、やはりいろいろなそういうお金をいただきながら提供していく立場にあるわけですから、そういう点をどう考えるのかということを——民放の立場で政府も考えないと、政府から民放へやったら、わかりましたと言うてスポンサーにパッと言う。それならおまえのところはもうだめだ、こうなってじゃよそに行こう、こういうことになりますので、そういう行き届いた神経をどうするのかということをひとつ答弁してください。
○政府委員(石川晃夫君) 私たちといたしましては、ただいまのような点につきまして、いろいろそれ以外のことにつきましても、いわゆる民放連と民放のあり方などについていろいろ意見の交換を行っております。したがいまして、そのような立場を通じてわれわれの考え方というものを十分述べまして、それを民放の中において十分検討していただきまして、そのような音量の問題で、かえって聴視者に不愉快な思いをさせるということのないように、ひとつ大いに期待しているという旨を伝えたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 どうもあれですね、いやそれは民放連とかいろんな方々ありますが、そういう方々の役員会でもやはりこの問題で難問題だなと言って抱えていらっしゃるわけですから、そこへ政府がまた一つの課題を投げていっても、やっぱりこれは解決しないと思うんですね。 ですから、問題は、行き過ぎるスポンサーのそういうふうな企業に対してどうするのかということを答えてください。
○政府委員(石川晃夫君) 直接、私たちが企業との接触ということになりますと、これは番組編集の自由を侵すということになりますので、この点をわれわれとしては避けたいというふうに考えております。 したがいまして、方法といたしましては、繰り返し申すようでございますが、やはり民放連というような民放の代表の集まっておられるところで、民放の良識に基づいてひとつ御判断をいただき、良好、良質な放送をやっていただくというのが一番適切かと、こういうふうに考えております。
○矢原秀男君 どうも政府も企業ということになれば、非常に弱腰の一面が私も不満でございますけれども、まあ善処を要望して次に移ります。 次は、伊丹の国際空港の問題でございます。 昭和四十八年度が、私の推定では、離着陸が十五万六百六十四回と見ているわけでございます。そして一日の平均が四百十二回、そして一時間に十七回、まあ少々数字が違うかと思いますけれども、私なりの推定でございますので、まずそれを頭に入れていただきたいと思います。 いま私がこの伊丹空港周辺における問題点を取り上げる理由としましては、これは多年来、騒音の問題、そういうふうなことを中心にして人体にいろんな影響が出ているわけなんですね。結論的には空港を撤去する以外にない。世界で一番都市過密の中に空港があるわけでございますから、私は地元におりましてそういう点を非常に強く考えるわけです。 いまいろんな学者やそういうふうなデータ、そして私たちの体験の中から二、三伊丹空港の実態というものを御披露してまいりますと、一つは、航空機の騒音によっておなかにいる赤ちゃん、それから生まれた場合の乳幼児の影響、こういうふうなものを含めて、妊娠期における騒音レベルの増加に伴う出生の体重が非常に低いそういうお子さんが増加をしている。また妊娠の中毒症の原因にもなっている、こういうふうに人体に対する影響が多いわけでございます。 二点目には、航空機騒音による学童の精神作業に及ぼす影響も非常に悪く出ております。その一つは、精神の平衡機能が日常的に存在する騒音の長期にわたる蓄積影響によって失われております。 また三番目には、航空機騒音に対する家屋の遮音性能と住民の主観的な評価としてみましても、引っ越しをしたいというのが全般的な都市的な平均では三四%と出ておりますが、離着陸のこの下においては一〇〇%がもうかわっていきたい。また二番目には、飛行機の騒音が非常にうるさくてどうしようもないというのがもう一〇〇%ですね。それから現住所の会話の妨害については飛行機の騒音によって九三%にもなる。健康状態については一一%の人がすでに病気になっている。こういうふうなことで順応性というものが期待できない。そういう非常に恐ろしい環境のままで放てきされていると言っても過言ではないと思うわけでございます。特に幼いお子さんや何かは航空機の騒音によって無意識のうちにバランスが崩れているという結果も学術的に出ております。 こういうふうな現況の中で、私は、伊丹の国際空港周辺における航空機による受信障害というものを取り上げてみたいと思うわけでございます。 航空機による受信障害世帯は国際伊丹空港の周辺では何世帯に現時点でなるのか、一番新しいデータを教えていただきたいと思います。
○政府委員(石川晃夫君) 実は私たち、それにつきましての数字は把握しておりません。
○矢原秀男君 大体、どうですか、わかりませんか、じゃ最近のでなくても……。
○参考人(遠山寛一郎君) 現在、四十九年度は、国及び地方自治体が負担をしていただいているというような関係で総数を把握しておりますものは、大阪空港の場合、八万五千を四十九年度では予定をしております。
○矢原秀男君 四十三年度から四十七年度は二キロメートルから一キロと、こういうふうになって、NHKが七十五円、航空会社が七十五円、合計百五十円を負担されている。これ間違いないでしょうか。
○参考人(遠山寛一郎君) 航空会社と申しますか、四十六年度までは、航空公害防止協会が航空会社から集めたものを半分ほどいただいていたわけでございます。四十七年からは、国が着陸料として航空会社から集めているという形に変わっておりまして、さらに内容的には、四十九年につきましては、その負担分は国が五〇%、地方自治体が五〇%というふうになっております。
○矢原秀男君 いま遠山さんからお話ございましたように、四十八年から四十九年ですか、四十七年からでしたか。
○参考人(遠山寛一郎君) 四十七年から国になっております。
○矢原秀男君 ここでは、大阪の場合は、離着陸の縦には七キロ、横が一キロでございますね。その点ちょっと……。
○参考人(遠山寛一郎君) そのとおりでございます。
○矢原秀男君 これにつきましては、運輸省と自治体が、いま遠山さんからお話がございました五〇%、五〇%負担になっているわけでございますが、ここでWECPNL八〇ですね、この騒音基準については、どれを基準にされてこれが取り上げられたのか、こは点について答えていただけますか。
○参考人(遠山寛一郎君) 私も担当でございませんのであれでございますが、WECPNLの八〇以上ということで把握をしているということでございます。
○矢原秀男君 これ政府の方は、これは東大の五十嵐教授の大体データのものですか。どうですか、わかりませんか。
○政府委員(石川晃夫君) この件につきましては、運輸省の方でやっておりますので、私の方では承知いたしておりません。
○矢原秀男君 そこで、運輸省と郵政省と、これまあ環境庁も関係になるんですが、連携をとにかくとっていただかないとね、すべて日本の国、縦割りなんですわ。ですから、一般の方がいろいろな問題を持っていっても、いやあ、あっちは運輸省ですわ、環境庁ですわ、これは郵政省ですわということで、日本の政治、行政というものが国民のためにありながら縦割り行政の中で全部泣き寝入りをしている。十分国民の意向が取り上げられないということでございますので、いろんな国民の声というものは、関連する横のそういうふうな行政体とよく連絡をとっていただかないと、これは大変だと思うんですね。 そこで、いま私がこの八〇のレベルを問題にしておりますのは、伊丹市や兵庫県の調査によっては、七〇以下の地域においても住民の四〇%の方々が非常にうるさくて大変である、環境が破壊されている、こういう声が出ているので、これは郵政省を中心として運輸省や環境庁にやはりもっとこの該当地域というものを一つは広げていくべきではないか、こういうことを私はいま要求しているわけなんです。その点について。
○政府委員(石川晃夫君) この点につきましては、もともとジェット機の騒音ということが問題になったわけでございまして、郵政省といたしまして、この騒音の問題につきましては一つの基準とはいたしますが、騒音自体の問題については環境庁なり運輸省というところで担当しておりますので、そこが中心になっていただいて私たちが協力するということはやぶさかではございません。
○矢原秀男君 ですから、これ郵政省から言ってくださいよ、きょう、こういうものが分科会で話が出たということですね。 そしてここで私いま取り上げてますのは、こういうふうな補助体系が決まってから、国際空港に離着陸をする飛行機というものがさらにジャンボ化になったんですわ、大きくなりました。ですから非常に電波障害というものについても地域というものを現在以上に広げなくてはならない、こういうことなんですわ。ですから、この電波障害を受ける地域というもの、これは皆さん方が中心になって関係各省と強力に前向きでやっていただけるかどうか、その点を伺います。
○国務大臣(村上勇君) 運輸省の所管でありますけれども、私も国務大臣として十分先生の御意向を運輸大臣に伝えて、適当な措置をとっていただくように努めたいと思います。
○矢原秀男君 いま大臣の積極的な御答弁をいただきまして、非常に地元として私たちも期待をしたいと思います。 そこで、航空機騒音による障害の中で、一つは、受信料の措置の形式の場合に問題が出てきておりますのは、基地関係の場合、軍用機とかアメリカに貸している場合とか、そういう場合は受信料が免除になっているわけなんですね。そして民間空港については助成金の支給というふうな形になっているわけです。私は率直に申し上げまして、この問題についてはやはり基地方式をとっていただくのが適当ではないかと思うわけなんですが、この点について大臣どうでございましょう。
○政府委員(石川晃夫君) この民間航空における助成金の問題でございますが、そもそもこの問題はやはり騒音というのが問題でございますので、やはり航空機側、いわゆる航空会社の責任において受信料に対して助成するというのが適切ではなかろうかと、かように考えられます。
○矢原秀男君 これは将来ともこういう形ですか。
○政府委員(石川晃夫君) やはりこのような問題につきましては、従来から公害等において行われております原因者責任というたてまえからいきますと、この形がいいのではなかろうかと、かように考えております。
○矢原秀男君 で、遠山さんにちょっとお伺いしたいんでございますが、またもう一つ起きておりますのは受信環境の改善についてでございますが、NHKや防衛施設庁また運輸省等も含めて、フラッター防止用アンテナ、そして音声自動調整装置付受像機の開発等に着手をされているように聞いております。そういうふうな進捗の状態とともに、これら被害を受けている周辺の受信環境の改善という、そういう積極的な施策についてはどういうふうにされておられるのか、まあわれわれの立場ではまだ十分でないと思っておりますけれども、その点よろしくお願いいたします。
○参考人(遠山寛一郎君) 障害につきましては、騒音で音が聞こえなくなるという問題は騒音の問題でございますが、映像が先生御指摘のフラッターによって絵がふらふらするという問題につきましては、まず空中線につきましては飛行機から反射される電波をなるべく受けないようなものを開発をして幾らか実験をいたしましたが、これは幾らか効果があったという程度でございます。 それから一方、受像機の中で自動的に受信機の性能を制御しているAGCという回路がございますが、これの改善を行いまして、現在ではキードAGCという方式によって受信機の性能を自動的に制御をしておりまして、これを使いますと映像の障害は格段に軽減をされているというのが現状でございまして、なお検討はいたしてまいりたいと思いますけれども、かなりその二つによって障害が減少したというふうに把握をしているわけでございます。
○矢原秀男君 もう時間が非常に少ないので簡単にお伺いをしますが、いまやはり問題点になっておりますのは、都市部における受信障害の問題でございます。これは辺地難視と都市難視という二つに分けられるわけでございますが、先ほど辺地の問題は取り上げられておりましたので、私、都市難視の中で一番の問題をNHKの方にもお伺いをしたいと思うわけです。 この前も、新宿の副都心の問題で二百メーターの高層、そういうものが出ているわけでございますが、新聞等にも二万七千世帯に及ぶとか、そしてこの乱反射というものが千葉県や横浜までにも出ている、こういうふうな乱反射の問題というのがいま学問的にも一番大きな問題で、解決は恐らく私いまの状態ではできないと思います。しかし国民文化という立場の中でテレビの普及度を考えましたときに、この都市難視のこういう反射問題というものは解決をしていかなくちゃいけないと思うのです。 遠山さんにここでお伺いしたいのは、あの新宿の高層ビル、それが実際は千葉県を越して何キロなのか、横浜を越えて何キロなのか、そういう技術的な問題がNHKで検討されておられれば、距離ですね、反射の。そういうようなことをお伺いしたいと思うのですが。
○参考人(遠山寛一郎君) 新宿副都心に、ただいま四棟、一つ建造中で、五つほど近い機会に高層ビルが並ぶわけでございますが、どの程度反射をするかということは建築物の構造によりまして大変差が出てまいります。表面が鉄などでできているかあるいはアルミでできているか、あるいはコンクリートそのものであるかというようなことで反射の度合が違ってまいりますし、また形状によってもかなり変わるようでございまして、基本的には、今後の課題として研究をしてまいりたいということでございます。 ただ、いまたまたま千葉県の検見川あるいは横浜の川崎の北部において一部反射が見える。それは角度などからいって新宿副都心の反射であるということは反射の角度その他から一応確認はいたしておりますけれども、その程度につきましては、ただいま申し上げましたように、今後もう少し研究をして押えていきたいというふうに考えております。
○矢原秀男君 最後に、これNHKさんにお伺いした方がいいと思うのですが、一つは、難視聴解消の方策として衛星による放送はどうなのか、第二点目は、反射波の障害を防止する受信アンテナを考えたらどうなのか、第三点目には、送信側の立場から見て、将来新しい周波数の開発はどうか、こういう点をお伺いして終わりたいと思います。
○参考人(遠山寛一郎君) 衛星の問題は国家的なプロジェクトでもございますのでまた郵政の方から御説明いただくとしまして、反射の問題でございますが、これは先ほども申し上げましたように、どっちから来ているかということ、東京タワーから直接来たものと、それから新宿副都心で反射されたものにその電波の経路にどれだけの距離の差があるかということは、実際上計算できるわけでございます。したがって映像の上でどれだけの差のところにゴーストイメージといいますか、二重像が出てくるかということを確かめますとわかるわけでございます。 それだけわかっているわけでございますが、さて、これを受信側で解消しようとしますと、なかなか受信機の構造をも含め性能をも含めまして、現時点ではまだ解決がついておりません。ただ、この問題につきましては、受像機を製作しておりますメーカーにつきましても、それから大学などにつきましても、もちろん私どもの研究所でも、ただいまいろいろな方法を検討しているところでございます。ただ現実に非常に効果的でかつ安いものがまだ発見をされていないということで、今後とも研究を進めてまいりたい、以上がゴーストでございます。
○矢原秀男君 じゃ要望で終わりますので、よろしくお願いします。 テレビジョン放送難視聴対策調査会の答申が出た段階では、早く予算づけをして、そうして国民のテレビ文化という立場から、私は原因者負担という立場ではなしに、こういう都市化構造になりますと国に責任があると思うんです、国です、問題は。ですから、そういう抜本的な法律改正もして、政府がやはり主体的に取り組んでいただかなくちゃいけないと思います。きょうは時間がございませんので、これで終わります。
○山中郁子君 一昨日の予算委員会の質中審議におきまして、私は、とりわけ婦人問題についての母性保護の課題について、福田副総理を初め関係閣僚にただしました。その結果、政府の姿勢としては、ことしはまあ国際婦人年でもあるし、三木総理大臣も婦人の地位向上や母性保護のために全力を上げてがんばると、こういうふうに言っていますということで、それぞれ具体的ないし抽象的ないろいろな違いはありましても、前向きに対処をするというお約束をいただいたところでございますけれども、私は、きょうの分科会、郵政省の審議に際しまして、これを機会に郵政省の管轄であります東京逓信病院の看護婦さんの問題並びに逓信病院の院内保育所のこの二つの問題について、一つは郵政省の認識と、それからその施策の姿勢をただしたいというふうに思います。 短い時間ですので、具体的に幾つかの問題で質問いたしますので、理屈はともかくとしまして、具体的に端的に中身のある御返事をいただきたいと、こう思っております。きょうは、逓信病院で毎日苦労して働いていらっしゃる看護婦さんの方も傍聴に見えていますので、ぜひとも誠意を持ってお答えをいただきたい、こういうふうに考えております。 初めに、看護婦さんの仕事は、労働基準法では普通の婦人は深夜労働はしてはならない、させてはならないと、こういうことになっておりますけれども、看護婦さんはこれの適用除外という形で深夜労働をされているわけですけれども、そういう意味で、夜遅く帰ったり朝早く出てきたりということがあります。 そこで、まず初めに、宿舎の問題についてお尋ねしたいんですけれども、東京逓信病院の看護婦さんたちの独身者の方が寮に入っていらっしゃるということはもう事前に伺いました。しかし既婚の方たちですね、が、その方たちの御主人が郵政職員であれば、そしてその条件があれば郵政の宿舎にははいれるけれども、既婚者で御主人が郵政の人でなければ最初から郵政の宿舎にはいれないという、こういうハンディがあるんですけれども、私はこれは大変不合理だと思いますが、こういうことになっている根拠はどういうものであるか、ちょっと初めにお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 専門家にひとつ……。
○政府委員(神山文男君) 郵政省の職員の宿舎につきましては、御承知のように国家公務員宿舎法の定めるところによりまして運用しておるわけであります。この宿舎法には定義がございまして、宿舎とは「職員及び主としてその収入により生計を維持する者を居住させるため国が設置する」ものであるということになっておりまして、職員が主たる生計の維持者である場合において、当該職員に宿舎を貸与するということを予定いたしているわけでありまして、したがってその職員が世帯主であるというような場合、あるいは主たる生計の維持者である場合において、住宅の困窮度がひどい、だんなさんが病気で実際上職員たる奥さんが扶養しているというような場合は認める場合がございますが、先ほど言いましたような法律上の趣旨に基づきまして運用している次第でございます。
○山中郁子君 主たる責任、生計を維持しているというふうに言われますけれども、いま共働きの方たちたくさんいらっしゃいますよね。郵政省で働いていらっしゃる方、とりわけ奥さんが看護婦さんしていらっしゃると、給料が大体同じぐらいな方、ケース多いですよね。その場合でも、御主人が郵政職員だとはいれるけれども、御主人が郵政職員でないとはいれないということは、そうしたことについて非常に矛盾しているというふうに思うんですよ、主たる生計の責任者ということの意味からいきますとね。私は理屈だけで時間とるつもりはありませんので、それが一つあります。 それからもう一つは、一般論としてそれ自体男女差別だと、こういうふうに思いますけれどもね。この場合、特別、看護婦さんというのは、先ほどから申し上げましたように、また後で問題にもいたしますけれども、夜勤で夜遅く帰ったり朝早く出てきたりということがございますね。そういうことから、やはり勤務場所の近くに、なるべく近くにやはり宿舎を保障する、こういうことが必要だというふうに思います。そのためにあそこの東京逓信病院もそばに独身者寮をおつくりになっているということだと思うので、既婚者の看護婦さんについては独身者の看護婦さんと全然違って遠くの方でもいいと、こういうことにはならないというふうに思うんです。 それで、実質的に看護婦さんのいまの勤務形態からいって、郵政省として、やはり一昨日福田副総理が本当に前向きにそういう点で検討すると、そういう精神に従って、今後の課題として既婚者も含めて勤務条件に見合った宿舎の選考ですね、入居を、そのことについて改善していらっしゃるおつもりがあるかどうか、ぜひそのようにしていただきたいというふうに私は考えておりますけれども。
○政府委員(神山文男君) ただいま郵政省におきましては、職員のために宿舎を鋭意つくっておりまして、看護婦さん、特殊な仕事でございますが、そのほかいろいろ通信事業に従事する職員についてもいろいろの特殊性がございまして、そういう方の困窮者のためになるべく多くの宿舎を提供しようということで、毎年毎年相当努力はしてまいっておりますが、ただ、現在なおそれでも一万人を超す住宅を必要とする職員がおるわけでありまして、そういった実情を改善するということが一つのわれわれの努力目標でございますが、また一方、先ほど申し上げたような宿舎法による宿舎の性格というものもございまして、やはり主たる生計を維持する職員をまず優先して解決していくということが宿舎法から与えられたわれわれの責務でもあるというふうに考えまして、努力している次第でございます。
○山中郁子君 ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、主たる生計の維持者ということは、具体的にその家族の支出なら支出、一カ月二十万かかるとしますね、どのくらいまでその収入を得ている人が主たる責任者になるんですか。
○政府委員(神山文男君) まあその辺はひとつ社会通念上からくる解釈というものを適用する必要があろうと思います。ただ、いま申し上げたように、全く世帯主であり家族を養っているという立場の職員の宿舎自体非常にまだ足りないという実態であります。まず、そういうことを解決するということに全力を尽くしているという実情を申し上げた次第でございます。
○山中郁子君 大臣にお答え願いたいんです。 主たるというのは、結局、いまの人事局長のお話でもわからないんですけれども、ケースとして大体同じくらいの給料ですよ、亭主も女房も十万円ずつ取ってくると、それで二十万で家計をやっていると、こうした場合にはどっちが主たるになるんですか。
○国務大臣(村上勇君) 先生のお話をこう聞いていると、つい、ことしは婦人年でもありますし、すっかり私も引っ張り込まれちゃって、あなたのおっしゃるとおりだと、こう思いますが、まあとにかく日本人のいままでの常識から申しますと、やっぱり私が八万円取って、女房が十二万取っておっても、やはり何かしらん私が主たる者だというように私の常識ではそういうように考えます。 しかし、いまお答えしたその意味を私は聞いておりますと、やはり郵政省にとって考えてみると、郵政省で相当まだ宿舎にちゃんと、そういう主たる者がはっきりしている者すら、奥さんは勤めていない、御主人が郵政省職員である、その職員も何千とか何万とかいう人が宿舎が与えられていないというような人たちをおいて、そうしてなかなかいまの御夫婦二人とも働いている人の方を優先するわけにいかないというような意味じゃないかと、こう思います。
○山中郁子君 そうじゃないんです。 郵政省の方で伺ったところによりますと、東京逓信病院の看護婦さんのうち五十八名既婚者の方がいらして、そのうち十四名が宿舎に入っていらっしゃるんですね。この十四名の方というのは御主人が郵政職員だということです。それで大体まあ同じくらいですよ、所得は。だけど御主人が郵政省だから入っているんです。このほかの方たちは御主人が郵政省じゃなくて、ほかだからはいれない、こういうことになっているんです。そういう合理的根拠があるのかどうか。 それから、これはちょっと指摘だけしておきますけれどもね。気楽なつもりでおっしゃっているのかどうかわからないけれども、大臣、八万円取っている人と十二万円取っている人と、男だから少なくてもそっちが生計の主たる責任者だなんて冗談なこと言わないでほしいって言うんです。科学的にもう少し言ってほしいと思います。かすみを食べて生きていかれませんから、やっぱりお金払わなきゃ生きていけないんですよ。それだったらやっぱり高い所得を持っている方が生計に対する、経済的な限りにおいては負担を持っているということになりますでしょう。これはつまらないことですから私は指摘するだけにとどめますけれども、その前半の問題についてちょっとはっきり御回答をいただきたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) これは私個人の問題で、私のうちの場合はですね、やっぱりそういう解釈を私はするんだが、これはしかし一般には通らぬと思いますがね。
○山中郁子君 古いからそういうふうに思われるんです。
○国務大臣(村上勇君) ちょっと古いかもしれませんが、そういう常識をずっと教え込まれてきておりましたので。 そこで、いまの、仮に御主人が大蔵省へ勤めておると、そうして奥さんは郵政省の看護婦さんだという場合に、その収入の点をいろいろ話すとこれはもうあなたからお小言を言われますから、これには触れませんが、まあ大体常識でやはり大蔵省の御主人のお勤めになっている方の宿舎に奥さんが入るという方が本当じゃないかなと、私はこう思うんでございますけれでも、そのために、どっちも郵政省というと、どうも二人とも権利があるから、まあ私はこれは法律的にはどうなっているか知りませんけれども、私の常識では、やはり御主人も奥様も二人とも郵政省であるという人が優先されるんじゃないかと、こう思います。
○山中郁子君 それでは具体的に、私が先ほどから申し上げましたように、一般的な問題と違いましてね、看護婦さんというのは夜勤で夜おそく帰ったり、それこそもううちへ着いたら十二時ぐらいになっちゃうというような、そういう勤務をしていらっしゃるわけでしょう。そういう特殊性も含めて、看護婦さんの場合に、御主人が仮に郵政省でなくても郵政の宿舎を——私は何も無条件ですべての人に、全部入れさせろと、こう言っているんじゃないんです。無条件にそれに門戸を閉ざすといういまのやり方はやはり不合理ではないかと、こういうことを申し上げているのです。この点についての前進的な検討はお約束いただけますね、よろしいですね。
○政府委員(神山文男君) 先ほど申し上げたように、世帯主あるいは主たる生計の維持者というものを、現在、鋭意その困窮度に応じて住宅を施設して収容するように努力しているということを申し上げました。それでその範囲をいまの段階で広げるということは、先ほどの宿舎法の趣旨もありますが、現状としてなかなかそこまで手が回らないということでございますが、今後の問題として、やはり職員が主たる生計の維持者であるということは、これはやはり基本的な要件でありますけれども、住宅の困窮度の高い人についてはなるべく収容していけるようなことに努めてまいりたいと考えている次第です。 それで、先ほどからお話がありますように、どちらも収入があると、御夫婦のどちらにも収入があるという場合、いま大臣がお答えしたように、だんな様も職員である、奥さんも郵政省の職員であるというときは、やはりこれは両方とも職員でございますから優先的な選考をするということにはなろうかと思います。 あと、職員たる看護婦さんが部外者のだんなさんを持っているというような場合についてどうかということでございますが、先ほど申し上げたように、やはり一般社会通念上としてどちらがその生計を維持しているのか、中心になってやっているのかということをやはりわれわれとしては考えていかざるを得ないということでございまして、現実にだんなさんが病気で奥さんが生計を維持しておられるというような場合は、現在においても、宿舎に入っていただいているという状態でございます。
○山中郁子君 繰り返しは私はもう伺わなくてもいいんですけれども、大臣、私がいま申し上げました観点で前進的に検討するということはよろしいですね。
○国務大臣(村上勇君) いいです。
○山中郁子君 そのことは確認してください。
○国務大臣(村上勇君) はい。
○山中郁子君 この問題、またさらに別な機会に少し具体的に詰めたいというふうに思っています、ほかにも問題いろいろありますから。 それで、いまのこの問題と関連するんですけれども、遠くに住んでいらっしゃる方たち——一時間なり一時間半なりかかる方たちが夜遅く、つまり伺ったところによりますと、逓信病院の夜勤は十時までというのがありますね。十時で必ずしもぱあっと帰れるわけじゃないんですよね、それから引き継ぎだとかあるいは着がえだとかということになります。そうするとおうちへ帰るのは十一時半、十二時というふうになるわけです。そうすると、たとえば国電なり何なりがあったとしても、そこからバスに乗って通っていらっしゃる方たちは当然もうバスなんかなくなるわけですね。ですから、そうした夜勤によって、勤務によって遅くなって通常の交通機関、たとえばバスだとかそうしたものです、そういうものがなくなった場合には、最低必要なタクシー代はやはり当然補償されるべきではないかというふうに考えておりますけれども、この点についての見解を伺いたいと思います。
○政府委員(神山文男君) ただいまの制度としましては、一般的に通勤に要する経費ということにつきましては、常識的な通勤経路あるいは通勤方法によって通勤をするという場合については御承知のように通勤手当を支給しているということでございます。こういう現行の通勤手当制度の中で夜間勤務のため公的な交通機関がなくなったというような場合にタクシー代等特別な交通費を支給するということは現在は困難でございます。 なお実際上の措置としましては、遠距離通勤者につきましてはいろいろ配意をしておるようでありまして、その個別の実情に応じまして交通機関の関係から帰宅できないというようなことのないよう、勤務上の配意をしているというふうに報告を受けております。
○山中郁子君 厚生省の方お見えになっていらっしゃると思うんですが、看護課長さんでいらっしゃいますね。 ここに「看護婦のおやじの会」というのがあるのを御存じですか、看護婦さんのだんな様たちの会というのがあるんですよ。看護婦さん大変だからそういうことでおやじの会をつくって、そして問題を解決していこうということなんですけれども、その「看護婦のおやじの会」というその会の人たちが厚生省に夜勤日のタクシー代の負担についてということで要求をなさったわけです。そして、それに対する厚生省の看護課の回答としまして、厚生省としては看護婦の夜勤による負担を軽減する方向で今後とも改善に取り組んでまいりたいと考えておりますというふうな答弁をしていらっしゃるんです。この中身が、私はやはりこうしたタクシー代が必要な場合にはこういうものについても補償するということも含めて改善の方向で取り組んでいきたいというふうな御趣旨なのかどうかということについて、ちょっと厚生省の方から御見解を伺いたいと思います。
○説明員(都築公君) ただいまのは夜間における勤務交代時のタクシー代の問題だと思いますが、これにつきましては、医務局の中で直接の処遇といたしまして国立病院、国立療養所が所管をいたしておるわけでございまして、鋭意ただいま検討いたしております。
○山中郁子君 ここに看護課から御返事をなさったのがあるんですけれども、そこで厚生省としては看護婦の夜勤による負担を軽減をする方向で改善に取り組んでいきたいと。だから当然そういうふうな方向で、まだいま検討中だという課長さんのお話ですけれども、中身というのは改善する方向で努力をしたいと、こういう御趣旨ですね、それはよろしゅうございますね、そういうふうに理解をいたしまして。
○説明員(都築公君) 両課でただいまそのような方向で検討いたしております。
○山中郁子君 それで、そういうことが国のいわゆる厚生省としての考え方です。で、いま人事局長さんですね、言われたのは、タクシー代を出すということはできないと、しかしタクシー代を看護婦さんが自分で負担しなければならないような事態は生じさせないようにしていると、こういうお話だったと思うんですけれども、それでよろしゅうございますね。
○政府委員(神山文男君) 報告を受けたところによりますと、夜勤の終了は午後十時でございますけれども、現在、通勤一時間半以上の者が二人と、平均あとは四十分程度というようなことで、遠距離の人については夜間そういう交通機関がないというようなときは実情に応じた勤務上の配意をしていると、こういうふうに聞いております。
○山中郁子君 いまおっしゃいました通勤時間が一時間半とか一時間とかおっしゃるんですけれども、それもまた大変不合理な算出の仕方をなすっていて、夜になりましたら電車なんて一本待つと十分も十五分もたつんですよ。待たなきゃならないんです、そんな十一時、十二時になりましたらね。そういうものが見込んであるかといえば見込んでないんですよ。ここの山手線が何分で、たとえば西武線が何分で、徒歩が何分なんて、こういう官僚的な数え方をして、そして通勤時間一時間とか一時間半とか、こうおっしゃっておるわけね。だけれど実際問題としたら待つ時間だってありますし乗りかえの時間だってありますし、それから病院から洋服を着かえて、それから引き継ぎもしてと、こういう時間もあります。 ですから、私はこれを指摘するにとどめますけれども、個人で実際問題として看護婦さんで、既婚者で、御主人が郵政職員でなければ宿舎についてもいま考えていないと、入れてないと、そして遠いところに住んでいると、それでもなおかつそういう夜勤をさせて、そしてなおかつタクシー代を本人に負担させるなんということは絶対にしてはならないことだというふうに思います。 ですから、私はそこで先ほどの人事局長さんのお話をもう一度確認をして、郵政大臣からお約束をいただきたいんですけれども、そういう勤務上の都合で、通常の交通がなくなって、個人負担でタクシーを使うような事態は勤務体制上考慮して生じせしめないようにするということが一つと、もしそんなことがあった場合には郵政省としては当然のことながら、それに対する交通費の負担という考え方は前進的な態度で考えていくと、こういう二つのことはそのように理解してよろしいかどうか、大臣から。
○国務大臣(村上勇君) 前段の、電車を待つ時間なんというようなものは、ただ単に夜遅くなってどれくらい待つのか、そういうこともわからないで突き放すということはいかぬと思います。それでこういう点については十分検討していきたいと思いますが、後段の問題、私個人としてはこれはよくわかりますけれども、やはり人事院だ何だかんだいろいろ関係がありますので、いまここでこれをどうということはいまの段階では申し上げられませんが、前段は十分検討してまいりたいと思います。
○山中郁子君 じゃ、いずれにいたしましても、勤務体制上こう配慮をして、タクシーを使うような事態はつくらないと、こういうことをお約束いただくということですね。
○政府委員(神山文男君) これは他の機関の職員も同様でございますが、交通機関が全くないとかいうことで、そういう場合は勤務上の配意をするということを申し上げたわけでありますが、交通機関があるにもかかわらず、長く待つからタクシーを利用するというような場合になると、これはどういう場合その必要性があるかというような……
○山中郁子君 そんなこと言ってないです。だから通常の交通機関がなくなった場合と言っているんですよ。
○政府委員(神山文男君) 問題がありまして、これは郵政職員の制度全般の問題にもつながってまいりまして、ただいまのところは、先ほど申し上げたような通勤手当という制度で運用しておりまして、それ以外に支給するということは困難でございます。
○山中郁子君 通常の交通機関が遅くなってなくなった場合って私最初から言っているんです。そういうことは生じせしめないと、こういうことですね。それはお約束いただけるわけですね。
○政府委員(神山文男君) そういう場合には勤務上の配意をしているというふうに報告を聞いております。
○山中郁子君 じゃ、この点については要望しておきます。そういうことを一つ確認していただきました。 それからもう一つは、そうであっても実際問題としてこういう事態が生まれてくるわけです。現実に生まれているんです。たとえば十分ぐらいのところで、普通なら、朝なら歩いて来ます。だけれど夜中に婦人の方が十二時ごろ、たとい十分であろうと歩いて帰れますか、帰れないでしょう。あなた方の娘さんがもしそういう立場に立ったら、決して歩いて来ちゃいけないと、こうおっしゃると思うんですよ。それは常識というものですよ。そういうことも含めて実際問題としてそういう事態は出てきます。ですから、この点については厚生省はそういう前進的な立場で検討するということは、厚生省としてですね、厚生省というのはこの問題についての国の責任のところですよね。それがそういう方向を出しているんですから、郵政省としてもそういう立場に立って検討をしていただきたい。このことを要求しておきたいと思います。それは大臣よろしいですね、検討をしていただくということは。
○政府委員(神山文男君) 厚生省所管の国立病院についてそういう措置がとられるということになれば、われわれとしても一つの参考資料として検討をすると、こういうことはわれわれやぶさかでありません。
○山中郁子君 じゃ次の問題に移ります。 いま申し上げましたように、夜勤が東京逓信病院の場合には十時まで、これは必ずしも十時にぱっと帰れるという状態でないことはおわかりいただけると思いますが、そしてこれがいわゆる準夜ですね。それから後深夜という形で九時三十分からという勤務があります。 それでですね、この点についてはすでに全医労が——国立の労働組合です、全医労が十年前に一人夜勤をやめて、そして夜勤回数を減らしてくれということで提訴をしてですね、その結果、人事院判定が出ましていわゆる二・八体制というのが出たんです。細かいことはよろしゅうございますけれども、まあ一人で夜勤をすることのないように、そして月に八日以内にする。余りそうやたら十日も十五日もやったら、もう毎日うちに帰れないみたいな状態が生まれるわけですから。こういう判定が出ました。 で、この二・八体制の問題がいま全国的に問題になって、国としても重要な課題になっていますけれども、東京逓信病院におきましても私はぜひともこの二・八体制を守るということで、主として問題は二・八の八の方にあります。夜勤回数が多過ぎると、こういう問題がありまして、看護婦さんの健康その他の重要な問題になっておりますので、この点についてぜひとも二・八体制を確立していく。これは一昨日の集中審議でも厚生大臣初めとにかく大変だけれども、そういう方向で一日も早く実現するように努力をすると、こういうお話がございましたので、この点についての郵政省の見解、それから方向ですね、改善の方向、決意を出していただきたいというふうに思います。 それで申し上げておきますけれども、これは、二・八というのは準夜、深夜合わせて夜勤です。もうこれ以上繰り返しませんけれども、十時まで仕事をしてうちに帰れば十二時近くになってしまうような仕事が夜勤でないなどという見解はゆめゆめお持ちにならないでいただきたいと思います。
○政府委員(神山文男君) 看護婦の深夜勤務の基準等につきましては、ただいまお話がありましたように昭和四十年の五月の人事院の判定で、月八回とすることが適当であるということが言われております。それから、そのほか労働基準局長の昭和四十八年七月の通達がございます。労働時間等の改善指導に関する通達でございます。 東京逓信病院におきましては、看護婦の深夜勤務の平均回数は、ただいまのところ、四週間を通じて平均五回程度という報告を聞いておりまして
○山中郁子君 準夜、深夜合わせてって申し上げています。
○政府委員(神山文男君) はい。ただいま報告を受けているところは、深夜勤務の回数につきまして平均五回ということでございまして、そういう運用をいたしておるということでございます。
○山中郁子君 よく聞いてくださいな。私はね。深夜勤だけが夜勤だなんて言わないでくれって申し上げましたでしょう、準夜、深夜合わせてです。 これはですね、八日以内ということはないんです、もう十三回も十五回もやっていらっしゃるんです。これはもう繰り返し時間を取っていただかなくていいですけれども、間違いがありません。ですから、こいうことを二・八体制というそういう基本に向けて確立する方向へ逓信病院としても郵政省としても努力をするべきではないか、こういうことを申し上げているのです。努力をするというお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(神山文男君) 逓信病院の深夜勤務——ただいまのお話では準夜勤でございますか、そういうものも含めるというお話でございますが、ただいまのところ、深夜勤務ということで私の方はこの人事院判定の範囲内にするように、いや範囲内どころではない、八回というのを平均五回というような運用でやっておるという報告でございまして、準夜勤という呼称、そういう勤務についてはですね、郵政省ではそういう呼称というものはございませんので、なお、その点についてはよく調べまして、また対処いたしたいと思います。
○山中郁子君 呼称の問題じゃないんですよ。いまね、先ほどから問題になっている、十時まで勤務するというの、これは夜勤でしょう、これは昼間の勤務じゃありませんでしょう、これは夜勤なんですよ。で一般的に準夜、深夜と言っている準夜がこの逓信病院はこれに当たるんです。ですから、これを除いてね、深夜だけでもって五回だからというふうなことを言っていただいちゃ困るんです。 というのは、これは何で二・八体制みたいな問題が出てきたかといえばね、看護婦さんたちが家庭持ったり、若い娘さんたちが一カ月のうちで半分も夜勤をしてうちへ帰れない。たとえば夜中にうちへ帰ると、こういうふうな生活はもともと異常でしょう。それで健康も破壊する、いい看護もできない。こういうことからせめて二・八のいわゆる八ですね、こういうものが出てきたんです。 ですから、郵政省としてこういうものを国の人事院判定として積極的に受けとめていくならば、いま現実に十三回、十五回というふうに準夜、深夜があるものをそのまま放置していいなどという姿勢はとっていただいちゃ困ると、こういうことを私は申し上げているんです。ちょっとはっきり、簡単でいいですから、はっきり答えていただきたい。
○政府委員(神山文男君) 先ほど申し上げました昭和四十八年の七月の労働基準局長の通達がございまして、この通達では「病院の看護婦、社会福祉施設の保母等について深夜業が多いと認められる者のうち、まず深夜業を含む夜勤日数が一カ月の三分の一をこえるものを対象とし、順次その日数の減少をはかり改善せしめるよう」「指導をすること。」ということがございまして、私の方としては、この指導通達に従いまして措置してまいっておるということでございます。
○山中郁子君 大臣にちょっと最終的にこの問題についての最後に確認していただきたいのですけれども、福田副総理あるいは労働大臣、厚生大臣、一昨日の集中審議でですね、みんなとにかく積極的に少なくとも妊娠した看護婦さんが深夜労働しなくて済むように、あるいは一カ月に八日も十日も夜勤をしなくて済むように、そういうふうに前進的にとにかく努力しますという、こういうふうに答弁しておられるんですね。いつの時点ですぐできるかということはいろいろ問題がありますけれども。それを逓信病院だけが十三回あったり十五回あったりしてもいいと、こういう姿勢でいらっしゃるんですか。私はそんなことないというふうに思います。 少なくともですね、結局十時に終わってうちに帰ったら十一時半、十二時になる人たちがたくさんいるんですよ。そういう人たちのその勤務は通常の勤務であると、こういうふうにまさかお考えにならないと思うのですよ。これは夜勤ですよ。 ですからそういうことも含めてですね、二・八という観点から少なくともいまの状況を少しでも改善していくように郵政省としては努力をしていくと、こういうお答えをいただかなくちゃならないと思うのですけど、大臣からお答えいただきたいと思います。
○政府委員(神山文男君) 私の方として決して努力をしないということを申し上げているわけではありませんで、他の国立の病院あるいは民間の病院の看護婦さんの勤務等についても十分参酌して対処してまいっておりまして、決して私たちのこのとっている措置、勤務条件というものが他にそう劣るものというふうには考えておりません。まあしかし勤務条件というものは絶えず努力をするということは当然のことでございまして、絶えずそういういろいろの他の同種の職場の実態というものは調査しながら参考としてまいるという覚悟でございます。
○山中郁子君 当然の努力ではなくて、看護婦さんの問題はこれだけ大問題になっているんだから、特別な努力をしていただきたいと、こういうことを申し上げているわけです。それは、大臣、おわかりいただけると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村上勇君) いま人事局長がお答えしたとおりでありまして、努力はいたしますが、それは福田副総理あるいは厚生大臣等によくその趣旨を伺った上で、そして努力していくということです。
○山中郁子君 では院内保育所の問題に入る前に、三点ばかり具体的な問題でまとめて質問いたしますので、これも端的にお答えいただきたいと思うんです。 一つは、深夜勤の場合に、これはどこの病院でもそうなんですけれども、民間もそうですけれども国立もそうです。補食費というのが出ているんですよね。で、大した額ではないようです、調べてみたところでも。だけれども、どこの病院でもこれは常識的に出ているんです。それが東京逓信病院は全然出ていないんですよね。これはやはり考えていただくべきことじゃないかというふうに思います。 それから、もう一つの点は、妊産婦の夜勤免除の問題でして、これも一昨日の集中審議で、これはかなり福田副総理ないし厚生大臣、労働大臣あたりからもはっきりしたお答えをいただいた方なんですけれども、まあせめて妊娠した人あるいは産後一年ぐらいの看護婦さんが深夜労働ですね、夜勤労働、夜間労働をしなきゃならないようなことは、なるべく——なるべくじゃなくて、とにかく早期にこれは解決していっていただきたい。 で逓信病院の場合も、私の方から申し上げてしまいますけれども、妊娠六カ月になるといわゆる外来の方に移すという、そういうふうな形になっていて、妊娠六カ月まではやっぱり夜間労働しなくちゃならないんですね。これはとにかく早期に、妊娠したら直ちに夜間労働は外れるように、そういうふうな対策を立てるべきではないかというふうに思います。 それから三点目は、いま東京逓信病院の仮眠のための施設が各フロアに一カ所しかないんですね。だから同じ時間に眠る人だけじゃなくて、いろいら出たり入ったりがあるんですよ。そうすると、それでなくても仮眠の時間なんてなかなか眠れませんから、これはなるべく一つの課に一つの仮眠施設をつくる、こういう方向を早期に実現していっていただきたい。 この三つのことについて、簡単で結構ですから、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(神山文男君) 深夜勤務の看護婦に対しまして補食費を出すべきであるという御説でございますが、私の方の逓信病院におきましては補食費は出しておりません。ただ、その勤務の特殊性を考慮しまして、勤務一回につきまして千五百円の夜間特別勤務手当というものを支給しておるということでございまして、この夜間特別勤務手当というものはもうそういうことも含めた趣旨の手当というふうに考えております。 それから、妊産婦である看護婦の夜間勤務の廃止につきましてでございますが、お話しのとおり東京逓信病院におきましては妊娠六カ月以降は外来に回して夜勤に当たらないようにするという配意をしております。それから出産後一年間につきましては、やはり外来に回すような配意を事実上とってまいっております。これを全面的に夜勤を廃止するということについては、まだ業務上、要員上の問題がございまして、そこまでは至らないのでございますが、まあそういった措置を現在とっております。この要員事情等も絡み合いまして非常にむずかしい問題でありますが、なお今後の検討事項にいたしたいと思っております。 それからもう一つ、看護婦の仮眠室でございますが、今度、新しい逓信病院を建てる場合、課ごとにというお話でございますが、現在も各フロアには仮眠施設を置いておるわけでありまして、これを課ごとに置くのがいいのか——これは多々ますます弁ずということではございますけれども、これは病院全体の施設の効率的な利用という見地からも検討しなければならない問題でございまして、どういう置き方が適当なのか、これもよく検討さしていただきたいと存じます。
○山中郁子君 私の申し上げた趣旨はおわかりいただけますね、そういうことでもって前進的に図っていただきたいと思います。 最後に、院内保育所の問題についてお伺いいたします。 初めに厚生省にお伺いしたいんですけれども、厚生省が昨年から国立の院内保育所ですね、それからあるいは民間に対しても助成をするという措置をとられましたけれども、これは国立、民間となると、その間、公共企業体——三公社五現業ですね、これは抜けるわけですわね。電電公社も関東逓信病院を持ってますし、いまこの東京逓信病院もあります。それからあるいは鉄道病院なんかもありますけれども、そこの部分についてのお考えは国の施策として、そういう施策を打ち出されたその中身について、この三公社五現業のところの病院については関係ないということではないというふうに思うんですけれども、国の施策の考え方としての基本的なあれをお伺いしたいというふうに思います。
○説明員(都築公君) 院内保育所の運営費補助につきましては、昭和四十九年から看護婦の確保対策の一環といたしまして、各都道府県が行っております院内保育事業の補助に対しまして国も同額補助をいたしております。これは国以外の施設を対象にいたしておりまして、国立の場合には国立の予算の枠の中で別途の方法でやっておりますのがただいまの現状でございます。
○山中郁子君 その考え方は、看護婦確保という考え方で施策として進めると。そうすると三公社五現業においてもその施策から除外されるものだということではありませんね。お金をどこから出すかということじゃなくて、考え方の問題です、厚生省として。
○説明員(都築公君) 看護婦確保対策は全国的なことでございますので、方向といたしましては、一つの大変重要な施策だと考えております。
○山中郁子君 当然のことながら、そうしますと、東京逓信病院の場合にはこれは郵政省の監督下にあるわけですから、郵政省として、そうした方向で郵政省の東京逓信病院の院内保育所に対する助成、私は本来これは郵政省が直接管理運営すべきものだというふうに考えておりますけれども、そのことについての基本的なお考え方と、それから当面でも、いまちょっとちなみに申し上げますと、この東京逓信病院にありますひまわり保育室というのは父母負担が二万四千円もしているんですよ。これはこのほかにミルク代その他で三万円からです、一番高いところはですね。で、ほかを考えてみますと、院内保育所、国立でも何でもせいぜい一万円前後です。関東逓信病院の、つまり電電公社の関東逓信病院の保育所は四千円です、父母負担が。まるでもう本当、遠くのそこらの数人でやっている無認可保育所と同じですよ。郵政省の大東京逓信病院、天下に誇る東京逓信病院の看護婦さんのその院内保育所の父母負担が二万四千円から三万円になるという、こういう事態は私は恥ずかしいことだというふうに思いますけれども、こういう観点から郵政省がもっと本当に本格的に助成をして、せめてほかの国立ないし関東逓信病院ですね、そうしたところに近づけていくという、こういうことはぜひお約束いただきたいと思います。 時間がありませんから、余り細かいこと言っていただかなくて結構ですけれども、そういう方向だけはっきりさせていただきたいというふうに思います。
○政府委員(神山文男君) 院内保育所の運営でございますが、現在のところ、先生おっしゃるような自主的な運営にゆだねる、病院の施設はお貸しするということでやってまいりましたが、この運営経費に対する補助でございますが、国立病院等における予算措置も考慮いたしまして、昭和五十年度予算に補助施設費として二百四十四万円を計上してただいま御審議を願っているという段階でございます。まあ大体国立病院との均衡というものは図られるというふうに考えております。
○山中郁子君 じゃ最後に。いまそういうことで予算措置でもって国立病院との均衡が図られるというふうにおっしゃいましたけれども、これはなかなかまだまだ問題があります。しかし、私はいまの人事局長のそのお約束をまず当面の措置として他の国立病院との均衡を図るということはぜひとも郵政省が責任を持って達成していただきたい。このことを最後に強く要望いたしまして質問を終わります。
○主査(黒住忠行君) 以上をもちまして郵政省所管に対する質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十四分散会 —————・—————