予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 288 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/03/31
会議録
○主査(八木一郎君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和五十年度予算中、皇室費、裁判所及び法務省所管を一括して議題といたします。 これらの説明はこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことにいたします。 それではこれより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢追秀彦君 時間が三十分ですから、ひとつ簡単にまとめて質問をしていきたいと思います。 初めに、登記所の事務処理の問題でございますが、最近、新聞報道によりますと、登記所における登記簿閲覧システムの盲点、あるいは登記所備えつけ地図の管理ミスなどを悪用いたしまして、あるいはまた権利証を偽造する等の悪質地面師グループによる文書偽造、詐欺による土地所有権移転登記事件などが相も変わらず発生をしておりますが、こういった事件が国民から見ますと、非常に法務局の行政に対する信頼を失わせる、そういうふうに考えるわけです。これに対して現在はどういうふうな注意をされておりますか。たとえば印鑑証明、いわゆる権利証文書の形、あるいは紙質、印影等によってどういう注意を現在されておるか、具体的にお答えいただきたい。
○政府委員(川島一郎君) 御指摘のように、最近登記所を舞台といたしまして悪質な地面師等による犯罪事件が生じておりますことは、まあいろいろな原因があるにいたしましても、登記所側の管理体制に不備があって、その不備をつかれたという一面を持っておることは否定できないところでございまして、この点まことに遺憾に存じておる次第でございます。 これに対する当局側の対策といたしまして、これはいろいろな面から考えなければならないと存じますが、主として、このような犯罪行為が行われるのは、登記所において登記簿を閲覧する場合に、その監視のすきを盗んで、登記の書類、特に登記簿とか地図に対して細工をする、そういうことが大きな原因になっておることにかんがみまして、閲覧の場合の監視体制につきましては特に注意をするように、まあいろいろな機会にこれを徹底さしておるわけでございます。こういう事件が起こりますと、私どもといたしましては、こういうこの種の事件が起こったから、こういう手口に対してはこういう方法で対処するようにということを、会同を初めいろいろな機会に連絡しておるわけでございますが、そのほかに、閲覧につきまして申し上げますと、何と申しましても登記所が混雑しておりまして、そこに出入りする人のチェックが十分にできない。そういうところから、登記所の閲覧場所をはっきりさして、そしてそこへの出入りを十分監視するようにする。それから登記簿を閲覧している場合に、それに細工がされないように、たとえば登記所の閲覧室の状況がわかるような鏡を取りつけて、そうして少し離れた場所からも十分な監視ができるようにするとか、あるいはまた登記所によりましては、閲覧室へ入ってくる持ち物を制限いたしまして、その持ち物を別に預かるためのロッカーを置くとか、こういったいろいろな運用面での配慮をいたしておるわけであります。 そのほか、登記の申請に当たって、いろいろな偽造書類を出してくるという場合がございます。こういう場合につきましては、申請書につきまして、登記官が審査をする場合に、特にその書類が偽造のおそれがあるという場合には十分な注意をして、いろいろほかの関係と照合する。たとえば印鑑証明が少し怪しいというような場合には、その印鑑証明書を出した市町村長に照会をする、そして番号が間違いないかというようなことを確めると、まあいろいろな方法を講じておるわけでございまして、規則どおり万全の処置が講じられておれば、こういった事件はなくて済んだというような場合もございますので、今後そういう場合が起こらないように、さらに十分な注意と対策を講じていきたいと、このように考えておる次第でございます。
○矢追秀彦君 いま閲覧と印鑑証明の問題、特におっしゃいましたけれども、こういった問題を、制度上の再検討としてはそういう余地はあるのかどうか、その点いかがですか。いまそういう場所をどうするとか言われましたけれども、制度としてもう少しきちんとできる方法は、そういう余地はもう全然いまないわけですか。
○政府委員(川島一郎君) まあ制度的にはこれまでもいろいろ考えてまいったわけでございます。たとえば、従来は特殊の場合以外は印鑑証明を出させない。したがって、本人が申請してくるのか、あるいは本人以外の者が本人と偽って申請してくるのかわからぬというような場合もございましたし、それから住所などにつきましても、実際と違う住所を申請してくるというような場合もございまして、非常にそれに関連した犯罪が多かったわけでございます。そういったことに対処いたしまして、印鑑証明の添付を要する場合、あるいは住民票の添付を要する場合をふやしまして、そういった間違いが起こることを防ぐことにすると、あるいはまた登記済証を滅失いたしました場合に、まあ従来は保証書を出せば比較的簡単に登記の申請ができたわけでありますが、これに対して、まあこれは少し前の改正でございますが、保証書を出して登記の申請があった場合には、本人に通知をして、果たして本人自身が申請をしてきているのかどうかということを確めた上で登記をするというような、いろいろ工夫をこらしたわけでございます。その結果、若干いままで起こっていたような制度の欠陥に基づく犯罪というものは少なくなってきたと思うわけでございますが、それが逆に今度は登記済証そのものを偽造するとか、あるいは印鑑証明書を偽造するというような形での犯行が多くなってきたという実情でございまして、制度的にはわれわれとしてもかなり考えられる手当てはすでに行っておるというつもりでございます。なお、しかしながら今後の状況を見ながら、不備な点があれば改めていくことにやぶさかでございませんが、現在におきましては、主として運用面でその対策を図っていきたい、このように考えておるところでございます。
○矢追秀彦君 次に、この悪徳地面師グループ等によって土地の詐欺事件があった場合に、この被害者、登記上の義務者と権利者、この救済にはどういう手段が考えられますか、登記法上どのような手段が現在講じられておりますか。
○政府委員(川島一郎君) これはそのケースによりましていろいろございます。たとえば先般はなはだ遺憾な事件があったわけでございますが、地面師が登記所の登記簿を持ち出しまして、そしてその登記簿に登記がされたように記載をしてしまったわけです。で、おまけに登記官の判と同じような判をつくって登記簿に判を押した、一見いたしますと、これは登記官が登記をしたのと同じような記載が登記簿にされたわけでございます。こういう場合におきましては、その記載が登記官の手によった正規の登記ではない、つまり偽造の登記であるということで、登記のその部分の記載を抹消するわけでございます。事実上の措置としてこれは間違ってなされたものであるということで抹消するわけでございます。それによって一応もとに復することができます。しかしながら、たとえば偽造の登記済証、委任状などを用いまして登記の申請がなされる。そうしてそれに基づいて登記官が登記をしてしまった。こういう場合には登記法の規定によりますと、改めて抹消登記の申請をしなければ、その誤ってなされた登記が消えないと、こういうことになりますので、当事者には非常に御迷惑をかけることになるわけであります。その関係で国家賠償の問題というようなものが起こっておりまして、そういう訴訟も毎年若干の件数が出ておると、こういう状況でございます。こういった点につきまして登記所としては少しでも迷惑のかかることのないように、さらに事務上の過ちがないように注意をしてまいらなければならないと存じておる次第でございます。
○矢追秀彦君 いま国家賠償の問題が出ましたが、国家賠償請求事件についての統計、ここに法務省の方からいただいたんですけれども、これには国側の敗訴のやつが入ってないんですけれども、これ示していただけますか。私のとこにいただいたのは、「登記官の過失による国家賠償請求訴訟係属件数調」と、それから「登記官の処分を争う審査請求事件数調」とこの二つですが。
○政府委員(川島一郎君) 昭和四十年から四十九年までの間に判決のありました事件を調べてみたわけでございますが、そのうち国家賠償請求においてその請求の理由がないということで国が勝訴したものが二十二件、反対に国家賠償請求の理由があるということで国が敗訴したものが十一件ございます。その敗訴したものの内容を見ますと、いろいろなものがあるわけでございますが、一番多いのが登記簿の記入の間違いによるもの、登記簿の記入誤記及び遺漏に関するものが三件でございます。それから偽造登記済証で申請がなされたのを誤って登記したということによるものが二件、同じく不備な登記申請を受理したということに関するものが二件、そのほか登記簿上の管理、公図の管理等に関するものがぼつぼつとあるわけでございます。大体登記簿の記入に関するものと、それから違法、偽造書類等による不備な登記申請を受理したというようなものが国家賠償請求事件として国の敗訴した代表的な例であろうというふうに思われます。
○矢追秀彦君 いま言われたのは決まった分だけでして、そうなりますと、まだ未決は……決、未決に分けるとどういうふうになりますか。
○政府委員(川島一郎君) 未決のものはまだ相当ございまして、ちょっと正確には把握しておりませんが、四十年から四十九年までのものを累計いたしますと、恐らく百数十件になろうかと思います。
○矢追秀彦君 これ大体どれぐらいの年数がかかっているわけですか、一件について。いま百以上もあるというのは相当数が多いと思うのですけれども。
○政府委員(川島一郎君) これは訴訟でございますので、事件によって非常に年数に差異がございます。一審で確定いたします場合を考えますと、早いものは一年から二年くらいの間で決まるというものもあろうかと思いますが、多くの場合にはもう少し、二、三年はかかっているんではなかろうか。それから控訴して、あるいはさらに上告されるということになりますと、十年以上かかるというものも出てまいるわけでございます。
○矢追秀彦君 時間がありませんので先を急ぎますが、次に公図の整備でございますけれども、この公図が不完全なためにトラブルが起こっている事件もありますので、今後この地図の整備についてはどのような計画、方針があるのか。また、国有地等の実態把握を地図の上でどのようになされているのか、一般私有地との境界をどう画定をされておるのか、その二点について簡単にお答えください、時間ですから。
○政府委員(川島一郎君) 公図の整備につきましては、いろいろの方法を講じまして努力しているところでございまして、ごく要点を申し上げますと、現在登記所には以前税務署から引き継がれた図面があるわけでございますが、これはおおむね不正確なものが多いということで、そのうち精度の高いものを利用しているというのが大体の現状でございます。しかしながら、最近におきましては、国土調査による地籍図でありますとか、あるいは土地改良、区画整理の換地図でありますとか、あるいは法務局がみずから調査を行って作成した図面というものもふえてまいりましたので、こういうものを基礎にいたしまして登記所における正確な地図の整備に努力しているところでございます。現在まだその数は全体から比較いたしますと、きわめてわずかでございまして、今後多くの努力が必要でございますが、地図整備のための予算というものは相当大蔵省でも必要性を認めていただいておりまして、五十年度におきましてもその関係の予算が五億三千万余りでございまして、前年より一億程度ふえておると、こういう状況でございます。 それから国有地と民有地との境界でございますか。――これは登記所といたしましては、直接土地を管理しておりませんので、そういう問題が起こりました場合には、土地を所管しておられるその官庁の立ち会いを求めて実際の境界を画定しておる、こういうことでございます。
○矢追秀彦君 後もう十分しかありませんので、次に登記所の職員の増員問題、これも詳しくやると時間がありませんので、非常に増員の要求は出ておると思いますが、なかなか現状はむずかしい。こういう事態において民事行政、国民に対するサービス向上の実をどういうふうに上げていこうとされておるのか、これが一つです。 次に、登記所の適正配置につきまして、これは大阪法務局の地黄、森上両出張所の整理統合につきまして、この能勢町にあります二つの登記所が近年利用者が増加しておるわけです。特に大阪府の北部、山岳部の農家からも喜ばれておりますが、昭和五十年四月から整理されて池田市に統合されると、こういうふうに聞いておりまして、池田市になりますと、御承知のようにもう二時間以上バスでかかるわけです。そういった意味で非常に住民に負担がかかってまいりますので、地元としては何としてもこれは現状のままで置いてもらいたいという声が強いわけですけれども、これに対してはどのようにお考えになるのか。こういった適正配置の基準というもの、これはいろいろ諮問が出て、答申が出て、そしてやられておると思いますけれども、やはりただ科学的といいますか、機械的にやるのではなくて、いま言ったようないろんな交通等の実情もありますし、そういう点をやはりきちんと考えてお願いしたいと思います。特にこの大阪の二つの登記所はやはり整理統合されるわけですか、強硬にでも。
○政府委員(川島一郎君) まず登記事務の処理体制の問題でございますが、登記事件が非常に増加を重ねてきておるという状況にございますので、これに対応して、私どもといたしましては増員、それから庁舎の整備、さらに事務の合理化、能率化、そのほかあらゆる手段を講じまして、国民サービスの点で遺憾のないように処置すべく努力しているところでございまして、来年度の予算におきましてもその点かなりの考慮をいただいておるというふうに考えるわけでございます。 それから次に、登記所の適正配置の問題でございますが、これは御承知のように登記所の非常に数が多いということ、零細の登記所が多いというところから、登記事務の質を高め、近代的な経営をしていくためには、どうしてもある程度の整理統合も必要であるという見地から行っておるわけでございまして、昭和四十六年から四十七年にかけて民事行政審議会で御審議いただきまして、その結果一定の基準を出していただいておりますので、その基準に従って実施しているところでございます。 それから、地黄、森上の関係でございますが、これは現在いずれの登記所も一人庁、職員が一人しかいないところでございます。しかも、両登記所ともに同じ町内にございます。そういう意味でできるならばこれをほかの登記所と一緒にしたい。それができない場合には善後策としてどういうことを考えたらいいかというような点を含めまして、目下地元と折衝をしている段階でございます。私どもとしては、無理のない形でもって適当な適正配置が行われることを希望していると、こういうことでございます。
○矢追秀彦君 ぜひいまの問題は、ひとつ地元住民の意思を十分に反映するようにお願いしたいと思います。 最後に、刑務所の移転の問題でございますが、大阪の拘置所ですが、これは御承知のように大正九年以来周囲が徐々に発展をいたしまして、現在では完全に住宅街に取り囲まれております。で、環境保全上種々の問題も起こしておりますし、また今後の堺市発展のためにも多くの弊害を招くことが十分考えられるわけです。また私の手元にも地元から出された大阪刑務所の移転要望書もございます。こういった点について少しお伺いをしたいんですが、現在は阪和線の堺市駅から徒歩で三百メートルぐらいですね。収容能力もかなり大きな二千七百二十五人、四十九年十二月現在では二千二百十一名ということになっておりますが、こういうふうなかなり古い歴史を持つ刑務所でございますが、ここは現在死刑の執行は行われておりますか。
○政府委員(長島敦君) おりません。
○矢追秀彦君 設備はあるようですけれども、いま行われていないということでございますが、これは今後この大阪を含めまして移転要請がこの資料によりますと四十庁出ておりますね。移転を完了したものが五十五庁、こういうことになっておりますけれども、これは今後どういうふうな形でお進めになりますか。五十年度は二つだけですね、要求されておるのが。
○政府委員(長島敦君) ただいま御指摘のとおりの数字でございます。移転問題につきましては収容者の問題、職員の問題、いろんな問題がございますので、適正な場所に移転したいということでございます。そういう意味で御指摘のございました多数の庁がございますが、これらの大部分は地元の方から候補地の提示がございまして、それについていろいろ調べました結果、多少の不便はありましてもこの際移転した方がいいということになりまして、作業が進んだのが大部分でございます。で、移転候補地の提示がございません場合には、別途適当な候補地を探さなきゃならぬという大変むずかしい実は作業になりまして、そういうものにつきましては、したがいまして、ずっと時期的には長年かかっておるということでございます。
○矢追秀彦君 具体的にこの大阪はどういうふうな方向で行かれますか。
○政府委員(長島敦君) 御承知のように大阪は収容者が二千二百名を超えておりまして、大刑務所でございます。しかも現在までのところ、そういうこともございまして、代替地の提示がございませんものですから、普通の刑務所のいわば四つ分ぐらいに相当するわけでございまして、これを動かすにはいわば四つの刑務所を自前で場所を探して動かすというようないま事態にあるわけでございまして、そういう意味で非常に検討は進めておりますけれども、相当の期間がかかるという見通しでございます。
○矢追秀彦君 最後に、大臣まとめてお伺いしますが、いまの大阪の問題、これは確かにいま言われた、なかなか大変だと思うんですよね、大きいところですから。しかし、場所が非常に場所なもんですから、やはり地元からはかなり強い要請が出てますし、特に堺市というのは最近どんどん人口がふえまして、全然昔の堺市とはもう様相を一変しておることは大臣もよく御承知と思いますので、これはひとつぜひ進めていただきたい。これはもちろんほかとの関連もあると思いますけれども、これについての大臣の所信と、それから先ほど来質問してまいりました登記行政につきましていろいろな問題がありますので、これも早急に、これはじみな問題でありますけれども、やはり国民の立場から考えますと、非常に大事な行政でありますので、増員の件あるいは事務処理の件、そういったものを含めまして前向きな検討をぜひお願いしたいと思いますが、この二点についての所信をお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 近年登記事件の増加に伴いまして、繁忙登記所において登記薄の閲覧監視体制が必ずしも十分ではございません。御指摘のとおりでございまして、かかる盲点が悪質な犯人につけ込まれる、そういうすきを与えている、はなはだ遺憾なことと考えております。そこで目下こういう事犯の発生を防止するために施設の整備、閲覧監視体制の充実等、諸施策を実施しているところでございます。登記に関する不祥事件の防止対策については十分力を入れてまいりたい所存でございます。 大阪の刑務所の移転問題を御質問になりましたが、矯正局長が答弁いたしましたとおり、矯正局内に全国の刑務所の移転問題に関するプロジェクトチームをつくっておりまして、ここで計画策定中でございますが、問題のないところはどんどん、佐賀の問題であるとか、それから中野刑務所の問題であるとか、相当進行しておりますから、近いうちに解決すると思いますが、大阪の問題は土地が地元から提示されておりませんものですから、しかしそれは国がやるべきものですから、本来は。私が就任しまして、刑務所はやっぱりこういう状態になってきたわけだから、一度洗い直してブロックごとに大きな刑務所に統合したらどういうものだろうかというようなことを言って、それも一つの案だということになっておる現在の段階でございます。
○橋本敦君 すでに明らかなように韓国では国家冒涜罪という形で刑法改正が行われました。まさに異常な形で国会外で与党だけで一分間で可決するという異常な状況でありますが、この法律の内容を調べてみますと、韓国の国家機関に対する反政府的な一切の言動が犯罪行為とされる危険性を持っている、こういう大変なファッショ的な法律である。私はこの問題についてきょう質問をしたいと思いますが、まず第一に、わが国の憲法は言うまでもなく言論、思想、表現の自由を保障している原則を貫いております。そういう点から言えば、わが国においてはかような法律は憲法上制定することを得ない違憲無効の法律である、こういうことがまず明らかではないかと思います。この点についての大臣の御意見はいかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) お説のとおりでございます。
○橋本敦君 そして今次の韓国の改正刑法では、韓国内においての行為だけでなく、外国においても国家機関に対する反政府的言動が犯罪行為とされるという大変なものであります。わが国に例をとってみますと、わが国には多数の在日韓国人、朝鮮公民の皆さんがいらっしゃる。そういう在日韓国人の皆さんに対してもわが国内にある限り、当然憲法の言論、表現、思想の自由の保障規定は適用されるというように解すべきことは当然だと思いますが、この点も御異論がないと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 異論はございません。おっしゃるとおりでございます。
○橋本敦君 そういたしますと、わが憲法からわが国内法の適用、わが国の領域内において当然正当合法とされる行為が今次の韓国刑法改正によって犯罪行為とされるという、そういう異常な事態が生ずることになるわけであります。そこで、このような法律が実際に適用された場合にどのような危険を持つのかという問題について明らかにしたいのですが、まず第一に、わが国の各新聞社の特派員の皆さんが韓国内において取材活動を行うこととの関係で言いますと、インタビューに応じる、あるいは取材に応じる等の行為によって、それが報道された結果、外国人に対して国家機関を誹謗したものと認められれば、当然それが韓国内において犯罪捜査の対象にされる、こういうことになるわけですが、その場合に日本の記者あるいは外国の記者の取材行為、インタビュー等の行為、そういった行為が単なる参考人的立場にとどまらないで、共犯ということで犯罪捜査の対象になされる危険性、これが法理論的には当然あると思いますが、この点について安原刑事局長いかがでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) いま御指摘の、まことに恐縮でございますが、今回のこの国家冒涜の罪として百四条の二というのが新設された法文の解釈についてお聞きなのでございましょうか、ちょっともう一度恐れ入りますが、具体的なケースをお教えいただきたいと思います。
○橋本敦君 百四条の二の関係ではなくて、一般刑法の基本的考え方の問題としてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 新聞記者の――私は韓国の刑法をよく存じませんが、今回のことは別といたしまして、韓国で犯罪になるような行為について日本の新聞記者がそれの共犯関係に立ったという場合には、恐らく韓国の国内で行った行為であれば、日本の新聞記者も韓国の裁判権の対象になると思います。ただそれが日本に帰ってきた場合には、わが国の犯罪にはならない場合が多かろうと思います。そういう場合には日本の捜査権の発動の対象にはならないというのが一般論でございます。
○橋本敦君 じゃ、もう一つ、わが国の内部において韓国人の皆さんが民主回復運動をおやりになる。たとえば自民党の宇都宮さんを招いて懇談会をやる、オーグル牧師が追放されて、それを招待して会合を行う。そこでの行為が在日韓国人の皆さんと一緒に日本の私どもが民主回復運動を協力してやったという場合に、国内ではもちろん違法行為の対象にはなりませんが、今度の改正刑法で在日韓国人の皆さんが刑罰の対象にされるということは明らかですが、わが国においても共犯ということで犯罪嫌疑の対象に韓国としてはなし得るということは法的に言えるのではないか、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(安原美穂君) この韓国の刑法の解釈をどうすべきかの問題でございますが、今度のような例によりますと、内国人が国家機関を侮辱したことを罰すると、こうありますので、これを内国人でない、内国人というのは朝鮮半島にいる韓国国籍を持つ者のみならず、朝鮮半島、いわゆる朝鮮人というものに適用があるというふうになっておるようでございますが、したがって、これはわが国の刑法の解釈では一種の身分犯のようなものでございますから、一般の刑法の解釈であると、身分によって構成する罪に身分のない者が加功すれば共犯になる、身分がなくても罰せられるという刑法総則の規定の適用があるかどうかという一つの問題になると思います。したがって、当然一つの議論にはなると思いますけれども、私の記憶いたしますところでは、韓国の刑法の中に、昨年の金大中事件のときに見た刑法の中には、その行為が国外で行われた場合において日本人のような、外国人のような場合には、それが韓国の刑法に該当する場合でも、それが行われた国において罰しないようになっておれば、韓国の刑法でも罰しないようにするという総則的規定がございましたので、その規定がかぶる以上は、たとえ共犯ということになりましても、日本人に対しては日本国内で行った行為が日本では処罰されないようなことでございますならば、その総則の規定を受けて処罰を免れるのではないかというふうに考えております。
○主査(八木一郎君) それでは暫時休憩いたします。 午前十時五十一分休憩 ―――――・――――― 午前十一時十分開会
○主査(八木一郎君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。 再開前に引き続き質疑を続行いたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○橋本敦君 先ほどの刑事局長の御答弁は法律的に正確でないと思うのですが、お調べの結果いかがでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) 急に韓国の刑法典を取り寄せまして調べましたところ、先ほど私が申し上げたのは、韓国の刑法の第五条にあります外国人の国外犯としてあります場合におきましては、先ほど私の申し上げた一般論は適用がされませんで、第五条に当たるような罪につきましては、外国人が外国で犯した場合にもその行為がたとえ行為をしたところで処罰されないようなことであっても処罰されるというのが正しい解釈のように思われます。したがいまして、具体的な今度のいわゆる国家冒涜の罪という罪につきましては、これが韓国刑法の第二編第二章の外患の罪の中に入るようになっておりますので、外患の罪の中に入るといたしますと、韓国の刑法の第五条で大韓民国領域外で犯した場合には外国人――犯した外国人にも適用されますし、それについてはその法域においても処罰されないものでも処罰するということになりますので、先ほど申しました今度の国家冒涜の罪を犯した韓国人の共犯となった日本人、たとえば報道機関につきましても、韓国刑法の第五条から言いまして共犯として処罰されることになるというのが正しい解釈のように思います。
○橋本敦君 そのとおりです。 そこで、大臣よくお聞き願いたいのですが、今度の韓国の刑法改正によりまして、韓国の国民が処罰されるというだけでなしに、韓国内において韓国人と接触をして反政府的言動を公表する等の行為に及んだ日本国民、日本国内において在韓韓国人の皆さんが民主回復運動等民主的な運動に共に加わる、あるいは援助をするという行為をした日本国民、これが韓国内でも日本国内でも、いずれも今度の国家冒涜罪の共同正犯、幇助犯、従犯、こういった共犯関係で、韓国官憲で処罰の対象とされる危険性が法律的にあることが明確になりました。そこで、これは大変な問題なのです。韓国政府の方が日本に対して本国の法律の適用についてどのような態度をとってくるか、それをわが国がどのような態度で処置するかいかんによっては、わが国の国家主権を侵害する、日本国民並びに在日韓国人の皆さんの基本的人権を侵害するという大変な心配が現に起こってくるわけですね。 そこで、まず大臣に第一点としてお聞きをいたしますが、今度の国家冒涜罪の施行の結果、韓国官憲、たとえばKCIAにしろ、その他の官憲が日本国内においてこの国家冒涜罪の適用のために捜査活動をするというような申し出があった場合に、これを許すことができますかできませんか。まず第一点、法務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) それを許すことは適当ではない、認めるわけにいかないと、こう思います。
○橋本敦君 第二点といたしましては、韓国の警察官憲が日本の警察並びに検察庁に対して、外交ルートを通じて捜査協力の依頼という形で依頼をしてくる場合が考えられる。この場合は、国際警察機構を通ずるか、直接外務省あるいは日本政府に対して要請があるかということもあり得るかと思いますが、この場合に、もし日本の検察及び警察官がこの捜査依頼に協力をするとなればどうなるかといいますと、日本国憲法において正当とされ、保障されねばならない行為について捜査の加担をするということをやらせられる結果になる、こういうこともやはり憲法上許されないということで、捜査協力依頼があっても、日本国憲法の立場からこれは拒否しなければならない問題だと私は思いますが、大臣の御見解、いかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) おっしゃるとおり、それはそのとおりだと思います。
○橋本敦君 次に、第三点として、韓国政府から、日本国内において反政府活動、言論活動を行った韓国人あるいは韓国政府が共犯と認定をした日本国民に対して、犯人だと断定し、容疑者だと断定をしてその引き渡しを求めてくる可能性、これもないとは言えない。こういう可能性がもしあるとすれば、これに対して法務大臣はどのように処置されるでしょう。ちなみに、逃亡犯罪人引き渡し条約は韓国との間で締結されていないという事実ははっきりしております。
○国務大臣(稻葉修君) 引き渡すわけにはまいりません。
○橋本敦君 そこで、韓国政府が考えているのは、わが国との合法的な外交関係を通じてこの法の適用を図るという道、つまり司法共助ですね、これを外交関係において樹立したいという問題が出てくるわけであります。この司法共助の問題は、すでに新聞でも報ぜられている重要なところであります。わが国が司法共助をどこの国との間でとっているか。まず、現在司法共助関係にある国の名前を挙げていただきたいと思います。
○政府委員(勝見嘉美君) 民事につきましては、民訴条約締結国は二十五カ国ございます。それから送達条約締結国は十五カ国ございます。それから二国間の共助取り決め国は二十一カ国ございます。 以上が民事事件に関する共助の関係でございます。
○橋本敦君 それらの共助関係は、条約あるいは議定書という形でなされているのが幾つかありますか、ありませんか。
○政府委員(勝見嘉美君) ただいま申し上げましたように、条約締結国が二十五カ国、それから送達条約――これも条約の形式で、これが十五カ国、それから二国間の共助取り決めが二十一カ国、繰り返しになりますが、以上になります。
○橋本敦君 ところで、そのような司法共助を行うわが国内法の根拠規定としては、明治三十八年三月十三日、かなり古い時期に、外国裁判所ノ嘱託ニ因ル共助法、こういう法律があって、それに準拠をしてそのような二国間関係が成立すると、法的にはこうなっていると思いますが、間違いございませんか。
○政府委員(勝見嘉美君) 仰せのとおりだと思います。
○橋本敦君 ところで、今度韓国の国家冒涜罪という罪について言えば、これはこの罪に当たるとされる人たちはですね、いわゆる国際法的にあるいは法的に言うところのいわゆる政治犯であるということは、これは明白な場合がきわめて多いと思いますが、その点については異論がなかろうと思いますが、安原刑事局長いかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 国際法的に政治犯とは何かということはいろいろ議論があるようでございますが、政治犯という解釈をされる場合が多いであろうと思いますし、それからなお逃亡犯罪人の引き渡しの問題につきましては、韓国との間に条約もございませんし、また条約をつくるといたしましても、自分の国で犯罪にならない者について渡すということは逃亡犯罪人引渡条約の通則としてそういうことはないんじゃないかとも思います。
○橋本敦君 私が次にお伺いしたい点をさきにお答え願ったことになるんですがね。要するに今度の国家冒涜罪の適用を受けるということは、ほとんどが政治犯というように見られる。そういたしますと、わが国の外国裁判所ノ嘱託ニ因ル共助法でも、この共助法によっても共助をする場合について政治犯を除外をするということは、当然今日の国際法的な政治犯不引き渡しの原則という立場から見て当然それは考慮されるべきであるというように思いますが、調査部長いかがですか。
○政府委員(勝見嘉美君) 大変高度なむずかしい問題でございますが、私よく勉強しておりませんけれども、恐らく仰せのとおりだと考えております。
○橋本敦君 たとえば、一九五九年に、ヨーロッパ諸国が刑事犯罪の相互共助に関する会議を開きました。その中での取り決めである第二条、共助の拒否条項というのを見ましても、明らかにこの共助関係は、政治犯罪並びに政治犯罪に関連する犯罪については司法的共助を当該国は拒否することができるというように明文で定められているわけですね。 その次に、もう一つの観点から聞きますが、わが国の逃亡犯罪人引渡法という法律、この法律の第二条の一号にはどのように定められているか、調査部長御存じでしょうか。
○政府委員(勝見嘉美君) 私所管外になろうかと思いますが、御指名でございますので読みますと、第二条、「左の各号の一に該当する場合には、逃亡犯罪人を引き渡してはならない。」。
○橋本敦君 ただし書きはいいです。
○政府委員(勝見嘉美君) ただし書きを飛ばしまして、一号に、「引渡犯罪が政治犯罪であるとき。」というようになっております。
○橋本敦君 大臣おわかりのように、わが国の逃亡犯罪人引渡法は、明らかに「引渡犯罪が政治犯罪であるとき。」は引き渡さないということを明文で決めている。それからさらに、司法共助の原則としては、これはわが国の外国裁判所ノ嘱託ニ因ル共助法の規定、原則から見ても、これは相互共助主義ですから、わが国内法において罪にならないものについては共助をしないと、これは法律上の原則と言える。これは安原刑事局長も先ほど述べられた。したがって、第三点の結論としては、今後韓国政府が新聞で伝えられるような司法共助についての申し出があった場合にも、事この国家冒涜罪に関しては、わが国の法律上も、今日の国際法上の原則からいっても、国家冒涜罪については司法共助、条約もしくは交換公文その他いかなる手続によろうともとるべきでない。とれば国内法との関係から見ても、大変な過ちを犯すことになるということを私は明確にしたつもりですが、大臣の御所見いかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) お尋ねのその新聞に出ておりました日韓司法共助協定については、全く私は聞いておらぬのです。
○橋本敦君 将来あり得ることとしてお答え願いたい。
○国務大臣(稻葉修君) 法務大臣としては現在のところそのような協定を結ぶ考えもないんですが、それを前提として、お尋ねの、将来韓国政府が外交ルートを通じてそういう申し入れをしてきても、これに応ずる考えはございません。
○橋本敦君 いま法務大臣は、この国家冒涜罪に関して、司法共助を申し出てきても応ずる考えはないということを明確にされたので、大変結構だと思いますが、なぜこの問題を私が特に法務大臣にお聞きして明確にしておくかといいますと、たとえば逃亡犯罪人引渡法で、先ほど第二条一号で、政治犯罪の場合は引き渡してはならないということを明記しておりますね。ところが、政治犯罪かどうかということの判断権はだれにあるかといいますと、外務省からの通達に基づいて法務大臣にある。それは逃亡犯罪人引渡法第四条で、「法務大臣は、外務大臣から前条の規定による引渡の請求に関する書面の送付を受けたときは、左の各号の一に該当する場合」を除いて東京高裁に判断、審判を求めると、こうなっておりますが、「左の各号」の一に、「明らかに逃亡犯罪人を引き渡すことができない場合に該当すると認めるとき。」と、こうあって、そうして逃亡犯罪人引渡法の「引渡犯罪が政治犯罪であるとき。」は引き渡してはならないことが明らかですから、法務大臣、あなたが御判断なさらなければならないという大事な職責にある。したがって、事この問題については、外務省関係よりもむしろ責任を負う法務大臣自身が閣議において明確なお立場と御見解をお述べになる責任がある、そういう立場で私はきょう法務大臣に伺ったわけであります。その結果、法務大臣がこの国家冒涜罪に関する限り、司法共助をやる意思はないということを明確にされたので、私は大変御信頼申し上げることができるわけですが、この問題について、もう一つ政治的な問題として言いますと、いま韓国に特派員を送っている新聞は、伝えられるところによりますと、ほとんどこれは日本の新聞社なんですね、日本の新聞社。外国の新聞は、日本のようにいまこの韓国に対しては特派員というのを特にほとんど置いていないということが報道されているわけですね。そういたしますと、この国家冒涜罪ができて、直接に危険になり、また報道の自由が侵害されるのは、主としてわが国の新聞関係ということになる。しかも、先ほど言ったように、その報道の自由が侵害される危険があるだけでなくて、当の日本国民が国内においても、韓国においても、この法律で処罰される危険性を負う。こうなりますと、こういうような法律ができることは、わが国の憲法体系を侵害するというだけでなくて、こういう法律は、わが国と韓国との報道の自由並びに真の親善関係を正しく発展させることには絶対に役立たない、むしろこれを阻害するというようにさえ私は思うんです。したがって、このような韓国の国家冒涜罪を強行可決した問題については、憲法を守り、言論、報道の自由の保障を守る責任ある法務大臣としては、韓国政府に対して遺憾の意を表明するなり、あるいは具体的に言うならば、抗議の意思を表明するなりというような態度をとることも当然考えられるかと私は思いますが、現在のところ大臣、この点についてのお考えはいかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) この外交関係についてどういう法律が影響を及ぼすかというような問題については、外務大臣の判断を求めてください。 それから、ただいまの問題につきましては、内政干渉的なことはいたさないつもりでございます。
○橋本敦君 内政干渉をせよと私は言ってんじゃなくて、むしろこちら側、日本国の憲法の適用と、その原則の維持という問題について侵害される危険性が起こっているわけですよ。だから、私は韓国内で韓国人のみに適用される韓国内法なら、私はそんなこと言わないんです。日本国民が韓国においても、日本国内においても、この法律で処罰される危険性がある。しかも、そういう行為は日本国憲法から当然正当行為と評価される、こういう行為なんですよ。わかるでしょう。だから、単に韓国内の問題だけと言えない法律ができちゃった。おわかりですね。だから、内政干渉じゃなくて、日本の憲法と日本国民を憲法に基づく基本的人権保障の立場で守るという立場に立てば、内政干渉ではなくて、このような法律は、いいですか、日本の憲法、それを守る法務大臣としては、きわめて遺憾であるという意思を表明することは、内政干渉と関係はない、日本の憲法と日本国民に対する保障と保護の問題として言えるのではないかという質問なんです。お取り違えになっては困るんです。その点お考えいただく余地はありませんか。
○国務大臣(稻葉修君) 韓国政府に対して、こういうばかな法律をつくってははなはだ遺憾だという意思表示をする意思はありません。その法律の適用になる場合に、日本国内において憲法を守り、それから人権を守るという態度さえきちんとしていればそれでよろしいと私はそう思っています。
○橋本敦君 なるほど。まあいずれにしましても、法務大臣としてはいまおっしゃったようにこの法律の実際の適用の段階で司法共助の締結を拒否し、わが国内における韓国捜査権の活動を一切拒否するという立場で憲法体系を守り切ると、これが現在の立場であるとこういう意味ですね。
○国務大臣(稻葉修君) そうです。
○橋本敦君 はい、わかりました。 それでは時間がありませんので、この問題はこの程度にして、次に警察庁の方にお伺いさしていただきたいと思います。 まず、警察庁にお尋ねをさしていただきますが、田中金脈の問題につきまして、警察庁は宅建業法違反で新星企業を捜査されて、その結果検察庁に送検をされたと伺っておりますが、具体的に捜査の経過と結果の概要をお話し願いたいと思います。
○説明員(四方修君) 新星企業の宅建業法違反につきましては、本年の二月二十七日に建設省の方から通報が参りまして、直ちに警察庁から警視庁の方に捜査を指示いたしました。警視庁の方で宅建業法の十二条違反、いわゆる無免許による宅建業を営んだという疑いで捜査を行いまして、先生御存じかと思いますが、本月二十六日に同社並びに同社の前社長山田泰司、現在の社長竹沢修を被疑者といたしまして検察庁に送致をいたしました。新星企業につきましては四十四年の十二月九日に免許が失効いたしておりますが、その後免許の更新を行わないままで無免許で昨年の九月まで十一件の宅地建物の取引を行ったという容疑でございまして、前社長の山田泰司は十一件のうちの六件につきまして、この新星企業、法人である新星企業とともに無免許の宅建業を営んだ疑いでございまして、現在の社長の竹沢修は残りの五件についての容疑でございます。
○橋本敦君 いま十一件とおっしゃいましたのは、送検した件数が十一件でございますね。
○説明員(四方修君) そのとおりでございます。
○橋本敦君 その十一件の中には、建設省が宅建業法違反だと通告をしていない件も、警察庁独自の調査の結果宅建業法違反が明らかになったので送検したとこう聞いておりますが、それは何件ございますか。
○説明員(四方修君) 建設省から通報のありました容疑件数は八件でございましたが、そのうち一件は免許取得中の取引でございましたのでこれは落としまして、そうしますと建設省から通報のあったうちで今回送りましたのは七件。差し引き四件が警察の捜査で新たに容疑が出てまいりました対象でございます。
○橋本敦君 だから、その点で建設省の調査なり通告というのはきわめてずさんであったという事実もこれははっきりしたわけですが、この捜査の過程でこの十一件については警察庁としては宅建業法違反の無免許営業の罪は十分に成立するという被疑事実についての確信をお持ちでございますか。
○説明員(四方修君) そのような確信を持っております。
○橋本敦君 ところで、二十六日に検察庁に御送検なさって、一応警察庁の手を離れたわけですが、送検なさるについて通常意見を付してお出しになることが多いわけです。この件についてどのような意見を検察庁あてにお付しになったか、要約してお教え願いたいと思います。
○説明員(四方修君) 本件の宅建業法違反につきましては、日常警察の方で取り締まりをしております宅建業法違反と違いまして、一般消費者に具体的な被害が及んでおりません。しかしながら、無免許であるということを知りながら十件以上の取引が行われておるという点にかんがみまして、われわれの方では相当な処分が行われてしかるべきだという意見を付して送検いたしました。
○橋本敦君 そこで法務大臣並びに検察庁関係についてお尋ねをしたいのですが、この送検を受けまして検察庁としてはどのような方針とどのような態勢で捜査を結了されるおつもりなのかどうか、この点をまず明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 厳正、公平、適正な捜査活動に入るものと思いますが、そう信じますが、具体的事案でございますので担当の局長から答弁をさせます。
○政府委員(安原美穂君) いま警察庁から御答弁のございましたように、三月の二十六日に本件を警視庁から東京地検に送致がございまして、現在東京地検では主任検事を定めましていわゆる捜査計画を樹立しておるところでございまして、いわゆる捜査中でございます。 なおその取り調べの方針といたしましてはただいま大臣のおっしゃいましたように、厳正、公平かつ迅速かつ適確に捜査を進める方針でおります。
○橋本敦君 特捜班を設けるということを考えておられますか。
○政府委員(安原美穂君) 本件に関する限り特捜班を置くというほどの案件と、少なくとも送致内容からは受け取っていないようでございまして、これは推測でございますが、主任検事を定めて、しかし事柄が世間の耳目を引いた案件でございますので、慎重な捜査計画を樹立して捜査にかかろうとしている態勢でございます。
○橋本敦君 いま警察庁の検察庁に付した意見は消費者に対する直接の被害はないけれども、事案が事案だけに、免許を失効しておる事実を知りながらあえて重ねたという問題、この無免許でありながら営業行為を重ねるという問題は、これは被害者が被害を受けるかいかんにかかわらず、わが国の国家法的秩序と社会的公益という法益を侵害するということで、懲役を含む刑罰になっておるわけですね。しかもこの問題は国民の立場から見てうやむやに過ごしてはならないという、田中退陣まで引き起こした重大な問題ですから、これは検察庁としてはこれこそまさに厳正にしなきゃならない。しかも検察庁が起訴するかしないかも、言ってみれば事件の最後の命綱を検察庁は握っておるとこういうことですね。 そこで私は大臣にお伺いをしたいのですが、これは単に手続的形式犯である、あるいは消費者に被害を与えていないというようなこういう情状論を主にして軽くこれを処理するということは絶対あってはならぬと思う。当然警察庁の相当処分が必要であるということを受けて今日の政治的疑惑を晴らす課題からいっても明白な違法事実は違法事実としてこれは当然断固起訴処分をすべきだというのが私どもの見解ですが、その点についての大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 最初にお答えしましたとおり、厳正、公平かつ迅速に事件を処理し、いやしくもうやむやにするようなそんなことはあってはならないと、それが政治に対する国民の信頼を回復する上においてきわめて重大な問題だと、したがって、最初にお答えしたとおり、厳正、公平、迅速に事件を処理するというふうに思っております。
○橋本敦君 いいかげんなことであいまいに絶対にせぬという所信というように承っておきます。検察庁は厳正に捜査をする。そこで、最後に大臣並びに安原刑事局長にお尋ねをしたいのですが、私は法務委員会において、この田中金脈に関連をして数々の違法行為がある疑いを指摘をしました。たとえば信濃川河川敷の土地買収については詐欺の疑いさえある。一般的には詐欺罪が成立する可能性があることを局長も認められて、具体的な事案は捜査を待たなければならない、あるいは政治資金の届け出が虚偽の報告であるということを疑わせる報告の内容の事実もあるではないか、あるいは幽霊会社ということになりますと、当然本店所在地に商法所定の会社帳簿関係書類を備えておかなければ商法違反としてこれは刑罰に処せられるということもあるではないか。さらに、いま大蔵省が見直しをしている税金の問題について言えば、国税犯則取締法を適用し、所得税法違反として脱税という観点でこれを調べるということが必要な状況があるではないか、いろいろ指摘をした。それについて安原刑事局長は重ねて私に、公正な検察の今後のあり方を信頼してほしい、こうおっしゃられて今日まで進んできたわけですから、検察庁では、私がいろいろ指摘した問題について、少しでも調査をされた事実がありますかありませんか。その点はいかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のいわゆる田中金脈問題につきましては、事柄の内容の真否は別といたしまして、世間の耳目、国民の非常な関心を呼んだ案件でございますので、検察庁といたしましてはそれ相応の関心を持ってながめてき、ある程度の検討をしたのは事実でございますが、現在のところ検察庁が独自に捜査を開始するというだけの犯罪の端緒を得ていないという実情でございます。 なお、一般論といたしましては、橋本委員御理解いただきたいと思いまするが、第一次捜査機関は警察等にあるわけでございますので、検察庁が独自捜査をするという場合は、警察においてそれがなしにくい事情がある場合、その他特別の事情のある場合でございますので、そういう意味で独自捜査をやるということにもなっておりませんが、根本的にやはり独自捜査を開始するに足る捜査の端緒を得ていないというのが実情でございます。
○橋本敦君 じゃあ最後に申し上げますが、警察との関係で言えば、これは慣例的に局長がいまおっしゃったようなことであることは私も知っています。問題の事案によっては協力体制をとる必要があるし、とれることも法律上可能である。そこでいま局長は独自の捜査の端緒をまだ得ていないというお話ですが、宅建業法違反の事実が送検をされて、今後これについて慎重厳正な捜査を行うということをこれから始めるについては、検察庁内にこの件を含む特捜班を設置をして、いまあなたがおっしゃった警察との協力も含めて、総合的に田中金脈問題について法の観点、検察の観点からこれを厳正に見直すということをこれからおやりになる一つの重要な機会ではないかと思う。そのような御意思がおありかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 検察庁は警察から送致をされた事件につきましても、いま御指摘のように、事柄の真相に迫るという、真実の追求という態度でゆるがせにしないというのが検察の方針でございますので、今回の事件につきましてはなおさらそういう態度で事案の真相を究明するために全力を尽くすものと信じております。
○橋本敦君 いや、ちょっと質問の趣旨が理解されていない。もう時間ありませんから、秩序正しく。 宅建業法違反が送検をされてこれを厳正にやると法務大臣も局長もおっしゃる。この機会にいままで国会内外で指摘をされた田中金脈をめぐる数数の違法行為という疑惑について特捜班を設けて全面的に検討する、警察とも協力を求めるという態勢をとるべきではないか。宅建業法違反だけ真相をきわめるんじゃありません。それがいま必要ではないかと私はお尋ねしているのですね。この点についての局長の御見解を承って終わります。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど申しましたように、検察庁は捜査の端緒を得ますならば何ものにも恐れず捜査を進めるわけでございますが、現実の問題として現在のところそういう端緒を得ていないということでございます。
○橋本敦君 調べなければならぬ。
○政府委員(安原美穂君) 将来の問題といたしましては、検察の一般の方針に従いまして、捜査の過程において被疑を発見するならば、何も宅地建物取引業法違反に限ることはないものと信じております。
○橋本敦君 時間がないので、答弁不満ですけれどもこれで終わります。 どうもありがとうございました。
○喜屋武眞榮君 私は沖繩の伊江島における米兵による日本人青年狙撃事件、このことについてまず初めにお尋ねします。法務大臣以下おいでの関係の皆さんにはっきりした御答弁をお願いいたしたいと思います。 まず初めに、この沖繩の伊江島における米人による日本青年の狙撃事件、この事件の起こった日時はいつでありましたでしょうか、それをお尋ねしたい。
○政府委員(安原美穂君) 昭和四十九年七月十日午後六時ごろでございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますとそれからもう今日まで九カ月にもなろうとしておるわけなんです。こんなにも長引いてきておることはこれ自体がいけないことだと、こう思います。この事件に関連して被害者の山城君からいろいろの要望が出されております。いわゆる医療費の完全支給あるいは家族、本人に対する慰謝料の請求が出されております。このこともまだ未処理と、こういうことになっておるんでしょうね。
○説明員(鳥羽浜雄君) 本件のように米軍の事故補償に関連いたしましては、公務上の場合と公務外の場合の手続が異なっておりまして、公務上の事案につきましては地位協定十八条五項によりまして、公務以外の事案については同条第六項により処理することになっております。ただ、本件につきましては場外の決定がなされておりませんので、具体的に補償手続は進めておりませんけれども、ただ本件事故発生直後、私どもの那覇防衛施設局の担当官が被害者の方にお見舞いを申し上げ、補償請求の手続についてもお話を申し上げておるところでございますが、御本人とされては場外の決定を見るまでは具体的な補償手続をする気持ちにはなれないというようなことでございます。
○喜屋武眞榮君 いまお聞きしますと、未処理と、一応お見舞い程度のことはやったと、こうおっしゃいますが、この事件の処理が長引いておる事態がまさにこのように人権問題につながる重大な影響があるわけなんですが、実はこの事件の処理を、現地沖繩におきまして非常に焦りを感じておりますのは、過去におきましても、沖繩における外人事件がうやむやにされたり、あるいはその間に被疑者が転勤をした、こういった事例がたくさんあるわけです。そういった過去の事例からも、県民としては非常にこの問題の処理に対して焦りを感じておるわけです。またうやむやにされるのではないか、こういう心配があるわけであります。 それでお聞きしますが、この被疑者、ちょっと名前はあるいは記憶がはっきりしておるかどうか、もし間違っておりましたら御訂正願いたいんですけども、この被疑者のキャロル・E・ロック、それからジョンソン、この二人の米人が被疑者になっておるようですが、この被疑者はいま現在どこでどうしておるのか。そのことをお聞きしたい。
○政府委員(安原美穂君) 現地の検察庁を通じて承知いたしておりますところでは、いま御指摘の被疑者ロック及びジョンソン両三等軍曹は、沖繩の米軍の中に禁足をされておるというふうに聞いております。
○喜屋武眞榮君 沖繩内に現におるんですね。それで勤務しているわけですね。それ間違いありませんね。間違いありませんか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおり間違いなく沖繩におります。本件の解決せざる限り、米軍側としても本国に帰すというような措置はとらないものと信頼しております。
○喜屋武眞榮君 なぜこのように念を押すかといいますと、過去におきましても、いつの間にか本国に帰ったり、あるいは解除になったり、転勤をしたりといったような形で、最後まで追及できなかった事例が過去において幾多もあったわけなんです。そういうことから私はどうしてもこれは予防線を張っておかなければいけない。こういうことでいまそれをお尋ねしているわけであります。ぜひこのことをひとつ十分配慮してもらいたい。よろしゅうございますね。
○政府委員(安原美穂君) 米兵のそういう身柄のあるいは身分の取り扱いにつきましては、外交チャンネルを通じまして、つまり外務省を通じまして、いま喜屋武委員御指摘のような要望は、検察庁としても要望するところでもございますので、要望を伝えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 この事件をどのように政府としてとらえておられるかということについて、私の理解するところでは、一つは公務外であったということと、二つは第一次裁判は日本側が行使すること、こう理解いたしておりますが、今日そういうとらえ方で一貫して政府の態度を堅持しておられると、このように理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど来御指摘をいただいております本件の事案の処理が長引いておる根本原因は、いま御指摘の本件の射撃場におきます事故が、いわゆる傷害事件というものが、米軍人のつまりロック、ジョンソン両軍曹の公務遂行の過程において行われたものであるかどうかという点につきまして、米軍側が公務遂行中であるということを主張し、わが国側が公務外のいわゆるいたずらによる行為ではないかという主張をしておる。その主張が一致しないということで、その合致を見出すための折衝を、昨年の七月の三十日以来続けて、いまだに決着をみないところに原因があるわけでございまして、今日といえどもわが国はわが国に裁判権がある、つまり、公務外であるという主張を変えるつもりはございません。
○喜屋武眞榮君 この態度が基本的にぐらついてまいりますと、これはもう困ったことになりますので、この公務外であったということと、第一次の裁判権は、裁判は日本側が行使すべきであるという日弁連におかれましても、沖繩弁護士会におきましても、あるいは県議会におきましても、世論を含めてそのようにはっきり打ち出しておることも御承知のとおりだと思いますが、そういう姿勢を今後いかなるいろんな複雑な問題がもし展開したとしましても、その姿勢を最後の最後まで崩してもらっちゃ困る、こう思うんですがその御決意のほどはいかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 裁判権の行使ということは、単に検察庁のことではなくて、まさに第一次裁判権を主張するということは、いわばわが国政府の方針でございますので、これはむしろ外務省とも協議の上のわが国の内閣あるいは政府の方針でございますので、私がその方針を述べる立場にあるかどうかは、いささか問題がございまするけれども、検察といたしましては第一次裁判権はわが国にあるという主張を、つまり公務外の犯罪であるという主張を曲げるつもりはございません。
○喜屋武眞榮君 法務大臣いかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事局長の言うたとおりでございますがね、これ結局日米合同委員会刑事裁判管轄権分科委員会、ここでどうしても米側が公務中だ、公務中だと言ってがんばるものですから、こっちは公務外だ、したがって、第一次裁判権は日本にある、こういうことを主張して譲らないわけでございます。したがって、この事件の解決はこの合同委員会において米側に公務外だという日本の主張を認めさせる以外にはないんです、そういうふうに思います。
○喜屋武眞榮君 いまの基本姿勢をぜひ最後までひとつ崩していただかないようにお願いいたします。 そこでこの交渉の経過をいまちょっと一部は述べられましたが、事件がもう十カ月、やがてもう一年にもなろうとしておるわけでありますが、その交渉の経過ですね、何が壁になっているのか、なぜ進まないのであるか、そういったことも含めて交渉の経過を述べていただきたい。
○政府委員(安原美穂君) 合同委員会なり分科委員会はメンバーが法務省あるいは検察庁、警察庁という捜査機関の者が主要なメンバーになっておりますので、便宜私からお答えいたしますが、先ほど申し上げましたように、これはいわば外交折衝の問題でございますので、外務省当局からお答えいただく方が適当かと思いますけども、立ちましたついでに申し上げますと、日米合同委員会という本来の委員会から、この案件が公務中かどうかの件についての争いがあるために、分科委員会に事件が付託されまして、昨年の七月三十日以来合計七回にわたりましてこの分科委員会を開催いたしましたが、結局本件の事案の具体的なケースが公務中であるか公務外であるかということについての双方の主張が合致しないというところに、今日まで延引している根本の原因があるわけでありまして、先ほど冒頭申しましたように、外交折衝の問題でございますので、それ以上詳しいことを申し上げるのは御勘弁願いたいと、かように思います。
○喜屋武眞榮君 いま七回の交渉をされたというのは、この分科委員会の中でですか。
○政府委員(安原美穂君) いわゆるオフィシャルな委員会としては七回でございますが、申しおくれましたが、そのほかに正式の場合でなく双方の委員長が数度にわたりまして、インフォーマルに協議を行って、最近にもそういう機会を持っておりまして、双方ともにこのような事件をペンディングにしておくこと自体がよくないことは、よくその点については一致をしておるわけですが、したがって、早く解決しようという根本的な態度においては一致しておりまするが、何分にも非常にむずかしい公務中か公務外かという事実認定の問題であるがゆえに、事柄の性質上延引しておることがはなはだ遺憾でありまするが、そういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 七回目の最後の折衝を持たれたのは何月何日ですか、いつですか。
○政府委員(安原美穂君) 昨年の九月二十六日でございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、九月の二十六日というとずいぶんまた前のことなんですが、そうすると、最後の交渉、七回目の交渉を持たれてからもなお今日まで半カ年ですね、七カ月になろうとしているわけなんですが、その間空白状態を置いておられるということなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 九月の二十六日がオフィシャルな、正式な分科会の最後でございますが、その段階までに双方のいわゆる公式の主張実証が尽くされ、後はそれを理解する態度をどちらが示すかという問題として、いわば正式の委員会外における委員長同士の個別の折衝ということに任されておりまして、それ以来六、七回にわたりまして、双方の委員長がインフォーマルに会って協議を続けておるのが実情でございまして、全然この委員会がそういう意味において公式、非公式を含めるならば活動を続けておるというのが現状でございます。
○喜屋武眞榮君 承りますと、一応九月以降、この委員会が持たれていないということにも非常に焦りや問題があるわけなんですが、結局持ったとしてもかみ合わないもとは、日本政府側はいわゆる公務外であると、それから第一次裁判は日本側がやるべきであると、こう主張しておられる。相手は公務中であると、第一次裁判をアメリカがやるべきである。こういう対立があるわけなんですね。そうすると、そのまま並行していつまで、どこまで続くかということになりますが、どうなんですか、これ。
○説明員(深田宏君) この事件に関します昨年四月来の経緯は先ほど来法務省の方から御説明がございましたとおりでございます。ただいまの御説明のように、刑事裁判管轄権分科委員会におきます審議、討議がいわば双方の主張が対立いたしまして、非常に長引いております。この間特に法務省御関係の方面で非常に御尽力いただいている次第でございます。ただいまの喜屋武先生の御質問にございますように、意見が整わないという状態が非常に長期間にわたって続くということになりますと、いつまでたちましても、問題が基本的に解決いたさないわけでありますことは、私どもも十分承知しておるつもりでございます。したがいまして、現在いつということはもちろん申せないんでございますけれども、将来の可能性の問題といたしましては、この分科会での結論が、どうしても意見が一致という形で出ないと、これはあくまでも仮定の問題でございますけれども、そういう場合にはこれを本来この分科会に本件を委託をいたしました日米合同委員会にまたそのような結論が差し戻される。そこで日米合同委員会で改めてこの問題をそのような経緯に照らして話し合うということになろうかと思います。しかし先ほどからの御説明にございますように、昨年来非常に長い時間をかけてこの分科会で御審議いただいておるわけでございますので、まあ外務省と申しますか、私どもといたしましては、その結論が、できることならば双方の主張の間に何らかの一致点を見出したいようなものであるということを期待はいたしております。
○喜屋武眞榮君 この日本側とアメリカ側とのとらえ方の相違、見解の相違があって対立しておると、こういう場合に最も大事なことは、こちらの主張が正しいということであるならば、それに沿うところの、いわゆる相手の主張を反論する反証の資料は十分整備しておりますかね。
○政府委員(安原美穂君) 少なくとも本件の議論が発生いたしましたきっかけが、先方から公務中であるということで公務証明書が出され、日本側の、すなわち沖繩にある那覇地方検察庁検事正が反証ありという主張をして、その点で意見が一致しないということで、この合同委員会に事案が付託されたわけでございまして、こういう主張をいたします以上は、日本側としてはできる限りの反証を挙げて主張をしておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 反証さえ十分整備すれば、いかに相手が相手の立場から主張したとしても、それを反論する反証の資料が挙がるならば、これが唯一の証拠でありますから、私はそこにも疑問を持つわけなんです。反証の資料が十分であるならば、その資料をもとにしてぐいぐい押していけば相手はへこむ。ところがまだそこまでいかぬというところにこの反証の資料はどうなのかということが気になりますわね。まだ十分でないとおっしゃるのですね。
○政府委員(安原美穂君) 客観的に合理的な事柄について、米軍がむげに非合理を主張しているというわけではないと思われます点から考えますならば、われわれが十分と思うのがアメリカ側を説得するだけの十分ではないということに客観的にはなるという御判断が出ることも無理のないところと思いますが、われわれといたしましては、関係人、被害者それから目撃者等を含めまして、それから先方の被疑者と目せられるロック、ジョンソンにつきましての取り調べをして、できる限りの反証を集めて主張はしているつもりではございます。
○喜屋武眞榮君 やっぱし物事に勝つ勝利の秘訣は、孫子の兵法から言えば、「敵を知りおのれを知れば百戦危うからず」ということもありますしね。やっぱり相手の主張が何であるかということを知るならば、それを反論する資料を十分挙げて戦う以外にはない、こう思いまして、その反証資料をさらに十分、なお不十分な点があるとお認めなさるならば整えてもらわなければいかぬと、こう思うわけなんです。
○政府委員(安原美穂君) われわれの努力足らずして十分でないということを申し上げておるわけではございませんで、われわれが集め得る最大の資料を集めて説得をしておりますが、先方が納得をしないという以上は客観的に先方としては不十分なものがあるという主張であるわけでございまして、われわれとしては集め得る最大限の努力をして集めたという自信は持っております。
○喜屋武眞榮君 この問題がこのように長引いておることに対して現地沖繩側ではそのおくらしておる原因が、地元沖繩側の県民感情を鎮静化しょうという、こういう政治的な判断もあるのではないかという、こういう見方もありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) お言葉を返すようで恐縮でございますが、ちょっとお尋ねの趣旨が私にはのみ込めませんので、もう一度教えていただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 この事件を引きずって、十カ月も一カ年近く引きずっておるのは、そのうち何とかしておけば県民感情を鎮静化して、結局うやむやにしていくのではないかという、こういう観測、見方もあるということを率直に申し上げて、いまお聞きしているわけなんですがね、どうなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 事件の処理の解決が遷延しているのは、先ほど申し上げた公務中か公務外かということの争い、その一点だけでございまして、われわれ日本政府当局といたしましては、これをいわゆる時の経過とともに鎮静をして、処理をあいまいにしようというようなつもりは毛頭ございませんので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 そうすると、これからどうするかということについては、私も思うんですが、結局分科委員会でも結論が出ないわけなんですね。もう一遍日米合同委員会によりを戻して、そこで再検討してもらうと、こう思うわけなんですが、しかしもういまがその時期であるのか、あるいは分科委員会でもっと粘る必要があるのかどうか、その辺の判断はいかがでしょう。
○政府委員(安原美穂君) 私、検察当局の事項をあずかるものとしては、まことに適切な御指摘のように思いまするが、本件外交折衝の問題でもございますので、外務省当局からお聞きをいただければ幸いと思います。
○説明員(深田宏君) 私どもの方の立場と申しますか、先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、昨年来これだけの時間をかけて御審議いただいたものでございますから、できることならばこの分科委員会で双方の意見の一致という形で、合同委員会に答申と申しますか、勧告と申しますか、結論を上げていただきたいというのが基本的な考え方でございます。他方、これも先ほど御説明申しましたように、仮定の問題でございますけれども、分科委員会の審議には双方の主張が対立と申しますか、平行線をたどって、いままでたっても結論がどうしても得られない、不幸にして得られないということでございますならば、そういう判断が確定いたしました時点におきまして、この問題をそのような形の暫定的な結論ということで、合同委員会にお上げいただきまして、合同委員会の審議を通じて何らかの解決を図るということを考えてまいりたいと思います。具体的にいっそのような局面が展開するかということは、私どもとしてただいま予測することは適切でないかと存じますけれども、当初からの先生の御指摘のように、事件が起こりましてからかなりの時間が経過しているということは、私どもも重々承知しておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 できるだけのことはいままで一生懸命にやってきたと、こうおっしゃるでしょう。また反証についても可能な限りにおいてはやってきたと、こうおっしゃるわけなんですがね、なお再検討して、また反証の資料があれば、それはぜひまた整えてもらわなければいけないと思うんですがね、しかしいまお聞きしますと相当、問題は私はもう一つ残されているものは、いわゆる相手への説得力ですね。説得力というのは、これは資料による説得力も当然でありますが、いわゆる相手を納得させるところの熱意、誠意、説得力、それにつながるのは、すなわち対米姿勢ということになるわけでありますがね、その対米姿勢、よく対米――失礼な言い方ですけれども――従属性だとか、余りにも対米姿勢が弱いと、こういう非難もあるわけなんですがね、アメリカに遠慮が過ぎると、こういう見方もいろんなケースにおいて率直に感ずるわけなんですが、そうすると、この説得力の弱さから、対米姿勢の弱さからそのように時をかしておるのではないかと、こうも思われますが、法務大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) こういう事件につきまして、犯罪事件ですからね、こっちがきちんと証拠を持っているのに外交上の対米姿勢上うやむやになるということはあってはならないことですな。これやっぱり私は全く個人的な考え方ですがね、分科委員会においては双方意見を出し尽くしたんでしょう。そして一致しないんですからね、その意見の出た資料を全部そのまま合同委員会へ上げて、合同委員会が両方の分科委員会の主張をきちんと調べて結論を出すようにする。それでないと米側としても二人被疑者を出しているんですから、これをいつまでも拘束しておくというと、被疑者に対するまた人権問題もあるわけですな、加害者ではあるけれども、被疑者。それからまたもちろんけがをした日本国民にとっては、これもまた重大な問題でございますから、いつまでもこういう状態にあるということは、はなはだ法務当局としても遺憾なことだと、そういうふうに存じます。御指摘のような御示唆の点もございまして、善処したいというふうに思います。
○喜屋武眞榮君 事件の内容からもこれはもう政府に有利であるという反証もあるし、その事実確認もはっきりしている。それを支える日弁連を初め、そういった背景もあるわけなんです。そういう状態の中での対米交渉であるということになると、これは日本の政府のいわゆる対米姿勢の強さ、弱さを問われる私は唯一の試金石だと思うんです。これほどはっきりした事実を持ちながら、なお相手を納得さし得ないということになるならば、これはまことにもう残念という以外にない。どうかひとつこの事件をどう解決するかということは、いわゆる対米姿勢を問われるもう唯一の試金石の問題であると、このように思うわけなんですが、ぜひひとつ一刻も早く、しかも一貫した姿勢に立って、内容キャッチの上に立って解決してもらうように強く申し入れておきたいと思います。それに対する大臣のもう一遍御見解を、御決意を承りたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 法務当局ももちろん、日本政府も、それから日本国民全体も、相手が大きな国だから追随的になるとか、相手が小さい国だからばかにしてかさにかかっていくとか、そういうことがあっては断じてならないわけです。ですから喜屋武さんがおっしゃるように、どうも結局は日本政府の対米姿勢の追随さにあって心配だというような意味の御質問でありますと、私はそういうことはありませんと、もうしっかりやります、なるべく早く解決したい。こういうふうに私の決意を申し上げる以外にないわけです。
○喜屋武眞榮君 ぜひその線で早く解決を期待いたしております。 次に、外務省にこの問題に関連して、実はその被害者の山城君が沖繩の沖青協の会員の一人で、日青協の一人でもあるという、こういうこともありましょうし、また国民的立場からもありましょうし、この問題を非常に重視しまして、日青協――日本青年団協議会といたしましても、組織を挙げてこの解決に取り組む、バックアップすると、こういう姿勢で今日までやってきております。ときどき私の部屋にもその日青協の方々がぜひひとつこれが一日も早く解決できるように努力してもらいたいと、こういう強いあれがあるわけなんですが、それで日青協としましては、このようなはがきによる抗議要請を外務大臣あてに、それからアメリカ大使館あてに出しておるわけなんです。この資料を、外務省の関係者は御存じであり、受けとめておられるでしょうか、お聞きしたい。
○説明員(深田宏君) 本件につきまして、いろいろな方面から御主張をいただいておるわけでございまして、国会での御審議はもとより、関係の方方からの非常に強い御意見等十分承っておるつもりでございます。
○喜屋武眞榮君 じゃお聞きしますが、これは何通ぐらいお受けになられておりますか。
○説明員(深田宏君) 大変恐縮でございますが、何通ということは、手元の資料でわかりかねますので、御要望がございましたら、お調べ申し上げまして別途御返事申し上げたいと思います。
○喜屋武眞榮君 なぜ私が具体的にそうお聞きしますかということの気持ちには、世論の反映というものは、世論に耳を傾けるという謙虚な気持ちがなければだめだということなんです。私にもいろんな問題によって、大衆からあるいは国民の立場からあるいは職域の立場のいろんな要請がこういうものが始終参ります。私は一々チェックをしまして、何通来たかということを、数を知るぐらいの誠意がなければいけない。数を知るということは、もちろん内容に目を通しておるということなんです。そうすると、いま受けておることは受けておるが、何通ぐらい来たかわからぬとおっしゃることは、それだけ誠意がない、ただ受けて、ああ来ておったなと、こういうことで、どっかに片づけられておるんじゃないかと、こう実は日青協の方々が、どうもあのようにわれわれは誠意をもって訴えておるけれども、非常に冷淡で、それが外務省の片すみに片づけられておるんじゃないかという疑いさえも持つと、こういうふうに疑惑を持っておりますよ。いまのお話を聞きましても、私は非常に誠意を疑いますね。何通ぐらい来たか、どういう内容だったぐらいは発表してもらいたいと、こう思うんですが、時間がありませんので……。それじゃ後で、何通来たか知らしてもらいたい。そして今後も、そういう国民要求といりものはいろんな形で表明されるわけなんですか、それを簡単に片づけてもらわぬように、世論にもっと謙虚に耳を傾けて処理してもらう、執行してもらわなければいけない、こたえてもらわなければいけない。こういうことを強く申し上げたいんです。それでは、いまの問題はこれぐらいにいたしまして、次の問題に移らしていただきます。次の問題は、いま本会議でも実は沖繩における米海兵隊の実弾射撃訓練に対する緊急質問がございまして、沖繩に関する緊急質問ですので、向こうも大事かと思っておりますが、残念ながらかち合いましたので、こちら御迷惑をかけてはいかぬと思いまして間に合わしてまいった次第でありますが、そこでこれも時間をかけてゆっくり質疑を持つことが無理かと思いますので、ごく幾つかの問題にしぼって質問いたしたいと思います。 百四号線が、これは直接は法務省の関係というよりも、後にはまあ関連出てくると思いますが、防衛施設庁あるいは防衛庁あるいは警察庁、検察庁と、こういったところが直接その責任になると思いますが、第一お尋ねしたいことは、この百四号線、県道ということは申し上げるまでもない。この県道の管理権は一体だれにあるのかということをまずお聞きしたい。
○説明員(加瀬正蔵君) 県道の管理権は沖繩県にございます。
○喜屋武眞榮君 私もそのように理解いたしております、県道の管理権は県知事にあると。ところがその県知事の管理下にある県道一〇四号線が、県道であり、県民の生活道路でありながら、米軍への提供基地になっておるということがある。この法的根拠は何でしょう。
○説明員(奥山正也君) 沖繩の復帰に際しまして、地位協定の二条に基づくアメリカ合衆国へ使用を許す施設・区域といたしまして、四十七年の五月十五日に、合同委員会におきましてキャンプ・ハンセンの提供の合意がございました。その中に県道一〇四号線の一部を含めて提供施設及び区域ということに日米両国政府間の協定ができました、これが提供されました根拠でございます。
○喜屋武眞榮君 どうも理解に苦しむわけです。県道一〇四号線であるというなら、その管理権は県知事にある、そうしてそれは県民の生活道路になっておる、それを安保地位協定によって提供基地になっておるという事態ですね、どうも私、法の専門家でなく素人でありますけれども、どうも割り切れないものを感ずるわけなんです。いかがでしょう。
○説明員(奥山正也君) 沖繩におきます提供施設・区域の決定に際しまして、本件の一〇四号線が復帰以前から米軍の使用に供されておりました演習場の中に含まれておったわけでございまして、そういう経過からこの一〇四号線を提供施設・区域から復帰に際しまして外すということは、物理的にも、演習場でございますので、非常に困難な状況にありましたこと、それから過去の経緯からいたしまして、それを施政権下におきまして演習場といたしまして米軍が使用しておったという経緯等から、この一〇四号線を提供施設の中に含めて提供の合意がございましたということでございます。
○喜屋武眞榮君 こういったあいまいもこの状態の基地が全国にも例がありますでしょうか。
○説明員(奥山正也君) 全国的に見ますと、本土におきましては、施設・区域の中に道路が含まれておるという例はございます。それは本土関係では深谷の通信所というのがございまして、ここに認定道路が通っております。
○喜屋武眞榮君 どこですか。
○説明員(奥山正也君) 深谷と申します。神奈川県でございます。横浜市内でございますが、深谷、深い谷でございます。それに認定道路が走っております。それから依佐美通信所というのがございまして、依佐美という字は依存するという字と佐藤の佐と、それから美しいという字です。依佐美通信所、これは愛知県でございますが、そこに三本走っておるという例がございます。それから沖繩におきましては、御承知と思いますけれども、北部訓練所に二路線、それから伊江島に一路線、それから当該問題になっております一〇四号線、この四本がございます。
○喜屋武眞榮君 どうも非常に割り切れぬのは、いわゆる地位協定とそして道路法がこう重なり合っておるという、これは何としても正常なあり方じゃありませんね。しかも困ったことにはその道路を封鎖するという場合に、当然道路法による手続があるはずなんですよね、封鎖する。その手続はちゃんと――まあ今日まで七、八回封鎖されていますがね。その手続はきちんととられておるかどうかお聞きしたいと思います。
○説明員(奥山正也君) 米軍から演習通報が参りますと、その中に県道封鎖の通報は、普通の演習とは別途に演習通報といたしまして、封鎖の通報が参るわけでございます。そこで、その通報が参りますと、私ども防衛施設局におきまして、県、それから関係市町村等に演習通報を出しまして、封鎖の措置をとっていただくという形になっておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 建設省見えておりますかな。――この道路法の、県道の封鎖の場合に普通どう手続が必要なんですか。どういう手続をとるか、こういった県道封鎖に対して基本的にどのように考えておられるか。
○説明員(加瀬正蔵君) 道路法に基づきます道路の封鎖といいますか、通行どめにつきましては、道路法の四十六条に規定がございますが、本件につきましては、そういう一般的な事案じゃなくて、ほかに原因があるから道交法の手続によって現在通行禁止の措置がとられているというふうに聞いております。
○喜屋武眞榮君 内容的にはどういう場合に封鎖しますか。
○説明員(加瀬正蔵君) 道路法の規定によりますと、道路法の四十六条の第一項という規定がございまして、「道路管理者は、左の各号の一に掲げる場合においては、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、区間を定めて、道路の通行を禁止し、又は制限することができる。」というふうにございまして、「道路の破損、欠壊その他の事由に因り交通が危険であると認められる場合」、これは道路の構造的要因でございます。それから「二 道路に関する工事のためやむを得ないと認められる場合」、こういう二つの場合が書いてございまして、その他の場合には警察の交通規制権の発動があるというふうに理解しております。
○喜屋武眞榮君 この県道百四号線の封鎖はいまおっしゃった立場ではなく、いわゆるアメリカが軍事演習をするために封じてきておるわけなんですね。しかも、その封ずる場合の手続もきちんととられておらぬと私は理解いたしております。とるべき、ちゃんと筋道を通してきちんととられておらない。たとえばこの責任者の知事との協議あるいはその事後の通告、こういうものも責任者の知事と十分その連絡がとられておるかどうか、その点いかがでしょうか。
○説明員(加瀬正蔵君) ただいま御指摘の趣旨は、おそらく道路交通法の百十条の二第三項の規定に基づきます公安委員会からの事前の意見聴取あるいは緊急の場合の事後通知ということかと思いますが、本件についての詳細は私、報告を受けておりませんが、一般的には本土における事例等を見ますと、ある程度まとめて包括的な事前通知なり、あるいは緊急措置でやった場合に包括的な事後通知といいますか、そういうような処理が、件数が多い関係上なされておるというふうに聞いております。
○喜屋武眞榮君 とにかく私が強調したいことは、地位協定の立場からアメリカに提供する義務があると、こういうことで、いわゆる県民優先ではなく、軍事優先の立場から、県民の生活を、しかもその地域民の生活をいろいろの角度から非常に被害を与えております。具体的に申し上げられませんが、時間もありませんから。そういう犠牲を強いながらアメリカには優先的に提供しておる。しかも、手続も不備のままにとっておるというこのことは何としても許せないと私は思うんです。このことについて、そこから派生する、そのような無謀な封鎖をして、それで県民も地域もばかじゃありませんから、無謀なことに対しては、いろいろ手をかえ品をかえてそれを正そうとする、封鎖はやめてくれ、あるいはその軍事演習は危険だから、このように被害を与えておるからということで、直接のその被害者の、その地域の人人はもちろんでありますが、特に平和を願う沖繩県民の立場から原水協がある。この原水協が幾ら要望しても聞かぬならこれは実力行使する以外にはない。こういうことで座り込みを始める。それにエスカレートして県労協が力を加える。それにエスカレートして本土の労働者の組織の総評がさらに支援する。これはもっともだと私は思うんです。しかも、政治的立場からは、知事は再度この中止を政府にも、あるいは直接軍にも訴えておる。県議会でも超党派で決議しておる。新聞、世論も紙面を挙げて訴えておる。市町村議会もこの演習中止を訴えておる、決議しておる。このような世論がこの県道封鎖による軍事演習に対して強い抵抗があるわけなんです。そういう抵抗の中で、法務大臣にお聞きいたしたいことは、一般の警察権を行使する場合に外国軍隊の兵器を利用することができるのであるかどうか、またしていいもんであるかどうか、そのことに対する御見解を法務大臣にお伺いしたい。――内容おわかりですか。
○国務大臣(稻葉修君) ちょっとわからないですね、外国の兵器云々ということは……。
○喜屋武眞榮君 それじゃ申し上げます。 射撃演習をアメリカ軍がやる、もう幾らいろいろの立場から理由を述べて、それを中止してくれと。中止せぬもんだから、その演習着弾地の付近に、いま挙げました原水協を中心とした沖繩の労働者の方も県民も一緒になってその着弾地周辺にすわり込みをしておる。それで一応演習は阻止しておる。ところがそれに対して警察権力がアメリカのヘリコプターをもって、アメリカのヘリコプターに、いわゆるアメリカの兵器を利用して国民を弾圧しておる、こういう実情なんです。それを一体日本の警察がアメリカの兵器を利用して国民のそういった立場から取り締まるということをやっていいのであるかどうか、いかがでしょう、法的に。
○国務大臣(稻葉修君) これ、根本的にはこの演習を、県道も含まれているんだし、封鎖など余りやってもらいたくないのはもっともですが、日本とアメリカとの間に日米安全保障条約があり、行政協定があり、地位協定がある。それによって日本全体の自衛隊の足らざる安全保障力を補強している。それによって日本国民が安全感をいま持っているという日本の地位として、演習を権利として阻止するという権利はないです。そうでしょう。そうしてそういう駐留米軍が防衛の問題に責任を持っている以上、練習する、けいこしなければあなたしょうがないもん。そのけいこしちゃいかぬというふうにとめるわけには日本はまいらぬと思うんです。したがって、向こうは一生懸命に万一のときに日本を守る義務がありますから、そのために演習をするということについては協力をすべき日本は立場にあると、それを阻止する立場にはない。したがって、それを阻止するために着弾のところに座り込んだりしたら演習できませんから、そうすれば日本の安全保障にも非常にかかわり合いを持ってくるわけでありますから、それに対してそんなところに座り込んでおっちゃ困るという協力を警察がして、その協力に対して米軍はヘリコプターを貸すぐらいのことはやむを得ぬと私は思いますな。
○喜屋武眞榮君 いま重大な御発言をなさいましたが、日本の警察が日本の警察の機動力を利用してそれをやるという――やっていいかどうかということ、これまた別問題として、アメリカの兵器を利用して日本の警察がやっていいんですか。もしありましたら、法的にどういう方法で……。
○国務大臣(稻葉修君) ちょっとその辺の法的な答えになると専門的になりますので、これは警察権はどういうふうになっているか、警察庁でひとつ答弁してもらいたいと思います。
○喜屋武眞榮君 日本の警察がアメリカのヘリコプターに乗って行動したということなんです。これは事重大です。
○説明員(深田宏君) ただいまの法務大臣からの御答弁に関連してこれは警察庁とおっしゃいましたけれども、警察庁の方がおいでにならないようでございますので、私どもの理解していることを一言だけごく簡単に申し述べさしていただきたいと思いますが、先般米軍ヘリコプター二機にわが方の警察当局の方が便乗されたわけでございますが、この便乗されたと申しますのは、その基本的な目的は、先生御指摘になりましたように着弾地点に入っていた人々の安全と申しますか、そういう人たちのところに弾が飛んでいってはこれは大変な事態になるわけでございますから、そういう不測の事態を避けるために緊急の措置として米軍のヘリコプターに便乗されたということであると理解しております。
○喜屋武眞榮君 時間参りましたのでお約束どおり終わりたいと思いますが、ぜひこの問題は私、日を改めてまた掘り下げていきたいと思います。一応重大な問題が沖繩にあるということを御理解願い、さきの例の狙撃事件と今度、演習問題ですね、これがなお尾を引いておりますので、これで解決されておりませんので、ひとつ念頭に置かれて、よろしくお願いいたしたいと思います。
○主査(八木一郎君) 他に御発言もなければ、皇室費、裁判所及び法務省所管に対する質疑は終了いたしました。 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十三分開会
○主査(八木一郎君) ただいまから予算委員会第 一分科会を再開いたします。 昭和五十年度予算中国会所管を議題といたします。 国会の説明はこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○野田哲君 私は、まず参議院の事務総長あるいは次長、関係者の方にお伺いいたしたいと思いますが、参議院改革という問題が参議院の運営改善のために議論をされています。昨年の分科会でも、先日亡くなりました同僚の須原議員が、この参議院改革を国民のための参議院の改革という観点からとらえて幾つかの問題の指摘なり提起を行っております。事務総長も同様の見地からの検討を約されておりますけれども、その後具体的にこの参議院改革に対応した事務局の改革という問題についてどう取り組んでこられているか。問題提起されておる形として、委員会の議事録を広く国民の皆さんに知っていただくための市販をするというような問題、あるいは国会活動全体のPR、広報活動、あるいはまた請願の手続の改善、あるいはその国民に対する周知徹底方、こういう問題が提起をされておるわけでありますけれども、こういう課題について事務局として現在までどういう措置を講じてこられたのか、あるいは今後どう考えておられるか。もちろん、参議院の改革全体の問題は、参議院を構成する政党なりあるいは議員自身の問題でありますが、同時にまた国民の皆さんによくわかっていただく政治を進めていく、そういう立場に立っての国会、参議院のあり方、こういう点について、まず事務総長あるいは関係者の方がどうお考えになっておるかお伺いしたいと思います。
○事務総長(岸田實君) 議長さんが前々から提唱しております参議院改革につきましては、ただいま先生が仰せのとおり、主として本会議なり委員会なりの運営の問題についていろいろ改革をすべきであるという御提唱があるわけでございます。 事務局といたしましては、この参議院改革に対して、これに即応するのにいかなる問題を取り上げなければならないかという点につきましては、まず第一に考えられますことは、参議院を改革いたしまして議長さんの言われる慎重審議を徹底させるというたてまえから申しますと、その議員活動を補佐すべき陣容を整えなければならない、ことに調査室の充実ということが当面の重大な課題であると思います。この点につきましては、数年前から年々努力してまいっておるところでございますが、本年におきましても、予算要求におきまして新規の増員の要求をいたしたりして努力してまいったところでございますが、結果におきましては、純増は、現在の予算・財政事情からなかなか困難であって、現員の部内の調整ということで、若干の人数をふやすことができたわけでございます。 その次は、主権者である国民に対して開かれた国会にすべきではないかという須原先生の御提唱、これは議長さんの御意向でもございます。この点につきましては、すでに、たとえば傍聴人に対するお取り扱いにつきまして、施設の改善をするとか、あるいは傍聴人休憩所を増設・整備するというようなことをいたしましたり、また傍聴人控え室に傍聴するのに必要な各種の資料を展示いたしまして、たとえば、立法の筋道がどういうふうになるのかという図表を掲げましたり、その日の議事の議事予定表、あるいは議員の議席表等を展示したりいたしております。また、傍聴人がちょっと筆記をしたいということに応じて筆記具を取りそろえたり、その他いろいろの傍聴人の便宜を図るような改善をいたしてまいっております。これを年々改善を進めてきておるわけでございます。 また、国会の審議を国民に周知させるという意味から申しますと、何と申しましても、今日ではテレビ及び新聞報道を通じて日々の国会審議を素早く国民に周知せしめることが最も必要なことであるということで、このテレビ及び報道機関に対しまする便宜供与ということに特に留意をいたしまして、資料の提供でありますとか、あるいは照会に対する回答であるとかという点をいま一生懸命やっておるわけでございます。 なお、録音、録画、撮影等の際の許可手続につきましても特に簡素化いたしまして、迅速にそういうことが実施できるように進めておるわけでございます。 また、参観人に対しまする「国会案内」、これはもう昨年も須原先生にもお答えいたしましたが、「国会案内」を大体年二十万部――二、三十万部になると思いますが、お渡しいたしまして、寄贈いたしまして、ごく概略的な国会のあり方を御理解願うということを進めておりまして、また、その内容につきましても、先年の須原先生の指示もありまして、請願等の取り扱いにつきましての基準もそれにつげ加えたりいたして、請願の取り扱い手続等を周知徹底せしめる一助にいたしたいということで改善を加えてまいっております。 それから、都道府県の図書館に対しまして、委員会会議録、これは昭和四十七年から実施いたしておりますが、これを引き続いて無償で供与するということを続けてやっております。これは国会の審議が地方の都道府県図書館に参りますということは、相当に広く国民に周知させる一つの大きな働きをするのではないかというふうに考えております。また、参議院の一種の外郭団体でございますが、参友会から全国の高等学校、特殊学校に、「わたしたちの国会」という小冊子をつくりまして、大体における国会の組織、運営の実情がわかるようなものを年々贈っておるわけでございますが、ことしで大体全国の高等学校、特殊学校に全部行き渡ることになるのではないか、年々六、七千部の小冊子をつくりまして、これを贈っておるわけでございます。 そのほか調査室で、隔月に「立法と調査」というそのときどきの時事問題について要約した記述をまとめておりますものをつくっておりますが、これも広くあれするわけにもいきませんが、たとえば、都道府県であるとかいろいろの大学であるとか、そういう非常に関心の強いところには無償で提供するというようなことで、国会のそのときどきの大きな問題を周知させる一つの働きをさしていると、こういうようなことでまいっております。 請願の取り扱いにつきましては、議院運営委員会で請願の処理についての改善を御検討中でございまして、各会派からいろいろ御意見が出ておりますが、その方針が決定いたしましたならば直ちに対応できるような気持ちで準備はいたしております。できるだけ請願の審査及びこれを国民に対するサービスという点につきましては、今後とも手落ちのないように進めてまいりたい、このようなことをいままでやっておるわけでございますが、調査室の充実ということは、非常に各先生から強く伺っておることでございますが、なかなか増員ということが、予算の要求の際に、現在のような財政事情でございますので実現できない。今日の状況ではまだ不十分であると私も考えておりますことはもちろんでございますが、今後ともこの点につきましてはさらに努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○野田哲君 いま事務総長からるる説明があったわけでございますけれども、参議院改革という問題については、委員会ですでに自由討議制という討議の改善措置が三月十四日には決算委員会でとられておりますし、あるいはまた文教委員会でも先日行われたわけです。こういう経過もあります。徐々にいままでと異なった審議方法も試みられております。参議院の参議院問題懇談会の答申が実現の一つの緒についた、こういうふうにも言えるんじゃないかと思うんですが、審議自体のそのような改善の具体的な緒についたこととあわせて、御承知のように、昨年の七月の選挙の結果、多党化という傾向がますます顕著になってきておおります。そういたしますと、いままでの審議の態様なりあるいは委員会の構成にもそれぞれ変化か生じてきております。それに加えて先ほど申し上げました自由討議制を導入する、こういうことになってまいりますと、あわせて最近の傾向として、私も幾つか資料を調査してみましたけれども、議員立法が非常に増加する傾向にある、あるいは請願受付件数も漸次増加をしてきております。そういうふうにそれぞれ各方面で変貌しようとしておるわけでありますから、これは国政審議の充実、拡充、あるいは国民に対して開かれた参議院という立場から非常に結構なことだと思うんですけれども、そのためには当然、この活動に並行して、これを補佐する事務局の機能の強化、これが並行して進められなければならないし、そのことが今後の参議院の改革に大きなウエートを持ってくると思うんです。そういう立場に立って考えてみますと、いま事務総長としては、機構なり組織の面において、調査室の強化あるいは人員の増加という問題についても考えてきたけれども、純粋な増加ということは実現し得なかったので部内の操作によって調査室の増加を、拡充をはかっていく、こういう御説明があったわけでありますけれども、それだけではこれは万全を期し得られないと思うんです。あくまでもこれは暫定措置だと思うんです。今後の問題になってくるのは、やはり昨年のこの分科会の記録を読みましても、事務総長も事務局の陣容の整備、特に人員増、こういう点について認められておりますし、現在の陣容で一体いいのかどうか。私の調べたところでは、現在職員の方が昨年の七月から今日まで数名、平均四十八歳ぐらいで亡くなられておる。こういう状態、さらにここ数年来の死亡という状態を見ても、千三百人ぐらいの陣容では、私も長年サラリーマンの経験を持っておりますけれども、少しやはり最近のこの状態というのは異常ではないか、こういうふうに見ているわけなんです。そういう面からも、やはり人員の増強という問題については、これは今後さらに検討していかなければならない問題ではないか、こういうふうに考えます。 さらに、あわせて、今年は新しい新庁舎が完成をする、こういうこともあります。この要員として五名程度のことを新規増として見込んでおられるようでありますけれども、果たしてそれで一体十分な万全の措置がとり得られるのかどうか。全体としてやはり業務量が増大をするということになると、部内操作というものにもおのずから限界があるのだろうと思うのです。当初予算の予算要求の段階で二十九名の人員要求を行われたそうでありますけれども、実質的にはこれが実現をしていない。そうして、先ほど調査室へ五名他から振りかえる、こういう部内操作を行われたようでありますけれども、部内操作はもう限界にあるのじゃないか、こういうふうにも考えるわけです。そういう点から、今後の事務局体制というものについてさらに検討を加えなければならないのじゃないか、こういうふうに考えるのでありますが、予算で二十九名の増員を要求されたことについては経過として私も聞いておりますけれども、それが実現をしなかった段階で今後一体どういうふうにお考えになっておられるか、それを聞きたいと思います。
○事務総長(岸田實君) だんだん参議院の議員活動が活発化してくる状況でございますので、それに即応する体制をとらなければならないということは当然でございまして、私も現在の参議院の陣容で将来にわたって十分であるということはとうてい申し上げることはできないと思います。何らかの増員をしなければ今後十分に事務局の使命を達成することはできないのではないかというふうに考えておりますが、なお、さらに部内の内部の適正配置等につきましても一層きめ細かく検討を加えまして、全体の機能が充実するようにはいたしますが、しかし、それは限度がございますので、ことしは不十分な増員で終わりましたけれども、さらに引き続いて極力増員を予算上獲得したければならないというふうに考えておる次第でございます。 それから、最近職員が四十九年度に四名亡くなられまして、在職者に対する死亡者の比率は〇.三%ですか何かになって、一般の行政機関の平均の死亡率よりも高くなっておりますことは非常に遺憾に存じます。これは最近の四、五年の統計をとってみましてもずっと死亡率は少なかったわけでございますが、去年になって急に四名死亡されましたためにそういうことになったので、全体の平均といたしましたならば、まだ一般の平均よりは死亡率は少ないということが申せますけれども、そういうことがございましたので、職員の健康管理につきましては一層各種の健康診断等も実行いたしまして万遺漏のないように努めてまいりたい。労働の過重にならないように、その点は一層配慮していかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○野田哲君 人員の増ということが実現をできなかった。しかし業務量は漸次増大をしている。そういう中で調査室の拡充あるいは新庁舎の完成、こういうことになってまいりますと、当然部内で操作をしていく、こういう問題が起きてくると思うんです。部内を操作をするということになりますと、当然全体の業務量がふえておるわけでありますから、それぞれ差しさわりが、一波が万波を呼ぶというような形で影響が出てくると思うので、そういう点では部内の十分意思の疎通を図るという意味で、事務局の職員の方々、職員団体もあることでありますから、組合とも十分話し合いをし、意思の疎通を図って、後で派生的なトラブルが残っていかないようなそういう万全の措置を講ずべきではないかと思いますが、その点はいかかですか。
○事務総長(岸田實君) 職員組合との間におきましては、私はかねがね、こういう一つの職場で長く一緒に仕事をしていくようなところでございまして、外部との人事交流があるというわけでもない、こういう職場でございますから、ことさらにいろいろの問題につきまして職員組合とよく意見を交換して、話し合いで納得の上でいろいろ実行していくということで従来も努めておりますが、今後も、ただいま仰せになりました事柄につきましても組合の方の意見も十分に徴した上で案を立ててまいりたいというふうに考えております。
○野田哲君 大蔵省の給与課、見えておりますか。主計官……。大蔵省の方に伺いますが、御承知のように、三カ年計画によって公務員の定員削減計画が現在進められているわけでありますが、普通の一般の各省庁のように非常に多人数の、しかも全国的に機構を持った形の中での三%の削減という扱いと、参議院の事務局のように千三百人程度のところの三%の削減ということになってまいりますと、おのずから比重が非常に変わってくると思うのです。そういう点で、参議院の事務局についても、大蔵省としては一般の省庁の公務員の削減計画と同様な立場に立って予算の決定に当たっておられるのかどうか、そのところを伺いたいと思います。
○説明員(藤井裕久君) 大蔵省といたしましては参議院の事務局の御事情については十分理解をしておるつもりでございます。したがいまして、五十年度の定員の問題につきましても、これは行政管理庁と関係なく、大蔵省と参議院の御当局といろいろ御相談をしたわけでございますが、御指摘のように純増で五名の増ということになっております。これはいま御指摘の行政部内における第三次定員削減計画、これは院の方にはお願いをするたてまえになっておりません。私どもといたしましては、行政府としてはこういうことになっておりますがということだけを御連絡してありまして、まあ、院におかれまして自発的に御協力をいただいたというようなたてまえになっております。
○野田哲君 重ねて大蔵省の方に伺いますけれども、五名の増員というのは、これは現在建築中のあれだけの新庁舎ができるんですから、これは当然だと思うんですよ。五名で果たしてあの建物が維持管理できるのかといえば、五名では十分ではないと思うんです。で、この五名はそういう経過であるというふうに思いますので、まあ、昨年の分科会でも大蔵省の主計官は、今後よく相談をしたい、こういうふうに答えておられると思うんです。 〔主査退席、副主査着席〕 そういう点で、現段階ではともかくとして、今後大蔵省としては、先ほど来申し上げておるような参議院の構成あるいは運営が大きく変わってきている、そういう状態の中でどういうふうにお考えになっているか伺いたいと思います。
○説明員(藤井裕久君) ただいまおっしゃいました庁舎の関係は五名というお話でございましたが、七名実は増員しておりまして、そのうち二名が、おっしゃる振りかえになっております。したがいまして、純増は五名ということは御指摘のとおりでございます。先ほども申し上げましたように、院の御実情については、私ども十分理解しておるつもりでございますので、今後五十一年度以降の問題につきましても、院の方と十分御相談をいたしまして、御指摘のような特殊性なども十分勘案してまいりたいと思っております。
○野田哲君 では次に、この人員の問題とあわせて事務局が十分にその機能を発揮していくためには、やはり職員の皆さん方が積極的に日常業務に参加をしていただくための待遇の改善という問題、これを抜きにしては考えられないと思います。あるいはまた職場の環境の改善によってその士気を高めていく、能力を向上させていく、こういう点が不可欠の条件になってくると思うんです。で、その点でまず一つは、先ほど事務総長からも健康管理を今後十分やっていきたい、こういうお話がありましたけれども、一番中堅の役割りを果たしておられる四十歳代の方が一年間に数名も亡くなられる、こういう点はやはり非常に異常な問題であると思います。やはりそこには日常の業務量の増加による過労あるいは健康管理の問題、特に国会開会中ということでもあれば病身を押して勤務にずうっとつかれたという、休養できないということが一つはやはり原因になっているんではないかと思うんです。そういう点から今後健康管理の面、特に予防的な意味の、事前にチェックをしていくと、こういう点が非常に重要だと思うわけであります。そういう点で職員の診療所の拡充あるいは診療科目の拡大、医療機器の面での整備、こういう点についてさらに事務局としてこの改善措置について検討を加え、工夫をしていかなければならないんじゃないか、こういうふうに考えますが、その点についてはいかがですか。
○事務総長(岸田實君) 職員の処遇の改善につきましては、私もかねがねなかなか増員が容易に認められないような状況でもありますしいたしますので、最重点に考えておるわけでございます。それで年々の等級別定数の要求につきましてもその点を最重点にして大蔵省と折衝いたしておりまして、大蔵省のほうでも国会の特殊事情を十分に御了解くださって、比較的各省に比べましても有利な定数を獲得しておるわけです。そういたしまして、職員がとにかく定数がないために昇給昇格がおくれるということのないようにするということにまあ力を入れておるわけでございます。今後ともその点につきましては一層努力をいたしていきたいというふうに考えているわけでございます。 それから職員の健康管理につきましては、私どもは常々健康管理については相当に努力いたしておるつもりでございます。それで各種の単なる医療業務だけでなしに、健康管理の健康診断につきましても組合とも十分に話し合い、組合の要求する健康診断等につきましてもできるだけそれを取り入れて年々いろいろのものを実施いたしておるわけでございます。呼吸器、結核、肺がん等の早期発見のためのレントゲン、こういうことはもう当然でございますし、循環器系の検査として各種の検査をいたしておりましたり、あるいは胃のレントゲン検査、それから腎臓、肝臓、膵臓等に対する検査というようなこともやり、また、最近は貧血検査であるとか、整形関係の検査等も実施いたしたりいたしておりまして、今後ともいろいろの検査をやっていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、診療所は今度新庁舎ができますと、この新庁舎の中に相当に従来の診療所に比べまして改善されたりっぱなものをつくってまいりたいと、その際にも予算の許す限り新しい医療器具、機械等も整備してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○野田哲君 この問題につきましては、いま新庁舎の発足と同時に相当改善するというふうに言われたわけですけれども、私が伺うところによると、衆議院の速記の関係の方の中には頸肩腕障害というようないわゆる公務災害がすでに具体的にあらわれているという状態も聞いております。幸いまだ参議院ではその状態はないそうでありますけれども、これがやはり自覚的に表にあらわれるということは相当進行しておる段階ですから、そのような状態になる前に必要な措置を講じていく。あるいはまた私の伺ったところでは、委員会なり本会議が深夜にわたって、通勤の方、遠隔地で電車がなくなるとか、あるいは春闘で交通機関がとまると、こういうような状態になったときには、みんな職員の方は床の上ですか、テーブルの上ですか、普通の館内の会議室等の机の上や床の上に寝て明くる日に備えられると、こういうような措置も年に何回かとっておられるというふうに伺っておるわけでありますが、こういう点等につきましてもやはり将来何らかの改善措置を加えていかれるべきではないかと、こういうふうに思うわけです。 そこで待遇の問題について、次にもう一つは、いわゆる行(二)という問題についてどう考えているか、この問題に触れて考え方をお伺いしたいと思うんです。この問題につきましては、行政(二)表という問題は国会ではこれは廃止をしていく方向ですでに衆議院、参議院、図書館、それぞれの当局が認めておられて、四十一年から行政(二)表適用者を漸次行政(一)表の方へ移行をする、こういう方向で進められていたものが、四十八年から衆議院なりあるいは図書館ではすでに中止をしておる、こういう形で、すでに確認をされていた問題がストップになっている、こういうふうに聞いているわけですが、私、先日人事課長の話も承ったわけでありますけれども、中止にした理由としては、中途採用者の格づけや初任給の方で行(二)の適用の方が有利だというような理由を伺いました。しかし、これは制度としては初めからわかっていることでありまして、一時的にそうだからといって、将来的な問題、継続的な問題にストップをかけるという点では、これはやはり問題があるんじゃないか。特に計画的に進められていたものを途中で中止をするということになれば、すでに行(一)の方へ移行した人と、中止になってストップをかけられた人とでは、やはり公平の原則という点から見ても、公務員の公平の原則というたてまえからいっても問題があるんじゃないか、こういうふうに思っております。やはり職員の方の意欲という問題、一遍約束したものが途中でほごにされるということでは問題が起きると、こういうふうに思うわけです。したがって、これはやはり従来どおりの方向で計画を持って進められていたものを継続をして進められていくし、また三機関それぞれ同一でなければならないということであれば、衆議院、図書館、それぞれ同一歩調でこの問題を処理されていく、こういう姿勢をとるべきではないか、こういうふうに考えるわけです。まず、その点について参議院の方ではどう考えておられますか。
○事務総長(岸田實君) この問題は非常に長い経過をたどった問題でございまして、衆議院の方で数年前に一応このあたりでこの問題は中止するという議院運営委員会の御決定があったわけでございますが、その趣旨は、途中でやめるというようなお気持ちではないのであって、行(二)撤廃ということで従来行(二)職員の行(一)移行の道をつくってまいりまして、大多数の行(二)の定数が行(一)の定数に切り変わったわけでございますから、それで一応行(二)職員が行(一)に移っていくことは必ずできると、ほぼその目的を達したのであるということで、このあたりで中止するということになったわけでございます。行(二)職員に一定年数勤めまして必ず行(一)に移行できるわけでございますから、その意味で、いわゆる行(二)を行(一)に移していくという目的はほぼ達せられたというお考えで、そして若干の用員を中心にする行(二)定数というものは残しておいて、そして初任給加算の有利性等を十分にそれを取り入れて採用する、そして一定年数がたてば行(一)に移していくということで職員の処遇改善の道が開けていくんであるというお考えだと思います。したがいまして、ただいまおっしゃいましたように、途中でこれを中止したために行(一)に移ることができない職員ができるというようなことは、衆議院でもお考えになっていらっしゃらないというふうに私は思うんでございます。それから、そういうことで参議院でも、衆議院でそういう御方針をお立てになりましたりしましたし、同じ国会職員でこういう問題について扱いを分けるということはやっぱり適当でございませんので、衆議院でそういう御決定がありましたことを参議院の庶務小委員会に御報告いたしまして、参議院としての方針を御決定願うようにお願いしたわけでございますが、参議院の庶務小委員会では、実際的にはそうであるかもしれないけれども、せっかく行(二)撤廃ということで進んできたのであるから、引き続いてこれは撤廃で貫いていくべきであるということが庶務小委員会の大方の御意見でございまして、それで今日まで数年間、参議院だけがこの全廃の要求をする、衆議院、図書館は全体の撤廃の要求はしないという形で予算要求をしてきたわけでございます。そういたしますと、やっぱり大蔵省の方といたしましても衆参両院で別々の扱いを予算上やるということは非常に立場上困難なようで、私ども政務次官等に予算要求の際は最後までお願いしてまいってきたわけでございますが、全体の撤廃ということはなかなか受け入れられないということで今日に至っているわけでございます。ただ、振りかえの関係で、増員をするかわりに若干の減員をするという扱いのときに、行(二)の定数を減らして行(一)の職員の増員に充てるというような扱いで、参議院では年々定数を減らしてまいっております。これはちょっと変則なことではございますけれども、なるべく行(二)定数を減らすという方向で歩みを続けておるというわけでございますが、ことしは衆議院それから図書館とも、一度中止しておりました行(二)の定数を減らして行(一)の定数に振りかえるということをやっておられますので、いままでよりは参議院との間に扱い方が少し接近したということが言えるわけでございますが、しかし、全廃をするということは、衆議院の方では議院運営委員会で一応中止しておりますから、それを改めるというお考えは現在のところないようでございます。そういう状況でございます。
○野田哲君 衆議院の方、いらっしゃいますか。
○衆議院参事(星野秀夫君) 衆議院におきましては三十九年度以降計画的に行(二)移行措置をとってまいりましたが、当時は三百六十五人の行(二)定員がございましたが、年々移行を図りまして、昭和四十七年度に行(二)定員を一応六十人ということにいたしました。われわれといたしましてはこれら職員の採用時の有利性等を勘案いたしまして、また職務の必要性からこの程度の人員は確保したいということで、その当時六十人で一応移行を打ち切ることといたしたわけでございますが、それ以後、事務の合理化とか事務機器の導入であるとか等、施設のあるいは統廃合等によりまして、さらに定員の振りかえ等も行いまして、昭和五十年度では一応定員を四十八人、こういうことにいたしております。
○野田哲君 図書館の方はどういうお考えですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 行(二)の廃止につきましてはただいま参議院の事務総長から詳しくお述べになられましたが、趣旨は図書館といえどもそのとおりでございまして、ただ、図書館といたしましては、四十七、八、九、三年度にわたりまして、現状維持でありまして、減員の要求は出しておりません。その趣旨は、ただいま先生がお述べになりました初任給の有利性あるいは中高年の現場職員の採用に非常に有利な制度であるというような種々の理由によりまして、行(二)の制度を全廃せずに置いておった方がいいのではないかというようなことでありますが、さて、その人員を何名置いておったらいいかというようなことは、別に科学的な基礎もあるわけではございませんので、まあ十二、三名という程度でいまおるわけでございますが、七十六名の移行を認められまして、いま現在は十一名でございます。いま参議院の総長が申し上げたとおり、振りかえ等によりまして一、二名ずつ減員しているような情勢でございますので、趣旨としては、大蔵省関係もございますので、現状維持、事の推移を見るという図書館の方針であるわけでございます。
○野田哲君 大蔵省の方はこの問題、どう考えておられますか。
○説明員(藤井裕久君) ただいま参議院の事務総長からもお話しございましたように、私どもといたしましては、参議院初め衆議院、国会図書館、それらのバランスを考慮しながら考えていかなければならないというようなことでございますので、バランスのとれる範囲内において実情に合うような措置を講じていきたい、かように考えております。
○野田哲君 そういたしますと、大蔵省の主計官に伺いますが、衆参それから図書館、三者がバランスをとってこの問題を進めていくということであれば、それによって大蔵省としても考えていくと、こういうふうに理解をしていいわけですか。
○説明員(藤井裕久君) これにつきましては、なお検討いたさなければならぬと思いますが、業務の内容とかいうようなことも考えなければならぬと思いますので、直ちに全廃ということをただいま申し上げるわけにはまいらぬと思います。
○野田哲君 重ねて事務総長に伺いますが、そういたしますと、衆議院、図書館とも大体参議院のやっている方向に同調していくような措置がとられるようになったということでありますから、結論としては、制度としていま全廃ということにはならないけれども、漸次移行を続けていくと、こういうふうに解していいわけですか。
○事務総長(岸田實君) 行(一)移行をやっておりましたときの移行という形でなしに、いま私たちがやっておりますのは、他の部署に増員を必要とする場合に、行(二)の定数を減らしましてそして行(一)の定数増加に充てると、いわゆる増減見合いの扱いとして減らすということで大蔵省に交渉をして、年々若干名ずつ減らしておるというのが現況でございます。従来は、はっきり行(二)の職員を行(一)の技術職員に移すということで直接的に移していっておったわけでございますが、そういうことは最近ではやっておらない、認められておらない、こういうことでございます。しかし、いずれにいたしましても、まあ、行(二)の定数を減らし行(一)の定数をふやせば、内部の定数の流用関係もある程度は認められますから、行(一)として運用する道が広くなるという利点がございますので、そういうことでやっておるわけでございます。
○野田哲君 その場合に、やはり技術職という形で一定の枠を設けて運用をしておられるんですね。これは移行しても、やはり実質的には中二階のようなことになってしまって、余り将来的に長い目で見たときには意味がないと思うんです。形式的なことに終わってしまうと思うんですね。ですから、そういう点等をも含めて、やはり今後行(一)へ移行することと、移行後の技術職員の昇格基準、こういう点についてやはり検討を加えていく必要があるのではないかと思うのです。いままで何回もこれは、私は初めてですが、分科会でもそれぞれ議論をされて、衆議院と参議院と図書館、一致すればやっていくというような方向で検討をされておるというふうに聞いているわけです。そういう点も含めて、これはやはり今後もっと真剣な検討を加えられて、それぞれ関係の職員団体、組合もあることでありますから、そこの意向についても十分くみ取った上での措置を今後検討されることを要望しておきたいと思います。 特に技術職、自動車の運転手さんの問題ですが、やはり徐々にではあるが定数化されてきておりまして、五十年度では参議院では四ですか、合計七、こういうことになっているというふうに聞いておるわけですけれども、やはり四等級の場合には、七割以上が係長でグレード・ダウンという問題に突き当たっているように聞いておるわけです。そういう点で、自動車の運転手の場合には、やはり相当な経験それから資格、こういう条件を付されておりますし、私ども議員が仕事の上では対象で、非常に心理的にも負担が多いと思うんです。そういう点から、やはりこの問題について、今後特に改善措置について検討を加えていかれるべきじゃないか、こういうふうに思うのです。事務総長の方では、この前の分科会で、四等級定数の拡大、こういう点と、それから三等級への昇格、こういう点について検討課題というふうに答えられたんだというふうに伺っておるわけです。これは衆議院の方ですね、衆議院で。だから参議院でも同様のことについて検討を加えていただきたい、こういうふうに思います。
○事務総長(岸田實君) 行(一)に移行しまして技術職員になった後のいまの等級別定数の問題につきましては、行(一)に移行させまして、一つも何も得るところがなかったというのでは、何のためにやったのかわからないわけですから、そこで行(一)に移行いたしました後の処遇につきまして、少なくともワンランク・アップはすべきである、それほどの仕事の重要性があるんであるという認定のもとに、年々この自動車の運転手につきましては、四等級の定数の獲得、あるいは用員につきましては行(一)の六等級の定数を得るということについて努力してまいったわけでございます。ようやくにいたしまして一昨年に、暫定ではございますが、自動車の四等が認められ、昨年三名認められ、ことしに四名認められるということで、四等級の定数が開けてきたわけでございまして、現在の運転手の五等級に在職している職員の分布状況等から見まして、今後ともこの四等級の定数というものを広げていくことに努力いたしていきたい、そして少なくとも行(一)に移行いたしました意味があるようにして、気持よく働いていただきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。三等級までいまの技術職員を上げるということにつきましては、まだそこまでは私たちは考えておりません。さしあたってはワンランク・アップのところで努力をいたしたいというふうに考えております。
○野田哲君 いま自動車の運転手さんのことを申し上げましたが、その他のやはり労務職員の場合にもこれは通ずる問題もあると思いますので、それぞれあわせて、四月というわけにはまいらないと思うのですが、次の七月昇給期、これが一つの節になると思いますので、関係団体と十分協議されて善処方を要望しておきたいと思います。 それから次に、職員の問題としては速記、議警、こういう問題があるわけですが、この速記職、議警職が三十二年に別表になって、その後当局の方では事あるごとに行(一)、行(二)、速記、議警、この四表間の均衡ということを主張されておるように聞いてるわけですが、しかし、実際問題としては行(一)のワンランク・アップということをはっきり言えると思います。そういたしますと、均衡、給料表の上の手直しでかりにやったといたしましても、スムースな昇格がなされなければ、これは大して意味はないことになると思うんです。そういう点で速記職の一等級への有資格者が非常にふくそうしておる状態になっているというふうに聞いています。この問題はやはり一つは速記職をどういうふうに見ていくか、あるいはそのことはさらに突き詰めて言えば、会議録の取り扱いについての評価の問題、こういう問題につながってくると思うんです。今後さらにこの速記職は、審議が拡充をされ、会議録の重要性が一層強く要請される情勢にあると思うんです。そういう点から会議録の最終責任を実質的に負っている速記監督、この定数増が必要になってくるのではないのか、これを図っていかなければならないんじゃないかと思うんです。そういう点で、先ほど申し上げましたように、衆議院で頸肩腕症候群、こういう問題が、まだ参議院では起こっていないようでありますけれども、やはり今後この問題も十分な懸念を持って考えていかなければならないと思うんです。そういう点等も含めて、今後速記者の増員を図る、こういう点とあわせて速記職の改善、こういう点について衆議院の方でも先日の分科会で検討を約されたというふうに聞いておるわけでありますけれども、参議院の方でもこの速記職の問題について十分検討を加えられなければならないと思いますが、この点についての事務総長としてのお考えを承りたいと思います。
○事務総長(岸田實君) まず、速記職の定数の問題でございますが、現段階では、まあ、ピーク時には非常に忙しいこともございますが、大体年間を通じまして、ほぼ現在数で余り無理なくやっていってるんではないかというふうに思っております。しかし、今後だんだん審議が活発化してくる傾向もございますし、ことに、この国会などは相当に忙しい日があったようでございますが、いまのままの形でいいかと申しますと、衆議院では最近八名ばかりでしたか、正確に数字は覚えておりませんが、増員をいたしたりしておりまして、衆議院と参議院の速記職の定数に差か出てきております。そういう点も考慮に入れまして、来年度あるいは再来年度というふうに、年次的に若干ずつもう少しふやしていく必要があるのではないかというふうに考えております。それで、速記監督をふやすということも、まあ現在はほぼ皆さん一生懸命にやってくださって、まあまあやっていっておるわけでございますが、私といたしましては、将来この会議録の作成の日数をもう少し縮めたいと思っておるわけです。少し、やはり相当の日数がかかりますので、できるだけ早く会議録を作成して諸先生のところに配付いたしたいというふうにも考えておりますし、そういうふうにいたしますと、現在の速記監督の校閲業務の陣容が十分でないということにもなってまいりますので、速記職全体の定数と見合いながら、年々速記監督の定数もふやしていきたい。現場から速記監督に引き上げて現場を弱くすることもできませんから、全体の定数を少しずつふやして、そしてそれと見合う速記監督の増員を将来検討していきたいとこういうふうに考えておる次第でございます。 それから処遇の問題につきましては、あれは、一昨年速記職給料表の抜本改正をいたしまして相当に処遇の改善をいたしたわけでございます。したがいまして、現在の速記職の一等級は、行(一)の課長に近いところまで給料の表ができておるわけでございまして、いわば最近の行(一)における課長補佐等のランクアップの形を先取りしておると言ってもいいんではないかというふうに考えているわけでございます。ただし、こういうところでございまして、人事異動がそう頻繁にございませんから、速記監督の定数があかないというようなことで、副監督が長くそこに据え置かれておるというようなことになりますと、これもまた問題でございますので、副監督として長くあれして、給料の非常な上位のところまで号数が上がっておるというような方につきましては、暫定的に一等級に引き上げるという運用をいたしておりまして、そこで、全体としてそういうことのために不利にならぬようにという考慮は払っておるわけでございます。今後ともその点は大蔵省とも、十分に事情を申し上げて、運用の妙を発揮していきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○野田哲君 速記職とか、これから議警職の問題にもわたりますけれども、これは監督とか副監督とかいっても、これはやはり一定の年数をもって監督のポストがきちっと決まっておりますと、副監督を長くやっても、いま総長言われたように昇格できないと、こういうことで一つの等級に停滞をすると、こういうことになってくると思うんで、ほかの職種のように、行政職、一般の公務員のようにポストがたくさんあって、この異動によって昇格をしていく道があるというようなことではございませんので、この点はいま言われたように、やはり一定の年数を経過したときには昇格の道がとられるべきじゃないかというような点を特に御考慮願うように要望しておきたいと思うんです。 議警の問題につきましては、ここ二、三年来特別警備体制という、まあいろいろ神経過敏になるようなことも過去あったという関係からそういう体制をとられて、精神的に大変これは負担の多い勤務体制をとられておると思うんです。社会情勢についてもいろいろな背景があってやむを得ない面もあるかと思いますけれども、やはり心理的にも相当負担を強いられている、こういう面があるように思います。ただ、どのような事故が起きるか予測はできませんけれども、一般的に言えば、少し警備が過剰な面もあるのではないかというような気がしないでもないんですけれども、この警備体制、特に職員の方に非常に心理的な影響、負担をかける体制というものについては、今後やはり、昨年の分科会でも警務部長は検討しなければならないんじゃないかと、こういうふうなことを答えられている記録があるわけで、こういう点でやはり今後この問題検討を要するところだと思うんです。 で、給与の問題につきましては、やはり公安職とそれから行(一)との比較というたてまえになっておるようでありますけれども、やはり参議院における議警、速記、行(二)、行(二)、こういう四表間の均衡、こういう観点から言えば、やはり行(一)のワンランク・アップの措置に見合った措置をとるべきではないか、こういうふうに思うんです。これもやはり昨年の分科会でも同様のやりとりが行われたというふうに記録を読んだわけです。やはり行(一)の五等級に対応する議警の二等級、ここへ班長のまま昇格するには、暫定でしかも係長の肩書きがつかなければいけない、こういうふうになっています。しかし、行(一)で係長の四〇%程度が四等級、こうなっているわけです。つまり、議警表で言えば一等級へまでまたがる形で運用されているのが実態じゃないかと思うんです。従来運用で班長二等級へ昇格されているそうでありますけれども、その後の行(一)の係長の実態に見合った形で班長のまま二等級へ昇格させていくという意味からも、やはり本定化して予算上二等級の定数に班長を明記した形をとるべきではないだろうか、こういう点をひとつ見解を承りたいと思うんです。同時にまた、班長についても予算定数上本定員の副長として一等級昇格の道を開くべきときに来ているのではないか、こういうふうに考えるわけです。で、課長補佐は対応の行(一)の四等級から三等級、二等級へと上位等級化しつつある。課長補佐の八四%が二等級、三等級、こうなっていると思うんです。こういう実態を見ても、運用で議警職二等級の頭打ちを解消するというような、暫定措置という形ではなく、やはり予算定数上副長のまま一等級、班長のまま二等級へ昇格していける、こういう定数表に改めるべき段階に来ておるのではないか、こんなふうに考えるわけですけれども、この点はどういうふうにお考えになっていますか。
○事務総長(岸田實君) 議警職につきましては、その職務内容から申しまして非常に近いいわゆる政府の公安職給料表に準拠して、いわゆる執行職的な給与としてつくっておるわけでございます。しかも、その給料表の作成に当たりましては、国会の特殊事情を考慮いたしまして、特一、一、二、三等級の中位号俸から上にかけてかなり上積みをしておるわけです。国会の特殊事情を考慮に入れた給与体系をつくっておりまして、それで現実に行(一)の同一学歴の高校卒の人の実際の歩みと議警職の高校卒の方の歩みとを比較いたしますとかなり優位な状態で十年、十五年、二十年と続いておるわけです。したがって、給与の内容が、実証的に見ましても、行(一)の給料表に比べまして議警職の給料表は決して不利にはなっておらないというふうに私どもはそれを認めておるわけでございます。そういたしまして、一応執行職的に特一、一等は衛視長、二等は衛視副長、それから班長等というふうにしておりますが、しかし、その間にやはり経験年数が相当にたちました場合には、衛視副長でございますと課長補佐というあれをつけまして一段上のランクに昇格をさせる。それから班長につきましては係長という名前をつけて昇格をさせるということを、行(一)の最近の二等、三等、四等に課長補佐がまたがるようになる前からそういう扱いをしているわけです。それは執行職的に上のあれがふやすことができませんからそういう運用でやってきておりますので、これも最近の行(一)の給与改善的なことを議警職につきましては前にやっておるというふうに私どもは考えておるわけです。現段階におきましては、行(一)と比べまして決して不利にはなっておらない、むしろ私は有利であるというふうに判断いたしますが、今後とも行(一)の給料表の運用は動きますから、常に行(一)の給料表の動きとにらみ合わせながら、必要があればまた議警職の方にも考慮を加えていくというふうにいたしたいと、かように考えております。
○野田哲君 それから事務局で婦人の方の分野も相当広いわけですけれども、女子の昇任昇格等についても、最近五等級への昇格、四等級への昇任昇格、こういう点で前進を若干したように伺っておるわけですけれども、今後ともやはり男女間の格差の起きないように十分配慮をすべきではないかと、こういうふうに思います。特にあわせて昇任とか昇格とかの問題だけでなくて、婦人職員の場合の産前産後とか、育児の場合等の必要な措置についても、やはり実態に見合って十分な配慮を加えていただきたいことをお願いを申し上げます。 次に、労働時間短縮、週休二日制という問題についての見解を承りたいと思うんです。衆議院の方ではやはり分科会の中で、今度の通常国会終了段階から試行的に週休二日制という問題に踏み切っていくというような意味のお答えがあったというふうに伺っております。一般の公務員全体としても、先般の衆議院の内閣委員会で人事院の総裁が近々の間にこの施行の計画をつくって来年の一月もしくは四月、これが一つのめどになっているように伺っております。あるいはまた銀行法の改正によるところの金融機関の週休二日制、土曜休み、こういう点ももう近々実現をする方向でいま議論が進められ、準備が進められていると思います。そういう意味から、まあ、議会というところの実情から言って、開会中は議会の運営に並行した形の体制をとらなければならないので、この点はなかなか一概に言えない面があると思うんです。それだけに、やはりこの問題につきましては相当前もって計画をし、準備を進めておく必要があるし、それに相応するような内部体制を整えておく必要があると思うんです。で、そういう点等も含めて、まあ近々に迫った公務員全体の週休二日制等の問題もにらみながら、現段階でこの問題についてどういうふうにお考えになっているか伺いたいと思います。
○事務総長(岸田實君) 週休二日制につきましては昨年人事院から勧告がございまして、まあ、条件が整えば試行的に実施するということになっておりますので、その時点からわれわれといたしましては国会の週休二日制をどう取り扱うかということを内々検討をいたしてまいっておるところでございます。衆議院の事務総長が、今度の常会の後に、まあ閉会中に試験的に週休二日制を前向きで検討をしてみたいということを衆議院の予算分科会で御回答になっておられますが、実は事前にお話を伺っておりません。したがって、衆議院の事務局の方でどういうふうな構想でこの二日制をやってみるということになられておるのかはまだ私は承知いたしておりませんが、いずれにいたしましても、同じ国会職員でございますから、衆議院、参議院、図書館、もしやるなら同時にやることが望ましいと考えておる次第でございます。ただ、まあ、現在は非常にこういうむずかしい時期になっておりまして、 〔副主査退席、主査着席〕 議員活動もそれだけやはり動きが活発になっておると実は想像いたしておるわけでございますが、仮に閉会になりました場合でも、国会におきましては、たとえば専用自動車あるいは会館勤務職員、宿舎関係の職員あるいは調査室等々、直接議員の諸先生に奉仕する部署もございますので、それが果たして週休二日制を試験的にやるということによって支障がないかどうか、この点をまず十分に検討してみる必要があると思います。また、これをやるために一部の職員の労働強化になるということになってもこれは困りますので、交代制勤務などいろいろむずかしい部署もございますから、それらのところを十分に検討いたしますし、また組合関係の意見もよく聞きまして、そして議員に対するサービスに支障がないという確信が持てればこれは実施いたしたいというふうに考えておりますが、現段階でどうかということにつきましては、ちょっとまだ御回答いたしかねるわけでございまして、もう少し検討いたしたいと思います。
○野田哲君 まあ、現段階ではまだ具体的なことは言えないということだと思うのですが、そういう御回答ですけれども、たてまえとして、一般の国家公務員が実施する段階、おそらくその段階になるとまあ金融機関等も同時並行的に進められていくと思うのです。そういたしますと、まあ、社会情勢等もかなり変わってくると思うのです。そういう段階では、やはりいろいろやり方については、まあ、参議院の事務局という立場ですから、開会中と閉会中ということでは事情もかなり異なってくると思うので、やり方にはいろいろ工夫をしていかなければならないと思うのですが、たてまえとしては、やはりそれと並行して進めていくと、こういう考え方で当然あってしかるべきだと、こういうふうに思うのですが、その点、いかがですか。
○事務総長(岸田實君) 政府の各機関、いわゆる行政官庁が週休二日制を実施するという、全般的に実施するという段階に、国会だけこれを実施しないというのは私は適当でないと思うのです。ですから、少なくとも人事院が実施に踏み切ります段階には、私たちはそれにおくれないように準備を整えなけりゃならないというふうに考えておりますが、ただ、人事院がまだ実施に踏み切らない段階で、この国会の終わった後の閉会中に、私どもが先駆けてやることにつきましては、いま申しましたようないろいろの問題もございますので、そういうものを検討した上で最終的に決定いたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○野田哲君 まあこの問題、ここで幾らあれしても結論的な問題が出るわけでないのだけれども、やはり開会中は、土曜についてもですよ、一般の行政職が昼で仕事をしまっておるときでもそうはいかない面がずっと続いているわけでありますから、やはりそういう点は実情を十分考慮されて、やり方について、正面から週休二日制ということで規則等を改正してしまうということでなくても、やはり開会中のオーバーワークを閉会になった期間に解消していくというような、措置としてとり得る措置があると思うので、その点はまあひとつ職員組合とも十分検討を加えられ、考慮されるべきじゃないかと思います。 で、時間が参りましたので、最後に、甲、乙問題というのについて一言申し上げて御見解承っておきたいと思います。まあ、この点はもういまさら趣旨は私が申し上げる必要もなくよくわかっていると思うのです。で、四十七年からちょっとまあストップされているというふうに聞いておるわけですけれども、やはり仕事の性質が一般の行政官庁と違うわけですし、全体のチームワーク・スタッフとして運営しておる仲ですから、職員の間に余り違和感の起こるような人員配置をされることはいかがなものかと、やはり一番大事なことは、事務局全体、各部門部門が、職員の方がやはり士気が高まってチームワークがうまくとれるという形が一番望ましい形だと思うのです。この点について今後どう考えておられるか、これを聞いて終わりにいたしたいと思うのです。
○事務総長(岸田實君) 甲、乙問題につきましては、この数年来いろいろ組合の方にも意見がございまして、私どもとしましては、事務局の機能が充実するということが一番大事なことでございますので、多くの職員が不満を持つようなことはやはりこの際避けて、甲は採用しないということでやってみるという方針を決めまして、最近は採用いたしておりません。参議院の試験採用によって入りました職員が十分に能力を発揮して、それで十分であるということを実証してもらいたいという気持ちで現在私はおるわけでございます。御承知のように、調査事務であるとか会議職等につきましては、かなり法律経済等につきましてのやはり見識かないといけないポストもございますので、まあ、そういうポストにつきまして、とにかく適格者が育ってくれるようにということを祈っております。いまの試験採用だけではどうしてもいけないということになると、これはもう一度職員の採用のことについて再検討する必要がございますが、ここ当分は現状のままで進みたいというふうに考えております。
○野田哲君 では最後に職員の福利厚生面の問題ですけれども、共済制度等については国家公務員の共済制度ということになっておるようでありますけれども、宿舎の問題とか全体の福利厚生面についてやはり大蔵省との関係があるわけですけれども、規模が他の官公庁に比べて小さいということもあって、宿舎の割り当てとかあるいは内容とかあるいは通勤距離等での宿舎の確保等についても、かなり割りが悪いような状態になっているんじゃないかというふうなことも承っておりますし、福利厚生全般についてもやはり十分職員の方方の期待にこたえられるように関係機関と十分前向きに折衝に当たっていただきたいし、実現を図っていくために努力を願いたい、このことをお願い申し上げて終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○矢追秀彦君 初めに国立国会図書館の業務の一般的な姿勢からお尋ねいたしますが、文部省学術国際局の情報図書館課から「日本の大学図書館について」というハンフリーズ氏の報告が出ておりますが、これについて、この中に国会図書館のことが書かれてございますけれども、館長はこのことを御承知ですか。この内容についてどうお考えになるか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 日本の大学図書館についてのハンフリーズ氏の報告はきわめて示唆に富んだものでございます。しかしながら、わが国立国会図書館の業務につきましては、その実態を把握せず、誤解があるように思われますことははなはだ遺憾でございます。彼の主張するところによりますと、国立国会図書館が国会に所属するがために国立図書館としての機能を果たすに十分でない、不十分である、こういうことでありまして、別に国立図書館を設置する必要がある、こういう御意見でございます。先生御承知のとおり、わが館には、国会に対し図書館奉仕をする国会図書館としての役割りと、全国民を対象とする国立図書館としての役割り、二つの面を持っておるのでありますが、この二つの役割りをあたかも車の両輪のごとく調和させまして円満に発展させますことが当館運営の基本方針と私は心得ておるわけでございます。立法機関に所属するがゆえに国立図書館としての機能に欠くるところありなどと言うがごときは、わが館の生い立ちの歴史と二十七年間における生々発展の実績を知らざる者の言葉かと存ずるわけでございます。 国立国会図書館長と大学図書館長との懇談会が年に一、二回開くのが例と相なっておりまするが、この席において、きわめてまれでありますが、確かにきわめてまれであるのでございまするが、一つ二つハンフリーズ氏と発想を同じくする意見が開陳されます。すなわち、「国立」の意味、「国会」の意味はこれいかん、それから国立国会図書館の名称から「国会」を抹殺したらどうだろうというような意見が開陳されまして、私も実地体験をいたしました。もちろん、こうした誤解に対しましては正面切っての反駁論をいたすのでございまするが、翻って、何ゆえにこのような質疑が出るのかということに思いをはぜれば、われわれの側におきましても反省すべきことが多々あるのではないかと痛感いたす次第であります。 一例を挙げますれば、全日本出版物総目録とか、新収洋書総目録等の多数の書誌類を大学図書館へ配付いたしております。しかしながら、予算の制約がございまして、ただいまでは総数四百十を数える大学図書館に対して全部配付するわけにはまいりません。勢い重点的な配付を余儀なくされておるのでございますが、配付漏れの向きにおいては御不満も想像にかたくないわけでございます。これなどは最近とみに図書館界においてやかましく論ぜられております図書館間協力の線で善処していただき、しばらくごしんぼうを願う以外に方法はございません。われわれといたしましては、業務の機械化等によりましてこういう不平の起こらぬように一段の努力をいたしていきたいと考えております。 年間六十億の図書購入費と四千人の職員を駆使し世界に偉容を誇っている米国議会図書館のことをいつも頭に描いてわれわれは仕事をしておるわけでございますが、同じ立法機関に附属する図書館としてわれわれの責任の重大性を痛感いたすわけでございます。われわれの微意のあるところをおくみ取りくださいまして、今後変わらざる御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げましてお答えといたします。 なお、具体的な事項につきまして御質疑がございますれば、副館長から答弁いたさせます。
○矢追秀彦君 いまも館長からお話ございましたが、このハンフリーズ氏は国会図書館の機能の順序を、第一番目には国会に対するサービス、第二に政府機関へのサービス、第三に一般公衆へのサービス、第四に国際協力と、こういうことになっておって、その両院の議院運営委員会の図書館運営小委員会によって決定される、要するに議会から非常に制約を受ける、こういうふうなことを一つ取り上げておりますが、いま館長言われましたこういう誤解が生じた原因は、ただ単にそういう図書が各大学等に余り回っていない、そういった点だけにあるのか、あるいはその名称にあるのか、いま少しおっしゃいましたが、特にハンフリーズ氏が誤解を生じたとすれば一番どの辺にあるとお考えになりますか、もう一度お願いします。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ただいま書誌類の配付はほんの一例でございますので、これをただ例にとって申し上げただけでございます。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) 先生の御質問にお答えいたします。 まあ、名称などで誤解を受けるんではないかという御懸念もございます。確かにわれわれ普通国会図書館、国会図書館と言っておりまして、まあ、われわれのかなり物を知っている友人あたりからも、国会図書館は議員さんだけきり利用できないのかという質問を受けることもあるわけなんですが、その点は私たちのPR不足と申しますか、これからいろいろ努力いたしまして、そうではないんだというようなことを盛んに強調していきたいと思っております。 先生最初に御指摘の、ハンフリーズ氏が申された国会図書館のサービスの順序についてのことでございますが、私は、これは国立国会図書館が国会に所属しておるというような点から国会にそのサービスの第一の優先順位を置くというようなことは全くあたりまえのことでないかと思います。また、議運と私ども国会図書館のいろいろなやり方についての関連も、確かにハンフリーズ氏が指摘しておるようなことでございますけれども、議運を構成する先生方はやはり正当に選挙された方方で構成しておる委員会でございますので、一般に一般国民の意思に反するような御決定をなさるはずは当然ございませんし、何かその辺イギリスとわが国とのいろいろな図書館システムの違いがハンフリーズ氏をしてそのような誤解を与えさしたというふうに思うわけでございます。
○矢追秀彦君 そういたしますと、いわゆる国立図書館――ナショナル・ライブラリーとしての機能というものはどういうふうな姿が妥当であると考えますか。これに対してわが国の国立国会図書館――ナショナル・ライブラリーとしては現在どういうふうな業務か行われておりますか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) その件につきましては、ちょうど九年前ごろに、先ほど先生がおっしゃいましたハンフリーズ氏がユネスコの雑誌に、いわゆる国立図書館の機能というものはどういうものであるかということを書いてございます。そしてそのハンフリーズ氏の意見がわりあいに世界的に認められておりますので、それを引用しながら申し上げたいと思いますが、ハンフリーズ氏は、第一にその国の出版物を法定納本をさせる、そしてそれを保管することが第一であるということでございます。 それから第二には、外国文献をたくさん集めるということ。 それから第三には、その国で出版されました出版物のカタログを毎年作成する。私ども図書館人はこれを全国書誌と称しておるわけでございますが、その全国書誌を毎年発行するということでございます。 それから第四には、国内のいろいろ文献に関する情報についてのセンターとなるべきである。これは国内に対しても海外に対しても同じでございますが、そういうような情報のセンターとなるべきであるということを申しております。 それからほかの図書館に役立つようないろいろな目録類の刊行をするということでございます。これは先ほど館長も申されたように、そういうほかの図書館がいろいろな業務の面に役立つような目録類を刊行するということ。 それから図書館間の貸し出し制度を、そういう制度を十分に発揮するような業務をしろということ。 それから図書館技術の研究でございます。それをやれということ。 このように、申しますといろいろでございますが、要するに、一つの小さい図書館で、小さい図書館ではできないようなもの、しかも、多くの図書館にその国の多くの図書館活動あるいは情報活動に直接役に立つような仕事を国の経費でやれというようなことがハンフリーズ氏の意見だと思います。また、ナショナル・ライブラリーのあるべき姿だと思います。私どもは、先ほど館長も申されましたように、国会図書館としては十分な業務を遂行しておると思いますけれども、また同時に、ナショナル・ライブラリーとして、いま申し上げたような機能をかなり広範に果たしておるものと考えております。世界的にも私どもが国会の図書館として、また国民のナショナル・ライブラリーとしてかなり評価を受けておるんではないかというふうに思っております。とは申しましても私ども非力でございますので、業務上十分でない点が多々あるかとも思います。それらの点につきましては今後先生方の御指導、御意見を伺いまして改善にこれ努めていきたいというふうに思います。
○矢追秀彦君 いまお話がございましたが、先日「一般公衆の利用状況」という資料を図書館の方からいただきましたが、これを見ますと大体閲覧人員についてはそう差がない。四十八年度がちょっと下がっておりますけれども、大体同じような数だと思います。それからまた貸し出し統計については、国会議員と国会関係者の合計とあと行政司法関係、これは一般と考えていいのかどうかわかりませんけれども、これを一般の方に仮に入れますと、大学、公共図書館、専門図書館、国外その他、大体半々同じくらいの数で、そういった意味でも国立図書館としての機能は果たしておる。国会だけのものではないということがこれで言えるかと思いますけれども、もちろん、国会図書館という名前がありますから、国会関係がかなりのウェートを占めることは当然だと思いますけれども、やはり国立図書館ということを強調されるならば、もう少し一般の方がふえてもいいのではないかと思うわけですけれども、これについて一般の閲覧あるいは貸し出しがもっとふえてきた場合、現在の図書館での能力として、まだまだそのキャパシティは余裕があるのかどうか、大体現状これぐらいが精いっぱいなのかどうか、その点、いかがですか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) いまお尋ねの件でございますが、閲覧につきましては年間通しまして毎日の平均が千三百人ぐらいになっております。いま座席数も大体それに見合うぐらいの座席数がございます。まずまず、非常に込みますときと非常に閑散なときがございますので、この程度ならば大体の閲覧席から言いますれば、大体少しふえてきましても大丈夫ではないかというふうに思っております。貸し出しのことなどにつきまして、やはり繁閑が非常に激しいときがございます。大変閲覧者が込みましてその請求が非常に多くなったときは、いまの人数では多少苦しい場合もございます。そういう場合は多少アルバイトなどを導入いたしましてこれに当てるというような処置をとっておりますし、まあ今後もそのような方法で進みたいと思います。また大蔵省からも、そのようなことで若干の経費を認めていただいておりますので、そのようにしたいと思いますが、まあ、大体そのようなことで、どうやら多少ふえてまいりましても間に合うのではないかというふうに思います。
○矢追秀彦君 先ほど少し予算の問題に館長お触れになりましたけれども、今後さらに充実していく上において、人員の問題等もございましょうけれども、人員をふやすということはなかなか現状においてはむずかしいかと思いますが、一つは、図書の購入費ですね、これはやはりふやしていかなければならない。特に図書が非常に上がっておりますし、海外の文献等はやはりなかなか買うのも高価なものが多うございますから、一番の現在図書館として希望されるのは図書購入費が第一でございますか、予算要求としては。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) お尋ねの図書購入募集ございますが、何と申しましても、図書館はいろいろな資料それから図書その他を扱いまして、皆さんにサービスして差し上げるというようなことでございますので、資料を多く持つということ、そのために図書を、図書購入費をたくさん持ちたいということは当然のことでございます。われわれもこのためにいろいろな努力をいたしまして図書購入費をふやすようなことをしてきたわけでございます。まあ、外国関係の図書の購入につきましても非常に多くの予算を必要といたしますので、大蔵側ともいろいろ折衝をいたしまして徐々にふやしていただいておるわけでございます。まだまだ十分ということではないと思いますが、今後そのようなことで、またことしはことしいただいた金額といたしまして、来年はまたそのようなことで大蔵当局ともいろいろ折衝を続けていきたい、かように思っております。
○矢追秀彦君 主計官ちょっと恐縮ですが、急で。いまの問題今後としてかなり増額は可能ですか。
○説明員(藤井裕久君) 国立国会図書館の経費につきましては、ただいま御指摘のように、図書の購入費というものが最重点の経費だということを従来からも考えておりまして、そのように国会図書館とも御相談してまいったわけでございますが、今後ともその充実には努めてまいりたいと考えております。
○矢追秀彦君 時間の関係で最後にまとめて文部省の方にお伺いをいたしますが、先ほどから申し上げておりますハンフリーズ氏の報告書に関連して、特にここでは日本の大学図書館のあり方についてかなり批判的に書いてございますけれども、これに対してどうお考えになっておりますか。もしこういった点がどういう点から誤解がくるのか、もしその誤解がくる理由がはっきりすればそれに対する処置をしていただきたいと思いますけれども、その点が一つと、それから一昨年やはりこの当分科会におきまして同僚議員である峯山議員から大学図書館のサービスの悪さについて質問があったかと思いますが、まあ、大学図書館の閉鎖性について質問がございましたが、その善処方をお約束されておりますが、その後一昨年と比べまして余り変わっていないように私思うんですけれども、どういうふうな指導をされてこられたか、その二点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(吉川藤一君) 先ほど国会図書館の館長さんからもお話がありましたように、私どもは、特にバーミンガム大学の館長であるハンフリーズ博士は国際図書館協会連盟の大学図書館部会の会長でもございますし、各国の図書館、特に大学図書館の現況をよく御存じの方でございましたので、私どもの大学図書館の改善のためにいいアドバイスをいただこうということで私どもお呼び申し上げたわけでございますが、この報告に書いておりますことは、非常に私どもの仕事、特に大学図書館の活動につきまして多くの示唆に富む御提言を承っておるところでございまして、私どもこの全般につきましてよく検討いたしまして、大学図書館につきましてはわが国の教育及び研究の実態に沿うようにこれらの提言を受け入れながら将来にわたって改善を行っていきたいというふうに考えております。その一つの例といたしましては、昭和四十八年文部省に置かれております学術審議会の中で、当面の学術振興の基本方策というかなり広範な文部大臣に対する答申をいただいておるわけでございますが、その中でも学術情報の流通体制の改善につきまして論議が行われておりますし、現在私ども行政レベルで大学図書館の専門家の方々にお集まりいただきまして大学図書館改善協議会等を持っておりますものですから、そういう審議、検討を通じましてさらに大学図書館の活動を発展させていきたいというふうに考えております。その場合に、国会図書館との関係はきわめて連絡を密にいたしてまいりまして、同じ図書館の活動として相互補完的に発展をさせていきたいというふうに考えております。 それから四十八年に峯山先生から大学図書館の閉鎖性について御批判がございました。なかなか大学図書館全体について改善を図ることは、非常に複雑なシステムでございますので、むずかしゅうございますけれども、私どももそのときに御答弁申し上げたとおりに、大学図書館も決して一般の方々の利用について門戸を閉じているわけではございません。各大学はそれぞれ大学の図書館長の自由裁量によりまして一般の方々に利用を図っておるわけでございまして、たとえば学外者の入館数というのは、昭和四十六年度が八万人でございましたが、昭和四十八年度には十一万六千人に増加しておりますし、そのほか大学図書館間の相互貸借関係も少しずつふえておる状況でございますので、峯山先生の御指摘になりましたことにつきましては、私どもといたしましては逐次改善をしていきたいというふうに考えております。
○矢追秀彦君 図書館結構です。終わりました。 時間がなくなりましたので、後急いで国会関係のことを御質問申し上げたいと思います。 現在建設中の参議院の新庁舎の利用計画、これについてお伺いしたいと思います。現在青写真がすでにでき上がっていると聞いておりますが、その内容について御説明をいただきたいと思います。 それから、参議院改革の一環といたしまして常任・特別各委員長室を設置するという話も出ておると聞いておりますが、これはどこにどういうふうな形で設置をされるのですか。そうなりますと、当然その当初計画をされたこととはちょっと修正をされてくると思うんですが、その点の再検討、修正のあり方、その結論はいつごろをめどとされておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○事務総長(岸田實君) 新庁舎の完成の見込みは本年の十二月末でございます。したがいまして、それまでに、十二月末になる前に計画を立てていかなければならないと考えております。詳細のことはまた担当部長から説明させますが、大体におきまして会議関係の部門は本館あるいは分館に残したいと思っております。それから警備もやはり本館を中心に置きたいと思いますが、それ以外の庶務、管理部門とそれから職員診療所あるいは弾劾裁判所、法制局等を新庁舎の方に移っていただくというふうに考えておりまして、それで一応計画を立ててきたわけでございますが、そういたしまして会館のあいたところをできるだけ諸先生の要望に沿った活用をするようにというふうに考えておったわけでございます。最近議長さんが、委員長の権威を高めるという意味で委員長室をつくるべきであるという強いお考えをお持ちになっていらっしゃいまして、いろいろのところでそういう必要性をおっしゃっておられます。そういたしますと、本館は現在委員長室に向く部屋はございませんから、結局は議員会館内に委員長室をつくるということにすべきではないか。その委員長室は二十二室必要でございますので、それだけの余裕を会館につくるように新庁舎に事務局関係のものに移ってもらうという計画を立てなければならない、こういう状況になっているわけでございまして、現在それをいま検討中でございます。
○矢追秀彦君 各委員長室をつくることについてのこれまたいろいろな議論があると思いますが、いま言われたように、その分が全部向こうでおさまりますか、可能性として。
○事務総長(岸田實君) まだ検討中でございますが、無理をすれば一応おさまるのじゃないかと思っておりますが。
○矢追秀彦君 まあ、会期はずっと一年間ないわけですから、もし事務とかあるいは法制局の仕事等に差しつかえがあるとすればやはりこれは検討しなければならないと考えます。これはまた別の機会に議論されてくると思います。 時間があと二分しかないので簡単に申し上げます。 次に、駐車場の件でございますけれども、現在の総能力、お伺いしたところによりますと、百九十二台。この地下駐車場が、B三が七十四台、公用車、B四が七十九台、そのうち六が公用で七十三が議員と、B五が三十九台で三十三台が公用で六が議員、こういうふうに聞いておりますが、新庁舎の駐車場ができた場合、会館駐車場はどういうふうにされていくのか。現在会館前に夜間の屋外駐車が若干あるようですけれども、これは不都合だと思います。そういったものは新庁舎が完成した場合は全部解決をするのかどうか。いま運転手さんの控え室というのですか、なかなか大変なようでして、現状は、やはり一番お疲れになる方たちですから、快適なところにしなければならぬ。むしろわれわれより休んでもらわなければいけないわけですから、そういった点も一切新庁舎ができたら解決をするのか、その点をお伺いしたいと思います。
○事務総長(岸田實君) 新庁舎ができますと事務局の公用車は全部新庁舎の方の車庫に移します。そうしまして、会館の方の車庫の活用につきましてはまだ具体的には決めておりませんが、できるだけ有効に活用いたしまして、屋外の駐車等がないようにいたしたいものだと考えております。 なお、新庁舎に移りました場合の自動車課の職員の部屋は、従来のものに比べましてかなり改善した余裕のあるものにいたしております。
○矢追秀彦君 ぜひひとつ、特に運転手さんの休憩あるいは宿泊の問題は最重点にお考えいただきたいと思います。 それから、次に、衆議院と参議院の警務の職員の違いですけれども、参議院が二百二十四名、衆議院が二百九十二名、現在差が六十八名。当初は二十七名であったのですが、これはどういう経過でこういうふうな開きが出てきたわけですか。そして、会館が一つ多いから、あるいは議員が多いから数がたくさん要るというのはある程度はわかりますが、人数ではなくて守備範囲、いわゆる警備をしなければならない守備範囲といたしますと、参議院の方がむしろ衆議院より広いのではないかと考えます。そういった意味で、一会館の警備というのは何名必要なのか。それと、いま申し上げた衆参の守備範囲はどちらが広いのか。そういった場合、現状として実際は何名の差が妥当であるのか、その点お伺いしたいと思います。
○参事(有吉良介君) 衆参の衛視の数が今日六十八名違っております。新国会が発足いたしましたときに二十二名の差でございましたが、その後昭和三十五年に安保国会がございましたが、このとき衆議院が二十名ふえましたのに本院は十五名、ここで五名の差が生じております。それから四十年、議員会館ができました際に、議員会館は大体一館三十名というのが原則と申しますか、標準のようでございますが、このときに私の方が二十一名の増員で終わっております。これはなぜかと申しますと、当時参議院が欠員を抱えておったために、当時欠員の不補充ということがございました、したがって、その際に九名だけ私どもの方が削られたという経緯がございます。そのほかに記者会館の関係で二名の差があります。したがって、衆参の実質的な差と申しますのは安保の際の五名と四十年の際の九名、合わせて十四名というのが新国会以来実質的に生じた差と考えております。
○参事(指宿清秀君) ただいまお尋ねの衆参両院の警備範囲の問題でございますが、御承知のように、衆参両院は国会議事堂をおおむね左右に二分しておるわけでございます。ただ、議員会館は、ただいま説明がありましたように、衆議院が二つ、参議院は一つということでございますので、議員会館の警備を両院の警務でそれぞれ所掌しておるわけでございますから、その分につきましては一館分だけ衆議院の方が警備範囲が広いということは当然でございます。本館につきましては、以前から、衆参両院でそれぞれ国有財産の持ち分と申しますか分担があるわけでございますが、それを基礎にいたしまして、おおむね中央――具体的に申しますと中央玄関から中央の大臣室等、この辺は参議院の方の警備範囲ということに相なっております。ただ、一階の面につきましては中央食堂等は衆議院の方でございますし、三階等につきましても衆参必ずしもいずれが広いということではございませんが、全体的に申しまして、本館につきましてはやや参議院の方が広いのではないかというふうに私どもは理解をいたしております。
○矢追秀彦君 最後に一言事務総長にお伺いしますが、いまのこの差ですね、どんどん開いてきているわけです。で、いま言われたように、歴史的な経緯としてはあまり納得できないと思いますね、安保であるとかあるいは会館ができてもこちらは削られたという……。それからいま言われた守備範囲はむしろ広い、そういうようなことからこれは格差の是正を必要としますが、適正な差は幾らと考えておられますか。また、この是正について今後どのようにされますか、それをお伺いして終わりたいと思います。
○事務総長(岸田實君) 衆議院の方のお立場から申しますと、とにかく衆議院の議員数は参議院の議員数よりもはるかに多いというようなことがございまして、その議員数の相違ということもやはり考慮に入れなければならぬのだという御主張があるように承っております。しかしながら、先生から御指摘がありましたように、過去の経過をたどってみますと、非常に衆参両院に差ができておるということはもう間違いないことでございますので、また、警備につきましてはやはり人数が充実しているに越したことはございませんしいたしますので、この点は将来の検討の問題点であろうと存じます。ただし、いろいろの増員要求がございまして、しかも財政硬直化等でなかなかこの増員がむずかしいときでございますので、一気にこれを実現するということもなかなか困難だとは思いますけれども、やはり将来の検討事項としてわれわれはこの点をさらに改善を加えるように努力してまいりたいと思います。
○橋本敦君 図書館の関係について、まず週休二日制の問題からお伺いさしていただきたいと思います。 けさの新聞報道によりましても、労働省の調査の結果、週休二日制を採用する企業が大幅に増加をして、大体全労働者の三分の二が何らかの形で週休二日制の適用を受けるようになったという調査結果を報道しております。また、国家公務員について言いますと、人事院が五十一年度から隔週の週休二日制採用を検討する、で、政府もこれを尊重する方針で臨むということが言われているわけですが、現在の図書館においてもこの週休二日制問題を御検討なさっておられるかどうか。御検討なさっておられるとしたら、その実現の見通しはどのようなことであろうか。まずこの点を明らかにしていただきたいと思います。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 週休二日制につきましては、ただいま先生お述べのごとく世界の大勢でございまして、わが国においても民間を初め官界におきましてもこれが実施の機運に向かっておるわけでございまして、われわれは十分承知いたしております。人事院から二回にわたりまして勧告がありました。わが館といたしましては、その具体化に向けてここ二年、三年でございますか、十分研究をいたして、また、いたし続けてきております。無論前向きの姿勢で真剣に取り組まねばならぬ問題であることは私から申し上げるまでもないのでございます。 図書館のような読書、研究のための機関は、平日に劣らず休日も利用者の要求が出てくる体制でありますので、週休二日制が社会に浸透いたしますれば、いやが上にもわれわれの仕事の業務がふえることはこれは想像にかたくありません。また土曜日につきましても、他官庁と異なりまして、わが方は通常の勤務でございまして、午後も開館しておるわけでございます。 また細かいことを申し上げて恐縮でございますが、ローテーションと申しますか、交代制で実施している部面も、閲覧体制ばかりでなしに警備、管理の面もそれはやっていますので、これらに対して二日制を実施するのはなかなか困難なことも先生御推察いただけるかと存じますが、しかしながら、当館といたしましては、業務の現状を十分把握いたしまして、職員の労働強化にならないような点について、定員その他を根本的に研究しなければならない。特に両院事務局と異なりまして、開会、閉会の差がないところでございまして、一年を通じて仕事を続けておるところでございますので、両院のようなわけにまいらぬ部面もあります。それやこれやで、私といたしましては、両院事務局と一緒に実施できるものなら実施してやりたい――同じ国会職員でございますので、実施していきたいという気持ちはやまやまでございますが、また困難な事情も御了察をいただきたいと思っております。とりわけ、先ほども参議院の事務総長も述べられたようでございまするが、いずれの仕事も同じことでございまするが、こういう仕事は館員の心からなる協力を特に要望する点でございますので、関係方面とも十分連絡をとりまして努力していきたい、こう考えております。以上はなはだざっとでございますが……。
○橋本敦君 基本的には実現のために努力し、かつ検討するというお話ではあるんですが、ところが一面において、衆参両院事務局中心の業務とは違った困難さがあると、こういうお話もあり、また、閲覧その他がふえるというお話も困難な面で予想されているわけですが、根本的には職員数を増加すれば、いま館長がおっしゃったローテーションの組み方が一層容易にできるという一般的事情がありますね。したがって、人事院の方針に基づいて五十一年から実施するということになれば、現在よりどれくらいの職員の増加が必要なのか、それをどうするのか、こういう具体的な検討が要ると思うんですよ。そういう検討をなさっているかどうか、それをはっきり伺いたいんですがね。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ただいま先生の御質問のごとく、われわれといたしまして、現在の業務はそのままで決して減退をいたさないという根本方針を持っております。それは先ほど申し上げました点でございますが……
○橋本敦君 それはいいです。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) それから人員の点につきましても、いまの日本の情勢ではあまり期待ができないという、この二つの制約がございますが……
○橋本敦君 期待できない理由は。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 予算的にもめんどう見ていただけるという情勢ではないのでございまするが、その二つを前提といたしますれば、われわれといたしましてどうやっていくかという点が問題でございます。定員がふえればどうであるかということは、机上の空論としてわれわれはずいぶん研究いたしまして、三十名か五十名かという数を出して研究はいたしました。しかしながら、現在の日本の情勢下におきましては、そういう情勢ではないのでございまするので、われわれ十分各方面の御了解を得て実施に向かっていきたいと、こう考えておるわけであります。
○橋本敦君 私が聞いているのは、具体的に検討なさっておられるなら、現在の図書館機能を低下させないで週休二日制をやるとすればあと増員要求はどれくらい要るのかということが出なきゃならない。いまあなたは、それを検討しつつとおっしゃったけれども、予算上困難かどうかは後にしますが、具体的にどれくらい要るという御計算ですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) これも先生御承知のごとく、週休二日制と申しましてもいろいろな方式があるわけでございます。われわれが承知いたしておりますのでは三種類か四種類もあるわけでございます。
○橋本敦君 その種類ごとにそれじゃ人数を言ってもらったらいい。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) そうした点につきましても十分研究はいたしておりますが、まだ結論的なものを持っておりません。
○橋本敦君 要するに検討を前向きにとおっしゃるけれども、いま私が聞いたように、検討した結果結論的なものを持っていらっしゃらないということですよ。これでは、前向きにとおっしゃっても前向きになかなか進まぬです。予算上困難であるというのは私も理解します。だけど、それは国政全体の中でみんなが努力をして、必要な予算はやっぱり政府につけてもらう。これはやっぱりみんなでやらなきゃならぬことでしょう。その前提となる図書館自体が、週休二日制の実施という一般的社会情勢を前にしながら、具体的検討の詰めがまだ十分できてないというのは、これは図書館自体の責任になってきますよ。そういう意味において、いま館長がおっしゃった程度では、これは具体性のある検討とは言えないと思いますから、もっと検討してもらいたい。さらに、これは実施しなきゃならぬです、社会の趨勢に応じて、図書館業務が困難であっても。そのためにやっぱりいま言った検討が要ると思うんですよ。例をとってみますと、図書課の人員が昭和四十四年まで三十五人――図書館の閲覧関係の図書課の人員が。昭和四十五年以降四十三人のまま一人もふえていない、こういう現状は間違いございませんか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 間違いございません。
○橋本敦君 ところが、年間閲覧冊数を見ますと、昭和四十五年に七十二万八千冊余りであったのが七十五万六千冊余りにふえているという数字を私の方は調査として教えてもらっておるのですが、正確な数字はともかく、年間閲覧冊数が年々ふえているという事情は間違いございませんか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 閲覧冊数が逐年増加していることは間違いございません。
○橋本敦君 そうですね。そういう中で、職員の皆さんの勤務条件を見ますと、超過勤務が常態化しているという事実はお認めになりますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 超過勤務につきましては、職員の健康その他の方を考慮いたしまして妥当な点について命令を出すのでございまして、われわれといたしましては、過度の超過勤務を命ずるということは趣旨でもないし、現にやっておりません。
○橋本敦君 私はそういう点を聞いているんじゃなくて、超過勤務なしにすべての職員の皆さんがいま勤務をして業務が遂行できている事情があるかというんです。そうじゃなくて、超過勤務というのは、体をこわすほど無理しないのはこれはあたりまえです。多かれ少なかれ皆さんが超過勤務をやっている中で現在の図書館業務が維持されているという事情があるんじゃないか、このことだけですよ。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 超過勤務は限度を超えてはならぬことは申し上げるまでもないのでございますが、われわれの職務といたしまして、特に国会奉仕の点等の影響から超過勤務をいたさなければならない事態は生じております。
○橋本敦君 生じているでしょう。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ええ。
○橋本敦君 組合の調査によりますと、週労働時間四十四時間がたてまえですけれども、これは組合の調査ですが、図書館の場合は一人当たりの週平均労働時間が四十八・九時間、約四十九時間ですね、営繕の関係になりますと四十九時間ないし五十五時間という関係になってきている。ですから、一方においてこのような超過勤務体制をなくす、一方において週休二日制を実施する、こういう大変なことをこれからやっていかなきゃならぬということなんですね。よほど真剣に取り組んでいただかないとなかなか実現はむずかしいと思うんです。私はこのことに関連をして心配をするのは、このような職員の皆さんに対する労働強化なり、それから定員がほとんどなかなかふえないというこういう事情なりが、一つは国立国会図書館の果たすべき機能を低下さしていることに結果的にあらわれないかという問題ですね、これが国立図書館のあり方として私は心配されなきゃならぬ現状にきているように思うんです。たとえば国立国会図書館法では国立図書館の目的を三つ明確に挙げているわけですね。まず第一は、何といっても、国立図書館の特別の任務として、国会活動に奉仕をする、そのための調査研究活動、これをやらなきゃならぬという。第二番目は、行政府及び司法府その他国家機関その他に対して立法活動に資するような資料の整備、研究活動をしなければならぬ。第三番目が、一般国民に対する図書の閲覧という奉仕業務がある。この三つございますね。これは法律で決まっておる。ところで現状を見ますと、一般国民に対する閲覧という問題については、年々閲覧者も閲覧数もふえておりますから一定の水準で御努力をなさっていることはわかりますが、本来国立図書館として重要ないま挙げた第一、第二の機能に資する調査研究、資料収集活動、これがどうなっているだろうかという問題を一つはお尋ねしたいわけです。たとえば新聞切り抜きをつくるという場合、これが資料収集の日常的な非常に大事な部門ですが、これが十分にできているかどうかという点で考えてみますと、ここ十年間正職員が七人で全然ふえていないという事実が一つあるようです。これは間違いございませんか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) そのとおりでございます。
○橋本敦君 で、毎年職員のほうからは三、四人の人員の増員要求しているようですが、これは政府に対する要求と予算要求上あらわれてきてないんじゃないでしょうか。館内で、この点は要らないということで、みずから切って捨てておられるということはございませんか。その点、いかがでしょうか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) 御承知のように、人員の増加につきましては、一部門だけの希望でなく、館全体としていろいろ考えなければなりませんので、そういうことを勘案しながらそういう措置をとっておりますので、いま先生の御指摘の新聞切り抜きの増員というようなことはいまのところいたしておりません。
○橋本敦君 さらに加えてアルバイトを入れていらっしゃるようですが、これは結構として、本年度の予算を見てみますと、アルバイトの方について十五カ月分の予算処置しか裏づけがないと私聞いておりますが、その点はいかがですか。――いますぐわからなければわからないで結構です。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) いますぐ調べて申し上げます。
○橋本敦君 そういう結果、新聞切り抜きの項目についての調査をしたいということで閲覧を申し込みますと、その閲覧可能な時期が大体その当該記事が出てから四十五日ぐらい後でないと閲覧さしていただけないというような遅延状態にあると、こういうように私は聞いておりますが、その点はいかがでしょうか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) 先ほど先生お尋ねの非常勤のことについて、これは二名でございますけれども、いま私ども新聞切り抜きにつきまして、新聞切り抜き事件名索引などつくっておりまして、これは従来、国際十進分類法という分類法を使ってやっておりましたんですが、なかなかめんどうな点もありますので、われわれがもう少し簡単に使える、しかも新聞の切り抜きサービスに能率的に何かできるようにということで、アルバイトを使ってその方面の索引をつくるように努めておるわけでございます。まあ、十五カ月というのはちょっと私いまそうでないというふうに思っておるんですが、申し上げておきます。 それから四十五日ということでございますが、確かに最終的にきちんとファイルをされまして見れるまでになりますのは、大体一カ月から四十日前後かかるわけでございます。
○橋本敦君 だから、したがって、国会活動などで至急に研究を要するという場合に、もちろん私どもも必要な切り抜きはやっていますけれども不十分ですからね、図書館にお願いをして見たいという場合は一カ月あるいは四十五日先でないと見られないという状況があるんですね、だから、こういった問題も、一カ月にしろ二十日にしろ、もっと早く見れるようにやっぱり改善する必要があるという点は異論ないでしょう、改善の必要について。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) 先ほどもお話し申し上げましたように、いろいろ切り抜きをしまして、張って、こうファイルヘファイリングいたしますまでにそのくらいかかるわけでございますので、先生方がいろいろお使いになる場合には、前もっておっしゃっていただけば、またファイルへ入れる前にその件名について御提出申し上げるようなことは十分できますので、どうぞ御遠慮なく申し出ていただきたいと思います。
○橋本敦君 だから、それは便宜的に特別の便宜でやっていただくわけでして、だから、きちんとファイルに整理されて、だれにも閲覧できるという体制を組むというのはこれはやっぱり日数がかかるということですからね。特にその問題で、私が調べてみますと、いま収録紙としては「朝日」「日経」を中心にやっていらっしゃる。で、必要に応じてその他「毎日」、「讃費」、「サンケイ」、「東京」あるいは「赤旗」など収録をされるということで、収録紙自体も少ない。これは予算上なかなか全面的にやれないという問題なんでしょうか。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) 先生がさっき申された二つの新聞、これは中心的にと言っておりますが、大体これで主な事件は覆っていけるということでございまして、それに載らないようなもの、補完的なものであとの数紙を選んでやっておるというわけでございまして、まあ、大体ここいらならばカバーできるんではないかというふうに思いますですが、いかがですか。
○橋本敦君 それはしかし大体カバーできるというお考えは、これは十分じゃないでしょうね。やっぱり権威のある資料とするためには各紙とも要るでしょうし、特にその他の業界紙なんかでも非常に重要な記事がある場合がありますから、そういう意味じゃ、やっぱり国立図書館ともあろうところの一つの新聞切り抜きという調査部門をとってみても、私ども十分と言えないもんですからね、これはやっぱり予算上の裏付けももって改善しなきゃならない、努力をしていただきたいと、こうお願いしておきたいんですね。特に、この問題については、初代の副館長であった中井正一さんが、「組織論から図書館像へ」という本をお書きになって、その中で非常に強調されておられるんですね。私はこれは一つの達見だと見ているんですが、まさに毎日の新聞というのは、それこそ国立図書館にとって「中央気象台にかかって来ている気圧報告の電話の役目をしている」、これをしっかり資料的に収集することは、全国的な政治情勢、社会情勢をつかむ上で根幹的に重要だと強調されているんですね、そういう部門のやっぱり問題もおろそかにされることが、予算の少ないこと、人員の少ないことということにかかわってくれば、図書館本来の機能を充実させるという面から見て問題がある、これはやっぱり国会全体で改善しなきゃならぬというように私ども考えております。そういう点での図書館の姿勢を明確にしていただきたい、こう思うわけです。時間がもう参りましたので、アネックスの問題等お聞きしたがったんですが、省略せざるを得ませんが、最後に職員の管理の問題として、毎年管理職の登用、人事配置、これをおやりになりますか、職員の内部の関係で。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) いまのお話は……。
○橋本敦君 各部ごとにですね。
○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) それは行います。
○橋本敦君 図書館というのは、非常に有能な方、勉強していらっしゃる方、そしてまた学者に匹敵するか、それ以上研究、知識の豊富な方、特別なやっぱり人材もそろえながら全体として図書館業務を進めるという特別な部門になっているし、そういう点、私は尊重しなきゃならぬと思うんです。こういう人事問題については、図書館本来の機能を充実させるというその目的に沿うように、能力、その方の資質あるいは識見等、これは公平に見てやらなきゃならない。組織活動家だからというようなことで、有能な方が図書館の本来的業務の遂行の中心部分に参与できるようなことが妨げられてはならぬ。この点についての館長もしくは副館長の御意見を承って、私の質問を終わります。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) その点につきましては、先生のおっしゃるとおりでございまして、宗教、信条、そういうものが幾ら違っておっても、図書館業務そのものの仕事の体験によって人材を抜てきしていきたいと、こう考えます。
○橋本敦君 それじゃどうぞよろしく。
○主査(八木一郎君) 他に御発言もなければ、国会所管に対する質疑は終了いたしました。
○主査(八木一郎君) 昭和五十年度予算中会計検査院所管を議題といたします。 会計検査院の説明はこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 それではこれより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢追秀彦君 時間が余りございませんので、問題をしぼって御質問いたします。 まず、この予算を見ておりますと、職員の俸給、給与、手当、これが総額の九〇%になり、今回定員四名増加の経費及び調査官七人の増員と、こういうことになっておりますが、会計検査院というのは、私たち従来主張しておりましたように、この会計検査院が国民にかわって国民の税金の使途を監視する唯一の独立官庁であるわけです。したがいまして、この機能の拡充強化ということがやはり国民に対してわれわれがこたえられることになると思うわけであります。で、会計検査院の検査の浸透度は総体で七%、重要な個所についても四〇%に満たない状況であります。しかも、最近の国の財政規模は毎年膨張をしておるわけでして、昭和四十年度が三兆六千五百八十一億であるのに比べて昭和五十年度は二十一兆二千八百八十八億円と、約六倍の増加をしておるわけです。また、政府出資の法人等検査対象団体の数も、増加はしても減少はしていない。したがって、検査の領域は拡大化の一途をたどっておるわけであります。ところが、いただきました資料によりましても、定員は昭和四十年から四十九年まで全然ふえていないわけでして、千二百十二名のままで一名の増員も行われていない、こういうふうな状況にあるわけです。したがって、この中で、人間をふやすことばかりは、いろいろな制約でむずかしいかもわかりませんが、人数も必要に応じて、これだけの財政規模ですから、ふやさなければいかぬと思いますが、もう一つは、固定した人員の中でいかに能率化を図るか、その点にあるかと思いますけれども、この現在の定員というのが、いまの急激に増加しておる業務内容に応じて、果たして適正なのかどうか、その点に対してお伺いしたいと思います。また、その中でどう能率化をしていくか、その点についての所見をお伺いしたい。
○説明員(石川達郎君) 御指摘のとおりでございまして、国の財政規模も年々膨大になってまいります。また、その一つ一つの事業の内容につきましても、これはなかなか複雑なものもふえているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、質的な点はもとより、量的な面におきましてもこれが整備をはかる必要があることは申すまでもないところでございます。そこで、果たしてどの程度が適正な定員であるかというようなことになりますと、これは各行政庁におきましては、行政需要を直接反映して定員を定めるというようなことも可能でございますが、私どもにおきましては、いわば行政需要というものに対しまして間接的に対応する、こういうことになるわけでございます。そこで、大体のめどといたしましては、先ほど検査浸透率というようなお言葉もございましたけれども、現在七%、これは非常に少ない数字でございますが、その内訳は、重要個所につきましても三十数%、この重要個所の検査を、私どもの考えといたしましては、五〇%程度まで引き上げられたらというような一つの要望は持っているわけでございます。そういう線に沿いまして、私どもも毎年定員の増加ということにつきまして努力をいたしているわけでございます。ただ、御承知のとおり、政府におきまして行政機関の定員削減という問題もございます。私どもとしましても、国の一機関としてこれに協力する立場もまた必要であろうかと思いますが、いずれにしましても、毎年努力をしてまいっているわけでございます。そこで、五十年度におきましては、従来十年間定員千二百十二名、これに対しまして純増で四名というものを認めていただいたわけでございますが、この定員の増加に対しましては、今後とも関係当局と交渉し、その実現を図りたいと考えている次第でございます。 また、限られた定員をいかに効率的に運営していくかということでございますが、やはり国の事業につきましても、重要なものというものが毎年国の施策として打ち出されているわけでございます。それに応じまして、たとえば公共事業の検査あるいは防衛庁、さらに各種公社公団等、あるいは最近におきましては、通産省におきまして、重要技術の開発というような点につきましてもかなり予算も増加しているような状況でございます。そういった面に対しましても、これは調査官をその方面にふやしていく、こういうような手当てをいたしている次第でございます。まあ、現状は大体そういうところでございます。
○矢追秀彦君 いまも少し出てまいりましたけれども、技術系の職員とそれから事務系の職員とを見ますと、四十九年度で技術系が百六名、事務系が千百三名と、少しずつはふえてきておりますが、この技術系がやはりこれから大きな問題になってくると思います。科学が進歩いたしまして、行政の中にも高度な科学技術がどんどん入ってきております。公害関係あるいは原子力、宇宙開発、そういったことで、どうしても技術的な問題、特に原子力船「むつ」のようなのが私は典型的なものかと思いますが、ああいう技術的な欠陥、あるいは防衛庁の兵器の進歩、そういうふうな問題で非常に技術関係の方が必要だと思いますが、これは現在、いま申し上げた数字でございますが、これは今後どのような方向に持っていかれるのか。技術系といってもいろいろあると思うんですけれども、内訳、もしわかればお示しいただきたいんですが。
○説明員(石川達郎君) 会計検査に当たりましても、まあ、行政面はもとよりのこと、技術的な面の検討しなければ十全を期し得られない、これは申すまでもないことでございます。そこで、かねがね技術系職員の採用につきましては鋭意努力をいたしているわけでございます。年々平均毎年五、六名を新規に採用しているわけでございます。現在その技術系職員と言われます者が百六名に相なっておりますが、その内訳、四十九年度末におきまして機械関係が二十八名、土木関係が二十三名、電気関係が二十名、建築関係が十一名、以下各種技術にわたっているわけでございますが、冶金でありますとか、林学、鉄道鉱山、金属あるいは造幣というような各般の技術の面にわたって採用をしているわけでございます。ただ、先ほどお話のありました原子力関係等につきましては、これは非常に重要なことでございますけれども、いまの公務員の給与ということを考え給与体系を考えます場合には、これをわれわれの方の役所に採用するということも事実上なかなかむずかしい面もございます。したがいまして、こういった面につきましては、担当職員も鋭意研究を重ねているわけでございますが、外部に調査を委託するとかいうような方法をもちまして、できるだけ万全を期するような体制を考えているわけでございます。このうち、百六名と申し上げましたが、その中には技術専門官という者が事務総長直属の者として配置をいたしております。現在これが二名でございますが、その電気及び土木の専門官でございますが、さらに、機械でありますとかその他の部門につきましてもこれを今後充実してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○矢追秀彦君 なかなかむずかしい問題と思いますが、ひとつ、これからの時代を考えますと大事な問題ですから、特に外へ調査を頼まれる場合は、厳正公平といいますか、公正なところでないとまずいわけでして、日本分析化学研究所の問題もございましたように、ああいうふうなことになると、かえって会計検査院というものの厳正さが失われていきますので、この点はひとつ十分チェックをお願いしたいと思います。 最後に、投資効率の検査について申し上げます。この数年来、特に四十八年度後半の石油危機に見舞われてから、非常に厳しい経済環境の中で狂乱物価というのが起こってきたわけですが、そういうことで総需要抑制あるいは公定歩合の引き上げ等の処置がとられ、現在は非常に不況感というのが出てきております。そういうふうなことで、今度は、この不況対策をやってこれからまあどうなるか、景気を回復できるのかできないのかというようにいろんな議論が行われておりますが、国の財政施策というものがどれだけの効率を上げておるか、やはり最大限の効果を上げなければ国民にとっては非常に困ることになるわけでして、この国の財政執行の各種の事業投資の効果を国民にかわって測定しているのがやはり会計検査院であると思うわけです。そういった意味で、このいま申し上げた投資効率の検査は現在どういうふうな形で実施をされておるのか。これはやはりどうしても必要な問題だと思いますので、その点、これからどう取り組んでいかれるか、お伺いしたいんです。
○説明員(石川達郎君) 会計検査の第一義的な目的と申しますか、それは、やや古めかしい考えかもしれませんけれども、国の会計秩序を維持するということであろうかと存じます。しかしながら、ただいま話のありましたように、最近におきます財政政策、さらにそれが国民経済と密接に結びついているような現況にかんがみまして、おっしゃるとおりの投資効率の検査というものにつきましても、私どもとしては十分関心を持ちまして検査を進めている次第でございます。こういった投資効率の検査というものも、これはひとりわが国のみならず、諸外国におきましてもそういう意見は各国において出ておりますし、現に二、三の国におきましてはそういった面への努力の成果というものも見られるようでございます。そういったことを踏まえまして、私どもとしましては、単に個々の会計経理が違法であるとか不当であるというようなことにとどまらず、事業全体の効率性というものにつきまして十分な関心を持ちまして検査をしているわけでございますが、何分にもこの投資効率の判定というものにつきましてはいろいろむずかしい面もございます。実績といたしましては、近年検査報告にも掲記しました鉄道新線の建設あるいは「北淡路開拓建設事業の実施」とかあるいは「軌道保守用機械の活用及び今後の導入」につきまして、これは二、三の例でございますが、これは個々の不当事項というような意味でなくて、今後各省庁におきましてこういった面に配慮をして事業を進めてほしい。処置要求と私ども呼んでおりますが、そういう要求を各省の長に出しているわけでございます。こういった検査は、各検査課におきましてもこういった観点からの検査は進めているわけでございますが、これも私の直属の審議室というところがございまして、そこで毎年二、三のテーマを選びまして、そういった観点からの検査を進めているわけでございます。こういった問題につきましては、今後ともそういった考え方が必要であることは申すまでもございませんが、さらにこういった点につきまして実績を上げ、今後の予算の効率的使用につきまして何らかの貢献をすることができるならばというような考えで仕事に取り組んでいる、これが現状でございます。
○主査(八木一郎君) 他に御発言もなければ、会計検査院の所管に対する質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府のうち防衛庁、経済企画庁を除く部分、及び法務省所管並びに他一分科会の所管外事項に対する質疑は終了いたしました。 これをもちまして本分科会の審査を終了いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十四分散会 ―――――・―――――