予算委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 418 件
- 登壇者
- 46 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/03/29
会議録
○八木一郎君 ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより主査及び副主査の選任を行います。 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
○佐藤隆君 主査及び副主査の選任は投票の方法によらないで、主査に八木一郎君、副主査に矢追秀彦君を推選することの動議を提出いたします。
○八木一郎君 ただいまの佐藤隆君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木一郎君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に私、八木一郎、副主査に矢追秀彦君がそれぞれ選任されました。
○主査(八木一郎君) 皆様の御推挙によりまして主査を相務めることになりました。何とぞよろしくお願いいたします。(拍手) 審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。 本分科会は、昭和五十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府のうち防衛庁、経済企画庁を除く部分及び法務省所管並びに他分科会の所管外事項を審査することになっております。三十一日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本二十九日は内閣及び総理府、明後三十一日は皇室費、国会、裁判所、会計検査院及び法務省という順序で審査を進めていきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○主査(八木一郎君) 昭和五十年度予算中、内閣及び総理府所管を一括して議題といたします。 政府からの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○辻一彦君 私、限られた時間ですが、最近問題になっておる原子力発電の安全性問題について二、三点触れたいと思います。 まず第一に、科学技術庁の方から最近における原子力発電の事故、特に沸騰水型の原子炉、敦賀並びに福島における事故の実態について簡潔に御報告をお願いいたしたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 具体的なこまい事実でございますので、担当官から御説明申し上げます。
○政府委員(井上力君) 敦賀でございますが、日本原子力発電所の敦賀発電所につきましては、本年の一月末にアメリカのドレスデン二号炉でスプレー系の配管の溶接部にクラックが発見されたことに伴いまして、日本におきましても予防的観点から現在稼働中の原子炉及び試運転中の――これは沸騰水型の原子炉でございますが、につきまして点検をするということで直ちに指示を行ったわけでございます。その後、敦賀発電所につきましては、アメリカにおきましてドレスデン二号炉の故障に伴いまして二十三基の発電所の一斉点検をやったわけでありますが、それと同等以上の点検を行いまして、その結果、炉心スプレー系の配管の溶接部近傍に表面観測でわずかなにじみがあるということがわかったわけでございます。この点につきましてはさらに、現在炉は停止中でございまして、詳細調査を続行いたしまして対策を立てていきたい、かように考えている次第でございます。 それから福島につきましては、同じプロセスを経まして点検を行ったわけでございますが、福島の東京電力の福島第一原子力発電所一号機につきましては同じく炉心スプレー系の配管の溶接部の近くに液体浸透探傷試験におきまして異常な指示が認められましたので、これらの個所についてさらに今後詳細調査を行うことにしております。 その他のBWR型発電所につきましては点検の結果、いずれも異常はなかった、こういうことでございます。
○辻一彦君 時間が限られておるから、私はこの出された資料について確認をまずしたいと思います。敦賀の日本原電の発電所、それから福島の東京電力の発電所も、いずれもB型いわゆる沸騰水型ですね、そして起こっているところの場所がほぼ同じであると思われますが、あなたの方から、通産並びに科学技術庁から出された資料によると、ここにこうありますが、この部分に起こっておる。いわゆる原子炉の下部の容器の中で圧力容器と、それから緊急の場合に水を注ぐところの非常装置ですね、緊急冷却装置、これのごく近い溶接部に起こっている。しかも溶接部は第一、第二、第三と原子炉の近くに三つの溶接部があって、二と三の溶接部の中ほど、だから核の容器から言うならば六、七十センチのところに起こっている、このように確認していいですか。
○政府委員(井上力君) 先生いま御指摘のように、敦賀発電所につきましては、圧力容器から三番目の溶接部の近傍でございます。それから……
○辻一彦君 福島は。
○政府委員(井上力君) 福島発電所につきましては、二番目と三番目でございます。三番目の近傍でございます。
○辻一彦君 いずれもこの場所を見ると、原子炉のいわゆる緊急の場合に水を送り込む、かまが空だきになったときに非常の水を送り込む、そのパイプ、圧力容器にきわめて近い第二、第三溶接部ですね。ですから六、七十センチのところに福島の場合も敦賀の場合もそういう問題が見られている、こういうような御答弁であります。いいですね。
○政府委員(井上力君) いまの敦賀の場合、大体八十センチ程度でございまして、ちょっと福島の数字はございませんが、大体同程度の個所かと思います。
○辻一彦君 敦賀の方は、二の方に近ければ三つの溶接部を三で割れば大体三十センチぐらいになるんだから、五、六十センチというおよその見当は言えると思います。そこで一つ私が確認したいのは、敦賀の発電所も福島の発電所も、核の容器のごく近辺の第二、第三溶接部の近く、だから六十センチから八十センチぐらいのところにこの現象があらわれているということ。それから、私も去年の夏、九月、ドレスデンへ行って、一号炉、二号炉、とにかく二号炉のバイパスの事故当時そちらへ行って様子も見てまいりましたが、そのドレスデンに同様の事故が起こった。そこで、科学技術庁や通産の発表ではにじみと、こう言っておるんですが、にじみというのはあまり聞きなれない言葉なので、何を意味しているのか、これをひとつ聞かしてください。
○政府委員(井上力君) これは検査官からの報告がそういう表現でございましたので、最も的確な表現かということで発表いたしたわけでございますが、検査官の報告によりますと、これは目で見てはほとんど点に近いような傷である、これが温度が冷えた場合、ふき取りますと、少し要するににじんでくる、こういう感じで、一番的確な表現かということでにじみという表現を使ったわけでございます。
○辻一彦君 そのにじんでくるのは、上から水分が、水が何か降ってきてそこにたまっているのか、管、パイプですね、これは緊急冷却装置なら直径二十五センチぐらいのかなり大きなパイプですね、中から、いわゆる何かの亀裂によって中から上へ上がってくるのか、どっちなんですか。
○政府委員(井上力君) 私どもの推定では、内部の冷却水のにじみというふうに考えておりますが、まだ切断して現物について詳細調査をいたしておりませんので、現在のところは推定でございます。
○辻一彦君 これは大変大事なことで、説明を聞いたら、ある日は、上から何か水分が降ってきて、それがそこにたまっているのかわからぬと、こういう御説明もありましたが、そういうものではなくて、やっぱり二十五センチという緊急冷却装置の中にある水がにじみ出ているということは、普通のステンレスの強力なパイプのはずですから、これはやっぱり亀裂か何かがなければ中からにじみが出ないはずですが、そういうように考えていいですか。
○政府委員(井上力君) 傷の状況は具体的にどのようなものであるかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、切り取りまして詳細調査をしないとわからないわけでございますが、したがいまして、どういう態様の傷であるかということは、現時点においてはまだはっきりいたしません。
○辻一彦君 いや、私の言っているのは、降ってきた上からの水か、下からずっと出てきている――出てくるならは、傷の態様は別として、何か亀裂がなければ、普通のステンレスの強力な、厚さがかなり厚いパイプからそんなものが出てくるはずがないから、中からにじみ出てくるというのは、何らかのパイプに亀裂とかそういうものが考えられて、そこから水がにじみ出ているのか、その点の確認だけです、どうですか。
○政府委員(井上力君) 先ほど御説明申し上げましたように、現在推定しておりますところでは、内部から外部に傷が通っておりまして、内部の冷却水がにじみ出る、かように推定しておる次第でございます。
○辻一彦君 その緊急冷却用のパイプの直径と厚みはどのぐらいですか。
○政府委員(井上力君) 敦賀と福島で若干違うわけでございますが、敦賀の場合は、ちょっとセンチに直さなければいけないのでございますが、八インチ管でございます。直径八インチでございます。
○辻一彦君 センチは何センチになるの。
○政府委員(井上力君) 二十一・六センチでございます。それから厚さにつきましては約十三ミリ、これは若干場所によって厚さが違いますので、大体十三ミリというふうに申し上げます。福島の方につきましては、厚さは大体約十三ミリというふうに思いますが、厚さの変化が若干ございますが、十三ミリから大体二十ミリということでございます。それから直径につきましては二十一・六センチでございます。
○辻一彦君 同じですか。
○政府委員(井上力君) はい。
○辻一彦君 前に浜岡と福島で問題になった冷却水のバイパスですね、これはたしか十センチぐらいの直径と思いましたが、これはどのぐらいですか。
○政府委員(井上力君) 約十センチでございます。直径が約十センチでございます。
○辻一彦君 長官、ちょっとお伺いしますがね、前に、昨年の九月に、まあ年末に問題になったバイパスの方は、これは冷却水を非常の場合に循環さす直径十センチぐらいのパイプですね。これは私、島根も浜岡も行って現場を見てきましたが、今度のドレスデンの二号で再び問題になり、敦賀、福島で問題になっているのは、炉心スプレー系の緊急冷却装置、しかも直径は二十一センチのかなり大きな非常用のパイプです。厚さは大体十三ミリから二十ミリ。ここから、にじみ現象と言われているけれども、内部にある水が出てくるということは、ふき取ればそれがにじんでくるということは、やっぱり推定で、何らかの、傷は別として、亀裂、割れ目ができて、ひび割れができて、そこから水が出てくると、こう思わなくちゃならない。だから、にじみと言うと、何か大変何でもないような印象を与えるけれども、しかし実際その水が出てくるということは、言うならば一つのひび割れが起こって、亀裂があって、そこから出てきている、これは私はたいへん大きな問題だと思うんですが、あなたはよく故障という言葉でいつも片づけられておられますが、もしも非常の場合にこれは場合によっては放置しておけば重大な結果を招きかねない、こういうものも一流の故障論で片づけられるつもりですか。重大なる問題だとして受けとめられておりますか。いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど通産省の方から御説明ありましたように、そのにじみなるものの原因並びに具体的な状況は切り取ってみないとわからぬというお話でございまして、材質に原因があるものやら、あるいは肉厚と申しますか、あるいは放射線等からの環境でそういうふうになったのか、私はつまびらかにいたしませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、ECCSの作用が、それによって作用が不可能になる、作動しないというふうに理解していいものなのかどうか、大変問題だと思いますし、いまの原子力研究所の研究では、そういう場合でもECCSの作動は操作のいかんによっては可能であるというふうな研究も進みつつあるようでございまして、おっしゃるようにそれが大変な事故だというふうに私は解釈せぬでもいいんじゃないかというふうに考えます。
○辻一彦君 長官、ECCS、いわゆる緊急冷却装置、かまが空だきになったときに原子炉が水を流し込んで冷やすという、そんなものが非常の場合に動くんであって、操作のいかんでどうなるという、そんなものじゃないでしょう。その操作をうまくやりゃ何とかもっとか、私はそんなものじゃない、それはもう何十秒というきわめて短時間に水が送り込まれなければ一大事になる、だから操作をちょっとやれば心配がないと、そんなものじゃないと思いますが、どうも緊急冷却装置なるものの御理解がちょっと私納得しかねるんですが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 私現地で見ましたところによりますと、いろいろ正常の圧力の場合、あるいは高圧の場合、低圧の場合、いろいろそれの導入するパイプがございまして、いま故障になっているパイプはどんな圧力の系統のパイプか知りませんけれども、しかし、その場合には応急的な措置がとられるというふうな説明を聞いたように存じますけれども、いまの東電あるいは関西電力のにじみなるものがどういうことなのか、私もはっきりまだいたしませんので、それがすぐもちろんそういう事故、ECCSが作動するなんということは文字どおり仮想的な場合であって、そこまではあり得ないわけでございますから、しかし、それぐらいしても念には念を入れるということでやっておるわけでございまして、その場合でも、いまのにじみ自体が、かりにそういう場合があってもものの用に立たぬという性格のものかどうかということに対しては、私はどうもそういうふうに考えるべきではないんじゃないかという実は感じがいたしております。
○辻一彦君 あり得ないとか、この問衆議院で三木総理もうちの石野委員に答弁していますが、もう安全については絶対という言葉は使わないということをやっぱり慎重を期すために言っておるんですよ。だから、あり得ないということをそれは断言できませんよ。現にアメリカのNRC、いわゆる原子力規制委員会では、二月五日に米上下院の原子力合同委員会において聴聞会を開いて、この原子力規制委員会の委員長ほか委員を全部呼んで長い問論議をしておるでしょう。そしてその結果中身を見ると、その記録を見ると、これは原因がバイパスの場合も不明である。まだわからない。まして今度出た、この冷却用非常パイプの亀裂というものは、ひび割れは原因が全くいまのところわからないから非常に重大な問題である。だからその研究グループを直ちに別個に幾つかつくって全面的な、冶金であるとか、あるいは化学であるとか水であるとか、いろんな面から研究に入っている。そういう重大なとらえ方をしているのに、あなたの御感覚でいうと、そんなことはあり得ないんだし、心配もないという、大変私は認識が違うと思うのですが、いかがなんですか。
○国務大臣(佐々木義武君) いままで商業炉、特に軽水炉ではそういう事故はありませんし、またあり得ないと思っておるわけですけれども、将来それじゃ起こらないのかという問題に関しましては、この前の予算委員会でも御説明いたしましたように、アメリカの原子力委員会が二カ年の歳月を費やして、そして軽水炉に関する安全性の問題を確率の面から徹底的に研究を進めて、それで八月に結論を出したわけですね。その際には、炉心が溶解した場合というふうな文字どおり冷やすことができないというふうなそういう事故というものは起こり得るかというのが中心問題でありまして、そして、国防省あるいはNASAの確率の新しい手法を――いままで事故がないわけですから、しかしそういうものを中心に英知を集めて出した結論によりますと、少なくとも大変確率が、仮にあるとしても、百基で、たしか一人がどういう障害を受けるかという確率は、百億分の……
○辻一彦君 ちょっと、質問を聞いて答えてくださいよ。それはピントはずれだ、そんな答弁は。
○国務大臣(佐々木義武君) いやいや、それ、私見がどうかという話ですからそういう説明したんですけれども、そういう事故を想定して、そういう事故があり得るかどうかということを結論を出しているようでございまして、絶対という言葉は、それはあるいは絶対でないんですから、しかし確率が非常に小さいものだという結論を出しておりまして、いまお話しのように、なるほど原子炉の中のいろんなパイプや何か、また亀裂した個所がどういう個所かということによりまして、事の重大性というものは変わってくるとは思いますけれども、しかし、いまおっしゃったようにそれがすぐ重大事故につながるんだというふうに理解するのは、私はちょっと早過ぎるんじゃないかというふうに感じるわけです。
○辻一彦君 私の聞いているのはね、アメリカでは二月五日に米上下院の原子力合同委員会、プライス委員長も去年の夏私会っていろんな意見も聞きましたがね、それがアメリカのいわゆる原子力委員会を改組してできた原子力規制委員会の委員長ほか委員を招いて長い時間にわたって聴聞会を開いて、その中で、原因が不明であると、前の九月の冷却パイプの原因も不明、まして今度はそういう上に立って判断ができないと、だからこの専門家による研究グループをつくって、これは冶金、化学、水質、いろんな面からすぐ検討しなくちゃならぬと、こういう重大な受けとめをしている。そういう実態に応じて、あなたの受けとめは、まああり得ないし、心配がないと、こう非常に軽く考えられておると思うのです、事の重大性を。私はこのパイプがこれは発見されたんですから、そのまま重大事故にすぐなると、こういうようには申し上げておらないけれども、しかし、もしもこの緊急冷却装置の作動を必要とするというような事態が起きたときには、これはそのときに重大な事故になりかねない問題ですから、だからその重大な問題としての受けとめをし、対策が必要でないか、このことを言っておるんですが、これについてどうなんですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 同じBW、PWを使っておりましても、ドイツとかフランスのようにちっとも、米国が総点検をしても自分は大丈夫だというやらぬ国もあります。しかし、わが国ではいまおっしゃったような、米国でそういうふうに大事をとって検討するということでございますから、わが方もそれに呼応いたしまして御承知のように炉をとめまして検査をし、いまも御指摘がありましたように、検査の結果いささかの故障でもめっかればそれを切り取って、そして今後それに対する対策等を進めようというんで、通産の技術顧問会で専門家を集めましてそれを検討しているのでございますから、検討しないんじゃなくて検討しているんでございますから、事が重大だということで、検討しないわけではございません。私は、どうしてそういうことがもっともっと技術的に進んで、あり得ないようにできないもんかという疑問を持っておったんですけれども、しかしやってみますと未知の技術でございますから、いろいろそういう故障的なものが出てくる。したがって、それに対する対策を技術的にあるいは材料的にいろいろ研究してみるということをわが国がやっていないならいいですよ、やっているんですから現在。そういう意味でございます。
○辻一彦君 長官、いささかの故障でもと言ったって、あなた、アメリカで上下院の合同委員会を開いて、その原子力規制委員会の委員長から全部を招いてあれだけの論議をして、緊急研究グループをつくって取り組んでいるというのを、それをいささかの故障でも考えてみるって、その認識が私は非常に理解できないんですよ。だからやってないとは言いません、やっておられる。しかし、どういう受けとめをしているかということが私は大事なので、いささかの故障なんだけれども、アメリカもやっているからこっちもやってみようと、そういうもので私はこの問題の本質は、この中身はないと思うんですが、そこの受けとめをどう理解されておるんですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 私はドイツの最近の状況しか見ていませんから何とも言えませんけれども、しかしそういう問題に対してはドイツは独自に、自分で研究解決済みだということで、別に米国でそういう問題が起きても同じ検査のために炉をとめるなんてことをいたしておりません。それは自信があるからだと思います。しかし、日本は残念ながらそういうところまで独自の、安全点検を一生懸命やっている最中でございますから、そういう点が起こりますれば、わが方も炉をとめまして、そしてそういう部分を再点検し、問題がありますればそれに対していま申しましたように通産省の技術顧問会等で真剣に検討しているということでございます。
○辻一彦君 ドイツの例を出されたけれども、私も昨年ドイツは十日ほど行っていろんな発電所や政府機関みんな回ってみましたよ。これは同じようにアメリカから軽水炉を戦後導入したけれども、自前の技術を開発してドイツ式の原子炉をつくって各国に輸出するぐらいになって、だからアメリカで起こった問題はもうそれは自前の、こちらの技術があるんだから別なんだと。そういうあらゆる面において長い問かけて技術をつくり上げ、しかも膨大な予算を積み上げてそれだけの態勢をつくってきてドイツはそう言っているんですよ。そのドイツの例を引き合いに出して同じようにやられるというのは、日本の大体戦後の原子力行政の歩みを見れば、軽水炉の導入を見ればそれは残念ながら、いろいろな努力はされてきたと思うけれども、やはりいま幾つか起こった問題は全部アメリカから出てそれによってあわてて調べてみるという状況ですよ。ドイツの例を引用されてそういう御答弁は私納得いきませんから、ドイツの現状をどう考えておられるのですか。
○国務大臣(佐々木義武君) できますればドイツのように日本もあるべきじゃなかろうかということで、ただいま独自の軽水炉に対する安全の研究を原子力研究所が中心になりまして進めている最中でございます。そのまだ途中でございますからドイツのように――アメリカが故障が起きたからすぐそれに相応して日本も同個所を調べるというのはドイツはしてません。しかし日本はアメリカでそういう故障が起きたという通報を受ければ、日本もそれに相応して安全をファーストとするがゆえにそれをとめまして点検をすると、こういう状況になっておることをお話ししただけでございます。だから重大でなくて何でもないということになれば、とめないで済まさせますよ。しかし、わが方はそうじゃありません。ですから、炉をとめて点検して、その結果そういう個所があればそれを切り取り、研究し、今後その対策を練っていくと、こういう状況にありますということを実情を申し上げておる次第でございます。
○辻一彦君 いや、ドイツのようにならなくちゃいかないということならわかりますよ、それは。
○国務大臣(佐々木義武君) そういう意味ですよ。
○辻一彦君 それはわかりますよ。しかし、ドイツは長い問努力をして今日に至ったので、ドイツがこうしているからどうだと、こういう引用は私は引き合いにはならないと、こう申し上げておる。そこでこの事態のこれは大変大事な問題だということは御理解をされておると思います一時間の点もありますから、それが一体これからどう点検をし、どう処置をして、そしていつごろまともになるのか、これは切り取ると言ったって簡単な問題じゃないですよ。格納容器の中で圧力容器の近くの部分を切断するというのなら、バイパスのあれを切ったような簡単なものではない。それはなかなか大変な問題ですよ。これはどういう作業で、どういう研究をして、いつごろ大体まともになる見通しなのか。これはどうなんですか。
○政府委員(生田豊朗君) 今後の問題としましては二つあるかと思います。まず第一は直接の原因と考えられております溶接の問題でございますが、この溶接につきましては、通産省が電気事業法によりまして溶接方法の認可をしております。それから各種の検査もしておりますので、今後とも通産省でその溶接について十分チェックしてまいるということが第一でございます。 それからもう一つは、原子力委員会の安全審査でございますが、安全審査におきましても、今後原子炉内の重要部分につきましては材質の選定その他、こういう問題につきましての設計上の配慮が十分行われますように、安全審査におきましても十分配慮してまいりたいと、この二点が主要な対策であろうかと考えております。
○辻一彦君 いや、パイプをいつ切ってどうするのか。
○政府委員(井上力君) パイプの切り取りにつきましては、放射線レベルその他からいきましてさほどむずかしい作業ではございませんので、なるべく早い機会に切り取りまして、できれば四月中には検討いたしたいと、かように考えております。
○辻一彦君 敦賀と福島はいつパイプを切りますか、およそのめどとして。
○政府委員(井上力君) 四月上旬から中旬というふうに聞いております。
○辻一彦君 じゃ、その切り取ったパイプをどこで研究するのですか。
○政府委員(井上力君) 敦賀の場合には日立の研究所でまずやることになると思います。
○辻一彦君 福島は。
○政府委員(井上力君) 石川島播磨におきましてまずチェックすることになると思います。
○辻一彦君 その原因の解明をして、後は新しいパイプをつなぐつもりでしょうが、それは大体時期的にどんな見通しになりますか。
○政府委員(井上力君) この点につきましては調査してみませんと現段階ではちょっと申し上げられません。
○辻一彦君 じゃ、四月の上旬か中旬に非常用のパイプを切り取って、これから原因の調査に入る。そうなればかなりな期間やはり原子炉を動かすわけにはいかないと思うんですが、どのくらい考えておりますか。
○政府委員(井上力君) 先ほど申し上げましたように、切り取りまして調査をし、検討をしてみませんと、どれぐらいかかるか現段階ではちょっと申し上げかねます。
○辻一彦君 かなりな期間、その解明を待つとすればかかるということであろうと思います。 そこで、これは一つのB型――沸騰水型の場合ですが、美浜、関西電力系の加圧型には蒸気発生機の問題がある。さらに最近燃料棒に、美浜の二号炉に昨年と同じような現象が出ている、こういうことを資料で聞いておりますが、時間の点があるからきわめて簡単にちょっと様子だけ聞かしていただきたい。
○政府委員(井上力君) 関西電力の美浜二号機につきましては、御承知のように一月の八日からとめまして定期検査を行っておるわけでございますが、その中におきまして燃料体の検査も行っておるわけでございます。現在まだ燃料体の検査につきましては続行中でございますけれども、いままでのところシッピング検査、これは百二十一体全部について行っておりますが、漏洩は全然認められておりません。それから燃料の外観検査を水中テレビによりまして全数行っておりますが、これによっても異常は認められておりません。それからペリスコープによりまして八体ほど観測しておりますが、これによっても異常は認められておりません。燃料棒のギャップの問題につきましては、テレビによります測定は一応終了しておりますが、現在すき間ゲージによりまして詳細調査を行っているところでございます。
○辻一彦君 それは、ギャップというのは、ギャップが縮まれば曲がるということだけど、ギャップはかなり縮まっておるんですか。
○政府委員(井上力君) テレビによります測定によりましては縮まっているものも見受けられるというふうに検査官から報告を受けております。
○辻一彦君 その詳細は検査が終了した後でまた伺いたいと思います。 そこで、長官、この沸騰水型を見てもそれから加圧型を見ても、試運転をするまでは科学技術庁が責任を持っている。それから動き出して問題が起こると今度は通産省がその所管になっている。まあある面においては二重チェックというそういう点もありますが、これは原子力行政の一元化、安全性の問題から言うと、試運転に入るまでは科学技術庁が安全審査から動くまでは責任を持ち、後は問題が起こったら通産省。私はこの体制は非常に問題がある。これは一元化をしてきちっとやらないと、これからは数がだんだんふえるんでしょうから、そういうものに対応し切れない、こう思いますが、そういう大筋でどうお考えですか。
○国務大臣(佐々木義武君) いまの典拠法規、すなわち原子炉等規制法とかあるいは電気事業法等をそのまま現存いたしますれば、改正せずにこのまま使用すれば現在のような行き方しかとれませんので、さらに行政措置として両者の関連についてもっと密にするとか、あるいは相互に検査に携わるとか、いろいろな行政的なその間に改善措置もあろうかと存じます。しかし根本的にはいま御指摘ありましたように、私も原子炉等規制法をつくった張本人でございますから、あのときは一貫して検査、審査すべきだという主張でございましたが、なかなかむずかしい状況でございましたのでああいう法規になっておるわけでございます。現実にやってみますと、おっしゃるようないろいろな点がありますので、これを行政措置としての改善方法だけで今後やっていけるか、あるいは法改正まで進めなきゃならぬかといったような問題が今後の課題ではなかろうかというふうに考えます。
○辻一彦君 これは御発言のように、あなたがその原子力基本法をつくられた当時そういう構想をお持ちだったとすれば、これは大変私、大事なことだと思うんですよ。恐らく原子力関係の法規もあるし、電気事業法等の通産の法律関係もあろうと思うんですね。だから温排水や環境問題は電気事業法で通産省がやる、科学技術庁は余り知りませんよとね。それから安全性も前半は科学技術庁、しかし後動き出したらこれは通産省。これは私はどうもこれから百万キロ単位の発電所が動き出すと、まだまだ予測されないようないろいろな問題が大なり小なり出てくると思うのですよ。そのときにばらばらにこうやっておったんでは対応し切れぬ。そういう意味で、原子力基本法やそういう原子力の関連法規、あるいは電気事業法等の改正をも考えてこの一元化の努力をすべきだと、こう思いますが、重ねて御見解を伺いたい。
○国務大臣(佐々木義武君) これは両省にまたがる問題でもございますので、両省と申しますか、原子力委員会あるいは通産省等にまたがる問題でございますので、御承知のようにただいま内閣に原子力行政懇談会を設けましてこれを検討することになっております。いままでこういう問題に関して各方面から出されました意見はそれの改善方策まで触れておりますので、そういう問題に対してはっきりした結論を出してくるのじゃないかというふうに実は期待しておるのであります。
○辻一彦君 まあ行政の面でも一元化を具体的に考えなくてはならない段階にあり、しかもそれをいろいろな機関においていま十分検討してそういう方向が出るだろうと、こういう御答弁でありますですね。私はこれはぜひひとつ努力をいただきたいと思います。そこで、行政の単なる科学技術庁や通産省や環境庁というそういう関係だけではなしに、原子力委員会自体のあり方もいろいろな構想が出されておりますが、これはもう改組をしてこの機能分離をし、しっかり取り組む必要がある段階に来ておると思います。十分御承知のことですが、アメリカのいわゆる原子力委員会が年末に改組されて、開発研究という推進の部門とそれから安全環境を規制する部面に明確に二つに分かれている、独立の機能になったと、これはもう御専門の皆さんが御承知のとおりですね。私、昨年の九月の半ばにアメリカの原子力委員会を訪ねてみましたが、この開発研究部門へ行くと、もう規制の問題については、話はしますがね、しかしそれはもう責任ある答弁はやっぱり規制総局へ行って十分聞いてほしいと、こういうことで、責任を明確に分けておりますね。そこにアクセルとブレーキをきちっと分けて、アクセルを踏む方はその踏む方に努力をし、ブレーキを踏む方はブレーキを踏む方に努力をしている。明確に当時でもその機能は分かれておりましたが、それを組織的にはっきりと昨年の十二月に分離をして、いま原子力規制委員会はアメリカで強力な力を持ってこの安全環境に対処をしている、こういう段階にありますね。私はこれはもう日本の場合もこれだけ原子力発電、また「むつ」の問題を抱えてみれば、明確に原子力委員会の機能というものを分けて強力な環境を、安全を規制する独立の委員会もしくはしかるべき機関を設置をしていかなくてはやれないのじゃないかと、こう思いますが、こういう大筋の問題についてどういう所見をお持ちか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 私はおっしゃるような意見に、客観的な要因と申しますか、定着しつつあるようには考えますけれども、反面、日本の現段階では安全の開発をすること自体がこれが安全を確保する最大の道だと、したがって、規制と開発というものを切り離すのじゃなくて、規制そのものよりは安全研究と申しますか、安全の開発をしていくのが一番重要な問題なので、両者を分断するのは理論的にどうじゃろうかという議論を出す人もおりますし、あるいはもっと高い判断から、原子力委員会というのは開発もさることながら、本来の任務は、原子力基本法に基づく日本の原子力の研究、開発、利用は平和の目的に限るという大原則があって、いわばそれの番人のような最大至高の任務を持っておるはずだということなれば、そういう点も配慮して、定着しつつある両者を分けるという思想にそのまま深めていっていいのかどうかという議論をする方もございまして、全部行政懇談会にかぶせてしまうのはいささか私も答弁に窮するのでありますけれども、しかし、あの委員の皆さんは、そういう非常に深い、高い考慮を払っている方でございますから、そういう点も加味して日本の現状としてあるいは将来を考え、どういう方向が一番よろしいかという結論が出てくると思います。しかし、ただいまの考えでは、安全規制がファーストということになりますればお話のような方向にいくのが大体定着した方向ではなかろうかというふうに考えております。
○辻一彦君 私も安全ということはやっぱりその安全性の研究というものが進められなければいけないから、だからそんなことを別々にと思いませんが、いわゆるこの発電計画や原子力の推進計画を進める分野とそれからこの安全、環境規制、そういう分野というものは、やっぱり分かれてそれぞれやっていかなくちゃいけないんじゃないか、こういうことを申し上げておるので、安全性を高めるためにいろいろな安全上の研究をやっていく、実験をやっていく、これは当然大事だと思いますね。だから、仮に分かれてもその安全の研究というものは、規制のために必要な研究はやらなくちゃならないと思います。 そこで、そういう結論を大体いつごろ出される考えですか。これ全般の状況からなかなかこの六千万キロワットというのは、これは見直しをせざるを得ないと思いますが、それにしてもかなりな発電所がいますでに建設されている。こういうものが動き出すということになれば、たくさん私は大なり少なり問題が出る、事は急がなくてはならない、こう思いますが、いまのような方向における結論を、ほぼいつごろ出すようにめどを置いておられるか、いかがですか。
○政府委員(生田豊朗君) 内閣の原子力行政懇談会が第一回が行われたばかりでございますが、そのときのお打ち合わせですと、夏の八月に夏休みをすることになると思いますが、その前までに大体の骨組みが固まるのではなかろうかということでございます。それで、夏八月一カ月審議を中断しております間に肉づけをいたしまして、その後なるべく早く結論まで持っていきたい、そういう御意向のようでございます。
○辻一彦君 秋ぐらいですか。
○政府委員(生田豊朗君) 順調にまいりますと秋から、おくれましても年末までにはまとまるかと思います。
○辻一彦君 これは予算委員会でも、三木総理はまた例のように一年たってから同じことを言うのじゃないんですねと念を押したら、それはもう年内に必ずやってみますと、こういう御答弁でしたから、いまもそういう方向に進んでおると思いますが、努力していただきたい。 そこで内閣の原子力懇談会に出されているいろいろな検討資料というものは、われわれも国会の審議のために勉強する必要があると思うんですが、提出いただけますか。
○政府委員(生田豊朗君) 御提出いたします。
○辻一彦君 それでは前回の内閣の原子力懇談会に出された資料を提出いただきたい。 それから、もう二、三分ですが、ひとつ時間がないのでいずれあの設置法の論議がありますから、そこに詳しいことは譲りますが、一点お伺いしたい。 それは、私は各国の原子力の行政やそういう取り組みを見て回って感じたことは、日本の原子力開発の進め方は、たばこのきせる、昔のむ、あれがありますね、その胴体だけふくらまして、肝心のガン首と吸い口をそのままにしておいて、真ん中だけ太らしている。だから開発計画だけは何千万キロワットの何十台にすると、そういう計画はどんどん立てているけれども、一番もとの原料であるウラン、それから濃縮ウラン、そういうものを一体どうするのか。吸い口の一番最後のいわゆる燃料の後始末と再処理、それから廃棄物をどうするか。ここはもうきせるのガン首と吸い口をもとのままにしておいて、放置しておいて、真ん中だけむやみに太らせている。だからネックは前と後ろにはっきり出てきているようです。こういうやり方ではとても私は健全な計画とは言えないと、こういう感じを受けたんですが、そこらはひとつどうお考えになりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) まさしく御指摘のとおりでありまして、原子燃料公社をかつてつくるときにもずいぶん議論がございまして、原子力研究所の開発部面のみならず燃料サイクルを目指して、これが一番原子力の特徴でもあり重要な問題でございますから、その点に力を入れようじゃないかというので原子燃料公社をつくりました。で、だんだん進めておったんでございますけれども、その後二つの機関を合併すれば新しい機関をつくってやるといったようないろいろ行政的な問題がございまして、とうとう燃料公社とそれから新しい新型を開発する機関と一緒にして御承知のように燃料公団ができたわけでございますけれども、まあしかし引き続いてその面は進めておるわけでございますから、手薄なこと、あるいはおくれていることは御指摘のとおりでございますけれども、できるだけひとつ追っかけ追っつきまして、燃料サイクルは一応完成できるように、おくれた部門に重点を置いて進めてまいりたいというふうに考えております。
○辻一彦君 終わります。
○佐藤隆君 国土庁が窓口であります災害対策、そのことについて質問をさせていただきます。 自然の脅威から人命、財産、生命、そういうものを守るということは、いわゆる政策以前の政策ということで積極的に詰めていかなきゃならぬという議論は私どもかねてより政府部局それぞれとも話し合ってきたところであります。しかし、その自然災害防止事業というものがどの程度満足すべき進み方をしておるか、進められておるかということについては私自身いささか疑問を持っているわけであります。そういう意味におきまして、まず自然災害防止事業の直接実施官庁であります重立ったところから、まず自然災害防止の対策事業、これが計画どおりに進められてきておるかどうかということをひとつお答えをいただきたい。時間がありませんので、要点だけもうぴしっぴしっと答えていただきたいと思います。
○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。 防災事業の中で建設省におきましてはこれの中心となるのが治水事業だと思いますので、治水事業について申し上げたいと思います。現在治水事業につきましては昭和四十七年度を初年度といたします第四次治水事業五カ年計画に基づいてやっておりまして、五十一年度が最後でございますが、五十年度予算案によりますと、昨年より三%増ということでございますが、現在までに累計投資額は二兆百二十一億円でございまして、残事業が約一兆円でございます。したがいまして、五十年度末になりますと、累計進捗率は六七・一%ということで、四年間かかって三分の二ということになりまして、あと一年で三分の一残っておるということでございますが、私どもは昭和五十年度末には七一・六%程度と思っておりましたけれども、二年間の総需要抑制ということが関係いたしまして、六七・一というのが現状でございます。以上でございます。
○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいま河川局長からお話ございましたように、私ども林野庁でも復旧、予防、地すべり等も含めましての治山事業をやっておるわけでございますが、四十七年度を初年度といたします第四次五カ年計画の五十年度は第四年目と、こういうことになるわけでございます。私どもの第四次五カ年計画は計画額といたしましては五千八百億となっておりまして、これが現在の進度で申し上げますと、五十年度末の投資累計額は三千六百五十五億円というようなことになりまして、私どもが当初計画いたしておりますのは五十年度で七〇・八%という進度率を予定いたしておるのでございますが、この投資額から見ますと、実績といたしましては六三%というようなことになるわけでございます。したがいまして、若干のおくれが生じているという事実でございまして、私ども効率的な運用に努めて自然災害を何とか防ぎたいと、こういうことを考えておるところでございます。
○佐藤隆君 いまお聞きしますと、たとえば治水関係、林野関係だけ見ましても、せっかく国民が期待しておる五カ年計画を立てられても四カ年で三分の二をどうやら消化をしたと、あとの三分の一を残る一年間でやろうと、これはもうできようはずもない。恐らく一〇〇%目的達成は不可能じゃないですか。そういうことになろうと思います。そうすると、一体何でおくれてきたのか、これはやっぱり考える必要があると思うんです。何でおくれてきたのか。私は、実は最近の、一昨年のオイルショック以来の経済変動に基づく総需要抑制、これは経済変動、経済激変、この中で出てきた一つの政策です、そういう政策のあおりを受けているのではないかと。で、一般の公共事業の中に公共事業といってもやっぱりいろいろあると思うんです。ですから、いわゆる今後の経済発展のボトルネックを解消するための道路とか港湾とか、あるいは工業用水等のような、そういう産業基盤にかかわる問題、公共事業、まあこういうものと、この防災事業というものをやっぱり区別しなければいかぬのではないかと、こう思うんです。特にそういう意味では、景気調整策の一環としてこの防災事業の事業費が調整されるようなことがあったとしたならこれは大変なことだと、こう思ってこの一、二年見てきたんです。そこで、しかし皆さんから考えられて、総需要抑制のあおりを受けているという私の認識が誤りであろうかどうか。現状認識がやっぱり大事でありますから、そうでないと前に進みませんので、その点はどうお考えになっておりますか。建設省と林野庁からお答えを……。
○政府委員(増岡康治君) まあ先生のおっしゃるとおりでございますが、私どもは先ほど申し上げましたように、道路その他に比べまして三%も五十年度は伸びておるということは、総需要抑制の中でもやはり重点にしていただいたものと考えております。したがいまして、この予算の執行に当たりましては重点的に選択してやろうと、実効が上がるように実は考えておるわけでございますが、しかしながら、地域住民の要望とは相当まだ差がありますし、私ども仕事を預かる立場、行政の立場から言えば非常に残念ということも考えておるわけでございます。
○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいま河川局長のお話のとおりでございまして、総需要抑制等の関係から、若干のおくれはこれは出ているわけでございます。これは現実でございます。なお、緊急治山あるいは予備費の支出というような制度は実は開かれておることもございまして、急ぐものにつきましては、人命、財産の保護ということが非常な大事な仕事でございますので、私ども先ほど申し上げましたように、少なくとも緊急度の高いものから、そうしてまた予算の効率的運用ということで対処しようといたしておるところでございます。
○佐藤隆君 まあ役所として、これは総需要抑制のあおりを、いまの政策のもうまさに柱である総需要抑制、そのあおりを受けて困っているんだなんということをかっきり言えるはずはないと思うんです。ですが、そういうことがやっぱり影響はしておるという認識ね、この認識は一致しているのではないかと私は思うんですよ。そういう意味でさっきお聞きしたんですが、もう一度だけ――いいんですよ、総需要抑制が間違っているわけでもなし、私どもも総需要を抑制すべきだと言ってきた一人でありますから。ただ、それが仕分けをしてみると、道路が一番影響を受けているとは言いながら、それじゃ防災事業は全然影響を受けていないかというと、やっぱり影響は受けているだろうと、そういう考え方ね、これは認めてもいいんじゃないかと思うんですがね、これは大した問題じゃないですから、そういう認識でいいんじゃないですか。
○国務大臣(金丸信君) それは先生のおっしゃるとおりです。総需要抑制ですから、全体見てその影響はあるということは当然だと私は思います。
○佐藤隆君 まあやっぱり政治家の答弁ぴしゃっとしたことを言われるので、非常にすっきりした答弁で、私の認識とまさに一致をしておると、こういうことで、そこで、私はこの総需要抑制政策というものに影響を受けた自然災害防止事業、そういうことが――これからもいろいろな経済変動があると思います。 〔主査退席、副主査着席〕 経済変動があると思いますが、まあ少なくとも今後は国民経済の低成長時代に当分の間はこれを続けていかなきゃならぬ、入るであろうと、この認識もお互いが一致しているところだろうと思うんですよ。そうすると、まあ予算の硬直化現象とかいろいろ言われておりますが、そういうことと相まって、財源的には行く先自然災害防止事業についてはきわめて容易ならざるものがあると、こういう考え方を私は持つわけです。そこで、私は役所側に何か新しいことをひとつ考えていただきたいということを申し上げましても、やっぱりこのふところ、財源、これがまず話題となって、そして新しい計画はなかなか進まないのじゃなくて、新しい計画は立たないわけです。議論することもなかなかめんどうなわけです。そういう意味で、私もいろいろ今日までそれぞれの役所側の御意向も聞いてまいりましたが、新しい考え方がどうもない。まあいままでどおり、よそが縮められるならなるべくこっちは縮められないようにという程度のやり方であると、これではやっぱりわれわれとしては、われわれの考え方からすると、どうも政治ではないのではないか、こういう気がするんです、大げさな言い方でありますけれども。たとえばいま東京都知事選においても、各候補者が震災対策、これをみんな言っておる。そしてまあある人に言わせりゃ、それは全部国の方で財源のめんどうを見てくれないからそれは進まないのでありますと、国がめんどう見てくれれば進むのであります、こういうことなんですね。 私は、一昨年まあ役所側の理解もいただいて、しかし役所側からは発案はできないということで、議員立法――自然災害で生命を失った、財産をなくした人を援助する。しかもその援助の仕方は、災害対策基本法にあるまさに国の責務、地方公共団体の責務、住民の責務、一口に言えば社会全体の責任、これにおいてひとつ解決をしなければならぬという、その精神が忘れられているのではないか、こう思うんです。そこで私は、災害対策基本法の精神にものっとって、お互いがやっぱり知恵を出し合って、そして乏しきを分かち合って、どういう方法ができるであろうか、こういうことから出発して物事を考えてみてはどうかと思うわけです。そういう意味で、どうも国の財源は限りがある。じゃあ国民の財源、ふところには限りがないのか。私は、国民のふところも国の財源も財政も皆一緒だと思うんですよ。そういう社会観でなければいかぬと思うんですよ。そういう考え方から、実はさきに、私も一応授業を聞きながら、お示しをいたしました私の素案をつくってみたわけであります。そして、きょう、経済変動に伴う時の政策によって自然災害防止事業が圧迫されておるという認識が一致したわけでありますから、その上に立って新しい手だてということで私の素案をひとつ理解をしていただきたい。それには、やはりこうした国会論議の場で、ある程度の時間を割いて私自身が関係各省庁に御説明も申し上げなければならぬ、こういうことなんです。実は、このたたき台につきましては、私もきのうわが党の総裁にお会いをいたしまして説明をいたしました。そうしましたら、社会連帯という考え方の具体策として、なるほどということと、それから政府自身が政府に考えさせるたたき台である、こういう評価を実はきのういただいたわけであります。しかし、私どもがこういう、いま私が提案をしております、またこれから説明をしようとする私案は、政府において提案をされるのが適当か、あるいは議員立法でいったほうが適当かというようないろんな議論がこれからあると思います。あると思いますが、その趣旨をひとつ十分にのみ込んでおいていただきたい、こう思うわけなんです。 そこで、すでにお手元に先ほど来お配りをしております自然災害防止制度の概要について、私はちょっと説明をして、そしてひとつ皆さんのまた御意見も承りたい。そうぎすぎすした議論をしようとは思いません、もう土台の認識は一致しておりますから。そこで、やはり先ほどちょっと触れましたように、自然災害防止事業、それに対する理念というものをはっきりさせておかなければいかぬではないか。そういう意味で、国、地方公共団体及び住民は、こうした自然災害防止制度の趣旨を体してその社会的責務を実践しなきゃならぬ。お互いがこの世の中をひとつ守っていくんだと。国土を守り、人命を守る、財産を守るんだ、この理念は私はもう当然のことだろうと思うんです。さらに、自然災害の定義というものが、これがまた従来いろいろ議論されてきたんです。幸い一昨年の個人災害救済法――俗称でありますが、この個人災害救済法で自然災害の一つの定義がなされておりますので、これはもうここで御説明するに及ばない、こう思うんです。そこで自然災害防止五カ年計画、ある程度の長期計画をひとつ立ててみてはどうか。たまたまいま政府側からお話ありましたように、治山治水五カ年計画がすでにこの四月から第四年度に入る。来年は最終年度であります。ところが、これが達成が見込みがない。だから、その中で緊急を要するもの、いろんな線の引き方があると思うんです。急を要するもの、そうしたことについて一つの事業計画を設定する。しかし、事業計画を設定するにしても、国民の、地域住民の理解を求めなければできないことですから、あなたのところは危ないんですよということを私は誘導指標、ガイドポストのような形で――絶対ここはもう危ないぞと言っておいて、危なくなくなればまた文句を言う、このごろそういう意味での自由もはやりますから、何かそこに国において調査の結果に基づくガイドポストというものも示して、そして自然災害防止区域の指定をする。もとより、その指定は市町村段階から積み上げられたものでなければならぬ。その指定をするに先立ってはガイドポストが必要ではないか、こういうように思うんです。建設省では、私はかねて聞き及んでいるのは、百年統計、三十年統計によるその統計から推測すればこうだとか、いろんな決め方ができると思うんです。いまここで、こういう決め方ができますという答弁はいただかなくてもよろしいですが、ここでそういう一つのガイドポストというか、自然災害防止区域の一つの設定が不可能ではないということであるなら、そういうことでひとつ御答弁をいただきたいと思うんです。すでに急傾斜地崩壊防止法でさんざん議論をした当時から始まって、地すべり危険区域なんというものもこれは全国で六万カ所くらいあるわけですから、危険個所が六万カ所、だから、そういう数字があるわけですから、そういう意味での地域住民に理解をさせるガイドポスト、そういうやり方が考えられないことはないと私は思うんですが、いかがですか。簡単でいいです。
○政府委員(増岡康治君) 先生のおっしゃるような地域住民に対するガイドポストといいますか、そういう一つの方向からくるいわゆる危険地域の設定、こういう作業は現在までそうきれいにはできておりません。統計的にはございますが、しかし、そういう方向でものを考えていく時期が来ているという認識のもとに立って、私どもは現在も、そういう危険地域の公表の仕方をどうすればいいか、そういうようなことを実はいま勉強中でございます。ただ、全国一割に値するところが全部はんらん区域でございますし、この中に五千七百万人の人がお住みになっているということで、非常にマクロ的に見れば、それは大変な大作業でございます。そういう意味で、いろいろ各川ごとにモデル的な感じでいま勉強している最中でございます。
○佐藤隆君 林野庁もどうですか。基本は同じような大体考え方で考えられるのではないでしょうか。
○政府委員(松形祐堯君) お答えを申し上げます。 河川局のように一つの区域を指定してということを現実にはやっておりません。ただ、四十七年のあのような非常な大災害を契機といたしまして、建設省と一緒になりまして危険個所を総点検いたしました。非常にたくさんあるという個所も大体わかっております。したがって、その必要な、緊急度の高いところから治山事業等を進めておるわけでございますが、特に必要なところにつきましては、私どもとしては保安林指定、こういうことで保安林指定をいたしますと、それに必要な施設ということでいろいろな事業をやっているわけでございます。そういうかっこうで、私ども先生のおっしゃっております防止区域というようなものがやや同じような認識であろうかと思っているわけでございます。
○佐藤隆君 いまお聞きすると、私が考えているようなやり方は考えられないことはないと。しかもまた、そういう方向で検討もしつつある。まあ言葉の何というか、表現はいろいろあると思いますが、そういうことでありまするし、非常に、私もそう間違ってはいなかった、むしろこの種の危険区域の設定等についても、同じ認識のもとに考えておられるという理解をいたしておきたいと思います。 しかし、そういう統計上あるいはいろんな危険区域の調査等、それとはまた別に、実は学説というものがありまして、これがまたさまざまあるわけであります。これがまた住民の不安を一層かき立てる。しかし、そういう不安をかき立てるのが悪いのか、あるいは行政ベースでこういうことが進まないのが、この対策が進まないのが悪いのか、これも議論の分かれるところでありますけれども、ひとつ衆知をしぼってそういう方向で御検討をいただきたいと、こう思います。特に、過密都市の震災対策、震災対策の区域指定等につきましては、これはもう本当に統計上あるいは学説上、もうさまざまの見解があるわけです。そういう意味において、いま一番問題になっておる、自然災害防止事業の中で、国民の一番関心度の高い震災対策なんというものについては非常にむずかしさがあると思います。むずかしさはありますが、全国一割が冠水地域になるというようなお話も河川局長からありました。五千七百万人の人間がそこに住んでおるという話もありましたが、この過密都市の震災それ自身を考えても、震災対策全部取り上げようといったって、なかなか事は進まないと思います。全然対策はないけれども、まず、いますぐこうして議論している間にも地震が起きたという場合に避難道路。避難道路を決めるには避難標識によって住民に徹底させる。それだけの事業でも一体幾らかかるのであろうか、そういうことが必要な範囲はどの程度の地域であろうか、まあこういうことで詰めて言えば、私は十分に地域指定というものが、あるいは五カ年計画なりそういうものがわりあい簡単にと言うとちょっと言い方悪うございますけれども、できるような気がいたすのです。しかし一番大事なことは、さて、そういうことで作業が進んでいきましても、先ほど総需要抑制で財源の問題でという話が出ましたが、やはり財源が必要であります。 そこで、私がこの際、特に提案をいたしておきたいのは、特別会計、これをぜひつくって、特別会計で為特がありますし、それから食管会計の糧券もございますし、特別会計で公債の発行はできるわけでありますから、公債という形でひとつ財源を求めてはどうか。もちろん一般会計からも出す。しかしそれに加えて公債、これをひとつ考えてはどうか、こういうことなんです。で、特に国土庁長官によくお聞き取りおきいただきたいのですが、私、大蔵側にもちょっと説明を聞いてみたんです。国債、公債というものは、まあ国債も公債の中でありますが、国が住民から、国民から借金をすると、こういう形です。ところが、大事な仕事なんだから、大事な財源だからひとつ頼みますよというその仕組みが、いままでは日銀を媒体としまして主要金融機関、これを主としてのオペレーションが行われているだけなんです。およそ国民の目に見えないところで国が国民に借金をしている形なんです。もうそういうやり方自体にやっぱり一工夫こらす必要があるのではないか。そうすると、この公債というものを広く地域住民、あるいはもう金融機関だけではなしに国民の目に見えるところでやはり消化をするというような形で、防災公債というか、自然災害防止事業債というか、そういうものをひとつ財源にして、そしていま言った危険防止区域の設定、五カ年計画の実施、こういうものをやっていったらどうかと、こう考えるのです。きょうは、大蔵省には実は公債消化のいままでのあり方等についても私いろいろ聞いてみたので、大蔵省にもそういう本来の公債の消化のあり方というものについても議論をしようとも考えてみたんですが、もとより時間も足りませんし、また余り大蔵省と話をしているとだんだん話が進まなくなるんですよ。逆の方に行くんですよ。まあそういうことで、分科会というのは大蔵側からちゃんと主計官が来て聞いていることになっているんだそうですから、聞いておいていただくという程度にしておくわけでありますけれども、そういう形で何かやはり財源を、新しい財源を求めなければいかぬのではないか、そうでなければ進まぬなと。もう一度繰り返しますが、何か新しい財源があればなと、そうすればもっと事業実施官庁で考えておるようなことが進むんだがなと、こういう認識はお持ちだろうと思うのですが、その点はどうでしょうかな。
○政府委員(増岡康治君) まあ仕事をしております立場から言えば、やはり地域の住民にこたえる事業をやろうと思えばまだまだ金が要るという実感からいたしますれば、新しい財源があるということはこの上ないことだと考えておりますが、まあ従来から言えば、そこまでいかないで、やはり従来のような立場でもいいじゃないかという気もありますけれども、その辺は担当財政当局でございませんので申しわけございません。
○佐藤隆君 まあその程度で十分ですよ。それはそれ以上無理ですよ。それはあなた、後ろに大蔵が聞いているのに、それは新しい財源があればもっとできますと思ってますなんて、私と同じような言い方をしたんじゃこれは大変なことになるですよ。そういう意味で、その程度で結構です。もう気持ちは十分わかります。われわれと同じですよ。 そういうことで、私はいま概要を申し上げましたが、一つのたたき台を実はお示しをしたわけであります。そこで、このたたき台に基づいて政府がどのように取り組んでくださるか、私もこれはもう相当の時間をかけて検討してきたのです。そうむちゃな、そう薄っぺらな考え方ではないと思っております。いろいろ幾つかの壁があった、その壁を乗り越えるためにこういうたたき台をもとにして早急にひとつ検討をしてもらう、こういう必要があるし、それに十二分に資することができる素案だと実は自分で、失礼ではありますが、自画自賛をいたしておるわけなんです。それでただ、この概要を私まとめました段階で、きょうは自治省にもこれを聞いておいてくれ――と自治省来ておられますか。これもう答弁は要りませんが、聞いておいていただきたいということで出席を願っておるんですが、これにはやはり地方の――この素案をたたき台にして政府部局で検討するにしても、自治省側の考え方というものもそこにいろいろ議論をしていただかなければならぬということと、もう一つは、これは国がやる素案になっております。国がやる素案になっておりますが、考え方によってはそれぞれの地方自治体、それぞれの地域における防災事業債、そして国がそこに利子補給をするというようなやり方、そういうことも、あるいは政府部局からそういう考え方もこのたたき台をもとにして出てくるのではないかなと。そうした場合、これと絡み合わせて一歩も二歩もまた前進するのではないかと、こういう期待が私にはございますので、実は自治省からも御出席いただき、昨日も自治大臣にこの案をとりあえず説明をいたしておったようなわけでございますので、そこもひとつ国土庁長官お含みおきの上、この素案に対するお考え、政府としての取り組み、その考え方をお聞きをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(金丸信君) ただいま先生の提案されました、私案ではございますが、私も高く評価をいたします。自然災害の防止ということは国土防衛という立場から考えてみましても優先すべきことである、こういうことを考えてみますと、この災害に対しては万全を期してまいらなくちゃならない、まあ財源の問題につきましてもまことに評価すべき提案だと私は思います。十分各省庁と連絡をとりましてこの推進をはかってまいりたい、こう考えております。
○佐藤隆君 大体予定された時間より、非常にはっきり答えていただいたんでこれで終わりますが、こういうことをやっぱり政治家が考えなきゃいかぬと思いますし、またお役所におかれてもひとつ本当にこれはもう国家国民のために考えていただかなきゃならぬ、こういうことだろうと思います。願わくば金丸国土庁長官在任中にひとつりっぱに、どういう方法であれ、これをたたき台とした一つのものができ上がることを期待をいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○副主査(矢追秀彦君) ちょっと長官恐縮ですが、いまの問題に関連して二、三お伺いしたいんですが、一つは災害対策基本法との関係ですが、もしいまの佐藤委員の主張の法案が仮に政府から出されるにせよ、あるいは議員立法で出されるにせよ、災害対策基本法との関係性はどうなるのか。もしこれが出てきた場合災害対策基本法の性格自身を少し変えなくちゃならぬのじゃないかという気もするんです。私よく勉強しておりませんのでわかりませんが、その点がどうなのか。 もう一つは、これはやはり推進をしていただきたいと私も考えますので、その点督励もお願いして、二つの点をお願いします。
○国務大臣(金丸信君) 災害基本法とこれはそごするものじゃない、これにのっとってこれを推進できるんじゃないかと私は考えます。 ―――――――――――――
○副主査(矢追秀彦君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。 ―――――――――――――
○瀬谷英行君 国土庁長官にまず最初にお伺いしたいんですけれども、去年の、一年前の予算委員会では田中総理が日本列島改造論ということを掲げまして、事あるごとにこの列島改造論の必要性を強調されていたわけなんです。しかし、結果においては日本列島改造論というものが必ずしも具体化されずに砂上の楼閣のようなかっこうで消えてしまったかのように思われるんですけれども、この日本列島改造論という考え方は完全に消滅してしまったものなのかどうか、その考え方の骨格は三木内閣においても継承されているというふうに理解をしてよろしいのかどうか、その点はどうなっておるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金丸信君) 日本列島改造論というと、まことにイメージがダウンするようなきらいがあるわけでございますが、現在第三次新全総計画をやっておるわけでございますが、そういうことを考えてみますと、交通、通信のネットワークの形成とか工業の全国的再配置とか新しい地方都市の建設、こういうものを三本柱としていわゆる均衡ある地域社会をつくり、そして過疎過密をなくして、所得の格差のない豊かな実りある社会をつくるという考え方、これは私はいつの世になっても政治の理念として、また考え方としてそうあってしかるべきで、ただ日本列島改造論というものはあくまでも前田中角榮氏の私論である。国は国としての新全総の考え方でいくということが私は当然であるし、継承ということより、むしろ第一次、二次、三次新全総の計画をいまやっておるというようなことから考えれば、田中さんの考えておるのは一つの私論だ。その本線は別に、そのまま田中さんの私論ということでなくて、一つの計画として進められておる、こう解釈していただいて間違いないと思います。
○瀬谷英行君 私は、この過密過疎の現状というものは日本列島改造論のよしあしとはかかわりはなしに解決をしなければならないきわめて重要な問題だろうと思います。東京都の人口というものは、ほぼもう人口の急増という点から言うととまったようでありますけれども、周辺の各県は依然として人口がふえ続けているわけなんです。東京はもうまさに窒息状態、東京周辺の県はパンク寸前状態、こういう状態でございます。私の埼玉県に例をとりますと、選挙のたんびに人口は百万ずつふえている。それで、前回の選挙のときは村だったところが町を飛び越えて一挙に市になっちまった。前の選挙のときには田んぼ道、どろんこ道を青大将がくねっていた。それが今度の選挙で行くと、団地ができちまって市になっている。ところが市になってみても、それは団地ができて人口がふえたから市になったというだけで、市らしい市にはなっていない。まことにつり合いのとれない市ができちゃっている。もよりの駅はバスに乗って東京都まで行かなきゃ電車に乗れないといったような状況なんです。しかも、この東京近接地域の団地以外の建物は建て売り住宅でもって、きわめて狭い地域に、建蔽率もへったくれもない、びっしりとマッチ箱のようなうちが建てられている、こういう環境上芳しくないような地域ができているわけですね。これはこのままほうっておいていいものだろうか、こういう疑問が出てくるわけであります。そこで、過密過疎の解消とか国土の均衡ある発展とか、いろいろ言われますけれども、思い切ってこれは首都を移転をするということに踏み切らなければ、ちょっと首都圏の問題は解決できぬのじゃないか、こういう気がするわけですね。前にもこの首都移転という話は出たことはあります。記憶にあります。河野一郎さんが建設大臣の当時そんなような試案が出たような記憶がある。また衆議院の建設委員会等でも、この会議録を拝見をすると、そのような御意見が出ておるようにも見受けられるんですが、単なる考え方、検討の時期ではなくて、この首都移転についてはもはや決断をすべきときではないかと、こういう気がするんですけれども、国土庁長官のお考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金丸信君) 私は、ただいま瀬谷先生の御質問なかなかむずかしい問題で、ただ高度な政治性を持っておるという感じもいたしますし、また高度な政治の上で判断すべきだと思うんですが、先生がおっしゃられるように、東京の過密、また東京の過密を受けて、その近在の埼玉、神奈川あるいは千葉、こういうところでは非常にしわ寄せ、ひずみが、東京のひずみをまともに受けておるというようなこともそのとおりだと私は思うわけであります。そういう意味で、同志相はかりひとつこの問題を十分に検討してみようじゃないかというようなことで、超党派で懇談会をつくっていまこの問題を詰めておるわけでございますが、いつの日かその問題は早い機会に私は判断すべきだと、しかし、この判断というものはあくまでも国民のコンセンサスというものは必要であるということであろうと、しかし、それについては余りに国民がこれを知らな過ぎるという点もあろうと私は思うわけでありまして、そういう意味で、この問題について国民に周知徹底を図ることも必要であると、遷都すべきかあるいはすべきでないか、また遷都しない場合はどういう方法でいくのか、遷都する場合はどうするのか、また遷都した後の東京におけるひずみというようなものはどうなるのか、あるいは交通網の問題や水の問題やその他あらゆる問題がこの過密という問題について、つきまとっておるわけでございますから、先生のおっしゃられるように、まことに緊急なことであるとは私も思います。そういう意味で、緊急なことであるけれども、さりとていまのいわゆる国民のアンケートをとった結果を見ると、無関心という考え方が多いんじゃないかと。政治家としてはこれをできるだけ徹底して、いわゆる東京の実態というものを知ってもらい、その実態の上に立って首都を移転すべきであるかないかということは国民の動向によって高度な政治判断をすべきだと。しかし、私は個人としては先生のおっしゃられるような考え方を持っておるわけでございますが、しかし、この問題を個人の考えで決定すべきものではない、こうも思うわけであります。
○瀬谷英行君 たとえば窓から外を見て東京の空の色を見た場合、青空なんというのは見られないわけですな。天皇陛下の住んでいる宮城の上だって、これは例外じゃない。この空の色が年がら年じゅうこの色です。それで、盆と正月に大ぜいの人が田舎へ帰ったときでもないと、青空が見られない。空気なんというのは味があるもんじゃないから、そう空が汚れていようといまいと、お互いは感じないわけなんです。しかし、この空の色一つ見ただけでも深刻な問題として受けとめるべきではないかと、私は思うんです。 で、交通の問題7つ考えてみましても、たとえば鉄道輸送がもうどうにもならぬ。輸送力を強化するために線増をしたくとも民家の密集地域の買収費というものは天文学的な数字の金額を必要とする。騒音公害といったような問題を解決するにしても同じだ。こういうことを解決するためにどうしたらいいかということになると、結局東京通勤者の数というものを規制するほかないわけです。これを考えてみると、やはり首都はいつまでも東京に置いておかなければならないという理由はないと思うんですね、明治以来なんですから、たかだか、この東京の首都というのは。それまでは京都だったり奈良だったり、鎌倉だったり、いろんなところにあったわけです。東京に政治の中心を置かなきゃならぬという理由は何にもないわけです。百年たったんだからこの辺でどこか新しいところを見つけて引っ越しをしたってこれは文句は出ないだろうと、こういう気がするんですがね。まあ総理府長官もお見えになっているから、いま国土庁長官からは私見としてはもっともだという御意見があったので、総理府長官からもお伺いしたい。
○国務大臣(植木光教君) 現実の東京都の実態がどのようになっているかということは瀬谷委員の仰せられるとおりでございます。ただ、国土庁長官がお話しになりましたように、いろいろ政治、経済、あるいは文化等々の中心的な位置を占めている東京都でございますので、これをどこかのところへ持っていくということになりますれば、やはり国民的なコンセンサスはなければならないというふうに私も考えるのでございまして、最近になりまして少し人口のUターン現象が起こり始めているという実態もございますが、しかし、過度に諸機関が集中しているという現実の姿というものに対しましては何らかの方法で解決すべきであろうと思います。私としては、この際国土庁が中心になられましてこの問題について研究をしておられるところでございますから、その結論を待ちまして、いずれ政府部内の意思の統一が必要であろうと思いますが、その際には、その結論に対しまして私なりの意見を申し述べさしていただきたいと思いますので、ここで明確に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○瀬谷英行君 そう警戒する必要ないんですよ。及び腰になって物を言う必要はないんです、これは。実際問題として東京は、これは都知事がだれになろうと――いろいろといま知事選挙がにぎやかですけれども、都知事がだれになろうともこの状態はどうにもなりませんよ。満員電車のような状態ですよね。これは何とかしなきゃならぬということは、もうどなたも否定できないんじゃないかと思うんですね。これは自民党から共産党に至るまで、これはゆとりのある都会であるというふうに認める方はいないと思う、一人も。ただ首都をどこかへ移してしまうということになると、これはなかなか個人の引っ越しとはわけが違うから、事が事だからというんで多少考えるということなんでしょうけれども、しかし、現実の事態はいつまでものんべんだらりとこのままの状態を見過ごしていられることではないと、こういう認識は恐らくどなたも変わりないと思うんです。 そこで、たとえば具体的な一つの例を挙げますが、埼玉県の川口市に日本車輌という工場がありました。その日本車輌が工場移転をして跡地ができた。その跡地に日本住宅公団で公団住宅を建てる、こういう計画を持っている。その住宅は高さが四十二メーターで十五階建てである。長さが五百二十何メーターであるという構想なんですね。それが京浜東北線の線路沿いにでき上がろうとしている。その計画が明らかになるにしたがって、その日陰になる住民は、北側の方の線路側の、反対側の住民はこれはえらいものができるというので反対運動が起きたわけです。私はその反対運動無理もないと思うのですね。高さ四十二メーター、十五階建てといいますと、大体議院会館の倍ですよ、高さがね。長さが五百メーターということになると戦艦「大和」の二倍ぐらいになりますわね。こういうコンクリートの山脈みたいなものができ上がるわけです。そうすると、それを背中にした方はいいかもしれませんよ。鉄道の騒音からも遮断をされる、日だまりになるということで、背中にした方はいいかもしれないけれども、それが南面をしている、つまり北側の人にしてみれば、日陰にはなるだろうし、風通しは悪くなるだろうし、新幹線もそこを通るかもしれないという状態なんですが、電車の音の反射音がもろにかぶってくるということにもなるでしょうし、いいこと何もないですよ。だから、私は反対論が出てくるのは無理もないと思っている。と同時に、第一、住宅として十五階建てだとか、最近は二十階建てだとか、そんなのが出てきているようですけれども、そういう高層住宅が生活環境として果たしていいかどうかということも問題だと思うのですよ。それは東京都心にビルができました。高いビルはできましたよ。だけども、これは仕事場なんですから、家へ帰るときは、夕方になりやさっさとみんな引き上げていく場所なんですね。ところが住いがそういう歩いちゃとってもいかれない、エレベーターでなきゃいかれないような高層住宅になったら、まことにこれは味気ないことになるんじゃないだろうかという気がします。だから、なぜそんな入れ物をつくらなきゃならないかということは、結局土地がないからだということになるわけでしょう。限られたスペースにたくさんの入れ物を設けようということになるから高層住宅ということになるわけです。果たして生活環境として望ましい姿であるのかどうかということをまず環境庁の方にお伺いしたいと思うのです。
○説明員(青木英世君) 先生御案内のとおり、日照の問題あるいは風通しの問題、騒音は別でございますが、これはいわゆる公害対策基本法におきます典型七公害には入っておらないわけでございます。環境庁の立場といたしますと、住民の健康と快適な生活環境を確保すること、こういうために建築物を建てます際に、十分な日照とか、あるいは風通しとか、こういうものが確保されるよう建築に当たっての設計とか、あるいは土地の利用等について十分配慮していただきたい、こういう要望はしております。
○瀬谷英行君 限られた面積にたくさんの戸数をということになると高層建築にならざるを得ないわけですね。高層建築になると庭なんというのはないわけですよ。家庭というのは家の庭って書くわけですね。ところが、こういう高層建築、マンションでもアパートでもそうですが、高層建築になると庭つきというわけにいかなくなるわけです。家庭といったって「庭」抜きの「家」だけになっちゃう。こういう生活環境が果たして理想的なものであるかどうか、何か災害でもあった場合には水もあるいは電気もみんなとまっちまったという場合に、そういう高いところに住んでいる人は一体どうやって暮らしていったらいいか。これは山の中へキャンプ行ったよりもっと始末が悪いです。こういう事態を考えると、私は狭いところに高層建築を建てて、そしてそれを住まいにするということはできる限り避けると。なるべく家庭というのだから、庭つきの住宅でもって、多少狭くても――日本は狭いんだから外国のように広い庭を個々に持つということはできませんけれども、それにしてもそういったゆとりのある生活環境ということが望ましいんじゃないだろうかという気がするんですよ。東京だっていまから三十年、四十年――戦前の東京というのは、庭つきの住宅を求めることは決してむずかしくなかった。そんなに高くない家賃で一般のサラリーマンが庭つきの家を借りていたという現実の姿はあるのですよ、戦前はね。だから、そういったような形の方が私は自然じゃないかという気がするんですね。都会というものはそういう姿に、できれば戻していくというのがいいんじゃないかという気がしますが、その点長官の御意見はどうですか。
○国務大臣(金丸信君) 人間の自然の本能としても、ただいまお話にあるような高層ビルへ入るというようなことは、これは余り芳しいことじゃないということも考えますし、またそうせざるを得ないということは、首都東京ということに問題があると私は思うわけでありまして、そういう意味から考えてみても、まあ緑もあり、水もあり、そうして庭もあると、こういうような家庭環境をつくるというようなことを考えるとするならば、当然私は現在の過密都市東京というもののあり方というものについて掘り下げなければならぬ問題が山積しておる。その問題が首都移転論だと、こういうことであろうと私は思うわけであります。
○瀬谷英行君 問題は東京だけでなくなってきているわけですよ、いまや。東京はまあいっぱいいっぱいになっちゃったわけですからね。東京からこぼれた人がみんな周辺の県に散らばっているわけです。その周辺の県も、これまた人口急増でにっちもさっちもいかなくなっちゃったんです。そうすると、東京並びに東京周辺の県は、みんな深刻な問題を抱えてきているわけですね。たとえば水の問題だってそうですよ。水だってこれは間に合わなくなってくると思うのですね。すでにかなり緊迫しているわけですね、水だって。水の問題あるいは住宅の問題、交通の問題あるいは学校の問題、医療の問題、すべてにわたってにっちもさっちもいかない状態になってきているわけです。だからむしろ東京周辺の首都圏の県の方が事態はこれは深刻になってきていると思うのですね。東京は確かに人口増の状態がとまったと、これは安心していい状態じゃないと思うのですね。もうこれ以上人が住めなくなっちゃったという証拠じゃないかと思うのです、東京の人口のふえ方がとまったということは。だからこれは、居酒屋の酒に例をとりますと、コップにいっぱい酒をついで、あふれちゃって受け皿にたまっちゃっていると。周辺の県は受け皿ですよ。ところが、いまやその受け皿の方もあふれそうになっているわけです。これがあふれてしまえばみんなこぼれてしまうわけですからね、これは始末が悪いことになる。この状態に来ているんですからね。私は東京並びに周辺の状態を考えてみると、これは遷都をするか、あるいは首都機能の分散化を図るか。首都機能の分散化を図るということは、当面の問題として考えるにしても、究極的には首都そのものの移転をするということを私は積極的に打ち出して、その用意をしなきゃいかぬだろう。物的な用意だけじゃなくて、お互いに心の用意もしなければならぬだろうということではないかと思うのですがね。大臣としてはそういう心の用意をさせるということの必要性あるいはその企画の面においてその準備をするという必要性、これをお感じになっているようにお聞きをするわけですけれども、これを具体的にこれからどのように前進をさせていくおつもりなのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金丸信君) 東京並びにその周辺の県、この状態はまさに酒をコップについで受け皿に酒があふれる。まあ飲み手であればそれを飲んじまう、受け皿の分まで飲んでしまうということでありますが、まあ人口を飲んでしまうわけにはいかないわけでございますから……。 そういう意味で、私は前の建設大臣当時から、東京をそのままにしておったんではいかない。実は国土庁でも大都市問題研究会というようなものをつくりまして、この問題にも真剣に取っ組んでおるわけでありますし、また政府としても、この問題をないがしろにすべきじゃないということで、いまこの問題を、心の準備をまずさせるという意味においても、これは総理府長官もおることでございますが、広報等によって国民に十分な認識をしてもらう、あるいはまた認識を持ったか、持っておらないかというようなことについても前にアンケートもとっておるわけでございますが、それをひとつたび重なる方法をとりながら、この時点というものを私は踏まえながらこの計画を進めていかなくちゃならぬと、積極的にやってまいる所存でございます。
○瀬谷英行君 じゃ、首都をどこへ持っにいったらいいかということになると、なかなかこれは議論の多いところだろうと思うんです。四国に橋をかける以上にこれはにぎやかな問題になるだろうと思うんですね。しかし私はそうこだわることではないと思うんですね。たとえば人口密度の一番希薄なところに首都を持っていくんだといったような、各県別に見て、そういったようなルールをきめたって構わないと思うんですよね。そしてたとえば岩手県だとか、青森県だとか、宮城県だとか、比較的人口密度の希薄なところを今度新しい予定地とすれば、全然野っ原の中にブラジリアのような形で首都を建設するということでなくとも、既存の小都市を改造をして、そして首都という形にするということだってこれは考えていいことじゃないかと思うし、あるいはまた全く過疎地帯ということは離れて、地理的に一番真ん中辺はどこか、中心になるところはどこかというんで、静岡県とか、あるいはまた昔に返って京都だとか、こういったようなことを考えるのも一つの案だと思うんですよ。そういうことはあらゆる面から考えて、夢物語じゃなくて、現実の問題としてお互いに取り組んでいくと、こういうことが必要だろうと思う。 もし東京にはもう見切りをつけてどっかに移転をするんだということになると、たとえば地価だって東京の地価なんというのは下がるかもしらぬですよね。そういう効果だってあると思うんです。土地価格の問題が非常に住宅難に拍車をかけているという事実があるわけです。そういう問題をあわせて解決をするということも、この際国土庁としては考えていかなきゃならぬだろうという気がいたしますが、その面についてはどうお考えになっているでしょうか。 〔副主査退席、主査着席〕
○国務大臣(金丸信君) 先生のおっしゃるとおりです。
○瀬谷英行君 それでは、今度は生活環境の問題ですけれども、これも一つの具体的な例を挙げますけれども、川口と鳩ケ谷の間にオートレース場というのがある。オートレースというのは私も見たことなかったんで、この前現地へ行って見ましたけれども、なるほど大変ににぎやかなんですね。あれは、競輪というのは自転車で走るからそんなに音しませんけれども、オートレースというのは、オートバイがゆっくり走るわけじゃないから、精いっぱい走るわけですから、そうすると大変な音を出すわけです。そのオートレース場に覆いがかかっているんだけれども、反対側の住宅地の方へ音がみんないくわけです。 音の問題と、それと同時に、今度自動車で来る連中は、所構わず道路だろうと、空き地だろうと、みんな車を置いてしまう。それから電車で来る連中は、やみタクシーでもって五人ぐらいづつどんどんどんどん運び込まれると、こういうことをやっているわけです。話を聞くと、夕方になると、スッテンテンになった連中が近所へ行ってたかりをやる、金を貸してくれとかなんとか言う。そうすると、危なくて夕方うかつに外へ出られないという話も聞きました。それで、なるほどこれは問題だなというふうに思ったのですがね。根本的にはこういうオートレースといったようなギャンブルをいつまでも認めていていいのかどうかという問題がある。これは競輪競馬等もみんなひっかかってくるわけだけれども、しかし、さしあたってこういったオートレース場のようなものを住宅街に置いておくということの可否はどうしても問題にしなければならぬことだろうと思うのですね。もっとも、これは初めから住宅街だったわけじゃないかもしれませんが、こういう施設を町中に置いておくということについて再検討する必要はないのかどうか、これは総理府の所管になるのか、環境庁の所管になるのか、ちょっとわかりませんが、その点お伺いしたいと思うのですが。
○政府委員(春日斉君) まずギャンブル場――競輪、オートレースあるいはモーターボート等々いろいろございますが、それを町中に置いていいかどうかという可否論についてはさておきまして、先生お尋ねのようなオートレース場の騒音の問題というところに限定してお答え申し上げたいと思うわけでございますが、工場騒音とか建設騒音みたいな全国的に共通した公害としてとらえるものではございませんで、オートレース場の騒音というのはきわめて地域性の高い特殊性の高い問題だと私ども考えております。したがいまして、騒音規制法でも、営業騒音その他のいわゆる深夜騒音というところで、地域性の強い問題につきましては、地方公共団体で規制その他の必要な措置を講ずることと、こういうふうにしておるわけでございます。オートレースの騒音問題につきましても、住民の意思を十分に反映した条例によるというようなことが、地域の実態によりよく合致した施策がなされ、実効が期せられるのではないか、こういうことで、県及び市においてこれは対処すべきものだと私どもは考えておるわけでございます。
○瀬谷英行君 もちろん、これは県や市の財政と関連があるから、県や市で対処するというふうに言ってしまえばそれまでだけれども、オートレースといったような、同じには、ああいう大きな音を出すものを許可していいかどうかということがあるわけですね。これは考えてみる余地があると思う。 それはオートバイでもって走りっこするわけですから、スピードも早いし、これは危険も伴うのじゃないかという気がするのですがね。ちょっとぶつかって転倒したりなんかすると、これは命にかかわるのじゃないかという気がするわけです。だから、これはどこの所管かというとむずかしいかもしらぬけれども、騒音ということだけでもって、音だけに限定して答えられても困るのだけれども、この種のオートレースといったようなものをギャンブルの中で許可をしていることがはたして妥当かどうかということを考えてもらう必要があると思うのですね。これは事がギャンブルの可否になってくるわけだけれども、競馬や競輪とまたちょっと趣が違うのです、これは。特に音をよけい出すということだけでね。だから、これはどうなんですかね、やはりこういうものをギャンブルの中で認めていくということのメリットは一体どういうところにあるのか。オートバイの機能改造のためにプラスになるとか何とかという理屈はつくのかもしれませんが、どうもちょっとこれはあまりメリットがないような気がするんですね、どうでしょうかね、これは。総理府長官、騒音じゃなくて。
○国務大臣(植木光教君) 総理府ではいろんな問題を扱っておりますけれども、実はこの問題は所管はいたしておりません。いろいろ各関係省庁がございまして、御承知のように通産省でありますとか、あるいは運輸省でありますとか、あるいは自治省でありますとか、それぞれに関連する問題でございます。いまのお話につきましては、ひとつ関係省庁に対しまして、瀬谷委員の御所見を私の方から伝えさしていただきまして、あらためて所管官庁から御答弁を申し上げるということで御了承いただきたいと存じます。
○瀬谷英行君 こういう、どこへ持っていったらいいのかわからないような問題は、よろず相談所のようなところがないと、われわれとしても扱いに困っちゃうわけだね。総理府なんというのはそんなところじゃないかなと、こう思うのでね。 たとえば、それじゃオートバイを乗り回す雷族というのがおりますね。これが大変に迷惑をかけるわけです。私心配しているのは、この雷族なんというのが、カーフェリーなんかで沖繩の海洋博へ出かけていく、そうすると右側通行のところへ行って、左側になれた車が、沖繩本島を走り回るというようなことになると、相当大きなこれは交通事故のもとになりはしないか、こんな気がするんですよ。だから、カーフェリーなんかでもって乗り込んでいくということを規制をする必要がないのかどうか。それからもっと根本的に言えば、雷族ですよね。こんな途方もない音を出して――オートレース場を走るだけなら場所は限定されますけれども、町中を遠慮なく走るやつがいますよ。ゆうべも現に私はそういうのにぶつかりました。こういうのを甘やかしていくということはいいことじゃないと思うんですね。そういう連中はむしろ取っつかまえて、オートバイごと没収してしまうと、そのくらいの措置をしなければいかぬと思う。仕事でもってやっているんじゃないんですから、あの雷族は。遊びでやっているんですからね、遊びでもって人に迷惑をかけるなんていうのはとんでもない話ですよ。ところが、それは一体どこでだれが取り締まるのかということになると、まことにどうも多岐にわたっちゃっているわけですね。多岐にわたっちゃって、騒音なら騒音に限ったり、あるいは交通安全なら交通安全に限ったりすると、やれ警察庁になったり、やれ環境庁になったり、やれ通産省になったり、持っていきどころがわからなくなるわけです。だから、そういう持っていきどころのわからなくなるような問題は、総理府あたりでこれはまとめて処理をするというシステムにしたらどうかと、これは事のついでにお伺いするわけです。
○国務大臣(植木光教君) 暴走族につきましては、いま警察庁が中心になりまして、その取り締まりと規制に当たっておりまして、四十九年中における暴走族による暴走事案は四百三十八回、人員にしますと二万七千八十五人、参加の車両台数は一万四千三百六十三台というふうになっておりまして、しかも最近ではグループ化が行われまして、しかも、そのグループ同士が勢力争いをやると、それで傷害事件も起こすというような状況が出てきております。したがって、総理府内には交通安全対策室というものがございますので、ここでいろいろな調整もやっておりますのですが、その事件が起こっております各都道府県には、県警察の中に暴走族総合対策本部を設置をいたしておりまして、安全教育、取り締まり、悪質グループの解散というような効果的な対策を行っているという状況でございます。いまお話にありました沖繩県に対して、海洋博に関連して、カーフェリーでこれらの者が沖繩県へ行くということは取り締まれないかと、こういうことでございますが、カーフェリーで、車及びオートバイで海洋博に行く人たちは、今後私どもの推定でもだいぶあるのじゃないかと、こういうふうに考えられます。海洋博に加わります人だけではありませんで、いままでにもカーフェリーで、右側、左側通行違いますから、この点についての安全教育、前照灯の整備というようなことをやってもらっております。ただ、これが行くことを禁止するということはできないのでございまして、できるだけ沖繩海洋博のときには、大変な車のふくそうがあるという点を周知徹底させることによって、できるだけ車やオートバイの持ち込みをしないようにしていただくということを指導していかなければならない、そういう考え方でただいまいろいろ啓発をしているところでございます。 それから、沖繩県におきましては、いま暴走族は一部散見されるというような情報がございますので、これをいま調べておるところでございますけれども、的確にはまだはっきりしたものがきておりません。こちらから行きました暴走族が、海洋博の関連事業で非常にりっぱな高速道路などもできましたし、海洋博の周辺を利用いたしまして暴走するというようなことになりますと大変でございますから、この点につきましては沖繩県警におきまして、常時、それだけではなしにパトカーでありますとか、あるいは白バイなども配置をいたしておりますので、増強することになっておりますので、これは徹底的に取り締まる、もうすでに申し上げたように、少し暴走族が散見されるというような状況でありますから、いまの段階から徹底的な取り締まりを行ってもらうように警察庁にも依頼をしてありますし、警察庁もいまやっていただいており、県警も努力をしておる、こういうのが今日の状況でございます。
○瀬谷英行君 それでは最後に、この中公審の騒音の基準について、新幹線の騒音について一つの基準が示めされたわけです。これは都市部では、一般の居住区では七十ホン、それから商業都市では七十五ホンといったような一つの案が出ておるわけでありますが、問題は、騒音というのは新幹線だけやかましいわけじゃないんで、在来線でも、国鉄でも、私鉄でも、これは同じことだろうと思うのですね。道路だって同じだと思うんです。飛行場だって同じだと思うんです。そうすると、この基準というものは、新幹線は七十ホン以上はいけないとか、飛行場は何ホンまではいいとか、こういうふうな区分けが行われるべきものじゃないような気がするわけです。将来の問題として、新幹線を七十ホン、あるいは七十五ホンに押えるということであるならば、在来線の場合も人家の軒先をかすめて走るというような状態は何とかしてこれは回避をしなければいかぬだろう。在来線だって音が出ることに変わりがないわけですから、ある程度線路の両側に空間地帯を設ける、緩衝地帯を設ける、あるいは緑地帯を設けるといったような方法をとると、それから立体交差化を図って踏切は廃止していくといったようなこと、それから道路の場合でも両側にある程度の緩衝地帯を設けるといったような方法を考えていかないと、騒音問題は一挙に解決できないだろうと思う。これは新幹線のことではしなくもそういう騒音の基準というものは出ましたけれども、新幹線のみならず交通機関全体にわたって騒音を防止していく、生活環境を確保していくという考え方に立たなければならぬだろう。そのためには前提となるのは、これは土地問題だろうと思うのですね。この土地問題の解決が図らなければ、幾ら道路の両側にあるいは線路の両側に用地を確保するつたってできっこないわけです。これらの問題をあわせて解決をしていくということが、これは国土庁としては総合的な見地に立って必要になってくるのじゃないかという気がいたします。非常にやることの範囲が広いのですけれども、騒音公害からちょっと私関連して、今後の日本全土の道路とか、あるいはは住宅環境、都市、すべての計画についての長官の考え方をお承りいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(下河辺淳君) 土地問題の中で価格の問題もございますけれども、その前提として、いま御指摘いただきましたように生活環境問題として生活の安定を図るという前提としては、合理的な秩序立った土地利用計画が必要であるというふうに考えておりまして、国土利用計画法が施行になりましたので、土地利用基本計画を策定するということから始めましたが、やはり全国的あるいは都道府県別あるいは市町村別の国土利用計画を策定するという作業の中で、いま先生がおっしゃった点にできるだけ努力をしてみたいというふうに考えておるわけでございますが、事実は、いま先生御指摘のようにそう容易なことではないということをよく覚悟しておりますが、一層努力してみたいと存じます。
○矢追秀彦君 私は、環境庁を中心といたしまして厚生省、文部省、農林省、四省にお伺いしたいのですが、先日来和歌山県の日高郡の竜神村の学童に多量のたん白尿が出た事実が順天堂大学の医学部の調査団によって明らかにされました。それについて厚生省、文部省はどのように掌握をされておりますか。
○説明員(本田正君) 竜神村の小学生に尿の検査を行ったところたん白が出ているという毎日新聞の報道があるわけでございますが、これに基づきまして私ども調査いたしました結果、まず順天堂大学の加藤教授から事情を聴取したわけでございます。その結果では、小学校の生徒四百十名について検尿をした結果でございますけれども、新聞の報道では一〇%以上となっているけれども、実際は三・九%であるという回答をいただいております。この結果は、あるいは文部省からお話があるかもしれませんが、文部省で行いました調査に比べましても、全国的な数字に比べましても、新聞報道のように十倍あるいは何十倍ということじゃございませんで、全国平均に比べて約二倍くらいに当たるのではなかろうかと存じております。 以上でございます。
○説明員(倉地克次君) 私ども県からの報告に基づきまして昭和四十九年度の定期健康診断として行われました尿中のたん白等の検査結果について把握しているわけでございますが、これは尿中のたん白につきまして試験紙法によって検査した結果でございます。それによりますと竜神村の小学校につきましては、これは九校あるわけでございますが、受検者六百五十七名中二十二名の方が陽性でございました。率にいたしますと三・三四%ということになっているわけでございます。それから中学校の方につきましては、分校も含めまして五校あるわけでございますが、受検者四百五十九名中二十七名陽性ということでございまして、率にいたしますと五・八八%ということになる次第でございます。
○矢追秀彦君 まず問題は、いま言われた新聞記事と実際が違うと言われますが、これはきちんと確信を持って言えるのですか。いま加藤教授と言われましたけれども、実際の調査団は吉川講師になっておりますけれども、そのデータそのものをもらわれたわけですか。
○説明員(本田正君) 私どもは新聞報道で非常に率が高いということを知りまして、もしそうであるならば大変なことだと存じます。そういったことで、実際に調査に当たった吉川先生に直接お聞きしたかったのでございますけれども、なかなか連絡がとれませんで、私どもでは直接は聞いておりません。しかしながら、主任教授である小児科の加藤教授の教室でございますので、加藤教授が当然御存じだということから加藤教授にお聞きした結果、データを持ち帰ってそしてそのデータを分析した結果がこうであるということを聞いております。
○矢追秀彦君 私が聞いているのは、厚生省がこの調査結果のデータをもらわれていま言われた三・九%と言われておるのかどうかということです。
○説明員(本田正君) データそのものはもらっておりません。口頭で加藤教授から聞いた数字でございます。
○矢追秀彦君 どうしてデータはもらわれなかったのですか。
○説明員(本田正君) これはデータをもらうというか、データを要求したわけじゃございませんで、現実にそのデータを加藤教授からいろいろお聞きしてみますと、現在分析中である、それにはいろいろ検尿の結果がプラスのとり方にいたしましても、一人一人についてやはりプラスマイナスもあればプラスもあるということから、検査の方法、それからそれの判定ということを大学の中で検討したのだと、そういった結果が現時点でこうであるということで、データそのものの入手をお願いしても非常に困難であろうと存じますし、そういうことからいただいておりません。
○矢追秀彦君 その大学の中の事情は私よく存じませんけれども、新聞記事が何か悪くて大騒ぎになっておると、実際は違うという、いまのお話ですけれども、そうなればよけいに厚生省としてもデータを出してもらって、そしてきちんと分析をして大学のデータはこうである、実際調査した人の意見は、たとえば一〇・二四%という高率だが大学の中の検討の結果、教授の意見はこうである、しかし、厚生省としてはこれをこう判定すると、こうしないとだめなんじゃないですか。電話で聞いて教授の意見をうのみにして――必ずしも教授が万能とはきまっておりませんからね。しかも、これが担当の、当たられた先生がつかまらぬというのはちょっと――私も質問通告して、これ二日ぐらいたっているんですけれどもね。つかまらぬわけないと思うんですけれども、その辺の事情、もう少し詳しく説明してください。
○説明員(本田正君) こういったたぐいの調査といいますものは普通の場合は県の衛生部なり、あるいは県の教育委員会が現地の問題として詳しい調査をして厚生省に上げてくる、あるいは文部省に上げてくるというのが一般の通例であろうかと思うわけであります。そこで、私どもはまず県の衛生部にこのことを伝えたわけでございます、こういう話を聞いたけれども、一体どうなんだと。そうすると、県では早速既存のデータの分析、収集、そういったことをすでに始めているわけでございます。そういったことから、たまたま加藤教授には吉川先生という方が属されている教室であったために聞いたんでございまして、むしろ正しい判定は、県のそういった調査をもって、そしてその県の意見を聞きまして、それから判定するのが正しかろうと、こういうふうに存じております。そういったことで、いま県の方で幾つかの、あるいは研究調査なり、あるいは新聞で指摘されておりますようないろんな環境調査、それから既存データの分析、そういったことをやっているということで、このことはきのう私、衛生部長が厚生省の方に訪れまして、直接報告を受けております。
○矢追秀彦君 その辺はまた後で結果を報告していただきたいと思います。かりにいま言われたお話を三・九%あるいはいま文部省から報告のありました五・八八、あるいは三・三四としても、東京周辺と比べて、これは高いのですか、それとも平均的な値ですか、どうですか。
○説明員(倉地克次君) 昭和四十九年度の定期健康診断として行われました全国の尿の検査の平均を見てみますと、小学校につきましては、一・四二%、中学校については二・六五%ということになっておりますので、この数字と比較すれば高いということでございます。
○矢追秀彦君 いまのお話からいたしますと、高いということがはっきりしたわけでありますから、これはやはり普通の状態ではないと思います。この学童にたん白尿が出る原因についてこれはどういう点を考えられますか。
○説明員(本田正君) 学童の尿からたん白が出るということと、あるいは腎炎あるいはその他の疾患ということにつきましては、そのときの個々の体の状態によって、いわゆる病名ということと、たん白尿が出たという症状名ということはいろいろ違う場合が多かろうと思いますが、新聞等で指摘されておりますように、あるいはその治療体制が不備であったんじゃないかとか、あるいは現地に血族結婚が多いとか、そういったことが指摘されておりますけれども、まあ尿の中にたん白が検出されるということにつきましてはいろんな原因があるわけでございまして、この事件で、この例を見てどうであるかという判断は現在できかねております。先ほど申し上げましたように、県の衛生部がさしあたって中心になって調査を急いでいるわけでございますので、その結果を見てまた判断しなくちゃいけない、かように考えております。
○矢追秀彦君 その県の方が調査をこれからされようとしますけれどもね。どういうふうな方針でされるんですか。要するに原因究明についての、やはり網のかぶせ方というのはあると思うのですね。
○説明員(本田正君) 昨日衛生部長にお会いいたしまして、現地にも調査に行ったということだそうでございますけれども、県の衛生部といたしましては県の教育委員会等と連携を保ちながら、当面は県の衛生部が主体となってとりあえず緊急措置として三点ほどきめているみたいでございます。その一つが過去に行われた生活環境の、あるいはその健康被害に関する各種のデータを収集し解析するということが一つ。それから竜神村の中の全部の小中学校の児童を対象といたします尿のたん白を主体としたスクリーニング検査を実施する、それが第二です。それから第三点は、残留農薬とか、あるいは重金属、たとえばBHCとか、あるいは有機水銀、カドミウム、銅、鉛あるいはマンガンその他を主体にいたしました飲用水の調査を実施する。この三点をさしあたって決めているみたいであります。これに基づきまして、現在資料を収集し分析中であると聞いております。
○矢追秀彦君 文部省にお伺いしますがね、尿の検査がここでも前にも行われておるわけですが、そのときの状況おわかりですか。
○説明員(倉地克次君) 前と申しますと……。大変恐縮でございますが。
○矢追秀彦君 要するに尿の検査をやられておりますけれども、実際は全く業者任せなんですよ。しかも採取後三日も四日もたってから教育委員会に集められて、それから一、二週間たってから業者が検査を行うと、こういう実情であるわけなんです。こういうふうな、果たして長時間を経過した尿検査でどうなのかということ、まあ一般論も含めましてね、どう思われますか。
○説明員(倉地克次君) 尿の検査はことしから初めて健康診断の項目として取り上げられたわけでございまして、先生御指摘のように、必ずしも適切でないことが行われていることもあり得ると思うわけでございまして、まあ初めてということで、私どもも尿の検査につきましていろいろ指導しているわけでございますが、今後ともその辺につきまして十分努力してまいりたいと思っております。
○矢追秀彦君 厚生省にお伺いしますけれども、いま私が申し上げた状況で的確な検査はできますか。要するに三、四日たってから集められて、それから一、二週間たってから業者へ行って検査をされるという状況です。
○説明員(本田正君) 通常の場合は、検査の項目にもよると思いますが、普通たん白につきまして数日後に検査をして意義があるかどうかと、こういう御質問だと思いますけれども、通常の場合そういった検査方式をとっております。できるだけ、たとえば時期にもよりますけれども、子供の場合は早朝尿の検査をするのが好ましいと、またそれでないと的確な数字わからぬと言われておりますが、その早朝とった尿と、それから夕方にとった尿ということでたん白の消長もわかっておるみたいでございますので、いつ採尿し、いつ検査したかによってほぼ正確な、余り日にちがたつとどうかと思いますれども、正確な検査はできるんじゃないかと存じております。
○矢追秀彦君 いま文部省の方もこういう状態は好ましくないと言われましたので、厚生省もよく監督をしていただきたいと思います。 それから先ほどもお話がありましたけれども、農薬との関係性についていろいろ疑われておるわけでありますが、この地域でそのBHCが割合高く出たということになっておりますが、その点についてはどう掌握されておりますか。
○説明員(福田秀夫君) BHCは一般的には昭和四十六年から全面的に使用禁止しておりますが、この竜神村につきましては、和歌山県当局に問い合わせて調べてみましたところ、すでに四十年から使わないような指導をしている。和歌山県としましては、昭和四十年から県の防除指針からBHCを消しまして、そのような指導をしているので、一般的には使われないものと思われるということでございます。
○矢追秀彦君 そうすると、この地域にBHCはないと見ていいんですか。実際のこの調査では出てきているわけですよね、〇・〇一九ppm。
○説明員(福田秀夫君) 新聞記事によりまして〇・〇一九ppmが水にあったということを知りまして、私ども大変驚きまして、非常に高い数値である、ちょっと一般的には考えられないような数字でございますので、いま和歌山県の協力を願いまして、一般的にはいま申しましたように四十年以来、使ってないということでございますが、さらに綿密に作物、栽培される作物と使われる農薬の種類等について鋭意調査を進めているところでございます。
○矢追秀彦君 農林省から私、資料をいただいたんですが、民有林におけるBHC剤使用実績、これを見ますと全体の量が書いてあるだけでして、民有林とか国有林の場合出ているわけです。ところが、実際現地で聞きますと、営林署では民有林の状況は全然わからないと、BHCの散布については、こう言っているわけです。それから、森林組合で聞きますと、散布した量については全然つかんでいないと、こういう報告なんですよ。それで和歌山県の方へ聞いたら、四十年から使ってませんと、現場では全然わかってないと言っているわけです、どれくらいまいたのか。その点おかしいんじゃないんですか。実際ずさんなんですよ、現実は。それはお認めになりますか。
○説明員(福田秀夫君) 林業の方と農業の方と所管が――法律も課も違っておりますので、私、農業の方で申し上げましたので、林業の方は担当の課長の方からお答えいたします。
○説明員(能勢誠夫君) お答えします。竜神村につきましては民有林も国有林も、森林についてはBHCを全然使っておりません。それで苗畑が二つございまして、そのうちの国有林の苗畑がございまして、その国有林の苗畑では四十四年までBHCを使ってございます。民有林の苗畑はいま申しましたように、民有林の苗畑は全然BHCを使ってございません。四十四年に粉剤にして百五十キログラム、原体量にしますと大体五%で、七・五キログラムぐらいの数字かと思いますが、二・五ヘクタールの面積に対して使用しております。四十五年以降はBHCは使ってございません。
○矢追秀彦君 それじゃどうしてこれ、こんな高いのが出てくるのですかね。これは検体が少ないから、いろんな数値については、私はもっと調べなきゃいかぬと思います。その点について、これだけにこだわるわけじゃありませんけれども、要するに出ていることは事実なんですから、これはじゃ、ずっと古いのがたまって、それが出てきたと、こう考えるべきなんですか。
○説明員(福田秀夫君) 非常に高い数値が出ておりまして、私どもも解釈に苦しんでおりますものですから、先ほども申しましたように、さらに詳細な各種農薬の使用実態等について、いま鋭意調べておるところでありますし、また水はどういう場所からどのようにしてとってこられたかということなどにつきましても調べておりますし、また県と協力しまして、さらに分析をしてみたいということも考えております。
○矢追秀彦君 その結果はちゃんと報告していただけますね。
○説明員(福田秀夫君) 報告いたします。
○矢追秀彦君 先ほど造林保護課長が言われた数値ですがね、いま申し上げたように、どっちも状況わからぬと言っているわけですよ、現場は。それなのに、おたくの方にはちゃんとこういう報告が出てくる、これどうなんですか。本当に事実上として、これきちんと確信を持って言えますか。実際これは聞いた話なんですよ、こっちは。
○説明員(能勢誠夫君) 私どもの調査は、民有林の方は和歌山県を通じまして調査をいたしましたし、国有林については大阪営林局を通じ、現地の田辺営林署を通じて調査いたしたものでございます。
○矢追秀彦君 実際は、私も直接聞いたことなんですから、わからないわけなんですよ。だからかなりまかれておる可能性も決してゼロではないわけですから……。ただ、こんな報告だけでわかりますか。実際現場に行って、あなた聞いてらっしゃいよ。わかりますよ。役人さん以外だったらごまかすかもわからぬけれども――一応使われていないということになっておりますけれども、現実にBHCは出てきておるわけですから、この点もう一回、きちんと調査をし直していただきたいと思います。 それから次に、この地域にマンガン鉱があったと言われておるわけなんです。で、その関係性については、まだはっきりたん白尿との関係性は言えませんけれども、これはきちんと調べなければならぬと、先ほども重金属の点はおっしゃいましたけれども、この点について環境庁はどうお考えになりますか、マンガン鉱との関係性。
○政府委員(大場敏彦君) 先ほど厚生省の方からお答えがありましたように、和歌山県でとりあえず三項目の一つとして、残留農薬及びマンガン鉱を中心とした、重金属を中心といたしました水質調査を実施する、こういうことをやっておりますので、私どもその結果を見守って、できるだけ早く中身を承りたいと思っております。その調査結果を待って、いろいろな原因で環境汚染が起きているということが考えられる場合には、改めて水質、それからマンガン鉱だけではございませんで、あるいは土壌だとか、その他農作物全般にわたる環境の汚染調査を細密に実施したい、このように考えております。
○矢追秀彦君 追加ありますか。
○政府委員(大場敏彦君) 私どもはマンガン鉱山、竜神鉱山というものがあることは聞いておりますけれども、残念ながら現在までのところその詳細な情報はまだ得ておりません。いま調査を依頼中でございます。
○矢追秀彦君 マンガン鉱の場合、それに伴って出てくる重金属は何と何が考えられますか。
○政府委員(大場敏彦君) ちょっといま資料を持っておりませんので……。
○矢追秀彦君 環境庁がそんなんじゃ困りますね。もうちょっとよく勉強していただきたいと思います。 いまマンガン鉱わからないとおっしゃいましたけれども、実際これわからぬわけですね、現実に。村の古いお年寄りに聞きましても、これがどこにあるか明確でない。何か六、七カ所あったらしいと、こんな状況なんですね。ただ水脈がどうこうなんということを言っても、やはりマンガン鉱の実在を調べてからやるなんということになると大変な仕事になるわけですよ。こういうふうな、要するに余り過去の古いことでわからないような地域ですね、こういうのはどういうふうにお調べになりますか。
○政府委員(大場敏彦君) いずれにいたしましても、過去にマンガン鉱だけではございません、竜神鉱山のほかに岩戸鉱山という休廃止鉱山があったというふうに聞いておりますが、その結果、結局環境汚染につながっておるということでありますれば、それはその水質だとか、あるいは土壌だとかいうような環境に反映されることでありますから、そうした水質、あるいは環境についての汚染調査を早急に、県でも実施しておりますが、さらに詳細に実施してもらおうというぐあいに県を指導したいと思います。
○矢追秀彦君 まだ県でも手をつけていない、まだ国としてもこれから調査結果を待って、待ってと言われますけれども、実際一番最初問題になったのは、これ、いつか御存じですか。これは毎日新聞に出てから何か皆さん騒いでいらっしゃいますけれども、そうじゃないんですよ。
○政府委員(橋本道夫君) これは正確なあれかどうかわかりませんが、吉川講師に電話でお伺いしたときの向こうのお話では、四十八年度に和歌山医大の学生が調査をしたときにたん白陽性がかなり高かったということが、私どものいま持っております資料の中ではそれが最初なのではないかというぐあいにいま伺ったお話では聞いております。
○矢追秀彦君 したがって、四十八年にこういうことが行われたということも、これは県の段階がと思いますけれども、県から厚生省なりあるいは環境庁にこういった報告は来なかったわけですか。
○説明員(本田正君) こういった調査につきましては、厚生省は報告を受けておりません。
○矢追秀彦君 県の方では知っていたんですか。その点もわからないんですか。
○説明員(本田正君) 県の衛生部自体も報告を受けておらなかったということを、きのう御連絡がありました。
○矢追秀彦君 私、その辺も問題にしたいわけですよ。たとえ、四十八年の和歌山医大の学生さんの有志がやられたことですから、いわゆる役所レベルではやっていないことにせよ、やっぱり高いというのが出ていたことは何らかの形で、陳情なり、これをどうせよとか、あるいは竜神村は私は少なくも知っていたと思うんですよ、村の役場は。それ、やっぱり県にも来ない。あるいは、県から厚生省なり環境庁に報告も来ない。そうなりますと、やはりこういう、たとえ数は少ないかもしれませんけれども、各地域にまだまだ隠れておる公害、こういった、むしろ隠された公害ということがいま全国的に非常に問題になっているわけですね。土呂久もそうです。笹ケ谷もそうです。あるいはカドミウム関係だっていろいろあるわけでして、そういった点が、たとえ民間がやられたことであっても、何か掌握できる方法なり何かがないものなのか。そういった点では厚生省は知らなかったで済むかもしれません。やっぱり、県あるいは村ですね、この辺からもっときちんと報告が来るようなことをしないと、やはり、現地の人はもう四十八年から高いということは知っているわけですよ。それがいまになって、新聞に出てから初めて大騒ぎだと、こういうことになりますと、やっぱり行政に対する不信は高まってくると思うんです。その点はいかがお考えですか。
○説明員(本田正君) 地域におけるこの種のいろんな健康調査、あるいはチェックがあるわけでございますが、今回みたいに、まず、学校の要請でやったかどうか存じませんけれども、学校の生徒、学校から招かれて調査したのかどうかもよくわかりませんが、とにかく生徒を調査した、その結果異常があれば、通常の場合は村の教育委員会に学校から上がっていくはずでございます。村で手に負えないときには、教育委員会で手に負えないときにはあるいはこれを県の教育委員会に上がり、かつは村の衛生部局と連絡をとり、それがまた衛生部に上がっていく、いろいろなルートで、通常そんなルートでいくわけでございますが、私がきのう聞いた話では、村長さんは知らなかったと、こういうことを衛生部長が確認したということを聞いております。
○矢追秀彦君 その辺、私もちょっと納得できないんですけれども、私も竜神村は何回か行ったことありまして、よく知っているんですけれど、四十八年以降は私も行ってませんからその点について、この問題についてのそういう関係についてはまだ私も現地へ行ってのことは聞いてはおりません。しかし、ちょっと信じられないことだと思うんです。 で、最後に、もう時間ですから、環境庁長官にお伺いしたいんですが、一つはこのBHCの問題、これについては竜神村の問題だけではなくて、山林の場合特にこういった可能性が出ると思うのです。これに対してどう対処をされるのか、これが一点。 それから、先ほども申し上げましたように、公害というのはいまもちろん都市部においても、先ほども問題になっておりました騒音とかあるいは大気汚染、あるいは水質汚濁というような問題もございますけれども、案外いま公害は隠れたところに出てるわけです。水俣病にしても、イタイイタイ病にしても、非常に地方ですね。それからまた、先ほど言いました土呂久とかそういった廃鉱に出てくる鉱毒というものは、これはもう完全に非常に山の奥であったり、あるいは田舎であったり、非常に隠れている面が多いわけです。これについて手が回らぬと言われるかもしれませんけれども、それでいままでいろいろな面で怠慢があり、発見もされなくて困ってきた人がたくさんいるわけです。そういった意味で、いわゆる農村、あるいは山村、そういった地域における隠れた公害、こういったものをどうこれから発見をし、これに対する対策を講じていくのか、その点についての具体的な方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) BHC農薬の問題は、先生御承知のように、昭和四十六年以降禁止をいたしまして、現在は使用を山林にもされておらない、こういう状況でございます。しかし、それ以前の使用の実績が土壌なり水質なりに対してやっぱり残留の公害発生原因となっているかどうかという点が問題でございます。したがって、第二点の問題に含めて考えていかなければいかぬだろうと、先生のおっしゃった第二点の隠れた公害を特にどういうふうに調査をし、これが対策をとっていくかという問題になろうかと思います。いま承っておりまして、竜神村を他山の石として、この竜神村については和歌山県、各省協力の上でできるだけ早くひとつ精密な調査をやっていかなきゃいかぬと思います。私の方でも各省と連絡をとって、県にも指導をして、早急に詳細な調査をやっていきます。同時に、全国的に休廃止鉱山等がある、それに対する、そこから生じたいろいろな長い間のかつて古い公害が現在どういうふうに水質なり土壌なりに環境汚染を及ぼし、かつそれがその結果、その地域の人たちの健康に支障を与えているかどうかという点について、先生おっしゃるように、確かに隠れた公害の健康被害に対する対策をとっていかなければいかぬわけでありますが、何分全国的に広い地域にわたるおそらく問題だと思いますので、一つは、考え方によりましては、私どもの方から県に言いまして、休廃止鉱山をよく調べながら、その付近の環境汚染状況の調査をやり、かつ健康被害の状況を、あるかないかよく注意するように、調査をするようにということを徹底をしまして、いやしくもそういう知られざる健康被害がどんどん進んでおって、そのために人の健康なりあるいは人命の問題に及ばないような事前の措置をとっていくようにぜひひとつ機会を見まして、各県にもよく指示をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○矢追秀彦君 いま、機会を見まして県に言うとおっしゃっていますけれども、これはやっぱり国が本気になってやらないとだめだと思うのです。それに対する果たして五十年度予算でそういった面が十分に確保されておるのかどうか、今度はお金があっても体制をどうするのか。ある程度私は計画も立てて、地域も大体わかっているわけですから、その辺からこうシラミつぶしにしていくというようなそういうような形はとれないのかどうか。五十年度については、こういった点はどうなっておるのかどうか。もし、そういったことができてなければこれから私は体制をきちんととっていただかないと困りますので、特に社会的不正を是正するというのは三木内閣の最大の課題ですから、これも一つの大きな不公正なんです。そういった点はどうですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 後で細かい点は担当局長からお答えいたしますが、基本的な方針としては、私どもティピカルなところは相当大がかりな調査もやっておるわけでございます。秋田県とかいろんな、後できっとお話があると思いますが、いま先生がおっしゃるのはむしろそういうことでなくて、休廃止鉱山によるいろんな汚染が考えられるような地域というものが大体わかっているんだからそこへ早急に政府としてやったらどうだとおっしゃいますが、第一次的にはやっぱり県で調査をやっていただきまして、そして足りないといいますか、その結果を見て政府として調査班を派遣するなり、さらに専門的なそういう組織をつくり上げてやるかどうかということを決めていかなきゃいかぬもんですから、第一次的にはやっぱり県でやっていただかなきゃいかぬだろう、その上で私どもが判断をいたしまして中央から調査団を派遣するというようなこともあるいは起こり得るかもしれません。その場合の経費は、環境庁で持っておりますいろんな調査研究費がございますから、何とか各省と連絡をとって支障なくできるだろうと思います。 なお、具体的な点については局長からお答えいたします。
○政府委員(大場敏彦君) 従来から環境庁といたしましては、休廃止鉱山を中心といたしましてその周辺の環境の調査を実施してきております。その結果いろいろな問題点が出てきていることも事実でございますが、いま先生御指摘になりましたように漏れていたところもあることは事実でございます。そういったところにつきましては、今後さらに府県とも連絡いたしまして細密な調査を実施していきたいと思っております。 それからさらに、土壌汚染防止法に基づきまして、カドミだとか、あるいは銅だとか、あるいは砒素だとか、そういった汚染物質で汚染されている土壌につきましては、逐年一定の計画をもって土壌調査を実施しておるわけでございます。 それから片一方水質の問題につきましては、これは一定の計画で、各県で水質測定を計画に基づきまして環境水域における水質の測定を実施しておりますので、その中で特にこういった、いま先生が御指摘になりました隠れた公害の発見というところに留意して調査を実施していきたいと考えております。 それから、先ほどマンガン鉱山からどんなたとえば水質に影響が出てくるのか、こういったお尋ねがありまして、的確なお答えができなかったんでございますが、専門家に聞きましたところ、鉱石によっていろいろ違いがあるようでございますが、マンガンが出ることはもちろんでございますが、鉄その他重金属まんべんなくどうも出るという、こういったことでございます。
○主査(八木一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後一時六分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十五分開会
○主査(八木一郎君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十年度予算中、内閣及び総理府所管を一括議題とし、質疑を行います。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○小笠原貞子君 苫小牧開発の土地の問題についてお伺いしたいと思いますが、まず、これまで北海道当局が先行投資を行い、用地確保を行ったという点で、非常ないままでの他の例とは違う重要な問題が数々含まれていると思うんです。二百億とも三百億とも言われる大変な額の資金投下で確保した農地が、すでに御承知のように、北海道議会において昭和四十八年の三月から十二月にかけまして、いわゆる百条委員会という調査特別委員会が開かれて、審議されました。その報告書を見ますと、その広さで言いますと、実に百五十四万四千百七十四平方メートルという膨大な土地が農地法違反で取得されていたというようなことが明らかになっていたわけです。こうした農地法違反が行われていたということで、道としては遺憾であるということで関係者に行政処分などが行われていたわけですけれども、国としてのそういう問題についての見解は、まだ明らかにされておりません。そこで、農林省としては、当然、遺憾であるということになると思いますけれども、この場ではっきりとこのような状態をどう見ていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 苫小牧の東部基地内におきますいわゆる地方自治法百条調査、この結果として、道が農地法違反として把握した面積が三条関係で約六十ヘクタール、それから五条関係で二十ヘクタール、それから七十三条関係で七十ヘクタール、大体こういった違反の疑いありということで把握していると、こういうふうな事態があるわけでございまして、農地法違反という問題がたとえ、あそこが市街化区域になる含みのもとであったにしても、市街化区域になる前に、農地法に基づく手続きなしに行われたということは、これはきわめて遺憾なことだと思います。
○小笠原貞子君 まあ遺憾だと、当然の御返事だろうと思います。 ここには道だけではなくて、民間デベロッパーなどがまことに醜い暗躍をしておりました。行政当局との癒着、そしてまた、土地所有農民への実に巧妙な工作が行われて、法違反を犯してまできわめて許すべきことではないという大変な汚点がこの苫東開発史に書き込まれたというふうに考えなければならないと思うんです。 さらに、この地域へこれまで各種の土地改良事業が行われています。その資金、ざっと総額四億五千万円という資金が投じられているわけです。で、苫小牧東部計画という基本構想が出されましたのが、昭和四十四年の九月に発表されています。そうして道の三期計画の閣議決定が四十五年になされているわけです。一方、開拓地がそのほとんどとなっています苫東の計画用地、ここにおける先ほど言いましたように、農地の各種の事業というものが四億五千万と、このうち、国費で出されているものが三億八千五百万という膨大なものになっています。そしてこの事業は、四十三年まで続けられているわけなんです。で、基本構想、そしてまた発表され、閣議決定に際して、当然、農林省としてもこの問題について意見を聞かれて、そして協議されて、そしてOKを出されていると思うんですけれども、これだけたくさんの資金をつぎ込んで農地としてのいろいろな事業をしておきながら、一方では工場用地への転用というようなことに協力をしたという結果になるのではないだろうか。農民を守るはずの農林省がこの姿勢では大変なことになる。なぜ、このような判断がその時点で行われたのかという点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 先生も御指摘になりましたように、第三期の北海道の総合開発計画の一環として、苫小牧の東部の開発基地というものが打ち出されたわけでございます。第三期の北海道の総合開発計画、これは農業関係の振興を大幅に図るという問題とも関連するわけでございますけれども、一部については核心的な巨大工業基地もあわせてつくっていく。そして北海道としての均衡ある発展を図る。こういうふうなことが北海道の総合開発計画というかっこうで打ち出されまして、それの一環というかっこうで苫小牧東部開発基地というものが出てきたわけでございます。四十六年の八月には北海道の開発審議会におきましてこれが了承された、こういうふうな事態に相なったわけでございまして、そういう中におきまして、われわれといたしましても北海道全体の均衡ある発展ということの関連におきまして、優良農用地の確保ということは当然の前提としてはありますけれども、この地区についてはやはりそういうふうな決定がなされた以上は、それにやはり協力すべきである、こういうこと。ただし、それの関係におきまして、過去におきまして投下された国費等についての回収を図るとか、あるいは用水と関連して国営事業との調整を図る、こういったようなこと。あるいは場合によりましては補助金返還というようなことも行って、そしてこれとの調整をはかってまいる、こういうことにいたしているわけでございます。
○小笠原貞子君 決定されたからしょうがない。そして、それは大きく北海道総合開発の立場からだと言われるところに、私は一つの大きな問題があるんじゃないかと思うわけなんです。農林省としても食糧の問題を考え、そして貴重な農地というものを守り、そして農業を守る、農民を守るというその姿勢に立っていられれば、そんなにあっさりと協力をしなければならないというふうにはならなかったと思うんです。この土地については火山灰地だとかいろいろ言われるけれども、私も地元でございます。そこも見てきました。現に隣接しております遠浅というところはもうりっぱな牧場になっておりますね。ここは当然牧場としても、日本の大きな農業発展という立場から考えても、非常に貴重な土地であったはずなんです。それなのに、そこで農林省の立場というものを私は伺っているわけなんです。農林省の立場を全く離れ、前提としてはありますけれどもとおっしゃったけれども、前提としてというものはありながらも、結果的にはこの土地を総合開発という名前で、農業を破壊させる農民切り捨てというようなことに結果的にはなってきているんじゃないか。農林省としてのいまのお答えではちょっと私は合点がいきません。農林省としてそういう態度でいいのかどうか、その点簡単にもう一度お答えください。
○政府委員(大山一生君) やはり、国土の総合的開発ということは、それが均衡ある発展を図るということにおいて、それはそれなりに意義があるというふうに思っております。ただ、いま先生が御指摘になりましたように、農民切り捨てというようなことにならぬように、この地区内において農民が約三百三十三名ですか、おったわけでございます。その中で域外に通作している農家を外しました。域内で営農しておった方が百六十四名。その中でいわば今後とも農業を続けたいという方々に対しましては、これは道が中心になりまして、代替地を提供するというようなことによりまして、これらの方々の農業に対する、営農ということに対する希望は、これは農林省としても重要な関心事ということで、道庁ともどもこれに当たってきたような次第でございます。
○小笠原貞子君 いろいろそういう手当てされるのは、これはあたりまえのことなんです。ただ、いまここではっきり言えることは、結果的には総合開発と北海道のためだということで、大事な農地というものがこうやってむざむざと崩されていくという点について、農林省としてはこれを協議されるときにはっきりした農林省としてのお立場で意見なども出していただきたい、こういうことです。そして、この第三期計画そのものについても、いまもう見直さなければならないというところにまで来ているわけなんです。北海道のための総合的な開発ということが、いまでも大変大事なんだと言えないようないまの状態になってきているということを考えれば、何と弁解なさろうとも農林省の立場としては、これは私は間違っていたと言わざるを得ない。間違ってましたとおっしゃりにくいでしょうけれども、現実にはこれは非常に問題があったというふうに言わなければならないと思います。 続いて、時間もございません。具体的な農地法違反の問題についてお伺いしたいと思います。 四十一年の十一月に、農林省が苫小牧開拓農業協同組合に売り渡した苫小牧市静川にある百五十ヘクタールというこの問題についてお伺いしたいと思います。この百五十ヘクタールの農地については、国は農地法三十六条による既墾地扱いとして開拓農協に売り渡し、そして四十三年六月の開拓農協の所有権保存登記では、登記簿上牧場となっていますし、また現に採草放牧地となっているわけです。ここが一つの問題ですけれども、その後、開拓農協側は苫小牧市から二千六百万円の資金の貸し付けを受けています。そして、四十三年十二月十六日、市議会の議決を経て貸し付けが決定され、そして当然担保としての抵当権も設定されているわけなんです。ところがその直後、十二月の二十七日、その直後、開拓農協の組合長中村某という方と苫小牧市長大泉さんとの間で、市農協組合長を立ち会いにというけれども、この市農協組合というのも中村さんが兼任していらっしゃる。ここで売買契約書が結ばれているという事実、この売買契約書が結ばれているという事実が実に三年半後になって明るみに出たわけです。この契約は、先ほど言ったように大泉市長とそれから開拓農協、市農協を代表する中村さんとの間で、全くほかには知らされず、共有財産者である開拓農協組合員には三年後まで隠されていた。このこと自体きわめて意図的であり、重要な開発に関する政治的な背景というものが客観的に見てあるというふうに言わなければならないと思うわけです。それ以上に具体的に言いますと、契約書というものもそちらお持ちになっていると思いますけれども、この契約書自体の内容が非常にいろいろな問題が含まれているわけなんです。この契約書の中で、地目が先ほど言いましたように、原野と表示されているわけです。登記簿上牧野で、現況もこれも先ほど言いました採草放牧地であるということが昭和四十二年三月の時点で確認されているのです。ところが、契約書では原野というふうに書かれている。これはまさにおかしいじゃないですか。虚偽の記載じゃないですか。採草放牧地なら農地法の適用を受けなければならないということはもう御承知のことだろうと思います。なぜ、これが一年半の間に原野に変わったのかということが一つの問題だと思います。また、これは単なる錯誤であったというふうにおっしゃるかもしれないけれども、これは単なる錯誤などということでは話は通らないと思うのですね。しかも、これが民間の者がついうっかりということなら錯誤ということも考えられるけれども、公的機関、市がこういうことをやっている。まさに当事者が話し合いの中でこういうふうな形でごまかしているというふうに言わざるを得ないと思うのです。農林省としてはこの点はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○政府委員(大山一生君) 御指摘の土地、確かに農地法の三十六条で苫小牧開拓農協に売り渡したわけでございます。これは採草放牧地ということで売り渡しているわけでございますが、不動産登記法の地目には採草放牧地という地目がございません。そこで、不動産登記法上は牧場ということになっているわけでございます。 ところで、御指摘の市と開拓農協との売買契約書、これで地目を原野としていると、こういうことでございますが、なぜ原野にしたかという問題についてはわれわれも承知していないわけでございます。しかし、農地法のたてまえは現況主義でございますので、地目がどうあろうと農地は農地であり、そして採草放牧地は採草放牧地、こういうことに相なるわけでございます。そこで、市と開拓農協との間の売買契約書の地目が原野となっているということだけで、農地法との関係の問題がすぐに出てくる問題ではないわけでございます。現況主義で農地法というものはあるわけでございます。
○小笠原貞子君 もちろん、現況主義もありましょう。現実にはこれが採草放牧地ということになっているわけなんです。だから、そういうことではちょっと答弁にならないと思うわけなんですね。 それでまた、これだけの問題ではなくてまだまだ問題があるんです。この契約書を見ますと、第一にこの契約書の第二、第三条で、売買代金の全額授受、これが二千六百万円、この二千六百万円が全額であるということがうたわれています。 第二の問題点としては、所有権の移転登記はただ形式的に先へ延ばされたにすぎません。売買行為を移転登記完了まで延ばすという、いわゆる停止条項がついていないわけなんです。これが一つの大きな問題だと思います。 第三の問題では、第五条で、契約と同時に土地の引き渡しがなされている点です。そして、第四条の第三項で、管理責任者、管理の責任は市の方にある、そして公租公課は市が持つと、ここにはっきり契約書に書かれているわけです。 つまり、全額であるということと、その運営などの責任も市が持つ、それから公租公課も市が持つというようなことで、実質的な占有権はすでにこれは買い手である市当局に移っていると断定できると思うわけです。こういう点から見ても、これはまさに農地法違反を非常に巧妙な手口でやってきたと言わざるを得ないと思うんです。その点どうお思いになりますか。
○政府委員(大山一生君) 農地法と売買契約との関係でございます。農地法の姿勢というものは、所有権の設定、移転の段階でチェックする、こういうふうなことになっておるわけでございます。そこで、では所有権の移転の許可を受けることを条件とする、いわば法定条件つきで売買契約を結ぶこと自身が農地法違反であるかということになると、必ずしもそれだけで農地法違反とは言えないわけでございます。つまり、所有権の移転についての許可を受けないで、許可を受けたと等しいような行為があった場合、明確な行為があたという場合に初めて農地法違反の問題が出てくるわけでございます。 ところで、現在ここの売買契約書なるものを見てまいりますと、確かに売買契約二千六百万ということになっておるわけでございます。ところで、これにつきましてはとりあえず負債整理資金に対する貸し付けとして、そして引き渡しあるいは登記の完了の時点に初めて売買ができるというような契約になっているようでございます。つまり、市と農協との間においては二千六百万という貸し付け契約が行われている。そして、その名目はどうも負債整理資金貸付金ということでございますが、そういうふうな貸付金があって、そしてその貸付金の担保としてこの土地を徴している。そして、この売買契約によりますと、その所有権移転が完了したときに売買代金を充当する、こういうふうな契約になっているようでございます。 それで、先ほど申しましたいわば農地法と売買契約との関連の精神といいますか、趣旨に照らして考えてみますと、この所有権移転登記といったような行為はまだ行われたというふうには聞いておりません。また、その二千六百万という貸し付けもいまなお継続しているということでございますので、先生が先ほど来申されたことだけでは農地法違反であるとは断定できないというふうに考えるわけでございます。 ただ、市町村というような公的機関が、いやしくも農地法違反ではないかというふうな疑念を持たれるようなこと、これは決して好ましいことではないというふうに考えるわけでございます。 なお、先ほど先生が農協の組合長とそれから市との問で組合員の知ることなくと、こういうお話がありましたけれども、先ほど申しました二千六百万という金は全部市から開拓農協へ資金貸し付けがなされ、それは全員に配分されておりますので、したがって組合員の知らぬうちに行われたということは、私はなかったんであろうというふうに推定はいたします。
○小笠原貞子君 農地法違反とはっきり言えない立場上、いろいろおっしゃいますけれども、たとえば、その二千六百万のお金、これも確かに組合員の方々については、これは土地代金として知らされていないということなんですね、私が言うのは。それまでは貸付金として出されているし、苫小牧市議会でも貸付金として議決されて、そうしてその支出が認められているわけです。いまおっしゃいましたけれども、農地法違反ではないというふうにおっしゃいますけれども、二千六百万が全額であるということがはっきりしているということですね。そうして、その二千六百万というのが全額そのときに出されているということと、それから管理責任もさっき言ったようにはっきりとここの契約書でうたわれているわけです。そして、この契約書の第五条では、異議申し立ても開拓農協側はできないということまで第五条でぴしっと出ているわけですね。こういうところから見ますと、まさに、いろいろ言われても、これは農地法違反だという疑いが非常に濃いと言わざるを得ないというふうに思うわけです。 そこで、ひとつ、これはむつ小川原のこういう問題がありましたときに、去年の五月七日なんですけれども、米内山義一郎さんが質問主意書を出されて、そうして政府が答弁をされているんです。この農地法第五条について、ここのところですけれども、「農地法第五条は、農地又は採草放牧地につき転用目的で行う所有権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転を許可にかからしめており、この許可を受けないでした権利の設定又は移転は同条第二項で準用する同法第三条第四項の規定によりその効力を生じないが、」、ここからなんですが、「この許可を受けずに、農地について転用目的で売買契約等を締結し、かつ、その農地をその買主等に引き渡すなど、権利の設定又は移転の効力を生じないまま、事実上その効力を生じた場合に行われると等しい行為が行われる場合には、同法第五条が右権利の設定又は移転につき許可を要することとしている趣旨に実質上反することとなるので、同法第九十二条においてかかる行為をした者を罰することとしているものである。」と、これが政府の答弁になって出ているわけですね。そうすると、どっちから考えても、これは、農地法違反であるとはっきり言いたいけれども、そこまで言えないとしても、農地法違反の疑いがあるということがはっきりしてくると思うわけなんです。疑いは確かにあるということははっきりしていると思うんですけれども、その点、この政府の主意書に対する答弁などからも勘案されて、疑いがあるというふうに私は断定できると思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(大山一生君) むつ小川原に関連いたしまして、政府の、いわば農地法とそれから売買契約との関係、逆に言いますと、売買契約が農地法に抵触する場合ということについての見解というのがここに出されているとおりでございます。つまり、売買契約を結ぶこと自身は悪いことでは――悪いというか、売買契約を結ぶことだけでは、することを許さないわけではない。ただ、事実上、所有権が移ってしまったと同じようなことを許可なしに行った場合は、これは農地法違反になる、こういうことでございます。で、本件の場合には、先ほど来申し上げておりますように、所有権移転登記という時期に、所有権と言いますか貸し付け契約というものはなくなるというような売買契約になっておるわけであります。その貸し付け契約というものは実はなお続いているというような事実が一つある。そしてまた、所有権移転登記ということもまた行われていないというところから言いますと、先ほど申しました政府の見解ということから言って、これだけで農地法違反であるとは断定できないと、こういうことを先ほどは申し上げたわけでございまして、また同じことを申し上げる次第でございます。
○小笠原貞子君 時間がないので、そこのところもうちょっとやりたいんですが、また問題後に残して詳しくやっていきたいと思いますけれども、実にこれははっきりしていると思うんですね。やっぱり農地法違反と認めたくないというところから、いろいろおっしゃっているようにしか考えられないわけなんです。しかも、この契約書を開拓農協代表の資格で結んだ組合長の中村某という方、そのことをさっきも言ったように売買契約、土地を売ると――貸付金ではなくて売るというようなことが全然隠されていたということのために、いま裁判所で行政不服審査請求ということになっているわけなんですね。これについてまた質問していると時間がなくなりますから、この問題についてまたこれも後ではっきりさしていただきたいと思うわけですけれども、何で原野と偽ってまで契約を結ばなければならないのかというところなんです。そして、この中村某という、開拓農協組合長というふうになっているけれども、この方はもともと既存農家なんです。開拓農民ではないんです。そして、現に農業委員をやっていた。市会議員もやっていた。そして市農協の組合長であったというふうなことからも考えても、きわめて疑義があるというふうに考えざるを得ないわけです。それからまた、市長にしても、今度市長の方の側から言ってみますと、その市長さんも市議会に断っていないんです。市議会ではあくまでも貸し付けということで議決されているわけですね。土地代金としての支払いを市議会では認めているわけじゃないんです。貸付金としての認めしかないわけです。その上「原野」というような記載がされているということですね。これも簡単な誤りなどと言えるものではないと思うんです。しかも、二度もこういうことが行われているということから考えると、まことに問題は背景があるというふうに言わざるを得ないと思うんです。 それから続けて申しますと、第三点としては、四十三年十二月当時、苫小牧の開発について市長は知らない時期だと言われるかもしれないけれども、もうその時点では市長は苫東計画を知っているはずだと言うことができると思うんです。もうすでに、基本構想の発展はなかったと言うけれども、計画が進められているということは、もう地元の新聞でも大々的に報道されているし、もうみんなこれは知っていること。まして市長が知らないとは言えない。その知らないと言えない事実としては、大泉市長が四十四年の一月に市議会一月の「年頭所感」というところで、ちゃんとあいさつしているわけなんですね。「苫小牧新港の大規模開発をやる」ということを年頭所感ではっきり言っている。つまり、知り得た状態で、そして知っていたという、年頭所感のことからも言えると思うんですけれども、こういう状態の中で売買契約が秘密裏に結ばれていたのだということなんです。こういうふうに考えると、まさにその開拓農協の中村某という組合長。農業委員もやり、市議会議員もやり、既存農家であって、本当は開拓農協の立場ではない者が、事業合併したということだけで開拓農協の立場でまさに市長さん方と話し合いのもとで、悪い言葉で言えばぐるになってこの百五十ヘクタールというのを二千六百万円という、もうばかな安値で提供したということになるわけなんですね。これはもう全くペテンにかけているということを言わざるを得ないと思うんです。 そこで、自治大臣に、そして北海道開発庁長官としての大臣にもお伺いしたいんですけれども、これは個人がやったんじゃない。市という行政の当局がこういうことを明らかに原野であると偽ってやった。そして市議会でも貸付金として議決は受けているけれども、売買としての代金としては認められていない。東部開発の問題についてはすでに知っているのに、こういうことをやったという、これは客観的な事実から見てまさに一つの問題ではないだろうか。こんなことがやられていたら、日本の土地の問題はどうなるんだろうか。市長の責任としてこんなことがどんどんやられているということ、好ましいとお思いになりますか。これはやっぱり好ましくないと言われるのが当然だろうと思うんですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) そういう事実は、余り事態をはっきり認識しているわけではございませんけれども、まだ土地の所有権が移転しておらない段階であることだけは事実でございます。しかし、いずれにいたしましてもこの種の疑義のあるようなことが今後行われるということは、農民のために、また農業のためにやはり厳重に慎んでいかなければならないと私は考えております。
○小笠原貞子君 今後、こういうことがもちろんあってはならないと思うわけですけれども、現実に私がさっきから言いましたのは、もうすでにそういう疑義があるような行為が行われているわけなんで、これは非常に私は残念なことだと思うんですけれども、このことについても決して好ましいことではないということになると思いますけれども、くどいようですけれども、いかがですか。
○国務大臣(福田一君) 冒頭に申し上げましたように、私、実はこの問題きょう初めてここでお伺いしたのでありますから、実情もよく調査をいたしましてお答えをする方がいいんじゃないかと思いますので、そのように御了承願いたいと思います。
○小笠原貞子君 まあ実情もよくお調べをいただいて、そして今後こういうことがあってはならないとおっしゃること当然だと思いますけれども、本当にこういうことがないように、あった場合にはこういうことについて姿勢を正し、それなりの解決をするというふうなことで御検討いただきたいと思うわけです。 いまおっしゃいましたように、この問題の土地は仮処分の執行中でございますから、登記簿上は共同管理者である開協のものになっているわけでございますね。もし、この仮処分というものがなかったら、もうこれは本当に市の占有とされてしまっているわけなんです。ここのところを私は開協が仮処分を出したということは、大変いい手を打っていたというふうに思うわけなんです。まあ先ほどからいろいろ私が伺っている中で、これはまだ所有権が完全にこっちに移っているんではないというふうなこともおっしゃっていましたけれども、こういう事実がはっきりいたしますと、そうするとこれはもう当然開発のための土地に使われるということになりますでしょう。そうすると、これはいろいろの手続上からはおかしいというふうになってきますね。そうしますと、こういうことをはっきりさせたときには、どういうふうにこれを解決されるか。私は当然開拓農協の共有財産として国が払い下げられたんだから、ここで手続上非常に不備があるという点から見て、当然この土地は開拓農協の者に返されるべきだというふうに解釈せざるを得ないわけなんですけれども、そういうふうな考え、いかがお考えになりますか。
○政府委員(大山一生君) 農地法の精神と言いますか、農地法は所有権の許可がなくては権利の移動がないわけでございます。したがって、執行停止の仮処分があるかないかという問題ではなくて、農地法上の許可、移転転用ということについての許可がない限りは効力が発生しないわけでございますので、許可申請がない限りはこれは開拓農協の所有であるわけでございます。ところで、この土地が四十八年になりまして市街化区域内に指定されておりますので、いままでは農地法上の許可の申請であったところが、四十八年十二月二十八日以降は届け出に変わります。しかし、いずれにいたしましても届け出がないままでは、これは権利の効力が発生しておりませんので、したがって開拓農協が所有しているということに相なるわけでございます。
○小笠原貞子君 もう時間がなくなったということで、大変いいとこまでいって残念なんですけれども、引き続き、問題、後に残しますけれども、私、最後にはっきり申し上げたいのは、いままでの農林省の御答弁では、一体、農林省の御答弁なのかなって考えざるを得ないわけなんですね。つまり、その農林省としての政治姿勢というのが、一体どっち向いているんだというふうに考えざるを得ないわけなんです。農地法の精神に返ってということも、本当に農業を守ると、農林省としての立場ということも考えていただければ、もっと建設的な、もっと公正な、客観的な面から御判断がいただけるのではないかと。やはり、ここには農林省としての問題、はっきり、どっち向いているんだと言わざるを得ないというところ、大変残念に思います。 それからまた、開発庁長官としての福田さんにもお伺いしたいんですけれども、この問題については、きょう私が取り上げたもんですから、初めて伺ったということになろうかと思いますけれども、こうした事例は決して一つや二つではない、もう無数に繰り返されてきているわけなんですね。そして、苫小牧で言っても、この三期開発計画が見直されるというところまでいかざるを得ないというようなところにきているわけです。現在も、環境保全との関係で、苫東の石炭開発の問題が大きくなっていますし、まあ地元へ行ってごらんになれば、もうよくわかっていただけると思いますけれども、まさに住民の意向は無視されて、そして国づくりの開発ということに重点が置かれて、それを推し進めるために住民の意思は押えられて、そして全く違法と言わざるを得ないような、違法と疑わしいというような、巧妙な政治的な手口が使われているというような点をもう一度見直していただきたいと思うんです。そういう立場からも、この三期計画の見直しということについて、苫東の開発問題、もう一度この立場からも御検討いただきたいと、私は切に申し上げたいと思うんです。 その点の御見解を伺って終わらしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 先ほども申し上げましたとおり実はきょう初めて私もお伺いしたんで、何と――正確なお答えはできません。実情をよく調査をいたしまして、そうして正しい解決の方向に向かっていくということ以外にはお答えをする道がないと思っております。
○小笠原貞子君 きょうの問題でというんじゃなくて、苫東全体でこんな問題がいっぱいあるんです。百条委員会でも、もう先ほど言いましたように大きな農地法違反があるというような中でのことですから、この問題だけに限定しないで、苫東全体の問題についての御検討をいただきたいというのが私の趣旨でございますので。
○国務大臣(福田一君) どうも素人なもんですから、いろいろと……
○小笠原貞子君 だめですよ、素人だなんて、そんな無責任な。
○国務大臣(福田一君) いやいや、しかし、あなたのおっしゃった問題のうちで、よく事実を調査してお答えをするということにいたしますから。しかし、私はできるだけやはりこの苫東の開発はやっていくべきものであるという方針については、お譲りするわけにはまいりません。
○小笠原貞子君 じゃあ、今後とも、また、いろいろとお伺いしたいと思います。 どうもありがとうございました。 ―――――――――――――
○主査(八木一郎君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、中山太郎君及び寺田熊雄君が委員を辞任され、その補欠として安孫子藤吉君及び志苫裕君が選任されました。 ―――――――――――――
○秦野章君 きょうは小沢さんに、公害あるいは人為的災害、原理的には私はきょう進める議論では同じだと思っているんですけれども、行政の責任といいますか、国家の責任といいますか、行政作用と、それに基づく損害その他が出た場合の責任問題という観点から、いろいろお伺いしたいと思うんですけれども、きょうはひとつ環境庁長官でいらしゃいますけれども、内閣の一員として、国務大臣として、あるいはほかの役所にまたがるというようなこともあるかもしれませんけれども、一つの、何といいますか、物の考え方といいますか、どうもいろいろ、おたくの役所なり、通産なり、あるいは法制局長官なり、私もいろいろ話をしてみましたが、そこまでの領域は今日まだ十分到達していないようなお話でもありますから、言うならば、きょうは一つの提言というようなことで、ひとつ遠慮のない御意見を承りたいと、こう思うんです。 国家賠償法というのが、申し上げるまでもなく、役人が過失を認められたときに国家が責任を負うと、こういうものが確立しているわけでございますが、そういう国の行為と、あるいは国の行為と言って認められる役人の行為と損害との関係というものは、かなりはっきりしてきておるわけでございますが、公害問題もその一つなんでございますけれども、一般の企業は自由企業ですから、自由企業というものは、もうけることも自由だけども、しかし、人に迷惑をかけたらば責任があると、こういうのが自由社会のたてまえだと思うんですね。したがって、これは企業責任ということが非常にこうはっきりしてくると思う。 その次に、許可企業というやつなんですが、許可企業というのは、薬事法みたいに一般禁止をされて、特定の場合にその禁止を解除されたというのが、行政法上の許可企業の性格だと思うんですよね。この許可企業の中には、たとえば薬品なんかの場合に、個々の薬品の点検をして、許可に当たって、そうしてその害が起きるか起きないかといったようなことまで審査をして許可をしたと。しかし、それが公害になったというような場合になってくると、私は国家の、国の方の責任問題も出てくる感じがするわけです。これは企業責任ですでに例もあるわけでございますけれども、企業が無過失責任に問われて、これはまあ当然なこととして行政の責任というものが全くないかというと、さっき申し上げた公務員の責任じゃなくて国の責任という問題がやっぱり論じられなきゃならぬだろう。例の何でしたかね、一つありましたね、サリドマイド。サリドマイドで国がお金を出した。しかし、これは国の責任ということじゃなくて、言うならばお見舞いというのか、そういう――法理論で出したんじゃなくて、まあお金は出したという事例はあるわけですけれども、これも私は行政責任としてやっぱり責任があるというふうに解釈もすべきではないか、まあ解釈論ですから。 それからその次に、許可営業という名前であったとしても、鉱山のように権利付与処分の営業もあるわけですね、企業の。鉱山のような、鉱山法による鉱業権のような問題になると、これは権利設定処分ですね、行政法上は。だから、一般禁止をして解除するんじゃなくて、国が持っている権利を特に与えるという権利設定処分というのがまあこれは通説でもあるし、これにはおそらく余り異説はないわけです。権利設定処分ということになると、これにはいろいろ国の方も条件をつける。たとえば、石炭なら施業案なんかを出さしてこれを認可する。これなんかはまさに実質的許可条件ですね。幾ら許可条件をつけても営業妨害にはならないんだと。もともとこっちで、こっちというが国の方が持っている権利でやるんだからという、いわば所有権の対象じゃない問題ですね。そういうことで権利を付与したといったような企業については大変国家が、つまり行政のかかわり合いというものが非常に深い、これが一番深いです。 その次に行くと、今度は鉄道とかそういうふうに、直営ではないにしても、大方国の事業といったようなことになってしまうから、これは問題なく責任論が明快だと、こういうふうな段階があると思うんですよ。この段階に応じて責任というものの違いといいますか、この段階に応じて責任論というものがあるべきだという議論を私は持つんだけれども、まずこの点について大臣、どういうふうに思われますか。まず、最初に御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 企業の他に与えた損害の中で、どの程度国がこの責任を分担をしなければならないかという点については、現在の国家賠償法のたてまえから言いますと、ほとんどが故意または過失がなければ国の責任というものが追及をされてないのが実態の実情でございます。しかし、先生がおっしゃったように、鉱業権、これは確かに権利の一部付与処分であり、まあ施業案を取って、それで国が十分審査をしてやっておるわけでありますが、しかしこれにはやっぱり鉱業法に基づいて――百九条でございますか、無過失賠償責任というものが企業に負わされておるわけでございます心薬の場合は、確かに国の責任と企業の責任との、あるいはまた国の責任を追及し得るかどうかのまさにグレンツェの問題がいろいろ出てまいりまして、なかなかめんどうであったわけでございますが、しかし、一応国の姿勢としてああいう話し合いによって国の方で若干のあれをしたわけであります。まあ私は先生の考えと同じようとまではいかないんですが、そういう考え方も私は一部にはやっぱり取り入れていかなきゃいかぬ。ことに近代行政というものを考えてみますと、そういうことも一部はやはり考えざるを得ないのかなと思ったりいたしております。 ただ、法的にどうもそれを明確にするいまのところは根拠がございませんので、まだ明確なお答えはできません。
○秦野章君 私は、きょうは行政論と立法論を両方あわせ考えなければならぬという問題なんですけれども、行政の責任といった場合に、何でも損害を賠償するんだという意味じゃない。損害賠償も行政責任の中に入ってくるけれども、その他いろいろ、たとえば石炭でもって災害を起こしたときに国が融資をする。あるいは、ときには災害の場合に補助を出すといったような例もあるわけですから、その責任の表現の方法というものにはいろいろあるだろうと。国家賠償のように損害賠償するなどという単純なものではないということは私もわかっている。しかし、いずれにしても、行政責任というものをいま一遍考えてみると、つまり封建国家時代は役人が何をやっても国は全く責任は負わなかったと。大体負わなかったですよ。近代国家になるというとそうはいかない。国家といえども、やはりその行政作用によって行政がかかわり合いを持った問題について被害とか損害が起きた場合に、全然無責任だということはちょっと疑問があるのじゃないか、疑いがあるのじゃないか。これが近代国家になった一つの感覚だと、こう思うのですね。 私は、行政論と立法論が両方あるのだけれども、確かに鉱業法によって無過失責任論が規定されたのは、これは法律によってそうなったからであって、これは確かに法律の問題であります。それから、いろいろな、こういう場合には無過失責任で補償するんだといった列挙規定ですね、法定要件があるわけでしょう。しかし、これは法律でつくったわけです。 そういうことはよく私もわかるんだけれども、もちろん法律でつくらなければならぬ問題もあるが、行政上の問題、両方ひっくるめて物の考え方として、近代国家の感覚というものは、国のやったことは、企業は無過失でも全責任を負うんだと、国家はまあ国家賠償法程度でいいんだということかどうかになると、ちょっとまあ私は疑問だと、そう思うんですよ。というのは、国とのかかわり合いがある程度によって、薬事法の許可にしても、ただ薬局をぽんと許可するといったような場合だと、あまりかかわり合いはないわけですね。ところが、一つ一つの薬品についてこれは健康に大丈夫だよという審査までして許可をしたのならば、企業は無過失責任で、全く全部賠償の責任がある、損害負担の責任があると、これはいいんだけれども、国の方は何もないのかということになると、やっぱり疑問なんだと。近代国家というものは、私は、しばしば行政が介入する場面が意外とふえてきているんですよね。やっぱり国家は夜警の番人じゃ済まなくなってきている。そういう意味で、並行して歴史の流れの中で責任論というものも新しく検討をしていくべき問題ではないかと、こういう意味なんですよ。その点ちょっとさっきのことと角度を、多少受けとめ方が違ったかもしれませんから。
○国務大臣(小沢辰男君) いや、私は先生の御趣旨はわかるのでございまして、またそういうような見方も一方においてしましたから、五十年度予算では、たとえばいろいろ公害関係の結果起こってくる土壌改良の問題、ただ単に企業が全部やれということでなくて、国家の財投資金による長期融資等も五十年度からそれをやるようにしておるのも、一つのやっぱりそういう先生の考え方を具体的にあらわした、まあ突き詰めた法律論とか責任論でありませんけれども、そういう意味が私はやっぱり予算に盛られていると思いますので、その点で御理解いただきたいんです。
○秦野章君 五十年度予算で確かに入っておるわけでございますが、この予算を出すというときにその前提になる責任論みたいなものが、やっぱりそういう責任の秩序みたいなもの、そういうものはいま各官庁とも、私はどうもいろいろ聞いてみて、十分できてない。これは今後やっぱり積極的に研究していただいて、交通整理していただくということがこれからの災害対策あるいは公害対策、環境行政なんかにはやっぱり一つの大前提になるのじゃないかと、こう思うのですがいかがでしょう、前向きな検討が必要ではないかと。
○国務大臣(小沢辰男君) もうおっしゃるとおりでございますから、私どもは今年度調査費を六千万計上しまして、公害による財産被害についてどの程度、どういう考え方を基礎にすべきか、これを一年間かかって結論を得たいと。いま実はPPPの原則とか、汚染者負担の原則とかと言われておりますが、これは必ずしも民事上の責任に共通した、すでに立法的にも確立されたものではありません。これはむしろ何といいますか、公害汚染を防止する意味における汚染者負担の原則というものが、OECD等で決められたものを受け取っているわけでございまして、まだ財産被害については……健康被害については無過失責任が法的に確立しておりますけれども、財産被害の補償については無過失責任論は法的には確立されておりません。したがって、民法上の問題になる。その場合に故意または過失があったか、あるいはその営造物の管理等についての瑕疵があったかということが問題になってくるわけでございます。ですけれども、しかし三菱石油のように、もう実際そこから出た油が明白で、それによってハマチが死んだという場合には、もうこれは企業が負担しなさいと。また企業もそれだけの社会的な責任を感じて、全部もうあらゆる点については補償しましょうと、こう言っているわけでございます。ですけれども、今度はああいうような明白でない、もろもろの事象がございますから、そういうような問題が果たして財産被害をどの程度どういうふうに負担をすべきかという点については、これは私どもとして今年度どうしても考え方の基準といいますか、先生のおっしゃるような何らかの共通した決まりみたいなものをつくり上げていかなければならぬだろうと、こう思って調査費も計上し、人も三人配置しまして、ひとつこれから予算通過後直ちにこの検討に移りたいと、かように考えております。
○秦野章君 科学の進歩というものは大変すばらしいようで、また必ずしもすばらしくないという側面もあるわけですね。四大公害事件の場合を考えても、全く公害を予見しなかった時代があった。恐らく、これは工業権を与えたときの商工省か通産省、まあそういう役所の考え方も、そこまで考えていればもっと条件のつけ方も立法論としても行政論としてもあったであろうと。しかし、恐らく知的予見がなかったというのは企業も役所もみんなそうだった。そこに蓄積公害の問題がずっと続いてきたというのが現実だと思うんですよ。これはひとりこういった顕著になった公害事件のみならず、理屈として歴史の流れを見るならば、科学というものは進歩したようで進歩もしていないということになれば、これはいつの時点でもやはり問題が起きるという危険があるわけですね。そのときに、しかし犠牲というものはやっぱり救っていかなければなりませんから、そういう意味においてはその犠牲というものを救う一種の補償的考え方で、これは損害賠償――損害賠償という民法の損害賠償論でなくて、補償的な考え方で被害者、企業、国家、自治体あるいは社会、そういったものをどう補償するかという、そういう問題だと思うんですよね。そういう問題に今日なってきたんだと。しかし、補償の問題なんだけれども、しかしその前提として、私は行政責任の問題というものをいま少し整理する必要があるというのが、私の考え方であります。 そこで今度は、したがいましてさっき故意、過失の問題おっしゃいましたけども、私は損害賠償という考え方にこだわると、故意過失論みたいなことがすぐに頭に出てくるけれども、補償的な考え方にだんだんなってきたもんだから無過失責任というものが正座に出てきた、こう思うのですよ。これはこれでいいんじゃないかと思うのですよ、これでね。これは因果関係論――因果関係論というか、因果関係という客観関係じゃなくて、主観的条件について故意過失論みたいなものにこだわっていると、とてもじゃないけど、いまの事態に応じられないというのが現状ですから、そういう意味において無過失責任論とそれからまた補償的考えと、こういうものが進出してきたということは、やはり工業化を達成してきた今日の日本のそれに対応する行政なり立法の態度であった。それはそれなりに認めるべきであるし、またそうであらねばならぬ、こう思うわけです。で、問題はイタイイタイ病――水俣病でしたか、あの判決のときに、たしか三木さんが環境庁長官で、新聞で私は見たんだけれども、政治の油断だったというふうに、政治の油断という言葉が大変印象的に残るのですよ。政治の油断というのが。ボーンと判決が出て、これはたしか水俣だったと思うのですよ。水俣で因果関係があって、賠償だと。政治の油断だと、こう三木さんが。なかなかこれ、感覚的にはいい言葉だと思ったんだけども、考えてみますと政治も油断だったかもしらぬが、やっぱり行政の立ちおくれといいますかね、これは民主主義の政治というもの、特に議会政治というものは、どうも後から追っかけるといったようなのがたてまえのようだから、やむを得ぬといえばやむを得ぬけれども、政治の油断であると同時に、むしろ言うべきものは行政の立ちおくれと、こういうふうに行政の、極端なことを言えば怠慢と言ってもいいぐらいだ。私はそういうようなことで、厚生省側の例のイタイイタイ病のときに、園田さんのときに厚生省見解というものが出たわけですが、あれはあれなりにやっぱり私は評価すべきだと、こう思うのです。しかし、まあ考えてみると、このイタイイタイ病も昭和三十年の初めから騒いで、四十三年のたしか判決でございますから、かなりの月日をかけているわけですね。かなりの月日をかけているのだけれども、いずれにしても一つの決断をなさった。それはそれで私はいいんだけれども、科学技術というものがさっき申し上げたように必ずしもわれわれが思うほどに進歩をしていない。だから、ある時点において科学的因果関係が明確でなくても、蓋然性でもって決断をするということは、行政も裁判もそうなっちゃうのだと、こうなっているのが現状だと思うのです。ところが、因果関係というものを蓋然性として認めるということは実はよんどころない場合であって、でき得ることならば科学的な基礎、合理的な基礎というものが突っかい棒にならないと、行政でも裁判でも本物ではないのだという観点があって、蓋然性に安住するというか、蓋然性の中に、蓋然性というものに、つまりやすきにつくことになっては大変なんだということが一つあると思うのです。そこで、私が感じますことは、園田さんの行政決断は大変りっぱだと。ところが、この園田さんの行政決断の中の文章を見ますと、私は非常に誤解がないようにお聞き取り願いたいのだけれども、確かにこの時点よりも、あるいはもっと早く決断した方がよかったかもしらぬと思っているのですよ。ところがこの決断の方法に問題がある、どういうことかといいますと、「イタイイタイ病の本態は、カドミウムの慢性中毒によりまず腎臓障害」が起きる。「腎臓障害を生じ、次いで骨軟化症をきたし」という、医学的な、言うならば病理学的なつまり理論というものを前提にして、後はいろいろな誘因でもって、要するにイタイイタイ病を形成せしめるのだという、こういう表現に書いてある。これはこの裁判所の判決と比較しますと、裁判所はいろいろなことを判決の中で因果関係について、臨床医学や病理学の側面から検討しただけでは因果関係はなかなか決まらないのだ。決まらないけども、疫学的な証明その他いろいろなことをやって、ともかく「法的因果関係も存在するものと解する」と、こういう文章なんです。「法的因果関係も存在するものと解する」と。これは非常に私は理解のいく正しい文章になっているわけですよ。つまり、物理的因果関係でも科学的因果関係でもないが、「法的因果関係も存在するものと解する」、これが蓋然説ですね。ところが、厚生省のは医学的な解釈というものを、「慢性中毒によりまず腎臓障害を生」ずるというこの医学的な問題をとらえ、その次に「骨軟化症をきた」すと、こう書いてある。これは真理ならいいですよ、真理なら。これが真理ならいいのだけれども、この点はどうですかね。
○政府委員(橋本道夫君) いま御指摘の点は、厚生省見解の文をお挙げになったものでございますが、具体的にはイタイイタイ病の観察の経過から見ていきますと、ほとんどのものが腎から先に所見が出てきておる。次に骨軟化症が出てきておる。これは竹内先生の書かれたデータにもそういうものがございますし、萩野先生もそうおっしゃっておられる。 もう一つは、カドミウムの職業病の中毒でよく符合しない面もあるが、非常によく説明がつくということと、ファンコニー症候群と解すべきであろうということ。それだけのところはその当時の大方一致した考え方でございまして、そういうことで厚生省見解――救済ということと対策ということを書く以上は、このような考え方を表明するのが妥当だと、こういうように思っております。
○秦野章君 私をして言わしむれば、医学者はいろいろな学説を持ちいろいろな研究というものをしている。少数説が正しいこともあるし、多数説が最後に勝利することもある。これはいろいろだと思う。これは科学の独特のものですよね。科学というものはそういうものなんだ。そこで、あなたの言うことと違うのだ、これは。「カドミウムの慢性中毒によりまず腎臓障害」が生ずると断定しているわけだ。「次いで骨軟化症をきた」すと、こうなっている。そうした意見もあるという問題じゃないのだ。断定しているのだ。私は本当のことを言えばこういうふうに断定しなくても、医学はいろいろなことを言っているけれども、この際は行政としてまず因果関係があるものと認めてやるのだということでないとおかしいと思う。いまのあなたの――見解が出てから今日まで研究進めてきたのでしょう。この当時と同じですか。
○政府委員(橋本道夫君) これはその前の文章をお読み願いましたら「公害行政の立場より、イタイイタイ病に関して次の見解に達した」ということで、大方の意見が次のようになっておるということを述べたわけでございまして、学問的な結論を断定したものではございません。付属資料をいろいろ読んでいただきますと、どこにいろいろな問題点があるかということはすべて書いておったわけでございます。そういうことで、医学的に厚生省見解が断定したというようなことは、あの当時の付属資料をごらんになればおわかりになっていただけます。 その後、いまどうなっておるかということでございますが、現在の段階で腎から骨へということの腎性骨軟化症というところにカドミウムがどれほどかむかというところについて、いろいろの考え方があることは事実でございます。ただ、その証明を、これだけの年月のたったあとで証明ができるかどうかというところに非常に問題がございまして、申し上げますと、腎が痛んでそれから骨軟化症がくるということは、カドミウムが直接関係して、腎から骨へ、ほかには何も関係なくてこうなっているという立場はとっておりません。しかし、そのような仮説もあるわけでございます。
○秦野章君 いやいやもういい。そういう細かいことは私もお医者さんじゃないからわからないんだ。わからないけれども、この文章が気に食わないんだ。なぜかというと、行政というものは科学の領域を侵してはいけない。科学はこうなっているけれども行政はここで決断すると。まず、裁判官と同じでなければいけない。裁判官はまさにそういう書き方をしているわけだ。なぜあなたは、「次の見解に達した」と書いてあるけれども、「本態と発生原因について」という本文の中で、「カドミウムの慢性中毒によりまず腎臓障害」が起きると断定し、その次に「次いで骨軟化症」が生ずると書いてあるでしょう。これは科学的に全部が全部一致していないでしょう、それは。一致していますか。
○政府委員(橋本道夫君) 当時の大方の合意がそのポイントであったということは、研究会の中でも最も説明がつくということが正確な言い方でございます。
○秦野章君 どうもあなたは行政と科学を混同しているのだよ。大方なんというものは科学にないんですよ、科学的真理には。大方と言ったときには行政なんだよ。大方と言ったときは政治なんだよ。政治と行政には大方があっていいのよ。誤解をせぬようにしてくれよ。大方とか何とかというのは政治とか行政にあるべきなんだよ。なければいつまでたったって解決しないからだ。裁判だって大方でやったのじゃないか。それでいいんだというのよ。なぜこれは、まず腎障害ができるのだ、次いで骨軟化症を来たすと言って、科学そのものをこの行政文に導入したかという理論だ。おれの理論は非常に明快だろう。私はなぜここのところをやかましく言うかというと、科学というものを尊重しなければいけないから。そして科学というものをますますふるい起こさなければいかぬから。環境庁の公害技術に対する科学はまだ非常に低いでしょうからね、歴史も浅いから。そもそも公害の予算はどのくらいありますか、科学研究の。公害の技術研究の予算。
○政府委員(橋本道夫君) 国全体といたしまして二百四十八億でございます。環境庁分といたしまして五十四億でございます、五十年度で申しますと。
○秦野章君 アメリカの環境保護庁の予算はどのくらいありますか。
○政府委員(橋本道夫君) アメリカの環境保護庁の予算で、七五年の概算といたしましては十二億でございます。アメリカのはすべて人件費も含まれておるということで、日本の場合とは違っております。
○秦野章君 人件費が含まれているというなら、人件費を除かなければだめだよ。除いて計算してごらん。
○政府委員(橋本道夫君) 人件費を除いた数値はいま持っておりませんが、国際比較の場合に、それが日本の研究費と比べるのに一番適当かと思います。
○秦野章君 国際比較をする場合に、向こうが人件費が入っていたらこっちも入れなさいよ。そうでないと比較にならない、正確にならない。まあそれはいいよ、それで。いずれにしてもそれはおそらく四十分の一か五十分の一ですよ、日本は。それから科学陣、陣容が第一違う。あのアポロを上げたヒューストンの科学陣というものは、たとえばきのうはヒューストンにいたが、きょうはロサンゼルスの水質規制の陣容に入ったといったような、要するにああいう科学陣が公害技術に入ったわけですよ。これは日本は、それは歴史も浅いし、投資もおくれておったから、やむを得ぬといえばやむを得ぬけれども、科学技術というものは公害をつくったけども、その公害を退治するのも科学技術なんだということを忘れちゃいけないから、私は環境庁の技術研究スタッフ体制というものは思い切って強化をしてほしいということは、これは長官にひとつぜひ、当然のことですけれども。私は科学技術というものを尊重する意味において、さっき私が言った文章について、あなたは何遍も私に対して変な反駁をしているけど、これは間違っていますよ、理論的に。大臣どうですか、これ。理論的な問題だよ。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は衆議院の予算委員会以来、よく新聞では洗い直すとか何とか言ったという表現になっておりますが、先生の御指摘の点があればこそ、私どもは当時の厚生省見解というものは、当時における大体医学者が集まってそれでいろいろ調査した結果、どうもこういうような結論じゃないかなというところを行政が取り上げてぱっとやったということだと思うのですよ。したがって、やはりこれらの点について疑問の学者がいるとすれば、そうした学者も入れながら、もっと学問的に徹底的に詰めていきたいということで、昭和四十八年以来毎年相当額の予算を計上して、橋本君のところでいま研究総合班をつくってやっているわけですね。したがって、私はこの厚生省見解の医学、科学技術の結論というものは完全だとは思っておりません。その当時における、いわばその当時の一つの知見であったというふうに考えて、それをもっと掘り下げて本当にこれだけの大きな問題ですから、はっきりしたものを出したいということで、今年いっぱい何とか結論をつけたい、こう思って、いま努力しているわけでございます。
○秦野章君 そうすると、この断定的に書いてある文章、これは間違いだな、この部分については。
○国務大臣(小沢辰男君) いや、当時とすれば私はこういう書き方であったんだろうと思うのですよ、厚生省としては。というのは、石川大学やあるいは現地の学者を中心にしていろいろやった結果でございますから、大方の所見がそういうふうに持ってきたわけでございますので、これは厚生省見解ですから、学者の論文じゃないわけですから、これを間違っておるというふうには言えないと思います。
○秦野章君 それは非常に私は気に食わねえんだ、そういう議論は。厚生省見解であろうが裁判所の問題であろうが、基礎というもの、客観的事実というものだけが、本物かどうかということは非常に大事ですよ。大方などという議論を使っちゃいけないのだ。これは厚生省見解はあるけれども、その基礎にそれなら医学的なことを言わなきゃいいじゃないか。医学はまだまだ結論に到達していないが、行政としてはかくのごとく決断するというのが本物ですよ。それだけの勇気と決断が私は園田さんにあったと思うのだ。それでいいんですよ。それでなきゃいけないのだ。それでなければ科学というものを燃やしていくという一つの努力が摘まれるという心配がある。それはもう幾ら言ってもしょうがないから、大体私の言うとおりでしょう。 それで、もう時間もなくなっちゃったから、私いま一つ心配なのは行政、立法、司法というものの三権分立制度の中で、裁判にどんどん持ち込まれる。つまり、科学的な条件がそろってないと裁判に持ち込まれる。裁判がえらい荷物を背負うわけですよ。裁判に行ったからって科学的な追求なんてそんなできるわけない。そういう意味において、私は行政の油断というか、三木さんの言葉じゃないけども行政の方が科学的な充実をしてほしい。何でもすぐに裁判に持ち込む。裁判で解決すれば絶対だ、そんなことありません。裁判は悩みに悩んで、えらい荷物背負ったって、苦しまぎれの裁判しているわけですよ。もっともっと行政の方がしっかりし、立法がしっかりして、そして裁判は最後のしりぬぐい、最後の後始末として、それはまさに実定法秩序の権威ある司法権の独立として、ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ、まあ、わあわあわあわあ騒がれぬように置いておくというような気持ちが、私は三権分立の理想的な姿だと思う。そのためには行政が奮起しなきゃならない。そして、司法の中に行政でやるべきものが持ち込まれないように努力をする。そういう意味において、私は先ほど来重ねてあれしますけれども、体制の充実といいますか、ということが非常に大事だと思うんです。 それから最後に一つ。おそらく、これからもいろいろとあると思うんでございますけれども、どうしたって行政的判断でとりあえずの措置をするといったようなみたいなことが必要なんでしょうね。とりあえずの措置をする場合にも、もちろん審議会にかけたり何かして慎重にやらんなりませんが、そういう意味において、何かそこに企業とか国家とか工夫が要るんではないか、という感じがするんですがね。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は先生のおっしゃることは十分理解できます。体制の充実は本当にやらなきゃいかぬと。確かにまあ私はアメリカのその環境保護庁の、それからそれがいろいろ活用しております技術関係の組織。金が多いからというだけで私の方はおくれているとは思いませんけれども、その研究を組織的に非常に、何と言いますか、管理していくという体制は、これはもう確かに日本の環境庁のみならず、日本は非常におくれていると私は思うんです。そういう点をこれから環境庁としては、公害研究所がまだ発足――まだ建築半分、これからやるというようなところでございますが、内容も充実しなきゃいかぬですけれども、環境庁と公害研究所が中心になってもっと充実をして、そういう研究の、学者としての私は日本に人材が不足しているかというと、そういうことはないと思うんで、むしろいろいろな委託をやって研究をしていただいたものを、どうやってこれを全部総合的に組織的に研究の成果というものを管理していくか。それを行政にいかに反映するかということがどうもおくれているように思いますので、そちらの方をぜひ先生の御意見のようにやっていきたいと。一番の重点の事項だと思います。
○安孫子藤吉君 ちょっとぼくは関連で。 いま秦野さんからいろいろお話がありましたが、私も経験いたしていることに基づいてのことをお話しいたしまして御所見を伺い、また今後もひとつ努力してもらわにゃならぬ、こういう問題です。 カドミの問題に限定をいたします。そこで、まあ何千年と大きくなると変になりますが、何百年来そこでは何らの支障もなしに米作をしておった。それを食べても何ら影響はなかった。そこが、まあある日突然と言っては少し強調し過ぎますけれども、一ppm以上のカドミがある、こういうことになったわけですね。そういう個所は相当あると思うんです。そうしますと、これは政府は買わないわけですね。農家の生計のこれは基礎でございます。これは全く農家にとってはもう本当に生活の根本を脅かされる問題になるわけです。そういう事態になった場合に、一ppm以上であるからそれはいかぬのだと、食用には供せない、こう言い切りというのがまあ政府の態度ですね。後どうなるかというようなことは、当面の措置としては何ら配慮されていないと言っても私は強調し過ぎているということじゃないんじゃなかろうかと、こう思うんです。それはいかぬのだと言うだけです。 そうしますと、当面そのことに関連してのいろいろな救済措置、対応措置というものは、これは地方団体が何といったってやらざるを得ないわけです。まあ、そうした販売ができなくなった米を、当面生活に困るわけですから、それはまあ地方団体で買い上げるとか、かん詰めにしておくとか、まあ、それに関連してのいろいろな措置をどうしたって講ぜざるを得ないわけですね。これに対して、一体国はそういう決定をして、そして当面の措置をどうするかということについては全然触れてない、これがまあ現状でございます。地方団体はそれをかぶってやっている。これは農民の責任でもありませんし、地方団体の責任でもないんです。そういう決定をすることは、これは国の責任をまあ生ずる一つの要因になっているわけですね。それに対する対応措置というものはほとんどない。これがいまの国の行政の一つの欠点だろうと思う。そこで、まあいろいろ地方団体としても考えまして、その当面の措置については、地方団体としては苦労して、そして農民を納得させながら、それに対する措置も講じながら、各般の出費をいたしまして、しかも財政的には余り豊かでない団体におきましても、そういうことをやってきておるのが現状なんです。 そこで、昭和四十八年の秋口だったと思うんです、昭和四十八年の秋口。全国の知事の会合がありました、まあ知事会議というものが。それで、その際には三木さんがちょうど環境庁長官だったんですが、おいでを願いまして、私としてはそういう場合に一つのファンドを持つ組織をつくったらどうかと。たとえばカドミでございますとまあ鉱業でございますから、その鉱業会社は、マイニングの会社は、そういうものがどこで発生するかわからないわけですから、それは共済的な意味において臨時対応すべき姿をあれするということで、それ相当のみんなで金を拠出しまして当面応急措置をする。拠出をしてファンドをつくる。もちろん、これには国もある程度出していいだろうと思うんです。それから、関係地方団体も私はそれはある程度出してもいいんじゃないか。そういうことで、とにかく当面応急の措置を講ずる。そして、いずれ原因者が判明いたしますれば、求償権があるわけでございますから、その求償権をそのファンドで行使をすれば運営できるんじゃないか。そういうことが、当面応急の措置としてそういう体制をつくることがきわめて重要じゃないかということを、当時の三木環境庁長官に申し上げた。ところが、三木さんもそれはまことにそういう構想はいいんじゃなかろうかと。実は部内でもいろいろ考えておりたと。しかし、四十八年度ですがあれは、四十八年度はもう概算要求をした後でございましたから、それはもうちょっと手おくれだと。四十九年ですね、あれは。四十九年の概算要求。これはもう大体済んでしまったと。いまさらそれを出すわけにいかぬので、そういう構想についてはその翌年度にぜひ実現をするように、私としてもそれはもっともと思うからそういうことでやりたいものでございますと、こういうのが当時の環境庁長官の御返事であったと思っております。そこで、今度は四十九年に入るわけでございますけれども、ある程度こうした問題について関係者の間に討議されたことも私は承知をいたしております。関係する官庁はどこといえば、環境庁、農林省、通産省、それから自治省、大蔵省、こういう大体五関係官庁でございますね。これはいろいろ――私は直接関係しなかったわけでございまするが――聞いておりますと、いわゆるこういう問題は消極的権限争議になるんです、どうしたって官庁の体質から申しますと。まあやっかいな問題なんですよね。それはおまえの方じゃないか、そっちの方じゃないか、というような形で。まあ農林省は土地改良の問題もありますから、ある程度案を持ち出したようなことは聞いておりますけれども、そういう経過があります。時間がありませんからこれ以上敷衍いたしませんが、総理が環境庁長官のときにそういうことをおっしゃってもおりますし、それからどう考えたって、ただ宣言しっ放しで、国の決定に基づいて、そして後で求償権を行使したっていい、当然行使すべきなんですから。その二年なり三年なり――求償権を行使するっていいましたってね、この裁判の確定するまでには相当時間がかかるわけです。不特定のものもございまするし、長い間の積み重ねもございまするし、いま現に稼働している会社だけにというわけにもいかない問題があるわけですよ。それを常に政府側としては、行政庁としては、それは原因者から求償権を行使すればいいじゃないかという簡単なことでこれを拒絶しておるというようなのがいままでの実態でございますもので、この点はひとつぜひ五十一年度の予算的な配慮の際に――これは大蔵省も相当抵抗が強いはずです、しかしながらそれは積極的に取り組んでいただきたいということだけ申し上げておきたいと思うんです。御所見ございましたらひとつ伺っておきたい。
○国務大臣(小沢辰男君) まさに財産に与える公害の原因者が特定しない場合の、またあるいは特定しておっても非常につかまえにくい、あるいはまた不特定多数の問題であったりしますことについて、財産被害をどういうふうに補償していくべきかということを今年いっぱいかかって、いま先生のおっしゃるような方法も一つの方法だと思うんです、そういう点を含めて何とか結論を出していきたいと思っております。カドミ米そのものについては、そういう四十八年の経過がございまして、農林省が主として相当額の予算要求もいたしましたが、どうしてもまだ、考え方の基本といいますか、そういう統一見解というのは一つもできてないものですから、大蔵省も予算のつけようがないということで送ったわけでございまして、それを環境庁が主になりまして各省と連絡をとって一つの基準をつくろうと、こういうことで、予算通過後に早々に手をつけたい。先生のおっしゃったのも一つの方法だと私は考えております。
○安孫子藤吉君 もう一言だけ。
○主査(八木一郎君) 十分超過しておりますから……。
○安孫子藤吉君 一つの方法だとおっしゃるが、これ、一番完全じゃないかと私は思うんですが、どうですかね、問題点ありますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 先生のお考えも有力な私は案として検討させていただきます。
○秦野章君 じゃ、終わります。
○志苫裕君 原子力発電の問題について若干お伺いいたします。 実はきのう、場所は違いますが科学技術の委員会で、電調審に先駆けて行われる環境審査について、どの範囲でどの程度のものが行われるのかということを確かめたわけでありますが、これは同様に電調審を受け持つ経済企画庁にお伺いするわけでありますが、環境審査のデータというふうなものは電調審ではどの程度の扱いをされているんでしょう。
○説明員(藤井直樹君) 環境審査関係の仕事は通産省の仕事の範囲に属するわけでございますが、通産省としては一応電調審にその地点の組み入れについてのリストを出す際に、通産省として事前に環境問題についてのチェックをしたということについての結論をそこで一応得るということでつくっておるわけでございまして、電調審の場においてその環境審査の報告を特に取り上げてこれを検討するということはいたしておりません。通産省が電調審にリストを出す際の通産省としての考え方をまとめるという意味で作成をしているということでございます。
○志苫裕君 そうするとあれですか、電調審というところは、通産省が事前に行った環境審査というものはまるっきり見ないわけですか。大体そういう手続が終わっておるという形式の確認とでもいいますか、それをするだけであって、その審査の中身そのものをチェックをするとかということはまるっきりないということですか。
○説明員(藤井直樹君) 昨日も申し上げましたけれども、安全審査という手続が後にあるわけでございますので、その安全審査に係る部分についてはそちらにお任せをすると、そういうことでございます。そこで、安全審査の対象にならないような自然景観に対する影響とか、それからある程度安全審査に関係するかもしれませんが、温排水の海洋生物に対する影響、そういうものについてはこの環境審査報告につきまして関係の省庁、たとえば環境庁それから農林省等がその内容を見まして、そしてこれで妥当かどうかという判断を下すわけでございます。安全審査に係るものはここの対象から除いていると、そういうことでございます。
○志苫裕君 はっきりしましたが、電調審では、事、安全審査に係るようなものは検討の対象にはしていないということがここではっきりしました。そうしますと、私は一体、事前のチェックといいますか、環境審査とでもいいますか、事前チェックというふうなものは事実上は何も重きを置かれていないで、後は全部科学技術庁の方でどうぞまあ煮て食おうと焼いて食おうと勝手にしてくださいという、こういう姿勢のようにとれるわけですね。 実は、第六十五回の電調審というのは御存じのように、この原子力行政あるいは原子力利用開発というものを円滑に進めるという、あるいは住民の合意というようなものを広げるというそういう施策の一環として、公聴会制度の採用であるとか、あるいは周辺整備の促進であるとか、あるいはいま言いましたような資源エネルギー庁等で行う事前チェックというようなものの重視とか、こういうふうなものをそれぞれ一種の見直しとして強化をした後で初めて行われたのが四十九年七月の第六十五回電調審だと思うんです。そういう意味では、たとえば直接利害関係を持ち、あるいはまた何がしかのトラブルが起きておる地域とすれば、この事前チェックの機能というふうなものをある程度重視をするとか、注目をするとか、あるいはまたそういう問題についても電調審等でも議論があるものと、このように何がしかの期待をしている。ところが、いまのお話を聞きますと、電調審というのは実はそういった問題については何もしないんだというふうにまず確認をしていいですね。
○説明員(藤井直樹君) 私の方は余り安全審査のことについて担当しているわけでございませんので、内容について申し上げるのは適当でないと思いますけれども、原子力の安全審査というものは、あるところまでやって途中でこれでいいんで大体の見当がつくから、後、本審査にするというようなことが果たしてできるのかということになりますと、大変疑問だと思いまして、電調審であるところまで見たというようなことが仮にありましても、それで一体それでは安全は大丈夫かと言われると確信を持って申し上げられないということになりますと、やはり法律に基づいてしかるべき手続が決められているわけでございますので、一応そちらの方の体制にお願いをして審査をしていただくということが一番いいのではないか、こういうふうに考えております。
○志苫裕君 そうしますと、いま肝心の通産省が来ていないからぼくは聞けないけれども、環境審査会までつくって資源エネルギー庁においていわゆる事前チェック、環境審査というふうなものに特に四十八年ごろから力を入れてきたということの意味はないじゃないですか。あなたの答弁によれば、その立地の諸問題についてある程度のところまではやってというふうに中途半端なことはできないからということになれば、一事が万事安全審査会の方にお任せすることになるわけであって、では事前に何がしかのチェックを行うとか、そういうものの窓口までつくり、体制まで強化をして取り組んでおるということの意味は何にもないじゃないか。かっこうをつけているだけですか。
○説明員(藤井直樹君) これは通産省の方で御答弁願わないと、私の方もちょっと立場上適当でないと思いますが、環境審査の中でも自然景観とかそれから温排水とか、そういうような部分についてはこの電調審での審議に直接つながるというふうになっておりますので、全部が全部これが審査の意味がないということはないわけでございまして、部分的にそういう問題があるというふうに私どもは理解しておりますが、これは通産省の方からも御答弁を願わないとただいま的確なことは申し上げられません。
○志苫裕君 私は科学技術庁に質問するのが主なんですが、この事の順序が通産省から始まって経企庁へ行って、それから通産省へ行くものですから、だから長官のところまでまだちょっと行かないんで、もうちょっとあれですが。 そこで、きのう私は事実を指摘しましたように、ここに立地をしようということで環境審査を行って、それを立地点に組み込んで電調審に送り込んだわけですね。ところがその電調審がよかろうということになって、今度は科学技術庁の方へバトンが渡るわけです。私が事実として指摘をしておるのは、そのように電調審に先駆けて行われた環境審査のその立地点、それに必要なチェックを行ったデータがありますね、それと実際にいま科学技術庁の方へここにつくりたいがと言って出てきたものは違いますよ。乱暴な言い方をすれば、ここにつくると言って事前の手続はとったけれども、いや本当はここですと別なものを持ってきたというような関係になっているでしょう。とすれば、一体この事前審査とか電調審におけるその窓口通過というふうなものは何の意味を持つのか、こういう問題が起きてくるでしょう。でありますので、ちょっとしつこいようですけれどもこの問題を昨日来聞いているわけです。 私が申し上げたいのは、たとえばここにつくろうと考える、大湊側につくろうとか、あるいは二十メートルのところにつくろうと思った。しかしいろいろ考えてみるとこれはやっぱりどうもまずいというので、その場所を変えたという経緯があるわけですね。途中でこれは考えてまずいと思って変更をしなければならぬことがなぜ事前審査のときにチェックされないのか、なぜ電調審は素通りに通るのかということをぼくは言いたいわけですよ。そんなずさんなことをやっているのかということを指摘をしたいためにこのことを繰り返し聞いているんですが、どうも電調審は扱っているところは何だか知らぬが、形式的に将来電力はどれくらい要るだろうとか、油はだめだから原子力に切りかえようとか、きわめて気楽な商売のような形で原子力の切りかえを図っている気がしてぼくはしようがないけれども、このことはこれ以上あなたに尋ねてもだめなようですから、いずれにしても強く指摘しておきたいのは、特に事前チェックというふうなものは、公聴会やあるいは自然整備などと並んで重視をされたはずだ。重視をした重視をしたと言っているにもかかわらず、何にも重視していないじゃないかということを指摘をしたわけです。 そこでもう一つお伺いしておきますが、それで、それは困りますよというので、意見がありますよというので意見申し立てをいたしましたね。意見申し立ての制度はなぜあるかと言えば、これは私が言うまでもなく、電調審を通過したその出来事に対していろいろ言い分があるからであります。これは御存じのように、どうも古い法律ですからあれですが、三条の四項に基づけば、その意見申し立てに対しては「必要な措置を講じなければならない。」。講じても講じぬでもよろしいじゃないんですね。「必要な措置を講じなければならない。」という規定でしょう。これはどうなんです。
○説明員(藤井直樹君) 電源開発促進法の規定に基づいて利害関係者が意見を申し出るということは、御指摘のように法律の規定がございます。それで今回、昨年の七月四日の電源開発審議会の後で意見の申し出が十六件ございまして、それに対しましてどういうふうに政府が対応したかと申し上げますと、これはどの大臣が担当するかということについての一応規定がございまして、申し入れ者の職業によって分けているわけです。その職業について明確な判定ができない場合には通産大臣がその意見申し出の対象になるということで、通産大臣がこれを受けまして、そしてこの申し入れについて通産省がしんしゃくして必要な措置を講ずるということになるわけでございます。そこで通産省より経済企画庁長官あてに、企画庁に係る問題、七項目ございまして、そのほかにこの電源開発計画に組み入れの撤回を要求するという意見の申し出がございまして、これに関しては企画庁の問題だということで、企画庁の方に話がございました。 そこで、この意見書の取り扱いについていろいろ検討したわけでございますが、従来、意見書に対して回答した例がない。それから意見書自体について回答するということもまた定められていないということもございまして、いろいろ検討したわけでございますけれども、本件の重要性にかんがみまして回答をするという方針にいたしまして、三月の十八日だと思いますが、企画庁の総合計画局長の名前で回答をいたしております。その回答の要旨は……
○志苫裕君 ちょっと待ってください。回答をどこへしたんですか。
○説明員(藤井直樹君) 意見申し出者に対しまして、回答を県を通じて、県庁を通じてお出ししております。 それで、県庁をなぜ経由したかといいますと、もともと意見の提出が県を経由することになっておりますので、回答の方もそういう形にしたいということでございます。 そこで、その要旨は、この意見の申し出の理由とされている発電所の安全性等につきましては、電源開発基本計画に組み入れられた後に関係法令に基づいて十分検討されるものであり、また関係省庁において必要な措置が講ぜられることとなりますので、当庁としてはこの柏崎の発電所計画に関して電源開発基本計画を変更する考えはないということをお知らせするという内容でございます。 一方、これも通産省の方からお答えすべきことなんですけれども、同時に通産省からも意見に対する回答がなされておりまして、まず関係省庁に申し出の内容を通知するということをしたほかに、発電所の安全性等については、原子炉規制法、電気事業法に基づく許認可の際に、申し出の趣旨をしんしゃくしてそれぞれの所管省庁でそれぞれの措置を講ずることになりますということをお知らせするという趣旨のやはり回答をお出ししております。
○志苫裕君 異議申し立ての内容は、地元民の多数が反対をしている、建設予定地の用地買収は終わっていないという内容の異議申し立てじゃないですか。安全審査はどこでやるかなんていうことは別に異議申し立てのテーマになっていない。これについてはお答えにならなかったんですか。
○説明員(藤井直樹君) これもどうも通産省からお答えする項目ではないかと思うんでございますが、いまおっしゃった点については、一方で、通産省は電気事業者に対して通牒を出しておりまして、用地買収については関係行政機関の指導に従って行うとか、地元に対する一層の理解と協力を求めるというようなことについてその事業者の方にしかるべき通牒を出しているというふうに私ども伺っております。
○志苫裕君 どうも電調審というのは経済企画庁だというから経済企画庁を相手にしておりますとね、それぞれ申し立てた人によって返事する者がずいぶん変わるようだし、役所の仕事というのはずいぶん住民からすると不便なものですがね、後ほどまた通産省から見えるそうですからあれですが、そこで、従来ございますか――。これは安全審査をなさる方にお伺いいたしますが、やっぱり環境審査、電調審、設置申請と、これはずっと継続してきていますね。事前の環境審査たるチェックが行われていたものと皆さんの方へ出てきたものが、場所が違う、極端なことを言えば場所が違う、事前チェックの際のデータとまるっきり別のものが出てきておるという事例はございますか。
○政府委員(生田豊朗君) 現在までございません。
○志苫裕君 ございません――。まあずいぶん異例なんでありますが、そこで長官お伺いしますが、いずれにしても、私きのうからちょっといろいろ尋ねましたが、従来例のなかったような、何かこう手違いのようなそごもある。しかも、ずいぶんその問題をめぐってまたトラブルを伴いながら、なお相当部分の合意を得られないまま、とにかく設置申請という段取りになっていることは確かなんでありますが、これは、設置申請というのは、役所の手続で言うと受け付けたんですか。
○政府委員(生田豊朗君) 受け付けております。
○志苫裕君 受け付けましたね。これに関連をしまして、新潟県知事から、申し入れ書といいますか、意見具申書とでもいいますか、そういった性格のものが来ていますが、これについての所見をまず伺っておきたいわけです。
○政府委員(生田豊朗君) 新潟県知事から原子力委員長あての文書が届いておりまして、安全審査に当たりまして、特に地盤関係でございますが、問題点を指摘されております。それに対しまして私どもは、安全審査の段階で新潟県知事から指摘されました問題点を十分慎重に審査するという御返事をいたしております。
○志苫裕君 そこで、県知事からもいずれにしても、たとえ安全審査の段階にせよ、しかじかかくかくの点について十分な配慮を煩わしたいという趣旨の書面が別途入ってくる、こういういきさつでありますだけに、私はあえて少し無謀を覚悟で主張したいわけでありますが、科学技術庁いま受け付けたという話がありましたが、先ほど言いましたように、この環境審査の段階、電調審の段階、そういうものについてずいぶん強い異論を持っておるし、必要な順序を経てきたはずのいわば書面でもないというふうに考えれば、私は、いまにわかに科学技術庁が、文書が来たからといってそれを受け付けて事をずっと進行させるというより前に、その事前の段階におけるさまざまな諸手続に瑕疵があるのではないかということで門前払いをするという、そういう要件も持っているんじゃないかと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(生田豊朗君) 原子炉規制法に定められました手続によりまして申請が出されるわけでございますので、出されました書類の形式的な審査をいたしまして、形式上問題がなければ受け付けざるを得ないということでございます。ただいま先生御指摘のいろいろな問題点につきましては、原子力規制法の体系の外の問題でございますので、これはまた別途に必要に応じて配慮いたしたいと、かように考えております。
○志苫裕君 恐らくそういう返事だろうと思うんですが、皆さんは皆さんの法律を見ていればいいわけでありますからね。しかし、生きた問題ということになりますと、なかなかそうはいかぬのでありますが、これはもう一度経企庁に尋ねますが、電調審の決定というのは無効であるということを争う方法はありますか。
○説明員(藤井直樹君) 電調審で決める事柄というものは計画決定でございまして、いわゆる行政処分行為と違いますので、御指摘のようなことについてのことはないかと思います。
○志苫裕君 電調審というのは、そうすると行政行為ではないわけですか、計画を決めるというのは行政行為じゃないですか。
○説明員(藤井直樹君) 行政の処分行為ではないということでございます。
○志苫裕君 処分行為ではない。この点についてはまたいずれ問題を提起をいたします。お尋ねをいたします。 そこで、今度は科学技術庁にまたお伺いしますが、新潟県からもその種の意見が出ておるようですが、特に柏崎の場合には地盤が論議を呼んでいるわけですね。もちろんこういうずいぶんと危険な施設であり、しかも重いものですから地盤はもともと大事にはしていることでありますが、この地盤についての諸要件といいますか、しかじかかくかくの要件が整っていなければだめだというものについて非常に明確な基準のようなものは全部整っていますね。
○政府委員(生田豊朗君) 原子力発電所の設置、原子炉の設置に伴います安全審査に際しまして、地盤につきましては幾つかの項目を審査するわけでございますが、まず第一は、その原子炉施設を設置する敷地につきまして、地すべりとか山津波あるいは河川の洪水の恐れ、そういうものがないことというのを一つの要件にしております。それから第二は、基礎岩盤が非常にしっかりしておりまして、いわゆる不等沈下を起こす恐れがないこと、これが第二でございます。それから第三は、岩盤の極限支持力が原子炉施設から受ける荷重に比べて十分大きいということが確認されること。これが三番目でございます。それから四番目は問題を起こしますような断層あるいは破砕帯を含まないこと、それが四番目でございます。こういう点につきましてボーリング調査あるいは試掘坑調査、そういうものによりまして得られた結果を使いまして十分審査をするということにいたしております。
○志苫裕君 私もその程度は承知をしておるんです。しかし、ただいま局長が読み上げたその表現でも、たとえばこれこれに耐え得ることとかいうふうな表現でしょう。しかし耐え得ることというてもあるいは山崩れとか、断層とか、そういうものがないこととかという項目として私理解しているんですね。新潟県から出ている書面を読んで私なるほどなと思うのは、たとえば断層が――小さい大きいは別にして――ある。しかし、どの程度のものならだめとか、あるいはいま地盤の強度の問題がありました。たとえば、圧密沈下なり不等沈下を例にとった場合に、幾ら幾らに幾らの不等沈下ならだめとか、何ミリ下がったらだめとか、一体そういう意味での規範というものはあるのかと、あれば実は議論は地元でもわりとしやすいわけですよね。しかし丈夫といえば丈夫だし、もっといえばもつし、もたぬといえばもたぬという水かけ論のような余地が残っていたのでは、いつまでも論議が続くことになりますね。そういう意味で県の表現をかりれば、原子力設置に関する地盤にかかわる諸要件を明確にしてもらえないか、特に県から出ている文書で非常に特徴的なのはしかじかかくかくである、普通構造物であれば支障はないものと思われるが、後、全部続くわけですね。後、しかし原子力施設のようなこんなどえらいものがそれで十分であるかどうかは私は知らぬから、そっちでどうぞ判断してくれと、こういう形になっていますね。そういう意味で、そういう諸要件というようなものは現にあるかどうか、そういう意味で、たとえば断層の存在と支障の限度とかあるいは地盤強度という意味で許容地耐力というのはどれくらいであるとか、あるいは圧密沈下が指摘をされていますが、それはどの程度なら欠格であるとか、あるいは不等沈下――たまたま不等沈下は水島で問題になりましたけれども、それについての何か規範があるかどうかとか。地盤問題は十分なわりには案外このような点が少しおろそかになっているのじゃないかという感触を受けるのですが、いかがですか。
○説明員(中村守孝君) 少し技術的なことになりますのでお答えさしていただきます。 安全審査におきまして、地盤の基準に明確な基準がどうなっているかという御質問でございますが、先生御承知のように、地質というものは単純化することがいろいろ困難な点もございます。それから実際に地質がいいか悪いかというのは、単に地質だけをもって判断するものではございませんで、その上に施設されます工作物をどのような強度でつくるかということによっても変わってまいるわけでございます。そういうことと関連いたしまして、実際の場所に原子炉を施設することが適当であるかどうかということについて専門家は判断をしておるわけでございますが、いま先生御指摘のようなこと、たとえば原子炉施設によります極限支持力と申しますか、それが幾ら以上あったらいいのかということにつきましては、これは当然のことながらその上に乗ります原子炉の重量に十分に耐えるものでなければならないわけでございますが、それに対してはいわば安全率を三倍程度とった数字以上のものであればよろしいわけでございます。ただ、現実には従来安全審査に出てまいりました地点につきましてはいずれも原子炉の重量に比すれば非常に大きな支持力があるところでございますので、そういうところでどこまで許容するかという極限的な議論をする必要性のないようなものが従来の状況でございます。 それから先ほど圧密沈下というお話がございましたが、圧密沈下が問題になりますのは、いわば不等沈下ということで問題になるわけでございまして、原子炉につきましては基礎岩盤に固定するということをしておりますので、その不等沈下が幾らまでは許容するということではなくて、不等沈下が起こらないというのを条件にいたしておるわけでございます。そういうことで後、敷地の原子炉、たとえば実際に施設する具体的な場所にたとえば破砕帯等がございます。その破砕帯等につきましてはセメントを注入するとかいう工法によりまして土木工事的に十分強度を持たせ得るものであればそれは許容し得るわけでございます。それについて十センチならいいのか、二十センチならいいのかというような極限的なことが問題になるようなこともいままでございませんので、どこまで許容するかしないかということについて明確な線をわれわれいま持ち合わせておりません。しかし、まあ従来はいずれにしてもこういった極限的なものよりは非常に安全なところにありまして、それが大きく問題になるようなことはなかったということでございます。それで、基準ということにつきましては、ただいま原子力委員会の中に新たに技術についての専門部会を設けておりますので、これらの委員会で基準の整備化を今後進めていくという段取りになっております。
○志苫裕君 いまの答弁も先ほどもそうですが、たとえば柏崎の事例のように、地盤問題をめぐってああいう形で鋭く争われたという事例が実はないわけですよね。でありますだけに、たとえばいま課長が答弁されたように、あるいは先ほど局長が答弁したように、それは耐える強さとか何とかというものは工法とのかかわりがありますよね。弱かったら工法の方で補強するとか、そういう相対的な関係でしょうけれども、しかし、まあそれこそ耐え得るものというような表現で済んだのかもしれない。それでまた問題にならなかった。しかし、今度の議論を通して、やはりそういうような、これは耐えるとか耐えないとかという水かけ論争がいつまでも残るような状態では、これはなかなかやっかいな話だ。そう思うだけに、たとえば断層の問題でも、近くに断層がある、そこまでいっているかどうかの確認はまだ不十分なようだけれども。あるいは県の報告によっても、まあ言うなら小さい規模のものはある。その小さい規模のものが一体支障があるのかないのかという議論になれば、一体その種の断層の存在と支障の限度というようなものは、ある程度やっぱりこの基準というふうなものが出てこないとわからないというふうになってくると思うんですが、いまの課長答弁でも後半ちょっとあったようですが、その種のものは何か新しい専門部会みたいなところでこれから明確にしていくんですか。
○説明員(中村守孝君) 一般的に基準、これは地盤も含めて耐震設計、その他原子炉安全施設の基準につきましては、今後原子炉発電所が多く出てまいります。従来の経験も積まれておりますので、ここら辺で基準化を進めていくことが、いま先生おっしゃるような意味で国民の理解にも寄与するのではないかということで、客観的な判断基準を整備していくことが、片方において安全審査の法律化をするという反面、また一方では国民のこういうものに対する理解をいただく一つの糧にもなるという意味もありまして、今後基準化に大いに力を入れていこうということで、専門部会をつくりまして今後検討を進めていくということにしております。
○志苫裕君 通産省、お見えになったようですから、そこをちょっとお伺いしてまた一あなたおいでになる前に、電調審に先駆けて行われる通産省の環境審査ですね、きのうの議論、私の質疑では、どの範囲でどの程度のものを行っているのかということをきのうは概略は聞いたわけです。改めてお伺いしますが、現地について通産省が直接行いますか。
○説明員(伊藤栄一君) 私どもで行っております環境審査につきましては、従来電気事業法の規定に基づきます許認可において審査してまいったわけでございますが、環境問題の重要性から、各分野の専門家の意見を聞いて、電調審の時期に合わせまして環境審査報告をまとめる、そういう手続を一昨年来とっておるわけでございます。現地につきましては、会社が、電気事業者があらかじめ資料を整備いたしまして私どもの審査官の審査を受ける。必要な都度現地も見ると、そういう手続でもって審査を行っているところでございます。
○志苫裕君 必要な都度なんというのじゃなくて、柏崎について通産省自身の手で、事、地盤について環境審査が行われましたかと聞いている。
○説明員(伊藤栄一君) 柏崎地点の地質特性につきましては、一般的な地質の特性をあらわす数値といたしまして地盤の極限支持力を報告書において採用いたしました。これは安全審査の一環として検討したものではございませんで、会社が調査いたしました結果を引用したわけでございます。
○志苫裕君 結局、先ほどの、これは資源エネルギー庁の火力課長ですな、いまのお答えがあった人は。 先ほどもちょっとお話がありましたが、一昨年来、環境審査報告書というものを出すようになったいきさつについて私ちょっと触れたのですが、それだけ重視をするようになったわけですよね。重視をするようになったにもかかわらず、いまお尋ねしたところでは、実はまあ電力会社が出した数字を採用した、おれの方で別に調べたわけではないという、わかりやすく言えばそういう答弁です。そこで私は、言うならば事前にその種のチェックを行って地点を電調審の計画に組み込むわけでありますが、この事前環境審査を行った通産省としては、いま出てきておるこの原子炉の設置申請の地点が、皆さんが環境審査を行ったものと異なっておるということを承知しておりますか。
○説明員(伊藤栄一君) たとえば、炉心の位置についての御指摘があるように私は理解しておりますが、会社が調査いたしました当時の時点では、地下十メートルのところで行った。その後、安全審査の申請の段階でこれを四十メートルのところに変更した、そのようなことを聞いているわけでございます。
○志苫裕君 その程度じゃだめですよ。あなた方の環境審査にかかったのは大湊側という地点ですよ。今度出てきておるものは荒浜側の地点ですよ。そして、一方は深さ二十メートルで、今度出てきているのは四十メートルでしょう。私が指摘したいのは、実はやっぱりこれはまずい、まずいというので場所も変わり、深さも変わったわけですよ。変わったことは結構だと思うんですよ。しかし私が指摘をしたいのは、これはまずいと言って変わらざるを得ないようなのが何で環境審査でフリーパスになるのかということを聞いているんですよ。その辺いかがですか。
○説明員(伊藤栄一君) 環境審査につきましては、自然植生、自然景観、温排水等の環境問題を重点的に審査いたしておるわけでございますが、柏崎地点の報告書の中で、地質の一般的特性を説明する段階で、先生御指摘のような極限支持力を採用したと、そういう経緯でございまして、いま御指摘のありました、たとえば極限支持力のデータとして採用された地点は、当時荒浜側の地点からマイナス十メートルで採用いたしましたが、現在も私どもの了解している範囲では、荒浜側のサイトに計画されておると、このように聞いておるところでございます。
○志苫裕君 あなた、聞いている、聞いているって、自分であんた環境審査を行った者が聞いているじゃだめなんです、自分でやらなければ。はっきりしておきますが、これは出てきたのは大湊側です。今度は荒浜側に変わった。ずいぶんその辺が、環境審査を重視をしなければならぬという一種の見直し行政をやったわりには非常にずさんだということを私は残念に思うわけであります。――通産省の方はちょっとそれで結構です。 もう一度戻りますが、そこで今度は安全審査に当たって、審査会としては、じきじき現地について行いますか、地盤の問題について。
○政府委員(生田豊朗君) 地盤につきまして安全専門審査会あるいは原子力委員会がどういう調査を行うか、まだ最終的に決めておりませんが、必要がございますれば当然現地について調査を行うということになると思います。
○志苫裕君 必要がございますればではなくて、現に、だから私は少し事前の状況を長くかけて、これは長官も理解してほしいのでありますが、とにかく地盤問題について長い論争を経て、県も市もくたくたになって、県まで文書をつけてきたわけでしょう。やっぱりそれにまず受け答えする姿勢としては、局長の言うような紋切り型の、必要があれば調査をしてみたいと存じますじゃなくて、これは乗り込んで、それはやっぱり問題点を解明しましょうと、だめならだめ、いいならいいと言いましょうと、これがなかったらそれはだめですよ。そういう点、長官どうですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 新潟県知事からも地盤なり地質なり等に関しまして、特にこういう点を注意して審査をお願いしたいという要望もございますので、そういう点も踏んまえ、これが問題の焦点でありますればそれの解決のために、地元がまた安心できるように、十分自信を持たなければいけませんので、当然現地の調査もやることだと私は考えます。
○志苫裕君 それに必要な予算、体制等は十分ですか。なぜ聞くかというと、従来は書面審査が通例でしたね、この種の問題について。しかし、その域を脱するということになりますと、それにふさわしい体制、予算を必要とするのは当然です。この点はいかがですか。
○政府委員(生田豊朗君) 安全審査に際しまして実地の調査といいますか、実地の踏査といいますか、それを行う予算は計上してございます。問題は、そのボーリングその他をだれがやるかということでございますが、これは現在のところでは必要なボーリングをこちらから指示いたしまして設置者にやらせるということになろうかと思います。
○志苫裕君 私は信用しないわけじゃありませんけれども、環境審査のときにも設置をしたいという電力側からいろいろ資料をもらってやっているわけです。それを電調審は、まあ卒直に言って見もしないわけです。それであなたのところへ来た。安全問題についてはいまのところが最高裁だ、言うならね。そこから先はないわけだ。そこのところも必要があれば会社側から出してもらいますじゃ、それじゃ安全審査になりはしません。一方はつくりたい一心なんだから。うそでもごまかしでもいいからつくりたいという心理が働いておるときに、いまの答弁のような、それはやっぱりいかぬですよ。もっと自分自身で確かめるという、それがなければ安全審査そのものにもだれも信を置きませんよ。いかがですか。
○政府委員(生田豊朗君) 私が申しましたのは、原子力委員会が自分でボーリングをするということはそれはしないということを申し上げたわけでございまして、どういう地点のどういう深さのどういう砕片を取ってくるかということはこちらで決めますし、必要に応じましてそのボーリングの際にも原子力委員会側からそれに立ち会うということをして、十分その信頼性は確保するつもりでございます。
○志苫裕君 原子力委員会が自分でやったらいいですよ、しませんなんて言わぬで、そういうふうに発想を変えればよろしいわけですよ。これはまあ指摘だけにとどめます。 そこで、ちょっと時間がないので恐縮ですが、もう一度電調審の方へ話を返しますが、先ほど通産省からもちょっと話が出ましたように、一昨年から事前審査というのはずいぶん力を入れているのです。そういうようなことが行われて、そういういわば一種の行政改善ですね、というようなものが行われて、初めて行われたのが四十九年の七月でしたね。この七月は率直に言って参議院選挙のどさくさだ。忙しくてそんなものを見ている暇がないというような状況です。もう一つ、今度は五十年三月の電調審、これはもう一方で、まあいわば三木内閣が誕生をして、長官が、趣旨説明にも載っておりますように、とにかく住民との合意、安全性なり信頼関係というようなものを非常に重視をする、見直しの姿勢をとって、そのための必要な手だてとして、たとえば原子力行政懇談会というようなものがあした開かれるという前の日だね、これは。私はこの六十五回、四十九年七月の電調審にしろ、あるいは五十年三月の電調審にしろ、共通しておるのはどさくさという点だと思いますよ。新聞には見切り発車とも書いていますがね。これは故意か偶然か別でありますが、皆さんの魂胆にはどさくさ、見切り発車というふうなものがやっぱりあるんじゃないの。その辺、なぜ一方は参議院選挙のどさくさになり、一方は原子力行政懇談会があした開かれるといって、この種の問題も含めて、何か原子力局長が原子力の当面する諸問題について懇談会等で少し基調報告みたいなものを行っているようでありますが、そんなもの新聞をかいつまんで読むと、それらの問題も含めて何かこう全体の見直しの問題提起をしておる。当然電調審のあり方等も、環境審査のあり方等も恐らく見直しの仲間に入るでしょう、そういうものを見直そうという前の日に何でさっとこうやるんですか。
○説明員(藤井直樹君) 最初に、昨年の七月の電調審でございますが、やはり地点を基本計画に組み入れを実際いたします場合には、どうしても各省問で環境の問題、それから水利上の問題、水量の問題その他について十分な調整を行う必要がございます。それから同時に、最近数カ年は、地元の意見ということで、知事さんの意見をいただくことになっております。そういうことになりますと、なかなか早くやりたいと思って準備をしておりましてもずれてしまう。前回の場合も六月末ぐらいまでにはやるつもりでおりましたのが、いろいろそういう関係でずれまして七月四日になってしまったということでございます。それから今回の場合につきましても、やはり同様な理由で多少調整に時間がかかった地点がございまして、それが大体話し合いがついてやるという時点、それを考えて審議会の開催日を決定するということにつきましてはなかなか予測が困難な点がございまするので、実際に調整が終わったところで判断した。そのときにたまたま翌日原子力行政懇談会があったわけでございますけれども、それと全く関係はなく電調審自体の問題として決めていった結果ああいうことになったということでございまして、私どももできるだけ早く調整を終わりまして何日にやるというようなことにしてまいりたいと思うのでございますけれども、前回及び今回についてはそういうような事情で土壇場になって決まったということでございます。
○志苫裕君 それはまあ、どさくさにやりました、見切り発車しましたと、あしたまでおいたら変なことになるからなんという答弁をするわけはないので、その点の深追いはしません、そこでやめますが、長官、私は若干の質疑を通じて、どうもいま本当の意味で開発を急がないで安全の確保に力を入れる、それから住民との合意、理解と協力に力を入れる、これが急がば回れで本当の意味での原子力を国民のものに利用できる早道だったということで見直しを三木内閣になって真剣に主張しているわけです。しかし、私、環境審査の段階における通産省のこの対処の仕方やあるいは電調審における対処の仕方等を尋ねたのは、データも企業のものしか見ないし、書面の上しか見ないし、場所が違っておっても気がつかないし、全く開発優先だったということをつくづくと感ずるわけで遺憾であります。 そこで、いま原子力行政の機構、安全性の確保という面に向けて機構の強化も考えられるようでありますし、それからさらにいまぼくらの意見としては、たとえば原子力委員会をむしろ内閣にあるいは規制委員会にむしろ改組をして、というような意見もあるわけでありますが、いずれにしても現行のところでは、あなたのところから万全を期してもらわなければものの解決にはならぬわけです。そこで一連の議論を通じてまず安全の確保、さらに合意を広めるという点に全力を注ぐという意味で、思い切った時間をかけても構わぬのでありますし、それからきのうも言いましたが、安全の実績がもう積み上げられるまでは、新しいものは許さないという考え方があってもいいわけですし、それらの点を含めて最後にもう一度決意をお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 私は、この電源開発促進法を通した一人でありまして、いまの自治大臣の福田一氏、私たち説明役で経済企画庁にいたのですが、参議院の方は御承知のように佐々木良作氏が中心でこの問題を進めたように記憶しております。したがって、電調審とは何ぞやという点もよくわかっているつもりでございますが、いずれにいたしましても、ただいままでの長い御審議を通じまして、電調審と私どもの扱っています安全審査との関連を今後いかにすべきかという問題は、いろいろまだ問題を含んでいるように承知をいたしました。 それはそれといたしまして、いま設置許可が出ておるわけでございますから、きのう御説明申し上げましたとおり設置許可の審査に際しましては、単に原子炉自体の原子力工学的な安全性の審査のみならず、立地問題その他、環境問題を含めまして、真剣に、慎重に、せっかく新潟県知事からも御丁寧な要望がございますので、そういう点も参照しながら慎重に検討を進めたいというふうに考えております。 ―――――――――――――
○主査(八木一郎君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として小巻敏雄君が選任されました。 ―――――――――――――
○小巻敏雄君 原子力問題について質問をしたいと思います。この国会の中で福田副総理の方からいわゆる原子力発電計画の六千万キロワットというのは、これは縮小避けられぬ、目標を達成することはむずかしいということが述べられ、阻害の要因としては安全と環境の問題があるんだと、こういうことでありました。また佐々木長官は、この問題について飛ぶ前に踏めというような表現をされて、今日、従来に対して一転反省を行って安全問題については新しく見直さなければならぬという趣旨を述べられておるのでありますが、重ねてお伺いするようになりますけれども、ここで安全問題と環境問題について根本から見直し策をとる、その基本についていまの時点の考えと、そして施策をお伺いをしておきたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 六十年度六千万キロワットの長期計画の目標の問題に関しましては、現状の状況から申しますと、客観的な要請は六千万キロなどと言わないで、さらにもっと雄大な開発というものを必要とするには違いございませんけれども、しかし、実際問題としていまの立地難あるいは環境問題等から考えますと、現実の許認可の状況等から見てまいりますと、なかなかこの六千万キロワット達成というのは――目標は目標でございますが――現実の問題として困難じゃなかろうかという点を申し上げました。これは近くまた、いろいろ経済企画庁あるいは通産省あるいは原子力委員会等々で次第に改定版と申しますか、といったようなものができてくるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、目標数字のいかんにかかわらず、原子力発電をどんどん進めていかなければならぬ、ゾルレンだけは明確になっておるわけでございますので、わが国経済の将来を考えますと、どうしてもそのネックになっております立地あるいはまたそのもとであります安全問題等に関しまして、今後行政体制、あるいは安全研究、あるいは審査、検査のやり方、あるいは国民の支持、理解を得るためにはどうすべきかといったような問題がたくさんございますので、そういう点をできるだけひとつ固めてまいりたいというふうに実は考えておる次第でございます。
○小巻敏雄君 国民の理解の問題とか、立地条件とか、大体この辺のところから問題を出されるのが通例になっておるんですけれども、私はここで今日の状況に立って最大のポイントは、やはり安全審査機構をこの際どのように見直し、強化をし、そして力のあるものにするかというところにポイントがあるんじゃないかと思うんです。もしよしんばこの立地条件あるいは住民の理解に困難があろうがなかろうが、私はいまの機構のあり方で、そのままで手順を尽くしていくなら、この目標というようなものはもともと達成しがたいような条件の中に置かれておったんじゃないかと思うわけです。そこでお伺いをするのですが、東海一号炉以来二十三基の建設をされると、この間に大体何年を要し、安全審査委員会で、ここで認可を与えてきたというのは、大体どのぐらいのテンポであったのかということを確かめておきたいと思うんです。
○政府委員(生田豊朗君) その原子炉によりましてさまざまでございますが、一番長くかかりましたのが一年四カ月ほど、それから短いものにつきましては六カ月あるいはもう少し、そのくらいのものでございます。
○小巻敏雄君 トータルで千六百五十万キロワット発電をするということになっておるこの二十三基の建設、初年度以来十年を経過をしておって、これが審査にかけられてパスをしたというのは、一番多かった年で四基ぐらいであったというふうに承知をしておりますが、そういうことですね。
○政府委員(生田豊朗君) はい。
○小巻敏雄君 この機構でもって六十年に六千万キロワットの発電をなし遂げようとすれば、大体年当たりどのくらいやっていかなければならぬのか、これをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(生田豊朗君) 先生御承知のように、現在建設中のものも含めまして二十三基、約千六百万キロワットでございます。六千万キロワットに到達いたしますのには、差し引き四千三、四百万キロワットの建設が必要でございます。原子力発電所につきましては、平均いたしまして建設期間が約五年でございますので、昭和六十年度に六千万キロワットが完成いたしますためには、昭和五十六度までにあと四千三、四百万キロワット分が着工されることが必要でございます。と申しますのは、逆に申しますと、本年から約六年間ぐらいの間に約四千三、四百万キロワットの設置許可の申請がされ、安全審査が行われて設置許可がされるということが必要でございますので、年平均にいたしまして七百万キロワット平均、百万キロワットの大型原子力発電所といたしまして七基程度、その安全審査、設置許可が行われることが必要かと考えます。
○小巻敏雄君 百万というような大型のものを同型だから安直にやるという考え方があるのかもしれませんけれども、こういうものを毎年毎年七基ずつ認可をしていく、その体制として従来どおりの機構でやると、こういうことは私はやっぱりできない相談だと考える方が常識的であり、これでそのままやっていこうという考え方は開発優先になって、やっぱり安全問題について十分な力を入れないということを招くものだというふうに思うわけです。この点常識的に見て無理だと思うのは、機構全体がこれは非常に限界があって、審査をするのが基本設計だけに限定をされているということはありますけれども、その人的な機構というようなものがそれにふさわしいとは考えられないということなんです。いままでの状況で大体何人の者がこの審査に当たってこられたのか。
○政府委員(生田豊朗君) 安全審査の専門官は歴年ふえておりまして、昭和四十八年度四人でございましたのが、四十九年度十九人、本年度は二十四人でございます。それを含めまして原子炉規制課の定員が本年度三十八人ということでございまして、毎年かなりの大幅の増加でございます。
○小巻敏雄君 大体これで年当たり七基くらいのものの消化は可能であるという計算の上に立っておられたわけですか。
○政府委員(生田豊朗君) この安全審査につきましては、先ほど先生も御指摘になりましたけれども、どういう形の炉が出てまいるかということによりましていろいろ違うわけでございます。たとえば、新しい地点の一号炉の場合におきましては、非常に安全審査の手間がかかるわけでございますし、同じ地点の二号炉、三号炉というような形で、しかも同型の炉が出てまいりました場合は、安全審査が非常に早く済むということでございますので、一概に申すことは非常にむずかしいわけでございますけれども、大体年間五基ないし六基ぐらいの安全審査は十分これで可能であろうかと考えております。
○小巻敏雄君 もともとやはり貧弱な体制の中で、しかも最終まで責任を持たないような諮問機関にとどまっておるこういう原子力委員会が審査をやっていく、こういうことで六千万キロワットと、開発優先に突っ走ろうとしたこの姿勢自身に今日の問題があったと指摘せざるを得ないわけであります。この点についていま見直しということで、機構自身について抜本的な手を加えてもらわなければならぬ、私どもの方ではそう考えるわけでございます。どうしても内容的にも今日のように部分的な審査にとどまっておるものを改めて、そうして権限あるものとして基本設計から詳細設計まで、運転そうして稼働するところに至るまで、さらに稼働後の安全についてのアフターケアまで一貫をした責任を持つ、こういうような構えになって初めて巨大な計画を一人歩きさせずに裏づけになる安全体制ができ上がるものだと考えるのですけれども、これらの問題についてはどのように考えておられますか、長官。
○国務大臣(佐々木義武君) 私の個人的な意見と申しますと、これはいろいろございますけれども、しかし、せっかく内閣に行政懇談会をつくりまして、英知を集めてこれから審査結論を出そうというときでございますので、その結論に従いまして、今後整備拡充してまいりたいと存じますが、まあいずれにいたしましても、今年できるはずの安全局は決してその安全局で十分だというのではなくて、これは一つの安全体制を強化する橋頭堡である、出発点であるというふうに御理解いただければ、大変結構じゃなかろうかと思っております。
○小巻敏雄君 安全局の設置というような小手先細工と私は言いたいわけですけれども、こういう状況で今後の態勢に対してやっていくことができるという考え方がもしあるなら、それはいま言われるような安全の隘路という状況を、私は解決することができないというふうに思うわけです。この行政懇談会では、これらの問題についても機構の強化というようなものについて、抜本的に考えられるというようなことであるのかないのか。さらにそれはいつごろまでに結論を出されるものか、これについてもお伺いしておきます。
○国務大臣(佐々木義武君) お説のように抜本的な改革を企てようということで、結論が出ることと承知しております。また結論の出る時期に関しましては早ければ半年、遅くとも一年以内、恐らく秋くらいには結論を出してもらいたいものだということで、せっかく努力中でございます。
○小巻敏雄君 実際には計画中のものの審査なり、この取り扱いの問題は半年を待つことなくやってくるわけですね。先ほども質問者の方からも出ておりましたけれども柏崎の原発、こういったふうな問題がすぐに対応を迫られておる。電調審も昨年しておりますし、書面が上がったとかいうふうに聞いておりますけれども、これは早速にも審査に入るという状況であるのかどうか。
○政府委員(生田豊朗君) 申請書を受け付けた段階でございまして、なるべく早く審査に入りたいと考えております。
○小巻敏雄君 根本的な問題について、行政懇談会でさまざまな検討が行われる、私はそういう問に、問題の多発をしておる軽水炉のこの原子炉を次々につくっていく、まあ立地条件なんぞがむずかしくて計画が消化できないところは別として、建設をしていく限りにおいては、従来の線をそのまま踏襲をしながら懇談会をやっていくということでは、私は住民の納得を得ることはできない、何としても行政懇談会の中で根本的見直しについて話があるのなら、その間は待たれるのが至当ではないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(生田豊朗君) その安全の問題、特に安全審査の信頼性の問題につきまして、私どもは現在の安全審査の制度では安全が確保できないとは考えておりません。現在の安全審査の制度のもとにおきましても、十分安全の確保は可能であるかと考えておりますが、先生御承知のように、昨年来いろいろの問題が起きましたので、さらに、それを改善するにはどうしたらよろしいかということで、ただいま懇談会におきまして、専門家の御意見を伺っている段階でございますので、現在、その懇談会の結論が出ます前に安全審査を行いますれば、それで安全に疑義があるというようには考えておりません。
○小巻敏雄君 原発の問題もあれば、原子力船の問題もあるわけですけれども、やっぱり国じゅうの声は、いよいよ「むつ」が問題だと、船の形をして船でないというような状況になったときには、この責任の所在はどこにあるのか、この一元性は問われるところだということが問題になったわけですけれども、それらの問題ですね、こういう問題の取り扱いについての体制の強化ということは除外をして、こういう今日のこの行政懇談会の見直しというものは進んでおるわけなんですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 「むつ」の放射線が漏れたという故障の起きた原因は、技術的に見まして那辺にありやということで……
○小巻敏雄君 責任の問題を聞いてるんですよ。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、去年の暮れから大家の人たちにお集まりいただきまして、内閣で、その放射線漏れの原因をいま調査しております。近く結論が出ますが、その結論が出ますれば、メーカーに責任があったのか、設計自体の審査にミスがあったのか、いろいろ原因が究明されますと、それについて責任の所在が明確になってくると思います。そういうものを突き詰めないで、ただ責任責任と言っても、これまたおかしなことでございますので、科学的に、正確に、その原因を究明している最中でございます。
○小巻敏雄君 少なくとも、この原子炉の安全に関する限り、一元的に責任を持つ機関というものを求める国民の声というのは、私はもう明白な状況があると思いますし、専門家もそう言っておるわけです。こういう問題をわきに置いてやっていかれるというようなことでは、とうていいまから大きな開発をやろうとする者の根本的姿勢ではないと思うわけです。日本共産党としては、この原子力問題については六つの提言というのを出しまして、その第一に、原子力安全委員会というようなものを設けて、そこにその仕事のできる、そうして権限を集中して、スタッフの強化をするという提言をしておるわけであります。これらのような考え方、方向については、この行政懇談会というような場所ではお考えにならないわけですか。
○国務大臣(佐々木義武君) そのもの自体の検討が中心になるわけでございまして、ただ、それに関しましてはお説のような意見もございますし、そこまでいかぬでも、こういう方法でいけるんじゃないかという御意見もございましょうし、あるいは開発と規制の問題を分離せずに進めた方が、研究開発の、安全を開発する上においてよろしいんじゃないかという議論もございまして、そういう点を総合的に、緻密に判断して、いま、作業を進めるのが懇談会の任務かと存じます。
○小巻敏雄君 それらも含めて検討をしておるというふうにお伺いをしてよろしいですか。
○国務大臣(佐々木義武君) ええ、そのとおりでございます。
○小巻敏雄君 少なくとも、これは原子力船ばかりでなく、いままでに建設された八基の稼働中の原子炉の中で、軽水炉型七基、これのうちの六つは、いま、発電をやっておらぬと、こういうような状態になっておる、この同型のものを続々つくっていく、何としてもこれは納得のいかない点がある、根本から見直さなければならぬというようなことは当然考えられてしかるべきじゃなかろうかと、そうしてこれを全体として掌握する、この安全体制の機構そのものがいま検討中であるということなら、少なくとも、いま計画中のもの、そして建設中のもの、これはいたずらにその建設を急ぐのではなくて、ストップをして、機構の強化、新しい体制のもとでの、この建設まで待つという態度をとるべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(生田豊朗君) その点につきましては、安全というものに対する考え方であろうかと思いますけれども、大臣が繰り返し御答弁されましたように、私どもは、現在の軽水炉につきまして根本的に、それがその安全に対して問題があるというようには考えておりません。いろいろ故障あるいは材質の問題、そういうトラブルはございますけれども、根本的に重大な事故を起こす危険を秘めたものというようには考えておりませんので、先生御承知の最近のいろいろの問題にしましても、それぞれ手当てをいたしながら運転を続けていくというのが一番合理的な進め方であろうと、かように考えておりますので、今後ともその方針で進んでまいりたいというふうに考えております。
○小巻敏雄君 手当てをしながら運転をするということなんですけれども、それではたとえば美浜一号炉、これは一体いまどうなっておるんですか、早急に修理をされて、発電を始めるというような見通しになっておるわけですか。
○政府委員(生田豊朗君) 美浜の一号炉につきましては、蒸気発生器の蒸気細管に問題がございまして、いま、根本的な検討中でございます。いずれその根本的な対策を講じまして、運転に入るということになろうかと思います。
○小巻敏雄君 いま、具体的にはどういう状況に置かれて、何をやっておるわけなんですか。
○政府委員(井上力君) 現在、一号機につきましては、昨年の七月十七日に停止いたしまして、その後、細管漏洩の原因究明のために停止中でございます。現在は、減肉細管をサンプルといたしまして、これを切断いたしまして調査を行うということを進めておりますと同時に、モデルループをつくりまして、減肉の再現試験を四月の上旬から実施いたすべく準備中でございます。われわれの方といたしましては、本件につきましては、原子力発電技術顧問会の検討結果を待ちまして、抜本的な対策を立てたいと、かように考えております。
○小巻敏雄君 結局、八千八百五十二本のこのパイプの中で、トータルでは二千百六十三本のこのパイプの減肉があって、これを盲栓作業で詰めてきたというのがいままでの内容だったんじゃないですか。
○政府委員(井上力君) 現在までに二千十三本栓をいたしておりますが、残り発生いたしました細管につきましては、現在点検中でございますので、まだ、栓をいたしておりません。
○小巻敏雄君 まだ二千十三本ということなら、前から聞いたことからして手当てをしていないものが百五十本ばかり残っておるということですか。
○政府委員(井上力君) 現在、先ほど申し上げましたように、点検のため停止中でございますので手当てはまだ残されております。調査中でございます。
○小巻敏雄君 調査と手当ての中でかなりの労働者がこれに当たってきたと思うんですけれども、大体何人ぐらいの労働者がこれに従事をしてきたわけですか。
○政府委員(井上力君) 四十九年度におきます定期検査におきましては、約百八十名の労働者がこれの点検に当たっております。
○小巻敏雄君 事故発生以来この二千本というようなものを盲栓をするためにトータルでどのくらいの人がやってきたわけですか。
○政府委員(井上力君) 事故といいますか、故障は何回かに分かれておりますが、第二回の定期検査、つまり四十八年の三月から七月の問でございますが、この間には……
○小巻敏雄君 その間何本やったわけですか。二千九本と違いますか。
○政府委員(井上力君) これは定期検査全体にわたります数字でございますので、先ほど御指摘の細管の工事だけをピックアップするというのはちょっと困難なんでございますが、大体全体の定期検査を行っておりますのは約千七百八十人ほどでございます。それから……
○小巻敏雄君 千七百八十人ですか。
○政府委員(井上力君) はい。そのうち蒸気発生器に関しまするものが約五百三十一人というふうに聞いております。 それから第三回の定期検査でございますが、これは四十九年の二月から五月までやっておりますが、この問は定検に関係いたしました全人員が約千百十名。それから蒸気発生器に関連いたします人員が約百八十名でございます。
○小巻敏雄君 ここではパイプの減肉、このために非常にたくさんの放射線を浴びる場所で限定された中で労働者が働いていかなければならぬ、時間もかかる、こういうことで一年半ばかり稼働したと思えば、後は動いたりとまったりということで、それが大体七基のうちで六基まで出ておる。こういうような状況、この中で根本的な見直しをせずに、実証炉だというのでそのままどんどんとにかくつくると、そういうことがやっぱり納得のいかないことであります。 あわせて、この工事状況等を見ると、この中から新しい問題が起こってきておるわけですね。こういうこの蒸気発生器のパイプに接触をして作業をするというのは、被曝量は大変なものだと思うんですけれども、職業者の年間許容被曝量はこれは五レムということで、ICRPのなんでやっておるようですけれども、そういうことになると、一人が作業できる状況というのは非常に限定されたものだと思うんですが、それはどういうふうにやっておりますか。
○政府委員(井上力君) 被曝の管理につきましては、これは先生御指摘の基準を十分下回るように管理をされてやっておるということでございます。
○小巻敏雄君 私も美浜へ行ったこともあるんですけれども、ここで聞いてみると、一本を盲栓するために作業時間は非常に早い者で三分ぐらいだというんですね。二人ペアでやってそして作業を進める。三分間で三百ミリレムの被曝をするというんですから、こういう状況でやれば、最も手の早い人でも年間に一人当たり十七本ぐらいしか直せない勘定が出てくると思うんです。まして一人で五分、六分かかる、あるいは作業の前に実地で訓練をするなり、調べるというようなことも含めて見ると、年間十本もやればオーバーをしてしまうという状況があります。こういう状態の中で現地の住民がたくさんかり出されて、十分に状況もどうしても把握ができない状態の中で、被曝総量というものは新しい姿で発電をしていない時期にもふえておる。これらの監督が全体として原子力委員会で行われない。これは新しい態勢に対して大きな問題ではなかろうかと思うわけです。 この被曝総量の問題、これは新しく問題になってくるところですけれども、これはどういうふうに把握しておられるのですか。
○政府委員(生田豊朗君) 被曝総量につきましては、各発電所から報告書をとっておりますので、原子力局におきまして的確に把握しております。
○小巻敏雄君 どういうふうに的確に把握しておられるわけですか、中身を言ってもらいたい。
○政府委員(生田豊朗君) 申し上げますと非常に細かいことになりますので、形だけ申し上げますと、三カ月ごと、すなわち一・四半期ごとにある程度の幅をとりまして、たとえば〇・一三レム未満が何人、それから〇・一三レム以上〇・四レム未満が何人というぐあいに、五つのグループに分けましてそれぞれの人数を集計しております。
○小巻敏雄君 この軽水炉というものをながめていけば、一つの面では、予定としては、八基で発電すべき予定量というものは消化をされないというような状況があり、一方ではこれに関連をしながらどんどんと被曝の総量がふえておる。こういう状況の中で軽水炉全体がやっぱり問わなければならぬ。この点では、問題は「むつ」ばかりでなく、いまの時点で根本的見直しというなら、何としても現在の建設中のものと、そうして計画中のもの、これに対しては新しい体制の中でやはり一貫をして審査をし、最後まで見取っていく、こういう状況の中で見直されなければならない。こういうことを私は強く求めていきたいと思うわけであります。 特にここで改めて問題にしなければならないのは、この被曝の総量をどうして減らしていくかということがあるわけであります。そのICRPの定めておる、まあ法定もされておる〇・五レムという国民に対するこの許容量というのは一体どういうことを意味しておるのか、これをお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(生田豊朗君) 先生の御質問の趣旨がちょっとわかりかねるわけでございますが、従事者につきましては、年間五レム、それから一般人につきましては〇・五レム、すなわち五百ミリレムが年間にその放射能を受ける許容量ということでございます。
○小巻敏雄君 五百ミリレムが一般の人に対して許容量として定められておる。どうしてそういう状況の中でこの原子力機関に働く者と職業に当たる者は、この十倍のところまで受けてもいいということになるわけなんですか、これのひとつ根拠をお伺いしておきたいと思いますね。
○説明員(中村守孝君) お答えいたします。 労働者、実際に放射線を扱いますところで作業する方と一般の公衆との大きな差異は、一つは一般公衆の中には幼児もおりますし、病弱の方もおられます。さらに一般の方については、放射線をどのくらい浴びたかということについて監視する体制もございません。それから、そういう意味での健康診断もなされません。これに対しまして、そういう放射線を扱う場において作業をされる方につきましては、健康管理がなされまして、特に多く浴びるようなところに働くような人につきましては、事前に健康診断をして適格な人を働かせるとか、そういうこともしております。それから、取り扱い上非常に放射線についての知識もございます。あるいは職場でのそういう作業環境についての知識もございます。そういう違いがございますので、無防備の一般公衆とは別な基準に定めるということは、何ら差し支えないことではないかということでございます。
○小巻敏雄君 今日の問題でこのトータルの被曝量、これが非常に問題になってきておる時期に、特に職業についておるからといって、一般人の十倍が許容されるという根拠は私はないと思うわけです。むしろ私の聞くところでは、ICRPの決定というものは、これはここまでは安全だということを意味するのでなくて、ここまで被曝したとしてもそのことによって遺伝的にがんが出るとか、あるいは白血病になるとかいう、そういうことの証明ができていないということで、いわば発電によって受ける利益とその危険性と、危険性は否定しないけれども、危険性とギブ・アンド・テイクのようなかっこうでバランスさせて、いわば適当に定めておいて、それの十分の一を一般人に充てておるというふうなことだと思う。こういう状況の中で、今日時点では、いわば開発の側に立っておられる日本原子力発電株式会社の板倉哲郎というような人でも、ことしの二月のシンポジウムの発言などを見ますと、今後発電所における職業上の被曝についてはアズ・ロー・アズ・プラクティカブル、こういう状況で提言をするという積極的姿勢が望まれるというようなことも言っております。これらの問題、これは、故意に私は今日の状況で隠されているとは言いませんけれども、大きく国民の前に知らされていない。また同時に、〇・五というこの数字自身も、アメリカの報告を見ますと、この被曝量というのはアメリカでは〇・一七年レムで計算をしておるけれども、これはアメリカの国民全体がいわば生涯的に受け続けたら、これが平均的にもしあるとしたら、国民のうちで三千五百人ないし一万五千人が年間に死んでいくという数字だというようなことが、これが政府機関から依頼を受けた国立科学アカデミーの、それの設置をしたベア報告というようなものにも挙げられておる。日本の場合の〇・五レム、これを年に被曝するとするならば、これはそれをそのままベア報告を適用するなら、五千人ないし二万二千人が死亡する、それに当たる線量だというようなことも、これはほぼ決定的な内容として出てきておる。これらの状況の中で、新しく生まれてきておる総被曝量の問題あるいはかなり大きな欠陥を現実に露呈をした軽水炉の問題、こういうものと合わせて、今回の見直しという時期に、根本的に原子力機構の強化、一貫をしたもの、これをつくり上げていくこと。そうして、その点検のもとに全体の計画を見直していくということの御検討を要請して、質問を終わります。 〔主査退席、副主査着席〕
○喜屋武眞榮君 総務長官にお伺いいたしたいと思いますが、国が叙位、叙勲を行う場合に何に基づいて行われるのであるか、そのことを伺いたい。
○政府委員(秋山進君) 明治八年の太政官布告以来の賞勲関係の各種規定によって行われております。
○喜屋武眞榮君 明治八年というとずいぶん昔のことですが、その条文をひとつ読み上げてください。
○政府委員(秋山進君) 明治八年の四月十日、太政官布告第五十四号、これに「朕惟フニ凡ソ國家ニ功ヲ立テ績ヲ顯ス者宜ク之ヲ褒賞シ以テ之ニ酬ユヘシ仍テ勲等賞牌ノ典ヲ定メ人々ヲシテ寵異表彰スル所アルヲ知ラシメントス汝有司其斯旨ヲ體セヨ」これでございます。
○喜屋武眞榮君 今日行われておる叙位、叙勲も、いまの条文に照らして行われておるのですか。
○政府委員(秋山進君) 新憲法下におきましても、憲法の規定に違反しない限り、新しい法令がございませんので、違反しない規定の運用によって行っております。
○喜屋武眞榮君 どうも納得がいきませんがね。昭和三十九年の一月七日に決定された閣議の決定事項がございますね、それをひとつ。
○政府委員(秋山進君) この閣議決定は、これらの規定に基づいて閣議決定をしているところでございます。
○喜屋武眞榮君 そうすると、いま私が申し上げた昭和三十九年に決定したその事項に基づいて今日はやっておるんでしょう。
○政府委員(秋山進君) 昭和三十九年の一月七日の閣議決定につきましては、「今次の戦争に関する勤務に従事しこれに関連して死没した軍人軍属及びこれに準ずると認められる者」に対する叙勲の手続を閣議決定したところでございます。
○喜屋武眞榮君 いまのくだりのまだ続きがあるわけですけれども……。
○政府委員(秋山進君) 従来の規定に基づきましてその手続を決定したものが、三十九年の閣議決定でございます。
○喜屋武眞榮君 いやいや、いま後で読み上げられた条文がぶつりと切られたが、もっと続きがあるんです。
○政府委員(秋山進君) 失礼でございますが、閣議決定の方の条文でございますか。
○喜屋武眞榮君 いや、叙位、叙勲を行う場合のその条文がありますよ、その範囲とかね。
○政府委員(秋山進君) ただいまの読み上げましたのは「叙位及び叙勲すべき者の範囲 叙位及び叙勲すべき者の範囲は、今次の戦争に関する勤務に従事しこれに関連して死没した軍人軍属及びこれに準ずると認められる者とする。」という範囲になっております。
○喜屋武眞榮君 それではお尋ねしますが、例の対馬丸、疎開船対馬丸遭難死没者の処遇が、この条文に照らしてなされたものと私は理解いたしたいのですけれども、その対馬丸遭難死没者の叙位、叙勲はどのようになされてきましたか、そのことを具体的にひとつ。
○政府委員(秋山進君) 昭和四十七年に対馬丸の関係の叙勲の議が出てまいりまして、それによって、当時の沖繩開発庁より推薦がございまして、それに対してこれを審査して閣議決定、裁可を経て行われたものでございます。
○喜屋武眞榮君 具体的に、内容なんです。一回目にいつ何名行われたか、二回目にいつ何名行われたか、そうして合わせて幾らになっておるという経過があるはずです。
○政府委員(秋山進君) 第一回は、昭和四十七年五月二日発令でございまして、学童四百四十一名、引率教師、世話人十五名、学童付添者百七十一名、計六百二十七名。第二回は、四十八年の九月二十六日発令でございまして、学童二百二十七名、引率教師、世話人五名、学童付添者七十四名、以上でございます。
○喜屋武眞榮君 いまの合計は幾らになりますか。
○政府委員(秋山進君) 失礼しました。計三百六名、以上でございます。
○喜屋武眞榮君 いまの数には、私の調査とは大分ずれがあります。私の調査によりますと、第一回は学童四百七十三名、一般疎開者(学童以外)百五十四名、第二回が学童二百四十八名、一般疎開者(学童以外)六十五名、計三百十三名、合計、学童が七百二十一名、一般疎開者が二百十九名、合わせてトータル九百四十名と、こう私の調査によりますとなっておりますが、どっちが正しいんでしょうかな、いま食い違いがあるわけですが。
○政府委員(秋山進君) 当局における叙勲の記録によるものでございますから、私が申し上げたのが正しいと存じております。
○喜屋武眞榮君 それでは、いまの沖繩開発庁からの推薦があったと、こういうことでありますが、沖繩開発庁は何を根拠にしてこれを推薦されたのであるか、お聞きしたい。
○政府委員(山田滋君) 当時この問題が起こりまして、まだそもそもは開発庁のできる前から引き続きまして問題があったわけでございますけれども、開発庁になりましてからこの問題につきまして正式に賞勲局の方へ、いまお話しがあったように申請をいたしたわけでございますけれども、やはり先生御存じのように、大変この遭難事故は痛ましい事故でもございますし、何とかこれまでの賞勲の事例に当てはめましてこの事例につきましてもいわゆる叙勲がなされるように、当庁としては極力私どもはお願いをいたしたわけでございまして、まあいろいろ具体的な事情等につきましてはあえて申し上げませんけれども、諸般の情勢から考えまして、強く賞勲局の方へこの点につきましてお願いをしたところでございます。
○喜屋武眞榮君 いまの開発庁の御配慮、まことに私ありがたく思います。その配慮の背景には、何としてもこの叙位、叙勲の――ただむちゃくちゃにこれをされたとは思いません。いかに心情的には同情しましても、根拠がなければいけない。それで、私、これのよりどころを求めておるわけなんですね。軍人軍属ではないけれども叙位、叙勲が行われたということ、これは異例である。そうしますと、先ほど読み上げてもらった条文の中に照らしてみますと「これに準ずると認められる者」、ここに私は問題点を見出したいわけであります。軍人でも正規の軍属でもなかったわけですから、その疎開者が、死没者が叙位、叙勲を受けられたということは、これに準ずると認められた者、こういうふうに理解――もうこれ以外には考えられない、こう思うんですが、総務長官、いかがでしょう。
○国務大臣(植木光教君) 賞勲局長からお答えをいたしましたように、四十七年と四十八年の二回にわたりまして叙勲が行われているわけでございますが、この際の閣議決定は通常の手続をいたしたわけでございますが、取り扱いの手続は戦没者叙勲の例にならって行われたわけでございます。その際、先ほど御指摘のありました昭和三十九年の一月七日の「戦没者の叙位及び叙勲について」の閣議決定の中では、先ほど読み上げましたように「今次の戦争に関する勤務に従事しこれに関連して死没した軍人軍属及びこれに準ずると認められる者」とありますうち、この対馬丸で遭難に遭われ亡くなられましたいたいけな児童を初めとする方々は、戦争に関する勤務には従事しておられなかったわけでございますので、したがって、閣議決定の際は、今次の戦争に関連をして死没せられたという方々としての叙勲の対象者というふうに扱ったのでございまして、したがいまして、戦争の勤務には従事しておられなかったけれども、この遭難はまことに胸が締めつけられるような事件でございますので、沖繩開発庁から上申をいたしまして、ただいま申し上げましたような閣議決定のもとに叙勲が行われたという次第でございます。
○喜屋武眞榮君 いま総務長官は心情的な面からこれを述べられましたが、事実経過の上からも、これは戦争完遂のための、この目的達成の立場からこの学童疎開というものが決定されたというこの事実はお認めになりますか。
○国務大臣(植木光教君) 当時、私どもも体験したところでございますけれども、沖繩県の方々はもとより、本土におきましても多くの学童の疎開等もあり、また爆撃を受けて死没をせられた人々もありというふうに大変な犠牲者を出したのでございまして、したがって、戦争に関連をして亡くなられた方々は非常に多いわけでございます。とりわけ対馬丸遭難事故に遭われた学童は、先ほど申し上げましたように非常に悲しい犠牲者でございますので、開発庁といたしましてはその霊を弔い、また、その遺族の方々の御心情も十分に拝察をいたしまして、先ほどの申し上げましたような叙勲が行われる上申をしたと、閣議決定においてこれが行われたというのが経緯でございます。
○喜屋武眞榮君 この問題につきましては、いわゆる国民世論の声として、日本遺族会、それから沖繩県遺族連合会、疎開船対馬丸遭難者遺族会、それからごく最近沖繩県議会で全会一致で決議した、ずっと十何年来の一貫した要求であることは御存じのとおりであります。その要求の内容はどのように受けとめておるのか。何と何がその一貫した要求であるということなんですか、承りたい。言ってください。
○政府委員(山田滋君) 私どもたびたび御要望なり陳情を受けてまいっておりまして、簡単に要約いたしますと、一つは、今回この対馬丸事件の扱いにつきまして、犠牲者についていゆわる旧軍人軍属の援護法上の準軍属扱いの処遇をしてもらいたいということが第一点だと思います。 それから第二点は、対馬丸の船体を引き揚げて遺骨を収容してもらいたいということであると思います。 第三としては、遭難者の慰霊祭、海上供養を行ってもらいたい。 要約いたしますと、その三点になろうかと思います。
○喜屋武眞榮君 一貫した、いま挙げました日本遺族会それから沖繩県遺族連合会、疎開船対馬丸遭難者遺族会あるいは県議会で、こう一貫した問題が二つあるのは、いまおっしゃった準軍属として扱ってもらいたいということと、その遺骨を収集してもらいたい、こういう二つに集約できると思いますね。私も二回にわたってその質問主意書で質問をいたしたわけなんですが、その回答が余りにも冷た過ぎるということに私は怒りを感じておる一人なんです。これは私だけでもありません。国との間に一定の使用関係も、これに準ずるものとは認められないと言い切ったり、遺族援護法の処遇対象とする考えはないと断言したり、疎開学童と引率教師の遺族に二万円、付添者の遺族に三万円見舞い金として支給した、措置済みであると、こう言い切っておるところにがまんならない私は憤りがあるんです。なぜかと言えば、これは単なる思いつきでやった疎開ではない。 もう時間がありません。詳しくは述べませんが、この疎開というものが、一つ、国策として決定されたものであるということは、これはだれも否定することはできません。 第二点、沖繩県と現地軍が共同で計画して送り出したものであるということも明確なんです。私も沖繩戦の生き残りの一人であります。その経過もよく知っております。 第三点は、この対馬丸の疎開船を帝国軍艦が、いわゆる海防艦が護衛をしてずっと行っておるということは御存じのとおりであります。 第四点は、この輸送船の輸送の指揮を陸軍の将校がしたということなんです。 第五点は、アメリカの潜水艦の攻撃を受けておるその悪石島の近くは、いわゆるあの海上は、戦場の真っただ中であるということなんです。 そこで死没した国策遂行への協力者に対して、政府がこのような冷たい仕打ちで回答をし、その責任を感じないというところに、私はがまんならないんです。これは許されません。だから私は、ああであります、こうでありますと言って冷たいその回答に対しては、これは県民世論、国民世論が許さないということを知るときに、私は黙って引き下がるわけにはまいりません。もっと政府は、この事実をもう一遍再確認をして、そうして世論に耳を傾けてこの事実を、厳たる事実を前向きの姿勢で再検討をし、叙位、叙勲の事実の裏づけとして準軍属としての処遇をすべきであると、こう私は強く要望するものですが、総務長官いかがですか。
○国務大臣(植木光教君) 私も、この遭難者の方方に対しましては、先生と同じように哀心からお見舞いを見し上げ、また、この霊に報いるために、沖繩県の皆さん方のために懸命に努力をしなければならないという決意を新たにいたしているものでございます。 軍人軍属に準ずる者として遺族援護法を適用すべきであるという御所見に基づく質問主意書につきましては、関係省庁が集まりましていろいろ協議をしたところでございます。何とかしてそういうお取り扱いができないものであるかということにつきましても極力努力をしたのでございますが、遺憾ながら国との問の雇用関係になかった、戦争に勤務をせられた人々ではない、他にも戦争のために関連をして亡くなられた方々がたくさんあるというようないろいろ諸問題がございまして、援護法適用というものができないというような形になったのでございまして、まことに私としても残念に存じております。冷たい回答だというお話でございますが、政府としてはそれぞれお見舞い金を差し上げ、また叙勲もいたしてまいりましたし、また船の引き揚げはできないものかということで、これまたいろいろ関係省庁とも相談をしたのでございますが、何しろ非常に深い海底に沈んでおりまして、これを引き揚げることは技術上困難であるというようなこともございました。 したがって、政府としての回答はこのような姿になったのでございますが、私どもといたしましては、この事故者の霊に報いますために、沖繩県の県民の皆さん方の福祉向上のために懸命の努力をさしていただくということで、この際御理解をいただきたいと思うのでございます。
○喜屋武眞榮君 いま、他に類を及ぼすと、こうおっしゃいましたが、これは本質的に考えるべきであって、そういう便宜的なものではないということを、私、申し上げたいんです。他に類を及ぼすことをおそれる――筋が通るならばそれは及ぼしていいんじゃありませんか、他にも。そういうことではいけないと思います。この事実が正しいのであるか、正しくないのであるかということが本質的な考え方でありまして、これをやったら収拾がつかなくなるからという、こういう便宜的なもので、こういう厳粛な事実を葬らしては、これは大変なことでありますよね。いかがですか。
○国務大臣(植木光教君) 便宜的なことで申し上げたのでは絶対ございません。この遺族援護法を所管をいたしておりますのは厚生省でございまして、厚生厚と総理府及び沖繩開発庁は、この問題の扱いについて熱心に協議をしたのでございます。 厚生省から、遺族援護法関係については、答弁をしていただきたいと存じます。
○説明員(内藤冽君) 対馬丸で遭難されました学童の方々等を遺族援護法の対象にできないか、準軍属として処遇をすることはできないかという問題でございますが、現在、援護法の対象といたしておりますのは、軍人軍属のように国との間に一定の使用関係がありました方々あるいはそれに準ずるような形の身分関係がありました方々を対象としておるのでございまして、こういった方々が、その身分なり使用関係に基づきまして一定の軍事に関する業務その他に従事をされた際に、事故により障害を受けられたり、あるいは死亡されたという場合に、国が使用者責任という形でその災害を補償するというようなたてまえのものでございまして、対馬で遭難されました方々はそういった身分関係あるいはそれに基づく一定の業務に従事をしたというようなことから考えまして、援護法の対象にすることは無理があるというふうに考えまして、先ほど総務長官からお話がありましたような答弁書になったわけでございます。
○喜屋武眞榮君 これは、ここでこう論じ尽くしても即答は求められないかと思いますが、たってのお願いでありますが、ぜひひとつこの事実を、もう措置済みだと、こうお考えにならずに、関係省庁、開発庁の御好意でこうして、総理府のまた御好意で叙位、叙勲も実現したということは、それだけのオープンな配慮があればこそそれも実現した。これも筋書きどおりでいくならば、恐らく実現しなかったでしょう。しかも、それをまた、遺族を中心とする国民的世論がもう一貫して訴えた中から――あれもすぐ最初から実現したんではない。そういったことを思いますときに、ぜひひとつこの問題もう一遍御検討を強く要望いたします。遺族としても、これそのまま下がるわけにはいかない。私も下がるわけにはまいりません。こういうことを強く申し入れておきます。 次に、先ほど長官の――第二の問題であります。遺骨を収集するということに関連してその沈没船を引き揚げようと、こう言ってまたその遺骨を収集せよということに対しての答弁も、潜水夫も五十メートルしか技術的にいまできぬとか、深海であると、こういうことも答弁書の中で承っております。けれども、なお私はこの席でこういうことを、本当に誠意があるならは――聞くところによりますと、アメリカには海溝にもぐるところの潜水艦があるんだということも聞かされておりますが、そこにぜひ頼んでやってみてくれぬかと。といいますのは、アメリカは広島、長崎に原爆を落とし、あれだけの悲惨な国民に犠牲を与えた。ところが、戦争が済んで、人道的立場から被爆者をアメリカに連れて行って、いろいろな形で治療をしておる。りっぱだと思います、その態度は。この対馬丸も、アメリカの潜水艦によってやられて轟沈しておるのです。ならば、人道的立場からそれを救ってやろう、せめて罪滅ぼしでもということが、人道的立場から私はあってしかるべきだと思う。ならば、日本の技術ではいま不可能であるとするならば、ぜひひとつアメリカに頼んでみてもらうことを私は強く訴えたい。さっきの私の要望にあわせて、いまの私の要望に対して答えてもらいたい。
○国務大臣(植木光教君) 先ほど申し上げましたように、水深九百メートルと伺っておりますが、大変深いところでございまして、これを引き揚げますのにはいまの技術をもってしては不可能であると私は伺っているのでございます。いま新しい御提言がございました。それによって可能であるかどうかということも、ちょっと私としてはいまこの場でお答えすることはできません。ひとつ研究の課題にさせていただきたいと存じます。
○喜屋武眞榮君 いや、できるできないはこれは当たってみぬとわかりませんが、それだけの前向きの誠意を示して、こうやったけれどもできなかったんだ、あるいはこうやったからできるんだ、こういった、前向きの姿勢というのはそういうことではないでしょうか。アメリカに向かって、それはできるできぬは当たって見なければわからぬでしょう。そのことを私、要望します。 また、さきの、もう一遍再検討してもらうということに対するひとつお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) この問題につきましては、私も喜屋武委員と全く同じ思いをいたしているのでございまして、したがって、何とかしてこの遺族援護法の適用を受けられないか、また御遺族の心情を思って、船の引き揚げができないものであるか、これを真剣に検討するように、協議するようにということを指示いたしまして、いまの段階では先ほど申し上げましたようなお答えしかできないという現状でありますので、私としては、万やむを得ずこれら問題についての御回答を申し上げたのでございまして、できますことならば、何とかしてして上げたいという気持ちはいっぱいなのでございます。 いまの船の引き揚げにつきましては、私も各地――アッツ島でありますとか、あるいは南方諸地域の遺骨の収集に何回も行った体験を持っておりますので、そういう気持ちは十分持っているのでございます。技術的に可能であるかないかということがやはりどうしても問題でございますから、お気に召さない御回答になっているわけでございまして、私も決してあれで満足をしているわけではございません。先ほどの新しい御提言につきましては、研究をさしていただきたいということをお答えするものでございます。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、御配慮願って、本当に不可能で、八方手を尽くしたがどうにもならぬということであれば、遺族もわれわれもまたそういった理解ができるわけですが、何かしらまだ政府の誠意を疑いたくなるようなことがいっぱいあるわけなんです。 特に結びとして申し上げますが、遺族の心情をとらえて見舞い金も出された、あるいは叙位、叙勲もされた、これは非常にごりっぱだと思います。ところが、遺族のこのいまの時点における心情というのは、本土でもそうでしょうが、沖繩では、死んだ者の霊を慰める最後の弔いが三十三年忌であります、法要。その三十三年忌を済ませば霊は成仏するという、こういう慣習があるわけなんです。その三十三年目が来年になるのです。あと一カ年、ことし三十二年目を迎えておるわけなんですね。そういったことからも、そのわが子の亡きがらを、遺骨を収集して自分の故郷の墳墓に弔いたい、祭りたい、そうして成仏させたい、これが切なる遺族の心情である、願いであるということも受けとめていただきまして、よろしくお願いいたします。 それでは、いまの疎開船の問題は以上申し上げまして、次に、例の国際的ないま関心のもとに進められている海洋博の問題につきましてお尋ねをしたいんです。 実は、この問題につきましては、衆議院、参議院の大ぜいの皆さんから、もう毎日のように実は会いますと聞かれる二の句は、海洋博は順調に進んでおりますか、あるいは海洋博は大丈夫、間に合うのか一体、あるいはいろいろと問題があるようですね、こういうことが大体相手から聞かれる点です。その問いの中にいろいろと問題が伏在しておることは、御承知のとおりであります。打ち出した滑り出しは非常に勇ましかったが、やっておる間にだんだん予期しないいろいろな問題が山積してきたことも御承知だと思います。ところが、あと百十三日ですか、刻々迫る百十三日を間近に迎えて、もういまの段階でこれを避けて通るわけにはまいらない。私も、実はこの問いには非常に戸惑いを感じておるわけでありますが、この相手のお尋ねに対しては。それで気になることがいっぱいありますが、まず第一に、率直に浮き彫りにさしていただきたいのでありますが、内部施設の状況が一体どうなるのか。これは、間に合うだろうかという問いの中身にもなると思いますが、そのことについて通産省からお聞きしたい。
○説明員(増山孝明君) 海洋博覧会の会場内の施設は、沖繩国際海洋博覧会協会におきまして建設工事を実施いたしております。工事は順調に進展いたしておりまして、七月二十日の開会までには間違いなく完了する予定となっております。 やや細かい話になりますが、具体的に申し上げますと、すでに土地造成、ユーティリティ施設の配管等は完了いたしておりまして、目下その上に建物及び施設の建設をやっている状況でございます。建物は管理棟あるいは展示用の外国館等がございますが、これらはおおむね三月中には完成いたしまして、四月から展示工事、内装工事あるいは造園、植栽等の周辺工事に着手すると、そういう段階となっております。施設につきましても、EXPO港とか、あるいは場内の新しい交通システム等の工事がございます。が、これらの場内の交通システムにつきましては三月に完了いたしまして、四月から車両を使っての試運転に入りますとともに、EXPO港につきましてもすでに防波堤等は完了いたしておりまして、その上の建屋あるいは桟橋等の工事が今後進められる予定となっております。一方、政府が出展いたします海洋文化館、水族館につきましては、これも今月中に建物の建設工事は完了いたしまして、四月から従来に引き続きまして展示工事と周辺の外構工事が引き続いて行われる状況でございます。また、アクアポリスにつきましては広島で現在製作いたしておりますが、四月に入りましてから現地に曳航して係留すると、そういう日程で進んでおります。また、民間のパビリオンも建設中でございますが、これも大体三月から四月にかけて建物は完了いたしまして、以後展示物の搬入あるいは展示工事が実施されるという状況でございます。
○喜屋武眞榮君 わかりました。 次に、この道路工事が一体間に合うか間に合わぬかという質問もよく受けるのです。その関連道路工事とそれから宿泊所ですね、宿所を含めて建設省にお聞きしたい。
○説明員(浅井新一郎君) 開発関連の道路事業でございますが、これは沖繩縦貫道路から国道五十八号線、それから地方道といたしましては本部循環線以下数本、その他名護市を中心にした街路でございますが、これらの事業はいずれも順調に進捗いたしておりまして、大体四月から五月にかけて最後の仕上げの工事に入って、ほぼ支障なく終わる見込みでございます。
○喜屋武眞榮君 わかりました。 次にお聞きしたいことは、輸送計画ですね。道路も大事な条件でありますが、海と空と陸、こうなるわけです。この輸送計画。これは運輸省ですか、運輸省に輸送計画。
○説明員(間野忠君) 輸送計画につきましては、まず輸送の基盤整備ということで、空港、港湾の整備を進めております。空港につきましては、那覇、石垣、宮古、伊江といいますか四港、それから港湾につきましては那覇、渡久地、運天それから石垣港を整備いたしております。いずれも順調に工事は進捗いたしておりまして、三月末の段階でほぼ完成することになっております。それから本土-沖繩間の輸送につきましては、航空につきましてはジャンボ機、大型機の導入、それから便数の増加、また船便につきましても、新規に免許を与えましたり、それから大型新造船を導入しましたり増加しましたりして、海洋博開催時には大幅に輸送力を増強するということになっております。 それから本島内の輸送、特に那覇と会場間の問題でありますけれども、これはどうしてもバスが中心になると思いますし、会場からの直行バスを考え、これは大分時間がかかりますので、バスの増車をいたします。あとは那覇から大型客船を使いますほか、ホーバークラフトとか水中翼船も就航させるということで、これらもすべて開会までに間に合うように進めているということでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、最も心配の一つが医療体制ですね。医療計画、そして関連して水、ごみ処理の問題これは厚生省の分担だと思いますが、どうなっていますか。
○政府委員(井上幸夫君) 医療対策から申し上げます。 会場内におきます医療問題は、これは海洋博協会で担当いたすこととなっております。会場外の医療につきましては、沖繩開発庁と厚生省とで実施するということになりますけれども、予算は全部沖繩開発庁に関連予算を計上済みでございます。本土からこのために医師十名、看護婦約四十名を派遣いたすこととしております。私どもとしては心配ないと考えております。 それから水道問題でございますけれども、ただいま御案内のように、福地ダムにおきます貯水が開始されておりまして、この福地ダムから那覇方向に上水道を持ってまいりますために、福地から石川間の導水路を建設中でございます。この工事は、五十年の五月に通水が開始される予定でございます。それから会場方向に対します水道施設、名護から本部に至ります間に上水道の配管工事をいたしておりますが、これも同様に五十年の五月に通水開始の予定でございます。私ども水に関しては、ただいま心配をいたしておりません。
○喜屋武眞榮君 こうして聞きっぱなしのかっこうで、もっとお尋ねしたいこともありますけれども、いまアウトラインだけをなにしまして、先を急ぎますので、そういう意味で再質問はいたしていないわけでありますので、これで終わったわけではありません。 次に心配になりますのが、これは農林省関係になりますが、期間を通じて四百五十万人でしたね、四百五十万人を受け入れよう。現在の食糧計画とさらにプラス四百五十万人ということになると、これは米、野菜、肉類を中心とする食糧計画が心配になりますが、これはどうでしょうか。
○説明員(鷲野宏君) 沖繩海洋博の開催に関連しました食料品の供給確保の問題は、非常におっしゃるとおり重要な問題でございますので、農林省としましても、沖繩開発庁それから現地の県当局等について密接な連絡をとりまして前広に準備、検討をやってきております。その結果、これまでのところ、沖繩海洋博に想定されますいまおっしゃいました延べ四百五十万人という観光客も含めまして、沖繩海洋博期間中の食料品の供給確保の問題については、まず不安はないのではないかと思われます。 それで、少し主要品目ごとの対策について申し上げますと、主食の米でございますが、海洋博期間中の主食用の米穀の供給につきましては、食糧庁におきまして、ただいまお話のございました延べ四百五十万人という観光客の来訪を前提としまして、米穀の需給計画をつくっております。で、今後とも食糧庁におきましては、現地の県当局ないしは食糧事務所と連絡をとりまして事態の推移に応ずる体制をとっておりますので、まずこれは不安はないんではないかと思います。 それから次は野菜でございます。で、海洋博の期間中の食料品の確保問題でやはり一番心配があるとすればこれは野菜であるということで、国としても一番これに配意をしてまいりました。そこで対策としましては、生産面の対策では、四十七年度から国が補助金を出しまして特産野菜、生産団地の育成等のそういった生産面の振興に力を注いでおります。それから流通面では、野菜の貯蔵施設等が不足するものでございますから、四十九年度にやはりこれも国の補助によりまして、野菜の低温貯蔵施設や、あるいは本土から運ぶための冷蔵コンテナ等の設置について助成をいたしております。それから五十年度はいよいよ海洋博の開かれる時期に当たりますので、これも国の補助によりまして、沖繩海洋博対策野菜保管特別要領というものを実施することにしておりまして、特に夏、秋に不足が予想されるキャベツとかタマネギ、ニンジン、バレイショにつきまして、本土から輸入される分の一週間分を常時沖繩の本土にストックをしておきまして、仮に台風の来襲等によりまして一時的な品不足ないしは値上がりということがありますれば、何どきでもこれを放出して値上がりを防ごう。このほか野菜につきましては、必要によりまして本土の生産者団体の出荷面の指導等を行う等、供給に遺憾のないようにしていきたいと思っております。 それから最後に食肉でございますが、牛肉は、従来から沖繩は輸入牛肉に頼るという、そういうことで来ておりますが、四十九年度の下期には、特に沖繩分としまして二千四百トンの牛肉の輸入枠を開いて、今後も供給の確保に遺憾のないようにしたいと思っております。それから豚肉は、御案内のように沖繩は主産県でもございます。目下のところ、特に供給についての問題はないと思っております。
○喜屋武眞榮君 いまざっと御報告を聞きまして、これも万事オーケーという結論が出そうな気もしますが、しかし、これは、実際運営の面からすると単なる机上の計画、と言っては失礼でありますけれども、実際運営の面に乗っけた場合に、いろいろと私は問題が出てくるのではいかという心配を実はいたしておるわけなんです。 そういう意味において十分なる御配慮を願いたいのでありますが、さて、運輸省に戻りまして、事こういう一応受け入れ体制はできたとしましても、四百五十万人の予定が狂ったんじゃこれは問題になりません。その点で、非常に問題が出てくることは御承知だと思う。海洋博に対する思ったほどムードが沸かないということは、特に輸送体制の航空運賃の面ですね、余りにも航空運賃が高過ぎて、行きたいけれども行くわけにはいかない、こういう声が頻々と聞かれます。運輸省に対する要望もいろいろ出ていると思いますが、個人並びに団体の航空運賃の割引の問題ですね。なぜ、これを私が強く訴えたいというのは、そういった特殊地域の沖繩であるために、国際的にも国内的にも飛行機を利用するということが多いと思いますが、この飛行機利用のパーセントは大体どれくらい押さえておられるであろうか。運輸省にちょっと……。
○説明員(山元伊佐久君) ただいまの先生の御質問に対しまして、国内航空運賃につきましては、団体割引、往復割引、包括旅行割引等いろいろの種類がございます。過去の万国博あるいはオリンピック等こうした国民的行事につきましても、既存の割引制度を最大限に活用していただきまして、特別新しい割引制度をつくるというようなことはしなかったわけでございます。したがいまして、沖繩海洋博につきましても、特に新しい割引制度を設けるということは考えてないわけでございますが、各種の割引制度がございますので、それをできる限り御活用いただきたいというふうに考えている次第でございます。
○喜屋武眞榮君 そうすると、割引の結論は最終的にはまだですね――幾らまで割引できるという結論は、もう出ておるのですか。
○説明員(山元伊佐久君) 従来の割引制度をいろいろと御活用いただきたいということでございます。したがいまして、海洋博に関しまして、特別新しい割引制度を設けるということは考えていないわけでございます。
○喜屋武眞榮君 私、気になりますのは、この海洋博の性格から、単なるレジャー的な気持ちで見るというのではなく、教育的立場からこれを見るという意義が非常に深い。そうなると、おやじが行って見てこようというわけにはいかない。どうしても団体、家族ぐるみ、地域ぐるみになってくると思います。そうなると、一往復でも六万円近くですね。一人滞在費を含めて十一、二万円でしょう。それが四、五名も行くというと、もう五、六十万円。これじゃ行きたくても行けないという――壮図四百五十万人のこのペーパープランが俄然狂ってくるということは、そこにあるわけなんです。だから、この点はどうにもならぬとおっしゃれば、これは結局海洋博は成功しない、目標には届かない、しりつぼみになるということにしかなりませんが、それでいいですかね。
○説明員(山元伊佐久君) ただいま先生の御指摘のように、沖繩海洋博は沖繩県にとってきわめて有意義な行事であると同時に、日本国民全体にとりまして有益な行事であると思います。したがいまして、特別な新しい運賃割引は設けないにいたしましても、既存の割引運賃制度をもとにしながら、ホテル代あるいは地上経費、そうしたものを一緒にいたしました新しいツアーでございますね、しかも、皆さんが手軽に利用できるようなツアーができないかどうか、これは運輸省部内でさらに検討いたしまして必要があれば業界も指導したい、かように考えております。
○喜屋武眞榮君 ぜひ、ひとつ再検討をしていただきたい。強く要望を申し上げます。そうしませんと集まりませんよ、行きたくても。私の聞く周辺でもそういう声があるのです。家族ぐるみで行きたいけれどももうどうにもならぬと、こういうことなんです。これは国民全体の中でもそういった動きがいっぱいあると、こう思います。再検討願いたいことを強く要望いたします。 次に、いままでは手放しで楽観論的な抱負がありましたが、今日の過程に至るまでにもいろいろ問題点があったこと、このことも私はこの際浮き彫りにして、そしてそのデメリットをいかに克服するか、そのことが海洋博を成功するメリットにつながる、こういうとらえ方に立って、私は今日までの過程においても、これは環境庁にお聞きしますが、自然破壊、海洋汚染、このことが強く訴えられておることは、いわゆる自然を守る、保全するという立場からすでにキャッチしておられると思いますが、環境庁の、日本全体の立場からもお聞きしたいんですが、時間もありません。特に沖繩のこの自然環境をどう守ろうとしておられるのであるか、そういった基本的な考え方と、この海洋博の今日までの過程においてどのようなことを指摘したいとおっしゃるのであるか、そのことを環境庁にお聞きしたい。
○説明員(新谷鐵郎君) 沖繩の本部半島のあの場所で海洋博が行われるということを前提といたしますと、それに伴いまして丘陵の一部が削られ、あるいは自然海岸が一部失われるというような、いわば自然環境の変容がある程度行われることはやむを得ないわけでございまして、環境庁の立場といたしましては、そういう開発に伴って、なるべく、その施工方法等について十分気をつけていただいて、それによる自然破壊を少なくしていただくという立場であったわけでございます。で、あの地域が自然公園の地域には指定されておりませんので、直接そうした工事の方法等につきましてチェックをする手段は持っていないわけでございますので、関係省庁の連絡会議等を通しまして、それぞれの担当の各省庁に、それぞれの工事について十分環境上の配慮をしていただくようにお願いをいたしたわけでございます。 なお、御質問のありました沖繩全体の自然環境の保全の問題につきましては、沖繩返還と同時に国立公園を一つ、国定公園を二つ指定をいたしたわけでございますけれども、なおそれぞれの公園につきましては、公園計画の変更等いろいろ検討すべき点がたくさんございます。非常にまだすぐれた自然が残っておるところでございます。また、本土のほかの県とはいろいろ事情が違う点がございます。たとえば、西表島の道路の問題に関係いたしまして住民の方々から、ネコが大事なのか人間が大事なのかというような議論も出てきておるわけでございます。私どもやはり、そういう沖繩の特殊事情を十分配慮した沖繩の自然保護問題に取り組みたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 ある程度やむを得ぬというところに論議の余地があると思いますが、きょうはそれに触れませんが、そこで特に私が気にしましたのは、海洋博へのこの歩みが時間的に切迫すれば、いわゆる突貫工事の性格を帯びてくる。突貫工事の性格を帯びれば帯びるほど、いまの自然破壊に、それから海洋汚染につながる心配がある。こういうことが決して杞憂ではなかった。そういった心配が、もうあらわれてきておるのです。そのことを、私は強く指摘しておきたいと思います。 次に、――御了承お願いいたしたいと思います、時間が来たようでありますけれども、ちょっとひとつ済みません。これは文化庁に申し上げたいのですが、埋蔵文化の問題につきましては、いま国際的にも、あるいはアジア的にも、日本的にも、非常にクローズアップしてきておるわけですが、沖繩も、特に日本の文化財という立場から、非常に重要な埋蔵文化がたくさん温存しておるわけであります。ところが、この海洋博に関連しての工事の中でもそれが発掘され、あるいはつぶされてきておるわけでありますが、幸い仲泊貝塚は食いとめて、政府の御配慮で道路を迂回して守ら肥れておるわけです。そのことも、今後のまた管理もあるわけですが、この埋蔵重要文化財の保護管理につきまして、はっきりした御態度を伺いたい。
○説明員(澤田道也君) まず海洋博関連で申し上げますと、会場内に県指定の埋蔵文化財関係の遺跡が四つございますが、山川村垣の内権現洞窟遺跡あるいは山川港原遺跡、浜本サチピン貝塚、本部町大石原アンモナイト化石遺跡、こうようなものがございましたが、これはすでに事前に設計の御変更をいただいて保存の措置を確定し、これは県が昭和四十九年十二月移転指定をして整備を行っております。 それから道路関連では、先ほどございました仲泊遺跡、これにつきましては、現在指定の御答申をいただきまして保存の手続を進めております。そのほか、一般的に沖繩県の埋蔵文化財の保護につきましては、沖繩県が昭和五十年度から、私どもも助成をいたしまして、全般的な分布調査ということをやる計画を持っております。これは何年問か継続されると思いますが、私ども積極的に助成をして遺漏なきを期したいと考えております。
○喜屋武眞榮君 次に、これは表現はどうかと思いますが、人間破壊の問題について、これは文部省等の教育面からの問題になりますので、あるいは建設省とも関係があるわけですが、今日の海洋博を進めていく過程においても非常に教育的立場から憂慮しなければいけない。いわゆる本土から乗り込んでいった企業に関連した労働者の中に忌まわしい者がおりまして、それが沖繩の青少年を風紀、道義の上から、これはまともに聞き取れないような事件があって、いま刑事事件になって十年の判決をという、きのう、おとといの新聞にもあるわけですね。このような悪質な犯罪が、この海洋博を進めていく中から沖繩の青少年に侵食する。いわゆる人間破壊――自然破壊じゃなくて人間破壊ですね。この面も、教育、私もまあ教育出身でありますが、非常にこの点憂慮している。これは、これまでもそうですが、今後もこの問題は非常に憂慮される点でありますけれども、文部省のお立場からこれをどう理解しておられるか、またどう歯どめしようとしておられるのか、御見解をお聞きしたいと思います。
○説明員(川崎繁君) ただいま先生御指摘がございましたように、特に海洋博に伴いました建設工事の進捗に伴いまして、それにまつわる非行事件と申しますか、私どもも具体的に一、二聞いておるわけでございます。これは大変遺憾なことでございまして、私どもといたしましても沖繩県の教育委員会とも十分連携をとりながら、特にこれから開催されます海洋博に向けまして、十分な生活指導でありますとか、あるいはまた非行対策上の措置でありますとか、これをとるように内々連絡をとっておるところでございます。 幸い沖繩県におきましては、特にこれらの問題を踏まえまして、青少年の健全育成運動実施要綱というものを現在検討をし、近々のうちにこの実施に入るように伺っております。私どももこのような面で、十分配慮してまいる必要があると思っております。
○副主査(矢追秀彦君) 喜屋武君、簡単に願います。
○喜屋武眞榮君 それではもう時間もないので、大事な点まとめて申し上げます。 この海洋博関係で、現在沖繩の労働者が幾ら雇用されておるのか。そしてその海洋博も、さきの報告にありましたように、準備が四、五月で終わると思いますが、その労働者が解雇されるわけですが、いま現在幾ら働いておるか。そしてその解雇後はどうなるのであるか。これは基地労働者の解雇問題とも関連して、沖繩はいまこの失業問題で非常に悩んでおるわけでありますが、そういう面、労働省の立場からそれをお聞きしたいということと、それから特に開発庁長官の立場でお聞きしたいんですが、この跡地利用ですね、跡地利用。これが、この海洋博の目玉にならなければいけない。そういう点から、跡地利用計画は、少なくとも海洋博の始まる前に具体的に打ち出しておらなければいけないと、こうきのうもおっしゃいましたが、私もそれを痛感いたしておりますので再確認いたしたいということと、それから非常に気になりますのは、終わった後のこの責任が、主管がどこになるかという、これが明確でない。ところが、私の調べたところによりますと、海洋博開催及び跡地処理費として通産省に一千万円の予算が組まれておりますね。これからするというと、引き続き通産省の責任ということにもなりますが、これもしかしあいまいである。そうすると、開発庁になるのかなあと、こう思ったりするわけですが、その終わった後の跡地の主管を明確にしていただきたいということと、次に、この跡地利用の計画については、県からも一応素案として長官の前にも出されておると思いますが、これは通産大臣あてにも屋良知事から出ておりまして、これは県の案というよりも、沖繩国際海洋博覧会跡地利用問題対策協議会ですね、そこで一応案ができて、県にも出されておるし、また皆さん、長官のところにも参っておると思いますが、これを見ましても、この跡地利用が沖繩の経済開発、文化開発、県民福祉の増進そして国際的文化的つながりを持つ舞台にならなければいけない、こう思うわけなんですが、その跡地利用の経過の中に特に要望申し上げておきたいことは、この海洋博が、よく言われておる起爆剤、起爆力ともこう言っておるのですが、いまこれに対する反対をしておる事実もおわかりでしょうが、それがうっかりするというとこれは自爆剤になるんだと、起爆剤どころか沖繩の自爆剤になりかねないという心配をしておるわけであります。そういったこととも思い合わせて、ぜひひとつ名実ともに起爆剤になってもらうためには、沖繩の経済開発と沖繩の文化開発、そして福祉向上にまずつながらなければいけないということと、海洋博のこの性格からこれは国際的な一つの使命を持っておるわけでありますので、特に教育的立場から国際機関との結びつきにおいて、まあ国連大学が日本に決定したのか、ちょっとその辺もあいまいでありますが、誘致されることになっておると聞いたのですが、それに関連づけて海洋博記念センター、二つに熱帯海洋研究所、それから三つに国立海洋文化研究博物館ですね、そういったもろもろの施設、機関と結びつけて、いわゆる国連大学の海洋編、海洋に関する機関、施設に結びつけていただくならば、これがまさに沖繩の今後の私は国際的つながりの中で行われると、こう思うわけなんですが、それに対する御見解と――。ところが、その跡地の維持、管理がこれが県の責任になった場合に、これはもう大変なことになることは火を見るよりも明らかであります。だからそこは、基本的には国の責任において予算化していただきたい。こういうことに対する御見解と、最後にもう一つだけ、この海洋博をめぐっていま国際的な動きの中で、このメキシコ闘牛の誘致の問題が出ておるようでありますが、メキシコ闘牛ですね、私はこの海洋博に関連して行われるもろもろの行事というものは、まず沖繩の現在及び将来に向けての経済開発につながる行事でなければいけない。文化開発につながる、福祉向上そして国際的、こういった、平和親善、文化交流の場でなければいけない。こういう立場からもろもろの行事も持つべきものであると、こう思うわけなんです。このメキシコ闘牛の問題に対して、これは政府並びに県も反対を表明しておられると聞いておりますが、現時点においてどのように考えておられるか。 いろいろこう申し述べてまいりましたが、以上労働省にこれは一応お聞きしまして、その後に長官に御回答をいただきたいと思います。
○説明員(江田茂君) 本年一月現在、海洋博関係の工事に従事しておられる方は、全部で一日平均五千三百名というような状況でございます。そのうち、千八百人が本土から派遣された方々でございまして、これらの方々は海洋博の終了とともに本土に戻られるということが予想されるわけでございます。あと三千五百名が地元の労働者の方でございまして、その大半は地元の建設業者の手持ち労働者ということでございます。海洋博の終了後他の工事現場に回るということになるわけでございますが、それでもなお約二割程度、約七百人程度でございますが、こういった方々が失業せざるを得ないのではないか、こういうぐあいに私ども心配いたしているわけでございます。 で、昨年の十月に、広域就職活動地域といたしまして沖繩を指定いたしたわけでございます。これによりまして、広域に就職活動をなさる場合には手厚い援護措置がとれる、こういうような体制をとりまして、地元の沖繩県とも十分連絡をとりりながら、沖繩及び本土の各受け入れ地域の関係機関と協力をしながら、こういった方々の再就職のために、先ほど申し上げましたような手厚い援護措置、こういったものを活用しながら、積極的に求人開拓に当たってまいりたいと考えております。
○国務大臣(植木光教君) 海洋博の後処理問題につきましては、現在、海洋博各省庁連絡会議におきまして、通産省を中心といたしまして事務的な検討は進められております。開発庁といたしましては、いまお話しございましたように、この海洋博覧会が成功いたしますとともに、特にその跡利用が沖繩県民のために寄与するものでなければならないという観点から重大な関心を持っているのでございまして、すでに私も沖繩県に一月に参りまして視察をいたしました直後の閣議におきまして、この跡地利用に関しては海洋博開催までに決めるべきである、関係各省庁の協力がなければできないという発言をいたしているところでございます。 お話しのように、五十年度予算案におきまして、後処理関係調査費といたしまして通産省に一千万円が組まれております。この使用方法に関しまして、通産省には海洋博後処理問題懇談会を設けて後処理問題について検討を行うという考え方もあるようでございますが、私といたしましては、現在政府の中に設けられております海洋博関係閣僚協議会及び海洋博推進対策本部におきまして、各省庁が高いレベルで協議をいたしまして、そしてこの問題の対策に当たっていくべきであるというふうに考えているのでございまして、早急にその点につきましての運びをいたしたいと考えているところでございます。 なお、この跡地が沖繩県民の経済あるいは文化、福祉向上に寄与するものでなければならないことは、私も全く同感でございます。さらにまた、国際的な海洋博覧会が行われるわけでございますから、国際性を持った跡地利用が考えられるべきであるという点についても、私も同感でございます。 国連大学の設置は、わが国に決まりました。すでにこの国連大学の準備関係者の方々があの博覧会予定地に参りまして視察も終えられたのでございまして、その結果についてまだ結論は出ておりませんけれども、多大の関心を持たれたというふうに伺っているところでございます。なお、県の御意向も十分に尊重しなければならないということは、申すまでもございません。県からは昨日、三月二十八日に、海洋博担当大臣であります通産大臣にあてまして要請書が提出をせられました。ただ、この写しを私どもも拝見をいたしましたが、この要請書にはいまお話しがございましたように、跡利用問題対策協議会の建議書が送られてきただけでございまして、県としての、建議に対してどのような御見解を持っておられるのか、そしてまた、非常に多くのことが書かれているわけでございますが、県自身の、独自のこれらの協議会とのお話し合いによる御意向はまだ届けられていないという状況でございますので、この点につきましては、さらに県側の意向をくみ取りますために私どもとしては連絡をしなければならないと、県の側といたしましても、さらに県の御意向を煮詰めていただきたいというふうに考えているのでございます。 どの省庁が所管するかということにつきましては、跡利用計画というものができ上がりましてから、またでき上がる過程におきまして決められるものだと思うのでございまして、沖繩開発庁は沖繩県を所管をいたしているのでございますから、沖繩開発庁が所管庁になりますれば、もちろん全力を挙げてこれに取り組んでまいりますし、他の官庁が所管庁になられましても、開発庁はこれに十分な協力をしていくとともに、有効な跡利用のために努力をするという考え方には変わりはございません。 メキシコ闘牛につきましてお話がございましたが、これは動物保護法の立場からいたしまして、私どもは、これは総理府総務長官としての立場でございますが、認めるわけにはいきませんので、外務省を通じましてメキシコ大使館に対してその意向を伝え、メキシコ大使館もまたこれを十分に理解をしてくださいまして、メキシコ・フェスティバルにおいてメキシコ闘牛が行われるということについては支持はできないということを、動物保護団体及びその主催者に対してすでに文書をもって伝え、連絡をしておられるという状況でございます。ただ、メキシコ闘牛は行わないけれども、メキシコ闘牛ショーを行いたい。メキシコ闘牛は、御承知のように牛を殺傷するわけでございますけれども、殺傷はしないで、闘牛士が牛と闘牛のかっこうをしますのをショーとして見せたいということを言ってきているのでございます。これは動物保護法には抵触をしないのでございまして、この点については、大変私どもとしては苦慮しているところでございます。また、現地沖繩県におきましては、沖繩闘牛という古来からのいわば県技とも言うべきものがあるわけでございます。動物の県技とも言うべきものがあるわけでございます。これをやりたいという御意向を持っておられるということも聞いておりますので、そういうショーをやることについてはいかがなものであろうかということと、今度は沖繩開発庁の長官といたしましては、沖繩闘牛がある以上、もう沖繩闘牛でいいのではないかという気持ちも持っておりますために、実は県に対しまして、沖繩県の動物団体とも御連絡をいただいて、メキシコ闘牛ショーについてどういうお考え方を持っておられるかということについて、実は先日来問い合わせをいたしております。本日は知事に、加藤事務次官が現地に参りまして――このためにだけ参ったんじゃございませんが、これも一つの課題といたしまして、知事と会見をいたしまして、県側の御意向も伺っているはずでございます。県の御意向をお聞きをしながらこれに対処してまいりたいというのが、私どもの考え方でございます。
○副主査(矢追秀彦君) 他に御発言がなければ、内閣及び総理府所管は終了したものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十二分散会