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75回国会参議院1975/04/02

予算委員会 第21号

発言数
432
登壇者
44
会派数
6
開催日
1975/04/02

会議録

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十年度一般会計予算  昭和五十年度特別会計予算  昭和五十年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、矢追秀彦君の質疑を行います。矢追君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 初めに、昨日報告のございました竜神村のたん白尿の発生の問題について厚生省に伺いますが、先日の分科会の報告を撤回をされまして、昨日一〇・二四%という、これは非常に高い発生率だと思います。この間、余り高くないというように答弁をされておりましたが、この調査は三日間連続調査をされておりますし、非常に厳しい条件のもとで出た一〇・二四%ですので、これはかなり異常な数値と考えますが、厚生省の見解をお伺いします。

上村一厚生省児童家庭局長

○政府委員(上村一君) 吉川さんの報告の数字から判断いたしますと、相当高い数値ではないかというふうに考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 通常は大体どのような状況ですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○政府委員(上村一君) 三回続けまして早朝尿を調べた全国的なデータは持っておりませんけれども、普通一ないし二%ぐらいである、これは一回限りの調査の場合でございますが、一ないし二%ぐらいじゃないかというふうに言われております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 東京都で調べておられる、これは東京都の予防医学協会のデータでは、たん白は小学校で〇・一%、中学校においては〇・四七%となっておりますが、この数値はどうですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○政府委員(上村一君) 東京都で調べました数字は私持ち合わせございませんが、同じ吉川さんが埼玉県の川口市の小学校について調べられました数値から見ますと、早朝尿の陽性、これは一回限りの調査でございますが、一・四%という数字が出ております。さらにそれを精密検査いたしまして、賢炎とか賢孟炎という病気がある者の数となりますと、それは〇・一%ぐらいになります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 厚生省の報告というのは、私前回と今回と比べまして思うんですがね、大臣、絶えずそのデータのとり方を変えたり、また、ほかのものの中で一番大丈夫なような数字ばかり持ってこられるわけですよ。そういう態度でいいんですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 一般的にさようなことがあるとは存じませんが、本件に関しましては、非常にとっさの場合の御質問であったものですから、必ずしも十分な精査をしないで答弁をいたしたようであります。いずれにいたしましても、本件につきましては、たん白尿の出る子供のパーセンテージが高いものでございまするから、これについては現地県当局に対しまして、よくその状況を取り調べ、そしてそれについての対策を立てるようにいたさなければならないと、かように考えておりまして、そのやり方等につきましては、きのう児童家庭局長が答弁をいたしたとおりでありますが、よく問題の重要性にかんがみまして今後対処をいたしたいと、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうじゃなくて、いまの問題を言いますと、この吉川講師のやられたやり方に一番近いデータを調べると、東京都で、先ほど私の申し上げたのが一番比較には対照になるわけです。やっぱり対照をとる場合は同じものが一番理想ですが、どうしてもない場合は一番それに近い検査方法をとったものが必要なわけですが、それでいくと〇・一から〇・二となっているわけです。そうなりますと、竜神村のは、一つは百倍であり、あるいは五十倍から百倍ということになってくるわけです。いま一%ないし二%と言われています。それでもまあ十倍ですよね。しかし、それは検査方法の違いによるわけです。しかも、吉川講師のやられたのは、非常に最初行って驚かれたわけですよね。なぜ、どうして行かれたかといいますと、厚生大臣、これ、ごらんになっていただいたらいいですけどね、筋ジストロフィーのような症状が出るということで行かれたら、たん白が出てきた。しかも異常な出方である。だから非常に厳しくやっても——むしろ吉川先生のはうんと下を押さえられた。それでもここまで出てきたんです。  これはいつも厚生省の比較はそういう高い数値を持ってこられたわけです。だから、実際一番近いのでいけば、やはり私は〇・一あるいは〇・二という、この東京都のデータが一番近いと言われているわけですから、それとの比較をやれば猛烈に高い。しかし、一応高いことは認められているわけですから、それでよろしいですけれども、絶えず何か言い逃れ的な感じもするわけです。そういう行政ではいけない、むしろ厳しく見ていく、その点をひとつお願いしたいと思うんです。それからこれはBHCの問題も言われておりますし、いろんな問題があるんですが、そのほか、この間の報告でも村長は知らなかったと、こう言われていますけれども、実際村長は知っておったわけなんです。そういった点もいいかげんですし、ひとつこれは改めてきちんとしていただきたい。  それから総理、総理は環境庁長官もやられましたけれども、一番いま問題は、もちろん大都会における公害もさることながら、こういう地方で隠れた公害というのが非常にたくさんあるわけです。しかも、これがまだまだつかめていない。こういうことで、いまいろいろやられてはおりますけれども、この問題だって今度始まったんじゃないです。昭和四十八年からもうわかっていたことなんですね。しかし、ようやくここまで来て行政のレベルへ来たという状況なんです。だから、そういうことでひとつ、こういう隠れた公害ということについて総理は今後どうおやりになるか、所信をお伺いしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 公害問題に対する関心が高まって、隠れた公害というものがやはり表面に今日出てきておるわけですけれども、まだ御指摘のような、表面に出て何らかの解決を急がれているような状態までなってないものもあるでしょうから、今後は地方自治体とも協力して、そういう隠れた公害というもののために非常に苦しんでおる人たちをできるだけ解決の方法を講ずるようにやってまいりたいと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 厚生大臣、お伺いしますが、けさの新聞で医師会の武見会長が発言をしておられることが出ておりますけれども、これについては御存じですか。これに対する見解をお伺いしたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 先般日本医師会長から私あてに、新しい手法の診療技術について点数を速やかに設定をせよということを私のところに言ってまいりました。これについては現行法令との関係で非常に微妙なところでございますので、私は実態的に見ますると、この種のものはやはり一日も早く点数を設定して診療を行った方がよろしいと思いますが、現行法令の中におってこれをいかにして点数に設定をするかということについてはいろいろと問題があるようでございまして、したがって法令との関連においてどのような解決を図るべきか、目下いろいろと検討し、腐心をいたしているところであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの答弁ではよくわからないですがね、どういう方針でいかれるのかということです。あくまでも中医協というものにされていくのか、ここで会長の主張しておるような方向をとるのか、いまのじゃ全然わからないです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) もっと具体的に申し上げますると、現行の法令の中においてこの種のものをどう扱うかということは、過去においていろいろ先例等があるわけでございまして、一部につきましては、いわゆる準用方式というものでやったこともございます。しかし、準用方式で律し切れるかどうか、あるいはそのことがよろしいかどうか、こうしたことについて、もう少し部内の検討をいたさなければならないと思っていますし、また、日本医師会の方でもこれに対してどう対応するか、お互いの詰めも必要であろうというふうに思っておりまして、いろいろと作業をいたしておりますが、今日まだ具体的な結論を得ないでおるというのがただいまの姿でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これはやはり早く出さないと、校医とかあるいは救急医療の方を拒否をする、こういう態度で出てきておられます。これについてはどうお考えですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) きのうの武見医師会長の記者会見の内容については、いろいろな点について、ただいま私のところへ委員について辞任届を出しておるわけですが、この辞任届についての処置についていろいろ話がございますが、そうした問題と、いま一つ後段に書いてある租税特別措置との関連においてもコメントしているようでございますので、その辺はいろいろと複雑なところでございますが、私といたしましては、できる限り中医協委員その他の各種の委員についての復帰を一日も早くしなければならないと思っておりますが、しかし、やはりこれについては法律の関係もあって、十分しさいに検討をいたし、そして合法的な線でもってこれが解決するようにいたさなければならない、その辺に私の苦労の存在するところであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理、先日来歯科医療の問題が大きな問題になりましたけれども、この問題を総理はどうお受けとめになりますか。要するに、非常に差額を取られたとかいろいろな苦情がございましたですね。この歯科医療の問題、いまの医療の問題も含めまして、これは私は政府の責任だと、こうとるのですけれども、また現在の高度成長が生んだひずみの一つと考えておりますが、そういうことも含めて総理はどうお考えになっておりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 歯科医の場合は、診療報酬というものが人によって、プラスチックでなしに金冠を入れたいとか、いろいろ別途の支払いを必要とする場合が起こると思いますが、しかし、これに対してはいろいろな弊害があるということで、中医協でこの問題を中心にして審議をしておったわけですが、これがほぼ中断の形になっておるのですが、中医協のこの会議、できるだけ早く再開をして合理的な解決をする方が医師会のためにも国民のためにも好ましいと考えておりますから、そういう方向でこの問題を処理していくことが適当であると、こういうふうに考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がありませんので、この問題もっと深く議論したいのですが、厚生大臣、問題となっておる不合理な点数の改善、これはどうされるのか。それから特に齲蝕予防について、虫歯ですね、虫歯の予防の問題、それからいま一番問題の一つとなっているいわゆるはみ出した患者さん、要するに診察に行ってもできない。というのは、歯科医の不足ということもありますけれども、まだまだ問題はたくさんあると思いますが、そういうはみ出した患者さんの処置、この三点についてお答えをいただきたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 現行の診療報酬体系、これについてはいろいろと問題があり、またその仕組みについてもいろいろと問題がございますが、これ等については、逐次これを中医協に諮りまして、中医協の意見が出て、これがいろいろと改善を見ているところであります。基本的には、やはり技術料をもっと尊重するというところにあるというふうに思っておりますが、さらに歯科につきましては、差額徴収制度の基本についてどのように考えていいか等々につきまして、中医協の意見によって今後改善をしていかなければならないというふうに考えております。  第二の齲歯予防につきましては、今日までいろいろと乳幼児につきましては妊娠中の健康、そしてまた永久歯につきましては、小児のいろいろな歯科についての啓蒙等々を通じてやっていかなければならないと思っておりまして、それぞれ保健所等を通じまして、母親教室あるいはその他妊産婦、乳幼児等の指導をやっているわけでございますが、しかし、これについては私はまだ十分にこれが実行されているとは思いませんので、今後いろいろな観点から、この問題をいかに徹底させるかということについて検討、努力をしなければならないというふうに考えております。  第三の歯科診療について、はみ出した患者さんという問題につきましては、やはり私は、絶対的に歯科医が不足であるというようなことがその原因であると思いますので、今後やはり歯科医師の養成について政府全体でもっと積極的に考え、これを実行していく以外に方法がないというふうに思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 厚生大臣、もう一つお伺いしますけれども、最近の歯科医師会のいろんな問題がございますけれども、細かい議論はまた別の機会に譲りますけれども、どうも脱保険、自由診療という方向が非常に強いと思うんです。私はやっぱりそれであってはならないと。この厚生省に来ておる三月六日の申し入れ書を見ましても、やっぱり自由診療ということがかなり大きく強い線で出てきているわけです。こういう方向が果たしてこれからの福祉社会という事態に適切なのかどうか、政府としてはこういう動きをどうとめていくのか、その点をお伺いしたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 今日、歯科のみならず、医療全般については、できる限り社会保険診療でこれが実施できるようにすることが望ましいわけでございまして、したがいまして、保険から医療担当者が抜けていく、あるいはこれについて協力をしないといったような姿というものは望ましいものではございません。したがいまして、周辺の諸問題を解決することによって、国民ができる限り社会保険によって診療が受けられるようにしていかなければならないというふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最後に外交問題を簡単にお伺いしますが、総理、いまのインドシナ情勢ですが、けさの新聞によりますと、もう解放勢力がサイゴンへ約六十キロまで来たと、こういう状況ですが、このインドシナ情勢、カンボジアも含めまして、総理はどう把握をしておられるか。それから、今後日本政府としてはこの勢力に対して、恐らくきちんとした臨時革命政府ということになると思いますけれども、それに対してどうおやりになるか、また、現在外交折衝はどのようにされておるか、その点をお伺いしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 昨日ですか、ロン・ノル大統領が国外に出られた、きわめて流動的な状態でありますから、的確にどういうふうになっているかということを予測することはむずかしい。日本の基本的立場というのは、パリ協定を守る、しかも話し合いはベトナム人同士で平和的に話し合いをしてベトナムの安定を図る、こういう一つの原則の上に立って、一日も早くベトナムにベトナム人同士の話し合いによって安定した状態がつくり出されることを日本政府は希望をいたしておるわけでございます。そのために日本政府としてできるだけの協力は当然にしていくべきであります。ただ、最近、ロン・ノル大統領の国外に出られたということなどもちょっと契機となり、カンボジアの国内において話し合いをしようという機運も高まってきておりますから、そういう傾向が生まれてきて、そして何らかの解決が見出されることをわれわれは強く望んでおる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 外務大臣、具体的に外務省としていまどういうことをやられておるか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) カンボジアにつきましては、昨日もこの委員会で申し上げましたとおり、ロソ・ノル政権の首脳部から、この際いかにすべきかという意見をしばしばわが国の駐在大使が求められまして、アジアの国々と一緒にそのような意見を求められて考え方を申し述べておったわけでありますが、その基本になりますものは、昨年の国連決議に示されておりますとおり、カンボジア人による問題の解決、この際、流血の惨を何としても避けるべきである、この二点を中心に意見具申をいたしておりまして、その結果もいろいろ先方政府で参酌されたのでありましょう。昨日、ごらんのようなロン・ノル氏の外遊になっていったわけでございます。なお、わが国の栗野大使は、多くの国の大使館が閉鎖されましたけれども、そのようなこともありまして最後まで残留をいたして、先方政府の求めに応じていろいろ意見を申し述べてきたわけでございます。  サイゴンにつきましては、正直を申しまして非常に事態の進展が急でありまして、具体的にそれについてわが国が何らかの外交活動をしたということはございませんけれども、ただいまの段階になりますと、これはカンボジアについても言えることでございますが、南ベトナムだけですでに百三十万あるいはそれを超える難民が出つつございます。インドシナ半島における難民救済の問題について、人道的立場からわが国としてできる限りのことをしなければならない立場になっておりまして、具体的にそれをどのようにして、いかに行うかということを検討しておる段階でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ、この現在の状況がどうなるか予測はつきませんけれども、仮に総理の希望されているような状況でおさまったとした場合、いま難民援助の問題が出ましたが、今後のインドシナ半島に対する経済援助ですね、それも含めまして、解放勢力との国交といいますか、あるいは接触といいますか、その点も含めて、どうされるおつもりなのか、お伺いをしたい。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 解放勢力のお話が出たわけでございますが、先ほど総理も言われましたように、ベトナムにおける問題の解決の基本は、やはりパリ協定の精神であるというふうにわれわれは考えておりますので、現在の流動的な戦局と申しますか、これがいずれかの落ちつきを示したその後、やはりパリ協定の精神に基づく話し合いというようなものが行われることが望ましいのでありまして、その結果、サイゴン政権と別個に新しい政権というものが事実上認められる状態になるのか、その間の関係がどうなりますか、あるいは南越と北越の関係がどうなりますかということも見てまいらなければなりません。しかし、その際の考え方は、やはり基本的にパリ協定の精神、文字どおりでなくても、あそこに流れております精神というものに基づいてやっていくべきものとわれわれは考えておりますし、それを妨げるようなことをわれわれとしては一切してはならないと思います。他方で、従来までの経済援助、いわゆるプロジェクトを中心にしました経済援助というものは、恐らくその重点はこの際難民救済の方にしばらく移っていかざるを得ないであろう、またそういうふうに考えておくべきではないかというふうに思っております。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 外務大臣と同じように、この問題は、結局は民族自決の原則によって、ベトナム問題はベトナム人が、カンボジア問題はカンボジア人がみずから決定をすべきものであって、その決定に従って日本はどう対応するかという態度をとるべきである。いまこういう流動的な事態を前にして、日本の態度はどういう態度をとるということは私は申し上げる段階ではないと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最後に、日韓大陸だな条約についてお伺いしますが、この批准は、総理としてはかなり熱意を持っておられるようでございますが、この見通し、国会提出はいつごろになるのか、国会提出といいますか、衆議院ですね。それから、これは中国との関係において非常に問題があるわけです。日韓がどうしてあの地域で一緒にやらなきゃならぬかということが私たちもよくわからないわけでありますし、反対でございますけれども、特に中国との了解はちゃんとついておるのか、これからつけられるのか、その点をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 日韓大陸だな条約は、お許しがありましたら、四月の一番早い機会に衆議院におきまして提案理由の説明をさせていただきたいと政府としては考えております。  ただいまのお尋ねの趣旨は、海洋法等との関係であるかと思いますけれども、海洋法がいずれの決着をするにいたしましても、経済水域についても重複部分については調整を図らなければなりませんし、大陸だなについてはなおさらさようでございまして、いずれの場合にも両国間で何かの話し合いをしなければならないということは、海洋法がどう決まりましても、残る問題であると考えます。したがいまして、話し合いによって共同開発方式をとるということがよろしいのではないかというふうに考えたわけであります。  中国との関連につきましては、中国が私どもが考え得るどのような主張をされるにいたしましても、それに対して十分答え得るだけの、いわばこちらとしてはややクッションをとった線の引き方をしてございますので、中国がこれに反対を強くされるというふうには考えておりませんけれども、われわれの立場も中国にも御説明をしてございますし、いつでも話し合いに応ずるということは申し上げてございます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 外務大臣の考えておるような順序でこの問題は国会の御審議を願いたいと考えております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして矢追君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 星野力君。

星野力日本共産党

○星野力君 私は、日本共産党を代表して締めくくりの質疑をいたします。  予算案の審議もきょうが最後の機会になりましたので、この際、総理に憲法問題についての基本的な見解をお聞きしておきたいのでございます。  現憲法は国民主権の規定、恒久平和、戦争放棄の規定、基本的人権の規定、議会制民主主義並びに地方自治の規定など多くの重要な平和的民主的条項を含んでおり、民主主義とは相入れない専制支配を許した旧憲法と対比すれば進歩的な内容を持つものであります。この現憲法を、歴史の発展、社会の進歩に逆行して旧憲法的な反動的内容のものに引き戻すような改定のたくらみは、国民としてはとうてい許されない。それは今日広範な国民の意見になっております。ところが、自民党は、昭和三十年十一月の立党に際し、現行憲法の自主的改正を強力に実行するということを党是として公式に決めた「党の使命」の中でうたっております。そうして、旧憲法的ないしはそれに近い内容を目指した憲法改定を公然と指し示しておる。総理は、自民党総裁として憲法改定問題をどうお考えになっておるか、お聞きいたしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 現在の憲法は、占領下であるという異常な状態の中に生まれた。また言葉遣いの中にも、敗戦当時の特殊な事情がにじみ出た言葉もあることは事実でございますが、しかし、憲法の理想、精神は私はりっぱなものだと考えております。民主主義、平和主義、人権尊重主義、この理想というものは、やはりわれわれが今後長く守るべき一つの理想を表現してあると私は信じております。理想と現実との間のずれは、政治が埋めていくべきだという考えでございます。ただしかし、憲法というものが、国民の世論というものが成熟をした場合にはこれは憲法の改正ということはあるわけでございますから、これに対して研究をするということは、これは何も悪いことだとは思ってはおりませんが、私は当面、そういうふうに国民の世論が改正ということに成熟したとは思っていない。私はこの憲法を改正するという考え方は持っていないということを明らかにいたしておきます。

星野力日本共産党

○星野力君 日本国憲法の基本的な諸点については賛成であると。だから、字句、用語の点に問題があるし、また将来のことはいろいろ世の移り変わりによってこれは考えなければならぬけれども、当面予想される時期において憲法改正をする意思は総理はお持ちでない、総裁としても考えておらない、こう理解してよろしいのでございますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は当面、憲法を改正するというような考え方は持ってないということを明白にいたしておきます。

星野力日本共産党

○星野力君 党としての憲法改定作業もやられないと、こういうことでございますね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 憲法というものを永久に改正してはいけないとは思っておりません、事情の変化もあるわけですから。そういうことだから、政党がこれを研究するということは、これはやはりそういう研究をしてしかるべきでありますが、私は、この内閣が憲法改正というものをする考えは持っていない、これだけは明白にしておきます。

星野力日本共産党

○星野力君 きょうはそれだけ承って先に進みます。  以下、内外の諸問題について順次お聞きいたしたいと思いますが、その前に、去る二十八日の本委員会で、わが党の神谷委員が建設省に対して求めました大阪府富田林市の同和住宅の調査について報告していただきたいのであります。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 去る二十八日の当委員会において、神谷委員の指摘されました富田林市における同和関係住宅の入居問題について、大阪府を通じて調査をいたしました結果を御報告いたします。  二十八日の答弁においては、御質問の本年一月ごろに入居をした住宅は、新規に建設し募集した改良住宅十六戸のことではないかと思いまして、それについてのお答えをいたしたのでありますが、さらに取り急いで大阪府から担当官の上京を求めまして事情を聴取いたしましたところ、昨年の十二月に、同和向けの公営住宅の空き家についても入居をさせていることが判明をいたしたのであります。したがいまして、二十八日の委員会における私の答弁において不足の点がありましたことはここにおわびをいたします。  なお、入居の手続でありますが、改良住宅については、先日も申し上げましたように、既存の不良住宅の撤去による世帯の入居を決めているのでありまして、特に問題はないと認めておりますが、同和向けの公営住宅の空き家への入居に関する手続については、一部適当でない面があるように認められますので、これらにつきましては今後引き続き詳細に調査をいたしまして、局長通達の趣旨に従って適正な管理を行うように、十分に指導をいたしてまいりたいと存じております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 関連。  先般、二十八日の当委員会で質問したのに対すする答弁が事実に反しておったことを率直にお認めになりました。そして、それに基づいて入居の手続についてはさらに調査をするとおっしゃっておるのですが、これもいまの段階では、建設省自身が大阪府から事情聴取をして、一定の事実は御承知のはずであります。まずこの点、現在おつかみになっておる事実について報告を求めたいと思います。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) 大阪府を呼びまして、担当の主幹が参ったわけでございますが、直接聴取いたしましたところ、富田林市は現在公営住宅二百六十六戸を管理いたしておるということでございます。そのうちの空き家につきまして、昨年の十二月七日に募集をしております。市は募集事務につきまして、大阪府の同和対策促進協議会の評議員であります、同時に部落解放同盟富田林支部長でございます武田由次さんという方に、入居事務の一部を依頼をしたということでございます。応募の方は三十七名あったそうでございます。選考に当たりましては、選考委員会で、これは二十四名で構成をしておるということでございますが、町内の総代の方が一名、それから新住宅促進協議会の方が三名、解同支部長、副支部長、書記長、住宅部長の四名、住宅要求組合評議員のうち二名、入居者組合十二名、市職員二名、これは同対室長と建設部次長だそうでございますが、十二月の九日、十一日、十九日、二十一日の四回にわたりまして、選考委員会を開催しております。で、入居の決定を行いまして、十二月二十八日から三十一日にかけて、入居を完了させたというような事実でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 府の同促協の評議員であり、いわゆる解放同盟富田林支部の支部長である武田氏に一任をして、そうして選考の事務を行った、こういうことです。そうして、その選考の責任を負わされている武田氏の支部長をしている当の解同支部ニュース十二月四日付によれば、申し込みの資格は、富田林市内に居住をする支部員に限るとしています。これも明らかな事実であります。そうして、選考委員の二十四名についても、支部長の武田氏の選考に基づいてつくられている選考委員会であります。したがって、これは四十五年十一月十八日付の建設省の住宅局長通達、すなわち、法に定める入居者の公募を行わない、または入居者を一部特定の団体に加入をしている者に限る、事例を示してこれらについては違法だという、この通達から照らしてみても妥当ではないと思うのですが、この点についてはいかがですか。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) 公営住宅の入居者の決定権を持つのは、言うまでもなく事業主体の長である地方公共団体の長でございます。ただ、市が管理をいたします際に、入居事務の一部等をどこかへ委託をするということにつきましては、特に特定目的の住宅等につきましては、なかなか市職員だけで全部を管理できないという点がございますので、一部を委託するということ自体は違法だとは思いません。ただ、先生御指摘のように、解同ニュースを拝見しますと、支部員に限ると書いてあるような点は適当でないと考えております。  それからさらに、解同ニュースの中でいまの局長通達に違反の点があるかないかという点につきましては、その点が問題でございますけれども、あの局長通達の趣旨は一部の委託は結構でございますけれども、結果といたしまして不公正に入っておる、たとえばいま申し上げたような支部員でなければ入れないということが現実でございますと、これは明らかに違反ということになるわけでございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 簡単に願います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 支部員に限るという申し込みをして、支部員でない者が市役所に対して申請をしても送り返されています。さらに、その理由を求めても返送されている。理由を明示しないで受け付けられない、受理されていません。そうして、現実に入居しておる者は支部員に限られているわけです。これは明らかに私は通達に違反をする事実が生まれているというふうに思いますが、この辺ひとつ建設大臣、明確にお答えをいただきたいと思います。  さらに、いまの答弁ですと調査をなさるということですが、調査をして違反をすることが明らかになれば、この通達に基づいて厳正にかつ公正に執行させるように当該の富田林、あるいは大阪府下その他に同様のことが起こっていますが、これらについての厳正実施を求める、そういう指導を強力になされる意思があるのかどうか、もしやられないとすれば、通達の出しっ放しで、まさに法の厳正な実施をサボることになります。この点についての建設大臣の見解を明確にしていただきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 局長からも御答弁を申し上げましたように、局長通達に沿っていない不適当な面があるということは、私どもも率直に認めます。したがいまして、これは直接の監督は大阪府でありますから、府を通しまして、さらに厳重に調査をして、それに対する処置をしてまいりたいと、かように存じます。

星野力日本共産党

○星野力君 外交問題からお聞きします。  南ベトナムでもカンボジアでも、情勢は大きな転機を迎えております。プノンペン政権はすでに崩壊しました。ロン・ノル大統領、ロン・ボレ首相以下亡命の旅に出てしまっている。日本政府は過去五年間、クーデター以来一貫してアメリカ政府に追随して反動腐敗のロン・ノル政権を支持してきたのでありますが、それはただ戦争を長引かせ、カンボジア国民の悲惨を長引かせただけであります。その点に日本政府として重大な反省が必要だと思いますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもといたしましては、その国における民族自決の運動については常に理解を示してきたつもりでございます。ロン・ノル政権そのものもカンボジア人による政権であったわけでございますから、それに対して協力をしてきたということは別段私どもの基本的な原則に背いたものではない、アメリカ政府にはアメリカ政府の方針があったでございましょうけれども、私どもそれに追随をしたという考え方ではなく、その国の国民による政府というものを正統政府として考えてきたわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 事態はここまで発展してきたのですが、カンボジア王国民族連合政府を速やかに承認なさる御意思があるかどうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事態の推移を見ていかなければ、ただいまの状態で、すぐどうということではなかろうと思いますが、新しい政権が政権交代によって生まれるという事態になりますれば、当然その政権を相手に物を考えていくということになろうと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 一月の本会議での質問で、私が総理に、アメリカのベトナムへの再介入に反対し、日本を拠点とするアメリカのインドシナへの軍事行動を停止するようアメリカ政府に要求すべきである、こう申したのに対しまして、総理は、一九七三年アメリカ議会が米軍のベトナムへの軍事行動を禁止しておるから、再介入をアメリカがやれるわけはない、こう言われたのでありますが、現在もその認識にお変わりはございませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) アメリカの世論、国会の動きなどからして、ベトナムにアメリカが再介入するようなことにはならないと日本政府は考えておるわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 アメリカ政府の内部におきましても、ベトナムに海軍と空軍を使用することについて論議されてきた。御存じだろうと思います。現在ヘリ空母「オキナワ」あるいは「ハンコック」、こういうものがインドシナ水域で行動いたしております。沖繩からは海兵隊その他の部隊があわただしくインドシナ周辺に出動いたしております。難民救済ということを口実に、アメリカ軍はベトナムの周辺で臨戦態勢をとっておるのであります。いつでもベトナムへの軍事介入ができる状態にあります。というよりも、むしろ難民救済を口実に、すでにサイゴン軍の撤収作戦に参加しておると言ってよろしいと思うのであります。また、元ベトナム派遣軍司令官で前陸軍参謀総長であったウェストモーランド氏がフォード大統領に、B52による爆撃の再開とハイフォンの機雷による封鎖、これを進言した。まだ採用はされておりませんけれども、そういう事実もあります。アメリカ軍のインドシナ、ベトナムへの再介入があり得ないなどと言える情勢ではないと思うのでありますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 大勢としては、先般総理が述べられました見通しに誤りはなかったというふうに考えております。わが国はパリ協定の当事者ではございませんけれども、米国によるパリ協定の違反があったというふうにも考える理由は別段ございませんし、また仮にそのような米海軍の展開があったといたしましても、それはやはり万一の場合の難民の救済であるとか撤収とかいうことに視点が向けられておるように思われます。いずれの場合におきましても、わが国を基地として直接の戦闘行動が米国によって行われているというようなことはないと考えておりますし、また実際そのような米軍の介入がないということが、現在のような事態に至っておる一つの原因であろうというふうに思います。

星野力日本共産党

○星野力君 現実は希望的観測どおりには発展しないのであります。現に完全武装した海空の部隊がインドシナ周辺にびっしり布陣しておる。いつどういう事態に突入しないともこれは限らないわけであります。アメリカのベトナムへの再介入という事態になったならば、日本の国土がその作戦基地になることは必至であります。日本の平和と安全にとってもこれはゆゆしい問題であります。そのような事態にならないように、この国会の本会議の冒頭に私が申しましたように、アメリカ政府に申し入れをする必要のある事態だ、時期だ、こう思いますが、重ねて総理の御見解をお聞きします。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのような事態に現実にはなっていないというふうに私どもは判断いたしておりますが、万一全く仮想の問題としてそういうことが起こるということになりましたら、わが国の基地が現実に直接の戦闘行動に使われるとすれば、これは事前協議の対象になるわけでございますが、万万一そのような事態が起こるという仮定のもとに申せば、それがわが国の平和、極東の平和と安全に直接にどのように寄与するか否かという具体的な態様によって、そのときに政府の態度を決定すべきであると思いますが、現実の事態はそのように動いておるとは思いません。

星野力日本共産党

○星野力君 沖繩の嘉手納に第三百七十六戦略航空団というアメリカの部隊がおりますが、これはどういう機種を持って、どういう任務に当たっておる部隊であるか、御説明願いたいと思います。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) 沖繩にあります第三百七十六戦略航空団、これはグアムにございます第三航空師団の隷下に入っております部隊でございます。任務は空中給油で、そのために給油機のKC135という飛行機を二個スコードロン持っております。それからもう一つは戦略偵察でございまして、第八十二戦略偵察飛行隊というのがその隷下にございまして、飛行機は偵察機のEC135、これはELINT情報収集機でございますが、それとRC135、これは偵察機でございます。これが一つのスコードロンございます。

星野力日本共産党

○星野力君 グアムからのB52のベトナム爆撃には、この三百七十六戦略航空団が空中給油をやって協同いたしております。それからウタパオなどタイの基地からのインドシナ爆撃にもこの三百七十六戦略航空団が協同した。そのことは公開の文書にも書かれておる。ここに三百七十六航空団の司令官カバノーフ大佐が嘉手納の千九百六十二通信部隊航空交通管制部、ここに送ったところの感謝状がございます。これには三百七十六戦略航空団は一九七二年十二月十八日から二十九日まで行われたハノイ、ハイフォンに対する爆撃に非常に協力してくれたということを感謝したものでありますが、これは非常に重大なことであると思います。ここにこのアークライトミッションに協力してくれたということが書いてあるのでありますが、アークライトミッションというのはインドシナにおけるB52の爆撃作戦のニックネーム、これは御存じでございますね。ニクソンとキッシンジャーがパリ協定調印を引き延ばしてやったあのB52のハノイ、ハイフォンに対する大爆撃、それにこの三百七十六戦略航空団が参加していたのであります、沖繩の嘉手納から。現在もこのKC135はしょっちゅうタイへ飛んでおりますが、インドシナにおけるB52の爆撃にはこうしたKC135の協同、三百七十六戦略航空団の協同というものが不可欠であるということはお認めになりますか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) アークライト作戦なるものにつきましては、われわれもつまびらかにしておりませんが、ペンタゴンペーパーという公刊された文書の中にその点が言及されておることは事実でございます。ただ、それの記述によりますと、アークライト作戦と申しますのは、B52とKC135による北ベトナムの重要目標に対する高高度、非常に高い高度の全天候爆撃作戦計画を意味しているようでございますが、このペンタゴンペーパーによりましても、その計画は実際は実施されなかったというふうにわれわれは承知しております。

星野力日本共産党

○星野力君 それはおかしいので、ペンタゴンペーパーに書かれておるその部分は、一九六五年段階のものだ。そのときは、計画をやったけれどもすぐには実行に移されなかったということで、その後もアークライトミッションという名前でB52の爆撃はすべてインドシナに対しては呼ばれておるわけです。いまの感謝状というのを読んでみましょうか。「第三七六戦略航空団戦隊は、一九七二年十二月十八日から二十九日まで、かつてない規模と重要性をもった大規模なARCライト・ミッションを遂行した」と、ここに三百七十六部隊が参加しておるわけですね。どうしても参加せざるを得ない必要な部隊だ。これをお認めになるかどうかということなんだ。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) そのアークライト作戦計画なるものがその後も存在しておったか、あるいは現在まで存在しておるかということについては、われわれとしてはつまびらかにいたしておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 それじゃ、さらにはっきり申し上げましょう。アメリカ戦略空軍のアークライト・ファミリアリゼーション・プログラムというのを御存じと思います。このアークライト、いま申しましたようにB52によるインドシナ爆撃作戦のことでありますが、このアークライト作戦になれさせる計画とでも訳すのでしょうか、その中にアークライト・ヤングタイガーという航空計画があるが、御説明願いたいと思います。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) 米戦略空軍のヤングタイガー訓練飛行計画というものがあるということはわれわれも聞いておりますが、その内容につきましては詳しく承知しておりません。ただ、われわれの承知しておる限りでは、ヤングタイガー訓練計画というのは、KC135による南東アジア、西太平洋の地勢、各飛行場等に対する慣熟訓練である、つまり乗員をなれさせ、また熟達させるための訓練であるというふうには聞いております。ただ、この訓練計画がアークライト作戦計画と直接に関係があるとは聞いておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 外務省、政府の方にもお渡ししてありますが、こういう参考文献があるんです。これは米戦略空軍司令部の文書でありますが、昨年九月十四日「平時の航空作戦」という題の文書であります。ここに詳しく書いてあるじゃありませんか。  カリフォルニアのマーチ空軍基地を出発して、グアムのアンダーソン基地を経て、五日目に嘉手納に着いて、三百七十六戦略航空団に参加して、翌日ウタパオに着いて、三日間ここにおってB52やKC135に乗って訓練をやり、八日目にグアムに帰って、九日目にカリフォルニアに帰着すると。これは単に兵員を訓練するとかということじゃなしに、一般的なB52要員の訓練などというものじゃないのです。インドシナ爆撃にB52戦略爆撃機とKC135空中給油機の各部隊の幹部将校をなれさせるためのプログラム、はっきりそう書いてある。これには戦略空軍の各師団と各航空団の司令官、作戦部長、作戦参謀、補給部長と補給参謀、そういう上級幹部だけです。その中で過去に一度も東南アジアの作戦に加わったことのない者を優先的に参加させる、こうなっておる。そうじゃございませんか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) 先ほどから申し上げておりますように、このヤングタイガーという訓練は、そういう戦略空軍に属する乗員の慣熟訓練でございまして、それ以上のものではないわけでごごいます。あくまで訓練計画でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 インドシナの情勢がこういうふうに発展してきておりますが、その中でB52によるインドシナ爆撃の訓練、まあ訓練ですね、これが猛烈に行われておる。昨年の九月段階、このときには月一回だったんです。毎月第三土曜日にカリフォルニアの基地を出発するということだったのでありますが、最近になると月に数回これがやられておる、こういう状況であります。那覇の航空交通管制部、ここではヤングタイガーに対して、高度指定というのですか、アルチチュード・レザベーション、これをやっておられるはずでありますが、どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 沖繩におきますヤングタイガーその他の行動については、当局ではその詳細を何ら承知しておりません。アークライトミッションにつきましても同様、当方は何ら承知をいたしておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 おかしいですね。これはヤングタイガーに対して高度指定をやっておられないんですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 御指摘の問題は、協定書にも何にもございませんので、事実何も承知しておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 那覇の管制部が出しておるあれがありますね、高度指定のやつ。あの中にこのヤングタイガーに相応するところの欄というのはありませんか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 沖繩におきます管制は、米軍からフライトプランをもらって、それを見て航空の安全と円滑を図るためにやっておりますので、いまお話しのようなタイガー何とかかんとかというような、そういうことは全然それにはありません。

星野力日本共産党

○星野力君 SR71に対してはどうですか。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) SR71は、これは非常に超高速でありますし、超高度でもございます。また、上昇度の非常に強い特別な性能を持っておる機種でございますので、これはほかの機種と違って、航空管制の場合に特別のルールをつくって、そのルールの中に押し込みませんと航空の安全と円滑が図れないわけでございますので、これだけはそういった別のルールの中で処理いたしておりますので、これはそういうふうになっておるわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 SR71が速いとか上昇率がどうとか言われますが、KC135に対してもやっておるのでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 他の米軍機につきましては、みな同じように処理をいたしておりますが、ただ、SR71だけはそういう特別の性能を持っておるので、特別の扱いをしなければ航空上の安全が図られないということでやっておるだけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 この三百七十六戦略航空団、いま問題にしております、これとも特別の協定を結んでおるわけじゃないですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 技術的な詳細なことですから、政府委員からお答えいたします。

松本操運輸省航空局管制保安部長

○説明員(松本操君) お答えいたします。  SR71につきましては、先ほど大臣の御答弁申し上げたとおり特殊の飛行機でございますので、管制技術上特殊な取り扱いをしておるわけでございます。  タンカーにつきましては、SR71が空中給油をいたします場合、空中給油をする母体になるのが当該タンカーでございますので、当該タンカーとSR71が一緒に行動するという要求がフライトプラン上出てまいりますれば、そのような措置をとっておるわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 このYTということを本当にご存じないですか、政府委員の方でよろしゅうございますが。

松本操運輸省航空局管制保安部長

○説明員(松本操君) 米軍はいろいろと何かニックネームのようなものを使いますので、あるいはそのようなものがあるかもしれませんけれども、私自身十分には詳細承知をいたしておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 これはよく調べていただきたいと思うのです。あそこの管制部が米軍との間に使用しておるところの用紙、印刷したもの、そこへちゃんとYTとあります。これはヤングタイガーの略号と書いてある。このヤングタイガーのプログラムに管制部は協力しておるわけですね。優先的に空域を確保してやっておる。これは認めていいのじゃないですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 御指摘の点は見ますけれども、別に沖繩の航空管制の場合に優先的に取り扱いをするということはないわけでございまして、ただ、空の交通安全とその円滑を図るためにいろいろと配慮しながら操作はいたしておりますが、優先ということはいかなる場合でもやっていないわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 いまのSR71あるいはKC135、これに対するいろいろの取り決め、これは第九戦略偵察航空団、第三百七十六戦略航空団、第十八戦術戦闘航空団及び那覇航空交通管制部の間の協定書、これは日本語で言いましたが、英文の、これに基づいておるわけですね。

松本操運輸省航空局管制保安部長

○説明員(松本操君) ただいま先生が日本語でおっしゃいましたのが、そのものであるかどうか、私はよくわかりませんが、SR71につきましては、前にも衆議院のときに御指摘がございましたように、また、ただいま大臣がお答え申し上げましたように、特殊な飛行機でございますので、その特殊な扱いが他の航空交通を阻害することのないよう一定の枠にこれを入れるという管制技術上の問題から、約束事を米側との間に持っておることは事実でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 これはおかしいんですよ、この問題は部分的には衆議院で何回か質疑がされた問題です。あなた方はそういう協定があることを認めないのですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) SR71関係の協定があることを否定しておるわけではございません、あります、それは。

星野力日本共産党

○星野力君 KC135も。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) それはちょっと政府委員の方から……。

星野力日本共産党

○星野力君 だって、これはあなたの方でつくっているものじゃないですか。

松本操運輸省航空局管制保安部長

○説明員(松本操君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、SR71に関する協定書は事実問題としてあるわけでございます。その中に、SR71を動かすための諸般の技術上の問題が書いてあるわけでございますから、先ほども私自身お答え申し上げましたように、給油をいたします場合の手だてというものも当然用意をしておかなければなりません。したがいまして、KC135というふうなものを特にメンションしてどうこうということではございませんが、SR71の給油という問題についての約束事、これはその中にあるわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 そんなことを言っちゃだめだ。ここにちゃんと書いてあるじゃないですか、KC135の場合はどうするかと。SR71の給油じゃない。それじゃ、第十八戦術戦闘航空団というのはこれはF4じゃないですか、これが給油をやるのですか、SR71に。そんなでたらめを言ったってだめだ。

松本操運輸省航空局管制保安部長

○説明員(松本操君) 先生御承知のように、米軍機は空中給油をときどき行います。したがいまして、空中給油ということについての一つの取り決めが要るわけでございます。また、SR71について給油を行っております飛行機は、おそらく先生おっしゃいますようにKC135であろうかと思います。したがいまして、SR71がKC135との間に空中給油を行う、これについてももちろん管制技術上の取り決めが必要でございます。これらの問題が、ただいま申し上げておりますように管制技術上の取り決めとして米側との間にできておる、こういういきさつでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 それでは第十八戦術戦闘航空団もこの協定の相手方、三つの部隊の一つになりますが、ここはF4、RF4、これとの関係を説明してください。

松本操運輸省航空局管制保安部長

○説明員(松本操君) 私どもといたしましては、ただいま先生の御質問のような内容については、逐一つまびらかにしておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 ここにちゃんとやっておるじゃないですか、日本政府が協定を。これは本物を持ってきたっていいんだ、これは写しだけれども。そんな答弁じゃ、これは質問にも何にもならぬ、最後のところへ来て。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) 衆議院の審議の段階で、現地の取り決めがあるではないかというお話がございまして、その協定書の御提示も得たわけでございますが、その内容についてはわれわれはアメリカ側との約束もございますので確答いたしかねますけれども、その内容として第十八戦術戦闘航空団のことが書かれておるということは事実でございます。その第十八戦術戦闘航空団の中にF4、RF4等も書かれております。

星野力日本共産党

○星野力君 この取り決め、協定というものは平戦時を通じて有効であろうと思いますが、外務省の見解はいかがですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) これは現地の取り決めでございまして、外務省は実は面接タッチしておらないわけでございますが、そういう技術的な取り決めでございますから、あらゆる場合に適用されるであろうと推定いたします。

星野力日本共産党

○星野力君 いかにも現地取り決めで、中央政府は関知しないかのような話でありますが、これは日本政府を代表して現地の那覇航空交通管制部が取り決めた協定だ。やっぱり国際的効力を持ったところの取り決めじゃないですか。そんなおかしなことを言っても困ると思う。いまこれが平戦時を通じて有効であるということになると、非常に問題は重大だと思うのです。沖繩の空の管制が那覇航空交通管制部に移ったのは昨年五月十五日。一九七二年十二月の、先ほども申しましたB52のあの惨烈な北爆では、さきに挙げましたところの米軍の一千九百六十二通信部隊航空交通管制部が管制に当たった。KC135と協同して作業をやった。そして感謝状をもらっておる。その作業を、今度もしB52のインドシナ爆撃が行われるならば、KC135がそれに呼応して嘉手納から出て行くならば——これは必ず出て行かなきゃならぬ。この日本政府の機関である那覇航空交通管制部がその作業をやらなけりゃならぬ。これはB52のインドシナ爆撃に日本政府が直接協力すること、アメリカの戦争にそのまま巻き込まれていくことを意味すると思うが、どうでありますか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) このKC135というのは、要するに空中給油を任務とするものでございまして、別にB52だけ用に給油をするものではございません。現にこのSR71の場合にも給油するわけでございます。さらに、B52が飛び立ってそういう東南アジア方面の爆撃をするということは仮定の問題でございまして、われわれとしてはその点については御答弁する立場にはないと存じます。

星野力日本共産党

○星野力君 仮定の問題だと言ったって、戦争は起きるか起きないかは、これは今後の問題だ、仮定の問題に違いない。そのときに、すぐこれが自動的に日本の政府機関が協同しなければならぬということを私は心配して言っておるんだ。それをどう思うかと言うんです。これは判断は大臣がされることであろうと思う。あるいは総理がされることであろうと思う。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) われわれとしては、空中給油ということ自体が直ちにそういう戦闘作戦行動とは考えておらない次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委員長、関連。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 岩間君。簡単に願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 沖繩国会の場合に、沖繩から直接出撃する戦闘爆撃機に対して空中給油をすることは、これは事前協議の対象になると当時の愛知外務大臣ははっきり答えているはずです。そういう点から言えば、非常にいまの問題は等閑視できない問題だ。しかもまたベトナムに対する爆撃の危機がないとは言えない現情勢から考えて、この問題は政府の従来の答弁というものから全くこれは後退した答弁になっていると思うんです。この点明確にしてください。政府の一貫した態度が三木内閣によって後退していいんですか。どうなんです。はっきり答えてください。私の質問に答えてください。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 空中給油そのものは直接の戦闘行動ではございません。

星野力日本共産党

○星野力君 政府はB52の日本駐留を認めない方針と思うが、いかがですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) 先ほどから申し上げておりますように、単なる空中給油というものは事前協議の対象とは考えておらない次第でございます。岩間委員からお話のありました愛知大臣答弁、これは昭和四十四年三月十三日、参議院予算委員会における答弁を指しておられるかと思いますが、それはすでに戦闘作戦行動を、作戦任務を付与されて他国の基地を発進した飛行機が、わが国の施設・区域を使用して給油を受ける場合には事前協議の対象となるということを述べられたわけでありまして、われわれが申し上げております単なる空中給油は事前協議の対象とならないというところとは、何ら矛盾いたしておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 いや、いまの質問、B52の駐留の問題、私の質問はそれなんです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) 大事な問題でございますので、もう一度ちょっと正確に御質問の趣旨を承りたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 政府はB52の日本駐留を認めない方針と思うが、そのとおりかということです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) B52は現在日本には駐留いたしておりません。ただ従来、台風避難等のために一時日本に来ることはございます。

星野力日本共産党

○星野力君 B52の日本常駐を認めないということだろうと思うんですが、それは大臣がはっきり述べてください。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 安保条約上は別に認めても差し支えないことであります。しかし、従来わが国に常駐しておったということはございませんで、台風等の避難のために来たということは、これはございます。

星野力日本共産党

○星野力君 常駐を認めるということもあり得るということですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 認めましても別段安保条約上差し支えはないと思います。しかし、認めたことはございません。

星野力日本共産党

○星野力君 今後の情勢の中で認めることもあり得るか、今後も認めないか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、そのようなものを認めることがわが国の安全、平和というものに直接に影響がある、貢献をすることがあるかどうかという具体的な態様によって、その事態で決すべきものと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 日本国民は、戦略爆撃専門のB52の日本への駐留というものを拒否しております。そのB52のための協同機であるところのKC135、この駐留も当然認めるべきではないと思う。国際協定、国際法侵犯専門のSR71、これは福田副総理、かつてそんなものの存在は絶対に許さぬと、こう大みえを切られたのでありますが、ちゃんとおる。ああいうものの存在とともに、KC135もこれは存在を許すべきものじゃないと思う。  同じ意味で、このヤングタイガーの航空訓練、航空計画、これにも協力すべきではないと思うが、どうですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのKC135でございましたか、これは給油機でございますから、いろいろなものに給油をするわけであって、給油機をわが国に常駐することを認めることは一向に差し支えないと思います。  それから、先ほどのヤングタイガーと言われましたのは、先ほどちょうだいいたしました書類の表にも書いてございますとおり、これはKC135の訓練であるということでございます。一向に差し支えないことと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 私うっかり忘れるところでしたが、運輸大臣、ヤングタイガーのために高度指定をやっておると、この事実を認めますか認めませんか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 沖繩におきます運輸省のやっております航空管制は、これはたびたび繰り返して申し上げますが、沖繩上空、つまりFIRの範囲内における航空の安全と円滑を図るための航空管制でございますので、現在日米安保条約でアメリカも駐留をいたしておりますし、飛行機もあるわけでございますが、それらも含めまして航空管制をやっておるわけでございます。したがって、向こうからフライトプランをもらいますというと、それが航空の、日本の民間航空機も含めて安全に円滑に行けるように、その中に繰り入れて管制をいたすということをやっておりますので、それ以上のことは運輸省の立場としては容喙する必要もありませんし、また容喙することもできません。したがって、それ以上の問題については、これはやっぱり外務省等にお尋ねいただかなければ、運輸省の方からお答えすることはできない問題でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 ヤングタイガーというのが、とにかく嘉手納を一つの基地として飛行をやっておるわけですが、それに運輸省の出先機関がちゃんと用意しておるところの文書にヤングタイガーと書いてあるんだ。その事実、あなたは認めないかと言うんです。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) いま専門の政府委員に聞きますというと、何かそういうものはあるらしいけれどもわからないというのが運輸省の認識でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 それじゃ、これはまた今後論議する機会があると思いますから、調べていただきたいと思う。はっきり今度は答えてもらいたいと思います。  タイは、さきのセニ内閣もいまのククリット内閣も、在留米軍全部隊の一年間以内の撤退ということを要求しております。タイから米空軍が退去をしたとなると、ここには御承知のようにB52が主体となっておりますが、B52の戦略爆撃にとって嘉手納基地の役割り、そこにいる三百七十六戦略航空団の役割りというのはますます重大になってくる。先ほどの宮澤外務大臣の御答弁ですと、これはそういう事態になったらB52の沖繩常駐、日本駐留を認めるのではないかと私ますます心配になってきておるんですが、嘉手納がB52自体の前進基地にされるような事態もこれは考えられてきておる。そういうことを許さないためにも、いまのうちに三百七十六戦略航空団などというものの撤退を強く要求すべきであると思いますが、重ねてひとつお考えを聞きたい。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) タイのウタパオあるいはウドンの基地からそういうものがいつ撤退されるのか、定かではございませんし、そうなった場合に、B52の性能から考えまして、それが嘉手納を使わなければならないというふうには私ども思っておりませんけれども、しかし、全く仮定の問題としてそういうことになりますときには、それは政府としての考えをそのときに決めたいと思っています。私は安保条約上は一向にそうなりましても差し支えないことと考えますけれども、いままで認めたことはないわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 外務大臣はきのう韓国の金東作外相と会談をされた。ずいぶん長時間にわたって会談をされておる。いろいろその内容について報道、取りざたもされておりますが、それについて御説明を願いたい。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日、韓国の外務部長官と会談をいたしましたが、本委員会が終了いたしましてからの時間でございましたために、ごく非公式なものになりました。かなり長いこと両方で国際情勢あるいは両国間の関係について、どう申しますか、いわば腹を打ち割って話をした、情報も交換したということで、特にどの問題について何々の協議をしたとか、あるいは交渉をしたとかいう性格のものではございませんでした。

星野力日本共産党

○星野力君 その腹を打ち割った内容ですね。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、申し上げられることも申し上げられないこともございますけれども、いまの日韓関係というのが必ずしも一満足すべき状態にないわけでございますので、それをどのように改善したらいいかといったような問題、あるいは現在東南アジアに展開しておりますような、ことにインドシナ半島における流動的な情勢、それからまた今年九月の国連総会で予想されますところの朝鮮半島の問題、そういったようなことが主な話題でございました。

星野力日本共産党

○星野力君 総理、一月の本会議で、私が金大中問題を主権侵害と人権侵害と二つの面から質問しましたのに対して、総理は「金大中氏の人権問題を中心とした問題については政府は関心を持ち続けて」云々、こうお答えになりまして、主権侵害問題については全然触れられなかった。この方はもう解決済みというお考えでございますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 主権侵害ということになってくると、公権力の介入があったかどうかという問題であります。この問題については明白な結論を得ていないことは御承知のとおりでございます。したがって、私は、その前に人権問題というものは重大な関心があるということを申したわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 主権侵害の疑いはきわめて濃厚でありますし、主権侵害されなかったということを証明するものは何一つないわけなんで、したがって、この主権侵害問題というのは解決されておらないと思うんですが、これはどうなさるおつもりか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この点につきましては、一連の経緯についてのわが国の捜査当局の調べましたところと韓国の捜査当局が一応出しました結論とが十分に合致をいたしておりませんので、さらに韓国側において調査を続けられるようにということをわが国の政府として再三実は申し入れております。最近もそういうことを申しておるようなわけでございます。そのいかんに関係のある問題であろうと思いますが、その両者の調査が符合をいたしませんので、先ほど総理大臣が申されましたとおり、これを断定するわけにいかない、断定すべき十分な事実関係をわれわれは知り得ないというのが現状と思います。

星野力日本共産党

○星野力君 その問題は、昨日の日韓外相会談の題目にもなりましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたように、日韓関係が必ずしも満足すべき状態でない、これを改善するにはどうしたらよかろうかという話をしたと申し上げましたので、そこから御推察をいただきたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 金東雲という当時の一等書記官、あれが事件に関係していたことは日本側の捜査によって明白。その明白な事実をさえ韓国側は否定しておる。そんなままでこの重大事件がうやむやにされては、これはもちろんいけないと思うのでありますが、もう三年になるんですよ。どうですか、時間的にこの問題、どうなさいますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もともと韓国におきましては、新しい事実関係がわかってくればさらに調査を続けるということは言っておられるわけでございますから、この点は、韓国の捜査当局の判断に任せるということになろうと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 この国家間の重大な問題を、韓国の捜査当局に任せるなどというのんきなことでいいんですか。これでは彼らの態度からして永久に解決されないではないですか。大体、日本の警察はその後も捜査を続けられて、もう相当究明されておるんじゃないか。事件の経過というのはもうおおよそ私は明らかになっておるというふうに聞いておるのでありますが、どうなんですか、捜査当局からひとつ報告していただきたいと思う。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 捜査は引き続き継続してやっております。ただその内容、成果等についてここで申し上げるような格別のものはございません。

星野力日本共産党

○星野力君 あなた方、隠しておられると思うんですね。あるいは抑えられておると思うんです。船の名前なんか、わかっておるそうじゃございませんか。私もこの金砲丸とかという名前を聞いたことがありますが、もう少し言えないですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 龍金号その他の船の名前も捜査過程では出てまいりましたけれども、いま捜査として継続中でありますので、この段階でこういうふうに申し上げられるといったようなものは、ただいまのところまだございません。

星野力日本共産党

○星野力君 私がいま挙げた船の名前、これは的確ですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 龍金号云々ということは途中で出てまいりましたけれども、それが犯罪に関係ありというところまではいっておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 後宮前駐韓大使は、二月二十八日に総理を訪ねて韓国情勢を報告しました後で記者会見をやった。そこで、金大中事件はすでに空洞化した、わが国の捜査陣は金東雲一等書記官の件でまだ強気だが、韓国側も文世光の背後関係究明を日本に要求しておる、両国は見合った関係にある云々ということを諮っております。これ、外務省の考え方でしょうか。金大中事件と文世光事件、私はこれは次元の異なる問題だと思うんです。文世光事件というのは、日本に在住しておったとは言え、韓国人が韓国で行った行為であります。日本の警察がピストルを盗まれたというのは、どうもこれはかっこうのいい話ではございませんけれども、盗んだのは韓国籍の人間、韓国人。日本の警察、日本の政府はその点では被害者だと思うんです。後宮氏は現に外務省の高官である。外務省高官のこういう発言というのはまことに不見識だと思うが、どうですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国におきましては、当然のことでありますが、容疑がありました場合にはどういう場合でも法に基づいて捜査が厳格に行われるということでありまして、一つの事件と別の事件とがいわゆる相殺関係になるというようなことは、わが国の法のたてまえからなじまないものであります。政府はそのようなことを考えておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 後宮発言は外務省の見解とは違うということですね。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのような発言があったといたしますと、それは政府の見解ではございません。   〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕

星野力日本共産党

○星野力君 朴政権は、三月二十五日に公布した刑法改正で新たに国家冒瀆罪というのを設けて、政府批判を国の内外を問わず刑法の対象にしました。そういうことをやりながら、韓国政府は日本政府に司法共助協定の締結を申し入れてきた。そんな協定が結ばれますと、結ばれたとしたなら、これは金大中事件のようなことは合法的にやられることになる。この司法共助協定に対する総理あるいは外務大臣の御見解を聞きたいです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 法務当局ともよく御相談をいたすべきことでございますけれども、司法共助協定のようなものは、たとえば民事につきまして考えることは、これはあるいはお互いの国のために便宜になろうかと思いますけれども、刑事事件、刑事について考えますことは、お互いの刑事法規の内容、たてまえがかなり違っておるように存じますので、先方からのお話があればよく検討はいたしますけれども、そのような理由からなかなか容易なことではないというふうに私としては判断をいたしております。

星野力日本共産党

○星野力君 容易なことではないって、何が容易なことじゃないんです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 刑事に関しましてそのような共助協定をやるということになりますと、法制のたてまえなり何なりがかなり類似しておりませんと実際上むずかしいのではないだろうかと、こういう意味でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 金大中事件というものを考えてみますと、当時われわれも申し上げたんですが、いわゆるKCIA、韓国中央情報部の日本での活動を野放しにしてきたということに大きな原因があると思うのであります。金東雲もKCIAの幹部であったわけでありますから、外交官の仮面と特権のもとでのKCIAの日本国内での活動というものに対して、彼らは現在もやっておる。今後とも断固たる態度をとるべきだと思うが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 何国によるとを問わず、わが国の国内においてよその国の公権力が動くということは、これは当然わが国として認めることができません。

星野力日本共産党

○星野力君 ここで、日本にある外国の大使館の数、それから、これは国別にベストファイブぐらいでいいんですが、それら大使館に在職しておる外交官、外交特権を持った外交官の数を挙げていただきたいと思います。

野村忠策外務大臣官房儀典官

○説明員(野村忠策君) お答え申し上げます。  現在東京にございます外国の大使館の数は九十八でございます。ただし、そのうちの四つは、大使館の建物が東京にございませんで、第三国にある大使がわが国を兼轄している。したがって実際は九十四あるわけでございます。  なお、東京にあります外国の大使館の館員の数でございまするが、多い順に申し上げますと、アメリカ、韓国、イギリス、中国、オーストラリア、ソ連の順でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 人数、実数。

野村忠策外務大臣官房儀典官

○説明員(野村忠策君) 人数は、アメリカが二百四十名、それから韓国が百三十五名、イギリスが八十一名、中国が八十名、オーストラリア六十二名、ソ連六十一名でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 これは外交特権を持った人とそうでない職員との合計と思いますが、もう私の方から申しますが、外交官としてはアメリカが百人、韓国が七十人、三番目がソ連四十五人、以下それより少ない、こうなっておるようであります。アメリカと韓国が圧倒的に多い理由はどういうふうにお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 日米関係が、わが国にとりましてもアメリカにとりましても非常に大事なものでありますことは、これは申し上げるまでもございませんから、アメリカ大使館が相当の人数を擁しておるということは説明がつくと思います。韓国の場合には、わが国にとりましても韓国は大切な国でありますけれども、韓国にとりましてわが国はやはり非常に大きないろいろな意味での影響力を持っておる国でございます。したがいまして、ここに韓国が世界でも有数の大きな大使館を置くということは、これも私は当然なことであろうと思っております。   〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕

星野力日本共産党

○星野力君 政府委員に参考までにお聞きしますが、駐韓日本大使館におる日本外交官の数は幾らですか。

高島益郎外務省アジア局長

○政府委員(高島益郎君) 駐韓日本大使館の総員、二十九名でございます。内訳を申しますか。

星野力日本共産党

○星野力君 外交官は。

高島益郎外務省アジア局長

○政府委員(高島益郎君) 内訳は、定員といたしましては大使一名、参事官五名、一等書記官九名、二等書記官七名、三等書記官二名、領事一名、一等理事官、二等理事官、二等電信官、三等電信官各一名、総計二十九名でございますが、現在の実際の員数はこのとおりでございませんで、二十七名でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 要するに、韓国は百三十五人よこしておる、日本からは二十九人、実数二十七人行っておる、こういうような状況です。これはどうもちょっとおかしい。アメリカにしても韓国にしても情報関係の外交官が多いのじゃありませんか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御案内のとおり、もともとわが国の外務省の定員というのが非常に少のうございまして、たしか現在インドネシアなどよりもわが国が少ないのでございまして、それで増員をお願いを国会にも申し上げておるようなわけでございますけれども、全体として非常に少ないということを基本にお考えをいただきたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 日本が少ないということを言われますけれども、韓国が異常に多いということがむしろより真実であろうと思うのであります。  ところで、アメリカのCIA、中央情報局、これはアメリカの国家機関と思いますが、どういう任務を持った機関でしょうか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) アメリカCIA、中央情報機関でございますが、これは一九四七年の国家安全保障法によりまして設置されました国家安全保障会議——NSCと普通称しておりますが——のもとに設立されました国家の安全保持のための情報収集機関であると聞いております。そして、その長官及び副長官は米国大統領が上院の助言と同意を得て任命されるというふうに米国の公刊文書に書かれております。

星野力日本共産党

○星野力君 情報活動をやっておられると、こう言われましたが、情報活動という意味はいま非常に広くなってきておる。いわゆる情報活動だけではない仕事をCIAがやっておるということは、これは世界周知のことであります。CIAの陰険な暗躍というものは、外国ではもちろん、現にアメリカ国内でも激しい非難を巻き起こしております。チリのクーデター、カストロ暗殺計画、あるいはカンボジアのクーデターでもそうでありますが、諸外国のクーデターや政治的な暗殺、政府転覆陰謀、そういうものの行われている背後には常にこのCIAの黒い手が動いておると、こう言われておる。最近のサウジアラビアのファイサル国王の暗殺についても、CIAの謀略説が取りざたされておることは御存じだろうと思います。まことに恐るべきしろものであります。最近イギリスの下院で、アメリカ大使館員十名をCIA要員として国外退去を求めた動議が出されましたが、その理由などについて入手し得た情報を説明していただきたいのであります。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) 三月十九日の英国の下院におきまして、三十四名の労働党議員から、いわゆるCIA関係者の追放ということの動議が提出されたということは承知しておりますが、その動議が具体的にどういうふうに取り扱われたかということは承知しておりません。ただ、その動議の内容として、これは新聞等で伝えられる限りでございますが、それは英国政府に対して、米国政府に十名の在英米国大使館員がCIAの業務に関係していることを示す十分な証拠が存在する旨通報するよう要請する、さらに、米国政府がこれが誤りであることを証明しない限り、この十名は好ましからざる人物と宣言され追放さるべきであるというふうな内容が含まれておるということでございます。ただ、いま申し上げましたように、この動議が英国の下院においてどういうふうに取り扱われたかということは、われわれとしては知っておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 日本でも、このCIAとおぼしき者によるところの陰険な方法による情報収集あるいはスパイ工作、こういうことが行われております。日本がアジアにおける彼らの工作の中心地にされているのではないかとも思われる事実がございます。この恐るべき存在に対して、日本政府としても十分の関心と警戒が必要と思うが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 他国におきまして適法な手段によりまして情報等を収集いたしますことは、これは国際法でも許されているところでございます。もしそれが違法にわたるということになりますれば、これはもとより問題外でございますから、私どもとしては、そのような違法な手段がいかなることにもせよ用いられるということにつきましては、これは許すことができません。

星野力日本共産党

○星野力君 これは私、国会図書館から借りてきた本でありますが、「フーズフー イン・CIA」、一九六八年東ベルリンで出版された本で、百二十カ国三千人のCIA要員のいわば紳士録でございます。かなり有名な本でありますから、関係者は知っておられるはずであります。ところで、これは外務省が出しておられるディプロマティックリスト、現に在日米大使館に在職しておる一等書記官など外交官が約百人おられる、外交特権を持った百人の外交官、そのうちの十人の氏名がこの「フーズフー」の、CIAの紳士録の方にも載っておる。これは古い出版でありますから、実際はもっとたくさんあるいはおられるんじゃないか、外交官以外の職員を含めたらその数はもっと多くなるんじゃないかと、こう思うのでありますが、私実はびっくりしたわけであります。同姓同名ということもあるいはあるかもしれませんが、全部がそうじゃありませんでしょう。これは政府としても考えなきゃならぬことと思うんですが、こういうことを好ましいこととお思いになるかどうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その紳士録というものをよく存じませんが、わが国においてCIAが大使館員の名でおるということは、私どももとより承知をいたしておりません。  それから、大使館員が外交活動の一部として適法な方法によって情報を収集するということは、先ほども申しましたとおり、国際的に認められておることでございますので、その限りにおきまして、私どもとしては別段とやかく申す必要はないと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 CIAというと、国際的な破壊活動の本家本元と見られておるんですが、もうこれは七、八年前の出版でありますけれども、その当時からCIA要員として知られた人物、それが日本にたくさん来ておる。外交官の身分で来ておる。こういう事態というものは、存じません、そういうことは知りませんなんと言って済まされる問題じゃないと思うんです。十分これはひとつ重視して考えていただきたい。現にこの中に、いま私が申しました十人の人の中には、野党の国会議員のところまでやってきて、核拡散防止条約、これの批准に努力せよというふうに働きかけておる人物さえおるんですよ。私はきょう、時間の関係でもうこれ以上具体的な問題に立ち入ることはできないんですが、この問題は今後やります。きょうは問題提起だけにとどめておきますが、十分ひとつ考えていただきたいと思うんです。  国内問題、ちょっと総理にお聞きしますが、総理は施政方針演説で、高度経済成長路線を転換して安定成長と福祉向上の路線に切りかえなければいけないと、こう述べられた。その後もしばしば福祉重視、福祉優先ということを、福祉優先の政治ということを言われてきておるのでありますが、その考えに現在も変わりはないかどうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、政治は本来福祉優先というのが政治の基本だと思うわけでございます。いままで高度経済成長下、いろいろ設備投資を中心として日本経済の量的拡大を図ってきたわけでございますが、本来は政治そのものの基本は福祉優先にある。その政治にこれから返るということは、正常な姿だと思っております。

星野力日本共産党

○星野力君 福祉優先とは一体何か、総理は福祉優先の政治という言葉でどういうことを考えておられるのか、少し具体的にお考えを聞かしておいていただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 福祉というものを私は広く考えたいわけでございます。狭く考えれば、あるいは病気の場合とか失業の場合とか、子供の教育とか、老後とか、人間が共通に持っておる不安の解消ということは狭い意味における福祉になると思う。もっと人間が快適に生活ができるような生活環境、希望を持ってそういう快適な生活ができるような環境をつくり上げるということも大きな意味における福祉であると、こういうふうに考えておるわけであります。

星野力日本共産党

○星野力君 低成長経済のもとで、高度成長時代の税収の中心であったところの法人税、所得税などの税収の急増というものは、これは見込めなくなったと思うのであります。そこで福祉の財源をどうするかという問題が出てきます。どうもその点が明らかにされていない感じがいたします。当面、これまでの高度成長型の財政や税制を根本的に改革する必要があると思うのであります。総理も、施政方針演説の中で「高度成長時代の制度、慣行の見直しが必要であります」と、こう言っておられるのでありますが、この制度、慣行の中にはもちろん財政、税制も含まれると思う。その点どうかということ。また、見直しというのは、これは改革するという意味と思いますが、いかがでございますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、いろいろな審議会などを通じて、すでに財政面あるいは税制面の見直しを委嘱しておるわけでございます。見直しをするということは、必要な改革を行うというためにするのであって、改革を行う必要がなければ見直しをする必要はないわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 国民所得の分配も、経済優先から福祉優先へ当然この重点を移行していかなきゃいけないと思いますが、いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私、最初に言ったように、これはもう各政党ともアプローチの方法は違っても、人間の福祉優先的な政治をするということだと思うんですね。究極において、いろんな活動の究極はやっぱり福祉の増進であるというわけでございますから、いままでは戦後における物質的な非常に困窮の状態から経済の復興をしなけりゃならぬという必要があったわけでありますが、やはり経済も相当な基礎ができたわけでありますから、政治本来の福祉優先ということにこれからは政治の重点を置かなければならぬ、こういうふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 福祉優先に重点を置かなければならぬと、こういう御答弁でございますね。福祉優先と言いますけれど、これまでの自民党内閣も実はわりあいに気楽にこの言葉を口にしてきたわけであります。成長なくして福祉なしなどと言って、福祉の拡大のためには高度成長が不可欠である、一人一人への分配の量を多くするためにはパイを大きく、全体を大きくしなきゃならぬという、いわゆるパイ理論で高度成長を宣伝して推し進めてこられた。ここへ来て高度成長の条件はなくなったのでありますが、どうも福祉問題も論議を聞いておりますと、現内閣も依然として成長なくして福祉なしの、このパイ論理から脱却しておらないとしか考えられないんであります。これでは幾ら福祉優先と口で言われても、国民は絵にかいたもちしか与えられない、こういうことになりはしないかと思うんですが、その辺の思想的な問題ですね、これをひとつはっきりさせていただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いままでの日本の高度経済成長というのは、設備投資を中心にして高度経済成長の大きな原動力になったわけであります。またそういうことでなければ、福祉といってもそれだけの日本経済が余裕を持たなければ、無論福祉を要求するにしてもそれは非常に限られた限度である。これだけのやっぱり経済的な力を持ってきたわけでございますから、今後はいままでおろそかにされた国民の福祉面、その福祉を生活環境まで広めて自分は広く考えたいと言っておるわけですから、そういう方面に向かって今後は政治の重点を置く。無論成長がなしということであっては、これはもう福祉といっても、その前に失業問題など起こるわけですから、成長は必要であるけれども、その成長は無理のない緩やかな成長である、昔のような高度経済成長を支えていく条件はいまはなくなっているので、そういう緩やかな無理のない成長の中において、政治の一つの重点を福祉優先に置いていくという政治に転換をしなければならぬ時期だと私は考えておる次第でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 福田副総理、この間、成長なくして私は福祉はないと思うのですなんというふうに青木委員の質問に答えておられて、私はどうも気になってしようがないんだが、あなたの御意見をひとつお聞きしたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私も成長なくして福祉なしと、こういうふうにかたく考えております。ただ、成長が行き過ぎちゃ困る。やはりこれは資源の問題もあり環境の問題もある、物価を乱してはならぬ、国際収支も堅持しなければならぬ、その程度の適度の成長でなければならぬ、こういうふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 私たち何もゼロ成長でいいとか、成長は低い方がいいと言おうとしておるのではないのであります。高度成長であろうと低成長であろうと、経済優先、大企業優先ではいけないんだと。成長なくして福祉なしとずっと言われてきた、この言葉の背後には経済優先の思想がこもっておるんです。それがいけないと、こう言っておるんです。いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 成長を考えれば、経済の発展のことも考えなけりゃならぬわけです。ただ、いままでの高度成長では、国力の相当大きな部分を経済成長につぎ込んだわけですが、これからはむしろわれわれの生活環境などへ、人間優先というような立場へ国力の多くをつぎ込まなければならぬ、そういう考え方の転換が必要だということを申し上げているわけです。

星野力日本共産党

○星野力君 やっぱりこの辺がもっとはっきりさせなければならぬ問題だと思うのでありますが、じゃ角度を変えて申しますと、三木総理は施政方針演説の中でも言われておるし、そしてきのうは大平大蔵大臣も言われておるが、例の高福祉、高負担ということ、それは福祉を拡大すれば全体の負担というのはこれは金が要るということでありますが、問題はだれが負担するかということであります。皆さんが言っておられるのは受益者負担と、これは言葉でもそういうふうに出ておるわけであります。きのう大平大蔵大臣は、いろいろ増税、公共料金の引き上げ、保険料の引き上げと、こういうふうにも言っておられるが、要するに、三木総理の言われる福祉優先の前には増税、特に大衆課税、各種保険料の引き上げ、公共料金引き上げ、これが待ち構えておるということになるんではないか。これでは一般国民はたまらないんです。社会的公正と言われるこの社会的公正の原則で、国と資本家、労働者を使って利潤を上げておる人々や所得の多い人々、この負担をふやす方向で福祉の問題というものは考えていかなけりゃいけないと、こう思うんですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これから政府もそういう方面に政治の重点を置きかえていく、また、国民の福祉に対する一つの要請というものも次第に強くなることは、これは明らかである。そうなってくると、福祉に対する財政的需要というものはふえることはもう明らかですが、そういう場合に、負担力のある者が負担をするということは必要ですけれども、その根底にやはりお互いに、何と言いますか、社会連帯という思想がないと福祉は行き詰まってくるですね。それは金持ちが皆負担して何もかもやれというふうな福祉社会というものは非常に不健全になる。皆がやっぱり助け合って、そうして応分に福祉のための貢献をしてやっていこうという、その根底に社会連帯という共通の意識というものがなしに、皆金持ちだけが出せと、こういうふうなことだけでは私は健全な福祉社会ができるとは思わない。しかし、負担力のある者が多く負担することは当然ですけれども、その根底にあるものは、力のある者は弱い者のために、若い者は年寄りのために、皆が助け合うという精神がなければ健全な福祉社会はできない。こういうことで、やはり皆が応分に自分のそういう社会をつくるためにいろんな方法で貢献をしようという意識がなければ、幾ら言ったって健全なものじゃないと私は思うわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 総理は三月十四日の本会議で、わが党の議員の質問に答えまして、将来の財政需要に対しての財源として付加価値税についても慎重に検討したい、こう言われた。付加価値税を本当に実行するのかどうか、言葉を濁さずに、もう予算審議の終わりですから、お答えを願いたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 将来の財政需要、また税体系全体の問題、またそのことが与える物価とか国民生活の影響などを考えて、そうして税制というものは、この際にいろいろ検討しなければならぬ時期にきておることは明らかですが、いま付加価値税をやるという考え方のもとに政府は研究をしようとしておるのではない。しかし、研究の一題目であることは事実でしょう。世間にもそういう声は相当にある。しかし、これは重大な影響を与えるわけでございますから、いま申したような前提を置いて付加価値税の問題も研究はいたしますけれども、政府がこれをやろうという決意のもとの研究ではない。したがって、いまそこまで、この問題は政府部内で方向が決められておる段階ではないというのが正血な現在の段階でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 研究はするけれども、急いで実行する考えは全然持っておらないのだと、こういうように理解してよろしいのかどうか。私はこの付加価値税という言葉を聞きますと、反射的に戦後の取引高税を思い出すのであります。二年足らずでこれは廃止された希代の悪税であったわけでありますが、税のかけ方は幾らか違いますけれども、商品の価格に次々織り込まれて、物価の全面的な上昇を通じて消費者の負担に転嫁される、そういう点では共通しております。取引高税は消費者を苦しめただけでなく、末端の零細な商店、中小商店、こういうところを次々倒産に追い込んでいった。総理自身も間接税は負担の公平という点で問題があるというふうにいつか認めておられたのでありますが、社会的不公正を是正させる税制であることを承知の上で、付加価値税を導入されるという考えは持っておられない、こうはっきりわれわれ理解してよろしいかどうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 税制全般を検討してみようということでございますから、いまこの税はもう全然そういうものはやる考えは持ってないとか、持っているとかいうのでなくして、広く税体系全体の中でこういう問題も検討してみようと。しかし、これは付加価値税にしましてもいろいろな影響を与えるわけでありますから、きわめて慎重な態度でこの問題に対処することは、これはもう申すまでもないことでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 税体系全体を再検討すると言いますと、これは五十年、五十一年というふうには間に合わないことではないかと思いますが、この付加価値税を税調にことしじゅうに諮問するというようなことは考えておられないわけですね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういうプランは持っておりません。

星野力日本共産党

○星野力君 福祉の問題を含めてこの財源問題について言いますならば、付加価値税の導入や一般売上税など間接税の増徴で社会的不公正を拡大するのではなしに、むしろ法人税、所得税など直接税の中にある高度成長型の大企業奉仕の減税、免税制度の廃止、是正をこそ考えるべきではないか。そうしたことで得られた財源を国民の福祉のために使うのが、これが本当の福祉経済、福祉優先の政治というものではないかと思いますが、その辺のお考えをひとつお聞かせ願いたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 低成長のもとで福祉を実現してまいるというむずかしい課題でございます。そのためには、何をおきましてもまず歳出の構造に検討を加えなければならぬわけでございまして、既存の制度、慣行に支えられてありまする今日の歳出構造を見直して厳しい選択をもう一度やり直してみる、そしてできるだけ冗費を省き、厳しい選択をまず加えることが第一だと思います。それからいま仰せのように、既存のそれじゃ歳入の税制の構造の中で直接税の中で改善すべきものはないかということも当然のテーマになってくることは仰せのとおりでございまするし、間接税という領域で考えなければならぬものがあるかないか、これも検討の項目になろうかと思います。それからさらに、保険料でございますとか、公共料金政策でございますとか、そういったものも新たな検討の項目になってくることは、だれが考えてみても当然の道行きであろうと考えるのでありまして、いわば今日までのように高度成長になれた感覚で考えるよりは、どの場面におきましても財源の配分におきましてきわめて厳しい選択を強いられるわけでございますので、より真剣な態度で臨んで福祉の実現を図らなければならないわけでございます。いわばエスカレーターで次の階段に上がるのを、歩いて上がるということでございまして、歩いて汗をかいて上がった喜びを、同じ状態におきましてもやはり味わうべき福祉の味わいというものをわれわれはともにエンジョイしたいものだと思っております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 時間超過ですから、簡単に願います。

星野力日本共産党

○星野力君 高福祉高負担、受益者負担というような言葉で示されました三木内閣の福祉向上路線というものは、結局、いま大蔵大臣のお話しのニュアンスからもうかがえるのですが、大衆増税、保険料の引き上げ、公共料金の引き上げという社会的不公正拡大の上に敷かれるところの路線ではないかと思う。こうなると、全く矛盾した路線であります。国民はそういうものを歓迎できない。そういうものでは汗をかかされても喜ぶことなんかできはしませんですよ。国民はそういうものは拒否せざるを得ないということを申し上げて、質問を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして星野力君の質疑は終了いたしました。  午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時二十四分休憩      —————・—————    午後一時十六分開会

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、質疑を行います。向井長年君。

向井長年民社党

○向井長年君 私は、三木総理の政治姿勢につきまして質問をいたしたいと思います。  その前提といたしまして、今回の公労協の春闘をめぐる問題につきまして、関係大臣並びに三公社の総裁にまず質問をいたします。そこで、誤解があってはいけませんので一言申し上げておきますが、私たちは違反者に対して処分を強要しておるのではありません。ただ、現在わが国に悪法もございますけれども、幾ら私たちから考えて悪法であっても現在守らなければならぬという前提に立ってこの質問をいたしたいと思います。  そこでまず第一に、三公社五現業の総裁にお聞きいたします。  こういう例年のごとく春闘がございますが、これに対して毎年の処分はいつごろこれに対する発令をいたしておりますか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) お答えします。  毎年の処分は、春闘をやりまして六月ないし七月ごろから翌年の一月ごろまでにやるということが大体慣例になっております。ただし、これは国有鉄道だけの議論でございます。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 処分の時期は毎年必ずしも一定いたしておりませんが、過去の実績を申し上げますと、昭和四十七年におきましては十月九日、昭和四十八年におきましては十二月二十六日に処分をいたしております。

米澤滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米澤滋君) お答えいたします。  年によりまして違っておりますけれども、大体その年の七月から次の年の一月というのがいままでの例であります。

向井長年民社党

○向井長年君 現業の場合に、担当大臣、どうですか、郵政、農林。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。  大体六月から十二月までの間に行っております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 年によっては違っておりますが、四十七年には九月、四十八年の分は四十九年の一月に実施をいたしております。

向井長年民社党

○向井長年君 藤井総裁にお聞きいたしますが、今回こういう異例の措置をとられた理由は何ですか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 日本国有鉄道は、申し上げるまでもございませんけれども、一たびストをやりますと、お客様に恐ろしい御迷惑がかかるということでございまして、特に今春は御承知の不況下のインフレだというようなことで、彼らが言うようなストを行われると、御利用になる国民が非常な御迷惑をこうむるので、これをできるだけ軽減したいという熱意から彼らの良識に強く訴えたというだけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 各総裁……。

米澤滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米澤滋君) お答えいたします。  本来ならば、私は昨年中にこの処分が行われてしかるべきものだと思います。電電公社といたしましては処分を自主的にやるというのが従来からの例でありまして、たとえば昭和四十年に十五万三千という大処分をいたしたこともございます。それからまた、二年前にはたしか一月にやったという例もあります。ことしは、私は電電公社が最初に処分するというのはどうかと思います。何となれば、国民生活に対する影響等を考えまして、やはりある程度従来のパターンに従ってやった方がいいということでやってまいりました。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 専売公社におきましても、公労法違反の争議に対しましては従来から厳正慎重に処分をいたしてまいっておりまして、今回もその方針に変わりはございません。ただ、定価改定を控えておりまして、定価改定に伴う仮需要に対応するために増製超勤をやらしておりますので、処分がまだなされておらないという状況にあります。

向井長年民社党

○向井長年君 現業、それぞれ大臣……。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 先ほどお答え申しましたように、過去における春闘処分は、闘争の規模あるいは内容等にもよりますが、およそ四月から十二月までの間に実施してまいったのであります。昨年の春闘処分につきましては、その社会的影響等、事の重要性にかんがみまして、諸般の事情を慎重に検討しつつ今日に至っております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 昨年の春闘ストに対する処分につきましては、違法ストには厳正な態度で臨むという基本的な姿勢のもとに鋭意準備を進めておるところでございますが、四十九年の特別昇給に関する労使交渉があったこと、あるいは五十年に入ってからは職業病対策等諸問題について今日まで労使間で鋭意交渉が続けられておると、こういうふうな事情もございまして今日に至っておるわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 法務大臣、法律をこんなおろそかにしていいのですか、公労法十八条。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) この前も木島さんの御質問にあなたは関連質問なすった。あのときに木島さんにお答えしたとおりです。十八条は、解雇しなければならないと書いてあるのですから、そのとおりに当局はやってもらいたいものだなと、それをやらないのに対しては監督官庁が何とかしなけりゃならぬものでないかと、こういうことを申し上げたわけです。

向井長年民社党

○向井長年君 公労法十八条には、解雇しなければならぬと。働く者が解雇ということは一番重大な大きな問題ですね。これを明記してあるような重大な違反をやったのに対して、こういうような形でおくらして、いつやるかわからぬというようなことが正しいあり方かどうか、法務大臣、どうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 法の適用について厳正公正にもっとやってもらわなければ法秩序の維持担当大臣としてははなはだ困るものだと、こういう気持ちです。

向井長年民社党

○向井長年君 国鉄総裁、今度のこの春闘をめぐる三・二七ストは、これは要求目的は何ですか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) お答えします。  これは、私の知る範囲においては、スト権の問題並びに最低賃金法、こういったような問題に絡んでいるように心得ております。

向井長年民社党

○向井長年君 政治ストだと思われますか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) お答えします。  組合活動は、私が申し上げるまでもなく、政治ストとしからざるものとの限界というものは、観念的には政治ストだとかなんとか申しますけれども、そこらの限界は余り私ども法の専門以外の者にははっきりわかりかねます。

向井長年民社党

○向井長年君 労働大臣、どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 制度要求だけでストライキを組めば私は違法ストだと、こう思います。

向井長年民社党

○向井長年君 いや、違法じゃない、政治ストかと言っているのです。法律でしょう。違法でしょう。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 違法ストの場合には

向井長年民社党

○向井長年君 違法は決まっておるから、政治ストかどうかということです。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 政治ストだと思います。

向井長年民社党

○向井長年君 そうですね。  ILOの百二十九次、言うならば結社の自由委員会の答申、これは労働大臣、どうなっていますか。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、ILO結社の自由委員会第百三十九次報告というのが一昨年の秋に出ておりますが、その報告の中で、スケジュールストにつきましてこう申しております。「委員会は、」「交渉が行われるずっと以前から計画的に決定されるストライキは結社の自由の原則を逸脱するものと考える。」と、こういうふうに言っております。

向井長年民社党

○向井長年君 総理、国際的にも許されない、国内法でも違法である、こういう問題がただ政治的に取り扱われるということは、いいことですか悪いことですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、まあこういうふうに考えておるわけですが、いま向井さんの御指摘のように、公共企業体等労働関係法においては、これはストは禁止の条項があるわけです。その法律を誠実に履行するということは政府の責任である。まあ今日までいろいろな事情は説明をすればありますけれども、遅延したことは遺憾だと思っております。しかし、近来、その処分をするとこれに対して抗議のストをする、またこの処分をする、また抗議のストをすると、こういう悪循環が残念ながら繰り返してこられたわけです。ことに経済的に困難なときにストをやるということが国民経済的な立場からいってもどういう悪い影響を与えるかということは、もうこれは言うまでもないことですよ。だからこの際、繰り返しておるわけですから、何とかこの悪循環を断ち切ることはできないかということを私は強く考えておるわけです。そしてILOのいまの報告にも、言うまでもなくこれは異例なストであることは間違いがないわけです。そのためにもやはり延び延びになっておる過去のこういう違法ストに対しては、この問題を早く解決をしておかないと、使用者側にも労働組合側にも絶えず頭の上にこれはのしかかってくるわけですから、せっかく悪循環を断ち切って新しい健全な労使関係を打ち立てる時期だと思いますが、過去の問題が未解決であると、なかなか労使関係の新しい出発、再出発にはならぬですから、三公社五現業に対する監督の立場にある政府としては、できるだけ過去の問題に対してはこれを早く解決をして、それを境にして一つのもっと秩序のある労使関係というものをこの機会に打ち立てたいものだと私は願っておるんです。これはやはり繰り返しですからね。処分すれば必ず抗議ストをする。これまた処分すると抗議ストと繰り返しておるのが近来の歴史でありましょう。だから、その再出発のためには過去の問題はこの際解決しておく、そういうことが絶えず頭にあるわけです。組合側の頭にもある。使用者側の頭にもある。そういう時期に来ておる。だから、自民党ばかりでなしに、各党の協力を得たい。これは悪循環を断ち切る時期にしたい。こういうことをいつまでも繰り返して、そのときは一応解決されたようであっても根本的に何にも解決されないではないか。できるだけこの問題は早く処理さるべきだというのが政府の考えです。  また、政府はいままでおくれはしましたけれども、違法ストに対しては厳正に処分さるべきだという態度は一貫して持ってきたわけでございます。そうでなけりゃ、法律を守った者と破った者との不公正というものはどうにもならないわけですから、労働組合側の一つの要望である労働基本権の問題についても、御承知のように秋には結論を出したいということで関係閣僚のもとにおいていま真剣に検討されておるし、また、労働四団体の共通の要望である全国一律の最低賃金制の問題の是非につても、これは調査研究をしようということで、全国最低賃金制の審議会でいま取り上げて検討しようということになって、組合側のいろんな要望に対して政府もこれを真剣に取り上げて検討をしようというわけでありますから、組合側においても、何でもストに訴えるという手段でなくして、話し合いによって、対話と協調と私がいつも言う精神で解決さるべきである。過去の問題に対する処分については、これは御承知のような公共企業体における法律によって、その処分の日時、内容、これはやっぱり総裁が決めるべきものであることは当然であります。政府の見解は、できるだけ早くこの問題は処理されて新しい再出発を日本の労使関係はしなければいかぬ、こんなことを繰り返しておってはしようがないというのが政府の考え方でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 総理の言われることはわかりますよ。わかりますけれども、いま現在甘やかすから悪循環を重ねるんですよ。今日まで甘やかしてきたことでしょう。厳然たる法律があるでしょう、悪法であろうが。これを今日まで甘やかして、いままた甘やかそうとしておるじゃありませんか、そうでしょう。国鉄総裁、これ、なぜあなたは保留したんですか。留保したのはどういうことなの、理由は。しかも、それは組合方と話し合ったんですか。取引と私はこの間言った。取引されたんでしょう。違いますか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) お答えします。  最後の取引云々の問題は、決して取引はいたしておりません。先ほど申しましたように、組合の良識に強く訴えたというようなことでございまして、さきの公労法の無視というようなことで、これはもう法律がございますので、けじめはつけなくちゃいかぬことは実に当然な話なのでございますけれども、国鉄などというものは、いろんないきさつから、ストの指揮者には処分する対象に相ならぬといったような事情、これはちょっと誤解を招くかもしれませんけれども、国鉄職員でなくても幹部たり得るということに相なっておりますんで、処分をやるといっても実質的な処分がなかなか困難であるということもございますので、そこらは考えざるを得ませんけれども、いずれにしても、法治国である以上、違法なものはけじめをつける、これは当然のことでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 あなた、そういうさっき言ったことと違うことを言っちゃいけませんよ。さっきあなたがここで答弁したのは、国民に大きな影響を与えるのを避けなけりゃならぬ、それだから処分を留保したんだとあなた言ったでしょう。しかし実際は、それをやればストライキやるぞと、これをとめさそうとしてやったんでしょう。条件でしょう、それは。違いますか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 根本のあれは、国民に対する御迷惑を最小限度に食いとめるということがもちろん根本の思想でございますけれども、おまえらがストをやめたら処分はまけてやるとかなんとかという取引は絶対にいたしておりません。私はあくまでもけじめはつけるつもりです。

向井長年民社党

○向井長年君 なぜそうしたら延ばしたんです。なぜ留保したんですか。毎年幾ら国民に迷惑がかかっても皆やっておるじゃありませんか、処分。先ほど言った。ことしはなぜこの年度内にやらなかった。理由は何だ。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 年度内の議論は、これはいろんな議論がございますけれども、昨年の春闘は、御承知と思いますけれども、国鉄だけで二十万人遺憾ながら関係しておりますので、これは事務的に調べましても、やっぱり十月や十一月までかかるということと、御承知のように、昨年は山陽新幹線を博多まで延ばすということになりますと、この配置転換とかダイヤの改正とかいうことで、配置転換も五千人ぐらいは必要である。これの配置転換の教育もやらなくちゃいかぬ。そういうようなことに押されまして、これは処分を忘れておったわけじゃございませんが、遺憾ながら事務的に年度内に間に合わなかったというのが本音でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 間に合わなかったんじゃない。あなたたちは故意に延ばしたことは事実なんだよ、そんなこと言ったって。圧力に屈したということですよ。法の前に圧力に屈してはいけないということだ。そうでしょう、法務大臣、違うんですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 公共企業体等労働関係法の違法ストやサボタージュ、その他一切業務の正常なる運用を妨げる行為が禁じられておるという法律をあなたは悪法だと言いますけれども、憲法に違反しているとかなんとかいうなら悪法でしょうけれども、私は悪法とは思わないんです。そうして、憲法に違反しているかどうかは最高裁判所のお決めになることで、これは適法であると、合憲であるということになっているんですから、その最高裁判所の裁判にも従ってもらわなけりゃ、これは法治国と言えませんからね。  そこで、処分をするのは、直罰規定はありませんから、直罰規定は。刑罰規定はありませんからね。処分するのは解雇というやり方で、それは法務大臣の管轄ではないですから。

向井長年民社党

○向井長年君 力によって屈することは、これは……

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) ですから、そういう点については当局がおやりになることであり、そうして当局にはその義務があるのに義務を懈怠しているのは、その監督官庁に何らかの処置をする必要がある。私の領域ではないんですね。けれども、あなたの一般論として、法秩序が維持されなければならないということについては全く同感です。それでなければ法治国になりませんからね。だから、法秩序維持担当者としては厳然たる態度をもって法律どおりやってもらいたい、それでなけりゃ法秩序の維持ができませんから、そういうことを申し上げます。

向井長年民社党

○向井長年君 藤井総裁、あなたは作業がおくれたということは、こんなことは言えませんよ。例年に同じことをやっておるわけだ。それが作業がおくれたから出せないということではない、だれが何と言ってもない、これは。国民が了解しませんよ。あなたは力に屈して今日こうしたということしか国民は考えていませんよ、そうでしょう。北陸の金沢の問題、この間、何ですかね、何ストか知らぬけれども、やったら直ちに処分を出したじゃないの。あの処分がいいか悪いか、適法であるかは別として、これ、どういうことなんですか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 先ほども申しましたように、昨年の春闘は二十万人、国鉄は四十万人のうち二十万人が関与しておるということで、私にすれば、それは法に触れたから処分するのはあたりまえだけれども、これ、ひとしく部下なんで、これは情状——情状と申しますか、状態を正確に調べないと処分には踏み切れぬと、これはもう申し上げるまでもないんであります。それと同時に、昨年はああやられたのにことしはどうだという御議論は、今年、先ほども申しましたように、東海道の、山陽新幹線が博多まで延びていったという全国的なダイヤ改正がございまして、先ほども申し上げましたように、五千人くらいの人間を新幹線に回すとか、配置転換の教育をやるとか、こういうものに忙殺されて、脅迫されてずるけておったわけじゃございませんが、遺憾ながら事務的に間に合わなかったというのが本音でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 事務的に間に合わぬということは許されませんよ、そういうことは。昨年はどんな傾向にあったんですか、そうしたら。その前の規模の状態といまのと比較してみなさい。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 昨年は二十万人という数字は、これは正確な数字でございますが、一昨年は何人だったか、おおよそそれよりも規模は小さいと思いますが、必要であれば関係の常務にお答えさせます。

加賀谷徳治日本国有鉄道理事

○説明員(加賀谷徳治君) 昨年は、いま正確な数字はわかりませんが、十四万をちょっと超すような処分だったのでございますが、これも秋になりまして処分をしたということになっております。  それから、先ほど北陸の問題をおっしゃっておりますが、これにつきましては、また春闘とは別問題で、こういったことでストをやるということは非常に不当であるということを前々から申しておりまして、スケールその他から言いまして、一地域であり、非常に短時間の問題で、いろいろ資料その他の判断も早くできるというようなことでございまして、前々から即処分するよという話をしておった線に沿って地方管理局長の判断でやったということでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 あなたたちは詭弁を弄してはいけませんよ。昨年は約十四万人だ。いいですか。その中で解雇が国鉄の場合は二十八人、動労の場合二十二人、これ明確に出している。そして早く処分されているんです。ことし三月の三十一日までにそんな処分の対象の整理ができない、事務的にできないということはないはずですわ。怠慢ですわ、はなはだしい。やる気ないんじゃないの、あんたたち。そうじゃないか。そうでしょう。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 同じことを繰り返すようでございますけれども、昨年は全国的なダイヤ改正その他事務的に間に合わなかったと、こういうことでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 運輸大臣、それでいいんですか、所管大臣。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 国鉄の持っております国家的あるいは国民的といいますか、社会的責任というのは非常に大きいわけでございます。そこで、国鉄の運営に支障が起こるということでは大変国民に迷惑をかける、そういう意味で、争議権も認められていない、これが現状でございます。そこで、去る二十七日にああいう状況のもとでストをやるかもしれないという事態になったわけでございます。国鉄といたしましては、その国民に与える非常な迷惑を十分考えまして、できるだけストをやめてもらいたいということに努力をいたした点は私も十分これを認めるわけでございます。そのときに国鉄総裁が職員に対して発しました談話の内容につきましては、その真意は、この予算委員会で国鉄側からも、二十七日の争議類似行為はぜひやめてほしいという真意に尽きるという説明がありまして、私はそれはそれなりに了としておりますけれども、あの談話の中に、どうも国民が見て誤解を起こすような表現がございましたので、その点について私としては非常に遺憾である、また、そのような政治的な問題にもなりかねないような重大な表現を持った談話を発表するというふうなことになりますというと、やはり国鉄を監督をいたしております担当大臣としても、事前に十分連絡を受けてこれに対して適切な処置をすべきであると私は考えておりましたのですが、事前の連絡が不十分であった、このことは、今後にそういうことが繰り返されてはいけないと思いまして、先般国鉄総裁に対して注意を与えたのでございますが、国鉄の中の労使間の争議の処分、またそれをいつ実施するかといった問題は、これはやはり国鉄の責任者であるところの国鉄総裁にあるわけでございまして、監督大臣といたしましてもそういう中身にまで関与してどうこうするべきことではない、かように考えております。したがって、この問題についての国鉄総裁のとっております態度というものは、国鉄総裁の責任においてやっておることでございまして、もしそれらのことについて運輸大臣といたしましていろいろ指導をすべき点があればその都度指導をいたしたい、こういうふうに思いまして先般の注意も与えたような次第でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 そんなことをいま聞いておるんじゃないよ。注意を与えたことは私は後から聞こうと思ったんだけれども、そうじゃなくて、一番最初総裁は、国民に迷惑かけてはいかぬので何とかやめてもらいたいということが目的で留保したと言われておる。そうして私が突っ込んでいったらあとで、いや、事務処理ができていなかったんだというようなことでごまかしておる。こんなことでいいのかということを運輸大臣に聞いておるんです、所管大臣として。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 事務処理はすべての点にわたって敏速、的確にやるべきであることは申すまでもございません。

向井長年民社党

○向井長年君 怠慢ですか。怠慢でしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 怠慢であるかどうか、その内容はよく聞いてみませんと、何ともそれは、判断はこの席ではできません。

向井長年民社党

○向井長年君 内容を言いなさい。なぜできないか、内容を言いなさい。何カ月かかっている。約一年かかってもそれできない理由を言いなさい。国鉄総裁。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 先ほどもお話のございましたように、一昨年は十万人で大体一月か何か……

向井長年民社党

○向井長年君 十四万人。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 十四万人ですよ。かかっている。しかるに昨年は二十万人になっている。

向井長年民社党

○向井長年君 十四万人で六月から八月に処分しているんだ。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) 二十万人になっておる。したがって、一昨年と同じ歩調でやればやっぱり一月、二月になると、それに加えて、先ほど言ったような博多開業といったようなことが重なって事務的には間に合いませんでしたと、こういうことを申し上げております。

向井長年民社党

○向井長年君 運輸大臣、どうだ、それは怠慢と違うか、どうなんだ。時間がないからもったいない、そんなこと何回も繰り返すのは。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 怠慢であるとも言われませんが、その処理が非常に迅速であったということも言えないと思います。

向井長年民社党

○向井長年君 あなたたちは何を言っているんだ。総理、三木内閣って、こんなものですか。法は厳正に守らなきゃならぬと言っておって、そして怠慢だ、いや事務処理ができなかった、やむを得なかった、こんなことですか、三木内閣は。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは去年ですから、田中内閣以来の懸案である。したがって、私はいろんな事情があったにしても、向井さんの言われるように、一つの法律を誠実に履行する政府としてずいぶん怠慢ではないかと言われれば、この御批判に対しては受けなきゃならぬと思いますが、しかし、これは私のいま言っておることは、皆さんの御協力を得てこの悪循環を断ち切ろうではないか、こんなことをいつまでも繰り返しておったんでは健全な労働の秩序というものは確立できない。しかし、これはおくれたことは事実で、いろんな事情が重なったでしょう。重なった上に各公共企業体自身としても個別的な事情もあったでしょう。しかし、やっぱり法律には決められておるんですから、これはやはりもっと早く処理すべきものであったでしょうが、現実はおくれてきたんですから、できるだけ早くこういう過去の問題は処理して、新しい労使関係の再出発にすべきではないかというのが私の現在の考えられる一つの政府の立場でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 あのね、ストをやれば国民に迷惑をかける、したがって、できるだけストを避けようとして政府があるいは国鉄総裁が努力されることは私は認めるんですよ。それはあってしかるべきだ。その理由でこうしたんだというなら話はまた別だ。しかし、これは処分内容について手続がおくれたんだ、それを調査するためにおくれたということは通りませんよ、これは。約一年かかってそれができないというのではどうするんですか。これならば悪循環をますます重ねる結果になるんじゃないですか、総理。そうでしょう。どうなんですか、その点。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) おくれたということに対していろいろ向井さんが言われれば、これはいろんな理由はあるにしても、おくれたことは事実ですから、私として言えることは、もうこういう悪循環はこれを最後にするために、皆やっぱり労使関係とも、ひとつこの際にこういうことはもう最後にしようではないかという決意のもとに、新しい再出発をする道をお互いに探求するということが政治ではないか。過去のことを言われてくれば、いろんな理由があってもそんなものはだめだと言われればそれまででしょうが、それはそれぞれのおくれた理由には理由がありましょう。しかし、やはり法律をたてまえにしてあなたが攻めてこられれば、これはやっぱりいろいろ言っても、おくれたということに対しては、これは政府としても監督の立場にあって、実際は執行するものは三公社五現業でありますけれども、しかし、政府としても責任を感じざるを得ない。もう再びこういうものを繰り返さぬようにしようじゃないかと、こういうことでやっぱり最善の努力をするというのが今日の政府の置かれておる立場である。  過去のことは、言われれば、これはいろいろ言っても、あなたが納得される理由はないかもしれない。だから、ここでもうひとつ断ち切ろうではないか、そのために民社党も協力してもらいたい、社会党も協力してもらいたい。こんな悪循環をいつまでも繰り返していたら……。もし処分すればまた抗議スト、また処分、これを繰り返していたのが今日の労働運動の歴史じゃないか。労働問題に関心を持つ向井さんも、何とか一緒になってこの悪循環を断ち切るということに御協力を願いたいというのが、政府の立場でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 悪循環を断ち切るために私はこういう質問をしておるんですよ、いいですか。法を守らなければならぬ。いま法務大臣が、これは憲法で云々と言われたけれども、われわれは悪法だと思う。憲法で労働基本権というものは守らなければならぬ、こういう立場で、現在制限されておる問題についてはわれわれから見れば悪法だと思っている。しかし、悪法であっても、ある限りにおいては守らなければならぬ。その立場でこの問題を取り上げている以上は、いま悪循環を断ち切ると言っても、こんな状態で断ち切られるか。また、いま処分すればストを直ちにやるぞと、こう言っとるでしょう。力で押されておるでしょう。力で押されるというのは、これは法律が幾らあったってだめなんです。力関係で来るというのはこれは革命理論なんだ。いいですか。戦争はそれなんですよ。平和外交ができないから実力で行動しようというのが、これ、戦争でしょう。いま労働運動でもしかり。法律が幾らあっても、幾ら規制があり法律があっても、われわれは力ではねのけるんだ、労働基本権はわれわれの上にあるんだと、この立場でいま来ておるんでしょう、これ。いまあなた、処分してみなさい。またやるぞといま言っているじゃありませんか。これで悪循環、断ち切れますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) そういう困難な問題を解決するのが政治の役割りでないでしょうか、これは。そう言っていったら、あなたの言う論を延長していけば、これはもう革命以外に方法はない。そういうことでは私はないと思う。そういう中にあっても、労働組合運動をしておる指導者でも良識がないと私は思わないですよ。こんなことを繰り返して彼ら自身がいいとは思っていないのに違いない。また、三公社五現業の監督の立場にある政府だって同じですよ。繰り返してもしようがない、こういうことを。これはいろんな困難な問題はあるにしても、これを克服することが今日議会政治家共通の一つの課題ではないかということが私のいま考えておる立場でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 私はね、総理、法の前には毅然たる態度をとらなきゃならぬということ、そうでないと、いま法律を守っておる組合があるでしょう、現在。この組合の諸君が法律を犯したらどうなるんですか。そういう形になれば全く世の中は革命に通じますよ、これ。ゼネストをやった場合、どうなんですか。法律があるから、これを守っておるまじめな組合があるでしょう、現に。そういう組合もあり、一方においては法を無視して力関係で来る。こういう問題に対して、断ち切る断ち切ると言って、どないして断ち切る。いま直ちにやろうとしているよ。処分を国鉄総裁がやったら直ちにストでこれに対する撤回闘争をやると、こう言っている。どうなんですか。どないして断ち切る。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 最初に私あなたの質問に答えたように、やはり政府は一貫して違法ストに対する厳正な処分というものを見逃すことはしないということを繰り返し言っておるんですから、非常におくれはおくれましたけれども、しかし、できるだけ早くこれは処置さるべきものと考えております。無論、処分権を実施するものは三公社にあることは事実ですが、監督の立場にある政府としては、できるだけこの問題は処理されなければならない。これをうやむやに放置することは、法治国家のたてまえから、法律を守る者と破った者とが、それが何も同じことだということであっては法の秩序は維持されないことは、あなたの言うとおりでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 国鉄総裁、それから専売、これ、どうなんですか。言うならば圧力に屈してこういう態度をとったと、われわれはそう思っている。特に、専売のごときは密約があったとわれわれは聞いていますよ。そういうことがあったですか、なかったですか。しかも、言うならば、私はこれは政府筋から聞いている。あったか、なかったか、この点どうです。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 春闘処分に関して密約などは毛頭ございません。私ども、新聞にそのようなことが伝えられて、はなはだ迷惑いたしております。

向井長年民社党

○向井長年君 あった場合においては、あなた責任とりますな、副総裁。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 責任者が、なかったと申し上げておるわけでございますので、それを信頼していただきたいと思います.が……。

向井長年民社党

○向井長年君 あった場合は責任をとりますな。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) とります。

向井長年民社党

○向井長年君 木村運輸大臣、先ほどあなた、私の質問せぬことをぺらぺらしゃべっておったけれども、あなたは国鉄総裁をほめたんですか、しかったんですか、あの注意書は何ですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 二十七日の国鉄の違法スト行為をとめるのに努力された点については、私は総裁の努力を多といたしております。ただし、そのときの総裁談話を中心にいたしました国鉄の運輸省に対する連絡その他がよろしくなかったという点は、注意をいたしておる次第でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 運輸大臣、国鉄総裁は事務的に問に合わなかったということを言っているんだ。これ、どうなんです。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 私が先ほど、怠慢ではないと思うし、また敏速であったとも思わないということを言いましたのは、やはりそれらの時期については、同じく処分をするにいたしましても、恐らく総裁の腹の中では、いろいろといわゆる国民に対する迷惑を最小限度にとどめたいということは常に頭にあると思います。そういういろんな状況を頭の中に入れて処分の実施等を考えておられると私はそんたくをいたしておりますので、怠慢であったとか、あるいは非常に早くやったと——まあ早くやったとは今日の時期では申しませんが、怠慢であったというふうな批判はできないのではないか。総裁のそういった国民に対する迷惑を最小限度にとどめたいというふうないろんな考慮が働いておると、こういうように考えておるのでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 あなたね、そんなわかったようなわからぬことを言うべきじゃないですよ。あなたは、国民に迷惑かけてはいかぬということについて食いとめたというのは多とする、ほか連絡の問題云々について遺憾だと、こういうことでしょう。あなたの言っているのはそうでしょう。そんなときに、事務処理の問題なんか何も出てないんですよ。あなた、事務処理のこと知っていましたか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 私は詳しく知っておりませんので、私の立場でいま私のこれに対する考え方を申し上げたのでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 談話が出る場合に、労働大臣、これ知っていましたか。労働省は所管ですからいろいろ連絡があったと思うが、どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 労働省は全然タッチしておりません。所管大臣である運輸大臣が知らないものを、私の方が知るわけはございません。

向井長年民社党

○向井長年君 三木総理、こんな実情で私は断ち切れないと思いますよ。あなたは熱意を込めて悪循環を断ち切るんだ断ち切るんだと言うけれども、こんな状態では断ち切れない。今日まで当局も管理能力について欠如、組合も先ほど言ったように法を守るという精神がない、この二つですよ。この二つをどうしますか、あなたは。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) どうでしょうかね、国民から考えても、世論は決してこの違法ストというものに対して、だれもこれを支持する者はありませんよ、国民は。こういうことが繰り返されれば国民の大きな反発を買うことは明らかである。あなたはもうこれは方法はないとおっしゃるけれども、私はそうは思わないんですよ。私はあきらめないんです、何でも。やっぱりむずかしい問題を解決するのが政治でないか。  いま、向井さんね、われわれの抱えておる課題はむずかしい問題ばかりですよ。やさしい問題は皆解決している。残った問題はむずかしい問題ばかりだ。それを解決するということは普通の常識から言ったらできないと、こう言うかもしれぬ。それをあきらめてしまったら、もう政治はないわけですから、そういう困難な問題を、だから自民党政府だけでなしに、野党の諸君の協力も得て——長い間繰り返してばかりですからね、国民は皆だれもこれを支持しない。組合の指導者も当然にこのことに反省さるべきでしょうし、使用者側についても、いままでの態度に反省すべきものが私はあったと思いますよ、御指摘のように。こういうことで、いろいろな過去の理由はあるにしても、きちんとやっぱり秩序を維持して、健全な秩序維持という上に立った労働運動にならなかったんですから、これを断ち切って再出発をする以外にはないわけです。これは絶対の命題ですから、皆がこの問題に対して反省すべきものは反省し、また政府も、また各政党の御協力を得て、ひとつこれを積年の悪弊を断ち切る一つの好機にしようじゃないかと。これ以外に方法はないですよ、この場合に。それは反省すべきものは反省すべきですよ、言われるようにね。しかし、それならその追及をしていって、皆おまえ能力ないからと言ったって、これどうにもならない。だれかがやっぱり、公共企業体というものは国民の立場から言っても健全な運営をされなければならぬですから、反省するものは反省して、これを再出発の一つの時点にしようではないかという以外に、まあわれわれとして、それなら方法と言ってもそれ以外に——もう政治というものはそういうものだというふうに私は考えておるわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 総理ね、あなたが大体言われること、まともにとればそのとおりなんです。また、そうでなければならぬと思う。ところが、三木内閣になってから、この問題については、言うならば力に屈したということですよ。いいですか。こんな問題に対話と協調はあり得ない。法の前には対話と協調ではない。今後、いま公制審が答申されて次の問題が出ていますね。こういう問題にこそ対話と協調があってしかるべきだ。この前に対話と協調はないわけだ。しかも、これを対話と協調の中に持ち込もうとしておるところに誤りがあるということですよ。そうじゃありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、法律によって厳正に処分されなければならぬということを対話と協調でやろうとしているんじゃないんですよ。私がやろうとするのは、再出発の問題こそ対話と協調の大きな課題ではないかと。法律に違反した者を処断するものを対話と協調、そんなことを私は求めておるのではない。しかし、それだけでは片づかないでしょう、問題は。これからが問題なんだ。その再出発に対して、あくまでも労使が力ずくでなしに、対話と協調の精神によって話し合いで問題を解決するという労使関係を確立せなければ、日本は安定しないですよ。労働組合というものが大きなこれだけの力を持っておって、それが常にいまのような違法ストを繰り返すようなことであっては、日本の国が安定するわけがない。労働組合は日本の安定の大きな要素である。だから、そのためにはわれわれも、もうこれはだめだ、いまの労働組合はだめだと言ってこれをわれわれがあきらめてしまえば、もう政治はないわけですから、したがって、再出発については対話と協調の精神を崩そうとは思わない。しかし、法律の違反に対してこれを処断することを対話と協調という精神でやろうという考えでは私はないということでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 労働組合であろうが、いかなる団体であろうが、特権階級じゃないですよ。いいですか、特権階級じゃない。法の前には平等でなければならぬ。もし何か事犯を起こしたら、直ちに法務大臣、検察庁はこれは提起するでしょう。労働組合だからといって、法律に違反したからといって、こんなずるずると政治的に解決するものじゃないですよ。そうじゃありませんか。この態度を毅然としなくて、いま幾ら悪循環を断ち切ろうと言っても、できないんですよ。法の前には、労働組合であろうが、いかなる団体であろうが、平等でなければならぬ。これをやはり政府の皆様方が自覚して、国鉄総裁が誤っておれば、それに対してこうすべきだという指導なりあるいはまた忠告を与えるべきでしょう。そうじゃありませんか。それを断ち切るんだと言って甘やかしておってどうなるんです。再びやろうと言っているではないですか。処分してみなさい、またストで闘うぞと、こう言っているではないですか。悪循環のために甘やかしておるんじゃないですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いままで処分をしても、やっぱりストというものは、あなたの言われるように、処分をしても断ち切れていないところに問題があるんだと。だから、この際は、もう処分は法律の前に平等なことは言うまでもないですよ。法律を犯した者に対して政府が厳正な処置をするということは法治国として当然ですからね。これからの問題だと、これからの。それだから、過去の問題は、ともかく去年の四月からですからね。それが今日まで延びてきたいろいろな理由はある。これはまことに法律というたてまえから言ったらいろんな非難を受けても仕方ないと思いますが、ともかくいままでここへ来たわけですから、早く過去の問題はここで解決をして——解決しないと、これはのしかかってくるんですよ、組合にも使用者側にも。やはりストというものの処分という問題が頭にあるものだから健全な労働組合運動にならないんだ。これはだから、できるだけ早く処置をすることがいいというのが監督の立場にある政府の意見である。しかし、実際にそれを実施するのは、公共企業体自身が処分権を持っておるわけですから、これはやはり公共企業体がやらなければならぬわけです。  この問題は、政府の考えとしては、過去のこういう荷物を背負っておったのでは労使関係の再出発はできないんだ、早く処理すべきものは処理して再出発をしよう、再出発をするについては、これはわれわれ自民党内閣だけでなしに、各政党も労働組合運動の健全な発展のために皆が協力するということは当然のことですから、皆の協力も得てこの問題を前向きに処理したい、後向きの問題はもう早く解決したい、もう少し前向きに日本の労使関係を考える一つの時期に来ておるのではないかと、こう考えるので、そのことは、過去のことを不問に付すという考えは全然ない。早く処理されなければこの問題は解決できないんですから、法治国家として。そういう考え方を申し上げておるわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 副総理、あなたは総理を補佐しなければならぬ立場にあると思いますが、あなたはどう思うんですか。いま総理が言われたような形で実際悪循環が断ち切れますか。またストライキやると、こう言っているんだな。この点どうです、副総理。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、大体いま総理から申されたその線が妥当だと、こういうふうに考えます。つまり、総理が申し上げておりますのは、悪循環は断ち切らなければならぬ、そのために最善を尽くしてみたいと、こういうふうにおっしゃっておられる。私は、まさにその辺は、これはもう日本国の当面している大問題だと、こういうふうに思いまして、私としてもそういう方向で今後の労使関係というものの打開を図っていかなければならぬかなと、こういうふうに思っております。また、過去の法律違反の問題、これはもう法は法でありまするから、どうしても結末をつけなければならぬ問題である、それも早急がよろしいと、こういうふうに考えます。

向井長年民社党

○向井長年君 総理ね、いまこういうストを繰り返して、三公社五現業、まあ専売は別としても、国鉄にしても郵政にしても大きな赤字を出しておるでしょう。この赤字に対して、これはすべて国民が負担しなければならぬということだ。そうでしょう。そういう意味から考えるならば、言うならば企業に対する、その中で働く人たちの取り組みの姿勢、こういう問題もあわせて、管理能力あるいは組合の皆さんの物の考え方、これからあなたたちはどういう立場からこれを教育していきますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは違法ストの問題ばかりではなしに、国鉄の再建というものは大問題であります。あれだけの赤字を抱えてこれが健全な運営をしていくのは大問題であって、これは一国鉄だけの問題では私はないと思うのですね、国鉄の再建というものは。われわれとしても、この問題はただ国鉄だけの問題としないで、やはり国の大きな問題として取り組んでいかなければならぬ。また、組合側も、国鉄の内部がこういう異常な事態になっておるということを自覚されて、そうしてもっと前向きに労使関係の姿勢を正し、国鉄の再建に向かっても労使がともに協力してするということが当然の社会的責任だと思いますから、これはやはり組合側に対しても、そういう立場に立つことを強く私は要請をするものでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 この問題について私は最後にお聞きいたしますけれども、総理ね、先ほど言ったいろいろの問題をいま見たときに、法の前にこれを処理しなければならぬと。いろんなことが言われている。官房長官は、いや四月中、いや、あるいはまた当局がそれに対する処分権はあるんだと言って、一部の党なり一部の団体から圧力かかるならば、そういう形であいまいなことが今日まで言われてきておる。総理、いつこれは処理しますか、この時期をいつにしますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまも、こういう過去の問題は早く処理したらいいという考えですから、できるだけ早くこの問題は解決をつけて、そうでなければいつまでたっても再出発できないんですから、もうできるだけ早く解決をして、そうして再出発すべきである。その日時、具体的な内容については、これは国鉄法あるいは専売公社法、電電公社法によって処分権はやっぱり総裁が持っているわけですから、政府はできるだけ早くこれは処置して、過去の問題に対してピリオドを打つべきである、こういう監督の立場にある政府の立場でございますから、これを体して、できるだけ早く三公社において処理されるものと私は考えておる次第でございます。  いろいろ食い違いがあるというのは、そういうわけではないわけでございまして、政府は、違法ストに対しては厳正に処置されなければならぬと、これはもう一貫した方針であって、私も質問を受けるたびに、向井さんね、それをあいまいにしたことはないんですよ。旅先においても、どこでも一貫しておる。ただ、官房長官の申しておるのは、その実施の具体的な処分権というものは三公社の総裁が持っておる、それは法律によって。

向井長年民社党

○向井長年君 そんなことはわかり切っている。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それを言っておるので、政府の態度がこの問題に対してあいまいだということは、これは誤解に基づくものでございます。厳正に違法ストは処分をする。その具体的な実施の日時あるいはまた内容については、三公社の総裁がその処分権を持っておる。これが一貫した政府の考え方でございまして、その間いささかも——時によって政府の解釈が違っておるということは誤解でありますから、それはよく御理解を願いたいのでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 関連。  三木総理は、過去の違法スト、これは法に照らして厳正に措置をつけると、こう言われました。ただ問題は、悪弊をいかにして断ち切り、今後の新しい労使関係を築くかにあると、こう言われたわけです。私は、新しい今後の問題として、その悪弊を断ち切るためには二つの問題が必要だろうと思うんです。その一つは、今回の厳正な処分に対してなお繰り返されてくると思われる違法ストに対して、政府は引き続き厳正な法の立場に立った措置をとるということが一つであります。それから第二には、非常に時間がかかって、まだ結論の出ていない公務員なり三公社五現業のスト権の取り扱いについて、早急にその結論を出すということが第二であろうと思います。第一の問題に対する総理のお考えと、第二のスト規制の根本的解決のための法案策定の時期についてお伺いいたします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 第一番は、これは一つの公共企業体等労働関係法という法律が存続する限り、政府はその法律を誠実に履行するという義務を持っておるわけでございますから、違法ストの処分が行われて、またこれに抗議するストが行われれば、その法律に照らして厳正に処置されることは言うまでもないことでございます。  また、労働基本権の問題については、御承知のように、いま関係閣僚の会議において、そして専門委員会等において、十分に当事者能力であるとかいろんな問題がいままでのその専門委員会においては検討されたわけですが、三月の終わりだと思いますが、二十七日だと思いますが、いよいよ基本権の問題の核心に触れた検討にこれから入るわけになっておりますから、しばしば申し上げておるように、秋までにはこれに結論を出したいということで努力をいたしておる次第でございます。その結論を待たなければ、ここで私がその結論を申し上げることはできないわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 労働基本権問題は早急に結論を出すということを先般も答弁されておりますから、これは秋までにわれわれは期待しております。  それと同時に、いま電力の組合並びに炭鉱、これに対するスト規制法の問題が調査会で検討されておりますが、これも秋までに出すということをこの間答弁されたと思います。ところで、これは幾ら答申があろうと、政府の姿勢がなければならぬ。この姿勢に対してどう考えていますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 電気事業に関するスト規制の問題でございますが、私は、この問題につきましては、関係組合がこれまでに示された良識に対して深く敬意を表しているわけでございます。  そこで、いまのお話でございますが、これも御承知おきのとおり、組合の方々も十一名の参与委員を含めまして非常に御熱心に会議を開いております。現地なども全部歩いておりまして、恐らく秋までに、これこそ秋までに結論が出ると、それを尊重して私の方でも前向きに検討してまいりたいと、こう思っております。

向井長年民社党

○向井長年君 時間がなくなりまして、この問題ばかりとってしまったのですが、副総理、これはずばり国民の前にひとつ夢を与えてもらいたい。  ということは、三木内閣が総需要抑制をずっとやってきましたね。これによって物価が若干鎮静した。一四%程度になっている。ところで、これは一つの目的を達したかもしれません。その反面、中小企業や零細企業なり、あるいは失業者がどんどんとふえているという形で、落ち込みがどんどんと出ておるでしょう。これに対して、いつごろどういう形でどうなるんだということを国民の前にひとつ簡単にわかるように言ってください。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) いま不況現象が出ているのは、これは御承知のとおりでありますが、これを好況にするということにつきましては、これは物価問題のことを念頭から外しますれば非常に容易なことです。一方において物価は鎮静させなきゃならぬ、同時に景気対策もしなけりゃならぬ、そこにむずかしさがあるわけでございます。そこで、いろいろむずかしい綱渡りのような仕事をしておるわけでございますが、政府といたしましては、夏ごろから徐々に景気が回復過程に向かうということを目標といたしまして諸政策を進めていきたいと、かように考えております。もっとも、物価の方の対策も並行してやるわけですから、暮れごろになったら、物価もずいぶん鎮静してきた、景気も回復してきたというような実感を国民にぜひ持っていただくような状態にしたいと、こういうふうに考えております。

向井長年民社党

○向井長年君 諸政策って、具体的に二、三、どういうことですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 金融財政ですね、この両面を駆使いたしまして景気の徐々な回復を図る、こういうことですね。もっとも経済情勢自体としても景気は底だと、こういうような徴候も出てきておるんです。その徴候をとらえ、かつ財政金融両政策、これも作用いたしまして、夏ごろからは景気はなだらかな上昇過程に向かう、こういうことを想定し、それを目標といたしましてぜひ実現をいたしたいと、かように考えております。

向井長年民社党

○向井長年君 総理、これはこれからの問題ですが、今日まで相当論議された問題で、今国会で独禁法あるいはまた公職選挙法、政治資金規正法あるいは核拡散防止条約、こういう問題は総理は出さなければならぬし、この国会で処理しなければならぬと、こういう決意でおられると思いますが、どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 政治資金規正法、公職選挙法の改正は、これはもう近く国会に上程をすることになっておる。独禁法は中旬ごろと予定しておりますが、これは国会に提出する予定でございます。核防条約については、いま与党である自民党内部で意見を調整をいたしておるわけでございまして、この調整が終わりますならば国会に上程をしたいと、こう考えておる次第でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 この問題について、出すことは出す。しかし、野党もそれぞれ案を持っております。したがって、これこそ対話と協調の中から一本にして、そして今国会で通過せしめる、こういう決意、ありますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、政治資金規正法とか公職選挙法というものは、これは一つの大きなルールですからね、政党間の。これは十分に委員会において御審議を願いたいと思うのでございます。この間、党首会談を開いて非常に傾聴すべき意見がありました。それで、これを原案の中ということもいろいろ検討をするという方法もあったんですが、しかし、これは各党の意見が一致したわけでもございませんから、私は先般、自民党の政調会長から各党に対して、国会の審議を通じて、いろいろな提案というものは各党間でひとつこの問題は提案をして検討したいということをお伝えしたわけです。各党の党百会談では非常に傾聴すべき意見がございました。そういうことで、これは共通のルールでございますから、一党だけが非常にそういう改正によって有利な立場に立つということは公正なルールではないわけですから、十分な御審議を願いたい、そして議会政治の健全な発展のためによりよいルールづくりに対して皆さんの御協力を得たい、これこそまさに対話と協調の精神が生かされる場である、こう考えておる次第でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 時間がございませんから、別の機会にこの問題をまたやりますが、特に選挙法改正の中で、いま衆議院の定数問題については各党がほぼ一致の状況にあると思います。参議院の定数については、何かたな上げのような動きが政府なり自民党の中にもございますが、これは少なくとも、今国会でもしできなければ、二年半向こうで、次期改選期には間に合わす形において定数是正をしなきゃならぬと思いますが、この点どうでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 参議院の問題については、これだけの問題があるんですね、定数是正も問題がございますが、全国区の問題があるわけですよ、これは。全国区というものがいまのような制度でいいのかどうかということに対しては、非常にやっぱり疑問を持つ人たちも相当に多いというわけでございます。まあ政党によれば、相当な改革の意見をお持ちになっておる政党もあるわけですね。そういうことですから、こういう定数とか、全国区のあり方という問題は、これは衆議院の場合でも定数というのは各党間同士で話がついたわけですから、参議院の場合もひとつ、どういう場がいいかよくわかりませんが、各党間で話をされまして、これもルールの一つですからね、そうして何かコンセンサスが得られるようなことがあれば私は好ましい形である、こういうふうに考えておるわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 ただ、私は、独禁法にしても、公職選挙法、政治資金、核拡散防止、もろもろの重要法案が出てきますが、こういう問題は過去においては、国会へ提出しました、しかし野党との話がつきませんからこれは流れました、やむを得ませんと、こういう態度であってはいけないのではないか。やはり出した以上は話し合って、ぜひこれは実現する、こういう決意が総理にあると思うんだが、この点どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も、とにかくほかに今日の議会政治にかわるような政治形態というものは考えられませんから、これをやっぱり守り育てていくことが日本の民主政治の上において必要なことである、そのためにはいろんな弊害というものが起こってくるわけでありますから、それを時々に各党の良識によってそういう弊害の点を是正していかなければ、議会政治というものは長い生命を私は持つとは思わないんです。いろんな国民の意見が起こればそれに耳を傾けて、お互いに党利党略を離れて一つの改正をしていくという良識によらなければ、議会政治は健全に発展するものではない。したがって、この政治資金規正法とか公職選挙法というものは、きわめて議会政治の将来の健全な発展には関連を持つ法案だと思いますから、もう出すだけ出してそれでいいとは私は思っていないんですよ。これはあくまでも各党間で話し合って、よりよい一つの政治資金規正とかあるいは公職選挙法の改正も行いたいというのが心からの願いでございますから、それは出して、それを通したいということでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 時間がなくなりましたので、農林大臣、特に私は、先般農水でも若干触れましたけれども、卵価の安定基金問題について一つお聞きしたいんですが、特にことしは初めて大蔵省から基金に対する助成が出されました。非常に結構なことだ。そういう反面、それに対する適用が悪条件の中にされておるということ、この点について先般もお聞きいたしましたけれども、その中で基金がいま二つあるわけでしょう、第一と第二。その第一基金は先般大体認可を与えた。そして第二基金は、それに対していまいろんな陳情なり意見を持っている、こういう状態があらわれておるんです。こういう問題をどう処理するつもりですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 卵価安定基金につきましては、いまお話しのとおり、五十年度から国がこれを補てんをする、こういうことにいたしておるわけでございますが、この補てんをめぐりまして、補てんをする場合に、国が助成するわけですから補てん額等につきましても一定の制限をつけておるわけでありますし、また、月別補てんあるいは補てん限度等も一定の条件にいたしておるわけでございますが、これに対しまして、お話のように全農糸の基金は了承をいたしておるわけでございますが、もう一つの方の専門農協系の基金、全鶏連の方はまだこれを受け入れるという状況になっておらないわけでありまして、私たちとしては、この全鶏連の方も全農系と同じように、この補てんによるところの新しい制度が発足することを心から期待をいたしておるわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 畜産局長おられますか。農林大臣、昭和四十八年一月より昭和五十年十二月までの契約書、鶏卵価格補填基本契約というものをつくっておるのですよね。そうでしょう。これはあなたたちがつくって、そしてこれをやらした問題ですよ。これが五十年の十二月三十一日まで、ことしの末まであるわけです。こういう問題があって、政府から助成があったからといって、一回に変えておるのですね、一〇〇%の問題、八〇%の問題。どういうこと、これ。

澤邊守農林省畜産局長

○政府委員(澤邊守君) 先ほど大臣からお答えいたしましたように、五十年度から、従来は自主的に価格の補てん制度をやっておりましたものに対しまして、補てん財源に対し国から一部を助成するという道を開いたわけでございます。それに伴いまして、先ほど大臣から申しましたように、三点について制度の仕組みを変えてもらいたいということをお願いをしているわけでございます。したがいまして、ただいまお尋ねございました基本契約というようなものは、これは国の助成を受けずに自主的にやっておりました段階での基本契約でございます。したがいまして、国が新たに助成をするということになりますれば、他の制度との均衡もございますし、この事業を円滑にやるためには、国の補助条件といいますか、そういう条件に合った仕組みに変えていただくということが当然必要になるわけでございまして、そのように全鶏連系統の第二基金に対しましてもお願いをして指導をしてまいりたいというふうに思っております。

向井長年民社党

○向井長年君 農林大臣ね、せっかく生産者が自分たちがみずから積み立てて、そして卵価が下がったときには補てんをしようという制度をとっていますね。しかし、これに対して政府から助成を今回したんでしょう。政府から、大蔵省から若干の助成をした。したがって、条件が悪くなって、いままで一〇〇%の補てんをされておるやつが八〇%に下がるということですよ。そんなことを生産者が喜びますか。国から出してもらった以上は、それに対してやはり見返りがあって生産者は意欲を持つんでしょう。そうでしょう、違いますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いままでの卵価安定基金は民間団体によって自主的に行われたわけでありまして、したがって、いまお話しのように一〇〇%助成ということになってきておるわけでありますが、今後政府が助成をしていくということになりますれば、やはり政府としても一定の条件をつけざるを得ないわけでございまして、これにつきましては、子牛の安定基金等を初めといたしまして補てんをする場合の諸制度等との関係もございまして、われわれとしては八割ということで条件を付したわけであります。この条件に対しまして、全農系の方はこれを了承いたしておるわけでありますが、全鶏連の方は、いまもお話がありましたように、いまだ了承されていないわけでありまして、今後とも努力をいたしたいと思っております。

向井長年民社党

○向井長年君 あなたね、全農は了解したと言われておりますけれども、中はてんやわんやで、各所でこの問題が起きていますよ。われわれにも陳情がございますよ。こういうふうにして、何ぼ幹部が了解したからといっても、中は、基金に対する魅力がない、こういうかっこうで基金脱退という声が各所で出ておる、第一であろうが第二であろうが。そうなれば、畜産行政が計画的になされないという結果が生まれるんですよ。わざわざ国から助成した以上は、生産者が意欲を持って、基金を魅力にして、今後畜産行政に従っていこうという意欲のために助成したんでしょう。それが逆になればどうなんですか。大蔵大臣、あなたの方からわずか金を出したやつが逆の結果になる。どうなんですか、ちょっと農林大臣と二人、答えてください、その問題。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 農林省の指導に期待いたしております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) やはり国が助成する以上は一定の条件をつけて指導していくのが当然なことであろうと思うわけでございますが、全農系につきましても、いまお話によりますと何か混乱があるというふうな御指摘でございますが、私はそのようには承知しておりません。完全に了解をして、そしてこの制度によって卵価の安定を図っていく、新しい制度によって図っていくというふうに承知をいたしておるわけでありまして、現在全鶏連に対しましても、積極的に新しい政府助成によるところの制度によって卵価が安定していくようにひとつ御協力してほしいということで、せっかく努力を重ねておるわけでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 第二基金の方は生産は四十五万トン、第一の場合は三十一万トン、これですよ。そういう中で第二の方は大変だということでいままで陳情してきておるわけです。畜産局の方では、少しこれは話し合いをして二つ調整してやりましょうということになっておった。それを一方だけはもう認可してしまって、一方は、いま陳情しておっても、これはそのままに押しつけるというようなかっこうでは、せっかく国から助成をしてそれが悪条件になるということであれば、だれが生産者喜びますか。そうでしょう。したがって、基金の目的はどうなんですか、少なくとも国から助成してもらうならば、今後加入者に計画的な生産をやらし、そしてその実効を上げて、言うならば国の行政に従わないものに対しては基金の助成はしない、補てんはしない、こういう目的でしょう。それにかえてこういう状態になってくるとするならば、国から助成したことで悪い状態、悪条件が生まれてきたら、基金に対しては脱退が出てくるのはあたりまえでしょう。どう運用されますか、これ。一方は認可した、一方はいま意見言っている。認可したけれども中はてんやわんやで、いろんな不満が今日出てきて、基金脱退者が出る。どうされますか、この問題。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いままでの民間団体によるところの卵価安定基金制度は、いわゆる加入者が非常に少ない。ですから、これから広範な立場でこの卵価の安定を図っていかなければならぬということで、国が助成して新しい安定制度をつくろうということになっておるわけでございますから、これは全農系は承知しておりますが、全鶏連は現在承知しておらない段階でございますが、やはり両基金ともこの新しい制度によって発足をしていくことが、私たちはこれからの卵価の安定を推進する場合において最も適当であると、こういうふうに思うものですから、これから鋭意努力をいたしまして、全鶏連にも協力をしていただく、こういうことで調整を何としてもとっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。

向井長年民社党

○向井長年君 総理ね、これは知らぬかしれぬけれど、大蔵大臣、あなたたちがせっかく三年間で十七億の金を出したんですね。それが出されて、その基金に対して、いままで一〇〇%の補てんをするんですよ、皆さんが積み立てた金でプールしてやっておるわけですが、今度は政府も出された。出されたら今度は八〇%しか助成しないというんですよ。そうなりますと、結局彼らは基金に入っているのは損だということなんですよね。そういう意味でこの問題が起きておるんです。大蔵省は恐らくひもをつけていないと思う。こういう問題については、せっかく出した以上はやはり魅力あるものにしてやらなければね。この点農林省も、一方の第二基金というのは専業の養鶏家でしょう、一方の全農の方は兼業ですよ。したがって、専業の方がいま困っているということです。そういう問題については、あなたたちもっと本当に親切になって考えてやりなさい。そんな勝手な、政府の言うように聞いてもらわなけりゃならぬ、こうだ、そんな機械的じゃいけませんよ、これは。総理、そうでしょう。もう少し親切な、私は三木内閣は親切にやはりそういう人たちにはやれる内閣だと思っている。したがって農林大臣、これは再検討しなさい、再検討。一方を認可したから、もうこっちも押し込むんだというようなこと、こんな理屈のわからない話ありませんよ。大蔵省もひもをつけていませんよ。大蔵大臣ひもをつけてないはずだ。再検討しますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府が助成をする場合の農産物についての安定制度につきましては、やはりほかとの平衡もあるわけでございます。大体子牛の価格安定制度につきましても八割、その他の補てんによるところの安定制度についても大体八割ということになっておるわけですから、今回助成するに当たりましても、それと同じ条件でひもをつけたわけでございますが、これは全鶏連にもぜひともこの制度に参加してもらうことが、これは卵価安定につながっていくわけでございますので、むしろ私たちは積極的にひとつ全鶏連に参加していただくように今後とも要請を続けていきたいと思っております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして向井長年君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 野末陳平君。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 最近、放送、新聞、雑誌などを使った政府の広報活動が非常に目立ちますけれども、各省庁ひっくるめて五十年度の政府関係の広報予算、合計幾らで、去年に比べてどのぐらい伸び率がありますか、まずそれを。

竹内道雄大蔵省主計局長

○政府委員(竹内道雄君) 広報関係費は、各省庁ひっくるめまして、五十年度の予算額百六十七億三百万円でございます。対前年比の伸び率は二三・一%でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 合計額がもう少し多いように思いますけれども、これを見ましても、かなり政府がこういう広報活動に力を入れていることはわかります。  総理にお聞きしますが、大体政府の広報活動はどういう意図、目的を持ってやっておられるのか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) このごろはいろんな変化も起こる激動の時期でございますから、政府の考え方を正しく国民に理解してもらって、国民の支持と協力を得たいということがこの広報活動のねらいであるわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 ではそのお答えを前提にしまして、総理府の広報予算にしぼって質問したいと思うんですが、総理府のマスコミを利用している広報費、これを電波と活字に分けて、そして合計と、これを説明していただきたいんですが、五十年度です。そうして同時に、対前年度比の伸び率、これをお願いします。

関忠雄内閣総理大臣官房広報室長兼内閣官房内閣広報室長

○政府委員(関忠雄君) 総理府の広報予算でございますが、五十年度八十億二千二百万円が計上されております。対前年度比の伸び率は三四%でございます。このうち、いわゆる新聞、雑誌等の広告料に当たりますものが二十五億七千四百万円、伸び率が三八%、テレビ、ラジオの放送料に当たりますものが三十一億五千九百万円、伸び率が四四%でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 放送関係の方の伸び率がかなりだと思いますけれども、長官にお伺いしますが、各省庁それぞれ予算を持ちまして、そして独自のPR活動をやっているんですが、その上に総理府がいまの電波三十一億、活字が二十五億、合計五十七億近い金を広報に使わなくちゃいけないという理由を説明してください。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 政府広報の必要性につきましては、先ほど総理からお答えになったとおりでございますが、新聞、週刊誌あるいはテレビ、ラジオ等によります広報媒体を活用いたしまして、国民の理解と協力を得て施策を遺憾なく展開をしていくということは必要であると思うのでございます。  そこで、五十年度の予算編成に当たりましては、各省庁の広報費の伸び率は余り大きくございません。総理府の方に三四%増という予算が計上せられているわけでございますが、これは各省庁で行いますとともに、総理府広報室は専門的に政府広報を行っているわけでございますから、各省庁の要求等も入れまして、ここで広報室において広報関係のいろいろな調整を図りますとともに、企画立案等もいたしましてやるために、総理府の広報室予算が伸びている、こういう事情でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 総理にお伺いしますが、総理府が提供しているテレビの番組が何本かあるんですけれども、ごらんになったことがありますか。ありましたら特にコマーシャルの部分について感想を。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私もテレビはときどき見るんですけれども、そう熱心に見る時間もないんですが、「あまから問答」というのがありますね、あれはときどき時間の関係で遅い時間ですから見ることがございますが、私はコマーシャルというのは余り好きでないですから、コマーシャルのときには——好きでないと言ったら相済まぬですけれども、大体、本体が終わるとそれで切る場合が多いので、一体どういうコマーシャルが「あまから問答」にいつも使われるかはよく承知してないわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 結構なんです。余り見ていないのが普通なんですよ。事実、番組の視聴率というものは低いですし、低くてもしようがないんですね、悪い時間帯を、見られてない時間帯を買っていますから、これは無理もないんです。ただし、総理府が効果測定をどういうふうにやっているか、一体総理府提供のテレビ番組がどの程度見られているか、この方がむしろ問題なので、その数字がたしか世論調査にあると思うので、お願いします。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) これは世論調査によります効果測定もいたしておりますし、また専門機関で視聴率もいかがかということについての調査をいたしております。世論調査、最近行いました、二月でございますけれども、三千名に対しまして広報効果の測定をいたしました。新聞広告につきましては三六%の方、週刊誌については二〇%の方々が見ておられまして、また、政府広報をこういう形でするのが必要かどうかというのに対しましては、新聞については七六%、週刊誌については五八%の方々が必要性を認められております。  それからテレビでございますけれども、四十九年の年間平均、これは民間調査機関で発表したものでございます。「日本のひろば」が三・八%、「ホームジャーナル」は二%、「にっぽんレポート」が三・五%、「あまから問答」二%、「ご存じですか」、これは七・九%でございます。なお、ことしに入りまして三月の前半でございますけれども、これは平均いたしますと「ホームジャーナル」が二・六%、「日本のひろば」が四・四%、「にっぽんレポート」が三・九%、「あまから問答」が二%、「ご存じですか」というのはもちろん高い視聴率でございます。視聴率につきましては、これは野末委員御専門のとおり、三%以上というのは、二%もそうでございますが、二%で約二百万人見るわけでございますから、いろいろな番組があります中で、政府広報の視聴率は決して低いとは申せないと存じます。「あまから問答」を先ほど総理からおっしゃいましたが、これは別の番組で同じ時間に「おもろい夫婦」というのをやっておりますので、これが二%という数字が出ているというふうに私どもは考えております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 視聴率というのは、たまたまそれをひねっている人だけなんで、私がお聞きしたかったのは視聴率のことではなくて、総理府提供のテレビ番組を見たことがあるかという調査をそちらがおやりになっているんですね、二月に。その場合に、見たことがないというのがいまお挙げになった番組のほとんど、八割から九割は見たことがないという答えが出ている、そちらを問題にしたがったんですよ。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 政府広報でございますが、これはできるだけ施策についての理解と協力を得るための製作をいたしておりますので、イラストでありますとか、その他いろいろな面について工夫をいたしております。そしてまた、政府が押しつけるというような姿では十分に理解が得られませんので、いろいろな立場の方々に出ていただいて、十分な御論議をいただいておりますので、したがって、それが政府広報であるかどうかということがわからないという点もあろうかと存じますので、その点は御理解をいただきたいと存じます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そういう面もあります。それから広告の内容がいいとか悪いとか、それから、でき、ふできということを問題にしているのではないのです。いままでの総務長官の説明で総理の御意見を聞きたいのですが、要するに、かなりのお金を使ってはいるんですけれども、国民に政府の考え方を理解してもらってという、そういう広告効果の面を考えると、この番組の存在を知らない人も多いし、私は大金を使うわりには広告効果が非常に乏しいから、ちょっとこれはむだじゃないかなと、こう思うのですが、どうお考えですか、総理。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまの総務長官の話では、新聞とか週刊誌というのはかなり効果がある、テレビでは視聴率が、とにかく日本みたいにこんなにチャンネルの多い国はないですから、いろいろおもしろい、ほかに興味のあるような番組もあるから視聴率が必ずしも高くないんでしょうが、いま二、三%というのは低い視聴率でもないという話が総務長官からございましたが、私から考えたら、もう少し視聴率を高める工夫はできないものかと、それは普通の水準なのかもしれませんけれども、もっと工夫はないものか、これは研究をしでみることにいたします。やっぱりテレビというものは広報の媒体として今日無視できませんからね。しかし視聴率をもっと高めるような工夫というものは何か考えてみる必要があるのではないかというふうには考えます。だからテレビというものより新聞や週刊誌がいいのだというふうには私は必ずしも思わない、今日テレビの持っておる機能というものは無視することはできぬですから、もっと視聴率を高める工夫はひとつ研究してみます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 その高める工夫をするのは結構ですけれども、むずかしくて、つまり娯楽番組と対抗しようという考えがそもそも間違っておると私は思うのですね。ですから、ずっといままでも提供していながらわりと低い視聴率、しかも余り見られていない、その中で総理府がかなり苦心している。そういうのを見ていますと、何かこれは、数字はどんなに低くても、あるいは見られていなくていいんで、むしろほかの目的のために、つまり国民に理解してもらう、国民に読ませる、見せるという目的じゃなくて、ひょっとしたらマスコミ全体に対する対策費で、政府批判をちょっとかわすためにお金でもばらまいているんじゃないかというような疑いすら持つんですよ。そうじゃないんですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 今日のテレビが、少々自民党がテレビ番組に出たからといって、それで自民党に対してどうこうと、左右される、そんなものでは私はないと思います。またそういうことで総理府はやっておるわけではないわけです。あくまでも政府の施策の国民に正しい理解を得たいという目的でやっておることは間違いないんですが、しかし、まあそれは料金の関係もあるんですね。余りいい時間帯というのも非常に高価につくものですが、しかし、いろいろ番組の内容などに対して、娯楽番組と競争というのはむずかしいですけれどもね。しかし、もっと何か工夫というものはないものかということはわれわれとして研究の余地がある。ちょっとマンネリになっている点もありますからね。これはせっかく国費を使うんですから、もっといろいろ専門家の意見も聞いて検討してみる必要があると思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 私は、要するに政府というのは、電波とか新聞の広告に税金を使ってまでPRする必要がない、善政を施せばそんなもの新聞でもテレビでも取り上げるからぼくはむだだと思っているのですよ。  そこで、じゃもっと振り返りますよ、十年間。十年間にどういうふうに税金がこの広報予算に使われてきたかということを振り返りたいのですよ。総理、何しろ四十年度は三億円だったんですね。その三億円が五十年度では五十七億になっているわけですから、十八倍ですか、十年で十八倍、異常成長しているわけですよ。だからその必要をそちらではお認めになったんだけれども、ここで十年間、各年度の前の年に対する伸び率ですね、これを総理府に数字で言ってもらいたいのです。この伸び率がほかの予算と比べると非常におかしな現象を示しているというふうに思うので、それをお願いします。

関忠雄内閣総理大臣官房広報室長兼内閣官房内閣広報室長

○政府委員(関忠雄君) 過去十年間の広報室予算の伸び率ということでございますが、昭和四十一年度におきましては二二%、四十二年度には三一%、四十三年度には二六%、四十四年度には九%、四十五年度には二一%、四十六年度には一三%、四十七年度には一七%、四十八年度七一%、四十九年度六五%、五十年度は三四%ということに相なっております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 それは補正後の予算もひっくるめて……。当初予算でやるのですか。

関忠雄内閣総理大臣官房広報室長兼内閣官房内閣広報室長

○政府委員(関忠雄君) はい、さようでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そこで総理、いまの私の方のと計算が部分的に違うんですが、伸び率はそれほど違っていないんです。それで、そのグラフを差し上げましたが、そこで見ますと、普通予算というのは、そこにある文教でも社会保障でも漸増傾向で、伸び率ですよ、だんだんに毎年伸びているのですが、この政府の総理府の広報室の予算に限って、ある年は異常にぐうんと伸びていますね。さっきの数字でも出ているんです。それからその次の年になってまたがくっと落ちたり、極端なアンバランスというのが三、四年の周期で繰り返されているのですよ、数字を素直に見た限りにおいて。これはどういうふうに解釈したらいいんでしょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) これはそれぞれ必要に応じて年度計画を立てております。先ほど五十年度の点につきまして総理から工夫をこらすべきだというお話でございましたが、もうすでに五十年度はどういう広報をやるべきかということについては、いま具体案を練っているところでございまして、有効にこれを使わなければならないという考え方でございます。こういう形になっておりますのは、特別にこれという事情はないと存じます。ただ最近ぐっと伸びましたのは、たとえば資源エネルギー問題でありますとか、物価問題でありますとか、社会福祉問題でありますとか、生活環境の問題でありますとか、本当に国民の協力と理解を得なければなかなか施行できない施策がございます。そういう意味において、国民とともに歩む政府という考え方で、このような形の広報費の伸びが出てきたものであるというふうに私どもは考えております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 私は、これは数字だけですよ、このグラフを見ていて、選挙と関係があるんじゃないかと、こう思ったのです。というのは総理、たとえば四十六年には統一地方選挙と参議院選挙がありましたでしょう。そうすると、そういう決められた選挙の前の年とその年というのはすごく伸びるのですね。翌年になるとがくっと伸び率が落ちるんですね。だから別に勘ぐって言うわけではないけれども、どう考えても、これは選挙を織り込んだ、勘定に入れた予算に結果的になっていると、こういうふうに考えるのですよ。選挙の年になぜ広報室の予算がふえるのかわからないんですが、どうしてなんでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も野末さんからこういうグラフをいただいて、増減が激しいことは事実ですね、このグラフで見る限りは。広報活動、これはマスコミの発達でますます必要度は加わると思いますよ、これから。しかし、このことはマンネリになってもいけない。大切な国費を使うわけですから、これは有効に広報活動としての目的が達成できなきゃなりませんから、こういう予算の増減など、私自身も調べさせていただきたい。きょう初めて、実際正直なところグラフを初めて見て知ったわけですが、よく調べると同時に、広報活動本来の目的に沿えるように、この問題についてはいろいろ工夫研究を加えてみたいと思うのです。いままで余り私自身も深く立ち入ってはやってなかったのですが、どうもマンネリに陥ってもいけないですから、そういう点で研究をいたすことにいたしたいと思いますので、少し時間をかしていただきたい。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 突然グラフをお見せしたんですから、今後考えていただくのですが、じゃ私の意見を、意見というよりこのグラフを、数字を素直に読んだことを言いますと、必要があったから予算は伸びているわけです、総務長官もおっしゃった。その必要が何か選挙じゃないかと、数字が物語るところを見ると。と言うのは、政府の広報室のPRというものに名をかりた自民党の選挙運動に結果的になっているというふうに考えるのですよ。だって政府イコール自民党というぐらいに国民は普通考えていますからね。ですから、政府がこんないいことしているのだよとPRすれば、国民はそれを切り離して考えないから、やはりとれは自民党の宣伝にもなるというふうに考えるのです。現実に総理も選挙の応援にいらっしゃるときはどういう資格で行くんでしたっけ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 自民党総裁でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 総理はそのおつもりですね。ところが有権者は、三木総理来る、何々大臣来るということで、結局政府の顔でもって自民党の選挙応援を現実にやっている。これはごっちゃになっている。でも責任政党なんだからこれは当然だと思うのです。しかし税金を使って広報活動をする場合には、やはり政府の宣伝、広報というものは、それがそのまま自民党の宣伝に非常に効果的だということも事実だと、そういうふうにぼくは思って、この伸びの異常さ、選挙が近づくとぐうんと伸びて、終わったその年はがたっと減るという、この異常さをそう解釈しているのですが、総理はどうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 増減というものがどこいうことでこういうふうになったかは少し研究をさせてもらいたいですが、ところが、このごろは有権者の水準も高くなってきていて、政党が国民の批判力といいますか、国民の知的水準を余り甘く見ることは、私は非常に逆効果だと思いますね、いま。だから、政府の広報に名をかりて自民党の宣伝をするというようなことをすれば、聞いておる者の方からいろいろなやはり批判が起こって、そして逆効果になりますから、まあそういう意図はないと思いますけれども、これは予算の増減が相当激しいことは事実でありますから、そういう点ではよく調べてみたいと思います。  しかし、とにかく広報活動の必要というものはますます強くなってくるのですね、これは。私はいつも感ずることだが、案外国民に対しての周知徹底というものは、こっちが考えているほどではないですね、よほどやはり努力をしないと正確に理解されない場合が非常に多いと思います。だから、まだ足りないくらいだと思う。もしこれが有効に、政府の施策というものを国民に正しく理解されるようなことのために一つの正しい方法で使われるならば、広報費というものはますますやっぱりふえてくる傾向にある。それだけ国費を使うわけですから、その使い方というものに対しては万人が納得のいくような使い方をすべきだということは、野末さんの言われるとおりだと思います。国費ですからね、自民党が国費を使って党の宣伝をしていいというわけではないわけですから、それは十分に注意をしなければならぬと考えます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 総理のおっしゃるとおりですから、ますます広報予算が必要だとなれば、少なくも十年振り返った場合に一定の伸びをしているのがあたりまえで、それから、このままいつまで伸び続けるのかということに対しても、ある程度の節度ないしはけじめというものも必要だと思います。しかし現実に、いま私が意見を申し上げたのは、この政府の広報予算というものが結局国民に政府の考えを理解してもらうというような意味では余り効果を上げていない、広告効果がない、それよりも選挙絡みの方がむしろ何かあるのじゃないかというふうに考えまして、どうもこのままいわゆる国民の税金を使って政府が広報活動をどんどんやっていくことは一党一派に偏していくおそれが十分にある、そういうふうに考えているわけなんです。ですから、予算の額も、それから内容も、すべてにおいてより慎重にしてもらわなければならないわけなんですが、いずれにしてもこの税金をこういう、何といいますか、異常な、普通では考えられないような予算の伸び方を十年間させてきたことを、これは改めて総理はこの意味を考えて結論を出していただかないと困ると思うのです。  大蔵大臣にお伺いをしますが、洗い直しが非常に必要だということをおっしゃっていましたね。でも、洗い直しの対象になるのはこういうようなものからやるべきじゃないか。額はそんなに大きくないかもしれませんが、やはりこの広告効果の意味を考えた場合に、これはますます今後も伸ばしていく方向に大蔵大臣も考えておられますか、広報予算は。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 洗い直しの場合、この費目は遠慮しなければならぬというものはあってはならないわけでございまして、あらゆる経費につきまして厳正に当たってまいらなければならぬものと思いまして、広報費も例外であってはならぬと考えております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 じゃ、総理に十分この資料を考えていただく時間がないのに、結論になってしまいますけれども、この総理府の広報室のマスコミを利用した予算はどう考えても効果が上がっていないから、これは税金をむだ遣いしていることになる、そういうふうに思っているのですよ。だから、この額の程度でもいいですから、ほかに有効な、たとえば福祉面とか、そういう方に、削って使うというようなことは考えられませんか。それを最後に総理にお聞きしてやめますけれども。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) こういう時代になってきて、この金額がそれ自体非常に過当だとは私は思わないのです。ただ、その使い方というものが、いま御指摘のようなことがあってはならぬわけでございますし、またしかし、必要だからといって節度も要ることは言われるとおりでございます。そういうこともひっくるめて、政府の広報活動というものに対してはよく内容についても検討をいたしてみたいと思っております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして野末陳平君の質疑は終了いたしました。  速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 昨日の上田哲君の質疑に対し、坂田防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。坂田防衛庁長官。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 昨日のシーレーンにつきましての上田議員に対します答弁に不備がありましたので、改めて発言をさせていただきます。  御指摘の、有事の際に米第七艦隊を主軸とするハワイ、グアム、フィリピン、横須賀を結ぶ海域で日本の分担を決めた日米軍事秘密協定について調査いたしましたが、これは存在しておりません。  しかし、わが国周辺海域の防衛の構想を立てる上で、米海軍第七艦隊による全般的制海を前提として日米間の作戦協力のための何らかの海域分担取り決めが必要であると防衛庁が考えておることは、御指摘のとおりでございます。  防衛庁は、このため各幕を含めてわが国周辺海域の防衛に関する日米協力について検討を進めてきた一方、日米の防衛の責任者がこの問題を含めて話し合う必要があると考えております。国会終了後二、三カ月以内に手続を踏んで、シュレジンジャー米国防長官を日本にお招きし、この会談の中でこれらの点について話し合いを煮詰めて参りたいと思っております。そしてでき得れば、将来取り決めの形に至りたいと考えております。  なお、制服の担当者の話し合いに関しては、今後とも独走のないよう文民統制を十分に行い遺憾なきを期してまいりたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、いま防衛庁長官の答弁のように、非常に重大な段階に来ているわけです。そこで、ぜひ御理解をいただいて御答弁をいただきたい問題は、つまり陸海空三幕と申しても、空と陸は更新整備ですから、古いものを新しくするという整備の方向に向かっておりますけれども、海は別なんです。これは前の防衛庁長官の山中長官が退任に当たって、ついに海は不可解なりという言葉を残したのが防衛庁内局に残っているわけです。二十五万トンで何ができるかということを突き詰めていきますと、これは結局きょうの御答弁のように、第七艦隊の制海を前提とするということになってきて、そこに具体的なつながりということが出てこなければならぬということになるわけです。  そこで、たとえば三月の二十六日に、横須賀の空母ミッドウェー艦上で、アメリカ海軍の西太平洋艦隊の航空部隊司令官であるジェームズ・C・ドナルドソン少将が、横須賀の母港化の定着化ということを大変喜ぶ、ミッドウェーが米国に引き揚げられるときがあっても、次に新しい空母を送ってこの母港化は引き継ぐのだということを公式に初めて述べているわけですけれども、これはつまり、そういう第七艦隊と日本の海域設定分担が決まってくる、定着化ということを言いあらわしていることになるわけです。  こういう立場で、いままでそういう研究なり協定なりがなされてきた中で、そのことをいよいよこれから日米間の取り決めに移ろうという段階にいま来ている。これが非常に重大なところでありまして、これが防衛庁長官がシュレジンジャー長官を日本に招いて、話し合いの内容にこれを入れて、取り決めに進んでいくということになるわけです。また、防衛庁内局では、近く行われる宮澤外務大臣とキッシンジャー長官との話し合いの中に、まずこの問題の話を始めてもらおうと、こういう意向を持っているということもあるわけです。こういう問題を考えますと、結局四次防まで来た三幕の中で一番いま重要な問題になっている海の問題について、結局日本の海上自衛隊が第七艦隊の制海の中に組み入れられていく、これを制服でいままで協議していたものを、いよいよ政府間の中で協定化していくということになる、こういう段階をいま迎えているわけです。  ですから、そこを明らかにされたわけでありますから、ぜひ総理から承っておきたいのは、私は具体的な議論はもちろん内閣委員会等、他の議論にいたしますけれども、ぜひこの機会でなければならない政府の答弁としてしっかり確認をしていただきたいことは、つまり検討を進めておる、研究を進めている、共同研究という言葉で説明をされたわけですけれども、制服間ではすでにこの協定はでき上がっておるんです。どこまでは日本の海上自衛隊が持ち、どこまでは第七艦隊が持つ、それが合わせて一本である、こういうことになっているわけですから、そういうことが制服間の中で行われていて、実は政府ではこのことを関知しないということではいかぬ。シビリアンコントロールがなければわれわれ国会ではチェックのしようがないわけですから、国会の重要なチェック機関の問題として、そのシビリアンコントロールを強化していただく責任を負っていただきたいし、その限りでは、国会のチェック機能としていま進められている——明らかにあるわけですから、協定。協定という言葉がおきらいなら取り決めでもいい、あるいは共同研究という中身でも結構だから、そういうデータをお示しいただくということをひとつ前向きにお願いをしたい、このことが一つ。  それからもう一つは、坂田防衛庁長官とシュレジンジャー長官という、両国の防衛、軍事担当者が一堂に会する。しかも日本に来るという。まあレアード以来のことですから、そこでこの問題が議論されるということは、第七艦隊はいま明らかに、この委員会でも議論されましたように戦略攻撃部隊でありますから、それと一緒になって軍事協定が結ばれるということは、私は憲法に抵触をすると思うんです。したがって、憲法に抵触するような協定というものは結ぶべきではないし、またその協定を進めるべきではない。いまその直前まで来ている非常に重大な段階でありますから、この会議の中にはそのような協定の談合は、話し合いは入れるべきではないということを、憲法違反の話し合いはさせないのだということを総理からひとつ御確認をいただく、この二点であります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 上田議員から御提起された問題は、きわめて重要な問題点に触れておると思います。したがって、日米の幕僚間におけるわが国周辺海域の分担防衛のための研究については、いまお話のありましたような文民統制の趣旨を十分徹底してまいる所存でございます。  二番目の問題は、日米間で有事の際の作戦協力のための取り決めをするに当たっても、もう当然のことでありますが、憲法の範囲内でなければ行わないということを強くこれは申し上げておく次第でございます。御指摘の趣旨は十分に承ってまいりたいと存じます。     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 松永忠二君。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いま上田委員から、専門的な立場からああいうお話がありました。私たちの方から言えば、常識的に日本の自衛隊の防衛の範囲はどこかというのは、安保条約審議当時から非常に問題になった。フィリピンから大陸の沿岸だというようなことはよく説明をしてきた。しかし、海域において、東の方でどこまでだろうということがいよいよここで議論をされるときになってきたわけであります。したがって、いま総理が言われるように、文民統制の趣旨を生かして憲法の範囲内でひとつこの問題を処理するように、厳に私からもいまのことを守るようにお願いをしておきたいと思うわけであります。  経済企画庁長官の方から、きのうの答弁、ちょっとお話ししてください。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) きのうの成長率の問題につきましては、政府委員の方からお答え申し上げます。

青木慎三経済企画庁調整局長

○政府委員(青木慎三君) 昨日の御質問に対するお答えでございますが、本年の三月七日に、昭和四十九年十−十二月の四十五年基準によります国民所得統計の速報が公表されまして、それと同時に、それまで四十年基準によって公表されておりました同年の四−六月及び七−九月の速報が四十五年基準に改定されたわけでございます。一方、政府経済見通しの方を策定する段階では、四十五年基準の四−六月、七−九月の速報が作成してございませんでしたので、当時入手できる限りの資料で一応の推計を行いまして、その推計に基づいて見通しを行ったわけでございます。それが今度公表されました速報の数字と比べますと若干の相違がございますことは事実でございます。  そこで、いま新しく発表されました四十九年の速報に基づきまして、これは十二月までしかございませんので、四十九年の四月から十二月までの速報の数字をベースにしまして、それを前年の実績、すなわち四十八年の四月−十二月という時期の数字と対比いたしますと、マイナスの一・四という数字になります。現在私どもが推計できますのはそういう数字でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、五十年度四・三といった数字は幾らになるんですか。そしてそれは正確に測定できるようになっているんですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま政府委員から申し上げましたのは、新しい四十五年基準で計算したものなんです。四十九年度の成長率も、また五十年度の成長率も四十五年新基準で計算をしたものでありますので、四・三%成長というものはそのとおりで、何の変更を要するところはないと、かように御理解を願います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それは違うじゃないですか。四・三というのは四十年の基準でやったのであって、四十五年の基準でやるとこれは違ってくるわけなんです。これはもう正確には計測不可能だと、こう言っているわけです。

青木慎三経済企画庁調整局長

○政府委員(青木慎三君) 私の説明が混乱しておりまして、十分御理解いただけなかったかと思いますが、四・三%の成長率も四十五年基準で計算したものでございます。ただ、その経済見通しを策定する時期におきましては、今度速報で公表されたような数字がまだ入手できていませんので、私どもの推計でやったわけでございます。したがって、四十五年基準で一応推計をした上で五十年度成長率を四・三とはじいたわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 幾らになるかと聞いているんです。四・三というのは四十五年基準で言うと何・幾つになるかということを聞いているんです。さっきからそれを聞いているんです。

青木慎三経済企画庁調整局長

○政府委員(青木慎三君) 私どもが経済見通しを策定するときは四十五年基準で一応計算しておるわけでございます。ただ、その数字が、その当時は、この間発表になりました速報の数字を入手しておりませんので、私ども独自の推計でやったわけでございまして、四十年基準の数字に基づいて計算したわけではございません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 四十五年基準でやったんじゃないんだね。

青木慎三経済企画庁調整局長

○政府委員(青木慎三君) 四十五年基準で推計しまして、それではじいたわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 わかりました。そうすると、新聞あたりに出ていたのではなくて、やはり四十五年の基準で推定して四・三と。したがって、これからの一つの目標になるということはもう明らかなことですね。わかりました。  時間のある限り少しお聞きをいたしますが、総理、日本の国の経済協力、特に政府の開発援助についてどういうふうな問題点があって、これをどういうふうに改めていかにゃできないというふうにお考えになっていますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 実際問題として世界的に日本が国際協力ができる場合というものは限られてもいますがね、日本のやれること。経済協力とか技術協力というものが一番やはり国際的な日本の寄与できる面だと思うんで、それは相当の効果は上げてはおるんですが、私はこういう点にあると思うんですね、結局、相手国の立場に立ってその国の経済的な自立を助けるために有効な協力をやるという、相手国の立場というものになってというところにいろんな問題点があると思う。外国から見れば、日本の貿易の拡大のためではないかというように一種の批判を受ける場合もあるわけですが、日本の援助でありますから、貿易ということも考えないわけじゃないんでしょうけれども、結局は相手国の事情、相手国の要望、これをやはりよく日本が把握して、そして縁の下の力持ちをしようという、こういう点で、われわれこの海外の協力というものはもう少しやっぱり過去のやり方にも反省を加えて改革をする点があると、こういう点が私の考えておる一番の点であります。そのために、もう少し相手国のいろんな要望というものを日本自身が正確につかまえて、そして、その場合には日本自身の経験に照らしていろいろアドバイスをする場合もあっていいわけですから、そういうことで、そのことが生きたやっぱり協力であると。そういう点に対して、もう少し気を配るべき点があるというふうに、これは大局的においてはそう考えておる次第でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私お尋ねしたのは、そういうことよりももう少し別のことですけれども、日本の政府経済援助というのはDACの、いわゆる開発援助委員会の位置から言うと十二番とか十五番とかいろんな悪い条件があるわけなんです。こういうことをひとつ直していかなければできぬと思うわけでありますが、そこで、日本が一番経済協力をやっていて、しかも海外投資が一番行っているような、そういう東南アジアの国に一番反日の運動が起こっているというのは一体どういうわけだとお考えになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは全般的に反発ということでは私はないと思います。政府などに対しては日本の協力というものをそれ相当の感謝はされていると思いますが、たとえば民間の資本が進出をする場合にでも、やはりそのビヘービアというところにも問題がある点があると思いますよ。  たとえば、われわれが東南アジアへ行ってみまして、町に大きな日本の商品の広告が圧倒的なような形で出されておる。いかにも経済的にもう日本に押えつけられていくような、そういう国民感情を起こしたり、また日本の海外に進出をした者が、そこで腰を落ちつけてその地域社会の中に溶け込んで、そしてその国の経済の発展に寄与しようという点がやはり少し限られるところがあるのですね。腰を落ちつけるというよりも、早く日本に帰りたいという気持ちもある。日本の国はいい国ですからね、この国は。だから、向こうでやっぱりその地域社会に溶け込んで、長い間そこでしんぼうしようという気持ちが一般に私は足りないと思うんです。日本人同士が特殊な社会をつくって地域と溶け込まない。地域の中に溶け込んだら、地域社会の発展のためにやはり日本の行っておる人たちも尽くそうという気持ちになりますが、同じようなホテルに集まって、同じようにゴルフをやったりして、こう何か地域社会と溶け込めないところに、いろいろいいことはしておるのだけれども、その国の国民感情としたら何か反発を受ける。  しかもその進出が、よその国よりも日本の進出がやっぱりアジアにおいては圧倒的に多いことは事実でしょうから、何か経済的に支配されてくるのではないかというような感じを与えるのと、日ごろ相互理解が足りないですから、そういう外形上に見える日本の進出というものが、何か感情的に日ごろうっせきされたものがあって、両方が結びついて非常な大きな国民的反発のような形をとるのではないかということで、それは単に政府ばかりじゃなしに、民間の海外に出る人たちも考えなければならぬものを含んでいるというふうに思うわけです。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 少し私にも別の意見がありますが、時間もありません。  一体、経済ナショナリズムというのを総理はどういうふうにお考えになっておられるのか。これに対して日本はどういうふうな対処の仕方をしなければいけないのか、この点ひとつ総理からお聞かせ願いたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは私は、今世紀のこれからの課題というものは南北問題だととらえておるのです。この格差というものが是正されないと世界は安定をされない。いま開発途上国が目覚めてきたときで、余りにも先進国との格差が強過ぎる。これに対して焦燥感というものもありますね。それはやはりナショナリズムと結びつきやすい。過激なナショナリズムというものは、やはり開発途上国の焦燥感とも結びついていると私は思うわけです。  そういうことで、これはそのナショナリズムというものに対してわれわれは否定することはできません。自分たちが先進工業国との格差を早く是正して、そうして新しい国づくりをしたいというナショナリズムに対して日本は理解をしなければ、いわゆる第三世界と言われる国々と日本の関係がいいと言っていけるわけがないわけですですから、理解を持ちながらも、そのナショナリズムが非常に極端に走らないようにするためには、われわれ自身としても、いま言ったようにそういう相手国の立場に理解を持ちながら、主張に対しても理解を持ちながら、しかし、だからといってそういうことで世界と対決するというような形で発展途上国の、世界経済の発展がうまくいくわけではないんですから、日本の場合は、そういう国々に対してはできるだけ日本自身が誠意を持ってつき合って、極端な方向に走ることはその国のためにならぬわけですから、そういうことで穏健な形でナショナリズムというものが国の新しい開発、新しい国づくりに結びついていくように、日本自身、国の態度がそういう気持ちを助けるような方向で協力をするべきだと思うんです。これを否定することはできない。むしろ日本は理解を持つべきだというのが基本的な考えでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 その点は、私はこういうふうに考えるんですがね、開発途上国の経済的自立化の要請を支持をしていく、そして自己資源を用いた工業を主軸とする国民経済の形成を一生懸命やろうとしているんだから、これに積極的に寄与するように、民間企業なども四九%のシェアの合弁方式を推進をしていくということを考えなけりゃできないんじゃないか。  第二番目に、やはりいま開発途上国で社会的な公正への実現を目指していこうというようなことを考えて、国内市場を形成をしようというふうに一生懸命努力をしておるわけだから、日本としては、民間企業がただ主体的に進出するんじゃなくて、必ずしも採算のとれない社会資本とか、教育とか、医療とか、技術伝達などの公的な部門を主体とした海外協力方式へ力を入れていかないといけないのじゃないか。  第三としては、日本自身が、やはり産業構造を改めて、日本自身がもっと省資源の産業をつくり、日本自身が福祉優先のやり方をしていかなければ、資源をたくさん外から持ってきて日本が発展しようという考え方では、やはりこれはできない。日本自身の経済のやり方に一つ問題がある。こんな点を私は考えているわけであります。  そこで、ひとつ続けてこういう経済的ナショナリズムが起こっている中で、民間企業の進出については一体どういう対策が必要だろうか、この点について通産大臣と外務大臣からちょっとひとつ簡潔に御答弁をいただきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) やはり、この経済協力を進めていきます場合に、特に東南アジアの場合におきましては、相手国の事情をよく考慮いたしまして、相手国の経済のために真に役に立つと、こういう形で考慮していかなければならぬと思います。同時にあわせまして、海外へ日本の企業が出ていきました場合に、それが国内に逆に悪影響を及ぼす場合もありますので、そういうことのないようによほど気をつけなければならぬと、こう思っております。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど松永委員がお述べになりましたことの中に幾つかそういう示唆があらわれておると思います。すなわち、なるべく現地に根をおろして、そして、できれば再投資も現地でやっていく、その中には多少、直接利益につながらないような部分にも、できるならば一種の現地に対する社会的責任も果たしていくということ。それからもう一つは、できるだけ現地の人人を登用をしていくと、これは資本的にもそうでございますけれども、人を雇用いたしますときにもできるだけそういうふうにしていくというような心構えが必要であろうと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、通産省は海外事業活動調査法というようなものをこしらえて、日本企業が現地で摩擦を起こさないようにするための法律規制を検討したいというようなことを考えているようでありますが、これは一体いつごろをめどにして成立させようとしているんですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今回の予算で若干の金額がついておりますが、新年度早々実行に移したいと、こう思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 また政府は、自民党がいま対外経済協力特別委員会というものをつくっている、それと一緒になって、五十年度から国際協力に関する基本政策をつくって、実施機関を強化し再編する方針を立てているようであります。で、従来の対外協力閣僚懇談会を改組して国際協力関係閣僚会議というものをつくって、いま申しましたように、援助条件をまずよくしなきゃだめだ、基本的な政策が全然欠けている、縦割り行政で窓口がまことに不明瞭だというようなことからして、この基本政策を立てると一緒に、政府開発援助に関する中期計画、地域別・国別開発戦略、主要分野別計画の三種類の国際協力をする計画、五年の計画を立てていくということと同時に、民間企業に対する海外活動の基準をつくろうというようなことを考えているようであります。私は、まさに適切なことであり、いま十分な時間ありませんけれども、全く窓口がばらばらだし、条件が悪くて国際的に十何位というような状況だし、基本的な政策に欠けるところもあるし、こういうことはまことに必要だと思うのですが、この具体化については一体どういうふうなめどを持っておられるのか、これは外務大臣の所管だと思うのですが、それをお聞きをして質問を終わります。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま与党の中でそのようなことを研究しておりまして、ねらいは幾つかあるわけでございます。一つは、海外経済協力にはいわゆる長期計画というものがございませんので、まあ単年度でやっておるというようなことでありますが、これではやはりぐあいが悪いので、長期計画を立て、しかも世界の各国をよく見渡した上で、それを長期的にどのように配分していくかというような考え方が必要であろうという点が一つでございます。  それから次に、国内的にも、輸銀でありますとか、基金でありますとか、あるいは国際協力事業団でありますとか、かなりその間の事務の配分が複雑でありまして、これは従来からのことでございますから松永委員はよく御承知でいらっしゃいますが、及びそれとの関連で関係の各省庁が非常に多いということで、きわめて実は効率が悪いではないかという問題がございます。その点をどうするか。  それから最後に、これもお触れになりましたが、日本の企業が海外に進出いたしますときの指針と申しますか、基本的な態度などについても政府が方針を示すべきではないか。こういったようなことを一括してただいまのような研究が行われておるわけでございまして、それがある程度固まりますと、政府とも御相談をしながらやっていくということでございます。何分にも長年のこれは懸案でございますが、いつかは処理をしなきゃならない問題でございますので、政府としても積極的に取り組んでいくべきことだと考えております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして松永忠二君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて、締めくくり総括質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 阿具根登君外三名から、委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。  この際、本修正案を議題といたします。  阿具根君から修正案の趣旨説明を願います。阿具根登君。(拍手)

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました、日本社会党、公明党、民社党及び第二院クラブが共同提案しております昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算及び昭和五十年度政府関係機関予算の共同修正案につきまして、その提案の趣旨及び概要について御説明申し上げます。  昭和五十年度予算政府三案につきましては、すでに衆議院の先議、議決を経て送付されてきたものでありますが、参議院予算委員会における審議の経過の中で具体的に多くの部分にわたる予算の不備が明らかにされてまいりました。それらの中には、国民生活にとって実施の猶予の許されない緊急な事項も多く含まれております。  これらの国民生活にとって緊急必要な項目については、本委員会の審議の経過にかんがみ、最小限度の修正を行うことが求められるのであります。  もとより、予算は政府の施策の基本であり、各党それぞれの立場から慎重な審議を進めてまいったところでありますが、基本的に、たとえば歳入面では、酒、たばこの増税を初め、きわめて重要な反国民的内容を含んでおり、あるいは公共料金の値上げなど、国民生活に背を向けた施策が進められようとしております。これらの諸点につきましては、本来的には本院における大幅な修正を必要とするところでありますが、予算の自然成立を目の前に控え、この際、日本社会党、公明党、民社党及び第二院クラブが共同して、今日、必要最小限度の緊急項目にしぼって、予算修正を行おうとするものであります。  したがって、本修正案の特色は、第一に予算規模の総枠内での修正にとどめたことであります。  第二が、委員会の審議の中で問題点が出され、政府側もそれを一部認める方向にあるものを中心とした修正であります。  第三に、各党のそれぞれの主張の中から一致し得るものに限っての修正であるという点であります。  次に、修正案の具体的な内容について申し上げます。  お手元に修正案が配付されておりますので、修正内容の中身について簡潔に御説明いたしたいと存じます。  まず、歳入についてでございますが、輸・開銀から貸し倒れ準備金の半額約六百億円を国庫納付させることとし、それにより公債の発行を五百億円減額し、さらに国有財産の処分を百億円減額することといたします。したがって、修正後の歳入総額は政府原案と同額といたしております。  次に、歳出でございますが、自衛隊の航空機購入七十億円を取りやめることといたしております。これは、自衛隊機のF86やF104などが油づけにされているという事実に基づき、更新のための購入費を五十年度に計上する必要を認めないからであります。国債費の減額は、公債の発行減に伴い、六億五千万円減額いたします。  また、予備費は、この際一千五百億円減額することといたしております。この減額により、予備費は一千五百億円となりますが、この一、二年の使用実績から見て十分間に合う金額であります。  こうした減額によって生み出した財源で、福祉対策等、特に緊急を要する事項に限定して予算措置を講じております。  その第一は、福祉年金の増額であります。政府案の一万二千円に八千円を増額し、月額二万円とするということであります。特別給付金、障害福祉年金、母子、準母子福祉年金も、これに準じて引き上げることといたします。これに必要な経費は千二百二十四億円となります。  第二に、重度障害者福祉手当の繰り上げ及び重症児指導費の増額であります。在宅重度障害者福祉手当を九月に繰り上げ実施することとし、これに要する経費九億五千万円、重症児指導費一人月額八万六千八百八十三円を十万三千七百八十六円に増額することとし二十五億円の追加、合計して約三十五億円の増額であります。  第三に、学童保育、いわゆるかぎっ子対策に三億五千万円計上していますが、これは御承知のとおり、厚生省の概算要求には盛り込まれていたものを復活させたものであります。  物価対策等の観点から強化が急がれている公取委事務局については、五十名の増員と審査部門の新設等を見込み、三億円を計上しております。  また、公害対策のうち、予算編成段階では盛り込まれていない瀬戸内海海底清掃調査等、公害防止対策に必要な調査、研究等経費として、約七億円も計上しております。そのほか、急増した近隣諸国からの繊維輸入に対処する経費三億円も計上いたしました。  さらに、国民春闘の中で恵まれない労働者のため、野党が共同して要求し、政府もその必要性を認めて検討することとなった、全国一律最低賃金制度実施の調査費を二億円計上しております。  一般会計の最後の計上項目は、地方財政の超過負担解消のため当面必要な経費として、超過負担解消臨時特別交付金三百億円を計上しております。これにより、義務教育施設校舎、保育所及び公営住宅第一種中層耐火建築関係の超過負担の解消を図ることといたしております。  次に、特別会計、政府関係機関予算の修正は、一般会計の修正に関連してそれぞれ修正いたしておりますが、倒産企業等の未払い労働者債権の立てかえ払い制度の創設のため五億円、心身障害者団体の刊行物の郵便料金の据え置き等の経費も見込んでおります。  また、特別会計予算総則に一条を加え、郵便貯金会館の建設費は、同会館設立に関する目的、組織等の整備が終了するまで支出留保をすることにしております。  以上、概略申し上げましたとおり、本修正案に盛り込んだ諸施策は、イデオロギー的な対立によるものでなく、審議の過程で政府側ももっともだと肯定された、国民生活にとって最低限度の緊急要求が大部分であります。それらの点を考慮され、全会一致で御賛成くださるよう強く要望し、提案の説明といたします。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまの阿具根君外三名提出の修正案中には、予算総額の増額となるものがありますので、当該修正につき、国会法第五十七条三の規定により、内閣から意見を聴取いたします。大平大蔵大臣。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) ただいまの修正案につきましては、政府といたしましては反対であります。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 別に御発言もなければ、これより三案及び修正案について討論に入ります。  討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べを願います。宮之原貞光君。(拍手)

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、日本社会党を代表して、政府提出の昭和五十年度予算三案に反対し、先ほど提案になりました日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブの共同修正案に対して賛成する立場から意見を表明するものです。  わが国の経済は、いまやスタグフレーションというインフレと不況の同時進行の中で、厳しい事態に見舞われております。物価は前年度に対し二二%の高い水準にあり、国際収支は五十五億ドルの大幅赤字が見込まれ、しかも経済の実質成長率は、マイナス一・七%という戦後最大の不況であります。  日本経済をこのような状態にしたのは、直接には、田中前内閣の日本列島改造論を初めとする産業優先の開発政策と、財政金融面からの放漫な調整インフレ政策にあることは、いまさら言うまでもないことでありますが、その根本の原因は、インフレを容認する歴代自民党内閣の高度成長政策にあることは、何人も否定することができない事実であります。  三木内閣は、田中前内閣の政治姿勢と経済政策を批判して登場した内閣である以上、当然これまでの姿勢と政策を改め、物価高と不況に悩まされている国民生活の実情に即し、有効適切な対策を明示すべきであるにもかかわらず、予算案審議を通じて明らかになったことは、全く有言不実行、総論あって各論なしの内閣であるということであります。  本当に対話と協調を政治姿勢とするならば、まずもって予算案について野党の主張を受け入れるべきは受け入れ、修正に応ずべきは応じてしかるべきであるにもかかわらず、衆議院においては、国民生活擁護のため提案をされた国民生活最低限の日本社会党、公明党両党の共同提案の組みかえ動議を否決し、組閣以来の公約であったところの政治資金規正法や独禁法の改正についても、われわれの正当な主張に何ら耳を傾けることなく、その内容を著しく後退させているのであります。  本来、五十年度予算は三木内閣の初の本格予算であり、物価、不況対策や社会的不公正を是正するための重要な予算となるべきにもかかわらず、提出をされた予算三案の内容は、全く国民の要望に反するものであり、われわれのとうてい賛成できるものではありません。以下、主なる点についてその理由を申し上げます。  その第一は、五十年度予算案は、巨額の規模に上りながら、その実質的な内容は前向きな施策はほとんどなく、インフレの波間に漂う漂流予算案だと言わざるを得ません。  すなわち、予算規模は二十一兆二千八百八十八億円という戦後最大の規模でありますが、増加額の八割以上は当然増経費であり、新規の施策に当てられた経費はわずかに七千億円にも満たない額であります。また、その内容も、社会保障、文教、地方財政に重点を置いたとしておりながら、社会保障費も文教予算も、ほとんど従来の施策によるものであり、地方交付税交付金に至っては、四十九年度の補正で過年度の精算分を先食いしており、その分だけ実質的には大幅な減少であります。  三木総理は、財政硬直化のため何もできなかったと言っておりますが、これこそ歴代自民党内閣の施策の失敗によるものであり、顧みて他を言うもはなはだしいと言わなければなりません。  第二は、物価、不況に対する施策であります。  今日のインフレは自民党内閣の政策の失敗によるものでありますが、不況もまた狂乱物価の招いた個人消費の停滞によるものであります。したがって、物価対策に最重点が置かれなければならないことは言うまでもありません。しかるに、政府の物価対策は、総需要抑制と形ばかりの公共料金の一部凍結を行っただけで、ほとんど見るべき対策はなく、その反面において、不況のしわ寄せを最も受ける中小企業や弱い立場にある人たちに対する対策はきわめて不十分であります。  福田副総理は、今年度の物価目標を前年比一五%にとどめたことを最大の手柄のようにいたしておりますが、狂乱物価の前年に対して上昇率は鈍化をしたというだけで、世界一の高い物価高であるということには何ら変わりなく、言葉の上のごまかし以外の何物でもありません。  その第三は、社会的不公正の是正についてであります。  インフレ下における財政として最も留意しなければならないのは社会的公正を確保するということであり、すべての施策を通じてこれが実現せられなければなりません。しかるに予算案は、この点に対する対策はきわめて不十分であります。すなわち、社会保障費は三五・八%で史上最高の伸びだと言っておりますが、そのほとんどが従来の施策によるものであり、唯一の目玉と言われる福祉年金の一万二千円への引き上げでさえも、その実施時期は十月からで、昨年度の場合の九月実施よりさらに後退をいたしておるのであります。  また公共事業費については、これまでに圧倒的に高い割合を占めていた産業関連事業の比率を下げ、生活関連事業の比率をこそ高めなければならないのに、予算案ではようやく二一%程度に高めただけであります。  また、その住宅政策の持ち家制度重点政策は、一方では公団、公営住宅をそれぞれ一万戸も減じているだけに、社会的弱者切り捨ての住宅政策と言わざるを得ません。  さらにまた、零細な貯蓄者や老後の備えのために貯蓄をしている老齢者にとっては、インフレによる預貯金の目減りの問題は深刻な問題であります。これに対する補償や対策については、何ら積極的な対策を示していないことはきわめて遺憾であります。  その第四は、地方財政に対する対策であります。  インフレと不況によって重大な財政危機に見舞われているのは地方自治団体でありますが、この原因は、不況による税収の鈍化と自民党内閣による福祉面の施策の怠慢にあることは、超過負担が、保育所、学校、屎尿処理施設等あらゆる面に及んでいる事実を見ても明らかであります。もし、本当に住民の福祉を願っているならば、行政事務の再配分や財源対策をこそ真剣に考えてやるべきであるのにもかかわらず、政府・自民党は、革新自治体の福祉の先取りや地方公務員の人件費攻撃を露骨に行い、地方財政危機の実態から国民の目をそらそうと躍起になっております。これは春闘や地方選挙を意識した党利党略以外の何物でもなく、本末転倒もはなはだしいと言わなければなりません。この点、予算案における地方財政対策は、交付税も地方債も全く不十分であります。  その第五は、税制についてであります。  インフレ下の税制改正の主眼は、名目所得の増加によって生ずる租税負担の実質的な増加を調整することと、税制面の不公平を直すことにあることは言うまでもありません。しかるに、政府予算案を見ますと、所得税の減税はわずかに二千四百八十億円であり、その反面で、逆進的性格を持つ酒、たばこなどの間接税を三千五百六十七億円も増徴することとしております。これでは、物価調整減税どころか、大衆増税以外の何ものでもありません。  また、社会的不公正の是正が財政の課題であるならば、利子配当課税や社会保険の診療報酬の特例など不公平税制を直すことこそが先決でなければならないのに、不公平税制はほとんどが温存をされたままであります。  その第六は、公債政策についてであります。  予算案は、口に総需要抑制を唱えながら二兆円に及ぶ公債を発行し、公債対象経費と公債発行額との差はわずかに一兆円という状況であります。万一、不況により租税収入に歳入欠陥でも生ずれば、政府の言う建設公債の枠さえも守れなくなるおそれのあることは、火をみるよりも明らかであります。  以上、申し上げましたように、五十年度予算三案は、自民党内閣の政策の失敗による後始末を勤労者や中小企業、零細業者にしわ寄せをし、インフレと不況の両面から社会的不公正を強いられている国民大衆の要望を完全に踏みにじるものであります。  われわれは、このような予算三案にはとうてい賛成することはできません。私ども共同してただいま提案をいたしております修正案は、先ほど提案説明もありましたように、まさに本委員会の審議の経過にかんがみ、国民の要求する最小限度の緊急課題にしぼって修正を求めるものであり、本院の審議においても画期的なものであります。  私は、せめてこの程度の修正が実行されなければ、参議院の審議は事実上無用のものとなり、院の尊厳と国民の信託にこたうべき任務をみずから放棄することになると思うのであります。  どうか、委員長、委員各位におかれても、この重大な参議院の任務を認識され、修正案を可決されんことを強く要望し、共同修正案に賛成、政府原案に反対の討論を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 中山太郎君。

中山太郎自由民主党

○中山太郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十年度一般会計予算外二件に対し賛成、修正案に反対の討論を行うものであります。  今日のわが国経済に求められる最大の課題は、申すまでもなく経済の異常事態を一日も早く収束させることであります。一昨年秋の石油危機を発端として、世界的規模の中での物価の高騰、不況、国際収支の悪化は、ついに二けたの物価上昇下で、経済がマイナス成長という戦後経済史にない厳しい局面を迎えたのであります。資源有限時代の到来は、高度成長から総需要抑制、さらに低成長への移行と省資源、省エネルギーの経済構造への軌道修正を余儀なくされ、いまこそわれわれは新しい環境に適応した長期的な安定路線を確立してインフレと不況を収束し、国民生活を安定させ、社会的不公正を是正して、国民福祉の充実のため新しい財政経済運営の方向を確立せなければなりません。  最近、ようやく物価の鎮静が定着の兆しを見せ始めたものの、依然としてエネルギー価格の高騰や賃金水準の上昇によるコストの上昇圧力はいまだ予断を許しません。五十年度予算案を拝見いたしますと、このような経済情勢を踏まえて物価の安定を最重点の政策目標とし、経済を安定路線の軌道に円滑に移行させるため、引き続き抑制的な基調のもとに編成されておりますことは、将来の国民経済の発展と国民生活の向上の礎として政府の姿勢を評価いたすものであります。  以下、五十年度予算の特色について、若干意見を申し述べたいと存じます。  まず第一に、予算の規模であります。一般会計予算の規模は二十一兆二千八百八十八億円、これは前年度当初予算と比べ二四・五%の増となっております。この伸び率が高いことで景気刺激型ではないかという意見がありますが、前年度補正後予算に比べると一〇・九%増で、これは過去十年間の中でも最も低い方に属しているばかりか、中央、地方を合わせた国民経済計算上の財貨サービス購入の伸び率一四%は、GNPの伸び率一五・九%を下回っておりますほか、その歳出内容を見ても給与費の大幅引き上げや社会保障関係費など当然増経費が大半を占めております。また、需要創出効果の大きい公共事業関係費を前年度と同額程度にしておるほか、歳入面での公債発行を前年度より千六百億円減額し、その依存度が四年ぶりに一〇%を割る九・四%であることを考えますとき、五十年度予算は現下の日本経済の命題にこたえ得る抑制型の緊縮予算であると断言できるのであります。  次に、物価問題、なかんずく公共料金につきましては、基本的にはコストとの関連で合理的な水準で設定されるべきものでありまして、これをコストと著しくかけ離れたまま放置し、安易に財政援助に依存することは費用負担の公正を欠くばかりでなく、かえって将来に禍根を残すことになると思うのであります。現下の物価対策の重要性にかんがみまして、抑制的な財政運営と相まって、公共料金の引き上げは極力抑制することとし、塩の小売価格、麦の政府売り渡し価格及び電信電話料金はこれを据え置くこととされておりますほか、また昨年値上げを予定しておりました郵便料金については引き上げ幅を縮小する一方、その時期を半年延期するなど特段の配慮がなされております。また、財政面におきましても、一般会計、特別会計を通じて一兆七千二百六十八億円の物価対策関係経費を計上しておりますことは、国民生活の安定に寄与するものとして同慶の至りであります。最近の物価動向を見ましても、卸売価格は政府見通し九・二%を大幅に下回る形で達成されておりますほか、消費者物価の一五%目標もこれを一%下回る一四%に落ちついております。前年度の物価目標がこの異常経済下でこのように目的を達成し、物価の先行きに明るい兆しが見え始めているのでありますが、今後何よりも懸念されるのは、春闘を目前に控えた賃金動向の成り行きであります。国民宿願の物価退治が、長い間の国民のがまんと協力によって物価安定のプログラムが緒につきかけたとき、低成長下で従来のようなパターンでの賃金の大幅上昇が行われるならば、物価と賃金の悪循環はますます社会的不公正を拡大させ、わが国経済が破局することは明らかであります。労使双方とも国民経済的見地から節度ある交渉を切に願いたいのであります。  次に取り上げたいのは、社会保障対策であります。インフレは所得や資産の分配に大きな不公正を生み、国民生活と社会秩序を崩壊する元凶でありまして、これが対策が何よりも重要でありますが、特に社会的、経済的に恵まれない生活保護家庭、母子家庭、身障者、年金、恩給受給者など、弱い立場の方々に対する社会福祉の充実は、たとえ安定成長という経済基調の変化がありましても、当然に福祉の充実は図らなければならない政策課題であると思うのであります。  五十年度社会保障関係費の総額は、前年度当初予算より一兆三百六十億円増の三兆九千二百六十九億円でありまして、その伸び率は三五・八%、一般会計予算に占める社会保障関係費は四十九年度の一六・九%から一八・四%に上昇し、二割に手が届く水準にまで達しております。すなわち、老齢福祉年金は七千五百円から一万二千円に六〇%引き上げられる画期的な改善が図られておりますほか、厚生年金、国民年金における物価スライドによる年金額の引き上げと、実施時期の繰り上げ、生活保護基準の引き上げ等が行われております。また、介護を要する住宅の重度心身障害者については福祉手当を創設するなど、社会保障における各般の制度に実にきめ細かい配慮がうかがえますことは、五十年度予算はまことに福祉予算であると言っても過言でないと思うのであります。  以上、福祉予算に言及いたしましたが、五十年度予算にはそれと並んで文教の振興に特に重点的な配慮がなされております。教員給与及び教員定数の改善、私学助成の大幅な拡充等、文教、科学技術に飛躍的な充実が図られておりますほか、中小企業対策、農林漁業の振興、資源エネルギー対策の推進、公害防止、地方財政の健全化など、限りある財源を重点的かつ効果的に配分されておりまして、国民の期待に十分こたえ得る予算であると確信いたすものであります。  以上、五十年度予算は、弱者救済、社会的不公正の是正、国民福祉の増進を中心とした基本路線のもとで、経済の安定成長と物価の安定に資するものと思うのでありますが、一方、総需要抑制の長期化も予想され、景気の停滞による失業、倒産等の摩擦現象が業種、地域により今後も懸念されておるのであります。特に、物価安定後の不況下での雇用対策や、体質の弱い中小企業対策については、経済の抑制的な基調の枠組みの中にきめ細かい配慮を希望いたしますとともに、財政の執行に当たっては必要に応じ公共事業等の弾力的執行、財政投融資の弾力条項の活用、経済情勢の推移に応じて機動的、弾力的運営のため適時適切な手を打たれることを期待いたしまして、予算原案に賛成、修正案に反対の討論を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の昭和五十年度予算三案に反対し、社会党、公明党、民社党、第二院クラブ、各派共同提案による修正案に賛成の討論を行うものであります。  政府原案に反対の第一の理由は、狂乱物価に続く不況という二重の苦しみを国民全体に押しつけながら、酒、たばこ、郵便料金、国立大学の入学金や受験料などの公共料金の値上げを強行し、政府主導型の物価上昇をもたらそうとする、社会的、経済的に弱い立場の人々を特に無視した施策を推し進めようとしていることであります。  第二の理由は、税制改正が不公正の拡大に向かっていることであります。一般勤労者が最も恩恵を受けるはずの所得税減税は、平年度分でわずかに二千四百億円という超ミニ減税である一方、酒税の引き上げ、たばこの値上げを行っており、実質上の増税となっていると同時に、一般大衆に縁の薄い相続税、贈与税の調整を行ったり、利子、配当課税や土地譲渡所得課税の特例や、医師税制優遇などの租税特例措置の温存を図っているのであります。  第三の理由は、歳出における諸点についてであります。三木内閣のキャッチフレーズの一つである不公正是正が実施されていないことであります。社会保障関係費を増額したものの、老齢福祉年金はわずか一万二千円であり、長期的な展望に立った社会保障長期計画も策定せずに、単に金をばらまけばよいという場当たり的な施策を続けることは、財政の破綻をもたらす原因となるでありましょう。  さらに、住宅対策費二〇%増、生活環境施設整備費はわずか三%増という、国民生活の向上につながる予算の増額が十分でなかったことであります。  第四の理由は、地方財政の危機に対する対応策が見られないことであります。政府は人件費の増加の攻撃のみに終始し、委任事務の軽減、超過負担の解消、交付税率の引き上げ、ギャンブル収益金による地方公共団体間格差の是正などを放置しているだけでなく、法人事業税の超過課税に上限を設けたり、電気消費税の特例減免措置を撤廃しないなど、全く後ろ向きの姿勢を続けているのであります。  以上のように、経済政策の転換を唱えながら、福祉への転換を怠り、不公正を増長、拡大する政府原案に反対し、ただいま提出されました修正案は、予算規模の総枠内での修正であり、予算審議中に提起された問題点を修正してあるものであり、さらに予算修正を十年ぶりに求めた画期的なものであります。まだまだ公共料金の凍結、減税その他の基本的な問題もありますが、今回は実現可能な最小限度のものとなったのであります。物価対策に必要な公正取引委員会の強化、公害防止の強化を初めとし、社会的不公正是正推進のため、学童保育の制度化、年金の引き上げ、介護手当の繰り上げ、重症児指導費の増額や地方財政の危機打開のためへの配慮等がなされており、これを直ちに実施することが国民にとって望ましいものばかりであり、私はこれを高く評価し、修正案に賛成、政府原案に反対の意を表し、討論を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 岩間正男君。(「議事進行」と呼ぶ者あり)討論を願います。(「三月十一日の総括質問の席上で、わが党の立木議員が外務省に対して、第三四五……」と呼ぶ者あり)岩間正男君。(「三四五戦術空輸中隊についての報告を外務省に求めております。この予算委員会中に報告するということで、外務省の方も準備してきているはずであります。態度表明の前にこの報告を求めたいと思います。どうなさるおつもりか」「質疑終結、討論の時間」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)その答弁は、後刻行うことにいたします。岩間正男君、討論を願います。(発言する者多し)

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 討論に入るに先立って……。  委員長は異例の、いまだかつてないこのような措置をしました。つまり、当然これは討論に入るに先立って処理しなければならない案件を、あなたはミスをやっております。だから、当然それについては、せめて私の討論前にこれをするのがあたりまえじゃないか、この要求をしたのです。ところが、これに対して強引に、あくまであなたたちの決定した方式でこれを強行しようとする。これは、はなはだ遺憾なことなんだ。この点についてあなたはどう処理するのですか、まず。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 後刻申し上げます。討論に入ってください。岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 討論の前のこれは要件でしょう。どういうふうにあなたはするかというんです。案が決定されて、それからどんな外務大臣がこれに対する報告をしても、しようがないじゃないか。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 岩間正男君。討論願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 はなはだ不当なやり方で、非常に不満である。しかし、こういう事態の中で私は先に討論するが、これに対するこの処置については、今後本委員会の民主的運営のためにも重大な問題を残すものである。この点については、はっきり保留しておくということを前提として、私は討論に入ります。(「討論を早くやれ」と呼ぶ者あり)静かにしてくれ。民主主義とかなんとか言ったって、声を大にして人のなにを妨害するようなことはやめろ。筋を通すためにやっているのに、何だ。  私は日本共産党を代表して、昭和五十年度予算三案並びに四会派修正案に対し反対するものであります。  わが党は、五十年度予算編成に当たり、国民生活の安定、福祉の向上、つり合いのとれた経済の発展、平和、中立の経済、外交政策への転換を強く主張し、要求してきました。しかるに、政府はこれら切実な国民の要求には一切耳をかさず、強引に原案を押し通そうとしています。対話と協調どころか、三木内閣の本質が従来の自民党政府と何ら変わっていないことの明らかな証拠です。  このことは、両院の審議による田中金脈問題、自動車の排気ガス規制問題、政治資金規正法並びに公職選挙法、さらに独禁法改正、特にとりわけ安保、核問題等に対する政府の態度を見ればきわめて明白であります。わが党は、これら三木内閣の大企業本位並びに対米追従の政策実行のための本予算案を絶対に容認することはできません。  第一に、物価安定、インフレ抑制とはほど遠い、国民生活を困難にする予算となっていることであります。たばこ、郵便など公共料金の大幅値上げを織り込み、二兆円の巨額の赤字公債の発行を予定し、また地方財政危機に対し、総需要抑制の名によってかえって締めつけを強化しているのであります。  第二に、三木内閣の「社会的不公正の是正」は口先だけのものとなり、老齢福祉年金は一万二千円、生活保護費も実質で一四・四%の引き上げにとどめるなど、激しいインフレでますます引き下げられ、これまでの福祉の水準をようやく維持するにも不十分な施策しか盛り込まれていないのであります。  第三に、大企業本位の高度成長型の財政、税制、金融の仕組みを温存するものとなっていることであります。大企業に対する特権的減免税により、資本金十億円以上の大企業に約三兆円もの税金を免除し、また、公共投資でも産業基盤整備二、生活基盤一という配分は従来と何んら変わっていないのであります。第四に、キッシンジャー構想に追従した米国依存のエネルギー政策を推し進めていることであります。石油備蓄体制のため約一千七百億円もの予算を石油大企業へつぎ込むことにし、一方では、石炭産業取りつぶしの第五次石炭対策を推進しようとしているのであります。  第五に、対米従属的な軍国主義路線推進のための措置を大幅にとっていることであります。四次防推進費約一兆三千億円に達し、拠点基地の集中強化のための軍事基地移転費は三百四十三億円に増額されているのであります。  以上のように、この予算案は、福祉優先どころか国民の災厄を拡大するものであることは明らかであります。わが党は、今日、切実緊急に求められている国民本位の予算にすることを強く主張するものであります。  第一に、そのためには高度成長型の仕組みを取り除くことであります。公共投資の大企業本位のあり方を改め、産業基盤整備と生活基盤整備の割合を一対二と逆転させ、また、大部分が国民の零細な貯蓄性資金である財政投融資を大企業中心に回すやり方を改め、国民のために使うことであります。  第二に、公共料金の値上げをやめ、大企業やメジャーの不当な価格つり上げ、操作を規制し、また、福祉年金を二万円、生活保護費は五割引き上げるべきであります。  第三に、地方財政危機の打開を緊急に図るため、超過負担の解消、地方交付税率を四〇%に引き上げ、大企業の特権的減免税を廃止することであります。また、部落解放同盟朝田派に対する同和財政の不公正と乱脈な支出を是正する措置をとるべきであります。  第四に、一兆三千億円に上る莫大な軍事費を大幅に削減することであり、米軍に対する特権的減免税を廃止することであります。  以上の立場から、日本共産党は、政府提出にかかわる昭和五十年度予算に反対するものであります。  なお、野党四会派提出の修正案は、それ自体の修正点はともかく、財政、税制、金融等予算の基本的仕組みを何ら変えるものでないので反対するものであります。  最後に、本委員会の運営について一言したい。  本委員会の運営に当たっては、最初の質問者の順位を各党一巡方式をとるべきであり、関連質問を大会派中心に、させないこと等をめぐって問題を今後に残しましたが、運営をあくまで議会制民主主義を守り、慎重審議を尽くして国民の負託にこたえることができるよう、公正、民主、少数意見尊重を貫くよう改善することを要望して私の討論を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 柄谷道一君。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、民社党を代表して、ただいま議題になっております政府提出の昭和五十年度予算三案に反対し、社会、公明、民社、第二院クラブ共同提出の修正案に賛成の討論をするものであります。  いまさらここで私が申し上げるまでもなく、これまでのわが国がとってきた高成長政策は、インフレの激化、公害の多発、生活環境整備の著しい立ちおくれ、そして福祉の向上を阻害するという国内的矛盾を深刻化したのみならず、国際面ではわが国の経済的侵害として受け取られたとともに、新たに石油を初めとする資源の国際的な制約の発生により、内外の全般にわたる政策の一大転換が要請されているのでありますが、しかし、三木内閣の手による昭和五十年度予算案にはこうした政策転換につながるものが発見することができないばかりか、歴代自民党内閣がとってきた政策を惰性的に踏襲している予算案と言わなければなりません。  三木内閣が真に国民の福祉を高めるため、公平な判断に基づき断固たる実行力を示し、同時にそれがため野党との信頼関係を確立するとともに、国民各階層とも胸襟を開いて親しく話し合う政治を行う用意があるならば、きわめて良心的で控え目というべき五十年度予算の一部修正要求を受け入れるべきであります。もしこれすらもできないとするならば、三木総理の口から再び対話の政治などという言葉は聞きたくないというのが国民の大多数の偽らざる心情と思うのであります。この点、三木内閣の強い反省を求めてやまないところであります。  次いで政府予算案に反対する二、三の具体論を述べたいと思うのであります。  その第一は、税制の不公正是正を行うべきであったにもかかわらず、実質においては、大衆の税負担が増大するような、たばこ料金、酒税の引き上げを行いながら、一方では利子、配当の優遇課税の抜本改正を怠り、交際費課税、広告税の改正、創設を見送るほか、高額資産家に対する富裕税の創設というインフレ利得への鉄肘策をとらないで、一体どこから社会的公正という言葉が出てくるのでありましょうか。この点、政府の真摯な反省と積極的な検討を促してやみません。  第二は、異常インフレに苦しみつつある国民に対し、政府として直接なし得る手段は各種の公共料金を厳しく抑制することであるにもかかわらず、すでに政府は昨年十一月以来、国鉄運賃、バス料金、消費者米価、都市ガス等の値上げを軒並みに認可したのみならず、今回は、さきにも指摘しましたたばこ料金、酒税の引き上げを初め、郵便料金の値上げ等々、公共料金を際限なく値上げしている事実に対し、国民のがまんはいまや限界を越えんとしているのであります。  わが党は、少なくとも消費者物価の上昇率が一〇%以下に定着するまでは、公共料金の凍結も当然であると主張する一方、三公社五現業を初めとする公共企業の経営合理化と労使関係の正常化に断固として取り組むよう提案してきたのでありますが、政府はこれを無視して公共料金の値上げという大衆への犠牲を強いるのみで、重要な合理化、正常化に手をつけていないというに至っては、断じて容認できないところであります。  第三は、社会保障関係費は形式的には伸びても、実質的にはむしろ後退と言うべきであり、住宅建設、生活環境整備もまた同じ結果となるような福祉停滞予算ということであります。福祉の向上は三木総理の公約であり、国民もまた大きく期待したところでありましたが、形式と実質の差が余りにも大きなこの予算案では、反対せざるを得ないのであります。また三木総理は、住民福祉に直結する地方行政の重要性を施政方針の中で強調しましたが、深刻化している地方財政硬直化を解決する積極的意欲も施策も見出すことができません。さらにまた、不況にあえぐ中小企業対策もきわめて不十分であります。こうした点を考え合わせますとき残念ながら三木内閣は、ムードではやや前進したとしても、本質においては自民党の今日までの政治から一歩も前進はしていないと断ずるべきでありまして、国内外の情勢がますます激動する今後に対処して、いささか不安をさえ感じざるを得ないのであります。激動期の政府は、将来において定着するであろう政治の方向を的確に予見し、国民の多様な要求を整理してその合理的な解決と実現を図りつつ、国民大衆の信頼をかち得る不動の信念に徹することこそ重要であります。したがって政府としては、一時の思いつきで政策を選択するのではなく、社会、経済に関するビジョンを示し、それが実現のための長期の諸計画を策定するのでなければ国民の信をつないでいくことは不可能だと思います。政府の十分なる反省を求めつつ私の反対討論を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして討論通告者の発言は全部終了いたしました。よって、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行います。  まず、阿具根君外三名提出の修正案を問題に供します。本修正案に賛成の方の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 賛成少数と認めます。よって、修正案は否決されました。  次に、昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算、昭和五十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条により、委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたします。(拍手)  矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ただいま可決されました昭和五十年度予算案に対し、日本社会党、公明党、民社党及び第二院クラブ共同提案に係る附帯決議を私から提出いたします。案文の朗読をもって提案理由の説明といたします。    昭和五十年度予算案に対する附帯決議(案)  政府は、昭和五十年度予算の執行にあたり、左記の事項につき、十分配慮すべきである。  一、当面の景気の状況に対処するため、再び物価の急上昇を招くことのないよう警戒しつつ、総需要抑制政策の一部を手直しすること。  一、中小零細企業の事業不振等に対処するため、官公需の中小零細企業向け発注比率を上昇させるに必要な措置をとるとともに、中小零細企業金融に対する財政投融資の拡大につとめること。  一、最近の不況による雇用情勢にかんがみ、雇用保険の全国的給付の実施を速やかに行うよう検討すること。  一、重度障害者福祉手当の支給については、介護の必要性に留意して財政上の見地からみだりに制限することのないようにするとともに、実施時期の繰り上げを検討すること。  一、脳障害などにより昏睡したまま意志表示の全く出来ないいわゆる「植物人間」に対し、国としての財政負担その他の施策を樹立すること。  一、留守家庭児童の健全な育成をはかるため、学童保育の制度化を年度内に検討し発足させること。  一、年金制度充実のため、積立方式から賦課方式への切り換えを含め制度の抜本改革を検討するとともに、老齢福祉年金を速やかに二万円に引き上げるよう努力すること。  一、原爆被爆者諸手当の増額、保健手当の新設に伴う支給については原爆被爆者救済の本旨に沿って行うとともに、その実施時期の繰り上げを検討するなど施策の充実に配慮すること。  一、私立大学等の経営危機に対処するために行う私立学校助成費の支出に当っては、私立学校の自主性を損うことのないよう助成に伴う支配を排除するとともに私学助成の充実につき検討すること。  一、防衛庁の航空機購入の経費及び同国庫債務負担行為については、五次防予算の先取りとなるおそれがあるので、その支出及び負担行為の発動を当分の間留保すること。  一、公庫等の滞貨償却引当金の実態と遊離した計上を是正し、国庫納付を行うとともに、公庫等の政策目標達成のため必要な資金もしくは資金コスト切下げに必要な資金は別途の財政措置により行うよう検討すること。  一、近隣諸国からの繊維輸入の急増に対し、適切な措置を講ずるとともに、経営上の困難を生じている企業及びその労働者に対し予算上の措置を適宜に行うこと。  一、郵政会館については、会館建設の法的根拠をより明確にするよう検討することとし、その建設費については国会の了解を得るまで支出を留保すること。  一、身体障害者グループ発行印刷物の郵便物の料金については据置くこと。  一、地方財政の危機を根本的に打開するため補助基準の改正等による超過負担の解消を行うとともに、自主財源の強化をはかるよう検討すること。  一、地方自治法付則第八条に定められているいわゆる地方事務官制度をすみやかに解消すること。   右決議する。   以上であります。  何とぞ速やかに御賛成くださいますよう強く要望するものであります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいま矢追君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。  〔賛成者起立〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 賛成少数と認めます。よって、本附帯決議案は否決されました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。  〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。  この際、御報告を申し上げます。  昭和五十年度総予算を審査するに当たり、理事会におきましては、去る二月十四日以来、予算案について充実した審査を行うための新しい審査のあり方につきまして熱心に御協議をいただいたのであります。その結果、新たな試みといたしまして、去る三月二十六日、二十七日及び二十八日の三日間にわたり、現下喫緊の諸問題につき重点項目別総合審査を行ったのでありますが、これにより問題点の解明等相当の成果を上げ得たものと存じます。理事会といたしましては、今後引き続き参議院としてより一層充実した審査のあり方を志向して、検討を続けてまいることになりましたので、委員の皆様におかれましても今後とも格別の御協力をお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後四時四十八分散会      —————・—————

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