予算委員会 第19号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/03/31
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十年度一般会計予算 昭和五十年度特別会計予算 昭和五十年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 これより各分科会における審査の経過につきまして主査から報告を承ることにいたしたいと存じます。 第一分科会主査八木一郎君。
○八木一郎君 第一分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 当分科会の担当は、昭和五十年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(防衛庁、経済企画庁を除く)及び法務省所管並びに他の分科会の所管外事項であります。当分科会におきましては、三月二十九日、並びに本日の二日間にわたり、熱心な質疑が行われました。 以下、日程の順序に従いまして、質疑のうち主なるものにつき、その要旨を簡単に御報告申し上げます。 まず、内閣及び総理府所管のうち、科学技術庁につきましては、「最近における敦賀、福島、美浜の原子力発電所での事故は、単なる故障という問題ではなく、非常の場合には重大な結果をもたらすという危機意識並びにその対策が必要ではないか。 また、国民の原子力行政に対する信頼を回復するため、現行原子力行政の見直しを行い、一つには、原子力委員会の機能につき開発推進と安全規制とを組織的にも分離し、二つには、基本設計から稼働後に至るまでの一貫した安全審査をなし得る行政体制を確立すべきではないか」などの質疑が行われました。これに対し、科学技術庁長官から、「原子炉の事故に対しては万全を期し、その運転を停止して再点検を実施している。原子力行政の見直しについては、お説のとおり、原子力委員会のあり方を含め、現在、内閣に原子力行政懇談会を設置し、検討を願っている。今秋、少なくとも年末までにはその結論を出していただき、抜本的改革を実現したい。今回設置予定の安全局は安全体制強化の橋頭堡と御理解願いたい」旨答弁がありました。 次に、環境庁につきましては、和歌山県日高郡竜神村において学童の尿に多量のたん白が検出された事件についてその真相をただすとともに、「同地に限らず、農村、山村地域にいまだこの種の隠れた公害が存在するのではないか、国の責任で積極的に生活環境調査を実施する意向はないか」とただしたのに対し、環境庁長官より、「何分、全国的地域にわたる問題であるので、環境庁においては現在十八の鉱山周辺の環境調査をしているが、それ以外の地点は、第一次的には県において調査していただき、その結果を見て国が乗り出すというたてまえで、知られざる健康被害をなくすよう努力している」旨答弁がありました。また、「公害、特に人身被害について、単に企業の責任というだけでなく、行政作用についても、損害賠償という考え方でなく、その行政のかかわり合いの程度において責任を考えるという新しい観点からの行政の責任論が現在要請されているのではないか、その他救済基金制度が必要ではないか」等の提言がなされました。これに対し、環境庁長官より、「今後検討の素材として積極的に取り組みたい」旨の答弁がありました。 国土庁につきましては、「過疎過密対策は急を要するが、東京並びに東京周辺地域の過密状態はその極に達し、東京は窒息寸前、東京周辺はパンク寸前である。いまや首都移転は論議の段階ではないと思う」と、首都移転論に対する長官の見解を求められたのに対し、「本問題は高度の政治的判断を必要とするなかなかむずかしい問題である。仰せのとおり、緊急な問題であり、超党派の懇談会もできているが、国民のコンセンサスを必要とするので、世論の動向を注視する一方、過密の実体を国民に周知徹底させていきたい」旨の答弁がありました。また、今後における経済の低成長、財政硬直化より見て、国土の防災対策事業については新しい発想が必要であるとして、公債発行を基軸とする自然災害防止制度の提案がなされ、これに対し、国土庁長官より、「この私案、特にその財源対策については評価すべき提案だと思う。各省庁と連絡をとって推進を図っていきたい」旨の答弁がありました。 沖繩開発庁につきましては、「対馬丸遭難犠牲者に対してはすでに叙勲がなされているが、さらに一歩を進め、戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用するとともに、船体を引き揚げ、遺骨収集を進めるべきではないか。沖繩海洋博はあと百十三日を残すのみとなったが、その準備作業は大丈夫であるか。跡地利用については、沖繩の経済開発、文化、国際的視点等を考え合わせ、遺憾なきを期していただきたい」との、質疑があり、これに対して沖繩開発庁長官より、「対馬丸遭難者の霊に報いるため、従来より関係各省ともども努力してまいったが、遺憾ながら戦傷病者戦没者遺族等援護法の適用には無理があり、船体の引き揚げについても現在の技術水準ではむずかしい。ただ、御提案のアメリカの手を借りてでもという点は研究してみたい。沖繩海洋博については、内部施設、関連道路工事も順調に進捗しており、輸送、食糧、医療、衛生面等の対策も支障なく、大丈夫である。跡処理については、県当局の意向を十分に尊重しながら、海洋博関係協議会等、高いレベルで協議し、なるべく開催までに決めたい」旨の答弁がありました。 次に、皇室費、裁判所及び法務省所管のうち、法務省につきましては、「登記行政事務の不備から、一部悪質業者による犯罪行為が多発している事例にもかんがみ、登記事務の処理体制の拡充整備、職員増を行い、国民の期待にこたえるべきではないか。大阪初め大都市並びに都市化現象の進む地域については、刑務所の移転を計画的に推進すべきではないか」との質疑に対し、法務大臣より、「近年、登記事務の増加に伴い、登記簿閲覧に対する監視体制は必ずしも十分ではない。かかる盲点をついて犯罪事件が生じていることはまことに遺憾である。目下施設整備、監視体制の強化等を図り、かかる不祥事件防止対策に十全を期していきたい。刑務所の移転については、従来より逐次実施してきたがさらに矯正局内にプロジェクトチームをつくり計画策定中で、問題のないところから順次進めたい」との答弁がありました。また、「最近、韓国政府が刑法を改正して国家冒涜の罪を新設したことに関連して、一部報道されているような、わが国政府に対する韓国政府からの司法共助の申し出がたとえあったとしても、日本国憲法体系及び人権擁護の立場から拒絶すべきものと思うがどうか。また、田中金脈問題に関連して、宅建業法違反で送検された新星企業に対する検察庁の捜査方針はどうか」との質疑に対し、法務大臣より、「お話の日韓司法共助条約という件は全く聞いていないし、考えてもいないが、将来申し出があったとしても応ずる考えはない。新星企業の事案については厳正公平かつ迅速適確に行い、うやむやにするというようなことは断じてない」旨答弁がありました。 次に、国会所管については、「参議院改革が逐次実施に移され、また、いわゆる与野党伯仲時代の反映として議員立法の提案が増加している現状から、これに対応した事務局の改革もまた緊要のことと思うが、どう取り組んでいるか」との質疑がありました。これに対し、参議院事務総長より、「事務局としては参議院改革に呼応して議員活動の補佐業務の充実という観点から、調査室の機能強化には特に配意している。また、国民に「開かれた国会に」すべきだという観点については、傍聴人施設の改善、報道機関への便宜供与、請願取扱い基準の周知徹底、都道府県立図書館等への会議録の無償供与、調査室作成の「立法と調査」の配付等を通じ、広く国民への周知徹底に努めている」旨の答弁がありました。 最後に、会計検査院所管につきましては、「国民にかわって税金の使途を監視する唯一の機関として、その業務量に見合った職員の増、特に技術系の定員増並びに事務の能率化が必要ではないか」との質疑に対し、会計検査院長より、「国家財政が膨張の一途をたどる現状から、質的、量的整備を図るのは当然であるが、一方、国の一行政機関として政府の定員削減方針に協力する必要のある点も賢察いただきたい、今後とも関係当局と協力して実現を図りたい」旨の答弁がありました。 以上のほか、総理府所管については、北海道苫小牧地区開発問題、柏崎の発電所設置問題、被曝問題法務省所管については、伊江島における米兵の日本人狙撃事件、海兵隊の実弾射撃事件、国会所管については、国立国会図書館の性格、週休二日制、国会職員の処遇問題等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細については会議録に譲ります。 以上御報告を終わります。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) ありがとうございました。 次に、第二分科会主査源田実君。
○源田実君 第二分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 当分科会の担当は、防衛庁、経済企画庁、外務省、大蔵省及び通商産業省所管の予算であります。ここでは主な事項について簡単に御報告申し上げます。 防衛庁につきましては、「坂田長官の諮問機関である「防衛を考える会」の人選も終わったようであるが、この会に何を期待しているのか、また、ポスト四次防の考え方を聞きたい」などの質疑がございました。これに対し坂田防衛庁長官並びに政府委員より、「「防衛を考える会」については学識経験豊かな方々に引き受けていただき、今後の活躍に期待している。四月に初会合を開き、六月中旬をめどに、世界に例のない特殊な憲法と原爆被爆国という国柄を踏まえた安全保障のあり方や専守防衛の進め方等について、国民的な広い視野から検討し、答申をいただく考えで、この答申を次の防衛計画の策定や防衛政策を考えていく上の貴重な参考意見としたい。ポスト四次防については近く本格的な検討に入るが、量より質への転換を主要な柱に、民生協力、人的資源の質的向上、隊員の待遇改善等の各項目について検討する。何よりも日進月歩の世界の軍事技術の動向を注意深く見きわめ、わが国の防衛目的が十分に達成できるようにしなければならないと考えている」旨の答弁がございました。 経済企画庁につきましては、「新全国総合開発計画及び経済社会基本計画見直しの重点は何か、今日の消費者物価が一五%程度の上昇率におさまった背景には低所得階層の生活難による買い控えがあると思うが、消費の異常沈滞と今後の景気対策の進め方、また、安定成長移行のための調整期間の課題、さらに不況対策の推進や海外からの資金流入の増加等によって再び過剰流動性を引き起こす危険はないか、郵便料金等の公共料金値上げは取りやめるべきではないか」等の質疑がございました。これに対し、福田経済企画庁長官並びに政府委員より、「新全総等の長期計画は目下見直しの作業が進められているが、大規模コンビナート計画や本四架橋等の計画はこれをスローダウンして進めるか、規模縮小が必要か等、いずれにしても全面的な改訂が必要となると思う。消費者物価の沈静傾向は、今年に入って年率に換算しても六、七%の線に落ちついてきた。今後の物価を脅かす要因は賃金の動向と採算悪化の企業が値上げの機会をうかがっていることで、警戒しなければならない。物価と今後の景気対策の関係については、物価の高値安定に対する消費者の拒絶反応による買い控えと、省資源、省エネルギーの推進による節約ムードがあるが、高値安定については間もなく消費者がなれて買いに出てくると思う。節約ムードによるものはこれを今後とも維持推進することが今後の静かで控え目な経済運営にとっては大切で、個人消費支出を急激に上げる政策はとるべきでないし、大幅に伸びることは決して好ましいこととは思っていない。安定成長への移行のための調整期については五十一年度までかかると思う。しかし、明年度の経済運営が指標なしというのではまずいので、五十年中に大体の経済目標を決め、五十一年度を初年度にする考えである。調整期の課題としては、物価を預金金利並みに安定させるとともに、国際収支の赤字を可及的に圧縮し、将来の総需要管理政策の地盤固めを行いたい。過剰流動性の危険性については、不況対策によって四十九年下期に財政支出が増加し、五十年度予算の執行では上期契約率も上昇するばかりでなく、証券投資などで外資の流入もふえる傾向にあるが、いずれの場合でも資金過剰を起こすことのないよう適宜日本銀行に吸収させるよう厳格な金融政策をとって、再び過剰流動性問題は起こさない決意である。郵便料金の値上げは極力これを抑制するように努めたが、すでに郵政事業が相当多額の赤字を抱え、経営を圧迫しているので、大量の同種郵便物を発送している第三種郵便物の上げ幅を大きくし、第一種を小幅にするなど工夫をこらし、必要最小限度の値上げに抑えている」旨の答弁がございました。 外務省関係につきましては、「南ベトナムのチュー政権が崩壊の一歩手前という今日の状況のもとで、三月二十八日九十億円に上る経済援助協定を決めたことは誤解を招くのではないか」との質疑がございました。これに対し、宮澤外務大臣並びに政府委員から、「三月二十八日に決定した南ベトナム援助は、長い間の交渉が妥結し調印したもので、経済協力基金から肥料や機械等の商品を有償援助として行ったものである。これは民生安定のための援助であって、決して一政権の維持存続を図るとか、てこ入れを行うという意図を持ったものではない。日本政府としては南ベトナムの各地域の支配関係の移動とは関係なく、援助を受けた南ベトナム各地域の民生安定と住民の生活援助に役立つことを期待している」旨の答弁がございました。 大蔵省につきましては、「預金の目減り対策の内容と実施方法等の検討結果はどうなっているか。公庫並びに開発銀行、輸出入銀行等の滞貸償却引当金の経理のやり方は、利盛がゼロとなり、一般会計等への納付を行わないという結果になりやすいので、各公庫法等の規定に従い国庫納付を行うように改善すべきではないか。また、財政投融資計画の運用が、一方では繰り越しや不用額がふえているのに、内航船の中小企業船主向けの建造資金を融資する船舶整備公団などでは資金量の六ないし七倍もの申し込みが殺到しており、資金が適正に配分されていないのではないか」などの質疑がございました。これに対し、大平大蔵大臣並びに政府委員より、「預金の目減り対策としては、一世帯一口座について一定金額まで補償する案と、母子家庭、老人に対象をしぼって補償する案の二案について検討しており、いずれも金融機関の支払い能力を勘案しつつ、実施に当たっては過去にさかのぼって補償することはせず、新種の貯金で行うこととし、その具体的な実施方法や問題点などを内閣法制局と詰めの段階に入っている。滞貸償却引当金については、五十年度から従来の累積方式を洗いかえ方式に改め、毎年度見直しを行うことにしたほか、引当金の限度額を千分の二十にするなどの措置をとった。滞貸償却引当金を各機関の貸し付けの原資に使うこれまでの方式も一つのやり方で間違っているわけではないが、御指摘のとおり、福祉のための財源確保も必要であり、さらに重要なことは、低成長経済への移行に伴って財源難が当然予想されるので、公庫等の利益金を国庫に納付し、大所高所から、より適切な資源配分を行うことは検討してみたい。さらに洗いかえ方式に改めたことによって、これまでと違って、利益金がゼロでなく純利益金を予算に計上する機関が出るものと思う。財政投融資計画の資金の繰り越しがふえたのは、四十八、四十九年度の総需要抑制政策の影響と土地の値上がりで当初計画どおりの手当てができなかったこと等によるが、先ごろ二回にわたる不況対策も決定されたので、四十九年度第四・四半期から五十年度については財投資金は順調に使われるものと思う。さらに、船舶整備公団への財投資金は五十年度百十七億円を予定している。政府は内航海運の重要性を十分認識しており、実情を調査し金融面が隘路となって中小船舶業者の建造が困難になることのないよう可能な限り配慮する」旨の答弁がございました。 さらに、参考人として出席した森永日本銀行総裁に対し、「公定歩合引き下げの時期及びかつての過剰流動性、スタグフレーション下の通貨政策にかんがみ、これからの通貨供給、信用供与の基本本的な考え方はどうか」などの質疑がございました。これに対して、森永日本銀行総裁より、「公定歩合引き下げの時期、幅などについてはまだ決めていない。物価は沈静の兆しが見られるが、もう少し諸般の情勢を見定める必要があるが、しかし、そういつまでも現在の高い公定歩合水準を続けられるとは思っていない。今後の通貨政策については、仮に公定歩合を引き下げたとしても、かつてのようにそれ以降手放しの金融緩和政策を行う考えはなく、現在程度の窓口規制を維持するとともに、通貨供給の調整、預金準備率等の機能を使って、引き締めぎみ、抑制ぎみの金融政策を基本に運用したい」旨の答弁がございました。 通商産業省につきましては、「四十九年度のYX開発予算が半分以上も繰り越しとなるのに、五十年度二十億円も計上しているが削除すべきではないか、共同開発を約束している米国のボーイング社はすでにその熱意がないのではないか。また、サウジアラビアのファイサル国王の暗殺に伴うわが国の石油輸入への影響、国内石油産業の経営難と対策、石油の九十日備蓄計画、和装産業の経営難、ことに韓国産大島つむぎの輸入急増による本場大島つむぎの危機に対し、ガット十九条に基づく緊急輸入制限、関税法に基づく輸入規制等の措置をとる考えはないか」等の質疑がございました。これに対し、河本通商産業大臣並びに政府委員より、「YXの開発については、ボーイング社側の競合機種や採算見通し等の問題があって、若干おくれているが、同社が国際開発のこの仕事から手を引くとは考えられない。五十年度予算の計上は、部品の研究開発を初め、共同設計、共同実験等にいつでも応じられる態勢を整えておく上で必要な措置である。サウジアラビアのファイサル国王の死亡は、日本のよき理解者であっただけに残念であるが、このことによって、いまのところわが国の石油輸入に悪影響が出る兆しは感じられない。国内の石油産業の経営難は、世界的に石油の供給が過剰ぎみであること、厳しい不況によって石油需要が落ちていること、また原油価格が四倍にも値上がりしたため節約ムードが浸透したこと等によるが、それにしても、わが国の石油産業の経営基盤は弱体過ぎるので、四月中旬に打ち出す予定のエネルギー基本政策の中では、石油産業の体質強化を一つの柱に立て、細かい施策の方向づけを行う考えである。石油の備蓄については、民間の施設が七十日分備蓄能力を持っているので、残りの二十日分相当の施設を国が中心となって、年次別に計画的に建設していくが、その際防災対策、環境保全、地元の意向等を十分に留意して進めることは当然で、そうした内容を織り込んだ石油備蓄法案を目下検討中である。大島つむぎを初め和装産業の深刻な事態はよく認識しており、さきに韓国へ係官を派遣し、日本の実情を訴え、無標示物の輸出禁止や秩序ある輸出を約束させたが、さらに近く政務次官を中心に第二次の交渉団を派遣することにしている。ただ、韓国との貿易ではわが国が大きな出超になっていること、さらにわが国は将来とも貿易立国の方針を堅持することが国益にかなうこと等から輸入制限措置はとりにくい。強力な話し合いによって、相互の理解の上に立って数量規制など実効が上がるようにしたいので、いましばらく時間をかしてほしい」旨の答弁がございました。 そのほか、各所管事項について詳細かつ熱心な質疑が行われましたが、その点は会議録によって御承知願いたいと存じます。 以上報告を終わります。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) ありがとうございました。 次に、第三分科会主査黒住忠行君。
○黒住忠行君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 第三分科会の担当は、昭和五十年度予算三案中、運輸、郵政、農林及び建設の四省所管に属するものでございます。 分科会におきましては、一昨日及び本日の二日間にわたり、これら四省所管予算について、説明聴取を省略して質疑を行ってまいりました。以下、質疑応答の主なものにつきまして、その要旨を御報告申し上げます。 まず、運輸省所管におきましては、「今年の春闘で国鉄のストを避けることができたのは一つの成果であるが、この教訓を今後に生かす努力が必要ではないか。国鉄は財政の再建について今日までどのような努力をしてきた死財政再建問題との関連で問題になるのは全国新幹線網の整備の問題であるが、この扱いを今後どうするのか。奄美など離島の港湾は危険な状態にあるが、早急に整備が必要ではないか」などの質疑がありました。これに対し、運輸省及び国鉄当局より、「今年の春闘でストが行われずに済んだことは喜ばしいことで、今後は新しい慣行を打ち立てていきたいと考えているので、国鉄とも十分連絡をとり、国民に迷惑をかけないようにしたい。国鉄財政の再建については、国民の協力と国鉄の努力が必要であるので、国鉄自身も機械の導入や仕事の削減で七万人の合理化を行っているが、なお赤字を出しているのは残念である。新幹線網計画については、将来の陸上交通網の整備という点から考えれば重要性には変わりはないが、五十一年度から発足する経済計画に合わせて考えていきたい。奄美など離島の港湾整備については、これまでも力を入れてきたが、五十年度予算については、全国の港湾予算の伸び率が四%減であるのに、奄美の場合は五〇%近い伸びを見てある」との答弁がありました。 次に、郵政省所管におきましては、「電電公社の料金値上げの凍結に伴い、どういう措置をしたか。電信電話五カ年計画も策定当時と事情が大きく変わっているが、見直しについて考えないでよいのか。放送、電波は民主的に運営することが必要だが、「総理と語る」等の番組についても、与野党が同じようにやれるようにすべきではないか。テレビの難視聴の問題は、社会的不公正是正の立場からも力を入れるべきではないか。また、東京逓信病院の看護婦に対する処遇は、宿舎、夜間勤務等について問題があるので改善に努力してもらいたい」などの質疑がありました。これに対し、郵政省、電電公社及びNHK側より、「五十年度の電電公社の赤字については、料金値上げがストップされたので、昨年度の分と合わせ四千億円程度を政府資金で賄うことで措置したが、五十一年度以降については、政府の経済計画も八月ころにはきまるので、その時点で電信電話五カ年計画についても見直しをしたいと考えている。放送の番組については民主的に運営されなければならないことは当然で、「総理と語る」というような番組についても、与野党とも同じように出れるようにすることには異存はない。テレビの難視聴対策については、難視聴の世帯数は現在約九十万世帯であるが、その解消策は調査会で検討中であり、その答申が出たら十分尊重して取り組むつもりである。東京逓信病院の看護婦の宿舎等の問題については、関係法規等でできることはしているが、今後も漸進的に改善に努力したい」との答弁がありました。 次に、農林省所管におきましては、「今後の農政の重点は食糧の自給度向上に置かなければならないのに、地力の培養に対する配慮が足りないが、自給肥料の活用についてどう考えているか。土地改良長期計画は大幅におくれているが、計画全体を再検討する必要があるのではないか。畜産物の価格の決め方は生産費をカバーできるものではなく、畜産農家は減るばかりであるが、今後こういう状態が他の作物の価格決定に波及するとすれば、農業生産の昭和六十年目標の達成は困難になるのではないか。養蚕、コンニャク等の農家は中国、韓国等からの輸入で苦境に立たされているが、輸入規制等関係農民が生きていけるよう対策を講ずべきではないか」などの質疑がありました。これに対し、農林省当局より、「日本の農業はこれまでに化学肥料に重点が置かれ過ぎたため地力が落ちていることは確かであるが、自給肥料については現在も価格算定の基礎に入れており、今後もその積極的な活用をはかっていきたい。土地改良長期計画については、総需要抑制等のためおくれているが、各種の長期計画も見直しの方向にあるので、それにあわせて検討していきたいと考えている。畜産物の価格決定については修正すべきものは修正する等、あらゆる努力をして決めたので生産費はカバーできると考えているが、昭和六十年の目標達成については、生産対策、価格対策等、あらゆる面を洗い直して遺憾なきを期したい。生糸やコンニャク等の中国、韓国等からの輸入については、将来にわたり悪影響を及ぼすことのないよう、輸入規制、行政指導等でできるだけの対策を講じていく考えである」との答弁がありました。 最後に、建設省所管におきましては、「日本列島改造論は消滅したものと考えているのか、あるいは今後も継承されるものと考えているのか。首都圏への人口集中は今後も避けられない状況にあるが、首都移転の問題は青写真にとどめず、現実の問題として考える必要があるのではないか。公共事業の施行に伴う環境破壊の問題は全国至るところで出ているが、自然環境保全の先頭に立つべき国や地方公共団体が、公共事業の名において自然環境を破壊していることは問題があるので、関係各省の連絡協議会でもつくり、政府、地方公共団体一体となった組織をつくることを検討してはどうか。住宅対策についても、住民の環境に対する配慮が足りないのではないか」などの質疑がありました。これに対し、建設省及び環境庁当局より、「日本列島改造論は今後そのまま使うことには問題があるとしても、人口や産業の地方分散の必要性はいまも変わりはないので、その精神は生きていると考えている。首都移転の問題については、政治の中枢機関のあるところであり、国民的な課題であるので、今後超党派で取り組むべきものと考えている。公共事業に伴う環境破壊の問題については、自然環境の保全、公害の防止の上から最大の注意を払うべきものと考えており、今後関係各省と十分連絡をとり、お説のような方向で検討したい。住宅対策についても、法律規定のいかんにかかわらず、住む人たちの環境に最大の配慮をしていきたいと考えている」との答弁がありました。 このほか、質疑は、各予算を通じ広範にわたりましたが、それらの詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。 以上をもちまして第三分科会担当予算の全部の審査を終了した次第であります。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) ありがとうございました。 第四分科会主査藤田進君。
○藤田進君 第四分科会の審査の経過を御報告申し上げます。 本分科会の審査対象は、昭和五十年度予算中、文部省、労働省、厚生省、自治省所管に属するものでありまして、三月二十九日及び本日三十一日の二日間、熱心なる質疑が行われました。 まず、文部省所管につきまして、「学校の教育環境が高速道路の建設や航空自衛隊の訓練によって破壊されているところがあるが、文部省は児童を保護する立場から静かなる環境基準の維持に力を尽くすべきではないか。最近の虫歯を持つ学童の増加に対し、文部省はいかなる予防指導を教育の面で行っているか。児童の虫歯急増に大学の小児歯科講座を増設すべきではないか。人事院の勧告で公務員の週休二日制が実施されようとしているが、学校の週五日制についてどのように考えているか」との質疑がありました。これに対し、永井文部大臣及び政府委員より、「文部省は望ましい環境の中で教育を保っていくのが当然であり、学校環境を守る立場で行政を行っている。具体的問題については関係者等と連絡し合い、実情調査するなどして、静かなる教育環境を維持するために努力していく。また、保健体育審議会による学校環境基準があるので、騒音については公立文教施設費の中から補助金を出し処置することも考えていきたい。虫歯の予防教育としては学習指導要領に基づく保健時間以外に小学校一年から学級指導で取り扱い、予防の指導や定期検査による早期発見、早期手当てもあわせて行っている。大学における小児歯科講座の増設については、昭和五十年度に大阪大学小児歯科に診療科開設の予算を計上し努力しているが、さらに大学設置審議会の中間報告に見られる歯科関係の講座を大枠で決め、編成切りかえで柔軟に対処する方法を推進していくつもりである。週休二日制が公務員に適用されれば、教員にも関連してこよう。しかし、週休二日制が学校五日制に当然に結びつくものではなく、五日制のときのカリキュラムの変更や教育環境の整備、学童への指導など多岐にわたる問題があるので、慎重に検討しなければならないと思っている」との答弁がありました。 労働省所管につきまして、「経済の不況で中小企業を中心に倒産、失業がふえているが、雇用保険法は十分機能しているか。国際婦人年を機に男女の雇用差別をなくするため、労働大臣の談話なり通達を出すとともに、英米にある雇用平等法に相当する新立法を行い、違反に対する苦情処理機関をつくるべきである。失対賃金は最初のベースが低く、一年前の賃金で比較し、春闘の結果を反映しておらず、一般勤労者との間に次第に格差が生じ、生活できるものではない」との質疑がありました。これに対し、長谷川労働大臣及び政府委員より、「四十九年度は月一千件を超える企業倒産で、五十年一月には百万人を超える完全失業者数が予想されたが、現在九十九万人にとどまっている。これは調整交付金を七千以上の事業所、三百三十万人に支給する措置をとる雇用保険法の活用で小康状態を保っていると考えられる。男女の雇用機会の差別は長い慣習の結果であるから、一つ一つかち取っていく以外にない。職業安定法で機会均等と職業選択の自由が明定されており、法律的に男女差別はしないことになっている。しかし、女子は各種の就業制限があるので、現実にはいろいろな問題が生じている。男女差別の苦情処理について行政不服審査等があるが、利用しにくい。英米に見られる法制化による苦情処理機関の設置は今後検討させていただきたい。失対賃金の算定は屋外労働者のうち同種作業の賃金と比較し決めている。予算要求の時点に近い八月に調査しているため、春闘の影響は反映しており、その後季節修正を施しているところでもある。今後の賃金決定については、失対法の定める検討の年でもあるので、今後考えていきたい」等の答弁がありました。 厚生省所管につきまして、「社会的不公正是正の中でも精薄者等の救済は重要な柱であるが、施設収容能力も小さく、社会で働く就労者も少ないが、厚生省はどのように対策を進めていくか。コロニーや授産施設に一定の官公需を振り向け、精薄者の仕事を確保すべきではないか。有害物質規制に基づく乳幼児用繊維製品の禁止を経済の不況で延期するうわさを聞くが、既定どおり実施するとともに、ホルマリン含有を示す製品が消費者に識別できる措置をとる必要はないか。今回の処置は家内工業的な繊維業者に打撃を与えるが、救済策をどのように講ずるか。国民皆年金の中で厚生年金等被用者保険の妻は年金権が確立していないので、対策を講ずべきではないか。厚生・国民年金のスライド実施月が遅いので早めるべきではないか」との質疑がありました。これに対し、田中厚生大臣及び政府委員より、「厚生省は、本人ばかりではなく家族の心境もわかるので、精薄者対策を重要な仕事の一つとして進めていく、実態調査も四十六年以降行われていないので、五十年に行う予定である。施設の不足について精薄児施設は二十年代に児童福祉法が制定されたため、かなり努力しているが、大人の更生援護施設は、根拠法規の制定が三十六年であったため重点を置いて整備しているが、絶対数に追いつかないのが現状である。今後、社会福祉施設整備計画の中でさらに進めていきたい。精薄者の就業は、ヨーロッパでモザイク等適当な仕事があるように、日本でも一生送れる職業訓練や授産をしていかなければならない。各地のコロニー等で製品のさばき先で問題が起きていることも聞くので、ある程度官公需を振り向け、一生の生活のめどがつくよう努力したい。ホルマリン入りの家庭用品の禁止は日本が世界に先駆けて行うもので、一部の商品で直接はだに接しないものは研究することにやぶさかではないが、厚生省としては国民の健康を守る立場から、本年十月一日からの実施を変えるつもりはない。表示の問題は十月一日から一定の規格でないと売ることができないが、残っている従来の製品を現段階で法律で表示を義務づけるのはむずかしい。しかし、消費者が選択できることが望ましいので、検査協会の依頼検査の段階でホルマリンが入っていない場合に表示させている。繊維業界は不況で、サンプリング調査で見ても、企業によっては、三カ月ないし四カ月程度の在庫を抱えているものもあるが、今回の規制で業界は一層苦しい立場になるので、繊維産業政策の一環として金融上の措置をとっていきたい。 被用者保険の妻の年金権について、国民年金創設の際議論されたが、結局現行の任意加入となった。現実の事例で不十分な点が生じているので、他の年金に結びつけるか、あるいは独立の年金制度をつくるかの二つの方法が考えられるが、給付の問題、他の年金制度との調整等、各制度にまたがるので、慎重に検討していきたい。年金のスライド実施時期を現行の厚生年金八月、国民年金九月をさらに繰り上げることは、消費者物価の確定の時期と、来年度五年年金の受給者が百万人も増加するなどの事務処理上の問題から不可能である」との答弁がありました。 自治省所管につきまして、「自治省がラスパイレス指数による地方自治体職員の給与水準を発表したために、労使間で決定された賃金が議会の反対や住民請求で覆されているが、地方公務員の団結権、交渉権との兼ね合いでどのように考えているか。三菱石油水島基地の石油流出事故は、設計計画に反する水張り期間の短縮や経済性重視のエア・リフト工法で認可前にタンクを完成させたことが原因ではないのか。事故再発防止にタンク工事の安全確保に関する専門的監督機関が必要ではないか。公職選挙法改正の政府案の中で衆院の定数是正をしながら参院の地方区の定数是正を行わない理由は何か。地方議会は地方自治法によって議員定数のルールが決定されている。衆議院は国勢調査の結果で見直されているものの、公職選挙法に衆参両院の定数是正についてきちんとルールを決めておくべきではないか」との質疑がありました。これに対し、福田自治大臣及び政府委員より、「今後高成長から低成長へ向かうので、地方自治体は超過負担の解消と並んで人件費を見直さないと大変だと思っている。ラスパイレス指数による地方自治体の給与比較は一つの基準として人事院も使用しており、妥当である。交渉権、団結権は一定の範囲内で認められているもので、地方自治体職員の給与については、たとえ労使交渉によって決定したとしても、地域住民の利益を代表する議会が条例で最終的に決定することになっており、議会の議決が優先するものと考える。水島事故は、現在事故調査委員会で検討中で、今月三十一日に中間報告の予定であるが、設計計画に反した水張り期間の短縮が不等沈下の原因であるとの意見はなかった。しかし、水張りには地盤安定のねらいもあるので、長期間が望ましい。エアリフト工法で基礎工事の後に掘り返し、基盤に強弱が生じたのは事実だが、直接事故に結びついたかは結論が出ていない。許可前にタンクをつくったのは違法であるが、地元はつくるのを認めていた。タンク工事の安全確保に関する機関の設置については、消防法の改正で第三者機関をつくることで検討している。参議院地方区の定数是正については、衆議院と性格が異なっていることや、全国区を地方区と一緒にして地域代表とするか、地方区だけにするかの問題があり、与党である自民党内でまとまらなかった。選挙は政治問題なので、各党の意見を取り入れ、多数がまとまることが望ましく、できるものから手をつけるということである。公職選挙法に議員定数のルールをつくることについては、将来さらに検討する際の参考意見としたい」との答弁がありました。 このほか、各省にわたって広範多岐な質疑が交わされましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) ありがとうございました。 以上をもちまして、各分科会主査の報告は全部終了いたしました。 明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時五十二分散会