予算委員会 第18号
- 発言数
- 370 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1975/03/28
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十年度一般会計予算 昭和五十年度特別会計予算 昭和五十年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 本日は、総予算三案に関する重点項目別総合審査の最終日といたしまして、地方財政問題について審査を行うことにいたしたいと存じます。 本日は政府側のほか、お手元に配付いたしてあります参考人の方々が出席いたしております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中にもかかわりませず本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。 なお、御発言はその都度、委員長の許可を得て行うようにお願いをいたします。また、時間の制約がありますので、お答えはできるだけ簡潔にお願いをいたします。 各委員が質疑される場合は、政府側とともに、参考人を指名していただきたいと存じます。 それでは、これより質疑を行います。安孫子藤吉君。
○安孫子藤吉君 最初に自治大臣に伺います。 現在の地方自治が発足をいたしましてから、三十年の歳月を経過いたしております。地方自治は民主主義の基盤であると言われておるわけでありまして、それはそのとおりであろうと存じます。そこで、この地方自治というものが現在定着をいたしておると考えておられるかどうか。また、定着をして、そして充実しつつあるか、そして発展しつつあるか。その辺の御認識につきまして最初にお尋ねをしておきたいと存じます。
○国務大臣(福田一君) お答えを申し上げます。 地方自治は三十年の年月を経て今日に至っておるのでございますが、私は、その当初から考えてみれば、敗戦の中から立ち上がって今日まで、国並びに地方自治というものがさまざまな変化、変遷をして今日に至っておると思うのであります。その最も大きい原因は、何といっても国力がない、また公共団体においても財政力がそれだけないというところから、順次これを充実する方向で地方自治の問題も改善をされてきたと思うのであります。しかし、地方自治が理想的な姿になっておるかどうか、また、当面の要請に十分こたえ得るかどうかということになりますというと、必ずしもそうまでは言えないのではないか。いま福祉、環境等を充実していかなければならないという、そういう一つの住民の希望、国民の希望に十分こたえ得ているかどうかということになりますというと、これはわれわれ皆努力をいたさなければならないかと思うのであります。 努力の方法ということになれば、行財政の見直しをいたしまして、そして冗費を省くと同時に合理化も行う。同時にまた、福祉とか環境衛生等々に携わっていく人たちの、現在のところでは給料の関係とかその他がいろいろ不ぞろいになっている面が私はあると思っておるのであります。こういうことは、一部の不ぞろいであってもそれが全体に与える影響は大きいということがありまして、これらの問題をどう処理していくかということも私は一つの大きな課題ではなかろうかと思っております。 いずれにいたしましても、いままでは日本経済は敗戦の中から立ち上がって、いわゆる高度経済成長をすることによって福祉の政策も順次充実をいたしてきたと思うのであります。十分ではもちろんございません。しかし充実をしてきた。ところが、一昨年の石油ショック以来、われわれが経済を運営するに当たっての世界環境が変わってきたということ等もございまして、今後は低成長時代に入らざるを得ないということになっておるのでありますから、その低成長時代ということは、一方においては地方財政において、現在の仕組みにおいて収入が相当やはり厳しいものになることは避けられないと私は思う。これはしかし、国においても同じでございます。そこで、国と地方との関係を財政面から見てどうバランスをとっていくかという問題も、最初に申し上げましたとおり大きな課題であり、こういう問題を踏まえて地方の市長あるいは知事等々の、いわゆる上に立つ者が十分指導力と、そうして先を見る一つの見識とを持って地方行政を運営していってもらいたいというのが、われわれの考え方でございます。
○安孫子藤吉君 私も、地方行政の健全な発展のための環境がよろしくない環境にあるというふうに考えております。 一つは、ただいまもお話がございましたが、住民に対する関係でございますが、また住民側におきましても、行政に対して非常に過重なる要求を持ち出しておる。この関係、一体どう扱っていくかという点もあると思います。その結果は、機構や人員の整備というようなことが常にまつわりついてくる問題でございます。これも財政の問題から考えますと制約がございます。その辺の問題が一つあるわけでございます。 それから国との関係におきまして、どちらかと申しますと、地方行政に対する国の関与が余りに繁雑であり多過ぎるという傾向は否むことはできないだろうと思うんです。この点に対して、どうこれを解決をしていくかという問題もあろうかと存じます。 それから地方財政の問題でございますけれども、これもただいまお話がございましたが、いろいろ問題もあり、また脆弱な面もあるわけでございまして、この辺をどう解決をしていくか。 また、地方を考えてみますと、従来の地域におけるところの共同社会というものが崩壊をしつつあるわけでございます。そうした共同社会の崩壊にかわるに、新しい意味の地域社会の形成というものが必ずしもそれを補うようなところまで片づいておらない。そういう問題が地方としてはあるわけでございます。 なおまた公共、福祉の問題とあるいは地域あるいは個人との利害の激突、これが地方行政を円滑に推進するための大きな障害にもなっておる。 こういうこともあるのでございまして、地方行政を健全に充実発展をさせていくためのそうした環境というものが必ずしも良好ではない。こういう点について、解決の方策としてはもちろん地方自治体の自発的な努力、自治的に解決をしていくという努力を払うことは当然でございますけれども、ここに対してやはり国も一つの方針を持って対処をすべき問題もあるのではなかろうかとも考えておりまするので、ただいまのお話である程度は尽きておるかと存じまするが、そうした点について、一般的に抽象的にでございまするけれども、御所見を承っておきたいと存じます。
○国務大臣(福田一君) 安孫子さんは地方行政に実際に携わっておられる経験から、ただいま非常に適切な現在の地方自治が持っておる一つの問題点を十分に御指摘をいただいたと私考えておるのでございまして、一々ごもっともな御意見であると私は存じます。 今日、自治行政の問題で一つの問題点は、個人の権利を重んずるということから、一部の住民パワーというものが行政の一つの大きな阻害になっておる。すなわち、全体とそして、個といいますか、個人といいますか、その関係についての道徳的なものの考え方が定着していないというか、まだそれが本当にできていないということもあると思うのでありまして、ここいらにも一つの大きな問題点が存在すると思うのでありますけれども、しかしまた、民主主義というものである以上は、これはもう当然住民それぞれの人の要望が実現されるということでなければならないことは論をまたないのでありまして、この点についての何らかの解決といいますか、考え方が定着するような工夫は私は非常に大事じゃないかと思っております。これができますれば、住民の間で争いが、たとえば地方において新しい郷土づくりをするんだという問題が起きたとしても、そういうことがわりあいに円満にできるのではないかと思っておるのでございますが、いずれにいたしましても、ただいま御指摘があった数項目はいずれもわれわれとして今後十分に留意して、そうして問題の解決に努力をいたしたいと考えておる次第であります。
○安孫子藤吉君 それでは、次に財政、ただいま問題になっておりまする問題について一般的なことを申し上げたいと思いますが、それについては過去の事例もこの際、御承知かと思いますが、私から申し上げておきたいと思います。 地方財政の危機ということが従来もしばしば言われてまいったところでございます。その際におきましては、地方団体も国もその危機感を持っておったと思います。後で触れますが、今回のいわゆる財政危機とか地方財政の窮乏という問題は、従来の様相とやや異なっておるということが私の認識でございます。 過去のことを申し上げますと、昭和三十年当時、このときは全く惨たんたる状況であったことは、私も身をもって経験をいたしております。端的に申しまするならば、職員を私の団体でも二百数十名の整理をしなくちゃいかぬ、現にこれを整理をいたしたわけです。あるいは給与の昇給延伸、これはもちろんやらざるを得ない、やった。あるいは給与の遅払いすら生じた、毎月の俸給支払いに事を欠くという状況。いわんや、多くの事業を執行するなどという力は団体にはほとんどなかった、これは全国の団体一様でございます。したがって、政府といたしましても、その危機に対応いたしますために、御承知のとおりに、地方財政再建特別措置法という法律を制定をいたしましてこれに対処したのが三十年でございます。昭和四十年にも一つの財政難がございました。この場合に、いまの副総理でございまする福田さんが大蔵大臣でございまして、その事情をも考慮されまして、現在の地方交付税率三二%、当時二・五%引き上げたわけでございますが、それが三二%になっておる。この昭和四十年のときの財政窮乏、これに対応するために現在の交付税率が上がった、政府はそうした対応策を講じております。そのほかに、臨時地方特別交付金として四百十四億円、また特別事業債の発行をいたしまして千二百億円を地方団体に付与しておる、そうした措置を講じて昭和四十年の財政難と申しますか、そういうものに対応いたしたのでございます。昭和四十六年になりますと、このときも相当地方団体としては苦しい事情にございました。このときは臨時地方特別交付金といたしまして千五十億、それから運用部よりの借入金としまして千六百億、地方債の増額四千九百億、こうした補強策を講じましてこの時期を乗り切っておるわけでございます。そして今日になったわけでございます。 ことしのと申しますか、来年度の地方財政計画というものを見ますと、そうした財政難、危機的要素というものは全然ございません。給与関係では四八%の増を見込んでおります。職員数が従来地方財政計画においては論議の対象でございましたが、この点につきましても十三万八千人の増を計上いたした。そして四十九年度におきましては二万四千人の計上をしておる、それだけ実態に近づいておるということでございます。合計いたしますと十六万二千人の人員増を地方財政計画としても計上しておるわけでございます。また、ベースアップの保留財源も昨年よりは一%増を見込んでおる、そして、なおかつ臨時土地対策費等で千五十億円を別途計上しておると、こういうことでございまして、五十年度の地方財政計画を見ますと、従来非難されておりました実態にもっと近づけるという作業もいたしながら、なおかつ臨時土地対策費等の経費も計上いたしました。 すでに地方財政計画ができているわけでございますから、これを見る限りにおきましては、一体財政難とか財政危機というようなものはないと考えるほかない。何で財政難だ、財政危機だと騒がなくちゃいかぬのだ。もちろん、たとえば特定団体におきまして非常な赤字を出しておる、そういうこともございます。しかし一般的ではございません。また、昇給延伸とか、あるいは給与の引き下げというような問題について住民からの直接請求も行われておる地域もある、そういうこともございます。あるいはまた、理事者におきまして手当を返上しておるというような地域もあるわけでございます。そういう現象はございますけれども、地方財政計画その他を見ますと、一体財政硬直化とか、財政危機だと申しますか、そういうものはどうしてもうかがえないのでございまして、これが従来の昭和三十年、四十年、四十六年のときと違う一点じゃなかろうか。当時におきましては、政府も地方団体も挙げて共通の目標に向かって努力をいたしました。現在はそういう姿ではない。そしてまた、常に努力をいたしながら、健全財政を保持しながら努力してきた多くの団体におきましては、現在破局的な財政危機を必ずしも迎えておるものでもない。一体、財政危機だということが叫ばれておりますけれども、どういうことなんであるか、この点についての自治大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘がありましたように、三十年、四十年、四十六年と危機が叫ばれておりましたのは、まだ日本の経済がここまで伸びてこなかった時代、また伸びる過程において、一つの財政経済政策の面で余り伸び過ぎてはいかぬというて抑えなければならなかった、それがまた影響して出てきたというようなことも私はあると思うのでありますが、今日の、いまあなたがおっしゃったように、財政危機というものはあるのかと、こういうお話でございますが、四十年、四十六年当時の危機とは意味が違っておると私も考えております。それはいまも御指摘がありましたように、われわれが地方財政計画をつくるに当たりましても増員を認めることができる環境である。それからまた、その他の人件費あるいは物件費等々を処理いたします場合にも、それほどの重大な困難にぶつかっているという感じはわれわれは持っておりません。ただここに問題とする点は、新しい福祉政策、環境整備という要望が強くいま出てまいりまして、その要望を実現する財源が十分あるかということから考えてみますというと、高度成長から低成長へ入った今日でございますからして、その財源というものは私はそう多分にあるとは見込めないと思うんです。 そうなれば、いままでの予算運用、地方の公共団体の予算の処理の場合において何か考えなければ、合理化をするというか、ここでひとつ見直しをせねばならない問題があるのではないかということを見てみますというと、一つ浮かび上がってきたのが人件費の問題でございます。同時にまた、超過負担といいますか、これも一言で超過負担と言うと簡単なように聞こえますが、あなたも御存じのように、規模であるとか、あるいは単価であるとかというようなことをどう決めるかということによって変わってくるわけでありますけれども、とにかく、いずれにしても、二分の一とか、三分の二とか補助をするということになっておるのに、実際と当てはまっておらないという面があるということも事実でございます。そういうようなことをどう処理していくか、施設費の面においても、運営費の面においてもどうするかということもひとつ考え直す。 考え直すという場合に、ここらでひとつ考え直すという言葉ではわれわれから言うと少し弱いから、まあ危機、やっぱり一つのそういうような要求が多いのに、それに対応する財源が十分でないという意味においての危機ということを言うておる。私は危機という言葉は余り使ってはおりませんけれども、そういう言葉が出てきたものと解釈をいたしておるのでございます。同時にまた、そういうような要望を強く持っておる住民の側、国民の側からすると、それが実現できないのでは大変だと、大変だという意味が危機という言葉で表現をされておるというのではないかと思うのでございまして、過去に行われたような、実際にもうやりくりがつかない、人もやめてもらわにゃいかぬ、減俸もせにゃいかぬというような危機、そういうような事態とは、私は五十年度の予算はそれほどではないと考えております。また、四十九年度におきましても、相当府県等で赤字団体がふえるのではないかということを考えておりましたが、ただいま調査をいたしてみますというと、最近の調査によりますと、どうやらいままで持っておった剰余金その他を繰り入れることによって赤字を免れておるところも相当あるようでございまして、当初考えたほどのことはないようでございます。 しかし、いずれにしてもこの段階において、今後は、国の経済の成長率が四%とか五%という低成長になった以上は、税収その他がそれほどふえる道理がないのでありますから、ここで一度全般的に行財政の見直しをするということだけは必要である。そうしてその見直しをしたものによって福祉を充実していくということもやらなければならない、要望があるから何でも入れられるようなことではございません。最近は国民あるいは住民の要望というものは多種多様でございまして、ますますふえる傾向でございますけれども、それを何でも受け入れるのが政治の姿であってはならない。そういうことをいたしますというと、ついには破滅を導き出す。私は、民主主義の一番欠点になるところは、そういうところに一つの歯どめをかけるだけの勇気を政治家が持つか持たないかということで決まると思うのでございまして、住民が多様な要望を持っておるからといって、何でもそれをすぐに実現しようとすれば無理が起きることは、これは当然でございます。そこらにわれわれとしてもまた関心を払うと同時に、しかし、なおかつやはり福祉とか環境整備ということが住民の多くの要望であるという点を考えて、そこに重点を入れながら行財政の見直しをしていくんだと、こういうことでやっていってはいかがかというのが私の考えでございます。
○安孫子藤吉君 お話を承りましたが、私も過去の財政危機と現在の主張されておりまする問題とは、やや性質を異にしておると考えております。もちろん、過去におきましても、国際経済の動向というものがこうした問題に大きく影響しておったことは事実でございますけれども、それと現在とでは国際経済の様相というものがよほど変わっておる。したがって、今後の地方財政の問題は、過去のように一過性のものじゃない、また、自律的回復能力も欠けてきておるんじゃないか、まあそういうような感じを持っております。それだけに、それに対応するというものがなければならぬ、そういう意味において財政の問題をいまから十分なる心構えを持ってこれに対応していかなくちゃならぬ、そういう意味においての問題があることは私も全くそのとおり考えておるのでございます。 それから、福祉のための財政危機と申しますか、そういう問題であるという点については、私はもう少し幅広く考えてもいいんじゃなかろうかと思うのです。この辺になりますと、後で触れたいと思いますが、選択の問題があるわけでございます。財政が一定の枠内におきまして従来どおりあらゆるものをやっていって、なお福祉をふやすという場合において、そこに財源難は生じてまいりますが、選択の余地というものはあるわけでございます。その選択というものについてはやはり問題がある。従来やってきたことが極力抑えられてもいいという性質のものではない。広い意味の福祉、住民の生活基盤の整備というような問題になりますれば、いま言われておりまする福祉だけの範囲内において人間の生活の基本的な問題が幾多あるわけでございます。いま言われておる福祉という言葉に含まれておる問題のほかに、まだきわめて重要な問題があるわけでございまして、そういう問題にも対応しながらやっていくというところに今後の地方財政のあり方の問題が絡んでおるんだ、福祉だけの問題ではないんじゃなかろうか、こういうことも考えるわけでございます。 時間の関係がございまするので、一般論といたしまして承りますることはこの程度にいたしまして、ただいままでのお話で、財政が硬直化する、将来のためにこれを是正をするような方向に考えていかなくちゃならぬ、そういうことで人件費、超過負担等々のお話がございました。そこで、そうした各論的な問題につきましてお尋ねをしてまいりたいと存じます。 最初に挙げられました人件費の問題でございますが、これは恐らく、いままでもこの委員会におきましても、また、ほかの場におきましても、ずいぶんと論議をされてきております。きょうは幸い、静岡県の知事さんや浦和の市長さん、また、小林さんにも学識経験者として参考人でおいでを願っておりまするので、五十年度の予算編成につきましての所感、また、人件費等の問題につきましての参考人の方々の御意見をこの際委員長のお取り計らいで御発言をいただきまして、その上に立って自治大臣にも御質問したいと、かように存じます。よろしくお願いします。 それじゃ、静岡の知事さん、人件費並びに予算編成、それから五十年度の予算編成につきましてずいぶん苦労された点、実情等、ひとつ簡単にお願いしたいと思います。
○参考人(山本敬三郎君) ただいま安孫子先生から一般的な問題としての新しい意味での地方財政の危機にお触れになったわけであります。私は、五十年度の予算を編成するに当たりまして、三十年代の初めに地方財政の危機が言われたときがあります、さらに、御指摘のように四十年、四十六年、ございましたけれども、これからの地方財政のむずかしさというのは、ただに一年で終わるものではない、高度成長から減速経済の過程数年間は必要ではないか、したがって、地方財政は非常に厳しい数年の試練を経なければならない、こういう認識のもとに実は早くから準備をいたしたかったのでありますが、災害等の関係がございまして、十一月から予算編成の作業に実は入ったわけであります。その際、やむを得ませんので、静岡県といたしましては初めてでありますが、各部の予算要求に対しまして、国と同じように概算要求二五%というやり方をやってみたわけであります。そのねらいは何かと言いますと、御指摘のありましたように、財政を一つ一つ徹底した見直しをやらせよう、さらに施策の問題、事務事業等につきましてビルド・アンド・スクラップという考え方を実は徹底してみたい、それによって何よりも健全財政に徹したい、こう考えたわけであります。 先ほど御指摘のありました新しい意味での危機というのに二つあると思います。一つは、福祉が実態よりも進んでおりますために財政の硬直化を生じている。一つは、公共事業が進みましたために財政の硬直化を生じている。私の県の場合には、むしろ後者に当たるわけであります。そこで、徹底した財政の健全化を図ろうと思いましたので、歳出につきましては予測される年間見込み額は満度に計上してみました。歳入につきましては見込み得る限度額いっぱいに実は見込んだのでありまして、しかも空財源は一切用いない、こういうやり方をとってみたわけであります。その結果、数字で申し上げますと、実は五十年度は四十九年度当初予算に比べまして予算の規模で六百億ふえたわけであります。ところが、義務的経費では六百五十七億、そのうち人件費の増が四百八十億に達していたわけであります。予算の規模は二四・四%でありましたが、義務的経費は五二・九%ふえた、非常に苦しい状況であったわけであります。さらに、それを一般財源ベースでとってまいりますと、四十九年度当初に比べまして、一般財源のふえましたものは県税収入二百七十億、かなり目いっぱいに組みました。あるいは交付税、あるいはその他の費用も見込みまして三百八十五億ふえたわけでありますが、そのうち義務的経費に要しましたものは三百八十億でありまして、うち人件費に要せられたものが三百五十五億であったわけであります。したがって、人件費を目いっぱい見込みますと、私の手元に一般財源としては三十億しか残らない。さらに、公債費、扶助費、災害関係の義務的経費を見込みますと、わずかに一般財源は五億一千万しかふえなかったという状況であったわけであります。そこで、産業関連と考えられますような港湾関係あるいは産業道路というようなものにメスを入れまして、公共事業を約六十億カットすることによりまして一般財源十億を生みまして、合わせて十五億で、政策経費、経常経費等をあちらこちら工夫してやってまいったわけであります。 私は、本年の状況を見ますときに、現象的には人件費が最大の要因になっている、これは事実として認めざるを得ない。その前提にスタグフレーションがあるとか、あるいは財政、公共事業の抑制とか、総需要抑制とか、いろいろ議論はありましょうけれども、実際に予算を編成する身になりますと、人件費が非常な大きな圧迫要因になる。石川県のごときは、一般財源の伸び以上に人件費の伸びは大きい、こういうところになってまいりましたので、これはもう新たなる意味での見直しの時代をはっきり迎えた、その際、私は地方自治の責任者として健全財政を貫く、これこそが税金を納めていただいている県民に対してとるべき第一の仕事ではないかと、こういうふうに考えているわけであります。
○安孫子藤吉君 浦和の市長さん、何かひとつ御発言ありますか。
○参考人(相川曹司君) 五十年度の予算を編成するに当たりましては、やはり御指摘のように、年を追って人件費の増加ということを認めないわけにまいりませんで、四十六年度浦和市におきまして市税収入に対して占める人件費の割合が四九・四%でございましたが、年を追って増加の傾向がございます。五十年度の予算としては五九・三%、約一〇%上昇の傾向がございます。いま静岡県の知事さんのお話のように、ここ何年か高度成長の期間、各市ともそうだと思いますが、きわめて意欲的にいろいろな施設の整備を行ってまいりました。たとえば図書館を一つ建てますのに、建物は三億円程度で単年度補助をいただいて建てられるとしましても、それを年間運営する経費として五十年度だけで一億六千万の予算を要する。あるいは消防自動車、常備消防を一台ふやしますと、二十四時間勤務でありますから、人を自動車一台に十五人は最低張りつけなきゃならぬ、そうすると、消防自動車一台の購入費は六百万か八百万でありますが、人件費だけで年間三千万円張りついていく、こういう傾向がございまして、人件費もさることながら、当然経費、またいろいろな意味での超過負担、こうした漸増傾向がございます。したがって、新たに事業を起こそうとする投資的な住民要求に対して思うように対応しにくいという点はどうしてもございます。ただ、浦和市の場合、人件費の比率をちょっと御参考に申し上げてみますと、国でお示しいただいております地方財政計画で予算に占める人件費の割合が三四・七とございますが、浦和市は二七・六%でおさまりました。結局、投資的経費の予算が地財計画では三二・八%と示されておりますが、浦和市の場合は三五・一%、まあ各市の実態によってこの数字は内容的にそのままということはございませんでしょうけれども、かなり人件費につきましては安易な人員の増加を極力抑えまして、民間に委託することが適当だと思われるような業種、仕事についてはできるだけ職員の増加を避けて民間の企業を活用する、そういう意味で予算の編成を進めた次第であります。 ただ、四十九年度と五十年度と対比しましても、予算に占める人件費の割合が、四十九年度二四・五から二七・六に伸びております。それから投資的予算が三九・二から三五・一に、ちょうど人件費がふえた分、また当然経費が多少食ったという形で新たな対応予算が減少しておる、この点は御同様だと思います。なお、新年度の予算で市税収入の伸びの中、約七八・六%はそうした人件費、当然経費といいますか、義務的経費に支出が余儀なくされておりまして、投資的経費については、税収入の伸びのうち一七・九%きり振り向けられなかった、こういう意味で、多少新たな需要に対する対応としては窮屈な予算と言わざるを得なかったと思いますが、大体現況は以上のようでございます。
○安孫子藤吉君 小林さんには、予算編成の問題はなかったわけでございますから、別途の問題で後で御意見を承ることにいたします。 そこで、人件費の問題はいろいろいままでもこの委員会においても議論されてまいりましたが、これがきわめて地方財政における予算編成の面におきましても、また住民感情から申しましても、非常に大きな問題であることだけは否定し得ないだろうと思うんです。 で、私なんか、くにに帰りまして、中小企業の連中なんかに会います。そういたしますと、不況であるだけに、この連中は、一体県庁の職員の給与というのはよ過ぎるんじゃないか、そして働かないじゃないかと。まあそういうもんじゃない、それはやっぱり行政というものには繁閑の差もある、部局で。そういう見方はおかしいぞと説明をしておりますけれども、不況に呻吟して破産に瀕しつつある彼らから見ますと、地方公務員に対する羨望の念とあわせて非難の面が非常に強まっておることは、これは事実として私は認めざるを得ないと思うんです。そういう中において人件費の問題を私どもも考える必要があるだろうと、こう思っておるわけでございます。 そこで、人件費が問題になる場合に、員数の問題と給与の問題とあるわけでございますが、員数の問題については、言うまでもございませんが、警察、教職員の増加、これはやむを得ないと思います。一般職員の増加です。これも私は、この間発表されました数字を見まして、まずまずのところじゃなかろうか。一般職員と申しましても、福祉施設の増強でございますとかそういうものが、福祉行政の発展に伴いまして当然出てくるわけでございまして、これは普通の職員の転用によっても相当賄っておりますけれども、相当専門を必要とする職種もございまするので、必ずしもそれだけで賄い切れるものではない。そういうことで、員数の増加については、私はそう批判の対象にすべき点は少なかろうじゃないかと、こんな感じを持っておるのでございます。 ところが、給与水準の問題になりますと、これは私自身の経験からも、一言この際申し上げておきたいと思うのでございますが、現在、言うまでもございませんが、昇給期間の短縮、いわゆる三短、六短、十二短、いわゆる一斉一号アップ、あるいは渡り、プラスアルファ等々、考えてみますと、適当じゃないんじゃないかと思うことが給与の運営の面において行われておるのが事実でございましょう。この点は、私の預かりました団体は、言うまでもございませんが財政的に弱い団体でございます。したがって、行政の計画を立てるにつきましては財政的な配慮も常に考えながらやらざるを得ない。これは、財政力の弱い地方団体においては、常にその問題を頭に置いて問題を処理してきておるのが事実でございます。ところが、高度成長の中におきまして、大阪を中心とする地帯、県あるいは市町村、あるいは東京を中心とする地帯、これは高度成長の恩恵を最も税源的に受けておる地帯でございます。財政的に高度成長の恩恵を最も受けた地方でございます。いわゆる過疎地帯と言われておるところは高度成長の恩恵を受けることが最も少なかった地帯。その高度成長の恩恵を財源的に受けました地域、またその中にはギャンブルを実行しておる団体もあるわけでございまして、これはあり余る財源を持つようになった。 そこで、そういう財政状況になれば、どうしたって各般の配慮をするということも薄れがちなのは人情だろうと思うんです。そこで三短、六短、十二短、一斉俸給の引き上げ、あるいはプラスアルファ、そういうものがそこから発生をしてきたと私は思っておるんです。それは、私が職員組合との交渉の過程においてそう言うわけでございます。そして、その地方においてもやっておるんだからここでもやれと、こういう主張が非常に強くなってきたのは事実でございます。これがやはり次々と波及をいたしてまいりまして、東北地方でございまするが、職員団体との交渉に常にこの問題をめぐっての苦労を重ねてきたのが実情でございます。あなた方はそう言うけれども、われわれの地方団体の実態から言うとそういうわけにはいかぬのだというような交渉に交渉を重ね、時には座り込みもあり、そういうことに一種の納得を求めながら、また抵抗しながら、いわゆる財政力の弱い地方団体というものは今日に来っておる。この事態に相なりますと、今度の給与水準の問題、技術的にはいろいろ議論はあるだろうと思いますが、見られるとおりに、いわゆる財政力の弱い県ほど給与水準が国家公務員に近づいておる。いわゆる一けたのアップになっておるわけでございます。しからざるところほど高い。財政力の弱い県から言えば、その問題については常に苦慮しながらやってきておる。そこで、その過程において、私なんかも、たとえば一斉一号アップが実行されておるということを言うわけでございます、交渉の過程において。どこの市町村、どこの県では一斉一号アップしておると。それは私としては違法的な疑いがあるんじゃなかろうかと疑問を出すけれども、実際それはそうやっておるんだと。こういうこともあったわけでございます。いまもあるかもしれません。 で、二、三点についてお話を承りたいわけでございまするが、この一斉一号のアップというようなものは若干違法の疑いもあると思われますけれども、これに対する自治大臣の御見解を承りたいと思います。
○政府委員(植弘親民君) 事務的な点もございますので、私からお答えさしていただきたいと思います。 地方公務員法の第二十五条第三項の規定によりますと、昇給の基準に関する事項は給与に関する条例において規定すべきものであるとされております。そうして一般的には地方団体の給与条例は国家公務員の一般職給与法の規定の例によって制定されておりますが、通常は、職員が十二月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは一号上位の号給に昇給させることができるという規定がされているのが通常でございます。 また、特別昇給という規定もございますが、国家公務員の場合でございますと、通常一五%の範囲内で特別昇給が行われるのが例であります。したがいまして、全職員につきまして一斉に一号の期間短縮により昇給するということは考えられません。そういう意味からいきますと、全職員についての一斉三石昇給期間短縮というのは一般的には条例違反でございます。
○安孫子藤吉君 これについて自治省はどう対応いたしたか、承りたいと思います。
○政府委員(植弘親民君) 通達なりあるいは関係の会合なりにおきまして、そういった不適正な給与の運用が行われないようにということは、常々地方団体に注意を喚起してまいっておるところでございます。
○安孫子藤吉君 この問題に入りますと相当時間をとりますから、この程度にいたします。 それから、最近ですが、私の在職中はそういうことはなかったのでございますが、ベースアップが四月一日までさかのぼるということに相なった結果、おおむねの地方団体におきましては三月三十一日で退職発令をしておるわけでございますが、それを四月一日に発令をするという要求が強くなってきた。これによって、もちろん退職者が経済的な恩恵を受けることは明瞭でございます。しかしながら、地方団体といたしましては、果たしてそれでいいだろうかと、こういう問題があるわけでございます。それで、四月一日発令という措置をとりました県が三十数県あるとも聞いておるんです。しかし、これは自治省といたしましても、率直に言えば手の打ちようのない問題じゃなかろうかと、こういう気もいたします、法制的には。その点の御見解を承りますと同時に、また一面において、最近の情勢では、これを是正しようという団体も出ておることは事実でございます。ただ、是正をいたす段になりますと、当該年度におきまして二重の退職金を支払わなければならぬという矛盾が出てくるわけでございます。その継続の分と翌年度に支払うべき退職金を前年度において支払う、そういう二重の支払いをしなくちゃならぬ。それはその団体として財政的には非常に苦しいことでございます。こうした是正措置を講じようとする団体に対する財政的な配慮というものも、是正を慫慂しようとするならば考えるべきであろうと思いますけれども、この点についての御所見を伺いたい。
○政府委員(植弘親民君) 御指摘のように、基本的にはそれぞれの団体の考え方だと思いますが、従来三月三十一日付の退職が多かったにもかかわらず、最近四月一日が多くなってまいりましたというのは、やはり新陳代謝を促進するとか、退職に当たっての優遇措置を講ずるといったような立場から、それぞれの団体で始められたものと思います。しかしながら、私どもの気持ちといたしましては、やはり従来のような三月三十一日付の退職の方が合理的といいますか、より妥当であろうというふうに考えております。
○政府委員(松浦功君) ただいまの御質問でございますが、四月一日の退職を三月三十一日に改めるということになりますと、御指摘のように二カ年分の退職手当が必要になる、そういう問題がございまして、それがネックになって是正ができない、是正したいけれどもできない、こういう団体がございますれば、個々の財政事情をそれぞれからお伺いをいたしながら、私どもとしては法律の許す範囲において対策をとれるような措置を講じてまいりたいというふうに考えます。
○安孫子藤吉君 最近におきまして、あるいは前からかもしれませんが、超過勤務手当というものを年末に一斉に支給しているというところが相当あるはずでございます。これは果たして妥当であるかどうか、この点について自治省の見解を承りたい。
○政府委員(植弘親民君) お答えいたします。 超過勤務手当につきましても、地方公務員法第二十五条第三項の規定で、時間外勤務に対する給与に関する事項は、給与に関する条例で定めるということになっております。したがいまして、時間外勤務手当は当然条例の定めるところによって支給されるものでございます。そして時間外勤務手当は、正規の勤務時間を超えて勤務することを命ぜられた職員に対し、給与に関する条例の定めるところによって支給するものでありますので、時間外勤務の事実のない職員に対して時間外勤務手当を支給し、あるいは超過勤務時間数の多少に関係なく一律に時間外勤務手当を支給するということは、これは一般的には条例違反の疑いが非常に強いと言わざるを得ません。
○安孫子藤吉君 役付職員というものが非常にいま増加をいたしております。行政が複雑になればなるほど役付職員をふやすことも一応私どもは了承するものでございます。しかしながら、一面におきまして、この役付職員の増加というものが行政執行の面において、どちらかというとマイナスの面だって、ないわけではない、相互の連係が薄れてくる、そういう問題もございます。そして役付職員の増加というものが純粋な形で表面上は行われておるわけでございますけれども、必ずしもそうじゃないというようなうわさも、これは広く広がっておる問題でございます。かような点についても、これは自治大臣がどうこうという問題ではございませんが、少なくとも今後の財政硬直化の面におきまして、地方団体が健全な発展を遂げ、そして住民福祉に寄与するという意識を持つならば、こうした人事管理の面につきまして自己努力をしなくちゃならぬ、これが人件費問題の基本だろうと私は思っておるわけでございます。もちろん制度的に、たとえば人事委員会の問題を一つ取り上げてみまするならば、人事委員会については毎年国家公務員に準じた率の引き上げを勧告しているのが通例でございます。地方地方の人事委員会の特色というものはそこにございません。決まった現在の水準に国家公務員に準じた率をアップしたことを理由づけて常にそれを要求しておる、勧告をしておる、こういうのが人事委員会の現在のあり方でございます。人事委員会の問題につきまして自治大臣も一つの監督指導権を持っておるように承知をいたしておりまするが、こうした問題についての御所見を承っておきたい。
○政府委員(植弘親民君) 申すまでもなく、人事委員会制度は公務員にとりましては労働基本権の代償的な意味もございまして、第三者機関ということで設けられております。すでに御承知だろうと存じますが、人事委員会の給与に関する問題点といたしましては、職員に対する給与支給の管理、人事行政の運営に関する勧告、給料表に関する報告及び勧告等の権限を持っているわけでありますが、これらの権限を十分に行使し、あるいは適正な給与行政の実現に資するべきものであるというふうに理解いたしております。実際上はいろいろと問題もあると思いますが、通常の場合は、先ほど御指摘のございましたように、人事院の勧告がございますと、これに準じて勧告するというのが通例でございます。しかしながら、先ほど申し上げました人事委員会の機能といたしましては、人事行政の適正な運営、こういうものについての管理といったような機能を持っておりますので、今後とも人事委員会は、法に定めましたその機能が適正に執行できますように、強く期待を申し上げたいと思います。
○安孫子藤吉君 人件費の問題はいろいろ議論がございますけれども、要するに、地方団体の責任者が地方住民に対していかにわれわれは対応し寄与していくか、そういうことについての自覚と、また地方公務員の自覚というものが根本だろうと私は思っておるわけでございます。かような点について、もちろん、法制上処置を必要とする問題については自治省において処置されると同時に、また、この大きく取り上げられておる財政硬直化の時期におきまして、私としては、かつての関係者の一人として、地方自治体の自粛、自戒を促してやまないものでございます。 次の問題に入りますが、その前に、農林大臣がこれから御用があるようでございまするので、この際、後で触れる問題を一部申し上げておきますが、補助金の問題を、私、問題として持っておるわけでございます。現在の補助金制度というものは、どちらかと申しますと、国の考え方によりまして補助条件を示し、そしてこれを各県に分けて、そして申請を出してこいと、そうすれば補助を出してやるよと、こういう仕組みでございますね。そこで、地方団体の方から申しますと、地方団体の職員は、自分の地域社会において一体何が重要であるか、何から先に手をつけるかということよりも、とにかく国で補助金がついたのだからあれを取ってこいということだけが地方職員の頭を支配しているというのが現状でございます。そこから地方の創意工夫、地域の特性に応じた政策というものは生まれてこないわけでございます。 そこで、全部とは申しませんが、たとえば奨励補助金のようなものは、これはひとつ包括的な補助金制度にしまして、そしてそれに対して地方団体がみずからの地域社会において最も妥当とし、必要とする早急の順序をきめまして、そういう計画を樹立をして、それに対して対応していくという、上から来た補助金じゃなくて、みずからの努力によって積み上げられたものに対する国の補助があると、こういう形に切りかえることが補助金の最も有効な使い方じゃなかろうかということを痛切に感じておるわけでございます。これは運輸省にもございます。厚生省にもございます。文部省にもございます。相当の件数でございます。農林省もあるわけでございます。さような点について、包括的な総合補助金制度というもの――メニュー式というものは一歩前進したものでございますけれども、それをもう一歩進めるべきじゃなかろうか。もちろん、これには非常な、と申しますか、抵抗のあることは私も承知をいたしております。内外ともに抵抗のある問題であることは承知をいたしております。しかし、攻める農政でございまする農林大臣でございまするから、この辺をひとつぜひ攻めていただきたいと、こういうふうに思いまして、一言御所見を承り、また詳しいことについては別の機会にいろいろ御所見を承りたい、かように存じます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林行政、農業政策を推進する上に当たりまして、補助金の占める役割りというものは非常に大きいわけでございまして、先生もよく御承知のとおりでございます。基盤整備にいたしましても、あるいは生産奨励対策等にいたしましても、農林省の補助金は政策そのものだと言ってもいいほど大きなウエートを持っておるわけでございまして、この補助金を施行するに当たりましては、これまでもやはり地元の農民の皆様方の御要望あるいは地方団体等の自主的な御要請等も十分考慮し、配慮いたしまして、補助金の実施をいたしておるわけでございまして、最近に至りましては、農村における要望も非常に多様性を帯びてまいりましたし、そういう面もとらえて、先ほど御指摘がございましたような補助金行政につきましても、メニュー方式という新しい方式をとりまして、これは地方におきましても、非常に歓迎をされておるわけでありますが、補助金につきましては、その施行に当たりまして、やはり国の大事な財源でありますし、一定の基準というのがあるわけでございまして、その基準に基づいて補助金の交付をいたすわけでございますから、なかなか一括包括をしてやるということは、補助金本来のたてまえからいきますと、なかなかなじめない点もあるわけでございますが、しかし、やはり国と地方、あるいは農業者との一体的な仕事を進めるということは、非常に行政を進めていく上におきましても大事なことでございますので、そうした面については、やはり総合的にこれをさらえていくということも必要な面も私はあると思います。したがって、この問題につきましては、少し工夫をしてみたいと思いますし、再検討もいたして、補助金行政が本当に農業振興につながっていき、また地域の発展に結びついていくような最善の道を今後とも講じていくように努力をしてみたいと考えておるわけであります。
○安孫子藤吉君 補助金の問題ですが、後で申し上げることにいたしまして、農林大臣はこれで……。 次に、超過負担の問題が大変論議をされておるわけでございます。これも論議が尽くされていると思いまするけれども、この機会にこの問題を取り上げてみたいと思います。 これについては、参考人でおいでになられた方々が切実に感じておられる問題でございます。山本さんと、浦和の市長さんと、小林さんも長い間この問題については御苦労もなさり、また経験もお持ちでございまするので、この点についての御意見をこの際承りたい。順次ひとつお願いいたします。
○参考人(山本敬三郎君) お答えを申し上げます。 超過負担につきましては、その範囲が明確でない点もございますけれども、地方財政法十条から十条の四までに決められている、国が本来負担すべき事業につきましては、かねて知事会等からその解消方を要望しているところでありまして、国においても実態調査を行い、改善措置がとられており、四十七年度、九年度の実態調査対象事業については、超過負担率は減少していることは事実であります。しかし、実態との間には、なお差を生じておるのでありまして、一層の改善措置をお願いしたいところであります。で、今後実態調査対象事業の範囲を拡大していただき、施設建設費だけではなしに、人件費を含めた運営費関係の超過負担の解消措置をさらに強化する必要があるのではないかと考えます。また、広い意味での超過負担の中に含められて議論されております奨励、助成的な補助金については、その対象範囲はきわめて広く、超過負担という概念には当てはまらないかもしれませんけれども、財政運営上は、社会的要請のきわめて強い事業については、補助対象の拡大、補助率の引き上げ等、補助制度の改善、零細補助の整理統合、メニュー化等を積極的に進めていただきたいと思うのであります。また、私学助成でありますとか、過疎バス、地方鉄道に対する助成等、間接補助につきましては、運用上地方団体の義務負担を求めることが少なくないのであります。それについても改善をお願い申し上げたいと思うのであります。 私の県の実態を申し上げましても、超過負担は厳密に限定いたしましても昭和四十八年度十六億、四十九年度十九億、五十年度当初予算においても十七億余の超過負担を生じている状況であります。 以上実態を申し上げます。
○参考人(相川曹司君) 私どもの市の超過負担の実態を御報告させていただきます。 まず、学校建設事業関係でありますが、年々補助率も上げていただき、また年度途中でも単価の是正を最近お願いしておりますので、かなり成果を上げておるとは考えておりますが、実態としましては、補助対象面積等の対象面積がまだ実態に即して不足しておるのではないか、そういう意味でのいわゆる現実の施設水準に見合わないものが多分にあるのではないかというふうに考えられます。ただ御参考までに、建物を建てます際の一平米当たりの超過負担額は四十七年度が七千六百十四円、浦和市の総額で三億五千七百万ほど超過負担がございます。四十八年度では同じく平米当たりの超過負担が五千三百三十七円、約二千三百円ほど減少しておりますが、四十九年はさらに平米当たり四千八百七十五円、これも年度途中の単価是正でかなりの前進を見ております。その他市営住宅の建設等、文部省、建設省関係につきましては、超過負担は現実にありますし、また今後対象面積等を増加してほしいという要望はあるにいたしましても、かなり前進を図っていただいておることは感謝しております。 ただ、厚生省関係に多分に超過負担がございまして、保育園の建設事業等は建物だけを申し上げてみますと、先ほどの学校建築で四千数百円と申し上げましたが、一平米当たり四万円ぐらいの超過負担になる。国が二分の一、県が四分の一、市が四分の一という比率は示されておりますが、現実には、市が四分の一を持ったほかに約平米当たり四万円の負担が伴う。それに、補助対象になりません用地の取得事業がございます。また運営費につきましても、国が八、県が一、市が一という基準を示されまして、年間の運営経費を示されるわけですが、現実には国が八、県が一、市が十七ぐらいの比率になってしまうわけです。これは人件費問題も絡むと思いますが、実際に保育園の運営に要する経費の見込みというものが極端に低い。さらに父兄の保護者の負担金が、最近の傾向としまして東京都その他が極端に低く抑える関係から、隣接の都市としてはこれらをまるっきり無視ができないという状況でございまして、父兄負担分についてもかなり超過負担と別途に市費負担が入っていく。保育園の運営の規則を見ましても、厚生省から示されておる規則を見ましても、市の財政事情によっては父兄負担を下げてよろしいんだと、こういうことが明記されておりまして、そういうようなことで、われわれとしてはかなりの父兄との話し合い等に苦労がございます。年間で約二億以上の超過負担がここで出てまいります。 それから衛生関係につきましても、最近のごみの焼却施設等につきましては、われわれがちょっと想像に苦しむほど膨大な建設費用がかかるわけでして、浦和市で現在三百トンの焼却炉を運営しておりますが、新たに百五十トンの焼却炉を建てようといたしますと、現在の単価では約二十四億五千万かかる。用地を別にしまして二十四億五千万かかる。しかし、国が補助基準額として認めておりますのはそのうち五億足らず。ですから補助率が二分の一とかどうとかといいましても、現実には十九億五千万からの超過負担が発生してくる。 こういう点で、私ども一応この各省の仕事、つながりを拝見しておりますと、厚生省関係の事業、特に最近福祉行政が叫ばれておりますが、福祉行政を進めようとすればするほど超過負担が過大になるという傾向がございます。特に保育園等につきましては、一般の住民は、保育にかけた児童は市長の責任で措置しなさいということが福祉法にあるわけですが、どこまでが市長の責任なのか、その限界が全くわかりませんし、一般的には今日義務施設のような受け取り方、住民意識というものがございますから、これらの充足についてはかなりの努力を今後必要とするものと考える次第でございます。 以上、幾つか申し上げました。
○参考人(小林与三次君) いわゆる超過負担の問題は、私、国の立場も地方の立場もいろいろ理屈があると思うのでございますが、いずれにしろ、国と地方の行政と財政の秩序をはっきりさせるためには、やるものはやる、やらぬものはやらぬと、このけじめをはっきりつけなければこの議論は永久に解決しないと思うのでございます。だから、国としてでも本当に必要でこの仕事をやりたいというのなら、その仕事が意味のあるような中身を持って、しかもきちっと片がつくという形で、当然仕事の規模なり量なり中身なり基準なりというものを考えるべきであって、自分はただこの程度のものについてこれだけ金をやるのだ、あとは地方で勝手にやれというような考え方で仕事をしておっては永久にこの問題は解決つかない。 それは、国はどうせ財源に限りがありますし、各省はいろんな仕事をやりたいに決まり切っておりますが、限られた財源でいいですから、やる以上は仕事は必ず意味のあるようにやれるようにしなかったら、保育所をつくったって、保育所として十分にでき上がらぬ。そして家族にまで、父兄にまで負担をおっかぶせるような形にしたってそれもおかしいし、学校その他の建物をつくったって、建物なら当然につくる以上はある程度の規模が要るが、いや門だとかへいだとか何とかはどうでもいいとか、そんなような考え方は私はやっぱりおかしいのであって、つくる以上は意味のあるようにやる。事業の量も意味のあるようにつける。あまり手を広げ過ぎるから、行政の幅を広げ過ぎるから結局こういう問題が起こるのであって、さっき農林省についてあの総合補助の問題、お話がありました。これも同じ問題で、あれもやりたい、これもやりたいということで中途半端な問題の取り上げ方になって、やるものは地方団体でもうみんな困っちゃう。 こういうことは、私は地方全体としてむしろお考えを願いたい。単なる補助の項目がふえたとかふえぬとかじゃなしに、その補助の予算で本当に末端で仕事が真っ当にできるのかできぬのか、その点を中央の方でも国会の方でも、ぜひ御審議を願わなければいかんじゃないか。ただ金額がどれだけふえたとか何%ふえたという問題じゃないのであって、これは一体どこで何がどうできるのかということだけはぜひけじめをつけていただくことが、一切の補助金負担金制度の基本じゃないか。その筋を立てなかったら、国と地方の本当の行政の配分も財政の配分もまともにいくはずがないというふうに一般的に考えております。
○安孫子藤吉君 超過負担の問題というのは、いわばシーソーゲームみたいな傾向がある問題なんでございます。何年か前でございますけれども、この問題を取り上げましたとき、大蔵省も見えておりますが、まことに冷たい反応でございました。その中でひとり理解を示していただいたのが、私の記憶では鳩山さんだと、こう思っておるんです。その当時は主計局長でございました。(「残念ながらいないわ」と呼ぶ者あり)いないから、なおさらほめておいた方がいいだろう。鳩山さんが一番理解を持っていた。しかし、ほかはまことに冷たいものであったと私は記憶をしておるわけでございます。その後だんだんとこの問題が進んでまいりまして、四十九年度、五十年度におきまして、施設単価につきましてはある程度前進をしたと、こう思っております。この労を多とします。 しかし、残る問題は補助基準の問題、それから補助対象の問題、標準価格の問題、運営費の問題が残っておるわけであります。いま浦和の市長さんからもお話がございました。また山本さんの方にもおありだろうと思いますが、これは私質問しました後、つけ加えることがありましたら御発言願いたいと思います。まだまだ残っておるわけでございます。 そこで、聞くところによりますと、政府は五十一年度の予算においてこれをほぼ解決をすると、こういうふうに聞いておるわけでございまするけれども、これをぜひひとつ推進をしてもらわなければならぬ。いま小林さんからもございました補助対象のことで大変関係者では有名なフレーズになっておる、門、柵、へいという問題でございますが、これなんかも、大体水道、下水道は都市の近郊にできるわけでございます。門も柵もへいもなければ本当に人身の事故を起こす危険性、子供の生命にも関する問題がこれには絡んでおるわけですが、それは補助対象じゃないんだというのが大蔵当局の強い意見であると私は思っておるわけでございます。これだけはなかなかがんとして譲らぬという、一例を申し上げますと、話も聞いておるわけでございます。 私は、こんなものは、それは率直に対応したらいいじゃないかと思うんです。あの膨大な国家予算の中におきまして、われわれから見れば、特に地方によって、見ました場合にこんな新規補助金はつけなくてもいいじゃないかというようなものもずいぶんございます。それは地域地域によって違うだろうと思いますけれども、何でこんな甘い査定をしたものだろうという感じを持つ補助金なんか相当あるのでございます。そういうものを、いま小林さんからお話がございましたとおりに、やはり従来スタートしたものについて集中的に投入をして、それはそれだけで片づける、いたずらに間口だけ広げるのじゃないというような考慮をいたしまするならば、そんな補助対象の門、さく、へいぐらいは片づけ得る余地は十分にあるはずのものだと、こう思うのでございます。これについては、きょうは大蔵大臣もお見えになっておりませんので御返事もいただけないと思いますが、そうした点については、自治大臣並びに厚生大臣もお見えになっておりますので、厚生省関係がこれは相当問題があるわけでございまするので、その辺のお考えも承りまして私の質問といたしたいわけでございます。よろしく。 山本さん何かありましたらひとつ。
○参考人(山本敬三郎君) お答えをいたします。 先ほど内容に触れなかったのでありますが、四十七年度三省調査分で申し上げますと、警察施設費につきまして、私の県の場合超過負担が約一億余り、警察の交通安全施設費につきまして二億一千五百万、公営住宅建設費につきまして四千九百万、合わせて四十七年度調査分においても依然として三億八千万の超過負担が残っているわけであります。四十九年度調査分を見ますと、職業訓練所の職員費につきまして約二億、農業改良普及員の人件費につきまして二億四千万、林業改良普及員につきまして四千九百万、四十九年度調査分につきまして四億九千三百万があります。その他、警察行政費につきまして一億八千万、保健所職員につきまして五億一千万、農政運営費につきまして三億九千万等を合わせまして八億八千一百万、合わせて十七億が厳密な意味における超過負担額と考えております。 しかし、実際上に地方自治を運営してまいりますと、たとえば小中学校の先生方にいたしましても、過疎地域につきまして必要に応じて県単独の措置職員を必要とする。そういったものも三十五億にも及ぶわけであります。さらに、保健所運営費等で事務費で四千二百万、高校体育施設費等で一億三千九百万、社会福祉施設運営費、人件費も伴いますけれども一億二千万、児童福祉施設運営費三億九千万、合わせて四十数億。これもあるいは広義の意味における超過負担と言えるかもしれないわけであります。しかし、少なくとも厳密な意味での超過負担については解消させていただきまして、国と地方自治体との間にルールを確立し、お互いに不信のないようにしていくことが必要ではないか、こう考えるものであります。
○安孫子藤吉君 ただいまのようなことですが、いま山本知事さんからお話がありまして私も思い出したのですが、これは自治大臣の所管でございますので申し上げますが、警察関係の交通安全施設ですね、これは非常に各団体、特に府県でございまするが、持ち出しが多いのでございます。この辺も御認識あるかと思いまするが、いま私が申し上げました補助対象の問題、あるいは警察の交通安全施設、五カ年計画がございましたが、あれは非常に地方の財源負担になっております。その辺の是正の問題も含めてひとつお答えを願いたいです。
○国務大臣(福田一君) ただいま超過負担の問題について、静岡の知事さんからもお話があり、また警察関係の交通安全施設の問題で先生からも御指摘がございましたが、私としては確かにこの超過負担の問題は、今後、先生がおっしゃったようにはっきりさせて、そしてトラブルがないようにするということが必要だと思うわけです。ただ、そのときに、いままででもあったのですが、学校をつくってくれとか、保育所をつくれとかという場合に、それではその数が十分めんどう見切れるかどうか、これは国にもやはり財源というものがあってその限度というものが決まっておりますから、その数をどう見るかということでこれはなかなか超過負担がふえてきている。過去、公共施設が非常に足りなかった時代においては、各地方がそれぞれ運動いたしまして、二分の一の補助が四分の一でもいいからとにかく数をもらいたいというような傾向があったことは、恐らくあなたも御存じだろうと思うのであります。もう今日の段階ではある程度数の充足ができました。 ただ、人口急増地帯における保育所の問題などというのはまだ一つ問題点が残っておる。また、高等学校の建設というような面にも問題は残っております。数の面で問題が残っておると思うのです。しかし、こういうこともひとつできるだけ満たす。承認をする場合には超過負担が出ないようにする。そして二分の一補助という場合には二分の一補助ができるという姿を出したい。これは物価問題とも関係しまして、予算をつくった後で物価が非常に高騰いたしますと、これがまた超過負担の形をとりますから、そういう場合は、場合によっては補正ということも考えなきゃいかぬ。私としてはそういう考え方で超過負担には対処していくべきではないかと、こう考えております。
○安孫子藤吉君 厚生大臣にその点についての御決意も承りたい。つまり超過負担の解消の問題、相当厚生省も多いわけでございますから。 それと、負担金になりましょうか、この問題がいまあるように聞いておるんです。つまり過去の補助金ですね、過去の補助金をさかのぼって国は支給すべきであるという事案、これが係争事件にもなっておるという話を聞いておるのでございますが、そういうことが行われるならば、私も地方団体を預ってきておりますだけに、つまり補助金を――これは負担金と補助金で違うのかもしれませんけれども、一応は合意に達したものですね、それを今度差額を、好条件にした場合あるいは決めたものと違うような場合に過去にさかのぼってまた請求権があるんだというようなことになれば、現在の財政秩序のもとにおきましては非常に混乱を起こす危険性があるんじゃなかろうかということを考えますので、その事案と、それに対する厚生大臣の御見解をこの際承っておきたい、こういうふうに思うんです。
○国務大臣(田中正巳君) 第一の社会福祉関係の超過負担問題でございますが、ただいま参考人からもいろいろお話がございましたとおり、ずいぶんと改善をいたし、解消されましたが、まだいろいろなものが残っておることは事実であります。 そこで、まず第一の施設整備費補助金につきましては、今日までいろいろと努力をした結果、私は単価についてはほとんど問題は解消をいたし、実勢に近くなったものというふうに解釈をいたしております。問題は、補助対象並びに基準面積等におきましていろいろと問題がまだ残っておりまするものですから、こうした問題について今後解決をしなければならないということだろうと思います。 補助対象については、先ほど来お話がありました門、さく、へい等がその典型的なものであります。また基準面積等につきましては、現在、保育所等では一人当たり五平米ということになっておりますが、これが狭過ぎるということでありまして、今後こういったような問題について詰めていかなければならぬ課題を背負っていると思います。また運営費につきましても、いろいろと問題があるわけでございますが、人件費については、昨年の三省共同調査によりまして、今後二カ年で解消をするということでございますが、こうした問題については今後さらに改善に努めていかなければなりませんし、大分よくなったとは申すものの、まだ改善の余地があることは事実でございますので、今後そういった方向について努力をいたしたいというふうに思っておるわけであります。 いま一つ、過去における補助金についての係争事件でございますが、先生のおっしゃる問題は摂津訴訟の件だろうというふうに思われるわけであります。これにつきましては過去において、昭和四十六、七年ごろでございますか、摂津市における保育所の設置をめぐりましての補助金の交付が児童福祉法に定める金額を下回っているということから係争事件になったものでありまして、いままでに八回の口頭弁論をやっているわけでございますが、いまだ訴訟係属中であります。 これにつきましては、私どもは先生がただいまおっしゃるような趣旨もあり、また当時の経緯、協議書の内容等を見ましても、今日ただいま、もうすでにこうした請求権は存在をしておらないということで国側はこれの訴訟に対応しているわけであります。
○安孫子藤吉君 門、さく、へいと、保育所の一人当たりの面積の増、これはひとつ五十一年度に厚生大臣、ぜひ実現をされるように御努力をお願いしたい、こういうふうに希望しておきます。 先ほど来自治大臣からお話がございましたが、福祉の問題、これも相当議論されておるわけでございます。福祉のいわゆる先取り行政ということが、どこでつくった用語かわかりませんけれども、そういう用語が定着をしております。地方団体は福祉の先取り行政をやるんだという言葉がございます。私はそれは結構なことだろうと思うんです。それから地方団体の長は、政治的活動することはもちろん必要でございます。同時に行政の執行権者でございます。最終の責任者でございます。で、三割行政とかあるいは五割行政だとか、四割行政だとか、いろいろ財源的な面から、自治体の長というものはまことに弱い者であるというような意味に通ずるような発言も横行いたしておりますが、端的に申しますと、少なくとも地方団体の長は選択の自由を持っておることだけは確実でございます。これは一〇〇%選択の自由を持っておる。もちろん法律の範囲内においてでございますが、選択の自由はございます。これは一〇〇%でございます。自分のところで公共事業をやりたくなければやらなくてもいいんです。福祉に全力を挙げるのなら、公共事業はやめて福祉に投入してもいいんです。これが首長の選択の自由でございます。これだけは一〇〇%だと私は思っておる。 そこで、福祉の先取り行政という問題でございますが、福祉がきわめて重要な行政課題、政治課題になっている以上、行政団体の長が、地域住民のための福祉について努力をされることは当然でございます。ただ、そこで少し気になりますことは、それを自分のところでやって、それを横に広げて、そしてそれは国におんぶしていくんだと、こういう考え方のもとに先取りをするということは自治体の責任者としてどういうものであろうか、こういう点が私の疑問なんです。しかし、それも結構でございます、政治的行動でございますから。しかし、それが実現をいたさなかった場合に、それは自己の責任であって国の責任ではないわけでございます。自己が選択の自由を持ち、全体の計画のもとに一つの政治的信念をもって選択をした。内面的にはそれを国の政策に移しかえていこうという意図ではあった、しかしそれは実現しなかった。実現しないのはそれは国の責任であるという考え方は私には理解できない。それはあくまで選択の自由を持つ首長の責任である。そして、その問題は首長の責任において解決すべき問題である。これが自治体の長としての本来のあり方でなければならない、こういう考え方をいたしておるものでございます。 最近の文明社会における一つの傾向を考えますと、何と申しますか、行動と責任についての平衡感覚がだんだんと失われつつあるんじゃないか。言いかえてみまするならば、権利と義務の関係が並行的になっておらない。行動をやった以上、結果については自分が責任を持つということがあらゆる問題の基本でなかろうかと、こう思っておるわけでございます。その根本的な思想がなければ、どんな制度をつくりましてもこれはうまくいくものじゃなかろうと、こういうことを感じておるものでございます。福祉の先取り行政について、いろいろ論議もされ、新聞にも論調が出ておりまするが、私はそんな意見を持っておるものでございまするが、したがって、地方団体の長は選択に当たってあらゆる面を考慮し、最も厳しい態度において選択をするという心構えが必要であろう、こういうふうに思っておるわけでございまするけれども、この点についての自治大臣の御所見と、それから自治体の長がおられまするので、山本さんや浦和の市長さんにも、こうした考え方についての御批判をいただきたいと存じます。
○参考人(山本敬三郎君) 福祉の問題につきまして、いわゆる先取りでありますとかという問題についての御意見でございます。私は、福祉につきましては、所得保障をする問題あるいは医療等の公的負担の問題、これは全国一律でありますから国で措置していただくべき問題だ、こういうふうに考えているのでありまして、地域になじんだ福祉の施策をやっていかなければならぬと思っております。しかし、先生のおっしゃいますように、それは確かに選択の自由のある問題でございますから、地方自治体の首長として当然に責任を負う。その責任をすべて他に転嫁するというのはとるべき態度ではない、こういうふうに考えております。 さらにもう一つ観点を変えて申し上げますと、私たちが使わしていただきます財源はすべて地域住民の血と汗の結晶であります。したがって、福祉という名のもとに、ただに施設をつくりましたり、あるいはそれほど効果を上げない補助等によって人気取りをやるというようなことは厳に慎むべきではないか、こういうふうに考えております。 私が実際に感じました点を一つ二つ申し上げますと、寝たきり老人に対しまして入浴車を配置するという事業がございます。私も、寝たきり老人が入浴いたしまして非常に顔を赤らめて喜んでいる姿も見たのでありますけれども、調べてみますと、その入浴車には運転手さんと補助員がつきます。そして家庭の側にはホームヘルパーがついているわけでありますから、三名の人で一体一日何人入浴サービスができるかといいますと、せいぜい四人であります。人件費だけ見ましても一回の入浴料金が五千円から六千円になる。これでは税金のむだ遣いではなかろうか。県の職員にいろいろ勉強させましたら、実はビニールの袋がありまして、足で踏みますとそのまま入浴になれる。それに家庭の方にサービスをしていただきまして温かいお湯を置いて、それを入れていくという形の簡易のビニールの袋を利用いたしますと、一つ五万円でありますし、これはホームヘルパーさんがさらに一人当分の間つくといたしましても、一日九人をやれるということであります。 さらにまた、老人福祉といたしまして、お年寄りの生きがいを感ずる場として作業所の設置に県が補助金を出すというやり方がございました。しかし私は、老人作業所をつくることが福祉ではない。そこに集まってくるお年寄りに対して部屋を借りて、過疎地帯でも過密地帯でありましてもいまは核家族になってきておりますから部屋は幾らもあいている。むしろそういう部屋を借りて、借り賃を差し上げても、そこにお年寄りが生きがいを感ずる仕事を、県なり市町村なり企業なりにお願いして、ネットワークでどう流していってお年寄りの生きがい対策にするか、こういう点を考えましても、福祉というものはよほど慎重にやっていかなければならぬということを考えまして、私自体は公約でありましたのに、本年度は福祉対策を進めていく財源もございませんでしたので、近く一月間かけて福祉施設を見て回り、そして県民の血と汗の結晶にふさわしいそういった福祉の施策というものを再検討してみたいと考えているのでありまして、先生の御意見に全く同感だという気持ちでございます。
○国務大臣(福田一君) 福祉の先取りの問題でございますけれども、私は地方公共団体というものはやはり自分だけの問題ではなくて、それがたとえば隣に及ぼす影響とか、すべて人間が生きていく上には一人では生きていけない、やっぱり周りの者のことも考えていかなければなりませんから、そういう配慮も一つは考えていかなければならないのではないか。自分のところに財源があるからといってどんどん先取りをする。隣には非常に財源のないところがありますと、これは非常な隣の公共団体は迷惑をすることになるわけでございます。でありますから、責任を持って選択をするということについては何も異議はございませんが、しかし、福祉の問題についても、中には国全体としてやるべき筋合い、またそれが公平の原則にかなうものもあると思うのでございます。 そういう点も考慮していただいてのことでございますれば、私は福祉を充実するという努力をしていただくことは結構なことだと思いますけれども、しかし、先ほどお話しになったように、権利と義務をわきまえるということと、そしていま言ったような、近くにあるものに、あるいはその他のところにどのような影響を及ぼすか、自分だけが非常にうまくやっているじゃないかというようなことだけで選択をすることがいいのか悪いのか。 特に最近は財源などで、競馬、競輪などをやっている地域ですと相当な収入があります。隣近所とはずいぶん違うわけです。そういうところは幾らでもどんどん福祉は先取りできますけれども、その競馬、競輪をやらないようなところはこれは実際にできなくなる。その人たちは隣をうらやましい気持ちでだけ見ている。しかし、金がないからできないじゃないかということ、こういうことも考えなければいけません。でありますから、競輪とか競馬の収入というものをプールして、一遍全部に配分してはどうかというような議論もそこに出てくるのでありますけれども、しかし、いずれにしても、一つの会社が、うんと金のもうかる会社がその地域にできたので非常な収入が上がったというときに、その収入を当てにして福祉を先取りにするというような形がいいのかどうか、そこにおのずから節度というものを持ってやる必要があるのではないかというふうに私は考えておる次第でございます。
○安孫子藤吉君 時間もございませんので相当スピードを上げていきたいと思いますが、先取り行政につきましてはその程度にいたしまして、先ほど農林大臣に申し上げました補助金の問題でございますが、私の考え方というものは、そういう方向に奨励補助金を切りかえていくことが国民経済的にもいいんじゃないかと、こう思っておるのでございます。これについては、対内的に対外的に相当の抵抗のあることも私は理解をいたしますけれども、その抵抗を乗り越えてここに新しい一つの体系をつくってみたらどうかということでございますが、これはどなたにお返事をいただくというわけにもいかぬような御列席の方々の顔ぶれだろうと思うんです。これはこの程度にいたしますが、これについて夏目議員が関連の意味において一言御発言をいたしたいという話がございますので、ひとつよろしくお願いします。
○夏目忠雄君 関連。 この前の予算委員会のときに自治大臣がおられなかったので、改めてお聞きするわけですが、三木内閣が最初の所信表明で地方自治というものに大変関心を示され、三木内閣にとりましては地方自治の育成ということは大きな柱である、かように承知いたしておるのでありまするが、しかし、地方自治というのは、そのときも申し上げたのでありまするが、言葉はきれいでありまするが、中央集権とはもともと相反する概念なんです。ですから、地方自治を育成するということは、中央がお持ちになっておる相当の権限と財源を地方に譲るということがやはり一番の基本になっておると思うんです。これはなかなか、こちらにおいでなさる政府委員さんのいままでお持ちになっておる権限を取り上げるんですから、いま安孫子さんも言われたように、また、先ほど農林大臣がいみじくも言った、包括的な補助金制度はなじまないとおっしゃったが、なじまぬはずであります。明治百年以来中央集権をやってきたんですから、なじまないはずですが、そのなじまないところを何とかする、それだけの御決意をひとつ自治大臣にぜひ持っていただきたい。この点を自治大臣からお話をお聞きしたい。 包括的な補助金制度というのは、その際に、私は自分の経験から、保育所の問題あるいは屎尿処理場の問題等々、二、三の例を挙げまして、多くの事務の中で地域住民に一番近いところ、つまり市町村、このところで処理する方がはるかに適切であろうという仕事が相当数私はあろうかと思うのです。いまの自治体の、市町村を主に言いまするが、実態は、正直言いますと、何々をこしらえるから金を下さい、何々をしたいから補助金下さい、これに終始一貫しております。いわば物ごい行政、おねだり行政、親方日の丸行政であります。金が足りなければ、おれが悪いんじゃない、中央がくれないんだからと地域住民に言うわけです。これじゃ私は、本当の自分の責任で自分の物事を処理していくという本来の意味の自治とは、はるかに遠ざかっているのが実際の実情だと私は思っております。 したがいまして、これを直すのに、いま地方自治体が大変いろんなことが言われているから、少し財源をやろうということで、つかみでもって交付税を幾らか色をつけてやる。これを色をつけてやるというようなことでは、自分の責任で、自分の判断で、自分の見識でやるという本当の地方自治というものは育っていかない。これを育てるには、やはり、そのときも例を申し上げましたが、厚生省でありますれば保育所の問題あるいは屎尿処理場の問題もありましょう。また、文部省でありますれば、学校の増改築、建設省でありますなら地方道の問題、農林省でありますれば、やはり構造改善事業を初め幾つかあろうかと思います。しかし、その中でも、国がやっぱり一定の基準を持ってやっていかなければまずいから、これはどうしてもというようなものは、あえて私は申し上げません。しかし、現実の問題として、保育所などは、いま厚生省で日本じゅうの保育所何千というものを一件一件査定して、ここは補助金何ぼ、ここは起債の枠何ぼといって、一件一件査定する必要が一体どこにあるんだ、挙げてこれは地方にお任せになったらどうだ。補助金と起債の枠というものを差し上げて、できるだけ大蔵省と折衝して、昭和五十年度の枠はこれだけだということになれば、これだけだから、一定の物差しで県に分けて、ひとつ現地でもってうまくやれよと言った方がよっぽどよくできる。 第一その方が厚生省にあれだけのお役人さんは要らなくなる。中央が地方に向かってしっかりやれと言うには、やはりみずから行政姿勢の範を示さなきゃいかぬ。それには、いまやっているように各省一%減、二%減なんということをやるから抵抗が多くていけない。いま、本省の方で、一局一課の方で一つ一つ査定をして、審査をしておやりになっている仕事の中で、さしあたり、地方には十分それだけの能力がある、中央でそれだけおやりにならなくても済むというような仕事は、そういう補助金は一括して、包括してひとつ地方に任せてもらえないか、これが実は包括補助金の考え方でございます。 成田さんの方では八%の第二交付税というようなことを言っておりまするが、基本的には私も賛成でありまするが、まず八%の交付税をやるということではなくて、各省のうちで地方にお任せしてもいいようなものを一件ずつ拾っていって、これだけは任せる、これに必要な財源は五%になる、あるいは二〇%になる、だから、それを第二交付税としてやるという話なら私は大賛成。ただ、地方が困っているからここでつかみでやるというような思想では事態の本当の解決にならない、私はかように思うのであります。この問題につきましては、ひとつ小林さんの御意見をぜひお伺いしたいと思いますし、あわせて、権限を地方に任せるのには一番反対が強いと承っております――うそかもしれません。うそかもしれませんが、厚生大臣のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。
○参考人(小林与三次君) 補助金がえらい細か過ぎて始末に負えぬというのは、私は全く同感でございます。ただ、これは、先ほどの議論にも触れてそういうことを申し上げたのでございまして、何しろ、国がやる以上は、私は、その仕事が責任を持って末端でやれるような形で物を考えなければいけない、ただ、金をちょっとばらまいて適当にやれという形にいまなり過ぎておるのでございます。国の財源に限度があることも事実だし、地方にあるのもこれは事実です。だから、これは全体として税源をどう配分するかという基本問題がまずあり、その配分の範囲内においてどういうふうに今度国庫の財源を配分するかという問題が出てくるわけでございまして、私は、それにつきましては、それは大きな政策的な判断がたくさん要ると思いますが、国として全国的に、特に個人を対象にするような行政は、国で全国的な一つの方針と考え方でやるべき問題だと思います。それも、やる以上は意味のあるように、行政として意味がなかったら、ただ、見せかけやかっこうだけの仕事をちょっちょっとやっていくという考え方は、私はもうとるべきじゃない。それは非常な弊害をむしろ生んでおると思うのです。 それからもう一つは、そういう全国的な、個人を対象にせずに、それぞれの市町村を基礎にした、施設を基礎にした仕事だろうと思いますが、それにつきましても、義務教育だとか保育所だとか、いろいろたくさんあることは間違いないんですが、いかにも細かいということだけは――私はいつも、各省の数ほど国があるんじゃなしに、各省各局の数ほど国があると、各局どころか各課の数、場合によっては法律の数、予算の数ほど国があって、そして、てんでんばらばらにやっておるのであって、それはそれぞれとして意味があって、完結すればちっとも構わぬのですけれども、大抵中途半端で、市町村は大困り、府県も大困り、国民も大困り、こういう形はどうしたって整理しなかったら仕事がうまくいくはずがないと。そういう意味で、非常にごみごみしたものは各省単位ぐらいで――仕事の性格が違う問題、いろいろ議論がありましょうが、私もぜひまとめることをお考えを願いたい。特に、市町村単位で、市町村の新しい振興をやるとか、僻地の対策をやるとか、あるいは周辺地区急増市町村をどうするとかいうような場合は、団体単位である程度の仕事というものはわかるんです、仕事と需要が。そういうものなどというものは、何もそうばらばらにやらずに、まとめていくことだって考えられるはずじゃないかと。これは、財政資金庁さえも当然総合的にその場合に考えぬといかぬだろうと思いますが、ぜひ、そういう工夫は進めていただきたい。 しかし、この問題は、解決はどこにあるかと言えば、各省の役人の側にあるのも事実だし、しかし、各省の役人の側だけでなしに、国会の先生方の側にあるのも事実だし、皆、補助金をできるだけ取ってばらまこうと、地方団体の側にあるのも事実です。金さえもらえるのなら何でもというような気持ちがあって、それに飛びついておるのも事実だと思いますが、いま夏目さんが実際の体験から、恐らくは本当に困っておられる実情を仰せられたに違いないのであって、ここはひとつ、右から左にそう簡単に解決がつくと思いませんが、その基本に触れた考え方で、私はぜひ、やっぱり問題を整理していただかなかったら、複雑になるだけ、細かくなるだけ、それが見せかけになるだけ、かっこうだけになるだけと、だんだんそういう行政がふえていくに決まり切っておるので、これは、どんなことがあったって、こういうちょうど財政が厳しくて、硬直化だなんだとか大変議論されている、こういう一番苦しい時期がそういう問題を根本的に考える一番のいい機会ですから、ぜひお考えを願いたいというのが、私の気持ちでございます。
○安孫子藤吉君 自治大臣、お答えになりますか。
○国務大臣(福田一君) 一言。 ただいま夏目さんからお話がございました、いわゆる地方自治を重んずるということは国の権限を地方にある程度移譲する形をとらなければできないじゃないかと、私はそういう意味でごもっともだと思うのです。行財政をどう処理していくかということで、いま地方制度調査会に諮問もいたしておりますが、一つの考え方はそういうことが含まれておると思うんであります。 それから、いまもお話がございましたけれども、たとえば保育所などをつくるような場合に、もう一つ一つの設計を全部つくって、そうして、それをまたどう施工したかなんか、一々みんな見ていくというような――まあ、たとえばの例を私は申し上げた。それがいいのかどうか。確かに調査は必要になりますよ。その町なら町、市なら市で保育所が幾つ要る、片一方今度はほかのところでは幾つ要る、全国では幾つ要るというようなことをして、そして、それならばここの市へは幾ら、ここの市は幾らというふうに割り当て、その範囲で、みんなそのかわり責任を持ってやりなさい。これは私は一つの物のやり方としておもしろい考え方ではないかと思う。そうすれば、その地域地域に合わして、いま言われたような責任を持った処置ができるという意味で、地方自治を進める意味では考えてしかるべき一つの構想であると、こう思っております。
○安孫子藤吉君 時間の制約がございまするので、はしょります。あと数項目あるのですが、一括して質問いたします。 補助金の問題について厚生大臣は一緒にひとつお考え願いたい。老人医療の問題があるんです。これは詳しく申し上げません。これが市町村財政を非常に圧迫しつつあるということは、厚生大臣、専門家でいらっしゃいますから御承知のとおりだろうと思います。その傾向はますます激化するであろうということも事実です。これは、国保の問題並びに市町村の財政の問題から言えば、ある時期において収拾すべからざる状態になる可能性もあると思うんです。特に市町村の、本来の市町村行政がほとんど麻痺状態になるということも想像できないわけではございません、団体によって若干違うと思いますけれども。そこで、この老人医療の無料化の問題は別途基本的に考えてもらわなければ、国保の将来、市町村の財政というものの一つの大きなガンになるということは、これは厚生大臣御承知のとおりだと思うのですが、これに一体どう対処されていくかというお考えを、ひとつぜひこの機会に、地方財政の問題としても重要な問題でございますから、触れていただきたい。御質問申し上げます。 それから、もう一括いたします、時間がありませんから。いろいろありますけれども、結局、いまの財政の問題は従来と違いまして、今後経済が低成長、安定成長になる、その場合に、やはりいまのうちに地方財政の体質を改善しないと適応できなくなるんじゃなかろうかという一つの予測のもとに問題を扱わなけりゃならぬということじゃなかろうかと思うのですが、そこで、これは半年や一年でできないと思いますけれども、実質成長率が大体六%前後というのが一応のいま想定だと思うのですが、それで一体国家財政なりがどうなるか、ひいて地方財政というものがどの程度のフレームになるのか、その中においてどういう方向で地方財政、そのうらはらになる地方行政というものを運営していくのか、そのおおよその方向、それで、とても今後における需要は賄い切れないと、こういうことであるならば、特に福祉行政等については歳入の面をどこに求めるか、これは構想だけでなく、財源的なこともあわせて考えてもらわにゃいかぬだろうと思うのです。 この財源の問題になりますと、よく税源範囲で考えますけれども、日本はこれは問題がまだ残っておるわけでございますが、地方的に非常に税源が偏在しておるわけですね、税源の種類にもよりますけれども。そこで、その調整作業というものを一体どういうふうに考えていくかということがきわめて重要だと思うのです。現在におきましては、福祉というものが表面に出てまいりまして、過密過疎とかというわれわれの抱えていた問題は、舞台から薄れてきたような感じすら持っておるのです。しかし、基本的に申しまするならば、日本全体において、この過密過疎の解消、過剰都市の解消、地方の振興というものが本質的にきわめて重要な問題だと、これが解決をしなければ、やはり体質的に健全なものになりにくいのが実情だろうと思うんです。したがって、この問題にどう対処していくかということがやはり政治の大きな課題だということ、それをどう持っていくのか。その上に立っての地方税源の配分という問題も出てまいります。そういうやつを一括して一つの長期予想、長期計画を策定する必要があるだろうと思うのです。これはここ一、二年の間に、自治省におかれましてそういう方向でひとつ検討を進めていただきたいということを私としては御質問申し上げたかったわけでございます。 そのほか数点ございますが、時間の関係がございますのでこれで打ち切りますが、以上厚生大臣と自治大臣からお答えをいただきたい。
○国務大臣(田中正巳君) 老人医療の問題については、いろいろと問題があることは、もう世上いろいろ言われております。これには二つの面があると私は思うのでありまして、まあ老人医療の無料化政策に伴って出てきた問題と、いま一つは医療制度そのものについての問題と、二つあるだろうと思います。また、言葉をかえれば、医療制度そのものについての問題と財政の問題と二つがあるというふうに思われるわけであります。そもそも老人医療の無料化政策というのも、実はこれは私どもの言葉から言うと悪いんですけれども、地方公共団体で始めたものを国がフォローアップしたものでございまして、この辺にまた、いわゆる福祉の、先ごろお話しした先取り政策というものの問題も実はあるかと思いますが、いずれにいたしましても、今日老人医療の無料化をやったために、医療機関が非常に老人によってベッドが占められ、また、外来等におきましては老人のクラブのようになっているという話さえあるわけでございまして、こうした問題についてもいろいろと考えなければならない対策があると思いますが、一番大きな問題は、国保における財政の問題でございます。したがいまして、あの各種の医療保険制度から、老人になりますると、すべてが実は国保に加入をいたしまして、さなきだに負担力のない国保の被保険者にこれが重圧としてかかってまいる。しかも、今日の国保はもうすでに保険料をこれ以上増徴することについてはなかなか困難であるというときに、このような保険集団にだけ老人、しかも罹病率の高い老人を入れておくということは、国保財政を圧迫することはなはだしいものがあり、国保の今日の財政危機というものも、問題の一つはここにあるというふうにさえ言われているわけであります。 そこで、いろいろ調べてみますると、やはりこれについても、地方によっていろいろ差があるようであります。新しい労働力を産業地帯に送出する地方においては、特にこの問題がはなはだしいようであります。まあこうしたことを踏まえて、私どもは医療保険の一つの抜本策の一環といたしまして、老人についてこれをどうするかということでございますが、私どもとしては、現在ある各種の医療保険制度との関連においてこの問題を解決すべく目下厚生省においていろいろと検討作業中であります。いずれにいたしましても、老人なるがゆえに、国保に入れて知らない顔をしているというわけには私はいかないと思うわけでありまして、しかしまた一面、論者の中には、これを全然別建ての公費負担制度にせよということがございますが、これもまた問題だろうと思われるわけでありますので、それぞれの保険者における適正な負担と公費負担制度ということをかみ合わせることがよろしいという論もございますので、こうしたことについて幅の広い検討をいたしたいというふうに思っているわけであります。 福祉財源につきましては、先生おっしゃるとおり、なかなか今後の大きな政治問題だと私は思うのであります。今後いわゆる安定成長、低成長になってくるときに、そして反面、このような経済情勢あるいは財政状況にかかわらず、日本の人口の老齢化は進んでいくという宿命的な問題があるわけでございまして、こうした問題に対応してどこに財源を求めるかということは、私どもとして大いに今後考究しなければならないところだろうと思いますが、最も福祉について今後金がかかると考えられるものは老人対策であるというふうに考えられるわけでございますので、したがいまして、こうした問題を踏まえてみるときに、ヨーロッパの社会保障先進国における姿との対比が非常に参考になるというふうに思われるわけであります。 ヨーロッパのこの種の国と日本の場合を比較いたしますると、租税負担率はおおむね三分の二でありますし、さらに社会保険料の負担については三分の一というふうに、日本は実は出しておらないわけでございますが、これは現在の日本の国民が、社会保険料をむやみに出したがらないということだけではないと思うのであります。要するに、ヨーロッパの国々でも、人口の老齢化に対応してこの種の老齢年金等の保険料をだんだんと増徴していったということが歴史的に見られるものですから、したがいまして、今後はあのような形態というものが非常に参考になるのではなかろうか。 もちろん、これについては、この種の財源を租税に求めるか、あるいは保険料に求めるかということは、そのときの客観情勢や、あるいはとるべき施策の姿に対応して考えなければなりませんが、いろいろこういったようなヨーロッパの社会保障先進国の姿を見ていく場合に、私はあのように人口の老齢化が進むに従って保険料を増徴していって、この種の施策に対応する財源を見出していったということは、今後の日本においても非常に示唆に富む先進国の経緯であろうというふうに考え、あれこれいろいろと検討中でありますが、とりあえず、明年からひとつ社会保障プロパーにつきまして、国が別途考えておる新経済計画との見合いにおいて、計画的な社会保障の充実を図っていく、そしてその間における財源の調達についても、その範囲内において今後計画的にやっていこうということで、これまた、今日厚生省においていろいろと作業中であります。
○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘になりました過密過疎の問題、これと財源の再配分の問題、これはもうある意味では一体の問題とも考えられるわけでございます。特に日本のような狭小な国土におきましてこれだけの人口を持っておるところが、非常な過密地帯ができて、そうしてそれに対して国が保育所をつくる、学校をつくる、下水道をやる、また人が入ってくる。その繰り返しをやっておったのでは、この地方公共団体の問題は絶えることがない。しかも一方においては、それと同時に、今度は過疎問題が出てくる。これにも金を使うということになりますから、私は、その意味で、いまここで一年くらいでは考えることはむずかしかろうが、この問題にひとつメスを入れろというお考え方には心から賛成をいたしておるものでございまして、十分研究をさしていただきたいと考えておる次第であります。
○安孫子藤吉君 私が申しましたのは、過密過疎の問題というものが政治課題としてなお重要であるという認識を持っていただきたいということと、そのほかに、それとは別に、今後の日本の財政なりあるいは地方財政のフレームが相当変わってくるのじゃないか、それは経済成長率が実質五、六%になるというような点から――この前提は議論の余地があると思いますが、そういう際における地方財政のスケールと、それから、それにどういう政策を基本的には織り込んでいくか、つまり、要望があるわけですからね、住民のおもむくところがあるものですから、それを突き合わせて、どうしても財源が足りぬというならばどういう対応の仕方をするか、その辺を、まあ一、二年かけまして、そして大体の見当をつけておくことが必要じゃなかろうかと思いまするので、過密過疎の問題ももちろんその中に入りますけれども、もう少し広い意味において御検討を願う必要があるのじゃなかろうかと、こういう意味で申し上げたわけで、これは答弁は要りませんが、質問の趣旨だけ申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 午前中の質疑はこの程度にいたします。 参考人各位には長時間にわたりまして貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十七分開会
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中にもかかわりませず、本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。 なお、御発言はその都度、委員長の許可を得て行うようにお願いをいたします。また、時間の制約がありますので、お答えはできるだけ簡潔にお願いいたしたいと存じます。 それでは、これより質疑を行います。野田哲君。
○野田哲君 まず、官房長官と福田自治大臣に対して、三木内閣の地方自治に対する基本的な認識、基本姿勢について伺いたいと思います。 去る三月の十九日の三木総理の記者会見において、三木総理は、革新自治体でルーズな人事管理が目立っている、これが財政圧迫の原因になっておる、こういう趣旨の発言をされています。総理大臣は、現在の地方財政の危機の現状についてこのような認識を持って、特に革新自治体の人件費がルーズになっておることが地方財政の危機の原因になっておる、こういう認識を持っておられるのか。この点について、また自治大臣は、その所管事項について総理大臣にこのような認識を持たせるような所管事項の報告を行っておるのか。官房長官並びに自治大臣から、それぞれ見解を承りたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 地方自治が民主主義の基礎であり、住民福祉の向上のためにも地方自治の確立が必要でございます点は申し上げるまでもございません。政府としましては、地方公共団体と協力して地方自治の発展のために努力しておるところでございますが、今後も地方公共団体の自主性を尊重してまいりたいのでありまして、地方公共団体においては、責任ある行政運営によりまして、財政硬直化などの現下の問題の克服に努められることを期待いたしたい、これが総括的に申しまして地方自治に対する三木内閣の姿勢であると申し上げてよろしいと思います。ただいま新聞記事等を御引用なされましたが、まあ新聞の場合は若干増幅して伝えられていることもございましょうが、いま前段で私が申し上げましたことが基本的な考え方でございます。
○国務大臣(福田一君) ただいま官房長官がお答えをしたのが三木内閣の方針でございます。
○野田哲君 ただいまの官房長官と福田自治大臣のお答えでありますけれども、私が問題にしておるのは、具体的に言いますと、三月二十日付の読売新聞、「人事管理ルーズ 首相、革新自治体を批判」と、こういう報道がされているわけであります。しかもこれは、選挙期間中に発言をされている内容であります。その中で「革新自治体の場合、ルーズな人事管理が目立っており、これが財政圧迫の原因になっている」と、こう言っています。さらにまた、革新自治体では、首長選挙の応援に対する見返りとして、自治体の人事権に干渉する道を労働組合等に開いていると、こう発言をされておるわけであります。したがって、私が重ねて見解を承りたいのは、革新自治体は財政の危機が非常に深刻であって、保守の自治体であればそういう状態にはなっていないという認識に立っておられるのかどうか、そこのところを明確に承りたいと思うんです。
○国務大臣(井出一太郎君) 車中談で、総理が語った点をお引きになっておるのでございますが、これは一般的に言いまして、ルーズであるとかないとか、こういう評価はよくまあ言われることでありますが、いまおっしゃいますような、後段にお引きになったようなところまでどうも言及していたかどうか、私もしかとは存じません。地方行財政の問題でありますから、自治大臣もいらっしゃいますことで、そちらからも御説明をいただきたいと思っております。
○国務大臣(福田一君) 読売新聞にどういうことが出ておったか、その内容で御質問があるわけでございますが、これは私も新聞社に二十年おりましたからですが、よく質問が、革新自治体や何かでそういう問題が多いのじゃないんですかなんて言うのを、うん、うんなんて言うと、もう本人が言ったように書かれちまう。これはそういう例は間々あるのでございまして、新聞に書いたからといって、テープレコーダーでもとってきていただくのなら私もお答えをいたしますが、しかしそれにしても、総理がそういうことを言ったのは、革新自治体等においてもそういうことがあるというふうな、もし言われたとしたら、表現をされたのじゃないかと思うんです。 大体この問題は、自治大臣としては、人件費の問題が非常に大きな地方財政の圧迫になっておる、しかし、超過負担の問題も見過ごすわけにはいかない、これも是正しなければならないということを言っておるのでありまして、私の口から革新とか保守とかというような表現を使って人件費の問題を言ったり、あるいは超過負担の問題を言った覚えは一言もございません。自治省はそういう態度でございます。ところが、人件費の問題を私がそういうふうに言ったところが、今度はそれに対して、それはもう自治省と自民党が一緒になって革新陣営を攻撃しているんだと、こういうような反論がどこからとなく風のごとくに巻き起こってまいりまして、そうしてあたかも、私がそういうようなことを言ったようにとられることは実はまことに迷惑千万なことでございまして、革新と言わず保守と言わず、人件費の問題はやはりこの際考えるべき問題の大きな一つの問題である。同時に、超過負担の問題もこれは考えて是正をしなければならないということがこれが自治省の方針であり、また三木内閣の私は方針である、こう信じております。
○野田哲君 今日の地方財政問題あるいは人件費問題等について、革新とか保守とかいうような立場で論ずるべきものではない、こういうことをいま自治大臣が言われたわけですが、まあ私は、新聞の記事を、これは非常に重要な問題があるということでいま指摘をしたわけですが、現に最大の発行部数を持つ新聞が報道しておるわけです。しかも選挙期間中に報道する、こういうことになっているわけです。こういう発言は国民を迷わし、ミスリードをすることになる。ここで自治大臣がいま釈明をされても、これはやはり新聞の読者には通じないわけなんです。いまこの総理の印象、訂正のような発言をされましたけれども、この発言から受ける印象は、人件費を抑えれば即座に地方財政の危機は克服できると、こういう印象を世間に与えています。そして、革新自治体が特に職員の給与をルーズに高くして、それによって革新自治体が特に財政危機に陥っている、こういう印象を与えていると思うんです。そこで私は、このことについて具体的な事例をもって明確に反論をしておきたいと思うんです。 それは、私どもが問題にし、数字の上での信憑性について私は疑問を持っておりますけれども、この自治省の資料によってさえ、たとえば大阪府の場合、大阪へ行って発言をされておることでありますけれども、大阪府の場合には、先ほどこちらで午前中に参考人として出られた知事のおられる静岡、あるいは歴代、長年保守の知事がやっておられた愛知県、これよりも大阪府の方が現に指数は低いことに自治省の資料でもなっているわけです。そういう事実があるにもかかわらず、大阪へ行ってこのような発言をされて、いろいろ釈明はありましたけれども、世間に重要な誤解を与えている、この点は非常に重要な問題があると思うんです。 そこで私は、この問題について議論をしても押し問答になると思いますので、引き続いて同日の発言の内容のもう一つの、革新自治体では、労働組合等に選挙の応援をしてもらうその見返りとして人事に関与する道を開いている、こういう発言がされておる。これは人事管理上非常に重要な問題があると思うんです。これはきわめて具体的なことなので、こういう点について、官房長官あるいは自治大臣は、具体的な事実に基づいて総理に資料を提供し、このような発言になったのではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(福田一君) そのような資料を提出したことはございませんけれども、私も自治大臣になる前にはよくそういうお話を聞いておりました、選挙のときにはそういうことがよく行われると。特に東京とか大阪というようなところが、革新のお方というか、革新が推されている人が出ておりますと、そういうところの問題が一番目につくわけですね。そうして、そういうところの問題から、よくそういううわさというものが出たり、事実であるかどうか私知りませんけれども、そういうことが出てくるわけのものです。私も自治大臣になる前にはそういううわさを、そういう話を聞いておりましたから、だから、あるいは総理もそんなことを聞いておって、そういうことも言われておるが、というような軽い意味で――それを必ずやっておるからといって言われたんじゃない、そういうことを言われるようなことは慎んでもらいたいというような意味を言われたんじゃないかと思います。しかし、新聞記事について一々あれされますと、これはお互いに新聞記者に会えなくなっちまうんですよ、お互いに政治家というものは。私は、それはやはりはっきりしたあれがあって、そしてどういう状況で言われたか、そういうことをよく調べた上でないと、それについて責任のあるお答えをすることはできません。
○野田哲君 私は、新聞記事を一々ここで取り上げようとは思っておりませんけれども、かなり具体的にそういうことが指摘されているからですよ。具体的な事実があるんだったらお伺いをしたいということでお聞きしておるわけですから、もしあればそう答えていただければいいんです。 この問題は、時間の関係もあるので次に進めますが、これも新聞に関係あることですけれども、そういう点についてはやはり新聞の影響というものが非常に大きいわけですから問題にせざるを得ないわけなんです。自治省の鎌田次官、二月の二十四日付で、日本経済新聞の畑中論説委員と地方財政問題で対談を行っておられます。この中で、福祉行政の先取りという問題に触れて、日本の国民である以上は、住むところが北海道であっても、あるいは鹿児島であっても、沖繩であっても、同じ条件のものは等しく扱われるべきだ、こういう発言をしておられます。私もある日、鎌田次官と会ったときに、地方財政問題に触れて直接鎌田次官からそういう趣旨の話を聞いたことがあります。だから、これは新聞記事だけではない。この問題について午前中も議論がありましたが、こういう考え方は、これは福祉の先取りという問題だけではなくて、同じ条件のものはどこに住んでいても等しく取り扱われるべきだということになると、地方自治行政が行なっておるすべての分野について、このことは当てはまると思うんです。そういたしますと、地方自治体には、政策の選択権は一体あるのかないのか、こういう問題が出てくるわけであります。自治省としては、こういう考え方を統一見解として持っておられるのかどうか、この点を自治大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) この福祉の問題につきましては、午前にもそういうお話が出たわけでございまして、私は、いろいろ福祉行政といっても、いろいろの問題があると思うのであります。たとえば老人に対する給付の問題、あるいは乳幼児に対する処置と、こういうようなことになりますと、いわゆる個人に非常に密着した問題になりますと――これは個人に密着しないことはありませんけれども、特にそういうふうなものはやはり全国一律であることが望ましいということは、すべての私たち国民は、平等の待遇を受ける権利を持っておるわけでありますから、一地域においては非常に優遇され、一地域においては優遇されないということは望ましい姿ではないと思うんです。それをそのままにするには財源の配分の問題があるじゃないかといって、先ほど安孫子先生からも御質問がいろいろございましたけれども、私は、全部が全部そういうふうな考えでやるべきかどうかということについては、考え方はありますけれども、しかし相なるべくは、やはり皆日本の国民である限りは、福祉の問題にせよ何の問題にせよ、できるだけ平等な措置がとられるような国並びに地方の行政が行われることが望ましいという意味では、私は、次官の言葉を肯定せざるを得ないと思っております。
○野田哲君 自治省のいま大臣の考え方、こういう方向でいくと、現状から言えば、平等に持っていこうとすれば低位平準化ということになってしまうと思うんですよ。それを自治体で、それぞれ福祉の優先を選択をするところもあれば、公共事業優先を選択するところもあるし、あるいは教育施設を優先するところもあるでしょう。そういう地方自治という立場に立つ限りにおいては、午前中の議論にもありましたけれども、選択の自由というのは当然あるべきだ。それを否定する考え方にこの鎌田次官の発言は通じはしないかと、こういう点なんです。そこのところだけ、余り長くやってもらうと、あとの問題に差し支えますから、簡潔にお願いしたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 低位に固定しないで高位に固定するという場合もあるかもしれません、お言葉を返すようですが。しかしそれは別といたしましても、私は、鎌田次官の言っている意味は、選択の自由を阻害するというような意味で言ったんだとは思いません。それは午前中に安孫子先生にもお答えいたしましたが、選択の自由を公共団体が持つことは、これは結構なことである、こう私は思っておるわけでございます。しかしそれと同時に、やはりものによっては、皆一様一律に行われることが望ましい。この二つをどうコンバインしていくかというところに、その地方行政をつかさどっている人の能力の問題があると私は思うております。
○野田哲君 次に、具体的な問題について伺いたいと思うんです。 いま全国に非常に自治体問題で波紋を投げている、自治省が三月八日に発表した地方公務員の給与、国家公務員と比較をしたラスパイレス、この問題についてこの予算委員会で同僚の和田委員の方から、公表以前に自由民主党の印刷物の中にこれが引用されているという問題で指摘があって、自治省の方でも釈明をされているわけでありますけれども、私が、全国の自治体で起こっておる問題を見聞した経過から言えば、このラスパイレス指数というのは、大臣が釈明をされたように、単に自由民主党の専門調査員の方が取りに来たから渡した、それが引用されたということにとどまっていないと思うんです。地方自治体の、二月から三月にかけての地方自治体の予算編成過程において、あちこちでこれが取り上げられて物議を現にかもし、トラブルを起こしておる例を見聞をするわけである。 そこでまず、参考人の宇治の市長さんにお伺いをしたいと思うんですが、私の見聞をしたところでは、宇治市でもやはり自治省の公表前に、このラスパイレスの問題を、宇治市の市会議員等から問題を提起をされていろいろ議論があった。こういうふうなことを聞いているわけでありますけれども、その点について、簡潔に、そういう事実があったかないかお伺いしたいと思います。
○参考人(渡辺博君) 野田先生の御質問にお答えをいたしたいと思います。 いまの問題、私たち三月七日に一般質問が市会の中で行われたわけでございますが、その冒頭に質問する議員さん、保守糸の議員でございますが、この方が、公開質問という形の中で印刷物を配付いたしました。その中に、自治省からこの保守系の事務所を通じて聞いたということで明確にラスパイレスが表現をされております。また、同じ三月五日に朝日新聞の記者が、自治省の公務員給与課でこの数値を確認をしたということで私たちは聞いております。したがって、三月八日以前にこういうことが公表されておるんじゃないかというように思います。
○野田哲君 いま渡辺さんの方から宇治市に起こった実情について説明があったわけですが、この件については、私が聞き及んだところでは、宇治市の自民党に所属をする市会議員の方が、三月八日の公表以前にそういう形で議会活動にこれを使っておられる。そしてその出所について、入手先について調べたところ、前尾衆議院議長の秘書の方が自治省から入手をしている、こういうふうに私どもは伺ったわけであります。あるいはまた、いま宇治の市長さんの方から、新聞記者なんかも知っていた、こういうお話があったわけでございますが、報道機関等に対してもこれは事前に手渡されておるんではないかと思うんです。先ほど問題にした鎌田次官と日本経済新聞の畑中論説委員の対談の中でも、畑中さんの方から、東京周辺、大阪周辺という形で数字が具体的に対談の中で出ています。こういうふうに考えてまいりますと、議会の資料要求には一切秘密にしておきながら、特定の分野にはこの資料が提供されているんじゃないかということを、この前の和田委員の問題指摘とあわせて私は重ねて問題にせざるを得ないと思うんです。そこで、具体的にそのような形での資料の提供というものが行われておったかどうか、あるいはどういう形でこれが事前にそれぞれ指摘したようなところへ配付をされていたのか、こういう点について自治省の方の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 実は私、人件費の問題はもう一月ぐらいから私はしばしば言っておりまして、東京都あたりの一八・何がしというような数字は、私は国会その他の委員会の場面でも使ったことがございます。全部の内容は明らかにはいたしておりませんが、しかし御案内のように、二月になりますというと、急に人件費問題が非常に問題になりまして、そして自民党にあれしたのは二月十五日ですが、もうその前後には自治省へ、方方いろいろな問い合わせがあったりいろんなことがありましたが、自治省からそんなものを出したかどうかということについては、私、事務的にはつまびらかにいたしませんが、三月の五日、六日というような時点になれば、相当程度もうこれが漏れておるというか、方々で関心を持っておりますから、またうわさというものは早いものでしてね、もう関心を持ったものは一日でもって伝わってしまうようなあれでありまして、そういう意味で、大阪とか東京のような問題は早くわかったのじゃないかと私は思います。 しかし、全体の資料をもって、これが自治省のラスパイレス指数のあれだというのは私、そんなものは出ているはずはないと。自分のところ、京都府ではどうとか、大阪はどうとかという、それぞれの関心をお持ちの方のところについては、あるいは漏れておることがあるかもしれません。とにかくこれはそれほど極秘にすべきものでもない。また、私が委員会でもって発表、御質問に応じたときも、衆議院ですがね、そのときもやっぱり私はある程度の、所によっては数字を言ったわけであります。それでありますけれども、全体として全国のものを出すというようなことは実はしておりませんから、それは出たということについては、二月の十五日ごろに、自民党の場合聞きにきたので、ラスパイレスの一部が出たということは、それは申しわけないと言って私はおわびをしましたけれども、そのこと以外にそういう完全な資料が出ているということは私はまだ存じておりません。
○政府委員(植弘親民君) 基本的にはいま大臣からお答えしたとおりでございますが、事務的にどういう経緯でそうなったかという点を事務の責任者として御説明申し上げたいと思います。 ラスパイレスの公表というのは、本来ならば、各地方団体が給与管理を適正にやるためには自分のところの給与水準が国家公務員と比べてどの程度になっているかということをよく知っていただいて、そこで給与管理をやるための参考にしていただきたいという趣旨のものでございまして、それで四十八年度分につきましては、昨年の十一月一日に全体の数を公表いたしまして、個別的なものを各地方団体に地方課を通じて連絡したのであります。それから四十九年度分も、ことしの一月の二十日に全体を公表すると同時に、個別的なものは、各市町村別はそれぞれ地方課を通じて各市町村にも連絡する措置をとったわけであります。 したがいまして、三月八日といいますのは、国会の国政調査権資料要求ございまして、私どもは、全国的な個別的資料は出すのは適当でないということで、衆議院の地方行政委員会でお願いしたんですが、国政調査権の御要求でございましたので、それではということでお出しさせていただきました。そこで、参議院の予算委員会にもお出しさせていただいたんですが、そういう意味ではもう四十八年度分は昨年の十一月一日、四十九年度分はことしの一月二十日に地方課を通じて各市町村には個別的事務のところはわかっていたわけであります。それからまた、いま大臣が御説明ございましたように、個別的関心のあるものについてのお問い合わせがありましたときには、余り支障のない範囲では知らせておりましたので、そういうことになったと思っております。
○野田哲君 この問題議論しても切りがございませんので、次にラスパイレスの問題の内容について触れていきたいと思うんです。 このラスパイレスという問題について、国家公務員の指定職について、これはこのラスパイレスの比較の対象から除かれているということがこの委員会でも明確になっておりますが、そこでこの指定職の範囲の問題について人事院の方に伺いたいと思うんですが、本来この指定職というのは、もともとは各省庁の次官のポストであったものが、非常に現在広範に拡大をされています。ここで、この指定職について、表に定める職務以外の職については指令で定めると、こうなっておりますが、この指令というのはどのような基準でどのような手続を経て出されているのか、人事院の方で答えてもらいたいと思います。
○政府委員(茨木広君) まず、指定職の比較方式の問題ちょっと出ましたので、当初にそれをお答え申し上げますが、指定職の方は、民間の役職調査を別途やりまして、それとの関係と、それから一般職の方の一等級以下との関係で決めておるわけでございます。 それから指定職の指定の仕方でございますが、これは人事院の各予算ごとにまず予算書の方に指定職相当の官職が決められてまいります。で、それを各省庁の方から私の方に協議を受けまして、現在、甲乙一本になりまして指定職俸給表一本になっておりますが、そこで、各省庁の局長、それから部長、次長、それから審議官、大体これが一番典型的な指令で決める中身になってまいりますが、そういうものについて個別的に人事官会議にかけまして指定をすると、こういうことになっております。で、範囲が漸次ふえておりますという問題につきましては、御案内のように指定職制度がしかれましたのは三十九年でございますけれども、それから四十八年に甲乙が一本になっておる、こういう経緯でございます。その間に、事務次官なり局長の就任期の年数というものが、約五、六年程度年齢がだんだん上がってきております。そういう関係もございまして、評価を漸進的に拡大していくということで、当初から大幅にするということをやらずに、そういう年齢の進捗度合いに合わせながら漸進的に管理をしておる、こういう姿でございます。このことにつきましては、臨時行政調査会の公務員に関する改革意見の中にも当時、現在わりあい早く離職する傾向にある高級公務員について、その退職年齢を漸進的に引き上げ、それに応じてその処遇をも改善し、その知識と経験を行政部内において長く発揮せしめることが必要であるという御指摘がございますが、そういうものも踏まえながら漸進的に運営をする、こういう姿をとってまいったわけでございます。
○野田哲君 自治大臣に伺いますが、いま人事院の方の説明があったように、大臣も御承知だと思いますけれども、数年前まで各省庁の事務次官、こういう形に指定をされていた指定職の範囲が、今日では事務次官から局長、次長、部長、審議官、こういう範囲まで拡大をされているわけです。こういうふうに指定職について数年の間に非常に拡大をしたことと、自治省の方で地方公務員の給与について、いま問題にされている給料表の渡り運用はいけないとか、複数格づけはいけないとか、こういう指導を非常に厳しくやっておられますが、国家公務員の場合、指定職の範囲を広げ、それにつれて一等級の格づけの範囲を広げ、二等級の格づけの範囲を広げている。こういうことと自治体でやっている渡り運用とか複数格づけとかいうのは、どこが違うのですか。この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 国家公務員の場合、いま御指摘のあったようなことが行われたことは事実でございますが、それはこの数年の間に、いまのところ千八十数名でございます、全部で。それが二十四万人に対して千何名でございまして、まあこういうことは必要があれば行われることは事実でありますが、しかし、三短とか六短とか十二短というようなものを行ったことはございません。それから同じく渡りというものでも、度合いがきついかきつくないかということは、一つの基準としてやはり反省すべきものは反省すべきだというのがわれわれの考えであります。ラスパイレス指数をとった場合でも、二十四万二千くらいのものでは実際には大して影響はございません。もう〇・〇幾つにもならないくらいでしょう。私がいま申し上げておることは、やはり物事というのは、何事でも起きるには一つの理屈があって、ちゃんと理はあるんですけれども、それが悪用されたり乱用されたりした場合には、これを是正するという態度も必要であると思うのです。そういう意味において私たちは主張をいたしておるのであります。
○野田哲君 率の高い低いの問題を言っているのじゃないのですよ。国家公務員もそういう運用が現にされておる中で……
○国務大臣(福田一君) 乱用です。
○野田哲君 乱用じゃないのです。これは自治体の労使間とか、条例、運用、こういう中でやっているのですから、そこの問題を指摘をしているんですよ。 そこで、参考人の丸山さんに伺いたいと思います。このラスパイレスの問題がいま各自治体で非常に問題になっておりますが、各自治体でいま起こっておるトラブルの背景、原因、これに自治省のつくったラスパイレス指数というものが非常に火つけ役になっておる、そうしてこのラスパイレス指数というものがどのような比較をされたか、どういう内容のものであるかということもその内容を知らないで、ただ表にあらわれている数値だけをうのみにしての理事者の取り扱い、あるいは議会での問題提起、これがトラブルに非常に大きな原因になっているんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、そのような傾向についてどう考えておられるか。 あるいはまたもう一つは、いま問題になっている天下り人事、自治省からもたくさんの各県庁、指定都市等に派遣をされているわけです、主要なポストについておられますが、こういう方々が自治体の業務に定着をしてなじんでおられるかどうか、あるいはまた県庁に勤めておられる、ずっと初めから県庁に勤めておられるその生え抜きの職員の方々がこういう人事の運営についてどのような感情を持っておられるか、こういう点について参考人としての意見を伺いたいと思います。
○参考人(丸山康雄君) いま御質問がありました第一点の、いわゆる人件費問題についての労使間の混乱、この原因が、いわゆる自治省のラスパイレス指数をもとにして、現に県職段階では新潟、石川、長崎、市町村でも幾つかございますが、私どもやはりいままでいろいろ議論が行われましたように、地方公務員の賃金は地公法二十四条にもありますように、やはり生計費あるいはほかの地方公共団体あるいは国との関係というものを配慮しながら労使が決めて条例で決定をされるというたてまえが、最近のラスパイレスの動きによって壊されているという点について、実は労働組合としても大変迷惑なことでありますし、このことが世間では自治体内部における賃金が非常にルーズ、でたらめであるかのような印象を持たれるということは、日ごろ私ども自治体労働者として、民主的な地方自治を発展させるという立場から見ても実は大変困っている問題だというふうに考えています。 ですから、私ども賃金問題の場合には、自治省、大臣初め当局とも何度か交渉を持ったのでありますが、やはり当事者の労働者と十分資料の内容というものを明確にしながら話し合って、是正する必要があればそういう手段をとるべきではないか。まして地方公務員の場合には国と違う仕事の分野が大変多いわけでございまして、そういう実情を無視して、あるいは人件費の総体の比率も、私ども自治省の調査によっても決して破局的な状態にはないというふうに理解しておりますから、その辺を総合的に勘案されて考えらるべきものだと、そういうふうに考えていますし、いま起こっている事柄の発端が、これは明確に仮にラスパイレス指数が幾つ以上が高いと言われていて具体的にどう下げろと言われているのか、この辺も不明確なままに大変な混乱な状況ができているという点については、ぜひ政府側の方としても考えて、そういう紛争のもとを絶っていただくように、私どもは自治省にも要望しておりますし、考えております。 第二番目の天下り人事の問題でありますが、これも私ども自治労が結成以来、いわゆる本当の地方自治の立場から、自治省の一つのポストであるかのような人事配置というのはやめてもらいたい、少なくとも有能な人が相互に必要があれば、まさに交流をしていただきたい、こういうようなことを主張してまいっておりますが、最近ではほとんどの総務部長、県の総務部長、枢要な財政課長、地方課長、あるいは最近も私どもの目から見ますと、副知事のポストでさえ自治省の人事の都合によって本来の任期の途中で地位がかわられるというようなことが出ているのでありますが、この点は単に労働組合という立場ばかりじゃなく、地方自治の立場からもやはりぜひ是正をしていただかなければならない問題ではないかと、そういうように考えています。
○野田哲君 それではあと十分ばかりしか時間がございませんので、大急ぎで参考人の木部さん、それから井上さん、それぞれに伺いたいと思います。 一つは、木部さんに伺いたいわけですが、職員の定数管理という問題について、現在自治省の方で策定をしている基準財政需要額、これに見込まれている職員の定数基準で、非常な人口急増地帯である田無市の場合この行政需要を充足をさせていくことができる状態にあるかどうか、こういう点と、もう一つは、巷間言われている革新自治体になれば職員がふえて、人件費が上がって財政が赤字になる、こういうことが所々方々の選挙運動の中でも喧伝をされていますが、田無の市長さんとしてはいわゆる革新市長として、近隣最寄りの同程度の規模の保守の市長さんがおられるところと比較をして、言われているように田無の市の職員が多いのかどうか、その実情を伺いたいと思います。 それから参考人の摂津市長の井上さんに伺いたいと思うんです。いまの地方財政の困難な点、これは一体、ずばりどこに手をつければ改善をされていくか。いろいろ方策はあると思うんですが、一番井上さんとして主張したい点はどこにあるか。こういう点について、特に井上さんのところの場合には、新幹線の鳥飼基地等大きな国有財産が区域内にある。そういう点等についても適切な国の措置がとられていると感じておられるかどうか、その辺について、あと八分しかございませんので簡潔に聞かせていただきたいと思います。
○参考人(木部正雄君) ただいまの御質問についてお答えをいたしたいと存じます。 私の市は、東京近郷の戦後急速に人口の伸びてきた市でございますが、そういう関係で急速に事業をやらなければならないということに相なりまして、三十五年には三万二千三百三十五人でございましたけれども、現在は六万五千五百七十四人というふうに、約倍にふえております。その間、各種福祉施設、学校をつくってまいりまして、小学校の場合には五校、中学校が一校、児童館三館、保育園五園、市民会館一館、少年自然の家、さらに図書館、公民館、こういうものをつくってまいりました。こういうことからいきますと、職員が多いか少ないかというのは、その市の事業の内容によって大きく変化をするということがあるわけでございまして、いずれにいたしましても、いま自治省の方から地方交付税の算定基準となります基準財政需要額の中に含まれておる人件費等を見てみますと、私ども、とても理解できない数字を挙げているわけでありまして、私どもが土木費の中で見ましても、道路橋梁費、都市計画費、公園費、土木の諸費等を加えて、実際には六十二名の職員で、もうやり切れないぐらいの仕事を抱えているわけでありますが、交付税の算定になりますものには十七・五人で足りると、こういう計算でございまして、こういうものについて非常に矛盾を感じておるわけであります。なお、保育園につきましても、基準財政の需要額から言いまして、私どもがどうしても必要な数字というものは三十九人でございますけれども、それが十・一人でいいと、こういう計算式でございまして、それぞれどの費目についてもそういうことが言えると、こう考えておるところでございます。 私どもが日常、市長として責任を持って、もちろん政策についてその責任を持つわけでございますが、それぞれ人口急増市における事業量の増高というものは、一つ公共下水道をとりましても、いままで全然手のっけられなかった私どもの市からしますと、それをやるだけでも大体職員が二十人から必要になるわけでありまして、そういうものが実際に職員の、ほかの経常的な仕事の職員を減らしてそういう事業の方に振り向けざるを得ない、こういう実態であるわけであります。したがって私どもが、すぐ隣の保守の市でございますが、狛江市という市がございますが、ここの市での職員の状況と私どもの職員の状況を調べてみますと、私の方が少ない。そしてその少ない中にありながら、私どもは清掃作業員を四十五名抱えて、日々正規職員としてごみ収集に当たっている。しかし、狛江さんの場合にはこれを委託にしている、こういうこともあるわけであります。したがって、そういう状況の中で私どもは非常に苦しい財政状況を迎えている、こういうようなことでございます。
○参考人(井上一成君) まず、国政に御活躍の先生方に敬意を表します。 地方自治の根源は自主的な財政を確保することである。言うに及ばないと思います。自主的財源のない地方自治、住民自治は魂の抜けた地方自治だ、その魂を抜いた自治体の破壊政策は一に超過負担である。もう一つは、いわゆる税財源の配分の不公正だと私は思います。 そういう点で、御指摘、御質問がありました、たとえば具体的にいわゆる三割自治だとおっしゃられますけれども、末端の市に入る税収は一四・三%、一割五分にも満たないというのが現状であります。仮に摂津の場合において、公共性を持った新幹線基地が約五十万平米あるわけですけれども、これに対して国がいわゆる納付金制度で自治体に納付していただく総額が、昭和四十九年度で三千五百六十四万九千円であります。もし仮にこの五十万平米の資産を、土地を市民の複数で所持したとするならば、これが何と一億二千四百七十三万の固定資産税が入るわけであります。すなわち三・五分の一にしか満たない国の納付金で地方自治体を、一割五分の地方自治をさらに圧迫をしている。ここに大きな税配分の不公正がある。そういう意味で、税配分を公正にすることが地方自治を守ることにつながる、こういうことであります。ちなみに、昭和五十年度の予想でございますけれども、納付金の予定が三千八百万程度でございます。もし、先ほど申し上げましたように市民がこれを所有することになれば一億六千六百万、昭和五十年度は四・三分の一、逆にその格差というものは拡大をされつつあるというのが現状でございます。
○野田哲君 それでは最後に厚生大臣に伺います。 厚生省の所管している社会福祉関係の仕事について、地方自治体にたくさんの職員が配置をされています。保育所の保母さん、あるいはその他の社会福祉の収容施設等があります。そういうような厚生省所管業務について地方自治体の職員が現にやっておるわけでありますけれども、その人員は十分充足されていると厚生大臣は考えておられるかどうか。充足されていないとすれば、今後どのようにそれを充足していこうとされるか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) 社会福祉施設の従業員の件でございますが、これにつきましては、公・私ともに人員配置が不十分であり、したがって労働過重になっている。一部には労働基準法違反があるということさえ言われておるものでございまするから、したがいまして、私どもとしては財政当局と協議の上、二年間でこの労基法違反の分についてはこれを解消いたすべく、今日その初年度として五十年度予算を御審議願っているわけであります。しかし、さらに一部にはまた配置基準が不十分であるというような声もありますが、この点についてはそれぞれの審議会等で御審議をいただきまして、さらにこれに改善を加えなければなりますまいと思いますが、とりあえずは、この二カ年計画のいわゆる労働過重を解消する方向に全力を挙げていき、その後にいま言う配置基準についての再検討を進めたい、かように思っております。
○野田哲君 終わります。
○委員長(大谷藤之助君) 小山一平君。
○小山一平君 今日、地方財政の硬直化であるとか財政の危機であるとか、非常に大きな政治課題になっておるわけでございますが、どうも私の見るところ、これらの問題に具体的に対処していくような論議が非常に欠けているのじゃなかろうか。自治省のおっしゃっている人件費問題の扱い方、問題の提起の仕方というようなことも、地方自治の健全な発展を配慮をするという点に欠くる点があるのじゃなかろうか、こんな気がしてなりません。そこで、私はできるだけ建設的な論議になるような御質問を申し上げていきたいというふうに思います。 いま野田さんからお話があって御答弁のあったところですから、私はこれを重ねてくどくどお尋ねするつもりはございませんけれども、自治省のラスパイレス指数そのものにあるいは問題があるといたしましても、一応それを参考にいたしますと、その資料で明らかなように、私はこの人件費が、保守だとか革新だとかそういうことによっての差異はないのではないか、みんな共通の条件下に現在位置づけられていると、こういうふうに判断するんですが、保守、革新で特別の差異などは持っているものではない、現状はそうでないという点についての御確認だけ最初にさせていただきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 仰せのとおり、私は保守とか革新とかという言葉を使っておりませんから。ですが、私は二十四年ごろから議員に出していただいておりますが、非常に保守がその当時は強く、その後順次革新が伸びてまいったことも事実でございます。その場合において、革新が伸びた地域においては人件費が割合に伸び、そして事業費との差がだんだん開いておったことも、三十六、七年、八年、九年、四十年ぐらいまで、私自治大臣をしておったことがありますが、そういうときに見ておりますと、そういう傾向も確かにあったと私は思っております。しかし、私はいまの段階でラスパイレスの問題を論じたときに、保守とか革新とかということを一言も言っておりません。これは国家公務員と比較して年齢、学歴、経験年数、こういうことを同じものとして考えるというと非常に地方公務員の方が高い、こういうことを言っておるのでありまして、いま御指摘になったように、保守、革新を分けて問題を提起した覚えはございません。
○小山一平君 そういう点は私もよくわかっているんですがね、この自治省の公表している資料を一々点検をさせていただいてみても、なるほど東京、大阪、そしてその周辺都市、これはいろんな社会環境から言って高いというのが通例です。その地域には比較的革新の市長が大ぜい出ている、こういうことは言えますけれども、この資料に基づく限り、保守なるゆえに安くて、革新なるがゆえに高い傾向を示しているということは、私がどう見ても読み取ることができない。だから保守だ革新だということで差異はない、こういう点だけははっきりこの資料に基づいてお答えをいただいておきたいと、こういうことでございます。
○国務大臣(福田一君) お説のとおりだと思います。
○小山一平君 私の経験からいきましても、とかく国は地方自治体というものを信用しないといいますか、そういう傾向というものが私はあるような気がしてならないのです。知事にしても市町村長にしても、これは政治的立場のいかんにかかわらず、行政の最高責任者として、人件費においてもその他の経費においてもできるだけ節減を図って、最低の費用で最大限の行政効果を上げていきたい、こういう努力を払っているものだ。中にはできの悪いのも大ぜいの中だから例外としてあるかもしれませんけれども、こういう努力をいずれの自治体の長も苦心惨たんして努力を払っている。そして政府はやっぱりこういう自治体の長の姿勢というものを正しく評価をして信用をしていただくということが、地方自治を発展させていく上に非常に重要なことではないかと私は常々考えておるわけでございます。 そこで、きょうは市長さんもお見えになっておりますから、現場でどんな苦労をしていらっしゃるかというような経験について簡略なお話をいただければ、大変皆さんにも参考になるのではないか、こう思いますので、ひとつ渡辺参考人にお願いをいたしたいと思います。
○参考人(渡辺博君) いま私たちが地方自治体を運営してまいりますのに、私たちも経営の一面を持っておるということは事実でございまして、このことについては私たち地方自治体としても、今日の許された範囲内の財源の中で、どうこれを市民の要求に沿って運営をしていくかということで苦心をいたしておるところでございます。ただその中で、いま私たちはちょうど人口急増の市町村でございまして、義務教育施設あるいは社会福祉施設、いろいろな住民要求に沿うところの要望の施設あるいは事業の振興をしなければなりません。その中で、たとえばいま私たちが過去五カ年におきます事務事業の、今日国の当然負担をしていただかなければならないこれらの超過負担の額は、大変膨大なものになってまいっております。特に、いま私たち今日百三十億ほどの単年度の予算でございますが、その中で過去五年間の事務事業の超過負担を見てまいりますと、約二十二億になってまいります。 特にその中で極端に多いのは、保育所の運営経費でございます。いまこの五カ年間の事業費十四億八千万、この中での約半分七億六千万というものが超過負担ということになっております。特に、ちなみにその中で、人件費でいま盛んに世間で言われておるわけでございますけれども、これは保母の資格を持っておる、ほとんどは幼稚園の資格も持っておる人たちでございますけれども、そういう人たちが、いまなかなかその保母さんが集まってくれない。そういう中で国の方は、十年を経過した主任保母を八万八千九百円で雇いなさい、これは不可能な数字でございます。今日義務教育の教員に対します初任給が、調整手当を入れますと十万と言われております。十年を経過した同じ資格を持っておる主任保母を八万八千九百円で雇え、これは不可能な数字でございます。 そういうことで、しかも、これらの保育内容につきましても、二十五日私たちは措置をしなければなりませんけれども、事実は二十二日しか国の方は措置をしていない。さらにまた保育時間につきましても、八時から四時だということでございますが、実際働くお母さん方の通勤時間等を考えてまいりますと、私たちは七時半から夜の六時半までやっておる。この長時間の保育に要します問題、たくさんなものがこの中に含まれておるわけでございまして、これを一つ一つ私たち挙げてまいりましたら大変な問題でございます。しかし、これらの人員につきましても大変お寒い人員配置でございまして、百人規模の保育所の定員で比較をいたしますと、国は九名でできるということを言っております。特に乳児を抱えておりますと、とうてい百人規模の中で九人で措置をせいということは不可能な数字で、これは保母と、それから調理、用務を含めての数字でございますが、いま私たちの中で見ますと約十六人いる。その差七人というのが百人規模の保育所で出てくるわけでございます。そのほかいろいろな面でございますけれども、私といたしましては、この超過負担の解消についてのさらに国の努力を要請をいたしたい、このように思うわけでございます。
○小山一平君 いまのお話等についての関連してのお尋ねは、後ほどに時間があればしてまいりたいと思いますが、今日問題になっております地方自治体の職員給与が今日のような実態になるには、さまざまな要因を背景にしまして、大体二十年近い長い歳月を経て形成をされてきたんです。経済の高度成長に伴いまして、昭和三十五年ごろから四十五年ごろまでの間というのが、自治体特に市町村で職員確保が一番苦心をした時代でございます。その中でも、栄養士だとか保健婦、保母、現場作業員などの採用はもう何ぼ募集の広告をしても希望者がないという、こういうありさまでございました。もちろん、その当時は企業は人手不足で、就職の機会は幾らでもありますし、給与にも恵まれておりましたから、地方公務員という職種がその当時は魅力ある職場ではなかったと、こういうことも言えると思います。そういう時期において、職員の給与の改善はどうしてもやらざるを得ないという必要に迫られた経過がございます。 そして大体その時代、昭和三十年代の後半、そして特に四十年に入ったころあたりから、いまのような事情の中で公務員給与の改善の手段として、問題になっている渡りであるとか昇級短縮といったような、給与体系に次々に手が加えられるということになってまいりました。そしてこれは大都市やその周辺都市が特に深刻でございまして、それらの市長さんたちが最も苦心を払ったわけでございます。こういう背景が、まず一つの地方公務員の給与の改善に迫られるという大きな原因であった、こういう点をよく御承知を願いたいと思います。 東京の都下でそのような苦労をされた田無の市長さんがいらっしゃいますから、その御経験の上に立って、当時のことについて簡略なお話をいただければ大変幸いだと思います。
○参考人(木部正雄君) ただいま小山議員の御質問がございまして、私どもの市もいま御質問の趣旨にありましたように、大変戦後急速に人口が増加をして、そうしてあらゆる住民要求の中で近代的な町づくりをしていこうというようなことでやってまいりました。 まず第一に手をつけたのが、昭和三十七年に水道事業に手をつけたわけでありますが、この水道事業に要した人員は、当時は二十五名でございました。現在はそれが三十三名になっておりますけれども、当時はまだ町でございましたけれども、なかなか水道の技術屋さんがいないので、あちらこちらの市にお願いして、そういう技術者の派遣を願った経験があるわけでありますが、なかなかそういうものが新しく事業をやるという場合に融通がきかないものがありまして、そうしてやっと無理にお願いをして頼んできた技術者については、やはりある程度の給与条件の改善をしなければ勤めていただけないと、こういうことがあったのでありまして、なお、私の市では都市計画事業もこの昭和三十五年から四十五年の間に、三十七年に事業決定をいたしまして実施をしてきたわけでありますが、ここらのやはり建設関係における設計士なり土木技術者というものが非常に不足をしておる、こういう苦労をなめて、やはりいままでの町当時の給与の待遇ではなかなかおいでをいただけないというようなことがあって改善措置をとったのであります。 なおそのほかに、公共下水道事業をようやくここで手始めをするわけでありますけれども、その準備のために約五年かかっておりますけれども、五年前にやはりそういう公共下水道の職員を技術職員として採用しなければなりませんし、特にまた企業会計というようなことでその道の経理に明るい者も採用しなければならない。ところが、人口急増で非常に市役所の仕事がふえていく条件の中では、なかなか子飼いから高校卒業の者あるいは大学卒業の者を教育して、一人前に市民の要請にこたえ、あるいは事業の目的に従って働けるという職員が養成できない、こういう状況の中で大変苦労してやってまいりました。 当時はもちろん国家公務員の給与体系が目標でございました。そういう意味でございますけれども、当時から大変市町村に来る大学卒業だとか高校卒業というのは応募者が少なくて苦労したわけであります。そういう中で、ようやく最近私どものところにも大学卒業生が応募に来るようになりまして、大変いい傾向だと思って喜んでおるわけでありますが、それと、もう一つ、私どもの市の方では、これは国家公務員にないことでありますけれども、高校を卒業して入職をし、夜間の二部の大学に通ってそこを卒業した者は、卒業と同時に資格試験をいたしましてそれを大学卒業として格付けをする、こういう処置もとっているわけであります。 そこらが、最近私ども先般の自治省の発表のラスパイレス方式の比較は東京都下立川に次いで二位だということで、実は私どもびっくりいたしまして、そんなわけがない、東京都下には私の市より数等条件のいい市があるのに、なぜ田無がそういうふうに格付けになるのかというふうなことでございまして、うちの方でいろいろ調べさせたわけでありますが、国が出しましたあれについては、国が――自治省ですが、どういう国家公務員のものを取り出したかわかりませんから、とりあえず私の方は東京都の職員のものを取り出してまいりましたけれども、それでいきますと、田無は東京都下で六位になるわけであります。そして学歴を補正したものでやりますと、さらにそれが下がって八位になるわけであります。したがって、そういうことについて何か私ども疑問を持っているわけでございますが、先般の私どもの議会でもそういうことについて一般質問がありまして、私とすれば、そういう自分で調べたラスパイレス方式について説明をしてまいりましたけれども、ここらが、ラスパイレス方式についてのやり方が、平均給与と、それから年齢、それから職歴と、こういうものがラスパイレス方式を出す基準になるのだそうでございますけれども、それにいたしましても、私どものように途中から技術者を入れなければならない、こういうものについては、経験年数が浅いにもかかわらずやはりそれ相当の給与を出さなければならない、こういうものが影響しているのではないかというふうに考えられて、大変疑問に思っている次第でございます。 以上でございます。
○小山一平君 いまのお話でもおわかりのように、いまでこそ国家公務員より給与が高いではないかというようなことで、まあいい職場と言われるようになっていると思いますが、経済成長の華やかな時代には、もう最も魅力のない職場として自治体が人員確保に非常な苦労をして待遇改善などを余儀なくされた、こういう経過、こういう点について大臣、まず十分な御理解をしておいていただきたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(福田一君) 過去におきまして、地方公共団体が人員を得るに非常に苦労をされておったという事情はよくわかっております、そのことは。ただ問題は、いまの段階においてどう考えていったらいいかということをわれわれば申し上げておるわけです。
○小山一平君 それから給与の改善のために渡り、昇給短縮というようなことが行われてきているわけですけれども、これはいまのようなことのほかに、他の団体との均衡をとらざるを得ない、こういうような必要から行われる場合も非常に多いわけですが、都会などは別といたしましても、一般の県へまいりますと、市町村はおおむね県の姿に右へならえ的に追いかけていくというのが通例でございます。それは県が市町村の行政指導に当たる立場でございますから当然であるわけでございます。 そこで、こういう言葉がいいのか悪いのか、よく天下りと言われるように、自治省は広く都道府県に出向者を出しております。その数は二百名を超えるといわれておりますけれども、あの資料によりましても、財政権、人事権、こういう中枢を占める地位にある者としても副知事が十六名いるとか、総務部長が二十二名いるとか、企画部長が八名いるとか、財政課長が二十八名、地方課長は十七名、こういうような数が示されております。私は、出向人事がいいとか悪いとか、そういう議論はきょうはするつもりは毛頭ございません。ただ、こうして大ぜいの自治省の官僚が都道府県へ参りまして、行財政運営に、実権を握るといえばオーバーですけれども、かなり大きな影響力を持つ立場にある。であるとしたら、自治省の志向するような行財政の運営というものが、適正になされることが可能なはずだと思うのです。ところが、今日問題になっているような状況を考えますと、一体これらの出向者はどういう目的、任務を持ち、それを果たしているのであろうかということに対して私は疑問に感じてならないのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 確かにある程度、出向するというか、部長等々に出ておりますが、部課長の数に比較すれば二%とか一%とか非常に少ないものです、実際の地方自治体に比べればですね。しかし、お説のように出ておることは事実ですが、私は、地方へ本省の者が出る、本省というか自治省の者が出る、また、地方から有能な人が本省へ入ってくるような仕組みにするのが一番いいのだと思うので、いまのところ地方から入ってくる人が少ないのがむしろおもしろくないことであって、そういうような人事の交流をする努力をすることこそ今後の理想ではないかと、私は逆にそういうふうに考えております。やはり、現実に地方それぞれのところの実情を知っていた方が、あらゆる意味においてまたその地方のために骨を折りやすいことも、これは御理解を願えるだろうと思うのです。
○小山一平君 いや、私もそのことをきょうは議論しようと思っているわけじゃないんです。県の行財政運営の中枢の立場にある派遣職員がこんなにもたくさんいるのに、自治省が問題にされているような給与の実態というようなものがつくり出されてきている。どうしてもっと早くに自治省の意向というものを、こういう面でそれらの出向職員が県の行財政運営の上に反映できなかったのかという点について疑義を持たざるを得ないと、こういう点を申し上げたわけです。
○国務大臣(福田一君) 私はそういう問題についても、それぞれの地方へ行って、地方の自治体がいろいろの事情でいままでは人を採るのに相当な苦労をしておるというような実態を踏まえておったのだと思うのでありまして、それを、そんなことをしちゃいけないんだなどと言ったら、かえってもう行政は停滞してしまうと思うのです。私は、常に政治はやはりその現実の姿と将来とを見ながらやっていくべきであって、もちろん過去のことも振り返ってみなければいけませんが、過去がこうであったからといって、今後どうするかという問題をあまり固定的なものにして考える必要はないと思っておるわけであります。
○小山一平君 この出向職員の問題については、これはなかなか重要なことで、ここでいろいろ論議をしてもとても時間がありません。 次に、公営ギャンブルによる地方自治体の収益金、これが私は非常に重大な問題だというふうに考えるのです。実は私のところにいま四十七年の資料しかないのですが、四十八年の総収益がわかりましたらお聞かせを願いたいと思います。わからなければ後でよろしゅうございます。おそらく四十七年度で推定いたしますと二千五百億近くあるはずだと、こう思います。大体そんなものでよろしゅうございますね。 そういたしますと、ギャンブル収益金が二千五百億もあって、これが地方財政計画や基準財政収入額の外に全く放置をされている。これはとんでもない不公平な扱いだと私は思うのです。四十八年度の決算によって私がギャンブル収益金の多い都市のベストテンを拾ってみました。そうすると、埼玉県の川口市のほかはすべて東京と大阪に属するわけですけれども、最高の青梅市は五十億八千万円、人件費の総額の三・五三倍の金額になっています。二位の川口市が四十億二千万円、人件費比率で行きますとこれが〇・七倍、三位の箕面市では三十六億円で人件費比率が二・三二倍、こういうふうに続いてきております。しかも、驚くべきことは、これらのベストテンに入るすべての市が交付団体で、地方交付税を受けているということでございます。 御承知のように、財政力の弱い市町村は、税収の全部をもってしても人件費を賄うことができない、こういう市町村はいまざらにございますね。ところが、税収に一銭も手をつけないばかりでなしに、人件費の二倍も三倍もの収入があるのに、これが基準財政収入額の外にあって、さらに交付税まで受けている。私はこれはまことに不適当なことだというふうに思うのです。しかも、これが自治省の目のかたきにされているラスパイレス指数を調べますと、この中の一市だけが一二六・六%、あとの九市はことごとく一三〇%をはるかに超えております。おそらく、このために、ギャンブル収益のないような近隣の町村では、職員給与の均衡を図るとか、あるいは行政水準の格差が生じるとか、こういうことで大変な迷惑を受け、苦心をしていると実は思うのですね。こういうことも、大都市、特に東京、大阪などの人件費というものが比較的に高い水準になる要因の一つではなかったかと、こんなふうな察しもできるわけでございますが、こういう不公平、不合理というものを自治大臣はどういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(福田一君) お説のとおり、そういうことで人件費が高かったり、福祉の先取りをしたりしておるところがあって、それがまた近隣のそういう関係のないところに非常な迷惑を及ぼしておる面もございます。しかし、これについては沿革もあるようでございますから、財政局長からお答えさせます。
○政府委員(松浦功君) 先ほどは失礼をいたしました。先ほどの数字についてまずお答えを申し上げますが、四十八年度の売り上げ二兆五千百三十五億、それに対しまして収益は、先生は二千五百億円程度とおっしゃられましたが、二千七百五十八億円でございます。 ただいま御指摘をいただきましたように、ギャンブル収入の均てん化は、私ども全く先生のお説に賛成でございます。ただ、大臣からも御指摘がございましたように、これまで各種の経緯がございまして、一つの権利化をしておるという実態を解きほぐすにはなかなか時間がかかるというふうに考えておりますが、われわれとしては、先生の御指摘の方向を踏まえて前進をしていくということを考えております。たとえば、公営競技の収益金、こういったものを一部公営企業金融公庫等に納付をしていただくということによって公営企業資金の金利を引き下げるというような方策をとると同時に、ギャンブル収入の非常に多い団体につきましては、特別交付税で減額要素にして、できるだけそういう団体に特別交付税が配られないような配慮をするとか、あるいは地方債にいたしましても、枠に一定の限度がございますので、こういった収入のないところへ優先的に地方債を認めるというようなやり方を強化をしつつ、将来に向かってはさらに先生の御指摘にございましたように、基準収入に算入をするという方向についても検討はいたすべきものではなかろうかというふうにわれわれとしては考えておるところでございます。
○小山一平君 どういう過去の経緯があったかは知りませんけれども、もう戦後三十年にもなろうという今日、こんな不合理、理不尽をいつまでも取り残していくということは私はいけないと思うんですよ。少なくとも、地方自治体はできるだけ格差のないような行政水準を維持することができるように財政措置を講ずるのが国の責任であると思うのです。ところが、一方では税金のことごとくを投じても人件費を賄うことができないというような貧弱町村が取り残され、一方では、税金どころか、ギャンブル収入だけで人件費の三倍半もある、こういうようなことが過去の経緯という名のもとに取り残されるということは、私は何としても納得ができないのです。これは私は、個人であれ、企業であれ、特定の者が一銭の税金もかからない収入が認められているという不合理と全く同様なことだというふうに思うのです。 そういう意味で、私はこの不合理、不公平という問題を、これは日本の税制の問題にもかかわりがあろうという見地からも考えられるだろうし、財政問題の上からも重大な問題だと思うのですが、大蔵大臣、このギャンブル収益の不合理性、こういうものを大蔵大臣という立場でどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(大平正芳君) この問題は、財政問題と同時に一つの社会問題でもありまして、政府はずいぶん前から公営競技全体をどのように受けとめたらいいかということで、審議会を設けたりいたしましていろいろ御審議をわずらわしたことがあると承知いたしております。その結論は、要するに、これをいま財政局長からもお話がありましたように、直ちにやめるというわけにもまいらない。けれども、少なくともこれを拡大することはやめようじゃないかということが決められたと承知いたしております。すなわち、そういう大きな制約を設けて、その中で漸次着実に健全化の方向に持っていくよりほかに道はないのではないかと。四十五年から公営公庫に対する納付金制度を設けたり、それからいまお話がございましたように、地方債の運用あるいは交付税制度の運用等で配慮するというようなことを通じまして、漸次公正を確保してまいる、拡充してまいるということに努めてまいるべきじゃないかといういまの自治省の御見解に私といたしましても同感でございまして、そういう方向に大蔵省としても御協力を申し上げていきたいと思っております。
○小山一平君 ギャンブルそのものの存在等にも問題があるわけですが、私はそれをとやかく言うわけじゃありませんけれども、とにかくこういうことでは、政府が公営のギャンブル経営を大いに奨励しているという結果を招くんですよ。それが自治体のただもうけの財源というか、全く手のつかないプラスアルファの財源として確保できるというのですから、これは当然そういう財源を欲しいと、こういう考えを持つのはあたりまえだと思うのです。そこで、私は過去の経緯がどうであるかよくわかりませんけれども、これはこれからぼつぼつ検討してなんというそんななまやさしいことでなしに、少なくとも昭和五十一年度にはどの程度の改革を図るぐらいの決意をもってこれには対処すべきである。そうしていただかないと、これは他の地方自治体にとりましても納得のいかない重大問題だというふうに思うのです。もう少し勇気と決意をもってこの問題の改革に乗り出す、こういう点をやっぱり示していただかなければとうていこれは納得のいく問題ではないと思いますので、ひとつお答えを願います。
○国務大臣(福田一君) その問題につきましては、すでに一応の方向を実は持って、何としても五十一年度以降順次解決をいたしてまいりたいという努力をいたしております。
○小山一平君 もう少し元気を出してやろうじゃありませんか。これはだめですよ、こんななまぬるいことじゃ。
○国務大臣(福田一君) いやいや、やるつもりで努力をいたしております。
○小山一平君 今日の地方公務員の給与がこのような形にでき上がってくるには、これは当然理事者と職員組合との話し合いなどが積み重ねられまして、さっきも申し上げたように、非常に長い年月をかけたものです。しかも、これは公務員がストライキ権を持っておりませんから、ストライキでおどしをかけてかち取ったというような今日のものでもございません。私は、こういうふうに労使の間で平和的に決定してきた制度や条件というようなものは、一つの権利として尊重されるのが今日の通念であるというふうに思うのです。そこで、この改善を図る、改善という意味は今日の姿を変えていく、こういう道をとろうとするならば、いままでこのような経過をたどってきたと同じように、理事者と職員組合の誠意ある話し合いによって両者の理解、協力、こういうものを基礎にしてこれに対処すべきものであるという、こういう取り組みが重要ではないかというふうに思うのです。せっかちに時には圧力的にこれを変えていく、こういうことになりますと、そこに必ず対立や抵抗を生じて、せっかくの目的もかえって実現性を阻害する、こういうおそれがあるように思うのです。こういう見地から、自治省はこの問題をどのように指導していかれるのかということをお聞かせおき願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 私はその問題につきましてはこの席上でしばしば申し上げておるのでありますけれども、地方公務員法におきまして、この給与の問題は、生計費と、国の公務員に準ずる、それから地方の実情を考えてと、この三つが要件になっております。そして、いまわれわれがラスパイレス方式というのを出しましたが、これはもう御案内のように、人事院が国家公務員の給与を民間の給与と比較するときに使っておる方法でありまして、この種の比較をするにはこれよりほかにいまのところいい物差しがないわけでありますから、この物差しを捨てるわけにはいかないと思っております。ただし、国家公務員に準じてとなっておりますから、私は国家公務員が一〇〇ならば一〇五くらいのところまでならばまあまあではないかと思っておるのですが、現在三五とか四〇とか四五というようになっておるところは、ひとつこれは両三年の間に国家公務員に近づける努力をしてもらいたいと言っておるのでありまして、一挙にこれをやれというようなものの言い方はいたしておりません。 しかし、何といっても国家公務員に準じてとある法律の趣旨は守るべきではないか。過去にどういう経緯があって今日に来たとしても、いまからの低成長時代におけるわれわれの国民生活全部の考え方からいえば、この法律にあるように、国家公務員に準ずるというところに重点を置いていかなければいけない。しかし、これを一年でやれとか、あるいは二年で絶対にやれと、こういうことを言うと、いまあなたが御指摘になったようなトラブルも起きると思いますが、そういうような理解のある態度でお互いがこの問題の解決に努力をしてもらいたいというのが私の考え方でございます。
○小山一平君 時間もありませんから、この問題につきましては、とにかく理事者、組合の理解と協力の上にその土台の上に方向づけを求めていくというこの基本の姿勢というものを堅持していただきたいということと、自治権の侵害に陥るようなことのないような慎重な配慮ということを希望をいたしておきます。 それから、いま問題になっている給与でございますが、これは人事対策上の必要やらあるいは話し合いやらによって渡りだとかいろいろな手が加えられて、給与体系というものが非常に乱れてしまいました。そして、複雑な運用で給与体系がさまざまに変えられるということは望ましいことじゃない。これはどうしてもすっきりした給与の制度に改定する時期ではないかと、こんな気がいたしますが、いかがですか。
○和田静夫君 ちょっと関連。 いま自治大臣の答弁がありました前者の、国家公務員に準じてというやつですね。国家公務員に準じてという言葉はどこにもありません。地方公務員法二十四条で国家公務員に準じてという、そういう給与の規定というのはどこにもないんです。そこのところは自治大臣、間違っていますから、訂正してください。
○政府委員(植弘親民君) まず、いまの関連の二十四条三項の規定でありますが、いま和田委員の御指摘のように、文言として「準じて」という言葉はございません。ただ、二十四条三項の規定の中身が、生計費、国家公務員、他の地方公共団体、民間事業の従事者との均衡を考慮しろということがございますので、この均衡……
○和田静夫君 冗談じゃないよ、あんた。法律を読みなさいよ。何を言っているんだ。労働条件はそうだけれども、給与のところにはそんなものはないですよ、均衡なんというのは。
○政府委員(植弘親民君) 均衡じゃありません、考慮して定めるべきであると書いてございます。それを私どもは従来から……
○和田静夫君 その点が不正確だからだめなんだ。
○政府委員(植弘親民君) 従来から均衡原則ということで指導してまいっているところでございます。
○小山一平君 いよいよ時間も切迫してきましたけれども、私は、いまいろいろ論議を交わしました人件費の問題、これがいま地方自治にとって非常に憂慮すべき結果を招こうとしているという点を指摘しなければなりません。というのは、地方公務員は不当な高給をむさぼっているのでけしからぬ、こういうふうに国民に思い込ませる、そういう意図があろうとなかろうと、思い込ませるようなやり方あるいは発言というものが確かにございまして、それぞれの町村の住民がそのことによって市町村行政に対して不信や不満や疑問を持つ、そういう傾向が出ております。また、まじめに働いている職員の立場からいきますと、自分の給料が高過ぎるという非難を浴びている。このことに対してこれまた不満や不信を抱かざるを得なくなって、勤務意欲に支障を来すという結果を招く。私は、こういう点がきわめて危険な憂慮すべき現況だというふうに実は思うのです。 私は、地方自治の基礎は、行政に対する住民の信頼、期待、近親感、そしてまた職員の住民や共同社会に対する奉仕者としての使命感や情熱、こういうものが両々相まつところに地方自治の重要な基盤が形成されるものだと、こういうふうに思うのです。それによって郷土を愛する心だとか、連帯感だとか、自治意識だとか、こういうものが生まれるわけでございますので、ひとつ官房長官にはこういう問題を、まあそういうふうに意図されていないとは思いますけれども、選挙などの政争の道具にこういう問題が取り上げられて、いま申し上げたように地方自治の基盤を破壊するようなことのない配慮をどうしてもしていただかなければ困る、こう思うのです。それから自治大臣には、自治省も、そういうことでございますので、いろいろ指導されることはそれはそのお立場でやることですから結構ですけれども、そういう点について十分な配慮をしていただきたい。 私は政治的立場とかそんなことを抜きにして、地方自治に深い関心と、そこに愛着みたいなものを持っている立場でこのことが一番憂慮されてならない点でございますので、この点は特に官房長官、そうして自治大臣から、時間がありませんので、納得のいくようなひとつ前向きなお答えをお願いをいたしたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 小山さんは最近まで地方自治に直接御関係になっておる深い経験から御発言をいただいておるのでございますから、われわれもその御発言に対しては敬意を表し、また、これの実現に邁進すべきであるとは思っております。 ただ、いまこの人件費の問題を取り上げたことが非常に不信感を起こしておるというようなお話がございましたが、私は、人件費の問題でも、超過負担の問題でも、これに住民がよく理解をして、うちの町ではこういうことをしておる、それで、うちの町ではこういう福祉施設をやっておるんだが、それについてこういうふうに金が足りないんだというようなことはむしろはっきりさせた方が、まあ夫婦の仲でも余り隠し事をいたしますというとかえって家庭円満にいかないという面もございますから、洗いざらいぶちまけて、そうしてこうなんだと、そこでひとつどうしたらいいかというような話し合いにする意味で、むしろ私は今度人件費の問題また超過負担の問題が出たことは、将来の自治行政のために、また地方自治というものをやる意味において効果があったのじゃないかというふうにも存じますので、その点もひとつ御考慮を煩わしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) いま自治大臣からお答えになった前段の点は御了承のようでございますが、私もその点には同意見でございます。地方制度調査会等において公正な場で、これは少し私は時間はかかると思いますが、ここで基本的な問題は十分に検討してまいるつもりであります。 私、小山さんにひとつ御報告をしたいことがあるんですが、それは、二、三日前に私のところへ長野県の市長会、町村長会、あなたもかつて役員をされていらっしたが、それが自治労の委員長と一緒に陳情に来られたのです。つまり共通の広場といいますか、そういう話し合いをした上で来られて、そういう点は保守とか革新とかいうことでなくお話を聞く機会がありまして、私も大変好ましく思ったのですが、あなたにこれは御報告をいたしておきます。
○委員長(大谷藤之助君) 和田静夫君。
○和田静夫君 まず、厚生大臣にお尋ねをいたしますが、あなたは三月十一日の本委員会で私の質問に対しまして、「国が直接行っている事務と、委任をしている事務と、この二つを地方事務官が両方現在とり行っているということでございまして」云々と述べられました。これは役人の方の耳打ちをされた後述べられたことでありますが、この国が直接行っている事務にはどういうものがありますか。これは大臣答えてください、重要なところなんですから。これは大臣答えてくださいよ、こんな重要な答弁をしておいて、わからぬということにならぬですよ。
○政府委員(山高章夫君) お答え申し上げます。 国が直接行っております事務の主なものといたしましては、保険料の徴収とか、特別会計の経理、年金の支払い、最低そういった事務でございます。
○和田静夫君 大臣、これね、これらには会計法とか国家公務員宿舎法とか国有財産法とかの根拠があってやっておられることでしょう。大臣答えてくださいよ。
○政府委員(山高章夫君) 国が行っております事務は、いずれも根拠がある事務でございます。
○和田静夫君 そんなとぼけた答弁でこの問題をおさめるわけにいかないんですよ。健保の関係で「診療報酬請求明細書点検調査」昭和二十九年十月九日保険発二百四十二号という通達、これがありますね。日雇健保関係では「指定市町村に対する事務指導」が二十九年四月七日付保発第三十号、厚生年金関係では「被保険者記録の申達及び事故記録の補正」これが三十二年五月十五日保発第四十一号、「傷害年金受給権者の検診及び調査」これが四十二年四月二十六日付の庁保発第六号、「年金受給者に対する相談及び指導」これが四十二年四月二十八日付庁保険発第五号、これはどういう法律的な根拠がありますか。通達で厚生省が直接地方事務官に国の事務をさせている、こういうことになりますね。これは明確に地方自治法附則八条、同法施行規程の六十九条の体系があなた方の恣意によって勝手に踏みにじられている。自治大臣、こんな重要なことを二十年間にわたって勝手にやっているんですよ。これを自治大臣、黙っているということになりません。厚生大臣に対してどう措置をされますか。三木内閣としてどう措置をされます、これは。
○政府委員(山高章夫君) ただいま先生の挙げられました点につきましては、いずれも国の事務に付随する事務といたしまして通牒で指導するようにいたしております。
○国務大臣(福田一君) 御指摘の点は今後、厚生省ともよく連絡をとって協議をした上で解決をいたしたいと思います。
○和田静夫君 地方事務官の移管問題というのをさぼり続けてきて、裏ではこういう形のことをやっているんですよ。これは副総理、お出ましを願ったのですが、昭和二十九年の四月七日ですね、最初にこういう形の通達を出したのは。二十年以上にわたってひそかに厚生省によってこういう違法行為が行われ続けてきた。どうしても総括のときにお約束願ったようにこの国会でもって、身分移管問題というのはこういうことが起こっているわけですから、もう決着をつけなければいけません。副総理、責任をもってやってもらいたいと思いますが、よろしいですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 先般も申し上げましたように、地方事務官問題は、あれは当分の措置としてああいうふうになっておりますので、もう当分が相当長くなってきておるという今日におきまして、問題が前から提起されてきておるわけですから、速やかに決着をつけなければならぬとよりより相談をいたしておるところであります。
○和田静夫君 副総理の答弁がありましたから、官房長官、よろしいですね。
○国務大臣(井出一太郎君) いま副総理からお答えいたしたとおりであります。
○和田静夫君 去る三月十二日の本委員会で私は国が地方財政法十一条を守らないという指摘をいたしまして、厚生大臣、農林大臣はこれをお認めになりました。その守られていない部分について資料を出せといって要請をしました。その結果「地方財政法十一条関係資料(未定稿)」というこういう形の資料が出てまいりました。政府が認めただけでも十五件の実は法令違反があるんです。これはもう出された正式なものです、十五件。地方財政法の違反をみずから犯す政府が、地方財政のあり方について地方自治体に対してものを言う資格なんて一つもありませんよ。私はそう思うのです。 そこで、厚生大臣、農林大臣、建設大臣、これら十五件の違反行為について、この国会中に改められますね。
○国務大臣(田中正巳君) 前回あなたに御答弁いたしたとおり、できるだけ速やかに決着をつけるというお約束をしておりますから、そのような努力をいたします。
○和田静夫君 この国会中。
○国務大臣(田中正巳君) 関係各省庁といろいろと協議をいたさなければなりませんものですから、ある程度の時間をお貸し願いたいと思いますが、お約束でございますから、必ずこれについては実行いたす所存でございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林省といたしましても、地方公共団体の超過負担の問題につきましては、従来からその解消に努めてきたところでございますが、五十年度予算では、四十九年度に行いました実態調査で明らかになった補助職員の号俸差につきまして……
○和田静夫君 いや大臣、答弁が違う。この間法律違反をやっていますと答弁された、そのことを国会中に改められますね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ですから、農業委員会職員費とか農業、蚕業、林業、水産の各改良普及事業職員費等につきまして超過負担の問題がございますので、この是正のための予算措置として十七億三千百万円を計上いたしておるわけでございます。二年間にわたって解消するという考えでございます。
○和田静夫君 ちょっと答弁が違うんですわ。
○国務大臣(仮谷忠男君) 砂防法と住宅法と二つですが、公営住宅法は……
○和田静夫君 十条の二の十三。
○国務大臣(仮谷忠男君) これは二分の一の補助金を実行いたしておりまして、特別扱いいたしておりません。
○和田静夫君 いや、あなたのところで法律違反があるんですよ、これ。政府から出してきた資料ですから。これで時間をとられたのじゃかなわぬよ、そんな答弁をしておって。
○国務大臣(仮谷忠男君) いえ、別に。それと、それから砂防法も違反をしたとは思っていませんけれども。
○和田静夫君 それだから、この法律違反の法律はこの国会中に直しますねと言っている。
○国務大臣(仮谷忠男君) ちょっと待ってください。そういう資料がどこから出ているかわかりません。
○和田静夫君 しっかり聞いてくださいよ。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 前回答弁をいたしましたとおり、食い違っておるわけでございますので、これは総理もお答えになりましたように、地方財政法に照らして関係各省とも相談をいたしまして善処いたしたいと思います。
○和田静夫君 この国会中にね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 関係名省との折衝もございますので、十分協議をした上で善処をいたしたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
○国務大臣(仮谷忠男君) 砂防法十三条で国は政令で定めるところにより三分の二を負担することになっておりまして、これは本法で三分の二と決まっておりまして、政令はまだ未制定であります。しかし、三分の二の補助率は実施をいたしておりまして、別に実行面では法律に違反しておるとは思っておりません。ただ、今後はこの問題は事務的な問題として検討いたします。
○和田静夫君 建設大臣、あんた違反をしているんですよ。政府が出してきた資料なんですよ、これはあなた。何を言っているんですか。建設省のここの部分、ちゃんと違反しているって出てきた。政府の資料なんですよ。私が勝手につくったのじゃないんですよ。これをこの国会中にやるかと言っているんです。
○国務大臣(仮谷忠男君) はい、早急に処置をいたします。
○和田静夫君 これは直すに当たって私はぜひお考え願いたいのですが、内容がまた問題なんです、大蔵大臣。法律違反によって大変迷惑を受けてきたのは地方自治体であります。その点を直さなきゃならぬのですが、これは地方公共団体の側の意思というものは十分にくみ上げられてお直しになる、こういうことでなきゃならぬと思うのですが、これは官房長官、まとめて答弁いただけますか。
○国務大臣(福田一君) お説のようなこともございますので、地方の住民の意見というか、自治体の意見等も参酌をいたしまして問題の解決をいたしたいと思います。
○和田静夫君 官房長官、自治大臣の言葉を官房長官のとにかく答弁と聞いておきますよ。自治大臣が答えるのはこれはあたりまえなんでね。むしろ、ほかからあれがあるものだからなかなかそうはいかぬのですから。 もう一つは、手続としてこれは院の問題ですが、委員長、ぜひ記憶にとどめておいてもらいたいと思うのですが、これらの十五の各省が違反をしている法令を改正するに当たって、建設委員会あるいは社労委員会でこれをやってもらったのじゃ恣意が働きますからだめですよ。地方行政委員会で全部一遍取り扱わせてもらう、そういう手続を踏みたいと思うのです。これは意見として述べておきたいと思うのです。 私は、この関連でずっと出てきたらそれぞれの法律について意見を述べる機会を持ちますから、その意味ではこれらの十一条関係の違反問題については意見を留保をしておきますが、一点についてだけ厚生大臣に尋ねたいんです。 ここに十条の五号関係で「予防接種に要する経費」ですね、この根拠法令が予防接種法の第二十二条、第三十二条の二、同法の施行令の第三条とあるんです。これは地方財政法十一条に照らしてどんな点が一体不十分なんですか。
○政府委員(佐分利輝彦君) 予防接種は市町村が行うものと県が行うものがございますが、市町村が行うものについては基準が定めてございます。しかし、県が緊急の場合臨時に行う予防接種についてはまだ基準が定めてございませんが、この予防接種はこれまで実施したことがございません。
○和田静夫君 これもちょっと答弁がポイントが狂っているんですけれども、いま往復の時間でやられるものだから多く述べておれませんが、予防接種法の施行令の第三条ですね、「法第二十二条の規定による国庫の負担は、各年度において都道府県が支出し、又は負担した費用の合計額から、その年度におけるその費用のための寄附金その他の収入の額を控除した精算額に対して、これを行う。」と、こういう規定です。そうすると、厚生省は、精算した額に対してこれを行うというこの条項を一体今日まで厳守してきましたか。厚生大臣、いかがです。
○政府委員(佐分利輝彦君) 予防接種の補助金はポリオの予防接種についてだけ交付しておりまして、その他のものは地方交付税で措置されております。
○和田静夫君 問題をすりかえられないようにしておかなきゃならぬのですが、予防接種法施行令という、あなた方が地財法十一条に照らして不十分という形で資料を私のもとに出してきたこの規定ですね、この規定さえも実はあなた方は守っていない、こういう形なんですよ。これは厚生大臣、よく聞いておいてもらいたいんですよ。この規定が地財法十一条に違反しているということとは、そこのところは私はちゃんと違うということをはっきりしておかなきゃいかぬと思っているんです。国が法令違反をとにかく犯してきた。このことは私の総括質問、一般質問、そしてきょうの質問を通じて明確になった。私がつくった資料じゃない。何遍も言っていますが、三省で打ち合わせして持って来られた違反をしていますという資料ですから。 そこで、この違反を是正するということになりますね。このことは当然でありますが、ここに私は二つ問題があると思うんです。私が指摘をしたのは、国はいわゆる負担金の算定に当たって、経費の種目、算定基準、負担割合、これは法令で定めなければならないという地財法の十一条規定、これがある。これを守っていないということなんですね、各大臣が認められたとおり。それからもう一つは、負担金の算定に当たって、法令はあるけれども、国はその法令をさえ守っていないということなんです、いま指摘をしたとおり。その場合、国のその間違った法令の運用に合わせて法令を変えられたのじゃ、これはたまったものじゃないんです。したがって、地方行政委員会で一括審議をさせてくれというぼくの意図はそこにあるわけです。 厚生省ね、なぜはっきり聞いておいてもらいたいかといったら、厚生大臣、前に厚生省はそういうことをやっているんですよ。いわゆる児童福祉法施行令の改正のときにそんなふうにやっちゃったんですよね。こういうことをやられるのでは、私は本委員会を通じてこの問題を時間をかけて取り上げてきた、いわゆる自治そのものをもう一遍見直そうという意味で取り上げてきたこのことはほごになりますから、厚生大臣、しっかりここで約束をしておいてもらいたいが、よろしいですか。
○国務大臣(田中正巳君) できるだけ実態に合わせるようにこの問題を解決いたしたいというふうに思います。
○和田静夫君 厚生省が考えている実態に合わしたのじゃ困るとぼくは言っているのです。法令違反を犯してきているところの実態に合わせて法を合わされたのじゃ、たまったものではありません。地財法十一条で取り上げてきた私のいわゆる趣旨に基づいて法令改正は行われる、こう理解をしておいてよろしいですか。
○国務大臣(田中正巳君) 法律が要請しているところに従ってこれを直したいと、こういうふうに思います。
○和田静夫君 官房長官、いまの厚生大臣の答弁を確認しておきたい、三木内閣として。
○国務大臣(井出一太郎君) まさに承りました。
○和田静夫君 いや、承りましたって、それでいいんですか。 厚生大臣、児童福祉法の第二条の趣旨ですね、これは何ですか。
○政府委員(上村一君) 第二条は、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」という訓示規定でございます。
○和田静夫君 そこで、その二条に照らして三十五条を読みます。そうすると、児童福祉施設としての保育所建設義務というのは、国にもある、都道府県にもある、市町村にもある、平等にある、いいですか。
○政府委員(上村一君) 児童福祉施設は、国がつくるものもございますし、都道府県がつくるものもございますし、市町村がつくるものもございますし、社会福祉法人がつくるものもございます。それぞれの施設の機能に応じましてどこがつくるのが一番ふさわしいかという問題は出てまいると思います。
○和田静夫君 そこで厚生省、保育所の国営、県営、民営、市町村常、その数はいまわかりますか。
○政府委員(上村一君) 調べますとすぐわかるのでございますが、記憶に従いまして申し上げますと、国立はございません。それから約一万六千の中で一万が公立でございます。公立は一応市町村立とお考えになっていただいていいと思います。それから残りの六千は私立――社会福祉法人とか財団法人とかがつくっておるものでございます。
○和田静夫君 摂津の市長さんにお尋ねしますが、保育所設置の義務というのは、国にも県にも市町村にも平等に実はあるんですよ。それにもかかわらず、保育所の設置というのはいま答弁にありましたように、なぜ市町村だけに偏るとお思いになりますか。
○参考人(井上一成君) 私どもは、児童福祉法二十四条、市町村長が保育に欠ける児童を措置をしなければいけないという、忠実に義務を守るからでありまして、その義務を忠実に守ることは、市町村がおのずから設置をしておる――国がその負担をすべき負担を、いわゆる国の義務が十分守られておらないというところに私が問題を提起した摂津訴訟の意義があるわけでありまして、私ども市町村のすべて忠実にその児童福祉法を守るという姿勢が、市町村立のみに設置させられておるというのが実情だと思います。
○和田静夫君 厚生大臣、ここのところなんですよ、実は。児童福祉施設の設置義務者は、いま答弁がありましたように、平等に国、都道府県、市町村にあるわけです。ところが、現実に保育所に入所させる義務は、いまお話がありましたとおり市町村長にあるわけですね。そうすると、私はこの法律構造それ自体が少しおかしいとは思うんですが、それはともあれ、そうなっている以上、この保育所が、婦人労働者が増大をした、あるいは核家族化等がより著しく前進をした、そうすると不足をしますね、保育所が。ところが、要措置児童を抱えている市町村長の皆さんはその実態を一番見ることができるわけですから、財政が状況的に少しぐらい困難であっても、そのいわゆる義務を保育所をつくるということでもってあらわさなきゃならぬわけです。そうするとこの法律の構造上、国や県の設置義務まで肩がわりをして踏み切らざるを得ない。これが現状であるということは、厚生大臣はおわかりになっていますね。
○政府委員(上村一君) いま、いみじくも摂津の市長さんがお話しになりましたように、児童福祉施設というものは、それぞれその施設に入れる措置と申しますか、措置をする権限を有する自治体が決まっておりまして、大きな収容施設でございますね、精神薄弱の子供の施設でありますとか、あるいは養護施設のようなものは県知事さんが措置をすると、したがって県がたくさんつくられる。それから保育所のような市町村長さんが措置をされるものは市町村長さんがつくられる。国の場合には国立の教護院という、全国の教護院の中でもなかなか手に負えないような子供を扱う施設でございますとか、あるいは国立の精神薄弱施設……
○和田静夫君 時間がないからそんな余分なこと要らないんですよ。そういう事情によってつくらなきゃならぬということはわかります。ぼくの質問にだけ答えてくださいよ。
○政府委員(上村一君) 私は、国が保育所をつくる必要があるかどうか疑問だと思います。
○和田静夫君 いいえ、市町村長がと言ったじゃないですか。
○政府委員(上村一君) 市町村長さんがつくらなければならない事情があるということは十分承知いたしております。
○和田静夫君 厚生大臣よろしいですか。一言、いまのやつ。
○国務大臣(田中正巳君) 保育に欠ける子があればこれについて措置をしなければならないというのは当然だろうと思います。
○和田静夫君 厚生大臣いまこういう理解を示されたわけです。 そういう立場にある摂津の市長さんにお聞きをしますが、児童福祉法に定める国の負担金の額ですね、これについて国の理解は果たして十分なものなんですか。実情を少しくお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(井上一成君) 一例を申し上げますと、私どもの別府保育所に対して国はその基準を五平米だと指定いたしております。私どもは、この国の指定する基準に決して満足はいたしませんけれども、これを肯定いたしましたとしても、六十人定数でたとえば三百平米である。四十四年に実質的にこの建設に要った実額は二千十八万二千円であります。しかるに、この建設費に対して国の負担いたしました金額は百万という低額でありまして、これは明らかに児童福祉法の五十二条、同施行令十四条、十五条、十六条に、明確に負担をすると、実質精算額の二分の一を負担するということが法律に明記されております。私は、補助金と違って負担金は予算の範囲内ということよりも明確に二分の一を負担するということが正しいことだと。しかるに、国の方ではこれに対してその二十分の一しか負担をしないというのが現実の姿であります。仮に国の基準の平米、あるいは国の示された単価に平米を掛けましても百万という数字は余りにも少ない、低い、低額であるということでございます。
○和田静夫君 いま参考人の御意見について大蔵大臣はどう理解されますか。
○国務大臣(大平正芳君) 実態に即して補助単価というものは算定すべきであるという感想を持ちます。
○和田静夫君 厚生大臣どうです。
○国務大臣(田中正巳君) これはもう先生御存じのとおりの実情でございまして、当時やはり保育所の設置要望が強く、そして各所で要望が強かったものですから、したがいましてかような低い措置をしておったわけでありますが、その後やはりこういうことではいかぬと、かように思いまして、私まだ当時厚生省の責任者でございませんでしたけれども、いろいろと努力をいたしまして、できるだけ実態に近づけようということで、その後急速にこの単価補正は実はやったわけであります。開き直って言えばまだいろいろと、いま参考人の申したように基準面積あるいは基準対象等々において問題が残っておりますが、そうした努力をしたことだけは事実でございます。
○和田静夫君 田中さんが大変な努力をされたことを私は別に否定はしませんし、その努力をさらに続けられなければ、いま井上参考人が述べられたような悲劇的な状態というのはやっぱりずっと続くわけなんで、これは大蔵大臣、よくわかりましただけではなくて、前進的にこのことの解決に向かって、もっともっと強い努力をする、こういうふうに答弁、受けとめておいてよろしいですか。
○国務大臣(大平正芳君) 財政の許す範囲内で極力努めます。
○和田静夫君 これは大蔵大臣、さっきからずっと討論してきましたように、やっぱり法定されていることに対してはもっと謙虚に、それを充実される努力というのは当然されなければならぬと思うんです。それは間違いないでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) 謙虚に努力しなければならぬことは当然と思いますけれども、さて、財政の能力の限界というものも私どもとしては慎重に図りながらやらなきゃならぬことも当然の務めと思います。
○和田静夫君 前段のところをよく承っておきまして、後の方は余り聞こえなかったことにしておいて、いろいろこれから折衝をさらに続けます。そこで、昭和四十九年の超過負担の実態調査の結果、実はこれは出していただいたんですがね。私自身いま固有名詞は言いませんが、四市について調査をした結果をいまお手元にお配りをいたしました。若干ベースが違うかもわかりません。違うとすれば、都道府県単独補助を除くとか、あるいは国の法令による使用料、手数料が実際に取った額で、法令上の計算額にすべきだといった議論は残るかもしれぬのですが、大体ベースは私は同じだと思っているんです。それにしても率に差があり過ぎると思うんですよね。率に差があり過ぎる。これはどうです。
○政府委員(上村一君) 私、いまの資料拝見いたしておりませんので問題の御指摘よくわかりかねますが、恐縮でございますが……。
○和田静夫君 これは大蔵省提出分ですから大蔵省が答弁するんでしょうなあ。私のところへ出ている資料だから。三月二十五日に私の手元に大蔵省から出していただいた、この前要求して出したやつですよ。
○政府委員(上村一君) 三月二十五日付で私どもの出しましたのはございますが、四十九年度の超過負担の実態調査結果、それではございませんでしょうか。
○和田静夫君 そうですよ。それを言っているんです。
○政府委員(上村一君) それは三月二十五日付、私どもの方からお出ししておりますが。
○和田静夫君 そうだから、その質問で、率が開き過ぎませんかと言ったんです。わからぬと言うから大蔵省に聞いたんです。どっちみち三省で協議してきたのでしょう、これ。
○政府委員(上村一君) そうでございます。 率が開き過ぎませんかとおっしゃいますのは、超過負担解消分と実際に調べた超過負担との間に率が開き過ぎはしませんかということでございますですね。
○和田静夫君 そうです。
○政府委員(上村一君) 私どもこの調査というのは、保育所の運営費の中で一番大きなウエートを占めております人件費を中心に調べたわけでございます。そして、その人件費につきまして、それぞれ国家公務員の給与ベースに置き直した格づけをしてみました結果、国として超過負担の解消に足ると考えましたのは、先般差し上げましたように、三・二%相当分であるというふうに考えたからでございます。
○和田静夫君 厚生大臣、これいまぼくは大蔵省だと思ったら厚生省がまとめたんだそうですから、ここにある千七百二十七億六千六百万円、これはすべての実支出額が含まれていますか。
○政府委員(上村一君) 千七百二十七億の中には、たとえば人件費について申し上げますと、その実態調査をいたしました本俸を私ども補助の対象にしております、施設庁さんなら施設庁の数に掛けまして出したものでございます。
○和田静夫君 実支出額全部含んでいるわけ。
○政府委員(上村一君) 千七百二十七億の実支出額の中には、人件費については本俸分、管理費につきましては庁費、それからその各種修繕費等でございます。
○和田静夫君 こういう問題は実はベースを全く同じにして、その同じベースでもって議論しないと合わないんですが、これから私具体的な幾つかの市を挙げますから――いまじゃありません、この委員会終わりましてから。そして同じベースをとって議論をこの問題はしてみたいと思うんです。そこで幾つかの市について具体的に名前を挙げた場合に、この集計前の原資料を見せていただきたいと思うんです。その上で議論しないとちぐはぐな議論になりますから。厚生大臣、よろしいですか。
○政府委員(上村一君) これは三省合同調査でございますので、三省で協議いたしまして……
○和田静夫君 あなた、余分な答弁しなくたっていい。厚生大臣、これは論議をするんですから、出しますか、出しませんかと言うんだ。
○国務大臣(田中正巳君) これは三省で協議して出した数字でございますので、三省で相談をいたしまして、委員会のお求めでございますれば、三省で話が整いますれば私の方はそのように従います。
○和田静夫君 これはいけません、こんな答弁では。ずっと集計された原資料があるんです。その原資料を私の方にももらって討論をしませんとベースが合わないわけです。これはしまっているのは大蔵省でしょう。大蔵大臣、私これから幾つかの市を出しますからよろしいですね。
○国務大臣(大平正芳君) 原資料というのは。
○和田静夫君 調査の結果、いわゆる元本です。ずっとまとまった調査表があるんです。その調査表を見せてください。その約束だけもらっておきやいいんです。
○国務大臣(大平正芳君) 御質疑を伺いまして、それに応じまして出すべきものがございますならば、御要請に応じます。
○和田静夫君 大蔵大臣、たとえば東京を言うか大阪を言うかまだわかりませんが、幾つかの市をこれから終わりましてから要求しますからそれを出してください。その出すということだけ答弁受けておけば……。
○国務大臣(大平正芳君) 伺ってから考えますよ。
○和田静夫君 きょうは討論しない、それをもらわなければ討論できませんから。その原資料を出してくださいと、こういうことなんです、調査結果を。調査結果があるんですよ。ところが、出されてくるのはこういうふうにまとめられてしまうものですからね。私がいまお手元に配ったような形でのものを突き合わすことができません、私の調査結果との関係を。それは出せないものじゃないでしょう。
○政府委員(竹内道雄君) 御承知のように、大蔵、自治、厚生と三省の合同調査によるものでございますので、必ずしも私の方が元本を持っているというわけじゃなくて、平たく言えばみんな持っておるということでございます。したがいまして、御提出のお話につきましては三省でよく相談をして善処したいと思っております。
○和田静夫君 善処したいですね、大蔵大臣。
○委員長(大谷藤之助君) 委員長が承知いたしましたから、善処するように委員長の方も理事会で……。
○政府委員(竹内道雄君) お出しできるものはお出しするということでございます。
○和田静夫君 それじゃ、これはよく承知されましたですから、そういうことで、この国会を通じての討論の資料にするものですから、お願いをいたしておきます。 そこで、ここで出してもらいました超過負担実態調査結果のこの超過負担率です。一四・五%、このうち単独分一一・三%というのはいかにも多いが、これはどういう原因ですか。
○政府委員(上村一君) なかなか簡単にお答え申し上げにくいものでございますが、人件費について申し上げますと、先ほども若干触れましたように、出てまいりました本俸の平均というものをながめ、同時に四十八年度の補正予算後の格づけをながめ、それから経験年数等をながめ、それからこれは保育所でございますけれども、他の福祉施設の関係をながめ、で、国として負担すべきものはこれぐらいであると判断をし、それからこれはやはり国として負担すべき筋合いのものではないと考えたものを単独分として考えたわけでございます。
○和田静夫君 これは端的に言って、デラックス分であるとか、ぜいたく分だとかいう言葉、あなた方好んで使うんだが、そういうことですか。
○政府委員(上村一君) いまお話しになりましたデラックスとか何がしとかといいますのは、むしろ施設整備費の超過負担の議論の際に申し上げておることでございまして、これはむしろ給与の問題だろうと思います。
○和田静夫君 この超過負担率の幅がですか。
○政府委員(上村一君) この表はあくまでも措置費でございますから、保育所の運営費、したがって、その八割を占めます人件費の問題でございます。
○和田静夫君 国の現状あるべき行政水準を考える、その水準について少し議論をしたいんですがね。国の保母定数基準では、三歳未満児六人に一人の保母ですね、そういうことになっているわけですね。安全保育の観点から、お三人の市長さんたち、これで十分だとお思いになりますか。
○参考人(井上一成君) 私は昭和四十四年四月一日に児童家庭局第二百四号で、いわゆる「保育所における乳児保育対策の強化について」という通達があります。これには乳児三人に対して保母一人が望ましいということが通達に書かれておりまして、現在の六対一では望ましい姿ではない、かように思います。
○参考人(木部正雄君) 私のところの保育園につきましては、ゼロ歳児については三名に一人の保母を配置しているわけでありますが、これは国の基準でいきますと五名のゼロ歳児について一名の保母と、こういうことなんでございますけれども、実際にゼロ歳児を保育していきます場合には、とても見ていられないくらいに保母さんの労働過重になっている。したがって、保母さん方からの要求は、少なくも二人に一人の保母にしてくれ、こういう強い要請があるわけでありますけれども、いまのところ、私どもの市ではそれができないので、三名に一人という保母さんを配置をいたしております。
○参考人(渡辺博君) ゼロ歳児は、宇治市の方も三名に一名の保母をつけております。それ以上につきましては、五名なり六名という配置の中で措置をいたしております。それでなければ安全な保育はできない、このように思います。
○和田静夫君 官房長官、全体いま三人の市長さんからお話がありまして、もちろん担当は厚生大臣ですから厚生大臣よくおわかりですが、三木内閣全体としては、やっぱり社会福祉施設の問題というのは非常に大きな問題だし、総理は大きな公約の中に並べられていることでありますから、大変不安全な状態といいますか、安全でない状態が、いま言われたように実際はあるわけですね。これらを三木内閣としては福祉重点と言われるのならば改善をされる、こういうことが必要だと思いますが、そのおつもりはありますか。
○国務大臣(井出一太郎君) いま実例を伺っておりまして、まあ完全なる姿に持ってまいるのにはまだ相当に距離があることは承知をいたしました。一挙にその差を詰めるということは相当困難だと思いますけれども、しかし、そういう方向へ踏み出さなければならぬ、こう考えております。
○和田静夫君 児童福祉施設最低基準の第五十四条に「(保育時間)」があります。「保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、保育所の長がこれを定める。」とされているんですね。で、いわゆる長時間保育の問題が実情としては存在をするんだろうと思うんですが、摂津の市長さん、意見がありますか。
○参考人(井上一成君) 長時間保育は、二十四条の市町村長に与えられた義務を履行する上において、五十四条を当然のことだと私は考えます。長時間保育は当然のことだと考えております。
○和田静夫君 厚生大臣、いまの参考人の意見について、どうです。
○政府委員(上村一君) まず、お話しになりました長時間保育の問題でございますが、私ども昨年の十一月に中央児童福祉審議会で検討されました結果の御意見をいただいたのですが、乳幼児の福祉を最も優先する立場から考えますと、大幅に保育時間を延長するというのは、ことに夜間に及ぶような長時間保育というのは余り好ましくない。そこで、むしろ今後の婦人労働のあり方なり、育児に対する父親の協力等の問題が絡んでくるので、厚生省として積極的に長時間保育を奨励するというわけにはまいらないと考えます。
○和田静夫君 厚生大臣、いま参考人の御意見と厚生省の意見、この差はどういう形で埋められますか。
○国務大臣(田中正巳君) この職員の配置基準、これにつきましてはいろいろな問題が実はございます。現場の方々にはもうちょっとよけいにしろという御意見もありますし、また一部には、六対一、三対一というふうになっておるようですが、これでよろしいという議論もあるわけでありまして、これについての御議論はいろいろ方々にあるわけであります。とりあえず私どもとしては、現実問題として先生たちがいままでいろいろと御主張になりました施設職員の労働過重を解消するということに最大の力点を入れたものでございますから、これをまずやりまして、その後常識経験者の方々の御意見を承って、今度は配置基準についてあるべき姿に持っていくというふうに現実は考えておるわけでありまして、こうした問題を踏まえて今後なお検討をいたさなければならないと思っております。 なお、長時間保育につきましては、いろいろの実態上の問題、そしてまた保育のあるべき姿等々と絡みましていろいろと問題があるということは、いま私どものところの児童家庭局長が申したとおりだろうと思います。
○和田静夫君 事業費ですがね、この事業費としての給食費、三歳未満児が一人一日百十七円、三歳児以上一人一日五十一円。これ、摂津訴訟を起こされている井上さんの方、実情に合っていると思いますか。
○参考人(井上一成君) 全く実情には合っておらないというのが現状でございます。 この機会に少し保育所の問題について、超過負担全般について申し上げておきたいと思います。 私どもは決して国と相対立した中で保育行政を進めようとは考えておりません。国と相協力した中で保育行政を進めていかなきゃいけないわけなんですけれども、それぞれのお互いの持ち分、負担というものが明確になっているんですから、それをお互いに負担を、義務を履行しようじゃないかというのが一に私たちの市町村の考えでございます。単価基準について、超過負担の解消を図って単価を引き上げているのだと、まあこういうことでございますが、具体的に昭和四十四年、国の平米当たりの単価が三万二千百円であった。しかし、四十八年度にこれが五万六千百七十八円に引き上げはなるほどいたされました。しかし、現実にはいわゆる高物価、物資、資材不足等も絡んで、どのように重い超過負担が地方自治体のいわゆる財政を危機に陥れているか。率直に申し上げまして、国の基準を四十四年を一〇〇として、四十八年度ではその一〇〇に対する指数の二六九・五倍、いわゆる二・五倍の超過負担を押しつけられておる。これは運営費についても全くそのとおりでございまして、一人当たりに対しては四十八年度では二二一・四%、いわゆる四十四年を一〇〇といたしましてそのような数字になっているわけなんです。私は、まあこういうことを申し上げるのもどうかと思いますけれども、国が努力をしていただいているということについて決して否定はいたしませんけれども、必ずしも現実、現状には沿っておらない。これは建設費だけでなく、運営費だけでなく、すべて全般であると、こういうことなんです。その超過負担が地方自治体の財政を圧迫しておる。 もっと極端なことを申し上げますと、義務教育費、いわゆる学校建設費について、八百人の生徒を収容する学校をつくる場合に、用地買収費が一人当たり百十万、学校校舎建設費は五十五万、百六十五万に対して国はどれほどの補助負担をするか、両方合わせて三十七万であります。義務教育施設ですらこんな状態である。あとは全部いわゆる長期の起債を含めて地方自治体が肩がわりをさせられておる。それが地方財政を圧迫しておる。義務教育の用地買収を含めて、そういう建設費を含めて、義務教育ですらそういう実態である。実際、小学校一年生の子供を一年待たせるんですから、そういうことは市町村ではできないことである。あるいは二十四条を守らなくしていいんだろうか。制度自身が暮らしの中で生かされるように市町村長は大変な努力をいたしております、ということをここで先生方に御認識を願いたい。 以上でございます。
○和田静夫君 文部大臣、いまいわゆる義務教育施設についての切実な訴えがあったんです。いまの参考人の意見についてどういうふうにお考えになり、今後どういうふうに処理をされますか。
○国務大臣(永井道雄君) 公立文教施設が、物価値上がりの状況の中で非常に建設費の点で苦労しているということは十分承知いたしております。この建物の超過負担につきましてはわれわれも努力をしている点でございまして、昭和五十年度の予算の学校施設の補助単価というのは、前年度に比較をいたしますと三一・九%増になりました。それは昭和四十九年度に、四十八年以来の急速な物価急騰がありましたために、超過負担につきまして、昨年六、七月の間に大蔵省、文部省、自治省による国庫補助にかかわる建築単価実態調査というものが行われたわけであります。その結果、四十九年度中について二一・六%が建築単価につきまして上がることになりました。いま申し上げておりますのは鉄筋に関するものであります。しかし、五十年度になりますと、二一・六%だけでは不十分であるということで、前年度比にいたしますと三一・九%増、単価で申し上げますと六万一千七百円が八万一千四百円になっております。しかし、これは平均的な単価でございますが、御指摘のように非常にむずかしい状況の中にあって、特に大都市地域などでは値上がりがひどくあるという状況でありますから、この三一・九%の単価に幅をつけまして、配分に当たっては価格の格差を考えて配分をする、そういう形で対処していくということが現状において私どもが努力をしている点でありまして、こういう点で問題の解決に当たりたいというふうに考えている次第でございます。
○和田静夫君 もう時間がなくなってしまいました。永井文部大臣ですから、私は官僚が書かれたそういう形の答弁ではなくて、もっと、いまの市長の訴えについての実態的な御答弁があると期待をしたから求めたんですが、お読みになったことはお読みになったことで結構でございますが、ぜひ参考人たちの意見が出ました部分について、ひとつ十分な措置をこの機会に求めておきたいと思うんです。 そこで最後ですが、事業費についての超過負担実態調査が行われていますが、一向に公表されません。これはどこか知りませんが、大蔵省でもどこでもいいんですが、資料として出していただきたいと思いますが、大蔵大臣、よろしいですか。
○政府委員(上村一君) いまお話しになりましたのは、たとえば保育所の場合に飲食物費等の事業費をお指しになっているのじゃないかと思いますが、それにつきましてはいま調製中でございまして、まだ公表する段階までまいっておりません。
○和田静夫君 委員長、これ、ぼくはいま論議するつもりで用意しておったんですが、時間がなくなりましたから資料として出していただけますか――。要求します。よろしいですか。
○国務大臣(大平正芳君) 三省、関係省で協議いたしまして、できるだけ御要望に沿います。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 阿部憲一君。
○阿部憲一君 消防庁にまずお伺いしたいと思いますが、都市文化の発展に伴いまして、これは非常に多くの利便をもたらしたことも事実でございまするが、反面、生活環境を非常に悪化したこととか、あるいは災害の複雑化とか大規模化とか、これを非常に強めまして、火災などによる痛ましい犠牲者が増加しておることは非常に遺憾に思います。ちょっとした火災でも必ず犠牲者が出るというのは最近の私は特に著しい傾向だと思います。また、高層ビルだとかあるいはデパートなどの火災が非常に多数の犠牲者を出しているということも、遺憾ながら事実でございます。 ついきのうも東京の池袋で五人の焼死者を出したことも生々しい事実でございますが、このことについてちょっと日経の昨日の夕刊の記事を申し上げたいと思いますが、その火災についての原因として、焼死者を出したその建物は「古材をつぎ足して現在の建物にしたもので、火事になる危険性が大きいことから、近所の人らが建物の撤去などを消防署や区役所などに陳情したが、そのままになっていたという。このことについて豊島消防署は「昭和二十五年の建築基準法制定以前の建物だし、規模も小さいことから、法律的には強制撤去は出来なかった。しかし、防災指導などをもっと徹底しておけばこのような惨事を防げたのに残念だ」と言っている」、この記事が載っておりまするが、非常に人命尊重という立場から申しましても火災による惨事というものはおろそかにすることはできないと、こう思いますのでございます。 まず、そのような大切な問題に対しまして主務に当たっているのが消防庁でございますので、消防庁長官の予防対策、またどのような姿勢でもってこのような惨事に取り組んでいるか、またこれに対してどのような処置をしているかというようなことについての御意見を承りたいと思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) 最近、火災による死者が増加の傾向にあるということは、私どもも大変遺憾に存じておるところでございます。 まず、消防庁としましては、一つは、不特定多数の人が多く集まる場所、この建物においての火災予防という点についてまず一方の重点を置いた対策をとっているわけでありますが、特に、昨年消防法の改正におきまして、すでに建築されている既存の建物につきましても現行の消防設備等の規制を適用するということにいたしまして、そうした不特定多数の人が集まってまいります地下街あるいは百貨店等における防火対策というものについて必要な規制措置を行ったわけであります。これがいま現在、法定期限までにそういう設備を完了するという目標のもとに、いまその必要な工事等を実施しているという段階でございますが、なおそれまでの間、消防における査察等を強化いたしまして、日常の予防対策というものを十分に指導してまいりたいということでやっておるわけであります。 それから、さらに一般の住宅の問題がございます。現在建物火災による死者の八割近いものが一般住宅における死者でございます。この点が一番私どもとしまして問題でございますけれども、この点につきましては、住宅火災から特に死者の多い老人、子供を守っていくということのために、そうした夜間等における防火管理という面、それからまたお年寄りや子供が寝る場所の問題とか、こういうことを各消防署を通じまして十分な指導を行わせるようにということをやっておるわけであります。 さらにまた、現在は火災が発生しました場合には、火災現場に到着いたします第一号車の消防車には必ず救助隊員を乗せて、まず最初にその火災を生じました建物の中に人がいないかどうかという点を捜索をさせるということにいたしておりまして、こういう方式によりましてだいぶ人命救助という点におきましては効果を上げておるのでございますけれども、結局、火災の早期発見、早期通報というのものが十分に行われない場合に多く死傷者が発生をするというような事態がございます。そういうことで、私どもも消防庁といたしましては、いまラジオ、テレビ等を通じてのそうした火災面の、特に死傷者の発生を予防する措置をいま呼びかけているというところでございます。
○阿部憲一君 火災に関連いたしまして、地震の問題がございますが、関東地方が地震の危険期に入るのは昭和五十三年と、こういうふうに言われております。もう現に川崎市では、地下水位の上昇などに伴いまして一層地震の発生することに対して危惧の念を抱いているのも実情でございます。この地震全般についての対策、これはもちろん大きな仕事でございますが、特に私いま指摘したいのは、地震によって一番大きな災害を私たち人間に、いわゆる人命に大きな影響を及ぼすのが火災でございますので、その火災対策を含めて、それに重点を置いてどのような地震発生したときには対処をするのか。これについてもう一度長官にお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) 地震発生直後における問題として火災をいかに防ぐか、それから住民がいかに安全に避難をするかという点が、消防の分担する最も重要な仕事であろうというふうに考えております。 したがいまして、まず地震発生後の初期消火の体制という点につきましては、これは住民みずからが自分の各家庭なり各職場なりにおいて火災の発生を防いでいただくということをどうしてもやっていただかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、この点につきましての十分なPR活動というものを行っておるつもりでございます。さらにまた、どうしても防げない火災は、これをできるだけ小さい形で延焼防止を行わなければならない。こういうことで、そのための延焼防止対策ということも含めまして、現在地域ごとに耐震性の貯水槽の配置、あるいはその貯水槽に小型動力ポンプを整備していくということを重点にいたしまして、現在大都市地域を対象にした貯水槽、動力ポンプの整備を行わしておるわけでございまして、現在四十九年度までに完了したものといたしまして、東京都におきましては貯水槽が三百九基、ポンプが四百六十五台というものの配置が完了をいたしております。大阪が六十基、七十二台、名古屋が十八基、十八台、横浜が七基、七台、川崎市が二基、四台、横須賀が三基、三台ということで、現在そうした配備を行っているわけであります。さらに電源車でありますとか、耐火避難車といったような特殊車両の整備開発ということを行っておるわけであります。 それから避難誘導のための対策といたしまして、東京におきましては避難誘導のためのテレビ電送システムの整備を、いま消防庁の庁舎の改築とあわせて同時に施工をいたしておるわけであります。 さらにまた、地震におきましては消防隊の活動が相当制約されるであろう、そういう意味におきまして、それぞれの地域において住民組織を結成をして、消火、延焼を防止をしていくというための自衛防災組織というものの結成をいま急がしておるわけでございますが、東京におきましては、すでに四百六十隊の地域の自衛組織ができておるわけでありまして、さらに、職場におきましての自衛消防隊の結成ということも相当進んでおるということでございます。 なお、消防庁といたしましては、市街地火災に対しまして航空機による消火ということができるのではないだろうかというような観点から、いま空中消火の検討を防衛庁の協力を得まして行うというようなことをいたしております。 それから避難地の確保につきましては、いま、現状における避難地ということから一応の避難地の指定等を行っておりますけれども、やはり安全な避難のためには避難路周辺における耐火構造の家屋をふやしていくという問題、それから十分な広さの避難地、それから比較的近距離に避難地を求めるというような対策になりますと、これはある程度長期間を必要とするかと思いますけれども、建設省とも十分打ち合わせをしながら、そうした避難路、避難地の整備ということに心がけているつもりでございます。
○阿部憲一君 消防庁長官からいろいろと対策を伺いましたが、このような地震対策というのは過ぎることがないわけでございまして、今後ともさらにこれを強化していただきたいとお願いする次第でございます。 このような対策には財政措置が必ず伴うわけでございますが、この際、震災に対する消防財源のような目的税を確保して地震対策に取り組むべきじゃないかと、こう思いまするけれども、これについて長官、御意見があったらお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) 消防財源として消防施設税といったようなものを創設したらどうだろうかという意見が従来からいろいろございました。私どももその点につきまして検討を進めておったわけでありますけれども、こうした火災保険料の一定割合を消防施設税として課税をするという方式につきましては、やはり火災保険料の料率の問題、それから火災保険の普及率が現在依然として五〇%程度にとどまっているというような問題がございまして、こうした消防施設税の創設につきましては、なお問題が残っているような感じがいたしております。 なお、地方税法におきまして、現在温泉所在地市町村の消防施設の整備に充てるために、入湯税の税率を引き上げて、目的税として消防施設の整備を行うということが昭和四十六年度の改正と、さらに今回また地方税法の改正をお願いをいたしているわけでありますが、一般的な消防施設のための目的財源とい点につきましては、なお検討が必要であろうというふうに考えております。これにかわりまして、現在、地方交付税におきましては、その必要な単位費用の引き上げを相当額やっておりますと同時に、補助金の増額とか、あるいは地方債資金の枠の拡大といったような措置をいまやっておるところでございます。
○阿部憲一君 いまの財源につきまして自治大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(福田一君) この火災あるいは地震のための一つの特別の財源、税をつくってはどうかというのは、過去いろいろお話のあったところでございますが、これはどこに地震が起きるかというようなことの問題もございますし、それなら川崎ならいいじゃないかというわけにもまいりません。これはもう川崎ということになれば、やはり東京、横浜、川崎とぐらいにならなければいかぬというようなこともありますし、地域の指定の問題とか、いろいろの問題もありますが、しかし、みんなで災害を防ぐのであるというその考え方、これは私は非常にたっとぶべき考え方だと思うのでありまして、そういう意味では新しい税をもう一つ考えてみてはどうかというお考えには賛意を表したいと思いますが、今後ともひとつ勉強させていただきたいと思います。
○阿部憲一君 次に話題を変えまして、現在地方財政の硬直化が非常に叫ばれておりますけれども、この原因は一体どこにあるのかということにつきまして、大蔵大臣に御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 世上地方財政の硬直化ということが言われておりますけれども、中央の財政も非常に硬直化しておる。地方財政が危機にあると言われておりますけれども、中央の財政も大変危機なんでございます。これはいわば、経済が順調な条件のもとで、内外の諸条件が順調な条件のもとに支えられまして順調な成長を遂げることができた、したがいまして、われわれの所得もそれだけ上がってまいりましたし、われわれの生活条件も上がってまいりましたが、それらすべての構えが成長型あるいは膨張型という形をとってきたと思うのです。これは無理もないと思うのです、人間のことでございますから。ところが、それが去年あたりから赤信号が出たということでございますので、この構えではやり切れなくなった。それがたまたま地方をはしりにいたしまして危機が叫ばれ、硬直化が云々されるというようになってきたと思うのでございまして、私は、五十年度は中央財政にも大変困難な局面を迎えるに違いないと思うのでございます。言いかえれば、私どものいままでの構えが成長型、膨張型ですべて安易にやれるんであるという、いわばおごった気持ち、こういったものがいまの客観的な制約とぶつかりまして、そのことが許されなくなったというところに問題があるように私には思えるのでございます。
○阿部憲一君 いま、財政硬直化といいますか、危機について大蔵大臣の御意見がございましたが、これは何も地方財政だけじゃないんだと、これはお考えはわかります。こういった非常にむずかしい時期に際しまして、自治大臣としてはどのような対策をお考えになっていらっしゃいますか、簡単にひとつ御披露願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) こういう高度成長から低成長へ入っていくというときでございますからして、しかも住民の多様な要望が出てくるときでございます。これを無視してはまた政治にはならない、また地方行政も成り立たないと思うのであります。そこで、要は、財源の問題が一番大きく浮かび上がるのでありますが、そのときにはどうしてもやはり私としては人件費の問題をひとつ考えてみていただくと。同時に、国としてはまた超過負担の問題もひとつ解消する努力をすると。両々相まって、そうして地方財政の健全化というか、地方財政が住民のこの要望も入れつつ、健全な姿で成長していくような方途を考えるべきときであると、私としてはそのように考えておるわけでございます。
○阿部憲一君 この問題につきまして、いま自治大臣からもお話がありましたが、私どももいままでの高度成長下の時期と、また、これから当面するであろう、またしばらく続くであろう低成長時代におきまする対策というものは、ニュアンスも違いまするし、また、対策自体にも相当の差を設けなきゃならぬと、こう思っておりますが、このような、何といいましょうか、現状に対しまして、高度成長時代、さらにはまた現状、やはり今後続くであろう低成長時代というものに対しましては、どういうふうに一体地方財政というものを持っていったらいいかと、このようなことにつきまして藤田参考人にひとつお話なり、同時に御意見を承りたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(藤田武夫君) 今日、地方財政の危機、これは一般的に非常に大きな問題で、政党間でもいろいろ論争されているわけでありますが、それで私としては、今回の地方財政の危機にどういう対策を講ずればいいか、この点を中心に申し上げますが、その前に、御承知のように、昭和二十九年から三十年に、ちょうど二十年前に非常に大きな地方財政の危機があったわけでありまするが、その場合の危機と今日の財政の危機とは様相も違っていますし、またその原因も違っているというふうに思います。したがって、今日の対策を誤りなく立てるためには、そのときの危機と比較して、一体今日の財政の危機の基本的な原因はどこにあるか、このことをまず突きとめなければならない、その上に立って対策を講ずる必要があると思います。そういう意味で、この二十九年の財政危機の場合と今回とを、ごく簡単に比較してみたいと思います。 御承知のように、二十九年のときには、府県の七割、市町村の四割までが赤字を出しまして、総額で約六百五十億の赤字であったんですが、ところが、それを見てみますると、後進地域の府県、市町村にほとんど集中しておったわけであります。ところが、今回はどうかと言いますと、たとえば東京、大阪といったような、まあ裕福と言われている府県、あるいは横浜、大阪、神戸、最近京都、そういった裕福な都市もやはり赤字を出している。それから、言うまでもなく、田舎の石川とか滋賀とか秋田とか、また中小の都市も赤字であります。したがって、その赤字の症状は全身的に広がっている。なぜこういうことになったのかということなんですが、二十九年のときには、これは終戦後かなりいろんな行政が地方自治の拡充に伴って行われて、経費が膨張したんですが、ところが財源は余り十分与えられなかった、シャウプ勧告で幾らか財源が強化されたんですが、その後昭和二十九年の税制改革の後で、特に市町村の税収入が少なくなっている。さらに二十九年に一兆円予算を国がどうしても組まなきゃいけないということで、それまで地方財政平衡交付金であったものが地方交付税に改組された。そしてそのために、この平衡交付金の財政調整機能あるいは財源保障機能というものがかなり拘束された。それが貧弱団体に特に強く響いている。それからその一兆円予算のために国の補助金もかなり抑えたのであります。 〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕 そこで、それまでも出ておったんですが、いわゆる今日やかましい超過負担がかなり大きくなっている。こういうことで赤字が出たわけであります。 ところが、今回の場合は、その赤字の原因としては、まず第一に異常なインフレーションで物価が騰貴する、それによって地方団体の資材、物件費あるいは人件費が膨張する、それから高度経済成長のひずみが各地方であらわれて、そこで社会福祉あるいは生活環境、公害対策、そういったものをやらなければならない、それをいまさら縮めるわけにもいかないので、そういった財政需要がふえてきている、さらに不況によって、御承知のように地方税の収入も停滞している、こういったことが重なり、そして、これは後で述べますが、それまでにこの高度経済成長型の地方交付税あるいは国庫補助金の機構というものがあったんですが、それの矛盾が、いま言ったようなことが直接のきっかけになって、何といいますか、その欠陥が非常にあらわれた、こういうことで今度の財政危機が来ている。したがって今度の財政危機は二十九年の場合のような、単なる貧乏団体には金が足りないというふうな単純なことではなくて、その根因は非常に深いもの、また複雑なものである、そういうふうに思います。 したがって、二十九年の場合には、御承知でしょうが、その財政危機を切り抜けるために、きわめて応急措置をとったわけで、地方財政再建促進特別措置法というものをつくって、この赤字を出した団体が申請して財政再建計画というものを立てる、それを当時の自治庁長官に申請して認められれば財政再建債というものを認めて、それで一時赤字をたな上げする、その財政再建計画には、歳出をどうして減らすか、また歳入をどうしてふやすか、まあそういった計画を立てさせて、そうして地方団体に赤字を解消させる、こういう方法をとったわけであります。その結果、地方の行政水準がそのために非常に低下しまして、また増税とか新税が盛んに地方で行われたわけであります。ところが、ちょうど幸いにも、三十二年から高度経済成長によって経済の成長が非常に高くなっている。それで税収入もふえて、地方財政が好転して赤字が大体解消された、こういうことであります。 そこで、これから今回の対策に入りますが、今回の場合には非常に問題は違っているんで、まず第一に、財政の基盤であるところの経済というものが、今後高度経済成長というふうなことはちょっと期待できないんで、低成長である、あるいは安定成長である、こういうことになるわけです。それから、この二十九年のときにとったような行政水準の切り下げとか、あるいは地方税の増税とか、こういったことは今日の場合には非常にむずかしい。したがって、もっと深い問題についてメスを入れる必要がある、私はそう思うのであります。 まず第一は、インフレの防止でありますが、これは三木内閣でも福田副総理や、お見えになっている大平蔵相が、総需要抑制である程度物価の騰貴も緩くなってきた。そういった抑制政策は私も今後いよいよ堅持していただきたい、そういうふうに思うわけであります。それから、この財政の機構をいろいろ改革するについては、それを改革するための基本的な姿勢を確立する必要がある。それには、私は、やはり何といっても、いままでの経済優先ではなくて福祉優先の姿勢を貫く、三木内閣はそういうことを言っておられるわけです。それから、いままで地方財政というのはかなり中央依存型の、いわば中央集権型の形態をとっておったんですが、今後はそうでなくて、地方団体に税源も一部譲り、また地方団体に責任を持たせる、そして地方団体が自主的に財政を運営するような、いわば地方分権的な財政構造というものをとる必要があるんではないか。 そういう基本的な立場に立ちまして、その対策を述べて見ますと、第一は、やかましく言われております税源の国、地方間の再配分の問題であります。今日社会福祉が叫ばれておりますが、そういった社会福祉とか清掃とか、そういった仕事は、これは現場の府県や市町村が担当することであり、したがって、府県や市町村に十分な税金を与えるということが必要であろうと思います。今日では、地方税と国の税金の割合は、これはだれも知っていることですが、大体国税が七で地方税が三だと。それに対して社会党では、成田委員長なんかは五対五にするとか、あるいは公明党では六対四にするとか、そういうことを言っているんですが、これも、五対五にするとかなんとか言っても、これは全くマクロ的な考察であって、そういうことをした場合に、各府県、各市町村にその経済力によって影響するところが非常に違ってくる。また、どういう税金を地方へ移譲するかによっても影響が違うわけであります。したがって、そういうことまで深く考えてその問題を取り上げる必要があると思います。それからさらに、貧弱な団体にもよけい税金がはいれるようなものということになりますと、たばこ消費税とか住民税というようなものが問題になるわけで、そうすると負担が非常に大衆負担に傾く。したがって、国税、地方税を通じて、やはり全体としての負担の公平、まあ累進課税、そういったことが行われなければならないと思います。で、所得税と住民税を統合するというふうな、そしてそこに累進率を適用する、そういう案も東京都あたりからも出ております。そういったことをよく考えて、やはり七対三ではなく、まあ私、具体的に数字を挙げることはむずかしいと思いますが、大体五対五とか六対四というぐらいなことにはすべきではないかと思います。 それから第二番目は、地方交付税の問題でありますが、現在地方交付税は地方収入の二一%です。ところが、この地方交付税は、いままでの平衡交付金とは異なって、御承知のように、酒の税金と所得税、法人税の百分の三十二ということでくくられています。したがって、この交付税の地方団体に対する収入というものが景気の変動で非常に動いてくる。交付税が特に貧弱な団体で必要な場合に交付税が余りふえない、所得税も法人税も不景気でふえないというふうなことになる。それについて国税全体を財源にしろというような意見もありますが、こういうことでは解決しないんで、私としては、前の地方財政平衡交付金に戻す、そして各地方団体の財源の不足額を積み上げていって、それを地方交付税として計上する。また、財源が問題になるでしょうが、後で申し上げますように、国庫補助金を私はかなり削っていいという意見なんで、そういうものをこの財源に回していく。これはシャウプ勧告でも言っておったんですが、地方団体の収入が景気変動で非常に動く、それを地方税でもって加減することはほとんどできない、それはやはりどうしても地方交付税によって賄うべきだと、こういうことを言っております。 それから、この地方交付税について、いままで非常に産業基盤関係の経費に財政需要の計算が傾斜しております。詳しいことはやめますが、たとえば昭和三十三年から四十四年までに、土木費の基準財政需要額における比重が九%から二一%に上がっている。ところが、厚生労働費は八%から六%、教育費は四一%から三五%、そういうふうに、非常に――これは高度経済成長時代でやむを得ないかもしれませんが、産業基盤に重点が置かれている。そういうことをこの際福祉中心に改める必要がある。もちろん、近年自治省でも交付税の財政需要の計算に社会福祉とか教育施設についてある程度の考慮を払っておられることは認めるんですが、しかし今日、福祉に転換すると言っている場合には、もっとその転換をはっきりして押し出す必要があるというふうに思います。 それから、その次に国庫補助金の問題ですが、いま触れましたように、私としては、この国庫補助金というのは、国から金をもらって仕事をやるわけで、これはどうしても地方団体が中央に依存して、何といいますか、親方日の丸でもって、自分が責任を持って節約をして、自分の力で経営をやっていくという姿勢が弱まってくる。そういう意味で、国庫補助金はなるだけ整理するということを主張したいのであります。それから、国庫補助金のこの構造も、いままでは非常に高度経済成長型になってきております。たとえば補助率にしても、道路というふうなものは四分の三あるいは三分の二、ところが社会福祉関係では二分の一、三分の一というのが多い。それから、この計算の仕方も、これは超過負担の問題になりますが、道路、その他の土木工事においては、実績精算主義でもって、実際に使った金をもとにして精算をして交付している。ところが、社会福祉、教育、保健衛生関係では、標準単価というものをつくって、それで計算をする。ところが、標準単価が、もうこれは一般化しているわけですが、実際単価よりもはるかに低い。さらに対象差、数量差があるというふうなことで、超過負担はほとんど社会福祉、教育施設、保健衛生、そういった民生関係に非常に多く出ている状態であります。こういうことから言っても、そういう高度成長型の経済優先の補助金政策をこの際変える必要がある。もちろん、超過負担については、最近、自治省あたりでもいろいろ単価の引き上げをやっておられますが、まだ地方団体側で調査した割合にまではかなり幅がある。 財政構造は以上のようなわけですが、ここで問題になっている人件費の問題を、もう時間もないので、一言触れておきますが、地方で社会福祉行政というものを、あるいは保健衛生行政を重視するということになると、どうしてもきめの細かい行政が必要になって、職員の数が、これはむやみにふえていいというわけではありませんが、相当ふえる。現実に社会福祉施設でもって職員が足りないという声を私なんかもよく聞いております。そういう点を考慮する必要があるということ。それから給与水準について国家公務員との比較という問題もありますが、これはやはりラスパイレス指数だけではなかなか厳密な比較というものはむずかしいんで、これは事務の内容、国の場合の主としてデスクワークによっている場合と違って、非常にきめの細かい仕事の質、量がある、そういう点を考慮する必要がある。しかし一方、人件費については、たとえばどこかの局長が四千万円も五千万円も退職金をもらったとか、そういった、先ほど大平大蔵大臣からもお話がありましたが、高度経済成長になれた、そういった面も認められます。したがって、人件費の問題を扱う場合には、どうしてもこれだけは社会福祉をやるためには必要だという経費と、いま言った、浪費とも言えませんが、それに近いような経費とを厳密に区別して取り扱っていただきたいと、そういうふうに思います。 以上、時間が来ましたのであれしますが、私の言いたいところは、今度の財政危機には、単に人件費の抑制というふうな、あるいは超過負担の一部の改正というようなことだけでなくて、もっと財政機構全体を高度経済成長型から福祉中心型に転換していただきたい、これが私の希望で、一挙にそういうことはできないでしょうが、たとえば国庫補助金についてある程度の手直しをするというふうなことは、基本方針さえはっきりすればできると思うのであります。 御参考になったかどうかわかりませんが、もう時間も参りましたので……。
○阿部憲一君 参考人には非常に貴重な御意見をお述べくださいまして、ありがとうございました。 自治大臣にも、ひとつ参考人の御意見を大いに、それこそ参考にされて、対策の樹立に邁進していただきたいとお願いします。 私、いまのお話に関連しますけれども、結局、地方財政の財源確保をどうするかというような問題について、具体的に時間の許す限り二、三自治大臣にお伺いしたいと思います。いまの参考人のお話でもちょっと触れたようでございますけれども、四十九年度及び五十年度のたばこの消費税ですね、それから専売納付金、それぞれ申し上げますると、消費税が四十九年度は三千四百四十四億円、納付金が三千百五十八億円。それから五十年度の予算は消費税が三千六百九十二億円であり、納付金が四千七百七十五億円と、こういうふうになっておりますが、これ、四十九年度に比較してみますと、ほとんど消費税と納付金が大体同じ数字になっています。ところが、五十年度の予算では、いま申し上げましたとおりに、国の納付金は千六百二十億円も伸びていますのに、いわゆる地方自治体の取り分である消費税はわずかに二百五十億しか伸びていない、このような計算になっていますが、これを自治大臣はどういうふうにお考えになっているかとお伺いしたいんです。 大体、自治体の財源を確保するというのが自治大臣の一番の大きなお仕事だと思いまするけれども、このようなことでは、せっかくたばこを値上げしたということになっても肝心の地方自治体の方には取り分が少ない、これじゃ非常にまずいことでございまして、やっぱりこれはたばこの本数でもって補正するんだとか、あるいは政令でもって引き上げさせるような措置をするというようなことによって自治体の財源を潤すべきじゃないかと思います。これは自治大臣の御裁量で決まることだと思いますが、ただこれだけ見ますると、自治大臣はどういうふうなお考えでこのような案を推進されておるのかといいましょうか、あるいはこれでいいと思っておられるのかどうか、そこの辺のところ、ちょっと微妙なものですから、伺いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) たばこ消費税の問題でございますが、ただいま御指摘をいただきましたように、四十九年度では、国の専売納付金とたばこ消費税の額がほぼ同額、五〇、五〇ぐらいになっておったのでございますが、過去十カ年間ぐらいの平均を考えてみますと、地方の取り分が四六%ぐらい、国の取り分が五四%ぐらい、平均的にはこのくらいの配分になっていたかと思うのでございます。もちろん、このたばこ消費税は、地方団体にとりまして最も貴重な、しかも団体に均てんをしておりますいい財源でございますので、私どもとしてはぜひこれを確保いたしたいのでございますが、この税の仕組みが、先生も御案内のように、前年度のたばこ売り上げ一本当たりの平均価格、これに当該年度の売り上げ本数を乗じて得ました額、これにたばこ消費税の税率を掛ける、府県、市町村合わせて二八・四%でございますが、こういう率を掛けるということになっておりますので、今回たばこの値上げがございましても、その分の影響をいたします地方税の増収分が翌年回しになる、昭和五十一年回しになる、こういうことに制度上ならざるを得ない、そのための影響でございます。 ただここに、細かなことでございますが、たばこが値上げをいたされますと、国民の方が消費をなさいますたばこの本数が値上げのために一時減る、こういう事態が起こりますと、これは逆にその分だけ地方たばこ消費税の額が減少するという事態も生じますので、この分は減少をしないという前提に立ちました補正をいたしまして、昭和五十年の売り上げ本数を補正増をいたしまして計算をすることにいたしております。値上げによりますたばこ消費税の収入の増は五十一年度から地方財政には影響を及ぼす、このように考えておるわけでございます。
○阿部憲一君 そうすると結局、いまのように、本年度いわゆる五十年度はこのような値上げに伴った増収というものは、一応四十九年度ぐらいのものを地方財政としては吸収することができると、こういうふうに解してよろしゅうございますか。
○政府委員(首藤堯君) たばこ消費税の税率そのものは変えずに、従来の税率のまま設定をいたしておりますので、たばこの値上げが行われまして、たばこの売上金額がふえるということになりますと、地方税収はそれに伴って増加をするわけでございます。その増加の始まる年度が五十年度から始まらずに五十一年度に入って始まると、このように、大局的に申し上げれば、なるわけでございます。
○阿部憲一君 これは、自治大臣、何かもう少しいい方法はなかったのでございましょうか。たばこの消費税の問題につきまして、いまのように地方財政を余り潤さないような値上げ、これは余り感心しないことじゃございませんか。ですから、対策をひとつ自治大臣として講じてもらいたいと思いますが……。
○政府委員(首藤堯君) 先ほどもちょっと申し上げたのでございますが、今回の値上げに伴いまして売り上げ本数が減少いたします分が地方財政にとってはマイナスの要素になってくるわけでございますが、この分の減収見込み約二百二十億ぐらいの金額になりますが、この金額は五十年度における売り上げ本数見込み額を補正増いたしまして、この分は地方財政に五十年度においても取り戻す、こういう措置は講じてあることでございまして、その旨地方税法の改正の中に盛り込みまして、今回御提案を申し上げておるところでございます。
○国務大臣(福田一君) ただいま局長が申し上げましたとおりでございまして、その場合の地方と国との収入の比率は五〇、五〇になるように、二百二十億でもって五〇、五〇になるように処置してあるわけでございます。
○阿部憲一君 時間がありませんので、はしょりまして、この問題はもうこのくらいにしておきましょう。 引き続いて、課税の自主権についてちょっと自治大臣にお伺いしたいんですけれども、いままで都道府県民税でもって制限税率が設けられていたのは法人税割りだけであったわけでございますが、今度政府は、今回法人事業税にも制限税率を設けようと、こうしておりまするが、この制限税率を設けることは、自治体の課税自主権を尊重するという考え方に反すると思います。 〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕 したがって、このような考えでありますると、これは結局中央集権を強化するというふうにも勘ぐらざるを得ないわけです。そこで自治大臣にお伺いしたいのは、今後このような制限税率を増加しようというような意向をお持ちですかどうか、伺います。
○政府委員(首藤堯君) 事業税におきます制限税率の問題の御指摘でございますが、先生御案内のように、地方税法におきましては、標準税率の定めをいたしております多くの税目につきましては、地方自治体の課税上の自主権を尊重いたしますために、財政上特別の必要があれば超過課税ができることになっておりますが、その場合にも無制限に超過課税をするということは、税負担の問題上も非常に問題がございますので、一定限度、ここまでという頭打ち、これが制限税率でございます。従前、事業税につきましては、実は制限税率の規定がなかったのでございますが、このような時代でございますので、やはり事業税といえども超過課税が起こりました場合に制限税率の規定を設けるべきであろうと、こういうことで制限税率の設定をいたしたわけでございます。 ところで、この制限税率の程度でございますが、通常の場合でございますと、制限税率は標準税率の約二割増しというのが大体の相場と申しますと語弊がございますが、通常の慣例でございます。ところが、法人事業税におきましては、この税の性格上、この税額が企業の損金に算入をされるという仕組みがとられておりますために、法人事業税の超過課税が行われますと、これが他団体の税収入に影響を及ぼします。特に大企業をたくさんお持ちの大規模な都道府県においてこの超過課税が行われますと、他の弱小団体の税源をそれだけ奪うということがございますので、他の都道府県や市町村からも、法人事業税の超過課税を行う場合には、その限度について十分配慮してくれという強い要望が出ておったのでございまして、こういった背景から、地方制度調査会や税制調査会にもお諮りいたしました結果、通常の相場の二割増しの半分ぐらいのところでがまんをしていただくのが妥当ではなかろうかと、こういう結論になりまして、一割増しの制限税率を設定をしたと、こういう経過を持っておるものでございます。
○国務大臣(福田一君) ちょっと先ほど私、数字を間違えまして、訂正をさせていただきます。 五〇と五〇と申したのは四十九年度でございまして、五十年度は四三・六%ぐらいでございますので、足りませんから二百二十億の特別措置をしてもらうようにしたと、こういうことでございますが、これが五十一年、五十二年には順次ふえてまいります。一応推定でございますけれども、五十一年には四七ぐらい、あるいは五十二年には五〇%以上になるように推定をいたしております。ちょっと間違えましたから、数字を訂正させていただきます。
○阿部憲一君 それから、いま自治大臣にお伺いしたその後の話ですけれども、制限税率をほかにも、いま申し上げたような県民税だとか、あるいは法人税割りを掛けたと同じようなやり方、一口に言えばほかのものにも制限税率をふやしていくというようなお考えがありますかどうかということです。
○政府委員(首藤堯君) 先ほどお答え申し上げましたように、超過課税の制度そのものは、もちろん自治体の財政的な自主権を尊重するという立場から出ておるものでございますが、一方、税制として考えてみました場合には、やはり税負担の地域における均衡とか、あるいは税負担の限度とか、こういったことも考えなければならないと思いますので、標準的に徴収をすべきだとされております標準税率に対して、そう極端な増税をするということは、やはり住民負担の観点からも適当ではないのではないか、こう考えておるのでございます。そのため従来からとられております制度は、おおむね標準税率の二割増しのところまでなら地方団体の住民として財政需要との関連で御認容をいただけるのではなかろうかと、こういう考え方が地方税法上の制限税率の定め方の基礎になっておったわけでございまして、この二割という標準的な相場をまた引き上げるということは、今度は住民負担の問題等から、やはり問題が起こるとも考えられるのでございまして、ただいまの二割増し程度が適当ではなかろうかと、一般的な税制としてはでございますが、そのように考えておる次第でございます。
○阿部憲一君 時間がありませんから、これ一つにしますけれども、結局、いまの御説明を聞いておりますと、問題は、制限税率を云々するということの考え方の根底には、やっぱり交付税を三割で抑えている、固定化している、そこら辺に問題があるんじゃないでしょうか。やはり交付税をもっとふやしていく、実情に応じてふやしていくと、こういうふうな考え方になりますれば、何も自治体が超過課税なんか行わぬでもスムーズに政策の実現ができていくと、こう思うわけです。その辺のところ、私どもは、いま交付税を三割というものに抑えることに対して、もっと根本的に考えてみる時期じゃないかと。必要ならば四〇%にするとかなんとかいうことで、柔軟的に考えていくのが正しいんじゃないかと、このように思うわけでございます。 大蔵大臣、一言これについてお伺いしますけれども、法人事業税について、自治省で現行の法人所得に対する課税方式から外形標準課税にする方針で具体案を検討し始めている、こういうふうなことを承っておりますが、この外形標準課税導入については、政府の税制調査会でも、四十三年、四十六年の二回にわたって打ち出されていますけれども、五十一年度の税制にのせるかどうか、大蔵大臣に承りたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) それは私からお答えするのが適切と思いませんけれども、そういう検討をやっておるということは私聞いておりますけれども、政府の方針がまだ決まっておるわけではございません。 〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕
○理事(岩動道行君) 神谷信之助君。
○神谷信之助君 宇治市長の渡辺参考人にお伺いしたいと思います。 人口急増に伴って、関連公共施設整備による財政圧迫は宇治市も大変深刻な状況だと思いますが、義務教育施設の用地取得難、またその財政負担の問題を中心として、その実情と問題点、あるいは政府に対する要望などを述べていただきたいと思います。
○参考人(渡辺博君) 京都市、大阪に対します衛星都市として、住宅都市として人口が急増いたしております宇治市におきまして、いま市街化区域内で用地を取得するというのは、特に学校施設あるいは保育所施設、幼稚園施設、これらの用地を取得するのは大変困難な状態になってきておりまして、いま、ちなみに四十九年度の宇治市の一般会計の歳出規模が百三十億でございますが、しかし、地方債の発行現債高は百二億になっております。そのうちの義務教育債が現在八十億、特にその中の用地取得債が、これが六十五億あるわけでございまして、そのほかに土地開発公社に十億を持っておりますので、ほとんど一般歳出規模と同規模の起債を受けておる、持っておるということでございます。四十九年度末におきます用地の公債費は五億八千万、この中で補助金、交付税、制度的に財政援助を受けましたその額を引きますと約三億というものが、今日義務教育の用地債として返還をしなければならない金額になっておるわけでございます。 いま私たち人口急増の中にありまして、毎年小中学校二校ずつ程度ここ十年間建設しなければならないという推定が立つわけでございますが、五十年-五十五年度の用地債にかかります公債費を計上いたしますと十四億八千万ということになります。そのうち国の制度的な助成を差し引きますと約九億四千万という償還額が出てくるわけでございまして、大変な地方自治体の財政圧迫要因になっております。この公債費の増加が著しいのが今日の財政圧迫の一つの大きな要因でございますが、現行のこれらの用地取得債に対します交付税措置等を引きまして、元利償還に対します補給金は三〇%でございますが、いま五省協定等によります住宅公団のこれら施設については、小さい規模で三年、五年、あるいは九千戸以上になってまいりますと十年の据え置きという形がとられております。これらの世帯というのはほとんどが若年世帯が入ってきておりまして、あるいは自然の世帯分離にいたしましても、ほとんどが若年世帯でございまして所得が大変少ない。その中で、どうしても私たちとしては期待をいたしたいしまた国にそういう制度の改善を求めたいのは、当面の問題として五年間、若年世帯の所得が一定水準に達するまでの間、八〇%程度の元利償還をしていただきたい。以降については、私たちは五〇%の算入措置を当面の措置としてとっていただけないか、このように考えております。 特に、この中でもう一つ大きな問題になりますのは、小中学校を市街化区域内で求めようといたしますと、もう府道とか市道とかに面したところでは求められない、どうしてもそれから入ったところで用地を取得をしなければならない。そうしますと、その進入路をどうしても確保しなければならない。ところが、文部省の方へ行きますと、この進入路についてはこれは建設省サイドだ、こういうことでございます。いま私が、一つの小学校に百七十五メートルの進入路をつけなければならない。これが用地の取得は四千四百万、造成費が千二百六十万余り、合計五千六百六十万という、進入路だけでお金がかかるわけでございますが、全くこれについては認められないということでございまして、私は、この学校用地と同じような用地取得の、この進入路についてはお認めをぜひいただきたい、このように考えておるところでございます。 いま、この用地取得で一つの学校の例を申し上げたいと思うんですが、面積が二万平米余りを取得をいたして、造成面積をこの同じだけの造成面積で、六億九千三百万余りの総事業費でございますが、その中で補助金算定として補助金の交付をいただく額が一億三百万ということでございます。地方債がその中で六億五千六百万、交付税の算定の中に入れていただく金額が八千四百万ということでございます。しかし、私たちがこれらの措置をいただきましても、取得を完全に終わるまでに約二十億という費用が要るわけでございまして、そのうちの八億一千八百万というのが単費でこれを持ち出さなければ取得できないということで、大変な学校の用地の取得が財政圧迫要因である、このように考えております。ぜひ、これらの問題について、国の五省協定という形ですでに前進している部面があるわけでございますので、人口急増のこれらの市町村に対する財政援助のより拡大を希望するわけでございます。 もう一つの問題は、いま私たち人口急増の京都府下の九市町の中で学校建設公社をつくっておるわけでございますが、今日まで校区を分離をしていくという場合には、やはり既設の学校と新設の学校とで施設の格差が生じては校区分離がうまくいかない。それから毎年増築をしていくということについては、児童の安全という面ではよろしくない。また、そういう形の中で私たちが常に国の方に補助を求めてまいります、これが十分獲得できるという形の保証はないというようなことから、私たちは山城学校建設公社という建設公社をつくりまして、その中で今日まで処置をいたしてまいりましたが、ただ、昨年の十二月二十五日、大蔵省の銀行局長通達によりまして大口融資の規制というものが出されてまいりました。そうしますと、私たちは、京都府の場合はほとんどが京都銀行を使っておるわけでございますが、一銀行の資本金プラス積立金、これの二〇%を限度にするという形の措置がなされておりまして、いまようやく四十九年度末五十八億――この京都銀行の融資の限度が七十五億二千万ということでございまして、ところが、五十年度末になってまいりますと、私たちの現債高は八十二億の借財をしなければならないという事態に追い込まれるわけでございます。そうしますと、五十年度でどうしてもこれらの大口融資規制にひっかかりまして融資が受けられないという事態が出てまいるわけでございます。人口急増の市町の中で、義務教育施設をつくらないというわけにはまいりません。したがいまして、これらについての規制外の特別措置をぜひこの中にお認めいただきたい。いま九市町がこれらの問題で呻吟をいたしております。これらについての自治省の的確な指導、また大口規制を撤回される意思があるかどうか、大蔵省の見解も聞きたいと思っております。 以上でございます。
○神谷信之助君 人口急増地の悩みというのをいま宇治の市長が話をしましたが、これは共通をしている問題になっているわけです。 そこで、まず最初に建設大臣にお伺いしたいのですが、五十年度から住宅公団が立てかえ施工した関連公共施設については、自治体の償還条件を緩和するということにようやく踏み切るということで御提案なさっています。この点は私は一つの前進だと思うのですが、しかし、その中身を見ますと、たとえば百ヘクタールの造成あるいは三千戸以下の場合は、学校用地を含みます学校だけが対象となって、しかも据え置き期間も三年ないし五年というように短くなっているのですね。ところが、実際にこの小規模市町村の場合、これでは財政はなかなかもたないという問題が起こってくるんですが、この点について、対象の施設を学校のみならず保育所なり、あるいは幼稚園、道路、上下水道等にまで広げるという問題、あるいは据え置きの無利子期間――据え置きの期間ですね、これをさらに延長するという点について御検討する必要があると思うのですが、この点についての御見解を聞きたいと思うのです。
○国務大臣(仮谷忠男君) 地方財政負担をなるべく軽減するためと思いまして、住宅公団が、もちろん三大都市圏でありますけれども、これはかなり思い切った前進した施策だと思っております。確かに三百ヘクタール、また九千戸以上でないと全施設を対象にしておりません。おっしゃるように、対象が若干規模によって違ってくるわけでありますが、ただ、据え置き期間を無利子にするということ自体が、私ども相当の前進だと思っております。実は現行制度の償還条件は、これは五省協定でありますが、据え置き期間を含めて六・五%になっておりますものを、規模によりますけれども、十年、五年、三年と、据え置き期間を全部無利子という形にやったわけでありまして、これ自体、かなり大幅な前進だと思っておりますし、将来なおそういう方面で努力をしなければなりませんが、まず五十年度としては、私どもはかなり前進した新しい施策として実行することができることになると思いますから、今後は十分気をつけていきたいと思います。
○神谷信之助君 今後、これをさらに検討してもらって、改善をしてもらいたいというふうに思うのです。 次に、自治大臣及び大蔵大臣にお聞きをしたいと思います。 いま宇治の状況が述べられまして、百三十億の財政規模の中で、すでに百二億からの地方債を累積をしているという状況になってきています。その中で、特に義務教育施設の用地債については特別の対策をしなければ、この一、二年大変な財政困難に陥るのではないかというように思うのです。 そこで、いま宇治の市長の方からも話がありましたが、入ってくる住宅居住者は年の若い人たちが来るわけです。そして子供たちが生まれて、保育所や学校をつくっていく。それが生活力を高めていって、そして財政的にもそれが市の財政に貢献をする、こういう状況になるには一定年限が必要になってきます。ですから、そういった点も含めまして、今日、元利償還金の交付税算入率は現行三〇%でありますが、宇治の市長の要求としては、せめて最初の五年間ぐらいは八〇%ぐらいひとつ見てもらって、それ以後は五〇%ぐらいにする、そして地方財政への税収の影響も含めて、そういう措置を考えることが必要ではないかと私も思うのです。この点についての御見解を、自治大臣及び大蔵大臣からお伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 人口急増地域における財政対策につきましては、年々強化の方向で対策を進めてきております。本年度におきましても学校用地の採択率、これの引き上げを行う等の措置を行っておりますほか、交付税といたしましては、人口急増対策の補正の問題を年々引き上げるという努力をいたしております。土地につきましては、御承知のように、交付税では普通の団体については一切めんどうを見ないというたてまえで、財政計画の中でバランスをとっておることになっております。したがって、これ以上算入率を高めるということは他との均衡上からも私どもはむずかしいと思っております。なお、せっかくの御指摘でございますから、検討は続けさせていただきたいと思っております。
○国務大臣(大平正芳君) 小中学校の用地費につきましては、一般的に申して起債で措置することが適切と考えますが、児童生徒急増市町村につきましては、特にその財政対策といたしまして、四十六年度から五十年度までの臨時的措置として、予算の範囲内におきまして一部補助をすることをいたしております。五十一年度以降の取り扱いについてどうするかという問題につきましては、急増市町村の財政対策全般の問題の一環として、五十一年度の予算編成の時点で総合的に検討させていただき、関係省庁とも十分協議して決定したいと思います。
○神谷信之助君 五十一年度の予算編成では十分に改善をしていきたいという御答弁ですが、宇治の市長やその他の人口急増地域の市長の話を聞きますと、教育は義務教育なんだから、この用地獲得に大変苦労するので、何なら国が学校用地を買ってくれて貸してもらってもいいと、こういう意見さえ出てくるぐらい深刻な状態になっていますから、ひとつ十分に御検討をいただきたいと思うんです。 それからさらに私は、こういう交付税算入率の引き上げ、そのほかのいろんな考え方もありますが、同時に、先ほど建設大臣からお話がありましたように、住宅公団の立てかえ施工分の償還条件は無利子据え置き期間を十年にし三十年償還という、最長のやつはそうなっているわけですね。こういうような程度の人口急増特別事業債を学校用地に限って認めるべきだと思うのですが、これぐらいの用地対策というものをやらなければこの問題は解決をしないと思うんですが、この点についてのお考えを聞きたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 義務教育用地について、人口急増対策事業債というようなものでも認めて、恐らく御主張は、それを交付税の中に償還枠を入れろという御主張ではなかろうかと思うのでございますが、人口急増対策につきましては、先ほど来申し上げておりますように、昭和四十六年度以来各種施設の補助率の引き上げ、あるいは用地補助の問題、あるいは起債をできるだけ政府債に振りかえて安易に起債が受けられるようにするというような施策、さらに先ほど申し上げましたように、加えて交付税措置というものをあわせて検討をし、これまで前向きに進めてきております。もしこういう対策をとるとすれば、基本的に制度を変更しなければならないし、また、交付税制度とこの問題が果たして全国全般の問題としてなじむかどうかという基本的な問題がございます。現在の段階では、私どもはそういう事業債を発行するという考え方はございません。
○神谷信之助君 しかし、先ほど宇治の市長が人口急増地の財政問題を述べましたように、これは五十二年から五十三年になりますと大体ピークになってくるのですね。累積の地方債が重なってきますから。そしてその償還額は年々増大をします。しかし、その割りにはまだ税収が伸びないという状態が残ってきていますから、これは私は、いまから当然検討すべき問題だと思うんです。この点を一つ要望しておきたいと思います。 次に、文部大臣にお伺いしますが、学校用地の補助制度ですが、これが五十年度で期限が切れることになっていますが、それ以後についてはどういうお考えをお持ちですか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 学校用地の補助制度でございますが、先ほど大蔵大臣からも申されましたように、昭和四十六年から昭和五十年にかけまして臨時的措置があったわけです。当初二十億円のものが百九十四億円にまで拡充されておりますが、今後の問題、五十一年度以降の問題につきましては、もちろん、この児童生徒の急増地域市町村、この人口動態というものをよく見きわめる必要があるということが一つでございますし、それから、やはりそういう自治体における財政事情というものを十分検討して、そして五十一年度の概算要求までにこの臨時的な制度というものの続行をいかにすべきかということを検討していかなければならないと考えております。
○神谷信之助君 五十一年度に引き続いてこの補助制度を続けてやっていく方向だろうと思いますが、その場合、現在の補助制度ですと、足切りがあって、六五%の足切りになって、それの三分の一補助になるわけです。これはそれだけ分やっぱり自治体に対する負担、自己負担がかかってくるわけですね。これが累増しているわけです。ですから、この点については、それぞれの自治体の方も、足切りのこの措置はひとつ解消してもらって、せめて三分の一の補助を二分の一以上にしてもらいたいと。義務教育ということでやりながら、実際には急増のところで一遍にふえてくるわけですから、こういった点を十分に考えてもらいたいという要求が強いわけなんで、これにはひとつ文部大臣も十分に検討して、前向きで措置をしてもらいたいというふうに思います。 時間がありませんから次に進みますが、先ほど話が出ました銀行局長名による昨年の暮れの十二月二十五日付の大口融資の規制についての通達ですね。いまもお話がありました、いわゆる山城の学校建設公社のように、学校用地の取得にまで規制をするというのはきわめて重大だと思うんです。一昨年の暮れに、あの金融引き締めで選別融資の通達が出ました。そのときにも国会で大分問題になりましたが、それと同じようになっているんですが、この学校用地の取得についてまで規制をするのは重大な問題なので、これを規制対象から外すというお考えはないかどうか、この点について御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 地方の金融機関は、その地方における中小企業金融を初めといたしまして、地方金融の大事な機関でございまして、したがって、その資金はできるだけ広く活用していただかなければならぬと思っております。したがいまして、大口融資に傾注されるということは本来好ましくないことでございます。したがって、いま御指摘のような場合、大口規制から外すという考え方は持っておりません。ただ、金融機関、公社等におきましても工夫をされて、もっと広く協調融資の道をお考えいただくなり、もっと工夫をしていただきたいものと私どもとしては期待いたしております。
○神谷信之助君 大蔵大臣がおっしゃるように、宇治の山城学校建設公社でも協調融資をやっているんですよね。京都銀行を中心にして十一の金融機関で協調融資を今日までやってきています。しかし、そのために、これはどこへ行きましても、この間も埼玉の富士見市でも言ってましたが、もう助役から担当の職員というのは走り回らなければいかぬ。こういう状態で、なかなか進まないわけですよ、実際問題として。それで、それはどこに問題があるかというと、金融機関の側から言うと、一つは金利の問題がある。公共団体がやるんですから、公社がやるのですけれども、できるだけ金利は安くしないと困る。しかし一般民間では、金融引き締めですから、少々金利は高くても金を貸してもらいたいと、こうなります。もう一つは、この融資の期間が、民間ですと、まあ大体一年未満が圧倒的に多いわけですが、公社になりますとどうしても三年、四年という、そういう期間を必要とする。金融機関の側から言いますと、そういう公共団体や公社に融資をするというのはうまみがないということになってきます。こういった問題でなかなか融資を渋る、あるいは協調融資に任せてもなかなか現実には無理があるというのが実態であります。したがって、そういう点について、少なくとも学校用地あるいは保育所その他について、あの選別融資のときにも特別にそういう問題については措置をするということを、自治大臣も言明をされたし、また大蔵省もその方向で御協力をいただいたと思うんですが、この点についてひとつ自治大臣、あなたの方の直接の担当なんですから、そういったいまの大蔵大臣の答弁ではありますが、そういう義務教育の用地なんかの措置について特別に努力をするお気持ちはないのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田一君) いまの参考人のお話、またあなたのお考え等々もよく事情はわかりますので、人口急増地帯がどれくらい、どことどこにそういうような要請があるのか、それをやるとした場合にどういうような金額が必要になるのかというようなこともよく調査をいたしまして、そうして大蔵大臣ともお話をしてみたいと思っております。
○神谷信之助君 具体的に問題が提起されてくれば、自治大臣としては、ひとつ十分に自治体のいろんなそういう問題を前向きで解決をしていくということで努力をしてもらいたいと思うんです。次の問題に移っていきたいと思います。渡辺さん、あと予定があるそうですからどうぞ。 羽曳野の市長の津田参考人にお伺いいたします。あなたが市長に就任をされた当時、羽曳野市の財政が、いわゆる解放同盟朝田派の圧力に屈したことによって大変な状態になったというように思うんですが、その状況について述べていただきたいと思います。
○参考人(津田一朗君) 羽曳野市の津田です。 私が市長に就任したのは昭和四十八年の四月でありますが、当時の財政状態を説明いたしますと、昭和四十六年度の決算を見てみますると、一般会計の歳出の総予算が六十三億二千百四十一万二千円でありますが、そのうち同和事業費で二十億四千四百五十四万一千円、実に三二・三四%が同和事業に使われました。参考までに申し上げますと、同和地域の人口は三千九百五人で人口比は四・六四%であります。それから昭和四十七年度の決算を見ますと、六十億九千五万一千円のうち同和事業が十八億四千九百十三万五千円、約三〇・三六%が同和事業で、人口比は四・五五%であります。また起債の状況を御説明申し上げますと、起債の未償還の総額が、四十七年度の決算額よりもはるかに多い四十七年度で六十四億二千六百六十三万八千円ございます。うち同和債が二十六億六千九百五十三万八千円、起債総額のうち同和債の比率は四一・五三%であります。こうした状況の中で、同和債を含めて元利償還額は昭和四十八年度で六億六千六百七十八万九千円、昭和四十九年度は八億六千百三十八万五千円、五十年度の見込みでは九億二千四百七十八万二千円に達しておるわけであります。
○神谷信之助君 そこで自治大臣にお伺いしますが、いま羽曳野市の財政状況はお聞きのとおりの状況であるわけです。で、解同朝田派の連中の圧力に屈して、異常な同和債あるいは同和事業費、この膨張をしてきているわけですね。そしてそれが後、尾を引いてその元利償還が年々ふえてくると、こういう状況になってきています。これは単に羽曳野だけじゃなしに、大阪府下至るところでそういう状況が起こっていますし、さらに全国的に見ましても、最近それが目立ってきているわけです。国の四十八年度の同和対策事業費の総額は四百二十五億三千万円です。ところが同じ四十八年度の大阪府下の市町村の同和事業費を合計しますと、予算で五百七十三億三千三百万円、国の同和対策事業費を上回っています。決算になりますと、さらに上回って六百六十五億九千万円という、そういう実態になってきているんです。今日、地方財政の深刻な困難ということが大変問題になっているのですが、その一つの私は重要な要因ではないかと思うんですが、この点について大臣の見解を聞きたいと思うのです。
○国務大臣(福田一君) 御案内のように、国といたしましては、毎年同和対策の経費を増大してきておるのでありまして、何とかこの同対審の方針が実現をするようにという努力をいたしておることは御案内のとおりでございます。ただ、その場合におきまして、それぞれの地域において単独事業というようなものが相当増加をしてきておるということは、私も理解をいたしておりますが、しかし、これはやはりある程度ほかの事業とのバランスというものも考えて、自治体において、自治体の議会等においてもそういうような方向で問題を解決していただきたいと思うので、私はこれを頭からそういうことをしてはいかぬとか、いくとかというようなことを言いますと、そら自治に干渉したではないかというようなおしかりをまた受けることにもなるわけですが、これはやはりお互いにバランスを考えて、ひとつ十分にその面も考慮に入れて施策をやっていっていただきたい。われわれとしてはまだ今後も予算を伸ばすつもりでおるわけでありますから、その地域によってはまだおれらのところは不十分であるというような意味のことで、そういうことが実現してきておるのではないかと思いますけれども、そこはやはりバランスというものを考えて、処置をされることがわれわれとしては望ましいと考えております。
○神谷信之助君 いま大臣はバランスをひとつ考えてやってくれというお話ですが、そこで津田参考人にお伺いしますが、なぜ羽曳野でこういう同和事業費が大きな比重を占めるようになったのか、その経過について述べていただきたいと思うのです。
○参考人(津田一朗君) たとえば生徒数の多い高鷲中学校というのがあるのですが、この体育館の建設費は千六百四十六平米で、五千七百六十五万円かかったわけでありますが、生徒数の少ない同和指定校である羽曳野中学校の体育館は二千四百六十七平米、約二倍の大きさで、建設費は一億六千八百五十万と、約三倍の費用をかけております。
○神谷信之助君 それはなぜそうなったのかですね。
○参考人(津田一朗君) これは昭和四十四年の十二月のことでありますが、当時就任しました前の市長が八カ月目のことでございますが、解放同盟府連の幹部が十数人市役所に押しかけてまいりまして、市長を連れて行きまして、五時間にわたってかん詰めにしておどしたわけであります。そうして同和行政は今後部落解放同盟大阪府連の認める新しい支部、これを通じて行うという、いわゆる窓口一本化の内容を盛り込んだ契約書を書かされたわけであります。このように解同府連の不当な圧力に屈したため、その任期中はまことに乱脈不公正な行財政の運営を余儀なくされたわけであります。同和行政が市財政を圧迫する大きな要因の一つとなっておるわけであります。
○神谷信之助君 いまお聞きのように、暴力的な圧力によって、それに屈服をさせられて、異常な状態が財政の中にも大きな影響を及ぼすということになってきたわけです。 そこで、津田参考人に引き続いてお伺いしますが、津田さんが市長になられてから、住宅問題で公正に同和地区で住宅に困っている人たちにこれを使用してもらうという努力をなさってこられましたが、その点について述べていただきたいと思うんです。
○参考人(津田一朗君) 私が市長に就任しまして七カ月目に、昭和四十八年の十一月でございますが、同和向け公営住宅百戸が完成しました。そのとき部落解放同盟がやってまいりまして、代表が数十人やってまいりまして、入居の決定権は従来どおり解放同盟の支部長に一任せよ、このように要求をされました。私は、憲法、自治法また通達等関係法令に照らして、思想、信条、団体所属のいかんにかかわらず、同和地域の住民であれば住宅困窮度の高い人から順に選考して市が決定するのだ、このように答えましたところ、十一月の二十二日から昨年の三月末まで百二十日間、市役所に何百人もの解放同盟員を座り込みさせ、私をたびたび監禁、また暴行を加えたのであります。市の職員も何回も負傷をいたしまして、また議会中は傍聴席を占拠して、どなったり、恫喝をしたり、たびたびの暴挙を繰り広げたわけであります。昨年の一月の十四日のごときは、千人近い同盟員がいきなり押しかけて、私を十五時間にわたって監禁をいたしました。そのとき、警察に対してもたびたび要請したのでありますが、何ら警察はこれを見て見ぬふりをしておったわけであります。しかし、私は市民に約束したとおり、市民の支持のもとに公正に百戸の入居者を決定いたしまして、現在入居は完了しておるわけであります。これは当然のことでありますけれども、この当然のことがなかなかいままで行われなかったのであります。住宅は一例でございますが、このほか奨学奨励金、就職支度金、助産費補助、固定資産税、国民健康保険の減免、これらについては、いつも特定団体の意のもとに他の自治体では行われておるのであります。私はこれらをいま一つ一つ改善し、公正な民主的な行政にいま努力をしているところでございます。
○神谷信之助君 実際にお聞きのように、バランスある公正な行政をやるというのには、本当に勇気を持ち、毅然とした態度をとらなければならぬわけですね。そういう実態をこれは十分知っておいてもらいたいし、そして国家公安委員長ですから、いまおっしゃったように、警察に幾ら言っても見て見ぬふりしてそういう措置をしない、十五時間にわたって監禁をされている、そういう事態が起こっているんですから、この点もひとつ十分お聞きおきをいただきたいと思うんです。 そこで建設大臣に伺いますが、四十五年十一月十八日付の建設省の住宅局長通達、これはいまも生きておりますか。
○政府委員(山岡一男君) 昭和四十五年十一月十八日付通達は現在も生きております。
○神谷信之助君 それじゃ建設大臣、この通達では、「特定目的公営住、宅及び改良住宅の入居については、公営住宅法及び住宅地区改良法の規定に従い、合法かつ、厳正に、その事務を執行されたく、法に定める入居者の公募を行なわず、又は入居者を一部特定の団体に加入している者に限る等の違法な取扱いは絶対に行なうことのないよう厳に注意されたい。」とあるわけです。そこで、いま津田参考人が述べましたが、この措置はこの通達に照らして私は妥当だと思うのですが、大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(仮谷忠男君) 建設省としては、同和対策として行う住宅の管理については、おっしゃるとおりに、地方公共団体が公営住宅法及び住宅地区改良法の規定に従うとともに、同和対策事業特別措置法及び同審議会の趣旨に沿って地域の実情に応じ、実態に即応した適切な判断のもとに公正に行わるべきであるという考え方で指導をいたしておるのでありまして、そういう考え方で同和行政を行うとすれば、それは適当である、適切である、かように存じております。
○神谷信之助君 いまの参考人の報告に述べたでしょう。それについては、それは妥当ですか。
○国務大臣(仮谷忠男君) 参考人の意見を十分にちょっといま聞いておりませんでしたけれども、これはいまの趣旨にのっとって言っておるとすれば、これは適当だと思います。
○神谷信之助君 聞いてないと。そんなばかなことがあるか、あなた。
○国務大臣(仮谷忠男君) 少し聞き漏らした点もございます。
○神谷信之助君 聞いてもらうために来ているんですよ。それを、聞いてなかったので言えないというばかな答弁はありますか。納得できません。いいですか、言ってくださいよ。特定団体だけに利用させるようなことは違法だと通達に書いてあるんでしょう。そういうことをしなかった。市長はそういう状態でだって、解放同盟に入居の決定権を及ぼせと言ってきたけれども、それを断って、そうして座り込みをされたり、暴力を与えられても、私はそういう特定の団体だけの利用に任すということをやめて、そうして同和地区の住宅に困っている人の困窮度の高い人からちゃんと入居をさせるということを厳正にやりましたと、こう言っているんですよ。これは通牒に照らしてどうなんだ、妥当だと私は思うが、どうかと言っているんです。
○国務大臣(仮谷忠男君) 大変失礼しました。通牒に照らして、ただいま参考人が言ったことが事実とすれば適当であります。
○国務大臣(福田一君) この際、ちょっと話が前に戻りますが、一言だけ申し上げておきますが、国家公安委員長として警察がこの羽曳野の問題で何らやってくれなかったというお話、私の了解しているところでは、非常に激高いたしまして、両者が入居をする場合にですね……
○神谷信之助君 入居の問題じゃない。
○国務大臣(福田一君) いや、入居のときにです。
○神谷信之助君 市長がさっきかん詰めになったという問題です。
○理事(岩動道行君) 委員長の指名を受けて発言してください。
○神谷信之助君 委員長、ちょっとあなたおかしいですよ。時間を限られているのを、勝手なことをしゃべられたら予定どおり進まぬじゃないですか。
○国務大臣(福田一君) いや、先ほどの質問にお答えをしておるんです。
○神谷信之助君 質問してないです。
○国務大臣(福田一君) 質問をして、先ほどそういう話があったから、それについて発言をするのは、これはまた当然の権利である。言いっ放しではこれは議会になりません。やはりこれに対しては答えるのもまたわれわれの義務である。 でありますから、私は国家公安委員長としては、そういう問題があったときには警察も協力をしたという事例を覚えておりますから、その点はひとつ誤解のないようにしていただきたい。警察としては暴力行為が行われるような場合には断じてこれを阻止しろという私は方針をとっておるんであって、それは断じて行っておるはずでありますから、誤解のないように。
○神谷信之助君 入居をするときには、最後になって警官は出てきました。先ほど津田市長が言ったのはその前です。三カ月、百二十日間にわたって座り込みをされておるその時期に、十五時間にわたるかん詰め事件があったんだ。このときには幾ら警察に通知をしても出てこなかった。これは八鹿の事件でもはっきりしておるでしょう。 それから建設大臣にお伺いしますが、羽曳野の隣の富田林市で実はこういう問題が起こっています。解放同盟の富田林支部がニュースを出しています。その十二月四日付のニュースにこういうやつがあるんです。同和住宅の受け付けをやるというんですね、そうして申し込みの対象者は「富田林市内に居住する支部員」に限る、申し込み場所は解同事務局、申し込み受け付けは十二月七日と、こういうニュースが十二月四日付で出ました。そこで、その同和地区の住宅困窮者はこれを見て、自分も申し込みをしたいと、こう考えた。そこで市役所へ行ったところが、市役所では申し込みの用紙もないと、こう言う。そして、うちではないと言うんですね、受け付けはしてない。そこで、どうしもやっぱり困窮していますから、十九戸の空き室ができている、それの募集がそういう形でやられているということになりました。そこで同じ様式を自分でつくって、みずから市の方に十二月十四日に申請をいたしました。そうしたら市役所の方からは受理できませんと言って、十六日に市の建築課の方から送り返されてきました。そこで申し込んだ人は、それでは公募されたことにならぬではないかと、先ほどの建設省の通達にあるように公募しなきゃならぬことになっています。公募しなかったら、それは違法だというように通達では書いてある。だから、公募されてないじゃないか、私の申請が受理されないのはどういう理由かはっきりしてもらいたいと言って、また十二月二十一日付で手紙を市役所に送った。そうしたら十二月二十四日に同じようにただ一言、受理できませんと書いて市の建築課から返送されてきたわけです。これは先ほどの建設省の住宅局長通達に照らして、住宅局の通達に照らして、いわゆるそこに言われている違法なことではないかと思うんですが、この点いかがですか。
○国務大臣(仮谷忠男君) 御指摘の富田林市の例は、今年一月に入居された富田林地区の十六戸の改良住宅のことであるというふうに私どもは理解をいたしております。改良住宅は住宅地区改良法に基づいて建設されるものでありまして、地区内の除去される不良住宅の住民は必ず入居ができることになっております。したがいまして、入居の順序とか時期には若干ずれがあるにいたしましても、いかなる理由があるにせよ、事業の最終までには入居が認められないということは、住宅地区改良法上あり得ないと私どもは考えておるのでありまして、もしそういうものがあるとすれば違法だと言わなければなりません。
○神谷信之助君 これは実物の写しです。そして「同和公営・改良住宅」の「住宅入居希望者受付」ということでやっているんですね。「申込場所」は「解同事務局(解放会館内)」となっている。「申込対象者」は「富田林市内に居住する支部員」になっている。支部員でなければだめだと、こうなっています。そして事実困窮をしている人は支部員でないのですから、市役所に申請の用紙をもらいに行ったところが、市役所には置いてないと言うんです。そうすると、これはおっしゃるように通達に言うところの公募をしなきゃならぬわけでしょう。改良住宅ですから、その地区の者は公募しなきゃならぬという問題があるんでしょう。しかも、特定の団体だけにその利用を限るのは違法だということになっているんでしょう、あの通達は。この二つが違法な行為の内容としてあの通達の中に書かれてますね。そういう問題ですよ。だからそれで申請をしたら、ここにあります、「本件は受理できませんので返送致します。」、それだけです。十二月十六日付の「富田林市役所建設産業部建築課」と。ですから、いまそういうことであるならばこれは違法だというように大臣おっしゃいました。ひとつこれを調査をして、そして、この予算委員会中にその事実について報告をしてもらいたい。二日の日に同僚議員が締めくくりの質問でお尋ねしますから、それまでにひとつ事実に基づいてこの入居方法がどうであったのか、御調査をして報告をしていただきたいと思いますが、その点はお約束してもらえますか。
○政府委員(山岡一男君) 先ほど大臣からお答え申しましたけれども、富田林の今回募集をされました十六戸につきましては改良住宅でございます。ちょうど先生がおっしゃいました富田林の市役所の方へ申し出られた方七名あったそうでございますが、いずれも改良事業地区外の居住者の方でございます。もちろん同和の方でございましても、公営住宅でございますとそういうふうな公募にどうしてもよらなきゃいけませんが、先ほど大臣申し上げましたように、住宅地区改良事業では、何のたれべえさんがこの家に入るというところまで決めてやる事業でございます。したがいまして、その旨を窓口で十分に説明したという報告をいただいておるわけでございます。
○神谷信之助君 そうすると、通達に言う住宅地区改良法の規定に基づく改良住宅というのは別になるわけですか。
○政府委員(山岡一男君) 改良住宅につきましても、その地区の戸数を、たとえば二十軒の方がありまして三十軒つくったという場合には、オーバーした十軒は募集をすることがございます。そういう場合は公募ということで措置しているわけでございます。
○神谷信之助君 そうすると、公募をしなくて解放同盟の支部に委任をしてもそれはいいというわけですか。
○政府委員(山岡一男君) 今回の場合は、その改良住宅地区の中の除却をいたしました方々を入れるという戸数でございまして、この除却をされた方が直接に入られるということになったわけでございます。
○神谷信之助君 それは市役所がやるべきでしょう。ところが、実際には市役所にはそういう問題が扱われてなくて、そして解放同盟の富田林支部、この朝田派の組織に委任をして進められるという状況が起こっておる。しかも、その住宅に入りますと、住居入居者の規約というのがあります。それによると、入居者はすべて住宅組合に入らなきゃならぬ、そしてその住宅組合は解同支部の指導を仰がなきゃならぬ、そして入居着は、解放運動に対する学習と活動、その他必要と認められた事項、こういうことで、この解同朝田派の理論、思想、これに従い、またその行動、動員に従わなければならぬ、それが義務づけられる。そして入ったときには、したがって、念書を出す、入居者と、解同富田林支部と、住宅組合三者で捺印するという念書を出して、それに従わなかったら追い出されてもしようがないと、そういうことになっている。そうすると、これはどういうことになるのですか。解放運動をやることを望む、部落解放運動を進めていく自覚を高めていく、そういう目的を進めるためには、そこへ入るためには支部へ入らなければならないし、そしてその住宅組合に入って、その解同朝田派の言うとおりやらなければならぬということを強制することを、そのまま認めているということになりますが、そこまで含めてあなた方は御調査をなさっているのかどうか。これらについてひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 先ほど来申し上げましたとおり、住宅地区改良事業につきましては、地区を決定いたしまして、その中に入っておる人は全部入れるというシステムでございます。たまたま現在の富田林の計画では、そこの地区におります戸数しかいま現在計画しておりませんので、恐らく全員が入るということになるわけでございます。ただ、先生おっしゃいました入居した後のそういうふうなことにつきまして詳しく調査しておるわけではございません。現在第一義の監督は大阪府を通じてやっておりますので、調査してみたいと思います。
○神谷信之助君 ひとつその点を明らかにはっきりしてもらいたいと思います。 そこで、文部大臣にこれは緊急のことで一つお伺いしておきたいのですが、御承知のように昨年来、例の八鹿高校の問題で、国会で幾たびか論議をしてまいりました。四月一日を前にして御承知のように異動の問題が学校では起こるのです。ところが、検察庁で送検をされました校長、教頭なんかの配転とともに、今度は八鹿高校で、ああいう暴力にも負けないで同和教育に努力をする、その中で犠牲を受けた教職員の先生方、これも配転をして、県の教育委員会は相殺をしようというような動きがあるわけです。私はこれはきわめて重大だと思うんですね。校長や教頭の方は、警察が取り調べをして検察庁に送ったという容疑者であります。そして片一方の先生方は、ああいう中で暴力に負けないでがんばってきた、いわば犠牲者、だから、そういうものが同列に扱われて両方飛ばしてしまう。これは教育上から言っても大変重大な問題だと思うんですが、もちろんこの人事権は県の教育委員会にありますから、直接文部省がどうのこうのと言うわけにはなかなかむずかしい問題もあろうかと思うけれども、しかし、教育の問題としてはこれはきわめて重大な問題だ。この点について文部大臣の御見解を一音聞きたいと思うんです。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの人事の問題につきましては、先生もおっしゃいましたように、やはりこの県の教育委員会の判断と責任において行われるものと考えております。そういう立場を私たちはとっております。
○神谷信之助君 ですから、そのことは私も知っています。申し上げましたとおりです。しかし、この問題は国会でもたびたび論議をされた問題で、しかもきわめて重大な問題だと私は思うんです。ですから、いま現地では、八鹿高校の育友会が、そういう先生方を、暴力に加担をしたような、そして検察庁に送られたような校長や教頭の配置転換と相殺のためにほうり出してしまうというようなひどいことはやめてもらいたいということで署名を集めています。千三百人の会員のうち千百三十名の会員が、もうすでにそういうことはやめてもらいたい、こう言っています。そしてあの事件の最中、八鹿高校を正常な状態に戻すためにがんばっておった、あの生徒の中の特に中心の三年生の諸君というのは卒業しちゃったころですよ。ああいう先生方を守って暴力に反対して、そして卒業していった子供たち、その先生方がそういうひどい暴力を許した校長や教頭と相殺をされて、けんか両成敗という形でよそにほっぽり出されてしまうということは、私はこれは単に人事権やどうのこうのということだけじゃなしに、教育の理念を達成する上でもきわめて重大な問題であると思うので、これは十分ひとつ文部省の大臣の方でもそういう点は調べていただき、万遺憾なきように適正な指導をやっていただくことをお願いをして、私の質問を終わります。 〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕
○委員長(大谷藤之助君) 柄谷道一君。
○柄谷道一君 自治大臣にお伺いいたします。 地方財政の圧迫要因としての地方公務員の給与問題についてでございますが、大臣は、どこからともなく風のごとく広がった、きょうそのような答弁をされましたわけですが、私は現在争点の一つとなっておりますこの問題について、まず大臣にお伺いしたいことは、中央官庁というのは企画官庁であります、地方のそれはいわゆる実施機関でございます。質的に違う面を持っていると思います。と同時に、地方公共団体の活動には警察、消防、清掃、教育、福祉施設等、人の活動自体が住民のサービスというものを構成する側面が多いと思います。大臣はこのような中央と地方との質の相違というものについてそのように御理解なさっておりますか。
○国務大臣(福田一君) 私はこの人件費の問題を申し上げておるときには、地方自治体の行政職と、そして国家公務員との関係で申し上げておりますけれども、しかし、行政職のやはり給料が高い場合には大体同じようなベースでほかのものも大体ついて来ておるんでありまして、確かにお説のとおり、内容は国家公務員の場合と地方公務員の場合とは、仕事の内容も違っておるし、担当しておる内容も違っておりますけれども、しかし、給与という問題になってまいりますというと、やはり行政職に準じて国家公務員よりは高くなっているというのがわれわれの認識でございます。
○柄谷道一君 地方の給与費というのは確かに高いところもございます。しかし、一面また低いところも現存することは指数の示すとおりであります。そこで人件費を仮に削減し、給与費を低くいたしましても、財政硬直化が解消されるとは考えられない面があるわけです。たとえば、給与水準は低くても当該団体の人件費の占める比率というのは高いという地域も存在するわけでございます。これに対する大臣の所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田一君) われわれは、大体いま申し上げたようなわれわれの見方で考えてみますというと、あなたのおっしゃったように低いところもありますが、低いところがあればあるほど高いところは相当高いのでありまして、低いところが九〇%前後、ところが片一方は一四〇より一四五くらいまであるわけでありますが、こういう内容になっておりますから、これを是正をしていくという場合においては、やはりそういう国家公務員の水準というものを基準にして考えていかにゃいかぬというのがわれわれの考え方でございます。
○柄谷道一君 私、指摘したいのは、人件費の地方団体における高さと、そうしてその団体における人件費の占める比率というのは必ずしもスライドしていないわけです。人件費が低くても構成比率の高い地方団体もある。逆に比較的高くても、人件費構成というのが比較的低いというところもある。したがって、そういう問題をメスを入れなければ、一概に水準そのものを議論するということになると、やはり本質を見失った片手落ちの議論というものになる危険があるのではないかということを指摘したいのであります。 そこであわせて、時間が短いわけですから、このことと関連して御質問申し上げますけれども、地方自治体のうち都道府県と政令指定都市では、公務員の労働基本権、特に団体交渉締結権というものが制限されていることに対する代償措置として、国の人事院に準ずる機能を持つ人事委員会の設置が義務づけられております。その人事委員会では、地域の民間賃金、生計費、これを調査し、絶えず給与制度についての研究を行い、その結果に基づいて毎年職員の給与に関する報告と勧告を行うことになっているわけであります。そこでこの人事委員会の勧告に基づき条例で定められた給与制度というものについて政府がその適否を論ずるということになりますと、この法律で定められた人事委員会の存在理由を否定することにつながってはいかないか、人事委員会の勧告というものは、今日まで不適切であったという御認識をお持ちであるかお伺いいたします。
○国務大臣(福田一君) 人件費の占める割合が、ところによって少ない場合もあれば、大きい場合もある。私はそういう面で申し上げておるんではありません。多い少ないの面でこの人件費の問題を言っているんじゃない。そういうことでは比率の問題ですね、人件費自体が国家公務員と比べてみて高いような場合には、これは順次是正をしてもらいたいということを言っておるわけであります。 次に、人事院の問題でございますが、確かに人事院というものがございまして、そういうことをやっておるわけでありますけれども、しかし、いままで私の大体見ておるところで、東京における人事院が決めますと、地方の人事委員会もそれにならって、もう何も地方の事情というものを考慮しないで決めておる例が多うございます。これは多い。それはもうわれわれ調査したところで、大体それに準じてやっているというところが多いんで、そういうやり方では、人事委員会を地方に置いた意味がないんでありますから、やはり地方の実情というものを考えて、そうして給料を定めるような本来の仕事をしていただきたいものであると、私はそういうふうに考えております。
○柄谷道一君 いま、賃金の水準を問題にするというよりも、むしろ比率を問題にしているんだという御答弁ですが、そうですか。
○国務大臣(福田一君) 比率を問題にしているわけじゃない。人件費と事業費との比率は問題にしているわけではございません。その地域の人件費と国家公務員との人件費との比較をしておると、こういうことでございます。
○柄谷道一君 私は、そういう議論をすれば時間に切りはないんですけれども、水準と比率という問題をあわせ考えますと、やはり地方財政の根源にメスを入れていかないと、単に水準の高い低いだけで議論し、解決できる問題ではないと思います。しかし、これは一応意見にとどめておきます。 そこで、私は自治権の尊重、給与の条例主義というものは曲げるべきではないと、こう思います。そこで自治省そのものの指導というものが、一応問題になるんですけれども、毎年、自治省では国家公務員の給与制度の改正が行われますと、その都度知事及び都道府県人事委員会の委員長に対して地方公務員制度の改正に関する通達を流しておられます。私はその通達内容をここへ持ってきておりますけれども、その通達によりますと、一律的な昇給期間の短縮、不適切な初任給の決定、標準職務に適合しない等級への格付け、期末手当、勤勉手当のプラスアルファの支給、不適切な給与表の作成、標準職務の乱設等についてはこれを慎むべきである、こういう通牒を流しておられます。しかし、現実には三短、六短、まあ一部には十二短なり二十四短というところもあると聞いております。そのように、さらにプラスアルファ、渡り等は広範囲に現在行われているとも報ぜられているわけであります。この種の問題は、いま起こった問題ではないんですね。古い問題なんです。新しい問題のようですが、古い問題なんです。これに対して、自治省は確かに通牒は出されておりますけれども、今日突如としてこの問題に対していま強調されるというよりも、むしろ昭和四十八年にも出しています。四十九年にも出しておられます。そういう自治省のこの種の問題に対する指導というものについて適切を欠く面があったのではないかと、こう考えるわけでございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(福田一君) 先ほど比率の問題を仰せられましたが、ちょっと申し上げておきますけれども、それは市町村によって公共事業をよけいやっているところもあれば、必要がなくなったところもありますから、人件費との比率というものはその所々によって違ってくると思います。 それからただいまの問題でございますが、国家公務員の関係と地方公務員との関係において、われわれが常に指令を出してきて、指令というか通達を出してきておることは事実であります。しかし、それが問題なんです。実はいままではある程度高度成長時代でございました。高度成長時代であるから、収入が相当あるならば、まあそういうふうにしなさいよとは言っても、それで収入がふえてくるのならまあまあという、ある意味で親心と言っては失礼に当たるかもしれませんが、甘く考えて、そういうような通達を出すにとどめましたが、これからはもう低成長時代に入るのですから、そのときに、しかも福祉関係の要望とか環境関係のあれとかいうのは非常にふえてくるのですから、そこに環境の変化があったという意味において、特にこれを重視して強くこういうものを考えてもらいたいということを言わざるを得なかったわけでございます。
○柄谷道一君 私は三短、六短、渡り、プラスアルファ、こういうものがやはり広範囲にわたっているということは、給与体系にも一つの問題があるんではないかと思うのです。私は、たしか三月十八日の社労委員会だと記憶をいたしますが、厚生大臣に、福祉専門職、さらには清掃というような人の余りやりたがらない仕事、警察というような非常に危険を伴う仕事、地方公務員にもいろいろそういうものがあるわけです。ところが現行の給与体系というものは、いろいろ体系はありますけれども、一言で言えば余りにも年功序列型の色彩というのが強いわけです。そういう専門職なり特殊な職種、技能に対する配慮というものが行われていないのではないか、こういう点を指摘いたしましたところ、厚生大臣は、現行体系は一つのナンセンスでもあるというような御答弁をいただいたような記憶がございます。まだ速記録が手に入っておりませんけれども、私は、国務大臣の一人が現行給与の矛盾というものについてやはり感じておられることはこれは事実である。そういう問題を解決していないからそこらを上げなければならない。一つだけの職種を上げれば全体を上げなければならない。その苦心の策が昇短なり渡りというものに対して波及しているのではないか、こういうふうに思うわけです。給与体系の洗い直しについて今後行われる予定があるのか、そのおつもりがあるのか、結論だけをお伺いします。
○国務大臣(福田一君) ただいまお話がありました清掃とか特殊の仕事につきましては、給料とは別に手当を出しております、皆どこでも。そうしてバランスをとっているわけでございまして、それがみんな給料だけで清掃の仕事をやっておる、こういうわけではございません。したがいまして、給料は給料として、やはり渡りとかそういうものはやめるようにしてもらいたい、そして一つの体系をつくって、りっぱな一つの体系に基づいて給与の問題を処理するようにしてもらいたいと、こう思っております。
○柄谷道一君 時間の関係でこれ以上の追及は避けますけれども、民間においてはすでに職務給なり職能給という発想が相当とられているわけです。旧態依然たる現在の国家及び地方公務員の給与体系というものが、現在の体系を維持することが果たして妥当なのかどうか、これは大いに検討を要する問題であると思いますので、大臣ひとつこの点については今後とも検討願いたい。御答弁は結構でございます。 そこで、次に定員管理の問題に触れたいと思うわけです。四十四年四月一日から四十九年四月一日、五年間に地方公務員は四十二万九百三十六人増員したと発表されておりますけれども、教育関係、警察関係、消防関係というような特別行政部門、さらに病院、水道等の公営企業、一般行政職中の福祉関係者、こういうものを除きますと、内部管理、税務、産業経済、土木建設等は八万一千三百五十二名の増員である。これは自治省の統計でございます。私は定員という問題についていたずらにその人数がふえたかどうかということは、こういう内容を精査した上で分析しなければならないと思うんですが、しかし民間と比較いたしまして、定員管理の立ちおくれという点はこれは指摘せざるを得ないわけであります。この点について自治省は最近、「地方自治」というような雑誌とかに各担当官が意見を発表したり、いろいろな動きが見られておりますけれども、組織の合理化、事務の見直し、事務処理方法の簡素化、事務の共同処理、こういった問題について、やはり定員管理の問題についてもっとメスを入れるべきではないか、これに対する大臣の所見を伺います。
○国務大臣(福田一君) ただいまお話がありましたとおり、定員が増をいたしておりますのは、警官とか教員とかというのが主流を占めておるのでありまして、それほど一般のあれがふえておるということにはならないと思いますが、ただいま御指摘いただきましたように、いわゆる管理の問題、その問題はひとつ今後お説のように十分に考えなければならない問題であると、かように考えております。
○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、国庫負担金というものは、地財法第十八条によりまして「地方公共団体が当該国の支出金に係る事務を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」、こううたわれております。事実、義務教育職員給与だとか、生活保護費、精神衛生費、道路、河川、港湾に係る公共事業等に対する国庫負担金のあり方は、おおむねこの原則が貫かれているわけであります。しかし、いま申し上げました以外の保健所、農業改良普及費、国保事務費等に対しましては、その名称は補助金または交付金という形で呼ばれまして、実支出額というものが基準になっておりません。この点について地財法第十八条の趣旨からして、これはちょっとおかしいんではないか、こういうふうに思うわけでございますが、これに対していかがでございます。 なおあわせて、全国知事会では、こうした問題によって起こる超過負担の解消を図るために、年度途中においても物価上昇に応じて自動的に単価改正が行われる、いわゆる自動スライド制というものについてこれを確立する必要があるという提言をしておりますけれども、政府の所見はいかがでございますか。
○政府委員(竹内道雄君) 超過負担の問題については、御承知のように四十九年度の補正から大幅な改善をやっておるということでございまして、今後もそういう超過負担が発生しないようにやっていくつもりでございますので、スライド制というようなことは、特に必要ではないというふうに思っております。
○柄谷道一君 私は時間の関係で深く触れられないのですけれども、単価差、数量差、対象差、これは知事会は詳細にわたって要望を出しております。国はこれを調査し、査定して改定を行う。私はこういったすれ違い行政では問題の本質解決というものにはならぬと思います。三木総理大臣も対話の時代だと、こう言っておられるわけです。私は国と地方自治団体というものが、やはりこの超過負担問題を解消するために合同の委員会を持って、この問題について真剣な意見交換を行い、その合意を求める、そういうことが今後の政治にとってはきわめて必要ではないか、こう思うわけでございますが、これに対して大蔵大臣いかがでありますか。
○国務大臣(大平正芳君) 行政はやはり責任を確立して遂行してまいらなければならぬわけでございまして、大ぜいの関係者が集まりまして協議して決めるという姿は、一見デモクラチックなように見えまして実は余り感心しない方式ではないかと思うのでございまして、私はせっかくの御提案でございますけれども、余り賛成ではございません。
○国務大臣(福田一君) ただいま、知事会を初めとして六団体で超過負担に関する委員会をつくって研究をしております。これにはわれわれ自治省としては出てまいりまして、よくそういう各団体の意見を聞いて、もっともであると思う場合には、大蔵省に対してひとつ予算の折衝に当たって努力をしてまいりたい。大蔵大臣の言ったのは、そういう予算を編成するのにみんなで相談してやるというのでは、いつまでたっても決まらないとか、あるいはまた非常な問題が起きるからという御発言であったと思うのでありまして、超過負担解消についての自治省を通じての政府の努力というものは、決して怠る意思はないと了解をいたしております。
○柄谷道一君 私も予算編成を地方団体と協議しろというようなことを言っているわけではないのであって、問題はこの超過負担を解消するために地方自治体と国との本当に忌憚のない意見交換と、そして合意の成立ということが必要ではないかということを指摘しておるわけでございますから、その点、自治大臣の御発言をもっと充実をして推進をしていただきたい。 そこで次に、厚生大臣にお伺いするのですけれども、摂津市における保育所問題、これを質問する予定でございましたけれども、すでに質問がありましたので、重複することは避けたいと思います。 ただ、私はここに時間の関係で発表できませんけれども、浦和市、相模原市など保育所を建てた場合の単価と超過負担の実績に対する資料を持っております。それに対する問題は一応横に置くとしても、本年度予算、福祉予算だといっておられます。しかし、国の福祉予算を増加すれば、これに対応する受け皿というものは当然配慮しなければ片手落ちになるわけです。通産大臣にもお伺いいたしますけれども、たとえば繊維産業の構造改善、まことにこれは推進しなければならない国家的事業でございますけれども、都道府県の負担が七十分の十ございます。こういった問題を、さらにこれは福田副総理に御指摘申し上げたいわけでございますが、第二次不況対策として公共事業の繰り上げ実施ということを言われた。しかし、これに対する今度は地方の負担もあるわけです。地方では財源がないために返上しようかという動きも出てきておるわけであります。こうして考えてみますと、やはり地方財源というもののあり方について根本的なメスを入れ、この改革を行わなければ、中央企画官庁がどのようなことを企画しても、これがスムーズに実践されないという結果になってあらわれてくるのではないかというふうに思うわけであります。時間が余りありませんので、これに対する簡単な答弁で結構でございますから、所信のほどをお伺いをいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) いま財政から言いますと、地方も苦しいし、国の方もこれは非常に苦しいのです。大蔵大臣は顔にはあらわしませんけれども、さあ四十九年度収支はうまくいくのだろうか、五十年度はせっかく予算はできたが歳入欠陥になるのかならないのか、その辺をずいぶん心配しているのだろうと、こういうふうに思います。そういう状態が地方にも出てきておる。 それは一体なぜかと、こう言いますと、これは世の中が一変してきたから、いままではどんどんどんどん高度成長、進め進めで中央も地方もやってきた。それが一転いたしまして、四十九年度にはこれはマイナス成長だ、五十年度は四・三%成長だ、そういうのですから、それに順応する、これは容易なことじゃない。私は中央も地方もこの際、いままでの行政、財政、そのあり方について本当に出直し的な感覚を持ちまして考え直さなければこの難局には対処できない、こういうふうに思うのです。まあ中央、地方のこのやりとりの問題もあります。これはちゃんと法に従って詰めなければなりませんけれども、同時に両方とも苦しいのだということも意識し、その苦しさは何から出てきたんだということも深く考えて対処しないと対処し切れないのじゃないか、そんなふうに考えます。
○柄谷道一君 通産大臣、地方財政硬直化ということが要因になって産業の構造改善事業というものが阻害されるということに対しては、十分な対策をお打ち願えるとお約束願えますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどの御質問は繊維の問題についてのお話だと思いますが、繊維の構造改善事業につきましては、もうすでに御案内のように中央の負担を非常に重くいたしまして、普通の構造改善事業等と違いまして、もちろん地方負担もございますけれども、極力少なくしておる。そういうことを十分考慮をして進めております。
○柄谷道一君 考慮して構造改善事業が組み立てられておることは評価します。しかし、私が見聞するところによりますと、地域においてはその考慮した構造改善事業そのものが、やはりいま極度の地方財政の硬直化によって、府県がこれに対して負担を負うことはなかなか困難だというような様相がこれからあらわれてくるのではないか。そういうことを危惧する繊維の中小企業者が相当多くあるわけであります。その点につきましては今後とも、今後あらわれてくる実態に応じてきめの細かな対処方針というものを確立されるように要望したい。 時間がございませんので、最後に一つだけ申し上げます。 福田副総理、三木総理大臣は施政方針演説の中で、「自主的で責任のある地方行政が実施されるよう国と地方との関係を初め、地方財政のあり方を全面的に見直しをする必要がある」と述べられているところであります。私は現在の、確かに国も苦しい、地方も苦しい、しかしこの双方に苦しい問題を従来の延長線の上に立って解決していこうということでは、これは解決できるものではないと思うのです。見直しというものは、そこに発想の転換が必要だということです。発想の転換というものを行うためには、国と地方との合意をいかにして得るかということが必要でございます。保守だ革新だ、お互いに攻撃とイデオロギー的反発を繰り返すようでは、この重大問題は解決できる問題ではないと思うのです。対話を基調としております三木内閣は、私は、行政需要に対応する税財源の再配分の問題、超過負担の解消の問題、その他基本的諸問題について勇断を持った一つの改革を行うという行政姿勢をまず政府がとることが必要ではないか、こう思うわけであります。これに対する副総理としての所信を伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほどもお答え申し上げましたが、これはもう発想の転換なしには中央・地方、財政・行政の問題は解決できないです。これはもうお話のとおり、本当に世の中が変わってきたんだから、その変わり方の意義をよく中央も地方も認識いたしまして、その上に立って諸改革を断行する。それが私は中央・地方問題のかなめである、そういうふうに思います。
○柄谷道一君 要望いたしておきます。
○委員長(大谷藤之助君) 市川房枝君。
○市川房枝君 私の持ち時間は往復で十三分でございますので、伺いたいことを最初に一度に申し上げます。 私は公営ギャンブルには反対の立場をとっておりますが、きょうは、ギャンブルの収入が自治体の基準財政の収入に加えられていないために、公務員の給与を初め、行政の内容にはなはだしいアンバランスを生じている点を中心に、自治大臣に四点伺いたいと思います。 実は私は、四十四年、四十五年、四十六年のころにこの問題を取り上げ、予算委員会あるいは地方行政委員会で当時の自治大臣に質問しましたが、自治省からも一般社会からもほとんど問題にされませんでした。ところが、去る三月十五日の当委員会の公聴会で、法政大学の伊東光晴氏がこの問題を取り上げられたのを知り、はなはだ意を強うしている次第でございます。 伊東氏はこの日、こういうふうに言っておられます。「世上言われていない最大の問題は、地方によって著しい収入のアンバランスが現に生じているところであります。その著しいアンバランスは、ギャンブルに基づくところの歳入が特定都市を潤しているのでありまして、その特定都市の中には給与費を超えるギャンブル収入を持っているところがあり、これが基準財政収入の中に計上されていないために、ここが給与を著しく引き上げる、そしてその周辺都市はそれに引きずられ」て引き上げる。「これが一つの大きな問題になっている。しかも、それが潜在してはいますけれども、世上言われていない、新聞そのほかにおいては出ていないというのは、私にとっては不思議であります。」と、こう言っておられます。 そこで私は第一番に、自治大臣に対して、ギャンブルの収入がある自治体の給与、その他の施策が豊かであり、ギャンブルをしていない自治体との間にアンバランスがある、その比較表を自治省及び東京都で資料をもらってここに持っておりますが、この事実を自治大臣はお認めになりますかどうか。これは重大な問題だと思いますが、一体これでいいのかどうか、どうしたらいいとお考えになっておりますか、これが第一の質問であります。 第二には、伊東光晴さんも私も、これが世上で、新聞でも余り取り上げられていないのを不思議に、残念に思っておりますが、その理由はどこにあるのであろうか。大臣のお考えを伺いたい。 第三には、基準財政の収入にギャンブルの収入を加え、その上で交付金の算定をすれば、公平になり、ギャンブル収入のない自治体の不平もこれで解消するのに、なぜそれをしないのですか。これは前にも私はそのことを伺ったんですけれども、それをまた伺いたい。 第四番目には、ギャンブルをやっている自治体は、現在地方財政法により、売り上げの〇・五%でしたか、これを公営企業金融公庫の基金として納付することになっておりますが、これは十年間の時限立法でありまして、もうすでに五年経過をしております。その期限が来ましたときに、そのときまでにこのギャンブルの収入によるアンバランスの是正を一体おやりになる意思があるかどうか、それを伺いたいと思います。 あと、私の持ち時間の中で御答弁を願いたいと思います。もし余りましたら、また質問を申し上げたいと思っております。
○国務大臣(福田一君) まず財政局長からお答えをさせていただきます。
○政府委員(松浦功君) 御指摘をいただきましたように、非常に多額の収入が特定の団体にございますことは事実でございます。お手元に当局でつくりました資料を差し上げてあるはずでございまして、まさにそのとおりでございます。 二番目に、どうして一体これが問題にならないのだろうかという御質問でございますが、私どももこれまでいろいろ均てん化の問題について努力はいたしてきておりますが、どうも特定の団体が権利として保有をしております問題でございますので、他の地方公共団体が非常に遠慮をしておられるのではなかろうかという感じがあるわけでございます。具体的に申し上げますと、町村会では、すでにこのギャンブルを全部基準収入に入れるべきだという決議をしていただいております。ところが、市長会ではいつまでたってもこの決議ができないわけでございます。どうもそういったような事情が、余り沸いてこない原因になっているのではないだろうかと、これは全く私の個人の推測でございますが、そういう感じを持っております。 それから、基準収入になぜ入れないのかというお尋ねでございますが、地方交付税法におきまする基準財政収入の考え方は、全国的に普遍的に徴税することができまする税金あるいは譲与税、目的税、そういったものを入れてあるわけでございまして、相当、地方交付税の体系としては、ギャンブル収入を入れるということになりますと姿が変わってくるということもございまして、今日まで実現を見ていなかったものと考えております。しかしながら、それではいつまでたっても均てん化の効果があらわれないということで、行政指導で周辺の町村に収益金を分けさせるような指導もいたしておりまするし、先生御指摘をいただきましたように、公営企業金融公庫に対する納付金制度というものも設けて、これによってできるだけ安い金利の資金が公営企業公庫から流れるようにという配慮もいたしております。また、特別交付税の配分に当たりましては、ギャンブル収入はマイナス要素に立てまして、できるだけギャンブルをやっている団体には特別交付税は差し上げない。そうすれば、ギャンブルをやってない団体に少しでも多く特別交付税が配分できるという配慮もいたしております。また、起債におきましてもそれと同様の考え方で措置をとっておるところでございます。今後とも、ただいま申し上げましたような納付金の増大あるいは起債、交付税措置の強化ということを強めてまいりまして、均てん化の効果をできるだけ実現をいたしたいと考えておるところでございます。 なお、最後にお尋ねのございました納付金につきましては、昭和四十九年度で政令が切れるわけでございます。五十年度につきましては一応〇・五%ということで政令を定めまして、五十一年度から五十四年度までまだ有効期間があるわけでございますが、その期間に、法律に書いてございます最高限度でございます百分の一、ここまで引き上げてまいりたいということを考えております。
○市川房枝君 いま、最後に御答弁いただきましたことは、そうするとやっぱりこれは続けていくのですか。十年間済んだら延期の法律を出してまた延期をする、そういうことになりますか。
○政府委員(松浦功君) この問題につきましては、それぞれ関係団体、関係省庁がございますので、私どもの省一つのみの判断によってどうこうを申し上げることはできません。ともかく、五十四年度までの間に法律で定めてある最高限度でございます百分の一まで引き上げるという方向で努力して、五十四年度におきましてそれはそのときの状況で判断をするということしか、現在の段階で自治省としては残念ながら申し上げるわけにはまいりません。
○市川房枝君 さっき、基準財政の中の収入にギャンブルの収入を入れない、こういう御意見があったんですが、入れない理由として、この前私が聞いたときには、それは一時的な収入なんだ、継続を予想ができないから入れないんだと、こういう御意見だったんですが、いまの御意見だとそういうのではなくて、どうもちょっと納得できないのですけれども。
○政府委員(松浦功君) 一応、認可は二年ごとに更新をしておるものもございます。そういう意味であるいは一時的だというのかもしれませんけれども、御承知のように、非常に長く続いて実際には施行されておる問題でございます。むしろ、私どもが基準収入に入れにくいと言うのは、きわめて特定の団体にある財源であるということと、もう一つは、いろいろ理屈がございまして、私も経験がございますが、競輪を行いますと非常に周辺に駐車場をつくらないといけないとか、いろいろ片一方での財政需要の面もあるわけでございます。それらの問題に絡みまして、施行者とわれわれとの間でいろいろ議論が起きてくる問題もございます。したがって、私どもとしては、税金と同じような形で七五%を直ちに収入に入れるということについて決心をつけかねているということでございます。
○市川房枝君 ギャンブルは拡大しない、新しく認可をしないという方針で来ているわけなんで、いままでに許可をされておるところは一種の既得権になっているわけですね。その既得権をなかなか放さないといいますか、具体的に言えば、ギャンブルをやって、むしろ地方の財政が苦しいような、たとえば鹿児島県だとか青森県では私はギャンブルは一つもやってなかったと思っているんですけれども、そういうことで非常なさっきのようなアンバランスが出てきている。これは私は非常に重大な問題だと思いますけれどもね。その隣の都市と、ギャンブルをやっているところ、やってないところ、ギャンブルも少ししかやってないところとたくさんやっているところで収入はずいぶん違う。そうすると、さっきあなたもお認めになったけれども、人件費が違うんですよね、ギャンブルをやっているところの方が高いんです。たとえば庁舎を建築するのだって、やっぱりギャンブルをやっているところは大きいりっぱなものを建てるんですわね。だから、そこに住んでいる住民の立場から言うと、そういうことがあっていいものかどうか。これは自治省はそういうことは余り平気みたいに思えるのだけれども、非常に重大な問題だと実は思うわけです。この問題についてはもう少し時間がありますときに、またお伺いしたいと思っています。 最後に自治大臣から、このギャンブルの問題、ギャンブルの収入を地方自治体の財政の一つのよりどころにしているということについてのお考えを伺わせていただきたい。
○国務大臣(福田一君) ただいま市川さんが御指摘になりましたように、ギャンブルをやっているところは俸給も高いし、隣に比べては福祉も非常に充実する。たとえば子供が生まれると一万円、亡くなると一万円、それはどんなに金があってもなくても一律に出すというようなことができるようなことがまた隣に非常な悪影響を与えたりしまして、近所が迷惑しておるわけです。そういうことから言いますと、これは何とか考えなくちゃいかぬじゃないかというのは私の考えなんでありますけれども、何しろ既得権を持っているものというのはなかなか承知をしないものでございまして、いざとなるというと、もう全部が動員して、断じてこれはやめてもらっては困るというようなそういうことになると、案外与野党みんな一致して陳情に来られたりしまして、われわれも非常に困るわけでございますが、まあしかし、いまの御趣旨はよくわかっておりますから、何とか善処をさせていただきたいと思う次第でございます。
○市川房枝君 一言だけつけ加えさせていただきます。 私は、そういうことにしちゃったのはいままでの政治の責任ですよ。直接に言えば自治省だけではない、ギャンブルをやっているのはほかの運輸だとか、あるいは通産だとか、あるいは農林なんかもみんな関係があります。ありますけれども、私はもっと早くこの問題を解決すべきであった、だんだん遅くなるものだから既得権ということになっちゃって、そうして、てこでも動かぬという、いまのような反対が強いということになっているので、それだからといってこれをほっとくわけにはいかぬ。だから、それは自治大臣ひとつ重大な決意でもって、五年たてばいまの納付金の制度の期限が切れるんだし、そのときまでにこの問題を真剣に考えていただきたいと思います。それを申し上げて、私は終わります。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) これにて三日間にわたる総予算三案に関する重点項目別総合審査は終了いたしました。 この際、締めくくり総括質疑の取り扱いにつきましてお諮りいたします。 理事会におきまして、審査期間は四月一日及び四月二日の二日間とし、その質疑総時間は三百三十分とし、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ百十分、公明党及び日本共産党はそれぞれ四十分、民社党二十分、第二院クラブ十分とし、質疑順位につきましては、お手元に配付いたしました質疑順位とすることに協議決定いたしました。 そのように取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 明二十九日及び三十一日の二日間、分科会の審査を行います。 次回は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時十六分散会