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75回国会参議院1975/03/24

予算委員会 第14号

発言数
676
登壇者
48
会派数
4
開催日
1975/03/24

会議録

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十年度一般会計予算  昭和五十年度特別会計予算  昭和五十年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  三案審査のため、本日、地域振興整備公団副総裁本田早苗君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 前回に引き続き、質疑を行います。矢田部理君。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 自治省は政治資金改正について政府案をまとめたという報道がなされておりますが、企業の政治献金についてどういうまとめ方をされたのか、まずお答えをいただきたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 選挙に関係のある問題は、何といっても選挙のルールを決めるものでありますからして、できるだけ各党の意見が一致するような方向で決められるのが望ましい姿である、政府がこれをあらかじめ決めてかかるというやり方よりは、その姿が望ましい、こういうことでございますが、それには、現実の問題としては、私たちは、与党である自民党がいかなる態度をとるかということをまず決めてもらい、それをたたき台にして政府としての案をつくっていく、と同時に、その案については、やはり衆参両院におきますところの選特などでも話し合いが進められておる段階でございますので、そういうところにも党を通じていろいろお話しを願い、場合によっては、総理もいろいろのお考えもあるようでございますが、党間での話し合いというようなこともやるべきではないか、やることもあり得るというふうに考えております。  したがって、新聞には自治省案が決まったということが出ておりますけれども、実はまだ自治省案というようなものを決めておるわけではございません。こういう方向で物事を決めていくということについては、実はきょうも午後には関係首脳部等が集まって、私などもそれにあるいは参加するかもしれませんが、そういうことをひとつ相談をしたいということであるのでありまして、まだ自治省案なるものは決まっておりません。  ただ、方向として申し上げると、政治資金というものは、やはり各党あるいは個人が政策をまず研究するということが中心であり、また選挙等にもなるべく金のかからないようなやり方をするということが必要でございます。しかも、その政策決定に当たっては、大企業との癒着の問題であるとか、そういうようなことがないように工夫することも必要であるので、ある程度の制限を設ける、しかもまた、集めたものについては公開をする、できるだけ公開の原則も貫いていくという方向でやっていかなければならない、こういう考え方は私としては持っておるところでございますが、それをどのように具体的に決めるかということにつきましては、なるべく速やかにこれを決定をいたしまして、そうして各党にも、選特委員会等において審議も——審議というか、御報告もし、了解が得られれば得ると。しかし、これは得られないということで、じんぜん日を過ごすわけにはいきませんから、そうなれば私は、政府としての態度を決定して、そうして議会に出しまして、議会に提出して皆様方の御審議を願う、こういうことになろうかと思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 附則で、五年後の見直し規定を置くとされておりますが、その方向と内容はどうなっておりますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 党の方では、自民党の方ではそういう案をお持ちのように承っておりますが、まだその問題についても自治省として、はっきりした態度は……。とにかく自治省としてはまだ何も具体的な問題は決まっておらない。そういうことが審議をされておるという情報は得ておりますけれども、これを私の方の案として出すというのは、最終的に決めたときに自治省案というか、政府案として提出する、このように御了解を願いたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 経企庁長官、大蔵大臣、そして官房長官の三大臣にお尋ねをしたいと思いますが、それぞれ自民党の幹部として、企業の政治献金について廃止の方向でいくのかどうか、その点について、それぞれお答えをいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は廃止の方向はとらないんです。まあ個人でもこれはいろいろ弊害がある、同じ弊害があるとすれば企業にもある、こういうふうに思いますので、企業も個人も両方とも同じ立場で制限をする、これが私は妥当である、こういうふうに考えております。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 企業の献金でございましても、清潔で明朗で、しかも節度があるものでございますならば、私は許されてしかるべきものと考えております。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 政治資金につきましては、公開性といいましょうか、これをあからさまに知悉させるというような問題、あるいは節度を持さなければならない、こういうことを総理がずっと言うておられましたが、その意味において企業についてどうかというお尋ねでございますが、企業は必ずしもこれは悪ではないんだ、こういう答弁でずっと総理は終始しておると思うのでございます。したがいまして、現実当面の情勢から申しますと、理想的に言えば、政党の資金は党費あるいは個人献金というものに仰ぐのが結構だと思うのでございますが、しかし、その間の企業というもののあり方につきましては、いま副総理、大蔵大臣それぞれお答えになりましたが、節度を持するという方向で処理すべきものであろうと、こう考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 三木総理はかつて三木試案を出されて、三年をめどに企業献金は全廃をするという方針を出されましたが、それから見ると、いま三者のお答えは非常に大きく後退をしているのじゃないかというふうに思いますが、官房長官、再度答弁を求めます。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) まあ、現実を踏まえました場合に、やはり過渡的にはそういうふうな扱い方は、けだしやむを得ないものであろうと、こう考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうしますと、自民党の改正大綱でも、五年後の見直し規定を置くという言い方を附則でされておりますが、この段階でも企業献金は廃止をしない、是とする、こういう考え方でございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 見直しをするという言葉の意味をお考えを願いたいのでありまして、見直しをするということは、絶対やめるということでもなければ、絶対やるということでもございません。その場合に筋に応じて見直しをしていくと、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 全然意味がないから、もう一回詳しく説明してください。わからない。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) その事態における政治の動向その他を見、それからいろいろの政治に対する批判であるとか弊害であるとか、あるいはまたいい面とか、そういうことをいろいろ調べた上でこれを見直しをする、こういうことでございまして、見直しの言葉を定義づけることは、私はそういう意味じゃないかと思うのです。やると決めるわけでもなければ、やらないとも決めないのが、これが見直しでありまして、そうでなければ見直しという言葉は存在しないわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 何も決めないなら規定を置く意味がないじゃありませんか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、やらないか、やるかということを決めているわけではないのでございまして、やらないならそんなものを置く必要がないじゃないかという——やらないというのは見直しとは違うのでございまして、やらないのと見直しとはずいぶん違ったことではなかろうかと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 総理の意見と大きな食い違いがあると思われる。少なくとも総理の指導性がないことは非常にはっきりしている。自民党内がばらばらじゃありませんか。  そこで次の問題に入りたいと思いますが、自民党は同様に、五年以内に党の経常費を党費及び個人の献金で賄うと言っておりますが、この経常費とは何であるか。副総理にお尋ねをしましょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私も詳細のことは承知しないのですけれども、通俗というか、まあ平板に考えると、選挙ですね、選挙は、これは異例のことじゃないかと思うんです。大体選挙だとか特別な非常な大キャンペーンをするとか、そういうような異例の事態以外の経費ですね、これにつきましては企業献金を財源としない、こういうことじゃないかというふうに想像いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その経常費が五年以内に企業献金で賄わないということであれば、逆に言いますと、経常費以外の、いまおっしゃった選挙資金などは五年以後も企業献金で賄うというふうに読み取れるわけですが、そのとおりでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) その辺も私詳細に承知しないのですが、五年たった先のことは、法律の方が一体企業献金を禁止すると、こういうふうに出るのか、あるいは出ないのか、その辺も明らかでありませんが、企業献金を廃止するんだ、こういうことになれば、当然党の経常費以外の臨時費といえども、これはもう企業献金は用いない、こういうことになるんだろうというふうに思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 目標が五年以内、経常費を党費及び個人献金で賄う、目標がそうですから、当然反対解釈として、選挙資金などは賄わない、言ってみれば企業献金に頼るということを自民党の方針として決めたのじゃありませんか。これでは、先ほどの附則のあいまいさもさることながら、自民党の方針は五年後も企業献金を継続するという方針になるのじゃありませんか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私が理解するところでは、五年後のことにつきましては、これは言及をしていない。少なくとも五年までの間にはもう経常費は党費または個人献金で賄うと、そういう決定をしておるんじゃないか。私、率直に言いましてね。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 経常費以外はしたがって賄わないということでしょう、個人献金その他で。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 五年後におきましては経常費は個人献金または党費で賄おうと、こういうふうに言っておるわけでございますが、しかし、その五年後につきましては、これは法律がどうなるかわからぬ、法律の決められるところに従う、こういうことじゃないかというふうに私は想像いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いずれにしても、大幅に政治資金規正法は後退をしている。企業献金については全く歯どめなしというのが実情だと思いますが、私はきょうお尋ねをしたいのは、政治資金規正法で表口をふさいでも、裏側がざるであるということを問題にしていきたいと思います。  裏金の調達が非常に問題なんでありますが、その例としては、田中流の土地転がしがあります。もう一つは、株式の引き受けや株価操作をめぐっていろいろな黒い疑惑があるわけでありますが、この裏金の調達について、一体政府の姿勢はどう考えておるのか、どう対処しようとしているのか、大蔵、経企、官房三大臣に伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私はこの政治資金規制の問題というのは、これは法で規制をするということも大事です。しかし、本来の大筋ですね、これは政治家がえりを正すというか、政治家の姿勢にまつほかはない。幾ら規則をつくりましても、政治家がその法の盲点をつくとか、あるいはそれを無視してやるというような政治姿勢であれば、幾ら細かい網を法的につくりましてもこれは意味をなさぬ。むしろ逆に正直者がばかをみる、損をする、こういう結果になるんじゃないか、そういうおそれさえ感ずるのです。でありまするから、私は政治家あるいは政党、こういうものが本当に政治に取り組む上において、金銭的な面においてこれは厳正な姿勢をとらなけりゃならぬという総反省がこの問題の前提にならなけりゃならぬだろうと、こういうふうに思うわけであります。でありますので、政治資金の規制の法律、これは補完的に私は必要であると、こういうふうに考え、これを推進する、これは私も熱意を持っておるわけでございまするけれども、要はその姿勢、政党並びにこれを構成する政治家の姿勢をお互いに正そうじゃないか、これが根本でなけりゃならぬという根本的な認識を持っております。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま副総理が言われたように、まず政治家自身の姿勢が問題だと思います。法律がどのように規定されておるかはともかくといたしまして、政治家といたしましてどのようにビヘーブするかということが、まず自覚の問題としてあると思います。しかしながら、政治家も社会的な存在として、たとえば税法上は一納税者にすぎないわけでございまするので、もし株式あるいは土地等を通じまして所得の形成が行われた場合におきまして、税法の定むるところに従いまして納付すべき税金は納めるべきものと考えております。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御両者から答弁がありました線と大体私も所見は変わりはございませんが、要は政治家のモラルの問題にかかわるわけでございますから、その点、政治の高い地位におる者がみずからえりを正さなければならぬ、そして国民の審判に謙虚に服さなければならぬ、こういう心構えで臨むべき問題であろうと、こう考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 まさに私もそのとおりだと思うんです。田中前総理の問題にしても、税金を修正申告すればそれでいいというものではありません。まさに政治の基本姿勢が問われている。  そこで、そういう立場からもう一度税金の問題について伺いたいと思うんですが、国税庁長官、田中前総理の税金については、今回の調査ではなくて、前にも調査をしたことがある。念査をしたところ、いろんな漏れがあったので追徴をした。そういうことを一回やっているにもかかわらず、今度再調査をしたら、再びまた修正申告を要するような事態に発展をした。前の調査の仕方に非常に問題があったのじゃないか。あるいは総理の巧妙さにあったのか、国税庁のやり方に問題があったのか、その点はっきりしていただきたい。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) お答えいたします。  田中角榮氏並びにその関連企業の税につきましては、それぞれの時期におきまして申告書が提出されました段階におきまして、申告書の審理初めそれに関連いたします所要の調査等をいたすわけでございます。そこで、今回の見直し調査の以前におきまして、税務署が入りました申告書等を念査いたしまして、必要の場合にはいろいろ調査をいたしましてさらに修正を求めるというようなこともあったわけでございます。そこで今回は、御承知のとおり昨年十一月以来非常な社会的な問題が提起しましたので、私どもの方では非常なベテランの調査官を約二十人ほど四カ月間にわたり動員いたしまして、かなり綿密な調査をいたしました。  そこで、調査の態様といたしましては、当初申告書が提出されました段階におきましては、これは通常の税務署の段階におきまして、その程度の頻度あるいは強度におきまして申告書を念査いたしたわけでございますが、今回の調査は、いま申し上げましたような程度でございましたので、かなり綿密な調査の結果になっております。そこで出てまいりましたのは、実は国会でたびたび申し上げましたとおり、評価に関しますいろいろな売買実例のとり方でございますとか、あるいは、きわめて厳密な税法の適用につきましての税務当局の解釈と、先方の申告書にあらわれておりますところの解釈との食い違いというようなことが、綿密な調査の結果判明いたしたわけでございます。したがいまして、振り返りまして当初の申告審理あるいはその調査が私はそれほど適当のものであったということは決して考えておりませんが、当時におきましては、いわゆる一般並みの申告審理、調査を行っておる。特に今回非常なベテランを投入いたしましたから、その綿密な調査の結果、食い違いが発見されました、こういうようなことと私は認識いたしておるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 結局、従前の調査は甘かった、綿密でなかったということでしょう。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 綿密さにおきましては、やはり相当の差があったと考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 従前追徴金を取り、今度同じ申告について再度の追徴金を取るというのは、一体どういうことなんですか。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 税につきましては、これは申告書が提出されましてからいわゆる時効になりますまでの間は、当初の申告は一応税務署で受け取ることがございましても、これはその後時勢の推移あるいはいろいろな事実が出てまいりましたために、課税当局に各種の情報がたくさん後になって入る場合がございます。したがいまして、私どもは常時当初の申告書を受け取りました段階で問題が完結したというふうには考えておりませんで、この五年間というものは、もしいろいろな情報があればそれを消化いたしまして、いつでも課税態勢に置く、こういうような状況でございます。でございますから、世間一般によく例がございますけれども、五年の間にいろいろ情報がありまして、再度修正を求める、あるいは更正をするというようなことは間々あることでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 申告が調査をされて第一回目の追徴金を取られ、さらに再度検査をしたら、またまた追徴金を取る。税務署のやり方にも問題があるし、同時に、二度にわたって同じ申告が追徴金を取られるというのは、きわめて悪質なんじゃないかというふうに考えざるを得ない。今回の調査も非常に問題であります。  会計検査院に伺いたいと思います。十九日に国税庁から田中総理の修正申告書が会計検査院に届けられたという。検査院自身でも数項目の税漏れが発見されたともいわれておりますが、それと照合してどういう問題点が出てきたのか、その点明らかにしていただきたい。

白石正雄会計検査院長

○会計検査院長(白石正雄君) 私が前回の当委員会におきまして数項目の問題点があると申し上げましたのは、手元に持っておりまするところの証拠書類並びに国税庁に質問を発しまして得られました回答、こういったものを総合的に検査いたしました結果、課税漏れと思われるような問題点を数項目発見したと申し上げたわけでございます。そこで、今回修正申告書が提出せられましたので、それと照合して、いま目下検査中でございます。その内容といたしましては、問題点が解消したように考えられる点もございますけれども、なお問題点が残っておるように考えられる点もございます。これらにつきましては、なお関連法人との関係がございまするので、その関連法人の調査が終わり次第、国税当局につきまして実地検査いたしまして、そして問題点を突き詰めて検査いたしまして、最終的な判断を下したいというように考えておる次第でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうしますと、課税漏れについて数項目発見したうちで、国税庁の修正申告で解決した部分と、それでもなおかつ解決しない部分が残っているというお話ですが、その内容、詳しくお話しいただきたい。

白石正雄会計検査院長

○会計検査院長(白石正雄君) その内容につきましては、目下検討中でございまするので、この際……。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 問題点は残っているということですか。

白石正雄会計検査院長

○会計検査院長(白石正雄君) 問題点がなお一、二、私どもの見解と相違する問題点が一、二残っておるように見受けられます。しかし、これは国税庁の見解もよくたださなければ最終的な結論に達しないわけでございまするので、目下検討中でございまするので、その内容につきましては控えさせていただきたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 関連。  国税庁長官にお尋ねしますが、田中角榮氏は修正申告をしたわけですね。そうしますと、所得税法の二百三十三条で、この公示義務は修正申告書についてもあるという規定がありますね。そうすると、やはり田中角榮氏の修正申告による総所得金額等は公示しなければいけませんね。その公示を当然することになっておりますと、所得税法二百四十三条の守秘義務もなくなりますよ。いままでの御答弁は非常に間違っておると思うが、どうか。この点明確にお答え願いたいと思うのです。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) お答えいたします。  先般、寺田委員から御質問がございましたときには、ごく概括に簡単に申し上げたわけでございますけれども、修正申告書が提出されます。当該提出されました修正申告書が、翌年の三月三十一日までに提出されました申告書につきましてはこれは当然公示義務がございますが、いわゆる過年度分と申しますか、ただいま問題になっておりますところの三年あるいは五年以前といったような古い申告書については、これは公示義務はないことになっております。この前申し上げましたのは、その当該申告期限から、本来の確定申告書の申告期限から翌年の三月三十一日までに提出されました申告書については公示義務がございますけれども、それ以外の、それ以上古いものについては公示義務がございませんので、その点が不正確であったと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その根拠。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 所得税法の省令百二条にございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 省令。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) はい、ただいま出します。施行規則百二条「(申告書の公示の方法)」という規定がございまして、「法第二百三十三条の規定に該当する者の納税地の所轄税務署長は、」途中省略いたします。「同条に規定するその年分の確定申告書」「に係る修正申告書の提出があった場合には」「その年の翌年三月三十一日までに提出されたものに限る。」と、こういうことでございまして、施行規則百二条によりまして、翌年の三月三十一日までに提出されました修正申告書に限っては公示義務がございます。そういう規定に相なっております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうしますと、所得税法の二百三十三条で、「当該申告書に係る修正申告書に記載された総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額」、これの合計額を公示しろという趣旨で法律が規定しておることを、あなた方は省令でその趣旨をゆがめておるということになりはしませんか。  それから、これを要するに、一千万円を超えるものについては秘密をもう解いてしまう、つまり、それについては国民の前にその所得内容を明らかにしなければいけないという法の趣旨であるわけですね。それを、一定の時期を画してもう一遍秘密をもとに戻してしまうわけですね。そうすると、つまり真実なるものが遮蔽されて、虚偽が虚偽のまま残るという結果になりはしませんか。その点、どうでしょう。そして、それがもしあなた方が法の欠陥だということをおっしゃるのならば、この規定は合理的に解釈すれば、当然その修正申告についてはそういう年限を課すべきでない。大蔵省令なるものは法の趣旨をゆがめておる。現行法の解釈でもそういうことが許されないと思いますけれども、仮にそれがあなたの御解釈のようであったとしても、それは法の著しい欠陥だと思いますよ。その欠陥について、これを改める意思はないか。  その三点について明確にお答え願いたいと思うのです。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 御質問は、所得税法あるいは施行規則の立法あるいは立法趣旨に関することでございますので、正確には主税局長から御答弁申し上げた方がいいかと思いますが、便宜、ただいまのところは私からお答え申し上げます。まず、申告書の公示の法律でございますが、二百三十三条には申告書の総所得金額の合計額が千万円を超える者については公示しろと、こうなっております。そこの条文に「大蔵省令で定めるところにより」と、こう書いてございまして、その規定が先ほど引用いたしました施行規則百二条でございます。したがいまして、これは立法論としてはいろいろございましょうけれども、執行面に当たります私ども国税庁といたしましては、いまの二百三十三条並びに施行規則百二条の規定によりまして処理をせざるを得ない、かように考える次第でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうすると、結論においては、つまり修正されたわけだから、前の間違っていたものが国民の前に残って、真実なるものが国民の前にあらわれないという非常に不合理な結果を生ずるのじゃないか。その不合理を認めるかということと、それから、その不合理を改める意思は全然ないかという、その二つがまだ残っていますよ。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) ただいま御指摘の点は、これは立法の一つの技術の問題だと思うのでございますが、まず一つは、確定申告書が出ましてそれを修正いたすという場合、本来申告されました総所得金額が修正申告書によって追加され修正されるということでございます。ですから本来は、これは御指摘のようにやはり本来の根になる確定申告書が公示されれば、当然それに関します追加申告書の方も公示されるのが本来のことだと思います。そこで、先ほど施行規則で御説明申し上げましたように、当該確定申告書の申告期限の、翌年の三月三十一日までの修正申告書だけに限ってあるということは、これは恐らく一年間の間に、比較的はっきりしましたこの修正、本人が税法等の十分な知識がないために確定申告書によって申告した誤りにつきまして修正を出した、こういう場合に、十分それを取り入れるような一つの制度的な余裕を与えた、かように考えられますから、その分につきましては、当然本来の確定申告書として提出が公示されるべきである、こういうように考えたものかと思います。  なお、個人につきましては、先ほど申し上げましたように、税の執行面の方から考えますと、五年間の間は、つまり時効の期限の間は、いろいろな情報がございましたらいつでも更正あるいは修正を求めることができるわけでございますから、当初の確定申告書がございまして、第二年目から勘定しまして数年間の間、いつ何どきでも修正がされなければならないというような状態では、非常に何といいますか、不安定な状況になります。また、個人のいろいろなプライバシーの問題もございましょうが、その問題は別といたしまして、制度的には申告書が提出されましてから一年間のものだけに限っておる、かように考えられるわけでございます。これは立法論といたしましては、あるいは御指摘のような制度改正も一つの案かと存ずるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 改める意思はないのですか。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 私は、税の執行面を担当いたしておりますので、その点は主税局の方にお聞きいただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いま国税庁長官の話を聞いておりますと、まじめな者が公示をされて、脱税者が保護されるという結果になる。しかも、省令は法の規定をわざわざ狭くしている。私は率直に言って、省令に譲った部分は申告の仕方等についてやったのであって、法の趣旨を狭くするために委任をしたのではないというふうに考える。その意味で、省令は明らかに法律違反ではないかという疑いを持つわけでありますが、大蔵大臣、こういうものについて改める意思はないか。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) ちょっと訂正させていただきます。  先ほど寺田委員の御質問に対しまして、修正申告書の公示の場合でございますが、施行規則百二条は、ある年の三月十五日に確定申告書が提出されまして、それが三月十六日から三月三十一日の間に修正申告書が出されました場合、つまり十五日間の間に直ちに本来の確定申告書の誤りに気がつきましてその修正申告を出しました場合に、その年の五月一日から五月十五日の期間、十五日間公示をする、こういうことでございますので、翌年の三月三十一日までの期間の一年間の分というのは、私の誤りでございます。訂正させていただきます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 なおさら省令がおかしいでしょう。その点は大蔵大臣、どうお考えになりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) なぜそういう省令ができたか、これは私もいま御質問をちょうだいいたしまして、とっさに判断できませんけれども、それはそれなりの沿革があるに違いないと思うのでございまして、それは私検討させていただきたいと思います。したがって、いま省令改正ということについてのお答えは留保させていただきまして、一応大蔵省としての検討の余裕を与えていただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 おかしいんじゃありませんか。まともに申告したものは公示をされ、まともに申告をしないで脱税をした人たちは天下に明らかにされない。修正申告についても、法は所得税法二百三十三条で、明らかにしろ、公表しろと言っている。それをなぜ十五日間の、三月十五日から末日までの間に限定しなきゃならぬのか、明快な答弁をしてほしい。おかしいじゃありませんか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういう限定をしないで、確定申告後といえども、またその翌年であろうと翌々年であろうと、修正申告がありました者につきまして公示すべきでないかというあなたの御趣旨だと思うのであります。しかし、現行の施行規則はそういう限定を設けてあるわけでございまして、それがどういうことでやったのかは、いまとっさの御質問でございまして私も判断がつきかねますので、ちょっと検討の余裕を与えていただきたいと思います。それはそれなりに理由があるに違いないと思うのでございますが、それに対していますぐこういたしますという御返事は、ちょっとお待ちいただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 国税庁長官、その理由を大臣は知らないと言っているから、教えてやってください。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 先ほども申し上げましたように、私、所得税法あるいは施行規則の立法を担当をいたしておる者でございませんので、その立法趣旨あるいはそれをどういうふうに手当てすべきか、これは私どもの所管外でございますので、この問題はひとつ、しかるべき機会に主税局長からお聞きになっていただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 大蔵大臣も国税庁長官も、なぜそういう省令をつくったのか、わけがわからぬということではきわめて心もとない話でありますが、いまの質問を留保して次の質問に移ります。  私は、きょう特にお尋ねをしたいと思うのは、土地転がしによるいろんな政治家が資金づくりをやるということだけではなしに、株価操作や新株引き受けなどによってまたあれこれの資金調達をしている。政治家が株価操作に関与したり、株式上場に当たり新株の引き受けに関与し、公開値と寄りつき値の差額から政治資金を調達する、こういうのが見受けられるけれども、この点について副総理や大蔵大臣、どう考えられるか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 政治家は、これは、いやしくも世間から疑惑を受けるような、そういう行動があってはならぬと思うんです。先ほどから申し上げておりますとおり、これはみずから姿勢を正す、こういうことでなければならぬと思いますが、土地の転売だとかあるいは株のあれだとか、そういうようなことで世間から指弾を受けるというようなことがあっては私は相ならぬ、こういうふうに思います。まあ政治家は、そういう個人の利益に関係するような業務、そういうようなものには立ちさわらぬ、こういうことがいいんじゃないか。しかし、たまたまそういうこともありましょうが、要するにそれは、清潔な行動をとっておる、こういうことに徹する、そこがかなめである、こういうふうに思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは法律論でなくて、政治家の自覚の問題であろうと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで具体的問題について伺いたいと思います。  これは中曽根幹事長——通産大臣時代でありますが——にまつわる疑惑のあらましであります。内容をかいつまんで紹介をいたしますと、四十七年の三月九日、赤坂の料亭「一条」で、中曽根康弘氏と前殖産住宅社長の東郷民安が同席をした。そこで中曽根氏から東郷に対し、殖産住宅が近く上場するそうだが、一般に新規上場に際しては、公開値と寄りつき値との差額で相当もうけることができるという話を聞いている、ほかの政治家もこれでお金をつくった、自分が今度の総裁選挙に出るためには相当額の資金が必要だが、新株の引き受け資金として二十五億程度は自分の方で調達できるから、協力してもらえないかと要請をした。  これを受けた東郷は、八月二十三日、野村証券の北裏社長を訪ねてその一件を話をし、公開株三百五十万株のうち百万株を別枠にしてほしいと話をしたところ、北裏社長もこれを了解して、野村証券の大森企業部長にその段取りを指示をした。その後間もなく大森企業部長から殖産の東郷に話があった。殖産の取引先で気心の知れた会社十社程度を選んでほしい、その名義で引き受けさせたいという話があり、殖産側の選定に従って臼井商店外九社名義でこの中曽根氏から話のあった百万株を引き受けることにした。八月末に東郷は中曽根さんを訪ねて百万株を確保した旨報告をする。それに中曽根さんは答えて、引き受け資金として二十五億出してくれるのは、戸栗享という男の口ききで東京相互銀行であるという話があった。これを聞いた東郷は、東京相互には背後に殖産乗っ取りに食指を動かしている小佐野賢治がいるということを知り、その筋からの資金づくりは困ると言って断った。しかしながら、私の方で資金を調達をして何とかいたしましょうということでその場は別れ、間もなく三井銀行から十数億円を調達をして百万株を引き受けることになった。  その百万株は殖産住宅が上場した十月二日、新株の発行価額は千二百五十円でありますけれども、前場寄りつき値であるところの二千六百五十円でこれを処分し、実に十三億円ぐらいの利益を得たわけであります。その利益から、名義を借りた十社ぐらいの税金その他の費用を控除した上で、五億円を中曽根氏に献金しようと申し出たところ、中曽根氏は、いま直ちに必要としないので——すでにこの年はもう総裁選挙は終わりました——中曽根氏の秘書官である上和田義彦名義で預金をしてほしい旨返答をし、それを受けて東郷は十月六日三井銀行銀座支店に上和田名義の預金をしたわけであります。こういう経過と事実が明らかにされております。  これは東郷側の言い分でありますからある程度割り引いて聞くといたしましても、裏づけがないわけではありません。こういう事実について副総理、大蔵大臣あるいは官房長官、どう考えられますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私はいまの中曽根さんのお話につきましては、事実関係、全然承知いたしておりません。おりませんが、要するに先ほどから申し上げておりますとおり、政治家は金銭的に特に身を持するに厳でなければならぬ。その姿勢を超えまして、つまり節度を超えましての行動というものはとるべきではない、こういうふうに考えます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いまお話がございました件につきましては、私全然承知いたしておりません。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をつけて。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 私も全く承知をしていないところでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 これは一部マスコミ等にも取り上げられておる。全然承知をしていないというのはおかしいじゃありませんか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) マスコミなんかの報道というか、雑誌ですか、何かでちょこっと見たことはありますけれども、別に私その詳細については全然承知いたしておらぬ、これはもう率直にそう申し上げて差し支えないと思うのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 単なる情報とか聞き込みで軽々に判断すべき性質のものではないと思いまして、正確に事案を承知しないと、そのことについての判断を申し上げるべきではないと私は思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 官房長官、知りませんか。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 私も同様の考え方でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 中曽根氏と東郷氏の関係については、私から説明するまでもなく非常に親密な関係にあります。中曽根氏の主宰する近代政治研究会にも会員として参加をし、毎月十万程度の会費を納めている。しかも、当時中曽根さんは通産大臣でありました。その秘書官をやっている、いまは第一秘書であります上和田義彦氏が、この殖産との事件では非常に大きなかかわりを持っているわけです。時間がありませんから、一々紹介する余裕はありませんけれども、先ほど申しましたように、上和田名義で三井銀行に五億円の預金口座がつくられたことは間違いありません。あるいは四十七年の十一月には、上和田名義で殖産住宅の株、五万株を一億一千万で買い取っている。それだけではありません。さらには、殖産住宅の東郷が脱税与件で挙げられた、その脱税事件をもみ消すために証拠隠滅工作にまで上和田義彦氏は加担をしている。法務大臣、この事実について知っておるところはありませんか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 私にそういう事件のお尋ねのある意味はどうもわかりませんが、あるいは同じ新政同志会の会員の一人である衆議院議員だというのでお尋ねになるのかと思いますが、皆さんお答えになったとおり、私もよくそのことは存じておりません。もし、あなたのお読みになったようなことが本当であれば、それはとんでもないことだと思いますが、そういう事実を全然承知しておりませんです。したがって、もしそういう具体的なことをお尋ねになるなら、これは捜査当局で何かあったのかどうか、刑事局長に答弁させますが、よろしゅうございますか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 御指摘の東郷民安前殖産住宅会長の件につきましては、東京地検で捜査をいたしまして、所得税法違反ということで起訴がなされ、いま公判係属中でございます。その犯罪の動機等につきまして、公判廷で東郷前会長が、動機をいま矢田部委員御指摘のようなことであるというふうに主張されたということは聞いておりまするけれども、事実かどうかということは定かではございません。主張があったということは事実のようでございます。  なお、上和田氏の名義で株の売買が行われたということは、名義であって真実は東郷そのものの売買であるという認定のもとに、所得税額の脱漏額の対象として起訴の対象になっております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 刑事局長にもう一度お尋ねをしますが、殖産住宅が上場になったのが四十七年の十月二日です。その四日後の六日に、三井銀行銀座支店に上和田名義で五億円の預金口座が東郷の手によってつくられた。その五億円の預金は、やがてマスコミの知られるところとなって、十一月六日に解約になりますけれども、それから数日後の十一月十一日付で四億一千二百七十九万四千四百円の借用書が上和田氏から東郷氏あてに入れられている。そういう事実について御存じですか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 突然のお尋ねで、詳細を調べてこなかったので正確なことは申し上げかねますが、私の報告から聞いておる記憶に基づいて申し上げますと、東郷氏が上和田氏に貸し付けをしたという事実は仮装であって、それは所得の隠蔽仮装のための手段であったというのが検察庁の認定であるということを記憶いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そういう証拠隠滅工作だと検察庁は言うわけでありますが、少なくとも東郷が勝手にやったものではなくて、中曽根氏の秘書官である上和田氏が了解をし、みずから判こを押してやったということは認めますか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 重ねて申し上げて恐縮でございますが、正確に調べては参りませんでしたが、記憶によりますと、検察庁の捜査の主体は、所得税法の違反の場合に、それが真実の所得の隠蔽仮装であったかという点に捜査の重点がしぼられておりますので、そういう名義を使って所得を隠蔽したという事実を検察庁が認定しております。ただ、その名義を使うについて上和田氏が了解したかどうかは、先ほど冒頭で申し上げましたように、定かではございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 検察庁も言っていますよ、法廷で。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 記憶でございますが、ただいま矢田部委員御指摘のとおり検察庁が冒頭陳述でさように申し上げているとすれば、事実と思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いずれにしても、その事実、ちょっと確認してみてくれませんか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 承知いたしました。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 政治家の秘書が、私の地元などにも実例がたくさんあるわけでありますが、不動産会社の役員などを兼ねて、土地転がしを盛んにやっている。本件の中曽根氏の場合にも、中曽根氏自身が直接かかわったということのほかに、検察庁ですら、その秘書官が名義を貸したり証拠隠滅工作に加担をしたりしていることを認めている。こういう政治家や政治家の秘書が、あれこれ土地転がしや株価操作に絡んでいるということ、脱税に加担をしているということ、こういう事実がはっきりしているわけですが、この点、大蔵大臣や副総理はどう考えられますか。官房長官はどうですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 要するに、政治家は身を持するに厳でなければならぬ。ことに、金銭につきまして疑惑を世間から受けるような行為はあっては相ならぬ。それは政治家本人はもとより、その周辺の者に至るまでそういう姿勢でなければ相ならぬ、こういうふうに思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 具体的に答えてほしいのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 政治家の自覚の問題として、その自覚と責任において考えるべき事案であると思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 秘書が直接絡んでいることについてどう思うかと聞いているんです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 秘書自身、それからまた秘書をお使いになっておる政治家としての自覚においてお考えになるべきものと思います。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 政治家は、本人はもとよりその周辺に至るまで、心して御指摘のような問題については注意をしなければならぬと、こう考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 具体的に聞いているわけですよ。政治家の近くにいていろんな情報を知り得る立場にある、あるいは政治家の名をかたっていろんな動きをすることが可能である秘書が、みずからこういう事件に関連している。そのことをちゃんと法廷では検察庁から指摘をされておるわけです。単に一般論じゃありません。具体的に答えてほしい。官房長官、どうですか。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの事件についてどうというのでありませんが、李下に冠を正さず、これがやはり政治家の心構えでなければならぬと、こう思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 秘書がやったこと、それは政治家も責任があるじゃないかと言っているんですよ。どうなんですか。秘書がやったことということで自分は関係ないと言い切れるのですか。それについて聞いているんです。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 発言は立って願います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 一般論を聞いているんじゃないので、もう一回答えてください。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 矢田部君、重ねて発言願います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いまの点、答弁してください。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 先ほども申し上げましたように、政治家並びにその周辺におります者が身を持すること厳でなければならぬ、これは全くそのとおりだと思うのでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 本件の事実についてどう考えるか、それを聞いているわけです。一般論じゃありません。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 矢田部さん、私その事実関係をつまびらかにしないのでございますが、もしそういうことありとせば、これはまことに不用意なことであり、慎まなければならぬことだと、こう思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 非常に答弁は不満でありますが、もう一つ重要なのは、この極問題に証券会社などが大きくイニシアチブをとっているということなんですね。この場合には野村証券でありますが、殖産住宅の発行価額、上場に当たっての新株発行価額は千二百五十円であります。ところが、その日の前場寄りつき値が二千五百八十円と倍以上に値上がりをしているわけなんです。東郷がこの日、中曽根氏の分も含めて百九十万株を前場寄りつきで直ちに売却をしている。瞬時にして五十億近い金を握ったわけです。こういう、払い込み期日から数日後に五十億近いお金を握り、その半分以上の利益を得るような証券界の仕組み、値段のつけ方に問題があるんじゃないかと考えますが、大蔵大臣いかがですか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 上場に当たっての公開価格の問題でございますので私からお答えいたしますが、公開に当たりましての価格の算定につきましては、基準が決められておりまして、御承知かと思いますけれども、初めての上場でございますので、その会社の株価というものがわかりませんので、類似の会社、その会社の純資産額であるとか、一株当たり配当金であるとかいろんなものを、算式がございまして、その類似会社と比較いたしまして、その比較において類似会社の株価に割り掛けをして株価を決める、こういうことになっております。御指摘のとおり、事実は殖産住宅の場合には千二百五十円に算定されました。ところが、上場になってみますると非常に高い値段で売買が成立しているわけでございますけれども、これはなかなかむずかしい問題でございまして、おっしゃるとおり、そのときの親引けという制度については相当問題があったのじゃないか、こういう考えでございまして、その後四十八年の七月以降、公開上場に当たりましての親引けというものは禁止しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 四十七年の五月以降の新規上場に当たっての株価を調べてみたのですが、公開価格と寄りつき値段との間に非常に大きな差がある。しかも公開価格を必ず上回っているし、四十七年のごときは、一部銀行を除いて、五割以上の値段で寄りつき値が形成をされている。その後も、若干の割合は落ちましたけれども、その傾向は変わっていない。まだまだ証券界に問題があるのじゃありませんか。大蔵大臣、どうですか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) ただいまお答えいたしましたように、上場時の公開価格の値段の決め方につきましては、解決がなかなかむずかしい問題がございますので、いろいろ工夫をいたしました。その後、類似会社の選定に当たりましては、証券取引所が指定する会社を少なくとも一社以上入れることというような規定であるとか、算定の基準につきましてなお工夫を重ねております。御指摘のとおり、四十七年当時は、一種の株価が非常な急上昇を呈しましたブームの時期でございましたので、ほとんどの会社の場合に公開後の寄りつき値段が高くなっているという事実がございますが、最近におきましてはその上がり幅がかなり、まあ穏当なところと申しますか、低くなっておるように思います。新規上場といいますと、何と申しますか、下世話に言うお祝い事のような気分が関係者の間には沸きまして、いわゆる御祝儀相場といいますか、そういうものが起こりやすい状態にあることは確かでございますけれども、それをあらかじめ何か測定するということは非常にむずかしい問題でございまして、一般の株価の動向なり人気の問題、そういうものと絡み合った問題でございますが、先ほど申しましたように、その後親引けは一切禁止をするということにしておりますので、今後そのような問題は起こらないと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 親引け禁止の措置をとったということですが、先ほどから問題にしている中曽根さんに渡す百万株というのは親引け株だったのか、そうでなかったのか、わかりますか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 私は存じません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 九百万株以上の発行株のうち、殖産住宅等が決めた親引け株は六百九十万株、そのほかに一般公開株が三百五十万株あった。その公開株のうちから、中曽根氏に渡す分として百万株を別枠にしたのが問題なんです。親引け禁止では賄い切れない、やみ親引けなんです。その点どう考えますか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 公開に当たりまして幹事証券会社が多数のものに株を売り出すわけでございますが、その売り出し先につきまして、いろいろ自分の従来から株を買いそうなところといいますか、お得意さんといいますか、結局、これはあらゆるものについて同様だと思いますけれども、やみくもに飛び込んで売りに行くわけじゃございませんので、大体目星をつけてその株を提供する、話をする、そういうことが実際に売り出しの実態であろうと思いますが、特にそこで発行会社側の意図を受けてそれに当てるということにつきましては、親引けがありました状態のときには親引けの中に入るわけでございますから、そういうことは本来の趣旨にはもとっておると、こう考えます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いずれにしても、証券会社と発行会社が最初決めた親引けの枠を越えて、先ほどの殖産住宅の社長ですか、会長ですか、と野村証券の社長との話し合いの中で、一般公開株から百万株だけ別枠にした。こういう証券会社の姿勢はどう考えられますか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) その事実について私は承知しておりませんので、お答え申し上げるのはいかがかと思いますが、仮に親引けの外で、つまり一般公開の中で、その枠の中でもって別枠で、上場会社、発行会社の方の指示を受けて処理をするというようなことがありとすれば、この姿勢は正さなければなりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 あなた事実を知らないようなことを言うけれども、証券局の監査官まで贈収賄でこれはやられているんですよ。いま私が指摘をしたのは、法廷で検察側が言っていることなんです。知らないはずないじゃありませんか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 検察側のその裁判の詳細についても、まだ私よく知りませんので、事実は私知らないと申し上げたわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 親引けを禁止したといっても、一般公開株が実際どんなふうにして割り当てられているのか、実態を御存じですか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 先ほど申し上げましたように、大体買ってくれそうなところと申しますか、成功しそうなところにその株を持って行きまして、そこで取引の誘引をすると、こういうのが事実だと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 実際は縁故募集なんでしょう。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 縁故募集と申しますのは、特殊の関係にありますところの投資者に特定の数量につきまして引き受けてもらう、こういうことでございまして、そこは一般の公開といいますか、一般募集とは違うところでございまして、一般募集する場合の商売としてのアプローチの方法が先ほど申したようなことに相なると、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 実態を聞いているんだ、実態を。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 実態がそういうことであると思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 したがって、証券会社ないしは発行会社と特別な関係のある者以外は、われわれがただ買いに行ったって売ってくれるわけじゃないでしょう。そういう実態じゃありませんか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) これは需要と供給との関係でございますから、その株の人気といいますか、需要者がどういうぐあいであるか、あるいはそのときの公募をする株数の問題であるとか、いろいろございますので、特定の関係のある者でなければその株が手に入らない、こういう状態ではないと思います。そのときどきの状況によると、こう思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この問題について言っている。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 殖産住宅の公開株の問題でございますか、これは私もおりませんでしたし、実態をずっとフォローしておったわけではございませんので、よくわかりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 あなたのところの係官も贈収賄でつかまっているんですよ。当時親引けの問題が大変問題になった。知らぬという話はないじゃありませんか。新株の割り当てなどは証券会社の腹一つでどうにでもなるというのが実態じゃありませんか。もう一回答えてください。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) お答えいたしますが、証券会社のやり方一つでどのようにでもなるというのは、ちょっと、お言葉ではございますけれども、そういうものではないと思います。先ほどのお話の、証券局の監査官が収賄容疑でもって起訴されまして現在公判中であることは事実でございますが、それはそのときの親引け株の割り当てを受けた、こういうぐあいに聞いておりますが、いまの問題の焦点は、私、親引けでない一般の枠を特定の者に割り当てたというところにあるというぐあいに御質問の趣旨を受け取っておりますものですから、もっぱらそのような視点からお答えをしておったわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 あんまりでたらめ言ってもらっちゃ困るのですね。これは法務省からいただいた資料ですよ。「一般募集による殖産住宅株式九四〇万株は」「一株一、二五〇円で発行されるものであつて、上場後確実に値上りすることが見込まれ、発行会社又は取扱証券会社と特別の関係にある者以外の一般人が入手することができないものであるにもかかわらず、」云々と書いてある。これはあなたのところの係官が起訴された起訴状の内容ですよ。どうですか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 当時の殖産住宅株の上場時においてはなかなか一般の人は入手しがたかった事実があったんだろうと、こう思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 だろうじゃない、事実でしょう。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 失礼しました。やはりこれはそうだろうと想像をしておるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 法務省、この点どう考えますか。(「法務省、さっきの分を調べたら、それも一緒に答えなさい」と呼ぶ者あり)

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 先ほどの件はいま調べ中でございます。  いまの点でございますが、私のこれまた記憶でございますけれども、起訴状にありますように、新株の割り当てが非常に得にくい状況にあって、しかも得にくい状況ということは、その株が非常に有望株であったということから、そういう割り当てを受ける地位を与えられるということが刑法にいう賄賂になるということで起訴したものと理解いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 どうも両者のニュアンスが違うようですが、どうですか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) いま刑事局長から答弁がありましたように、その当時におきましてはなかなか入手しがたい状況にあったんだろうと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 新規上場に際しての公開株、これはだれでも自由に買えるんですか。それとも、非常に一般人は入手困難な株ですか、この点答えてください。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 一般論で申し上げまするならば……

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 実態だ、実態。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) いまの御質問は、一般に新規上場のときの株は……

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 まず殖産について答えてください。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 殖産住宅につきましては、先ほど来お答え申し上げているとおりでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 もう一回答えてください。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 殖産住宅のその当時の上場公開株はなかなか一般には入手しがたい事情にあったんだろうと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 思うんじゃなくて、事実でしょう。はっきり言ってください、はっきり。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 事実であろうと思っておるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 問題は、新規上場の際にはその株は必ず寄りつき値で上がる、しかも一般の人はほとんど買えないという実態、こういう中から非常なうまみが実は出てくるわけですね。そこに中曽根さんはつけ込んだわけでしょう。野村証券と東郷がそれに呼応したわけです。ここで総裁の選挙の政治資金を調達しようということをやったわけでしょう。ここまで事実がはっきりした中で、あなたどう考えますか、大蔵大臣。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いまの提起されておる具体的な案件につきましては、大変寡聞にして私はその経過をよく存じませんので、判断を申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。  ただ、矢田部さんの御質問の御趣旨は、現在の株式市場が投機の場と化して、この価格のメカニズムが適正な価格形成の方向に行っていないきらいがあるのではないかと、また、そういうことを利用する機会を、社交的に利用する機会を与えておるんじゃないかという趣旨も含まれておると思うのでございまして、大蔵省といたしましては、現在の株式市場の価格形成が、これは全体として適正を欠いておるものとは考えていないのでございます。近年、法人の持ち株増大によりまして株式の固定化傾向がうかがわれて、これがさらに進みますと、市場が狭隘化いたしまして、十分な機能を発揮できなくなるおそれがありますので、この点を改善しなければならないと考えております。市場における過当投機化の動きに対しましては、信用取引の規制の実施等、常に配慮いたしているところでございます。また、証券会社に対しましては、投資家が過当投機に陥ることのないよう、健全な営業姿勢について常に指導をいたしております。そのために、証券取引審議会におきまして、株主構成の変化と資本市場のあり方について諸般の検討を進めていただいておりまして、その意見に基づきまして取引所は上場の諸基準を改正して、より公正な価格形成に資するため浮動株基準の強化を図ることといたしております。それから証券会社に対する営業姿勢の指導につきましては、特定の銘柄に集中的な推奨を慎しむ等、投資家の意向と実情に即した取引を行うよう、また信用取引の過度の利用を自粛する等、当事者本位の営業姿勢に徹するよう指導を行っておりますし、今後一そうそれを強めてまいりたいと考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 もう一点伺っておきたいのは、銀行局長でいいと思いますが、この殖産住宅の上場に当たって、親引け株のうち少なくとも五万株以上が、三井銀行の幹部に、あるいは三和銀行の幹部に贈られている。会社じゃありませんよ、幹部個人に贈られている。五万株と言えば、当時の公開値と寄りつき値の差額から、大体その場で売れば六千六百五十万ぐらいの利益が上がるような株が銀行の役員に贈られている。こういう実態についてどう考えますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋英明君) 殖産の上場の際に銀行の重役が親引け株の割り当てを受けたかどうか、それは私承知いたしておりませんが、まあ親引けという慣習が証券界にございまして、それに応じておったということは絶無ではなかろうと私は思います。絶無ではなかったろうと思います。まあ、これはいわば法律的な問題ではございませんで、一つの私人としての経済行為であろうかと思いますけれども、銀行の重役もやはり公人でございますので、政治家に対する御批判と同様の御批判はあろうかと思います。良識に従って行動してもらいたいと、かように思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 御批判があるかどうかの問題じゃないのですよ。これは殖産内部の資料ですよ。取締役会の決定によって、それぞれ銀行幹部に五万株ずつ贈っているのですよ。いいですか、この殖産問題がきっかけになって親引けの問題が出てきたのでしょう。実態を知らないでどうして親引けの議論ができるのですか。もう一回答えてください、まともに。

高橋英明大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋英明君) 親引け全般の問題として……

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 全般じゃなくて、この問題で。

高橋英明大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋英明君) いや、この問題ですけれども、親引け全体の問題として、公開価格と寄りつきの値段が違って、親引けを受けた人が利益を受けやすい状態にあるということが殖産の問題で顕著になりましたものですから、そこで親引け制度というものに対して批判が起き、そこで、当時私が証券局長でございましたが、新規上場に当たっての親引けを禁止したと、こういうことでございます。したがって、新規上場に当たっての親引けは四十八年の八月以降は行われておらないわけでございます。で、それまで銀行の重役あるいはその他の人が親引けを受けておったという事実はございます。しかし、それは法律の問題ではなくて、まあ良識に従って行動してもらうべきであったと、こういうことだろうと思うわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 だから、本件は五万株ずつ受け取っているのは、あなたの言う常識にかなうのか、かなわないのか、聞いているのですよ。

高橋英明大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋英明君) 私としては、批判申し上げることはいたしかねます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 じゃ、常識というのは何です、常識に従って行動というのは。

高橋英明大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋英明君) つまり、それは普通の私人としての行動であったと私は思うわけでございます。つまり、銀行の重役であるがゆえに株を買ってはいけないということはないと思うのでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 ちょっと話が違うのじゃありませんか。いいですか、この両銀行は殖産住宅の主力銀行ですよ。いろいろ殖産住宅に対して金融をしている。その見返りにもらった疑いが非常に強いわけですね。そういう特定の金融関係を媒介にして、値上がりが見込まれている大量の株を親引け株のうちからもらうことがどうなのか、銀行経営者の姿勢としてどうなのかと、こういうことを聞いているんです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 銀行局長、あるいは大蔵当局の立場といたしましては、預金者を保護し、銀行行政を公正に推進してまいる立場にあるわけでございまして、検察庁ではないわけでございます。したがって、銀行の首脳部の私的ないろんな行いにつきまして、目を光らして、これをいろいろとがめ立てするというようなことは、われわれの仕事でないわけなんでございますから、銀行局長といたしましては、それについての御答弁を遠慮さしていただいたものと思うのでございまして、常識に従って当の首脳の方々がおやりになるか、やらないか、その方々の常識の問題ではないかと答えさしていただいたものと承知します。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 これは後で他の委員会等でもさらに追及をしていきたいと思いますので、きょうは締めくくりをしておきたいと思いますが、この殖産住宅をめぐる疑惑というのは、言ってみれば、政財官三位一体の株式上場をめぐる黒い霧だと私は思うんです。公開値と寄りつき値の間に必ず利益が生まれる。そういうことになっていることから、殖産に限らず、これまで政治家がしばしば政治資金調達の一つの手法として使ってきている。また、証券会社や銀行の、企業ではなくて、幹部などが単なる株の引き受けと見せかけて、そこにうま味を求めてきた。あるいは官界に対しても賄賂の手段として利用されてきた。現に、大蔵省はこれで摘発をされた。建設省にも黒い疑惑が深まっている。こういう株式をめぐる一連の動きに対して、締めくくりの答弁として、殖産の問題で親引けが禁止をされたからといって、まだ証券界は問題は解決しておりません。日本熱学の問題もありました。あるいは協同飼料の問題もある。それらの細かい内容については、きょう聞く時間がありませんけれども、どうも時価発行の際の株価の決め方、その後の寄りつき値などの形成のやり方に証券会社として大きな責任があるんじゃないか、大蔵省として、またもっと監督や規制を、取引所の自主性にまかせるんじゃなくて、ぴしっとやるべきではないかという感じを強くするわけでありますが、その点、大蔵大臣、どうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 資本市場における株価形成が公正にまいって産業資本が円滑に調達され、しかも投資家がそれで満足がいくという状態をどのようにして招来するか、これは証券行政の基本であろうと思うのでありまして、私どもといたしましては、証券政策を考える場合に、市場メカニズムをどのようにそういう趣旨に沿ってつくり出してまいりますか、証券会社をどのように指導してまいりますか、これは十分気をつけてまいらなければならぬことと思うのであります。しかしながら、どのように制度、機構をうまくやりましても、やはり究極のところ、関係者の人間的な自覚に待たなければならぬものが残るわけでございます。したがって、そこは政治家と言わず、どなたと言わず、やはりモラルを踏まえて正しくビヘーブしていただくということがなければ、証券行政自体も実を結ぶことができないのではないかということを憂えておるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 時間がありませんので、話題を変えたいと思います。  茨城県の霞ケ浦の汚濁について伺いたいと思う。  ここの写真にもありますように、汚濁、汚染が物すごく深刻になっている。夏場になると、あすこの養殖ゴイが大量に斃死をいたします。この写真を一度建設大臣、見ていただきたい。農林大臣、見てほしいと思います。また、春先になると、塩害で農村では田植えもできないという深刻な事態。きょうは環境庁長官は呼んでおりませんけれども、河川管理をする建設大臣として、この実態をどう受けとめておられるか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 霞ケ浦の総合開発事業は、周辺の洪水対策と首都圏の水の需要に対処しようということで、昭和四十三年から出発をいたしておるのでありますが、現在は、水資源公団で漁業の補償等を実施をいたしております。特に、水質汚濁の現況は、おっしゃるとおり、非常に悪化をいたしておりまして、私ども憂慮をいたしておりますが、このために、建設省としては、水質の監視体制の整備を固めるとともに、すでに霞ケ浦に流入する汚濁の著しい河川については、ヘドロのしゅんせつを、いま着手をいたしております。それからさらに、霞ケ浦のヘドロしゅんせつについても五十年度からこれを実施する予定で、いま準備をいたしておるところであります。  特に霞ヶ浦は、昭和四十九年七月に水源地域対策特別措置法に基づく指定を受けておるのでありまして、そういう意味からも、これは国土庁の所管に実はなるわけでありますが、今後、汚濁の問題を含め、さらに下水道を中心にした整備等を含めまして、総合計画的にこれを積極的に進めていかなきゃならない、このように考えておるわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 私は、霞ケ浦の汚濁原因の最大の問題は、鹿島の工業地帯に大量に水を送るということにあると思っているわけですが、きょうは原因論議はさておいて、鹿島に将来水を送る計画はどのようになっているのか、そこをまず説明していただきたい。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。  いま、先生の御質問の霞ケ浦で出てまいります水の量は、毎秒四十トンでございます。この四十トンの水につきましては、いろいろアロケーションがすでにきまっておりまして、約十六トン何がしが灌漑用水、二十三トンが都市用水ということで、東京都、千葉県、茨城県、そういうようなところに配分されるということになっておるわけでございますが、まだ、これらの詳細につきましては今後の水需給の問題から再検討されるかもわかりませんが、現在はそういう計画になっておるわけでございます。この中で鹿島開発で幾らこれから導かれるかということは、現在のところ、私承知しておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 鹿島の工業地帯の操業率は、まだ四〇%から五〇%と言われている。そこにまあ日量三十万トンの水を送っているし、最終的には二百万トンになろうとしている。これ以上鹿島に水を送ったら、霞ケ浦はからからになってしまう。この問題について、改めて建設省として厳しい規制をする、水を送ることについて再検討をする考えはないか。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) いまの先生の御質問は国土庁からお答えするのがいいと思いますけれども、実は建設省におきましては、昭和六十年度を一つの年次といたしまして、首都圏あるいはまた全国の水需給問題の長期構想を練ったわけでございます。したがいまして、いま先生のおっしゃるように、南関東が非常に水が足りないということで、いろんな施設をしなければいけない一つの一環がこの霞ケ浦でございますが、その後、世の中の状況がずいぶん変わってまいりましたので、国土庁を中心といたしまして、新たに水の需給関係をいまちょうど調査中でございます。そういたしますと各県の御要望がまたいろいろと変わってくるであろうということに対処いたしまして、いま地方公共団体の御意向あるいは国土利用計画の立場、いろんなものの整合性の中から、いまの時点で将来を見渡した形においてこの水需給計画をつくろうというさなかでございますので、いますぐ鹿島でどうこうと、細かいことは私の方は実は存じ上げておりませんので、よろしくお願いいたします。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いずれにしても、霞ケ浦の水問題が非常に深刻化している折から、農林省は、その霞ケ浦の十分の一を干拓して、いまさらながら農地をつくろうという工事を強行している。建設大臣、水が足りないのに、わざわざ水を減らす干拓をやろうとしている。河川管理を預かる者として、どう考えますか。建設大臣の方から聞きたい。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。  農林省におかれましては、高浜入という干拓工事を昭和四十三年ごろからすでに御立案になりまして、それから四十六年度から建設省関係の埋め立て、あるいは河川法等の許可も得られて、知事の認可を受けて、いま建設にかかっていられるわけでございます。まあ、私どもといたしましては、昭和四十六年当時は、すでに地元の御要望に基づきまして農林省が国営事業としてお始めになった農業関係の仕事でございます。いろいろ地元の方と、あるいは国土利用の立場、あるいは河川法的な立場、いろいろ議論したわけでございますが、その当時といたしましてすべて整合しておるという立場から、建設省としては協議について一つの条件はつけました。いろいろ漁業組合の皆さん方と円満に解決するようにという条件をつけましたけれども、これについては認可したわけでございます。でございますが、そういうことで、私ども現在考えております霞ヶ浦総合開発の計画の中には、すでに先取りというかっこうで現在進めておるというのが実情でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 当初の認可は別として、現時点で水不足が深刻になっておる状況のもとで、どう考えるかということ。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 農業の計画、これも非常に大切な計画でございます。もちろん、水の計画は基本的なものでございます。いろんなものが総合されて、いい総合計画がなされるということは、いま先生のおっしゃるとおりでございますけれども、もうすでにこの高浜入干拓は国の事業として農林省がお始めになったし、さらにそれを前提として認めた上で霞ケ浦総合開発ができておるということでございますので、やはりこれも国土利用計画の一つであろうと、そういうぐあいに考えておりますし、また、水の問題につきましても、御承知のとおり、そういたしましても毎秒四十トンの水が出てくるわけでございます。まあそういうことで、建設省といたしましても差し支えないものであろうと考えておるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 ここで議論しておる余裕はありませんが、あの霞ケ浦周辺には農地がごろごろしているわけですね。減反でペンペン草が生えているわけだ。そこを利用しないで、わざわざ百数十億も霞ケ浦にぶち込んでいく、水を少なくする、環境を破壊する、そういうやり方が間違っていると思いませんか。大臣、答えてください。建設大臣にまず聞きたいんです。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 前の経緯のことを私はよく承知をいたしておりませんが、この干拓問題も、それぞれ地元の意見、農林省、建設省、それぞれ総合的に話し合いをして、そのことがいいとして決定をされた問題だと思います。農林省のその決定に基づいて建設省でそれを慎重に検討した上で、それではいいだろうということで同意をいたし、現実に進んでいると、こういうように思っておるわけでありますから、新しい時点でそれが非常に問題になるということになれば、再検討する必要もあります。そういうことになれば、農林省とも十分相談をし、検討いたしてまいるつもりであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 再検討する余地があるのですね。まず建設大臣に最初聞きますから。——じゃ農林大臣でも。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 高浜入干拓につきましては、食糧の自給力の向上、地域農業の振興、さらに首都圏周辺において生鮮食料品の供給基地を設けるという農政上の観点から、この国営事業に着工をいたしたわけでございます。昭和四十二年に地元、県等の強い要請がありまして事業に着手いたしたものでありますが、昭和四十六年の六月一日に農林大臣の事業計画の決定をいたし、また漁業補償金を含め、施工に必要な手続は一切完了しておるわけでありますが、一部関係漁業者の反対があったために着工を見合わせ、円満な解決をはかるべく、国、県も努力を払ってきたところでございます。しかし、県、地元市町村の強い要請もございまして、昭和四十九年一月、準備工事に着工したものでございますが、今後につきましては、さらに地元、県、市町村との連絡も十分密にいたしまして、地元の情勢も十分考慮して対処してまいりたいと、こういうふうに考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 再検討の必要を感じないかというのです、経過はわかりますけれども。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはいままで、先ほどから申し上げましたように、今日の農政の課題として、やはり食糧自給力の向上といったような観点からも、さらにまた、地域農業の振興という面からも、この事業はぜひ推進をしたいと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。ただしかし、地元の意見等も十分これは配慮してやるべき問題である、いろいろと問題があるわけですから、これは十分配慮しながら対処していきたいと、こういうふうに思うわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 具体的問題に入ります。  この高浜入干拓に当たっては、公有水面埋立法二条により知事の免許、建設大臣の認可が必要になるわけですが、認可の前提として権利者の有効な同意が必要だと考えられるが、その点どうですか、建設大臣。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。  この点につきましては、先生御承知のように、四十五年の三月二十六日に漁業権消滅の総会決議がなされておるわけでございます。私どもは、この埋め立て免許の問題の議論の中でこのことがあったわけでございますので、この点についてはこれでよろしいと、漁業権が消滅したものとして河川管理者としては判断したわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 水産業協同組合法に基づく特別決議が必要なことはもちろんでありますが、もう一つ、福岡高裁の臼杵判決というのを知っておりますか。知っていたら内容を話してください。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 臼杵判決の要旨について御説明申し上げます。  これは昭和四十六年七月二十日の大分地裁の判決でございまして、事件名は、漁業権の確認請求事件でございます。要旨を申し上げますと、漁業権の一部放棄は単に水産業協同組合法第五十条四号により総組合員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による議決だけでは足りず、他に漁業権行使規則の変更の場合と同様に、漁業法第八条五項、三項に定める当該漁業権の内容である第一種漁業を営む組合員のうち、関係地区内に住所を有する者の三分の二以上の書面による同意が必要である。本件ではこれを欠いているから、漁業権放棄の決議があったとしても、それでは放棄の効果を生じないというのが判決の要旨でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この臼杵判決を尊重する立場に立ちますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 先ほど建設省の方から御答弁がございましたように、高浜入干拓事業に伴います漁業権の放棄は、昭和四十五年三月二十六日の高浜入の関係漁業協同組合の臨時総会において水協法第五十条に基づいて特別議決がなされており、また、四十六年五月三十一日付をもって免許漁業権原簿の消滅登録がなされておりますので、手続上瑕疵はないというふうに解釈しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 臼杵判決を尊重する立場に立つのかと聞いている。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) この点については現在係争中でございますので、意見を差し控えたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 臼杵判決は確定済みの判決ですよ。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 水産庁といたしましては、ただいま申し上げましたことで手続は瑕疵がないというふうに解釈しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 判決を尊重するのかどうかと聞いている。確定した臼杵判決を尊重するのかしないのか聞いている。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) この点につきましては、現在水戸地裁で裁判中でございます。したがいまして、行政庁としては見解を披露することは差し控えたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 臼杵判決について聞いている。(「臼杵判決はどうかと聞いておるんだよ。臼杵といえば大分だよ。何で水戸でやるんだよ、それを」と呼ぶ者あり)

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) いや、臼杵判決があったことはただいま申し上げましたように事実でございます。しかし、本件についての水産庁の解釈は、ただいま申し上げましたように、手続上瑕疵がないというふうに考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 だから、臼杵判決はどうなのかと聞いている。ずばり答えてくださいよ。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) ただいま申し上げましたように、本件については現在係争中でございます。したがいまして、その意見を差し控えたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 本件のを聞いているのじゃない。臼杵判決を尊重するのかしないのか聞いている。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) このことは、将来漁業法なり水協法の改正のとき検討すべき一つの事項であるとは思いますけれども、現在のところは、水産庁としては手続上瑕疵はなかったというふうに解釈しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 臼杵判決を尊重するかしないか聞いている。ずばり答えていないじゃありませんか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 臼杵判決のほかに、ほかの判決もあるわけでございます。したがいまして、行政庁としては、この問題につきましては、将来、漁業法なり水産業協同組合法の改正の際にその点については十分検討すべき事項だと思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 結局どうも答えられないようですから、次の質問に入ります。  干拓工事はいつ着工しましたか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 四十二年の十一月に着工しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 漁業補償は全部払ったでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 共同漁業権に対する補償は全部払っております。それから賛成派の自由漁業、許可漁業に関する部分も支払い済みでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 全部払ったかと聞いている。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 反対派に属します方々の自由漁業、許可漁業にからむ部分の支払いは終わっておりません。  なお、共同漁業権の内部配分の問題について、反対者と漁協との間の問題があるやに聞いております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 反対派には払ってないんですね。  公有水面埋立法八条、これを読んでください。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) 現在の八条……。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いや、高浜入干拓で適用した際の旧八条です。

増岡康治建設省河川局長

○政府委員(増岡康治君) ちょっと調べてみますから、失礼します。——趣旨はそう変わっておりませんので、第八条でございます。「埋立ノ免許ヲ受ケタル者ハ第六条ノ規定ニ依リ損害ノ補償ヲ為スヘキ場合ニ於テハ共ノ補償ヲ為シ又ハ前条ノ規定ニ依ル供託ヲ為シタル後ニ非サレハ第四条第三項ノ権利ヲ有スル者ニ損害ヲ生スヘキ工事ニ著手スルコトヲ得ス」ということでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 本文は少なくともそうなっている。ところが、いまの答弁によると、反対派には補償を払わないまま四十二年十一月に着工している。違法じゃありませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 共同漁業権に対します補償金の配分につきましては、関東農政局長と県漁連会長等との間に締結しました漁業補償協定及び支払い協定書におきまして、漁連会長等が公正かつ適当に配分を行い、配分に関する一切の異議については責任を持って解決すると、こういうことで行ったわけでございます。共同漁業権に対する国の補償は、漁協に対する支払いをもって完了していると思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 漁協に全額支払いましたか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 共同漁業権に関する部分につきましては、漁協に支払いは完了しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それ以外は……。一部払わないのがあると言ったでしょう。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 自由漁業、許可漁業に関するものについての支払いはまだでございますが、公有水面埋立法との関連におきます共同漁業権に関する限り、漁協に対する支払いは完了しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 一部しか補償は完了してないんでしょう。残っているんでしょう、一部は。もう少し明確にしてくださいよ、ごまかさないで。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 共同漁業権に関しまして漁協に対する支払いは終わっております。先ほど来申し上げております一部の支払いと申しますのは、反対者に関します自由漁業、許可漁業に関する部分について、権利と思われるものが将来発生した場合の支払いは済んでおらぬと、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いま権利がないということですか、そうすると。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 権利の内容をなすかなさぬかは、そのときの事情によって判断するより方法はないと思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 権利があるという前提に立って四千数百万の金を実際は持っていったのじゃありませんか、それを戻したのじゃありませんか、どうなんですか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 当初の支払い——反対派の問題の出る前に、確かに補償協定の額を決めました。それから、その後反対派の問題がございまして協定書の改定を行いましたが、自由漁業、許可漁業に関する部分について支払いを今後生ずる場合においては、支払いできるように措置しているわけでございます。先ほど来申し上げましたように、許可漁業、自由漁業に関します権利という問題に関しましては、干拓事業に係ります漁場において反復継続して営んでいるというようなことで、社会通念上権利と認められる程度にまで成立している場合には補償するということでございます。したがって、あの反対派三十名前後という方々のこれらの問題につきましては、いわば自由漁業、許可漁業に係る補償交渉に応ぜられないということでございますので、権利であると認定するもしないもございません。とりあえずその部分に関して予算措置を今後も通じておると、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 話の内容が大分違いますね。権利者と認めたから補償の対象にし、交渉してきたのじゃありませんか。それが反対に遭って、結局補償しないまま干拓を強行し工事に着工したという、明らかな違法ですよ。この問題は後で議論しますけれども。  もう一点伺いたいのは、漁業補償はどういう基準でやりましたか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 当時におきます漁獲商その他の問題を総合判断いたしまして、そして一方、相手方の漁連その他と具体的内容についていろいろ折衝をした結果、金額を決めたわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 補償要綱の基本原則は、補償についてどういう定めがありますか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 原則としては個別に配分するということになっておりますが、その内容が非常にふくそうしている等によって個別に配分をしがたい場合は、一括支払いすることを否定してはおりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうすると、個別払いの原則をとらなかった、しかしながら、総額を決めて後で反対派には四千三百万渡さなかった、これはどういう基準で四千三百万を決めたのでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 共同漁業権に関する補償部分と、賛成派の自由漁業、許可漁業に関する部分の合計額を配分いたしまして、残を四千三百万という形で予算措置をその後も講じているわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その基準を聞いている、四千三百万の。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 四千三百万の基準という問題につきましては、自由漁業、許可漁業の今後の権利内容という問題についての交渉の結果によっては、四千三百万は固定したものではございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 一応留保した基準は何かありますか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 漁協その他等におきます漁獲量その他から一応判断したわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 三十三名分、反対分の個別の内容が四千三百万について言えますか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 漁連その他が配分については一切の責任を負うということで交渉した中身の問題でございます。そこで、三十名前後の方方の自由漁業、許可漁業に関する補償は、補償といいますか、補償交渉はまだ成立しておりませんので、今後これらの方々との話し合いの中において解決していく問題であるというふうに考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 個別の内容は言えないのか、三十三名分の内容については言えないのかと、こう聞いているのです。ずばり答えてくださいよ。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 矢田部君、発言は立って願います。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) それは個々については申し上げかねます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 どうしてですか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 賛成派に属します方々の自由漁業、許可漁業を含む、そして共同漁業権に関する中身というのは、先ほど来申し上げたように解決しているわけでございます。その根拠というものにつきましては、これは漁獲量その他の問題を踏まえながら、関東農政局長とそれから地元の代理人となっております漁連その他の間で決めたわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 さっぱりわかりませんが、別の委員会で検討します。  宇田眞珠、別名霞ヶ浦眞珠という会社があり、これは干拓事業が決まってからわざわざ許可を取って漁業を始めた。一年間だけやって、つぶしてしまった。何もやっていない。この会社に幾ら払ったか、わかりますか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 宇田眞珠に対します補償は三千八百数十万支払っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 きわめてでたらめな支払いじゃありませんか。  会計検査院、検査をお願いしているはずですが、どうなっていますか。

桜木拳一会計検査院事務総局第四局長

○説明員(桜木拳一君) お答えいたします。  初めにちょっと御了解いただきたいと思うのでございますけれども、本件は一たん国から被補償者の代理人でございます茨城県漁連に支払いが行われたものでございまして、ただいま問題になっておりますのは、それから先のいわゆる漁協内部の配分の問題でございます。そういうわけでございますので、私どもといたしましては、組合員の方々あるいは漁業協同組合そのものを検査する立場にはないわけでございます。ただ、しかし、こういうふうに問題になっておりますから、私どもとしましても実態はどうしても知りたい、工事が非常に遅れてきているというふうな問題もございますので実態を知りたいということで、農林省に対しまして、その後の配分の状況はどうかということを詳細に調査して報告してもらいたいというふうな態度でいままでやってきているわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その内容ですよ。

桜木拳一会計検査院事務総局第四局長

○説明員(桜木拳一君) その内容につきましては、農林省におきましてずいぶん調査したのだけれども、どうも実態がよくわからないという報告を受けておりまして、私どもの方としてはまだ正確に把握しておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 農林省といって、あなた方は検査していないのですか。

桜木拳一会計検査院事務総局第四局長

○説明員(桜木拳一君) 私どもは直接はいたしておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 緊急にこれは検査をしなければ大変な問題がありますよ。  最後に、いずれにしても、公有水面埋立法上の問題もある。補償もきわめてでたらめだ。しかも、埋め立ての結果、霞ケ浦の水は非常に少なくなってしまう、汚濁も進む。こういうところに毎年毎年予算をつけているのは問題だと思う。その予算も毎年余って繰り越されているのです。去年のごときは四千数百万が、高浜へではなくて別の干拓工事に流用されている。ことしも恐らく九千万からの繰り越しになるでしょう。いま財政が大変だと言っておる折から、どうしてこんなところに予算をつけるのか。大蔵大臣、直ちに今度の予算では削るべきだと思うが、どうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の方は、農林省初め各省を御信頼申し上げて適正適実な予算の執行を期待いたしておるわけでございます。いま御指摘の点につきましても、農林省当局におかれて善処されることと期待いたしておりますが、御指摘の点につきまして、今後とも農林省と連絡を密にして処置したいと思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 多額の繰り越しと流用についてどう考えますか、その点だけちょっと答えてください。

竹内道雄大蔵省主計局長

○政府委員(竹内道雄君) 繰越額と、それから本年つけております予算額と合わせまして、農林省の方としましても、本年それを適切に使っていくというふうに伺っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 毎年繰り越しているんじゃないか。余っている。ほかにも流用しているんだよ、わざわざこの予算を。

竹内道雄大蔵省主計局長

○政府委員(竹内道雄君) したがいまして、その繰越額と本年計上いたしております予算額と合わせまして、本年適切にそれを使用いたしていくというふうに聞いておる次第でございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして矢田部理君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後一時半まで休憩いたします。    午後零時二十分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  矢田部理君の質疑に対し、法務省刑事局長から発言を求められておりますので、これを許します。安原刑事局長。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 午前の委員会でお約束申し上げました調査事項につきまして、お答えを申し上げます。  矢田部委員御指摘のとおり、また検察側の本件公判廷における冒頭陳述に主張いたしましたように、検察庁の調査の結果によりますると、昭和四十八年五月ごろ、検察庁の銀行調査が本件について行われましたころ、東郷氏が自分の秘書の陽氏に命じて、四十七年の十一月十一日付で上和田秘書が東郷から四億一千二百七十九万四千四百円を借り受けた旨の内容は、虚偽の借用書を東郷において作成いたしまして、そして五月の中ごろ、上和田秘書においてそれを承知の上で捺印をしたという事実がございます。  以上でございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 午前に引き続き、質疑を行います。対馬孝且君。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まず最初に、三月二十日にマルチ悪徳商法の誘拐事件がございましたが、この事件に関しまして警察当局、公安委員長の態度をお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  御承知のように、マルチ商法というのはネズミ講式販売方法とも言われておりまして、参加者が新たな参加者を勧誘することにより、大きな利益を上げようとする点にその特徴があるのでありますが、その勧誘方法等に問題がございます。参加者に不測の損害を与えるなどのトラブルが絶えず起こっておるので、われわれといたしましては、社会的に不健全なものと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 三月二十日のあの不法監禁のような行為に対しての実態がどうなっているか、これをひとつ保安部長からお答え願います。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) お尋ねの事件は、三月十九日に都内の千代田区飯田橋のホテルグランドパレスにおきまして起きた事件でございますが、マルチ商法のAPOジャパン社の被害者団体との会談が決裂した際に、販売契約者数名が、被害者団体の役員等二名を乗用車に無理やりに押し込み、連れ去り、その際、被害者にも傷害を与えたような事件でございます。  一一〇番で急訴がございましたので、警視庁では捜査員、パトカーを急行させまして捜査した結果、販売契約者三名を同日午後四時四十五分に逮捕監禁、致傷で現行犯逮捕いたしますと同時に、被害者一人の方を救出いたしまして、被疑者につきましては、所轄警察署に留置の上現在取り調べ中でございます。さらに、他の一名の被害者団体の責任者は、乗用車で連れ去られまして所在不明となっておりましたけれども、翌二十日午前三時四十分に所轄警察署に出頭されましたので、事情聴取した結果、連れ去った側に逮捕監禁、暴力行為等処罰に関する法律違反がございましたので、現在これもあわせて鋭意捜査中でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いまの事実行為に対しまして、不法監禁の疑いがあるということで取り調べをしているようでありますが、まず私は、もう一遍国家公安委員長にお伺いをしたいことは、この商行為自体が詐欺的疑いがあるのではないか、こういうふうに考えますが、この点どうですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 結果において詐欺行為になる場合が多いと私は思います。最初の次の人あるいは三段目くらいまでは余り詐欺とも言えない場合があるが、だんだんすそ野に行くともうわけがわからなくなるものですから、そういう意味では私は詐欺行為に類似する、これは余りおもしろからざる販売方法であると、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 詐欺行為であるとするならば、疑いがあるということですから、これに対してどういうこれからの取り締まりをするという考え方がありますか、お伺いします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいまも申し上げましたように、社会的にトラブルをいろいろ起こしますし、しかも詐欺行為に類似するようなものでありますから、何か法的規制をした方がいいのではないか、必要があれば立法措置を講じてもよいと、こう私は考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これをもう一度お伺いいたしますが、APOジャパンの会長、社長以下役員構成をされておりますが、この中に、以前かなり神奈川県警並びにある県警の、いわゆる警察官官僚としての役員が連ねられていると私聞いておりますが、この点どうですか。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) 詳細はまだ調べておりませんけれども、お話しの役員の中に警察関係者が一部おるということは承知しております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これ私はっきり申し上げますが、APOジャパンの人事の中に副社長の青木貞雄というのが、元静岡県警の清水署の捜査係であります。それから管理本部長藪井政雄というのが、これは神奈川県警三崎署の前署長であります。それから営業副本部長渡辺昌司が、これまた神奈川県警の元刑事であります。顧問又村も神奈川県警加賀町の署長を以前やっておりました。こういった会社の構成になっておるわけでありますが、こういう会社構成に対して、これは常識的に考えまして、会社の性格としてどう見ているかということをもう一度お伺いします。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) 会社の性格は、先ほど申し上げておりますとおり、マルチ商法によってやっておるわけでございますが、退職警察官が幹部その他の関係者におさまっておるということについては、もしそういうふうな立場において事犯があるとするならば、警察はもちろん積極的に事犯処理のために厳正な処置をとる考え方でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 先ほど国家公安委員長の私への答弁におきましては、詐欺の疑いがあると、こうお答えを願っているわけであります。したがいまして、私はこういう詐欺の疑いがあるとするならば、このAPOジャパンの会社は今日まで何回となく問題が起きているわけであります。わが党の久保亘委員からも指摘をしましたように、これは鹿児島県でも未成年者を加入させて問題が起きておりますし、兵庫県でも発生をいたしておりまして、今日までこれをどうして取り締まることができなかったのか、この点についてお伺いします。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) 公安委員長から御説明いたしましたとおり、詐欺的な行為に相なるかと思うのでございますが、詐欺罪としてこれを検挙するにしては非常にデリケートな問題がございますので、このようなマルチ商法につきましては、その存在について根本的な立場において検討する必要があるということで、所管の省において立法措置に御努力をいただくように警察としてはお願いをいたしておるところでございます。さらに、そのものが詐欺に相なるような場合につきまして、あるいはその他預かり金等の関係の法律に違反する場合につきましては積極的に取り締まるような意図を持っておりますけれども、現在までのところ、そこまでに至っていない、こういうのが実情でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは現実に私の手元に、百三十人一昨日参りましてこれだけの訴えが、最低六万六千円から二百六十万円まで出資金がひっかかって、全然返してもらえないという訴えが出ているわけです。この問題は実は四十四年以来出ているわけですね。いま保安部長の答弁の、詐欺的疑いがあるがデリケートな問題があるというのは、このデリケートの問題とは一体何ですか、これをお伺いしたいと思います。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) 警察といたしましては、詐欺の被害にかかったというような立場において御申告をいただいて捜査に出ますことが一番大切でございますが、一番最初においては、自分もそのもうけの中に入って、幾分かは自分がやはり利益を得るのではないかという立場で相対の形で入って、その後事情が変わって売るべきものも売れない、あるいは販売員の獲得もできないという、最初の約束と違ったという経緯もございますので、本当にその過程において、自分はだまされたんだ、こういう言葉を使って本当にだまされたんだというような事実がありますれば、やはり詐欺罪として問擬すべきものだというふうに思っておるわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 ここにも訴えられていますけど、二百六十万を出資をして、それがいま三年になっても返ってこないと、こういう訴えですよ。それから不良品を現実に買わされて、その不良品を買い取ってもらいたいと言っても買い取ってくれない、この事実行為だけで明らかでないですか。これは明らかに詐欺罪、不法監禁というのは親告罪でございませんから、事実行為に従って行わるべき処置でありますから、これは当然保安部長として今日までの段階で、この問題の取り扱いについてはやっぱり一応私に言わせると、怠慢とは言いませんけれども、もっと積極的に取り締まる対策をとる必要があったのじゃないかと、こう考えますが、いかがですか。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) 警察といたしましては、社会的な公正を確保する意味からいきまして、明確なる犯罪の事実が存在するならばやはり積極的なこれが取り締まりをいたしたい。しかし契約の中で、販売員を獲得するあるいはこの品物を売るというような契約の中で相対でやっているというところに壁が破り切れない。ですから、その間自分がこういう形でだまされたんだ、二百何万こういう形でだまされたんだという詐欺の、そういうふうな申し出をいただくことによってやはり警察としての取り締まる態度が具体的に出るというふうに思っております。警察は事犯については積極的に取り締まりをいたしたいわけでございまして、そういうことができないから、やはりマルチ商法に対する根本的な規制についての立法措置が必要であるということで、本会議等においてもいろいろと議論されておるところでございますので、御了承いただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 三月二十日にああいう十一時間にわたる被害者同盟と会社関係との間にトラブルが生じたということ、これ自体がもう正常な状態でないんですから、この問題に関して、私は今後法律をつくるというだけじゃなくて、国家公安委員長として、とことんまでこの問題の基本的な解明をして、詐欺罪なら詐欺罪、暴力行為なら暴力行為、脅迫罪なら脅迫罪、こういったことの事実をはっきりするという姿勢をもって臨むかどうかということを基本的にお伺いします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私、そういう商売をする場合に、出資をして、出資をするときには相対ずくでこれはもうかるから入りなさい、もうかるなら入りましょう、こう言って、そのときにはまだ問題は起きておらないと思うんです。それから、いまあなたが言われたように、商品を引き取ったときに、この商品は幾らで売るんだとか、幾らで売れるかということをよく調べた上で引き取るというのが商売でございますから、そこで、それが売れなくなったからといって、これを詐欺と認定できるかどうかというのは問題があると私は思うんです。しかし、いろいろの面において私はそういうやり方がおもしろくないというか、何か不明朗な面がございますから、これはそういう商売のやり方はもうやめてしまうという方法がいいのではないか、こういうふうに私は考えて、立法措置を考えてみたいと、こう言っておるのでございまして、私は、その具体的な事例になりますれば、これは国家公安委員長ではなくて、やっぱり警察当局が捜査をすべきものであると、こう考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 保安部長に再度お伺いをしますが、これは先ほど私が申し上げましたように、役員の中に警察の前歴を持っている者がいるから、被害者は、いいかげんになる、いいかげんに捜査を打ち切られるだろうと、こういう懸念を持っているわけです。ただ、あえて私は申し上げておりますので、この点をもう一度保安部長から、徹底的な捜査、究明をして、はっきり確信のある、やっぱり国民の前に明らかにする、こういう態度をお持ちかどうかをもう一回お伺いします。

荒木貞一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(荒木貞一君) 三月十九日から二十日にかけての逮捕監禁の事犯、これがやはりお示しのマルチ商法に関係する会社の実態とも関連する問題だと思いますので、そういう不法事犯の実態あるいは背景等を調査し、さらに根本的な問題にどういう点があるかということを十分明確にいたしたいと思いますし、関係者が警察出身者であるということで警察の態度が変わるものではございませんので、御信頼をいただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、副総裁にちょっと立場上お伺いしたいのでありますが、先ほど、こういった悪徳商法できわめて詐欺的な疑いがあるという国家公安委員長の答弁がございましたが、四十八年二月に、APO全国大会が京都の国立国際会館で開かれました。これは政治モラルの問題としてお伺いしたいのでありますが、自民党の前衆議院議員でありました石原慎太郎氏が、この全国大会に出席をして激励を送っているわけであります。この点について副総裁としてどう考えるか、ひとつお伺いをします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) マルチ商法問題は、これは私も実は関心持っているんです。と申しますのは、二、三年前でありましたか、熊本で、熊本中心にネズミ講というのが起きまして、その脱税事件の、当時私は大蔵大臣をいたしておりました。ああいうような種類のものをどういうふうに絶滅するか、法務当局や警察当局ともいろいろ相談をいたしたいきさつがあります。このマルチ商法もそれに似ておる。そういうようなことから、これは放置できない、こういうふうに思っておるわけでありますが、そういう大会に石原慎太郎君が出席をした、これは人の寄るところには石原君はよく出て行ってごあいさつをし、またお話をする、また、石原君来てくれといって頼むことがありますので、ついそういういかがわしいおそれのある団体というふうに承知しないで行ったのじゃないか、そういうふうに私は思います。そういう性格を知って、そして石原君がこれに行くなんということは、これはもう私としては想像できません。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 副総裁、いまお答えがありましたけれども、このAPOが社会的に問題になって、新聞をにぎわしてから相当になるわけですよ。しかも、東京都知事候補までなられたりっぱな方が何で詐欺団体のような、集団詐欺団体のような中に激励を送らなきゃならないんですか。これが、知らなかったろうということでは、ちょっと一般的な国民は理解しないんじゃないですか。まず、午前中モラルの問題がございましたから、モラルの問題としてどう考えるかということをお伺いしたいんです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、石原慎太郎君が、そういう団体の性格ということについて承知してそれに臨んだというふうには私はもうどうしても考えられません。石原慎太郎君は非常に清廉な人で、みずからクリーン石原と称するくらいの人でございますので、私は何らかの間違い、まあ、どなたかに、人が寄るから来て話してくれと、こういうことであったんじゃないかと、そういうふうに想像します。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは私は、少なくともこのAPOの全国大会に出席をしたというのは、政治家としてはやっぱり軽率であると、そういうそしりは免れないということだけは明確にいたしておきます。  そこで次に、八月九日にわが党の久保亘君が、公害特別委員会で質問いたしておりますが、通産大臣にお伺いをいたします。  この中で、APOジャパンのいわゆるマークIIペーパーインジェクターが、燃料節約、公害防止に役立つかどうかという問題に関連をして質問をいたしております。これに対しまして、政府の公正な第三者機関で検討されておりますが、この結果に基づいて法律をつくると、こう言っておるわけです。そういう問題と関連いたしまして、公害規制として効能があるのかないのか、まずこれを第一点お伺いいたします。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) このAPOのペーパーインジェクターと称する機械につきましては、その効能につきまして疑問がございましたので、通産省におきまして機械技術研究所及び車両検査協会に検査を委託いたしまして、昭和四十八年の五月にその検査結果について報告を受けております。で、これによりますと、非常に技術的なことでございますので詳細は省略させていただきますけれども、二十七個検査いたしましたところばらつきがかなりございまして、結論として申し上げますならば、効果について疑問があるということでございまして、この旨新聞にも発表いたしておるところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 その結果に立って通産省としてはどういう態度をとられるのかお伺いします。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) この機械につきましては、通産省の検査の前に東京都の公害研究所でも検査をやっておりまして、それによりますと、通産省で委託した検査よりは少し効き目があるんじゃないかというような、そういう報告も出ておりますので、まあ一概にそれだけで決めつけるのもどうかということがございまして、このAPOがもう一度十分な検査をさせてくれという依頼をしております。それでもう一度、先ほど申し上げました車両検査協会で検査をもう一度やり直すということになっておりまして、現在その検査を実施中であり、近く結論が出るというふうに考えております。  なお、マルチ商法一般につきましては、消費者保護のたてまえから、これを規制するところの立法をいたすべきかどうかということにつきまして産業構造審議会で審議をしていただき、昨年十二月には答申を得ております。この答申に基づきまして、マルチ商法を規制する法律をつくるべきかどうか等につきまして現在検討を進めておるところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは、先ほど国家公安委員長は法律を制定をすべきだというふうに私はお答えを願っているのでありますが、いまの態度ではどうもあいまいな答弁になっているわけであります。これは通産大臣に政治的な判断ですから……。これは昨年の八月九日の参議院公特委員会における久保氏に対する回答では、法律を秋ごろまでに制定をしたいという答弁に相なっておるわけです。この点どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の年末、産構審の方から取り締まる方向で検討したらいいと、こういう答申が出ておりますので、通産省といたしましても取り締まる方針で検討をいたしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 取り締まるんじゃなくて、その法律を制定するのかどうかということを尋ねているわけですよ。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 法律を制定する方向で検討しております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それ、いつごろ制定できますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これはいろいろ関係するところがございまして、たとえば独禁法の関係であるとか、あるいは法務省の関係とか、いろいろございまして、いついつまでにつくるということはいまここで期日をはっきり申し上げることはできませんが、前向きで検討しておるということは事実でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 昨年の八月九日に秋ごろまでと、こう言っているんですよ。いま三月ですよ、後退したんですか。後向きじゃないですか。もう一回その点はっきりとした答弁をしてくださいよ。いつごろまでと目安を出してください、目安を。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) 昨年、秋までと申しましたのは、産業構造審議会の答申を秋ぐらいまでに得られるであろうという意味でございました。  ところで、マルチ商法につきましては、独禁法の不公正取引に該当するかどうかという問題がございまして、二月には公正取引委員会がホリデイマジック社というマルチ商法をやっておる会社に立ち入り調査をいたしておりまして、いかなる処置をすべきかを目下検討中でございます。同じ行為につきまして二つの取り締まり法規ができるということは問題でございますので、独占禁止法によりましてマルチ商法の規制ができるものでありますれば、あるいはどの程度規制ができるかということが明らかになることがこのマルチ商法を取り締まるところの特別法をつくる前提として必要でございます。まだ公正取引委員会からその点につきましての結論をいただくに至っておりませんので、それが特別法を立案する場合の一つの前提要件として必要でございます。それから後、民法、商法との関係とか、あるいは先ほどお話のありましたネズミ講についての取り締まり法ができるのかどうか、できるとすればそれといかに調整すべきかというような問題が未解決になっておりますので、そういう問題について詰めた上で、前向きに立法を進めたいということでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 アメリカでは昭和四十四年にこれが明らかに悪徳商法であるということで禁止されています。したがって、世界各国の例もございますので、その点内容をひとつ説明を願いたいと思います。

天谷直弘通商産業審議官

○政府委員(天谷直弘君) アメリカでは州法による規制と連邦ベースでの規制とがございまして、二、三の州ではマルチ商法を規制する特別の法律をつくっております。それから連邦ベースにおきましては、昭和四十年かと思いますが、フェアトレード・コミッション——連邦取引委員会がホリデイマジックのマルチ商法につきまして独禁法違反であるという審決を下しております。それから米国の議会におきましては、マルチ商法を規制する法案を審議中でございまして、上院を通過しておりますが、下院では審議中というふうに聞いております。それからイギリスにおきましては、このマルチ商法を取り締まる法律をつくっております。それからフランス、シンガポール等でも規制をいたしており、またカナダにおきましてはこれを取り締まる法制を検討中というふうに聞いております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま、世界各国では、私が質問してきて明らかなとおり、アメリカを初め、これは悪徳商法として禁止をされています。したがって、もう一回通産大臣にお伺いをしますが、いつごろをめどに法律を制定しようとするか、めどを、ひとつ意欲的な姿勢を出してもらいたいと、お伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いまここでいつごろということをはっきり申し上げることはできませんが、先ほど政府委員が答弁をいたしましたように二、三関係する向きがございますので、その動き等も見ながら、できるだけ早く立法化をしたいと、こういうことでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 できるだけ早くと、こう抽象的な表現なんですが、去年は秋と言って、今度はできるだけ早くと、こう言う。何か二枚舌を使っているような印象を受けるんですけれども、国民が聞いてもわかるようにはっきりと、いつごろ——春ならば五月ですから、今国会中なら今国会中とか、その点をはっきりしてもらいたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは、さっき申し上げましたように独禁法等の関係もございまして、その動きを見ませんと、何月何日ということははっきり私は言えないと思うんです。そういう動きを見ながら、われわれも、これはやはり取り締まる方向で立法化しなきゃいかぬということを痛感しておりますから、できるだけ早く結論を出したいと、こういうことでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 できるだけ早くということですけれども、少なくとも、私は、今国会中に、相当な被害者が出ているんですから、この被害者にこたえる意味においても法制定化してもらいたいということを強調いたしておきます。この点もう一回、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 関係方面ともよく協議連絡をいたしまして、できるだけ速やかに、いまお述べになりました今会期中にでも結論が出るように努力をしたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それでは、本件につきましては……。  次に移りたいと思います。中小企業の不況下の対策につきまして、まず副総理に基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 経済全体は、不況が大分続きましたが、ようやく底入れというか、そういう徴候も出てきておるわけであります。ただ、底入れの状態になったから経済がすぐ立ち上がるような状態になるかと、こう言いますと、これはどうも、従来の景気循環過程、これは不況が底になればV字型で景気状態を回復する、こういう状態でございますが、そういう状態にならないんじゃないか。まだ、いわゆるなべ底状態というものに入りまして、その状態がかなり続くのではないか、そういうふうに見られるのであります。  しかし、あれだけの混乱の後の収拾でございまするから、そう従来のような早期に回復、安定ということは、これはむずかしいと思うんです。時間が回復過程まで入るのにはかかる。その間、そういう状態が小さい弱い者に偏るというような状態があってはならないということが政府の最大の関心事でございます。そういうことから、不況、それが特に中小企業に偏らないようにという配意をできる限り進めておる。先般の経済対策閣僚会議におきましても中小企業対策、これを主軸にいたしたわけであります。なるべく金融につきましても注意をいたしましょう。それから財政支出におきましても中小企業者に発注の機会が多くいくように配意いたしましょう。そういうことで私はかなりの効果はあった、こういうふうには思いますが、しかし、現況を見てみますると、中小企業の倒産は暮れに比べますと大変緩和されたようなかっこうにはなっておりまするけれども、中小企業の生産の状態、操業度の状態、そういうものは暮れなんかに比べまして今日の時点でかなりまた減退をいたしておる、そういう状態もありますので、中小企業対策につきましてはこれからも特に配意をしてまいる。  けさも経済対策閣僚会議を行いまして、そして当面の景気対策について協議をいたしましたが、これは第一にとにかく財政、この問題を取り上げよう。いままでは四十九年度を問題にしておったのです。しかし、きょうの会議におきましては五十年度の公共事業、これを去年のテンポなんかに比べますと、かなりこれを繰り上げて執行する、こういうようなことにいたしております。それを行う場合におきまして、これは中小業者に受注の機会がいくようにという配意を行うことは、これはもう当然でございます。  それからなお、中小の金融関係につきましては、現状におきましてはかなり行き届いた、政府としては行き届いた対策をとっておるというふうには考えておりましたが、つい先日も三機関に対する融資枠の拡大を行うというふうにいたしますとか、またこういう際でありますだけに住宅問題が大事だというので、住宅向け金融について特別の配意をいたしますとか、中小企業問題につきましては格段の配意をいたしておりますが、なお、今後の推移を見まして、適時適切な対策はとっていきたい、かように考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 第二次不況対策ということで、いま副総理から考え方をお聞かせ願ったわけでありますが、この中で、私は特に官公需対策についてお伺いをしたいと思います。  まず、官公需につきましてどういう具体的な対策をもって中小企業対策をとろうとしておるのか、これをちょっとお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 官公需につきましては、中小企業にできるだけ仕事がいくように配慮をいたしております。四十九年度の目標といたしましては三〇%を確保したい、これを一つのめどとして努力をいたしておるところでございますが、五十年度におきましてはさらにそれを上回るように努力をしていくつもりでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律がありますが、これの第三条、第四条をちょっと読んでいただきたいと思います。条項をひとつ説明してください。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 官公需についての、中小企業者の受注の確保に関する法律の第三条と第四条をお読みいたします。   (受注機会の増大の努力)  第三条 国等は、国等を当事者の一方とする契約で国等以外の者のする工事の完成若しくは作業その他の役務の給付又は物件の納入に対し国等が対価の支払をすべきものを締結するに当たつては、予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。この場合においては、組合を国等の契約の相手方として活用するように配慮しなければならない。   (中小企業者に関する国等の契約の方針の作成等)  第四条 国は、毎年度、国等の契約に関し、国等の当該年度の予算及び事務又は事業の予定等を勘案して、中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針を作成するものとする。  2 通商産業大臣は、あらかじめ各省各庁の長等と協議して前項の方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。  3 通商産業大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、第一項の方針の要旨を公表しなければならない。  以上です。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、いま官公需対策に関する法律の条項を説明願ったんですが、第四条第二項、第三項に関連いたしまして、通産大臣は各省の官公需発注計画をどのように策定し、前年度対比をして、どういう状況になっているかをひとつ説明を願いたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) いまの第四条に関連をいたしまして、中小企業者に対します国等の契約の方針をつくるわけでございますが、予算が確定をいたしますと、各省庁におきまして、その予算の内容につきまして、どういった部面を中小企業者に発注できるかということの内容を予算の項目ごとに検討いたしましておよその見積もりをつくります。それを中小企業庁が集めまして、その数字を見た上で、さらに各省庁と十分協議をいたしまして、できるだけ中小企業に回せるものは回すように各省庁にお願いをして、その数字を検討した結果、積み上げましたものを最終的に国等の契約の方針ということで閣議決定をいただいておるわけでございまして、昭和四十九年度につきましては、四十九年の八月九日に閣議決定をいたしております。その場合には、数字的な契約の目標と同時に、特にその年にこの目標を達成するためにとるべき各種の措置につきましても、同じく閣議決定をいたしまして公表いたすことにいたしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そのある程度の目標数字を示してもらいたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 四十九年度について申し上げますと、四十九年度の官公需の総体の予算が五兆一千億円でございます。それに対しまして中小企業向けの契約目標額は一兆四千七百四十億円でございまして、その比率が二八・七%というふうになっております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、三〇%という目標を定めた根拠についてお伺いしたいんです。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 年度当初につくりました目標は二八・七%でございましたが、その後途中経過と申しますか、昨年の十二月末現在におきましてどれぐらい中小企業向けに発注されておるかを各省庁並びに公社、公団につきまして調査をいたしまして、集計をいたしましたところ、四月−十二月の間の官公需につきましては二九・四%が中小企業向けに発注をなされておったのでございます。これは年度当初につくりました目標の二八・七%をすでに上回っておったわけでございます。しかし、こういった非常に中小企業の不況が厳しい状態でございますので、さらにこれを上回るようなところまで、あと三カ月でございましたけれども、各省庁に御努力を願って三〇%まで持っていきたいと、かように存じまして、一応閣議ではさらに努力をするということで三〇%という目標を了解事項として決めていただいた次第でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 この各省と公団の割合ということをちょっと説明してください。どうなっていますか、各省と公団の発注の割合、公社、公団の発注の割合……。

齋藤太一中小企業庁長官

○政府委員(齋藤太一君) 四十九年度の目標は全体で二八・七%でございまして、国が三七・三%、公社、公団が二三%でございます。それに対しまして、十二月末の実績で見ますと、国が四二.九%、それから公社、公団が二一・六%でございまして、公社、公団の方が目標を下回っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、私はこの公団を担当されている運輸省、それから並びに郵政省、建設省にちょっとお伺いしたいんでありますが、公団関係が中小に発注される企業の率が非常に低いということはどういうことですか、これ。この点ひとつ各省別に、管理をされている公団の率が下がっているという理由はどこにあるのか、これをお伺いしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸省関係の公団で申し上げますと、四十九年度の第三・四半期までの実績でございますが、日本鉄道建設公団、これが一一・九%でございます。目標は七・四%に対して一一・九%。低いのは、日本鉄道建設公団は、御承知のように鉄道の新線建設でございますので、すべて大きい仕事でございますので、中小企業にやってもらう仕事が非常に少ないということでございます。  それから船舶整備公団でございますが、これは目標が五七・八%に対しまして、第三・四半期までの契約率が二三・四%でございます。これは第四・四半期でかなり契約ができるんではないかと思っております。  それから京浜外貿埠頭公団、これは目標が二・三%に対しまして四%でございます。これも埠頭の建設でございますので、すべて大規模の事業でございますので、中小企業の仕事になじまないのがこういう非常に低目になっておるのでございます。  それから新東京国際空港公団、これは目標が二六・四%に対しまして三七・三%、これは目標を大分上回っております。  それから阪神外貿埠頭公団でございますが、目標が五・八%に対しまして九・九%でございます。これも京浜外貿埠頭公団と同じ事情にあるわけでございます。  以上でございます。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。  電電公社の中小企業向けの発注額につきましては、四十九年度の見込みを申し上げますと、工事につきましては、総額五千二百十七億円のうち、千二百六十二億円、すなわち二四・二%であります。ところが、物品につきましては、総額五千四百九十七億円のうち、三百四十一億円、これはわずかに六・二%であります。これはまことに遺憾でありますが、実は電電公社が使用いたします電気通信設備及び資材は、精密な通信ネットワークを形成するものでありますために、高度の技術水準を必要とするのであります。そういうようなことで、特別規格品であるなどの理由から、中小企業向け発注に適さないものが多いという事情がありますが、毎年度予算の内容に基づいて、中小企業向け発注につきましても、できる限り努力しているところであります。したがって、このような事情から、中小企業向け発注には現状において限界がありますが、なお、御趣旨の次第を十分考慮いたしまして、今後ともこの点において公社が一層努力するように指導いたしたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 第三・四半期の建設省の発注状況は、公庫、公団関係は、大企業が八四・七%、中小企業が一五・三%、これは住宅公団やら、日本道路公団等、比較的大規模の工事が多いわけでして、そういう意味で中小企業の受注の割合が少ないわけでありますが、建設省全体の直轄関係を見ますと、六〇・六%が大企業で、四〇%が中小企業でありますから、大体四〇%程度やっておるわけで、特別な公団関係では、ただいま申し上げましたような比率に相なっております。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 一つ落としました。  日本国有鉄道でございますが、これは目標が二九・五%に対しまして二八・五%でございまして、ちょっと目標に足りませんが、まずまずというところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは、なぜこれをお尋ねしたかと言いますと、この公団関係については、本省と比較して非常に低いわけです。いま理由を説明されましたが、特殊技能とか、大手でなければできないとかと言っていますが、これは真っ赤なうそです。これは中小でも十分に——公団関係では、大建設会社から直ちに下請に出しているのが実態じゃないですか。全部そうですよ、全部下請ですよ。これ調べてみますと、いま全部各省から、かつて高級官僚の天下り人事でもって全部公団に行っている。こういうところからも、私に言わせればほとんど大企業発注が多くて、中小企業が少ない。これで官公需の、中小企業を救おうったってできないじゃないですか。私はこの点、根本的に、政府は第二次不況対策として、先ほど副総理は強調されましたけれども、いま一度この官公需対策を見直してみる必要があるんじゃないか。この点の考え方をもう一度総括的に副総理にお尋ねします。(「下請、孫請でやってるんだ」と呼ぶ者あり)全部やっているんですよ。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 最近中小企業への発注機会というので、努力をしておりまして、四十八年度は二八%だったんです。それがとにかく努力をいたしまして、かなり上がってきて、三〇%を目標だというところまできましたが、御指摘の公社、公団、事業団等につきましては、なお積極的に努力をいたすようにいたします。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、官公需の入札のあり方について、一つだけ、私、事例を挙げて質問いたします。  これ、労働大臣に率直に申し上げますが、労働省官房から二月一日に軽印刷業協同組合に対しまして、実はこの予定額、というよりも、この価格でもってやれということで提出をされています。これを見ますと、経済企画庁の積算表による市中価格の三分の一——もう時間がありませんから、タイプオーフが八百五十円のものが二千二百六十円が市中価格であります。労働省の官房で出したのが八百五十円。それからカメラD4というのが四百五十円、労働省が出したのが。これは市中価格でいきますと千二百三十円。こういったような労働省自体が最低賃金すら支払うことのできないような中小零細企業にこういう価格を押しつけるという、この入札のあり方について、私は労働大臣として、しかも労働者を保護する労働省がこういうことをやっていいのか、これは正しいと思うかと、こういうことをお伺いします。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私の役所といたしますと、実は中小企業を大事にしようと思いまして、雇用促進事業団などの契約は、私が聞いた話では六〇%ぐらい予定しましたのが昨年度は六二・七%、そういうふうなことをやっておりまして、ただいまの通知というのはちょっと私聞いておりませんが、そういうことはあっちゃいけませんし、いまからもやらせないと、こう思っております。まあそれにいたしましても、何か圧迫するような感じなどを持たれたんじゃ非常に心外千万ですから、今後とも私たちは中小企業を大事にしていくという姿勢で推進してまいりたいと、こう思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これははっきり申し上げますけれども、大臣。これは軽印刷業組合の方々がこう言っているのですよ。これでやれと言われたと、これでできなければ手を引いてもらって結構だと、まさに泣き寝入りなんですよ。こういうやり方が、各大臣おりますけれども、ほとんどの各企業でなされている実態ではないかと私は思うのです。私はこのことについては、これが事実でなければ否定してもらって結構ですが、労働省官房二月一日付文書ですよ。これはあて名は入っていますけれども、業者に迷惑かけてはいけませんから、あなた方がまた圧力かけてこういう業者はお断りすると言ったら困るんだと、こういうことが出ておりますから、私は言いませんけれども、こういう問題について本当に、直ちに直して、やっぱり中小企業は保護するなら保護するという立場での改定をする意思があるかないか、この点をお伺いします。事実はどうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 事実ですか。事実はそれじゃ政府委員から答えさせましょうか。

橋爪達労働大臣官房会計課長

○政府委員(橋爪達君) 私どもの方ではそういった意味の通達等を出して強制しているというような事実はございません。ただ、会計法規に基づきまして、内部的な検討資料としまして積算のデータをつくっているわけでございます。そういう過程で先生のいま挙げられたような項目につきましての内部的な積算はございますが、それをもって強制するというような性格のものではございません。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 強制しようとしまいと、積算をしたという事実はあるじゃないですか、ここに。これを出した事実はないんですか、これ。積算をしたという事実、これはどうですか。ごまかしの答弁だめだよ。

橋爪達労働大臣官房会計課長

○政府委員(橋爪達君) ただいま申し上げましたように、積算資料として内部的につくっておりまして、この予定価格の積算等について公表するというような性格のものでございませんが、先生がおっしゃいましたような数字に近いもので試算してきたことは正直に申し上げてございます。ただ、現状はもうそういう価格ではやっておらないということを申し上げておきます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは大臣にお伺いしますけれども、こういった事実がいま出されましたけれども、現実にこの価格が出されているんですよ、これ。現に各省に陳情書が出ておるじゃないか、そういう証拠に。これについて改定する意思があるかないか、これまずお伺いします。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 先生の御指摘もありますので、予算価格の積算方法については検討をいまからも進めてまいりたいと、こう思っております。  そこで来年度の、たとえば労働省の印刷関係の話が出ましたが、印刷関係にしますと、私のほうは中小企業にほとんど大部分を発注しております。昭和五十年二月末現在におきまして、中小企業には九七%、大企業には三%、これは中小企業でできないコンピューター関係の用紙だけでございまして、お話しのようなことはないようにしながら中小企業のために注文をしていきたい、こう思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは各大臣に私は最後に一言申し上げておきますが、まだ具体的な事例はたくさんありますが、時間の関係上私は省きます。  しかし、現実には市中価格の——特にこの所轄官庁である通産大臣に申し上げますが、市中価格のやっぱり三分の一程度でほとんど各官庁が落としているんです。中小企業は泣き寝入りしています。これはこういう点はないように、ひとつ政府全体として、中小企業を生かすんじゃなくて殺すんじゃないですか、これでは。こういうことではなくて、生かすなら生かす立場で、市中価格というものに大体見合うやっぱり最低賃金を保障できるくらいの制度というものをきちんとシステムとして確立すべきじゃないかと、こう考えますが、所轄の通産大臣はいかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今後十分気をつけてやってまいりたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それでは次に、私は北海道に関係をいたしまして、北海道に散在をしております産炭地の企業対策等の問題に関しましてお伺いをいたします。  まず、産炭地振興法第四条並びに産炭地振興事業団法第一条の目的について、政府委員から朗読を願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 産炭地域振興臨時措置法第四条を読み上げます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで私は、炭鉱が、石炭政策がつぶれたのは、いまの三木総理大臣が通産大臣のときに一番大きなのがつぶれているわけであります。ここで弱者救済とこう言われて、産炭地企業は進出をしてまいりました。ところが、現実に産炭地においては、御案内のとおりいま第四条の目的でも明らかになりましたように、雇用安定とやっぱり産炭地域における疲弊した地域を振興することが目的であります。これがねらいで産炭地法というのが、整備法ができ上がりました。そこで私が言いたいのは、現実に今日の段階で、美唄、夕張、赤平一円に企業進出をした企業がつぶれていっている。そこで、産炭地へ企業誘致する基本的なあり方について一つ問題があったんではないか、こう考えますが、この点ひとつ通産大臣にお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま御指摘のように、産炭地にいま誘致いたしました企業の相当数が倒産をしておることは事実でございます。誘致の基本方針といたしましては、誘致いたしました企業に対しては金融上も相当めんどうを見ておりますし、それからまあ税制上も特別にいま配慮を払いまして、いろいろ援助をしておるわけでございますが、やはりこの倒産をする企業が相当多いということは大変私どもも遺憾に思っておる次第でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで私は言いたいんですがね、美唄のこの北洋繊維という会社、大日音響、共泰産業、夕張では岩佐織物、額縁工業などがつぶれております。ところがこの十月一日で大体解雇をして、解雇をするときに再び何とかしたいということでごまかし、擬装倒産みたいなかっこうでつぶれていって、言い渡しをされているわけです、従業員に対して。私はここが非常にやっぱり問題があると思うんです。これは本当に倒産をするのか擬装倒産なのかという問題は現地では非常に問題になっています。この点どうですか、通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私もそういう大きな問題があるということは承知しておりますが、これはやはり裁判所で最終的に決定すべき問題であると、こういうふうに理解をしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いや、大臣、裁判所で救うとか救わないという問題じゃなくて、いま倒産していっている実態についてどう思うかということを私は言っているんですよ。これは明らかに今日の状態ではやっぱり産炭地振興の法の精神に反しているんじゃないですか、私に言わせたら。これは、この中には大日音響というのは心身障害者が十三人いるんですよ。お先真っ暗で自殺一歩手前だと、こう訴えられています。こういうものを含めて一体どう考えるのか。当初の産炭地振興法の企業誘致の目的意識に反しているんではないかと、こういう意味で、きょうは参考人を呼んでおりますので、私は地域公団の本田副総裁から実態を含めてお伺いをしたいと思います。

本田早苗地域振興整備公団副総裁

○参考人(本田早苗君) お答えいたします。  当公団の産炭地域関係につきましては、団地を造成いたしまして、その土地に企業に入ってもらうということと、産炭地域に進出した企業に融資をいたしております。融資の状況では、従来六億の予算で大体足りておったわけでございますが、本年度は昨年の秋以来の不況の影響で立ち直り資金の融資の需要がかなりふえてまいりましたので、六億の予算に対しまして十二億五千万まで枠をふやしまして融資をいたしました結果、従来二十七件あるいは二十九件というような最近の融資件数に対しまして、四十九年度といたしましては六十一件融資をいたしております。さらに五十年度の一・四半期につきまして資金の期待を調べておりますが、すでに二十二件、四億八千万の融資の期待が出ておりますので、これにつきましては、五十年度予算が決定いたしましたならば至急に審査して、決定の上資金の交付が図れるようにいたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。  なお、本年度の予算は一応六億九千万でございますが、これにつきましては、資金の需要状況によりまして、設備資金との間で調整をして、資金の不足がないように考えることにつきましては、四十九年度と同様に考えたいというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 再度お伺いします。この倒産をした倒産理由についてお伺いいたします。

本田早苗地域振興整備公団副総裁

○参考人(本田早苗君) 実は御質問にありました大日音響とそれからもう一つの北洋繊維につきましては、非常に早くに進出されまして、四十一年、それから北洋繊維は三十九年度に進出されておりますが、かなり順調にやっておられまして、私のほうの融資も出しておりましたが、経営順調で完済されておりまして、完済後の状況につきましては、取引がございませんので十分承知いたしておりませんが、市況悪化のため、あるいは取引停止を受けたため倒産したというふうに事情を聞いております。  なお、共泰産業につきましては、これも市況が悪化したために影響を受けたわけでございますが、特に高級品をつくっておるということのための影響が大きいというふうに承知をしております。  それから夕張額縁につきましては、これは土地を十五年の年賦の譲渡をいたしておりまして、それから工場建物につきましても、四十二年に新しく設立されました工場建物貸与制度というもので、実は工場をわれわれのほうで建てまして、これを十五年間の割賦で、利子なしで譲っておるのでございますが、こういう条件で、できるだけ活力のある企業活動を期待しておったのでございますが、なかなか技術的な問題その他もありまして順調にいきませんで、三回運転資金の融資をいたしましたところが、経営の実態として問題がありますので、経営診断を受けてもらいましたけれども、経営診断の結論を得るまでに、経営陣の不備といいますか、それへ最近の住宅需要の下がったために額縁の需要も減ってまいって、売れ行きがかなり大きな幅で落ち込みました。こうした影響で倒産のやむなきに至ったという事情でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いまの参考人の本田副総裁からも明らかにされておりますように、受注減ですね、全部。全部仕事がなくて、仕事が奪われて結果的には倒産をしたというのが実態であります。したがって、私は山がつぶされて、やれやれ何とかもう一回この企業にすがりついて将来に安住を求めようと、こういう炭鉱労働者の本当のささやかな願いすら裏切られた、こういういま実態なんです。しかもその中で十三人も心身障害者がいる。先ほど私美唄も申し上げました。こういう問題について大臣、私は通産大臣としていま一度やっぱり現地に、産炭地振興のために、私は率直に申し上げますが、事前の企業診断なり、企業対策がとられていないというのが欠陥です。率直に申し上げます。私はそういう意味で、第一の問題としましては、現地にひとつ調査団を派遣をしていただいて、産炭地域に派遣をしていただいて、特別企業診断を行ってこれの対策をとることができないか、これが一つ。  二つ目は、労働大臣にこれも関連いたしますが、雇用保険法の適用ということの問題について再検討する道はあるのではないか、これが二つであります。  三つ目は、厚生大臣にお伺いいたしますが、いわゆるこの心身障害者の対策について、厚生省として全くお先真っ暗なこの心身障害者にどういう弱者救済の道を与えるのか。救う道があるのか。これこそ私は三木総理が言うように弱者救済であり、社会的不公正の是正だと思うのであります。この点についての考え方をお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 産炭地におきまして、企業が相次いで倒産をしておる、誘致企業が倒産をしておるということに対しては、私どもも大変心配をいたしておるわけでございます。ごもっともな提案でございますので、至急そういうふうな手配を、これまでも調べておりますけれども、重ねて手配をいたしまして、十分調査をいたします。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 現地にそれじゃ派遣いたしますか、調査団を派遣するということについて。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) そういうふうにいたします。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 雇用関係が非常にむずかしくなるときでございますから、私の方といたしますというと、御審議いただいた雇用調整給付金、こういうものを早く発動いたしまして、労使内で話し合いがついたものを中小企業の場合は三分の二、大企業の場合は二分の一、そして休業する者のお手伝いをしながら雇用関係を維持していきたい。  もう一つは、私のほうから申し上げますと、年配の方並びに身体障害者、こういう方がこういう不況のときに一番しわ寄せを受けやすいことでございますので、特にそういう方々のいろんな情報を事前にキャッチしながら雇用の安定に努めておりますが、ただいま美唄の話が出ましたが、十三名ということでございますが、そのうち私の方の職安の方でお世話申し上げまして——たしか解雇された方が十二名でございますが、私の方でお世話申し上げまして、三月二十四日現在で再就職七名、あとの五名につきましても極力私の方で新しい口を見つけるのにごあっせん申し上げる。こういうことでございます。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いまおっしゃいました産炭地における身体障害者の離職問題、これについて私どもの範囲では授産施設がこれに一応対応するものでございますが、北海道庁では産炭地対策ということでございましょうか、身体障害者の授産施設は比較的空知支庁管内等の産炭地に多くかたまっておるようでございますが、しかし、数字を見ますると、数字の上では定員に対し現員が若干の余裕が実はあるようでございます。したがいまして、一応のところ収容ができるはずでございますが、しかし、もしどうしても御希望があれば、北海道庁でそのような施策を立てるならば、厚生省本省といたしましては、これについて、新設等をいたすことについてはやぶさかではございません。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 さらに私は、産炭地振興対策の一環としてお伺いしたいのでありますが、金融対策には万全を期しているということを先ほど言われておりますけれども、実際問題として現地の実情を聞きますと、相当在庫がふえて高利が重なっていっている。それはかなり返済を延ばしてもらったり、あるいは担保物件などの操作を願っているんだろうけれども、実際問題として出てくる問題は、いま茂尻ですがね、固有名詞は挙げませんけれども、赤平地域と、いま出ておりますのは率直に申し上げて芦別です。この地域に進出をした企業の中で、民間サイドの指定されているのが六十二銀行あると、こういうわけですよ。これが指定された銀行であります。  北海道的に申し上げますならば、北海道銀行とか拓銀とかといったら、これはもう副総理を初め大臣、副総理も何回も来ておられておわかりのとおり、北海道でのナンバーワンの銀行と言ったら、これはもう北海道銀行と拓殖銀行に決まっているわけですよ。これは零細企業が取引銀行なんかになっているわけないわけです。これは副総理もお認めになると思うんですよ。大会社ならいざ知らず、拓殖銀行、北海道銀行と取引があるなんという零細企業はほとんどございません、はっきり申し上げまして。  ところが、指定銀行がこういうことになってきておるものですから、実際上は、政府系三機関あります、国民金融公庫、商工中金、中小企業公庫等もございますけれども、産炭地においては、いまなおほとんどもう信用組合あるいは空知信用組合、率直に申し上げますけれども、零細な信用組合を相手にしての金融取引というのは限界に来ているわけです。こういう意味で、私は何らかのひとつ、特段の対策がとられているといま副総裁の、参考人のお答えがございましたけれども、私はいま一歩やっぱり産炭地に、こういった倒産寸前にある企業に対して特別対策をとる方法がないものかどうか、あるんじゃないかというふうに考えますので、この点銀行扱い等の窓口の緩和あるいは整理というものについて検討していただく余地がないかどうか、この点ひとつ通産大臣で結構でございますから。

本田早苗地域振興整備公団副総裁

○参考人(本田早苗君) 金融機関につきましては、私の方の取引としましては相互銀行あるいは信用金庫等も代理店として活用いたしておりまして、代理店窓口として各企業から話を伺えるようにはいたしております。資金の限度がございますが、その限度以上のものにつきましては、窓口銀行からその支部なり本部なりに連絡をいただくということになっておりますが、運転資金につきましては支部限りで全部処理ができるということにいたしておりますので、御活用願うようにお願いいたしたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで私は、この産炭地に関する場合、まあ率直に言って在庫がふえているものですから手形が長引いておるわけです。おわかりだと思います。それで、二回ないし三回切りかえていますね、副総裁が認めておるように。これを何らかの措置をもう一歩とってもらいたいというのが現地の意向なんです。それができるかできないか、ちょっとお伺いしたいと思うのです。

本田早苗地域振興整備公団副総裁

○参考人(本田早苗君) 資金ショートのために決済に困るという事情が出てまいっておる場合に、われわれの方の返済につきまして期限の延長を図りまして返済を延ばすような措置もとっておりまして、そういう方法でなおかつ不足する場合に、この立ち直り運転資金の融資を行うということでございます。場合によりましては、かなりの返済が進みましたために、当初貸し付けた金額の担保を取っておる必要のないものにつきましては、担保を縮小するということによりまして、新しい信用ができるようにも配慮をいたしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、私は特にいま現実に、先ほどは幾つか、北洋繊維、大日音響、共泰産業、岩佐織物、夕張額縁工業などを挙げましたが、現実にいままあ倒産一歩寸前にあるという実情で、先ほど大臣が調査団を派遣をしていただけると、調査員を派遣していただけるということになりましたから、それなりに対策はとられると思いますが、いま一歩現地のこの企業診断体制というものをさらにひとつ強めていただきたい。そして積極的に、倒産になってからもう手を打ったって遅いわけです、率直に言って。倒産になる手前にどういう手を打たれるかということについて一番問題があるんですから、この点いま一度企業診断員をこの産炭地域にひとつ、常駐というまでいかなくても増員体制をとってこの企業診断員を配置をするという方法をとれないか、この点通産大臣にちょっとお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いずれにいたしましても調査団を現地に派遣をいたしまして、その実情を掌握をいたします。その結果、どうすべきかということについて検討いたしまして、いまのお話もその一つとしてよく対処してみたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それでは、この間の物価特別委員会で私も副総理に、経済企画庁長官・副総理という立場でお伺いをしておるんでありますが、私はどうしてもこの手を打ってもらいたいということを、きょう副総理という立場でお答え願いたいんでありますが、例のやっぱり北海道価格解消の問題なんです。  これは、率直に申し上げまして、北海道価格とは何かと言えば、これは北海道庁も認めておりますように、いわゆるプロパンガスとセメント、自動車、これが通称言われる北海道価格と、こう言われているわけであります。  ところが大臣、最近どうなっているかと申しますと、これにプラスをされまして学童の学生服、それからちり紙とか練炭とか、それから薬品を初め約三十八品目がこの北海道価格として、逆に縮まるんではなくて広まっていっているんですね、この問題は。まことにこれは、大臣は胸を張って三月は物価は一五%になりましたよと、あるいは一五%を切りますと、こう言っているんだが、北海道道民にとっては逆に北海道価格が広まって高くなっていっている。全国一高い物価になってしまっているというのが実態なんです。  そこで、私は具体的なことで質問申し上げたいんでありますが、この間も申し上げましたがプロパンガスをどうして本州から百円高く買わなければならないか。これは大臣、納得できないんです、どう考えても。これ、一発で解消できる道は、流通機構の欠陥があるんですから、流通機構で解消いたしますということで踏み切っていただければ解消になるわけです。これは今年ぜひやっていただきたいと考えますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 前々から対馬さんから北海道価格問題の御提起があるわけであります。これは注意しているんです。御指摘がありますように、地域格差というものがどうしてもある。ありますが、これは全体論を申し上げますと、北海道は全体といたしますとわりあいに安い方なんです。東京を一〇〇としますと、消費者物価指数は、これは北海道では九一となる。それからジャガイモだとか、あるいは魚類でありますとか、トウモロコシだとか、そういうようなものは安いわけで、ただ工業製品が逆に高い、一部のものが高い、こういう現象があって、これが目につく、こういうことではあるまいか。そういうふうに考えておるわけでありますが、御指摘の自動車だとか、セメントだとか、あるいはプロパンガスでありますとか、そういうものが割り高である、こういうことはよく承知しております。それはやはり当該製品の生産地が、これは遠隔の地にあるということも一つの理由ではあるまいか。  それから、この前御指摘のありました流通機構の問題ですね、そういう問題。とにかく北海道が割り高になるというようなことでありますれば、これは放置できない問題でありますので、一つ一つ詰めてこれを解消する。こういうふうにしなければならないだろう、こういうふうに思います。  ただ一つ、私がまだお答えできませんのは、流通機構の問題なのですが、これは通産省の方からお答え願うことにいたします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) プロパンガスにつきまして、この北海道価格で現在百円高くなっておるわけです。これにつきましても、私ども一年間この格差を縮めるようにずっと努力をいたしてきたわけでございますが、ただプロパンにつきましては、これは対馬先生よく御存じのように、北海道におきます暖房その他にはほかのものを使っておりまして、プロパンの一軒当たりの消費量が少ないということからどうしても割り高になるということでございますが、これの格差を縮めることにつきましては、私ども引き続き努力をいたしていきたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま大臣と、エネルギー庁長官からお答えを願ったのでありますが、私、経済企画庁が押えている数字と、北海道消費者協会というのがございまして、ここで押えた数字によると、本州に対する北海道物価指数というのは一一二なんです。一二%高いのですよ、大臣やはり。それが先ほど言ったプロパンとか灯油とか、あるいは自動車とかセメントとかというものが高くなっているから、その分だけやはり一二%高くなっているのです。これははっきり申し上げておきます。  それから、いま、もう一つの問題ですが、これは早急に手を打ってもらいたいのですが、学童服ですよ。これは中学生の標準服がいま新学期を、入学を目の前にして二五・六%高く買わなきゃならないのです。この学生服まで北海道価格になったのではぼくは話にならないと思うのです。大臣は距離が遠い、流通の関係があるのだろうと言うのだが、大臣、それじゃ九州価格がありますかと、私は何回もお尋ねするのはそこなんですよ。九州、四国価格がなくて、なぜ北海道価格だけがあるのだろう。これは私はやはり問題だと思うのですね。早急に手を打ってもらいたいことは、新学期にいま入る中学生の服が二五・六%北海道は高い。これを直接経済企画庁として、大臣として手を打っていただきたい。具体的には現地の通産局なり業界を呼んでいただいて、直接行政指導をとっていただけるかどうか、これをひとつお伺いいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 洋服につきましてはこれは調べてみたのです。一応の調べでは高いものと安いものが、調査対象品目相半ばするのです。平均すると東京と札幌がどうも格差があるというふうには思えないという一応の報告を受けておるわけなのです。ただ品物の銘柄の問題があると思う。北海道はまあ、寒うございますからというような関係があるのじゃないか、そんなようなことも思われるわけでございまするが、なお通産省でこの問題は特に取り上げて調査をいたしておりまするから、調査の結果、もし不都合な点があるというようなことであればできる限りの手配をいたしたい、かように考えます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 最後に一つだけ労働大臣にお伺いします。  御案内のように、失対労務者の北海道におけるいわゆる積雪寒冷における石炭暖房手当制度というものが制度化されておりません。時間がありませんから詳しく申し上げませんが、現在では百四十円ということになっているわけであります。ところが灯油が御案内のとおりに値上がりをして一冬十本使うわけですね。そうすると十万円ということですよ、一冬の燃料費だけが。こういう関係がございますので、この間、幸い衆参の本会議におきまして公務員の暖房用——積雪——の問題については一応の法案が通過をいたしました。したがって、私はやはり失対労務者に対しても北海道、東北地帯における労務者に対しての暖房用に対する制度化をすべきではないか、こう考えますが、この点お伺いします。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 北海道の諸先生方からそういうお話をよく私たちも聞きます。そこで明年度予算においては労働省としては予算化しようと思って考えているところであります。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 以上をもって終わります。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして対馬孝且君の質疑は終了いたしました。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 相沢武彦君。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 本院の予算委員会は先週末から三日間休んだわけでありまして、大臣もそれぞれ選挙区で活動されて大変お疲れのこととは思いますが、大事な国家予算の審議でございますし、ひとつ真剣に討議をしていきたいと思います。委員長、もし無気力な、そして不誠実な答弁のときには、びしっとした答弁をするように御忠告くださるよう前もってお願いをしておきます。  それでは質問に入りますが、初めに財政硬直化打開と補助金行政について伺いたいと思います。  大蔵大臣、大蔵省としては財政硬直化打開にどういう対策で臨まれるのか。特に、政府補助金はすでに総額一兆円に近い巨額に達しているわけでありますが、この補助金のむだ遣いについては大蔵省としても大なたをふるう必要があると思いますが、その点についていかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 財政が硬直化することのないように、常に弾力性を体質的に保持できるような状態に置くことは、本来大蔵省の任務でございまして、かねがね毎年度の予算の編成並びに執行に当たって大蔵省としてはそのことに心を砕いてきておるわけでございます。ところが、そのことは、経済が成長期にあり、そして歳入が予想を超えて確保できまする段階におきましてはさほど困難な仕事ではないわけでございますけれども、そのことが、経済の成長がとまり、歳入の確保が難航してまいりますと、じかに財政当局はもとよりでございますけれども、政府全体を通じまして、また中央、地方を通じまして硬直化の問題が問われるようになってまいるのでございまして、ただいまはちょうどそういう段階であろうと思うのでございます。  そこで、お答えといたしましては、毎年そのことについては政府としては特段の配慮をいたしているつもりであるということ、それから補助金の整理、合理化の仕事も毎年これを行っておるわけでございますけれども、こういう客観情勢になってまいりますと、それだけではなりませんので、明五十一年度の予算編成までには、中央、地方を通じまして、さらに行財政について相当思い切った硬直化打開の方途を考えて、中間報告を関係審議会から求めようじゃないかという議が上りまして、すでに御諮問を申し上げておるところでございまして、五十年度中には、そういう方面に私どもは非常に精力的な努力を傾けなければならぬと決意いたしておるところでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ひとつ精力的な調査をお願いします。  行管庁にお伺いしますが、行政管理庁が昭和五十年度の最重点項目として補助金の総点検を決めたということでありますが、このいきさつと目的について。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 委細のことにつきましては、率直に申し上げまして、私よりも監察局長が来ておりますので政府委員から答弁させたほうがいいだろうと思いますから……。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) お答えいたします。  補助金の監察につきましては、四十二年度、四十三年度に一回実施したことがございますが、最近財政硬直化問題が非常に叫ばれておりますので、それの打開といたしまして、補助金全般につきまして洗い直すということで現在計画を立てておるところでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 行政監察はひとつ徹底的にやっていただきたいと思います。  私は、補助金を直ちに全部整理しろとは言いませんけれども、むだ遣いが明らかになったときは補助金の打ち切りとか、あるいは金額の削減、こういった処置は政府としても勇断をふるうべきだと思いますが、福田副総理は、財政硬直化とこの補助金行政のあり方についてはどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 補助金問題並びに広く硬直化問題、そういうことにつきましては、大蔵省や行政管理庁がつとに努力はいたしておるんです。しかし、経済が様相を一変したというのに伴いまして、ここで思いを新たにしてこの問題には取り組まなければならぬという事情が一つあります。  それからもう一つは、行財政を見直さなければならぬ、補助金も見直さなければならぬというゆえんのものは、高度成長の時代が終わりまして、いわゆる安定成長といいますか、そういう成長期時代に入った。それは成長の高さ、低さの問題ばかりじゃないんです。つまり高度成長期に、そういう高度成長思想のもとに、補助金が出るとか、あるいはいろいろの財政硬直化要因というものがあった。今度はそれが非常に変わってくる。いままでは、どちらかと言えば産業優先というような色彩も非常に強かったんです。これからは生活優先というような時代になる。そういう成長の高さ、低さという問題のほかに、これから政策の内容も変わってくるんだという点を踏まえまして、私は諸制度、諸行政、諸慣習、そういうものにつきまして洗い直しをする必要がある。そこで初めて本当の意味の行財政の硬直化の打開もできるし、補助金の整理も適正に行われる、こういうふうに思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私、今回補助金行政のあり方をただしたいために、特に公益法人にメスを入れていろいろな角度から調査をしてみました。いまお話のありました補助金のむだ遣いを初め、その他多くの問題が浮かび上がっております。  そこで最初に、四十六年に行管が実施しました公益法人の指導監督に関する行政監察の目的、内容、これを明らかにしてください。主な点だけで……。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 四十六年度の公益法人の勧告でございますが、これは各項目的に言えば九項目を勧告しています。  その中で主なものを申し上げますと、第一に事業活動を実施していない法人、いわゆる休眠法人でございますが、これが約三百六十ぐらいございます。その休眠法人につきまして、将来とも業務を実施する必要があるかどうか、あるいは実施しないなれば、これについて解散の指導をするということを勧告をいたしております。  それから第二に、事業活動が設立の目的に合っているかどうかという問題でございます。中には非常に営利に偏しておるものもございます。そういう法人もございますので、設立目的に沿って事業活動を行うよう指導監督について勧告をいたしております。  それから第三番目でございますが、これは設立許可の問題でございます。これは各省庁調査いたしました結果、設立の基準というものがはっきりしていない。それから、つくっているところもございますけれども、各省で非常にばらばらである。そういう関係もございますので、設立の基準につきましては、各省庁で統一的にひとつ基準をつくっていただきたいという勧告をいたしております。  それから第四番目に、公益法人の指導監督の立場にある行政機関の中で現職の公務員が兼務しておるものもございます。こういう監督される者と指導する者とが、同じ立場の者がそういうことではいかないということで、その兼務は厳に抑制すべきであるという勧告をいたしております。  以上、大体主要な点はその四点でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私の調査の結果では、いまお話しの四十六年に勧告された事項が依然として放置されていたり、また新しい問題点が出てきております。そこで、これから一つ一つ具体的な例題を提起しまして、公益法人見直しの問題点を明らかにしていきたいと、こういう趣旨で私はこれから質問するわけであります。  その第一は、いま四項目の最後におっしゃった、政府の役人が公益法人の役員を兼職している点でございますが、行管は四十六年の行政監察のときにこの件について勧告を出しているわけでありますが、もう一度具体的に、どういう内容で出したのか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) ただいま御説明を申し上げましたのですが、補足して申し上げますと、四十六年の十二月に勧告いたしたわけでございます。その調査時点で、公益法人の中で現職の公務員が兼務しているという法人が百七十七ございます。したがいまして、監督を受けるべき立場の者と監督する立場の者が兼務することは、厳正な指導監督をする上において非常に支障があるという判断において勧告をいたしたものでございます。その後相当改善されまして、回答をいただく四十八年の六月末現在では、百三十六法人がいずれも辞任されておりまして、そのほか真にやむを得ないという者が現在若干兼務されているという状況でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林省にお尋ねしますが、この勧告を受けて官房長名で通達を出しておりますが、その内容をひとつ読み上げてください。

大河原太一郎農林大臣官房長

○政府委員(大河原太一郎君) 行管の勧告を受けまして、四十七年の二月十四日に「公益法人の役職員との兼務の抑制について」という件名の通達を出しておりますが、「農林省としては現職公務員が公益法人の役職員を兼務することは厳に抑制すべきものと考えるので、今後は当省職員が当省の所管する公益法人の役員および事務職員を兼務することはいっさい認めないこととし、現にこれらの職についている職員は、可及的すみやかにその職を辞任するよう措置することとされたので了知されたい。」という通達をそれぞれの末端の方に出しております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林大臣、その結果、効果があったのですか。現在兼職者はどうなっておりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 十二法人ありまして、これが全部なくなっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いいかげんな報告を聞いて、ごまかされちゃだめですよ。もう一遍確認して下さい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 役員については十二法人全部なくなっておりまして、間違いございません。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林大臣、ちょっと見て下さい。私の方で、四十九年十一月現在の農林省職員の、これで調べると二十九人おりますよ。結局、通達を出したにもかかわらず、どうしても必要だという技術職員が若干名まだ兼職しているということならばいいんですが、二十九人も、ちょっと多いのじゃないでしょうかね。勧告が無視された、またいいかげんな報告がそのままされて、いただいたのではゼロになっていますよね。これは監督不行き届きじゃございませんか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  ただいまのお話につきましては、行管の勧告を受けました際の公益法人の役員、すなわち、申し上げるまでもなく理事、監事あるいはこれに所属する事務職員につきましては、勧告当時は十二法人ございましたが、一切四十七年度以内に処理したわけでございます。  先生のおっしゃいますので思い当たりますのは、公益法人で理事長の諮問機関とか顧問とか、そういう関係で専門的な知識を当省の技術関係の職員等が求められる場合があるわけでございます。これの人たちのことを先生は御指摘になっておるのではないかというふうに考えておりますが、これにつきましては同じく前後いたしまして通達を出し、公益法人が理事長その他の役員の諮問機関なり、あるいは専門的な知識を求められる際に、そういう参与的なものに奉職を求められた場合におきましては、省内でそれぞれの一定の審査機構を設けさせまして、公益法人の自主的な運営に対して阻害がないかどうか、あるいは本来の勤務に支障がないかどうかという点につきまして審査して認めておる例はございまして、ただいま先生の御指摘の二十九人というのは、それに当たるのではないかというふうに思うわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私の方で前もって出していただいて確認したときには、若干名とおっしゃったんです。しかも官房長名での通達の中で、「貴局(庁)所管の附属機関、地方支分部局の長および公益法人の代表者に対しては貴職から連絡願いたい。」これは周知徹底されているはずですね。それで報告が来て、若干名。それが二十九名というわけですから、やはり非常にその点は報告の受け方が不備だと思いますが、この点については再度調査をして、不要なものについては早急に措置をするように要望しておきます。  第二番目の問題を取り上げますが、これは国会議員が公益法人の役員を兼職している場合に起きる諸問題であります。なぜこの件をやかましく言うかと申し上げますと、それは行政との癒着など、さまざまな不明朗な問題が派生しやすいからであります。これも農林省関係にしぼって調査をしてみましたが、国会議員が役員と兼職している法人が六十ございます。農林大臣、国会議員が役員に入っている公益法人は、入っていない公益法人に比べてどうしても優遇されがちである、補助金もつけてもらいやすくなっている、こういう批判がございますが、農林省関係ではどうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 国会議員が公益法人に名前を出している法人があるわけでございますが、農林省としては補助金を出す場合におきまして、農業振興の立場からいろいろの重要な調査研究を行うことを目的にして出しておるわけでありまして、国会議員が入っておるからといって特別に御指摘のあるような問題はないと、こういうふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林大臣、ちょっと見てください、表を。  国会議員が公益法人の役員と兼職している法人は、国会議員が入っていない公益法人と比べて補助金を受ける率は約三倍に上っておるわけです。それだけ高率になっておるわけです。補助金を必要とする大事な研究機関に補助金が出されているということならば構いませんけれども、国会議員が入っているということが理由になって、そこへどうしても予算を分捕られがちである、大事な部門には予算が、補助金がなかなかつきづらい、こういうことがあってはいけないと思いますが、この点どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほど答弁いたしましたように、補助金を出す場合に、その法人の行うところの調査研究等の重要性等を十分勘案をいたしまして、これに対して出しておるわけでございますので、国会議員が入っておるから、入っておらないからといって、これに対して特別に配慮を払うというふうなことは今日までしてないと、こういうふうに確信をいたしておるわけであります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 各省ともぜひそうあっていただきたいと思います。  次に三番目の問題に移りたいと思います。それは、出された補助金が正当なものなのか、むだ遣いではないかどうかという点であります。大蔵大臣、補助金適正化法というのは一体どういう内容になっておりますか。

竹内道雄大蔵省主計局長

○政府委員(竹内道雄君) 補助金適正化法は、目的に書いてございますように「補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図る」ということが目的でつくられたものでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林大臣にお尋ねします。農林省は、補助金適正化の趣旨に基づいて厳格に運用されておりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん、法律に従って補助金の運営につきましては適正に処理しておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 調べてみると、実際そうでもないようなんですよね。補助金むだ遣いの悪例を挙げたいと思うんですが、社団法人全日本釣団体協議会、これと財団法人日本釣振興会の代表役員はどなたになっておりますか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) お答え申し上げます。  社団法人全日本釣団体協議会の会長理事は衆議院議員原健三郎氏でございます。それから財団法人日本釣振興会の会長理事は衆議院議員園田直氏でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いまの御両名、まぎれもなく国会議員がそれぞれの団体の会長でございますが、ここには補助金が出されておりますか、農林大臣。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 両団体とも補助金が出されております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 どれくらい出されておりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 交付額は両団体合わせて昭和四十八年度二百十一万七千円、昭和四十九年度二百二十四万八千円でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 行管庁にお尋ねします。この二つの団体は、事業活動内容から見て、いわゆる同好会的な愛好会的団体だと思うのですが、公益法人になっていることについてどう思われますか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) お答えいたします。  同好会あるいは愛好会、そういうものが公益法人になっておりますが、実は公益法人の公益性というものは従来非常に広く解釈されていた点がございます。そういうことで、あまりそれを広く解釈いたしますとあいまいなものが出るということで、設立基準を作成すべきであるという勧告をしたわけでございます。ただいまの釣りの協会でございますけれども、内容につきましては調査してみないとわからないと思いますが、たとえば釣り人口も一千万人ぐらいになりまして、資源保護という点から、あるいは放流するだとかあるいは養殖するだとか、そういう活動だとか、あるいは既存の漁業者との漁業の調整というような非常に公益的な面が非常に強い場合には、それが公益法人でもやむを得ないと、そういうふうに解釈いたしております。ただ、現実の問題として、監察の場合には調査して結果を出すという方法をとっておりますので、詳細につきましては調査いたしまして御意見を申し上げる以外にはないと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 日本釣振興会の要覧にあるのですが、この目的、第三条には「レクレーションとしての釣りの健全な振興を図り」、こういうものはあれですか、公益法人として検討して調べてみなければ、好ましいか好ましくないかというようなことをいまだにおっしゃっているのですか、行管は。四十六年の行管の勧告の対象に当然なったんじゃないですか、これは。いかがです。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 四十六年度の監察の中には、最初にそういう中間的な公益法人につきまして勧告をいたしております。と申しますのは、公益法人の実態を調査いたしました結果、それが公益性がない、あるいは営利法人でもない、営利性もない、そういうものの取り扱いを今後いかにすべきかということにつきまして、法務省に検討をお願いしておる段階でございます。したがいまして、一般的に調査しました中にはそういう具体的な事例もございましたですが、いまの釣りの公益法人につきましては初めて私伺いますので、内容を検討いたしておりません。したがいまして、調査いたしまして御意見を申し上げると、そういうふうにお答えしたわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 調査して答えるまでもない問題じゃないですか。当然これは勧告の対象になり公益法人としては解散を指導すべき対象の会じゃないでしょうかね。そういう愛好会的、同好会的、好ましくないと行管でおっしゃっているこういう公益法人に、わざわざ補助金がつけられているというのはどういうわけですか、農林大臣。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 現実の問題といたしまして、わざわざ補助金をつけておるのではないかというふうな御意見でございますけれども、いま私の方から御答弁申し上げましたように、率直に申し上げまして、現段階におきましては再調査といいますか、下調べをしてみなければならないというふうに厳重に私は申し渡しておりますので、あるいはそういうふうな立場になっておるのではないかと、かように存じております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 関連。  行管庁長官にお伺いしますけれども、ちょっと重ねてお聞きしたいんですが、いま問題にされておるこの日本釣振興会と全日本釣団体協議会というのは、愛好会に入るわけですね。愛好会的なものですね、これは。どうですか。それをまず聞いて、もう一つ質問します。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 再度調べてみないとはっきり言えないということで、率直な意見を申し上げる立場にならざるを得ないと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大臣、釣りをやられますか。釣りはおやりになったこと、ありますか。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 釣りもやりましたし、いろいろやりましたのですが、現実の問題といたしましては、いま申し上げたような御回答しかできかねるのが率直な意見でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 釣りの振興会が愛好会であるかないかということは、調査しなきゃわからぬのですか。そんなものは愛好会にきまっているじゃないですか。ごまかしちゃいかぬですよ。いま質問者が聞いている、その協会の目的の中に入っているじゃないですか。これは愛好会じゃなくて何ですか。釣りの振興をやることによって、釣り竿がよくなったり釣り糸がよくなったりして日本の国は発展するのですか。どうですか、はっきりしてください。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) いや、そういうふうな意味ではなくて、内容的におきまして御回答申し上げたつもりでございますが、詳細の点につきましては当局から御説明を申し上げたいと思います。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 私どもは愛好会とは考えておりません。釣りの協議会の方は、いろいろな釣りに関する釣り人のマナーその他をつくりまして、不特定多数の人に配っております。御案内のように、最近いわゆる釣りと漁業との調整が非常に大きな問題になっております。そこで、この間の調整につきましては、水産庁といたしましても県の漁業規則その他でいろいろ調整措置をとらせておりますけれども、一方、民間の釣り人のマナーにも問題がございますので、そういった釣りをする人々、不特定多数の人々にいろいろ啓蒙活動、運動をやっておるということで、単なる釣り人たちの同好会とは考えておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 もう一言。  いまのお話だと、この釣振興会というのは、振興会じゃないじゃないですか。釣りのマナーに対するむしろ規制の方に当たるんじゃないですか。振興と書いてあるでしょう。釣りを奨励するわけでしょう。釣りを愛好して、一生懸命釣りを好む人たちがしやすくなるようにするのが釣振興会でしょう。いまの答弁だったら違うじゃないですか。釣りの規制じゃないですか。  それからもう一つ聞きたいのは、行管庁長官と答弁が違いますよ。行管庁長官は、よくわからないから調査しますと。こちらは愛好会ではないとはっきり言われている。この点はっきりしてください。  以上です。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 釣りを制限するわけではございません。釣り人のマナーを正して、漁業との調整を図りながら釣りの健全な振興を図るという意味では、釣り振興でございます。  それから、私どもは所管の官庁といたしまして、これは愛好会とか同好会というものではない、より広い社会に対するサービスをしているというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 どうも政府の答弁、私納得できませんね。強弁されているようにしか聞こえません。私は、本来こういう同好会的、愛好会的な団体が公益法人に指定されること自体が、いまの時期でおかしいと思うし、そういった公益法人にわざわざ補助金をつけるということもおかしい。先ほどの調査のように、両団体とも会長は国会議員である。国会議員が代表役員になっているから、つけるべきではない補助金までつけてしまってあるという悪例ではないかと私は思うのです。こういう補助金のむだ遣いについて国会議員が一役買っているんだと、こういう国民の批判も出てくるのではないかと思いますが、担当の総務長官、どう感じられますか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 公益法人の役員を国会議員が兼務しているという点でございますけれども、先ほど来お話が出ておりますように、公益法人というものは不特定多数の人々の利益のために設立されたものでございまして、役員として公共のために尽力をするということは、国会議員が国民または社会の利益のために尽力をするという意味におきまして、兼務するということは支障がないと思うのでございます。ただ、いまお話しのように、その国会議員が役員になっているから補助金をつける、なっていないからつけないというようなことであってはならないと思うのでございまして、その目的が公益的なものであるということを関係諸官庁が判断をせられて、補助金をつけたり、つけなかったりするということについては公正でなければならないと、このように思うものでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林大臣、五十年度はこの両団体に二百七十九万九千円、昨年度よりも多い予算をつける予定になっておるようでありますけれども、こういうことは好ましいことじゃないのじゃないですか。どうですか、今年度は予算から削ったら。凍結したらどうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほど水産庁長官が答弁をいたしましたように、この団体は単なる愛好会ではなく、水産資源の保護あるいは漁場の保全、あるいはまた漁業者との紛争等の問題等もありますから、そうした意味で、広い立場に立ってこれをつけるわけでございますので、私はこれは適当であると、こういうふうに考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林省のお考えは適当でないと、こういうふうに私どもは判断をいたします。  この問題ばかりにかかっておりますと先に進めませんので、釣りはさておきまして、もう一つ、国会議員が公益法人の役員を兼職した場合の例として取り上げておきたいのですが、木村運輸大臣、あなた日本バス協会の副会長にずっと就任されておりましたが、いつからいつでございますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 私が日本バス協会の副会長になりましたのは、これは名誉職でございますが、昭和四十一年から三年まで。三年の暮れから五年の正月まで郵政政務次官をしておりましたので、その間はやめまして、その後再び副会長になりまして、先般大臣に就任するときに副会長をやめました。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 郵政政務次官をやられて一時退任をされたとき、そのとき日本バス協会のどういう役をやっておられましたか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) たしか副会長をやめましたのですが、名誉顧問か顧問か、そういう名前で残っておったと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いずれにしても、四十一年以降、木村さんは実質的に日本バス協会の代表的な役員に連なっていたことになります。  そこで、大臣、「バス月報」の二月号をお読みになりましたか。これは日本バス協会発行のものでございますが、この中で三枝委員長さんがこうおっしゃっております。「金丸・木村両先生の非常なご尽力によりまして補助金五十七億八千三百万円という、常識では考えられない予算が認められたわけです」、もう一つ、蜂須賀理事長がこのように言っています。「運輸省では大臣がバス協会の副会長であられたので、何をおいても予算をかき集めて、出来るだけ予算をつけようという空気になっていたのです。」——おそらく常識で考えられないような予算獲得のお働きがあったのだというように想像いたすのでありますが、もう一つ問題なのは、「西沢副会長の挨拶」の中で「金丸会長、木村副会長が入閣され、会長が帰られるまで、」云々と、こうあります。要するに大臣をおやめになった後は直ちに木村さんの場合は副会長にまた再就任されるということはいまから決まっていると、こういうことであろうと思うのですが、いまこの読み上げました内容からいきまして、国民はどう感ずるかというと、国会議員が公益法人の役員を兼任している、どうしてもそういうところに予算というのはつけやすいようになっている、こういうように見るわけですね。  私は、政府役員が公益法人の役員と兼職していることについてはいけないと、こう行管が勧告されておりますが、同時に、国会議員の公益法人の役員兼職というのも、これは廃止の方向にすべきだ、いろいろ問題がある、いろいろ誤解される、いろいろ疑惑を持たれる、このように思うわけであります。こういう点につきまして、木村大臣に対してはバス協会大臣だというあだ名がつけられているというようなことも聞いたんですけれども、ひとつここで木村さん、この件につきまして、政治姿勢も含めて御答弁いただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) バス事業の補助金が五十七億ほどつきました。確かに、いままでにない大変な増加額でございます。この補助金は全部過疎地帯のバス事業に対する補助金でございまして、実は、運輸省といたしましても、来年、五十年度予算の中で、この過疎バス対策というのは非常に大きな重点項目の一つとして挙げて努力をしてまいったところでございまして、この点につきましては、現在の過疎地帯に一番重要であります交通機関であるバス会社が、ほとんど赤字あるいは倒産の一歩手前という状況で、御案内のとおりでございましたので、これに非常に重点を置いて運輸政策としてこれだけの予算を大蔵省と折衝をし、つけたわけでございます。ですから、この問題につきましては、これは、バス協会の会長や副会長が国会議員であった、またそれが運輸大臣になったとかいう問題とは別でございまして、私が国会議員のままでおりましても、この問題には側面的に一生懸命になって努力しておったと思いますし、また、するつもりでおったわけでございます。  その問題は別といたしまして、いま先生が御指摘のように、国会議員が公益法人の役員等を兼務いたすことは、たてまえ上は差し支えはございませんが、それによって、行政をとる立場に立ったときに、その業界と癒着するとか、そういうことは絶対あってはならない、これは深く私も心を戒めておるわけでございます。この考え方は、先生御指摘のように、私も同じくそのつもりで今後とも運輸行政をやっていく覚悟でございますので、御了承のほどをお願い申し上げます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 過疎バス対策については、今後も一生懸命取り組んでいただきたいと思うんです。  私が申し上げているのは、そういう大事なところに予算がきちっとつけられるということは、これは当然いいことでありますけれども、どちらかというと、国会議員が兼職している場合の、そういう公益法人に予算がつけられやすいという、とかくの国民の批判があるという点、それを十分にわきまえていただきたいということ。  それからもう一つ、木村さんの場合は、沖繩バス協会に手紙を出されて、ある事件を依頼をされておりました。当時大臣ではなかったのですが、バス協会の副会長であったわけです。また参議院議員という立場でもあったわけでありまして、それがどれだけ現地に対する圧力になったか、またそれによって、ある地元の業者が非常に苦しい立場に追いやられたかということについては御承知していると思います。そこで、一切釈明、説明等は結構ですから、一言、今後の政治姿勢も含めて、遺憾の意を表していただきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 沖繩のバス会社に対する問題も私も知っております。私がバス協会の副会長でありましたので、沖繩のバス業者の方も知っておるわけでございます。そこに対しまして、ある広告会社の人を紹介したということであるわけでございますが、これは私は普通の気持ちで紹介したのでございますが、もし仮にもそういうことでいろいろと皆さんに御心配をかけたりしたといたしますれば、これは私の不徳のいたすところでございますから、心からおわびを申し上げる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 福田副総理にお伺いしますが、国会議員が公益法人の役員を兼職いたします場合に、どうしてもとかく批判を受けがちな問題が派生しやすいわけです。そういったことで、今後これは自粛する方向で内閣としても検討すべきではないかと思いますが、福田副総理のお考えいかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 国会議員が、国家から補助金を受けたり、その他特殊な便益を受けるというような性格の公益法人の役職員になるということは、私はこれは妥当じゃないと、こういうふうに思います。国会議員の方々にもそういうふうな考え方で、みずからその進退を決めていただく方が好ましいと、かように考えます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 次に、私は、補助金を受けている公益法人の政治献金の問題で若干お尋ねしておきたいと思います。これも農林省に限って実例を挙げるわけでございまして、別に私は農林省を目のかたきにしているわけでもございませんで、自分が所属している委員会でございますので調査の対象にしやすかったということと、所属委員会関係の公益法人のあり方をまずすっきりさしたい、こういう願いから申し上げるわけでございますので、安倍さん、真意のほどはくんでください。  社団法人大日本水産会の内容、それから四十一年以降の毎年の補助金の金額を明らかにしてください。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) まず最初に、大日本水産会でございますが、大日本水産会は、水産業の振興を図り、その経済的、文化的発展を期することを目的とする公益法人でございまして、この目的を達成するため次のような事業を行うものとして定款を定めております。一つは、水産に関する国内及び国際問題の調査研究及びその対策の樹立、二は、国会、政府その他に対する陳情、請願、または意見具申、三は、水産に関する講習、講話及び従業者の養成、四は、水産に関する広報、宣伝、五は、会員相互の親睦及び情報の交換、六、その他といたしまして、本会の目的達成に必要な事業ということになっております。  そこで、具体的にはどういう事業をしているかということでございますが、まず、漁業生産の拡大に関する事業、それから国際漁業関係対策に関する事業、それから漁業制度の合理化に関する事業、第四といたしまして、水産物の流通・加工関係対策に関する事業、さらに漁業経営の安定に関する事業をやっておりまして、水産振興対策その他について水産業界全体としての意見をまとめてその実現を図るという仕事をしているわけでございます。  そこで、大日本水産会に対する国の補助金でございますが、四十七年度は三千八百九十七万六千円出ております。その内訳は、日韓漁業協定実施費補助金、これは日韓漁業協定におきまして民間協定を結んで韓国の類似の団体との間に漁業上の紛争が起こった場合にこれを調整する仕事をしておりますが、公益的な仕事でございますので、それに補助金が出ております。  その次といたしましては、外国沿岸漁業操業対策費、これは日本の漁業が外国の距岸二百海里でずいぶん漁業をやっておりますので、そういった海域の資源、その他関係国とのいろいろな問題の解決というようなことのための事業でございます。それから、中小漁業振興対策調査委託費、これは中小漁業の経営診断費でございます。それからさらに水産資源調査委託費というこの四つでございまして、四十七年度が三千八百九十七万六千円、四十八年度が四千二百二十四万三千円、四十九年度が四千三百六十五万四千円の補助金が出ております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大日本水産会がいつどこの政治団体に政治献金をしているか、自治省明らかにしてください。金額について。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 大日本水産会が四十七年中に寄付をしました団体は熊谷義雄後援会に三十万、それから国政研究会三十万、内外政経調査会に三十万ということになっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いまおっしゃった国政研究会というのは、四十七年、これは倉石さんのじゃないですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 当該政治団体がどなたを後援しておるかといった形のものは私どもの方ではわからないわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 四十八年七月三十日の官報、これに出ております三十万円は、「国政研究会(倉石忠雄)」とありますので、農林大臣だった倉石さんだろうと思います。ここで問題点なんですが、四十七年の下期に三十万これは出されているわけでありますけれども、四十七年十二月というのはちょうど衆議院選挙のあったときであります。選挙の時期に公益法人から政治献金が出されるということについては、これはどういうことなんでしょう。自治省の見解をお尋ねしておきます。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、公職選挙法の百九十九条の第二項で、いろいろな、国から補助金等を受け取っておる団体というものは、その当該選挙に関しては寄付をしてはならないということになっておるわけでございまして、問題は、その当該選挙に関してということの解釈でございますけれども、選挙に関してということは、これも御承知のように選挙に関する事項を動機としてという意味で、非常に幅的には広い選挙に関連する一切の寄付ということでございますけれども、しからばそれが選挙に関連した寄付であるかどうかという実態になりますと、これは個々に見なければわからない。たとえば、その時期に近いときに選挙があったとかどうとかといったことだけで直ちに判断するというわけにはまいらないので、やはりその団体とそれに献金をした法人等との関連、どういったその授受の間で話があったのか、いろいろ具体に調べなければ直ちにどうこうというわけには私どもはまいらないというふうに解釈をいたしております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 直接公選法に触れるかどうかという点は、これまたいろいろ論議があると思います。ただやはりちょうど時期的にぶつかっている場合に、疑惑を持たれない方がおかしいですよ。だからこれは好ましいことじゃないということです。  もう一つ、四十七年は倉石さんは農林大臣のときであります。農林省の補助金を受けている公益法人から、所管の現職大臣が政治献金を受けるということについて釈然としないものを感じますが、自治大臣あるいは総務長官、どちらか御答弁ください。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) そういうように関係のある者が受けられるということは、疑義を生じますから、非常に問題があるとは思いますけれども、ただいま政府委員が述べましたように、当該選挙に関して寄付が行われたかどうかということについて、出した方はそう考えておったか、受け取った方が考えておったかというような意味で、実ははっきりしない面がございます。私たちは今後の問題といたしましては、非常に疑義があるようなことでございますから、こういうことはひとつやめるような方向でただいま検討をいたしておる、こういうことでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 現職の所管の大臣の問題について。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 国務大臣が兼職をいたしますことにつきましては、この三木内閣が発足をいたしましたときもそうでございますけれども、閣議におきまして、営利企業は認めない、しかし公益法人その他これに類する諸団体の名誉職等の地位については、報酬を得ない限り兼職は差し支えないという申し合わせをいたしました。これは一般的には差し支えないということでございます。しかし、兼職する公益法人が、所管省と非常に密接な関係にある場合については、なるべく避けた方がよいと、こういう申し合わせをいたしておるのでございます。  それから、先ほど来お話しの問題に関連いたしますが、公益法人の統一基準といたしまして、後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするものというものは、これは公益法人とは認めないと、こういう姿になっております。  それから公益法人が政治献金をしてよろしいかどうかという点でございますが、これは昭和三十七年の三月に自治省から内閣法制局に対しまして可否を問い合わせをしております。これに対しまして、政党は、あるいは政治団体は、同じことでございますが、民法第三十四条の公益に関する団体に該当するものであるから、社会の公益のために活動しているものであり、それに協力する団体も公益法人たり得るし、また政治献金も違法ではないと、こういう回答が出ているのでございます。お尋ねのいまの問題につきましては、この三点、総合して判断をすべきであると思うのでございまして、決して好ましい姿ではないというふうに私は考えます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 今国会で取り上げられました政治献金の問題のうち、一つは、国から負担金をもらっている民間団体の政治献金の問題、それからもう一つは公益法人の政治献金の問題、二つがここで取り上げられました。今回私が取り上げましたのは、政府から多額の補助金を受けている公益法人が政治献金を出していることについて問題にしているわけです。これは国民がどう思うかということですね。補助金が政府から出されている、それが政治献金を出している、それじゃ補助金が政治献金に化けて政治活動に使われているんじゃないか、こういう素朴な国民は疑問を抱くと思うんですね。それなら補助金なんか必要ないじゃないか、あるいは政治献金する分を削減しろと、こういう声も起きてくると思うのです。この点につきまして行管の立場から見てどうでしょう。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 率直に申し上げまして、余り芳しいことであるとは言い得ないと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 もう一例、社団法人日本遠洋底曳網漁業協会も補助金を受けている公益法人ですが、ここも政治献金を出している事実はございますか。自治省。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 最近の状況では、四十七年中に、ただいま御指摘の社団法人が献金をいたしておりますのは、政治経済研究所に三百万、それから内外政治経済研究会に五十万ということに相なっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いまの政治経済研究所のほうは三百万、政治献金がいっているのですが、これは農林大臣の後援会の団体だと思います。一つは安倍農林大臣の場合も先ほどと同じように四十七年下期、衆議院選挙の時期に受けているということについてやはり疑惑を持たざるを得ない。こういう点が問題点だと思います。  もう一つは、この遠洋底曳網漁業協会から出された時期でありますけれども、補助金が初めて遠洋底曳網漁業協会に出されたその四十七年の下期に三百万政治献金が出されているということです。これは、勘ぐりますと補助金をつけるのに安倍さんに大変お世話になったから、そのお礼としてあなたの後援団体に政治献金がされたのではないか、こう思われがちですよね。これについて釈明してください。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 質問の通告がありましたからいろいろと調査を直ちにしたわけでございます。いまの政治経済研究所というのは私の後援団体の一つでございます。その当時業界でカンパをして私の団体に寄付をしたということははっきりいたしておるわけでございますが、そこで私のほうの後援団体の責任者が底曳協会ということで届け出したということになっておりますけれども、事実は業界のカンパによりまして私に寄付をいたしたわけでございまして、したがって、協会から私は政治献金は受けてないと、こういうふうに考えておるわけであります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私は、この補助金が初めて出された年に、そういった団体に出されて疑惑を持たれることについて、政治姿勢としてどうかということをお尋ねしております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 数年前のことでございますが、業界でカンパをして私に応援をするというふうなことで出したと思うわけでございまして、それについて、後援団体で正式に届け出をしたわけでございますが、その業界は私の選挙区にも多くの会員を持っておるわけでございまして、いつも私を業界として支持しておるわけでございますので、特別に補助金が出されたからということでこれが寄付という形になったというふうに私は思っておりません。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 どうも反省が足りないようですな。  それで福田副総理にお尋ねしますが、公益法人の政治献金が即公選法に触れるかどうかということは別問題としまして、金脈田中内閣のときと違って、クリーンを売り物にし強調する三木内閣になって、政治資金に対する姿勢は厳しく問われているわけです。ですから国会議員はもちろん、特に閣僚はいささかもこういう問題で疑惑を受けるようなことがあってはならないと思うのです。特に、いま私が問題にしております補助金を受けている公益法人からの政治献金を受けるということは、絶対今後やめるべきだと思うのです。そういったことで、政治資金に対する姿勢及び補助金を受けている公益法人の献金の問題につきまして副総理の御見解を承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 法律論から言いますと、私は公益法人から政治献金を受けるという行為は、これは違法とは考えておりません。しかしながら、国家から補助を受け、または国家的庇護を受ける公益法人から寄付を受けるということは好ましくないことである、こういうふうに考え、先ほどもその問題をどういうふうに処置するかということを自治大臣もいま研究をしておるという話でありますので、その研究の結果どうなりますか、とにかくいずれにいたしましても違法ではないが好ましくないと、こういうふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 関連。  副総理、いまおっしゃいましたが、けさの新聞によりますと、政治資金規正法の改正案の政府原案が出ておりますが、その第五の「寄付の制限」の中に、「国、地方公共団体から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付の決定を受けた会社その他の法人。」これが寄付をしてはならないというところに入っておるわけです。この政府案というものは最後まで後退しないで貫かれる決意であるかどうか、この点をお伺いをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 趣旨は、国家から補助金を受けるような企業なり団体から政治資金を受けるということは妥当ではない、こういうことだろうと思います。ただ、補助金を受けるすべての企業なり団体ということになりますと、これは非常に広範だろうと思うのです。間接に国家から補助を受けるというようなものまで網羅しますと、ほとんどの企業というものは何らかの庇護を受けているのじゃないか。たとえば中小企業なら中小企業三機関から融資を受けるとか、いろいろな形で補助を受けるとか、そういうようなことで大変なことだろうと思うのです。その辺は、私は、これをどういうふうに区分をいたしますか、これはなかなかむずかしい問題であると、こういうふうに思いますが、趣旨として、国家から相当多額の補助を受けて、それがまた政治献金をする、こういうようなことは、これは私は妥当じゃないと思いますが、その辺をどういうふうに立法化しますか、これはきわめてデリケートな問題だ、非常にむずかしい立法技術に属する問題だというふうに考えますが、その辺はいま自治省でいろいろ研究しているのじゃないか、こういうふうに見ております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 第五番目の問題として、公益法人のゴルフ場経営の問題について伺いたいと思います。予定した時間が少し超過していますので、はしょってお尋ねをいたします。  公益法人が経営しているゴルフ場の数は、全国にいま三十あるわけであります。そして、これの許可は教育委員会が行うようになっているわけでありますが、ゴルフ場に対しましては課税の点で、大蔵省、自治省等に伺いますと、一般のスポーツと違って娯楽性が強く、しかも高額なお金を出さないと競技できないという見解であります。こうした一般スポーツと区別されているゴルフ場を、公益法人として教育委員会が認可するというのは、どうしても筋が違うような気がしてならないのですが、この点、どうして教育委員会が認可の権限を持つのか。文部大臣から……。   〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ゴルフをしない人もたくさんありますし、私もその一人ですけれども、しかし、最近ゴルフというものはだいぶ大衆的なスポーツになって、そういう角度から考えると、一種の社会体育といいましょうか、そういうものと考えて、教育委員会がこれの認可に当たっていると私は理解をしております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 公益法人に指定をされているゴルフクラブの内容を見ますと、ビジター料金として平日で七千円、会員券相場千四百万、こういうようになっております。ですから、多額の費用を伴うゴルフ場での競技を、青少年の体育向上のためのスポーツと同じように扱うというのはおかしいのではないか。ですから教育委員会が、青少年の体育向上のためのスポーツと同じように、こういった多額な費用を使わなければ楽しめない、娯楽性の強い、そういったゴルフ場を公益法人として認可をするという制度を持っていくのがおかしいと思いませんかと、こういうことなんですよ。児童や生徒たちはこんな高い費用を払ってゴルフ場へは通えませんから、これは区別しなけりゃならぬ。  大蔵省に説明を聞きますと、公益法人のゴルフ場は、税の面で一般のゴルフ場よりも優遇をされているわけです。一般のゴルフ場とは区別があるわけですよ。文部省が公益法人のゴルフ場として認可したために、特定のゴルフ場だけが税の面でも優遇をされている。これは差別をつけてしまう。しかも子供たちは、一般の体育向上のスポーツを楽しむみたいにはそこへは通えない。こういうことでありますから、今後教育委員会としては、公益法人のゴルフ場の指定、認可というものはやめるべきじゃないか。また、そういう制度をいつまでも置いておくのはおかしいのではないか。この点については研究すべきではないか。こういう意見なんですが、いかがですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいま先生が御指摘になりましたように、ゴルフのビジター料金も高かったり、いろいろそういう問題がゴルフについていますから、そこで大衆体育ということでもないのではないかという観点も当然あるわけです。そこで、ゴルフ場で公益法人になったものを調べますというと、昭和三十年代まででございまして、実は一件だけ公益法人として認められたものが、それ以後にございます。そこで、運営上の問題などもありますので、現在はその実態の調査をやりまして、そしてその調査の結果によってどういうふうに指導するか考えていくわけです。ただ、もう教育委員会の仕事としない方がいいんじゃないかということは、直ちにそうでございますというふうに申し上げにくいように考えますのは、運営の方法いかんによって本当にもっと大衆に開放されるという式のものであれば、この教育委員会の考える社会体育というのは、もちろん青少年のものも大事ですけれども、しかし、いわゆる大人ですね、成人向けの体育というものもこれは教育委員会が引き受けているわけですから、もし条件にして満たされれば、それはよろしいのじゃないかというふうに考えるのです。  昭和四十九年の十二月に事務次官からの通知が出まして、そこで今後の公益法人というものに対する教育委員会の許可、認可についての事務というものを厳格にいたしまして、その審査基準というものを示しておりますから、今後はいままでのような問題というものを生じないように、非常に強く指導することができると思いますが、そしてまた、しなければならないと考えております。その点、先生のおっしゃるとおりでありますが、しかし、ゴルフというものは、条件にして満たされて、なおしかも成人の社会体育に役立つようなふうになり得るものである可能性を含んでおりますから、そういう限りにおいては、もうこれは教育委員会の仕事としない方がいいということより、むしろ教育委員会の仕事としていくときに、どういう手順を踏み、どのような基準によってどう指導していくかということをきちんとしていくということの方が、一つの解決の方法として妥当ではなかろうかというふうに考えている次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私は公益法人をめぐる諸問題、五点に分けましていろいろ質疑を交わしましたが、財政硬直化の一因となる補助金のあり方、特に、むだ遣いについては直ちに正していかなきゃならないと思います。また、国会議員が公益法人の役員を兼職することもいろいろ問題があるということで、これはやめる方向で検討すべきだと、こう主張をいたします。国民の政治不信をこれ以上つのらせないためにも、速やかに正すべきは正し、改善すべきは改善をしなきゃならないと思いますが、この公益法人のあり方、また補助金の問題、これにつきまして閣議で諮って各省に厳重実施をさせるべきだと思いますが、今後副総理のこれに取り組む姿勢、決意等について最後に承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 公益法人のあり方についていろいろ御指摘いただきまして、私どもとしても多々反省しなけりゃならぬところがあろうかと、こういうふうに思います。御指摘の点も踏まえまして、公益法人のあり方につきましては今後さらに厳粛にこれをやっていくということにいたしたいと存じます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 次に、私は北方領土問題でお尋ねをしていきたいと思います。  ことしは、御承知のように戦後三十周年に当たるわけでございます。北方の四島をソ連に不法占拠されて、島を引き揚げて来た旧居住者の人たちの島よ返れという思いは一段とつのっております。また、北方領土返還運動に携わる人たちが必死に叫んでおります「呼び返せ父祖の築いた北方領土」、この標語も次第に全国的に広がりつつありますが、領土返還の前途というものは、いまなお厳しい現状にあると思います。  宮澤外務大臣は、一月訪ソをされまして平和条約の締結交渉に臨まれましたけども、その交渉経過を通しまして、今後北方領土問題解決の見通しをどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねします。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今年一月に訪ソをいたしまして、御指摘の問題をソ連外相と交渉をいたしたわけでありますが、結局、一九七三年十月、当時の田中総理大臣が訪ソされました際出されました共同声明の中で、いわゆる第二次大戦以後未解決の問題の一つとして領土問題があるということ、したがって、それにつきまして長いこと議論をいたしたわけでありますが、結果として、グロムイコ外務大臣が今年訪日をされて交渉を引き続いて行うということになったわけでございます。  一口に申しますと、この問題はもはや存在していないというような、かつてのソ連の態度とは異なりまして、このような問題が存在するということは前提として認められましたからこそ交渉が行われ、また継続をされるのであるというふうに考えますが、同時に、いわゆる現実的処理とソ連の外務大臣が言われるところのものは、察するに、東欧あるいは中ソの国境問題をも考えて、この四つの島の問題だけに事柄はとどまらない、ソ連にとってさらにさらに各種の各国との国境問題に波及をするというような懸念のためではないかというふうに考えられたわけであります。  しかし、御承知のようにこの四つの島は、かつてわが国以外の国に帰属した歴史はないわけでありまして、一八五五年のわが国及び帝政ロシアとの間の修好条約において、両国間の国境はウルップ島と択捉島との間に引くということがきわめて平和裏に認められていることも、それを証拠立てるものでございますから、そうして、そのような過去の歴史についてはソ連としても別段の反論をしていないわけでございますから、われわれとしては、われわれの主張に客観的に見て誤っておるところはないというふうに今日なお考えております。したがいまして、情理を尽くして今後忍耐強く交渉を続けるということを、今回一月にも交渉をいたしました結果つくづくと感じておるわけでありまして、それが本件についての政府の基本的な態度でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 グロムイコ大使がいつごろ来日されると見通されておりますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この時期につきましては、別途外交ルートを通じて決定するということだけが合意をされておりまして、今日まで具体的な日取りにつきまして両者の間に決定を見ておりません。今年中ということは合意をされております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 宮澤外務大臣は、今年じゅうにいらっしゃるという予定なんですが、大使来日のとき、自分は現職外務大臣として再度交渉の任に当たるといまから覚悟を固めて臨んでおられるのか、それともグロムイコ氏が来る時期には内閣改造等も途中あって、自分は大臣じゃなくなるからといって手を抜いていらっしゃるのか、その辺はどうですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私に有権的にお答えするのは前段の部分は無理でございますけれども、少なくともこの仕事をお預かりしております以上、全力を尽くすつもりでおります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 北方領土に最も近い根室管内を初め関係者の人たちが、政府や政党、国会議員、これの領土返還に取り組む姿勢について非常に多くの不満を持っております。そのうちの一つは、歴代の総理、外務大臣が一度も現地へ来て関係者の生の声を聞こうとしない、北方の島々を肉眼で確かめようとしない、こういうことにあります。宮澤外務大臣は、今年現地へ視察に行かれる御意思がございますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのような御批判はもっともなことでありまして、実は一月の私の訪ソも、いろいろな事情からきわめて短時間の間に決まりましたために、私が現地に訪れることができずに植木総務長官が現地においでくださいまして、外務政務次官が御同行したような次第でありまして、したがいまして、私としては時期があり次第直接に現地の声を聞かなければならないというふうに考えています。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 日程もつくらないでおいておきますと、あるいは予想よりも早くグロムイコ氏は来られるかもしれませんので、できるだけ早く日程をつくって現地の視察を終えられて、そして準備をしてグロムイコ大使を迎えて継続交渉に臨む、こういう準備をされる御意思はございませんか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私の外交及び国内日程の許します範囲で、できるだけ早く現地の声を聞かせていただきたいと思っています。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 現地の期待を裏切らないように、ひとつ実行されることを特に望んでおきます。  冒頭に申し述べましたように、ことしは終戦後満三十周年という一つの歴史の区切りを迎えていると思うんです。ですから、総理、外務大臣がそろって現地を訪れて、北方の島々を眼前に見える納沙布のみさきに立って、戦後三十周年に当たることし、政府は新たな決意で領土返還に取り組むという決意なり方針なりを披瀝するぐらいのことをやってもいいんじゃないか、こう私は思うんですが、福田副総理からひとつ北方領土の返還に対する所信、決意をお聞きしたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私も、かつて外務大臣をいたした経験者といたしまして、北方領土につきましては格別な関心を持っております。何とかしてこの問題を早期に決着をつけて、日ソの間に平和条約を締結するという段取りになることを切に期待をいたしておるんですから、宮澤外務大臣を応援いたしまして、ぜひそのような方向にいたしたいと、かように考えます。   〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 領土問題解決のためには積極的な外交政策、強力な外交交渉、これが当然必要でございますが、同時に、それを支える国民世論の結集が何よりも大事だと、こう思います。領土問題は刻下の重要課題であり、国民にとっても大きな関心事でなくてはなりませんし、そこでお座りになっている各大臣も一人の国民である。同時に国民から選ばれた代表である。そして政府を構成する閣僚という重要な立場に立っていらっしゃる。ですから、領土問題については国民のだれよりも関心を持ち、返還への責任、情熱を持たなければならない立場の人だと思うんです。北方領土返還運動の関係者の中から、大臣の中にもわれわれ一般の国民よりも返還についての熱意に乏しい人たちがいるのは残念だと、こういう声がございます。きょうここにいらっしゃる大臣の皆さん方は、担当大臣ではなくても領土返還には責任を感じている人ばかりだと思うんですが、そこで、皆さん方がどの程度北方領土についての知識、関心をお持ちであるかということ、まことに不意打ちで失礼ですけれども、ひとつ簡単な質問ですからお答えをいただきたいと思います。  農林大臣、北方領土の広さについてですが、四島合わせまして面積四千九百九十六平方キロメートルということでありますが、沖繩と比べてどういう広さになるか、お答えをいただきたいと思います。  それから大蔵大臣、大蔵大臣には北方四島の冬の気温についてお尋ねします。厳寒の一月はかなり厳しい寒さだと、こう言われるんです。一月の平均気温は何度ぐらいだと思いますか。参考までに札幌市の一月の平均温度をお知らせしておきますと、マイナス五・一度ということです。  それから外務大臣、これは当然知っていらっしゃると思うんですが、終戦時に北方の四島に居住していた住民はどれぐらいいらっしゃるか。それぞれお答え願います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 四島合わせて、大体沖繩の二倍ぐらいになるのじゃないかと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) マイナス五・五度と聞いております。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 終戦時に一万六千人ぐらいと聞いております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 後の二人はカンニングをやられたので大体ほぼ正確のようですが、ひとつ文部大臣から模範解答を。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) お答えします。  広さは大体千葉県と同じ程度でありまして、沖繩と比較いたしますと、国後が沖繩と同じぐらいの大きさ。そうして全体で申しますと、沖繩本島の約三倍ぐらいになるというふうに理解しております。  温度は、一月で平均して五・四度程度。  それから終戦時の人口は、外務大臣がおっしゃいましたように一万六千人以上ということでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 お互いに北方領土に対する基礎知識をしっかり持ってこの領土返還問題に取り組みたいと思うわけですが、この領土問題の正しい知識を国民に浸透させ、領土返還への国民世論をつくる基礎には学校教育というものが大きな役割りを果たすと思いますが、この点についての外務大臣、文部大臣のそれぞれの御所見を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) やはり、ことに交渉が長引いておりますので、御指摘のように、国民世論を背景にするということがきわめて大事なことでありまして、ことに終戦後時間がたちますと、遠い地域の人々の認識が、わが国の中でも自然薄れがちになる危険もございます。あらゆる方法を使いましてそのような啓蒙を外務省としてもいたしてまいりましたつもりでありますが、今後ともいたすつもりであります。  学校教育との関連につきましては、文部大臣からお答えがあるかと存じます。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 北方領土の問題は、御指摘のように、全国民的なきわめて重要な問題であるという認識に立って、文部省はこの問題につきまして教育に当たっているわけでございます。  特に重要な点について申しますならば、まずサンフランシスコ平和条約によってわが国が南樺太と千島列島を放棄はしておりますけれども、平和条約が、これらの地域が最終的にどこに帰属しているかを何らきめているものではない。したがって、ソ連はこれらの地域について、自分の立場から自己の領土として管轄権を及ぼしておりますが、国際法上これらの地域はどこに帰属するかは未定であるということ。したがって、教科書では、これらの地域について帰属未定として扱うことになっております。教科書はいろいろ例がございますが、教科書だけではなく、地図につきましても同様の趣旨から、地図に帰属未定なるものを明示しているわけでございます。また、月日がたちますと、ただいま外務大臣が言われましたように、子供たちが知らないということがございますから、特にそういう点は留意をいたしまして、小中高と段階の別はございますが、中高に進むに従って詳細な記述がある。そういう点は留意をいたしますし、教科書の検定に当たっても特に注意をする、そういう立場で臨んでいるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ヨーロッパ諸国の学校教育では、領土問題についてかなり低学年時代から歴史的経緯について教え、正当な領土の権利を堂々と主張すべきであるということを意識づけていると聞いておりますが、文部省は、領土問題を抱えるヨーロッパ諸外国ではどんな学習指導要領等でやっているのかという資料等は把握しておりますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 御指摘のように、ヨーロッパ諸国ではポーランド、あるいはドイツ、西ドイツ、そういうところで領土の変更がしばしば行われて、領土あるいは国境というふうなものが非常に歴史的に変遷をいたしておりますが、文部省は特にそれらの国々での、いまの問題についての教科書、資料というものを入手して研究をしているということは、遺憾でございますが、いまのところやっていないわけです。しかし、私の記憶に誤りがございませんでしたらば、私自身、たとえばメキシコとアメリカ合衆国というようなところにも領土の帰属関係に変化がございますが、メキシコの教科書は、こういうふうな問題について子供に教えるということに相当心を配っているというふうに私は記憶をいたしております。そういうふうなやはり歴史的変化に応じて、特に大陸にあります国々の場合にいろいろな変化があるということに教育上留意をして、そして国民に由来を教えていくということはきわめて大事なことであると、そう思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ソ連の教科書では北方領土をどういうふうに取り扱われているのかという資料等は、入手されておりますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまのソ連の教科書でございますが、ソ連の教科書については、指導方針というものは十分に知ることができませんけれども、しかしながら、入手をいたしました教科書というものがございます。それによりますと、南樺太と千島列島を自国の領土として指導いたしております。例として申し上げますと、ソビエト連邦史、これは第十学年用中の、「ヒツトラー・ドイツに対するソ連邦の最終的勝利。帝国主義日本の壊滅」という項がございます。その項におきましては、「満洲の解放」という記述がございまして、引き続き、「南サハリンと千島列島がソ連邦に返還された。これらは今日、東からの侵略に対する我国の防衛基地となつている。」という記述がなされております。南樺太と千島列島をソ連の領土として指導していることを、以上の事実から知ることができます。なおこの場合、千島列島につきましては、国後、択捉、歯舞、色丹島とシュムシュ島からウルップ島までとを特に区別していませんために、すべてを含めて千島列島と考えているということが教科書から知ることができるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私が文部省に資料要求した時点では、それはそろってなかった。ヨーロッパ関係もこれだけです、下さったのは。非常に領土問題についての各国の資料の収集というものはおくれていると思うのですが、この点もう少し熱意を入れていただきたいと思うのです。予算の足りない面は、ちょうど大蔵大臣いらっしゃいますから、一緒にここで陳情してもけっこうですが、よろしくお願いします。  そこで、わが国の場合の学習指導要領の問題でお尋ねをしますが、ちょうど学習指導要領の改訂期にいま当たっているわけですね。中学、小学とありますけれども、ちょうど十年に一回しか改訂しない。昭和三十一年日ソ共同宣言がされた当時の教科書から比べると、最近は非常に北方領土の問題についての記述はふえていることは確かにふえております。しかしながら、その後の経緯もかなり違っておりますし、また児童の発達段階に応じて、特に中学校の高学年生に対しては、わが国の領土問題、こういったはっきりした項目を設けて問題点を明確にしてもよい時期にきたのではないか、こう思います。もう少し学習指導要領の中へきちっとした内容を盛って、生徒たちの関心を高める指導というものをさらに一歩進めてもよい時期にきているのではないか、こういうように思いますが、その点いかがでございますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまの御指摘の点はきわめて重要であると考えますが、これを今後どうしていくか、指導要領の中にというお言葉がございましたが、現在も実は指導要領の中に、たとえば小学校の第五学年を見ますというと、地理的環境としての国土の特色について理解させることというのがございます。さらに、中学に進みますと「国土のなりたち」というのを地理の分野で教えるのですが、その中に日本の位置、領域の特色と変化などを取り上げ、わが国土の現状を大観させるというのがございます。さらに、高等学校に進みますと、地理Aで「国家の領域と国境」、地理Bで「世界の諸地域」の一環として位置、領域を示しておりますが、一層具体的なものを引用いたしますと、中等学校指導書社会編では、「領土問題、特に未解決の問題については、わが国が正当に主張している立場に基づいて、当面する問題の要点を的確に認識させることが必要である。」と、かように述べております。  そこで、先生の御指摘は、北方領土問題というものを具体にこの指導要領に入れてはどうかということでございますが、現在いろいろ私どもがやっておりますことは、そういう指導要領の改訂ということ以前に、現在の教科書を書かれる先生方に対しても、やはりいろいろ先生方にも資料を提供いたしまして、そうしてこの北方領土の問題というものの記述に心を配っていただくようにお願いしているわけでございます。また、たとえばこの一月に各都道府県の教育委員会の指導事務主管部課長会議というものがございましたのですが、そういうところにも外務省の広報資料であります「われらの北方領土」、それから北方領土問題対策協会で作成いたしました「日本の北方領土」というものを配りまして指導をする、つまり具体的に教科書の中にこの問題というものが出てきまして、学年に応じて考えさせるということを当面とっている。そして、この方向を強化させるという方針を持って臨んでおりまして、そして指導要領には基本的に国土というものの重要性を考えさせ、なお未解決な問題を考えさせるという方針で臨んでおりまして、その方針を今後も続行いたしましてこの問題に対する教育的関心を深めるようにしたいと、かように考えている次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大臣もすでに御承知と思いますが、ここに帝国書院発行の中学校社会科地図があるわけですが、この最終ページの世界地図の区分で問題になりましたのは、南樺太及び四島以北の残りの千島列島は白色とするという文部省の指示で、白地の表現になっているわけであります。そして、国境線についてはそれぞれ点線が入っているわけなんですが、問題なのは、白地の部分、それから点線の部分、これについての的確な指導資料が現場の教師に与えられていなかったために、地図の上で帰属不明の領土という扱いになってしまって、北海道のある社会科の教師から道教育委員会に対して、生徒にどう教えていいのか困ってしまうと、こういう訴えもあったと聞いておりますが、もっと的確な指導手引きというものをつくって出すべきではないかと思いますが、この点についてはいかがですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまのこの地図で白い色になっているところは帰属未定ということでございますが、いま北海道の先生がそこから混乱を生じたというお言葉がございましたが、混乱を生じているといたしますれば、これは非常にゆゆしいことでございます。地図と教科書というものを併用いたしますというと、その白い色というところは何であるのかということは、実は明確な指導ができるはずであると私どもは考えておりましたのですが、しかし、御指摘のような問題を生じてくるということになりますと、これは考えなければいけないことでございますから、教師用指導書というものが出ておりますが、これを教科書会社がつくっておりますが、そういうものの中にもいまの指導の方法について、御指摘の点のような混乱を生じないように、私たち文部省からそういう教科書会社にも指導書のことについて助言をするということが必要であろうかと考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 現在の教科書の北方領土の扱いは、まだまだ簡単すぎるきらいがあると思います。ですから、児童生徒に対して領土問題が重要な国内問題であるとともに、国際問題であり、国民が一致して粘り強く取り組む必要のあることを意識づけるにはまだ力不足ではないかと、こう思うわけです。道の教育委員会は、非常にこの北方領土問題につきまして意欲的に取り組んでおりまして、社会科副読本による学習の進展に備えて、いまお話ありましたけれども、教員向けの指導資料書を執筆委員会を設けて作成中でございますし、新学期から全道の小中学校に配付するという予定であることを聞いておりますが、ぜひ文部省は各県教育委員会にもこれを参考とするように通達出すなり、あるいは資料として送付するぐらいの積極的な姿勢を示すべきだ、実行すべきだと、このように思いますが、いかがでございますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) この問題は非常に大事でありまして、先生が言われますように、北海道の教育委員会で教員向けの指導書を作成しておるということを知っております。北海道ではそれを小中学校の教員用指導資料として本年四月には各学校に配付するということでございます。しかしながら、現段階ではまだ作成中というふうに承っております。  そこで、文部省といたしましては、でき上がった段階におきまして、またこの北海道から、教育委員会から出ております文書を十分検討すべきと思いますが、現段階においてすぐにやらなければいけないこと、また、これまでにやらなければいけないと思っておりましたことは、先ほど申し上げましたように、外務省からも資料が出ておりますし、また北方領土問題対策協会というものもあって、そういうところからも資料が出ておりますから、そういうものを教育委員会の指導関係の人にお配りいたしまして、すでに指導しておりますが、しかし、北海道から出てまいりました段階におきましては、なおそれも十分に検討に値する一つのやり方であろうかと思いますが、現段階はまだ作成中で、さしあたり北海道で配付ということでございますので、でき上がってからそれはよく勉強いたしたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 北方領土返還の問題は、一地域の問題ではなくて全国民的な立場の問題ですし、われわれを初め、きょうこの場にいらっしゃる皆さん方は、より一層北方領土返還に対する意識、意欲というものを持って協力されますように、特にお願いを申し上げたいと思います。  最後の問題といたしまして、私は農協にからむゴルフ場開発の問題を取り上げたいと思います。  まず、基本的な問題からお尋ねをいたしますが、世界的食糧危機が叫ばれている今日、わが国も農業を根本的に見直して食糧自給の向上を図る農政を確立すべきときを迎えていると思うわけであります。そのために、一つは農地の保全ということが重要な課題となると思いますが、この点、農林大臣、基本的な問題。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいまお説のように、わが国における食糧の自給力を今後高めていくということが農政の最大の課題であろうと思いますし、そのためには何としてもやはり優良農地を確保するということが大前提でなければならぬわけでございます。そういうふうな観点に立ちまして、農林省としても農地法の厳正な適用を今後とも行って農地の保全に努めるとともに、さらに農振法の改正案等もお願いをいたしておるわけでございますが、農用地域等につきましても、開発規制等改正案が国会の御審議を経て成立した暁においては、開発規制等も行われるようになるわけでございまして、そうした農地法あるいは農振法等を厳しく適用いたしまして、農地の保全には万全を期していきたいと考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いまだ全国各地では、日本列島改造のときのなごりから、乱開発が行われてしばしば話題になっておりますが、所によっては農地をつぶしてゴルフ場開発をしている事例もまだございます。農政の基本に立って考えた場合、一般論として今後農地を安易にゴルフ場に転用することは望ましいことか好ましくないことか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 優良農地につきましては、もちろんこれを確保していくという立場を貫いていかなければなりませんので、これをその他のゴルフ場等に転用するということは、これは何としても避けなければならぬと思いますし、一般の農地につきましても、ゴルフ場の用地につきましては農地法の転用の基準等につきましてもさらに厳しくいたしまして、一般用地等につきましてもゴルフ場に転用する場合については慎重に配慮をしていかなければならない、こういうふうに考えるわけであります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林省は今後よほど目を光らせ、厳重にチェックしないと、大事な農地が安易に転売されてしまうというおそれが多分にあります。農林省が農地の確保についてどういう姿勢を今後示しとっていくかということが、日本農業の行方を決める重要なかぎにもなると私は思います。そうした意味から、私は農協が絡んだゴルフ場開発をめぐる問題をこれから提起するわけでありますが、農林中金の不正融資につながるのではないかという疑いも持たれているだけに、農林省は進んで明快にしていただきたいと思うんです。  問題の場所は、茨城県常陸太田市でございますが、そこにある葵国際カントリークラブの経過について、概要を説明願いたいと思います。計画の中に農地あるいは国有地、農道等も含まれておりますので、その内容もあわせて御説明ください。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 葵国際カントリークラブの事業内容でございますが、四十八年の八月九日付で農地転用の事前審査が出てきております。その申し出書によりますと、常陸太田協同開発株式会社が事業主体になりまして、事業計画地は百十四・一ヘクタール、ゴルフ場の規模は二十七ホールということで計画がなされているようでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農地、農道の点はいかがですか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) その百十四・一ヘクタールの中に農地が、田が三・二ヘクタール、畑が十五・四ヘクタール、合わせて十八・六ヘクタールの農地を含んで事前審査が出てきているわけでございます。そのほかに、この地区が、この十八・六ヘクタールの中に十一ヘクタールのかつての開拓事業地区がございまして、そこにつくりました農道が含まれているわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 葵国際カントリーの経営者である常陸太田協同開発株式会社と常陸太田南部農協との関係について、どうなっていますか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 御質問の常陸太田協同開発株式会社の、資本金は四百四十一万円でございますが、この株主は七十一名ございます。そのうち、六十名が常陸太田南部農業協同組合の組合員となっております。それからこの会社は、常陸太田南部農業協同組合の準組合員となっておりますけれども、常陸太田南部農協はこの会社には出資いたしておりません。それから、この会社の役員は十一名おります。そのうち社長は常陸太田南部農協の組合長でございます。役員のうち二名は常陸太田南部農協の役員が兼ねているというような事情でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 別会社には違いありませんけれども、農協が強力なバックになっておるということは、内容、実態から明らかでありまして、たとえば、この協同開発会社の事務所が南部農協の中にあった、これは行政指導でまずいということで他へ移転をした、こういったことから言いますと、別会社には違いないけれども、協同開発株式会社と南部農協とは実態からいって一体であったということが言えると思います。  これから問題点を一つ一つ指摘をいたしますが、第一の問題は、常陸太田協同開発ができるまでのいきさつです。一番最初、ここにゴルフ場開発計画にタッチしたのは、水戸グリーン観光開発という会社でした。そこが南部農協に同地域の農地買収を依頼しているわけです。買収依頼の条件としては、水戸観光が南部農協に手数料として売買価格の三%を支払うことになっていた。その後南部農協は三%では足りないといって五%のリベートの要求を出して、一時それで話し合いがついていた。ところが、南部農協の組合長や理事たちは、自分たちで別会社をつくって経営した方がもうかるということで、四十八年の六月十七日、常陸太田協同開発株式会社を設立しているわけですね。このいきさつは水戸観光が出した抗議の文書で明らかです。ここにございます。農林大臣後で見てください。  大臣、お聞きしますけども、農業の振興を主体業務とする農協が、農地のゴルフ場開発の片棒を担いで開発会社からリベートをもらうことを契約した行為については、どうお感じですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農協につきましては、これは農協法に定められておるとおり、農業者の社会的、経済的地位を向上し、農業生産を振興するという大きい目的のもとに農協は存在するわけでございますから、農協がそうしたゴルフ場に対して融資をするということにつきまして、まあ農協の経営上の問題はあるとしても、全体的に見れば、一般的に見れば好ましいことではないと思いますし、まあリベートをもらったかもらわないかという点につきまして、私も詳細は承知しておりませんが、そういうことは適切ではないというふうに思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 問題の第二点目は、協同開発が設立したのは四十八年の八月であったわけですが、土地の買収は四十七年ごろから行われていたわけです。その買収の口実として、農協がゴルフ場を経営するから協力してほしいということで、組合長や幹部が農家を説得して歩いたということです。農業協同組合法から見て、農協自身がゴルフ場を経営することはできるんですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) やはり具体的に考えなきゃならぬ問題とは思いますけれども、農協がみずからゴルフ場を経営をするということは適当ではないというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 協同組合法からできないことになっていると思いますね。できないのにもかかわらず、土地買収をするときには農協が経営するから協力をしてくれ、こういうことで農民に対して話をして、内々契約をきめたということは、これは農協の背任行為になるんじゃないですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) まあ具体的事案につきましてどういうような行為が行われたかということは必ずしも詳しく承知いたしておりませんが、先ほどちょっと申し上げましたように、組合員のうちの相当な者が今回の当該ゴルフ場の用地の地権者であるということから、農協の役員等がいろいろゴルフ場の建設につきまして役員を兼務したり、またいろいろな行為をしたということが当然考えられるわけでございます。しかし、やはりそういうようなことは、農協の事業と、それから当然別会社等で行われるべき事業と混同が起こりやすいわけでございますし、相手に非常な錯覚を与えるということもございますので、先生御指摘のとおり、かつては農協の事務所の中に当該会社の事務所があったということもございましたけれども、県庁の方からも指摘をいたしまして撤去をさせるというような指導をいたしております。やはりこれらの行為は混同がなさるべきものではないというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農協の幹部の人たちが、ある程度買収のめどがついた時点で先ほどの別会社をつくった。そしてその営利会社の名前で正式に買収したわけです。それじゃ話が違うんじゃないかと怒った農民の人たちや、もともとゴルフ場開発には反対の農民の人たちが反対運動を起こしているわけでして、農林省にも反対の陳情等が来ているわけですが、その内容、それから陳情のあったのはいつごろでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 四十九年の十一月十四日付で私たちの方に葵国際カントリークラブゴルフ場造成反対という方々が来られております。  要点は、ゴルフ場が造成されると、農業用水の枯渇、汚水の放流による農作業上の不利益、集中豪雨時の土砂崩壊による人命、家屋の埋没流失の危険等をはらんでいるので、被害及び損失をこうむることが明らかに予測されるので、認可しないようにお願いしたい、こういう陳情が来ております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 実際に関東農政局の方にはもっと早い時点で来ているんですよ、陳情がたくさん。農林省本省に上がったのは四十九年十一月ですか、その前にもっと来ているんですよ。  それで、常陸太田協同開発から農政局に、農地転用の事前審査申し出があったのはいつでしょうか。また内示を出したのはいつで、どんな内容になっていますか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 事前審査の申し出は四十八年の八月九日に来ております。それで、県知事の副中が四十九年の五月の二日に参りまして、そしてこの事前審査は、御存じのように用地の選定についての可否ということでございますが、その内示は四十九年の六月十八日に行っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そこで問題の第三点目は、内示の許可が出たのが四十九年六月十八日。これ以前に用地の買収が実施されているというのは違法ではございませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 農地法のたてまえは、権利の設定移転の時期でチェックすると、こういうのが農地法のたてまえでございます。ただ、事前に用地の段階、用地交渉に入る時期に全然問題にならぬようなところであるならば、それは最初からチェックした方がいいということで、二ヘクタールを超す農地転用についての事前審査という制度を設けているわけでございます。農地法がいま申し上げましたように、権利の設定移転という段階でチェックすると、こういうことでございますので、できれば事前審査があってから後用地交渉に入るべきものというふうに指導はしているわけでございますけれども、法的にはその前に契約を結ぶことは違法とは言えないというのが現状でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 法的に違法でなくても、後から大きな問題を起こしやすいわけですよ。許可になりづらくなりますと、後から問題が非常に複雑になるわけですよ。そういう点もう少し指導を厳しくしなければいけないんじゃないですか。  四十八年の六月二十七日から四十九年三月三十一日までの協同開発会社の業務報告にも売約済みとか、あるいは同意済みという内容が明記されている。違法ではないと言うけれども、こういうことが問題を複雑にする一つの大きな問題点だと思うんですよ。  それから、農林省に反対陳情がずいぶん出されているわけです、現場の局あたりに。それを無視して土地買収が行われている。それを知っていながら四十九年の六月十八日の時点で内示を出してしまったというのは手落ちじゃございませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 事前審査は、先ほど申し上げましたように、位置の選定についてでございます。そして内示の段階、その前に知事の意見も山林が主で、農地は農用地区外に位置し、生産力も低くてやむを得ないと、こういうような副申がありまして、その結果をもって内示をいたしたわけでございますが、内示の条件といたしましては、先ほど出てまいりましたような導水路敷の廃止、つけかえ等についての支障のないようにすることとか、排水処理を明確にすること、あるいは周辺農地の営農に支障を来さないこと、資金計画等、それから土砂の流出等のことについての万全の措置を講ずることといったような留意事項をつけているわけでございます。農地法のたてまえは、先ほど来申し上げましたように、許可を受けずしてなした行為は無効でございます。  そこで、その契約という問題でございますけれども、契約をすること自身はどうということはございませんが、契約を結んでさらに引き渡しを受けるといったような、事実上許可を受けないで許可を受けたと同じような効力を発生させるような行為があれば、これは農地法の違反ということに相なるわけでございます。そこで、巷間行われております、要するに許可前に行っております契約というものは、許可を条件とする契約が行われていると、引き渡し等ということになってまいりますと、これは農地法違反の問題が出てまいりますので、そういうことでないようなかっこうの契約が行われるはずであると、また行われている限りにおいては農地法違反の問題は出てこない、こういうことになっているわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 内示の出る前からゴルフの会員権まで募集、販売していたということについては、これは違法でないんですか。どう処置されましたか。

大山一生農林省構造改善局長

○政府委員(大山一生君) 私たちの方のたてまえから申し上げますと、農地転用の許可という問題につきましては、先ほど用地の選定について申し上げましたような留意事項、これが確実に行われることについて審査をした後で許可をするわけでございます。事前審査についてのオーケーをしたのは用地の選定だけでございますので、そのことをもって当然に許可があるということではございませんし、もしかその前に許可があったがごとき行為があったとするならば、それはきわめて好ましくないことであるというふうに考えるわけでございます。  ゴルフの会員権の方は、これはゴルフ会社と会員との間の話でございまして、われわれ構造改善業務に従事する立場から言いますと、そういう事実が許可前にあるというような場合には、それは好ましくないので、やめさせるような指導を全国的にはやらしているわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 もう一つの問題点は、常陸太田協同開発の業務報告の中に監査役として県信連の役付の人が連なっています。これは問題ですね。いままでいろいろ指摘しましたように、問題の多いこの協同開発会社に農林中金から十四億円もの多額の融資が出されています。しかも県信連の役付の人がこの協同開発の監査役についている。農林中金の金は、本来、農業振興に主体的に活用されなければならないと思うのですが、ゴルフ場の開発会社にこんな融資がされていいんですか。こういう形で融資をされているということについては非常に疑惑を招くのじゃないかと思いますが、農林大臣いかがですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○政府委員(岡安誠君) 御指摘の常陸太田協同開発株式会社の非常勤の監査役に茨城県の信連の副調査役という者がなっておるということは承知いたしております。これを調べてみますと、これは当人がゴルフ場用地の地権者であるというところから、会社の関係者から要請もありまして、監査役に就任したと聞いておりますけれども、御指摘のように誤解を招くおそれもありますので、好ましくないということで、兼職をやめるように県信連の方に指示をいたしております。  融資の件でございますけれども、これは農林中金という御指摘がございましたけれども、これは茨城県信連からこの会社に融資しておるわけでございます。一般的には、この会社が常陸太田南部農協の準組合員になっているということで、県信連の孫会員ということになりますから、一般的にどうかということは言えないと思いますけれども、しかし、最近のように、農業の振興に直接関係のないような土地投資等についての融資は規制をいたしておることもございまして、この点につきましては、現在、三月に茨城県信連に対して常例検査をいたしております。その間の事情はよく調査をいたしまして、不都合な点があれば是正をいたしたいというふうに考えております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 農協系統の融資につきましては、やはり何としても農協本来の目的にこれを使うのが基本的な問題であると思いますし、そういう立場に立って、先ほど局長も答弁いたしましたように、しばしば通達も出したわけでございます。さらに常例検査等も行っておるわけでございますが、今後とも農協系統の資金の融資、さらにその運用等につきましては、農林省としても厳正にこれが行われるように指導を強化してまいりたいと、こういうように考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大臣、隣接の北部農協では、不正融資に絡む事件で組合長が逮捕されているわけですね。こんなに大きく出てますわ。この南部農協あたりの地域も常磐高速道路建設の計画にもなっていて、開発に絡んでとかくのうわさのあるところなんですよ。ですから、不面目な事件にならないように徹底した調査を行って、厳重に指導、監督されるように要望しておきます。  最後に福田副総理、高度成長経済は日本の社会に大きなひずみをもたらしたわけであります。開発優先、こういった行政が、何でもかんでももうかればいいんだという社会的風潮をつくったということは、非常に嘆かわしいと思うんです。かねて福田さんはこうした行き方を批判をされてきたお一人でございますけれども、安定成長経済の時代に入った今日、こうした問題についてどうあらねばならないか、所見を最後に伺って私の質問は終わりたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘のとおりだと思うんです。いま農協のゴルフ場関係の問題なんかありましたが、やっぱり土地ブームというか、そういう世の中の風潮の一つの現象としてそういう問題が起こったんだと、こういうふうに見ておるわけです。まあ、世の中の風潮というものが、金さえあれば、自分さえよければという風潮になってきておる、これは私はもう日本の社会として大変な問題であろうと、こういうふうに思うわけです。ちょうどいま経済として転換期でありまするが、事は経済だけの問題じゃない、人間の心がむしばまれておる。このむしばまれた人間の心をこの際たたき直すということが、政治の非常に大きな課題になってきておるんだろうと、こういうふうに思います。そういう見地に立って政治に取り組む、これが私はいま政治の当面しておる大きな問題である、さように考えます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 委員長、どうもありがとうございました。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして相沢武彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 小巻敏雄君。(拍手)

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 日本共産党を代表して質問をいたします。  まず、防衛庁長官にお伺いをしたい。自衛隊員の選挙の自由、そして候補者の選択の自由にかかわる問題であります。議会制民主主義を守り、そして政党政治にとって軸になる各党派の主張を、自衛隊員によく行き渡るようにするというようなことを保障をして、そしてやっておられるのかどうか、基本的な姿勢をお聞きをしたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 営舎内居住隊員の選挙におきます自由選択権は、十分にこれを保障しておるわけでございます。  なお、隊内におきます立会演説等につきましては、部隊は隊員の勤務の場所でございますし、また営舎内居住の隊員にとりましては、営門内はいわば私宅的施設でもございますので、営門内で開催することは好ましいとは考えておりません。また警備上の管理面からも、自衛隊の本来の業務に支障を来す場合も考えられますので、お断りをいたしております。今後もお断りをしたいと考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 自衛隊の中にある日本国民の数と申しましょうか、有権者の数は大体何名ぐらいあるのか。そのうちで営内居住の自衛隊員の数は何名あるのか、お伺いします。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) お答えいたします。  営舎内に居住しております自衛官は約十一万七千であります。そのうち、有権者は約十万であります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 営外も一緒に答えてもらいますよ。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 営内が十一万七千でありまして、営外勤務者は約十一万三千でございます。合計して約二十三万でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 長官は、基本的に国民の権利というものを保障してやっているんだというようなお答えであるわけですが、営内十一万七千、営外十一万三千と言えば大きな人数であります。特に営外の者は、家族も含めて一つの政治的な勢力にもなるほどの人数に上っておる。これに対して最近北海道千歳市の市議会が、全会一致で選挙に関する防衛庁の出した通達の撤回を求めるというような意見書を出しておる問題がありますが、これについて御存じですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 承知いたしております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 その具体的な内容について御説明を求めます。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 二十二日に千歳市議会で要望意見書が議決されました。意見書の内容は、千歳市の場合、千歳市には実は陸上自衛隊の駐とん地が二カ所、航空自衛隊の基地が一カ所ありますが、合計三カ所の駐とん地がありますが、ここに四千三百人の隊員が営舎内居住をしておる。これらの施設は、市街地から離れた孤立的環境にあることから、候補者に接触する機会が少ないため選挙運動が浸透していない、そこで公営の立会演説会を、現在——これは千歳市に限りませんけれども、自衛隊の施設内で立会演説会をお断りしておる通達を撤回して、これらの施設内でも立会演説会をやれるような方途を講ずべきであるというのが議決書の要旨であると承知しております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 この決議は、千歳の議会、定員三十二名のうち欠員が一、欠席が二名で、実際には二十八名が参加をした、こういう中で自衛隊出身の議員八名中の七名が審議拒否といって退席をするというような状況の中で、自民党、社会クラブ、公明党、共産党、無所属が全会一致で決議をしたものであります。その賛成者の中には、自衛隊出身で自民党の幹事長という人が一名含まれておることも申し上げておきます。要するに、超党派で決議を行ったものでありますが、いま御説明で通達撤回、特に立会演説もさせないような通達は撤回してもらいたいということであったと言われておりますが、通達というのはいつ出されたどういうものであるのか、その内容は何を言っておるのか、さらに海上、航空自衛隊の場合にも同じような通達を出しておるのか、これらについて聞かしてもらいたい。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) お答えいたします。  この通達は昭和三十七年六月に、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊それぞれ幕僚長から第一線の長に出したものでありまして、その内容は選挙管理委員会から施設内に投票所の設置の申し入れがあった場合には、隊務——部隊の業務ですが、部隊の業務との関係をよく考えて投票所を設けることは差し支えない、またそれに伴いまして、いわゆるポスターを張るための公営掲示場を設けることについても同様であるというのが一つ。それから、選挙管理委員会から演説会開催場としての指定の申し入れがあった場合には、先ほど大臣答弁にもありましたとおり、自衛隊の駐とん地の施設が主として隊員の居住の用に供するものであること、また警備上の管理面から好ましくないのでお断りをすることということを内容とした通達であります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 意見書の中では、いま述べられた問題のほかに、選挙ポスターの掲示が制限されておるというような点にも触れておるわけでありますが、そのとおりであるのかどうか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 選挙ポスターの掲示につきましても、先ほど申しましたそこの駐とん地の施設の状況、隊務の状況との関連でお断りしたり、また設置したりしておりますが、特にこれを理由もなく制限するということはいたしておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 逐次内容についてもお伺いするのですけれども、国民の基本的な権利であるこの選挙、選択の自由にかかわる問題が制限を加えられるということはゆゆしい問題であります。この通達について自治省は知っておるのか、これを認めてきたのか、こういう問題についてお伺いしたい。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 千歳市等の問題を新聞等で拝見いたしまして、これは私どもの方から出した通達ではございませんので、どういうものであるかということは見たわけでございます。当時、自治省当局と相談をしたというようなことが書いてございますけれども、当時口頭でやったのか、文書その他では全然それは残っていないわけでございます。現在、その通達があることは承知いたしております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 自治省は、内容について承知することなしに自衛隊がそういうことをやるのを承知をしてきたということなんですか。もう一遍念を押しておきたいと思いますが。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 当時の状況は、私もつまびらかに存じないわけでございますけれども、御承知のとおりいろいろな施設、たとえばいまそのポスター掲示場等の話があったわけでございますが、それらについては、たとえば建物等については禁止しておりますが、それ以外は別に禁止はしてないわけでございますけれども、全般的に自衛隊の駐とん所、いろいろな施設が実態によっていろいろ違うとは存じますが、実際上そこの管理者がどういった性格上管理をするのがいいかといった管理上の立場を考えておやりになるわけでございますから、そういった点で自衛隊の方でそこらを考えておやりになったと。だから、そういった管理上の必要性があるということであるならば、それはやむを得ぬのじゃあるまいかという考えであったかと思っております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 自治省では、通達の条文の内容は承知をしておる、その限りにおいては承知をしておる、こういうことですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) 通達の内容を見ましたところ、そういった管理上の問題等から考えておるということがございますので、そういったことで必要があればやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 議会の意見書の中には、一片の通達をもって自衛隊施設の利用を一律的に規制することは、民主政治の根幹にかかわる問題だと指摘をしておりますし、私もまさにそのとおりだと思うのでありますが、そこからさまざまな問題が発生しないわけがない。多くの駐とん地においては状況もさまざまであります。これを一律に規制するというようなことについての問題点を感じなかったのか、長官並びに自治省にもお伺いをします。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) お答えいたします。  立会演説会をお断りいたしますのは、駐とん地と申しましても、営門の中の施設でありまして、そこにおいては先ほど大臣答弁にもありましたとおり、一面においては勤務の場所、公務所的な性格を持っておりますし、また勤務時間外には営舎内居住の隊員にとっては一つの私宅でありまして、また営舎内居住の隊員といえども外出を許可しておりますし、そういうことで先ほど申しました、また警備管理上の観点からも、立会演説会についてはお断りをしておるということでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 選挙は絶えず行われておるわけではないのです。選挙運動に触れることによって、各政党の考え方、立候補者の考え方を知ることができる。勤務場所であり、私宅であるというような理由で制限をしていくなら、一般的にもそれはずいぶんと言えることだと思うわけです。こういう一般的な状況でどうして禁止をすることができるのか。特にこの通達を背景にして、北海道千歳市で起こっている問題は、いま通り一遍に答えられたような状況ではないのですね。昨年の七月の参議院選挙までには隊内にポスターを掲示することも一切拒否をして張られたことがない、こういう事実を知っておられるのかどうか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) ただいまの先生のお尋ねでありますが、ポスターも、投票所を設置する場合に、それに伴いまして公営の掲示場としてポスターを掲示することを隊務に支障のない限り認めているということでありまして、そういうことであります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 現在、隊内にようやく投票所が昨年の七月から置かれるようになった。それでもこのそばに投票所だけがあって掲示板がなかったというようなことは、異常なことじゃないですか。長年にわたって、昨年の七月までですよ。どうなのですか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) その点につきましては、隊内に市選挙管理委員会のお申し入れに基づいてポスター公営掲示場を設ける、あるいは投票所を設けるということでありまして、ただいまの点、私も詳細には承知しておりませんが、恐らく投票所の設置についてのみ申し入れがあったものだと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 今日、特に営内居住の自衛隊の青年たちはどういう生活状況下に置かれているのか。十数万に上るこの青年に対してこの規制措置をとっておるのでありますけれども、新聞を読む時間が十分保障されておるとは言えない。昼間は訓練であり、離れた場所に外出するのはおおむね夜ですから、公示物だって十分に目に入る状況はない。しかも、政治活動を行うこと自身は厳しく規制されておって、外部からの働きかけに対して十分に隊が保障するのでなければ、一般以上に政治的無知に置かれる状況にある。これに対して積極的に進めようとするのでなく、さまざまな制限を加えていくということは、選挙の自由と、候補者の選択の自由を侵す許されない行為になるじゃありませんか。特に、この立会演説を簡単な理由にならぬ理由で断っておりますけれども、たとえば隊内の者だけに聞かすことを保障をして、部外の者は入れないで営内で候補者の運動を入れていくというようなことさえも行われていない。外の者が入って差し支えがあるというのなら、内部の者だけにしてやられたらどうなんですか、なぜやらないんですか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 私たちは、営門の中で演説会を開催することについてお断りをしておるわけでありまして、営舎内居住の隊員が、たとえば候補者等の演説を聞き、あるいは候補者に接触するということを禁止しておるわけではありません。  先ほども申しましたとおり、平日であれば二分の一の外出、また土曜、日曜日は三分の二の者の外出を認めておりますし、また投票——選挙権の行使に当たりましては、遅刻、早退等を認めておる点は、他の公務員の場合と同様にいたしております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 営内の規制が不当だと言っておるんです。候補者が入ってきたらどうして秘密が侵されるんですか、候補者が入ってきたらどういうふうに管理上困るんですか、立候補者が入ってくることを危険視するというのはおかしい話じゃないですか。特に営内にわざわざ投票所を設けながら、営内で政見に触れる機会を保障しない。これは何としても許すことのできない通達だと、こう言わざるを得ないと思います。  続いて聞きますが、この通達を背景としてさらに不当なことが行われておる。ポスターばかりでなくて、営内において選挙公報が問題である。一つ聞きますけれども、選挙に当たって選挙公報は全隊員に配布をされているというふうに考えておられるのか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) これは現在全国一律ではありませんが、たとえば千歳市の駐とん地について言いますと、大体五人ないし六人に一枚の選挙公報が選挙管理委員会から配られております。で、営内居住の隊員は、大体一室に七名ないし八名居住をいたしております。そこへ一枚、さらにまた、廊下その他の掲示場には選挙公報を掲示するということにいたしております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 現地に当たって調べましたか、そうなってないでしょう。千歳で市の選管は、隊員の数だけまとめて業務隊長に渡している。隊長は、全隊員に渡すたてまえで受け取っておるんです。ところが、実態は全隊員に渡っていない。こういう状況だと把握をしておりますが、あなたの答弁は間違いないですか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 私の先ほどのお答えは、現地からの報告に基づいてお答えしたものです。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 だれに聞いたんですか、間違いないですか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 間違いないと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 実際には渡っていないというのが実態である。私の調べたところでは、公報は各部隊の掲示板に裏と表と二枚だけが張られており、ときには自衛隊出身候補が載っておる場合には、表だけを出して裏は張らぬと、ここまでの具体的な状況がある。無法ぶりも明らかである。こういうやり方があったらどうなんですか。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) もし、そういうことがありましたら、公平を欠くものだと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 直ちに調査をして、本委員会中に報告をしてもらいたい。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 調査をしてお答えしたいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 全国的に見て、まだまだひどい例がいっぱいあるんです。静岡県の御殿場市の陸上自衛隊の場合には、部隊内に三カ所の投票所があります。市選管の投票所二十四投票所の関係では、有資格者が六百五十一名おるんだけれども、ここに百名の公報しか配られていない。二十五投票所では八百四十二名に対して二百枚である、二十六投票所関係では五百三十三名に対して百枚が渡されるのみだと、これが実情であると。もともとたてまえとして、営内のひとり者の隊員に対しては一人ずつ渡すべきではないか。下宿をしておる学生をどういうふうに扱っておるのか。公平にやらなければならぬ。知っておりますか、こういう状況を。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 全国の駐とん地についてそういったことを調査しておりませんが、千歳の駐とん地につきましては、先ほど私が答えたとおりの配布を受けておるということを聞いております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 直ちに調査をして、統一地方選がいま行われるのですから、緊急に改善をするという意思があるのかどうか、お伺いします。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 全国の駐とん地について調査したいと思います。  ただ、選挙公報につきましては、われわれは選挙管理委員会からいただく側でありまして、これにつきましてもできるだけ多くいただくべく努力はしたいと思いますが、この点につきましては協議を要することであります。(「長官、長官」と呼ぶ者あり)

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) やはり、自衛隊員の方方が、どういうような政見を候補者が持っておられるか、あるいはそういうことをよく知ることは非常に私は民主主義には必要なことだと思いますので、できる限りそういう機会を与えるという意味におきまして、ただいま御指摘のような選挙公報等につきましては、十分、これは選挙管理委員会との関係もございましょうけれども、なるたけたくさん配布していただくように努力をいたしたいと、かように考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 長官のいまの答弁では、事態が改善するとは思われないです。十数万にも及ぶ特別な状況下に置かれておる自衛隊の青年の自由と、候補者選択の選挙の自由が失われておるという問題であります。これを保障するためには、何としてもあの不当な通達を撤回をするということが必要だ。一つの市議会が超党派で要求をしておるのであります。厳粛に受けとめてもらわないと困るんです。再度お答えをいただきたい。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) ただいまこの通達を撤回する考えはございません。しかしながら、御指摘のようなやはり候補者選択の自由があるわけでございますから、できる範囲内においてそういうような努力をいたすということに努めたいというふうに思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 それでは聞きますけれども、朝日新聞の報じるところでは、この問題について地元の第七師団の陸上自衛隊の小田嶋広報班長という人物は、もし選挙の自由を、隊内で演説会を開かせたら自衛隊反対の意見を隊員に隊内で聞かせるという事態も起こる、そういうことを防ぐのが通達の趣旨だと言っておりますよ。こういう立場に防衛庁長官も立っておるのか、これをまずはっきりさしてもらいたい。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) その班長がどういうことを言ったか、私承知をいたしておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 これは現地の新聞では大きく取り扱っておりますし、そういうことを知らないというのが今日の状況では、隊員の権利を守る、国民の権利に対して鈍感だということを証明しておるんです。すでに去る国会で、教育問題についてもさまざまな問題が追及をされておる。この班長の発言に見られるような思想性が問題であります。選挙というものは、自衛隊の存否、自衛隊があるかないかということをめぐって争われるのではない。こういう不穏当な言葉が、すでに新聞にも掲載されておる。調査の上、はっきりこれに対する見解を聞かしてもらわなければならぬと思います。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○政府委員(今泉正隆君) 早速調査したいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 長官、調査する気持ちはないですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 人事教育局長がお答えいたしましたとおりでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 自衛隊反対の意見を隊内で隊員に聞かせるということは、悪いことなんですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) いろいろの場所でいろいろの政見を御発表になることは、これは自由だと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 隊内で聞かすことはどうなんですか。答えてないじゃないですか、問いに対して。委員長、問いに答えさすようにしてください。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 隊内で聞かせることの可否について。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) それも、いまるる申し上げましたとおりに、選挙公報でどういうふうにお書きになるか、それは私は自由だと思います。しかし、立会演説等は、先ほど申し上げましたように、いまのところ、やるべきじゃないというふうに考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 答えてないじゃないですか、問いに。隊内で自衛隊反対の意見を聞かすのは困ると、こういう意見を防衛庁長官は持っておられるのですか。この問いに対して、はっきりと態度を示してもらいたい。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 先ほどお答えしたとおりでございまして、いろいろの意見を言うことそれ自体は、これは構わないわけなんです。ただ、文書等について、公報にどういうふうにお書きになるのか……

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 隊内で立会演説会をやると、隊が自衛隊反対の意見を隊員に聞かすことになるから困るという、この発言について所感を伺っておるのです。はっきり答えてもらいたいですね。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 立会演説はいまのところ行われないわけでございますから、それは差し控えさしていただきたいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 答えないというのはどういうわけなんですか、質問に。答えないじゃないですか、大臣は。委員長、答えを求めてください。答えないんじゃ、先に進めないですよ。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) いや、それは先ほどからお答えをいたしておるわけなんです、はっきり。いま選挙公報等が配られて、それは差し支えないわけでございますから、それにどういうような御意見を書かれようとも、それは結構なことでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 答えてないですね、やっぱり。どうなんですか。言を左右にして答えないですね、長官は。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 防衛庁長官、再度明確に発言を願います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 先ほどから私は非常に明確に答えておるつもりでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 進めないですね、これでは。これは答えてから次に移りたいと思います。進めないじゃないですか。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 営内では、いま立会演説は行われておらないわけでございます。だから、公報それ自体は、私がただいま申し上げたとおりでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 答えないですね、長官は。国会で大臣が答弁せぬということは、どういうことになるのですか。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 自衛隊は御承知のように公営施設でございますから、そこではやらせないということでございます。ただし、公報それ自体にどんなことをお書きになろうと、それは差し支えない、こういうことを申し上げておるのです。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 特別な理由があればとにかく、妥当でない理由で断るというようなことは許されないことであります。その理由が、自衛隊反対意見を隊内で、隊が容認することを防衛庁が認めぬということであれば、これはゆゆしい問題であります。教育問題に関して前国会で山中長官は、いかような意見に対してもそれは保障をするというふうに言ってきたわけであります。これは、現大臣はその点で後返りをしておる。これでは前に進むことができないというふうに私は思うのですけれども、この問題については後まで留保しておきます。  私としては、この小田嶋広報班長の不当な発言を調査の上撤回することを求め、あわせて不当な通達を撤回することを求めるものであります。最後にもう一遍長官の意見を聞いて終わりたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 撤回いたしません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 この通達というのは、候補者が隊内に入ることを理由もなく制限をし、さらに具体的にこの通達が出されたという状況下において、選挙制限は公報の配布からポスターにまで及んでおる。住民の決議にもかかわらずそれに対して一顧もくれないという態度で一律に制限を続けようとしておる。こういう状況は非常に不当なことだと思いますけれども、これを自治省も認めてこの通達に対する擁護の態度をとるのかどうか、自治大臣に答弁を求めたいと思う。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 何らもしていないんじゃないので、これから先、ポスターとか公報とか、そういうような問題について改善する必要があるならばやるということを申し上げておるわけなんで、あなたのおっしゃるのとは違うわけです。御了解をいただきたいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 了解できぬな。——自治大臣。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま防衛庁長官が申し上げましたとおりでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 議会制民主主義の根幹になる問題について自衛隊内で不当な取り扱いが行われ、これに対して具体的に超党派の、自民党も共産党も含む決議が上げられているという中で、自治大臣の答弁ははなはだ奇怪なものであります。この問題については自後も追及をするということを私は申し上げておきたいと思います。  続いて、大学における暴力一掃の問題と学内正常化の問題について質問をいたします。  渡辺委員も取り上げましたが、その後のわずかな期間に中核、革マルの間に連続殺人事件が起こされておる。彼らはますます凶暴化をしまして、公然とみずから行った殺人を誇るようになっておる。次の殺人を予告するようになっておる。そしてそれを実行するというありさまになっておる。ことしになって起こったこの種殺人事件の概況と、こういう連中に対して今後とろうとする措置、警察庁——大臣から答えてもらいましょうか、急がれるようですからね。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 民主社会におきましては、理由、場所のいかんを問わず暴力行為は絶対に容認されるべきものでないことは当然でございます。ただ、大学内の問題につきましては、大学自治のたてまえから、第一義的には大学当局が学内の秩序維持について自主的に措置すべきものであり、かねてから大学当局に管理措置の強化を申し入れているところであります。警察としては、今後とも大学当局と緊密な連絡を保持しつつ、学内の違法行為についても徹底した取り締まりを実施してまいる所存でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 解決は緊急を要する状態でありますが、文部省としては、渡辺質問以後、法政大学について大学当局はどんな措置をとったか承知をしておられるのか、御報告をいただきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 法政大学の事態は非常に深刻な問題をはらんでいるということは、渡辺議員の御質疑がありましたときに申し上げたとおりであります。その後、文部省は法政大学と連絡をいたしておりますが、その間におきまして、法政大学の大学当局に対しまして、文部省として、努力をしてほしいというふうに指導をいたしているのは三点でございます。まず第一は、学内における暴力行為を未然に防止するように努めること、第二番目に、学生会館の正常化について、少なくもこの春休み中に具体的な改善措置に着手願いたいこと、第三番目に、自治会費の徴収方法、その使用のあり方について、学部教授会及び自治会等に対して適切な指導を行うことでございます。  そこで、法政大学が、こうしたわれわれからの指導も勘案いたしまして、大学として自治の立場で方針をとっているわけでありますが、その結果どのように事態が推移しているか、御報告申し上げたいと思います。  遺憾ながら、現在、学生会館のある富士見キャンパスは閉鎖中でございまして、学生会館は使用されていない状況であります。しかしながら入学試験、卒業式はいずれも無事終了したという報告を受けました。なお法政大学当局では、卒業式の後におきましても学部長会議などを開いて正常化の方策について検討中である、そして四月に新学期になりますが、それまでに何らかの具体的措置をとりたいという、そういう意向を持って進んでおられるという報告を受けております。私たちといたしましては、渡辺議員の御質疑以後、法政大学との協力のもとに、事態の改善につきましてとりました指導、それに対する大学の対応というものについて、以上申し上げたとおりに承知いたしておりますが、なお事態が一層改善されるようにわれわれは期待している次第でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 大体指導の状況はわかるのですが、大学自身がそのためにとった処置というのについて、さらにあれば補強していただきたいですね。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまの問題について、政府委員からお答えいたさせます。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) ただいま大臣からお答えしたとおりでございまして、この春休み中、新学期までには何らかの措置をとりたいという報告を受けておるにとどまっております。目下大学の方で鋭意検討中である。したがいまして、ただいま大臣がお答えしましたことに特に補足することございません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 昨年一年間法政大学ではロックアウト等によってかなりの授業日数が失われてきた。来年そうあってはならぬと、こう考えるのですが、昨年の具体的な状況について聞きたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。  昨年度は昭和四十九年六月二十六日、昼間部のみロックアウト、さらに十二月十四日から十五日にかけまして、本部地区におけるロックアウトがあり、さらに越えて五十年一月十八日、本部地区ロックアウトがあった。それが四十九年から五十年初頭にかけてのロックアウトの状況でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 失われた授業日数はどうなるんですか。

井内慶次郎文部省大学局長

○政府委員(井内慶次郎君) 四十九年になりましてからは、先ほど申しましたように、一日が四十九年の六月二十六日、それから十二月十四日、十二月十五日と、五十年に入りましての一月十八日以降ロックアウトが続いておりますが、春休み中でございますので、ただいまのところ授業は行われていない。四十九年から五十年にかけましてはかような状況でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 大学の授業日数と失われた日数の関係を聞いているのですよ。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) この法政大学のロックアウトが起こりましたのは四十九年から五十年初頭にかけましてロックアウト三回でございますが、これを延べ日数にいたしますと六十七日でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 大体大学の授業は年間三十週とすれば、六十七日というような日数は三分の一にも及ぼうとする大変なものであります。新学期になって法政大学が再び中核の根城にされないという保証はあるのか。自治会を隠れみのにして、そこに凶器を貯蔵し、暴徒が外来者を含めて、たむろするというような屯所になる、こういうようなぐあいに学校の施設が利用されて、管理責任のある大学当局が立ち入れない、こういうようなことになるおそれがないのか。文部省は有効な指導ができる自信があるのか、再度お伺いをします。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいまの問題ですが、これは、国家公安委員長も申されましたように、暴力発生という事態につきましては、警察の緊密な協力というものが必要でありまして、学校の先生方がこれに対処するということは先生方のお仕事を越える問題であるかと考えております。したがいまして、この種の事態に関しましては、学校当局として警察とも協力しながら、しかし同時に、自治を強化するというふうにしていただきたいというふうに私たちは大学にお願いし、また指道をいたしているわけでございます。  で、このロックアウトというものは、これは確かに、おっしゃいますように、学内でそういうことが行われないほうがいいわけでありますが、しかしながら、非常に暴力行為が発生いたしますような場合には、教職員や多数の学生の身体生命の安全を図って、また何とかして教育研究施設というものを破壊から守るために大学が一時的にとる措置であると理解しております。でありますから、このロックアウトというのは、大学というものをさらに悪くしていくためにとる措置ではなくて、何とかしてよくしていくための一時的措置としてとる。  解決の方法といたしましては、先ほど申し上げましたように、暴力に対しては、これは警察と緊密な協力が必要でありますが、他方、平常の授業ないし研究、そういうものについては、やはり大学というのは自治の原則をもって自分自身の方針で学校教育の正常化を図っていく、そういう方向で法政大学の当局の方々も努力しておられるとわれわれは理解いたしておりますし、また、教授会などを開いて一生懸命に議論をして施策というものを工夫しておられる。私たちは、その方法というものが実りまして、そして本当に学校が正常化されることを心から願っているわけであります。そういう方向というものが生まれて、学校当局の希望が達せられるように、そういう立場で私たち自身もこの法政大学との協力関係というものを維持し、そして学校にお役に立つようにしなきゃならない、こう考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 一部の者が暴力をふるうからといって全学をロックアウトして全学生の授業を失わせるというようなことが安易に行われてはならぬ。このことをどうしても確立してもらわなければならぬ。これを解決するためには、自治の力でありますから、全学生の自覚が高まらなければならぬ。ところが、反暴力のビラまきや運動に立ち上がる者は目のかたきにされて暴力攻撃を受ける。この者が法務局、人権擁護局に提訴をすれば、あいまいな取り扱いで、ろくな報告も来ない。こういう状況では、どうして問題が解決するのか、法務省にお伺いをしたい。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 暴力反対のビラをまいた善良なる連中からの提訴を法務局がいいかげんに扱ったようなお話ですけれども、そんなことではないんです。非常に真剣にいまやっております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 具体的に報告してくださいよ、その中身を。心がけだけ聞いたってわからないよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 具体的内容については政府委員に答弁させます。——通告がなかったものですから、人権擁護局長を呼んでいないんですよ。いまから呼びますか。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 大臣は具体的に知らずに、どうしてこう自信を持って返事ができるのかね、不思議なことやな。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) そんな重大なことを、人権擁護局ともあろうものがいいかげんにやるなんということは信ぜられません。したがって、一生懸命にやっている。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 政治は祈りや信念だけでは進まないと思いますから、具体的な報告を後ほど私の方まで寄せてもらうように言っておきます。  文部大臣、法政ばかりでなく、早稲田大学にもこれらの問題は続いておるわけであります。そして学生会館等が根城になっておるということも事実だ。この早稲田の捜査状況について、これは警察の方からひとつ具体的な状況を報告してもらいたい。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 昭和四十八年一月以降本年三月六日までの間に、早稲田大学の第一学生会館を十七回捜索をいたしました。各種事件によるものであります。ここで押収をいたしましたのは、鉄パイプ百六十六本、竹ざお二百三十四本、ヘルメット四十九個等、合わせまして五十八件、五百四十九点を押収いたしております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 どこから出てきたんですか、それは。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 第一学生会館であります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 法政大学、早稲田大学、これらは相当額の補助金が国庫から出されておる大学であります。こういう大学で、一部の暴力に屈して、わりあい簡単に授業を切ってしまう。学内の学生会館施設であります。この施設に対して管理者が立ち入れない。責任放棄と言われても仕方がない。こういう状況ですね。国民の血税を厳正に使うという点からも、文部省は大きな責任を感じてもらわなければならぬと思います。大学人でもあった文相が学長と直接に接せられるということも含めて、あなたの在任中に見違えるように状況が改善されるというふうにやってもらいたいものだと思うんです。私どもはこの問題のためには全力を挙げる気持ちでおるんです。決意をお伺いをしたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) まことに御指摘のように、きわめて重要な問題であります。私は、大学あるいは大学以下の学校も含めまして、暴力というようなものがふるわれないように、そして教育というものが正常化するようにお役に立ちたいと考えております。一昨日も早稲田大学の村井総長にお目にかかりました。そして、何とかこういうふうな事態というものを少しでもよくしていくということに、もちろん私たちもお役に立ちたいと申し上げました。また、先生方も非常に一生懸命に苦慮なさっているということを、私もお話をいたしますと、感じます。なかなかむずかしい事態でありますけれども、御指摘になりましたように、わが国における大学の教育というものを考えますと、きわめて重要なことでありますから、私は単に前に大学にいたということだけではなく、一人の日本人といたしましても、また文教行政の責任を負う者といたしましても、この問題を決して等閑視するようなことなく全力を挙げる、そして大学というものを価値あるものたらしめるように努めたいと考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 高等学校の入試結果発表の季節でありますが、父母にとって大変なこの合格発表。兵庫県の尼崎の公立六校、総合選抜制をとっておりますけれども、この合格発表において、選考の結果に不満がある、合議の判定をやり直せというような要求で校長たちを監禁をして、いろいろ強要をしておるというような事実が起こっておる。文部省では御存じでありますか、これについてお伺いをしたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 政府委員からお答えいたします。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) お答えいたします。  ただいまのようなことにつきましては、現段階では文部省はまだその事情を承知しておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 三月二十日に合格発表があった。部落出身の生徒が落第をしたから、こういう結果というのは認めることができないというので、高校長たちを、地域の総合センター、これは解同朝田派の諸君が不法管理をしておるのでありますけれども、ここへ呼び出して二十日の朝までやった、翌日もやった、そうして二十四日に再度話し合うというようなことになっておる。そこへは朝田派、あわせて市教委と県教委の幹部もやってきて、校長にこの再検討を迫っておる、こういう事件であります。だれも聞いてないんですか。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) 聞いておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 情報が遅いですな。きょうの赤旗では掲載をしておるんです。後ほどよく調べて、赤旗も読むようにして、兵庫県教育委員会の報告だけでなくて、本当のことを知って文教行政をやってもらいたい。この問題は懸案にしておきます。  八鹿高校問題についてお尋ねをいたします。  事件発生以来四ヵ月経過しておりますけれども、その後文部省が調査をされたことを報告されたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 八鹿高校事件の問題につきましては、その後調査を続けました。その後調査を続けましたということを具体的に申し上げますと、それは兵庫県の教育委員会との連絡を一層密にしたということになるのですが、さらに一層具体的に申し上げますと、たとえば教育委員長あるいは教育長、次長、そういう方にも御上京願いまして、私を含めて文部省の者が詳しくお話を承るということをいたしました。で、そういうところでお話を承って、私たちが申し上げていることは何であるかというと、一つは、この八鹿高校におきまして暴力が発生いたしましたが、そこで教育委員会にはこの暴力排除という原則を貫いていただきたいということでありますが、さらにその上で教育の中立性というものを重んじまして、特にこの差別の問題に関連いたしましては、やはり人権の尊重、そして法のもとにおける平等という立場で静かに教育が進められるようにということをお願い申し上げてきた次第でございます。  そこで、兵庫県教育委員会もこの問題について、いろいろこれまで骨を折ってこられたと考えますが、その一つの事実といたしましては、三月十四日になりますと、「同和教育の推進について」という新しい通知を、各市、町、組合、教育長、それから各県立学校長、各教育事務所長、各教育機関の長あてに出しました。そこに掲げられております、相当長文にわたりますものですから、要点だけを申し上げますと、やはりいま私が申し上げましたような基本的な原則です。つまり、暴力というようなものをなくして、本当にいろいろな——この問題についての考える集団というもの、あるいは研究会というものがございますが、その研究会というものが異なった立場をとりましても、そのこと自体はいいんですが、それを教育の場で静かに具体的に生かしていくようにという趣旨のことが述べられております。そして、そういう形で各学校というものがこの教育委員会の趣旨に沿ってほしいというふうに、三月十四日の通知が立場を明確に述べている。そういうふうな形で、いままで八鹿高校事件が起こりまして以来の事態が推移しているというふうに私たちは掌握している次第でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 警察並びに検察にお伺いをしますが、現在八鹿事件についての捜査中の被疑者のうちで教育に関係ある者の氏名と被疑事実について述べてもらいたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 八鹿高校事件につきましては、兵庫県警察におきまして鋭意捜査を進めまして、これまでに二十四人の被疑者について事件を検察庁に送致しており、捜査は終結に近づいておるとわれわれは承知いたしております。  なお、これは御質問がございませんでしたが、八鹿高校の珍坂校長に対する捜査でございますが、これは告発が出されておりまして、兵庫県警察において捜査を進め、近く検察庁に事件を送る予定と聞いております。氏名全部につきましては、警察庁のほうから御報告させます。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 教育公務員関係者は、ただいま大臣が述べられたほかに、八鹿高校の教諭で小山友一、山根新策、県教育委員会主事前田昭一の三名が捜査対象になっております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 警察が送検されたのはだれだれかと、その送検理由を聞きます。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 珍坂校長以外、ただいま申し上げました三名につきましては、逮捕、監禁及び強要罪容疑で送致いたしました。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 文部省に聞きますが、珍坂校長あるいは前田というような人の職責なり使命、行動を知っておられたのかどうか、これらの点を明らかにされたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいま容疑の段階において調べられていることの詳細というものは文部省はもちろん存じておりません。ただ、八鹿高校の事件をめぐるいろいろな事柄については、兵庫県教育委員会から報告を受けております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 さらに警察にお伺いをしますが、取り調べ中の者ですね、これについて教育の関係者が多数含まれておる、このことは明らかなのですけれども、その氏名を出してもらいたい。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 被疑者として取り調べました四名についてただいま名前を申し上げた次第でございますが、その他については結論を近く出す予定でございますので、氏名について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 ここで文部省に聞きますけれども、十一月二十二日現地に派遣された職員の氏名を言ってもらいたい。県教委からですね。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) お答えいたします。  兵庫県教育委員会が十一月二十二日に派遣した職員名でございますが、畑中芳夫教育委員会の参事、山岡高同和教育指導室係長、前田昭一同じく係長、喜始彦明指導主事、植田良県職員課係長でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 限定してお伺いします、警察に。畑中、山岡——前田はすでにいま起訴の中にありましたけれども、送検の中に。喜始、植田、これらの人は取り調べの中に入っておりますか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 詳細な点は、ただいま把握しておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 ぼけた話じゃないですか。畑中、山岡は何度も取り調べを受けておる。前田においては書類送検をされておる。  警察にお伺いをしますが、警察は送検するに当たっては、起訴になるという相当の事実を、証拠を調べて確証を持って送られたものと思いますが、どうですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 警察で認知をして送る事件につきましては、もとより十分な確信を持った者について被疑者として事件を送致するわけでございます。ただ、そのほかに告訴、告発等がございますので、その中につきましては必ずしもそうでない者もあり得るということはございますが、警察が送りました者につきましては十分の自信を持って送っておるわけでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 明らかなことは、現地に派遣された教育委員会職員の一人は送検をされ、単に告発を受けたというような状況ではない。残った四人の中で二人までも、もう送検も間近になって取り調べられておる。五人中三人までが濃厚な被疑者である、こういう状況になっております。これについて文部大臣は、いままで八鹿高校に派遣された県教委の職員が事件に加担していたというような事実はないと言ってこられたのですが、いまでもそのように確信をしておられるのかどうか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 現在容疑について取り調べが行われているわけでありますから、私がこの段階で確定的なことを申し上げる筋合いでないと考えます。それは調べが進行するにつれて明らかになることであると考えております。教育委員会におきまして当初の報告というものは、加担しているということはないという考えでありましたので、その教育委員会のやはり基本的な立場あるいは考えというものがわが国の教育を進めていくものと確信しております次第でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 兵庫県教育委員会の責任ある地位の職員と、校長や、そして指導主事、教頭が逮捕、監禁、強要容疑で取り調べを受けて書類送検をされ、そして警察と学校とを往復しておると、こういうような状況で、地域にも信を失っておる者がそのままになっておる、こういう状況が解決を促進するものなのか、足を引くものなのか、明らかだと思うんです。しかも、こういう者たちの報告だけに頼ってすべての国会報告は行われておる。これについて反省をされていないのか、今後もそういうことであるのか、再度答弁を求めます。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) こうした事柄につきましては、事態の推移につれまして、なお一層よく調べるということが必要であるということは、私は前にも申しました。そこで、先ほども申し上げましたように、繰り返し教育委員会と連絡をとっただけではなく、教育委員長あるいは教育長、また教育次長ともお目にかかりまして、そうして私が非常に重要であると考えらる原則を述べまして、そしてどういう状況かということについて一歩一歩前よりもなお事態を調べるという形で指導助言の基本的な材料にいたして、そして私たちの考えというものも教育委員会に対して一歩一歩なお事実に即して明確にしていくという所存で進んできたわけでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 おくればせながら警察の活動は事態の解決に効果を上げてきたということは確認できると思うんです。しかし、兵庫県の教育委員会行政の指導は事態の解決をおくらしてきたと言わざるを得ない。  ここで二つの問題について、特に事実の確認を求めて今後の問題の前進を図りたいと思うんです。文相は、県教育長が解放同盟に身柄を預けるという確認文書を与えたという事実を知っておられるのか、知っておられるなら、その内容についてここで明らかにしてもらいたい。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) ただいまのお話は昭和四十七年の四月のことではないかと思いますが、兵庫県の教育委員会の報告によりますと、四十七年の四月の六日、七日に白井教育長が糾弾会に出席したのは事実でございます。しかし、解同に身柄を預け、屈服し、その指導のもとに同和教育を進めているわけではないと、県教育委員会としては四十七年四月十三日に決定された兵庫県議会文教常任委員会統一意見書の趣旨に従って同和教育を進めているということでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そういううその報告を信じておったのでは問題の解決はできない。兵庫県の委員会月報昭和四十七年四月号に、恐るべき糾弾、屈服の内容とこれが報告をされており、そして確約書の内容も明らかになっておる。その確約書の内容について言ってごらんなさい。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) 御指摘の兵庫県教育委員会月報につきましては、ただいままだ見ておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 渡してあるものを見ないというのはどういうわけなんですか。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) ただいまの段階で、まだ私の手元にも来ておりませんし、いま調べております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 知っている人はいないんですか。ちゃんとわかった人から報告をしなさいよ。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) いただいていないようでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 昨年十月から十一月にかけて朝来中学橋本哲朗糾弾という暴行があったのですが、そこに課長待遇、兵庫県の教育事務所長の上田平雄という人物が行って驚くべき演説をしておる、この具体的な問題はさきに衆議院でも追及されておりますけれども、その演説の内容を読み上げてもらいたい。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) 但馬教育事務所長の発言内容を読み上げます。  「但馬の事務所長であります。声明文をよみあげます。  部落の完全解放をはばみ、運動と教育の分裂をはかる橋本哲朗の危険な部落差別は断じて許せません。但馬教育事務所は教育行政の責任において解放同盟と連帯し、橋本糾弾、完全勝利をかちとるまで斗いつづけることを声明いたします。」  この場合の「危険な」の中は、「又は「卑劣な」」と、こういうふうな、どちらかはっきりしない点がございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 いま読まれた中に、運動と教育の分裂をはかる者は糾弾するとありますが、県教委を代表する事務所長がこういうことを言うというのは、教育の中立性を侵すものではないですか。同対審の答申の趣旨に挑戦するものでしょう。そして、違法集会に激励を与えるというのは、監禁罪の教唆扇動にもなるんじゃないですか。文部大臣、これについてどう考えますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) ただいま奥田審議官が読み上げました上田事務所長の発言でございますが、それは確かに事実でありまして、そして、そういう発言を行いましたのは、公正を疑われる面があるということを県の教育委員会も言っております。私たちも、公正を疑われるような発言があったことは穏当でないと考えております。もっと公正中立であるということが、明確な発言であることが望ましいと考えます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 教育委員会の高い地位にある者がこういう偏向行政を行って、そのままになっておるのが兵庫県教育委員会の行政の今日である。あわせて、最高の地位にあった総括責任者である白井教育長が、ここにありますように、委員会月報にも明白に記載されている中で、昭和四十七年、私は部落解放同盟に身柄を預けます、解同委員長の指導を受けて今後の教育行政を進めてまいりますと言っておる。そのときから問題は始まっておるのです。課長が教育長の承認もなくてそんな偏向的な演説ができるものじゃない。ここに兵庫県政の根源がある。上田平雄の問題、白井教育長の問題、これらの問題を国会に報告することなしに、どうして八鹿事件の背景と真相がわかるでしょうか。二十六日、文相は衆議院の予算委員会の理事会に対して報告書を上げてきました。まるまるあの報告書は兵庫県の教育委員会の言い分をうのみにしたものであります。国民が判断の指針にすべき重要な事実が隠蔽をされております。故意に隠蔽をしたものなら文部省も同罪である。もしこれが落とされたものであるなら、不明を反省しなければならぬ。今後この犯罪者とも言うべき県教委の報告のみに頼って、この国政審議の最高の責任を持つ国会にこの報告をするというようなことはやめてもらわなければならぬ。サンデー毎日の特集を読むよりもわからないような文部省報告というのは反省をしてもらう必要がある。むしろ一歩進んで、今日の状況解決を警察だけに頼って、文部省の指導が今日まで十分な解決を促進しなかったという点についての文部大臣の反省を聞きたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) この種の問題といいますのは、暴力をはらんでいるような問題に関連いたしまして、警察の御協力を得まして適切なる処置というものを期待すべきは当然のことでございます。他方、これはまた教育でありますばかりでなく、ただいま御指摘にありましたような、そういう御疑念もあるかと思いますけれども、しかしながら、わが国の制度におきまして、教育における教育委員会というものの判断、また責任というものも、これまたきわめて重要なものでありますから、私たちといたしましては、その教育委員会というものが持っている固有なる制度上の責任性というものも尊重して進んでまいった次第でございます。そういう角度で私たちも、先ほど申し上げましたように繰り返し話をし、そうして少しでも事態というものをつかんで進んでまいったつもりでありまして、そうしたことの一つのあらわれといたしまして申し上げました三月十四日の通知というものも教育委員会から発せられている、そのことによってまた、教育委員会の判断と自主性というものも尊重し、そしてそこから方針というものが打ち出されてきているという点につきましても御了解をいただけますならばきわめて幸いであると考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 新しい三月の通達については、いずれ文教委員会なりで討論をしたいと思っておりますが、文教行政の地方自治ということは、不当な状況を傍観するために置かれておるものではない。自治のつい立ての裏に寝そべっておることは許されないと思うんです。何も干渉しなくても、文部省の手で直接真実を明らかにし、国民の前に示すなら、自主解決は促されるのであります。誤った報告を受け入れて、結果において事実を隠蔽する、それの協力者の立場に立つならば現実の解決は行うことができない、そういう点において、再度申しますが、暴行の幇助者としての役割りを果たしてきた教育委員会の報告のみに頼って国会に答弁をされ、国会に対して報告書を上げられたということについてはひとつ反省を行われて、今後直接の調査によって国会報告を行われることと、あわせて、そういう姿勢があるから、すでに二日前に起こっておる一つの学校の入学許可を転覆させるために再び長時間の監禁、強要、暴力が行なわれておる、こういう問題についてニュースさえも手に入れることができないのであります。こういう状況について今後の文部省の姿勢を再度承って終わりたいと思います。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 私は、文部省がこれまで完璧に教育行政をやってまいりましたから何ら反省をしないというようなことを申すつもりはないのです。なぜかなれば、事実、暴力行為というふうなものも発生してきているということは、終局におきまして文部行政というものが完全なる成果を生み得なかったということでありますから、こうしたことについて十分反省をしなければならないと考えております。また、事柄が生じました場合に調査を行うというようなことにつきましても、適切な方法というものを求めて努力すべきこと、これまた申し上げるまでもないことであります。他方、そうした、過程におきまして、同時に教育委員会における自主性というものも尊重して、そうした制度というものを強化するようにわれわれは努力すべきであるし、また、大学などの場合には大学の自治というものが強化されるように努力すべきである、その原則というものを踏まえながら、私たちも日一日、いままで以上によい教育行政というものをやっていきますために、これまでの活動の仕方というものについて常に反省をして、なお前進していくように心がけるべきものである、このように考えております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして小巻敏雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)  明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時五十五分散会

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