予算委員会 第12号
- 発言数
- 529 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/03/19
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十年度一般会計予算 昭和五十年度特別会計予算 昭和五十年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 三案審査のため、本日、日本住宅公団及び住宅金融公庫の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 前回に引き続き、質疑を行います。井上吉夫君。
○井上吉夫君 まず、過般発表になりました農政審議会の需給部会報告に関連をいたしまして、最近における食糧の国際的な情勢をどのように認識しておられるか、農林大臣にお伺いをいたしたいと思います。 私は、報告の内容を見て、概括的な感想でございますけれども、国際需給の見通しについての認識の仕方が若干甘いのではないかという印象を持ちますので、そういうことを含めて農林大臣の御見解をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 昭和四十七年以来、穀物等の国際的な需給は逼迫基調で推移しておることは御存じのとおりでございます。本年に入りましてから、国際市況は、アメリカにおける本年度の増産見込み、あるいは世界的な需要の後退等からいたしまして、二月以降軟化の気配を示しておりますが、しかし、在庫はかつてないほどの低い水準に落ち込んでいることから、本年の作柄いかんによっては逼迫基調がやはり当分継続することも予想せざるを得ない状態であると思うわけでございます。また、中長期に見ましても、開発途上地域の人口の増加、あるいは世界的な畜産物消費の増大、農業生産の不安定等を考慮いたしますと、先行きはやはり楽観を許さない状況であると思いますし、穀物の国際市況は、従来のように過剰在庫を背景とした低位安定の時代から高位不安定の時代へ移っていくものであるというふうに認識をいたしておるわけでございます。 こうした世界の食糧事情の変化に対する認識は、今後の農政を進めていく場合におきましても基礎にしなきゃならぬわけでございまして、今回農産物の需要と生産の長期見通し案を中間報告において農政審議会で御審議いただいておりまして、総会におきましてもこれにつきましての御答申を得ることになっておりますが、これにつきましては、わが国をめぐる国際情勢が安易に輸入に依存することは許さなくなっておるという状況を踏まえて、わが国の農業の自給力を高めることをその基本として策定をいたしたところでございます。 また、輸入につきましても、従来のように一方的な輸入の増加に依存することは排して、特に問題となる飼料穀物の輸入につきましては輸入量自体が増加することはやむを得ないところでありますが、世界に占めるシェアは現在よりは拡大をしないように配慮しておるわけであります。貿易量におけるわが国の占めるシェアは拡大はしないという方向に配慮をいたしておるわけでございます。 また、食糧問題の展望と食糧政策の方向についての案につきましても、備蓄を含む輸入の安定化を促進するよう提言をされておるわけであります。このための施策につきましても拡充強化を図っていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございまして、まあ総体的に見ますれば、多少軟化はしておりますが、しかし、国際的には今後やはり食糧事情は逼迫という基調の中で推移する、それを背景としてこれからの農政を進めていかなければならないと、こういうふうに考えるわけでございます。
○井上吉夫君 ただいまの説明で、国際的な食糧事情というのは、従来のように在庫が十分あるわけでもないし、いままでみたいに安値で豊富に入ってくるということは期待できない。高値で不安定な状態に推移するであろうという見通しだと伺ったわけでありますが、そういう食糧事情の認識に立つならば、どうしても国内自給率の向上というものを最優先して考えるということに結びつかなければならない、そういう見解を私は持つわけでございますけれども、報告によりますと、国際需給の見通しについては、いま大臣がおっしゃられたとおり記述もしてありますし、そのような認識であるようでございますけれども、しかし、報告の第二に、国内自給力の向上をどのような方向で図っていくかということについては、意見として、米、麦、大豆、カンショなど基本的な農産物の自給率の引き上げを優先させるような生産目標を作成するということは、現実の消費者の選好に対する農業者の生産上の対応なり、輸入を含めた食糧の需給の動向等を離れた生産目標の設定は非現実的であるというぐあいに書かれてあるわけです。言い回しを変えるならば、この書き方によりますと、いま大臣から、従来ほど商いシェアで、従来のような伸び率で入ってくるということは無理であろうけれども、どうしてもやっぱり輸入食糧に、とりわけ穀物等について大きく依存せざるを得ないという、そういう形で述べられたわけでございますが、繰り返して申し上げますと、これほど世界的な食糧事情というものが心配をされる状態の中で、まず第一に自給率を引き上げるという、そのことを優先的に考えるという、そういうことが一番大事ではないかという感じを持つわけでありますが、このことについての御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに、おっしゃるように、最近の食糧の国際事情を厳しく認識をいたすならば、それに対応した農政を進めていかなければならぬわけでございまして、やはりこうした情勢を背景にした農政の基本は、わが国の国内における自給力を可能な限り高めていくということがその基本的な課題であろうと思うわけでありまして、自給力を高めるためには、水であるとか、土地であるとかいうものの確保、さらにその高度な活用を図っていくとともに、やはり今後の農業の生産を担う中核的な担い手に生産意欲を持っていただけるような諸施策を講じていくことであるとか、あるいはまた、価格政策に十分配慮してその改善を進めていくとか、万般の食糧自給力の向上するための施策を強力に実現をしていくということが一番大事であろうと思うわけでございますが、しかし、反面、わが国においてその生産条件、気象条件等から生産に適さないところのトウモロコシとかあるいはコウリャン、これは、今後とも畜産物の消費が伸びていきますし、生産も増大をするわけでございますが、そうした畜産物の主原料であるところの飼料穀物につきましては、やはり国内において今後とも生産を高めていくということは非常に困難でございますので、こうした飼料穀物については依然として海外からの輸入に依存せざるを得ない状況にあるわけでございますので、こうした海外輸入に依存せざるを得ない飼料穀物については安定的に海外から輸入ができるというための、輸出諸国との間の協定等も今後積極的に進めていくという必要があると思いますし、また全体的に、先ほど申し上げましたように、飼料穀物の輸入がふえていきますが、やはり貿易量に占めるシェアは拡大をしないということがやはり安定輸入につながっていくわけでございますから、そういう点は十分考慮しながら今後の政策を進めていかなければならぬと思うわけでございまして、もちろん、先ほど申し上げましたように、国内における自給力を高めるということが何よりも最大の課題であることは申すまでもないわけでございます。
○井上吉夫君 私はこの後、「農産物の需要と生産の長期見通し」の中で幾つかの作物について個別にお伺いをいたしたいと思いますが、ただ、ここで私は全体的な報告から受ける印象をどうしてもぬぐい去ることができません。それは、今後の国際的な、世界的な食糧需給の動向というのはきわめて厳しいということを、「食糧問題の展望と食糧政策」の中でかなり厳しく書いてあるわけでございますけれども、こういう状態を踏まえて、そうしてさらに、いまよりもむしろアメリカの在庫などがよけいあった時代にすら、一九七二年の一月から一九七四年の二月時点の約二年間の間に小麦の価格が約四倍にはね上がった。いま若干安定してきてはおりますけれども、依然として一九七二年時点よりも二倍以上の高値である。大体この程度で推移しながら、もう一遍同じような現象が来ないということが言い切れるかどうか。これは、今後の展望などに書いてある諸般の条件を考えてみます場合に、私は決して起こり得ないことではない、むしろいままで以上に起こる危険性が高いという感じを持たざるを得ません。そうであるならば、あくまでも飼料穀物も含めて可能な限り国内自給という方向を目指すということが、現状における農政の最大の課題ではなかろうか。今後十年間を見通しての長期計画を立てられておりますけれども、私は、そういう姿勢がこの数字の中には少なくともあらわれておると見ることはできないという印象を持ちます。このことについては若干後で触れます。 ここでもう一つ、今後の食生活の問題に関連をいたしまして、それぞれの国がそれぞれの風土に適した食習慣というものがあるというような意味で、わが国の風土、日本人の生理や生活形態等の視点、今後の世界の食糧需給の動向、わが国の厳しい資源の制約等を考慮し、日本人として望ましい食生活のパターン及び水準についてのイメージを明らかにする必要がある、こういうぐあいに検討されており、そうして、このためには別途に専門家等の参集を得て研究会等で検討すべき課題であるというぐあいに述べられておりますが、この見解についてどのような検討の方法をとろうと考えておられるか、そうして時期なり結論をいつごろ求めようとしておられるか等についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本人の食生活は、所得水準の向上に伴いまして量的に拡大すると同時に、動物性食品や果実の比重の増加と、でん粉質食品の比重の低下という質的な変化を遂げてきております。今日、その摂取熱量、たん白質量は日本人の体位等を考慮すれば西欧に近い水準に達しておるわけでございまして、米を中心に野菜、魚類を組み合わした従来の食生活に畜産物と果実を加えた新しいパターンが形成をされておることは御承知のとおりであります。このような事情を踏まえまして、わが国の風土と日本人の生理あるいは文明の視点、今後の世界的な食糧需給の動向、わが国の置かれた厳しい資源の制約等も考慮しながら今後のわが国の食生活について、各方面から再検討の要望等も出ておるわけでございますし、そういうふうな御意見等も踏まえまして、今回、栄養学、医学あるいは農学、水産学等、各界の専門家をメンバーといたしました研究会を新年度早早に発足をいたしまして、以後一、二年をめどにひとつまとめてみたいと、こういうふうに考えておるわけでございまして、そのための予算につきましても、五十年度予算において総合食糧政策の検討推進に必要な経費として組まれておるわけでございまして、これはなかなか上から押しつけるというわけにもいかない問題でございますが、しかし、今後のわが国をめぐる食糧事情等も考えますれば、やはり新しいわが国国民に適した食生活のパターンといったものを研究の形として取りまとめて、そして国民の皆さんに御提示したい、御批判を仰ぎたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○井上吉夫君 これはできるだけ早い時期にまとめてほしいと考えるわけでございますけれども、このことがまとまりました場合には、場合によっては、需給の長期見通し、これの作物別の見通し等について多少の手直しが必要になってくるのではないかという気がするわけでございますが、そのことについてどう考えますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これからのあるべき日本人の食生活のパターンということにつきまして研究をして、そして国民の皆さんに提示をして御批判を得たいということでございますので、この研究の成果そのままが今後の六十年見通しといったものに直接影響するということはないわけでございますが、しかし、今後のやはり国際的な食糧事情の変化もただ固定的なものではないわけでございますので、そういう中にあって、国民がこれに対してどういうふうな対応の仕方をするかということにつきましては、今後ともそういう点につきましては、いろいろとやはり問題は出てくるとも思うわけでございます。
○井上吉夫君 さして需給計画を変更するような性格のものではないというような意味に受け取れましたけれども、これほど食糧関係が世界的にも、とりわけ日本は資源の制約、かれこれ等から見て厳しい状況にあるわけですから、私は、やっぱり日本の風土に合った食生活のパターンなり水準というものが好ましい形でまとめられて、それが一つの指導原理として国民に普及するならば、当然にこの需給計画自体も若干の変更をすると、それは厳しい世界的な食糧事情の変化に対応する姿勢として必要ではないかという感じを持ちます。ひとつこのことも含めて御検討いただきたいと思います。 次は、需給計画の中の麦を一例にとりまして御質問を申し上げたいと思います。 四十七年度国内消費仕向け量五百三十七万トンに対しまして、国内生産量が二十八万四千トン、官給率五%というのを六十年時点では若干国内消費がふえまして、五百八十九万トン余りですけれども、これに対して国内生産量五十五万三千トン、自給率九%というぐあいにしてあります。大麦、裸麦については、現在の自給率一八%を三六%に上げたい、生産量において八十九万トンというぐあいに目標づけてあるわけでありますが、私が先ほど申した大変厳しい世界的な食糧情勢の中にあって自給率をうんと高めようという、そのことの必要性を強く認識するならば、できるだけ多くを自給するという姿勢で臨むべきであろう、そういう観点で見ると、私は、どうも目標のとり方も低過ぎるのではないかという感じを持つわけであります。せいぜい倍程度にふやすということであります。ちなみに、事情は違いますけれども、昭和三十年なり三十五年時点におきます麦類の生産の状況を見てみますと、三十年において国内産小麦生産量百四十六万八千トン、三十五年には百五十三万一千トン、大麦、裸麦合計いたしまして大体九十九万トン、百万トン近くという実績を持っております。そういう時期の数値から見ますと、せいぜい三分の一程度の目標にしかすぎない。これから十年後の未来を予測しての、こういうぐあいに生産を伸ばしたいということでありますから、この目標のとり方というのは、私は、余りにも低過ぎるという、そういう感じを持つわけでありますが、これについての御見解を賜りたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 六十年度の自給率に対するところの見通しが低過ぎるのではないかという御意見は各方面からも聞いておるわけでございますが、われわれといたしましては、わが国における消費生活の伸び率であるとか、あるいは人口の伸びといったようなものも踏まえて、さらにまた、可能な限りのいわゆる自給力の向上という観点からこれを作成したわけでございますが、全体的に見ますれば、六十年までに大体需要は全体的に二三%いまよりは伸びるというふうに判断いたしておりまして、これに対して、生産の方は二七%伸ばすという考えで試案をつくっておるわけでございます。麦につきましても、昭和六十年度の麦の生産については、日本めん用小麦等の需要の六割、精麦用需要の一〇〇%、ビール用需要のおおむね五割を目標としているほかに、飼料用の麦として三十万トンの生産を見込んでおるわけでございます。この結果として、小麦では作付面積で現在の一・六倍、生産量で一・九倍、大裸麦では作付面積で現在の二・一倍、生産量で二・七倍の生産量を見込んでおるわけでございますが、御承知のように、わが国の麦作は規模が零細で収益性が非常に少ない、あるいは冬期間における他産業への就職機会が増大している、さらに水稲が早期化いたしまして、稲と麦との作期の重複があるということ等から見まして、今後の麦の生産増加には種々の困難な要因があることは事実でございますが、麦作の適地につきましては、表裏作を通ずる機械化一貫作業の推進とか、あるいは水稲との作期の調整、これはいま研究もいたしておるわけでございますが、この作期の調整、あるいは麦作集団組織をつくって高能率な生産体制をつくっていくというような施策を総合的に推進することといたしまして、これによりまして極力生産を拡大するという方向で、先ほど申し上げました見通しを作成いたした次第でございます。
○井上吉夫君 またこの関係については後でもって触れたいと思いますが、いずれにいたしましても、かつて百六十万ヘクタールも栽培をし、自給率全体で小麦、大麦、裸麦を加えまして六〇%の自給を保持していた時代があったわけでございますから、いま言われた、どうも生産性が低くて他産業への従事機会が多い等というのは、私はしょせん価格に問題があるというぐあいに考えますので、このことについては後で触れますが、いずれにしても目標が余りにも低過ぎるという印象をぬぐうことができません。このことについても再検討をお願いを申し上げたいと思います。 ここで別な問題に入りまして、同じく自給計画に関連をいたしまして、肉牛及び豚の飼育頭数、この十年間にどういう変化を見せているか、お答えを願いたい。
○政府委員(澤邊守君) 肉用牛と豚の十年間の飼養頭数の推移でございますが、まず、肉用牛につきましては、肉専用種は減少いたしました反面、乳用種、これは搾乳後のいわゆる乳廃牛と、それから乳牛の雄の肉用を肥育したものと、両方が資源になるわけでございますが、これが非常に増加をいたしました結果、肉用牛全体では、四十年の百八十八万六千頭から四十九年、これは二月の数字でございますが、百八十九万八千頭ということで、ほぼ横ばいということでございます。それから豚の飼養頭数は、四十年の三百九十七万六千頭から同じく四十九年の二月には八百一万六千頭と、これは倍以上の増加をいたしております。 なお、この間におきます牛肉と豚肉の枝肉の生産量を御参考のために申し上げてみますと、牛肉全体では、四十年の二十万八千トンから四十九年には二十九万三千トンと、約一・四倍になっております。その内訳を見ますと、四十年には全体の四分の一程度にすぎなかった乳用種が、四十九年には約三分の二ということで、ウェートを高めております。また、豚肉につきましては、四十年の三十六万四千トンから四十九年には九十六万四千トン、二・六倍というふうに増加をいたしております。
○井上吉夫君 過去十年間に、豚は倍程度にふえておりますけれども、牛については、とりわけ、和牛については、ほとんど横ばいということであります。六十年度計画を幾らに見て、そして従来の十年間の実績から考えてみた場合に、この六十年目標を達成するために具体的にどういうような手段を考えられますか。
○政府委員(澤邊守君) 牛肉の六十年の生産目標は、国内生産が五十万八千トンというように見ております。頭数で申し上げてみますと、肉用牛が四十七年の基準年次は百七十七万六千頭でございましたのを、三百三十万五千頭、約八六%の増という飼養頭数の増加を見込んでおりますが、その内訳といたしましては、肉の専用種が百四十五万頭から二百十万頭、乳用種が二十九万頭から約百二十万頭というように、先ほど申しましたように、乳用種の比重が高まるような目標を置いております。 このような目標を達成いたしますためには、これまでの飼養動向等から見ますと、相当に努力をしなければいけないというふうにわれわれは考えております。ただ、六十年という先のことを考えますと、国際的に見ましても、世界的に牛肉の需給はかなり逼迫するというように一般に見られておりますので、また反面、国内におきましては、牛肉の消費は他の食肉一般よりは伸び率が高いのではないかというように見込まれておりますので、それらを勘案いたしまして、いろいろな施策を強化をいたしまして、この目標を達成したいというように考えておるわけでございますが、具体的な対策の重点として考えておりますのは、一つは、何と申しましても草資源をできるだけ活用する、その場合、草地の造成、あるいは飼料作物の既耕地におきます作付の増加とあわせまして、山林の下草を、野草を利用するというようなことをできるだけやってまいりたい、それによりまして粗飼料の給与率を高めていくということをやりたいということでございます。その他、家畜導入をいたしまして飼養規模を拡大をしていく。肥育経営の前段階になります繁殖経営におきましても、これまで非常に零細でございましたけれども、最近、規模拡大の傾向が主産地において若干見られるようになっております。これらを育成をいたしまして、規模をできるだけ大きくしていくというようなこと、もちろん、品種の改良、あるいは飼養管理技術の改良等にも努力をいたすわけでございますが、もう一つ大事なのは、価格の安定ということを重視する必要があるというふうに考えまして、これまで子牛につきましては民間の価格安定制度に対しまして助成をすることを考えておりましたが、今後は枝肉、牛肉の枝肉につきましても価格安定を強化をするということで、現国会におきまして畜安法の改正を御審議いただいておるわけでございます。 これらの対策を今後とも強化をいたしますことによりまして、安心して生産できるというような方向で充実をしてまいりたいというふうに考えております。
○井上吉夫君 草資源の問題とか、規模の拡大とか、品種の問題とか言われましたけれども、最後に価格の問題を言われましたが、過去十年間もかなり努力をされてきたと思う。それでも横ばいであった。今度は百四十四万頭から二百十万頭に伸ばすわけですから、過去十年間の実績を踏まえますと容易ではない。私は最後に言われた価格の問題に一番かぎがあるという感じがしますが、そうお考えになりませんか。
○政府委員(澤邊守君) 御指摘のとおり、価格政策につきましては、これまで牛肉につきましては特段に行われておらなかったという点で重要だと思います。ただ、わが国の場合、肉牛の肥育経営は比較的新しい分野でございますので、技術的な面について、あるいは経営的な面について改良すべき分野も非常に多く残されておりますので、両者あわせて充実していくことが必要だと考えております。
○井上吉夫君 次に、養蚕関係についてお伺いをいたします。 過去十年間の推移について御説明を願います。
○政府委員(松元威雄君) まず、繭ないし生糸の生産でございますが、これは大体多少微減傾向でございますが、基本的には、おおむね同様の生産に推移しているのでございまして、一方、需要はふえておりますが、生産は横ばいでございますから、その差額は輸入がふえているという生産動向を示しているわけでございます。 それから養蚕農家の数、これは減少いたしておりますが、その中で、規模の大きい養蚕主業経営と申しますか、それがふえておりまして、それに支えられて生産が維持されていると、こういう動向にございます。
○井上吉夫君 御説明がありましたように、四十年には五十万戸余りの農家が二十八万戸程度に減少し、栽培面積なり、収繭量は若干微減という程度で横ばいに近い。ただ、今度の計画でも、六十年時点では三十何%でしたか、伸びを計画しておられるわけですが、これも十年間の傾向から見て果たして可能性があるかどうか、大変疑問に感ずるわけです。どういう対策でもってこの目標を達成しようとお考えか、お伺いをいたしたい。
○政府委員(松元威雄君) 六十年見通しにおきましては、面積は大体横ばいというように見ているわけでございまして、多少ふえる程度でございますが、十アール当たりの収繭量がふえるというふうに見込んでおりまして、その結果、生産量は若干ふえるという見通しが立つわけでございますが、御指摘のように、過去におきましては、まあ微減傾向の横ばいという実態にございました。それから総農家数は減っている、しかし主業経営はふえているわけでございます。したがいまして、対策のポイントは三つあるのではあるまいかというふうに考えるわけでございます。 第一は、何と申しましても糸価の安定でございます。御案内のように、糸の価格あるいは繭の価格というのは、繭糸価格安定制度によりまして価格の安定を図ってまいるわけでございますが、その場合、生産条件と需給事情その他の経済事情を総合勘案いたしまして適正な水準に安定させるということで、繭糸価格安定制度の運営を図ってまいってきているわけでございますが、その場合、特に養蚕農家の生産意欲を阻害してはいかぬわけでございますから、意欲を盛り立たせるようにこの制度の適正な運用を今後とも図ってまいりたい、これがまず第一点でございます。 第二点の問題は、需給調整措置でございます。御案内のように、繭糸価格安定制度は、いわば需給バランスをとるということが基本的な仕組みでございまして、このために、いわば量が過剰になった場合には日本蚕糸事業団が買い入れをする、それからまた、今回初めて発動いたしたわけでございますが、近年輸入が非常にふえる傾向にございます。輸入がふえれば国内生産が圧迫されるわけでございますから、輸入が非常にふえて、その結果需給バランスが不均衡になるという事態になった場合には、蚕糸事業団の一元輸入の措置がございまして、今回、四十九生糸年度に初めて発動いたしたわけでございまして、御案内のように、本年の生糸の需給事情は非常に厳しい面がございましたが、この強力な調整によりまして目下小康を保っているという事態でございますが、今後とも、この需給調整というものを有効に活用いたしまして、需給バランスをとってまいりたいと思うわけでございます。 それから第三は、これは生産対策でございまして、やはり何と申しましても生産性を高めるということは非常に重要でございます。したがいまして、先ほども、養蚕の総農家数は減っているけれども、主業経営はふえていると申し上げましたが、それはやはり生産性の向上ということが基本にあるわけでございましたから、そこで、養蚕の主業経営を中核といたします生産の組織化でございますとか、あるいは桑園の基盤整備、それから作業の機械化等、こういった生産対策、いままでのいろんな事業で推進してまいっているわけでございますが、これを今後さらに積極的に推進いたしまして生産性の向上を図ってまいりたい。 この三本の施策をいわば総合的に講じまして、この生産目標を達成をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○井上吉夫君 価格あるいは生産対策、需給調整、まあ三つの柱で目標達成に努力したいということでありますが、これまた価格というのはきわめて大きな生産意欲を持続するための条件だと思うのです。今月中にはこの価格の決定をなされると考えるわけでありますが、それについての考え方、いま幾らに値決めをしようということの具体的な数字は聞きません。どういう考え方で決めようとするのか。端的に言うならば、生産者が引き続き生産を持続するためのそういう配慮を十分にしながら価格を決めるという考え方に立ってほしいという、立たなければならぬという私の意見を申し上げながら、どうお考えかということと、さらに、いま若干触れられましたように、国内産に加えて外国産の繭が入ってくるのがかなりな圧迫要因になりながら全体としての糸価を形成しているわけですが、この際、繭価を安定し、さらに糸価を安定するという操作の上で、どうしても一元輸入を含める需給の規制、あるいは需給の統制とでもいいますか、そういう機能を十分持たないというと、片方では絹織物等がどうも売れ行き不振であるという現状の中に、一方では生産者はどうしても生産費を償う繭の価格でなければどうにも困る、そうでない限り、とうていこの六十年目標なんというものは到達できないことは明らかでありますから、その両面を生かすということはきわめてむずかしいと思いますけれども、そのための一つの手段は、さっき申し上げましたように、需給の規制の仕方という機能ももう一つあると思うのです。そういう点を含めての御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農産物につきましては、井上さんも御存じのように、全体の農産物の中で大体七割近くが何らかの価格安定制度によって価格が維持され、またその再生産を確保されておるわけでございまして、先ほどから御指摘のように、これからのやはり農業の振興、農家経営の安定におきまして、価格安定制度を改善をしていくということは非常に大事なことであろうと、こういうふうに私は考えておるわけでございまして、そういう観点からも、今回牛肉につきましても畜安法に指定食肉としての指定をお願いをいたしておるわけでございます。この繭、生糸等につきましても、価格安定制度があるわけでございまして、この価格安定制度の活用によりまして農家の経営の安定というものを図っていかなければならぬわけでございますが、これも今月の末に、繭糸、生糸の基準価格を決めることになっておるわけでありますが、これに当たりましても、現在の繭生産をめぐるところの情勢等も十分配慮して、再生産が確保していけるという形で決めてまいりたい。いろいろと各方面からの御意見はちょうだいをいたしておりますが、十分ひとつ今日の需給の情勢、経済事情、あるいはまた再生産の確保ということも配慮しながら決めていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。 また、需給の調整につきましては一元化の発動によりまして今日来ておるわけでございますが、これは制度の中にあるわけでございますから、こうした需給安定措置等については、今後ともこれをひとつ活用していくということにつきましては、十分これは考えていかなければならぬ問題であろうと、こういうふうに思うわけでございます。繭の生産につきましては、養蚕農家は減少もしておることは事実でございますが、その反面、規模の拡大等も行われておるわけでございまして、私たちとしては、六十年には、先ほどお話がありましたように、相当の増産を見込んでおりますが、そうした目的が達成するような価格対策、あるいはまた需給調整、さらに生産対策等もあわせて有効にこれを施策として進めていかなければならぬ、そういうふうな決意を持っておるわけであります。
○井上吉夫君 繭生産農家が生産意欲を損なわないような価格の決め方をしてまいりたいということでございますので、せっかく御努力をいただき、農家の期待にこたえていただくように御要請を申し上げておきます。 次に、カンショについてでございますけれども、需給計画によりますと、四十七年で九万五千ヘクタールを六十年で五万四千ヘクタールというぐあいに見込んであります。これはどういうような見解に基づくものであるか、あわせて、カンショなりバレイショの生産の十年程度の推移と、それから、でん粉——コーンスターチを含めて、ずばり国内産の原料による芋・バレイショでん粉と、コーンスターチ並びに外でんというものが、これはまあ五年程度でも結構ですが、ずっとではなくて、対比して五年ぐらいの間にどのくらい変化を見ているか、そのことについての御説明を願います。
○政府委員(松元威雄君) 芋類のこれまでの生産動向でございますが、バレイショの方は多少微減傾向でございますが、特に問題のあるのはカンショでございまして、カンショにつきましては、四十年が作付面積が二十五万七千ヘクタール、それに対しまして四十七年が九万二千ヘクタールというようにかなり減っているわけでございます。したがいまして、生産量も四十年が四百九十五万トンに対しまして、四十七年は百九十九万トンというふうにかなり減っているわけでございます。 そこで、減った原因は何かということ、これを踏まえまして、実は御質問の六十年の生産の見通しも立てたわけでございますが、カンショにつきましては、一つには、ほかの作物、特に需要が増大いたしておりまする野菜でございますとか、飼料作物、果樹等、こういった作物への転換がかなりあるわけでございます。そういった他作物との比較の問題が一つで減少いたしております。もう一つは、いわば、でん粉の中で特にカンショでん粉に対します需要が減少していること、バレイショでん粉の場合でございますれば、これは固有の用途がございますものですから、大体需要は横ばいでございますが、カンショでん粉は需要が減少している、こういうことでございまして、したがいまして、それを反映いたしまして従来から減少を続けたわけでございますが、今後もこの傾向は続くだろうと見ざるを得ないわけでございます。したがいまして、六十年の見通しにおきましては、この傾向を踏まえまして、またこれまでの特に主産地でございまする南九州の主産県の、これまでのいわば契約等も参酌しながら、六十年におきましてはかなり減らざるを得ないという見通しを立てたわけでございます。ただし、御案内のように、カンショは特に南九州におきまして、地域によりましては——先ほど私、需要が伸びる他作物への転換がかなりあると申し上げましたが、なかなか転換の困難な地域もございます。そういうところではきわめてこれは重要な作物でございますから、そういうところでは今後とも相当のカンショの作付が行われるというふうに見込まれるわけでございますから、それら地域に対しましては、やはり何と申しましても、これはカンショの生産につきまして、栽培技術の改善でございますとか、省力機械の導入等、こういったことで生産性の向上を中心とします生産対策をさらに進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(森整治君) 先ほどの農蚕園芸局長の御答弁で大体尽きると思いますけれども、でん粉の最近の五年間を見ますと、大体、全体が百二十万トン程度で推移していく、その内訳が先ほど農蚕園芸局長の言われましたとおりに、バレイショでん粉が大体二割程度、それからカンショでん粉が三割から四十八年に七・五%に減少している、それを補うものとしてコーンスターチがずっと伸びてきている、こういうのが実情でございます。
○井上吉夫君 これもあまり議論をしておりますと時間が長くかかりますので、むしろ私は、この計画は修正してほしいというぐあいに希望するわけです。かって鹿児島県だけで七万町歩を超える作付面積がありました。結局、価格がどうも生産費を償わないためにだんだん他の作物に転向するということになりました。最近では、ほかにどうもぐあいのいい作物がない、さらに桜島の降灰などによりまして、養蚕であるとかあるいは野菜類であるとか、そういうものにオール被害を受ける、一番抵抗力の強いのは芋だということで、もう一遍見直されつつあります。価格がどうやら生産費を償うというものであるならば、他の作物との組み合わせによって鹿児島県にとってこれ以上反別が減少すると私は思いません。他の県は若干減るかもしれませんが、むしろ鹿児島県の場合は四十九年産の芋価格はかなりよかったために、約一割面積が伸びる見込みであります。そして、かってはでん粉は、いま説明がありましたように、百二十万トン程度の需要の中で大体七十万トン程度はカンでんないしバでんで賄っていた、コーンスターチの方が安いものだからどんどんコーンスの方に食われていった、あるいは外でんに比重が傾いていった。そうして結局、芋でん粉並びにバでんを合わせて二十数%の自給率にとどまって、それ以外は外国輸入に頼っている。このことも、麦と同じように、やろうと思えばかなりな自給率の向上というのは可能であると同時に、さらに、南九州のかなりな面積の中でも、さっき申し上げましたように、かわるべき適当な作物ということを見出し得ないために、実際は遊ばしている畑地というのがかなり多くなっている。そういうことなどを踏まえて、むしろ現状よりも縮小するという、そういうような物の考え方はやめてほしいというぐあいにこの機会に希望を申し上げておきます。 それでは、ここで農産物の価格の安定につながる法律関係といたしまして、食管法あるいは農安法、畜安法あるいは糖安法、さらに、繭糸価格安定法は直接には繭そのものではありませんけれども、糸の価格との関連において相場を安定させようという観念がありますので、これらの関係法律の基本的なねらいと運用、とりわけその中に占める価格の決定の仕方について既往の実績について御説明を願います。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 先生の御質問は、食管法その他五つの価格安定制度にわたりますので、便宜総括的にお答え申し上げます。 農産物の価格安定制度につきましては、御案内のとおり、それぞれの農産物の商品としての特性とか、あるいは流通事情とかに即しまして、また、その農産物の農業生産におけるウエートとか、あるいは国民食生活におけるウエートというようなものによりまして、それぞれの価格安定の仕組みがつくられておるわけでございまして、したがって、また算定方式も、申すまでもなく、その安定の仕組みと密接に関連を持っておるわけでございます。で、そういう一般論から進みまして、さらにそれぞれの制度についての御指摘もございますので簡単に申し上げますと、御案内のとおり、食糧管理法において米は政府が直接管理をしており、強制買い入れと政府への売り渡し義務を伴っておりますので、買い入れ価格は生産費及び所得補償方式という算定方式を現在とっておるわけでございます。同じ食管法でも、麦につきましては生産者の申し込みによる無制限買い入れが行われておるわけでございますが、制度上は売り渡し義務が課せられておらず、いわゆる間接統制という形になっておりまして、価格の考え方も、下支え買い入れ価格でございます。したがって、その算定方式もパリティ方式ということになっておるわけでございます。 次に、カンショや.バレイショの価格を安定いたします農産物価格安定法は、カンショや.バレイショを原料といたしますでん粉の政府買い入れを行うことによりまして、原料であるカンショ、バレイショの価格の下支えを行っておるということでございまして、したがって、下支えとなります原料基準価格がパリティ価格ということになっておるわけでございます。 また、畜安法によります豚価については、先ほども御指摘がございましたが、畜産振興事業団による豚肉の売買操作によりまして、価格を安定上位価格と安定基準価格との間に安定させまして生産の確保を図るということにしておりまして、この安定価格は、いわゆる需給実勢価格に基準年次における生産費と決定年次における生産費の変化率を考慮して定めておるということでございます。 それから、糖価安定法によりますてん菜やサトウキビの価格の下支えにつきましては、先ほどの農安法と似た仕組みでございますが、糖価安定事業団が入りましてその売買操作を行っておりまして、下支えとなる最低生産者価格がパリティ方式を採用されておるわけでございまして、ただいま申し上げましたように、米等につきましては、ずばりその価格が農家手取りになっておりますが、その他のカンショ、バレイショ、豚肉等につきましては、生産者の受取額は、むしろその下支えとしての価格を上回っておるというのが運用の実態でございます。
○井上吉夫君 生産費所得補償方式による米の、ずばり買い上げと下支えという性格を持ち、パリティ方式でやるということの大まかな違いがありますけれども、どの法律を見ましても、いずれも再生産を確保することを旨として定めるというぐあいに書いてあります。私は、これが基本的ねらいではないかと。作物の種類によって若干のその計算の仕方なり性格的な違いはあっても、全体を通してこの法律の主たるねらいは、再生産を確保することを旨として定めるということにあろうと思うんですが、そのとおり理解してよろしいか、お伺いをいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほど官房長がお答えをいたしましたように、行政価格の決定に当たりましては、それぞれの方式がございますし、算定方式等もあるわけでございますが、基本となるものは、いまお話がございましたように、やはり再生産を確保するということがすべての価格制度における大前提であると、こういうふうに私も理解をいたしておるわけでございます。
○井上吉夫君 ここで一例を麦にとりまして、四十四年から四十八年までの麦の生産費並びに決まりました行政価格、これについての御説明を願います。
○政府委員(三善信二君) 資料といたしまして、一番最近の資料をまず申し上げますと、四十八年でいきますと、生産費をカバーしております買い入れ価格、その率でございますが、小麦の場合は九三・四%、それから大麦の場合には八八・九%、それから裸麦は多少低くなっておりまして、七一・五%ということで……
○井上吉夫君 それは何に対してですか。
○政府委員(三善信二君) それは、生産費を、いわゆるパリティで計算しました買い入れ価格、それがどの程度カバーしているかというカバー率を申し上げているわけです。そのカバー率は、四十七年が小麦で七五%、それから四十六年で七一%、四十五年では四九%になっておりますし、大麦で申し上げますと、四十八年が先ほどの八八・九%、四十七年は七七・五%、四十六年は七九・七%、四十五年は六七・七%、こういったぐあいに生産費をだんだんカバーするようになってきておりますが、まだ四十八年をとってみましても、生産費に対して政府の麦の買い入れ価格はまだカバーしていないというのが事実でございます。
○井上吉夫君 時間の関係がありますので、私から意見を若干申し上げて両大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 ただいまお渡しいたしましたのは、四十四年から四十八年までの小麦、裸麦、さらに、ついでに原料用カンショについて書いてありますけれども、一番左が六十キロ当たりの決められた行政価格です。その右が生産費、四十四年を一例にとりますと、生産費は四千二百五十五円かかっていた、決められた行政価格は三千三百八十八円である。この生産費四千二百五十五円の中に占める一時間当たりの労賃は百六十九円であります。ところが、この生産費だけの価格に行政価格が決まっていないので、この差額をとりますと八面六十七円生産費よりも低くなります。これは労賃部分がそれだけ抑えられた形になりますから、結局、四十四年に決められた三千三百八十八円という小麦の価格に占める一時間当たりの労賃は、赤で囲んだ九十三円であります。そして、その年における五人以上の製造業労賃は三百二円であります。 このようにして、ごらんをいただければおわかりになりますように、常時製造業労賃の五人以上の三分の一程度。ちなみに五人から二十九人という時間当たり労賃と比べても、これまた半分以下という数値になっており、裸麦の場合は、はなはだしい例としては、昭和四十五年では時間当たり労賃五円にしか当たっていないということであります。同じようなことが原料用カンショについても言える。四十八年、五人から二十九人の四百三十四円に対して、カンショの場合は二百四円にしか当たっていない。五人以上青天井の場合は五百九十二円ですから、このわずかに三分の一にしかすぎない。こういう労賃のとり方で果たして再生産を確保できるという、そういうような法律の趣旨に沿った価格であるかどうかということであります。御見解をお伺いをいたします。
○政府委員(三善信二君) 先ほど麦の場合を例にとって先生言われましたので、麦の場合を、私、例にとってお話し申し上げたいと思いますが、御承知のように、麦の政府買い入れ価格は従来からパリティでやっております。特に昨年は物価上昇等のあれによりまして二八・一%の大幅な値上げをしたわけでございますが、要するに、生産費をカバーしているかどうかというのが一つの大きな問題になろうかと実は思うわけでございまして、その点、先ほど申し上げましたように、これまでの調査によると、なるほど生産費はカバーしていない。ただし、四十八年産をとってみますと、非常にカバー率もよくなってきたということは事実でございます。しかし、まだ生産費より下回っているというのも事実でございます。 そこで、私ども、麦の経営を見てみます場合に、御承知のように、小麦でも、大麦でも、裸麦でも、大体経営面積というのは二反から三反と非常に規模が小そうございます。ただ、現在でも、やはり優良経営と申しますか、二ヘクタールとか、四ヘクタールとかというような経営も現にあるわけでございまして、そういった経営の生産費を見ますと、やはり生産費を相当行政価格がオーバーしているということも、これは事実でございます。いずれにしましても、この麦作を考えます場合に、やはり基本的には、そういう経営規模が非常に零細である、また、集団的な経営というより、作付地があちこちに分散しておる、それから、毎年の反収も非常に振れが大きいということも先生御承知のとおりでございますが、そういった麦の経営の構造的問題と申しますか、そういうのが基本にあるわけでございますから、そういう基本的な問題を解決し、合理化し、また近代化していくということが一番私は基本的な問題だろうと思います。そういった面も含めまして、四十九年産の麦から、生産振興の特別の奨励金を出してやっているわけでございますが、仮に四十八年産——四十九年産からこの生産振興奨励金がつきましたので、四十八年産の行政価格にこの奨励金等を加えてみますと、生産費をはるかにこれはオーバーしているというようなことで、基本的には、私は麦の今後の経営の問題を考えて、大規模経営にしていくとか、あるいは合理化していく、効率化していく、そういうことで、やはり奨励金等を交付して、そこを解決していくことが基本的に問題ではなかろうかというふうに考えております。麦の場合を例にとって申し上げました。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま食糧庁長官から説明をしたとおりでございますが、確かに、御指摘のように生産費をカバーできない、そういう中にやはり労働賃金の問題等も一つの研究すべき課題として提起されておるわけでございますが、麦につきましては、いまお話がございましたように、非常に零細規模である、これがやはり今日麦作が収益が償えないで減少していったという大きな原因にもなっておるわけでございまして、そういう中にあって、食糧の自給力を高めていく、それについてはやはり麦も裏作として大いに奨励をしていかなきゃならぬと、こういう見地から、四十九年度から奨励金制度もつくりまして、奨励金を生産農家に支給をいたしまして生産意欲を刺激をしていくという対策を講じてまいって、ようやく麦につきましては生産の下げどまりということになって、五十年度におきましては大体二割ぐらいの増産が確保されるというふうなことにはなってきておるわけでございますが、そういうことでございまして、私たちとしても、麦につきましては、先ほどからも御意見がございましたように、積極的にやはり増産を図っていかなきゃならぬという見地から、今後の行政価格の決定につきましても、さらに生産対策等につきましても、意欲的に取り組んでいかなければならない問題であると、こういうふうに考えて、これからも大いに努力を続けてまいりたいと思うわけでございます。
○国務大臣(大平正芳君) この問題は価格決定方式の問題ではなくて、麦の問題だと思うのであります。で、この運用に当たって、いますでにやりとりがございましたように、生産流通の事情、需給事情、その他いろいろの事情を考慮して農林当局がお決めになることでございましょうが、井上さんも御指摘のように、根底にやはり再生産を保障するような運用がなされないと農業政策上困るという御指摘は私にもよく理解できるところでございます。で、問題は、そういう趣旨でよく念査されて、再生産が保障されるような適正な価格形成ができますことを私も期待いたしますが、問題は、これは政府が管掌いたしまする一つの物価形成でございまするので、物価政策という別な角度からこういう価格はこの水準に抑えなければならない、農業政策という角度からでなくて、物価政策の角度からこの程度までで抑えなけりゃならぬという要請が働く可能性が考えられるわけでございます。で、これは、こういう公共価格の形成に当たりましても、そう無理なことはいつまでも続くわけじゃございませんし、再生産は円滑に確保してまいる必要があるわけでございますので、財政当局として物を言わしていただきますならば、できるだけ自然な再生産を確保するような適正な価格形成が、余り財政負担を伴わずにできることを私は期待いたします。
○井上吉夫君 物価政策の面からも考えなきゃならぬということを言われましたけれども、そのことがわからないわけじゃありませんけれども、しかし、余りにもそのことのために、全然問題にならない、一般の他産業労賃の三分の一にも満たないような時間当たり労賃ということでは、もうどう考えたって再生産の意欲が出るはずがありません。最近、麦に対する対応がかなり強くなってきたということは承知しております。だから、これをさらに積極的に伸ばしていただきたいわけですが、私は四十八年までの時点の推移をずっとながめながら、麦がこれだけ減ってきたという一番基本の理由は、割りに合わなかった——それは都会にいい仕事があったというだけでなくて、せっかくこういう再生産を確保するという仕組みがありながら、その運用の中においてどうにも割りに合わない価格の設定がなされてきたということにもきわめて大きな原因があるというぐあいに指摘をしておきたいと思います。したがいまして、六十年を目標とする目標の達成のためにも、さらに先ほども申し上げましたように、それ以上自給率をさらに高めるという、そういうことのためにも、価格対策というものを十分配慮していただくように御要請を申し上げておきます。 ここで、今回新たに指定食肉に加えられる予定の牛肉の基準価格について、これもまだ金額的な詰めがなされていないでありましょうし、金額として述べるわけにはいかないと思いますから、その考え方についてお伺いをいたします。同時に、ついでに、今回の輸入豚肉の関税減免、きのうも若干議論はありましたけれども、私は、生産者の立場から見た場合に、これがかなり相場を冷やすというかっこうになり、あるいは生産者の意欲が減退するということにつながると大変心配であります。そういう点から見て、今回の措置のねらいをお伺いをいたします。
○政府委員(澤邊守君) 現在御審議をいただいております畜安法の改正によりまして、新たに牛肉を畜産振興事業団の売買操作の対象にいたしまして価格安定を図るということを考えておるわけでございますが、その際の安定価格、特に安定基準価格の算定についてどういうふうにするかというお尋ねでございますが、われわれ、現在、学識経験者等の意見も聞きながら研究を進めておりますが、最終的には、今月末に開かれます畜産振興審議会での御審議の際の御意見も十分尊重して決めたいというように考えておりますが、事務的に現在検討しておりますところでは、何と申しましても、残念ながら生産費調査が牛肉については非常に不備でございます。したがいまして、それらのデータを豚肉と同じように使うのについては十分でございませんので、今後資料の整備を待ちながら、恒久的な価格算定方式を順次固めていきたいというふうに思っておるわけでございますが、ただ、考え方といたしましては、事業団によります売買操作により価格安定を図るという仕組みからいたしまして、自由に市場において形成されます需給の実勢価格というものに著しく乖離した価格を決めるのは、この制度を維持する意味からいろいろ問題が多いのではないかというようなこと、あるいは牛肉生産が、先ほどお答えしましたように、なお経営技術的に改善すべきところが非常に多く残されておりますので、それらのことも価格を算定します場合には考えていかなければいけない。それからもう一つは、再生産の確保が第一の目的でございますけれども、あわせて消費の安定ということも考えていかなければいけないというようなことも念頭に置きながら価格を算定すべきものだというように考えておるわけでございます。 次に、豚肉の関税の減免制度、十三日、政令をもって実施をすることになったわけでございますが、これは最近におきます豚肉の卸売価格が非常に高騰いたしまして、現在安定上位価格、キログラム六百二十円を一割以上大幅に値上がりいたしまして、六百八十円ないし六百九十円という非常に高水準になりました。余り価格が高いということは、もちろん消費の安定という点から好ましくないことはもちろんでございますが、生産者にとりましても、余り高騰するということは、次の反動が非常にこわいわけでございます。長い目で見て、価格が安定するということは消費者のためにもなることでもあるということから、価格安定制度の運用の責任を持っております政府といたしましては、この際、減免をすることによりまして、輸入を促進をし、価格の適正な水準までの安定を図る必要がある、こういうふうに考えたわけでございます。もちろん、三月末には新年度の豚肉の安定価格が決められることになりますので、とりあえず三月末までという短期間の期限つきで減免を実施することにしたわけでございまして、新しい年度の価格のいかんによりまして、さらにその段階で引き続き行うかどうかの検討はしたいというふうに考えております。
○井上吉夫君 牛について資料がなかなか十分いままでに整ってないという点等は言われましたけれども、できるだけ正確な資料を集めながら、これまた大まかに再生産が確保されて六十年目標が達成されるための第一年度として、ことし、それの期待に沿えなけりゃ六十年目標というのも無理だという考え方で値決めをしていただきたいと思います。 それから豚でありますけれども、私は、上限価格六百二十円を超えているからという一般的な取り扱いの原則はわかります。しかしこれは、価格がそう大きく物価等が変動がない場合にはそのことが言えるかもしれぬけれども、去年一年間の飼料の値上がり、物価、賃金の値上がり、そして三月末には新価格が決まる。仮にこれを二〇%としても七百四十円余りになる。こういう新価格、一〇%としたって六百八十何円になる。去年よりもアップがですよ。ということなどから考えた場合に、六百八十円か九十円というのが本当に高値なのかどうか。ともすれば、これは豚だけでなくて牛の輸入等で常に畜産農家に議論をされるのは、相場が若干上がって、いままでの赤字を埋めてやれやれと息をつこうとするときには、値上げは消費対策として困る、長い目で見たらかえって畜産農家のためには利益にならないという言い方で、輸入なりあるいは関税の減免等によって冷やす効果、そういう行政発動をやられる。このことが畜産農家のきわめて大きな不満だというぐあいに私は見ておるんです。だからそういうことについてどうお考えか、さらにお答え願いたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) さきに牛肉価格につきましては、これは何としても新しい制度として発足をするわけでございますので、われわれとしても慎重に取り扱っていかなきゃならぬと思うわけであります。現在、畜産振興審議会におきまして、データを中心にいたしまして検討をいただいておるわけでございますが、その際におきましても、やはり今後の牛肉の価格の安定、さらにまた畜産農家の再生産の確保といった面からこれを決めていきたい。将来とも、一度縮小するとやはり生産を増大することが困難であるという牛肉生産につきましては、特段とこれは配慮していかなきゃならぬ。初めての制度でございますから、今後にも非常に影響してくるわけでございますし、これにつきましては十分検討して慎重にひとつ取り扱い、決定をしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 それから、豚肉につきましての減免措置をとったということにつきまして、いろいろと御批判もあるわけでございますが、二月の上旬ごろから上位安定価格を大幅に超えて卸売価格が推移をしておるわけでありまして、私もこの推移の状況をずっと見ておったわけでございますし、同時にまた生産者等に対しても、あまり上位価格を大幅に超えるということは制度の発動にもつながっていくわけであるから、何とかひとつ出荷を急いでいただきたいということで、出荷の方もお願いもしてまいりましたが、二月いっぱいかかってもなかなか価格が冷えない。そしてますます高騰する情勢にある。また豚肉につきましては、これからが需要期でございますので、さらに上昇するおそれもあるというふうなことで、私といたしましても十分生産農家の御意見等も聞かせていただきましたし、また今後の豚肉の需給状況等も十分に配慮いたしまして、しかし、せっかくこの制度というものがあって、そして上位安定価格を相当オーバーする形で一カ月以上も続いておるということになれば、こうした価格安定制度というものを維持していくというたてまえからは、これはやはり発動をすることが、今後とも豚肉の生産農家にとっても、また消費者にとりましても、せっかくの法律のもとにあるところの制度を維持していく上からも、これは減免制度を発動することが妥当であると、こういうふうな考え方で十三日に政令として施行したわけでございます。 その後の経過を見ますと、やはり依然として豚肉の方は、多少は下がっておりますが、上位安定価格を超えておる状況で推移いたしております。ただ、消費者価格等につきましては、その後、農林省が行っておりますフードウィークであるとか、あるいはまた加工業者に対する行政指導等によりまして、消費者価格等は多少下落をしているという状態にあるわけでございますが、しかし、三月の末にはさらに改定を行うわけでございますので、この際には、ひとつ今後とも豚肉の生産農家の再生産を確保するとともに、やはり需給の状況等も十分判断をして決定をしていきたいというふうに思っておるわけであります。
○井上吉夫君 ただいま決められた関税減免措置、とりあえず今回のは三月末をもって切れる。四月にはもう引き継がないというぐあいに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 三月の三十一日までに新しい安定価格を決めていかなければならない仕組みになっておりますので、おっしゃるとおりでございます。
○井上吉夫君 問題がないわけではありませんけれども、いまにわかにこれを取り消すということも不可能でありましょうから、ぜひ三月末で切ると同時に、意見として申し上げましたように、ともすれば、せっかく従来の赤字を埋めようという程度にしか過ぎない価格として、消費者から言えばずいぶん暴騰という印象を受けようとも、そう大きな幅でない場合、直ちに値下げの方の発動ということについては慎重に対応して、そして農家の再生産の意欲がそがれないように御配慮をいただきたいと思います。 ここで食管会計についてお伺いをいたしますが、大体食管会計というのは農林予算の中に含まれておって、いわば農政対策の予算だというぐあいに一般に考えられがちでありますけれども、私はどうも消費者対策というものとが兼ね合っている、両面性を持っているというぐあいに考えるわけでありますけれども、このことについての御見解をお伺いをいたします。
○政府委員(三善信二君) 御承知のように食糧管理特別会計の損失額、五十年度予算案におきましては八千四百十億円。これは国内米と国内の麦と輸入食糧と、この三つの勘定の損失額の合計でございます。このうち米麦の売買逆ざやによる、政府の買い入れ価格と売り渡し価格の売買逆ざやによる損失額だけとってみましても、八千四百十億のうち六千百五十五億というふうになっております。 そこで、この食管会計のこういった損失額、赤字と申しますか、それは生産者対策であるか消費者対策であるかというお尋ねかと思いますけれども、一概にこれは生産者対策であるとか消費者対策であるとかいうふうに、割り切って考えるわけにもまいらないのではなかろうかと思っております。ただ、このような大幅な逆ざや、多額の赤字、損失額が出ましたということは、これは先生も御承知のとおり、最近、特に生産者価格というものが、物価、賃金の上昇を反映しまして非常に大幅に引き上げられた。それに対して、政府の売り渡し価格につきましては、物価対策等そういった面も十分配慮して取り扱われてきたというような面があろうかというふうに考えております。
○井上吉夫君 これは一般的な公共料金の認識と似たようなことになるわけですけれども、結局、そこのコスト逆ざやなり売買逆ざやというのをどういうとらえ方をするか。私は純然たる農家保護という一面だけの問題ではない。生産者価格をもって売り渡せばこれは赤字は出ないわけですから。それが外米相場と比べた場合にどうかという議論はあるかもしれません。しかし、かといって千二百万トンも外国から入れるということになった場合には、現在の外米相場あたりがいまみたいな価格で推移するか。千二百万トンどころか、五百万トン輸入するとしても大変なことになる。そういう点から見ますと、私は決して純然たる生産者対策とは言い切れない。国民食糧全体の、生産者、消費者両面の性格を持つものであるというぐあいに理解します。 さらに、ことしの三千億の中には、この中に千三百億余りの純然たる外麦買い入れによる赤字がある。これは明らかに消費者対策と見なけりゃならぬ。そういう点を申し上げながら、財政査定等については、そういう考え方で食管会計赤字が農政関係の予算を圧縮しないように御配慮いただきたいということと、いままでの意見を通じて両大臣おわかりいただいたように、農業の問題の決め手が、まさに私はこれで食っていける農産物の価格の安定対策に一番大きなかぎがあるというぐあいに考えます。そして、さっき申し上げました法律に関連するその計算の中身の時間当たり労賃というのは、すべての作物についてばらつきがあります。こういうものを横並べをしながら、そしてそういう基準の上に伸ばすべきものについては奨励措置をとるという、そういうことが必要かと思います。 最後に、そういう観点から、これらの法律に関連する農産物の価格の決め方について全体的な見直しをする意思があるかどうか、これだけを農林大臣にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農産物につきましては、七割が何らかの形で価格政策を導入いたしておるわけでございまして、その場合に、たとえば食管法等につきましては、先ほどお話がございましたように、生産者に対するいわゆる再生産の確保という見地であるとともに、やはり価格の安定によるところの消費者生活の価格安定を図っていくということもまたその要素として大きくあるわけでございますが、われわれといたしましては、最近の食糧の事情から見まして、何としても極力食糧の自給体制を強化していくということにつきましては、あらゆる施策を強力に実施していかなきゃならぬわけでございまして、その場合において、生産対策とともに価格政策というものは非常に重要な一役を担うわけでございます。価格政策につきましては、商品別あるいはその生産流通の事情等によりまして、いろいろとその価格の決定についての方式等もそれぞれやはり事情が異なるわけでございますから、それに応じた価格決定の方式をやらざるを得ないわけでございますが、全般的に言えば、今日の食糧の事情から見まして価格政策は重要であるし、これに対する改善あるいは強化の措置は全体の問題として取り上げていき、これを推進をしていかなきゃならないという考えのもとに今後とも農政を進めてまいりたい、こういうふうな決意を持っておるわけでございます。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして井上吉夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 森下昭司君。 —————————————
○森下昭司君 私は、この機会に、物価問題、中小企業の事業分野並びに、最後に厚生大臣の行政姿勢についてただしたいと思います。 最初に物価問題の、砂糖の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。砂糖の小売価格の値上げが報道されておりまするが、今日、現状はどのような状況になっておるか。つまり、申請が何社なされているのか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(森整治君) ただいまのところ、六社申請が出ております。
○森下昭司君 値上げの理由はどういうことなのですか。
○政府委員(森整治君) 昨年来の原糖のコストアップが主要な値上げの理由になっております。その他の経費もございますが、主なるものは原糖の値上げということでございます。
○森下昭司君 現在製糖会社は大小三十三社ほどあると聞いておりますが、今後の見通しについて、どの程度出される見込みなのか、お尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) 精糖工業会から値上げ、金融措置等につきましての陳情がかねてございまして、そういうところから見ますと、まあ会社によりまして原糖のコスト事情が非常に違っておると思います。また、経営の事情も、利益の積み立てがある、多い、少ない、そういうような事情があると思います。したがいまして、どの程度出してくるかということでございますが、原糖の値上がり状況からしますと、恐らく早晩、全部かどうかは別にいたしまして、大半がそういう意向を持っているのではないかというふうに私どもは推察をいたしております。
○森下昭司君 先日の物特委員会で、三十二社の申請があった後に農林省といたしましては態度を決めたい、そしてその上で審議をするんだということをお述べになっておりますが、この考え方について変わりはありませんか。
○政府委員(森整治君) 中小といいましてもシェアは非常に少ないものがございます。したがいまして、大体大手がそういう意向を出してまいります段階では、もちろん、われわれ内容につきましても明らかにいたしたいというふうに思っております。
○森下昭司君 先ほどは、全部とは言えないけれども、大半の社から申請が出される見通しであるというようなお話があったわけでありますから、大半の社が出されますのは大体いつごろになる見込みをお持ちになっているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(森整治君) 先ほど申し上げましたように経営事情等、それから原糖の扱い状況、いろいろ違うと思います。したがいまして、いつの時点で出そろうかということまで私どもいま判断をちょっといたしかねるというふうに思いますけれども、早晩という感じはいたします。
○森下昭司君 しかし、聞くところによりますと、申請の内容は四月一日から砂糖の小売価格を上げてもらいたいということでありますので、早晩と言ってもこの三月一ぱい、遅くとも三月いっぱい、それまでに一応の態度を決めなければならぬと思うのでありまして、三十三社のうち大部分というけれども、どの程度の社の数が申請をした場合に審査を開始なさるお考え方であるのか、お尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) 何社ぐらい出たかということもございましょうけれども、私どもはやはり三月中には何らかの態度を明らかにして、国民の皆様によく理解をしていただくという必要はあると思います。
○森下昭司君 もう、きょうは三月の十九日ですね。そういたしますと、まだ六社しか出ていない、そうして大半が出た段階で審査を開始したい、三月じゅうに何らかの結論を得たいというようなことでありまして、そして最後に、いまお述べになりましたような、国民の理解を得たいとおっしゃいますけれども、この短い期間にどうやって国民の理解を得られるのか、具体的にお尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) ただいま、申請の出ました社につきまして内容を検討いたしておるわけでございますけれども、ほかの社につきまして、事情は若干異なるにせよ、大体の傾向が出てくるのではないかということで、ただいま六社で検討いたしております。したがいまして、その問題と、いまの事前了承制で、家庭用、業務用、いずれも価格の指導、出し値の指導をいたしております。そういうこともあわせまして検討いたしておるわけでございますけれども、ただいま結論を出しておりません。ただいま鋭意検討中でございます。その検討の結果どういうふうにしたいということは、なるたけ早く態度を決定いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森下昭司君 砂糖は、これはいわゆる国民生活安定緊急措置法で、第三条以下の適用で指導価格制度が生まれているわけであります。三十三社の中で六社が申請をして、その六社の経営状況の分析並びに原糖輸入の状況等を判断をいたしまして一応の結論を出すということは、全体の立場からまいりますと早計に過ぎないかという感じがいたしますが、その点はどうお考えですか。
○政府委員(森整治君) 私ただいま申し上げましたのは、ただいま出ている六社について内容を検討いたしておりますと、あともし出てくれば、それらも含めて当然検討いたしたい、こういうことでございます。
○森下昭司君 それではお尋ねをいたしますが、その六社の申請されました各社の社名及びその値上げ額、さらにいつから値上げをしたいと言って申請しておるのか、この点をお尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) この点につきましては、大手が二社、中小が四社でございます。中身は、一社を除きまして、ちょっと飛び離れておるのを除きますと、大体三〇%から四〇%程度の値上げの申請を行っておるわけでございます。
○森下昭司君 大臣にお尋ねいたしますが、なぜ社名及び値上げ幅額あるいはいつから値上げをしたいという申請の内容が言えないのですか。——大臣どうして答弁しない。おかしいじゃないか。
○政府委員(森整治君) これはやはり非常に内容に差がございますことと、それをまた、あとの出してない会社が一応見まして右へならえされて出してこられても、私ども非常に後の実際の検討にかえって迷惑をする、こういう問題もございまして、できる限りこの段階では、六社程度のものでございますから、この段階では余り社名ということまで申し上げることは差し控えさせていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○森下昭司君 大臣に重ねてお尋ねいたします。どうして明らかにできないんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 砂糖の値上げの要請につきましては、先ほどから局長が答弁いたしましたように、われわれは物価安定という見地から慎重に検討していきたいと思うわけでございますが、この会社名につきましては、いま局長も答弁いたしましたように、これを公表することによって他社が引き続いて値上げを申請してくるというふうな悪影響もある、こういうふうな考え方で言っておる、こういうことでありますが、物特におきましても理事会におきましてはこの社名については公表をいたしておるわけでございますので、私たちとしても、ただそうした悪影響というものを恐れていることから、いまお願いをいたしておるわけであります。
○森下昭司君 先ほど局長の答弁に、製糖会社のほとんど大半が申請をなさるということで、しかも、六社の中で一社を除いてはほとんど金額的にも同じような値上げ額を要求しているということになりますれば、右へならえではありませんが、当然、結果としてはそうなるようなことを予想されるんで、あえて社名等お隠しになる必要はないと思うのでありますが、重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) ただいま私申し上げましたように、飛び抜けて高いのもあるわけです。これはいろいろ事情がございます。そういう問題がございますので、やはりこれからいろいろ相当激烈な競争が行われるということは当然考えられますし、この際、余りそういう社名を挙げない方が私どもは今後の問題としていいのではなかろうかと、こういう配慮から申し上げているつもりでございます。
○森下昭司君 しかし、先ほども申し上げましたように、指導価格制をとっておみえになりまして、一応各社の経営状態等を勘案をしながら砂糖の小売値段をお決めになっているわけでありまするから、A社とかB社とかという関係はほとんど考慮されない。言うならば、平均値を出して、それで一応の価格をお決めになるような仕組みではないかと私は思うので、差し支えないと思うのでありますが、大臣どうですか、それは。——大臣が答えなくちゃだめだよ、そんなもの。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私、別に出すことに対してちゅうちょしているわけではございませんが、いま局長が申し上げましたように、いろいろと他社等の申請が殺到するというふうな悪影響が出るのではないか、こういうふうな判断から申し上げたわけでございますが、委員会のたっての強い御要請ということならば、出すことにつきましてはやぶさかではございません。
○森下昭司君 それじゃ、いますぐ委員長の手元に出してください。委員長の手元に出していただけますね。
○委員長(大谷藤之助君) 委員長の手元に提出されるそうですから。
○森下昭司君 委員長、それなら資料が出てから、また質問を続けたいんですが……。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、森下昭司君の質疑を行います。森下君。
○森下昭司君 先ほど私から資料提出の要求をいたしました値上げ各社の状況について、御報告いただきたいと思います。
○政府委員(森整治君) 値上げの申請の出ている会社は、明治製糖、台糖、新光製糖、新光砂糖工業、日本甜菜製糖、フジ製糖の六社でございます。申請の値上げ幅は、八十六円から百三十四円ということでございます。
○森下昭司君 相当な大幅な値上げの模様でありますが、一体、ロンドンの砂糖市況の状況からまいりまして、ことしの六月に原糖、粗糖の輸入価格がピーク時になると言われておりますが、大体、六月は原糖の輸入価格がどの程度になるのか、お見込みをお教え願いたいと思います。
○政府委員(森整治君) ロンドンの相場が七月まで、大体二百二十から五十ポンドで推移していると、八月に入りましてから三百七ポンド、九月が三百五十ポンド、十月が三百九十六ポンド、ほとんど四百ポンド、十一月が五百六十六ポンド、十二月に入りまして、四百五十九ポンド、一月に入って三百九十二ポンド、二月が三百五十六ポンド、三月に入りまして、いま二百七十から八十ポンドというような推移でございます。このずれが、数カ月おくれて原糖が入着してくる、こういうことでコストアップということに相なるわけでございます。
○森下昭司君 したがって、砂糖の値上げを決めまする際には、六月以降粗糖の輸入価格は下がってくるわけでありまして、そこの下がる見通しがありませんと、適正妥当な価格というものが生まれてこないと思うのでありますが、その点についてはどうですか。
○政府委員(森整治君) ただいま、三月から確かに六月、七月ぐらい、ずっと寄せ寄せで高い原糖が入ってまいりまして、それから先は、それより今度また安くなってくる、確かにそういう問題がございます。その問題をどういうふうに扱うか、それからその原糖のコストが各社でどういうポジションになっておるか、そうしますと、大体の全体の額がわかってまいります。そういう額を見まして判断をいたしたいという気持ちでございます。
○森下昭司君 いまお話のありました全体の額というのは、大体見通しとして幾らぐらいになる見込みですか。
○政府委員(森整治君) 今後、その原糖の値決めがまだしてない、したがいまして、安い物が買えるという状態にある会社と、値決めをすでに高いところでしてしまった会社ということで、ただいま私が申し上げましたように、値上げ申請の幅も非常にあるわけでございます。要するに、そういうコスト的なプッシュ要因というものの幅が非常に多いわけでございます。そこのところの数字をつかみませんと、何とも申し上げられないと思いますけれども、私どもも大ざっぱに言えと言えば、まあ数百億の問題になるのではないか、そういうオーダーになるのではないか、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 昨年秋の指導価格の二百八十七円の際には、大体、一応、粗糖の価格というものが、一トン当たり約二百七十ポンドで計算をされたと伝えられておりますが、いまお話がありましたように、何百台というような価格を予想されるということになりますと、相当粗糖輸入価格は高くなっているということを予想しておみえになるわけでありますが、高い値切りで買った会社に視点を置くのか、安い値切りで買った会社に視点を置くのか、その辺はどこに視点を置かれる考え方ですか。
○政府委員(森整治君) 私どものたてまえといたしましては、従来から平均概念ということで処理をしております。ただ、やり方によりましては、各社上げ別のポジションを見まして、各社上げ別の経営状況を見まして、それに対する別途、企業対策も考えねばならないのではなかろうかというふうに思います。
○森下昭司君 平均概念をおとりになるというお話でありますが、いまだもって製糖各会社の決算をながめてみますと、今日現在、四十九年九月末決算でありますが、全部と言っていいほど赤字でなくて、黒字決算でありまして、一応私はやはり値切りの高い点に視点というものを置かれまして問題を考えておみえになるのではないかと思うのでありますが、それはともかくといたしまして、ことしの一月二十八日、閣議で、当面の物価対策について五項目について決定をされておりますが、福田副総理から五項目の内容について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員からお答えいたします。
○政府委員(喜多村治雄君) ただいま資料を取り寄せまして御答弁申し上げますので、恐れ入りますが、もうちょっとお待ちください。
○森下昭司君 その五つの中で、砂糖などの日常生活関連品の価格抑制が閣議決定されているのは明らかでありまして、この閣議決定の当分というのはいわゆる三月末を指しておるのですか。これはひとつ経済企画庁長官からお答え願いたいと思うのですけれども。
○国務大臣(福田赳夫君) 当分何と書いてありましたかな、ちょっと……
○森下昭司君 いやいやここにはその原文は持っておりません。当分の間の物価対策ということで閣議決定されてるのです。
○国務大臣(福田赳夫君) いまどういう資料についてのお尋ねか、ちょっと私つかみ得ないんでございますが。
○森下昭司君 そうするとやっぱり物価局長、早急に五項目の内容をここで説明していただきませんと、後の質問できませんよ。
○政府委員(森整治君) 砂糖に関する問題でございますので、便宜私から御答弁をさしていただきますが、当分の間というのは、必ずしも三月までということではなくて、まあ当初三月を目標にわれわれいろいろ作業をしておったわけでございます。三月までということでなしに、できる限り当分の間と、こういうつもりであそこの文章は整理されたというふうに私ども理解をいたしておるわけでございます。
○政府委員(喜多村治雄君) 大変おくれまして申しわけございません。 一月二十七日の物価担当官会議で申し合わせました当面の物価対策につきまして閣議に御報告を申し上げた内容でございますが、まず前文に総合的な対策の部分がございます後で、個別的な物価対策が五つ列記されております。一つは、「端境期野菜確保特別事業の実施」でございます。二つは、「ストック物資の確保と緊急放出」でございます。三つは、「フード・ウィーク事業の実施」でございます。四つは、生活関連物資等に係ります所管省につきまして価格抑制をやっていただく、たとえば小麦粉、バター、しょうゆ、みそ、砂糖、食用油等につきましては、これは農林省の御指導により、あるいは家電その他通産物資については通産物資というようなことでございます。それから第五番目は物価問題に関しまして適確な物価情報の提供を行うという五項目でございます。
○森下昭司君 いま副総理お聞きのとおりですね、閣議で報告をされて確認されているわけでありますが、その当分の間というのは三月末までというお考え方ですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 三月末というふうに別に考えておりません。これはもう物価情勢の厳しい間と、こういうことであります。
○森下昭司君 そういたしますと、農林大臣にお尋ねいたしますが、特に四項目で生活関連必需品については価格抑制ということが強く叫ばれている。各所管省別にやろうということになりますと、砂糖というものは四月一日から値上げを考えてないと理解をしていいのかどうかお尋ねいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在ここで御説明申し上げましたように、砂糖のメーカーからも値上げの申請が出ておるわけでありますが、私たちはこれに対して物価安定ということを第一義と考えまして、これは閣議に対する報告もあったわけでございまして、物価安定ということを第一義に考えておりまして、慎重に検討していくというふうな基本的な考えでございます。
○森下昭司君 午前中の森局長の御発言によりますと、一応四月一日を目途にというふうなお考ええ方があるようでありますが、重ねてお尋ねいたしますが、農林大臣は当分の間というのはいつまでだとお考えですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま副総理からも御答弁がありましたように、まあ農林物資関係については当分の間ということでいろいろ行政指導等も行っておるわけでありまして、野菜等につきましては端境期ということで、三月、四月というのは端境期でございますから、これに対してしぼっておるわけでございます。ですから三月いっぱいと、こういうふうな固定的な考えをもって指導しているわけではございません。
○森下昭司君 非常に、三月末ということをなぜ聞くかと言えば、まあいつも言う一五%問題があります。しかし福田副総理はいつもおっしゃるようでありますが、五十年、五十一年を目指した長期総合的な立場に立って物価を考えているというお答えでありますので、私は当分の間というものはそういう長期的な立場に立った一翼としてお考えになっているものだという理解をしているのでありまして、農林大臣にこの際砂糖値上げの時期についてさらに明確にお答えをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは値上げをするとかしないとか、そういうことも全然決めておらないわけでございまして、いまの原糖メーカーからの要請等はございますし、われわれはそれに対しては慎重に検討するということでございますが、まだはっきりその決定を三月いっぱいにするとか、そういうふうにはしておらないわけでございます。
○森下昭司君 たいへん抽象的な、しかも消極的な御答弁で私残念であります。原糖が値上がりをしたために小売値段の値上げが六社から出されておることはただいま明らかになっているわけであります。しかも局長が言われますように、相当高い粗糖の輸入価格でありまするから、数百台といいますか、百台に上る値上がりも考えざるを得ないというようなお考えが述べられたわけでありまして、中には四〇%にも達するような大幅な値上げをやるに当たって、閣議決定の問題と関連して、その問題について明確にお答えにならないというのは、私は全く物価の安定について、特に農林省は非常に大きな関係を持つに当たって熱意を欠いておるというふうに極言しても差し支えないのではないかと思うのであります。一応この点について将来的な問題はございますが、こういった問題について大体の作業の日程から申し上げますと、いつごろまでにはどうしても出さなければならぬという極限があると思うのです。その極限から、つまり六月がピーク時ですね、会社側等が持ちこたえられないという極限があると思うのです。その極限から考えれば、最大限延ばした場合には大体何月ごろだということは逆に言えないでしょうか。
○政府委員(森整治君) 私、事務的に申し上げますと、三月いっぱいと申し上げましたのは、四月一日から値上げ申請をしているから、三月いっぱいには回答しなければなるまいという意味でございます。それから先ほどの先生の御質問に関しましては、ぎりぎりいっぱい——ですから私ども事務的な考え方としたしましては 三月中には今後の方向というものを業界にも明らかにし、国民にも明らかにしたいという気持ちで作業をいたしておるつもりでございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、まあ消極的とあなたがおっしゃったんですが……
○森下昭司君 局長はもっと積極的に値上げすると言っているじゃないか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いやいや、この砂糖の価格につきましては、やはり物価安定ということを私は第一義に考えて、そういう面から十分に慎重に検討していきたいと思いますし、また小売価格等につきましては、もちろんこれは国民生活に直接つながっていくわけでございますから、そういう際につきましても十分配慮は加えなきゃならない、こういうふうに考えておるわけであります。
○森下昭司君 砂糖の値上げ問題については、もう非常に近いという印象を与えるのでありますが、この点についてはその程度にとどめまして、一体オーストラリア等との間において長期契約を結ばれたり、あるいはつい最近はタイとの間において民間商社の手を通じて契約等がなされているのでありますが、こういう砂糖の長期供給によってロンドン市況というものはどの程度鎮静化する見込みがあるのかお尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) 自由市場で取引されているのが約一千万トン、日本が二百四十万トン自由市場でいままで買っておったと、そのうち六十万トン、まあ日本といたしますと約四分の一、豪州との間で長期協定が成立したわけでございます。これは日本にとっても大きいし、それはロンドンの市場なりニューヨークから離脱をするということを意味しているわけでございまして、そういう意味からいたしますと相当大きな影響があるのではなかろうか。それからほかにタイともやっておりますが、これはやはり価格は決めておりません。価格は決めておりませんが、民間ベースでいろいろ取り決めをいたしましたけれども、これはやはり日本で買ってもらえるということで相当増産の意欲を起こさせるという意味からいたしますと世界の需給の緩和に私どもは役立つものと、こういうふうに確信をいたしておるわけでございます。
○藤田進君 関連。 どうも局長と農林大臣それから副総理の間にニュアンスが非常に違うんですね、砂糖価格の問題について。まあ違わなきゃ違わないように御回答いただきたいんですが、三月いっぱいで業界が申請しているから、これに対して答えなきゃならぬ、こう思っておりますというのが局長の答弁です。これまたどういう答えをするのか、明らかではない、これは。それから農林大臣は、副総理の後を受けてやや慎重論のように聞こえます。それから副総理のほうは、物価担当でもあるし、全体の物価というものを非常に重要視しておられて、まあ三木総理の総論あって各論なしよりは、いままでの答弁を見てかなり各論も多少はあるように私は思うんです。しかも、閣議に報告して了承されたその中にはフード関係、特に例示して砂糖、当分は、いま答弁のとおり三月いっぱいとか四月とか、まあ四月とは言わなかったけれども、こうなると、国民は一体砂糖がいま言われたように相当大幅に上がるというものをどう予算委員会では決着をつけたのか、全くないままにこれは終わっちまう。ですから両大臣、農林それから副総理、企画庁長官、もう少し明確な予算委員会らしい御回答、答弁をしていただきたいと思います、これは。もう申請しているから、三月に返事するというものあり、局長のようにね。これどうしますか。なし崩しに崩していくという姿勢に変わったようにも見受けられるのです。副総理、ひとつあなたから皮切りに答弁してください。
○国務大臣(福田赳夫君) 砂糖の国内価格は、これはもう非常にいまは厄介なんです。と申しますのは、国際価格で日本の砂糖価格が振り回される、砂糖企業、製糖企業が振り回される、こういう状態下に置かれておるわけです。申し上げるまでもございませんけれども、四、五年前までは一トン四十ポンド、五十ポンドという価格のものが一昨年の狂乱前後に百ポンドになり、それが昨年の十一月には実に六百五十ポンドまでなった。まあ狂騰です、これは。ところが、その後十一月以降ずうっとまた下がってまいりまして、今日では二百六十ポンドと、こんなような相場になってきておるわけです。いま私は具体的な問題について承知いたしませんけれども、聞いているところによりますと、そのピークの六百五十ポンドという価格で契約をした高い砂糖が、ちょうどいま入着しておるわけです。ですから砂糖会社とすると大変な事態でありまして、まあ非常な、かつてない困窮な状態に当面をしておる、そこで値を上げようという動きになってくるんだろうと、こういうふうに思います。ところがその後、この砂糖価格が二百六十ポンドに下がってきた。約四割です。その安い砂糖価格のものが、今度は夏ごろになるとまた入ってくる、こういうので、この数カ月間は非常に苦しいんだろうと思う。そこで値上げと、こういう気持ちなんだろうと思いまするけれども、さあここで値上げすれば、夏ごろ安い六割方下落した原糖が入ってくる、こういうことになればそこで今度は値下げをする、こういうことなんだが、まあここでこの問題を考える道は二つだと思うんです。つまりいまここで値上げをして、そうして夏ごろになって値下げをする、こういうことにするのか、あるいはどうせもう安い砂糖が夏になると入ってくるんですから、それとひっくるめてこの際この価格問題というものをどういうふうに考えるか、こういうことじゃないかというふうに思いますが、いずれにしても、四月一日に値上げをしたいという要請がありましても、もう御指摘のようにあと十一日しかない。このむずかしい問題が十一日間で結論が出るというふうには私は思えない。
○藤田進君 そこでどうする。
○国務大臣(福田赳夫君) そこで、まあとにかく十一日の間に結論を出すというんじゃなくて、もう少しいろんな状態を見て、どういうふうにするのが一番国民経済の立場からいいかということを判断しなけりゃならぬだろうと、こういうふうに思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま副総理からも御答弁がありましたように、砂糖情勢が非常に複雑でございます。砂糖そのものは国民生活にとりましては直接的に非常に大きな影響があるわけでございますから、私たちとしても値上げの申請かあった分につきましては、三月末までには何らかの回答はしなければならぬとは思うわけでございますが、しかし物価安定、国民経済に与える影響等もあるわけでございますから、全体的な立場で十分これは慎重に配慮をしなければならない。私としてはいま十一日の間にこれに対して積極的な考え——積極的といいますか、そういう考えで対処するというよりはやはり物価安定といった、あるいは国民経済的な立場を配慮してきめたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
○藤田進君 委員長ちょっと。まあ農林大臣、局長が耳打ちしていて、まあ返事をしなければならぬだろうということは忘れないでつけ加えていることはちゃんとここでわかるんだが、それならばいま副総理も言うようにこれは慎重を期さなければなりませんよ。これはもうなし崩しになっちまう。企画庁の調べでも相当な物価値上げが待ち受けていますね。それに金融はかなり緩まってきておるし、公定歩合が出てくる。これはもう三木内閣がどうということよりも、国民の物価に対するやはり心配がまた非常にパニックの状態、大げさに言えば出てくるような気がする。そこで三月三十一日に何らかの返事をしなきゃならぬというのはちょい待てと、そう急ぐなと、検討しておると、こういうものしか出てこないんですよ、いまの答弁から見ると。果たしてそうなんですか。幾らかの数字を示すわけですか。これは特に問い詰めておきますから。
○国務大臣(安倍晋太郎君) そういういまの藤田先生の御指摘のようなことを十分踏まえて返事をしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森下昭司君 それじゃ、私も四月一日即値上げというようなことにはならないと理解をいたしたいと思っております。 それからもう一つ、ロンドン市況の鎮静化に役立つと言われましたが、一割節約運動の実態はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○政府委員(森整治君) 昨年の十一月中旬以降いろいろやったわけでございますが、第一は菓子業界で大分砂糖の原料を使うのを自粛するということでいろいろ新聞にも公表をいたしている会社がございます。公表いたしてない会社も、そういうことでなるたけ砂糖を使わないという、原料を節約するということをやっております。 それから先生御承知と思いますが、例のペットシュガーと申しまして、よくコーヒーの横についてまいりますお砂糖でございます。あれ十二グラムございまして、十グラム、八グラム、七グラム、六グラムと、そういう製品もすでに市販をされております。ただ、余り減らし過ぎますと、どうも二つ使うというようなこともございます。まあその辺をどういうふうにいくかということでございますが、それも相当市販されてきております。 それから調理方法等につきましても、正月、相当節約をPRをいたしてテレビ等で相当やったわけでございます。それからJASの規格につきまして、近くパインかん詰めにつきまして糖度を十八度を下げるということを考えておるわけです。ほかのものにつきましても、いろいろ検討いたしておるわけでございます。
○森下昭司君 この一割節約運動によって、推定どのぐらい砂糖というものが節約されたとお考えですか。
○政府委員(森整治君) これは、数量的に全部把握をしているわけではございません。ただ、最近のメーカーの出荷状況等から見ますと、まあいろいろ何といいますか、仮需要で買った分もございましょうけれども、相当需要は減退をしておるというふうに見ておりますけれども、一割まで行ったか行かないかということにつきまして、正確な数字はただいまのところ把握しておるわけではございません。
○森下昭司君 値上げ問題に関連をいたしまして、もう一つ私は大臣に希望しておきますが、いま申し上げましたように、最近は出荷状況悪くなっている、つまり売れないという状況なんですね。それに加えて原糖の輸入価格が上がったと。裏返しに言えば、高い値段で原糖をつかんだ会社と、安い値段でつかんだ会社との差がありまするように、経営の結局失敗というものを、言うならば指導価格制度に便乗して経営の安定を図っていくというような見方もこれ成り立つわけでありまして、そういった点を価格改定の際には慎重にひとつ考慮をされたいと考えております。 そこで、今後の見通しの問題でありますが、いま申し上げたように、タイ、オーストラリア、あるいは節約運動によっても、まあ副総理から言われましたように四割程度の値下げでありまして、まだまだ四十八年狂騰以前の状態に戻していくにはほど遠いような感じがいたしますが、今後わが国における供給安定を図るために、たとえばキューバ、フィリピンというような国々と、オーストラリア、タイなどとのような民間協定あるいは協約というものを結んで拡大していくお考え方があるのかどうか、またその状況についてお尋ねいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今後やはり砂糖の供給の安定を図っていくためには、輸出国との間に中長期にわたる協定を結ぶということは大変大事なことであろうと思うわけでありまして、そういう見地に立ちまして、オーストラリアあるいはタイとの間の民間協定を促進をし、それに対する政府としての配慮もいたしておるわけでございますが、キューバ等につきましても、現在、中長期の契約を結ぶ、協定を結ぶという考え方のもとでこれを推進をいたしておるわけでございます。その他の砂糖輸出国等につきましても、そういう基本的な考え方で対処してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○森下昭司君 次に、牛乳問題についてお尋ねをいたしておきます。 いま畜産振興審議会で加工原料乳の保証価格が決まるようでありますが、ことしは昨年に比しまして四〇%以上、一キログラム百二円九十二銭が酪農農家の要望であるというふうに聞いておりますが、見通しはどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 加工原料乳の保証価格につきましては、生産者団体から要請が出ておることは御案内のとおりでございますが、現在この価格の改定につきましては、畜産振興審議会に諮問をいたしておる段階でございまして、審議会の御答申を得てこれに対して対処をしてまいりたいと、こういうふうに基本的に考えておるわけでございます。
○森下昭司君 昨年は、対前年比二十一円五十一銭というふうな大幅な値上がりでありまして、今回もいま申し上げたように現行七十円二銭を百二円でありますから、これまた四〇%以上の要求であります。当然これは飲用牛乳にはね返ってくるわけでありまして、従来もやはり原乳が上がればそのまま小売価格が上がるという繰り返しの状況が続いております。四十八年二回値上げがありました後に全国的な飲用牛乳の飲用量を調べてみますると、大体消費が減退の傾向をたどっておりまして、これはひとり国民の健康の保持とか体位の問題とかというよりも、酪農行政について大きな私は影響を与えるのではないかと思うんでありますが、この傾向についてはどうお考えですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいま御指摘がございましたように、生乳につきまして価格が上がったということもありまして消費の減退が起こっておることは事実でございます。しかし、われわれといたしましては、牛乳の消費につきましては、今後は長期的に見れば拡大をしていく方向にあるというふうに判断もいたしておるわけでございます。また農林省としても、牛乳の消費拡大につきましては、たとえば学校給食等も含めていろいろの消費拡大の措置を講じておるところでございます。
○森下昭司君 農林大臣はいまそうお答えになりましたが、農林省の発行されました統計を見ましても、値上げ以降、急激に消費量が実は落ちておるわけなんです。問題は、一つは酪農農家の飼料高も原因でありますが、やはり飲用牛乳が家計負担の側からまいりますと相当大きな圧迫をしておるのではないかと思うんでありまして、アメリカのように飲用牛乳の小売価格について、まあ食管会計のような二重価格制度を採用いたしまして、生産者の価格上昇と消費者価格との関係を断ち切ってしまうというような考え方を持つ必要があるのではないかと思うんでありますが、こういう二重価格制度についてはどうお考えですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 飲用牛乳につきましては、現在その価格の決定に当たりましては、生産者の代表とメーカーあるいは小売関係者、そういう方々が交渉をしてその結果決まるという、いわば自由な価格の方式がとられておるわけでございますが、私たちといたしましては、今後ともこうした自由な取引の中で牛乳価格が安定をして国民の消費が拡大をしていくと、こういうことで今後とも対処をしてまいりたいというふうに基本的に考えておりまして、二重価格制度をとれというお話でございますが、まだそこまでは考えていないわけでございます。
○森下昭司君 大臣、認識が実は違っているんです。あとでまた統計をごらんになっていただくとわかると思いますが、減退の一途をたどっているんです。絶対拡大の方向をとっておりません。したがって、いわゆる原乳が上がればメーカーの処理費も上げ、小売価格も上がっていくというようなパターンの繰り返しでは、これは価格政策から言っても問題があるわけなんでありまして、新しい真にやむを得ない値上げだけを認めていくというようなシステムをつくっていく必要があると思うのです。そのためには生産者代表とか消費者代表とかメーカーとかあるいは小売商とか学識経験者等を加えた委員会をつくって、そういう新しいシステムを検討していくという考え方はないものでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これも一つの方向かもしれませんが、しかし現在牛乳の価格を決めるに当たりましては、生産者団体と乳業のメーカー、さらに小売商、流通団体との三者の間におきましては、非常に大きい意見の差異が毎回あるわけでございまして、その中にあって価格が決まっていっているわけでございますが、これを一つの委員会の中に集約をして結論を出すということは、これまでのあり方から見て、これをやったとしても結論を出すということは非常に私は困難ではないか、こういうふうに判断をいたしておるわけでございまして、検討はいたしてみまするけれど、非常にむつかしい。生産者団体と業者間のこうした厳しい対立条件の中で、なかなかこれを一つの結論に導き出すというのはむつかしいのじゃないかと、こういうふうにも思うわけでございます。
○森下昭司君 やはり非常にむつかしい問題でありますが、何らかの形で解決、前進に向かうような形をとりませんと、同じようなパターンの繰り返しになるということだけは要望として申し上げておきます。 そこで、中小企業分野の問題について、まず最初にクリーニング関係についてお尋ねをいたします。厚生大臣にお尋ねいたしますが、社団法人日本病院寝具協会というのはいつ設立せられたのかお答えいただきたい。
○政府委員(滝沢正君) 昭和三十九年でございます。
○森下昭司君 設立以来今日までの会員数の異動について、大筋お尋ねいたします。
○政府委員(滝沢正君) 会員数の詳細な資料を持ち合わせませんが、最近一年間で、ただいま百十三でございますが約十一、二ふえて百一、二が百十三ぐらいになっていると記憶いたしておりますので、もし必要ならば後ほど……。
○森下昭司君 持ち合わせがないというならいたし方ございませんが、後ほど資料としてひとつ御提出をいただきたい。そこで、いわゆるわが国の国公私立の病床数は約百十二万五千六百六床だと昭和四十八年度末で計算をされておりますが、この中で日本病院寝具協会が寝具並びに寝具のサプライをやっている独占率、占有率は約八〇%と言われておりますが、どうなんですか。
○政府委員(滝沢正君) 病床数にしてはおそらく先生のおっしゃるとおりだと思いますが、病院数にしますと八千幾らが七千ですから、九〇近い数字になろうかと思うわけでございます。
○森下昭司君 いやいや、寝具協会が占有しておる。パーセンテージだよ、病床に。
○政府委員(滝沢正君) 協会の占有しておるパーセントについては、われわれは正確な数字は持ち合わしておりませんけれども、八〇%よりはむしろ上ではなかろうかと思っております。
○森下昭司君 なぜそのような状態になったとお考えですか。
○政府委員(滝沢正君) この寝具協会のシェアが高まっておるということにつきましては、いろいろの見方があると思いますけれども、法人の認可をいたしております関係上、われわれとしては公益法人としての立場と、それからそのようなシェアが高まるということでございますけれども、一般的にこの業者の団体が適切な指導の体系の中に入るという意味では、シェアがふえるということについては決して悪いことではないと思うのでございますけれども、厳密にシェアがふえていったということに対するところの原因なり、あるいは具体的な経過なりということについては、必ずしも詳細には承知いたしておりません。
○森下昭司君 詳細に承知をしていないということは非常におかしな話でありまして、定款等からまいりますれば、これは厚生省が実情をよく御承知のはずだと私は思うのでありますが、それはともかくといたしまして、最近二カ年間でいわゆるこういった医療施設の寝具サプライなどを行うことを、基準に合ったとして認可された件数というのは何件ですか。
○政府委員(滝沢正君) 基準寝具の認可の問題は、保険局の病院の申請に基づきまして保険の方で定めておりますので、件数としてはただいま私の方では持ち合わしておりませんけれど、後ほど調べまして御報告申し上げます。
○森下昭司君 その認可を受けた件数というのが問題なんですよ。質問でちゃんと通告をしておいたのに、なぜきょう保険局長出ないのですか。ちゃんと厚生省の政府委員室に連絡しておいたのですが、なぜ保険局長出ないのですか、それじゃ厚生大臣答えてください。
○国務大臣(田中正巳君) いま持ち合わせておりませんから、直ちに保険局長を呼んで答弁をいたさせます。
○森下昭司君 委員長、このあとの質問はできませんよ。通告してあるのですよ、ちゃんと。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○政府委員(滝沢正君) 遅くなって申しわけございません。 ただいま保険局に電話で問い合わせた数字でございますが、四十八年病院数にいたしまして六千九百五十六が、四十九年七千五十でございます。
○森下昭司君 これは何の数字ですか。
○政府委員(滝沢正君) 保険で基準寝具を認められている病院には基準寝具料というものを支払うことになっております。したがって、従来やっていなかった病院が基準寝具をやりたいということで申請いたしまして、保険の方でこれを認めるわけでございまして、その数字がいま申し上げた……
○森下昭司君 いや、私の言うのは逆に、そういうところへ入ることのできる業者ですね、リネンサプライをやることのできる業者は二年間でどのぐらい認可したのか、そういうことを聞いているんです。逆ですよ。入る人、業者の数を聞いているんですよ。
○政府委員(滝沢正君) 業者のふえたのは、先ほど申しましたように、会員としての数は五二か三だと思いますが、百十三になっている……
○森下昭司君 それは一年間でしょう。
○政府委員(滝沢正君) はい、一年間です。
○森下昭司君 ぼくは二カ年はどうなっているかと聞いたんだから。
○政府委員(滝沢正君) その点は……
○森下昭司君 そのいまの基準寝耳一をやることのできる事業場の認可という問題は、医務局長の方でおやりになるんですか。
○政府委員(滝沢正君) 実は、この点につきましては、一つの医務局から通知が出ておりまして、病院の洗たく施設というのは、本来病院が持っておれば、それはそこでやっていいわけでございます。 それから、委託する場合の委託先の基準というものが定められておりまして、これは基本的には衛生基準が守られているかどうかということでございますので、それに従って病院側が申請いたしますと、その条件を確かめた上、具体的な手続としては各県にございます民生部関係の保険課がこれを認可してこの支払いをしていくようになる。先ほど申し上げた数字は、そういう認可を申請して許可になった病院の数字であるわけでございます。
○森下昭司君 業者の数は。
○政府委員(滝沢正君) 業者の数は、先ほど申し上げたように、二年の数字だけを申し上げましたが、前からさかのぼっての数字は、後ほど調べまして御報告申し上げます。
○森下昭司君 それじゃ質問を続けますが、保険局長がもしお見えになったら、早く来ていただきたいと思いますが、いま医務局長からお答えになりましたけれども、実際のいわゆるそういったリネンサプライができる事業場かどうかという審査は、いまお話がありましたように、県の民生部なり衛生部の保険課が当該地域の医師会に実はおまかせになっていると思うのでありますが、そういう実情を御存じですか。
○政府委員(滝沢正君) まあ、病院の事業でございまして、その契約先が適切なものであるかどうかというのは、基準がございますので、一般的には私は保険課が確認しておると思いますけれども、医師会等の関係者とどういう形か、医師会そのものなのか、委員会形式なのか、そういうことは私、初めてお聞きしたことでございまして、地方のそのような具体的な実態は必ずしも承知いたしておりません。
○森下昭司君 これはたいへんなことですね。非常に衛生的にも問題があるということで、厳重な基準を設けておみえになりまするのに、その実態を調査なさるのは、県がおやりになっているでしょうというようなことでありますが、三十九年以来十年を経てなお実態がつかめていないのですか。
○政府委員(滝沢正君) 的確なお答えは、保険局長が参りましてあると思いますけれども、三十九年は、法人認可の年の数字でございますが、いずれにいたしましても、そのような許可をしていった数字の結果だけは、中央の保険局でさっき申し上げた数字を握っておるわけでございまして、個々の支払いの手続等については県の出先の保険課が取り扱っているものと承知いたしております。
○森下昭司君 保険局長が来なかったらだめですわ。医務局長では答弁にならぬです。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○森下昭司君 それでは、次の問題に移らさせていただきます。先ほどの件は、いま委員長がお話しのとおり保留いたします。 けさほど新聞に載りました、日本歯科医師政治連盟から田中厚生大臣に五十万円の政治献金が行われたということが実は載っておったわけでありますが、この点について、自治省の政治資金規正法に基づく報告に、何年何月、日本歯科医師政治連盟から田中厚生大臣に政治献金が行われたのか、事実の確認をいたしたいと思いますので御答弁願いたい。
○国務大臣(福田一君) 田中正巳後援会の収入といたしまして、四十八年下期でございますが、四十八年十二月十九日、五十万円、日本歯科医師政治連盟から入っております。
○森下昭司君 いま大臣のお答えは、田中後援会の方からの報告が出されているということでありますが、日本歯科医師政治連盟からの報告はどうなっておりますか。
○政府委員(土屋佳照君) 日本歯科医師政治連盟からの支出には、こちらに報告されたものには上っておりません。
○森下昭司君 それは答弁が違うのですよ。残っておらないのじゃないんですよ。報告されてないんでしょ。お答え願いたい。
○政府委員(土屋佳照君) 私どもの方へ届けられたものには上ってないということでございます。
○森下昭司君 それは違っているというのです。報告自体が出されていないじゃないか、歯科医師政治連盟から。
○政府委員(土屋佳照君) そのつもりで申し上げたわけでございますが、政治連盟から届けられたものには報告がされてないということでございます。
○森下昭司君 違うよ。政治連盟が届けてあるわけないじゃないか、歯科医師政治連盟が。どこに根拠があってそういうことが言える。答えてください。ここに私、官報、四十九年九月二十八日の官報の号外を持っているのです、ここにちゃんと。ずっともう全部調べてみますと、これ下期ですよ、大臣がお答えになった下期。下期の昭和四十八年七月一日から四十八年十二月三十一日までの期間の諸団体が、これは政治資金規正法の報告が出ているのですよ。どこに日本歯科医師政治連盟が報告していますか。どこに報告していますか、ごらんになってください。
○政府委員(土屋佳照君) 官報には載っておりません。
○森下昭司君 どうして載せないのですか。
○政府委員(土屋佳照君) 日本歯科医師政治連盟から私どもの方には、その他の収入等もあるわけでございますけれども、番付としてのものはございませんので……
○森下昭司君 違う違う、全然だめなんだ。ちょっと委員長、ちょっととめてください。時間浪費だ。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○政府委員(土屋佳照君) 日本歯科医師政治連盟の方からは届け出が出されておりません。
○森下昭司君 これは明らかに政治資金規正法違反じゃないですか。日本歯科医師政治連盟からは政治資金規正法に基づく正規の報告が出されてないんですよ、自治省に。田中さんの方はもらったと言っている。歯科医師政治連盟は報告書すら出してないんですよ。全体の報告書ですよ。田中さんのはっけ落ちじゃないんですよ。もらっていると言うけれども、出したほうは全然報告してない。田中大臣のつけ落ちじゃないんですよ。歯科医師政治連盟は全部報告してないんです。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま官報では確かに載っておりません。ただ、別な方であれがあるのか、追加があったのかどうか、そういう細かいところは数分で私すぐ調べてお答えをいたします。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○国務大臣(福田一君) ただいま本省で、すぐ電話でいま調べておりますから、ちょっとお待ちを願いたい。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○国務大臣(福田一君) 政府委員から答弁をいたさせます。
○政府委員(土屋佳照君) 大変失礼いたしました。報告が実は大分おくれておりましたために、四十九年の十月七日に報告されておりましたために、官報としては五十年の二月一日に官報告示をされております。その点、一般のものの中に入っていなかったということでございまして、私もお答えの仕方がまずかったと思っております。
○森下昭司君 官報をできればひとつ見せていただきたいということと、選挙部長、お尋ねいたしますがね、いま四十九年十月七日に提出をされたというお話でありますが、この報告書はほとんど四十九年の一月に全部が全部と言っていいほど集中しているわけであります。なぜ日本歯科医師政治連盟がそんなにおくれたのですか。その理由は何ですか。
○政府委員(土屋佳照君) 官報は後でお見せいたしますが、これがおくれた理由というのは私どもには十分わかっておりません。おくれたところにはいつも催促はしておるわけでございますけれども、おくれた内部の事情は私どもにはわかっておりません。
○森下昭司君 これは大体十月と申しますと、四十九年の前半、つまり一月一日から六月三十日までの報告も実はなされていなければならぬ時期なんですよ。そうすると、故意でいわゆる四十八年度後半を届け出をしなかったという理解も成り立つわけでありますが、その四十九年前半はいつ出されているんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 四十九年の上期は、四十九年の九月二十五日に届けられております。
○森下昭司君 いや、全く驚きましたですね。半年前のがおくれて、後のがいわゆる九月の二十五日に出されている。つまり半月ほど前に出されている。まるで「こだま」が「ひかり」を追い抜いたような結果になっているんですね。そういうような状況がわかっておって、なぜ十月七日まで、つまり九月二十五日以降十月七日まで期間の余裕がおかれたのですか、これは。
○政府委員(土屋佳照君) 一般的には毎年六月末から十日間とか、そういうふうになっておるわけでございますが、全般的には非常におくれてくるのが一般の大勢でございます。ただ、いま御指摘のような点については、非常におくれ過ぎておるというような感じを持つわけでございますけれども、私どもとしては、なぜそうなったかということは、そこの団体の中まで入って理由を十分聞いておりませんので、よくわかっておりません。
○和田静夫君 関連。 選挙部長ね、いまの質問で一つのポイントは、歯科医師政治連盟が下期の——私ども調べてありますが、四十七年の下期と四十八年の上期とは出ていて、四十八年の下期からずっとおくれ出した、おくれているんですね。で、この時点では明確に、いま指摘があった——質問に答えてもらいたいんですが、質問があったように、政治資金規正法の違反である。後から出ました、出ませんでしたというのは別問題として、このときには違反であることは間違いない。このことが一つですよ。 それから、これだけのものがずっと金額としてあるんですが、ずっと見ていきますと、たとえば官報の三十三ページ、新政治問題研究会で百万受け入れているとか、いま厚生大臣が報告を出しているように五十万受け入れているとかいうような形のもので、今度は受け入れ側は微々たる報告しかないんですよ。この辺のことが大変疑問なんです。そこで歯科医師政治連盟からの、この期におけるところの、四十八年上期、下期におけるところの支出先、これを明確にしてもらいたいんです。
○政府委員(土屋佳照君) いまの連盟の支出につきましては官報では詳しく出ておりませんので、御承知のように届けられた報告書はあるわけでございますが、何せ二千団体に上るものでございますので、ちょっと調べるのにはここでは簡単にできませんので、どういった項目ごとにどういった支出があるかということは、これは後ほどお知らせできると存じます。 それから一応、先ほども申し上げましたように、法律上はその期間が過ぎて十日内ということになっておりますから、そういった意味では、形式的には少なくとも違反な状態であるということは言わざるを得ないと思いますが、全般的にほとんどおくれておるというようなことでございます。
○森下昭司君 いまも明らかになりましたように、日本歯科医師政治連盟が政治資金規正法に違反しておったことは事実であります。 そこで、なぜおくれたかという点について、推定して悪いのでありますが、やはり参議院の全国区の事前運動が盛んに行われておった。このいわゆる四十八年下期の報告でも、いろいろと全国区で立候補なさった方々の後援会の政治資金報告がなされておる、日本歯科医師政治連盟も相当金額を計上されておる、そういうようなこと等があったために、故意に私は届け出をしなかったのではないかというような推測をせざるを得ないのでありまして、非常に残念であります。 ところで、問題は、田中さんが、当時厚生大臣ではございませんでしたけれども、五十万という政治献金をお受けになった。そして先日の歯科医師会の代議員会等で、たとえば新聞に書かれておりまするところによれば、伊藤一常務理事でありまするとか、あるいは鹿島さんでありまするとかが、それぞれ御発言なさっている。こういうような御発言を私どもが読んでみますると、新聞で知る限りにおきましては、いわば相当に大きな政治的工作が当時多くの方々になされていたのではないだろうかというような推定に立たざるを得ないのでありまして、この点につきまして、私はまず第一に、田中現厚生大臣がどのようなお考えに立っておみえになるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(田中正巳君) 昭和四十八年の十二月十九日という届け出を実は私はしております。当時、実は日本歯科医師会にまつわるいろいろな問題というのは、私どもも全然知っておりません。最近になっていろいろとこういう問題が出てきたわけでございまして、その節にこういう問題があって持ってきたなどということは、私としては全然毛頭存じておらなかったところでございます。また当時は、私は衆議院文教委員長をしておりましたが、長い間実は厚生議員の一人でございましたので、さような意味で持ってきたものというふうに思って、別にこれについて隠し立てすることなく届け出をいたしたというのが趣旨でございまして、今日厚生大臣に就任をいたしましたが、これをもって行政をあれこれ歪曲するといったようなことは毛頭ないというふうに決意をいたしております。
○森下昭司君 そういたしますと、新聞で見る限りにおきましては、大臣は選挙のときにもらった金だろうというようなことが書いてございますが、四十八年十二月だといたしますと、これは選挙とは無関係であったというふうになりまして、新聞の報道記事は間違っておったという理解でいいですか。
○国務大臣(田中正巳君) ゆうべ実は参議院社労委員会が非常に遅く終わりまして、役所に八時ごろ帰りましたところが、新聞記者の方が見えまして、とっさの質問でございましたので、選挙かなあと、こういうふうに申し上げたわけでありまして、その後実はけさの新聞を見まして心配をいたしましたものですから、克明に調べましたところが、四十八年十二月に五十万円受け取って、これを届け出をしているという事例がわかったわけでありまして、したがいまして、昨日のコメントは事実と違っておるということがわかって、大変この点については粗雑なことを申したというふうに思っております。
○森下昭司君 こういうような、現在非常に歯科医師の皆さんが世間の批判を受けているという実態等から判断をいたしますと、こういうような献金は、田中さん自身は、大臣と否とにかかわらず、受けることが好ましいとお考えになっているのか、将来は受けることは好ましくないんだというお考えに立っているのか、その点お尋ねいたします。
○国務大臣(田中正巳君) 私、今日厚生大臣に就任いたしましたから、この種の団体からの献金は一切お断りをしておるわけであります。当時いかがであったろうかということについては、当時の心境としては、私はさしたるわだかまりを覚えないで実は申したというのが正直なところだろうと思います。しかし、あの団体が今日ああいう問題を醸している以上、今後は気をつけなければならぬというふうに思っております。
○森下昭司君 官房長官、ちょうどお見えでありますので、時間の関係がありますから、お尋ねをいたします。 当時の大臣といたしましては田中さんはおやりになっていなかったわけでありまするけれども、現在大臣として、いま疑惑に富む歯科医師政治連盟等から政治献金を受けてお見えになったと。クリーンを標傍し、かつ社会の不公正を是正することを目的といたしました三木内閣の考え方からいたしますと、何やら私は汚点を残したような感じなきにしもあらずでありますが、官房長官は内閣の番頭としてこういった問題についてどうお考えになっているのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御質問並びに厚生大臣のお答えを聞いておりまして、まあ、事は四十八年の時期であったようでございまして、その当時厚生大臣としては、わだかまりなくといま言われましたが、そういう気持ちであられたと察するのでございます。その後、たまたま厚生大臣という歯科医師会等との関係も深い職責になられまして、これまたいまお述べになりましたように、自今気をつけると、こういうふうに言っていらっしゃいますので、その言明を信じて、厚生大臣みずからも身を厳に持していかれることであろうと、かように存ずる次第でございます。どうかそういうふうな事情をおくみ取りをいただきまして、この場合は御了解をちょうだいしたいと思います。
○森下昭司君 まあ金の多寡の問題はとやかく言いませんけれども、伝えられるところによりますと、四段階に分かれていると。田中さんは、大臣をおやりになっておればあるいは一ランクかと思いますけれども、三ランク目のような金額でありますし、本質的には同じであると思うのでありますけれども、いま官房長官からもお話がありましたし、また大臣自身もこれによって厚生行政にいささかも影を落とさないんだというお答えがありましたので、そういったことをひとつ私は信用いたしまして、この問題についてはこの程度で終わりたいと思います。 引き続いて、先ほどの日本病院寝具協会の問題に移らさせていただきますが、保険局長お見えですか。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○森下昭司君 まず、保険局長にお伺いいたしますが、先ほど申し上げました医療施設に入って、寝具のリネンサービスをする業者ですね、この業者がそういった仕事をするために認可の申請をいたしますが、その手続を具体的にお示し願いたい。
○政府委員(北川力夫君) お尋ねの基準寝具の取り扱いでございますけれども、これは当該保険医療機関ごとに申請をするわけであります。申請は、申請書をこの関係を所管しております都道府県の保険課に出しまして、そのあと保険課の方で当該医療機関の実地調査を行います。実地調査を行います場合には、この問題が衛生行政等と非常に緊密な連絡がなければなりませんので、県庁内の他の関係部課と十分に連絡を密にして、協力をして実地調査を行いまして、その上でその承認の可否を決定する、こういう手続になっております。
○森下昭司君 ところが、現実にはその調査について、当該地域の医師会にお任せになっているという事実は御存じですか。
○政府委員(北川力夫君) 私は現在までの段階で、いま申し上げましたようなのが手続でございますので、そのような事実を実は承知をいたしておりません。
○森下昭司君 実態を御調査なさる御意思がありますか。
○政府委員(北川力夫君) そういう事例がありといたしますならば、至急に調査をいたしまして、その辺の実態を究明いたしたいと思います。
○森下昭司君 その事実を私は愛知県で、自体で調べてまいったわけでありまして、そういうような申請を出してから相当長期間、私の調べた範囲内のある業者は一年有半もかかったという事実がありますが、大体当局は、申請から承認までどのぐらいの期間をお見込みですか。
○政府委員(北川力夫君) お答えいたします。 これもその医療機関の申請をいたしましたときの状況によって違うと思うのでございますけれども、大体二、三カ月から半年ぐらいの間には可否を決定するというふうなのが例だと聞いております。
○森下昭司君 業者が非常に問題を、お互いに過当競争を防ぐために、そういったような妨害的な行為が行われているように聞くわけでありますが、いわゆる病院寝具協会の定款の第四条の第二項に書いてございまする「医療機関用寝具に関する受託業務の代行の保証」というのがございますが、これは具体的にどういうことを行うのですか。
○政府委員(滝沢正君) これは、実は病院が契約をするときの条件というものの中に、水害等により契約施設が業務を遂行できなくなる、その保証を各担保するために、数会社なりあるいは団体なりの保証を求める、こういうような仕組みになっておるわけでございます。
○森下昭司君 その保証は、協会員の保証でなければならぬのですか。
○政府委員(滝沢正君) ちょっと最後のところが。
○森下昭司君 たとえば、新しく申請した人が、病院側が申請を調査して、これは確かに基準に合っている、よろしいと、こう認定されるわけですね。ところが、その認定をされた業者がいざその病院で業務をやろうとすると、この第四条の第二項に引っかかって保証を要求されるわけですね。その保証が協会員の、いわゆる協会に入っている会員の保証でなければ病院側がうんと言わないという傾向があるんですよ。そのことについては医務局はどういうふうな措置をとるのですか。
○政府委員(滝沢正君) この問題は、あるいは先生のおっしゃるような事実があるかもしれませんが、たてまえとしては、病院側がそれぞれの業者の施設の機能を確認した上で、先ほど申し上げたような契約の条項に定められたものを満たすような条件が確保できれば、会員でなくてもたてまえとしてはよろしいわけでございますけれども、先生御指摘の意味は、病院側が会員であることを確かめ、その人が会員でないと言えば、それじゃ困りますねと言って契約をしないという趣旨だと思うのでございます。そうなりますというと、公益的な法人である寝具協会が、その裏に経済活動的な趣旨というものが強く出て、たてまえというものに対して一つの阻害要素が働いているということであれば、これはわれわれとしては協会を指導する必要があるというふうに感ずるわけでございます。
○森下昭司君 実態は、そういうような事実があるかもしれないということではなくて、あるんです。ですから、私の知った業者でも、せっかく承認はしてもらっても病院と契約ができないのです。これは逆に言うと、協会員が閉鎖的なんですね。これはまさに新規参入を認めないことと一緒なんですよ。 この点について高橋公正取引委員長にお伺いいたしますが、いま医務局長が御答弁のように、事実上新規参入を認めないようなシステムになっている。しかも協会の定款にそのことがうたってあって、病院側もその定款どおりに施行しようとする、これは明らかに不公正な競争ではありませんか。
○政府委員(高橋俊英君) 私はその事態をただいま伺ったばかりでございまして、軽々しく結論的なことを申し上げるべきではないと思います。よく実情を調べまして、その協会がそういう一つの病院に対する特別な、何といいますか、立場にある業者になり得るかどうかということについて、一つの特権的な立場を持っておるということ、それから、それを持っておって十分に資格のある適格業者でも協会員になることを妨げておる、こういう事実が、おっしゃるようにもしありますれば、私はそういう仮定で申し上げますが、それは新規参入を阻止しておるということになりますから、自由な競争を妨げておるということになりまして、不公正な取引方法に該当いたすことになると思います。しかし、それはよく実態を調査した上でないと、ここで確答はいたしかねます。
○森下昭司君 そういうようなシステムですから、百十何万床の病床の八〇%を専有しているのです、この協会だけで。しかも、十年前に法人化組織して、協会の会員数は余りふえていないんです。いま言ったシステムですから、ふえるはずがないんです。これはまさに私は不当な行為だと思うんです。これは厚生大臣、あなたがこの定款を認めているんですよ。あなたの時代だったかどうかは別ですよ。そこで、こういうようなことはどう思われますか。
○国務大臣(田中正巳君) 率直に申しまして、この協会のあり方について、ごく最近先生の質疑通告があって私勉強いたしました。見てまいりますると、やはりこの団体が、本来公益法人でありながら、もっぱら経済的利益を追求するといったような傾向が強過ぎるというふうに私は思いますので、これはさようなことのないように、ひとつ本来の目的でいろいろと努力してもらうことは結構ですが、いやしくも他の業者を排他的にこれを排除するといったようなことのないように、オープンなやり方でやるように厳重にひとつ指導したいというふうに思っております。
○森下昭司君 非常に前向きな御答弁で、私も実は抽象的な点からまいりますればそれで結構だと思うんですが、やはり具体的には、この保証代行の定款を改正するか、あるいは改正しないまでも、いま大臣が決意を述べられたように、相当協会に対して行政指導を強化いたしませんと、実際は新規参入が締め出されてしまうということにもなりかねませんので、定款改正の問題等についてどういうお考え方があるか、ちょっと念を押します。
○国務大臣(田中正巳君) あのような条項が必要であろうかどうか、これも私疑問だと実は思いますが、いまここでにわかに、先生の御質問に対して断定的なお答えをすることはいかがかとも思いますが、要は、実は閉鎖的で他の業者を排除するというようなことのないようにしなければいけないと思いますから、その方向でひとつ強力に指導し、できるだけ早くその実を上げるようにいたしたいというふうに思います。
○森下昭司君 高橋公正取引委員長、いま大臣の答弁を聞けば、大体私が質問をしたように、事事上閉鎖的な協会であることは明らかでありまして、ゆえに八〇%も専有、独占できるのです。これは私は必要があれば申告させてもいいのでありますが、公正取引委員会独自に事情聴取をなさるお考え方はございませんか。
○政府委員(高橋俊英君) 私どもが調査するのには非常に能力が乏しいという問題がありますが、厚生省が、ただいまのお答えから見ましても、かなりの程度に実態を承知しておられるかもしれません。まず私は、厚生省側に細かくどういう実情になっているのかということをお伺いし、また必要があれば協会そのものについて直接調査をいたします。そのことはお約束いたします。
○森下昭司君 いま厚生大臣、公正取引委員長もそういうお答えでありますし、私、厚生省の出方いかんでは、公正な問題を打ち立てるために公正取引委員会等に対して申告させる用意もあります。 そこで安倍農林大臣にお伺いいたします。あなたは相当長い間寝具協会の会長をなさっておみえになりましたが、最近おやめになったようでありますが、いつおやめになりました。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林大臣に就任直後やめました。
○森下昭司君 いま厚生大臣あるいは医務局長から御答弁のありましたような事実については御存じなかったですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 二、三年前に、私の実は選挙区の業者の人が理事長をしておりまして、それから頼まれて、いわば名誉職的な立場で会長ということになっておりまして、その定款の内容とか具体的な問題について私は承知しておりません。
○森下昭司君 名誉的とおっしゃいますけど、定款の第十七条第二項に、「会長は、重要事項について意見を述べ必要に応じ指示する事が出来る。」、そういう条項があるんですよ。ですから、相当長い間おやりになっておって、いまのような事実を全然、全く御存じなかったというのはまことに理解に苦しむところなんです。その点について本当に知らないかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も国会の方の仕事が忙しくて、そういう具体的な内容につきましては、本当に私、定款等は知らなかったわけです。
○森下昭司君 一応安倍大臣の答弁を私は信頼をいたしたいと思います。私は、やはり厚生大臣がお述べになりましたように、この協会は相当過去から問題のあったことは明らかであります。大臣になっておやめになったからというので責任は解放された、形式的にはそうかもしれませんが、こういった問題について、さらに私は、やはり従来の経緯からいって安倍さんからも相当な御助言をいただきたいと、かように思うのでありますが、そういう方向で御協力がいただけますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 厚生大臣から述べましたような問題があるとすれば、私もかつて会長をやっておった責任がございますから、これに対しては厳しく善処していきたいと思います。
○森下昭司君 最近、静岡の島田市に本社を置きまする静岡リネンサプライという会社が、愛知県の蒲郡地区、これは観光地帯でありますが、観光地帯へ進出してまいりましてリネンサービスを行っております。地元の零細クリーニング業者が二十五軒ほどございまして、四十五軒の旅館やホテルを相手に細々と実は営業いたしておりますが、この零細企業のやっておみえになりますシーツ一点五十円のクリーニング料金を、この静岡リネンサプライは、病院寝具協会の会員でありながらこっちの旅館、ホテルに進出をいたしまして一点二十五円でおやりになっている。これは私は不当な廉売的行為ではないかと思うのでありますが、公正取引委員会の委員長はどうお考えですか。
○政府委員(高橋俊英君) ただいまのお話では半値でサービスしておるということでございますが、私、実はその事実を詳細存じません。原則論だけ申しますれば、新規参入するときに明らかにダンピングと思われる行為ですね、原価を無視して、採算などを無視して当面の間お客さんの獲得だけを目指してやるということは、これは不公正でございます。ですから、それが果たしてそういうものであるかどうか、実態を調べてみなければ何とも言えない。というのは、比較的ああいうものは大規模にやればやはり幾らかコスト安になるわけです。ですから、中小のものと比べて、とかくそういう傾向が起こりますが、その中小がやるべき分野に大規模なものが進出することがいいかどうかという問題、非常にデリケートでございます。私、一概にこれはいいとか悪いとか申し上げられませんが、独禁法の立場としては、いまのようなコストを無視した価格で殴り込みをかけるような行為は不公正であるということになりますから、そういう点は実情をよく把握してから決めたいと思います。
○森下昭司君 これは所管大臣の厚生大臣か、あるいは中小企業振興という立場からいけば通産大臣でありますが、いま申し上げました静岡リネンサプライ株式会社のある重役は、もうけた利益を税金で取られるよりも、それを営業拡張に使った方がいいと言って営業部員に指示し公言しているというが、こういう態度についてはどう思われますか。
○国務大臣(田中正巳君) このクリーニング業界、しょっちゅう実は大企業と小さい企業との間でもって勢力争いをいたすわけでございまして、私などは何とかひとつ小さい業者を擁護したいという気持ちがございますが、実態上どうも法律規制がそう簡単にできないということでございますので、非常に焦慮の念を感じているというのが私の本当の心境でございます。今回のようなこの措置、いまお挙げの具体的な事例については、もし出血ダンピングといったようなことをやるとするならば、これは私は穏当でないというふうに思いますが、私どもの役所では、実はクリーニング業を環境衛生の見地から実は把握をしているわけでありまして、したがって、業界そのものの経済行動については、どうも隔靴掻痒の感があるということを主管官庁として感じているところでございます。
○森下昭司君 それでは通産大臣にお伺いいたしますが、クリーニング業界は、さきにエーデルワイス問題でありますとか、これは日商岩井ですね、それからジャパンアパレルサービスですか、蝶理ですね、最近は伊藤忠、丸紅、住友などの商社が業界へ進出をしようとする計画がありまして、通産省報告のとおり各地でいろいろと事例が出ているわけであります。したがって、やはり私は、これはクリーニングだけでなく軽印刷でありますとか、あるいはまた豆腐業界でありますとか、あるいはまた生地の問題、いろいろ繊維の問題等もございますが、中小企業分野の、いわゆる事業の分野を確立する法律というものをつくることが一つのやはり目安になるのではないかと思うのでありますが、この法制定についての所見をお伺いいたしておきます。
○国務大臣(河本敏夫君) いまお尋ねの問題は、中小企業の分野の調整の問題でございまして、これは中小企業問題の最大の課題の一つだと思います。幾つかの業界を御指摘になりまして、その分野でのトラブルについてのお話がございましたが、私どももその事実を承知しております。そこで、これまでやってまいりました方法は、できるだけ話し合いで解決させるということで大多数の案件は解決したわけでございます。法律でやったらどうかと、こういうお話でございますけれども、新しい法律をつくってやらなくても、私はこれまで中小企業庁を中心としてやってまいりましたこの行政指導をさらに強化をいたしましてやっていきますならば、十分処理はできると、こういうふうに考えております。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○森下昭司君 通産省は昨年来六百余万円の予算を使って全国的に、何といいますか、中小企業の事業の分野を確保するためにいろんな点について御調査をなさった。言葉をかえて言えば、そういう過当競争的な問題等について御調査をなさっているわけでありますが、その調査の進行状況はどうなっているのか、また今年三月末までにはその結果について御公表なさるというふうに聞いておるのでありますが、発表はいつごろになるのか、それをお伺いいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 調査をいたしておりますが、その詳細につきましては政府委員から答弁させます。
○政府委員(齋藤太一君) ただいま調査結果を取りまとめ中でございまして、四月の中旬ごろに予定をいたしております中小企業白書の中にその内容を発表いたしたいと考えております。
○森下昭司君 そこで、そのいわゆる調査結果に基づきまして、いま申し上げました中小企業の事業分野を確立することについて法制定をすることが必要であるというような要するに調査結果が出れば、法制定についてはやぶさかでないか、その点をお尋ねいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) そういう世論が強くなり、さらにまたそういう必要が非常に強く生じました場合には、法制化も考える必要があろうかと思いますが、ただいままでのところは、先ほど来申し上げますようないろんな行政指導、紛争処理と、そういうことで十分成果を上げてきておりますので、ただいまのところは新しい法律の制定ということは考えておりません。
○森下昭司君 それでは日本住宅公団の方、せっかくの御出席でありますので、委員長の計らいで三分ほど延びましたので、お尋ねいたします。 名古屋の港区というところがございますが、そこで住宅公団の中部支社が計画なさっている九番面開発団地ですね、そしてそれに付随いたしまする九番第二市街地住宅計画、この計画について、地元商店街から反対があって、去る三月の十四日に住宅公団中部支社としては、地元との話し合いがつかなければこの建設は当分の間中止をするというような決定を下して当該関係者に通知をしたと伝えられておりますが、事実でありますか。
○参考人(上野誠朗君) お答えいたします。 ただいまお尋ねのございました名古屋市の港区の九番町に計画しております市街地住宅でございますが、これは土地提供者と住宅公団と共同いたしまして、上の方には公団の賃貸住宅を乗せます、それから下の方には店舗、事務所等の施設を公団で建設いたしまして、地主さんに長期割賦で譲渡するいわゆるげた履きの住宅でございます。これにつきまして、この下の店舗計画につきまして周辺の商店街の方々から、ここに実は大型スーパーを計画いたしておりまして、これについて反対がございまして、現在計画を中止いたしております。いずれにいたしましても、地元県、市あるいは地元の方々と十分協議をいたしまして、土地提供者の方から適当な施設計画で再度申し込みがございましたならば、地元その他と十分協議をいたしまして、円満に建設をいたす、そういうことで進みたいと、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 そういたしますと、このいわゆる最初の計画でありました約一万三千四百七十七平米を店舗部分とするという計画は、事実上取りやめて、再検討ということは、店舗部分を、言うならば住宅関係者の便益を図る店舗面積にする、つまりここには千五百戸余りつくられるわけでありますが、千五百戸余りの住居者に便益を供する小売店舗をつくるというようなことだと理解していいのかどうかお尋ねをいたします。
○参考人(上野誠朗君) 土地提供者の方からは、当初計画いたしました一万三千五百平米のスーパーはとりやめる方向で検討いたしたいと、こういう申し込みがございまして、それに従いまして住宅公団の方でも計画を中止いたしております。ただ、将来どういうものができるかにつきましては、この下の土地提供者に譲ります施設の経営計画は、土地の提供者の方で計画を立てまして、それは必ずしも後ろの住宅の関係だけにならないかもしれません。しかしながら、いずれにしましても、地元の方々と十分相談をいたしまして了解に達した上で土地提供者の方で再び申し込んでくるものと思われますので、その時点で改めて考えたいと、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 そこで基本的なお考え方をお尋ねいたしたいと思うのでありますが、住宅公団としては、家を建てれば、つまり住宅部分を建てれば事足れりということの弊害に私は陥りやすいのではないかと思います。一面いわゆるげたばき住宅の関係で店舗部分を建設、譲渡をもくろむ業者といたしましては、でき得る限り商売という立場に立って、自分の立場に立ったメリットを要求してくるわけであります。そこで、従来私はこの経緯をながめておりますると、九番面開発全体の土地は、いま店舗部分の譲渡を受ける松下興産株式会社という会社から住宅公団が土地を買収するということのために、付近のいわゆる零細小売商人の商圏、立場というものを無視をして、土地提供者の要求をうのみにして建設計画を最初にお立てになったのではないかという危惧がありますが、その基本的な住宅と店舗、そして付近小売商業との関係の、公団としての考え方がありますればお述べ願いたいと思うのです。
○参考人(上野誠朗君) 住宅公団といたしましては、住宅を建てればそれだけでいいと、こういうふうには考えておりません。下の施設計画につきましても、地元の県、市あるいは周辺の方々と十分協議をいたしましてりっぱな市街地の一部ができ上がる、こういうふうにすべきであると、こういうふうに考えておりますし、従来も住宅公団は、建設については法律の三十四条に基づいて地元公共団体の意見を徴することになっておりますけれども、その際も、そういう施設のある場合は、商工関係につきましても十分いろいろ御意見を承っておりますし、地元の人々にも御意見を承っておりますので、そういう方向で建設をいたしたい、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 しかし、四十九年十月五日付で日本住宅公団中部支社が反対同盟にお出しになった回答書によりますと、実際、住民を無視したような内容になっているわけなんですよ。たとえば、「計画自体成立しないと云う事であり、その様な説明をするとは思われませんので何かの聞き違い」ではないか。全くこれは、住民と協議するとか、県、市と協議をするとかという考え方と違った傲慢不遜な回答ですよ、こんなことは。あるいは「大型店舗を優遇したものではありません。」と言っている。こういう言いっ放し、やりっ放しというような態度は、私はいまの理事のお答えとは合致いたしていないと思うのであります。したがって、今後の、いまの現計画を御中止になって再検討なさる点については、お答えがありましたように地域住民、当該県、市全体とよく御検討の上、全体が一致しない限り建設をしないということをこの場で約束してください。
○参考人(上野誠朗君) 地元の了解を十分得た上で円満に建設をいたしたい、こういうふうに考えます。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして森下昭司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 最上進君。
○最上進君 私は、わが国のエネルギー問題を中心に質問したいと思います。 私は、最近とみに、十年後の日本はどうなるのだろう、世界はどう変わっていくのだろう、また五十年先、百年先、千年先の日本、そして世界はどういうふうに変わっていくのだろう、また人類は、人口、資源また食糧の問題を抱えてどこまで生き長らえていけるのだろう、こういうことを考えることがあります。しかし、実際には、一年先のことすら予測できないほどいま変化の要因が多過ぎるわけであります。その中で政治が国民に最低限指導していかなければならないことがあるとすれば、私は、まず人類が一日も長く生きられるように、自分たちの世代だけで資源を使い果たすことなく人類共通の資産を大切にしていく、太く短くよりも、細く長くの考え方を徹底して持っていく、これが大事であるというふうに考えておりますけれども、その考えを次の世代に順送りしていく、これまた大事なことであります。 まず、文部大臣にお伺いをいたしますけれども、省資源、物を大切にすることについて、小中並びに高等学校におきましてどのような指導、教育をなされていくおつもりか、お伺いをいたします。
○国務大臣(永井道雄君) 石油危機以来、わが国の経済に相当な変化が起こりましたのは比較的最近でございますので、そういう意味では、現段階における教育も決して満足すべき状況にあるとは考えないのであります。今後一層強めていくべきものだと思いますが、しかし他方、現段階でどの程度のことをやっているか、またどういう考え方に立っているかということを申し上げたいと思います。 省資源という考え方を教えていきます場合に、やはり小学生あるいは中学生などは、身近な家庭生活あるいは消費生活というものをどういうふうに送っていったらいいかということを勉強させて、そして習慣をつけていくという問題が一つでございます。もう一つは、もう少し大局的に、資源というものをどういうふうに考えていくべきか、そういうふうないわば知識の側面で、今後の資源と産業のあり方というようなものを理解させていくという、そういう二つの面から現在の段階でも教科書がつくられているように考えます。 ですから、たとえばまず第一のほうの、家庭生活ないしは消費生活の中でどういうことを教えていくかと申しますと、これは教科書の例をたくさん持ってまいりましたのですが、一例といたしましては、たとえば家計簿のつけ方というようなものが小学校六年ぐらいで出てまいります。それから買い物の仕方、買い物をする場合にも生活の計画を立てまして、そうしてむだな買い物をしない。あるいは家族の一員が、自分だけがわがままをしたいということでほかの人を犠牲にしてはいけない。あるいはほころびというようなものができたときに、すぐ新しい物を買うのではなくて、そのほころびを直していく。そういうことが小学校段階で出てまいります。 他方、資源というものを尊重しなければならないというのが比較的早く出てまいりますのは、木を育てるというような問題に関連いたしまして、これは小学校段階で出てまいります。ですから、伐木の後には必ず植林というものをしなければいけない。しかし、やや高学年になってまいりますと、五年ぐらいでありますが、林産資源の保存、開発、これをどうしていったらいいか。さらに水産に関連いたしましても、やはり乱獲というふうなものは避けなければいけない。 〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕 それから水というものも重要なエネルギー源であるから、そういうものについても注意しなければならない。以上のようなことでありますが、そのほかに、たとえば石油の問題というようなものも、エネルギー源として国際的な問題であるというようなことの段階まで来ておりますのは、中学の社会科の「公民」の最も新しい版でございますが、こういうところでは、やはり今後エネルギー源というものを十分に考えながら産業の発展を考えるべきである。また、電気というものは今後一層重要であるけれども、その電気というものも無制限に使えるわけではないから、たとえば問題といたしまして、自分の家で使っている電力ですが、消費電力の使用時間を調べて一日に消費する電力量を求めるというような練習問題をつくったりいたしまして教えているということでございます。これは現段階までのことでございますが、しかし将来次第に、この問題を考えていく上では単に日本のことだけではなくて、やはり人類共通の問題として物を、省資源といいましょうか、そういうことを考えていく方向に進めるべきものだと考えております。
○最上進君 ただいま大臣から御説明がありましたし、私もいただきました学習指導要領なども読ませていただきましたけれども、やはりいま教えている内容というものは現状説明的なものが非常に多い、開発状況であるとか、その有効利用であるとか。私は、やはり資源の有限性というものを子供たちにいまから教えていかなければいけない。ただ単に開発されている状況だけでなくて、資源というものがいつか枯渇するものであるということを、やはり子供たちに単刀直入に訴えていかなければいけないというふうに考えておりますけれども、これからやはり資源の有限性に基づいた、物を大切にする精神というものをやっていただきたい。その点、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(永井道雄君) まことに仰せのとおりでありまして、資源によって有限な物もありますが、他方、資源をつくるといいましょうか、たとえば乱獲をしないで魚類の養殖を行う、あるいは植林なども同じ問題でございますが、そういういろいろな面を持っていると思いますが、そういうことを十分に事柄それぞれに即して、資源を大事にしていくという教育を進めるべきであると考えております。
○最上進君 次に、福田経企庁長官にお伺いいたしますが、先般来衆議院予算委員会におきましても、資源エネルギー長期計画の上に立って経済社会基本計画、いわゆる国土利用総合開発計画などの長期計画をお進めになる、そういう御答弁がございました。また所信表明の中におきましても、資源有限の時代に入って、省資源、省エネルギーの方向で対処する意味で、五十一年度から新しいいわゆる経済計画を策定するとお述べになっておられますけれども、どのくらい先を見通したいわゆる経済長期計画をお立てになるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 長期計画は、ざっと粗ごなしでありますが、今世紀中をひとつ展望する。その展望の中で、社会経済は基本的にどうあるべきかというのは五カ年計画ぐらいで策定してみたい。それから国土の利用をどのように進むるべきかということについては、十年ぐらいの計画を立ててみたいと、こういうふうに考えております。
○最上進君 長期のエネルギー計画に立った上で、いわゆる五十一年度の新しい経済計画、これをお立てになるということでございますけれども、そうすると、やはり長期のエネルギー計画が立たないと新しい経済計画は立てられないということでございましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 大体そういうことになりますね。両々相並行して進むということになりますが、長期エネルギー計画なしに社会経済の計画も国土利用の計画も立ち得ないのですから、両両相並行して進める、こういうふうに考えています。
○最上進君 エネルギー庁長官にお伺いいたしますが、エネルギー長期計画の策定は、どのくらい先を見越した計画をおつくりでありましょうか。
○政府委員(増田実君) 現在私どもの方で作業しております長期のエネルギー計画は、十年先でございますから一九八五年、昭和六十年度までの長期の需給計画を立てようということで、現在作業いたしておるわけでございます。
○最上進君 そうしますと、昭和五十五年−六十年度のいわゆるエネルギー需給算定の方法は、どのようにするのでございましょうか。
○政府委員(増田実君) この長期計画の算定につきましては、三つの部門から検討いたしておるわけでございますが、一つは供給の面、もう一つは需要が今後どういうように伸びるか、それから第三には節約あるいはエネルギーの使用の効率化がどれくらい行われるか、この三つの部門から検討いたしまして、長期計画を作業いたしておるわけでございます。
○最上進君 エネルギーの需要部分からの算定には、少なくともわが国の長期経済指標が必要であるというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(増田実君) 昭和六十年度までの経済成長率というものにつきましては、これは現在経済企画庁の方でも御検討になっておるわけでございますが、まずその経済成長はどれくらいが可能であるかということにつきましては、逆に資源の方の制約がございまして、資源の制約でどれくらいの成長が可能かということについて計算もいたさなければならぬわけでございます。私どもの方は、一応その資源の供給の可能性というものを出しまして、それによりましてどれくらいの成長が可能かということを計算いたしておるわけでございますが、一応成長率といたしましては、去年通産省で産業構造ビジョンというものを立てました。これを参考にいたしまして、それに基づきまして、この成長率に見合ってどれくらいの供給が可能であるかということを計算しておるわけでございます。
○最上進君 経済企画庁長官にお伺いいたしますが、五十年度以降のGNPの伸び率はどのくらいにお踏みでございましょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 率直に申し上げまして、まだそれは決めていないんです。これから、世界経済がどう動くかというようなことをこの一年かけてよく見てみまして、そうしてわが国の物価をどうやって安定させるか、それにはどういう速度の成長がいいか。それから国際収支を均衡させなければいかぬ、それにはどの辺の成長を妥当とするか。それからいまお話しの資源の問題ですね、資源もにらまなきやならぬ。それから公害日本列島なんて言われないように、公害対策のことも考えなきゃならぬ。それからまた、世界の趨勢とかけ離れて日本経済だけが動くわけにはいきませんから、世界の成長率というものがどんなふうに動くであろうかという観測もしてみなきゃならぬ。それらを総合いたしまして決めていきたいというのですから、まあ今年いっぱいかかるだろうと、こういうふうに見ております。
○最上進君 先ほどエネルギー庁長官からもお答えがありましたが、四十九年九月に出されました産構審の「産業構造の長期ビジョン」の中におきましては、そのビジョンの根底になったGNPは、四十九年度、中期調整期間として二%をマキシムとして、一、二%低目に見たとしても〇%になるわけです。しかし、実際には四十九年のマイナス一・七%というかなり大きなその見込み違いが現にあるわけですけれども、五十年度以降も余り大きなGNPの見込み違いがあると、当然需給算定の狂いが生じてくるというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(増田実君) ただいま先生御指摘になりましたように、去年作業いたしましたときには二%でやったわけでございます。それが現実にはマイナスになっているということでございますので、やはり最新の数字に合わせまして私の方は作業を進めていきたいと思っております。
○最上進君 エネルギー需給算定をするために部門別のエネルギー需給バランスが出ても、さらにこれをむずかしくしているのがいわゆる制約要因であります。中東の問題あるいは世界経済の情勢、石油価格の問題、先ほど経企庁長官からお話がありました国際収支の問題、どれをとりましても重要な制約要因でありますけれども、まず国際収支の今後の見通しについて、これは大蔵大臣から御答弁いただければありがたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) まあ長期的に見ますと経常収支はとんとんに持っていくべきであるし、またそうしないとやっていけないと思うのでございます。ところが、当面はまだそこまでいっていないわけでございます。幸いにいたしまして、輸出は世界の景気が不況でございまするので伸び悩んでおりますけれども、輸入の方は、国内の景気が停滞いたしておるために輸入がふるわない、あるいは対ドルの円為替が比較的高目に維持されております等々の理由で輸入が比較的落ちついておりまするので、経常収支は比較的よく改善されておるわけでございます。それから長期の資本収支も予想よりは改善の方向に向いておりますので、政府が、四十九年度は五十五億ドルぐらいの赤字に基礎収支がなるのでなかろうかと言っておりましたけれども、私は、それよりはよほど改善された姿に実績的にはなるのではないかと思っております。そして、五十年度はどうかといいますと、政府は基礎収支が三十九億ドルの赤字にとどめたいという目標を掲げておりますけれども、私はその達成は不可能ではないと考えております。
○最上進君 大蔵省の十七日の発表によりますと、二月の国際収支が総合で二億七千万ドルの黒字であるということであります。二月の国際収支の大きな特徴は、ただいま大臣からお話がありました長期資本収支、これが二億四千万ドルの黒字が出たということだと思うんです。この原因、長期資本収支がいわゆるこれだけ黒字が出ているその原因は一体何でございましょう。
○政府委員(大倉眞隆君) 最上委員御指摘のとおり、二月の基礎収支黒字の大きな原因の一つが長期資本収支の黒字でございます。原因は資本流出、流入の両面にございまして、資本の流出のサイドでは二月が、まだ推計値でございますが、月間一億四千万ドル程度でございまして、これは一月の二億六千万、十二月の三億八千万というようなものに比べまして、例月よりも資本流出が少なかった。たまたま大口案件がここにこなかったという面もあろうかと思います。一方、流入側では三億八千万ドル程度の流入になっておりまして、この中で特に注目されましたのは、いわゆる外人の証券投資が、従来ずっと売り越しできておりましたものが一月から買い越しに転じまして、一月中に約二億八千万ドルの買い越しになったという点が大きく作用しているように考えております。
○最上進君 オイルダラーの還流に伴いまして、産油国の対日投資がますます活発になってくると思います。特に、金融ベースでなくて、経営参加を目指したいわゆる株式取得がわが国の産業企業には非常に大きな影響を与えるのではないかというふうに危惧しておるわけでございますが、この点どのような対策をお立てになるのかお伺いいたします。
○政府委員(大倉眞隆君) 御承知のとおり、現在日本は、制度といたしましていわゆる資本自由化をいたしておりますけれども、自由化の際、いろいろの御論議を経まして、現在のシステムでは、形はやはり株式取得につきましては個別に認可を求めなくてはならないという形をとっております。ただ自由化の実質といたしまして、いわゆるポートフォリオとしての株式投資につきましては、これを自動的に認可するという形をとっておるわけでございます。したがいまして、経営参加的な株式取得につきましては、いまのシステムのもとでも個別に承認を求めなくてはならない。いままでのところ、報道はいろいろございますけれども、現実問題といたしましては、オイルマネーによります経営参加的な株式取得の申請は出てきておりません。今後出てまいりました場合には、現在の基準でございます——株主で一社一〇%を超える取得、あるいは外人投資全体で一般業種で総株数の二割五分を超える取得につきましては、個別審査の対象といたしまして、経営者側の意見も十分聞きまして慎重に対処いたしてまいりたいと、かように考えております。
○最上進君 すでにオイルダラーによる先進工業国の、いわゆるアメリカ、西ドイツの大手企業の特に鉄鋼や石油、自動車などの業種への株式取得が進んでおります。しかし、西ドイツあたりでもすでに重要産業を守るということで規制措置をとり始めておられる。そういう中で、アメリカや西ドイツが産油国の投資を締め出す政策を今後とっていきますと、有力投資先として日本にオイルダラーが集中する、そういう可能性があるわけです。そこで、先般来問題になっております外資法による経営参加的な投資につきましては、外資法運用に伴う内規として、業種別に外人投資の限度を含めたいわゆる運用基準をつくるべきだというふうに考えているわけですけれども、その運用基準をどの程度厳しくするか、これがまた問題だと思うのです。この点いかがでございましょう。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま御指摘のような動きが今後一つの可能性としてあり得るという点につきましては、私どももそのように考えております。御質問の中にございましたように、西ドイツで、その点について何らかの対応策を必要とするのではないかという考え方が出てきております。と申しますのは、実は西ドイツは、先ほど私が申し上げましたほどのコントロールも全くできない、全くの裸でありますので、たとえば問題になりましたベンツの場合に、売り手が相談してくれたからあのように処理できた。しかし、売り手が黙って売ってしまえば、結果的には経営参加のオイルマネーが入ってきたことになる。今後ともそれでいいんだろうかということで、かなりの議論がなされておるということは事実でございます。また、アメリカにおきましては、現在のアメリカの証券取引委員会のコントロールのもとでは、ある程度を超えますと、御承知のインサイダーということになりまして、かなり厳密に取引の内容を報告しなくてはなりませんので、いまのところ非常に匿名制をとうとんでおりますオイルマネーは、アメリカの企業について、一般論としましてはまだ経営参加的な取得に動いてきておらない。ごく一部の銀行とか航空会社についての非常に個別的な話はございます。ただアメリカにおきましても、やはり国防産業を軸といたしまして何らかの制限業種的なものを考えるべきではないかという動きが、議会筋その他にあるように聞いております。 今後の私どもの考え方としましては、適当な場所を求めまして、ドイツ、アメリカ、御指摘のように、その次に大きな魅力のあるマーケットとしての日本というところを中心にいたしまして、お互いによく情報を交換いたしました上で、それぞれが資本自由化という基本的な考え方に抵触しない範囲内で、しかも、オイルマネーと他の外国の資本とを差別的に扱うことをしないという考え方の範囲内で、どのようなコントロールが適当かどうか、あり得るかどうかというようなことを逐次議論していくことになるのではなかろうか。その場合には、私どもだけでございませんで、産業政策の担当官庁と十分協議いたしながら、今後とも適切な措置がとれるように研究もし、議論もいたしてまいりたいと、かように考えております。
○最上進君 官民合同のシンクタンクであります総合研究開発機構の調査報告によりますと、今後石油化学はそれほど上がらないという見通しを立てております。OPEC諸国のいわゆる経常収支の黒字は、大体一九七四年の六百二十億ドルから八〇年には三百億ドルに半減するであろうという予測を立てております。一方先進国は、産油国の輸入増加やあるいはオイルマネーの取り入れで、大体七九年には経常収支の均衡が回復するのではないかと言われております。オイルマネー還流の中で日本のとるべき姿勢、これは当然国家利益、そして海外協力、国際協力、こういう関連性の中で今後どのようにこの問題を処理していくか、その辺をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) オイルダラーが産油国から消費国に還流するシステムが定着をいたしまして、世界の金融秩序が維持されるということは、世界経済の秩序を維持する上から申しまして、非常に大事なことだと思うのであります。わが国といたしましても、それに対して応分の貢献をしなければならぬと考えておるわけでございます。したがって、IMFを通じまして、この還流の一つの輪ができておるわけでございますが、それに対しまして、わが国は有力な一員として協力申し上げておりますことは御案内のとおりでございます。今度OECDに新たに金融支援基金というものができることになりまして、二百五十億ドルに相当する支援基金が二年間にわたって活用されるという約束が近くできるわけでございまして、これに対しましても、応分の寄与をしなければならぬと考えておりまして一われわれといたしましてはできるだけ多極的、いろんな方法が組み合わさりまして、その還流が円滑にまいるようにしてまいることによって、世界の貿易が縮小均衡にならぬようにやってまいることが大事で、そのために日本は応分の寄与をしなければならぬと考えております。 〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕
○最上進君 特にOPEC諸国の中でもイラン、イラク、アルジェリア、こういうところでは、大体一九七七年ごろには貿易収支の黒字がなくなるであろうというふうに言われております。三木総理は先般の当予算委員会におきましても、その答弁の中で、中東諸国とのいわゆる外交問題は南北問題としてとらえるんだという、そういう御発言がございました。積極的に発展途上国の国づくりに協力していくのが日本の使命であるというふうにも発言しておられます。折しもイランから高速鉄道建設につきまして日本に協力要請があったということも伺っておりますけれども、今後こうしたイラン、イラク、アルジェリア、こういうところに対して日本がどのように手をかしていくのか、これはひとつ外務大臣からお答えをいただければと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、現在産油国が持っております考え方は、自分たちの持っておる資源はいつかの日には枯渇をするのであるから、それまでに近代工業国家として自立をしていきたいという、こういう考え方が基本になっていると思いますし、私どもそれはきわめてもっともなことであると存じております。そういうことで現在、それらの国との経済協力関係を深めていこうとしておるわけでございますが、ただいままでのところ、それらの国が比較的金はないわけではない。しかし、広い意味での技術、これはマネージメントを含めまして、広い意味での技術というもの、あるいは技術者というものに欠けておるわけでございますから、そういう意味での援助をしてくれというお話が多うございまして、ただいま御指摘になりましたイランの鉄道などもその一つでございますが、そういう面を通じまして、日本が持っております広い意味での技術上のわれわれの持っております高度なものを向こうへ持っていって援助をするとか、あるいは向こうから人に来てもらって学んで帰ってもらうとか、いろいろ態様はあろうと存じますけれども、そういう形で彼らが持っておりますその近代化、工業化というものの手伝いをする、そういう心構えでやってまいりたいと思っております。
○最上進君 次に備蓄の問題に移りますけれども、今回行われます九十日間備蓄の問題、これのいままで至ったその経緯、目的、これをひとつ、政府委員で結構でございます、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(増田実君) 備蓄制度につきまして、昭和五十四年度を目標にいたしまして九十日の備蓄の推進を行うということを、五十年度より発足する新しい制度でやろうということになっております。それの経緯についてでございますが、四十八年の秋にありました中東戦争、その後のいわゆるOAPEC諸国の輸出の削減というものがございまして、これによりまして相当世界に対しましての石油供給が減ったわけでございます。当時日本では五十九日の備蓄があったわけでございますが、その翌年の四十九年二月には、これが四十九日に切れております。相当備蓄も吐き出してこれに対処いたしたわけでございますが、こういうように石油が不安定な時代には、やはり六十日備蓄では足りない。それから欧州諸国が大体九十日から甘口の備蓄を持っておりまして、ああいうような石油の供給削減がありましたときには備蓄をもって切り抜ける、これがありませんと、石油危機の直後に見られましたようにいろいろな影響がございまして、国民に非常な不安を与える。あるいは一部物不足になったり、価格が高騰するといういろいろな波及効果がございます。そういうことで、世界的に備蓄というものはやはり九十日以上持つということが普通の常識になっております。わが国が六十日分しかないということで、これを九十日に引き上げる。このために先ほど申し上げましたように、昭和五十年度を初年度といたしまして五十四年、五年間かけまして九十日まで持っていくという新しい政策をとろうとしておるわけです。 以上申し上げましたのが、備蓄政策についての簡単な御説明でございます。
○最上進君 国民は、まだまだ石油に対して敏感でございます。私に対してもいろんな話が耳に入ってまいります。たとえば、今度国は九十日分の備蓄をすることになったけれども、これで幾らか安心できるとか、あるいは油はもう余っているのに何で国が備蓄をするんだろう、そういうことを言う人がいます。その中で私は共通しておりますことは、ただいまエネルギー庁長官の説明にもありましたとおり、IEAの存在あるいはOECDの存在、そういうものに対して一言もやはり御説明がない。私は今回の九十日間備蓄について国民がいま率直に感じていることは、わが国の石油の供給の危機に際していつでも自分の意思で取り崩しができる、そういう九十日間備蓄であるということをみんな考えているわけです。すなわち、そのIEAの存在あるいはその要請というようなものも全く知らない。もちろん国際的に互いにいわゆる助け合う、十六カ国が融通し合う、そういう制度であるということなんかは国民は全く知らない。政治に、やはり私は秘密があってしかるべきであると思いますけれども、何かこの問題を、ただいまの答弁を聞いていても、ぼやかしているような気がしてならない。私は国民に、やはりこの辺誤解を与えないように明確にすべきところはする、そういうことが私は必要であるというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(増田実君) ただいまお話ございましたように、IEA、国際エネルギー機関、昨年の十一月に発足いたしまして、いわゆる石油の供給が削減されましたときの緊急融通制度というものを、現在一応結論に近いところまで出ておるわけです。その制度の中では、各国が九十日の備蓄を持つということを一応目標にすべきだということになっておりますが、ただ九十日につきましてそれをいつまでに達成するかということにつきましては、現在まだこの会議で検討中でございます。 それからただいま御指摘のありましたように、つまり、IEAでこういう制度があるので、日本で九十日にしなければならないという点があるのではないかということでございますが、私どもが九十日備蓄構想というのは、いまのIEA、国際エネルギー機関で九十日という考えが出ます前から、やはり欧州諸国では九十日ないし百日持つ、日本でもやはり九十日持つべきだということで考えておったわけでございまして、むしろIEAで九十日備蓄構想が出ますのにつきましても、日本も九十日というものを将来達成するという目標を現在検討中だということを説明いたしました結果、九十日というのが一つの目標として出てきておるわけでございます。ですから、ただいま申し上げましたように、国際的な国際エネルギー機関で九十日ということが決まったから日本で九十日構想というものを無理やりにやるというわけではございませんで、やはりこういうエネルギー供給の不安定なときに、九十日持つのが世界的な常識になっておる、そういうことに基づきましてわが国の備蓄制度というものを考えた次第でございます。
○最上進君 十六カ国がお互いに助け、融通し合う、私はIEAの存在そのものを批判しているものではございません。また現状がたとえ供給不安が少なくなっているとしても、私はIEAあるいはIEPというものは必要であるというふうに考えております。それに基づいて九十日備蓄ももちろん必要であると考えております。しかし、国民に私は誤解を与えることだけはよくない。日本の緊急時に備えた単独な備蓄であると大多数の国民が私は感じているのではないかと思います。これからはやはり軍事的にも経済的にも一国のみの安全保障ということはあり得ない時代に入っている。そういう観点からOECDとIEAとの関係、そしてIEAに参画することがわが国のいわゆる石油供給体制に必要であるということを、やはり国民に明確にしなきゃいけないというふうに考えているわけです。一部には、このIEAの日本の参加については国会での承認を求める声すら上がっております。私はそこまでいかないにしても、少なくともやはり国民にだけは勘違いさせないようにしていただきたい、こういうふうにお願いをしたいわけでございます。 次に、省資源、省エネルギーの問題についてお伺いしたいと思います。IEPの緊急時の措置におきましては、供給削減が七%以上一二%未満で七%の需要抑制、また供給削減が一二%以上のときは一〇%の需要抑制を行うというふうにありますけれども、わが国としてはこうした緊急時でなくても、資源のない国として、あれば使うという考え方でなくて、常にやはり節約をするという考え方に立って世界の国々にも呼びかけるぐらいの気持ちが欲しいと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。これは通産大臣、できますならばお願いします。
○国務大臣(河本敏夫君) ごもっともなことでございまして、政府の方でも昨年十二月に資源と節約を大切にする運動というものを展開しておりますと同時に、ほぼ年間九百万トンの石油の節約をするということで、それぞれ非常に具体的にプランを進めておるわけでございます。今後は、やはり国際会議もいろいろございますが、その会議の一つの大きな課題というものは、この石油節約を世界的な規模でどう進めていくかということが大きな課題であろうと思います。そういう意味からも、この問題は今後日本としても大きく取り上げていかなきゃならぬ課題だと思います。
○最上進君 昨年話題になりましたエネルギー節約国民運動は、その後どのように実行、実現されておりましょうか。
○政府委員(増田実君) エネルギーの節約につきましては、石油危機のときに、各種の節約を行政指導あるいは各種の方策で行ったわけでございますが、ただエネルギーにつきましては、その後到着した数量は去年の半ばごろ相当豊富になって、よく言われますようにタンクいっぱいになっているということでございますが、しかし長期的に見ますときには、石油の供給というものはきわめて不安定であります。また将来この供給が削減されるおそれもある。また、石油そのものがこれは有限な人類の貴重な資源であるということで、石油危機のときに行いました節約をさらに定着化して続けてやろうということで、昨年の十二月に資源とエネルギーを大切にする運動本部、これは内閣に置かれておるわけでございますが、ここにおきまして、ことしの一月からの節約方針というものを決定いたしたわけでございます。 大要を申し上げますと、産業部門につきましては、いわゆる工場その他でございますが、これらにつきましてはエネルギーの消費節約の原単位というものを届け出まして、それを守り、後その実績を報告するということでエネルギー消費の節約を図る。それから事務所管理部門については一〇%の削減を行うということでございます。それから、いわゆる一般の民生部門におきましては、一〇%を消費節約の目標として国民の御協力をいただく。それから官庁におきましては一二%の節約を行うという大体内容でございまして、これによりまして、従来から行っておりました節約をそのまま続けて行っておるわけでございます。例を申し上げますと、たとえばガソリンスタンドについては日曜・祭日の休業、あるいはネオンの自粛その他を引き続き行っておるわけでございます。 大体以上のような形で行っておるわけでございますが、これにつきましては国民一人一人の御協力を得ないとこの節約はできないわけでございまして、このための各県におきます推進の会議というものを現在発足しつつあります。県単位でこのエネルギーの節約運動を行いまして、そしてこの節約の必要性につきまして、一般の方々、国民の一人一人の理解を得て、そしてそれによって協力していただく、こういうことでやっておるわけでございます。
○最上進君 ただいまの説明の中で、その県に置く推進の会というものはどういう性格のものでございましょうか。
○政府委員(増田実君) 先ほど申し上げましたように、節約運動は国民側における自主的な御協力を得なければならないわけでございますが、各種の消費者団体がございますが、この団体を中心にしまして節約運動というものを行いたい。そこで、各都道府県が中心になりまして、これらの団体の参加を得まして、そして各県ごとに省資源国民運動地方推進会議というものを発足いたすわけでございます。現在私どもが聞いておるところでは、二月までに大体二十五府県におきましてこの地方推進会議が発足いたした。さらに三月中には十三府県で発足の予定であるということでございます。
○最上進君 備蓄につきましてもう少し具体的にお伺いしますが、現在の石油の在庫はどのくらいありますか。
○政府委員(増田実君) 一月末の数字で申し上げますが、原油で二千七百四十一万二千キロリッター、これは日数にいたしますと三十二・六日分、それから製品、半製品二千四百五十二万八千キロリッター、日数にいたしますと三十・九日分、合計いたしまして五千百九十四万キロリッター、六十三・五日分ということになっております。
○最上進君 今回の備蓄の制度によります助成対象の個別石油企業というものは、どのくらいあるのでございましょうか。
○政府委員(増田実君) 備蓄につきましては、近く備蓄法を御審議願うということで、それによりまして内容が決まるわけでございますが、私どもの方の考えております備蓄の助成の対象につきましては、石油精製業者、これは三十一社ございますが、その申し出によってこれに助成するわけでございますが、対象といたしましては、この石油精製業者三十一社が対象になると、こういうことでございます。
○最上進君 ただいま石油備蓄法の話が出ましたけれども、いわゆる民間石油企業のランニングストックというのは、大体四十日分から四十五日分と言われております。その中で、今回は民間企業に、そのランニングストックをオーバーして六十日分の備蓄を法的に義務づける考えでございましょうか。
○政府委員(増田実君) 確かにただいまおっしゃられましたように、石油企業として普通のランニングストックは大体四十五日ないし五十日というのが常識にされておるわけでございますが、私どもは最近のような石油の非常に不安定な状況のもとでは、少なくとも石油企業は六十日の備蓄を持っているべきだ、それが石油企業というものを行うに当たりましての一つの社会的責任でもあると、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味で六十日の備蓄を各会社に持ってもらうようにいたしたいと、こういうことで考えておるわけでございます。
○最上進君 九十日備蓄に必要な財源の問題でございますけれども、五年間で一兆五千億円であると言われております。この備蓄問題の財源確保につきましては、予算編成当初から大蔵と通産の間でかなり激しいやり取りがあったというふうに伺っております。特に、五十年度より実際に石油備蓄基地が建設されて備蓄原油量が増加してまいりますいわゆる来年度以降から、利子補給金の問題が非常に大きな問題として登場してくるわけでありますけれども、この点はどう考えているのか、どのように対処していかれるのか。これは通産大臣、大蔵大臣、ひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在六十日余りの備蓄を五カ年計画で九十日にするという、その五カ年計画の実現のためには、いまお話しのように相当な財源が要るわけでございます。ことしは御案内のような方法で処理をいたしましたが、来年度以降どういうふうな形で処理するか、これはまあこれからの課題だと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように、いま利子補給でいっておりますけれども、これは将来相当大きく肥大していくに違いないと思います。また、石油・石炭特別会計の状況も見ながら、そういった財源をどのように調達してまいるか、通産当局とよく相談しなければならぬと思っております。
○最上進君 こうした財源難解消のために、かつて話題になりましたいわゆる石油消費税の新設という問題が当然出てくると思うのでございますが、この辺はどうお考えでございましょうか。
○国務大臣(大平正芳君) すでに石油は、重油を除きまして石油製品は課税対象になっておるわけでございまして、新しくまた消費税を考えるとなりますと、その上にさらに税金をかぶっていくわけでございまして、それ自体大きな問題でございまして、いま申しましたように、特別会計のあり方とも関連いたしましてよほど検討しないといけない問題だと思いまして、今後の検討に待たなければならぬと考えております。
○最上進君 次に、基地の立地問題でございますけれども、これは候補地は決まっておるのでございましょうか。
○政府委員(増田実君) 備蓄基地につきましてはいろいろ私どもの方にもお話がございますが、現在候補地はまだ一つも決まっておらないわけでございます。むしろ今後、この石油備蓄法がこの国会を通りましてから候補地を逐次選択していきたいと、こういうふうに思っております。
○最上進君 立地問題も大変重要な問題でありますけれども、特に地方自治体や地域住民の理解というものが大変必要であるというふうに考えております。当初、この構想のときに立地対象の市町村あるいは周辺市町村、これに福祉施設の建設等に充てる資金として備蓄立地促進交付金を交付する、そういう構想があったようでございますけれども、これが見当たらないのでございますが、どういうことになったのでございましょう。
○政府委員(増田実君) 私どもが初め備蓄のいろいろの構想を描きましたときに、ただいま先生のおっしゃられましたように、交付金を備蓄周辺地域の市町村あるいは県に交付金として与えて、それによりまして各種の福利施設あるいは公共事業を起こしてもらうという構想を考えておったわけでございますが、この構想は、いわゆる電源三法の構想に一応ならった制度でございますが、御存じのように電源三法の方は、いわゆる電源税というもので、これを財源といたしまして交付金の制度になっておるわけでございます。ただ備蓄につきましては、そういう税金構想というのは五十年度にはございませんので、ただ付近の市町村あるいは県、まあいろんな問題がございます。ことに県で各種の環境調査と申しますか、安全調査その他をいたす費用がございますので、これにつきましては、各県に対する調査費として今回の予算案には計上されておるわけでございます。ただ、先生の御指摘の交付金というものは今回は載っておらないということでございます。
○最上進君 備蓄問題、大体わかりましたけれども、次に省エネルギー化の基本方針、特に省エネルギー型の産業への移行というものが非常に大きな問題だと思います。特に産構審の長期ビジョンによりますと、まず具体策として海外立地の適正配置、これが挙げられております。海外立地を特に資源保有国に求めていく、鉄鋼はもちろん石油化学につきましても、国内立地の限界性から見て発展途上国や産油国の立地を積極的に進めるべきであると、産構審の長期ビジョンにあるわけでございます。私はこれを読んでみまして非常に感じることがありますのは、従来わが国におきましては、鉄鋼、化学、窯業土石あるいは紙パルプの四産業で大体全エネルギーの約半分、産業用需要の約七割を占めていただけに、海外立地ということは、確かにわが国だけの省エネルギーという点では大変に有効であるというふうに考えております。しかし、省エネルギー、省資源ということは、自分の国の省エネルギーが達成されればいい、自分の国のエネルギー消費量が減じられればいい、海外の資源を使うことは構わないんだという考え方がもう如実にここに私は出ているような気がしてならないのでございますけれども、いわゆる省資源、省エネルギーという問題は、あくまでも最初にお話ししましたとおり、本当にグローバルな物の考え方に立った省資源でなければ本物ではないと私は考えておるのでございますけれども、いかがでございましょう。
○政府委員(和田敏信君) 御指摘のように、先般答申を得ましたわが国産業構造の方向に関しましては、省資源、省エネルギーあるいは技術集約化等を軸といたしましたわが国産業構造の高度化を提言いたしております。このような考え方のバックにありますのは、国際的な分業を推進していこう、世界経済全体での資源の有効利用を図りたいということがその前提として考えられております。先生御指摘のように、海外投資を推進しなくてはならないという提言をいたしておりますが、これはわが国の場合を見ましたならば、省資源、省エネルギー型産業構造の実現という構えになっておるわけでございますが、他面、この考え方には、国内及び国際的な需給バランスの確保、あるいは発展途上国の工業化への協力あるいは産業の基盤強化等の多方面な視点からの要請をいたしておるものでございます。
○最上進君 話題は移りますけれども、次に、サンシャイン計画の見通しでございますけれども、これはどの程度まで進んでいるか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(松本敬信君) サンシャイン計画は、最終目標を二〇〇〇年に履きまして、それまでに太陽エネルギー、地熱エネルギー、あるいは豊富にあります石炭のガス化、液化、さらには水素エネルギー、この四本の柱を大きな柱にいたしまして、最終的には二〇〇〇年のころにわが国のエネルギー需要の数十%は賄い得るような、そういう技術を開発しようということで四十九年度に発足したものでございますので、ただいま順調なスタートはいたしておりますけれども、これからのわれわれの努力に期待しなければいけないというふうに考えております。
○最上進君 太陽エネルギー関係では、本年度予算は大体十億九千万円ついているわけでありますけれども、これはどのようにお使いになる費用か、これをお伺いします。
○政府委員(松本敬信君) 四十九年度の研究成果を踏まえまして、主といたしましては太陽熱発電システム、それから太陽光発電システム、それから太陽熱を利用いたしました革新的な冷暖房給湯システム、こういうものにつきまして機器あるいは材料、さらには全体のシステム等の研究開発をこれから実施していく予定でおります。
○最上進君 ソーラハウスの実用化、これはいつごろになりましょうか。
○政府委員(松本敬信君) サンシャイン計画におきましては、ソーラハウスを非常に大きな、大事な技術と考えておるわけでございまして、個人住宅とかあるいは大型の建築物につきまして、大体昭和五十五年度くらいを完成の目標にして研究を進めてまいりたいと、そう考えております。
○最上進君 私は省エネルギーで一番見落とされているのが、わが国の建築であるというふうに考えております。建物の熱損失を従来の大体二分の一以下に押えることによりまして、暖冷房に必要なエネルギーも二分の一から五分の一の間に減少するということです。日本人の最大の欠点は、判断するときに、好きか、きらいかということだけで判断する。感情だけで決めるわけです。将来を見通して、よいか悪いかという判断ができない。たとえばわれわれが家を建てようとすると、すぐに南に向いて大きな窓をつけようとする。あるいはわが国の日本式の建築では、欄間がない建築というものは安建築だといわれる。こういう、いわゆる日本人の美意識にも通ずるものがありますけれども、これから五十年先、百年先を考えていきますと、われわれは住宅に対する、建築に対する意識というものもまた変えていかなければいけないのではないかということを感じているわけであります。特に、簡単にできることがある。基礎をたとえば現在の建築基準法で決められている四十五センチから七十センチぐらいまで上げていく。あるいは屋根に、天井に断熱材を乗せる。窓はできるだけ小さくする。二重窓にする。そういうことだけでも、それだけの工夫でもエネルギー消費最はものすごく違うわけです。 たとえばイギリスのイングランド、ウェールズにはビルディングレギュレーションで断熱についての最低基準が決められておりますし、北欧は、気象条件が違うにいたしましても、外周壁あるいは屋根、天井の熱還流率まで決められているわけであります。スウェーデン、デンマークなどにおいても、窓は二重窓にせよとか、住宅についてのいわゆる外壁や天井の熱還流率がやはり決められているわけです。スイスはわが国とそんなに気象条件は違わないわけでありますけれども、最近二重窓から三重窓にしようという動きすらある。先ほどエネルギー庁長官が、国民の協力があって初めてエネルギーの節約というものが達成されるというお話がありましたけれども、まさにそのとおりでありまして、これから住宅を建てる人にやはり協力していただく。将来を見越して省エネルギーという点に焦点を合わせた、いわゆる省エネルギー建築というものを国が率先して国民に浸透させていく、誘導していく、こういうことが私は必要ではないかというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょう。
○政府委員(救仁郷斉君) 御指摘のとおり、わが国の住宅は伝統的に、開放性ということをどちらかと言うと重点的につくられてまいっております。これはわが国が非常に夏場、高温多湿であるということからきているわけでございます。したがって、暖房の省エネルギーといったようなことから考えますと、非常に不経済な建て方だということは言えるかと思います。ただ日本の場合に、北海道、東北等は別でございますが、関東から南の方にまいりますと、むしろ夏場の、いわゆる暑さを防ぐということに主眼が置かれておりますために、たとえば窓を小さくするというようなことになりますと、夏場の冷房が直ちに非常に必要になってくる。逆に省エネルギー的な見方をいたしましてどちらが得だろうかというような点もございます。そういったことを考えまして、これからの住宅の指導といったようなものにつきましては、断熱性能といったようなものを重視してまいりたいというように考えております。従来も北海道におきましては、北海道防寒住宅建設等促進法という法律に基づきまして、公的な住宅につきましては防寒構造にするようにというようなことをいたしておりますし、また、最近普及してまいりましたプレハブ住宅等につきましては、そういった断熱性能をちゃんと表示させるようにというような指導もいたしております。今後ともそういった省エネルギーというような見方から、住宅の断熱性能の向上というようなことについては十分指導してまいりたいというように考えております。
○最上進君 本当に省資源、省エネルギー、節約というものを国民に求めるならば、国民のできるところから協力してもらうように、単に頭ごなしに規制をするということでなくて、たとえばソーラハウスや省エネルギー建築を実行に移そうとするそういう人々に対して、たとえば新築時のいわゆる取得税の減額、あるいは住宅論敵公庫の融資の優先、または利子のパーセンテージを引き下げる、そういう融資や税制上の優遇策によって国民を省エネルギーあるいはエネルギーの節約という方向に誘導していく、そういうことが私は非常にこれから大事であるというふうに考えておりますけれども、この辺税制上の優遇等、ひとつ御検討いただきたいというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(救仁郷斉君) ただいま御指摘のように、ソーラハウス等いろんな開発計画がなされておるようでございます。ただ、残念ながら実刑化にはまだ若干の時間を要するようでございますが、そういったことが実用化され、あるいは省エネルギーという観点からこれを普及すべきだということに相なりました場合には、建設省といたしましては、金融あるいは税制等を通じまして十分普及を図ってまいりたいというように考えております。
○最上進君 それでは、次に原子力発電の問題でありますけれども、原子力船「むつ」の新定係港の決定もなかなか思うようにいかないようでありますけれども、これからのわが国の原子力開発の成否のかぎを握っているのは、やはり国民の理解と協力が得られるかどうかであるというように私は考えております。特に、世界で初めての被爆を経験したわが国民の核アレルギー、原子力アレルギーというものは、想像以上に強いものがございます。この国民の核アレルギー、原子力アレルギーを解消しない限り、やはりある段階までいっても、日本の原子力開発というものはにっちもさっちもいかないのではないかというように考えておりますけれども、その点この解消策、これが基本であると思いますけれども、どのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) まさしくお話のとおりだと存じます。まず一番問題になりますのは、「むつ」の問題以来、国民の政府の原子力行政そのものに対する信頼度というものは失われつつありますので、これをいかに回復するかということが大変重要な点だと存じます。したがって、新聞でもごらんかと存じますが、昨日内閣に原子力行政懇談会を設けまして、原子力委員会まで含めて今後の原子力行政のあり方をどうするかという点を真剣に検討いたしまして、その結論に基づきまして、これを新しい機構に譲りたいと存じます。ただ、それまでほっておくわけにまいりませんので、御承知のように今年度から原子力安全局というものを新設いたしまして、ここでとりあえず将来の基礎固めの出発点にしようということで、ただいま進めつつございます。 それが原子力行政機構の問題でございますけれども、さて、そういう機構が整備してまいりますと、何をやるかという問題が大変重要な問題でございまして一これが中心課題になると思いますけれども、一つは、安全に対する日本独自の研究が大変不十分だったわけでございまして、ただいまはアメリカの軽水炉に対しては原子力研究所が中心になってこの研究を進めております。また新しい炉、すなわちファストブリーダーといったようなものに対しては動燃事業団が当たっておりますけれども、将来とも大変重要な問題でございますから、安全研究にもっともっと力を注ぐべきだということ。それから第二点は、審査、検査等が一元性を欠いているんじゃないか、あるいは責任の所在が不明確だという非難がございまして、これをどうするかも大きい問題でございます。同時にまた、そういう問題が逐次固まっていくにつれまして、先ほど当初御指摘ございましたように、国民の理解を得るためにはどうするかという問題でございますが、そういう点が整備してまいりますれば自然解消していくものとは存じますけれども、しかし、積極的に理解を深める方途というものは必要でございますので、国民との対話を深めるとか、あるいは諸種のPRをするとかいったような問題で、理解を深める——運動と言ったら語弊がありますけれども、今後とも強力に進めてまいりたいと存じます。ただ、従来から非常にどうも他国に比してちょっと異色だなと思われるのは、第三者等に与えるあるいは環境汚染はしないいわゆる事故、重大事故でありますけれども、アメリカの方ではリスクということで分けておるようですが、これと原子炉内の故障等が混淆いたしまして、ちょっとした故障が起きますと、すぐこれが第三者に重大な影響を及ぼすというふうなこういう考え方がありますので、こういう点を是正するということが大変重要じゃなかろうかと実は考えております。
○最上進君 原子力開発長期計画になぞらえますと、現在の発電量はどのくらいおくれているんでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 昭和六十年度、六千万キロワットというのがいままでの目標でございましたが、おととしなどは一基も着手しておりませんので、具体的には、大変現実の問題としてはおくれておるのは事実でございます。したがって六十年度に六千万キロというのは、いまの足取りからまいりますと、計画はそのまま実施できないだろうという見通しは大変強うございますが、せっかく安全問題等を今後固めてまいりますと、地固まって、いわば跳ぶ前に踏めということでございますから、次第に原子力発電の方にも力が入っていくのじゃなかろうかと、こういうふうに考えております。
○最上進君 長官のお話で、大体計画目標達成が不可能であるというお話でありますけれども、不可能であるならば、いわゆる国民の原子力アレルギーというものを解消するためにも、まず原子力開発長期計画を、その数字を修正していかなければいけないのではないかというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど福田経済企画庁長官からお話がございましたように、国の長期計画のあり方としては、経済企画庁の長期計画ができまして、国民経済の規模あるいはその規模に必要なエネルギー量、そのエネルギー量をさらにどういうふうな案分で調達するかといったような問題が決まってきませんと、これは本格的に決まらないわけでございますけれども、といって六千万キロそのままでそれが決まるまでということでいいのかという反問もございますので、ただいま通産の方でもいろいろ作業を進めておるようでございますし、私の方でも原子力委員が中心になりましていろいろ作業を進めつつございます。
○最上進君 最後に要望いたしますけれども、昭和五十二年ごろから海洋投棄を固体廃棄物についてするという話を仄聞しておりますけれども、ことし開かれます海洋博のテーマは、「海——その望ましい未来」ということであります。この海洋廃棄物の問題の安全性というものはいま非常に研究をされておりますけれども、海洋投棄だけはぜひ避けていただきたい、あくまでも陸地保管なり、陸地処分ということをひとつぜひ研究していただきたい。それが、せっかくことしわが国が海洋博を開くその趣旨にのっとるものであるというふうに考えております。 これを要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして最上進君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 久保亘君。
○久保亘君 大平さんは、田中内閣から三木内閣にかけて、政変とも言える内閣の交代の中で大蔵大臣を続けておられますが、前の内閣から新しい内閣にかわって、政治姿勢の上でどのような変化が起こったと感じておられますか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 引き続き財政の仕事を担当いたしております。ただひたすら財政の仕事をいたしておりますので、政治姿勢、いずれの内閣も自由民主党の内閣でございまするし、政治はその時代の要請に応じて適切な対応を誠実にやってまいらなければならぬわけでございまして、いろんな評価、批判があるでございましょうが、田中さんは田中さんとしてベストを尽くされたことでございましょうし、三木さんは三木さんとしていまの局面に最善を尽くされておると思いますので、別段変わった印象を持っておりません。
○久保亘君 副総理に同じことをお聞きいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 三木内閣は、清潔で社会的公正の政治を行うと、こういうことを非常に強調しているわけですが、そういう面におきまして大きな変化はあったと、かように考えます。
○久保亘君 大蔵大臣と副総理の間では大分受け取り方が違うようでありますが、そこで大蔵大臣に、田中金脈の問題についてお尋ねをいたします前提として、いわゆる田中命脈にまつわる疑惑が引き起こした政治不信は、今日解消されたとお考えになっておりますか。
○国務大臣(大平正芳君) 完全に払拭されたというように私感じておりません。
○久保亘君 それでは、金脈に関連をして具体的なお尋ねをいたしたいと思います。 田中氏及びその関連企業の納税上の疑惑についての国税庁の調査結果及びその処置について、大蔵大臣は報告を受けておられますか。
○国務大臣(大平正芳君) はい、受けております。
○久保亘君 国税庁長官、大臣に報告された内容を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(安川七郎君) お害えいたします。 大蔵大臣に私どもの方は国税庁の基本的な事項について監督を受けております。したがいまして、田中角榮氏並びにその関連企業の、昨年十一月からいたしましたいわゆる見直し調査の結果につきましては、それぞれの進行の度合いあるいは調査の内容——現在においておおむね個人については申告を了しました。そういうことの内容、かなり詳細にわたって最終的な報告をいたしております。しかしながら、これは官庁内部の上申でございまして、特に、国税庁長官以下は御承知のとおり、所得税法、法人税法等の守秘義務によって、縛られております。これを申し上げるわけにはまいらないわけです。どうか御了承を願いたいと思います。
○久保亘君 会計検査院長、見直しの結果についてまとまっておりましたら、御報告いただきたいと思います。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計検査院といたしましては、この前もお答えいたしましたように、計算証明規則の定めるところによって提出されておりまする証拠書類につきまして、鋭意検査を進めてきたわけでございます。その結果、一法人につきまして十数項目、全法人にわたりますれば百数十項目について、疑問点、資料化すべき問題点等を発見いたしまして、これを国税当局に向かって要求いたしたわけでございます。これにつきましては、一部回答があるものもございまするけれども、まだ未回答の部分もございます。さらに、内部の書類等につきましていろいろ検討をいたしました結果、課税漏れと認めらるべき問題点として数項目を発見いたしております。最近におきまして、修正申告が出されたということを承りましたので、国税庁当局に向かってその申告書の提出を求めております。これは、本日実は検査院に提出せられる予定でございます。その結果につきましては、私どもがいままで検査いたしました結果と照らし合わせまして、本格的な検査を実施いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
○久保亘君 大蔵大臣、あなたの所管になります国税庁長官が守秘義務によって報告内容を明らかにできないということでありますが、この守秘義務は、すべての国民に対して今日まで一貫して同じような扱いがされておりますか。
○国務大臣(大平正芳君) 国税庁といたしましては、税法の趣旨に沿いまして適正に守秘義務を遵守してまいっておると私は確信をいたしております。
○久保亘君 それでは、具体的にお尋ねいたします。 昭和四十三年五月二十一日、衆議院大蔵委員会において、当時の国税庁長官は、森脇将光氏の事件につきまして、脱税その他について具体的に数字を挙げて報告をいたしております。このことは守秘義務には当たらないのですか。
○政府委員(安川七郎君) お答え申し上げます。 当時の事情、私つまびらかにいたしませんが、たしかあの事件は刑事事件でございまして、たしか検察庁から起訴になっておりまして、公判が開かれまして一部事実が明らかになっておるような事件ではなかったかと、かように記憶しております。
○久保亘君 私が言ったとおり答えてもらわなきゃいかぬよ。来国税庁長官のときには守秘義務が適用されていなかったのかと聞いている。
○政府委員(安川七郎君) 守秘義務に関します法令の状況は、現在と全く同じでございます。
○久保亘君 それじゃ、これをごらんなさい。——それは守秘義務の範囲に入らないんですか。
○政府委員(安川七郎君) この国会記録を検討いたしましたが、これは刑事事件となりまして、起訴をされまして、刑が確定いたしておる。そこで、その結果によります税の納付状況、こういうことでございますから、ただいま私どもが扱っております案件につきましての通常の調査における守秘義務の問題とは、若干問題の性質が違うように考えます。
○久保亘君 大蔵大臣、いま長官はああいう説明されておりますが、当時、泉国税庁長官は、森脇文庫並びに森脇将光氏に対してかくかくの脱税があったので、これだけ徴収して、なお残っている分がこれだけあるということを公式に衆議院の委員会において報告されているわけです。田中さんの場合にはそれが守秘義務で防がれる。そういうことは、国民に対して法が平等でないということになりゃしませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 法は国民に対して平等でなければならぬと思います。したがいまして、いま御提起になりました事案につきましては、よく検討をしてみます。
○久保亘君 それじゃ、その泉国税庁長官が衆議院で報告されていることは守秘義務に当たらないという根拠を明確にしてください。
○政府委員(安川七郎君) すでに脱税案件といたしまして法廷でその主張が繰り返されまして、あそこに出ております数字の内容は、その段階で公知の事実になっておったと、かように考えます。
○久保亘君 委員長、いまの答弁では納得いきません、やっぱり法のもとに不平等な扱いだと思いますから。法廷で争われた問題は守秘義務に該当しないという理由は何ですか。
○政府委員(安川七郎君) 法廷におきまして原告あるいは被告の間で数字についてそれぞれ資料が提出されまして、そこでもって全部明らかになっておる、つまり公知の事実になったと、こういうことでございます。
○久保亘君 それじゃ、法廷において公知になっておるということを、そのいまの国税庁長官の答弁とどういうふうに関連しているのか、具体的にやってみてください。
○政府委員(安川七郎君) 守秘義務と申しますのは、私どもが職務上の調査によりまして知り得ました秘密と、こう考えております。したがいまして、職務上知り得た事実がございますが、それが何らかの原因で国税以外の仕事の件で完全に明らかになっておるという場合には、そのこと自身はもう秘密でございませんで、私どもがそれを知り得えましても、これを外部に漏らした場合に守秘義務はかからない、かように考えております。
○久保亘君 それじゃ長官にお尋ねしますが、所得税法二百三十三条は一千万円以上の申告書の公示を必要としておりますし、また、法人税法百五十二条も同じく決算額一年四千万円以上、半期二千万円以上の申告の公示を必要としていると思いますが、田中さん並びにその関連企業は、この所得税法、法人税法に該当しませんか。
○政府委員(安川七郎君) 田中角榮氏個人の公示所得金額で、公示されているものがございます。それから、いわゆる関連企業と申しますものの中で、所得金額がただいま御指摘の金額に達しておるものは、すでに公示されております。
○久保亘君 それじゃ、公示されていたものを修正申告させた場合に、修正額は公示の必要はありませんか。
○政府委員(安川七郎君) 個人の申告ができまして、それが一千万円以上であるという場合には、当該その申告が公示されます。そこで、後日修正申告が出されました場合の当該修正申告は、所得税法の規定によりまして公示義務がないということになっております。なお、法人税の方でございますが、法人税は法律の構成が違っておりまして、後日修正がございました場合のその修正が公示される、こういうような税法の規定になっております。
○久保亘君 それは大変おかしなことじゃないでしょうか。何年もさかのぼって、あなた方が膨大な人と費用をかけて調査をした結果、修正申告をさせた。もとの額は公示を必要とする額であったけれども、その後修正した額については公示の義務がないと言ってあなたは隠すのですか。
○政府委員(安川七郎君) この点は、先般当委員会の寺田委員の御質問でお答えいたしましたが、これは立法論といたしましては、確かに御指摘のようないろいろ問題点があろうかと思いますが、現行法といたしましてはただいま申し上げたとおりでございまして、私どもとしては、その法律の規定とずれまして仕事をするわけにはまいらない、こういうことでございます。確かに立法論としましては、当初のものが公示されておりまして、後日それが修正された場合に、それがなぜ公示されないかという立法論上の問題はあるかと存じます。
○久保亘君 大蔵大臣、そういうような立場から考えれば、これは守秘義務としてあなたが部下に対して公表してはいけないと指示すべきものではないんじゃないですか。もとが公示されているものなんです。その上にさらに重ねて修正申告されたということになれば、その全額が本来ならばだれにでも見れるようにするのが、法の精神じゃありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) いま長官がお答え申し上げましたように、立法論として、立法政策上の問題として先生が言われたような御見解も理解できるところでございますけれども、現行法はそうなっていないということでございます。したがって、現行法によらず措置してよろしいという指示をやるわけにいきません。
○久保亘君 結局私は、いままでの大蔵大臣やそれから国税庁の態度を見ていると、法を盾にとりながら、言ってみれば、法の盲点をかいくぐってこの問題を国民の目に明らかにすることを避けたと、こうしか考えられない。また、田中氏については、そういう意味で他の国民と不平等な扱いをして、守秘義務を盾にとってごまかしてきた、しかも、本人の出頭も現地立入検査も行わずに修正申告で済ませた。そのことについて、国税庁長官がなぜそのような特別な扱いをされたのか、事情を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(安川七郎君) まず、立入調査の件でございますけれども、これは目白の私邸におきますところの土地台帳、それから写真その他各種の資料を完全に提出していただきまして、その点につきまして、土地の状況その他は私どもの課税上の観点については十分な資料が整いましたので、あえて現地を見るという必要がなくなったわけでございます。 それから、田中角榮氏御本人の出頭を求めるかどうかという点につきましては、これは衆議院の予算委員会で私が申し上げましたように、御本人しか知らない事実がある、周りには知らしておらないで、御本人に聞かなければそれが解明がつかない、しかも、その解明がつかないことによりまして税法上の所得計算ができないという問題がありましたらば、これは御本人の出頭を求めて調査官が聞く、こういう考え方で臨んだわけでございます。しかし、ああいったような社会的な環境のもとで、それらの事情、課税に必要な資料というものはほとんど完全に提出ができまして、いわば税務の協力度についてはほとんど問題がございません。したがいまして、あえて御本人の出頭を求めて御本人しか知らない事実というものを課税上必要としなかった、こういう事情でございます。
○久保亘君 私は、これも最後に念のために言っておきますが、昭和四十三年ごろは国税庁は、森脇が幾ら滞納、田中彰治が幾ら滞納という、その数字までちゃんと発表してあるんです。今度だけそういうやり方をされたということで、決して国民の不信は解消しないということを、よくあなた方の念頭に置いていただきたいと思うんです。 それから、国税庁長官に最後にお聞きいたしますが、田中金脈の追跡調査に要した費用は、人件費を含めて推計幾らに達したと思われますか。
○政府委員(安川七郎君) 資料を精密に区分計算するのは非常にむずかしいことと存じますが、投入いたしました人員は、十一月から二月まで最盛期におきまして二十人の人員を投入いたしました。 そこで、これらの人員の人件費等、こういうものは計算いたしますれば出るかと存じますけれども、その他の事務費と申しますか、それはほとんど先方からいろいろな資料を提出しておりますので、格別に大きな旅費等がかかったということは聞いておりません。
○久保亘君 蒲田副総理に。三木総理は田中金脈について、田中氏自身が国民の疑惑にこたえる責任があると衆議院で言われております。そして三木内閣は、その意味では田中さんのその責任を田中氏自身の手によって果たさる責任が内閣としてもおありになるのじゃありませんか、総理大臣がそう言われておるんですから。その点についてひとつ総理大臣にかわってお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、この問題の疑惑は、一つはやはり田中氏自身がその疑惑について解明をする、こういうことが必要だと思います。それからもう一つは、法違反の問題はいろいろあるわけですね。税法違反でありますとか、あるいは土地の売買に関する規則、規定違反でありますとか、そういう問題についてはこれは政府が解明しなければならぬ、こういうふうに思います。それから、さらにもう一つは、国会の御審議という点があろうかと思います。この点につきましては、私は、政府は国会の御審議にできる限り御協力をするということを申し上げておるわけでありまするし、また当然そうすべきであると、こういうふうに考えておりますが、そういういろんな角度からこの問題は究明され、解明されるということになるであろうし、しなければならぬだろうと、かように考えております。
○久保亘君 特にいまの問題につきましては、三木さんが田中さん自身のためばかりでなく、日本の政治のために必要だと、こう言われておるんです。その意味で、私は大蔵大臣は守秘義務を盾にとることによって国民の不信にふたをするということではなくて、この際、特に盟友でありました大平さんは田中角榮氏に対して、自民党の内閣総理大臣として自分で調査をしてできるだけ早く国民に全貌を明らかにして解明すると言っておられるんですから、そのことをやらせる連帯責任を当時から閣僚だった者として、三木内閣の一員としてもお持ちになるんじゃありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 私は大蔵大臣という立場で田中さんと親しい友人でございますけれども、そして田中さんは前内閣の首班であられますけれども、大蔵大臣という立場で厳正に税法の執行に当たるのが私の任務だと心得て、今日までやっておるわけでございます。しかしいま久保さんが提起された、田中さん御自身が御自分の立場を世間に対しましてどういう姿で、形で、いつどういうメディアを通じて発表されるかということは、これは大蔵大臣という立場と全然別な話でございまして、友人として勧告、勧奨するつもりはないかというお尋ねでございます。これに対しましては、私は田中さんほどの政治家でございますから、このことをどのように処理されるかということは痛いほどお考えになられておることと思うのでございまして、私が勧奨、お勧め申し上げるなどということは、私は非礼なことと考えております。
○久保亘君 この田中さんの問題について、いま御答弁をいただきました限りでは、私は福田副総理が答弁をされておりますことがかなり明確であって、よくわかるような気がいたします。あなたは副総理の立場にあられるのですから、ぜひひとつ三木内閣の責任において、この問題についてきちんとおやりになるよう御努力をいただきたいと考えております。 次に、文部大臣にお尋ねをいたしますが、昭和五十年度の入学にかかる高校、大学の授業料、入学金、施設拡充費、私立学校ですね、これらの実態をお知らせいただきたいと思います。特に四十九年度と対比をして御説明いただきたい。
○国務大臣(永井道雄君) 昭和五十年度ですが、授業料は引き続き上がっておりまして、これまでと比較いたしますと二七・五%増でございます。新入生一人当たりの学生納付金の平均額にいたしますと、三十六万円という数字が出ております。
○久保亘君 最高の入学金というのは、公式な分で幾らになりますか。
○国務大臣(永井道雄君) 政府委員からお答えいたします。
○政府委員(今村武俊君) 医学部の関係でございますが、二百六十万というものがございます。
○久保亘君 文部大臣、正規の納付金、いま私が上げました三つ以外に、去年よりも三〇%近く上がっている三つ以外に納入されている寄付金ですね、この寄付金の実態について、医学部と歯学部を中心にしてどのように実態を把握されているか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) これにつきましては、昭和四十九年度の数字が正確でございますので、それを申し上げますが、私立大学の医学部、歯学部が受け入れました入学時の寄付金の総額が四百十六億円でございます。医学部では番付者一人当たりの金額が千百二十六万円でありまして、入学者の六六%が寄付をいたしております。歯学部では、寄付している者一人当たりの金額が七百八十三万円でありまして、入学者の八三%に当たる人が寄付をしていることになっております。
○久保亘君 昭和五十年度の場合には、私どもがいま承知をいたしておりますところでは、医学部で三千五百万以上、歯学部で一千万以上とうわさされておりますが、そのようなことは大臣はお聞きになったことはありませんか。
○国務大臣(永井道雄君) 管理局長からお答えいたします。
○政府委員(今村武俊君) 五十年度の医学部、歯学部の寄付金について、世上いろいろ取りざたされております。個人的な話を伺ったこともございますが、ここで発表できるような確実な数字はつかんでおりません。
○久保亘君 大臣、去年よりもかなりな上昇をした額で医学部、歯学部の入学者が番付金を納めている。他の学部もそれにならっている。そういうことはお認めになりますか。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま管理局長から申し上げましたように、正確な数字をつかんでおりませんから、どの程度、どのぐらい上がっているかということを申し上げることはできませんが、しかしながら、私学の経営が相当苦しく、しかも昨年度来、物価高、インフレの形勢にありますから、全般的に上がっている、そういう形勢であるということと私は考えております。
○久保亘君 ここで、文部大臣にひとつ意見をお聞きしたいと思うんですが、寄付金はともかくとして、入学金、授業料、施設拡充費と称せられる多額の納付金を、入学するかしないかわからないのに、すべての学校の受験が完了しないために保険金的に納付させられて、最終的には入学しないことによって掛け捨てとなるものが非常に多額に上っております。このことについて、文部省としては行政指導を行われる御意思はありませんか。具体的な解決策をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま御指摘がございましたように、入学する以前に各種の入学時納付金、かなり多額に上がりますものを学校が受験者から要求していることは事実であります。この問題について見方が二つ、少なくとも二面あると思いますが、まず、法的側面を申しますと、応募者に対して大学側がこれらの種類の入学時納付金を明示しておりまして、そして仮に学校の試験を通らない場合にも返還することがないというふうに書いております。したがいまして、そういう意味合いにおいては応募者がそれを理解というか、承知の上で……。
○久保亘君 それは受験料ですね。
○国務大臣(永井道雄君) ええ、受験料以外のものもございます。
○久保亘君 合格しないのに返さないというのがありますか。
○国務大臣(永井道雄君) はい、あります。そういう場合には、ですから双方理解した、片方が示しているものを理解しているということが募集要項を根拠に示すことができるわけでございますので、いわば当事者間の契約関係のようになるわけです。そうしますと、文部省がそうした関係というものに直接介入するということは必ずしも妥当ではないというふうに考えられます。しかし、もう一つの側面を申しますと、しかしそれにしても、その額が相当多額にのぼっており、御家庭でもいろいろ工面をして、そしてたくさんの学校を受けて、いわゆるむだ金になるわけでありますから、そういうことから悩んでおられる、そういう御家庭が多いということは広く知られていることであります。 大学の立場はこれについて、現在私学の経営状況が非常によくないために、いまのような入学時の入学試験以前の納付金というものも非常に必要だという見解でございますけれども、これに対してどうするかということですが、私が考えますのには、一体そういうふうにしたこの入学時納付金というものがどのぐらいの、額になるか当たって、そうして、これが大学の経営上どれほど重要であるかというような数字もつかみ、また、この問題についての各方面の意見というものも十分聞いて、来年度どういう指導を行うかということは一つの検討課題として真剣に考えなければならないとこう思っております。
○久保亘君 具体的に、入学時の納付金の先取りをさせない、そして生徒や学生が最終的に自分の選択で決定するまでは、納付金を含めて入学する側に選択権がある、そういうような態勢をつくるために文部省は努力していただけますか。
○国務大臣(永井道雄君) 御案内のように、文部省がいま努力いたしておりますことは、先ほどから先生が御指摘がございましたように、授業料が値上がりする、あるいは入学時寄付金も非常に多額である。いまの入学時の他の納付金を除きましても、非常に大きな問題があります。そこで、昭和四十五年、坂田文部大臣のときから私学に対する補助というものが始まったわけでありますが、これを強化いたしまして、私学の経営体質というものをでき得る限り改善する。そして改善するのと並行いたしまして、いま行われているようなものをどのようにして除くことができるか。それは、今後一層学校の経営内容というものを十分に調査をいたしました上で善処すべきものと考えております。
○久保亘君 法務大臣、入学金は一つの契約金として理解できるとしても、授業料や施設拡充費を先取りして、入学しなかった場合に返還しないというのはどういうことになりましょうか、法的には。
○国務大臣(稻葉修君) これは受験者と学校側との相互の間の私的な、私法上の契約に基づくものでありますから、返されなくても訴えるというわけにはまいりませんですね。承諾の上やっていることでございますから、受験者の方が。
○久保亘君 あなたは文部大臣もしておったんだが、その程度の認識で、この問題はあたりまえのことだと考えておられるのですか。
○国務大臣(稻葉修君) あたりまえのことだという意味はどういうことか、あなたの御質問の趣旨がわかりませんが、それは、教育上そんなことは当然だ、私学の現在の経常なんかから免れば当然である、そんなことを言っておるんじゃないのですよ。私は法律的に、私法上の契約関係だから、法的に犯罪になるとかそういうことはないのだということだけを申し上げているのであります。
○久保亘君 法的に確かにこれが裁判によって争われるというような場合にはどうなるのか、あなたの言われるとおりかもしれません。しかし、この契約関係は少なくとも立場が平等でないということはおわかりになりますか。
○国務大臣(稻葉修君) その立場は平等だと思いますね、断わればいいんですから。入らないで、ほかの学校へ入った場合には返してくれないと言うなら、そんな学校は受けないやと、こうやりゃいいんですから、立場は平等ですな。
○久保亘君 文部大臣、そういう関係は、あなたは教育者の立場で、平等な関係で契約されているとお考えになりますか。
○国務大臣(永井道雄君) まあ、社会を規制していく上で法というものがあると思います。しかしながら、もう一つ社会を規制していく上で道義と申しましょうか、そういうものがあると思います。先ほどから法務大臣が言われましたのは法的側面であります。私がその前に申し上げましたのは、したがいまして、現在のような状況の中で学校側としては経営上万やむを得ないという議論を盾にとっている。そこで、こういう問題というものはやはり事実をもってよく考えていかなければいけませんから、私は、来年度の課題といたしまして十分調査をしていく。そうして目標は、先ほどから申し上げましたように、四十五年以来この私学の経営の内容というものをよくすることによって——入学時納付金に限らず、他の面でも私学の教育というものは残念ながら教育として必ずしも望ましからざる状況というものが幾多あるのでございます。しかし、私学に言わせれば、それはいままで自分たちだけで立ってこなければならないのでかような状況になったということであり、また、わが国の高等教育の人口の八割が実は私学に依存しているという一つの所与状況というものもあるわけです。 私は、そこで、望ましい状況というものを一日も早くつくり上げていきたい。先ほどからの法的議論は一つでございますが、望ましい状況というのは、もちろん試験のときに受験料というようなものは取るでしょうけれども、しかし多額の他の施設費なども取って、そういう形で私学も経営を考えなければならないような状況は除きたいし、他方、御父兄の方はそういう負担をしないで済むような経済状況、そうして学校と受験者の関係というものをつくるにはどうしたらいいかということを、来年度を目指して検討いたしたいと考えているわけでございます。
○久保亘君 これは確かに契約する場合に、法的なきわめて条文的解釈をすれば、両者が対等な立場でやったということはそれは確実だと思う。しかし、実際に子供が学校へ入るという、その希望を閉ざされるかもしれぬという心配を持ちながら契約していくという点については、平等でないと私は思います。だから、そういう点について、いま文部大臣が言われるように教育的な配慮を加えるということになれば、私学に対してある程度の規制を要請をすると同時に、その私学の経営上の困難というものに対して公的な援助が積極的に行われるということでなければならぬ、私はそう思うんです。そういう意味で、五十年度の予算の中に高等学校以下の私学助成費が八十億円計上されたのだと思いますが、この八十億の助成目的と配分の方針などについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(今村武俊君) 昭和四十五年、私立大学等に対しまして経常費国庫補助金が始まったのと同時に、私立の高等学校以下の学校に対しまして、都道府県が都道府県費でもって補助金が出せるように、地方交付税の財源措置をいたしました。その地方交付税の財源措置のみをもってしては都道府県間の私学の助成に格差が目立っておりますので、その都道府県間の格差是正を誘導するための措置として、五十年度八十億の都道府県に対する助成費の国庫補助金が計上されておるわけでございます。
○久保亘君 いまの配分について、これを文部省が発表されたのかどうかわかりませんが、たとえば東京都には出せないとかいうような話が伝わりまして、それが報道されたりいたしまして、私学の関係者並びに父兄の間に非常に問題が起きております。だから、その配分の基準というのはどういう方向で考えられておるのか、御説明いただきたい。
○政府委員(今村武俊君) 現段階で配分の基準は確定いたしておりません。問題が起きておると思われる原因をたどってみますと、予算が閣議決定になりました直後、十日ぐらい後でございますが、新規の予算でございますので、都道府県の私学の主管課長会議を開きましていろいろ議論をいたしました。その議論の際に、文部省の方からいわばたたき台として骨子案なるものを出しまして、それを討議して皆さんの意見は十分聞きました、まだ決定ではございません。いろいろ各方面の意見を聞いて配分の方式を決めますということで散会にしたわけでございますが、そのときの骨子案がいろんなふうに尾ひれをつけて伝わっていったために、一部で誤解を受けているのではないだろうかというような感じがいたしております。
○久保亘君 そうすると、先ほど管理局長が説明されました基準財政需要額の算入額が、実行予算の中で一〇〇%に達していない県を誘導をする目的で使うということは、それ以下の県には補助が出せないと、こういう意味だと思うんです。そうすれば、ここに文部省管理局振興課の推計の表をもらっておりますが、この推計に示されている補助金決算額というのが、その基本になると考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(今村武俊君) 初年度のことでございますので、いろいろ討議いたしました。いま先生がその討議の一つの材料を指摘されたわけでございますけれども、そういうことをいま各方面の意見を聞いて検討中でございますので、配分の方式を決定することになるのは、大臣の御決裁をいただくことになるのは恐らく五月に入ったころじゃないかと予測いたしております。したがって、それもまだ審議の過程における一つの材料、一つの意見として現段階では御了承いただきたいと存じます。
○久保亘君 次は、厚生大臣にお尋ねいたします。 今日、遺族扶助料の受給者が、老齢福祉年金を十六万を制限にして打ち切られておりますが、これは老夫婦が二人で、主人の方の恩給と妻の方の老齢福祉年金で生活を立てていた場合に、一挙に半分以下に落ちてくるわけであります。たとえば、三十二万の年金をもらっている主人と九万の老齢福祉年金の場合には、四十一万で生活をいたしておりますが、これが主人が不幸にして死にますと十六万になって、老齢福祉年金が打ち切られますので、四十一万から一挙に十六万に落ちるわけです。これは大変社会的に不公正なことだとはお考えになりませんか。
○国務大臣(田中正巳君) いまの御設例でございますが、普通扶助料をもらっている者については、確かにそういうことに相なるだろうというふうに思います。公務扶助料の場合には併給限度がもっと商いものでございますから、したがって、もっと高い併給が受けられると思いますが、設例の場合が普通扶助料でありますれば、確かにそのようなことに相なると思います。
○久保亘君 厚生大臣、遺族扶助料を受けて、しかも七十歳以上で暮らしている老齢の婦人というのは、決して裕福な状態にあるわけではないし、そしてまた、死別するまでは老齢福祉年金というものがかなり生きがいの支えとなっておると私は思うんです。それが遺族扶助料になることによって恩給が半減すると同時に、老齢福祉年金も取り上げられる、こういうことでは三木内閣の看板にふさわしくない、こう思うんですが、これを改善されるお気持ちはありませんか。
○国務大臣(田中正巳君) 現行制度ではいま言ったようなことになりますが、これはもともと年金法ができたときに、公的年金は両方の側からあるいは三方の側からもらってはおかしい、つまり一般の国民から出てきた税金から出されるこの種の公的年金、これを幾つかの道からもらうということはおかしいということでもって、こういうふうに一つだけにしたというのが当時の立法の趣旨だったように承っております。しかし、それではいろいろと、いまおっしゃるようなこともあろうということで併給の制度というものをつくったわけであります。普通扶助料の併給限度は四十九年の場合十六万でございますが、これはいま御審議中の予算においては二十四万円に上がりまするから、設例の場合でも二十四万まではいくというふうに思います。また、これについては今後、今度の予算が成立をいたしまするといろいろな変化が起こってくるだろうというふうに思われるわけでありますが、たとえば福祉年金の金額も変わりますし、いろいろな点でもう少し改善を見ることがで奉るだろうというふうに思っております。 また反面、私も国会でいろいろ答弁しているところでございますが、扶助料等々が従来恩給の二分の一であるといったようなことについても、今後改善をすることができるだろうというふうに思われますものですから、したがって、そのような観点から徐々にこれは改善を見ることができるだろうと思いますけれども、ただいまのところ、ことしは十六万、来年は二十四万というのが限度に相なるということでありまして、このような併給限度というものをできるだけ上げていくということが、この問題を救済する方法に相なるかというふうに思っております。全部をこの際両方一緒に出すということについては、公的年金制度のたてまえ上、にわかには踏み切れないところであろうというふうに思います。
○久保亘君 福田副総理にお伺いしたいと思うんですが、ことしは国際婦人年だからということで、三木さんも大変サービスに努めておられるようでありますが、年老いた婦人が、老齢福祉年金をもともともらえなかったのではなくて、受給しておったのが、自分の主人の死去によって一挙に打ち切られる、こういうことについては大変やっぱり社会福祉の立場から問題があると思うんですが、この問題について検討を加えられるという気持ちはありませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) 御設例の問題、いま伺っていますと、そういうことが起こるのかなという感じですがね。とにかく二十四万円と言えばかなりの所得です。これをまたそれに公的年金を併給するということ、ほかの財源が幾らでもあるという状態でありますれば、これはそういうことも考えてしかるべきでありましょうが、なかなかこれは財政上の立場から言うと、そう簡単にああそういたしましょうと言えない問題じゃないか、そういうふうに思いますが、いまの御設例の、御主人が亡くなったらその途端に福祉年金がなくなっちゃうというケースもちょっとさわるところがありますので、これはよく厚生大臣に検討していただくようにいたしたいと思います。
○久保亘君 環境庁長官、自動車排ガスが光化学オキシダントの主なる原因の一つであるということは今日定説となっていると思いますが、お認めになりますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 主なる原因の一つであることは間違いないと思います。ただ、光化学スモッグの発生原因については他のいろいろなやはり要素も絡んでまいりますので、専門的なことは政府委員から答弁させていただきます。
○政府委員(春日斉君) 自動車の排ガスの主な成分でございます窒素酸化物でございますが、窒素酸化物は、確かに炭化水素とともに空気中で一緒になりまして、それに太陽光線が当たることによりまして光化学スモッグの原因であるオキシダントを形成するわけでございますから、ある意味では主な原因である、こういうふうに言えようかと思いますが、窒素酸化物は固定発生源その他からもたくさん出る、こういうことでございます。
○久保亘君 専売公社、どなたがお見えになっておりますか。 専売公社は、たばこの葉に発生をする生理的斑点病について試験場等の調査研究を行われておりまして、その結果、大気中のオキシダントにより惹起される障害であることを確認をしたという報告を研究誌の中に何回か発表されておりますが、それは間違いありませんか。
○説明員(今川演祐君) お答えいたします。 昭和四十年ごろから、原因不明の斑点がたばこに生じてまいりまして、これが一つの大きい問題になりまして、岡山試験場なり、あるいは宇都宮試験場なりが中心になりまして、この辺の原因の究明に努めてまいっております。多くの病害のように、病原菌による、たとえばカビとか、あるいはバクテリアとか、あるいはウイルスとか、そういう病原菌による伝染性のものではないということははっきり判明いたしております。したがいまして、公社といたしましては、この病気の取り扱いにつきましてはたばこの生理的な障害であろうというふうに考えまして、生理的斑点病というふうな名称で整理をいたしております。 実は、この病気につきましては五つのタイプがございまして、そのうちで二つのタイプが実害を伴っております。タイプの二と、タイプの三でございます。タイプの二というのは、枯れ上がりを伴う褐色斑点が生じてまいります。融合あるいは拡大いたしまして枯れ上がってまいるというふうな状況でございます。タイプの三は、枯れ上がりはございませんけれども、黒褐色の斑点が生じてまいるというふうなことに相なっております。 この辺の調査あるいはその研究を進めてまいっておりますが、たまたま大気中のオキシダント濃度が異常に馬いというふうな状態でしばしば発生が見られるというふうなことがございまして、オキシダントと生理的斑点病との関係につきまして、先ほど申し上げました試験場が中心になりまして、各場で、産地でオキシダント濃度と病気との関係を追求いたしております。その結果によりますと、一五PPhm以上になりますと発生の頻度が局いというふうなことが一応確認されております。また、試験場におきまして実験室的に、はち植えのたばこにつきましてオゾンを二OPPhmあるいは三五PPhm、相当濃度の高い状態で遭遇させますと、同じような症状があらわれてくるというふうなこともございまして、オキシダントとこの病気とは何かの相関関係はあるだろうというふうには考えております。 ただ、実際の産地の調査の中では、オキシダントの濃度が低くても、こういう病気がしばしばあらわれてくるというふうな実態もございます。また、高い場合でもあらわれてこないというふうな実態もございます。たとえば、そういう被害を受けた圃地に隣接する圃地では正常の状態で育成しているというふうな状況も実態的にはございます。そういう中で、やはりオキシダントも一つの要因ではございましょうけれども、その他の要因が絡み合ってそういう発病をするのじゃなかろうかということで、その辺のフォローを進めてまいっております。 基礎条件なり、特にその葉たばこの素質の問題が非常に影響があるだろうということが最近わかってまいっております。たとえば排水の悪い畑で栽培をいたしますと、根の機能が非常に衰えてまいります。あるいは最大成長期に肥料が欠乏いたしますと、栄養不足になるというふうな状況もございます。あるいは、たばこが非常に大きく育ちますと下葉が日照不足になるというふうなこともございまして、そういう環境に置かれたたばこが被害を受けやすい、むしろ正常に育ったたばこについては被害の程度が非常に僅少であるというふうなこともわかってまいっております。したがいまして、公社としては、それに対応する施策として、一つは、やはりたばこそのものを正常な状態で育成するような、そういう施策をやらなきゃならないということで、たとえば有機質肥料を投与するとか、あるいは深耕をするとか、あるいは排水処理をするとか、あるいは施肥の管理を適切にやるとかいうふうな施策を積極的に指導要綱の中へ入れまして、現地を指導いたしております。非常に多発いたしましたのは四十五、六年でございましたけれども、それを契機にいたしまして逐次減少の方向にただいま推移いたしております。 以上でございます。
○久保亘君 いま大変長い説明をしていただきましたが、専売公社の技術者の研究の結果によれば、生理斑点病のタイプ二、三型というのは、その発生の原因、作用する側からの発生の原因というのは大気中のオキシダントにより惹起される障害であることがわかったと断定をいたしております。また、この生理斑点病の重症発生日は、移動型オキシダン上局濃度日を発生日か発生日の前日に持ち、その被害は他の植物にも多く認められた、こういう研究の結果を発表しておりまして、あなたが言われる他の要因というのは受ける側の抵抗力の問題ですね。
○説明員(今川演祐君) ただいま先生から御説明がありましたが、オキシダントとこの病気との関係は、確かにそういう一つの要因であろうという報告があります。またいろいろな要因が絡んで、単にオキシダントだけではなくて、その他の要因が非常に絡んでおるから、この辺のことは今後研究してみないと早急に結論が出ないというふうな言い方もあります。ただ、気象条件とかあるいは葉たばこの感受性とか、その辺はまさにそういうオキシダントに対する、特に先ほど申し上げました素質の問題は、たばこがそういうオキシダントに抵抗性を持っていくという趣旨で申し上げました。
○久保亘君 私の手元に岡山たばこ試験場の報告とか、葉たばこ研究とか、あるいは宇都宮試験場の最近発表されました試験研究の報告の資料などがありますが、これらを見ますとオキシダントとの関係が非常に濃厚であるという分析をしておりまして、その被害はかなり広範、多額に上っているようでありますが、いま公社で把握されております葉たばこの生理斑点病による被害量と額はどれぐらいに達しておりますか。
○説明員(今川演祐君) この病気につきましては被害の程度が非常に軽重がございまして、軽症なものあるいは重症なもの、そういうものが混淆いたしております。したがいまして、これの被害額を推定するに当たりましては、軽症なもの、重症なものを含めまして全損に換算いたしまして一応推定をいたしております。 で、多発いたしました四十六年度が、この病気による減収が約二百八十二万キロになっております。被害額が十四億程度になっております。それから四十七年度が、これが百五十七万キロになっております。被害額は約十一億円ということでございます。四十八年度は減収量が減ってまいりまして八十二万キロということになっております。したがいまして、被害額は約六億円ということになっております。 以上でございます。
○久保亘君 いま公社の方から公式に言われました被害額は十四億から六億の範囲でありますが、一説によれば、この光化学オキシダントによる生理斑点病によるたばこの減収は数十億に達しているという意見もあります。これが一つの問題なのでありますが、環境庁は四十九年の五月十八日、光化学スモッグ警報が東京都下に発せられたことを御承知になっておりますか。
○政府委員(春日斉君) 四十九年でございますね。四十九年、東京都におきますオキシダント注意報発令回数は二十六回でございます。
○久保亘君 この光化学オキシダント注意警報が発せられたちょうどそのときに、東京都の保谷市の周辺において蔬菜類にかなりのオキシダント被害が発生したことについて、農林省は承知されておりますでしょうか。
○政府委員(小山義夫君) 四十九年の五月十八日前後に保谷市で野菜に被害が出ましたことは私どもも承知をしておりますが、その詳細につきましては、東京都の方に農林省から助成をしておりまして、東京都全体の各市町村にある程度の調査をさせております。その中に保谷市が入っておりまして、他の市町村にもございましたけれども、比較的保谷市の被害が多かったわけでございますが、先ほどからたばこについても御説明がありましたように、非常にこの被害を正確に把握する、あるいは数量的にきちっと把握するということにまだいまの段階ではむずかしい点がございまして正確な数字で申し上げるわけにはまいりませんけれども、そういう被害があったことは承知しております。
○久保亘君 専売公社の方ではオキシダントによる被害の状況について調査をされておりますけれども、農林省は同じように野菜類に発生をしておりますオキシダント被害による農作物の減収の状況などについて、あるいはその被害の実態などについて御検討に相なったことがありますか。
○政府委員(小山義夫君) 大気汚染によります被害調査は正確に把握する手法が実はまだ確立をされていない面がございまするので、全国的あるいは組織的に正確な調査を実施するということはむずかしい点があるわけでございますけれども、当面私どもといたしましては、農業生産の現場でどういう被害があるかと、あるいは各作物の許容限界はどのくらいかというふうなことを明らかにいたしますために、昭和四十六年から各都道府県にある程度助成をいたしまして、その助成の一環として現在東京都を初めといたしまして十都府県でもって定点調査をやっておる途中でございます。まだ成果ははっきり取りまとめる段階にまで至っておりませんけれども、そういう形でいま実施をしておるわけでございます。
○久保亘君 農林大臣は、日本公衆衛生協会が発行いたしております大気汚染植物被害写真集というのをごらんになったことがありますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まだ見ておりません。
○久保亘君 これは農林省の技術者や農林省の試験場の担当者などが九名も参加してやったその結果なんです。この中にいろいろな大気汚染に基づく農産物あるいは森林の被害などがカラー写真によって詳細に書かれております。これが出ましたのはすでに二年前であります。だから農林省はこれだけの調査が関係者の手によってなされているということになるならば、当然これに基づいて被害状況の調査などが行われなければならぬと考えるのでありますが、たばこは栽培地域が局地的であります。しかし、すでに読売新聞社などがアサガオによって全国のオキシダントの発生状況を調査しましたのによりましても、三十二都府県においてこの光化学スモッグが見られるのであります。であるとするならば、この植物であります農作物にこのオキシダント被害があらわれているのはかなりな量に達すると思うのでありますが、この問題について、ただ単に大気汚染の状況を植物を通して見るということじゃなくて、植物そのものが受けている被害の実態について農林省は調査をされる御意思はありませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) その写真の一部は見たことがございますが、先ほど技術会議の事務局長が申し上げましたように、現在各都道府県に助成をいたしまして、定点調査といいますか、そういうことはやっておるわけでございますが、全体的に組織的にやっておるという状況ではないわけでございます。
○久保亘君 これからどういうふうにおやりになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 大気汚染に係る調査はやはり大事なことでございますから、今後とも現在行っておる調査を強化をしていきたい、こういうふうに考えます。
○久保亘君 これね、大体農林省の担当官はどうしているのか知らぬが、いまのこの時勢から考えても、こういう問題というのは農林大臣や環境庁長官は一番最初にまず見ておくべき問題じゃないですか。環境庁長官見たことあるかな。
○国務大臣(小沢辰男君) 私も部分的にはございますが、まとめたものは見ておりません。
○久保亘君 これね、あなたはそういうことで自動車の排ガス規制について責任ある告示ができると思っていたんですか。この序文は当時の環境庁大気保全局長が書いておるんです。この文献が自動車排ガスの規制に当たって環境庁長官の手元に届けられないというのは、私は大変おかしなことだと思うんですよ。
○国務大臣(小沢辰男君) そのような考え方の側面から議論されることももちろんあると思いますが、私どもはもう植物、人体に対するいろいろな影響の調査を十分やっておりまして、その結果に基づきまして環境基準というものを設定しまして、その基準を達成するための個々の排出規制というものをやっているわけでございますから、当然それらの調査をあるいは実態を基礎にして環境対策を進めていると、かように御了承いただきたいのでございます。
○久保亘君 長官、ということはね、あなたは光化学スモッグによる植物の被害がかなりひどい状態であるということを十分承知の上あの環境庁の告示を出したと、こういうことですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 植物のみならず人体の健康に対する影響を十分踏まえまして、排ガス規制を移動発生源の方で規制を強化していかなければならないと、こういう観点でやっているわけでございます。
○久保亘君 これ、見ておらぬと言うから、農林大臣ちょっと見ておいてください。 いまの自動車排ガスが光化学オキシダントの主なる原因の一つであるということについては、環境庁も、それから専売公社の試験結果もそれを明らかにしているわけでありまして、また農林省の各種試験場の技官などが調査をしました結果が、いまお渡ししたその本によって明らかであります。こういうことから見てまいりますと、いまや自動車排ガスのもたらす被害は、人間と動植物を問わず、人体を含めてかなり深刻な状態にあると思われるのでありますが、ときに環境庁が今度告示されました五十一年規制は、中公審答申の大幅な後退に輪をかけて「適切な管理巾」と称する許容限度を定めることによって事実上規制効果の少ないものとなっております。その上に大幅な猶予期間を置くことによって、いまやこれは五十一年規制ではなくて、五十二年規制としか言えない、そういうようなものとなっておりますが、長官にお尋ねしたいのは、「適切な管理巾」の「適切」とはどういう意味ですか。それからこの告示にいわれる「平均値」というのは一体何でありますか。それから、猶予期間が五十二年の二月末まで繰り延べられたのはいかなる事情によるものであるか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、今度の私どもの五十年規制、五十一年規制、その前の四十八年規制、これらを一連の規制強化と受けとめていただければ、後退とは考えていないのでございます。恐らく、世上後退後退あるいは先生方も後退とおっしゃるのは、〇・二五窒素酸化物の例の四十七年十月の告示をもとにしておっしゃっておられるものと思います。それを五十一年からやりたいという私どもの願望を告示という様式行為によってあらわしたわけでありますけれども、これはあくまでも長期的な私どもの目標で、いわば行政方針としてそこまでは理想的な段階として持っていきたいという決意を表明したわけでございます。しかし、それはそれぞれ技術開発の状況等を踏まえて一歩一歩そこへ進んでいく。しかも五十年、五十一年規制と続けてやる態度をごらんになれば、一歩一歩どころか相当のスピードでこの理想値に向かって邁進しているという姿に御了解を願えるのじゃないかと、そういう意味においては世界にどこにもない、しかもアメリカは、ああいうような理想の旗を掲げましたけれども、もう日本の五十年規制に相当するものさえ七年間も延期しようというような、実質的にはそういう態度も表明をいたしておる今日でございますから、もちろん日本の自動車公害によるいろんな問題点というものは、ほかの外国と比較しまして、本当にこれはいろんな過密の問題から考えてみましたりいたしますと、確かに外国よりもこの問題の深刻さはうんとあるわけでございますけれども、いずれにしても、この規制は相当私は前進した規制だというふうに考えていただきたいと思うのでございます。 で、「管理巾」と申し上げますのは、平均値を達成するためにどうしても規制を厳密にいたしますと生産のばらつきが出てまいります。現実においても、いままでの生産の状況から見てそうでございますから、ここでやはり一定の幅をもって考えていかなければならない。その場合に、私どもはあくまでも、平均値として一トン以下は〇・六グラム、一トン以上は〇・八グラムを確保するということが目的でございますので、そういう意味で、いろいろ検査上の問題等もございますし、生産のばらつき等が非常に多様な型式等考えてみますと当然起こり得ますから、そこで一定の幅を考えつつ上限を決めていったわけでございます。 それから継続生産車につきまして、五十二年の二月いっぱいまでとしまして、三月一日からの自動車については五十一年規制を完全にクリアしなければいけないといたしましたのは、検査の状況、いろいろな対応の仕方と、それから生産がやはりある程度需要を満たしていかなければなりませんし、大体いろいろなデータから見まして、全体の自動車の供給量のほぼ半分はカバーできるという時期を選びまして、五十二年の三月一日からというふうにしたわけでございまして、検査能力とあわせて生産体制の状況も、需要の側のこともありますから、それらを考慮に入れて五十二年の三月一日からと、こういうふうに決定したわけでございます。
○久保亘君 五十二年の二月末まで猶予期間が置かれたこの継続生産車というのは、二月末日以降生産がストップされるんですか、販売はどうなんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 五十二年の三月一日から継続生産車については全部この五十一年規制をクリアしなければいけないわけでございます。五十二年の二月までは従来の五十年規制の車を生産できる。この販売につきましては、たしか運輸省の方の関係になりますが、承認を受けました有効期間が半年あるというふうに聞いております。したがって、それは、その間は販売は有効であると、こういうように聞いておりますが、この辺のところは運輸省の所管でございますので、もし詳しいことが必要ならば運輸省の方からお答えすると思います。
○久保亘君 ということは、結局、継続生産単は五十二年の八月末までは新車として市場に出回ると、こういうことですね。
○政府委員(田付健次君) お答えいたします。 五十二年の三月一日からは、新しい五十一年規制に適合した状態で車が生産され、販売されなければなりません。したがって五十二年の二月末日までに生産されました車は、これは五十年、一年前でございますから、五十年規制の基準に適合しておればよろしいわけでございます。 先ほど長官が六カ月と申しましたのは、実は型式指定を受けました大量生産車につきましては、その完成検査の証明書の期間が六カ月ございますという意味でございまして、五十二年の三月以降の生産車についてはすべて五十一年の新しい基準に適合しなければいけないことになります。したがいまして、その前に出ました車につきましては、これは五十一年規制が適用されておりませんので、その販売については別途の問題となるわけであります。
○久保亘君 そういうことになれば、結局、いま大手メーカーはその規制に達することができないと言うことを盛んに言っているわけだから、結局五十二年二月末まで継続生産車の猶予期間を持っている間に駆け込み生産でどんどんつくっておけば、かなりの期間その規制を受けない車をこの会社は出すことができる、こういうことになってくるんじゃありませんか、長官。
○国務大臣(河本敏夫君) いまの御指摘の駆け込み生産の問題でございますが、そういうことにならないように行政指導をしております。
○久保亘君 それは、そういうふうに言われても、それは制度として認められているんだから、法的に、企業がやろうと思えば幾らでもできるんじゃないですか。行政指導で抑えられますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 行政指導で駆け込み生産をできるだけ避けるように指導をしております。
○久保亘君 規制ができるかと聞いているのです。
○国務大臣(河本敏夫君) 規制は法律上できませんけれども、行政指導でそういうことを避けるように話し合いの上で指導をいたしておるわけでございます。
○久保亘君 もともとトヨタとか日産とかいうのは、五十一年規制について、大幅に後退をした答申の内容によってでも、一〇〇%クリアできるのはずいぶん後のことであるという報告を通産省に出しておるはずです。だから、継続生産車ということでできるだけ切り抜けようという努力をするだろう、こう考える。規制は後退した、駆け込みは可能である、こうなれば、これは住民の健康と生命を守るという立場からは何の効果も持ち得ない、こういうことに対して環境行政に対する国民の不信が高いわけです。 〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕 そこで、もしそういうような緩和した措置をとるならば、当然高公害車に対してかなり厳しい賦課金を課すると、税制その他の手段によって。そのことが当然必要なこととなってくるんだと思うんですが、五十年度から高公害車に対して物品税の特別措置を外すとか、あるいは健康被害補償法の適用を拡大をして、自動車の製造者に対して生産台数に応じた賦課金を課して、その賦課金を排ガスのもたらす健康被害の補償とか、医療技術の開発とか、あるいは先ほど申し上げました農産物、林産物に対する被害の補償とか、あるいはその被害を防除する技術の開発とか、そういう面に広範にわたって使う制度をつくる必要があるんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、この点については環境庁長官、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) 駆け込み生産ということをおっしゃいますが、そういう事実の防止については、ただいま通産大臣がお答えになりましたように、私どもも行政指導を強化することによってそういうことの起こらないようにすると同時に、しかし現実的に先生もお考えになっていただくとわかりますが、五十年規制と五十一年規制が追っかけていきますので、それぞれ、やっぱり自動車の生産というものは、相当前から、いわゆるラインに乗ってるものをラインの変更もしていかなければならぬわけでございますから、現実問題として、二月までは全く五十年規制車をつくっておって、三月一日に直ちに五十一年規制のものが出ていくなんということはあり得ないわけで、相当前から、しかも型式はいろいろございますから、全部ラインに乗っけていかなきゃいけないものですから、そんなに先生の御心配するような、私は行政指導でやれば、相当メーカーも理解をいたしておりますし、いまむしろ低公害車の競争時代に入るような世論にもなってきておりますので、その点は強い行政指導と、それから、ただいま先生がおっしゃいました低公害車とそうでない車に、何らかの税制上といいますか、あるいは先生は賦課金とおっしゃいましたけれども、そのような制度を加味することによって、私は防止できていくんじゃなかろうかと、かように考えておる一わけでございます。ただ、どの程度の賦課金なり、あるいは税の差を設けていくか。中公審では、〇・六を基準にして上下に格差を十分設けるようにという答申をいただいております。ただ、〇・六を基準にするという場合に、〇・六を一体いかなる、物品税のいまの一五%でいくのか、あるいはそれより下でいくのかによっていろいろまた違いが出てまいります。また税の体系、税の理論というものが、物品税というものは、御承知のとおり、全然こういうような問題とは関係のない一つの理論的な、何といいますか、限界点もあるわけでございますので、そういう点を考えますと、どういうふうにすれば低公害車にメリットを与え、あるいはそれに買いかえが進んでいくような誘導ができるのかという点を、いま関係閣僚協で徹底的に検討をいたしておる最中でございます。 それから、おっしゃる健康被害補償の経費を賄うために、現在全体の二割を自動車重量税の方から、便宜その中から交付金という形で、一般会計の方から私どもの方へちょうだいしているわけでございますが、これが五十年度いっぱいに切れるわけでございます。当然このかわりを考えていかなきゃいかぬわけでございますが、ただ先生のおっしゃるような目的を、この健康被害補償の経費を賄うのは、大体推定しますと、五十年度で三十九億ぐらいでございますので、こんなものではどうも先生が意図するような私は公害のいわば防止という観点から、どうもこんな程度のものでは効果が余り期待できませんので、いろいろ私どもも何とかいい方法を考えて、総合的にいま先生がおっしゃったような目的にいろいろ使い得るような程度のものを、どうやって、どこの段階で把握をして取るか、自動車の出るところでかけるのか、あるいは実際に汚染するのは走っている人でございますので、非常に自動車の利用——保有はしておっても利用の少ない人と利用の多い人では、大気に対する、汚染度に対する貢献の度合いというものがうんと違ってくるわけでございますし、どこに一体、そういう先生のおっしゃるような面からかけるとすれば、どういうところで把握したらいいのか、元の油で押さえた方がいいのか、いろんな点も検討しなきゃいけませんので、御趣旨は私どもは大体その方向を考えているつもりでございます。そういう方向でどうやったらいいかということを慎重にいま検討中でございますので、もうしばらくひとつ御猶予をお願いしたいと思っているわけでございます。
○久保亘君 時間がありませんので、この問題についてはまた別の機会に意見を申し上げたいと思っております。で、ぜひひとつ、この使用者に賦課金を課するということではなくて、低公害車を促進するという政策上の意味も含めて考えるとするならば、その高公害車のメーカーに製造の段階で賦課金を課する、このことが私は一番政策上の効果を上げ得るし、問題が起こらないと考えております。そういう方向で御検討いただくよう意見を申し上げておきます。 最後に、九十日石油備蓄増強対策について、先ほど質問がありましていろいろお答えになりました。この点で私は非常に腑に落ちない点がありますので、最初に数字の問題でお尋ねいたしますが、四十九年二月の備蓄量は幾らなのか、それは前年消費の何日分になっているのか、お答えいただきたいと思います。 〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(増田実君) 二月の在庫量でございますが、数量にいたしまして四千八百二十四万三千キロリッターでございます。で、日数で計算いたしますと六十・三日、こういうことでございます。
○久保亘君 先ほど答弁をされたことと違うんじゃないですか。先ほどは四十九年の二月には四十九日分になったと、あなた言われたでしょう。石油危機の影響を受けて四十九日分になった。いま六十・三日と言われるのはどういう意味ですか。
○政府委員(増田実君) お答え申し上げます。 先ほど答弁いたしましたのは五十年一月末の数字でございまして、それを六十三・五日と、こういうふうに申し上げたわけでございますが、二月の数字がただいま申し上げました六十・三日、こういうことでございます。
○久保亘君 何ですか、先ほどというのは、先ほど最上さんにあなたが答えたのは、四十九年二月は四十九日分になったと言ったでしょう。
○政府委員(増田実君) 昨年の二月、これは石油危機の影響を受けまして最低のときでございますが、これが四十九日でございます。
○久保亘君 私の方が資源エネルギー庁に報告を求めたところでは、四十九年二月で四千八百二十四万八千キロリットル石油備蓄という数字を持ってきてもらったんですがね。これでいきますと七十日分ありますよ。——その場その場に合わせてやっているんじゃないですか。
○政府委員(増田実君) 私どもが先生の方にお答え申し上げました数字は五十年二月でございまして、四千八百二十四万三千ということでございます。それから、先ほど私が四十九日分ということで最上先生に答弁申し上げましたのは、その一年前の四十九年の二月でございまして、これは石油危機によりまして最低になりましたのが四十九日分、こういう計算になっております。
○久保亘君 それでも違うんだよ。四十八年度ならば備蓄水準は四千百七万六千キロというのがあなた方の数字で、備蓄量は四千六十五万あるんで、ほとんど備蓄水準に達しているはずです。
○政府委員(増田実君) 一応備蓄の日数でちょっと申し上げますが、四十八年の十月が五十九・七日で、それが四十九年二月になりますと四十九・九日でございます。それから先ほど申し上げました数字は、五十年に入りましてから一月、二月の数字を、それぞれ六十三日、六十日と、こういうことで御説明申し上げたわけでございます。
○久保亘君 原油輸入量のエネルギー庁の月別指定統計によって、あなた方が説明されているように、四十八年の十月以降原油輸入量は急激に落ち込んでいる数字が出ておりますか。数字を挙げて説明してください。
○政府委員(増田実君) 原油輸入量について申し上げます。 これは前年同期比で申し上げますと、四十八年の上期、四月から九月でございますが、これは前年同期比二八・九%増加になっております。それから下期、これは石油危機の影響を受けたわけでございますが、このときの伸び率が六・八%、プラスということになっております。それから四十九年度上期、四月から九月でございますが、二・三%、前年同期比マイナスと、こういう数字になっております。
○久保亘君 そのごまかすような魔術のような数字の使い方をしないで、ここにあなたの方からもらった月別統計があるんですよ。これを見ると、四十八年の十月以降輸入量は少しも減っとりやせぬです。そして四十九年の十月よりも四十八年の方がたくさん入ってきている。だから、その十月危機というのはなかったということなんじゃないですか。
○政府委員(増田実君) 十月危機によりまして石油の輸入量がどういうように変わったかということについて御説明申し上げますと、四十八年の十月から三月、いわゆる四十八年度下期の輸入でございますが、これが……
○久保亘君 月別に言いなさい、月別に。そんな下期とか上期とかまとめぬで。十月から十二月が問題だったんでしょう。
○政府委員(増田実君) それでは月別に御説明申し上げます。 四十八年の十月以降月別に申し上げますと、十月の原油の輸入数字は二千五百万キロリッターでございまして、これが前年同月比で計算いたしますと一六・三%アップでございます。それからちなみに御参考に申し上げますと、四月−九月は先ほど申し上げましたように、約二九%アップという数字であったわけですが、これがここの十月で相当ダウンしておるわけでございます。それから、私どもの方が法律に基づきまして需給計画を定めておりますが、需給計画に対しましてはこの十月が五・六%マイナスになっております。 大体以上のような分け方で十一月以降を御説明申し上げますと、十一月の実績が二千三百三十万キロリッターでございまして、計画に比べまして一六・七%減、それから前年同月比では一〇・二%の増。それから十二月は二千五百万キロリッターでございまして、計画に比べましては九・六%の減、前年同月比で七%の増。それから一月について申し上げますと、一月は二千四百万キロリッターでございまして、これも計画に対しましては九%の減、それから前年同月比では二・七%の増ということになっております。続きまして二月と三月申し上げますが、二月が二千百十万キロリッターの輸入でございまして、これが計画に比べましては一七・九%の減になっております。それから前年同月比では二・九%の増になっております。三月は輸入量が二千四百五十万キロリッターでございまして、計画に比べましては五%の減、前年同月比で四・二%の増、これを全部下期で合計いたしますと、輸入量が一億四千二百九十万キロリッターでございまして、計画に比べましては一〇・七%の減、前年同期対比では七−二%の増と、こういうことになっております。
○久保亘君 いや、あなたの説明を聞いていると、そういうふうに何かえらいここで輸入量が減ったように言われるけれども、四十九年度の後をずっと見てごらんなさい。この四十八年の十月以降よりも一つもふえていませんよ。石油危機が終わった後もやっぱり同じ調子でずっと輸入しているはずです。だから、この時期に特別に輸入できなかったということはないんです。それで、この時期こそタンクがいっぱいになっておって、タンカーは一週間も十日も沖待ちをさせられたということはあなた方も知っているでしょう。そういうようなことを背景にしながら皆さんが出されているこの九十日石油備蓄強化対策というのは、何か石油企業はこの備蓄計画に乗ることは非常に犠牲的にやるのだ、むしろ国民、おまえたちの経済安全保障のためにやってやるんだから、国民が負担するのが当然であるという説明をあなた方配られておりますが、そういうふうに考えておられるんですか。
○政府委員(増田実君) まあ石油の危機につきまして、その実態がどうであったかということについていろいろ論議が行われておりますが、実際にいわゆるOAPEC諸国、このアラブの石油輸出諸国は十二月には二二%の削減を行っております。これはOAPECの決定では二五%の輸出削減をやるということが、大体二二%以上の現実の削減が行われております。それによりまして、日本に到着は、先ほど私から申し上げましたように、前年同月比では若干の増になっております。まあそこに石油危機がつくられた危機ではないか、あるいは実際にそのアラブ諸国は出荷を減らしていないのにもかかわらず、減った減ったということで、むしろ国民を惑わしたんではないかということがいろいろ言われておりますが、これは現実に、先ほど申し上げましたように、アラブ諸国は二二%の削減を行ったわけであります。それから先生がいまおっしゃられました、去年の夏ごろには石油がどんどん着いて、そしてタンクいっぱいではなかったかということをおっしゃられましたがそのとおりでございます。このアラブの禁輸が……。
○久保亘君 去年の夏ではないよ、四十八年の十月ごろだ。
○政府委員(増田実君) それは石油危機以前ですか。
○久保亘君 石油危機のころ。
○政府委員(増田実君) 石油危機のときは、これは若干、中東戦争の問題がいろいろ起こるんではないかということで石油会社が相当買い急いだわけです。ですから、そういう意味で、先ほど申し上げましたように二十数%の増加を前年対比で輸入しておったわけです。それ以後、いま申し上げましたように、十月、十一月になりますとOAPEC諸国が二五%削減し、さらにそれを五%ずつふやして四〇%までの削減を行うということを世界に発表いたしたわけです。それが十二月には、現実の数字としてOAPEC諸国の輸出が二二%減となっておったわけでございます。ただ、この十二月を境にいたしまして、アラブの禁輸政策が転換いたしまして、日本も友好国ということで十二月二十四日に発表いたしたわけでございます。それによりまして、この削減が漸次もとへ戻ったわけでございます。 それでいま私から申し上げましたのは、その後、日本が石油危機に対処するために、相当世界各国から石油を買い集めたということで、これが現実に到着いたしましたのが昨年の夏で、そのために石油タンクがいっぱいになるということになったわけでございます。 それから、いま御指摘のありました、私どもの方でつくりましたその黄色いパンフレットで、石油の備蓄を行うことが一つの国の責任であるということを掲げておるわけでございますが、これは先ほど最上先生にも御説明申し上げましたのですが、大体石油会社のランニングストックとしては四十五日分というふうなものが常識的に言われておるわけでございますが、これに対しまして、石油企業に対しましてはやはり六十日は持ってくれということで、現在までいろいろ行政指導し、またそれをいろいろな手段でやってきたわけでございますが、ただ、一昨年の中東危機を経験いたしまして、もし石油が削減されることが再び起こった場合には、国民経済あるいは国民生活に非常に大きな影響を与える。このために、やはり九十日の備蓄は国民生活の安定のためには持たなければならない。しかしながら、石油会社といたしましては先ほど申し上げましたように、四十五日が普通のランニングストックであり、六十日を国から行政指導で受けた、一応石油業というものを行う社会的責任であるということで協力してもらったわけでございますが、それをさらに九十日にふやすということは、これは石油企業——私どもは別に石油企業を擁護するわけではございませんが、石油企業の立場に立てばそれだけ在庫というのが主になりますし、またそれを六十日を超えて九十日にしますと差額の三十日分を備蓄いたしますのに多額な費用が負担になるわけですが、これを行うためにはやはり国がこれを積極的に推進しなければならない。そういう趣旨で、いま先生がお示しになりました備蓄政策の説明にはそういう説明を掲げたわけでございます。
○久保亘君 そうすると、アジア石油が鹿児島に進出しようとしているのはどういうことになりますか。
○政府委員(増田実君) 私どもアジア石油の具体的な計画についてはまだ聞いておりませんが、私どもの聞いたところでは、約一週間前にアジア石油が地元の町に石油備蓄をやりたいということで、それの説明を始めたということで、その連絡は受けております。私どもが石油備蓄政策として考えておりますのは、精製会社ができるだけの備蓄基地をみずからの手で建設する。それに対して国が資金的な援助あるいはそれの原油資金の利子補給を行うということでこれを推進いたしたいと思っておりますが、ただ、いま先生が御指摘になりましたアジア石油の鹿児島県における計画については、これは詳細に聞いておりませんし、また、いろんな計画が現在各社において検討中だということは聞いております。
○久保亘君 これは実施段階では共同備蓄会社とするということを説明しているのですよ。だから企業は、そんなにもうかりもせぬものを何であなた、通産省の計画もないのに自分から先食いしてやろうとするのですか。千五百万キロもだよ。
○政府委員(増田実君) 今後の九十日備蓄計画におきましては、私どもは、精製会社がみずからそのタンクを設置する、それに対して国が援助する、これを原則に考えておりますが、なおそれがむずかしい場合には、共同備蓄会社という構想を出しております。ただ、共同備蓄会社を具体的にどこに、またどういう計画でやるかということにつきましては、まだ何ら決まっておらないわけでございます。もしアジア石油が、これが共同備蓄会社になるということを説明しておるといたしますと、これはまだ何ら決定いたしておらない、また私どももまだその説明を受けてないということでございます。
○久保亘君 石油企業は四十五日がランニングストックだというのに、何で備蓄に、あなた方の方針に先乗りして企業がやるかとぼくは聞いているのです。
○政府委員(増田実君) これは今国会で、私どもは備蓄法を提出して御審議を願うという予定にいたしておるわけでございますが、この備蓄法の構想では、将来、これは五年かかるわけですが、九十日の備蓄を達成いたしたい、そのためには各製油会社には、やはり製油会社がこの日本において石油業を営む以上は、将来は九十日の備蓄を持ってもらいたいということでこれを義務づけようということで考えておりますので、それを先駆けて自分のところでいろいろの備蓄適地を探しているということは、これはいまのアジア石油についてはそういう説明ができると思います。
○久保亘君 しかも、雇用メリットや財政メリットについて非常な誇大な宣伝をしながら、あなた方の計画の一環としてアジア石油は説明しておるのですよ。
○政府委員(増田実君) アジア石油がやっております説明が事実に合ってない、あるいは誇大な説明であるようでしたら、私どもの方から十分指導して、それについて誤解のないようにいたしたいと思います。
○久保亘君 しかも、あなた方の国策を背景にしながら住民を説得したり、その立地を探したりするのに国策を背景にしてやっている。そして自然公園や県立公園や国定公園の解除にこの国策を背景にして自治体を説得しようとしているやり方には私は問題があると思うのです。その点についてきちんとあなた方の指導ができるかどうか、お答えいただきたい。
○政府委員(増田実君) 備蓄につきましては、私どもは九十日備蓄はやはりわが国にとっては必要であると、こういうように考えております。その意味で備蓄を促進いたしたいと考えておりますが、そのやり方、あるいは保安に対する問題、これらについては十分配慮いたしまして、そしてやはりこの九十日備蓄の達成について、地元の協力のもとに、また理解のもとに達成いたしたいと、こういうふうに考えております。(「一般論じゃなくて。答えになっていない。九十日備蓄とは無関係だとさつき言っているのだ、それは。にもかかわらず、九十日備蓄を理由にやっているのはどうなんですかということを聞いているんです」と呼ぶ者あり) この内容につきましては、先ほど申し上げましたように、まだアジア石油から聞いておりませんから、いま先生から御指摘のありましたいろいろの問題点について十分注意をし、また、いろいろの点については検討して、指導していきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 九十日の備蓄問題は、先ほど長官がるる説明いたしましたように、わが国にとりましてもぜひ必要でございますので、五年計画で実現をしたい、こういうことで今回法案の審議をお願いすることになっておるわけでございます。 なお、それに関連いたしましてアジア石油のお話が出ましたが、それは現地の事情を一回よく調査をいたします。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして久保亘君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 黒住忠行君。
○黒住忠行君 時間のあれがありますので、ひとつお聞きしますから簡略に御答弁をお願いしたいと思います。 自賠責保険について、これは社会保障的制度でございまして、最低保障あるいは最近は基本的保障、こう言われております。自賠責の保険金額、限度額はそのように観念をすべきだと思います。 そしてまた限度額の引き上げということがありますが、急激に、ときに考え方なしに上げるということになりますというと、前後の被害者の不公平もあるわけでございます。しかし、最近におきましては、この保険金額を上げるべきである、こういうように思います。いまの二点につきまして、まとめて大蔵大臣と運輸大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 自賠責保険はすでに日本で採用いたしましてから二十年近くなるわけでございますが、当初、たとえば死亡の場合には三十万円からスタートいたしまして、現在、一千万円ということになっておるわけでございます。この強制保険は一種の社会政策の一環として実施いたしておりますので、この最高限の金額を今後どうやっていくかという問題につきましては、そのときどきの経済の事情、あるいは同種の事故に対する裁判所の判決、あるいは諸外国はどういうふうな状況にあるかと、いろんな点を勘案いたしまして最低限の社会保障としての限度額を決めていかなければなりませんので、現在のところ一千万になっておりますが、すでに一千万にいたしましてからも一年以上たっております。世間の声としては、一千万円ではもう安いからもう少し上げたらどうかというような声も出ております。また国会におきましてもそういう意見も出ておるのでございまして、現在、われわれといたしましては、そういう声にも十分耳を傾けながら、いずれは現在の一千万から引き上げなければならないと思っておりますけれども、いつ、どういうふうにして引き上げるべきか大蔵省と十分相談をいたして処理をいたしたい、かように考えております。
○国務大臣(大平正芳君) いま運輸大臣が仰せられたと同様な見解を私も持っております。本件につきましては引き続き運輸大臣、運輸省と相談してまいります。
○黒住忠行君 いま交通戦争とまで言われておるわけですが、事故防止の必要性は申し上げるまでもございません。しかしながら事故につきましては各自動車というものに共通の責任があると思います。また現在の制度では、たとえば共同不法行為、保障事業に対する負担というふうな面につきましての共通部分ということについても改善の余地が多分にあると思うわけでございますが、どう考えるか。ひとつ事務当局からでも御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 現在の保険料はそれぞれの車の事業種別によって保険料率を違えておるのでございますが、御質問の趣旨は、その保険料率のもとに車の種類とは無関係に共通した料率というものがあって、そしてその上にそういう差別をつけて積算して保険料率を決めたらどうかという御質問のように聞きましたが、そうでございますか。
○黒住忠行君 そうです。
○国務大臣(木村睦男君) この点は、現在は、保険料率はそれぞれの業種、たとえばバスであるとかあるいはタクシーであるとか自家用車、それぞれの業種別の車についての事故率等をも考慮いたしまして、それぞれ違った保険料率を決めておるのでございまして、共通した部分をつくるということになりますと、現在の料率そのものの考え方も変わってこなければならないと思います。そのことが果たして公平を期するかどどうかという点については、いささか問題があると思いますので、貴重な御意見として今後検討の資料にさしていただきたいと思います。
○黒住忠行君 いま申し上げますのは、料率算定の場合の原則的考え方でございます。保険集団というのはなるべく大きい方がよろしい。また、その後においてメリット、デメリット制を導入すれば、私が申し上げたようなやり方をする方がむしろ公平であると考える次第でございまして、いま運輸大臣の御答弁のように、前向きにひとつ御検討をいただきたいと思います。 それから次は、いま自動車の被害者が仮にあるとしますと、その人は保険からいいましても自賠責保険、健康保険、労災保険、それから厚生年金、国民年金、あるいは遺家族の場合におきましては、生活保護法それから身体障害者福祉法の手続あるいは最近できました事故防止対策センターの利用というふうにありまして、しかも、これをやっておりますところの役所という機関が福祉事務所あるいは市町村役場、社会保険事務所、労働基準監督署というふうにいろいろありまして、こういう手続をするにしましても、被害者から見た場合におきましては、一つの安心してお願いができる、手続をするということができるというふうな制度、これが保険士あるいは調査士、管理士というふうな名前で呼ばれておりますけれども、全国で三万、あるいは保険代理店等のその関係の仕事をやっている人を入れますというと五万だ、六万だと言われているわけでございますが、被害者の方の観点から考えまして、社会保険労務士、司法書士、税理士、行政書士というふうな諸制度と同様の制度を創設して、被害者の保護に万全を期するべきではないか、かように考えるわけでございますが、関係の大蔵大臣、運輸大臣、法務大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 自動車損害賠償保険の手続等につきまして、専門の保険士といったようなものを設けてやったらどうかという御意見だろうと思うのでございますが、これは弁護士法との関係もいろいろございますし、現在のところは保険会社あるいは事故相談所等でそれらの手続をやっておりますし、また手続の簡素化に努めてまいっておりますので、さしあたって、保険士といったものを設けるということについてはまだその時期ではないように思いますけれども、これも専門家の黒住先生の御意見でございますので、十分検討さしていただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように、近年、自動車事故の増加に伴いまして、契約者のかわりに、保険金請求手続の代行事務が煩瑣になってまいりましたこと、御指摘のとおりでございます。そのために保険士というようなものを制度化してはどうかという御意見でございます。大蔵省としては、まあそういう制度化を考える前に、損保会社がさらにサービスの徹底、請求手続の簡素化等を進めて、被保険者並びに契約者の不便を解消するように努めることが本筋であると考えておりますので、まず、そういう方向で指導を行っておる次第でございまして、保険士の制度化の点につきましては、運輸大臣が言われたように、なお検討さしていただきたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 損害保険士というような、弁護士でない者のいわゆる非弁活動につきましては、現行法上は、何と申しましても弁護士法第七十二条に記述しているように、第一に、もし報酬を得る目的で、第二には、業としてそういう資格のない者がやった場合は——法律事務の取り扱いを業として報酬を得る目的でやった場合を禁ずる規定がございますから、お尋ねの保険士等の行為がこの要件に合致する場合には弁護士法第七十七条の罪が成立すると、こういうことにならざるを得ません。したがって、これは取り締まらなければならぬわけでございます。 ところで、自動車事故の激増に伴い、損害保険士等の名称で、実際上は低廉な報酬で迅速に示談が成立するという効果もあるわけでございまして、これを制度化するかどうかということにつきましては、一度、弁護士連合会では、昭和四十七年五月二十日、自動車事故調査上等の法制化は反対だということを決議しておりますが、昭和四十八年の十二月、交通相談士の名称で業務資格認定制度の法制化を図るよう国会に対して請願を受けております。したがって、この点については関係省庁とよく協議して相談をすべき、検討をすべき事柄ではないか。どういう実情になっているかということについての調査は法務大臣官房司法法制調査部長のところで調査した結果を持っておりますから、御必要ならば御報告を申し上げても結構です。
○黒住忠行君 本件につきましては、さらに論議を尽くしたいと思いますので、また時を改めましていろいろとお尋ねし、また御意見を承りたいと思います。 自動車の排出ガスに対します五十年規制によりまして、COは九五%減、HCは九二%減、NOxは六一%減となると言われております。さらに五十一年規制の暫定値におきましても、いま申し上げました五十年規制の二分の一減になる。こうなりますというと、世界的レベルから見ると日本が一番進んでおるわけでございまして、後退とかいうふうなことを言われますけれども、私は決して後退でなくて前進ではないか。環境をよくしていくということはもちろん重要でございますけれども、物事は計画的、長期的な視野に立ってやっていくのが政治である、かように考える次第でございます。したがいまして、それらの観点から環境庁長官、そして通産大臣、運輸大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私どももそのような考えで四十八年から五十一年まで三回にわたって規制を強化してまいることにいたしたわけでございます。 なお、これからも中公審の対策にあります総合対策を強力に進めまして、国民の健康を守る上で排ガス規制が十分その効果を上げるように努力をいたしたいと、このように考えております。
○国務大臣(河本敏夫君) 今回の排ガス規制は自動車業界にとりまして相当厳しい内容になっております。ただしかし、決まりました以上は、強力に規制に沿うように指導をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(木村睦男君) 低公害であって安全な車を需要に対して供給をしなければならないのが運輸省の立場でございます。そこで需要と供給のバランスということも考えまして実施時期を五十二年の三月に決めたのでございまして、あくまでも運輸省としても低公害車であって安全な車を供給するということを主眼に置いて行政をやってまいります。
○黒住忠行君 これらの諸点につきましては、さらにいろいろと詳細にお聞きもし、考えも申し述べたいと思いますけれども、後日にいたすことにいたしまして、本日は私の質問はこれで終了させていただきます。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして黒住忠行君の質疑は終了いたしました。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十九分散会