予算委員会 第4号
- 発言数
- 575 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/03/07
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十年度一般会計予算 昭和五十年度特別会計予算 昭和五十年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、玉置和郎君の質疑を続行いたします。玉置君。
○玉置和郎君 総理、きのう石原君が東京都知事に立候補しました。きょうは新聞を見てみましたら、美濃部さんが、石原君はファッショだとか右翼だとかいうことを言っております。これはぼくら見てこう思うんですよ、右翼だという定義は一体何なのか。総理から聞きたいのですが。
○国務大臣(三木武夫君) 美濃部さんが言っておることを私がここでコメントするということは、何で、どういうことをとらえてどう言っているのか、私はよくわかりません。
○玉置和郎君 総理、あなたは戦前から戦後今日まで、ずうっと一貫して議会の子として政治家としてやってこられた。そこで、私の知る限りにおきまして、戦前にあれは左翼だと言われた人が、戦争に負けてみたら案外中道を歩んでおった、まん中を。それはなぜか。あの当時は御承知のように軍というのがたいへん強くて、軍部という右の勢力が強かった。この右からちょうどまん中、中道を歩いておる人を見たら、あれは左だと、こういうことになる。戦後はどうかといったら、こちらのちょっと左に並んでおる人たちが、共産党さんが一番左で、次が社会党さんだとか、とにかくおれらは左翼だと、こう言っている。左翼の人からまん中を歩いておる人を見たら、これは右だということになる。どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 右とか左とかいうことには、はっきりした定義はない。やはりどういう思想を持つかということであって、それに対しての評価が出てくるだけで、右とか左とかいうのは余り合理的な言葉ではない。
○玉置和郎君 一国の政治の頂点に立つあなたが、右だとか左だという論議は、これは余りいいことでないということを言われました。これはりっぱな、私は国会の記録にとめることばだと思います。そうすると、玉置和郎は、私は右であるとか、あるいはタカだとか言われますが、私のことについて、恐縮ですが、総理はどう思いますか。(笑声)
○国務大臣(三木武夫君) 国民の負託で選ばれておるりっぱな国会議員の一人である。
○玉置和郎君 そこで、これは非常に大事なことなんです。地方自治をやっていく者がファッショだとか右翼だとか言われて、健全な地方自治は育たないと私は思うのです。なぜなら、地方自治こそ民主政治の道場であるというのが私の政治信条なんです。そういう意味において、美濃部発言というものが新聞のとおりであるとするならば、これは美濃部さん自身が地方自治の本質を忘れたものであるという、こういう見解をとるのですが、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) どういう意図で美濃部さんがそういう発言をしておるのかよくわかりませんが、しかし、地方自治体の選挙というものがそういう右とか左とか、そういう問題でなくして、やはり自治体の問題の、もっと自治体自体のいろんな施策の面とか政策の面とか、そういう具体的な問題で地方選挙は争わるべきものである。ただ右左というのでなくして、地域住民の生活に即した具体的な問題を掲げて選挙は争われることが、それが通常の選挙の姿でなければならぬと思っています。
○玉置和郎君 総理、はなはだ聞きにくいことでありますが、実はわが党の先輩である徳永先生が、総理の保革連合構想について質問をいたしました。総理はそのときに、そういうことには関知をしないということでありましたが、私のここに持ってきておる資料、毎日新聞の「政変」、それからサンケイ新聞の三木委員長、春日、石田、井出副委員長というこういう記事、それから「文藝春秋」の麻生さんの署名入りの記事、これを見ていきますと、私は、関知をしないということが真相なのか、それともこの記事が真相なのか、これは国民はやっぱり判断に迷っておると思うんですよ。この点どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は徳永委員の質問にも答えたように、保革新党にみずから参画したことはない。私は自民党の改革論者なんです。そのために具体的な提案というものを自民党に行ったわけですから、そんな新党論者が党の改革に熱意を燃やす必要はないわけですね。自民党の体質を改善したいというのが私の願いで、そのことはもうあらゆる場面に明らかにしておることです。そういう意味では、保革新党論者でありまた保革新党の運動に私はみずから参画したことはない。いろんな雑誌とか、新聞などを引用されていろいろお話ですけれども、本人自体が言うことを信用してもらいたい。それでなければ、いろいろな新聞に対して一々弁明する責任を私はとるわけにはいかぬ。本人が言っておることを信用するということが、これは基礎であります。
○玉置和郎君 総理ね、総理の言うことは、私は長い間総理のそばにおったから信用いたしてもいいと思います。しかし、この中に挙がってきておる各政党の著名な人たち、この人たちの立場は、それぞれ党内において私は大変苦しい立場にお立ちになるのじゃないかという危惧さえ持つのですよ。それに対して総理はどう責任を感じますか。
○国務大臣(三木武夫君) だれも苦しい立場に立たないと思いますよ。それは、いろいろなことでそういう運動に参画したんだと言われる方が立場として苦しいのじゃないでしょうか。何も、私と新党運動をいろいろ話し合ったんだというようなことを、私がここでそう言うことで、それで苦しい立場に立つと思えませんね。それば事実がそうであればそうでしょうね。事実がそうでないわけですから、何人も苦しい立場に立つ人はない。私が言うことで、だれも党内で苦しい立場に立つ人があるとは私は思わない。かえって、いろんなことを言われることは迷惑なんじゃないでしょうか、各党の人でも。
○玉置和郎君 そうすると総理、こういうものは結局それなら真実を伝えてないということですか。新聞は、新聞の倫理綱領にありますように、真実を伝えるのは新聞の役目だと言っておりますが、あなたに関する限りにおきまして、各党のこの著名な人の名前の出てくる限りにおきましては、これは新聞は真実を伝えていないということになるんですね。
○国務大臣(三木武夫君) 私は読んでないですけれどもね、いろんな新聞とか出版物、なかなか日本は多い方です。これに対して、必ずしも実情を伝えてない場合もあるでしょうが、新聞は真実を伝えないか、あるのかというような、本来真実を伝えるべきものでしょうが、ときどき問題の理解が誤る場合もあるでしょう。しかし、そのことで新聞の真実というものを報道する本来の職務を私は否定しようとは思わないですが、いろんな印刷物を出して私に責任を追及されると言っても、私はとりょうがないわけです。
○玉置和郎君 ぼくは総理、むしろあなたがそういう構想を持っておられて、あなた自身はやらなくとも、あなたの周りがこういうことをやったというこの新聞の報道のとおりとするならば、私はむしろあなたに対して、あなたの周りに対して、きょうはほめてあげたいと思ったのですよ。それはなぜならば、私も自民党の党員として、保守単独政権というのが望ましいということはわかります。しかし、もうそれよりも、イデオロギーを越えてひとつ日本の大きな問題、世界の大きな問題に取り組むべき威勢だというのが私の見解なんですよ。たとえば食糧の問題、これは世界的な問題。あるいはエネルギー資源の問題、国際的な公害問題を解決せにゃいかぬという、こういうときにはもういままでのパターンで政治を考えるべきではないと、こう思ったから、むしろあなたがきょうはそういうことを言われるよりも、あなた自身の腹の底にあるものを率直に国民の前にぶつけるほうが国益になると思って実は聞いたのです。それはどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 玉置委員にほめられるために真実を曲げるわけにはいかない。私は、保革の新党にみずから参画し新党運動に参画したことはないというわけです。そのことは事実であります。事実を言う以外にはない。
○玉置和郎君 いや、執拗ですけれどもね、私はしかし、そういう構想については賛意を表するのです。しかし、一点非常に——これはあなたはおそらくそんなことはないと言われますが、びっくり仰天をいたしたのはここなんですよ、安保たな上げがその論議の内容であったということ。特にここでは毎日新聞の「政変」では、佐々木さんが「新内閣はスタグフレーション対策が最大の課題でしょう。国民的、超党派的な性格のものでなければならない。安保はタナ上げ、四次防は凍結という姿勢で大体処理できるのではないだろうか」、これにはあなたが同感したというようなことなんです。 問題は——政権をどなたがとられようが、自民党の場合は私はそう大した問題でないと思うのです。問題は、日本の安全と平和というものが一体どういうふうな立場で守られるかということなんです。それが非常に大事なんです。この辺もう一回確認しますが、安保の問題の話は出てないのでしょうね。
○国務大臣(三木武夫君) 玉置委員も御心配でございましょうが、総理大臣として日夜心配しておることは、国の安全の確保であるということに対してはいまさら申すまでもないわけであります。だから、私は終始一貫、日米安保条約というものの戦争抑止力としての価値を評価するということを施政方針演説でも申したわけでありますから、そういう安保廃棄論というものに対して、そういう意味のたな上げとかいうようなものに対して私は賛成をしないのですからね。まあ、いろいろなことよりも、本人自身がここへ来て言っておるのですから、そのことを理解をしてもらいたいと思います。
○玉置和郎君 総理、そういうふうにして日米安保というものが日本の安全と平和に大変大事だという御認識を確認されましたことを、私はやっぱり喜ぶ一人です。 そこで、次にどうしても聞きたいのは、あなたは、カイロ宣言、それからテヘラン、ヤルタ、ポツダムと、こういうふうに列強の首脳がずっといろいろと会合しております。そこに微妙なやりとりがある。こういったカイロ宣言からポツダムに至る間の列強の首脳の回顧録あるいは言行録、こういうようなのがたくさんいま出ておりますが、それをずっとお読みになったことはありますか。
○国務大臣(三木武夫君) 一応歴史的な重要な会談録というものは読みました。
○玉置和郎君 これは総理、もう一回やってほしいのですよ。これはあなたが忙しいからあなたの周りの者でもいいです。 私は今度四ヵ月ほどかかって、このカイロ宣言からポツダムに至る列強の動きというものを見てみたのです。非常におもしろい。たとえばチャーチルが、いよいよ英国がやられるというときに、ルーズベルトのところへ飛んで行った。そうして大西洋上のチョップラインというものを設けた。チョップラインというのはここで聞いてみて知っておる人おらぬですよ、ここの国務大臣で。チョップラインとは一体どういう性格を持つのかということがわからない。これが日本のいまの政治家の——与野党ともにそうですよ。チョップラインを知っている者がいたらここで私、答えてもらいたい。それは非常に大事なことなんです。いま日本の政治家は、戦後軍事に暗いということなんですよ。日本の周辺をめぐるところの軍事情勢に暗くて日本の安全保障戦略は立てられるはずがない。安全保障戦略が立てられないと外交戦略が立てられるはずがない。きょう私は時間があったら、この日本の周辺を取り巻くところの軍事情勢というものについて、あなたの所信というもの、あなたの理解度というものを確かめたいと思ったんですが、何せとにかくきょうは十一時までに終われと、こう言う。これが一番大事なんです。藤田先生が——これは尊敬する野党の第一人者でありますが、戦力というのをやられた。戦力が戦う力であろうが、闘争する力、こんなものはどうでもないんです、こんなものは。それは法律家的な解釈なんですよ。日本の安全保障というものについて、いわゆる高度の海洋国家日本というものの安全保障というものを一体どうするのかということ、延び切ったところの石油、鉄鉱石のこの輸送路というものをどのように確保していくかというような問題、こういう問題がいまあなたのもとに計画的に語られたことがあるのかないのか、それを聞きたい。
○国務大臣(三木武夫君) まあ、戦力という政府の解釈に対していろいろ御疑問があるようですけれども、これはやはり当然のことじゃないですか。平和憲法を持っておって、日本は抵抗はするけれども、いわゆる戦うという——戦うという中にはやっぱり攻撃的な意味もありますからね、戦うのは。ウォーポテンシャルでしょう、戦力というのは。戦争やらないんですからね。だから、そういう場合に対して日本を守るために抵抗する、反抗する、防衛のために。そういうのはやっぱり普通の戦力と違うということでこれは理解されることだと私は思います。 それから、日本の安全を守るということで、中東の石油でも非常にやっぱり遠路運んでくるわけで、その一つの海上輸送というものの確保というのはどう考えるかということでありますが、そういうことに日米安保条約も一つの大きな役割りを果たすわけですから、日本だけでそうやって、海上輸送力を日本だけで守るという計画は、もうそれはアメリカみたいな海軍力でも持たぬ限り、できるものではない。だから私の言いたいのは——それはよくわかりますよ。軍事情勢もよく頭の中に入れなければならぬけれども、安全というものが、ただ軍事的な側面だけで安全を考えるということはやはり片手落ちである。外交であるとか、いろんな安全を確保するあらゆる手段というものがあるわけですから、安保条約もそうでしょうし、また、世界各国との外交関係ということもそうでしょう。何か日本自身の一つの防衛力によって輸送路を全部カバーするということは不可能なことであると、そういう事態にならぬように、世界の平和の維持に対しても日本は協力するし、また、世界からもよき隣人として理解されるような日本になるということもそうでしょうし、ただ力だけでということに、そういう日本を守るということは余り狭い意味に解釈することはかえって誤ると私は思っております。
○玉置和郎君 総理ね、ぼくはこう思うんですよ。戦争という状態が起こらなくとも、日本の安全と平和が脅かされるという点を心配するんです。だから、あなたの言うように、戦力だとか何だとかという、いわゆる日本の単独の軍事力云々なんていうことは私は初めから何も言ってないですよ。あなたが余分な答え方をしているんで、そんなことは言ってないです。それはどういうことかというと、国家の大目標はまず内政が安定することだ、それから外交、経済、軍事、総合的な力というもの、それをどこで調整をしておるのかということを聞きたいのですよ。どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) それは内閣であるということでございます。
○玉置和郎君 そこで、一つ一つの問題をお聞きをしたいと思うのです。これはもう原稿は、官房長官、あんたのところへ行っておるはずだ。それは総理が読んでおるはずですから、私の言わんとするところはちゃんとわかっておるはずですから、これは原稿をちゃんと届けて、私の書いたこのままのやつを渡しておるんですよ。だから、その点で私は本当の腹の底を聞かしていただきたい。国民は大変な不安を持っておるんです、これは。 それで第一に、国の安全を保障するための必要な防衛の範囲というものを一体どこに置いておるかということです。
○国務大臣(坂田道太君) いまのお尋ねをもう少し詳しくお尋ねいただきたいと思いますが。範囲というのは、海上についての範囲という意味でございましょうか。
○玉置和郎君 まあね、これ、私は与党ですからね、これ以上突っ込んだことを言いませんけれどもね。いま総理の言われた、日米安保があったら日本の海上輸送というものが確保されるんだと思うこの認識が誤っておるんです。最近、アメリカの政府は、一体世界の各国に対して、友邦国家、同盟国家に対して何と言ったんですか。そのことを総理はどう理解していますか。
○国務大臣(三木武夫君) ここじゃないんでしょうか、玉置さん。日本の防衛力というものが日本の沿岸外というものに及ばない、その限りなんですから、日本の純然たる防衛のためですから、それ以上の問題ということになれば、これを軍事的に見れば日米安保条約という以外にないんじゃないでしょうか。しかし、そのことだけで、私は言いたいのは、そういうことではなくして、もう少しやっぱり広い意味で国の安全確保は考えなければいけない、外交なども大きな要素であるということを私は言ったわけで、したがって、何もかも日米安保条約に頼るというような意味ではないわけです。しかし、軍事的な意味においてはそれ以外のよりどころはいまありませんよ、軍事的では。しかし、そこへ至らせないための、そのためのやっぱり外交というものはあるわけですから、したがって、外交の機能を挙げて日本の安全を確保するためにこれは大いに外交というものは積極的な努力をしなければならぬということでございます。
○玉置和郎君 総理ね、これは外務大臣でもいいですよ。世界的シーパワーというものは、これはいろいろの解釈——世界的シーパワーというのは、世界的な海洋力とも言うし、世界的な海洋権力とも言うし、これは解釈のしかたがありますが、世界的シーパワーは第二次大戦後はアメリカがもう決定的な力を持っておったんです。ところが、最近に至ってアメリカは、ソ連のいわゆるインド洋に対する進出、ソ連海軍の充実ぶり、特に総合戦争というよりもゲリラ戦的な様相を持ってきた世界のこういう動きに対してアメリカは自信をなくしたということを表明しておるんですよ。いまや、アメリカは世界の七つの海の管制力がなくなったということを言い出したんです。そうして、各国がそれぞれの能力に応じて分担をしてほしいということを言っておるんですよ。これは外務大臣、どうですか。それはそういう事実があったかどうかだけ言ってください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに第二次大戦後、ことに最近ソ連のいわゆるシーパワーに対する力の入れ方が非常に目立ってまいりまして、したがいまして、御承知のように、ことにインド洋においてはジエゴガルシアのような問題が起こってまいっておるわけでありまして、アメリカがそういう憂慮をしておるといったようなことは、私どもそのように考えております。
○玉置和郎君 総理ね、お聞きのとおりなんですよ。これは大きく軍事情勢というのは常に変化するんです。そして日米安保のこの防衛の範囲というのは、国会で論議されましたいわゆる台湾条項、あの辺までですよ。その先から一体どうするんだということになる。たとえば、アラブが今度石油を戦略に使った。あれは経済戦略に使ったんじゃないですよ、政治戦略に使ったんだ。アラブがオーケーということでタンカーに積んできても、これはインドネシアで、いまのような日本とインドネシアの関係、冷えていくようなインドネシアとの関係がもし続くとするならば——インドネシアは十五年ほど前に、いわゆるインドネシアの群島内領海宣言というのをやったんですよ。南北一千海里、東西三千海里というあのたくさんの島の中はおれの領海だと言い出したんだ。台湾も最近に三海里説からの十二海里説をとって、経済水域は二百海里だということ、これはもう時間の問題です。そういうときに、日本の油というもの、鉄鉱石というものの輸送路が果たして確保できるのかどうかということに私は心配をしておるんです。どうですか、これは。
○国務大臣(三木武夫君) 確保されなければなりませんから、そのためにあらゆる対外関係において、そういうことも頭に入れて努力をすることは当然のことでございます。
○玉置和郎君 そうすると、いわゆる日本の国の安全を保障するための必要な防衛範囲というものは、単に日米安保の範囲に限るんじゃないんです、これは。防衛というのは、あなたが言ったように、単に軍事の力でもって防衛するというのじゃないんです。これは経済的にも、大きな外交的にも、高い政治配慮からも、きのう言ったように、青少年対策の中においても安全保障というものを考えなけりゃならない日本の高度依存海洋国家という宿命的な、運命的なものを持っておるということの認識、これはもう一回確認をいたします。
○国務大臣(三木武夫君) それは私がしばしば言っておることじゃないでしょうか。防衛というものを、軍事的な面だけでなしに、もう少し広い面で国の安全の確保というものはとらなきゃならぬということは、私はいまの答弁に終始述べておることで、そのことと私は意見が違っておるとは思ってないわけです。
○玉置和郎君 そうしたら、総理、さっきのシーパワーですけれども、あなたと、それからあなたの前でもいい、大平さんに聞いてもいい。いままでアメリカと日本との関係の中において、世界的シーパワーという問題、それから日本がこれから分担せなければならない局地的シーパワーという問題について、日米の間で合意に達したことがあるのかないのか、これをお聞きします。大平さんでもいいですよ。——これはないんです。私のなにで、ずっと各自民党の内閣において一回もないんだ。大変な問題ですよ、これは。法律家的な解釈で、論議の中でやることも大事ですが、これが一番大事なんだ。こういうことを一回も国会でやったことがない。歴代の戦後の保守党内閣の中でも、一回もそういうことをやったことはない。これは一つだけ運輸大臣に聞きますが、運輸大臣、この有事の際の日本の船舶に対して、あなたはどういうふうに考えておりますか。
○国務大臣(木村睦男君) 平和時における船舶輸送についての安全その他については、いろいろの法規の根拠のもとに実際実施しております。しかし、いま玉置委員のお話のように、有事の場合にどうするかということについては、いままでは考えられておりません。有事の場合には最終的には自衛隊の発動を待ちまして、海上保安庁が防衛庁長官の指揮下に入ってその守りをするということにはなっておりますけれども、いままでそういうことについてのいわば演習的なもの、そういったものはやっておりません。
○玉置和郎君 総理ね、お聞きのとおりなんですよ。これは戦争というものがなくても、油をずっと運んで来るあの間に、どこかの国で紛争が起こったら、一遍にとまっちゃうんですよ、これ。それだけに、こういう海上の輸送路をいかにして確保するかという問題は、これはもう日本の大変な問題です。私は、日本は経済大国だなんて、ここの国会で歴代の総理大臣なんか言っているけれども、ちっとも経済大国じゃないと思っておるんですよ。経済大国なんて幻想ですよ。幻の姿です。油と鉄でここまで伸びてきたところの日本、かえってその輸送路がぐっと延びてしまって、世界の各地から求めなければならぬ日本というものがこういうことも考えておらないということになれば、一番もろいのです、これは。そのもろさをこの前の油ショックで見せたのじゃないですか。それなのに、いまだに世界的シーパワーというものをどういうふうに考えていくか、それと日本が守らなければならない局地的なシーパワーというものを、これをどのようにするか、船団という、コンバインというものの組み方すらやっていない、こういう状態では、私は、国民は大変な不安を持っていると思うのです。どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ、それだからこそ、やはり一方においては世界の平和といいますか、そういう紛争、地域的な紛争が起こらないために、日本はできるだけの協力もしなければならぬ、それはやはりいろいろの海外協力という中にもそういうものもあるでしょう。また一方においては、日本のために、日本の石油の輸送路を断ってやろうではないかというような、そういう日本に対しての国際的な世論が起こらないだけの、やはり国際社会においてよき隣人として日本人が理解されるような立場を日本はとらなければならぬ。そういう努力がなければ、いま有事の際というものを想定して、日本のような国が万全を期するということは、なかなかむずかしい問題があります、これは。だから、あらゆる努力を払って、そうして日本の海上輸送力の安全を期するということを考える以外にはないので、実際に有事なからしめるための努力というものが私は非常に大事だと思っております。
○玉置和郎君 総理ね、あらゆる努力の中に、政治家というのは——私は未熟な政治家の一人ですが、一番大事なことは、うまくいっているときはいいんですよ。政治は政治なきを期すを理想とするという、これはルソーの考え方なんです。これがもう最高なんです。政治権力というものを国民が感じないような社会、これが一番いいんですよ。ところが、政治家のわれわれが一番考えなければならぬのは、有事の際に一億一千万の国民の生活というものをどういうふうに守っていくかということなんです。それを、有事の際なんていうことはどうのこうのと言うのは、私はどうもぴんとこない。この有事の際、備えあれば憂いなしです。ボーイスカウトだってこう言っているのだよ。あの小ちゃな子供だって、備えあれば憂いなしって誓っておるのだ。それなのに、この国会でこの有事の問題が語られないというのは一体どういうことなんですか。
○国務大臣(三木武夫君) 有事の場合を考えて、有事の場合にも備えることは当然に必要でありますが、われわれやはり日本の政治が考えなければならぬことは、有事に至らしめないための努力、それが私は政治の大きな役割りだと思う。有事が既定の場合も考えてそういう計画も持つことは必要ですよ。しかし、政治というものはそこまで来たら政治ということでなくなるわけですから、やはり有事に至らしめないためにどういう努力をするかということが、政治家が心を砕かなければならぬ中心の課題だというのが私の考え方でございます。
○玉置和郎君 総理、それはよくわかります。それはもう大前提なんだ、大前提なんだ。ところが、そんなら現実に一つ聞きますよ。アメリカは世界各地に船を出しておるんです。日本も世界各地に船を出しているんです。アメリカと日本との船舶に対するこのいろんな考え方の違い、政府としての。これはどう見ますか。
○国務大臣(三木武夫君) それはアメリカと日本とは違う。日本はああいう憲法を持ち、日本は、やはり世界各国に輸送路なら輸送路を確保するための、そういう形で国を守っていこうというたてまえではないわけですからね。これはアメリカと日本と、アメリカでやることを、そんなに日本もやらんならぬとは思わない。日本は日本の特殊な立場に立ってやっていこうという決意が憲法というものに結実されておるわけですから、国によっていろんなやり方の違いがあることは当然でございます。
○玉置和郎君 運輸大臣、いまの総理のお言葉を聞いて、あなたが船舶のいわゆる運航の一番の最高の責任者なんだ。アメリカが自国の船舶に対してどういう措置をとっておるか、これ、ひとつここで教えてあげてくださいよ。それは何も憲法の制約なんかありませんよ。
○国務大臣(木村睦男君) 有事の場合においてアメリカがアメリカの船舶にどういう態度をとっておるかということは、不敏にして私は存じておりません。ただ、日本の立場といたしましては、有事のときに、やはり必要な食糧であるとか、あるいは油であるとかいうものは日本の船で運べるように、日本の船腹の強化は図っておかなければそのときに困るであろうということで、いままで日本船の船腹の拡充に努めてまいってきております。
○玉置和郎君 総理、こういうことなんです。アメリカは、有事の際にちゃんと運航統制のできるようなシステムをいまつくっておるんです。それだけに、世界各地に散らばっておるアメリカの船舶の位置を常に把握できるために、アメリカに基地があって、電子計算機でいつも運航を見ておるわけです。そして、有事の際には直ちにその運航統制の中に組み敷かれるように、いまアメリカはなっておるんです。これは三光汽船の関係であった河本通産大臣、いまはもう現在ありませんが、河本さんはこれの実際ベテランなんだ。みんなこれは心配しておるんですよ、船舶を持っておる経営者にしても、船員組合にしても。日本の船なんというのは、一発前に大砲の弾をボーンと一千メートル先に落とされたら、途端に——参議院におる海員組合の出身の幹部にも聞いたことがある。どうするのだいと言ったら、もう船員は乗せなくなると言うんです。たった一発、それだけやられて、一発船に向かって機関銃撃たれなくとも、百メートル先に機関銃をバンバンババーンと撃たれただけで、船員を乗せるわけにいかぬというのが日本の状態ですよ。そういう中で、日本のこの輸送路というものが一体確保できておるのかできてないのか。私は、こんなことは簡単にして起こると思うんです。起こらないという考え方は、これはもう幻想ですよ。それから、平和に徹するとか。平和というのは、自分だけ念仏を唱えておって平和が来るわけじゃないのだ、これは。この周りにたくさんの国があるんですよ。そのたくさんの国の動きを考えないで、自分だけが平和に徹するとか、念仏を唱えておったら平和になれるという、これを幻想と言うんですよ。そのことをこれからあなた方にひとつしっかりやってもらいたい。われわれもやる。 そこで結論を急ぎますが、総理、これだけ言ったらわかるでしょう。こういう有事の際に対して、あなたが中心になって、だれかが主査になって、こういう問題について、これからのこの三木内閣というものは国民に心配を与えない、いかなる有事に対処してもいくというふうな。こういう憲法の制約があるでしょう、しかし友邦国家、同盟国家、アメリカとこういうふうに協調していく、ソ連ともこうやっていく、この輸送路の間にあるところの発展途上国ともこうしていくというふうな、こういう考え方をどういうふうに三木内閣のもとにおいて練り上げていくかという——戦後三十年たって、どの内閣もやっていないのだ、これ。こんなばかなことありますか。だからね、三木総理、あなたのもとで、せめてこれからの日本の国民の安全と平和のためにも、有事に際してせめて国民の必要とする最少の物資の種類はどうだ、その量はどのぐらいだ、その質的内容はどうするのだ、それに対する輸送路の確保のためにはどういうふうにすべきかというふうなことをぜひ話し合ってもらいたい、そしてその機関を設けてもらいたい。国会に設けてもいい。どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 内閣の責任として、あらゆる場合を考えて、それに対して準備をしなければなりませんけれども、私が私自身としての、これからのやっぱり心を砕いていきたいという点は、日本ぐらい世界の平和に依存する国はないんですから、そういう意味で、日本の安全を確保するためには、どうしてもやっぱり世界の平和というものが前提になり、そういうためにあらゆる努力をするということが政治家として心を砕かなければならぬ中心の題目であるというふうに私は考えておる。ただしかし、いろいろな場合を想定して政府が準備をすることは、これは当然の責務ではありますけれども、しかし、実際問題、どういう形でそういうふうな紛争といいますか、局地的な戦争にしても起こるのであろうかということは、なかなかやっぱり想定しにくい点もあります。そういう点で、いろいろ一般的な準備はしておかなければならぬものはありますけれども、私は、日本の政治というものが皆心を砕いていかなければならぬことは、どうしてそういう事態を防ぐかということにこれからの政治の重点は置かるべきであるというふうなことが、強い私自身の責任感として、そういうことを考えるわけでございます。
○玉置和郎君 総理、それは大前提はわかるんですよ。大前提はわかるんですけれども、有事に際してこういう計画を持たない国なんというのは日本だけですよ。インドネシアも持っておれば、シンガポールも持っておる。もちろん中華民国も持っておる。フィリピンも持っておる。韓国も持っている。もちろんアメリカも持っている。ソ連は持っている。世界の各国が有事に際してというのは、これは当然のことなんです。もう一回確認しますよ、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 有事という場合も考えて準備をすることは必要ですけれども、有事有事ということで、いかにもそういう世界的な紛争が起こるということを前提にして日本の政治全体が動くことは、私は適当だとは思わない。どうして有事を防ぐかということに政治は知恵を皆傾けるべきである。しかし、政府として、そういう場合のことも考えて準備をすることは必要ではありますけれども、それがもう有事の際にということで、全国民的にこれが大きな中心の題目に取り上げてするということが私は適当だとは思わない。政府がこれはいろいろな場合を考えて準備をすべきであって、むしろ日本の政治が心を砕かなければならぬことは、そういうふうな状態に至らしめないための努力、それを怠って、有事のとき有事のときということばかりで、その問題に中心として精力を傾ける政治が好ましいものだとは私は思ってないのです。
○玉置和郎君 それなら自衛隊は要らぬじゃないか、そうだったら。自衛隊はどうなるの。あなたの言う前提がそうなら、自衛隊なんて要らない、ちっとも要らないじゃないか。自衛隊そんならどうするんだい、これ。やめた方がいいじゃないか。私ははっきり言いたいよ。自衛隊やめなさい。そこまであなたが言い切るんなら、自衛隊なんて——自衛隊は有事の際に備えるんじゃないのか。自衛隊は要らぬじゃないか、それは。
○国務大臣(三木武夫君) 自衛隊はやっぱり、究極において有事の場合を考えることは当然でありますよ。そういう意味において、自衛隊、安保条約をこれは当然に必要なものとしてわれわれが評価をすることが当然でございますが、しかし、やっぱり政治の弁としては、安全の確保というのはもう少し幅広く考えて努力を、たとえば外交関係においてももう少し努力をしなけりゃならぬ面もありますから、そういう安全というものを幅広く考えることが必要である。しかし、自衛隊、安保条約、こういうものが究極において、有事の場合において日本の防衛力の一つのよりどころになるということのその価値というものを私はいささかも過小評価するものではないということははっきりしております。
○玉置和郎君 防衛庁長官、ぼくは、はなはだ総理の答弁、これは不満です。こんなことで日本が守れるということは思わない。ぼくなんか、総理ね、ちっとも偉くなろうとは思わないんだ。だからあなたに、参議院から、自民党から大臣をとるなと言っておるんだよ。ちっともそんなことは思わない。藤尾正行もそうなんだ。ぼくはタカだとか右翼だとかワシだとか言われておるけれども、ちっともそんなこと思っていない。こういうことを一番心配しておるのがわれわれなんだ。あなたはかっこうばっかりいいんだよ、これ、私に言わせたら。率直な話だけれど。有事の際を考えない政治家なんというのはとんでもないやろうだ、これはほんまに。本当に失礼な話だけれど、ぼくはきょうは本当に、あなたを今日まで私は尊敬してきたけれど、こういう、有事の際を考えない政治家なんというのはステーツマンじゃないですよ。 そこで、防衛庁長官に聞くが、海洋ゲリラの問題に対してあなたはどう考えておるのか。
○国務大臣(三木武夫君) 玉置さんの断定をそのまま肯定するわけにはいかない。有事のことは当然に考えなけりゃならぬ。しかし、やっぱりその前に、有事に至らしめない努力というものが政治として必要なんで、有事の場合を考えないという政治はありませんよ。有事の場合を全然考えない——有事のことを考えるからこそ、その前の有事に至らしめないというのは、有事のことを考えるからなんですよ。有事というものを非常に重大な問題として考えるからこそ、そういう考えが起こるわけでありまして、有事の場合を考えない政治というものは国民に対して責任を果たしておるわけじゃないんですから、有事のことを考え過ぎるぐらい考えて、そういう事態に至らしめないことが必要だと言っておるので、それは有事のことを考えるからですよ。考えなけりゃ、そういうふうに私が強調する理由はないわけですから、有事を全然考えないというようなことは、それは私の本旨ではない、国民に対しても誤解を与えるということで申し上げておきたい。
○玉置和郎君 総理、そんならあなた、有事の際を考えるための具体的な対策というのはこれからどうするの。いままでちっとも有事の際を考えてないんだよ、だれも。歴代内閣だれも考えてないんだ、これ。具体的にどうするのか、あなたはっきり答えなさいよ、ここで。
○国務大臣(三木武夫君) それはやっぱり政府の責任でありますから、そういう場合を考えて、いろんな体制というものは常に持っておく必要がある。そのために政府自身がいろんな計画を立てることは当然のことだと思っております。
○玉置和郎君 もう一回確認しますが、そうしたら、何らかの対策する機関を置きますね。
○国務大臣(三木武夫君) 機関を置く考えはございません。しかし、各省においてこの問題はいろいろな分担がありますけれども、政府として考えることは当然で、玉置さん、歴代の内閣が考えなかったということは少し言い過ぎじゃないんでしょうか。どの政府だって、国の安全を確保するということは、これは政治の第一義的な責任ですからね。だから、あなたが考えるほど——やっぱり政権を担当する者が国の安全というものに対して心を砕かない者はありませんよ。だから、具体的にこの体制を整えておく必要があるということはそのとおりだと思いますよ。しかし、だれも考えない、そういう政権はあり得るはずはない。国の安全というものを考えながらいろんな施策をしてきたと私は言えると思う。それに対して、もっと体制を整備すべきであるということは、それは当然のことだと思いますが、しかしそれは、どの政府も全然考えなかったということは少し言い過ぎだと思います。
○玉置和郎君 総理、ぼくは何でこんなに執拗に聞くかというと、それは——その答弁はあたりまえのことなんだ。アメリカの大統領が就任するときに、一番最初に誓う言葉は、アメリカの国の安全保障を私はもう全力を挙げて守るということなんだ。やっていくということなんだ。それはあたりまえのことなんだ。しかし、いま具体的に私は聞いてきたんですよ、有事の際に一体どうやったのかと。だれも答えられないじゃないか、これ。そうしてここで、衆参両議院のこの国会論議を見てみたら、法律家的な、やれ字句がどうのこうの、憲法解釈がどうのこうの、そんなことばっかりなんだよ。これを言いたいんですよ。これを受けてあなたが各省にやらすんじゃないんだ。あなたが総合調整をするところの最高権力者であるし、あなたがやらなきゃならぬから私はこう言っておるんですよ。どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) それはしばしば言っておるように、私は国の安全の確保というものに対して日夜心を砕いていると、そういうことで、国の安全確保というものに対してもっと政治が関心を持てという意味はよくわかりますよ。それは当然のことだと思います。まあどこの国でも、この安全の確保ということは政治の第一義的な問題として取り上げておるわけですから、われわれとしても当然なことであって、そのためのいろんな場合を考えて、国民の安全を確保することはもう何よりもこれは政治の前提でありますから、そういう点で、われわれとしても、別に機関を設けたりはしませんけれども、私の全責任において、そしていろんな各省にまたがっておる所管事務を総合してそういう場合の体制は整備することは申すまでもございません。
○玉置和郎君 これで最後。 防衛庁長官、もう答弁しなくてもいいですよ、あなた。しかし、あなたは防衛庁の長官だし、それから運輸大臣、あなたもそうだし、大事なことだし、外務大臣、あなたも非常にこの問題について重大な関心を払っておられる。歴代外務大臣の中で、あなたはピカ一だと思っておるんだ。これはもう頭もいいし、腹もすわっておるし、本当に私なんか、初め宮澤さんというのは頼りないなと思ったけれども、とんでもない、りっぱな人ですよ。それだけに、こういう大事な人に対して私はこの際ものを言うんだけれども、海洋ゲリラが非常にこれから多くなると思うんです。で、これは一つの教訓だから覚えておってくださいよ。スペインの市民戦争があった。あと一分で終わりますから、理事、心配せぬでいいや。市民戦争があった。フランコが最後には勝ったんだ。そのとき英仏は何とかしようと思ったんだ。フランコをやっつけようと思ったんだ。ところが、国籍不明の潜水艦が出てきて、ついにその国籍不明の——この国籍がどこにあるかということがわからなくなっちゃって、それで対応策がとれなくて、結局フランコが勝っていくんです。その歴史の教訓は何かと言ったら、十年たってみて、第二次大戦でイタリーが負けてみて、初めてそのときの国籍不明の潜水艦というのはイタリーの潜水艦であったということがわかったんだ。これが海洋ゲリラの本質なんだ。だから総理、日本の安全保障というものは、単に安保があったからといって守れるものじゃないんです、これは。そういうことまで考えていかなきゃならぬのです。私はそれだけ言って、きょうの私のこの質疑は終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして玉置君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 黒柳明君。
○黒柳明君 総理初め各閣僚、連日の審議、お疲れかと思います。私質問しますので、ひとつ前向き、積極的、かつ明快な御答弁をお願いしたいと思います。 まず、三木内閣、田中金権内閣に取ってかわって出た清潔な、クリーンなと、こういうイメージで登場しました。資産の公表と、いまだかつてないこともやって、ある意味では国民から期待を持たれつつ誕生四カ月になるわけですが、しかし、国会、審議におきまして、全く期待を裏切られ、姿勢が後退しているんではなかろうかと。この端的な例が、衆議院の本会議でわが党の竹入委員長が、いわゆる三木内閣に示した四つの踏み絵、政治資金規正法、独禁法、あるいは年金制度、そして排ガス規制の問題、この四つだけを見ても、連日新聞に報道される面は後退に次ぐ後退、こういうことだと思うんです。まず、この三木内閣、国民の期待に反しての、わずか四ヵ月の間でも全くそれを裏切るような後退姿勢についてのひとつ総理の所感をお伺いすることから質問を始めたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) いろいろなことが報道されておりますが、私自身としては、私の言ったことが後退しておるとは思ってないんです。私自身の言った原則というものは貫かれておる。ただ、まあその現実的な処理の方法として多少の妥協はあることは当然ですけれども、自分自身が言ってきた一つの原則というものを曲げられた事実はないと、そういう点で、私自身は何も自分の言ったことを非常に後退したとは思ってないわけです。私自身の言ったことに対して、最も忠実にこの原則を生かしたいと努力をいたしておるわけでございます。
○黒柳明君 原則は貫かれていると、後退してないと。まあこれから数時間にわたっての審議の中で、私はその後退姿勢をはっきりさしていきたいと、こう思いますが、なかんずく、まず、けさの新聞でも報道されております独禁法一つをしぼってみましても、いわゆる政府の素案が、昨日の自民党の調査会では、政府の方から何か後退を明示するような姿勢が出たんではないですか。総理は、初めは企業分割をこれに盛ろうと、ところがそれが後退して、営業権の譲渡。ところが、きのうは総理府の副長官ですか、いれば聞きたいくらいなんですけれども、それが、あくまでも営業権の譲渡は、これは株主総会で否決をされれば宙に浮いてしまう——なぜ、いまごろこんなものを政府が言わなければならないんですか。ただでさえも、政府と自民党、これから意見調整しなきゃならない、相当後退するんではなかろうかと言われているときに、いまごろになって政府から自民党に、これはだめだよというような発言をする。政府の案もそこで全く出ずじまいになってしまった。そうなると、総理の意向は、自民党党内、与党にどころか、政府内部にだったって威力は通じないんですか、命令は行き届かないんですか。あるいは成り行き任せで、独禁法はそのときはそのときだと、こういう態度ですか。どうでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 黒柳さん、私の国会の発言というものを御存じだと思いますが、私は、具体的に企業分割はやりますとか、そういうことを申したことは一遍もないわけです。自由経済として、この体制を維持するためにやはり公正なルールというものが要ると、このルールというものを確立するために独禁法の改正をやると言ったことで、内容にわたっては、御承知のように、内閣の中に独禁問題に対する懇談会も設けて、各方面の意見を徴して国民の納得するような案をつくりますということを言ったのが終始私の国会における答弁でございまして、何を基準にして後退しておるとか前進しておると言うのか私はよくわからない。私自身は、自由経済体制を守っていくために公正なルールをつくりたいということが、私の言わんとするやはり独禁法改正の意図でありますから、少しも後退しておるとは私は思ってないわけでございます。
○黒柳明君 まだこれから審議は延々と続くんですけれどもね、わずか数分の間、クリーン三木のイメージが、後退の三木からおとぼけの三木に変わった、おとぼけの三木に。全くとぼけてますよ、それは。 公取委員長、済みません、お体が悪いところおいでになって、公的な場とはいえ、ひとつお体大切にしていただきたいと思います。 いまの問題につきましてね、企業の分割、あるいはきのう政府側から自民党に対して水をかけるような営業権の譲渡の問題、公取の命令権、それから、きのう政府が自民党側に提示した株主の総会の否決権、これはあくまでも法律的な技術問題だと私は思うのですが、公取委員長の見解、どうでしょう。
○政府委員(高橋俊英君) その点に関しましては、私より先に政府側で——私は政府側そのものに入っておりませんから、政府側の見解として総務長官の意見を聞いていただきたいと思います。私は総務長官からは聞いております。しかし、私が申し上げるよりは、やはりこれは政府の公的見解とか統一見解とかいうふうに報道されておりますから、そういうふうにお願いいたします。 〔黒柳明君「まず公取委員長がそれについてどう答弁するか。聞きますよ、長官の意見も。だから、まず公取の委員長」と述ぶ。〕
○委員長(大谷藤之助君) 不規則発言は慎んでください。
○政府委員(高橋俊英君) 素案に盛られておりますその企業分割、営業譲渡ですね、それは命令をしても実際の効果がないという報道がなされております。しかし、事実はそうではなくて、公正取引委員会が審決をもって命じた場合に、それが確定すれば、あるいは高裁、最高裁の段階で審決が確定いたしますれば、それが優先するという点は変わっておらないはずでございます。
○黒柳明君 総理の見解、それじゃ。内容については云々なんておっしゃったから、公的なものが私的なものに優先するんじゃないですか、総理。
○国務大臣(三木武夫君) 植木総務長官が答弁いたします。
○国務大臣(植木光教君) いま黒柳委員から御質問の点でございますけれども、御承知のとおり、現行の第七条におきましても、違反行為の排除措置といたしまして、一定の場合に営業の譲渡を公取が命ずることができることになっております。この命令の審決が確定をいたしますれば、会社はこの審決に従う義務がございます。会社は審決の内容を実現するよう努めなければならないのは当然でございます。会社内部におきまして、株主総会その他の手続をとりまして、債権者、従業員等との権利義務関係を整理するなど、これを実行するための所要の措置は多いことは御承知のとおりでございます。会社はこれらの措置を実行する義務がありますので、これらの中で何らかの支障を生じたからといって、会社としての義務が消滅するものであるとは考えておりません。株主総会の決議も、これらの必要な措置、手続の一つでございまして、仮に決議が得られなくても、それで会社の義務は消滅するものではないのでございます。 これを立法政策としてどう取り扱うかはいろいろな考え方がございます。現行第七条は、会社の負う義務の内容実現のための所要手続、措置等の複雑性を勘案いたしまして、所要の私法上の手続の特例に立ち入ることを避けたと私どもは解しているのでございます。今回政府素案におきまして、独占的状態の排除措置といたしまして営業の一部譲渡を盛り込もうとしているわけでございますが、会社の義務を公法上のものといたしまして、会社がこれを誠実に実行することを期待し、明らかな違反行為者のある場合には、これは審決違反、九十条で罰則が科せられることになっておりますが、刑事責任を追及することとしているのでございます。で、私法上の手続の特例に立ち入ることを私どもは避けたのでございます。しかし、現実の問題といたしましては、審決の前に、審判の過程におきまして、譲渡の方法あるいは内容につきまして主務大臣と協議する、あるいはまた相手方の会社とも協議をいたしまして、そして同意審決に持ち込まれるということがありますならばこれは理想的でございます。これは、アメリカの場合などはほとんど同意審決でございます。これは御承知のとおりでございます。その同意審決ではなしに、公取の審決が確定をいたしますと、これは、先ほど来申し上げておりますように、会社がその審決を実行する義務を負うわけでございますが、会社がいろいろな努力をいたしません場合には、公正取引委員会は審決違反の告発ができます。また、あるいは会社が審決につきまして従うことができないような具体的なものがございますならば、審決取り消しの訴訟もできるわけでございますが、いずれにしても、審決が確定する、あるいは裁判所も公取の措置を求めるというような状況になりましたならば、それに対してなおかつこれに従う意思を持たないというような企業が社会の支持を受けて健全な運営を図ることが可能かどうかということを考えましたならば、これをもって私どもは骨抜きであるということは当たらないのではないかと、このように考えているのでございます。
○黒柳明君 まあ、書いてきたものをそのまま棒読みしているわけですけれどもね。私は、会社が良心的ならば、あるいは同意審決が理想的な状態になれば文句はないと思う。それがすでにないから、いま問題になって、問題が提起されているわけです、公取の権限というものが。どうですか、公取委員長。いまの植木総務長官、いわゆる政府の素案に盛られた統一見解であるかどうかわかりませんが、公取の権限というものは全く後退していると、いわゆる公的なものは私的なものに優先するんだ、こういうことじゃないと思うんですけどね。公取委員長、済みません、御答弁を。
○政府委員(高橋俊英君) こういう問題は、まだ自局党と政府との間で折衝が行われておりますので、そういう点を十分考えて総務長官の慎重な発言があったと思います。私ども、やっぱりこれを察すれば、私どもの方の立場からでございますが、公的な命令が、これは公共の利益という立場に立っての命令でございますから、私的な利益ですね、私益に優先するということは当然であろうと、そういう原則論として、どうしてもそれは命令が無効になるというふうなことは考えられないと、こう考えております。
○黒柳明君 総務長官どうですか。総務長官のいまの政府の素案の、いわゆる統一見解か何かわかりませんが、どう判断しますか。
○国務大臣(植木光教君) 私がただいま申し上げました第七条の解釈及び今回も——その第七条は御承知のように違反行為排除措置としての営業の一部譲渡でございます。今回のは、政府素案に盛り込んでおりますのは、違反行為の排除措置ではございませんで、独占的な状態がありました場合の排除措置でございます。したがって第七条に書かれております違反行為の排除措置に対する解釈と、今回の独占的状態の排除措置における営業譲渡の排除措置、これは同じように解釈をしていくという観点からただいま申し上げたのでございまして、私どもの見解というものは、今日まで公正取引委員会が現行法の独占禁止法というものを運用してこられたものと解釈は違っているとは考えません。
○黒柳明君 あのね、総理、これ全くおかしいんですよ。いいですか、私ね、これだけに余り持ち時間を使うわけにいかないんです。根本は、要するに私的に公的は優先する、この原理をたてまえとしていまの素案に盛り込んで、これから独禁法改正の方向に行くか、ここがすべて根本ですよ。独占的なものか、排除的なものか、こんなことはすべてその場その場のケースでいいんです。根本には、要するに公取の命令権というものが会社の私的な権限よりも優先するのかどうかということを踏まえているかどうかということなんです、総理。これについて明確な答弁を願えれば……。私は、これからの素案が、自民党との調節の中で大きく狂っていく、まあ相当後退しましたよ、さらにこれ以上後退する可能性がある、私はきょうこの場でその歯どめをかけたい、その後退方向に向かう可能性を。どうですか、総理の明快な答弁をしてください、ここで。
○国務大臣(三木武夫君) 私の解釈も植木総務長官と同じ解釈でございます。(「わかってないんじゃないのか」と呼ぶ者あり)
○黒柳明君 同じだったって、しようがないですな。いま、わかってないんじゃないかという不規則発言があったけど、私もそう思わざるを得ませんね、失礼ですけれども。そうしますと、手直しがされてきて、もう今月もあと二十日ばかりですよ。何か、きょうの報道によると、四月にこの素案が、政府の見解が持ち越されるんじゃなかろうかと。どうですか。そんな時期まで大幅に下がる可能性ありますか、総理、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) できるだけ迅速に自民党内の意見の一致を求めるつもりでございます。
○黒柳明君 できるだけ——それは当然ですよ。一応めどはどのくらいにお立てでございましょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 何月何日というふうには考えておりませんが、できるだけまあ早くということを考えておるわけでございます。
○黒柳明君 四月には、ずれないで、本月中というようなめども立てられますか。
○国務大臣(三木武夫君) この国会の会期の問題もありますから、余り遅くなりましては御審議に差し支えますから、できるだけ早く結論を、まあいつだということは、まだきのうから始まったばかりでありますから適当でないけれども、できるだけ早く結論を得るようにわれわれとしても努力をいたす所存でございます。
○黒柳明君 きのうの自民党内のいろいろな意見の発言、これは幹事長の発言とか何とか報道されておりますけれどもね。この問題は自民党の立党精神にかかわるような重大問題、もうこれはいわゆる自民党と企業とが癒着しているんだからつていうような、こう裏づける発言じゃないですか。総理は後退していない、基本は貫いている——貫いていません。この一つを見たって大幅後退です。しかも、自民党内の首脳からは、党の立党精神にかかわる重大問題だなんて発言もしているんですね。私は、これ以上後退する可能性がある、当然総理がもう決断をもって、勇断をもって、もう絶対これ以上後退させないんだと、こういう腹構えで、決意で臨まなきゃこの問題は公約を実現することにならないと思います。決意のほどを聞かしてください。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、自由経済体制を維持したいと願っておるわけであります。そのためには、公正な競争の原理というものが自由経済体制の中で確立することが必要である、そういう原則を貫きたいと考えております。
○矢追秀彦君 関連。 いまの議論を聞いておりまして、総理にお伺いしたいんですが、総理は、この間からずっといろんな議論がありました、ずっと経過が来ております。で、いまできるだけ早くとも言われました。もうぼつぼつ総理の頭の中にはどの辺を終着点にするのかということができていなければおかしいし、私はあると思うんです。しかし、先ほどからの答弁では非常にのらりくらりされておる状況ですね。私は絶対後退をしていないと、精神的にそういうことばっかりおっしゃって、具体的に、じゃどうなんだとなると、いまの総務長官と黒柳委員の間の議論を見てもおわかりのように、私はちょっとおかしいと思うんです。結局、独禁法改正も華々しくぶち上げられましたが、最後は私は、何もできない、結局精神的な規定だけができて、結局はいまと変わらない、そうなるんじゃないかという気がしてならないわけです。だから私たちは後退だと言っておるわけです。だから、総理がいま考えている後退しない線というのは、細かいことまで聞きません。大体どの辺にその終着駅を持とうとされておるのか、その点明快に答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 後退とよく言われますけれども、後退というのは、何か原案があって、それから非常に違っておるということの場合はともかく、政府はやはりいろんな各方面の意見も聞いて国民の納得のいくような案をまとめますということを言ったわけで、独禁法の改正は必要であるのでいたしますと、その内容は国民の納得のいくような改正案にしたいと、せっかく努力中でありますということでございますから、私自身がどうも後退だとは考えないわけで、この国会で御審議を十分願わなければならぬ問題でありますので、それだけの時間的な制約なども頭に入れて、そうして、できる限り自民党との調整を終わりたいと考えております。そのために努力もすると、こう言っておるわけでございます。
○黒柳明君 公取委員長、ありがとうございました。ますますお大事ですから、ひとつ政府と対決の姿勢でがんばってお体に気をつけてください。どうもありがとうございました。 質問、次に移ります。その次の問題は、独禁法から政治資金規正法。私は、政策論議をやるとまた総務長官と同じですなんて、こう変な答弁をしますので、具体的な問題をやりましょう、政治資金規正法の問題で。 大平大蔵大臣、大臣としてのお立場じゃないんで恐縮でございますけれども、いわゆる世間で大平派の宏池会と、こう言われておりますが、その宏池会の大臣はどういうお立場でございましょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 会長という立場におります。
○黒柳明君 一番偉いお方だと、こう判断します。 選挙部長、自治省ですか、この宏池会ですね、政治資金規正法にのっとっての届け出ありますでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 宏池会という団体は、昭和三十八年の暮れに廃止の届け出が出ておりますが、それ以降宏池会という形の団体名は見当たりません。
○黒柳明君 要するに届け出がないと。選挙部長、それで政治資金規正法第三条、いわゆる届け出るべき団体は、政治上の主義、施策を推進し、それに対しての賛否を表明する、これを本来の目的とする団体だと、こうありますね。これについて、どのような要件が整えばその三条にのっとって政治資金規正法上届け出しなければならない団体になるか、一般論で結構です、教えていただきたい。
○政府委員(土屋佳照君) いわゆる政治団体の定義はどういうことであるかという御質問でございますが、政治資金規正法上は「協会その他の団体」ということで書いてございます。これがいわゆる政治団体と一般に言われておるものでございますが、「政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するもの」というふうに定義づけられておるわけでございます。したがいまして、実体的に考えますと、まず第一に性格的にこのような目的を有するものでなければならない。通常は定款なりあるいは規約等で意思決定がなされることになりましょうが、正式にそういった意思決定が必要であるということでございます。同時に、実態の上からもそういった目的が認識される必要があろうかと存じます。そして第二に、こういった政治目的を有する行為を組織的、継続的に行うものであるということ。それから第五に、団体でございます以上、複数の結合体で、独立の団体意思というものが認められるというものでなければならない。それから第四に、団体として独立して維持していくために必要な会費等によります財政的な基盤を有すること、こういったことが一かなり雑駁な言い方でございますが、目的性、団体性と申しますか、そういったものが政治団体であるための要素として要求されるというふうに考えます。
○黒柳明君 そこで大臣、いま大ざっぱに言って目的性と団体性と、こう挙げました。私はこの宏池会につきましていろいろ調べました。そうしたら、いまの選挙部長の一般論に全く合わぬではなかろうかというような行為をしていると思いますので、ひとつ大臣聞いてください。たとえば昭和四十七年五月二十一日、いわゆる宏池会の中で、総裁選ですね、幹部会を新たに結成して、その幹部会として現大蔵大臣の大平さんを擁して総裁選勝利のためにがんばろうと、こういう主義、施策の推進を行っている。さらには四十七年五月八日——これありますよ、古いのだけ言っているだけですよ。これは宏池会がさらに別の会合、平和の声を高める会というものを都内某所のホテルでやっておる。第三者にアピールするために、外交防衛政策を、いまの主義、施策を支持すと明らかにして、平和国家としての防衛政策を推進しようと、こういうことをやっておる。主義、施策を支持する、推進する。さらには昭和四十六年九月一日、これは箱根の某所で、中国代表権の問題で当時の政府の方針を批判する、これは主義、施策に対して賛否を表すると、こういうことになりますね。そして逆重要提案方式を打ち出して、国連においての共同提案国になるように推進した等と、これは明らかに私はいま選挙部長が言ったその目的、それに当たるんではなかろうか。さらに団体性、これにつきましては、収支は四十七年の一年、四十八年の一年、四十九年の上半期、二年半年で五億一千二百万収入がある。支出はわかりません、届けてませんから。さらに団体性の中の事務所、これは継続的に十年以上赤坂のアメリカ大使館の前の自転車会館にあることはもう御存じのとおりです。しかも、複数以上の雇用関係の事務員がいます。個人的名前のものですから挙げません。会計もきちっとしております。こういう目的あるいは団体性を持ったものは、当然これは三条に明記されている主義、施策を推進し、さらに賛否を問い、これを本来の目的とする項目に当たるんではなかろうかなと私は判断するのです。これ、いかがでございましょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように、宏池会、私ども同志の政策の研究あるいは情報の交換あるいは親睦等の行動をその名のもとでやってまいりまして、その収支の経理は、新財政研究会という別の政治団体として届け出ておる団体がその収支の経理に当たっておるものでございます。したがいまして、実体的には、いま黒柳さんが御指摘のような実体を持っておると御指摘を受けましてもやむを得ないと思います。
○黒柳明君 となりますと、やっぱり私は善意の立場に立って、この際お届けになったほうがいいんじゃないかと、政治資金規正法にのっとって。いかがでございましょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 会の内外に、そういう宏池会、そして新財政研究会、このあり方というものが紛らわしい印象を与えることは好ましくないことでございますので、今日まで長くそういう状態に放置しておりましたことは大変遺憾なことでございます。御指摘のように、この際、名実ともにはっきりさすために所要の措置を講じることにいたしたいと思います。
○黒柳明君 遅いけれども届けると。誤りは改めたほうがいいと思います。 福田副総理、経企庁長官、これも申しわけありません、副総理としての御答弁をいただくんじゃないんですが、八日会の会長さんでいらっしゃいますね、また最高責任者。私、調べによりますと、五十年の二月十七日お届けになっていると、こういうようなことなんです。これは選挙部長に問い合わせてもそのとおりの返事が来ると思いますけれども、ところがこれは、届けてあるのはいいんですけれども、ようち会——済みません、八日会です。ようちなんて、申しわけありません。どうも三木さんの方が頭にあるものですから、申しわけありません。どうも失礼しました。八日会であります。八日会の設立は昭和四十七年の七月ですよ。そうすると、五十年の二月十七日に届けても、二年と九カ月ブランクがある。さらに福田さん、こう言っちゃ皮肉に聞こえますけれども、私はこのとき調査したのは二月の初めから調査したんです。そうすると、私はこの場でイエスかノーか言ってもらいたくありませんけれども、黒柳のやろう調査しているから届けよう、二月十七日、こうなったんじゃないかなと、私も素直に考えたいんですが、どうも素直な私でも邪推をせざるを得ないような結果が出ております。これは届けたことについて私、是としますが、二年九カ月、全くいまの宏池会と同じ——失礼ですけれども、以上に問題があります。私、ここで一々指摘しません。届けたものは二年九ヵ月もブランクであった。これに対して、やっぱりうまくないと思うんですが、ひとつどうお考えでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、そういう問題で黒柳さんが調査をしておったということは実は承知しないんです。ただ、衆議院の予算委員会であなたの党の坂井さんと三木総理とのやりとりを聞いておりまして、ああ、ああいう無届け団体について疑義があるのかなと、こういう感じがしたんです。私は八日会をつくるときに、注意深く自治省の意見も聞いた。そうしますと、親睦、調査の団体が政治資金団体として届け出をするかどうか、届け出をするを要するかどうか、これはちょっと意見が言えませんというようなことだったと聞いております。そういうようなことで、届け出をしないという措置で二年余り経過したんですが、あの坂井さんと三木総理とのやりとりを聞きまして、これは届け出した方がいいんじゃないかと、こういうふうに考えまして届け出をいたしたわけでありまして、当時届け出すべきものとわかっておって届け出をしなかったと、こういうのじゃないのでありますが、とにかくおくれたことはまことに遺憾であった次第でございます。
○黒柳明君 まあ、大平大蔵大臣も遅きに失して遺憾であり、あるいは福田副総理も遅きに失して遺憾であると。私はこれですべて片づかないとは思いますけれども、そこで、それはそれとして、ところがやっぱり問題は、先ほども言いましたように、新産業政策研究会から五億一千二百万宏池会に入っています、二年半で。それから八日会の方も新政治経済研究会から三億百万入っております。これは収入だけはわかって、当然届けてないから支出がわかりません。当然やっぱりこの際収支を明確にしなきゃならないと、こう思うんですが、ひとつ、これは当然おやりになる意向かと思いますが、大平大蔵大臣、福田副総理、御答弁をお願いします。
○国務大臣(大平正芳君) よく調査いたしまして、いまお示しのような方向に善処したいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 会計経理は八日会は明確にしてあります。でありますので、これは過去の資料が、あるいは焼却とかなんとかということがあれば格別でございますが、それは恐らくあると思います。あると思いますので、過去にさかのぼって経理を明快にいたします。
○黒柳明君 当然やっぱり経理、明快にする。 そこで、三木総理ですね、あなたの番ですよ。こうなりますと、いわゆる自民党で五大派閥と、こう言われていますね。田中越山会、届けてあります。まあある意味では一番良心的。しかし、届けてあるからいいじゃない、ざる法ですから。ただし、法治国家です。少なくとも現行法に忠実にならなければならない。最低の条件です。内容的にはわかりません。非常にざる法ですから、疑義があります。しかし、届けてないことすらもあるんだ。これはもう話にならないということです。まず大前提。ところが田中越山会、これは届けてある。福田さんの八日会、届けました、遅まきながら、遺憾ですけれども。大平さん、いま私の指摘によって、届けましょう。中曽根さんの新政同志会、これも衆議院の公明党の追及によって、届けますと、一昨日ありました。残るのはどこですか、三木さん。
○国務大臣(三木武夫君) この問題は、公明党の方々、いろいろとお手数をかけたわけですが、私自身のは政治団体というだけのやっぱり組織としてのところまでいってない。いろいろな研究題目を設けてプロジェクトチームというような性格のものだということを申し上げたわけですが、しかし、こういう団体というものがいろいろな疑問を差しはさむことはよくないので、私の場合は直ちにこれを解消してもらった。なくなったわけですね、そういうものは。解消してもらって、以後はそういう処理をしないようにということを厳重に会計の係に申したわけでございます。これはいままでこういう団体に、そしてそれに一括してそれを計上するというようなことが、いろいろ政治資金規正法の中で行われてきたわけですが、実際はそれを区分しまして、明細に自治省に届け出るべきでしょう。届け出たんだけれども、それは一括して届け出てあった。このことはやはり政治資金規正法の精神からいって私は適当ではないと思う。一括でなくて明細に届け出るべきだと。こういうことで、大変にお手数をかけたことを恐縮に考えまして、これは直ちにこれを解消したと、こういう紛らわしい団体は。そして再びこういう処理はしないと、もう明細に区分してその支出の内容は書くような一つの会計の手続をするようにということを厳重に申したわけでございまして、公明党の側から出された御質問に対して何ら反応しないというわけではない、直ちに反応いたして処置をとったわけでございます。これはやはり将来の政治資金規正法の場合においても、この支出の明細ということについては一つの改正の課題だと私は考えております。
○黒柳明君 ちょっと、私の質問に対する答弁じゃない。それじゃ、いま四大派閥が、しかもこの二大派閥が遅まきながら届けますと、遺憾でしたと。そうすると、総理、自民党総裁として一まあ遅まきというのは本当はうまくないのです。そのために罰則規定がある。これは全くいまは触れません。後にします。自民党の中でこういうふうにお金と政治との問題があって、そしてその問題をむしろ清潔にする、きれいにするというのが大きなスローガンでできた三木内閣でしょう。それがいまごろになって悪うございましたと、こう言うのは、いい面もあります。その善意は買います。しかし、やっぱりその後罰則規定がどうなんだということになりますけれども、まずそれじゃ三木自民党総裁として、いまの二大派閥、届けた、届けます、遺憾でしたと。だけれども、これについてやっぱり国民に釈明する必要があるんじゃないですか、総裁として。これほどシビアな、しかも、ざる法であるけれども、現行法で届けもしなかったと。団体的。届けるべき性格でありながら、おくれた。それについてやっぱり釈明をまずしてくださいよ。
○国務大臣(三木武夫君) いろいろ御指摘のありますように、手落ちというものもあったと思いますが、また政治資金規正法の面においても、向後改正をこの国会で御審議を願いたいと思うときに、こういうとかうな過去の経験も徴して、政治資金規正法というものについて、政治資金の集め方、使い方が明確になるように政治資金規正法の改正の中で反省を生かしたいと考えておるわけでございます。
○黒柳明君 これからの改正が非常にやっぱり後退する危険性を憂えるので、現行法の不備を指摘するんです。 そこで、先ほど三木さん変なことをおっしゃったんですけれども、じゃ三木派というものは現存しますか。
○国務大臣(三木武夫君) われわれの同志、いろんな政策研究をしておるグループというものは現に存在をしております。
○黒柳明君 三木派は現存する。そうすると、自民党の各派閥が全部掃けてありますよ。船田派も、中間派と称するんでしょうね、石井派も、ありますよ、全部。届けてないのは三木派だけじゃないですか、現存している。政治資金規正法上で収支が明確にならないのは三木派だけですよ。どうします、これ。
○国務大臣(三木武夫君) 三木派って、こう言わないんです。政策懇談会と言っておるわけで、そういう意味においては、われわれの使途は明白になっております。三木派、何派というものは、世間はそう言いますがね、一般的な正式な名前は政策懇談会ということにいたしておるわけでございます。
○黒柳明君 三木政策懇談会ですか。 官房長官、あなたはどこの派閥に所属しておりますか。どこの派閥に所属しておる。言ってごらんなさい。どこの派閥に所属していますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 政策懇談会でございます。
○黒柳明君 何の政策懇談会よ、何の。どこの。黒柳政策懇談会にはいませんよ、井出さんなんという方。どこの政策懇談会。 河本通産大臣、どこですか、所属は、派閥は。どこの派閥所属。
○国務大臣(河本敏夫君) 政策懇談会でございます。(笑声)
○黒柳明君 冗談じゃないですよ、三木さん。世間では派閥と言ってます。三木政策懇談会、それが派閥なんじゃないですか、三木さん。とぼけるな。もう一回やり直し。派閥は現存しているんでしょう、三木派は。とぼけたことを言っちゃだめだ。三木政策懇談会が三木派じゃないか。はい答弁。そこが問題なんです、これからの審議で。これからが問題になるんですよ、それが。答弁してください。
○国務大臣(三木武夫君) 政治資金規正法の関係でありますから、そういう意味において政策懇談会ということで政治資金規正法の言う資金は処理しておる、そういうことで政策懇談会ということになっておるわけであります。まあ実際に三木派と、こう世間は言われますけれども、そういう場合に、正式にはわれわれはそういうふうな名前を使って、三木政策懇談会、何政策懇談会とは言ってないのです。実際は、上には固有名詞を何もつけないで呼んでおるわけでございます。
○黒柳明君 いや百歩譲ります。その三木派内では、三木政策懇談会というのは、世間で言う三木派ですね。
○国務大臣(三木武夫君) まあ世間は漠然として、こう、いろんなものを含めて、三木氏のやはり同志をまあ三木派と、こういうふうに言っておるのだと思います。
○黒柳明君 三木派はあるわけですね。それじゃ、私が言っているのは、会計は明確になっている、政治資金規正法上でどう明確になりますかと、こう言っているのです。ありますか、何か明確になるところが。
○国務大臣(三木武夫君) それはやはり政策懇談会で政治資金規正法による資金は処理されておるわけでありまして、三木派ということで政治資金規正法に言う資金の処理はしてない、政策懇談会ということで処理しておるということでございます。
○黒柳明君 政策懇談会の届け、ありますか。選挙部長。ない、そんなものは。届けなんかない。 〔黒柳明君「あるわけないじゃないか。そんなものはあるわけないじゃないか。調べなさい、すぐ。あるわけない、そんなものは。何言ってるんだ。」と述ぶ〕
○委員長(大谷藤之助君) 不規則発言は御遠慮ください。
○政府委員(土屋佳照君) 政策懇談会という団体は届け出がございます。
○黒柳明君 いやいや、政策懇談会というものはないでしょう、そんなものは。三木派の。
○政府委員(土屋佳照君) たしか届け出があったと存じます。
○黒柳明君 すぐ調べなさい。場所、住所、責任者。あるわけないじゃないか、そんなものは。 〔黒柳明君「何言ってる。三木派の政策懇談会って、そんなものはあるわけないじゃないか」と述ぶ〕
○委員長(大谷藤之助君) 不規則発言は御遠慮ください。
○黒柳明君 調べている間、三木さん。三木総理、こういうことですよ、三木総理。——いま忙しいんだ、向こうは。——いいですか。
○国務大臣(三木武夫君) いま調べてみますと、三十四年から政治団体として政策懇談会は届け出してあるようでございます。
○黒柳明君 それじゃ、ここで、この前衆議院で指摘があった五億三千万、四団体、プロジェクトと言った。私調べると、さらに新政経同志会を含めて、二年半で八億八千四百三十九万、これが届け出られているかどうかです、問題は。届け出てません、そんな政策懇談会じゃ。
○国務大臣(三木武夫君) 私のいま言っている、三木派というものが政策懇談会ということで、この政治資金規正法の中でいろいろ言う団体であると、三木派の団体と世間で表に言っておるのは政策懇談会であると、この政策懇談会は昭和三十四年以来政治団体として届け出てある。いま御指摘のこの四つの団体はですね、政治結社というほど熟した形ではないと。問題を、外交問題とかエネルギー問題とか教育問題とか、その項目を皆大きな政治の課題というものの項目別に研究のやっぱりプロジェクトチームのようなものを編成して、そのプロジェクトチームの経理を、まあ一括計上したというところに、私も、そういう経理の仕方というものはこれはやはり適当ではないと、こういうことは今後改めますと言っておるわけでございまして、しかも、そういう紛らわしい団体というものは直ちに、そういう疑問が国会においてもありましたから、これは直ちに解消をしたと、今後経理の明細については一括計上というような形でなしに、明細に会計のその経理の内容というものを処理いたしますということを、いろいろ御質問に答えて申し上げたわけでございまして、そういう点で、今後は再びそういう御疑問が起こるようなことのないような処理をいたしたいと考えておる次第でございます。
○黒柳明君 三木事務所は現存してますね。
○国務大臣(三木武夫君) 三木事務所というものはございます。
○黒柳明君 その中に、衆議院で指摘された四つ、私の調査を含めて五つ、これが八億八千万授受していたわけですよ。それがプロジェクトだから解消したとなると、その行き先は三木事務所に行くんじゃないですか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ一括してやはり届け出はしたわけですが、その処理というものの仕方が悪かったという、まあ悪かったというか、もっと明細に支出の内容は区分をすべきであったという点はこれから改めるということで、そういういろんなプロジェクトチームのような、政治団体と紛らわしいようなものは、もう直ちにそういうものは解消してもらうように言ったということでございまして、現在においてそういう団体はないということでございます。
○黒柳明君 こういうことじゃないでしょうか。先般衆議院で指摘されて、それで何回も言うように八億数千万の金を受けた、このプロジェクトと言った四団体、それが所在する三木事務所、これが派閥の中心なんです。それをプロジェクトと言って却下したということは、三木派の中心——いわゆる八日会とか、宏池会とか、あるいは新政同志会とか、越山会というものはなくなっちゃうんです。新しく届けなきゃならなくなっちゃうんです。そういう運命にあるんですよ。まあ午前中の質問があと二、三分ですから、また午後に引き継ぎましょう。 そこで私は、各派閥がいままではいわゆる離合集散の一つのグループだと、こう言われていたんですね。確かに三木さんの言っていた一つ、当たるんです。派閥というものは政策懇談会ですよ、漠然としたものですよという定義もあった。ところが、今回はすべて政治資金規正法にのっとって政治団体として公的なものになる、これはいいですな。三木派だけわからない、どうなっちゃうんだか。非常に収支が問題だから苦慮しているところでしょう。そうなると、明らかに自民党というのは公的な派閥集団の集まりだと、何か第三者が言っているんだよなんということじゃなくなるわけですね。そうすると、三木さんは派閥解消論ですな。そうすると、いままでの離合集散と言われていた派閥でも、派閥だ、派閥だ、いろんな利害関係だと、こう言われてて——言われているんじゃない、これは既定事実としてあらわれている。完全にきょうからは三木派を除いて——済みませんね、完全に政治資金規正法上にのっとった公的な派閥が自民党を組織することになるんですね。派閥解消論どころじゃないじゃないですか。また、これでも逆行じゃないですか、現実的に、どうです。
○国務大臣(三木武夫君) これは、派閥というものについては、いろんな角度からいろんな批判もあるし、また、そういうグループの存在、必要だと言う人もありますが、私は池田内閣の当時、組織調査会長として派閥は解消すべきものだという答申を出したわけでございまして、そういう方向に、だんだんと派閥の弊害というものがなくなり、やがて解消できるような事態が望ましいと考えておる考え方には変わりはないわけですが、長い経緯がありますから一気にはいきにくいにしても、そういう方向にいくことが理想だという考え方は私は変わらないわけでございます。
○黒柳明君 午前中の質問の最後に、法務大臣、先ほどから言っているように、この政治資金規正法には罰則規定があります、当然。ですから、そういう性格を持った団体が、おくればせながらと言っても、やっぱり団体の性格というものをきちっと握って、それに、第三条に適合したものであるかということを一回お調べいただかないと、おくればせながらということじゃうまくないと、こう思います。 さらに総理大臣、自民党の派閥でまだ一つか二つ届けてないのがあるんです。それも届けさすようにこの際言った方がいいと思います。法務大臣と総理大臣、ひとつ調査して国会に報告してください、それ。
○国務大臣(稻葉修君) 黒柳さんの御質問と御要求、あわせてお答えいたします。 いまここで、その具体的なあなたの御指摘になった団体に関することについて、政治資金規正法に違反するかどうかというようなお答えはできませんが、一般的に、一般論として言えば、まだ届け出のない政党、協会その他いかなる名前を用いようと、団体が政治活動等のために寄付を受け、または支出をしたときは、政治資金規正法第八条に違反し、同法第二十三条の罰則の適用があります。お答えとしましてこれが一つ。 もう一つ、今後は、届け出のないのがありそうだからよく調べて、そしてここへ報告せよというお話ですが、これは自治省の関係もございまして、自治大臣と連絡し、また政治資金規正法の改正はともかくも、現行政治資金規正法が正しく行われているのか行われていないのかという点については調査をする必要がある、国民の疑惑を晴らす必要があると私は考えます。
○黒柳明君 それと、いまの二つも調べなさいと言うんです。
○国務大臣(稻葉修君) そういうものがあるかどうか……
○黒柳明君 後ろに座っている二人の方を調べなさい、宏池会、八日会。
○国務大臣(稻葉修君) よく聞いてみます。
○黒柳明君 だれに聞くのよ。
○国務大臣(三木武夫君) これは、政治資金規正法の中でそういういろんな疑惑を生じますことは不幸なことでありますので、自民党としても、政治活動、政治団体と称されるものは届け出をすべきでありますから、そういうことを党に対しても注意を喚起いたします。
○委員長(大谷藤之助君) 午後零時五十五分まで休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、総予算三案に対する黒柳明君の質疑を続行いたします。黒柳明君。
○黒柳明君 午前の政治資金規正法につきましての締めくくりとして委員長に御要望したいんですが、先ほど御答弁がありましたように、宏池会、八日会の収支明細、またその二つを含んでの法務大臣の調査の報告、これを一応総括質問の終了時をめどにして関係者にお出しいただくことを御確認いただければと、こう思いますが。
○国務大臣(稻葉修君) そのいまの調査は、法務省のやることじゃないんですよ、自治省の問題ですから、そういうふうに御了解願いたいと思います。
○黒柳明君 自治大臣、それじゃ何だったら、それを含めてひとつ御答弁いただいて。
○国務大臣(福田一君) 承知いたしました。
○委員長(大谷藤之助君) それでは、ただいまの黒柳委員の質疑について、関連の当局においてはしかるべく善処を願いたいと思います。
○黒柳明君 総理、物価問題に移りたいと思いますけれども、物価で苦しめられた田中内閣時代、三木さんのときになって下がるであろうと思いましたが、これまた期待外れ。間もなくたばこは値上がりになります。郵便はがき、あるいは国立大学の授業料、高速道路の料金等々でありますけれども、そこで、クイズみたいな質問になりますけれども、総理、お吸いになっているたばこの銘柄、何ですか、それ。それからそのお値段、五月一日から幾らになりますか。済みませんね、クイズみたいな質問で。書いてありますから。それ、五月一日から幾らになりますか。あっ、外国たばこですね、しゃれていますね。(笑声)
○国務大臣(三木武夫君) 私はケントというたばこを吸っております。
○黒柳明君 幾らになるかわかりませんですな、ちょっと外国たばこでは。そうすると、大蔵大臣、大蔵大臣は専門ですね。副総理、どうでしょう。お吸いになっているたばこ、五月一日から幾らになりますか。何ですか、御愛用は。
○国務大臣(福田赳夫君) ホープでございます。
○黒柳明君 ホープは幾らになりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) いま四十円が今度七十五円になるんです。
○黒柳明君 いま五十円ですよ。
○国務大臣(福田赳夫君) 五十円です。
○黒柳明君 ありがとう。別にこんなこと関係ありません。五十円が七十五円になるわけでありますね。総理大臣、平均しまして御存じのように四八%、外国たばこをお吸いになっている方はもうちょっと高くなるわけでありますが、平均四八%、大体五〇%です。ホープが五十円から七十五円。そういうことで、一般庶民にとりましては、二十本吸いますと、五十円掛ける三十ですと千五百円。決してこれは諸物価高騰の折から、だてや酔狂でこれは五十円ぐらいと言える品物ではないと思うんです。それについての自覚、総理にあるでしょうね。いかがでしょう、まず。
○国務大臣(三木武夫君) 最初に、この内閣になって物価が余り大して効果を上げてないじゃないかというお話ですけれども、この内閣が物価の安定を政策の優先目標に掲げてやっておって、まあ消費者物価も大体政府の言った目標に近づいてきつつあるわけですね。そういうことで、大いに努力している点は、黒柳さん、やっておる点はやっておる点と御評価を願いたいんですよ。何もかもやってないようなことはどうも……。よくやっていることはよくやっているなということに、何にもやってないということになってくると、国民から見てもやはり非常に政府怠慢の印象を受けますから、実際に努力しておることは御承知のとおりで、たばこの問題は、たばこをのむ人に対して負担を増加することは、これはもう御指摘のとおりですが、やはり公共料金というものはできるだけ抑えたいと考えたわけですけれども、しかし、たばこの面も、七年間ですかね、ここ六、七年間据え置いてきたわけです。その間、まあ人件費なども上がってまいりまして、たばこの財政の面においての寄与率というものも低下をしてきている。まあ国の財政的な面からも考えなければならぬので、まあ多少の影響があることは承知しておりましたけれども、公共料金を全部据え置くというわけにもいかないので、たばこというものについてはこの五月一日から値上げをお願いをしたいということ。しかし、大衆のたばこについては、値上げ幅についてできるだけの配慮をいたしたということでございます。
○黒柳明君 具体的問題に入ります。 私は、総理、総理がやっていることの評価も含めて、全体的にやっぱりマイナス点だと、こういうことなんです。 専売公社の総裁、いわゆる遊戯場——パチンコ屋ですか、あるいは料亭、キャバレー等を含めまして、いわゆる大口販売のところで実質的には、たばこの専売価格ですか、それを切って販売しているという事実があると、こう伺っているんですが、それはいかがでございましょう。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。 たばこは、黒柳委員御存じのように、たばこ専売法第三十四条第三項の規定によりまして、小売人は定価によって販売しなければならないということになっておりまして、公社は、当然のことでありますけれども、その規定を遵守するように指導をいたしております。しかしながら、先ほど御指摘のように、パチンコ店等、大口の消費者に小売店が販売いたしますときにおきましては、いろいろ形態はあるようでありますけれども、平均いたしまして約三%程度の割引販売をいたしておる事実があるやに聞いております。
○黒柳明君 値引き販売三%、私の調査によりますと三%ないし六%の値引きがあると、こういう調査資料をここに持っておりますけれども、国税庁、どうでしょうか。国税を徴収する上において、いまのこういう、たばこが値引きされて売られているという実態を把握しておりますでしょうか。
○政府委員(磯辺律男君) ただいま専売公社の方からお答えいたしましたように、特定の大口消費者等に対しまして販売する場合に実質的な値引きが行われている例があるということは税務調査を通じて承知しております。
○黒柳明君 副総裁、国税庁も、税務調査を通じて徴収上値引き販売が行われていることをつかんでいると。これが事実とすれば、これは完全に専売法違反じゃないでしょうか。
○説明員(泉美之松君) お話のとおり、先ほど申し上げましたたばこ専売法第三十四条第三項の違反になるわけでございます。私ども、この点につきましてはいろいろ苦慮いたしておるわけでございまして、法律違反でありますから、当然これを取り締まるべきものでありますが、その販売が、単にたばこの販売価格を引き下げるということだけでなしに、他の商品を安く売って、たばこは定価どおり売っておるとか、いろいろな形態のものがございまして、なかなか十分な対応ができかねておる状態であります。そうかといって、それではそういう大口消費者に対しては定価どおりでなく、値引きして売っていいというような法律をつくるかと言いますと、これまた、なかなか大問題でありまして、他のどの範囲を大口というか、どの程度の値引きがいいかといったようなことで非常に問題を起こしますので、私ども、かねてからこの問題につきましては、たばこの今後の流通のあり方ということに関連いたしまして検討をいたしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○黒柳明君 総裁、たばこの年間の総販売最、その総金額、それから、こういう大口販売を通じて流れるであろう分、何%ぐらいそのうち流れるのか、それをお教えいただけますか。総販売数と総金額、そのうちのパーセント。
○説明員(泉美之松君) たばこの総売上本数は、昨昭和四十八年度におきましては二千六百七十億本、これが昭和四十九年度は、まだ三月までありますのでわかりませんけれども、見込みといたしましては二千八百二十億本程度になります。その販売代金は、四十八年が一兆一千七百億程度、四十九年度が一兆二千八百億程度に相なります。パチンコ店等他の大口消費者の分はよくわかりませんけれども、パチンコ店を調べた推計によりますと、おおむね、この販売数量の一割程度がパチンコ店に流れているように推測いたしております。
○黒柳明君 大蔵大臣、今度、あなたの問題になるわけですね。いま国税庁、専売総裁からあったように、違反事実を指摘している、捕捉している、国税庁でも。専売の方でも明らかに三%値引きして売られている事実があるやに聞いている。聞いているということもあるんです、事実は。私の調査はやっぱり三%から六%の値引き、それから総数量が四十八年で二千七百億本、そのうちの一〇%ですと二百七十億本、金額にして一兆一千万、そのうちの一〇%ですから一千億ですね。こういうものが、これはパチンコだけです。さらに、いろんな大口で割り引かれているであろうものは相当な量になるわけです。私は、一五%と大体調査で出ているんです。そうすると、国税庁、専売も大蔵の管轄ですな、大蔵大臣の。両方ともその事実を捕捉しているんです。明らかにこれは専売法違反ですね。しかし、現状においてはこう一〇%も一五%もそのシェアが占めているんです。専売法違反を事実として売られている部分、どうしますか、大蔵大臣、この現状を。専売法を改めますか、現状のこの大口、販売というものを認めて。あるいは大口販売というものをなくして、いまの専売法に持っていきますか、どうしますか、大蔵大臣、これは。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のような慣行がございますこと、大変残念でございますが、しかし、といって、これを封殺する有効な手段がどうも見当たらないことで苦心をいたしておるところでございます。実情を一番詳細に承知いたしておりまする専売公社の善処を期待する以外にないわけでございますが、専売法を遵守することは当然のわれわれの任務でございますので、その遵守の方向で鋭意努力をしてまいるということで御了解を得たいと思います。
○黒柳明君 大蔵大臣、これがよって来る原因はどこにあると思いますか。
○国務大臣(大平正芳君) 大量のたばこが手間がかからずに売れるという意味で、みずからのマージンを最低にして安く売るということは、できるだけ大量にたばこを販売したいという意欲を持った小売業者にとりましての一つの誘惑であろうと思うのでありまして、先ほど申しましたように、これを完全に封殺するという道がなかなか見当たらないことは非常に残念でございますが、何が原因かというと、できるだけ大量の商売をしたいという営業意欲がしからしめておるんじゃないかと思います。
○黒柳明君 ちょっと、その認識が甘い。これはやっぱりいまさら始まった問題じゃないんです。もうこれは専売公社総裁に聞くまでもなく、やっぱり高度経済成長下における一つのひずみです。小売人の方に、販売人の方に責任をなすりつけるのはとんでもない話なんです。あるいは専売公社もこれはやりたくてやった仕事じゃないんです。国庫納付金に対するある意味でのプレッシャー、あるいは販売を促進しなければならないという、言うならば意欲的な姿勢、これが、四十年、四十四年、四十五年には販売推進本部もつくって全国の支局に販売競争もやらせた、指示も流した。当然、大口小売、いわゆる大量に卸すところをつかんだ方が早いわけです、シェアの獲得については。専売の総裁としては、さらに、ちょっとかわりますけれども、総裁じゃない、本当は、済みませんけれども事務担当者が困っているわけです、長年の間、こういう形態で。しかし、善意の上でつくり上げられちゃったものなんです。公然の秘密なんです、これは。秘密じゃない、黙認事項なんです。国税庁だってその事実を握っているのです。それをいま大蔵大臣は、小売人が大量に売りたいからそうなっちゃったんじゃないか。全く判断が甘いんじゃないですか。すでに私はこの議事録、前の総裁がやっている議事録がある。それをもし大蔵大臣が、国税庁あるいは専売総裁、その上に立つ大蔵がそういう認識でいて当事者の総裁の意見にまつというのは、ちょっとこの問題の解決はおぼつかないんじゃないですか、どうです。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほどもお答え申し上げましたように、これを封ずる道、技術が実際上見当たらないで苦慮いたしておるというのが実情でございますので、実情を一番知っておる公社の検討に期待する以外に私といたしましては道がないわけでございますので、一層督励してまいりたいと思います。
○黒柳明君 大蔵大臣の答弁出ませんですな、総理大臣。これはいまの独禁法の改正と同じじゃないですか。やはり高度経済成長のひずみ、経済法を三木総理はある意味では評価できるような改正をやっているのですね、独禁法で。専売法はその一つですよ。いいですね、ある意味においては意欲的にやらなければならない。そのひずみというものをいま経済法中心にやっていると言ってもいいような三木内閣の姿勢です。それが、できない、できない、できないと言って専売法違反というものを黙認してきた。公社にそれじゃ責任はあるか、ない。小売人が大量に売りたいからというてそこに責任があるか、ない、そんなものは。国税庁が、政府の機関が把握している。お互いに把握しながら、うまくない、うまくないでこうなっちゃっているのです。いまこそこれをどうかするときじゃないですか、総理が大なた振って。総裁がわかるのだったらそんなことをしやしません。総裁だって知恵が、失礼ですけれども見つからない。大蔵大臣だって見つからない。困っちゃうじゃないですか。総理です、問題は。あなたきりない、どうです。
○国務大臣(三木武夫君) この問題は、専売局でも大蔵大臣でもそうだと思うんですが、これはやはり何とか解決したい問題点であることば明らかですが、これを効果あらしむるためになかなか大蔵大臣も苦心をしておるのだというお話ですが、これは黒柳さんもいろんな知恵を出していただいて、御助言をいただいて、こういうことをやったらできるというようなことがありますればそれは採用してもいいんです。実際問題としてむずかしい点があると思いますが、しかし、御指摘のように、これは理屈に合わぬことは明らかでございますから、これは一層何かいい知恵はないか、知恵をしぼることにいたします。これ以上、いま私自身の頭の中にも、こうやったら、こうやればいいじゃないかという考え方が私の頭の中にないわけですから、これはもう少しやはり研究をさしていただかないと、こういたします、いつからこういたしますということはちょっと言い切れない問題であります。しかし、解決さるべき問題点であることは明らかでございます。
○黒柳明君 三木総理、ここは三木さんと私と、私酒は飲まないからジュース飲んで、二人で懇談している場じゃないんです。くしくもテレビを通じて国民一億一千五百万の方が聞いていらっしゃる。たばこをのむ人が多くなっている。若い女の子だって、たばこの愛飲者がふえている。まあ洋モクはなかなか、いまもう少ないと思いますけれども、その人たちが間もなく経済負担を強いられるような値上げを待っている。有無を言わさないんです、国会でこれは法律が通過しちゃうと。いいですか。ところが、大蔵大臣もやりようがない、総理大臣も、黒柳さんいい知恵あったら——いい知恵あったらって、総裁にぼくをさせなさい。やります、いい知恵出して。ぼくはそういうわけにいきませんよ、公明党の議員ですから、専売公社総裁じゃないですから。そうでしょう。私にいい知恵があったらって、何をおっしゃっているんですか。しかもこのことは、昭和四十五年九月二日に私は国会で指摘しているんです。福田副総理・経済企画庁長官、そのときは大蔵大臣。専売公社総裁はこう言っているんですよ、もし必要ならば近々に法改正をしたい。大蔵大臣もそれを受けて、専売のとおりに、必要ならば法改正もやろうと思っている。専売法改正です。それしかないじゃないですか。私に知恵をかりると言ったって、私みたいな、ばかな知恵ですよ。二者択一なんです。専売法違反だから、違反の事実をなくすか、違反に合わせて——そのとき専売公社総裁、そう言っているんです。そのときの総裁はだれでしたか、北島さん。北島さんのおっしゃっているのは、一般の商慣習として大量に売るときはもう値引きはあたりまえなんだ、それがこういう事態をつくっちゃったんだと、だからこの現状というもののシェアがこれだけになっちゃったらもう変えることができない、法改正を近々中と言っているんです。五年たつんですよ、それから。大蔵大臣、五年たつんです、それから。何ですか、その政府の態度は。専売法違反ということを五年もほっぽっておいて、そのうちそのうち、総裁にいい考えがあったら、私にいい考えがあったら。五年間何やってきた、この問題。国税庁だって把握しているのですよ、この事実を。さあ総理、どうします。経済法です。いま三木内閣が、公約を実施する、それが後退していると言われているんじゃないですか。ましてこの問題は、しているかしていないか、根幹は貫いている問題じゃない。違反が事実ある。困っている、困っている、困っている、私に。私だって困ります、そんなことは。一番困るのは国民です。値上げが待っているんです。違反の事実を持っている専売がやがて間もなく値上げをするなんて、こんなばかなことないじゃないですか。一応副総理、担当じゃありませんけれども、当時大蔵大臣としてお答えになった、しかもいま経企庁長官として経済問題の担当大臣ですから、どうお考えになるか、この事実は。私は総理よりも副総理よく御存じだと思います、このときの審議をやった当事者ですから。念のため、済みませんが、一言。
○国務大臣(福田赳夫君) 値引き問題につきましては、いまお話を承りまして、五年前でしたか、そういう議論の御提起があったことは思い出しておりますが、専売公社でも相当これは苦心してきておるのです。そういう苦心の実績というものはかなり上がっておるのじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、その後の状況はフォローしておりません。しかし、さらにこの努力はひとつ推し進めなけりゃならぬと、こういうことを思いを新たにいたした次第であります。
○矢原秀男君 関連。 いま三木総理は、知恵をかしてほしいということでございますが、最初に自治大臣にお伺いをしますが、こういうふうな遊技場の組合から、国会の選挙のときに、自民党の議員さんに頭から選挙資金の割り当てがくる、これに対して大変困っているのだと、こういうふうな話があるわけです。で、自治大臣がそういう点において掌握している点を答えていただきたい。 そして三木総理大臣には、よい知恵というのは、こういう遊技場の組合から自民党さんの議員に選挙のたびごとにお金が出ていく、それさえ癒着を断ち切ったら、もっと国民の皆さん方に明快な結論が出るわけです。そういう点についてあなたはどう考えているのか、お答えを願いたい。
○国務大臣(福田一君) 御質問の、この遊技場等から割り当てのような形で何か出させておるかという御質問かと思うのでありますが、私はそういうことをまだ聞いておりません。陣中見舞いがあったかどうかは別といたしまして、それは聞いておりません。
○国務大臣(三木武夫君) 私も、たばこの小売商から政治献金を受けておったということは知っていないわけです。私自身がそんなことは知らぬぐらいですから、これによっていまの問題、政策が左右されるようなことは絶対にありません。これはそういう観点からこの問題の解決がおくれておるというわけではないわけでございます。まあしかし、黒柳さんから、この五年間の経過などもいろいろこうお話を承って、これは専売局のほうも督励をいたしまして、何とか結論を早く出さなければならぬ問題であるということはよくわかります。できるだけ解決を急ぐように私からもいたします。
○黒柳明君 いまの問題は、私資料があるけれども触れません。パチンコ議員連盟というのがあるのです、パチンコ議員連盟。ひどいものです、この実態は。私は、そこまで触れると時間がありません、ちゃんと予定どおりにありますので。 それで私、知恵をかせと言うから、こういう知恵にしましょう、それじゃ。全く、総裁も困っている、大蔵大臣も困っている、総理も知恵がない。私に知恵をかせ、私だってありません。国民の皆さんが値上げで因る。専売法違反の事実があって値上げされたのじゃとんでもない。だけれども、法案が自民党の多数で通過すれば、これは有無を言わさず値上げなんです。そこで、専売法の違反の事実がある限りは値上げはストップしておきましょう、値上げは。早くこの結論を出しましょう、それで結論が出たら値上げ——値上げしましょうとは言えませんね。また、それに対してしかるべく、審議をしましょう。ぼくも総理並みのやっぱり質問になりますよ。非常に微妙な質問になりますよ。そうなると、どうですか、いい知恵。
○国務大臣(三木武夫君) せっかくの建設的な御提案でございますが、私にはそれはいい知恵であるというふうには受け取れないわけでございます。これはやはり、たばこはたばこで値上げを御承認願うし、この問題はこの問題としてできるだけ速やかに解決をすると、こういうふうに切り離して考えたいと思います。
○黒柳明君 それは全くおかしい。法治国家です、日本は。現行法で不備があったって、その法の中において私たちは生きる。ここは立法府です、しかも。その中において、専売法違反の事実がある。言うならば十数年、私が指摘してからだって五年、全く専売じゃどうしていいかわからないで苦慮している。大蔵もそれに対して積極姿勢がない。総理大臣も、これだけ経済法に対して何とかという意欲があったって、この問題どうしようもない、これは全くだめです。結論を出してください、いまから。それまで私待ちましょう。
○国務大臣(大平正芳君) 大変容易ならぬ、技術的にむずかしい問題のようでございますので、しかし、あなたの言われるように、法は守らなければならぬわけでございまして、是正すべきものは是正の方途を何としても発見せにゃならぬものでございまして、鋭意前向きに検討いたしますということで御了承をいただきたいと思います。
○黒柳明君 どうしようもないですね、これは。ぼくは、時間をとめりゃ言いますよ、時間をとめりゃとうとうとこれに対して反論をしますよ。時間を動かしちゃいやです。同じこと、答えが返ってこない。時間をとめりゃやってあげます。答えが返ってきていません。そんなばかなことがありますか。違法事実を認めておいて、現状に対してどうしようもないからなんて、何を言っているんですか。
○委員長(大谷藤之助君) 一応の答弁が出ておりますから、発言を求めて簡単に突っ込みをやってもらいたいと思います。
○黒柳明君 総理、実態を教えましょうか、それじゃ。
○説明員(泉美之松君) 黒柳委員から御質問のありました件は、御指摘のとおりでございます。ただ、それではこういった値引き販売の事実に対してどういうふうに処理するかということになりますと、明らかに、先ほどもちょっと申し上げたのでありますけれども、専売法違反だから、それを厳重に取り締まればいいという言い方もございますが、しかし、経済事実としてすでに生じたものは、少々取り締まりをいたしましてもなかなか根絶できるものではございません。したがって、私が先ほど申し上げましたように、今後のたばこの流通のあり方からいたしまして、そういう大口消費者の場合に値引きをして販売することができるようにするかどうかという問題になるわけでありますが、しかし、そういう場合にどの範囲を大口とするのか等、それから値引きの率がどうかというような点でいろいろむずかしい問題がございまして、なかなか簡単に法律を改正するという事態に至っておらない状態であります。私どもとしましては、先ほど大蔵大臣がお答えになりましたように、この問題につきましては、できるだけ速やかにしかるべき法案改正の措置をとるように前向きに対処したいと、このように考えておるわけでございます。
○黒柳明君 総理、大蔵大臣、もう副総裁がおっしゃったとおりなんです。私も、何も違反の事実をいまから摘発したってだめだって言うんです、こんなことは。一〇%、一五%のシェアになっちゃっている。それも、小売人がうんと売りたいから、専売がどうかということじゃないんですから。大きな自民党の行政の中、言うならば高度経済成長の枠の中に入っちゃってこうなっちゃったんですからだめなんです。それよりも、現状を維持するか、あるいはそのもとになっている法改正をするか。それに対して法改正を考える、これは五年前に言っているんです、五年前に。やっていないじゃないですか、五年間。それを、だから、私は、いままた言うんです。間もなく値上げでしょう。そういう違反事実があってそれが値上げにつながったら、これは国民は唖然とするんじゃないですか。片っ方では七百億本のものが安く売られている。片っ方ではそれがまた値上げになる。安い方を買いたいですよ、国民は。どこがどう悪いとかいいとかの問題じゃないんです、これは。法治国家である日本が、立法府であるわがこの国会が、そんなものを見逃しておいて——見逃しておいてということは、取り締まるということじゃない。専売法を改めるなら改めると言わなきゃだめじゃないですか。そうすれば、いまのこの仕組みは消える。いまの仕組みに合わせるなら専売法を改正する。どっちにしますか、はっきりしなさい。それじゃなかったら、値上げ法案なんか審議できないじゃないですか。値上げ法案を審議している最中じゃないですか、いま。
○国務大臣(三木武夫君) ごもっともな、専売法違反ということが許されてはならぬわけでありますから、できるだけ速やかに法改正をいたすような方向で準備をさすことにいたします。
○黒柳明君 そのめどをはっきりしてください。五年間私は待ってきた。間もなく値上げになる。めどをはっきりしなきゃこの問題は私は下がれません。いつなんです。
○国務大臣(三木武夫君) めどは、もうこの予算委員会中に明らかにいたす所存でございます。
○黒柳明君 それじゃ、もうちょっと、中間報告を、せめて総括が終わる時点にしてください。それで予算が終わるまでにその改正の具体的なものを出すと。あとの値上げ法云々、これはまた別の話ですからね、そうなりますと。どうでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 御希望を胸に体してできる限り善処いたすことにいたします。
○黒柳明君 三木総理、これは専売当局には非常に深刻な問題です、これは。私のところに——これは総裁、副総裁は偉い人ですから。だけど、その他の方が、非常に深刻な問題として、本当に前向きに何とかしてください、あるいはしましょうということになっているんですよ。ですから、もうここで大蔵あるいは総理、最高責任者の方が決断をしていただく方向に進んだんですから私は大丈夫だと思いますが、くれぐれも違法を取り締まるなんて、こんなばかなことは考えないでくださいよ。違法ができるべくしてできたんですから。行政が悪いんですから、行政が。それを変えなきゃだめですよ。だから、法改正をしなきゃだめなんですよ、現状に合わせて。これを直すということは二つしかないんですよ。これはくれぐれも私は——ただ単にそこらに一つ二つ転がっている違法と違うんです。全部が違法なんですから、違法が公然の違法なんですから、これはそれを云々というわけにいかない。これだけひとつ頭に入れて、いまの約束をぜひとも守っていただきたいと、こう念のためにつけ加えましょう。
○国務大臣(三木武夫君) そういういま申し上げたような方向で十分検討をいたします。
○黒柳明君 問題は次に移ります。 郵政大臣、お暇で申しわけありませんでしたね。郵便貯金会館は、全国に十数カ所ですか、あるいは土地だけ購入しているというようなことも聞いております。どこに何ヵ所、建物、土地、それからいままでそれに対して幾ら予算を使ったか、本年度は計画はどうなっているか、予算はどうか、ひとつお教えください。
○国務大臣(村上勇君) まことに恐縮ですけれども、貯金局長が病気のためにいま出席できませんが、説明員として貯金局次長に説明させますので御了承願います。
○説明員(寺島角夫君) お答え申し上げます。 郵便貯金会館につきましては、現在すでにオープンをいたしておりますのが全国で十ヵ所ございます。それから、そのほかに現在建設を予定をいたしておりますのが、五十年度予算に入っておりますものを含めまして四カ所ございます。十カ所をつくりますに要しました費用が総額約百二十六億程度でございます。それで、本年度の予算は総額で十六億五千万円建設勘定で組んでございます。
○黒柳明君 これは郵政大臣、法的根拠はどこにありますか、この設置の。
○説明員(寺島角夫君) 郵便貯金会館設置の根拠といたしましては、郵政省設置法第四条の十四号並びに二号並びに八号をその根拠といたしております。
○黒柳明君 読んでください。
○説明員(寺島角夫君) 設置法の第四条には「郵政省は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。」とございまして、その十四号に「所掌事務の周知宣伝を行うこと。」と書いてございます。それで、さらに、二号に「法令の定めるところに従い、所掌事務の遂行に必要な業務施設、研究施設等を設置し、及び管理すること。」と書いてございます。さらに、八号には「法令の定めるところに従い、職員を訓練すること。」、以上でございまして、この十四号の所掌事務の周知宣伝のための施設として郵便貯金会館を設立をしておるわけでございます。
○黒柳明君 大臣、これは設置法の拡大解釈じゃないですか。——大臣。
○国務大臣(村上勇君) この設置法と、それから四十七年の六月八日の衆議院逓信委員会における郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議、それは、その三項に「郵便、貯金事業の経営努力によって剰余金を生じた場合は、貯金会館等利用者の福祉施設のために還元するように努力すること。」ということ等もありまして、この貯金会館を設けておる次第であります。
○黒柳明君 行管庁、四十九年の予算編成について、このことについて審議しましたね。これはどういう過程でしょう。郵便貯金振興事業団、これについて。
○政府委員(小田村四郎君) 昭和四十九年度の概算要求におきまして、郵政省から、郵便貯金振興事業団という特殊法人を新設したい、こういう御要求がございました。その審査の経緯でございますが、御承知のとおり、予算編成方針におきまして、特殊法人等の新設は真にやむを得ないものを除き厳に抑制すると、こういう方針が打ち出されまして、その御方針に基づきまして審査をした次第でございますけれども、この御要求の内容等につきましてさらに検討を要すべき点があるのではないか、あるいは、仮に特殊法人で業務を行う必要があるといたしましても、既設の法人等を活用する方法につきまして御検討をいただく必要があるのではないかというようなことを私どもとしては検討した次第でございます。その結果、予算編成の過程におきまして郵政省としてはこの御要求をお取り下げになったと、こういう経緯でございます。
○黒柳明君 要するに、四十九年度の予算編成時において、むだ遣いをやっちゃならないという、その予算編成方針に基づいて、事業団設置の郵政省の申請、郵便貯金会館を建てちゃいけないと、こういうふうに却下したと、こういうことですね。
○政府委員(小田村四郎君) お答えいたします。 予算は各省間の合意及び最終的には閣議決定によりまして決定されるものでございますが、行政管理庁といたしましては、ただいま申し上げましたような考え方を郵政省の方に申し上げて、郵政省とされましては、それらのことを勘案されまして御要求をお取りやめになったと、こういうことでございます。
○黒柳明君 それで、総理、それじゃこの郵便貯金会館は何をやっているかというと、温泉ホテルの経営、結婚式場の経営、温泉プールの経営、こう書いてありますよ、全国十カ所。みんなこれは文句は同じだ、書いてあることは。こういうパンフレット、これはおもしろいすてきな文句ですよ。この松山郵便貯金「会館は世界一の貯金高を誇る郵便貯金が創業百周年を記念し、報恩の一端として皆様に送る施設です。」と。「報恩の一端」あるいは「国民の皆様の御愛顧におこたえするために」と。御愛顧にこたえて百億の金を出すなら、郵便料金の値上げはしなきゃいいじゃないですか。こんなことを設置法の周知宣伝という文句でできますか。 労働省、労働省も中野にプラザをつくっていますね。これは設置法じゃなくて、事業団法に基づいてつくったんだと思いますね。その点だけお答えください。
○国務大臣(長谷川峻君) お答えいたします。 中野の全国勤労青少年会館サンプラザは、御承知のように、雇用促進事業団法の第十九条第一項第五号に基づいて雇用促進事業団が設置をして、その運営を行っておるものであります。
○黒柳明君 総理、全く同じなんです、項目は。結婚式場、ホテル業。ところが、内容がこちらはちゃんと明記されております。労働省の企画に基づき雇用促進事業団が運営に当たっていると。こっちは郵政省がとじかに書いてある。郵政省となると、国ですよ、国民の税金ですよ。郵便はがき、切手、その収入で国民の御愛顧にこたえて温泉——これは道後温泉の真っただ中にある。いいところですよ、これはきっと。国で温泉ホテルを経営し、結婚式場を経営しているんです、三木さん。いままで思わなかったでしょう、そんなこと。三木総理の名前を貸して、村上勇郵政大臣が結婚式場を経営しているんです、温泉ホテルを経営しているんです。こんなことが設置法でできたならば、文部大臣、野球チームをつくったらどうですか。それでロッテを負かして、これは国民の教育普及の一端であるとやったらいいんです。厚生省、やったらどうですか、これも福祉事業の一端であると。それで周知宣伝とは、後ろに「定期預金」と書いてある、一語。これが国民の税金を使う周知宣伝ですか、これが。官房長官、寝ているときじゃないですよ、あなたも責任があるんだから。済みません、八つ当たりで申しわけありません、ちょっと目に映ったんで。済みません、済みません、どうぞゆっくりお休みになってください。 どう、総理、こんなものが周知宣伝になりますか。後ろに「定期預金」、あとは全部結婚式場です、ホテル業です。これが周知宣伝でできるんだったら、文部省、厚生省、農林省、通産省、運輸省、五条の三号、十号、五条の三号、十一号、全部同じです、周知宣伝、所掌事務の事務所をつくることができる。しかも、郵政省は、ことしは建築費で二百七十億借入金があるんです。百何十億もかけてこんな会館をつくっているんです。私は、せめて全国民にまんべんなく御愛顧にこたえてというならまだいいと思うんです。局部的じゃないですか、全国。しかも、全体的に郵便料金の値上げは間もなくじゃないですか、総理。また頭が痛い質問ですね。どう解決しましょうか。どうします、これ。
○国務大臣(三木武夫君) その設置をした目的に沿うような運営をさすように、これは指導をいたすことにいたします。
○黒柳明君 そうじゃなくて、設置法でできないから、労働省は事業団法でやっているんです。御存じのように、事業団新設まかりならぬと、佐藤内閣の末期からありましたね、部局を新設するなとありましたね。だからできないんです、事業団法にのっとったものを。だから設置法と、いまになったら言わざるを得ない。そうでしょう。四十二年からやっているから。しかも、四十九年には行管がこれは建てちゃだめだよと言われているんです。そういう問題。だから、それを周知宣伝のために運用を改める、どう改めますか、運用を。それじゃどう改めるの、これ。
○国務大臣(村上勇君) この郵便料金と、この郵便貯金会館、これをひとつ先生、不可分なものにされないようにお願いいたしたいのであります。これは全く別な角度から御検討を願いたいと思います。 そこで四十九年度予算におきまして、事業団の新設要求を行って、その実現に努力してきたところでありますが、特殊法人の新設を厳に抑制するという政府の方針がありましたので、郵政省としても四十九年度においてはその成立を断念いたした次第であります。五十年度においても、この情勢はさらに厳しいものがありますので、事業団の新設要求は見合わせたものであります。これはもうこのいきさつについては、黒柳先生十分御了承のことと思っておりますが、そういうことであります。
○黒柳明君 事業団法をつくってやらなきゃならないものなんです、本来の性格は。設置法でできますか。それじゃ総理、まずそこを聞きましょう。設置法でこういう周知宣伝ができるですか、各省庁。まずそこから聞きましょう。できないから事業団法をつくるんでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) この郵便会館の問題が問題になっておるようですが、郵便貯金会館はそういうふうな目的のもとにつくられている。昭和四十七年ですかね、附帯決議の中で、剰余金があれば、そういったいわば貯金をした人の福祉のために施設、福祉施設というものを充実せよという附帯決議も郵便貯金法の改正のときについておるわけで、そういうことも体して、その目的に合致するような運営をしていこうということで、そういうことになったと思います。がしかし、いやしくも誤解を与えるような運営の方法はいけませんから、やはり節度といいますか、目的に沿うた品位のある運営をいたすように今後十分この監督をしていきましょうということを言ったわけですから、そういうこの附帯決議なども背景にあるということも、黒柳さんの御認識を持っていただきたいと思います。
○黒柳明君 剰余金があれば——さっきも言ったように、借入金がいっぱいありますよ。本年度赤字だから、だから郵便料金の値上げを間もなくするんでしょう。いま違うなんて言ったって、郵政省がやっていることは違いませんよ。おんなしです、そんなことは、国民から見れば。そんなものを設置法でつくれるんですか。総理、答えをはぐらかしている。つくれるかどうか、附帯決議があれば。ないから、郵便料金値上げをやるんじゃないですか、間もなく。あるわけないじゃないですか、郵便料金の手持ち金なんか。変なことでごまかさないで、そんなことは。郵政省はおんなしです、みんな金は。どうですか、設置法でできますか。周知宣伝のためにできますか、こんなことは。
○国務大臣(村上勇君) 郵便事業では、御承知のように非常な赤字になっておりますが、しかし、郵便貯金事業とはこれは別な会計になっておりますので、この辺ひとつ御了承願いたいと思います。
○黒柳明君 値上げをこうむる国民はおんなしじゃないですか。郵便はがき上がるのだ、間もなく。こんな論拠あるわけないじゃないか。
○説明員(寺島角夫君) 重ねてお答えいたしますが、ただいま大臣からも御説明申し上げましたように、郵政省におきましては郵便貯金、それから簡易保険、郵便という三事業を主としてやっておるわけでございますが、それぞれ会計が別になって一おりまして、郵便貯金につきましては、郵便貯金として会計をはっきりさしておりまして運営をいたしておりますので、先ほど御指摘のございました借入金と申しますのは、これは郵便事業のための借入金でございまして、郵便貯金の方はそれに対して必要な経費を、郵便貯金の会計から繰り入れておるという仕組みになっておりますので、その点を御理解いただきたいと存じます。
○黒柳明君 郵便貯金特別会計であろうが、事業会計であろうが、特別会計であろうが、つまるところは、国民から預金をしてもらったり、はがきや切手を買ってもらったりすることは変わりないじゃないですか。郵政省のもの、政府のもの、変わりないじゃないですか。片方で赤字であればそっちを補てんしたらどうですか、せめて。会館なんか建てちゃって。しかもこれを運営している人は、全部郵政省の天下りの巣じゃないですか。これはもうこんなこと言いません、もう同じパターンですからね。設置法でできるわけないじゃないですか、こんなもの。
○政府委員(吉國一郎君) 設置法との関連で。ただいま問題になっております郵便貯金会館のような事業が、郵政省設置法の第四条の所掌事務で読めるかどうかという問題でございます。これは先ほど例にお挙げになりました、たとえば文部省とか厚生省のように、本来の行政事務と申しますか、狭い意味の行政事務についての周知宣伝と、郵政省のように広範な事業経営をやっている官庁の周知宣伝とは、おのずから違うものがあると思います。厚生省の本来の行政事務について周知宣伝をする場合に、郵政省のたとえば貯金事業のように、いつまでに定期預金あるいは定額預金をされれば、これだけ皆様の生活が潤うことになりますというような宣伝はあり得ないわけでございます。郵政省につきましては貯金事業に限らず、簡易生命保険事業につきましても、同じような一般のたとえば保険会社と類似したような周知宣伝があり得ることは当然であろうと思います。しかしながら、所掌事務の周知宣伝として、郵便貯金会館のような形態のものをつくることがいいかどうか。これはもう法律問題ではございませんで、いわば社会通念の問題であろうと思います。現に簡易生命保険に関しましては、やや対象が異なるかとも思いますけれども、一応簡易生命保険及び郵便年金の加入者につきまして利便を提供するという意味で、簡易保険郵便年金福祉事業団というものが十数年前に設立されまして、ただいま御指摘のありましたような事業とほぼ類似したような事業を行っている例もございますので、郵政省設置法の第四条第十四号、あるいは同条第二号、第八号のような問題よりも、むしろそういう問題として解決する方が立法政策としては妥当なのではないか。これはやや法制局の所掌事務からは離れるかもしれませんけれども、私は、法制局長官でありますと同時に郵政省の付属機関の郵政審議会の委員も兼ねておりますので、そのような見地からさように申し上げたいと思います。
○黒柳明君 そんなね、それはもう三木さんを吉良上野介にたとえて悪いけれども、そんなちょうちん持ちなんかしたってだめです。私は何も討ち入りする構えでいるんじゃないのだから……。 それじゃ郵政大臣に聞きましょう。これは前回、これも私が指摘したんです。三木さんいいですか。それが改まらないからやらざるを得ないんですよ。そのとき、これは明らかに設置法拡大解釈だと言った前言は取り消すんですか。議事録がある、ここに。これは取り消しですか、大臣。大臣だ、こんな問題は。大臣が答えたから大臣に決まっているじゃないか。
○国務大臣(村上勇君) あれは七十何国会ですか、私その速記録は拝見いたしました。
○黒柳明君 いや、変わっているのか、変わっていないのか。
○国務大臣(村上勇君) いまのところまだ変わってはいないわけであります。
○黒柳明君 何を言っている。もうすでに国会において、これは設置法拡大解釈だと言っているじゃないか。総理、言っているんですよ、郵政省は。それをいまさらになって、つべこべつべこべ変なこと言っているじゃないですか。どうします、総理。拡大解釈なんです、郵政省の見解は。だめなんですよ、設置法じゃ、これじゃ。そこを知らないで法制局長官出るから、だから茶番劇だ、そんなことは。拡大解釈、郵政省は認めているんです。事業団法じゃなきゃできないから、労働省がそれを事業団法でやっているんです。総理、もう総理の出番だ。前言は変えてないと言うんです、郵政省は。けっこう。
○政府委員(吉國一郎君) 私が先ほど申し上げましたのは、郵政省設置法の第四条第十四号あるいは同条第二号、第八号の解釈でいくよりも、事業団のような形式でやる方が妥当であるということを申したつもりでございまして、郵政省設置法第四条第十四号については、まあ周知宣伝というのは厚生省だとか文部省なんかよりも広いだろう、しかし広いといってもおのずから限度がある、やはりこれは社会通念によって一定の幅で考えなければならないということを申したつもりでございまして、現在の郵政省設置法第四条第十四号によるという解釈が正当なものであるということを申したことは全くございません。
○黒柳明君 どうも聞き間違いまして済みません。 そういうことだ、総理。法制局長官もやっぱりこれはうまくなかろうと、拡大解釈だと、郵政省。これは何とかしなければだめですな、これも。
○説明員(寺島角夫君) 先ほど御指摘ございましたように、四十八年の七十一国会におきまして、先生から御質問がございまして、当時の政務次官からお答え申し上げております。そのお答えの一部を読ましていただきますと、「どうも政府が直接ホテルや結婚式場をやっているという、一般にそういう誤解を招きますことは好ましくないと考えております。」と、そこで、たとえば事業団のような方式というものをひとつ「前向きに検討」いたしたいと、こういう答弁をいたしまして、実は、それに基づきまして、先ほどお話がございましたように、四十九年度におきまして事業団の要求をいたしたわけでございますが、先ほど大臣が御説明申し上げましたような形で、実らなかったわけでございますが、なおそういう努力というものは今後続けてまいりたい、かようにいま考えておる次第でございます。
○黒柳明君 それと私の質問とは違いますな。事業団法を設置しなければできない、その前からやっちゃった。拡大解釈であり、それではうまくないと法制局長官。だからどうするんだと。私の質問の答えにはなっていない、それじゃ。これはもう総理の決断を待つよりほかないんです。またいい知恵をかしてくれと言うなら、私かしますから。
○国務大臣(三木武夫君) これは、特殊法人を政府がつくらさないと言っておるんで、郵政省にもいろいろな気の毒な立場があったんでしょうが、しかし、これを、まあ黒柳さん、すぐにここで結論を出せというような御注文かもしれませんが、確かに、言われてみればいろいろな無理もございます。これでひとつ研究をさしてもらいたいと思います。こういう問題をすぐにここでこう結論を出せということには、いままでの経緯もあるだろうし、そういうことで、まあ事業団ということでありますが、この点については少し時間をかしてもらいたいと。多少の無理があることは事実でございます。その無理というものがくるところは、特殊法人はつくってはならぬという、こういうことでございましたので、いろいろ郵政省自身の苦心の存する点もよくわかるのでございますが、しかし、言われてみれば多少の無理のあることも事実ですから、これに対してどう政府が今後対処していくかということでは少し研究の時間をかしていただきたいと思います。
○黒柳明君 あのね、検討するということについて私は、何かれ言う必要はないと思いますが、言われてみれば、多少の無理じゃないんです、私に言わせると。言われなくたってうんと無理があるのです、これには。そうでしょう。法制局長官だってはっきりそれを言っている。行管だってはっきり認めているじゃないですか。事業団法をつくらなきゃだめだよって。 しかも、私がまた言いたいのは、事業特別会計だろうが何会計だろうが構いません。郵政省、政府。国民の税金であることは変わりない。郵便はがき値上げで、また生活を圧迫される方から、国民の皆さんから見れば、その値上げが間もなくなんです。その値上げを片一方に置いて、片一方では、国民の御愛顧にこたえ皆さん方への報恩の一端としてなんて、温泉プールをやって、花嫁式場をやって、しかも違反の、これは申しわけないけれども外人のタレントのそれをどんどんやっている、ここで。わからないでしょう、そんなことは。その運営までわかってますか。念のためちょっと聞きましょう。運営の方法になったら大変なんですよ。わかってますか、言ってごらんなさい、その事実を。
○説明員(寺島角夫君) 郵便貯金会館には、現在、幾つかの会館に、全部ではございませんが、大きなホールを持っておるのがございます。そのホールにおきましてはいろいろな催し物が行われておるわけでございまして、その中には多種多様の催し物がございますので一々詳細には承知をいたしておりませんが、いつ、どこで、どういうことがあったかということにつきましては、これは調べまして。
○黒柳明君 承知していないという答えなんだ。
○説明員(寺島角夫君) いろいろな催し物が行われていることにつきましては承知をいたしております。
○黒柳明君 時間がないから運営方法まで入らない。いわゆる労働基準法違反の外国のタレントがここで全部やっている。国民の税金——国民の税金ならば国民に還元してください、還元するらしく。そんな局部的な還元の仕方はだめですよ、全般的な郵便料金の値上げが待ち構えているのですから。そうでしょう。総理も前向きにと、こう言った。ですけれども、やっぱりこれもめどが必要です、めどが。もう一つは、五十年度の予算が出ております、十七億。とりあえずこれをどうするか。いま審議しているのですから、その予算を。この二つ、当面はこの二つだ。めどと、いま審議している予算をどうするのか。もうこんなことは次長が出る幕じゃない。落ちついていらっしゃい。
○国務大臣(村上勇君) 五十年度の予算は、先ほどちょっと触れました十六億五千万を要求して、これがあれになっております。
○黒柳明君 うまくないと言うんだから、その予算をどうするのかと。
○国務大臣(村上勇君) これは、予算はこれを施行するつもりでおります。
○黒柳明君 何を言っているか。
○国務大臣(村上勇君) ちょっと。予算が成立すれば実行してまいります。
○黒柳明君 もう立つ気にもなれない。いまの……。
○国務大臣(村上勇君) 郵便貯金会館は、郵政省設置法に基づいて設置してまいりましたが、そのあり方等につきましては今後とも検討してまいりたいと思っております。従来とも先生よく御存じのとおりでございます。(「答弁じゃないよ、それは」と呼ぶ者あり) ——大変どうも失礼しました。 設置法によりまして、このような事業を行うのが適当かどうかの問題はありますので、事業団設立につきまして、今後の問題として考慮したいと思っております。予算の施行に当たりましては、建設後の運営等についても、お話しのような点に十分留意することを前提といたしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 総括の終わるごろまでに、政府としての考え方をまとめる所存でございます。
○黒柳明君 総括の終わりまでに最終なり中間なりの報告をしていただくということで、私はこれは納得できないのですけれども、まず総括の終わりといえば、もう時期も間近ですから。 ということは、もう何回も言いますように、郵便料金の値上げがあるんです。これは有無を言わさず通過することは間違いなかろうという——私たちは何とかこれを阻止したいと思っても、これは一つのパターンがあります、圧倒的多数ですからね。何とかこれに対して、どうしたら郵便料金の値上げ、あるいは先ほど言った、たばこの値上げを私たちなりの力で阻止できるのか、そして国民の皆様方に私たちの選ばれた役目、義務というものを果たすことできるのか、いつもむなしいやり方ではだめだ、どうやったらという、本当に公明党が命をかけてのこれは調査活動なんです。その中から出てきた一つの政府追及の仕方ですよ、たばこにしても。違法事実がある、この郵便貯金会館にしたって明らかに設置法じゃできない事実がある。にもかかわらず、片一方じゃ値上げ方向にいくのですから、これは全く両者は矛盾しているんですから、これに対して、先ほどのたばこと同じように総括の終わるまでをめどに、どうするか結論を出していただく、この総理の御報告で私はこの場は了とせざるを得ないのではなかろうかと、こう思います。 そこで、余り殺伐たる論議ばかりしていますと肩がこりますので、ひとつ前向きの論議をと、こう思います。 公邸ですが、総理、二十八日にお引っ越しになりましたね。どうですか、お住み心地は。
○国務大臣(三木武夫君) 公邸はすぐ住めるようになっているのかと思うと、長い間人が住んでおりませんから意外に荒廃をしておりましたので、準備をして近く公邸に住む予定でございます。
○黒柳明君 非常に前向きの姿勢で、評価されるべきだと思います。もう御不自由で大変だと思いますね。 そうしますと、お暇な大臣、失礼ですが、農林大臣、どうですか、公邸に住みたいと思いますか。総理公邸じゃないですよ、総理公邸は一人いますから。大臣公邸。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 大臣の公邸はありません。
○黒柳明君 そんなことはない。ある。知らないのかな、困っちゃうな。 行管庁長官。お暇な人、行管庁長官、どうですか、大臣公邸にお住みになりたいと思いますか。——公邸はあるんですよ、農林大臣。変なこと言っちゃ困りますよ。
○国務大臣(松澤雄藏君) 私も住んでみたいというふうな気持ちは毛頭持っておりません。
○黒柳明君 持っていません——結構。農林大臣、公邸ばあるんです。だけど、昭和三十年、これは私が言うまでもなく、もう三木総理御存じのように鳩山内閣のときですか、十六の大臣の公邸を事務次官通達で、経費削減のため、合理化のために削減しようじゃないかと、こういうことで思い切って公邸を減らした。その残りを農林大臣、持っているんですよ、あなた。行管庁長官もあるんですよ。各省の権利ですけど。ないなんて言ったら、あなただめですよ。まあ結構です。 それで三木総理、いまあるんです、運輸省の所管の大臣公邸が一つ、総理府所管の大臣公邸が一つ。ところが、これが私の調査だと全く使われてない。知らないぐらいですから。あるいは行管庁松澤長官も、毛頭住みたくないと。私は苦労してがんばりますと——そう言わなかったけれども、その構えです。どうですか、三十年の例と言っちゃ失礼かと思いますけれども、当然三十年以上のやっぱり厳しい世情です。当然使ってないものなら、総理はお使いになるんですからもっとりっぱなところを提供したらと思いますけれども、使ってないものだったら、この際やめた方がいいと、こういうふうに私は思います。どうでしょう。場所はわかりますか。あの芝白金に土地が一千八十二平米、建物が六百一・六平米のがあるんです。これは運輸省所管です。運輸大臣、ここに農林大臣入れるんですよ、お入りになろうと思えば。ちょっと古いですけれども、いいところですよ。さらに同じく二本榎にあるんです。これは同じくらいですね、広さは。千平米に四百平米ぐらいです。全然使われてない。使われてないものだったら、この際、三十年以上に厳しい経済情勢なり社会情勢だから、やめたらいいじゃないか。
○国務大臣(木村睦男君) いまお話しのように、芝白金には第二公邸と称しまして、公邸があるわけでございます。農林、防衛、郵政、運輸、この四省共通の公邸でございます。運輸省が一応当番役所でございまして、昭和三十二年ごろから運輸大臣が三人ばかり順次公邸として住んでおられました。その後は大臣が住んではおりませんが、いろんな会議には、ずっと昨年まで使ってきております。しかし、だんだん使用の状況も減ってきておりますので、今後はひとつ廃止の方向で検討いたしたい、かように思っております。
○国務大臣(植木光教君) 二本榎に第四公邸がございまして、総理府の所管になっております。副総理がお住みになったことがございます。また、三十八年から四十三年の十二月まで歴代総務長官が公邸として利用してまいったようでございます。その後は会議室として利用をしてまいったのでございますが、最近はこの会議室にも余り利用されない状況でございます。この間、私寸暇を割きまして行ってまいりました。非常に広うございますけれども、南側にマンションもできまして、非常に立地条件悪うございます。これは廃止することにいたしまして、有効利用のためにただいま大蔵省と協議中でございます。
○黒柳明君 両大臣とも前向きでこれはやめると。三木総理が素直だから閣僚が非常に素直です。結構です。 もう一つ言いますけれども、会議場会議場と言ったけれども、全然使われてないんですよ、会議場だって。昨年一年間で第四公邸が五日、五回。それから第二公邸が七日、十回。一年間で一月一回も会議には使われてない。いいですね、これは。しかるに、その会議の内容まで私触れませんけれども、夜そこで飲み食いをやっている。ひどいのはマージャンをやっている。私は、前向きにやめると言うから、だれがどこで何をやろうと、私も十年政治家をやっていれば、余りみみっちいことをやりたくない。だけれど、この使い方だって非常に問題だったんです。いいですか、総理。そういうものがあった。公邸として各省所管であった。会議室だって使われてない。使われ方も非常に問題だった。それに対して、やめる、こういうことですから、これで結論が出たと思いますけれども、こういうものについても、クリーン三木であるならば、御自分が入られた、これに対して、さらにこういうところもあるんだ、どうしようかなあと、ここまで頭を使ってやっぱり三木さんの真価が発揮できるんじゃないですか。まあ、なかなか大変なお体ですから、公邸まであったのかなかったのか、どう使われているか、ここまで考え及ばないと思いますけれども、ひとつそういう方向で総理みずから行政の長としてこれを検討してください。もう一回最終的なまとめを……。
○国務大臣(三木武夫君) 鳩山内閣で公邸を廃止したときに私、閣僚の一員でありましたからよく事情を知っております。いま二つ残っておるという、いずれも廃止をするという方向で、どういうふうに有効に跡を利用するかということを検討中であるというわけですから、近く全公邸が廃止されることになると思います。
○黒柳明君 わかりました。結構です。 時間がありません。防衛庁長官、長官が、おとといですか、私的諮問機関として、安全保障問題に対して「防衛を考える会」を設置するなんて新聞に出ていましたですね。どういうお考えでしょうか。また、国民の意見を反映した防衛政策をつくる、こういうことだと思うのですが、ひとつ長官のお考えを聞かしていただきたい。
○国務大臣(坂田道太君) 防衛というのは国の基本だと私は考えます。したがいまして、やはり防衛力を持つにいたしましても、国民の理解と支持と協力がなければ国の防衛というものは成り立たないというふうに考えるわけでございまして、国の防衛について安全保障の立場からこれをとらえまして、そして国民的視野に立ってこれを考える。まず、やはり国会におきまして防衛の論議が盛んに行われる、あるいは日本列島を取り巻くところの周囲の軍事情勢というものを常に把握して、そして日本の安全保障を考えていくということがなければならないのではないかと思います。 それからもう一つは、国防会議という機関がございますが、これが最近、ともいたしますると形式的に流れておるように思うのでございまして、もう少し重大な国の基本でありまする防衛あるいは安全、広く安全保障という立場から、ここにおきまして実質審議が行われるような形にならなければいけないのではないかというふうに考えるわけでございます。 したがいまして、私、防衛を考える会というのを——実は諮問機関が四百ぐらいあります。これは私は内閣全体として考えなきゃならない問題だと思いますが、わが防衛庁にはそういう審議会も、従来、自衛隊を診断する会というのが中曽根長官のときに行われました。短期間において非常ないい診断をしていただいたと思いますが、私はやはり防衛を考える会という諮問機関をつくりまして、広く国民的視野に立った有識者、軍事専門家もいらっしゃいますでしょうし、あるいは外交問題に通暁された方で防衛に関心を持った方もおられるでしょうし、あるいは学者の方々、いろんな方々をこれに加えまして、広く国民的視野において防衛を考えるということを施策の上にあらわしていきたいというふうに私は考えておるわけでございます。 特に、私はこの政策決定の一つの新しい試みといたしまして、従来ともいたしますると政府の内部だけで固めてしまって、そして出たとこ勝負ということですぐ国会に出る、そういうことじゃなくて、その機関に国民の創意工夫といいますか、あるいは御意見等をも伺いながら、われわれの政策を固めていくという方法はいかがなものであろうかというふうに実は考えておるわけでございまして、できますならば、たとえば、いまからポスト四次防の問題が出てくるわけでございます。確かに経済成長下における第一次、第二次、三次、四次の防衛計画はそれなりに重大な意義を持っておったと思いまするけれども、この経済成長後の安定経済下におけるところの防衛のあり方、しかもデタントといわれるけれども、それでは全然心配がないかというと、必ずしもそうではないのではないだろうかというような認識も一面にあるわけでございまして、こういうものを含めまして、私はやはりこれからポスト四次防の問題をじっくり考える必要がある。単に防衛力の整備だけではなくて、その防衛力を進める上における根底となるべきところの理念であるとか、あるいはしっかりした国民が支持するような防衛力の進め方というものをも、あわせ考えていかなければならない時期に来ているのじゃないかというふうな考え方で、実は「防衛を考える会」を発足させようと考えておる次第でございます。
○黒柳明君 いわゆる防衛政策の中には、当然情報活動が入ると思いますが、国民の目から見ると、防衛庁の情報活動というのは全く秘密のべールの中に隠されているような感じがいたします。そこで、長官はふだんからウサギの耳論という持論をお持ちだと聞いていますけれども、専守防衛の中における情報活動というものの位置づけをどのように考えていらっしゃるか。
○国務大臣(坂田道太君) 防衛庁の情報活動を組織の面から見ますと、わが国は必要最小限度の自衛力を保持し、専守防衛を旨といたしまして日本の防衛を考えておるわけでございますが、このような防衛政策であるとするならば、あるその中に占める情報活動の役割りというものは、非常に私は大きい位置を占めるというふうに考えるわけでございまして、防衛政策が内容におきまして充実したものであって、しかもそれが国民のものであるためには、その政策立案過程におきましてもまたその実施の段階に当たりましても、常に広範かつ正確な情報を必要とすると考えます。したがいまして、情報機能の充実はきわめて重要なことだと考えておりますし、このような情報活動は国民のための防衛に奉仕するものである以上、当然の事柄であって、広く国民の理解と支持の上に展開されなければならないと考えております。さきに申し上げました防衛を考える会もその趣旨でございますが、一方、防衛庁の情報活動を組織の面から見ますると、内局の防衛局におきまして、情報業務の総合調整、政策立案及び防衛の基本等に関する国内、国外情報の収集、整理を行い、統幕二室において統合防衛のための情報の収集、整理を行いまして、陸海空自衛隊におきましては、それぞれ幕僚長のもとに、陸幕第二部、海幕調査部、空幕防衛部、調査一課、二課がございますが、各自衛隊の防衛及び警備に必要な情報の収集、整理を行うことによって私を補佐をしておるわけでございます。 このほか、部隊といたしましては、交換資料を中心に、各自衛隊が必要とする情報を収集、整理する陸海空の資料隊及び自衛隊員に対する外部からの働きから自衛隊を防護するため、陸海空の調査隊がございます。 さらに、軍事に関する通信、情報を取り扱う陸幕二部別室や、日本周辺を航行する航空機、艦船を監視する陸上自衛隊沿岸監視隊及び海上自衛隊の警備所がございます。 防衛庁の情報活動につきましては、まず、大きな情報源として交換の文献、資料が挙げられ、次いで、外務省その他関係各省庁から提供される情報、資料が貴重な情報源となっております。 第三に、さきにも申し上げたように、通信の傍受あるいは沿岸監視活動等から得られるもののように、防衛庁自身の耳目を通じて入手する情報、資料があります。これは、防衛庁は、これらの各種の情報、資料を総合的に分析、検討して、防衛上の参考といたしておるわけでございまして、このことも、でき得る限り国民の方々に周知徹底いたしまして、そして日本の一番基本の問題であります国防を考えていただきたいというのが、私のいまの考えでございます。 専任防衛を旨といたしまするわが国といたしまして、この情報収集というのは、非常に大事な問題だということで、実は憲法の制約下にあり、あるいは非核政策をとっておるわが国といたしましては、やはりウサギの耳が一番重要な働きをなすと、こういうふうに考えております。ウサギは御承知のように敵を攻撃するものじゃない、オオカミや、あるいはトラや、そういうものではないわけでございまして……。
○黒柳明君 いま、こちらはそんな答弁、要求してないんですけれども、書いてあるのを棒読みしちゃったから、こっちのあとの質問をみんな答えたことになるんですけれども、まあ結構、早いにこしたことはないでしょう。 そうすると、ポスト四次防の防衛政策の中において、何か情報活動、こうしよう、ああしようという構想、ありますか。何かこう兵器ばっかりふやすとかなんとか方法言っていますね、デリミットをやれとかなんとか。そうすると、その情報活動について、来年度からもう五次防とすれば、考えられるとすれば、それについての情報活動の位置づけなり、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂田道太君) ただいま申し上げましたような理由に基づきまして、私はやはりポスト四次防におきまして、情報活動につきましてのたとえば人員であるとか、施設であるとか、あるいは機材であるとかいうことは、ひとつ、わが政府の中におきましても、大蔵大臣の御了承を得まして、十分自国の防衛任務を果たすために、しっかりした位置づけをいたしたい。これはひとつ野党の皆様方にも御協力を願いたいと考えておる次第でございます。
○黒柳明君 協力するしないは別にしまして、いま長官の説明ですと、内局に調査一課、二課があって、国内外の情報収集、あるいは陸海空におのおの内外がある。私はそれじゃあ陸幕の内外の調査機能、それから資料収集の内容、これについて、これは防衛局長になりますか。それからコンピューターのことについて、この三点。
○政府委員(丸山昂君) お答え申し上げます。 陸幕の情報機構、これは先ほど長官から申し上げたとおりでございますが、第一線の調査組織といたしましては、調査隊というものがございます。これは中央に中央調査隊がございまして、第一線に方面調査隊、それから各駐とん地にそれの分遣隊というものがございます。中央調査隊含めまして、全員六百でございますので、きわめて少ない人員でございますが、これは自衛隊の隊員に対しまして、外側から、暴力を是認する意味の過激な政治運動、これによって影響を受けることを防ぐというのが主たるねらいでございまして、大体これが国内の——国内と言いましてはあれですが、隊内の情報収集に当たっておるわけでございます。私どもの情報収集処理の体制でございますが、資料隊というのがございます。これは陸海空それぞれございますが、陸上の中央資料隊にコンピューターを入れまして、各資料隊で収集をいたしましたものをここで分析、整理をしておると、こういうことでございます。その中身はほとんど大部分が公然資料、しかも外国のものでございます。これはもう当然のことながら、そういうことになるわけでございますが、その外国の資料を各個人、それから団体、国別、あるいは機関、部隊別、あるいは各兵器の開発状況その他の技術情報、こういったものに従いまして分類をいたして、それぞれの施策に資するという方法をとっておるわけでございます。
○黒柳明君 そうすると、陸幕の中の情報組織は、中央調査隊が六百人いて、この六百人は自衛隊隊内の外からのいろんな圧力や何かに対しての防護、それから中央資料隊が二百人いて、ここでコンピューターを使っている。これはあくまでも公開資料を中心にした外国の資料収集、こういうことですね、確認しますが。
○政府委員(丸山昂君) ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。
○黒柳明君 国内の情報収集で、個人の身上調査、宗教等の調査なんかやってますか。いまの外国だけの公開資料というコンピューターの中に国内資料は入ってませんか。
○政府委員(丸山昂君) ただいまのコンピューターの中には入っておりません。
○黒柳明君 いやいや、それは国内の身上調査はもうやっていませんね、自衛隊では。
○政府委員(丸山昂君) 国内の身上調査その他、必要がございませんのでやっておりません。
○黒柳明君 総理、もし自衛隊が国内の、しかも諸団体あるいは国会議員を含めて身上調査、宗教あるいはいろんなことを調査していたとしたらどうしますか、総理。自衛隊の情報活動の中にそういう調査をしていたら。——総理だよ、総理。どうしますか。もし、していたらどうしますか。そんなことをしてないと答えたの、いま。
○国務大臣(三木武夫君) いままでもしてないようですし、これからもいたしません。
○黒柳明君 当然であります、そんなこと。 いま国立で、一つの自治体ですけれども、問題になりまして、そういうものは排除しようと、コンピューターから。あるいは行管庁でもそういうものを出しました、アンケート。ところが、私のここにある資料、これを見てください。これには中央資料隊、国内一般項目、それから国内の人物、国会議員を含めて、あるいは諸団体を含めて、すべてコンピューターに入っているという資料があります。政治家、もしかすると三木さんも入っていますよ、この中に。出してください、これ。共産党の宮本委員長はどう出ていますか。成田委員長はどう出ています。竹入委員長はどうコンピューターに入っていますか。資料が明確に出ておる。さらに、諸団体につきましてはもう膨大な資料がありますよ、ここに書いてあるのは。「団体OB整理項目」——いろんなことが書いてあります。正式名称、略称、所在地あるいは結成年月日、発起人。「組織」の中には、組織概要、機構、構成、上部団体、背後団体、下部団体、加盟団体、関連団体、非公然組織、調査組織。「対自衛隊」、対自衛隊概要、対自衛隊方針、対自衛隊組織、対自衛隊活動。全部これは国内の諸団体ですよ。しかも「人物」においては、氏名、旧性、別称、国籍、民族、生年月日、没年、宗教云々。「人物特性」、第三者人物評、派閥、傾向、身体。全部コンピューターに入っていると書いてありますよ。総理、どうですか、これ。(「資料」を示す)(「黒柳さんのも明らかになっておる、名前のとおりだ。」と呼ぶ者あり)(笑声)ぼくがどうなっているか、見せてもらいたい。防衛局長、大変だ、これ。自衛隊にわれわれ調査されているなんというようなことは、うかつに寝てもいられませんよ。全部コンピューターに入っている。大変な資料です、その資料は。一々読み上げたら私の持ち時間の制限があるから、読み上げないだけです。だから、見てもらった。国会議員全部ですよ、もしかすると自民党の方も含めてですよ、これは。思想、信条、宗教まで全部。
○政府委員(丸山昂君) 私ども、先ほど御答弁申し上げましたように、中央資料隊のコンピューターには先ほど申し上げましたような資料しか入ってないというふうに承知をしておるわけでございますが、ただいま先生からこういう資料の御提出がございましたので、よく検討さしていただきまして、もしそういう事実がございましたら、私どもの方でしかるべく処置をさしていただきたいと思います。
○黒柳明君 私だって、だてや酔狂でそんな簡単な質問をしているんじゃないんですよ。もしありましたら——ある証拠じゃないですか、これが。「マル秘」、「複製を禁ずる」、「取扱注意」、「中央資料隊」、「国内一般整理項目」。これに基づいてこの細かいのができているんです。一番初めを見てごらんなさい。ここに、「この情報整理項目(以下整理項目という)は、中央資料隊における電計入力資料の整理に関する」——電子計算機に入れるということですね、「関する基準を示すことを目的とする」云々。さらに、人物、団体等についての細目はこっちに述べている。こっちに書いてあるんですね。思想や信条を調査しません、しません、コンピューターには外国だけです——国内全部入ってるんですよ。その中には国会議員も入っています、政治家も全部。出しなさい、私の資料を、どうなっているか。要注意になっているんじゃないですか。コンピューターの、全部出しなさい。大変だ、これは。
○政府委員(丸山昂君) いずれにいたしましても、私ども認識しておりますもの、現状は先ほど申し上げましたとおりでございます。もし、いま先生御指摘のようなことが実際にあるということになれば、私どもとしてまことにこれも重大なことだと思っておりますので、ひとつその点について調査させていただきたいと存じます。
○黒柳明君 まことにあるから私は具体的な資料を出しているんです。資料を見てごらん。もう一回、局長。(資料を示す)ゆっくり読んでごらんなさい。この資料が中央資料隊がつくったんじゃないのかどうか、一遍読んでごらんなさい。私はこんなものつくれやしない。読んでごらんなさい。ゆっくりでいい。座りながら、ゆっくりしなさいよ、まだ時間はたっぷりあるんだから。
○政府委員(丸山昂君) どうも私どものところで製作したような感じがいたしますけれども、いずれにいたしましても、私、陸上自衛隊の方から提出をさせませんと、はっきりお答え申し上げかねるので、その提出を待ちましてから、ひとつ御返事をさしていただきたいと思います。
○黒柳明君 これはね、たばこの問題も郵便はがきの問題も重要だ。これは劣らず重要です、こんなことは。国会議員も全部羅列されている。諸団体が全部羅列されている。それが、どうかわからないからなんていう答弁でこれは済まされませんよ。すぐ調べなさい。すぐやりなさい。つくったものらしいと思う、と。らしいと思うなら、すぐ調べなさい。
○政府委員(丸山昂君) ちょっとこれを……。
○国務大臣(坂田道太君) これは私ども承知をいたしていなかったわけでございますが、ただいま黒柳委員から御提出がありましたから、早速これ、検討させていただきます。もしこれが事実といたしますると、これは重大な問題だと私は考えます。
○黒柳明君 すぐ調べなさい。大変だ、これは。もしかすると内局は知らないのですよ。これはコンピューターの中を全部出してもらわなきゃだめだ。しかも、まだあるのです。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 黒柳君、質疑者に委員長から申します。 ただいまの件につきましては、防衛庁において早速関係の向きを調査をされて、本日中に間に合えばよろしい、もし間に合わなければ、この総括をやっております間に政府として調査結果、それに対する処置をひとつ明らかにしていただきます。 黒柳君、続いて質問を願います。
○国務大臣(坂田道太君) ただいま委員長の仰せでございますから、早速調査をいたしまして、できればきょうじゅうに御報告を申し上げたいと思います。
○黒柳明君 もうこれは私は審議続行できない。総理、いいですか。何から何まで答弁できない。終わったらどうなった、こうなった、これじゃ審議できないじゃないですか。どうですか、これ、全部総括を終わってから。それは私だって、何も各党のいろんな順番があるから、ですけれども、こんなに総括を終わっていま結論が出せない、わかっていながら、わかっているけどなんていうことでは国会審議にならないのじゃないですか。委員長、衆議院の委員長が御自分の意のままに公平な判断を下したように、この際やはり委員長として閣僚に対して、内閣に対して、一言注意すべきですな、これは。
○国務大臣(三木武夫君) 黒柳さんの言われることもよくわかりますけれども、前にこういう問題があって、調べてこいという御指示というものはあったわけではないわけですから、やはりここで問題を提起して、この場合にすぐに結論が出なければ承知できぬというのは、少し黒柳さんどうでしょうかね。きょうじゅうと言っているのですから、できればきょうじゅうに御返事をいたしますということ、調べてみるというのですから、言われることはわかりますよ、あなたのお気持ちは。少し時間を……。
○黒柳明君 これだけ言っているのじゃない。前のたばこだって、専売だって皆通告して煮詰めて、それも含めて言っているのですよ、ぼくは。これはいまですよ。ほかのは全部通告してあるのです。結論が出ないじゃないですか。何言っているのですよ。これだけはいま。こんなもの前から出すばか、おりますか。前から出したらノーと言うじゃないですか、返事は。
○国務大臣(三木武夫君) いや、そうじゃありませんよ。真実を曲げるわけにはいかない。
○黒柳明君 そんなことはない。真実はみんな曲げているじゃないか。事実は皆曲げているじゃないか、答弁で。
○国務大臣(三木武夫君) そんなことはありません。それはやはりそういうことで前もってこれに対して準備をしてなかったわけでありますので、よく調べてお答えをいたしますので、少し時間をかしてくれというわけですから。そういうことで、これはあなたの気持ちはわかりますよ。しかし何もかもすぐにということのできぬ場合もあることは、それもむやみに引き延ばそうというのではないのですから、すぐ調べてみますから少し時間をかしてくださいということですから、こういうことも御理解を願いたいと思います。いますぐ、できればきょうじゅうに御返事しますと言っ ているのですから、御理解を願いたいと思います。
○黒柳明君 委員長、一言言ってください。
○委員長(大谷藤之助君) 委員長から。ただいま の問題は、先ほど委員長から要望いたしましたように、できれば速やかに本日じゅうに間に合えば間に合わしていただきたい。もし間に合わなければ、この総括質疑中に政府からその問題に対してひとつ回答を要望する旨を申したわけでございまして、突然出た件でございますから、いますぐと いってもこれは間に合いかねるかもしれませんが、できるだけ速急にひとつ運んでもらいたい。 また、質疑者の質疑通告にあります問題については、十分各閣僚とも踏まえてひとつ納得のいくような御答弁も願いたいし、同時に、計数その他にわたるような質疑の資料は事前に十分われわれも、委員側も通告をして、円満な、また慎重な審議ができるように、ともにひとつ運びを進めたいと願います。
○黒柳明君 私は前の質問の保留も含めて言っているのですから、三木総理、いいですか。いま出したからこれは無理だ、そんなことを言っているのじゃない。追ってきたものが、すべてひっくるめてそうだから言っているわけですよ。いいですね。私はこの質問時間を保留しますから、早く、本当だったら前にも——私の善意で言っただけですよ、総括終わるまで終わるまでというのは。順番があってほかの各党の先生方に御迷惑をかけるだろう。内閣なんか私は考えていません、そんなことは。国民しか考えていないのです。値上げになったら大変だろう。だけれども、いろんな国会運営があるから、私は総括まで、総括が終わるまでと言ってきたのじゃないですか。それをひっくるめて三木さんは言わないで、これはいま出されたのだから——いまなんて言うのはおかしいじゃないですか。私の言い分が合っていることは皆御存じのとおりです。ここだけです。あと全部、私の言い分が正しいということは御存じのはずです。 そういうことで持ち時間を保留して、これ以上審議はできませんから、以上です。保留しておきます。(拍手)
○委員長(大谷藤之助君) 残余の質疑は後刻に行うことといたします。 渡辺君の質疑の準備を願います。
○委員長(大谷藤之助君) 渡辺武君。(拍手)
○渡辺武君 私は、日本共産党を代表しまして、まず、今日の深刻な国民の暮らしの問題について伺いたいと思います。 総理大臣は施政方針演説の中で、いままでの高度成長路線を転換して、安定成長と福祉向上の路線に切りかえるとも言われましたし、また衆議院本会議の答弁の中では、税制、財政あるいは金融を根本的に洗い直して考えてみる時代にきているということもおっしゃっておられます。しかし、五十年度予算案を見てみますと、その辺がどうもはっきりあらわれていない。全然ないと言っても差し支えないと思うのです。 総理に伺いたいと思いますけれども、一体、行政、財政、金融のどこを見直して、どういうふうになさるおつもりなのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 高度経済成長というのは、まあ十三年くらいですかね、やってきて、そういうものに向けて財政、行政というものがあったわけです。今度は、適正成長の時代に入るわけでありますから、そういう点で、どこというのでなくして、それに適合したような財政あるいはまた行政であるべきことは当然でございます。しかし、これはなかなか大問題でありますから、渡辺さんも御承知のように経済審議会においても、新しい日本の経済社会計画というものを来年度からスタートするという目標のもとにいま検討を進めておることは御承知のとおり。また、行政監察委員会あるいは財政制度審議会、地方制度調査会などが行財政の面においてこれをどう打開していくかということをすでに諮問をいたしておることは事実でございます。だから、これはもう全般の問題に触れますから、いろいろな各関係省庁においてやはりその打開の方法を、新しい時代に適合したような行財政のあり方を検討しておりますが、どこをどうというのでなくして、全般として見直す必要があるというのが私の意見でございます。
○渡辺武君 まずできるところからすぐやっていただきたいというのが、私は国民の希望だろうと思います。 そこで大蔵省に伺いますけれども、大蔵省で出しております法人税の資本金階級別の負担割合、四十六年度と四十七年度について述べていただきたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 昭和四十六年度について申し上げます。資本金一億円以下三三・六%、資本金一億円超百億円未満三四・八%、資本金百億円以上三一・〇%。 昭和四十七年について申し上げます。資本金一億円以下三四・一%、資本金一億円超百億円未満三五・〇%、資本金百億円以上三四・一%でございます。
○渡辺武君 資本金百億円以上の会社といいますと、新日本製鉄とか三井物産とか大きな会社、世界的にも知られた会社だと思うのです。そこの会社の税の負担割合が、資本金一億円以下、つまりこれは中小企業ですね、それよりも低かった。これが昭和四十六年の実績ですね。四十七年度は多少上がりましたけれども、それでも資本金一億円から百億円未満の会社よりも税の負担割合が低い。これは総理大臣、不公正じゃないでしょうか。まずこういうふうなところから改めることが必要だと思いますけれども、いかがでしょう。——総理大臣に伺っている。
○政府委員(中橋敬次郎君) 法人税は、原則としましてはフラットな税率をとるのが原則でございます。ただ、資本金の別ということでございませんで、所得の低い、いわば中小企業を考えておりますものには低率の軽減税率を適用しておることは、御承知のとおりでございます。問題は、一つには、おっしゃいますように資本金百億円以上のような法人につきましては、先ほど私が申しました実際の税負担率といいまするのは、いわゆる租税特別措置等についての効果を見ました上での率でございまするから、そういう政策的な配慮によりまして、資本金百億円以上の法人につきましても、たとえば四十七年度は三四・一%というような数字を示しておりますけれども、それはまさにかかりましてそういう政策的効果をねらいました各種の租税特別措置の結果であると思っております。
○渡辺武君 総理大臣の御答弁を。
○国務大臣(三木武夫君) いま主税局長から答弁をいたしたように私も考えます。
○渡辺武君 いや、答弁になっていないから伺っているのです。こういうところからお直しになったらどうですかということを伺っているのですから、それについて御答弁をいただきたいと思うのです、総理大臣から。
○国務大臣(三木武夫君) 税については税制調査会などにおいても絶えず検討を加えておるわけですから、税制全般として検討することは当然でございます。一つを取り上げてということでなくして、全般として検討をする。
○渡辺武君 先ほどの説明によりますと、租税特別措置などがあるから百億円以上の大企業の税の負担割合が低くなっているのだという御説明がありましたが、五十年度、租税特別措置による減免額は幾らくらいになっておりますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 各種のいわゆる租税特別措置によります減収額の試算は、昭和五十年度におきまして五千六百十億円でございます。
○渡辺武君 主に大きな企業に大変な特別な減税が行なわれているということがわかったと思いますが、私はその計算は不十分じゃないかというふうに思います。 そこで伺いますけれども、いまの大蔵省の計算の中には、貸し倒れ引当金とか退職給与引当金とかいうのは入っておりますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 私どもは、いわゆる引当金につきましては、会計上の原則によりましても、そういうものはいずれかの期には経費としてチャージをしなければならないものでございます。そういうものにつきましては、租税特別措置としては考えておりませんので、その金額は入っておりません。
○渡辺武君 いずれ経費として計算されるだろうとおっしゃいますけれども、大蔵省から提出された資料を見てみますと、都市銀行、これは大きな銀行です、これの十三行を合計いたしますと、四十九年九月期の貸し倒れ引当金の残額は、七千四百三十三億円貸し倒れが起こるだろうということで、七千億円を超えているのです。ところが、実際どのくらい貸し倒れになったのか。四十八年度一年間をとってみましても、わずか二十一億円です。あんまりたくさん積み過ぎているのじゃないでしょうか。これは結局、利益をそういう形で隠しているというふうにしか思われませんけれども、どうでしょう。
○政府委員(中橋敬次郎君) 貸し倒れ引当金、特に金融機関につきましていろいろな御批判があることは、かねて聞いておるところでございます。実際の債権償却額が貸し倒れ引当金よりも非常に大きいということは御指摘のとおりでございます。それはまたいろいろ過去におきます経緯もございましたのですけれども、最近そういった事態にもかんがみまして、ここ三年間で一・五%から一%というふうに、三分の二にまで下げてまいりましたところでございます。今後とも、なお実際の債権の貸し倒れ状況というようなものも勘案しながら、こういう点は私どもも検討してみたいと思っております。
○渡辺武君 一年間、二十億円程度の貸し倒れであるのに、七千億円以上もそのための積み増しをしている、準備のね。これはやっぱり税金逃れだとしか普通考えられませんですね。 なおもう一つ、退職給与引当金、これは一体どういうことになっておりますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 今日の企業におきますところの退職金も、大体労働協約等ででき上がっておりまして、勤務の年数に応じまして、退職しましたときには支払わなければならないものでございます。したがいまして、企業としましても、年々そういうものについてはこれを引当金として計上しなければなりません。昭和四十八年度におきまして、この退職給与引当金は約二兆九千億円ぐらいになっておりますが、その税法上で毎期毎期損金にいたします金額は、前年度の期末におきますところの退職支払いをしなければならないと見込まれます金額と、今期末におきますところのそういった金額との差額、いわばその事業年度におきまして退職給与金として支払わなければならない増加額というものを計算いたしまして、その二分の一を損金に計上することを認めておるものでございます。
○渡辺武君 従業員のどのくらいを退職することを見込んで積み立ての限度額を考えておりますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 退職金は、先ほど申しましたように、そういった労働協約等ででき上がっておるものでありますから、全員が仮に退職しましたならば幾らその期におきまして支払うべき退職給与金が増加するかという金額をはじきまして、その二分の一を損金に計上さしておるわけでございます。
○渡辺武君 従業員が半分一遍にやめても大丈夫というくらいの退職金の準備金を積み立てている。これは過大じゃないでしょうか。そんなことは、百億円以上の大会社というようなところでそんな状態が起こるというのは、もう日本経済の破滅するときじゃないでしょうか。たとえば、東京電力では七百十二億円の残高がある。ところが、実際の取り崩し高はどのくらいかというと、四十八年度でわずか五十七億円、八%にすぎない。これも税金逃れのためにやらしているものじゃないでしょうか。どうでしょう。
○政府委員(中橋敬次郎君) この点につきましては、また別の批判もあるわけでございます。当然従業員が退職をしましたときに支払わなければならない、その退職給与金のいわば増加額でございまするから、その全額をその事業年度にチャージすべきであるというまた会計学上の要請もあるわけでございます。税金のほうでそれを二分の一にいたしておりまするのは、おっしゃいますように、いま直ちに全員がやめるということもございませんから、だんだんやめてまいりますそういう経過年数を参酌いたしまして、増加額の二分の一を損金に落とすということにしておりまして、だんだん何年かたってやめていく人ができるということで計算が合うものでございますので、二分の一ということでむしろ切っておるわけでございます。
○渡辺武君 大蔵省は、昨年十一月の税制調査会に外国の引当金などの調査の報告をしていると思いますけれども、アメリカやカナダやイギリスなどでは、こうした引当金についてはどういうふうになっていますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 御指摘のように、昨年、主税局員も参加をいたしまして、ヨーロッパ、アメリカのいわば企業の課税所得というものがどういうような状況になっておるのかということを調査に参りました。御指摘のような退職給与引当金につきましては、すでに申し上げるまでもなく、わが国において非常に発達しました慣行でございまして、欧米の諸国においてはむしろそういった退職金を払うという慣行はございません。したがいまして、退職給与引当金というのはないというのが大体実情のようでございます。
○渡辺武君 外国ではやってないというような莫大な引当金を認めて、大企業の税の負担割合をうんと下げている。これが私はいまの政府、あるいはいままでの自民党政府の姿だったと思うんですね。だから、こういうものをもし正当に税金で払ってもらうということになれば、これは私どもが政府の資料に基づいて試算してみたわけですけれども、昭和四十八年度には資本金十億円以上の一大企業と、それから大きな資産家、これへの特別な減税は合計して約一兆八千億円くらいになります。税収の伸びなどで五十年度はどのくらいかといって試算してみますと、法人税で一兆一千億円以上。これは資本金十億円以上の大会社ですね、負けている税金。それから所得税を合わせると約三兆円、国税だけで。それほどの特別な減税や免税をやっているわけですよ。ですから、これを正当に税金を払ってもらえばたくさんの財源が私はできてくると思うのです。 いまちょうど税金の申告期です。この不況とインフレでどんどん倒産が出て、中小企業はまさにいま重い税金で泣いているというのが実情だと思うのですよ。この莫大な財源を使えば、中小企業に対する減税、これは私はできると思うのですね。どうでしょうか、いまの中小企業の法人税率、五%くらい引き下げるということを私はできると思うのですけれども、それをおやりになるおつもりがありますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) いま渡辺委員がおっしゃいました、いろいろな税制を変えればこれくらいの金額が出るとおっしゃいました数字、私どもはどういう積算でおやりになっておるかわかりませんけれども、従来その種のものがございましたものを、いろいろ私どもも一つの研究として受け取って勉強はいたしております。 ただ、その際に、一つは、おっしゃいますように、引当金というものをそこの中に入れていいのかどうかという問題が実はございます。それから租税特別措置の中で非常に大きなウエートを占めております企業の特別償却というのがございますけれども、その金額をそのまま計上されるのがよく見かけるものでございますけれども、特別償却と申しますのは、御承知のように、機械を使っております長い間の期間の償却額を、ある期間、短期間の間に大きく償却をするというものでございまするから、後々の償却はそれに応じまして非常に少なくなる。いわば税金はあとから取り返されるというシステムでございますので、特別償却そのものを単純にその計算の中に入れることも私どもはいかがかというふうに思っております。 それから税制の考え方といたしまして、法人の利益に対しまして法人税がかかるわけでございますけれども、その中からまた配当というものが払われます。その配当といいますものを法人の段階で受け取る、あるいは個人の段階で受け取りますときに、いろいろ調整措置を講じておるのが今日のわが国の税金の考え方でございまするから、そういうものについての御批判もありますけれども、それはまた特別措置としてお考えになるのも私どもとしましてはなかなか御同意いたしかねるものがございます。 そういったものがいろいろございまするから、いまおっしゃいましたような数字について、必ずしも御同意もいたしかねますし、またその中には、一回限りしかならない財源も多々あるわけでございまするので、そういう点もお考え願わなければなりません。 それから最後に御指摘のような中小法人の法人税率の問題というのは、確かにいろいろ問題がございます。しかし、これは私どもも過去そういった観点から、大法人につきましての法人税率が今日四〇%になっておりますけれども、そういう引き上げました際にも、中小法人の所得が大部分を占めますところのいわゆる軽減税率は据え置いてきたわけでございます。しかも、その適用の限度もだんだん上に上げてきておりますから、そういう御趣旨はかなり図ってきたつもりでございます。
○渡辺武君 重ねて申しますけれども、外国にも例のないような退職給与引当金、これを莫大な積み立てを許して大企業をもうけさせているというようなところを除けば、いま言ったように三兆円もお金できるのですよ。ですから、そういうものを財源にして、次にはたとえば中小零細企業がいま切実に求めている安い金利の長期の融資、この辺も私は考えていただく必要があると思うのですね。 いま、日本輸出入銀行というのがありますけれども、これは大体融資額の九七%くらいは大造船会社だとか、大商社だとかというところにいっているのです。その金利を調べてみますと、平均金利は五・〇三%。ところが、零細企業などが借りる国民金融公庫の金利はどのくらいかというと、七・五五%であります。大変高いのですよ、比べてみると。貸付期間も輸出入銀行のほうは十年七カ月、国民金融公庫のほうはわずかに二年と十カ月、こういうことなんです。もしこの国民金融公庫などの金利を輸出入銀行並みに引き下げたら、どのくらいお金があったら足りるのかと私ども計算してみますと、大体約四百九十億円の利子補給してくれさえすればできるのです。このくらいのことは、やろうと思えば私はすぐにできると思うのです。どうでしょう。それを実行するおつもりがあるかどうか。大蔵大臣に御答弁いただきたい。
○政府委員(後藤達太君) 大臣の御答弁の前に若干御説明をさせていただきたいと存じますが、政府関係の国民金融公庫あるいは中小企業の金融公庫の金利につきましては、基準金利が九・四ということに現在なっておりまして、これは開発銀行等の基準金利よりも〇・五%低いところに定めておるわけでございます。 それから輸出入銀行の金利は、私ども平均的なものは算出はいたしておりませんけれども、これは海外におきますいろいろな事業あるいは資源の開発投資というような関係で、国際競争力あるいは海外の金利等もその決めますときの重要なる要素に相なっておりまして、六ないし九%という間で個々の案件に応じまして決めることに相なっております。したがいまして、それぞれその政策目的に従って、私どもは現在の状態を適正なる金利である、こう考えて適用しておるものでございます。 なお中小機関、中小公庫あるいは国民公庫の金利の水準につきましては、先ほど申しましたほかに公害貸し付けとか、あるいは安全貸し付けとか、こういう特定のものにつきましては、開銀のそれなどよりもさらに低い金利を適用いたしております。こういう質的な措置としては、現在のほかの金利水準と比べまして十分配慮をしておると私どもは考えておる次第でございます。
○国務大臣(大平正芳君) いま政府委員がお話し申し上げましたとおり、政府関係中小三機関の主要な貸出金利は、各政策目的に応じまして、貸し付け目的に応じましてそれぞれ違っておりまするけれども、市中のプライムレートよりは低目にとらえておりまするし、同秘の開銀の貸付金利よりも低目に抑えてありますことはいま御報告申し上げたとおりでございまして、ただいまわれわれがやっておりまする金利政策に間違いはないと思っております。
○渡辺武君 総理大臣に伺いたいのですけれども、いま中小企業は、全国の事業所数の九九%を占めておるのですよ。日本の工業の出荷高の半分は中小企業の方々がつくっておられる。小売販売の中の八割は中小企業の活動によって物が動いているのです。非常に重大な役割りを演じているのが中小企業ですよ。いまの御答弁を伺いますと、税、財政、金融の洗い直しをやるんだとおっしゃった、あるいは福祉優先の経済をやるんだとおっしゃっているけれども、何にもやってないということになります。やろうという気持ちがないということになりますが、このくらいのことをおやりになったらどうでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 中小企業に対しての貸出金利は一般の水準より低くしておるということは、大蔵大臣から御説明を申したとおりですが、金利水準をできるだけ下げていくということは、全般的にはやはり必要でございましょう。しかし、中小企業対策は単に金利の問題だけではなくして、もっと広範な問題を含んでいる。中小企業の企業それ自体の体質の近代化というような問題も根本にあるわけであります。われわれは中小企業というものが日本の経済の、これは日本においては中小企業が永久になくなることはないので、非常に重要なウエートを永久に持ち続けるであろう。また、中小企業を健全に育成しなければ日本経済というものは全体として近代化はできない、こういうふうに考えておりますから、金利の点についても検討いたしますが、さらにもう少し中小企業振興対策、こういう問題、ことに技術、経営、いろんな面において近代化をしていくということに今後重点を輝いてまいりたいと考えております。
○渡辺武君 大蔵大臣、総理大臣は金利の問題を検討すると言われた。検討してくださいよ、金利の引き下げ。いいですね。 また、次に移りたいと思いますが、こうした大企業、大資産家から正当に税金を払ってもらって、これを財源として使えば老齢福祉年金を月二万円に引き上げるということはもとよりのこと、いろいろな社会的不公正に苦しんでいる人たちのためのいろいろな施策を行うことができると私は思うのです。 そこで、厚生大臣に伺いたいのですが、現在七十歳以上の方々にやっております医療無料化、この年齢を五歳下げて六十五歳から医療無料化の施策をやった場合、国からどのくらいの費用を出せばいいのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) 大体八百七十億程度と見込まれているはずでございます。
○渡辺武君 三兆円特別に税金をまけているという事態をなくせば、八号七十億円くらいな金はすぐ出ると私は思うんですね。 なお厚生大臣に伺いたいのですが、心身障害の方、それから難病の方、これらのお医者さん代をただにするにはどのくらいの費用がかかりますか、国の費用は。
○国務大臣(田中正巳君) ただいま正確な数字の持ち合わせを持っておりませんので、後刻取り調べの上御返事申し上げます。
○渡辺武君 なるべく急いでください。
○国務大臣(田中正巳君) はい。
○渡辺武君 それから乳幼児のお医者さん代をただにする、二歳から下の。どのくらいかかりましょう。
○国務大臣(田中正巳君) この点についても前回と同じように措置させていただきたいと思います。
○渡辺武君 もう、ほんとにやる気がないものだから数字さえそろってないという気がいたしますが、質問はあらかじめ申し上げてあるわけですから、やっぱり質問に間に合うように計算していただきたいと思うんです。 私ども、あなた方から資料をいただいて簡単に計算してみましたが、心身障害の人、難病の人、約三百億円国から金出せばできるのです。乳幼児の医療の無料化、これまた四百六十四億円という数字が出るのです。先ほどの六十五歳以上のお年寄りのお医者さん代をただにする費用と合わせてみますと、約一千五百億円から二千億円くらいな金があればできるのですよ。 総理大臣に伺いたいと思うのですけれども、日本では六十五歳以上の男のお年寄りの五四・二%が、働かなければ食べていけないという実情にあることを御存じでしょうか。これはアメリカでは約二九・七%の人が働いている、お年寄りの六十五歳以上の。スウェーデンでは二三・九%、フランスでは一九・三%。こういう状態に比べてみると日本は異常に高いのです。しかも、いまは不況です。就職しようと思ったってお年寄りの就職口ないんですよ。失業者がたくさんおる。やっと就職口が見つかったと思っても、月わずか六万円そこそこの給料だ。一方で大企業中心に三兆円もの税金をまけて、至れり尽くせりの施策をやっている。他方ではどうですか。六十五歳以上のお年寄りといえば、あの戦争中に一番苦労した年代の方方がいま六十五歳くらい以上になっているんですよ。こうしたお年寄りを乏しい年金、この物価高で苦しめている。これが、あの戦争中に苦労した人たちに対する政府の報いるそのやり方ですか。すぐに私が申しましたように六十五歳以上のお年寄りのお医者さん代をただにする、あるいは難病の方、それからまた心身障害の方、さらにはまた乳幼児の医療の無料化をすぐに断行すべきだと思いますがどうでしょうか。これは総理大臣に伺いたいと思うのです。
○国務大臣(三木武夫君) 社会福祉といいますか、社会保障の問題は、これはやはり計画的に拡大をしていく必要がある。いろんな問題を出されて、みんなやらなければならぬ問題ですけれども、しかもその財源というものが、渡辺さんが御計算になりまして、これだけ税金をやめればこれだけの金額があるというが、税全体の経緯もバランスも考えなければなりませんから、したがって、これから持ってきてこれをやれということは、これは政府の場合としては全体のバランスを考える立場でありますから、すぐにそういたしますというようなことを答えられないわけでありますが、われわれとしても非常に心身の障害者であるとか、あるいはその他いろいろ生活上やはり困難な立場である人たちのことは精いっぱいのことをして、この予算などにおいても、この条件のもとにおいてできる限りの努力は払ったつもりでございますが、一遍にというわけにはいかない。しかし、御指摘になったような問題は、かなりみな必要な問題であることはわかりますけれども、その財源もまた渡辺さんの言うように、簡単にこれをやめてすぐこれを持ってきてというような、そういうふうにはやはり政府としてまいらぬ面が多いということも御理解を願いたい。
○渡辺武君 大企業に特別にまけている税金を正当に払ってもらいさえすれば、こうしたお年寄りたちのことの施策の金はできるのですよ。私はやはり総理大臣の姿勢の問題だと思いますね。しかし、いま若干前向きのことを言われたけれども、この間一月二十日付で厚生省が各都道府県に通達を出しておられます。その内容を見てみますと、私はびっくりしました。地方自治体で、七十歳未満つまり国のやっているよりももっと年齢を下げてお年寄りのお医者さん代をただにするという施策をやった場合、あるいは二歳児未満の乳幼児の医療をただにした場合、その場合には、いままで国民健康保険で赤字が出ると国から財政調整交付金というのを渡していたけれども、渡さないぞという通達を出したそうですが、これは本当ですか。
○国務大臣(田中正巳君) 確かにそのような通牒は出ておりますが、しかし、先生ただいまおっしゃるような趣旨のものではございません。一つには、この種の医療の無料化制度につきましては、いわゆる根っこになるところの保険の給付の給付率にも影響をいたしまするものですから、したがいまして、一つにはこのような制度をとった地方公共団体においては普通財政調整交付金の計算を、それをやらなかったようにして計算をいたしますよということを申し上げ、そのことをひとつ心覚えいたしてそのような制度をやるようにしていただきたいということが、この通牒の趣旨でございます。
○渡辺武君 同じことじゃないですか。普通財政調整交付金の計算をやらないことにしてやれというのは。つまり国からそれだけ出さないぞということでしょう。どうですか。
○国務大臣(田中正巳君) 限りのある普通調整交付金でございますから、したがって、できるだけ公平に配分をしなければならぬ。一公共団体がこのようなことをやったために、他のそれをやらない町村に対するシェアというものが減るということは公正上いかがかと思いますので、したがって、絶対にやってはいけないとは言いませんが、それによってふえた分を、つまり、あれは御承知のとおり医療費と所得との対比において普通調整交付金の計算をいたしますものですから、その単独事業によってふくれ上がったものを基準にして普通調整交付金はこれを処置しないぞと、計算しないぞと、その分については覚悟をしていただきたい、しかしノーマルな部分はこれは必ず支給いたしますという趣旨でありまして、根っこからこれを削るなどということは、私の方で通知を出しておらないわけでございます。
○渡辺武君 結局削るということですね。総理大臣に伺いたいのですけれども、いま地方自治体は、国が七十歳以上ということで年齢的に制限している、ところがお年寄りの御要望は強いのだ、見るに見かねて年齢を六十五歳に引き下げ、あるいは二歳児未満の赤ちゃんのお医者さん代をただにする。国のやるべきことを乏しい財政を割いて一生懸命になってやっているのですよ。それをこうして抑えよう、これはどういうことですか。社会的不公正を是正するという三木内閣が、いままでの田中内閣さえやらなかったような、こんな冷酷無残なことをやっている。あなたが本当に社会的不公正の是正をやろうと思うならば、このようなばかばかしい通達は撤回すると言うべきだと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(田中正巳君) この調整交付金の計算措置というものは今度初めて始まったものではございませんで、従来からそのようなことをやっておったが、今後ともこれを続けるぞということを書いてあるわけであります。なお、このようなことをしない場合は、私は、これをやらない町村との間にかえって不公正を助長するものというふうに考えられますから、物は考えようだというふうに思います。
○渡辺武君 総理大臣、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) やはり福祉の問題というものは、やらなければならぬことはいっぱいあるわけですね。しかし、それは一つの財政的な制約もありますし、だから計画的にやらなきゃならぬし、地方自治体においても、いろんな財政面あるいはまたそういう自己の責任というような問題で、これはやはり計画的に進めていきませんと、やれば喜ばれることばかりですからね、福祉は。これもやれ、これもやれと言うと、国民の方々が聞いて、非常に国民の立場というものに熱心だということにはなりましょうけれども、実際にやる立場から考えれば、一遍にはできませんから、やはり計画を立てて社会福祉の政策は進めていくことが責任を持つ者の態度であろう、こう考えております。
○渡辺武君 世間では総理大臣のことを、失礼だけれども、言い逃れの三木さんと言っておられる。その点ははっきり申し上げておきましょう。 次に、私は暴力問題について伺いたいと思います。二月二十八日の間組爆破に見られるように、爆弾事件が引き続いておりますけれども、これと並んで、学生の集団暴力も目に余るものがあります。こうした暴力学生が大学内外で最近五カ年間に引き起こした暴力事件の件数、それから死んだ人、負傷者などがどれだけ出ているのか、まず警察庁に伺いたいと思います。
○政府委員(三井脩君) いわゆる極左暴力集団等が相互間において行います内ゲバ事件について申し上げます。 昭和四十五年以降本年二月末までに、総計千二百八件発生して、うち死亡いたしましたのは十九件、二十二人であります。負傷者は二千五百五十四人、この間検挙いたしましたのは千七百九十三人を検挙いたしております。年次別に申し上げますと、昭和四十五年は百七十五件発生し、死亡二件、二名、負傷五百二十五人、検挙五百八十四人。四十六年の発生は二百七十二件、死亡は四件、五人、負傷四百二十人、検挙は二百十六人であります。昭和四十七年は発生百八十三件、死亡二件、二名、負傷三百三十八人、検挙百六十四人。四十八年は発生二百三十八件、死亡一件、二名、負傷五百七十二人、検挙三百六十一人であります。昭和四十九年は発生二百八十六件、死亡は十件、十一名、負傷六百七人、検挙は四百二十八人に及んでおります。五十年二月末現在では、発生五十四件、死亡事件は二月末現在ではございません。負傷九十一人、検挙四十人という状況でございます。
○渡辺武君 わずか五、六年の間に十九人が殺される。二千五百五十四人が大けがをする。異常な事態だと思うのですね。一体、どういう連中がこういうことをやっているのでしょうか。
○政府委員(三井脩君) いわゆる極左暴力集団というものでございまして、俗に言われる反日共糸の学生の各セクト、こういうものが主でございます。
○渡辺武君 昨年の五月十三日と六月の二十六日に、法政大学では中核派と革マル派の大規模な衝突があって、死んだ人も出たようであります。その事件の概要をおっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(三井脩君) 昨年五月十三日の事案の内容でありますが、この日の午後四時過ぎ、法政大学の正門から市谷駅方向に中核派約百五十名が向かっておりましたが、これを革マル派約百五十名が待ち受けて襲いかかりました。中核派との間で乱闘となり、中核派一人が死亡しました。また、双方に合わせて十八人の負傷者を出しております。警察におきましては、この犯行現場付近におきまして、革マル派十一人、中核派十五人、合計二十六名を現行犯逮捕いたしました。その後の捜査によりまして、さらに革マル派十八人を検挙いたしました。この事件で合計四十四人を検挙して送致をいたしました。 次に六月二十六日の事案でありますが、これはこの日の午前四時過ぎ発生いたしました。法政大学の中で待ち伏せをしておりました革マル派約五十人、これが構内に入ってきました中核派約七十人を襲撃をして、双方で合わせて五十四人の負傷者を出した事案であります。これにつきましては、この法政大学正門前付近、つまり犯行現場でありますが、ここで両派合わせまして九十八人を現行犯検挙いたした次第でございます。
○渡辺武君 この事件のときに法政大学の構内にある学生会館を捜査されたそうですけれども、ここでどんな凶器を押収されたか、その物件や数はどのくらいか、それもおっしゃっていただきたい。
○政府委員(三井脩君) まず五月十三日の事件に関しまして、五月十九日に法政大学の学生会館の捜索を行いました。ここで押収いたしましたのは、鉄パイプ七十一本、旗ざお四十三本、ヘルメット五個、それから金のこの、これは刃でございますが、一個等を含めまして、合計で百八十点を押収しております。 また、六月二十六日の事件につきましては、事件当日現行犯逮捕いたしましたが、この犯行現場におきまして押収を行い、鉄パイプ五十三本、鉄棒二本、竹ざお九十一本など合計六百四十八点を押収し、さらに事後の捜索を六月三十日に行いましたが、この際ヘルメットなど五件、六件を押収いたしました。したがいまして、六月二十六日の事件では、これは学生会館の中で押収したものではないということになるわけであります。
○渡辺武君 大学の構内にある学生会館が暴力学生の武器庫になっている。これは私は大変なことだと思うんです。一体こういう事件を引き起こしたこの学生、これは全部法政大学の学生なんでしょうか。
○政府委員(三井脩君) 逮捕をいたしました学生等の中で、被疑者の中で身元が判明いたさない者もかなりあるわけでありますが、約九十名は大学生であるということは判明いたしましたが、九十名のうち法政大学の学生は五名であります。その他は他の大学の学生ということになります。
○渡辺武君 さっきのお話で、殺された人が出ましたけれども、この人はどこの職場にいた人ですか。何か職場にいた人だと聞いておりますが。
○政府委員(三井脩君) 中核派の活動家でございまして、墨田区役所の職員であります。学生ではございません。
○渡辺武君 大学に、その大学の学生以外の大学からどんどん入り込んでいる。しかも、大学生でない者までが暴力をふるうために自由自在に出入りしている。しかも、この暴力集団が一般学生や教職員に対してしばしば検問なるものを行っているということを聞いておりますが、文部省はこういう実態をつかんでいらっしゃいますか。
○国務大臣(永井道雄君) 学生の暴力というものがあることはきわめて遺憾であるということは、御指摘のとおりでございます。 検閲の問題でございますが、法政大学、一月の時点においてそういう問題があったのではないかというので私どもでも調べておりますが、教職員に対して妨害行為があったけれども、他の学生同士の検問という形はなかったというふうに報告を受けております。
○渡辺武君 ここに、そういう暴力学生が暴力をふるうために、法政大学の学生でありながら学校の構内に入ることができないという学生さんたちが、たまりかねて「法政大学のすべての教員のみなさんへ」ということで手紙を出しております。その手紙の一文を読んでみましょう。「また、「中核派」などはことあるたびに「検問」と称して、正門に「武装部隊」を配置し、学生、教職員の身分証明書を点検、持ち物の検査をおこない、学生や教職員は、なんの権限もない彼らのいうなりになって、彼らの手にした竹竿の下をくぐってでなければ大学へ入れないという屈辱を味あわされているのです。」、こう書いてある。恐らくこれはうそを書いていることじゃないと思うんです。一体こういうことが許されることなんでしょうか。文部大臣にもう一度伺いたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 大学に暴力がありますために、学生が大学に来て正常に授業を受けることができないということは許されるべきことではございません。ただいまの御指摘の問題については、どういうことが最近あったかということを申し上げますと、一月十八日の学期末試験の初日に一部の学生集団が構内に侵入いたしまして、正門及び裏門を封鎖し、事務室に乱入するような行為がございました。そこで、これに対しまして大学に、これでは期末試験が受けられないから何か方法を考えてほしいと願い出た学生が二十三人おります。いまそういう二十三人の学生がいるということは、これらの学生は正常に試験を受けることができないということを申し出たものと考えられます。しかしながら、それにもかかわらず試験を行うことができませんでしたために、大学では当日の試験を終局において中止いたしまして、富士見校舎への立ち入りを禁止して、期末試験はレポート提出をもってかえるという事態になったというのが、われわれの受けている報告でございます。
○渡辺武君 いま文部大臣は二十三名と言われましたけれども、この手紙を出した学生さんたち、これは「以下登校の自由を要求する学生百九名」、百名を超えているんですよ、大臣。この点をようくひとつ見ていただきたいと思うのです。大変なことですよ、試験も受けられない、授業も受けられない、親も安心して子供を大学へ送れないという事態だと思うんですね。 ところで、いまもこの法政大学ではロックアウトが行われている。学生は学内にも入れないという状態であることを御存じでしょうか。
○国務大臣(永井道雄君) 現在、法政大学でロックアウトが行われているということについて承知いたしております。それは、先ほど申し上げました一月の期末試験というものを行うことができなかったとき以来の事態であります。
○渡辺武君 こういう事態に対して、どうお考えでしょう。
○国務大臣(永井道雄君) こういう事態につきまして、これは申し上げるまでもないことでありますが、学校というところは、正常に静かに勉学ができる場所でなければならない。当然のことでありますから、さような事態を回復しなければならない。それには先ほどから出ましたように死者、負傷者があるというような事件が起こりましたときには、これはとても文部省として対処できる問題でありませんから、警察の協力を得なければなりません。また、そのほかの問題につきまして、学校で正常の授業を行うという点につきましては、大学当局も何回か学生に呼びかけて、そして努力をしていますが、大学当局と私ども文部省が協力をいたしまして、そして一日も早く学内の状況が平常化して授業が行われるようにならなければならない、そういう考えで対処している次第でございます。
○渡辺武君 二月の二十四日に、東京法務局にこうした登校できない学生が訴えに行っているはずですけれども、どんな内容だったのでしょうか。
○政府委員(萩原直三君) お答えいたします。 ただいまお話しのように、去る二月二十四日に、法政大学の学生二名から東京法務局人権擁護部にそれぞれ人権相談がなされました。その一人の言い分は次のとおりでございます。 現在、法政大学では、鉄パイプやヘルメットで武装した中核、赤ヘル、黒ヘル等の暴力集団の暴行、脅迫等により、相談者ら百九名の学生が自由に登校して安心して授業を受けるということができない異常な状態が続いています。このような状態になったきっかけはさまざまでございますが、暴力学生にクラスの学友が暴力を加えられているのをとめたり、学校の施設破壊や授業妨害を批判したりしたことが、そのきっかけになったようであります。そこで、大学当局に対し申し入れ書で善処方を訴えましたが、一片の警告書を出しただけで何ら正常化のための具体的な措置をとらない。そこで、法政大学当局に、人権擁護部から、私どもの申し入れた趣旨の実行をするように説得してもらいたい、こういう趣旨でございます。 それから、もう一人の方の学生の相談内容と申しますのは、次のとおりでございます。 私たちの大学では、黒ヘルと称する七、八十名の一部暴力集団によって一般学生一部五十名、二部五十九名が授業中に実力で教室外に引き出され暴行を受けたり検問されるなど、正常な授業を受ける権利を侵されている。そこで、大学当局に再三にわたり正常化のための具体的処置をとるよう求めているが、何ら誠意ある回答を得られない。そこで、人権擁護部において学校当局に善処方を要請してほしいという趣旨でございます。
○加藤進君 関連。 ただいまの二人の法政大学の学生の訴えの中心は、法政大学の暴力学生集団は、自分たちと意見が違う、こういう学生に対して学校への入構さえ妨害している、こういう重大な訴えでございます。これに対して、法務局の人権擁護部の係官はどう答えたか。その答えの一つは、君らさえ反対しなければ授業が受けられるのだから黙っていた方がいいと、こう答えておるのであります。けしからぬことでございます。さらに、セクト間の争いによって授業が受けられず、試験も受けられないことになっておるんだと、こう答えております。 そこで法務大臣、お尋ねいたしますけれども、大臣もまたこの大学でまじめに勉強をしたいという学生が、勉強をせんがために不法な暴力には反対して、これを批判するということが、セクト間の争いだなどとお考えになるかどうか。大学の学生に対して、どんな暴力を受けても黙っていなさい、暴力に屈服しなさい、そうすれば問題は起こらないんだなどとお考えになっておられるのかどうか。この点を明確に第一にお答え願いたいと思います。 第二に、政府がこうして暴力分子を放置しておるからこそ、法政大学だけでも、先ほど言われましたように、何と百九名の学生が授業も受けることもできず、試験さえ受験できないという状態でございました。勉学の権利が現に大学で奪われている。こういう現状が起こっておるわけであります。そこで、政府はこんな状態に学校を放置しておいて、学術研究の中心である大学を暴力の支配するような無法地帯に今後も放置しておかれる気なのかどうか。 私はあえて申し上げたい。被害者である学生の安全は言うまでもなく、勉学する権利を守っていくために直ちに措置をとらなくてはならぬと考えております。加害者である暴力集団に対して厳正な法規を適用して措置をとるべきであると考えますけれども、その点、法務大臣並びに文部大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 法政大学の学生が人権擁護部に人権相談を持ちかけてきた。擁護部ではこれを受理すべきか否か、事案の具体的な事態を検討中だと、こう申しております。したがって、あなたがお尋ねの、人権擁護部がそれはセクト間の争いで、それから暴力がやってきたら属してしまえなんと言うはずはないので、それからまた、あなたの言うことを聞いていると、暴力には暴力で排除してやったらいいじゃないかと、こんなふうに言うたように——それは、そんなことを言うはずはないですな。そういうことは、具体的にどういう事実であるのか私はつまびらかにいたしませんから、事務当局に答弁させます。
○加藤進君 法務大臣の見解を聞いているんです。
○政府委員(萩原直三君) ただいま関連質問がございましたような言葉を人権擁護部の職員が述べたということは、全く聞いておりません。そのようなことはないと信じております。
○加藤進君 文部大臣の見解をお聞きします。
○国務大臣(永井道雄君) 大学から暴力をなくすことにつきまして、文部省としてどうすべきであるかということは、一般的な対処の仕方、それから法政大学のような特定の場合にどうするかというふうに二つに分けて考えるべきであると思っております。 まず、一般的な問題といたしましては、文部省はどこの学校におきましても、またどのような立場の人であろうとも、学内における暴力行為の根絶ということについて指導をいたしております。この指導というのは指揮命令というのと違いますが、しかしながら、これは文部省の設置法によって規定されている文部省のあり方であります。 次に、この指導というものを具体的にしてまいりますために、学内において凶器があるとか、あるいは暴力があるということを避けなければなりませんから、これまで何回かにわたって通達を出しております。内容の詳細なるものは省かせていただきますが、昭和四十四年、昭和四十五年、昭和四十六年、昭和四十八年、繰り返し暴力行為の根絶を要望いたしております。 さて、法政大学の具体的な問題についてどうしているか。以上申し上げたことは一般的なことでありますが、法政大学の場合におきましても、大学というものがそれぞれ自由な研究、教育を行うということは当然であります。そこで第一に、法政大学に対して私どもが指導いたしておりますことは、学内における暴力行為を防止すること、これがまず第一点であります。そうして学内におきまして、第二点としては、学生会館などが正常に用いられていないということは非常に遺憾でありますから、こうした状況の改善に着手してほしいということ。さらに自治会活動のあり方というものが問題でありますから、自治会費の徴収方法あるいはその使用のあり方などについて、学部教授会及び自治会に対して適切な指導を学校当局として行ってほしいということを要望しているのでありまして、要約いたしますならば、暴力をなくすということ、そうしていかなる立場、いかなる考えの人も本当に大学という場所は研究と教育を自由なる精神をもって行うように、こういう立場で臨んでいる次第でございます。
○加藤進君 法務大臣はどのような措置をとられるのか。法務大臣に答弁をお願いします。暴力集団に対してどのような措置をとられるのか、お聞きします。
○国務大臣(稻葉修君) 暴力に対しては、まず警察庁がその鎮圧の任に当たり、犯罪者があればこれを検挙して、それぞれ適正、厳正にこれを処分するということが法務省の管下にある検察庁の任務であります。そういう国の暴力取り締まりの機関を動員して、きちっとやるというのが私の方針です。
○渡辺武君 法政大学で典型的にあらわれているような学生の暴力行為、これはいま全国で起こっている、そういう問題だと思うんです。これは日本の国の自由と民主主義のためにも、そうしてまた国民の幸せのためにも大変な問題だと私どもは考えております。 そこで委員長に提案したいと思いますが、こうした暴力支配が特にひどく行われている法政大学を初め九州大学、同志社大学、京都大学、東京大学なども本委員会としても調査をすべきだと考えますが、どうでしょう。理事会に諮っていただきたいと思います。
○委員長(大谷藤之助君) ただいまの提案は、後刻、理事会において検討することといたします。
○渡辺武君 最後に、三木総理大臣に、暴力問題、そうしてまた大学の自治と自由の問題について一言伺いたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) もういかなる理由にせよ、暴力というものは許されるものではありません。暴力は排除しなければならぬ。また学校内においては、これはいろいろと不幸な事例があるようでありますが、学園を正常な形に、本来の姿に返さなければならぬことはもう当然のことでございます。
○渡辺武君 いやいや、先ほどの私の提案、どうしてくださいますか、理事会……。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○渡辺武君 私は、次に、同じような暴力や脅迫によって今度は政府や地方自治体の行政がゆがめられている、不公正な行政が行われているという問題についてお聞きしたいと思います。 現在、東京では東京都の同和対策事業、たとえば応急生活資金の貸し付けだとか、進学奨励金を支給する場合だとか、こういうときに特定の団体の認める講師による講義、いわゆる研修といわれておりますけれども、これを受けなければお金がもらえない。受給資格があっても貸し出し、貸し付けや支給を受けられないという制度が昨年八月以来行われております。この問題はいま全国から注目されてきておりますけれども、その経過や実態はまだ多くの国民の皆さんには知られておりません。しかし、いまだに受給資格のある人が九十四人も、合計して一億四千万円余りも支給されないままであります。 そこで伺いたいと思いますが、社会福祉年金の支給、老人医療無料化の適用、更生医療、育成医療の適用など国が行う福祉施策で、特定の団体による研修会を受けることを条件としているような施策がありますかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) さようなものはございませんし、また、さような指導をいたしておりませんし、また厚生省として期待もいたしておりません。
○渡辺武君 まことに断固たる御答弁、結構なことだと思います。つまり、そういうやり方はどこでもやられていないということだと思いますけれども、一体、なぜこんな道理に合わないことがやられているのか。そこには部落解放同盟の朝田派という集団が暴力と脅迫をやっているということがあるのじゃないかと思います。私は一般的に、研修はどんなものでもやってはならないというふうには少しも考えておりませんけれども、部落解放同盟朝田派が自治体などでやらしている研修会はどんなものなのか、その実態はこれまで新聞でもテレビでもほとんど報道されておりませんので、国民の皆さんはこれは知らないと思うんですね。そこで一例を挙げてみたいと思います。 私ここに、昨年の十二月二十一日に東京都荒川区役所の幹部職員七十五名を集めて行われた研修会の記録を持っております。講師は部落解放同盟朝田派の本部書記局員の亀山優一という人であります。この人はいわゆる朝田派、朝田理論、つまり部落住民以外の人はすべて差別者だという特別なイデオロギーを約七十分間講義している。そうしてその中で差別というものについてこう言っているのです。親が女の子より男の子が欲しいと思っても差別だ、こういうことまで言っているわけであります。その上にこの研修会では、社会党の大阪府連委員長だった亀田得治さん、元参議院議員ですが、それからわが党の春日正一議員、内藤功議員などの名前を挙げて本当に口汚くののしっております。彼らの気に入らない政党や政治家について聞くにたえないような不当な攻撃をやっているわけであります。 こういうことは、地方公共団体が主催する公務員に対する研修として適当なものかどうか。私は不適当なものだと思いますけれども、総理府総務長官、自治大臣、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) お答えいたします。 御承知のとおり、同対審の答申の中で、地区住民の自覚を促し自立意識を高めることが強く要請されるとございまして、したがって、これに基づいて研修会が各地で行われていると承知をいたしております。また、同和対策事業というものは御承知のとおり特別指置法、また長期計画がございまして、具体的にはそれぞれの地方自治のたてまえにのっとった地方行政の中で運営をされているわけでございます。 東京都がいろいろな研修会をやっているということにつきましては、これは東京都が独自の判断でやっているのではないかというふうに考えます。いま荒川区の問題が出ましたが、荒川区における研修会については、私どもはその実態を把握いたしておりません。ただ、公務員が研修を受けているというようなお話でございましたが、同和問題というのは国民の基本的な権利にかかわるものでございますから、公務員が研修を受けるということは国民が理解と認識を持つと同じように必要なことではないかと思うのでございます。ただ、そのやり方につきましては、私から申し上げるまでもなく、地区住民がひとしく公平な事業の執行の対象になるようにということは強く念願をし、また次官通達等でその趣旨の徹底を図っているところでございます。 それぞれ研修会でどのようなことが行われているか、その実態はどうかということはつまびらかに把握をいたしておりませんが、要するに、先ほど同対審の答申を申し上げましたけれども、地区住民の意識を高めること、自立意識を高めること、このことは必要であるというふうに私どもは考えているのでございます。
○国務大臣(福田一君) ただいま総務長官からお答えをいたしたとおりでございます。
○渡辺武君 しかも、この亀山という講師は自分から、兵庫県の八鹿高校のテロ事件、もう衆議院の代表質問などでもあるいは予算委員会の総括質問などでも前の国会から申し上げておりますので、大臣方もよく御存じだと思いますが、全国を聳動させたあの集団リンチ事件の現地に始めから終わりまでいたと講義の中で自分から述べている人です。あのわが国の教育史上例を見ない残虐な集団犯罪事件の加担者が、公務員の職員研修の講師としてまかり通っている状態であります。こういう講師による研修会が適切だとお考えになっておられましょうか。
○国務大臣(植木光教君) 部落解放同盟は、部落差別解消のために長年にわたってその運動を進めてきた集団であるというふうに私どもは認識をいたしております。一方、ただいま御指摘の方が講師として研修会に出られたということでございますが、それぞれの地方自治体におきましてどのような講師を呼ばれるかということは、これは地方自治のたてまえから申しまして、私どもとやかく申し上げる筋のものではないと存ずるのでございます。
○渡辺武君 総務長官にもう一点伺いたいと思いますが、この部落解放同盟朝田派などによるこの種の研修会というのは、国の行政機構ではどのくらいやられておりますでしょうか。
○国務大臣(植木光教君) ただいまの御質問は、国が研修会をやっているかということでございますか。
○渡辺武君 いやいや、部落解放同盟朝田派がやらせているこういうような研修会ですね。
○国務大臣(植木光教君) これは私どもの方では、どれだけ、どこでやっているかということの実情を把握いたしておりません。
○渡辺武君 同和行政の元締めである総理府がそんなことじゃ私は困ると思うんですね、もう少ししっかりしてもらわないと。 彼らが研修会をあちらこちらで当局にやらしておりますけれども、そのきっかけや、どういう経過でやるようになったのか、それを総務長官御存じでしょうか。研修のあるところ、必ずその前提に暴力や脅迫や一方的な糾弾があるというのが共通した事実であります。 私は一例として大阪東郵便局の例を挙げてみたいと思いますが、ここに大阪束郵便局の庶務課長名で昭和四十九年十二月九日に作成した「職員のみなさんへ 確認会についてのお知らせ」という文書があります。この文書は大阪束郵便局の出したものに間違いないと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりでございます。
○渡辺武君 この文書によりますと、これらの研修会は部落解放同盟朝田派によって、いわゆる差別があったということを口実に強要されたものであることはこれは非常に明白であります。 まず、この文書の「事件経過」というところがありますが、その(2)項にどんな差別発言をしたかが書いてあると思いますが、読んでいただきたいと思います。
○政府委員(高仲優君) (2)項を読み上げさせていただきます。「9月18日 普通郵便課の同和問題研修会の席上、職員からの「普通課には差別はないか。」との質問に、同課課長が「当課には差別はありません。」と、発言した。」以上が記載事項でございます。
○渡辺武君 差別がないかと聞かれて、差別がありませんと言ったら、それが差別だということで確認会なるものに引っ張り出された。ちょっと異常じゃないかと思うんですね。 それでは、次の(4)の項目を読んでいただきたいと思います。
○政府委員(高仲優君) 項目(4)を読み上げます。「10月18日 確認会の開催についての打合せの際、庶務課長が「徹夜の確認会は困る。」という意味の発言をした。」。
○渡辺武君 確認会を徹夜でやって、そうしてその仕事の責任者が、これが徹夜の確認会は困ると言った、それが差別だというので、また確認会に引っ張り出された、こういうことなんです。一体これがなぜ差別発言と言うことができるのか。こういう理由にならないようなことを差別だと称して、そうして研修会や確認会を押しつけるというのが、これが朝田派の手口であります。こうしてどのくらいの研修会を押しつけられたのか、その文書によってお答えいただきたいと思います。
○政府委員(高仲優君) 「3 具体策について」というところの(1)に「研修会の開催」という項目がございます。「(ア)管理者研修(副課長以上)年4回その他随意に開く (イ)役職者研修(課長代理.主事・主任)年5回 (ウ)副窓口担当者研修年12回 (エ)職員研修年4回(内、部外講師によるもの2回) (オ)新規採用者研修採用の都度 (カ)転入職員研修転入の都度」以上であります。
○渡辺武君 上は管理者から新入職員に至るまで、大体月平均最低二回もこういう研修会というものを、これを朝田派によってやられているというのが実情であります。大変なことじゃないかと思う。問題のこの教員に対する集団暴行事件のありました八鹿町当局あるいは養父町当局、兵庫県の県当局、さらには教育委員会もこうした確認会に次々に屈服させられた。そうして南但馬全体が研修という名の洗脳を受けて、部落解放同盟朝田派の暴力に加担されるまでになったわけであります。これに屈服しなかった八鹿高校の先生方に対しては、瀕死の重傷を負わせるというような暴力あるいは糾弾、残虐なリンチ事件を引き起こしている、こういうことであります。こうした確認会、研修会は部落解放同盟朝田派の行政当局と結びついた、これはもうファッショそのものだと言って差し支えないと思います。 このほか、大阪市の浪速区の青少年会館の同和事業指導員だった橋本せつ子さんという婦人がございますが、この方は狭山事件について小学生に教えるのは疑問だと言ったのがきっかけで、朝田派に約半年間も同和研修という名目で公会堂の一室に隔離された。結局そこをやめさせられて消防署に配置転換させられた。こんな研修会が至るところで強要されているのです。私、ここにカードを持っております。このカードは埼玉県の川里村、そういう村で全世帯にやられている同和教育研修会出席のカードなんです。これには番号と世帯主名、それから出席の際、このカードを持参してくださいということがはっきり書いてある。そうしてその結果、報告書まで出せということになっているわけであります。事態はここまできている。こういう背景を持つ特定団体による研修会を、事もあろうに生業資金の受給資格要件にまでしているというのが初めに述べた東京都の実態であります。 東京都では、昨年八月下旬から部落解放同盟朝田派が民生局長室を実に五日間にわたって不法に占拠した。そういう暴力的な圧力を背景として、美濃部都知事みずからがこれは不正常であると言っているような、生業資金等の貸し付けの条件として特定団体による研修を行うという制度を押しつけられたわけであります。その結果、朝田派の推薦する者は研修を受けないでも生業資金を支給される。しかし、それ以外の人は、同じ同和地区関係者であっても研修を受けなければ受給されないということになっているわけであります。これは政府が従来通達などで明らかにしてきた方針にも反するものじゃないかと思います。 総理府総務長官にお願いしたいのですが、昭和四十七年二月二日付の総理府参事官から大阪府企画部長あてに出された回答文書をお読みいただきたいと思う。
○国務大臣(植木光教君) ただいま手元にございません。
○政府委員(山縣習作君) 読み上げます。 「総理府参事官の大阪府への回答 昭和四十七年一月十九日照会のあった件は、昭和四十六年十二月九日部落解放同盟正常化全国連絡会議の陳情の際の私の発言に関してであると思われますが、私の発言趣旨は、地方公共団体が特定の団体に属する同和地区住民にのみ同和対策事業を行ない、同和地区住民のうちに同和対策事業の効果を受けられない人があるというような状態が発生しているとすれば、そのような状態は「窓口一本化」が行なわれているといないとにかかわらず行政の公平性からいって正当とはいえないという考えで述べたものであります。」以上でございます。
○渡辺武君 いま読まれたこの回答のとおりだろうというふうに私思います。特定団体に所属する者には施策を実施して、それ以外の人には条件をつけて実施しないというようなことは、行政の公平性ということからしても正当ではないという見解は私は当然のことだと思います。 次に、昭和四十八年の五月十七日付の各省事務次官連名の都道府県知事あて通達の、一番最後の二つのパラグラフだけでいいですが、お読みいただきたいと思います。
○政府委員(山縣習作君) 「さらに、同和対策事業の執行に当たっては、同和対策行政のめざす受益が対象地区住民に均しく及ぶことが必要であるので、行政の公平性と対象地区住民の信頼の確保についても、今後とも充分留意されるようお願いする。おって、管下市町村に対しても、このことについての指導方についてよろしくお願いする。」以上でございます。
○渡辺武君 いまお読みいただいた通達などからすれば、特定の団体の研修会に出席しないということを理由にして、同和事業の施策を行わないと一いう行政の態度は明らか不当であるし、通達にも反するものであると思います。このように、ある者には無条件で、ある者には特定団体の研修を行うことを条件にして行政施策を行うというようなことは、憲法第十四条、法のもとの平等の条項に反している。また、憲法第十九条で保障された思想、良心の自由、なかんずく内心形成の自由を侵すことではないでしょうか。私は一般論としてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 先ほど読み上げました次官通達の趣旨の徹底を図るのが政府の基本的な考え方であり、そしてまた現実にその趣旨の徹底を図っているところでございます。たとえば、担当部課長会議を招集いたしましたり、あるいはまた個々のいろいろな具体的な問題が起こりましたときには、各省庁におきまして、関係省庁におきましてその趣旨の徹底を図っているところでございます。なお、近く関係部課長会議を開きましてこの趣旨の徹底を図っていく考え方でおります。
○渡辺武君 こうした通達は憲法の精神に基づいて出されたものじゃないでしょうか。憲法との関連でお答えいただきたい。
○国務大臣(植木光教君) 政府並びに地方自治団体が憲法及び法令に基づく行政を行うということは、当然のことでございます。
○内藤功君 関連質問。 いま議論されていますのは、憲法と地方自治法に関する重要な論議でございます。ただいまの御答弁では渡辺議員の質問にまともに答えていることにならぬと思います。憲法十四条、これは人種、信条、性別、社会的身分または門地によって人は政治的、経済的、社会的関係において差別をされないという、人間は皆平等だという大原則でございます。また、地方自治法十条は、地方の住民は地方公共団体の役務を等しく受ける権利を有すると、これも憲法に基づく当然の条項であります。 そこでお伺いしたいのは、一般行政たると同和行政たるとを問いませず、保育所にお子さんを入れる、幼稚園に入れる、小中高校に入れる、あるいは公営住宅に入る、貸付金を受ける、生活保護を受ける、あるいは老齢福祉年金を受ける、こういった国からの行政上の役務を受けます場合におきまして、特定団体の加盟をしているかどうかとか、特定団体から推薦を受けておるかどうかとか、あるいは特定団体の特定思想の講師による講習——さっき春日議員や私の名前が出ました。非難されることをどうこう言うのじゃない。そういう偏った講習を受けることを資格条件とするような、行政の役務を受益するための資格条件とするようなことは、これはいままでの田中厚生大臣の答弁、その他去年の十二月十九日の福田自治大臣の衆議院予算委員会での答弁でも、さようなことはやってはいけないということが出ておりましたが、これは許されないということだけじゃないんです。通達違反ということだけじゃない。行政の公平性を侵すということだけじゃない。国の基本法、われわれ国会議員、われわれ政治家がもってよりどころとしなければならないこの憲法の十四条、さらには地方自治法の十条二項というものに、どんなへ理屈をつけたって明白にこれはもとるものだということは明らかだと思うのであります。 私は、当然のことであると思いますけれども、ここに法制局の長官もおられる。福田自治相もおられる。この点についての御答弁をいただきたい。わかり切ったことを聞くようでありますけれども、この姿勢が一番大事。この質問は、実はいまの内閣が本当に憲法を守る内閣かどうか、公正と民主主義の内閣かどうかの、その性格も問われておる質問だと御理解願って、篤と御答弁願いたいと思います。
○政府委員(吉國一郎君) 私は一般論として申し上げますが、憲法第十四条第一項が、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」、これは国民の基本的人権を保障するにも、義務を課するにも、すべて平等な取り扱いを要求するという憲法の大原則でございまして、ここに書いてございますのは、法のもとに平等でなければならないと申しますのは、法を定立する場合に、その定立すべき法の内容が平等でなければならないこと、定立された法を適用するに当たっては、その適用の態様が平等でなければならないことを意味していると思います。また、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」というような項目が挙げられておりまするが、これらの項目は、差別の基準と申しますか、差別の項目の典型的なものを書いたにすぎませんので、それ以外の事項についても合理的な差別以外の差別は全く許されないということを示しております。また、「政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とございまするが、これも国民生活の最も重要な部分である政治的な面、経済的な面または社会的な両について規定したにすぎないことでございまして、それ以外の関係においても平等の取り扱いが要請されるということでございます。 ただいま御指摘の地方自治法第十条第二項の規定は、当然に憲法第十四条第一項の精神を受けて規定されたものと考えます。
○内藤功君 委員長。
○委員長(大谷藤之助君) 簡明に願います。
○内藤功君 福田自治大臣の答弁。
○国務大臣(福田一君) ただいま法制局長官がお答えをいたしたとおりだと存じます。
○内藤功君 委員長。
○委員長(大谷藤之助君) 簡明に願います。
○内藤功君 ただいま憲法十四条の「人種、条」以下、これは例示的な規定であり、また「政治的、経済的又は社会的関係」というのもこれは例示であって、そのほかのすべての不平等、差別というものを憲法は禁止している、こういう趣旨の御答弁であります。だとすれば、先ほどの質問に対する答えはもう出たようなものであります。こういうような特定団体の推薦あるいは講習、こういうものを資格条件として地方公共団体の役務を受けさせる、こういうやり方は明白に憲法違反であり、法のもとの平等に反する、このように政府の御答弁として承りたいと思います。それでよろしければ私は答弁を求めません。それでよろしいですね。
○国務大臣(福田一君) ただいまお述べになりました事実がどういうところから出てきておるのか、私つまびらかにいたしておりません。したがって、はっきりお答えすることはできませんけれども、私は、法の精神に照らしてすべて国民は平等に待遇をされ、またそれを受ける権利があるということについては、先ほど申し上げたとおりでございます。
○渡辺武君 どうもいまの関連質問に対する御答弁を伺っておりますと、何をおっしゃっておられるのか、私ははっきりしないのですよ。念のために伺いたいと思うのですが、地方自治法第十条の・第二項、それから第百三十八条の二、これを一度お読みいただきたいと思う。
○政府委員(林忠雄君) 読み上げます。 地方自治法第十条第二項「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」。 第百三十八条の二「普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基く事務並びに法令、規則その他の規程に基く当該普通地方公共団体及び国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を、白らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。」以上でございます。
○渡辺武君 いまお読みいただいた条文に照らして、たとえば一般論として、同和貸付金等の受給などのような行政施策の実施が特定団体に入っているかどうかによって違う扱いをするというようなことは、いまお読みいただいた十条二項の住民の権利、つまり、ひとしく役務の提供を受ける権利、この権利を侵すことになると思うけれども、どうでしょうか。 それからもう一点。また、これらの行政施策の実施が特定団体の判断によって左右されるということは、百三十八条の二の地方公共団体が「自らの判断と責任において、誠実に」執行しなければならないという、この条項にも反すると思いますけれども、どうでしょうか。この二点を伺いたい。
○国務大臣(福田一君) ただいまのことでございますが、私はやはり条文のとおりに読んでいくのが正しいと思っております。 ただ、私はここで申し上げたいことは、この同和問題というのはいろいろの経緯があって今日に至っておるのであります。これを直していきます場合に、たとえ相手が悪いことがあるとか何とか言っても、余りに急にこれを責めていくような姿が、それが本当にいわゆる差別をなくすることになるかどうかということについては、大人の気持ちでひとつ対処していくことも必要ではないかという私は感触を持っておる。私は法の前に皆が平等でなければならない、また、行政官である者が法をしかるべく適当に処理をしなければならないということはよくわかります。しかし、いまあなたが申し述べられておる御趣旨等いろいろ考えてみました場合に、私はそれを余りに事を急に——もう大体みんなにわかっておると思うんです。あなたはわかっておらないようにおっしゃるけれども、われわれはずいぶんよくわかっておりますよ、そういう意味では。だけれども、それを余りここできっぱりと紙を一刀両断にするような形でおやりになることが、いわゆる同和行政というものの、差別をなくするという本来の目的に沿うかどうかということも少しお考えを願ってはどうか。 これは意見の相違になりますから、おしかりを受ければいたし方がないのでありますが、私はそのような考えを持っております。しかし、あなたがお述べになった法律の条文に照らして行政は行われなければならないということについては、全面的に賛意を表するものでございます。
○国務大臣(植木光教君) 先ほど来申し上げておりますように、同和行政は対象地域住民ひとしく公平にその事業の対象者として享受すべきであるということは当然でございまして、その意味におきまして、先ほど来申し上げておりますように地方自治団体をそれぞれ指導しているところでございます。さらにまた地方自治団体におきましては、ただいまお話がございましたし、また地方自治法にありますように、地方自治のたてまえを遵守いたしまして、この行政に当たっていくということが当然であろうと思うのでございます。
○渡辺武君 このいわゆる同和研修会に関しては、現在東京ではもっと重大な問題が起こりつつあります。それは、部落解放同盟朝田派が東京都に百四項目に及ぶ要求を出していることであります。その中には、さきに述べてきたような同和研修という名の洗脳を東京都のすべての教師、これに実施するように要求しております。また、PTAの全部の人たちにも広げるように要求していることであります。こういうことが行われますならば大変重大なことになる。私どもは、特定団体による研修を生業資金などの受給資格にすることを改めることが、東京都の行政の公正を取り戻す最小限のことだということを主張しているわけであります。そして、このことが実現することを心から期待して、次の質問に移りたいと思います。 次に私は、最近頻発しております大規模な油流出事故による海洋汚染、あるいは漁船の沈没や漁民の死亡など、こうした海難問題について最初に具体的に伺いたいと思います。 まず海上保安庁に伺いますけれども、最近わが国の近海で外国船による海難事故や油の海上投棄などが非常にたくさん起こって、漁船の被害や海の汚染がふえております。ここ二、三年の間の事故の件数や被害状況及びその実情などを報告していただきたいと思います。
○政府委員(寺井久美君) 日本近海で発生いたしました外国船による海難事故、四十四年から四十九年までの隻数を申し上げますと、百二十六隻、百三十一隻、百三十八隻、打四十九隻、百七十五隻、四十九年度は二百八隻となっております。 海難の種類別に見ますと、ほぼ例年機関故障が最も多く、次いで乗り上げ、衝突、火災等の順序となっております。 油の方を申し上げますか。
○渡辺武君 漁船の沈没だとか、死んだ人が出ておるかどうか、その辺も。
○政府委員(寺井久美君) 漁船の方——いま申し上げましたのは外国船でございますが、全船舶について申し上げますと、四十五年度が二千六百四十八隻、四十六年二千六百隻、四十七年二千六百五十七、四十八年二千六百十五、四十九年二千四百八十九というふうになっております。
○渡辺武君 沈没して人が死んだりしたことありませんか。
○政府委員(寺井久美君) 海難事故によりまして人命が損傷されておるケースはございますが、詳しい個々の漁船あるいは一般船等の種別につきましては、いま手元に資料がございませんから御容赦願いたいと思います。
○渡辺武君 水産庁に、こうした外国船と衝突などをして沈没したとか、あるいは漁民が死なれたとかいうような事件について、ここ数年の模様を御報告いただきたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 漁船が衝突されまして、乗組員が死亡した事件はございます。たとえば昭和四十五年の三月九日午前四時二十九分、長崎県の沖合いにおきまして第二十三大宝丸という船が、フルムーン号というリベリア籍の六千五百三十トンの船でございますが、それと衝突いたしまして、第二十三大宝丸は沈没、乗組員二名が死亡した事件がございます。 それから最近の事件では、昭和四十九年四月十二日午前三時五十一分、和歌山県の沖合で第十一昌栄丸とオーシャン・ソブリン号、これもリベリア国籍でございますが、衝突し、第十一昌栄丸が沈没いたしまして、乗組員十四名が死亡したという事件がございます。
○渡辺武君 そうした事故の中で、リベリア船籍あるいはパナマなどに籍を置いておる船、これを日本の船会社が雇っているいわゆる便宜置籍船という船ですね、これの事故が多くなっていると思いますが、その実情をおっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(寺井久美君) リベリア籍、パナマ籍その他の便宜置籍船が事故を起こすケースが比較的多くなっておりまして、全船舶の海難事故の中で五%から八%程度に増加いたしております。一例を申し上げますと、四十九年度に発生いたしましたリベリア船籍のものは二十六隻、パナマ船籍のものは二十九隻というふうになっております。
○渡辺武君 両国合わせると何者ぐらいになっておりますか。
○政府委員(寺井久美君) 両国合わせてそのくらいになっております。
○渡辺武君 私が調べたところによりますと、こうしたいわゆる便宜置籍船という船ですね、これによる海難事故には非常に悲惨なものが多いようであります。特に昭和四十八年、四十九年の最近二年間を見ますと、株式会社三光汽船によるリベリア、パナマ籍のチャーター船による海難事故が四件も起こっております。運輸大臣に伺いたいと思いますが、昨年十一月、東京湾でLPガスを積んだ第十雄洋丸と衝突した貨物船パシフィックアレス号、それから昨年四月十二日に潮岬沖合いで高知のマグロ漁船第十一昌栄丸と衝突したオーシャン・ソブリン号、それから昭和四十八年一月十日、水鳥沖で座礁して瀬戸内海に油を流出させたタンカー、クリスタル・コバス号、それから四十九年八月十三日、豊後水道で第五中栄丸と衝突したサンタ・トリニラッド号、これは全部三光汽船のチャーター船だと思いますけれども、どうでしょう。
○国務大臣(木村睦男君) さようでございます。
○渡辺武君 ずいぶんたくさん短時間に事故が起こっておるわけですが、この四つの海難事故はどういうものだったか、概要、それから被害総額、死傷者の数をお知らせいただきたい。
○政府委員(寺井久美君) まずクリスタル・コバス号、これは乗り上げまして油を流出したわけでございますが、被害総額といたしまして、船体が約六千万円、積み荷が百四十九万円というふうに聞いております。 それから、第十雄洋丸と衝突いたしましたパシフィック・アレス号でございますが、これはパシフィック・アレス号の船員は、一名を残して全部死亡いたしました。パシフィック・アレス号の被害総額といたしまして、船体十二億九千万円、積み荷が六億三千万円。 それからオーシャン・ソブリン号でございますが、これはオーシャン・ソブリン号そのものの被害は、船体の二千五百万円でございました。ただ、衝突いたしました相手方漁船は乗組員十四名が死亡いたしております。 以上でございます。
○渡辺武君 もう少し詳しくお知らせいただきたいと思うのです。たとえばここの東京湾で事故を起こしたアレス号、これは一名を残して全部死亡だと言いましたけれども、それは死亡した方の数はどのくらいですか。それから損害額は船体の損害と積み荷の損害だけ言われたけれども、海上保安庁の軍艦が出かけていって撃沈したわけでしょう。大変な事故だったわけですね。もっと被害は広範だと思うのですけれども、その点どうですか。
○政府委員(寺井久美君) パシフィック・アレス号の死亡船員は二十八名でございます。私の方で被害総額と申し上げますのは、関係者から聴取いたしました船体の損害あるいは積み荷の損害を単純に集計いたしましたものでございまして、これの撃沈に要した費用その他につきましては、詳細承知いたしておりません。
○渡辺武君 雄洋丸の船員が死んでいるでしょう。日本人はどうですか。死ななかったのですか。
○政府委員(寺井久美君) 雄洋丸の船員も一部死亡いたしました。
○渡辺武君 何名ですか。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○政府委員(寺井久美君) 五名でございます。
○渡辺武君 そうしますと、いまお話を伺っただけで、三光汽船が雇った便宜置籍船の日本近海の事故だけで、この二年間に死んだ人が日本人、外国人含めて四十七人も出ている。被害額も、これは先ほどのお話は船体や積み荷だけのものですけれども、そのほかの被害を含めれば数百億円というふうに一説で言われているわけであります。 そこで海難審判庁に伺いますけれども、昨年の四月十二日、潮岬沖合いで起こった第十一昌栄丸とオーシャン・ソブリン号との衝突事故の海難審判所の判断は、どういうことになっておりますか、伺いたいと思います。
○政府委員(愛澤新五君) この事件につきましては、昭和四十九年の九月二十八日に裁決の言い渡しが行なわれております。この結論を読ましていただきます。 本件衝突は、海難、審判法第二条第一号及び第二号に該当し、潮岬沖合において両船が互いに進路を横切り衝突のおそれある態勢となった場合、他船を右舷側に見る昌栄丸において、他船の進路を避けなければならなかったのに、航海当直者が見張をおろそかにしていたため、著しく接近するまで他船に気づかず、海上衝突予防法第一九条の規定に違反し、適切な進航措置を講じなかった昌栄丸の不当運航に因って発生したものであるが、オーシャン・ソブリン号においても、国際海上衝突予防規則第二一条後段の規定により、衝突を避けるために最善の協力動作をしなければならなかったのに、指定海難関係人カバニス・ミカエルの判断が適切でなく、その時機を失した同船の不当運航もその一因をなすものである。以上でございます。
○渡辺武君 この事故で、日本の漁船の方では十四名の日本の漁船員が死んでおられます、三名が助かっただけで。死なれた十四名の漁船員は、三光汽船の雇ったオーシャン・ソブリン号というのに横腹にボーンとぶつけられた。そうして、ソブリン号はその上を乗り越えて走ってしまったと、こういう状況だそうであります。 そこで、審判庁長官に伺いたいのですが、そのときの海難事故の発生の通知は、だれから受けたことになっておりますか。また、助けられた三名の日本人船員は、だれに救われたことになっているでしょう。
○政府委員(寺井久美君) お答え申し上げます。 事故の通知がどこから入ったか、いまちょっと正確に存じ上げませんが、救助いたしましたのは、付近を航行中のアルナスルというフェリーが乗員三名を救助いたしております。
○渡辺武君 私が海難審判の記録を見てみますと、このオーシャン・ソブリン号というのは、漁船を沈めておきながら、かなり向こうへ行ってとまったきりで冷然と漁船の沈むのを見ていた。海上保安部に事故の通知もしていない。ボートをおろして救いにも来ない。漁船の後から走っていたアルナスル丸というカーフェリーが海上保安部に通知し、ボートをおろして救いに行って三名の人を助けている、こういうことであります。 河本通産大臣に伺いたいと思うんですが、あなたが社長をしていたころの事件であります。働き盛りの十四名の同胞があなたの雇った船で死んでいるわけであります。いま読んでいただいた海難審判の結果でも、オーシャン・ソブリンにも事故発生の責任があると判断しているんです。三光汽船にも当然法律上も損害賠償の責任があるはずだし、あなたや三光汽船の代表がこうした遺族に対してお悔やみの一つぐらいはおっしゃっただろうというふうに思いますけれども、その点どうでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 事故は確かに、昨年の四月でございますから、私が出時社長をしておったときでございます。しかし、私は大変申しわけないことでございますが、その事故の存在を実は昨年の十月に聞いたんです。いろいろ後調べてみますると、そのとき亡くなられた船員の皆さんの葬式等なども、連絡が不十分だったんだと思いますが、私の方からも出ていなかったわけですね。これは大変申しわけないことだと思っているんですが、実は、日本にその会社のりっぱな代理店があるわけなんです。世界的に有名な代理店でございますが、そういう事故はすべて代理店が扱っておったものですから、そういう行き違いがあったんだと思いますが、いずれにいたしましても、ここで法律論をあなたと展開する気持ちはございません。ただ、そういう事故を起こしたことに対して大変申しわけなく思っております。
○渡辺武君 十月ごろ初めて知ったんだというお話ですけれども、このオーシャン・ソブリン号というのをあなたの会社が用船されたのは、事故を起こすはるか前ですね。いまも三光汽船はこの船を雇って使っておられるんだ。しかもですよ、神戸の海難審判庁の柳沢理事官が事故の起こった直後に三光汽船に、こういう事故が起こったけれども、あなたのところの用船じゃないのかという問い合わせをしているんです。それを社長のあなたが知らないというのはおかしいじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 実は、当時三光汽船におきましては長期の用船だけで百数十隻ありまして、短期の用船を合わせますと数百隻の外国の用船があるわけでございます。後で聞いたのでございますが、このオーシャン・ソブリン号というのは、ギリシャの船主から一年三カ月間の定期用船をしておったと、そういうことを聞いたのでございますが、実は数百隻の外国船が動いておるわけでございますから、一々その内容については私も細かい業務にはタッチしておりませんので、大変申しわけないことでございますが、知らなかったわけでございます。
○渡辺武君 じゃ、十月に御存じになってからお線香を上げに行かれましたか。弔電の一つも打たれたですか。どうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 実は、十月になってそういう事故があったということを知りましたのは、先ほども海難審判庁長官からお話がございましたように、海難審判の結果、その事故の主たる責任は漁船にある、ただし、オーシャン・ソブリン号にもまあ全然責任がないことはない、責任の一端はオーシャン・ソブリン号にもあるんだと、こういうことでございまして、それで、この日本の代理店等が中心になりまして慰謝料等のことについて相談をしておったんだそうでございます。で、そういうふうに主たる原因がその漁船にあるということから、その船主側は、つまりオーシャン・ソブリン号の代理店は、そういう場合には保険会社は二五%払うと、こういうことになっておるんだそうです。ところが、漁船側はそれよりも若干多い金額を要求せられまして、ほぼ妥結寸前にいっておったんだそうでございますが、それが最終段階で妥結しませんで、そこで裁判になったということを聞きまして、実はそのときに初めて聞いたわけでございます。その後どういう処理になっておるか、詳しくは知りませんが、いずれにいたしましても、十四名の船員の方々が亡くなられたわけでございますので、私も大変申しわけなく思っておる次第でございます。
○渡辺武君 あなたは衆議院でも答弁の中で、こういう事故の責任は船主にあるんだ、船を雇っている方には責任がないんだということをはっきり言い切っておられる。全く無責任な態度であるからこそ、十四人も漁船員を殺しておきながらお悔やみ一本打っていないという、そういう冷酷な態度が出るのじゃないでしょうか。 ここに私、死なれた船員の遺族の方々の手紙をたくさん持っておりますが、読んでみましょうか。 「主人が遭難して九ヵ月が過ぎました。あの人を失ってからというものただ呆然としてあの人との思い出だけにすがり過ごしてきました。そして今は二人の子供の将来の事を考えると不安でなりません。今はまだ五才と三才ですが、これから先まだまだ長い人生ですので、一人でやって行く事が出来るだろうかと、そればかり考えています。」——途中抜きまして、「死んだ人をいくら思っても仕方のない事と自分にいいきかせています。ただ一つの心残りは遺体のなかった事です。遭難した日の四月十二日の午後九時に室戸を出発して現場の和歌山県の串本へ向かうバスの中で、助からなかったのならせめて遺体でも上がりますようにと、どれだけ願った事でしょう。助かると信じていたのに、それもだめ、遺体もなくてどうしてあきらめる事が出来ましょう。でも二千メートルの海底ではどうする事も出来ません。ただあきらめるより仕方のない事です。最近になり衝突した相手船が三光汽船のチャーター船という事がわかりました。当時三光汽船の社長は今の通産大臣の河本さんだったと聞きました。いくらこちらの船が悪いとは言え、第十一昌栄丸の数十倍の大きさの船が衝突しておいて全然救助しなかったとはどういう訳でしょうか。そして十四名の死亡者がでてしまいました。十七名の内救助されたのは、わずか三名です。その三名もフェリーに助けられました。働き手の夫や子供を失った十四の家族が生活に困っています。大臣と言えば国民の上に立ち国を治める人、そんな人が知らぬ顔をしていいものでしょうか。こんな時こそ、手をさしのべて下さるべきだと思います。」 なお続いておりますが、これでやめますけれども、あなたこういう家族の人たちのつらい思いを少しでも考えたことありますか。用船主は責任はないんだということでお線香一本上げに行ってない。日本人の道義にも反しているじゃないですか。きょうはこのテレビを通じて高知県の遺族の方々がこの質問を見ておられると思う。この場で遺族の方々に心から私はおわびを言っていただきたい。 もう一つ、この四月の十二日でございましたか、この第十一昌栄丸が沈没した命日の日です。あなた四国の室戸岬まで行って、遺族の方々の前でお墓にお線香一本ぐらい上げるべきだと私は思いますが、それ、おやりになりますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 遺族の方々には本当に申しわけないことだと思っております。事故の当時手抜かりがあったということに対しても、いま反省をいたしまして、大変申しわけないことだと思っております。 ただ、衆議院の段階で申し上げましたのは、近代海運百年の歴史におきまして、衝突事故が起こりましたときに、その責任は船舶の所有者がとる、そういうことが近代海運百年の歴史であって、用船者がその責任をとるという例はない。そういうことになりますと、いまの海運経営の姿を根本的に変えてしまわなきゃならぬと、こういう問題がありますので、そのことにちょっと触れただけでございまして、それは法律論でございますので、いま法律論を展開する気持ちは毛頭ございません。本当に遺族の方々には申しわけないと思います。心からおわびをいたしたいと思います。
○渡辺武君 室戸岬に行かれますか。
○国務大臣(河本敏夫君) そういう機会がございましたら、行ってまたおわびも申し上げたいと思います。
○渡辺武君 追い詰められてやむなくそういうお答えが出た。衆議院のときは、用船主は責任がありませんということで冷然と突っぱねられた。これが私は通産大里の姿だったというふうにいまつくづく思います。 ところで、三光汽船の海難事故は国内だけじゃない。外国でもたくさん起こっている。運輸大臣に伺いますが、三光汽船の船が外国で起こした海難事故、これを報告されたい。
○国務大臣(木村睦男君) 三光汽船に限りませず、日本の船が外国で起こした海難事故全部を掌握することは非常に困難でございますので、外国における事故については把握をいたしておりません。
○渡辺武君 わが党が調べただけで、昭和四十八年の三月、三光汽船の雇った船がマラッカ海峡で、ワールド・ブリジストン号という船でありますが、アメリカのタンカーと衝突している。このほか、ゴールデン・チューリップ号がペルシャ湾で、ワールド・スプレンダー号という三光汽船の雇った船も事故を起こしているわけであります。こうして三光汽船の雇った船は国際的にも事故を起こしている。国内の漁民が死んでもお線香一本上げに行かない。そうして、船を雇った人間には責任がないんだ、船の持主の責任だと言って、そうして冷然としている。こういう方が通産大臣になった。同じように外国で事故をいままで起こしている。そういう冷然たる態度をとっている。こういう方が通産大臣になった。日本の国の信用にもかかわることじゃないでしょうか。総理大臣、どう思われますか。
○国務大臣(三木武夫君) 河本大臣はそんなに冷酷な人間ではありません。非常に人間性に富んだ河本君であるということを私は信じております。
○渡辺武君 この第十一昌栄丸の事故は、三光汽船が雇った便宜置籍船の日本の国民にもたらした悲惨な一例にすぎません。しかし、こうした便宜置籍船を使った三光汽船の商法には大変な疑惑がたくさんあります。 運輸大臣に伺いたいと思いますが、三光汽船は今日までに何隻海外に船を売って、これを何隻雇い戻しておりましょうか。
○国務大臣(木村睦男君) 過去五年間、四十五年から四十九年までの間の実績を申し上げますと、三光汽船が海外に売船いたしました隻数は三十九隻でございます。それから、用船いたしました隻数は、毎年変動いたしておりますが、四十九年の十月末までに百三十四隻でございます。
○渡辺武君 三光汽船は船を売ってこれを外国の籍にして、全部これを再び雇い戻して使っている。この船の売り先、それから船主として三光汽船と用船契約を結んで船を貸している会社、全部これは実体のない金の上だけの幽霊会社だと思いますけれども、この点どうでしょう。
○国務大臣(木村睦男君) お話は便宜置籍船に関する問題だと思いますが、御承知のように、便宜置籍船と申しますのはリベリアとか、あるいはパナマ等に船の籍を置きまして、そしてそれを日本の場合は日本の船主が用船をするというのでございます。これは、ああいう国に籍を置きますというと、税金の面で負担が軽い。それから、外国の船になるわけでございますので、外国の船員が使える、そうすると船員費が安くつく。会社としてはそういうふうなメリットがあるものですから、これは世界共通の現象として便宜置籍船を使っておるのでございまして、大体二〇%、もう少し最近ふえておりますが、二〇%ぐらいは便宜置籍船を使っております。日本の船会社も大体同じような比率で現在使っておるのでございまして、したがって、その船の籍のありますのは、それぞれリベリアなりパナマにあるわけでございますから、これはそういう籍を置くための一つの会社、幽霊会社という言葉が当たるかどうか知りませんが、そういうかっこうでやり得る形態になっておるわけでございます。
○渡辺武君 それでは、具体的な事実で伺いたいと思いますが、先ほどお話のあった東京湾で大事故を起こしたパシフィック・アレス号、これはもと三光汽船の持っていた「たじま丸」という船が売られて名前が変わったものだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(木村睦男君) おっしゃるとおりでございまして、「たじま丸」という船が、これは四十三年の三月に竣工いたしております。そして、リベリア国のパシフィック・バルクキャリアーズという会社に四十九年の一月に譲渡されました。で、パシフィック・アレス号としてイースタン・シッピング株式会社が四十九年の一月から五十四年まで長期の定期用船をいたしました。さらに、イースタン・シッピングから三光汽船が六カ月の定期用船をいたしたものでございます。
○渡辺武君 そうすると、三光汽船が船を売った相手方、そしてこれをイースタン・シッピングという会社が借りて、これを三光汽船にまた又貸ししたという、その相手のパシフィック・バルクキャリア、この会社は実在する会社でしょうか。私、外務省に調べていただいておりますので、外務省のお返事をいただきたいと思います。
○政府委員(中村輝彦君) パシフィック・バルクキャリアにつきまして、在京リベリア大使館に早速照会をいたしましたところ、関係の機関に問い合わせて結果がわかり次第連絡をするということでございましたけれども、現在までのところでは、まだ回答をもらっておりません。
○渡辺武君 私どもが調べたところでも、このリベリアのバルクキャリア社というのは、事務所もなければ電話もない。資産もないし事務員もいない。全く紙の上だけの会社、幽霊会社。 ところで、それじゃこの幽霊会社からアレス号を雇ったイースタン・シッピング、これが三光汽船に船を貸したということになっておりますが、このイースタン・シッピングの若原社長さんという人がいますけれども、これがアレス号が東京湾で海難事故を起こした、そのときの海難審判の中で、パシフィック・バルクキャリア社の代行業務をする会社が香港にあって、その名は万友船務企業だと語っております。この万友船務企業、またの名は万友シッピング・アンド・エンタープライジズ・カンパニー・リミテッド、こういう会社。これは三光汽船の香港における子会社じゃないか、そう思いますけれども、河本通産大臣、明確にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) これは、香港系の海運業者の社長をしておる会社でございまして、三光汽船も投資をしております。
○渡辺武君 私どもの増本代議士が香港まで行って調べたのです。そうすると、この万友船務という会社は、電話番号も——ここに電話番号を持っていますけれども、電話番号から所在地、それから使っているビルから、もう三光汽船が香港につくっている香港駐在員事務所、昨年の九月二十二日からは香港法人の三光汽船エイシアとなったけれども、これと全く変わりがないのです。そうして、この万友船務企業の部屋で三光汽船の専務取締役の椋原武雄という人に出会った。私、ここに万友船務企業の香港政庁に届けた届け書を全部一そろい持っておりますけれども、ここにいまあなたがおっしゃったように、三光汽船がこれに投資している。ほとんど三光汽船だけが投資している。ほんのちょっとあとの人が投資しているというような状況です。時間もないから細かいことは言いませんけれども、これ、おかしいのじゃないでしょうか。幽霊会社をつくっておいて、幽霊会社じゃ人も何もいないから事故なんか起こったら出てくる人がいない。そこで事故が起こったら、その実務代行だといって、三光汽船が香港につくった、投資をしたその子会社から人がやってくる。これはつまりパシフィック・バルクキャリア社というものが幽霊会社であるということをはっきりと証明しているのじゃないでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどのお話を聞いておりますと、三光汽船の一〇〇%子会社に三光汽船エイシアという会社がございますが、それと全く同じところにおるじゃないかというお話でございますが、私の承知しておる限りでは、ビルは同じだそうですが、全然事務所は違う、フロアももちろん違うと、こういうふうに聞いておりますが。(「関連」と呼ぶ者あり)
○委員長(大谷藤之助君) 関連については、もうお二人も済みましたから、御遠慮を願いたいと思います。(「関連、関連」と呼ぶ者あり) 委員長は、各党についても、公正に運営する立場でただいままでやっております。共産党のみ三名全員の予算委員が関連質問、質問されるということは、各党の今日までのあり方に比べて大変、委員長としてはお許ししたいけれども、お許しすることはまことに公正を欠くと思います。あしからず御了承願います。渡辺君、渡辺君。(発言する者多し)不規則発言は聞こえません。答弁もできません。委員長は理事会の申し合わせを遵守して公正にやってまいっております。渡辺君、発言を願います。渡辺君、発言を願います。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○渡辺武君 これは非常に不当なことだと思います。しかし、まあ委員長そう言うのだったら、私やむを得ず質問続行いたしますけれども、こうして全然実体のない会社をつくって、そうして実際その会社の実務は自分が投資をした子会社にやらしている。そうですね。三光汽船、あなた河本社長当時、この幽霊会社、実体のないところに船を売ったことにして、多額の売船料を帳簿に計上している。しかもその船を雇い戻して、そうして多額の用船料を払っている。実体のない幽霊会社にですよ。一体これはどういうことになりますか。 私はまず第一に、これは脱税の疑いがあるのじゃないかと思う。昨年の春の国会で、当時の徳永運輸大臣は、こうした便宜置籍船を使っている会社は脱税の疑いがなきにしもあらずという趣旨の発言をしておりますが、大蔵大臣、こうして全然実体のない会社に船を売った、用船料を払った、払った用船料は海外の会社に積み立ててあることになって、(発言する者あり)自分の会社は……
○委員長(大谷藤之助君) 不規則発言は御遠慮願います。
○渡辺武君 もうけはそれだけ減るわけですね。利益隠しですよ。税金逃れです。この疑いがあるのじゃないでしょうか。その疑いに基づいてこの実態を解明していただきたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(大平正芳君) 事務当局から答弁させます。
○政府委員(磯辺律男君) 三光汽船の課税問題につきましては、一昨年の四月から十月にかけまして、大阪国税局でかなり綿密な調査をやっております。したがいまして、ただいまのところ、三光汽船にそういった経理の内容があるという事実は発見されておりません。
○渡辺武君 しかも三光汽船は、この「たじま丸」一隻だけではない。さっきも言ったように三十数隻も売って、これをチャーターバックしている。みんな幽霊会社だ。莫大な船を、売りもしないのに売ったことにしている。自分の持ち船なんだ。それが外国の籍があって、よその船だということになっている。それにチャーター料を払っている。これがどうして脱税の疑いがないと言うことできますか。 もう一つ申し上げたいと思う。こんなことをやれば、粉飾決算幾らでもできます。船を売った、値段が高かったということで、莫大な売船益を出してタコ配当だってすることができる。これは私は商法の立場からも重大な疑惑を持たなきゃならぬ問題だと思うんです。これについて厳正な調査をやるかどうか、これを伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) ちょっとその前に。
○渡辺武君 あなたに伺っているんじゃないんです。
○国務大臣(河本敏夫君) いやいや、ちょっと先ほど、事実関係だけをもう少し申し上げたいと思うんですが、先ほど万友シッピングはだれもおらぬ幽霊会社だというふうなお話がございましたけれども、私の承知しておる限りでは、やっぱり相当数の、十人前後の中国人がそこで働いておるというふうに承知しております。ちゃんとした事務所もある、人もたくさん働いておると……
○渡辺武君 万友シッピングは幽霊会社だと言っているんじゃないんです。あなたの子会社だと私は言っている。そうして問題はパシフィック・バルクキャリア社です。あなた、聞きもしないのに
○委員長(大谷藤之助君) 答弁をお聞き願います。答弁のあとで……。答弁願います。
○渡辺武君 答弁、要らぬですよ。そんなごまかし答弁は要りません。ちょろまかし答弁は要らぬです。
○国務大臣(河本敏夫君) それから、先ほども繰り返して申し上げましたように、万友シッピングは、あなたもお認めになりましたように、三光汽船は出資しておるということは申し上げたわけでございます。あなたもさようにおっしゃったわけでございます。三光汽船が出資しておる、香港政庁へ行って調べたところがそうなっておると、こういうことでございますので、これは実存しておる会社であるということを重ねて申し上げたいと思います。 それから、先ほど運輸大臣がお話しになりましたが、約四十杯近い船を過去数年間の間に売っておりますが、もちろんチャーターバックをしておる船もございます。なぜチャーターバックをしておるかと言いますと、たとえばノルウェーであるとかギリシャであるとか、そういう船会社に船を売る場合には、向こうは御案内のように産業というものが余り発達しておりませんので、その国に荷物がないわけですね。でありますから、その船を引き続いて用船をして使ってくれるならば買おうと、そういうケースが非常に多いわけなんです。でありますから、売った船のほぼ二割はチャーターバックしておりまして、あなたのおっしゃるように全船をチャーターバックしておると、そういう事実はございません。
○委員長(大谷藤之助君) 答弁はどこですか、国税庁……。
○渡辺武君 先ほどわかるように質問したが、通産大臣が横から出てきたものだからとぎれたんです。ですから、大臣から御答弁いただきたい。
○委員長(大谷藤之助君) 税金の問題……。
○渡辺武君 そうです。税金と粉飾決算と商法上の問題です。
○委員長(大谷藤之助君) 税金、粉飾決算と商法上の問題も込めて、先ほど……。それじゃ、時間をとりませんから、明確にもう一度再質疑をしてください。時間外。
○渡辺武君 三光汽船が、先ほど明らかになりましたように、たとえば具体的な例で言えば、パシフィック・バルクキャリア社という実体のない会社、これをあることにして、そうして船を売ったと。そうして、この船の値段もありますけれども、莫大な売船益を帳簿に計上しているんですね。同時に船を、自分の船なのに雇ったことにして、そうしてたくさんの用船料を払っている。そうしますとね、一方では使いもしない用船料を払ったことにしてお金をたくさん出しているわけだから、自分の会社に利益が積み重なるはずのところが幽霊会社に払ったということで、どんどんこれ少なくすることができるんです。利益隠し、脱税をやっている。その疑いが濃厚です。しかも、これはアレス号だけじゃない。先ほどお話がありましたように、数十隻の船をチャーターバックして同じことをやっている。莫大なものだと思う。これは税法違反の疑いがあるんじゃないか。したがって、その疑いを持って調査をすべきだ、これが第一点。 第二点は、そういうことをやれば、もうけが出ても隠す、一方では。他方では幽霊会社に船を売ったという形にしておいて、そうして、たくさんの売船益が出たということを帳簿に計上して、粉飾決算、タコ配当をすることもできる。これは商法上の粉飾決算、刑法上でもそうだと思いますが、粉飾決算、タコ配当の疑いを持たれても仕方のないことだと思う。この問題について、私はここではっきりとその疑いを指摘しているわけでありますから、当然調査すべきだと思いますが、その点どうかということであります。
○政府委員(磯辺律男君) ただいま先生御指摘の問題につきましては、一昨年の国会、予算委員会でいろいろな先生から非常に御指摘を受けまして議論された問題でございます。国税庁といたしましては、そういった問題を踏まえまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、一昨年の四月から十月にかけまして、大阪国税局を中心に、きわめて綿密な調査をいたしました。その結果、われわれの方の調査といたしましては、ただいま先生の御指摘のような、税金に関しましてはそういった事実はなかったというふうに考えております。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど、少し事実と違うことを言われましたので、私は少し申し上げておきたいと思うんですが、御参考までに申し上げますと、先ほども運輸大臣がお述べになりましたように、便宜置籍船とかチャーターバックというような形は、いま世界で海運界の常識になっておるわけですね。ほとんど全部の世界の船会社がそれをやっておる。いま運輸大臣は全世界の二十何%というふうにおっしゃいましたけれども、私はタンカーであるとかバルクキャリアに関しては、ほぼ五〇%がそうなっておると思うんです。日本が用船しております船も大部分がそういうタイプの船でございまして、三光汽船だけが何かそういうことをやっているように言われますけれども、それは私は事実と違うと思います。 それからもう一つ、リべリアであるとかパナマは全部幽霊会社だと、こういうお話がございますが、リベリアとかパナマはこれはすべて便宜置籍船を受け入れる国でございますから、たとえばリベリアなんかの船は国営の海運会社というものがございまして、その会社が全部一応その事務所を引き受けておるわけなんです。ですから、その国営海運会社の事務所に何千という会社がありまして、それはだから全部ペーパーカンパニーなんですね。その背後にノルウェーであるとか、ギリシャであるとか、イギリスであるとか、アメリカであるとか、そういう実質上の船会社が外国にあるわけですね。そういう船会社がコントロールしてリベリア、パナマに会社をつくっておるわけです。だから、リベリア、パナマの会社は全部ペーパーカンパニーである。これは世界共通の事実なんです。そういうことを申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、三光汽船が数十隻の船をチャーターバックしておるということを言われましたけれども、これは数十隻売った中で、およそ二割をチャーターバックしておるということを事実として申し上げたわけでございます。 それからさらに、船価の問題についてお話がございましたが、船価というものは海運市況の変動に応じまして常に数倍に上がったり、数分の一に下がったりしておるわけなんです。でありますから、チャンスをつかまえて売るということが肝心でございまして、その時のマーケットというものを調べませんと、高いとか安いとかいうことは一概には言えないと思うのです。 以上、ちょっと事実と違う点がございましたので、御参考までに申し上げておきます。
○渡辺武君 法務大臣の答弁。
○委員長(大谷藤之助君) 商法上の問題に、先ほどの問題に関連して。
○国務大臣(稻葉修君) タコ配であるとか粉飾決算であるとか、いろいろ御指摘がございますが、専門的な事項でございますから、刑事局長並びに民事局長に答弁させます。
○政府委員(安原美穂君) 具体的な事件につきましては、事が刑罰の適用の問題でございますので、具体的な問題についての意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いまするけれども、一般に粉飾決算というものを刑事面からとらえます場合におきましては、検察庁でたびたび事件を処理しておりますように、商法のいわゆるタコ配当の罪という罪と、それから証券取引法におきますと、有価証券報告書に虚偽の記載をするという意味で、証券取引法違反の罪というものが成立するのが一般でございます。
○政府委員(川島一郎君) タコ配当の関係につきましては、商法ではただいま刑事局長が申し上げましたように、商法四百八十九条に刑事罰の規定がございます。そのほか民事責任に関しましてはタコ配当をした取締役に対して損害賠償の請求ができるという規定が商法の二百六十六条、それから二百六十六条の三にございます。そのほか、商法は会社の内部で監査役が監査をするというような制度がございますけれども、これは会社が自主的に正しい経理を行うということを基本にして立てられておる制度でございます。
○国務大臣(大平正芳君) 粉飾決算の問題につきましては公認会計士が監査いたしておりますので、間違いはないものと考えております。
○渡辺武君 重大な疑惑は依然として解けません。いずれ機会を改めてこの問題は徹底的に明らかにしたいというふうに考えております。 次に移りますが、運輸大臣に伺います。船員の職業のあっせん紹介を行うことができるのは、どういう場合でしょうか。
○政府委員(山上孝史君) お答えいたします。 船員職業安定法に基づきまして、希望が具体的にある場合に船員職業安定所であっせんをいたします。
○渡辺武君 現在、政府が職業の紹介をやる以外に、運輸省が許可している団体や企業はどこどこでしょう。
○政府委員(山上孝史君) 主として漁船の船員をあっせんするための、あっせんの組合がございます。
○渡辺武君 どこどこですか。
○政府委員(山上孝史君) 許可団体を具体的に申し上げますと、四つございまして、清水船員労務協議会、焼津船員労務協議会、室戸鰹鮪漁業船主組合、室戸岬鰹鮪船主組合、この四つでございます。
○渡辺武君 そうしますと、いま言われた以外の団体や企業が船員の配乗あっせん業務は一切できないということですね。 それから、船員は日本人船員に限らず外国人船員も含まれておりますか。
○政府委員(山上孝史君) ただいま申し上げましたあっせん団体、これは船員職業安定法に基づきまして許可をしたものでございます。そのほかには、各地方の海運局に設けております船員職業安定所、これがあっせんをいたしております。それの対象といたしましては、特に外人船員を排除するということはございません。
○渡辺武君 もし許可を受けてない民間の会社が、外国人船員の職業紹介やあっせん業務をやっている事実があるとしたら、運輸大臣はどのような措置をとられますか。
○政府委員(山上孝史君) 船員職業安定法に違反するような具体的な行為がある場合には、船員職業安定法違反行為として摘発をすることになるかと思います。
○渡辺武君 河本通産大臣に伺いますけれども、あなたは東京都港区西久保明舟町二十番地にある不二船舶株式会社を御存じでしょうか。これは三光汽船やあなたとどのような関係の会社か、これを伺いたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 不二船舶という会社の存在は知っております。現在外国の船会社の代理店を、数十隻の船の代理店をやっておるそうでございますが、その中には、かつて三光汽船に勤めておりました者もごく一部でございますが、若干入っておるようでございます。
○渡辺武君 この不二船舶株式会社、これは三光汽船の子会社ではないでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 三光汽船は出資をいたしておりません。したがって、株も持っておりません。
○渡辺武君 この席へどうも持ってくるのを忘れて残念なんですけれども、東京法務局港区出張所に提出されました不二船舶株式会社の設立総会の議事録の写しがあります。これはわざわざ三光汽船株式会社、これが届出人になっているわけであります。三光汽船株式会社とはっきり書いてある、いいですね。昭和四十七年八月三十一日不二船舶株式会社創立総会議事録、三光汽船の名前で議事録が出ているんです。これははっきりこの不二船舶というのが三光汽船、あなたが社長をしていた当時の子会社だということを示しているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) その議事録のことは私は知りませんが、私が先ほど申し上げましたように、社員の中には、かつて三光汽船に勤めておった者が若干入っておるということを申し上げたわけでございまして、株式は一株も持っていない、そういう意味から子会社ではない、こういうふうに申し上げましたわけでございます。
○渡辺武君 あなたの会社の名前でこの議事録も出ているし、そしてこの不二船舶の社長は三光汽船の用度部長であった山本順三さん、それが三光から四十名の従業員を引き連れて会社をつくっているわけだから、これはあなたの子会社だと言わざるを得ない。 ところで、三光汽船は昨年十月、自社船であったタンカー銀光丸二万一千トンをリベリアの幽霊会社に売ったことにして、船名もオーシャン・ゲンチャンと変えています。いまチャーター船としてペルシャ湾と日本の間の航路に使われていますが、この銀光丸がオーシャン・ゲンチャンに変わったとき、十月十六日に松山港でフィリピン人の船長と数人の高級船員を配乗させ、さらに坂出港の沖合いで日本人乗組員全員をおろして、オランダ、イギリス、スウェーデンの一般船員を配乗させました。この外国人乗組員の配乗のあっせんと手配の業務をしたのが不二船舶であります。昨年の一月にパシフィック・アレスの船長を初め、台湾系の乗組員を手配したのもやはり不二船舶であります。現に通産大臣が社長をしていた三光汽船の肝いりでできた関係会社がこのように東南アジアその他の国の安い賃金の船員の手配という違法な人買い稼業をやっている、これは重大な問題だと思います。船員職業安定法三十四条に違反している、そう思います。歴代政府は、これは閣議了解事項として、外国労働者の入国を厳しく押さえているはずですが、運輸大臣に伺います、あなたはすぐに職権を発動してこの事実を調査すべきではないでしょうか。そして予算委員会の開会中に当委員会に報告していただきたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) 今言われました船は、三光汽船が用船をいたしておる船であります。したがって、船籍は外国にあるわけでございますので、外国の船には外国の船員を乗せることは自由でございますので、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○渡辺武君 いやいや、その船に乗せた、あっせんをしている会社が三光汽船の関係会社の不二船舶なんです。その点で船員職業安定法に違反しているじゃないかということを伺っているんです、不二船舶のやったことがですよ。わかりますか。
○国務大臣(木村睦男君) その点よく調べまして、また御返事を申し上げたいと思いますが、ちょっと時間をかしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 誤解が若干あるんじゃないかと思って申し上げたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、不二船舶は外国のたくさんの船会社の代理店をしておるわけでございます。その代理店業務の一環としてそういう外国の船主から、船会社から頼まれまして、そして私はそういう事務を代行するということは、これは許された業務であろうと、こういうふうに確信をいたしております。
○渡辺武君 総理大臣に最後に伺いたいと思います。 この河本通産大臣が社長をしていたころの三光汽船のやったことについての数々の疑惑、私はほんの一端を申し上げたわけですけれども、大変な問題があるわけであります。総理大臣は、河本氏を積極的に推奨されて通産大臣につけられた、こうした政治責任について伺いたいと思います。 また時間がありませんので、委員長、委員長一言申し上げたいと思いますけれども、こうした疑惑を解くために私は三光汽船社長の亀山光太郎さん、それから三光汽船業務部長の横田熟さん、三光汽船専務取締役、万友船務企業役員椋原武雄、不二船舶社長山本順三、これらの人を、これを証人としてこの委員会に喚問したいと思います。これもひとつよろしくお願いします。
○国務大臣(三木武夫君) 渡辺さんいろいろおっしゃいましたけれども、河本大臣、誤解に基づくものについてはここで解明をされました。 御承知のように、河本大臣の三光汽船は、海運界が国の利子補給を受けておるときに利子補給を受けていない唯一の海運会社である。あの規模からすれば数千億円の開銀の融資も受けられるだけの規模を持っておるのに、開銀の融資も受けていない、自主独立の立場で、そしてしかも世界を相手にしてやってきたわけですから、日本ばかりでない、大きく世界を相手にして、しかもやはり政府のいろいろな補助とか融資に頼らないでみずからの道を開拓したという、こういう何と言うのですか、独立の精神、また独創的な経営方針というものは、私はやはりそういう精神が日本の企業の中にも要ると思っておるわけでございます。この河本君の持っておる経験、また見識、またこういう独立の精神、こういうものが通産行政の中に反映してくれることは非常によろしいと思って、責任を持って推薦をしたわけでございます。私は、河本大臣を信頼するという私の考えにいささかの動揺も感じていないわけでございます。
○委員長(大谷藤之助君) 渡辺君に申し上げます。 ただいま渡辺君の委員長に要望されました点については、後刻理事会において慎重に検討いたします。 以上をもちまして渡辺武君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 先刻の黒柳君の質疑に対し、坂田防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○国務大臣(坂田道太君) 先ほどの黒柳委員の御指摘の文書につきまして、調査をいたしました結果を、調査をいたしました防衛局長からお答えを申し上げます。
○政府委員(丸山昂君) 御指摘のございました文書につきまして、調査をいたしました結果を御報告申し上げます。 正確に御指摘の文書につきましてはそれに該当するものがございませんが、それと類似する文書といたしまして、まず一つ、四十三年の四月九日作成の国内一般整理項目案というものがございます。それから、四十三年の五月の二十八日作成にかかわりますOB整理項目案というものがございます。この二つの文書でございますが、これは電子計算機が導入されましたのがこの翌年の四十四年の四月一日でございまして、それ以前に、この整理項目について可能性等を検討したものでございまして、結論として、この両案とも採用になっておりません。実施されておりません。現在ございますのは、ここにございます国外一般整理項目案によるものでございます。したがいまして、先ほどここで御指摘のございましたような、国内の政党、人物、こういったものをこのコンピューターに入れるということは、結果的に起こらなかったということでございます。
○黒柳明君 それについて私もいろいろ反論がありますので。 その前に、いいですか、先ほどペンディングの問題がありましたね。あの二つ、たばこの問題、事業団法の問題、これ総括の終わる時点において、これ結構です。ひとつはっきりさしておきたいのです。設置法でやっぱり無理だ、そうなると、十六億五千万、本年度の予算、これはやっぱりキャンセルしなければならぬ、この明確な答弁をいただきましょう。
○国務大臣(三木武夫君) これは黒柳さんに私約束したのは、これはやはり違法ではないけれども、これが適当かどうかということに疑問のある意見もあるわけでございますから、これをどういうふうに今後処理していくかということに対して、処理の方法というものを総括の終わるまでには、これは政府の方針を決めて御報告申し上げるということで、今年度の予算を私はどうこうするということについて、そのお約束をしたものではないということは御承知おきを願いたい。郵政省が、いま言ったようなホテルですか、そういうふうなものを経営して、いろいろ衆議院の附帯決議もあるようでありますけれども、まあしかし、郵政省の事業としてそういうことをすることが適当かどうかという御議論はあり得ると思いますから、これをどういうふうに将来持っていくかということは検討いたしますということで、今年度の計上してある予算の問題に触れてお約束をしたものではない。
○黒柳明君 そうすると、総理がおっしゃっているのは、運営の方法をどうかしようということなんですか。そうなると、根本的に私たちと意見が違うんじゃないですか。どうですか、その点もう一回。運営の方法をどうしようと言うんですか。さっき郵政大臣、議事録を盛んに——法制局長官、そうじゃないですよ。運営の方法じゃないんですよ、問題は。
○国務大臣(三木武夫君) 運営の主体というものについて、これについて十分検討して、黒柳さんのいろんな御疑問にこたえられるようにしたいということです。運営そのものばかりではありません。運営の主体についてでございます。
○黒柳明君 先ほどは、設置法では総理は無理だとおっしゃったんです。無理ならば、いま予算審議しているんだから、その本年度のつけられた予算は削るべきだ、そのようなことを言わなければおかしいじゃないですか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ拡大解釈に過ぎるという、こういう点もありますし、それから事業主体が郵政省というものでは適当でないのではないかという点でいろいろと議論がありますから、これをもう少し説明のちゃんとつくような、そういう疑惑を与えないような形にする方法について検討しようということでございます。
○黒柳明君 それは運営の方法になるんです。設立自体について、設置法では無理だ。郵政大臣だって、前回の議事録をもって、それを認める。法制局長官もそう感ずる。総理もさっきおっしゃったんです。それを踏まえて私は言っているんです。であるならば、予算を審議しているんですから、十六億五千万が本年度の予算についているんだから、これはもう削るということを前提にしなきゃ、どう変えようったってこれはだめじゃないですか。そこを言っているんです。削ると、こう言いなさい。
○国務大臣(村上勇君) 先ほどお答えいたしましたが、設置法によりこのような事業を行うのが適当かどうかの問題はあるので、事業団の設立につき今後の問題として考慮したいと。そこで、予算の執行に当たっては、建設後の運営等についても、お話しのような点に十分留意することを前提といたしたいということを申し上げたわけです。
○黒柳明君 結構ですね。いまもちゃんと明確におっしゃっている、設置法でこのようなものをつくるのは問題があるのでと。同じです。みんな問題がある、問題があるとおっしゃっている。問題があるならばこの十六億五千万をドロップしなさい。明確じゃないですか。
○国務大臣(村上勇君) 設置法によりこのような事業を行うのは適当かどうかの問題もあるので、事業団設立について今後の問題として考慮したいと。ですから、要するに、設置法にもありますし、また衆議院の逓信委員会の決議もあるし、そういうことでいままではやってきたわけです。今後は、あなたの御意見のように、事業団を設けてやることが私もいいんじゃないかと、こうは思いますが、その以前にすでに予算を提出いたしておりますので、御審議を願っておりますので、ぜひひとつこの点については御協力を願いたいと、こういうことです。
○黒柳明君 もうこれは論議の余地はないんです。適当かどうか問題があるので、問題があるんだから、会計法上疑義がある。それを予算審議できない、そんなものは。それからはっきりしなさいというのは明快じゃないですか、私の質問は。
○国務大臣(三木武夫君) それは、だれも違法だと言っておるのではないんですよ。やはり郵政省は貯蓄の事業というものをやっているんですから、ほかの省とは違ったもので、貯蓄というもののいろんな奨励というような仕事もあって、ほかの行政官庁と必ずしも同じではないわけですね。そういう点で、貯蓄をしておる人々に対していろんな宣伝をしたり、サービスをしたりするようなことも、これはほかの役所にはない使命を持っているわけです。しかも、やはり黒柳さんの方も加わった衆議院の決議において、そして、そういう人たちの福祉施設というものが、もう少し会館がそれに普及するようにこの福祉施設というものを充実して、そういうものに対するサービスを今度もう少し徹底していくようにというような、いい意味の決議も衆議院であるわけですからね。そういうことに乗っかってこういうことになっておるわけでございますから、いますぐ予算を撤回するというのではなくして、将来においてこれが疑義が生じないような方法というものを政府のほうで検討していたしましょうというお約束をしたのですから、いま予算審議を願っておるときに、これを削除しなければそれはもう予算ができないというのはどうでしょうかね。やっぱりいままで衆議院の決議もあって、こういうところまで来たのですから。だから、これはしかし、言われてみれば少し解釈が拡大解釈に過ぎる面もあるから、もっとすっきりした形にこれをひとつ改める方法というものを検討して御返事をしましょうというのですから、その点は御理解を願いたいと思うのでございます。
○黒柳明君 もう御理解しよう、しようと思って一生懸命努力しているのです、私は。いいですか、総理大臣。だけれども、理解できない。先ほど言ったように、四十九年度の予算編成で行管は認めずと、こう言ったのです。そのときに、やるならば簡易保険事業団でやれと言っているのですよ、やるならば。こういうことまで加えているのですよ。設置法じゃうまくないんだぞと。あるんですから、それが。いまやっていますよ、いろいろ保養地やなんか。それでやれとまで言っているのです、行管が。そこまで至れり尽くせりでもう来ているのですよ、この問題は。もう疑義があるものは、いま予算審議しているからこそうまくないんじゃないですか。総理の意見は、全く私は失礼ですけれども、予算を審議しているこの予算委員会で言う言葉じゃない。もう予算の審議は終わっちゃって通過しましたからというならいいんだけれども、審議しているんだもの、いま。
○政府委員(小田村四郎君) 四十九年度の予算要求の経緯でございますけれども、行政管理庁として、設置法上郵便貯金会館が運営できないと、こういうことは郵政省の方に対しては申し上げておりません。その内容をさらに検討していただきたい。また、どうしてもつくる必要があれば既存の法人を活用していただきたい、こういうことを申し上げた次第でございまして、設置法上の問題には触れておりません。
○黒柳明君 ぼくも、要するに認めずと言ったのです。やるならば簡易保険年金事業団でやれと、こう言ったというのだ。これを言っているのですよ、ぼくは。言ったのはこちらの方なんだ。とんでもないことを言わないで。まだまだそんなに時間がたっていませんよ、夜中じゃないですよ。言ったのはこっちが言っているのですよ。あんたは関係ない。何か手柄を立てるつもりでしゃしゃっと来たけれどもそれはだめなんだよ。行管が言っているのは、四十九年の予算編成の方針、むだ遣いやめろ、そうでしょう。それに基づいて、これはむだ遣いだからやめなさい。やるならば簡易保険年金事業団でやりなさいと言っているじゃないか、こう言ったのです。認めないと言ったのはこっち。おかしいと言ったのはこっちです、設置法では。済みません、手柄にならなくて。そういうこと。いま予算審議しているからこそ、そういう疑義があるものを問題にしなきゃならないのじゃないですか。予算が通過しちゃった後どうだと言ったら、これはもう終わったものですから黒柳さん理解してくれと言ったら、私だって理解しますよ。いまはやっている最中だから、理解しようと思っても理解できない。私はばかなんでしょうか、総理。どうでしょうか。私は無理なんでしょうか、総理。疑義があるものは——これは疑義があるのじゃないでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 黒柳議員はきわめて賢明なお方だと存じておりますから、無理があるとは思いませんが、これはいままででも問題のあるところでございますから、したがって、総括の終わるまでに政府がこの問題に疑義のないような方法を講ずるように研究いたしますということですから、しばらくの時間、これは長い間の問題点であったわけですから、われわれの方としても研究するのに時間が多少は要りますから、総括の終わるごろまでには政府の方針を何かまとめるようにいたしますということを言っておるわけですから、そういうことで御理解を願いたいと思います。
○黒柳明君 私これで、時間がどんどんたつといういま忠告があったので、答弁が返ってこなかったら、これはもうおかしいということで、やりません。いいですか、総理大臣。これは明らかに設置法じゃうまくないと、皆、三者も言っているのです。行管もこれは認めなかったのです。いいですか。いま予算審議しているから、この金を乗っけちゃ、うまくないのです。終わってから、それじゃ何とかしようという運営の方法じゃないのです。こんな子供だましのもの、会計法で、これ後になったら違反ですよ、会計法上だったら。大蔵大臣、そばでこれはうまくないなという顔をしているのです。これは答えを出してください。出さなかったらこれは質疑はできません。こんなばかな幼稚な予算委員会ありますか。疑義があるものを審議してください。終わってから、後からなんという、そんなことありません。おかしい、こんな委員会。
○国務大臣(村上勇君) いままでずっと郵便貯金会館は郵政省設置法に基づいて設置してまいりましたが、そのあり方等につきましては、今後とも研究してまいりたいということであります。しかしながら、郵便貯金会館の設置につきましては問題にならぬと申しましたけれども、要するに六十八回国会における逓信委員会におきまして、郵便貯金会館等利用者の福祉施設の充実に努力すべき旨の附帯決議の次第もあり、また郵便貯金会館が広く一般国民に利用されていることによりまして、郵便貯金の周知宣伝に役立っている実態にかんがみまして、五十年度予算案に会館の建設費を計上しているところであります。従来は郵政省設置法の解釈でやってまいりましたが、先生のいろいろな御指摘もありますし、私どももできればそういうように持っていってもいいのじゃないかということでありますので、この点御了承いただきまして、予算の御審議をお願いする次第であります。
○委員長(大谷藤之助君) ただいまの件について、委員長からもお願いをしておきたいと思います。 黒柳君から重ねてただいま質疑を続けておられます。ただいままでの質疑の点も十分含んでいただいて、先ほど遅くもこの総括中に検討をし、納得のいくようなものはひとつ出るということで委員長初め質疑者も期待しておるわけでございますから、ただいまの質問の点も込めてひとつ御検討を願いたいと思います。 以上をもちまして……
○黒柳明君 いやいや、委員長、待って。発言者はそんなこと了解しませんよ。勝手なこと言わないでよ。全くこんなのは幼稚の審議です、こんなことは。何回言ったって同じです、こんなことは。こんな国会審議、予算審議なんかありますか、こんなべらぼうなね、ありませんよ。そんな、疑義があるものをそのままなんというのはとんでもない話ですよ。あれだけ、こっちだったって予算総括までと譲っているんですよ。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○黒柳明君 総理。総理に発言させて。
○国務大臣(三木武夫君) 予算は予算として御審議を願って、この問題は総括の終わるまでに政府の方針というものを決めまして、そしてここで明らかにいたします。
○黒柳明君 もう同僚議員の時間をあれするので、私、先ほどの防衛庁長官の答弁に対して、二つまとめて質問と要望をいたします。 たとえ百歩譲ってこういう計画をつくったとしても、これは非常にうまくない計画、この首謀者、責任者、これに対してどういう(「おかしいよ、委員長」と呼ぶ者あり)——いいでしょう、おかしくないね、別に。責任者に対してどういう処置をとるのか、これが一つ。いいですね。これはもう大変な計画ですよ、たとえ百歩譲って計画だとしても。ですから総理、答弁してくださいよ。百歩譲ったとしても、計画案としたって、だれが責任者なのか、だれがその責任を負わなきゃならぬのか、案だとしたって。ところが、私たちは、案じゃない、これはちゃんとプログラムでできているんです。電子計算機がニーズ検索するまでの、その間の入力するまでの資料、あるんです。こういう一貫性があるものに対して、間違いなく入っている。それはわからない、そうじゃないと。理事会で委員長検討してください。私が行ったってわからぬ、専門家を行かせなけりゃわからない、これは。コンピューターのわかる人。それで、中にあるデータを全部検査してもらうということでなければ、真偽のほどはわからない。 その二つ、質問と要望、お願いします。
○政府委員(丸山昂君) 関係者の処分の問題でございますが、私からお答えするのが適当であるかどうか、でございますが、十分その当時の事情を検討いたしまして、考えさせていただきたいと存じます。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして……
○黒柳明君 いやいや、まだ総理が最後にきちっと言わなければ……。
○国務大臣(三木武夫君) まあ、そう何もかも総理と言われても。 いま防衛局長の言われたとおりでございます。
○黒柳明君 ちょっと聞こえなかったですね。済みませんね、もう一回はっきりしてください、いまの問題について。重要問題ですよ、これは。 それからいまの調査の件、それじゃ委員長……。
○委員長(大谷藤之助君) もう一度、聞こえないようですから。
○国務大臣(三木武夫君) 防衛局長の申したとおりに処理いたします。
○委員長(大谷藤之助君) ただいまの黒柳君の委員長に対する要望は、理事会において検討をいたします。 以上をもちまして黒柳明君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十六分散会