本会議 第21号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1975/07/03
会議録
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 星野力君外一名発議に係る副議長不信任案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。 これより発議者の趣旨説明を求めます。星野力君。
○星野力君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました私外一名の発議に係る参議院副議長前田佳都男君に対する不信任決議の提案理由を説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 副議長不信任決議 本院は、副議長前田佳都男君を信任しない。 右決議する。 理 由 副議長前田佳都男君は、河野議長と協力して、「公選法」改正に関する特別委員会小委員会において、参議院地方区定数是正問題の協議が継続中であるにもかかわらず、自ら定数是正問題の「あっせん」と称して、我が党の再三の申し入れを無視し、委員会、小委員会の審議と運営にたいする不当な介入を行った。これは、議長を補佐して議院の公正な運営に責任を負うべき副議長の職務を逸脱した重大な越権行為である。 あまつさえ、前田佳都男君は、六月三十日議長不信任決議案の審議の際の渡辺武議員の賛成討論中、突如としてマイクロフォンのスイッチを切り、発言を不能ならしめた。 かかる行為は、理由のいかんを問わず、国会法、参議院規則及び先例にも全く見られざる暴挙である。 しかも、我が党の抗議に対し、マイクロフォンのスイッチを切ったことは散会後まで全く知らなかったと言い訳をしているが、このこと自体、議長の代行として、院の運営全体に対する責務を放棄したことになる。 これが本決議案を提出する理由である。 前田佳都男君は、昨年七月、社会党を含む野党各派の反対、自民党の賛成で副議長に就任し、自民党籍のまま引き続き今日に至った人であります。参議院副議長は、議長とともに院の公正な運営について常に努力するという当然の責務を負っています。国会法第二十一条の定めによって、「議長に事故があるとき又は議長が欠けたときは、副議長が、議長の職務を行う」ことが明記され、議長と同等の重い責任を負っていることは言うまでもありません。そうして、この立場から、議長の行動についてもこれを補佐する責任を担っているのであります。 そこで、前田佳都男君不信任の理由を具体的に指摘いたします。 その第一は、前田佳都男君は副議長の職責を自覚せず、議長に対する補佐協力を怠り、議長をして重大な誤りを起こさせるに至らしめたことであります。 わが党と公明党は、さきに議長河野謙三君に対する不信任案を提出いたしましたが、この不信任決議案は、一昨日の本会議議場において、自由民主党、日本社会党を中心とする多数の力によって遺憾ながら否決されました。しかしながら、この不信任の理由となった事実は、国会の歴史に汚点として永久に残り、抹殺することは断じてできないのであります。 公職選挙法改正特別委員会が与野党合意のもとに審議中であった参議院地方区定数是正問題に、議長が越権的介入を行った事実、公職選挙法改悪の強行をねらう自民、社会、民社三党の党利党略に加担した事実は、副議長前田佳都男君の職責不履行とともに、消すことはできないのであります。いわゆる河野議長あっせんなるものがいかに不当有害であったかは、その後の参議院の事態、今日の状態がはっきり物語っているのであります。この議長あっせんなるものは、明らかに公職選挙法改正特別委員会での各党合意の審議方針の枠を全く踏み外したものであります。 これは、一昨日開かれた参議院自民党議員総会において、自民、社会、民社三党の合意書の解釈について自民党が、一、全国区については地方区の定数是正問題とワンセットで処理する。二、地方区の定数増加を意味しない。三、「次期参議院通常選挙を目途として実施するよう取り計らう」というのは、「目途」として十分努力するものと解する。四、定数については、地方区での一人一区制も含め、全議員の理解を十分得ることとする(「当然だ」と呼ぶ者あり)との統一見解で一致したという、参議院でも小選挙区制を導入することまで含めて、勝手な解釈をしているという報道によっても明白であります。(「そのとおり」「いいじゃないか」と呼ぶ者あり)これに対して、社会、民社両党がどのような態度をとっているかを見るなら、合意書なるものが全く内容のないものであり、ひたすら公選法改悪をごり押しするために出されたものであることは明らかであります。(拍手)自民党による統一見解が三党合意書なるものの真実であるとするならば、それは全く自民党の方針に基づく定数問題の処理であり、まことに驚くべきことであります。もしまた、それが真実でないとすれば、一体何が真実なのでありましょうか。 要するに、それは言論の抑圧、選挙活動の不自由化、労働組合その他の大衆団体の政治活動の抑圧と金権政治の温存を目指す天下の悪法——公職選挙法改正案、政治資金規正法改正案の今国会成立に狂奔する各党にとって、手かせ足かせとなった定数是正問題を「くやしいか」と呼ぶ者あり)両法案から切り離して、それら悪法の成立を強行しようとすること以外の何物でもなかったと断ぜざるを得ないのであります。(拍手) このような底意をもって演出されたこのあっせんなるものが、国民世論の強く要求する地方区定数の是正をますます困難にすると同時に、その後の国会運営を混乱、混迷に陥れる原因をつくったことは、さきにも申したように、今日のこの事態がはっきりと示しておるのであります。(拍手) 河野謙三君が、日ごろの公言に反して、一部党派の党利党略の駆け引きに加担し、公正なるべき議長の職責を裏切ったがゆえにこそ、わが党は同憂具眼の議員各位とともに同君を強く糾弾したのであります。その議長を補佐し、協力すべき重責を担う前田佳都男君が、河野君と同様の責任と糾弾を免れ得ないのは申すまでもないことであります。 前田佳都男君不信任の第二の理由は、六月三十日の本議場における議長河野謙三君不信任案の審議の際、わが党渡辺武議員の賛成討論の途中、マイクロホンのスイッチが切られた事実に基づくものであります。当日、前田佳都男君は議長席に着いて、本会議議事を主宰されていたのでありますが、渡辺議員のわずかの時間超過を理由に同君の発言を禁じて、同時にマイクロホンのスイッチが切られたのであります。それは暴力をもって演説者の口をふさぐに等しい所業であります。国会法にも、参議院規則にも何の規定もなく、国会の先例にも、記録にもないような乱暴きわまることが実際に行われたのであります。これは議長の職権を行使していた前田佳都男君の重大な責任であります。しかも、わが党の抗議の中で明らかにされたことでありますが、前田佳都男君は議長席にありながら、マイクロホンのスイッチが切られたことを知らなかった、後刻、議長席からおりて副議長室に戻った後に初めてその事実を知らされたという驚くべき無責任ぶりであります。その無責任さ、職務怠慢は、同君が副議長として、また議事主宰者としていかに職務遂行の適格性を欠いていたかを如実に物語るものであります。特にマイクロホンのスイッチを切ったという悪質な先例をわが国会史上に残した同君の責任は絶対に看過できるものではありません。 以上、二つの理由からだけでも、私は副議長前田佳都男君に参議院の公正な運営を期待することはできないのであります。 これをもって前田佳都男君不信任案の提案理由説明を終わります。 賢明なる議員各位の絶大なる御賛同をお願いいたします。(拍手)
○議長(河野謙三君) 質疑の通告がございます。順次発言を許します。小平芳平君。 〔小平芳平君登壇、拍手〕
○小平芳平君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま提案理由の説明がありました参議院副議長前田佳都男君の不信任決議案について、提案者に若干の質問をいたすものであります。 質問の第一は、本国会における公職選挙法の一部改正案並びに政治資金規正法の一部改正案の審議に当たり、前田副議長の果たした役割りが本院の副議長として適切なものであったかどうかという点であります。 副議長の責務は、本院の議事運営をつかさどる最高責任者としての議長を補佐するものであります。副議長の置かれています立場は、不偏不党、中立かつ公正でなければならないことは申すまでもありません。したがって、多数党の横暴を戒め、少数意見を尊重して国会の正常な運営のために全力を尽くすべきが当然であります。しかるに、副議長前田佳都男君は、かかる重要な立場にありながら、河野議長が従来とも鬼門と言われた選挙法改正に当たっての行動に対し、十分な補佐をしてきたとはとうてい考えられませんが、いかがでしょうか、提案者の率直な御意見を承りたいのであります。 特に、私が参議院の議長、副議長の果たすべき役割りについて質問をしたいと思います理由には、次のような背景があります。 昭和三十四年六月、第三十二回国会が召集され、初めて参議院に出てきた私が一番わが身にひしひしと感じたことは、参議院は良識の府ということでございます。当時の参議院は、自由民主党、日本社会党、ほかに無所属クラブ、緑風会、日本共産党等の会派で構成されていたのであります。そして、今日なお当議場においでの市川房枝先生や当院の前副議長森八三一先生らが、良識の府の伝統を守り続けるための努力を積み重ねておられましたことと確信をいたします。ところが、しばらくするうちに、国会の外では考えられないような驚くべき事件が次々と起きておりました。当時の国会は強行採決、審議拒否、あるいは徹夜国会、のろのろ歩く牛歩戦術などの繰り返しでした。しかもその激しい衝突は、具体的に言えば、自民党対社会党の対決を繰り返しておりました。まず、政府・自民党が単独で採決を強行する。野党は審議を拒否する。何日かの審議拒否が続いた後、ようやく話し合いに入る、妥協点を見つけようとの努力が始まる。しかし、この段階になると、必ずと言ってよいほど、自民対社会の話し合いに任せられ、少数党は何も知らされずに、ただ後をついていくような状態が続いておりました。 私はこの当時、「たった二人の参議院」ということを痛感いたしておりました。参議院が紛糾に紛糾を続けているときに、自社両党の責任者が会ったということから解決へ向かうということでした。それは、今日言われているような自社共闘とか自社なれ合いなどと言うより、もっと極端なものであったのかもしれません。しかし、それから十数年を経た今日、時代は大きく変わっているのです。現在の参議院の情勢は、かつてのような自社両党だけの運営に任せるわけにはまいりません。自社両党以外の各会派も、それぞれ意見があるのですから、これら全体の意見をまとめてこそ、初めて国民の期待にこたえることができると確信するわけであります。前田佳都男君は、副議長として、なおかつ自由民主党に党籍を置き、これらの運営に重大な欠陥があったと思いますが、この点についての提案者の率直な御所見を承りたいのであります。 質問の第二は、今回の公職選挙法並びに政治資金規正法の一部改正の重要性についてであります。——なれ合いではありませんよ。重要な問題ですよ。——これら二法の改正問題が大きな国民世論となって沸き起こったそもそもの原因は、あの世論の厳しい指弾を浴びた金権選挙、企業ぐるみ選挙が大きな一つの契機でありました。しかるに、現在審議中の改正案では、このような政界浄化の期待にこたえていないのみか、かえって、官憲の介入とか、国民の人権侵害とか、議会制民主主義の根幹にかかわる重大な問題があります。それゆえにこそ、多くの学者、労働者、民主団体等から請願や決議文などが連日提出されておるではありませんか。自社両党を中心とする諸君は、このような国民大衆の声が耳に入らないのですか。前田佳都男君も、このような国民の声を真剣に受けとめていたならば、今日の事態に立ち至らなかったのではないか。提案者はこれらの点についてどのようにお考えになりますか、率直な御意見を承りたいのであります。 特に、提案の理由にもお述べのように、六月三十日の本会議において前田佳都男君は、渡辺議員の討論中にマイクロホンのスイッチを切った。わずかな時間を超過したとの理由でそのような暴挙に出るということは、国会史上にも前例のないことであり、副議長という重要な職にありながら、選挙関係二法の改正に対する重要性の認識に全く欠けているのではないかと言わざるを得ません。(拍手) 提案者の率直な御所見を伺いまして私の質問を終わります。(拍手) 〔星野力君登壇、拍手〕
○星野力君 小平先生にお答えいたします。 前田副議長が、議長に対して十分の補佐をしておらなかったのではないかというのが第一点の御質問であろうと思います。お説のとおりに、副議長は議長とともに院運営の責任を負うものであります。議長を助け、協力して、あくまで公正な運営を図らなければならない立場にあるのでございます。いやしくも特定党派の利益のため不公正なやり方をしてはならないのであります。前田君は公選法問題に関連して、参議院地方区定数是正問題に端的に示された河野議長の越権的な行為に同調、協力して、今日のような参議院の混乱、混迷を招く大きな要因をつくっております。重大な責任を免れ得ないと思うのであります。 また、第二の御質問は、たしか自民党、社会党の自社のなれ合いのもとで、参議院が長く少数会派の意思を無視するような運営をやってきた。それが今日また新しい形で行われておるのではないかと、その点の御見解をお聞きになったものと思います。全くそのとおりであります。昨年の参議院選挙によって、参議院の勢力分野はかなり大きな変動を来しました。自民党の大きな後退、わが党も含めて野党勢力全体の相当な進出、これは国民の今日の要求を如実に反映しておると思うのであります。(拍手)ところが、社会党と他の野党全体を含めると、大体同じぐらいの議席になると思いますが、そういう状態の中で、この参議院の運営でも新しい型の自社なれ合い、自社共闘自社共闘、これが大きく三木内閣の成立以来生まれてきておる。これでは国民の要求は実現し得ない、国民の要求にはこたえられないのではないかという御質問でありますが、全くそのとおりであります。(拍手)この公選法の問題について、いかに国民の広い層から強い要求が出ておるかということについてどう考えるか、こういう御質問もあったと思いますが、(「そんな質問はない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私、ここに若干のこれは重要なこの問題に対する世論の動向を皆さんに御報告申し上げようと思うのでありますから、ひとつ静かにお聞き願いたいと思うのであります。たとえばですね、公選法改悪反対請願者数、きょう衆参の事務当局で調べたんでありますが、総計百二十万二百十名に達しております。(拍手)また、皆さんも目にとめられ、お読みになった方もあると思います。「朝日」や「毎日」や「読売」を初めとして、中央、地方の重立った新聞のほとんどが公選法改悪に反対する立場——これがいかに憲法に照らし議会制民主主義の根本に照らして物騒な改悪であるかということを指摘しておるのであります。 たとえば、四月五日の「読売」では、「「官権の下風に政党をおく」起因を作る」と、こういう意味の社説が載っております。四月八日の毎日新聞には、この法案に関連しまして、選挙運動をもっと自由にということを強調いたしております。朝日新聞は四月二十一日、選挙運動の中心であるべき政策宣伝が不当に限られることになる、この改正案への反対が共産と公明だけとは一体どういうことかと、こういう趣旨の社説を掲げております。また、各界の動向を知るための参考として申し上げますと、四月二十二日文化団体連絡会が声明を発表して、公選法の改悪に反対する立場を明らかにしております。同様の立場から、四月二十三日には憲法会議が呼びかけを発表いたしております。翌四月二十四日には日本の法曹界の代表的な百四十五氏がアピールを発表いたしまして、言論、表現の自由、国民の知る権利を侵す改悪であり、また公正なものとは言えません、この法案は国民主権と議会制民主主義を危機に陥れるものと言わねばなりません、という言葉のある文書を発表いたしております。翌日、四月二十五日には、著名な憲法、選挙、政治関係者二十六氏がやはり同じような立場でアピールを発表いたしております。五月もずっとありますが、略して、比較的近いところを二、三申し上げますと、六月二十二日には日本民主法律家協会、ここの代表理事は末川博立命館大学名誉教授でありますが、見解を発表いたしております。六月二十四日には、婦人有権者同盟、全国地婦連、主婦連、日青協など三十団体が、市民の自由な活動を阻害し、有権者不在の政治資金規正法、公職選挙法の改悪に反対する市民集会の抗議の決議を採択いたしております。なお、反対決議、抗議文採択などの団体のうち、労働組合だけ幾組合か申し上げますと、日本労働組合総評議会、中立労連、国鉄労組、日本教職員組合、全電通、新聞労連、マスコミ共闘、民放労連、日高教、全自交、医労協、全金、国公共闘、都職労、まだたくさんあります。 小平先生の最後の質問は、三十日の本会議、本議場におきまして、前田佳都男君が議長席に着いて議事を主宰しておった際に、マイクロホンのスイッチを切ったという問題についての見解でございます。先ほどの提案理由の説明の中でも申し上げましたが、演説者にとってマイクというものは今日では肉体の発声器官、すなわち口の一部のようなものであります。これを暴力で抑え込む、ふさいでしまう、これに等しい乱暴がやられたということであります。しかも、言論の府であるところの国会でそういうことがやられた。許されることでしょうか。前田君が議長として本会議議事を主宰しておるとき、前例のないこのようなことが行われた。私、本院の事務当局に調べていただきました。国会法にももちろんございません、マイクを切ってよろしいなどということはありません。参議院規則にもございません。
○議長(河野謙三君) 星野君、星野君、時間が大分経過しました。
○星野力君(続) はい、もうすぐ。先例もないです。こういうことを、事態を発生させた前田君の責任はきわめて重大であります。とても正しい院の運営を期待することはできないんであります。 以上をもってお答えにかえます。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 加藤進君。 〔加藤進君登壇、拍手〕
○加藤進君 私は、ただいま行われました副議長前田佳都男君不信任決議案の提案理由説明に対して、若干の質問を行います。提案者星野君の明快かつ懇切な御答弁をお願いいたします。 第一の問題は、副議長前田佳都男君が、河野議長が行った公職選挙法改正特別委員会への不当介入に追随し、これを容認したという問題であります。河野議長はこれまでも、公選特別委員会での選挙二法案の審議に当たってこう申しました。選挙法は党利党略的なものである、こんなものに介入する気はない、こう言って委員会審議を尊重するかのような態度をとられたわけであります。しかも、当時公選特別委員会では、山積みする重要な問題点についての審議はまだほんの緒についたばかりであるにもかかわらず、すでに自民、社会両党による審議打ち切り、採決強行の動きがあらわれていました。このとき河野議長のとった態度は、実はこの審議打ち切りなどの不当な動きを野放しにする意図を持っていたものであることは明らかであります。 一方、同小委員会では、参議院地方区定数是正の問題で、野党四党と自民党との間で詰めの段階に入っておりました。河野議長が、公選法には介入しないという口の下から、定数問題についての議長あっせん案なるものを示して、小委員会の審議を事実上中断させたことは、議長としてあるまじき越権行為と言わざるを得ません。この点について星野君はどのようにお考えになるのか、お答えを願いたいと思います。 また、議長としてなすべきことは、かかる不当介入を行うことではなく、定数問題での小委員会の審議を尊重することであると考えますが、どうでございましょうか。 さらに、かかる河野議長の不当な介入行為を容認し、追随してきた前田議長の責任もまた重大だと思いますが、御所見をお聞きしたいと思います。(「前田議長じゃないよ」と呼ぶ者あり)前田副議長です。 また当時、剱木私案など、自民党が不当な態度をとり続けつつも、ともかく小委員会の審議は続行していたのであります。そして、このことが公職選挙法、政治資金規正法両改正案はもとより、酒、たばこ値上げ法案などの成立を強行せんとする自民党にとってまことに厄介な荷物になっていたことは、江藤自民党国対委員長が、定数問題が全法案に影響していたと述べたことによっても明瞭であります。 そこで、星野君にお尋ねいたします。河野議長と前田副議長のとった態度は、いわゆるあっせん案なるものによって、この厄介な荷物を取り除く役割りを果たし、その後の酒、たばこ値上げ法案の強行採決などに道を開くものであったと思いますが、いかがでありましょうか、御答弁をお願いいたします。 第二は、本会議における議員の発言妨害についてであります。副議長前田君は、六月三十日の河野議長不信任決議案の審議の際、議長席にありながら、わが党の渡辺議員の賛成討論の最中、突如としてマイクロホンのスイッチを切り、発言を不可能ならしめたのであります。マイクロホンは、言論の府としての国会の機能として、発言者の趣旨を出席者全員に伝える重要な役割りを果たす装置であることは言うまでもありません。これを突如として断ち切るということは、発言者に対する許しがたい妨害行為であります。現に、発言者の声が出席者には聞き取れないという異常事態が引き起こされたのであります。議場において重大な責任を負うべき議長として、このような重大な事態を引き起こした前田佳都男君の責任は、まことに重大と言わなければなりません。ところが、この暴挙に対するわが党の抗議に対して、私はマイクを切ったことは全く知らなかったと弁解し、その責任を事務当局に転嫁しようとしているのであります。このことは、前田佳都男君が副議長として、議長とともに、議事を整理し、議院の事務を監督するという職責さえ果たそうとしていないことを端的に示すものであります。この一事をもってしても、前田佳都男君は全く副議長としての資格を欠くものと思いますが、星野君の御所見を伺いたいと思います。 第三に、院の運営についての責任の問題であります。河野議長立ち会いのもとでの自民党、社会党、民社党のいわゆる三党申し合わせ以降、参議院では異常な事態が起こっているのであります。わが党は、いわゆる河野あっせんなるものが公職選挙法特別委員会及び同小委員会の審議に対する不当な介入であり、公選法、政治資金規正法両改正案の強行採決への道を開くものであることを今日まで指摘してまいりました。六月二十七日深夜の公選法特別委員会小委員会は一方的に事実上解体させられ、与野党間の合意は全く踏みにじられたのであります。また、それ以前の委員会での決定、理事会の確認を無視した相次ぐ職権開会が強行され、常任委員会の定例日にさえ公選特別委員会が招集されるに至り、また、かかる職権開会、強行採決の動きは他の委員会にも波及し、ついに七月一日の大蔵委員会の強行採決となり、さらに公選法、政治資金規正法両改正案の異常な強行成立が図られ、議会の民主的運営のルールは踏み破られ、参議院改革の基本精神はまさにじゅうりんされつつあるのであります。これこそ自民党、社会党の協同、協調に加担した河野あっせんと、これと一体となった副議長前田佳都男君の追随のもたらしたものと断ぜざるを得ません。 この点について、私は、議長河野君と副議長前田佳都男君が国民の負託に背き、参議院に引き起こされた異常の事態を正しく解決すべき責務を放棄した罪は免れ得ないものであると考えますが、星野君の所見はいかがでございましょうか。私は、このことを最後にただしながら私の質問を終わるものであります。(拍手) 〔星野力君登壇、拍手〕
○星野力君 加藤さんにお答えいたします。 御質問の第一点は、参議院地方区定数問題での河野議長のいわゆるあっせんをめぐって、前田佳都男君はその責任を果たさないばかりか、議長の誤りに同調してきた経過から見て、同じような責任を負うべきであると考えるかどうか、こういう御質問であったと思います。 さきに小平先生にお答えしたこととも重複するかと思いますが、議長とともに院運営の最も重責を担う人であり、最も公正に事に当たらなければならない、また議長に誤りなきよう補佐、協力しなければならないそのような地位にある方が、提案理由にも申しましたようなことになったのでありますから、この重責をお任せするわけにはいかないと、こういうことで不信任決議を提案いたした次第でございます。 第二の御質問は、いわゆる河野あっせんに基づく定数是正についての三党申し合わせ、これはまことに国民と国会を愚弄するものであり、かかる事態を黙認し、追随してきた前田佳都男君の態度は、公正な院の運営の責務を果たさなかったものと考えるがどうか。前の答弁の中にも申しましたけれども、全くお説のとおりと存じます。ただ、加藤さんは黙認あるいは追随と申されましたが、これは議長に同調し、協力してきた——あのような議長の越権的行為に同調し、協力してきたと、こう言い直す方がむしろ真実に近かろうと存ずるのであります。 第三の御質問、マイクロホンのスイッチを切った三十日の問題についてのことでありますが、その件について前田議長は、議事を整理し(「前田議長というのはいないんだ」「訂正しろ」と呼ぶ者あり、笑声)議院の事務を監督する職責についての責任を果たそうとしていないことを示しておるが、この方は副議長としての資格を持っておらないと思うがどうかと、こういう御質問だったと思います。全くごもっともなお考えであります。 先ほど小平先生にもお答え申し上げましたように、本当に暴力で口をふさぐようなことがこの言論の府でやられたということを、皆さん、そういう平然たる顔でなしに、深刻に考えていただきたいと思います。(笑声)皆さん、あるでしょう、時間が超過して(「申しわけなかった」と呼ぶ者あり、笑声)という御経験は、諸先生よく起きることであるということを御存じだろうと思うのであります。前田君が議事を主宰しておるときにこういうことが起きた。本当に重大であります。 第四の御質問でございますが、現在の参議院のこの混乱に関連しまして、議長河野君と副議長前田佳都男君が、国民の負託にこたえて事態を正しく解決すべき大きな責務を怠っていると考えるがどうか、こういう端的な御質問だったと思います。全くそのとおりとお答えせざるを得ないことをまことに遺憾とするものであります。(拍手)
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○議長(河野謙三君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。岩動道行君。 〔岩動道行君登壇、拍手〕
○岩動道行君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました副議長前田佳都男君に対する不信任決議案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手) 不信任案の主な理由は、先般河野議長があっせん案を提示したことが、委員会審議への過剰介入であるとの理由で不信任決議案を出されたのでありまするが、これと全く同じ理由で、前田副議長が、公選法改正に関する特別委員会において地方区定数問題が論ぜられている途中に河野議長に協力をしてあっせんに当たったことが不当な介入であるとせられておるのであります。私は、この見解は全く副議長の真意を歪曲したものと思わざるを得ないのであります。 会期末を控え、すでに衆議院から送付された酒、たばこの値上げ法案を初め、郵便法の一部改正案、公選法の一部改正案及び政治資金規正法の一部改正案等は、本院において長きにわたって審議が続けられているのであります。なお、これら法案のほか、衆議院から送付せられた法案が相当数残されているのであります。参議院の最高の責任者である議長とともに、副議長がこれらの事情について重大な関心を寄せることは、議長を補佐する立場において当然のことでございます。議長が、心ならずも、国会の円満な運営のためあっせんの労をとられた経緯は、すでに本院において同僚議員から申し述べられたとおりでありまするが、副議長がこれに協力をして補佐の任を全うされたことに対し不信任案を提出されたことは、副議長としてはまことに心外のことと推察するのであります。私どもは、むしろ前田副議長が就任以来一貫して、正常な運営に努めてこられた河野議長のよき協力者として尽くされたその労を高く評価するものであります。(拍手) ここで、私どもの理解に苦しむところは、今回提示されました副議長不信任決議案の主な理由が、あっせんに対する「不当介入」であるということと、河野議長に対する不信任決議案の理由とされた「過剰介入」とが、表現は別であっても、実質的には同一理由であることであります。いわば二番せんじにすぎないのであります。すでに本院において議長の不信任案は否決をされ、信任が明らかにされました今日、何ゆえに同じような理由で副議長の不信任を問う必要があったか、まことに不可解至極であり、いたずらなる審議引き延ばしであり、党利党略以外の何物でもないと断ぜざるを得ないのであります。 理由の第二として、副議長が去る六月三十日本院における議長不信任決議案審議の際、議員の発言を封じたと指摘しているところでありまするが、当日、議長不信任決議案に対する討論には、各党時間制限の院議が行われ、渡辺議員の発言時間は十分と定められておったのであります。しかるところ、同議員は、時間経過後、副議長より、発言時間が参りましたので発言を簡単にするようにという注意が行われ、私なりにこれを数えてみましたら、実に十回以上に及んでおります。また、副議長が発言禁止を命ずることは、再三再四に及んだのであります。しかし、渡辺議員は依然として発言を続行し、終わる気配がなかったため、議場は次第に騒然となり、議場内からは副議長に対し何らかの措置を望む声や、また場内交渉係から強い措置をとれとの要請が続いている状況にあったのであります。渡辺議員は、定められた時間の十分を何と二十一分という、割り当て時間の二倍を超える発言をして渋々降壇をされたのであります。 このように、副議長からの発言禁止宣告後も依然として発言が続けられたのであります。このため副議長としては降壇を命じ、それも聞かないときは衛視の執行を命ずることもできるわけでありまするが、それをあえてしなかったのは、議員の発言はあとう限り認めようとするきわめて民主的で、かつ言論の自由を尊重する姿勢を示したものであり、また、いたずらに議場の混乱を招くことになりかねないと心配されてのことで、まことにりっぱな配慮であったと思うのであります。(拍手) しかしながら、副議長の発言禁止命令に反する状態に対しましては、何らの措置がとられることなく続くことは、国会法百十六条にももとるものであります。このため、場内の秩序維持のため何らかの措置が必要であったことは申すまでもないところであります。 そのため、やむを得ず、一つの方法として、演壇のマイクロホンスイッチを切る措置が講ぜられたのであります。このときの議場の状況から見て、かつまた議会制民主主義のルールを踏み外したことに対する当然の措置であります。(拍手)しかも、発言を禁止した後の発言は正規の発言ではなく、原則として会議録にも記載されないものであります。そのような発言を正規の発言と同様マイクに乗せて扱うことは不適当であります。このような初歩的なこともわからず不信任案の理由とすることは幼稚であり、こじつけもはなはだしいと言わざるを得ません。(拍手) 以上、理由にもならない理由をもって副議長不信任決議案を提出されるということは、論外もはなはだしいと断ぜざるを得ないでのありまして、ここに強く反対の意を表して反対討論を終わります。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 上林繁次郎君。 〔上林繁次郎君登壇、拍手〕
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表して、ただいま提案になりました副議長前田佳都男君の不信任案に対して、賛成の討論を行うものであります。(拍手) 前田副議長の誕生は、参議院の独自性、自主性を発揮させるという、良識の府としての期待を担ったものでありました。 議長、副議長は、国会及び参議院の権威の象徴であり、国会の権威は国民の主権に由来するものであります。したがって、議長、副議長は、ともに政党の代表ではなく、国民の代表であるとの認識のもとに、議会運営に当たっては不偏不党、厳正公平な立場で臨まなければならないのであります。その意味から、副議長は議長と協力してその重責を全うし、国民の期待を得なければなりません。しかるに、本院で審議されております公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案は、議会制民主主義の根幹にかかわる内容を持った法案であり、十分審議を尽くさなければならない重要な問題であります。そのため、公選法特別委員会小委員会において参議院地方区定数是正問題の協議を積み重ねておりましたが、その協議が続行中であるにもかかわらず、みずから定数是正問題のあっせんと称して、委員会、小委員会の審議と運営に対して不当な介入を行ったのであります。これは、議長を補佐し参議院の公正な運営に責任を負うべき副議長前田君の職務遂行に対する誠実さがいかに欠けていたかということを意味するものであります。 次に、機関紙誌の規制についてであります。機関紙誌の号外等に関しては、最も大きな問題を含んでいるのであります。今回の改正案は、選挙の公正確保の美名のもとに、本来自由であるべき政治活動を党利党略的な意図から規制しようとする以外の何物でもありません。国民に正確な政治の実情を報告し、行おうとする政策を国民に知らせることは、政党の義務であり、その手段となるのが機関紙であり、機関紙号外であります。この政党の重要な政治活動の一つである機関紙の号外を一方的に選挙運動ときめつけ、規制したことは、政治活動の自由を侵し、国民の自由な政治意思形成を妨げようとする暴挙と言わざるを得ないのであります。選挙を明るくするためには、選挙運動の自由化が拡大されなければならないのであります。戸別訪問も一定の基準を定めて自由化し、選挙を対話の場として生き生きとしたものにすべきであります。これこそ、国民的立場から自由な政治的意思の形成を保障するという民主国家としての基本姿勢でなければなりません。 次に政治資金規正法についてであります。政治が金で動かされてはならないという国民の世論にこたえるには、企業からの政治献金を廃止し、個人献金のみとした政治資金規正法の改正こそ、国民の政治不信を回復する根本的な条件であります。今回の改正案では、政治資金が規正されるどころか、ますます奨励されることになり、金権政治、金権選挙に対する歯どめが全くなくなっていると言っても過言ではありません。企業献金は、派閥などの分を含めて最高一億五千万円まで可能となっております。これでは、制限どころか、企業献金を奨励し、企業献金依存の金権的体質を一層強めていくことは明らかであります。このように言論の自由と憲法の精神を否定する公職選挙法の一部を改正する法律案及び企業献金の全廃等を明確にしない政治資金規正法の一部を改正する法律案は、いまだ多くの疑問点が解明されていないのであります。これら多くの疑問点を解明すべく委員会において審議を継続しているさなか、副議長前田君は、議長とともに不当介入したことは、副議長として軽率、無見識のそしりを免れないのであります。しかも、従来河野議長が、党利党略の争いになる公選法改正案に不介入の意思を表明してきたにもかかわらず、態度を急変して介入してきたことは、議長としてはなはだその中立性を侵すものであります。しかも、あっせん案といいながら、わが党に対しては申し合わせというように、その場その場を糊塗するやり方は、二法案が議会制民主主義の根幹であるだけに、今回の行為は、議長の中立公正な運営を期待している国民を全く欺くものであります。このような議長に加担した副議長前田君の行動は断じて許しがたいのであります。 また、国民生活優先の立場から国民が強く成立を望んでいる独占禁止法の改正案は、五党一致の修正で衆議院より送付されたにもかかわらず、議長は、一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議をせざるを得ない、として事実上歯どめをかけているのであります。一方、公選法においては、慎重審議を求める声が強いにもかかわらず、審議の促進を図ったことは全くの矛盾であります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)国民がその成立を望んでいる独禁法に歯どめをかけ、反対論の強い公選法を成立させようとしている姿勢は、全く理解に苦しむのであります。その上、参議院改革が進められてきた今日、国民生活を破綻に追い込む酒、たばこの公共料金値上げ法案が自民党単独で強行採決されたことは、全く国民を欺く暴挙と言わざるを得ません。(拍手) 前田佳都男君は、副議長として当然この暴挙を阻止しなければならない立場であるにもかかわらず、このような道を開いたことは、議長を補佐し、議長とともに議会運営に当たっての不偏不党、厳正公平な立場を逸脱したものであり、断じて許すことはできないのであります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり、拍手)このことは、副議長の権威を失墜せしめ、憲政史上に一大汚点を残したものであり、その責任をとる唯一の道は、潔く参議院副議長を辞任することであります。それがせめてもの国民への償いであろうと判断するのであります。(拍手) 以上の理由をもって、副議長前田佳都男君の不信任決議案に対し賛意を表明して私の討論を終わります。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 沓脱タケ子君。 〔沓脱タケ子君登壇、拍手〕
○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、前田佳都男副議長に対する不信任決議案に対して賛成の討論を行います。(拍手) 前田副議長不信任決議案に賛成する第一の理由は、前田副議長が、河野議長の補佐役、協力者としてその職責をないがしろにしたことは、国会法第二十一条の規定に照らしまして許されないからであります。 御承知のように、去る六月二十八日、公職選挙法特別委員会調査小委員会では、参議院地方区定数是正問題について野党が一致して要求している二十六名増員案と、自民党のいわゆる剱木試案なるものとの論議が進んでいたのであります。しかるに、河野議長は、国会の正規の機関である公職選挙法特別委員会調査小委員会の審議が継続をしているにもかかわらず、この小委員会の審議を無視して、自社両党の党利党略的なあっせん依頼を受けたとして、定数問題の審議に不当に介入してきたのであります。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)しかも、わが党が再三にわたり、議長は院の公正な運営に責任を持っておるのだから、定数問題は小委員会の審議を尊重して小委員会に任せるべきであり、強行の動きが出てきた公職選挙法、政治資金規正法の正常な審議を続けるように努力をするべきであると、条理を尽くして申し入れを行ったにもかかわらず、これを無視して、あっせんと称して小委員会審議に介入したのであります。 河野議長は、今回の公選法改悪につきましては、公選法はもともと各党の党利党略のにおいがするものと言い、だから手をかさない、と述べていたことにも反するものであります。河野議長は、こうして自民、社会両党などとともに、院の民主的改革に逆行する不当きわまる行為をあえて行ったのであります。河野議長のあっせんなるものは、不当かつ有害なものであります。 それは、河野議長あっせん案が、定数是正問題について内容的には何も言わず、ただ、定数是正問題が公選法改悪案を自社民三党で推進していく上での足かせとなっていたので、これをたな上げをし、公選法をごり押しするための局面打開の道具として出されたものであるからであります。議長を正しく補佐しなければならない前田佳都男副議長が、河野議長と同様に、このあっせんなるものとその後の事態に重大な責任を負っていることは言うまでもありません。 前田副議長不信任に賛成の第二の理由は、議長不信任案の審議が行われておりました六月三十日の本会議で、議長を代行し議長席に着いた前田副議長は、事もあろうに、わが党の渡辺議員の賛成討論中にマイクロホンのスイッチを切り発言を妨害するという前代未聞の暴挙を行ったことであります。かかる暴挙は国会法、参議院規則及び先例にも全く見られない行為でありまして、断じて許すことはできないのであります。(拍手) 憲法第四十一条には、「國會は、國権の最高機關であって、國の唯一の立法機關である。」と規定されておるのであります。国会が国権の最高機関にして唯一の立法機関としての機能を果たし、もって国民の負託にこたえるためには、国会における議員の発言が保障されることが何といっても基本であります。そもそも、本会議場になぜマイクロホンを設置しているのでしょうか。マイクロホンは、本会議場における審議を保障する不可欠な装置であります。これを議員の発言中にとめるということは、まさに実力による審議妨害になるのであります。前田副議長が行った暴挙は、議員の発言を妨害することによって副議長みずからが国権の最高機関としての機能を破壊したという点でその責任は重大であります。容認することはできないのであります。しかも、本会議終了後のわが党の議員の抗議に対して、マイクロホンのスイッチを切ったことは、散会後まで全く知らなかったなどと述べておられ、責任を他に転嫁して恥じることがないのであります。副議長がこの暴挙によってみずから院の運営に対する責務を放棄したことは、まことに許しがたいことであります。 私は、議長、副議長という院の運営に責めを負うべき最高責任者が、特定政党にくみして議会制民主主義を破壊することは、断じて黙視するわけにはいかないのであります。 私は、賢明なる同僚議員の皆さん方が、前田副議長不信任に賛成されることを期待いたしまして賛成討論を終わりたいと思います。(拍手)
○議長(河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。 これより副議長不信任決議案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 少数と認めます。よって副議長不信任決議案は否決されました。(拍手) —————・—————
○議長(河野謙三君) 日程第一 学校教育法の一部を改正する法律案 日程第二 私立学校法等の一部を改正する法律案 日程第三 私立学校振興助成法案 日程第四 義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律案 (いずれも衆議院提出) 以上四案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長内藤誉三郎君。 ————————————— 〔内藤誉三郎君登壇、拍手〕
○内藤誉三郎君 ただいま議題となりました四法律案について、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず第一に、学校教育法の一部を改正する法律案は、現行の各種学校のうち、職業、実際生活に必要な能力や教養の育成向上を図る目的で所定の組織的な教育を行う施設について、新たに専修学校とする制度を設けようとするものであります。 第二に、私立学校法等の一部を改正する法律案は、学校法人立以外の私立幼稚園等に助成措置を講ずることができることとし、あわせてそれらの学校法人化を促進しようとするものであります。 委員会におきましては、既設の私立幼稚園の学校法人化の進め方について質疑が行われました。 以上両案については、討論もなく、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 ————————————— 第三に、私立学校振興助成法案は、大学等の経常費について国はその二分の一以内を補助できることとするとともに、高校以下の学校の経常費についても、都道府県が補助する場合、国は政令の定めるところにより、その一部を補助できることとする等、私学に対する国の助成措置を法的に明確化することにより、私学の健全な発達を図ろうとするものであります。 委員会におきましては、所轄庁の権限や補助金の減額等の規定は私学の自主性を損なう危険性がないか、大学等の新設及び学生定員増の抑制措置は国民の教育に対する機会均等を制約するものではないか、また、これらの抑制に当たっては一律に規制することなく、地域の実情等を十分考慮して行うべきではないかなどの質疑が行われましたが、これらの詳細は会議録によって御承知願いたいと思います。 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次いで、中沢委員より、私立大学に対する国の補助をできるだけ速やかに二分の一とするよう努めること、働きながら学ぶ者のための私学への補助を強化すること、大学等の新設及び学生の定員増加の抑制に当たっては、一律規制にならないよう実情に即して対処すること、補助金の減額等については私学の自主性を極力尊重すること等、六項目にわたる自由民主党、日本社会党、民社党の三党共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを委員会の決議とすることに決定いたしました。 ————————————— 第四に、義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律案は、女子教育職員、看護婦、保母等について育児休業に関する制度を設け、これらの者の継続的勤務を促進し、もって教育及び医療、社会福祉に関する業務の円滑な実施を確保しようとするものであります。 なお、女子教育職員の育児休暇制度の実現については、第五十五国会以来、参議院文教委員会がきわめて熱心に取り組んできた経緯もあって今回の提案になったものであることを申し添えたいと存じます。 〔議長退席、副議長着席〕 本法律案については、別に質疑、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、久保委員より、育児休業の許可を受けた者に対する十分な給付内容の確保、各職種の特殊性の配慮、保健婦等の適用対象の拡大、民間における制度の促進、地方財政に対する配慮等について政府及び人事院は留意すべき旨の自由民主党、日本社会党、民社党三党共同の附帯決議案が提出され、これまた全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) これより採決をいたします。 まず、学校教育法の一部を改正する法律案、私立学校法等の一部を改正する法律案並びに義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律案を一括して採決いたします。三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(前田佳都男君) 総員起立と認めます。よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ─────・─────○副議長(前田佳都男君) 次に、私立学校振興助成法案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。(拍手) ─────・─────○副議長(前田佳都男君) 日程第五 都市再開発法の一部を改正する法律案 日程第六 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案 (いずれも第七十二回国会内閣提出、第七十 五回国会衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長中村波男君。 ————————————— 〔中村波男君登壇、拍手〕
○中村波男君 ただいま議題となりました両案について御報告申し上げます。 まず、一都市再開発法の一部を改正する法律案は、都市における環境の悪化、災害危険の増大、住宅不足等の事態に対処して、市街地の再開発の一層の推進を図ろうとするものであります。 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案は、大都市地域における深刻な住宅問題を解決するため、大量な住宅地の供給と住宅建設の促進を図ろうとするものであります。 委員会におきましては、両案を一括議題として、人口分散施策との関係、再開発と住民意思、零細権利者の保護、再開発と住宅建設、宅地供給の見通し、宅地開発協議会の性格、都市農業との調整等について熱心な質疑が行われ、また、市街地再開発事業の現地調査を行いましたが、詳細は会議録に譲ることといたします。 両案の質疑を終局し、まず、都市再開発法の一部を改正する法律案について討論に入りましたところ、日本社会党を代表して沢田政治委員より反対、自由民主党を代表して中村禎二委員より賛成、民社党を代表して三治重信委員より賛成の旨の発言がありました。 討論を終わり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対し、遠藤要委員より、自由民主党、日本社会党、民社党の共同提案による五項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案について討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対し古賀雷四郎委員より自由民主党、日本社会党、民社党の共同提案による五項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) これより採決をいたします。 まず、都市再開発法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。 —————・—————
○副議長(前田佳都男君) 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。 —————・—————
○副議長(前田佳都男君) 日程第七 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長村田秀三君。 ————————————— 〔村田秀三君登壇、拍手〕
○村田秀三君 ただいま議題となりました法律案は、 第一に、爆心地から二キロメートルの区域内で被爆した者であって、特別手当または健康管理手当の支給を受けていない者に新たに月額六千円の保健手当を支給すること。 第二に、原爆症で厚生大臣の認定を受けている者に支給する特別手当を月額二万四千円に、治癒した者に支給する特別手当を一万二千円にそれぞれ引き上げること。 第三に、健康管理手当を月額一万二千円に引き上げるとともに、その年齢制限を撤廃し、新たに重度の障害者について家族介護手当を支給すること等を内容とするものであります。 委員会におきましては、広島市、長崎市にそれぞれ委員を派遣して実情調査を行い、また関係団体の代表及び学識者の参考人から意見を聴取して慎重な審議を続けました。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表し浜本委員、民社党を代表し柄谷委員よりそれぞれ反対の意見が表明されました。採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対しては、被爆者の療養と生活の保障を一層充実するための援護体制の検討、原爆病院に対する助成の強化、放射能の影響に関する調査研究体制の充実等を内容とする附帯決議を全会一致をもって付することに決しました。 以上報告を終わります。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。 —————・—————
○副議長(前田佳都男君) 日程第八 緊急質問の件 神沢浄君、原田立君、小笠原貞子君、中沢伊登子君から、それぞれ本年度の米麦価格に関する緊急質問が提出されております。 これらの緊急質問を行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。順次発言を許します。神沢浄君。 〔神沢浄君登壇、拍手〕
○神沢浄君 いま院外におきましては、本年度生産者米価決定を前にいたしまして、中央、地方を問わず、全国各地域で数多くの農民、農業団体の要求運動が激しく展開をされてまいっております。 この際、私は、日本社会党を代表して、昭和五十年産米及び麦の政府買い入れ価格の問題に関して、総理及び農林、大蔵両大臣に対し質問をいたします。 まず第一に、麦の価格について何ゆえに政府は、昨年の米審においての、麦類の算定方式は見直すべきであるという建議をあえて無視してまで本年もパリティ方式による算定に固執したかという点であります。パリティによる麦価が今日までわが国の麦類の生産を大きく後退をさしてしまったことは余りにも明らかであります。いかに農民が土を愛し勤労をとうとぶといいましても、生活の成り立たないことを続けるわけにはまいりません。数字が如実に証明しておりますように、昭和三十五年百四十四万ヘクタールあった作付は、四十八年にはわずかに十五万ヘクタール、すなわち十分の一に激減をしているのであります。したがって、自給率も急テンポで落ちたのであります。三十五年に六三%あったものが、四十八年には小麦が何と四%、大麦、裸麦で一〇%と、まさにいまや壊滅寸前の状態と化してしまっておるわけであります。(「そのとおりだ」と呼ぶ者あり)なるほど食糧管理法には、「麦の買い入れ価格は、基準年度の平均価格に農業のパリティ指数を乗じて得たる額を下らざるものとし」と、こうなっております。したがって、政府は、あるいはパリティ方式を採用していることは法律どおりに行っているのだと強弁をしたいのかもしれません。しかし、どう読んでみても、法律にはパリティでやれとは書いてないのであります。それを下回ってはいけないとあるだけであります。いや、むしろもっと重要のことが後に続けて書かれてあります。すなわち、「其ノ額ヲ基準トシテ麦ノ生産事情其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ麦ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」と、こうあるのであります。大切のところですから繰り返しますが、「麦ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」と、こうあるわけであります。したがって、事はきわめて明瞭であります。今日まで政府みずからが、法律どおりどころか、法律を犯し続けてきて、農民に対して、再生産の確保できない価格を押しつけてきたからこそ、わが国の麦作は今日のように壊滅寸前に追い込まれてきたわけであります。その方式を、米審の建議にも耳をふさいで、今回もまた頑強に踏襲した政府の態度が、何としても納得できないところであります。農林大臣に明確な解明を求めます。 三木総理はその施政方針演説において、また、安倍農林大臣はその所信表明において、それぞれ食糧の自給力の高揚を、また、農業再建を高々とうたわれております。農民の期待もそこにかかっているわけであります。それだけに、施政方針や所信表明が、単なるお得意の山吹流リップサービスだけであっては困るのであります。それでは今回の麦価の決定方針は、言うところの自給力の向上、農業再建とどう結びつくのでありましょう。この際、総理からは改めて日本農業再建の基本構想を、農林大臣からは自給度向上と今回の麦価との関係を詳しくお聞かせをいただきたいと存じます。 ところで、あるいは政府は生産の振興奨励についての施策は別に講じてあると、こう言われるのかもしれません。しかし、農民にとってはそこが一番問題のところであります。補助金、奨励金は価格ではありません。いつでも打ち切られればそれまでであります。いまは外麦が高いが、いつか値段が下がればいつでも打ち切れるようにしておくのではないかという農民の不信を解くことにはならないのであります。しかも、外麦価格の高騰は、いまや食管会計の新たな重荷となってまいっております。自給度向上を目指す以上、同じ金をかけるなら国内にかけるべきだと私は確信をいたします。そのためには、農民が安心して麦作に投資できるよう生産費と所得が補償される価格そのものが制度として確立される以外にはないと私は確信をいたします。農林大臣の御所見を伺いたいと存じます。 さて、次にお尋ねするのは米価の問題についてであります。伝えられるところによりますと、政府は七月十日前後に米審に対して五十年産米の生産者価格の諮問を行う予定とのことでありますが、わが党はすでにしばしば政府に対して、バルクライン八〇%による生産費及び所得補償方式によって算定すべきであることを主張をしてまいっておるところでありますが、この際、農林大臣よりその点についてのお考えと、政府の試算方針につきましての基本的見解をお伺いをしておきたいと思います。 あわせて、消費者米価についての諮問の時期についてもお尋ねをしておきたいと存じます。 一時伝えられました同時諮問は、一応断念をしたように言われているのでありますが、しかし、実際にはいささかの変わりもないわずかの時間差だけをつけて、連続諮問が依然予定されているとのことでありますが、その予定に相違がないかどうか、まずお聞かせをいただきたいと存じます。もしそうであるとするならば、ことさらに従来の慣行を破る政府の意図するものは何であるかを私はお尋ねをいたしたいのであります。 仮に、巷間言われておりますように、政府のねらいとするものが、生産者と消費者の間の利害の相違に乗じ、逆ざや解消のための相互の牽制であるとでもいたしますならば、これは明らかに生産者米価と消費者米価は基本的に異なることを定めました食管法の精神に違背をすることになるわけでありますから、いずれにせよ、このような疑いのあることはやめるべきだと思いますが、政府の考えをお聞きをいたしたいと存じます。 さらに、伝えられるところによりますと、今回の生産者米価決定に当たっては、政府は一五%ガイドライン内での一発回答方式だ、こう言われておるのであります。もし、それが真相であるとすれば、このくらい農民無視の態度はないと思います。あるいは労働組合などの場合においては、賃上げ交渉などでそのような方式があるのかもしれません。しかし、農民には直接交渉の場は与えられていないのであります。農民にとっては死活に値するような重大な米の価格の決定に関しても、農民の主張が直接反映できるような方途が現行制度のどこに開かれておりますか。一発回答と言っても、それは交渉の場においてのものではなくて、政府が一方的に決めて押しつけるというにすぎないではありませんか。政府が一発回答を言う以上、私はこの際、生産者との団体交渉の制度化を提案をいたしたいと存じます。政府の見解をお伺いをします。 なお、この際、農民団体の要求米価は、これは当然尊重されるべきだと思いますが、その点につきましても御見解をあわせて伺っておきたいと思います。 さて、予想される生産者米価の政府試算において農民が特に大きな不満を表明をいたしておる問題は、自家労働費の算定についてであります。政府は、みずからの職員である公務員給与の算定に当たっては、民間の企業規模百人以上で、上限を定めない範囲での企業賃金を基準としているのであります。しかるに、生産者米価の算定については、何と五人以上、千人未満の事業所の平均賃金を基準としております。何ゆえこのような差別を押しつけるのでしょうか。私は、政府はこの際、農業労働の質の評価を正しく行うべきであると考えます。農作業の一時間は、役所で机に向かう人の労働の三倍も五倍ものエネルギーの消耗があるということを十分に認識すべきではないでしょうか。しかも、農民には手当も賞与もないのであります。それが逆に労働の評価において格差をつけている政府の考え方には、大きな誤りのあるものと私は確信をいたします。したがって、自家労働費の算定について、少なくとも当然公務員と同様基準にくらいはすべきであると考えますが、政府の見解をお伺いをいたしたいと存じます。 さて、次に私は総理並びに大蔵大臣にお尋ねをいたしたいのであります。それぞれの御見解をいただきたいと存じます。 大蔵省の「生産者米価及び消費者米価について」というPR文書がございますが、これによりますと、五十年度の食糧管理費は九千八十六億円に上り、農林関係予算の四二%を占めている。国際的な食糧危機の中で、食糧自給度向上の要請が高まっているとき、米麦の逆ざや関係のため多額の財政負担を行って、そのために前向きの生産対策、構造政策などの必要の経費を圧迫していることは問題ですと、こう述べておるわけであります。大体政府は、食管制度というものをどのように理解をしているのでしょうか。この際私は、総理を初め、特に大蔵大臣には食糧管理法をしっかりともう一度読み直していただきたいと存じます。食糧管理法は、その第一条の目的において「本法ハ国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並二配給ノ統制ヲ行フコトヲ目的トス」と、こう規定をしております。それを受けて、第三条及び第四条において、生産者価格は「再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」定め、消費者価格は「家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ」定めると、こうされているのであります。 そこで、まず私がお尋ねしたいのは、食管制度はわが国の社会経済政策の基盤をなすものであり、農業政策とは全く次元を異にするものであって、したがって、その会計が農林予算と同一の枠組みの中に置かれておるということ自体に根本的の誤りがあると考えますけれども、どうでしょうか。したがって、食管会計の増幅が農業政策を圧迫するなどという考え方は、国の行財政運用の上で大きな筋違いだと考えますが、いかがでしょうか。 また、食管赤字とか逆ざやとか言われるが、二重米価は食管制度の本来のあり方であります。このような国民に誤解をさせるような言い方を政府自体がすることは大きな間違いであって、直ちにやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 さらに、一口に食管赤字九千八十六億円と言われますが、このうちいわゆる米価の売買逆ざや分は半分以下の四千百八十億円であります。そのほかは政府が当然負担すべき役人の人件費、保管料、運賃などを初め、米の生産調整費から、いまや外麦の高騰によって一千四百億円にも及ぶような輸入食糧勘定までも含まれているのであります。この実態をことさら覆って米価勘定のみに関心を集中させようとする財政当局の意図は那辺にあるのか、お尋ねをしておきたいのであります。 しかも、予算の中で食管会計だけが特に増大をしておるわけではありません。国の予算に占める割合は、本年の四・三%に対して昨年が五・二、一昨年が五・三、それ以前もおおむね類似をしているのであります。要するに、金額の伸びは、インフレによって、一般予算も食管費も同様に大きくなっているにすぎないと思うのであります。それを特に食管費について誇大宣伝する政府の態度は、生産者の立場を無視してまでも無理やりに上げ幅を一五%ガイドライン内に押さえ込もうとする意図以外の何ものでもないと考えざるを得ないのでありまして、私はこの際、政府はあくまでもガイドラインにこだわるのかどうか、もしそうであるならば、消費者米価の場合も同様であるかどうか、これらの点をお伺いをするとともに、政府の猛反省を強く求めてやまないところであります。これは農林大臣からお答えをいただきたいと存じます。 さて、最後に、私は特に三木総理にお尋ねをいたしたいのであります。それは日本の米というものに対しての総理の御認識について伺いたいのであります。 長い歴史の中で日本の国家、民族を育て上げてきたもの、それが日本の米であると私は確信をいたしております。日本の決して豊かでない食糧資源の中で一〇〇%の自給が可能なのは米のみであります。世界の食糧危機が展望されるという情勢の中で、食糧の自給がわが国の喫緊の政治課題になってきた今日、米の生産調整が行われているなどということは、どこかが狂っているからではないでしょうか。いまや高い外麦を買い入れて輸入食糧の赤字を増大をさせ、アメリカやカナダのために日本が輸出補助をしていると同様な姿はおかしいとはお思いになりませんか。時代がどのように変わっても、米は日本農業の中心であると私は確信をいたします。それを忘れたところに今日の日本の食糧また農業の危機があるのだと私は考えます。国民にもっと米をつくってもらい、もっと米を食べてもらわなければ日本の食糧の安定は成り立たないのではないでしょうか。いまほど日本の政治として米への見直しが必要に迫られているときはないと私は確信をいたしますが、総理の御所見を伺いまして私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 神沢議員の御質問にお答えをいたします。 日本農業の再建のどういう基本構想を持っているのかということが最初の御質問でございましたが、世界の食糧事情は中長期的に見れば必ずしも楽観はできない情勢にあり、農業政策、食糧政策の重要性については改めて認識を求められておるのが今日の状態でございます。わが国農業も高度経済成長によって大きな影響を受けたことは事実でございますが、今後の農政の推進に当たっては、将来にわたる国民食糧の安定的供給を図るために、国内生産体制を整備してわが国農業の自給力を高めることが基本だと思います。そのために、公共事業がほとんど横ばいの中に、土地基盤整備に関する予算が増額になったことは御承知のとおりでございます。先般閣議で決定した農産物の需給の長期見通し、あるいはまた国民食糧会議の検討結果も踏まえて、土地や水資源を確保し、その有効的な利用、あるいは中核的な農業の担い手の育成等、総合的に農業政策を進めてまいる所存でございます。 また次に神沢議員は、食管制度というものが、やはりこれが農業政策のための必要な経費を圧迫しておるという主張は筋違いであるというようなお話でございます。しかし、現在両米価の間には大幅な逆ざや関係にあることは事実であり、そのために財政を圧迫、財政の負担というものが巨額に上っておることは御案内のとおりでございます。生産対策、構造改善対策など前向きの農政を推進するために、また食糧管理制度の健全な運営を回復して財政の弾力性を確保するためには、今後逆ざやの解消を図っていくことが基本的に必要であると考えます。そうでなければ、このことが財政的な圧迫要因になることはこれは事実でございます。 次に、その米についての私の認識について御質問がございましたが、日本の米は長い歴史の中で日本の民族を育て、日本の経済を発展させるこれは基礎を築いてまいったと思うわけでございます。米はカロリーが高く、生産的にも国土に適して、価格的にも安い食物として日本の主食となってきて、その重要性というものはこれはわれわれとして忘れることはできないことでございます。食管制度は、生産者保護、米の自給率の確保、消費者保護などの役割りを果たしてまいりましたが、巨額の赤字を出している現状から見て、やはりこの点については改めて考えてみる必要があると考えております。 お答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) お答えをいたします。 まず麦につきましてでございますが、昭和五十年の産麦の政府買い入れ価格につきましては、米価審議会の答申を尊重いたしましてパリティ方式で決定したわけでございますが、わが国の麦作の振興を図っていくためには、基本的には経営規模の拡大あるいは米麦一貫生産体系の確立等の生産対策、さらに構造政策等を講じて生産条件の整備を図ることが重要であると考えておりまして、このような方向に沿って今後十分検討してまいりたいと思っておるわけでございます。 毎年三割近く減産を続けておりました麦の生産も、昨年度から生産奨励金制度を設けることによりまして一応減産の傾向がとまり、五十年度は多少増産に転じておるわけでございます。私たちは、昭和六十年目標、麦の増産二倍以上を目標にいたしておりますが、これは実現できると、これらの政策をあわせて推進すれば実現できると考えております。 また、麦類の価格算定方式につきましては、以上述べましたような麦対策全般の検討の中におきまして今後検討してまいる考えでございます。 第二に、米の政府買い入れ価格につきましてでございますが、七月九日から開催する米価審議会に諮問をして、これは速やかに決定したいと考えております。生産者米価は、生産費、物価等諸般の事情を総合的に考慮して決定することとしておりますが、具体的な方針は現在のところまだ決めておりません。いずれにいたしましても、お話がございましたように、バルクライン方式による生産費をとることにつきましては、やはり現在のような需給事情のもとでは適当ではないと考えておるわけでございます。 なお、いわゆる一発方式ということにつきましては、現在各方面ともいろいろと相談をいたしておるわけであります。また、生産者側の御意見につきましては、米価審議会の場を通じまして十分お聞きしたいと思っております。 なお、生産者団体の要求米価につきましては、私としては、その内容について現在とやかく申し上げることは差し控えたいと思います。また、公務員給与の改定と生産者米価算定の際の家族労働者の評価は、その考え方はやはり異にいたしておりますので、両者を対比して考えることは適当ではないと思うわけであります。 第三に、米の政府売り渡し価格についてでございますが、これは七月の下旬に米価審議会を開いて諮問し、七月じゅうに決定をしたいという考えでございます。米の政府売り渡し価格につきましては、両米価の逆ざやがもたらすいろいろな問題、物価への影響等を総合的に考慮して決定することといたしておるわけでありますが、具体的な方針はまだ決めてない段階でございます。 最後に、両米価の関連についてでございますが、食糧管理制度を適正に運営をしていくためには、やはり基本的には両米価とも相互に関連をしてこれを決めるということが必要ではないかと私は考えておるわけでございます。現在、しかし、本年度の具体的な取り扱いにつきましては、関係者、関係各方面の意見も十分聞きました結果、同時諮問は行わないことにしたことは御存じのとおりでございます。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
○国務大臣(大平正芳君) 食糧管理に要する経費九千八十六億円についてのお話でございました。この点につきましては、御指摘のとおり、食糧管理特別会計の食糧三勘定の損失に加えまして、過剰米の損失補てん、稲作転換対策費等を加えますと、御指摘のとおり九千八十六億円になりますので、特に作為した数字ではございませんで、事実を事実として申し上げたにすぎないわけでございますことを御了承いただきたいと思います。 で、食糧管理に要する膨大な予算でございますが、これは農林予算と別個に観念すべきじゃないかという御意見でございます。一つの御意見と思いますけれども、食糧管理制度はわが国の農業政策の大きな柱の一つでございますので、私どもといたしましてはこれを別個に観念すべき性質のものとは考えていないわけでございます。 食管の赤字でございますとかあるいは逆ざやというような点につきましては、これは存在自体が本来不自然でございまするし、米の流通を阻害する要因にもなっておりますので、物価政策、農業政策等との整合性を十分勘案しながら、できるだけこの解消に努力してまいるというのが財政当局の考え方でございます。(拍手) —————————————
○副議長(前田佳都男君) 原田立君。 〔原田立君登壇、拍手〕
○原田立君 私は、公明党を代表して、昭和五十年産の米麦価の問題について、総理並びに関係各大臣に質問を行います。 政府は、不況下での春闘の賃上げ妥結額が平均一五%以内と低く抑えられたことに加えて、食管会計の赤字を理由に生産者米価の値上げを抑制し、その一方では消費者米価の大幅な引き上げを図ろうとしております。もしもこの方針どおりであるとするならば、米が日本農業の基幹作目であり、国民の主食であることからも、今後の農業経営と物価高、不況に悩む生産者と消費者の生活に与える影響はきわめて甚大であります。 また、長期的視点に立つならば、食糧の需給事情逼迫化は必至であることから、緊急課題である食糧自給率高度化のための整備にも重大な影響を与えると言わねばなりません。したがって、近く予定されているこの重要な米麦の価格決定に関連して、以下具体的な質問をいたします。 まず第一に、政府はあくまでも食管法を堅持すべきであるという立場から、同時諮問、同時決定についてお伺いしたい。 聞くところによれば、本年度の生産者米価の決定に当たり、政府は同時に消費者米価についても大幅値上げする旨を米価審議会に諮問し、値上げを決定したいとか、生産者米価を七月中旬ごろに決定し、消費者米価の値上げについてはその直後の七月下旬ごろに決定したいという、いわゆる連続諮問の意向のようであります。もしこれが事実であるとすれば、これは二重価格制を規定した食管法の本旨を無視するものであり、生産者と消費者の分断を図り、その対立を利用して生産者価格を不当に抑制する一方、消費者価格の大幅な値上げをもくろむものにほかなりません。昭和三十二年以来、十八年間実施することを控えてきたこのような同時諮問、同時決定の方針は、食管法を守る立場からも、政府は即刻撤回すべきであると考えますが、これについて、総理大臣、農林大臣の答弁を求めます。 第二に、生産者米価の決定についてであります。 政府の重化学工業優先の高度経済成長政策によって日本の農業、農村は荒廃の一途をたどり、農業者は塗炭の苦しみにあえいでいます。ことに近年のインフレ、不況の中における農業者の経営と生活の破壊には、目に余るものが見られます。昭和四十八年度における農業所得の平均は、製造業者の賃金の平均に比べ、七割に満たない六九・八%にしかすぎません。しかも、このような苦しい農家の現状は、大規模な専業農家にこそ多く見られるのであります。 日本の長い苦難の歴史の中で、国民の食糧確保のために営々と努力を重ねてきた農業者に対して、今後ともさらに大きな犠牲を強要するつもりなのか。もしそうでないとするならば、政府は、依然として日本農業の基幹である米の生産者価格の決定に当たっては、食管法で規定されているように、近年の物価、賃金の上昇を考慮し、農家の所得と米の再生産の確保が十分保障され、農家及び生産者団体が納得できる価格でもって決定すべきであると考えるが、どうでしょうか。 また、これに関連する問題で一つ確認しておきたい点があります。それは鳥取県の農協連が起こした昭和四十三年産米暫定加算取消請求訴訟に対し、被告である国は、高等裁判所に提出した答弁書の中で、「昭和四十三年産米の政府買い入れ価格の算定が、家族労働費についての都市均衡労賃による評価替え等正当な補償の基準を超えて行われた」と明言しております。すなわち、国は米価決定に当たって、家族労働の賃金水準は、安い農村の日雇い賃金で評価するのが「正常な補償の基準」であり、都市の勤労者と同一水準の賃金で決定することは「正当な補償の基準を超えている」と断じておるのか。やきつける真夏の太陽のもとで全身に汗して必死に働く稲作の労働と都市の勤労者の労働の価値に、何でこのような賃金の差別をしなければならないのか、農林大臣の明確な答弁を求めるとともに、ここ数年、政府はいろいろな口実を設けて生産者米価の算定方式を変え、価格を不当に低下させてきておりますが、この際、生産農家の立場に立って、根本的に改める考えはないか、お伺いいたします。 なお、米の買い入れ制限の制度は撤廃し、余った米については、備蓄や海外援助の一環として飢餓国へ輸出する方向で対処すべきであると考えますが、これについてもあわせて農林大臣の所信をお伺いしたい。 第三に、米麦の消費者価格の値上げについてであります。 米麦が国民の主食であり、諸物価騰勢の中で他の価格へ波及する影響も大きいことを考えるならば、政府は、米麦の消費者価格の値上げが、不況下で窮迫する消費者の生活をさらに圧迫することを十分考慮し、値上げ措置は思いとどまるべきだと考えますが、どうか。 また、この際、消費者米価に対する物統令の適用についても復活させるべきではないか。総理並びに経企庁長官の御所見をお伺いしたいのであります。 第四に、米価審議会の民主化並びに一発回答方式についてであります。 現在の米価審議会のあり方について、国民の中には、いまのようなやり方では米審不要論と批判されているように、国民は強い不信を抱いています。政府はこの際、米価審議会についてもその民主化を図り、生産者及び消費者代表の委員を増員するなど、その構成に検討を加えるとともに、生産者価格については生産者代表の委員、消費者価格については常に消費者代表委員の意見を十分尊重して検討すべきであると考えます。また本年は、去る三月末の畜産物価格決定でも見られたように、米麦の生産者価格についても、政府は米価審議会への諮問価格をそのまま最終的な決定価格とするいわゆる一発回答方式を意図しているやに聞きますが、同審議会へ諮問する以前から、あらかじめこのような方針を決定するということは、同審議会の存在を全く無視するものであり、納得できません。したがって政府は、米審から提出された答申を尊重するとともに、生産者や消費者の声も十分考慮して最終的な価格を決定すべきだと考えるものでありますが、これについて農林大臣の見解を求めます。 第五には、いわゆる食管赤字についてであります。 政府は財政危機を理由に、ことさら食管赤字を強調しておりますが、売買差損による赤字部分については、農家の農業所得補償による再生産確保と国民生活の基礎をなす食料費及び物価安定のためには本来不可欠なものと考えねばなりません。したがって政府は、食管赤字縮小のためには、政府買い上げ米にかかわる金利の軽減のための国庫余裕金の活用枠の拡大、管理事務費の節減、輸送業者の独占体制の改革等に対して積極的な努力を払うべきであります。また、財政運用の基本的な問題としては、数千億円に上ると言われる大企業のための租税特別措置の撤廃や、インフレ利得課税の強化延長、並びに大企業の土地資産所有に対する再評価益課税措置を実施し、食管の逆ざや解消に努力するなど、高度成長のための制度運用を国民生活優先に改めるべきであると考えますが、どうか。農林、大蔵両大臣の御見解をお聞かせ願いたい。 最後に、農業再建と食糧の自給率向上のための整備強化についてであります。ここ二、三年、にわかに緊迫化した世界的な食糧事情が本年に入りやや緩和しつつあります。しかし、長期的観点からすれば、なお世界的な食糧事情は決して予断を許しません。したがって政府は、こうした一時的な需給事情の緩和を理由に、食糧自給率高度化への対策を弱めたり、安易な農産物の輸入枠拡大や開発輸入等を図ることをやめ、農業は民族生存のための基幹産業であるとの積極的な位置づけのもと、米以外の主要農産物についても価格保障制度をさらに拡充するなど、農業再建、食糧自給率向上のため、総合的かつ抜本的な施策の展開と農業者の地位向上を図るべきであると考えますが、これに対する決意並びに今後の具体策について、総理並びに農林大臣の所信を承り、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 原田議員の御質問にお答えをいたします。 二重価格制を規定した食管法堅持の立場から同時諮問、同時決定を行うべきでないという考えであるかどうかということでございますが、食管制度の適正な運用を期するためには、基本的には両米価を相互に関連さして考えるべきことは当然であると思いますが、今年の取り扱いについては同時諮問は行わないことにいたしました。 次に、米麦等の生産者価格に対する基本的な考え方の御質問ございましたが、生産者麦価については去る六月二十五日に米価審議会に諮問して答申をいただき、従来どおりパリティ方式によって決定をいたしました。生産者米価については生産費、物価等の動向、全体としての農業食糧政策のあり方等、諸般の事情を総合的に考慮して決定したいと考えております。 次に、消費者米麦価の値上げを行うべきでないというお考えでございましたが、原田議員も御承知のように、現在、米麦ともに政府の買い上げ価格と政府の売り渡し価格の間には大幅な逆ざやがあり、そのために財政負担も巨額に上っているわけであります。したがって、基本的には、食糧管理の健全な運営と財政の弾力性を回復するためには、今後逆ざやの解消を図っていくことが必要であると考えております。 一方、政府は物価の安定を最重要課題の一つと考えておりますので、政府の売り渡し価格の取り扱いについては、以上のような諸事情を勘案して、十分に検討してまいりたいと考えております。 麦の政府売り渡し価格については、国際価格がかなり下がっており、今後の動向を見守る必要がありますので、六月の米価審議会にはとりあえず諮問を見送ったところでございます。 また、将来の食糧の輸入は規制すべきではないかというお話でございました。われわれも、これは世界的に見て、食糧事情というものはなかなか厳しいものが予想されるわけであります。したがって、一億を超える国民の食生活を安定させるためには、長期的な視点に立って国内生産体制を整備してわが国の自給力を高めなければならぬことは原田議員の御指摘のとおりでございます。しかし、わが国の国土、資源の制約等から輸入に依存せざるを得ない農作物については輸入の安定を図る必要がありまして、食糧のすべてを自給するということは不可能であります。たとえば飼料作物などに対しては、これはやはり相当輸入を必要とするわけであります。 開発輸入については、それぞれの地域の実情、要望に応じて対処してまいりたいと考えております。 さらに、原田議員が日本の農業の再建をどう図っていくかという御質問でございましたが、やはり食糧問題というものは、今後ますます重要性を帯びてくると思っております。したがって、わが国の農政を推進するためには、国民の食糧の安定的供給を図るために、国内生産体制を整備してわが国の自給力を高めなければならぬことは、これは基本になることでございます。土地、水資源の確保と有効利用、また将来の中核的農業の担い手の確保、育成等、農業政策を今後総合的に推進をしてまいって、農業の振興を図りたいという所存でございます。(拍手) 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) お答えをいたします。 第一に、米の政府買い入れ価格につきましては、生産費、物価等諸般の事情を総合的に考慮して決定することといたしておりますが、具体的な方針はまだ決めておりません。 第二に、両米価の関連につきましては、先ほど総理からも御答弁がありましたが、食糧管理制度の適正な運営を期するためには、基本的には両米価を相互に関連をさせて考える必要があると考えておりますが、本年の具体的な取り扱いについては、関係方面の御意見等も十分参酌した上、同時諮問は行わないことにしたことは御承知のとおりであります。 第三に、米の買い入れ制限についてでございますが、基本的には存続する必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても、五十一年度以降の稲作転換対策の進め方等現在検討いたしておりまして、これとの関連におきまして、なお十分考えてみたいと思います。 第四に、生産者麦価につきましては、米価審議会の答申を尊重して、パリティ方式で決定したわけでありますが、なお麦の価格算定方式につきましては、算定方式を改めるかどうかという問題につきましてはいろいろとむつかしい問題もあるわけでございますが、今後これは慎重に検討してまいりたいと考えております。 第五に、いわゆる暫定加算取り消し訴訟におきまして、昭和四十三年産米価が正当な補償の基準を超えていると主張している趣旨は、都市均衡労賃によるところの評価がえ等により決定された米価が、憲法第二十九条第三項の「私有財産は、正當な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」という規定に照らして、法律的意味での正当な補償を超えたものになっているということを主張しておるわけであります。 第六に、米価審議会の運営につきましては、生産者並びに消費者の方々の御意見も十分これに反映をされておるものと考えておるわけであります。また、米価の決定の仕方といたしまして、米価審議会の答申を得た後、大幅な政治加算を避けるといういわゆる一発方式につきましては、これをとるべきだという意見も強いわけでございますが、現在各方面と相談をしておるところでございます。いずれにいたしましても、米価審議会の答申を待って適正な米価を決定することとしたいと思います。 なお、物統令を復活すべきだという御意見もございましたが、今日の米の需給及び流通の実態から見て、米を画一的な価格で統制をするということは適当でないと考えておりまして、物統令を適用する考え方はないわけでございます。現在持っておりません。 第七番目に、米の輸送体制の改善につきましては、需給計画、倉庫事情等を勘案の上、効率的な運送、輸送を行って、経費が最も低廉となるように努めておるところでございます。 最後に、農産物の自給の問題でございますが、われわれとしては、農産物の自給力の向上及びその安定供給の確保につきましては、やはり穀物などの国際需給の短期的な変動にとらわれることなく、長期的な立場に立って国内生産体制を整備し、わが国の自給力を高めていくことが当然であると思いますが、国土、資源の制約等から輸入に依存せざるを得ない農産物については、その輸入の安定化に努力をしてまいりたいと思います。 また、発展途上国における農林業の開発につきましては、総合的な支援体制を強化していきたいと考えておりますが、開発輸入につきましては、それぞれの地域の実情と要望に応じて対処していくべきであると思うわけであります。(拍手) 〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) 消費者米麦価につきましては、諸物価問題重大の折から据え置きとすべきと考えるがいかん、こういう御質問でございますが、お話しのように現下最大の政治問題は物価でございます。そういう際でありますので、これはできることならば米麦価、これを据え置きとしたい、そう考えるのでございますが、ただ米麦価を決める場合におきましては、物価問題の角度だけを考えるわけにはいかないのであります。国家財政のことも考えなければならぬ。また食管制度、これを円滑に運営するということも考えなければならぬ。そういうような物価問題以外の問題と総合的にあわせ考えまして結論を得たい、かように考えております。麦の売り渡し価格につきましては、御趣旨のように当面これを据え置く、かように考えております。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
○国務大臣(大平正芳君) 食管会計の赤字補てん策についてのお尋ねでございました。御指摘の人件費、金利、運賃、保管料等につきましては、節減、合理化に努めるべきでありまして、御指摘のとおり努力したいと思います。 それから国庫余裕金の活用でございますが、これは国庫の状況を見まして、極力配慮してまいりたいと考えます。 それから積極的な赤字補てん策といたしまして大企業の租税特別措置の改廃を考えるべきだということでございますが、これの点につきましては、たびたび本院におきましても御答弁申し上げておりますとおり、企業の大中小にかかわらず、特定の政策目的を達するために特別措置がとられているわけでございます。政府といたしましては、それが既得権化しあるいは慢性化することのないように毎年これを見直しておるわけでございまして、ことしも利子、配当でございますとか土地譲渡所得等につきまして見直しを行いましたことは、御案内のとおりでございます。 食管赤字補てん策の一つとして、地価の再評価、インフレ利得の吸収について考えたらどうかという御提案でございます。地価の再評価でございますけれども、これはまだ実現していない利益を税として取るわけでございますので、自然、税率が低くならざるを得ないと思うんでございます。そういたしますと、これは転売した場合にかえって税は安くなるということになりますので、税の仕組みから申しまして、にわかに賛成いたしかねるわけでございます。インフレ利得につきましては、普通の利得とインフレ利得というものが一体区分ができるのかどうかという技術上の困難等もありまして、これまたにわかに賛成いたしかねる次第でございます。(拍手) —————————————
○副議長(前田佳都男君) 小笠原貞子君。 〔小笠原貞子君登壇、拍手〕
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、当面する農政上の諸問題の中で、とりわけ重要な米価、米作問題について、三木総理並びに関係各大臣に質問いたします。 自民党政府による長い間の高度経済成長政策のもとで、わが国の農業は危機的な状態に陥れられてきました。この十年のうちに農業人口は三百五十万人も減少し、農地は八十万ヘクタールも壊廃されてきました。いまや、わが国の食糧自給率は先進資本主義国のうちでも最低の水準に落ち込んでいます。いまこそ農政を根本的に転換し、農業を国の基幹産業として位置づけ、日本農業再建の第一歩を踏み出すことが強く求められています。 そこで、まず第一にお伺いしたいことは、今年の生産者米価を農民の生産費を償う水準に定めるのか、それとも従来のように、大多数の農民の生産費を償えない低水準にして押しつけるのかということであります。平均生産費に基づいて決定された米価では、政府自身が認めているように、わずか四割の販売農家の生産費を償っているにすぎないではありませんか。これでも、米の再生産を保障して、国民が必要とする米の生産量を確保できると強弁し、あくまでも平均生産費方式にしがみつくつもりなのですか。わが党がかねてから主張してきたように、限界的な条件の農家の生産費を償う米価にすべきだと考えますが、総理並びに農林大臣の明確な答弁を求めます。 次に、政府は、生産費所得補償方式と称して、あたかも米作農民に都市勤労者並みの労賃を保障するかのように言っています。しかし、その実際は、あるときは小規模事業所の平均賃金をとったり、またあるときは地方都市の平均賃金をとったり、きわめて恣意的に基準を変えて米価抑制や党利党略の政治加算の手段としてきたのであります。こうして低米価を押しつけることによって農民に米作を放棄させ、賃労働に出ざるを得なくしてきたのであります。農民が農業で生きていけるためには、何よりも全製造業労働者の全国平均賃金に基づく家族労働報酬を保障するそのことこそ必要であると考えるものですが、総理並びに農林大臣の答弁を求めます。 第二には、食管制度の根幹である二重米価制の堅持についてです。 政府は、国民の強い反対に遭って、二重米価制を崩す同時諮問は形式的には取りやめたようであります。ところが、農林大臣の記者会見では、逆ざやをこれ以上拡大しないと称して、生産者米価のわずかばかりの引き上げを消費者米価の大幅値上げに連動させる意図を露骨に表明しています。両米価の諮問の時期を多少ずらして国民の批判をそらすなどというこそくなやり方はやめるべきであります。さらに、これ以上の財政支出をふやさないことを至上命令として、生産者米価の引き上げ分をそのまま消費者米価に連動させるというやり方は、政府のあれこれの答弁にかかわらず、消費者家計の安定を旨として定めるとする食管法の規定を乱暴に踏みにじるものであることは明白ではありませんか。これらのことについて総理並びに関係大臣は一体どう考えておられるのか、明快な答弁を求めものであります。 第三には、消費者米価についてお伺いします。 インフレ、高物価と不況のもとで、国民はいま、割り高な副食品や外食の支出を減らし、米への依存度を高めています。しかも、賃金が低く抑えられている状況のもとで、これ以上消費者米価が引き上げられるならば、国民生活の困難に一層拍車をかけることは歴然としているではありませんか。政府は、事あるごとに財政危機を宣伝していますが、資本金十億円以上の大企業の特権的減免税を廃止するだけでも三兆円以上の財源を確保できるではありませんか。こういう大企業本位の財政の仕組みを国民本位のものに切りかえるならば、生産者米価を引き上げても消費者米価は据え置き、国民生活を守ることは十分可能なことであります。総理、あなたは、狂乱物価はもうこりごりだという大多数の国民の声を踏みにじり、あくまでも消費者米価の大幅値上げを強行するつもりなのかどうか、はっきりとお答えをいただきたいと思います。 第四に、来年度以降の稲作対策、ポスト生産調整対策について関連してお伺いしたいと思います。 その一つは、米の減反政策による休耕田と、大企業が買い占めて仮登記のまま放置している遊休農用地を農地に復活させることについてであります。 栃木県では、不動産業者が投機買いをした農用地区域内の農地を住宅公団が買い上げたまま放置されていたり、埼玉県では、土地をもてあました不動産業者が農民に土地を返すから金を返せと迫ったという事態も生まれています。また、減反政策による休耕田は約七万ヘクタールに上ると言われております。このような事態に対し、政府は次のような特別な対策をとるべきであると考えます。 第一に、農家が受領済みの土地代金の返済や農用地確保のための融資措置を講ずること。 第二は、遊休地を農地保有合理化法人が買収または借り入れて貸し付けるための援助を行うこと。 〔副議長退席、議長着席〕 第三に、休耕田の復元に助成を行っている地方公共団体に対する財源措置など特別の休耕田復元対策をとること。 以上の点について、農林大臣並びに自治大臣の答弁を求めます。 また、これ以上の農地の壊廃を許さないために、とりあえず水田転用許可暫定基準通達を撤回すべきであると考えますが、農林大臣の御答弁をお願いします。 また、生産調整が今年で終わりになるというとき、これまでの真剣な反省の上に、次のような施策をとり、日本農業のつり合いのとれた発展を図ることが重要であります。 第一に、米以外の主な農産物に、当面、せめて米並みの労働報酬を償う価格保障政策を確立することです。これは農業生産が米のみに偏るのを防ぎ、食糧自給率を向上させる上で必要不可欠の条件であります。 第二に、農業生産の土台である農用地の造成や土地改良事業に思い切った予算措置を講ずることについてであります。政府が昭和四十八年に立てた新土地改良長期計画は、向こう十年の間に十三兆円の事業費を費やして、農用地の整備、確保を行うというものでありましたが、発足後わずか三年を経ずしてその破綻は明らかになったと言わなければなりません。政府はこの計画を見直す必要があるとしておられますが、一体どのような観点で見直すのかが、この際、問題なのであります。私は、これまでのような、予算規模のみを示し、物価が高騰すればいやおうなく事業量が縮小するようなごまかしの見直しをするのではなく 今後何年間でどれくらいの面積を造成、整備するのかを明確に示した、責任ある計画とすべきであると考えるものでございますが、この点についての総理並びに農林大臣の明快なる御答弁を求めて私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 小笠原議員の御質問にお答えをいたします。 米価は限界生産費に基づいて算定すべきだというお話でございました。米価算定に当たっては、生産費についてどういう数値をとるかについてはいろいろな考えがあると思います。しかし、現在のような需給事情を考慮すれば、全体的な見地から、平均的な生産費を用いることが最も妥当であるという考え方のもとに、政府は平均的な生産費を用いておるわけでございます。 また、米価の決定に対しては、全国平均賃金に基づいて家族の労働報酬など保障することが必要であるという考え方をお述べになって所見をお尋ねになりましたが、今年の生産者米価については生産費及び所得補償方式で決定することとなりましょうが、具体的な算定については、諸般の事情を考慮して検討したいと考えております。 また、政府は、結局においては生産者米価と消費者米価を直結する、結局は同時諮問ということになるのではないかという御意見でございましたが、食管制度の適正な運営を期するためには、基本的には両米価を相互に関連させて考えることが必要であると考えます。今年度の取り扱いについては、しかし同時諮問は行わないことにいたしました。 消費者米価の引き上げを行うべきでないという御意見でございましたが、小笠原議員も御承知のように、米の政府買い入れ価格と政府売り渡し価格の間には大幅な逆ざやの関係があって、そのために財政負担も巨額に上っております。したがって、基本的には食管——食糧管理の健全な運営と財政の弾力性を確保するためには、今後逆ざやの解消を図る必要があると考えております。 一方、政府は物価の安定というものを重要な政策課題といたしておりますので、米価の決定に当たっては諸般の施策を、諸般のこういう事情も勘案して決めたいと思います。以上のようなことで今後慎重に検討してまいりたいと思います。 また、生産の調整というものが非常に農業の意欲をそいだのではないかというお考えでございます。米の生産調整及び稲作転換対策は、米の著しい過剰という重大な事態に対処して実施をいたしてきたのでありますが、基本的には、稲から今後需要の増大するような作物またはその供給の不足するような作物への転換を進めてきたものであります。この対策の実施に当たっては、関係者の理解と協力を求めてきましたが、米の需給の回復等に一定の役割りは果たしたと考えております。 また、今後のわが国の農業の発展の方向についてお話がございました。しばしば御質問がありましたように、農業は食糧供給という国民生活の基本に関する重要な役割りを果たしておるわけでございますから、わが国の農業というものに対しては健全な発展を図っていかなければならぬ。そのためには、国内の生産体制を整備して、そしてわが国の農業の自給力というものを今後高めてまいるような農業政策をとりたいという考えでございます。(拍手) 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) 本年の生産者米価につきましては、御存じのように、生産費及び所得補償方式で決定することになるわけでございますが、その算定の具体的な内容につきましては、諸般の事情を考慮しながらさらに検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、現在のような需給事情のもとにおきましては、生産費につきまして、平均的な生産費を用いることが妥当であると考えておるわけでございまして、また、家族労賃の評価がえにつきましては、全規模賃金を採用することは適当でないと思っております。 両米価につきましては、食糧管理制度の適切な運営を期するためには、基本的には相互に関連をさして考える必要があるわけでございますが、両米価の大幅な逆ざやは、食糧管理制度の運営上、あるいは農政上、また財政上の面からもいろいろと問題が生じておるわけでございますので、生産者米価につきましては適正に決定をするとともに、消費者にもやはり応分の負担を求めることにつきましては各方面の御理解を得たいと思っております。 第二に、休耕田の復活の問題でありますが、ことしは実態調査を行うとともに、稲作転換促進特別事業を活用しておるわけでございますが、できるだけ転作につきまして誘導をいたしております、また、休耕田等の農地活用に関するいろいろの御提案につきましては、遊休地に対しましては特定利用権制度、農用地利用増進事業を、またさらに必要があれば農地保有合理化促進事業を活用することとして、買い入れ資金の供給、事業体制の整備等に努めてまいりたいと考えております。またさらに、仮登記の土地に対しては買い戻し資金を制度融資することができないと考えておりますので、地方公共団体、農協等ともこれは関与することによりまして、事案の内容に応じて適切な処理が図られるように努力し、指導してまいりたいと思うわけであります。 また、転作への生産復帰につきましては、稲作転換促進特別事業等を活用し得る道を開いておるわけでございますが、稲作への復帰につきまして国が助成をするということは問題であると思っております。 第三に、水田の転用暫定基準はやめるべきだという御意見でございましたが、この基準は米の生産調整対策の一環として制定をいたしたわけでございまして、五十年度末までに申請のあった水田に適用することとしているので、御了承いただきたいと思います。 第四に、生産調整終了後の農政の方向について御質問がございましたが、米の生産調整は年々需給均衡の回復、米から需要の拡大をするところの作物への転換に成果を上げてきておるわけでございますが、米の需給事情がなおやはり過剰な基調にあり、今後の米対策についてはこの点を十分念頭に置きまして水田の総合利用を進めて、総合的な自給力の向上に努めてまいりたいと思っております。 次に、優良農用地の確保につきましては、土地改良長期計画に即した農用地の造成等、農業基盤整備の計画的推進に努めるとともに、農地法の厳正な運用、改正農振法の積極的な活用等により万全を期してまいりたいと思っておるわけでございます。 土地改良長期計画につきましては、総需要の抑制もありまして、現在のところは御指摘のように計画よりおくれておる状況にございますが、農業基盤整備の重要性にかんがみまして、今後とも計画期間内に総事業量を達成するように努力をしてまいりたいと思います。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
○国務大臣(大平正芳君) 私には、消費者米価と財政との関連についてのお尋ねでございました。 財政当局としては、食管会計の健全な運営を図るために、また、農政の前向きの推進を図るためから申しまして、食管の赤字をできるだけ少なく抑えてまいることは当然であると考えておりますけれども、さらに、財政自体の硬直化打開の見地からも、今日のような状態は決して健全な姿であるとは考えておりませんので、物価政策等との関連を考えながら、この是正に努めたいと考えておるわけでございます。 そこで、全体の家計費の中で米代がどのぐらいの割合を占めておるかということでございますけれども、戦前十数%に上っておりました米代は、四十九年二・六%と、年々低減してまいりまして二・六%になっておるわけでございますので、若干の改定をお願いいたしましても、決して家計に重圧を加えるものとは考えておりません。(拍手) 〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 御指摘の休耕田復元に対する地方団体の助成措置は、地方団体が独自の施策として実施しているものと考えておりますので、将来の問題として農林省の対策に合わせて検討をいたしてまいりたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) この際、消費者米価を据え置きとすべきではないか、こういう御所見でございますが、気持ちとすると私は全く同じでございます。ただ、政策としてはそうはいかないのであります。つまり消費者米価は物価のことばかり考えるわけにはいかないのでありまして、あるいは国の財政のことも大事であります。あるいは食管制度というものが健全に運行されるということも考えなければならぬ。そういうことを総合して考えなきゃならぬ問題でありまして、気持ちは同じでありまするけれども、さらに慎重な検討を要する問題であると、かように存じます。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 中沢伊登子君。 〔中沢伊登子君登壇、拍手〕
○中沢伊登子君 私は、民社党を代表いたしまして、米麦価格につきまして緊急質問を行います。 ただいま、日本国じゅう青々と、みずみずしいたんぼをながめるころになりますと、毎年繰り返されるのが生産者米価と消費者米価の攻防でございます。 そこで第一にお伺いしたいことは、自給度向上策についてであります。最近の国際的な食糧需給の長期展望によりますと、十年内外に深刻な不足を来すというFAO関係からの情報もありますが、人口爆発による世界的な食糧不足はもはや常識とされ、憂慮されております。政府もまた、これまでの安易な海外依存の食糧政策を改め、自給度向上の方針をとられることとしておられますが、いままで何かと言えば、アメリカが不作だった、ソ連が大量に買い付けた、それ冷害だ、生産調整だ、今度は増田するの、裏作奨励のと、その場の思いつき農政、おざなり農政の繰り返しでございましたので、国民の目から見れば、一体具体的施策をどのように進めようとしておられるのかわからないというのが実感であり、いらだたしさでございます。この際、しかと農林大臣から具体的な施策の説明を国民の前に明らかにしていただきたいのでございます。 第二にお伺いしたいのは価格制度についてであります。米の二重価格制度は長らく維持され、その効果もあると評価はいたします。しかし、財政面から見まして問題なしとはいたしません。私は率直にお尋ねいたしますが、現在のような二重価格制度のもとで、生産、消費の両米価の価格調整をどうすることが最良なのでしょうか。大蔵、農林両大臣の虚心坦懐な御見解をぜひとも伺いたいのでございます。 質問の第三は、すでに報道されているところによりますと、本年度産生産者米価は諮問価格の一一%アップで、政治折衝で一四%程度で決着すると言われております。こうした方針が政府・与党間にあるとすれば、何のために米価審議会を開くのでしょうか。また、これは明らかに今春の賃上げに際して利用した政府、財界のガイドライン内での抑制米価ではありませんか。総理、農林両大臣及び物価対策の面から経済企画庁長官にこうした制度運用、価格決定の真意をしかと承りたいのでございます。 第四番目にお伺いしたいのは、本年度産生産者米価の要求が、農業団体の統一米価で現行価格の四七・六%のアップでありますが、この要求の裏には、米生産では生活できない貧しい農家の実態があります。昨年来の不況が出かせぎや兼業に頼る米作農家に大打撃を与え、生活の維持さえ困難になっているという惨めな実態があるのでございます。政府は、このような問題に照らして、農業団体の要求米価に対して可能な限りこたえるべきではありませんか。農村に理解ある総理の決意を伺いたいと存じます。 次に、農業団体及び農民団体が危惧しているのは、政府が生産者、消費者両米価を同時または同じ枠内で諮問し、決定することによって物価問題、財政問題に絡めての抑え込みを警戒していることであります。両米価の諮問の機会を分けたといたしましても、十日程度ということは、生産者の危惧を解消することにはならないと思います。政府は両米価を絡めて考えているのかどうか、明確にしていただきたいと存じます。これは総理大臣並びに農林大臣にお答えをしていただきます。 次に、麦価についてお尋ねをいたします。麦の生産面積、生産量がともに僅少で、自給率が二〇%といった欠乏状態では、国際価格との均衡や、輸出国農家へのペイになるといった議論は通用しません。均整のとれた国内農業生産を確保するため、思い切った価格政策と生産拡大のための、たとえば品種改良とか基盤整備、さらには集団栽培等の価格外政策を同時並行すべきであると考えます。これに対する政府の方針はいかがでありましょうか、お答えをいただきたく存じます。 質問の第七番目は、消費米価、麦価に対する方針でございます。政府は、これを極力抑制すると言われますが、国民はその具体的な方針がどのように打ち出されるかについて大きな関心と不安を抱いています。これまた率直にお尋ねをいたしますが、政府は生産者価格を消費者価格にそのまま連動させるのか、それともそれ以下に抑えるのか。また、これまでの食管赤字から見て、上乗せさせる意図もあると聞きますが、この際、消費者の最大の関心事であり、かつまた、非常な不安を覚えておりますので、これにこたえて消費者米価及び麦価に対する方針を明らかにすべきであります。 以上、七点にわたって御質問をいたしましたが、すべてその場しのぎのあいまいな、いいかげんな御答弁では、もはや国民は納得しないでしょう。すべてをあからさまにして、反撃を恐れたりせず、明快にお答えをされるべきでございます。 最後に、去る十八日からメキシコシティーにおいて開催されました国際婦人年の世界婦人大会は、世界行動計画を採択して、本日終了することになっておりますが、たまたま国会から私もこの会議に参加をさせていただく幸せを得ました。そこで大きな底流としてあったものは、人口問題特に開発途上国の人口爆発と食糧問題でございました。第三世界の人たちは、本来の女性問題どころか、まず飢餓と疾病と無知の恐ろしさと闘わなければならないと申しておりましたが、幸いにしてわが国においては、現在飢餓も文盲もほとんどありません。しかし、食糧生産の六〇%が婦人の肩にかかっているというのは、わが国でも比率こそ違え同様でございます。 そこでお尋ねをするのですが、わが国の農家の婦人たちは都市生活者にはわからないほどの多種多様な問題を背負っております。その中の最大の問題が後継者の問題です。夫は出かせぎに出て、中には蒸発をしてしまい、娘は工場に勤め、息子にはなかなか嫁の来手がないので、これもまた出かせぎに出ていく。すると、あとは農村でまともに働ける農民はお母さん以外は存在しないということになるのでございます。これは農業自体の危機であるばかりでなく、家庭や部落の崩壊の危機をもはらんでいます。農林大臣は、この基本的な問題に関してどのように解決されるお考えを持っておられるのか。農家の一員になったおつもりでのお答えを願いまして私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 中沢議員にお答えをいたします。 政府はすでに米価を諮問する前にもう決めておるのではないかというような御質問でございましたが、政府としては、あらかじめ生産者米価を決めていることはございません。米価審議会の御意見等も十分に承って、適正な決定を行いたいと考えております。また、政府としては米価をことさらに抑制する考えは持っておりません。 次に、今年度産米の価格の要求が、農業団体から非常に高い値上げの要求があるということでございました。これに対して政府は可能な限りこたえるべきではないかというような御質問でございましたが、生産者米価は、物価の動向や農家の生産費や所得、今後におけるわが国農業のあり方、財政の状態などをいろいろと考えてみる一つの点がございますので、総合的に勘案をいたしまして、米価審議会の意見も聞いて慎重に決めたいと考えております。 また、政府はこの米価というものを非常に物価問題や財政問題から抑え込みをするのではないかということで農業や農民団体が危惧しているという御質問でございましたが、食管制度の適正な運営を期するためには、基本的には両米価を相互に関連さして考えることが必要であると思いますが、しかし、今年度の取り扱いについては、同時諮問は行わないことにいたしたことは先刻他の議員の御質問にお答えをしたとおりでございます。 消費者米価、あるいはまた麦価の引き上げによって、政府は極力抑えると言っても、国民は不安を抱いているということでございます。現在、米麦ともに政府の買い入れ価格と政府の売り渡し価格との間に大幅な逆ざやがあって、そのために財政負担というものが非常に巨額なものに上っておることは、中沢議員、御承知のとおりでございます。したがって、基本的には今後逆ざやの解消を図って、食管の健全な運営と財政の弾力性を確保することが必要であると考えております。しかし、政府は物価の安定ということを重要な施策といたしておりますので、そのことも頭に入れて、諸般の事情を十分勘案をいたしまして慎重に検討してまいりたいと思っております。 また、麦の政府の売り渡し価格については、国際価格がかなり下がっておりますので、今後の動向を見守る必要があるというので、とりあえず諮問は見送った次第でございます。(拍手) 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) 食糧の自給力の向上についてのお尋ねでございますが、最近の国際的な食糧事情の変化等にかんがみまして、国民食糧の安定的な供給を図っていくためには、国内生産体制を整備し、自給力を高めるということが最も大事でございます。この考え方を基本といたしまして、土地、水資源の確保、整備、その有効利用、さらに中核的農家の育成等の総合的な政策を積極的に推進をしてまいらなければならないと思っております。 第二に、米の政府買い入れ価格につきましては、生産費、物価等、諸般の事情を総合的に考慮して、米価審議会の答申を待って適正に決定をしたいと考えているわけでございますが、現在は生産費の調査資料等もまだ出ておらないわけでございまして、これらがそろって具体的に検討をしたいと思います。生産者団体の要求米価につきましては、私としてはその内容につきましてはとやかく言うことは差し控えたいと思います。 第三に、両米価の関連につきましては、食糧管理制度の適正な運営を期していくためには、基本的には両米価を相互に関連さしていくことが必要であると考えておるわけでございますが、本年の具体的な取り扱いにつきましては、御存じのように同時諮問は行わないことにしたわけであります。 第四に、米の政府売り渡し価格につきましては、逆ざやがもたらすところのいろいろの問題、物価への影響等を総合的に考慮して検討したいと思っております。また、麦の政府売り渡し価格につきましては、いま総理からもお答えがございましたように、国際価格の今後の動向を見守る必要がございますので、六月の米価審議会への諮問は見送ったわけでございます。 第五に、麦の国内の生産増強についてでございますが、麦の生産振興奨励補助金の交付、麦作集団の育成等のほか、水田裏作麦の増加を図るために、麦の早生品種の開発、土地基盤の整備等、各般の施策を総合的に推進をして国内産麦の生産振興を図っておるところでございます。麦の政府買い入れ価格のあり方についても、このような麦対策全体の中で検討してまいりたいと思っております。なお、麦の政府買い入れ価格はパリティ方式により決定をしておるわけでございまして、国際価格との均衡は考慮をしておらないわけであります。 最後に、農業後継者の育成の問題についての御質問でございますが、これは今後の農業を考える場合において最も重大な問題であろうと思っております。この後継者を育成をしていくためには、何と言いましても、やはり農業の生産基盤の整備あるいは経営近代化施設の導入、さらに農村環境の整備あるいはまた農産物の価格制度の充実等を含めて総合的に、やはり魅力のある農業、農村をつくっていくという見地から総合的な施策をやはり全体的に強力に進めるとともに、農業者教育施設の整備あるいは普及活動の強化等あわせて行って後継者の育成のためにはひとつ全力を尽くしていきたいと考えておるわけでございます。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
○国務大臣(大平正芳君) 米の二重価格制についてのお尋ねでございました。御指摘のように、この二重価格制が食管制度を支えておる柱だと思います。これについてどう考えるかでございますが、私としては、政府管理に要する経費は、なお当分の間政府の負担にすべきものと思います。けれども、売買逆ざやの存在というものは本来不自然なことでございますので、段階的な解消を事情の許す限り図ってまいらなければならないのではないかと考えております。(拍手) 〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) まず、本年度産の生産者米価、これにつきましては、本年の春季賃金決定の際の政府、財界のとったガイドラインの中で抑制するのかと、所見いかんと、こういうお話でございますが、ガイドラインをあらかじめつくりまして、その枠の中に生産者米価を押し込むと、こういうような方式はとりません。生産者米価は、食糧管理法の定めるところにより、生産費、物価の動向、生産及び需給事情等、諸般の事情を総合的に考慮して適正な水準に決めたいと思います。(拍手) 次に、消費者米価の決定の基本方針を明らかにせよというお話でございますが、これは先ほども申し上げましたが、物価、財政、食管制度の健全な運営などのことを総合的に検討し、これまた適正な結論を得たいと、かように考えます。(拍手)
○議長(河野謙三君) これにて正午まで休憩いたします。 午前六時四十三分休憩 —————・————— 午後二時二十六分開議
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 黒柳明君外三名から、賛成者を得て、 商工委員会において審査中の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第六五号)について、速やかに商工委員長の中間報告を求めることの動議(桑名義治君外二名提出)をこの際議題とすることの動議が提出されました。(議場騒然) これより本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 少数と認めます。よって、本動議は否決されました。(拍手) —————・—————
○議長(河野謙三君) 星野力君外一名から、賛成者を得て、 内閣総理大臣三木武夫君問責決議案(河田賢治君外一名発議)(委員会審査省略要求事件)を日程に追加して議題とすることの動議が提出されました。 これより本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 少数と認めます。よって、本動議は否決されました。(拍手) —————・—————
○議長(河野謙三君) 土屋義彦君外一名から、賛成者を得て、 公職選挙法改正に関する特別委員会において審査中の公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第六〇号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)について速やかに公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求めることの動議(剱木亨弘君外一名提出)をこの際議題とすることの動議が提出されました。 これより本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本動議は…… 〔「おかしい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
○議長(河野謙三君) ただいまの採決につき、問題があるようでありますので、採決をやり直します。 土屋義彦君外一名から、賛成者を得て、 公職選挙法改正に関する特別委員会において審査中の公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第六〇号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)について速やかに公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求めることの動議(剱木亨弘君外一名提出)をこの際議題とすることの動議が提出されました。 これより本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。(拍手) —————・—————
○議長(河野謙三君) 公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案につき、公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求めることの動議を議題といたします。 中間報告を求めることの動議に対し、質疑の通告がございます。 土屋義彦君外一名から賛成者を得て、本動議に対する質疑、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。 これより本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) これより中間報告を求めることの動議に対し、順次質疑を許します。白木義一郎君。 〔白木義一郎君登壇、拍手〕
○白木義一郎君 私は、公明党を代表して、公職選挙法改正特別委員会において審査中の、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の両案について、速やかに公職選挙法特別委員長の中間報告を求めるの動議を議題とする動議に反対の立場をもって質疑を行うものであります。(拍手) 最初に、発議者の剱木亨弘君にお尋ねいたします。 もう皆様御承知のとおり、議長不信任問題まで起こしました今回の議長あっせん案による自民、社会、民社三党の合意書によりますと、参院地方区の定数については人口の動態の著しい変化に基づきこれを是正する要あることを認め、次期参院通常選挙を目途として実施するよう取り計らう。この場合、公職選挙法改正の過去の事例を参照するものとする。なお全国区改正については別途検討するというものであります。しかし、これは全国区、地方区が一括であるのか分離するのかはっきりいたしておりません。読み方によっては分離とも一括ともとれるものとなっており、また、地方区の是正についても定数をふやすのかふやさないのか、いわゆる玉虫色の合意書と指摘をせざるを得ません。本来ならば河野議長にもお尋ねしたい大事な問題でございますが、ただいまはそういうわけにまいりませんので、この有名な玉虫色の合意書の見解について自民党と社会党と大きな隔たりがあるように私たちは受け取っておりますので、事の重要性にかんがみまして、まず冒頭に、剱木亨弘君から、この合意書の社会党、自民党の統一見解をどのようにお受け取りになっているかということをはっきりと伺って、その上でこの質疑にさらに真剣に取り組みたいと思いますので、まず詳しく御答弁をお願いいたす次第でございます。どうぞよろしく。(拍手) 〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
○剱木亨弘君 白木君の御質問に対してお答えをいたします。 白木君は、この公職選挙法並びに政治資金規正法に関しまして、この議長のあっせん案につきましての御質問でございました。これは御承知のように党間におけるあっせん案でございませんで、党間における申し合わせでございます。もちろん、その解釈その他につきましては、皆さん御自由になさっていいと思いますが、お互いに党間におきまして、その申し合わせば、申し合わせの文字どおりの申し合わせでございまして、そのほかに何事もございません。(拍手)
○議長(河野謙三君) 剱木亨弘君。 〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
○剱木亨弘君 白木君の御質問に対しまして答弁漏れがあるということでございますが、その定数是正と地方区の増加とがワンパッケージであるかどうかとお聞きになったようでございます。これは私は、きょうはこの中間報告の動議を出すことは党から代表を受けておりますが、各党間におきまして申し合わせをいたしましたことに対しまする私は解釈権は、何ら委任をされておりません。私の個人の意見をここで申し上げるわけにいきませんから、それで御了承を願います。(拍手)
○議長(河野謙三君) 白木義一郎君。 〔白木義一郎君登壇、拍手〕
○白木義一郎君 ただいま剱木君の御答弁は、私としてははなはだ心外でございます。かつては、わが国の教育の最高責任者文部大臣までお務めになった、しかも、今回の選挙法につきましては、剱木試案という熱意を、それまで熱意を込めて闘ってこられた剱木君の御答弁を伺いまして、まことに一方的であり、かつ、ファッショ的なお考えのもとにこの議場に臨んでおられることを大変私は残念に思います。 そこで、私がお伺いしたのは、この玉虫色の合意書について自民党と社会党と大きな統一見解に隔たりがあると、こういうことを私どもは非常に憂えているわけです。 そこで、まず第一に剱木君から——社会党と言ってもお答えにならないでしょうから、どうか参議院自由民主党の幹事長から伺って、このあっせん案に対する合意書、これに対する参議院自由民主党の統一見解をはっきりとまずお答え願いたい。お願いいたします。 〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
○剱木亨弘君 白木君の質疑に対しましてお答えいたしますが、私はきょうはこの中間報告を求める動議につきまして提案者でございまして、ただいま申されましたお尋ねは、これは自民党の内部の問題でございまして、何もこの動議に対して私は何ら関係のないことだと。どうかひとつ動議に関して、動議に関して御質問を願いたいと思います。
○議長(河野謙三君) 白木義一郎君。 〔白木義一郎君登壇、拍手〕
○白木義一郎君 剱木君の誠意あるまじめな御回答を期待をしておったんですが、残念ながら自由民主党の剱木君でありました。 そこで、私はこの有名な玉虫色の自民党の統一見解について、自民党は、一、全国区の定数は地方区と同時にワンセットで処理する。二、地方区の定数是正は定数是正増を意味しない。 これに対しまして、同じ合意書に調印した社会党の森中君のテレビ討論会における見解は、一、全国区百、地方区百五十二ということになっており、これを一つのものにするというなら話はつかない。二、衆院では最初十九名、今回二十人と人口に従って定数増を行っている。参院地方区も人口比を見て、そういう立場で定数是正をやりたい。これがテレビの森中君の見解でございます。全く相反する見解であり、解釈であります。これが合意書と言えるものでしょうか。どうしてもなれ合い、自社なれ合いの玉虫色の合意書。(拍手)ここから河野議長の不信任をせざるを得ない動機になったから、この点を剱木君にはっきりお伺いをした次第でございます。 今国会は、政府・与党の一方的判断による会期延長を強行し、さらに一昨日は自由民主党単独による酒、たばこ法案の強行採決と、その姿たるや、まさに国民生活を無視し、大企業を擁護し、追従する姿を鮮明に浮き彫りにしておるのであります。本来ならば、審議を尽くし、その内容を国民に知らしめ、理解と納得の上で法律の円滑なる運用を図るべきであり、そのために、意見を異にする野党に対しても、何物にも優先して理解と協力を得られるように努力を傾けることが政府・与党の重要な任務なのであります。しかるに、そのような姿勢が何一つ見られないどころか、強い反対のある、審議も未了の本法案の——この中にも賛成者と反対者が複雑な気持ちで座っていらっしゃる、そういう重大な中身の法案の中間報告を求めることは、全く議会制民主主義を冒涜するのもはなはだしいと言わざるを得ないのであります。(拍手)いまこそ私たちは、国民の声を正しく受けとめ、参議院本来の使命に立ち返り、ただすべきことはあくまでもただし、その理非を国民の前に明らかにすることこそ、憲法を守り、国民の議会制民主主義に対する信頼をつなぎとめ、真に国民と国会とが断絶なき連携を保ち得る最大の道であると思うのであります。 このたび提出された中間報告の動議は、その目的に逆行する反民主的な行動であるとともに、中間報告の本来持つ性格を大きく逸脱していることは明らかであります。中間報告は、強い反対のある法案、委員会審議が長引き、会期切れになるおそれが出てきているのを防ぐ手段として、与党がしばしば用いてきた戦術であることは、いまさら言うまでもないことであります。それはあくまで委員会での審議が十分に進展していることを前提としているのであります。 しかるに、このたびの選挙二法案は、私たち公明党はもとより他の野党の強硬なる反対を押し切り、審議未了のまま突如として中間報告を求める動議が提出されたのであります。このことは、過去の悪先例をさらに上回った理不尽なやり方であり、もはや政治担当能力を喪失してしまっただけではなく、道義感覚をも失った無責任政党に成り下がったことをはっきり示しているのであります。さらに公職選挙法の改正案内容には、議会制民主主義の根幹である参議院地方区定数の人口実態に即した改正が盛られていないのであります。議会が平等な議員の構成に基づいてなされるのが第一義であるにもかかわらず、それが欠落しているのであります。そのために公職選挙法改正に関する特別委員会では、昨年十二月から調査小委員会を設け、その定員数の改正について各小委員が鋭意努力を続けてきたことは剱木君よく御承知のとおりであります。 しかも、六月二十三日には、剱木試案として地方区の定数是正について回答を示したのであります。これは自民党委員案として自民党執行部のもとに試案として提出されたものであり、いままで全国区、地方区一括方式としていたものと違い、地方区のみであり、これならば話し合えるという点で高く評価ができるものであったのであります。 しかるに自民党は、各党が歩み寄りができるのではないかという空気をも無視して、議長に不当なあっせんをゆだね、委員会を混乱に陥れた責任は重大であると言わざるを得ないのであります。その上、委員会の審議の過程において、政党の機関誌の規制及び個人ビラの問題については、その実態が明らかにされず、司法当局の取り締まりだけが先行するということがはっきりしているのであります。 さらに、政治資金規正法附則十条では、政治活動の行為の側面だけをとらえて……
○議長(河野謙三君) 白木君。
○白木義一郎君(続) 労働組合や……
○議長(河野謙三君) 白木君。
○白木義一郎君(続) 市民団体……
○議長(河野謙三君) 白木君。
○白木義一郎君(続) 文化団体……
○議長(河野謙三君) 白木君。
○白木義一郎君(続) 青年婦人団体等を政治団体として一括して規制の対象にし、罰則まで加えているのであります。政府は事実上その点に関し答弁拒否を繰り返してきたのであります。
○議長(河野謙三君) 白木君。
○白木義一郎君(続) 国民の思想、表現の自由及び人権にかかわる重大な問題であるだけに、わが党は法務委員会等の連合審査を提案し、国民の疑問点を明らかにするよう主張してまいりました。まだ実現に至っていないのであります。 そこで私は、最後に提案者たる剱木君に国民の立場から質問をいたします。国民はオイルショック以来、この独占禁止法のほのかな、ほのかな成立を心から期待しているのであります。選挙で定員がふえようがふえまいが、毎日の国民の生活には直接関係ないどころではない、この選挙法の成立によって、大きく明るい選挙へ向かっていた国民の気持ちが、また司法当局の弾圧によってですね、再び過去の暗い選挙のイメージを味わっていかなければならないということ。お酒の値上げ、たばこの値上げよりも、おまえたちは選挙の方が大事なのか、これこそ私利私欲であり、党利党略以外の何物でもないというのが国民の偽らざる声なのであります。 そこで、独占禁止法、値上げ法案に先駆けて、国民にそのような疑惑を持たせるこの選挙法改正案を、なぜ急遽中間報告を求めなければならないかということについて、よくわかるように、国民がよく理解するように努めなければ政府・自民党の責任は果たせない、このように思いますので、重ねて詳しい答弁をお願いをいたします。(拍手) 〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
○剱木亨弘君 白木君の御質問に御答弁申し上げます。 いろいろございましたが、結論といたしましては、なぜこの中間報告を私どもが求めたかという理由を申せということでございます。その理由の中で、十分審議をして、そうして審議を尽くした上で中間報告を出せというような意味合いがございましたが、(「そうじゃない」「よく聞いてろ」と呼ぶ者あり)そうでなければ、それは申しません。しかしながら、この公選法並びに独禁法の委員会は、私ども二十六時間審議をいたしました。(「独禁法はやってない。」と呼ぶ者あり)いや、政治資金規正法です。間違えました。 そこで、これは衆議院において数カ月持っておったにかかわらず、二十時間でございますが、私どもは二十六時間の審議を尽くしました。しかも、なおかつ、審議を尽くすために、去る三十日及び一日の両日におきまして、われわれは、あるいは総理を呼び、関係大臣を呼び、十分審議を尽くそうといたしましたが、あの理事会も開けず、また委員会にも幾たびか私どもは入りまして審議をやろうといたしましたが、実際の状況におきまして、皆様御承知のとおり、いま、できなかったのでございます。 白木さんは、白木君はこの法案の審議について、この内容なり審議の状況を十分国民に知らして、国民の合意を得なければならぬという御理由を申されました。私どもはそのゆえに、ああいう状況で委員会で審議をすることは不可能でございますから、本会議におきましてこれをひとつ国民の皆様にこの実情を知っていただきたい、これがわれわれが中間報告を出した理由でございます。 特に、また白木さんは独禁法についてお触れになりましたが、きょう公明党さんから独禁法の中間報告を求める動議がありましたが、いやしくも参議院において、この重要法案をほとんど審議をせず、直ちにこの中間報告を求めるということ自体の方がよほど私は間違っておると思います。そういうふうに御了承を願います。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 立木洋君。 〔立木洋君登壇、拍手〕
○立木洋君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました選挙二法の中間報告を求める動議を議題とする動議に対し、質問を行うものであります。 まず、次のことをお尋ねしたい。 言うまでもなく、国会法五十六条の三に定める中間報告は、特別に必要な場合に限ってのみ許されることとされているのであります。そうでなければ、本会議から付託された委員会の審議権、審査権と自主性を奪い、議会制民主主義のルールをじゅうりんすることになることは明白であります。したがって、中間報告は、これを必要とする明確かつ具体的な理由が認められる場合でなければなりません。今国会で言うならば、国民の生活を守るために、五党一致の独禁法改正法案についてこそこの中間報告の手続をとるべきだったのであります。 ところが、事もあろうに、これに反対をし、これから十分に審議を行う必要が明らかな選挙二法に対し中間報告を求めるという特別な必要などは毛頭も存在しないのであります。選挙二法について中間報告を求めることは国会法の乱用であり、審議打ち切り、強行採決に道を開く以外の何物でもなく、議会制民主主義と国会審議の民主的ルールをじゅうりんすることはなはだしいものであって、断じて許されるものではありません。この点、提案者にまずこの基本的な考え方について、責任のある明確な答弁を最初に求める。 続いて次に答弁を求めます。(拍手) 〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
○剱木亨弘君 立木君の御質問にお答えをいたします。 今回、中間報告を求めるの件は、仰せのとおり、国会法第五十六条の三によりまして、その中の「特に必要があるときは、」ということについて、いかなる必要があったかということについてのお尋ねであったと思います。公職選挙法改正に関する特別委員会は、公職選挙法改正案及び政治資金規正法改正案について六月の十八日に趣旨説明がありまして以来、六月二十八日の公聴会までは順調に進みました。しかるに、六月三十日、七月一日の両日は、委員会の開会を公報に掲載しながら全然開会されておりません。なぜ開会できなかったか、その経過を皆様にもよく知っていただきたいために委員長の中間報告が特に必要であることを確信しまして動議を提出した次第でございます。(拍手)
○議長(河野謙三君) 立木洋君。 〔立木洋君登壇、拍手〕
○立木洋君 ただいまの提案者の答弁は全く不当なものであります。それは理由にならないものである。国民の目をごまかすことはできません。 それで、私は次のことを重ねてお尋ねしたい。 自民党は、この選挙二法の審議に当たりだれが一体妨害したかということを明確にされるべきであります。衆議院においては、一部の野党の同調のもとに審議時間を二十時間の枠内に押し込めようとしたり、参議院でも十六時間という枠を設けようとしたのは一体だれでありますか。憲法で明確に保障された言論、表現、結社の自由、思想、信条、良心の自由の規制を伴う法案を、時間の制限の枠に、しかも、きわめて短い審議時間の枠に抑え込むなどということは、国権の最高機関たる国会の審議権をみずから放棄する民主主義破壊の暴挙と言わざるを得ないと思うが、この点に関しての明確な所信をお聞かせいただきたいのであります。 次いで、自由民主党は、公職選挙法改正特別委員会小委員会において第一議題とされておる参議院地方区定数是正問題について、あれこれの理由を言い立てて、いまだに党としての正式な案を作成するには至っておりません。この責任も明確であります。これは一票の重さの不均衡に早急に是正せよという国民の切実な要求に背を向けるものであり、何にも増して実現を急がなければならない地方区定数是正を今回の改正で行うことを放棄することであることは明らかであります。 さらに、野党四党が一致して具体的是正案をつくり上げたのに対して、与党たる自民党が結論を引き延ばし続けてきたこと、このことが選挙二法の審議入りの遅れた唯一最大の理由であります。この一事をとってみましても、中間報告、審議打ち切りの理由が全くないことは明らかであります。提案者がこの点いかに考えておられるのか。あいまいではなくて、明確な答弁を求めるものであります。 しかも、衆議院での審議終了後の本院予算委員会で、わが党上田耕一郎議員の質問に対する答弁食い違いの事態は、公選法改正の重要な柱である政党、政治団体の機関紙規制に関し、何が禁止される号外であるのか、その範囲について政府が明確かつ厳密な見解を持っていないという恐るべき事態を暴露したのであります。すなわち政府は、何を取り締まるのか不明確にしたまま懲罰を振り回そうとする姿が浮き彫りにされたものであり、衆議院で審議を尽くさずに採決を強行したこと、三木内閣のファッショ的な性格を示すものとしてきわめて異常なものであり、さらに徹底した審議の必要性を示す以外の何物でもなく、中間報告要求の不当性を如実に示すものであります。この点、提案者はいかに考えておられるのか、明確に答弁を求めたいのであります。 次に、選挙二法の審議に当たり福田一自治大臣は、労働組合機関紙の配布規制の解釈に関し一方的な確認を総評幹部との間に取り交わし、その上、会見の内容について委員会での答弁を拒否したり、警察庁が審議上重要である文書の提出を拒否するなど、政府が国会の審議権を否定するがごとき態度をとっているが、政府のこの国会軽視の態度は厳しく糾弾されるべきであり、本院として政府に資料を提出させることや、福田自治相に真相を報告させるなど、しかるべき措置をとることこそ重要であると思うが、提案者はこの点どのように考えておられるのか、あいまいではなく、はっきりと答えていただきたいのであります。 また、公選特別委員会委員長中西一郎君の委員会、理事会運営は、理事の意見を全く聞かないことも一度ならず、ひたすら二法案の会期内成立の軌道の上を委員長職権を乱用、乱発して突っ走ってきたのであります。このようなやり方は、立法府の独立、または良識の府といわれる参議院のあり方から見てもきわめて不当であり、遺憾のきわみと言わざるを得ません。本会議は、中西君に対し、審議を尽くすことを要求することこそ急務であると考えるが、提案者の考えを明確にしていただきたいのであります。 次にお聞きしますが、このように政府の委員会軽視、また委員長中西一郎君及び与党理事の独断専行の委員会運営にもかかわらず、わが党を初めとする委員の忍耐と努力によって委員会は審議を継続していると言ってよいのであります。ここ一両日の事態は、中西委員長の運営上の不当性がそのきわみに達したこと、河野謙三議長の不当介入により正常な委員会運営が妨害されたこと、さらに福田自治大臣の委員会軽視が頂点に達したことにより、河野議長、福田自治大臣、さらに前田副議長不信任決議が提案され、委員会審議の前提が欠如したにもかかわらず審議を強行しようとしたことによって生じたものであります。この点、提案者はいかに考えておられるのか、明確に答弁を要求するものであります。 次に、これまでに公選法特別委員会で行われたわずか二十時間余りの質疑を通じてさえも、選挙二法は、選挙期間中の言論、表現、政治活動の自由を抑圧し、暗やみ選挙の現出をたくらむ一方、企業献金、団体献金、労組献金を合法化し、買収、供応を野放しにする道を開くファッショ的な、党利党略的悪法であることが明白になりつつあるのであります。これも審議の徹底こそ要求すべきであり、中間報告、審議打ち切りの理由には全く当たらないことは明白です。この点についての提案者の考えを重ねて問うものであります。 さらにわが党は、橋本議員を初めまだ質問の機会が回ってこない議員を相当残しておる事態と、審議がいわばようやく核心に迫りつつある現在、さらに精力的な審議を通じ、疑問点、不明確な点を明らかにすることは、立法府の最低の責務であります。
○議長(河野謙三君) 立木君、立木君、時間が大分経過いたしましたから……。
○立木洋君(続) もう少しで……。 これも中間報告、審議打ち切りには全く反するものであり、提案者の答弁を明確に求めるものであります。 最後に、選挙二法の審議を促進するには、政府自民党と一部野党のとっている法案成立ごり押しの態度を改め、公選法特別委員会が正常な審議を行える条件を整えることであります。この点に関し動議提案者はどのような認識と解決策を考えておられるのか、明確な答弁を求めて私の質問を終わるものであります。(拍手) 〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
○剱木亨弘君 立木君の御質疑にお答えいたします。 第一点は、私どもの委員会で十六時間に時間を制限しようとしたのはけしからぬということでございますが、私の方は御承知のように、この審議をいたしますときには、各党が一周いたしまして、各党が必要とするできるだけの時間を認めて、お互い同士話し合いでずっと順調に進めてきたのでございます。この点は、十六時間に限定するなんということは、これは全然そういう考えは持っておりません。 次に、定数是正問題が、何ら自民党が決定してない、それなのに、これを入れないのに中間報告で審議打ち切りとは何事だということでございますが、私どもは、この中間報告を求めますのは、決して——どういう処置をしてこれを行うかということはこの議院において決めるべきものでありまして、(「何をごまかしているの」と呼ぶ者あり)審議打ち切りというような気持ちは全然ございません。 また、特に私は、いま立木君は衆議院において採決を強行したと申しておりますが、私はそうとは聞いておりません。 特に、その次に、政府に対しまして文書提出を要求したが、これに対して、この提出をしなかったのは不届きではないかということでございますが、これは要求がございましても、やはり私どもはその相談の結果、提案は不適当であると解釈しまして、これは理事会において決めましたのでございます。 それから次に、中西委員長が職権を乱用したということを申されますが、これは、私どもといたしましては、中西委員長は実に熱心に審議に当たられまして、決して職権を乱用したとは考えておりません。また、特に中西委員長が独断専行したと、こう申されておりますが、それはむしろ私どもから申しますと、中西委員長は常に理事会において十分皆さんの御意見を承ろうとしましたが、残念ながらこの法案に反対のためかどうかわかりませんが、この理事会に幾ら催促しても出てこない。これは出てこない方となかなか御相談をすることはできなかったのでございます。この点はどうかひとつ相談を受けることは正しいと思いますが、やはり各理事も正しくお話し合いに応じていただくということが議会制民主主義の基本であると思います。(拍手) その他、その献金問題あるいはまたこの法案の内容にわたりますことも御質疑がございましたが、これは、私は法案の提案者ではないのでございますから、法案の内容についての御回答は私はできかねると思います。 なお、この審議の状況において、今後野党とも十分議を尽くすようにしたらどうか、質疑が残っておるのになぜやめたかと、こういうことでございますが、私どもは、三十日あるいは七月の一日、本当に審議を続けていくつもりで委員会をやろうとしましたが、実力の行使によってそれができなかった。これは、私どもはこの議会制民主主義の原理にありまして、国会から暴力を排除する、これは絶対にわれわれは政党人として、国会議員として守らなければならぬと思います。どうか今後におきましても、ぜひひとつ国会から暴力は絶対に除去していただきますように委員長はお願いします。(拍手)
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○議長(河野謙三君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。工藤良平君。 〔工藤良平君登壇、拍手〕
○工藤良平君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいまの中間報告を求める動議について、反対の立場から討論をいたします。 さきに、衆議院において通過をいたしました公職選挙法及び政治資金規正法の法律案が、六月五日本院に送付をされ、本会議上程以来今日まで、公職選挙法特別委員会、同小委員会及び過般開かれました予算委員会等におきまして審議が続けられてまいりました。特に選挙関係法律の改正がいかに至難なものであったかは、過去の歴史の物語るところであります。 あえて今回の改正案が提案された背景にはさまざまな要因がありますが、とりわけ近年著しく増大いたしました金権選挙への批判、選挙公害と言われる無制限、無尽蔵とまで言われたビラ合戦、立て看板などのはんらんなどによって、金のかからない選挙への改革が世論の大勢となったことによるものであります。 衆議院では、昨年末全党一致の決議をもって定数の是正、選挙公営の拡大、連座制の強化、政治資金の諸規制等を課題として審議が今国会にゆだねられてきたのであります。もとより改正案の完璧を期することは、各党それぞれが持つ党利党略などが絡み、きわめて困難を伴う問題でありますが、今回の本法改正は、この困難な道を一歩前進させ得るものであると判断いたすものであります。 私は、従来から、政治が運動資金の量やビラや立て看板の枚数によって決まるものであってはならないと信じてまいりました。また、言論の自由を侵すものであってもなりません。政治こそは、日常不断の行動を通じ、人に心を打ち明け、人の心をつかみ、そしてその心を裏切らないことであると信じ、忠実にその道を求めて歩いてまいりました。したがって、公職の選挙が一定のルールのもと正々堂々と争われることが選挙の基本と考えるのであります。(拍手) 本院においては、旧来の院の運営を改革し、話し合いと相互信頼の上に問題の解決は前進してきたと私は理解をいたしております。 今回の法案審議に当たり、あらゆる話し合いの努力を積み重ねられてこられた各位の努力に対しましては、私は敬意を表するものであります。ただ各党のよって立つ立党の立場、考え方の相違などによって意見の一致を見ることができず、今回この重要な改正案が、国会法第五十六条の三、参議院の先例により、きわめてまれな委員長の中間報告を求めることとなったことは、きわめて遺憾と言わなければなりません。このことは六月三十日、七月一日と二日間にわたる日本共産党衆参両院議員を初めとして、他の多くの人々によって、集団的暴力と思われるような行動によって、委員会への議員の入場を物理的に阻止するという事態が発生し、審議不能に陥ったことがその最大の理由とされています。 もちろん、今回の事態がそのまま推移するならば、国会史上最悪の状態を招くことが当然に予想され、せっかく進められてまいりました院の改革への道を閉ざすものとなり、そしてまた最も大切な議員相互の信頼までも決定的な亀裂を生ずることを恐れるという理由について、私は十分に理解できるのであります。しかしながら、しかしながら、だからといって、それが直ちに中間報告を求める動議になることは幾多の問題を残すのであります。 本院の委員会において審議中の議案の中間報告に関する先例によれば、昭和二十八年八月三日、第十六回国会において、小林英三君外一名提出の労働委員会で審議中の電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案について、労働委員長栗山良夫君が委員会における審査の経過を報告した先例のみとされています。 このように、過去の先例を見るまでもなく、本中間報告は真にやむを得ない緊急のものであるとはいえ、国会法第五十六条の三項はきわめて異例なる措置と解釈されているものであって、これをみだりに乱用するがごときは厳に慎まなければならないことは申し上げるまでもないのであります。むしろ先ほど申し上げましたように、議員相互の信頼と粘り強い話し合いこそ、最高立法府としての政治の基本でなければならないと確信するものであります。 以上申し述べまして、反対の討論といたします。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 田代富士男君。 田代富士男君登壇、拍手〕
○田代富士男君 私は、公明党を代表して、ただいま提案になりました公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求める動議を議題とすることの動議に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手) 本院で審議されております公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案は、議会制民主主義の発展の根幹にかかわる重要な問題であります。政治が国民の信頼を回復し、かつ、その基礎の上に行われるためには、政党の健全な発展と政策本位の選挙が実現されなくてはなりません。そのためには、国民に対して政党の政策を十分理解する機会を保障するとともに、いやしくも金権によって国民的意思の形成をゆがめるようなことがあっては絶対にならないのであります。いまこそ金権政治、腐敗選挙をめぐる国民の批判にこたえ、公正な国民意思の形成を図る制度を確立することが目下の急務とされるのであります。 公職選挙法第一条には、選挙が「公明且つ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的」としているのであります。この目的とする「公明且つ適正」な選挙ということは、最近における選挙の実情と余りにもかけ離れていることは明らかであります。 今回の改正法は、衆議院の総定数を十一選挙区で二十人ふやすことだけで、衆議院地方区の定数是正は行われないのであります。参議院地方区は、衆議院より定数不均衡が著しく、早期解消を図らねばならない問題であり、憲法第十四条の「すべて國民は、法の下に平等」というその精神を尊重するならば、参議院地方区の定数是正をあわせて実施すべきであります。 次に、選挙の公営化についてでありますが、公営化と言ってもその金はすべて国民の税金から支出されているのであり、第一義的に公営化にしなければ選挙の公平が保たれない場合にのみ公営にすべきであります。 また、機関紙の号外及び選挙運動用のビラに関しては最も大きな問題を含んでいるのであります。 今回の改正において、選挙の公正確保の美名のもとに、本来自由であるべき政治活動を党利党略的な意図から規制しようとする以外の何物でもありません。国民に正確な政治の実情を報告し、行おうとする政策を国民に知らせることは政党の義務であり、その手段となるのが機関紙であり、号外であります。この政党の重要な政治活動の一つである機関紙の号外を、一方的に選挙運動ときめつけ、規制したことは、政治活動の自由を侵し、国民の自由な政治意思形成を妨げようとする暴挙と言わざるを得ないのであります。(拍手)選挙を明るくするためには選挙運動の自由化が拡大されなければならないのであります。戸別訪問も、一定の基準を定めて自由化し、選挙を対話の場として生き生きしたものにすべきであります。これこそが、国民的立場から、自由な政治的意思の形成を保障するという民主国家としての基本姿勢であると強く訴えるものであります。 また、政治が金で動かされてはならないという国民の世論にこたえるには、企業からの政治献金を廃止し個人献金のみとした政治資金規正法の改正こそ、国民の政治不信を回復する根本的な条件であります。今回の改正案では、政治資金が規制されるどころかますます奨励されることになり、金権政治、金権選挙に対する歯どめが全くなくなっていると言っても過言ではありません。企業献金は、派閥などの分を含め最高一億五千万円まで可能となっている。これでは、制限どころか、企業献金を奨励し、企業献金依存の金権的体質を一層強めていくことは明らかであります。 このように、言論の自由と憲法の精神を否定する公職選挙法の一部を改正する法律案及び企業献金の全廃等を明確にしない政治資金規正法の一部を改正する法律案が、いまだ多くの疑問点が解明されておらず、目下、参議院地方区の定数是正が公職選挙法改正に関する特別委員会の小委員会で順調な審議が続いているにもかかわらず、自民、社会両党からの調停申し入れに対し、河野議長の両党にくみしたあっせんによる審議に対する軽率な過剰介入まであったのであります。しかも、従来議長が、公選法改正案は党利党略の争いになるのが当然で介入するわけにはいかないと主張していた言動に全く反するもので、中立性をはなはだ侵すものであり、議長の中立公正な運営を期待している国民を全く欺くものでありました。一方、国民生活優先の立場から国民が強く成立を望んでいる独占禁止法の改正案に対しては、五党一致の修正で衆議院より送付をされてきたにもかかわらず、議長は、一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議をせざるを得ないと言っているのであります。しかるに、わが参議院公職選挙法改正に関する特別委員会においては、この重要二法案についていまだ十分に審議が尽くされていないのであります。しかも、衆議院自身における審議も尽くしていない段階で参議院に送付されてきただけに、なおさら参議院で審議を尽くすことが求められると思うものであります。(拍手) まず第一には、機関紙規制の問題や、政治活動を行う団体ということで一般市民団体の政治活動を規制する問題等、明確な答弁がなされてないのであります。 さらに、飛び地区割りの問題があります。昭和三十九年の十九名増員を含む法改正をしたときには、飛び地区割りが行われなかったにもかかわらず、ヘリコプターまで使って現地を視察しているのであります。しかるに今回は、国民から厳しい批判のある埼玉一区の飛び地区割り、いわゆるゲリマンダーが改正案に含まれているにもかかわらず、ただの一度も現地視察も行っていないのであります。私は、飛び地区割りの行われる選挙区を含む重要地区の視察を強く求めるものであります。 また、わが党や共産党から、地方行政委員会、法務委員会など関連委員会からの連合審査の申し入れをすべきであるという主張に自民党等は耳をかさず、このことは、法案の重要性から見てきわめて異例のことであります。 また、衆議院で修正議決したいわゆる個人ビラの問題があります。公費で行う個人ビラが全有権者に対して配布されるほどの枚数がなく、およそ十分の一以下と言われ、しかもこれに一枚一枚証紙を張ることを規定しており、およそナンセンスなこの規定は断じて許すことができません。しかも配布の方法については、新聞折り込みと政令に委任する方法のみということになっておりますが、新聞の折り込みはきわめて高くつき、これを限られた法定選挙費用で賄うことは大変むずかしく、事実上配布を抑えることにつながると思うのであります。 しかも、同僚議員の多田委員がこの個人ビラの政令に関する質疑を行ったときに、一度目は答弁の約束を果たさず、再度答弁を求めたところ、次の機会にするとの約束をしたにもかかわらず、いまだこれに対する答弁をしておらず、加えて、同僚の峯山委員にはまだ一度も質疑の機会を与えておらず、このような、全質疑要求者の質疑が終わらない現在において、これほどの重要な法案についてわずかの時間の審議しか行っていないということで、果たして十分な審議と言えるでありましょうか。私は、決して十分ではない、もっともっと審議を尽くしてこそ、われわれに課せられた国民の負託にこたえる真の道であると信ずるものであります。したがって、委員会での審議も十分に尽くさない現在の段階で、公職選挙法改正に関する特別委員長が中間報告を行うことは、、委員会運営に当たっての不偏不党、厳正公平な立場を逸脱したものと思うのであります。 したがいまして、公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求める動議を議題とすることの動議に対しまして私は強く反対の意を表して、私の討論を終わります。(拍手) —————・—————
○議長(河野謙三君) 土屋義彦君外一名から、成規の賛成者を得て、 討論終局の動議が提出されました。 これより本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。 —————・—————
○議長(河野謙三君) これより、剱木亨弘君外一名提出の中間報告を求めることの動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、公職選挙法改正に関する特別委員会において審査中の公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第六〇号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)について、速やかに公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求めることに決しました。 —————・—————
○議長(河野謙三君) この際、お諮りいたします。 内藤功君外一名発議に係る公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君の問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。 土屋義彦君外一名から、賛成者を得て、 本案の議事における趣旨説明、質疑、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。 これより本動議を採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。 —————————————
○議長(河野謙三君) これより発議者の趣旨説明を求めます。内藤功君。 ————————————— 〔内藤功君登壇、拍手〕
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、公職選挙法改正に関する特別委員会の委員長である中西一郎君に対する問責決議案を提案をいたします。 まず、案文を朗読いたします。 以下、理由を申し述べます。 中西一郎君おられますか。——中西一郎君を問責する最大の理由は、同君が、公職選挙法改正に関する特別委員長として昨年十二月に就任されたのでありますが、この委員長の重責を担って、国民の金権選挙排除、明正なる選挙の実現という大きな期待にこたえることをせず、公正で民主的であるべき委員会の運営につきまして責任を負うべきお立場にありながら、これを踏みにじり、議会制民主主義の諸原則に挑戦して、一党の党利党略に徹し、非民主的で不当な職権行使を重ねてきたこと、これが最大の理由であります。 〔議長退席、副議長着席〕 まず指摘しなければならないことは、六月の二十七日の夜十一時四十五分でございます。公職選挙法改正に関する特別委員会の理事会並びに小委員会における不当な職権の行使が挙げられます。 すなわち、小委員会におきまして、この日の剱木理事からの回答に対し、公明党及び共産党の小委員より、なお期日を決めてこの小委員会の審議を詰めるべきであるという懇々たる説得があったにかかわらず、中西一郎委員長はこれを無視して小委員会を一方的に打ち切りました。そうして、すでに多くの方が言われました、議長による職権による介入を相呼応して容易ならしめたのでございます。 言うまでもなく、小委委員会は本委員会の付託を受けまして、四つの事項、一つが参議院地方区の定数是正、二つが政治資金規正法の改正、三つが選挙の公営、四つがその他と、これは一致した事項でございます。この四項目につきまして調査検討をいたしますための機関でございます。そうして、これが本年三月十三日の理事会におきまして、自民党も含めた各党の一致におきまして設けられたのでございます。その第一の課題である地方区の定数是正を初めとする諸問題を、本年四月以降審議を尽くし、四党からは二十六名増員案、また自由民主党からも、いわゆる参議院自民党案という六月十三日の案、さらに剱木さんの試案が出されて、まさにこれから小委員会の審議が詰められようとしたときに、このように小委員会の審議を委員長の職権によりまして打ち切る必要がどこにありましょうか。私は、このことこそ、立法府として国民から負託された大きな責任を委員長みずからが放棄した恥ずべき行いであると断ぜざるを得ないのでございます。(拍手) 地方区の定数是正は、いま東京と鳥取の格差が一対五になっておると言われます。このような格差は、法のもとの平等を決めました憲法十四条などの条項にも違反し、一人一人の一票の重みがこのように格差を生じていることは、われわれが断じて黙視し得ない問題であります。この問題を審査するのは、裁判所もやってくれません。自治省、法務省もやってくれません。衆議院もやってくれないじゃあありませんか。だとすれば、参議院のこの小委員会で審議を尽くさなければならない問題なのです。小委員長を兼ねている中西一郎君がこれを一方的に打ち切ったことは、委員長としての職責を果たさない最大のものだと言っても過言ではございません。(拍手) もう一つは、この二十七日に、翌二十八日の公聴会の後に総理大臣を呼んで質疑を行うという提案をしてきたことなのであります。先ほど剱木さんは十分に審議の時間を保証されたと言われましたが、冗談ではありません。たとえば、私の方の党の橋本さんは一回も質問をしていない。公明党の峯山さんもまだ質問をしていない。私はわずか四時間です。私はどんなに調べても、この法律は二十時間自分で質問する問題がある。こういう膨大な資料を持って用意しておった。皆さん、お互いに議員というものは、委員会において自分の聞きたいことが十分聞け、審議を尽くした後に賛否を決めるのが、お互い党派を超えた議員の責務であり、それを許すのが委員長の責任じゃございませんか。しかるに、翌日二十八日の公聴会直後にこのような総理を呼んで質問をするということは、これは明らかに質疑の打ち切り、採決を策したものと言って間違いないのであります。皆さん、このような質疑の打ち切りを二十七日に策したのであります。 しかも三番目には、二十八日の日にはどうであったか。これは不信任案が上程をされた。福田自治大臣と大平大蔵大臣の不信任案が上程をされた。そのために二十八日の審議は、当然のことながら行われなかったのであります。ところが、三十日になりまして、今度はこの三十日の日が非常に問題であった。つまり、夜になりまして、この三階の第四委員室を突如セットをしまして、ここに自民党、社会党、民社党、三党の理事が、いつの間にか御連絡を受けて、座っておられたのでございます。私は、たまたま自由民主党の控室の前におりましたところが、中西委員長がお出ましになった。そこで私はどこへ行かれるのかとついていきますと、途中である自民党の幹部の方とお話しになった上、この三階に上がっていかれました。私はその後をついてまいりますと、四号委員室に入った。そこには自民、社会、民社、三党の理事が座っておられたのであります。私にも公明党の理事にも何らの連絡なく第四委員室をセットをして、このような一方的な開会をされたのでございます。そこで、私と峯山理事は委員長に向かいまして、これは正々堂々と、委員長、こういうことは天下の政治家がやるべきことじゃありません、このようなことをおやめなさい、きょうはもうこの会議は不法な開会だからおやめになるように、時間も遅いということを申し上げたのであります。ところが、そのときに、自由民主党のある委員の方が横から委員長の体を横抱きに抱いて、委員長はわずかに理事会を開催しますというだけの言葉をおっしゃった。そのまま廊下に出まして、二階の自民党控室にずっと連れていってしまったわけであります。 皆さん、言論の府である参議院、このような余りにも一方的な、しかも二党の理事に何らの連絡もない、このような理事会の開会を行う委員長、このような委員長を私どもは国民の負託を受けた公職選挙法特別委員会の委員長として信任することができないのは当然であると思うのでございます。(拍手) しかも、それだけではありません。私が六月の二十日に、この委員会におきまして要求いたしました資料、これは昭和四十七、八、九年度の「選挙関係質疑回答集」という文献でございます。これはA5判でありまして、私も……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が参りました。
○内藤功君(続) ちゃんとこれは見ております。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が超過しております。簡単に願います。
○内藤功君(続) はい、これだけでやめます。 このような資料の提出要求に対しまして中西委員長は、警察庁に対し断固として国会の権威の名において提出要求をなさるのではなく、ただ単に交渉をしておられただけだ。完全にこれは国会の権威をみずからの職権不行使によってみずから冒涜したものと言わなければなりません。 しかも、このようなことだけではなく、連合審査の要求、さらにあの埼玉一区に見られるような恥ずべきゲリマンダーの飛び石選挙区の現地調査の要求に耳をかそうとせず、これを一切禁止しようとし、打ち切ろうとしたのであります。 先ほど申しました「選挙関係質疑回答集」というのはどういうものか。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が参りました。簡単に願います。
○内藤功君(続) これは警察が選挙違反の法律の解釈、運用を書いてある回答集であります。自治省にも、法務省にも貸してあるんであります。こういうものを国会の権威にかけて要求したものに対して出さない。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、簡単に願いますよ。
○内藤功君(続) これだけでも私は大いにこれは不信任に相当する事案であると考えるのであります。 そろそろ時間が参りましたので、私は最後にまとめをしたいと思うのであります。 六月の三十日夜のこの暴挙に見られるように、中西一郎君はいまや一党の党利党略の代弁者と化しております。国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会の……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、簡単に願います。簡単に願います。
○内藤功君(続) とりわけ良識の府を誇るべき……(「終わりだ、終わりだ、時間だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)静かにしてください。あなた方がやめなければ……
○副議長(前田佳都男君) 簡単に願います。
○内藤功君(続) ここに立っています。(「時間だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)静かにしなさい。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、簡単に願います。
○内藤功君(続) 本院の特別委員長……(「終わり」「時間だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)ああいう不規則発言やめさしてください。
○副議長(前田佳都男君) 簡単に願います。(発言する者多し)
○内藤功君(続) それ、やめなけりゃ、私はおりませんよ。 中西君が議会制民主主義を踏みにじり、本院の権威をあえて失墜さしてまで強行成立を図った公職選挙法というものはどういうものであるか。これは労働組合の機関紙、大衆団体の機関紙を無償でなければ配れない。これは総評初めとする労働組合が反対するのはあたりまえであります。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が来ておりますから……
○内藤功君(続) しかも、自治大臣が総評の……
○副議長(前田佳都男君) 簡単に願います。
○内藤功君(続) 代表との会談において、街頭で不特定多数人に配る以外は罪にならないと言っておった。ところが、二十五日の本委員会で、これは私が聞いたんですから、よく聞いてください。私が聞いたところ、彼は、そういうようなものについては……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、内藤君、時間が来ておりますので、このままでは発言を禁止せざるを得ません。
○内藤功君(続) はい、はい。 第一組合から第二組合に配るものは、これはいけない。
○副議長(前田佳都男君) 結論を急いでください。(発言する者多し)
○内藤功君(続) はい、結論にまいりますよ。 こういうものはいけない、こういうことをはっきり言っているのであります。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が大幅に超過しております。このままでは発言を禁止せざるを得ません。結論をお急ぎください。(発言する者多し)
○内藤功君(続) 私は、このような悪法のために中西一郎君が国民の批判を恐れ、審議を尽くすことなく、しゃにむに強行採決を図って暴挙に暴挙を重ねたことを断じて許すわけにいかないのであります。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、内藤君。
○内藤功君(続) 私は最後に……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君。
○内藤功君(続) 中西一郎君を問責する……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君。
○内藤功君(続) いま最後と言っているじゃありませんか。(発言する者多し)
○副議長(前田佳都男君) 大幅に超過しておりますから……
○内藤功君(続) 本決議案に対する議員各位がどのような態度をとられるかは、本院がその権威を回復して議会制民主主義の大道を歩むか、それとも、国権の最高機関を党利党略と数を頼んだ横暴の場になさしめるのか、この二つの道の選択を意味するのであります。 以上が中西一郎君問責決議案を提案する理由であります。 最後に、中西君に申し上げたい。(発言する者多し)あなたはしばしば私の質問に対して、反省をしております、申しわけありません、遺憾でありましたということを六回言っておられる。あなたは非を全部認めておるのであります。認めておりながら、これを……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が大幅に超過しております。(発言する者多し)
○内藤功君(続) これを認めておりながら、これをあなたは実行において移さなかった。これははなはだ遺憾であります。
○副議長(前田佳都男君) このままでは発言を禁止しなければなりません。結論をお急ぎください。
○内藤功君(続) これは私は、この不信任案をふところの中に何回も入れて、きょう出そうかあす出そうかと思っておった。しかし、あなたが反省すると言うんできょうまで待ったんであります。きょうまで待った。しかし、きょうというきょう、あなたが委員会の審議をやめてですよ、この本会議にかけるということに至って……
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、内藤君。
○内藤功君(続) 私は許すことができない。よって、この不信任案を提案したのであります。 各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) 質疑の通告がございます。順次発言を許します。峯山昭範君。 〔峯山昭範君登壇、拍手〕
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君問責決議案の趣旨説明に対し、提案者に若干の質問を行います。 参議院における常任委員会、特別委員会の委員長の役割りは、私がいま改めて申すまでもなく、これは国会法、参議院規則等に基づくまことに重大な任務でございます。また、国民に期待される院にするのもしないのも委員長の運営一つにかかっていると言っても私は過言ではないと思います。当然委員長としましては、私たちは再三にわたって申し上げてまいりました。一つは、小会派の意見を十分尊重し、中立でなければならないということはこれは当然でありましょう。もう一つは、委員会の運営はあくまでも話し合いによる円満な運営を進めるべきであります。ところが、この問題に対しては、ただいま提案者から説明があったとおりではございますが、私はここで改めて提案者に質問をしておきたい。委員長中西一郎君はこのような円満な運営をされたかどうかということを最初に聞いておきたい。 次に、さらには今国会に入りまして六月の十三日、十六日そして十七日と、連続してこれらの原則を破り、小委員会を打ち切り、あるいは職権によって理事会、委員会を強行し、全く議会のルールを破るものばかりでございました。特に私はここで申し上げたいのは、六月の十七日のことでございます。この六月の十七日には、一たん、本日の理事会は散会いたしましたと委員部の方から連絡がございました。ところが、その十分後には、ひそかに社会党の理事のみを呼んで理事懇談会を開き十八日の日程を決めるなど、全く前代未聞の暴挙であると私は思うのでありますが、この点については提案者はどうお考えか、お伺いしておきたい。 質問の第三は、六月二十七日には、委員会終了後の理事会で、各理事の意見を全く無視し、かつ意見を求めようともせず、総理の出席を一方的に決めるなど、全く委員長の職権乱用であり、民主主義のルールを無視したものであると思いますが、この点について提案者はどのようにお考えか、お伺いしておきたいのであります。 質問の第四は、公職選挙法理事会におきまして懸案事項となっておりました現地視察、この点につきましては、社会党の理事さんからは、持ち帰って検討するということになっておりますが、この結論もいまだ聞いておりません。さらには連合審査等も当然私はやるべきだろうと思います。先ほども少しお話がございましたが、衆議院における三十九年のあの審議の経過から見ましても、私は、今回の二十名の定員増という点から考えてみますと、当然現地視察等は実施すべきであると思いますが、この要求を無視した委員長の責任は重大であると思いますが、その点について提案者はどのようにお考えか、お伺いしておきたいのであります。 質問の第五は、委員会における公職選挙法及び政治資金規正法両法案についての懸案事項となっております問題が全く処理されていないということであります。まず第一に、選挙に関する報道、評論についての統一見解の中で、特に「選挙に関する」という部分についての解釈について、わが党の多田委員より具体的に答弁を求めましたところ選挙部長は、「選挙を動機として」と読むなどと答弁しておりますが、この解釈では、政党活動の中で、選挙に際し、選挙を動機としないものはあり得ないのでありますから、このままでは政治活動弾圧の規制法になります。この点について明確な解釈を次回の委員会審議までに出すことになっていたのでありますが、いまだに提出されていないのであります。 第二に、修正案の個人ビラの配布の問題については、提案者も御存じのとおり、その配布について新聞の折り込みだけでは問題点が多過ぎるということが明らかになっております。新聞の折り込み以外の方法については政令で定めることになっております。この政令の内容は特に重要であります。この政令についても、次回の委員会までに出すことになっておりますが、その政令もいまだに出されていないのであります。 第三に、政治資金規正法改正案第三条一項三号及び附則第十条の政治団体の項から目的を外した理由も六月二十八日までに明確にする約束になっておりましたが、この点についても具体的な解釈が提出されていないのであります。その他、要求のありました多くの資料も全く提出されていないのが実情でございますが、この実態について提案者はどのようにお考えか、お伺いをいたしまして私の質問を終わります。(拍手) 〔内藤功君登壇、拍手〕
○内藤功君 峯山先生に御答弁申し上げます。 非常に多岐にわたる御質問でございまして、十分御満足のいくような御答弁に相なるかどうか、もし答弁漏れなどございましたら、議事交渉係を通して遠慮なくお確かめいただくようにお願いいたします。 まず第一点は、参議院の公選法特別委員会の委員長というものは円満なところの運営をしなくてはいけないと思うが提案者はどう考えるか、かような御趣旨と承ったのでございます。 先生も御承知のとおり、参議院の公職選挙法に関する特別委員会と申しますのは、選挙法と政治資金法の改正に関する委員会でございます。したがいまして、国の政治のルール、それから政治とお金の関係、この二つを規制する民主政治の基本的なルールを決める法律の改正委員会でございます。したがいまして、ほかの法律と違うところは、これは一党でも二党でも強力な反対をすれば、多数を頼んでこういうルールをつくってはいけない。しかるがゆえに、ヨーロッパ諸国におきましても、ほとんどがこの選挙法は議員立法であるというところからもこれがうかがわれると思うのでございます。しかるがゆえに、この委員長及び小委員長は、いやが上にも小会派の意見は十分にこれを聞き尊重し、いやしくも小会派において質問の審議が尽くされない——連合審査とか現地派遣などのこういう要求に対する配慮も十分に尽くして、そうして、ほかの委員会でもそうでありますが、ことさらに、これは昔から選挙法の改正は血の雨が降るという歴史の多い委員会なんですから、円満にこれはやるというのが、この委員会の委員長に特に負荷された私は使命であろうと、かように存ずるんであります。この意味から申しまして、中西一郎委員長の運営について、重複を避けながらあえて一言するならば、まず理事会においては、各党各派、特にこの二法案に反対の立場をとる理事の意見は慎重に耳を傾け、そうしてその意見を取り入れ、その理事がいかに、那辺にその真意があるかも十分につかむ度量と、そういう気持ちの持ち方が特にこの委員長には必要なように思うのであります。しかしながら、遺憾ながら中西委員長の場合には、特に公明党、共産党両党の委員が強く要望しております質疑時間を十分にとらせること、連合審査あるいは現地派遣などを十分にやること、こういう要求に耳をかさず、六月二十八日以降職権に次ぐ職権を重ねまして、この総理質問を早くやりたい、何が何でも七月四日までこの法案を通したいということをやってきました。私はなお、この委員長を補佐すべき筆頭理事の責任も重大であることをあわせて申し上げておきます。しかし、子供ではないんでありますから、やはりこの責任は、委員長の責任きわめて重大であり、御質問に対しては、中西一郎君は円満なる運営に欠くるところがあったと、かように答弁せざるを得ないのでございます。 次に、第二点の御質問は、六月十六、十七日の理事会、小委員会の開催運営に遺憾の点はないかと、かような御趣旨と承ったのでございます。この六月十六日は、私もよく覚えております。十七日もよく覚えております。十七日は、御質問のとおり、夜七時十五分と記憶いたしますが、場内放送、館内放送におきまして、この理事会は、本日の理事会は散会いたしたということをふれたのであります。ところが、その十五分後に、再び今度は理事会が再開した。一たん散会した理事会がまた開かれる。かようなことは私は地方山間僻地の村会——と申しては失礼ですが、村会ならともかく、天下の国会においてあり得べからざることだ、あいた口が十五分ぐらいふさがらなかったんであります。私は、このような運営をされたということは、非常に円滑な運営に欠けるところがあった。なお、この二度目の理事会に社会党の理事のみが参加されたことをおまえは知っているか、私は後日これを聞きまして、これまた驚いた次第であります。社会党の理事のお名前はだれか知っているかという御質問でございます。片山甚市先生だったと私は記憶をしております。このように、この六月十六日から十七日にかけましては、理事会の職権強行とそれから小委員会の打ち切りですね、これは私も覚えておりますが、十三日、十六日は、いままでは小委員会の終わりました後に次回の小委員会の期日を必ず決められる委員長が、なぜか、私が次回期日を決めなさいと言ったのにかかわらず打ち切りました。そうして散会を宣した。このころから、私は、この小委員会をなきものにしよう、打ち切って機能を発揮させないようにしようという意図がこのころからあらわれていたのではないかと推量するものでございます。 次に第三点の御質問でございます。これは、六月二十七日の委員会終了後の理事会は職権乱用のはなはだしいものではないか、かような御質問でございます。私は質問者峯山さんの御意見にほとんど賛成でございます。これは、この委員会終了後にまず小委員会を開くというだけの決定だったんであります。公報はそれだけだった。そうして、この小委員会におきましては、先ほども申しましたように、この自民党側からの回答をめぐりまして、公明党、共産党は、まだこの問題は詰められる、交渉というのは、一方が二十六人、一方がたとえば一名、二名あるいはゼロと言っても、そこから交渉が始まるんだから、これから詰めるのだ、いわば相撲で言うと仕切りに入った、こういう状況だった。ところが社会党、民社党はこのとき俄然、これは話にならぬ、決裂だということを、強くこれを主張された。非常に不思議な現象が起きたのであります。こういう中で委員長は、公明党、共産党の意見にもかかわらず、この小委員会を一方的に打ち切りました。これは職権乱用のきわみであることは先ほど私が提案理由の中で申し述べたとおりでございます。 さらに理事会につきまして申しまするならば、この理事会におきましては、翌二十八日の公聴会終了後の総理質問というものを要求をいたしました。そして、この二十八日に質疑の打ち切りを策したということは、われわれは周囲の状況から明白にこれを断ずることができる。この二十七日の御指摘の小委員会、理事会は職権乱用のきわみであると提案者は考える次第でございます。 次に、第四点でございます。 これは、公職選挙法委員会においては現地視察さらに連合審査をやるべきでなかったか、かような御質問でございます。 まず、現地視察から申し上げます。 峯山さん御指摘のとおり、昭和三十九年の公職選挙法特別委員会におきまして現地調査をいたしております。これは記録に残っております。このときは、新しくできました選挙区に対してその形状——形を上から見ますために、ヘリコプターに委員各位が乗って上から選挙区の形を見た、こういうことが三十九年に行われております。したがって、多田先生あるいは峯山先生から、ヘリコプターを使って埼玉一区その他の新しく分区された衆議院の選挙区を見る必要があるんじゃないか、三十日は予備日なんだからその日にやったらどうか、こういう要求が出ましたし、私も党独自の立場からこれと同じ意見を主張いたしました。ところが、ある理事は何と言われたか。現地視察は七月五日にやった方がいいと言った人がいました。こういうふざけた意見に支えられながらやっているのがこの中西委員長であるということも、つけ加えて申し上げたいと思うのであります。 次に、第五点であります。 これは、懸案事項のうち未処理問題が多い、これは質問において審議を尽くさなかった点が多い、かような御趣旨であろうと思うのであります。その一つとして御指摘になりましたのが、選挙に関する報道、評論の問題でございます。私は、この問題をもし御質問なさる場合には、私は一時間ぐらいこれからお話ししたいと思うのですが、しかし、一時間はこれは長過ぎますから、なるべく簡単に私の考え方を、所見を申し上げたいと思います。 選挙に関する報道、評論というのはこれは何であるか、これはきわめてその答弁をする人によって違っている、簡単に言うと。三木総理のお答え、福田自治大臣のお答え、土屋選挙部長のお答え、みんなばらばらだ。六月の十二日に参議院の予算委員会におきましてわが党の上田耕一郎議員が追及して統一見解を出した。統一見解の後、またこれと違った答弁を三木総理がやっている。こういうばらばらなんです。やればやるほどばらばらになっていくわけだ。統一見解出したって何にもならない。しかも、このように政府の中でもばらばらなのに、実際にこれを使って選挙に関する報道、評論のビラを規制いたしますのは、これは警察官憲であります。司法当局、つまり警察官憲。この警察官憲は何を基準に選挙に関する報道、評論を判断をするか。その基準であるこの「質疑回答集」を出せと言ったのに出さない。これでは、国民の前に、犯罪になるかならぬかの範囲を目を覆って隠しておいて、そうして自分の方だけはとらの巻を見て、ああこれはつかまる、これはつかまると言っている。これこそ暗黒政治の標本だと私は思うのであります。 そこで、この選挙に関する報道、評論についての六月十二日の統一見解は、昭和三十五年七月十四日の東京高裁の判例を引用している。ところが、この引用は間違っているんですよ。これは三十五年七月十四日の判例というのは、正当な報道、評論、適法な報道、評論とはこういうものであるという、つまり罪にならない報道、評論の範囲を書いたのです。それを今度は自治大臣は逆にひっくり返しまして、罪になる報道、評論の概念にそのまま持ってきた。「正当な」「適法な」という言葉は、あの判例集見ると十回ある。これを切っちゃって、そして「正当」「適法」というのを切って引用した。私ども法律を少し勉強した者から見れば、これはもうとんでもない引用だということを申し上げておきたい。 さて次に第六点は、修正案の個人ビラの問題でございます。 個人ビラというのは大変傑作なものでありまして、一枚一枚証紙を張る。自民党の中でも反対の方が多いと言われておる。そうして個人ビラは国家の予算で七億円、積み上げますというと富士山の三倍になる。こういうものを国の予算でむだ遣いをしておる。とんでもない話であります。
○副議長(前田佳都男君) 内藤君、時間が参りました。
○内藤功君(続) はい。 そこで、この政令の決めてないのははしからぬ。全く、なにですね。政令で、新聞折込みその他の方法によって頒布する、こう書いてある。ところが、その政令の中身がまだ決まっていない。これは、刑罰だけ決めて、そうして独罪の中身は後で政府が決めるからお任せなさい。こんな立法がありますか。こんな国会をばかにした立法がありますか。私は、この点だけから見ても、中西一郎君がこれから出そうと策動しておるこの中間報告なるものがいかに不当か、国民の目の前から一番大事なことを覆い隠すものかということが明らかだと思うんです。 時間が参りましたので、最後に第七点につきまして御答弁申し上げます。 御質問は、政治資金規正法の中に書いてあるところの「政治団体」をば、今度は「政治活動を行う団体」に変えてきたと。いままでは「政治活動を目的とする団体」が選挙中の活動が禁止をされた。今度はその「目的」を取りまして、「政治活動を行う団体」をこの検挙の対象にする。とんでもない話だ。これは政治活動と言いますと、これは保育所をつくるために国に要求する、都道府県に要求する、あるいは日照権の制定のためにその条例を制定する、あるいは平和運動、あるいはこの選挙法改正反対運動、非常に広範な政治活動が世の中にはございます。民主主義の世の中ですから、「政治活動を行う団体」は、皆さん方を推挽してくれている団体の中にもいっぱいある。これが全部選挙中取り締まりの対象になるというこの法律は、しかるがゆえに今日、約百四十万人の大きな反対署名が出てきているのは、こういうものをつくってはいけない、こういう世の中にしてはいけないという国民の世論のあらわれと見なければならぬと思うのでございます。 私は、こういう点から以上七点にわたりまして峯山先生からの御質疑にお答えいたしましたが、なお答弁漏れの点につきましては御指摘願って、さらに答弁を申し上げたいと存じます。(拍手) —————————————
○副議長(前田佳都男君) 安武洋子君。 〔安武洋子君登壇、拍手〕
○安武洋子君 私は、ただいま議題となりました中西一郎委員長に対する問責決議案の提案趣旨説明に対し、日本共産党を代表して質問いたします。 まず第一点は、参議院に送付された公選政治資金の二改正法案についての審議に当たって十分慎重な審議を行い、この改正案が持っている数多くの疑義について十分に各党とも質疑を行うことができるように、公選法改正特別委員会の審査を進めることが、同委員会の委員長としてとるべき最も重大な、かつ当然の責務であるという問題であります。 とりわけ、参議院同特別委員会においては、公選・政治資金二法の改正を各党の一致により、また同時に、国民の期待に真に沿うものとするため、各党合意の上で小委員会が設置され、同小委員会での昨年十二月四日の理事会では、各党一致の意見に基づいて、まず第一に、参議院地方区のはなはだしい人口アンバランス是正のための定数是正を最優先として審議を進めることが満場一致確認されていたはずであります。言うまでもないことながら、人口の流動変化に伴って引き起こされた参議院地方区の特にはなはだしい不均衡は、国民一人一人が本来平等に有する選挙権をはなはだしくゆがめるものとして、憲法十四条に違反するという重大な憲法問題にまで立ち至っているのであります。そして、そのアンバランスは、参議院地方区においてはむしろ衆議院以上にはなはだしいものとなっており、したがって、国民世論もまた、この参議院地方区の定数是正こそが当然にして緊急の課題であるとしていることも明白であります。それゆえ、同小委員会がまずこの地方区定数是正問題の解決に全力を挙げて取り組むこととなったのは当然正当なことであり、まずこの点の審議を尽くして各党一致の案をつくり上げ、これを今国会において実現することこそ、参議院における公選法審議の最優先課題であることは、同小委員会で定められた運営方針によっても明白であったはずであります。野党四党において繰り返し協議の結果、地方区二十六名増員是正案をつくり上げたにもかかわらず、きわめて遺憾なことに、自民党は具体的な自民党案の回答を終始引き延ばし、その結果、剱木試案なる単なる一個人の試案を六月二十七日に提出してきたのであります。自民党回答なるものはもちろんわが党の認めることのできないものであることは当然でありますが、全国区制度とは切り離して地方区是正を検討すること、全体の定数増についても疑問があるとはしているが、絶対不可能とは断定していないものであることなどから見ても、さらに続いて小委員会での審議を急ぎ、今国会においてアンバランス是正を実現するために最大の努力を尽くすべきことが公選法特別委員会及び小委員会の最も重要かつ必要な問題となっていたことが明らかであります。 このような重大な責任を負っているはずの中西委員長は、自民党の引き延ばしにしばしば事実上同調する態度をとり、小委員会の終わりに次回の小委員会の日取りも決めないまま散会してしまうというような誠意のない措置をとったのであります。そしてその結果、きわめて遺憾なことに、小委員会の審議を尽くさないまま、一方的に公選・政治資金改正法案の審議を進めることにのみきゅうきゅうとし、結局、今国会における参議院地方区是正問題を委員会の自主的責任で解決するという本来の任務にはなはだしく反する結果を招いたのであります。 以上の点は、中西一郎委員長が委員長としての職責に著しく反するものと言うべきだと思いますが、提案者の見解を求めるものであります。 また、七月一日から二日にかけ、公選法委員会を中西委員長は強行開会されようとしました。このとき、先ほど社会党の工藤議員は、共産党秘書団が暴力をふるったかのごとき発言をされましたが、あのとき暴力をふるったのは中西委員長を初めとする自民党であり、私に直接全治五日間のくつでけり上げるという打撲傷を与えたのは工藤議員を初めとする社会党議員、秘書団であり、このことはわが党の名誉を著しく汚し、また、そればかりでなく、私自身にもこのようなけがをさせている。事実無根の発言であるということは重大であり、私は議長に対し、工藤議員の発言を取り消すようこの場で措置をとられるように求めるものでございます。よろしくお願いします。(発言する者多し)——取り消すようにお願いいたします。事実無根です。私はけがをしております。診断書を持っております。だから、取り消すように求めてください。わが党の名誉を著しく傷つけております。事実じゃないです。(発言する者多し)——私は診断書を持っております。五日間の診断書を持っております。——工藤議員の発言は事実無根もはなはだしいです。取り消すように措置を求めます。私は、その措置をしていただくまで、この場での発言を保留します。(拍手)議長の良識ある措置を望みます。——議長、私は議長が発言なさるまで、措置をとられるまでこの場をおりません。
○副議長(前田佳都男君) 安武洋子君、質疑を続けてください。
○安武洋子君(続) 措置をとってください。私の要求です。わが党の名誉を傷つけております。わが党の名誉とともに私をも傷つけております。発言を——事実無根です——取り消すように措置をしてください。それまで私はこの場を引き下がりません。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) 安武君、質疑を続けてください。
○安武洋子君(続) 私の要求にこたえるように私は重ねて議長に要求します。
○副議長(前田佳都男君) 質疑をお続けください。
○安武洋子君(続) 続けるわけにはまいりません。発言を保留します。
○副議長(前田佳都男君) 安武洋子君、質疑を続けてください。
○安武洋子君(続) 措置をお答えいただきとうございます。どういう措置をとっていただけるんですか。——会議録を取って調べていただくということで、私は不本意ながら質問を続行いたします。(拍手) 質問は、中西委員長の民主的ルールを踏みにじった理事会及び委員会の運営に当たっての職権乱用の問題であります。 言うまでもなく、今回の公選法・政治資金改正案は、いま全国の労働者、学者、文化人など広範な国民が強く反対しているのであります。特にこの法案が持つ言論、表現の自由に対する抑圧、警察権力の不当介入の増大などは憲法の基本精神と民主主義に反し、断じて許されないものであります。憲法に次ぐ重要法と言われる公選法の改正は、こうした状況の中において、とりわけ十分な審議を必要とすることはだれの目にも明らかであるにもかかわらず、同委員長がその職権を乱用して、共産、公明両党が十分に審議をすることを強く要求しているにもかかわらず、一方的に総理に対する質問を強行しようとし、強行採決まで行おうとしたことは、公正であるべき委員長の職責を投げ捨て、社会、民社両党の同調、支持のもとに、参議院の良識と議会制民主主義のルールを踏みにじった暴挙と言わなければなりません。このようなことでは、中西一郎委員長は、もはや同委員会の委員長としてとどまるべき資格の全くないことが明白だと断ぜざるを得ませんが、提案者の御意見を承りたいと思います。 またさらに、同委員長は六月十六日夜、公式に理事会を取りやめたと宣言しながら、わずかその十五分後にこれを取り消して理事会を行うなどという不見識きわまりないことをあえて行い、また六月二十七日、深夜の理事会では、休憩の後理事会を再開して、各党理事の意見を一言も聞かないまま、全く一方的に自分の意見をわずか十秒余り表明して、これをあたかも理事会の決定であるかのごとく称し、特に共産、公明両党理事をほとんど無視して審議を尽くす道を閉ざし、職権に次ぐ職権をもって強行採決を目指す委員会運営を続けてきたのであります。このような乱暴きわまりない中西一郎委員長の行動は、その職権乱用もはなはだしく、良識の府たる参議院審議のあり方を根本的に破壊じゅうりんするものとしてとうてい容認することができないものであります。この点についての提案者の所見を伺って私の質問を終わります。(拍手) 〔内藤功君登壇、拍手〕
○内藤功君 安武さんに御答弁申し上げます。(「内藤先生、簡単に頼みます」と呼ぶ者あり)いや、これはね、簡単にいかないんです。そう簡単にいかない問題が出てきちゃった。 まず、いかなる理由があろうとも、婦人議員、婦人議員に対して、けっ飛ばしてけがをさせる、こういうようなことが許せないことは当然であります。しかも、この安武議員は、この間、七月の一日のあの委員会前におきまして、この社会党の議員、秘書団に足をけられてけがをしたということを、その直後から言っておられました。こういうときに、この社会党の方から、みずからが暴力をふるわれたということを聞かれました。非常に憤激され、抗議をされたものと理解をいたします。私は、この問題についてはぜひ議事録を明らかにして、そうしてこの問題の責任を厳正に負われることを私は強く要求したいと思うのであります。私は、このような行動を起こした根源に、やはりこの公職選挙法に関する特別委員会委員長中西一郎君が小会派の意向を無視し、非民主的な議会の運営をやってきた。ここのところに一番大きな責任があり、いまの安武議員の指摘された事実から見ても、このように委員会の運営を混乱させ、このような事故を起こしたその責任は中西一郎委員長にある、かように断ぜざるを得ないと思うのであります。 次に第二点として、安武さんの御質問の中で、小委員会の運営方針に触れた点がございました。私は、まずこの二十六人増員案というものが四党の間でまとまったということは、これは四党の間で——共産党は四十八人増案、さらに民社党は十人増案でありました。しかし、このように一カ月かけて、五月から六月にかけて一カ月かけて四党の間ではまとまることができるのであります。そうして、自民党のみが総定数の枠にこだわるとか、あるいは全国区と地方区のいわゆるワンパッケージを主張するとかいう中でじんぜん日を延ばしてきたのであります。これは一体なぜか。自民党のある幹部が言われたように、もし地方区の定数是正をするならば、いわゆる保革逆転が本当に実現してしまう。それを恐れるがゆえに、保革逆転やらないのだ、こう公言している幹部がたくさんいるのであります。これこそ党利党略だ。私は、小委員会というところは、本委員会の付託を受けて、そうしてこの各党合意の上、この一致点を求めて、そうして地方区の定数是正をやるところであります。先ほども言いましたように、わが国にはまだ第三者による定数委員会あるいは定数を決定する機関がありません。今後ともこの設置はむずかしいでありましょう。だとすれば、院がみずから任せたこの小委員会の審議を真剣にやること、その小委員長は職責をかけてこれを精力的に進めることが最も委員長として果たすべき職責であった、かような点におきまして、安武議員の御所見と私は意見を同じくするものでございます。 第三点目に、十分に必要な審議を尽くしていないではないか、これでは議会政治の良識、議会制民主主義の良識に照らして非常に問題のある審議ではないか、こういう御質問でございます。私は先ほども申し上げましたように、この二法案を審議するには非常な時間をかけてこれは審議する、それだけの価値のある問題だ。これはまず十年に一遍あるかないかという私は選挙法の大改正だと思うのであります。ところが、これをいままでどれだけの時間やりましたか。わずかに二十時間十九分であります。これだけの時間しかやっていないのだ。私はたとえば、先ほど申しました問題のほかに、政治資金規正法の問題をひとつ取り上げてみる。この政治資金規正法の中には、たとえば匿名募金の禁止という条項がありますけれども、この中で、たとえば、本当の浄財ですね、大衆が自分の乏しい財布の中から五百円、千円、あるいは百円、二百円というものをカンパをする、献金をする。世の中に浄財があるとすれば、これが本当の浄財であります。こういうものに対してまで、これを献金した人は住所、氏名、職業を書かなければ、これは三年以下の禁錮に処する。三年以下の禁錮というのは大変な重刑です。これは自動車事故で人をけがさせた人に匹敵する、こういう重罰なんですよ、百円を無断で名前を書かないで出しても。そして受け取った人もそうなんだ。しかも、その百円なり二百円の無記名、匿名のカンパというのは国庫に没収されるというんですから、とんでもない法律であります。これに比べてあの企業献金、たとえば年額二千万円までの限度、制限をつけられた会社が二千万円を超えて超過の献金をした場合には、これに対する罰金はわずか二十万円の罰金ですね。没収もされない。こういうような本当に大衆からの零細——と言っては失礼ですが、少額の献金については三年以下の禁錮という重刑と没収処分をもって脅かし、そうして大企業の献金に対してはわずか二十万円。痛くもかゆくもありませんじゃないですか。こういうような罰金をもっている。こういうような問題を徹底的にやはり時間をかけて究明したいと私も思ったし、橋本委員も思った。また、峯山さんも何ら質問の時間がないまま今日に至っている。こういう状況を考えるならば、審議を尽くしていないことは明瞭であります。先ほどから承っておれば、委員会の審議をやめて、この本会議でもってこの問題を一挙に処理しよう。とんでもない話だ。これこそ言論弾圧であり、これこそ議員の質疑権を封殺する最たるものだと思うのであります。私は、このような点から見て、安武委員の三点の質問に対し、私も同意見であることを申し上げます。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) これにて質疑は終局いたしました。 —————————————
○副議長(前田佳都男君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。戸塚進也君。 〔戸塚進也君登壇、拍手〕
○戸塚進也君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君に対する内藤功君提出の問責決議案に反対の意を表するものであります。(拍手) 今日、議会政治の基盤である選挙制度並びに政治活動に必要な政治資金に関する現行制度については、さきの参議院議員選挙以来、国民の間に強い批判のあることは周知のところであります。現在、政府から提出され、公職選挙法改正に関する特別委員会において審議している公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案は、同委員会の審査の過程で明らかにされたように、現行制度を不満とする国民の強い要請にこたえ、公明かつ公正な選挙を実現し、政治資金の公開の原則の徹底の強化を図ろうとするもので、政治に対する国民の不信を除去するため、現下の状況においてはきわめて適切なものであると思うのであります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり、拍手) 中西一郎君は、昨年十二月二十七日、本院の公職選挙法改正に関する特別委員会の委員長に選任されて以来、公正な態度をもって委員会の運営に当たられてきましたが、特に去る六月九日、政府提出の二法案が委員会に付託されてからは、さきに設置された、地方医の定数問題を初め当面の諸問題を検討する小委員会の運営とともに、与野党に対し、常に全く公平な態度をもって臨み、対処されてきたのであります。 特にこれら二法律案は、国民の基本的な権利にかかわる選挙権、被選挙権、国民の言論、政治活動の自由に関係を持つものであることにかんがみ、国民の疑問とするところを明確にされる必要があるとの見地から、委員会の運営指揮に当たってきたのであります。その結果、政府二法案が、国民の自由な言論の表明や自由な政治活動を抑圧するものでは断じてないことが明らかにされたと考えるのであります。(拍手)公職選挙法改正に関する特別委員会は、六月十八日の理事会において定例日一巡方式、すなわち定例日を毎週水曜日、金曜日とし、月曜日を予備日として、小委員会、参考人からの意見聴取等に充てることなどを決定し、二法案の審査を行うことといたしました。委員会においては、この原則により、各党ほぼ三巡の質疑を行い、また、公聴会を開き公述人の意見も聴取いたしました。本来なら、これをもって審査はすでにほぼ終局すべきものと考えるのでありますが、中西委員長はさらに質疑日を予定し、三木総理の出席を求めて国民の疑点を一掃するよう率先努力されたのであります。しかるに、不幸にして予定していた七月一日の委員会が委員室への入室阻止という暴挙により開会できず、審議の続行が不可能となったのであります。さきに本決議案の提案者より、中西委員長が、福田自治大臣不信任及び問責決議案が両院に提出され、かつ前田副議長不信任決議案が提出されているにもかかわらず、職権で委員会開催を公報に記載し委員会開会を強行しようとしたことが問責に値するとのお話がございましたが、ただいままで申し述べてまいりました経過の中で、会期末を控えあわただしい日程ではありますが、できる限り各委員が本法案への理解を一層深めていただくために質疑の時間を十分に確保したいという中西委員長の温情あふれる措置なのでありまして、(拍手)しかも、あのような異常事態の中で理事会も満足に開会することができず、ついには一部野党理事が理事会開会に応じないに至っては職権開会のやむなきに至ったのでありまして、この点をとらえて中西委員長を非難することは全く的外れであると考えるものであります。(拍手) また私は、参考のために本院における第四十国会から第七十一国会までの同様ケースについて、本会議、委員会の開会状況について調査いたしたいのでありますが、その結果、たとえば第四十三国会において外務大臣不信任案が提出されてからその議決までの間に当該外務委員会が開会されており、以後幾たびか同様の慣例が記録として残されているのでありまして、大臣の不信任案が出されたから直ちに院の会議のすべてを停止しなければならないという、こういうことはわが国に関する限りどの法律にもどの慣例にもないことをこの場をおかりして明確にいたすものであります。(拍手)この点をもって善良なる中西委員長を非難することは全くいわれのない言いがかりであり、とうてい容認することができないところであります。満場の議員の皆さん、冷静になって去る六月三十日より七月一日深夜に至るまでの一部野党のとられた公選特別委員会室前における全く予想だにしなかった暴挙を思い起こしてみていただきたいと思います。(拍手)これが果たして国権の最高機関であり、しかも、みずから良識の府として任ずる参議院における議員や秘書諸君の行動として許されるものでありましょうか。(拍手)私は、かかる行動は断じて許すことのできないものであり、賢明な国民大衆は、テレビ、新聞を通じてこの事実を知ることにより、このような暴挙を平然として行う政党に対しては、次期選挙を通じて必ず厳正な審判が加えられるものと確信いたすものであります。 私は一委員として、去る六月三十日夜より七月一日深夜にかけ、数回にわたって正常な委員会の開会を願って公選特別委員会室へ入室を試みましたが、その光景は言語に絶するものがあり、このまま委員会開会を強行すれば、負傷者が出るばかりでなく、最も不幸な惨事を招きかねない状況だったのでありまして、賢明な中西委員長としては、もはやこの異常な状況下で、今会期中に正常な形での委員会審議は不可能と判断されたのでありまして、中西委員長のこの判断は全く当を得たものであり、何ら非難されるところはないと思うのであります。(拍手)私は、公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君の委員会運営に違法性はないことはもとより、何ら手落ちがなかったと確信しております。もし責任を問われるとするなら、さきにも申し述べました委員会室への入室を実力をもって阻止した関係者にこそあると思うのであります。(拍手) 最後に、委員長中西一郎君は、満場の議員の皆様も十分御承知のとおり、人格円満にして高潔、柔和なお人柄であり、政治経歴、また手腕力量など、あらゆる面から考えましても、まさに十年に一人出るか出ないかの名委員長でありまして、(拍手)このりっぱなわが院の誇りとする委員長に対して問責決議案を提出するがごとき態度は、党利党略、会期末時間切れをねらった見識のない行動であり、本決議案に賛成できるかけらすらもないことを断言するものであります。(拍手) 以上のような理由により、私は自由民主党を代表し、公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君に対する問責決議案に反対するものでありますが、何とぞ本決議案を提案された内藤功君初め皆様もいま一度お考え直しをいただき、満場一致本問責決議案を否決とされますようお願いして私の反対討論を終わります。(拍手) —————————————
○副議長(前田佳都男君) 多田省吾君。 〔多田省吾君登壇、拍手〕
○多田省吾君 私は、公明党を代表いたしまして、公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君問責決議案に賛成の討論をいたします。(拍手) 私は、公職選挙法特別委員会委員といたしまして審議に直接参加し、また、しばしば理事会をも傍聴してまいりました。先刻来、問責決議案の提案理由の説明及び質疑にもございましたように、中西一郎君の議事運営は、もっぱら、自民党から何か言われたのか、職権による理事会の強行を行い、また、職権による委員会の開会をたびたび行おうとしていたのであります。委員長たるものは公正中立であるべきであります。また、与野党の理事の意見をよく聞いて、そして円満なる議事運営に努めなければならないと思います。そもそも、この公職選挙法の一部改正案並びに政治資金規正法の一部改正案は、憲法にも比すべき議会制民主主義の根幹にかかわる重要な法案であります。公選二法は、いやしくも一党や二党のみの賛成で独断で簡単に行ってはならないものです。それなのに、ただいま戸塚君が申されましたように、きわめて会期末のあわただしい中にこの法案を通そうというようなことは断じて許されません。(拍手) 私は一生を通じて、この憲法にも比すべき最重要の法案をこのような姿で強行突破して成立させようという、そして国民の意思に反して行うという、この自民党初め一部野党の暴挙に対しまして心から憤激を覚え、私はこのことは一生忘れないでありましょう。また多くの国民も決して忘れないと思います。 そもそも、この法案の中には、機関紙等の規制によって憲法に保障された言論、表現の自由や国民の知る権利が抑圧されるという改悪を初め、新たに「政治活動を行う団体」という名前で、一般の市民団体や婦人団体や文化団体、消費者団体の自由な政治活動を一方的に禁止し、そして罰則を加えようというものを盛り込んでおります。また、大事な参議院地方区の定数是正を盛り込むことをしておりません。さらに、政治を毒する企業献金を相変わらず野放しにし、かえって企業献金を奨励するような内容を含む天下の大悪法であり、ファッショ化にも道を開く絶対に許すことのできないものであります。 このような公選二法に対しまして、自民党が一方的な、党略的な、権力的な、反国民的な改正を行おうと、十分な審議もしないで一方的に強行突破しようとしていることは断じて許せません。 先ほどからお話がございましたように、私は中西一郎委員長のとった数々の態度の一部を申し上げてみたいと思います。 公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君は、参議院の規則に基づいて定められた院の重大な任務にありながら、六月十三日、同十六日、十七日及び十八日の理事会、小委員会、委員会の運営に当たりまして、一方的な打ち切りを初め、しばしば職権による理事会等の強行など、円満な話し合いによる運営を行わず、内藤議員のお話にもございましたように、何回もそのたびにおわびをしながら、しかし、それを最後まで改めようとせず、議会制民主主義のルールを破壊したのであります。 また、六月二十七日夜の理事会では、各理事の意見を全く無視し、かつ意見も求めず、公聴会終了後の委員会を開こうとし、そしてそれに総理を出席させて質疑終結を一方的に図ろうとしたのであります。これは委員長の職権乱用であり、断じて許しがたいものであります。 さらに、六月三十日には、福田一自治大臣の不信案及び問責決議案が衆議院、本院両院に提出されているにもかかわらず、突然理事会の会場を変更し、そして公明党、共産党の理事には少しも連絡をしないで強行開催したのであります。 また、七月一日には、院の構成上重要な副議長の不信任案が提出されているにもかかわらず、再三にわたり委員会を強行しようとし、そして選挙法、政規法の両改悪法の成立を図ろうとしたのであります。 委員長が理事会に諮った定例日は水曜日と金曜日であります。そして月曜日は予備の日といたしまして、公聴会とか、参考人とか、あるいは現地視察とか連合審査、そういったものを行う日であるべきであります。しかるに、定例日でも予備日でもない日に総理を呼ぼうとしたり、あるいは質疑終結をはかろうとしたり、また、法務委員会や地方行政委員会等におきまして連合審査の要求を公明党、共産党等が強く要請したにもかかわらず、公選法の委員長や理事の妨害に遭いまして、ついにいままでこれが実現していないのでございます。私は、まだまだこの公選二法に対しまして質疑は尽くされていないと思います。 先ほどからいろいろお話がございましたように、今回は非常に罰則が強化されました。機関紙号外の選挙に関する報道、評論の規制におきましても厳しい罰則がございますし、また新たに、「政治活動を行う団体」として市民団体や婦人団体の政治活動を禁止した。その判断は一方的に司法当局、警察当局によってなされるのでございます。そして、厳しい罰則に遭うわけでございます。 また、世にも物笑いの種になるような修正案に盛られた個人ビラ、これは二十九・七センチあるいは二十一センチの小さなビラでございますけれども、参議院全国区におきましては三十五万枚、衆議院におきましては六万枚から十万枚、これを一々証紙を張って、そして配る方法はいまのところ新聞販売店の新聞折り込みしかない。その他は政令にある。そして、われわれの質問に対しまして自治大臣等は、運動員がそれを配ると戸別訪問に問題がありますのでこれはできない、こういう意味の答弁も行っております。そして、この新聞折り込みは販売店におきまして断るのも自由だ。また、これは選挙のいわゆる文書図画になりますから、もし販売店の方々が善意の気持ちでこの個人ビラを頒布してあげましょう、そのように引き受けましても、事故によりましては選挙の自由妨害という罪になりまして、懲役四年、禁錮四年という重罪になるおそれもあるのでございます。 このようなものを新聞折り込み以外の政令によって行うという以上、その政令の内容を示されなければ審議なんかできるものではありません。これを追及したところ、二十七日までには必ず出しますと。ところが、二十七日になったら、自治大臣も選挙部長も示せない、提案者に相談すらしていない、こういうふまじめな審議を繰り返してきたのが公職選挙法改正特別委員会の実態でございます。そして連合審査も行わず、また、現地視察も要求したのに委員長は取り計らってくれない。こういう状況でこの公選二法が強行突破されるようなことがあったならば、どうして国民は満足できるでございましょうか。 私は、この憲法にも比すべき大事な公選二法の審議に当たりまして、このような議事運営に当たった中西一郎委員長の責任は重大であると思います。個人的な人柄においては温厚な方でございましょう。しかし、この重大な公選二法の審議において示した中西特別委員長の態度は、私は断じて許せないのでございます。そういう意味におきまして、私は、内藤功君提案のこの公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君の問責決議案に対しまして、賛成の意を強く表明いたしまして賛成討論を終わりたいと存じます。(拍手) —————————————
○副議長(前田佳都男君) 橋本敦君。 〔橋本敦君登壇、拍手〕
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、公職選挙法改正特別委員会委員長中西一郎君に対する本問責決議案に全面的に賛成の討論を行います。(拍手) まず第一点は、同委員長が本参議院における公選法改正法案等の審議に当たって、まず第一に、今国会では当然行わなければならない参議院地方区の定数是正の実現を任務とするこの重大な小委員会を軽視したことであります。その結果、四野党一致の強い要望にもかかわらず、、今国会における定数是正を今日事実上不可能ならしめ、また、強くこれを求めている国民の世論に背くという重大な結果をもたらしたその直接の責任のある立場にあるものであります。 言うまでもなく、主権者たる国民がそれぞれ保有している選挙権は、議会制民主主義の基礎をなすものであって、最大限に尊重されねばならないことはいまさら言うまでもないことであります。しかるに、近来の人口流動変化に伴って、一人の持つ一票の重みが他の地方の一人の持つ一票と比べて一対五というはなはだしい比率にもなるという格差が生じている事態は、まず第一に、主権者たる国民の意思を正しく選挙及び政治に反映し得ないこととなっていることが明らかであります。 第二に、明らかに法のもとの平等を定めるわが民主憲法第十四条にも違反するという重大な憲法問題まで惹起しているのであります。参議院地方区のこのひどいアンバランスは、もはやこれ以上放置し得ないものとして、早急にこれを是正することは、早くから国民世論として要求されてきたし、また、実際に裁判問題ともなるに至って、裁判所もその判決の中で、われわれ立法府の良識に期待をし、早期、自主的にこれを是正することを裁判所としても強く要望しているところであったのであります。 このような状況のもとで参議院公選法改正特別委員会はわざわざ小委員会設置を行い、各党一致の意見により、もちろん自民党理事の賛成も得て、何よりもこの定数是正問題を最優先の第一議題として確認をし、自来協議を進めてまいったのであります。その目標は、言うまでもなく今国会において具体的是正を目指すことであり、四野党は協議を尽くした結果、定数是正案を取りまとめたのでありますが、遺憾なことに、自民党はいたずらにその回答を引き延ばしたまま遷延日を送り、ようやくにして剱木試案なるものが、自民党執行部の了解を得たものとして出されるに至りまして、これは基本的にはとうてい賛成し得ない内容を一般的には持っていますけれども、それでも、全国区とのワンパッケージを基本的に主張しないこと、さらに定数増については、当面定数の枠内の是正を図るけれども、定数増については絶対に不可能とは言っていないことなど、これを基礎にして四野党との間の協議を詰めることが当面の最重要課題となっていたのであります。この小委員会において、理事会で各党一致で確認された運営方針の根本趣旨から見ても、まずこの定数是正問題の決着をつけ、しかる後に、政府提案の公選法についての審議に入るべきことが、事柄の筋として、本院公選法特別委員会では当然の筋道であったと言わねばなりません。ところが中西委員長は、この当然の筋道と前提を踏み外し、事実上、自民党の引き延ばしに同調して小委員会の審議を軽視し、たとえば委員会の終結に際し、次回の委員会の日取りを設定しないまま散会を宣するなどの態度をとり、これを、四野党の強い要求にもかかわらず、最優先課題として決着をつける、その態度をとらずして、委員長としての職責に著しく違反したというのであります。(「何やってるんだ」「議長、議長」「進行、進行」と呼ぶ者あり。その他発言する者多く、議場騒然)
○副議長(前田佳都男君) 橋本敦君、討論続行をお願いします。
○橋本敦君(続) 議長から討論続行の指示がありましたので、それに従って討論を続けます。 いま、先ほど申し上げましたように、中西委員長不信任の第一の理由は、このようにして野党四党及び国民が現実に今国会で期待をした定数是正、アンバランスの是正を、これを確実になし遂げる、その責任を怠ったことであります。 次に、第二の問題について申し上げます。 中西委員長は、そもそも根本問題として、政府提案の公選政治資金規正法改正案が、多くの人々が言うように、言論の抑圧、ファシズムへの道を開くという重大な内容と問題点、これを持っているにもかかわらず、これについての正しい憲法的認識を欠如し、その結果、委員会運営を慎重に審議を進めることを中心にするのではなくして、いたずらに職権を乱用し、強行採決を目指し、もって参議院の良識と議会制民主主義のルールを公然と踏み外すに至ったことであります。 言うまでもなく、いま申し上げましたとおり、今次の政府提案の公選法改正案なるものは、選挙の報道、評論に関する政党機関紙号外を一挙に全面的に禁止し、さらにまた「政治活動を行う団体」という新たにして不明確な定義をつけ加え、これによって労働組合や多くの市民団体の自由な政治活動、また国民の知る権利を奪うという憲法違反のそしりを免れない重大な内容を持っているのであります。したがって、いまこの改正案に対して労働者を初め広範な国民各層の反対が日夜大きく高まっていることは、憲法の民主的諸条項、わが国の民主主義を守る立場に立って当然のことであると言わなければなりません。 さらに、政治資金規正法案は、金権腐敗選挙を根絶し、財界と政治との醜い癒着を断ち切れという、これこそ国民の正当な要求に反して、公然と企業献金を温存、奨励し、一方では匿名寄附の全面禁止という手段で、国民一人一人が零細な政治に対する浄財を、これを提出することを事実上抑圧するという不当きわまる内容となっているのであります。それだけではありません。こういった言論制限違反に対しては重い刑罰を科すというたてまえから、その不明確な規定とも相まって、警察権力が取り締まりに名をかり民主団体に権力的介入を行う危険を一層増大させようとしているのであります。 これまでの委員会における審議においても、両法案の持つこういった危険な内容はますます具体的に明白にされつつあるところでありまして、したがって、このように憲法と議会制民主主義の根本にかかわる重要法案については、国民の前にすべての問題点を明確にするため、委員会において慎重審議を尽くすべきことは絶対に欠くことのできないものであることはだれしも明白であろうと思います。ましてや、選挙制度、選挙法なるものは各党一致の意見によってつくり上げられることが最も望ましいものと、自民党理事をも含めて多くの委員が発言している中で、中西委員長は、野党第二党、第三党の要求するこういった問題に対する質疑を十分に尽くさせる処置をとらず、参議院の良識から見ても絶対に強行採決の道など避けるべきであるにもかかわらず、この道をいちずに進んできたのであります。 さらに同委員長は、こういった質疑の問題だけではなく、多田議員も触れられたように、当然、われわれが要求をした連合審査要求あるいは地方公聴会、委員派遣の調査など、とるべき、なさねばならぬ処置がまだまだある段階でありながら、突如として、総理を呼んで委員会開会を強行するというような暴挙に突然出てきたのであります。これこそまさに参議院の良識と議会制民主主義のルールを踏み外したものと言わずして何でありましょう。あまつさえ、同委員長は七月一日に至るや、院の構成に関する根本問題として、当然最先議すべき副議長不信任案が提出され、並びに直接の担当大臣である福田自治相に対する問責決議案が本院、衆議院に提出されているもとで、多くの先例にも反し、多数の自民党秘書団を動員し、実力で委員会開会を強行しようとしたのでありますが、これこそまさに、中西委員長、あなたみずからが参議院の良識を踏みにじった暴挙と言わずして何でありましょうか。(拍手)私どもは厳しくこの点を追及するのであります。 以上のような中西委員長の態度は、あくまで公正中立であるべき委員長としての重大な職責をみずから放棄するものであり、憲法の民主的基本精神に反して言論抑圧への道をみずからの手で切り開こうとし、こうしてわが国の民主主義を大きく後退することに積極的に先頭に立って手をかそうとするその責任は、民主主義の名において厳しく問われねばならないと思います。かくして、もはや中西委員長は、慎重審議こそ要求される当院公選法改正特別委員会の委員長たるの職にとどまる資格を全く失ったと言うべきことが明白であります。 以上の理由によって、私は本問責決議案を全面的に支持し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) 先ほど問題となりました工藤良平君の発言につきましては、速記録を調査の上、善処いたします。(「それじゃだめだ」「何だ何だ」と呼ぶ者あり) これにて討論は終局いたしました。 これより、公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君問責決議案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(前田佳都男君) 少数と認めます。 よって、公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君問責決議案は否決されました。(拍手) —————・—————
○副議長(前田佳都男君) これより、公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第六〇号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)について、公職選挙法改正に関する特別委員長の中間報告を求めます。公職選挙法改正に関する特別委員長中西一郎君。(「休憩、休憩」「おかしいですよ」「約束破ったんじゃないですか」と呼ぶ者あり) 〔中西一郎君登壇、拍手〕
○中西一郎君 公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案について、院議をもって中間報告を求められましたので、現在までの委員会の審査の経過を御報告申し上げます。 公職選挙法の一部を改正する法律案は、最近における選挙の実情にかんがみ、衆議院議員の総定数を二十名増加して十一選挙区の定数の是正を行うとともに、選挙の腐敗を防止し、その公正を確保する等のため、供託金の額を約三倍に引き上げること、選挙運動用自動車、ポスター及び政党の行う新聞による政策広告についての選挙公営の拡充、公職の候補者等の当該選挙区内における寄附の禁止、公職の候補者及び後援団体が政治活動のため使用できる文書図画の掲示の制限、機関紙等の頒布の制限の強化、連座制の強化、解散電報等の禁止、罰則の強化その他所要の規定の整備を図ろうとするものであります。 本案につきましては、衆議院において、衆議院議員の定数増に伴う選挙区の分割、選挙運動用の通常はがきの枚数の増加、公営による選挙運動用ビラの作成、政党の新聞による政策広告の回数、機関紙等の頒布の規制、一般の日刊新聞紙の選挙期間中の頒布要件の特例などについて修正が加えられております。 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案は、議会制民主主義のもとにおける政党その他の政治団体の機能を重視し、その政治活動の公明と公正を確保するため、政治団体、政党、政治資金団体、並びに党費、会費、寄附等の概念の明確化、政治団体の届け出、政治活動に関する寄附の制限、政治資金の収支の公開の強化、個人の拠出する政治資金の課税上の優遇措置、罰則の強化、その他所要の規定の整備を行おうとするものであります。 両案は、六月九日、本会議における趣旨説明及び質疑の後、同日、委員会に付託されました。 これよりさき、本委員会は、公職選挙法改正等について調査することを目的とする、公職選挙法改正等調査小委員会を設置し、参議院地方区の定数是正、政治資金規正法の改正、選挙公営、その他について調査を行うことといたしており、まず参議院地方区の定数是正についての協議を進めることになりました。小委員会においては、六月四日、野党四党一致で二十六名増員案が提出されましたが、自由民主党の具体案は提出されておらず、野党からは、自由民主党案の提出が強く要望され、法律案の審査と並行して、小委員会において参議院地方区の定数是正問題について各党間の協議が続けられました。 法案の審査等につきましては、まず、六月十八日、理事会において、定例日を水曜日、金曜日とし、月曜日を予備日として小委員会、参考人からの意見聴取等に充てること、及び同日、委員会を開いて、内閣提出の二法律案並びに日本社会党、公明党、日本共産党の各党提出に係る政治資金規正法の一部を改正する法律案三案及び日本共産党提出に係る公職選挙法の一部を改正する法律案、以上六案の趣旨説明を聞き、内閣提出の二法律案の質疑に入ることを委員会において決定すること、また、質疑は審査日ごとに各党一巡方式によること、公聴会を開催すること、小委員会を二十三日に開くことなどを決定いたしました。 同日の委員会におきましては、六法律案について、福田自治大臣、発議者本院議員、秦豊君、同峯山昭範君、同内藤功君からそれぞれ趣旨説明を、また、衆議院における修正点の説明を、修正案提出者衆議院議員小泉純一郎君、同山田芳治君から聞き、内閣提出の二法律案の質疑を行いました。 六月二十日の委員会におきましては、六法律案について、各党一巡方式により質疑を行い、また、小委員会を開き、自由民主党の定数是正案に関する中間報告がありましたが、具体案は提出されませんでした。六月二十三日、小委員会が再び開かれ、自由民主党から剱木試案として、地方区の総定数に変更を加えずに不均衡を是正する案が提示されました。 六月二十五日の委員会におきましては、六法律案について、日本社会党、公明党、日本共産党の質疑に加えて、第二院クラブの市川房枝議員の委員外議員の発言を認め、質疑を行いました。 六月二十七日の委員会におきましては、各党一巡により六法律案に対する質疑を行い、また、小委員会を開きましたが、剱木亨弘小委員より、自由民主党案をまとめることは困難である旨の発言があり、したがって、小委員会において意見の一致を図ることは非常にむずかしい状態となりました。 六月二十八日には、内閣提出の二法律案について公聴会を開き、公述人八名から午前、午後にわたり意見を聞き、質疑を行いました。 委員会における質疑は、参議院地方区の定数是正が今回の改正案に盛り込まれなかった理由、全国区選挙制度のあり方、地方区の性格、地方区の定数是正、機関紙等の頒布の規制の強化の是非、供託金の引き上げと被選挙権の関係、選挙運動用ビラの頒布の方法、選挙時における政治活動の規制に関する「政治活動を行う団体」の範囲、選挙公営に関するテレビ利用の拡大、企業献金の是非、寄附制限の実効性、政治資金の寄附のあり方の再検討の時期など、各般にわたって行われました。 委員会における法案審査の経過と概要は以上のとおりでありますが、委員長としては、締めくくりのために、さらに六月三十日に内閣総理大臣の出席を求め、選挙制度及び政治資金規正についての三木総理の意見をただす機会を予定するよう取り計らいましたが、本会議等の諸般の状況もあり、その日は開会するに至りませんでした。 この時点において、すでに会期も迫っており、定例日外に委員会を開き審議を続行することもやむを得ない状況に立ち至ったと考えました。したがいまして私は、七月一日、委員会を開くこととし、その手続をとりましたが、残念ながら当日は、第一委員会室前において入場を阻止され、私初め各委員とも努力をいたしましたが、委員会室に入ることができず、委員会として法案の審査を進めることがきわめて困難な状態になり、現在に至ったのであります。 以上、内閣提出の二法律案に対する現在までの公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過の報告を終わります。(拍手)
○副議長(前田佳都男君) これにて一時間休憩いたします。 午後五時五十八分休憩 —————・————— 午後七時十六分開議
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 暫時休憩いたします。 午後七時十七分休憩 —————・————— 午後十一時三十三分開議
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 本日はこれにて延会……(議場騒然)……午前一時より開会いたします。 これにて延会いたします。(拍手) 午後十一時三十四分延会