文教委員会 第14号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/17
会議録
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として松永忠二君が選任されました。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○秋山長造君 本法律案の提案者内田さん並びに文部当局に若干御質問させていただきます。 今回の改正案の内容につきましては、これはもう私どもも全面的に賛成でございますが、今日の社会の中で占める図書館の役割りなりその重要性というようなことにつきましては、せんだって伺いました提案理由の中で相当詳しくお述べになったわけですが、やはりこの問題を議論する場合に、どうしても図書館というもののいまの社会の中で果たしておる役割り、また、その重要性というものをもっと掘り下げて、これをお互いに考えてみなきゃならぬと思うのです。その点について、ごく基本的なことでございますけれども、提案者から重ねてお伺いしたいと思います。
○内田善利君 まず、図書館法を審議するにつきましては、いま御質問がありましたように、その基本姿勢が最も大事と存ずるわけでございますが、提案理由にも申し上げておりますけれども、その基本姿勢としては今日経済成長と技術革新の進展によりまして急激な社会構造の変化が行われておるわけでございますが、これに対応して今日ほど人間性の回復、人間尊重が強く要求される時代はないと思うのでございますが、このことはすべての人間が生涯を通じ、個人個人の立場を通じていかに生きるべきであるかということを主体的に考えなければならない時代に入ったことを意味しておると思います。このみずから考える行為、これが学校教育の改革と並行して社会教育の中に見直されていくべきであり、制度的にも保障されていかなければならないと思うのでございます。そこで、図書館は国民すべてのきわめて多様な学習、研究、調査の要求にこたえる手段方法として、また、情報化社会の進展に伴いまして複雑化し、高度化した、また専門化した知識、情報の洪水、この中でこれらを分類、整理し、容易にしかも的確に住民に、国民に提供して、そして冒頭に申し上げましたように主体的人間、考える人間を育成していく場として図書館を位置づけていく必要がある、このように思うのでございます。また、生涯教育ということが叫ばれておりますが、この生涯教育の中で地域社会に密着している図書館、これは生涯教育のための自己啓発、そういった機会を与える点では大いに貢献しているのだと確信しております。公角館や博物館並びに図書館の社会教育の中に占める地位は非常に重要であり、特に図書館は多様多元的な自由な学習意欲、知的な充足を得たいとする一般市民の自主的な意欲の上に成り立ち、みずからの能力を開発、啓発することを目的とした社会的機関であるというそういう特徴がありますから、いま人間として求められる能力は記憶力型から理解力、創造力、想像力、企画力、総合判断力へ移行してきております。問題処理能力から問題の発見、提起、解決能力型へと転換してまいっております。こういったシステム的な思考方法を身につける場として、この社会教育の分野では図書館にその場所を期待しなければならないと思うのでございます。 以上のことを考慮しまして、図書館の普及がなされなければならない。良質な学術書、教養書、そういったものの普及によって国民の知的向上、教養の向上、人格の向上に多大の寄与がなされていくものと信ずるわけでございます。どんな本でも、だれでも、どこででも情報が得られる図書館、いわゆるブックス・フォア・オールとしての図書館の重要性はまことに大なるものがあると思います。さらにまた、レファレンス機能、あるいはコンピューターの導入による情報の収集、分析等まで、より役割りは広がりを持ち、地域社会に、文化の発展に大いに寄与すべきものと私は位置づけ、その重要性を考えております。
○秋山長造君 いまるる御説明がありましたように、特にこの生涯教育あるいは社会教育、さらにこういう情報化社会での図書館の機能の重要性、これは幾ら強調してもし過ぎるということはないくらい重大な問題だと思うのですが、それからまた、わが国における図書館の歴史というのも相当古いのじゃないかと思うのです。最初、図書館と名のつくものがわが国でできたのは、いつか正確なことは知りませんけれども、恐らく明治も相当早い時期じゃないかと思うのですが、なるほど設置の歴史は古いし、それから戦後はまた図書館法などというものができて、その制度的な整備充実というような方向を目指して幾らかの努力がされてきたことは、これはもう評価しますけれども、にもかかわらず、今日の実際の普及率なり設置率というものはまだまだ非常に低いのじゃないかという感じがいたします。一々数字を挙げませんけれども、これはもう御存じのとおりですが、いずれにしても諸外国、いわゆる欧米文明国といわれる国々と比べてその設置率、普及率も低いし、それからまた、こういう図書館というものを利用する利用度というものも非常に限られているように思うのですが、このわが国の図書館の歴史が古いにもかかわらず、また、識者からはずいぶん図書館の重要性ということが強調されるにかかわらず、いまだに普及率、設置率が非常に低い。一体どこにネックがあるのか、どういう点に問題があるかということを思うわけです。この点は提案者と文部当局と両方から、簡単でよろしゅうございますからお伺いしたいと思います。
○内田善利君 確かに明治五年、文部省で書籍館を開いてから百年たつわけですが、いま秋山委員から仰せのように、歴史は古いにもかかわらず、諸外国に比べて非常に図書館の設置数あるいは貸し出し数その他非常に貧弱な状況にあるわけでございます。データは文部省の方から示されると思いますが、私の調査では蔵書冊数にしてもアメリカは一億六千百十三万冊、イギリスで七千七百二十万冊という状況でございますが、日本は二千七百三十七万冊、これは昭和四十六年の調査と思いますが、それから貸し出し冊数になりますとアメリカは五億二千三百九十六万冊、蔵書冊数の四倍になっております。イギリスは四億六千五十一万冊で、蔵書冊数の六倍になっております。日本は千九百六十四万冊として蔵書冊数の〇・七倍、蔵書冊数も少ないですが、貸し出し冊数になると、アメリカは四倍、イギリスは六倍に対して日本は〇・七倍、人口比は非常に複雑でよくわかりませんが、ニューヨーク市では人口四万人に一館、ロンドンが人口二万人に一館、ところが東京二十三区で十二万人に一館、こういう状況のようでございます。このように、図書館も少ないし、また、蔵書冊数も少ない、あるいはまた貸し出し冊数も少ない、こういったことはいろいろ理由はあると思いますが、文部省の方からこの理由については御答弁があると思いますが、私どもは確かに県立図書館は充実に近いわけですけれども、市立図書館、なお町立図書館になりますと非常に少ないわけです。そういったことで、今回、身近な公共図書館として市立図書館を増設したい、設置義務をしたい、こういうことで提案したわけでございます。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 わが国の図書館の設置状況でございますが、四十九年四月一日現在で日本図書館協会の調査によりますと、総館数が九百八十九館、都道府県立が七十六、市あるいは区立が六百四十一、町村立が二百四十一、私立が三十一となっております。地方公共団体別の設置率を見ますと、都道府県の場合には一応一〇〇%設置されておりますが、市、区の場合には六九・二%、町村の場合には九・一%という設置率になっております。 図書館の利用の状況につきましては、ただいま内田先生の方から詳細御説明がございましたように、諸外国に比べましてわが国の場合には図書館の利用の状況というものはまだ大変十分ではないような状況にございます。この点につきましては、私どももやはり今後図書館を十分整備をいたしまして、図書館がより住民の方々から利用しやすいような状態、親しみを持たれるような状態にすることによって、こういう面は今後改善されていくようにしなければならないと思っておるわけでございます。ただ、しかしながら、図書館の問題と申しますものは、やはりそれぞれの国におきますところの図書の発行の状況、あるいは国民の読書の習慣の相違、あるいは図書館の発展過程などいろいろな問題が絡み合っておりますので、わが国の図書館の現状がこうなっております理由というものは、一つにしぼってちょっと考えるのはなかなかむずかしいかと思いますけれども、ただ、先ほども申し上げましたように、今後図書館というものを十分拡充整備いたしまして、大いに国民の方々から利用していただくような状態をくり上げなければならないということは、これは当然のことでございますので、文部省といたしましても、今後一層、図書館の拡充整備というものに努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○秋山長造君 望月審議官のおっしゃるとおり、図書館の普及率が低いということについて、一つだけが理由というわけにはいかぬと思うのです。いろんなおっしゃるような、あるいはおっしゃらなかったような面も含めていろんな原因、理由が絡み合っていると思います。それはもうそのとおりだと思いますが、しかし、何と言いましても図書館を整備、充実、普及さしていくということについては、これは個々の府県、市町村それぞれが熱意を持ってやっていかなければ問題になりませんが、しかし同時に、文部当局が高度の国の文化政策としてこれに積極的な計画的な役割りを果たしていくということが非常に重要だと思うのです。公立図書館の整備費、補助金なんかについてもせいぜい本年度二十館程度で、一館単価が大体三千万円から三千六百万円ですか、という予算が計上されております。これが多いか少ないかと言えば、これは少ないに決まっておるので、だからその数字のことは余り申しませんが、いずれにしても、文部当局として図書館の重要性を十分認め、そして、これを積極的にさらに伸ばしていきたいという方針であることは、これは間違いないと思うのです。そのためには、図書館の整備充実についての何か一つの長期計画というようなものがおありなんでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 ただいまのところ特にはっきりとした長期計画というものは文部省としてなお策定をいたしておらないというのが実情でございます。ただ、今後、社会教育全般の問題といたしまして、先ほど来内田先生からもお話のございましたように、生涯教育の観点あるいは情報化社会、そういうふうなことを考えますと、社会教育の今後の占めますところの重要性というものは大変大きくなってくるのではないかと思われるわけでございまして、単に図書館だけでなく、たとえば、青少年教育施設であるとか、あるいは博物館であるとか、公民館であるとか、そういう諸般の社会教育施設全部を考えまして、週休二日制の問題等もございますので、今後、社会教育施設の計画的な充実について長期的な計画を立てる必要があるということで、現在われわれといたしましてもいろいろと研究に着手をしておるところでございますけれども、ただいまのところは、はっきりとした長期計画というものをまだ確立していないという実情でございます。
○秋山長造君 おっしゃることわからぬことはありませんが、しかしやっぱり、さっきも申しましたように、年々幾つかの数字を挙げて予算要求をされ、そしてその補助をしてこられたことは事実ですし、また、これを今後積極的に伸ばしていくということになれば、やっぱり予算面の関係からしても、一つの長期計画を持たれて、そして積極的、計画的、組織的に具体的な努力を積み上げていくということがぜひ必要なんじゃないかというように思うのですが、そのおつもりはありませんか。もちろん、社会教育全体として、図書館だけでなく、公民館その他についてもこれは同じ理屈が当てはまるとは思うのですが、さしあたっては、この図書館に対しては相当強くやっぱり文部当局でリーダーシップを発揮されませんと、公民館なんかと似たような面もあるけれども、多少やっぱり違うと思うのです。さっきもおっしゃったように、読書の習慣があるとかないとか、あるいは図書館というものを大いに利用する習慣があるとかないとかいうような面で公民館の場合と多少違いますから、しかも、習慣の程度が大きい小さいにかかわらず図書館の占める、あるいは図書館、の担うべき役割りというのは非常に私どもは大きく考えるだけに、いまの場合、公民館なんかの場合よりはもっと積極的な計画的な努力を要するのじゃないかというように思うのですがね。これについてもう一度文部当局の御意見をお伺いをしたい。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 私どもといたしましては、できることなら社会教育全体の施設の長期計画をつくって、計画的にその整備を進めるような状況をつくり上げたいということを基本の考え方といたしておるわけでございますが、長期的な計画に加えまして、やはりいろいろと当面の計画と申しますか、まず当面何をなすべきかというようなことで、なお、具体的にいろいろと検討もしていくことも、もちろん、予算編成等の場合にございますので、そういう際におきまして十分先生のおっしゃるような御趣旨も踏まえまして、できるだけ図書館の予算というものが着実に伸びてまいりますような努力をしてまいりたいと思っております。
○秋山長造君 重ねて要望しておきますが、ぜひひとつ何とか、図書館整備何カ年計画というような大げさなものではなくても、何か当面長期的な計画というものをお持ちになって、そして文部当局にまず努力していただく。それからまた、われわれも積極的にそれに協力していくという体制にしていただきたいということを特に希望申し上げておきます。 それからやっぱり図書館の整備充実ということに関連するのですが、図書館の司書その他専門職員の養成あるいはそういう図書館職員の資質の向上、また、待遇の改善というようなことについても、今度の改正案にもその趣旨が盛られておりますけれども、よほど配慮をしていかなけりゃならぬのじゃないか。そういうことがまた図書館というものの消長に関係してくるのじゃないかというように思いますが、それらの点について、文部当局として具体的にどういうように考えておられるか、お伺いをしたい。
○説明員(望月哲太郎君) まず最初に、図書館の専門職員でございます司書並びに司書補の養成の問題について申し上げますと、司書及び司書補の職務、資格等につきましては、先生も御承知のように、図書館法で定められておりまして、司書の資格を取得できることになっておりますのは、大学または高等専門学校を卒業した者で、文部大臣の委嘱を受けて大学が行う講習を修了した者。あるいは大学を卒業した者で大学において図書館に関する科目を履修した者、三番目に、三年以上司書補として勤務した経験を有する者で文部大臣の委嘱を受けて大学が行う講習を修了した者、こういうことになっておりますが、大体現在、大学で司書の資格を取得する者は、年間約五千人、講習によって司書の資格を取得する者が年間約千二百人となっております。御参考までに申し上げますと、これは四十六年に実施いたしました指定統計の結果でございまして、少し数字が古いのでございますが、現在、司書は、都道府県立図書館、市町村立図書館、合計しまして昭和四十六年度の調査によりますと千九百人ということでございますので、形の上で申しますと養成の方は年間約六千人ばかしの人が資格を取得しますので、かなり養成の面では十分なことが行われておると思います。 なお、やはり司雷の仕事というものはなかなか専門的な仕事でございますので、やはり常時勉強をしていただいて、図書館の運営の改善にも大いに努めていきたいということでございますが、文部省といたしましても、毎年司書の資質の向上を目的といたしまして、国立社会教育研修所におきまして毎年図書館職員の研修を実施をしておるところでございます。 なお、図書館職員、司書、司書補等の専門職員の待遇の改善につきましては各方面からいろいろと御要望、御指摘もあるところでございます。私どももできるだけ司書の、あるいは司書補の仕事の内容というものを十分一般に理解をしていただくように努めておるところでございますが、待遇の改善という問題になりますとやはり公務員の給与制度全般の問題、あるいは類似の職種との均衡等いろいろと検討すべき要素も多々ございますので、今後慎重にやはり検討をしていくべき課題であるとこのように考えておる次第であります。
○秋山長造君 いまの点は、もう少し具体的な細かい点まで突っ込んでお尋ねしたいんですけれども、いただいておる時間が少ないものですから、また別な機会に改めてお尋ねするとして、次の問題に移ります。 私はかねがね例の移動図書館、自動車文庫ですね。移動図書館というものにもつと力を入れるべきじゃないか。それから、いわゆる図書館、これは一カ所に固定しているわけで、なかなかいいことではあるんですけれども、大ぜいの人が足を運んでこれを利用するということは実際問題としてなかなかそれは障害があることはこれは否定できぬと思うんですが、そこで、今度は図書館の方が動く図書館で出かけていってぐるぐる回って、そしてこの図書の貸し出しをすると、サービスをするということは非常に喜ばれるし、また、図書館というもののこの機能というものをずいぶん広げていける部門じゃないかと思います。この移動図書館というものについて、提案者はどのようにお考えになっておるか、ちょっと提案者の方からも御意見をお伺いした上で、文部省として、この移動図書館というものをどの程度に評価して、そして具体的にどういう行政措置を講じてきておられるのかということの御説明をお願いしたいと思います。
○内田善利君 お答えいたします。 先ほども申しましたように、とにかく諸外国に比べて、日本の貸し出し状況が非常に低い。それと図書館数が一般に市に少ないということから、この移動図書館、ブックモービルは非常に住民の立場からいたしますと、手取り早く本が読めるということで非常にいいわけですが、現状はこの移動図書館すら非常に少ない。現在は自動車数が百五十九台、自治体数が百三十五でございますが、自動車数が百五十九台で、五年間で年平均十二・八台の割合でふえておりますが、中には非常にすばらしい成果を上げているところもあるようでございますが、この移動図書館ができたことによって、千葉県で一番最初実施されたようでございますが、実施できたことによって非常に図書館の連携といいますか、中心図書館からのいろいろな便宜が図られるというようなことなどで、私どもは移動図書館を非常に高く評価しております。したがいまして、今後もこの移動図書館は予算の許す限り、また、予算化して自動車台数をふやしていくべきであるとこのように考えております。 以上でございます。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 いわゆる移動図書館、自動車文庫につきましては、先ほど内田先生からも御紹介のございましたように、昭和二十四年に千葉県立図書館が訪問図書館「ひかり号」というのを実施をいたしまして、大変効果が上がったわけでございまして、それに刺激をされまして各地で移動図書館というものが実施されるようになったわけでございます。図書館を直接利用することがむずかしい地域に住んでいる人たちに対しまして、まあ図書館奉仕の手が届くようになったというようなこと等、読書普及あるいは図書館サービス網の実現にとってこの自動車文庫、移動図書館が果たす役割りというのは大変大きいものと私どもも理解をしておるわけでございまして、御参考までに申し上げますと、愛知県の常滑市立図書館の実績によりますと、人口百人についての利用冊数が図書館の本館の所在地でございますところの常滑地区では四百三十七冊。ところが図書館の本館から最も遠い三和地区というのがございます。大体距離にして八キロだそうでございますが、そこでもやはり四百六十六冊、人口百人について利用冊数がございまして、自動車文庫によりますところの貸し出しが三百五十二冊でございます。そのように本館と離れておるところでも利用冊数の総量において変化がないというほど、やはりこの移動図書館の効果というものが上がっておるというような実情も出ております。文部省といたしましても、この自動車文庫、移動図書館の整備につきましてはその重要性にかんがみまして、昭和四十九年度から十台分の補助金を計上をいたしております。五十年度におきましても一応前年度と同様十台分の補助金、九百六十万を計上しておりますが、今後、私どもといたしましてはできるだけこの種の予算を増額をいたしまして、図書館のサービスというものがきめ細かい形で行われますように配慮をしてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○秋山長造君 ちょっと参考にお伺いしておきたいと思いますが、千葉の県立図書館がやっておる「ひかり号」ですか、これはあれですか、巡回率はどのくらいですか。月に何回ぐらい巡回しておるのですか。
○説明員(望月哲太郎君) ちょっと申しわけございませんが、いま手元に細かい資料がございません。早速調べまして後ほどお手元にお届けさしていただきたいと思います。
○秋山長造君 まあ私もちょっとうっかりしておったんですが、自動車文庫の購入費として自動車に対する補助金、大分もう前から少しずつでも出ていたんだと思い込んでいたんですけれども、いまの望月審議官のお話ではやっとことしが二年目ということです。これもまた、予算の話になるんですけれども、これは年に十台ぐらいではとても私は間に合わないと思うんですよ。それでやっぱり一つには地理的に不便な場所、なかなかいろんな地理的上その他で図書館を利用できないという人たちに対するサービス、同時に最近はもう非常に住宅建設が都心から離れたところでどんどん進んでおるわけですね。うんと都心から離れた郊外の方へ大きな団地がどんどんできて、そして団地の特殊事情として小さい子供さんの家庭がもう圧倒的に多い。そこで、その子供用の読み物ですね、子供用の図書に対する要求が非常に大きいことは、これはもう御承知のとおりです。そこで団地なんかに対する一つの地方自治体の文化的なサービス、教育的なサービスの手だてとしてもその移動図書館、巡回図書館というものは実に大きな私は働きをしていると思うんですよ。また、非常に喜ばれると思うんです。特に最近は書籍代が高いですから、なかなか子供の絵本といってもばかにならぬですからね。だから非常に喜ばれておることはこれは間違いないのです。そしてしかも再再来てもらいたいという要望はもう全国的に非常に強いと思うんで、ところがなかなか現在の、先ほど提案者並びに望月審議官のおっしゃったような数字ではこれはもうとても月に一回も回り切れぬ、まあ仮に車を持っている図書館にしても大体せいぜい一台かどんなに持っていても二台でしょうね。それ以上の車は持っていないと思うんです。したがって、とても再々回るということはできない。せめてやっぱり欧米の例なんかを書いた物を読みましても、まあ二週間に一回ぐらいは回れる状態でないと本当のサービスにならぬ、こういうことのようです。そこで、わが国の実情がなかなかそこまでにはほど遠いということは残念ですけれども、これはまあお互いの努力で早くそういう状態に持っていかなきゃならぬと思いますが、この移動図書館の整備充実というような問題につきましては、文部省の方でやっぱり一つの基準のようなものをつくっていただいて、そして計画的にやっぱり取り組んでいってもらうということが非常に必要なんじゃないかというように思うんです。これはもう予算の面だけでありません。この職員の面なり何なり、それからまたこの移動図書館の運用の仕方というような問題についても一つの基準を示して、そうしてその実現に向かってみんな努力していく、こういうことが必要なんじゃないかというように私思うんですがね、それについての文部当局のお考えを伺っておきたい。
○説明員(望月哲太郎君) お答えいたします。 お答えする前に、ちょっといま千葉県立図書館の資料が参りましたので、御報告申し上げますと、現在、千葉県立中央図書館では所有台数三台自動車文庫を持っております。積載冊数が三台分で六千五百冊、駐車場数が百三十六個所、出動日数が三台分で百百でございます。それで自動車文庫用の職員を六人持って、この移動図書館を運営をしているというような状況になっております。なお、ただいま先生御指摘のございました移動図書館、自動車文庫の問題につきましても、いろいろと計画的に文部省でやはり適切な指導あるいは対策を講ずるべきではないかという御趣旨でございますが、私どもも、御趣旨の線に沿って今後十分検討させていただきたいと思います。
○小巻敏雄君 公明党の方で図書館法を準備をして、図書館を全住民の中へ普及を拡大するということと、それからもう一つは、内容を充実するという点で努力された点に敬意を表します。 この中で、私は内田さん及び文部省の方に二、三お尋ねをして、内容を検討したいと思っておるわけです。 普及の問題については、この法案では市町村でなお数十%の、三〇%ぐらいですか、未設置のところがあるところを義務化することによって一挙に設置をしていこうというふうに組まれておるわけでありますが、今日までの普及をおくらせてきた原因というのを、秋山さんの方からもあったわけですが、ここで明らかにしていかなければならぬと思うわけです。いままでは補助金によって普及を刺激するということであったと思うわけですけれども、この補助金の今日のあり方とこれに対して充実しなければならぬ要素、これがおくれておったところに普及のおくれ、さらに、設置をされても場合によってはこれが十分に内容機能を発揮しないというような弱点があったと思うわけです。特に今日の補助金のあり方と将来展望について文部省の方にお尋ねをしておきたいと思うんです。特に建物とバスに対する補助金ですね、これと資料費に対する補助金が二者択一のようになっておって、いわば普及と内容発展という問題が、これが両方バランスをとって進むという上で一つの弱点を形成していると思うんですけれども、特に資料費の現状と展望についても加えてまず文部省の方からお伺いしたいと思います。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 先生おっしゃるように、図書館の普及充実ということについて国として何をなすべきかという課題を考えましたときに、まあ施設の普及整備でいくかあるいは内容の充実の方でいくかというような問題があるわけでございまして、それはいずれもなすべきではないかという当然の御指摘もあるわけでございますけれども、文部省といたしましては、今日までの国庫補助金の計上の経緯を振り返ってみますと、昭和四十五年度まではいわば資料費であるとか、そういうふうなものに国庫補助を出しておりました。しかしながら、やはり一応内容の充実は地方公共団体にお願いをして、国としては、やはり図書館の数をふやしていくことがまず急務ではないかということで、昭和四十六年から従来の資料費の補助にかわりまして施設の補助一本にむしろしぼってそれを充実していくということでございまして、まあ昭和四十六年はそう大きな金額にはならなかったわけでございますけれども、昭和四十七年度以降施設の補助金を一応四十六年の九千万から五億に増額をいたしまして、その後五十年度の七億二千万まで一応施設の整備ということに重点を置いて国庫補助金の計上に努めてまいったというのが今日までの経緯でございます。しかしながら、やはり図書館の施設の整備と並行してやはり内容の充実、また内容の充実を図ることによって図書館に対する住民の親近感も深める、サービスも濃密になる、そういうことも大変重要なことでございます。私どもといたしましては、国としては施設の普及に努めると、内容の充実は地方公共団体でがんばっていただきたいということで今日まできているわけでございますけれども、今後やはり生涯教育の観点であるとか、あるいは社会教育の充実であるとか、あるいは情報化社会に対応するためにいかなる施策というものが必要であるかとか、いろいろな観点から今後この問題につきましてもいろいろ実情等を勘案しながら文部省といたしましても慎重に十分検討をしてまいりたいと思っておる次第でございますが、当面はそういう形で国の予算を計上してまいっておるというのが実情でございます。
○小巻敏雄君 今日の補助のあり方として、確かに昭和四十七年に九千万から五億までということで、その時点では飛躍をした。そのことによって未設置の市町村に対して新設が促進されたということは認めなければならぬと思うのですけれども、現在では、一つは、この目玉の建設費自身が特に比較的発展をしておる東京周辺なり大阪周辺なりで建物から入っていく場合には、これが実勢に合わないものになっておって、三分の一補助と言いながら、実際には一割の補助くらいにしか当たっていないというような状況にきておるという問題が一つあると思うのですね。これは特に、私、大阪の出身ですが、岸和田あたりで七百坪ぐらいの土地を入手をして、ここに公民館を建てておるということで、四億円ぐらいかかっておるわけですね。そこへ来ておる補助金というのは実際一割に満たないわけなんですよ。その点では実際三分の一ということを基礎にして組まれておる補助金が打ち切りになっておって、実際かなりの水準のものをやろうとすれば非常に低い補助になっておる。これをやはり、いわば超過負担問題が義務制学校なんかではいっぱい出ておりますけれども、こういうものに準じて実勢に合うものに直すという課題があるのではないかというのが一つですね。もう一つ、文部省の方でも、現在サービス網の拡大と、これらの中でバスの補助金等も出ておりますけれども、これの発展をしておるレベルのところで見れば、資料費をカットをされておるという状況は、今日の一番発展したレベルの図書館活動を力づけて、そうしてそれを全体に及ぼしていくという上で大きなマイナスになっておるのではないか。いまそういう点では資料費を並行をして、いわば建物費に見合うような補助金予算を計上していくというのが今日の時点の最大の急務になっておるのではないか、まあこの点について実態を見ますと、たとえば、日野市というようなところと、あるいは町田、東村山など、今日新しいパターンで図書館活動が活発な住民の利用によって発展をしておるところだと思うんですが、日野の図書館あたりが建物をつくる方から入らずに、実際には住民との接触から始めて、そしてバスを置き、それから分館をつくり、最後に本館を上げる。これがいまの発展したパターンとして、ここでは年間二十万冊というような貸し出し記録がつくられておるようですけれども、これに対して国の補助金行政のあり方というものは有効な役割りを果たしているとは言うことができないと思います。特にここでは基準の低さというものが、つまり基準はいわばこういう一定の発展をしたところではあってなきがごとしというような状況にもなっておる。こういうような点からしますと、どうしても、今日、資料費の補助ということを置いて進んでいくという、いわばつり合いのとれない補助金行政というものは急速に是正をされなければならぬと思うのですが、それについて来年度以降の予算の中で、一方では単価是正といいますか、三分の一の現実の補助に当たるような是正についての政府の姿勢と、それからもう一つは、資料費についての姿勢、また、再度今後の展望についても、あるいは決意について伺っておきたい。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 まず、建築費の単価につきましては、これは社会教育施設の場合には一応定額ということになっておりますが、しかしながら、やはり地方の負担が余り大きいことはこれは好ましいことでもございませんし、また、そのことが施設の整備の速度あるいは度合いというものを弱めることになるおそれも多分にございますので、私どもといたしましては、予算編成に当たりましては、鋭意単価の是正に努力をしてまいっておるところでございますが、明年度以降につきましても十分単価の引き上げについては努力をしてまいりたいと思っております。 なお、補助金の配分に当たりましても、施設の規模に応じて傾斜的に配分する等、若干の配慮を執行上においても加えておりまして、極力、地方の負担のかからないようにしてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。 なお、資料費の補助につきましては、先ほど来申し上げておりますように、一応国と地方公共団体との役割り分担についてそういう仕分けをして近年予算の編成をしてまいっております課題でございますので、十分検討すべき課題ではあると存じますけれども、明年度の予算編成に当たって直ちにそこまで踏み込めるかどうかにつきましては、今後なお十分検討をしていかなければならないと考えておる次第でございます。
○小巻敏雄君 なお、バスについても、大体バスを三百万円というふうに見て、そうして百万円補助ということをやっておるわけですけれども、実際いま購入されておる全国的な趨勢としてのバスは、三百万円というようなことでやっているわけですか。それについて実態をどういうふうに押えていますか。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 一応私どもの手元にある数字でございまして、これはすべてのケースを押さえているかどうか、ちょっとはっきりとはいたしませんが、大体、四百五十万ぐらいかかるのではないかというケースが出ております。
○小巻敏雄君 実際には、私少し大阪の状況を調べておるんですけれども、大体六百万円くらいのバスを購入しておって、二十四、五人乗りのマイクロバスを改造して、そして充てておる。三百万円というのは実際現実に合致をしていないと思うわけですね。そうして、大阪の場合には大変要望が強いので、府の単独の補助制度をとって六百万円の二分の一補助をやっておりますから、実際には府から三百万円、そして国からは百万円という状況になっておるわけですね。これについても、ひとつ単価是正は当然来年度の中で検討されなければならぬと思うが、いかがですか。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 施設の単価のアップ、これは一つの大きな課題でございます。自動車文庫の面につきましては、台数の増と単価のアップと、どうこれ予算編成に当たって考えていくか、そこらのところはなお現在予算編成の検討に着手をしたところでございます。十分先生のおっしゃるような御趣旨も念頭に置きながら予算編成の問題に取り組んでまいりたいと思う次第でございますが、若干、自動車文庫の場合には、そこらのところの見合いをどうするかということも私どもとしては頭の中にございますので、ちょっと申し上げさしていただきます。
○小巻敏雄君 そこらの見合いというのは、どういうことですか。
○説明員(望月哲太郎君) 台数と単価とどっちでやるかという、まあちょっとそこらのところでございます。
○小巻敏雄君 予算の要求状況を見ておりますと、初年度ついたときは、これは要求の五分の一ついて、それで一年間据え置きとなっておるわけですから、これは当然単価是正は——台数是正も当然のことながら、台数の場合には山ほど取ったからといって全部消化されるということは必ずしも言えない場合があると思いますしね、単価の方は確実な問題だと、その点では現時点で単価是正というのはぜひとも考えてもらわなければならぬと思います。 特に、それから補助金の問題に関して言えば、市町村に対する地方交付税の中での積算の問題があるわけですね。地方交付税の中で資料費の積算は、たとえば一例として人口十万というようなところを標準にすれば、どういうことでやっておられるわけですか。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 現在、地方交付税の積算の根拠になっております数字は、一応市町村人口十万の標準団体におきまして、昭和四十九年度は千円掛ける千六百冊、百六十万円、これが図書購入費として一応積算されております。そのほかにレコード購入費として三万円、それが資料購入費でございます。 御参考までに四十八年度の数字を申し上げますと、九百円掛ける千六百冊、百四十四万円、それにレコード購入費三万円ということでございまして、四十八年から四十九年にかけましては一応図書の単価が九百円から千円に引き上げられておるということでございまして、昭和五十年度は一応さらにかなりの単価の引き上げがされるものと私ども理解をしております。
○小巻敏雄君 この資料費の十万レベルのところで千六百冊というのはどういう根拠で決めたわけですか。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 これは自治省の方で最終的には数字をつくられているわけでございますけれども、私どもが伺っておるところでは、一応この地方交付税の単位費用に図書館の購入費を加えるときに、当時の実績を平均をいたしまして、その平均で出た数字をもとにして、こういう数字をつくっておるようでございまして、千六百冊という数字は昭和四十五年にも一そうでございましたし、現在までそうであるというような状況になっております。
○小巻敏雄君 この積算、私はおおよそ最低基準の計算方式を大体適用しているのかと思うわけですが、そうじゃないですか。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。 ただいまの最低基準というあれでございますが、これは補助金をかつて交付をいたしていました折の最低基準ということを見ますと、これは人口十万の場合、一応年間増加冊数が千四百冊となっております。したがいまして、その最低基準という先生の御指摘が、もしその数字であるならば、それよりは上回っておるということでございます。
○小巻敏雄君 最低基準よりは二百上回っておるということになるのですが、大体この最低基準レベルというものがもし補助金の基礎になっていけば、逆に足を引っ張って最高基準のようになって、それを上回ることに対してマイナスの作用を果たすということも考えられるわけですね。こういう点では、特に資料問題については現に前進しておるところに対してこれが足引っ張りにならないようにしていく必要がある。特に私は、現時点で補助金を出すときの基準としての最低基準があるわけですけれども、実際にそれを上回るものについてどうやっていくか、望ましい基準の問題についての。余り望ましい基準というのはつくらないわけですね、各県が実際上法律にあっても。これについての指導とあわせて、ひとつ十分に検討していただく必要があると思います。 日野の例を調べてみますと、これは奉仕人口十一万八千で大体このレベルの町なんですね、十万レベルの。しかし千六百はおろか実際のところ年間の増冊数が三万一千冊に及んでおって、こういう状況の中でいわば住民サービスというのが行われており、これは諸外国の進んだところの例等を見ても、これは全体が目指さねばならぬものではないか。そういう意味では、今日この最低基準というものの果たしている役割りと、それから現実に望ましい基準というものが、これが果たす役割りというものについては十分に考慮してもらわなければならぬというふうに思います。 そこで、私、ひとつ内田さんの方にお伺いをしたいと思うんですが、実は確かに今日の普及を、一挙に未設置のところを消滅させるというようなところから見れば、義務化というのは最も単刀直入と申しますか、きっぱりした道であるかもしれない。しかし学校教育においても社会教育においても、たとえば高校など、すでに九十数%の全入に近い状況があっても、義務化ということになればいろいろ議論があるわけです。こういう点、非常に今日の補助金行政が実際の中でウエート低いというような状況の中から、義務化をすれば一挙に解決するということも出てくるかと思うんですが、この点については、私どもの方も検討いたしまして幾つかの方策があるんじゃないかと、現行の中で補助金を現に有効なものにして、そして自主的な普及を援助するというような方法、これではというので一挙に年度計画を設けてやろうと思えば振興法のような時限立法つくってやるというような方法も考えられ、しばしばこういう教育領域の問題あるいは福祉の領域の問題ではそういう方法も考えられる。この中でバランスのとれた前進という上から見れば、この際、そこのところへ持っていかなければならぬということについてその裏づけと、それからお考えを端的にお伺いしておきたいと思うんです。特に市町村を中心に一挙に普及を隅々まで及ぼしていくという点では、ここのところに図書館の果たす役割りの重点があると思いますし、私ども同感でありますけれども、これについての財政負担を一体どうするのかという問題です。 それからあわせてこの専門職員の問題についての「特別の措置」というのは、具体的にはどういう手を打つのか。 それから法律施行に要する経費は四十億四千万というふうに挙げられておるわけですが、これの積算は私ども計算してみるとその倍ぐらいになるような気がするんです。これは一体、現在でこの柱はどう抑えられているのかということです。さらに、基準について、現行基準で大体ずっとやっていくということではと思うんですが、基準についての将来の問題なんかもお伺いをしておきたい。それらの問題と関連をして、もしこの法を実施した場合の経費というものについて文部省の方でも大体計算をしておられるならあわせてお伺いをしておきたい。
○内田善利君 最初、この第十条の「都道府県及び市は、図書館を設置しなければならない。」ということにしたことについての趣旨は賛成であるが、予算の関係その他ですぐにはできないのではないかと、一〇〇%できないのではないかというもっともな御質問でございます。私どももそういうことを考慮いたしまして、附則のところで「昭和五十三年四月一日から施行する。」と、三カ年の余裕を持たせて、そして市の中でも基準に合う図書館は一館ということで三年間の間に充足していくと、そういう考え方で試算しております。その試算の内訳でございますが、これを施設費と設備費と蔵書費の三点から考えまして、三年間各年度三分の一ずつで施行後三年で二分の一補助になるようにしておるわけでございます。その内訳は、施行後三年間の未設置市に国庫補助をしていくわけでございますが、施設費といたしましては二分の一補助で十二億六千九百八十九万円、設備費といたしまして定額補助で四億九千六百九十万円、蔵書費といたしまして二分の一補助で二十億九千四百四十万円、合計いたしますと三十八億六千百十九万円になります。これに既設図書館の整備費を入れまして一億七千八百八十一万円、合計四十億四千万円と、このようにいたしております。 それからその次に、基準についてのお話でございましたが、基準につきましては、先ほどから先生の御質問で文部省当局もいろいろ御答弁になっておりましたが、この最低基準、図書館法の施行規則が昭和二十五年九月六日に施行されまして、最近の改正で、昭和四十三年になっておりますが、非常に最低基準が基準になっておりますので、今度のこの法律で、十八条で「文部大臣は、図書館の健全な発達を図るために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを教育委員会に提示するとともに、一般公衆に対して示すものとする。」というのがございますが、これを削除いたしたわけでございます。そして十三条の三で公立図書館の設置に関する基準を設けまして、その基準は「当該地方公共団体の住民に対する図書館奉仕が十分に行われることができるように、専門的職員の数、施設、図書館資料及び設備について、地方公共団体の人口に応じ、政令で定める。」と、このようにいたしております。これで基準をきちっとより高い、一歩高いところで決めていくと、そういうふうにいたしておるわけでございます。 それからもう一点は、専門的職員の問題であったと思いますが、この専門的職員につきましても、私どもは積極的に二分の一補助を実現していくという立場から、学校教育関係の教職員の給与あるいは社会教育従事の職員の給与問題が現実の問題となっております関係から、教育全体の立場あるいは予算の現状から見まして十分慎重にしていかなければならないと、そう考えております。したがいまして、図書館の専門的職員は一般の職員と違いまして図書館奉仕活動を直接行う図書館職員でございますから、識見が豊かで、身分も相応に保障されなければならないと、そういうことで、私どもは、給与体系につきましては、十分抜本的な立場で見ていくべきじゃないかと、このように考えております。将来のことでございますが、アメリカでも司書の最低基準を四年制大学卒としておりますので、日本でも将来構想として各大学に図書館学科等を設置して、その設置した後、司書は四年制大学の卒業者または司書補は短大卒者またはこれと同等の学力を有するということで、これらに見合った給与体系をつくっていくべきであると、そのように構想を持っておりますが、いずれにいたしましても、図書館の専門的職員の優遇ということについては十分考えていかなければならないと、このように考えております。
○小巻敏雄君 「特別の措置」という中身については、いまのところ具体案をお持ちというわけではないのかどうか。 それから一応試算をされました四十億問題については、これは人件費が入ってないのじゃないでしょうか。経常費の半額負担がつけられていますから、これについては人件費が一定額計上されなければならぬのじゃないかと思うわけですが、その点はどうなのかと。 それから確かに、言われますように、図書館が活発に発展するかしないかという中での大きなかなめが図書館長並びに専門職員の活躍のいかんによるというのは、学校教育にあれ社会教育にあれ、これは人による要素が非常に大きいわけであります。実際には、館長など、全体でながめますと一種の名士のようになっておって、補助金をもらうときはどうしてもそれは有資格者の館長がいなければ補助金が取れないでしょうが、一たん取ってしまえば館長の資格があろうがなかろうが自由自在で、府県レベルであれば、校長さんが天下ったり、教育長が天下ったり、あるいは東京のような場合でも、職員がたらい回しでここへ行政職員が回っておって、ようやく習熟したと思うと何年かで異動する原則でかわってしまったりして、これが一つの隘路になっておる。この点についての保障などはどう考えておられるのか。 それから司書、司書補の、これは置くことができるになっておって、置かない場合もずいぶんあるわけですね。労働基準法でも三人以下の事業体なら適用しないということがあるんですから、それは置かないことができるということはあっても置くのがたてまえであろうと思うんですけれども、それが逆用されておるような向きもあると、こういったふうな問題についての施策を特にお伺いしておきたいと思います。 特に内田先生の方には、もしお考えがあるなら、待遇上の特別の措置というのは具体的にどういうようなことをお考えになっておるかということ。それから司書、司書補の必置に関してはどういうふうにお考えになっておられるのか、また、図書館長の有資格者の確保というような点についてはどのようであるか。関連しては、文部省の方でもお答えいただきたいと思います。
○内田善利君 順序が不同になるかもしれませんが、まず最初に館長の件でございますけれども、館長は、いままでのいろんなことから、また先生の仰せのとおり、やはり有資格者が館長になることが望ましいんじゃないかと、このように考えます。 それから人件費補助については、三年後から人件費補助をしていくと、こういうことにしておりますので、これには計上しておりません。 それから特別措置でございますが、これも先ほど十三条の二で、「公立図書館に置かれる専門的職員の待遇については、その職務の特殊性にかんがみへ特別の措置が講じられなければならない。」と。端的に申しまして、具体的には考えておりませんが、これもやはり先ほど申しましたように、図書館の場合はいま行政職として給与体系もその中で行われております。図書館は特別というわけではございませんが、やはり識見豊かな、身分か相当に保障された職員がならなければなりませんので、給与体系につきましても専門職員の給与体系ということで抜本的に改善して各種手当もつけていく、そういう方向でいきたいと、このように思っておりますが、具体的にはまだ考えておりません。 それから最後に、司書、司書補の設置の問題でございますが、これも先生おっしゃるとおりの現状でございますので、将来構想としては、先ほど申しましたように、身分の保障ということを考えまして、やはり有資格者を、大学にもどんどん設置して養成していかなければならない、このように考えております。
○説明員(望月哲太郎君) ただいま御質問ございました中で、館長の問題が御指摘がございました。現状を御報告申し上げますと、これば昭和四十六年度の調査でございまして、本年度また指定統計で社会局調査を実施することになっておりますので、その結果によって新しい数字が出てくると思いますが、四十六年度の場合で、司書の資格を有する図書館長が百十八人、司書の資格を有しない図書館長が二百八十八人でございます。図書館法では、先生御指摘のございましたように、国から補助金の交付を受ける図書館の館長は司書資格と一定の図書館勤務の経験年数を有しなければならないと規定されております。私どもも、図書館の館長には、図書館についての学識や経験のある方が館長になられることが望ましいと考えております。
○小巻敏雄君 図書館長の件について言いますと、博物館長を見るとこんな例はあんまりないと思うわけですね。年齢のいかんにかかわらず、私は大阪の博物館などを見ておりましても、三十代ぐらいの館長を登用して、そうして現実に信用も受け、——まあ置いてあるものも、本は貸し本屋の大きいやつだぐらいに思ってたんじゃ、それはまあ名士として館長が天下ればしまいかもしれませんけれども、図書館学も発達すればようやく住民の中で新しいパターンの図書館に対する期待も大きくなっておるときに、こういう現状は早急に改められるべきではないか。いわば、いままでどうかすると図書館が建物主義になって、中身の問題は二の次と、こういつたふうな弊があったんじゃないかと思いますが、理念的には一定の前進をしてきておる。これに対して、専門家の配当、それから一たん専門的な職種としてなってからの研修の保障ですね、これらの問題についても現実にそぐわない立ちおくれがあるのではなかろうか。その点は、法改正にまで及ぶと言えば大ごとになりますけれども、たとえば振興法みたいなものでもやれば、その中で一定のうたい方をして、この実現を図るとか通達行政もいろいろあるでありましょうけれども、この点については、やっぱり現状に対して、自然成長ではなく有効な指導を伴う手を打ってもらう必要があるのではなかろうか。 それから、待遇の問題については、確かにいま、専門的な立場と言い条、行政優位でもって、市町村立の図書館以下、縦長の賃金というのは、いまの公務員俸給ではどうしても不利益を受けやすいようになっておって、より優遇せよというよりは、むしろ一般並みにまで引き上げてもらいたいというのが衝に当たっておる者の実感である。たとえば採用次第でも、一人とか二人とかいう採用でいわば縁故採用になって、公募のテストじゃないからというんで一号低いところから始まったり、同年代の者が部長、課長になっておっても、ひどい場合には五等級賃金をもらったなりで進んでおったり、私は現に陥没の職種に現実はなっておるのではないかと。しかも、そうして、これが専門職の必置になっていないために、ほかから一般職員が来ても間に合うというかっこうの中で、現実に一般行政職員が来てもそこにいる専門的な方が現に教え込んでやっておるわけですから、こういう状況の中で、いままでのやっぱり基準が低く、それからその基準の実施についても安易であった姿勢がそのまま待遇に反映をしておる。こういう点についてはよく検討してもらう必要がある。まあ義務設置になる法改正をやればこれは一挙に進むわけでありますけれども、何としても現実にこれが効果を上げるためにはそれに対する接近が常に行われている必要がある。 最後に、提案者にお伺いをするわけですが、三年間の猶予期間を置かれているということは大変慎重な態度だと思うわけですね。しかし、これが発足をするときにうまく進むのか進まないのか、それから、再度討議が重ねられて、懸案の解決が図られなければならぬと思うんですが、その過程の中で、移行過程の三年というものの中で、現状の改善が、いわば法改正が行われた時点に接近するような段取りと順序、これらの問題がよく明らかにされるなら、この問題は一層うまく進むのではないか。たとえば、今日の補助金のあり方が、現に、義務を課する法律が発足するまでの間の段階の三年間でどのような段取りと順序で、たとえば、資料費についてはどうするのかとか、賃金の手直しの問題についてはどうするのか。具体的なものが入れられ、計画的に段階を追ってプランが出てくるなら、その上がりの姿は非常に明白になってくるのじゃないか、それらのことについて、この猶予期間における補助金拡大、これらについての段取りなり構想があったらお聞かせをいただいて終わりにしたいと思います。
○内田善利君 先生のおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、この法律案が施行になれば、そういうことを考えながら、検討しながら三年間の計画を充足していきたいと、このように思っております。しかし、先ほどから論議が行われておりますように、とりあえず、基準の低い中で、また、日本の図書館の設置状況あるいは貸し出し状況、あるいはいまおっしゃったような補助金の問題等、図書館行政についてはいろいろ問題があります。したがいまして、そういった点を充足することも考えながら三年間の検討をしていきたいと、このように考えております。
○委員長(内藤誉三郎君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 —————・————— 午後一時二十七分開会
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 ただいま、松永忠二君が委員を辞任され、その補欠として粕谷照美君が選任されました。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 文化財保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。 別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。 文化財保護法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤誉三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○久保亘君 私は、ただいま可決されました文化財保護法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、以上五党の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 お手元に配付をしてございますので、朗読をして提案にいたします。 文化財保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 今日の社会的経済的条件の激しい変化の中で、文化及び自然の遺産は、破壊の危険にさらされている。これらの文化財は、国民全体の貴重な共同財産であり、日本文化の豊かな発展の基礎であることにかんがみ、その保護についての国民の理解協力と行政施策の徹底が図られなければならない。 本改正は当面の緊急課題に対処するものであり、今後、文化財保護の理念の確立、重要な埋蔵文化財包蔵地の発掘に関する許可制の実現等その根本改正に取り組まなければならない。 政府においても、当面、本法の運用に当り、左記の事項の実現に努力すべきである。 記 一、文化財の保護について、国民の理解協力を得るため、教育啓蒙活動を強化すること。 二、埋蔵文化財の破壊を防ぐため、法第五十七条の五にもとづく停止命令期間内において、十分な調査を行うとともに、必要がある場合には、史跡の指定又は仮指定を行うなど、埋蔵文化財の保存に万全を期すること。 三、国の機関等が行う発掘に関し、文化庁長官が行う協議又は勧告の結果等については、公表に努めること。 四、埋蔵文化財について、包蔵地の地図等必要な資料を整備し、これが周知徹底に努めること。 五、伝統的建造物群保存地区の決定及び保存については、経費の分担を含め、国、都道府県、市町村相協力してこれにあたること。 六、民話、民謡、郷土芸能、伝統工芸などの民衆文化及びアイヌの民俗文化の保護については、記録的保存にとどめることなく、特別の措置を講ずること。 七、文化財の保存技術者、埋蔵文化財の発掘調査員等の養成確保と処遇の改善に努めること。 八、文化財の保護について、市町村の役割を明らかにし、関係職員の確保について配慮すること。 九、文化財保存事業に対して、国及び地方における財源を確保するとともに、起債の充実を図ること。 十、法の運用にあたつては、関係学会、文化財保護団体、地方公共団体等の意見を十分尊重すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(内藤誉三郎君) ただいま久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤誉三郎君) 全会一致と認めます。よって、久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、永井文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。永井文部大臣。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの御決議につきましては、文化財保護の制度上いろいろ問題もございますが、政府としては今後慎重に検討してまいりたいと存じます。 この際、遺跡発見の場合における停止命令の期限の特例が五カ年とされておりますこととも関連し、抜本的改正について可及的速やかに検討いたしたいと存じております。
○委員長(内藤誉三郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いた いと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 教育文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○宮之原貞光君 人事院総裁が健康がすぐられないというお話でございますが、これから教員の給与問題を中心にいろいろお尋ねいたしたいと思いますので、お座りになったままで結構でございますから、ひとつまた明快に答えだけはしていただきたいと思います。 人事院の一般公務員の給与勧告は、民間との賃金の対比に力点が置かれて勧告が行われ、政府の財源措置というのは常にその後追いをしてきておったというのが、普通の人事院勧告に対するところのいままでの経過であったと思います。それはまた、人事院の私は独立性なり主体性ということから考えれば当然のことだと思うのでありますけれども、しかし、この人確法に伴うところのこのたびの教職員の給与勧告はその逆な形になっておるという感がしてならないのであります。しかも、あらかじめの予算でちゃんと国の国会で承認をされたところの予算がされておるにもかかわらず財源の目いっぱいのものではないこの勧告がされておる。このことに、私は人事院の自主性という立場ということではなくて、むしろ国会におけるところの法律という問題あるいは国会におけるところの予算のあり方という関連からきわめて疑念を持たざるを得ない。したがって、この問題に対するところの物の考え方をまず総裁からお伺いしたい。
○政府委員(藤井貞夫君) 一般の人事院勧告の制度の趣旨あるいはたてまえ、それと関連をいたしましての人確法に基づく勧告というものの制度あるいは趣旨、たてまえということとの関連につきましてはいまお話があったとおりでございまして、その大筋の考え方は私たちも同感でございます。したがいまして、この人確法という法律ができ、また、これの裏づけをなすような予算措置が講ぜられたということを踏まえまして、人事院といたしましては、第一次の勧告に続きまして本年も第二次の勧告を出して政府、国会にお願いを申し上げた次第でございます。ただ、今回の勧告の内容といたしましては、実は第一次の場合におきましては義務教育教員を中心といたしまして従来からややもう少し改善の余地があるというようなことにも相なっておりましたこともありまして、これを本法でもって全部を措置をしても全体の均衡問題その他についてそれほどの大きな問題が起きないということでございましたので、第一次の分については本法でもって措置をすることを原則といたした次第でございます。 ところがこの第一次のものが終わりまして後の姿を見てみますると、第二次の勧告につきましてはやはりわれわれといたしましては人確法の精神なり趣旨なりというものはよくわかりまするし、全面的に賛成でございまして、その精神に沿って措置をするということには無論問題はないわけでございますけれども、第一次の勧告の後の姿を見てまいりますると、主として高校の教員あるいはその他の高専、大学等につき幸しても、これを全部俸給で措置をするということに相なりますると非常に不均衡、アンバランス、逆転等の問題が起きてくることが明らかになってまいりました。そういうこともございますので、われわれ人事院といたしましては公務員の全般の給与をお預かりいたしておりまするたてまえといたしまして、それらの全体の均衡の問題を全く無視してしまうというわけにはまいらない。無論、義務教育教員を主として優遇していくという法律の精神というものは踏まえながら、しかも全体としての給与をお預かりいたしておりまする立場といたしまして、それらの点を全然無視するわけにもまいらないということがございます。したがって、逆転を防止するたてまえあるいは明確な不均衡が起きるということを最小限度にとどめることにいたしながら給与改善の趣旨を全うしてまいりたい、こういうことを考えたわけでございまして、その結果は御承知のように本俸分といたしましては三%、それから特別手当といたしまして実質的にやっぱり給与の改善を図るという意味合いから手当として四%ということに措置をいたした次第でございます。
○宮之原貞光君 どうもさっぱり釈然としない御答弁なんです。このことば、衆議院の文教委員会あるいは衆参の内閣委員会の中でも指摘を一様にされておることでございますけれども、私はやはりいまの総裁の答弁を聞きながら、人事院はこの公務員平等の原則、いわゆる均衡という本旨ということに非常に拘泥をし過ぎて、実は人確法そのものについてもきわめて消極的だったと、この法案が成立した前後の空気がそのままやはり人事院にこの法案の成立後も残っておるとしかどうしてもこれいまのお話を聞いてもそう思えるんです。一体、問題はこれでいいかという問題なんですね、一体それならば、人確法の第三条、第四条というものをどのように理解をされておるかと聞きたくなるわけでございます。いろんな答弁を聞いていますと、昨年のベース改定はいわゆる一〇%の予算があったんだけれども、いわゆるベース改定を基礎に割り出してみると約九%であったから九%の勧告をした。したがって、予算が余っても九%にとどめた。ことしは四十九年春の大幅の春闘でベース改定があったので、これをまた均衡ということを考えてみると三プラス四で七%であった、したがって、七%のあわせて勧告をやった、こう言う。たとえば三月二十七日の参議院内閣委員会におけるところの答弁の趣旨なんですけれども、一体この中から人確法というものは他の公務員とのアンバランスをあえて承知の上で人材を学校に集めようということで、均衡ということは視点に置かないという立場からこの法律はできたはずなんですよ。それをいま総裁の答弁から見ると均衡というものを考えたということが二言三言目で出てこられる。これでは、法律の趣旨というものを一体人事院というものは尊重して勧告をされておるのかどうか、それを聞きたくなる。さらにはまた、予算もすでに七百七十何億という予算を組みながら二百何がしかの予算が余っておるというこの事実を見ても人事院の私はあり方として一般的な抽象的な他の公務員との均衡を考えたいという理念に走った余りに人確法の持つところの趣旨というものを無視したものだ、国会軽視だと、こう言われても私は仕方がないと思うんですけれども、その点について改めてもう一回人事院の考え方を聞きたいんです。
○政府委員(藤井貞夫君) 人事院といたしましても、もちろん国会の意思として人確法というものが歴然とあるわけでございますので、その趣旨にのっとってその趣旨を生かすために最大限の努力をいたすことは当然でございます。いまお話がございましたが、昨年の九%あるいはことしの七%と言いますのは、これは当時一〇%のつもりで組んだ額が給与勧告等に基づくベースアップがございますので、それをもとにして割り返しますと去年の場合は九%、また、ことしの場合は去年かなり大幅の勧告がございましたために、これを割り返せば七%ということでございます。私たちといたしましては、教員について人材を確保する、そのためには給与についても優遇しなければならぬということで、一般公務員の給与水準から見れば優遇しなければならないという精神はこれは十分に貫いているつもりでございます。ただ、均衡論を申しておりますのは、同じ教育の場において同じような仕事をやっております中小教員と高等学校あるいは学歴等が同じでありまする最小限の高専、その他についてもこれは最小限度の均衡の問題は考慮せざるを得ないということを申し上げておる次第でございます。
○宮之原貞光君 私はそれは詭弁だと思いますよ。大体この立法をしたときに、三年後には一般の公務員よりも二五%ないし三〇%の開きをつけてでも人材を確保しよう、こういうお互いの話し合いの中から、ここには与党の皆さんもみないますけれども、与野党含めてそれは結構なことだとして決めたんですよ。それをベースアップがあったからそれと対比したらこれは九%にしかならない、ベースアップがあったから七%にしかならないという均衡論じゃないんですよ、これは。そこのところに第一、私は物の考え方で大きなあなた方はこの人確法の精神を無視したところのものがあると、こう言われても仕方がないと思うんです。だって、四十九年度で百五十九億円のうち使ったところの予算が百三十一億でしょう、二十八億金が余っているんですよ、この人材確保のあれで、皆さんの九%の勧告で。ことしは驚くなかれ七百七十九億の予算のうちで二百二十二億も金を余らせている。余らせておいて他の公務員との均衡云々ということでは、これは一般の教員に納得せいと言ったってできない話なんですよ。しかも、あなたがいまおっしゃったところの同じような教員の立場に立つところのもの、高等学校との教員との逆ざやを生じしめないというならば、なおお尋ねしますが、何で予算を目いっぱい使って、その逆ざや現象を起こさないような処置というものはできなかったものですか。たとえば、四%の特別手当も九千円に抑えているでしょうが。予算がなければいざ知らず、予算が相当ある。だから衆議院でもこれを一万二千何百円にしなければおかしいじゃないかという追及があった。こういうような点を考えてまいりますと、どうも皆さんの考え方というのは、他の一般公務員との云々ということにだけ終始をして、人確法の持つところのねらい、趣旨というものについて何ら素直に私は理解されようとするところの意思がなかったものだと判断せざるを得ないのです。このことは二十七日の参議院内閣委員会の総裁の答弁を見ても、やはり周囲のことを考えながら勧告を考えたとか、大変周囲に対する刺激が強くなっていることもいなめない事実云々というような答弁をされておる。これなんか端的に私はそれを示すことじゃないんでしょうか。なるほど私は一般論としてならば、人事院が他の公務員とのバランスを考えながら物事を処するというのはわかります。しかしながら、この人確法の制定されたところの趣旨という立場から見れば、国の予算として取られたものが、たとえば十億とか五億余ったとかというなら話はわかります、しかし、たとえばことしのごときは二百三十二億も余らせておいて、これで均衡をとったというような話ではこれは聞こえない話ではございませんか。これでもあなたは人確法の精神なりあるいはまた国会で議決されたところの予算というものを尊重したところの勧告と言えますか、どうですか。その点もう一回私ははっきり答えていただきたい。
○政府委員(藤井貞夫君) これは繰り返し申し上げることに相なりますが、われわれといたしましては、人確法というものができ、また、予算措置が講ぜられておるということを真正面に見詰めておりますればこそ、去年の第一次に引き続いてことしも第二次の勧告を行ったということでございまして、これは人確法自体あるいはその精神、あるいは国会で御決定いただいた予算というものについて十分の尊重をしているために、こういう勧告が出されておるものと私は考えておる次第でございます。
○宮之原貞光君 なぜそれだけ予算を余してやらなければならぬのですか、そこのところもう一回おっしゃってくださいよ。これは人事院に一つの政策的な物の考え方があったからでしょう、その点はっきり言ってください。
○政府委員(藤井貞夫君) これはほかの委員会でもいろいろ御議論がございましたが、予算というのは、これは国会で御審議いただいて御議決をいただいたものでございますから、これは十分、どういう経費で、どういう額がそこに計上されておるということは、尊重してまいらなければならぬことは、これは申すまでもございません。ただ、予算自体は、その目いっぱいを必ず使わなければならないという、義務づけではないというふうにわれわれは承知をいたしておるのであります。そういう観点から、今度の第二次の場合におきましても、全体の給与の中でも、一般公務員よりはこれは優遇しなければならぬということで、一般公務員の均衡の問題はわれわれとしても考えておりませんですが、しかし、同じ教育に従事をする先生の立場というものを考えますると、その場合はやはり高校の先生なり、その他についても、逆転防止等のことはやはり十分配慮しなければならないと、そういう意味で均衡ということを考えておるのであります。そういうところから、いろいろ検討いたしました結果、本俸については三%、そのほかは手当といたしまして七%、実質は毎月入るものとしては七%を確保するということにいたした次第でございます。
○宮之原貞光君 なるほど、それは法律の中には予算は目いっぱい使わなきゃならぬということはないでしょう。しかし、予算を執行するところの一般的な常識というものは、予算を一つのめどとして、それに近づけしめるように使うのが当然じゃございませんか。しかも、私が先ほど申し上げたように、五億とか十億の違いならわかるですよ。けれども、あなた、驚くなかれ二百三十二億という金を余しておるでしょうが。こんな開きをつくっておいて、それでも予算は目いっぱい使わなけりゃならないという規定はないと開き直ることができますか。これは世の中では通りませんよ、幾らあなたがおっしゃろうとも。しかも、あなたは、いま逆転防止に使った、逆転防止に使ったと言いながら、逆転防止というところには重点的に使われていないんですよ。やっぱり他の公務員とのバランス云々というところが主体であるはずですよ。それならば、目いっぱい使って、本俸をうんと引き上げて、そこで逆転防止云々というところで調整が要ると言うならば、そこに金が使われたという御説明なら、これは納得できましょう。しかし、結果としては、そうなっておらないところに、今日、衆議院でも、あるいは衆参の内閣委員会でも、文教委員会でも問題になっておるところのゆえんがあるのであります。そこのところを、皆さんは、少しもこの問題について今後どうしなきゃならないという意欲がない。ただ、目いっぱい使わないのはあたりまえだという開き直り方では、これはもう国会軽視だと言われたって仕方がありませんじゃないですか。こういうことなら、人事院は必要ないじゃないかという議論まで起きてくるのは、私は無理からぬことだと思いますよ。いわゆる、客観的に見て公正の立場でやられると言うならば、決まったところの法律に沿って、可能な限りやはりいろんなものを処していくということが、私は人事院の立場じゃないだろうかと思う。むしろ、こういうようなやり方では、人事院自体が政策とか判断ということを自由にできるところの場所なんだということを私は意味づけるものとしか思えないんです。一体、人事院というものは、そういう権限を与えられたところの場所なのかどうかということを、あわせてお聞かせ願いたい。それと同時に、いま一つは、私は昨年、ことしの筆法でまいりますと、恐らくことしの春闘が一四%とこう言われておる。そうすると、やっぱり一〇%前後というものは、大体公務員の場合のベースアップというのは常識になっているでしょう。そうすれば、たとえばことしの予算で五%組んでおるものも、一〇%の前後の一般公務員の今度給与アップがあったから、それとのバランスをとるから、この五%は次の機会には三%か二%しか使わないという形に私はなってくると思うんです、はっきり見通しして言うんならば。一体、そういうおつもりなんですか、どうですか、そこまであわせてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) 宮之原委員はお詳しいと思いますですが、いまお話しになっております二百三十二億云々の問題、これは予算面から言えばそういう一応の計算というものは出るかもしれませんですが、これは御承知のように、われわれ人事院が担当いたしておりまする正面の公務員というのは、国家公務員でございます。したがって、先生につきましても、国立の学校の先生というものを直接の対象にいたしておるのであります。しかし、予算措置その他について見ますると、これは一つの見通しでございますので、一般の公立の学校等にも所要の措置が当然講ぜられるものということを前提として組まれております。そういうところから義務教育費の国庫負担関係でかなりの余剰が出るということは、あるいは予見せられるかもしれません。しかし、その点につきましては、目下各県におきまして、それぞれの措置が人事院の勧告等もにらみ合わして行われておるという段階でございまして、それらの結果を積算してみませんと、はっきりとしたものは出ないというのが、これは実情であろうというふうに思います。それと、また均衡のことを申してはなはだ恐縮でございますけれども、われわれとしては、一般の公務員との均衡というものは、それはむろん踏み切って、教員が優遇されなければならぬ.ということで、その点の均衡は頭には一応は入れておりません。教員内部の、高校その他の均衡ということを、これは最小限度考慮に入れなければならぬということで、こういう措置を講じたのでございます。その結果、期末、勤勉等へのはね返り分というものが少なく相なった結果、そういうようないろいろ論議の起きるような問題が起きたというふうにわれわれとしては理解をいたしておるのであります。 なお、第三次の問題につきましては、第二次の勧告をこの間出したばかりでございますし、また、これから一般の夏の勧告等の作業も行わなければならぬという問題がございまして、第三次の分については、目下のところ、まだ、どういうふうにこれを措置をしていくかということについては決めておりません。これから検討をいたしていく段階でございます。
○宮之原貞光君 それは財政問題は、総裁が自治省におられたんだから、それは一番詳しいだろうけれども。しかしながら、あなた、半額国庫負担法のやはり予算の裏づけ、あるいは実績主義というのがありましょう。しかし、今日、片一方では、財政の硬直化云々というような形で、自治省通達で、各地方の教員給与を含めたところの地方公務員の給与に対するところの締めつけは非常に強まってきておると、そういう中で、幾ら実績主義とは言え、大体その予算に組まれたところの以上のものが予算がよけいに要るということは、これは考えられないんですよ、いまの情勢の中では。むしろ余ってくるんですよ。その点では、確かにそれは大蔵大臣から言えばあなたは表彰を受けるでしょう。これはもうこういう財政硬直化の折にでかしたとほめられるかもしれませんけれども、人確法をつくったところのこの文教関係者から見れば、これは非常に問題があると、こう言われてもこれは仕方ないと思うんです。一体、人事院は、どういう立場に立ってやるかと、ここのところの視点の踏まえ方が、私は問題があるんじゃないだろうかと先ほどから申し上げておるのであります。 なお、三%、四%の問題は後ほど触れたいと思いますが、もう一つ、やはり関連して、やはりこの問題について言わなければならないのは、大体、人事院は、その教育というものを、どういうふうに教育現場というものをとらえておられるのか、そのことを、私はこの機会に給与の問題と関連をしてお聞きをいたしておきたいのであります。 確かに、この人事院の給与に対するところの物の考え方というものは、職務内容とその責任の度合いということが、普通、人事院の給与確定がされるところの大きなファクターになっておる。しかし、それは一般論としてはわかるけれども、一体、学校教育がそのままストレートな形で、学校の先生方にこれが真っすぐイコールという形で、この問題がそのまま導入できるものなのかどうなのか、学校教育というものは果たしてそうなのか、そこらあたりはどうお考えになっておるか、またお聞かせ願いたい。
○政府委員(藤井貞夫君) これは、一般のわれわれ公務員の職場というものにつきましては、いろいろの序列、階層、また組織というものがございますけれども、そういうような面から、一般職の、たとえば行(一)の関係ということに相なりますると、これは八等級、さらにその上に指定職がございますので、実質上は九等級ということになって、それぞれの職場が構成をされておるのであります。それはそれで一つの職務内容と責任の度合いということに見合うものとして、積み重なって今日の姿になってきておると思います。ただ、そのままの姿を教育の場に持ってくることができるかといえば、これはそういうことはできない。むしろ、学校の場というものは、それぞれの先生が独自の立場において生徒・児童に接していくという教育者の立場でありますので、そういうものをストレートに持ち込むということはできないというふうに理解をいたしております。
○宮之原貞光君 そこでさらに、お尋ねをしたいんですが、私は、このたびの人確法の勧告を見ますとたくさんの問題点があるし、与えられたところの時間の中ではどうしてもやっていけないんでございますが、いま総裁の答弁になったところのこの問題一つとらえても、私はやっぱり非常に大きな要素があると思うんであります。今度の勧告を見て率直に申し上げて、管理職としての校長、教頭の職務給、これを非常に重視をしておると、こう言われてもこれしょうがないと思う。四段階、五段階の問題まで私はここで論及しようとは思いませんけれども、これが非常に強く出てきておる。しかし、私は校長や教頭の管理職としての使命が軽いとは申しません。しかし、管理職手当というものがまた別個にあるわけですね。その任務にふさわしいものが、別個に、本俸の一〇%から一二%というものが。したがって、この一般の勧告の中では、むしろわれわれから言えば、一般の教職員の待遇というものにむしろ視点が置かれなきゃならなかったと思うんです。たとえば一学級、一教科を責任を持って担当し、このことに教育の喜びを感じながら努力をされておるところのこの先生方に報いるところの措置というものは、残念ながら今度の勧告の中にはない。ないからして附帯決議が出ておるわけでございますけれども、ここの物の考え方自体が私は問題だと思う。その点は茨木給与局長の参議院内閣委員会の答弁等をお聞きいたしますと、教員と校長と教諭と三つあるのは当然だと、したがって近い将来、校長はみんな特一等級にする、そして教頭はみんな一等級にするんだと、それで三段階にし、もう一つの助教諭の四段階にするんだと、こういうものの答弁ですけれども、一番やはり人材を確保するというならば、校長や教頭をどう確保するというよりも、一つの教科、一つの学級経営に全力を打ち込んでそのためにがんばっているところのその人に報いるようなやはり勧告がされてこそ、私は本当に人材確保の文字どおりのものができると思う。ところが、残念ながらこのことについてはない。恐らく後ほどまた給与局長が弁解するでしょうけれども、二等級のところを一番そのことも考えて大分上にしてありますと、こう言うんだけれども、それは私は答弁にならぬと思う。これだけじゃないんです、先ほど言ったように。いわゆる通称教頭手当、校長管理職手当といわれるところの特別手当というのもあるんですからね。そういうものがないというならばまだ話もわかるけれども、そういうものをつけた上での何らかの一般教員の三十年も四十年も営々としてやってきている人、そのところに目をつけないという勧告のあり方というのが、一体人材確保という本旨に乗ったところの勧告の形態なのかどうか。私はそのところも非常に大きな問題だと思う。これは私は文部大臣にも答えてもらわなければ困ると思うんですがね。でなければ、金だけで教員をつるという形だったら、今度は早く校長になりたい、早く教頭になりたいという、そこにだけ目を向けるところの教員がふえてきて、教育が発展しないという妙な形にも私はなりかねないと思う。したがって、附帯決議として出てきたところのこの問題を、将来の勧告の中でどう検討されていくのか。私はその方向性のところだけでもいいですから、そこのところをやはり総裁としてはこの問題をどう考えておるかということをお聞かせ願いたい。同時に、文部大臣も、この問題について積極的に今後どうしようというお考えなのかお聞かせ願いたいと思う。
○政府委員(藤井貞夫君) お話の点は私も同感でございます。先刻も申し上げましたように、これは一般の公務の場の職制組織とは違いまして、先生というものは、先生みずからが児童・生徒に対して教育者として臨んでいくという立場でございます。したがって、その主体はあくまで一般の教育者、一般の教員というものが職場の主体でなければならない。むろん組織が大きくなってまいりますれば、それなりに校長なりその他の管理体制というものも、これはゆるがせにはできませんけれども、しかし何といっても一般教員の職場、これが主体であることはもちろんであります。したがって、これらの先生が、聖職という言葉は適当ではないかもしれませんけれども、その使命に徹して喜んで生きがいを持ってやっていくという体制を常に心がけてまいらなければならぬことは当然でございます。そういうことの観点はわれわれも十分に承知をいたしておるつもりでございますが、今度の場合は御承知のように、昨年の法律改正で、教頭というものが制度化されたという現実を踏まえまして、これについてのやはり給与上の評価をしなければならないという事態が出てまいりましたので、ここに特一等というものを設けることによって事態に対処しようとしたにほかなりません。しかし、あくまで二等級というものにつきましても、これもすでに御指摘がございましたように、できる限りの優遇措置を講ずるという態勢で臨んでいるつもりでございます。しかし、なお今後のあり方、問題にいたしましては、私自身といたしましても一般の教員というものを主体にして、これが本当に誇りを持って天職と考えてやっていけるような、そういう職場のあり方というものを醸成をいたしまするために、給与上のみならずいろんな点から配慮をしていかなければならぬ。特に人事院といたしましては、給与の問題が一番主体でございますので、これらの面につきましても一般教員の優遇措置ということには特に重点を遣いで、今後も対処してまいる所存でございます。
○国務大臣(永井道雄君) 文部省といたしましては、校長、教頭の先生方、この先生方に当然職務に伴ういろんな責任もございますから、その処遇を適正化するというために等級構成を改善するということをお願い申し上げてまいりました。しかし他方、宮之原先生が御指摘になりますこの一般教諭の問題でございますが、それがまた本俸の改善に当たってきわめて大事であるということを私たちも考えているわけでございます。これについて、ただしかしながら、教職経験年数というものだけを基準にして、たとえば一般教諭に一等級を適用するということが直ちにできるかどうか、むしろその一定の資格というものがどういうふうなものであるかということを検討していかなければならないというふうに考えております。そこで、人事院に対してお願いをいたしました三月七日の時点におきます文部省の書類の中から私たちの考え方に当たりますところをその文に即して申し上げることにいたします。これは三月七日の文書でございます。いまの問題点に当たるところ、「教職を魅力あるものとするための改善を重点とする。この場合、初任給については他の公務員との均衡を考慮して改善するとともに経験の豊かな中高年齢層教員の給与の改善に特に配慮し、また、その最高到達給与を引き上げること。」以上が私たちのこの問題についてとっております考えでございまして、こういう角度から人事院でも御考慮いただきますようにお願いしてまいっている次第でございます。
○宮之原貞光君 三月七日の申し入れですけれども、なるほどそういう文言はありますよ。しかし、本当のところは文部省が力を入れたのはそこじゃなくて、教務主任、学年主任、教科主任等の優遇措置をやれと、ここが本番だったんでしょう、本当は。それは前からも、その前の年もやり、またことしもやっているんですよ。これは前の方はいま大臣がお触れになったのは本当はアクセサリーで、本音はここにあるんじゃないんですか、あなた方の物の考え方は。ここに私は本当は問題があると言いたいのです。そういうような一つの職務給的なものをたくさんつけることがあたかも学校教育が進展するような物の考え方、私は、これを物にしてくれなかった人事院はむしろ評価したい、この点は。それをまた今後とも執拗にそれをいま文部省の中でやっているともっぱらのうわさ、文部省の後ろ盾にある与党の文教部会もこのことが力点だと言われている。だからして、先ほど私がお尋ねしたように、来年の五%というのも目いっぱい使わぬのだから、どっちみち二%ないし三%使われるんだから、おそらくねらいは教務主任や学年主任のところに回してくるんだろうともっぱらのうわさですよ、これは教育界、この人事院の勧告を取り堆くところの人から見れば。それは皆さんそうでないと否定されるかもしれないが、うわさということは打ち消すことはできない。もしそうでなくて、本当にいま大臣が言われたところの言葉が重点だとするならば、来年の勧告にはそこに重点をするように文部省としてはやっていただけるという物の考え持っておられるのかどうか、そこをお聞かせ願いたい。また、私は総裁には、言われているところのこういううわさが事実とすれば私は大変であるだけに、このことに対して、人事院としてはどうお考えになっているか、主任手当なるものの云々というものに対して。その点についてこれはまあ来年にならなきゃわからないとお逃げにならないで、どういう物の考え方だということを、この際、私ははっきりおっしゃっていただきたいものだと、こう思います。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま宮之原先生の御指摘の手当の問題でございますが、あるうわさがあるということですけれども、実は私たちが考えておりますことは、本俸の問題と手当の問題の両面にわたっているわけでございます。先ほど申し上げましたのは本俸の問題、本俸の問題は二点に分けられる……。
○宮之原貞光君 五%の予算でしょう。それで本俸も手当もできっこないんだから、来年は。夢みたいなこと言わないで現実的な問題として言ってくださいよ。
○国務大臣(永井道雄君) はい。そこで、本俸は先ほども申し上げましたように二つの点があるんですが、そのほかに手当というものを考えていかなければいけない。その手当の中に三点あるわけです。その三点の一つに、いま先生が御指摘になりました主任等に給与上の措置をするというのもございます。しかしもう一つ、管理職手当、これの改善の問題もございます。しかしそのほかに教員特殊業務手当支給範囲の拡大というのがあって、三点にわたっているわけでございます。そこで、私たちの給与についての考え方は以上申し上げましたように両面にわたっているわけで、本俸と手当そのそれぞれに二点、三点にわたるものが入っていると。こういうことで考えてきておりますし、今日もその考えを持っているというふうに申し上げると、大体私たちの考え方の大筋ということになると思います。
○政府委員(藤井貞夫君) 主任手当的な考え方について文部省から要望があることは事実でございます。ただ、文部省の方もそこで言っておられますように、当該主任等に関する規定の整備と相まってと、こういう表現をしておられるところからも明らかでありますように、私たちといたしましても、現在の主任の制度というものの実態というものをもっとよく把握しなければ、軽々な結論は下し得ないというふうに見ております。先生、これお詳しいように、主任といいましても大変学校によってあるいは県によってまちまち、また数も非常に多いというようなことがございまして、これにどういう評価を与えていくかということは、これはわれわれといたしましても、本腰を入れて慎重に検討をしていかなければならぬ問題であろうかと思っております。なお、これは文部省とも今後相談をする問題でございますけれども、そう簡単に結論の出る問題ではない。したがいまして、第三次の勧告の際に主任に対して何らかの評価をするとかいうようなことにつきましては、現在のところは全く白紙でございます。
○宮之原貞光君 まあ時間が来ておりますので、残念ながら多くこの問題は進められませんけれども、総裁はこの問題について衆議院文教委員会で木島質問に答えて、特別の制度措置を講ずる考えはないと、はっきり言われておる。ところが、いまのところはこう白紙ですと、大分こう後退をしたところの感がするんですね。そこらあたりはどっちが本当なのか。もう少し私は積極的な答えが総裁からお聞きできると思ったんですがね、この点をもう一回お聞かせ願いたいということと。それと文部大臣、その一般的な答弁はもう必要ないんですよ。来年、御承知のように五%しかないんだから、いいですか、しかも、いままでのような人事院のその予算の値切り方式を順とすれば、大体ことし一〇%前後上がるからして、まあ三%しかあるいは二%しかないだろうと、こうなればそれをこっちへ持っていくという形にならざるを得なくなるんです。だから、私は来年の皆さんが人事院に要望をされるところの、要請をされるところの力点というものは、この主任手当というところに力点を置いてやるんですか。それとも、本当にこう教育界に喜ばれるような、平教員でまじめに勤めておるところの人に報いるような措置に、一体どちらに力点を置かれるんですかと、ここのところをお聞きしておるわけですからね、ここのところを明確に、私は時間がありませんので、お聞かせを願いたい。 なお、これは時間がありますと、幼稚園の関係の問題のあの差別的な取り扱い、これももういろんな議事録を拝見いたしますと、きわめて私は給与局長の話は納得できないところのたくさん問題があるんですよ。たとえば学歴だといって、たとえば公立の学校は学歴では高校出が多い、短大出が多いからと、こういうふうになったら、これは小学校の教員だって短大出がいるんですよ。それはどこで差別をつけるかというと、資格のところでいわゆる教員三等級に位置づけるかどうするかというところですでについておるんですよ。それを公立幼稚園はいわゆる俸給表の三表を適用するという通達を出し、省令を文部省されておりながら、これと幼稚園は別なんだというこの物の考え方自体にも、私は幼稚園教育というものに対するところの認識の不足と申しますか、あるいは偏見と申しますか、そういうものがそれにあるということも指摘したいんですけれども、もう時間がありませんから多くを申しません。 あるいは当然産振法の定通手当の問題にしてもカットされておる。片一方は不均衡を是正をすると言いながら、あれは産振法なりあるいは定通法の奨励の費用として定通関係の先生方あるいは産業教育の先生方に特別つけたところの手当なんですよ。そいつはみんな抹殺をしておいて、均衡をとるなんどとこう言ったって、これは教育界では通りませんよ、これは率直に申し上げて。事々さように今度の人勧の問題ほど問題の多かったところの問題はないんです。恐らくこの点についてはもう皆さんそれぞれの委員会でお聞き及びだろうと思いますが、今後はひとつそういうことのないような、ひとつ万全の措置を講じてもらいたい。その総括的なそれに対するところの御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) いまも先生からいろいろお話がございましたし、御指摘になりましたように、各委員会でもいろいろな御議論があったことは事実でございますが、われわれはわれわれの立場からしていろいろその疎明に努め、御了解を得るように努力はいたしておるつもりでございますけれども、しかし、ひるがえって国会を通じていろいろ御議論があることは事実でございまして、これは十分にわれわれとしてもその意のあるところはくみ取って、今後のわれわれの人事院の仕事の上に反映をさせていかなければならぬ、こういう覚悟を定めておるつもりでございますので、よろしく御了解を賜りたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 宮之原先生の御質疑の中に、明年度は五%になるんだから、抽象論でなくどこに重点があるかということを言えという、そういう御質疑がございましたので、その点について申し上げます。 先ほど申し上げましたように、私どもの考えは、本俸とそれから手当の二本立てであるわけです。本俸と手当を比較いたしますと、これはもう金額上張りますのは当然本俸、そして手当の方が小さい額でありますから、私たちが重要視いたしておりますのは、言うまでもなく本俸の方でございます。そして、その本俸の中には二つのものが含まれている。そういう考え方で五%になったときには臨まなければいけない、すなわち、本俸重視という考えをとっております。
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと委員長から藤井人事院総裁にお尋ねしたいんですが、一点お聞きしてみたいと思うんです。それは先ほど来人事院の説明伺っておりますと、義務教育の先生の待遇改善が、高校、大学との逆転防止ということに重点が置かれているように伺ったんですが、予算的に第二次の一〇%を組んで、組んだことが私はその観点からくれば無理じゃなかったかという感じがするんですよ。その結果、本俸が三%、手当四%という結果になり、いま宮之原さんがおっしゃったように幼稚園、産振、定通手当にまで波及したと思うんです。私はあなた方がこういう考え方を進められますと、第三次の給与改善は予算的に五%組んだけれども、これは実現ができないんじゃないかと思う。もうすでに逆転防止目いっぱいしていると思う。そこで、私は人事院が人確法及び国会で決めた予算を忠実に実行していただきたいと思うんです。そうなれば、むしろ高校、大学との逆転現象が当然起きてくると思うんです。起きたら、それは八月の一般の人事院勧告で処理すべきであって、それを見ながら勧告しようといったって第三次給与改善が私できないと思うんですがね、人事院総裁はどういう考えで第三次給与改善五%実施されるのかお尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(藤井貞夫君) 御承知のように、本院の本委員会の人確法制定に際しての附帯決議等におきましても、高等学校等の均衡の問題は、触れておられると承知をいたしております。しかし、いま委員長が御発言になりました点は、大変要点に触れた重要問題であるというふうに私は承知をいたしておりまして、したがって、今度の八月にやるかどうかは別として、要するに、一般的な八月勧告で何らかのそういう措置を講じてまいらなければならぬ局面が出てくるかもしれません。その点はわれわれとしても腹に入れておきたいというふうに考えております。
○高橋誉冨君 私は、教員の待遇問題を中心にして、その中のいわゆる調整手当の問題を中心に聞きたいんですが、その前に文部大臣ひとつ伺いたいんですが、私は教育というものを教える者と教えられる者との人間関係が基調であると、教える者が限りない愛情を教える者に降り注ぐ、教えられる者が強い信頼を持ってこれにこたえる。その美しい人間の心の中にその基調を置かなければならない、こういうふうに考えるんです。そうすると、それは教育者ばかりでなくて私は教育行政というものもやはり一面からすれば、国の将来を考えて冷静に判断しなくちゃいけないけれども、一面また、文部大臣という頂点にあれば、日本じゅうの児童、生徒、学生、教職員にやっぱり私は温かい愛情を降り注がなくちゃいけないんじゃないかと、こう考えるんです。その点、教育観といいますか、行政官としての心構えひとつお伺いしたいと思う。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま先生の御指摘の点、教育の場合には教える者と教えられる者との深い愛情と信頼の関係が重要であるというお言葉につきましては、私も全く同様に考えております。さらに、そればかりでなく、教育行政に当たります者も、また先生方に対し、それから教えられる子供あるいは生徒、学生に対しましても、愛情と信頼の関係を持つべきではないか、これも私は全くさように考えております。ただ、力が及びませんから、なかなかそういう理想に到達することはできないのでございますが、私の考えの一端を申し上げますと、この行政というものに、たとえば建設行政ですとか、あるいは郵政の行政ですとか、運輸行政ですとか、いろいろあると思います。そういう式の行政は、どちらかと言えば物に関しての行政でございますが、教育行政は人の心というものに触れる、そういう意味合いにおきまして一番むずかしく、また心を配らなければいけない行政でございますから、少なくも、まず省内において本当にそういう意味で私と省内で働く人たちとの間に信頼と愛情の関係があることがまず第一に必要であり、それを第一歩といたしまして、省外にわたって先生、御指摘のようなところにいささかでも到達するのに近づきたいと、力は及びませんけれども、全く先生がおっしゃったような気持ちを生かさなければいけないと考えております。
○高橋誉冨君 そうしますと、いわゆる現在当面しているいろんな矛盾、不合理な面あるいは悩める問題といいますか、そういう問題の解決に対して、文部大臣として体を張ってもこれに取り組むと、こういう姿勢が必要だと思うんです。私は幾つかの問題があると思うんです。それは個人の見解によりましてどれが緊急度があり、どれが重要であるかという、その見解の差はあると思うんです。私は現場にいまして、一つの大きな問題であると常々感じたのに、いわゆる調整手当の問題、これは昔は地域給と言われたんです。私はその当時から学校の先生やっていまして、それは終戦直後の物のない時代に東京には食う物も何にもない、田舎まで買い出しに来る。その苦労を考えると、私らこれは当然だ、当時二〇%、一五%、一〇%、五%差をつけられたんですが、当然だと思ったんです。しかし、それがそのときすでに不合理だと思ったのは、勤務地が中心で居住地が何ら関係していなかった。しかし、生活しているのは居住地であって勤務地じゃない、こういうことから私なら私が東京へ勤めれば二〇%もらえる。自分の千葉県へ勤めた場合にはそれは全然もらえないというような、こういう問題がありましてね。そのときから、千葉県の人材が東京へどんどんどんどん流れていくんですよ。これで水は高いところから低いところに流れて、人間は低いところから高いところに流れていくんだと言いました。私は学校長としましても、教員がどんどんどんどん優秀な人材が東京都へ流入してくることについて非常に問題だと思ったんです。それが形こそ変わっているけれども、これが暫定手当になり、あるいは調整手当になった。はっきり法的な根拠もあって変わっているんですが、末端においてはやっぱり一連のそういう一つの終戦直後のその遺物みたようなものがいまだに続いている、こういうことだと思うんです。そういう点を大臣はどうお考えか。この問題あたりをじっくり取り組んでいただきたいと私は思うんですが、ひとつお聞かせ願いたい。
○国務大臣(永井道雄君) 私もただいまの調整手当の問題、先生のように現場で経験を積みませんでしたから、それほど詳しくはだに感じているというところまでまいりませんが、確かに重要な問題と思います。御承知のようにこの調整手当というのは、結局勤務する場所で決まってくるわけでございます。しかしながら、居住地域というものを基準にしなければいけないんではないかという先生のお言葉でございますが、現在の調整手当のこうした決め方というのは、実は人事院規則で定められております。そこで、実は人事院の方がおいでになりますので、人事院の方でこの問題についてどうお考えか、私はそこまで申し上げさしていただいて私の答弁といたします。
○高橋誉冨君 それでは、いまの問題、人事院側からもう一度答弁してもらいます。
○政府委員(茨木広君) 従来からの経緯等については、ただいまお述べになられましたとおりでございますが、一応、現在の基礎が給与法の十一条の三に規定がございまして、御指摘のような勤務地主義になっておるわけでございます。給与全体が勤務の対価として支払われるというようなところから発足いたしておりますので、原則としていろんなものを考えます際に勤務地主義というものをとっておる。本人が住居を定められます点については、官側の方でそれを拘束するというのは例外な場合でございますので、一般的にはそれぞれのお考えでお住みになるというようなことでございますので、そこで給与の原則といたしましては勤務地主義というようなところから入っておるわけでございます。ただ、御案内のように、大変そういう観点で実際住居を定めておりますところと勤務地でもらいますものとの間の違和感があるということはやはり争われぬ問題としてあると思います。さればといって、それを居住地主義に変えるということは、またこれ給与の定め方といたしましてなかなか大変な問題でありまして、一応法律の中に勤務地主義の原則がうたわれておるものでございますから、そういうふうになっておるわけでございます。
○高橋誉冨君 大体わかりました。 私自身は、だから法改正そのものを直ちにやれとは言いませんが、そういう不合理面があって、まあ人間は食平等といいますか、食い物の恨みと同時にこういう給与のいわれなき差別というものは、これはやっぱり耐えられないと思うんです。こういうことに対して私は給与法にあるからそのまま放置していいかどうかというのはやっぱり文部大臣にも考えておいていただきたい。自分のかわいい子供が差別待遇されているとしたら何らか手を打つべきである、こういうふうに考えます。 それから、私は、これはもう過去の問題だと思ったんですが、やっぱりそういう陳情や何かありまして、おととしでしたか、私は知事のところに行ったんです。こういうのは不合理じゃないかと言ったところが、知事が県ではどうにもならないんだと、国に行きなさいと、こういうわけで、私は純情ですから、国に行きまして、直ちに文部省へ行って、文部省に行ったら、これは文部省だけではなく、自治省へ行けと言う、自治省へ行きましたら、私の方じゃどうにもならないと、今度は人事院に行けと、人事院の総裁にも会いました。総裁のところに行っていろんな話ししたら、また今度はぐるぐる回ってまた文部省へ行けと、とにかくぐるぐる回って、当時私は県会議員でしたが、県会議員なんていうのはいいように扱われちゃって、あっち行ったりこっち行ったり一向らちがあかなくて困ったものだとしみじみそのときに考えました。一体そういうふうになっているのが私はどういうことなのか、これそれぞれ文部省と人事院と自治省に、それ特に自治省に聞きたいのは、そのときに知事が、私に言ったら、あなたそういうことを言っているけどもね、千葉県じゅう三%ずつあなたの言うようにみんなに同じようにやったら、千葉県はそれだけ財政的にゆとりがあるんだということで平衡交付税をばちっと減らされちゃうから、そんなことは先生、県民によけいな負担をかけることになるんだと、損害を与えることになるからできませんと、こういうわけです。そういうふうに自治省の方にもこれははっきり答弁いただきたいんですが、そういうことをすれば本当に平衡交付税を減らすものかどうか。ひとつそういう点も御答弁願いまして、いまの問題やっぱり現状はどうなっているか、自治省の分担はこうで、人事院の分担はこうで、それから文部省の分担はこうなんだという、どういう問題を文部省で当たり、どういう問題を自治省が当たり、どういう問題を人事院が当たっているのか、それを区別してはっきり御答弁願いたいと思うんです。
○政府委員(茨木広君) まず私の方の関係で申し上げますと、恐らくこの問題は県、市町村、国と制度が若干ずれておるところがございます、千葉県の例で調べますと。この問題は、一番基礎が私の方でございますが、現在のこの地域区分の問題につきましては、もともとがこの十一条の三の原則の中には民間給与、それから生計費、物価、これが著しく高い地域に勤務する者というものについて調整手当をつけるんだという表現になっておりますが、そういう意味で従来の暫定手当時代から現在の調整手当に地域区分を引き継いでおりますが、三十二年にこの給与法ができます当時、いろいろ国会の中でも御議論がされまして、小委員会等も設けられたようでございますが、その当時、この地域区分につきましては、将来原則として行わないものとするというような報告がございますようでございます。そういうこともございまして、大変まあこれをいじり出しますというと、混乱を起こすということであったと思うんですが、そういうことでずっと原則として動かさないということで、ただ、一部官署指定の形でもって著しく不均衡になりましたいわゆるベットタウン地帯と申しますか、そういうところに逐次地域を広げておる、あるいは多少高い方の地域に直しておるというのがございます。そういう形でもって現在まで処理されてきております。それで全国的に見ましても大変この問題について高い地域に地域区分を変えてもらいたいという要望が出ておりますことは事実でございます。これは二色ございまして、一つは、大都市周辺の膨脹と申しますか、そういうものにつれてベットタウンがずっと広がっていったという地域について大都市並みの高い方の率に直してくれというのが一つの体系。それからもう一つは、先生も先ほど言われましたが、昔は五段階で大変高い地域もありましたわけですが、順次、本俸の方に繰り入れていっておるわけでございます。その繰り入れの途中でもってその作業が一応止まっております。と申しましても、一応今度新しい調整手当の制度に引き継がれてまいったわけでございます。そこで若干、地方都市で中間的に残っておるのがございます。そういうようなものとのまた均衡から、おれのところもあそこの地方都市と比べますというと似たようなところだから同じような取り扱いをしてくれというようなところがまた中都市系統にございます。こういう二種類、調整手当の問題についてはございます。そんなところで私の方としましてもいまいろいろ引き続きここ数年来これの処理をもう一回どこかでやらなければいかぬということで検討をしておるところでございます。もう一回、あるいはそういう中間的な残ったところを本俸に繰り入れるという作業を一回やりました上で、この大都市周辺というものをもう一度よく均衡をとるように見直すというようにしていくことがいいのではないかというような考え方もございます。その辺のところでいろいろ時間かかっているわけです。特にしかし、そのような検討いたします場合に、昨年度とか今年度のような非常にインフレ促進期でありますとか、地域によりましてそこに張りついております産業の種類によって大変消長があります時代の地域給なりあるいは物価、生計費というふうなものを基礎にしまして、そういう恒久的な制度を決めることはいかがなものであろうかということで、去年も今年度も一応どうもなかなかそういう抜本的な検討を決定する年ではない、こんな考え方をいたしておるところであります。あとは市町村等あるいは県等の問題についての御指導は自治省の方の問題でございましょうし、それから教育公務員特例法との関係で国家公務員の制度を地方に引っ張っております関係で教員については文部省さんがその制度のつなぎをやっていらっしゃる、こういうことであろうと思います。
○政府委員(安嶋彌君) ただいま人事院から御答弁がございましたように、公立学校の教員の給与につきましては、国家公務員の給与が基準でございます。したがいまして、この調整手当の地域の指定あるいは官署の指定も、国家公務員に関する指定がその前提になっておるわけでございます。具体的な問題といたしましては、そうした指定を受けた町村以外の町村であって、指定を受けた町村と状況が異ならないというような町村に勤務する職員に対する調整手当の問題であるわけでございます。つまり、もしそこに国の官署があったならば、恐らくは指定されたであろうという地域、たまたまそこに国の官署がないために指定がないというような地域について、どう扱うかという問題が、私どもとしては具体的にあるわけでございます。この問題につきましては、後ほど自治省の方からお答えがあるかと思いますが、千葉県について申しますならば、千葉県の人事委員会が周辺市町村等との均衡を考えてしかるべく御指定をいただくと、私どもはそれを受けて、その地域に在勤する職員に対する調整手当をどう考えるかという問題の基礎にしたいと、こういうことでございます。
○説明員(金子憲五君) 調整手当の支給の現状、それから自治省の所管配分なり考え方、それから国公との関係について御説明申し上げます。 まず、現状でございますが、現在、国が指定をしております地域ないし官署指定、それと地方団体が実施をしております調整手当の区域と相当に食い違っております。概括的に申し上げますと、都道府県におきましては、ほぼ国の地域によりまして調整手当を支給いたしておりますが、市町村におきましては、相当にそれよりも広い範囲にわたりまして支給をしております。これはただいま話がございましたように、たまたま国の官署がないといったような場合に、境界を引くのが非常にむずかしいといったようなこともありまして、広がっている面もあろうかと思いますが、ともかく市町村におきましては、国の支給範囲よりも非常に広くなっております。 それから、自治省の所管の分野でございますが、これも御承知のように、自治法の二百四条に、地方公共団体が支給し得る手当の範囲というものが限定的に定められております。 なお、調整手当につきましては、地方自治法の附則の第六条の二に定め、これを根拠にいたしまして、地方公共団体はそれぞれの判断によって調整手当を定めておったわけです。ただ、調整手当の支給につきまして私どもの指導上の考え方といたしましては、基本的には国の支給地域、それによってもらいたいというふうに考えております。 〔委員長退席、理事久保田藤麿君着席〕 ただ、これにつきましては、固定的に考えるんではなくて、ある程度弾力的に考えてもらってもいいというふうには考えております。と申しますのは、基本的には調整手当は、先ほど給与局長の方からも御説明がございましたが、民間における賃金、物価及び生計費が特に高い地域で、まあ地方団体の場合ですと、その地方団体におきまして人事委員会なり長なりが認める地域ということでございますが、そういった地域といたしましては、まず第一に、国の地域指定がある、あるいは官署指定があるということが、まずよるべき一つの基準ではなかろうかというふうに考えられます。その他の地域につきましては、民間の賃金あるいは生計費、物価が特に高いと認め得る積極的な根拠、それを示す必要があるんではなかろうかというふうに考えております。民間の賃金につきましても、生計費につきましても、市町村の境界で線を引くということは非常にむずかしいので、この辺につきましてはできるだけ限定的に考えていくべきではなかろうかというふうに考えております。 それから、特別交付税との関係でございますが、別に調整手当を支給をしたからといって、特別交付税の方で減額をするというようなことは考えておりませんし、いままでも行っておりません。ただ、一般的な問題といたしまして、現在調整手当を支給している地域の市町村におきましては、根っこの本法の給与水準が非常に高い団体が多くございます。それらと調整手当とを合わせて、給与水準を民間給与なり生計費なりと勘案をして定めていってもらいたいと、このような考え方で指導しておるところです。
○高橋誉冨君 私は、いまの問題で幾つかお聞きしますが、一つは、官署指定というのを、公署指定というか、官署指定というか、それがあるわけなんですが、私は千葉県のことを無理に持ち出して云々するわけじゃないんですが、何かそれが私たち常識で考えますと、非常にやっぱり地方公務員と国家公務員、国家公務員のそういうのが、国家機関があればそれはすぐにできるんだと、へんぴなところでも、そこに国立病院があったり、あるいは何か国の国立大学があったりすると、それが官署指定でその地域はばあっと上げられると、だから、うちの方で、たとえば成田空港が、先生方わっしょわっしょ一緒になって反対したわけですよね、組合の連中は。ところが成田空港ができると官署指定になって、あの地域はばんと三%もらえるというわけですよね。これじゃこれ早くできた方がいいというのがあの辺の先生方の偽らざる心境なんです。そうなると、そういう国のそういう機関があるところだけが優先されると、あるいは国のそういう機関だけが優遇を受けるということには、やっぱりどうも地方の現実としてわれわれとしては納得できない点があると、これが一点。 それから、自治省の方でそういう事実はないと言ったとなると、私は当時、まあ知事やめちゃったから構わないけれども、当時の知事は私にうそついたことになるんです。そういうことで、千葉県は富裕県だと言う、実際は赤字県なんだけれども。富裕県だということになると交付税が減らされるからだめだと言ったことは、じゃ私に対するはったりみたいなもんで、これは知事やっていないからどうしようもないけれども、やっていれば私はこれは問題があると思います。 それからもう一つは、埼玉、神奈川は、全県、全部これは支給されているというけれども、それは県独自でやって何らそれは抵抗がなかったか、国にも、地方にも、どこにも抵抗がなかったものかどうか、それをお尋ねしたいと思います。 その二点についてひとつお尋ねします。
○政府委員(茨木広君) まず、官署指定の方の問題から申し上げますが、これは給与法の十一条の三の、先ほど前段の方で御説明を申し上げたわけですが、後段の方に、「その地域に近接し」要するに調整手当のついておる地域で、「その地域に近接し、かつ、民間における賃金、物価及び生計費に関する事情がその地域に準ずる地域に所在する官署で人事院規則で定めるものに在勤する職員についても、同様とする。」と、こういう規定が根拠になりまして取り扱っておるわけでございます。それから、「近接し」と、こう書いてございますものですから、その官署があればどこでも官署指定を受けられるということじゃございませんで、現在扱っております二キロないし六キロというような、それぞれの条件によって違いますけれども、そういうようなやはり一定の限界内の近接地についてだけそういう取り扱いをしておるわけでございます。でございますから、先ほど先生がお挙げになりましたようなところが、ぽんと成田がなるというふうな見方ですぐいくというわけにはなかなか困難であると、こういう問題が一つございます。 それから、国と地方との関係でございますが、国は御案内のように、全国一本の俸給表になっております関係上、大都市地域は、非常に、その地域の給与なり物価が高いというようなところを理由にして調整手当をつけて、それを変形をすると、こういうことをやっておるわけでございます。自治団体の方になりますと、県の地域なり市町村の地域について、それぞれは俸給表を国の方を基準にはいたしますが、持っていらっしゃいます。そこでどういう俸給表をお使いになっておるかというものとの関連で、やはりその県内の、また、あるいは市町村内で、どうしても調整手当をそれにつけなきゃいけぬかどうかという、やはりもう一つの理論があるんじゃなかろうかというふうに思います。この問題についての調整の御指導は、やはり私は自治省さんの方でおやりになるというたてまえであろうと思います。
○説明員(金子憲五君) 現在、地方公共団体において調整手当を支給している団体を見てまいりまして、国の機関だけが優遇されているという状況はないかと存じます。むしろ、国が支給している地域を越えて非常に広い範囲でもって支給をされている、そのために異常に給与水準が高くなっているということの方に問題があるんじゃなかろうかというふうに考えております。なお、埼玉、神奈川につきましては、ほとんど全市町村につきまして調整手当制度が置かれておりますが、この辺については私ども決して適当なものだとは思っておりません。
○高橋誉冨君 もう一つお聞きしますが、義務教育国庫負担法に違反するというかどで、何といいますか、国に関係なく県独自でやった場合に、返還を命ぜられるということがあるということですが、そういう事実があるのかどうか。これは文部省でひとつそういう状況があるかどうかお答えいただきたい。
○政府委員(安嶋彌君) 若干ではございますがそういう事例がございます。
○高橋誉冨君 それば素直に返還されて、そのとおりうまくいっているわけですか。
○政府委員(安嶋彌君) 返還というお言葉でございますが、交付対象にしていないということでございます。行き過ぎがございますれば返還という措置がとられますけれども、通常は行き過ぎがないように交付をいたしておりますので、通常は返還ということはないわけでございます。ただ、お尋ねの点について実態的に申しますならば、交付対象にしていない部分があるということでございます。
○高橋誉冨君 先ほど自治省の方の方が国の方で別に優遇されているとは考えないと言われましたけれども、同じ地域に住んで、そして同じ生活をして、たとえば片方は国立病院に勤める、片方は学校の先生になる、国立病院に勤めた者は六%なり八%もらうことができて、ほかの勤務地に勤めた場合には、学校なり何なりに勤めた場合には、それは全然出ない、国立以外のものは出ない、国立大学は出る、普通の小、中学校、高校は出ないというということになりますと、地方の人はやっぱり差別であると見ますが、これは全然差別でないと考えるわけですか。
○政府委員(安嶋彌君) お話しでございますが、国の指定された地域、あるいは国の指定された官署がありまする地域の学校につきましては、負担対象にいたしております。で、返還と申しますか、交付対象外のものがある、若干ではあるがあると申しましたのは、そうした指定地域外、あるいは指定官署が所在する町村以外の町村に対して調整手当を出しておられる場合には、その部分について負担対象外という扱いをいたしておるということでございます。したがいまして、国家公務員に調整手当が支給されておるような町村、あるいはそういう官署がある町村の学校の先生が調整手当を受けられないということはございません。それは同じでございます。
○高橋誉冨君 そうなりますと、やはり民間では、たとえば成田へ空港ができたと、そこに勤めている人は直ちに調整手当をもらえるわけですよね。ところがそこの地域はもらえないわけです。国の機関はもらえて一般の地方公務員はもらえないという差は、地方においてやっぱり不公平じゃないかという、そういう考え方を一般の人は持つわけですよ。それは自治省の方、あなたさっきないと言ったけれども、そういう考え方持つ持たないは地方の人で——不公平はないといっても地方の人は必ず不公平があると見るわけですよ。その点はどうお考えですか。
○説明員(金子憲五君) この辺につきましては人事院の方から御説明願った方がよろしいかと思いますが、国立病院につきましては普通と違った考え方がとられておろうかと思います。したがいまして、国立病院につきまして調整手当の支給はされておりましても、その地域におきましての他の官署必ずしも調整手当は支給されていない、このような関係があろうと思います。
○政府委員(茨木広君) 成田の地域はいま官署指定そのものは行われておりませんが、御案内のように三十年代から転勤しました者、要するに調整手当のついております地域に勤務しておりました者がそうでない地域に異動しました際には、当初は一年六ヵ月から始まっておりますが、一年、二年、三年と延びてきておりますが、現在の制度は三年間を限り従前のものをそのまま支給するという制度がございます。異動保障と称しておりますが、その関係で羽田地域から転勤しました者でついておる者があるわけでございます。その関係でなかろうかと思います、もし成田のところでいま問題になっておるといたしますれば。それから国立の方の病院の問題は、これまた別の観点でございまして、医師の関係についての給与として別途の取り扱いになっておりますが、これもやはり僻地の方にお医者さんがなかなか行かないという実態から、むしろ、地方団体の方の関係のこういう病院とか診療所等でお医者さんを採用される際に大変高額な給与になる。そこで御案内のように、医師初任給調整手当というような別途の調整手当まで設けて、その間の間隙を埋めるような苦労をいたしておるわけでございますが、それでもなかなか行きませんものでございますから、医師については八%の調整手当を全国異動いたしましてもっけるという制度になっております。そういう関係で、別途の政策からそういう問題がございますので、それとまた比較されますというと、そういう別の観点からそういう制度が入っておりますので、なかなか御理解が住民の方から見られますとできかねるような感じがすると思いますが、そういう別途の趣旨でございまして、したがって、そこの病院に勤めておりますお医者さん以外の方々にはそういう手当がついてないということで、国家公務員でも同じ病院に勤めておってつく方とつかない方とある。それは全く別の医者というものの別途の観点から入った制度でございます。
○高橋誉冨君 先ほどの話の中に、暫定手当は昭和四十二年ですか忘れましたが、とにかく本俸に繰り入れると、そして、これを全部ゼロにするというような案を立て、そのように年次別で実施したというようなことがあったんですがね。何かそれが、暫定手当はなるほどそれでもうけりがついたあるいは地域手当はそのときでけりがついたと考えるかもしれませんが、末端ではそれが全部本俸に繰り入れて、末端でゼロになったとは考えていないわけですよ。みんな何かそれが地域手当が暫定手当になり、暫定手当が調整手当になってずっと残っちゃっているんだという感じですね。そういうことになりますと、本俸に繰り入れてゼロにするんだというひとつ言明した場合にははっきりと、そういう歯切れよくびたっと切ってもらう必要があるんじゃないかと思うのですよ。そうじやないと、何かしり切れトンボで、文部省なり国なりはこういうことを言ったけれども、途中でしり切れトンボで終わったんじゃないか、こういう感を一般の人が抱くわけですね。そういう点を、私は調整手当なら調整手当、これでぴたっとここで終止符を打ったんだ、これから新しく調整手当なら調整手当あるいは都市手当なら都市手当、こういうふうにいくんだという、まるで何か一つのものがずるずるとたくあんか何か切り損って一っぱ持ち上げたら全部持ち上がったような、そんなような感じが調整手当でするんですがね。この問題をすぱっと歯切れよく切る考えはないかどうか、どこかで。
○政府委員(茨木広君) 当時、暫定手当を五段階を四段階にというふうに、逐次二段階ずつ繰り入れる方針をきめて、そのつど勧告でそれを打ち出して一般給与法の附則等の改正をやりながら法律の形でお決めいただいて、処理をしてまいったわけでございます。でございますから、その当時ずっと処理をしましたものはそれでけりがついて、結局、最後に二段階が残ったということで、それが調整手当に法律上も引き継がれていったと、法律上というか、実質的に引き継がれて、地域給はそのまま移っていったと、こういう経緯でこの制度が漸進的に移ってまいったものですから、そういうふうになっているわけでございます。これはまあ、一方、地域手当のついていらっしゃる方々から見れば、時限をやはり与えられることは大変な生活基盤の変更でございますので、やはり漸進的にこう移ってきたと、移らしてきたと、こういう経緯であったろうと思います。 それから、ちょっと先ほどの答弁に補足させていただきますというと、先ほどの病院系統の者は、やはり、これは一般職の職員の給与に関する法律の十一条の四というところに条文がございまして、それが根拠になって先ほどのような運用が行われておるわけでございます。
○高橋誉冨君 私はこれで終わりますが、教育というのは、私は、教師は教育そのものに専念している、そのほかにはもう心を痛めなくてよろしいと、これが理想だと思うんですよ。そういうことを考えますと、そういう暫定手当とか地域給あたり、こういう問題で、先生方というのは金銭の問題じゃないと言いましても、やはり自分と同僚、同じ者が片方はよくて片方悪かったということになるとやっぱり神経使いますし、また、そちらへ行く希望者が少なくなりますし、希望者が少ないところへやられたとなると左遷させられたような気もしますし、これ微妙な神経がありますので、これは別に他産業の給与、民間給与とのそういうアンバランスは大して問題にしないんですよ。むしろ同じ職業、同じ年代の人が差をつけられたのが、何でこういう差をつけられたかということが大きな問題になる。これはもう年間百万円以上だし、一生を通じたら一千万近くも差がつけられる問題があるんじゃないかと思うんですよ。そういう差をなぜつけられなければならないかということにやはり一つの不満があり、ふんまんがあると、それを解決しないと、やっぱり解決しないことに対する信頼感というものを失ってくるんじゃないかと、信なければ立たずと言いますがね、そういう信頼感を取り戻す上からも私は今後この問題と真剣に取り組んでもらいたいと思いますが、今後、この問題についてどうするつもりであるか、これを人事院と文部省にお伺いしたいと思います。 以上です。
○政府委員(茨木広君) 調整手当の問題は引き続き検討事項になってございますので、鋭意検討を進めておるわけでございますが、先生からいろいろありました御意見等もよく体しましてさらに引き続き検討をいたしたいと思っております。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま先生が御指摘になりました、先生方は余り金のこと、そういうことを考えずに教育に打ち込めるようにという御趣旨は全くそうだと思います。そこで、いろいろいままでのいきさつから生じたりすることもあるそういう差ですね、そういうふうな問題ということから仕事の上に多少とも支障を生じるようでございますと、これは私たちの行政として行き届かないことだと思います。しかしながら、先ほどから議題になっておりますところの給与の問題、その調整の基本的な担当の官庁は言うまでもなく人事院でございます。でございますから、私たちの方といたしましては、本日、先生が御提起になりましたようなそういう問題についての的確な情報というものをでき得る限り人事院の方に提供をいたしまして、そしてお考えいただくように、そのように進めていきたいと考えております。
○鈴木美枝子君 近ごろ問題になっております筑波大学の解雇になりました外人教師の問題、あるいはベトナムの勝利のときに、日本、特には東京におきまして、留学生の方が自国の大使館に参りましたときに警察に挙げられたときのこと、民間の人権センターの調べによりますと、同じときに西ドイツでもベトナムの留学生が自国の大使館に駆け込んだ。西ドイツの場合は、警察は留学生を挙げないで、外から守るようにしながら、自国の大使館の人と「よく話し合いなさい」という態度をとったこと。それらのことを聞いております。東京の場合では、暴力という言葉を使いながら警察に挙げて、挙げられたときの様子は「朝日ジャーナル」に出ておりますけれども、おまえたちベトコンはと言っていきなり頭をぶん殴った。ベトコンといわれる人だったら東京に留学しているわけはないという日本の法律の状態もわかっているわけでございましょう。その人権に対する差、ベトナムのああいう勝利のときとは言いながら、ああいう時期でしたら、留学している青年たちは自分の国の大使館に行って、どういう状態になるかということを聞こうとするだろうし、そこへ相談に行くのはあたりまえなことだと思います。それを警察へ挙げて、そうして殴ったり、ベトコンはこのぐらいにしなきゃならないんだというのと、西ドイツでの取り扱い方の違いは大いに考えなきやならないことだと私は思います。きょうは警察の方を呼んでいませんので、それはひとつ議事録へとどめておくことにいたしまして、外国人の処分の問題についてお伺いをしたいと思います。 永井文部大臣は、筑波大学の強行採決のときにはおいでになりませんでしたので、内部の事情はよくおわかりになっていらっしゃらないと思うのです。強行採決のあり方についてはよくおわかりになっていらっしゃらないと思います。あれは第七十一回国会に提出された国立学校設置法等の一部改正案、つまり筑波大学法案が、教師、講師七千人近い人、そして百の教授会の反対を押し切って強行採決をされ、私などもそのとき三時間ばかり審議を続けている最後のときに強行採決をされて驚いたような、いまでも忘れることのできない筑波大学のことでございます。あれから二年と六カ月経過しただけでございますけど、いま問題になっています中国語専任教師、お名前は梅韜先生の解雇された理由を、もちろん、文部大臣にお伺いしようと思うのですけれども、第七十五回国会での衆議院で社会党の嶋崎委員の質問に対して文部大臣の御答弁されたのも読ましていただきました。衆議院での委員会は三月の十九日のことでございました。きょうは六月十七日でございますから、三月から六月にかけては日にちも大分たっておりまして、文部大臣の御答弁「弾力をもって解決したい」という、これを読ましていただきましたのです。その解決が三月からきょうまでにどういう解決を持っていらっしゃいますか、御答弁をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) この三月から六月の間、相当の期間がございまして、この間にいろいろ明らかになったこともあり、経過がございますので、大学局長からまず御説明させていただきたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいまお尋ねになりました梅韜氏の件につきまして、経過等を御報告いたします。 筑波大学におきまして、昭和四十九年の五月一日付で、筑波大学の学長と梅韜氏との間に雇用契約を締結しまして、同氏を昭和五十年三月三十一日までの十一カ月間、中国語担当の外国人教師として雇用しましたが、昭和五十年度におきましては、大学院の開設等に伴い他の分野から外国人教師の雇用について要望が多いこと、大学院の開設に伴う教官の充足等により中国語関係の教育課程の編成、実施が可能であること等の事情から、同大学では中国語担当の同氏とは雇用契約を更新しないことといたしたのでございますが、このことをめぐりましていろいろと問題が出てまいったわけでございます。 なお一方、これにさかのぼりまして、東京教育大学の方におきまして、これは昭和四十八年七月一日から昭和五十年三月三十一日まで外国人講師として雇用しておりましたが、昭和五十年度につきましては、日本人の非常勤講師として授業を依頼するということで、教育大学の方では御本人といろいろ接触をしておったのでございますが、六月十三日になりまして本人の承諾が得られず、東京教育大学の方で日本人の非常勤講師として採用するということもできないことに、採用しないということになりました。この間、本件に関しまして梅韜氏は、五月六日、東京地方裁判所に対し、国を相手といたしまして、筑波大学の外国人教師たる地位を仮に定めること。本年四月以降一カ月につき二十五万三千八百円を仮に支払うこと。授業を妨害しないことを内容とする仮処分を求め、これに関しまして、六月二日、第一回の審尋が行われました。さらに本年六月三日に、水戸地方裁判所に対し、筑波大学を相手取り、免職処分の取り消しを求める訴えを提起されたようでございますが、このことにつきましては、まだ詳細、私ども存じておりません。一応の経過は以上のとおりでございます。 三月十九日、衆議院で御質問いただきましてから、筑波大学並びに東京教育大学の方に梅韜氏との対応の仕方等につきましていろいろと相談もいたしたのでございますが、筑波大学の方につきましては、ただいま申しましたような仮処分の申請があり、また、六月二日には水戸地方裁判所に免職処分の取り消しを求める訴えを提起されたらしいということでございまして、文部省といたしましても、この件に関しましては、仮処分の申請に対しまする審尋等に応ずることをいたしておる次第でございます。 なお、並行いたしまして、東京教育大学の方につきまして、いろいろとこれも相談を進めたのでございますが、先ほど御報告申し上げましたように、東京教育大学で日本人の非常勤講師として授業を継続してもらうことが六月十三日本人の承諾が得られなかったと、こういう結果でございます。
○鈴木美枝子君 いまの御報告は筑波大学の解雇した側の御報告が多いと思うんでございます。そしてまた、こういう重要な問題でございますから、梅韜先生についても詳しくお調べになっていると思うんでございますけど、その点について大臣からお伺いしたいと思います。 梅先生のことは大変個人的のことのようでございますけれども、外国人教師のことでございますし、また、筑波大学は強行採決までした国立大学でございますから、外国人教師の解雇問題はまた重要な問題だと思います。文部大臣は強行採決のときおいでにならなくても、やはり文部大臣として、梅先生、そして解雇の問題、細かくお話していただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) この問題はいろいろな面を含んでおりますが、ただいま大学局長御説明申し上げましたように、東京教育大学で梅韜先生を日本人教師として引き続きお願いしたいというふうにお願いいたしましたのに対してお断りがあったわけでございます。といいますのは、実は梅韜先生は日本人でいらっしゃるからであります。これは梅韜先生は昭和三十九年四月十一日日本国籍を取得しておられまして、林敏子さんというのでございます。そこで、外国人教師はもちろん外国人教師として特別の規定がございますが、そこに外国人と日本人という問題が、これはお生まれはもちろん中国ですから中国人なんです。しかし国籍で申しますと昭和三十九年以来日本国籍を取得、林敏子さんでいらっしゃる。そういう問題が含まれていることをこれは経過で明らかになりましたので、そこで、東京教育大学の方にこの問題でやはり今後も先生としてお願いしたい。そのことをお願いしたわけですけれども、それはちょっと自分の方で辞退するという、そういう関係になっているわけでございます。
○鈴木美枝子君 筑波大学がお雇いになるときには外国人教師、中国語の先生でいらっしゃったと思います。 〔理事久保田藤麿君退席、委員長着席〕 解雇の地位保全の訴えをして、法律で日本人だというふうに変わってきたんだと思うのですけれども、梅先生の経歴については、中国の日本文学の研究家であった。そして、日本の小説を中国語に翻訳して、北京では「人民中国」という雑誌社に勤務していた。一九五八年に日本へ来て、そして、一九六一年、伊藤忠商事で外国部の中国語教師をやっていた。そして、一九六三年横浜市立大学に一年間勤務して、一九六三年アジア・アフリカ語学学院に、そして結婚して日本籍になった。一九六七年に日中学院中国語講師をして、一九六八年には現代中国語会話教師をして、そして途中、離婚をなすった。東京教育大学は以前から非常勤講師でございました、先生御存じのとおり。そして、牛島徳次先生に勧められて、そして筑波大学にお入りになった。そのときのことを、筑波大学を解雇された理由が何だかわからないというような梅先生のここに書かれたものがございます。詳しく筑波大学へ勧められたときのことが書いてございす。「七四年四月十七日牛島先生から、私に筑波大学の中国語専任教師を引き受ける様とのお話しがありました。けれども私は遠すぎると考えてお断わりしました。牛島先生は宿舎があると仰言ったけれども、私としては当時東京で別の授業も受持っていたので行く気はありません。」と断りました。「先生は専任講師になれば専門の研究も出来るからと、私に考慮を」するようにと言われました。「私は「もし現在持っている仕事を辞めて、筑波大で教職だけに専念して、万一問題が起きた場合、生活の保証がなくなってしまいますから」といって」お断りをしましたけれど、「牛島先生は学校側の契約書の見本を私に見せながら「既にあなたの身分に関しては宿舎、俸給、待遇などすべて決定されています。事前に本人に相談もせず勝手に事を運んだのは誠に済まなかったが、それは事前にお話ししてもし許可がおりなかった場合、却って本人に申訳ないからのことであり了解してほしい。既に文部省に申請し、許可も受けたことであり、引受けてほしい。」と、こういうふうな立場をとって筑波大学に行ったということでございます。そして、「牛島先生は中国語を熱心に教えておられ、日中友好にも力を尽くされ、学生に対しても責任を持っておられる方で、私の尊敬」している方でございましたので、私もそれをお引き受けいたしました。そして、「私は二十年前から日本文学を翻訳紹介して来ましたが、この方面の仕事も私としては、更に研究し続けて行きたいと思って」おりました。「私が筑波大の講師になれば、中国語を教えることを通して日中共同声明の精神にのっとって、日本の青年達に中国を正しく認識してもらうことも出来るし、又私個人の研究にもプラスになり、更に大きくは日中友好を子々孫々まで続ける為の基礎作りの一環ともなる、と考え」たから、お引受けをしたのでございますと、こう書いてあるのでございます。こういうふうな態度で授業を続けておりましたのに、突然、電話一本で首になったというふうなことを私は承りました。衆議院での議事録にもそのことが詳しく書いてあるわけでございますけれども、付け加えて言いますと、その首になるといいますか、解雇されるときの状態が余りにも、外国人教師でなくても、日本人教師であっても電話一本でパートの人あるいはアルバイトの人を簡単に首を切るというような状態があったのではないかというふうに私は思えます。そのときの様子、五月七日に一時間日の……これは泊まるところがなくて学生寮に入っていたということでございます。学生寮に入っていれば、必然的に生徒と一緒に食事をする。生徒と一緒に食事をすれば中国語について、中国の話を聞かれる、聞かれたときに自分は工芸的なものだのあるいは地理的なものと、社会的条件の中で言葉を発展させるような指導をしていたから、そのいつもの指導の方法が出て来てその話をしていた。そうしますと、何か日本に関係ないようなことを指導しておるじゃないかという注意を受けて、そして注意を受けたときに、子供に迷惑がかかっちゃいけないというので食堂で話すことはやめたそうでございます。その後再び今度は電話で断られた。電話で断られたら何だかさっぱりわからないから書類をもらいたいと要求したら、衆議院でも答弁にありましたとおりの書類をもらった。まるでさっぱり自分としてはわからないんだ。自分の趣旨としては、先ほど申しました日中共同声明の精神にのっとって日本の青年たちに中国を正しく認識してもらうための語学の教授のつもりであったことをどうしてそうなるのかというような問題でこの解雇無効、地位保全の訴えをしたということなんでございます。私はできればこの梅先生のこういうアルバイトの人を首切るようなやり方で首を切るのではなくて、文部大臣もこれをどうにか筑波大学の方へ注意を申し上げるなり、先ほど弾力的と申しましたのですけれども、弾力的な問題についてはまだ御返事をいただいていないのでございまして、もう一回、文部大臣から梅先生に対する弾力的なということを答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) まず、最初に申し上げておきたいことは、この日本と中国の友好関係というものを維持するばかりでなく促進することが望ましいということについては申すまでもないことでございます。ただ、梅先生と筑波大学との契約更新をしないという状況がその間のコミュニケーションが非常に双方に特に梅先生の方から見まして困った姿になったというのは先生御指摘のとおりであります。弾力的という問題なんですが、ところが梅先生、実は日本人でいらっしゃるということもその経過において非常によくわかりました。そこで筑波の方がいまのような姿になりまして、これは実は外人教師としてお雇いしていたんですが、本当は日本人教師でいらっしゃった。この任用規定などについては必要がございましたら政府委員の方から申し上げますが、日本人の先生でいらっしゃるんですが、しかし中国語はもちろん非常にお上手で、それで中国語の教育はお上手でございますから、東京教育大学の方で東京教育大学の大学の自治に基づいて中国語の先生としてお願いできるならばぜひそういう方向で進めていただいたらどうかということが私たちのこの問題に対する一つの態度であったわけです。で、実は、そういうふうに東京教育大学が勧めたのでございますけれども、それは先ほど申し上げましたように今度は林敏子ということで教えたくないということになりました。その結果、そういう意味における弾力的なつまり中国語の先生として先生が教え続けるということを私たちも勧めたかったわけでございますが、遺憾ながらそういうふうにいかなかったという経過がこの三カ月間の中にあったわけです。
○鈴木美枝子君 電話一本で首切り、後で書類を出したあの前後のところで筑波大学の副学長福田信之さんですか、この方が昭和四十九年三月下旬から、それから四月まで中国を訪問していますね。そしてまた、四十九年七月から、それから四カ月たちましてから第二回国際学術ゼミで台湾——中華民国という言葉を使っているんですけれども、台湾へ日本側団長としていらっしゃってますね。きょうで筑波大学ができてから二年半でございますけれども、これ四十九年ですから一年たって中国を訪問、理工系の大学関係者六名、そして中曽根さんがその当時ですからあっせんして、そして中国を訪問している。その訪問地の中に、これは産経新聞が発行している「正論」という雑誌ございますけれども、四十九年七月に寄稿して本人が書いていらっしゃるんです。「われわれに見せられた中国の一面は巨大な虚構であり、演出のうまさは史上最大の劇作ということになるだろう」、こういう文章の——文章じゃなくて、こういう文章を持った内容のとらえ方の中で、やはり電話一本で断るということはこの感覚から出てきているんじゃないかというふうに思うのですけれども、そして追って七月の二十二日、日本側団長として二十二名の教授と台北で行われた国際学術ゼミへ行って、そのときに発言している言葉はこうでございますよ。これは「中華週報」に報ぜられている言葉です。「共産党は政権を握って以降、世界各地で恐怖と動乱を製造し人類に種々の悲劇をつくりあげてきた。アジア人は親善の哲学思想によって共産禍に対抗しなければならない。」、「中華週報」でございますから、これは行われた場所は台北ですね、その「週報」に報ぜられていらっしゃる言葉でございます。 筑波大学という強行採決をされた大学の副学長、副学長は最大な権限を持っているというふうに、あの当時、大学問題のときに私たちは学びました。副学長は学長と同じ権限を持って、学長がやめるときまで副学長は同じようにやめないで済むという、筑波大学を一切賄える、いわば権力を持っているといいますか、その方が二つの中国をつくり出すようなやり方をしていらっしゃると同時に、また、第三回国際学術ゼミを日本でおやりになりましたね。文部大臣は御存じなんだと思います、四十九年の十二月十九日から二十二日まで。第二回を台湾でやったので、今度は日本で皆さんをお招きするというわけなのでしょうか。中華民国から十三人、韓国から二十人、そして、そのときは福田先生は日本側の実行委員長となっております。そして場所も、これは東京の経団連会館、帝国ホテルで開かれた。この会議の実行委員長は福田信之さん。そして、あいさつ状のように書かれた資料としては、韓国、台湾の訪日学者、筑波大学をその後見学、「「アジアの明日を開く国際会議」を終えた翌日の十二月二十三日には、中華民国と韓国の学者二十五名が筑波大学を見学した。「国際会議上教育に関する問題を討議する際、従来と異なる新しいタイプの大学として筑波大学は各国の学者から注目されていた。学者一行は午前十時十六分土浦駅に到着、このたびの国際会議で日本側代表として演説を行った筑波大の教授が大学を案内」して、そうして「宇宙センターなどを見学」して回った。掲載された新聞が「全国学生原理研究会新聞局発行「世界学生新聞」七四年十二月二十五日号より原文のママ」と、こう出ているわけでございます。 先ほど申しました筑波大学の学長と同じように副学長という力を持った人、その福田さんがこの「アジアの明日を開く」という、まあ私の見方からすると、台湾、韓国、日本というそういう会議を台湾で持った。そして、そこには旗を立てた。そして、二つの中国だというようなことをするということは、学者としても、教師としても、大学の責任者としてもどうなのだろうという思い方、どうなのだろうじゃなくて、間違っているんじゃないか、こう思わざるを得ないのは、日中国交回復後のいま問題の中にある国立大学である筑波大学、その責任者である副学長の行為として私はそう思うのでございます。文部大臣はそのことを御存じだろうと思うんですけれども、文部大臣としては、どういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(永井道雄君) 先ほど申し上げましたように、わが国の基本的な方針は、日本と中華人民共和国との間に国交正常化の共同声明ができました。その共同声明の趣旨に基づきまして共同声明の趣旨を重んじ、そうして国交の一層の友好関係を進めていくという点にあるわけでございます。したがいまして、その政府の一環でございます文部省の立場も、これと変わるものではございません。当然に、わが国と中国との友好関係を促進していくという政府の立場を文部省もとっております。 ただいま福田副学長についての御指摘の点について二点だけ申し上げますと、学長と同じ権限とおっしゃいましたが、まず学長と副学長とに権限の相違がございます。これについて必要がございましたら政府委員の方から御説明申し上げます。 なお、また、大学における教授方の思想あるいは研究上の自由というものがあり、その内容に立ち入りまして文部省はとやかく言うということは文部省としてすべきことではなく、文部省は、その問題は非常に重要な学問、思想、そうした事柄と大学の自治の原則にかかわっておりますから、それに対しては、わが国の憲法、教育基本法の原則に基づきまして先生方のお考えの内容に立ち入るべきではないという、そういう立場をとっております。
○鈴木美枝子君 そういうときにのみ学問と思想の自由ということをおっしゃって、そうして梅先生の首切りに対しては、大学へ申し込むときは外国人教師で、法律において日本人にすりかえることによって日中の問題を薄めていこうとするというふうに私は見受けられるのですけれども、余りにも中国という国を知らないんじゃないかと思うんですね。ただ、左か右か、共産圏か自由国か、そういうふうに表立って言いながら、思想と学問の自由ということを錦上に出して事を運んでいく。たとえば日中国交回復のうち、日中共同声明の骨子の中にある、梅先生もおっしゃっておりましたけれども、「子々孫々まで」という言葉を出したのは、(四)の中にある中国は「対日戦争賠償の請求放棄を宣言した」中の枠づきの言葉として、子々孫々まで仲よくということをうたっていたと私は思うんです。じゃ、「子々孫々」というのは何かと言ったら、教育の中に子々孫々ですから、未来の子供やそれから孫たちまでも平和にいくためのということになりますと、教育は重要なことだと私は思うのです。ただ、その教育が重要だというようなことの中で、つまり、梅先生は首になったので、法律に訴えたら日本人にすりかえて中国と関係ないという方法をとる。そうして、まだ筑波大学ができたてのときには、先生が集まらないような問題もあったでしょう、そのときには牛島先生を通じて再三申し込んだ。そういう、何か、日中共同声明の骨子が一人ずつの国民の中に、いま私たちは自由国の人間でございますけれども、その中に、自由国の中にどう受けとめてどう生きているかというのが問題だと思うのです。すぐに違うよというのじゃなくて、子々孫々は間違いなく違わないのですから、違わない問題を高い次元でとらえていくのは必要なことだと私は思います。それを、都合のいいときは学問と思想の自由、そしてまた、都合が悪くなると、梅さんは日本人だと、こういう言い方では日中共同声明の骨子の(四)である、中国は対日戦争賠償の請求放棄を宣言した中での「子々孫々」の問題ということにはならないのじゃないかと私は思います。それでもう時間がございませんけれども、その点について、私は永井文部大臣から、いま言った私の言葉に対してお伺いしたいのです。
○国務大臣(永井道雄君) 私、先ほどから申し上げましたように、賠償の放棄ということも非常に重要な日中国交回復のときの基本的原則でありまして、このことについて日本人は非常に感謝しているということは申すまでもございません。 さらにまた、中国の要人の言葉中に次のような言葉があり、これについてまた私たちとして非常に深く考えなければならないことがあると思います。それは、「恨みは解きこそすれ結ぶことはない」という言葉がございました。私たちも、こういう言葉に対しては本当に感謝をして、日中の国交を進めていくということに努めなければならないと思います。この点、先生にも私の意のあるところを十分御理解願いたいと思います。ただ、今回の事柄について、別にある都合のいいときに学問の自由、そうでないときにはそれを言わないという問題ではございませんで、梅韜先生——林敏子さん、この方の場合に、筑波大学との契約を更新しなかったときのコミュニケーションがきわめて不幸な関係になりましたために、仮処分問題の訴公、そうしたことが起こっているということはこれまたまことに遺憾でありますから、これはもちろん、この先生が子々孫々に及ぶまで友好を進めていくために中国語を教えていきたいという御趣旨だと、そういうことでございますから、これはせめて東京教育大学でぜひそれを達成する方向というものができないものかというふうに考えたわけなんでございますが、先ほどから御説明した事情、これはまた、先生にも御理解いただけるはずでございますけれども、なかなか複雑な側面がありまして、日本人としては教えないというような事柄も含まれているかと思いますが、先生の方は御辞退なさったようでございます。そこで今日に至っている。そこで、この種の問題があって、それが日本と中国との国交の促進というものを阻害するというようなことになりますのはまことにわれわれの本旨に反することでありますから、私たちとしては、これは先生と大学との話し合いがつきまして、そして中国語をお教えいただくということができれば非常に望ましいとこう考えております。
○鈴木美枝子君 いま文部大臣にお願いしておきたいのですけれども、梅先生は筑波大解雇無効、地位保全の訴えはしておりますけれども、筑波大学へもう一回戻りたいとおっしゃっているのですから、そこのところについてよく考えていただきたいと思います。戻りたいと言っていらっしゃいます。文部大臣はそのことについてお知りになりませんでしたかしら。戻りたいと、こうおっしゃっている点について、文部大臣は筑波大学の当事者の方たちにお話しいただけますでしょうか。
○説明員(松浦泰次郎君) ただいまの先生の御質問の点の、梅先生のお気持ちでございますが、先ほど大学局長からお話がございました仮処分の申請も筑波大学の外国人教師としての地位を認めよというような内容でございますし、本訴もそのようなことで出ておるように新聞報道されております。その辺にもあらわれておるんじゃないかと思う次第でございます。
○鈴木美枝子君 もうあと一問だけでございますけれども、そして、これは文部大臣にお願いしておきたいんですけれど、これと絡んで前後して起きた梅先生の解雇、首切りの問題でございますけれども、福田副学長さんに二つの中国というような日中国交回復の骨子を曲げるようなことを学問と思想の自由という言葉の中でなさらない方がいいんじゃないかということを、文部大臣も一言福田さんに申し上げるべきだと私は思います。これは福田副学長さんの発言でございますが、中国へ行ったときの虚構的な物の見方と同じような発言がここにもございます。筑波大学に対してですけれども、「組織上からいえば、管理運営と研究・教育を二元的に置き、さらに研究と教育を二元的に置いてあるということでしょう。従来の大学は講座制ですべてをやっていたが、その方式を廃して、全学に共通する問題はトップ・マネジメント」——トップ・マネージメント、こんな言葉は聞いたことございませんね。「研究・教育に関してはそれぞれ研究審議会・教育審議会でといった機関を設けてやります。たとえば、従来の大学では直接講座制に予算がくる。筑波ではトップ・マネジメントで配分を決め」ていくんです。こういう学問をする場所の国立大学のトップ・マネージメント、つまり下から、なるほどやっぱり教授会、学生自治会が廃止された言葉だと思いますね、トップ・マネージメント。そして中国に対しての物の見方、大きなる虚構だというこの見方。そして、そういう考え方が電話一本で教師を首にするという、関連した内部の事情が私はあるんじゃないか。その点について、私はやっぱり国立大学と文部大臣の関係において一回よく話し合っていただきたいと思います。これは日本人としてお願いいたします。 終わります。
○矢原秀男君 私、二点だけ質問をしたいと思います。 まず一点は、学校給食の問題でございます。 私たちを取り巻いております食生活の環境というものを見ておりましても、非常に危険な薬づけ畜産物から人体の安全をどう守るのか、こういう問題が取りざたをされているわけでございます。この問題についても配合飼料の中に多くの薬剤が混入されて、人体への悪影響となっていることは、これはもう承知のとおりでございますが、あるところでは大手の商社が介入をしたり、そして大量生産、大量販売、そして石油たん白にも目をつけていく、こういう中で飼料に対する添加物が全部で百六種類になんなんとしております。抗菌性製剤として抗生物質が二十六種類、その他二十八、ミネラル十四、ビタミン二十五、アミノ酸四、その他の防腐剤が九、ほとんどの配合飼料に数種類の抗生物質とAF2と同じニトロフラン製剤が入っているわけでございます。耐性菌ができ、家畜の病気予防の効果も少なく、さらに恐ろしいことは、肉や卵に残留した抗生物質が人体に入りますと、たとえ微量であっても、アレルギー体質になる可能性が出ております。このように人体に耐性菌をつくり、病気になった場合に抗生物質がきかなくなってくる。こういうふうなやりとりが非常に現在激しくなっているわけでございます。ですから、私は学校給食の問題を取り上げる前に、私たちが食べている食品環境のどんなに恐ろしいものであるかをいま述べているわけでございます。 こういう中で、最近の給食に対するお母さん方の声を二、三例申し上げますと、家庭の食事なら疑わしいものは食べないでおこうと選択する自由がある。そしてまた、学校給食にはその自由もない。学校給食の有害物質をもう一度総点検しない限り安心して子供に給食を食べさせられない。食品公害の恐ろしさと、子を持つ親のせっぱ詰まった気持ちを訴えておるお母さん方もございます。このように、有害物質の追放も何回も何回も当局に訴えたがいまだに改善をされない。子供の健康を守ることに胸の苦衷を吐き出されているお母さんもございました。そういう中でお母さん方がリジンの添加の禁止であるとか、学校給食での合成洗剤の使用禁止であるとか、また、添加物の総点検実施の申し入れもしたけれどもなかなか聞いてくれない。また、あるお母さんは、私は高級アルコール一〇〇%無公害という合成洗剤を使っていたが、手ははれ上がり、毎日注射に病院へ通った。学校給食にも使われているということを聞きぞっとしました。 こういう状態の中で給食の現況というものは、これはある特別の市でございます。統一の献立、一括の購入、三カ月前にコンピューターで栄養計算、なま物以外は一カ月前に納品、大量生産された加工品、プラスチックのパック食品、チーズ、各種ジャム類、そしてうどん、ハンバーグにパン、ヨーグルト、すべてパック製品、汁ものはだしを取らず化学調味料だけで味をつけ、ビタミンは食品だけでは不足だというので合成ビタミン剤をふりかけたり、まぜたりする。野菜はキャベツの千切りしたものを次亜塩素酸ソーダにつけて食べている。また、石油たん白の原料でありますノルマルパラフィンと同系統で発がん性の強い流動パラフィンが分離剤として使われてもいたと言っております。給食用ゴム手袋から一万一二〇〇PPmのフタル酸エステルが溶け出したとか、こういう問題が多く出ているわけでございます。また発がん性のある白色剤・亜硝酸塩は給食用のハムとかソーセージに六から一四PPmも含まれております。こういう中で厚生省の基準というものは五〇PPm。しかし、世界保健機構——WHOは乳旧に対してあらゆる化学物質の添加をやめるように勧告をしているが、成長期にある児童にもこれに準じて一切無添加の方向でいくべきではないか、こういうふうに学者も論じているのでございます。 いま、私、概況等を申し上げましたが、文部大臣にお伺いをしたいと思います。端的に申し上がまして、こういう総添加剤の食品関係の中で御父兄の方が一番心配をされていらっしゃいますお子さんの健康について、一番守っていくべきである学校の給食、そういう中で給食の総点検というものが今後されなくては私はならないと思うわけでございます。この点について、文部大臣の基本的な確固たる姿勢をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま先生の御指摘になりました問題はきわめて重要であります。これは繰り返すことになりますけれども、食品環境の悪化という問題は、これは昭和三十五年前後から非常に、もちろん学校給食だけでなく、一般に強くなってまいった問題であります。 そこで、この問題というものに真剣に対処をしなければいけないということでございますが、私たちが考えておりますのは、いわば四つぐらいの原則というふうに申し上げてよろしいかと思います。 一つは、国際的にも食品環境の悪化ということが非常に問題になってまいりまして、国連食糧農業機構あるいは世界保健機構、こういうところが七〇年代に入りまして専門委員会でいろいろな研究をいたしまして勧告をいたしておりますから、この原則というものを私たちは十分尊重していくということでございます。 第二番目は、文部省の中にも保健体育審議会がございますから、そこで審議会におきまして十分に各種の食糧環境の問題を研究していく。これは当然厚生省とも十二分に連絡をとるようにいたしまして、十分な調査に基づいて改善の方向を目指していかなければいけないということでございます。 第三番目の原則というのは、そういうふうにいろいろ食品環境の悪化というものがあり、事実上改善されていきます間に、相当問題が複雑でありますから、人々の理解が得にくいという問題がございます。そこで教育委員会を通しまして、各学校ででき得る限り御父兄に対して説明を行っていくということでございます。たとえば、最近起こりました和歌山県の竜神村におきます尿のテストの問題などにつきましても、村の教育長を通しまして、学校から御父兄に、要するに、情報の徹底化を図りまして不安を除いていく、これが第三番目の原則でございます。 第四番目の原則は、この種の問題というのは、一般論というものになりますというと非常にかえって波乱をいたしますから、非常に分析的個別的に考えていかなければいけない。それは結局そういう意味では非常に専門的行政という問題になってまいりますから、個別的にどの種の食品のどれが問題であるのか、これは先ほどの国際機構あるいは厚生省における調査、それからまた私たちにおける各種の調査、こういうものが連携をいたしまして十分分析的個別的に進めていく。 そういういま申し上げました四つの原則、これが私たちがこの問題に対してとっております基本的な立場でございます。
○矢原秀男君 では当局に具体的に、いま文部大臣の基本姿勢、取り組みの立場もお聞きいたしましたので、具体的な一つ一つについてお伺いをしたいと思います。 まず一つは、給食用の洗剤、これについては非常に禁止をして欲しい、こういうふうな声が出ております。そうしていろいろな学者の御意見を伺いましても、合成洗剤の毒性というものが打ち出されております。たとえば奇形児が生まれる危険性がある。これは三重大学の三上教授の動物実験です。二番目には複合汚染、ABSプラスPCBでネズミの睾丸が小さくなり、精子をつくる細胞が死ぬ。これは京都大学医学部の糸川氏でございます。三番目には魚の舌の感覚が麻痺する。水産庁の藤谷さんのものであります。四番目には、発がんを助ける——名古屋市立大学高橋、佐藤両教授でございます。五番目には、市販の合成洗剤を使って実験した結果、使用法どおり薄めた液で一日三回二十分間ずつさらを洗う作業を続けたところ、早い人で一週間、脂肪分の多い若い学生でも十日から十五日で指紋が消えていった。前記三上教授のもう一つの実験例等もございます。私がこの合成洗剤のことについて生々しい記憶を持っておりますのは、いまから五年前に、県会議員のときに、若いお母さんから「つめに割れがきました、これがあるメーカーの洗剤でございますけれども、一回調査をしていただけないでしょうか」、こういうことで、私は私の県の専門家の人に、国じゅうでまだ問題にならない一年前ごろでございますけれども、言ったら、いや大丈夫です、メーカーの言われるとおりでございます、全然毒性ございません、ああ、それは何かの間違いでしょう、そういうふうにして一番健康と生命を守る立場の専門家の非常にまじめな方が、メーカーの言われたそういうふうなデータ、そうしてその当時は、まだ学者も真剣に検討しておりませんでしたから、そのようにして、私は一蹴された生々しいものを持っているわけです。そうして、われわれが心配しているように、お母さんが心配されているような状態が平気で出ている。ところが学校給食においても、私、この問題について、野菜を洗っていらっしゃるのか、食器を洗っていらっしゃるのか、そして文部省は地元の都道府県に対してどういう文書による通達を出されたか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(諸沢正道君) 洗剤の使用につきましては、おっしゃるようにいろいろ事例も私ども聞いておりますので、洗剤の使用につきましては現在のところ通達は出しておりませんけれども、給食所管の課長を集めました全国課長会議の際に、口頭をもって指導をいたしておるわけでございます。指導の内容といたしましては、ただいま御指摘がありましたように、野菜とか果物といった直接口にする物につきましては、これは合成洗剤を使うことをやめなさい、使っているところもそれをやめていただきたいというふうに言っております。そして、食器等を洗います場合には十分配慮して、注意をして、これを使っていただきたいというふうにいたしております。その指導の結果もありまして、現在では果物や野菜等には全く使っていないというところの県も、東京、埼玉、愛知等数県ございまして、なお今後も、こういう趣旨を徹底さしてまいりたいと思っております。 なお、こういう洗剤を使います結果、汚水処理の問題が一方で出てまいるわけでございますが、そういう問題につきましても、汚水処理施設を完備するという意味合いからいたしまして、汚水処理のための設備を設ける場合には補助金を出す、こういうようなことをやっておるわけでございます。
○矢原秀男君 ここで、いつも、これは文教だけではなしに、日本の国が法治国家ですから、ここでいつも骨抜きになるのか、一生懸命なのかわかるのですが、こういう大きな事件がどんどん出ておりますのに、大概いろんな文書であなた方は通達されるのに口頭で指導されている。そしてまた、数県は言うことを聞いてくれた。こういうことでなしに、たとえば天然油脂をどうすればいいかという問題もございますし、それはなるほどつくっていらっしゃる会社が一挙にやめると、こういうことになれば大変でしょう。しかし、これだけ注意をしておるのに、国民の皆さん方がみずから実験をして初めて被害が出て、そうしてしかも、口頭指導という形では、私が最初申し上げましたように、いろんな飼料に添加物加えておりますから、人体に大きな影響があって本当に大変な状態になっているということは先ほど申し上げたとおりでございます。だから、なぜ口頭指導でなければいけないのか。なぜ文書でやはり一つのきちっとした格づけをしたそういう手を打たないのか。私、普通はいろんな問題でお尋ねしますと、いや、それはまだ文書で出ておりませんからきちっとなっておりませんがとよく聞くんですが、今度は珍しく口頭で指導されたと言うから、はあ、珍しいなあと思っているんですけれども、なぜ口頭の指導だけに終わったんですか。
○政府委員(諸沢正道君) 使用の実態につきまして、どういう洗剤をどの程度使っているかというようなことは、もちろん、われわれ十分に具体的に把握しておるわけではございませんけれども、それらの洗剤が一方では市販をされているというような実態もあるわけでございまして、ただいま御指摘のように、これをさらに文書等で各県に連絡し指導するということにいたしますとするならば、これはまた、厚生省等の御意見も十分伺いまして検討してみたいと、かように思うわけでございます。
○矢原秀男君 じゃ、厚生省答えてください。
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。 洗剤の、野菜とか食器等洗う、特に野菜でございますが、三十年の初めのころに寄生虫でございますか、そういった回虫卵を非常によく落とすというようなことで、厚生省の方でそういう洗浄等についてかつて通知を出したことがあるわけでございますが、その後三十七年ごろにその洗剤について安全性がいろいろ問題になったことがございます。そこで当時、いろいろの面から毒性を研究いたしまして、そして食品衛生調査会から通常の使用状態では問題はない、こういう答申をいただいておったわけでございます。しかし、先ほど先生御指摘のように、たとえば奇形性の問題が指摘されるとか、あるいは皮膚の障害が目立つとかいうようなこともございまして、昭和四十七年に食品衛生法の改正がございまして、洗剤について規格、基準をつくることができるようになりましたので、四十八年になりまして、私ども十分洗浄効果があるという濃度まで薄めて使うというような、そういう指導をしたわけでございます。同時に、安全性について、もう一度慢性毒性、たとえば先ほどの発がん幇助作用とかいうこともおっしゃられましたが、その名古屋の先生方も実験をしていただいておりますが、そういう幇助作用の問題とか、あるいは手荒れの問題であるとか、いろいろの面からもう一度四十八年から試験を実施しておるわけでございまして、私どもとしましては、この実験結果に基づきまして安全性等について一つの考えを出したいと、こういう状況でございます。
○矢原秀男君 非常に厚生省もこういう問題については緩いわけなんですがね。添加物の公定書見てみなさい。この添加物は食品にいいんですよと三十四品目あって、次の発表までには削除されているんです。研究機関が実際にあるのかないのか、そうして、それだけの陣容が整っているのかどうか、メーカー一辺倒ではないのかという心配がここに出てくるわけです。こういうふうにして添加物を、これはいいのですよ食品に入れても、そうして、いや、これはだめでした、こういうふうな無責任なことを、いま私がここへ取り寄している書類だけでも三十四の品目あるんですよ。こういうことであれば、厚生省としてこれは問題です。いま不明の病気が、原因のわからない病気が日本じゅうにはびこっているんです。それは胎児のときに、母体の中にそういういろんな変更できるような添加物を、急性の毒性実験だけで、試験だけでどんどんどんどんこういうふうに添加をしてしまうから、許してしまうからアレルギー性の子供さん出てくる、病状がわからない、医学でもどうしようもない、だれが困っているのか、子供さんを抱えたお母さん方が一番困っている、それに対して真心の政治が後追いをしたってなかなかついていけない状態が、いまあなたの発言を見てわかるわけです。こういう削除品目を見ておりますけれども、こんな不都合なことじゃもう大変なことです。だから給食用洗剤のことについては口頭とかいうことでなしに、文部省からもきちっとした、そういうふうないま相談をするという話があったわけですから、厚生省としてもきちっとした体制を、せめて通達ぐらいをしてきちっとしていく、そういうようにしていただきたいと思います。 時間がございませんので、次に移りますけれども、それからハムやソーセージというのは無添加に近いものをやっぱり使っていくように業者を指導すべきだと思うんです、学校給食は。 それからもう一つは、合成の着色料、保存料を極力使用しない方向に進んでいく。 それからもう一点は、農薬のない野菜というものを、せめて学校給食だけにはそういうことで生産地に対してやっぱり推進をしていかなくちゃいけない。この点について答えてください。
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。 私どもは食品添加物につきましては、これは国際機関でございますWHOとかFAOの一つの原則がございますが、消費者に利益するものでなくちゃならない、そのものが必要でなくちゃならない、こういう考え方をとって、あくまでも消費者の利益というものを前面に押し出して、本当に必要なものについて、最小限度に使わせる、これが厚生省の姿勢でございます。 ただいま先生御指摘になったハム、ソーセージは全く無添加の状態にしたらどうかというようなどとでございます。これにつきましても、私どもは、いまの保存の問題であるとか、あるいはまあその他色素、着色料もどうしても若干必要であるというようなことも聞いておりますが、これも極力先生の仰せに沿ったことで指導は続けてまいりたいとは思います。 それから合成着色料、これは非常に各国たくさん使っておりますが、日本でも以前相当多かったんですが、先ほどの安全性の点検の経過におきまして、現在十一種数というふうに、非常に少ない量に制限をしております。 もう一つ、残留する農薬の問題でございます。これもやはり国連機関でございますWHO、FAOが一つの考え方を出しておりますが、私どもはその線に沿いまして、四十二年から食品に残留するいろいろな農薬について、身近な食品からその残存基準を決めておりまして、現在は非常にきちんと進んでおると思っておりまして、昨年の国際会議のときも日本のこの資料が大変参考になったということで、これはもちろん私どもは今後とも新しい農薬が出てくるものに対しても、極力安全性の面から農薬の残存基準を厳しく規制していく、こういう方針でございます。
○矢原秀男君 では厚生省の意のあるものをそのまま受けて見守っていきたいと思います。 次に、食品添加物でございますけれども、先般からパンの中にリジンを入れていく、こういうことで埼玉県の和光市では東大医学部の物療内科高橋晄正先生に来ていただいて、給食用パンのリジンの分析を依頼をされた。分析の結果においては発がん性物質のベンツピレンが検出された。こういうふうなことで非常に大きな御心配が御父兄の中に出ているわけでございます。このことについて、文部省の方では、永井文部大臣は松山において学校給食用パンのリジン添加の安全性が問題になっているというこの質問についてリジン添加の安全性について再検討して近く結論を出す方針であることを明らかにされた。このように新聞報道がされておるわけです。ところが同じ日に、いわゆる保健体育審議会の学校給食分科審議会の議題というものが、そのときに文部省であったそうでございますが、リジン問題について話し合ったときに、学校給食の小麦粉にリジン添加することを決めたことし二月の答申の線が出ているわけでございますが、それを改めて確認をして、今後もリジン添加を続けることにしたと、こういう新聞報道が出ているわけです。一般の学者のいろんな問題点について文部大臣に質問があって、リジン添加の安全性について文部大臣はこの新聞の報道を見る限りでは、結論出すまでのちょっとした長い時間というものを考えておられるような発言でございますが、給食分科審議会の方では急遽もう二月の答申の線を改めて確認するんだと、もう検討も何もない、これは万全だというふうな形の、非常に二つの大きな、どなたの要望に対してもわれわれは聞かないんだというふうな、案外、この記事を見ますと、文部大臣も戸惑っていらっしゃるんではないかなと私も思うんですけれども、この二つの違った、一つば審議会のせっかちな、話出た、そんなことは、というふうにして、すぐ使っていくんだという再確認、文部大臣は、やはり大きな立場から、やはり一応安全性というものを検討していこうという、そういうニュアンスのちょっとした期間というものを発言の中に見出すわけでございますが、なぜこういう食い違いが出ておるんでしょうか。
○国務大臣(永井道雄君) 実は食い違いはなかったんでございまして、ちょっとその食い違いのないことを体育局長の方から御説明申し上げます。
○政府委員(諸沢正道君) 保健体育審議会におきましても、この決定をするに当たりましては十分各面から検討をいたしたわけでありますが、ただいま御指摘のように、高橋晄正氏から具体的に給食用小麦粉に添加するリジンを分析した結果、ごく微量ではありますけれども3・4ベンツピレンが出たという発表がございましたので、その時点で直ちに審議会の方々にお集まりを願ってその経緯を報告いたしますとともに、実はそのベンツピレンの検出については、私ども製造業者からの話では、高橋さんが分析したような〇・六三とかいう数値ではなくて〇・一PPb程度だというふうに聞いておりますので、この結果を直ちにうのみにするのではなしに、文部省としても独自に厚生省その他の機関に依頼をして、この分析をお願いをいたしておりますので、その結果をまた御連絡申し上げますという点が一点。 それからベンツピレンが含まれておると言いましても、これまでの国際的な調査などによりますと、まあ極端にいえば現在ほとんどの日常食品にも、量の差はあってもこのベンツピレンは含まれておるというようなことでありますので、そういう点につきましても、なお、私ども果たしてこのベンツピレンの発見が本当に学校給食に混入するのに支障を生ずるほど有害であるかどうかという点については引き続き検討をいたしますけれども、現在までのところではどうもそうは思われないのでありますというような御報告を具体的にいたしたわけでございます。そこで、まあ審議会といたしましては、そういうことがあるならば、文部省としても、もっとその内容を教育委員会の方にPRすべきではないか、それからまた、その文部省としての検査の結果がわかったら早急に審議会に報告してもらいたい、こういうことでございまして、そういう意味では現在の混入を何が何でも堅持するんだ、そういうことではなくして、さしあたってこのままでいって、とにかく結果がわかるというのが、もう一週間かその程度であるので、その時点でまたひとつわれわれにも検討をさせると、こういう御趣旨でございますので、ただいま大臣がおっしゃいましたことと食い違いはないわけでございます。
○矢原秀男君 そういうことで、文部省の体育局長から「学校給食用小麦粉品質規格規程の一部改正について」という通知が出ておりますね、各都道府県教育委員会に。この中でリジン添加の通知についてあるわけです。そうすると、「L−リジンの急性経口試験(LD50値)による結果からみると、その安全度は砂糖や食塩とほぼ同一である。」というふうな絶対の相異が出ているんです。私は、ここで疑問点を申し述べますのは、砂糖や食塩というものは人類の英知を傾けた中で、何千年、何万年、何百万年というふうにして、内臓というものがそういうふうに適応した形に、きちっとしたこれは一つの、生きる自然の中で微妙な生命の一つの働きになっている。ところが、リジンの問題については、急性経口試験を文部省ではやって、LD50の値が出た、だからいいんだという考えですね。だから私は、この毒性試験というのはどういうふうな問題があるのか、厚生省から出ているのを調べたわけですね。そうすると、毒性の試験については、急性の毒性試験というのがある。もう一つは慢性の毒性試験というのがあるんですね。どちらがいいのかいう問題なんです。この問題については、文部省がリジンを使用してもよろしいと言った急性経口試験というのは、「経口投与による急性の中毒症状を原則として一〜二週間にわたり観察する。必要に応じウサギ、イヌ、サル等を使用することが望ましい。」、これは非常に急な問題なんですね。一週間か二週間という、そういう設け方をしている。慢性の毒性試験というのは、「十二カ月以上の中間成績」、これもちょっといえば骨抜きに近いものでございますが、まあそういうふうな中で代々にわたる動物の子孫に対してどういう影響が出るかという考え方をしている。だから、子供さんの食糧に添加する。終戦後と違ってこういう食糧事情がよいときに、なぜパンの中に、急性経口試験という、そういう本当に生命を無視したような、これは大きな企業が実験をしたのかどうか知りませんけれども、なぜこういうふうなことをやらしていくのか。実際は文部省の通達には慢性毒性試験の結果によって砂糖や塩と同じである。なぜ慢性の毒性試験をやらないんですか。その点について答えてください。
○政府委員(諸沢正道君) 添加物を食品に添加するについて、それが法律上許されるかどうかということは、現在、厚生省の食品衛生法という法律があって、リジンはその中に入っておるわけでございます。そこで文部省は、率直に申し上げれば、そういう食品添加物として法律制度上認められておるということを前提にして今日まで小麦粉に添加をしてきたわけでございますが、それなら、添加するリジンというものが有害かどうかというようなことは、むしろ文部省がやるんではなくて、そういう制度を認める側においてそれは確認することだろうと思うんでございます。したがいまして、ただいま先生がおっしゃいましたような急性経口試験による急性毒性の試験というようなものは、文部省がそのリジンを混入するからまずやってみるというようなことではないのでございまして、そういう試験が、やってみても、毒性というか、有害の度は塩や砂糖と同じ程度であるという報告がありますということをここに参考として示したわけでございます。もちろん、慢性あるいは亜急性といいますか、その中間のような毒性検査は残念なところいままでは日本ではやっていないのでありますが、外国の事例ではそれについても安全だという結果が出ておるようでございまして、なお聞くところによりますれば、そういう亜急性ないしは慢性の試験を日本でもやっておりまして、ごく近い期間に結果が出るというふうなことも聞いておるわけでございますが、いずれにいたしましても、そのような毒性の試験というものは、直接文部省がかかわってやっている問題ではないのでございます。
○矢原秀男君 じゃ厚生省にお伺いしますが、食品添加物の使用基準算定の試験でなぜ急性羅性試験を使われたのか。ここにLD50と出ているのは、いま申し上げたわずかの日数の中で口から薬品を投与して実験動物の約半分が死亡した量がLD50でしょう。そういうふうな短期間にして、そして国民の方が願っている数年間もやっていく慢性毒性試験であれば、無作用から一部作用、そうして作用量、そうして致死量に至ってくる、まあこういうふうな中でいろんなやり方というのは、まず無作用から一部作用という、本当に最大——無作用量の最大安全量のところに線を引いて、慢性毒性試験であればね、この量の百分の一の量が人体許容量の摂取量になるわけです。まあそういうふうにして、詳しくは申し上げませんけれども、本当にこの急性毒性試験だけを、文部省がそういう通達の中に入れなくてはならないようなことを、なぜ厚生省はもっとこういうふうにメーカーからも実験データ出てるけれども、子供さんを扱うそういうふうな大事な学校給食の問題であるから、いい悪いよりももっと検討しなさいよと、こういう話が出てくるのが当然じゃないんですか。答えてください。 〔委員長退席、理事有田一寿君着席〕
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。 実は、先生御指摘のリジンでございますが、これはちょっと御説明申し上げますと、アミノ酸の一種類でございまして、私どもの体をつくっておりますアミノ酸、基本的なアミノ酸としては二十種類ございますが、そのうちの八種類は私どもは食品からとらないと、自分たちの体で合成できない、しかもそれを食品からとってないといろんな機能障害が起こってくると、そういう必須アミノ酸と私ども申しておりますが、その中の一つになっておりまして、したがって、食品から従前ともこれは摂取しているはずでございます。 ただ、いまの先生の御指摘の急性毒性をしからばなぜやって慢性毒性はどうしてやってないんだと、こういう御質問でございますが、私どもは食品添加物というものは生まれたときから死ぬまで、一生涯食べるということで、あくまでも毒性の基盤は慢性毒性ということで、それにねらいを合わせております。その場合、慢性毒性でもって見ますのは、いま先生申し上げられましたような、どこまでやった場合に最大の安全量があるか、それからどこまで超えたら中毒をするかというような、その辺の境界を見つけるというのが慢性毒性の目的でございまして、そのために私どもは無作用量と最終の中毒量、確実中毒量という、この三つの量を見るために、まず一遍に与えて急性毒性を見て、それから大体その一割ぐらいが亜急性に持っていった場合の中毒を起こす量じゃないかというようなことで、その慢性毒性に移行するために急性毒性、亜急性毒性、こういうものが必要だということは毒性学者が申しておりまして、そういうステップでやっておるわけでございます。 それから、急性毒性だけやって慢性毒性なぜしてないかというのでございますが、実は私どもは食品添加物について、いろいろございますが、特に生体なんかに作用する防腐剤とか殺菌料とかあるいは色素とか、先ほど先生申されました着色料でございますが、こういった生体に明らかに作用するような、こういうものについての慢性毒性について私どもは鋭意繰り返しその安全性を再評価しておるわけですが、こういったアミノ酸とかビタミンのような天然にあって私どもが日常食品から摂取しておると、こういうふうなものについては、特に学会で指摘されて、問題が提起された、そういうような場合以外は評価というものを後の方のスケジュールに置いてある、こういう状況でございます。
○矢原秀男君 いま日本の国で参考にしております必須アミノ酸の必要量の試案パターンは、これは一九五七年のFAOのパターンなんですね。確かにその中ではリジンというものが四十二で、非常に日本では少ないというふうになっている。しかし、これは戦後の非常に食糧事情の悪いときのそういうふうなときである。そうして、これは日本人の中のデータではなしに、アメリカのそういう全般のこれはデータになっている。これは、アメリカよりもこういう世界の特別専門委員会の報告によっていろいろならっていらっしゃるんですが、これのたん白質の六十一ページには、アミノ酸要求パターンの年齢差によるものなのか、あるいは研究者による実験条件の相違によるものなのか、この点については何とも言えないが、とにかく現在の研究情報はまだまだ不十分で、アミノ酸必要量の正確な数値について論ずることはできない。これは三年前のあれだから、一番新しいあれですね。ですから、こういうふうにしてアミノ酸の必要量の正確な数値というものは、学者の中でもまだ課題になっているんだ。なぜ日本でそういうようなことを早く決定を出していくのか、そしてまた、これは農林省の家畜衛生試験場のデータによりますと、リジンの危険性というものについて、大量投与の場合にはやはり肝臓が肥えてしまう、肥大をしてしまう、精子が減少する、こういうふうな問題が出ているわけなんですね。そうすると、国の方では、いや、そこになるまでは余り多くは投与しませんとか、そういうふうにして、数の少なさというものを訴えていく、そして正当化していく、こういうふうなことのやりくりでありましては、私、これは本当に大きな問題だと思うんです。時間がございませんので、この問題申し上げますけれども、ネズミやウサギとか、そういう動物実験をしていくのか、それともリジンを与えていくために学校の生徒を動物と同じように実験をしたそういう実例はないのか、そういう点、厚生省と文部省、答えてください。
○政府委員(諸沢正道君) リジンが学童の体位なり健康へのどういう効果があらわれるかということにつきましては、昭和三十九年の四月から四十一年の三月まで二年間にわたりまして、全国の都市部、農村部等の子供さん方を対象に、約三千人を対象にこれをやったことがございます。
○矢原秀男君 いまこういう問題がいろいろ課題になっているときに、三十九年から四十一年までに三千人の方にこういうふうな動物実験と等しいようなものを子供さんにやって、そうして、その問題の中から安全の数値というものを一つも検討がされてないんですよ。ただ、栄養的にどうなのかいうことだけである。これは、私いま一つのデータを持っておりますけれども、これは青森県やそうして高知県のいろんなものに出ておりますけれども、安全性のこと一つもないんです、三十九年ごろから。これは本当にモルモットみたいなものじゃないですか、動物実験。それを未来を背負う日本のこういうかわいい子供さんに対して平気でやっていく、こういう問題が文部大臣、許されていいんでしょうか。常に食品を食べるときには、子供さんにそういうふうに動物実験のようなことをして、こういうことがあっていいんですか。しかも、現在ならそうだけれども、三十九年前からやっている、二年間も。一番世相から見て、国民の中にそういう添加物に対してまだやかましく言ってない、そういう一番大企業が食糧関係にも乗り出してくる、お金は自由にある、そういう生産性をどんどんどんどんやっていくときに実験をやっている、私は許されないと思います。文部大臣、答えてください。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの問題について基本的なことが含まれていると思われますので申し上げておきたいのであります。 それは、私は別に医学の専門家ではありませんけれども、医学の基本的常識であると思いますから申し上げておきたいのですが、動物実験というものを行います。しかしそれと同じ意味において人体実験というものを行うことは許されていないわけでございます。先ほど申し上げたのは調査でございまして、これは実験と違います。その点、決して誤解をしていただきませんように、それはないと思いますけれども、言葉の点で足りないことがあったかもしれませんので申し上げておきます。 したがいまして、先ほどの調査というのは、当事は食品衛生法に基づいて昭和三十三年から食品添加物としてリジンを使用することが認められていた、それは実験に基づいて。しかしながら、実験に基づいて、それは動物実験等です。人間に用いられる場合に少しでも不安があったり、あるいはどういうふうな程度の変化が出てくるかという場合に調査というものを行うわけでございまして、動物実験と同じ意味合いにおいて人体実験を行うということは基本的に許されませんし、これはもう医学的な常識であると考えております。さらにしかし、現段階においてリジンという問題をめぐってもう一度考えなければいけないということでございますから、私たちとしては、厚生省にもお願いして、もちろん今度は人体実験するというんじゃなくて、実験的、科学的な立場から御検討を願うと、こういうことでございます。 〔理事有田一寿君退席、委員長着席〕
○矢原秀男君 いま文部大臣は調査をしたとか、こういうように言われておりますが、調査という前提の中には、その地域でいろんな問題点が出たから、プラスかマイナスか、いろんなその現実のその姿をやっていくのが私、調査だと思うんですね。ところがこの「学校給食用パシのリジン強化に関する実験報告」です。これについて、「リジンの投与」「投与期間」についてはというふうにして年月からずっと出て、「投与の方法および混和量」、「強化方法」というふうなものがずっとやられている。そうしてリジン群と対照群というものを小学校、中学校に分けて、そうしてデータをずっと取りながらやっている。私は文部大臣の調査という言葉ではなしに、明らかに実験、そうして本当に残念な言葉で言えば動物実験にも価するようなことをかわいい子供さん方にやっている、こういう解釈をするわけでございますが、もう一度答えてください。
○政府委員(諸沢正道君) 当時、このリジン添加の意図がどういうふうなものか、いま正確な記録をここに持っておりませんけれども、いずれににたしましても、それは子供の体位を向上させるために日本人のたん白質の摂取ということを考えました場合に、動物性たん白質の摂取がその当時におきましてはなおかなり劣っておる、そこで御承知のように、リジンというものは魚とか肉のような動物性のたん白質に多く含まれておるけれども、穀類には少ないということは、これは調査の結果明白になっておったところでございまして、また、リジンというものが必須アミノ酸といわれる八種のアミノ酸のうちの一つであり、その八種のアミノ酸がいずれも一定のちょうどよいぐあいのバランスを持って摂取されるところに初めてたん白質の吸収とたん白化の良質化ということが可能になる、これも栄養学上明らかなように私は聞いておるわけでございますが、そういう見地からした場合、その当時の子供さん方のたん白質の摂取においてアミノ酸が欠けるんじゃなかろうか、ところがたまたまリジンが欠けるんじゃなかろうかという判断があり、そしてそのためにはリジンをひとつ添加したパンを供給することによって積極的に子供の体位の向上を図ろうと、こういう意図で、その結果、どのくらいその子供の体位なりあるいは体力がよくなったかということをはかろうという意味で実験というふうに言ったかと思いますが、意図するところはあくまでもそれは、大臣がおっしゃるように、生体実験というような意味ではさらさらないのでありまして、要するに、最初の試みでございますから、そういうことでやってみた、こういうことだろうと思います。
○内田善利君 関連。 私は実験も調査も同じテストであらわされると思うんですね。ただ、実験という場合と調査という場合は、調査の場合は安全であるということがはっきり明確であれば、どれだけ体位が向上するかということで私は調査になると思いますが、安全であるか危険であるかというまだ不安な段階でやることは私はこれは実験じゃないかと思うんです。ですから、その当時、実験であったかどうかということは私はよくわかりませんが、現在が、先ほどの合成洗剤もありましたが、合成洗剤は厚生省ではまだ安全だとは言い切ってないわけです、いまテスト中だと。反対の先生もいらっしゃる。賛成の先生もいらっしゃる。ですから、いま厚生省が中心になって調査をしている。調査をしているということは、これは安全性を確認しているわけです。名古屋大学の先生、京都大学の先生、反対の先生方いらっしゃるので、同じ条件で、同じラットを使って同一条件で安全であるか危険であるかを、毒性があるかどうかを調査している段階、そういう不安定な段階で使用を許可するということは実験です。動物実験です。ですから、現在すでに学校給食の場合の洗剤の使用にしても、あるいはまたこういった安全性が確認されない、明確でない場合に使うことは私は動物実験だと思います。いま学校給食でリジンを使っていることも、安全であるか危険であるかわからない状態で使っているということは、私はこれは実験である、人体実験である、こう思います。 いたいけな子供たちが成長の段階にあって、そういう無害であるか有害であるかわからないような物は私は文部省当局としては。——とにかく一週間後わかるということ、またいまテスト中であるということ、そういうことならば、明確に安全であるということを確認して私は使用すべきではないか、許可すべきではないか、こう思うんですが、文部大臣、局長、いかがですか。
○国務大臣(永井道雄君) 私は、この問題は非常に重要であると思いますし、また、本当に御父兄などに不安を与えてはいけないと思いますから、もう一度こだわるようですが、実験という言葉について申し上げます。 まあ動物実験よくやりますが、たとえば発がん性の病気みたいなものがある場合に、動物実験を事実やります。まあがんが発生するということを調べる。しかし、それと同じようなことをお医者さんが発がんを人間についてやらせるということはやらないわけです。いわんや、またさらに動物の場合、極端には何か実験をいたしますと死んだりすることがあります。そういう実験あります。しかし、人間についてそういうことをやることは全く許されないことでありまして、私は過去の日本においてもそういう考え方があったとは思いませんし、それから将来も当然持つべきでないと思います。それは非常に食品環境あるいはその他の環境が悪くて不幸にして非常な不幸な病気になられたというようなケースはあるんですが、意図的にそういう動物実験と同じ意味合いにおける実験というものを考えることは断じてあり得ざることであり、許すべからざることであると思います。 じゃなぜ実験という言葉、これ実は使っているんですけれども、ごらんのとおり、これは学校に実験校なんていうのもあるんですが、その場合の実験という言葉、これは人体実験なんていうときは——これはこのときは食品、このリジンにつきましてはリジン強化に関する実験でございます。当時はたん白質がリジンを入れることによってむしろ供給されるんではなかろうかという意味合いの実験であったわけです。そこで私は、むしろ調査といった方がわかりやすいというふうに申し上げた。この場合、言葉が実験として使われておりますが、決して人体実験的な意味ではない。それは非常に明確にしておくべきことであると考えております。 次に、しかしいまマイナスの方の問題も起こってくるんじゃないかという不安が出てきたわけですから、そこで先ほど、実は私は松山でそう言ったのは事実でございまして、先々週の土曜でございまして、そこでいま調査もう一回審議会でやって、そしてその結果を出してはっきり決める、こういうことでございます。
○矢原秀男君 文部省の体育局学校給食課も昭和四十五年に有害な食品添加物はもとより不必要な食品添加物、そして着色料、保存料——防腐剤ですね。それから漂白剤、発色剤が使用されていると思われる食品は使用しないこと、こういう通知が出ているわけでございますが、こういう線に沿って努力をしていただきたいと思います。 時間がございませんので次に移ります。 最後の一点は、腎炎・ネフローゼ児の問題でございますが、私は、先般千代田区の三井記念病院で腎炎・ネフローゼで入院をされていらっしゃる子供さんやそうして御父兄の方に会わしていただきました。そしていろんな御要望の問題点が数多くございましたけれども、特に教育の問題を話し合ってきたところでございます。その足で武蔵野の赤十字病院内にございます「いとすぎ学級」にも伺いました。勉強している子供さんやそして若い女性の先生方、苦しみをじっと胸に秘めていらっしゃる御父兄の方々、私も真心の教育を少しでもお届けしなくてはならない、こういうふうに決意をいたしたわけでございます。 そこで、文部大臣にお伺いをするわけでございますが、ネフローゼの子供さんを持った御父兄の方々が非常にいま思っていらっしゃいますのは、原因不明のまま昭和四十二年ごろから幼児、児童、生徒の間に急激にふえ続けている腎炎・ネフローゼ、完全な治療法のない現在、病状は悪化しすく、五年、十年、否一生治らない難病中の難病である。このような死を待つよりほかはない絶望状態に置かれている数万の子供たちの命を守るために、ささやかであるけれども小児腎センターも設立して、原因の究明と治療法の開発を一日も早くしてほしい、このようにも願っていらっしゃいます。また、長期療養のお子さんを抱えて、完全な治癒の見通しのないお母さんやお父さんの悩みは極限に達しているわけでございます。そういう中で一難病の子供さんを看護する親の精神的な苦悩に加えて、こういうインフレの中で経済的な負担はこの子を持つ親以外には想像も及ばない悲惨な現状であることを訴えられております。この苦境を救うためにも、入院、通院を問わず、治療費を全額公費負担されるよう訴えるものであると主張されております。また、発病年齢についても、小さな子供さんに最も多く、次に小、中、高校の順になって、したがって、学齢期間中の義務教育さえ受けられず、病院で、家庭で、不安と焦慮の暗い毎日を送っている現状、まことに言語に絶するものがある。人間形成の重要な時期に病気に打ちかつ精神力を身につけさすためにも、義務教育はもちろん、高校教育も含めて公教育を受けられるよう強く要望するものであると血のような叫びをされておられるわけでございます。 私は、いまこういう方々の声を代弁さしていただきましたけれども、永井文部大臣にお伺いいたしたいことば、難病中の難病と言われます腎炎・ネフローゼ児のお子さんを抱えていらっしゃいますそういう方々の立場に立ち、また、日本の為政者としてこの救済に対しての基本的な姿勢をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) この腎ネフローゼの問題でございますが、先生御指摘のとおり、非常にこう最近多数子供さんの中にこの病気にかかっておられる人が出てきているという問題がありまして、非常に深刻なことです。なぜ深刻であるかというと、療養に非常に長期を要しますし、また、療養費も高くつくということがあります。そこで、何とかして、この問題というものに取り組んでいかなければいけない。厚生省と文部省とで当然協力していくべき問題でございますが、また、事実そうしているわけでございますが、現在、大体、厚生省の統計ですと、全国に一万人程度というふうに言われております。文部省が始めておりますことは、これは先生御案内のとおり、昭和四十九年度から健康診断に尿の検査を加えたわけです。それは早期発見というものをねらったわけで、早期発見によって幾分かでも治療期間を短かくするとか、あるいはそういうふうな形で早く健康を回復する方向を求めていく。その結果、数字を念のために申しますと、尿中にたん白を検出された者の率が全国平均小学校で一・四二%、中学校で二・六五%ということでございます。そこで精密検査をいたします。そして、その精密検査の結果、今度は腎臓疾患があるかどうかということになりますと、このパーセンテージが減りまして、これ十分の一ないしは二十分の一になります。小学校ですと〇・一一%、中学校で〇・二%です。 文部省がこの問題に対してやっておりますことを最初に申し上げて、後は厚生省の方から少し詳しくお話があると思います。文部省の方では病弱養護学校あるいは病院内特殊学級というようなところでこういう患者の方たちの問題に対処していくということがございます。現状におきましては、病弱養護学校六十三校、特殊学級六百四校でございますが、しかしながら、この数を考えますというと、こういうものはもっと整備していかなきゃいけないということでございますから、五十四年までに病弱養護学校につきましては四十八校新設する、そして特殊学級につきましては八百学級増設するということを目下計画しているわけでございます。ですから、いま申し上げたような意味合いで、ほかにもまた政府委員から私が申し上げ足りなかった具体的事実について必要があれば追加御答弁申し上げますけれども、ともかく、早期発見というものを全国健康テストでやることに、健康診断でやるということといまのような形の養護学校の強化というような方法によってこの問題にわれわれはいま対処していく。非常に御指摘のように重大な問題でありますから、できるだけ努力しなきゃいけないと思っております。文部省はいまそういうことですので、後は厚生省の方から御説明申し上げます。
○説明員(本田正君) 腎炎とかネフローゼとかいうような小児の慢性の特定疾患につきましては、これは原因が先生御指摘のようにわかりません。非常に長期にわたります、しかも、幼児期にこういう病気にかかりますと、障害を一生背負っていくというようなことで非常に問題でございます。現在、そういうことで、この対策としては大きく三つあろうと思います。 その一つは、何と言っても原因究明を行うということ。小児慢性特定疾患というのは、現在九疾患分で約四百の病気のものを対象にいたしておりますけれども、慢性腎疾患あるいは腎炎・ネフローゼというのはこれに入るわけでございますが、原因究明にまず力を注いでいかなくちゃいけないと思います。これもなかなかむずかしい問題でございまして、全国の大学の先生方あるいは病院の先生方の協力を得まして、昭和四十六年から研究をやっているわけでございますが、なかなか原因究明というのは一朝一夕に解明できないというのが現状で、今後とも研究費をふやすことによって解明を続けていかなくちゃいけないと思います。 それからまた、次に大事なことは早期発見であろうかと思います。早い時期に発見して早く治療するというと、病気は早期発見、早期治療ということが一番治療もしやすいわけで、そういったことから、まあ私どもの早期発見に対します年齢的な区分というのは、未就学児、ゼロ歳から六歳未満になっておりますが、特に三歳児健診という制度が保健所で全国的にやっておりますが、三歳児は精神発達あるいは身体的には非常に曲がり角にございますので、いろんな検査を三歳児になりますとやるわけでございますが、この中にも尿検査を入れまして、そして第一次のそういった一般検診におきまして異常がある者についてはそれぞれの専門家に診てもらうという精密検診という制度を設けて、早期発見、早期治療に努めているわけでございます。 それから一方、もう一つ重要なことは、医療費の援護であろうかと思います。小児慢性特定疾患対策といたしまして、先ほど申し上げましたように、最近非常に枠を広げまして、九疾患約四百の病気についで医療費の援護を行っているわけでございますが、もちろん腎炎・ネフローゼもこれに入っております。ただ、先生御指摘のように、現状では通院の患者について出ない制度になっておりますので、他の疾病もそうでございますが、そういうふうになっておりますので、これは将来検討していくべき問題だと存じております。 なお、この小児慢性特定疾患の対策を強化いたしますときに、実は昭和四十七年に一体どれくらいの患者さん方があるんだろうかということで、小児慢性特定疾患実態調査委員会というところをして全国の重立った病院、約九百五十でございますが、それらの病院で入院、通院の患者数を調査したことがございます。それに基づいて現在の特定疾患対策を進めているわけでございますが、それによりますとゼロ歳から十五歳までの入通院の患者が一万二千七百九十一名と出ております。これは慢性腎疾患全部でございます。ただ、特定の重立った病院ではございますけれども、特定のそういった九百五十の病院でやったために、全部の全国の入通院の患者じゃこれはございませんで、若干漏れがございます。これはその調査委員会の方でも大体八〇%から九五%ぐらいがこの一万二千七百九十一名に当たるであろうと、したがって、全体ではゼロ歳から十五歳までは一万三千五百ないしは一万六千名の見当になるんじゃなかろうかと、こういう患者の実態の結果が出てまいっております。
○矢原秀男君 時間がございませんので、また、別な委員会で詰めていきたいと思いますが、結論的にはもうそういう経過とか、いろんなそういうものよりも、どうして救済したらいいかというところに、予算の財政措置もありますし、本当に真剣に取り組んでいかなくちゃいけない大きな課題があるわけです。ですから、これは厚生大臣にも、現状どおりのいろんなそういう報告だけではなしに、真剣にやっぱり解決の方向まで、予算づけをまずきちっとしてやっていくと、こういう、うに伝えていただきたいと思います。 私、この前、武蔵野赤十字病院へ行きましたときにこれいただいたわけでございますが、子供さんの「びょういんのなかにがっきゅうができた」という本に書いていらっしゃいます。この中で、「いとすぎ学級」というので四年生の川口ルミ子さんが書いておられますが、「わたしは、いとすぎ学級ができて、とってもうれしいと思っています。 なぜかというと、これからはみんなと同じぐらい、べんきょうをしていけるからです。」。また、「武井先生がまちどうしい」と三年生の和田君は「ぼくは、ベッドの上で一日に一時間勉強ができるのです。そうすると武井先生が来てくれるのです。」こういうふうに子供さんの期待と希望というものが目に見えるようでございます。 そこで私がまず申し上げたいのは、「東京腎炎・ネフローゼ児を守る会」のお母さんやお父さん方が教育問題にしぼってアンケートをとられております。まだ集計中だと伺いましたが、まとまったものだけ私も見さしていただきまして、本当にうっかりしていた、私たちの問題点というものがよくわかってよかったなと思ったわけでございますが、先ほど文部大臣から養護学校の義務化の問題を御報告をいただいたわけでございますが、二百二十名の会員の方々がアンケートを集められた中で、養護学校希望者七十八名中一名という結果が出ているのです。文部大臣、私も養護学校ができればすべてがうまくいくものだと思っていたのですけれども、これでお父さんやお母さんにお伺いをしておりますと、病院の専門的なお医者さんとずっとかかった関係というものが離れてしまうと養護学校の体制では外形がわからない、そういうふうなことで、またまた病気が再発をして、死のコースへ走ってしまう、こういうデータが非常に多く出ていることを、私はこれは御父兄の方の本山の偽らざる気持ちであり、私たちが養護学校ができれば腎ネフローゼの子供さんたちもみんな解決するなと思っておりましたことがやはり非常に浅い考えであったという反省もしたわけでございます。 そこで、御父兄の方が千代田区にある三井記念病院の中に学級をつくってほしいという御要望が御父兄の方々から千代田区に、東京都に訴えられております。私は文部省として、まあいま国会でございますので、実現まで御父兄の立場に立ったパートナーの役割りとして厳粛な立場の中でやはり一日も早く御要望にこたえていただきたい。そういう立場で質問をするわけでございますけれども、この点について先般もお願いをしたわけでございますけれども、どういうきょう現在手順になっておるでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) ただいまのお尋ねでございますが、先ほども御指摘がございましたように、武蔵野の日赤病院におきましては、武蔵野市の小学校あるいは中学校の特殊学級が病院の中に設けられておりまして、比較的行き届いた教育が行われておるわけでございますが、東京都の他の病院におきましても、たとえば、国立の療養所の中野病院でございますとか、清瀬の小児病院でございますとか、国立の村山療養所でございますとか、こういった病院あるいは療養所におきましても、武蔵野日赤病院と同じように、地元の学校の特殊学級が設置されまして、しかるべき教育が行なわれておるわけでございます。しかしながら、東京都に限って申しましても、都内のすべての病院に入院している児童・生徒についてこのような教育が行われているかというと、必ずしもそういう状況ではございません。御指摘のような点もございますので、東京都に指導をいたしまして、こうした児童・生徒に対して何らかの措置ができますように、十分今後とも検討をいたしたいというふうに考えております。都といたしましても、何らかの方法を検討し、努力したいということでございますので、国としても、できるだけの援助なり指導なりをしてまいりたいというのが私どもの考え方でございます。
○矢原秀男君 担当課長、簡単にお答えください。
○説明員(国松治男君) 先生からお話のありました点でございますけれども、東京都の教育委員会にも具体的に連絡をいたしております。ただ、いま局長から申し上げましたように、東京都にございます病院の中に設けられます特殊学級あるいは養護学校の分校というふうなものが必ずしも十分でありませんので、努力したいというような、先ほど局長が答えたとおりの東京都の回答を得ております。 先生が先ほどおっしゃいましたことでございますが、私ども県あるいは東京都等に指導をいたしておりますのは、養護学校をつくりますときに、どこかに一カ所ほっと養護学校をつくっておればそれでよろしいというふうには考えておりませんで、むしろ、子供のおりますところに養護学校をきめ細かく分校なり分教室なりというふうな形でやっていく、そういうふうなことをやりますことによりまして教育の機会が十分に行き渡るというふうなことで考えていかなければいけないんじゃないか。あるいは訪問指導というふうなものもございますし、そういうふうなものでも考えていかなければならないんじゃないかというふうなことで指導をいたしております。そういう考え方を取り込んで、どこのどういう地区でどういう形をとってやっていくかというのは東京都の考え方になるわけでございますけれども、なお、今後とも具体的に連絡をとりまして、最もいい方法ができますように指導、連絡をしてまいりたい、このように考えております。
○矢原秀男君 そういうことでございましたので、私もきょう東京都へ連絡をとりますと、局長と課長からも、非常に前向きでいろんな相談があったといって非常に喜んでおりました。 そこで、再確認の意味で東京都と確認をいたしましたことは、十六日現在においての東京都の三井記念病院院内に学級を設ける見解についての中間報告でございますけれども、教育委員会の方では、都には養護学校がいま東久留米と沼津の方にある、そういう中で千代田区にある三井記念病院を都の養護学校の分教室にすることに対しては支障がない、医療と教育は全く別にし、いままでどおり腎・ネフローゼの医者の担当をそのまま受けることができます、養護学校の分教室に入っていても腎炎・ネフローゼ児が健康を回復し、いままで通学されていたところへ復帰することも大丈夫です。三井記念病院に入院されている腎炎・ネフローゼ児は他区、他県からかなり来ておられるようですが、都の養護学校分教室に席を置く場合、両親一家とも都に籍を置かなくてもよろしい、と言っております。区域外就学という条件で学童児だけいままで在学している県の教育委員会にその旨を申し出て転学、入学許可を申請して、東京無教育委員会に送り、いろいろ調査して認可をすることになります。東京都は五十年度は予算が著しく大変なので五十一年度からはこの問題に対して実施の方向にいきたいとの姿勢、というような報告がありました。 私もこれを伺いながら、やっとここまできたなと思いました。これはひとえに御父兄の方々だけが献身的に努力をされたたまものであって、いま局長も課長も東京都ともいろいろな連携をとっておりますということで父兄は喜んでおります。どうか局長にお願いしたいのでございますが、文部省の立場で都や全県に対するいろいろなやはりこれと同じような形というものが、文部省の御協力を一声いただけば、そういうことで地元の都道府県の教育委員会というものがまたまた再認識をする中で一生懸命取り組んでいくと思いますので、まずこの具体的な、三井記念病院の中にともかく一つでも先に実証というものを示していかないことには、いろいろな実施事項を打ち出しても何もできないようなことでは大変でございますので、まず一つの実現、そうして、それにならうような全国的な大きな課題、たとえば高校進学の条件とか、そうして家庭訪問の制度であるとか、もうそういう山積みされた問題があるわけでございます。きょうは時間がございませんので、本当に皆さん方と煮詰めていくことができませんけれども、次の機会からまた皆さん方といろんな問題について早急にかつ実現を早くできるような方向に私たちは質問して、あなた方を叱責するのではなしに、お互いに御父兄の立場に立ってこれは問題解決のために努力をしていきたいと思いますので、どうか永井文部大臣、御父兄の方に言わせますと難病中の難病ですので、文部大臣もお忙しいけれども一回くらい御父兄の人とふらっと見えて、どうですかというようなことで、この前のエリザベスが来ましたように、本当にかきねなしにやはりお話がしたい、こういう御要望もありましたので、最後に文部大臣の、また強行なスケジュール、日程の中で、ぶらりと本当に拘束されない中で、一御父兄の立場の中でこういうお父さんやお母さん方と腹を割って本当にお話をしていただく機会というものをつくってほしい、こういう声でございましたので、そのまま文部大臣に質問として私、するわけでございますが、それだけ答えていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま先生の最後に申されましたことはまことに当然のことでございますから、私としてできるだけの努力をいたしたいと思っております。
○委員長(内藤誉三郎君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十二分散会 —————・—————