文教委員会 第7号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/04/01
会議録
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、藤井丙午君、宮田輝君、最上進君、高橋誉冨君及び山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として宮崎正雄君、斎藤十郎君、初村滝一郎君、青井政美君及び中西一郎君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、本案に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○内田善利君 国立大学設置法一部改正法案について、また、その関連についていろいろ御質問をしたいと思います。 まず第一に、憲法あるいは教育基本法で、国民は「ひとしく教育を受ける権利を有する。」あるいはまた「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人権、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」、こうあるわけですね。この基本的な理念については大臣がお見えになってから質問いたしますが、経済的地位で特に現状は差別されているわけです。ですから、経済的地位で差別されないという点にしぼってまずお伺いしたいと思いますが、特に、大学において医科系あるいは歯科系が問題になるわけですが、本年度も島根医科大学の新設等も予定されておるわけですけれども、これはもう非常に今日の医療体制を考えるときに、こういった大学ができて、新設されてくるということは非常に結構なことで、一日も早く無医大学県をなくしていただきたい、こう思うわけですが、問題は私立大学ですね。私立大学の医歯系の財政面、細かいことは申しませんが、大体一人当たり入学時の納付金が百三十二万円と、こういうことなんですが、国税庁の方では国民の平均家族の収入は約三百万円、そうなりますと入学時の一人当たりの納付金が平均百三十二万円です。こういうことで果たして普通の一般家庭で医者になれるのか。どうやって医科歯科大学に入学しているのか、その実態ですけれども、経済的地位で差別されないということなんですが、この点をどのようにお考えなのか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(今村武俊君) 先生の御指摘のとおり、私立の医学部、歯学部の問題につきましては目下のところおっしゃるような事態がございます。理屈の上では自発的な寄付金といったようなことになっております。成績優秀な者、若干については寄付金を取らないけれども、その他多くの者については自主的な寄付金が必要とされる。そして、それが一般の平均的な家庭の子弟にとってその家庭に及ぼす経済的な事情ということを考えますと、大変に困難な説明のしにくいような事態になっておることは事実でございます。これは、昭和四十五年、六年ごろに新設されました医学部、歯学部の設立当時の資金が相当多額に上りましたために、その償還のために一時的に起こっている現象とも言えるわけで、そういつまでも続く事態ではございませんが、これらのことについては、私学の経常費補助金のうちで通常の平均の学生一人当たりに対して歯学部、医学部では通算して十倍の経常費補助金を出しております。また、私立大学の奨学事業についても漸次その単価や給与人員の増加等を図りつつございます。こういう措置を講ずることによって現在の困っておる状況を打開していかなければならないと思います。そういうことで努力をするつもりでございますが、現段階においては遺憾ながら先生の御指摘されるような事情がございます。
○内田善利君 先ほど申し上げたのは入学金なんですが、いま言われました寄付金ですね、この寄付金は、医学部で、これは文部省の調査によりますと千百二十六万、歯学部で七百八十三万、平均ですね。そういうふうに寄付金を出しておるという実態になっておるわけですが、千百二十六万円の寄付金を出せる人というのは相当高額の所得者以外にはないんじゃないかと思うんですけれども、こうなってまいりますと、経済的地位によって差別されておることになる。憲法並びに教育基本法でうたっている経済的地位によって差別されないと、こういうことは言えないんじゃないかと、こう思うんですね。この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(今村武俊君) 現段階においては、先生の御指摘のような事情がございますので、先ほど述べましたように、私学の経常費補助金の増額あるいは育英奨学事業の振興あるいは日本私学振興財団を通じて行う融資条件の緩和、すでに現在歯学部、医学部については特にやっておりますが、そういう措置を強化することによって現状の隘路を打開しなければならないと考えております。
○内田善利君 その国庫補助ですけれども、果たしてこのままずっと毎年毎年、国庫補助で現在の私大の実情が消化できるんだろうかと、こう思うんです。私大のいろんな台所といいますか、経理面といいますか、非常に赤字で苦しんでいると、こういう実情は私もわかる気がするんですが、私大連盟の調査によりますと、医歯系の学生一人当たり一年にかかる経費が平均三百九十二万七千円だと、こういうことですが、当然、国庫補助が少ないので今度は授業料あるいは寄付金、そういったことに頼ってくるわけですけれども、こういう実態になっておりますと国庫補助を幾らふやしてもこれで果たして賄っていけるのかなと、こういう不安を持つんですが、ところが私立大学の認可もやはりいま行われておると、こういうことで、そういう赤字を出す私学を認可してきたわけです。ですから、この辺の兼ね合い、この辺はどのようにお考えになっているのか。
○政府委員(今村武俊君) 昭和四十五、六年度あたりにおきましては当時の社会情勢もあって歯学部、医学部の認可をする、あるいはできる条件もあったと思いますが、現在の状況下におきましては先生のおっしゃるような事情にございます。したがって、たとえば昭和四十九年度の例でございますが、申請がございましてもその条件を精査いたしますと、仮に認可を受けたとしても、その後多額の入学時寄付金等を必要とするような事態も予見されましたので、四十九年度においては、ある歯学部、薬学部等の認可申請を不認可にしたというような例もございます。したがって、将来を見ますと、私立学校の経営において医学部、歯学部をいわば普通の家庭に普通に対応できるような形で運営していくことは非常に困難かと思います。よほどの条件の整っているものでなければ、私立学校の関係では、医学部、歯学部の運営がむずかしかろう、そういうような見通しは持っておりますが、さりとて、私立学校において医学部、歯学部を全部認めないという方針ではなくて、条件の整っているもの、貧弱でない条件のあるものについては認可していくという方向をとりながら、国公私立全体を通じて考えられていくべきものではないか、かように考えております。
○内田善利君 国立の無医大県の解消はいつになりますか。
○政府委員(井内慶次郎君) 無医大県の解消ということで、国立の大学、医科大学あるいは医学部等を設置するということを四十八年からスタートを切りまして、ただいま進行いたしているのでございますが、五十年度ただいま御審議いただいております富山と島根を五十年度予算で、高知、佐賀、大分につきましては四十九年に引き続き五十年も創設準備をさらに強化してやっていきたい。それから、山梨、福井、香川につきましては創設を前提といたしましての創設準備を三県で行っていただく。さらに、沖繩につきまして四十九年に引き続き、設置のための調査をやっていただくということが五十年度の予算でお願いをしておる仕事でございます。 創設調査あるいは創設準備に入っております県につきましては、諸般の整備の進行状況に応じまして今後の創設の時点は決めてまいりたい。おおむね従前でございますと、創設準備が大体二年くらいを要しまして、創設に踏み切っておるというような状況でございますから、したがいまして、明確にただいま創設準備をいたしております県、準備調査をいたしております県、設置調査をいたしております県、明確な年次は明示しがたいのでございますが、いずれにいたしましても、この数年間の間に無医大県の解消を図ってまいりたい、こういう考え方でございます。
○内田善利君 無医大県を早く解消することを非常に望むわけでございますが、現在の医療体制から、情勢からこれを望むわけですが、しかし、その認可も設立もなかなかできないようでございますが、私立医科大学、歯科大学も、これは認可基準をぴしっときめてあるわけですから、きちっと認可をして財政も赤字にならない、そういう的確な見通しのもとに認可をしていくことが望ましいわけです。ところが社会情勢がこのようにインフレ状態にありますとどうしても父兄負担が増大していく、こういうシーソーゲームになるわけですが、補助金を増額していく上におきまして、先ほども申しましたように、果してこれでどこまで国庫補助をしていくと父兄負担が軽くなるのかということを非常に懸念するわけですけれども、そこで、昭和五十年度の私学に対する、特に医学部、歯学部あるいは医科大学、歯科大学に対する国庫補助は総額、概算でいいですが、幾らになるわけですか。
○政府委員(今村武俊君) 医学部、歯学部の学生数は四年制大学の学生数の中で二%でございますけれども、それに対する経常費補助金は二〇%ということになっております。一千七億の二〇%で積算上は二百億弱でございます。
○内田善利君 二百億ということですが、昨年筑波大学法案が成立して筑波大学が発足したわけですけれども、この筑波大学で本年度で予算は幾らですか。
○政府委員(井内慶次郎君) 昭和五十年度の筑波大学関係の予算の総額は、施設整備費も入れまして約三百億強でございます。
○内田善利君 私立大学の国庫補助が五十年度で二百億。ところが筑波大学では三百億。これは新しくできた大学でございますからいろいろ施設設備等要るとは思いますが、ここに私は問題があると思うんですね。しかも、あの筑波大学というのは国民が望まないうちに、また、本委員会では強行採決までして成立した筑波大学でございますが、これには三百億、そして私立大学の医歯系の補助が大体二百億、こういうところに、私も新しい大学をつくるよりは現存する大学の内容を、問題はまだたくさんあるので、現在の大学を充実した方がいいんじゃないかという質問を何回もしたわけですが、全私立大学の医科歯科系に対する補助よりも一大学の補助の方が多い、こういうことが果たして冒頭に申し上げました経済的地位による差別はないのかどうか、あるいはまた機会均等という面からも、あるいは一番冒頭に申し上げました憲法並びに教育基本法に背反していないか、そう思うんですが、この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいま筑波大学の五十年度予算につきましての総額を申し上げましたが、既定計画に従いまして施設の整備等も図ってまいる関係からこういった経費をお願いをすることに相なっておるわけでございます。私学の助成につきまして先ほど管理局長からお答えがございましたように、四十九年、五十年と、現在の私学のいろいろな財政状況等にかんがみまして相当額の増額も図り、なお、今後さらにこの助成を拡充してまいろうということでございますので、現状、従前国立大学関係につきましては国費をもって必要経費を賄うという原則できておりますので、こういうことに相なっておるわけでございます。
○政府委員(木田宏君) ただいま担当局長から御説明申し上げましたが、私も従来から多少関係いたしておりましたので、お尋ねに対しまして補足してお答えを申し上げたいと思います。 ただいま国立大学と私立大学とにいろいろ経費の投入の仕方について差異があることが憲法の規定による教育の機会均等等にどのような関係があるかという意味でのお尋ねだったと思います。国民の側から見て、それぞれの望ましい大学に入る機会が均等に保障されているかどうかというのが憲法にうたわれている基本の考え方かと思いますが、その憲法の規定のもとで日本の学校制度といたしましては国公立の学校、私立の学校、それぞれその特性を持って存在するという学校制度に今日学校教育法のもとで定められておるわけでございまして、しかも基本的には私立の大学がその私学の使命を発揮できるような体制を自己の経費で運営するというたてまえに相なっておるわけでございます。でございますから、国立の大学、私立の大学にすべて同じ条件で国民の側から、入れなければならないというふうには必ずしも私ども考えておりません。私立大学に対しまして、その特質を勘案しながら入学を希望する者に私学としての特有のあり方があるであろうというふうには考えられるわけでございます。したがって、その間にいろいろと特質に基づきます差異が起こるということは憲法の規定から申します就学の機会均等ということに必ずしも反するものではないかと思っております。ただ今日、日本の大学制度の中で、私学の占める比重が八割にも高まっておるということは、日本の私学制度を考えます際にどうしても考えておかなければならない日本の現実でございまして、諸外国のように、私学の比重の小さい場合にその私学のあり方というものを論じます場合と、日本におきます八割の私学ということを考えます場合の意味合いというものは、憲法上もやはり違いがあろうかと思うのでございます。ただ、御指摘になりました医学関係につきましては、一般に私学が八割を持っております大きさにありましても、なお国公立の医学の領域というのは非常に高い比率になっておりますし、また、医学の特質にかんがみまして、国公立の医科大学をふやしていくという政策を政府としてもとっておるわけでございますから、その間、私立大学に対しまして異常な入学金その他の措置がありますことは是正さるべきであるといたしましても、授業料その他が、当初に御指摘のようにある程度の金額になるということは、私学の独自なあり方ということを考えていきます上からは、相当なものではなかろうかというふうに考えておりまして、このことは、憲法上の疑義を起こすという性格のものではなかろうと、このように考えておる次第でございます。
○内田善利君 話を元に返しますが、国庫補助をどこまで持っていかれるつもりですか、将来の展望といいますか、そしてまた、こういったことについてどこでだれが検討しておられるのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(今村武俊君) 昭和五十年度の予算編成の際に、私ども文部省としましては、私立大学の経常費の二分の一まで国庫補助することを目標にして、三年計画をもって実現に当たるという態度で臨みましたけれども、いろいろ折衝の結果、文部省の主張にも難点のあることも明瞭になりまして、今後の方向としては、私立大学の経常費のうちの典型的なものについて、標準的なものについて二分の一を目標にして年次計画をもって補助をしていくという方向で、その年度年度の予算編成の時期に最善を尽くさなければいけないと、かように考えております。
○内田善利君 昨年もちょっとお聞きしたと思いますが、私立大学の医歯系の大学に入学している生徒の父兄のうち医者は大体何%ぐらいでしょう。
○政府委員(今村武俊君) ただいまそのパーセンテージは手元に資料がございません。記憶によりますと、大半が医者であるという記憶がございます。
○政府委員(井内慶次郎君) 私立の医学部に在学しておりまする学生数で、保護者が医師である者のパーセンテージは、私立の場合六六%という数字に相なっております。
○内田善利君 六六%ということですが、大半は医師の子第が医学部に入っているわけですね。医者の息子さんだから、これは医者になればよいという風潮といいますか、そういうものがあれば私は大変な問題だと、こう思うわけですが、医者は特権でもなければ、世襲制でもないはずなわけですけれども、そういった傾向があれば、私は何といいますか、医師道のといいますか、その堕落じゃないかと、このように思うわけですね。そういったことで、何千万円積めば、学力はなくても入学できて、そして医者になっていくということであれば、人間の健康を預かる上では非常にこれは重大な問題を含んでおると、このように思うわけですが、こういったことから、医者の資格試験をもう少し厳密にすべきであるということも言われております。私が質問申し上げたいのは、昭和四十五年度から各大学別の医者の資格試験の合格率はどのようになっているのか、まずお聞きしたいと思うのですが。
○政府委員(井内慶次郎君) 医師国家試験の合格率のお尋ねでございますが、各大学別の数値は私どもも持っておりませんで、全体で見まして、春とそれから秋、二度やっておりますが、大体四十九年四月——昨年の春が八二・二%、それから昨年の秋、四十九年の十月が四六・八%、これは春が新卒の人たちが受けまして、秋がそのときに合格しなかった方々等が受けられるということで、パーセンテージが春と秋で若干違いますけれども、大体八二・二%、八〇%前後が合格しているというふうに御理解いただければ幸いかと思います。
○内田善利君 私は、四十五年度から合格率がどういうふうになっているか、それをお聞きしたがったんですが、わかりますか。
○政府委員(井内慶次郎君) 春の方を先に申し上げますと、四十五年九七・九、それから以下九六・六、九三・八、八八・九、八二・二というのが春の合格率でございまして、四十五年以降を見ますと、合格率がダウンしているという傾向がございます。
○内田善利君 このように合格率がだんだん国家試験でダウンをしてきたというのは、やはり入学金が——金で入学をしておると、だんだん入学金、寄付金が上がってくるに従って合格率が下がっていると、これ関連性があるかどうか私にわかりませんけれども、やっぱりここに学力の低下といいますか、力の低下といいますか、あるいはモラルの低下があるかどうか、こういったことで影響をしてきているんじゃないかと、こう思うわけですね。国家試験の合格率がダウンしてきている、それの原因として私は一つこういったものが考えられるんじゃないかと、このように思います。金がかかるに従って合格率が落ちるということは、金権政治ならぬ金権医師と言われておるようですが、言われても仕方がないんじゃないか、こう思うわけです。最近、新聞紙上をにぎわしている歯科医の問題、その診療費の中に子第を医師にするための教育費まで入れておったと、こういうことですが、これは私費を患者に負担させようとするものであると思うんですが、こういったことを考えますと、よほどまず医科大学、歯科大学の入学試験、入学時のこういった入学金、寄付金の問題、こういった面にもやはり相当突っ込んだメスを入れて検討していかなければならないんじゃないかと思いますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(今村武俊君) 私立大学の歯学部、医学部の入学に当たって、非常に経費のかかることはまさに問題でございます。先生のおっしゃるような視点でその解決、打開に当たらなければならないこともそのとおりでございます。私どもとしては、非常にむずかしい問題ではございますけれども、先ほど申し上げたような方向に沿って鋭意努力するつもりでございます。
○内田善利君 歯科医師会の会長の中原医師ですが、この中原会長は日本私学振興財団の運営の審議会の委員もしておるわけですね。
○政府委員(今村武俊君) そのとおりでございます。
○内田善利君 現在の保険制度を否定するような、また、福祉行政を否定するような人が私学の振興財団の運営委員をやっておられるわけですが、これはどのようにお考えですか。
○政府委員(今村武俊君) 中原委員のことについては、私ども、私立学校関係の団体の推薦に基づいて、その推薦を尊重して委員に任命しておるわけでございますが、今回のような事態は新聞紙等を通じて、今回のことを通じて初めて事情が明らかになりました。そういう事態を踏まえて今後の事態に対処しなければいけないと、かように考えておるところでございます。
○内田善利君 私は、中原先生をよく知りませんけれども、やはり日本私学振興のためのこういった審議の委員がこういうことであってはならない、このように思うわけです。 それともう一つは、話が変わりますけれども、ここに、ある大学の志願票があるわけですが、この志願票に受験生の資産を動産、不動産に分けて書いて出すようになっているわけですけれども、このように本人の資産を、特に父兄の資産を動産、不動産に分けて書くということですけれども、これはやっぱり経済的な、先ほど最初から申し上げている地位に差をつけるような意図が出ているんじゃないかと思うんですが、この点はどのように文部省としては指導なさっておるわけですか。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいま御指摘のような事実につきまして、私どもも余り詳細は存じませんが、入学の志願をするに当たりまして、家庭の資産状況等まで調査——調査といいますか、記入させるということにつきましては、私ども非常に問題があろうかと、かように考えております。
○内田善利君 こういうことまで書かせて入学試験を受けさせるということは、やはり何らかの意図があると思うんですね。ですから、もしその学生のそういった不動産、動産資産を調査する必要があるならば、合格後、果たして四年間卒業できる資産があるかどうかということを調査するのはいいかもしれないけれども、入学時にこれを書かせるということはやはり問題があろうと思うんです。こういったことについては、文部省としてはやはり指導してやめさせるべきじゃないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(井内慶次郎君) そういった状況がどの程度あるのかとか、そういった点につきまして、ただいまの御意見も体しまして検討させていただきます。
○内田善利君 最後に、昨年の一月十七日、文部省としては管理局長・学術局長名で各大学に通達を出されておるわけですが、この三つの通達が守られておると思われますか、いかがですか。
○政府委員(今村武俊君) 恐縮でございますが、その三つの通達というのは、何でございましょうか。
○内田善利君 四十九年一月十七日付、文管振第五一号、安嶋管理局長名と木田学術局長名で出されておる通達です。
○政府委員(今村武俊君) 四十九年一月十七日、安嶋管理局長、木田大学学術局長名で、学校法人の理事長あてに、「入学時の寄附金募集の抑制について」という通知が出ております。この通知の要旨とするところは、「私立医科歯科大学の経費は、原則として学生納付金、適正な寄附金等の正規の収入で支弁すること。」ということでございます。 ここで問題なのは、「適正な寄附金」というところが一番問題であろうかと思います。現在いろいろ伝えられます入学時の寄付金について、それが適正であるかどうかという問題は、個々にあるいは過去のデータからいろいろ検討いたしておりますが、中にはどうも当方も首をかしげたくなるようなケースもございますので、この通知は各大学、意識はしていただいていると思いますけれども、現実のやりくりの関係等もあってなかなかこの趣旨どおり行ってないケースもあるんじゃないかという感じを持っております。
○内田善利君 私も同様に、せっかくの通達が守られてないんじゃないかと、こう思うわけですね。今後こういう通達を出される場合は、やはり後を見届ける、そういう通達を出すべきじゃないかと思います。いままで何回も出されたと思いますけれども、この入学金の問題あるいは寄付金の問題、どうしてもどんどんどんどんハッスルしてきている状況でありますから、この問題、やはりこのまま放置すると、どこまで一体こういった状態が続くんだろうと心配するわけですね。心配するのは、一般の家庭で、一般の国民が、親が医者にさせたいと、また本人も医者になりたいと思っても、国立大学は少ないし、私立大学に行こうと思ってもなかなか入れないと、経済的理由でですね。そういうことがだんだん多くなってまいりますと、どうしてもやっぱり資産の多いお医者さんの子弟が入っていくと、そういうことになってくると思います。そういうことでなくて、やっぱり全国民の子弟が医者になりたい場合はなれる、そういう機会均等を与えていくべきじゃないかと、こう思うのです。 最後にもう一つ、今度、分子科学研究所が新設されるわけですが、過去こういった部類の研究所がたくさんできておるわけですね。昭和四十六年、国立大学共同利用機関として高エネルギー物理学研究所、それから四十八年の九月二十九日には国立極地研究所、十六年には北海道大学の低温科学研究所、それから二十八年には東京大学に宇宙線観測所、三十年には原子核研究所、三十二年には物性研究所というふうにできておりますし、名古屋大学のプラズマ研究所が昭和三十六年、空電研究所が二十四年、京都大学の基礎物理学研究所が二十八年、それから広島大学の理論物理学研究所が二十四年と、こういうふうに、ずっとこういった関係の物理系の研究所ができておるわけですが、こういった研究所を現在の各大学がどのように利用できているのか、この点をまずお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(木田宏君) 現在、国立大学に研究所として設けられておりますのは、人文科学、自然科学等あわせまして約七十三か四かあったかと思います。それぞれ発生の経緯、歴史の古いものもあり、最近のものもありますし、専門領域ごとにその研究の態様が違っておるわけでございますが、大きく分けまして、研究所には三つの類型がございます。 一つは、特定の大学の医学部の教育研究領域だけでは足りないために、特別の研究目的をもってつくり出された研究所でございまして、その大学の所属教官の陣容を中心にし、さらに、その目的にふさわしい方をそこに入れて、大学付置の研究所としてつくられたものでございます。 具体的には、若干の例を申し上げた方がいいかと思うんでございますが、たとえば、東北大学の金属材料研究所、あるいは抗酸菌病研究所といったようなもの、東京大学にも東洋文化研究所、社会科学研究所、新聞研究所、生産技術研究所と、もうたくさんこういったたぐいのものがあるわけでございますが、それらは、そこにその研究部門を担当しております研究者が研党活動に従事しておるわけでございます。しかし、こうした各大学の特定目的の研究のためだけに設けられて、そこに勤務しております研究者だけの研究では、最近の大規模な研究体制を進めるのには十分でないというところから、昭和三十年代に入りまして共同利用の研究所というものをつくり始めてまいりました。 たとえば、一例を申し上げますと、東京大学の原子核研究所、あるいは物性研究所、あるいは海洋研究所、さらに東京大学でロケットなどを打ち上げております宇宙航空研究所といった性質の研究所でございまして、現在、東京大学のほか、京都、大阪、名古屋、東京外大等あわせて十四の研究所が大学に付置されておりますけれども、共同利用の研究所という性格を持っております。これは東京大学の教官のみならず、他の国公私立の大学の教官たちが一諸にそこへ集まってまいりまして、共同で研究体制がとれるという性格のものでございます。スタッフの構成につきましても、そうした配慮をいたしておりますし、また、運営上他の関係者の参加を求めるという性格の研究所でございます。これらの共同利用の研究所にありましては、そこに常時常勤しております研究者のほかに、他大学等から同じ専門の関係者が集まって研究を進めておるわけでございまして、ロケットの打ち上げ等につきましては、相当各方面からいろんな工学、理学、天文学、そうした関係の研究者が集まってまいりまして、共同に事柄を進めるということにいたしておるわけでございます。 最後の部類は、その大学に付けられております共同利用研究所をもう一段発展さしたものでございまして、特定の大学に付置しておきましたのでは、規模その他から見て必ずしも運営が十分にいかない、こういうことのために、いま御指摘のございました、昭和四十六年につくりました高エネルギー物理学研究所を手始めといたしまして、極地研究所、国文学研究資料館、さらには民族学博物館、今回、御審議をいただいております分子科学研究所のように、大学に属さない独立の研究所を大学の教官のために共同で維持運営できるようにつくっていく、こういう研究所ができてきたわけでございます。 これらの新しい研究所は目下、建設の途上にございまして、高エネルギー物理学研究所が本年中に一応所期の整備を終わって、そして共同研究の体制に来年度あたりから入れるという状況でございます。したがって、今日までのところ、これらの共同利用の実態というのは、思索の段階での共同の姿というのは出てございますけれども、研究利用面におきます共同というのは今後にゆだねられておる、こういうものでございます。 ちょっと長くなりましたけれども、概況を御説明申し上げました。
○内田善利君 これで質問を終わりますが、大臣に十分ほど質問を残して終わりたいと思います。
○矢原秀男君 まず、国立学校設置法の一部を改正する法律案の中で、医師、歯科の問題が取り上げられておるわけでございますので、先般は医師の関係については有田先生からもお話がございまして重複をしますので、歯科関係について御質問したいと思います。 現在、いま内田委員からお話のありましたように、歯科医師会の非常な混乱ぶりが日本国じゅうで大きな問題になっているわけでございますが、私もちょっと資料に目を通しておりますと、歯科医師の数が人口十万に対してわずかに三十七人強しかおらない。これが全国の総数になっております。そういうふうな中で各県の非常に少ないところをさらに見ておりますと、沖繩では一一・六人、青森で二十四人強、鹿児島も二十四人強、滋賀県も二十五人、岩手も二十六人、秋田が二十七人、山形が二十七人、宮城、茨城、埼玉も二十八人。こういうふうな資料を私見ているわけでございますが、この問題は、歯科医師の絶対数というものを確保するための教育の面から見てどういう抜本的な対策を立てたらいいのか、こういうことになると思うのですね。この点について説明を願いたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいまわが国の歯科医師数並びに人口十万人当たりの数値について御指摘がございましたが、近年、歯学部が特に私立大学で相当増設されまして、四十九年度で見ますと、入学定員が二千百八十人ということで、近い将来、歯科医師の数が十万人対五十人というところを一つの目標に置いております。これは諸外国の人口十万人当たりの歯科医師の数等を見ますと、大体西独が五十一人、それからアルゼンチンが五十四、スウェーデンは八十三でございますが、大体人口十万人当たり五十人というところを一応目途としていまやっております。ただ、歯科医師及び歯学部の地域的偏在という問題が非常にございまして、現状歯科医師の不足に対してどう対処したらよろしいかということが文部省といたしましても非常に重要な課題と相なっておりますので、関係者等の会合も開きまして、今後歯学部の増設等にどう対処したらよろしいかということについて意見を求めたのでございますが、地域的配置や進学の機会を確保するというような観点からしますと、できるだけ国公立の新設を考慮したほうがよろしいのではないか。ただし、歯の場合、医の場合以上に教員の確保という問題につきまして相当な努力を要する実情にございますので、教育水準の維持向上ということを第一義とし、長期的な見通しで計画的な準備を行って増設は慎重に取り進めるほうがよろしいのではないか、こういった御意見をいただいております。文部省としましては、特にみずから持っておりまする国立の歯学部の実は入学定員が四十人というところもあるそうでございまして、既設の歯学部の入学定員の増が当該大学でいろんな御事情もあり御都合もございますが、各大学とも御相談しながら既設の歯学部の定員増もできるだけ大学で御努力を願いたいというのが一点。 それからもう一つは、徳島大学に歯学部をぜひという多年の御要望がございまして、徳島大学の歯学部の創設準備を四十九年度予算に計上いたしまして準備を取り進めたのでございますが、教官の確保の面で若干問題がございましたのでなおもう一年かけるということですが、これは早急に徳島大学の歯学部の問題はやはり私どもぜひ創設までこぎつけたいと思っております。 なお、国立大学の歯の関係で非常に強い御要望がありますのが、岡山、長崎、鹿児島でございまして、この辺につきましては先ほども申しましたように、教官の確保という問題がやはりどうしても先行しなきゃなりませんので、五十年度におきましては、岡山、長崎、鹿児島につきましては関係の講座を先行して創設を一応図りまして、今後の準備に備えていただく、こういう大体考え方でございます。
○矢原秀男君 いま教員確保という問題が出ましたが、これはデータを見ましても大学で非常に欠員等がございますから、この分は急遽、やはり先生がおられないことにはどうしようもございませんので、この点についてぴしっと手を打って、そういうふうな増員とか新設についても対応策を考えていただきたいと思います。 そこで、私はいまお話がございました定員増の問題を少しお話をしたいと思うんですが、それは、国立大学では、北大では確かに入学の定員が四十名なんですね。東北大学が四十名、東京医歯大学が八十名、新潟大が四十名、大阪大学が八十名、広島大学が四十名、九州大学が四十名となっていますね。そうなってくると、やはりいま内田委員からお話がございましたが、私学に依存してきた現状で、大変な結果が出てきておりますけれども、私学は高い学費であるとか、寄付金とかこういう問題出てきますので、やはり国公立の中に一つは定員増をやらなくてはならない、こういう問題が出てくるわけです。それについてはどういう具体的な、いまもちょっと触れられておりましたが、具体的な折衝の仕方、そういうものをちょっと話して下さい。
○政府委員(井内慶次郎君) 文部省としましては、関係の歯学部の学部長会議等に私ども出向きまして、既設の歯学部の入学定員増について各大学でぜひ具体的な計画を立ててほしいという要望をいたしておるところでございます。各大学の方も施設設備の関係でありますとか、あるいは医進課程を担当しますのは、教養部との関係でございますから、そういった点につきましての協議が五十年度予算の要求に当たりましてまだ十分整わなかった大学が多かったものですから、今後引き続きこの点は客観的ないまの歯科医師の不足の状況等も十分に大学でも検討していただきまして、地域の状況を勘案し、ぜひ積極的に取り組んでいかせるように関係各部長等に引き続き要請をしてまいりたい、かように考えます。
○委員長(内藤誉三郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして下さい。
○久保亘君 いま矢原委員の方からもお尋ねになっておったんですが、歯学部の設置について、大学の側からもまた地域からも緊急の要請が非常に強いわけでありますが、徳島大学について四十九年度は教官の確保などに難点があって、さらに一年準備期間を置くことになったということをいま大学局長もお答えになりましたが、私どももそのように聞いております。なお、現在要請のあります地域について五十年度関係の講座をつくるというのは口腔外科のことだと思うんでありますが、そういうことでは、これ百年河清を待つようなもんで、なかなか進まないんですが、さしあたり教養課程を開設しながら専門課程の必要な教官の確保というようなことをやっていく、こういうことでなければ前進できないんじゃないかと私ども思っておるんですが、特に大臣が最近、歯学部については国立で今後は養成を引き受けるようにして、いま入学金、寄付金の問題やあるいは歯学部の創設費——学部をつくるための費用が非常に多額に上るために問題が多いからというようなことも言われておるようでありますけれども、歯学部の問題について教官の確保がむずかしいという後向きの考え方でなくて、出発させて、そしてそういう問題を解決していくという方針はとれないもんだろうか、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思うのですけれども。
○政府委員(井内慶次郎君) 大臣のお答えの前に、ちょっと御説明申し上げます。実は、徳島大学の具体的な問題も御指摘ございましたので、徳島大学の状況をお答えいたしますと、いま国立大学の場合の、学部を創設いたします際には、全体の学部の講座を一体何講座にするか、それを担当する教授、助教授はどういう方であるかということを、全体計画を、創設準備をしておりまする大学につくっていただきまして、教官の研究実績等の調書も整えまして、力学設置審議会に意見を伺うという形で、国立大学の場合も一応意見を伺うわけでございます。それで大学設置審議会で個々の教官の審査をいたしまして、全体の講座の立て方をどうするか、どの講座にどの教官が何年に就任されるかということを全部確定をしてスタートを切るというやり方をいまとっております。したがいまして、具体の歯学部の問題に相なりますと、いま先生御指摘のように、二年間の医進課程で、専門課程が四年でございまして、教官が就任するものも学年進行で就任はいたすのでございますが、創設に踏み切ります際に、完成までの間にどういう講座にどの教官が来られるということを全部決めた上で、スタートを切るというやり方に相なっておるわけです。 それで、徳島大学の具体的な例で申しますと、実は、医学部と歯学部との相関におきまして、たとえば解剖等にいたしましても、口腔外科の系統の解剖の実績を余り持っておられない教官だったものですから、これからもう一年創設準備を徳島でいたしますので、その間に解剖実績をどこの大学で幾ら積むというような努力を、創設準備の側でやって、その教官に就任していただく、徳島大学の場合、実はそういう問題があったわけでございます。五十年度、口腔外科等の講座を非常に要望の強い大学に増設するようないま予算をお願いいたしておりますが、このねらいといたしますところも、そういう教官を一講座でも置きまして、その方々が中心となって教官候補になられる方を、一体どういうプランができ上がるか、それがケルンとなってやっていただいた方がいいだろう、こういう考え方に持っていったというのが事情でございますので御報告を申し上げます。やはり六年間、全体が、教官構成がどうなるかということを一応審査を受けてからスタートするというやり方をとっておるものでございますので、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。
○久保亘君 それでは、今度、口腔外科を講座として設置をして、それを核にしながら歯学部の開設を考えていきたいと、こういうことでありますならば、岡山、長崎、鹿児島というところは、歯学部の設置を図るという方針のもとに、文部省は準備を進められておる、このように理解をしておいてよろしいのですか。
○政府委員(井内慶次郎君) 予算の形として、創設準備というところまでは、まだ踏み切っていないわけです。徳島大学の歯学部は創設準備で、創設準備要員の発令ということも徳島の場合やっております。実質、三大学につきましては、そういう講座を増設しまして、その方々に、歯学部創設の問題というものも具体的に検討していただこう。事務的には私ども前向きな気持ちで対処いたしたい、かように考えております。
○久保亘君 大臣、歯学部の問題は、いまの歯科医師会の混乱も、ただ歯科医師のモラルの問題だけではなくて、そういうものが起こってくる歯科医師の圧到的な不足といいますか、絶対数の極端な不足というような、社会情勢が生み出しているものも見なければいかぬ。そうなれば、やっぱり歯科医師の養成ということについて、従来の大学設置の決まっている方式というものを崩すことはむずかしいと思うけれども、やはり積極的に進めるという意味では、余り形にこだわり過ぎて、結局全然進めないということでは困ると思うので、ある面では、少し将来に一つの可能性を持つならば、思い切って開設の方向へ踏み切っていくと、こういうようなことがいま必要になってきているのじゃないかと思うのですが、大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(永井道雄君) いま歯科の問題が出ましたが、医師につきましても、私立というよりは、どちらかといえば国立という方向が、これからの大学をつくっていく基本的な流れであると思います。しかし、その場合に、医師の方は昭和六十年を目指して、大体十万人人口あたり百五十人の医師というようなことで、国立で医師を養成するということは、かなり明確に計画されておりますけれども、歯科の場合にそこまで明確な計画目標というものを持っていない。しかし、先生御指摘のように、早く歯科医をつくるということが非常に重要でありますが、いま御指摘のように、幾らか柔軟なやり方で認めていったらどうか、これは私たち十分に検討すべきことと思いますが、他方、私立の医師ないしは歯科大学を審査する場合に、やはりかなり教育条件というものが整っているかということを厳格な基準として認めていくわけでありますから、国立の場合に余り緩やかな、医師の養成を急ぐ余り、あまり緩やかにするということは考えにくいわけで、御指摘の点を十分考慮すべきこととして、ひとつ重視いたしながら、しかし、そこに社会的問題があるわけですから、前向きに取り組むようにいたしたいと思います。
○久保亘君 いまの問題は、私は学部のつくり方を少し基準を緩和していいという意味ではなくて、つくる方針を文部省は出しちゃって、それからそれに合わせるように最大限の努力をしていく、そうして、その基準に合うような体制をつくっていく、そうでないと六年分を見通した条件ができなければどうも開設に踏み切れないというやり方じゃ、いつまでたってもやれないと思う。そういう点を申し上げたので、ひとつぜひいま大臣が言われた方向で御努力をいただきたい。 その次に、医師の専門化について、たとえば学校の教師だったらば、同じ社会科の教師でも、日本史とか世界史とか分かれてきて、まあかけ持ちもしますけれども、大体自分の専門の課程を進むんです。ところがお医者さんを見ておりますと、中にはいつでも何といいますか、そのとき一番目の当たるコースを進まれる、産婦人科全盛時代には産婦人科を開業して、精神科の方が経営上大変いいということになれば、産婦人科の看板が精神科に変わるわけです。こういうことは、日本の医療技術の進歩の上からも、また、いまのように医療の技術が非常な勢いで進んでいくときには、大丈夫なのかという心配を私たちは持つのです。それで、医師のそれぞれのコースというのは、これは非常に私は専門的なものになってきているのではないかという感じがするわけです。だから、そういう意味で医師の免許というのが、現在のあり方でよいのか。それは医学部の教育のあり方にもずっとつながってくる問題だと思うのですが、その点については大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(永井道雄君) ちょっと専門ですので、政府委員から。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいま専門医に関連するお尋ねもございましたが、現在、医師法で医師免許状取得後二年の研修をやるということで、研修制度というものを持っておるわけです。現在の、四十八年現在で見ますと、現在、内科的な診療科が二四・四%、外科的診療科七%、内科的、外科的両方の診療科系統が一四・九%、各診療科別にその医師の専門とする分野ごとの構成比といいますか、その状況も厚生省でも把握をいたしておりまして、今後医学部を出て、医師の免許を受けて、研修医として二年間大体大部分の者が研修をいたしておりますが、その間のいわゆる卒後研修のやり方でありまするが、こういった点を文部省の側におきましても、いろいろと検討をしていかなければならぬと思います。現在では、内科医の方では、自主的に専門医の認定といいましょうか、そういったふうな努力もいまなされつつあるようでございます。医師法全体の構え方は厚生省の方でございますが、文部省としましては、特に大学病院が臨床研修医の教育病院となっておりますが、卒後研修を一体どこまで専門化していくか、こういった点を検討してまいりたい、かように考えております。
○久保亘君 やっぱり医学部の教育の課程の中で、そういう医師の専門化という点について、もう少し明確になってこなければ今日の医療の技術の進歩に対応しないんじゃないか、こういう感じを非常に強く持つんですがね。いまの医師免許は一般的な免許になっているのでしょう。そして医師は何科でもやれるんじゃないですか。これはどうなっておるんですか。
○政府委員(井内慶次郎君) 医師として何科でもできます。
○久保亘君 それで、そういうような医師のいまの養成とか、あるいは開業の仕方とか、そういうようなことでよいのかどうか、もう少し医師というのはある意味では専門化していくべきではないか、これは一挙にできる問題じゃないと思うのですが、そういう方向を目指すことは必要でないのか、こう思うのですが。
○国務大臣(永井道雄君) この問題は、厚生省とも十分に協力しながら考えていくべきであると考えます。しかし、御指摘の点について二つの見方があるのではないかと思います。 一つは、専門化というものが進行するに伴って、その専門化というものに従った非常にしっかりとした領域を持った医師の養成というものも大事だと思いますが、私の理解いたしますところでは、他面、最近精神身体医学というような角度の研究教育も進んでまいりまして、人間を全体として把握する、そういう意味において個別的な専門化ということだけで医療に当たるべきではないというような考え方も進んできているというふうに聞いております。そうしますと、これは医学教育並びに研究をやっておられる方々に、そういう二つの側面というものを今後医師の教育にどうやって生かしていくかということを十分に御研究いただかなければならないということになるのだと思います。 もう一つは、しかしそれにもかかわらず、やはり社会に出てから、たとえば産婦人科を勉強した人がほかの仕事もしなければならないという場合、どうしていったらいいか。恐らく将来の見通しといたしましては卒後研修というような角度が出てくるのではないか。そういう形で新しい仕事に取り組んでいくときに、やはり研修の裏打ちといいますか、そういうものをつくり上げていくということももう一つの方向であって、そうでないというと、確かに御懸念のような問題が生じてくるというふうに考えます。
○久保亘君 やっぱり将来の方向というものを決めてやらなきゃいけないと思うんです。もちろん離島や僻地に医師が確保できないという場合に、行かれた医師が何でも免許を専門化してしまったためにできないと、これでもまた困ると思うのです。しかし、それは現実への対応であって、将来の医学や医療のあり方というものはどうなのかということについては検討すべき時代に入っている、こういう感じがするのです。医学部の全体的ないろいろ計画の中では、そういう点が考慮に置かれなければならぬのじゃないか、こういう感じを持っています。 それから、時間がありませんので、医学部の付属の病院というのは、これは国民の側は非常に高度の医療機関だと考えている。ところが附属病院の側は研究機関的になってまいります。だから、だれでも平等には診てくれない、そういうことに対する不満がかなりあるように思うんです。そういう点は、大臣はお聞きになったり感ぜられたりしたことはありませんか。
○国務大臣(永井道雄君) この点について政府委員から答弁いたさせます。
○政府委員(井内慶次郎君) 大学病院が研究病院として、それから教育病院として、あるいは診療機関として三つの機能を果たさなければならないわけでございます。いろいろ大学病院の現状につきましては検討を要しなければならない問題も多いかと存じますが、特に四十八年以降、無医大県の解消ということでやっておりまする医科大学につきましての病院の創設の具体なことは目下準備中でございまして、これからでございますが、やはり地域の診療機関としてそのセンター的な役割りを従前の大学病院以上に果たし得るように一体どういうふうに工夫していったらよろしいかということで、教育関連病院というものを、県立病院なりあるいは日赤の病院なり、何らかの意味で公的な性格を持ちまする病院を教育関連病院ということにスタートのときからいたしまして、相互連係プレーをとりながらやってまいるとか、そういった工夫もいたしまして、地域の診療の中心となるという機能におきましても従前以上のやはり病院ができますように私どもも努力をいたしたいと、かように考えておるところでございます。
○久保亘君 それじゃ、ほかの方の質問がちょっとありますので、私、最後に、医学部と直接の関係じゃありませんけれども、かなり急を要するような問題でもあるので、ちょっとお聞きしますが、私立大学で寄付行為を改正をして理事長や学長は特定の宗教の信者をもって充てる、こういうことを明記する理事会の決定を行った。これは監督官庁として、文部省はこのような寄付行為の改正が認められるかどうか、結論だけお答えいただきたい。
○政府委員(今村武俊君) いま初めて聞くお話でございます、御質問を伺いまして。公共的な性格を持つ私立大学の理事あるいは役員でございますね、それが特定の宗教に属していなければならないことを条件にするかどうか、私、以外な感じもいたしますけれども、具体的な事例に即して研究させていただきたいと存じます。趣旨としては、ちょっと意外な感を持ちますので、しかし、さりとてまだ法的に詰めておるわけでございませんから、しばらく時間をいただきまして研究させていただきたいと存じます。
○久保亘君 それじゃ、これはあるキリスト教系大学で理事会で決定をされたと報告を聞いておりますが、理事長、学長はキリスト教の信者を持って充てる、こういうことを、定款と書かれておりますが、寄付行為のことだと思います。明記をすることを決定をした。どうせ、これがあなたの方に出てきますね。そのときには、この問題を憲法や教育基本法や、それから私立学校法などに照らして、もし妥当でなければ適切な指導をされるように。またこの次の機会に見解を聞きたいと思っております。きょうはいいです。
○粕谷照美君 時間がありませんから一点だけ質問いたしたいと思います。 この法案の提案に当たって、問題点は、医療需要の増大と医師の地域的な偏在に対処するために、無医大県の解消を図るために施策の一貫として出されたと、こういうふうに説明がありますけれども、人口対比で言えば十万人に百五十人になるのが昭和六十年だ、国公立でこういうことでございますね。そうしますと、その私立の卒業生を入れますと一体人口比十万人に対してはどのくらいの医師数になるのかということと、そのような問題の中で需要に応ずるということはできましても、本当に離島だとか、豪雪地域だとか、僻地だとか、この地域的な偏在が解消できるというふうにお考えかどうか。そしてまた、私は非常に困難な状況だというふうに思うのですけれども、それを解消するためには具体的にどのようなことを文部省としては考えていくのか、厚生省との話し合いの中ではどのようなことが行われているのかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 第一の点でございますが、昭和六十年をめどに、入口十万人対百五十人になるだろうという数値は、既設の私立大学の医学部は全部勘定してあるわけです。今後の増設をどうカウントするかというときに、国立だけをカウントしていると、こういうことでございます。 それから第二点のお尋ねでございますが、人口対比の医師数の総枠を確保したときに、それが地域的な偏在という問題にどう解決のめどになるかという点でございますが、これは厚生省の方ともよく御相談をしてまいらなければならない非常にむずかしい課題でございます。具体的な実例で申しますと、たとえば、離島の非常に多い長崎県におきましては、県の方が離島の巡回の医療班の予算を計上して、そしてそれに長崎大学の医学部が協力する、こういう形で巡回診療というようなこともやっております。この点は、自治医科大学のねらいとしますところが、僻地に医師をうまく配置するようにということを大学としても目的として掲げておりますけれども、こういった自治医科大学等の今後の動きも私どもも参考にしながら、厚生省の方と御相談していろいろやってまいりたい。ただ一つ問題は、先ほど久保先生からも御指摘ございましたが、僻地に参ります医師は、原則として一人でいろいろなことをやらなきゃいかぬということで、僻地に医師を点在させることもやらなきゃならぬのですけれども、準僻地といいますか、小都市あたりにあるセンターをつくって、そこからやはりグループで複数で相談しながら僻地へ出向いていくとか、そういうふうな必要もあるのではないかといったこと等、厚生省ともいま相談をいたしておるところですが、医師の地域偏在の問題にも対処し得るように、厚生省の御意見も聞きながら、いろいろな努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
○粕谷照美君 ちょっともう少し具体的にお伺いしたいわけです。その準僻地あたりに医療センターのようなものをつくって僻地まで出ていくというようなことをやっていきたいとおっしゃいますけれども、本当にそういうセンターをつくって、そこに医師が確保できるというためには、どのようなことを文部省として考えているのかという、そこなんです。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいま申し上げましたのは、国公立病院とか一般の病院の配置、医師の配置というのは、厚生省の方で全般をいま検討してやっておられるわけでして、文部省はそれにどう協力するかということですが、先ほどちょっとお答えしましたように、大学附属病院が地域の病院と本当にうまく協力をしながら医療をやってまいるという体制が従前乏しかったわけです。その意味で、四十八年以降に新設をいまいたしておりまする新しい医科大学、医学部につきましては、スタートのときから、公的病院を教育関連病院ということで位置づけて、その教育関連病院に若干の設備費の補助も出し、そこのところで医科大学の附属病院と教育関連病院と相互連係プレーをとりながらやってまいりたい、こういうことで、厚生省の方の国立、公立の病院あるいは医師の配置等につきまして、教育関連病院等とも提携しながら、大学附属病院の方もできるだけの協力をしていきたい、こういうことでございます。
○矢原秀男君 文部大臣に一問だけ質問したいと思うんです。いま途中で私も質問を打ち切ったわけでございますが、いま話に出ております歯科医師の養成の抜本的な解決策。こういうことで、私は入学定員のことをいま局長に申し上げておりましたが、ちょうど関連をして質問したいと思うんですが、医学部を含めて入学地獄を解消するために、入学の幅を広げていく、こういう立場で、国立大学の夜間学部というものを、すなわち第二部、これをやはり私は思い切ってやるべきではないか、こういうふうに考えるわけなんですね。現在やっていますのは、夜間部が置かれているのは九大学だけなんですね。室蘭工業大、横浜国大、名古屋工業大学、大阪外語大学、大阪教育大学、神戸大学と岡山大学、広島大学、九州工業大学ですね。ところが学校教育法の五十四条には、「大学には、夜間において授業を行う学部を置くことができる。」と、こういうふうに前から出ているわけです。ところが、この文章というものが、義務的なそういう文型でございませんから、これだけ国民の税金を、多量にお金をかげながら、私学は大変な状態になっているけれども、国公立がいつまでも、医学部を含めて一般の国立大学等が平気でこういう問題をやっておいて、私は国民の方々に対して——現在の弊害というのが学歴偏重でしょう。現実の社会では、有名大学に行くのには経済力が親になかったら学校に行かせられない、それは一つは塾の問題でしょう。それから家庭教師をつけなかったらだめだというデータは、進学を見たら出ておるわけです。こういうふうな中で、低所得者の子弟についても、教育の機会均等というものをどうして与えていくのか、また、勤労青少年に対する学習の場というものを、こういう国公立が平気でエリート的な考え方でこういう現代の時代に、学歴偏重の、文部大臣は財界の方に行かれてお話をしておりましたけれども、やはりみずから学歴偏重を廃止することの一つとしてはそういうこともやらなくちゃいけないし、また社会的な公正を維持することについても、こういう国公立の入学地獄を解消する立場からも、この問題について、学校教育法ではある程度明記をしているわけですから、これは努力をしないと問題があると思うんです。このことについて一点だけお伺いをしておきます。
○国務大臣(永井道雄君) 勤労青年が高等教育を受ける機会を保障されるということは非常に重要だと思います。特に国立の大学におきまして、夜間部を設置して、そういう要望にこたえるということは大事でありますが、事実上はその夜間部におきましても、職業についていない者を入れていくというような状況があることは御指摘のとおりであります。また、夜間部というものがそれほど勤労青年のために開放を目的として広く充実していないということも大変注目すべきことであると思います。そこで、御承知のように、放送大学ということもいま計画を進めておりますが、放送大学だけではなくて、勤労青年のための夜間部というものの充実という問題も含めまして、勤労青年ないし社会人という人たちが学習をしやすくなりますように、履修方法というものも弾力化し、いまのような要望にこたえていくことが今後のわれわれとしてなすべきことであると考えております。そこで、放送大学なども含めまして、この問題については今後総合的な政策というものをもって臨むべきであると考えております。
○矢原秀男君 要望だけしておきますが、文部大臣の意のある前向きの答弁をいただいて非常に喜んでおりますが、あわせて官公庁とか、教員なども、優先的に昼夜の差別をなくして採用していくように、関係省庁に、また機会を見て文部省も積極的に動いていただきたいと思っております。
○内田善利君 いまの質問に関連してお伺いしますけれども、いま聞いておりますと、東京都に大学の二部が全然なかったように思いますが、まず東京大学から率先して二部制をとるべきじゃないかと、こう思うんですが、どのようにお考えですか。
○国務大臣(永井道雄君) いま東京大学という特定大学の名前を出して御指摘になりましたが、これは、それぞれの大学のやはり方針がありますから、直ちに東京大学がそうすべきであるというふうに私がお答え申し上げますというと責任を伴うことになりますから、それは申し控えさしていただきます。しかし、大都市に勤労青年が多く、また大都市に相当数の国立大学もございますから、そういう国立ないしは公立の大学がいまのような要望にこたえる方向に進みますように、私たちとしても、大学当局の自治を重んじながらいまの方向が次第に現実化していくように対処すべきであると考えております。
○内田善利君 極端な質問をいたしましたが、この東京都に大学二部制がないというのはやっぱり教育の機会均等、勤労青年に対する教育ということにおいて欠如しておると思いますね。 私が質問したいことは、局長にもるるお話伺ったわけですが、憲法の第二十六条、それから教育基本法の第三条についてお聞きしたいのですけれども、国民は、「ひとしく教育を受ける権利を有する。」また、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」、こうあるわけです。ところが、実情は特に医歯系の大学の入学金、寄付金、これは毎年エスカレートしてまいりまして、国としても国庫補助二分の一を目指してがんばっているわけですけれども、私はいまの実情では追っつかないのじゃないかと、こう思いますので局長にいろいろ具体的にお伺いしたわけですが、憲法第二十六条及び教育基本法第三条はやはり経済的地位によって差別されないとある以上は、局長さんの答弁を聞いておりまして、これは単なる努力目標かなと思っていたわけですが、やはり努力目標であってはならないと思いますね。やはりこうあるべきであるというのが憲法であり教育基本法だと思うのです。実情は承知しておりながら、どうしてもやはりやむを得ないというようなお考えのようですが、この点について大臣はどのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 私は、いまの二十六条の趣旨というのは非常に重要であると考えております。そこで、教育の機会均等というのは保障されなければならないということを年来主張してきている人間の一人でありますが、他方、所与条件というものは何であるかということは申し上げるまでもないところであります。 そこで、では努力目標かなとおっしゃいましたけれども、私たちはやはり入学金というものが、あるいは授業料も含めまして非常に高くなりますというと、学生の出身階層というものも経済的に限定を受けますから、これを何とかしてよくしていこうということで努力をしているというのが事実であります。やはり、これは私学の経常費助成とそのほかの方法もございますが、これを強化していくということが一つ。もう一つは、やはり奨学金というふうなものによって、現在授業料は高いところに行っても非常に能力がある学生諸君の場合には手当てをしていくということ、あるいは私学振興財団が施設について援助をする、こういう方向というものを組み合わせながら二十六条の趣旨をでき得る限り実現していくように私は考えておりますし、そう努力しているわけでございます。
○内田善利君 もう一つ、この際、お聞きしておきたいと思うのですが、ただいま矢原委員からも質問がございましたが、勤労青年に対する機会均等教育ということ、それからまた、放送大学のことも言っておられましたが、わが党は、学生の単位の互換制という問題でどこの大学でも単位を受けられるようにすべきではないかということを主張しておるわけですが、東大と東京工大だったと思うのですが、単位の互換制を実施したように思うのですが、この点はいまどのようになっているのか、またこの単位互換制について大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(永井道雄君) 東大と東京工業大学につきましては、単位の互換制度が特に大学院のコースだと思いますが進んでおります。私はこれはいいことだと思います。なお多くの大学がそういう方向に向かっていくということが、大学の自主的決定によって進んでいきますならば、非常に望ましいのではないかというふうに考えております。
○加藤進君 最初に、先般の参議院文教委員会におきまして入学試験問題の改善についてという非常に重要なテーマについての御意見が出されました。そういう中で、今日大学で当面している入試過熱、入試地獄を解決していくためにはどうしても国立大学そのものの拡充強化をしていかなければならない。とりわけ東京大学、京都大学等々の有名校に対して地方の大学に非常に大きな格差がある。この格差を是正しつつ全体としての国立大学の入れ物あるいは国立大学間における相互間の格差をできる限り解消して、でき得るならば東京大学や京都大学並みの水準に引き上げることが願わしい、こういう意見も出されたわけでございますけれども、こういう点の国立大学の拡充強化について、私たちはすでに毎年のように、国立大学の設置法の改正案を審議するわけでございますけれども、これからの文部省としての構想をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) いま先生が御指摘になりました方向というのは、私たちもまた考えている点でございます。国立大学は、先生御指摘のように、東京、京都というところを中心にして発展してきておりますが、御案内のとおり、たとえば共同利用研究所というものは、これは私立も含めますけれども、しかし特に、国立の人たちにつきましては、やはりいままでの東京、京都という形で固まりませんように共同するということが一つの方向として出てきております。こういう方向を促進すべきであると思いますし、そのほかやはり大学進学人口というものは増大するということが今後も見込まれるわけでございますから、特に地方にございます国立大学というものの拡充に努めていくということが基本的な考え方でございます。
○加藤進君 この問題につきましては、大臣以外の文部省の方にさらに細かいことについて質問いたしますから、これで終わります。 もう一つ、緊急な問題が出ております。これは教育行政の基本にかかわる重要問題でございますから、この機会に文部大臣にお尋ねをいたしたい。 これは兵庫県の八鹿高校の暴力事件に関連いたしまして、三月三十一日ですから、昨日、兵庫県の教育委員会が八鹿高校の片山教諭並びに橘教諭に対して懲戒処分を行いました。御承知のように、片山先生や橘先生は、これは容疑者じゃございません。両先生とも暴力を受けたいわば暴力の被害者でございます。この方が今回懲戒処分を教育委員会から受けたわけであります。処分の理由はどうか、こういうことでございますけれども、その理由として挙げられておるのは、「校長がとめたのにも反して勤務を放棄し学校を離れた。」こういうことが理由として挙げられております。地公法第三十二条の「上司の職務上の命令に従う義務」を怠った、第三十五条の職務専念義務を怠った、こういうことを言われております。しかし、いわばこういう理由によって処分が行われるということは、きわめて奇怪な事柄でございます。というのは、職務命令というのは一体どういう意味を持っておるのか、こういう点につきまして、私の入手いたしました資料によりますと、これは三月二十八日に出されました十名の法律家の共同の調査に基づく資料でございます、ここに、この事件の当日、すなわち、これは十一月の二十二日でございますが、その前の日に、何が行われたかという問題が調査されております。当日の朝の学校内及び学校周辺の状況はきわめて異常であって、教員らの身辺に危険が迫っていることはだれの目にも明らかであった。にもかかわらず、彼ら、というのはここに出されておるいわば容疑者でございますけれども、彼らは必要な措置、たとえば外部勢力の学校への出入を禁止するとか、警察に警備要請をするなどという点は何ら講じなかった。そればかりでなく、危険を避けるためにやむを得ず下校しようとした教員らを逆に校内にとどめおこうとして制止したのであります。すなわち、学校を離れるなということを命令した意味は、こういうことなんです。 なおこの点について、その前の日、二十一日には、珍坂校長が県教育委員会の上田教職員課人事第一係長と綿密な打ち合わせを行っている。教員らに下校させないための職務命令を準備していたという点も明らかになりました。前の日に準備していた。今回のいわば懲戒処分というのは、こうして準備されて、そして翌日出された職務命令に対して違反したと、これが理由になっています。違反したということ、校長の言うとおりにならなかったということです。校長の言うとおりにしたらどういうことになりますか。暴力を受けるのです。公然と学内において暴力を受けることは明らかだから先生たちは学校を出られたわけです。これを校長が引きとめたわけです。しかも、その引きとめたというのは、校長だけではなしに、県教委の上田教職員課人事第一係長と綿密な打ち合わせの上にやられた。こういう事態によって今度の懲戒処分が行われた。これは正常な処分だとお考えになるかどうか。その点をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(安嶋彌君) 片山、橘両教諭に対する懲戒の事由でございますが、これは、ただいま御指摘がございましたように、兵庫県立八鹿高等学校に勤務する教育公務員として職務に専念しなければならないにもかかわらず、昭和四十九年十一月二十二日、他の職員に率先して校長の制止に反し勤務を放棄し学校を離れ、同校生徒、職員を混乱に陥れるなど、地方公務員法第三十二条、同三十五条に違反する行為があったということが処分の事由でございます。それに対しまして、ただいま加藤先生から、簡単に申しますと、一種の緊急避難であったという御趣旨のお話があったわけでございますが、兵庫県教育委員会の報告によりますると、詳しく申し上げますと、これは時間がかかりますので省略をさしていただきますが、教員が身の危険を避けるために授業を中止して集団的に校外に退去しなければならないような切迫した状況にはなかったということが兵庫県教育委員会の報告でございます。したがいまして、この処分がそうした二つの考え方をめぐって意見の対立があるわけでございますが、これに対して文部省として、これが適切であるかどうかというお尋ねなわけでございますが、先般、三月二十八日に予算委員会におきまして神谷委員から、八鹿高校の教員の人事に関連した御発言がございまして、文部大臣からは、任命権者であるところの兵庫県教育委員会がその権限と責任において行われるべきものであると、こう御答弁申し上げたわけでございますが、同時に、兵庫県教育委員会に対しましては、公正な人事が行われるよう、文部省からもその夜要請をいたしておるわけでございます。そうした要請を受けて十分考えたはずでございますが、なおかつこうした処分が現に行われたということでございます。御承知のとおり、こうした処分につきましては争いのあることが少なくないわけでございますが、その争いにつきましては、御承知のとおり、第三者機関としての人事委員会その他における救済の方法もあるわけでございますから、この処分に不服があります場合には、そうした救済措置を、そうした場所において判定が下されるということが地方公務員法等の規定するところでございます。したがいまして、文部省といたしまして、いまこのケースにつきまして具体的な判断をいたすことは差し控えるべきであるというふうに考えます。
○加藤進君 そうしますと、まだ判断がしかねると、こういう状況でございますか。 そこで、文部省にいつも、調査をして、その結果を報告をお願いしたいと、国会で再三私たちは要求していますけれども、そこで出されておる調査の内容というものは、全部と言っていいほど兵庫県教育委員会から聴取された調査内容である、こういうことですね。そこで、兵庫県の教育委員会というのは、そもそも正常な状態において教育行政の指導に当たっておるかどうか、私は、その点を文部省としても的確につかんでいただかなくてはならぬ問題だと思います。というのは、もうすでに今日まで明らかになっておるように、県教育委員会から、警察関係あるいは検察庁関係の取り調べで、さまざまな容疑者が出ておりますね。暴力を受けた学校の先生からは容疑者は出ていないんです。警察はどういう容疑をもって取り調べ、あるいは送検をしておるかと言えば、逮捕容疑、監禁の容疑、致傷すなわち傷害を与えたという容疑によってこれが送検されている。たとえば、前田昭一県教育委員会同和教育指導室主任、これは殺傷を与えたということの容疑のもとで検察庁に送致されていますよ。いいですか。まだあります。教頭も校長も、やはり捜査中でございますけれども、その被疑、容疑はやはり強要、監禁、逮捕です。検察庁で取り調べを受けておる中には、畑中参事があります。山岡主事があります。上田但馬教育事務所長があります。珍坂校長がいます。小田垣教頭がいます。みんな容疑を受けている。こういういわば教育委員会内部の同和教育をつかさどる枢要な地位に立つ担当者の諸君の中にきわめて重大な容疑が行われている。捜査の対象になっている。取り調べを受けておる。これでなおかつ兵庫県教育委員会は全体として信用するに値する、信頼に値するいわば活動を行っていると、こういう御判断のもとに、調査といえばこの教育委員会からの報告を受けるということで文部省はその教育行政指導の責任を果たすことができるかどうか、きわめて疑問だと思いますけれども、その点は、文部大臣自体にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 私たちはこの教育委員会の見解あるいは報告というものを求めておりますが、その過程におきましても、ただ東京に座して報告を聞くというのではなく、面接をいたして十分に聞くということをいたしております。他方、それ以外の情報というものにつきましても、私たちとしてでき得る限りの考慮を払っております。ただ、御理解願いたいことは、文部省の場合に警察のような強制調査の権限ないしは能力というものを持っていないということがあります。他方、この問題というのは、先生も御指摘になりましたように、容疑事実が出てきているというような角度から警察自身がすでにこれを調べている段階でございまして、私たちは、それを全く無視して、そして行政に当たっているというのではなく、その取り調べの進行というものも十分にわれわれも考慮に入れながら、この問題については常に公正な行政が行われるようにということを原則にして、私たちが持っております権限と能力の範囲内において努力をしてみましたし、また、今後その方向で努力をしていきたいと考えております。
○加藤進君 それで、もう時間がありませんから、最後にお聞きしたいのは、私がいま挙げたのは、これ架空の問題じゃないんです。これは現に起こっている。しかも暴力事件が起こっている。もう暴力というのが学校内に発生したことは文部省自体も認めている。そして、そのような暴力を受けたのは先生である。加害者は別にある。その加害者の中に、いわば共犯者として校長もあり、教頭もあり、教育委員会の関係者がずらりとある、こういう状況が現実の問題でございますから、文部省がそのような暴力事件を責任をもって調査していくという場合に、兵庫県教育委員会は正常である、だから教育委員会から出されておる資料については、これに全幅的な信頼が置けると、こう考えておられるのか。いや、やはり若干は問題があるというふうにお考えになっておるのか。その点のけじめだけは私は明確にしてもらいたい。文部大臣にお願いします、判断ですから。
○国務大臣(永井道雄君) 私は、この行政一般論として考えますと、完璧な行政というのはないと思います。とりわけこのようにむずかしい問題になってまいりますというと、いろいろな問題を含んでいるというふうに考えましたから、私たち自身としましても、教育委員会の方々と討議を重ね、ということは、質疑応答を重ねながら、事態というものを調べる、そして判断をしていくという、そういう立場をとっているわけでございます。
○加藤進君 あと一つ。私は納得いきません。だれも納得できないですよ、そんなことは。大体あなた、容疑者を多数を出しておるような、そういう教育委員会について、教育委員会からの報告を受けたということで国会でいわば調査報告なるものを出していただいても、われわれはそれを全体として信頼できないことは、これで明らかでしょう。だから、私たちが常に求めておるのは、文部省が憲法、教育基本法の立場から見ての正しい行政を行っていく、指導を行っていくというなら、それは県教育委員会から話は聞くななど言っておりません。県教育委員会から話を聞くことは言うまでもないけれども、同時に地教委、そして最も大事なのは被害を受けた、殺傷を受けられた先生たち、片山先生のところへ文部省は調査に行かれましたか。全然行ってない。暴力を受けた最もひどい犠牲者に対しては、何一つその事態について真相を明らかに彼らから聞きたいとも考えておられない。私はその点を聞いている。そうではなしに、この問題を文部省として責任をもって明らかにしていくというなら、それは教育委員会は言うまでもありませんけれども、同時に、現実にさまざまな訴えを出しておられる諸先生、非常な暴行を受けられた諸先生、もう少しで死にそうになられた諸先生のところへ行っても、私は事態を聞いていただいてもいいと思います。今度町長になられました町長さんにじかに聞かれるということも方法でしょうし、さまざまなやっぱり文部省として行うべき手だてがある。そうした上で、国会に対して当然の私は正しい情勢の報告、調査の結果を報告してもらう、こういうことが当然、私は行政の上で要望される点だと思いますけれども、その点についてもう一度文部大臣の所見お尋ねします。
○国務大臣(永井道雄君) 私たち、まあできる範囲内と言いますのは、権限、能力の及ぶ限りにおいて調べていきたいということに変わりはございません。ただ、先生も、またすべての人が、この段階において憂慮いたしておりますように、暴力事件というものをここに含んでいる、そういう経過があるわけです。このような事態がありますからこそ、警察においても取り調べということをやっているわけです。それ以上のことを文部省が調べ得るかという問題でありますが、私は警察のような調査権というものを持っているのではございませんから、私たちがそれ以上のことをこの事件の暴力に関連するそうした経過、また、推移について調査することはきわめてむずかしいんではないかと思います。われわれとしましては、ですから、そうした状況の中において、警察の取り調べの推移というものを十分に注目して、そうしてその結果としいうものを尊重していかなきゃいけないと思っています。
○加藤進君 私、最後に聞きたいのは、いま問題になっているのは、その処分をした県教育委員会、県教育委員会から取り調べのためのいろいろな事情聴取をやっておられるが、その教育委員会というものは、わが国会の目から見ても、文部省当局から見ても、これがまともな、信用置けるような状態で今日のような教育行政が行われているかどうか、この点について、私たちはいままで一度も明確な答弁をいただいておりません。その点について、私は文部大臣に対して、このような県教育委員会の処置は言うまでもございませんけれども、全体として正常なやはり教育行政の指導を行っておるのかどうか、その点の判断だけを明確にお答え願いたい。
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、兵庫県教育委員会は、兵庫県内の教育についての責任官庁でございますし、八鹿高校について申しますならば、これは設置者でございます。したがいまして、兵庫県教育委員会がとりましたいろいろな措置につきまして、全く遺漏がなかったかということになりますと、私どももいろいろ問題点は残っているように思いますが、しかし、これは正規の行政機関でございますから、文部省といたしましては、その報告を一応信頼するという立場に立たざるを得ないかと思います。
○加藤進君 ともかく、問題はあるということだけは認められましたね。
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(内藤誉三郎君) 速記起こしてください。
○矢原秀男君 じゃ引き続いて質問させてもらいます。 まず一点は、先ほど申しておりました学校教育法の五十四条、「大学には、夜間において授業を行う学部を置くことができる。」、もう一点は、その二に、「大学は、通信による教育を行なうことができる。」と、この二点について、文部省のもう一度明確な姿勢、解釈の仕方、そういうふうなものをお伺いをしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 先ほど来、夜間学部につきましてのお尋ねがございましたが、学校教育法の規定に基づきまして夜間に授業を行う学部、これは一応学部として昼間の学部と別の学部として認可もし、設置もするというやり方でやっております。それから通信教育につきましては、通信によりまして正規の大学生として入学をし、必要な単位を取ると正規の学生として卒業する、卒業資格を与えるという、そういう通信の課程を設けることができるということでただいま実施をいたしております。 なお、先ほど夜間の方につきましては大体の状況を御報告申し上げましたが、通信の方につきましては、ただいまのところ大学で十一校、短期大学で七校が通信教育を実施しておりまして、正規の学生の在学者数は、大学で八万二千人、短期大学で二万三千人、こういうことに相なっております。
○矢原秀男君 さらに、入学難解消の方途として、またいろんな機会均等の立場から努力をしていただきたいと思います。 第二点目の質問でございますが、今度の国立学校設置法の一部を改正する法律の中で、千葉大学の薬学部を薬学部、看護学部に今度は改めるわけでございますが、この看護教育について一言質問をしたいと思います。 看護教育については、非常にいま問題が出ております。これは、待遇問題になれば厚生省とのいろんな問題もあるわけでございますが、まず私は看護教育という立場の中で質問をしたいと思います。 看護婦が非常に不足をして深刻な社会問題になってることは御承知のとおりでございますが、この対応策としては、当面的に糊塗する対症療法だけになっておるので問題になってるわけでございますが、基本的な絶対数も確保する場合において、つまり現状では欠員の補充する満足でない、こういう状態でございますが、看護教育という立場を医学という——医学教育という立場から見て現在までのような従属的な立場にするのか。それとも医学教育と同じレベルに見直して看護教育を今後進めていこうとするのか。この点について答弁をしてください。
○政府委員(井内慶次郎君) このたびの国立学校設置法の改正で、千葉大学の看護学部の設置をお願いいたしておりますが、看護婦の問題につきましては、その養成数をどう拡充、確保するかという問題と、ただいま御指摘のように看護の質的な水準の向上をどう図っていくかという、二面があろうかと思います。 現在までのところ、国立大学で明確に看護学の研究教育の樹立ということでの学部が実はなかったわけでございまして、現在ありますのは、保健関係の学部とか、そういったものはございますが、国立大学では今回初めてでございます。その際、看護学の研究教育の体系も確立し、看護学のやはり水準を上げなきゃならぬということがねらいでございます。 ただいま私ども考えておりますのは、大体十講座をもってこれを編成したい。その際に、ただいま御指摘のように、医の系統と看護の系統をうまくミックスしなきゃならぬという問題がございます。ただいま千葉大学の看護学部で考えておりますのは、基礎系で三つの講座、それから臨床系で七つの講座を考えまして、その担当する教官も、医の系統からの教官と看護関係からの教官と両方でこの講座担当も決めてまいりたい。そうして、看護学部を創設し、看護学というものの水準をやはり引き上げていくということを当面文部省としてはやはり努力をしてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○矢原秀男君 私も現況見ておりますと、日本では六〇%近くが開業医と、こういうようになっておりますので、どうしても企業内の教育の域を脱し切れなかった。また、封建的なそういう感覚のする医師に従属するというふうな形の徒弟制度みたいな奇形的な形で進んでいった。こういうふうなことで、今日の医学が非常に進歩しておりながら、看護に対しては旧態依然とした姿というものが出ている。こういうことで、いま私、看護教育は医学教育と対等に位置づけられていかなくてはならない、こういうふうに言っているわけでございますが、ここで問題になりますのは、看護教育のコースの支離滅裂な問題を、これはやっぱり考えなくちゃいかぬと思うんです。そのことについてまずお伺いをしたいんでございますが、一つは、現在のコースには、准看コースでしょう、それから進学コースの定時制、三番目には進学コースの全日制、四番目には正看コース、こういう四通りがあるんですけれども、これに関するいろんな学校のそういう養成所のようなもの、いろんなものが何通りあるのか、それ一回答えてください。
○政府委員(井内慶次郎君) 看護婦関係のただいま養成の仕方は、看護婦と准看護婦という二つに大きく分類できます。看護婦につきましては、文部大臣の方が所管いたしまするものと、厚生大臣の方が所管するものとございます。文部大臣が所管いたしますものは、大学で行っておるもの、短期大学で行っておるもの、高等学校の専攻科で行っておるもの、それから学校教育法一条の大学等に付設しておりまする各種学校で行っておるもの、以上が文部省関係でございまして、養成しておる機関の数が百二、そして入学定員が四千七百二十五でございますが、厚生省の所管分の方は全部各種学校でございまして、五百五十二、その数は二万八百七十七人というのが現状でございます。ただいまのが看護婦の養成機関の状況でございます。 准看と言われまする准看護婦につきましては、文部省の方で所管いたしておりますのは、高等学校とそれから各種学校ございますが、文部省所管が百二十二、六千二百八十六人、厚生省所管が六百四十四機関で、二万七千六百六十二人ということでございまして、看護婦、准看を通じて見ますと、二割弱が文部大臣所管の方の学校並びに学校に付属している各種学校で養成を図っている、八割前後が厚生省所管の方の施設で養成をしておる、こういうことでございまして、ただいま御指摘のように、各種学校も看護婦の場合は三年を原則といたしておりますけれども、このような看護婦並びに准看護婦の養成の現状というものに正直いろいろ問題はあろうかと思いますが、ただ、文部省としましては、今回の法律改正案でも御審議願っておりまする医療技術の短期大学の創設というふうにやっておるわけですが、医療技術短期大学あるいは各種学校等における教官の養成でありますとか、指導者の養成でありますとか、こういつたことを本格的に今回の看護学部においてやっぱりねらっていきたい。そして、総枠につきましては、文部省は二割弱のシェアでございますので、直ちにどうというわけにまいらないんですが、厚生省の方の御計画に私ども協力しながらできるだけ数につきましても努力しますが、まずは文部省としましては、最初に御指摘ございましたように、短大あるいは各種学校等の教官の確保とか、指導者の確保とか、質的な方面にまず全力を挙げるべきだということで、ただいま努力をいたしておるところでございます。
○矢原秀男君 私がいま看護教育の問題取り上げておりますのは、やはり指導者の養成の中でこういう問題点がきちっとされておらないと、結論的には、やはり看護婦さんの社会的な地位の向上であるとか、また身分的や経済的な保障の確立体制であるとか、もちろん、これは厚生省とか横の連携がございますけれども、そういうふうなことをきちっと解決をしていかないと、国民がもし病気になったときに、結論的に看護婦さんは不足である、看護婦さんにもなり手がない、こういういろんな問題点が出てくるわけですから、その頭である指導者の養成ということについて、看護教育の基本的な問題いま言っているわけなんです。確かに九通りもあるわけなんです。准看コースには准看護婦さんの養成所の全日制とか半日制の二年制のものがある。そしてもう一つは、看護高校の全日制とか定時制、そういうものがあります。進学コースの定時制には、看護婦養成所の夜間、午前、午後と、こういう三本系統にもなっておる。三番目の進学コースの全日制には、二年制の看護短大とか、看護高校の専攻科二年、そうしてまた看護婦の養成所の二年、正看コースには看護婦の養成所が三年であるとか、三年制の看護短大、四年制の看護大学と、こういうふうになっているんです。こういう看護教育の非常に体系の分かれている大部分というものが各種学校の系列化の中に置かれている。では各種学校というものが国や県やいろんなところで、財政的や指導体系の中で非常に守られて社会的に送り出していく教育の一助になっているかということになれば、各種学校の人たちが非常にこの問題についてももっと教育の中に各種学校の立場を見てほしいとか、こういういろんな問題もあるわけですが、いずれにしても、ここでは不統一な教育行政というものが出てくるわけなんですね。ですから、私は今度の指導者の養成を含めたこういうふうな中で看護教育の系列というものを整備しながらレベルアップしていく、そうして医学教育というものと同じような看護教育の向上等をやる中で、国民の方々に対する安心のできるそういうふうな充実したものをつくらなくちゃいけない、私、こういうふうに思うわけです。その点について文部省の取り組みをもう一度明確にお答えをお願いしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 看護婦並びに准看護婦の養成につきまして、いわゆる各種学校で非常に多くの数を養成しておるというのが現状でございます。これに対しまして学校教育法第一条に定めまする大学、短大あるいは高等学校、高等学校の専攻科という体系でそちらをより拡充して、そちらの学校教育の方でやはりしっかりした学校教育としての看護教育をやるべきではないかという要請を私ども非常に強く受けておるところでございます。これにつきましては、文部省所管の中の大学に付属しておりまする各種学校の看護学校等がございますが、これにつきましては、従前六つの医療短期大学をつくっておりましたが、今回の改正でさらに三つ増設をお願いいたしておるところですが、短期大学にいたしまするための教官の確保、供給という問題、その状況等も勘案しながらでないとなかなか進めない点もございます。その意味で看護学部の創設を契機とし、医療短大等の教官の確保の面も充実を図りながらただいま御指摘のように、大学、短大、高等学校、専攻科における充実した看護教育の前進を図ってまいりたい。スピードはただいま申しましたように、やはり指導者の養成から拡充を図ってまいらなければならないというのが現状であります。医療短大を今回三つお願いいたしておりますが、従前いままで国立大学等で持っております各種学校をどういうスピードでしからば短期大学に持ち込もう、格上げしていこうとする計画を持っておるかということになろうかと思いますが、この点は各各種学校等の入試状況とか、教官の見通しとか、こういうことも各大学と相談をしながら今後やってまいりたい、かように考えております。
○矢原秀男君 時間もございますので、最後にいま全国高校野球四十七回の選抜大会が行われているんですが、どうしてもプロよりもアマチュアの、しかも高校野球というのは、これはもう国民全部が、恐らく世界の人たちがそういう純枠さに私打たれると思うんですね。このことについて一言文部省に要望等もしたいと思うんですが、きのう池田高校と報徳高校の野球あったわけですね。私、兵庫県ですから、報徳にはいつも行ったり、そして野球部の監督さんやなんか、いろんな人非常に懇意で、私もスポーツに生きておりましたので、スポーツ精神というのは非常にきれいなものでいいなと思うんですが、今度の高校野球で門司工高が、学生一人が不祥事をしたいうことで辞退をされた、みんな泣いておったそうでございますが、ここにもさわやかな、私は社会人として反省を、私たちも勉強になることがあったなあと思ったわけですね。そういうきれいな高校野球なんですが、きのうの野球を、私、本当であれば報徳が勝てばそれでいいわけなんですが、そういう友情を乗り越えてスポーツマンシップとして、文部大臣はあいさつにこういうことを言われている。野球はスポーツであると同時に心を鍛えるもの、そうしてそこにはフェアプレーというものをお話されているわけですね。今度は佐伯さんも、勝ちさえすればいいというのではなしに、りっぱな人物を育成するというのが本来の目的だ、こういうふうにして高校野球の美しさというものを言われていらっしゃる。このとおりだと思うんですね。ところが、きのうはテレビや新聞で見ても、まさしく野球規則に反する、たとえば後ろの走者が途中でホームラン打って追い越しをしている。それを日本経済新聞見ておりますと、同僚の人も追い越しを認めた、いろんなことになっているんですが、私はここで選手の方たちには何も言わないわけです、それは審判に沿ってきちっとしているんですから。たとえば文部省とか、そういうところが後援をして、しかも伝統のあるところ、しかし、ここで私が審判団の方たちに対して、これは文部省も含めてでございますが、正しいものは正しい、間違いは間違いである、こういうふうな形にしていかないと、高校野球というものがみんな高校生やいろんなスポーツファンに対して傷をつけるわけです。ですから、今後の問題として、相撲のように、これはもう非常に複雑な問題と違うんですから、写真見るときちっとあれですから、そういうときに審判団がある程度注意をしなくてわからなかったいうようなときには、テレビ等もきちっと参考にして、そうして判断をしてあげるとかいう幅の広い、審判はもう絶対なんだと、そういうふうなことで、人間が裁くものに、これはプロ野球の世界でも間違いはあります。それはちょっとあるいうんです。しかし、審判は厳正だというんですよ。まあ高校の場合、こういうふうにわりにはっきりしていて、本人たちも認めておる。そういうときに審判団もホームラン見ておって、ちょっとはっきりしなかったとかいうことでなしに、もうちょっと幅のある、観衆もすべてがなるほどというふうな、そういうものを厳しさの中にきちっとしておらないと、審判の言うとおり何でもしなさいいうようなことではきれいな子供さんたちに傷がつくと思いますね。だから、こういう問題についてはスポーツのことですから、文部省は後援でございましょうから、余り口も出せないと思いますし、私は出したらいかぬと思います。しかし、ここに佐伯さんを中心とするそういう大人の立場でやはりある程度今後お互いが反省をしなくちゃいけないなというふうな意見の交流は私あってもいいと思うんですが、その点どうでございましょう。
○政府委員(木田宏君) 担当政府委員がちょっとおりませんので、大変恐縮ですけれども、私からかわってお答えをさしていただきたいと思います。 御指摘のように、高校野球は高校野球連盟が主催になりまして実施しておりまして、お名前の出ておりました佐伯さんが今回も審判委員長をお務めになりました。審判団は、これも先生御案内と思いますけれども、皆高校野球を愛する先輩たちが、教育者の人たちが中心になって審判団を構成しておるわけでございます。文部省はこうした高校野球連盟とは必要に応じまして随時適切な御連絡の場を持たしていただいております。春夏の甲子園の野球の前には佐伯さんその他とも担当局長がいろいろと意見交換をする場もございますから、きょうそのような御意見のありましたことは、しかるべき機会に担当者から伝えまして、今後の高校野球がより皆さんの御期待に沿えるように心がけてまいりたいと、このように考えております。
○矢原秀男君 終わりに一言。高校野球というものは私たちみんな感動しているわけでございますし、勝ち負けは関係ないわけですね。一生懸命にプレーしてルールの中でやっていく姿、それがわれわれ大人にもやはり参考になるところがあるわけでございますが、そういう将来の大事な人間形成をつくる場でございますので、ひとつその点、楽しくにこやかにしながら、また、その日のことをお伝えをしていただきたいと思います。
○加藤進君 国立大学あるいは国立の研究機関、そういうところにいまどんな問題があるのか、こういう点について若干お聞きをしたいわけでございますけれども、第一に聞きたいのは東京教育大学の今日の状況でございます。 これはもうすでに御承知のように、筑波大学ができてからは、東京教育大学は昭和五十三年の三月をもって廃学になるわけであります。この措置につきましては、国会におきましてもわれわれも廃学とはこれはまことによろしくないと、伝統ある、歴史のある学校だからできれば残してほしいという要求を出しました。また、大学の教職員あるいは大学の学生諸君もその点については強い要求を持ったわけでございますけれども、しかし国会では強行採決によってこういう事態がいやおうなく出てきたわけであります。 そこで、文部省にお尋ねしますけれども、ともかく五十三年三月にはもう廃学になるという学校でございますけれども、大学であることは間違いございませんので、その間において、今日、東京教育大学ではどのような問題やどのような学生、教職員諸君の要求や、あるいは不安があるのか、さまざまな不安を持ってます、あるのかということについてどの程度に御掌握いただいておるのか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 東京教育大学の統合移転を契機として筑波大学を創設した、こういう経緯でございますので、東京教育大学から学年進行と申しましょうか、年次計画によりまして学部の募集も停止し、学生も逐次移り、教官も逐次移ってまいります。ただいま法律的には筑波大学と東京教育大学が統合移転を契機ということで、そこにある移行をいまいたしておるわけでございますが、私ども特に留意をいたしておりますのは、教官の方々も教育大学の方から筑波大学の方に移ってまいりますが、学生の教育の面でそれが支障が生じないように、移りまする教官だけでなくて、相互に筑波大学の方に移られた教官が教育大学の方の教育も兼担でおやりになる。また、教育大学の方におられる方も筑波の方で兼担をされる。そういうふうな定員によって明確に移られる方々による分担のみならず、相互の教官の方々の協力という点もいろいろな努力を両大学にお願いをしておるという点が一つでございます。 なお、また東京教育大学の方で学生が一部筑波の方で学生募集しますと、それに対応する学生が教育大学の方はいなくなるわけでございますが、いわゆる大学を運営しまする日常経費等につきましても、学生数なり教官数がやはり減じますと、それに対応しまする予算というのは筑波の方にも移っていくわけですが、しかし、教官数なり教職員の数なり学生の数が減じたことによって直ちに減じ得ない諸経費の部分もございます。そういった点も、この統合移転を契機として筑波大学の方に移っていったそのプロセスにおきまして、諸経費の面につきましても、両大学の協力を求め文部省としてもできるだけの協力をしておる。 それから第三の問題といたしまして、教職員の方々が東京教育大学から筑波大学の方に移っていかれることにつきまして、事務職員等につきましては、東京教育大学から在京の国立大学の事務局の方に移られる方と、東京の方にさらに残る希望の方と、その辺を各国立大学の事務局相互間で十分な連絡をとり協力をさせるように私どもも強く助言をいたしておるところです。 それから、教官の方々が教育大学の方から筑波大学の方にお移りになられることにつきましては、これは法案が審議されましたときに、当時の大臣、局長からもお答えしたとおりでございますが、統合移転を契機として筑波大学を創設するということでございますので、東京教育大学の方の教官で筑波の方に移ることを希望される教官については、原則として筑波大学の方でこれを受け入れるという基本線でおやりいただくように私ども期待いたしておりますが、両大学一応法律的には別の大学でございますので、両大学間の連絡協議の上で成規の所定の手続により、計画に従い教官の移動も行われておる、かように私ども考えておるところでございます。
○加藤進君 そこで、時間の点もありますから少しまとめてお尋ねしますから、お答え願いたいと思います。 予算の削減の問題でございますけれども、ともかく、どこの大学だっていまのインフレ、高物価のさなかで四苦八苦なことは明らかでございまして、とりわけ東京教育大学では特別の問題がある。これは移転という問題であります。そこで、東京教育大学の関係者はこう言っています。四十九年度でさえも図書が買えないという状態が起こった。大学で図書が買えないんですね。さらに、五十年度からは廃学がもう進行する、筑波大学への定員の振りかえが起こる、こういうことで一層深刻になっています。移行に伴う教員、学生の定員減によって、恐らく五十年度は四十九年度の三分の二程度に予算が削られるのではないかと非常に強く心配しておるわけです。 そこで、私はお尋ねしたいのは、一律に講座が減るからといって予算を減らせる、こういうようなことではなしに、教育研究の実態に合わせて予算措置をやはりとっていただく必要があるんではないか、これが一つ。 第二番目には、移行に伴って特別の予算が当然必要なわけでございますから、特別予算措置を実施されるという用意があられるかどうか、こういう点についてまずお尋ねしたいと思います。 第二の問題は、今度は授業の支障が今日具体的に起こっておるという問題であります。これは文学部、教育学部、理学部の実態がそれを示しておりますけれども、あと三年はとにかく大学でございますから、大学にふさわしい授業が保障されなくてはなりませんので、空白定員を埋めるなどの対策がとられるのかどうか、こういう点がお尋ねしたい点であります。 現状は、教育学部では教官が不足で、開校の看板だけで結局は講義はやられていない。それから、教授の名義で助手が講義をしている。文学部の史学方法論教室では助教授が一人いるだけで、四十九年度は併任教官と非常勤講師で何とかやりくりをしている。東洋史教室では助教授が一人いるだけで、この一人も来年は筑波へ移転する。こういう状態で、これでまともな大学としての研究教育条件が保障されておるのかどうか。もうなくなるものだからしょうがないといってほかっておるんじゃないか、こういう疑惑がきわめて強く出るわけでございまして、こういう点に対する措置はどのように考えておられるのかということが第二点。 それから第三番目の問題として、事務職員の労働強化の問題でございます。大学の移転が行われておるからといって事務の量は減っておりません。逆にこれは移転業務というものが新たに事務として加わっておりますね。これは御承知のとおり。引っ越し請負の契約業務、備品図書の管理がえ事務、その他のリストづくり等々いろいろあります。こういう筑波への引き抜き人事などによって中堅職員に結局のところしわ寄せが非常に強くなっている。こういう点が出ておりますので、事務職員の振りかえ計画の手直し、こういう点を検討していただきたい。また、東京教育大学については第三次定員削減などということをこの間三年間やめていただきたい、こういう要望がございますけれども、あわせてひとつ御答弁願いたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 第一点の統合移転をやり、筑波大学を整備してまいる経過におきまする予算の関係の点でございますが、具体で昭和四十九会計年度のことでお答えいたしますと、いま御指摘のように、教職員の定員が移る、学生定員が移るということだけで割り切れない現実の問題が生じてございます。 〔委員長退席、理事久保田藤麿君着席〕 その点につきまして私どもも両大学の事務局からその状況を聞き、若干の経費につきましては、一応筑波大学の方の予算ということで枠を筑波大学に一応配当してありますが、それを両大学の事務当局間の実情にあわせまして東京教育大学の方へ若干振りかえるという措置が一つ。それから、それでも処理できない経費の問題が東京教育大学等にもございますので、それにつきましては国立学校特別会計全体の中で東京教育大学の文学部に追加の配分を行うということで、四十九年度これもやってまいりました。この点は一応予算の積算の仕方そのものは教職員の定員なり学生の定員なり講座の数なり、そういうものを員数とし、一定の単価を乗じまして積算をいたしておりますので、五十年度の今後の問題につきましても、ただいま申しましたように、両大学間の経費のやはりスムーズに移行できるような計画のもとにその間の両大学間の協力を求めると同時に、文部省としましても、国立学校特別会計全体の中で、この点いろいろと困難な経費上の問題もあろうかと存じますが、よく両大学と御相談をしながら私ども責任を持ってやってまいりたいと、かように考えております。 それから、第二点の学生の教育を両大学において円滑に実施していただきまするための配慮といたしまして、先ほど申しましたように、定員でお移りになる学部のみならず、両者間の併任という形も両大学で相談しながらやっていきたいと、こういうことも申し上げました。さらに、いま具体のお尋ねとしまして、特に東京教育大学の文学部における教官の定員を、これは埋めるというむしろ問題としてお尋ねがございましたが、この点につきましては先生も御案内のように、筑波大学の発足に至るまでの経過におきまして文学部の中でいろいろな議論があり、いろいろな経過がございました。ただいま東京教育大学の文学部の教官のいわゆる昇任人事につきましては、四十九会計年度で数名の方の昇任人事をすでにやっておるようでございますが、約二十人の方につきましての人事について文学部教授会の方から一つの人事の案がただいま東京教育大学の評議会の方で検討中と聞いております。この点につきまして、文部省といたしましては、やはり両大学における研究教育が支障なく進行してまいりまするために、東京教育大学の評議会とされても文学部のいろんな事情等も勘案の上できるだけスムーズな人事が展開するようにということも私どもは要望しておるところでございます。 〔理事久保田藤麿君退席、委員長着席〕 それから第三点としまして、事務職員の労働強化の点を一体どうするかというお尋ねでございましたが、これにつきましても、教官定員の場合も同様でございますが、学年進行により東京教育大学の方の教官、事務職員が減っていって筑波大学の方がふえるわけですが、事務職員等が移っていく移り方は均等に四年分の一ということでやるのはやはりよくないということで、〇・五、一、一、一・五という比率の学年の進行の移り方を考えまして教職員の方の定員を移しておるところでございます。移転関係の経費、移行関係の特別な経費がどうしても要りますので、これにつきましては、筑波大学の方にそういう移転とか移行とか含めまして約一億六千万円の予算計上をしております。そういった経費は筑波大学と教育大学が引っ越すわけでございますので、この辺の執行の問題等として十分対処してまいりたいと思います。 特に東京教育大学の方の事務の方の労働強化につきましての御指摘もいただいたわけでございますが、この辺は私どもも東京教育大学の事務局の方と今後その推移につきまして密接に連絡をとりながら、特に事務的な面につきましては、これは文部省を通じまして私どものまさに全責任でございます。その辺はただいまの御注意も承りまして一層実情に応じました努力をしてまいりたい、かように考えます。
○加藤進君 きょうは細かい質問ができかねますので概括的なことになると思いますけれども、ともかく五十三年までは、大学でございますから一人の学生がいてもその学生を育てる責任は文部省にある。こういうのが国立大学の趣旨でございますから、その点において大学の研究教育条件、そのために働かれる教職員の状態、また、それから関連する予算の措置等々につきましても、これは十分現状に見合ってひとつ御配慮をいただくようにぜひとも文部省のお考えを願いたいと思いますが、その点について重ねてもう一度お聞きしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 基本的に東京教育大学の統合移転から筑波大学の新大学の整備ということが既定方針どおり円滑に行われまするように、十分のそういった点につきましての努力をいたしたいとかように考えております。
○加藤進君 富山の医科薬科大学の創設という問題が今後の設置法の中に出ておりますね。これがまた富山大学にいままであった薬学部、和漢薬研究所が今度分離されて、そして富山医科薬科大学の創設になるわけですね。その間やはりいままでせっかく一緒に育ててきた大学の主要な部分が今度はほかの大学に持っていかれるということなどは通じて非常にいろいろやはり大学内部にも問題が出てきておるというふうに私は見ておるわけでございますけれども、一体どういう経過で、この薬学部が分離されていくようになるのか、その点の若干の経過を御報告いただきたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 新しい医学教育機関をどういう形で創設するかということにつきましては、いろいろな議論があり、いろいろな考え方がありましていままで経過してまいりましたが、富山の場合で申しますと、富山県におきまする医学教育機関につきましては、薬学関係者の間で医学と密接な関連を有する富山大学の薬学部と和漢薬研究所との関係を十分考慮した医学教育機関の創設がよろしいのではないかという一般的な富山県の中に背景が一つございます。それは富山県が有数の薬業県であるせいもあろうかと存じます。経過を御報告申しますと、五十年の概算要求を八月末で取りまとめたわけでございますが、概算要求を取りまとめますまでの間、各大学といろいろな御意見を聞いたりするわけですが、昨年の七月五日に富山大学の部局長懇談会で、もし富山医科大学ということであるならば、富山大学が直接意見をまとめて何か申し出るというような必要はないけれども、一体富山医科薬科大学構想というものが富山大学の内部で一体どういう議論に相なるのかということで、七月五日に部局長懇談会が行われておるようでございます。 引き続きまして、七月十九日、薬学部教授会で審議、七月二十二日、薬学部及び和漢薬研究所の合同教授会で審議、さらに二十五日の審議を経まして、七月二十六日に、薬学部並びに和漢薬研究所各教授会で、富山に置かれる医学教育機関の創設に参加しようではないかという決定が行われました。この薬学部、和漢薬研究所両教授会の決定を受けまして評議会で審議するということがありまして、七月三十一日、評議会におきまして富山医科薬科大学構想を決定し、新しい医学教育機関の創設にそういう形でやはり参加を薬学部、和漢薬研究所がしたらどうかと。こういうことで、七月三十一日の評議会決定の報告を私どもも受けましたので、文部省といたしましては、八月末におきまする五十年概算要求に当たりまして医科薬科大学の構想で要求をさしていただいたと、そういうことでございます。 なお、補足いたしますと、その間におきまして文部省は富山大学の方に一体何か意思表示等をしたかということでございますが、文部省といたしましては、やはり非常に伝統のある薬学部、和漢薬研究所が富山大学から出るということについては富山大学内部にもいろんなことがあるであろう、しかし、新しい医学教育機関を富山につくるに当たって、非常に伝統ある薬学部、和漢薬研究所が新しい医と薬との連携をした研究教育の実績をそこで存分に発揮されることを求める上からも、医科薬科大学の構想というものについてひとつ検討してほしいということを、私どもの方からも富山大学の方にお願いを正直いたしました。 ただいま御報告申しましたように、七月三十一日に評議会で決定を見ましたので、それを受けまして予算要求をし、ただいま国立学校設置法の改正案ということで審議を煩わしていると、こういう経過でございます。
○加藤進君 富山大学の関係者、とりわけ各学部の教授会、これは事前にその点では了解というか賛意を取りつけておるわけでしょうか。
○政府委員(井内慶次郎君) 各学部の方に、ただいま申しましたように七月二十六日に薬学部、和漢薬研究所両教授会の決定を評議会で審議いたしておりますが、その間、各学部におきましても、各学部の教授会において検討が一応なされております。その各学部の状況は、薬学部並びに研究所の教授会の意向がぜひ医科薬科大学ということであるならば、それは薬学部並びに研究所教授会の方の問題としてそれでよろしいのではないかといった御意見とか、あるいは特に教養部等におきましては、富山大学から薬学部、和漢薬研究所等が新しい大学として出ていくことにつきましては、雰囲気としてはやっぱり消極的な意見が強かったように私どもも様子を聞いております。そのように、各学部によりまして若干の、正直この問題につきましての教授会での状況は異なっておったようでございます。ですが、最終評議会におきましては、薬学部並びに和漢薬研究所教授会の意見がそういうことであるならば、富山大学としては評議会でその線をやはり決定しようではないか、こういうことになったのではないかと思います。ただ、学部によりましてはやはり状況が異なっておったというふうに一応私どもも聞いております。
○加藤進君 富山大学の関係者の皆さんは、富山大学を総合大学として発展させたい、こういうことをやっぱり念願しておられたことは御承知のとおりだと思いますが、いま富山大学の学部といえば文理、教育、経済、薬学部と工学部という五学部ですね。工学部だけは別のところにあります。そういう点で、工学部は近い将来移転して一つのキャンパスに統合することになっている。そこへ医学部がもし設立されるならば、これで六学部となって総合大学としての名実ともに新しいスタートができる、こういういわば希望を持っておられたと私は聞いております。ところが、このような方向での努力の途中から、医学部ではなしに医科大学に切りかえられたと。でさらに四十九年七月に、薬学部も加えることが文部省から伝えられたといわれています。 最初に、昭和四十九年七月二十六日ですが、薬学部、和漢薬両教授会で審議決定はされましたが、その時点では評議会やその他の学部では全くそのことが知らされていなかったと、こういうことが私たちへの報告にありますけれども、これは事実なのかどうか。また、薬学部、和漢薬両教授会の決定の後評議会にかけられて、七月三十一日に評議会で分離が決定された、こういういきさつがあったということを私は聞いています。その間、七月二十六日から三十一日の間にその他の教授会では十分審議が行われないまま、その中には批判的な意見が教養部、工学部等では強かったと。こういう状況が内部に出ておることも私たちは聞いています。そういう状況がとにかくありながらなおかつ、強引にというのか、七月三十一日に評議会で決定が行われたということの中に、今後、富山大学あるいは新たに創設される大学の行く手についてさまざまな不安的要素が存在するのではないか。これは、筑波大学、そしてさらに廃学を決定される東京教育大学等々の例から考えましても、この点については十分に学内における合意を取りつけるような努力を払っていくのが必要ではなかったんであろうか。こういう点について、文部省の御見解を簡単にお聞きしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 薬学部、和漢薬研究所各教授会での審議並びに薬学部、和漢薬研究所におきまする教授会の決定、それから臨時評議会の決定、各学部の教授会で検討した経過等は、先ほどお答え申し上げ、なお、いま先生が大体何日にどういうこととおっしゃったとおりだと思います。 それで、文部省といたしましては、先ほど申しましたように、医科薬科大学という構想について富山大学としての意見を取りまとめられたらぜひ実務的に検討してほしいという要望は私どもいたしました。しかしこれはあくまでも富山大学自体が御判断なさることでございますので、その決定を受けて、私どもが富山医科薬科大学の構想で走ってまいったというのが経過でございます。 なお、ただいま御指摘もございましたが、富山大学としまして、多年、高岡の工学部を富山五福地区に移転するという問題を持っております。かつ、文理学部を一体どう今後拡充改組するかという問題も持っております。こういったふうな富山大学自体の拡充整備の問題、特に今回の薬学部、和漢薬研究所が新しい医科薬科大学としてこの創設に参加していったことによって、富山大学自体の拡充整備という問題も十分に私どもも考えていかなければならぬ問題であると、かように考えておるところでございます。 なお、総合大学の医学部でいくか、単科の医科大学でいくかということにつきましては、いろいろな見方があり、メリット、デメリットがあろうと思いますが、先生御案内のように、国立の医学教育機関は従前ほとんど全部医学部でやってまいりました。単科医科大学におけるメリットというものを何とか新設医科大学については出したらどうかという私ども意欲を持っておりました。その意味におきましては、たとえば講座編成を弾力化するとか、医進課程も含めました六年一貫教育を可能ならしめるとか、そういったいろんなメリットも積極的に求めていきたい、かつ、単科大学にしますと、ややもすると、一般教育でありますとか、他学部教官との連絡協力が不十分になるのではないかというデメリットがございますが、単科の医科大学あるいは単科医科薬科大学等におきましては、あぐらをかくと総合大学の医学部の場合と比較して研究教育の進め方においてデメリットが出てくるという点を当初から十分意識して、むしろ富山大学と新しく創設される医科薬科大学とが十分な協力のもとに今後前進をしてほしい、そういう気持ちで私どもは医科薬科大学の構想でいまお願いをいたしておるところでございます。
○加藤進君 次に、新たに創設される富山医科薬科大学の管理運営の問題について簡潔にお尋ねしますから、簡潔にお答えいただいて結構です。 まず第一に、副学長は置かれるのかどうか。それから第二の問題としては、参与を置かれるかどうか。その参与を置かれる場合に、当然のことながら大学の意向に基づいて参与を置くということを条件とされるかどうか。それから、人事委員会を置かれるかどうか。そういう点を含めて、筑波方式をおとりになるのかどうか。こういう点について、簡潔で結構でございますけれどもお答え願います。
○政府委員(井内慶次郎君) 新設の医科大学の場合、副学長は全部置いてまいっております。富山医科薬科大学につきましても副学長は置く方針でございます。 それから参与につきましては、新設医科大学の場合、各大学の定めるところによりまして若干人置くということで、参与も置く予定にいたしております。 人事委員会という構想は一切ございません。
○加藤進君 だから、筑波方式の方向でとにかく大学の管理運営を進めていく、こういう意向でございますね、一言で言えば。
○政府委員(井内慶次郎君) 筑波大学の意向というよりも、先ほども申しましたが、特に富山医科薬科大学の場合で申しますと、従前、医学部が設置されていない薬学部の唯一が国立大学では富山でございました。富山大学の薬学部並びに和漢薬研究所ではぜひ臨床部門が欲しいという非常に強い要請がございました。その意味では、新しく置かれまする富山医科薬科大学につきましては、学部附属病院というところから大学附属病院にむしろして、医学部と薬学部が両者がみずからの病院というふうな運営の仕方も一つではないであろうか。そういう意味で、副学長の一人は医療担当ということで、これは両学部にまたがる病院ということで、そういうふうな特色も発揮してまいりたい、かような考え方を持っております。
○加藤進君 先ほど私は東京教育大学の例を出しましたけれども、ともかく分離移行するという仕事はなかなかの難事業だということでございまして、十分なその点についての配慮が必要です。とりわけ教職員の身分保障の問題、それから薬学部を初めとする富山大学の研究教育条件をどうさらに保障していくか、こういう問題もありますが、そういう点について文部省としても具体的な配慮をどのように考えておられるのか、お答えいただきたい。
○政府委員(井内慶次郎君) 富山大学につきましては、先ほども申しましたように、工学部の富山地区への統合という問題とか、文理学部の改組の問題とか、こういった具体の問題を今後大学側の御意向もよく聞きながら御相談をしてまいりたい。 それから、医科薬科大学の方におきまする、特に薬学部並びに和漢薬研究所の充実の関係でございますが、これにつきましては、富山の医科薬科大学に置かれまする、たとえば附属病院において、たとえば薬剤部というのを皆置いておりますが、それに対して薬学部教官の積極的な参加を求めるとか、さらに、和漢薬研究所が持っておりまする和漢薬に対するいままでの知識経験というものを附属病院の診療の中にも最大限生かしていくような構想等も私どもは目下大学側の方とも御相談をいたしておりまして、医科薬科大学の整備につきましては、ユニークな、いままでの和漢薬研究所や薬学部の蓄積されてこられました研究教育の実績が十分新しく生きてくるようなそういう形での、従前の医学部附属病院の形から相当斬新なものをぜひ実現さしていただきたい、こういうことでただいま関係者と協議を取り進めておるところでございます。
○加藤進君 いま申し上げました富山大学あるいは富山医科薬科大学の創設という問題は、これは地方における国立大学の本当の振興ができるかどうかということの一つの今日のテストケースといってもいいではないかと考えておりますが、その意味では、全国の大学関係者の皆さんは言うまでもなく、今後大学に入学しようという諸君においても非常な大きな関心を持たれている。こういう点から見ましても、いま指摘しましたような点について十分文部省としての配慮と努力を進めていただきたいということだけを申し上げておきます。 三番目の問題として、愛知県の豊橋市に今度創設される予定の技術科学大学院ございますね。今度は調査費がついたはずでございますが、大学院の問題についてお尋ねしますが、技術科学大学院の構想というのは一体どんな構想なのか、簡潔にその構想をお聞きしたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 技術科学大学院につきましては、主として高等専門学校の卒業者を対象といたしまして、実践的技術の開発を主眼とする教育と研究を行う大学院レベルの高等教育機関としたい。その研究の体制なりあるいは教育の体制なりにつきましては、社会人の継続教育や再教育の機関としての役割りも果たし得るようなできれば開かれた大学院にいたしたい。主として高専関係の卒業者を対象とされておりまするが、短大卒でございますとか、社会人等に対しまする再教育の機関としても考えてまいりたい。入学定員は約三百、教育年限は大学院修士課程を設置するという立場で二年。なお、高専卒とそれから大学院卒との間に二ヵ年間の期間がございますので、この点をどうするかということでございますが、ただいまのところ、大学院修士課程に相当する二年と学部の後期に相当する二年と、いわば大学院への前期課程、進学課程のようになろうかと思いますが、修業年限四年ということで考えて、この技術科学大学院の卒業生にはもちろん修士の学位を授与する、こういうことでただいま技術科学大学院の教育課程並びに施設等の調査会を設けましてさらに構想の具体化を図っております。 技術科学大学院の全体の取り進め方はおおむね以上でございますが、四十九年、五十年にかけまして一応技術科学大学院の問題を具体に考える場合に、その候補地として愛知県豊橋と新潟県長岡を創設準備の予定地として私どもは目下検討いたしておるところでございます。
○加藤進君 そうすると、いまでも長岡も検討中ということですね。そのことと、もう一つは、豊橋の科学技術大学院はいつごろをめどにして発足される予定なのか、その点をお聞きしたい。
○政府委員(井内慶次郎君) 豊橋と長岡と、創設準備を二ヵ所で取り進めております。 それからいつ創設をするかということでございますが、これにつきましては実は四十九会計年度、今会計年度、豊橋で具体的に申しますと四つの候補地がありまして、それをいろいろと検討いたしまして、おおむね一ヵ所にただいましぼっておりますが、候補地に対しましていま地元県、市の方で地権者との折衝等も取り進めていただいておりますけれども、土地の確保並びに土地の造成等の物理的なスピードの問題等も勘案しながら今後の検討を進めてまいりたい。五十年度は、私どもとしましては、もし土地の確保ができますればこれに基づきます施設の全体計画といいましょうか、基本計画といいましょうか、そこまでは五十年度中にぜひやりたい。五十一年度以降の問題につきましては、今後の準備の進行状況に応じまして私どもは判断いたしたい、かように考えております。
○加藤進君 そうしますと、この大学院はどういう管理運営体制でいくのか、簡潔で結構でございますから管理運営体制の問題を伺いたい。
○政府委員(井内慶次郎君) いま私ども、先ほど申しましたように、その教育研究の内容の方をいま調査会でどんどん詰めておりますが、修士課程レベルの大学院が設置される、それからこれに進学するための二年の課程が設置されるということで、学部と大学院が学部と大学院というものでなく、大学院が設置されて、それの進学の課程という新しい形になります。それで、その管理運営の問題につきましては、おおむね既存の大学院修士課程研究科があり、研究科委員会、研究科のいわば教授会でございますが、研究科の委員会がありまして、そして各専攻ごとにさらにいろいろな研究教育が行われていくという、大体通常の大学院修士課程のパターンになるのではないだろうかと思っておりますが、なおこの点につきましては、修士課程とこれに進学する二年の課程という、そこのところが新しい姿になりますので、引き続き検討をいたしたいと思っております。
○加藤進君 「国費のほか、多様な公共資金や民間資金を導入」するというのがありますね、資金計画の中に。これはどういう意味ですか。
○政府委員(井内慶次郎君) 四十九年三月十五日に「技術科学系の新高等教育機関構想に関する調査会」という調査会から私ども報告をいただきました。この報告の中におきまして、この技術科学大学院を設置しこれを運営していきまする際に、「多様な公共資金や民間資金を導入しうるようにすることについて検討する。」という事項がございます。文部省の方では、ただいまどうやって土地を確保し、施設整備計画を立てるか、あるいは研究教育の内容を一体どういうふうにするかということに目下全力を挙げておりまして、多様な公共資金や民間資金導入云々という点につきましては具体の私どもまだ検討いたしておりません。この点は、技術科学大学院というものが、工業高専等を卒業された方がそれぞれの職場に一遍出られて、そしてさらに、ここに来て勉強される場合があるでしょうし、また、現に短大等を出て技術者としてすでにやっておられる方がお帰りになって再教育を受けられる場合もあるでしょうし、そういう意味では、従前の高専とか工学部以上にやはり産業界との接触とか、そういった面の非常に特色があろうかと思います。こういった点は状況を見ながら今後具体の問題として検討をしていくべき課題かと思っております。
○加藤進君 そこで、教育研究組織として、これは技術科学系の新しい大学院の構想についてこの中に触れておりますけれども、「従来の学部、学科あるいは大学院研究科のあり方にとらわれず」と、こう書いてございますね。これは一体どういう意味なのか。これは教育と研究を分離するということを意味するのか、その点ひとつお聞きしたいということ。 それから、同時に、この大学院は筑波方式をとられるのか、あるいはとらないとされるなら筑波方式とどんなところが違うのか、その点の特徴をもしわかればお聞きしたい。
○政府委員(井内慶次郎君) 技術科学大学院の研究教育の組織の問題でございますが、従前、大学院あるいは大学の組織の基本の形が学部、学科というものが存在して、学部、学科の上に大学院の専攻が乗るというのが通常のパターンでございました。今回の場合は、技術科学大学院の場合は、研究教育の組織としまして、学部というものを前提としないという点が非常に状況が異なっておりますので、大学院修士課程レベルのところの研究教育の組織の仕方をどうするのが一番研究・教育の実績を上げる上に役立つであろうかという観点から考えていくべきであろう。それで、学生の履修コースという関係からの観点と、教官の方々が所属されるグループといいましょうか、研究グループの観点とその二点をうまく織りなしながらやってまいらなければならないと思っております。それで、修士課程大学院の場合は研究科に教授会が置かれ、各専攻が大体いままで学科とほぼ同じような運常をやっておられましたので、これは前例ございませんけれども、私どもやはり研究面と教育面がうまくミックスするような形で研究教育の体制がとられることが望ましい、かように考えております。 管理運営の組織につきまして、いわゆる筑波方式をとるかどうかというお尋ねでございましたが、管理運営の問題等、ただいま申しましたように、あくまでも目的とする研究教育の内容を一体どういうふうにしていくか、その目的に沿いました組織がどうあるのが最もベターかというところから目下検討を進めておりまして、あらかじめある結論を想定しておりませんので、もう少し私どもの検討の時間をいただきたいと思います。
○加藤進君 そうすると、この大学院は学校教育法から言うとどういう組織と見られるのか、これは法改正を必要とするような組織ではなかろうかというふうに私は思いますけれども、その点について。
○政府委員(井内慶次郎君) 御指摘のように、現在の学校教育法のたてまえは学部を置くことを常例とし、原則といたしておりますので、学部を置かないで大学院を設置するものを大学といたしますためには、学校教育法の改正を基本において要します。その意味で、いわゆる学部のない大学院、通常独立大学院というような言葉でも呼んでおりますが、このための学校教育法の改正も先般衆議院の方に提案し、いま衆議院文教委員会の方で御審議をいただくことになっております。
○加藤進君 そこで、今度は設立準備が大体どういう程度に進んでおるのか。私は予算を見ますと昭和四十九年には約千五百万円、五十年には四千五百万円ついておりますけれども、この準備はどんなに進んでいるかということを簡潔に御報告いただきたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 四十九年と五十年の最大の相違点は、先ほど申しましたように、施設につきましての基本的な計画までは少なくとも五十年中につくりたい。その点の経費が増加をし、また、それを担当するような技術者も創設中に要員として考えておる、そういう点が最大の四十九年と五十年の前進したところでございます。
○加藤進君 私は豊橋に参りまして、この大学院の敷地として予定されておるところを見て参りました。豊橋市では相当一生懸命に取り組んでいる、準備も進んでおるわけでございますけれども、いま豊橋市として一体どれくらいのところまで準備が進んでおるのか、その点の御判断はいかがでしょうか。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいま豊橋市の方では用地の確保の問題につきまして、地元の地権者との先行取得ということで買収の折衝を取り進めていただいております。これにつきましては、豊橋市と、それから愛知県と文部省と三者でよく協議を進めながらやってまいらなければならないわけでございまして、近くさらに県市も含めまして今後の取り進め方を協議してまいりたい、かように考えております。市の方におきましては、非常な熱意を持ちまして御助力を迎いでおります。
○加藤進君 豊橋市の市役所にはちゃんと大学院のための対策部と申しますか、そういう部までつくられておりますね。そして私の調べたところによりましても、学校の建設の用地として天伯地区に三十五万九千八十五平米、こういう用地がとにかくいま御存じのとおり決定しています。ほかに道路として八千三百二平米、こういうのがちゃんと予定されておるわけでございます。すでにその一部は仮契約も終了していますね。これは書類があります。全体として、九十三%は了解を得て確保されている、こういう状況でございますけれども、この点はもちろん文部省としても十分その状態を御認識していただいておるわけですね。
○政府委員(井内慶次郎君) いまお話のありましたような全般の進行状況、私どももその都度最大に、的確に把握をいたしております。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま、中沢伊登子君、鈴木美枝子君及び宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として中村利次君、野々山一三君及び戸田菊雄君が選任されました。 —————————————
○加藤進君 そうしますと、やはり文部省としても豊橋市の努力もあって、大体用地の確保のめどがつきつつあると、そういう意味では天伯地区に建設するという方針は、これ変わりませんね。
○政府委員(井内慶次郎君) 先ほど申しました文部省の調査会がございますが、調査会の委員の方々にも現地を御視察いただきました。この地区で考えることが適当であろうということに大体調査会の方の意見もいただいております。この地区で、私ども創設準備を今後も県、市とも御相談して取り進めてまいりたい、かように考えております。
○加藤進君 用地としては大体どれくらいの用地を確保しようという文部省としてのお考えでございましょうか。
○政府委員(井内慶次郎君) この点は、ただいま地元の方で努力をしておられまする面積が、先ほど御指摘のように約三十五万平米ということでございますが、文部省として、技術科学大学に、豊橋市の場合に、面積をどの程度を最終、国として責任を持って確保すべき面積とするかという点につきましては、なおいろいろな意見がありまして、目下なお協議中でございます。
○加藤進君 ともかく、地元ではこれくらいの熱意を持って地元の誘致と申しますか、大学院の用地の確保に努力しております。ただ、そこで問題が起こるのは、それだけの努力をして用地の買収などをやっておるけれども、果たして国の方はその点についての完全な買収費の負担、この負担をしてくれるのかどうか。地元からの持ち出しが出てくるのではないかという不安を持っていますけれども、その点についてこの大学院の創設について必要な費用は地元に負担をさせません、国の方で全部この点についての負担をいたしますとお答えいただけるかどうか、この点をお聞きしたい。
○政府委員(井内慶次郎君) ただいま地元で先行取得について努力をいただいておりますが、地元が先行取得をされる土地につきましては、当面は有償で借り上げるということでいかざるを得ないであろう、しかし、どれぐらいの期間をかけてどういう計画にするかということは、これからいろいろな方面と文部省としても相談をしてまいらなければならぬわけですが、将来しかるべき計画をもって国が取得するような検討をぜひやってまいりたい。そういった点も含めまして、県、市ともこれから相談を詰めてまいりたい、そういうことでございます。
○加藤進君 具体的に聞きますけれども、平米あたり国の方では二万八千円というふうに、言っておられるようでございますね。ところが、現地で用地を取得するためには三万三千円、こういう値段が出されておるわけでございますけれども、もしこういう三万三千円でなければ用地が取得できないといった場合に、国の方ではその差額についてどんなふうにお考えになりましょうか。その点は、やっぱり国の方で負担いたしますというふうに言われるのでしょうか。
○政府委員(井内慶次郎君) 個々具体の単価の問題でございますとか、総体面積の問題でございますとか、この辺につきましてはなお県、市、文部省、いろいろとまだ協議が始まったところでございます。これからの協議の進行を見たいと思いますので、個々具体につきましてはいまちょっと判断を申しかねます。
○加藤進君 ただ、結論的にまず地元の方でぜひともこの点は確かめてほしいといわれておる点は、いろいろな理由やいろいろな条件はあるだろうと思います。しかし、国立の施設を誘致するために地元は努力している、努力をしながらなおかつ地元の持ち出しゃ負担がかかってくるようでは、これはもう地域住民の立場から見てもきわめて残念であるというような点が強く言われておるわけでございますけれども、この席でそのような地元の御心配はかけません、こういうことはお約束できるでしょうか。
○政府委員(井内慶次郎君) 地元の方とよく相談をして対処してまいります。
○加藤進君 相談をしてという意味は、これは全部とにかく国の方で責任を持ちますというのではないということにもとれるのですけれども、どうですか。
○政府委員(井内慶次郎君) この点は、実は先生も御存じのように、いろいろな問題が生じてございます。国立の大学等を創設いたします際に、文部省の力だけでは土地の選定、確保等が非常に困難でございますし、公共の関連の土木工事等を考えましても、地元の協力を仰がざるを得ない。特に最近は、エネルギーサプライの経費とかいろいろございます。こういった点につきましては、それぞれの地元でやはり御協力をいただいております。で、土地を確保し、施設、設備を行い、学校としてスタートを切るまでの間、切ってから、学年進行が完成し、一つの学園として整備するまでの間に、医科大学でありますと六ヵ年を要します。技術科学大学院の場合は、もし学年進行でいくとすれば四ヵ年を要するわけでございますが、どれくらいの期間をかけてどういう形で国として地元の方に御協力をいただいた分を、実質、国が取得するように努めるか、また、その間の地方団体の原資をどうするか、こういった問題等も含めまして、市、県の協力も仰ぎたいということで引き続き関係者の協議を持とうといたしておりますので、その際私どもの気持ちといたしましては、もちろん地元の方の積極的な協力をぜひ得たいと思いますが、今日の地方財政の状況でもございまするし、いろいろな状況を勘案いたしますと、国の方でやはりできるだけそのしかるべきときに、しかるべき計画で、国の方が取得するということをぜひやりたいものだ、こういう気持ちで対処をいたしておる、こういうことでございます。
○加藤進君 重ねて私は確めたいと思いますけれども、気持ちだけでは困るわけです。とにかく大学及び国立の教育施設をつくるといった場合に、少なくとも、この施設のために大変地元に御苦労をかけるわけなんだから、苦労は苦労として、とにかく負担についてまで、地元に御心配はかけぬというくらい、やはり態度を初めから持っていただかないと、十分協議してその点については解決を図るように努力しますというような努力目標では困るわけでございますので、その点重ねてもう一度明確にしていただかないと、地元の方ではさまざまな波紋が起こってきますから、その点ひとつ明確にしてください。
○政府委員(井内慶次郎君) 文部省としての立場、文部省としての考え方、文部省としての努力の方向はただいま御答弁申し上げたとおりでございます。これにつきましては、やはり政府部内におきましてもいろいろなところとの協議も要しまするし、その意味でまずは県、市とのわれわれは協議を取り進め、さらに政府部内でのいろいろな協議も取り進めてまいらなければならぬ、そういう状況にあることをひとつ御理解賜りたいと思います。
○加藤進君 了解はまだできません。この点はやはり今後とも十分に見守っていきますし、県、市と申しますけれど、結局は市なんです。豊橋市なんです。こういう点は十分に文部省も御存じのはずでございますから、市の意向を十分尊重しながら、しかもいろいろ協力していただく点では協力してもらい、同時に経費負担については、国費をもって責任持つ、こういうけじめだけはひとつ明確にしていただきたい。これはもう重ねて要望しておきます。 最後に、この技術大学院の構想については、もうあとまだ再三にわたって私は内容をただしていきたいと思いますけれども、高専自体の場合は、何らこれによって解決されるものではない。高専をどうするのか、こういう点につきましては、非常に不満が多いことは恐らく御存じのとおりだと思います。今回の大学院も、それが大きな動きになってきていることも事実でございますから、そこで、文部省としましても高専自体のあり方について、この際再検討をする、こういうような用意があるかどうか、その点だけ最後にお聞きして質問終わりたいと思います。
○政府委員(井内慶次郎君) 高専の問題につきましては、ただいま入学定員約一万人をもちまして高専が運営されておりますが、高専の教育内容につきまして、いろいろと検討すべき課題ありというふうに文部省も考えます。いま関係者で研究会を持って検討をいたしております。その主眼といたしますところは、余りにも高専の教育内容が個々の生徒にとっての選択の幅がなさ過ぎた、こういう点がまず非常にひとつ指摘を受けております。そういう意味で高専教育の内容というものがややもすると固定化し、画一化しておるきらいがございますので、今日の諸状況に照らしまして高専教育の内容をいかに弾力性を持たせるか、いかに各高専の生徒の側の方の選択の幅というものも認めていくかというようなことで高専教育を生き生きとしたものに改善してまいりますために、これをどこをどう改善したらよろしいかということをただいま文部省も鋭意取り組んでおるところでございます。
○加藤進君 終わります。
○委員長(内藤誉三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。 久保亘君から委員長の手元に自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党以上五党共同提案による修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 久保亘君から修正案の趣旨説明を願います。久保亘君。
○久保亘君 私は、ただいま議題になっております国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党並びに民社党の提案にかかる修正案について御説明申し上げます。 修正案の案文はお手元に配付しておりますので、省略いたします。 修正案の趣旨は、本法律案の施行期日を「公布の日」に改める、これに伴う在学年数の計算について必要な経過措置を定めようとするものであります。委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(内藤誉三郎君) 別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、久保君提出の修正案を問題に供します。 久保君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤誉三郎君) 全会一致と認めます。よって、久保君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤誉三郎君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十四分散会 —————・—————