農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/05/08
会議録
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十五日、高橋邦雄君、上條勝久君、坂野重信君及び中西一郎君が委員を辞任され、その補欠として青井政美君、園田清充君、平泉渉君及び鈴木省吾君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐藤隆君) 次に、農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○工藤良平君 農振地域の整備に関する法律について質問してまいりたいと思いますが、その前に一つだけ、これは林野庁長官にお伺いをしたいことがありますので、本題からそれますけれどもお許しをいただきたいと思います。 それは、御承知のように九州、特に南九州一帯にシイタケのほだ木の害菌が出ておりまして、この問題、私どもの地域といたしましても非常に重要な問題でありますので、この点について若干御意見をお聞きしたいと思っておるわけでありますが、現在、農林省として被害状況をどのように把握していらっしゃるか、ごく簡単でよろしゅうございますが、各、よその県との関係もありますからお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいま御質問ございましたように、熊本、大分、宮崎の県境でございますけれども、それを中心といたしました山間部の方にヒポクレア属菌というのが出ておりまして、大変異常発生いたしておりまして、シイタケ原木に被害を与えておるわけでございますが、各県、私どもと一緒に調査いたしたのでございますけれども、三県で原木の伏せ込み量は約四十五万立方ございますが、そのうち一八%の八万立方程度が被害を受けているのでございまして、被害金額といたしますと約二十億円という大きな金額になっております。特に、被害額で申し上げますと、熊本が約三億、大分が七億六千万、宮崎約十億というようなことでございまして、大変大きな被害を与えておる実態でございます。
○工藤良平君 この被害が発生をいたしましてから私どものところにも、この対策についてのいろいろな陳情がございまして、もちろんそれは菌そのものに対する基本的な問題と同時に、融資その他に対する具体的な対策というものがあったと思いますが、その点について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) 私ども、林業改良指導員とか、あるいは関係団体を通じましていろいろ被害防止策等につきましてもそれぞれの対策を行っているわけでございますが、まず被害木の処理でございますけれども、病気にかかりましたほだ木と健全なほだ木を早急に隔離いたしまして、健全なほだ木につきましては環境のいい伏せ込み地に移していくというのがまず一つでございます。また、現在そういう被害の出ていないところにつきましては、管理の関係から下草の刈り払いとか枯枝の除去というようなことで通風をよくするというようなことを指導いたしておりまして、今後の指導といたしましては、害菌の発生いたしておりますところは伏せ込みを避けるとか、あるいは環境条件のいいところを選ぶとか、あるいは適期——一月とか三月にもかかりますけれども、そういう適期に伏せ込みを行って管理を十分するというようなことを被害防止策、被害木の処理といたしましてはそういうことを考えておるのでございます。 なお、助成策でございますけれども、全体的な助成策につきましては関係県と現在詰めながら相談申し上げておるのでございますが、長期低利資金といたしましては、御承知のとおりの農林漁業金融公庫資金の中での過疎地域経営改善資金と、あるいは系統した資金といたしましては農業近代化資金というようなものを用意いたしておるのでございます。 それからなお、参考まででございますけれども、宮崎県では昨年、原木を県外から購入いたします場合に、高くつくということでそれに差額を補給するという意味で、補助金を三百六十万円とか、あるいは農業の近代化資金の利子補給といたしましても三百六十万円程度というようなものを用意いたしておるのでございます。 さらに原木の対策でございますけれども、なお現在は伐採時期でございませんので、いま直ちにということではございませんけれども、御承知のようにパルプ産業が大変不況でございまして、従来ですとそこで原木の競合が起こるわけでございますが、いまのところそういうことはございません。競合するというところまではまいっておりませんが、私ども、時期になりますとそういうことも起こるという心配もございますので、すでにシイタケの原木需給調整協議会ということで、南北州四県と営林局とを含めまして、国有林も含めましてそういう会議を開いております。さらに長期的に見ますと、やはり原木問題というのが出てまいりますので、五十年度の予算で特用林産物生産流通改善対策事業というものが認められておりまして、そこでシイタケ原木の造成、あるいは御承知のような一般造林についてのシイタケ原木林をつくるための手厚い助成というものを、多少各県違いますけれども、それぞれ造成に対する助成をいたしておるのでございます。 以上でございます。
○工藤良平君 まあ応急対策としては、そのような措置をとりながらこのシイタケ産業の育成というものを図っていかなきゃならぬと私も思っております。特に農産物の輸出が非常に少ない現在の日本の農業の中で、やはりシイタケ産業の持つ役割りというものは、そう大きな額ではありませんけれども、私はやっぱり重要だというように実は考えておりますし、特にいまのように農業が行き詰まった状況の中においては私は非常に重要視すべき問題だと思っているわけです。 そこで、さらにお聞きをいたしますけれども、当時この陳情を受けましたときも、私どもの県等におきましてはまだその原因がはっきりわからない、こういうような御指摘がございました。確かに非常にむずかしい問題だと私も思っているんですが、そこで、これはたしか四十二年の暮れから四十三年だったと思いますけれども、種こまの不良活着の問題が出まして、私もずいぶん各地を駈けずり回りましたし、この問題は国会で、衆議院でありましたけれども取り上げられたことがあるのですが、その当時のことを私は実は思い起こしまして、いろいろと文献なりその他を調べて見まして、もうすでに十年近くになるわけですけれども、その当時、種こまの活着不良の問題は、ただ単に一時的な問題ではなくて、これは菌そのものが持つ本質的な問題があるのではないかという指摘がございました。しかもそれが、特に日本の南部から徐々に北上してきているというような指摘がございまして、私もその点についていろいろ調べたことがあるわけですけれども、そういった意味から考えまして、今回のこの雑菌というものがその菌の本質、いわゆる諸元的な問題から追求をされていって、この三県で集まって研究されていると、先ほどお話のようなこの病原菌というものが発見をされて、それに対する対策というものが抜本的に講ぜられるという状況にあるのかどうか。それとも、もっと諸元的な問題について私たちが菌の本質からさかのぼってこの追求をしなければならない未知の分野というものが相当残されているのではないか。したがって、そういう部面についてどのような解釈をされていらっしゃるか、その点をこれからちょっとお聞きをしてみたいと思っているわけです。
○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいま先生の御質問にございましたように不良種こま事件、一名でございますけれども。大分県と静岡県に出たことがございます。それを契機といたしましてヒポクレア属菌でございますけれども、そういうものがシイタケの種こまの製造の過程で、あるいはその流通の段階で、原因がこういう種類のものであるということが、実ははっきりいたしたのでございます。その後、いろいろ国立林業試験場あるいは各県でもそれぞれ研究を続けて助成もしてまいっておりますけれども、現在私どもがわかっておりますものは、ほだ木に発生いたします種類が四十二種ございます。そして、特にナラ、クヌギというほだ木に発生いたしますのが二十種あるということで、研究はそのようになっておりますが、特に高温多湿あるいは土壌の問題ということと、三点が絡みましていろいろ異常発生するというようなことがございます。 ただ、私ども、ただいま御指摘がございましたように、国立の林業試験場におきましても菌類研究室がございまして、諸元的なそういう研究をいたしておりますけれども、この菌類の研究というものは非常に分野も広いことと、その学習の数とかいうようなこと等もございまして、なかなか十分でないという分野でございますけれども、私どもただいまも申し上げましたような研究を続けながらこの種の研究を進めておるわけでございますが、このたび発生いたしましたそのヒポクレア菌の中のどの種類であるかというところまではっきり現在は判明していないというのが実態でございまして、これの解明と、それの生態病理の解明あるいは薬剤防除とか、そういうもの等を含めて今後研究をしなくてはならぬ、かように考えているところでございます。
○工藤良平君 私は、この問題を契機にして踏み込んでいただきたいというのは、ちょうど八年前にも同じような議論をいたしたわけですけれども、実は農林省の内部におきましても、このシイタケ菌の研究というのはごくもう少人数に限られている。正直申し上げますと二、三の人しかいないというふうな状況で、この点についてはきわめて手薄であるという、当時お話がありました。私は、その点についてはぜひ重厚な、厚い研究層を開発をしていただきたいということを申し上げてまいったわけなんですが、当時私いろんな資料をいただきました。先生のところに今度参りまして、何日かお話をいたしました。そのときに問題になりましたのは、私どもが、このシイタケというものを生物として正しく解釈をするということ、このことがいまもう一遍考えられてしかるべきではないのかということが指摘をされたわけなんです。これは十年前にこのことが指摘をされているわけでございますけれども、と言いますのは、現在のこのシイタケ栽培というものが、自然の成り行きに任せた。いわゆる自然の胞子が飛んで来て——山に私ともが、なるべくシイタケ菌が付着しやすい、繁殖しやすいような、いわゆる木の種類を選んで自然に伏せ込みをして、それに自然の胞子が入ってでき上がるという形をとってまいりましたけれども、それから結局いまの種こまというようなものが技術的に開発をされてきた。したがって、ほんとうに菌そのものの生物としての正しい解釈の上にそれが組み立てられてきたのかどうかということが実は問い直されてきたわけでありますが、そういうことがいま長官がおっしゃるような、現在発見されている雑菌の種類がその上に基づいてなされてきたのかどうか。そういたしますとおのずからそれは目の前に雑菌があるわけでありますから、菌の分離もできましょうし、その対策もできる、こういうことになるのですが、その点についてはまだ不十分な要素を持っているのか。特に菌学の問題については、未知の、まだ開拓しなければならない分が相当部分あると私どもは実は学問的には聞いているわけなんですけれども、そういう点についてはどうなんですか。
○政府委員(松形祐堯君) このヒポクレア属菌でございますけれども、確かに御指摘がございましたように、また、先ほど私がお答え申し上げましたように、菌類の研究というのは非常に十分でないというふうな感じかするわけでございます。ただ、こういう種類の菌といたしましては青カビとか、コウジカビと同じカビ類の仲間でございまして、全国いろいろ調べておりますけれども、土壌の中に全般的におるわけでございまして、しかも、これは葉緑素を持たないものでございますから、ほかのものに寄生いたしましてやっと生きていくという性質のもんでございまして、菌の寄生菌であるということでございます。したがって、こういう面の研究というものが今後なお続けて解明されなくてはならないわけでございますが、特にこのたびの発生の場所あるいは気象条件、そういうものの解明を現在続けておりまして、しかも四十二種あるうちのどの菌であるということをいま解明を急いでおるわけでございまして、それらの生態等を一層含めまして今後一層研究してまいるつもりで現在予算等も準備いたしておるわけでございまして、今後、各県とも十分連絡をとりながら有機的な研究が進展いたしますよう努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
○工藤良平君 どうもそれから先、話が戻って余り進まないわけですけれども、私はこのように思うわけです。たとえば、このシイタケ菌と雑菌の問題、これは栽培技術上の問題、たとえば菌の輸送の途中の問題とかあるいは実際に山で菌を打ち込むという過程の中で、いまより土壌の中の雑菌が入ったりというようなことのそういう技術的な問題と、さっき私が申し上げましたように、菌そのものが持つ特性としての諸元的な問題としてこの問題を深く追求をしていくという二つの面があるだろう、このように思うわけです。私が聞いている範囲では、これは栽培技術上の問題も若干あるかもわからないけれども、しかし、将来にわたって菌そのものの性格そのものを私たちがやっぱり諸元的に研究していくということがなければ将来シイタケ産業というものが壊滅するのではないかという指摘が実はなされております。 そこですでに指摘をされておりますけれども、栽培技術上の問題といたしましては、たとえば、木材腐敗菌との関係ですね、いわゆる木材、そのものに腐敗菌がついているという場合ですね、そういう場合が一つ考えられる。あるいはまた、木材の占有競争の相手である他の木材腐敗菌、いわゆるクヌギとかあるいはナラとかいうその植菌をする材木そのもの、それからもう一つは、他の木材から起こってくる腐敗菌の問題、それからもう一つは、シイタケ菌そのものを侵す病原菌があるのではないかという問題ですね。それからもう一つは、シイタケ菌と他の生物との相関関係に基づいて起こってくるのではないかという問題、こういう問題がいろいろと諸元的な問題として考えられてくるわけですね。ですから、こういうことが一体今度の研究過程、いわゆる原因究明の過程の中で明らかにされつつあるのかどうか、そこまでは手が届いていないのか、あるいはどの部面までは手が届いているというのか、その点を少し明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいまお話ございましたように、ほだ木そのものの腐敗、あるいはそれ以外の木材から入ってくる腐敗菌、あるいはシイタケ菌そのものに付着する雑菌、あるいはいま問題になっておりますヒポクレア菌とか、それぞれいろんなものがあるわけでございますが、現在私ども、これを契機といたしまして、先ほどもちょっと申し上げました生態病理の解明というのが一つの項目になっておりまして、必ずしも私いま十分ではないと思いますけれども、そういう生態病理というものがはっきりしてこそ、それを駆除するあるいは防除するための薬剤の開発とかいうようなものが出てくるわけでございますから、当然、生態病理の解明というものが私ども先行すべきであると、このように考えておりますけれども、現在なおそこまではいってないというのが実態でございます。
○工藤良平君 ちょっとくどいようですけれども、もう少し私お聞きをしたいと思うんですが、いま私が申し上げましたように、木材寄生菌とか、あるいはシイタケ菌を植菌をしたり、いろいろ栽培する過程の中で相関関係の中から被害が出てくる、あるいは活着不良なり雑菌の問題が出てくる、こういうような栽培技術上からきたものであれば、それは栽培技術上の問題としてそれを防止していく対策というものは実用されていくわけですね。そのことはかなり具体的にいま実用化されている部面があります。ところが、シイタケ菌そのものを侵すいわゆるトルコデルマ対策はまだ完成をされていないということを当時言われておりました。ですから、相当未知の部分がある。したがって、そのために徹底した究明というものが必要だと、この諸元的な問題と技術的な問題を二つ分けて私たちとしては見ていかなきゃならぬということを指摘してきたわけですね。ですから、その特に前段の部分、技術的な問題についてはかなり開発されているということですね。ところが、諸元的なシイタケ菌そのものを侵すトルコデルマ対策についてはまだ完成されていないと、こう聞いている。それで、いまの特に菌学関係の中で、人間に対する、病気に対する菌学というのは非常に進んでいるわけですけれども、シイタケ菌というそのものに対する諸元的なものがあまり進んでいないんじゃないか。非常にもう希少価値のように研究家が少ないわけですから、そういうふうに私ども理解しているわけですが、その部分は確かに、まだ未知の分野としてかなり残されているということになると、それに対する対策をどうするかということになっていくわけですね。そこの辺をちょっともう少し明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) ただいま御指摘ございましたような栽培技術上の過程としての問題というものはある程度解明されつつございますけれども、トルコデルマの菌そのものというようなことに対する研究というのは十分でないと、こういうふうに私ども聞いておるわけでございます。今後五十年度から五十二年度にかけまして私ども予算化いたしておるわけでございますが、本格的に取り組んでいこうと、こういうことを考えているわけでございます。
○工藤良平君 それでは、もう少し話を進めたいと思いますが、いまお話のように、諸元的な部分についてかなり未知の世界が菌の問題についてはある。それを特に私ども、さっき申し上げましたように、この人間の病原菌学については徹底した、非常に広範な、しかも厚い層の研究というものがなされているわけですけれども、このシイタケ菌の問題については、先ほど私が申し上げましたように、なかなかそこまでいっていない。特に近ごろシイタケ菌の活着率が年々低下している、こういうようなことが言われておるわけで、これはシイタケ菌そのものの劣化現象が非常に強くなっている。そうすると、それをどういう形で防止をしていくかということが、私は、非常に大きな問題として提起をされなければならないと、このように実は思うわけですが、その劣化原因というものも、内部的な因子と外部的な因子のかみ合わせであるという想像がなされておるわけでありますから、そうすると、それはかなり広範な知識を体制的に集中的に与えることによって問題を引き出していくということにならざるを得ないだろう。このように私は実は思っておるわけで、したがって、この際に問題になりますのは、この先生も指摘をしているわけですけれども、このシイタケ菌に対する寄生的適応性の獲得は一体どうなっているのか。これは専門的な方はおわかりだと思いますけれども、たとえばもう少し具体的に言いますと、シイタケ菌は自分で有機物を合成することができずに、原木等の有機物に寄生をするわけですね。寄生をしていくわけですから、そのシイタケ菌に他の菌が寄生的適応性を獲得するということは十分にあり得ることですね。いわゆるクヌギならクヌギというものにシイタケ菌が寄生をして繁殖をしていく。したがって、他の原菌がそれに寄生をしてシイタケ菌を駆逐していくような状態というものも当然考えられていくわけですね。これを寄生的適応性の獲得ということで学問的には言っておるようですが、そういうようなことがこの人間の世界でもありましたように、たとえばこの発疹チフスとか、あるいはそのほかの伝染病が非常に局部的に発生をしていくということが起こってまいります。シイタケ菌も同じように、人間に対する一つの病原菌を他の病原菌が駆逐をしていくというような状態が起こってくるという可能性があるのではないか、その部分を私どもとして引き出していくということが非常に大事ではないかということを指摘をしているわけですね。ですから、そういうことを、現在の段階で解明はされていないけれども、解明される重要な部分だと、このように私は当然解釈すべきではないかと思うのですが、そういう点についてもう少し御説明していただきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) ただいまお話のございましたように、シイタケそのものが菌でございますし、それにまた寄生をして生きていくというのがこのヒポクレア菌でございます。したがって、先ほどちょっと申し上げたのでございますけれども、薬剤等によるこの予防とかいうようなことの実験の過程で見てみますと、いまのそういう薬剤に対しての抵抗性というのはヒポクレア菌の方が強いというような点がはっきりいたしておりまして、したがって、これを予防するにいたしましても、そのシイタケ菌そのものが死ぬというような感じがいたしております。この有機物の寄生菌でございますから、こういう研究というものが、やはり基礎にあって、そしてそれに抵抗する、あるいはそういうものに耐えて発生できるような新しいシイタケ菌というものを開発していくとか、そういうことのためにも、いま先生おっしゃったようなことが解明されなくてはならない、かように考えておるわけでございます。
○工藤良平君 これであまり時間をとっても本題がありますから、私は、もうちょっとでこれ終わりたいと思いますけれども、これの資料を、私、提供してもいいと思うんですが、この菌の非常に諸元的な問題については、私は、さっきから再三言っておりますように、研究の分野はまだずいぶん残されている。したがって、それを徹底的に追究をしていかないと、たとえば菌の培養が弱いとか、あるいは古いとか、管理が悪いとか、そういうものではないもっと諸元的なものがあるわけですから、その点についてはぜひ徹底した研究をし、対策を講じていただきたい。それと同時に、これは諸元的な問題であるだけに、徹底した追究が行われれば、その原因というものは究明をされる。その証拠には、現に、目の前に病原菌というものがあるわけですから、それを分離をする、さらにその実験を繰り返しながら普及実験を行う、あるいは抵抗性の菌いわゆるシイタケ菌よりも強いものが出てきていくわけですから、それに対して抵抗性の強い菌の培養をやる、いわゆる耐病性の菌類の育成というものが非常に重要になってまいります。さらに、現在開発されている一つの方法としては、完全殺菌方式という方式を採用して、すでに量産体制に入ろうという具体的な事実もあるわけでありますから、このような完全殺菌方式というのは一度雑菌に侵されたといたしましても、それを完全に一〇〇%完全殺菌することによって、もう一遍植菌をしていけば、シイタケの栽培を一年ぐらいたっておりましても、シイタケ栽培ができるというようなところまで実は技術開発が行われているわけですね。これはいま言ったように、従来からありましたそういうものを私どもが摘出をして種こまをつくり、植菌をして培養していくというやり方と違って、諸元的な問題として開発されたものになってくるわけですね。それと、そういう具体的な技術というもの、学問的な研究というものが進められている事実があるわけなんでありますから、こういうものを実はぜひ引き出して大事にしていかなきゃならぬ。こういうふうに思うわけで、この点についてはこの前、大臣にも私はバガスの研究の問題で、民間にそういう非常に進んだ研究があるということを申し上げてまいりましたが、そういうものをどう引き出してやるのかということです。 私が知っている、これは柴立政務次官も御存じだと思いますが、昔の鹿児島農高を出た方で、まだ五十三、四歳ですが、高校の先生をしながらも三十年間、菌の研究をやって、正直、ある高校の、女子高校生の便所を菌の研究室にして研究をしたという、非常に苦労して積み上げてきた研究家なんです。しかし、こういう人たちは、財力があるわけじゃなし、自分の努力の積み重ねによって今日のこのような諸元的な研究をさらに追究する中で、病原菌の原体をつかもうという努力をなさっているわけです。しかし、これにはもちろん電子顕微鏡があるわけじゃありませんし、資金もないというふうなことから、開発しようとしてもその目の前に手が届きそうになっているけれども、それが容易にあらゆる面からできないという実は状態にあるわけで、私は、やっぱりそういう意味から、この問題を契機にして予算委員会で申し上げたわけですが、そういう民間の研究家を何らかの形で手助けをしてやろう、それがいま具体化される寸前にあるということになりますと、私はメンツとかなんとかということじゃなくて、日本の、特にシイタケ産業にとりましては非常に重重な、私は課題だと実は思っておるわけですね。さらにヘドロとかあるいはバガス、私、この前申し上げましたバガスあるいは稲わら、こういうものをシイタケの原木がわりに使っていくというようなことが開発されているわけですね。バガスやあるいはヘドロにつきましても、シイタケ菌に食わせることによってシイタケができなくなりましたら、後は家畜の飼料に向けられるというところまで実はいっているわけです。 そういうことを私ども考えてみますと、これを契機にいたしまして、八年前に私が指摘をいたしました諸元的な研究、これはもちろん、まだ未知のものもありますけれども、具体的にいま目の前でそれをつかみ得るというような状態まであるということを考えあわせてみますと、ぜひ、この点については何らかの私どもの技術の改善政策としても必要ではないだろうか、こういうように考えておるわけで、この点についてはぜひ長官、それから大臣も積極的な私は対策というものを講じていただく必要があろうと思うし、あるいはまた、これは極端に言いますけれども、研究家なんというのは私が見てもそうなんですが、周囲の人たちから見れば何か気違いじみたような感じを与えております。それが気違い扱いされ、日本の国内でそのりっぱな技術か生かされずに、よその国——台湾やあるいはカナダ、そういうところに行って、シイタケの大量生産ということを考えざるを得ないという状態が生まれているということを私は非常に残念に思うわけです。そういう意味から、ぜひこの問題については、後ほど私、資料を差し上げてもよろしゅうございますけれども、何とか救って有効に生かせるようなものはないのか、そういう方法をぜひ考えていただきたい、こういうように実は思っておるわけで、その点を最後に申し上げまして、この問題については終わりたいと思います。ぜひひとつ長官、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) ただいまいろいろ御指摘、あるいは御意見等賜わったのでございますが、御承知のように、私ども国あるいは都道府県、あるいは民間でも一つの研究所を持ってやっていらっしゃる方もございますし、先生御指摘のように、一人でこつこつと地道な菌そのものの研究までしていらっしゃるというような方々等いらっしゃるわけでございまして、そういうそれぞれの分野におきます研究というものがやはり有機的に結び合って、お互い情報を交換しながら、あるいはそういう基礎的なデータを交換しながら、一歩でも前進されるということが、これは研究のためにも必要でございますし、また、シイタケ産業そのものの育成にも非常に大事なことでございます。私ども、大分県のその先生の調査研究というようなものにつきましても十分生かして使わしていただきたいと思うのでございます。そのためにも、その先生の研究結果というようなものを十分調査さしていただきまして、たまたま、私どもの農林省の技術会議に農林水産業特別試験研究費というものがございます。これがございますので、その先生の研究の目的、内容とか、緊急性とか、そういうもの等を十分しんしゃくいたしまして活用する道がございますので、なお、先生の研究等につきましても、私どもなりに調査さしていただいて、生かせるものなら十分生かさしていただきたい、このように考えるわけでございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いろいろと専門的な御質問でございまして、私、十分理解できない点もあるわけでございますが、しかし、シイタケの栽培におきまして、その菌についてまだまだ未知、未開の問題がずいぶんあるということは理解できるわけでございます。 私は、やはりシイタケ産業というのが、林野の活用という面からだんだん今日大きな分野を占めておるわけでございますし、今後ともシイタケ栽培を積極的に進めていかなければならないということで、農林省としても予算措置等も、年々、これを拡大をいたしておるわけでございますが、そうした未知の技術開発等の問題につきましては、これは林野庁で研究開発をしていくというだけではなくて、やはり民間の方々の研究に対しても積極的に連絡をし合うといいますか、御協力も申し上げて、両者が有機的な結びつきを持ちながら、お互いにシイタケ産業の発展に努力をしていくべきだと、こういうふうに考えるわけであります。そうした隠れた民間の技術等につきましては、今後ともひとつ林野庁に対しても積極的な協力をするように私としても指示をして、そしてシイタケ産業の発展を図っていきたいと、こういうふうに考えるわけであります。
○工藤良平君 シイタケの問題はこの程度で終わりたいと思いますが、最後に、いま私長々と申し上げましたけれども、この諸元的な問題を解決してやらないと、シイタケ産業は壊滅をするという状態がくるということをすでに指摘されているわけでありますから、ぜひこの点については早急な対策を、できればどなたか専門家でも派遣をしていただきまして——これは吉井さんという方です。これは柴立さんは御存じだと思います。鹿児島農高を出た方で非常に熱心な方ですから、ぜひ私は非常に有効だと常々、もう十年来の、まあ私は三十年来になるわけですけれども、長いおつき合いでやっておりまして、非常に貴重だと思うのです。しかも、それがシイタケ菌に食わしたヘドロやそういうバガス——この前バガスは言いましたけれども、飼料として有効に適用できるということでありますから、これはまた大変私は重要な問題だと思っておるわけでございますから、ぜひそういうことで措置願いたいと思います。 それでは農振法の方に移りたいと思いますが、時間がかなり制約されておりますから、実はゆっくりやりたいわけですけれども、そうはまいりませんですから、主なところだけこれから拾い読みをしていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 これは通り一遍の質問でありますけれども、この農振法の今日までの、農振法ができましてからの推移ですね、そしてまた同法、今回の農振法の改正というこの一連の問題ですね、これはもちろん客観的な非常に大きな変化等も、地価の上昇、あるいは農業の現在のような状態というものがありますので、その改正の要点ということになったと思いますけれども、その最も主要な点についての御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 農振法ができまして以来、内地といいますか、沖繩を除きまして農業振興地域の指摘、そしてまたその指定を受けました市町村におきます振興計画の樹立、こういうことに重点を置いてこの法律の施行に当たってきたわけでございます。まあ現在沖繩を除きまして、当初予定いたしました三千二十四地域の指定を完了いたしまして、そのうち、この三月末現在で三千十三の地域につきまして農振地域整備計画の策定を終わっているわけでございます。そこで、これらの農振地域の整備計画に基づきまして、まあ農業施策を計画的、集中的に実施するという観点から、基盤整備に関する事業でありますとか、近代化に関する事業、あるいは保有の合理化に関する事業、こういうものにつきましては農用地区域を対象として実施する。また生活環境の整備でありますとか、農産物の広域的な流通加工近代化施設、こういったような事業につきましては農業振興地域を対象として実施するというふうに通達をし、また現実にそれを実施しているような現状でございます。 なお、沖繩につきましては、指定地域といたしまして、地域の指定については四十八カ所を予定しておりまして、これは五十年までに完了する予定になっております。そして整備計画の方につきましては、五十一年までの四年間に策定を完了すると、こういうふうなことで現在進んでいるわけでございます。 そこで、現在、先ほど申し上げましたように、三千二十四地域のうち三千十三、おおむね全国に農用地区域の設定を見、そして整備計画の策定を終わったわけでございますので、いまやこういう事態を踏まえて内容を充実を図ると、実のあるものにしなければならぬと、こういうふうないわば農振の本格的実施の時期に来たというふうに理解しているわけでございます。 他方、現在の情勢といたしましては、農村地域におきまして他部門との土地需要の競合がある。そういうことから地価の高騰を招いている、まあそういうこともありまして、農民の土地に対する資産保有的な傾向も非常に強まっているというようなことから、農用地の利用率が低下してくる。あるいは規模拡大といいますか、流動化が進んでこない、まあこういうふうな事態が一方にあるわけでございます。 さらにまた、国土利用計画法という、先般の国土全体についての合理的利用ということについての法律ができたわけでございますけれども、また、この国土利用計画法によりまして、農業地域の適正な位置づけと申しますか、それの計画的農用地の確保、こういったような問題が要請されるような事態になってきたわけでございます。こういうこと。さらに申しますならば、国民食糧の安定的供給といいますか、あるいは担い手の育成、こういうことに対します緊急性といいますか、これもさらに強まってきている。こういうような観点から、この際、農振法の全国的に網をかぶせた現段階におきまして、一つは農地の流動化を進め、そして担い手の育成を図るという意味から利用増進事業を行う。あるいは現在耕作放棄されているような土地に対しまして、最終的には特定利用権を強制的に裁定させる。あるいは農用地区域内におきます農地法の適用を受けない部分につきまして開発規制の道を開く、こういったようなこと。さらには、現在の農業の実態からいたしまして、単に農地だけではなくて農業用施設というものも農振計画の中に入れる。あるいは土地の交換といいますか、農用地の一部を多用途に供せざるを得ないということが客観的に見通されるような場合におきまして、いわば農業に意欲のある方々によって農用地が守られ、そして純化していく。こういうふうなことにするためには、必要あれば交換分合を農地だけではなくて非農地も含めて行える道を開く。こういったような五点についての改正をいたしたいということが今度の法律の趣旨でございます。 なお、これらによります利用増進事業その他につきましては、これがやはり現在の流動化の進まない原因というものにかんがみまして、農地法の特例を開いて法定更新の規定は排除する。そのかわりそれが市町村の関与のもとにその地域におきます所有者、利用者、これらの集団的合意ということの中において、実態的にはそれが継続安定的に利用されるという形におきます安定性を確保してまいる、こういうことによって規模拡大を図りたい。こういう趣旨で農地法の改正も、農地法の一部適用除外ということもあわせて考えたいというのが今度法律の改正に至った趣旨並びに内容でございます。
○工藤良平君 これは法律というのは大変ややこしいもので、本法がありまして、あといろいろな規則、規制、細則、さまざらなものを全部読んでいかなければならぬ。私はこの前から国土法の関係もずいぶん読んでみたのですが、なかなかわかりにくい。一遍や二遍じゃわかるものではありませんですね。ですから、きょうの議論も、大方こう私どもの頭の中にそういう関連でどういうものを描こうとしているのかということぐらいはつかまなければいかぬと思っているわけなんですけれども、そういうことで議論をしたいと思うのですが、いま説明によりますと、この農振法の趣旨というものは、主として農産物の安定供給というものを前提としながら、そのための一体農業経営をどうするのかということが一つと、それからもう一つは、したがってそれを進めるために他の土地利用との調整を一体どうするのかということですね。さらに、三番目には、土地の農業上の有効利用。四番目には、農業の近代化施策というものを推進していく過程の中でいろいろな障害が出てくる。そのものをやはりこの農振法によって、農地法でもなかなかゆるめられないところをこれでひとつかこっていこうじゃないかというような考え方が根本に流れているような、ごく簡単に言いますとそういうように私は理解をするわけでありますけれども、そういう観点に立って見ますと、それでは昨年通過をいたしました国土利用、いわゆる国土法との関係から国土利用計画あるいは土地利用基本計画、こういうものとの関連はどういうような重なり方というものをしていくのか。これをごく概略でいいですから、あんまりむずかしくなりますと、細則はどうの通達はどうのということになりますと大変むずかしくなりますから、大まかにそこら辺の関係を教えていただきたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 国土利用計画法におきましては、国土利用計画というかっこうで全国を五つの地域に分ける、こういうことに相なっているわけでございます。そこで、一つは都市地域であり、一つは農業地域であり、さらに自然保護地域、それから自然公園、森林地域と、この五つの地域に分ける。そして、それらの地域におきます土地利用のあり方なり、それらの土地の利用の調整を図ってまいる、こういうことが主な内容に相なるわけでございます。 それから、もう一つは土地の利用規制をやってまいる、こういうことが国土利用計画法において考えられている内容でございます。 そこで、国土利用計画法とわれわれとの関係で一番大きく関係してまいりますのは、やはり農振と国土利用計画に言います農業地帯あるいは重なります都市地域との関係、こういうことに相なろうかと思うわけでございます。国土利用計画法によります国土利用計画ということにつきましては、これは全国なり都道府県なり市町村がそれぞれの区域について基本的な構想あるいは区分ごとの目標あるいはそれらの事項を達成するための措置、こういうことを講ずるわけでございますので、その国土利用計画におきまして、全国計画なり都道府県計画の中で、国民食糧の安定的供給を確保するために必要な農用地の確保ということに遺憾のないようにしなければならぬというふうに考えるわけでございます。 そこで、利用計画でつくられます農業地域と、それから都市地域、それから農振の関係でございますけれども、この農振法によりますれば、市街化区域あるいは用途地域というものはその対象としない。こういうふうに前から決められているわけでございますが、都市地域におきます市街化調整区域というのは、今後長期にわたって市街化を抑制すべき区域である。こういうようなことから、これは農振地域あるいはその中でも特に将来、優良農用地のあるようなところにおいては農用地区域を設定してまいる、こういうふうな考え方に相なるわけでございます。 国土利用計画の内容として、もう一つわれわれと関係を持ちますのは土地の取引に関する関係でございますけれども、土地の取引に関する問題につきましては、これがいわば契約ベースにおいて土地の取引に対して、規制地域においては許可、そして、その他の地区については届け出を要する。この際に、いわば農地法的なものとの調整の問題がございます。で、その点につきましては、担当部課の間におきまして農地法的なチェックということを、将来いわば所有権の移転等の問題が出てきた際の農地法の適用というような観点からの移転の調整をしてまいる、こういうことに相なろうかと思います。まあ非常に問題が広い話でございますので、とりあえず国土利用計画法と農振あるいは農地法との関係の問題を御説明した次第でございます。
○工藤良平君 その説明で余りよくわからないのですけれども、たとえば国土利用計画というのが大きくあって、概略の地域の目標を立てる。その中に土地利用基本計画というのがあって、都市地域、農業地域、あるいは森林、自然公園、それから自然保全ですか、それらの五つの地域に分けている。その中でさらに細分化された形で農振法というものが農業を中心のサイドから囲っていくと、こういうようなことになっていく。したがって、かなり重複した部分が出てくるんだけれども、そういうような、単純に言ってそういう理解でいいのか、どうか。だから、詳細にやりますと、あとでいろいろ問題を出しますけれども、ごく簡単に言うとそういうような理解の仕方ぐらいでいいのかどうか。余りむずかしく言いますとわれわれはわからなくなりますから、みんなにわかるような形で考えてみて、どうだろう。
○政府委員(大山一生君) 国土利用計画法によりまして国土をとにかく五つの地域に分ける、こういうことでございます。そしてわれわれとの関係におきましては、その都市地域あるいは農業地域というものが主としてわれわれとの調整の問題になってまいる、こういうことでございます。そこで、農地法なり農振法というものは、原則的にはその都市地域あるいは農業地域に対して適用してまいる、こういうことに相なるわけでございます。
○工藤良平君 そうしますと、具体的にお聞きしましょう。たとえば、都市地域という一つの指定がある、国土法でこれは都市地域でございますよという枠をはめた。その中で農業としては残っておる地帯がたくさんありますね、あると思います、現実に。そうすると、それは農振法では農業をここはやるところですよということは、もう絶対あり得ない。それはもう転用とか、そういうものについても自由に、都市地域に指定されたところは自由でございますよと、土地の利用とか、そういうものは一切自由でございますよというような単純な理解でいいのかどうか。だから都市地域としてこの指定はされているけれども、その中で緑地なりそういうものがさらに細分化された形の中で残されていくというのか、どうか。その点を簡単にひとつ説明していただきたい。
○政府委員(大山一生君) 都市地域というのは、市街化区域と市街化調整区域とから成り立っているわけでございます。そして、市街化区域あるいは用途区域というものにつきましては、生産、緑地というような制度はございますけれども、農地法のたてまえからまいりますならば届け出でと、所有権の移転等は。というかっこうに相なっております。そして、その市街化区域なり用途区域というものについては農振は適用になりません。しかし、それらの市街化区域以外の市街化調整区域、これは今後とも市街地化することを防止するところでございますので、この地区については、これは農業地域あるいは農用地区域というものを設定して、そしてそれらの土地についての優良農用地は確保してまいる、こういうことに相なるわけです。
○工藤良平君 そうしますと、さっき言ったように、大きなこの抱え込み方をやっていって、その中にはいわゆる都市計画法に基づいた市街化区域、調整区域、農業区域と、こういうような形の分類がなされている。あるいは農振法から言いますと、そのいわゆる農振法の中で抱え込んだ、もちろん町部の住宅地域というものと、あるいは農業として振興していく地域というものとがそれぞれ交互に重複していくということになるんじゃないかと思うのですが、そういうような理解でよろしゅうございますか。
○政府委員(大山一生君) 都市計画法と都市地域という問題との関係でちょっとあれでございますけれども、要するに、国土利用計画法では一つの大きなガイドラインと言いますか、というようなものとして都市地域がある、それから、農業地域がある、それから森林地域がある、こういうかっこうになるわけでございます。そこで、ガイドラインとしての都市地域というものを今度内容としては何であるかということになりますと、都市計画法上の市街化区域と市街化調整区域と、その白地と、それもないところ、こういうことに相なるわけでございます。そこで、一方農業地域というのは農振地域は少なくとも含むようなところが農業地域でございます。したがって、都市地域と農業地域とは重なり合う部分があるわけでございます。で、それらのほとんどは重なり合った部分の、シビアな話になってまいりますと、いわば都市計画法と農振法という問題の話になってまいります。そして、その都市地域の中の市街化区域の線引きの問題、この問題が農振地域との関係において、あるいは何といいますか、農業地域との関係の問題として問題が出てくるといいますか、農業を振興する立場との調整の問題が出てまいる、こういうことに相なるわけでございます。
○工藤良平君 わかったようでわからぬわけですよ。ですから、いまおっしゃるように、国土法で一つの線引き、大きな網をかぶせるわけですね。その中に、おっしゃるように都市区域と言われるものの中にも、農業として残る部面、緑地として残る部面、そういうものまで国土法の中できちんと線引きを全部していくのかどうか。その部分は、農振という関係において、あるいは森林という関係において、あるいは都市計画法という関係の中において細分化されたものが、その下に若干重複はしますけれども、細部的なものがはまっていくというのか、その点が一体どうなるのか。これは法律上の問題で、いわゆる国土法が優先しますよ、という形で国土法で指定されたものと農振法というものとの両方の指定が重複した場合に、一体どっちが優先するかという問題も、後ほどまた、これは転用や何やかやというときに起こってくるわけですからね。だから、それが果たしてどういう形になるのかということをごくわかりやすく端的に説明していただきたい。
○政府委員(大山一生君) どうも説明がへたで恐縮なんですけれども、要するに都市地域というものは、その中身としては、都市計画法による線引きというような問題が都市計画法において起こるわけでございます。また、現にあるわけでございます。都市地域というものの中で緑地が幾らとか、それから何が幾らというようなかっこうではっきりした線引きをするような種類のものではございません。広く国土を分けて、都市地域、農業地域あるいは森林地域というふうに分けるわけでございまして、そういうふうな地域の中において都市計画法があり農振法があると、こういうかっこうでございます。
○工藤良平君 いや、私がそういうことを申し上げますのは、具体的に進める過程の中で、絵をかくだけならできるわけです、絵をかくだけなら。国土法で指定された都市区域はこれでございますよと、地図の上に図面をかいていくことはできるんです、それは。ところが、具体的に土地利用計画も、ともかく農業経営というものと都市サイドからの問題で、やはりかなりあつれきが出てくるわけです。と言いますのは、たとえば地価の格差がありますね、非常に大きな地価の格差がある。都市地域として指定されて、しかもその中の市街化区域として指定されたところ、あるいは調整地域あるいは農業地域として指定されたところは転用がなかなかむずかしいということになると、これは開発利益にいたしましても大変大きな格差が出るわけですね。格差が出ますから、なるべくおれのところは市街化区域に入れてくれ、農振区域じゃ困る困るということで、みんなやっぱり逃げるわけです。いつでも転用して高く売りたいという気持ちが前面に出てくるものですから、線引きよろしい、それは計画的にやらなければいかぬという総論には賛成をしますけれども、いよいよそれじゃ線引きをしてここの範囲まで含めますよということになっていくと、いやちょっとおれのところは困る、いや市街化区域に入れておいてもらわぬと転用ができなくなると困るじゃないかというようなことで、だんだん後ずさりしてまいりまして、農業地域というものが非常に狭いものになってくるという可能性がいまの一般的な傾向なんですから、私はいま言うようにこの二つの組み合わせというものが一体どういうことになっていくんだろうかと。まあ後で具体的に議論もしますけれどもね。その心配が実は、線引きの過程としては、いやこれは国土法ですよと、これは農振法でここは重複しますよということは、図面ではできるんです、色分けは。ところが、具体的にさてそれでは計画をどう進めるかということになると行き詰ってしまって、だんだん後ずさりしていって、線引きが遠くなってしまうというようなことが起こりかねないという実は心配があるもんですから、私はその点を議論をしているわけで、それはまあ漠然としたと言うとおかしいですけれども、まあまあかなり国土法で言うものは総体的な網であって、具体的な実施法になりますと、それじゃ農振法であり、都市計画法であり、森林関係の法律だという形になっていくのかどうか、その点をちょっとはっきりしておきたかったわけです。
○政府委員(大山一生君) いま先生が最後に言われました具体的な問題になりますと、農振法であり都市計画法に相なるわけでございます。
○工藤良平君 そうすると、たとえばいま言う都市計画法と農振法との関係で、農林省と建設省か——都市計画局とかちゃがちゃやると、それを裁判官みたいなもので、上から国土法がちゃんと構えておって、それはこうだこうだというようなことになっていくのか。それは全然別個のものとして、実際の具体的な実施の法律というものは、この都市計画法であり、農振法であると、こういうように理解をしていったらいいのかですね。それは後者の問題であって、都市計画法であり、農振法というものは具体的な実施の法律でありますよというように理解をしていけば、私はそれなりの議論をこれからしていきたいと思っております。
○政府委員(大山一生君) 国土利用計画法によりますと、国土利用計画法で都市地域なり農業地域を決めます。その場合に一つはっきりしておりますのは、農業地域というものは農振地域を中心として決めると、こういうことでございます。都市地域は、都市計画法による市街化区域あるいは用途区域と市街化調整区域というようなものを基準にして決めてまいると、こういうことでございますので、都市計画法で言う市街化区域の中に農業地域があることはあり得ません。そこで具体的に問題としてなってまいりますのは、市街化区域の線引きであり、それからもう一つは、農用地区域の線引きという問題につきまして、市街化調整区域におけるその問題が市街化調整区域内におきます農用地区域の線引きあるいは市街化調整区域を狭めて、市街化区域を広げようとする場合、こういうときにいろいろと問題が出てまいるということでございますので、具体的な問題は都市計画法であり、農振法であると、こういうことに相なるわけでございます。
○工藤良平君 ちょっとまだどうも、私はっきりしないのですけれども、まあゆっくり後で何かの機会にやりましょう。 そこで、私は、農振法と国土利用計画法というものを結びつけて考えた場合に問題となりますのは、農業者と農林省がいわゆる適正な利用規制をぴしりとやっていきますよということを、やっぱり物の考え方の根本としてやっていかなければならぬということについては、私は基本的に非常に国土法との関係においては大事じゃないかなということを先ほどから感じているのですが、その点はそのような根本的な理解でよろしゅうございますか。
○政府委員(大山一生君) 国土利用計画法で、いわば都市地域を決め、農業地域を決めるということ、この際にそれ自身においてはそれほどシビアな問題は私はないと思っております。ただ、現実に都市地域ということになってくると、簡単に申し上げますならば、都市地域の中に用途区域を指定されるべき市町村が三百六十八万ヘクタールほどある。しかし、その中で二百十三万ヘクタールはまだ何にもやってないというようなところがあるわけでございます。こういうようなところにおきまして用途区域を決めるということで、将来に踏まえた都市地域という問題と、それから将来といいますか、現に農用地区域なり農振地域を決めている私の方との調整の問題が将来出るわけでございます。ですから、この国土利用計画法で都市地域を決め、農業地域を決めるということ自身が、それほど現段階において大変な問題ではなくて、将来それに関連してそれの下位法と申しますか、下位法としての都市計画法による線引きが行われる場合、この際にわれわれといたしましては優良農用地の確保という観点から集団的優良農地でありますとか、基盤整備事業を施行中あるいは施行して間がないような地域というものは、どうしても優良農用地として食糧確保のために確保しておかねばならぬと、こういう観点で主張をしなければならぬというふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 どうも私はまだわからないんですがね。 じゃ、もう少し具体的にお聞きしてまいりましょう。この国土利用計画法、これはさっき言ったように大まかにいくんですが、たとえばそれじゃ、いわゆる都市区域に指定されたものの中においては、農業というのはもう全くなくてもいいんだ、緑地もなくてもいいんだということになるのかですね。だから、その大きな意味で囲った中に農業地域もあり、あるいは自然公園地域もあるということに、私は、こう点々となっていくだろうと思っているわけですね、実際そうならなければ都市というものは全く灰色の都市になってしまいますから。木一本だってそう簡単に切らせないぞという、西ドイツみたいにですね。一本の木を切るのにも、許可が大変厳しいというぐらいにしなければ、緑地というものは全くなくなってしまうわけですね。ですから、そういう意味で私は、この国土利用計画法というのは、有効に私たちの生活環境を守るための一つの大きなサイドで物を考えておる、というように実は考えておりましたから、だから具体的にそういうものが、ここには農家が残っておるんですね。そこに若干狭いですが、たとえば三ヘクタールとか五ヘクタールのあい地がある。これを農業という小規模であるけれども、開発することによってその都市区域の中にぽつんと農業が残る場合だってあり得るかもわからないですね。これはもう全く対象外でありまして、こんなものは一切お構いなしでございますよ、ということになるのか。しかし、それは大事に保存をするという意味で、狭いけれども自然公園区域あるいは農業用地としてそれを確保していこうとするのか、その間が野放しになるのか、具体的に言いますと。そういうことはどうなりますか。
○政府委員(大山一生君) 国土利用計画法で言います都市地域というのは、簡単に言っちゃいますと都市計画区域でございます。都市計画区域の中に市街化区域と市街化調整区域がある。市街化区域の中にも当然緑地というのはあるわけでございます。で、その総市街化区域における都市計画法による市街化区域内の緑地について先般生産緑地という制度ができた、こういうことでございます。 そこでもう一つ、都市計画区域の中で市街化調整区域と称するところは、これは市街化を抑制すべき地域ということでございますので、これはその中の優良農地等はこれは農地として将来とも確保してまいる、また都市サイドにおいても市街化を抑制する。逆に言うならば、都市計画的に言うならば緑地と言ってもいいのかもしれませんけれども、要するに、宅地にしないところということでございます。
○工藤良平君 そこら辺がわからなくなるんですね。そこら辺の説明がぼくはどうもわからなくなるんですよ。国土法で決められたその都市計画区域、いわゆる都市区域ですか、都市区域がいま言うように市街化区域と調整区域に分けられるというように単純に割り切っていいのかどうかというところにぼくは非常に疑問が出てくるわけなんです。都市区域というのはかなり広範な部面で線を引くわけですね。その中には農業もあり、いわゆる将来にわたって市街化区域になるという調整のために残した地域もあるということになっているのじゃないかと思うんです。それが画然ともう都市区域というものについては、市街化区域と調整区域だけだというようなことになると、将来これがいわゆる市街化区域がだんだんはみ出してきて、調整区域まて割り込んできて、いまむしろ——後でお聞きしますけれども、むしろこの市街化区域の中に残されている農地というようなものはそのまま放置されて、むしろ調整区域に集中的に開発が行われれているという、したがって、もう相当広範の部面にわたって灰色化してしまっているという状態を私は憂慮するがゆえに、いわゆる国土法で言う都市区域の中にも農業あり、あるいは調整区域ありという形で、若干は重複するけれども、そういう囲いになっているのではないか。画然と市街化区域と調整区域だけが都市区域だと、こう割り切っていいのか。そうするともう単純なんです。きわめて線引きも合致するわけですからね。しかし、そうじゃなくて、やっぱりかなりの部分がこう重なってきている。重なってきているがゆえに、現実の実施段階でむずかしい問題が私は起こってくるのじゃないかという、調整の問題が起こってくるのじゃないかという気がするわけです。その場合に国土庁、農林省、建設省というものが合い議をして調整をしなきゃならぬ部分というのは相当あるのじゃないか。単純に割り切ってしまえば簡単なんですね。都市区域の中には市街化区域、調整区域、それだけだということになれば、これはもういとも簡単なんですけれどもね。そうじゃなくて、ぼくはかなり重複した部分がある。あるがゆえに各関係省で合い議をしなきゃならぬ部分が実施の段階ではかなりあるのじゃないかということを実は心配しているわけです。そういう画然としたものじゃないのじゃないか。それがきちんと、図面の上にぱっと出せば、はい、わかりました、という簡単にいくものじゃないという気がするがゆえに実は心配しております。
○政府委員(大山一生君) 国土利用計画法によります国土利用計画というものがまだできておりませんので、土地利用計画におきましては、現在の諸制度というものを原則的に踏まえたかっこうで都市地域だとか農業地域と、こういうふうに分けているわけでございます。そこで、都市計画区域というものを原則的には都市地域、それから農振地域を農業地域と、こういうふうに分けているわけでございます。そこで、農振地域と都市地域の中の市街化調整区域とは非常に大きな面においてかぶさり合っているわけです。したがって、その間においては、都市地域であり農業地域であるところが非常な大きな面積において存在するというわけでございます。
○工藤良平君 まあいいでしょう。 まあいずれにしても、現在のこの農振法の趣旨というものがさっき私が申し上げました四つの基本的な点に集約されるとするならば、私は、特に農業者と農林省が農振法と国土利用計画法という関係においては、いわゆる農業サイドから考えるとかなり厳しい利用規制をしていくということが根本的に理念として流れていなければ、さっき申し上げましたように地価の問題とか開発利益の問題とか、そういう格差のために非常に所期の目的であるさっき言った四つの問題がゆがめられて、農業地域というものがだんだん外に締め出されていかざるを得ないという結果になるのではないかということを実は心配をしておるわけで、そういうことを基本に置きながらこれからの問題を考えていただきたいと実は思っているわけです。そうしなければ、たとえばこの線引きをいたしたといたしましても、いわゆるどのようにして農業に土地を利用するかということが具体的な裏づけとして出てこなければ、ただ単なる線引きに終わってしまって、何となくこう町村ごとに農業振興地域というものを三千何カ所か指定をしたいというようなことで、一向に具体的にならないという結果に私は終わるような気がいたしますから、そういう裏づけというものをこれからどういうようにしていくのかということが非常に重要な課題でなければならない。このように実は考えておるものですから、そういう根本的な理念を申し上げたわけです。 そこで、いま申し上げましたように、国土法が大きな網をかぶせるその中に、都市計画法、農振法、あるいは森林関係の法律というものがこう組み合っていって一つの国土の細分化された土地利用計画というものができ上がる、こういうように私は理解をいたします。その辺で理解をしたいと思うんですが、そういたしますと、これからの私は問題として、ややもいたしますと、大まかな土地利用計画というものが出てまいりますと、土地利用計画を具体的に進める過程の中においては、いわゆる大土地利用計画というものが非常に先行いたしまして、私どもの周辺を見てみると、小規模の土地利用というのが非常に残されているという現実を見せつけられるわけですね。国土が狭い、非常に農用地が狭いと、こう言われながら、目の回りには非常にむだな土地というものがたくさん遊んでいる。まだ一遍も手がけたことがないという地域がたくさんあるわけですね。それをやりたいと、こう思うけれども、それは個人的な資金でしかやれないというようなことから、ややもすると私どもが考えている農業として振興させなければならないものが回りに取り残されている、こう いう現実が私はたくさんあるのではないかという気がするんです。そういうことについて、実際に今後の国土法に基づいて、あるいは農振法に基づいた調査というものはたとえ小規模の、極端に言いますと一坪の遊休地も見逃さないぞ、という形の緻密な調査をして土地利用計画というものを完成する意思があるのかどうか。私はその点が非常に日本の場合に必要ではないかと思うんですね。 これはこの前も申し上げましたけれども、たとえば西ドイツのアルプ計画なんというものをいってみますと、たとえば五万分の一の地図がある。それをさらに番号を引いてまいりますと、それが二万分の一になり、あるいは五千分の一、千分の一、あるいは航空写真という形で一冊の本になって、どこでも、一つの土地でもわかるぐらいの綿密な計画というものがなされて、それに対して、長期的な土地利用計画というものが樹立されて、そして五年、十年という計画の中で中核農家をつくろうとすれば、それに対してどういうような手だてをやることによって一〇%の中核農家が、五年間に二五%になるというようなことが具体的に進んでいるわけですね。これは、そういうことまでこの国土法と農振法との関連の中から今後進めていくような計画をお持ちなのかどうか。
○政府委員(大山一生君) 先生御指摘の問題、これは国土利用計画法における調査としてそこまで細部にわたったものが全国的にすぐにできるということはあり得ないと私は思います。しかし、ガイドラインとして、いわば農業として振興すべきところ、あるいは都市としてあるべきところと、こういうふうなガイドラインのもとにおきまして、具体的な問題としては農振法であり都市計画法というかっこうにおいてそれぞれの土地調整が行われるものであるというふうに考えております。そこで、現在、農業地域、逆に言いますならば、農振地域というものの枠外に、あるいはその中であっても——農用地区域の枠外にそういったいわば開発適地があるという場合におきましては、これは今後の農振計画の見直しの過程におきまして、あるいは個々の事業の採択する過程におきまして、農用地区域の中に取り込むということによって対処してまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 その点は私は、特に両法の関連の中から考えられますことは、たとえば土地という問題が私権が非常に重要視されております。もちろんこれは現在の日本の憲法の中において、私権を無視するというわけにはまいりませんから、私権を尊重しなければならないわけですけれども、しかし、土地というものは私権を尊重すると同時に、また公益的な面も相当持っているわけでありますから、国土法の場合の基本的な理念というものは、やはり公益優先というようなことが根本として考えられているんじゃないか。しかし、具体的な実施法の段階になるとこれは私権というものが前面的に出てまいりますから、非常にその点は困難性を帯びてくるわけですけれども。したがって、小規模の開発というものを一緒に全体的な計画の中に組み入れてやるということはそういう意味では公益優先という面と、それから私権というものとの調整を一体どうするのかということが非常に重要な問題になってくるわけで、容易なことではないわけですけれども、しかも、今日までは小面積というのはある程度私権というものが優先的にずっと前面に出ておりましたから、それが開発の対象として非常にむずかしいという問題があったと思うんですね。ところが、今度の国土計画法等を見ましても、かなり私権の部分に対する公益優先という面が前面に出てきている。たとえば遊休地の問題等についても相当厳しい規制なり、囲い込みというものが行われようとしているわけでありますから、そういう点について、両法の関係の中から問題が起こってこないのか、その点はどうでしょう。
○政府委員(大山一生君) いま先生が具体的に国土利用計画法の遊休土地に関する措置という問題を御指摘になったわけでございますが、遊休土地という問題に対してそれが利用されないままに、ある場合において最終的には勧告し、そして買い取り協議に応じさせるという規定が、といいますか、措置が構ぜられているという点は確かに私権への一つの大きな制限をかけている、こういうふうに思うわけでございます。ところで、たとえば農振法で今度われわれが考えております特定利用権というような問題、これは見方によりますと、それは耕作放棄されている土地に限っての話ではございますけれども、その土地に対して、国土利用計画法の遊休土地は、単に買い取りの協議に応ずるだけだということに対して、こちらの方は知事の最終的な強制権によって裁定させる、権利まで設定させるというようなことにおきまして、むしろ公益優先といいますか、そういうところまで入り込んでいるわけでございます。もちろん財産権の侵害ということとの調整の上において、その利用のし方は共同利用に限るといったような制限は当然ついておりますけれども、上位法としての国土利用計画法が公益優先であり、その下位法に当たる個々の法律は私権的な規制が非常に強いということは必ずしも当たらないのではないだろうかというふうに思うわけでございまして、むしろわれわれは国土利用計画法の遊休土地に関する措置以上に特定利用権等においては私権の制限をしたいというのが今度の法律の趣旨の一つに入っているわけでございます。 〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
○工藤良平君 公益優先、それから私権の問題からそこまで、遊休土地まで発展をしましたから、先で質問をしようと思ったんですが、出てきたついでにその点に触れてみたいと思うのですけれども、国土法で言いますたとえば売買が行われる、これは宅地なら宅地として利用するという許可をとって、転用するという形で買いますね。そうすると、それは三年なら三年たってなお宅地として利用されていないという場合に、これは遊休土地として国土庁が指定をいたしまして、これを有効利用という形で何らかに使用させるという勧告をしていく、こういうことで進んでいくのではないかと思っているんですね。そうすると、農業の場合には農業者が、農業をやっている者が農用地を休ましている場合に、それを共同利用という形でその遊休地を利用することができますよと、その場合には特定利用権の設定をしてやることができますね。ところが、たとえばその農振地域の中にある特定の者が、いわゆる農業者以外の者が土地を求めて買い込んだと。これは農地か、それは農地じゃない、林地なりあるいは雑種地なり、そういうものがあったといたしますね。その場合には、たとえばこれを農振地域として囲んで私どもが開発をすることによって農業として有効に活用できるということでやる場合に、もちろんそれを農振地域の一つの農業用地として私どもが共同利用ということをやろうとすればできないことはないですね。ところが、その場合にはあくまでもその者の同意が一〇〇%要するわけですね。ということになると、いやと言えば、これはできないわけですね。農業者が農用地を休ましている場合には特例でもってやれますけれども、県知事の認可があればできるわけですけれども、でなくて、農業者以外の者が土地を持って、それを抱え込もうとこっちがした場合に、本人の了解がなければできない。こうなると私は国土法でいうものとこちらの農振法でいうものとの関連の中においては農振法の方がかなり弱いのじゃないかという実は気がしたものですから——そうすると、やはり農業というものを、私さっき申し上げました農振法の主要な柱として考えた場合に、当然それは土地サイドからいま言う土地利用を有効にするということで、遊休地に対する厳しい規制を加えると同じように、農振地域の中にある農業外のものであっても、それは農振として囲む必要があれば、それはある程度強制的な公益優先という立場を堅持していいのではないか。ただ、これは農業に使う場合には、それは公益ではありませんというような基本的な理念が流れているとするならば、私は根本的に問題が起こってくる。そこから出発して、それを除外をして一〇〇%同意がなければということにしているとするならば私は問題があるのではないかという気がしますから、その点は一体どういう違いがあるのか。これは問題が出てきましたからちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 仮に、この農振法の改正が通ったということを前提にさしていただいて議論さしていただきたいと思いますが、先生御指摘の点は、特定利用権の設定という問題、これは確かに強制力があるにしても、農用地区域に限っているではないかと、こういうこと。逆に言うならば、買って遊ばしている土地が農用地区域内に入ることについてなかなかむずかしい、抵抗があるではないか、そうなればそういうときの措置いかんと、こういう話になろうかと思います。そこで、農用地区域に編入する際には、これは縦覧公告等の手続を経てそして農用地区域に入れる、そして農用地区域に入ったところは今後永久にといいますか、長期にわたって農用地として利用すべきところであるから、それに対しては相当強い強制力をもって行えると、こういうことに相なるわけでございます。 そこで、そういう土地については税法上の優遇措置もございます。それから基盤整備等はそこに集中して行うということもあります。さらに言いますならば、今度の相続税の特例で、準農地について、いわば財産税の猶予措置ということも相続税の特例として準農地も入れたと、こういうようなこともございますので、これらのメリットをもって大いに農用地区域に入るように勧告し、そしてまた農用地の中に入れてまいりたいというふうに考えるわけでございます。しかし、どうしても農用地区域に入らない場合、これはまあ農業委員会の勧告というようなことしか方法はないことは確かでございますが、国土利用計画法におきます措置も、やはり勧告以上の線には出ていないというのが現状でございます。そしてまた、それが自分で持ったままで遊ばしているものには対象とならないで、いわば一つの売買契約が行われたような土地についてだけしか発動し得ないという問題もあるわけでございます。で、強制力という関係については、これは国土利用計画法においても発生していない。それで農振法においても、農用地区域に入らなければこれは強制力が出てまいらぬと、こういうことに相なるわけでございまして、そういう土地の有効利用という面から言うならば、われわれとしては、農用地区に入れるようにあらゆる努力をしたい、そしてそれらの土地の有効利用を図ってまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 じゃ、その問題は、この農用地区域の中における農業者以外の土地に対しては、その権利関係については本人の同意を必要とすると、こうなっているわけですね。私はそういうように理解しているわけです。そうじゃなくて、まあ農業委員会なりそういうのが最終的には、これは農用地としてあなたの方出しなさい、ということになれば、そういうことはできるのかどうか。だから、これは二つ意味があるわけですね。農用地の中における農業者以外の所有している土地に対する権利関係と、それから農業地域の中における農業者が休ましている土地に対する特定利用権の設定というものと、そういう二つがあるように私は考えているわけですね。それは扱いが違うじゃないか。農用地地域の中における農業者以外の者が土地を持っているものに対する拘束というものは、一〇〇%相手の了解を得られなければ利用できないということになっている。それは、その次の特定利用権との関係においては、ずいぶん権利関係が違うじゃないか。それはそういうことになっていないのですか、ということ具体的に言いますと。
○政府委員(大山一生君) 農用地区域内における特定利用権というのは、農地が現況主義でございまして、農地であって、現に利用していない、将来も利用する見込みがないというようなところに対して、強制的に特定利用権を設定させるわけでございます。そこで、農用地区域内にあって、開拓すべく農用地区域に取り込んだ山林原野というものについては、現在のところ、農地法以外の規定はないわけであります。そこで、今度開発規制というものをかけることによりまして、いわば農用地区域内の農用地たるべきところとして入っている山林原野は、いたずらに開発させるということを阻止してまいりたいということでございます。いま先生が、全員の同意というお話をされましたが、これは恐らく農地に関します利用増進事業の中にそういった山林原野の一部も取り込むということで、いわば利用増進事業を行うという場合におきましては、これはそれなりに全員の同意が要るということに相なるわけでございますが、その農用地区域内に取り込む以上は、その山林原野は勝手に開発させるということは、今後はこの法律の改正がございますとなくなるわけでございます。
○工藤良平君 だから私は、その山林原野を取り込む過程の中で、いわゆる本人の同意を必要とするという、それは私権を尊重する意味においてそれは当然のことだとは思いますけれども、それが本人の同意を必要とするということになると、いま言うこれを必要上するという場合に、われわれとしては、これはどうしても入れなければならぬということだけれども、それを入れられないとするならば、この開発という計画は進まないじゃないか。それはある程度強制力を持たせる必要があるのではないかということを私は考えているわけで、その点はどうなっているのか。
○政府委員(大山一生君) 山林原野を農用地に今後、見直し等において取り込む際には、法律の規定によりますれば、縦覧公告いたしまして、異議の申し立てができるということになっております。同意という措置は必要といたしておりません。
○工藤良平君 それは間違いないですか、私はそのように理解していなかった。本人の同意がなければできない、できないとなれば計画は進まないじゃないか。だとするならば、それはかなりの強制力を持たせなければ進まないじゃないかという実は理解をしていたものですから、それをきちんとしたがった。たとえば、具体的に言いますと、かなり広範な部分がこの三、四年の間に農村部にも入ってまいりました。特に農地の転用については厳しいものですから、山林原野を買い占めてそれをゴルフ場にするとか、あるいは別荘地にするという面積が相当な部分あるわけですね。それを抱え込むことによって、農振としては非常に有効的な土地利用ができるということが目の前にあるんだけれども、残念ながらそれを組み入れることはできないという状態があるから、それを今度の農振法なり、国土法全体的な問題の中で、そういうものはどしどしとこれからは計画の中に含めていきますよと。もちろんそれは問答無用にやるということではなくて、話し合いなりでそういうものはすべて行ってまいりますが、どうしてもこれは全体的に見た場合に必要だということになったときには、それはかなりの強制力を持たして組み入れることができますかということを言っているわけです。それができるということであれば結構なんですよと、それはちょっと困りますよ、ということになると計画は進まなくなりますがと、こう私は聞いているのです。
○政府委員(大山一生君) 先生の御指摘の強制力という言葉は非常に気になるのでございますけれども、要するに農用地区域に取り込む場合においては縦覧公告、そして異議の申し立ての道を開いているにすぎないというふうに御理解いただきたい。
○工藤良平君 わかりました。 それでは、次の問題に移りますが、目的として、農振法をつくりましてから基礎的条件整備ということと、中核農家の育成というのが非常に主要な任務ということになっているわけでありますが、そういたしますと、基礎的条件整備というのは具体的には一体どういう形で進んでいくことになるのか、その点御説明いただきたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 基礎的な基盤整備、こういう問題。これは農振計画によりましてその地域におきます開発なりあるいは整備に対します考え方、こういうものが基本的な方向といいますか、開発造成に関します構想を明らかにするわけでございます。そこで、あるいは農地保有の合理化に関しましては、いわば何といいますか、経営規模の拡大なり集団化の基本的な方向が示される、あるいは近代化等についての構想が明らかになる、こういうのが農振計画の整備計画として出てまいるわけでございます。 そこで、具体的なこれが施策という問題になってまいりますと、これはその中で条件が整備され、たとえば土地改良事業でございますならば、土地改良事業としての三分の二以上の同意なりなんかのこういった土地改良法の要求します要件が満たされるものについて逐次これを実施してまいる、こういうことに相なるわけでございます。
○工藤良平君 その場合に、もちろんこの基礎的な条件整備というのはさまざまな問題があると思いますけれども、具体的に申し上げますと個別経営の充実という面についてはどのように考えていらっしゃるか。
○政府委員(大山一生君) 個別経営の充実という問題につきまして農振地域の整備計画、これはそれぞれの市町村における事情というものがございます。したがって、一律にどういう方向ということは出ていないわけでございますが、総括的にどの振興計画におきましてもその規模の拡大という問題を作物との関係を見ながら構想として出されているわけでございます。そこで、それの助成という問題に相なってまいります。いままでは農地法の改正というような措置によって流動化あるいは合理化法人の制度というものをつくることによってこれらの流動化への道を開いてきたわけでございますが、現下の地価上昇あるいは資産保有的傾向からまいりますと、なかなかそれが思わしい方向に進んでまいらぬという事態の中で、今回の法律の改正におきましては、利用権の集積ということによってそれらの措置を講じてまいる、こういうことに相なるわけでございます。したがって、農振法ができてまいりますその点につきましては、整備計画の具体的な構想ということで、その一つの方法として利用権の集積による何といいますか、経営規模の拡大というようなことが新たな構想というかっこうで追加されてくるわけでございます。
○工藤良平君 特に基礎的条件整備というのは物の考え方として非常に重要になってまいります。というのは、構造改善事業にいたしましても、圃場整備事業にいたしましてもそうなんですけれども、非常にかっこうはよくできたけれども、いまおっしゃるように個々の農業経営そのものについてはあまりプラスにならなかった。もちろん機械が入って非常に省力化したという部面については前進かもわからないけれども、農業経営そのものについては一向に前進をしなかったというのが過去の例のように、私はそのように理解をするわけですね。後からまた申し上げますけれども、圃場整備の具体的な技術的な問題等もありますけれども、ですからこれはこの考え方がいいかどうかというのは別問題として、やっぱり個々の農家にしてみれば、みずからの個別経営が充実をして農業でやっぱり食べられるということが本来の姿でなければならない。そのためにいかに規模を拡大をしていくかということが目的として出てくるような気が私はいたします。それがさらに拡大をしていく過程の中で、地域農業というものの発展というものに結びつき、それが日本の全体的な食糧自給をするという立場に大きくなっていくんじゃないか。私なら私が農業経営をやる、いま五十アールつくっている、これを一生懸命やることによって自分の経営がさらにそれが一ヘクタールになり五ヘクタールになることによって個別経営というものは安定をしていくわけですけれども、逆に言いますと、私がいま一生懸命働いて米をつくっている、あるいは何をつくっている、畜産をやっている。それが日本の食糧自給体制を確立をするために私はたとえ五反歩でもいいからそれに集中的にやるんだという考え方というのはなかなか、これは正直に言って出てこないし、また出てきたとしても、これは成り立たないわけですね。成り立たないということは、逆に言うと、将来にわたって日本の食糧を確保するということは壊れていくということになるような気がします。 ですから、私は、個別経営というものは日本の場合にはいかにどのようにして充実をしていくかということから出発をし、それは規模の拡大——規模の拡大というものも全体的に、他の農業をせり出すことによって規模拡大ということでなく、その調整をうまくやりながら日本の個々の農業経営というものを拡大をし、安定をさせる、それがやはり地域農業というものの発展につながり、食糧自給率の強化というものに大きく発展をしていく、という方向が出てくるような気がするわけですね。ですから、それをどういうとらえ方で物を考えていったらいいのか、そこに私はこの農振法を具体的に施行していく過程の中でむずかしい問題が出てくるんじゃないかという気がするんですが……。
○政府委員(大山一生君) 結局農業という問題について何としましても食糧自給の安定を図る、こういう観点から言いますと、担い手の育成ということにすべては集約されるというふうに考えるわけでございます。その意味において価格政策的な各種の考慮も必要に相なってこようかというふうに考えるわけでございますが、こうした担い手の育成という問題、この担い手の際にいわば単一作物の専業的な経営ということもありましょう、あるいは地帯によっては複合経営ということによらざるを得ない場合もあると思います。しかしいずれにいたしましても、この点については農林省挙げてあらゆる施策を講ずる中において意欲ある農家の育成、そしてまたこれを自立経営農家といいますか、中核農家といいますか、それを中核としたいわば生産組織という問題も含めて、いわば高い生産能力を持つ生産単位といいますかの育成に農林省挙げて対策を講じなければならぬ問題だと思っております。 そこで、その問題と農振法の関係ということに相なりますと、農振法はそれらの生産誘導措置というものとの関係においては、いわば一つの枠組みといいますか受けざらであるわけでございます。したがって、農振法だけによってその問題が解決するということではないわけでございまして、農振法の中においては、いわばその受けざら的な意味における諸施策を織り込んでくる。それは下からの盛り上がった形においてそれが出てくる、それを各種の誘導措置と相まって究極的には食糧の安定的な供給に寄与してまいる、こういうことに相なろうかと思っています。
○工藤良平君 ですから、そういうような考え方に立つならば、私さっきちょっと話が先に飛んでしまったわけですけれども、たとえばこれからの基礎的な条件整備の中で、三千ヘクタールとかあるいは一万ヘクタールとかいう非常に広大なものを囲い込んでそれの開発というものを図るということは、表面的には非常にいいんですけれども、やはり個々の、いま申し上げましたように個別経営の充実ということを考えていくと、この小規模の開発というものも全体的なものとして見直し含めて対策を講じていかないと、私は、個別経営の充実と口では言ってみても、正直申し上げまして三千ヘクタール、一万ヘクタールという開発になりますと、これは特定の特殊の作目なりそういうものに限定せざるを得ないというかっこうになってきて、全体的な日本の農業というもののサイドで物を考えた場合に私は、問題が残るような気がするわけです。そういう意味から、先ほど特に話が先に出てしまったわけですけれども、小土地利用の結合というようなことが今度のこの農振法の整備と同時に私は、大変重要な問題になってくるのではないかというような実は気がするわけで、特に現在の農政というものはもちろん指導的な立場ということについては個別経営の、いわゆる経営問題についてはもちろん大きな意味では入っておりますけれども、個々の経営についてはそれ以上こまめに入るということはもちろん問題はありましょうけれども、自主的に農家が個別経営を充実させ強化をさしていくという、その支えというものを農政という立場でやるという点についてはぼくは、非常に欠如しているのではないかというような気がいたしますから、そういう点からいたしまして私はさっき申し上げたように小土地利用との結合ということは、やはりこれからの農業の中で非常に重要な問題だということをこの際指摘をしたいわけです。そういうものも取り入れる過程の中で、やはり基礎的な条件整備というものを見直していく必要があるのではないか、こういうことを申し上げたいわけなんです。
○政府委員(大山一生君) 規模を拡大して高能率の生産単位を育成する。こういうことが食糧の安定供給の前提として必要でありますので、そのためにはひとつ外延的拡大ということもこれは今後とも続けてまいらねばならぬだろうと思っております。しかしながら、一方では小団地の、里山等の集落の周辺にも小団地の未墾地もあると、こういうようなこともあるわけでございまして、現在たとえば基盤整備事業で申し上げますならば、規模なり、あるいは技術の難易度によって国営なり県営なり団体営と、こういうふうなかっこうでそれぞれ区分して、それをまた有機的、総合的、一体的に推進してまいる、こういうふうな措置もとっているわけでございますけれども、そういった小団地の未墾地というようなことになりますと、団体営の農地開発事業で取り上げるものは取り上げる、あるいは構造改善事業で取り上げるものは取り上げる、こういうことでございます。ただ、団体等において、いわば最小限度が二十ヘクタール、あるいは十ヘクタール、こういうことに相なっている問題との関係におきましては、さらに振興山村の特別対策事業、これは実際上二ヘクタール以上を対象にしてこれが事業を行えるようにいたしておりますので、こういったような制度も活用いたしまして、地域農業の振興に資してまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 この点で、私は時間をかけて議論をしたいとかねがね思っておりましたのは、いまおっしゃいますように、国営なり、あるいは県営、団体営、これに入らない範疇のものがずいぶんありますね。しかし、それは個々の努力によってやはり自分の農業経営を安定をさせるために一生懸命やっている人たちがたくさんあるわけです。ところが、これについては資金的な手当なり、そういうものがないわけですね、もちろん補助金の対象にはならないというようなことから。それが、たとえば低利の長期の資金なり、そういうものが、手当があると、かなりの部分が個別経営の中で相当改善される面がずいぶんあるように私は思います。ですから、これは具体的にどれくらいだという調査はしたことはありませんけれども、農林省でまとまっていればお聞きをしたいわけですけれども……。かなりの部分、そういうものがあるのじゃないかと思うのですね。開発をしたいけれども、そういう対象にならない、そのまま放置されている。それが有効な利用ということに結びついていかない。しかしそれは低利、長期の資金が手当されることによってかなりの部分が有効に利用されて、食糧自給対策にも相当な貢献を来たすのではないかという事例も私は個々には知っているわけで、そういう手だてというものが、これはこの際、対策を見直していく必要があるのではないかと、こういうことを特に申し上げたいわけですね。
○政府委員(大山一生君) 先生の御指摘の、きわめて小団地のその種のものがどの程度あるか、こういう御指摘でございますが、この点につきましては、現在のところまだ把握しておりません、全国ベースにおきましては。そこで、現在われわれやっておりますのは、四十四年実施しました補完調査によるものでございますけれども、五十年予算におきましてさらに線引きとの関連も踏まえた開拓適地なり、あるいは未整備の農地の状況把握ということを本年度実施しようとしております。その際におきましては、一団地五ヘクタール以上のものを把握したいというふうに考えておりますので、今後はそれらの調査の結果が出てまいりますと、その種の小団地の問題についての全体的な方向というものを把握できるのではないかと思っております。ただ、現在、公共事業として行っておりますのは、確かに十ヘクタール以上とか、こういったような制限がございますけれども、振興山村の特別対策事業等におきましては、現在二ヘクタールまでを実行可能ということで運用しているということも、合わせてつけ加えさしていただきたいと思います。
○工藤良平君 これは大臣、大臣にあまり質問しなくてこれは申しわけなかったわけですけれども、私は、従来からこのことをずいぶん言ってきたわけなんですが、今度のこういうものを機会にして全体的に、農業自身をもっと身近なところから見直していく必要があるような気が私は従来からしておったわけです。そういうことで、この前も私は予算委員会でも大臣とこの点、若干のやりとりいたしましたけれども、ぜひそういう手だてというものを考えていただきたい。 〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 ただ従来のように補助金、補助金ということだけでなくて、むしろ個々の農家にしてみれば、安い金利の長期の資金が入ればおれたちでやるのだ。だから何か国や県からつくったものについては、どうせ親方日の丸じゃないか、失敗したところでもともとだと、こういうような、これは極端ですけれども、そういうような考え方がかなり潜在的にあるわけです。そうじゃなくて、やっぱりこれは安い金利の金だけでも、金を借りてきてやっているということになると、みずから責任を持つし、意欲も全然違ってくるわけですね。ですから、むしろ個々の農家にしてみれば、おれたちの農業はおれたちでやるのだから、それに対する手当というものは、実はこういうことをやってほしい、それはむしろ補助金を若干もらうよりも、安い金利の長期のものが入れば、むしろそれの方がわしたちとしてはいいんだということを、いまの、さっきから出ておるように、中核的なといわれる農家の人たちはそう考えておる。そういうことがやっぱりこれからの農業に対する考え方として私は必要ではないのだろうかという気がするわけですけれどもね。その点については大臣としても十分あちこちごらんになっているようですから、御意見も聞いているようですから、おわかりと思いますけれども、その点に対してはどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) やはり私たちは農政を進めていく場合において、一番大事なのは、先ほども構造改善局長も答弁をいたしましたように、やはり意欲を持った農家を育てていくということが農政において一番大事なことじゃないか。その意欲を持った農家を育てていくための生産対策であるとか、あるいは価格対策であるとか、あるいはまた金融対策、税制対策というものを積極的に進めて、本当に自立の精神に燃えた中核農家が育っていく、そこに初めてわが国の課せられた自給力を高めていく、国民食糧を確保するという大きな命題に近づいていくわけじゃないだろうかと、こういうふうに思うわけでございまして、そういう意味におきまして、この農振法の改正も、意欲を持った農家に対する規模の拡大等に対しても、大きな役割りを果たしていくものであろうと思うわけでございます。
○工藤良平君 その点については、ぜひこれから十分な思い切った施策というものを実施をしていただきたいと思うのです。 次の問題は、これは先ほどもちょっと話が出ましたけれども、たとえばだんだんと市街化区域の方から農村地域の方に侵入をしてまいります。侵食をされてまいります。結局農業としてはだんだん後に後退せざるを得ない。したがって、かっては都市計画法に対抗して、農振法というようなことで線を引いたわけですけれども、それでもなおかつ、だんだんと狭められていく。これは土地が狭いということ、あるいは地価が上昇するということの状態の中においてはある程度必然的なものもあるかもわかりません。しかしそれはかなりの部分規制することによってこれから防止できるでしょう。しかしなおかつ、それでも私は農業というものが必ず侵食されていくような気がいたします。それでいいのかというと、そういうわけにはまいりませんから、どうするのかということになるわけですね。そうすると、たとえば蔬菜一つとってみましても、たとえば平坦地でつくるキャベツ、それがだんだんと高いところへ持っていくことによって、時期的な調整の中で年間つくれるような状態も技術的に開発をされる、あるいは畜産の問題にいたしましてもだんだんと高地の方に向かって畜産開発が行われるというようなこと。現在のこの農業技術の問題を考えてみると、いままでの農業というのは、面というところからだんだん立体的になってきたという私気がします。そうすると、今度の農振法の中でその立体的になっていく農業の現実を踏まえて、たとえば原野、林地そういうものに対して、どのような私たちが農振法の抱え込みをやり、さらにそれを充実強化をしていくのかいうことが、私は農業技術の発展の過程の中におけるこれからの問題として考えられていかなければならない問題ではないかと思っているのですが、そういう点についての基本的な考え方を、これからの将来にわたっての問題になりますけれども、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 先生御指摘の問題、現にたとえば農用地開発事業一つとってまいりましても、やはり開発対象の奥地化といったような問題が出てきているわけでございます。そこで、標高なり傾斜という点から見ますと、必ずしも土地条件として恵まれてない地域というところもやはり開発せざるを得ないというようなことにも相なってこようかと思いますけれども、それはそれで、やはりそれに応じた適作物の選定等、営農条件を十分配慮した事業の推進を図ってみなければならないだろうというふうに考えるわけでございます。さらにそういうところになってまいりますと、昨年御賛成をいただきまして成立いたしました公団事業等におきます、いわば中小家畜を取り込んだ複合型の畜産基地の建設といったようなこともそういうような関係における事業だというふうに考えられるわけでございますが、さらに畜産というような問題をつかまえてまいりますと、林間放牧といったようなこともそういう地帯における、何といいますか、開発の方法ということにおいて、これは十分に利用しなければならぬ問題であろうというふうに考えるわけでございます。いずれにいたしましても、農業は奥地も含めて開発すべきものは開発してまいる。そのために必要なものは、これは農用地なりに取り込むことによって補助、融資といったようなものが十分にできるような方向で進めてまいりたいと思います。たとえば、それが林業地域である場合においても、やはり林間放牧といったようなこともそれとの関連において考えていかねばならぬことだというふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 そこで、そういうようないろいろな多面的な面からこれからの農業振興というものを考えていかなきゃならぬということになるわけですね。まあしかし、そうは言いましても、われわれが農業をやる場合に、農業をやるためのいろんな環境整備、そういうことをやって、できるだけ労働生産性、土地生産性を向上させるということを一つの前提に置いて物を考えていかなければならぬと思うわけですね。 そこで問題になりますのが、何と言いましても、やはりさっき私がしきりに言っておりますように、基礎的条件整備の中におけるいわゆる圃場整備事業ですね。これに関して私どもが全体的に、もちろん農林省は、この農林省の指導的な役割りというものは今日までずいぶん尽くされてきたとは思いますけれども、現実にそういう問題をながめてみますと、必ずしも十分でないような気がするわけですね。たとえば、圃場整備をいたしました実態を見ましてもわかりますように、腰までぬかるようなたんぼがある。あるいはあぜ崩れが起こる。あるいはあぜうるみがある、でこぼこたんぼ。極端に言いますと鵯越たんぼなんて言って、道路が高くて、せっかく基盤整備したのに耕運機が入らないというような圃場整備をやっているというようなことが、初歩的な問題でかなり欠陥圃場というものができてきているような気がいたしますが、こういう農林省の圃場整備事業に対する基本的な考え方というものは、現在の状態の指導のままで一体いいのかどうかですね。ぼくは、若干問題があるような気がいたしますので、この点について農林省としてどのように把握していらっしゃるかお聞きしたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 圃場整備、これは、現在非常に不整形であり、そしてまた狭小になっている農地の区画を大規模に、大圃場に整備する。あわせてこれと一体的に、かん排でありますとか、農道、あるいは暗渠排水、客土等を有機的に、総合的に実施する、こういうことをねらいとしているわけでございます。そこで、何といいましても、やはり地域農業者の営農の実情なり、対象農地の実態というものを十分に勘案したかっこうで実施しなければならないというふうに思うわけでございます。まあ圃場整備事業というものが農家の営農の基盤である。また、作物の生育を図る場所といいますか、まあ一つの家みたいなものでございますので、他の一般耕地とは違った感覚、反省の上において実施しなければならぬだろうと思っております。 その第一点は、ほかのたとえばダム工事でありますとか、道路といったような、点なり線の工事ではなくて、いわゆる面に関する工事、広い農地という意味の面に関する工事であると、こういうことがございます。さらにまた、その土地というものにつきましては、まあいわば作土といいますか、作土と、それからその下にあります下層土といいますか、こういうものから成り立っておるわけでございますので、こういった土壌状況というものを十分に勘案しなければならないというふうにも思うわけでございます。さらに、そういうことになりますと、各工区ごとに土質でありますとか土層といったような土壌条件が非常に異なってまいりますので、それらの実態に応じた施工管理を臨機応変にやるというような対応をしなければならぬだろう。さらに言いますならば、さっきも言いましたような作物生育の場として適当なものでなければならないので、まあ、こういった観点に立った施工管理が要求されねばならぬだろう。こういったような他の事業にない特殊性を持っていると思っております。したがって、そういうふうな感覚のもとでの工事の施工ができますように、圃場整備要覧等におきましてもその旨現地技術者の指導というものに当たって注意しているような次第でございます。ただ現実には、若干の地区において腰までぬかるというような事態が出ているところ、あるいは道路と圃場との間に非常に大きな段差のできてくるようなところというようなものが現実にあって、手直し等をしたというような例がないわけではございませんので、今後ともこういった圃場整備というものが他の土木工事と違った問題を踏まえて、異なった工事であるということを踏まえて今後とも指導には万全を期してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 まあこの点については、かつてどなたでしたか、具体的な例を取り上げて、昨年でしたか、共産党の塚田さんでしたかね、欠陥田の問題を取り上げてずいぶん指摘をしておりましたけれども、いまだにやっぱりこういう問題はたくさんあるわけですね。しかも現在、圃場整備事業が二〇数%しかできていないという状態の中において、まだまだこれから相当な部分やっていかなきゃならぬし、しかもこれからの部分がかなり私は悪条件のもとに進めなきゃならぬというところが圧倒的に多いと思いますね。そういたしますと、こういうような欠陥水田、圃場整備というものに対する指導的な役割りというものは一層強化されていかなきゃならぬという実は気がするわけでありまして、そういう点から、いまお話しがありましたように、これはトンネル工事あるいは道路工事と違った、宅地造成と違った非常に、本当に末代にわたって子や孫の、さらにその後までわたって物をつくっていくという大変重要な土地の基礎的な条件をつくっていくわけなんでありますから、そういう点についての私は十分な対策というものをより一層強化をしていただきたいと実は思っているわけです。この点はずいぶん今日までも主張してまいりましたし、これからもこれは言い続けていかなきゃならぬことじゃないかと思っているわけで、ぜひその点の強化をお願いをいたしたいと、このように思います。 特に私はこの中で、現在の圃場整備の仕事というものの一番大きな欠陥は、やはり農民と耕地というものの血のつながりというものを一体どう見ていらっしゃるのかということですね。これはぜひ農林省の指導体制の中で、県や、市町村や、あるいは施工業者に対する徹底的な教育をしていただきたいという気がするわけなんでありまして、圃場整備というのはやはり耕地のあくまでも改造である。せっかくやったものが、大きな石がたんぼの中にあったり、耕運機が入らない。できたものがいま言う欠陥だらけのたんぼだと。せっかく乾田にしようと思ったのが湿田になってしまった、逆に、いままで乾田であったのが圃場整備したために湿田になったということがあるわけですね。なぜかというと、水路が高い、道路が高くてたんぼだけがすりばちみたいになってしまって、したがって、排水ができない。逆に、いままで麦ができたところが麦ができなくなったというようなところがたくさんあるわけですね。そういう初歩的な技術のまずさ等もあるんですから、やはり根本的にはこの耕地というものは農民が物をつくっていく農民の血のつながりというものがあるんだという、これは昔風な言い方かもわかりませんけれども、私どものように農業をやってきた者にとりましては非常に重要な問題なんですね。ですから、そういうものを徹底して、やはりこの圃場整備というのは耕地の改造なんだ、ということを考えてもらう必要がある。収量につきましても、もう翌年から収量が従来よりも増産できるようになった。いままで八俵しかとれていなかったのが翌年にはもう九俵、十俵とれた、十三俵とれたという形が現実に出てくることによって圃場整備に対する意欲というものがわくわけなんですけれども、できたものは欠陥だらけだから、圃場を整備することはいいのはわかっているけれども、つくってみたものはあまり役に立たない。大変な田で、また後で金を入れなきゃならぬということが現実にあるものですから、せっかくやろうとして私たちが口を酸っぱくして主張いたしましてもうまくいかないという点があります。あるいはさっき申し上げましたように、いままで乾田であったものが湿田に変わるというような逆の現象が出ている。そうじゃなくて、やはりいつでも田畑輪換ができるような耕地というものが必要であって、そういう意味ではやはり圃場整備事業というのは土地に対する農民の彫刻であるのだ、こういうようなことがしっかりと入れられ、その中から現実の問題として自由に農民が作目を選ぶことができる。そうして耕地をさらにみがき上げて次の世代に譲っていくというような、やはり基礎的な問題が私はいまの圃場整備の中に欠けている。ただ、つきならして平らにすればいいんだというような考え方というものがあまりにも私は一般化してしまっているような気がするわけですね。 こういう点については私は、この基礎的条件という中において、特に留意すべき点ではないかと、こういうように考えておりますので、この点についてはもちろん農林省だけ責めるのじゃなくて、工事施行に当たって特に営農する農民たちのみずから守るという自衛のための組織というものももちろん非常に大事だと思っているわけですけれども、そういう点に対する私は指導というものもぜひ強化をする必要があるんじゃなかろうか、こういうように考えておりますし、そういうことをやっているところはかなりいい成果を上げているような私は実績も聞いておりますので、そういう点の指導についてもう少しお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(大山一生君) 先ほど申し上げましたような圃場整備事業の特殊性といいますか、にかんがみまして、できる限りにおいて耕土の維持培養、それから心土といいますか、心土の床固め等の方法の検討、こういうことを逐次やる中で指導には万全を期している次第でございます。何と言いましても、営農形態等の調査、さらにそれを受けた上での設計、そしてまた圃場の造成なり導水路の増築を入念にやる、あるいは地力維持についての表土扱いについて、こういったようなことを配慮しているつもりでございますが、先生御指摘のように急傾斜地でありますとか、あるいは不良土壌地帯でありますとか、遊水地帯といったようなところにおいては、いま言ったような漏水なり、あぜ崩れあるいは排水不良というようなものが生じている事実もあるわけでございます。何と申しましても、農民のいわば生活の場でもあるようなところでございますので、これの施工に当たりましては、専門技術者による施工管理ということが最も必要でありますけれども、営農と密着いたしました農民の意思というものも十分に取り入れて工事の施行には万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えるわけでございます。圃場整備の実施に当たります専門技術者ということについても、なお今後、急速に圃場整備を進めるためには、さらに一層の育成に努めてまいらねばならぬだろうというふうにも考えているわけでございます。ややもすると、一般の土木業者に請け負わせてそのままになるというようなことがあってはなりませんので、血の通った農民の意思も十分に取り入れたかっこうで工法等についてはさらに一般の検討を続ける中でこの問題に対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 そこで、ちょっと問題をもう一遍もとに、もとというわけじゃありませんけれども、農振法との関係の中でこれは、建設省おいでになっておりますか、——ちょっとお聞きをしたいと思いますが、かつて私どもが、新都市計画法、それから農振法の関係でずいぶん議論した事項なんですけれども、この農振法との関係の中で、さっき局長からお話がありましたように、農業振興地域というものとそれから都市計画法の調整区域というものはかなり重複した面が出てくる。将来とも農業として続けていく場合もあるし、あるいは市街化区域の延長として考えなきゃならないという部面も出てくるということから調整区域というものが出てきておると思いますが、ただ、特に私どもの地元の状況等をながめてみますと、私の場合には、新産都市として指定された地域でありますから、異常に局部的に発展をした地域なんですね。したがって、局部的かもわかりませんけれども、しかし、ここ三、四年間の土地ブームの状況を考えてみると、必ずしもそうではなくて、局部的ではなくて、それが一般的な傾向ではないかと実は思っているのです。本来であれば、市街化区域と指定されたその中にある農用地なり、そういうものがだんだんとつぶされていって、それからやがて調整区域に侵入をしてくるというような一般的な理解というものが私どもの中にはありまして、しかしあの中で、特に調整区域の中でも一定面積以上の開発については、知事の権限において許可を認めるということが特例として認められてまいりました。ところが、それは特例ではなくて、一般化してしまって、ある企業が出てきた。それを二十ヘクタール認めた。あれを認めて、こちらをというようなかっこうでずいぶん、これはここ数年間の間に異常に開発が、調整区域の中で先に進んでしまって、それが逆に新しい災害を生むというような状態までも実は起こってきているわけなんです。そういうことで、私どもが心配したことが現実になってきた。 ですから、そういう開発の制限なりあるいは今日まで進められてまいりました調整区域に対する開発の状況、そういったものを概略ひとつ御説明いただいて、今後一体どうするかということを検討してみなければならないのじゃないかと思っておりますので、その点建設省から御説明いただきたいと思います。
○政府委員(大富宏君) お答えいたします。 まず、二点あろうかと思いますが、第一点の改正都市計画法に基づく調整区域における開発許可の件数でございますが、改正都市計画法以降の開発許可——四十六年からでございますか、四十六年、四十七年、四十八年、——まだ四十九年の結果が見えておりませんけれども、この三カ年で件数にいたしまして八十一件、面積で三千百七十ヘクタール、こういうことになっております。 第二点の、三十四条十号イにおきますところの開発許可の方針でございますが、これは都市計画法が四十四年の六月に施行になりまして、その直後に通達を出しておるわけでございますが、許可基準といたしまして五点ほど挙げてございます。 まず第一点は、法律にもございますけれども、市街化の動向にかんがみまして当該調整区域における開発許可申請の計画が合理的な土地利用を図る上で支障とならないものであること、これが第一点でございます。それから第二点は、「開発区域の大部分が集団的優良農地、災害防止のため保全すべき土地、近郊緑地特別保全地区として積極的に保全すべき土地でないこと。」、それから第三番目に、「当該開発行為の位置及び自然的条件からみて、交通施設、排水施設その他の施設の計画に支障をきたすおそれがないこと。」、その次に「当該開発行為に関して必要となる公共施設等を、開発行為を行なう者が自らの負担において整備すること。」、それから最後に、「一定の期間内に良好な宅地として造成されることが確実であること。」、こういう指導通達を出しておりますが、こういう方針に基づいて指導いたしております。
○工藤良平君 申請がなされて却下したというような事例はございますか。
○政府委員(大富宏君) 大体開発許可の申請は正式に申請する前に事前審査をやりまして、事前審査で大体よかろうというところで正式申請を出さしておりますので、正式受理をして却下というような事例はあまりございません。
○工藤良平君 その許可の条件としては、これはつけるような法律は別にないわけですけれども、緑地とかそういうものについての配慮というものはかなりの部分なされているかどうか。
○政府委員(大富宏君) 先ほど開発許可の基準を申し上げたわけでございますが、調整区域、市街化を抑制すべき区域において開発許可を認めるわけでございますが、まず第一に重要なことは、環境の保全、災害の防止というような観点が一番主眼でございます。
○工藤良平君 それは、目的に沿って現実の問題としてきちんとなされているかどうかということ。また私どもが見る限りにおいては、緑地もないし、災害が頻発して起こるという状態が現状の状態でありますから、そういうことは、書類上ではいま言ったような五つの条件を満たすというようなことで許可はおりているけれども、しかし、現実にでき上がったものを見ると、緑地は何も残っていないし、災害は頻発、集中豪雨でも一遍でもあれば新しい災害が起こるというような状態があるわけですね。その点については万全の措置がとられているかどうかということ。そうすると、もし、それが現実の問題として、条件は示しているけれども、そうなっていないとするならば、現在の開発行為の制限という問題についてはあまり効力を、法律的に発揮していないんじゃないかという、逆に言うとなるわけなんですね。その点、私は実態としてどのように把握していらっしゃるかということをお聞きをしているわけです。
○政府委員(大富宏君) 開発許可に係る当該計画につきましては、許可の後に公示をするわけでございますが、公示完了の検査というのを法律に規定いたしておるわけでございます。したがいまして、許可申請時に出されました計画がそのとおりに担保されているかどうかということは、公示完了の検査で厳密に見るわけでございますので、申請の際はきれいな計画であったけれどもでき上がりは計画どおりになっていないというようなことはないかと思います。
○工藤良平君 そうする上、計画そのものにもっと私は問題があるような気がいたします。現実に私どもが、造成したところに入ってみてそういうことを感ずるわけですから。そうすると、計画そのものが、もちろん法律的に何割の緑地を持たせるというようなことはありませんね。——ないけれども、常識的にそれは私はずいぶんいままで言ってきた。たとえば全体面積の三割なら三割を緑地として残せというようなことまでやるべきじゃないかという議論はしたことがあるんですが、それがもし規定にあればいいわけですけどね、ありますか。
○政府委員(大富宏君) 法律上開発区域におきましては、規模にもよりますけれども、緑地は三%確保するということになっております。
○工藤良平君 だから三%ということはないに等しいわけなんです、ないに等しい。それは、災害を防止するような条件ではないように私は思うわけですね。ですから、それはもうあらゆる機会に私は、少なくとも三割ぐらい、三〇%ぐらいは残しておかないと新しい災害を起こしていく非常な要素になりますよと。それに伴って河川の改修とかそういうものが進んでおればいいんですけれども、特に中小河川の場合には進んでいないわけですね。調整区域という地域は、これは中小河川に寄りつくところが圧倒的に多いわけですね。そうすると、大河川は一級河川で改修はしたけれども、それに出てくる中小河川については行われていないということから集中的に集中豪雨が起こるということが頻繁にあるわけですね。ですから私は、そういうことを言っているわけで、もしそういう欠陥というものが、私が指摘するような状態がもちろん局部的であればいいんですけれども、いま言った三千百七十ヘクタールというものが全国にある程度万遍なくあるとするならば、私は、全体的な問題としてひとつ考えてみる必要があるんじゃないかと、このように思っているんですけどね。
○政府委員(大富宏君) 先ほどの説明、不足したかと思いますが、緑地の問題につきましては、環境の保全という意味におきまして、公園、広場、緑地、そういった空間スペースとして確保しなさいということでございまして、先生お述べになりましたような排水の問題、これはまた別途に許可基準として法律ないし政令で技術基準を明確にいたしております。
○工藤良平君 それでは、今度の国土法、それから都市計画法、まあ建設省の場合、都市計画法関係になるわけですけれども、私どもが今度の国土法というものを考えたのは、さっきも議論がありましたように、かなり厳しい規制の中で環境をどう保全をしていくか、乱開発を防ぐか、地価の上昇をどう抑えるかと、こういうことが主とした大まかにいう目的だと思いますし、そういうことから考えてみると、やはりこれからの都市計画法の中で進められようとする開発についても、相当やはり厳しい対処の仕方というものが現実の問題として必要になってくるのじゃないか。そうしないと全く、いま私が申し上げましたように、市街化区域の中にある農地はそのままになって、もちろんこれにはほとんど緑地というものはなくなってしまっておりますが、それがさらに奥の調整区域についても緑地がなくなってしまったということになると大変な問題が起こるわけです。そういう意味から、私は三%ということじゃなくて、むしろ私は緑地を三〇%ぐらい残したらどうかという議論をかつてしたことがあるわけですけれども、都市計画法の連合審査の際にも。ですから、そういうことを、今度この国土法ができた、また都市計画法の新法等の全体的見直しの中で、私は、開発についても相当厳しい、開発というのを今後強化していく必要があるのではないかと、このように思うのですが、その点に対する見解をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(大富宏君) 先ほど申し上げました三%というのはあくまでも最低の希望でございまして、御承知のように、開発の面積、規模というものによって、行政指導としては非常に大きい緑地が確保されつつあるわけでございます。多摩ニュータウンにいたしましても、千里ニュータウンにいたしましても、緑地というのは二五%から三〇%といっておるわけでございまして、あくまでも法律が要求しております三%は最低限のものでございまして、御趣旨のように、現在ではなるべくこの空間スペースをとるように指導いたしております。
○工藤良平君 もちろん私が言いますのは、いわゆる緑地空間として全部造成してしまって、その範囲の中に、ここは芝ですよ、ここは公園ですよということで残すということも、確かに空間として、いわゆる住宅用地としてじゃなくて、空間として残すという要素であるのです。じゃなくて、やはり現在、いま自然として残っている、それを宅地造成していく、開発していくという状況の中においては、できるだけやはり自然として相当な部分を残しておく必要があるのじゃないかということで、これはさっき私の質問の位方が悪かったかもしれませんけれども、私が言ってるのはそういうことを言ってるわけで、公園とか芝生ということで造成をした中に新しいものとして残すということも一つの方法ですけれども、じゃなくて、自然の部分をかなり残しておかないといけないのじゃないかということを私は実は主張しているわけなんで、そういう点については、やはり今後の開発指導の中においてかなりやっぱり指導を強化していただく必要があるのじゃないかという気がいたしますが。そうしないと、公園に街路樹植えたり何植えたりいたしましても、これはやっぱり十五年、二十年かかる問題ですから、いまりっぱな緑地があるとするならばできるだけ保全をしていくということが、特に都市サイドから考えた場合に、私は大変重要な問題じゃないかという気がするわけで、この点の考え方を伺っているわけです。
○政府委員(大富宏君) 言うまでもなく三十四条の十号のイというのは、市街化調整区域内におけるところの開発許可でございます。で、市街化調整区域というのは、本来市街化を抑制すべき区域でございますから、法定要件を満足しているから直ちに許可ということじゃございませんし、いま申し上げました指導基準を持っておりますけれども、これを知事が許可をするに当たりましては、事前に開発審査会の議を経てやることになっております。先ほどから議論になりますような農地との関係におきましても農林省と十分相談をし、農地転用許可と都市計画法による開発許可が同時に許可されるようなリンクを図りつつ運営いたしております。
○工藤良平君 今後その点はさらに強化をしていく必要があると、このように理解してよろしゅうございますか。そういう必要が、私はあると思っておるんですが。
○政府委員(大富宏君) 御趣旨のとおり、私どももそのように考えております。ことに、開発許可になって造成する場合におきましても、開発区域内の既存の樹木については今回、土地収用法の一部を改正いたしまして、表土も保存し、樹木も極力保存するように法律改正をいたしておるわけでございまして、今後やはり緑の確保、保全というものについては特段の意を尽くしてまいりたいと思います。
○工藤良平君 それともう一つ、さっき五つの条件のお話がありましたが、その中で、物のとらえ方として、たとえば優良農地の保全ということが出ております。優良農地の保全ということ、たとえば農業を育成強化するというのは同じような考え方ではありますけれども、ずいぶん違いが、私はあると思います。ですから、物の考え方として、調整区域というものについては、やはり近郊の農業を保存、育成強化をするという考え方に立たなければいけない。したがって、その調整区域における開発というものはごく限られたものにならざるを得ないという理解をしておかないと、一つ許しますと、次から次に、あそこを許しておれのところをと、こうなってくるわけですから。それに若干政治的な問題などもからんでまいりますと、どうすることもできないような状態で、さらに拡大をしていくということになりますから、そういうやっぱり厳しい態度で臨む必要があるんじゃないか。ですから建設省サイド、土地サイドからものを見るだけではなくて、もう一遍こちら側、裏側の方から、農業サイドの方からも優良農地を確保するということだけじゃなくて、農業用地としてさらに大きく幅を広げた理解の仕方というものを裏から見ていただいて、そしてこの開発の許可なり、制限というものを厳しくやるように物の考え方としてやっていただかなきゃいかぬのじゃないかという気がしますから、その点についてもぜひ配慮していただきたいと、このように思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(大富宏君) 御承知のとおり、都市計画法の第二条に、都市計画法の基本理念というのが書いてございますが、これは冒頭に、やはり都市計画というのは農林漁業との健全な調整を図るということを明文で書いておるわけでございます。御承知のとおり、この改正都市計画法に基づいて市街化区域、調整区域の線引きをやる際におきましても、農林省と十分相談をしつつ現在設定しているわけでございますし、さらに、現在の市街化区域を変更するという場合にも農林省と相談することは当然のことでございまして、私ども、あくまでも都市市街化の部分と農業との健全な調整ということを図ることによって、それこそむしろよりいい町づくりができるというぐあいに観念いたしておる次第でございます。
○工藤良平君 それでは、建設省けっこうでございます。農林省にまた戻ります。 そこで、要は、どんなりっぱな線引きをいたしましても、本当は、農業を農業として、これからの日本の経済の中でどのようなりっぱな位置づけをして、それに具体的な手だてを行うか、ということが最後の決め手になるわけですね、最後の決め手になるわけです。どんなりっぱな図面をかいてみても、それに計画と予算が伴っていかなければ、これは絵にかいたモチということになるわけで、ここは大臣、これは大臣の大変な任務になってくるわけですね。 そこで問題は、私は、本当に農業をやる者に対して、本当に農業をやることによって、おれたちは非常にいいんだということを具体的に与えてやらなきゃならぬわけですね。りっぱにかけ声はいい、図面はできたけども、農業をやる者は後ろを向いてみんな外へ出て行ってしまったじゃ、これは何もならないわけですからね。そういう手だてを一体どうするか、そこら辺をこれから聞かしていただきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに、いまおっしゃるように、やはり生産意欲を持った農家の方々が農業をやる、その農業をやるための環境の整備を初めといたしましても、もろもろの施策を講じていかなきゃならぬわけであります。先ほども申し上げましたような生産対策、あるいはまた価格対策、さらに金融対策といったものを総合的にやはり実施していくということが農政の基本でなきゃならぬと思うわけであります。先ほどから御質問も出ましたような圃場整備事業等にいたしましても、私は、総体的に圃場整備事業によりまして農業の生産性は上がっておるというふうに考えておるわけでありますが、部分的には、いま先ほどお話がございましたような圃場整備をすることによって、かえって生産性を阻害するというふうな面もなきにしもあらずと、そういうことは厳に慎んでこれを改めていかなきゃならぬと思うわけであります。そういう意味から、生産意欲を持った農家の方々につきましてのあらゆる面の施策を強化していく。まあ水を確保し、あるいはまた土地を確保し、優良農地を確保する、あるいは農用地域といった、農用地区域といったいわば農業を集中的に行うための、いわば農業の聖域と申しますか、そういうものを広げて食糧の増産といいますか、確保をはかっていく。そしてさらに生産意欲を刺激していくといったようなことも含めて、あらゆる点について積極的な姿勢でもって取り組んでいくことがわれわれの責任である、こういうふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 もちろん、抽象的にはそういうことになるだろうと思います。そこで非常に大切なことは、最もこれは基本的なことなんですが、もちろん、あとでまたお聞きしますけれども、中核農家ということが非常に言われておりますし、そのこととも関連をするわけですけれども、たとえばこの前も代表質問の中でも、三木総理以下、食糧自給率は高めますと、こういうことをよく言います。日本でできるものはできるだけつくります、足らないものは外から入れます、これはだれでもわかることであって、そんなものは三つの子だってわかるわけなんで、できるものはできる、できないものは外から入れるなんというのは、これはもう言わなくてもそんなことはわかり切ったことなんですけれども、しかし、それではいけないわけなんですね。結局、食糧自給ができるかできないかということではなくて、やっぱり生きていくためにはやらなきゃならぬということが前提にならなきゃならぬ。そうすると、同じ金の入れ方だって、農業対策の仕方だって、おのずから全然違ってくるわけでしょう。自給率はカバーいたしますと言いながら、八〇%が七三%になり、七二%になる。穀物の自給率は四三%と言っていたのがいや四〇%だ、三〇何%だ、年々年々下がってくる。掛け声とは全然逆の方向になるわけですから。もちろん、それは消費の動向も変わってくるということはわかりますけれども、私はやっぱりできるものはできるということじゃなくて、できるだけ、生きていくためにはやらなきゃならぬということが、私は基礎に立たなきゃならぬという気がするんですね。ですから、そういうことを前提に踏まえて、今度のやはり農振法の改正に基づいて自立農家、いわゆる中核農家というものに対して規模の拡大ができるような法的な措置を支えてやろうと、こういうようなことが趣旨になってきている。そのために、もしも他の省との、あるいは非農業者との問題が出てくれば、その調整もやってあげますというような形で、あらゆる手だてをやっていこうというのが一つの方法として今度考えられているわけでありますから。そうすると、いま言ったような、本当にさっきも私が議論したように、個別農家の育成強化、それが全体的な地域農民の発展という形に高まっていくんだという、いわゆる下からのやる能力、やる気を持った農民を強く私たちが支えてやる、それが担い手になっていくということに私はならざるを得ないんじゃないかというのが、私なりの気持ちがするわけですけれども、そういう点からいたしまして、いま大臣がおっしゃいました抽象的にはそういうことになるわけで、これから具体的に圃場整備がどうだ、何がどうだということになっていくと思いますが、そういう点は、ぜひ私がいま申し上げましたような基本的な理念の上に立って進めていただきたいということを申し上げておくわけです。 そこで、これからの予算の入れ方なんですが、この農振法の改正法案が通過をいたしまして、具体的にさっきもちょっと私、触れましたけれども、ある特定の地域を指定をしながら、モデルとしての農村を形成をしていくその中に、いま言ったような規模拡大なり流動化がある程度農業分野に集中していくというような一つの典型ができていく中で、日本の全体的な農業の目標が立っていく、こういうような青写真をかいているんではないかと思うのですが、そのために一体集中的にどのような金の使い方をやっていくのかですね。これは国土庁の方でも何か総合モデル何とかというのを考えているようですけれども、そうすると、それらの関連は農林省と国土庁の関係とか、そういうことはどうなっていくのかということを聞かせていただきたい。
○政府委員(大山一生君) 農振法が通りまして利用増進事業を行います際に、これは利用増進事業の行えるようなところの中で、将来ともモデルになるであろうというようなところについて特別対策事業というものを本年度から予算化しているわけでございます。まあ本年度は年度途中から発足するというようなことも当然考えられるわけでございますので、初年度としては百地区、そして一地区当たり三カ年計画で五千万、まあこういうような内容で事業を行ってまいりたいというふうに考えているわけでございまして、これは機械でありますとか、あるいは簡易な圃場整備でありますとか、あるいは小作料の一括前払いの金利でありますとか、まあこういったようなことをメニュー方式において行いたい、こういうふうに考えているわけでございます。 先生御指摘のように、農村というものは生産の場であるとともに生活の場である。そのためにはやはり農民の生活環境をよくしなければならぬ、こういう観点から四十八年以来農村総合環境整備モデル事業、これを発足させたわけでございます。それの基本的な計画という問題は国土庁の所管になっておりますが、国土庁の発足がおくれましたので、当初は先発をいたしまして、当方で実施計画から始めたというような事態になっております。これは四百地区についてモデル事業として行いました、こういうことでございます。このモデル事業のいわば実績を踏まえながら、これの本格的な環境整備という問題につきまして、これは国土庁ともども今後これの実現に努力してまいりたいというふうに考えているような次第でございます。まあいずれにいたしましても、農林省の予算にはモデルが非常に多いわけでございますけれども、農振法の成立との関係におきますモデル事業は、先ほど申しました利用増進事業促進対策事業、それとまた別に環境整備というかっこうのモデル事業を全国四百地区について現在実施している、こういうことでございます。
○工藤良平君 まあこれは確かに具体的になりますと非常にむずかしい面が各種各様の地域の状態によってまた違いましょうし、やり方もさまざまあると思いますから、私どもむずかしいと思います。ただ、さっきも申し上げましたように、幾ら線引きしてみても、結局は農業に残る者の有利性というものがなければ農業をあとにしていくわけです。農村はだんだん過疎がまた進んでしまうわけですね。そういう条件をどう与えてやるかということが私は基本的な条件になってくると思いますね。ですから異常に発達した高度経済成長の中で、農村が非常に犠牲を受けてきた、で、反面ではもちろん農村からずいぶん出てまいりました。外に出て都市の労働者に転化した方もあります。そのことのために、むしろこの過疎の状態になった現状の中で、規模拡大なりそういうものがきちんと進められると、金さえ入れてやれば進められるという条件も、逆に言うと整ってきた部面もあるんではないかと思うのですね。ですからそれに、さっきから申し上げておるように、基礎的な条件を整備することによって、農村におることが都市で生活する者よりも有利性があるんだということが現実のものとなれば、私は農村に定着をしてそれが個別経営の拡大になり、地域農業の発展という形に今後伸びていくだろうということにいま期待をかけているわけなんです。そうしなければいかぬと思っているわけなんですね。ですから、そういう意味で考えてみると、一体私たちは本当に農業に残る者にどんな有利性があるだろうかということを現実のものとしてやらなければならぬ、それが非常に私は大事だと思っているわけなんですね。そういう点に対する配慮、いまここで何をする何をするということは、これは申し上げられませんけれども、そういう基本的な考え方の上に立ってこれからの対策をひとつねじりはち巻きで強化をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 そこで問題は、まあ余り時間がありませんから、もっとこの内容、たとえば特定利用権とかあるいは開発、いろいろそういう問題についても聞きたいわけですけれども、それはたくさん、皆さんおりますから、お話が出ると思いますから。私はここで一つ伺っておきたいことは、さっき私は四つの問題の集約の中でも申し上げましたけれども、農業の担い手の問題ですね。いま中核農家と——確かにいまの日本の農業というのは零細農業の集まりなんですね。年々自立農家というのは減少して、すでにもう一〇%割っているという状況に来ておりますから。ところが、それで本当に日本の農業というものが支えられていけるんだろうかどうだろうかという気がいたします。もちろんこの自立農家がふえるということは、それを支えていく強力な農政というものがなければ、せっかく専業はつくったけれどもそれそのものが壊れてしまって、つぶれたんじゃ、これは全く壊滅するわけで、それならむしろいっそのこと兼業農業をたくさんつくっておいて、農業外収入をたくさん得て、あと農業を若干やっておれば、これは一番安定かもわかりません。安定かもわかりませんけれども、さっきも申し上げましたように、本当に命をかけてでも日本の食糧を守らなければならぬという理念に立つならば、やはり農業の担い手というものが中心になって、それに小農の人たちが機械の部分とかいろいろな部分で結びついて日本の農業を全体的に守るということに進まざるを得ないのじゃないかと私は実は思うのです。まあ、うちは社会党ですから、本来から言うと、共同経営なりそういうものが本来の党の方針なんですけれども、私は現実にいまの日本の農業というものを考えてみると、やはり個別経営農家の強化というものからだんだん発展をしていって、やがてそういうものになっていかざるを得ないのだ、そういう経過をたどるだろうと自分自身では思っているわけです。そういうことを考えてみると、必ずしも私は、一部の中核農家になる、それは富農対策だという従来の考え方はこの際払拭をして、少々やってみたところで富農になるような、昔の地主になるような条件ではないわけでありますから、やっと農業で食っていけるかどうかと。農業だけで食えるような条件をつくっていくということが当面の私は、非常に重要な問題ではないかと。その担い手たる農家をどうするかということが今度のこの農振法の一つの中心的な柱になっているような気がするし、そういう意味では、この中核農家というものの理解、それに対する地域農業における役割りというようなものを、私がいま考えているようなことで一体どういうことなのか、そういう点に対する御意見も聞かしていただきたいと、このように思っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まさに私も工藤さんのおっしゃるとおりだろうと思うわけでありまして、やはりこれからの農業というのは、中核農家とわれわれ言っておりますが、この中核農家を中心にした農業経営によって支えられていかなければならない。そのための中核農家を育成をしていく、育てていくということが農政の基本でなければならぬわけであります。この農振法の改正もまさにその大目的を達成をしていく一つの手段としてお願いをいたしておるわけでありまして、この改正によりまして、利用増進事業等が進んでいくことによって中核農家の規模の拡大が進んでいく、そしてさらにまた、集団的な生産組織等を通じた農業の生産性の向上というものに結びついていき、これがわが国の自給力の向上というものにつながっていくものである。こういうふうに考えるわけでありまして、そういう面からわれわれは、この農振法のみではございませんが、農振法も含めて、総合的なやはり立場に立った中核農家を育成をしていくということに対して全力を挙げていかなきゃならない、そういうふうに考えるわけでございます。
○工藤良平君 よく、私も近ごろしきりに中核農家ということを言うわけなんですけれども、まあかけ声は確かにそうなんですね。そうですけれども、現実に統計的に見ると、中核農家は逆に年々減っているというような現状なんで、そういう意味で私は、ときどき引き合いに出すのですが、西ドイツあたりでは現実に、五年間にいま一六%の中核農家を二五%にするといったら、本当に五年間に二五%つくり上げているわけですね。私は、そういうことは、よしあしは別として、やるならやるように徹底してやらないといけないのじゃないか。ところが、今度のように中核農家に対してこうやります、ああやりますと、こう言ってみたところで、本当にいままで、おれはこの日本農業の担い手なんだというように考えてきた人たちが、いろいろな過程の中でいま考えていることは、いま新たに中核農家の育成とか何とかいうけれども、やろうと思ってきたけれども、たとえば米についても八俵が十俵あるいは十三俵取れるようになった。これは本来から言うと喜ぶべきところが、それが減反という形で百八十度実は谷底に突き落とされるという状態、ミカンをやれ、一生懸命やったと、やったとたんに、これは豊作貧乏でまたこれが落ちる。畜産をやれ、やったところが、飼料の暴騰も加わって大変なことになって赤字を出すというようなことが繰り返し行われる。そうすると、中核農家と言われる人たちも、何かおれもそういうことで踊らされてきたのじゃないかというような実は感じになってしまって、笛や太鼓をたたいても踊らないという状態が、いまの本当に今日まで日本の農業を背負ってきた人たちの間にだんだんと広がりつつあるということを恐れる実は私は一人なんですね。 ですから、そういうことではいけないわけで、この際ひとつ農振法を、若干の問題はあるといたしましても、もしこういうことを契機にして日本の農業に本当に徹底的なてこ入れをするとするならば、具体的に中核農家をどのような目標でつくっていくのか、それに対して積極的な私は取り組みというものが必要になってくるし、そのためには、さっき私が申し上げましたように、たとえば自給率の問題等にいたしましても、つくるものはつくる、できないものはできないから外からというような、そういうようなことじゃなくて、私はやっぱりきっぱりと政府が食糧自給するなら自給するという、きちんとした目標を定めて、それについてはやはりまっしぐらに邁進をしていくということがないと、五年計画が二年で、十年計画が三年で壊れてしまって、そら次に、と出してきたものが後退しているということじゃ、現実の問題として、私は中核農家といたしましても、目標を完全に失ってしまって農業は壊滅的な状態を迎える。それならいっそのこと、もう兼業に全部してしまってやった方がよほど安定するというような私は極論まで持つわけで、そういう点についてはたくさんの力を持った方がいらっしゃるわけですから、そういう英知を結集をいたしまして、この問題について対処する必要があるんじゃないか、こういうような実は気がするわけでですね、その点について大臣のもう少しひとつ積極的な御意見を聞かしていただきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) われわれは農政審議会の御答申を得まして、現在、農林省内部におきまして事務次官を中心にいたしまして鋭意これからの総合的な食糧政策を打ち出す作業をいたしておるわけでございまして、これは昭和六十年を目標にいたしました総合的な政策でありまして、その内容としてはもちろん基盤整備等を中心にいたしました生産対策、あるいはまた先ほどからお話しのような価格政策の面におきましてもいろいろと問題が今日まであり、批判も受けておるわけでありますから、そうした価格政策の見直しもやらなければなりませんし、また農業金融のあり方等につきましてもこれをひとつ総合的に再検討するということも必要であろうと思うわけであります。そうしたいろいろの政策をここで総合して打ち立てていく、そうして六十年目標に向かって今後積極的な農政を進めていく。そして今後の農政に対する農民の信頼を回復し、国民的な支持を得るようなものにしたいということで全力を挙げていま作業を進めておるわけでございまして、その総合政策を打ち出した段階におきましてあらためて御批判も得たいと思うわけでありますが、その中にあって特に私たちが重点を置いておりますのは、何としても農業の担い手の問題でございまして、この担い手をいかにして育てていくかと、担い手のいわゆる中核農家が自信を持ってこれからの農業に取り組んでいけるような形に持っていかなければならぬわけでございますので、そういう点からいろいろの作業を進めておるわけでございますが、そういう中にあってこの農振法の改正というのは一つの大きな、これからの農政を進める大きな一つの柱になると私は確信をいたしておるわけでございまして、そういう面で今後とも全力を注いでいきたいと考えるわけでありますから、ひとつ御協力をお願いをいたしたいと思います。
○工藤良平君 私、ちょっと——あと二、三分ありますけれどもこの程度で、あとたくさんありますが終わりたいと思いますが、ただ最後に、さっきもちょっと触れましたけれども、ややもいたしますと、現在の農政というものが、やらせる農政ですね。そうじゃなくて、本当にやる者の農政、こうやってほしい、ああやってほしいという意見がたくさんあれば、それは非常に貴重な自分の経験の中から、しかもそれが非常に価格的な要素を持っておるという面がたくさんあるわけです。やはり農業をやっている人が一番よく知っているわけで、そういうものをくみ上げて農政としてそれを具体化するということが非常に大切な事項じゃないかということを私は常々感じます。そういう意味でぜひひとつ国会のあれで急がしいと思いますけれども、できるだけ各局長なんかも現地を見ていただいて、農民に接し、そういうものをくみ上げて農政に反映するようなことが積み上げられていったならば、すばらしい農政ができ上がるような気がいたします。そういう点では積極的にひとつ胸を張って、農林省が受け身ではなくて、ひとつ前向きの、よく大臣が言うお得意のあれを使いまして、大いに農政を発展させていただきたいということを申し上げて私は質問を終わりたいと思います。大変失礼をいたしました。
○委員長(佐藤隆君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後四時十八分散会 —————・—————