内閣委員会 第11号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/06/24
会議録
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の移動について御報告をいたします。 去る四日、久次米健太郎君が委員を辞任され、その補欠として世耕政隆君が、また、去る十七日、寺本広作君が委員を辞任され、その補欠として木内四郎君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) この際、去る三日の委員の異動に伴いまして理事に一名の欠員を生じましたので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に世耕政隆君を指名いたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) それでは、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたしたいと思います。木村運輸大臣。
○国務大臣(木村睦男君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げるとともに、退職年金及び遺族年金の最低保障に関する制度の改善等の措置を講ずるため、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和四十九年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給等の改善措置に準じて、その年金額の算定の基礎となっておる俸給を三八・一%を限度として増額することにより、年金額を引き上げることといたしております。 なお、このうち二九・三%の増額を昭和五十年八月分から実施し、六・八%を限度とする増額は昭和五十一年一月分から実施することといたしております。 第二に、旧国家公務員共済組合法等に基づく退職年金等の最低保障額を恩給等の改善措置に準じて引き上げるとともに、公共企業体職員等共済組合法に基づく退職年金及び遺族年金につきまして、国家公務員共済組合制度と同様の最低保障額に関する制度を創設することといたしております。 第三に、恩給公務員期間等を有する八十歳以上の老齢者に支給しております年金の額につきまして、恩給等の改善措置に準じて、その年金の基礎となっておる恩給公務員期間等の期間で退職年金を受ける最短年金年限を超える年金に応じて割り増しをして支給することといたしております。 このほか、国家公務員共済組合制度の改善措置に準じて、廃疾年金を受ける権利の消滅に関し、制度を改善すること等の措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) それでは、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。大平大蔵大臣。
○国務大臣(大平正芳君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている退職年金等につきまして、このたび、別途、本国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置にならって年金額を引き上げることとするほか、退職年金等の最低保障額の引き上げ、八十歳以上の老齢者の退職年金等の年金額の計算の特例等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 まず、この法律案のうち、恩給における措置にならうものについて御説明申し上げます。 第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法に基づく年金並びに現行の国家公務員共済組合法に基づく退職金等のうち、昭和四十九年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、年金額の算定の基礎となっている俸給を、昭和五十年八月より二九・三%増額し、さらに昭和五十一年一月より六・八%を限度として増額することにより、年金額を引き上げることといたしております。 第二に、長期在職者等の受給する退職年金・廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることといたしております。 第三に、八十歳以上の老齢者の退職年金額等につき、特例を設けることといたしております。すなわち、恩給公務員期間等を有する八十歳以上の老齢者に支給する年金の額につきまして、その年金の基礎となっている恩給公務員期間等が退職年金を受ける最短年金年限を超える場合には、その超える一年につきその年金の額の算定の基礎となる俸給年額の三百分の一に相当する額を割り増しして支給することといたしております。 以上の三点のほか、恩給における措置にならうものといたしましては、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額の引き上げ並びにこれらに係る扶養加給の年額を引き上げること等の措置を講ずることといたしております。 次に、その他の措置といたしまして、掛金及び給付の算定の基礎となる俸給の最高限度額につきまして、現行の二十四万五千円を公務員給与の改定状況を考慮し、三十一万円に引き上げることといたしておりますほか、廃疾年金につきまして、現行においては、廃疾の状態に該当しなくなったときに受給資格が消滅することとされておりますのを改め、廃疾の状態に該当しないこととなったときから廃疾年金の支給を停止し、再びその状態に該当することなく三年を経過したときに受給資格を消滅させることとすること等所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 以上で、両法案の説明は終わりました。
○委員長(加藤武徳君) それでは、恩給法等の一部を改正する法律案及びただいま説明を聴取いたしました両案を便宜一括して議題といたし、質疑を行いたいと思います。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○片岡勝治君 それでは、まず最初に恩給あるいは共済年金等含めた日本のいわゆる社会保障制度の大きな柱である年金制度全体の問題について、関係大臣の基本的な考え方をまずお聞かせいただきたいと思います。 御承知のように、日本もいよいよ高齢化社会に入るということでありまして、もちろんこれは年金だけの問題ではありませんけれども、この高齢化社会に対応する社会保障制度全般を見直し、これを確立するという時期に入ってきたと思うわけであります。これも衆参両議院のいままでの審議の経過あるいは昭和五十年二月四日に出されました国家公務員共済組合審議会答申にも明記されております。「昭和五十一年度には厚生年金、国民年金等にわたり抜本的な改正が行なわれようとしている」、こういう表現がこの中にあるわけでございまして、このいわゆる厚生年金、国民年金を含む公務員の恩給、年金に対する抜本改正の基本的な姿勢といいますか、そういうものについてまず関係大臣の御意見をお聞かせ願いたいと思うわけであります。
○国務大臣(植木光教君) ただいま御指摘がありましたように、恩給は老齢者あるいは身体に傷病を持っておられる方々、あるいは御遺族というような、いわば社会的にも弱い立場にある方々に給付せられるものでございます。したがいまして、政府といたしましては最近特に配慮を加えているところでございまして、御承知のとおり五十年度の予算の編成に当たりましても、公務員の給与ベース改善率、さらに公務員給与の水準差の補てん分を合わせまして三八・一%という引き上げを行いますとともに、最低保障額につきましても改善を加えたところでございます。したがいまして、現在のところ、恩給支給の考え方は、いわば一つの制度改革を行わなくても順次改善されつつある方向にありますので、私どもといたしましては、引き続きまだ改善すべき点が多々ございます、その点につきましては予算上配慮を加えてまいりたい、このように考えているのでございます。
○片岡勝治君 総務長官は、担当のいまの恩給、年金ということでございますけれども、この答申によりますと、昭和五十一年度を期して厚生年金や国民年金が抜本改正が行われようとしている、こういう表現がされているわけですよね。ですから、恐らく政府全体として、厚生年金は厚生省である、国民年金はどこだという各部門部門でもちろん検討はされておりますけれども、少なくともこういう表現がある以上、政府全体として、つまり広い意味の年金問題、老後のつまり生活保障という問題について抜本改正をやるということであるとするならば、何か政府の総括的な基本姿勢というものがあるのではないかというふうに私ども受け取れるわけです。そういうものがあればこの際お出ししていただきたい、こういう質問なんですがね。
○国務大臣(植木光教君) 公的年金制度は非常に多種にわたるわけでございまして、それぞれ沿革を異にいたしておりますし、その内容につきましても区々でございます。これを整理し統合すべきではないかという御意見がありますことは十分承知いたしておりまして、ただいま各省庁間でその調整のできるものから調整いたしたいという努力をしているところでございまして、たとえば障害者に対する給付でありますとか、あるいはまた通算問題でありますとかいうようなことにつきましては、同じように並べようというようなことがいま建設的に協議をされている最中でございまして、御指摘のように、一本化いたしますのは大変困難なことであろうかと存じますが、逐次それぞれ、ただいま申し上げましたように、できるところから調整を進めてまいりたいというのが政府の姿勢でございます。
○片岡勝治君 大蔵大臣にお答え願いたいわけですが、国家公務員の共済年金の所管が大蔵省ということになっておるわけであります。まあこれはそれなりに理由があるということは私ども聞いております。しかし、恩給は総理府が所管である。それで、国家公務員の給与についても総理府になっておるし、財布を握っているところがいわば公務員の処遇といいますか、広い意味の社会保障、そういうものを担当するのはいかがか。つまり、大蔵省というのは行政全体の財政を担当するということでありますから、こうした特定の問題を大蔵省所管にするのはどうだろうかということを私ども若干疑問に感ずるわけであります。できれば、これはやっぱり総理府等に移して、大蔵省は高い財政的な面でチェックはできるわけでありますから、とりわけこの問題だけを大蔵省所管にするのはどうだろうかというふうに私ども感ずるんですが、この点はどうですか。
○国務大臣(大平正芳君) 沿革的に国家公務員の共済組合のお世話を大蔵省がやってまいりましたことは御案内のとおりでございまして、その延長線上で長期給付の共済年金までもお世話申し上げることになりましたわけでございます。仰せのように恩給局が所管されておりまする恩給の仕事が将来確実に減少してまいることは御指摘のとおりでございまして、大蔵省の仕事を総理府恩給局の方に移すことも一案ではないかという御提案でございました。御提案の趣旨は理解できないわけではございません。国家の行政組織全体の中で、最も効率的な運営をやってまいらなきゃならぬわけでございますので、検討に値することと思いますけれども、ただいまのところ、政府はまだそういう方向に踏み切ったわけではございませんが、御−指摘の点もございますので今後検討さしていただきたいと思います。
○片岡勝治君 これはひとつ十分検討されて、まあできれば大蔵省から外した方がむしろ大蔵省としても立場がいいのではないか。何かもう国の財政が基本になって国家公務員の共済制度がつくられている、それに恩給も地方公務員の共済も引っ張られているんじゃないかという誤解を受ける危険性もあると思うんです。いろいろそのほかにも理由がありますが、時間がありませんから省略をして、ひとつ十分検討していただきたいと思います。 それから次に、今度の改正でも相当の分野にわたって改善が恩給、年金について行われているということを私ども率直に認めるところでありますが、しかし、なおかつ、これだけ物価の変動、インフレ、そういう激しい時期に、今度の改正を見てもまだまだ不十分じゃないか。たとえば今度二九・三%、ほぼ三〇%の引き上げを恩給、年金について行うわけでありますけれども、これはつまり、去年の公務員の賃金アップがほぼ三〇%だった、だからそれに見合わせて三〇%引き上げるんだということでありますから、これを仮に四月一日から引き上げたとしてもちょうど一年おくれになるわけですね。しかも、今度一カ月繰り上げて、いままでの九月を八月にしたということですから、その努力の跡は私ども率直に認めるわけでありますが、つまり一年五カ月おくれた。あの激しい狂乱物価の三〇%の賃金引き上げが、いわば最も力のない、弱者という言葉を余り私は好きではないんですが、年金受給者については一年五カ月おくれてようやく三〇%の引き上げが行われる。それからもう一つの要素であるこの引き上げにつきましても、これはそれ以前の公務員と年金受給者との格差、つまり一昨年までの格差というものを去年とことしに二分してことし上げるということですね、六%何がしを。これももう考えてみれば、三年前の給与格差ということですから当然行われていなければならない。そういう点で、これはもっと抜本的に改正する必要があるのではないかというふうに考えるわけでありまして、この点のひとつ政府の方の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 恩給改定の実施時期は、公務員給与の改善時期に比べて相当おくれているということは御指摘のとおりでございます。しかし、いま仰せになりましたように、過去二十年来十月に実施をしておりましたのを、昨年一カ月繰り上げられ、また今回は、他の公的年金制度は増額実施時期が昨年並みでございましたのに、恩給につきましては八月実施として昨年よりさらに一カ月繰り上げるということになったのでございます。しかし、実施時期がおくれているということは事実でございます。実施時期をさらに繰り上げることにつきましては、他の公約年金制度との均衡上の問題もあり、財政負担の面においても困難な問題があるわけでございますが、今後の重要な検討事項として取り組んでまいりたいと存じます。 それから、さらに六・八%分でございますが、これは五十年度の恩給増額の基準となります四十九年度の現職公務員の平均給与改善率は二九・三%という高い率でありましたために、格差是正分の六・八%を上積みをいたしますと、先ほども申し上げましたように三八・一%という大幅なものになるわけでございます。この点につきましては、私どもといたしましては、大臣折衝の段階におきましても非常に強く主張をして実現をすることができることになったものでございまして、いま申し上げましたように非常に高い率になるものでございますから、一月実施ということにしてこの改善を図ることとなったものでございます。私どもも、御指摘の点を十分に体しまして、予算の編成に当たりまして、その結果がこのようになったというのが実情でございます。
○片岡勝治君 大変公務員の給与のアップ率が高かった。確かにそれに見合う恩給、年金のアップはそれだけ予算がかかるわけでありますけれども、実はそういうときにこそめんどうを見るということが必要だろうと思うんですよ。仮に五、六%の賃上げあるいは物価値上げの場合だったら、それは一年や二年仮におくれてもさほど大きな影響はないと思うんですけれども、三〇%も上げなければならなかったときというのはよほど異常な事態でありますから、むしろそういうときには、公務員に対するスライドの時期というものを、なるべく公務員の賃金アップに近い時点であわせてやるということでなければ、これはかわいそうじゃないかと思います。この点はひとつ大いに検討していただくと同時に、今度恩給、年金の基本的な考え方として公務員給与へのスライド方式というものが採用されたんですから、これは、公務員の給与アップの法律は、今度八月に仮に勧告されたら、きわめて近い時期に国会を開いて速やかに実施されるような措置をとられるよう私ども強く希望しているわけでありますが、できればそのときに年金あるいは恩給についてもスライドをしていくというような措置が私は不可能じゃないだろうと思うんです。つまり、公務員給与とのスライド制というものを、もっと事務的に、流れ作業的にできるような仕組みをつくっておけばね。そういう措置を講ずべきではないかと思うので、この点はひとつ大いに検討していただきたいと思います。なお、具体的にはまた後でゆっくり質問をしていきたいと思うんです。 それから、もう一つ基本的な問題としては遺族年金の支給の率の問題ですね。これについて、時間がありませんから説明はいたしませんが、政府の方のお考えをお聞かせいただきたい。つまり、いまの支給の率では生活保障にはとてもならないのではないかということなんです、率直に言って。この点についてのお考えをお聞かせいただきたい。
○政府委員(菅野弘夫君) 恩給で申しますと、ただいまの御質問は扶助料の問題だと存じますが、恩給受給者の普通恩給の方が亡くなって普通扶助料に転移するわけでございますけれども、その場合の率というものは、これは恩給法が大正十二年にできまして以来、ずっとその半分、二分の一でございます。ただいまの御質問はその二分の一ということでは少な過ぎるのではないかという御趣旨だと存じますけれども、恩給につきましては、実は普通恩給をもらっている方と、その方が亡くなって普通扶助料になった場合には、ケースによりましては適用する俸給表を変えまして、傷病者であるとか老齢者であるとか遺族であるという方は俸給表をよくするという制度もとっておりますので、そういう点では御遺族の方をそういう面で配慮をしているということが言えると思います。したがいまして、ケースケースによりますけれども、ある場合には五割ではなくて実質的に六割である、七割である、あるいはもっと八割、九割という方もあるわけでございまして、そういう方も具体的にはあるわけでございますが、原則としては確かに二分の一ということでございます。そして、その率の問題をさらに六割あるいは七割に上げるという御要望もすでに聞いているわけでございますけれども、この問題は恩給法の問題のみならず、広く公的年金の各種の率にもいろいろ密接な関係がございますので、そういう点を含めまして、恩給は恩給のサイドからも十分検討してまいりたいと思いますが、現在のところはそういうような事情でございますので、いますぐにということは考えられておりません。
○片岡勝治君 総理府の方は恩給のことだけですから、それに関連して年金のことについて大蔵大臣に基本的なことだけいま質問しているので、ぜひお答え願いたいそうですが、そうするとあれですか、いまの問題について今後改善をしていくというような考え方については、恩給の部分については持っていないということなんですか。
○政府委員(菅野弘夫君) 大変困難な問題を含んでおりますけれども、他の年金のこともあわせ考えまして、恩給のサイドからも非常に重要な問題としていろんな面から検討したいというふうには思っております。
○片岡勝治君 これは提案説明、いろいろ各関係省庁からの説明を聞いても、恩給がむしろ何といいますか、母体になっている。恩給法等の改正によりこの共済年金の方も改正するとかなんとかいうことかいうことが言われているんです。恩給の方を質問すると、いまのお答えのように他の公的年金があるからとかなんとか、何というのか、お互いに持たれ合うというか、そういう傾向が非常に強いわけですね。ぼくはさっき大蔵大臣にちょっと所管を外したらいいじゃないかと言ったのは、本当を言うと大蔵省の国家公務員の共済年金が基本になっているわけですよ、これは大蔵省が自分で銭こを持っているものですからね。そこでことしはこれだということになればそれに合わせていく。しかし、実際には恩給法の改正がこうだから共済年金はこうだということで、恩給の方にその責任があるかのごとき発言をするわけなんです。これはやっぱり恩給は恩給の分野でいま言った問題は真剣に考えてもらいたいと思うんです。他の公的年金との関連はもちろんありますけれども、これは恩給は恩給という分野で十分考えていく必要があると思うわけであります。関係がありますので国家公務員の共済年金の部分については、いまの問題についてお考えがあればお出しいただきたいと思うんです。
○政府委員(高橋元君) 恩給の問題につきましては、先ほど恩給局長から御説明がございました。 国家公務員共済年金でございますが、これは先ほども総務長官から御答弁がございましたように、広く八つの公的年金制度の中で国家公務員に関する年金を扱っておる基本的な制度であることは、いま先生御指摘のとおりでございます。そこで、共済組合の年金の中で、特に、ただいま承りました遺族年金の支給率をどのように持っていくかということでございます。これつきましては公務員の共済年金、これがカバーします雇用者と申しますか、全体で約五百万人、これは地方公務員、公企体入れまして五百万人ぐらいかと思います。一方で雇用者年金として一番代表的な制度は申すまでもなく厚生年金でございますし、雇用者以外の国民をカバーいたします年金が国民年金であります。これらを合わせますと五千万人ぐらいの年金対象者ということになろうかと思います。 そこで、共済年金の制度改正を議論いたしてまいります際に、どうしても厚生年金なり、それからまた国民年金なり、そういった他の公的年金制度との調整が基本的に重要な問題であろうというふうに私どもは考えておるわけでございます。もちろん共済年金の遺族年金をどの程度まで充実させていくかという問題につきまして、私どもとししてもいろいろ検討いたしておるわけでございますけれども、その場合に、いま申し上げましたように、広く公的年金全般を見渡してやってまいる必要があるというふうに考えます。また、制度的には共済年金に加入しておられる方々の妻の方々は国民年金任意加入制度というものを利用できることになっておりまして、また現実にもかなり利用しておられるようでございます。その問題もございます。さらにまた、給付を改善いたしますれば、年金財政全般を通じていわゆる財源率、掛金率というものにも影響していくわけでございますので、そういった総合的な観点から今後どのような程度まで、どのようなテンポで改善をしてまいるかということについて検討を続けてまいりたいと思います。ただいまの問題は国家公務員共済審議会でも、冒頭先生から御指摘のありました今後の共済年金改善の方向を決めるべき重要な問題項目の一つとして取り上げられておりまして、いま真摯な検討を進めておるところでございます。
○片岡勝治君 今度の改善によって、退職時の給与の算定を一年短縮をしたということになったわけですね、いままで三年平均ですか、それを一年短縮したということでありますけれども、その結果また新しい受給者間の格差というものが出てまいります。つまり、いままでの退職時の算定の基準というものが改善されるということは、改善された後と以前とではまた新しい格差が生まれてくるということでありますから、この是正について具体的に何か救済措置というものを考えているのかどうかお伺いしたい。
○政府委員(高橋元君) 四十九年度改正で、いまお話のございましたように、年金の基礎となります俸給を退職前三年の平均給与から退職前一年の平均給与に改めさせていただきました。その際に、いわゆる転がし方式と申しますか、従前退職前三年の俸給で年金の裁定が行われておりました方々につきまして、もう一回退職前一年の俸給に改めて、そこで再算定をして、その結果裁定いたしまして年金の三年、一年の部分を改善をしてございます。したがって、既裁定年金につきましても、四十九年度の改正以後は全部現行の退職前一年の平均給与ということでやり直したわけでございます。その後、ただいま御審議をお願いしております法律に従いまして、本年度さらに二九・三%の改善、五十一年一月からはそれに加えて六・八%の積み残し分の改善をやる、こういうことで処理をさせていただいておる次第でございます。
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
○河田賢治君 恩給法の問題について質問いたします。 これは衆議院でもかなり詳しくこれらの内容についてはいろいろ質問とその回答があります。だから詳しく私はこれらの問題に入りませんが、一番問題なのは、要するに上厚下薄と申しますか、上には厚く下には薄い、この是正問題がたびたび問題にもなり、またこれらが御承知のとおり衆議院でも、また昨年の参議院などでもこの問題の要請が決議がされております。ことしも御承知のことおり衆議院ではこの問題が一つの問題になっておりますが、ここで一つ総理府長官にお聞きをするのは、長官は衆議院の審議においてわが党の中路議員の質問に対して、これは五月六日です。「五十年度予算の編成に当たりましては、恩給局といたしまして一つの案を考えまして、大蔵省との折衝に当たり、また総理府そのものといたしましても、これを一つの柱といたしまして折衝してまいったところでございます。」、こういう答弁をされておるんです。この答弁から考えまして総理府の一つの案の具体的内容、これをひとつ大まかに言っていただきたいと思う。それから大蔵省が何を主張し、どういう経過でこれがつぶれたのか端的に説明をお願いしたい。まず、このことでございます。
○国務大臣(植木光教君) 公務員給与におきます下厚上薄的な傾向を参考といたしまして、いわゆる四十五号俸以下、四十六号俸から六十二号俸まで及び六十三号俸以上の三段階に区分いたしまして、それぞれ異なった引き上げ率により引き上げるという案を考えたわけでございます。その結果、三八・一%の引き上げ率によりまして考えて試算をいたしますと、四十六号俸から六十二号俸までの中位号俸を引き上げるということになりますと、四十五号俸以下は三九・二%、六十三号俸以上は三六・四%の引き上げ率ということになったわけでございます。これを一つの案といたしまして、数次にわたって復活折衝、大臣折衝をいたしました。しかしながら、結果といたしましては、まだ技術的にも十分煮詰まっていないという点が当方にもございましたので、五十年度はこれを見送ることといたしまして、五十一年度から何とかして実現できないものかということで、いま鋭意案を研究をしているところであります。
○河田賢治君 そのときの大体総理府の概算要求で主張されたものと、そして今度の原資、要求されて、そしていまやられている間の原資ではどのくらいの差があるのですか。
○政府委員(菅野弘夫君) 総理府が出しました三段階の案の要求時における計算では約二十億でございます。
○河田賢治君 いま長官も、この問題についてはやがてさらに漸進的な態度をとると言われたわけですが、もうそろそろ近く概算要求を出すような時期も迫っておるわけです。ぜひとも、衆議院の決議もあり、参議院も、委員会がまだ始まったばかりでありますからどういう決議をするかわかりませんけれども、いずれにしましても、上厚下薄の問題ですね、その他またいろんな問題も現在の社会情勢に応じてやはり漸進的な態度でひとつ臨んでいただきたいと思うんです。大蔵省はずいぶんそういう点では保守的な立場をとるのですが、大蔵省の方来ておられましたらこのような総理府が出したものを削っていかなきゃならぬというようなことをできるだけ改めて、やはり院の決議、これに沿ってひとつ努力をしてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 私ども、共済を所管いたしております立場と申しますのは、いわゆる所管省の立場でございます。恩給、共済を通じて社会保障制度全体を財政の中でどのように取り扱うかということ、私直接担当いたしておりませんのですが、いま河田先生からお話のございました、いわゆる上厚下薄を改善していくために仮定俸給なり基礎俸給を下厚上薄に改めるという方法はどうかという御提案でございます。恩給法にもそのような規定がございますし、共済組合にもそのような規定がございますが、いわゆる年金の価値維持と申しますか、調整規定がございまして、国家公務員共済組合法で申し上げますと「この法律による年金たる給付の額については、国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする。」、これは各共済組合法及び恩給法にも同種の規定が入っております。厚年、国年にもそういう規定があるわけでございますが、こういうことで生活水準、それから物価その他の諸事情の変動に応じて年金の価値維持ということをどのように進めていくかという問題の一環かと存ずるわけであります。 それで、五年ごとに財政再計算をやり、またその間に給付の改善ということも図っていかなければならないというふうに思うわけでございますが、その中間で価値維持をどういう方法でやるかということになりますと、いままでとってまいりましたのは一律アップ方式でございます。一律アップ方式の方が非常に年金の既裁定の受給者には簡単明瞭にわかりやすいと、それから改定の作業の問題もございます。年金を受けておられる方相互のバランスということもあります。裁定後において下厚上薄の改定率を加えた場合にかえって下級者の方が上級者よりも年金が上がってしまうという問題もあろうかと思います。しかしながら、他方では退職しておられない方と退職して年金受給者に変わった方との間のバランスというものも、俸給表の上薄下厚の部分と年金の一律アップの間でまた差が生じてくるわけであります。その辺は非常にむずかしい問題かと思いますけれども、やはり私どもは実質価値維持ということに年金の調整改定ということの趣旨があるというふうに考えておりますので、一律アップ方式という考え方を持っておりますけれども、しかしながら、よい方法があるかどうか、いろいろ問題もありましょうけれども、恩給サイドを受けて公務員共済組合というものは現実には恩給を引き継いだ給付というものの割合が非常に高いわけでございますから、これらのことにつきまして恩給局とも御相談しながら妥当な措置を考えてまいりたい、こういうふうに考えております。
○河田賢治君 もう一問で済みますが、恩給の中には未帰還者の遺族なんかもございます。これは外務省や、それから厚生省等々といろんな関係がございますが、まだ相当未帰還者がおるわけです。それから家族の方もおられて、いまそのあれをいただいておられるわけですが、これについて相当いろんな手だてを尽くして未帰還者を発見し、それをまた日本へ帰ってこられるようにする。時折フィリピンやその他の島や山の中から出られるわけですけれども、系統的にいろんなあれを通じてこれらの未帰還者の存在を確認し、そして日本へ引き揚げられるような、そういう措置はとっておられるんでしょうか。その辺をひとつお聞きしたいと思いますが、これは厚生省じゃなきゃわかりませんか。とにかくきょうは、来てなければいいですが、いずれにしましても相当な数になりますから。 それからまた、いろいろ恩給の問題では調査が漏れたとか、あるいは申告してもなかなか受け付けられなかったとかいうような、個々の問題がちょいちょい起こっておるようでございます。だから、そういう問題はできるだけやはり——こういう恩給などはわかっている方にはわかるんだけれども、わからぬ方はなかなか手続だとかいろんなことがわかりにくいわけですね。われわれだってあの法律を読んでも、うんざりするほどあるわけなんですが、これらについてもやはりもうちょっと積極的に各省との連絡をとって、こういう問題を早く処理してもらいたい。このことを申し上げて、私はこの問題についての質問は終わります。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
○中村太郎君 ちょっと質問いたしたいと思います。恩給問題を少し勉強さしていただいたんですけれども、四十三年の恩給審議会、そのとき二十六項目にわたる答申を出しておるんですけれども、これが四十六年までにほとんど片づいたという点につきましては、これは大変な努力であったと私も評価したいと思うわけでございます。しかし、それにいたしましても、いろんな問題点が残っております。御案内のように、本院におきましても四十八年の附帯決議、あるいは四十九年の附帯決議等々あるわけでございますけれども、この附帯決議がやっぱりいまの恩給界の問題ではないかと思います。したがいまして、その項目について一々ひとつお伺いしてまいりたいと思うわけでございます。 まず一つは、かねがお話題になっておりまするいわゆる公務員の給与スライド制の法制化の問題でございます。御承知のように、これは衆参両院で四十四年以降ずっと要望し続けてきております。先ほど申し上げましたように、四十八年、四十九年にはわざわざ附帯決議としてこれを要請をいたしておるわけでございます。しかし、何ら法制化については具体的には進展していない。四十八年、四十九年、公務員の給与にスライドするという実質的な措置はとったんですけれども、法制化にはまだ至ってないという点があるわけでございます。これは一体どういう理由に基づくのか、なぜできないのか。政府筋では、いまここで直ちに法制化しなくても、実質上そういう措置をとっているんだからいいんではないかというような御意見があるようですけれども、私どもは事実上もう定着しているんならば、あえて法制化に踏み切っても差し支えないではないか、逆にそういう考え方を持つわけなんですけれども、一体これはどういうことなのか、なぜ法制化ができないのか、その理由をお伺いしたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 現在のスライドの制度化でございますけれども、四十八年度以降、国家公務員の給与そのものにスライドをするという方法をこれで三年続けたわけでございますので、そういう意味では実質的にそういう面のスライドはできているというふうに思います。それならばすぐ制度化をしたらどうかというお話でございますけれども、特に国家公務員の給与にスライドをするということの中身にいろいろの問題がございまして、恐らくこの附帯決議の趣旨は、いままでのように物価ではないんだ、あるいは物価と給与の中間をとりました恩給審議会方式ではないんで、給与そのものを指標にしなさいというのが根本的な趣旨だと思います。そういう意味では実現をしているんじゃないかと、実際的に実現をしているんでございますけれども、もう一つの側面、すなわち公務員給与に自動的にたとえばスライドをするということになりますと、先ほど来問題になっております上薄下厚の問題なんかもその一つでございますけれども、二九・三そのものの問題、あるいは先ほどの三段階の話が出ましたり、あるいはもっと細かいいろんな方法があると思いますけれども、そういう周辺の問題がたくさんあるわけでございまして、やはりそういうものの整理、特に問題になっておりますので、そういうものが落ちつきませんと、どういう形のスライドの方向かということで、いきなり法律化なり制度化というものはなかなかむずかしいんじゃないか、そういう周辺の問題も十分研究さしていただきまして、この附帯決議の趣旨というものの実現にさらに研究を深めたいというふうに思っている次第でございます。
○中村太郎君 恩給法の二条ノ二ですか、「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情二著シキ変動ガ生ジタル場合」云々とありますね。ですから私どもは、その一番著しき変動の中身である物価そのものは公務員の給与改定に含まれておりますから、公務員の給与に準ずればストレートでその問題は解決できるというふうに考えておりますし、もう一つは、恩給受給者の方から言わせれば大変不安があるわけでございます。なるほど政府は三年間給与スライドをやったけれども、しかし、その著しい変動という判断は一体だれがするのか、これは政府側にあるわけですね。今後ともそういう形で著しき変動とみなしてやってくれるのかどうかという不安もある。その場合に、厚生年金のいわゆる物価変動にスライドするのではなかろうかという、こういう不安もあると思うんですよ。したがって、私どもはそういう不安を解消するためにもこの際やっぱりきっぱり国会の意思を尊重していただいて法制化に踏ん切る、こういうめどをいつに置いているか、それをお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(菅野弘夫君) いつにめどということになりますと大変むずかしいので、ここで即答はできませんけれども、いま申されましたような、特に受給者の方々が物価にまた戻るんじゃないかというような不安をあるいはお持ちであるということはわれわれも想像にかたくないわけでございまして、そういう点につきましては、この三年の実績、特に今年度二十九・三というように非常に大きな額でございまして、二九・三という、こういう大きいときには公務員給与そのものに準拠するというやり方が後退するのではないかという不安を持たれた受給者の方々もおったように聞いておりますけれども、そういうものを乗り越えて、この三年目もそういう実績をつくっておりますので、そういう受給者の方々の不安というものはある程度は解消したんじゃないかというふうに思っております。 制度化自体の問題につきましては、先ほど申しましたように、その周辺の問題を含めましてむずかしい問題がございますので、さらに研究を深めさしていただきたいと思います。
○中村太郎君 では、それはそれとして期待をするということで次の点へ入ります。 例の一律アップ方式の再検討の問題でございます。いま河田先生から一部御指摘になったのでございますけれども、確かに恩給調整の趣旨というものが恩給年額の実質的な価値を落とさない、経済事情の変動に対応するんだということが目的でございますから、確かに考え方によれば一律アップというのが正しいということも言えると思うんです。しかし、これはもうこの考え方というのは、やっぱり退職当時というものをあくまで固定した、金科玉条とした原則的な考え方、硬直的な考え方ではないだろうかというふうに思います。と言いますのは、恩給制定当時と今日の客観情勢、あるいは考え方、いろいろ変わってきているわけでございます。人間尊重あるいは老人福祉、弱者救済、社会的不公正の是正等々あるんですけれども、いまの一律アップをそのままやってまいりますると、確かに上に厚く下に薄い、この傾向が出ておりますことははっきりしておるわけでございますから、これは先ほど河田先生の御質問で来年をめどに改善をしたいということでございますから、私は必ず来年実現することを期待をいたしたいと思うわけでございます。 それから、次に退職年次別による恩給格差是正の問題でございます。これもずいぶん恩給界の話題でございますが、いわゆる戦前に職をやめた人、これからやめる人、その間にずいぶんの格差がある。大体いまの人たちの六〇%ぐらいしか戦前にやめた人はもらってないというのが実態のようでございます。これはもちろん途中、当然制度の変更があったということが起因しておるわけでございますけれども、しかし、だからといってこの余りにも大きい格差の是正をそのままにしていいかどうかという問題は確かにあると思うわけでございます。したがって、特に戦前の公務員等ずいぶん苦労されましたし、給与もいまのようにほかと比較してよくなかったということから考えますると、どうしてもこの救済は心情的にやってあげたいというふうに思っておるわけでございますけれども、これに対する措置はいかがでございますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 退職年次別格差の問題でございますが、これはいろんな問題がございます。一番端的に申せますのは先生の御指摘されましたように制度の改正でございまして、いまおやめになった方がこれだけの金額がある、同じ三十年なら三十年勤めたけれどもこれだけの差があるというふうに申されるわけでございますが、現在おやめになる方、公務員でおやめになる方は、恩給ではございませんで共済年金でございます。共済年金は御存じのように二十年で百分の四十というところからスタートいたしまして、その後のアップ率も違いますし、またその背景には掛金等もずっと高い額をその後ずっと積み立てられておるわけでございまして、そういう現在共済年金のもとでおやめになる方と、それから従来の恩給制度のもとでおやめになった方がどうしても差が出るというのは、これはある意味ではやむを得ないんではないかというふうに思っております。 それから、そのほかのいろんな問題にしましては、たとえば給与制度が著しく変わりました特に昭和二十三年六月三十日の前後でございますけれども、こういう、問題の逆転現象については、その後何回かの改正によってほぼ解消いたしておりますし、その他一般的に給与制度が徐々に改善をされることに伴う問題につきましては、一昨年の改正におきまして七十歳以上というふうに限定をいたしましたけれども、老齢者優遇の趣旨を含めまして四号アップということをやっております。さらに昨年は七十歳以上の長期勤続の方について、それを超える一年について三百分の一ずつ、本年はさらに八十歳以上の方について、さらに三百分の一ずつということで御審議をお願いしているところでございまして、そういうものを総合してお年寄りで過去におやめになった方々の待遇改善というのには、いろんな面で努めているわけでございます。特に戦前のお話が出ましたけれども、戦前の方々につきましては、やはり給与そのものの問題があったと思うわけでございますが、そういう方々の、特に低い方々の問題につきましては、最低保障の改善という面においても、十分とはなかなかまいりませんけれども、そういう面の救済方法もあわせて今後とも考えてまいりたいというふうに思っております。
○中村太郎君 それから、これも一つ問題でございますが、例の軍人と文官との間における格差是正の問題でございます。ここにまあ軍恩連の会長さんがいらっしゃるんですけれども、兵隊さんと、兵隊さんに相当する文官の現在の恩給の格づけでは大体十号違うということを主張されておるんですが、実態はどうですか。 それから、総理府の方ではかなり改善されているんだと言っておりますけれども、具体的な資料として一体どういうふうに改善されたのかお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(菅野弘夫君) 文武官の恩給格差でございますが、これも問題点の一つではあります。ただ、軍人恩給と文官恩給というのはそもそもできが違うわけでございまして、これは御案内のとおり軍人さんにつきましては、いまはほかの文官もすべて仮定俸給というのを使っておりますけれども、戦前から軍人さんの場合には仮定俸給という制度がございまして、実際にもらわれる俸給と違ってもっとそれよりもかなり高い仮定俸給を使ってきたわけでございます。一方、文官の場合にはそういうことはございませんのは御承知のとおりでございますけれども、その後、文官の場合におけるいろんな是正がございました。それは前の御質問で御指摘になりました点でございますが、退職年次のいろいろな問題等で文官の中におけるアンバランスの是正ということで、いろいろな、たとえば昭和二十三年前後の問題、それから先ほどもちょっと触れました七十歳以上四号アップの問題等々があったわけでございまして、そういう問題が文官の中の是正として行われた結果、武官との間に差があるじゃないかという御指摘は一応ごもっともだと思います。しかしながら、文武官の仮定俸給の中でそういうふうなものが余り著しく差ができてはもちろんいけないわけでございますので、昭和四十四年だったと思いますけれども、現在のいわゆる短期在職者と申しまして、加算を入れて恩給になる方でございますけれども、そういう方々——失礼しました。短期在職者じゃなくて、長期在職者の方として、四十四年だったと思いますけれども改善をいたしまして、さらに四十七年でありましたが、短期在職者につきましても傷病者であるとか、老齢者であるとか、あるいは妻子であるとか、そういう方々については俸給表をさらに格づけを上げるという形をいたしまして、そういうことを総合して考えますと、文武官の格差のそういう面における差は非常になくなったのじゃないかというふうに思っております。ですから、厳密に申しますと、あと短期在職者の若い方々についてはなお差があるわけでございまして、それらにつきましては軍人恩給全体の問題、あるいは恩給内部の問題、そういうものをさらに総合的に勘案をして決められるべきものと存じますので、さらに検討さしていただきたいと思います。
○中村太郎君 そうしますと、要するに軍恩連で言いまするところの十号俸違うというのは、そういうことはあり得ないというふうに判断していいんですか。もしそうだとすれば、具体的にひとつ、こういうふうに改善したという経過を、後ほどでいいですから資料として出していただきたい、こう思います。 それから、局長が衆議院に行って、いま言われたようなことを内閣委員会で、特に若い短期在職の人と、それから長期在職の高官ですね、位の高い人。この間にはまだ調整が済んでないと言っておられますけれども、これは一体いつごろまでに調整する御用意があるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 十号俸というのは、具体的に個々の方々の号俸に当たってみないとわかりませんけれども、十号というふうな差はないと思いますが、いま言われました短期の六十五歳以下の若い方、それからいわゆる長期の方で位の高い方、そういう方については、なお、そういう先ほど是正をした範囲に漏れている方々もあるわけでございますので、そういう問題についてはさらに検討さしていただきたいと思います。いまここで、それをいつからと言うのは、これは先ほど申しましたように軍人恩給全体の問題にかかわりますので、そういういろいろな面から検討さしていただきますので即答いたしかねますけれども、十分検討したいと思います。
○中村太郎君 それから、例の最低保障額の引き上げの問題でございます。今回の改定で長期在職者六十五歳以上四十二万、未満が三十一万五千、短期在職の九年以上三十一万五千、九年未満二十一万と、こういうようになってはいるんですけれども、問題は、これは非常にまだ低い。たとえば生活保護基準から見てもかなり低いわけですね。あなたたちが言われるように、生活保護費というものと恩給とはたてまえが違うのだということもわかりますけれども、本来的に恩給といえどもやっぱり老後の生活保障という意味を含んでいるんですから、これは最低限、生活保障の保護基準までは引き上げるべきではないかということが私は望ましいと思うのです。恩給はもらいますわ、老人福祉年金はもらいます、なおかつ生活保護を受けなければやっていけないというような制度自体が、本来的に私はこういう継ぎはぎだらけの年金という姿は決して妥当なものではない、すべての年金の基盤、最低の基準というものは、生活保護基準ということで考えていくことが筋道だと思うんですけれども、この辺の御感触はいかがですか。
○政府委員(菅野弘夫君) 先生すでに御存じのように、生活保護というものはすべての資産なり何なりを活用した後で、なお最低生活を維持できない方々に対する扶助でございますが、恩給というのは、恩給の定義もございませんが、恩給の趣旨などを長々と説明するまでもありませんけれども、やはりそれは観点が違うと思います。したがいまして、単純に恩給の額と生活保護の額とを比べるのは適当でないというふうに思いますけれども、特に現在の恩給の場合には、いわゆる、先ほどから長期短期と申しておりますけれども、長い間公務のために尽くした方のほかに、時期的には非常に短い方々がおるわけでございまして、四、五年あるいは数年という方があるわけでございます。もちろんその方々も軍務に服し非常に御苦労されたことはわかるわけでございますが、そういう方々の場合の恩給費と生活保護費が直接比べられるというのは、やはりいろんな面で問題があると思います。ただ、私たちも恩給が低くていいというふうにはつゆ思っておりませんので、恩給額の引き上げにはいろいろな面で努力をいたしておりますけれども、生活保護と直接は結びつかないけれども、やはり生活保護というのは最低保障でございますので、そういうものをやはり横に見ながら、そういうものを下回るような恩給というのはなるべく少なくしていくように努力をするという目標としては、私は先生のお説に心から賛成をいたすものでございまして、これからもそういう面の努力を続けさしていただきたいと思います。
○中村太郎君 時間がありませんから先に飛びますが、短期在職者の最低恩給ですね、これは例の九年以上と九年以下に分けているんです。ところが八年の人と九年の人、これは一年差で約十万円違うんですよね。この辺の不合理は是正されないものかどうか。たとえば最低の三年を二十一万にして、あと九年までの六ランク、三、四、五、六、七、八、六つですね、これに十万をランクしていくというような制度は考えられないものですか。一年違うだけで十万ですね、三十一万と二十一万になってしまうんですよね、九年以上と九年以下、八年の人と。こういう点はもっと合理的に、二十一万を三年として、あと二万ずつ乗っけていくというような、そういう制度はとれないものですか、二次的に、いかがですか。
○政府委員(菅野弘夫君) 恩給そのものは退職時の俸給と年数ということで非常に細かく分かれております。がしかし、それをその金額では少ないからここまで最低保障を持ってこようという、最低保障はそういう制度でございますので、やはりそういう制度である以上は、これはまたそう千差万別の細かい制度をつくるということ自体がやはりどうかという感じがいたしまして、昨年この制度ができましたときには、いま御指摘のような短期在職者については二区分にいたしております。そういうことでございますので、もちろん細かければ細かいほど精密度は増すんでございましょうけれども、これが一般の制度でなくて最低保障の制度でございますので、余り細かくするのはどうかという感じをつくったときから持っておるわけでございます。ただ、先生の御指摘の言わんとするところはよくわかるわけでございまして、その段階の間に立つ者はかなり大きな開きじゃないかという点についてはごもっともでございまして、私たちもさらに勉強さしていただきたいと思います。
○中村太郎君 それから、これはまあ、ずいぶん苦労されたんで、おぶされば抱かるような物の言い方でちょっと言いにくいんですけれども、例の兵に対する一時恩給の問題ですね。これはいままで恩給審議会にもなかったやつを総理府が英断を持ってやったということで高く評価していいと思うんです。しかし、同じやるならやっぱり合理的なやり方をしていかなければいけないというふうに私は考えるんです。で、いま大体これは一万五、六千円、一万七千円ぐらい、一人当たりですね、に該当するんじゃないかというんですけれども、いまの時代の一体一万五千円という評価、価値ですね、これは一万五千円でいいだろうか、喜ばれるだろうか。あるいはいまのように手続がうるさいと、一万五千円ばっかしはめんどくさいわということで権利放棄にはならないだろうか。これは御承知のように昭和二十八年の一万円ベースでやったと思うんです。昭和二十八年のときに七年以上の人でやっているんですけれども、そのときの価格といま今日的な価格を比較しても一万五千円では安過ぎるではなかろうかと、こういうふうに思いますね。たとえば、二十八年のときの公務員の初任給がいまは一体どうなっているか、あるいは二十八年に比較していまの物価は何倍ぐらいになっているか、これを対比してみても、いかにもこれは僅少に過ぎはしないか。この辺は何とか考慮の余地はないであろうかということが一点。 もう一つは、一時恩給については通算というか、一年、二年、三年と、一年ずつ間を置いていった場合にはだめで、あくまでも三年以上連続していなきゃだめだというようなことになっているんですけれども、これもいささか不公平ではなかろうか。一年行って一年帰ってまたその次は二年行ったと、また一年行ったという場合もあり得るんですね。この場合は、五年行っても六年行っても途中が抜けているからもう全然救済されないということになるんですけれども、この辺はどういうものでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 二点ございまして、第一点は、一万五千円なり一万七千円というのは余りにも低いのではないかということでございまして、まさにそれはそのとおりだと思います。ただ、先生も言われましたように、恩給審議会の答申の際には、兵には必要ないんだという答申がございましたわけでございますが、それをその後のいろいろな社会情勢の変化もございますし、まあ御苦労を願った兵にも出すべきではないかという御議論で出すようになったいきさつがございます。そういうことでございますし、また戦前にも兵に対する一時恩給というのはなかったわけでございますので、そういう点が第一点でございますが、もう一つは、これも先生すでに御存じのように、四十六年には、下士官にはやはり戦前に制度があったんだから出した方がいいんじゃないかという審議会の答申をいただきまして、その答申に沿って下士官にも四十六年に出したわけでございます。その際にもこれはやはり二十八年ベースで出しておりますので、それとの対比におきましても今回は二十八年のべースにせざるを得なかったわけでございます。 それから第二点の、引き続き三年という条件がきつ過ぎるというお話でございますけれども、これも戦前からのそういう制度でございまして、やはり一時恩給というのは一回一回の決裁でございまして、これが連続して初めてそういう一時恩給の請求権が出るという制度をずっととっておりますので、今回もそれにならわざるを得なかったわけでございます。
○中村太郎君 そうしますると、要するに一万七千円程度で、これ以上上げるということは考えていない、あるいはまた途中間断した兵に対しては、これも引き続きでないから改善の考え方は全然ないというふうに理解していいんですか。 それからもう一つ、例の今回の予算で大体二万円、経費三億というのが計上されているんですね、見込みとして。大体この該当者はどのくらいいるんですか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(菅野弘夫君) この該当者は、私たちが昨年調査費の予算を認めていただきまして調査をいたしましたのでございますけれども、その調査の結果によりますれば大体六十万人、兵だけで六十万人ぐらい、それから下士官の要件を緩和いたしておりますので、それを合わせますと六十九万人ぐらいいるんじゃないかと思います。大体該当者は私たちの調査ではそのぐらいでございます。
○中村太郎君 前段の質問。
○政府委員(菅野弘夫君) それから前半の、その一万七千円なり、あるいは連続していない問題につきましては、これは先ほど御答弁申し上げましたことでございますが、そういう趣旨から申しまして、あるいはそういう経過からいたしまして、確かに先生の御指摘になるような問題点はございますけれども、今回のところはそうせざるを得なかったし、それをいますぐどうこうということはとても考えられないというふうに思います。
○中村太郎君 最後に、時間来ましたから一つだけ。 先ほど片岡先生からもお話があった例の実施時期ですね、これのアップの実施時期でございますが、まあ現状で一年四カ月おくれるということ、私はこれは財政的に一遍に四月へやるということも困難と思います。しかし、どうしても一遍にできないならば段階的にやったらどうかと、たとえば老人優先、老人福祉という面からも、たとえば七十五歳以上は三カ月繰り上げていく、早目にやる、その次は六十五歳は二カ月と、こういうような、どうしても一度というのができないならばそういう考え方も必要ではなかろうかと思いますけれども、お考えどうですか。
○政府委員(菅野弘夫君) もちろんそういう考え方がないわけではございません。あるグループの人は何カ月。しかしながら、どうも恩給のこういう年金の改定におきましてそういうことをするのは、もちろんそういう面のプラスはあるかと思いますけれども、全般的なことを考えますと、あるグループだけが七月である、あるグループが八月であるというふうなことは、これはやはり問題点もかなり含まれるのじゃないかという気がいたします。御示唆でございますので、そういう面の検討をしてみたいと思いますけれども、私が現在率直に考えておりますのは、なかなかむずかしいんじゃないかという感じがいたしております。
○戸塚進也君 私は細部の点は専門家の先生方がいらっしゃいますから、概括的な点で恐れ入りますが、お尋ねいたしたいと思います。そして、きょうお出かけの総理府副長官、大蔵政務次官は、わが党の最も信頼するりっぱな方々でございます。いずれも大臣クラスでございますから、私は両大臣にお尋ねするというつもりでお尋ねいたしますので、その点よろしくお願いいたしたいと思います。最初に、若干他の省にわたるお尋ねを申し上げる点があろうと思いますが、それは、総理府総務長官はすべての内閣の責任をしょっていらっしゃる御担当でございますから、その範囲でお答えをいただければ結構でございます。 最初に、総務長官にお尋ねいたしますが、戦後は終わったとお考えになりますか。
○政府委員(松本十郎君) いろいろ、三十年たちましても社会、経済その他万般に問題もございましょうが、総じて申し上げるならば戦後は終わったと、こう申し上げたいと存じます。
○戸塚進也君 私は長官のその最初の部分に着目するわけでございますが、私は必ずしもまだ戦後は終わっていないというふうに判断をいたしております。それはもちろんこの恩給関係、たとえば軍人恩給とか、あるいは傷痍軍人さんに対する扱い、遺族会に対する扱い等々を考えてみましても、ずいぶん国力の増強に応じまして政府が努力をされていることは、これは大いに認めます。しかし、最後にもお尋ねをするように、まだ戦争の犠牲になった方々で、十分だと申したいが実は全く処置されていない方々もある、こういうことも考えなくちゃならぬと思いますし、また、とうとい青春時代を一つの国家的な権力の発動によってのあの戦争に大事な命をささげたり、あるいは戦場で弾をくぐってこられた、そういう先輩の方々というもののやはりとうとい犠牲があったからこそ、今日私たち若い者がこういう幸せな生活を送っておられるんだと、こういう気持ちを私は絶対に忘れてはならぬというふうに思うんです。 そこで、今度の三木総理の施政方針を伺ってみましても、この種の年金改善等について、いわば弱者救済といいますか、社会福祉的な意味といいますか、もっと極端に申せば、生活保護というほどのこともないが、非常に生活が大変だから社会的な弱者を救済するよというような、ある意味ではそうもとれるような御発言があったわけでございます。私はもちろんその意味も理解できないわけではございませんけれども、いま私が申し上げたような見地から申し上げるなら、これらのいままで申し上げてきたような方々に対しては、もう少し違った意味で国民的にやはりこれを感謝をすると、本当に長い間大変でございましたと、私たちがこういうよい暮らしができるのも先輩のおかげでございますと、そういう気持ちで、やはり正すは正す、また現在の経済情勢に合わせて引き上げるべきものは引き上げる、また金額は引き上げてやっても、いろいろな制度によって必ずしも救われない方々もある。たとえばある戦争を契機にして、それから後の人は恵まれた扱いになるけれども、それから前の戦争にかかわった人は全然その扱いが違うというような問題もございます。ここらの改善等も含めまして、要は私たちがいまの時代に生活できるということを感謝して、さらに今後ともそうした恩給等については手厚く考えるべきではなかろうかと私は基本的にそのように考えるのでございますが、長官のお考えをお伺いいたします。
○政府委員(松本十郎君) 副長官の松本でございますが、戦争のために国に命をささげられた方々、これはもう当然国家補償という観点からいろいろ処遇をさせていただくものでございまして、いわゆる弱者救済というものとはおのずから性格は異なってくる、それはおっしゃるとおりの線で、スタンスで物事に臨まなければならぬと、それは同感でございます。
○戸塚進也君 本年は恩給制度が始まりましてからたしか百年、非常に記念すべき年だというふうに承っておりますが、事実でございますか。
○政府委員(松本十郎君) そのとおりでございます。
○戸塚進也君 民間団体では、そのような形に対しても記念行事等も行われたというふうに伺っているわけでございますが、やはりこの恩給制度百年、非常にこれは記念すべきときである、またその趣旨をさらに改善、前進させる年ではないかというふうに思っております。今度の、現在法律案として提案されております五十年度予算関連の問題についてもこれは当然の措置であるというふうに考えるわけでございますが、さらに来年度以降に向かって相当幾つかの改善をしなければならぬ点があろうと思います。当面、政府として、今後に向かって改善をしたい、特にこういう点には意・を用いたい、そういう点がありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(松本十郎君) 本年は恩給制度創設百年でございますので、この沿革等を調べながら、制度史もつくりたいし記念式典もやりたいと思っておりますが、そういうものを一つの節目といたしまして、来年度から、当委員会におかれましてもいろいろと附帯決議その他で御論議の跡を拝聴しておりますので、その御意見を旨としまして、来年度以降改善を進めてまいりたいと、詳細は局長からお答えいたします。
○政府委員(菅野弘夫君) 今年度の法案を通していただくのがいっぱいでございますので、来年のことはまだ十分考えておりませんけれども、しかし、先生御指摘のとおりまだまだ恩給にはいろいろな問題点があります。いま副長官からも御答弁申し上げましたように、特に当委員会で付せられました附帯決議のごときは、一つ一つが非常に大きな問題でございますので、その実現について最善の努力をいたしたいというふうに思っております。 全般的に申しますれば、やはり恩給というのは非常によくなりましたけれども、まだ低位の恩給の方々がおりますので、そういう低額恩給の是正というのも問題ではないかというふうに思っております。
○戸塚進也君 私は、繰り返して申し上げるようでございますが、この恩給等の制度が年々改善されてきている、このことは高く評価もしますし、また政府の努力に対しては心から敬意を表します。 しかし、いま政府からもお話がありましたように、改善しなければならない点が多々あると、お話のとおりだと思います。 そこで私は、たとえばの例でございますが、私どもの近所でも恩給生活をしていらっしゃる方もあるわけでございますが、よく言われますことは、私の教え子がすでに退職してもう何倍もの恩給をもらっておりますよと。もちろんこれもずいぶん年がたつごとに改善をされてきてはいるわけでございますが、そういった悩みというものを聞かされる点もございます。これは一体どういう点に特に問題があって、なお改善の余地があるのかどうか、この辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 先ほども同じような御質問があったわけでございまして、自分の教え子よりもはるかに先輩の自分の方が年金額が少ないというお話はたびたび聞くわけでございます。それは一番大きな問題は、現在の方々は、先ほどもちょっと申しましたけれども、共済の年金で年金をいただいておられるわけでございまして、昔の方々は当恩給局が所管をする恩給でいただいている方々が多いわけでございます。 そこで、恩給の場合には、文官で申しますれば十七年で百五十分の五十というところからスタートする、それから共済年金でございますと二十年間で百分の四十からスタートをし、その後一年ごとの率も大分違うわけでございます。そういう制度の違い、この制度の違いの裏には、やはり掛金の率も大いに違うわけでございまして、そういうものを総合してそういう差が出ているわけでございますので、それを単純に比較して昔の方が低いというふうにはなかなか言えないんじゃないかと思います。 そのほかの問題としては、いろいろな問題がございまして、昔の方の給与が低かった、あるいはその後の公務員の給与制度がいろんな意味で変わっていったということがございまして、だから、いまの人がいいんだという面もあるわけでございます。そういう点は私たちも看過できないわけでございますので、一昨年でございましたか、老齢者優遇の趣旨を含めまして、そういう七十歳以上の方々には四号俸積む、あるいは七十歳以上の方々については長期の十七年を超える一年ごとに三百分の一積むという改正も昨年いたしましたし、本年は八十歳以上の方々について同じような、さらに三百分の一積むということをいたしまして、老齢者即昔やめた方々でございますので、老齢者優遇という趣旨も含め、さらに年次別格差のある程度の補てんということも考えまして、いろいろな施策をしているところでございます。 なお、いろいろな問題が残っていると思いますので、さらにこの問題につきましては、われわれもいろんな点から検討をして、昔の方々が少しでもよくなるように努力したいと思います。
○戸塚進也君 大変結構でございます。お話のとおり、そういう方々ほど老齢でございますので、全く同感でございまして、ぜひ今後とも前向きに改善に努力をしていただきたいと思います。 次に、たびたびお話の出ることではございますが、大事な改善すべき点として、やはり扶助料等の問題もあろうと思います。現在御本人が亡くなられた、そして奥さんの扱い、これについてはやはり残される側の奥さんももちろんしかるべきところながら、御本人もこのことが解決しなければ死ぬに死ねぬというような気持ちもあろうと思います。現在、一般的には扶助料五〇%ということになっておるわけでございますが、これは、今後やはり各種の制度の改善とあわせて当然漸進的に改善されるべきものだ、次年度に向かっても大きな期待が持たれているわけでございますが、この辺についての御見解と見通しを伺いたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 扶助料二分の一というのは、これはもう恩給法が制定されて以来のたてまえでございますので、非常に長い伝統がございます。そういう伝統でもさらに改善をすべきだという御意見はもっともでございますけれども、非常に影響するところも多うございますし、また、いろいろな問題がございます。実は、恩給審議会の話が先ほど来出ておりますけれども、恩給審議会でもこの問題はいろいろ議論をされまして、そのときにはそういう過去の歴史的な経過もあるものであるから、現行制度を維持すべきものというふうに結論づけられたわけでございます。その後、しかし恩給審議会の答申後時間がたっておりますし、またいろいろな御議論のあるところでございますので、この二分の一の率というものが不動のものではあり得ないともちろん思いますので、将来に向かって検討を深めさしていただきたいというふうに思います。
○戸塚進也君 せっかくその問題を指摘いたしましたので、一点、少し飛びますが、傷痍軍人さんの場合、これもよく出る話でございますけれども、項症と款症の扱いの中で、たとえば指が取られたとか、いろいろそういう方があるわけでございます。まあこの款症の方に対する扱いというものが項症の方と違うということから、款症の方のいわゆる未亡人に対する扱い、これは全く扶助料というような形では見ていただけない。ですから、何にも将来に対する保障はないといいますか、そういうことになるわけでございます。もちろんその症状とか、いろいろ政府には言い分もあろうと思いますけれども、しかし、やはり長年にわたって、そうして国家のために大事な身体の一部を傷つけられた、そういうことによっての、やはりその奥さんという立場にあった人の精神的な面、あるいはまた正常な一般成人と比べますと明らかに身体的欠陥を持っていたわけでございますから、このことについてやはり奥さんの立場の人は、御主人が生存中は相当なやはりハンディをしょって苦労をされた、これに対して何ら国の方で将来というものについて見ないんだということについては私ども少し理解に苦しむ点があるわけでございますが、いろんな事情もございましょうが、この点については前向きに改善をしていただくべきだと、私はそう考えておりますが、これについてお考えをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) ただいまのお尋ねは、傷病年金、款症の方々が亡くなった場合に、その遺族には何にもいかないじゃないかというお話でございまして、これは現行制度上そうなっているわけでございますけれども、傷病年金というのは比較的その障害が軽い方々でございまして、たとえば四款症という方は、この薬指が一本ないという方でございます。薬指が一本ない方といえども、それは公務で傷つかれたわけでございますし、さぞ御不自由であったと思うわけでございますので、そういう点で、その傷が軽いからどうのと申すわけではございませんけれども、そういう傷病年金と申しますか、傷病恩給というものは、そういう障害をされた方々に対するその傷病に着目をし、あるいは傷病の程度に着目をして支給される年金でございますので、これが普通恩給でございますとか、その他のものと同じように遺族にさらにつながっていくという性格のものではないのが恩給制度のたてまえでございます。あるいはこれは恩給制度だけじゃなくて、ほかの年金制度においてもそうだと思います。 そこで、ただそういう方といえども、だんなさんが生きている間は年金をもらっていたのに一銭もなくなるというのは気の毒じゃないかというお話はたびたび聞くわけでございますので、われわれもいろいろの点で検討いたしておりますけれども、いますぐこれを恩給制度の中で処理をするということは、いま言いましたような制度上のたてまえから申しましても、なかなかむずかしいんじゃないかというふうに思っております。また、ほかの恩給の中の問題あるいは外等の問題を含めまして、私たちの立場でさらに十分検討を続けたいと思っております。
○戸塚進也君 この点は後ほど総務長官の方から前向きに検討していただけるかどうかをお尋ねいたしますが、一括して伺いますのでもう一点、傷痍軍人の話をいたしましたから、その点についてお尋ねいたしますが、増加恩給、いろいろ非常に改善をしていただきました。この五十年度の御提案の内容などを拝見いたしますと、非常に政府の努力の跡が見受けられます。敬意を表します。しかし、たとえば病気の内容といいますか、要するに受けた病気の内容、これによって、たとえばあなたは何項症、何項の、いわゆる項症ですね、その何等というふうに、こう査定をされるわけでございますけれども、その場合に明らかに目で見てわかる、たとえば、非常に極端なお話を申し上げてその方々には失礼でございますが、両手がないであるだとか、あるいは両足が全くないであるだとかいうような、もちろんこの方々も大変お気の毒でございます。あるいは目が完全に失明しているであるだとかいうような方々は、これはどなたの目から見ても万人にわかりますから、これは適切な各等に政府の方でもって割り当てられていると思います。ところが、たとえば神経症であるだとか、あるいは内臓疾患であるだとかいうような、一見して外から見たのでは通常人と余り変わらぬではないかというふうな感じの、そうした受けられた傷といいますか御病気、戦争という原因によって生じた御病気というものは比較的軽んじられているような傾向がある。あるいはまた、お医者さんの診断によって非常に実はそこに食い違いが出てくるということから、たくさんの関係者の人たちが、もう言うに言われず泣いているというような方もかなりあるようでございますので、私は、やはり政府がせっかくここまでこの内容を改善されたのであるならば、さらにそうした細かいところまで気を配って、なるほど、目から見れば一般成人とは変わらないとしてもこれはもう社会的には全く、あるいは手足がない人以上に本当の、何といいますか、廃疾状態といいますか、言葉が少し悪いかもしれませんが、そういう状態の方もあるわけで、日常社会生活がほとんどでき得ないというような方もあるわけでございますので、そういう方に対しての扱いを今後改善していくお気持ちがあるか、これをまず局長から伺いたいと思います。
○政府委員(菅野弘夫君) 外部疾患に対して内部疾患の決め方が低過ぎるではないかという御趣旨かと思いますけれども、これは決してそういうことはございませんで、内部疾患のものももちろん目に見えない部分もあるわけでございますけれども、十分審査をいたしているつもりでございます。恩給局には顧問医の先生という日本で有数の先生方がたくさんおられまして、そういう先生方に見ていただいて、そうして決定をいたしているわけでございます。また内部疾患の問題については、確かにそういう批判がありましたので、症状調査の調査委員会というものをかつてつくりまして、それによって内部疾患をある程度格上げをしたこともございます。そういう外部にあらわれない苦しみのために、さらに診断についていろいろ、診断と申しますか、恩給局の審査について御意見をお持ちの方々がありますときには、われわれとしては最善を尽くしておりますが、たとえばもう一度病院で見直していただくとか、あるいは実際に実地調査をやりまして御本人にお会いするとか、あるいは周囲にお聞きするとか、そういうことを含めましていろいろやっているわけでございまして、今後とも内部疾患の問題につきましても、先生御指摘のような御批判がないように努力をいたしたいと思います。
○戸塚進也君 では、総じて総務長官にお尋ねしますが、先ほどの款症者に対する奥さんに対する扱いだとか、あるいはただいま局長御答弁のありましたような内部疾患等に対する見直しといいますか、細かい点への配慮、そうした点、あるいは扶助料の点等については、今後前向きに検討していただけるというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(松本十郎君) 第一点の比較的軽症の傷病年金を受けておられる方が公務外の病気でなくなられた場合に、遺族に対して何か扶助料、あるいは一時金、ひとつ考えられないかということもございますが、なかなか扶助料の点はむずかしかろうと思いますので、おっしゃるとおり前向きに検討してまいりたいと思います。 それから、第二点の内部疾患について、外からなかなか見がたい点もございまして、これについていろいろと十分でないとか、あるいは御不満があるとか、客観的にもおかしいということが、人間のやることでございますからないとは言えないと思うわけでございまして、ただいま局長が答弁いたしましたように、あらゆる手だてを講じながら、これが妥当に公正に行われるように努力はしておりますが、それでもまだそういうものが絶無であるということは期しがたいと思いますので、おっしゃるとおり、さらにそういうことのないように努めてまいりたいと思います。 なお、扶助料の点につきましては、先ほど局長答弁しましたように、恩給制度創設以来の問題でもございますので、前向きには検討いたしたいと思いますが、なかなか問題が深いということも御了承賜りたいと思います。
○戸塚進也君 もう四問、二十分までに終わります。 そこで、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、いままでいろいろ恩給等について伺ってまいりました。そして、やはり将来私たち若い者も心からそうした先輩に感謝をしていかなきゃならないと申し上げました。また政府も、そういうことについては御賛意を表していただきました。今度は大蔵省の立場からいたしますと、やはりこれは、当然とはいえ財源のことについて考えていかなきゃならないんじゃなかろうかというふうに思うんでございます。私たちは、やはりただ国会議員として、そうした方々に金を出せ出せと言えばいいというんじゃなくて、金を出せと言うからには、やはりそれなりの適切な国民からの財源といいますか、よく高福祉、高負担ということを申しますけれども、私たち若い者が、こうした恩給関係の方々等に対して、できるだけ手厚く老後も安心して生活しでいただけるようにと言うには、いまの国家の財源といいますか、特に最近のような歳入欠陥とかいろいろ言われておりますときには、来年度以降も非常にこの改善には頭の痛い問題がたくさん大蔵省としてもあるんじゃなかろうかと思います。きょうは細かい議論は時間の関係もあってできませんので、大蔵大臣として、そうした財源についてやはり新しい何らかの財源を求めるべきだというお考えであるかどうか。私は、やはり若い者として、出していただくからにはそれ相当の、働いている者がそれなりの負担をしょって出ても、こういう方々に対しての扱いなり、あるいは弱者と言われる方々に対しての扱いというものはさらに前進させるべきだ、改善させるべきだ、こういう立場に立っているわけでございますが、大蔵大臣のお考えをお伺いしたい。
○政府委員(梶木又三君) 恩給につきましては、いま戸塚さんがおっしゃいましたように、国のために長い間やってこられた方々に対するお報いといいますか、そういう趣旨のものでございますから、一般財源で全部支給いたしておる、これはもう御承知のとおりでございます。それで、いままでもそうういう趣旨でございますので、改善をずっとやってきたわけでございます。これからも、私ども基本的な考えは、実質的な価値が下がらないように維持していきたいと、これはもう根本的に考えておるわけでございます。ただ、いま戸塚さんもおっしゃいましたように、全額一般財源で出しておりますので、そういう趣旨に対して、われわれは、先ほど申し上げましたように出すべきものはもう必ず出すわけでございますが、一般財源も大変苦しいときでございますし、あるいはまたほかの公的な年金との均衡という問題も考えざるを得ない、こういうこともございます。だから、いまおっしゃいましたように、この恩給のために新しい財源を来年度から考えるかどうか、これはまあ別の問題で、ここでいま軽々に申し上げることはできませんが、しかし、その財源の問題とか、あるいはまた、いま申し上げました他の公的年金との均衡、バランス、まあこういうようなものを検討いたしまして、今後慎重に進めてまいりたい。しかし、基本的には、繰り返して申し上げますが、実質的な価値が下がらないようには運んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○戸塚進也君 共済について一点だけお伺いいたしますが、共済のいわゆる財政運営といいますか、これは一般の公務員と、それから公共企業体とあるようでございますが、承るところによりますと、公共企業体等の共済の財政というものが非常に苦しいと、また将来において非常に心配だというふうなことも聞いているわけでございます。ごく簡単で結構でございますから、その状況についてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 国家公務員の共済組合の長期経理でございますが、まあたびたびの、ことに四十九年の改正でかなり大きな給付改善を国家公務員共済についてはやりました。それで、同時に公企体の共済につきましても若干の改善があったわけでございますが、それに基づきますその財源といたしまして、昨年の十月から掛金率及び国の負担率というものを引き上げております。それで、まあ将来にわたりまして発生してまいります組合員が払っていきます掛金と、それからその方々が退職後、またその御主人が亡くなられた後奥さんが生きておられる問受け取られる年金というものが等しくなるように、これを私ども俗に数理的保険料率と申しますが、数理的保険料率を若干上回るというような掛金率に改めております。したがいまして、四十九年の十月以降、共済組合の年金の数理といたしましては、一応将来に向かってはつり合いがとれるという形になっておりますけれども、急激な負担の増加を避けるという配慮がございましたので、昨年の財源率の再計算の際には、過去勤務債務と申しますか、従前掛金を払っておられたその俸給の時代のベースと、それから年金を受け取られる場合の今日のベースとかなり差がございますから、その積立金の不足がございます。そういったものはある程度埋めていただくような形にはなっておりますけれども、それが将来に向かってまた若干ふくれてまいる。ことに、ただいまお願いいたしておりますような年金の改定をいたしてまいりますと、いわゆる過去勤務債務の不足分というものが若干ふえる傾向にはございます。四十九年、それから五カ年ごとに財政再計算ということをやるたてまえになっておりますので、財政再計算の際にそういった年金の将来に向かっての、財政の何と申しますか、薄弱さというものをできるだけ取り除くように財源率を計算し、妥当な掛金率というものに移行していくという必要があろうかと考えます。 なお、運輸省から御答弁があると思いますが、公企体共済の財政再計算は来年の四月というふうになっておりますので、まあ財政再計算によりまして新しい財源率が定まります間、いま仰せのように特にその財政が苦しいというようなお話があるかもしれません。それにつきましても、基本的には財政の収支が見合うような財源率というものを定めるように法定されておりますので、長期にわたっては、財政としてはバランスがとれていくというふうに考えております。
○政府委員(杉浦喬也君) 公企体共済の関係につきまして、現在の掛金率その他決めましたのは昭和四十五年でございまして、ただいま大蔵省からお話がありましたように五年ごとにこれは再計算をやります。で、本年がちょうど再計算の時期に当たっておりまして、現在、収支計画策定審議会、ここでもって将来の見通しにつきまして現在審議中でございます。まあ、四十五年のときにはいろいろと目標をつけましたが、その後いろいろと経済情勢変わっております。金額も非常に変動ございますので、かなりいろんな問題があるんではないか。特に私ども問題にいたしたいのは、その中で、最近の情勢を見ましても収支が非常に悪化してまいっております国鉄の関係でございまして、掛金あるいは負担金その他からいきまして非常に膨大な金額になってまいるわけでございます。現在国鉄の財政全般につきましては、来年度を目途に新しい再建計画を目下練っておる最中でございますが、その中におきまして、将来の年金のあり方等につきましても十分検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○戸塚進也君 では、最後の二点をお尋ねいたします。 総務長官から御答弁をいただきたいと思います。戦後は終わったかと、私は終わらないと思う。その中で、きょうもお隣で審議をされているわけでございますが、私はやはり原爆被爆者等に対する扱い、さらには一般の戦災の犠牲者、こういう方々等に対しての扱いは、私たち五体満足で働いて今日のこの社会にいる者として、やはり考えて扱わなきゃいけないことだと、これはないがしろにすべきでないことだと、こういうふうに思いますが、基本的にその点についてどうお考えになるか。特に戦災犠牲者、一般人の戦災犠牲に対してはまだほとんど何らのことも行われていない。最近もお話を聞いてみますと、たとえば戦争で、空襲でケロイドを受けた、非常に醜い顔になって、もちろん嫁さんももらえない。こういう人がたまたま顔を少し直そうと思っても、これは整形外科でございまして、美容整形と同じでございますと保険の扱いも受けられない。こういうことで、一生働いた金でもってそれを直さなきゃならないというような、非常に私たちが聞きますと、これはもう悲劇だと思われるようなことが現実の社会にございます。こういうことを考えたときに、もちろん一体どのくらいの方がどの程度の被災を受けたのかもまだはっきりわからないという時点においては、なかなかこれを具体的にお金をこれだけ出しなさいとかということをこの場で申し上げることは、これは何かまだ差し出がましいかもしれませんが、その実態等については十分やはり御調査をいただいて、そしてそれに適するような措置というものを今後政府が当然とっていくべきことではなかろうか、私はそう考えておりますが、この点についていかがお考えでございましょうか。
○政府委員(松本十郎君) 原爆の被爆者といえば世界で日本しかないわけでございまして、こういう方々のお気の毒なことは申すまでもないことでございます。いろいろと政府の中におきましても、国を挙げて、国民的立場においてそれに対してなすべきことはしなければという気持ちがいっぱいであることは当然でございますし、あわせて戦災の一般の被害者、被災者、この方々も、本当に近代戦争となれば無事の市民がいろいろと傷つき戦災を受けるわけでございまして、そういう方に対しても御同情申し上げる気持ちでいっぱいでございますが、後者につきましては、何といたしましても三十年たちましたいま、どこでだれがどのように被害を受けられたか、なかなか調査することも物理的にむずかしいようでございますから、何とかしなければならないという気持ちを持ちながらもなかなかこれが前に進まないというふうな情勢でございますので、お気の毒でございますし何とかしたいという気持ちをおくみいただいて、御了承いただいて私の答弁としたいと思います。
○戸塚進也君 この点についてはそれ以上の御答弁は求めません。ただ私はやはり実態調査等をしていただいて、そうしてできるだけのことはしていただきたいと願うものでございます。 最後に、阿波丸についてお尋ねをいたしたいと思います。阿波丸事件についてお尋ねをいたしたい。これはただ長官から一言だけ、その御心境だけ伺えば結構でございまして、これについての具体的な議論をこの場でしょうとは思いません。 この事件は、御案内のとおり昭和二十年四月一日、もう戦争の末期でございますが、連合軍の要請に基づいて日本郵船所属の阿波丸という船、このたった一隻しかなかった船を使って、そうして連合軍の捕虜の、日本の当時のまあ占領した地域におられる東南アジア方面に救援物資を積んで、しかも絶対に攻撃をしないという固い約束のもとに、そうしてこの任務を果たしての帰路ですね、緑十字の印をしてその帰りを急いでいたところを、誤ったとはいえアメリカの潜水艦に魚雷攻撃を受けて、一瞬の間に、たった一人の生存者を除いて二千四十四名という人が台湾海峡のもくずと消えた。本当にこれはいたましい、しかも海難事故としてもこれは地球上始まって以来の事故だと聞いております。そして、いまだ船がどのように沈み、どのように一体遺骨がなっているのかということすらもわからない、こういう事件であることは政府も御案内のとおりでございます。 これについては、その後のいろいろな経過からアメリカ側でも十分に手厚く補償しなきゃならぬという意思表示もあったようでございますが、この戦後の日本の復興再建ということについてアメリカ側が非常に多大の援助をしていただいたと、してもらったと、こういう感謝の念から昭和二十四年四月六日の衆参両院の本会議の決議によりまして、アメリカ政府に対しての請求権を放棄するということを決議をいたした。そのかわりに、日本政府において遺族の方々に対して適切な措置を講ずるということを決議いたしたわけでございますが、その後の措置というのは見舞い金を一人当たり平均七万円払っていただいただけで、後は賠償の問題も全く触れられず、かつまた、そのことに対する国としての慰霊祭もなく、遺骨の収集については、全くこれはもう不可能だという一言の言葉で今日まできた 私は非常にこれは重要なことだと、単にもう二千人の方が沈んでいるという問題ではなくてですね、地球上でこういうことがあっては絶対ならないそういうことが起こった。こういうことに対して、今日ここまで復興した日本のこの社会、国民として、やはりこうした犠牲者の方々に対して、遺族の方々に対して、再びこういうことが絶対あってはならないという願いを込めて適切な措置を講ずるべきだ、かように私は個人として考えておるものでございます。たまたま昭和四十八年の時点でございますが、衆参両院の国会議員の方々の中で七〇%以上の方々が、これはもう十分にしてあげなければいけないのだということで賛成署名までしていただいているという現況でありますが、いまだにこの問題については解決を見ておらない。遺族の方々はどこへすがっていいのかわからず、そしてもう年もとってまいりました。死ぬに死ねない気持ちで現在毎日を送っているわけでございます。私は、きょうこのことについて具体的に、これをしなさい、あれをしなさいと言うつもりはございません。ただ長官から、こういう方々についてはお気の毒だと、なるほどできることがあるならば何らかの措置はやはり講じてあげなければならないのだ、こういうやはり一言をいただきたい。また国としてそうあるべきだと私は思っておりますので、この点を伺って質問を終わりたいと思います。
○政府委員(松本十郎君) 戦争末期の昭和二十年四月、あの阿波丸事件というのはまさに戸塚先生御指摘のとおりの事件でございまして、悔悟というんですか、爆沈させたアメリカ側もその責任を感じて、補償しましょうとある時期には言っておったんでございますが、戦後のあのような日米間のまあ援助関係その他両国関係というものを顧慮して、二十四年に請求権を放棄したという経緯もおっしゃったとおりでございます。まあ国が国の責任において当時見舞金を差し上げたということもそのとおりでございまして、確かにおっしゃるとおり現在の日本の情勢から見てこれでいいのかという御意見も私も同感禁じ得ないものがございますが、まことにもうお気の毒でございますという気持ちで、後のことにつきましてはまあいろいろと検討してまいりたいということでございます。
○戸塚進也君 終わります。
○岡田広君 限られた時間でございますので、副長官と政務次官に一点ずつお尋ねをいたしたいと存じます。 その前に、中村委員より私の名前が挙げられまして、恩給に関する要求団体の一人である、こういうお言葉がございましたので、今時の改正案が、全国百二十四万余人、普通扶助料二十四万人の受給者の受け取り方がどういうような受け取り方をしておるか、その点について少しく述べさしていただきたいと存じます。 先ほど来、片岡委員、河田委員、中村委員、戸塚委員からいろいろと御質問もございましたが、総じて今時の改正案は受給者として画期的な一つの改正案である、改善処置案であった、このように受け取っておるわけでございます。恩給法に関して、旧法と新しくそれに付加された新法がございますが、そういうものを兼ね備えて新しい今後の行き方を一つ示していただいた、恩給法に関する限り構造改善事業は一応ここで地ならしが終わった、レールが全部敷かれたんだ、このように受けとめておるわけでございます。これは一に本委員会において数次にわたる先輩の諸先生が附帯決議をもって政府当局に御要請をしていただいたたまものである、かように私どもは感じまして、ここに改めて先輩の委員の先生方に敬意と感謝を表するとともに、政府当局においても、総需要抑制下という困難な事態にあってよくぞやっていただいたと、高く評価しておるわけでございます。 しかしながら、さればといって、各項目において満足しておる、こういうわけではございません。その不満足の状況は、諸先生方が逐一、増額のスライド制の問題、あるいは加算制の問題、最低保障制の問題あるいは扶助料の問題等について、事細かく質疑応答がございましたので私から御質問することはございませんが、そこで大蔵政務次官にお伺いしたいんでございますが、概算要求というものはどのような権威を持っておるのか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 行政手続のことでございますので、私から前にお答えいたしておきます。 各省から八月三十一日までに来年度の施策に係る予算の概算要求をいただく。その後年末までに、通常でございますと予算編成について概算要求をもとにしていろいろ御説明を伺い、それをもとにしまして大蔵原案というものを閣議にかけまして、これに対案をつくりまして各省にお答えをする。その対案をおつくりし、大蔵原案に基づきまして各省と折衝を重ねた結果、政府原案というものができるわけでございます。したがいまして、八月三十一日から予算の概算の閣議決定に至りますまでの間は、一つの予算編成という政府の大きな行政の中の手続でございまして、権威と申しますと、確かにこれは各省来年の施策についてのあらましのお考えということでございますけれども、予算書でごらんいただきますように、予算書の後ろに参考資料みたいなものがくっついておりますが、そこに各省からお示しをいただいた要求というものが書いてございます。これは議案として出します予算の金額と同じということで、それまでの間各省と、各大臣と大蔵大臣との間でいろいろ調整を重ね、最終的には閣議で御調整をいただいてまあ一本の予算という形で固まる、かように考えております。
○岡田広君 議会制民主主義というのは、やはり政党が基盤であるべきだと存じます。で、政権を担当する政党がそれぞれの機関を通じて、自由民主党で申しまするならば、恩給法の問題は内閣部会において、政策審議会において、政調正副会長会合において決定されたものが総務会の議を経て概算要求という一つの項目か成り立つわけでございます。で、それに応ずる法の改正、それに裏づけとなる予算の要求というものを概算要求として大蔵省に提出する、このように私は考えております。しかるに、予算編成期に当たりますと、第一次査定案というもので、いみじくも非常に概算要求案というものを何か弊履のように捨て去った感をもって私どもは受けておるわけでございます。で、逐次折衝の過程においてまま概算要求の線に近づいてくると。一体こういう政府案の決定の過程において、政党の権威はどこにあるんだ、概算要求の権威はどこにあるんだというのが私の偽らない素人の素朴な考えでございます。これは余り、大蔵大臣おりませんから政務次官に強く要求しても無理と思いますが、一応私はそのように考えておりますので、今後、これから八月末に概算要求の提出がございますが、そういう経過を何年か経験いたしました者として非常に奇異に感じております。国会の場において初めて私は発言の機会を得さしていただいたので、公の場において、速記録に残る場において、政務次官あるいは大臣、政党に所属するいわゆる政治の面でひとつ御考慮を願いたい。これは要望だけにとどめておきますので、ひとつ梶木政務次官よろしく御検討願いたいと存じます。 次に、副長官にお願いするわけでございますが、先ほど戸塚委員の御質問に関して、いわゆる戦争の後始末を処理する恩給法という問題を考えた場合にまだ終戦処理は終わっていないんだと、こういうようなお考えが披瀝されました。私も非常に副長官の意図を高く評価するものでございますが、そこで、先ほど高橋次長は、恩給、年金等は社会保障ということで河田先生に御答弁なさったようですが、もう一度副長官に、社会保障といわゆる国家補償、これは一般的な社会通念の分け方でございますので、これは法令に明記してあるとかそういうことじゃないと思うんです。私がいろいろと本なり何なりを調べた範囲内において、社会保障の起源というのは、いまより七十年前にイギリスにおいてエリザベス法、これが一応起源だというふうに承知して、その後いろいろな母子年金法とかいろんなそういう社会保障制度の立法が各国において招来されたんだと。いま副長官は、戦争の後始末、いわゆる旧軍に対する処遇という点でこれは社会保障とは違うんだと、国家補償なんだと、こういう御答弁をなさいましたが、そこで、大部分のこの百二十四万人という旧軍人の普通恩給受給者というものは、もう赤紙、召集令状によって戦地に赴いた、戦争という、戦地という一つの特殊の公務に従事したんだと、このように私どもは承知しております。しかも、普通文官は自分の意思によって文官に就職をしたんだ、旧軍人の場合はみずからの意思じゃないんだ、好むと好まざるとにかかわらず召し出されて、昭和二十年八月十五日が来た。おまえたちは戦争終わって役に立たないから、毛布一枚くれてやるからそれを担いでうちへ帰れと、いわゆる就職、離職というものが自己の意思でないんだ、そして戦場という苛烈な、一つの戦争公務という特殊任務に従事したんだ。このいわゆる旧軍人の自分の意思でないんだ、戦争公務に従事したんだ、この特殊性をひとつ御認識いただけますか、御返事をいただきたいと存じます。
○政府委員(松本十郎君) 社会政策とか社会保障という言葉の定義と申しましょうか、概念の意義というものは論ずる方によっていろいろあろうかと思います。それで、私が先ほど恩給というものは国家補償でございますと言った場合には、いわゆる狭義の社会保障と言われるものとは載然と一線を画されるものだと思っております。社会保障というのはやっぱり一定の拠出金に応じて保険数理の原則によって支払われる社会保険や、生活に困窮する国民に対し健康で文化的な最低生活を保障する法的扶助、こういったものが狭義の社会保障だと思うのであります。高橋次長、どういう答弁いたしましたか私おりませんでしたが、恐らくそれはもう少し広い意味において社会福祉、広義の社会政策、そういうふうな立場で、恩給、年金というものをひっくるめて、広い意味の立場の社会保障的なものでございましょうと、こう答えたんだろうと私は想像いたします。
○政府委員(梶木又三君) ちょっと先ほどの予算についてのお話でございますが、最終的に申されましたとおり御意見十分今後尊重してやるつもりでございます。大臣にも申し伝えておきます。ただ、査定で弊履のごとく捨ててしまうというような御意見ございましたが、査定業務は御承知と思いますがこれは政府部内でまず各省と意見の調整をやる作業でございますので、その間に、査定をやったから弊履のごとく大蔵省が厚生省なり農林省なり建設省の意見を捨てたというものでもございませんから、この点だけはひとつ御理解をいただきたいと思います。そういう作業が済みまして、最終的に政府案を決定するときには、当然与党の御意見というものは尊重して入っておるわけでございますので、この点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○岡田広君 政務次官の御答弁了解いたしました。 それでは次に副長官、さらにお尋ねするわけでございますが、旧軍人の恩給を受給する一つの原因の発生事由というものが、戦争公務の特殊任務に従事したんだ。そこで私は、自己の意思じゃないんだ、自己の意思でなく従事させられたんだ、この二点から考えた場合に、旧文官の恩給受給資格というものは自己の意思によって就職したんだ、自己の意思によって退職したんだ、もっと砕けて言うならば、お父さんあなたの好きな卵焼きをきょうお弁当のおかずにしておいたからこれを持っていらっしゃい、あ、お帰りなさい、お疲れだったでしょう、一本つけておきましたよ。こういう日常の生活が営まれるわけでございます。しかし、戦場という、どこへ行っているかわからない、秘密でどこへ行ったかわからない、某戦場に向かった旧軍人という者の家族は、一体どういうようなそれに対比して生活をしておったか。いまから申せば、いわゆる軍人の妻という名誉ある虚像のもとに生活を強いられた。嫁に嫁いで三カ月、半年というような期間において、まだ主人の性格も、家庭の家風も、生活実態もまだなじまないうちに応召された。しかし、応召軍人の妻であるという誇りある一つの虚像のもとに生活を強いられておった。これがいわゆる旧軍人の普通扶助料をいただく二十四万人の気の毒な実態でございます。これが普通扶助料受給者と、そういう特殊性というものとを御理解いただけたとするならば、そこに何らかの一つの恩典があってしかるべきじゃないか、こういう考え方に立っておるものでございますが、余り詳しいことは副長官に望むのは無理とは存じますが、ひとつお気持ちだけをお述べいただきたいと存じます。
○政府委員(松本十郎君) 旧軍人という場合に、おっしゃるとおり応召によりまして、あるいは徴兵によりまして軍務に服されて、そして自己の意思にかかわりなく戦争目的遂行のために戦場に赴かれて戦死されたり傷つかれた方が相当部分であることは確かでありますが、そのほかにも、自己の職業として軍務に服された方もおありになるわけでありまして、それはまた別に考えざるを得ない要素もあろうかと思います。そういうことを前提としまして、むしろ応召によって軍務につかれた方々の御不幸に対しては、やはりできることならばそういう特殊の条件のもとであるということを考えざるを得ないと思いますが、扶助料その他を考える場合にも、そういうものも加味しながら従来もやってまいったと思うのでございますが、それは確かにおっしゃるとおりだと思います。
○岡田広君 私は、ただいまの副長官のお気持ちを非常に多といたします。どうかひとつ、そういう、自分の意思でなかったんだ、そして戦場という一つの特殊公務に従事したんだ、それゆえに恩給権というものの発生の事由があるんだ、こういう点をお考えになれば、先ほど片岡先生なり、河田先生なり、中村先生なり、戸塚先生が言われた、もろもろの各項目に対する要望というものはおのずと帰納されて、どういう結果がそこに立法化されなければならぬか、予算づけされなければならぬかという点が当然私は生まれてくると思います。そういう点を植木総務長官にひとつ十分御理解を願う、また梶木政務次官は大平大蔵大臣に十分御理解を願って、ひとつ五十一年度のいわゆる恩給予算の改善措置案の決定に当たりまして格段の御配慮を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。 午後三時四十八分散会 —————・—————