内閣委員会 第4号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/27
会議録
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 昨二十六日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として小巻敏雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) まず、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。永井文部大臣。
○国務大臣(永井道雄君) このたび、政府から提出いたしました文部省設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、文部省の付属機関として国立少年自然の家を設置することについて必要な規定を設けるものであります。 国立少年自然の家は、学制百年記念事業として企画され、全国の各地域に設置することを計画しているものでありますが、このたび、かねて準備を進めてまいりました最初の国立少年自然の家が高知県室戸市において事業を開始する運びとなりました。 従来、健全な少年の育成を図るために、都道府県あるいは市において公立の少年自然の家の建設が進められ、国もこれに対して助成措置を講じてきたのでありますが、さらに国立の少年自然の家を設置するものであります。国立少年自然の家は、少年を自然に親しませ団体宿泊訓練を通じて健全な少年の育成を図るとともに、少年教育指導者の研修を行うなど少年教育の振興に役立つようにしたいと考えております。 なお、それぞれの国立少年自然の家の名称、位置等は文部省令で定めることといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 以上で説明は終わりました。 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 次に、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。植木総務長官。
○国務大臣(植木光教君) ただいま議題となりました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 改正点は、内廷費の定額及び皇族費算出の基礎となる定額を改定することであります。内廷費の定額及び皇族費算出の基礎となる定額は、皇室経済法施行法第七条及び第八条の規定により、現在、それぞれ一億三千四百万円及び千二百十万円となっております。これらの定額は、昭和四十九年四月に改定されたものでありますが、その後の経済情勢なかんずく物価の趨勢及び国家公務員給与の引き上げ等にかんがみ、内廷費の定額を一億六千七百万円、皇族費算出の基礎となる定額を千五百三十万円にいたしたいと存じます。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(加藤武徳君) 以上で説明は終わりました。 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 午前はこの程度にとどめ、午後二時三十分再開することとし、休憩いたしたいと思います。 午前十一時六分休憩 —————・————— 午後二時三十八分開会
○委員長(加藤武徳君) それでは、ただいまから内閣委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 本日、小巻敏雄君が委員を辞任され、その補欠として内藤功君が選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。植木総務長官。
○国務大臣(植木光教君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 一般職の職員の給与に関する法律及び学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法の規定に基づき、去る三月十七日、人事院から国会及び内閣に対し、教育職員の給与を改善することを内容とする勧告が行われました。政府としては、その内容を検討いたしました結果、人事院勧告どおりこれを実施することとし、このたび、一般職の職員の給与に関する法律について、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一は、教育職俸給表の俸給月額を改定することとしております。 第二は、教育職俸給表(一)及び(二)について、特一等級を設けることとしております。 第三は、義務教育諸学校に勤務する教育職員に対し、月額九千円を超えない範囲内で、職務の等級及び号俸の別に応じて、義務教育等教員特別手当を支給することとしております。なお、高等学校等に勤務する教育職員に対しても、義務教育諸学校に勤務する教育職員との権衡上必要と認められる範囲内において、この手当を支給することができることとしております。 また、附則においては、改正後の一般職の職員の給与に関する法律の規定は、昭和五十年一月一日から適用すること等について規定しております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 以上で説明は終わりまして、これより質疑に入りたいと思います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○片岡勝治君 ただいま提案をされました給与法の一部を改正する法律案について若干質問をしたいと思います。時間がきわめて短いわけでありますので、ひとつ答弁の方も簡潔に単刀直入にお答えを願いたいと思うわけであります。 この人材確保法は、教員給与の改善について「一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない。」、こういうふうに規定をしているだけでありまして、法律そのものはきわめて抽象的な表現であります。しかし、これまでの政府あるいは関係大臣の国会における答弁を見ますと、三〇%引き上げるんだ、あるいは裁判官並みの待遇をするんだ、あるいは奥野文部大臣はかつて衆議院の文教委員会において五〇%ぐらい引き上げていきたいんだ、こういうような答弁もされておるわけであります。しかし、四十八年の予算では一〇%、そして今回は七%、五十年の予算を見ますと五%というような予算が組まれておるわけでありまして、一体これはどういう基準で、どういう目標で、予算との関係はどうなんだ、こういう点非常に漠然としているわけであります。まず、この基本的な考え方をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 今回の改正案は、申すまでもなく人材確保法の趣旨を受けまして人事院勧告が行われ、政府部内におきましても二回にわたりまして給与関係閣僚会議を行いまして、完全に尊重をし実施するという理由のもとで御提案を申し上げたわけでございます。ただいま片岡委員から御指摘がありましたように、予算上はそれぞれ一〇%、一〇%組んでまいりまして、五十年度は五%ということになっているわけでございますが、これも人確法の附則にございますように、財政上計画的に行うという趣旨に基づいて予算が計上されてまいったわけでございます。その間ベースアップ等がございましたために、実質的には一〇%でございますけれども、人材確保に関しましてのこの教職員の給与改定につきましては、それぞれ九%でありますとか、一〇%よりも低い率になってまいったわけでございます。給与関係の閣僚会議におきましてもいろいろな議論がございました。終局的には人事院の勧告に基づきまして具体的な措置を行うということでございますので、今回もまた人事院勧告どおり完全実施するということになったわけでございます。
○片岡勝治君 今度の勧告のしからば内容についてお伺いをしたいと思うわけでありますが、いま総務長官のお答えによれば、人事院の勧告どおり政府は実施するんだと、こういうことです。しかし、今度の勧告の内容を見れば、人事院は七%、裏返せば政府の予算どおり勧告をするということですね。つまり、政府は予算をもって人事院に勧告する、人事院はそれを受けて政府に勧告をする、非常に何といいますか、本当に人事院が自主的な立場で教員給与はいかにあるべきかというような立場ではなくて、まあ言葉は悪いかもしらぬけれども、政府の予算の裏づけをやると、そういう勧告になっていますよね。これは去年もそうでした。したがって、今回の七%というのは、人事院のあるいは政府の説明によりますと、昨年に引き続き特別の改善を図ることが必要である、だから七%にしたんだということであります。いかなる理由で、いかなる根拠で七彩という勧告をなされたのか、この点は人事院は一体どういうふうにお答えになるのですか。
○政府委員(藤井貞夫君) いわゆる人材確保法というものができまして、ここでは、義務教育というものの重要性にかんがみて、ここに勤務する教員の待遇なかんずく給与について格段の優遇措置を講じるべきである、その具体的な目標としては、一般公務員の水準よりも優遇しなければならぬという目的を掲げまして、これの裏打ちとしては、人事院が勧告を行った上で措置を講ずるのである、人事院にその義務を負わせるという形に相なっておるのであります。それと同時に、所要の財政的な計画運営ということについても国としてはやっていくんだというようなたて衰えでもってでき上がっておることは御承知のとおりであります。したがいまして、この確保法ができません場合におきましては、人事院は恐らく昨年、今年というようなことで、特別の義務教育教員に対する優遇措置を講ずるための勧告というものは出さなかったであろうということはそのとおりであります。したがいまして、非常に自主性のない勧告ではないかという御指摘もあろうかと思いますけれども、その点につきましては、こういう法律ができたことでもあり、われわれといたしましても従来から教育というものの重要性というものは認識をいたしておりましたことでもございますので、これを受けて、法律の趣旨に従って義務教育教員の給与というものを中心にして改善を図っていこうということに相なったわけであります。そういう意味では一般公務員のいわゆる官民較差を埋めるという意味の勧告とはその性格を異にいたしておりますことは事実でございます。したがって、この点については、国の意思と法律でもってそういうことが示されたということに対応して行われたということに相なろうかと思います。 それから、第二点の七%ということでございますが、これは昨年の一〇%というのも、その前年におけるベース改定がございましたので、それを基礎にして割り戻しますと約九%でございました。今回の第二次の場合は、予算措置としては一応一〇%ということになっておったわけでございますが、昨年の第一次の人確法に基づく勧告及び夏の一般の勧告と、これによってベース改定が非常に大幅になされましたために、それを基礎にして割り戻しますと七%ということに相なったわけでございます。
○片岡勝治君 私が聞いているのは、端的に言えば、国で七%の予算を組んだんだから、それを基本にして勧告したんでしょう、内容は。つまり、「義務教育諸学校の教育職員の給与について特別の措置を定めることにより、すぐれた人材を確保し、もって学校教育の水準の維持向上に資することを目的とする。」、これが人確法の目的です。つまり、これに基づいて教員給与というものはいかにあるべきか、どのくらい今度勧告したらいいのかという立場で勧告したのではなくて、昨年も政府が一〇%予算を組んだんだから一〇%の勧告をした、今度は七%の予算を組んであるからそれに基づいて勧告をした。それはそのとおりなんでしょう。そのほかの要素があって、科学的に、いろんな物価指数とか教員の活動の内容とか、そういったことをいろいろ勘案して七%引き上げが妥当であると、こういうことじゃないんでしょう、端的に言って。その点はっきりさせてください。どっちか、右か左かはっきりと答弁していただきたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) 財政措置を真正面に見据えてやったことは事実でございます。
○片岡勝治君 そういたしますと、私は人事院の立場というもの、人事院の存在というものが非常に軽くなるんじゃないかと、つまり、これまでの一般公務員の給与については、民間給与の実態等を勘案して、まあ例年ですと八月ごろ勧告をしておりましたね。それに見合って政府が、これも率直に言って大変努力をされて一〇〇%人事院勧告を最近はやるようになった。それに必要な予算を組む、必要な法律をつくるということをやってきましたね。本来そうあるべきではないのかと言うんです、私はこの教員給与についても。それが実は逆になっておる。政府のいわば下請機関と言うとあなた方に失礼なんですけれども、政府の五%あるいは七%値上げの理論的な根拠、それを人事院が受け持っておるというふうに私は受けとめざるを得ないと思うんです。 それで、ちょっとここでお伺いいたしますけれども、この給与の内容について文部省ではいわゆる調査会というものをつくって、いろいろ意見を聞いたということになっておりますけれども、この調査会のメンバー、主たるメンバーをちょっとここで発表していただきたいと思います。
○政府委員(安嶋彌君) 文部省におきましては、教員等待遇改善研究調査会というものを設けまして、教員の給与等のあり方につきまして審議をしてきたわけでございますが、この委員の全体数は十五名でございます。部会が二つございまして、初等中等教育部会と大学部会、この二つがございまして、初等中等教育部会は十名、大学部会は九名ということでございます。若干委員のオーバーラップがございますので全体といたしましては十五名ということでございます。で、会長は、会長と申しますか座長は筑波大学長の三輪知雄先生でございまして、初等中等教育部会の部会の主査は前の東京学芸大学長の鎌田先生、大学部会の主査は一橋大学長の都留先生でございます。
○片岡勝治君 そのメンバーをちょっと聞きたいんです、義務教育の方の。
○政府委員(安嶋彌君) 初等中等教育部会のメンバーございますが、途中人事の異動等によりまして若干の変更はございましたが、直近の状況で申し上げますと、千葉県教育委員会教育長の今井正氏、それから全日本中学校長会長の片寄八千雄氏、それから立正大学長の小尾乕雄氏、それから産業労働調査附属日本賃金センター所長の金子美雄氏、それから元東京新聞論説委員の木屋和敏氏、それから全国連合小学校長会長の小山昌一氏、全国高等学校長協会長の成田喜澄氏、全国知事会事務総長の松島五郎氏、以上でございます。
○片岡勝治君 いまのメンバーを見たときに、やっぱり今度の勧告が出てきた一つの要因もその辺から出発されているのではないかと思うんです。 まず、そういう調査会をつくって、調査会の答申というか意見が文部省に来ましたね、文部省はそのまま人事院の方に持っていく、人事院はそれを受けて政府に勧告をする。政府の中でこう一回りしている形ですよ、内容を見ると。それから予算的にも。それからメンバーについても、今回管理職が一般教職員に比べてそのアップ率が高い、優遇措置が厚いということは、これはこのとおりでありますけれども、何か勧告のシステムが、ちょっと言葉は適切でないかもしらぬけれども、関係者がぐるになって一回りすることによって、あたかもそれが客観的な妥当なものであるかのごとき、そういうようなシステムになっているような私は気がするわけなんであります。この点は私の一つの見解でありますからあえてその答弁は求めません。 それから、もし教職員の優遇ということが法の趣旨であるとするならば、できるだけ今回の七%についてもその趣旨を体して内容をつくるべきである、勧告も出すべきである、あるいはまた、政府もそれに基づいて法律案をつくるべきであると思うんですが、たとえば七%を二つに分けて、基本給の方に三%、手当の方に四%、これは手当の方を四%にすれば、これは期末手当とかあるいは退職金、年金等に響かない、そういう一つの考えがあったと思うんですけれども、法の趣旨からすれば、わずか七%であるから、そういうものに波及するような措置を講ずることが実は人確法に立った内容ということになるわけですね。どうしてそういう法の原点に立った勧告というものを出さないのか、あるいは政府もまた、そういう勧告があったにしてもよりこれを改善するという立場になるならば、これは勧告をより改善するというような措置を考えてもいいのではないかと、こういうふうに考えますけれども、この点ひとついかがですか。なるべく答弁、時間が大変少ないので、申しわけないんですが簡単にお願いしたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 今回の勧告のあれでございますが、まず第一次の際には、御案内のように当時官民比較から教員関係の給与も取り扱っておりましたので、したがって民間の方の、主としてこの関係でございますと高等学校が相当民間にございます。その辺との給与の関係を見ながら教員の給与表というようなものを一つの足場としてつくっておりました。こんな関係で、どうも義務教育等主として国公立の関係を主体として民間に余りない義務教育等の先生の立場から見ると、どうも低いのではないかという実態が問題点としてあったわけでございます。そこで、こういうような法律も出てまいったのだと思います。そういうことでございまして、第一次改善の際には、技術的にも他の公務員との関係から見ましてもそう無理のない改善ができるというような観点であったわけでございます。 第二次になりますというと、いよいよまさに他の一般職の方の公務員に比して優遇の点が鋭く出てまいるという関係に相なってまいってきております。人材確保法との関係では、法律の抽象的な、先生御指摘のような趣旨がございます。一方予算的なめどが一つある。二つの面を踏まえながら勧告案を出すわけでございますが、これは同時に、やはり税金で賄われます以上、周辺の事情なりあるいは他の公務員との関係というようなものもそれぞれ考えながら案を出してまいらなければならぬ問題点も、やはり同時に持っておるわけでございます。そういうような関係で、特にまた義務教育だけの法案でございますけれども、同時に、高等学校とより密接な関係にあります教職内部のまた均衡問題もいろいろ考えながらやっていかなければいかぬというような問題も、やはり見据えてやっていかなければいかぬという観点もございます。そのようないろんな観点を踏まえてみますと、今回の内容といたしまして、本俸と特別手当、この二種類に分けることが最も適切であるという判断が行われたわけでございます。と申しますのは、第一次で相当行政の水準を一部もう上回ってきておったわけでございますが、今回の三%を加えただけでも水準がさらに一層上回ってくるということで、これを県の、特に義務教育の大宗をなします公立の方の現場の方に問題をおろしてながめてみましても、県の教育委員会と学校との関係等から見ましても、ずいぶん学校の方が高くなってきているという実態もございます。そのような実態から、大変周辺に対する刺激が強くなってきているということは否めない実情でございます。そんなところから、先ほど総裁が言われました七%という数字が出てまいるわけでございますが、それを本俸三%、それから諸手当を四%というかっこうにしまして、そこをやわらかい刺激にとどめることが適切な措置であろうというふうに考えたわけでございます。
○片岡勝治君 そういたしますと、いま申し上げましたように、給与改善という考え方が大変大きな一方においてブレーキがかかるということですね。その裏には、いまお答えにもありましたとおり、大変刺激が強くなるという表現がありました。教員の給与を上げることによって一般公務員の給与の引き上げの要求が高まる、これを抑えようという、そういう考えがあるのじゃないですか。私は、教職員の給与が改善されることは大いにやっていかなければならぬ、だからといって、一般公務員が低くていいということにはならぬと思うのですよ、それは。やはりそれに見合った生活を保障していくという基本的な考えに立たなければ、教員を上げれば一般の公務員の要求が高くなるからなるべく教員も抑えておけ、これでは私はならぬと思うのです。もしそういう考えがありますれば、これはひとつ訂正をしていただきたいと思うのです。 次に、今度の給与の改定によりますと、特一等なる給料表が出てきました。これはいままでの給与体系、いわゆる三等級制が一等ふえたわけでありますから、給与体系が明らかに変わったというふうに考えてよろしゅうございますね。
○政府委員(茨木広君) 最初の点は、公務員の給与を所管いたします人事院の立場としては大変ありがたいお言葉でございますが一また同時に、民間の方を一般公務員については基準としながら、その官民の比較をしながら給与を考えておるという立場が、国家公務員法の六十四条から出てまいるわけでございますけれども、そういう立場に法律上置かれて私どもとしても仕事をやっておるわけでございますが、そういう面から見ますと、大変逆にまた、こちらの方が民間を刺激する部分もあるようでございまして、なかなかそこは勧告を出すごとに大変強い非難、攻撃も一方出ておることも事実でございます。今回も、なぜこういう時期に教員について出すのだということで投書なり電話の攻撃等もございます。そういう中で、やはりいろいろ考えていかざるを得ない立場をも御了解をいただきたいと思っております。 それから、特一等級ができましたから、従来の俸給表の構造とはたてまえが違ってまいりましたことは御案内のとおりでございます。本来のたてまえといたしましては、特一等級が校長の等級、教頭が一等級、従来の二等級は教諭、それから三等級は助教諭等というような姿のたてまえに相なる構造になってきたわけでございます。
○片岡勝治君 これを具体的にさらに政府の説明を聞きますと、特一等級、校長の場合も全部じゃなくて約半分の校長が特一になる、それから教頭の場合もすべてが一等級じゃなくて、七五%の教頭だけが一等級に格づけされる。まあ主として大規模校というのが対象になるそうでありますが、これについて大変大きな問題を巻き起こします。これは私は後ほど文部大臣に直接お伺いをしたいと思いますが、この人確法が成立をいたしましたときに、参議院の文教委員会において附帯決議がなされました。この人確法に基づく給与改定は、現行の給与体系に基づいてやりなさい、こういう附帯決議があるわけです。したがって私は、よもや現行の給与体系を崩してこの人確法が具体的に施行されるなどということは夢にも考えておらなかった。少なくとも全会一致でですよ、この参議院が決議した内容について、軽々しく給与体系を崩して施行するということについて、私は重大な問題であろうと思います。この点について政府の、あるいは人事院の見解を承りたいと思います。
○政府委員(茨木広君) いまおっしゃられました当面の校長なり教頭の格づけの仕方は、漸進的に進めていくということで、従来も特一等級とか特三等級とか新設いたしました場合に、激変を緩和しつつ持っていくという、そういう運用をとっておりましたので、今回もそのような考え方を出したわけでございますが、最終の姿は、先ほど申し上げましたような、それぞれの等級のたてまえにだんだん持っていくということになろうと思います。 もう一つは、参議院文教委員会の附帯決議との関係をおっしゃられましたが、あの当時は、御案内のようにまだいわゆる教頭法と申しますか、その方の法律の審議中でございまして、まだ成立をしていなかったときのたてまえでございまして、その後法律が国会で成立いたしまして、教頭というものの身分が法律上の制度として確立してまいりましたので、そうなりますと、やはり校長、教頭、教諭という三本の職責がそれぞれ分化して出てまいります。そうなりますと、やはり国家公務員法なり給与法の、職務と責任に基づいて給与の格づけをやっていくというたてまえからいって、やはり今度勧告を申し上げたような等級の姿をとらざるを得ない、こういうことに相なったわけでございます。その点は、前にもそういうような場面がございまして、私の方の人事院の立場としては、やはりそれは、教頭を校長と同じ等級なり、あるいは教諭と同じ等級にというわけにはまいらぬでしょうということを私がはっきり申し上げた段階がございます。そういうことで、前から決して考え方が変わったわけでもなく、一貫しておったのですが、そういう法律が制定されたという新たな事態を踏まえて考えざるを得なかったわけでございます。
○片岡勝治君 しかし、これを具体的に適用する場合には、特一等級は半分の校長だということでしょう。そもそも今回の勧告は、この人確法に基づく勧告だということであれば、いかにして優秀な教師を確保していくか、教員全体の給与を上げていくかということが主体でなければならぬと思います。だから、いま言ったような要素を非常に大きく盛り上げている。時間がありませんから指摘しませんけれども、校長、教頭の給与のアップ率が高い。校長さんも苦労していますから、私は月給が高くなるのは大いに賛成です。しかし、なぜ一般教員もそれ並みに高めないのか。しかも、いま申し上げましたように、文教委員会における附帯決議というものについて、私たちは今後もいろいろ附帯決議をつけて政府に要望するわけでありますけれども、こう軽々破られたのでは、これは国会を軽視しているんじゃないかと言われてもいたし方がないと思うわけであります。この点は大変不満であります。 若干時間が残っておりますが、これは文部大臣に二、三聞きたいと思いますので、とりあえず私はここで一応中断をして、後でひとつ継続してお伺いをいたしたいと思います。
○野田哲君 まず植木総務長官に伺いますが、今回のこの勧告は、三月十七日に勧告が行われて以来十日間を経過した中で、すでに衆議院の方は可決をして、いま参議院で審議をしておるわけでありますが、この措置としては、勧告が出されてから十日間で審議を終わる、こういうまことに手際のよい措置がとられておるわけです。昨年を振り返ってみますと、七月二十六日に公務員の給与に関する勧告が出されて、これが成立をしたのが十二月の二十三日であります。約半年間経過をしておるわけであります。そういうふうに、今回非常に短期間で審議を終えて決定をしていこうと、こういう経過をとっていることについては、一月実施というと今年度内に成立をさせなければいけない、そして、教職の現場で働いている教職員に対して、この制度のできた経過はいろいろ問題がありますけれども、それに基づいての措置をしていきたい、こういうたてまえであろうと思うので、総務長官としてもこれを急がれたと思うのですけれども、そういうことに理解をしていいですか。
○国務大臣(植木光教君) 野田委員のお説のとおりでございまして、本年度中に成立をさしたいということで、十七日に出されました勧告を二十日に閣議決定をいたしまして、法案は二十四日に提出をさしていただいて、早期に成立をさしてくださいますようにお願いを申し上げる次第でございます。
○野田哲君 総務長官の趣旨はわかりました。 そこで、総務長官と、文部大臣がいま席をあけておられますので初中局長に伺いますが、総務長官は、今回のいま審議をしておる問題に関して、昭和五十年三月二十日付で自治省の事務次官から「自治給第一九号」という文書番号で、各都道府県知事、それから指定都市市長、各県並びに指定都市の人事委員会の委員長あてに自治省の通達が出されていることについて、総務長官、承知しておられますか。
○国務大臣(植木光教君) 承知いたしております。
○野田哲君 文部省の初中局長、承知しておられますか。
○政府委員(安嶋彌君) 承知いたしております。
○野田哲君 総務長官は、この内容について、自治省の方からこの文書が出る前に協議を受けられましたか。
○国務大臣(植木光教君) 受けておりません。
○野田哲君 文部省の初中局長は協議を受けましたか。
○政府委員(安嶋彌君) 協議を受けておりません。
○野田哲君 わかりました。 この内容は承知しておられるということでありますから、私から一々文章は申し上げませんが、第一点は、今回の措置について国立学校の教員の給与水準との間で調整を行え、つまり、国立学校の教員に対して公立学校の教職員については水準が高いので抑制をしろ、こういう内容。それからもう一つは、幼稚園の問題について触れております。それから第三点は、事の性質上専決処分を行ってはならないと、こうなっています。 そこで、自治省の植弘公務員部長に伺いますが、自治省の方では、地方公務員法に基づいて各都道府県、指定都市に設置することになっている、現に設置されている人事委員会というものについて、その性格、運営等についてどういうふうに考えておられますか、このことをまず第一に伺いたいと思います。
○政府委員(植弘親民君) 地方公務員法に設置の目的等が規定されておりますように、地方公務員の人事行政、なかんずく勤務条件等につきまして適正が期せられるように、公正な第三者機関というような立場で措置をするというように理解いたしております。
○野田哲君 植弘公務員部長は、各都道府県、指定都市に設置されている人事委員会について、公正な第三者機関、こういうふうに考えていると、こういま言われたわけでありますが、そういたしますと、先ほど申し上げた三月二十日付の自治事務次官名で「教員給与の改善に関する取り扱いについて」、こういう通達が出されているわけでありますけれども、この通達が各県の知事あるいは指定都市の市長に出されるということであれば、これは私は、内容に問題はあるけれども、自治法上の規定によって国は地方公共団体に対する指導助言等の責任といいますか、権能を持っているわけですから、それなりに理解ができるわけでありますけれども、公正中立な第三者機関である人事委員会に対してこのような都道府県知事に対する通達と全く同様の内容の通達を、しかも連名で出されるという、これはいまあなたが言われた公正中立な第三者機関という性格を自治省が損なうものになりはしないか、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(植弘親民君) 自治省の地方団体に対するいろいろな行政指導といいますか、技術的援助というものにつきましては、先ほどの野田先生御指摘のように、地方公務員法の五十九条なりあるいは自治省設置法の第四条によりまして、「地方公共団体の人事行政が地方公務員法によって確立される地方公務員制度の原則に沿って運営されるように協力し、及び技術的助言をすること」が自治省の権限として定められているのは御指摘のとおりであります。したがいまして、私どもといたしましては、知事、市町村長あるいは人事委員会等の執行機関が、それぞれ法規に従いまして適正にそれぞれの事務を執行するように指導助言するのは、当然に自治省の責任であると考えております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、人事委員会の性格というのが、知事や市町村長とは異なる特殊な立場にあることも十分理解いたしておりますので、人事委員会に対します助言につきましては、そういった特殊な立場も踏まえた上で一般的な指導ということにとどめておるところであります。
○野田哲君 いま一般的なというふうな説明があったわけでありますけれども、現に出されておる三月二十日付の私が自治省の方から提供を受けたこの文書は、各都道府県知事、各指定都市市長、各人事委員会委員長殿、こうなっておりまして、一般的な行政機関に対するものと、それから公正中立な第三者機関的な性格を持っておる人事委員会、これに対して全く同一の内容を、しかも連名で出されるというところに非常に問題を感じるわけであります。しかも、今回のこの人事院から出された勧告については、たてまえから言えば、これはそれぞれの都道府県の人事委員会なりあるいは指定都市の人事委員会がそれぞれ勧告を行うべき性質のものなんです。それを、その勧告前に自治省の方が勧告の内容に触れるようなことを通達で出す。これは公正中立な第三者機関である人事委員会に対して不当な干渉であり、人事委員会の持っておる機能、これを侵すものではないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか、この点。
○政府委員(植弘親民君) 人事院の勧告が出ました場合におきましては、地方公共団体も、いま先生御指摘のように、人事委員会を持っておりますところでは、人事委員会の勧告ないしは報告等によりましてそれぞれ措置が行われるわけでありますから、その点につきましては、私どもといたしましては、人事院の勧告がございましたその場合に、そういう趣旨はこういう趣旨であります、この場合に、私どもの技術的指導なり援助なりという立場から言いますと、こういう点には注意していただきたいと言うととは、知事、市町村長ないしは人事委員会にも意のあるところを一般的にお伝えする、そして、その当該人事委員会がどのような勧告をするかの個別的なところまで立ち入ったことはしないという意味で一般的な指導ということを申し上げたわけであります。
○野田哲君 いま公務員部長の説明があったけれども、今回の措置は一般的な指導助言の範囲を超えておりますよ、明らかに人事委員会に対して。内容は、まず一つは、地方において国立学校の教員に比較をしての公立の教職員の抑制を行えということがまず第一点になっておるわけです。それから、もう一つ問題なのは、専決処分によって行うことのないようにしろ、こうなっています。これらの問題については、都道府県知事にしても指定都市の市長にしても、専決処分を行うかどうかというのは、これは自治体の長の独自の判断によるべきものであるし、それから今回の措置の内容についても、人事委員会は人事委員会で独自に判断をし、それをそのとおり実施するか、あるいは知事の判断で内容を修正をするかということは、これは知事の独自の判断によるべきものである。そういう経過をたどるべきものについて自治省がこのような通達を事前に出すということは、全く私どもとしては不当だと言わざるを得ないと思うんです。 そこで、このまま押し問答をやっておっても決着がつきませんから次へ進めたいと思うんですが、いま総理府の総務長官あるいは文部省の初中局長の見解を承ったわけでありますけれども、通達が出されたことは知っておるけれども、内容については協議を受けたことはない、こういうふうに答えられた。総理府の総務長官や文部省の方は、できるだけ早くやってもらいたい、急いでやってもらいたい、こういうふうに言われて、現に勧告を十日間でいまここで審議をやっておるわけです。これに対して自治省の方は専決処分をやってはならない、こういう通達を出しているわけですね。そういたしますと、この勧告の適用を受ける圧倒的多数は地方自治体で措置しなければならない教員なんです。いま御承知のような時期で、知事の選挙が行われておる、あるいは県議会も議会を開催をされるような状態にない。選挙がほとんど行われているわけです。こういう時期で、ほとんどの分野を占めるこの法律の適用を受ける公立学校の教員に対しては、一体いつの時期にどういう方法で具体的な措置をしたらいいと考えておられるのか、まず植木総務長官、見解を承りたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) この通達は事後に私ども知ったわけでございますが、いま御指摘のような問題もあろうかと思います。自治省といたしましては、恐らく地方公務員法の五十九条によります人事行政の技術的助言というような意味でやったのではないかと思いますが、これは私の所管外でございますから、いずれとも判断をしかねます。 なお、私ただいま聞いておりますところでは、東北地方でありますとか、あるいは沖繩県でございますとか、すでに専決処分によってこれを行おうとしているところもあるというふうにも伺っているのございまして、今後どういうふうになりますか、私どもとしては推移を見守る以外にないという立場でございます。
○野田哲君 文部大臣がお見えになったので伺います。私がいままで発言した経過については、席をあけておられたのでお聞きになっておられないかもわかりませんが、いまここで、この給与法の改正を審議をして決定をいたしましても、これに対して自治省の方は専決処分をやってこれを実行してはいけない、実施してはいけない、こういう通達を出しています。あるいはまた、内容についても、国立学校と公立学校との間での均衡、調整を行う措置をとれ、こういう通達が出ております。そういたしますと、総理府や文部省の方では早くやってもらいたい、こういうことで私どものところへも要請に来られたわけであります。各都道府県が自治省の通達をそのとおりに忠実に守った場合には、国立学校の教員に対しては、後二、三日うちにまず昭和四十九年度分については支払いが行われることになると思うけれども、しかし圧倒的多数を占める公立学校の教員に対しては、恐らく五月か六月にならないと支給が受けられない、こういう状態になってくると思うんです。しかも、これは年度を越えたことになってしまうわけであります。そういう点で国立学校に対して公立学校の方が非常におくれるという結果になること、これについて文部大臣としてはどういうふうにお考えになっていますか、いままで審議を非常に急いでこられた立場として、文部大臣はこれに対してどう考えられますか。
○国務大臣(永井道雄君) 政府委員から御説明いたさせます。
○政府委員(安嶋彌君) 自治省から通達が出ておりまする内容につきましては御指摘のとおりでございますが、自治省の御意見といたしましては、専決処分を控えてほしいという趣旨は、給与水準が国立学校の水準を上回っている県に対する御指導であるということでございます。ところが、ただいま総務長官からもお話がございましたように、給与水準が国立学校と同等あるいは国立学校の水準にまで至らないという府県があるわけでございまして、こうした府県に対しましては専決処分をすることは差し支えないというお考えと聞いております。したがいまして、私どもはそうした府県に対しましては専決処分を進めるように指導をいたしております。したがいまして、何県になるか、ただいまのところ的確な見通しはまだ立っておりませんが、若干の県におきましては、専決処分をいたしましてこの給与改善を行うように準備を進めつつあるところでございます。したがいまして、私どものお願いといたしましては、なるべく早く本法案を御可決いただきまして、若干の県ではございましても速やかにこの人確法に基づく給与改善が実施できますように、準備をただいま進めておるところでございます。
○野田哲君 これは委員長、私お願いしたいですけれども、この自治省通達をめぐっての考え方、まるっきり政府の部内で考え方が違うんですよ。自治省の方は専決処分やってはいけないということで、文部省の初中局長が言われたように、低いところはやってもいいとか、高いところは保留して調整しろとか、区分けはしてないんです。ことの「性質上専決処分によって行うことのないようにすること。」と、こうなっているわけです。文部省の方はできるだけ専決処分をやってもらいたいということを各地方自治体に要請し指導をしている、こういうことなんです。総務長官の方はできるだけ年度末も迫っておるから早くやってもらいたい、これではこの問題は困ると思うのです。私どもがせっかくいま審議をしていっても、自治省はストップをかけ、文部省はできるだけ専決処分で進めてもらいたいというような、関係各省庁がまちまちの見解であったのでは困るのです。したがって、この問題について、自治省のこの通達に対して、これは一回理事会の方で協議をして、この委員会として統一的な見解を持って政府の善処を求めていく、こういう措置をとらなければこの問題は私は納得できないと思う。ぜひ協議をしていただきたい。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして。
○野田哲君 それでは、その問題については協議を願うことにして、内容について幾つか人事院の見解を承りたいと思います。 今回のこの勧告の内容の特徴、まず第一は、七%が、本俸分が三彩それから手当部分が四%、こういうふうになって、手当という形での措置がとられている。ここに一つの問題がある。 それからもう一つは、特一等級という形を設けて約五〇%の学校長を特一等級に上げる、教頭については七五%ぐらいを一等級に上げる、こういうふうに伺っているわけです。そういたしますと、この措置をとることによって、学校に特一等級という看板をつける小学校、中学校ができる、あるいはまた、いつまでたっても特一等級になれない小学校ができるという形になる。人事院の勧告でこういう措置をとることによって学校にランクをつけるという結果が生まれると思うんです。このことは教育上非常に問題があると思うんです。この点どういうふうに考えておられますか、総裁の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) これは、先刻ちょっと御説明がございましたように、特一等級については現在の校長の二分の一程度、それから一等級については現在の教頭の約四分の三程度を格づけをしていくということをいたしたいというのは、これは要するに臨時の切りかえ時におきまする措置でございます。本来的には、申すまでもなく特一というのは校長の等級、それから一等は教頭の等級ということになりまして、行く行くは全部そういうふうに相なっていくということでございます。したがって、これは永久に学校にそういうレッテルがつくという筋合いのものでもございません。 それからもう一つ申し上げますと、標準職務等級表のたてまえから申しまして、一応、野田さんもお詳しいように、他の行政職俸給表その他の場合におきましても、表現上かなりぎくしゃくはいたしておりますけれども、大規模とか、相当困難とか、著しく困難とか、そういうような表現を使っております。ただ、それを形式に流れないように、実質的にそれと同じようなものということをやれるような規定というものも同時につくって、緩和をいたしておるわけでございますが、この場合もそれと同じでございまして、一応大規模ということになりますけれども、それは数をはじき出すための一つの基準でございまして、何県において、半分ぐらいやるということになればどのくらいの学校が対象になってくるかということになって、数が大体出てまいりますと、その数の範囲内でだれを、どの校長をそれに格づけをしていくかということは、本人のこれは学歴なり、あいは経歴なり、職務経験なり、それから能力なりというようなものを総合判断いたしまして、その上で教育委員会の方で格づけをしていくということに相なります。したがいまして、たとえば山間僻地の非常にさびしい小さい学校がございますけれども、そういうところではかえって長年土地に執着を持ち、教育に執着を持って教鞭をとっておられるりっぱな校長先生もおられるわけであります。そういう人は当然この中に入ってくるということに相なります。したがって、学校に対してそういうレッテルを張るということはねらいでもございませんし、事実そういうことにはならないというふうに考えております。
○野田哲君 そうすると、これはこれから後、人事院規則で具体的な実施内容を定めることになると思うんですけれども、人事院の方ではだれを特一等級にするか、あるいは教頭のだれを一等級にするか、ここまでの措置を人事院がやっていくことになるわけですか、人事院としてはそれだけの機能を持っておられるわけですか。
○政府委員(茨木広君) 私の方で直接扱いますのは国立の関係でございますが、いま総裁からお答えございましたように、標準職務表等のうたい方が、いま議論になっていますようなうたい方でございますが、同時に、これは人事院規則の七−八という「初任給、昇格、昇給等の基準」という規則がございますが、これの別表になるわけでございます。その三条自体に「別表第一に定める等級別標準職務表に定めるとおりとし、同表に掲げる職務とその複雑、困難及び責任の度が同程度の職務は、それぞれの職務の等級に分類されるものとする。」というセービングクローズを含んだ根処条文がございます。それによって、今度任命権者側の方が、先ほど総裁からお話がございましたような等級別定数というふうなものが入ってまいりますが、それらが間に入った形で具体的な人選をやられて発令をされる、こういうことに相なって、文部省の方で法律についてはおやりになるということに相なるわけでございます。で、公立の方はこれを参考にされまして、各県の人事委員会等でやはり類似の規定等をお決めになり、人事委員会と教育委員会とで御相談の上それぞれ処理をされるものだというふうに承知いたしております。
○野田哲君 公立学校の方は、都道府県の人事委員会なりあるいは教育委員会でやられると思うんですが、永井文部大臣に伺いますが、今回の措置によって、校長で特一等級、この格づけを受ける校長が約五〇%できる、あるいは教頭の中で四分の三程度の人が二等級から一等級に上がる、こういう措置がとられるわけです。人事院の方では経過措置というふうに言われたわけですけれども、経過措置であろうといずれの措置であろうと、この勧告を実行する段階で、学校に、特一等級の校長さんが来る学校だ、あるいはこの小学校は一等級で特一等級にはなれない小学校だと、あるいは二等級から一等級へ上がった教頭さんが来る学校だという考え方、どういうふうに説明されようとも、中学校や小学校に、特一等級の中学校や小学校と、そうでない中学校や小学校ができると思うんです。こういう結果になることについて、文部大臣は教育というものについて一体これが是か非か見解を承りたいと思うんです。特に、基準になるのは、規模やあるいは運営の困難性を一つの基準にすると言われておりますが、規模ということになるとやはり一つの都市の中での中心になる、いわゆる名門校とか有名校というようなところが特一等級というレッテルを張られる、田舎の学校はそうでないレッテルを張られる、こういう結果になるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(安嶋彌君) 人事院のお考えは、経過的に校長につきましては特一等級が二分の一、教頭につきまして一等級が四分の三というお考えだと承っておりますが、これはただいま申し上げましたように経過的にということのようでございまして、いずれ校長につきましては特一等級が全部、教頭につきましては一等級が全部ということになると伺っております。 そこで経過措置といたしまして、その運用をどうするかということにつきましては、ただいま野田先生御指摘のとおりいろいろ問題があろうかと思います。特に国立学校の実態と公立学校の実態とは異なっております。たとえば北海道と東京都では、学校規模による学校数の分布が大変違います。したがいまして、学校規模だけでもって等級の枠づけをするということになりますと、東京都のごとき大規模学校の多い地方におきましては大部分が特一等級になる、あるいは北海道のように小規模学校が多いところはその逆であるということになるわけでございます。また、何と申しますか、人事の実際と必ずしも学校規模というものとが対応していないということも現実の問題でございます。したがいまして、このことを公立学校に適用いたします場合には、二分の一あるいは四分の三という枠取りというふうな理解をいたしまして、実態の違う点につきましては弾力的な適用を図っていかなければ大変不公平あるいは不都合が起こると思います。その辺のところは、実態上移行につきまして支障がないような工夫をこらしまして今後指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○野田哲君 私は今回のこの勧告は、教育という現場へ一般行政的な要素を多分に持ち込む危険性を持っておると思うんです。たとえて言えば、国の場合でも各省庁の中央、そうして管区、県機関、こういうふうにそれぞれ各省庁が設置されています。そうして、それぞれの管轄規模によって等級がつけられている。こういうふうな行政的な発想というのが非常に含まれて、私は教育にとっては危険な要素を持っておるんじゃないかと思うんです。 それからもう一つは、こういう制度になっていきますと、いわゆるスペシャリストといいますか、数学であれば数学、国語であれば国語、こういうふうな専門分野を非常に深く、造詣の深い教師という方々、この人たちが取り残されていって、いわゆる管理職としての管理能力を持っておる教師だけが優遇されていく、こういう弊害が出てきはしないか、こういうふうな危険性を含んでいるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点を人事院の総裁あるいは給与局長は、こういう給与制度をつくられることが教育に及ぼす弊害、こういう点についてお考えになったことはございませんか。
○政府委員(茨木広君) まず、たてまえは先ほど申し上げましたように、校長等級、教頭等級、それから教諭等級というたてまえに相なるわけでございます。経過措置として先ほど来御議論のような表現をとっております。これはあくまで経過措置でございまして、これは一つは、昨年の九月、教頭の任命がえで、法律上の制度を切りかえられた際にとりあえず教頭をどう格づけしていくかという問題が文部省の方から御相談がございました。で、原則的な問題については私の方も暫定的な措置としてやむを得ぬでしょうというお話をしたのでございます。具体的展開としましては文部省と自治省で相談をされまして、とりあえず二分の一程度というような意味で、似たようなことで、そのときよくそのいまの各県の規模とか、いろんなものの検討がされたわけでございます。その延長線上の問題として今度の暫定措置も考え、校長については当時の教頭と同じような二分の一と考える、それから教頭については、九月から時点が進展をいたしておりますので、さらに前進した率の段階まで持っていくというような考え方をいたしたわけでございます。でございますから、教頭の法制化という問題に関連いたしましての等級の新設ということでございまして、教育の現場に直、行政的な職場の感じを持っていくということは基本的には考えていないのでございます。 それから、いまの管理職能力のある者云々というような問題もいろいろ出ましたが、今度の等級表の構造の考え方でも、先生御心配のように、それじゃ管理能力のない、教頭、校長等に進まない方はどうなるのかという問題もございます。で、二等級のアップ率でも、相当上の方は高いアップ率で改善をいたしてございます。と同時に、今度手当で出しましたものについては、大体約四%前後の数字になりますけれども、各号俸に対応しましたような金額の出し方をいたしました。そうなりますと、それはまさに上下同率的なものが本俸以外に付加されておりますから、それを合わせてみますと、昨年の改善よりも、上下関係ということから見ますと大変圧縮された形の姿になってくるというような配慮が、その中にも行われておるというような点もございます。そんなことで、そういう点もいろいろ考えながら等級構造をお出ししたつもりでございます。
○野田哲君 私は管理能力のないというような意味で言ったのではなくて、一つの問題について深く掘り下げていく、そうして管理職になるよりもあくまでも教壇に立って教育の現場を担当する、こういう教師が恵まれないじゃないかという立場で申し上げたわけですが、それから私は、この政府の統一見解と、それから自治省通達の取り扱いについて協議がまとまった段階で、必要があればまた発言をさしていただきたいと思います。 最後に一つだけ申し上げ、これはお答えはもう必要ありませんが、幼稚園の問題について、国立の幼稚園については今回措置をするけれども、公立の幼稚園については措置をしない、こういう取り扱いがされておることについては全く納得できない。人事院や文部省は公立の幼稚園を一体どう考えておられるのか、国立と公立の幼稚園にどこにどれだけの違いがあるのか、適切な判断をされていない。こういう点を意見として申し上げて、いま終わりたいと思います。 あと、必要によっては、まだ時間が五、六分残っておりますので、片岡先生のその中で発言さしていただきたいと思います。
○中村太郎君 私の持ち時間は、わが方の理事が大変弱いためにわずか二十分、残念でございます。したがいまして、恐らく意見を言うことで終わってしまうと思うんですが、それだけにひとつ簡潔に御答弁をいただきたいと思うわけでございます。 まず第一点は、先ほど野田委員も触れておりましたけれども、私はこの勧告を出す時期が一つ問題ではないかと思っているわけでございます。年度内に措置したい、だから審議を急いでほしいというならば、なぜもっと十分な審議期間が取れる時点で提案をされなかったかということでございます。この委員会でもわずか数時間の委員会で、しかも、あしたの本会議で議決をしなければ年度内措置はできないと、こういう実態でございます。人確法に基づきまして、もう人事院はこの種の勧告は当然行わなければならない、わかり切っておるわけでございます。昨年の八月に一般の勧告が終わっております。十二月まで期間があります。なぜその時点でこれが出せなかったのか、あえておくらした一体理由は何なのか、しからば来年度一体どうするか、これらについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘がございましたように、人確法は昨年すでに成立をいたしまして、去年とは事情が違っておるわけであります。そういう意味でなぜもっと早く出せなかったかということについての御説はもっともな点が多いように私も思います。そういう点では遺憾であるというふうに考えております。 ただ、言いわけになりますが、私事になってはなはだ恐縮でございますけれども、私が人事院に参りましたのが、諸般の事情で昨年の十二月の末になったわけであります。それから急速一般的な事務と並行いたしまして、この教員給与につきましても、いままでの経緯等についていろいろ勉強してまいりまして、その内容や問題点等について種々検討を行うことに時間を要した。また内容がなかなか困難な面もあったものでございますので、苦心をした時間が多かったということが一つあると思います。 それからもう一つのことは、これは一般のわれわれが官民較差を調べてその上で行っております勧告とは違いまして、要するに人材確保法に基づく、特別の法律に基づく勧告であるということでございますので、文部省との関係のあるところの御意見をやはりあらかじめ参考までにお聞きをしておくということはどうしても必要ではないかということでございますが、先刻来の御質疑の中にもございましたような、文部省でもって研究会をお持ちである、その研究会の一応の結論を出して文部省からわれわれの方に御意見をお出しになる、そういうことがあるというものでありますので、その結果をお待ちをいたしておったということもございます。それが三月の七日ごろになったというような経緯もございまして、それを受けて内容も検討した上で勧告案をまとめて御勧告を申し上げたというような事情がございまして、三月十七日というふうに非常に差し迫ったことにならざるを得なかったということにつきましては、以上の点でひとつ御了解を賜りたいと思います。 なお、今後におきましては、このようなことのないように十分検討を早めまして、十分時間をかけて御審議をいただきますように努力をしてまいる所存でございます。
○中村太郎君 それは言いわけにすぎないと思うのでございます。少なくとも去年の八月から七カ月たっておるわけでございまして、文部省がどうあれ、この勧告は人事院の責任においてやらなければならぬわけでございます。したがって、このことにつきましては、少なくとも来年度におきましては、再びこういう過ちのないように私はお願いしておきたいと思うわけでございます。 それから、勧告の内容について一、二お伺いしておきます。先ほど、昨年の九%本俸アップ、今年度は七%のうち三彩、四%の二本立てにしたということにつきましては、他の公務員との給与の均衡ということを言っておられたんですけれども、ここに一つ問題点があると思うわけでございます。もともと人確法というのは、義務教育学校職員と他の職員との間に不均衡が出る、出すことによって目的を達成しようというねらいがあるわけでございます。格差をつける、そうして格差によって教員の質の向上、すぐれた人材を確保するというのが目的なんです。したがって、格差をつけないならこれは人確法というのは必要ないんです。今回の人事院の勧告が、他の教育職員との不均衡を是正するということに主眼が置かれるならば、これは人確法無視にならないかという感じがするわけでございますけれども、御認識はどうですか。
○政府委員(茨木広君) いまの人材確保法の三条にも「一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置」と、こういうふうに相なっております。四条のところにはその三条を受けまして「同条の趣旨にのっとり、必要な勧告を行なわなければならない。」と、こうなっておるわけでございます。そこで、やはり一般の公務員との間の比較ということでどの程度必要かという判断をそこにするように法律上もなっておりますので、やはり周辺のことも考えながら案を出していくという立場の義務づけをされておるものというふうに承知いたしております。
○中村太郎君 この給与を、いま言った二本立てにしたために、四十九年度予算におきましても、公立学校の給与関係負担金百五十九億が必要なのに、予算の中で三十八億が不用になりますね。それから、五十年度予算において、すでに衆議院で議決しておるんですけれども、この関係費が七百七十九億のうち二百三十二億というのは不用になってしまうんです。国会がこの予算を議決した意思というものは、あくまでも本俸のアップにあったわけでございます。したがって、人事院があえてこの二本立てを勧告したということは国会の意思を無視することにならないか、その点はどうなんでございますか。
○政府委員(茨木広君) これは、別の機会にもそういう点の議論が行われて、見解の表明もあったわけですが、私どもも、承知いたしておりますのは、第一次のときもそうでございますが一〇%、今回も一〇%というまずそのめどがございまして、それは一応予算当局が、概算的に予算を計上されておるというふうに御連絡も受けておりますし、それから予算との関係では、あくまでもそういう意味の一応のめどと申しますか、そういう意味で計上されておるものというふうに私ども承知いたしておるわけでございます。いろいろ論議がございましたその数字の点では、私どもは国立学校の方を一応踏まえたわけでございますけれども、そういう関係でいきますと、同じ会計の中に義務教育と高等学校の問題がある。義務教育について一応概算計上が行われておるが高等学校の方については計上がないというようなことで、両方合わせてみますとむしろ足りないという姿が出てまいる。もう一つ大きく数字が出てまいります方は、これは地方財政の方の関係の数字でございまして、これは、特に各府県ごとに、四十七都道府県等ありますものの積み上げでございまして、これも一応国家公務員の基準で算定しておるということでございまして、実際、精算問題まで入れていけばどうなるか、まだ確定的ではないというようなものでございますし、そういう性格のものだというふうに承知いたしております。これもあくまで、先ほど来議論に出ております、本俸で計上するか、手当で計上するかということに主たる原因があって出てまいった数字上のめどとの食い違いが大きなものというふうに聞いております。と申しますのは、本俸との関係で申し上げますと、やはり本俸の六割増し程度のものがいろいろはね返りをして本俸の場合は出てまいる。大体四〇%程度のものが期末・勤勉手当のところに出てまいる、それから一〇%近いものが共済組合の負担金として出てくる、災害補償の関係も含めまして。それから、あとの一〇%程度のものは退職関係の所要経費に出てまいるというような性格のものでございまして、あくまで一〇%を逆算しました本体の七%というものが手当と本俸で姿を出してまいったということでございますので、御了承を得たいと思います。
○中村太郎君 いや、そうじゃないんですよ。国会の意思というものは本俸の七%アップを希望しておったんですよ。だからこれだけの予算を組み込んだということなんですよ。国会の意思が反映されていないじゃないかということを伺っているわけなんです。そういうことなんですよ、私の聞いておるのは。しかも、先ほど片岡先生触れられておったんですけれども、本来的に言えば、予算の裏づけのない場合でも人事院は自主的な判断で勧告しなければならぬ立場にあるわけです。今回ほど造作ないことないじゃありませんか。予算はついている、国会もその意思である、せめて国会が議決したその意思に沿うぐらいのことは当然私はやるべきだと思う。その意思をどうしてやらなかったということを聞いているんですよ。国会の意思、これを軽視しているじゃないかと、こういうことを言っているんです。その辺の御判断はどうですか。
○政府委員(茨木広君) 一応予算の計上の仕方としましては、最大限の場合にはね返る場合を考えましてお組みになったというふうに承っておるわけでございますけれども、人事院との関係でいきますと、そういうことを見据えながら、内容をどう決めていくかということはまた先ほどの三条なり四条の条文を同時に見据えながら内容を出していかなければいかぬたてまえでございますので、やはり両者を総合勘案しながら出していくということでございまして、決してそういうふうな、軽視をするというようなことでこういう案が出てまいったということはございません。
○中村太郎君 どう言おうとも、私どもの考え方とは違っておるわけなんでございます。そこで、せめて国会の意思を尊重しなかったという罪滅ぼしのために、人事院は不用財源になりまする二百三十億につきましては、今後の勧告の中で義務教育学校職員の待遇改善に使うように勧告する意思はないかどうか、あるいはまた前向きで検討する用意があるかどうか、この辺をお伺いいたします。簡単に答えてください。
○政府委員(藤井貞夫君) 人事院といたしましては、現時点におきましては、いま御審議をいただいておりまする法律案の内容をなしました勧告が最善のものであると考えておる次第でございまして、現時点においてはこれ以上のことを措置する考えは持っておりません。ただ、今後、一般の勧告ということもございます。また第三次の人確法に基づく改善ということもございますので、そういうような際には、また諸般の角度から検討をいたすということに相なろうかと思います。
○中村太郎君 これはやむを得ません、またいろいろやっていてもしようがありませんから。 次に、産業教育手当、定時制通信教育手当、これを受けている高校教員に対して今回の特別手当を重複しないようにというふうにした理由は一体何ですか、どういうことでございますか、根拠は何ですか。
○政府委員(茨木広君) 今回の措置は、一応予算上はっきりいたしましたのが義務教育でございまして、その他の問題については予算上明確でないままに、一応高等学校等その他の学校についても均衡を考慮して措置願いたいという要望は文部省の方からあったわけでございますけれども、この中でも特に高等学校についての強い要望がございました。そういう中でやってまいりました関係上、この特別手当は一応義務教育学校の教員についての手当の姿をとっておるわけでございますが、ただし、その逆転防止上どうしても必要な範囲内ということでこれを考えていきますというと、どうしても高等学校にまず持ってこなければいかぬという点がございます。そういう意味で今回もそういうようなことをお願い申し上げておるわけでございますが、その際、いま御指摘の手当が出ております関係者については、一〇%のそういう手当なり二八%の手当がついております関係上、全くそういう逆転的な問題は生じてまいらないという点が主なる点でございまして、さらに、それらの法案の審議の過程なりその法律の目的等に照らしましても、やはり人材を確保してそういう教育を振興するということで、人材確保法の方の人材を確保して教育の維持向上を図るのだという問題と同じようなねらいを持っております、というような問題もございまして、調整をし得る方途を講じさせていただくという内容でお出しをしたわけでございます。で、今後のいろいろ考え方といたしましては、それではこれが全く埋没してしまうのかというと、そうでもございませんで、今回の考え方でも、一応その月の二分の一以上の勤務がございませんと従来のそういう手当は出ませんけれども、この場合には、こちらがまともに出ていくというようなふうになっております。それから、今後の問題といたしましては、特別手当がどういう変化を受けるかということによって、仮にこれがふえてまいりますと、産業教育手当等を受けております関係者にもこちらの特別手当が支給されてくるというふうに、やはり運用は図っていかなければいかぬ問題だと考えておるわけでございます。
○中村太郎君 もう少しわかりやすく、簡単に答えていただきたいと思うんですよ、時間がないんです。 言うまでもございませんけれども、通信教育手当は通信教育振興法、産業教育手当の方は産業教育手当法、これはもう長い間支給されておるんですよね。しかもその趣旨というものは、一般普通学校とは違った勤務の特殊性にかんがみという一項をはっきりうたってあるんですよ。言うならば、産業教育学校の人材確保の一環として制定されておるんです。したがって、この手当というものは、どこの学校にも一律的に支給されるような、一般的な、普遍的な手当のらち外にある、これは私は当然の認識だと思うんですよ。それを、今回はだれにでもやる特別手当の中に埋没さしてしまう、実態的に埋没さしてしまうんです、これは。そういうことであっては、これもまた通信教育手当法あるいは産業教育手当法の、法律の趣旨にもとる、こういうことに私は考えざるを得ません。したがって、これは私自身の意思でなしに、自由民主党といたしましては、このことに対する前向きの検討の意思表示がない限りは、これを審議するわけにはまいらない、こういう考え方もあるんですけれども、もう一度念のためにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 御指摘の産業教育手当及び定時制通信教育手当の問題につきましては、自民党のみならず、他の政党におきましても御論議のあるところでございます。先般の衆議院の委員会におきましてもこれが非常に活発に論議せられたところでございます。そこで、この御批判の結果、衆議院におきましては、これらの手当の受給者に対しても、義務教育等教員特別手当を支給する道を講ずるようにという附帯決議が行われました。それに対しまして私から、御趣旨につきまして政府として検討をしてまいりますというお答えをしたのでございます。したがいまして、今後検討をしてまいりますし、その際、もちろん人事院の総裁を初めとして人事院の方々も御同席であったわけでございますから、院の御意思というものは今後できるだけ反映をしてまいるという姿勢でございますから、御理解をいただきたいと存じます。
○中村太郎君 その件につきましては了承いたしたわけでございます。 そこで、もう一つ、今度の改正案の中で、校長、教頭職につきましては特に優遇措置が考えられておるんですけれども、あわせて一般教諭の引き上げ措置を考えることも私は大切と思うんです。その中で、特に二等級教諭につきましては、その豊富な経験とか、あるいはまたいろいろな資格を持っておるとか、あるいは教育に非常に熱意があるとかというような、特にすぐれた二等級教諭に対する一等級引き上げへの道も講ずべきであると思いますけれども、この点人事院から、どのように考えておりますかお伺いしたい。
○政府委員(茨木広君) 俸給表の構造からいいますと、先ほど一等級は教頭の等級であるというふうに申し上げたのでございますが、二等級は教諭ということで、いまおっしゃられましたような考え方もいろいろそこに格づけされる筋合いのものであるということで、下の方が一%に対して上の方が二・五%アップの構造上の改善を行ったわけでございます。ただ、いまおっしゃられましたような問題点がいろいろかねて要望があるということも私どもといたしましても十分承知いたしております。これはしかし、今回の改善は、まず校長、教頭、教諭というたてまえを明らかにするという考え方でございますので、今後よく検討していかなきゃいかぬ問題点であるというように承知をしておるわけでございます。
○中村太郎君 もう一分、済みません。 最後に文部省にお伺いしておきたいと思うんでございます。というのは、今回の人事院の勧告にもありますけれども、「教職に人材を確保し、もって学校教育の水準の維持向上を図るためには、研修等による教員の資質の向上及び教員に係る制度の整備も重要な課題の一つと考える。」という勧告がなされておるわけでございます。したがって、これはまとめて聞きます。 人確法施行以来、文部省は今日までこの面でどのような新しい対策を樹立したか、第一点。 それから一つには、義務教育学校職員と他の職員との給与の格差に対する確かに不満の声はあります。しかし私は、これはしょせん、これを解決するものは結局は義務教育に携わる学校職員自身でなければならぬと思うのでございます。その勤務努力、あるいは姿勢、あれだけ一生懸命やるんならば給料が高くてもいいわという一般の共感を得るような態度でなければならぬと思うわけでございます。そのことがこの不満を解決する唯一の道だというふうに私は承知をいたしておるわけでございます。したがって、少なくともいまの国民は、学校の先生一生懸命やってください、そのかわり給料高くてもいいんですよと、最低限ストライキだけは——違法のストライキだけはやめてください、これは私は国民の切なる願いだと思うんでございます。そういう意味で、文部省はこの国民の声を率直に受けとめて、りっぱなすぐれた教員確保、資質の向上のために全力的な態勢をとられますことを要望いたしたいと思うわけでございます。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまお言葉がありましたように、この待遇の改善に伴いまして不均衡を生じるという場合、やはり教員に対する期待というものが非常に強いと思います。文部省はこれに対してどういうふうにしてきたかというお言葉でございますが、まあ教員大学院の計画というようなことも一つでありますが、それはやはり教員の養成というものをこれまでよりもやはり強化していこうということであります。しかし、養成にとどまらず、すでに現職につかれた方々の研究研修というようなものをどうやっていくかということももう一つの問題であります。さらに、教職員組合とあるいは文部省との関係などにも十分に配慮いたしまして、法に基づいて、ストが行われることがないように、これも十分に努力をいたしてまいりますが、そういう意味合いにおきましても、法的な角度からの検討と同時に、対話ということが非常に重要であるとも考えておりまして、教育課程審議会などでは、教職員組合に御関係の先生方の教育課程についての御意見も承って、広く教員の意見というものを活発にして、そして教員の職場というものをでき得る限り生きがいあらしめるものにするように、われわれは今後一層の努力をいたしていきたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 大部分の問題がもうすでに同僚議員の方から質問がございましたので、私はかいつまんで、今回の法案の中身につきましては至って簡単にお伺いしたいと思います。 まず総務長官、これは先ほどもちょっと話がございましたが、今回人事院の方から十七日に勧告がございまして、それで二十四日にあらゆる手続を済ませまして国会に提出をされました。そしてきょうは三日目、二十七日でございます。人事院勧告から十日間でこの法案は成立をしようとしているわけであります。実はこのことは、先ほどもちょっと話ございましたが、政府がこういうような問題については、やる気を出せばいつでもこういうぐあいにスムーズにいくんだということを、私はしみじみと感ずるわけです。昨年実は田中内閣時代に、前の人事院の佐藤総裁が病を押してそれこそ大変な思いをして人事院勧告をつくりました。そして、人事院勧告を出したわけであります。ところが、実際問題、あの当時は臨時国会が開かれて、当委員会に当時の小坂総務長官が参りましてあれこれ言いました。言いましたけれども、結局は私たちは、政府がやる気があればできるんじゃないかということをさんざん言ったわけであります。さんざん言ったけれども、いろんなことを言ってそれはできないという答弁だけでございました。それではやっぱり困るんでございまして、こういうふうな問題につきましては、今後政府の態度として速やかに閣議決定をなし、あるいは財政措置等をされて、そしてできるだけ速やかにこういうふうな問題を今回のように解決されるよう、私は初めに総務長官の御意見と御見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 短期間に作業をいたしましたことをおほめをいただきまして大変ありがとうございます。ただ、昨年の一般公務員の給与改定と異なりますことは、実は財源の措置が先にしてあったということでございまして、二九・三%という高額のものでございましたためにおくれたという事情もございますし、また、その間国会が開かれなかった諸種の事情があったことは御承知でございます。国会が行われていた最中に出されましたけれども、臨時国会が短期間で終わってしまったと、こういう事情でございます。今後政府としては、一般公務員の給与改定の御審議をいただき成立をさしていただきました際に御指摘がございましたように、勧告に対しましては速やかな措置をとるということで、いろいろむずかしい問題ございますけれども、いま研究を進めているところでございます。御理解をいただきたいと存ずるのであります。
○峯山昭範君 それでは、もう一点人事院の方にお伺いしておきたいと思いますが、今回のこの勧告は、先ほども話ございましたように、ことしでちょうど二回目になります。 それで私たちは三年間で三〇%、当時の奥野文部大臣は五〇%ぐらい何とかしたいという話もありました。実際問題としてこれは一体どうなるのか。来年勧告をしたら、その後はもう教職員の手当の問題については、人事院勧告は来年で一応終わりと考えていいのか、あるいはまたそれから後何らかの措置を考えようとしているのか、ここら辺のところは一体どういうぐあいになっているのか、この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(茨木広君) いろんな考え方がございましたことは事実でございます。また、それも野放しの三〇とか五〇ではなくて、たとえば養成制度をがらっと変えていった場合とか、いろいろ条件等の裏の事情もいろいろ絡んでの数字であったように私どもは仄聞をいたしております。しかし、現在のところでは御案内のように、第三次分として現在の給与額の五%という一つのめどがまた予算上出てきつつあるという姿が一つございます。大体大筋は、やはりこの法律に基づきます計画的なものとしては、それで終わりなんだというふうに私どもは聞いております。それじゃ今後どうなるのかという問題は、これはまた給与一般の問題として、毎年私どもとしましては、給与のあるべき姿がどうであるかということは検討をし、報告を義務づけられておりますから、そういうものの一環として今後はやはり扱っていくものだというふうに考えております。
○峯山昭範君 文部大臣、この問題、人事院の勧告は大体文部省の要望に沿って毎年、毎年というよりも、去年とことし二年にわたって勧告がなされた、ただいまの問題について文部大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの問題でございますが、予算の措置をいたしまして、そして給与の改善を図ってこの人確法の趣旨にこたえるというようなやり方で進んでいきますものにつきましては、第三年次にわたります二五%で一応終わると考えております。しかしながら、人確法というのは恒久法でございますから、将来ともに教員に人材を求めるという趣旨はそれ以後も引き続きあるわけでございまして、そこで、その場合に、どういうふうに人確法の趣旨を貫徹していくかということについてはわれわれも引き続き考えてまいるつもりでございますが、それはただいま給与局長からの御説明もありましたように、その後における給与の改善というようなことも含めまして、また、それとの関連において新しい事態の中で恒久法の趣旨を生かすべきものであると考えております。
○峯山昭範君 大臣は、ただいま二五%というお話ございましたが、この程度で大体法の趣旨は達したと、こうお考えでございますか。
○国務大臣(永井道雄君) これまで教員の給与というものが相当長い期間にわたって不利でございました。そこで、その状況というものを新しく人確法の趣旨に基づいて変えていく、変えていってこういう地盤をつくり上げていくという意味合いにおきましては、二五%のところで一応法の趣旨というものが達成されるというふうに私は理解いたしております。
○峯山昭範君 人事院にお伺いしますが、これは先ほどもちょっと同僚議員の質問ございましたが、もともと人事院は、この給与勧告の根本は、やっぱり手当とか、そういうふうなものじゃなくて本俸が中心主義ですね、本俸中心主義ということで来たはずであります。これが今回、この三%、四%に分かれておるというのは、従来の人事院の姿勢が大分変わってきたという感じを受けるわけです。この点についてはどういうふうにお考えかというのが、まず第一点。 それから第二点といたしまして、この人確法の第三条の「一般の公務興の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない。」ということで、これに基づいて人事院の勧告がなされ、今回の改善が行われるわけでございますが、要するに、この「必要な優遇措置」というのは一体どういうふうに理解していらっしゃるのか。今回の優遇措置、いわゆる給与の改善で、来年も含めて三年にわたる二五%の改善で大体ほぼ終わるとお考えなのかどうか。それからさらに、 こういうふうな給与勧告というのは、教職員の給与の改善とともに、これは昨年ですか、看護婦さんの給与の改善があったわけです。こういうふうに考えてきますと、今度はこれに関連をいたしまして、公安とか税務とか、そのほか医療その他職員とのバランスという問題が出てくるわけです。こういうふうな問題についてはこれはどういうようにお考えなのか。もうこういうふうに勧告をしていきますと、給与表というものがもうごちゃごちゃになってしまってバランスを失してしまうんじゃないかということが考えられるわけです。こういう点についてはどういうふうにお考えか、この点二点お伺いしておきたい。
○政府委員(藤井貞夫君) 第一の問題でございますが、これはお話がございますように、われわれといたしましては、やはり好ましい姿としては給与改善というものは本俸主義でいくというのがたてまえであることには間違いがございません。ただ、戦後いろいろな経済社会状況の変化等もございまして、本俸だけでは律し得ない部分で給与的に措置をしていかなければならない分野がたくさん出てまいりました。そういうところから、御承知のような各種の手当等を出しましてこれに対処いたしておるわけでございますが、たとえば教育職員につきましていわゆる超勤的なものを出すべきであるという論議がございました際にも、これは超勤ということでなくて教職の特別調整額ということで、調整額はこれは本俸並みの取り扱いをするわけでございますが、そういう措置を講じたというのも、そういう姿勢のあらわれであったのでございます。ところが、今回の場合二本立てということにしたというのは、御指摘もありますようによくよくのことでございます。私たちといたしましては、この人材確保法の精神はよくわかりますけれども、公務員全般の給与を扱っております者といたしまして、やはり際立った不均衡を生ずる、あるいは逆転を生ずるといった措置は、これはやはり最小限度どうしても防止せざるを得ないということがございますので、そういう見地から、しかも人確法の精神を十分住かして、せっかくついた七%でありますので、この七%は月々に渡るものとして教員の待遇改善に充てていくということを、大変われわれなりに苦心をいたしましてこういう措置をやったということでございます。本来的には、やはりたてまえは本俸主義でいくのがよろしいという考え方には変わりはございません。 それから第二の点でございますが、これはいま文部大臣もお話ございましたように、われわれの給与的な感覚から申しましても、昨年の一〇%、実質九%の勧告を俸給表で措置をしたということによりまして、従来の問題点はほぼ改善をされたというふうに考えまして、今回の措置を加えますと相当程度によくなった姿が出てきておるのではないかという感じがいたしております。したがいまして、最近の事情を踏まえてみます場合においては、全体としてのパーセンテージとしての二五%というものは一応のめどがつけられた、一応落着をしたというふうに見てもよいのではないかと、われわれもそういうふうに考えております。 それから第三点でございますが、御指摘のように、われわれといたしましても一番苦心の存するところは他への波及でございます。昨年は看護婦等については特別の措置を講ぜざるを得なかったのでございますけれども、その他やはり一般職員は一般職員なりにいろいろ文句がございます。言い分がございます。これもむげには退げられない面を持っておることは事実でございます。そのほか、いま御指摘になりましたような警察官その他の公安職であるとか、あるいは税務職であるとか、また看護婦さんであるとかというような職種につきましては、その必要性というものは際立って多いことは確かでございます。そういうような点につきましてはやはり意識をいたしまして、一般的な勧告その他の際にできる限りの措置は講じていかざるを得ないのではないか、かように考えております。
○峯山昭範君 総裁、私は人事院の役目というのは非常に重大であると思っております。かねがねから人事院が行っております人事院の勧告にいたしましても、あるいは天下りの問題にいたしましても、非常に関心を持って私は見ております。しかし総裁、いま総裁の話を聞いておりますと、どうも人事院のやることにたてまえと本音がある、よくよくのことだと。またさっき局長は、まあ三%、四%と分けたのは、余り七%なんというのは刺激が強過ぎるからやわらかい刺激にとどめておくようにしたんだと、こういうふうな言い方をしているわけですね。これは私はそういうふうなことがあってはいけないと思うんです。やっぱり裏と表があるというんじゃいけないんでして、私は、人事院は最近おかしくなったんじゃないかと、どこかと癒着して本当にしようがないとこの間からずいぶん言っているわけですけれども、そういうのじゃなくて、やっぱり毅然とした人事院としての姿勢というものがなければいけない、こう思っているわけです。 そういうふうな意味で、きょうはもう一点違う角度から質問しておきたいと思うんです。と言いますのは、まず人事院総裁、先般の決算委員会で私は質問をいたしました。その前に内閣委員会でもちょっとやったわけでございますが、何分にも時間が毎回五分とか十分とかという短い時間でございましたので、きょうは三十分ほどありますのでがっちり御意見をお伺いできるのではないかと思っているわけでありますが、昨日、通称天下り白書というのが、われわれどうなっているんだということをかねがね言っておった待望のやつが出たわけです。これは、私もきょういただいて中身を見たわけでございますが、この概要について初めにお伺いしたい。概要はどういうふうになっているのか、初めにお伺いしたい。
○政府委員(中村博君) 昨日、国会と内閣に御報告申し上げました報告書の概要を申し上げます。 四十九年中に人事院が承認いたしました件数は百八十九件、百八十八人でございます。ちなみに、一般職の国家公務員の同年中の離職者数は三万六千人でございまして、このうちでほぼこれに見合います等級の対象者は約二千人でございます。したがいまして、二千人中の百八十八人、こういうことに相なってございます。 それから、主な省庁の承認件数は、大蔵省、建設省、通産、運輸、国税、農林等でございます。 それから、昨年はその承認者の中で技術系が過半数を占めておったのでございますが、本年は例年の例に戻りまして、事務系が六割、技術系が四割、かような構造になってございます。 それから、承認された者の地位別でまいりますと、本省局長以上でありました者は八人でございます。これが最高でございましたのは昭和三十九年の十四人でございました。なおちなみに、本省局長以上の退職者は同年中に四十三人でございます。 それから、学歴、資格等で見てみますと、上級職試験の合格者でありました者は約一七%、それから最終学歴が旧中卒以上の方が二一%、それから退職時の官職が本省庁の課長補佐以下の方が九・〇%。それから、ちょっと目先を変えまして、営利企業の就職先の地位が平社員であります者は一六・五%でございます。 それから、退職年齢は五十歳未満が二五%を占めておりまして、五十歳代が七一・三%、したがいまして、六十歳未満で九六・三%、かように相なってございます。 それから、就職先の地位別で見ますと、役員として承認されました者が三七%、その他は非役員、かように相なってございます。 大体以上でございます。
○峯山昭範君 大体の概要はわかりましたが、私は、これは非常に問題があり過ぎる。私は初めに申し上げておきますが、決して天下りが全部いかぬと言うわけじゃない。それでまた、先般の決算委員会のフリートーキングでもこの問題出てきたわけでございますが、私が一部例を挙げますと、一部の例を見て全部言うのはいかぬと自民党の議員さんは言いましたが、実際は私はそうじゃなくて、具体的にいろんな例も挙げたいと思うんですが、まず、この天下りの承認件数ですね、今回は百八十九件、百八十八人ということでございますが、昭和四十五年以来の承認の人数、これを年度別に一遍言ってみてください。
○政府委員(中村博君) 承認件数、ほぼ同様でございますので、承認件数で申し上げますと、四十五年が百九十三でございます。四十六年百六十七、四十七年百七十七、四十八年百八十一、そして四十九年が百八十九と、かようでございます。
○峯山昭範君 それではもう一点、最近五カ年間の各省庁別の天下り先ですね、業種別に、多いところだけで結構ですから一遍言ってみてください。大蔵省はどういうところが一番多いのか、通産省、それから運輸省、郵政省、建設省、それぞれどういうところが多いのか、まずお伺いしたい。
○政府委員(中村博君) とりあえず手元に四十九年の分がございますので、それに従いまして申し上げたいと思います。 本年承認されました数の大きさから大きい順に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、大蔵省五十九件でございまして、行き先は建設一、製造三、商業一、金融三十、不動産一、運輸通信二十一、サービス二と、かように相なっております。
○峯山昭範君 そんなのは意味ないんだ。そんな細かいことを言ったんじゃ何となく質問の趣旨からも外れていますので、私の手元に、これは人事院の資料に基づいて作成した資料がございます。「最近五か年間の営利企業への就職承認の業種別一覧」というのがございます。大蔵省は、一番多いのが金融、証券、保険、この関係に百三十件、その次に多いのが運送、倉庫、不動産の三十九件であります。それから通産省は電気、機械関係が三十六件、石油、石炭、化学工業二十六件、多い分から二つだけ言いますとそうなります。運輸省は運送、倉庫、不動産五十二件、それから郵政省は情報サービス二十七件、建設省は土木建築五十四件というように、これはもう人事院としてはすでにお調べのとおり、こういうぐあいに、私が危惧したといいますよりも、臨時行政調査会で指摘があったとおり、やはり何といいましても公務員の皆さんの一般企業への天下りというのは、「特定の営利企業と行政機関との間に特殊の関係を生じ易く、公務の公正を阻害するおそれが多いので規制を加える必要がある。」というのが臨調の答申の中にあるわけです。そこで私は、この規制を加える必要があるという問題について、これは先般の私はフリートーキングの中でも、やはり規制は加える必要があるというのは一応皆さんの御意見であったように思います。ところが、人事院の肝心の規制という、この規制がどうもしり抜けになっておる。このしり抜けになっているという一番のポイントは、一体この規制というのを人事院はどういうよう考えているのか、並びに規制というのはどういうふうな規制のやり方をしているのか。それで、昭和四十九年度で結構ですが、人事院に対していわゆる承認の依頼といいますか、申請があったのはどの程度あったのか、一遍そこら辺のところをお伺いしておきたい。
○政府委員(中村博君) まず、先生のおっしゃる規制の方針でございますけれども、これは国家公務員法の百三条によりまして、離職後二年間は特定の営利企業への就業が禁止されておるわけでございます。しかし、それはいろいろな御議論があり、特に私ども理解いたしておりますのは、公務員とて一私人になりました場合には、職業選択の自由、勤労の権利という基本的人権を保障さるべきであると、そのようなこととの調和が頭に置かれて、したがいまして百三条に三項が設けられておる。したがいまして、その事務を担当いたします私どもといたしましては、やはりこの法の精神があくまで、在職中にコネをつけて、そして離職後営利企業に就職しようと、そのために、公務の公正執行が妨げられないようにという基本的なこの法の精神に基づきまして、離職前五年間のその方が経過されました職務、これと、それから行かれようとする営利企業の地位と相互を勘案いたしまして、たとえば所管関係があるような、つまり当該営利企業の認可でありますとか、あるいは許可とか、そういった点について企業の存亡を握っておるような書は、当然これは許可しないわけでございます。そのような観点から、法の趣旨に従いまして、またいろいろ御批判も考えあわせつつ、私どもとしましては非常にシビアな態度でやっておるつもりでございます。 それから第二の点は、先ほど御報告申し上げましたように、私ども御報告申し上げましたのは百八十九件でございますが、そのほかに、私どもの方へ参りまして不承認、いわゆる不承認と申してございますが、取り下げられましたものが十五件でございます。したがいまして、合わせますと二百四件になるわけでございますが、これは不承認の件数が少ないではないかというような御批判を受けるかもしれませんが、実はこの制度は長年やっておるわけでございまして、私ども機会あるごとに、この制度の趣旨というものを各省庁にいろいろ御連絡申し上げておるのでございます。したがいまして、これは各省におかれましては、そのような事情を踏んまえて——申請をするのはそのつこうとする個人じゃございません、各省各庁の長でございます。ですから、とうてい許されないものかどうかということは、これはもう大体御存じであるのでございまして、各省各庁の長においてまず第一次審査が行われて、そして私どもの方にその協議が参るわけでございます。何と申しましても、そのような過去の経験あるいはいろいろなお考えがありましても、どうしてもやはりボーダーラインケースというものが出てまいります。そのような場合には、いわば内相談があるわけでございまして、この内相談の結果アウトとなったもの、それを私ども不承認と称しておるわけでございます。したがいまして、承認百八十九に対して不承認十五と、かような数字に相なっておりますのもその結果でございます。
○峯山昭範君 この許可の基準というのは、具体的に、詳細にわたって資料かなんかあるんですか。
○政府委員(中村博君) 特に資料として紙に書いたものはございませんが、私ども、いわばこの職務を行います者の指針として持っておるもの、そのようなものはございます。その一部を申し上げてみますと、たとえば許認可とか、先ほどもちょっと申し上げましたように、許認可権限を持っておるような場合、それからその事業の死命を制するような強い権限をこれに対して持っておるような場合、そういった場合につきましてはこれを不承認として取り扱うと、かようになっておるのでございます。なお詳細に申し上げますと、たとえば営業の免許とか、あいるは料金の認可とか、事業所の設置の許可等を行う場合、あるいは営業譲渡に関する監査等を行う場合、それから補助金の交付、輸入割り当て等を行う場合というような監督関係、そのような関係がある場合、もしくは権限行使の関係、あるいはまた工事契約、物品購入契約等の契約関係がある場合、こういう場合を大体実務者関係というふうに考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 ただいまのあなたのおっしゃった認可について、あるいは承認についての基準ですね、皆さんが、こういうものを大体審査の基準にしているというものについては後ほど資料として出してもらいたいと思います。 それから、いまあなたがおっしゃった許認可の権限あるいは営業の譲渡とか、いろんな問題がありますね、契約の問題とか、そういうふうな問題というのは、実際は、私は先般も指摘いたしましたように、たとえば海上保安庁の認可の中に田中房男さんがいらっしゃる。この問題については、これはあなた方どうお考えなんですか。
○政府委員(中村博君) いまお示しの田中さんの場合につきましては、これは御経験になった官職を見てみますと、まあ先生も御承知のような官職を経ておられるわけでございます。各本部長、海上保安大学校長、こういう職を経られたわけでございます。そしてそのいらっしゃる先は、先般も御指摘がございましたように五洋建設の顧問、こういった関係です。海上保安庁とその五洋建設との間にどういうような関係があるかと申しますと、これは海上保安庁の施設の請負関係があるわけでございまして、先ほど申し上げましたような許認可とか等の強い所管関係はない、こういう状況でございます。そこで、その意味合いにおきまして、少なくとも建設工事の請負施工というような契約関係があるわけでございますので、一応百三条の二項により、「密接な関係にあるもの」としてつかまえ、そしてわれわれがこの審査に当たりまして、この田中さんがいままで経過されました官職、これを見てみますと、本部次長でありますとか、保安本部長でありますとか、保安大学校長でございます。で、こういうところの官職は契約関係を一切取り扱わないのでございます。したがいまして、その意味から、この田中さんにつきましては、これは百三条の三項に従って承認してよろしいであろうと、そういう考え方をいたして承認を申し上げた、かようなことでございます。
○峯山昭範君 これはあなたね、請負関係は確かにありますね。しかし五洋建設という会社は何をする会社ですか。
○政府委員(中村博君) 土木建築工事の請負業だと承知しております。
○峯山昭範君 その主たる業務は何ですか。
○政府委員(中村博君) 港湾土木と聞いております。
○峯山昭範君 港湾土木ということは、港湾のしゅんせつ作業というのが、この会社の主たる業務ですね。その港湾のしゅんせつというものを、あなたは請負関係だけあると言いましたが、この海上保安庁、とにかく五管区、十管区、第三管区というそれぞれ本部長をやった。本部長が全部監督権限を持っているわけですよね、これ。そうでしょう。港湾のいろいろなしゅんせつ作業をやるに当たっては日本全国やってるわけです、この会社。そうしますと、請負契約の関係は、本人は直接関係なかったかもしらないけれども、現実に今回問題になっておりますこの監督権限というのは、この本部長持っていたわけでしょう、どうですか。
○政府委員(中村博君) いま先生の御質問の監督権限は、運輸省の港湾局が持っておる、かように承知いたしております。
○峯山昭範君 海上保安庁はどういう権限を持っているのですか、それじゃ。この建設会社は港湾でしゅんせつ作業をやってるわけです。そのしゅんせつ作業をやるに当たっては、たとえば今回問題になっておるのは、港湾から弾薬が出てきた、出てきた弾薬を届けないで港湾に捨てたということが出てきたわけですね。それじゃその捨てたという、こういうふうなことについては、あなた方はそれは運輸省が監督しているからだと言いますけれども、実際問題として、そういうふうな不法な行為、港湾における不法な行為というのは全部海上保安庁が取り締まるのじゃないですか。
○政府委員(中村博君) 海上保安庁の所管としては、港則法によりまして海上交通の整理等を行うものと了承をいたしております。
○峯山昭範君 あなた方、そないして何ぼでもそれは言うかもしれません。それじゃね、港湾で工事をやります、そうしますと港則法に基づいて海上保安庁は監督する権限があるわけですね、逆に言えば。そうすると海上保安庁の許可なり何なり監督の権限を受けないのですか、どうです。
○政府委員(中村博君) 海上保安本部は、その所管のところの海上の警察権を持っておりますから、そのかかわりにおいては先生御指摘のような点があると存じます。
○峯山昭範君 だから私は、そういうところも厳密に審査をすべきだと言うのですよ。そうしないと、この法の趣旨からいっても、臨調の答申の趣旨からいっても、これは立法の精神からも外れるじゃないですか。実際問題として、私はこの職業選択の自由とか、そういうものを束縛しようなんて思いません。思いませんが、との今回の、ことしの天下りの内容を見てみなさい。高級官僚が天下った先というのは全部日本の一流企業ばっかりじゃないですか。こういうようなのをばんばん認めておるということは、これはしり抜けですよ。審査そのものをやっぱり厳密にもっとやるべきです。そうしない限りこの天下りという問題は解決しない。この問題についてはもっと人事院は私は本気になって取り組んでもらいたいと思うのですが、どうですか。
○政府委員(中村博君) 先ども来申し上げておりますように、百三条の精神にかんがみまして、そしてまた何ゆえに人事院の承認にゆだねられておるかという精神も勘案いたしまして、先ほど申し上げましたような基準に従い、私どもとしましては厳正にこれを施行いたしておるつもりでございます。
○峯山昭範君 あなた方、厳正にやってるなんて、百三条の三項の規定というものは、要するに、特別人事院のこういう問題について承認を受けた場合には、いわゆる前二項の適用をしないというのがあなたこの規定じゃないですか。そういうような意味では、天下りという問題をきちっと制限をした法律を緩和しているわけですよね、これでね、それだけにあなた方に責任があるということです。それだけに私は厳格にやってもらいたいと思う。 それからもう一点、私は言っておきたいのですが、時間もありませんので簡単に言いますが、五十歳未満の方が二五%も天下っていくということは一体どういうことですか。臨調の答申の中にもこの問題を指摘しているわけです、現実に。そうでしょう。どういうぐあいに指摘しているかわかっていますか、一遍言ってみてください。
○政府委員(中村博君) 臨調の答申では、現在わりあい早く離職する傾向にある高級公務員について、退職年齢の漸進的な引き上げ、それに対する処遇の改善、したがってその結果として、その知識と経験を行政部内において長く発揮せしめよ、かように申しておるわけであります。
○峯山昭範君 あなた方は自分の都合のいいところだけ読むんだ。その前にはちゃんと、公務員は定年までいるというのが原則だ、そういうくだりもあるでしょう。そういうふうないろいろな観点から考えてみても、現在の天下りというものが、これは正常なものじゃないと私は思います。そういうような点から考えてみても、もっともっとこれは人事院が厳格に取り扱わなければいけないと思うし、また先ほども言いましたように、各省庁の天下り先が、それぞれ当然と言えば当然かもわかりませんけれども、要するにあなた方の承認の基準が甘いから、結局は大蔵省は金融、証券あるいは保険と、そういうところへ行く。何でこういうところへ行くのか、やはりそれぞれこれはメリットがあるから行くわけです。受け取る方もメリットがあるから受け取るわけです。そして、かねがねから指摘されておりますように、何といいますか、行政との癒着という問題がどんどん出てくる、そして具体的には今回の五洋建設のような問題が出てくる。これがあなた方、人事院総裁ね、五洋建設のようなこういうふうな事件が起きてもいいとあなたは考えているんですか。これは警察で取り調べられ、あるいは本人も認めている問題です。本人も認めて、こういう疑われるような行為をしたことについてはまことに申しわけないと本人は言うておる。ところが人事院はね、全然この問題について反省しておらぬ。きょうで私は三回にわたってこの問題を取り上げてやっていますけれども、いまだに人事院としては、正々堂々と何ら間違ったことはやっていない。しかしながら、このことがこういうふうな事態を起こしたこと——現実にこういうふうな事件を起こしているわけです。警察ざたにもなっておるわけです。にもかかわらず人事院は、こういうふうなことはまことに遺憾なことだということを、これは当然私たちが質問をして、そしてそれに対して、やはりこういうことはなくしていかなくちゃいけないという考え方に立って、姿勢を正していくというあれでないといかぬじゃないですか、総裁どうですか。
○政府委員(中村博君) 先般の当委員会で先生から御指摘がございましたこの田中さんの件につきましては、直ちにこの委員会終了後運輸省を呼びまして、本人に対して重大なる警告を発すると同時に反省を求めまして、本人からも、今後そのようなことを繰り返さないということを運輸省を通じて確認いたしてございます。
○政府委員(藤井貞夫君) 前半いろいろ法律の精神その他についてお話しになりましたことは、考え方の方向としては全く同感でございます。また具体の例としてお挙げになりましたことは、これははなはだ遺憾千万な事実であるというふうに考えます。いろいろこの法律の運用につきましてはむずかしい点もございます。本人の職業選択の自由とか、その他の点との絡み合いで非常にむずかしい問題があることは事実でございますけれども、また同時に、国会における論議、また絶えざる世の批判があるということも事実でございます。そういう点を踏まえまして、今後とも私といたしましても、この問題処理に対しましては、さらに厳正な態度でもって臨みたいと思います。
○峯山昭範君 私はもう時間が参りましたので、最後にもう一点だけお伺いして質問を終わりたいと思います。きょうは総務長官もお見えになっておりますので、これは多少管轄外かもしりませんが、総務長官並びに人事院総裁にお伺いしておきたい。 それは何かと言いますと、この天下りという問題が形を変えて出てきておる。これはね、たとえば地方自治体のいわゆる高級公務員、こういう人たちが営利企業へ就職をする場合には、これは具体的な制限はないようですね。そうしますと、実際問題として厚生省なり自治省なり、あるいはそういうふうないろいろなところから、国の方から地方の自治体に天下っていく、そしてその天下った先からさらに営利企業ヘフリーパスで天下っていく、そういうふうな事態が現実に出てきつつある。こういうような場合、私はやはりこういうふうな人たちも何らかの形で一考せざるを得ないんじゃないか。まあ地方の自治体へ天下っていくこと自体も私たちは問題にしているわけですけれども、今後こういうふうな問題についても、この百三条の三項の規定がございますけれども、これは国家公務員に関する規定でございますからね、地方公務員に対するあれではございませんので、こういうところもあわせて今後検討していただきたい、こういうふうに考えておりますが、それぞれ政府の見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 政府といたしましては、公務員がいやしくも世の指弾を受け、国民の批判を受けることがないように十二分の配慮をすべきは当然であると思うのでございまして、その点につきましては、国家公務員、地方公務員にかかわらず同様のことが言えると思うのでございます。今後、ただいま御指摘のありましたことにつきましては、関係省庁とも協議をし、御批判を受けることのないように努力をしてまいりたいと存じます。 また国家公務員の私企業への就職につきましては、百三条の規定が厳正に運用せられますように期待をする次第でございます。
○政府委員(藤井貞夫君) これは人事院の所管外でございますし、感じといたしましても、ただいま総務長官が仰せられたとおりでございます。
○内藤功君 文部大臣に、まず幼稚園の教員の問題についてお伺いしたいと思います。 最初にお伺いしたいことは、この人事院勧告の中でも、幼稚園の教員については、今回国立公立を問わず手当の対象から除外をされておるというような措置をとられていますけれども、幼児教育、人間の成長の基礎をつくるのは幼児教育、この重要性はもう申すまでもないと思います。文部省としては、就学前教育といいますか、この幼児教育について、基本的にどういうお考えを持ち、またその中での集団教育施設である幼稚園というものについて、どういう位置づけを持っていらっしゃるか、これをまずお伺いしておきたい。
○国務大臣(永井道雄君) 幼児教育というものは非常に重要であるという見地に立ちまして、いま幼稚園における教育の充実のために私たち努力いたしている次第でございます。ただ、この幼児教育というのは非常に教育上重要でありますが、いま一般に起こってきておりますのは、それとの関連におきまして、そこまで重要であるなら義務教育化したらどうかというような見解もございますが、これについてはやはり相当の条件というものが前提として必要であるというふうに思われます。一つは、教育学的に見て果たして義務教育にしなければならないほどの、それだけの性格を持っているかということもございますし、もう一つは、義務教育にしていく上では完全な財政的な充足の条件というものも必要であるわけでございます。そこで、現段階におきましては、文部省が考えておりますのは、幼児教育の重要性を考えて、いろいろそういう研究というふうなものも非常に重視しておりますし、それから一般に幼稚園教育の強化に努めているという段階でございます。
○内藤功君 義務教育化の議論が出るほど現在の幼稚園就園率というのは非常に高くなってきておるわけです。これは大臣あるいは担当の政府委員でも結構ですが、幼稚園の就園率、つまりその年に入った児童の中での幼稚園修了者の率はどのくらいですか。
○政府委員(安嶋彌君) 四十九年五月一日の調査でございますが、該当年齢人口に対する比率で申し上げますと、五歳児につきましては六三・五%、四歳児につきましては四七・五%、三歳児につきましては六・四%が幼稚園に就園をしておるという状況でございます。
○内藤功君 いまのお話のように、五歳児では六三・五彩に達しておる。しかもこれは、そういう数字だけ見ると六三という数字だけれども、実際には入れたくてもはいれない。定員数の関係、これはまあ先生の数も影響してくるということではいれない人もおる。それから都道府県によっては就園率が八〇%を超えておる府県があるはずですが、その県が何県ぐらいあるか、八〇%を超える就園率の県が。この点も伺いたい。
○政府委員(安嶋彌君) 就園率が八〇%を超える府県でございますが、兵庫県、沖繩県、香川県、徳島県、大阪府、四十九年度の数字では以上でございます。
○内藤功君 幼稚園教育の問題は、一つは学級定員数の問題をどのように合理的なものにするか、教員の給与をどういうふうにするか、さらにこの施設の整備をどうするか、保育内容をどうするかというような問題が重大問題だと思うんですね。いままで余り国会で、文教委員会も含めて取り上げられていなかったんだけれども、この点について文部省としては、幼稚園をさらに充実させ振興させるという計画を持っておられると思うけれども、簡単で結構だからどういう計画、どういう目標でやろうとしているか。
○政府委員(安嶋彌君) 幼稚園教育の振興につきましては一応十カ年計画を立てております。先ほど来御指摘がございましたように、幼児教育の重要性と幼稚園教育に対する国民の強い要請にかんがみまして、四十七年度を初年度とする十カ年計画を立てました。五十七年度当初までに入園を希望するすべての四歳児及び五歳児を就園させるに必要な幼稚園を整備したいということで計画を進めておるわけでございます。これに対応いたしまして、予算の措置でございますが、施設の整備といたしましては、公立幼稚園に対しまして約十七万平方米の施設の整備を図る、私立幼稚園につきましては約八万平米の施設の整備を図るということで、五十年度予算におきましては約六十四億円余を計上をいたしております。それから、設備といたしましては、五十年度予算におきまして約三億円に近い予算を計上いたしまして、幼稚園の拡充を図る施策を進めておるわけでございますが、このほかに、さらに幼稚園に幼児を就園させておりまする父兄の保育料の負担を軽減いたしますために約三十五億円の幼稚園就園奨励費というものを計上いたしておりまして、ただいま申し上げましたような十カ年計画の推進に資したいということでございます。
○内藤功君 この内容も、金額の点でも、それから十カ年なんという、いま五歳の子が十五歳になるくらいまでの長い年限ですね、こういう問題点がずいぶんあると思うんです。いま言われたのは、ただ物質的な面、施設の面です。この給与の改善というのも、同時に非常にこれは大事なことなんですね。いい先生をたくさんやっぱり幼稚園に集めるということが大事だ。 そこで、これは大臣に伺いたいんですが、いま問題になっておる人事院勧告に先立って、三月七日に大臣の名前で人事院総裁にあてて給与改善についてと、これは意見書をお出しになった。ここでは一体どうなんです、いままで大事だ大事だと言ってこられた給与については触れてないように思うんですが、触れてあるんですか、これに。
○政府委員(安嶋彌君) 三月七日の人事院に対する要望書の中には、特に幼稚園という言葉は出ていないわけでございますが、御承知のとおり、従来から幼稚園教員に対する俸給表は教職の(三)表ということになっておりまして、これは小中学校に適用される俸給表がそのまま幼稚園に適用されるということでございます。したがいまして、小中学校についての改善の要望が実現されますならば、当然それが幼稚園に対しても適用されるということでございますが、なお、要望書の4の事項におきまして、「義務教育諸学校の教員の給与改善との均衡等を考慮し、義務教育諸学校以外の学校の教員の給与についても、必要な改善を図る」というくだりがございますが、これは高等学校、幼稚園、それから盲学校、聾学校、養護学校の高等部あるいは幼稚部を含める趣旨で書いておる次第でございます。
○内藤功君 そうすると、文部大臣から人事院総裁あての要望書の中には、幼稚園の教員という明示はないけれども、給与の引き上げということの改善を勧告した、こういう趣旨だと、こう承ったわけですが、そこで人事院にお伺いします。 今度の人事院勧告の中でも、先ほどから問題になっておりますように、国立の幼稚園の教員の給与については三%の改善をすると、しかし、公立についてはこの勧告の対象にしない、それから、いわゆる四%の特別手当というのは、国公立を問わずこれは対象にしない、こういうことになっておりますけれども、いまの文部省の要望の趣旨からいっても、それから去年の参議院文教委員会での附帯決議で、幼稚園の教員の給与改善を参議院文教委員会で決議をしているという経過からいっても、この勧告ははなはだ理解がいかない。いま非常に幼稚園の教員の方々、それからお子さんを幼稚園に送っておられる父母の中でも、非常な不満と、それから疑問が生じておるのです。あなた方はお役所の中で御存じないかもしれないけれども、これは非常に多くの苦情、陳情、要望が出されております。まず、この小中学校との権衡上非常にこれは道理に合わないことだと思うんですが、なぜこのような勧告になっているか、まず概括的に局長の方から御説明願いたい。
○政府委員(茨木広君) 御案内のように、国立の付属の学校の先生の給与は日表がございますが、その後、高等学校の。表が分離をいたしまして、結局現在の日表には小中学校と幼稚園というものが付属の学校の適用範囲になっておるわけでございます。で、第一次改善以来、小中学校の先生の学歴構成等が、高等学校の学歴構成と違わなくなったというような問題を相当大きな基点として、小中学校の日表の内容と高等学校の。表の内容とが接近をしてまいったと、で、初号から相当前半の方については、もう全く同比率、金額になったということは御案内のとおりでございます。で、今回の勧告においても、さらにその相互関係は接近をいたしてきております。それから、特別手当の方の問題については、逆に小中学校を基本といたしましてその手当額が決まっていて、その同一対応の年次のところには全く同比率、金額の額を高等学校の方に適用していくというような考え方が打ち出されておるわけでございます。そういうふうになってまいりますと、幼稚園の方の免許関係なりの状況を見ますと、御案内のように、幼稚園関係は大きく分けますと、保育所の系統と——要するに文部省系統と厚生省系統と二大分野に大きく分かれていることは御案内のとおりでございます。幼稚園系統に限って見ましても、私立が四分の三、それから公立がその残余、あと国立がごくわずかと、こういうような分野に相なっております。そこで、今回の問題を考えますに当たりましても、昨年、幼稚園については特に一つ別の勧告が行われておる。で、第一次の教員給与改善の適用は同じようにやったわけでございますが、その後もう一つ、例の教職調整額の勧告が夏に行われております。それで、目下それらのやはり法律等を考えてみますと、実施過程にあるということで、まだ未実施のところも相当ございますし、いろいろまだ問題があるところもあるようでございます。そういう過程中にございますので、今回のやはり第二次教員給与改善をどう考えていくかということは、やはりおのずから慎重を期さなければいかぬ問題が出てまいります。 それから、いま言った学歴構成等を見ますと、国立の方は大学出の一級免許の方が半分、それから短大卒の方のいわゆる二級免許の方が大体同数というようなふうに、相拮抗した……
○内藤功君 ちょっと聞こえませんが、一種が幾ら、二種が幾ら、もう一遍数字を言ってください。
○政府委員(茨木広君) 国立の場合でございますが、大学卒の方のいわゆる一級免と申しますか、これが、計で申し上げますと四五・五%、短大卒の二級免と称されるものが四一・四%、それから高卒のものが一三%、こういう内容になっておりますが、公立の方になりますと、高卒が一九%、それから短大卒の二級免の者が七六・七%。それから一級免の大卒が四・三%、こういうような比率になってまいりまして、大変構成の状況が変わってまいっております。その辺のところがございまして、まあ「その他」のところでも幼稚園の俸給表等については検討する必要があるというふうに指摘を申し上げたわけでございまして、そういう問題が一つございますのと、それから先ほど申し上げましたような、教職調整額というもう一つ別個の勧告が昨年夏に一応入っております関係上、もう一年足らずの間にさらにもう一回、三つもというのは、大変まあいろいろ、末端の昇給状況からいたしましても問題があるし、それから、御案内のように、保育料問題で住民の方から反対を受けているというような状況も一つございます。そういうような問題もいろいろございますものですから、実態的にはやはり慎重に扱うべきだということと、そういう俸給表上の問題も検討しなきゃならぬ問題があるというようなところで、今回の措置といたしましては、俸給表の適用はまあ自動的に覆いますので、これはそのまま付属の幼稚園の先生方には適用してまいる、それから手当の方は、もともと小中学校から始まりまして均衡上やむを得ない、逆転防止上やむを得ないところにこれを適用していくという考え方をとりました関係上、高等学校はやむを得ないけれども、逆の方の関係にあります幼稚園の方には持っていかないという考え方をとったわけでございます。それから同時に、そういう経過をとって、第一次改善ですでに現在の俸給表でも、いわゆる中級試験、県も国の方もやっておりますけれども、いわゆる短大卒、その方々を二号俸以上上回っておる号俸水準に一次改善の俸給表ですでに行っておるわけでございます。それが現在幼稚園に適用されておりますので、さらに今回の改善をその上に上乗せしていくことは慎重に考えるべきものであろうというような判断のもとに、これをこのまま地方の方にお用いになる際には、やはり適当でないという考え方をこちらの俸給表をつくりました立場で一応指摘を申し上げて、地方の方でお用いになる際の参考に供したと、こういう経緯でございます。
○内藤功君 大きく分けて学歴の点と、それから仕事の内容で異なる点があると、こういう趣旨のように読めるんです。非常にむずかしい文章なんです、そうですか。
○政府委員(茨木広君) もう一つの点、仕事の点で違う点があると申し上げましたのは、付属の方は、御案内のように学部の方の、要するに教員養成学部の教育に密接な関連のもとに協力するために付属が設置されております関係上、学生指導の面のみならず、そこの学部の学生の方々がいろいろ勉強をされる、あるいは論文をおつくりになる過程中にも、行ってみますと、付属の幼稚園の方に参りまして、いろいろそこの資料等を先生の指導のもとに使わせていただいて勉強をしておるというための特別の部屋もございまして、現にやっておるような実態もございます。そういう意味の学部の教育に日常密接に協力関係にあるという点が、一般の公立の普通の幼稚園の場合と内容が大変違う点があるというように考えております。その点と、先ほどの学歴あるいは免許の資格の構成が大変違っておる。まあそういう二つの点が大きな理由としてここに書いてあるわけでございます。
○内藤功君 学歴の点ですが、確かに大卒のパーセンテージを数字で言うと国立の幼稚園の方が多いんですけれども、ただ最近では、私の調べたところでは、東京都などでは昭和四十八年の東京都における新規採用の率を見ると、大卒が百二十一名中十九名、これが四十九年度では百十五名中二十一名と、パーセンテージで言うと一四・二%から一八・二%までずっと上がってきておるんです。大学の就学率ももちろんこれは御承知のとおり高くなっていますから卒業生の率も多くなりますから、これは今後ともふえてくる傾向にあります。それが一つ。もう一つは、短大卒というのが実は幼稚園の教諭、先生の場合に一番中心なんですね。短大卒という人がまさに職務の責任においても、またその能力においても、四年制大学卒と劣らない仕事をしているわけです。いま、はからずも言われた公立の、あなたがおっしゃった短大卒七六・七%、これがまさに一番大事なところを占めているわけです。ですから私は、大学を二年よけい出た人がどのくらいおるかというこのパーセンテージで比べるのは給与の決め方としては私は必ずしも妥当じゃないと思う。しからば何で決めるか。これはもう仕事の責任度、困難度というものをよく分析してみなきゃいかぬと思うんです。そうすると、ここに一つ問題が出てくるのは、一体比べるべきは小学校の先生とこの幼稚園の先生、御自分の幼児期を考えていただきやわかると思うんですが、小学校の先生と幼稚園の先生と仕事の上での違いというのは一体どこにあると考えているのか。たとえば子供が一時か二時ごろで帰っちゃうから幼稚園の方が楽だと、そういうふうに思っているわけじゃないんだろうけれども、あなた方の出した説明にある「職務にも一部異なる点のあることが認められる。」、そこは一体何を端的にとらえて言っていられるのか。さっきの御答弁では非常に抽象的なんで、どこが違うというふうにお考えなのか、その点にしぼってお答え願いたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 短大卒が中心になっておるということは全く同感でございます。俸給表なり給与上の取り扱いがいろいろあるといいますか、大筋がやはり大学卒、短大卒、それから高卒と、また中卒の場合も若干ございますけれども、そういうものを基本にしながら制度的には一応つくられております関係上、先ほど申し上げましたように、小中学校の方が従来はいわゆる専門学校卒中心の俸給表の考え方をされておったわけでございますが、これが全く大学卒の方の俸給表の考え方に変わってまいったという点がございますので、その辺が同じ俸給表がよいのか、あるいは短大卒の等級と大学卒の等級とを分けた方がいいのか、そういういろいろ問題がございますものですから、やはり慎重に考えていかなければいかぬということでございます。 それから、職務の内容が一部云々と、これはやはり、それぞれ漸次接近しながら幼稚園なり保育所の課程から小学校に移り、それから中学に移るというふうになるわけでございますから、その接近点におきましては非常に似たような色彩があるということは事実であろうと思います。私どもも、去年以来幼稚園の方にもお邪魔させていただいて、いろいろ苦心なり実態等をお聞きしまして、前にも教職調整額の勧告を申し上げたわけでございます。ただ内容が、特に公立の方になりますというと、先ほど申しましたような国立の場合とやや趣きを異にいたしまして、保育の方に大変ウエートがかかっておるというような姿であるということは事実であろうと思います。ただ、今後幼児教育というようなものが、幼稚園体系と保育体系とを通じましてもう少し整理されて、また形が変わってまいりますれば、それなりの評価がえをしていかにゃいかぬだろうと思いますけれども、現段階で末端の方の問題もいろいろあるということを踏まえてみますと、やはり今度の勧告自体ではこういうふうな考え方をするのが妥当ではないかというふうに考えております。また今後の問題点については、引き続き検討をするということをここに御指摘いたしましたように取り急ぎ検討をしてまいりたいというように考えております。
○内藤功君 文部省にお伺いしますけれども、幼稚園の教員の中で、現在何らかの病気または体に異常のあるような人、いわゆる罹病率といいますか、それからどんな病名が多いかというふうな点をあなた方は御存じですか、お調べになったことがありますか。
○政府委員(安嶋彌君) ちょっと古い資料でございますが、昭和四十四年度の学校保健統計調査報告書によりますと、当時の幼稚園教員の総数が約五万七千でございますが、その中で休職をいたしております者が百五十二名でございます。病気の種類といたしまして一番多いのは肝臓の疾患十六名、それから結核が十二名、心臓の疾患が十二名、精神障害が十二名、高血圧性疾患が八名、糖尿病が八名、その他八十八ということで、計百五十二名でございます。それから長期欠席者というのが百五十六名ございまして、病気の種類として一番多いのが高血圧性疾患十六、糖尿病十二、精神障害十二、心臓疾患八、結核と肝臓の疾患がそれぞれ四、その他というものが百二十という数字になっております。
○内藤功君 四十四年の統計しかないというのははなはだ遺憾なことであって、現状で一体どうなのか、四十九年度でどうかという数字を至急調べていただきたい。そういうことだから人事院に対する幼稚園の教員の給与を改善しろということも迫力がこもらないんですよ。「その他」の中に入っている。だからだめだ。私はそれを深追いするつもりはありませんが、これはこの資料でも非常に深刻な状況にあることがうかがい知れるわけなんですが、ただ、あなた方の調べているのは病気休職の数字だ。病気になっても休職までいかない人がいっぱいいるわけだ。これは生の調査でいかなくちゃいけない。さっき給与局長茨木さんも幼稚園に行ったと言うけれども、どのくらい調べてきたかわからない。後でまた教えてもらいたいが、私の方は実際に東京都教職員組合の幼稚園部の調査があります。ここに持っております。これによるともっと深刻なんですね。まず調べた対象の五八%は二十代です。若い方ですよ。それから四〇%が三十代です。圧倒的に若い人です。病気または何らかの異常のある人が九十一名、五六%、百六十一名調べたんですよ。そして病名で一番多いのは胃腸障害、これは入院までいかないけれども、毎日毎日病気でぐあいが悪い。胃腸障害、貧血、腰痛、低血圧、それから生理の不順、声帯の異常、こういうのがワースト六になっている。そうして異常の原因と思われることというのは、百四十三人のうち五十三人の方が仕事だと。二番目が二十三人が睡眠が十分とれない。一番多いのが仕事が原因だという、こういう状況ですね。で、この仕事というのは、一体どういう勤務状態になっているか。二時ごろで子供が帰れば、後はもう幼稚園の先生は仕事が全然ないように理解をしていますか、それとも、後どういうふうな仕事をするのか、そこらあたりはどういう認識でおられるか、まず文部省の方から聞きたい。
○政府委員(安嶋彌君) 幼稚園教員につきましても超過勤務の実態があるわけでございますが、その中でウエートの高いものの順に申し上げますと、教育等の準備、整理、それから研究会への参加、あるいは内部の会議、それから園内の整備、家庭訪問、こうした関係の超過勤務、時間外勤務がございますが、この点につきましては、御承知のとおり先般、教職調整額の制度が幼稚園にも適用されることになりまして、昨年暮れに改正法の御可決をいただきまして、四月一日に遡及して施行されるというような措置を講じておる次第でございます。
○内藤功君 いま抽象的におっしゃったとおりです。まず、子供が帰ってから掃除をするんですね。学校の掃除をするわけです。これは用務員とか掃除の係員のいる幼稚園はきわめて少ない。自分で掃除をする。そしていまいったように、翌日の計画、翌週の計画を立てる。それから子供一人一人の、きょう何して、どんなことをしたかということを幼稚園の先生は全部記録をつくるんです。細かい記録。それから評価をする。そうして、なおかつ、それができなくてうちへ持って帰る。超勤の実態はどうです、大体週に何時間ぐらいの超勤が多いですか、あなたの方で調べている資料があれば……。
○政府委員(安嶋彌君) 昭和四十八年度の公立幼稚園教員の勤務状況等調査によりますると、超過勤務の一週間平均の時間は四時間十七分ということになっております。この調査は、公立幼稚園の約六%、教員総数の約四%についての調査でございます。
○内藤功君 これもどういう報告か、その根拠はよくわかりませんが、このおひざ元の東京二十三区保育園の実態を私調べてきたんです。ひどいものです。平均で大体三時間から六時間、週に。これが一番多い。六時間が一番多いですね。そうしてひどいことに、これは東京都の、はっきり申しまして渋谷区ですが、十五時間から二十時間という先生が四人おります。これは昭和四十八年九月から一年間の統計ですが、こういう実態がいま行われている。現実にはいまのお調べになったのは何年です、それは。何年に調べたんです。四十三年ですか。
○政府委員(安嶋彌君) 四十八年です。
○内藤功君 実際にはもっとひどい超勤が行われているんですね。私はこういう点を考えてみると、これだけははっきり言えると思います。小学校と仕事の上で違うというような理屈は、もうこれを幼稚園の先生の前で言ったら、国会は一体何しているのか、人事院や文部省も同罪になってもらいたいけど、何しているんだということになります、これは。しかも、仕事の神経の使い方が違いますよ、これは。四十人の子供が小学校ならみんな机に座っているんです。教室の中にいる子もいるし、砂場で遊んでいるのもいるし、それを全部目をつけていなくちゃいけいなんですね。それから、転んで汚す、けんかをして血が流れる、けがをして汚れる、あるいは下の方の始末も幼稚園で先生がするわけです。そうして、実際に洗たくまでする。洗たくしてして着がえさして帰す。あなた方もお子さんやお孫さんがいればみんなよくわかっている。これは大変な仕事です。ですから、さっき言ったような胃腸障害を初めとする病気が非常に多くなってきている。ですから、次代の子供を大事にするというのは超党派ですよ、これは。もうこれは党派を超えてまずやらなくちゃいけないことだ。それを今度人事院勧告では、理屈はいろいろつきましょう、それは。四年制大学卒業が少ないですとかいろいろつきますけれども、これは一番大事な幼児教育というものを保障する上で先生の給与を小学校と同じにする、本当は小学校より上にしてもらいたいという意見が多い。しかし、小学校と同じにするということはあたりまえだと私は思うのですね。この点給与局長は、いまの段階では慎重に考えざるを得ないと言ったんですが、さらに前向きにこれを検討し、実際にあなたは幼稚園にも行って調べたという前向きの姿勢はぼくは結構だと思う。しかし、どういう結果が出てきたのか、それからどういうふうに今後この問題に当たっていくのか、この点もう一回お伺いしたいと思う。
○政府委員(茨木広君) いま先生がおっしゃられたような実態にあるということは事実でございます。また、ある意味においては幼稚園よりも一歳、二歳、三歳児等のより小さい方を抱えていらっしゃる保育所の方に、さらにまたそういう意味の肉体的な負担が多い、あるいは腰痛を起こすような方も多く、そういうところで問題があるというようなことも承知いたしております。したがって、今回は義務教育に予算が組まれて、そのはね返りとしてどこまでこれを及ぼしていくかという問題の入り方になっておるわけでございますが、幼稚園の方にこれが入ってまいりますというと、厚生省系統の保育所をやはり放置できないという問題になってくる。そこまでいきますと、さらに福祉施設関係のいろいろの問題のところにも同じような関係のことが波及してまいるという問題がございます。それから、負担問題から考えましても、義務教育の方は国立及び公立で義務教育として全額税金で賄う体系でおやりになる。したがって、先生の月給を上げましても、全部それは税金で負担をするというたてまえになるわけでございますけれども、幼稚園あるいは保育所の方の関係はそういう体系にはないので、やはり相当の部分が保育料という形でもって父兄からちょうだいをするという関係にある。そういうふうなことになりますと、昨年の第一次改善、それから教職調整額の夏の勧告、それから一般勧告、そういうものを三回も経ております上に、さらにそれをいろいろ考えずにそのまま幼稚園にはね返していいかどうかという問題はやはりおのずからそこに慎重に考えていかなきゃいかぬ問題があるんではなかろうかという考え方をいたしております。ただ、おっしゃられるようないろいろ苦労が多いということは御案内のとおりでございます。そういう面から見れば、引き続きやはり待遇をいろいろ考えてみなければいかぬという問題があることもこれまた事実でございます。それから、先ほど申し上げましたようないろいろな資格関係についても、やはり踏まえながら考えていきませんと、公務員部内の内部均衡というようなものとの観点からいろいろ問題の生じてまいることもあります。その辺をいろいろ苦心をいたしまして、今回も一つの考え方を出しておるというところでございます。
○内藤功君 最後に、教職員組合の幼稚園部というようないわば労働組合サイドでこれを強く要求しているだけじゃなくて、幼稚園の経営をしておる全国国公立幼稚園長会、これが昨年、非常に詳細なアンケートをつくった。文部省も恐らく資料手に入っておると思います。これで見ると、驚くべきことに四年制大学卒業者の初任給、一番高いところで茨城県が八万八千二百円、一番安いところが何と、失礼ですが熊本県三万二千七百十八円、こういう安い給料なんですね。そして、初任給五万円以下というのが十一府県、そうして二年制大学ですと、なおこれは何というか、差別をされておる。五万円以下は二十二府県、四万円以下は十九県、こういう数字になっている。これはいま茨木局長は、公務員一般に押し広げるようにして、いや幼稚園の先生上げると、これも上げにゃならぬ、これも上げにゃならぬ、切りがない、こういう議論をされた。しかしですね、ここで討論されているのは小学校の教員と比べて職務の点で違いがあると、こういう人事院の説明ですから、これは説得力がないです。私はこの意味において、ひとつ最後に自治省の御意見、それからずっと聞いておられた総務長官の御意見ですね、前向きにどのようにこれを考えているか。これはもう幼児教育にかかわる問題、国の将来にかかわる問題です。それから、道理から言ってもおかしい。警察官も上げろ、福祉関係者も上げろという広げる議論じゃなくて、同じ教員でしょう。学校教育法の中のいわゆる「教員」という中に当てはまることは同じなんです。どういうふうに一体お考えになるか、どういうこれについての見識をお持ちになるか、ひとつはっきりとお示し願いたい。
○政府委員(植弘親民君) 幼児教育の大事なことその他につきましては、いまの質疑応答で私どもも十分感じますが、ただ給与の問題になってまいりますと、私どもの地方団体の立場から申し上げますと、幼稚園によく類似したものに保育所がございますが、保育所と幼稚園と同じ地方の公務員という立場で給与をどのように考えるかというような、非常に均衡論として大事な問題がございます。現に、各地方団体におきましては、教員の給与をそのまま使っている場合、それからまた一般行政職の給与を使っている場合、あるいはまたその中間の形といいますか、第三の形といいますか、そういったものを使っている場合もございます。そういうことでございますから、非常に幼児教育が大事だということは理解できましても、給与体系そのものにつきましては、国との均衡を考えながらも、それぞれの団体のそういう状況を踏まえた上で検討しなきゃならないというふうに考えております。
○国務大臣(植木光教君) 私には孫はございませんけれども、私自身幼稚園に通ったことがございますし、最近の幼稚園の実情についてもいろいろ知っているつもりでございます。ただいま御論議がございました中で、幼稚園の教員の職務と責任というものは非常に大きく高いということについては私も同感でございます。先ほど来、人事院におきましても調査研究を進めているという御発言でございます。政府といたしましては、人事院がこの問題にすでに取り組んでおられるところでございますから、その調査研究の結果を待ちまして努力をいたしたいと考えているところでございます。
○内藤功君 最後に、まあ大体そういう答弁しか出ないだろうと思うんですけどね、しかし国公立幼稚園長会では、もうそういう答弁聞き飽きていると言っていますよ。「真に実状を知って適切なる方策を講じないならば、「重要だ。」ということはお題目か、虚言を弄しているに過ぎない」と思うと、もうこれは決断しかないんだと、こういうやはり強い要求が出ております。 私はまあ最後にこの問題について、今度の人事院勧告というのが、この幼稚園の教員の実態というものを正確に見ていないという点で非常に遺憾だと思うし、今後のこの法案なり勧告の中では、このような明白な誤ったことは絶対にこれは許すことはできない。去年の附帯決議でもはっきりと、これは文教委員会で幼稚園の給与の改善ということがうたわれているにかかわらずこれを無視したという点でもはなはだ遺憾だと思う。私はやはり、これはもう各党各派問わず要求していることだと思うのです。この改善を強く要求いたしまして質問を終わります。
○委員長(加藤武徳君) 先ほどの野田君の質疑に対し、自治省から答弁を願います。
○政府委員(植弘親民君) 三月二十日付の事務次官通達につきまして、特に第三点に留意するように言ってございます専決処分の関係につきまして、おかしいのではないかという先生の御意見でございまして、これについて私の方から考え方を申させていただきたいと思います。 一般的に言いまして、給与を決めるということは非常に大事な勤務条件の問題でございますし、地公法上は条例ではっきり定めるようになっております。条例で定めます場合には、当然もう議会で慎重審議をしていただくということが現在の地方自治のあり方からいって当然であろうと思うのであります。しかし、一方では自治法上にもやむを得ない場合における専決処分の規定がございますが、やはり一般的に申しますと、給与の場合には専決すべきものでないというのが従来からの指導でございます。ただ、今回特にこの性格にかんがみと書いてございますのは、1との関係もございましてこの点の御説明をいままでやっておりませんでしたが、いま説明させていただきますと、実はすでに先生方よく御承知と存じますが、教員の給料表と一般行政職給料表とを比較いたしますと、教職員の給料表は初任給におきましては約二号程度の一般行政職より高いのでございますが、二十年ほどいたしますとこの給料表の昇給カーブが交差いたしまして、逆に、逆転現象が出てまいります。そういったかっこうから各地方団体では、そういうことはおかしいではないかということで、独自の運用昇短といいますか、条例に直接基づかない方法で昇短短縮ということをやりまして、このカーブが交差しないようにする措置を講じようとしてまいったのであります。ところが昨年来、人確法に基づきますところの教員給与の改善になってまいりますと、当然にこういった従来独自の措置を講じておりましたことが、いわば先取り的にやっておられますので、そういったような運用昇短しておりますところはこの際これを是正していただかないことには、ますます今度は逆に一般行政職との均衡を失してくるということになります。したがって、この際、この不適正と思われます、まあ当時はやむを得なかったという点もあるということは私どもも認めますが、少なくとも人確法によってこういった改善勧告がなされてまいりますと、やはり従来そういった運用によったところの特別な昇給短縮、これは適正化していただく必要がある、こういうことを考えておりまして、まさにこれが人事院の勧告に伴いましての説明にも明白に書いてございますし、それからまた、この閣議決定いたしますに先立ちましての給与関係閣僚会議でもこの点がお互いに御相談なされたわけでございまして、そういった趣旨も受けまして、私どもはそういった従来運用昇短を行っていましたところで国家公務員の教職員よりも相当高いことになるようになっています県につきましては、この際、ぜひともその是正をお願いしたいというのがこの一の趣旨でございますので、そいういことになりますと、やはり人事委員会の勧告を待つなりいろいろと議会で審議していただくことがよりベターであろうというような趣旨から、この3の専決は避けるべきであるという趣旨の通達を出したのであります。 しかし、もちろんこれは基本的には地方団体自体で考えるべきことでもございますし、また従来からそういう運用昇短をやっていないところもございます。こういうところがあらかじめ議会と相談して専決するといった場合でございますときには、これはまあ当然専決処分をやりましても、その団体の独自の立場でおやりになることですから私どもそれをとめるわけにはまいりません。しかし、少なくともそういうふうに従来からの運用昇短をやっているところが非常に不均衡になってまいりますと、やっぱり一般行政職との関係も考えなければいけませんから、この際、ぜひ是正もあわせて検討していただきたいという趣旨でございますので御理解いただきたいと思います。
○野田哲君 一般的な考え方としての説明があったわけでありますけれども、まあ先ほど来私が質問したときにお答えになった、それぞれの文部省なりあるいは総理府なりの考え方もあるわけでありますが、一面においては、年度はあと三日で終結するわけであります。一月から実施をする問題でありますから、しかも議会が開かれないという実情にあるわけでありますから、画一的に専決処分をやってはいけない、そういう取り扱いをこの問題でやるということは、文部省の趣旨、総理府のいま法案を提案をされた意向に合致していないじゃないか、そういう立場で私は申し上げたのでありますから、そういう立場を十分わきまえて対処してもらいたいと思いますし、それから、いま植弘部長の方から話がありましたが、専決処分といいましても、私どもも自治体の事情はある程度通じておりますけれども、形式的に議会の招集をして条例案として出すことができないということであっても、内容についてはやはり議会の各関係各派と協議をしながら措置をしていくというのが専決処分の常識であって、知事が、あるいは市長が単独で判断をして、議会とは意思の疎通なしにやるというような専決処分というのは常識ある自治体の長はとっていないはずなんです。そういう点も踏まえて対処してもらいたいと思います。 それからもう一つ私は問題にしたのは、知事や市長と人事委員会を同じように扱って連名の通達というのは問題がありはしないか。植弘部長は、人事委員会も自治法に決められた地方自治体の機関であるからというふうな説明があったけれども、明らかにこれはその組織、構成からいっても、植弘部長自身も言われたように、公正中立な第三者機関として設置しているんだ、こういうふうに説明があったわけでありますから、しかも法律の中でも、その人事委員の構成に当たっては同一政党に何人以上属しているような構成であってはいけないということで、中立公正という立場を保持するような条件もついているわけでありますから、そういう性格を十分配慮をして、人事委員会の持っている勧告、機能の内容に干渉にわたるような指導、通達等の措置をとるということについては、十分配慮しなければならないんじゃないか、こういうふうに考えるわけですけれども、この点、今後自治省の担当者としてはどういうふうに取り扱っていかれるか、この見解を承りたいと思います。
○政府委員(植弘親民君) 今回の通達が、知事、指定都市の市長、人事委員会の委員長という三者連名になっております点について御指摘ございました。これにつきまして、考え方といたしましては、先ほどのお答えで私どもの意のあるところは御理解いただいたと存じますが、少なくとも私どもは十分人事委員会というものを、特殊な公正な第三者の機関だという認識を持っているにもかかわらずそれが認識を持っていないかのごとく誤解を与えるということでありますとこれはゆゆしい問題だと思います。したがって、決してこの内容そのもので私どもは人事委員会の勧告の内容にまで立ち至ったとは思っておりませんが、そういうような誤解を与えて地方自治に混乱を起こさせるということは適当でございませんので、今後の通達の出し方につきましては、いま先生の御趣旨も体しまして十分検討さしていただきたいと思います。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、戸塚進也君が委員を辞任され、その補欠として遠藤要君が選任されましたので、御報告々いたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔午後六時四分速記中止〕 〔午後七時六分速記開始〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日太田淳夫君が委員を辞任され、その補欠〉して相沢武彦君が選任されましたので御報告をいたします。
○委員長(加藤武徳君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対しまする審査は、本日はこの程度で散会いたします。 午後七時七分散会 —————・—————