内閣委員会 第3号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/13
会議録
○委員長(加藤武徳君) それでは、ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 去る十日、村田秀三君が委員を辞任され、その補欠として森中守義君が選任されました。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。植木総務長官。
○国務大臣(植木光教君) ただいま議題となりました国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本年一月二十三日、国家公務員の寒冷地手当に関する人事院勧告が行われたのでありますが、政府としては、人事院勧告どおりこれを実施することとし、このたび、国家公務員の寒冷地手当に関する法律について、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一は、北海道に在勤する職員に支給する寒冷地手当の基準額に加算する額を引き上げることとしております。 第二は、北海道以外の寒冷地で内閣総理大臣が定める地域に在勤する職員に支給する寒冷地手当の基準額に加算する額の支給限度額を引き上げることとしております。 また、附則においては、この法律による改正後の国家公務員の寒冷地手当に関する法律の規定は、昭和四十九年八月三十一日から適用すること等について規定しております。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) 以上で説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○野田哲君 まず、人事院の総裁と、それから総理府総務長官、お二人に対して伺いたいと思いますが、この寒冷地手当の問題につきましては、去る四十八年の改正に当たっても、衆参両院でそれぞれ附帯決議がなされております。その前の大幅な改正をやった四十三年の十二月の国会においても、それぞれ両院の内閣委員会で附帯決議がなされておるわけであります。さらにさかのぼって言えば、昭和三十九年、三十六年、三十五年、三十四年、こういう形で、改正の都度それぞれ附帯決議が行われておるわけでありますけれども、このことにつきましては藤井人事院総裁は御承知でございますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 承知いたしております。
○野田哲君 総務長官、いかがですか。
○国務大臣(植木光教君) 承知いたしております。
○野田哲君 そういたしますと、承知されておるということを前提にしてこれから具体的に質問に入っていくわけでありますけれども、人事院総裁なり、あるいは茨木給与局長も見えておりますが、人事院といたしましては、国会で審議をした際に附帯決議がなされておるということについて、一体これを尊重するという立場に立ってこの問題を取り扱ってこられたのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) 国会の附帯決議でございますので、もとよりわれわれといたしましても、これを極力尊重するたてまえをもちまして検討を続けておる次第でございます。
○野田哲君 それでは次に、寒冷地手当の性格について、まず藤井人事院総裁にお伺いをしたいわけでございますけれども、この寒冷地手当の性格というのは、私どもの理解としては、寒冷積雪の厳しい地域に勤務する公務員に対して、一時的に増高する寒冷関係の生計費を補給するためのものだと。表現はいろいろな表現の方法はあると思うんですけれども、積雪寒冷の厳しい地域の公務員に対して、冬期間に一時的に、そのために増高する、寒さをしのぐための生計費を補給するためのものだと、こういうふうに考えていいわけですか、その点いかがですか。
○政府委員(藤井貞夫君) お説のとおりでございます。
○野田哲君 そういたしますと、今回の寒冷地手当の増額措置が、北海道と、それから五級地、四級地、そこの地域の加算額だけに限定をされている、そうしてこの今回の改定の勧告の要素としては、一つは灯油代の約倍額の値上がり、石炭の五十何%かの値上がり、このことを基本的な要因として勧告を出されているわけであります。まず、寒冷地域における寒冷関係の生計費を補給する性格のものであるということになれば、燃料だけではその意味を十分達することにはならないのではないか。つまり、雪積の多い地域、寒冷地域における住宅費あるいは衣料費、暖房設備費あるいは雪をおろす作業費、こういう総合的な観点からこの寒冷地手当というものについて見直していかなければ、先ほど言った寒冷地手当という性格を十分に満たすことにはならないのではないかと、こういうふうに考えるのですが、この点については人事院としてはどう考えていますか。
○政府委員(茨木広君) 寒冷地手当は先ほど御意見がございましたように、寒冷増高費でございますから、いまいろいろ御指摘ございましたような諸経費をやはり含んだもので吟味をしなきゃならぬという性格のものだというふうには考えております。そこで、今回の吟味に当たりましても、寒冷地手当をどう考えるかということで考えましたが、その際に、まず基本的に現在の立て方でございますが、普通の非支給地の方のもらっていらっしゃる給与、特に本俸の部分に当然これは一般生計費的なものが入っておるわけでございます。で、東京等にいらっしゃる方もやはり暖房等それぞれたいておるわけでございます。で、まず基礎的にはやはり本俸の部分にあるものが入っておる。それで賄えないところが一級地、二級地、三級地というふうに、ずっと基準額として次に決まっておる。その基準額でもまた賄えない程度の増高費の割り高の地帯については、特に燃料費を中心に歴史的には考えられてまいりましたが、加算額というようなところでさらにその上に積んでいくというふうに、三段になっております。 そこで、今回もそういうような目で見まして、一般的なものは物価対応に給与改定が御案内のように昨年も大変大幅な改定が行われております。その内容は相当物価部分の要素が占めておったわけでございますが、そういう意味で、一応基本的な給与の中でそういうものは大体カバーされておるし、それからさらに、基準額の部分の中にも本俸と比例的に定率で出てまいります部分がございます。この部分がやはり本俸の改定と同じような割合で増額いたしております。この二つを中心に、いまいろいろお挙げになられました諸部分については大体対応しておるというふうに考えておりますが、ただ燃料につきましては、一昨年来の御案内のような事情で非常に急激な騰貴がございましたものですから、その加算額を支給されておる地域の部分については、どうもいまの基準額以内の部分と比べまして、それだけではなかなかカバーし切れないものがあるというふうなところから、特に緊急な措置として加算額の部分の改定をお願い申し上げるような勧告を出したと、こういういきさつでございます。
○野田哲君 その点は私どもとしてはなお異論を持っているわけですが、具体的な内容について入っていきたいと思うんです。 今回の寒冷地手当の改正では、北海道の加算額の改正、それからいわゆる内地の加算額の改定、これにとどまっております。基準額、すなわち昭和四十三年に大幅な改正によって定率分と定額分の改正が行われたわけでありますけれども、この部分の改正が今回は行われていないわけです。一応、今回の改定部分の問題点については後で伺いたいと思いますけれども、改正されていない問題について順次伺ってまいりたいと思います。 昭和四十三年に、従来の五級地であれば八五%定率で支給されていたものが、この四十三年の改正で定率と定額に分けられた。分けられたけれども、定率部分についてはそれ以降どんどん上がっている。しかし、定額部分については当時から今日まで据え置きになっているわけです。そうして今回も改定が行われていない。先ほどの寒冷地手当の性格から言えば、燃料費以外にも要素は幾つかあるわけでありますけれども、それらは基本給の部分の増額でカバーできるというような説明もあったわけですが、仮に燃料費だけに限定をしてみても、灯油が約倍額、それから石炭——人事院の方の資料では、灯油が七〇%で石炭が三〇%という使用の比率だとなっておりますけれども、実際は私は、今日石炭が三〇%も使われてはいないと思うんです。実際はもっと灯油の比率が高いんじゃないかと思うんですけれども、人事院の資料をもってしても燃料費の増高が改定の要因として今回提案をされておるとするならば、当然、加算額だけの改定ではなく、寒冷地手当全体に燃料費が占めるウェートが非常に高いわけでありますから、全体に対して燃料費の増高に見合うものを改定をすべきではないか、こういうふうに考えるんですが、この点いかがですか。加算額だけに限った理由を伺いたい。
○政府委員(茨木広君) 燃料費の問題に限って申し上げましても、先ほど申し上げましたように、非支給地の地域におきましても相当の燃料を使っております。その量の差がそれぞれの地域によってあるわけでございますが、この燃料をお使いになっておるということについて、価格が大変騰貴してまいったということは、これはもう全国民一律に受けておる、私の方の一般の全公務員が全部やはり受けておるという関係にございます。そこで、そういう観点からいけば、非支給地の方々について一体どう考えるのかという問題が出てまいります。そこで、やはりそこのところは基本給の方の中にすべて反映いたしましたものが民間給与の方でも決まって、それの官民較差を今度こちらの方の給与改定の方に持ってきておりますから、その関係で一応そこの関係は清算がついておるものというふうに考えざるを得ない。 そこで、そうは言ってみても、それじゃ加算額のところだけが改定されて、その他の地域の公務員は何もないじゃないかという問題が出てまいります。これは御意見のとおりだと思います。そこで、今回もその点のことについて大変いろいろ苦慮をしたわけでございますが、やはりそこの調整をとって、加算額の部分についてだけは非常に割り高になっておるからということでお願いをしなきゃならぬということで、その点の調整をやはり今回いたしてございます。非支給地の部分との関係で、その点を暖房度日数の関係で調整をいたしたというふうにいたしてございます。その結果が、おわかりだと思いますけれども、燃料——先ほど石炭と灯油の比率をおっしゃられましたが、それは家庭によって灯油だけしかお使いになってないところもございますしいろいろあると思いますが、一応統計局の方で出しております家計調査の方から割り出しました使用率の比率で七割、三割という比率が出てまいりましたので、それを最終のものとして使ったわけでございますが、それと価格の騰貴の関係を乗じてまいりますというと約八〇%、八二%ほど上がっておる比率になるんでございますけれども、いまの非支給地との関係の調整を加えます関係上、御案内のように六割前後のものになっておるという改定案をお願い申し上げたという結果になっておる。その辺の、非支給地と加算額をもらっておる地帯、あるいは支給地で加算額をもらっていない地帯と、その三者のやはり均衡をそのような方法で入れさせていただいておると、こういうことでございます。
○野田哲君 どうも給与局長の説明は十分納得できないんです。あなたの言われるように、暖房費については非支給地の場合にもストーブを使っているし、昨年の給与改定によって給料が上がっているんだから、それでカバーできるじゃないかということになれば、寒冷地手当の支給地についても加算額のつくところだけで済むじゃないかという理屈になるんですよ。少なくとも一定の地域を定めて、そこは寒冷積雪地域であるから、そのために生計費が増高する、一時的に増高する、それを補給していこう、補っていこうというたてまえでできておる寒冷地手当であれば、しかもその中では、燃料という問題が非常に大きなウエートを占めておる、今回の改定でも燃料の増高が改定の要因になっておるとするならば、加算額以外のところも、当然これは定率、定額のところを増額をしなければ理屈に合わないんじゃないですか、どうなんですか、その点。
○政府委員(茨木広君) 一級地、二級地、三級地等についても、この前改定をお願いしたのが四十七年でございますので、その後の燃料の値上がり金額と、それから定率部分のその後の給与改定によります増額部分とを比較してみますというと、この定率部分の改定が、先ほど申し上げましたように、給与のベア率が大変年々多かったものでございますから、十分カバーをしておるという結果が出てまいりましたが、やっぱり四級地、五級地の加算額をもらっている地帯で初めて、やはり先般の燃料の値上がり額を、定率、定額の基準額の部分だけではやはりカバーし切れないというような点が出てまいりました。そこで、そこから推しましても、加算額を従来つけてまいられました地帯についての額は、どうしてもやはり据え置きに持っていくわけにいかないと、こういう結果が実は出てまいったものですから、そういうものをお願いをしておるということでございます。
○野田哲君 定率分の増額によってカバーできるというようなことでありますが、それでは定率、定額という問題に触れて質問したいと思うんですが、昭和四十三年に、従来の八五%、これを限度として寒冷地手当を支給する、こういう制度であったものを改めて、定率分が四五%、定額分が最高二万六千八百円、こういうふうに新しい制度をつくったわけですが、そのときの趣旨としては、生活給的、実費弁償的、こういう立場に立ってこのような改正を行ったということであったと思うんです。その考え方はそれなりに意味があったと思うんですけれども、それ以来、七年間を経過しておりますから、その後の経過の中で非常な矛盾を現在は来しているのではないか、こういうふうに思うんです。それは、定額分を定めた根拠を見ると、行政職俸給表の一表の五等級の十三号俸役付職員の平均俸給で定める、こういうことになっております。すなわち定額分の二万六千八百円というのは、北海道に在勤する行政職俸給表の五等級以上の者の昭和四十三年四月一日現在における平均額六万五千九百円、十三号俸ですね、当時。これに同時点における一般職の公務員の扶養手当の平均月額千百円、これを加えて六万七千円に、従来の支給割合の百分の八十五から新しい最高支給割合四五%を差し引いた四〇%を乗じて決められたという経過になっています。そうですね、経過としては。四十三年当時の改定の内容というのはそういうことになっていると思うのですが いかがですか。
○政府委員(茨木広君) 当時の改定の内容は大体そういうようなことになっております。
○野田哲君 そういたしますと、昭和四十三年当時の五等級の十三号俸と現在の五等級の十三号俸これには非常な金額の上で差異が出てきております。当時の六万五千九百円であったものが、現在は同じ号俸で十四万五千九百円、こういうふうになっております。二倍以上になっているわけです。そのような形で四十三年当時の定額分の基礎を計算をいたしますと、四十三年当時の定額分の基礎の四〇%、これで計算をすると、現在、同じ号俸十四万五千九百円、扶養手当を除いて計算をしても五万八千三百六十円、こういう額になるわけなんです。同じ号俸を四〇%で計算をすると。したがって、定率分でずっといっておれば、今日との間では非常な金額の差が出ているわけです。こういうふうな経過を考えてみると、定額分については当然改定をしなければならないはずの要素を持っていると思うんです。これを四十三年当時から定額分についてはずっと据え置いてきておる、この理由は何か特別に人事院としては持っているわけですか。
○政府委員(茨木広君) 今回も全体のあれも見渡しておりますけれども、いま言ったような公務部内の問題として見ますというと、その後のベース改定の結果、定率部分の方は相当ふえてきておる。定額の部分はいま御指摘のとおりに据え置かれておりますが、全体として両者を合計して見ますというと、寒冷地手当全体といたしましては、どうも民間の方の状況を見ましても、相当やはりまだ公務員の方がすぐれておるという点を持っておるということで、いますぐ基準額そのものを増額するような方向で改定をするという段階には至らないというふうに考えました結果、今回も加算額の部分についてだけ改定をお願いするという勧告に相なったわけでございます。
○野田哲君 定率分の増額によってカバーされているということと、もう一つは、民間との比較において改定するような要素が出てこない、こういう説明だと思うのですけれども、公務員の内部から考えてみても、今日では非常にこの定額分については矛盾が現に起こっていると思うのです。 具体的な例を幾つか挙げたいと思うのですが、北海道でも、北海道開発庁の北海道開発局長とか、名前を出すことが適切かどうかわかりませんけれども、相当指定職、ふえておりますね。私の調べたところでは、北海道における公務員で一番の最高額は、給与が七十万円の公務員の方がおられるはずだと思うのです。そういたしますと、こういう指定職とかあるいは特別職で、公務員の中でも最高の額を俸給としてもらっておる人は、四五%と言っても、これは従来の八五%当時と同じように非常な、金額的に言えば、定率分の引き上げによって大きな金額になっているわけです。具体的に言いますと、七十万円の月額の人であるとするならば、約四十万円前後の金額になりますね、定率分の四〇%で。五十万円の指定職の人で四〇%ということになれば、二十二万五千円ぐらいになる。公務員の平均の人のところで言えば十四、五万円ぐらいにしかならないと思うのです。世帯を持って世帯主になる前後の人で、仮に一般の公務員で本俸十万円の場合で言えば、四五%の定率で四万五千円、それから二万六千八百円、四万九千二百円、こういうような金額で十二万円前後にしかならないわけです。四十万円ぐらいの暖房費と十二万円ぐらい、いかにポストの違いがあったとしても、冬の暖房費が片一方は税金が引かれると十万円そこそこ、片一方は四十万円ぐらいというような、それだけの暖房費にポストの上下の開きは出てこないのじゃないかと思うのです。北海道開発局長のところはどれだけ家が広いかわかりませんけれども、四十万円かかって、一般の開発局の職員の人は十万円で済むということではないと思うのです。暖房費に関する限り。開発局長が灯油を買いに行っても一般の職員が灯油を買いに行っても同じ金額でしか売ってくれないでしょう。そういう面から言えば、ここに定率分と定額分とある、定額分のところでカバーしなければならない要因はこういう矛盾となって現にあらわれているんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(茨木広君) 前の改正のときも、そういうような問題が一つの動力になって改定をやった経緯に一つはなっておりますが、そういうような問題が、だんだんまた同じような状況になりつつあるという点は私どもも同感でございます。そのためのいろいろ研究も現在やっておるところでございます。ただ、御案内のように、前回の改定の際には大変手厚い経過措置を講じてございます。と申しますのは、その在職者個人に限らず、そのポストに後で参られました方についても同様な保障をするような、そういう経過規定があの当時でき上って、大変手厚い保護をしておったわけでございます。そこで、新しく制度を改正いたしますにいたしましても、前のやはり経過措置の段階を一応終了してないといかぬだろうということも考えまして、実は来年度の給与調査にいま入っておるわけでございますが、そのうちの公務員関係の調査の中にはそういう経過措置の適用を受けております者がどの程度あるのか、大体なくなったんだろうと推定はいたしておるところでございますけれども、そういう調査も実はいまやっておるところでございます。そういうことで、同じような意識を持ちながらいま検討しておるというところでございます。
○野田哲君 今回のこの審議の対象になっている寒冷地手当法、これは成立の経過というのが、議員立法によってできた法律であるために、私は人事院にしても総理府にしても、政府が提案してできた制度ではなくて議員の立法によってできたものだからということで、少しなおざりにされている面というか、あるいはいい意味の表現で言えば、遠慮をされている面があるんではないかというふうな気がするわけなんです。しかし、昭和二十四年にこの制度ができて、今日までもう二十数年経過して四分の一世紀を経ているわけであります。人事院としても、もっと突っ込んだ調査研究を行うべきではないかというふうに思うわけです。従前は、この発足の当時で言えば、石炭手当というような言葉が使われておりましたように、どうしても燃料——石炭、その後灯油、こういうふうに変わってきておるわけでありますけれども、その後の非常な積雪、寒気の厳しい措置に対する防衛策といいますか、対応策としては、やはり住宅の構造の改善とか、あるいはルームヒーティングとか、こういうような住居の構造自身の方を非常な手を入れ工夫をして改善をしていく、こういうような形の、住宅そのものの変化という形があらわれてきておると思います。加えて、やはり先ほど申し上げたように、衣服費あるいは除雪等の作業に要する労賃、こういうような要素も相当な要素を持っていると思うんです。そういう点等を総合的に勘案をして、この制度そのものについて、寒冷地手当という性格、内容等について抜本的な総合的な見直しを、地域の指定等も含めて行う必要があるのではないか、こういうふうに考えておるわけですけれども、その点については人事院の方ではどう考えておられますか。政府委員(藤井貞夫君) 私たちといたしましては、この寒冷地手当が議員立法でできたからといって別に冷淡に考えておるわけではございません。国の制度として長い間定着をいたしておりますので、情勢の変化等を十分見きわめながら、あるべき姿、改善すべき点は改善するという方向でいままでも処置をしてまいりましたし、今度の措置につきましてもその趣旨にほかならないわけでございます。 ただ、お話にも出ておりましたように、寒冷地手当というのは、やはり全体としては加算額だけの問題じゃなくして、定率分、定額分、加算額というものを全体として総合的にながめまして、それが果たして寒冷地手当の性格からいってあるべき姿になっておるかということを検討をしていかなければならないというふうに考えております。 それからもう一つは、いまもお話がありましたように、これは手当の性格といたしまして、何といいましてもやっぱり生活給的な、現物給付的な、そういうことが基礎に相なっておるわけでございますので、その観点から従来も改正が行われてまいりました。また、四十三年の改正というのが、定率分の比重が非常に大きくなってまいりましたために、高額の所得者とそうでない人との差が非常に開くというようなことで適当ではないというような考え方から、定率分と定額分に分けて八五%の定率を四五%に下げたというような経緯もあったわけでございます。 そこで、その後の事情等はさらによくながめておるわけでございますけれども、毎年のベース改定等によって、四五%に下げましたけれども、その定率分というものが額的にはかなり上がってきておるというような姿がだんだんと顕著に出てまいっております。そういうこともございますので、この手当の性格上から総合的に検討を要する段階にほぼ来たのではないかということは、御説のとおり私もそういうふうに考えております。ただ今回の場合は、それまで全般的に検討を加えまして確信のある結論を出すまでには至りませんでした結果、さしあたり、差しおきがたい燃料費の増高ということに対処いたしまするために加算額の改定をお願いをいたしましたということでございます。全体として定率、定額あるいは加算額を将来の姿としてどういうふうに持っていくかということは、さらに関係方面の意見等々も聴取しながらわれわれとしても資料をよく集めまして検討の上総合的な立場から本格的に再検討いたしてまいりたい、かように考えます。
○野田哲君 いま金額面のことだけのやりとりをしたわけですけれども、地域についても、これはやはり相当見直しをしなければならないのじゃないか、こういうふうに思うんです。現に給与局長のところへも岐阜県から相当なデータが届いているそうでありますが、たとえば、具体的な資料として、函館と青森、支給区分が違いますね。ところが、私どもの調べた条件によりますと、十一月から四月までの気温を見ると、確かに函館が青森よりも低い、若干低い。ところが積雪量を見ると、平均積雪量は函館が四十七センチ、青森は百六センチ、こういう形で圧倒的に青森の方が積雪量は高い。そうして根雪の期間も函館が七十五日、青森が九十九日、こういうデータが私の手元にあるわけです。そういうふうになってまいりますと、現在は函館、青森同一条件ですね、これは。当然これは、別に函館を下げるというような主張ではなくて、青森のこういう状態に対して、やはり積雪量等を考えていき、あるいは積雪の期間等を考えていったときには、再検討しなければならない要素があるんじゃないか。 これは一つの例として申し上げたわけなんですけれども、こういう点の、地域についての再検討、こういう考えがあるかないか、人事院の考え方を聞かせていただきたい。
○政府委員(茨木広君) 地域の問題につきましては、前に附帯決議もございまして、四十三年のときに、従来の基準に風速とか日照度というようなものも補正一要因として加えるというようなことが行われて、その結果に基づく地域の変更指定をその後二回にわたってやっておるわけでございます。いまお話にもございましたように、先般岐阜県からも参られましたし、その後の地域からもいろいろ来ていますが、それをお聞きしてみますと、山一つ隔てたところとどうとかいうふうな、隣との関係からいろいろ疑問が出てきて、そしてまあ一級地格上げというような要望が出てきておるのが大体実態でございます。データ的に見ますと、やはりそれはそれなりに、いま現在決まっておりますのがデータとしてはやはり根拠があって決まっておるのでございますけれども、雪の点から見るとこうだとか、何の点から見るとこうだというようなふうに、一つ一つの要素から見ますとまたなかなか御納得のいかない感じが出てくるんだろうと思います。そういうことで来ておるようでございまして、したがって、そういう点を最近では陳情に参られました方にも、実はこういうことになっておるんで、そういうデータをよく吟味して、県なら県でよくまとめてもらって、こういうデータでこうなるんだというようなことででも出していただかないと、そう簡単にやはり御納得のいくような結論が出ないんですということを申し上げているところであります。 もう一つ、御指摘のございました青森と函館との関係でございますが、まあそういう疑問が前からいろいろ指摘されましたが、先ほどもちょっとございましたように、寒冷地手当の沿革が、特にこの加算額についてはございまして、基準額については、同じように両方とも五級地、基礎的にはなっておるわけでございます。北海道も青森も同じ五級地でございますけれども、加算額の点が違っておるという差になっております。それは終戦当時からいろいろ議員立法で運営されてまいった経過をたどりながら来ておるわけですが、石炭手当というようなものが北海道についてはあったと、その部分が非常に強く痕跡が残っておると申し上げた方がいいと思います。それに対するバランス上から、三十二、三年ころに東北の方、こっちの本土の方の四、五級地に薪炭手当というようなものが出てまいったというのが、こちらの方の加算額の沿革でございます。で、さきの改定の際に、そういう名称を離れて全部加算額というふうに、薪炭とか石炭という名称を離れた名前に変わったわけでございますが、そういうことで、漸次実態に合うように寄り合っていこうと。で、データの点も、先ほどいろいろお挙げになられましたけれども、雪の点は確かにそうでございますけれども、一番基礎になります暖房度日数と申しますか、温度から来ますところで見ますというと、やはり青森と函館では差がございます。片っ方、青森の方は千八百七十五暖房度日数、函館の方は千九百五十二暖房度日数というようなふうに、差がございます。ただ、従来の沿革から来ておる関係もございまして、加算額の差がまだそれほどは寄ってないというような関係もございまして、青森側に御不満がございますことは事実でございます。 で、これをどう考えていくかということがあるわけでございますが、民間の方もどうもやっぱりそういう関係があるんだと思います。どうもその、海峡一つ渡ったか渡らぬかというようなところから来ておったんだろうと思います。やっぱり海峡を一つ渡って北海道に越えるということはまあ皆さん赴任をいやがるというようなこともあって、いろいろ石炭手当の中に加味された形でできておったんじゃなかろうかと思いますが、そういう点がどうも出ているんだろうと思います。で、民間との関係で見ますというと、北海道の地域の官民の接近度と、青森とこちらの奥羽地方の方の四、五級地あたりの官民の接近度を見ますというと、相対的にはやはりこちらの方の、奥羽地方の方の公務員側の方が有利性の方が強いという結果が出てまいりまして、その辺もいろいろございまして、前から、そういう直接比較しました環境では似ているのではないかというような御議論もございますけれども、やはり漸進的にそこは考えながら詰めていかなければいかぬのじゃなかろうかと、こんなふうに考えているところであります。
○野田哲君 沿革という話が出ましたけれども、私も若干この沿革についていろいろ関係者から経過を聞いているわけであります。この制度ができた当時の沿革からして、私の感じでは、どうもこれは東高西低というような感じに地域区分についてはなっているような感じを受けるんです。 そこで、総裁も先ほどお答えがあったわけでありますけれども、この定率の問題、定額の問題、それから地域区分の問題含めて、まあ今回は加算額だけの改定になっているわけでありますけれども、近い将来全体的な見直しをする用意があるとするなれば、それはいつごろ、来年、昭和五十年度である程度手をつけられる、こういう考え方があるかどうか、あるいは五十一年度になるのか、その点のおおよそのめどというものを聞かしておいていただきたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 地域区分の問題につきましては、基礎的に気象条件が基礎になっておりまして、そこで気象台なりあるいは農林省の方の昔の積雪調査量等の資料が、十年とか二十年、物によっては三十年というような長期間のデータで資料が出ておりますが、そういうものが基礎になって現在の級地区分が決まっております。そこで、古い年次が新しい年次に置きかわることによって多少その数値のデータが違ってまいるということがあろうかと思いますが、基本的にはやはりそう大きな変化はないものだろうというように考えております。そういう意味の年次進行に伴うて、あるいは従来調査が不十分であったものが明らかになったというようなものによって生じてまいります基礎がはっきりしましたものについては、逐次やはり直していくべきものだというふうに考えてそういうことで、吟味は続けさせております。それから、抜本的に一斉に改正しなければならぬというようなものは、いますぐどうこうというふうには考えられない。基準額等の立て方が全く変わってくるというようなことになればこれはまた別でございますけれども、まあそんなふうに考えておるところでございます。そこで、いま五十年度内にすぐどうこうというようなことは、まだすぐは出てまいらない問題でなかろうかと思っております。
○野田哲君 総務長官にお伺いしますけれども、現在の寒冷地手当の制度というのは、基準日というのが、八月三十一日の時点での基準日というものが定めてあるわけですね。そうして、この八月三十一日の基準日以降に、暖地から寒冷地へ転勤によって住居が移った、あるいは逆に札幌から東京へ転勤によって住居が移った、こういうような場合には、寒冷地手当についての追給あるいは返戻をすると、こういうような制度があって、この変動による追給あるいは返戻という形がとられておるわけです。ところが基準日以降に世帯区分の変更があったという場合、これについては何らの措置がとられていないんです。これは非常に矛盾しておるんじゃないかと思うんです。たとえば十月一日付で世帯主になった、こういう場合には、世帯主になった支給区分の変更が行われないわけです。この点については、昭和四十八年の寒冷地手当を審議した際にも、「世帯区分の変更等に応ずる支給額の調整について考慮すべきである。」、こういう附帯決議が行われているわけですが、これについては今回の改正案についても何ら考慮されていない。この点についてはいろいろ問題があるかとも思うんだけれども、しかし、公務員の給与制度を総合的に考えるときに、結婚すれば、奥さんが特別の収入がなければその月から扶養手当がつくとか、あるいは子供が生まれればその時点から扶養手当がつく、あるいはお年寄りを引き取って同居するようになればそれに応じた手当がつく、こういうようになっているわけです。公務員の基本的な給与制度については、世帯区分の変更に応じてそれぞれ手当がついたりつかなかったり、その時点から行われるわけなんですけれども、寒冷地手当だけ、なぜ世帯区分についての基準日以降の変更については考慮されないのか、この点はどう考えておられるんですか。
○政府委員(秋富公正君) 御指摘のとおり、非寒冷地から寒冷地への異動、あるいは支給額の高い地域への異動、これまた逆の場合ということにつきましては、すでに規定も整備されておるわけでございますが、御指摘のいわゆる世帯区分の変更につきましては、現在までないわけでございます。で、御指摘のように、寒冷地に行きまして世帯主となった場合もございますし、逆に非世帯主となった場合ということもございますし、また扶養家族のある職員となった、奥さんをもらったというような場合もございますし、その逆の場合も出てくるわけでございます。で、こういった問題につきましては、いわゆる追給のケースと返納のケースということが考えられるわけでございまして、いろいろと人事院の方におきましても、この問題については、積極的に検討をしておられるというふうに承知いたしておりますし、私たちの方といたしましても、この問題についてはさらに検討を前向きに進めていきたいと、かように考えている現状でございます。
○野田哲君 いま人事局長が言われたように、世帯区分の変更によって、必ずしもそれは追給ばかりではなくて、返納しなければならない場合もあると思うんです。それはそれで制度だからやむを得ないと思うんです。この点について人事院の方として、世帯区分が変わったときに、一体これをどう考えておられるのか伺いたいと思います。
○政府委員(茨木広君) この問題については前の附帯決議もございますので、鋭意検討を加えてまいったわけでございまして、いろいろ関係の地域の方々とも、そういう問題について、いろいろ意見の交換をやってまいっておったところでございます。いま人事局長から言われましたように、支給の場合と返納の場合等いろいろある。そこで、まあ前にやりましたのは、官側の原因に基づきます異動の場合の出入りにつきましては、制度がこの前のときに改正されておるわけです。いま残っておりますのは、世帯の変更を含めまして本人側の事情に基づきますものが一括残っておるわけでございます。それらについて、それぞれ追給の場合と返納の場合と出てまいるものですから、それぞれ分析をいたしまして、こういうことになるんだがという相談をしておるところでございますが、これも野田委員さんから、それは差し支えないんではないかというふうに大変ありがたいお言葉をいただいたわけですが、そこまでのまだ御納得がいってないものでございますから、今回すぐ出すのもいかがかということで、それで実は見送ったと。おととし、一昨年の秋ごろから去年の夏にかけまして、鋭意その関係の折衝を、ほとんど次長を中心にやらしておったような経緯でございます。ですから、なるべくそういうことで割り切らしていただいてできないものかと、こう思っておるところでございます。
○野田哲君 では、最後に人事院と総理府に伺いたいと思います。今回の場合には、勧告にしても今度出された法律の改正にしても、限度額を定めるという制度になっております。引き続いて、この法案が成立をすれば勧告が行われる、こういうことになっておるわけです。それからもう一つは、「予算の範囲内で」と、こういうふうになっております。 まず人事院の方に伺うわけですけれども、限度額を定めるということになっておりますが、実際はこれは、従前から限度額目いっぱいで支給される制度になっているわけでありますから、したがって、これは限度額という形で最高額を定めた形にはなっておりますけれども、実際はこの金額で勧告を行われる、実施される、こういうふうに理解をしていいわけですね。
○政府委員(茨木広君) 限度額でございますが、従来もそういうふうになっておりますので、五級地についてはこの限度額いっぱいの金額で、それから四級地がございますので、これは今度の改定額のその半分の額を加算したものというふうなことを考えておるところでございます。
○野田哲君 だから、従前の例によるわけですね。
○政府委員(茨木広君) そのとおりでございます。
○野田哲君 総務長官、「予算の範囲内で」ということが法律の上ではあるわけですけれども、これは、これが成立をすれば、昨年の八月三十一日の基準日によって増額措置をとっていくことになるわけですが、従前の例によって行われるということで了解をしていいわけですね。
○国務大臣(植木光教君) 所要額は、一般会計十九億円、特別会計三億円、計二十二億円、純計では二十億円でございますが、これは人事院の勧告を尊重し、ここに法律案の改正をお願いをしているわけでございますから、十分措置してまいるわけでございます。
○太田淳夫君 それでは私から二、三質問させていただきたいと思います。 ただいま寒冷地法案につきましてはいろいろ論議されまして、同僚議員から詳しく質問がされましたので、簡単に二、三質問させていただきたいと思います。 最初に、今回の改正というのは大変久しぶりなものでございますので、改正のまず根拠について人事院から御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 今回の改正の点は、加算額の点でございますが、それは、この前改定をお願いいたしましたのが四十七年でございますので、その以後におきますところの、一つは燃料の消費実態の違いを調査いたしますというと、多少——今回統計局の家計調査の方の使用実態に置きかえておりますけれども、前回は直接人事院が販売量を調査をいたしまして、そこから推定した石炭と灯油の使用量の割合を使っておりましたが、今回は統計局の家計調査の方の使用割合の方がより実態に近いだろうということで、それを使用いたしております。それが、この前は、六五%が石炭で、三五%が灯油というような比率が北海道においてあらわれましたけれども、今回は七割が灯油で、三割が石炭というような比率になっております。この点がまず一点でございます。 それから価格の点でございますが、四十七年当時と、今回、昨年の六月に調査いたしました価格の上昇率を見ますというと、灯油と石炭で、灯油関係の方が一九五の指数になり、石炭の方が一五四という指数になってまいりました。そこで、この消費の量と、いまの価格とを加重平均をやってまいりますというと、一八二・九という指数が出てまいります。要するに、それだけ北海道地域におきますものが出てまいったということでございます。で、そこにもう一つ要素を加味いたしましたのは、野田委員さんの御議論の中でいろいろ出てまいったわけでございますが、加算額をもらっていない地帯の公務員のやはり燃料費の関係も上がっているではないかという問題がございますものですから、その関係のやはり調整を行わなければいかぬということで、その非支給地の燃料の必要度と申しますか、それはやはり暖房度日数というものが寒冷地の方を考える際の基礎になっております。この暖房度日数というのは、屋外の温度が八度以下のときに、室内温度を十二度まで上げるということで、毎日毎日の必要な温度数を今度は年間累積計算をしておるわけでございますが、そういうことで、北海道地域については、それぞれの暖房度日数が出てまいります。そこから非支給地の平均暖房度日数、これは六百六十度日数が出てまいりますが、その部分を控除いたしましたものを、先ほどの指数に掛けてまいるというような操作をいたしておるわけです。その結果が、ちょうど八割程度改善しなければならぬのではないかと思いますのが、ちょうどそこの非支給地の部分を調整いたします結果、六割程度の改定を必要とするというような基礎が出てまいったわけでございます。それが北海道地区の、甲乙丙とございますけれども、前回の暖房度日数等の基礎はそのままにいたしまして、そこからただいまの非支給地の暖房度日数を差し引いてくる結果、甲乙丙、この三地域の新しい改定額が出てまいったと、こういうことでございます。 それから、その他の地域の五級地、四級地の加算額の点は、北海道の丙地との関係で、前の四十七年のときの数値を基礎にしまして、丙地と、本州等の五級地、四級地、それぞれの金額を持っておりますから、それとの比率でもって、新しく出てまいりました丙地の金額をその比率でもって置き直していったというのが、本州の方の五級地、四級地の数値の出し方というようなことになって、それで今度の改定勧告をお出ししたわけでございます。
○太田淳夫君 そこでお聞きしますが、この寒冷地手当法の第四条には「人事院は、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは、国会及び内閣に同時に勧告することができる。」と、このように規定されておりますが、この中で、人事院の必要と認めるときとありますが、その基準というのは一体どの辺にあるんでしょうか。 また、ここ二、三年来非常に物価が高騰しまして、国民の皆さん方の生活が非常に圧迫されておりますが、その物価がたとえば上がった、何%上がったか、そういうようなことも、この必要と認めるときに入るかどうか、そういう基準を置いてみえるかどうか一度お聞きしたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 基礎的な問題といたしまして、国家公務員等の規定等をかぶっているわけでございますが、給与の考え方といたしまして、六十四条にたしか条文があったと思いますが、民間給与でございますとか生計費その他の事情と三つ並んでおりますが、それらを考えながら、給与の勧告を出すというのが人事院の踏まえておる立場でございます。寒冷地手当についてもやはり同様でございますので、一つはやはり民間給与の寒冷地手当の動きというようなものも踏まえて見なければいかぬし、それから、いま御指摘ございましたような物価等を中心にいたします生計費というようなものが、どういうふうに動いていくかというようなことも、やはり踏まえていかなきゃいかぬ問題だと思います。そういう点から言って、現在の額が据え置きがどうも許されない事情になったというふうに人事院が、そこは認定が入ると思いますけれども、認められました場合に勧告を申し上げるというようなことに、かいつまんで言えば申し上げられる、そういうことになるのではないかと思います。
○太田淳夫君 いまお話がありましたが、前回の勧告のときやはり話が出ましたが、情勢適応の原則ですか、第二十八条には「俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、」と、このように国家公務員法には基準がございますけれども、寒冷地手当にはそういった基準がないわけですね。そういう点でお聞きしたいと思いますけれども、そういう基準を設ける気持ちがおありになるかどうか、もう一度お聞きしたいと思います。
○政府委員(茨木広君) いま御指摘になられました二十八条は、給与全体についての額についての一つの基準が法律で示されておるわけでございます。寒冷地一つをとりまして、どういうふうに考えていくかという従来からもいろいろ御議論がございましたけれども、なかなかこれは、基本的には先ほど申し上げましたように、基本給自体の中に相当入っておる。この基本給はやはり生計費等の動向に応じて民間の方の改定が行われ、その結果を反映してこちらが決めるというような関係をたどっておりますので、したがって、それを踏み越えたその先のやはり基準になりますものが、この寒冷地手当の方の改定というふうに、一段外枠の問題になってまいります関係上、なかなかそれだけで基準がどうこうというようなものは定めにくいんじゃなかろうかと思いますけれども、いまのところなかなか名案がないと申し上げるのが正直な話でございます。
○太田淳夫君 それでは時間がないので次に進みますけれども、今回の勧告の中に、先ほどお話ありましたように「寒冷地手当非支給地との均衡等を勘案して」と、こういう言葉がございますが、先ほど御説明の中にも暖房度日数というのが出てまいりました。この暖房度日数の説明もちょっとございましたけれども、前回四十八年のときには、たしか暖房度ということで勧告されておりました。この暖房度日数というのは初めてここに出てきているわけでございますけれども、そしてまた、この寒冷地手当の非支給地との均衡をとると、こういう考え方も初めて今回の勧告に出てきているように私たちは思いますが、この均衡をとるというその考え方を初めて取り入れた理由と、それからなぜこの均衡をいままでとれなかったのか、あるいはいままで不均衡があって是正するというのであれば、いままでの不均衡はどのようにして是正させるべきものであるか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 前に私でなかったものですから、どういう説明をされましたか、暖房度とか暖房度日数という概念は前回も取り入れて、特に、前回は、北海道におきます甲乙丙三地域の相互関係を暖房度日数によって是正をいたしたわけですね。要するに、甲地がうんと寒いんでそこによけい加算額がいくようにという操作を加えておるようです。今回もやはりそういう点はそのまま踏襲をいたしておりますが、ただ、先ほど来お話がございましたように、今回のこの燃料価格の騰貴というようなものが、北海道地域だけなり加算額をもらっている地域だけの特殊事情ではございませんで、全国民、全国的に及んでおる問題でございますものですから、大変その点のやはり調整に苦慮いたしまして、そこで初めて非支給地と支給地との間の値上がり部分についてのやはり調整を加える必要があると、それを加えて出しませんと、三級地以下なり非支給地の方々の御納得を得られないだろうということで、先ほどお話し申し上げましたような六百六十暖房度日数というようなものを操作をするということをいたしたわけです。基礎的に申し上げますというと、従来持っております北海道甲地の暖房度日数というのが二千八百三十度目でございます。それから乙地が二千三百七十、丙地が千九百七十と、こういう数値でございます。そこから、いまの六百六十を差っ引いた数値で改正部分のかさ上げの部分だけは算定をしております。こういうことでございます。
○太田淳夫君 そうしますと、その暖房度日数があるとしますと、逆に考えて冷房度日数というのがあるのかどうか、ございますか。
○政府委員(茨木広君) 観念的にはやはりそういう問題が考えられるんだというふうには思っております。
○太田淳夫君 そうしますと、沖繩が返還されるときに、沖繩の酷暑手当の要求というのがあったように私たち聞いておりますけれども、そのような、沖繩など気象条件が違って冷房入れなければ暮らしにくいと、そういうような地域についての冷房度日数というものがもしもあるとすれば、関連して沖繩とか暑い地方の酷暑手当というものも考える必要があるんじゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(茨木広君) 復帰の段階のときからそういうお話がございまして、内容はまあ変形いたしておりますが、最近はだんだんいろいろなものがむずかしいということになってきて、じゃ、まあ酷暑手当というようなものにしぼった形で何か出ないだろうかというようなことが関係者の間で持ち出されております。で、当時もそういうようなもので考えてみると、まあ冷房機の要するに原価償却費あるいはそのための電力消費量等そういうものが基礎になるというようなことで試算をしてみたこともございますけれども、余りそう大きな金額には出てまいらぬので、とてもそれじゃ要望の金額というようなものが満たし切れないなというようなことで実らなかった。当時は、もう一つの問題としましては、当時、向こうは外交官並みの手当をこちらから行きました方は別途もらっておりましたけれども、それが急激に減るものですから、そういうものもどうこうというような問題と絡んできておりましたので、そういう性格のものだとすると、なかなか沖繩の地域の方々の御納得を得られないではないかというような問題も絡んできまして、その辺のやはり整理も要するというようなところで現在まで至っておるところでございます。 そこで、冷房度日数と申しますか、そういうものを、では何度まで下げた部分のどういう経費をとるかということになりますというと、なかなかむずかしいところでございまして、同時に、そうしますと今度は、非寒冷地手当支給地の暖房関係が、ほとんど逆に向こうは要らないという問題が出てまいります。その辺との今度相殺関係なんか考えてみますと、大変むずかしいことになるというようなこともございまして、なかなか、研究はいたしておりますけれども、これだというようなところの名案がすぐいま出てこないというようなところで、引き続き検討を続けておるというのが実態でございます。
○太田淳夫君 私ちょっと与えられた時間回りましたのであれですが、先ほどの同僚野田委員の質問の中にありましたように、まだこの寒冷地手当につきましては検討を要する問題がたくさんあると思います。今後引き続きその検討を加えていただくことを要望しまして、最後に一つ総務長官にお聞きしたいと思いますが、昨年度の給与勧告の中で、週休二日制の実施について、当面昭和五十年度をその実施の目途として具体化の検討に入ると、こういうことが明らかにされました。その中でも、行政サービスの低下を来たさないように国民の十分な納得を得られるような実施をするために、適時に官署を選定して現実に可能かどうか試験的に行ってみる、こういうお話もございました。現在どの点までその具体化の作業が進められているのか、あるいは現実的にこの五十年をめどにそれを実施できるのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 人事院から意見が出されているわけでございますが、お話しのように試行の段階でございますが、政府内には連絡会議を設けまして各省庁の意見を取りまとめておりますとともに、引き続き人事院ともいろいろ協議を進めているところでございます。これを行うことになりますと、いわゆる国民に対する行政のサービスに関係するところでございますので、国民の理解の得られるような状況のもとで行うということも肝要であろうかと思います。いずれにいたしましても、ただいま政府部内において、また政府と人事院との間におきまして、いろいろこの問題の処理について協議をしているところでございます。
○峯山昭範君 非常に時間が短いので思うように質問できませんが、きょうは、まず私は人事院の問題についてお伺いをしたいと思います。 特にこの人事院の問題につきましては、人事院の任務としまして、給与の勧告、いま審議をいたしておりますこの寒冷地手当の勧告を初め、給与の勧告、そのほか昇任審査あるいは公平審査あるいは職員の団体の登録とか管理職範囲の決定、各種試験、それから職員の福祉厚生等いろいろあるわけです。そういうふうな中で、私は特にきょうは基本的な問題として一つだけ取り上げて話をしたかったのですが、時間が短くなってまいりましたので端的にお伺いします。 きょうは運輸省に来ていただきましたので運輸省にお伺いいたしますが、これは後で問題が関連してまいりますので聞いておいていただきたいのですが、運輸省お見えになってますね。 これは先般から問題になっております、いわゆる姫路の広畑に新日鉄の専用港があるわけでありますが、この専用港の中のしゅんせつ工事を、昭和四十一年から運輸省第三港湾建設局が、大型船舶の出入りを可能にするために五洋建設にこのしゅんせつを発注していろいろやっている。そういうふうな中で、いわゆる強烈な爆弾が出てきて、新聞報道によりますと二十五キロから五十キロと書いております。これが昭和二十年当時には二千三百発がその付近の海底に投棄されたことがわかっている。しかし、四十一年から、ずっと二百五十キロ爆弾等も出てきて、現在まですでに二百九十六発を発見し処理をしておる、こういうふうなのが報道されております。そういうふうな中にありまして、先般から、ことしになりまして一たん見つかった爆弾をいわゆる不法に処理をしておるというような記事が報道されておりますが、この問題について、大体、経過並びに具体的にどういうふうになっているのか、簡明で結構ですから一遍お伺いしたい。
○説明員(山本了三君) 先生御指摘のとおり、姫路港におきまして爆発物が揚収されまして、これを不法に投棄したと、そういう容疑の事件が発生いたしております。この事件につきましては現在鋭意捜査中でございますので、概要、先生がいま御指摘になったような内容になっておると、そういうふうに思います。
○峯山昭範君 概要、私が言ったとおりということですが、それじゃまあそれ以上言いません、もうね。 それじゃ人事院、まず人事院ですね、天下り白書はいつできますか、ことしの天下り白書についてはいつごろ出される予定でございますか。
○政府委員(中村博君) 現在鋭意集計中でございまして、ほぼ終わりましたので、なるべく早い機会に印刷を了し、提出申し上げたいと思っております。
○峯山昭範君 早い機会というのは今月中でございますか。
○政府委員(中村博君) 今月中を目途といたしております。
○峯山昭範君 この天下り白書の中に、まず海上保安庁の田中房男さんという方がいらっしゃるはずでありますが、この方は、私の知る範囲によりますと、五管の次長さんをした後、鹿児島関係、それから横浜関係の各海上保安本部の本部長さん、それから海上保安大学校の校長さんを歴任して、昨年の四月一日で海上保安庁を退職、そして五洋建設へ天下ったということを聞いておりますが、ことしはまだその書類が発表されておりませんが、人事院の承認した中にこういう方がいらっしゃいますか。
○政府委員(中村博君) いらっしゃいます。
○峯山昭範君 人事院はこの天下りの問題につきまして、これは国公法の百三条第二項及び第三項で、天下りする場合には審査をすることになってますね。この審査は、「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」とありますね。ただし、人事院の許可があれば行けるとなってます。人事院はどういう意味でこの人を許可したのか。 この点ですね、実は非常に重大な問題がある。今回のこの問題が起きて、この田中前本部長は、この問題について、これは五洋建設並びに現在五洋建設の顧問として皆さん方の海上保安部を訪ねて、それで先月の二十六日の日、五管の現在の本部長である兼松本部長に会っていろいろもみ消しをやっておる。これだけじゃない。そこら辺じゅうの海上保安部の役所に出かけていって、そしてもみ消しをやっておる。こういう事実があるわけです。こういうことがあるから、人事院の審査についてはもっと厳格にやるべきじゃないかということを私たちは前々からこの委員会で言っているわけです。これは一体どういうふうな条件で、どういうふうなことを考えて許可されたのかお伺いしたい。
○政府委員(中村博君) 私ども、営利企業の承認事務をいたしますものといたしましては、この先生のお読みになった法文にもありますように、密接な関係の有無をまず調べまして、密接な関係があった場合にこれを承認するかどうかということで、たとえば所管関係がありますような場合にはこれはたとえば大蔵省の方が銀行へいらっしゃるというような例は、これは一切認めていないのでございます。したがいまして、本件の場合に、そのようないろいろな基準を勘案いたしますと、まず事業の所管関係は、この田中さんは五洋建設に対して持っていらっしゃらないわけですね。それからさらに加えて、それでは所管関係はないけれども、まあいろいろな物品の購入その他、あるいは施設の建設、そういった関係がありはしないかという点もしさいに審査いたすわけでございます。その結果、この本件の場合にはそのような密接な関係がないもの、したがって、この方が五洋建設にいらっしゃっても、この法の目的とする公務の公正執行という基本的な要請というものには背かないだろう、こういうことで承認をいたした、かように存じております。
○峯山昭範君 こういう事件が起きてね、あなた方、いまこういう事態になってもまだ全然反省の色が見られない。あなたの先ほどの発言を聞いておりますと——大蔵省関係が銀行へ天下っているというのはみんな大蔵省関係じゃないですか。あなたは、銀行局は行っていないと、こう言いたいのでしょうけれども、そうじゃない。やっぱり大蔵省、省そのもので縛らないと、天下りという問題は解決しない。これはあなたは、密接な関係がない、そう思って認可したということです、結局はね。しかしながら、五洋建設は何する会社ですか、あんた。港のしゅんせつが主でしょう。その港のしゅんせつを主にやってきた会社に、あなた方、港を管理することを長い間やってきた本部長が天下るというのは、この法律の趣旨から言ってもおかしいじゃないですか。この問題について、人事院が本気になって取り組まない限り、こういうような問題は解決しない。現実にこの人がそれぞれの官庁を回って、そしてもみ消しを現実にやっているじゃないですか、本人も誤解を受けるような行動をしてまことに申しわけないと、本人は言っているじゃないですか、にもかかわらず、監督する人事院がそういうようないいかげんな考えでどうするのですか、総裁、どう思いますか。
○政府委員(中村博君) 前段のお話でございますけれども、これは密接な関係がある場合に、いろいろな基準をもって公務の公正執行が担保されるかどうかという前提に立ってこれを承認いたしておるわけでございますので、全く密接な関係がなければ、これは承認にかかわらない。なお、現在のような制度に相なりましたのは、これはもう先生十分御承知のとおり、公務員とて職を退きました後は、一日本国民として職業選択の自由の基本的人権は擁護さるべきものでございます。したがいまして、その調整の結果としてこのような条文が国会において御制定に相なった、かように私どもは伺っておるのでございます。 それから第二におっしゃいました、その田中さんが各保安庁あるいはその保安本部へ出入りしておるということにつきましては、まあ、そのような事実は私は存じませんし、またお入りになりましても、何をなすったかとうてい追跡することはできませんので、遺憾ながらこの点につきましてはどうこうということを申し上げかねますけれども、私どもは承認をいたします場合に、特にその御本人に対しましても、当該省庁に対しましても、国公法の精神を十分に尊重して、ゆめ疑いを受けることがないように御行動願いたいということをあらゆる機会を通じて申し上げておりますと同時に、御本人にも申し上げておる、こういう体制をしいておるのでございます。
○峯山昭範君 もう時間がありませんから、私まとめてあと総務長官と人事院総裁にお伺いしますが、私はこれは非常に重要な問題です。あなた方は現実に天下りの問題について——私は、公職を退いた者のいわゆる職業選択の自由を云々しようなんて私は全然思いません。これは自由です。しかしながら、総務長官ね、現在の天下りの年齢を見てみなさい。若い人は三十代から天下っている人がいるんです。国のお金でこれだけ訓練をしてきて、その人が行く先が決まってどんどん行っておる。現実に三十代、四十代、年がいったといっても五十代の初めですよ。ですから、私はこういうふうな問題は国民の税金で長い間育ててきたエリートの、いわゆるこれから仕事をする人たちでしょう。そういうような意味から、私はそういう人たちの天下りという問題については、今後非常に国の損失ですよ、国の仕事をがっちりやってもらうべきだと私は思う。そういうふうな意味から、私はこういうふうな天下り問題については非常に慎重に取り扱うべきであると思うし、人事院総裁にお願いなんですが、この問題については、人事院としてもその審査というものを厳格にやってもらいたい。このことを要望し、かつ大臣ならびに総裁の答弁をお伺いして、私の質問を終わります。
○政府委員(藤井貞夫君) 公務員の民間企業への就職の問題につきましては、長い間、衆参両院のいろいろな場において先生方の御意見が出ておるのであります。大変ごもっともな点が多いと思いますが、人事院といたしまして御答弁をいままでいたしております基本線というのは、いま職員局長が申し上げたところでございまして、大変これはむずかしい問題には違いございません。いろいろ職場の新陳代謝も図ってまいらなきゃならないということ、あるいはさらに本人の職業選択の自由の問題それらの点の全体的な絡み合わせというものを考えてみますると、大変歯切れの悪いことを申して恐縮でございますけれども、むずかしい点があることは事実でございます。しかし、いやしくも、そのために大変な不都合が生ずる、あるいは国民の疑惑を生ぜしめるような事態が来るということは、これはまことに遺憾千万なことでございます。そういう点から、従来もわれわれといたしましては、関係各省庁に対し、また御本人に対しても注意を喚起しておるところでございますけれども、問題の性質にかんがみ、今後とも御趣旨に沿って疑惑を起こすようなことのないように、この法律の適用については厳正な態度でまいりますということを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 国家公務員が綱紀厳正であるべきは当然でございまして、政府といたしましては常にこのために意を払っておるところでございます。また、この百二条によります国家公務員の就職の問題につきましては、人事院が中立的第三者機関として、公明かつ厳格に審査を行うべきものであるということを私どもも期待をいたしておりますし、人事院としてもその努力を払っておられると存ずるのでございます。政府といたしましては、御指摘のような世の指弾を受けるようなことのないように、今後鋭意努力をしてまいります。
○内藤功君 寒冷地手当の問題につきまして、まず人事院にお伺いしたい。 この基準日以後に職員となって寒冷地に在勤するということになった人に対しても、寒冷地手当を支給するようにすべきであると思うのです。この対象者の数は、計算をしてみると、そう多くはないので、恐らく予算上の措置もそう困難ではなかろうと思います。また、特に私どもの方にはこれらの人たちからの切実な要望が出ております。燃料費、衣料費、あるいは家屋修繕費というものの必要性は、こういう人たちであっても全く同じです。かえって切実度は大きいと思うのです。さらに公社、現業の方ではこういった方に対しても支給をしているとのことですが、一体どうか、この実情もお話し願いたい。 私どもの方は、衆議院の方ではこの点にしぼって、法第一条の第二項というものを新設をして、法文上に明確にすべしという修正案を提案したところであります。参議院では特に修正案という形式での提案は私どもはしませんけれども、言っておることは同じことなんです。この点についての人事院の御見解並びに公社、現業ではどうやっておるかという実情がわかりましたら、この点についてあわせて御答弁を願いたいと思います。これが第一点です。
○政府委員(茨木広君) 公社関係の問題については、いま手元に資料がございませんのでつまびらかにいたしませんが、新規採用者の問題について、やっておるところと、やっていないところとあるようでございます。で、この問題は、先ほど来議論になりました世帯区分の変更の問題とも関連をしまして、吟味をいたしておる中に入っております。先ほどもちょっと触れましたように、基準日在職者で、その以後官側の命令によって異動しました者、これについてはすでに改正を終わりまして、現在その手当てがしてあるわけでございますけれども、いま御指摘の点については、いま、本人側の事情のグループとして一括吟味されている中に入っております。やはり、先ほどの途中でやめました者についての返納の問題等も絡むわけでございますが、その辺と一括してしかるべき時期に踏み切りをつけるべき問題でなかろうかというふうに考えておるところでございます。返納の問題を避けようというふうに考えていきますと、いま自衛隊でやっておりますように、毎月支給の形に変えてこなければいかぬ、毎月支給の形に変えますことについても、まだ抵抗感があるようでございまして、そうなりますと、やはり新規に条件に該当しました者は支給していくと、そのかわり条件から外れました者は、その額は同額でなくても、やはり返納の姿をとってもらうというふうにやはり踏み切らざるを得ない段階にもう来ているのではないかと思っているところでございます。
○内藤功君 これは、衆議院の内閣委員会の審議で、私どもの方からの修正案が出ましたときにもたしか人事院当局の方では、来年度の勧告までにはその修正案の趣旨を十分検討し、配慮したいという態度であったように聞いておりますが、来年度の勧告までにこの点をはっきりと結論を出していただくように、研究を急いでほしいということを申し上げておきたいと思います。
○政府委員(茨木広君) 衆議院の審議の経過のお話が出ましたが、その際、やはりいろいろ意見が出まして、来年度の勧告というふうにいまおっしゃられましたが、来年度ということになりますと、すぐ四月から新しい年度になるわけでございますが、そこでは、仮にこの問題だけを離しましてどうこうという問題でございますればまた別かもしれませんけれども、それは、あるいは早目に煮詰まるということがあるかと思いますけれども、先ほど来議論になっております基準額の検討等と一緒の問題としてこれを議論してまいりますというと、来年度すぐというわけにはちょっとまいらぬので、というふうなことを実は向こう側では申しまして、もう一年先ぐらいまでかかるのではなかろうかというふうに申し上げた経緯がございますその辺はちょっとお含みおきいただきたいと思います。がしかし、なるべく早く結論を出したいということで努力をしてまいりたいと思っております。
○内藤功君 私の聞いた範囲では、来年度の勧告に間に合うように鋭意努力するというふうに私は衆議院の方から聞いておるんですが、もう一遍その点を確かめます。
○政府委員(藤井貞夫君) 附帯決議の精神から言いまして、これを極力尊重をして、速やかに実行に移していくということは当然のたてまえでございます。それらの点につきまして、特に衆議院でいろいろ実行性の点はついて問題がございまして、それに関連をして、実際に来年度の何でやれるのかという詰めがございました際に、私たちといたしましては、いま給与局長が申しましたような事情で、ざっくばらんなところ、掛け値なしのところ、この夏の勧告にそれを入れていくということは、これは事務的に言っても不可能である、したがってその次を目途としてということになりますということを申しまして、これらの点については、委員会の席上で正式にはそのことは申しておりませんが、それぞれの各党の関係、委員さんの皆さん方にも御了解を願って、そういうことでわかったからひとつできるだけ早くやれよということで御了承を願った経緯がございます。
○内藤功君 一応そういうことで承っておきましょう。 次に、もう一つ人事院にお伺いいたしますが、法二条六項と思いますが、六項に定める、いわゆる豪雪手当、昭和三十九年にたしかこの制度ができて以来改定されていないように思いますが、この改定の必要はお認めになりませんか。
○政府委員(茨木広君) 前に決めました際に現在の金額が決まっておりますが、その後いろいろ、物価等も変わっておりますので、この金額はやはりしかるべき機会に検討をして改正をお願いしなきゃならぬことだろうというようは考えております。ただ、いままでこの手当を発動する例がたまたまなかったというようなこともございまして、従来しばらくこのままになっておったという経緯でございます。
○内藤功君 これもなるべく早い時期に検討して結論を見られるように希望いたします。 なお、御参考までに申し上げておきますが、現在富山市は何級地ですか。
○政府委員(茨木広君) 三級地でございます。
○内藤功君 そうなりますと、この豪雪手当の点ではどういうふうな基準が適用されることになりますか。
○政府委員(茨木広君) おおむね一・五メーター程度以上の積雪のあった場合というのが大体認定基準として考えられておるところでございます。
○内藤功君 この一級地、二級地、三級地の降雪量、特に豪雪の事例をお調べになったことがありますか。
○政府委員(茨木広君) 一級地、二級地の基準の中に、積雪量と寒冷度と両方が点数化されて指定されておりますから、その指定当時には吟味されておるといいますか、最近改めて私になりましてから私が吟味したということはまだございません。
○内藤功君 これは御参考までに申し上げておきますが、富山市では豪雪が——豪雪というのは大体百五十センチメートル以上の雪がこの三十年間に五回降っております。そして、一番最高は二百八センチという豪雪が降った事例がある。これなんかはひとつ、何級地、何級地というこの地域決定をされるときに、依然ずっと昔のままですけれども、見直さなきゃならぬ時期が来ると思いますね。そのときのひとつ御参考に申し上げておきたいと思います。 次に、最後の質問になりますが、これは人事院と総理府の総務長官、両方にお伺いいたしたい。 この寒冷地手当の法律ができたときのいろんな経過があるんだろうと推測しますが、法律の中で決めるべき、法律事項が相当だろうと思うかなり重要な部分が総理府令にゆだねられております。かえってわかりにくい法律になっています、そのために。結論は、私は、法律事項になるべく速やかに整理をして一本化すべきであると思うんです。これはわかりにくい、見にくいという、法形式論だけではない。去年も給与の支払い方法の問題のときに、茨木さんと大分論争いたしましたが、憲法二十七条二項には、賃金その他の労働条件の基準は法律でこれを定めるとありまして、これが憲法の趣旨であります。そうして、いま私がずっと支給規則の総理府令を見ると、たとえば一条の基準日なんというものですね、基準日、それから、二条から六条、七条にかけて書いてある寒冷地の範囲の特定、それから対象職員の範囲、それから支給額、支給率、それから八条に書いてある支給日。普通、民間の会社で言えば、給料にとってこういった条件は大変大事な要素で、言うなれば労働条件の基準というのに当たるものなんですね。これは本来法律で定めるというのが憲法の私は趣旨だろうと思います。そういうものがいろんな成立の経過があることは私も想像はしますけれども、きちんとやはり法律事項に整備をし、国会で審議をするという方向に持っていくべきではないかと思っております。先般の衆議院の方の内閣委員会でも、総務長官も出られて、また人事院の方もよく相談して検討すると言われた。まだ一月しかたっていないから、どうなっているかというのは酷かもしれないけれども、具体的にこれをひとつ積極的に前向きにやっていただきたいと思うのですが、再度この点をお伺いしたい。
○国務大臣(植木光教君) ただいま御指摘のとおり、人事院の勧告に基づきまして内閣総理大臣が定める事項は非常に多うございます。これは先ほど野田委員からお話がございましたように、昭和二十四年にもともと議員立法で成立した法律でございます。議員立法であるからといって誠実な運用を図っていないというようなことは絶対ありませんけれども、手当の性格から申しまして、技術性が強い点、また寒冷増高費の変動率に敏速に対処し得るように、法律では基本的事項のみ定めまして、支給地域区分、あるいは支給方法等の多くは内閣総理大臣が決めるということになっているのでございます。で、このこと自体はそれなりに理由はあるのではないかと思われます。 なお、寒冷地手当制度について、いかなる事項を法律で規定し、またどの事項を総理府令で決めるかという問題につきましては、法律制度の経緯その後の改正の事情、いろいろございまして、こういう経過や事情等を踏まえまして、今後人事院と協議をしながら、連絡をとりながら、整理をいたしますために努力を続けていかなければならないと存じております。今後十分検討をしてまいります。
○政府委員(藤井貞夫君) 総務長官がお述べになったこととうらはらで同様なことでございますが、これはまあ議員立法で制定されたといういきさつもございます。さらに、人事院の勧告事項も逐次変遷をしてまいったというようないきさつもございます。また、この法律は総理府で所管ということに相なっております。そういうこともございます。さらに、なるべく基本的なことは法律で規定すべきが筋合いではないかということは私も賛成でございますが、寒冷地手当の場合、総理府令で決めますものにつきましても、これはわれわれの方から勧告をいたしまして、その勧告に基づいておやりいただくというたてまえにも相なっておるわけでございます。しかしながら、いま御指摘になりましたように、基本的な問題さらには、見にくい、ややこしいとか、そういったような技術的な問題もございますので、いま総理府の方からお答えになりましたように、法律事項と、それから総理府令で定める事項とどういうふうに振り分けていくかということにつきましては、総理府とも今後前向きで慎重に検討を続けてまいりたいと、かように考えております。
○委員長(加藤武徳君) それでは暫時休憩いたします。 午後四時五十一分休憩 —————・————— 午後五時三十四分開会
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は御発言を願います。——他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。 この際、野田君から発言を求められておりますので、これを許可いたします。野田君。
○野田哲君 私は、ただいま可決されました国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対し、各党共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 まず、附帯決議案を朗読いたします。 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、寒冷積雪地帯における公務員の生活実態にかんがみ、寒冷地手当の基準額を検討し、定額分の増額を考慮するとともに、基準日後の世帯等の区分の変更等に応ずる支給額の調整について配意すること。 二、寒冷地手当の支給地域区分について、継続して検討を行い、その不均衡の改善措置を講ずること。 三、寒冷地手当の性格にかんがみ、その取り扱いについて検討すること。 右決議する。 附帯決議案の趣旨は、案文及び審査の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。 以上でございます。
○委員長(加藤武徳君) ただいま野田君から提出されました附帯決議案を議題といたします。採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、野田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、植木総務長官から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。植木総務長官。
○国務大臣(植木光教君) ただいまの附帯決議につきましては、政府としては、人事院勧告を尊重するというたてまえのもとに御趣旨に沿って善処いたしたいと存じます。
○委員長(加藤武徳君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 異議ないと認め、さように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十八分散会 —————・—————