逓信委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/25
会議録
○委員長(竹田現照君) これより逓信委員会、物価等対策特別委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○斎藤栄三郎君 大臣にお伺いいたします。 今回の値上げが実行されても、なおかつ昭和五十年度で六百一億の赤字、五十二年度には四千二百五十億円という膨大な赤字が予定されてます。一体、こういうような赤字をどう処理なさるつもりか、郵便事業全体についての根本方針からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。 お説のように、五十一年度にまたなお赤字が増してくるということは事実であります。しかし、私どもとしては、政府がいま全力を挙げて物価の安定ということに努めておりますが、この物価が安定すれば賃金も安定してくる、かように思います。そういうことで、多少の赤字が出ましても、ともかくこれで賃金が安定すれば何とか切り抜けていけるのではないかと、こう思っております。 もし、五年、六年という先まで見越してこの値上げを安全率を見てやりますと非常な高騰となりまして、いわゆる政府のいま物価を抑えようというそれに逆行もいたしますし、また国民生活も非常なこれがために苦しい場面も招来してくるということを恐れて、必要最小限度のところで、あとは企業努力によって何とか切り抜けていきたい、こういうことでございます。
○斎藤栄三郎君 昭和二十七年から四十九年までの二十二年間に日本は二回郵便料金を上げているわけです。で非常に激変期に長く据え置いたということは余り自慢にならないんで、やはり三年とか四年に一回ずつ物価水準に照合した程度の修正をすべきだったと思います。それをやらなかったことは当局の怠慢じゃないかとさえ考えます。でイギリスはこの同じ期間に八回値上げをしてます。アメリカとフランスが六回、こういうぐあいに各国がやってますのに、日本が何でもいいから据え置いておけばいいというんでは、政策不在だったと考えます。 いまのままでいって、物価が幸い政府のおっしゃるように一けたでおさまればいいが、万が一おさまらなかったときには、また値上げを十年間も据え置くつもりですか、それとも今度は諸外国の例にかんがみて適正なる値上げをまたやるつもりかどうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(村上勇君) 先生の御指摘のように、すでに昭和四十八年に郵政審議会の答申は、この際料金の改定をしてよろしいということでありましたし、また昨年、四十九年度にも郵政審議会の御答申をいただいておるのでありますけれども、時の政府はインフレ、要するに物価の高騰を恐れまして、一応しんぼうのできるだけしんぼうしていこうということで、実に去年、おととしというその上げ時期というものを延ばしてきた。それがここにしわが寄ってきておりまして、御審議をいただいておるこの法案は先生方も御納得がいかない点が多々あると思います。私自身も非常に国民に対して恐る恐るこの程度ならお許しが願えるんじゃなかろうかと思って提案いたしておる次第であります。
○斎藤栄三郎君 郵政事業の宿命は人手に頼らなきゃならない、大体経費の九割までが人件費である。国鉄も九割ぐらいが人件費、郵政も同様ですね。その場合に考えられることは、企業努力としては徹底的な機械化をやる以外にないだろうと思うんです。 私は、きのう、渋谷郵便局に参りまして、今度新しく設置された機械を見てまいりました。同時に、かねてから郵政省が各地でやっておられる機械による選別、それもあわせて見学してまいりました。で、大臣ももちろん国会終わったらごらんになるであろうと思いますが、ああいう機械化を徹底的に推進することが労働力の節約にもなるし、あわせて郵便料金の抑制にも役立つだろうと思うんです。 ところが、承ると、昭和五十年度の郵政予算の中で機械化の予算はたった二十億円しかない。そうしますと、これは二階から目薬程度の効果しか期待できないんで、やはり機械化をもっと徹底的に推進することが実は企業努力の最たるものだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 昨日、ごらんいただいた渋谷の郵便局には特に最近新しい窓口事務の自動処理機といいますか、職員の手数も省けるし、利用者の方にもお待たせしないで郵便が出せるようにという趣旨のこれは最も新しい機械でございまして、試験的にまだ置いたばかりでございます。かなり好評でございまするし、あともう一台ぐらいどっかに試験してみまして、今後、どんどんああいった機械はふやしたいと思います。 従来やってまいりました郵便局の内部処理の機械化の最も中心になりましたのは、いまおっしゃいました郵便物の自動選別取りそろえ押印機と読取区分機、この二つでございます。こういった機械はわが国としては世界に誇るかなりの性能の高い機械でございますけれども、大体、従来主な郵便局には配備してまいりまして、取り扱い物数の余り少ないところまで持ってきますとこれまた投資効果ということもございまするので、かなりもういま行き渡っておるというふうに考えておるわけでございます。 予算的なことのお尋ねでございましたけれども、いまの区分機とか選別機といったような具体的なそういう機械だけが二十億でございまして、もっとその背景にありますいろいろな局の中のたとえば搬送設備でございまするとか、もっと大がかりな機械の経費は別に建設勘定の方でこれは扱っておりまするので、それらを合計いたしますると、その倍あるいはそれ以上になろうかと考えております。
○斎藤栄三郎君 この三年間赤字だということがもうはっきりとしていて、大変大臣は御苦労だろうと思いますけれども、この際、根本的に考え直したらいいんじゃないかと思う点が一つあると思うんです。 それは、どこの国でも郵便というものはもうからないものになっています。だからこそあわせていろんな事業を認めているわけで、たとえば日本の場合ですと、簡易保険事業と貯金業務があります。昭和四十八年度まではそれぞれ一千七百億円ぐらいの剰余金を計上しているわけです。その後、インフレの高進によって簡易保険も郵便貯金も非常な苦労をしていることはよくわかりますけれども、いかがでしょうか、三つを総合的に考えるということはできないものでしょうか。御答弁はきっとそれぞれ特別会計があるからそれはできないだろうという回答だろうと思いますけれども、その辺を大臣のように力のある方だったら考え直さなければ、郵便事業というのは第二の国鉄になる心配が非常に濃いんじゃないかと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(村上勇君) 御意見でありますが、御承知のように、郵便貯金も簡易保険もみなそれぞれ国民の大事なお金を預かり、また長期にわたる契約をいたして預かっておる次第でありまして、もしそれによる純益がありますれば、それはその契約者に、あるいは預金者にはね返っていくということが経済の定法であろうと思います。そういうようなところへ郵便事業が参加して、そうしてその赤字はそれらの貯金あるいは保険の利益によって消していくということになりますれば、やはりこの独立会計ということがたてまえでありますということだけでなくて、この経済のうまみというものがどうかと思いますし、そういう点を考慮いたして、いまの段階では、私どもとしてはやはりそれぞれの独立会計によってどこまでも責任を持って、親方日の丸式のものにならないように心がけるということが大事じゃないかと、こう思っております。
○斎藤栄三郎君 外国の封書もしくははがきと日本と比べてみると非常に日本の方が安い。大体、外国の場合ははがきも封書もほとんど同じお値段、日本の方は非常にはがきを優遇しております。日本独得のことだと思います。 その場合、安いのは結構なんですけれども、今度の値上げで非常に困る方々もずいぶん出ると思います。特に一番いま財界が心配しているのは、第三種郵便物の値上げで——今日、審議しておりますのは一種、二種だけですけれども、今度省令で一挙に五倍に上げられるということになると企業経営の基盤が動揺してしまう。私自身もいろんな出版物をとっていますが、郵便料金がそう高くなったらこれは断ろうと思っているのもずいぶんあります。そこで第三種の料金は大体どのくらいになさるつもりか、もしくは経過的に経過期間を置いておかないと経済界に非常なショックを与えるのじゃなかろうかと考えますが、いかがでしょう。
○政府委員(石井多加三君) 第三種の料金の決め方でございますが、御指摘のとおり省令でこれを定めることになっておりますが、その際に、第一種の郵便の料金の範囲内でこれを定めるという規定になっておりまするので、第一種の料金が決まりました際に、この三種以下の料金を定めるという考え方でございます。ただいまそういう考え方で検討をいろいろいたしておりまして、郵政審議会の答申では御指摘のとおり基本料金について五倍というような案になっておりますが、各方面の意見を伺いながら慎重に決めたいということでございまして、ただいま御提案のありましたような中間段階を設けるというようなこと等も含めまして、いろいろ検討をいたしてみたいと思います。
○斎藤栄三郎君 ぜびひとつその実施の時期をおくらせるとか、あるいは引き上げる率を三倍程度に抑えるということをしませんと、大変経済界には悪い影響が出るだろうと思いますから、重ねてその点を要望しておきたいと考えます。 それから、いまの郵便物、大変ぼくは郵便配達の方に感謝しているわけです。あんなかさばるものを持ってきて大変御苦労さまだと思います。ところが、その八割までが業務用で二割が個人用である。一体、いまのような形態で郵便事業というのはいいんでしょうかね。だから、はっきり言うならば、封書とはがきについてはある程度まで国家が資金を出してでもいいから従来どおりやっていく、しかしながら、それ以外のものについては分離して考えることが必要じゃないかと思います。で、もっと率直に言うならば、別の企業体に任したらどうだろうという考え方を持ちます。 もちろん郵政当局の中には、いや、あわせてやっているからこの程度の赤字で済むんで、もうかるものは民間に任せるということになったら、東京、大阪、名古屋あたりには別の企業にやられちゃって、山間僻地には行かなくなるからという反論が出るに決まっていますけれども、大臣の御意見を承りたいと思います。
○政府委員(石井多加三君) ただいまお話にありました、一種、二種のみを郵政省で扱いまして、三種以下を一切外部へ出すということになりますと、三種というものが御案内のとおりいま非常に政策料金といいますか、原価から言いますと一割、二割程度しかいただいていない非常に割引料金になっておりまするので、これはちょっとむずかしいのではないかと思いますが、あるいはお尋ねの御趣旨が、たとえばいわゆるダイレクトメールと呼ばれておりますような通信について、これを外部へ出したらどうかというようなお尋ねでございますと、ただいま御指摘になりましたように、DMについてはいろいろ評価もあると思いますが、必ずしもこれはむだではないんじゃないかというような家庭の主婦の方々からはそういった御意見も出ておりまするし、特に通信販売といったようなことからこれが今後の流通経済の一つの救済策になるんじゃないかというようないろんな意見もあるようでございます。 特に、アメリカ等におきましては、こういうDMというものが非常に現在たくさんのウエートを占めておるということも聞いておりまするし、それとわが国の料金体系の中でダイレクトメールというものはいま非常に割高な料金——と申しますると、外国との比較でございますけれども、外国では、西ドイツでもアメリカでもイギリスでもフランスでも、御案内と思いますが、大量に印刷物を出します場合には非常に大幅な割引をいたしております。わが国は一通出しても一万通出しても同じ料金になっているというようなことから、現在すでに相当厳しい料金を取っておるというふうに考えまするし、いまお尋ねにありましたように、収支の中ではかなりこれは郵政省としては有利な種類と申しますか、採算上は一時に大量に出されまするので処理もしやすうございます、むしろ経営的には従来どおり維持していきたい。むしろ多少取り込んでいくぐらいの気構えでいきませんと事業財政の改善はむずかしいのではないかというふうに考える次第でございます。
○斎藤栄三郎君 最後の質問ですが、経済企画庁長官にお伺いいたします。 先ほどお見えになる前に、この郵便料金の値上げを昭和二十七年から四十九年までの間に、二十二年間に二回しか上げておりません。諸外国では五回から八回ぐらい上げている。日本でも物価情勢ににらみ合わせて三年とか四年ぐらいに修正していったらいいんじゃないかということを私は意見として述べたのであります。 いま、今度の料金値上げでは物価に及ぼす影響はたった〇・二%だと発表になっていますが、三種やなんかがどの程度上がるかによっても違うと思いますけれども、なかなか私はこれでは済まないんじゃないか、波及効果を考えるとかなり悪影響が出るんじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 基本料金につきましてはとにかく、私は、そう大きな物価対策上の障害になるというふうには考えておりませんです。ただ、五倍だとかなんとかというと、これは相当一時的にショックのある問題だなというような感じもいたしておるのですが、いずれにいたしましても、この郵便料金につきましては〇・二の消費者物価へのはね返りでございます、そういう状態だと、こういうふうに思います。これによって私どもが進めておる消費者物価五十年度一けた台ということに重大な支障があるというふうには考えませんし、また、これはその程度の影響があるものと予定いたしまして九・九%であると、こう申し上げておるわけであります。
○斎藤栄三郎君 郵政大臣にお伺いいたします。 お願いも一つありますが、いま経済企画庁長官のお言葉では、物価にはそう大した悪影響はない、織り込み済みだという御意見なんです。昭和四十八年の統計によると一世帯当たり千六百五十円ぐらいの郵便料金を使っているわけです。そこでいかがでしょうか、たとえば特に生活困窮者などに対しては、はがきを年間十枚とか十二枚ぐらい無料でくれてやるというようなお考えはありませんか。たとえば電話だと家族電話という制度もありますし、そういう点が一つ。 それから、もう一つは、値上げをしてサービスがどれだけよくなるかということ。衆議院段階での質疑を聞いておりますと、何もよくならないんだ、ただ赤字を埋めただけだとこういうことですが、どうもそれでは非常な不満を国民は感じております。遅配誤配がないように一段の希望をしておきたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) はがきを無料で差し上げたらどうかということは私どもよくわかりますが、これは郵政省だけで考えることでなくて、やはり政府全体でこうあるべきだと、社会保障制度の一環として考えるべきものだろうとこう思っております。 それから、料金値上げになっても何ら国民に対するサービスの点がないじゃないかという御意見ですけれども、これは少なくとも私どもは今回の値上げの実態を全従業員に徹底せしめて、あくまでも国民に対して十分送達の面、一切の面から、どこまでも奉仕の考えを失わないように、あくまでも努力させるということであります。
○斎藤栄三郎君 どうもありがとうございました。
○森下昭司君 私は、時間が予定されておりますので、数点に限定をいたしましてお尋ねをいたしておきたいと存じます。 まず第一は、行政管理庁当局にお尋ねをいたしたいと思います。 昭和三十二年の十月に、小規模無集配特定郵便局の運営を初めといたしまして、郵政業務への勧告を実は出されているわけであります。その後、この勧告に基づきまして、郵政当局がどのように勧告に対しまして改善をされたと思われるのか、行政管理庁に、この際、まず最初に見解をお尋ねいたしておきたいと存じます。
○説明員(並山進君) お答えいたします。 ただいま御指摘の勧告でございますが、三十二年に勧告をいたしまして、その後回答をいただきまして、改善の実現に努力をいたしております。 ただ、その後の状況は真にこれが経営合理化に役立つような状況になっているかどうか、何分三十二年の勧告でございますので、この際、やはり新しく実態をつかむためには調査をいたしまして、その推進を図りたいとこういうふうに考えております。
○森下昭司君 いま、冒頭に改善の努力をなされているというお話がありましたが、後段の答弁で、何分実態については調査をしていないんだ、改めて調査をするんだというお答えでありましたが、私はこれは矛盾していると思うのです。なぜ改善されたとあなた前段でお答えになるのですか、調査もしないで。
○説明員(並山進君) ただいまの点でございますが、監察の中で特定郵便局、いわゆる小局の管理につきまして経営合理化の推進の点をいろいろ勧告を申し上げておりますが、その中で、たとえば簡易郵便局制度の活用等につきましては、その後かなり簡易郵便局数もふえておりますし、そういった意味では一応改善の趣旨に沿った措置がとられている点もあると思います。 ただ、そのほかのいろんな事項につきましては、いろいろ情勢も変わっておりますし、機械化等の措置もとられておりますし、その辺の実態につきましては、やはり新しく調査をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○森下昭司君 いま盛んに審議官は、簡易郵便局の局数がふえたのだというお話がございますが、勧告に対しまする郵政当局の回答要旨は、昭和三十三年の三月二十四日に出されているわけであります。 その中では、郵政窓口機関のあり方については研究中であるという回答が、これは正式な私は回答だと理解をいたしておるのでありますが、どういう方法によって簡易郵便局がふえたということを御確認になっているのか、また簡易郵便局自体がふえたことだけで、このいわゆる勧告全体が努力をされた跡と見るのかどうか、この二点についてお尋ねいたします。
○説明員(並山進君) 私の御説明が多少不十分であったと思いますが、先ほど申し上げましたように、やはりその後の全体の状況につきましては、一般的に申し上げますと、勧告をいたしますと、その後で回答をとります。それからさらに未改善の事項につきましては、改善措置につきましておおむね六カ月後に回答をいただくことになっております。それでなおかつ不十分な場合はさらに推進監察をする、こういう方針をとっておるわけでございますが、率直に申し上げまして、三十二年度の場合は、こういった推進方式をまだとっておりませんので、その後の実態につきましては十分な調査をいたしておらないということでございます。
○森下昭司君 いまの答弁でも明らかなように、調査もしていないのに改善の努力の跡があったんだと、それは簡易郵便局数がふえたんだと、全く私は当委員会を愚弄するような答弁だと思うんであります。後ほどまた順次質問をいたしますが。 そこで、私は、第二番目といたしまして、いわゆる行政監察をされまして、行政管理庁がどういう観点からこのいわゆる小規模無集配特定郵便局がいわゆる郵政会計の過重な負担になっているということをお認めになったのか、どういう理由で過重な負担になっているということを御指摘になったのか、その指摘になった理由を詳細に承りたい。
○説明員(並山進君) お答えいたします。 当時の調査結果によりますと、小規模な無集配特定局でございますが、三十一年度末で総数一万四千三百二十八局ございます、その中の九五%が特定郵便局でございます、しかも、その六二%が無集配の特定局でございます。で、これらの無集配特定局は一般に小規模でございまして、その五八%、四千九百三十五局が局長を除きまして定員三名以下の小局でございます。 これらの特定郵便局につきましては、東京郵政局管内の当時の状況を見ますと、経営費中で人件費が八八%を占めております。それからその五三・五%が局長の給与というようなことで、局の規模、事務量から見まして、給与の額が相当高い数字になっているというような点を主として考慮いたしたわけでございます。
○森下昭司君 そこで、郵政大臣にお尋ねいたします。 現在の特定局の数、それからいま行政監察として指摘されました言うならば局員三名以下の小局ですね、小局の中に占める人件費の割合並びにその人件費の中における局長の占める人件費のパーセンテージを明らかにしていただきたい。
○政府委員(高仲優君) 定員段階別の局数につきましてはいま調べておりますが、概括申し上げまして、特定郵便局の数でございますが、特定郵便局は全体で、これは五十年一月一日現在でございますが、一万六千九百五局でございます。なお、普通局の数は合計いたしまして一千九十三局であります。ほとんどが特定局という実情に相なっております。
○政府委員(廣瀬弘君) ただいまの御質問の中で、無集配特定局の三人以下の局の人件費のうち特定局長の占める割合という御質問でございますけれども、実は、私の方はそういった形でとらえておりません。全体として特定局長の人件費を考えてみますと、昭和四十七年度におきまして無集配特定局の経費の中で特定局長の割合は約二七%というふうに考えております。
○森下昭司君 これは全く質問に答えてないのですよ。経費の中といえば総事業費の問題なんでしょう。総事業費に使ったいわゆる経費の中ですから、これは事務費もあるでしょう、もっと言えば食料費もあるでしょう会議費も入ってるじゃないですか、それじゃ私の質問に合ってないじゃないですか。 行政管理庁は行政監察として東京郵政局の例を挙げて指摘をしているのですよ。しかも第一項の中に、いわゆる小規模無集配特定局長に転官する場合に、給与の水準の配慮をし経費の低減を図れ、とも書いてあるのですよ。それに対して、先ほど答弁がありましたように、ちゃんとパーセンテージを挙げて説明しておるのに、現在、そのパーセンテージが明らかでないというのは、全く私は行政改善について熱意を持ってやってる証拠じゃないと思うのですよ。じゃパーセンテージは資料として後ほど提出できますか。
○政府委員(廣瀬弘君) ただいま三人以下局を抽出して調査をいたしますということになりますと、時間がかかるかと思います。全体として特定局の経費の中で特定局長の占める人件費の割合というのは、調査すれば出ると思います。
○森下昭司君 そういたしますと、後ほど資料として委員長の手元に提出することができますか。
○政府委員(廣瀬弘君) 提出させていただきます。
○森下昭司君 それならば続いて質問いたします。 次に、私は、行政管理庁の方にお尋ねをいたしますが、先ほど昭和三十二年度当時の行政監察、つまり改善等を指摘した問題については推進監察をしていないという実はお答えがあったわけであります。そこで、私は実態は少しも改善されていないという実は数字を持ってあるわけなんであります。過去の衆参両院の委員会におきましてもその実態は明らかであります。したがって、私は、もうこれは十八年もたっているわけでありまするから、改めて推進監察という立場で再度この問題について見直しをされるかどうか、お伺いをいたします。
○説明員(並山進君) ただいま御指摘の点でございますが、行政管理庁といたしましても郵政事業の経営合理化に非常に重大な関心を持っております。したがいまして、できるだけ早い時期に郵政事業全般についての監察を実施いたしたいというふうに考えております。
○森下昭司君 できるだけ早い時期というお答えがありましたので、私はひとつその回答の示されましたように早い機会に再度ひとつ監察をしていただきたいということを期待いたしておきたいと思います。 そこで、前に戻りまして、ただいま問題に私がいたしておりますいわゆる特定局、小規模無集配特定局あるいは集配特定局を初めといたしました問題について、さらに重ねてお尋ねをいたしておきたいと存ずる次第であります。 この問題につきましては、今年度予算の中にも特定局につきましては約百五十局程度、それから簡易郵便局につきましては三百局程度の新設が実は見込まれているわけであります。私どもといたしましては、言うならば、このいわゆる特定局の百五十局は、私どもが想定しますに、ほぼ定員三人以下の特定局が非常に多いのではないだろうかという実は感じを持っておるわけでありますが、この百五十局をつくるに当たって、いま私が指摘したように、また行政監察が指摘したような問題、特に特定局の運営経費の中に占める人件費の割合等はどの程度に見込まれているのか、お尋ねいたします。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 無集配の特定局の増置についてのお尋ねでございますが、予算上御説のとおり五十年度は無集配の特定局は百五十局、簡易局は三百局というふうにそれぞれ要求いたして成立したわけでございます。 無集配の特定局の中で最近設置の一つの基準というものは郵政省にはございますけれども、特に大都市の近郊の発展地、こういったところに御案内のとおり団地等がたくさんできておりまして、こういったところの取り扱い量が非常に多いところを対象にいたしております。現在までそういったところを中心に置局をいたしておりまして、そういうところの郵便局の定員の数につきましては、ただいま三人というお話がございましたが、確かに設立当初は三人ぐらいで発足いたしますけれども、非常に田舎の過疎の地域ならそれでずっといけるわけでございますが、過疎的なところはそういうことで終わりますけれども、いま対象にいたしておりますような地域は、当初は三人で発足いたしましても後四人になり五人になり、まあかなりそういう発展状況に応じて人をふやしておるというふうなことでございます。 それから特定局長だけを抜いて幾らということではございませんで、人件費の割合は、御案内のとおり郵政事業全体で、特に郵便事業の場合には七割でございますが、これは予算上の七割ということでございます。大体、無集配の特定局につきましても、その局に必要な経費の大体七割ぐらいは人件費であるというふうに御理解をいただいてよろしいかと思います。
○森下昭司君 全く数字上は言うならば総合的な立場でお述べになっておるわけでありまして、私が言わんとするのは、行政監察から指摘をされまして、東京郵政局管内では三十年こうでしたよという数字が出ておれば、私は、堂々と郵政当局が自信があるならば、今回の値上げの根拠に自信があるなら、特定局百五十局つくります、その百五十の人件費はかくかくであります、そして勧告を受けたいわゆる退職後の特定局長に就任する給与水準について軽減を図れという勧告を受けたが、給与はこうこういたしましたから、一局における、特定局の一つの標準としてはその人件費は何%ですよと自信を持ってお答えになっていいんじゃないですか。全体が七〇%ですよ、特定局も大体七〇%程度ですよ、そんな私は都合のいい答弁はないと思うんですよ、実際。計算なさっていると思うんですよ、そんなことは。そういうことを隠してまでいわゆる特定局問題をなぜ制度として守っていかなければならぬのか、私は非常に理解に苦しむところであります。 先ほど村上郵政大臣もお話がありました、人件費の高騰ということ、で恐る恐る値上げ案を提案している。私はそういうような人件費の高騰が一つの大きな値上がりの原因であったとするならば、逆の立場に立てば、かくかくの状態でありまするから、経営の合理化にこれほど努力した、しかじかくかくならざるを得なかったという説明があってもしかるべきではないだろうかと思うのでありまして、そういう説明がない限り、やはり郵便事業を語るには特定局問題を抜きにして語るわけにはいかないわけなんですよ。したがって、私は、そういうような答弁では非常に実は不満足であります。 私は時間の関係もありますので、次に入りますが、特定局の局舎問題についてひとつお尋ねをいたしたいと思うんであります。いわゆる簡保なり共済組合なり、いろんな資金でお建てになっている。昭和二十三年のいわゆる規則が改正される前は、特定郵便局長になろうとすれば、局舎は自分でつくらなければならぬというような明治以来のしきたりできたわけなんですよ。昭和二十三年に形式的に局舎を持たなくても特定郵便局長に任用することができるという規則の改正が行われているわけでありますが、一体、その局舎というものが耐用年数をどの程度お見込みになっておるのか、まず最初にそのことをお尋ねいたします。
○説明員(武田礼仁君) お答えいたします。 耐用年数は、木造の場合、二十五年というふうに考えております。
○森下昭司君 耐用年数二十五年ということは、たとえば借料というのは平たく言えば家賃ですね、二十五年の耐用年数をもとにいたしまして私は契約が条項として盛られておると思うんであります。ところが実際には私どもの調査をいたしました内容によりますと、耐用年数二十五年を超えたものがもう過半数を超えるような状況下にあるというふうに実は私は思うんでありますが、その点について、ひとつ耐用年数を超えているものが何局あるのか、集配、無集配の特定局の局数を明らかにしていただきたい。
○説明員(武田礼仁君) 経年二十五年以下の局数が一万七百二十一、木造の局で考えておりますので、トータルの局数が一万三千八百九十でございますが、二十五年以下の局が一万七百二十一、二十五年を超えるものが三千百六十九、パーセントにしまして七七・二%に対して二二・八%が二十五年を超えている、そういう数字でございます。
○森下昭司君 しかし、耐用年数を超えまして三十年以上ずっと使われているというような局数は六百六局あるはずです。これは無集配特定局です。そのうちでもう六十年以上たった建物が四十一局あるはずです。この数字間違いありませんか。
○説明員(武田礼仁君) お答えいたします。 間違いございません。
○森下昭司君 次に、無集配局の中で三十年以上のものは何と驚くなかれ二千八十局あります。その中で四十年から五十年の耐用年数が五百五十二局、五十年から六十年の耐用年数を経たものが百五十六局、六十年以上のものが百五局あると私調べてきたわけでありますが、この数字にも間違いありませんか。
○説明員(武田礼仁君) 間違いございません。
○森下昭司君 そうだといたしますと、先ほどお答えありました耐用年数二十五年ということで最初に賃貸契約が結ばれておる。しかるに耐用年数を超えましたものは全体で三千百六十九局でありますが、その中でも六十年以上超えましたものが無集配局で百五局、集配局で四十一局もある。これは未来永劫に局舎料をお払いになっているのでありますが、年間全体として局舎料は九十七億円程度、約百億円と私は承知をいたしておりますが、この百億円が相当郵便事業の特別会計を圧迫しておる一つの原因ではないかと実は言われているわけであります。 局舎というものは、もともと国が国費を支払って建てるべきが私は原則だと思うんであります。警察署にいたしましても税務署にいたしましても消防署にいたしましても、あるいはまた電報電話というような局にいたしましても、相当数が全国で国費で賄われております。あるいは国鉄の駅にいたしましても、相当数の駅が国費によって建設をされているのであります。ひとりなぜ特定局の局舎のみが国の費用を支払わないで、個人の負担になっているのか。また、個人がいわゆる簡保なり共済組合の資金を借りました後に、これまた耐用年数を経、あるいは年六・六%の利子を払った後に国に帰属しない、このようないわゆる変則的な措置が行われているところに特定局制度の弊害が残り、そしてまたそれが郵便事業特別会計を圧迫しておる、かように私ども思うのでありますが、この局舎料の支払いについて、耐用年数を超えたものについては何らかの措置をしておるのか、たとえば減額更正措置をしておるのか、この点も重ねてお尋ねいたします。
○説明員(武田礼仁君) 特定局の借料と申しますのは、建築工事費から計算をいたしたものを純家賃という形式で借料の中に含ませて払っておりますが、この工事費から計算するという一つの方法でやっておりますのでありますから、二十五年たちましたからといって、借料をそこで変更するということはいたしておりません。
○森下昭司君 これは貨幣価値の変遷がありますが、部長に重ねてお尋ねいたしますが、その工事費は、たとえば六十年以上といっても大正二年以前できた建物なんですよ。そのときにはもう一万円か二万円でできたものでも、いま一千万からでもできませんが、このいわゆる建築工事費の言うならば貨幣価値の変遷に伴う見直しはどういうふうにやっているんですか、それじゃ。
○説明員(武田礼仁君) ただいま御質問でございますとおりに、工事費というものは二十五年前とただいまとは非常に違っておりまして、ですから二十五年前の純家賃というものは、確かにただいま新築いたしました局舎の借料に比べますと非常に割り安になっております。
○森下昭司君 しかし、割り安になっておると言いましても、たとえばそんな一万円や二万円でできた当時の家賃で払っているわけじゃないと思うんです。必ず私は家賃というものは貨幣価値の変動につれてスライドするか、あるいはその上昇分に見合うように是正措置が行われているというふうに思うんでありまして、どうも建築部長の答弁はそっけないというよりも事実を正確に伝えていないというような感じがいたしますが、じゃ具体的に聞きますが、大正二年の名前を挙げていただくと結構ですが、たとえば六十年以上たったもの、六十年前の契約で家賃は幾らであったか、そして六十年後の今日家賃が幾らになっているか、ひとつ例として示してください、それじゃ。
○説明員(武田礼仁君) 六十年前は、局舎を国が借りているという制度はございませんので、そういう比較はできかねるのでございます。
○森下昭司君 じゃ二十三年以降でいいじゃないか、私が言った二十三年以降。
○説明員(武田礼仁君) 二十五年ちょうどたちました特定局舎の借料というものの純家賃と申しますか、それの平均を出してみたのがございますが、一平方メートル当たり大体三百五十五円になっております。
○森下昭司君 回答になりません。なりませんが、六十年前のものはあなたさっき家賃を払っているというんですから、六十年前と比較できないにしても、家賃を払った年といまと比較できるはずでしょう。だからもっと丁寧に答えてくださいよ、丁寧に。
○説明員(武田礼仁君) 六十年前に建てました特定局舎の借料というのがございまして、その純家賃一平方メートル当たりは百五十円でございます。丸い数字で申し上げております。
○森下昭司君 これは私は時間の関係でそれほど細かいことは聞きません。仮に昭和二十三年に局舎を持つことがなくなりましたが、それ以前には局舎を持つことによって特定局長に任用されるというのが一つの条件だったと私は説明いたしたわけでありますから、部長が答弁をし直したように、六十年前のものもいわゆる局舎料を現在払っているんだという話でありますが、さっき言ったように、六十年前にできたものが一平米当たり百五十円という金額は、できた当時の大正二年から比べますと、これはべらぼうな家賃なんですよ、高い家賃ですね。だから私は再三再四必ず貨幣価値の変遷につれて、その上昇において家賃に対する考え方が変わってきているんじゃないかと、くどいほど聞いたんです。しかし、それはいいです、もうそんなことをやっている時間がありません。 そこで私は大臣に最後に局舎問題についてお伺いをいたしておきますが、六十年も五十年もいわゆる耐用年数を超えて、しかもその局舎が特定局長個人の私有なものであるという前提に立って未来永劫に局舎料をお払いになる、これは私はやはり一つ問題が残るのではないだろうか。 たとえば、ある耐用年数を経た古ぼけたところへお客さんが来ることにもちゅうちょする場合もありましょうし、町の美観からいっても問題になるような局舎があると思うんです。そうだとすれば、そういうものから私は国の費用で建てかえていく、そうして局舎料を払わなくて済むというようなやっぱり考え方を持つことが必要ではないか。この場合、国の費用というのは一般会計から負担すべきであるという前提でありますが、そういう考え方を変えるべきではないかと思うのでありますが、大臣のひとつ御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 特定郵便局はその地域社会に密着しておりまして、国民に最も親しみやすい郵便サービスを提供しているという大きな特徴を持っておる次第であります。特定郵便局舎にかかわる経費につきましては、このような国民の日常生活に不可欠な郵政サービスを提供するに必要な店舗を確保するための基本的な経費でありますので、これを一般会計から賄うのは適当ではなく、利用者負担の原則に立ちまして、郵便料金で賄うのが適切であろうかと思っております。
○森下昭司君 後ほど私は財政上の問題といたしまして、一般会計とこの特別会計との負担区分の問題を詳細に尋ねたいと思いますが、先ほどの行政管理庁の監察の指摘の中にございましたが、いわゆる管理要員という問題がございます。これは管理部門の過員が顕著になっており、これが現業部門欠員の一原因となっておる、管理部門の非常な過大さを指摘しておりまして、これに対しまして郵政当局はかくかく是正するという回答をいたしております。 私は、これはひとつ要員だけを指摘したのじゃなくて、管理の機構の問題を含め、あるいはもっと詳しく細かく言えば、この管理要員の人件費の問題をどこで負担するか、いろんな問題等がやっぱり出てくるわけでありまして、従来の私どもの立場から申し上げますれば、管理部門のある何%なりというものは一般会計で負担すべきであるという立場を実はとっておるのであります。そういう点からまいりますと、私はやはり局舎問題は国が費用を分担すべきことは当然ではないかというような考え方を強く持っているものであります。 さらに、私は、この際、いわゆる局舎問題等が一つのいわゆる郵便事業特別会計の中で大きな赤字要因になりつつあると、むしろなっているというような感じを持っておるのでありますが、この局舎料の支払いというものは、今日の郵便事業特別会計上今回の値上げの要因にはなっていないとここで断言できるかどうか、郵政大臣のひとつ御見解を承りたい。
○政府委員(廣瀬弘君) 先生御指摘のように、百億程度の借料を予算的に計上しているわけでございまして、これが特別会計における負担であることは間違いございません。しかしながら、郵政事業は、先生御承知のように、全体の人件費の割合は郵便事業につきましては九割というふうにも言われております。そういうようなわけでございまして、非常に大きな赤字の要因はやはり人件費の高騰に基づくものと私どもは考えております。
○森下昭司君 ですから、私は、先ほども特定局の一つの標準モデルとして人件費の占める割合あるいは局長等の、行政監察を受けておりますから、給与の占める割合等を明確に答えなければ、なかなか人件費の高騰、高騰と言われましても、理解することはむずかしいですよということを繰り返しているわけであります。 そこで経理局長に重ねてお尋ねをいたしておきますが、規模別の一局平均の収支状況等から見てまいりますと、最近の数字でまいりますと、局員四十一人程度のいわゆる特定局まではすべて赤字である、いわゆる四十七年度の調査によりますと、さらに四十六人程度の特定局までは総合収支におきましてすべて赤字であるというような数字が出ているわけでありますが、今回のこの郵便料金の値上げによって、一体、一局平均、いま申し上げた平均収支状況等が改善をされまして、どの程度の規模までの局員の特定局からはいわゆる黒字になるのか、具体的にひとつお答え願いたいと思います。
○政府委員(廣瀬弘君) ただいま先生の御指摘になりました収支でございますが、これは実は特定局、普通局という区分をいたしませんで、定員段階別に収支率を計算いたしますと、ただいま御指摘になりましたように、四十人でしたか四十一人でしたか、その段階から赤になるということでございまして、この収支率自体が私どもまだ確たる経営の指標になるかどうか問題があるということで、ただいまのところ私どもは試算程度に考えておるわけでございますが、その数字は先生御指摘のとおりでございます。 ただ、したがいまして、そういうような状況でございますので、特定局を抽出いたしまして段階別にそれがどのように今度変わるかということにつきましては、まだ調査はいたしてございません。したがいまして、ただいまの段階ではお答えできない次第でございます。
○森下昭司君 特定局に限りますとそういうことになりますが、いま経理局長が前提とされました特定、普通抜きにいたしました場合に、この郵便の値上げによって収支が改善されるわけでありますから、今度はそれじゃまぜて、この調査のいわゆる見通しとして、どの程度の局員までの局は赤字になるのか、どの程度の局員以上は黒字になる見込みがあるのか、これを明らかにしてもらいたいです。
○政府委員(廣瀬弘君) 相当大がかりな調査をいたしませんと、その段階がどのように変化するかはただいまお答えするわけにはまいらないわけでございますけれども、恐らく経営規模というようなことから考えますと、小局になればなるほど収支率は悪くなってまいります、そういう事態は傾向として変わらないと思います。
○森下昭司君 具体的に数字が出ないのは非常に残念でありますが、いまお答えがありましたように、小局になればなるほど収支が悪くなる。私どもの立場では、率直に言えば、赤字の局がふえるということになるわけなんです。 で、特定局は、先ほど私が指摘いたしましたように、毎年百五十ないし二百局これ新設されているわけであります。局長は、団地ができたとか、あるいはいろんなことをずうっと先ほど郵務局長はお述べになりましたけれども、やはりいま経理局長がお答えになりましたように、一局平均当たりで見てまいりますと、なお私はやはり小局が非常に赤字になってくるということは否定できない事実だと思うんです。 それで反対として、たとえば団地等につくった郵便局におきまして、郵便局が相当成績が上がっておって、逆にここの局は黒字だと言えるような局というのは全国にどのぐらいあるんですか。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 まず最初に、先ほど来の御議論になっておりまする小さな局になればなるほど赤字が出るんじゃないかというお話でございますが、ちょっとこの問題につきましては、大きな傾向としてお話が出ておるという意味では理解できますけれども、たとえば東京都内でございますとか大阪市内のような非常に繁華な、非常に利用率の高い無集配の特定局もございます。こういったところは、たとえば局長以下四人とか五人でやっておりましても、御案内のとおり、非常に毎日行列しておりまして成績も上がっておる、郵便のみならず貯金、保険、非常に成績が上がっておりまして、大きな普通局に匹敵するほどの収益を上げておるところもございまするので、一概に小さな局が悪いということは言えないと思います。 それから、いまお尋ねのございました、今後増置する無集配の特定局の問題でございますが、これも郵便事業と貯金事業、いろいろやるわけでございまして、収支の計算をいたします場合に、郵便だけで申しますと、端的に言いまして郵便局をつくったからといって郵便の収入がふえるわけではございません。もうほとんどこれはふえないと見ていいと思いますが、もちろん貯金の面とかその他の総合的な面で収益が郵政省がふえるという形でございます。したがいまして、ただ単に、どこに置いたらどうということは言えないんでございますけれども、たとえば大都市近郊の発展地に置きました場合、当初三人で始めましても、四人、五人というふうに人をふやさなければならないような状態の場合は経営としてはかなりいい状況の経営である。もう三人でもお客さんがなくて困っておるような局も率直なところ田舎にはございますけれども、そういうのと、またいま申し上げたような発展地におきます場合とは、かなりそこの局の繁忙度合いも違いますし、収益度合いも違っておるというふうに御理解を賜りたいと思います。
○森下昭司君 一般論といたしまして、私は小局になればなるほど収入が低くなるということは当然だと思うのでありまして、全国的にいま私は小局でも可能な局数はどのぐらいかという質問をいたしたのでありますが、具体的な数字を得られないのは非常に残念であります。 それで次に、私は財政上の問題からいろいろお尋ねをひとついたしておきたいと思うわけであります。 私は、先ほども申し上げましたように、郵政事業特別会計の中でも、一般会計と特別会計との負担区分の明確化を図っていく必要があるのではないかと思います。地方公営企業が非常に独立採算制のたてまえ上から財政の窮乏を来しまして、それを料金に転嫁するきらいが出ました当時に、いまから約六、七年前であったかと思いますが、公営企業調査会の答申を得て、政府は法律改正を行って、企業会計の中でも一般会計との間における負担区分の明確化ということを行ったわけであります。たとえば水道施設におきまして、消防が使いまする施設については消防費から企業会計に負担分を出すべきであるというような、いろんないわゆる一般会計と企業会計の改正等が行われたわけであります。私はやはり郵便事業特別会計におきましても、先ほどから局舎問題だけを取り上げてまいりましたが、一面においては、この負担区分の明確化を図っていくということが今日必要ではないかと思うのであります。 たとえば退職年金の中における国の負担分についてであります。現在、労使の割合はそれぞれ四二・五%ずつ、残り一五%が国の負担区分でありますが、これを一般会計からではなく郵便事業特別会計で実は負担をいたしているわけであります。いわば労使の側からまいりますと、使用者側が五七・五%を負担しているというふうに見ても差し支えないのではないかと思うのであります。こういうようなことを考えてまいりますと、よく議会でも問題になっておりますが、厚生年金の中における国の負担割合が二〇%もある、民間の企業で働いておみえになりまする従業員の皆さんに対する厚生年金の負担区分が二〇%、この郵政事業で働いておみえになりまする負担区分一五%が郵政事業特別会計から出されておるという実態等からいたしますと、やや私は奇異な感じを持たざるを得ないのであります。 あるいはその他の例といたしましては、今予算に出されておりまする研修機関費四十七億円でありますとか、先ほどちょっと申し上げましたが、すべてとは申しませんが、管理部門関係費の約一千億円でありますとか、そういった問題等をやはり考えていかなければなりませんし、また特別会計から支出をされておりまする二百六十六億円の局舎建設費も一般会計から当然負担すべきであるというように考えているわけでありまして、いわゆる郵便事業特別会計の中で、当然郵便事業特別会計で負担すべきものは負担する、しかし一般会計で負担すべきものと思われる性質のものは一般会計で負担してもらうという、区分の明確化を図っていくというお考え方が郵政当局にあるかないか、まず最初にこれをお伺いします。
○政府委員(廣瀬弘君) 郵政事業は全体として独立採算制をとっておることは御承知のとおりでございますが、そこの中でどの部分を取り上げて一般会計の負担にすべきかという議論でございますが、私どもは全般的に独立採算の原則というのはあらゆる経費について貫かれていくべきであるというふうに考えております。と申しますのは、郵便事業のように利用者がその利用の度合いに応じて負担をすべき性格のものにつきましては、これを料金で賄うというたてまえがすべてであろうと思っております。それが郵便法の第三条の規定の趣旨であろうと考えております。 そこで、ただいまいろいろ御指摘がございました、まず局舎関係の経費でございますけれども、これは郵政事業の場合は、たとえば電電とか国鉄の場合と違いまして、建設経費は比率が小そうございます。たとえば減価償却費あるいは利子の負担分等をとりましても全体の三%に満たない程度でございまして、これを一般会計繰り入れによりましても基本的な料金問題の解決にはならないという点がございます。 それから、その他お挙げになりました共通管理経費でございますが、こういった経費は実は公企業のたてまえからいきまして、これは民間企業とそれほど異なったものではないと思っておりますが、いわば間接費と申しますか、そういった種類の経費はやはり本社経費にいたしましても地方の支社経費にいたしましても、こういったものを経常経費として考える、したがってこれを料金で賄うというのはやはり普通の考え方ではなかろうかと私どもは考えております。 それから、共済の負担金の問題でありますけれども、これは過去からのいろいろないきさつがございまして、三公社もそうだと思います。そういうような形で恩給以来そういう分担をしてきておる経緯もございまして、私どもはそれを企業の負担において一部を払うということはいたしておるわけでございますが、それぞれ各経費いろいろな経緯がございますが、一般的に見まして、総体として郵便事業のようなものは受益者負担と申しますか利用者負担といいますか、そういった原則を貫いていくというのがたてまえではなかろうかと考えております。
○森下昭司君 地方の公営企業でも受益者負担であることは変わりないのです。それは料金で賄っていこうということになるのです。しかし、福田副総理もお見えになりますが、物価抑制という立場だとか国民生活の安定という立場になりますと、先ほどの提案理由ではありませんが、村上大臣がお答えになりましたように、上げたいけれども上げ得なかったのだ、だから恐る恐る今回はこの程度は御勘弁願えるだろうと思って訂正したという言葉に変わってくるわけであります。私はいわゆるそういうような場合でも大きな日本の経済政策の流れの中において、いわゆる国民の生活という立場に立って問題を考えていく。 そのためには、郵便法という立場に立てば、いま第三条を強調されまして、言うならば利用者の負担であるということで固執をされるわけであります。まあ一条問題、第三条問題は、これは三条を出されれば一条も出さざるを得ません。得ませんが、時間がありませんのでそこまで私は論議しようと思いませんけれども、それでは一条をどうするかという反論も出てまいります。でありまするが、私はやはりいわゆる経済政策や国民の全体の生活実態の中からこの問題を考えていくという立場をとっていかなければならぬのではないだろうかということに実はなると思うのであります。 でありまするから、私は、そういう意味におきまして、いわゆる一般会計といわゆる特別会計との負担区分というものを明確化するということも一つの考え方ではないだろうかということを申し上げておるのでありまして、たとえば目八体的な、いま申し上げましたような例があるがどうだということを指摘をいたしたわけでありますが、将来の問題といたしまして、やはりそういった点については私は考える必要があるのではないだろうか、検討の要があるのではないだろうかということを実は申し上げておるわけでありますが、大臣もしもお答えをいただければ、その点について大臣からお答えを願いたいと思うのですが、むずかしければ経理局長でも結構ですよ。
○国務大臣(村上勇君) 私は、この場合、あくまでも独立採算とか、そうして受益者負担というこの原則を崩していっては郵便事業というものは現時点においては成り立たないと、かように思っております。
○森下昭司君 何も私はいまここですぐ独立採算制を否定しようとは思わないのです。たとえばそういう大きな枠の中におきましても、考慮すべき、検討すべき問題が多々あるではないかということを指摘しておったわけでありますが、これはもう経理局長がよくいま私の質問を聞いておるわけでありますから、後ほどまた御検討願いたいということを希望しておきます。 第二の問題は、私は政策料金の問題があると思うのであります。たとえば三、四種の問題はいわゆる赤字であります。これはもう大胆が先ほどここでお述べになりましたし、郵務局長もお述べになりましたが、政策料金だということを言っておみえになります。私もそうだと思います。こういうような政策をなぜとるか、その辺は私が前段に強調した点に帰一するわけであります。今回は二種のはがきも答申の三十円を二十円に下げたのも、言うならば政策料金だと私は思うのであります。こういうように今回値上げをいたしましても、いわゆる二種料金も赤字、そして省令で答申どおり決めると思うのでありますが、三種、四種料金も赤字である。 これは、大臣、そんなことを言うと失礼ですけれども、言うならば独立採算制ということを先ほどから何回も何回も強調されるならば、その狭い視野で物を言えばこれは独立採算制の原則から外れているのですよ、そうでしょう、赤字ですから。先ほどから何回も何回も独立採算制だ、独立採算制だと言う。じゃその前提で物を言えば二種料金も三種料金も四種料金もこのままじゃだめだということになるのです。しかし、それは過去の長い長い日本の歴史と習慣があるわけなんですよ、それを否定することはできませんですね、だから政策料金という言葉が出てくるのです。 そうしますと、私が前段で言った特別会計の中でも、一般会計で負担すべきものと企業会計で負担すべきものの区分の問題としてこの問題を考えますと、当然、政策料金によって赤字が見込まれる分については政府が一般会計の中から助成するのが従来の経済政策ではないかと思うのです。この点について経理局長はどう思われますか。
○政府委員(廣瀬弘君) 郵便事業の場合は、私ども全体の収支が相償うような形で料金が定められるべきであるという、いわば総合原価主義をとっております。したがいまして先生御指摘のように確かに三種あるいは四種等につきましては、その個別原価につきましては、そういった事態が出ております。しかしながら、こういった郵便のように全体の作業を同じ郵便局でやっております場合は、総合的に収支が相償うような形で料金が定められていくということが必要かと思いますし、また単に原価だけではございませんで、中には公共的な意味なりあるいは負担能力の問題等も考えながら、全体の個別料金が定められていくべきでありまして、必ずしも原価どおりに個別料金が定められていくというふうにはまたできないものかとも考えます。 したがいまして、いろんな要素を勘案しながら、全体の料金体系が組まれていくというのが従来からとってまいりました郵便料金のあり方だと思っております。
○森下昭司君 これはつい先日、大蔵と酒、たばこの問題で連合審査を開きましたときに、たばこで、泉副総裁は製造の単価がだんだん年々上がってきて、言うならば、たばこで言う三級品は、販売価格は製造原価を実は割っているわけですね。それを一級製品で補っているというお話がありましたが、その中に納付金の問題が出まして、納付金は一律にあれは覚書で五八%と決まっているわけなのです。ところが納付金の問題のときに、一括いまのような総合いわゆる納付金主義じゃなくて、銘柄別に納付金率を決めてもらいたいという希望が実はあったわけなんです。 裏返して言えば、私は、郵政当局でも三種、四種問題あるいは二種問題を含めまして、政策的に料金を決めざるを得ないものについてはやはり政府に対していわゆる助成の道を講ずるように要望していくというような考え方があっていいのではないだろうかと思うのであります。さっき、平たく言えば、たばこの納付金率はいま申し上げたように五八でありますが、いわゆる三級品で安いたばこは納付金率を零にしろというのですから、事実上の反対給付からいけば国庫の助成を受けると同じようなかっこうになるんですよ。そういう発想からいけば、私は、郵便料金の中にも、国民生活に影響を及ぼすという点からまいりますれば、そういう発想があってもいいのではないだろうかという実は感じがいたします。これは実際問題といたしまして大臣にひとつお伺いしたいのですが、そういう発想というのは間違いでしょうかね。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 政策料金という言葉の意味がまず第一いろいろございます。
○森下昭司君 あなたさっき使ったんだよ。
○政府委員(石井多加三君) 私の使いました意味は、経理局長が言いましたように、やはり第三条の趣旨に沿って総合原価主義の範囲内での単なる原価の配分の表現であるという趣旨でございまして、あくまで郵便料金の全体の枠の中での考え方でございます。この枠を外れて一般会計まで、つまり国民の税金で負担するというような意味の政策料金という考え方は、従来、郵便料金の中では考えられてこなかったわけでございます。 いずれにいたしましても、このたび料金改正を一、二種でお願いいたしておりますが、こういったものが上がりますると、三種、四種についてもおのずから、ある程度バランスをとって上げなければならないわけでございます。そういった際の目安といたしまして、郵政審議会の答申等で言われておりまするのは、三種についても少なくとも直接経費は賄う程度のものにしたらどうか、それから四種につきましても直接経費に近づけるもう少し努力をしたらどうかということが言われておるわけでございます。そういった努力をした上で、なおかつその上の赤字の部分は、これは他の一種等の料金の中で総合的に賄うべきであるというのがわれわれの基本的な考え方でございます。
○森下昭司君 時間がありませんが、そこで大蔵大臣にひとつお尋ねをしておきます。 いま過疎地域ですね、過疎地域なんかで交通の便が非常に悪いのでありまして、民間の経営するバスが走っておりますが、赤字であるというので民間バスが廃止をしようとする、それじゃ困るというようなことから、各県がいわゆる仲に入りまして、普通の状態における過去の民間のバスの運営状況の実績をもとにいたしまして、現在の利用率等から言って赤字は出ます、赤字の出た分の二分の一を県が、残りの二分の一を当該通行の市町村が負担をするということで、いわゆる過疎地域におけるバス、足を守るということが行われているわけであります。民間のバス会社に対しまして、過疎地域における足を守るためにも地方公共団体——これは地方自治法で公益のために必要があるならば補助をすることができるという項目があるので、むやみやたらに出せるものではございませんが、知事の行政裁量で公共の補助をするということで出しておるわけであります。 郵便局もこれはあまねく公平にという郵便法の第一の趣旨からいきまして、いわゆる現在山間僻地と言われるところ、先ほどの経理局長や郵務局長のお話ではありませんが、四人や五人で非常に忙しいところもあれば、田舎の局に行くと三人でも手持ちぶさたの局もあるという御答弁がありましたように、山間僻地では手持ちぶさたの局もあるんですよ。幾ら能率を上げて収益を上げろと言ったって上げ得られないんですよ。これは私は政策的な立場から言って、先ほど申し上げたように、一般会計と特別会計の区分から言って、こういう政策的な特定局の欠損については当然国が財政的な措置をすることが妥当ではないかと思うのでありますが、大蔵大臣のひとつ所見を伺いたいと思うのです。
○国務大臣(大平正芳君) 郵便料金につきましては、先ほど来やりとりがございましたように、総合的な原価主義が貫かれておるわけでございます。したがいまして収入や支出の一部分を取り出しまして、これにつきまして一般会計が負担を行うということは適当でないと考えております。
○森下昭司君 まあ政府側の態度は一貫して変わらないのでありますが、時間がありませんので、せっかく福田副総理がお見えでありますので、ちょっとひとつ副総理の御見解を承っておきたいと思うわけであります。まあ時間があれば財政上の問題として、各国の事例を取り上げまして、大蔵大臣の所見をお伺いいたしたいと存じておったのでありますが、時間がありませんので。 アメリカにおきましては非常に政府は郵便公社に対しまして助成金を出しているようでございます。それはいま申し上げたように、いかなる地域であろうとも、もともと効果的かつ規則的な郵便事業を提供するため料金をコスト以下に抑える目的であると、そうして盲人や福祉団体等、特定の郵便利用者に対する無料ないし割引サービスを確保するためにアメリカは多額な補助金を出しているということが言われておるわけであります。 イギリスは非常に経済が混乱をいたしておりまして、昭和四十六年度までは黒字であったのでありますが、昭和四十七年度からイギリスの郵電公社の会計は実は赤字になったわけであります。その赤字になった由来は、事業そのものから出た赤字と、もう一つは国の経済政策の中から物価抑制策に基づく料金据え置きによるものとして、政府が二つの理由をもとにいたしまして、赤字額の五一%を実は補てんをいたしているわけであります。 もともと福田副総理は、私が申し上げるまでもございませんが、でき得る限り公共料金を抑制したいというお話がございました。大蔵大臣は、先般の大蔵委員会ではありませんが、たばこの四八%の値上げは、四十三年から計算して毎年値上げするような計算をすれば一年間一けた数字じゃないか、四八%はちっとも大きくありませんよという、上げるべき理由があれば、どんどん上げなさいというお答えがあったわけでありますが、私は、先日の答弁は、福田さんは見解は一緒ですよというお話がありましたが、私どもは違った見解を持っております。 そこで、いま申し上げたようなアメリカとイギリスの両政府は、両方の郵便公社及び郵電公社に対する助成の考え方は基本的には一致しておりますけれども、イギリスはやや具体的に物価抑制のための措置によって起きたという理由を一つ加えて、いま申し上げたように政府が財政援助をしておる。四十八年の暮れの郵政審議会で値上げをしたいと言った、それが国の経済政策の枠の中で抑えられた。これはイギリスの言う、いわゆる物価を抑制するために公共料金を抑えたという一つの典型ではないかと思うのです、とすれば、私はそういう抑えられた分によって生じた赤字についてはイギリスにならって財政援助をしていくということも必要ではないかと思うのでありますが、この点については副総理の見解をひとつお伺いいたしておきたいと思います。 二点目は、ちょっと待ってください、時間がありませんから申し上げますが、二点目は、先般、私、物特で、同僚対馬議員が御質問いたしました地方公共団体の公共料金の使用料、手数料の問題であります。いま私帰ってまいりましたら、愛知県も県営水道を二倍にするというのです。名古屋市の交通バスは五十円を八十円にするというのです。どこもかしこも値上げばやりなんです。これは一つには私どもが指摘する酒やたばこや、あるいは郵便料金の値上げというこのムードが地方公共団体を刺激したのではないかと思うのでありますが、その際、福田副総理からは、地方公共団体とよく協議をして、物価抑制の立場から適正な措置をとりたいというお話があったわけでありますが、現実には地方公共団体におきましては公共料金値上げが相次いでおります。この二点について副総理の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 第一点は、物価抑制などの政策的理由によりまして料率を抑えたという際に、一般会計から補てんをするという道はないか、こういうことのようでございますが、これは考え方によりましてはそれはあり得ることであります。しかし、わが国の郵政事業は、これはまあ郵便法にも明定してあるとおり、総合独立採算制度、こういう制度を採用しておるわけでございます。とにかくできる限り独立採算でやっていくというたてまえをとっているわけでありまして、仮に政府の方針として物価を抑制しなければならぬ、そのために郵便料金を長期にわたってこれを据え置く、こういうような政策をとって、これでは大変な赤字になり、企業の経営に困難が生ずるという際に、これは一般会計から入れようなんというような、そういう考え方が絶対できないというわけじゃないと思うんです。しかし、多少の赤字であると、そういう際に、この独立採算制の原則を破ってまで財政補給をする、こういうことが適当であるかどうか、これは相当議論のあるところになると思うんです。 それともう一つは、財政独自の問題があるわけです。いま財政硬直化、硬直化と言われます。いまわが国の一般会計の財政は二十一兆円だ。そこへもっていって交付税交付金、それから地方財政に対する補助金なんか十兆円ぐらいあります。そういうことで正味言うと十一兆円ぐらいな予算ですね。そこへもっていっていわゆる国鉄だとかあるいは米価だとか、そういう他の会計、他の企業に対する補給、これは三兆円ぐらいになるんです。そういうことで非常に会計が窮屈になっておる。そういう一般財政の立場なんかを考えると、なかなか一般財政と申しましても、他の会計にこれを補給するというような余力もない状態なんです。その辺を彼此考えまするときに、これは郵政会計で赤字が出る、それを一般会計から補給する、これは非常にむずかしいことじゃないかと、こういうふうに思うんです。 それから地方における公共料金の問題でございますが、これは私もあの通牒を新聞で見まして実は心配したんです。そこで自治省と相談してみると、確かに出てるんですが、これは誤解を招くような節もありますので、自治省と企画庁との間で文書の交換までしまして、とにかく公共料金をあしらうという際におきましては、地方におきまして、その企業の合理化努力、これをやった上、万やむを得ざる場合に限るようにしよう。それから第二の条件といたしましては、そういう際に上げるにしても、国の公共料金抑制ということも含めての物価政策、これとの調和を図るようにやっていきましょうと、こういうことにいたしたわけなんです。そういうことで、万やむを得ざる場合に地方でも公共料金の引き上げは、国でも多少やっているんですから、あり得ると思いまするけれども、自治省、地方自治体とよく連絡をとっておりますので、そう一斉にどれもこれもということにはなるまいし、なってはならないと、そういうふうに考えております。
○対馬孝且君 私は、物価鎮静を一けたに達成をしなければならないという至上命題な情勢の中で、今回の郵便料金の値上げ法案を審議をしなきゃならないということはまことに残念なことだと、こう思っているわけであります。 そこで、私は副総理にひとつお伺いをしたいんでありますが、六月四日、十八日の物特におきまして副総理にお尋ねをいたしました。ともあれ今年九・九%、一けたをひとつ達成しよう、こういう決意でひとつ何が何でもやるんだと、こういう決意は強調されましたが、今回の郵便料金の値上げの場合も、具体的にこれが値上げをすることにおいて消費者物価にどういうはね返りをするか、また家計における影響というものはどう判断をしているか、これが第一であります。 それから第二の問題は、率直に申し上げまして、この前私も副総理にお伺いをしているんでありますが、鉄鋼を初めとして八月から民間企業の価格が全部引き上げへ動いてきている。砂糖あるいは牛乳から始まって一連の物価が値動きが始まってきておる。一体、民間の物価上昇を抑えることができるのか。つまり政府みずから公共料金の模範を示さないで、一般物価の上昇ということは抑えることは不可能だろう。つまり行政指導というお願い以外にないのではないか。そこで今回の郵便料金の値上げをすれば、これは結果的には企業側は通信費の値上げということで物価値上げのやっぱり引き金になっていくのではないか。民間企業の引き上げの要素をつくることがあえて郵便料金の値上げにおいて行われるのではないか、こういう結果にならざるを得ないのではないか。 この点について、大臣が常に言う、なだらかな春闘でまあまあ成功したと。しかし値上がりもやっぱりなだらかな値上がり、なだらかな値下げということになってもらわぬと困るのでありまして、ところが郵便料金の方は逆に封書が二十円から五十円、はがきはとにかく十円が二十円、これはまさに倍の値上がりであって、なだらかな値上がりどころか大変な値上がりである、こういうことになるんでありまして、副総理が常におっしゃる、なだらかななだらかなというこの福田名言も、郵便料金では全くびっくり仰天するような値上がりに国民感情は考えているんで、その点は、一体、総合的な物価対策に関連をしてこの郵便料金をどういうふうに考えていられるのか、これをちょっとお伺いします。
○国務大臣(福田赳夫君) 郵便料金の引き上げにつきましては、これは予算編成当時ずいぶん政府部内においても綿密に検討したわけであります。そこで郵便料金が一般家庭にどういう影響を及ぼしてくるであろうかというと、これは個々の国民にとりましてはまちまちでございまするけれども、これを総体として見まするときには、消費者物価の上昇の中で、今回の郵便料金値上げ、これが〇・二%消費者物価を引き上げるという影響を持つであろう。まあ全体の生活の中でそう大きな影響は持たないんじゃないか、そういう結論に到達し、引き上げを決意したわけであります。 それから第二に、対馬さんから、そうは言うものの、とにかく諸物価が上がるそのさなかにおいて公共料金の引き上げをしておいて、民間に引き上げの抑制を求めるということはこれはなかなか困難じゃないかというお話ですが、これは私もそういう一面が非常にあることを苦慮しているんです。まあ民間の人にも、政府の方じゃ公共料金の引き上げをしておいて、われわれに協力を求めるのはどういうわけだというようなことを言う人もある。 それに対しまして、私どもは説明にまあ努力をいたしておるわけですが、民間の諸物資につきましては、石油問題が発生してから今日まで大方新価格体系への調整が粗ごなしができたんです。まだ詰めの行われないものがかなりあるわけでありますが、しかし大方の粗ごなしはできた。しかし、公共料金におきましては、これは政策的に新価格体系への調整をやらなかったものがかなりあるわけです、大部分そういう状態なんです。これをまたほっておきますと国の財政上ゆゆしいことにもなる。また企業会計を運営をしていくことにも支障が生ずる、こういうことになりますので、段階的にこれらの問題は解決していかなければならぬ。そこで予算案編成におきましては郵便料金それから酒、たばこ、この三つにつきましては、これが引き上げやむなしと。また、それに対してなお若干の、たとえば米だとかなんとか、そういうものについても問題が起こり得る。そういう若干の余裕を見、また、それを前提といたしまして、一けた以内の物価水準という目標を設定する、こういうことにいたしたわけでありまして、私は、非常に政府の立場、物価問題のむずかしいときに公共料金の引き上げを行うということは、これはなかなかそう楽な立場じゃございませんけれども、つまり説明をかなり綿密にやらなきゃならぬ立場ではありまするけれども、説明いたしますれば、私は国民にも、特にまた企業側にもわかっていただけると、こういうふうに存じまして、せっかくそのような努力をいたしておると、かように御理解願います。
○対馬孝且君 いま副総理から、物価値上げの一つの引き金にはならないようにひとつ指導していきたいという結論的な答えですから、その点も慎重に配慮をされたと言っておりますけども、やっぱりすでに四−五月の物価値上がりが三・五%いっておるわけです、これはお認めになると思うんです。あと六月から来年の一けた、九・九までいくとしたら〇・六三%ずつ平均抑えていかなければ結果的には一けた台にはならない。ところが、いま副総理も認めておりますように、これは一つ一つをとってみると、〇・二%だと、郵便料金は。この間、私は、たばこ、酒の連合審査会でも申し上げましたけれども、たばこは〇・六%消費者にはね返る、酒は〇・一%だと、郵便料金は〇・二%だ、砂糖は〇・四%だ、今度米価が上がってくればこれはまた〇・二ないし〇・三結果的に上がる要素がある、というようなことをぶってきますと、大体、これだけでも九・九をもう突破することになるんですよ、これ結果的には。 そういう意味では、長谷川労働大臣自身も言っておりますように、一けた一けたと言ったって一けたになることはなかなかむずかしいと、こう言っておりますし、河本通産大臣は、公定歩合をもう一回下げてもらわなければそう簡単にはいかないと、こう言うしね。かなり副総理は決意があると、こう言っていますけれども、私は率直に申し上げるんですけども、そういう中で郵便料金の値上げを提案をしているということですから、郵政大臣に直接お伺いしたいんであります。 昭和四十九年の十二月七日の郵政審議会の答申によりますと、つまり今回の値上げにかかわる答申の中で「郵便事業の円滑な運営を損なわないで、その影響を緩和する方策については、慎重な配慮を怠らないように申し添える。」と、こういう料金改定があっての審議会のくだりがあるんですね。だから、そういうものも配慮されて今回の料金改定ということになったということであれば、どうもこの郵政審議会の答申の最後の「申し添える。」ということについてはそんたくをされていないんではないかと、こういう感じを受けるんですがね、この点どうですか。
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。 郵政審議会の御答申を配慮したという点につきましては、御承知のように、はがきが三十円、封書が五十円というのに対して、慎重に経済閣僚懇談会等において物価抑制、いろんなことを考えまして、はがきを二十円といたしました。そうしてその実施時期を半年延期して十月一日ということにとった次第でございます。
○対馬孝且君 そこで、私は、この郵便法の一部改正によるもう一つの考え方としまして、郵政審議会でそういう答申をしたというのは、やはり基本的な考え方は、ナショナルミニマムとして少なくとも国民へのサービスを安い価格でやっぱり供給する、こういう公共料金のあり方というものについてコンセンサスが得られたものと考えるわけです。そういたしますとね、政府自体がいま公共料金のあり方の中でそういう点を検討されて、まあ一つの、いま大臣が答えたように、価格を決定をしましたと、こう言っているわけですけどね、国民側から考えますと、いや実はそうではないんじゃないかと、やっぱり本当にコンセンサスが得られるとするならば、もっとやっぱり大幅な値上げではなくて、もうちょっと本当に国民がなるほどというような値上げ幅というものが、仮に上げるにしてもコンセンサスが得られるような価格が出されてしかるべきではないかと、こういう率直な声があるわけであります。 そこで、私は次の点でちょっとお伺いしたいんでありますが、公共料金はそういう意味では安い価格で供給されるべきであると、こういう考え方について、ひとつ公共料金のあり方として、福田副総理に公共料金の性格としてどうあるべきなのかと、これをもう一回ひとつ確めたいと思うんであります。
○国務大臣(福田赳夫君) 公共料金は、まあいろいろの種類がありますが、郵政会計につきましては、これはもう総合独立採算制でいくと、こういうことになっておりますので、このやっておる事業の中にいろいろありますが、それらのバランスそれももちろん考えなきゃならぬけれども、総合してバランスをとるということを旨とし、また、それが国民生活にどういうふうに波及、影響するかということも考えながら適正に決めると、こういうことかと思います。
○対馬孝且君 そこで、私はね、改正料金に移行した場合の収支の見込みが一体どうなるかということを、四十九年から五十年、五十一年をひとつ展望して、大体収支見込みがどうなるかということをひとつ数字をもってお答えを願いたいと思います。
○政府委員(廣瀬弘君) 四十九年度におきましては、もうすでに千三百八十一億の収支差額が出ております。それから五十年度につきましては、十月から料金改正をいたす前提で計算いたしまして、予算額で六百一億の収支差額が出ております。しかしながら、これは仲裁裁定がございまして、これに要する経費につきまして今後経営努力その他によりましてどのような数字が出ますか、まだいまのところ見込みがございませんが、若干その六百一億の数字は変わるかもしれませんが、当初におきまして六百一億の数字が赤として出ております。それから五十一年の見込みでございますけれども、これは郵政事業の場合、特に人件費の比率が高い企業でございますので、この人件費の見方によって著しくその差額は異なってまいりますが、仮に五十一年度のベースアップを経済社会基本計画の一二・三%アップというような数値をとって人件費を計算いたしますと、差し引き三百六十二億の赤でございますので、ただいま先生のおっしゃいました三年間を通算いたしますと約二千六百億の収支差額が出る計算になります。
○対馬孝且君 そこで、われわれ国民側から考えますと、料金は値上げをされた、一方ではまた赤字になると、これでは値上げしたって値上げしなくたってこれは国民としては同じじゃないかと、何のために値上げをするんだと、それでサービスがさっぱり怠られるということになったのでは、これはわれわれ国民にとっては全くダブルパンチを食ったようなもんじゃないか、こういう感じにならざるを得ないわけですよ。 そこらあたりがどうも料金改定してもなおかつ赤字になるんだと、先ほど来聞くと、人件費が高騰していると、人件費が上がったのはこれは政府の高度経済成長の失敗であって、明らかに政府の失敗を国民に押しつけて、人件費が上がりましたって、これは物価が上がったから人件費が上がったんであって、これは政府が責任をとるべきことなんですよ。そのツケをまた国民に回してくるというやり方ね、こういったやり方を私はあえて指摘をしたいんであります。 そこで、私は率直にお伺いしたいんでありますが、現在赤字だ赤字だと、こうずいぶん言われているんでありますがね、先ほどもアメリカの話が出ましたけれども、私が調べた中でも、やっぱり一九七三年に事業経費の十数%に当たる約十四億ドルが一般会計から繰り入れられているわけです、アメリカの場合では。こういう措置がとられているんですよ、やっぱり。先ほども森下委員もちょっと触れましたけれども、山間僻地の中であんた、それは十キロも八キロもあるところへ行って郵便配達に行くんだから、これは赤字になるべきが当然の性格であって、赤字にならないのか——出るのかけしからぬのだという言い方は、これは間違いだと思うんですよ、やっぱり。そこらあたり根本的な間違いを犯しているんじゃないか。 そこで、私は次の問題をひとつ具体的に聞きたいのでありますがね、郵便事業の収支に対する考え方について、つまり郵政三事業というものは総合的に考える時期にきて、見直してみる時期にきているんじゃないか、この点は大臣にひとつお伺いをしたいんです。私はいつも一定の時期になったらまた赤字だと、また赤字だと、そのたびに全部国民にしわ寄せをする、ツケを回す、こういうやり方自体にやっぱり根本的な、長期的な、先ほど斎藤栄三郎先生からもちょっと指摘がありましたが、見直してみる時期にきているんじゃないか。そういう意味で私は素人なりに考えておりますことは、この郵便事業では郵便貯金、簡易保険、郵便と窓口が三つこうあるわけであります、その中で国民大衆としては郵政三事業が同一事業だというふうにわれわれは理解しているわけですよ。郵便局へ行ったら、これが郵便の窓口、こっちは簡易保険で、こっちは郵便貯金の窓口だというふうに分かれてはいるけれども、結果的には三事業というものは一体のものだと、こういう理解をしているわけです。ところが、実際の郵政事業の財政状況を見ると、そうなっていないということですね、率直に申し上げますと。 したがって、私が大臣にお伺いしたいのは、この辺で郵政三事業を総合一元化して、つまり経営の健全化を図るという考え方はないか、これが第一点。 それから次に、具体的な専門的な立場でお伺いしたいのは、郵便貯金特別会計の現状と、これから郵政事業特別会計への繰り入れの状況は一体どのようになっているのか、これは数字をもってひとつ説明を願いたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。 郵便貯金や簡易保険は、先ほどお答えいたしましたように、いずれも国民の大切なお金をお預かりしているものでありまして、それを安全確実に運用して預金者や加入者の方々の利益を守っていくために、それぞれ独立した特別会計を設けて、その資金計画を明確にして運営しているのであります。そこで仮に貯金や保険で黒字が出ましても、たとえばそれは保険料の引き下げに回すとか、あるいはまた配当金の増額など、貯金、保険のお客様のためにそれぞれ使うべきもので、これを郵便の赤字を埋めるために使うということはできないと思います。なお、郵便貯金または簡易保険事業の経営の実態から見ましても、郵便の赤字を埋める余裕はございません。そういうようなことで、いま三事業ともにそれぞれ独立採算でやっております。そこに初めて従業員の努力と切磋琢磨ということができてまいっておるのでありますから、ただいまのところ、この三事業を一体にしてやるという考えは持っておりません。
○対馬孝且君 先ほどのをちょっと数字を挙げて答弁してください。
○政府委員(廣瀬弘君) 郵貯会計の収支でございますけれども、四十九年度におきまして収支差額約一千百五億の剰余を持っておったわけでございます。ところが四十九年度自体におきまして、単年度では五百九十一億の赤字ということになっております。それから五十年度につきましては、したがいまして、その差額の剰余が出るわけでございますけれども、さらに単年度で九百二十二億の赤が出てまいりますので、差し引き五十年度におきます収支差額は二百二十二億という計算になっております。今後の見込みでございますけれども、これは貯金の利子の決定の仕方、それから資金運用部の利子のあり方等によって変わってまいりますので簡単には予測できないと思いますが、しばらく貯金会計は非常に苦しい状態が続くものと考えられます。 それから、もう一つの御質問の、郵貯会計から郵政事業特別会計への繰入額でございますが、これは四十八年度におきましては二千四億でございます。それから四十九年度におきましては二千六百六十億でございます。それから五十年度予算におきましては三千三十八億でございます。以上でございます。
○対馬孝且君 そこで、私は、大臣のお答えといまの数字を判断をしてみまして、どうも私、国民として矛盾を感じますのは、次の点が一番矛盾を感ずるのですよ。 それは郵便貯金特別会計の繰り入れ、事業運営上の負担分のみならず、財政補てんをするについて、郵便貯金の特別会計自体が赤字になっているといういまの説明ですね、ところがその中身について郵便貯金の残高は約二十兆円と、こう言っているわけだ、そうでしょう。われわれ国民が郵便貯金をしているのは二十兆円あるのですよ、六月三日現在では二十兆円を突破していると、こう言っているのですよ。これはわれわれ国民の貯金ですよ、率直に言って。そこで、私は、その大部分は資金運用部の預託金というものに預けられているのじゃないかと、その場合、国民大衆の零細な貯金を集めて使われている運用方法について、その点についてやっぱり問題点があると、そこなんですよ、問題は。それで赤字だと称して、またツケを国民に回すというのはけしからぬではないか。そういう点から、私は、資金運用部に預託されている利子、これは低いものもありますけれども、この辺が赤字の原因になるものも一つはありますけれども、資金運用部資金法の第四条によると、つまり特別利子という省令によるこの金利の関係は、一体、昭和三十六年以降大体どういう推移をたどっているか、これをちょっと数字を挙げて説明してもらいたいと思います。
○政府委員(船津茂君) 先生の御質問は、資金運用部会計からの郵貯特別会計に繰り入れられる預託利率の変遷といいますか沿革といいますか、数字で申し上げます。 三十六年四月一日現在で六・五%の利率でございまして、預託利率、私の方で受け入れる利率でございます。それでずっと推移してまいりまして、昭和四十七年九月一日にちょっと利下げがありまして、六・二%に下がりまして、そして四十八年の六月に旧に戻りまして六・五%、その間また推移いたしまして利上げが一回あったのでございますけれども、預託利率に変更なし。四十八年十一月一日に六・七五%、これは貯金の利率引き上げに伴う預託利率の引き上げでございます。四十九年二月一日にも、これまた利上げに伴いまして七・五%、それで最近には四十九年の十月一日から八%という数字に相なっております。
○対馬孝且君 そこで、私は、いま言ったような三十六年以降の金利の推移の発表がございましたけれども、これは一般市中銀行では、これは四十八年度の例でありますけれども、相互銀行では八・一七、信用金庫で八・三、こういった数字が出ているわけですよ。そこでこの点が問題だということを、私は改善する必要があるということを言いたいことは、われわれ国民が本当に汗水流した勤労者の金から郵便貯金をしている。金利はいまなるほど八%ということに最近十月からなりました。しかし、一般市中銀行では逆に八・一七とか八・三とかと上がっている。 そこで、実際に二十兆円の金がつまり財政投融資の中に繰り入れられているわけですよ。それは確かに住宅部門もあるでしょう、あるいは道路の建設もあるでしょう、あるいは学校その他の建築にも使われていることもあるでしょう。しかし、問題は、何といったって私ははっきりしてもらいたいことは、つまり開発銀行、いわゆる大企業に融資をしている開発銀行、輸出入銀行の郵便貯金から資金預託としてなされている金額はどの程度あるか、これを明らかにしてもらいたいと思うのです。はっきりしてください、これ。この点が一番大事なんだ。そういうことをやっておって赤字だと言ったって理由にならぬ。
○委員長(竹田現照君) 大蔵省呼んでください。——ちょっとその点保留して……
○対馬孝且君 委員長、これが一番大事な問題なんだよ。日本開発銀行、輸出入銀行にわれわれの貯金が使われて、これが低利子でいっているわけだ。これが一%上がれば、二十兆円に対する一%なんだから、結果的には郵政事業の赤字の回復ができるわけですよ、これは。その分は当然国民の負担軽減ができるじゃないですか、今度は。国民にすれば低利子の郵便貯金をして、片方は開発銀行、輸出入銀行で安い金利のを借りて大企業がもうかっている。そうして結果的にはまだ赤字だからわれわれに、はがき代が上がり封書が上がると。これじゃ全く踏んだりけったり、われわれ国民にとってはそれこそダブルパンチでぎゅうっと言わされると同じじゃありませんか。こんな実態がいまの郵政事業の実態なんだよ、はっきり申し上げて。こういうことをはっきりしてもらわなければ国民は納得できませんよ。 それじゃ委員長、来るまで……。
○委員長(竹田現照君) それじゃいまの点は保留をして——。
○対馬孝且君 これは大事な決め手になる問題でありますから。 それでは、次の問題にいきます。 それじゃちょっと考え方を変えまして、例年行われております年賀はがきについて考え方をお伺いをしたいのでありますが、大体、年賀はがきは例年——最近の例で結構ですが、四十六年以降との程度枚数が発行されて、金額としてどの程度の総額になるか。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 四十七年度が十九億六千万枚、四十八年度が二十三億枚、四十九年度二十七億枚でございまして、料金はそれぞれ十円でございまするから、これに十円を掛けて四十九年度が二百七十億、四十八年度が二百三十億、四十七年度は百九十六億の収入があったわけでございます。
○対馬孝且君 そこで年賀はがきを発行するということは、見方によっては結構なことなんでありますが、お年玉つきということで一般国民のつまり年賀に対する消費PRを盛んに行うと同じようにPRをして誘導する、郵政省の誘導消費作戦と、こういったようなことだと思うのですよ。それで、これはお年玉がついているから無理して買おうということもあるわけだ、率直に言って。買うというより買わされるようにちゃんと誘導してなされているわけですよ。 これは今回十円がどうなんですか、お年玉に関する年賀はがきについては従来どおり十円ということですか、そうじゃなくてやっぱり二十円ということになるのですか、この点ちょっとはっきりしてください。
○政府委員(石井多加三君) 二十円でございます。
○対馬孝且君 それじゃさっぱりあんたお年玉サービスの精神にならないじゃないですか。これはあんたお年玉のサービスと言うならこれは少なくとも年賀はがきに関する限りは十円、こういうならお年玉サービスの精神になりますけれども、年賀はがきも二十円というのはこれはやめてもらいたいと思うんですよ。これはやっぱりギャンブル的精神があるんじゃないですか、郵政省に。 かなり多数に、いま聞いてみると年次別には十九億から出発して二十三億、二十七億とかなり年々歳々上がっていっているわけですよ。こういう点から考えますと、大臣、ちょっとお伺いしたいんでありますが、本当に年賀としてお年玉までつけて国民の一年に一回の本当の便りを、お互いに国民の気持ちをつないでいく、常に福田副総理が強調しますけれども、人間味のある政治とこういうことを考えるならば、これも一つの政策ですよ、先ほど森下君が言ったように政策料金ですよ。せめて年賀はがきぐらいは一年に一回十円にする、これが本当の人間味のある、つまり血の通うた頼りのあるやはり政治につながるのではないか。こういう点をひとつ、これは郵政大臣というよりも福田副総理に、人間味のある政治の福田副総理にお答え願いたいと思います。(笑声)
○国務大臣(福田赳夫君) 今回、郵便料金の値上げをいたしましてもなお赤字であると、こういう状態において、せっかくの御提案でございますが、これを実行することはなかなか困難じゃないか、そんな感じがいたします。
○対馬孝且君 困難ではないかという福田副総理にしては珍しい、そこにきたら人間味がなくなってしまうということで、これではやっぱり血が通わないじゃないですか。これはそういう考え方はわかりました。 しかし、もしそういうふうに年賀はがきも同じく二十円というならば、あえてお年玉をつけて国民にギャンブル的なごまかしの精神をひとつやめてもらいたい。むしろその点はひとつ私の所見として申し上げておきたい。慎重に検討してもらいたいと、こう申し上げます。 それから次の問題は、先ほどもちょっと出ましたけれども、私はやっぱりこの点が一番大事だと思うのではっきりしておきたいと思うのでありますが、本年二月八日の衆議院予算委員会の公聴会の席上で、実は重度心身障害者のグループの「羊の声」の宮尾代表が郵便料金の値上げについて次のような公述を公聴会でしております。 「今度の郵便料金の引き上げは、それ以上に深刻なものがあります。私たちのグループには、両手が使えないために、足で字を書く人がおりますが、この人は友達に手紙を出すことが生きがいになっていまして、毎日足の指に鉛筆をはさんで書いております。電話は手が使えませんから利用できません。また、字は書けますが、歩くことは不可能ですので、友人との交流手段ということになりますと、文通以外にはございません。」全く涙の訴えであります。そこへもってきて「手紙五十円、はがき二十円という今回の値上げ案は、こういう人たちから、その唯一の交流手段」としての文通でございますので、生活の張り合いのある、そういうひとつ配慮をしていただきたいという涙ながらの訴えがございました。さらに身障者団体の活動等における配慮を十分にいたしてもらいたいという訴えがございました。 こういう意味で、この点に関するひとつ、先ほども出ましたが、第三種並びにこういった問題について特別のやはり政策的な手だてもあってしかるべきではないか、こう考えますので、この点ひとつ大臣と副総理と両方に考え方をお聞きかせ願いたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。 今回の郵便料金の改定につきましては、一昨年来慎重に検討してきたのでありますが、現下の経済情勢からして、国民生活全般に与える影響を考慮いたしまして実施の時期を半年余り繰り下げることとするとともに、最も一般的に利用されるはがきの値上げ幅を極力抑えてまいったのであります。御指摘のありましたいわゆる弱者救済という点につきましては、従来から盲人用点字、点字用紙、録音物を無料扱いといたしておりますほか、身体障害者の団体が発行する定期刊行物について第三種郵便物の認可を受けやすくする等の配慮をいたしております。若干観点は異なりますが、働きながら勉強される人々のための通信教育用の郵便物につきましても特に割り引き、格安な料金といたしております。これらにつきましては、今後とも、引き続き同様の考え方で対処してまいりたいと存ずる次第であります。
○国務大臣(福田赳夫君) 郵政省でも、ただいまお聞き取りのようにいろいろ気を配っておるわけであります。総合独立採算制、そういう中でいまお話しのような問題をどういうふうに処置していくか、まあいろいろこれはむずかしいところもありますが、今後とも、できるだけ配意してまいりたい、かように存じます。
○対馬孝且君 いま福田副総理、郵政大臣のお答えがございましたから、特に血の通った人間味のあるところで十分にひとつ配意をしてもらいたいということを特に申し上げておきます。 そこで、まだ大蔵省見えないようでありますから、労使関係の問題につきましてひとつ郵政大臣にお伺いをしたいと思います。 私、北海道でございますから、たびたび郵政の職場に行きます。まあ率直に言って、郵政の職場へ行きますと、いまなおやっぱり暗い感じがいたします。率直に申し上げます。一時は、相当マル生運動によって、組合員がトイレへ行くのに一々管理者が尾行する、あるいは仲間同士が話をしているとそれも聞き込みをする、何かスパイ的な行動でというよりも監視行動ということに管理職がすべてをかけている、本来国民の事業に管理職がサービスするというよりも、労働組合の組合員の行動にすべてを管理職はかけている、こういったようなあり方では私は労使関係は改善をされないと思うんです。 一昨年来、調査団が入ったり国会の場でも取り上げられたりしましてね、一応改善の方向には向かっている、こう言ってますけれども、まあ向かっていますけれども、やっぱり基本的に私はこれからの郵政事業の労使関係の改善ということは、大臣みずから本当に身をもって示して、体を張って組合というものに対して働く者への理解というものをどう示していくか、労使の関係をどう改善していくか、この姿勢がこれからの郵政事業の私は一番大事なところだ。同時に、国民は、受けとめる側もそこをやっぱり本当に受けとめていると思うのです。この点についてひとつ大臣のいままでの考え方と、これからの労使関係の改善に当たってどう基本的に考えているかという点をお伺いいたします。
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の点につきましては、全く先生と同感であります。 私は、郵政事業と言わず、あらゆる企業にいたしましても、民間であろうがそれが公社でありましょうとも、少なくとも労使とか何とかいうようなそういう関係にある人も、いわゆる郵政省においては私もあるいは外務員も全く打って一丸となってあくまでもこの事業目的のためにその全力を傾注していく、そうしてそこには絶対に紛争があってはいけません。いかなる理屈を言っても、いかにうまいことを言っても、とにかく紛争のあるところに繁栄はありませんし、国民に対する奉仕もサービスも何もみんなもうこれはただ口で言うだけであります。私はあくまでも相携えてこの事業のために本当に一丸となって奉仕するというこの精神をどこまでも堅持してまいりたい。 私自身その点については十分自信を持っておりますし、また組合の幹部にしてもあるいは組合員の人たちも実に善良なりっぱな人ばかりですから、本当にみんなが前向いて話をすれば必ず理解できて、本当に企業のために私はりっぱな成果を得られるものと思います。少なくとも私自身労使とかいうようなそういう言葉でなくて、全従業員私を中心に一丸となって必ず御期待に沿うように努力したい、かように思っております。
○対馬孝且君 いま大臣のそういった労使関係の問題について決意を新たにして取り組んでまいりたいという所信でありますから、それなりに理解をします。 しかし、問題は、やっぱり何といっても職場が明朗でなければ事業の健全な経営はあり得ないわけですから、ほかの同じ公共企業体に私はずいぶん出入りしていますけれどもね、電電公社であるとかあるいは専売であるとかそれぞれ行ってますけれども、率直に言って、郵政の職場に行きますと何かこう管理職と組合員との間の断絶といいますか、非常に職場の暗さということを本当に身にしみて感ずるわけであります。私は、そういう意味で、そこがやっぱり出発点だ、やっぱり原点だという意味で、ひとつ労使関係の改善には大臣みずから姿勢を正して、というよりも本当に親身になって、組合員の気持ちに立って考えてもらう、これを特に要望しておきたいと思います。 大蔵省はまだ……
○委員長(竹田現照君) 大蔵省が見えるまで暫時休憩します。 午後三時十九分休憩 —————・————— 午後三時二十一分開会
○委員長(竹田現照君) それでは再開いたします。
○対馬孝且君 郵便貯金が二十兆円、六月三日現在で私の数字では調べの上に上がっているわけでありますが、大蔵省にお伺いしたいのは、この郵便貯金の中から財投に入って、財政投融資の中に運用されて資金運用部に預かっている金の中で、開発銀行、日本輸出入銀行等にどのくらいの資金が運用されておるか、その場合の金利が一体幾らか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(垣水孝一君) 五十年四月末日で日本開発銀行に対する資金運用部からの貸付金残高は二兆四千三百五十九億円余でございます。それから日本輸出入銀行に対する貸付金残高は二兆七百五十九億円余でございます。 開発銀行に対しても輸出入銀行に対しても運用部からは年利八分で貸し付けてございます。
○対馬孝且君 そこで、特にこの開発銀行並びに輸出入銀行のいまの総額を見ますと、二兆四千三百五十九億円、片一方は二兆七百五十九億円といったら国家予算の中でも相当なウエートを占める金額だと思うのですね。この点を、私は、大臣、これは大蔵大臣の関係でしょうけれども、ひとつ副総理もおりますから、これを一回洗い直して見直してみる必要があるのじゃないか。 たとえば開発銀行なり輸出入銀行に対する利子を仮に一%上げれば、結果的にその分だけ運用に回転として生かすことができるのじゃないか、その分は郵政事業の中に生かしたらどうなんだろう、その分だけやっぱり郵政事業の円滑な運営なり、あるいはこういう値上がりの場合についても郵政事業の財政上の問題として対策をとれば、それだけやはり国民に対する犠牲というものは最小限度にとどめることができるのじゃないか、こういう考え方を持っているわけですけれども、この点はもちろん法律改正その他の問題もあろうと思いますけれども、そういうひとつ見直しをこれを機会に、この値がりを契機に、ひとつせっかく国民の貯金をこの開発銀行、輸出入銀行というのは大企業に流れる金、貸している金ですから、つまりこういった部分についてはある程度やっぱりパーセンテージを上げたって、それは国民はむしろ納得するのじゃないか、こういう感じがいたしますので、この点をひとつ見直してみる必要があるのじゃないかというのが私の考え方でございます。この点ひとつ検討していただきたい、こういう点いかがでしょうか。
○説明員(垣水孝一君) 先に技術的な点を申し上げますが、資金運用部といたしましては郵便貯金を初めいろいろな金をお預かりしているわけでございますが、その金利は七年以上のものは現在特利がつきまして八部で預かっております。その他七年未満のものにつきましては法律上五分五厘とか、それ以下いろいろ決められているところでございまして、今度は貸し出しの方は、貸し付けにつきましては一律に八分ということにいたしておりまして、ただ政府保証債と同等なもの等につきましては市中の公募と同じようなとかということで、資金運用部全体としましては昨年でございますと二十億、前年でございますと七十五億の欠損でございますが、非常に綱渡り的な経理になっているわけでございます。 したがって、これを今度は各事業についてはどうしているかといいますと、御承知のように住宅金融公庫につきましては八分の金利で貸し付けておりますが、五分五厘との差額は一般会計で利子補給しているところでございます。それからいまお尋ねの日本輸出入銀行につきましては、御承知のようにことしも六百億近い出資をすることにいたしまして、これで運用部からの八分の金利等を埋めて、むしろ全体の利回りは外国向け等の貸し付けがございますので安くなっておるわけでございます。逆に開発銀行の場合には標準金利が九分九厘というような高いのもございますが、公害等によって八分程度のものもございまして、その利益は実は産業投資特別会計に納付金として納めさせて、これが七、八十億近年は入っておるわけでございます。これはまた御承知のようにこの産業投資特別会計の財源となりまして、一般会計からの繰り入れ等とも合わせまして、ただいま申し上げました輸出入銀行あるいは金属鉱業事業団あるいは地方の公営企業、公庫等に出資をするという形で運営いたしておるところでございます。
○対馬孝且君 そこで私が言いたいのは、産業投資特別会計の中に入れるのではなくて、これは郵便貯金で上がった中で財投でもって融資を行っているわけですから、その場合、開発銀行、輸出入銀行ということは根本のあれは郵政省でしょう、何と言ったって。郵便貯金の中から財投に回しているわけですから、私はその根源であるこの郵政事業の方にそういうものが出されてしかるべきじゃないか、こういうことなんです。それを見直してみる必要があるのではないか。それを産業投資の方に入れるのでなくて、逆に郵政事業の方に回すということを考えることができないのか、それを検討し直してみたらどうだと、こう言っておるわけですよ。
○説明員(垣水孝一君) 運用部と郵便貯金との関係は、まさに七年もの以上八分という金利が高過ぎるか安過ぎるか、あるいは適当かという問題でございまして、もちろん郵便貯金特会の財政事情もございまして、そこのところは種々検討していかなければならないと考えております。
○対馬孝且君 まあ時間も過ぎたようですから、これはひとつむしろ最後に副総理に、これは郵政大臣に言ったって郵政大臣は当事者でありますからあれですから、副総理の方にお尋ねした方が早いと思いますから、特に総理大臣以上の力を持っておりますから、ぜひひとつ副総理の段階で、今回の郵政事業見直しのために、こういう値上がりを契機に資金預託の制度の扱い方について検討していただきたいということについて最後の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 資金運用部の制度につきましては、まあその制度におきましてもあるいは運用面におきましても、いろいろ検討を要することがあるんです。そして検討しながら今日までずいぶんこれはまあ改善をされてまいり、資金運用部資金は終戦直後からずっとしばらくの間は基幹産業中心にこれを融資するというようなことでありましたが、今日ではほとんど大部分が福祉に密着しておる部分にこれを融資する、こういうふうになっておるわけで、改善の努力はしておりますが、郵便貯金との関係におきましては、貯金者が適正な預金利息を保証される、こういうことが一番のかなめなことでありまして、さらばこそ郵便貯金というものを資金運用部、国の資金制度に受け入れましてその返還を保証する、こういうふうなたてまえになっておるので、これはかなり日本の制度、この行き方は大枠におきましては完備されておると思うんです。 ただ、その資金が資金運用部に預託をされる、その預託された金を有効にどういうふうに使うかということにつきましては、今後とも鋭意、これはまあ検討していきたいと、かように考えます。
○対馬孝且君 それじゃ以上をもって終わります。 どうもありがとうございました。
○田代富士男君 引き続きまして、質問をしたいと思います。 最初に、外国の郵便事業とわが国の郵便事業との違いを少しばかり述べてみたいと思います。 アメリカの郵便事業は、御承知のとおりに一七八九年に発足いたしました。そして一八二〇年には、この事業はすでに赤字を計上し始めております。それ以来、一九四五年までの百三十年間に黒字を計上した年というものは二十五回だけであります。特に第二次大戦以後今日までというものは、始終赤字のもとに事業が運営されております。こういうところからアメリカは公社制度に踏み切りまして、いま公社を中心としてやっておりますが、この赤字の補てんというものはほとんど政府の援助によって行っているということがアメリカの郵便事業の実態ではないかと思います。 また、イギリスの郵便事業は一九七一年まで、主に他の事業、たとえば電気通信事業、こういう事業の黒字の部門からの補てんで郵便事業全体の赤字を賄ってきています。これはアメリカと同じような面もありますが、アメリカと同じく一九六九年に公社に踏み切りまして、事業の近代化、合理化を図っている現状でありますが、このように一九七〇年以降、郵電公社の収支が全体として赤字に及んだ場合には、イギリス政府が補償あるいは負債の返還の延期、帳消しというような、こういう形をとって政府の援助が行われております。このように考えますれば、アメリカ同様に赤字になった場合には政府が積極的に援助をしているというのが実情ではないかと思います。 西ドイツの郵便事業はどうであるかといえば、わが国と同様、官庁企業として運営されております。しかし、違うところは西ドイツもやはり郵便事業の赤字を他の事業部門からの補てんによりまして、そして政府による援助を通じまして現在郵政事業が行われているという、こういうのが諸外国におけるところの郵便事業の実態ではないかと思います。 これに比べまして、わが国の郵政事業はどうであるか。他の事業部門、黒字の部門からの補てんというものはされておりませんし、政府の援助も行われていない。この事業部門だけで赤字を克服しようとしている。まあきょうも昼から、また逓信委員会等におきまして審議されている実態はここに焦点が当てられております。 わが国の郵便事業というものは、昭和四十四年以降、毎年赤字を計上するようになった。そしていまも質問に出ておりましたが、四十四年以降は矢継ぎ早に値上げがされてきている。特に今回の値上げというものは、アメリカ、イギリス、西ドイツ、いま例をお話しいたしましたが、びっくりするぐらいの急カーブの値上げである。私は諸外国の郵便事業といまわが国の郵便事業との実態を申し上げました。すでに御承知のことだと思いますが、そこで私はこれを前提にいたしましてお尋ねしたいことがあります。 第一に、郵便事業を公共事業と考えているかどうか、これが第一でございます。これは大臣に聞きます。 第二番目、この事業は公共性を維持しながら、しかも企業としてこの事業自体で収支均衡を図ることが可能であるかどうか、これは第二番です。 第三番目、この事業は利益が上がる上がらないということでなくして、公共性を重んじて、いま郵政省が唱えていらっしゃいます全国津々浦々あまねく公平にと、これが郵政省の合い言葉になっておりますが、このような精神で運営する必要はこれまで以上に高まってきております。この現実、公共性という立場をどのように認識していらっしゃるのか、これが第三点。 次に、アメリカ、イギリス、西ドイツは、これまでにわが国が先進国としていろいろ見習ってきた点が多々あります。これらのいずれの国も郵政事業だけで収支均衡を図ろうとはしておりません。そのためにいま私は概略の実情を申し上げました。第一に、兼営する他の事業部門、たとえば電気通信事業からの黒字をもって郵政事業全体の赤字を補てんするという、こういうことをやっている。第二には、政府が大幅な補助金その他の支出によってこの事業を援助している。このような国の援助を私は積極的にやるべきじゃないか。だから郵政事業を郵政事業のみに収支均衡させようとするやり方は、私は、この際、改善しなくてはならないのじゃないか。 四点、まず最初にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 郵便法第一条におきまして、郵便のサービスを「なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進する」とあります。このように郵便事業は全国津々浦々の郵便局を通じて国民の日常生活に必要不可欠な通信サービスを提供しておりまして、きわめて公共性の強い事業であることは御指摘のとおりであります。 そこで、これを先ほど来申しておりますように、独立採算制をもってあくまでもこの企業を伸ばしていくということにつきましては、すでに従来からの一つの常例ともなっておることでもありますし、ともかく私どもといたしましては、この伝統をあくまでもこの際守っていかなければならないと、こう思っております。 特に、この郵便料金につきましては、やはりこの利用者負担ということをまず原則といたしておりまして、一般会計等からこれを補てんするということになりますと、やはりそれに甘んじるわけではございませんけれども、とにかく一つの親方日の丸式の気の緩みも出るということを恐れるものでありますが、とにかくいまの時点においては、あくまでも独立採算をもって事業を運んでいきたいと、かように思っておる次第であります。
○田代富士男君 私は、いま言ったことは、日本の郵政事業は先進諸国のすべてのことを見習ってきた、しかし、ここにおいて行き詰まっておると、だから大臣は伝統を重んじていきたいと、独立採算制の。これの精神的な面はわかります。精神と現実とは違います。その精神はとうといんですけれども、現実にはいろいろな問題点が出てきているから、これを悪くしろと言うんじゃないですよ、新しい方向に改善すべきではないか、私はこのように言っているんです。 一般会計から補てんされると、それは独立採算制の精神に沿うことではないと、もっとがんばっていきたいと、がんばれる時期は過ぎているから言っているんじゃありませんか。その点、依然として現在のまま、現状維持のまま進むのか、前向きにそういう精神を入れて改善するのか、その点だけ明確に、その一点だけ。
○国務大臣(村上勇君) どうも先生と平行線をたどるかもしれませんが、私は、いまの時点におきましては、ともかくやはりあくまでも収支相償の原則に立って、どこまでも独立採算を維持していきたいと、かように思っている次第であります。
○田代富士男君 大臣みずからが平行線をたどるかわかりませんと、これは恐らく何ぼ言っても平行線だと思うんです。だから大臣が平行線と思うならば、あなたはそういう考えでいくならばそうですけれども、よくしようと思うならば発想の転換をすべきじゃないかと思うんですよ。そうしなければよくならないと思うんです。 発想の転換という点については、きょうは与えられた時間が最初こういうことでやりとりしていたら後が進みませんから、いま大臣のおっしゃるとおりでいきますと、独立採算制ということを根本に置いて、赤字の運営は利用者に負担してもらう、これを前面に独立採算制ということを前に押し出している。そういうことになりますと、これは言葉をかえて言いますと大衆課税的に見られますよ。これに対してどうですか。国民に対する影響大きいですわ。独立採算制という、それを前面に押す、国民の影響は大きいですよ、大衆課税じゃないか、これに対してどうお答えになるのか。 それと、いま福田副総理もいらっしゃいますけれども、一けた台に抑える、このように言っていらっしゃる。私が、かたくなに伝統を守るとかそういうことでなくして、発想の転換を持ちなさいと言うのは、このように一けた台に抑えると副総理はがんばっていらっしゃる、そういうときには、たばこも酒もここで審議をいたしましたけれども、そのときには政府みずからがその姿勢を示すべきである。というのは、狂乱物価のときに政府はどうして行政指導したか、そういうコストアップをすべて料金に加算するというやり方はよくない、企業はそういう姿勢を改めなさいと、こういう行政指導をやってきたじゃありませんか。今回も独立採算制だからやむを得ない、こういうようなやり方は私はよくない。 だから、そういう発想の転換ということを私が申し上げたのは、赤字だからといって即料金を値上げする考えをする前に、たとえば特殊郵便物の小包に見られるように、地区割り料金等は考えられないのか、こういうような発想の転換等も持って、これだけ努力しましたという点を示すべきじゃないですか。大衆課税と受け取られるかわかりませんよ。また地区割り料金のこの二つの問題について、大臣から御答弁をお願いします。
○国務大臣(村上勇君) 大衆課税ということは私は考えておりません。これはやはり郵便事業が提供をしているサービスの対価でありまして、しかも、それは利用者負担というこの原則に立っております。しかも、その利用者は一般大衆よりも、企業が八〇%という大半を占めておる、大宗を占めておるということから見ましても、決してこれが大衆課税であって一般国民に非常に御苦労させるというようなことではないと思います。 そういうように私の発想を転換せいと言われても、私はどこまでもこの従来からの方針でやってまいりたい、この気持ちでありますから、先生の方がひとつ少し私の方に歩み寄っていただきたい、こう思います。 それから何でしたかね。
○田代富士男君 地区割り料金。
○国務大臣(村上勇君) 地区割り料金、これは事務当局からお答えさせます。私はまだそこまで勉強できておりません。
○政府委員(石井多加三君) ただいまお尋ねのございました小包について、現在、地帯別の料金を取っておるわけでございますが、こういう考え方を通常郵便についてもやったらどうかという御意見かと思います。 御案内のとおり、小包はかなりかさばりまするし、重さもございます。したがいましてその原価を計算いたします場合に、相当運送費というもののウエートが大きなウエートを占めるわけでございまして、鉄道等の小荷物の料金等もこういった地帯別によっておりますることは、そういった経費の中身、運賃が非常にかかるということが一つの大きな理由になっておると思います。 通常郵便物につきましては、手紙であれ、はがきであれ、非常に軽いものでございまして、このコストの中に占める割合は、最終段階の配達と最初の段階の取り集め、こういった取り集め、配達に要する経費が全体の一番大きなウエートを占めておりまして、コストの中で運賃というものは非常に少ないわけでございます。したがいまして東京都内へ出す場合も、北海道へ出します場合も、そのコストの中で運賃の差が大きく出るということはございませんので、従来から全国均一料金を取っておりまするし、この考え方は大体世界共通の考え方でございます。
○田代富士男君 大衆課税の問題については大臣と平行線になるかと思いますが、この問題はここで置いておきます。 次に、郵便料金決定の方式についてお尋ねをいたします。 郵便料金の決定は、御承知のとおりに郵政大臣が郵政審議会に諮問しまして、答申を得まして第一種、第二種は法律事項として国会に、その他は省令事項として郵政大臣が決定権を持っていらっしゃるわけなんです。そこでいまも質問で問題になっておりました第一種、第二種が値上がりするならば、可決されれば第三種、第四種も値上げされる、こういうようなパターンになっているわけなんですが、いま申すとおりに一種、二種は国会の議決を必要とするわけなんですが、第三種、第四種は大臣の決定ということになっておりますから、いまも私が主張しました弱者救済という立場から、せめてこれは、一種、二種はいま国会の審議ということでありましたが、大臣の権限の及ぶ範囲内のものは凍結しまして、国民生活への影響を少なくすべきだと思いますけれども、これはどうですか。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 第三種、第四種のようないわゆる省令料金について凍結したらどうかというお尋ねでございます。 第三種の料金につきましては、このたび郵政審議会の答申をいただきました中では、低料のものは現在基本料金六円のところを五倍の三十円というふうな高い上げ率になっております。また非低料のものは十二円の基本料金を三十五円というようになっておりますが、現在、郵便料金の赤字と申しますけれども、この中で一番大きな赤字を出しておるものはやはりはがきでございます。これが一番大きいわけでございますが、その次に大きいのは、実は、この第三種でございまして、現在、年間、四十九年度千三百八十一億の赤字と申しております中で、大体、三百四十億ばかりがこの第三種の赤字でございます。長い伝統がございますけれども、余りに実際に原価からいいまして四、五十円のものを六円ぐらいで配達いたしておるわけでございまするので、過度の料金割引になっておるではないか、こういうことをやりますと結局そのしわ寄せが他の第一種等の一般国民に広く使われておる通信手段に影響することになりまするので、過度の割引はやめて、少なくとも直接費ぐらいは賄うような料金にしたらどうかということで、答申がそのような数字をはじいておるわけでございます。 この趣旨を尊重いたしながら、なおかつまた各方面からいろいろな御意見も出ておりまするので、この三種の料金の決定につきましては慎重に取り運びたいと思っている次第でございます。
○田代富士男君 ここでちょっと私の考えを申し述べたいと思いますが、第一種、第二種以外の郵便物については、いまもお話がありましたとおりに、政策料金でいかれるわけなんです。政策料金でいく限りには一般会計からの繰り入れが必要になります。そうした場合、国民全体の理解と納得を得なければなりませんけれども、一種、二種が国民の議決が必要である、こういうことに準じまして、この三種も四種も省令事項をやめて、十分国会審議を経られるような法律事項に改めるべきではないかと思いますけれども、この点、大臣いかがでございますか。
○政府委員(石井多加三君) ただいまお尋ねの件は、去る昭和四十六年の郵便法の改正の際に、第三種等のものを省令に移すという改正が行われたわけでございます。 その考え方の基本は、郵便の利用の実態から見まして、一種、二種、三種、四種とございますけれども、第一種と第二種が全体の八五%ばかりを占めておるわけでございます。これは通数でございますけれども、また同時に、これが一番国民に広く利用されておる通信であって、郵便のあくまで基本的なものであるということと、この両方ともやはりいわゆる信書といいますか、国の独占にしておるものでございます。 三種等になりますると、御案内のとおり、これは他のいろいろの輸送手段がございまするので独占ではございません。そういったことで、前回、これを省令に持っていくということになったわけでございまして、このような考え方は、郵便料金のみに限られず、たとえば国鉄等におきましても、あるいは電信電話等におきましても、同様の考え方でございまして、公共料金ではございますけれども、企業料金をすべて大きいものから細かいものまで全部法律で定めるということにはならないのではないか、その方が弾力性もあっていいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 この際、私は大臣に発想の転換ということを言いましたけれども、こういうすべての面に——私も郵政事業の専門家ではありません、ただ自分の調査した範囲内でわかることでありますから、われわれの抜けている面があるかわかりませんが、しかし、われわれ自身が国会議員としてこれを調べていった場合に、これは不明瞭だなと思う点が多々ありますし、いまの三種、四種の問題につきましても、改めるべき点は改めていくべきじゃないかと思うんです。 その一つの問題は、いま問題になっております独禁法の中に、原価公開という項がございますが、いま大きな問題点になっておりますが、郵便料金の原価公開の問題についても同じじゃないかと思うんです。郵政省は、郵政事業特別会計法の定めに従いまして郵便の原価計算を毎年相当の経費と労力をかけて実施していらっしゃいますけれども、その結果というものはマル秘扱いで一切公表されておりません。郵政省はその公表されない理由といたしまして、まだ技術的に完璧なものでないということを理由にしていらっしゃる。私はこういう理由で拒否をするという理由にはならないと思うんです。なぜ拒否しなくてはならないかという真相というものは、むしろ、郵政省自体が、国民全体に公表した場合に国民に納得してもらえない料金政策になっていることを一番知っているから公表できないんじゃないかと思うんです。だから、郵便料金が常に国民全体の理解と納得のもとに決められるものであるし、公共事業である以上は、いつでも原価が公開されることが不可欠条件じゃないかと思うんです。 私が最初に質問しました地区割り料金にすべきじゃないかと言ったときに、簡単でありますけれども、運送費のウエートが大きい、他の一種、二種に比べるならばと、こういう点から地区割りにしたとかそういう説明をされました。いろいろそこまでの計算をされて原価計算というものをなされている以上は、なぜ公表されないのか、こういう点が納得できないのです。国民にこれだけ料金を上げてもらいたいというならば、原価はこれでありますとなぜ言えないか、こういう点に私は疑問を持たざるを得ない。そういうところから発想の転換を持ってこれをやるべきじゃないか、このように思うんですが、大臣、いかがでございますか。
○政府委員(廣瀬弘君) ただいま先生御指摘の原価計算の資料でございますが、これは実は過去におきましては確かに御指摘のようにこれを公開しないという時期があったかと思います。しかしながら、これは郵便事業自体が公企業でございまして、私企業と違いまして特に予算並びに決算についてこれを秘密にする理由は毫もございませんし、また国会で御審議を願うべき筋合いのものでございます。したがいまして原価につきましても、今回の値上げにつきましては、御質問がございます場合にこれにお答えをするという立場をとっておりますし、それから必要なときがございましたならば、これに対して御質問に応じてお答えするということで国会の場において明らかにするという考え方をとっておるわけでございます。 ただ、これは経営資料でございますので、時と場所を構わず、どこにでもこれを発表して歩くという性格のものではないと思います。ただ、先生がただいま仰せられましたような秘密にするというようなことは私いま考えておりません。
○田代富士男君 秘密にするということは考えていない、この審議会の場を通じて明らかにしていると、それであるならば、もう一つお尋ねいたしますが、現在の郵政審議会は非公開であります。その構成も——たとえば、この郵政事業というものは非常に労力が多い。私は調べてみました。一通の手紙にかける労力というものはどのくらいの段階を通るかと調べてみましたら、二十三段階、はがきがAという人からBのところへ二十三段階、ほとんど労働組合の皆さん方の御苦労によっている。その二十三段階の事情を知っている人は労働組合の人じゃないか、こういう人々が真の代表としてこれに参加することができるのかというと、元郵政省出身の人、大蔵省の出身の人、これが主体で若干の学者、評論家が加わっている。そして非公開。 いま秘密はありません、このように申された、こういう席上で聞かれたら言いますと。私はそういう姿勢は一歩進んだらどうか。聞かれたら言いますよ、そのように準備ができているならば、私は公開すべきじゃないかと思うのです。それだったら私は委員長にお願いしまして原価計算の一覧表にしたものをいただきたいと思うのですが、ちょっと言ってください、お願いいたします。 私は、この秘密はないとおっしゃるけれども、そうすればこの審議会を非公開にせずに公開にすべきじゃないか、こういう点に、大臣、発想の転換ということをこういうところにも求めていかなくてはならないと思う。これは大臣からお伺いしたいのです、どうです。
○国務大臣(村上勇君) 審議会の場において秘密会議にしているということについては審議会自身が決めていることでありまして、郵政省としてこれに対してどうという注文をつけることはできません。
○委員長(竹田現照君) いまの資料の点、廣瀬局長——大臣でもよろしいです。
○国務大臣(村上勇君) 資料はすぐに差し上げます。
○田代富士男君 だから、私はこういう改めるべき点は改めてもらいたい。ただ利益者負担だと、独立採算のために利益者負担、それだけではだめだと思うのです。 たとえば具体的な解決しなくちゃならない問題が、恐らく大臣もあるいはここにいらっしゃいます郵政省の幹部のお方はこういう事態が起きているということは御存じないかと思いますが、一番最末端の事態がどう起きているか。 私は、いま、郵便を出して相手に届くまで二十三段階あるということを言いました。その段階で私は調査をしまして一番先にぶつかった問題です。それはどういうことが起きているか。霞が関や大手町関係の官庁や大企業の会社の多いそういう町のポストですけれども、そこには大型の大量の郵便物があふれております。そして一般市民がはがきを入れようとしてもその郵便ポストには入らない。だから、その人はその近くにいて、その大企業の大きいそういうものが口に入って入らないから、わざわざ遠いところの郵便局までただはがきを出すために行かなくちゃならない、何とかできないかというこういう不満な声がこういう官庁街や大企業の多いそういう町のポストには非常に起こっている。 こういうことを掌握していらっしゃるのか、あるいはもしも現実に起きているならばどういう対策を講じていらっしゃるのか。恐らくここにいらっしゃる皆さんはこういう事態を御存じないと思いますが、それをお願いいたします。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘のような官庁あるいは企業街のポストでかなり満杯になることが多い、そして御指摘のように一般の利用者の方が入れようとしても入らない、そのためにかなりの遠方のまたポストまでお行きになるとか、あるいは最寄りの郵便局にお行きになるというような例が間々あるように聞いておりますが、実は、私もこういった情報は最近聞いたばかりでございまして、正確にどの程度あるかはわかりませんけれども、いずれにしても、これは私たちの方の設備が不十分なために利用者の方々に御迷惑をおかけいたしていることでございますので、一番手っ取り早いのはポストをもう一個そこに置くとか、あるいは大型のポストに取りかえるといったようなことだと思いますので、随時これからそういった面に手を打ってまいりまして、御指摘のようなことが起こらないように気を配りたいと思います。
○田代富士男君 今後気を配っていくということでございますが、郵政事業には素人の私が一応二十三段階のどういう問題点があるかということを調べたような状態です、私自身が。まして責任者の皆さんです。だから私は端的にいまの答弁がポストを大きいのをつくりますという、こういうようなことで解決できるかということ、私はそういう解決であったならば郵政事業関係は解決できないと思うのです。 だから、こういう面には、大口や大型やさまざまなそういうことを取り扱うような会社だとか官庁に対しましては、そういうポストを使わずに——ポストに入れますと、どうなるか。差出人がポストに入れる、そうするとそれを取り集めにくる、取り集めにきてから郵便局へいって発送するまで十段階かかるわけなんでしょう、ここまで十段階かかる。それならば主に大体どういう企業、どういう官庁が多いということがわかるならば、そこからポストを通さずに、その最寄りの郵便局なり、そういうところへ新しい——道路さえも従来の道路の上に高速道路等をつくったじゃないですか。そのような高速道路に当たるべきルートというものを解決していくならば、そういうような従業員の皆さんの負担も軽くなるし、整理の時間というものも短縮されるし、そういう点に対して、ただ単に独立採算制のための負担、利益者負担という立場でなくして、利益者が、そのような利益者負担といわれる人がはがきを出しにきて入れられない、そのために遠いところへ歩いていかなくちゃならない、こういうところにこそ配慮をしていかなくてはならない。 じゃ新しいポストをひとつつくりましょうと、ではなおさらそこへ、あそこに新しいポストができたぞとなれば、なおさら郵便物がくるでしょう。そうすれば、それを取りにいくためのいまのあの小さな四輪車では行けなくなる、大きい車を運ばなければならない、こういうことはどうなりますか。そういう点について私は発想の転換ということ、ただ単に料金値上げの問題でなくして、この問題は考えていかなくちゃならないと思います。大臣、いかがでございますか。
○政府委員(石井多加三君) ただいまの御指摘の問題の解決策といたしましては、確かに御説のとおり、利用者である、特にそういうたくさんの郵便をお出しになる方は大企業とか官庁とかいうところでございまするので、そういった方々に協力をしていただいて、大口のものをポストに入れないようにというふうな、すでにそういったお願いといいますか、はもうすでにいたしておるようでございます。そういったことと、それからまた、そういう非常に絶えず満杯になっているようなごとがわかるようなポストにつきましては、現在、その取り集めの便数をそういうところに対してはふやすということも一つの方法であろうかと思います。 ただ、いずれにいたしましても、利用者の方々、大企業あるいは官庁等でも、郵便を実際に出される方は、たとえば女の事務員の方が夕方執務時間が終わって帰りに郵便局へ持っていかれるのがいいんだけれども、その辺の通数が、何通以上は郵便局へ持っていかなければならぬという規定もできませんし、その辺にあるポストにお入れになるというふうなこともありまするので、これを規則の上で何通以上のものは郵便局へ持っていかなければならないというようなことを決めましても、実際にはこれを守りにくいのじゃないか。郵政省としてはそういったこともお願いをしながらも、やはり受け入れ施設の面で、これは郵政省の責任でございますから、絶えずそういった御不満の起こらぬように入れ物を用意する。あるいはまた入れ物が絶えず入るような状態にするために取り集めの便をふやすといったようなことの方がなお大切ではないかと思って申し上げた次第でございます。
○田代富士男君 私は素人でありますから、そういう点も配慮してもらいたいという、これは希望意見でございます。 次にまいります。いまさっきも質問が出ていたかと思いますが、第四種の郵便料金についてでありますけれども、現在、盲人用の録音されたものだとか、そういうものは、施設から差し出す郵便物というものは、省令によりまして第四種として認められておるわけなんです。ところが、身体障害者に対する郵便物というものは何らの特典もありません。全く普通の郵便物に取り扱われております。 身体障害者は、御承知のとおり、盲の人もそうでありますけれども、盲人の方に比べるならば外出もままならない立場の人であります。そういうわけで施設図書館等を開設して身障者の福祉活動に貢献していらっしゃる団体からも請願が出されております。だから、そういうように盲人用の録音物等を無料にされたと同じように、身障者に対しましてもこれを考慮すべきじゃないか、福祉政策上片手落ちじゃないか。 先日、逓信委員会主催の北海道における公聴会の席上においてもこれが出されたかと思います。また村上郵政大臣の前の郵政大臣でありました原田郵政大臣の折にも、この身障者の問題に対する請願が出されております。そのときには、郵政省だけではできないと、厚生省の協力がなくてはできないじゃないかと、まあただ単に役所としての返事にとどまっております。そういうただ単なる事務的な返事、それでなくして福祉を重点として進まれたのが今回の三木内閣ではないかと思うんです。そうした場合に、やはり福祉政策上どうしてもこういうような身障者の皆さん方に対する立場を理解して私はとるべきではないかと思うわけなんです。 これはまあ幸い、三木内閣のいまさっきからも総理大臣以上の力を持っていらっしゃるというようなお話がありましたが、経済関係の中心の立場にあります福田副総理にも御意見を伺いたいと思います。郵政大臣と両方にこれをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 身体障害者等のための福祉政策は今後もますます必要になってくるものと考えております。これにつきましては、ばらばらの福祉措置をするよりも、政府全体の立場でこれらの方々の福祉の向上を総合的に配慮していくのが適当であると考えます。
○国務大臣(福田赳夫君) 郵政事業を行うに当たりましても、これは先ほどから話がありますが、温かい気持ちでやっていくと、こういうことは必要だと思います。ただ、郵政事業におきましては総合独立採算制をとってあるわけでありますから、温かい気持ちはありましてもおのずから限界があるだろうと、こういうふうに思うんです。 その辺をどうしますか、それで救われないという部面につきましては、福祉政策全体として所得保障を考えるとか、あるいはその他きめの細かい弱者対策を考えるとか、そういうところで救っていくほかないと思いますが、温かい精神、これはもうぜひひとつそういう方向でやっていただきたいと、かように考えます。
○田代富士男君 これはまたアメリカの例でありますけれども、アメリカの公社法とも言いましょうか、そのアメリカの公社法の二千四百一条でございますか、これには——公社か郵便局運営の採算がとれない地域を含めて、全国的に最も効果的かつ規則的な業務を提供する公共的サービスに起因する経費を償うために、次の金額の支出権限が公社に付与される、という二千四百一条の支出権限が書かれてありますが、これによりますと一九七二年から一九七九年までの各年度については、旧郵政省の一九七一年度支出予算として議会の法律により承認された額の一〇%に相当する金額を支出する、このように二千四百一条に載っております。 その対象になるのが、三千四百三条に、盲人、身体障害者のための郵便物、それから三千四百五条が盲人または身体障害者が発送する開封の書状、それから三千六百二十六条が割引料金等、このように措置がとられてあります。 だから、大臣が独立採算制というそのたてまえをとってかたくなに守っている、しかしアメリカにおいては一歩前進をいたしまして、このように福祉政策を充実するために、いま福田副総理は温かい気持ちでやっていかねばならないと、まあそういう気持ちでとおっしゃるならば、私は一歩でも二歩でも、こういうアメリカの例を申し上げましたけれども、私は、改善をする、そういう気持ちを持ってもらいたいし、またぜひとも改善してもらいたい。これだけ諸外国ではやっているわけなんです。日本だけどうして、ばらばらでやりたくないからと、そういう事務的なあれじゃなくて、大臣のあれはばらばらでやりたくない、副総理のは温かい気持ちでと。まして身障者、そういうような人は経済力からいっても一般の人より少ないわけなんです。盲人において実施されているならば、これは検討すべきじゃないかと思うんです。この点、どうですか。
○国務大臣(村上勇君) 十分前向きで検討してまいりたいと思います。
○田代富士男君 十分前向きにということは、言葉はいろいろな問題を含んでおりますけれども、私は、これは本当に福祉を重点としてやっていきたいと。高度経済成長から低成長の時代に入って、福祉重点をやっていこうという場合には、こういうところに温かい目を向けてもらいたい。 特に、前回の郵便料金の値上げの場合には、国民の皆さんに、これだけ値上げをしますけれども、いままでの速達は今度は飛行機で運びますためにこのように時間が速くなりますと、このように機械化し近代化を図りますからと、説得力がありました。今回は、国民の皆さんに対する説得力、何がありますか。前回はそのように受益者に負担してもらうかわりに、このようにプラスの面もありますと、今回は何のプラスの面もないじゃないですか。何かプラスの面があったら言ってください。
○政府委員(石井多加三君) 確かに四十一年、四十六年の料金値上げの際には、それぞれ新しいサービスと申しますかお約束をするようなことがございました。それに引きかえますとこのたびの料金改定によりまして新しいこういうサービスを始めますというようなことは何一つお約束するものがございません。 ただ、郵便の使命と申しまするものは、あくまで差し出されました郵便を正確に確実にお届けするということでございまして、そういったことも現在必ずしも年じゅういつも確保されてもいないような状況で、まことにお恥ずかしい次第でございますが、こういった料金改定を機会に、私たち職員がみんな一丸となりまして郵便の正常運行に努めまして、郵便に対する信頼を失わないように努めるということが最大のお約束でございまして、またそれを確保しなければならないということをこの際申し上げまして、お答えにかえる次第でございます。
○田代富士男君 そこでもう一つ、じゃ私はせめて実行できるところぐらい実行してもらいたいとして問題を提起したいんですが、それは現在身体障害者出版協会におきます、おのおのの身体障害者の団体が発行しております個人雑誌がございます。これは現在第三種郵便物として認可されておりますが、今回、いま審議されておりますこの料金が値上げいたしますと、この負担というものは非常に大きくなってくるんじゃないかと思うんです。これはいま言うように盲人の録音、そういうものは無料になっている。だからせめて、まあ郵政省の考えでは、盲人の人に対しては、点字なんかだったらば一般の人は使わないだろう、盲人から盲人と。しかし、これは身体障害者出版協会が出すそういうような個人雑誌でありますから、そのような負担を大きくするならば、せめてこういうようなものに対しましては特別な配慮をやるべきではないかと思うんです。そうしなければ、三木内閣になって福祉政策を重点としてやりますということを施政方針演説の中においてもやられた、しかし、今回の郵政事業の中に福祉政策という、このようにやりましたよという部門がどこにあるんでしょうか、三木内閣になって。そういう点から私はこれは実行すべきじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(石井多加三君) 先ほどのお尋ねの中では、身体障害者の方の直接お出しになる郵便全般についての御質問でございまして、この点につきましてはまさに先ほどお話にありましたように、他の郵便物との区別のつけにくい面もございまするし、なかなか困難な問題でございます。 ただいまお尋ねのございました身体障害者の団体でお出しになっておるグループの中の定期刊行物というものにつきましては、実は、この問題は従来から第三種の郵便物の認可の基準からいきますとちょっと基準に該当しなかったんでございますけれども、その面につきましては特別の措置を講じまして第三種としての認可をし、それだけ安い料金を適用してまいったわけでございます。 このたびの料金値上げに関連いたしまして、そういった方々から強い要望が出されておりますことはよく承知いたしております。衆議院での審議の際の附帯決議にもその旨が述べられてございまして、今回の郵便法の改正後、第三種の料金を郵政省令で定めます際には、ただいまの身体障害者の福祉のあり方の問題、またそのような団体の認定の技術的な問題等もございまするので、関係の省庁と相談いたしまして解決してまいりたいと、さように考えております。
○田代富士男君 関係省庁と相談して、ぜひともこれは解決していただきたいと思います。 次に、今回の郵便料金の値上げの問題が審議されておりますけれども、これが家計に与える影響というものに対する数字がはじき出されております。福田副総理は一貫して九・九%に抑えるんだといまがんばっていらっしゃるわけなんですが、御承知のとおりに副総理に何回も質問したかと思いますが、三、四、五の三カ月で三分の一近くは食いつぶしてしまっている、九・九%の中で。それでこの場所でたばこだとか酒だとか郵便料金も入れていま審議しているところですが、私は九・九%というのは本当に大丈夫であるか、こう思わざるを得ません。 それと同時に、九・九%にとらわれておりますが、もう一つの見方は、五十年度における年度平均の消費者物価上昇率を対前年度比一一・八%に抑えなくちゃならない、こう言われておりますけれども、私は、九・九%と一一・八%の両方を見比べた場合に、これはもう本当のことを言ってちょっとむずかしいんじゃないかと、こう思わざるを得ないんです。 副総理は大丈夫だとおっしゃるかわかりませんが、この郵便はがきの数字的なものは少ないかわかりませんが、この波及影響、間接的あるいは直接的な影響というもの、そういうところを勘案するために公共料金の政策というものがあるんじゃないかと思うんです。こういうところからこの与える影響というものはどのくらいの影響になるのか。私は、九・九%を達成したいと思うならば、この際、いまいろいろ質疑をいたしましたけれども、これは一回副総理の英断でもって延期するなり、何らかの措置を講じていただいたらどうだろうかと思う次第です。 それと同時に、いま九・九%に抑えよう、抑えようとした場合に、今度は景気の問題、経済成長率の問題、四・三%の問題がいま論議されておりますけれども、ゼロ成長になるかわからないと言われております。ところが五月度だけを見ましても、いまからの五月度あるいは六月度を見ましても、これは景気の回復というものはおくれてくるんじゃなかろうか。四・三を実行しようと思うならば夏以降は七%ぐらいの成長率に持っていかなくちゃならないし、景気がおくれたならばもっと一〇%ぐらいに持っていかなくちゃならないようになるんじゃないか。そうしますと、一度にそのように景気が回復してきたならば再びインフレという問題が起きてくるんじゃなかろうか。こういうように間接的直接的に公共料金というものは影響が大きい。こういう点に対してどのように対処されるのか、これをお尋ねしたいと思います。 それと、一部で、それぞれの省の立場もあるでしょうけれども、大蔵省あたりでは、九・九%以下の目標ということにしぼられて、すべてそうやられた場合には、これはかなわないというような、そういうような声も一、二漏れ承っておりますし、また通産省あたりにおきましては、こういう物価政策が財政にしわ寄せされる、そうすれば、この前の第三次不況対策に見られますように、財政難、そういう理由から財政面からの景気浮揚策が思うようにとれないという、そういう不満を持っている。こういうようなむずかしい中でいま福田副総理が中心としてやっていらっしゃいますけれども、こういうことで公共料金が与える直接、間接の影響というものは非常に大事ですけれども、それを時間がありませんからまとめて質問した次第でございます。
○国務大臣(福田赳夫君) 国の政策は、これは総合的にやらなければならぬわけであります。物価ばかり考えるわけにいかぬ、また景気ばかり考えるわけにいかぬ、財政ばかり考えるというわけにもいかないです。そういうものを総合いたしまして均衡ある運営、そういうことになるようにしなきゃならぬと思うのです。 物価だけ考えておれば財政を犠牲にして、そうして公共料金は値上げストップ、これは物価政策は非常に楽になるのです。しかしそういうわけにはいかぬ。また景気のことを考える、そういうことになれば、これは景気上昇状態を出すことは、これはそうむずかしいことじゃありません。これはしかしインフレという問題がまた再燃してくる。そういうものを全部総合して考えて、そうして一方において財政の健全性も維持しなければならぬ。同時に物価、これは国民がとにかく政府の出した五十年度一けた台ということについて大変期待を持っている、これにこたえなければならぬ。また同時に、企画庁におきましては、景気がなだらかに回復過程に向かう、その象徴といたしまして四・三%実質成長と、こういうことを言っている。それを総合してどれも均衡がとれたという形で実現をさしていくというところにむずかしさがあるわけです。 まあ、景気の側面から言いますと、多少回復がおくれぎみです。しかし私どもの考えておるなだらかな回復、これはそういう方向に現に動いておる、そういうふうに見ておるのです。三月、四月、五月、もう生産が逐次回復過程に入っておる、そういうことで私はこの勢いが定着するようにという政策をとりたいと思っています。 それから物価につきましては、とにかく消費者物価むずかしいじゃないかとおっしゃいますが、もう卸売物価のごときは、消費者物価の前提条件というか先行指標とも申すべき卸売物価、これは一年間、六月の今日の時点におきましては、この前年同期に比べまして二・一%という水準まで来ているのです。これは非常に堅実な物価動向を示しておる、こういうふうに見ておりますので、緩みを生じてはいけませんけれども、これは最善の努力をいたしてまいりますれば、これらの総合した経済政策の成果が期待できる、こういうふうに確信をいたしております。
○田代富士男君 最後で終わりますから、もう一問だけ。 私は、けさ、本会議で三木総理に質問した折に答弁が返ってきたのは、少なくとも定期預金の利子くらい、そのくらいの成長率がなければ経済発展はできないというようなお話を承りました。また私はある学者に聞きますと、七%くらいの実質成長がないと日本経済は発展できないというようなことも承りました。私はいま四・三%もむずかしいんじゃないかということを申し上げまして、なだらかな回復に動いているということでございますけれども、果たしてどうであるのか、三木総理は定期預金の利子ぐらいでなくちゃならないという、それだけじゃありませんが、そういうことを話していらっしゃいましたが、どうでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) どうも成長率論議と定期預金の金利は、これはどうも結びつきませんね。もしそういう説があれば、これは非常な珍説でございます。 しかし、まあ七%ということでありますれば、これが十年間七%というと、これは相当のものです。これはちょうどわが国の今日の経済規模が十年後には、昭和六十年には倍になるということですから、一体、それはどういうことかといえば、工場が倍になるということですからね、そんな立地条件が整えられるか、その一つとっても大変じゃないでしょうか。それから公害、いまでも大変なんですがね、工場が倍になった場合の公害問題を一体どうするか、これも大変なことじゃないかと思うのです。また、一体、七%成長を支えるような海外からの資源、これが潤沢に供給されるのか、これなんかにも問題がある。 とにかく、そういうことを考えますと、そうそう高い成長はできません。できませんから、私は、先進諸国の先端を行くグループぐらいなところを目安にした成長政策、これを考える必要があるのだろうと、こういうふうに思うのです。 ただ、最近は何%何%と言いますけれども、私の考えでは、何%という目標を定めまして毎年それにわが国の経済の動きを仕込んでいくという考え方はもう妥当じゃないと思うのです。幅のある成長、つまり何%ないし何%というような、考え方を弾力的にとっていく必要があるのじゃないか、そんな所感でございます。
○田代富士男君 終わります。
○渡辺武君 政府は、この郵便法の一部改正案によってはがきの場合は十円から二十円に二倍に引き上げる、封書の場合ですと二十円から五十円に二・五倍。新聞、雑誌などの三種の郵便物は約五倍に引き上げられる可能性を持っているというような状況でございまして、これはいま経済企画庁長官が九・九%以内に消費者物価を抑える可能性が十分あるという趣旨の御答弁がありましたけれども、しかし、私は、やはり政府がこの郵便料金だけでなくて、酒、たばこはもとよりのこと、それからまた消費者麦価、米価など、麦価の方はどうなるかわかりませんが、米価の方は恐らく大幅に引き上げられるだろうというような状況になっておりますし、やはり公共料金大幅引き上げということで、いまの景気回復過程で値上げの機会を待っている財界のその値上げに恐らく口火を切っていくのじゃないかというふうに考えられるわけでして、物価問題としては非常に重大な問題だというふうに思います。 特に公共料金政策、この点について、私は、このたびの措置はどうも納得できない。主としてその点について伺いたいというふうに考えております。 まず第一に伺いたいことは、先ほど来の御答弁の中にもありましたけれども、政府は、公共料金は受益者負担を原則とする、あるいは利用者負担という表現もとっておられますけれども、盛んにこの点を強調しておられる。まず経済企画庁長官に伺いたいのですけれども、このいわゆる受益者負担という方式ですね、これは私は、民間の私企業のつくった製品あるいは民間私企業のサービス料金、ここに一番典型的に行われているのじゃないかというふうに思いますが、この点、どう思われますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 公共料金につきましては、これは政府としては受益者負担を原則とするということを申し上げておるわけであります。原則と申し上げておりますのは、ときにより多少の例外のあり得る場合がある、そういうことでございますが、とにかく、公共企業ではありまするけれども、これは企業なんだ、でありまするから、企業原則によってこの企業を運営する必要がある、こういうことで独立採算制ということでございますが、企業であるという面におきましては、これは民間企業とかなり類似したところがある、こういう理解でよかろうかと思います。
○渡辺武君 企業だという点で共通しているという御趣旨ですが、私はやはり民間企業の製品あるいはサービス料金、これらはその販売価格を通じていわば全面的に受益者負担になっているというふうに思うのですね。一番典型的には、民間の私企業の製品価格やサービス料金、ここに受益者負担の原則というのがこれがいわば最も完全に適用されているというふうに考えますが、その点、同意見でしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 公共企業でありまするから企業であることには間違いないのです。したがいましてこの企業の運営をどうするかということになりますると、これは民間企業とかなり似た面がある。これは御理解願えるところじゃあるまいか、さように存じます。
○渡辺武君 似た面があるということと受益者負担が原則だということとは私は非常な開きがあると思うのですね、この点は私ははっきりさしたいのです。 特に、郵便事業については、これは私が申し上げるまでもなく、憲法二十一条で国民に保障している言論、出版、表現の自由、これを物質的に保障するための国営の国の仕事だと思うのです、郵便事業は。だから郵便事業というのは、いわば公共性のかたまりみたいなものだと言って差し支えない。いまおっしゃったように、企業だからとおっしゃるけれども、民間の営利企業とは根本的に性格の違う企業だ、これが私は郵便事業の基本性格ではないか、その点をはっきり認識していただきたいと思う。この点は郵政大臣どうお思いですか。
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。 私は、やはり郵便法第一条の「なるべく安い料金」の規定は、これは収支を度外視してまで安い料金であることを意味したものではなくて、収支相償の上に立っての低廉性であると解釈しております。 また、第三条は、このことをさらに明らかにしておりまして、「事業の能率的な経営の下における適正な費用を償い、」さらに事業の「健全な運営を図ることができるに足りる収入を」郵便料金により確保することを規定しております。すなわち郵便料金はこれらの要請を満たした上でのなるべく安い料金と理解しております。
○渡辺武君 私の伺ったことに端的にお答えをいただきたい。 私は、この郵便事業というのは、これは憲法第二十一条に保障された国民の権利、これをいわば物質的に保障するための国営の仕事だというふうに理解している。つまり別の言葉で言えば、公共性のかたまりだというふうに言ったが、その点をどう思うかということを伺っておる。
○国務大臣(村上勇君) もとより公共事業であります。
○渡辺武君 いま大臣が言われた郵便法の第一条、おっしゃるとおり「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」というふうにはっきりうたっている。つまり、これは郵便事業の公共性ということと緊密に結びついて料金の問題を述べているところだと思うのです。つまり、なるべく安い料金で、郵便の役務をあまねく提供するのだというところに根本の趣旨があると思うのですね。 これは大臣のいまお述べになった見解とは全く反対に、むしろ採算を度外視しても、この公共性は保持していく必要があるということをうたったものと解釈せざるを得ないんじゃないでしょうか、この点どうですか。
○国務大臣(村上勇君) 第一条の解釈は、全く先生のおっしゃるとおりでありまして、私も、なるべく安い料金であまねく奉仕するというこの精神は第一条の精神でありまして、これはもう先生のおっしゃるとおりでございます。 ただ、第三条で、しかしながら損しちゃならぬぞというような意味があると私は解釈しておりまして、第三条で料金をどうにか収支の償うようにやって差し支えない、こういう解釈でやってまいっております。
○渡辺武君 どうもあいまいな御答弁のように私は感じますね。 この郵便法が制定された昭和二十二年十一月十一日の当時の通信委員会、これの速記録を見ておりますと、当時の逓信政務次官の椎熊政府委員、この方はこういうことを言っている。先ほどの質疑応答の中で議論になりました独立採算制という問題について述べておるんですけれども、こう言っておられますね。「この獨立採算制というような問題は時の政府の財政方針なのでありまして、郵便事業自体の本質を束縛するものではないと考えます。現にこの政府が獨立採算制を主張しておりましても、われわれは郵便料金をなるべく低廉にやりたいというところから、今度提出します追加予算等においても、一般会計の繰入れ等も多分にあるのでございます。」と、こう言っている。 この答弁の趣旨は、私は、郵便法第一条、これにうたわれた公共性を保持するというこの本質は、政府が独立採算制ということを強調しても変わらないんだと、だから一般会計から繰り入れるということを現に政府はやっているじゃないかという趣旨です。もっとこれを突き詰めて言えば、一般会計から繰り入れて、そうして郵便事業にもし仮に赤字が出たときに、それを一般会計で穴埋めするということによって、第一条にうたわれた郵便事業の公共性は保持できるんだという趣旨のことを言っているというふうに私は思いますが、この点、大臣、どうお考えですか。
○政府委員(廣瀬弘君) 郵便事業の過去の実情をふり返ってみますと、終戦直後、非常に異常なインフレ状態で、しかも占領下の異常事態の中で、郵便事業に限らず各事業が非常に困難な経営状態に陥ったときがございます。このときに特別立法をいたしまして、一般会計から繰り入れたという事実は確かにございます。 しかしながら、先ほど来、大臣が申し上げておりますのは、公企業としての郵便事業のあり方としては、そういう異常な形が原則ではなくて、収支相償うという現行の郵便法第三条に明らかにされておりますように、そういった形で料金が決定されていかなければならないというふうに私どもは解釈しておるわけでございまして、郵政事業はできる限りの努力を払って収支相償を原則とすべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。
○渡辺武君 だから、その考えが立法の基本趣旨と違っているんじゃないかということを伺っている。 いいですか、当時は終戦直後でいろいろな事業が非常に困難だったと言うけれども、これはいろいろな事業だけじゃないんです、国家財政だって非常な困難だった。いまのようにGNPで資本主義国で第二番目だというような膨大な生産力を抱え、膨大な国家予算を抱えているような時代とは違っていた。それにもかかわらず、事業の困難を救済するためには、一般会計から特別立法をしてまでも繰り入れている。この点を郵政大臣はよくお考えいただかなきゃならぬと私は思うんですよ。 つまり、収支がとれりゃこれは結構なことです。しかしながら、第一条に、なるべく安い料金で、あまねく、郵便の役務を公平に提供しろということをうたっている。その公共性を保持するためには、国が当然一般会計から繰り入れなきゃならぬという趣旨と見なきゃならぬと思う。それが第一条の基本的な趣旨。先ほど第三条のことを言われましたが、第三条は後から挿入された条項です。立法の当時は、明らかにいま私が言ったような基本的な立場に立って法が制定された、そう思わなきゃならぬじゃないですか、どうですか。
○政府委員(廣瀬弘君) 第一条は、確かに先生の御指摘のように、公共性の強調がなされておると思います。ただ、郵便法の第一条というのは、全般的な基本的な考え方をうたった規定であろうと思うのでございまして、料金の具体的決定原則までを第一条で言っているわけではございませんで、第一条で基本的になるべく安い料金でやるという大原則を打ち出しておって、具体的にしからば料金はどのように設定すべきであるかという具体的な料金の決定基準を第三条で後ほど明らかにした。当時から、私は第三条がなくてもそういった料金の決定原則の考え方というものはあったと思います。それが第三条が後から追加されまして、よりそれが明確にされたというふうに私どもは解釈いたしております。
○渡辺武君 時間が余りないので先に進みますけれども、その第三条が制定された後に、昭和四十六年の二月二十五日の逓信委員会の速記録によりますと、当時郵政省の経理局長の溝呂木政府委員は次のように言っております。前の方はちょっと略しますが、「今後の原価計算上では、いわゆる建設勘定の財源を料金にはね返さないような原価計算をしなければならないというふうに考えております。したがいまして、四十一年度当時」、これは第三条の挿入された郵便法改定の時期ですが、「四十一年度当時は、ある程度建設勘定の財源の一部を持つという考え方の原価計算をしておりましたが、今後は、四十六年度以降は、そういう考え方でない原価計算をしたい、こういうふうに考えております。」、こう言っている。 第三条が制定された以後でも、原価計算の中につまり建設勘定の財源、これを入れる、つまり別の言葉で言えば、料金にそれがかかっていくということのないようにするということまでもはっきり言っているわけですね。これは、一体、どういうところから出てきたのか。 郵便法の第一条は、なるべく安い料金ということをはっきりとうたっている。第三条では、あなた方がまあいろいろうまく使っておりますけれども、とにかく、この適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足る収入を確保するものでなければならぬという趣旨のことがうたってある。まるで相反したように見えるけれども、一つの法律の中でそのようにうたわれている場合には、第一条と第三条は統一的に理解しなければならぬ。是が非でも料金収入で郵便事業のすべての経費を賄わなければならぬという、あなた方がいま立っているような立場では、この第三条は理解できないというふうに見なければならぬじゃないですか、その点どうですか。
○政府委員(廣瀬弘君) 当時の経理局長の答弁につきまして、私いま手元に資料を持っておりませんので、私の答えが果たして正確かどうか、その点はお許しを願いまして、恐らく私当時の答弁を推測いたしまするに、第三条の郵便に関する料金の中で、いわゆる公正報酬と申しますか、拡大再生産のために必要な建設費用を原価の中に織り込むことはしないと、こういう意味で申し述べたのではないかと思います。 そこで、第三条の「郵便事業の能率的な経営の下における適正な費用」というのは、適正な通常の業務を営むに必要な運営費を指すのであって、たとえば建設関係について見ますと、減価償却費とかあるいは借入金の利子だとか、そういったものに限って拡大再生産に必要なもののような経費は、後段の解釈で費用に織り込み得るものではあるけれども、現在の段階では、そういうことは考えない、こういう意味に私は解釈しております。
○渡辺武君 あなたのいまの答弁を伺いましても、民間の私企業とは違った立場で料金の問題を考えているということがわかると思うんですよね。いずれにしましても郵便事業というのは公共的な事業で、公共性を保持していくために料金の問題について厳しい規定をしている、第三条があるのにもかかわらず、やはり建設投資の財源などは料金に上乗せしないということまでもはっきり述べている、そういうことです。 ところが、これは福田経済企画庁長官に伺いたいんですけれども、さっきも申し上げましたように、受益者負担が原則だと言えば、これは民間私企業の営利を最大の目的としている営利企業の製品やサービス、この価格の決定のときこそ受益者負担原則で価格決定が行われているわけですが、まさにそういう場合と公共料金の場合を混同して考えておられるんじゃないか、そう思いますが、その点どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 郵政事業は、これは公共企業体なんです。ですから、この事業そのものは高度の公共性を持っておるわけです。しかし、その運営に当たりましては、これは企業体ですから企業原則にのっとってやっていく、こういうことで、企業運営という面と公共性という面と二つの面を持っておる、こういうふうに御理解願えればいいんじゃないかと思うんですが、企業でありまするから、それは原価採算主義でいく、受益者負担主義でいく、こういうことに当然なってくるわけでありまして、そういうことを法も非常に明快に言っているんです。 第一条では、公共企業体である、公益企業である。第三条におきましては、適正な健全な運営をしていくに足る収入を確保しなければならぬと、こう言っておるわけでありますから、これは公共企業体というものはそういう二つの側面を持っているということで、何ら矛盾なく理解できるんじゃないか、そう考えます。
○渡辺武君 原則は、一般営利企業並みの企業活動、いわば経済的な効率を唯一のものにするというところに原則を置くのか、それともまた公共性というところに原則を置くのか、ここに大臣と私との分かれ道がある。その点おわかりですか。 ところで、それじゃ伺いますが、いま、私は、法の制定の当時あるいは昭和四十六年の経理局長の答弁なと、それぞれ——法の制定のときには現在の三木総理大臣が郵政大臣をしておられたし、それから四十六年のときは現在の井出官房長官が郵政大臣をしておられた。政府の政策を代表してそれぞれの政府委員が答弁していると思うんですね。そうしますと、どうですか、当時の三木さんや井出さんの立場が間違っておったということになりますか、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 三木さん、井出さんがどんなことをおっしゃったか私も承知しませんから、このことはお答えできませんです。
○渡辺武君 もう時間の関係でこの論争はまた別の機会に譲りますが、最後に、郵政大臣とそれから経済企画庁長官に伺いたいんですが、あなた方のそういう立場に仮に立ったとしても、今後、一般会計からの郵便事業への繰り入れというのは、これは可能性としてあるというふうにお考えなんですか、それとも絶対にそういうことをやっちゃいかぬという立場なんですか、この点どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) これはまあ絶対ということは私はないと思うんです。ないと思うんですが、とにかく独立採算制、この方針は堅持すべきものである、これはもう本当に非常、異常な事態であるという際以外はこの方針を堅持すべきものであると、こういうふうに考えます。
○渡辺武君 郵政大臣、いかがですか。
○国務大臣(村上勇君) 副総理と同様に堅持すべきものであると、しかし絶対にないということは言い得ないと思います。
○渡辺武君 それでは、次に移りますが、郵便事業が四十九年度から大幅な赤字になったというふうに言っておりますが、その赤字の原因ですね、賃上げだ賃上げだと言っておりますが、本当にそうですか。
○政府委員(廣瀬弘君) 郵便事業は人手によるところが非常に大きいわけでございます。したがいまして経費の非常に大きな部分が人件費でございます。科目上の人件費だけをとってみましても、七〇%に及んでおりますし、また物件費の中でも賃金等の人件費的な要素をとってまいりますと、全体で九〇%を占めるというようなことになっております。したがいまして最近の諸情勢を反映いたしまして、人件費が非常に上がってきております。その一方、収入の方は、毎年郵便物数にしましても三%ないし四%というような伸びにとどまっておりますために、収支差額というのは最近におきまして相当多額に出ているというのが実情でございます。
○渡辺武君 郵便事業が大変人手を要する事業だと、そしてまた賃金が引き上げられたということは私も全然否定しようとは思っていないんですが、しかし、そのベースアップだけですか、赤字の原因は。
○政府委員(廣瀬弘君) ほとんどがそのベースアップによる影響だと思います。
○渡辺武君 私、ここに郵政省の方からいただいた昭和四十八年度郵便業務収入及び郵便業務費郵政局別調書というのを持っております。この労働者のベースアップは、これは東京であろうと東北であろうと、そこに働いている労働者にはこれはほぼ均等に作用すると思うんですね。ところが、それにもかかわらず、郵政局別に見てみますと、黒字の郵政局と赤字の郵政局が出ているわけです。黒字の郵政局はどこどこですか、御答弁いただきたい。
○政府委員(廣瀬弘君) 黒字の郵政局は、東京、関東、東海、近畿というようなところでございまして、これをごらんになってもおわかりのように、大都市が中心になっております。こういったところは郵便業務収入の方は相当伸びておるわけでございまして、郵便業務費の方も伸びてはおりますけれども、その差額はまだ差し引き黒字になる、 〔委員長退席、逓信委員会理事長田裕二君着席〕 こういう形でございまして、これは過去の郵便事業で従来からずっと同じような傾向をたどっておるものでございます。
○渡辺武君 もう一つ、この地方郵政局別人件費年度別調書というのもいただいてありますが、これで見てみますと、いま黒字の郵政局だと言われた東京と関東——関東は以前は分かれておりませんでしたんで、一緒にして昭和四十年度に対する四十八年度の人件費の伸び率を見てみますと三・三倍、それから東海の方は三・〇五倍、それから近畿郵政局の方は三・一三倍というふうに、人件費もまさに黒字の郵政局ほど急速にかさんでいっているという状況、それにもかかわらず、これらのところでは黒字になっている。地方の方は、あなた方が騒いでいるこの人件費がそれほど伸びていないのにもかかわらず赤字になっているんです。 こういう現象があること、これを考えてみれば、労働者のベースアップ、これが唯一の原因だ、あるいは最も決定的な原因だというふうには言えないんじゃないか。いまあなたがおっしゃったように、以前から地方の郵政局は赤字になっていると言っている、そうでしょう。ここに私は赤字問題を考えなきゃならぬ一つの重要な手がかりがあると思う。この点はどうお思いですか。
○政府委員(廣瀬弘君) 先ほど申しましたように、大都市を抱えております郵政局は窓口における取り扱い量も非常に大きいわけでございます。したがいまして収入は非常に大きくなります。その結果、収支の黒を生じておるということでございまして、地方の郵政局はお説のとおり収支赤というのが実情でございまして、ただ、郵政事業というのは全国的にネットワークを持っているようなものでございまして、都市で引き受けましても配達は地方でしなければならない、こういうような仕組みになっておりますので、単に郵政局別の収支だけではその実態を把握することはちょっと困難かと思います、配達されます郵便局の収入というものは計上されてまいりませんので。そういう意味でなかなかそういう実態を把握するのは困難でございますが、一般的に、引き受けられる局ということになりますと、大都市の局が多いわけでございますので、したがって大都市を抱えている郵政局は黒字が大きいということでございますが、全体として収支が相償うような、そういうことが郵便事業の本来の使命ということで、日本全国を通じて収支を考えていくという形が適当ではないかと思うのでございます。
○渡辺武君 それごらんなさい、だから私は言いたいんですよ。最初に強調しましたように、郵便事業というのは公共性のか先まりみたいなものですわね。どんなへんぴなところでも手紙やはがきがくれば、これはもう届けなきゃならぬですよ、電報がくれば配達しなきゃならぬ、採算を度外視してもやらなきゃならぬのですよ、そうでしょう。だから、人口の少ない、密集してない地方の郵政局、特に私計算してみますと、収入に対して差し引きの赤字の特別に大きいのは東北だとか北海道だとか、それから信越、こういうところの郵政局が大きい。つまり、そういうところでは郵便事業の公共性を守っていくために、それぞれのところの採算は度外視しても郵便業務は確実にやらなきゃならぬということで、こういう現象になっていると思うんですね。 つまり、人件費が上がって赤字が出たという、それは私は否定しません。否定しないけれども、その背後にあるものは郵便事業の公共性、これがあるから、たくさんの地方局ではそれぞれの分野では赤字が出ても、しかしそれは維持していかなきゃならぬ。国鉄のように赤字のローカル線は切って捨てるというようなことを盛んに言っておりますけれども、郵政局の郵便事業の場合はそういうことはできない。一番最初申しましたように憲法二十一条に保障された国民の言論、出版、表現の自由を保障していかなきゃならぬ、これが国の責務だと私は思う。そのために、この郵便事業というのはやられている。地方では赤字を無視しても郵便物を届けなきゃならぬですよ。 平たく言えば、郵便事業というのは赤字が出るのが大体当然くらいの事業ですよ。これを何とかして黒字にしようというようなことで料金にそれを割り掛けてこれを上げれば、安い料金ではがきや封書を配達し、安い料金で雑誌や新聞を配達する、それから受ける国民の利益というものが損なわれてくる、公共性そのものが損なわれてくるんです。だから郵便法第一条ではなるべく安い料金であまねく均等にサービスを提供しなきゃならぬと、こういうことを言っているんでしょう。労働者の賃上げが悪いんだというだけじゃ済まぬですよ。むしろあなた方はこの郵便事業の公共性という点をしっかりと見詰めて料金問題も考えていかなきゃならぬと思うんです。その点どう思われますか。
○政府委員(廣瀬弘君) 確かに、先生の御指摘のように赤字の多い地域もございます。しかしながら大都市では相当大きく黒字が出ておるわけでございまして、国全体で考えれば収支が相償う、こういった形が私は望ましいものと考えております。
○渡辺武君 それは結果論であって、行政のポイントをどこに置くのかということになれば、いま若干の地方郵政局に出ているように、赤字が出ても、しかし郵便の配達はしなきゃならぬという、そこにこそ行政のポイントがなきゃならぬじゃないですか。そうしてその公共性を保持するためには、もし国民が郵便料金に割り掛けして大幅な値上げをするのに強く反対しているときには、国が一般会計から繰り入れをしてそれを補っていく、当然のことだと思うんです。この点、郵政大臣、どうですか。
○国務大臣(村上勇君) いまの公共性というようなものから判断してみますと、やはり第一条、どこまでも「なるべく安い料金で、あまねく、」云々ということに尽きておると思います。したがいまして、どんな山間僻地であろうとも、この公共性というもののためにどこまでもこれを、その仕事はなし遂げていくということでありますが、しかし、何と申しましても、この賃金の非常な高騰によりまして、いまの料金では安いと、格安だということでこのいまの法案を御審議願っておるのでありまして、私どもは、いろいろ先生のお話には、御質問には十分納得のいくところもありますが、しかし一つ先生が見落としておる点があると思います。それは料金が安いということであります。 で、こういうことはどうかと思いますが、明治時代からある年代をとってずっとその倍数を研究してみますと、とにかく当時三銭の切手、それが今日では二十円ですが、その切手三銭のときの明治三十年ごろの諸物価ですね、いろいろなものと比較してみますと、一方は千五百倍にもなっているのに郵便の方は六百かそこらしかなっていない。新聞なんかと比べますと非常にその何分の一だというようなことでありまして、第一条の「なるべく安い料金で、」ということを守ろうといたしましても、いまの時点では、こんなに安くてはそれを守られないというようなことにも御解釈願いたいと、私はこれはお願いいたします。
○渡辺武君 それは、大臣、郵便法第一条で「なるべく安い料金で、」と言っていることを大臣もそのとおりだとおっしゃりながら、やっぱり二倍あるいはまた新聞などの場合は五倍というような大幅な引き上げをやる、これはどうにもならぬですよ、その点で国民は反対しているんです。この点をよくお考えいただきたいと思うんですね。 しかもです、私は、なお赤字の要因として、そう大きなものじゃないにしても指摘しなきゃならぬのは、設備投資の急増だと思うんですね。もう時間もないのであんまり詳しくも伺いませんけれども、いただいた資料によりますと、昭和四十五年の設備投資額が二百四十九億円、これが四十六年には三百五億円にはね上がって、そうしてずうっとふえて昭和五十年度、これの予定は五百八十八億円、かなり急速度の設備投資の拡大になっている。これは高度成長の中で都市に人口なども集中しましたし、業務用の郵便の集配というのが非常にふえた、あるいは機械化しなきゃならぬというような状態があってのことだと思いますが、これがやはり郵便事業の会計を圧迫する一つの原因になっているんじゃないか。 たとえば、いただいた資料で、借入金の利子、これは設備投資のために借り入れたお金の利子だと思いますが、昭和四十七年度は四十三億円、それが四十九年度には八十億円にはね上がっている。それから減価償却費、これが四十七年度六十億円、四十九年度六十六億円、これも漸増の傾向をたどっている、こういうものもやはり圧迫要因だったと思うんですが、この点はどう思われますか。
○政府委員(廣瀬弘君) 確かに郵便局建設等に要しまする経費は伸びております。ただ、最近は、総需要抑制というような立場から全体の規模が若干伸び率が下がっておりますし、全体として建設勘定は年々予算上確保されておりますけれども、ただ、これは一時にそれだけの経費を単年度で使うわけではございませんで、形としては財政投融資の資金を使うわけでございます。したがいまして、先ほど先生御指摘のように借入金の利子を払うわけでございますが、この借入金の利子にいたしましても、また減価償却費にいたしましても、ともに一・何%というような比率でございまして、全体の会計の中で占める比率は三%未満でございます。したがいまして赤字に寄与する率というのは人件費と比べましても著しく小さいものでございます。
○渡辺武君 このいただいた資料の中で、支出、まあ経費ですね、経費の項目の中に借入金の償還が四十九年度三十億円、五十年度三十五億円計上されているんですね。借入金を償還したというのは、これは経費じゃないんですよ、一般会計から言えばです。赤字、黒字を計算するのは損益計算書でもって計算しますが、その中では、金利、これは経費の中に入るでしょう、減価償却費は入るでしょう。しかし借入金の償還というのは、これは経費じゃないんですね。貸借対照表の項目の一つが損益計算書の中に転がり込んでおる、これはちょっと間違ってると思います。これは訂正していただけますか。 〔委員長代理長田裕二君退席、委員長着席〕
○政府委員(廣瀬弘君) 確かに償還金は損益的な取引ではございません。先ほど私が申しましたのは減価償却費と借入金の利子でございます。ただ、公企業の会計の中では、損益という意味ではございませんで、収支の面ではやはり償還金を入れて計算しなければならない、こういうことになっておるわけでございます。
○渡辺武君 それはね、そんなばかなことないですよ。収支ということは、それは確かにそういうことで考えれば借入金の返還は支出になるでしょう。しかしね、赤字、黒字を計算しているんでしょう。その表をもらったところが、その経費の中に借入金の償還というのが入っている。時間がないからこれはもうこれ以上言いませんけれども、間違っていますよ。これは訂正する必要があると思う。 その費用も含めて、借入金の利子、借入金の償還、減価償却費、予備費、これ含めますとね、昭和四十九年度は百八十一億円ということになる。そうしますと昭和四十九年度の赤字、これは千四百億円くらいでしょう、それで見てみますと約一三%くらいの割合を占めるんですね。それは確かに人件費の増加に比べてみればそれほど大きな赤字要因ではないけれども、しかし赤字額の中では一割以上を占めるかなり重要な項目だと言わなければなりません。 こういう設備投資のために使った費用、つまりポストだとか郵便局の局舎だとか、これは道路と同じような一般の公共財産なんですね、公共施設ですよ。こういうものの建設のために金を借りて利子を払った、あるいは投資をしたその減価償却がかかっている。こういうものくらいは国が一般会計から出したらどうでしょう。さっき申しました昭和四十六年度の政府委員の答弁の中にも、当時、今後そういう方向でやりますと言っている。赤字だ赤字だと騒ぐならば、そのくらいのことをおやりになったらどうですか、どうでしょう、郵政大臣。
○政府委員(廣瀬弘君) 先ほど来申し上げておりますように、郵便事業の中で非常に大きな赤字の要因は人件費でございます。したがいまして一般会計区分を仮に繰り入れの形で特別会計の中に取り入れましても、問題の基本的な解決にはならないものと考えております。したがいまして、ただいまお願いいたしております郵便法改正の内容は、先ほど来申しましたように、人件費による赤字が非常に大きい、その負担が大きいために出たものでございますので、経常費の赤を埋めるために料金によってこれを補いたい、こういう考え方でございます。
○渡辺武君 少ないから一般会計から出してもそう大したことはないんだとおっしゃるんだったら、あなた方が言っている赤字の一番大きな要因だという人件費、これについても検討したらどうですか。 私どもがあなた方から資料をもらって調べてみますと、昭和四十年から四十九年の間、郵便事業の職員の中で課長以上の管理職、これの数はずうっとふえているんですね。昭和四十年の千九十六人から昭和四十九年の千六百九十六人にふえている。そうしてこの管理職の給与の上昇率、これ大きいですね。ですから人件費の支出総額を見てみますと、昭和四十八年度の数字ですけれども、大体管理職の人件費は千八十六億円に及んでいる。この管理部門の人件費くらいはやはりこれ一般会計から負担をしたらどうだろうか、そう思います。そうすれば、あなた方が騒いでいる人件費についての基本的な問題のかなりの点が解決できるんじゃないですか、その点どう思われます。郵政大臣、大臣にお答えいただきたい。同時に、これはお金の問題ですから、大蔵大臣にも御答弁いただきたいと思う。
○国務大臣(村上勇君) この人件費の問題も、先ほどの施設に対する国の助成についてという問題と同様にお答えいたしますが、郵政事業につきましては、現行法において明らかにされておりますように、企業的能率的な経営を行う公企業でございますので、その運営費は、利用の度合いに応じて利用者に御負担していただく受益者負担の原則に立って、独立採算制をたてまえといたしております。 郵便事業の赤字について国の補助を行うべきであるというお説につきましては、郵便利用の八割が企業などの差し出す業務用通信であるという実態からいたしましても、国民の税金をこれに充てることは負担の公平を欠くことになると考えられますし、また、資源の適正配分という点にも問題を正ずるほか、そのときどきの一般財政事情に影響され、財源の配分のいかんによって事業運営が左右されるおそれもあり、赤字が出れば一般会計負担ということになりますと経営意欲を阻喪することにもなるなど弊害が多くて適切でないと思います。 また管理者の人件費についての一般会計負担につきましても、やはり三企業のそのすべてにこれらが入って、そうしてそれぞれの独立採算制を図っていくということが最も忠実なあり方であろうと、かように考えております。
○国務大臣(大平正芳君) 私も、いま郵政大臣が仰せになられたとおり、心得ております。
○渡辺武君 何の説得力もない。国民だれ一人として、いまの答弁を聞いてなるほどそうかと思う人は恐らくいなかろうと思うんです、まあ政府関係は別としてですよ。 たとえば同じ公共事業で、まあ性質はちょっと違いますけれども、高速自動車道路の場合をとってみましょう。日本道路公団ですね、昭和四十九年度、これはまあ建設費だけ申しますと四千八百七十一億四千九百万円の建設費、この建設費に対して国が出資及び補給、これをやっております。両方合わせますと三百六十一億六千万円、建設費の七・四%に達している。五十年度も同じように出しております。何で道路公団に国が金を出すのか。道路というものは公共的な施設だから、だから国が出資もすれば補助金も出すんじゃないですか。郵便事業というのは、私は、あまねく国民に郵便のサービスを提供するという意味では高速自動車道路よりもはるかに公共性を持っていると思いますよ。そういう意味で公共性のかたまりだと最初に申し上げた。それに対してびた一文も一般会計から金を出そうとしない。何で高速自動車道路には建設費の七%を超えるような莫大なお金を国は出すのか、この事実は国民知ってます。だから今度のすべての赤字を料金引き上げに上乗せにして、そうして賄っていこうという政府のやり方に反対しているんじゃないですか。 もう一つ例を挙げてみましょう。これは高速自動車道路ほどの公共性はない。しかし、過疎地のバスですね、過疎地のバス、これがいま赤字経営で廃止をせざるを得ないような状態になっていることは、これはもう御存じだろうと思う。したがって過疎地の住民の足を確保するためにということで、バスの赤字経営の会社に対して、当該路線の運送収入とそれから運送費との差額、これについて若干のケースの差はありますけれども、都道府県が運送費の三分のを補助する——三分の一から四分の一です。そうして国はこの都道府県に対して補助金の二分の一を補助する、こういうことをやっている。これまた一般会計から出ていることだと思う。これもやはり民間の私企業の経営するバスではあるけれども、しかし、それなりの公共性を持っているからこういう措置を講じているんじゃないんですか。 どうして郵便事業だけ、何回も郵政大臣は繰り返し言われた、第一条にうたわれているとおり公共性を持っているとみずから言っておりながら、その公共性を保持するために一般会計からの繰り入れ、これについて否定的な態度をとるとは何事ですか。そうして料金の引き上げでまさにその公共性をみずから破壊しようとしている。為政者のとるべき態度じゃないんじゃないですか、どう思われます。大蔵大臣もあわせて答弁していただきたい。
○国務大臣(村上勇君) 先生のこの高速道路とか、あるいは国道とか県道とかいうような、地方道というようなものに対する一般会計の補助というようなものは、これは受益者があらゆる国民です。受益者にだれかれの制限がないわけです。
○渡辺武君 高速出動車道路ですよ、私のように自動車を持っていなければ、受益者にならぬですよ。
○国務大臣(村上勇君) まあそれはまた料金を取っておりますから別ですが、そういうような助成のあり方と、郵便事業のような受益者が限りある人、手紙を出しさえしなければ何も一銭もかからないわけなんですから、それを利用する人に負担してもらう。しかも、その利用する人が大体個人よりも事業主の方が八割もあるというようなことですから、そこに受益者の問題で先生にはそうまあ強い御意見があろうと思いますが、これは私も十分勉強してみますが、どうも公益事業というものと公共事業というものとの、これは……
○渡辺武君 地方のバスは乗り手限られていますよ。
○国務大臣(村上勇君) 地方のバス……
○渡辺武君 何で国が補助を出すんです、あんたの論理でいったら。
○国務大臣(村上勇君) バス自身には補助を出すはずはないと思います。しかし、地方の道路には国が補助をします。
○渡辺武君 バスに出しているという例を挙げているんです。これはね、「過疎対策の現況」として自治省が出しております。
○委員長(竹田現照君) ちょっとそこでやりとりしないで——。
○国務大臣(村上勇君) それはよく研究してお答えいたします。
○国務大臣(大平正芳君) とっさの御質問で、御満足のまいるお答えができますかどうかわかりませんけれども、地方のバスに対する補助でございますけれども、これはそういう財政補助がなければ運営自体が物理的に不可能であるというような場合に、やむなく財政といたしましてそういう手当てをいたしておるわけでございます。 高速自動車道路に対する補助でございますが、このところに高速自動車道路をつくるという一つの公益目的を達する上におきまして、その財政補助がなければその目的を達成することができないという場合におきまして、それに必要な限度において財政の支援をいたしておると承知いたしております。 しかしながら、あなたがおっしゃるように、郵政事業はもっと高度な公益性を持った事業でございます。けれども、この事業は受益者の負担の道が閉ざされておるわけでは決してないのでございまして、私どもいまお願いをいたしておる料金の改定は決して無理なお願いではないと存じておるのでございまして、もしほかにもう絶対に道がないということでございまするならば、財政の責任というものはその段階において考えなければならぬと思いますけれども、郵政事業につきましては、私はそういう条件のもとにあるとは思っておりません。
○渡辺武君 もう支離滅裂で御答弁も食い違っていますが、私はもう満足しません。そのことを言って終わります。
○柄谷道一君 最後の質問でありまして、予定しておりました質問の多くが触れられたわけでございますので、なるべく重複することを避けて要点的に御質問したいと思います。 私は、料金の値上げというのは企業の維持という観点に立てば、最も赤字克服の安易な方法である、こう思うのであります。すでに指摘し尽くされましたように、元来、郵便事業は膨大な人員を必要とします。そしてそのコストのほとんどは人件費であり、事業の性格上、その作業を近代化する余地がきわめて少ないということはすでに一般的に指摘されているところであります。そして経営の赤字というのは世界的に共通する傾向でもあります。 さきに田代富士男君は、立教大学の三戸公教授がエコノミスト六月十七日号に掲載された論文内容によったと思うのでありますけれども、諸外国、特にアメリカ、イギリス及び西ドイツの現況について触れられました。総じて言えることは、アメリカはその郵便事業という公共的な性格に基づき赤字の九三%に及ぶものを政府が補てん金として埋めております。イギリス及び西ドイツは、他事業からの補てんやさらに国家からの補償金ということによって賄っております。 私は、いままでの答弁を聞いておりまして、大臣の独立採算の立場を堅持したいという答弁は、まさに事業の公共的な性格を軽視し、事業の収支均衡を中心に考える企業性優先に偏した考え方を踏襲しようとするものでありまして、あえて言うならば、惰性の政治そのものであり、世界の大勢に目を覆うものであることを指摘せざるを得ません。 大臣の答弁は、恐らく今日までの答弁の繰り返しであろうと私は推察をいたします。したがって副総理として責任のある所見をまずお伺いをいたしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) いま、わが国の社会、経済の情勢は、まあ非常に複雑な、広範な側面を持っておるわけで、それでこれを一筋の見方で解決することは非常に困難なんです。まあ物価の問題もあり、また景気の問題もあります、また財政の問題もあります。そういうものが均衡をとりながら解決されるということになれば、これはもう理想的なことだろうと、こういうふうに思うわけで、いまアメリカのお話ですが、アメリカは確かにそういう郵政会計に対して赤字の補てんをしたと、そういうことのようですが、それじゃアメリカの財政は一体どうなんだと、大変な赤字で、これがまたドルの信用とか何とかにも及びつつあるというようなことまで言われておる、そういうような状態。イギリスはどうだと、御承知のとおりこれは言うまでもない状態です。 そういう中で、わが国がわが国の経済社会を守っていくということを考える場合に、何も外国のことをまねする必要はないと思うのです。わが国はわが国として考えてわが国の道を行く、それが妥当な道であればそれでいいんじゃないか、そういうふうに思います。 まあ、いま安易な企業の経営の道は値上げをすることであると、こういうふうな話でありますが、そういうことをしては私はいかぬと思うのです。やっぱり値を上げるという際には、みずからの企業努力そして企業の合理化、そういうものを極力して、そうしてできないものはこれは値上げだというような状態で初めて私は企業でも許されるのじゃないか、それは私はあれでも同じじゃないかと思うのですよ、国の企業でも。郵便料金をいま上げるということを御提案をしておりますが、これはただ単に上げるというだけじゃないのです。いろいろの工夫をし企業努力もいたしまして、その上お願いをいたしますと、こういうことになっておる次第でございます。 要するに、柄谷さんがおっしゃられるのは、これは一般会計で臨時非常の際だからこれを持ったらどうだ、こういうお話のようでございますが、さあ財政は一体どうだというと、二兆円の公債まで出して、やっとこさっとこ健全性を維持しているという状態であります。しかも、いま長期的に見ると非常な硬直化の状態です。その硬直化の状態の大きな問題点は、政府部内の他の企業だとか会計だとか、それに対する補給金、米に対する補給金でありますとかあるいは国鉄に対する問題でありますとか、あるいは医療会計でありますとか、いろいろある。その上、さらにまたここで郵政会計の補給をふやすというようなことになったら、一体、財政の健全性はどうなるんだと、こういう問題もあるわけで、政府は、社会全体の健全性を維持するという見地に立って処置しておる。郵政会計において値上げをしないで済む、そういうことであれば、その面から見れば国民は喜ぶかもしれませんけれども、長い目から見ると、これは大変なまた事態になってくるんです。そういう点も御理解願います。
○柄谷道一君 私は未来永劫に郵便料金を上げてはならぬというような考えを述べているわけではないわけであります。いま副総理、いろいろ企業サイドとして努力すべき点を尽くしてと、こう言われたんでありますけれども、これは私の見ておりますところ、これは後ほどの質問でも指摘いたしたいと思いますけれども、企業努力が果たして尽くされたかどうかにつきましては、いろんな大きな私は疑点を持っております。 その点、論議し合っておってもしようがありませんが、アメリカは、公社の一九七三年度年次報告の中に、政府の援助の目的を次の二点にあるということを明確にうたい出しております。 一つは、いかなる地域であろうとも最も効果的かつ規則的な郵便業務を提供させるため料金をコスト以下に抑えること、これが政府援助の第一の目的である。第二は、盲人や非営利団体など特定の郵便利用者に対する無料ないし割引サービスを確保することである、こう明確に政府援助の目的を明らかにしているわけであります。 イギリスの場合は、政府の物価政策として郵便料の値上げ、公共料金の値上げを据え置くべきである、その一つとして値上げ抑止ということを最優先的に推進するために政府は一時的過渡的な補償金を出そうではないか、そういうことに明確に位置づけております。 赤字の国、外国のまねをする必要はないと言われたのでありますけれども、わが国と同じように赤字財政に悩み、財政硬直化にある諸国がなおかつ公共事業の重要性、また物価抑止の目的のためにあえてその目的を明らかにして政府の助成を行う、こういう趣旨がわが国の実態に徴してどうしてとることができないのか、これは大臣にお伺いします。時間が制限されていますから簡潔に言ってください。
○国務大臣(村上勇君) 四十八年秋の郵政審議会におきまして、郵便事業の赤字を解消するため値上げにかわる抜本的な方策はないかということでずいぶん検討しましたが、しかし、現在の郵便事業にはまだ改善すべき点がいろいろあります。それは窓口の時間の短縮とか配達度数を減らすとかいうようなことがありますけれども、しかし、すぐにはこの赤字を解消することはむずかしいので、何としても郵便利用の実態からも利用者の負担によって赤字を解消するほかはないという結論に達したということで、この四十八年を見送り、四十九年を見送って、しんぼうし切れないで今回御審議願っておる値上げになった次第であります。 アメリカやイギリスにおいては一般会計から相当な繰り入れをしたようでありますが、しかし、やはり特別会計の原則は崩していないということを聞いております。
○柄谷道一君 答弁にはなってないわけですが、このことだけで追及しても時間を空費するばかりでございますから、きわめてただいまの答弁に対して不満であるという意思だけを表明いたしておきます。 で、副総理にお伺いいたします。 副総理は、ただいまも物価、景気、財政、この三本の柱を踏まえた対策が必要である、こう述べられました。原則的に私もそうであるべきだと思います。しかし、私は、公共料金の引き上げというものが物価の値上げを誘発する一つの要因になることは否定し得えないと思うのであります。 私、予算の集中質問のときにも御質問申し上げたんでございますけれども、いま産業界の七〇%は何とかして製品価格に転稼しよう、したいと、こういう潜在的な意向を持っている。しかし、このことは非常に物価対策上重要な問題であるので、副総理としては、厳に自粛を産業界に求められているところであります。また労働者につきましても、一五%以下の節度ある賃上げということを強く求められました。一五%以下におさまっております。不況産業のごときは八%ないしは定期昇給に毛をはやした程度の賃上げで見送らざるを得ない、実質賃金の低下に悩んでいる労働者の数多いことも御承知のところであります。また産業界は、当然、製品価格に転嫁できないとすれば、これは損益分岐点の低下をもたらすわけでございますから、いま必死になりまして生産性の向上、企業の多角化、規模のメリットの拡大、協業化、多角化、さらに構造改善などにまさに血みどろになって取り組んでいるというのがその実態ではないか、そこに働いている民間産業の労働者もまた死にもの狂いでこれに対応しているというのが率直な現状であると私は把握するのであります。まして製品単価にも転嫁することができない、たとえば国際的な産業、さらに競争の激しい中小企業等は、現に、製品価格を割りながら、赤字経営の中でひたすらに政府の物価対策と不況対策の実ることを希求しながら、いま、赤字経営の中でがんばっているという産業の多いことも御指摘のとおりであります。 こうした実態を踏まえますと、私はまだ、いま大臣もすべての努力が尽くされたわけではない、こう言っておられます。副総理が今日まで民間産業の労使に対してシビアな姿勢で物価抑止のために協力を求められてきたその姿勢と、今回の郵便料金の値上げというものを行おうという姿勢が一体どこで結びつくのか、私ははなはだ理解に苦しむものであります。お答えを願います。
○国務大臣(福田赳夫君) そういう話を方々で聞くわけです。企業家からもそういうような話もあります。つまり、われわれに値上げ自粛を要請しながら、政府の方は勝手に公共料金を上げるのはどうだと、こういうことなんですが、それはそれで私はまあ理解できますが、これは説明を要するわけです。説明をすれば、また御納得もいける問題なんです。 企業は、昨年、石油が四倍、あるいは五倍と言った方がいいかもしれませんが、輸入価格が高騰した。それに伴いまして、わが国の価格体系というものが一新されたわけです。その一新された新価格体系に対する順応というものは私企業におきましては大体粗ごなしができた。まだ、粗ごなしであって詰めというわけにいきません。それがいま、何といいますか、今日における企業の値上げの動きの重要な要因になっておる、こういう状態であります。 ところが、公共料金につきましては、これはやはり新価格体系への順応をしなけりゃならぬわけです。ところが公共料金でありますので、昨年のあの狂乱というような、そういうさなかで、この公共料金、国の考え方いかんによってどうにでもなり得るもの、それが引き上げ、つまり新価格体系への調整というものをやるということが妥当であるかどうかというようなことで、そしてそういうようなこともあって、新価格体系への調整が公共料金につきましては大方まだなされないで残っているのです。一部はしております。そういう状態で今日に至ったんですが、さてこれをずっと延ばしておって一体いいのかと、こういう問題があるわけです。 物価政策から言いますれば、確かに一つの大きなコスト要因になるわけですから、これは公共料金を据え置いた方がいい。しかし、それをずっと続けるわけにはいかない。そこで公共料金につきましては調整を要するものが多々あるわけですが、たとえば国鉄の料金引き上げ問題、これは当分凍結をします。あるいは電信電話料金につきましてもこれを凍結しますとか、あるいは政府の管理する塩、こういうものにつきましてもその値段を凍結するとか、差し迫ったものも凍結しておるんです。しかし、一部につきましてはどうしてももう五十年度におきましてもこれはやってのけなきゃならぬ、そういう判断に立ちまして、たばこと酒と郵便料金、これにつきましては、これは公共料金の引き上げをこの際お願いを、この御審議をお願いしなきゃならぬ、こういうことになったわけですが、それをして、かつそれを前提といたしまして五十年度の物価は一けた台に持っていく、また持っていき得ると、こういう目算のもとにいま経済の運営に当たっておると、こう御理解願います。
○柄谷道一君 私は、副総理の御答弁でございますけれども、こうした郵便料金の値上げが製品価格への転嫁という一つの導火線になることをきわめて憂えているという点だけを申しておきます。 なお、今回、料金の値上げを仮に行いましても経営が依然として赤字であるということはすでに各委員から指摘されたところでございます。ということになると、私は、この郵便料金というものを検討する場合に、中期計画というものを持って、その中期計画の中に含まれる今回の郵便料金のあり方というものが当然検討されなければならないと思っておるものでございますけれども、いままでの質問の中で政府に中期計画の持ち合わせがないという点の答弁が出ましたので、はなはだこれまた遺憾であるという点を指摘して、時間の関係から次に問題を移したいと思います。 これまた指摘されたところでございますが、四十一年、四十六年の値上げ案が審議された場合は、事業サービスの向上が並行して審議されてきたことは御承知のとおりでございますし、また当然そうあるべきであろうと思います。しかし、局長の答弁では、今回の値上げ案はサービス向上の具体策を持たない、まことにお恥ずかしいという表現を使われましたが、お恥ずかしい政府案であると、こうただいま述べられたところであります。私は、お恥ずかしいということを感じておられるならば、具体的にこの事業サービスの向上というものが今後どういうプロセスでいつごろまでに明らかにしようとされているのか、その点をお伺いをいたしたい。 あわせて、そのサービスの中で、私は、高齢者、身障者、長期療養者などがコミュニティーとして郵便を利用している、今回の大幅値上げはこうした方々のコミュニティーを奪うという点を指摘せざるを得ません。私は、この際、こうした人々に対するいわゆる福祉はがきないしは福祉郵便という制度を創設することを検討する必要があるのではないか。これに対して大臣は、政府全体の問題であるからと、こう恐らくお答えになるだろうと思います。それでは、大臣、政府全体の問題であるとするならば、大臣が積極的にこうした問題に対して具体策をつくって、閣議に問題を提起するという点をこの場でお約束願えませんか。
○政府委員(石井多加三君) 先ほどお答えいたしました、今回の料金改定によって、国民にお約束する新しいサービスがあるかという同じ質問でございますが、この点につきましては、お答えいたしましたとおり、四十一年のとき、あるいは四十六年のときのような従来なかった新しいお約束はございません。 まあそういう料金値上げに対する見返りのサービスということではございませんけれども、現在、郵便事業に国民の皆様方が持っておられる一番の期待は、正確に確実に郵便が着くということであろうかと思います。ただ一日でも早く、一時間でも早くということよりも、むしろ正常な運行ということであろうかと思いまするので、そういう運行を確保するということが最大のお返しであるというふうに考えておりますが、現在の郵便運行につきましては、まことに残念なことでございますが、組合の闘争期はもちろんでございますけれども、平生でも必ずしも郵便日数表でお約束しておるとおりの送達日数が確保されておりませんので、そういった点についてまことにお恥ずかしい状況でございますから、この機会に全員打って一丸となってそういう状況を打破してまいりたい、正常運行に全力を尽くしてまいりたいということを申し上げたわけでございます。 このことは郵便事業としては当然のことでもございますけれども、いつまでにこれが正常化するかという御質問に対して、いま、いつということを申し上げることができないのでございますけれども、そういう覚悟でこういった遅配が起こらないように、正常運行が確保できるように万全を尽くしたいということでございます。 それから、同齢者、身障者、長期療養者といったような、いわゆる社会的弱者に対するまあ福祉郵便というような関係についてのお尋ねでございましたけれども、御案内のとおり、現在、郵便法の中で第四種という制度で盲人につきましてはこれを無料ということを……
○柄谷道一君 それはわかっております。
○政府委員(石井多加三君) やっておりますが、盲人以外の身障者の方々の出されます郵便について、これをすべて無料にするということは、これは制度上もいかがなものであろうか。盲人の場合でも普通の郵便を全部無料にしておるわけではございませんで、はがきや手紙をお出しになる方が代筆等であるようでございますけれども、点字だけについてそういう扱いをしておることは、点字については郵便局でもそれをすぐ見分けることができるわけでございますけれども、身障者の方が一般にお出しになる普通の手紙やはがき、これを無料に扱うということは、これは世界各国ともやっていないというふうに承知いたしておるわけでございます。 ただ、先ほどもどなたかの御質問にございましたような、身障者の方々の団体で発行しておられます第三種につきましては、これは特別のまたいろいろ配慮をするようにという衆議院の附帯決議もございまするので、そういった趣旨を体して、現在、検討いたしておるところでございます。
○柄谷道一君 副総理は世界の情勢にまねする必要はない、わが国はわが国らしい政治のあり方があるのではないかと、ただいまの局長は世界各国にそんなことをやっている事例がないと、まあ都合のいいときには各国の例を引き、都合の悪いときには各国に例がないという、そういう答弁はいかがかと私は思うのであります。 三木内閣の目玉はやはり福祉であります、弱者救済であります。この場で即答ができないとしても、ぜひそのことが生きがいでありコミュニティーである、この重要な部分を形成しているという社会的弱者に対して、私は特別の福祉はがきというものをつくるということは大いに価値のあることではないか、こう思いますので、ひとつこれは閣議でも真剣に御検討を願いたいと思います。 時間が参りましたので、もう一つ御質問をいたします。 大臣は労使関係の正常化には自信がある、こうお答えになりました。私は本当にそれができるのかなという疑義を持ちます。 二月十二日の逓信委員会において、村上大臣は、「なお一部の郵便局に正常でないものもありますので、今後とも必要な改善措置を講じ、」云々、こう言っておられます。本年五月号の「郵政」の機関誌を読みますと、「郵政事業財政については、本年十月から料金改定が行われる予定であるが、なお赤字が完全に解消されないばかりでなく、今春の当面しているベースアップの動向いかんによっては、この赤字が更に増大する可能性が極めて強い」こう指摘された後、「このような財政状況を改善することは、今後に残された重要な課題であるが、料金改定を控えて、何よりも大切なことは、日常業務の正常な運行を確保し、」云々、こう言っておられます。いずれも現在の運営が正常でない部分を持つということをこれは立証されたお言葉だろうと私は思うんです。 一方、郵政業務に働く方々の多くが組織されている全逓の運動方針を読んでみますと、「長期抵抗大衆路線」という戦略的運動論を掲げております。そして「反独占・反自民・反合理化」の三つをいわば風車にたとえれば三つの羽根として「これに積極的な闘いを挑むことによって、資本主義の諸矛盾を拡大させ、労働運動の展望を切り拓いていく」と、その方針に述べております。 さらに中間職の方々も、郵政省は労務管理指針案に沿った管理を要求をしておりますけれども、私のいろいろ聞くところによりますと、その日和見的な中間管理職の姿勢がとかく問題にされているわけであります。 私はいい悪いはいま指摘はいたしません。労使の姿勢にはいま根本的な隔たりがあるわけでございます。特に、その反合理化という視点から問題をとらまえますならば、口では郵政事業の近代化を図り云々、そのことに対して自信を持つという大臣の答弁でありますけれども、果たしてその大臣の自信が実るものかどうかについて私は大きな疑問を抱かざるを得ません。大臣、本当にこれができますか。
○国務大臣(村上勇君) 私は、郵政関係の各組合の幹部たちとそれぞれ会いまして、いろいろ胸を割って話してみましたが、いずれも従来のあり方と違った正常な姿になるという確信を得た次第であります。 いま管理職とか何とかいうお言葉も出ましたが、私を初め本当に一人残らずがとにかく郵政事業のために前向きでしっかりスクラムを組んで、私は、今後、国民に奉仕するというこの気持ちをどこまでも堅持していきたいと、また、そういう組合の幹部に会ってみますと、そういうまことに頼もしい人たちばかりであると、これだけは私は非常に頼もしく思っております。 そういうことで、必ずうまく労使協調とか何とかいう労も使もないのでありますが、とにかく全従業員一丸となってひとつ奉仕するということであります。
○委員長(竹田現照君) これで締めてください。
○柄谷道一君 私は、時間が限定されておりましたので要点だけを質問いたしましたけれども、総じて私はただいままでの答弁にきわめて不満足であります。 私は、少なくとも、郵便料金の値上げを行う場合には、郵政事業の公益性にかんがみてのそのあり方、中期計画の策定、事業サービスの向上、そして労使関係の正常化の問題など、国民がやはり納得できるものを示して、そして国民合意の上にこの郵便料金のあり方を決めることが至当である、そういうふうに考えております。 時間の関係もございますので、その点だけを指摘して私の質問を終わります。
○委員長(竹田現照君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後六時一分散会