地方行政委員会 第16号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/26
会議録
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十五日、辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、地方交付税法の一部を改正する法律案審査のため、日本住宅公団理事上野誠朗君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 五省協定で若干先日に引き続いて質疑を継続をいたしたいと思います。 総理やら大蔵大臣の出入りがありましてとぎれているわけですが、簡潔に質問しますので、イエスかノーかという形で簡潔に答えていただきたいと思うんです。 まず、文部省ですが、小、中学校の建設について、今印度新たに建てかえ施行が適用になるものに実際に補助がつき始めるのは何年度ですか。
○説明員(柏木健三郎君) 五十年度に事業に着工するものにつきましては一年据え置きますので、五十二年からの償還になろうかと、五十二年からの国庫補助になろうかと思います。
○和田静夫君 保育所、ごみ焼却場などの建設費についてもこれは厚生省、同様ですね。
○政府委員(福田勉君) いまのと同じでございます。
○和田静夫君 そこで、地方団体が建物も用地も補助年度で全額支払うという方法をとった場合は、通常の算入を行うわけでしょう、自治省。
○説明員(石原信雄君) 通常の場合につきましては、その年度に算入いたしております。
○和田静夫君 五十年度施行分から無利子の据え置き措置が適用されるのでありますが、これは三大都市圏に限っている、しかも、一定要件を満たしているものに限る、そういう御答弁でした。とすると、五十年度施行分でも従来と変わりない有利子のものがやはり出てくるということになりますか、建設省。
○政府委員(大富宏君) お答えいたします。 五十年度から無利子、据え置きの制度をとりましたのは、開発する団地の規模、住宅の戸数に相応してつくっているわけでございまして、三百ヘクタールまたは九千戸以上の団地あるいは住宅建設につきましては、全施設十年据え置き、無利子三十年償還ということでございます。 その次に、百ヘクタールまたは三千戸以上という団地規模あるいは住宅建設規模につきましては、学校施設のみについて五年間据え置き、無利子、二十五年償還。ですからその他の施設については有利子でございます。 それからもう一つ五十ヘクタールまたは千五百戸以上という規模につきましては、学校施設のみについて三年据え置き、二十五年償還ということでございますので、学校以外の施設につきましては三年据え置きの二十年償還、こういうことでございます。
○和田静夫君 賃借料は利子として全額、自治省は算入しますか。
○説明員(石原信雄君) 賃借料は事業費の概念に入りませんので、算入対象にいたしておりません。
○和田静夫君 財政局長、この間交付税は五省協定と関係ないと答弁されたのですが、そうすれば急増やら豪雪が補助率三分の二でそして地元負担が少ないのに、一般団体と同一の理論単価で算入しているということ、これはなぜなのですか。
○政府委員(松浦功君) 人口急増地域は普通の団体に補助する二分の一の補助という前提で、二分の一と三分の一の差額は交付税計算上はないものと仮定をして、それだけはプラスという形で算入しておるわけでございます。
○和田静夫君 ちょっと済みません、もう一遍。
○政府委員(松浦功君) 現実に生じた基準財政需要額というものを見るのが交付税の制度でございます。しかし、人口急増の補助率の引き上げというのは、もろもろの経費がかかるであろうということで高率にしているわけでございます。その高率の部分だけは交付税計算上はないものと仮定する、逆に言うと、それだけは交付税計算の外に置くという方式で計算をいたしておるはずでございます。
○和田静夫君 で、五省協定とは関係ない……。
○政府委員(松浦功君) 私どもは五省協定とは関係ないという御答弁を申し上げましたが、そこのところは、私の舌足らずで十分御理解をいただけなかったとすれば申しわけないと思いますが、五省協定というのは、要するに大きな住宅団地が張りつくのに伴って生活関連施設等にいろいろの経費がかかる、それが一気にしわになって当該団体の財政に影響を与えては困るということで、立てかえという形を考えておるわけでございます。交付税ではこの立てかえということを別に制度上考えなければならないという形ではないので、政策としては別のものだ。五省協定で実際にその結果将来償還という問題が現実に起こってくる、そのときは交付税が全部これを拾い上げていく、こういう形になっているのであって、交付税と五省協定とが対等に並んでいるのじゃなくて、五省協定が現実の政策問題として先に走って、その後の尻ぬぐいを交付税ではきちんといたします、こういう意味で直接関係はない、こういうお答えを申し上げたわけでございます。
○和田静夫君 じゃ建設省、交付税で統一した算定をするからこそ、この補助率のかさ上げという特別な財政措置というものは生まれてくるわけでしょう。一般団体並びに交付税で財源措置をするから、まあ財源措置をするからこそこの支払い繰り延べという五省協定が生じている。そうじやないのですか。
○政府委員(松浦功君) ちょっと技術的な問題になりますので、こっちからお答え申し上げますが、五省協定というのは現実に債務を起こさないようにして、債務の現実の履行というものを先に延ばす制度であります。したがって、債務の履行の時期の需要というものは交付税の方で取り上げたい、こう申し上げておるわけでございます。したがって、五省協定が先にあるのであって、交付税制度が先にあるのではない、こういうふうに御理解をいただく方が御理解いただきやすいのではないかというふうに私としては考えております。
○和田静夫君 建設省、そうですか。
○政府委員(大富宏君) いま自治省から答弁がありましたように、五省協定というのは、公共施設整備等を適時に施行し得るという、そういう意味で非常に効果があるわけでございまして、そのためにいろいろ団地の規模によって償還条件を緩和いたしておりますが、現在団地規模の宅地開発あるいは住宅建設にいたしましても、建設に相当の期間がかかるわけでございまして、当初は入居人口が非常に少ない。したがって、財政収入もそれに見合わない。しかしながら財政需要は非常に大きくなる、そういう弊害を除去しようというのがこういう制度でございますので、いま自治省がお話しになりましたように、事業費補正の問題を当該地方公共団体の財政需要の発生に合わしてやるという仕組みと、この五省協定の趣旨というのは、別個の問題だと考えております。
○和田静夫君 では建設省、無利子、据え置きの制度のその無利子分ですがね。この無利子分というのは国が負担するわけでしょう。
○政府委員(大富宏君) 住宅公団の場合におきましては、利子補給というかっこうにおきまして一般会計において負担するわけでございます。
○和田静夫君 とすると、この交付税で利子を見るということは、国費の補給から漏れる分、つまり国費の足りない分を交付税で見るということに建設省、結果としてなるわけですね。
○政府委員(大富宏君) どうもお答えになるかどうかわかりませんが、五省協定におきます場合には、建設主体がまず立てかえをいたしまして、一応人口の定着を待ちまして、財政も安定したと見込まれる、まあこれは団地規模にもよりますけれども、大きいものについては十年間、あるいはその他のものについては五年、あるいは三年というぐあいに、当該地方公共団体の財政能力に応じて償還条件を緩和いたしておるわけでございますが、そういう財政状況が安定した段階で、開発主体が立てかえた資金は長期の割賦で償還していただくということになるわけでございますが、その場合に、穴になりますのがこの据え置き期間中の無利子でございますから、その無利子を、そこに入居される、あるいは分譲される宅地の最終利用者に転嫁しない意味で、一般会計の方からその分につきましては利子補給していくという仕組みでございます。
○和田静夫君 たとえば同じ内容のものについて、一部は国費で見る、一部は交付税で見る――無利子の据え置きの適用あるいは不適用というか、非適用、その区分も十年だ、五年だ、三年、この区分の意味がなくなるんじゃないですかね。大蔵省どうですか、それ。
○説明員(名本公洲君) 先生のおっしゃいますことをちょっとよく理解できないんで大変恐縮でございますが、ただいま公団の立てかえ施行につきまして、据え置き期間、無利子と、こんなことになったんだろうと、そこを公団の経理収支差額という意味で利子の補給をいまやっておると。そこは確かに国の……。したがいまして、据え置き期間――それからもう一つ申し上げますならば、その後の償還につきましての利子は六分五厘ということで、安くなっておりますので、そこの部分についても発生するかと思いますが、これは国が国費で負担しておるわけでございますから、おっしゃるように、それは確かに国費負担でございますけれども、一方、償還が起こってきてから後の部分につきましては交付税上計算されてくると。そこは地方の一般財源から償還ないし利払いが行われると。これは片や国費で行われ、片や地方の財源で行われると。これは両々相まって払われておるわけでございまして、それは二つがミックスされて出てきておることは事実でございますけれども、そのほかにも利子補給の制度はあるわけでございますから、そういうところにおきましては、そういう国費と地方の一般財源とがミックスして支払われていくということはこれは常にあることでございまして、私どもとしましては別に不合理なことではないと。むしろ、国が地方に対して、特別の財政需要があるところに対して援助をしておるということでございますので、地方団体にとりましては有利なことであるというふうに思っております。
○和田静夫君 私の方が素人だからあれかもしれませんが、どうも制度の考え方に統一性がないような気がしてしようがないんですよ。言ってみれば、無利子、据え置き措置が不十分であるなら、せっかくその芽が出たのだから、私は充実をさせたらよいんだろうと素直にそう思うんです。地方団体の固有財源である交付税を食うべきではないというふうにもうこれ短絡的にそう考えるんですが、自治省、どうです。
○政府委員(松浦功君) おっしゃられる意味がよく私にのみ込めないんですが、一般の市町村でこういったものをやりますと、当該年度で国庫補助金を受けて起債をもらって、残りの部分を一般財源でやるわけでございます。ところが、地方債ももらわず、それからもちろん一般財源も必要としないという形で十年間無利子で据え置かれる、十年先になって、いま建てた時期の価格でそれぞれの財政措置を講じてもらうと、こういう形になった場合に、地方公共団体としてはきわめていままでの条件よりは有利になる。ということは、御承知のように、たとえば起債というものを借りてやったらば、それの償還はずっと利子をつけて返していくわけでございます。ところが十年間は返さないでいいわけでございます。それが先に行ってしまう。しかもその間には、団地というものがある程度張りついて税収入の源にもなりましょうし、そういう事態の経過を経た後に償還をするわけです。しかも償還は、そのときには、いまの日本の経済状況から言って何とも言えませんけれども、物価が全然変動がないというふうにはいまの状況では考えられない。十年たちますと相当物の値段が変わっているはずでございます。それを十年前の価格で返せば済むわけでございますから、そういう意味では非常に地方公共団体のためになる制度である、非常に団地をつくりやすい制度であるというふうに私どもは理解をしておるのでございまして、ただいまの御質問が、十年間無利子でやるんなら最後まで無利子でやってしまえという御趣旨だとすると、これはちょっとやっぱり五省協定そのものの性格というものをもう一度考え直さないといけない問題になってしまうのではなかろうかと、こういう感じがいたします。
○和田静夫君 私も、まだ将来の問題でありますから、問題点だけは一応試行錯誤しながら出してみたつもりですが、五省協定やら無利子、据え置き措置との調整というのは、やっぱり今後も十分に行っていくということが必要でしょう。ともあれ、石原課長の、「本年度以降適用になる、新たに立てかえ施行が適用になる事業から、現実の財政負担があるときに交付税算入を行う」と、そういう答弁もあったので、それを受けとめながら私の方もずっと検討を加えますが、さらに慎重に進めてもらうように、ここの部分は意見を述べて終わりにいたします。それでは五省協定、これで終わりにします。 大臣の関係がありますので、地方公営企業――ちょっと大臣の出席がおくれているようでありますが、地下の高速鉄道建設に対する助成について、現在四十七年以降の建設に係るものについては建設費の六六%を六年に分割して補助する、地方と国とで二分の一ずつ負担することとなっているこの制度ですがね。この制度は、六六%補助と言っていますが、純建設費だけを対象としているわけですから、実質的には五〇・五%補助にすぎないですね。利子負担などを考えてみますと、本当は四〇%補助ぐらいにしか、ちょっと算式使って素人なりにやってみるとそうしかならぬのじゃないかと思うんですがね。したがって、過日運輸省の鉄道部長が、最近の建設費の暴騰なり、あるいは金利の変化、この制度ができてすでに三年たって経営上の条件も変わってきている、そういうことから、来年度予算の要求の際はこれを見直したいと言われていますね。で、補助の改善をしたい。五月二十二日の衆議院地方行政委員会、あるいは四月十六日の地方行政委員会でそう言われているわけです。そうすると、実質六〇%以上になるように要求をされる、そういうふうに考えてよいかということが一つ。それからまた、特に検討を要すべき点というのは何かということをこの機会にちょっと説明していただけませんか。
○説明員(高橋英雄君) 地下高速鉄道に対します補助制度でございますが、現在の制度としましては工事費の六六%を国と地方で折半をしまして六年に分割をして助成する、こういう制度になっております。地下高速鉄道に対します補助制度は、古くは昭和三十七年度からスタートしております。その後いろいろと変遷を経まして、四十七年度から、私がただいま申し上げましたような補助制度に変わったわけでございます。それで、先生ただいま御指摘のように、六六%と言っておるけれども、実際にはその工事費の総額のうちから自己資金の分、あるいは間接的な経費の分は引く。したがいまして、六六%というのは総工事費に対しまして考えると五〇%前後ぐらいであろう、こういうふうになっておるわけでございます。 それで、四十七年度から今日までの間に相当工事単価というものが上昇いたしております。たとえば人件費が上がるとか、あるいはいろいろな資材等が物騰で高騰する。あるいは最近の地下鉄は古い路線と交差する場合が多いものですから非常に深く掘らなければいけないというふうな必要も生じます。あるいは、最近むずかしくなっております環境問題に対する配慮、そういうふうなことで、工事単価というものがその後も上昇してまいりまして、たとえば四十四年当時開通しましたものは五十億円前後でございましたが、最近、四十九年の十月ですか、有楽町線というのが一部開通いたしましたけれども、この有楽町線に至りましては、キロ当たり百億を超えるというふうな工事費がかかっております。こういうふうなことで、われわれとしてはもう一遍この補助制度がこのままでいいかどうかということを来年度の予算要求に当たっては見直す必要がある、かように考えております。 その場合に何%ぐらいかというお話は、これから見直しをいたすわけでございますので、現在の時点で申し上げることは困難でございますけれども、この補助制度は単に何%というふうな勘でやっているわけではもちろんございませんで、一応ある仮定をつくりまして、その仮定によって、地下鉄を新線建設をいたしまして開業後の経営状態の推移というものを想定をいたしまして、それで開業後の事業の運営というものに支障を来さないようなそういう配慮からどのくらいの補助が適当であろうかというふうな計算をいたしたわけでございます。したがいまして、現在の補助制度がつくられました当時と、少なくとも建設費のコストが非常に高くなっておるということであれば見直しをしなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
○和田静夫君 何々であれば見直しをしなければならない。しかし、現状においてはもう見直しされるということでしょう。
○説明員(高橋英雄君) 来年度予算要求に当たりましては見直しをするつもりでございます。
○和田静夫君 つもりだけ余分なんだけれども、まあそれは常用語だとしてとっておいて、その実現性ですね、補助の改善の実現性は十分にある、これは踏まえておいてよろしいですか。
○説明員(高橋英雄君) その点につきましては、私どもだけで決めるわけではございませんで、これは関係省庁間の折衝というものを経まして最終的に決まるわけでございますので、いまの時点で私どもとして必ず変えられるというふうに申し上げることは困難でございます。
○和田静夫君 大蔵省、いまずっと運輸省が述べた事情を踏まえながら、これはやっぱり実現性あるでしょう。
○説明員(名本公洲君) 公営交通の特に地下鉄の問題につきましては、予算委員会当時からいろいろ御議論があったわけでございますけれども、五十一年度の問題といたしましては、運輸省御当局から御要求をいただきましたところで十分検討させていただきたいと思いますけれども、御承知のように何分にも大変苦しい財政事情を国といたしましても明年度迎えざるを得ないわけでございますので、御要求が出ました段階でまたずいぶんと慎重に検討さしていただかなければならない問題だろうと、かように考えてております。
○和田静夫君 そんな月並みな答弁じゃなくてさ。運輸省ね、各省の関係があるからって、一番部厚い壁がいま答弁された。しかし出てくれば慎重にちゃんとやるというのですから、あなたの方が大蔵省のふところまで考えながら理屈に合わないような要求をするのじゃなくてさ。あなたが言われたような形での理屈に合った要求をされて、そしてみんな一緒になって大蔵省をやっぱりねじ伏せていくぐらいの態勢になりませんとね。これは非常に長い懸案の問題でもあるしね。私は少なくとも実質六〇%以上のものになる、そういうことをこの機会に運輸省は少なくとも約束をされると。壁が全然ないなんて考えてませんよ。しかしながら、思惑でもって初めからあなたの方が計算をされてしまえば何にもならない。都市交通の改善なんてあり得ないということです。
○説明員(高橋英雄君) 公営企業の経営問題もさることながら、私どもとしてはやはり大都市の交通政策、通勤通学輸送の足を確保するというふうなたてまえから、地下高速鉄道の整備についてはこれを促進する必要があると信じておりますので、そういう立場からこの整備が円滑に行われるようと、そういう意味でこの補助制度を見直しをいたしまして、まだ見直しの結論が出たわけじゃございませんので、いまの時点で数字その他申し上げるわけにまいりませんけれども、できるだけ私どもとしては補助金が、補助制度の改善ができるように努力を精いっぱいやりたい、かように思っております。
○和田静夫君 精いっぱいやることに期待をいたします。 自治省、いまの問題、少し大蔵省に対して、大蔵省にはもちろんそうですが、運輸省との関係においてよろしいですね。
○政府委員(山本成美君) 所管省が運輸省でございますことはもう御承知のとおりでございますので、私の方から運輸省には、この問題について大きな関心を持っておるということでプッシュをしております。
○和田静夫君 既存線の大規模改良工事、その大規模改良工事に対する補助制度ですがね。いまの地下高速鉄道建設の補助を見直す問題とあわせて補助対象にできるかどうか検討したい、こういうふうに運輸省は五月二十二日の衆議院の地方行政委員会で述べていらっしゃいます。対象とすることに何か問題がありますか。
○説明員(高橋英雄君) この制度ができましたときは、新しく地下高速鉄道をつくるということがほとんど主体でございました。現在は、地下鉄は全国で約三百キロ弱ございますけれども、四十年当時、十年前でございますが、全体でまだ百二十キロ余程度、そのうち営団の分が七十一キロ、公営の分が約五十キロというふうな状況でございまして、大規模改良というふうな必要性が余りなかったというふうに考えられます。したがいまして、現在の制度がつくられました当時におきまして、大規模改良工事というものを補助対象にするというふうな考え方はまだ出ておりませんでした。しかしながら、地下鉄も開業後相当年数を経てまいりますと、輸送構造あるいは輸送需要というものは変わってまいりまして、大幅な改良工事を必要とするというふうな例も出てまいるかと思いますので、来年度予算要求の際には、先ほどの補助制度の問題の中の一環として、やはり大規模改良工事も対象とすべきかどうかというふうなことを具体的に検討してまいりたいと、かように思っております。
○和田静夫君 どうもすべきかどうかでというのは、何か補助対象とするかどうかという全くの入り口で迷っている。迷ってはいらっしゃらぬのかもしれんけれども、それが答弁の技術かもわからぬが、衆議院の議事録、実は読ましてもらいましたが、それは大人の論議なのでしょう。私はまさにアマチュアの論議ですから、はっきりしないことははっきりしないままにしておきますといかぬと思って、さっきからくどいようですが言っておるんですがね。たとえばいま言われたように、予想もしない輸送量の増加に対応するために改良工事を行う。しかも、この膨大な費用がかかることはあたりまえの状態になっているわけですから、そうすると、新線の建設と同様に扱って問題はないじゃありませんか。このアマチュアの感覚というのは間違っているだろうか。これを料金ですべて賄えというのはもともと無理というものでしょう。そうだから、補助対象にするかどうかという入り口で迷うんじゃなくて、私の言うその論理というのは、私は一般的、常識的だと思いますから、それを受けとめて、補助対象にする。その仕方についていま検討中だというなら話は別です。
○説明員(高橋英雄君) その大規模改良工事と申しますものを、一体具体的にどういうものが大規模な改良工事なのかというその限度と申しますか、そういう問題もまだ実ははっきりいたしておりません。もちろん、その地下以外の平面ないしは高架を走る鉄道の場合には、改良工事で大幅な大規模と申しますと、線増をするとか、そういったことになるわけでございますけれども、果たして地下鉄の場合にこういったことに匹敵するような工事というものが考えられるのかどうか。そのほかに、こういうふうな場合にはこれを大きな、大規模な改良工事と見るべきだとか、そういった議論自身がまだ熟しておりませんので、そういうことで今後検討するというふうな、まだ検討としては入り口でございますけれども、そんな段階かと思います。
○和田静夫君 私は入り口でもいいんですが、入り口へ入っておってくれる分ならいいんですが、後のやつはまだ入り口は前にあるけれども、こっち側にいるわけでしょう。それは困ると言っているわけですよ。もう一歩譲るとして、大規模改良工事なら、工事そのものに論議があるとすれば、その論議でもって大規模改良工事はこれだという形の意思統一ができた場合には、当然補助対象という形でもって話は進んでいく、いまの答弁はそう理解してよろしいですか。
○説明員(高橋英雄君) その場合に、どれだけそれに資金が、工事資金がかかるか、それが地下鉄事業の運営にどれだけの影響を与えるか。そういうふうな検討をいたしませんと、補助対象とするかどうかということにはなりませんので、そういったことを今後検討したいと、かように思っております。
○和田静夫君 それは大規模改良工事というのは、たとえば外形的なものから、あるいはいま言われるように費用の問題から、全部含んで一定のものが合意されるわけでしょう。その合意をされたときには、その問題については補助対象にするということを基本にしながら、あなた方としては論議を進められますか。それは当然でしょう。そこのところもまだ入り口に入ってないんですということにはならないと言うんですよ。
○説明員(高橋英雄君) 繰り返して申し上げることになりますけれども、大規模改良工事というのが一体どの範囲のものを言うのかというところからまず詰めていかなければならないわけでございます。それが実際に近い将来起こるのかどうかというふうなこともまだはっきりはいたしておりませんので、まずやはりそういった具体的なことを詰めまして、そしてそれが経営にどんな影響を与えるかということを検討し、それから、では補助対象にするかどうかというふうな手順で検討が行われていくのでございますので、先ほど来申し上げたようなことになっておるわけでございます。
○和田静夫君 自治省は、私の論理の上に立って運輸省に対して物を言っていきますか。
○政府委員(山本成美君) 私の方も、直接大都市の交通担当者から、こういうものは大規模改良として補助対象にしたらどうかというふうな話は個々には聞くことはございます。聞いておりますけれども、それをいきなり全部持っていけるような性格のものなのかどうかということについては、やはり問題が残っておると思いますので、私の方としては、運輸省へその話を連絡をつけながら一緒になって検討したいと、こういうふうに思っております。
○和田静夫君 問題が残っているというのは、大規模改良工事そのものについての自治省の側におけるところの見解もまだない。あなたの方もない、運輸省の方もないと。たとえば、運輸省の側はこの辺であるし、自治省の側はこの辺であるという状態なのか。もともと何にもないと、地方からとにかく大都市の交通経営者などを通じて上がってきていると、上がってきているものを材料にして、自治省はまだ見解を出してないけれども、両省でもって話し合うのだと、そういう答弁ですね、いまは。
○政府委員(山本成美君) さようでございます。
○和田静夫君 それじゃちょっと困るのじゃないですか。やっぱり都市交通のいわゆる経営の実態というものについては、これはもう特に地下鉄を中心としては、大規模の改良工事の問題について、何としてでももっと補助を強めてもらいたいという、そういう要求というのはずうっと来ていて、そしてそれらの事態については皆さん方は現状認識としては熟知をされているんですから、その現状認識をひとつ自治省としては基盤に置きながら、運輸省はまだ迷っておるわけですから、もっと強くプッシュするという姿勢をとってもらいたいと思いますが、そういう姿勢をおとりになる用意はありますか。
○政府委員(山本成美君) 運輸省も恐らく私は内容的にいろいろなことをお考えになっておるんだろうと思うんです。研究はしておられるんだろうと思いますが、私の方は、先ほど申し上げましたように、個々にはいろいろなことを聞いておりますけれども、やはり投資をすべき額の問題でありますとか、投資によって得る効果の問題でございますとか、あるいは代替交通機関との関係でございますとか、いろいろあるいは安全の問題というふうなこともからんでまいりましょうし、そういう各般の問題合わせて、この大規模改良についての補助金の制度をどうするかということが出てくるんだろうと思います。そういう観点に立って、私の方は、問題が出てまいりますれば運輸省の方へ御連絡をしてお願いをしておるんてございますが、考え方としては、いま申し上げたようなことで、運輸省と連絡をとりながら私の方の考え方も順次詰めていきたいという気持ちではおります。
○和田静夫君 そうしますと、局長、これ少し急いで見解をまとめるべきだと実は思うんですよ。われわれの側の要求というのは、非常に長い要求ですよ、これは。第二次再建計画そのものは、決してすぐれたものじゃありませんし、私は失敗したと思っているんだけれども、この過程を通じてもうずうっと言ってきたことだ。ところがいまのように、いつまでたっても、その基準についてさえ、どこで線を引くかについてさえ結論が出ないというんじゃ困るじゃないですか。どうですか、早急に出されるということにしませんか。
○政府委員(松浦功君) いまのお話を伺っておりますと、どうも少しすれ違っちゃっているように私は受け取るのです。単に大規模改良工事という形で御質問をいただくと、ああいう形になるのであって、大規模改良工事であって、その大規模がどうであるかは、これはこれから決めるとしても、そのもの自体が地下鉄の経営自体に基本的な影響を及ぼすと、そういうふうに限定をするということになると、やはり私は、個人的な意見でございますが、補助対象に持っていくという方向へ向いていくべきだと思うのでございます。ただ、技術的に申し上げますならば、一体、そういう限度というものをどこで区切るかということはやはり非常に大きな問題であろうと思います。その問題について、いま、当省の審議官と運輸省の部長さんとがお答えになっておられるのだと思うのでございますが、そこのところを詰めるということが一つのこの問題の解決の筋道ではなかろうかという感じを、私としては持っております。したがって、決してこの問題を放置するつもりではございません。しかし、非常にいろいろに問題点がございます。その辺のところはできるだけ早く詰めるように、担当の審議官に努力をしてもらいたいと、こう考えます。 ただ、申し上げておきますが、公営企業は担当しておりますけれども、この補助制度というのの主管官庁はあくまで運輸省でございますので、私どもの方は、あくまでサポートするあるいはプッシュすると、こういう形での行動になることは御了承をいただきたいと思います。
○和田静夫君 一番後段のところはよくわかっています。それから、前段の部分をすれ違いと言われましたが、私はすれ違わせるつもりでは質問していないので、いわゆる限度をどこに引いたかということで、引き終えたときには補助体制へという形の質問をしているのに、答弁の方がすれ違わせているだけで、したがって、いまあなたの答弁の前段の部分で、そこの部分はかなりはっきりしました。そういうことで、早急な取り運びというものをこの機会に期待をいたしておきます。 次に、地方鉄道軌道整備法ですね、この整備法による路面軌道の欠損補助なんですが、再建企業に指示された団体に対して、整備法による補助、これはできますね。
○説明員(高橋英雄君) 法律的な問題は別にいたしまして、地方鉄道軌道整備法で補助をいたしております地方鉄道事業者、これと公営の路面電車の場合を比較いたしますと、公営の路面電車の場合には、再建の促進に関する法律でございますか、その法律の規定によりまして、再建の企業体ということになりますと、いろいろと国あるいは地方から助成を受けまして、そうして十五年間ですかの再建計画をつくるというふうなことになっておるわけでございます。そのような、一応再建の見込みのあるというものについては、整備法の対象としては不適当ではないかというふうないま意見がありまして、これを絶対にできないというわけではございませんが、不適当ではないかというふうなことで、これはいま検討をいたしておるというふうなことでございます。
○和田静夫君 そうすると、これはいつごろ結論出されるのですか。
○説明員(高橋英雄君) 来年度予算要求にも絡んでおる問題でございますので、早急に自治省との間で御相談をしたいと、かように思っております。
○和田静夫君 自治省はどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(山本成美君) 私の方は、補助金制度は運輸省の所管でございますけれども、法律に適合するものは、法律に基づく制度あるいは予算制度単独で、予算としてやる補助制度もございますけれども、いずれにしても、法律に適合するものであればやっていただきたいという考え方でございます。
○和田静夫君 いまの答弁をお聞きになったでしょうから、運輸省側、もう一つ、過疎地域以外の都市に対して整備法を適用できるかという問題ですね。これは衆議院では、自治省と話し合って詰めたいとやっぱり言われているんですが、そこでもう一カ月たっているわけです、この答弁を衆議院でされてから。そろそろ結論が出たんじゃないですか。
○説明員(高橋英雄君) そう簡単に結論の出る問題ではございませんので、もう詰めつつはございますけれども、まだ結論は出ておらないというふうな状況でございます。
○和田静夫君 わかりました。じゃ、詰めつつある現況ということは、どういうふうな具体的な検討を両省でやられているんですか。
○説明員(高橋英雄君) 私どもの方といたしましては、やはり再建の促進に関する法律の考え方、それがこの地方鉄道軌道整備法に基づく補助金を出すのが適当であるかどうか、この整備法に基づきます補助金は、あくまでその「設備の維持が困難なため老朽化した地方鉄道であって、その運輸が継続されなければ国民生活に著しい障害を生ずる虞のあるもの」、こういうものが対象になっておる。ところが、その再建団体になっておりますところは一応再建ができる、それでいろいろな財政援助、助成措置その他によって、十五年内には再建できるというふうな、一応目途が立っておるはずでございますので、ちょっとこの条項を適用するのはいかがかというふうな感触で、その点について自治省と、果たしてどう考えるかというふうなことで議論をしておるというふうなことでございます。
○和田静夫君 ここのところは非常に抽象的ですからもっと詰めなければならぬでしょうが、自治省の側はどうですか、いまの点の意見は。
○政府委員(山本成美君) 先ほど申し上げましたような姿勢と申しますか、考え方の基本におきまして、運輸省には昨年度来お願いをしておるところでございます。
○和田静夫君 それで自治省が訴えている、運輸省のほうはなかなかうんと言わない、一番のポイントはどこです。
○政府委員(山本成美君) 運輸省からもおっしゃいました中にすでに結論的なことが出ていると思いますが、欠損補助の対象になるものであるにしても、財政再建計画ですでに再建の途中にあるものについては、再建できるのであるからいいじゃないかという考え方が一つございます。これが一番大きな問題ではないかというふうに考えております。
○和田静夫君 ともあれ、これらを予算要求の時期までにはまとめる、こういうことですか。
○説明員(高橋英雄君) 来年度予算要求までには少なくとも自治省との間では話を詰めたい、かように思っております。
○和田静夫君 次に、公営交通に対する再建債の国の援助措置についてなんですが、赤字病院の再建債の元金について、これはどうなっていますか。
○政府委員(山本成美君) いまお尋ねの点は、四十八年度末の不良債務をたな上げをいたしまして、と申しますのは、再建たな上げ債の発行ということになりますけれども、このたな上げ債の元利についてどういうふうにしておるか、元金についてどうしておるかというお尋ねであろうかと思いますが、これにつきましては、交付税におきまして二五%措置をするというやり方で対策をしておるところでございます。
○和田静夫君 下水道の元利償還金は、これは五〇%ですね。
○説明員(石原信雄君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 これは算入率が違うのはなぜですか。
○政府委員(松浦功君) 国庫から利子補給をいたしております元利に対する割合、ほぼ五〇%ということで二五%を使っておるわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、病院の場合もそれで五〇%になりますか。
○政府委員(松浦功君) ちょっと正確な数字を覚えておりませんが、四六か四七ぐらいになるはずでございます、元利を含めますと。そういう形でございます。下水の方と病院の方とは直接関係ないのでございまして、やはり下水の方は制度として私どもは全般的に考えております。病院の問題は全部が全部ではございませんで、やはり余り一般財源の中からそっちの方へ全部金を回すということになりますと、交付税配分上やや問題も出てくるということを考えて、元利全体合わせて五〇%前後ということで算定をいたしたわけでございます。
○和田静夫君 いま公爵交通やっているわけですが、公営交通の場合は二五%、それらを含んでこうしたものを事業費補正で処理するというのは、これはどういうわけですか。
○説明員(石原信雄君) これは事業費補正のやり方自身の考え方と関連するわけでございますが、すべての団体に普遍的にある財政需要でございませんので、具体的な財政負担のある部分を取り上げて算入するという技術的な制約から、事業費補正という方法をとっているわけでございます。
○和田静夫君 四十八年度の再建債の許可額、これは七百二十九億円でしたか。
○政府委員(山本成美君) 病院のお尋ねだと思いますが、五百六十九億円でございます。
○和田静夫君 ちょっと全く素人の発言ですがね。山本さん、衆議院で五月二十二日に、「利子補給の問題でございますが、これもまだ再建が始まって間がございませんし、とりあえずはこのままで推移を見る必要があるのじゃないか、かように思っております。」という、この意味は何ですか。いまの二五%算入率をめぐってそういう答弁をされていますね。この意味は二五%に係っている意味ですか。
○政府委員(山本成美君) さようでございます。
○和田静夫君 そうすると、金利情勢から言って地方自治団体というのは予想以上にいろいろ負担していますね、そういうものに対応される用意とというのは、この答弁の中では全くないということですか。
○政府委員(山本成美君) たな上げ債の利子につきましては、これは御承知のように、利子助成制度を国庫においてやったわけでございます。これが片や動いておりますが、その利子補給、利子助成をやります場合の利子の天井と申しますか、最高限は、公営企業金融公庫の基準金利を上限にしておりますので、そういう意味では、公営公庫の基準金利が実勢の反映をしておるという前提に立ちますと、全く実勢金利を無視したような助成制度になっておるということにはならないというふうに考えております。むろん十二分な助成制度であるかどうかについては、これは問題があろうかと思いますが、私どもは一応これで実勢をある程度反映をした公庫の基準金利を上限にしておる制度であるというところにおいて、いま申し上げたように、一応安定をした制度と見ていいのじゃないかというふうに考えております。
○和田静夫君 そうすると、あなた、衆議院でわが党の井岡大治委員の質問の、しかしやはりこの辺はもう考慮に入れて見る必要があるのじゃないかという追及に、むげに断るわけにはいかぬけれども、考慮に入れろと言われるのなら入れますという答弁されてますね。この答弁は委員会用の答弁であって、いまの答弁との兼ね合いでは頭の中に入れる余地は全然ないということですか。
○政府委員(山本成美君) 四十八年度以降非常に金利が変動しておりますので、いまおっしゃいましたように、全く現実離れをしたような金利で借り入れたところがあるとすれば、これについてはどういうふうにするかということは、必ずしも助成制度だけの面でなくて、幅の広い立場から一応考えてみたいというふうに思っておるわけでございます。
○和田静夫君 広い立場から考えてみるということですね、それじゃ。 それじゃ、大都市交通対策補助の増額問題ですが、この四十九年度から始まった大都市バスターミナルの整備のための交通対策補助、これ私たちは、というかわが党は、当然中小都市にもつけるべき筋合いのものだろうと、そういうふうに考えているんですがね。そこまで範囲を広げて早急に実施するお考えはありませんか。
○説明員(山下文利君) ただいま御指摘いただきました大都市バス施設整備補助金でございますが、御指摘のとおり、四十九年度に初めて創設されたわけでございます。四十九年度はまだ初年度でございまして、その進捗状況をよく見守りながら、今後制度をどのように変えていくか、前向きで検討さしていただくことといたしたいと思っております。
○和田静夫君 いまの前向きで検討するということは、あれですか、五十一年度の予算要求までにはやっぱり結論を出されて、大体私たちが述べているような考え方というものを前提にしながら、検討、結論を出されるということですか。
○説明員(山下文利君) 大都市バス施設補助金以外に、いわゆる団地バス補助金というのがございます。これは四十八年に創設されましたが、その際は、初めは東京、大阪圏だけでスタートしたわけでございます。それが四十九年度からこれを五十万以上の都市に広げると、このように逐次実施状況と照らし合わせながら制度の改定を行ってまいっておりますので、ただいま御指摘の施設の補助金につきましても、来年度の予算の際には前向きで検討してみたいと、このように考えております。
○和田静夫君 そこで、その新住宅地の路線バスの対策のやつですが、これもまあ同様のことが言えるという感じがするんですが、五十万人口程度という考え方でいらっしゃるようですがね。これはやっぱり二十万都市といいますか、一般的な概念と言われる中核都市、決してぼくは田中さんの日本列島改造論を正しいと思ってないからあれですが、あれによれば二十五万中核都市づくり、そういう中核都市等を基準にする必要、そういうものが今日やっぱりあるのじゃないだろうか。そうでないと、たとえば一方では二十五万都市づくりというのをずうっと進めてきたんだけれども、しかし、運輸省の側は二十五万都市なんというのは念頭にないんだということじゃ、やっぱり政府全体の政策の流れの関連においては好ましい物の考え方ではないだろう、そういう意味から言っても当然措置すべきだと考えるんですけれども、いかがですか。
○説明員(山下文利君) ただいまの新住宅地バス路線開設運行費補助でございますが、ただいまも申し上げましたとおり、初年度は東京、大阪からスタートいたしまして、二年目からは五十万都市に広げたわけでございます。これは五十万都市以外はやらないということではございませんで、進捗状況を見ながら、必要に応じて広げていくということでございますので、これがさらに三十万都市になるか、あるいは二十万都市になるか、あるいはまた別の切り方があるかどうかを慎重に検討いたしながら対処していきたい、このように考えておるわけでございます。
○和田静夫君 そうすると広げることは広げるということですか。
○説明員(山下文利君) 私どもの現在の考え方では、これを広げていくべきであろうと、このように考えてございます。
○和田静夫君 その辺ははっきりしておりますから了承します。 そこで次に、これもまあ問題点としてはずっとある開発利益還元問題なんですがね。いわゆる新開通する交通機関による便益を享受する、そういうものを前提にして、そういう享受を事業に還元吸収するという問題ですね。これはまあ長年の懸案でありますが、今日のような地方財政事情あるいは公営交通の企業財政事情、そういうものを勘案をするときに、大胆に私は一定制度をつくるという踏み切り方をやる時期に来ているんじゃないかというふうに考えるんですがね。これはどうですか。これは局長ぐらいのところですか。 〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕
○政府委員(山本成美君) 公営企業に関連をしてのお尋ねでは必ずしもないと思いますけれども、公営企業に関連して申し上げるならば、御承知のように、バス路線が開通いたしますとか、新しい地下鉄が建設をされて営業が始まりますとかいうふうな場合には、当然その周辺の地域における地価が上がりますような利益が生ずるわけでございます。これをどういうふうに吸収するかということになりますと、具体例で申し上げますと、神戸市のバス事業におきまして、新しい団地が開発されそこへバス路線が入るといったような場合に、開発業者に、まあ転車地といいますか、車がUターンをするような場所を提供させますとか、あるいは若干の寄付金を出させるとかいったような形で利益の吸収をやっておるわけでございます。 ただこれを、こういうふうな例がほかにもあると思いますけれども、どういうふうな形で一般的な制度化をするかということになりますと、口幅ったい言い方で恐縮でございますけれども、一般的には、こういうふうな公共的な施設が互いにできることによって、外部利益といいますか、そういうふうなものが大きく発生をする、そういうふうなものを地域の住民がそれぞれ利用し合って地域の発展があるという見方が、一般的には、基本的にはできると思うんでございます。ただ、そういうものを利用し合っていく、その上で地域の発展があるのは結構でごさいますが、特別な利益があった場合に、これをどういうふうに吸収するのがよいのかということになろうかと思うのでございます。この点につきましては、ただ受益者負担金制度といったようなもので締めくくりをしていくのがよいのか、あるいは税制度の中でそういうふうなものを吸収して地域に還元をするのがよろしいのかといったような問題が出てまいります。その辺のところはやっぱり非常にむずかしい問題でございまして、特に最近のように経済的な変動が激しい場合には、その基準をどういうふうにしたらいいのかというふうなことになりますと、大変むずかしい問題がたくさん出てまいりますので、これは長い間の懸案でございましたし、今後も研究を続けなければならない大きな問題の一つだというふうには認識しておりますけれども、いま直ちにこれを一般的な制度としてどうするかということになりますと、にわかには論断しにくい問題だと考えております。
○和田静夫君 すでに、兵庫県なり神戸市なりというようなところではそういう措置が行われているわけで、そういうものにやっぱり目をやりながら、時期尚早だということではなくて、もうすでに動いていっているわけですからね。ちゃんとそれを受けとめると、そういう姿勢はあってしかるべきだと思うんですが、そういう姿勢はお持ちですか。
○政府委員(山本成美君) いま御質問の中にも拝聴いたしましたが、確かにこういろいろ変わっておりますので、変わってきておるということが、またこの問題の解決をむずかしくしておる点だと思います。姿勢は、先ほども申し上げましたように研究を続けてまいりたいと、かように考えております。
○和田静夫君 大都市に交通委員会のようなものをつくって総合的に交通行政のあり方を企画したり、あるいは実現する、そういうことを推進しなさいということを私たちは主張し続けてまいりましたが、どうもあなた方の方はこれを軌道に乗せられる努力をされようとしない、当然これは審議官や一自治省だけでできることではありませんが、もっと積極性を持つべきだということを痛切に今日の都市におけるところの交通事情全体を考えるときに思います。大都市などではもうすでに自主的にやっている、そういう方式というものを全体のものに高めるという、そういう御意思ありませんか。
○政府委員(山本成美君) 交通問題だけについて地方制度の中に委員会のような組織をつくるのがよいのかどうかということになりますが、御承知のように、現在大都市におきましては、料金問題のみ、あるいは料金問題以外についても、公営企業、たとえばバスでございますとか地下鉄でございますとかいったような個々の問題についての審議会なり委員会を、地方自治体の独自の制度として持っておるところがございます。こういうふうなものを全国的に広げるかどうかということになりますと、やはり国と地方自治体との関係あるいは自治体同士の関係、自治体同士の中でも、都道府県と当該公営企業をやります市との関係、いろいろな面からの連絡調整なり、審議項目が出てまいると思いますが、先ほども申しましたように、一律な制度としてこれを現在制度なり仕組みとして定着させ得るものがあるかということになりますと、まだ疑問がございます。 〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 これにつきましては、やはり地域交通全体についての事務なり権能といったようなものも含めまして、要するに、連絡調整なり審議なり研究なりの機能がうまくいければよいのでございまして、いま直ちにこの問題について一律な制度を設けるということにはならないのではないかというふうに考えております。
○和田静夫君 これもやっぱり検討を続けられるということになりますか。
○政府委員(山本成美君) 検討は続けてまいりたいと思っております。
○和田静夫君 四十九年度の「地方財政詳解」二百九十四ページによりますと、専用レーンの実施状況と計画との間で差が実は非常に大きいように考えるんですがね。その辺はどういうふうに理解をしたらいいんですか。
○政府委員(勝田俊男君) 資料を手元に持っておりませんで、どういう差が出ておるか、詳細に承知いたしておりませんが、バス専用レーンの実施の状況でございますが、四十九年の三月から五十年の三月までの延べの状況でございますが、四十九年の三月が百七十五キロ余りでございます。五十年の三月が三百四十キロ余りになっておりまして、その伸び率が九三・八%。バス優先レーンにつきましては、四十九年が三百三十八余り、五十年が四百七十一余りということで、三九%の伸びを示しております。また、バス以外の普通交通を見ますと、バス専用道路につきましては、四十九年の三月が六十二キロ余り、五十年が八十キロ余りということで、二九・七%の率を示しておりまして、バス優先対策全般につきましては五四・七%の伸び率ということで、われわれもこのバス優先対策をかなり力を入れて実施するように指導いたしておりますので、ほかの規制に比べましてもその伸び率は高い方であるというふうに考えております。
○和田静夫君 警察庁として、これ京都はゼロですか、四十九年現在。
○政府委員(勝田俊男君) いま資料調べておりますが、専用道路だけ見ましても、四十九年の末に六.四キロ実施をいたしております。
○和田静夫君 私はこれ、四十九年の「地方財政詳解」二百九十四ページというのを持っているのですがね。これでいま言われましたが、大都市だけですが、たとえば大阪市は計画が四十九年百四・九――これはおたくの方から出た資料でしょうからね、百四.九キロに対して五・八キロ。名古屋再三・九という計画に対して六・三。横浜三二・七という計画に対して三七。京都は百三・一に対してゼロ、ゼロというか、いま言われた数字があるのか、とにかくこのあれでは入っていない。神戸では百十六・八キロに対して二キロ。これは間違っているんですか、この数字は。
○政府委員(山本成美君) 説明員から説明させます。
○説明員(辻誠二君) ただいまの数字でございますけれども、計画といいますのは、各都市の交通担当の方で希望している計画でございます。現実に実施しているという数字は各交通局の方で把握している実績でございますので、原則として警察の方で把握しておられる数字と一致するはずでございます。違うとすれば、交通局の方が間違っているということにはなると思います。われわれの資料は交通局の方からとった資料でございます。
○和田静夫君 そうすると、警察はいいんですか。
○政府委員(勝田俊男君) 各県でそれぞれ専用レーンを実施する場合に、警察でいろいろと実情も調査をして実施するわけでございますが、その前に、やはり各市の方の交通局としても、こことこことこことをやっていただきたいというような希望もあるわけでございます。あるいはその希望、交通局としてこういうところをやってもらったらどうかという希望をまとめられた数字ではなかろうかということで、両方の意見が一致をしてこうやろうということになりますので、その意見の一致を見ていない部分がまだあるということじゃなかろうかと思います。
○和田静夫君 そうすると、私がさっき数字を並べましたように、計画といわゆる意見の一致を見ている部分との格差というのは非常に大きいわけですね。大きいんです。これは今後どういうふうに対処をされますか。
○政府委員(勝田俊男君) 私どもとしましては、都市における交通問題のいろいろな原因の一つがやはり交通の量が非常に過密である、したがって、交通の量を減らしていく、そのためには大量輸送機関への転換を考えていかなけりゃならぬ、そのためにバスの優先対策というものを積極的に進めていきたいというふうに考えているわけでございます。そこで、バス優先対策を進めていくにつきまして、やはりそのバスが大量輸送機関として十分にその力を発揮して、一般のマイカーからバスに転換できるように市民にとって魅力のある足になってもらうような方法も考えていただく必要があるんじゃないか。せっかくバス専用レーンをつくりましても、バスが飛び飛びにしか出ない、その路線があいたままになっておる、片方は込んでおるということになると、つくってもなかなか市民の共感は得られない。そこで、路線をつくる場合については、この通勤通学地帯には増発をお願いできませんかというような話もしておるわけです。たとえば、大阪あたりで、やはり市民の方のいろんな意向も大阪市の交通局で調査をされまして、従来のいろんな路線系統を、まあ幹線系統と支線系統に再編成をされて、ゾーン・バス・システムというような形をとられて、これが一回は無賃にするというような形もとられたわけで、非常に市民の要望を負うということで定着した市民の足になっておる。それにいま協力をしてやっていこうというようなことで、われわれとしては単に路線ができればいいということでなしに、やはり一般のマイカーがそれにかわり得るような対策も講じていただいて、実施して効果を上げたいということで、そういった話し合いで必ずしも十分煮詰まっていないという面があるんじゃなかろうかと思います。しかし、私どもとしましてはやはり今後ともに推進したいということで、現在も十大都市だけの計画を考えてみましても、現在の路線の倍以上のものを来年じゅうぐらいには実施をしたいというふうに考えておるわけでございます。そういった面で、それに対応するような態勢を需要者にもとっていただきたいということを要望しておるところでございます。
○和田静夫君 ともあれ、公営交通全体の問題でもっと時間をかけるべきでありますが、限られた時間の中ですから、大体の問題点としてあると思われることについて、衆議院の地方行政委員会との関連で少し検討を加えてみました。それで、公営企業の再建健全化のためには、やはりもっともっと環境整備が必要であるということがいままで申し上げた幾つかの問題の上から言って指摘することができると思います。しかも、それは急ピッチにやる必要がある、私はそう思います。十分に努力をされたいと考えますが、大臣もうとっくに来てなきゃならぬ時間で、大臣に実は聞きたいところですけれども、総括的にどなたか。
○政府委員(松浦功君) 御指摘当然のことだと思います。大臣も同じお気持ちでおられることと思っております。
○委員長(原文兵衛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(原文兵衛君) 速記起こして。
○和田静夫君 国家公務員の四月一日付の退職状況、どうなってますか。
○政府委員(植弘親民君) 退職の具体の実態、人数等かと思いましてわかりませんでしたが、おっしゃる意味が四月一日に退職をしているかという意味でございましたら、国家公務員の場合、四月一日付の退職もあるようでございます。
○和田静夫君 そこで大蔵省、この退職者の数というのは、お金は大蔵省が払うわけですから把握されていましょう。まあ自治省でも大蔵省でもいいですよ、数。
○説明員(名本公洲君) ちょっとただいま問い合わせますけれども、私どもの給与課の所管になるかと思いますが、給与課の方でも、国全体で四月一日の退職者の退職金が全体で幾らになっておるのかということはちょっとつかんでいないのじゃないかというふうに思います。まあ問い合わせてはおりますが。
○和田静夫君 いわゆる国家公務員退職手当法第五条適用者数、これは大蔵省でわかるんですよ。いや、私どもずっと調査依頼出しまして各省からもらいましたけれども、ちょっと一部、二部落ちているものだから、協力しない省がまだある。
○委員長(原文兵衛君) 自治省と大蔵省、いまのは調べて差し上げるようにしてください。
○和田静夫君 じゃ大臣に二、三問お伺いしますが、地方債の許可制度の問題で、これは前に他の委員からも若干触れられたんですが、ちょっと違った角度で、三月十三日にこの委員会で許可制度の問題、私、取り上げて質問いたしました。時間がありませんでしたし、きょうもいよいよ時間がなくなっているんですが、聞きっ放しに一応いたしておきましたが、本格的な論議はまた改めて別の機会に譲るといたしまして、ちょっと大臣の答弁で疑問がありますので、重ねてお聞きをしておきたいのであります。 大臣、あのときこういうふうに言われたんです。「地方自治体が、税制とかいろんな交付税の問題とか」「そういうものは国からはもらいませんよ、自分だけでやりますと、全部もう独立したような形になればこの「当分の間」というのはなくなっていいと思うんですけど」と述べられたわけです。私はこれ素朴な意見として述べたんだろうと思うんですが、ただ問題は制度の問題と絡みますので、これをこのままにしておくわけにはどうもいかぬのであります。地方財政の調整制度というのは戦前からの制度でありますし、地方交付税制度が今後においてなくなるとはちょっと考えられません。資本主義の宿命であるこの不均衡な地域発展の進行状況のもとで、またとりわけ自主財源の増強にいまの大蔵省のような形で熱心ではない、そういう政府にはできる話ではないと私は思っているんです。それはともかくとして、財源調整制度などがある間は「当分の間」に該当するので、その間は起債の許可制度は存続するのだという大臣の答弁は、言いかえれば、「当分の間」とはほぼ永久にということと実質的に等しい意味にどうも読み取られて仕方がないわけです。大臣はそういう意味で言われたんですかね。地方自治法二百五十条、地方公営企業法附則第二項などの「当分の間」という法律の文言は、もしいま私が解釈をしたような形だと死文ということになってしまいますので、死文だと政府の側では認識をされて御答弁になったということでしょうか。
○国務大臣(福田一君) いろいろ私が申し上げておるところに疑義があるということでございますが、私の率直な気持ちは、法律というものは国会において決めるものでございます。そこで、その法律の案文あるいはまた法律用語、そういうものはできるだけはっきりさしておく必要がある、また解釈も同じだと私は思っております。そこで、法律のいま申し述べられました条文の中に「当分の間」ということがあれば、これは「当分の間」という意味の解釈の問題になると私は考えます。そこで、「当分の間」というのは、今後どういうような地方行財政をやるかということについて、政府内においても、また、国会においても、十分審議をされる必要があるでありましょう。しかし、その審議がまとまらない。まとまって法律の改正が行われない間は、それは当分の間と、その間はという意味と私は解すべきであると思っておるわけでございます。これは法律をつくりますときはなかなか用語というのはむずかしいものでありますし、それからまたつくったその用語の解釈も、ものによっては慣習法的に変わっていく場合もございます。そういうこともあり得るわけですが、しかし、今度のこの法文に入れてある「当分の間」という意味は、私はそういう意味と解釈をいたしておる。こういうことでございます。
○和田静夫君 大臣の考えていらっしゃることはわかりましたが、私、この「当分の間」をめぐって、特に自治省関係、政府関係が出した文章などで幾つかの勉強をしてみたんですが、「地方財政制度」では、「現行制度においても、行政庁の許可を要しないことをむしろ原則としている。それにもかかわらず、「当分の間」、自治大臣又は都道府県知事の許可が必要とされているが、その主な理由は、現在の財政金融情勢のもとでは、地方団体の資金需要も、国全体の資金計画の中におり込み、国及び民間の資金需要との調整をはかる必要があること。」あるいは長野士郎逐条解説によれば、「地方債に関する許可制度のとられている理由は、現在の地方債は国の財政投融資計画及び地方債計画に基づいて資金の総合的な調整が行なわれているからであるとする」、こういうふうに言われているのであります。これらの解説するところというのは、私なりに考えてみますと、非常に財政論的な解説でありまして、この一体なぜ「当分の間」という文言を入れなくてはならなかったのかという、そういう地方自治の政治学的論議が踏まえられていないということを最近思うんですよ。釈迦に説法ですが、地方自治というのは国の直接支配を受けない、あるいは国の強力な監督権限を受けないという、そのことによって立つ自治の基盤がある。つまり、準禁治産者のように、一々後見人に、この場合は国に当たりますが、国の許可を受けなければみずから有効な法律行為を行えないというのであっては、それは真の地方自治ではない。そういうところから実は「当分の間」という文言が私は入ってきたのだろうと。これは自明のことだろうと思うんです。独立の起債能力を持たない自治などは、私は本来の自治ではないと思うんです。国が補完的な行為をしなければ自治体が有効に法律行為を完成し得ないというような、そういう現在のこの起債許可制度は、政府としてもそれはなくするいろいろの努力があって私はしかるべきなんだろうと、こう思うのであります。その点ちょっと考え方お聞きしたいんですがね。
○国務大臣(福田一君) 私はその条文をつくった時代と今日の時代とでいささか状況が変わっておるように思えてなりません。自治というものを大いに尊重しなければいけないということについてはわれわれも同じでありますが、しかし、地方の自治体というものと国との関係をどういうふうにするか。アメリカのように州制度と中央政府の関係に持っていくのがいいのか、あるいはこの現行のようなものをもう少し改善して、もう少し自治体に一つの、何と言いますか、自治能力を与えるようにするのがいいのかということは、これはいろいろ勉強をしなければならない、研究をしなければならない課題である。そうしてそれはできるなれば、だんだんと――一挙に自治体で何でもできるというのならそれは独立国ということになってしまいます。そうではないんですから、やっぱりそこに自治体と国との関係、中央との関係というものを全然なくして物を考えるということは、今後といえどもそう簡単には私はできないと思っております。しかし、起債の問題等について、ある一定のものについてはできるじゃないかと。そういうことをする、順次その方向に持っていってはどうかという議論もまたあり得ると私は思うんです、一挙にしないでもですよ。 そこで、それを踏まえながら、いまの私は、この今日の状態においてそれをどう考えていくかということになりますと、これはもうすでにあなたも御案内のように、国際経済と日本経済との関係が非常な緊密といいますか、非常にそういう関係が深くなってまいりまして、毎々申し上げておるんですが、アメリカがくしゃみをすれば日本がかぜを引くなどと言っておった時代は、アメリカというものを見ておれば、かなり日本の経済の問題を処置していく方法が浮かび上がれたというか、われわれとして合意が得られる面があったと思うんです。ところが今日は、もう世界経済全体がこの油問題等々、資源問題を中心にいたしまして非常に混迷をしておるところでありまして、政府自体でも確たる方向をいま持っておるとは私は考えられません。大蔵大臣やあるいは企画庁長官はお持ちになっておるかしれませんが、私は実はまことに不敏でございまして、そういう見通しをはっきりは持っておらないということでございます。大体の感触はありますけれども、そういうような、非常にいま流動的な世界経済の中において日本の経済を運行していくという場合において、金融政策というものをどのように処置をしていくのが正しいか。中央がある程度コントロールするのがいいのかあるいは地方にある程度の分を任していくのがいいのかということに私はなってこようと思うのでございますが、そうなりますというと、私はいまの段階においては当分の間、いましばらくやはりこの形において、世界経済の動きを見詰めながらこの問題の解明に努めていくということが、私は政府としては当然な考え方ではないだろうか。 だから、当分の間ということは、絶対やりませんなどという意味に私は解釈はいたしておりません。地方自治というものを尊重していくということは当然でありますが、それだからといって、いまの段階でこの当分の間の問題を、その「当分」という言葉を外して何かやろうとしますというと、私は非常な混乱が起きるのじゃないかと思います。金利の問題一つとってみても、あるいは日銀のこの通貨の問題、通貨量の問題を処理するあれにいたしましても、あるいは状況いかんによってはこれは補正予算を組まなければならない問題が起きるかもしれません。まあ地方自治体の方が非常な苦労をされておるということについては私はよく認識はいたしておりますが、それをやる場合において、借金ができるところは自由に借金ができる。それじゃ貧乏県は一体どうなるんだというような問題が起きたり、いろいろ今度はだんだん詳しく入ってきますとなかなか問題があると思う。だから、私はあなたのお気持ちはよくわかります。よくわかりますが、現段階において政府はどうするのであるかというお話でございますれば、私がいま申し上げたような趣旨で御了承をいただきたい、かように考えるわけであります。
○政府委員(松浦功君) 先ほどのお尋ねでございますが、「当分の間」という言葉が使われているのは、私どもはむしろ将来可能な場合には外すんだという意味で、自治というものに対する私は理解を示した書き方であろうと考えております。基本的には大臣がお答え申し上げたことで御理解を賜ったことと思いますが、ただ現実の問題としてはまことにむずかしい問題がたくさんあるわけでございまして、たとえば起債を自由にいたしましたと。地方団体がそれぞれ独自で起債を発行なさる。いまの制度では交付税に結ばれておるものが非常にたくさんあるわけです。もし自由に発行されれば、交付税はとても枠の中でどうにもなりません。そういう問題もございます。また逆に、起債であっても、公共災害のようにもうきちんとした方程式が決まっておって、許可というのは、ただ数字を計算の誤りがないことを確認してこちらが通知をするというだけのような、実質的に許可制度がないと同じと、こういうようなものもございます。その辺のところも御理解をいただきたいのでございますが、基本的な抽象論議は大臣からお答えございましたので、その辺のところもお含みおきをいただいて、もし起債制度の許可制度を撤廃するというようなことになりますと、交付税の結びつきなどというものはよほど考えないといけなくなる。 それから政府資金の問題に関してもう一つ申し上げますと、確かに、許可制度を撤廃すれば自治省のいろいろの指導というものはなくなるかもしれません。今度は片一方で、大蔵省だけの問題が必ず政府資金については起こってまいります。それと金融機関の非常に大きな地方団体に対する圧迫、必ず利率を上げろと。いまはうちの許可があるからということでやれますけれども、許可がなくなるとそういう問題も私どもは起こりやしないかということも心配しておるわけでございます。非常に多くの技術的な問題がこの問題には介在しているということだけは御理解を、ぜひ賜りたいと思います。
○和田静夫君 これは一昨日のたとえば中央金庫の問題のときに私所見を少し述べましたが、そういうときに許可制度の問題を考えるべきだ。私の方も、いま直ちに全廃をしろなんというようなことを言っているのではなくて、大臣の答弁の中にありましたが、漸次許可制度は緩和していくという方向というものはこれは問題として検討されて当然である。財政局長、そういう立場に立って答弁をされておりますが、やっぱり自治に対する国の関与を少なくしていくということが真の自治の確立のために必要なんだ、そういうことはやっぱりこの際強調をしておきたいし、国際経済との兼ね合いでいろいろ申されました。昭和三十年に日本の経済ゼロから出発してGNPが二位だとか三位だとかまあ論議をされるような状態になった。ところが地方債の許可制度だけは当分の間という形のものが少しも改善されないんですよ。こういうのは全く奇異な感じがいたしますから、ここのところは、もう時間ですから意見として申し述べておきますので、十分配慮をしていただきたいと思います。大臣よろしいですか。
○国務大臣(福田一君) 和田さんのお考えはお考えとして十分了解をいたしました。
○委員長(原文兵衛君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ―――――・――――― 午後八時三十五分開会
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として石破二朗君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 じゃ、委員長にちょっとお願いをしておきますが、私まだ社会福祉費の単位費用の問題、あるいは人口急増団体における交付税の措置の問題など、かなりの部分の質問が残りましたが、しかし、委員会の事情がございますので、交付税法の審議が終わっても、別の機会にはこれらの問題を煮詰めさせていただく機会をぜひおつくりを願いたいということをお願いします。 それで、先ほど答弁が残っている問題がありますから、これだけ一問あれしますが、いわゆる国家公務員の四月一日付の退職の状況などをめぐる午前中の質問に対して、まず御答弁を求めたいと思います。
○説明員(名本公洲君) いろいろ調べてみましたですけれども、大蔵省の方におきましては、主計局給与課でございますが、先生御要求がございました資料は持っておりませんので、提出方についてはひとつ御容赦いただきたいと思います。
○和田静夫君 それで、実は大蔵省の給与課にもない、あるいは、そこへ尋ねると、総理府が持っているのではないかという返事、総理府に尋ねると、人事院ではないかというふうに、実はたらい回しなんです。しかし、どんなに考えてみても、大蔵省の給与課にないというふうには考えられません。 それからもう一つは、なぜならば、大蔵省は退職金を支払うための報告というものがルートに乗っているわけですから、したがって、そこでまとめようと思えばまとまるはずです。あるいは通産省、防衛庁などは、地方における退職者数を本省で把握していないと言う。したがってきょうの質問をせざるを得なかったんですよ。私は一覧表に自分で調べたやつは持ちました。各省からお出し願ったのは、会計検査院を除いては全部出てきた。そういう状態でありまして、これはどこかで把握をしなけりゃならぬ筋合いのものだし、把握ができるものだと思うんです。これはやっぱり大蔵省の側で責任を持って、私でさえこれだけのものをとにかく報告をさせることができるのでありますから、おまとめを願って、この法律案の取り扱いと絡ませることはやめますから、後ほど資料として提出を願いたい。
○説明員(名本公洲君) 主計局の給与課の方におきましては退職手当、普通退職手当、特別退官退職手当の予算の査定をいたしまして計上いたしますし、そのための報告の実績もいろいろ見ながら予算をやっておりますので、実績はわかりますけれども、これは金額について幾らというのは給与課の方に聞けばわかるわけでございますけれども、何月に何人退職したとか、全体で何人の退職があったというようなことになりますと、これは予算との関連におきましてはなかなか把握しがたい問題でございまして、それができるといたしますと、一般的に給与関係を取り扱っておりますこれは人事局の問題であろうと思います。人事院の方は制度だけでございますので、そこまで取り扱うものでもございませんし、人事局の方であろうと思いますので、先生のその御趣旨のことは人事局の方には伝えますけれども、大蔵省といたしましてはちょっと御要望の資料をまとめる立場にございませんので、その点ひとつ御了承いただきた いと思います。
○和田静夫君 それじゃ、呼んでいませんから、そしてもう時間もありませんから、政府部内の問題でありますので、いま言われたように伝えていただいて極力つくっていただくと、こういうふうに了解をしておきますが、これは大臣よろしいでしょうか、いまの。
○政府委員(植弘親民君) いま大蔵省の名本主計官からるる御説明ございましたように、人事局が国家公務員のそういったものについては承知しているだろうと思います。現在そういう統計をしているかどうか別でございますが、私どもの方からも、当委員会の問題でございますから、総理府にもお願いしたいと思っております。
○委員長(原文兵衛君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 神谷君及び野口君から委員長の手元に、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 まず、神谷君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。神谷信之助君。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由並びにその概要を御説明申し上げます。 現在、地方財政は、昭和四十年当初の不況時、さらには昭和三十年代前半の地方財政危機にも比すべき深刻な事態に直面しており、赤字団体の増大と財政構造の著しい悪化、地方公営企業の赤字の累増のもとで、地方住民が切実に求めている事務事業さえ大幅に削減せざるを得ない状態に追い込まれております。 この事態を単なる財政硬直化とみなし、その原因を挙げて地方の人件費水準と革新自治体などの福祉行政にあるとする政府・自民党の地方自治体攻撃は、危機を生み出したみずからの責任を回避するものであるばかりか、地方自治体への新たな介入と支配にこの危機を利用しようとするきわめて危険な態度と言わねばなりません。 言うまでもなく、今日の地方財政危機の直接の原因は、不況、インフレの共存というスタグフレーションが地方の歳入、歳出に与えた二重のしわ寄せであり、より根本的には、積年の高度成長型、大企業優遇の税財政政策がもたらした地方財政圧迫の結果であります。 すなわち、産業基盤整備への自治体財政の動員、大都市問題激化に伴う財政需要の著しい増大、他方での大企業特権減免税制に伴う地方税収の莫大な減収、実態無視の国庫補助負担制度に基因する膨大な超過負担の押しつけを始め、大企業本位の高度成長政策に従属した中央集権的な地方財政制度とその運営にこそ、今日の危機をもたらした真の原因があることは明らかであります。 とりわけ、地方税とともに地方自治体の主要な自主財源である地方交付税は、昭和四十一年以来その税率を据え置かれ、基準財政需要額を現行交付税率の枠内に、無理やり抑え込むという不当な算定が行われてきた結果、今日では地方交付税交付団体が九十数%にも達するという異常な事態を生み出し、交付税制度が本来持っている地方の財源保障機能を全く失うに至っているのであります。 こうした、実態と乖離した交付税所要額算定のあり方を改めて、交付税率を大幅に引き上げ、福祉重点への経済政策の転換にふさわしい地方自主財源の拡充を図ることは、今日、保守、革新を問わず、すべての地方自治体が一致して要求しているのであります。 しかも、昭和五十年度地方財政が、四十九年度に引き続き、国の歳入欠陥に伴う大幅な交付税減収、地方税減収等によって財源不足を来すことは必至と見込まれており、これを補てんするためにも、地方交付税率引き上げは緊急の課題となっているのであります。 これが、本修正案を提出する主な理由であります。 次に、本修正案の概要を御説明いたします。 〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕 第一は、地方交付税法第六条に規定する地方交付税率を八%引き上げ、四〇%といたしております。 第二は、都の特例の廃止であります。都の基準財政収入額及び基準財政需要額の算定に当たっては、特別区を市とみなした場合に得られる基準財政収入額及び基準財政需要額を加算する特例を廃止し、特別区を市とみなして都とは別に算定することといたしております。なお、この結果、都に交付されることとなる普通交付税について、都は交付額相当額を都区財政調整交付金の財源に充てるものといたしております。 以上が、本修正、案の提案理由及びその概要であります。慎重審議の上、速やかに可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
○理事(安田隆明君) 次に、野口君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。野口忠夫君。
○野口忠夫君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案に関し、日本社会党、公明党を代表いたしまして、提案理由と概要を御説明申し上げます。 第八回統一自治体選挙の結果にも示されているように、国民は、自民党・三木内閣の地方自治否定、革新自治体敵視の人件費攻撃を退け、福祉の質的強化の主要な手段としての地方財政の強化を強く求めております。この選挙結果に示された国民の要求に正しくこたえ、いたずらな人件費攻撃を直ちにやめ、地方財政強化の具体的改革を即刻講ずることこそ、今国会後半の重要な課題と言わねばなりません。特に地方交付税は、不況とインフレの二重苦に悩む地方財政にとってはますます貴重な財源となっており、地方財政の実態に沿った改革と民主的運用が今日ほど強く求められているときはありません。 しかしながら、歴代自民党政府は、高度成長政策を進め、地方財政を中央集権化させるため、地方交付税を第二補助金化してまいりました。基準財政需要と収入の一方的算定、大企業のための産業基盤優先の事業費補正など、地方交付税法の趣旨を全く踏みにじった改悪こそ、今日の地方財政危機の大きな原因の一つであります。自民党・三木内閣の非民主的地方交付税の運用をやめさせ、自民党政府の高度成長政策による過密過疎のもとで膨大な財政需要に追いまくられる一方、不況によって危機的財政に直面している市町村の窮状を打開するため、緊急に配分を民主化し、地方財政の危機的状況を打開する必要があります。これが本修正案を提案いたしました理由であります。 それでは、本修正案の概要を御説明申し上げます。 第一は、人口急増市町村の財政対策についてであります。昭和五十年三月三十一日現在の住民基本台帳登載人口が昭和四十五年より五千人以上かつ一〇%以上増加している市町村を人口急増市町村とし、これと市町村の昭和五十年度以降発行する普通建設事業債償還費及び公共用地先行取得事業債償還費のそれぞれ五〇%を基準財政需要額に算入することといたしております。 第二は、人口急減市町村の財政対策の強化であります。前述と同様の期間において人口減少率が七・五%以上であり、かつ昭和四十七年度から昭和四十九年度までの三カ年度の平均財政力指数が〇・四未満の市町村を人口急減市町村とし、これら市町村の公共用施設及び公用施設建設事業のため昭和五十年度以降発行した地方債のうち、過疎債、辺地債、同和対策事業債、公害防止事業債を除いた地方債の元利償還額の七〇%を普通建設事業債償還費として基準財政需要額に算入することといたしております。 〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 第三は、都の特例の廃止であります。都の基準財政収入額及び基準財政需要額の算定に当たっては、特別区を市とみなした場合に得られる基準財政収入額及び基準財政需要額を加算する特例を廃止し、特別区を市とみなして都とは別に算定することといたしております。なお、この都の特例を廃止した結果、都に交付される普通交付税について、都は、交付額相当額を都区財政調整交付金の財源に充てるものといたしております。 第四は、普通交付税、特別交付税の割合を変更し、現行九四対六を九六対四といたしております。 以上が、本修正案の提案理由及びその概要であります。慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○委員長(原文兵衛君) ただいまの神谷君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいまの日本共産党提案の修正案については、政府としては反対であります。
○委員長(原文兵衛君) ただいまの神谷君及び野口君提出の修正案に対し、御質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。 これより地方交付税法の一部を改正する法律案並びに神谷君及び野口君提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○赤桐操君 私は、日本社会党を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律案及び日本共産党提出の修正案につきまして、次の立場から反対討論を行うものであります。 現在、地方財政は異常な危機に陥りつつあり、その状況は昭和三十年代前半の危機よりもさらに深刻であると言って過言ではありません。 その原因の第一は、中央集権型財政構造に根本的な欠陥があることは明白であり、これがインフレによる事業費支出の増大、実態とかけ離れた国庫補助負担制度による超過負担、公共用地の取得難、人件費の積算と地方財政計画における規模是正の不十分さ、これに加えて地方公営企業に対する措置の不十分さに起因する経営悪化、さらに不況による税収の鈍化等がこれに拍車をかけたものでありまして、地方財政の状況はまさに有史以来の危機に見舞われていると言っても過言ではありません。 わが党はこの状況にかんがみて、次の提案を行い、昨年末より政府当局に申し入れ、本院においても、地方財政緊急措置法案として提案してまいっているところであります。 すなわち、住民税の課税最低限の引き上げを含めて住民負担の軽減を図り、もって個人消費の上昇による景気の回復、これに伴い地方財源の減収及び地方単独事業費の増加、特に民生費等社会福祉を重点的に充実させるための第二交付税の創設、法人の税負担の強化、地方交付税の民主的配分、すなわち交付税総額に無理につじつまを合わせるための基準財政需要額の算定の改善を行うとともに、特別交付税率をさらに減額すること、地方債の許可制度の改善と政府資金割合を八〇%とすること、公共用地の確保のための起債を十分に保証すること、超過負担の解消、国庫補助制度の改革を、法律による調査会を設置して調査検討するとともに、過去の分も補てんすること、人口急増、急減市町村対策の強化、地方公営企業に対する措置、国民健康保険対策の強化、都の特例措置の廃止等の提案を含めつつ慎重な審議を行ってまいったのでありますが、自民党政府の措置は抜本的対策としてはきわめて不十分であると言わざるを得ません。 政府は、地方財政のこのような危機の中で、地方財政の危機の原因の最大なるものは人件費であるとして大きく宣伝しておりますが、まことに遺憾であります。政府の今回の法改正案は、これらの点から言ってきわめて不十分であり、一日も早くわが党の提案する地方財政に対する抜本的改革を検討するよう強く要求するものであります。 以上、私は地方財政に対する政府の措置がきわめて不十分である点を強調して反対討論といたします。 次に、日本共産党提出の修正案に対し、反対理由を申し上げます。 地方交付税の増額は、先ほど申し上げた地方財政の危機に対し可能な限り増額すべきであり、否定するものではありません。しかしながら、今日、自民党政府によって地方交付税が第二補助金化されている実態のもとでは、単なる税率の引き上げでは全く不十分であります。わが党の主張するように、当面社会福祉の単独事業分や生活環境施設の単独分を強化するなど、その配分についても明確に定めておくことがきわめて重要であります。現行交付税の配分方法に相当問題があるにもかかわらず、これらに何ら触れないばかりか、政府に一任する措置はとうてい納得し得るものではありません。これが私の反対理由であります。 以上、二つの提案に反対の立場を申し上げ、反対討論といたします。(拍手)
○金井元彦君 私は、自由民主党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成し、日本社会党、公明党共同提案の修正案並びに日本共産党の修正案に反対の意を表するものであります。 本法律案は、昭和五十年度の普通交付税の算定に当たり、老人福祉対策等社会福祉施策の充実、教育施設の整備等教育水準の向上、市町村道、清掃施設等、住民の生活に直結する公共施設の整備、過密過疎対策、消防救急対策及び消費者行政等に要する経費に対して重点的に財源の配分を行うとともに、緊急を要する公共用地の円滑な取得を図るため、臨時土地対策費を基準財政需要額に算入する等、所要の措置を講ずることを内容といたしております。 わが国の経済は、高度成長から安定成長へと基調的な転換の時期を迎え、国も地方も、ともにその財政運営は、住民福祉向上のため効率的な運用が期待されております。長期にわたる国民福祉の向上の基礎を確立するためには、冗費を節約し、乏しい財政の中から、必要な経費は十分確保していかなくてはなりません。政府は、五十年度の財政政策の目標として、物価の安定を最重点施策としつつ、その中で生活優先の施策を実現しようとしています。国と地方とは、常に車の両輪にたとえられています。国の施策が十分その効果を上げるためには、地方団体の協力が必要であります。 本法律案の内容は、厳しい財政環境の中で、国の財政政策に協力しつつ、財源の重点的配分と経費支出の効率化に留意したものであり、あわせて経済情勢の推移に応じて地方財政の機動的、弾力的な運営を図り得るよう措置するものであります。 以上のような理由により、政府原案はまことに時宜に即した適切な措置であると考えます。 以上、いずれの修正案にも反対、政府原案に賛成の意を表します。
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党、公明党共同提出による修正案に賛成し、日本共産党提出の修正案並びに修正が行われない場合の政府原案に反対する立場から討論を行います。 以下、政府原案に対する反対の主な理由を申し述べます。 反対理由の第一は、長年にわたる高度経済成長政策のもとに、わが国の経済は長足の進歩を遂げてまいりましたが、反面、公害、物価高、生活関連施設の整備及び福祉対策等、地域住民に直接関係のある諸施策は著しく立ちおくれ、低成長時代に入った今日、福祉重点の政策を図らねばならないにもかかわらず、依然として地方財政は、税制においても、補助金制度、地方交付税制度等々、その他の面についても、従来の産業基盤重点の体制のままに置かれております。当然、低成長という新しい時代にふさわしい福祉型財政への政策転換を図るために、その体制において地方財政全般を抜本的に改めなければなりません。これに対して、政府は改めようとする姿勢が全く見られないのであります。 反対の第二は、地方財政計画についてであります。 四十八年度の地方財政計画と決算との対比は、歳入で一八%、歳出で一六%も決算の方が増加しております。このように計画と決算が乖離していることに対し、政府は人件費と福祉の先取りが原因であると主張しておりますが、全く本質をゆがめたすりかえ論であります。計画を実際よりも過小に策定している政府の意図は、人件費を低く抑えることと、自治体本来の使命である福祉行政にブレーキをかける以外の何ものでもないと言わざるを得ません。本来の地方財政計画は、地方の財政運営の指針となるべきものであり、特に、高度経済成長から低経済成長に移行する変動期においてこそ、その役割りは一層重要であることは言うまでもありません。今年度の地方財政計画も従来の姿勢を踏襲し、実態とかけ離れたものであり、本来の役割りを果たすどころか、地方財政を締めつける何物でもありません。 反対の第三は、地方交付税の税率についてであります。 四十九年度分の地方交付税についてはすでに配分済みでありますが、政府の税収見積もりの誤りにより過剰交付の問題が生じており、その返納について納得のいく答弁が得られません。さらに、本年度の交付税の見込み額四兆四千八十六億円についても、確保できるかどうか全く不安定な様相を呈しているのであります。これは、政府の税収見通しが余りにもずさんであることを証明しているのであります。 また、国土利用計画法の施行等による国の機関委任事務が激増しており、住民の要求である福祉の充実、立ちおくれている生活関連施設整備の拡充等、自治体の財政需要は増大の一途をたどっております。 しかしながら、低経済成長のもとにおいては、これまでのような地方税の大幅な伸びは期待できないのが実情であり、また、地方交付税も自然増収が鈍化し、きわめてその枠が限られてしまいます。 このような現状のもとでは、立ちおくれている生活関連施設の拡充、福祉の充実等を図るためには、国税の大幅な地方移譲を行うとともに、交付税率を四〇%に引き上げ、地方財政の強化を図るべきであります。 反対の第四は、超過負担の解消措置についてであります。 超過負担は、今日の地方財政危機の最大の原因であるとともに、国と地方との財政秩序を乱す原因となっております。政府の超過負担解消策は、常に一部の国庫補助負担事業に限定され、後追い的に単価差等の是正を行っているとはいうものの、実勢単価を大幅に下回り、対象範囲、数量差についても実態に即したものとはなっていません。 また、超過負担に対して国と地方との見解の相違が解消を一層困難にしております。その意味から、公明党が提案した国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全化に関する法律案を早期成立させ、地方六団体、関係行政機関、学識経験者によって構成された地方超過負担調査会を総理府に置いて、これを国、地方対等の立場による調査、協議、勧告機関として運営し、その勧告によって速やかに超過負担の解消を図るべきであります。 反対の第五は、人口急増市町村対策についてであります。 人口急増市町村におきましては、短期間にかつ急激に増加する人口に対応して、義務教育施設、廃棄物処理施設を初め、良好なる市街地の形成を確保するために、都市計画街路、公共下水道の整備等が緊急に必要となっており、この解決が地方公共団体の最も緊要な課題となっております。 政府は、これらの課題に対し、従来から若干の予算措置で対処しているだけであり、根本的な対策を講じようとしておりません。そのため地方財政を圧迫し、加えて昨今のインフレと不況の併存という異常な経済状況の中で、これら人口急増市町村の財政は破綻に瀕しております。 公明党は、このような現状にかんがみ、人口の急激な増加に伴う公共施設及び公益的施設の整備に関する特別措置法案を今国会に提出しておりますが、財政窮迫を告げる急増市町村を救済するには、この立法化以外にはないと考えるものであります。 なお、最近の高校進学率の上昇に伴って、今後、高等学校の不足が顕著になることは明白であります。準義務教育とも言うべき現在の高等学校に対し、現行のように都道府県のみに責任を負わせるのではなく、国も大幅な補助制度を確立すべきであります。 以上、日本社会党、公明党共同修正案並びにこの修正部分を除く原案に賛成し、日本共産党の修正案、並びに修正されない場合の政府原案に反対する討論といたします。(拍手)
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、社会党、公明党提出の修正案には棄権、日本共産党提出の修正案に賛成する討論を行います。 まず、政府提案についてであります。 今日、地方自治体は、長年にわたる大企業本位の高度成長政策のひずみがもたらした莫大な財政需要と、国に偏重した税財源配分、さらには膨大な超過負担のもとで、その財政構造をゆがめられ、加えて昨年来のスタグフレーションの進行によってきわめて深刻な財政危機に直面しているのであります。 しかるに政府案は、この事態を危機とみなさないばかりか、地方の人件費と福祉行政を財政硬直化の原因として攻撃し、地方自治への新たな介入と統制を強め、危機に対応する何らの有効な財政措置をも講じようとしていないのであります。 政府は、地方交付税率の引き上げを切実に求める地方自治体の要求に対して、現行税率によって交付税所要額が十分確保されていると強弁しています。しかし、所要額積算の前提となる地方財政計画が決算と大きく乖離し、交付税の基準財政需要額が実態を無視して不当に低く抑えられていることは、今国会の論議を通じて改めて明らかにされたとおりであります。 現行交付税率の枠内に無理やり需要額を押し込む、この不当な逆算方式がすでに破綻していることは、交付団体が今日九十数%にも及び、交付税本来の財源保障機能をも完全に喪失するに至っている事態によっても明白であります。 政府は、こうした不公正な交付税算定のあり方を改め、当面の不況、歳入欠陥に伴う地方財源不足を補い、さらには今後の低成長経済のもとで、福祉優先への政策転換を保障し得る地方自主財源を拡充するために、この際、昭和四十一年以来不当に据え置いてきた現行交付税率を当然大幅に引き上げるべきであります。 以上が、政府案に反対するわが党の基本的な理由であります。 次に、社会党、公明党提案の修正案についてであります。 まず、人口急増市町村及び人口急減市町村に対する交付税措置の強化の内容については、わが党もすでに発表している人口急増地域財政特別措置法案要綱並びに過疎対策緊急措置法改正案要綱において主張している内容に沿うものであり、賛成であります。 都の特例措置廃止についても、特別区自治権拡充が実現した今日、もはや何ら合理的根拠を持ち得ない措置であり、わが党も強くその廃止を求め、修正案にも含めているところであります。 こうした積極的改善を含みながらも、社会党、公明党案は、今日地方自治体が財政危機の中で緊急に実現を求めている交付税率引き上げの切実な要求にこたえていない。したがって、枠内の措置にすぎない点で、わが党は残念ながら本修正案に棄権の態度を表明するものであります。 最後に、日本共産党提案の修正案に賛成して私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(原文兵衛君)他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 これより地方交付税法の一部を改正する法律案並びに神谷君及び野口君提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案について採決に入ります。 まず、神谷君提出の修正案を問題に供します。神谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。 次に、野口君提出の修正案を問題に供します。野口君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 少数と認めます。よって、野口君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 少数と認めます。よって、本案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) この際、便宜私から、各派共同提案に係る地方財政の充実強化に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方財政の充実強化に関する決議(案) 政府は、現下の厳しい経済情勢のもとにおいて、住民福祉の向上が実現できるよう地方財政の充実強化をはかるため、次の諸点について善処すべきである。 一、昭和五十年度における国税三税の収入額が、当初見込みを下回った場合においても当初の地方交付税総額を確保するとともに、地方税収入が地方財政計画計上額を下回る団体に対しては必要な財源措置を講ずること。なお給与改定等により地方財政計画上の歳出に不足を生ずることとなる場合においても、また同様とすること。 二、地方団体の増嵩する財政需要に対処するため、地方交付税率の引上げ等を含め、地方交付税の所要額の確保等、一般財源の充実強化をはかるとともに、地方交付税の配分並びに算定方法について、その合理化に努めること。 三、特別交付税については、既に算定方式が定型化している費目等は普通交付税に組み入れ、それに伴って特別交付税の率を引き下げる等そのあり方について検討すること。 四、地方財政計画の策定に当っては、積算内容の改善をはかり、決算とのかい離をできるだけ縮小するよう努めること。 五、地方団体の税収入の安定をはかるため、事業税の課税標準の合理化について検討すること。 六、国の租税特別措置が地方税に及ぼす影響をしゃ断するとともに、地方税における非課税措置を可及的すみやかに整理合理化すること。 七、超過負担については、完全解消措置を講じ、新たに超過負担を生じさせることのないよう国庫補助負担制度を抜本的に改善すること。 八、地方債については、許可制度の積極的改善をはかるとともに、政府資金割合の拡充、償還期限の延長等改善措置を講ずること。 九、上、下水道、清掃施設、教育施設、社会福祉施設等、住民の生活関連公共施設の計画的な整備を推進するため、国庫補助負担制度の拡充強化を行うこと。 十、人口急増地域及び過疎地域の市町村に対する財政措置の充実をはかること。なおこれらの地域に準ずる地域の市町村に対しても適切な配慮を加えること。 十一、住民生活に不可欠な地方公営企業の経営の現状にかんがみ、その本来の目的である公共の福祉を増進するため、国庫補助制度の拡充強化等総合的な経営健全化対策をはかること。 十二、公営ギャンブル収入の均てん化については、公営企業金融公庫への繰入率の引上げをはかるとともに、当該地方団体の財政状況を考慮しつつ、収益金の一定率を基準財政収入額に算入すること等について検討すること。 十三、地方事務官制度については、昭和五十一年三月三十一日を目途として廃止し、地方公務員とするよう努めること。 右、決議する。 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 神谷君。
○神谷信之助君 動議を提出いたします。 公職選挙法の一部改正法案、政治資金規正法の一部改正法案が付託をされております公職選挙制度特別委員会に対し、当委員会より連合審査を申し入れる件について、ただいまよりその可否につき採決に付されることを動議として提出をいたします。
○委員長(原文兵衛君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(原文兵衛君) 速記起こして。 ただいまの動議は委員長、理事において協議することにいたします。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 次に、石油コンビナート等災害防止法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました石油コンビナート等災害防止法案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 石油コンビナート等における災害がその周辺の地域に重大な影響を及ぼすおそれがあることにかんがみ、石油コンビナート等の区域内において石油または高圧ガスを貯蔵し、取り扱い、または処理する事業所に対して防災上の見地からの規制を強化するとともに、その区域における一体的な防災体制を確立する等、石油コンビナート等における災害の発生及び拡大を防止するための総合的な施策の推進を図る必要があります。 これが、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、石油コンビナート等特別防災区域を指定し、その区域内における一定の事業所の新設または変更について、災害の拡大の防止の見地から規制の強化を図ろうとするものであります。 すなわち、大量の石油もしくは高圧ガスを貯蔵し、取り扱い、もしくは処理する区域または貯蔵し、取り扱い、もしくは処理することとなると認められる区域を石油コンビナート等特別防災区域として政令で指定するとともに、この区域内において多量の石油と高圧ガスをともに貯蔵し、または取り扱い、及び処理する事業所の新設または変更をしようとする事業者は、主務大臣にその計画を届け出なければならないものとし、主務大臣は、聖業所内の各施設地区の面積及び配置が災害の拡大の防止の見地から適切でないと認められるときは、必要な指示を行うことができることとしております。 第二は、事業所における防災施設及び防災組織等の強化であります。 このため、各種の防災施設及び自衛防災組織の設置、防災管理者の選任、防災規程の作成等を事業者に義務づけることにより、事業所の防災体制の強化を図り、また人員、資機材を備えた共同防災組織、及び石油コンビナート等特別防災区域協議会を設置することにより、事業者による地域の共同防災体制の整備を促進することといたしております。 第三は、石油コンビナート等特別防災区域における防災体制の一元化であります。 このため、都道府県に都道府県知事を本部長とし、関係市町村長、関係機関の長、事業者等を本部員とする防災本部を常置し、総合的かつ一体的な防災対策の実施を確保していくこととしております。 第四は、石油コンビナートにおける災害が、その周辺の地域に及ぶことを防止するための緩衝地帯の設置の推進であります。 すなわち、地方公共団体が緩衝地帯としての緑地等を設置する場合に、その費用について一部を事業者に負担させることができることとするとともに、国においても特別の財政措置を講ずることとしております。 その他罰則規定を設けるとともに、消防法、地方交付税法、消防施設強化促進法の一部改正等を行うものであります。 以上が、石油コンビナート等災害防止法案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(原文兵衛君) 次に、補足説明を聴取いたします。佐々木消防庁長官。
○政府委員(佐々木喜久治君) 石油コンビナート等災害防止法案の内容につきまして、お配りしております法案の順序により補足して御説明申し上げます。 まず、第一章、総則であります。 第一条はこの法律の目的を規定しておりますが、この法律は、石油コンビナート等特別防災区域に係る災害の防止に関する基本的事項を定めることにより、消防法、高圧ガス取締法、災害対策基本法その他災害の防止に関する法律と相まって、石油コンビナート等特別防災区域に係る災害の発生及び拡大の防止のための総合的な施策の推進を図ろうとするものであります。 ここで、この法律の対象とする石油コンビナート等特別防災区域でありますが、第二条第二号において定義しておりますように、当該区域に所在する事業所における石油の貯蔵・取扱量もしくは高圧ガスの処理量が基準量を超える区域もしくは超えることとなると認められる区域、または石油もしくは高圧ガスだけでは基準量を超えないが、これらを合わせると基準量を超える区域、もしくは超えることとなると認められる区域であって災害の防止のための措置を講ずることが緊要であるものを政令で指定するものであります。 これは、大量の石油等が扱われる区域については、他の一般の地区と異なって、防災上特別の措置を講ずる必要があると考えられるからであります。 また、この法律における災害でありますが、第二条第三号において定義しておりますように、火事、爆発、石油等の漏洩もしくは流出その他の事故または地震、津波その他の異常な自然現象により生ずる被害を言うものであります。 災害対策基本法が、事故については大規模なものに限定して言っておりますが、この法律では必ずしもこのような限定をしておりません。 また、この法律の対象とする事業所でありますが、第二条第四号及び第五号において定義しておりますように、石油コンビナート等特別防災区域に所在する事業所であって、当該事業所における石油の貯蔵・取扱量もしくは高圧ガスの処理量が基準量を超えるものまたは石油もしくは高圧ガスだけでは基準量を超えないが、これらを合わせると基準量を超えるものを第一種事業所とし、第一種事業所以外の事業所で一定数量以上の石油・高圧ガスその他の物質を取り扱う事業所であって都道府県知事が指定するものを第二種事業所とし、これら災害の発生またば拡大の要因となる危険な物質を扱う事業所について災害の防止のための特別の措置を講じさせようとするものであります。 第三条は、特定事業者の責務規定であります。石油コンビナート等特別防災区域の災害の多くは、事業者に第一次的責任があることから、特定事業者の災害の発生及び拡大の防止のための責務を明らかにしたものであります。なお、当該区域の特殊性から、特定事業者は他の事業者と協力し、相互に一体となって必要な措置を講ずべきものとしております。 第四条は、国及び地方公共団体の行うべき施策について規定しております。 次は、第二章、新設等の届け出、指示等についてであります。 第二章、第五条から第十四条までは、事業所の新設または変更について、消防法、高圧ガス取締法と相まっての災害の拡大の防止の見地からの規制について規定しております。 第五条、第七条及び第八条は、新設または変更の届け出及び新設または変更の計画に係る指示の規定であります。石油及び高圧ガスをともに扱う第一種事業所の新設または変更をしようとする者は、その計画を主務大臣に届け出なければならないものとし、製造施設地区、貯蔵施設地区、用役施設地区、事務管理施設地区その他の施設地区の面積及び配置並びに連絡導管及び連絡道路の配置が災害の発生の場合の拡大防止に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、主務大臣は計画の変更または廃止を指示することができるものとして、現在消防法及び高圧ガス取締法の二法によりそれぞれ行われている規制のほかに、事業所全体について一元的な防災上の規制を、事業所内の各施設地区の配置等の面で行おうとするものであります。 第六条は、経過措置の規定であります。特別防災区域の指定があった際、石油と高圧ガスをともに扱う既存の第一種事業者は、指定の日から二月以内に事業所内の各施設地区の配置及び面積その他必要な事項を主務大臣に届け出なければならないこととしております。 第九条は、消防法等の許可との関係を規定しております。消防法または高圧ガス取締法の規定による許可権者は、新設または変更の届け出に係る施設の許可の申請について指示がされるまで、または三月の期間が経過するまでは許可をしてはならないこととするとともに、届け出た新設または変更の計画について変更の指示があった場合は、その指示に従って変更された計画に適合していないと認めるとき及び計画の廃止の指示があったときは許可をしてはならないこととし、消防法及び高圧ガス取締法の二法によりそれぞれ行われている規制との連携を図り、これら法律と相まって規制を強化しようとするものであります。 第十条は、実施の制限の規定であります。新設等の計画を届け出た者は、指示がされるまで、または三月の期間が経過するまでは、事業所の新設等をしてはならないこととしております。 第十一条は、新設等の確認の規定であります。新設等を完了した者は、当該新設等が届け出た計画、または指示があった場合は指示に従って変更された計画に適合しているかどうかについて、主務大臣の確認を受けなければならないこととしております。 第十二条は使用停止命令の規定であります。主務大臣は、新設等の計画または指示に適合していない事業所を設置している者等に対し、当該事業所についてその施設の使用の停止を命ずることができることとしております。 第十三条及び第十四条は、事業者の氏名等の変更及び地位の承継があった場合の規定であります。 次は、第三章、特定事業者に係る災害予防についてであります。 第三章、第十五条から第二十二条までは、事業所における防災体制の強化及び地域における共同防災体制の整備について規定しております。 第十五条は、特定防災施設等の設置であります。特定事業者は、主務省令で定める基準に従って流出油等防止堤、消火または延焼の防止のための施設その他の特定防災施設等を設置しなければならないこととし、石油コンビナート等特別防災区域の特定事業者が特別に備えるべき防災施設等について、その設置、維持、点検等を義務づけております。 第十六条は、特定事業者に自衛防災組織の設置を義務づける規定であります。特定事業者は、政令で定めるところにより、要員及び化学消防自動車、消火用薬剤、油回収船その他の資機材等を備えた自衛防災組織を設置しなければならないこととし、事業所の防災体制の強化を図っております。 第十七条は、特定事業者に防災管理者の選任を義務づけ、自衛防災組織を統括させることを定めたものであります。 第十八条は、特定事業者に、自衛防災組織の業務の実施についての防災規程の作成を義務づける規定であります。 第十九条は、共同防災組織の設置についての規定であります。一の特別防災区域に所在する特定事業者の全部または一部は、共同して自衛防災組織の業務の一部を行うための要員及び資機材等を備えた共同防災組織を設置することができることとしております。 なお、第四項の規定により、共同防災組織を設置している特定事業者については、自衛防災組織に置くべき要員及び資機材等の数を減ずることができることとしております。 第二十条及び第二十一条の規定は、第十五条から第十八条までの規定による義務づけについて一定期間の経過措置を設けるとともに、これらの規定による義務づけに違反した者に対し、必要な措置を行うこと及び施設の使用の停止を命ずることができることとするものであります。 第二十二条は、特定事業者が共同して、災害の発生または拡大の防止に関する自主基準の作成等を業務とする特別防災区域協議会を置くように努めなければならないものとし、特別防災区域内の事業者が共同して自主的な防災のための努力を行うべきこととしております。 次は、第四章、災害に関する応急措置についてであります。 第二十三条は、事業所の責任者の異常現象についての消防機関への通報義務を明らかにするとともに、消防機関は、直ちに、これを警察署、海上警備救難機関等の関係機関に通報すべきことを定めた規定であります。 この規定に違反して通報をしなかった事業所の責任者については、処罰規定、第五十一条第三号でありますが、処罰規定を設けております。 第二十四条及び第二十五条は、異常な現象が発生したときの自衛防災組織及び共同防災組織の災害防除活動の実施及び市町村長、管区海上保安本部の事務所の長等のこれら組織に対する指示について定めた規定であります。これによって市町村の消防機関、もしくは海上保安機関と事業者の防災組織が一体となった災害防除活動ができるようにしたものであります。 第二十六条は、石油コンビナート等防災本部に対する災害応急措置の概要の報告の規定であります。 次は、第五章、防災に関する組織及び計画についてであります。 第二十七条及び第二十八条の規定は、石油コンビナート等防災本部に関する規定であります。都道府県に、都道府県知事を本部長とし、関係特定地方行政機関の長、関係市町村の長及び消防機関の長、事業者の代表者等を本部員とする石油コンビナート等防災本部を常置し、この防災本部によって、都道府県、市町村、関係地方行政機関及び事業者が一体となって総合的に石油コンビナート等に係る災害の防止のための措置の実施が確保されるようにしたものであります。 第二十九条の規定は、個々の災害の態様に即して石油コンビナート等特別防災区域に係る災害応急対策等を実施することができるように、災害発生時に、石油コンビナート等防災本部長が、防災本部の現地出先機関として現地防災本部を置くことができることを定めたものであります。 第三十条の規定は、特別防災区域が二以上の都道府県にわたって所在する場合、これらの都道府県は共同して防災対策を講ずる必要があるので、防災本部の協議会を設置しなければならないことを規定したものであります。 第三十一条の規定は、石油コンビナート等特別防災区域の防災に関する総合的な計画である石油コンビナート等防災計画の作成に関する規定であります。 第三十二条の規定は、災害対策基本法との関係を定めたものであります。第一項の規定は、都道府県または市町村の区域に係る防災のうち特別防災区域に係る防災に関しては、この法律により、特に防災本部を設置し、また石油コンビナート等特別防災区域防災計画を定めることとしておりますので、災害対策基本法による地方防災会議が所掌する地域または区域及び地域防災計画の対象となる地域または区域には特別防災区域を含まないこととし重複を避け、一元的な防災対策を講じようとしたものであります。また、第二項の規定は、特別防災区域の防災に関しては、災害対策基本法による地方防災会議及び地域防災計画についての特例規定を設けたことに伴い、防災に関する基本法である災害対策基本法の各規定の適用関係について必要な読みかえ規定を設けたものであります。 次は、第六章、緑地等の設置についてであります。 第六章は、石油コンビナート等における災害がその周辺の地域に及ぶことを防止するため、石油コンビナート等の地域に、緩衝地帯としての緑地を、国、地方公共団体、事業者の三者が費用を三分の一ずつ負担しあって設置することができるものとしたものであります。 第三十三条は、地方公共団体の長は、公害防止対策事業として緑地等の設置事業を行うことができる地域以外の地域において、防災のための緩衝地帯として緑地等を設置しようとするときは、その設置計画を定め、主務大臣の承認を受けることを規定したものであります。 第三十四条及び第三十五条は、地方公共団体が行う緑地等の設置の費用についてはその三分の一を第一種事業者に負担させることができるものとするとともに、事業者負担に関して所要の事項を規定したものであります。 第三十六条は、緑地等の設置に要する経費のうち事業者が負担すべきものを除いた額について国はその二分の一を補助することができるとともに、当該事業に係る地方債の元利償還について地方交付税により措置することとしたものであります。 次は、第七章、雑則であります。 第三十八条の規定は、石油コンビナート等特別.防災区域を指定するときは、地域の防災に最も詳しい地元都道府県知事及び市町村長の意見を聞かなければならないとする規定であります。 第三十九条及び第四十条は、主務大臣等がこの法律の施行に関し、特定事業者から報告を徴収し、または立入検査を行うことができることとする規定であります。 第四十一条の規定は、都道府県知事は高圧ガス取締法の規定、及び市町村長はこの法律または消防法の規定に基づく権限の行使等について相互に通報し、災害の発生または拡大の防止のため必要な措置を要請することができることとし、高圧ガス取締法による規制と消防法による規制との相互の密接な連携の確保を図ることによって、石油コンビナート等特別防災区域の総合的な防災対策を講ずる基礎としようとするための規定であります。 第四十二条の規定は、特定事業者は、この法律により、特別の規制を受けることとなるものであることから、国は、特定事業者に対して防災施設または設備の設置等に要する費用について必要な資金のあっせん等に努めることを定めたものであります。 次に第八章、第四十九条から第五十二条までは、罰則であります。 次に、附則であります。 附則第三項は消防法の一部改正を規定しております。 第十二条の七の規定を加えたのは、多量の危険物を貯蔵し、または取り扱う事業所に危険物保安統括者を設置しなければならないとするものであります。 第十四条の三の二の規定を加えたのは、一定の種類の製造所、貯蔵所または取扱所について定期点検を行わせようとするものであります。 第十六条の三の改正は、危険物の流出等の事態が発生したときに関係者が応急措置を講じなかった場合の実施命令について定めたものであります。 第三十九条の二及び第三十九条の三の規定を加えたのは、危険物を漏出させ、流出させ、放出させまたは飛散させて火災危険を生ぜさせた者についての処罰を行おうとするものであります。 附則第六項は、消防施設強化促進法の一部改正を規定しております。石油コンビナート等特別防災区域の所在する政令で定める市町村について、当分の間、消防施設の配置に係る国の補助金の補助率を引き上げるものであります。 以上でございます。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 政府は、恩給年額の増額を図るため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願っておりますが、これに伴い、地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるほか、廃疾年金の受給資格の消滅時期の延長、給料年額の算定方法の改正に伴う退職年金等の年金額の是正等の措置を講ずるとともに、地方議会議員に係る退職年金等の増額改定措置及び地方団体関係団体の職員に係る退職年金制度について、地方公務員共済組合制度の改正に準ずる措置を講ずる必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項のうち恩給制度の改正に伴うものについてであります。 その一は、恩給年額の増額の措置に準じ、地方公務員共済組合が支給する退職年金等の額について増額することとしております。すなわち、その額を、昭和四十八年度以前の退職に係るものについては昭和五十年八月分から二九・三%増額するものとし、加えて、昭和四十四年度以前の退職に係るものについては昭和五十一年一月分から退職時期の区分に応じ、さらに三・七%を限度として増額する措置を講ずることとしております。 その二は、恩給における最低保障額の引き上げに伴い、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その三は、恩給における八十歳以上の老齢者に支給する普通恩給等の加算措置が改善されたことに伴い、年金条例職員期間等を有する八十歳以上の老齢者に支給する退職年金、廃疾年金及び遺族年金について、その額に十年を限度として最短年金年限を超える年数一年について給料年額の三百分の一に相当する額を加える措置を講ずることとしております。 その四は、恩給における増加恩給の、額が増額されたことに伴い、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その五は、以上の措置のほか、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和等の措置を講ずることとしております。 第二は、その他の地方公務員共済組合制度の改正に関する事項であります。 その一は、廃疾年金を受ける権利は、廃疾の状態に該当しなくなつた日から廃疾の状態に該当することなく三年を経過したときに消滅することとし、廃疾の状態に該当しなくなつたときは、その間、廃疾年金の支給を停止することとしております。 その二は、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を三十一万円に引き上げることとしております。 その三は、旧沖繩県町村吏員恩給組合の恩給条例の規定により退隠料等の受給権を有することとなる者及び旧樺太にあった市町村の退職年金条例の規定による退隠料等の受給権を有していた者について、それぞれ当該退隠料等に相当する給付を支給する措置を講ずるごととしております。 その四は、昨年度において、長期給付の給付額の算定の基準となるべき給料の算定方法が、退職前三年間における掛金の標準となった給料から退職前一年間における掛金の標準となった給料に改正されたことに伴い、昭和四十四年度以前に退職した者のうち、退職年金等の年金額の是正が必要なものについては、その年金額の是正措置を講ずることとしております。 その五は、更新組合員またはこれに準ずる者の地方公共団体における特異な雇用状況にあった期間を退職年金の受給資格を得るための期間として取り扱う措置を講ずることとしております。 第三は、その他の制度の改正に関する事項であります。すなわち、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、増額改定をするとともに、地方団体関係団体の職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度における措置に準じて所要の措置を講ずることとしております。 以上が、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(原文兵衛君) 両案に対する質疑は後日に譲ります。 ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(原文兵衛君) 速記を起こして。 本日はこれにて散会いたします。 午後九時五十二分散会 ―――――・―――――