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75回国会参議院1975/06/24

地方行政委員会 第15号

発言数
441
登壇者
33
会派数
2
開催日
1975/06/24

会議録

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、地方交付税法の一部を改正する法律案審査のため、日本中央競馬会、日本銀行並びに日本住宅公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 本委員会ですでに行われた各党の委員の皆さんの質問と重複を極力避けながら、若干の質疑を行います。  まず、地方交付税制度の簡素化を図って、そして省令事項をもっと少なくして法律化することが今日大変必要である、こういうふうに考えますので、問題にしてみたいと思います。  地方交付税制度の簡素化については国会でたびたび指摘があり、昭和四十八年十一月の地方制度調査会の中間報告などもありまして、自治省も基本的方向としてはこれを認めていらっしゃいます。そして若干ではあるが簡素化についても進めてこられました。昨年度の交付税制度の改正で、道府県分の海岸保全施設の延長やらあるいは府県分の小中学校費の学校数を測定単位とした需要額を、人口あるいは職員数を測定単位とするものへの移しかえ、そういうものも一つのあらわれだと実は思うのですが、しかしそうした措置も、いままで行われた改正部分そのものが非常に末端にかかわるものであって、簡素化の方向に向かって本腰を入れて対応をされてきたのかどうかということになると大変疑問に感ぜざるを得ません。やはりもっと真剣に取り組んでもらわなければならないと実は考えます。  そこで、改めて伺っておきたいのでありますが、制度というものはできるだけ国民にわかりやすいものにしていくということ、そういうことについてはこれは政府も異論がないところだと思いますが、自治省としては、地方交付税制に限っては技術上そう簡素化できる性格のものではない、こういうふうにお考えになっているのか、あるいはもっとお互い努力すればいまよりは多少でも理解しやすいものになるとお考えになっているのか、まず冒頭大臣から所見を承りたいんです。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 簡素化の努力は続けていくべきであって、いまお話がございましたが、多少なりともやる意思があるかということであれば、もちろんそういう考えで臨んでまいりたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 政府としては、今後、多少なりともと言われる感覚ではなくて、もっと本腰を入れて交付税制度の簡素化に取り組むと、そういう意思としていまの大臣の答弁をもう一遍こう受けとめていいですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 先生も御承知のように、人口と面積ぐらいを測定単位にして計算をすれば非常にわかりやすいわけでございますが、これまでの経緯から、各地方公共団体の特殊な事情というものもある程度反映するように、いろいろの角度から測定単位を決め、補正係数をやってきた、したがって、方向として簡素化するということに自治省として異存はあるはずはございませんが、そういった簡素化をすることによって団体ごとの特殊性というものが算定の中から抜けていく、こういうおそれもあるわけでございます。したがって、地方団体自体がこの問題に非常に深く研究をいたしておりますので、簡素化をするということについて、個々の問題について、個々の県の利害関係が絡んでくる、こういう問題がございます。非常にこれを乗り越えることはむずかしいことだと思いますが、御趣旨のような方向でできるだけ影響を及ぼさないようにしながら、簡素化の方向に向かって努力をするということを考えておりますので、余り簡単に、きわめて簡単なものにするように努力をすると申し上げることは、かえっていかがかと私どもとしては考えているわけでございます。その実情だけ御理解を賜りたいと思いますが、私どもとしては、簡素化する方向に向かって努力は重ねてまいるつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 昭和四十九年度分の地方交付税ですが、この当初算定分であらわしてもらって結構ですけれども、大都市分、町村分の都市計画費並びにその他の土木費について、その補正前の測定単位の数値とそして補正後の測定単位の数値ですね。これは計画区域人口が測定単位になっていますが、それの説明と、その補正前と補正後の倍率がどうなっているか、答弁願いたいんです。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 昭和四十九年度の普通交付税の算定に用いられました都市計画費の補正前の数値ですが、大都市分が――これ投資的経費の関係でございますが、二千二百六十八万五千九百七十四人であります。これが補正後になりますと、二億九千四百三十五万三千三百九十四でございます。倍率にいたしますと十二・八倍になります。それから都市の分でございますが、補正前が五千二百五十四万一千二百八十。これが補正後におきましては、一億三千六百二十三万二千二百十四であります。これ倍率にいたしますと二・六倍になります。それから町村分が、補正前が千百九十一万九千六百十一人、それから補正後になりますと二千四百二十九万四千五百七十二人でございます。これが約二倍でございます。それから次に、その他の土木費のやはり投資的経費の測定単位の数値でございますが、大都市分が、補正前が二千二百六十九万一千八百二でございます。それが補正後が一億一千九百七十四万二千二百五十であります。五・三倍でございます。それから都市分が、五千五百三十二万四百十九人が、補正後になりますと一億七千四十六万六千四百七十四であります。倍率にいたしまして三・一倍でございます。それから町村分が、補正前が二千六百六十四万六千三百七十六、補正後が一億百六十八万六千九百五十九、三・八倍、このようになります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで、これわかり切ったことだと言われればそれまででありますが、補正後の測定単位ですね。補正後の測定単位の数値がいま言われたように十二・八倍、すなわち約十三倍、都市計画費で十三倍ですね。それからその他の土木費で五・三倍、こういうことになるのは、交付税の配分の際にどういう一体意味を持っているんですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) たとえば都市計画費の場合でございますと、都市計画人口をもとに使いまして、事業費補正費という形で土地区画整理事業費あるいは都市下水路の経費、街路事業費、こういったものを算入いたしております。これは単位費用をつくる場合には十万団体の平均的な事業量を想定いたしますが、都市の規模により、また年度によって具体の事業量がかなり差があるということで、事業費補正の具体的な事業量を反映する方式をとっておるわけであります。それからさらに大都市の場合になりますというと、地下鉄事業に対する一般会計の繰り入れ分あるいは公営交通事業の再建債の元金償還分、こういったような要素を算入いたしております。さらに人口急増団体の場合には、人口増加要素をこれに加味する、こういうような関係で、補正後の数値がきわめて大きな数字になる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そういうことですね。で、この点は改めて後で触れることにいたしますが、次に四十八年度の市町村の都市計画費における投資的経費の単位費用ですね。これ四十九年度と同額の三百五円であります。また五十年度も据え置きで三百五円です。そうすると、五十年度の分はまだ説明聞いてませんからわからないのですが、四十八年度と四十九年度の都市計画費の投資的経費の関係についてちょっと見てみました。単位費用そのものはいま言ったとおり三百五円の同額であっても、その配分の方法というのはやり方あるいは考え方が全然違っていると思うんですね。で、どういう点が改正をされたのか。これは「改正地方財政詳解」の二百八十八ページに説明があるわけなんですが、その改正内容をちょっと概要お述べください。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 四十八年度と四十九年度の差でございますが、単位費用の積算内容は変えておりませんけれども、具体の算定に際しましては、特に大都市等について土地価格比率、街路事業等における土地の価格の差を反映させるための土地価格比率の係数を新しいものに置きかえております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 つまり私の言いたかったのはこういうことを言いたかったんですよ。需要額を見込むに当たって、まず標準事業費で土地区画整理事業費を削るでしょう、削りますね。これ二百八十八ページね。そして、大臣ね、それに相応する七億五千三百万円分を操作をしながら街路事業と都市下水路整備事業でふやすわけです。また、事業費補正の分では、この街路事業とそれから土地区画整理事業、それから都市下水路の整備事業、これで五十四億五千三百万円、需要額を削る。そしてその分を地下鉄建設事業に同額回す、こういう改正ですね。そういう改正が行われているわけです。そうした改正は単位費用そのものは変わらなくても、個々の地方団体との関係から考えてみますと、配分の方法が変わるわけです。したがって、個々の自治体における需要額自体は当然変わってくるはずであります。その場合に、個々の自治体の需要額というものがどう一体変わるのか、ひとつ具体的に説明してもらいたいのです。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 四十八年、四十九年、五十年、単位費用を変えなかったのは、全国的に都市計画経費で算入しております公共事業関係の事業がほぼ横ばいであるということで変えていないわけでありますが、ただ個々の団体ごとに算定いたします場合には、現在の補正方式の中では、それぞれ事業費補正という形で各団体の各年度の具体の公共事業の実行見込みに応じてその一定割合を算入するという方式をとっております。したがいまして、個々の団体におきましては、事業税の算入方式そのものを変えない限りは、具体的な公共事業の額が増減することによってこれがどの程度基準財政需要額にはね返るかということは計算できるようになっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、配分額が理論的に変わっていくというのは、違って恐らく当然だと考えております。そのことは疑問を持っていない。ところが、こういう種類の改正が、一番問題は私たちの知らないうちに、つまり今回で言えばこれだけ長い時間を皆さんがかけて審議をしてきた、そういう法案の審査の対象外で、大臣、実は決まるんですよ。大臣も実はいま私が指摘したことをおわかりになっていないんではないかと思うんです。失礼な言い方なんですが、わからなくて私は当然じゃないかと実は思っておるのであります、いわゆる自治省令の改正という形でしか行われないのですから。実は私はこの辺に交付税制度の問題があると考えたから、さっきからいろいろ少し時間をかけて数字を求めたのです。さっき説明がありましたように、補正によって測定単位の数値が十五倍になったり、あるいは五倍になったりというように、そういうふうに変更される。また、改正法案では、単位費用上は変化はありませんが、配分方法そのものは、法律がずうっと通ってしまった後で、つまり私たちここに並んでいる与野党すべての国会議員が知らないそういうような形でもって、審議の対象外で行政庁によって改正されるわけです。こういうことはそれは自治省にとっては都合のよいことでありましょうが、国会としては十分その責任を果たしたかどうかということになると、これは問題だと思うんですがね。自治大臣、私の言ってること間違いありますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 筋としては私間違いだと思いませんけれど、大体議員というものがそこまで詳しく行政の内容にまでみんなが勉強できるか。私は実はいまのあなたの指摘されたことは全然知りませんでした、実際の話、正直な話。しかし、これはやはり行政府と立法府というものの限界をどこに置いておくか。これはもうできるだけ立法府が詳しくわかっているというのは私は筋だと思います。おっしゃるとおりだと思うのです。あなたのように御勉強いただいていることはまことに結構である、こう思いますが、私も衆議院議員の一人として、立法に、大臣じゃなくて、委員をやっておったこともありますが、相当詳しく突っ込んだ問題もありますけれども、議員が一々の法案についてもう政府が考えておる内容全部にわたってということはなかなかむずかしいと思うんですね。そこで大まかな――大まかというか、筋を一つ立てて、その筋の範囲ではこれを認めるということが、省令とか政令とかいろいろの方法がございますけれども、そういうふうにしていくのが立法府と行政府の関係ではなかろうか。しかし、その省令にしても政令にしても何にしても、それが立法府が考えておったところと間違っておるということであれば、これは行政府は責任をとらなければならないと私は考えておるので、そこいらはやはり原則というものをはっきりお示しを願ってそれに従っていく、こういうことでありまして、具体的な問題で、一々の法案について政令全部までもう勉強するということは、立法府としてはちょっとできないんじゃないかと。人間の能力の問題に関係するんじゃないかと。したがって、専門的に勉強していただく人があることは非常に私結構なことだと思っておるのですよ。そのこと自体は私は否定はいたしませんが、かといって、すべての問題について政府が説明ができるかというと、なかなかできない場合があると私は思います。そういうことを踏まえながら立法と行政との関係を円滑に運営をしていく、こういうふうにしていくのが一番望ましい姿ではないかと思っております。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) ただいま大臣がお答えいただきましたことはきわめて私どもからはなかなか申し上げにくい問題でございましたが、逆に具体的に申し上げますと、私どももその辺のところはよく理解をしておるつもりでございます。先生がおっしゃられる簡素化という方向と、できるだけ法律事項にすべきだということは必ずしも同じ路線ではないわけでございます。いまも私頭の中で考えておりましたが、種別補正、事業費補正、こういったものは全部やめて、全部測定単位をばらばらにして立てれば、密度補正、段階補正、態容補正ぐらいで済むわけでございます。恐らくそうしますと、測定単位が現在の数十倍、こういう形になると思います。そういう意味ではわかりやすくはなるだろうけれども、費目ごとに非常に複雑になってまいります。それのみならず、いろいろ御議論がいまございますが、十万の標準の市を基礎にして二千から三百万までの市町村の需要をはじくのは技術的に非常に問題だという御意見も御指摘をいただいております。それをまた十万段階、あるいは百万段階、あるいは一万段階というふうに幾つかに分ければ、さらに法律事項を多くして、政令でいろいろと形が変わってくるということがないようにできると思います。しかし、これはもうきわめて複雑な作業になります。そうなりますと、先生の言っておられる簡素化の方向と必ずしも一致しないという一面も出てまいります。そこいらに私どもの苦しみがあるわけでございますので、まあ先生のおっしゃられるように、できるだけ法律事項で国会の御審議をいただく部分を、技術的、具体的な部分でどうしても政令でなけりゃできにくいというものを除いてはそういうふうに努力をする。あわせてまた簡素化という御趣旨にも反しないようにということを体して考えていくと、これはきわめてむずかしい問題に私どもは当面しておるというふうに思っております。努力は捨てないで重ねていきたい、こう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ぼくはいまの答弁非常に善意で聞いておきますからあれなんですが、ただ、大臣言われましたように、御説の、私も言われた部分を決して否定をいたしません。すべての国会議員が全知全能ではありませんから、特にわれわれ――私などはその理解度を深めるのにそんな能力があるわけじゃありません。が、ただ、戦後国会の運営というのは、それは自由民主党の国対委員長をつとめられた大臣に釈迦に説法でありますが、委員会中心主義の運営でありますから、したがって、委員会中心主義ということに私たち議員が徹する場合には、それぞれの委員会、常任委員会所属のところで行政官僚に匹敵するプロが生まれてきてもいいんだと思いますよ。いま私たちがそんなところに到達をしているという意味で言うのではなくて、生まれてきてもいいんだろうと思う。そうすると、そういう観点に立って考えてみますと、もっとやっぱり私たちが審議できる条件といいますか、その材料を与えてもらいませんといけないということが一つあると思います。その限りで、私は省令事項における取り扱いのかなりの部分を法律事項にすべきではないかということを考えるのでございます。それで、いま局長が言いましたように、簡素化との問題とのかね合いというのは当然しんしゃくをしながらそういう方向で努力をすべきなんでしょう。  基本的な筋だけ決めてもらえば、あとは筋が曲がらぬように、筋を離れないように行くんだと、こう言われるんですが、曲がってもこれは筋なんですからね。これはちゃんと筋どおりに行ってますと、しかしそれはじぐざぐした筋です、直線ですという違いがたくさん出てくるものですから、そうかなと思っていろいろ言われてみて行政の側に尋ねてみる、あるいは翻って自分が審議をしてきたところのその年度の法律というものを読み返してみる。そうすると、どうも疑問点が出てくる。こういう結果、先ほど来から論議をしておる問題をひとつ爼上にのせてみたということでありまして、そう考えてみますと、地方交付税の算定というのは技術上大変な困難な問題があることを私たちはよくわかります。しかし、それでもできるだけ法律に取り入れ、そして議案として直接審議の対象にすることができるものも、まだまだ私は法律事項から外されているというふうに感じます。  で、私はこの前の国会に出てきたばかりの地方交付税の論議のときに、それじゃ私は一応交付税についての私案をつくって提出するがよいかということを述べ、それから私の著述にもそのことを書いたのでありますが、その後今日まで七年間かかってなお提案ができる域にまで達しているわけじゃありませんが、どうしても長い七年間を通じて、やっぱりここの部分は疑問として残っているのです。私たちが国会議員としての責任を果たし切っているだろうかということを、実は審議対象外で出る主要な部分の係数問題について思うのです。  そこで政府も、改正法案を提出をする段階で、やっぱり予定をされている改正省令の内容を、大臣、たとえば法律事項にするのは大臣が言われるような形でもって行政の分野としてそこを任すとしても、そういうような予定の内容というものは大臣の意向としてどんどん出していく、そういうことが必要でないかと思うのですがね。大臣いかがですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 先生よく御承知のように、基準財政需要額から基準財政収入額を引いたものが交付基準と、こういう形になっておるわけでございますので、余りに交付基準というものが大きく交付税とかけ離れてくるということは、非常に地方公共団体の運営に御迷惑をかける。そういう意味で、法案を出す段階では、正直な話を申し上げて測定単位の数値がつかまえられてないわけでございます。たとえば学校の系統などにつきましては、全部五月一日の指定統計に基づいてやるわけでございますから、数値がつかまえられておりません。したがって大きく、たとえば事業費補正の算入率を、これをこういうふうに変えたいと思っておりますとか、態容補正が少し都会地の方に緩過ぎるから、もう少し態容補正のカーブを上げていきたいとか、そういうおよそ基本的な問題に属する問題で、地方公共団体の御意見を聞きながら、できるだけ平等性を期するという意味でなるほどと思うものを取り上げようと思っている部分等については、私どもとしてこういうことを考えておりますということをお示しすることはできると思うのでございます。ただ、補正係数の数値がどの程度になるかということは、数値自身によってこれ動いてまいりますものでございますから、その点は残念ながら技術的に不可能であろうと思います。そういう意味で、御要望があれば、基本的な問題に属する、方向としてこういう方向を考えているというようなものについては今後審議の御参考に供する、いい意味で私どもとしてはできるだけ方向を決めた上でお示しをいたしたいと、こういうふうに考えます。  さほど多くの問題についてこの点をお示しするほどの毎年の変化はないわけでございます。たとえば地価の何といいますか、段差、そういったものは、地価の実際の状況を見て、地方公共団体の意見あるいは地方財政の実態との食い違い、こういうものを見て、先ほど石原君が言ったようなものは直しております。この段階ではまあそれに合わせて直しますという程度のことで、それはすべての補正が済むと同じということになります。  ですから、たくさんのものはお示しできないと思いますけれども、ことしも事業費補正は港湾とダム――河川中のダムでございますが、これについてはいままでの四割を六割に上げる。これは交付税の技術ではとても一般的には入れ切れない、実態に合わせないと各団体の需要に合わなくなる、こういうことを感じまして四割から六割に上げております。そういった問題についてはあらかじめお話をするように今後努力をいたしたい、こう思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまかなり前進的な答弁がありましたから、それ受けとめておきたいと思うのですが、私はそうされないと、やっぱり地方交付税というものは自治省の人だけの配分で決定する。で、要らぬ非難を皆さん方受けなきゃならぬ。つまりそれが官僚的な独裁だと言われたり、独善とか言われるという形につながっていく。私はそういう意味で、いま答弁があった部分と、もう一つは、従来省令に任せていたものでも、必要に応じて法律化をしていくという方向で、前段答弁があったように御検討願う、こういうことが必要だと思いますが、この二つ、大臣、いま局長から答弁がありましたが、

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御提案のとおりに努力をいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方交付税法の改正の沿革を見ましても、測定単位ごとに適用される補正の種類を法定化されたのは昭和三十四年でしたね。これは法律制定後五年を経過してからなんですね。その後この種の基本的な改正がないわけなんです。そういう意味で私は取り上げてきているので、大臣からいま答弁がありましたから、法定化をもっと積極的に推進をするという意味での強い指導をこの機会に求めておきたいと思います。  次に、種別補正ですが、この種別補正というのはどういうものですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 種別補正は、法律でも定義しておりますように、測定単位に種別がある場合に、その測定単位当たりの経費の差を反映させるために適用する補正でございます。具体的に申しますと、たとえば高等学校費の場合ですと、現在は全日制の普通課程の生徒数を基礎にして単位費用をつくっております。現実には全日制のほかに定時制の課程もありますし、また全日制、定時制、それぞれにつきまして、普通過程のほかに工業課程、商業課程、農業課程等の各種の課程がございます。高等学校経費は課程ごとにそれぞれ単価の差があります。これをやり方としましては、種別ごとにそれぞれ別々の単位費用をつくって別々に計算すれば、補正という手段をとる必要はないわけでありますけれども、そうしますと、余りにも測定単位の数値が多くなり過ぎるという事情もありまして、類似した行政費目については一つの方向を設定し、その費目に係る測定単位のうちで種別の差により単位当たり費用に差があるものは、種別補正という形で、係数で実態に合わしていくというものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま一例を挙げられましたが、適用される測定単位は何と何がありますか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 現在種別補正が適用されますのは、たとえば都道府県の場合でありますと、道路の経常費の計算について適用になっております。それから高等学校費、ただいま申しましたように、教職員数と生徒数について、それぞれ種別補正を適用しております。それから水産行政費について、水産業者数について適用いたしております。それから徴税費、恩給費、それぞれについて適用いたしております。  市町村分について申し上げますと、同じく道路橋梁費の道路の面積。それから港湾費の経常費で、港湾における係留施設の延長について適用しております。それから、市町村分の高等学校費について、やはり教職員数、生徒数、それぞれについて適用があります。それから市町村分の徴税費、市町村の税額でございますが、これについて適用になっております。それから、その他の諸費の面積分。それから、災害復旧費。この場合は災害復旧債の元利償還分でございますが、これらについて種別補正が適用になっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 種別補正というのは、地方交付税法の十三条の一項に書いてあるとおりでありますが、つまり測定単位に種別があって、そうしてその種別ごとの単位当り費用に差がある、そういうものについて種別補正を適用するということでありますが、わかりやすい例として、道府県の徴税費の種別補正の係数のとり方をちょっと説明してくれませんか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 現在道府県分の徴税費は、事業税の個人分を基準にいたしまして、そのほかの数値といたしましては、道府県民税の個人分、それから道府県民税の法人分、それから事業税の法人分、それから大規模償却資産に係る固定資産税、それから軽油引取税、不動産取得税、娯楽施設利用税、料理飲食等消費税、自動車税、鉱区税、狩猟免許税、及び自動車取得税、こういった税目をそれぞれ種別ごとの数値としてとっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 徴税費の種別補正の係数のつくり方ですが、まず個人の事業税の徴税費の単位費用を算出する、そうして、次いで各税目について、各税目の単位当たりの徴税費を算出する、そうして補正係数をつくる、こういうやり方でありますが、ここなんですよ。さっきから局長の答弁もありましたが、何もそんな係数を使わなくても、種別ごとの単位当たり費用が出ているのですから、経費の種類の項目をふやして、そうして種別ごとの単位当たり費用を法定の単位費用として用いた方がわれわれにはわかりやすいと思うんですよ。どうですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) まあ先生御指摘のように、徴税費に限らず、種別補正の適用されている費目については、その種別の数だけ単位費用をつくった方がわかりはいいし、簡単ではないかという意見が昔からあるわけでございます。ただ、たとえば徴税費の場合でございますと、税目ごとに徴税単価、徴税費の差というものが明らかにあるわけですけれども、同時にまたそのほかに、納税義務者の数が多いか少ないかによって、納税義務者当たりの税額が一件当たり多いところは割り安になるし、少ないところは割り高になる、そういう要素もあります。それを各税日ごとに全部やっていくということになると、これまたなかなか大変でございまして、現在はそれを税額密度と言っておりますけれども、納税義務者一人当たりの税額の差による経費の差というものは、この種別補正した後の姿で一本で適用しているという方法をとっているわけであります。この辺はまとめて一本でやる方が簡単なのか、数は多くなるけれどもばらしてそれぞれ計算した方が簡単なのか、これはなかなか議論が尽きないところでありますけれども、現在は前者の方法をとっているということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 簡単だとかどうとかというよりも、いわゆるアマチュアにわかりやすいですよね、私の言った方が。それはそう思いませんか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) これは初めに申しましたように、確かに第三者といいましょうか、直接この交付税の配分作業をやっていない立場の方から見ますというと、一つの測定単位について一つの単価が対応するという方がわかりいいということはおっしゃるとおりだと思います。ただ、初めに申しましたように、そうしますと、現に種別ごとに単位費用に差があるものについては、すべて測定単位を別建てにするということになると、膨大な測定単位を立てるということでありまして、たとえば計算表にしても、いまよりも大分大きな表につくりかえなきゃいかぬというふうな問題もあって、現実の算定作業においてどちらが計算作業として簡単であり、また第三者が見てわかりやすいかと、その辺の取捨選択の問題ではないかと思います。いずれにしても、その辺の議論は交付税制度がスタートしたころから常にあったわけでありますが、現在のやり方は、自治体の財政担当者、交付税作業を担当されておる皆様方の意見なども聞きながら、現在の形で推移しているというのが実情でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、ここの部分というのは、先ほどの局長答弁との兼ね合いでは、私の主張のように直すということはやっぱりむずかしいですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 確かに先生の御指摘のように、わかりやすくなるということは事実だと思いますが、今度は測定単位をべらぼうにばらしてまいりますと、ただいまの密度補正一つの問題をとっても、税目ごとに密度補正を検討しろという議論が出てくるんじゃないでしょうか。もし、そういうことになりますと、大変なことになってまいります。やはりある程度達観的に、種別補正はしても後の密度補正は全税を通じて一本でやるというところに、より複雑にしない一つの問題があるわけでございまして、いずれにしても、都道府県の方々あるいは市町村の方々は、少なくとも密度補正をつくるにしても、種別補正をするにしても、自分のところの需要額が減ってくるような改正には御賛成になりません。ふえるような方向の御主張をなさる。結局、結論的に全地方公共団体が納得をした形でないと、これはなかなか地方公共団体に御納得をしていただきにくい問題でございます。そういう意味では、私ども先ほどから申し上げておりますように、簡素化あるいはわかりやすくするということに決して異を唱えるものではございませんけれども、その意図がかえって逆目に出て複雑化する、さらには細かな、いまよりもっと細かな議論を呼び起こすということになりますと、およそ簡素化という方向には逆行しはせぬだろうか、そういうおそれもございますので、決して方向として先生の御主張に反対するつもりはございませんが、なかなかむずかしい問題で、十分考えながら今後検討さしていただきたいということで御了承をいただきたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあどなたの言葉か忘れたけれども、世界一精緻な日本の交付税制度と自負されているやつですから、そういう簡単にここの場の答弁だけで変わるとも思いませんけれども、私の述べている趣旨についてはおわかりになっていると思いますので、十分な検討を求めておきたいと思います。  地方交付税法第二条七号、単位費用の定義の中の括弧の部分なんですがね、括弧書きの意味をちょっと説明してもらいたいのです。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 第二条の第七号の単位費用の中の括弧書き、ちょっと前後の関係で読んでまいりますと、単位費用として、「道府県又は市町村ごとに、標準的条件を備えた地方団体が合理的、且つ、妥当な水準において地方行政を行う場合又は標準的な施設を維持する場合に要する経費を基準とし、補助金、負担金、手数料、使用料、分担金その他これらに類する収入及び地方税の収入のうち基準財政収入額に相当するもの以外のものを財源とすべき部分を除いて算定した各測定単位の単位当りの費用(当該測定単位の数値につき第十三条第一項の規定の適用があるものについては、当該規定を適用した後の測定単位の単位当りの費用)で、普通交付税の算定に用いる」云々と、こういうことです。これは、第十三条第一項の種別補正の適用のあるものにつきましては、その種別補正後のもので単位費用を計算しなさいと、こういう規定になっております。ただ、これは現実の運用におきましては、たとえば現在水産行政費につきまして漁家数を測定単位にとっておりますが、この漁家数については、内水面と海面との漁家についてそれぞれ行政費に差があります。そこで、あらかじめ標準団体を想定しまして、その標準団体における内水面の漁家数と海面の漁家数をそれぞれ分けて、一応の種別補正と同じような作業でそれぞれの単価をはじいて、それを種別補正の形で置きかえて、その種別補正後の数値で割り返したものを単位費用にするという方法をとっております。実はこの交付税を制定した当時においては、種別補正はそういう形でいわゆる私ども内種別と呼んでおりますけれども、種別の中でそれぞれ単位当たり経費の差を係数化して、その係数化した後、それで補正した後のもので単位費用をつくるという方法をとるものが多かったわけですけれども、その後これは非常に計算方式が複雑になりますので、むしろいろんな測定単位がある場合には、その代表的な測定単位のものを選びましてそれによって単位費用を計算し、残余のものについては、いわば単位費用算定後において補正係数で具体的な単価に合わせるという、これを外種別と呼んでおりますけれども、そういう方法をとっております。したがいまして、この括弧内のやり方というのは、いわゆる内種別のある測定単位について、種別補正後の数値で単位費用を算定するということを意味いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうですから、この種別補正後の数値で除したものが単位費用であるということなんですがね、この種別補正が適用される単位費用について先ほどお聞きしましたが、種別ごとの単位当たりの費用を法定単位費用として用いることを検討されてもいいんじゃないですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) この点は先ほどもお答えしたわけでございますが、確かに種別補正という形でやるよりも、種別ごとにそれぞれ別個に単位費用をつくるというやり方の方が簡単ではないかという御指摘、そういう面は確かにございます。ただ、まあ先ほど来申し上げておりますように、そうしますと測定単位及び単位費用の数が非常にふえるという点で、まあ現在は種別補正によって処理しているものがかなりあるということでございます。  なおこの点については、先生御指摘のように、各種別ごとの需要額といいましょうか、現在種別補正で処理しているものでも、一つの種別で相当の基準財政需要額になるようなものであるならば、測定単位の数値を独立さして単位費用をつくっても、それぞれ交付税全体としての算定の複雑化にならないじゃないかという議論もあり得ると思います。ただ、種別ごとに一つ一つはじいてみますというと、余り大きな需要にならない、ただ全体としてはかなりの需要になるけれども、個別に分けると余り大きな需要にならないというものについてまで独立の単位費用をつくるということになると、これまた非常に算定が全体として複雑膨大になるという問題がありますので、確かに御指摘のような議論はあり得ると思いますけれども、まあ私どもも、現在種別補正係数を適用しているものが今後ともずっと種別補正で通すということでなしに、やっぱり各経費の内容が、時代の推移によって、たとえば種別ごとの需要が非常に大きくなると、単位費用として独立さしても十分ふさわしいものになるというようなことであれば、当然これは単位費用化していく、種別補正は分解して単位費用化していくということは検討すべき問題であろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 昭和五十年度の単位費用で種別補正が適用される測定単位、その種別ごとの単位当たり費用を説明してください。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 実は、種別補正係数につきましても、この単位費用を定める法律を国会で御承認いただいた後において具体的な係数を定める作業をいたすわけでございます。現在準備的ないろいろデータの収集その他はやっておりますけれども、まだ係数の算定まで至っておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実はいまのところが問題なんですよ。いま言われる形だと、法案の審議というのは私はもうできないんだと思うんですよ。その辺が全然われわれわからずに地方交付税法というものを立法以来やってきたのかということに大変疑問を持つんです。  もうちょっと進んでみますと、段階補正の適用される測定単位については、人口段階ごとの単位費用が算出されますね、そして補正係数が求められる、こういうことになっている。たとえば、昭和四十九年度の地方交付税の警察費ですがね。これの単位費用を、「地方交付税制度解説」補正係数部分の五十一ページでずっと数字が出ています。一番下の欄、「警察官数段階別基準財政需要額および単位費用」、二万人、一万人、五千人、二千三百六十人、二千人、千人と、こういうランクがありまして、そして単位費用が二百六十四万七千円、二百七十二万五千円、二百七十四万円、二百八十万六千円、二百八十五万九千円、二百八十八万二千円と、こういうふうに出ていますね。昭和五十年度の地方交付税について段階補正が適用される測定単位について、各段階ごとの単位当たりの費用はどう見ていますか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 段階補正に適用する各段階ごとの単位費用でございますが、これは例年各数値の段階ごとに、それぞれ標準団体と同じような形で、警察費であれば警察官数と事務職員数とその他の経費を一応想定しております。毎年度単位費用が変わりますというと、新しい単位費用の想定内容に応じてそれが各数値の段階ごとに従来の傾向値で変わっていくものはそのまま変えていくと。ところが、場合によっては、単位費用の積算内容の改正によってはこの数値段階ごとの想定が変わる場合がある。たとえば、消防費などで人口段階ごとの基準が変わったりしますというと、当然には従来の傾向値では適用できないという場合もありますが、多くの場合この段階補正の段階ごとの積算内容というのは、測定単位の数値の増減に応じて大体パラレルに動いておりますので、余り大きな変化は通常は生じておりません。  では具体的に五十年度の各段階ごとの積算を現在やっているかということだと思いますが、この点については、準備作業はいたしておりますけれども、いまここで各段階について、単位費用の積算と同じようにどの段階で幾らという作業まではまだいたしておりません。ただ、大きな変更がない限りは従来の傾向がそのまま適用されると。従来段階補正の場合にはそう大きな変更ございませんから、そのように御理解いただいていいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、席外されていましたから、局長、いまの二つの質問なんですが、先ほどのあなたの答弁との兼ね合いで、実は私はここの部分で出ませんから、法案の審議は本当はできないと思うんです。できないと思うんですけれども、一歩譲ってさらに進めるという立場に立って質問するといたしまして、いまの石原さんの御答弁と局長の先ほどの御答弁との兼ね合いで、われわれが求めた資料としてはどこの部分まで出せますか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 先ほどもそういう点を明確にする意味でお答えを申し上げたつもりでございますが、基本的な方向として、たとえば事業費補正を先ほど申し上げたようにウエートのかけかえをするというようなことは、大きな数字の影響が出てまいりますので、単位費用をつくる段階ですでにいろいろと検討をいたします。そういう問題についてはお示しをすることができますけれども、基準財政需要額から基準財政収入額を引いたものが交付基準であって、これと交付税額が著しく食い違うということになると、先ほども申し上げたように、非常に大きな問題がいろいろ起こってくるわけでございます。それはある程度正直申し上げて補正係数その他でこれの調整を図るということになりますので、具体的な補正係数等については、私どもとしては、数値が全部集まってそれによって計算ができるという状態になりませんと、具体的には、仮算定と申しますか、数字をもらって一度都道府県にどういう形になるのかはじいてみていただいて、それからでないと本当の補正係数の決定はできない、これが現実の状況でございます。したがって、いま申し上げましたような種別補正係数をどうするか、段階補正係数をどうするかというような形のものは、正直なところ私どももいまの段階では数字を申し上げるわけにはいかない、こういう形になります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 何か、自治大臣、衆議院の本会議のいろいろ打ち合わせがあるらしくて、したがって大臣用の答弁はちょっとここずれますが、本当はここのところ大臣に聞いておってもらわなければいかぬところなんだけれども、まあ後で一遍十分あれしてもらえばいいと思います。  どうしても大臣に午前中もう一問だけしておきたいのは、特別交付税の問題です。特別交付税総額を算出する際に用いる法定率、つまり国税三税の六%について、三月十三日のこの委員会での私の質問、つまり長い間ルール分として固定化しているものは普通交付税分に組み入れて、そしてそれに応じて法定率を下げて、特交総額を少なくしていくべきではないかという私の質問に対して、大臣は、私の言うとおりだと、地方制度調査会や財政審議会の方の状況をにらみ合わせて前向きで処理したい、そういう答弁をされた。私はこの大臣の答弁を高く評価をしています。この大臣の答弁は来年の地方交付税法改正案の中で処理する方針で検討する、こういうことで受けとめていいのですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) この前にも申し上げたところでございますが、ただいまお話しのように、来年度の分について考慮をいたしてまいりたい、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実は非常に老婆心なのですが――いやもう一問、これで終わりにします、もう一問。老婆心なのですが、前町村自治大臣が、私とこれは予算委員会での約束があるのです。大体そのとき私は九六対四ぐらいが一段階として好ましいのではないか、そんなことを言ったら怒られるかもしれないけれども、そういうことまで申し述べて実は町村自治大臣に了解を与えられた。したがって、私は今度の地方交付税のこの論議に際しては当然それは盛り込まれるものであってという理解をしていたのだが、御存じのとおり、いま大臣が来年の地方交付税法案と約束をされるように、一年またずれるわけです。その理由をただしてみますと、これはもう仄聞したのですから本当であるかどうかわかりませんが、自治省の側はその措置を真剣に求めた、町村自治大臣の私に対する約束であるから。求めたが、与党の中で衆議院段階の通りが悪かった。したがって、今度の法律案として残念ながらわれわれと合意をしておったものが出てこなかったという経過がありますので、したがって、いま前段で述べられました福田自治大臣の答弁、私は非常に自信のある答弁でありますから、非常な期待を、間違いなく行われると思って理解をいたしておきますが、その経過を踏まえてもよろしいですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 各種の事情から、町村自治大臣の時代に私もその方向で検討するということを大臣の御答弁に従ってお答えを申し上げました。それが今法律案の改正の中に入っていないということについては、各種の事情がございましたけれども、その点まことに申しわけないと思います。  そこで、私どももいろいろ考えてみておりますが、先生の御趣旨を体して、たしか衆議院の山田先生の質問であったかと思いますが、交付税を本当の数字に基づいて配分できるもので、災害のようにできるだけ早い時期に配ることが可能なものもございます。そういうものと、それから、本当に財政事情を見ながら特別の財政需要というものをつまみ上げていくいままでの特別交付税の作業のようなもの、こういうものを交付税率を変えないで二つに分けてやる気持ちはないか、こういうお尋ねがございましたのを記憶をいたしております。交付税の率を下げるか、あるいはそういう二段の形によって、普通交付税の一つのような形で一部を配ってしまって、そして四%に相当する、あるいはもっと少なくても必要があれば結構なんでございますが、それを最後の調整に用いるというかっこうにする、そういうような方法も一つあろうかと思っております。六%を四%に下げる、いま申し上げておるような方法をとるつもりはないかという御質問がございましたので、非常に結構な提案だと思います、私どもとしてはそれも含めて真剣に検討したい、こういう御答弁を申し上げております。いま申し上げました二つの方法をどういう形で考えるか、その辺の問題はひとつ検討さしていただきたいと思います。大臣のおっしゃった趣旨も恐らくそういう趣旨であろう。ただ、交付税特交率をただ単純に下げるということについては、恐らくまた来年もいろいろ問題があろうかと思います。実質的にそういう形になるような配慮を加えて、先生にお答えを申し上げた条件を満たすということを含めて検討さしていただきたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 種別補正やらあるいは段階補正が適用されるものについて、前の話に戻りますが、種別ごとの段階ごとの単位費用をつくって、これにいろいろな組み合わせがありましょうけれども、それを表のようなものに法定化をして、自治省令に譲る部分を少なくするということが私は考えられてもいいと思ったから、けさほど来こういう質問を展開してきたのです。もちろん法律的には、財政局長が述べられるように若干複雑になる部分が出る。しかし、つくり方によっては、実は自分の所属する地方団体の徴税費がなぜ隣の市町村よりも高いのかあるいは低いのかということが法律によってわかるのですね。そうしたことが問題意識を喚起するという利点が私はあると思う。そうした定型化、法律化といいますかね、そういう分というものが方向性として推進されれば、自治省のさじかげんで抑制をされたのではないかあるいは緩和されたのではないかなどと邪推を生むようなことがなくなることに役立つ。若干法律が複雑になっても、自治省のべールに包まれている省令本位のいまの制度というものを再検討をして、法律に漸次のせていくという方向で検討すべきである、そういうふうに思いますので、これは先ほどもそういう意見を申し述べましたが、私の意のあるところをくみ取っておいてもらいたい、そういうふうに考えます。これはいいですね、さっき答弁がありましたが。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 方向としては、先生のおっしゃられる方向で私どもは検討させていただきたいということをお答え申し上げたわけでございますが、ただ、この問題はきわめていろいろと技術的なむずかしい問題を含んでおる、それと同時に、先生のおっしゃられた簡素化の方向と逆行する形になるおそれも十分ございますので、その辺のところは、御意向は十分わかりました。努力をさしていただきますが、そう安易な形でどんどんできるものであるとは私ども考えておりませんので、しばらく時間もかしていただきたいし、また地方公共団体の意見も十分聞いてみる必要があろうかと思いますけれども、その辺のところはお含みおきをいただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 苫小牧、石巻、小山、伊勢、松阪、宇治、山口、八代、これはいずれも人口十万の都市でありますが、これらの都市について、昭和四十八年度分の地方交付税の測定単位ごとの基準財政需要額、収入額、それから地方交付税の決定額、測定単位数値について、補正前と補正後の数値及び四十八年度のそれら各団体の決算額並びにこれらの団体の決算と需要額の織り込み方とを比較して、地方交付税の需要額の算入の仕方が妥当だったと思われますかどうか、これ、自治省の昨日言いました分析と意見をお聞をいたしたいと思います。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) ただいま御指摘のありました各都市、いずれも標準団体に近い団体でございますが、各都市ごとに四十八年度の一般財源の決算額、全体の決算額でございます。普通会計の決算額と、それからその年度の再算定後の基準財政需要額というものを対比した結果を御報告させていただきます。  まず苫小牧市でございますが、一般財源の決算額が、端数は省略させていただきます、六十一億五百万でございます。これに対して基準財政需要額が三十五億四千百万、それで一般財源で需要額を割った率、いわば算入率といいましょうか、これは五八%でございます。それから石巻市が、一般財源が四十三億八千三百万に対して、需要額が二十九億六千九百万で六七・七%になります。小山市が四十二億四千五百万に対して、需要額が二十七億一千四百万で六三・九%。伊勢市が、決算額が三十四億三千六百万に対して、需要額が二十五億一千七百万で七三・三%。それから松阪市が四十三億七千五百万に対して、需要額が二十六億八千万で六一・三%。宇治市が決算額四十八億七千四百万に対して、需要額が三十一億八千万で六五.二%。山口市が決算額が三十五億五千五百万に対して、需要額が二十四億四千六百万で六八・八%。それから八代市が決算額が三十四億六千六百万に対して、需要額が二十六億七千七百万で七七・二%となっております。この算入率でございますが、平均いたしまして七〇%弱になっております、苫小牧がちょっと低くなっておりますが、これらについて各市ごとにいろいろ分析してみたわけであります。  御承知のように四十八年度の場合には、地方交付税の算定後に、地方交付税算定において見込まれた基準財政収入額をかなり大幅に上回る税収の増がありました。特に苫小牧などではこの額が非常に大きかったようであります。これらがそのまま歳出の一般財源として歳出に充てられているということが影響しているんではないであろうか。そのほか使用料、手数料、分担金、負担金、財産収入等の臨時的な収入によって一般財源規模がふくれている団体もあります。  それから特に指摘できますのは、小山市とか松阪市の場合にはギャンブル収入がかなりありまして、これが一般財源の規模を大きくしている。したがって、これらの団体の場合には、基準財政需要額の一般財源で、決算で割り返した需要額の率が低く出るというような結果になっております。これら交付税計算上なかなか反映しにくい要素を考慮いたしますと、全体としておおむね妥当な算入状況になっているのではないかというように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ひとつちょっと違った角度での質問になりますが、ちょうど区切りですから、午前中の最後ですが、御存じのとおりもはや会期がありません。今国会で仮に、仮定の問題は答えられないと言えばそれまでですが、この法律案が不成立のまま国会が閉会になった場合ですね。何か最近、財政局長はある団体の役員に、交付税法が通らなくても別に差し支えが――この国会での話でしょうが、通らなくても差し支えがないんだと言われた。私も交付税法を読み返してみたら、なるほどこの国会で交付税通らなくても差し支えがないと読める地方交付税法第十二条第四項があるわけです。財政局長が通らなくても別に差し支えがないんだと言われたのは、翻って考えてみますと、地方交付税法第十二条四項の規定を適用し得る、そういうようなことだというふうに考えられてか、あるいは財政局長の発言がもしなかったらいけませんから、これはあったことは私は確実に知っているんですが、そのことを前提にしなくて考えてみた場合でも、そういう状況に適合すると考えていいですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 私もどなたに申し上げたかも覚えております。それはそのときの空気というものを和田先生に御承知おきいただかなきゃいけないわけでございまして……

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 覚えている……。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) ええ、覚えております。私が申し上げたのは、交付税の総額をふやすとか、そういう意味の、特別にどうあってもそれがないと交付税法が動かないという形の改正がないという意味で軽く申し上げたつもりでございます。したがって、私どもは通らないということを前提に物事を一切考えておりません。当然通していただくという前提でお答えを申し上げているのでございまして、そういう考え方は全然ないわけでございます。  ただ、せっかくのお尋ねでございますが、十二条の四項という規定は、厳密に読みますると、「地方行政に係る制度の改正その他特別の事由に因って前項の単位費用を変更する必要が生じた場合においては、国会の閉会中であるときに限り」というふうに書いてございます。どうもこれは、御審議をいただいて御否決をいただく、あるいは継続審議になったというような場合にこの条文は私ははまらないと読む方が筋道ではなかろうかということは、これは何も検討したわけじゃございませんので、もしだめでございました場合に、これは法制局と打ち合わせて決めることだと思いますが、私はこの条文の適用はいささか無理があるんじゃないか、こういう気持ちでございます。  じゃ、その場合に一体どうなるかと申しますと、基本的に、改正事項でそれが改まらなければ交付税が配れないという要素は、和田先生もお認めになられたとおりないわけでございます。したがって、改正前の単位費用で配る。そうなりますと、一兆ばかり、一兆になるか八千億になるかわかりませんが、当然交付税が余ってまいります。それは交付税法のたてまえでは、特別交付税に入るんだということが法定されているわけでございます。特別交付税を配るときに、またいろいろと先生方とも御相談をいただいて、その中でよけい繰り込んだ部分は単位費用が直されたと同じようなルールでお配りさしていただくとか、そういう方途を講ずるということに結果的にはなろうかと思います。  ただ、私どもはそんなことを予想いたしておりませんから、検討もいたしておりません。そんな事態にならないように御協力いただきたいと思いますが、ただいまのせっかくの御質問でございますから、十二条四項の考え方について、個人的にこれを読んだ場合に、私はいまそういう気持ちがいたしておるということだけ申し上げてお許しをいただきたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 午後から法制局長官が見えるから、その後の方がいいかもしれませんが、これはしかしここで一応区切りをつけますか。いま言われたように、私の午後の質問で社会福祉の単位費用問題に入りますが、その単位費用の変更を前提にして十二条四項問題が起こるわけですよね。それは国会開会中に単位費用の変更というものは、この委員会、与党の皆さんを含んで全体に御理解がいただけるという形になって変更が余儀なくされ、しかしそのためには計算が自治省の側としてはかかる。ところが七月四日会期が来ましたという場合には、本法を適用にならなかったら自治省困らないですか、困らぬですか。いわゆる八月三十一日までに国会があって、という形でもってでき上がっていきゃいいですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) この四項の規定というのは、政令で一切をやれるという授権規定でございますから、余りに広く解釈をすべき性格の条文ではないと思います。ここに「国会の閉会中」と書いてございますのは、国会が全然開かれていない時期に単位費用の改正の必要が起こった場合のことを考えているのだと思います。しかも、今度の法律改正は単位費用の改正のみでございますから、前の単位費用、改正前の単位費用が法律的には生きているわけです。したがって、前の単位費用で計算をするということになりますれば補正係数でふやす形で調整をとるか、そうでなければ補正係数はいままでどおりの考え方で、係数的に改めるべきものは改めたという数字を用いて計算をするか、いずれかになるわけでございます。ところが、単位費用が直ったと同じような形になるように補正係数をいじるということは、これはもう議会の御意向をないがしろにするということになりますから、私どもの手段としては恐らくとれないと思う。そうなりますと、旧単位費用で配る。そうなると、配り余ったものは全部特別交付税に入るんだということが法律に書いてございます。そこで、特別交付税の配り方で、私どもが単位費用で考えていたような形で配れるように、国会閉会中でございますれば事実上各党に御了解をいただいてお配りする、地方団体困りますから。ということに最終的にはなるのではなかろうかということを、個人的に、いまお話がございましたので、思いついたので申し上げたわけでございます。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記を起こして。  午前中の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ―――――・―――――    午後一時三十八分開会

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員井岡大治君。

井岡大治日本社会党

○衆議院議員(井岡大治君) ただいま議題となりました地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に関し、日本社会党を代表いたしまして提案理由の概要を御説明申し上げます。  自民党政府のインフレ政策と総需要抑制策による不況によって地方財政は深刻な危機に直面しております。中でも地方公営企業は、昭和四十八年度決算において四千三百六十八億円もの累積赤字を計上しており、とりわけ、病院、交通、水道の三事業でこれら赤字の八八・七%を占めるなど、地方公営企業の状況は、今日の地方財政危機を如実に示すものであります。  特に公営交通の赤字は、かねてわが党が指摘してきたように、第二次財政再建の破綻を意味するものであり、自民党三木内閣のインフレ政策と総需要抑制による不況こそ今日の地方公営企業の財政悪化の真の原因であります。  日本社会党は、地方公営企業の抜本的改革を図るためには、現行独立採算制を撤廃し、基本的行政施設として位置づけ、国及び自治体の財政責任を明らかにするとともに、自治体に対し、十分な自主財源を賦与すべきであると主張してまいりました。  このような立場から地方公営企業に対する国の責任を明らかにし、住民福祉の向上とそれに従事する労働者の労働条件の向上を図るため、地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律改正案を提案した次第であります。  次に、法案の概要を御説明申し上げます。  その一は、地方公営企業法についてであります。  第一に、法適用事業の範囲等につきましては、第一の種類といたしまして、住民生活に直結する性格の水道、軌道、自動車運送、地方鉄道及びガス事業を法定いたしております。第二の種類といたしまして、住民生活に直接つながらないで他の営利企業を通じて間接的に住民生活につながる性格の工業用水道及び電気事業を法定いたしまして、現行法における法定事業をその性格により二つに区分いたしたのであります。  なお、病院事業については、条例による法適用の場合でも第一種といたしております。  第二に、企業会計の原則については、第一の種類の事業はその性格から独立採算制によらないこととし、第二の種類は、独立採算制を採用することといたした次第であります。  第三に、第一の種類の事業の建設改良費については、国及び地方はそれぞれ二分の一ずつ負担することとし、地下鉄事業の建設改良費にあっては、国は四分の三を負担することといたしております。  第四に、地方公営企業の建設及び経常経費に関し、地方公共団体の一般会計から公営企業特別会計に繰り入れる繰入金については、起債を認めるとともに、その六割を地方交付税で措置することといたしております。  第五に、料金の決定につきましては、第一種の事業は原価を基礎といたしますが、「住民の負担能力その他経済事情を勘案し、公共の福祉の増進についても適切な考慮を払った妥当なもの」と規定いたしまして、第二の種類の企業の料金原則と区分いたしたのであります。  第六に、給与決定の原則は、現行法では生計費等よりもその企業の経営状態を中心として決定しておりますが、「職員の発揮した能率」及び「経営の状況」を考慮して、及び「類似の職種」という条文を削除し、地方公務員等と同様の給与決定原則によるものといたしております。  第七に、企業債の発行は、現行法では許可制とされておりますが、これを改正して、財政再建団体以外の団体においては、企業債の発行を自由化することといたしております。  その二は、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律についてであります。  第一に、国は、地方公共団体の経営する交通事業の健全な経営の確保に賃するため、必要な財政上の措置を講ずるとともに、交通施設の整備、道路使用の適正化等、交通環境の整備を図ることといたしております。  第二に、交通事業健全化計画の策定手続及び内容は、昭和五十年三月三十一現在、不良債務を有する団体が、議会の議決によって十年間の健全化計画を定め、自治大臣に届けることとし、健全化計画の内容におきましては、赤字交通事業に従事する職員の給与その他の労働条件の向上について十分配慮した上、1経営健全化の基本方針、2経営健全化に関する措置の大綱、3地方債の各年度ごとの元金償還額、利子支払い額及び収支見込みに関する事項について定めるものといたしております。また、この健全化計画を作成するに当たっては、当該職員代表と協議するものといたしております。  第三に、交通事業健全化債の発行及びその元利補給については、交通事業健全化団体は、不良債務の枠内において健全化債を発行することとし、国は元金償還額の三分の二及び利子については、全額補給することといたしております。  第四に、地方公共団体は、健全化債の元金償還額の三分の一を一般会計から補助するものといたしております。  第五に、地方公共団体が自主的に定めた健全化計画に著しく支障のあるときは、助言または指導することができることといたしております。  第六に、健全化債は、全額、公営企業金融公庫が引き受けることといたしております。  第七に、地方公共団体の長は、交通施設の整備、交通規制等、円滑な運行を確保するため、関係行政機関の長に措置の申し出を行い、関係行政機関の長は、適切な施策を講ずることといたしております。  以上が本法案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。     ―――――――――――――

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答弁者側の関係もありまして、ちょっと、単位費用問題に入る前に公営競技の問題について質問を移したいと思います。  公営競技、つまり公営ギャンブルについて私は五、六年前本地方行政委員会で相当詳しく質疑をいたしました。政府がギャンブルにおける反社会的意義というものについて十分な認識を持っていないこと、政府の政策はギャンブルの日常化を推進するものであること、ギャンブル収入に依存しなかったならばやっていけないような地方財政の貧困の改善について政府の意欲が欠けていること、ギャンブル収益の現在の配分のやり方及びそれを含む地方財政構造というのは、ギャンブル依存自治体と脱ギャンブル自治体との財政に著しい不均衡をもたらしていること、などの点の指摘を当時いたしまして政府の善処を求めました。それに対して、政府は、三十六年に設置された公営競技調査会の提案に沿って対処するとの方針、それをさらに推進すること、それとともに、ギャンブル収入の一部というものを公営企業金融公庫に積み立てておいて、特定の公営企業債の利下げを図る、そういうことなどを図りたいと約束をされました。  そこで、その後の公営ギャンブルの推移をずっと見てみたのでありますが、必ずしも提案の線が守られていないんですね。まず、公営競技調査会の提案、及びそれを受けて政府がギャンブル問題についてどう対処しようとしてこられたのか、またしてきたのか、どういうような制度改正を行ったのか、まず承ります。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 答申の趣旨を受けまして、自治省の考え方といたしましては、開催回数をふやさない、それから施設を新しくつくらない、まあそういう方針を貫きながら、財政的な問題としては先ほど御指摘をいただいたような均てん化の対策を現在推進中でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 制度改正という面では……。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) それぞれの制度についての改正ということは私はないと記憶をいたしております、公営企業金融公庫への納付金という制度が新しくできたと、この一事ではなかろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ指定の問題で伺いますがね。施行者団体の指定の方法、これは競馬、競輪、競艇、競走自動車、それぞれによって異なるのでありますけれども、問題なのは主として競輪であります。  競輪については、現在指定を受けている団体は、府県が十、それから市町村、これには組合指定の構成団体も含まれますが、市町村が二百五十七件、二百五十七団体ではないかと思いますが、そこで、それらのうち、昭和三十年までに第一回の指定を受けた市町村の数、それから昭和三十一年から昭和三十五年までに指定を受けた団体の数、それぞれ幾らありますか。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) いまちょっとわかりませんので、後ほど調べてお答えをしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 委員長、これは質問通告してあるんですからね、こんなの大変なことじゃない。たとえば、昭和四十八年度の自治省資料、これは私のものが正確かどうか、述べますがね、二十年代、主として昭和二十五年から二十七年ぐらいの間の指定のものですが、これが百二十二。いいですか。昭和三十年代前半のものですね、これが六十一。これが合計百八十三ですね。それから全部で二百五十七自治体のうち百八十三なんですから、実は七一・二%がいまから二十五年ないし十五年前の指定にかかるものである、それはいいですか。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 競輪につきましては全体で二百五十七ございまして、このうち昭和三十一年でしたか、それ以前の期限がついておるものが百五十二、それからその後の指定のものが百五でございまして、それ以上の詳しい資料につきましては調べて御報告いたしたいと思います

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 後、聞こえない。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 詳しい具体的な資料につきましては後ほど調べて御報告いたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 じゃ、いまから聞いていったら全部答えられない、きょうは。ギャンブルについてやると言ってあるんだから、ちゃんとあんたこれぐらい……。しかも、私どもはギャンブル修正案を出すとかとこの間ちゃんと言ってあるわけでしょう。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) できるだけお答えいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ伺いますがね。競輪について指定団体のうち、指定期限、つまり終期のない市町村の数は幾らありますか。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) ただいまお答えいたしましたとおり、二百五十七のうち百五十二が期限がついております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もう一遍。二百五十七のうち……。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 百五十二でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 百五十二がついていない……。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) ついております。期限のついておらないのが百五でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 本当かね、これ。間違いない、これ。何年で調べたの。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 四十九年四月一日現在でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私のやつは四十八年度自治省調べ。四十八年度の決算によりますと、全国の市町村の財政力指数は、三〇%未満のものが六二・七%、三〇%から五〇%未満のものが二一・四%、五〇%以上一〇〇%未満のものが一四・二%、一〇〇%以上、つまり交付税の不交付団体ですね、これは一・七%ですね。これは「地方財政の状況」百七十九ページにあるんだから間違いないですよ、これは。  そこで聞きたいのは、競輪施行者団体の財政力指数を、いま述べたような段階別に区分するわけですね。そうすると、どういうふうな形になりますか。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) それでは始めますから。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 総理、限られた時間ですから、私も少し意見を述べまして、そして返答を二つ、三つの問題でいただきます。  四月二十一日に総理は、第三次全国総合開発計画の審議をめぐる国土総合開発審議会の席であいさつをされて、その中で、安定と公正を重視した路線に立って人間生活重視の観点から既定の計画を再検討する必要があると述べられて、そして三全総づくりの意義を強調されました。国民生活と直結した開発計画づくり、それから二十一世紀に受け継ぐ文化創造の基礎固め、それからエネルギー、食糧問題などの国際的動向への配慮、地方公共団体の役割りの重視などが報道されました。地方公共団体の役割りの重視がありましたので、特に私はお目にかかる機会があるとわかっていましたから、いろいろ考えさしていただきましたが、昭和六十年を目指して三全総策定、現在審議会を中心に検討が進められていると思うんですが、三木さんの発言、四十年代の日本の進んできた道に対する反省がくみ取られる。その反省がくみ取られる部分について私も大変共感を覚えました。しかし、どうも言われるように、三木さんの場合、理想を述べる段階まではよいのですが、なかなかそれが現実の施策となってあらわれてこない。これは、先日わが党の長老であります加瀬委員も、この委員会で問題にされたところなんです。そこで、もう一つ現実政治家としての三木さんの気魄というもの、あるいは実行力といいますか、言い方はちょっと失礼ですが、そういうものを期待するんですが、これは私一人だけの感じではないと思う。それにはいろいろ原因がありましょうが、その一つには、用語が若干抽象的なんですね。その内容にはっきりした方向性というか、具体性というような点がどうも感じられないのが問題ではないだろうか。  そこで地方公共団体の役割りを重視する。これは内政重視、福祉行政尊重の立場に立つ。そのかわりに、当然のことでありますが、一体、地方公共団体の役割りを重視するという場合、その中身あるいは位置づけをどういうふうにお考えになっているのかということを私はまず第一にお聞きしたいわけです。  国と地方はそれぞれがそれぞれの立場で国民に対して必要な行政を分担し合っているわけですから、国と地方とが常に対立しなければならないという理由はもちろんありません。しかし、国と地方がそれぞれその施策の立案に当たって考えを異にする場合も当然あります。憲法で言うところの地方自治の本旨というのは、そういう場合があり得ることを認めていると考えてよいと私は思います。総理はかつて、地方自治体の発想を尊重するということを言われました。これは予算委員会でも私お聞きをしました。公害行政や福祉行政の水準などの問題の経緯を見ますと、自治体の突き上げにより国の方が足りなかった考えを正したという場合もあって、したがって、総理が地方公共団体の役割りを重視するという場合に、それは何でも国と協力してその方針のもとにしっかりやってくれというだけの意味ではなくて、自治体の自主行政を尊重する、あるいは国からの天下り人事のようなものはよくない、指導に名をかりて自治体に対して国から行政干渉を強めるのはよくない、そういう意味を十分に含んでの地方公共団体の役割りの尊重という意味だろうと私は解しますが、第二に、そう解しておいてよろしいですか。  さらに、三木内閣は、田中前内閣の高度経済成長策の失敗、それから例の列島改造論による自然破壊や環境破壊、あるいは金脈問題などの政治的疑惑等に対するいわば国民的な批判や非難というものに対する反省として誕生したものと思います。当面の問題であった狂乱物価の収拾とか、不徹底ではありましたが金脈問題などは、私としては意見を残すとしても一応のけりがついた現在ですが、組閣後半年の実績を見ますと、三木内閣が本当に真価を問われるのは私はこれからだろうと思う。それというのは、田中内閣時代にきめられた大規模開発プロジェクトなど、現実の国民生活や地方行政に重大な影響を与える諸問題について、三木内閣として、もっと詰めて言えば、自民党内閣として今どう取り扱うのかということが実ははっきりしないからであります。高度成長から安定成長へ、この転換などを言葉だけで訴えましても、そうした大規模開発プロジェクトの問題を今後どう扱うかがはっきりしなくては、日本の政治や経済の体質が産業尊重型から国民福祉重視型に転向したことに私はならないと思う。かつて田中前総理は、成長の成果を活用するという、あのうたい文句でもって高度経済成長を推進し、列島改造を推し進めようとしたのです。その際の政策というものは現在でもそのまま実は残っているわけですね。それで継続審議でずっと来て、この国会でもって成立をした関係法案さえあって、私はこの間連合審査に出てびっくりして関連質問したことがあるんです。安定成長が三木内閣の基本路線なら、当然、それに即応した具体の施策が必要であって、特に開発計画というものも変更されなくてはならないと私は実は考える。そういう点についての基本的な考え方を、第三に明らかにしていただきたいのであります。  そして、その問題との兼ね合いで、最も具体的な問題としては、本四連絡橋はやはり三本とも必要なのかどうなのか。そのうち一本は本年度内にぜひ推進したいと総理自身がお考えになっているのかどうなのか、はっきりさせていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 和田さんの言われた、やはり地方自治体が国の立場と違う場合もあり得るという、これはやっぱり当然だと思います。しかし、やはり協力する面というものがないと、いかにも政府と対立するということでは、地方行政というものを効果的に推進する場合にいろんな支障を来たすわけだと私は思いますから、でき得べくんば協力するという態勢が好ましいことは言うまでもない。しかし、これは常に地方自治体というものの自主性というものがあるし、またしかし、それには当然にうらはらの問題として責任が伴わなければならぬわけでありますから、そういうことで責任を伴った自主性というものを尊重することがないと、皆地方地方によって事情が違うんですからね。これを一様に国が、国自身の恣意によって地方自治体が動くということでは、これはいろいろな特殊な事情を持っておる地域住民の要請にこたえることはできないわけでありますから、協力することは好ましいけれども、立場の違う場合もあり得ると言われる点はそのとおりだと思います。  それから、地方自治体というもの、私は地方自治体というものが全く全国一様という、何かこう、一様というものではなくして、やっぱり特殊なその地域地域の特色を生かした地方自治行政というものがあっていいと思いますから、今後においても可能な限り自主的な財源というものも考慮して、選択の余地を残すような形がいいと思うわけであります。しかし、いま言ったように、一方においては責任が伴わないと、今日のような財政的にも非常に窮屈なときに健全な地方行政はできませんから、自主性と同時に責任が要るということが一つでございます。  また、いままでの高度経済成長のもとにおけるいろいろな全国的な総合開発計画というものは、当然に見直さなければならぬわけであります。いま具体的な問題として御指摘になった本土-四国の架橋問題という問題も、いわゆる政治情勢とかわが国の発展、あるいはまた交通事情というものを勘案して、そしてやはり検討されなければならぬ。もう前に決めたものをそれなりこれを実行するんだということでなくして、新しい事態に、最近の事態に立って検討することは当然だと思うわけでございます。政府においても、経済社会開発計画であるとか、全国総合開発計画というものの見直しをいたしておることは御承知のとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、いまの部分で、ちょっと端的に、一本もかけない……。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは今後の経済情勢、あるいはまた将来の交通の状態なども勘案して今後検討をしていきたい、いまは一本かけるとか、かけないということをまだ決定はいたしておらない段階でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もう時間がないんで、もっと突っ込んだ論議をしたいんですが、残念ですが、承っておきます。  そこで、去る三月十一日、参議院予算委員会で、この国会にその地方事務官廃止について法律を出されるわけですかという私の問いに対して、そういうつもりで準備を進めますと言われました、三木総理。この総理の答弁をされた後、まあ昼に休憩時間に入りました。で、総理は昼食を食べられたかどうかわかりませんが、田中厚生大臣は昼食を召し上がる時間がないぐらいの状態になったと厚生大臣から聞きました。あなたのところに、そのとき尋ねて行った橋本龍太郎、高田浩運両氏の強い陳情というのは、一体何だったんですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、この地方事務官の問題は、非常に各省庁の一つの出先のあり方とか、事務の性格、また、そうした一つの勤務しておる職員の身分に関係する非常にむずかしい問題を含んでいる。政府はもう近いうちに解決いたします、いたしますと言って、もう長い年月が経ておるので、何とかしてこの解決はできぬかということで、そういう積極的な答弁をいたしたのでございますが、まだ、それの各省間の調整というものは、正直に言うとできてないわけであります。しかし、この問題はいつまでも捨ておけない問題でございますから、ただむずかしい問題だ、問題だということで、じんぜん日を過ごす考えはございませんので、この国会というわけにはまいりませんけれども、できるだけ早くこの問題を解決をして合理的な結論を得るよう、関係の各省庁間で協議を進めておる次第でございまして、できるだけ解決を促進をしたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあ地方制度調査会で、総理食言になりますよということを申し上げて、場所が違うから食言問題はそれ以上私は追及しないと言って総理と別れたんですが、実は私は総理に、いま大変端的に自由民主党のこの厚生部会の責任者である御両者の名前を挙げましたが、この両氏から、地方事務官を廃止すると定員法を動かさなかったら大変ですよということを総理はおどかされましたですね。そこで総理は初めて気づかれて、こういう他に重要法案があるのに総理としては今国会地方事務官制度の廃止に消極的になられたというふうに私は理解するんですよ。ところが、総理ね、いまうなずかれましたけれども、この言い方はうそなんですよ。うそです。定員法を動かさなきゃならぬという言い方はうそで、そのうその言い方に、総理は残念ながら、まあ全体の流れの中で動かされるということになったのであります。  で、昭和四十九年五月十七日、五月二十八日、御存じのとおり、衆参両院のこの委員会における附帯決議に沿って、地方事務官を全部地方公務員にすれば、もちろん定員法には関係ないんですよ、総理、これは。仮に、一部国家公務員にしたとしても、あなたが今国会に出すと約束された地方自治法の改正法の附則で定員法の例外規定を書けば足りるんです、で、総理にこのうそを言って、総理に私との約束を破らさせる、そういう食言問題を起こす、こういう形のことは、かつて厚生事務官を経験をされたような方がやったということ、あるいは厚生政務次官を経験をされた方がそういう言い方をされるということ、これは与党の中の意見がまとまらないから、総理や官房長官が何遍も、あるいは自治大臣はもう全部の国会を通じてと言ってもいいほどこの国会に提案をしますと言っておりながら、実はそういう事情の中でできない。予算委員会という公の場で総理が約束されたことが、こういうような歪曲された物の言い方で、一省のセクショナリズムで、理不尽なそういう行為によって出てこないという、法律案が用意をされないということでは、私は、三木総理が言われている行政機構改革全体の手直し問題を含んで、実は名がすたるというふうに考えているんです。  そこで、三木総理大臣に申し上げておきますが、この社会保険事務等は機関委任事務であります。その場合に、機関とは都道府県知事であります。そうして、都道府県知事に委任されたこれらの事務が、知事の管轄のもとで地方事務官が仕事をするか地方公務員がするかという問題なんですね。これは厚生大臣と予算委員会で私は幾つかのやりとりをして、厚生省というのは通達だけでもって直接動かしているという違法行為も指摘をしておいたところで、厚生省、御存じのとおり、あのとき答弁ができなくなっている状態なのでありますから、そういうような状態のことを総理はぜひこの機会にもう一遍お考え願いたいので、私は国会がもう終わりに近づいたこの機会に、総理が明日でも、たとえば独禁法を衆議院でああいう形で処理をされる総理の力量がおありになるのなら、明確に地方自治法の一部改正案というのは出すと言われたのですから、あなたの力量にかけてこの国会に自治法の一部改正案を出していただかなきゃならぬと思うんですよ。そうでなかったならば三木総理大臣の食言問題というのは明確に残っていくわけでありまして、どういうふうに処理をされますか。私は善処されることを期待をしながらこの質問をしているんですが。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 会期が余すところ、そうたくさんない今日、和田さんにこれをこの国会中に提出するというお約束ができないことは残念ですけれども、この問題はいつまでも捨ておけない問題でございまして、歴代の内閣においても、可決します、しますと言いながらこんなにおくれておることは相済まぬことだと思いますので、まあできるだけ早くこの問題にピリオドを打ちたいという決意であるということを申し述べて御理解を願いたいわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後にいたしますが、もうここへ来てお出しなさいと言ったところであれでしょうが、いまのお言葉は、早いというのは、次国会に向かっては趣旨に基づいてやりますと、こういうふうに理解をしておきたいんですが、これはお隣の自治大臣は、自民党の国対委員長をされていたときにこの決議ができているんで、自治大臣が一番よくわかっているわけですから。困難な党内事情がわかりながら、あの衆議院、参議院における決議を上げるに当たっては国対委員長は了としていたわけです。その人が幸いにして自治大臣。行管庁長官としては、何遍も申し上げますが、福田さんは、私の行管庁長官時代にと言われた、約束された問題、三木総理また予算委員会で私に約束された問題、こんな実力者がそろって約束をされておりながら、あなた方の手でできないということにはなりません。次国会にこれをお出しを願いたいと思うのであります。  そして最後に、私は、社会的な不公正を是正して国民福祉の実現を図るということをモットーとされている三木総理でありますから、ひとついまの問題に端的にお答えを願うと同時に、総理のその意図を実現されるためには、国、地方を通して行政の重点を産業から福祉へ大きく転換する必要があると思います。そこで、そういう観点から、私は国庫補助負担金制度についてもいままでの制度を見直す必要があると思っているのです。ごみ、屎尿、水の問題はまさに福祉の中でも中心となるべきものであります。いま私たちは地方交付税法の論議をそういう視点からこれからさらにやっていくのでありますが、これらに係る国庫補助負担金制度が、道路、港湾、河川等の基幹施設に係るものに比べて補助率も低いんです。算定方法も実際の事業実施主体である地方団体に著しく不利になっているんです。超過負担などが生じやすくなっているわけです。この点について抜本的に改善する必要があると思うのでありまして、ひとつこの点とあわせて御見解を承ります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま和田さんの御指摘の、生活関連の施設整備関係の補助負担金については、今後生活関連の施設整備の緊急性というものは非常に起こってくるわけでございますから、これを一遍この際見直してみたらどうかという御意見に対しては、私はそういう御意見というものは当然のことだと考えます。したがって、国と地方との財政状態を考慮して今後十分に検討をいたしてみたいと思うわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 前段の――総理、しつこいようですが、次国会という理解を一応しておいてよろしいわけですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは次国会には解決せなければ……。こんな問題がむずかしいことは、私もこんなにむずかしいとは実際言ったら知らなかったんです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、むずかしくないですよ、私が言ったように。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 政府がこんなに毎回毎回答弁しておってこれが解決せないということでは相済まぬと思いまして、やろうとしたわけですが、なかなか問題はむずかしいけれども、しかし、次国会を目指して努力をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どうもありがとうございました。  法務大臣がお見えになりましたからそちらに入りますんで、さっきの関係で準備をされるやつがあるでしょうから。  なお申し上げておきます、われわれ討論している間に少し、もしあれするといけませんから。  一つは、競馬、競輪、競輪と競艇ですね、あるいは競馬、競輪、競艇三種目、そういうものを一緒に施行している団体の数などというものも少し論議の対象にいたします。数の面では大体そういうところ。あとは大体財政局がつくっているあれさえ持ってさておいてもらえばちゃんとできるように、きのうそう言ってあるわけですから。あと、納付金の取り扱いの問題の論議に入るところですね。そういうところはみんなおわかりですから、その辺だけ準備をしておいていただきたいと思います。  六月三日の本委員会におきまして、警察署の留置場が代用監獄として恒常的、包括的に使用されていることを私は指摘をいたしました。それが地方財政法十二条に違反していること、つまり組織上、財政上現在は違法状態にあることを私は明らかにして、そのときは自治省の側も私の説と同様でありました。法務省、警察庁、自治省、その討論の中で若干統一見解の措置が必要ということで、委員長の取り扱いで三省統一見解をつくってきなさい、こういうことでありまして、当然検討をされたことと思いますし、統一見解の口頭的な説明は昨日政府側から受けました。この機会に、まず回答を伺いたいと思います。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 初めに、去る六月三日の本委員会で私が答弁いたしました内容の一部について訂正さしていただきたいと思います。  六月三日の本委員会におきまして、和田先生からのお尋ねで、代用監獄が地方財政法第十二条の「司法及び行刑に要する経費」に該当するかどうかというお尋ねに対しまして、私は、地方財政法第十二条に該当する経費であるという旨の答弁を申し上げたわけでありますが、その後、現在の代用監獄制度の全体の仕組み、法律の体系的な検討を加えました結果、現在の代用監獄は、監獄法第一条第三項の規定によって都道府県警察に委任された事務と解することの方が正しいというふうに結論が出まして、私の前回の答弁はこの場で訂正さしていただきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  この代用監獄業務は、明治四十一年の監獄法第一条第三項の規定の解釈としては、国から都道府県警察に委任された事務と解されますので、地方財政法第十二条の規定は適用されないと存じます。  代用監獄業務の内容は、御案内のように非常に複雑であり、その業務の性格が国と地方公共団体相互の利害に関係があるものであるのか、あるいはもっぱら国の利害に関係があるものであるのかについては、ここでにわかに断定することは困難であると存じます。  現在、国は代用監獄に拘禁または留意される者の費用を負担しているところでありますけれども、国と地方公共団体の財政負担のあり方及び代用監獄業務の特殊性等から見て、国が負担すべき費用の額等については、今後関係省庁において検討をされるべき課題であると考えます。  以上です。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実は、この統一見解を聞いて、法務大臣、びっくりしているのです。私どもの方は。これは恐らく上の方で協議して決まったものだから、自治省の担当者としては大変不満で、こんな解釈しておって恥ずかしいとお思いになっているでしょう。うつむいたまま顔も上がらぬ状態だと、こう思うのですが、非常に気の毒なことだと思うのです。私は自治省の代弁をしようなんていうつもりで言うのじゃありませんが、自治大臣、それでは統一見解についてお聞きをいたしますが、統一見解の一の表現はどういう意味でしょうか。「監獄法第一条第三項の規定の解釈としては」――「解釈としては」というのは一体どういう意味ですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 監獄法の第一条の第三項では「警察官署二附属スル留置場ハ之ヲ監獄ニ代用スルコトヲ得」とあります。この規定の解釈としては、留置場を設置しております警察官署に対して監獄業務が委任されている、そういう意味で代用監獄の業務は警察官署に対して委任されているというふうに解すべきであるという意味であります。したがいまして、委任された事務でございますから地方財政法第十二条には該当しない、このような解釈でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 「官署」とは何ですか、「警察官署」。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 監獄法第一条第三項に「警察官署」という表現を用いておるわけですが、現在でこれを考えますると、都道府県警察本部及び警察署、本部長及び警察署長というふうに解せられるのじゃないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法務大臣、法律学者ですから、いまのでいいですか、これ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 地方財政法の十二条の問題につきましては所管外でございますから。監獄法の問題は所管でございますが、担当の矯正局長から答弁をさせます。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 「警察官署」とございますのは、言葉が古うございますけれども、いわゆる警察を意味しておるわけでございます。したがいまして、警察署あるいは警察本部に留置場がございます場合には、警察、それに付属する留置場というものもここに含まれておるものというふうに理解しております。  この一条三項の規定自体は「警察官署」、とございまして、地方自治体であるか国家警察であるかに関係なく「警察官署」という言葉を使っておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここはもう少し後で討論します。もう一つだけ聞いておかないと……。  「国から都道府県警察に委任された事務と解されるので」というのはどういう意味ですか。これは機関委任だ、あるいは団体委任だ、そんなことですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 現在の監獄法第一条第三項の規定が何分にも古い法律の規定でございまして、地方自治法ができた後の各委任について定めた法律の表現をとっておりませんので、制度全体を総合的に判断して、この表現によって都道府県警察に委任されているというふうに解するわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 表現によって委任されている……。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) この第一条第三項の規定によって――この規定の意味するところは、これによって都道府県警察に代用監獄の業務が委任されたというふうに解せられるということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと、答えている人も、本人が腹からそう思っていないから答えにくいだろうと思うのですが、これ、本当にどこかで決めた、有権的解釈した張本人の方からちょっと答弁してくれませんか。気の毒ですよ、それは。――法制局長官は……。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 実は、現在御案内のように、代用監獄制度というのは都道府県警察が看守をしておるわけでございますが、その現実の姿を法律との関係でどのように解するかということで、政府部内で法制局が中心になりまして議論いたしました結果、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、監獄法第一条第三項の規定によって、代用監獄の業務は都道府県警察に委任されているというふうに解すべきであるという結論に到達した次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 論理はこういうことなんですね。私が問題提起をした、したがって、ばらばらの答弁になった。何とか現在の法体系の中に強いて組み込まなければならぬ、強いて組み込むためにはという前提を置いてこの統一見解と、こういうことになったわけです。その強いて組み込むところ大変な無理があるんで、これは学者を前に置いてわれわれがしゃべるのはあれですがね、法務大臣、片一方は明治にできている法律なんですよ。片一方は地方自治法というものができた。地方自治法ができたときに当然やっておかなければならないことをやり切っていなかったわけですよ。やり切っていなくて問題なんですから、ここでやっぱり、誤りなんですから、政府はこれは改めますと言った方がぼくは早いと思うんですがね。無理に答弁を変えさせていくといったら、後に禍根を残すだけなんですがね。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) ただいま石原君からお答え申し上げたとおりでございますが、関係省庁が集まりまして、法制局が最終的にこういう見解を決定された。法制局の法律解釈の見解には各省はやはり従うべきものであるとわれわれは考えておりますので、それ以上深くお突っ込みをいただきましても、われわれには残念ながら答えられません。こういうことでございますので、法制局の方へひとつお聞き取りをいただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ法制局を待ちますか。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記を起こして。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法制局長官とそっちの方で討論してもらっているやつを私の方が聞いておった方が、実はこの問題は物わかりいいんじゃないかと思うぐらいですがね、われわれが質問するよりも。しかし、統一見解が出ましたから。代用監獄制度についての統一見解。で、その統一見解の中でいま論議をしているのは、統一見解の一はこういうふうになっているんです。「代用監獄業務は、監獄法第一条第三項の規定の解釈としては国から都道府県警察に委任された事務と解されるので、地方財政法第十二条の規定は適用されないものである」。で、この統一見解一の表現で、「監獄法第一条第三項の規定の解釈としては」というのはどういう意味ですかということが一つと、それから「国から都道府県警察に委任された事務と解されるので、」というのは、これは機関委任事務だとか団体委任事務だとか、そういうことを含んでどういう意味ですかということです。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) これは、「代用監獄業務は、監獄法第一条第三項の規定の解釈としては国から都道府県警察に委任された事務と解される」と、この文言のまた解釈に相なるかもしれませんが、監獄法の第一条第三項では、第一条の第一項、第二項を受けまして、第三項として「警察官署二附属スル留置場ハ之ヲ監獄二代用スルコトヲ得」という規定を設けております。この「監獄二代用スルコトヲ得」という規定からいたしまして、警察官署というものは、現在これは警察は一般に都道府県の事務でございますので、都道府県の施設に相なると思いますが、その警察官署に留置場というものがもともと警察本来の事務を処理するために設けられておる。その留置場を監獄法第一条第一項に掲げてございます四種類の監獄の代用にすることができるということを規定したものでございまして、これによって警察官署の留置場が監獄に代用されるということは、警察官署に設けられた留置場において監獄の業務が執行されるということは、国の機関じゃない都道府県警察という都道府県の機関に、監獄法の第一条の監獄で懲役監、禁錮監、拘置場、拘置監という、そういう作用を営む事務を委任したというふうに解するということをこの文言であらわしたものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、先ほど私が申し上げたんですがね。こういう問題が提起をされてきて、そして各省間の意見がばらばらであって、どうにもならぬと。この統一見解が出るのに、御存じのとおり、これ三日の話ですからね、約三週間かかってこの統一見解が非常に無理してまとめられてきて、現在の法体系に強いて位置づければこうなりますという形のまあ統一見解になっているわけですね。私は、その強いて位置づけることに実は間違いがあると思う。で、監獄法のときに、たとえば監獄法のこの一条三項でもってこれは機関委任事務なんだと言われてみたところで、当時は全体が国家警察でございますから、そうすると、いまの警察制度ができるとき、あるいは自治法ができたとき、こういうときに当然ここの監獄法というのは整理をされていなければならなかったことでしょう。そこが、法制局長官、怠られていたわけですからね。それをいま無理に解釈だけでもってその中に入れてしまおうとする、そういう無理をやられる必要はないのじゃないですか。ここのところは改められる必要があるんじゃないですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) この代用監獄制度につきましては、現在の警察法の体系に至ります前、つまり戦前におきましてもいろいろ議論のあったところであり、また学者等の間では、代用監獄制度についてはこれを改善すべきであるというような議論があったと聞いております。まさに文字から申しましても、監獄というものは、まあ現在は刑務所でございますが、刑務所というものが本来の施設としてあるのでありながら、それに対して代用というのは、まさに一時的な施設として代用するのであればともかく、現在のようにやや恒久的に使われる、恒常的に使われているようなのはおかしいではないかという議論も一つの議論だと思います。ただ、実際問題といたしましては、法務省もいろいろ努力をしておりますけれども、現在の刑務所の配置が全国的に完備するというところまでいっておりませんのが一つの理由と、もう一つは、刑務所というものをそれほど各地方に非常にたくさん設けるわけにもいきませんで、どうしても管理運営というものから考えて相当大きな施設にならざるを得ない。ところが現在代用監獄で行われておりますような、いわば拘置監的な未決監的な作用というようなものは、相当各地域において、何と申しますか、細かい地域において発生する問題であって、それを集中的に設けてある刑務所においてそういう作用を営むことは、地理的な不便があるというような議論もあるようでございます。そういうようなことから言って、代用監獄制度を直ちに廃止するわけにはまいらないというような議論があるようでございます。確かに和田委員御指摘のように、代用監獄制度を根本的に検討すべき問題もあると存じまするけれども、これはいずれ、現在の監獄法が何しろ明治四十一年の法律でございますので、前々から法務省では監獄法の全面的な改正というものを考えております。その枠の一環として考えられると思いますが、ただ、いま直ちにこの制度をどうこうするというわけにはまいらないのではないか。  それからまた、この代用監獄制度について現在の法体系の中に無理にはめ込むことは無理ではないかというお話、なるほどごもっともであろうとは思いますけれども、やはり現在の日本の法制が全体として整々と合理的に整備されている以上、代用監獄制度もその中に位置づけるとすればこういうことに相なるということをやはり法制の上ではきわめておきませんと全体の整備というものがおろそかになると存じまするので、先ほど御指摘のありましたような見解を出した次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 言われているように、大変無理に見解を出されたものだから非常に無理なんですよね。あのぐらいさえている法制局長官だって大体これぐらいの答弁で、大変苦しいわけでしょう。まあ気の毒だと思うんですけれどもね。そんなこと言われたって、たとえば「警察官署」、それじゃ何ですか、「警察官署」。さっきちょっと答弁もらいましたが……。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) この「警察官署」と申しますのは、現在の都道府県警察に属しております施設と申しますか、機関と申しますか、そういうものを言うんだろうと思います。ただ、「官署」という文字が古いのではないかと。これは確かに、ほかの法律でも、たとえば「郵便官署」あるいは「電信官署」というような言葉がございます。「官署」という文字は、明治時代に制定された法律に多く用いられたものでございまして、最近においてはほとんど用いられることのない法令用語であることは申すまでもございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いえ、私、法令用語が古くても、まあそうですがね。その「官署」は、いま言われると警察署と読みかえるわけですか。あるいは署長と読みかえるわけですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) いえ、これは「警察官署二附属スル留置場」とございますので、主としては警察署だと思いますが、都道府県警察の本部にも留置場があるところがあれば、もちろんそれも含まれるということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、署、警察本部、そこに委任をしてあるわけですか。そんな委任があるんですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) そういう警察の機関に機関委任したものであると考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どこの法律で書いてありますか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 監獄法第一条第三項の「警察官署二附属スル留置場ハ之ヲ監獄二代用スルコトヲ得」という規定によって委任されたものであるというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この規定ができたときには、委任行為というのは、法制局長官、ないんですよ、それは。そんな、幾ら何でも、大変敬愛するあなたですが、きょうはとてもだめだ、そんなのは。それはだめですよ。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 私どもといたしましては、この監獄法第一条第三項、この第三項の規定によって、都道府県警察という都道府県の機関に委任されたものであるというふうに解釈をいたすわけでございます。  なお、付言いたしますが、この監獄法は、先ほど申し上げましたように非常に古い法律でございます。この制定の当時におきましては、「警察官署二附属スル留置場ハ之ヲ監獄二代用スルコトヲ得」という規定によって、日本語としてストレートに、それが解釈といいますか、運用されたわけでございますが、戦後、警察が第一次、第二次と改革がございましたけれども、その第二次改革が行われた後の警察の姿、日本の現行法令の中に位置している警察の姿というものを前提として考える限り、この第一条の第三項が制定当初における文言の意味と姿を変えまして、ただいま申し上げましたように、都道府県の機関に機関委任されるんだというふうに解するという趣旨でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 解すると言われても、どこかに解することが書いてなけりゃ、とてもいかぬでしょう。この法律ができたときと違うわけですから。そうすれば、その監獄法について、今日の制度、あるいは自治法ができたときにはこうだということがなけりゃなりません。たとえば、他の機関委任事務があるように、自治法の別表の中にあるとかなんとかというようなことなら話は別ですよ。別表の中にもない。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) これを委任したということを外部に明らかにしているようなものはございません。地方自治法の別表第三には、機関委任事務をずっと掲げてございますけれども、そこにはもちろん掲げられておりません。もっとも、地方自治法の別表第三に掲げられてないようなものでありましても、そのほかに、たとえば保健所長に機関委任されている事務のごときは、別表第三には出ておりませんけれども、現実にそういう機関委任事務があるということでございますので、私どもといたしましてはこの監獄法第一条第三項は、制定の当時においては、明治四十一年当時においては、もちろんすべてが国の機関同士の問題でございますから、単に「警察官署二附属スル留置場ハ之ヲ監獄二代用スルコトヲ得」という規定は、国家機関内部のいわば事務の分配として解せられたものでございまするが、これが第二次の改革を経た後の警察というものを前提とする限りは、この規定をもって、警察の機関に対して国の広い意味の行刑事務が委任されたものであると解するのが現行法としては最も穏当な解釈であるというふうに考えておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 解釈根拠がないんですよ。いま保健所のことを言われても、保健所の所長あるいは社会福祉事務所の所長、直接委任する、ちゃんとやはりそれぞれ裏づけがありますよ。この部分はあなたの解釈だけなんですね。あなた方の解釈。行政官庁はそんな解釈をしていなかったんだ、とにかくこの問題が出るまでは。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 従来法務省でいろいろ代用監獄についての議論がございましたけれども、その際の議論は、これは機関委任なのか、団体委任なのかという点についてはずいぶん議論があったわけでございますけれども、委任であるという点については疑いのないといいますか、勉強不足かもしれませんが、そういうふうに考えてきておりました。これが委任規定と解し得るかどうかという根拠にはならないかと思いますけれども、「代用スルコトヲ得」ということの実態を見ますと、警察の留置場という施設、そこに勤務する警察官たる留置場看守、そういったものを一体とした営造物を代用するということでございまして、そうなりますと、実際問題としてそこに警察に勤務しております看守たる警察職員が、監獄の業務と申しますか、監獄法に書かれておるような業務を行うということになるわけでございまして、そういう意味で「代用スルコトヲ得」という規定から、そういう監獄業務を行うことを得というのが裏になって入ってくるというふうに実は考えておったわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これ、憲法学者どうですか。幾ら何でも無理ですよ。考えていらっしゃったことは自由だと言えばそれまでだけれども。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 私どもは、この監獄法第一条第三項が、制定当初においては、国家機関内部のいわば事務の分配として、その当時の司法省に属すべき本来監獄の事務を、この規定によって「警察官署二附属スル留置場ハ之ヲ監獄二代用スルコトヲ得」ということで、当時の内務省警保局系統の機関の施設をもって監獄に代用するという意味であったと思います。これは間違いございません。それが新憲法施行の後に、警察制度は全面的な改革を受け、さらに現行の警察法に至りまして変貌を遂げております。この変貌を遂げた後においてもなおかつ代用監獄制度というものは運用されておりまして、代用監獄制度というものについて、まあ下級審ではございますけれども、判例でも、それを前提とした上で、監獄法施行規則が代用監獄についても適用があるというような判旨を示しております。現行法の第一条第三項が代用監獄制度についてまことに完備した規定であるということは私も全く申しません。現行法のほかの規定の姿に比べまして、この第一条第三項が明治四十一年の法律をそのまま存置しているという意味において、規定の体裁としても完備したものではなく、むしろ不備な規定であると言わざるを得ないと思いますが、現段階において解釈する限りは、これを根拠として、代用監獄については、国の行刑事務はこの規定によって都道府県警察の機関に委任されたものであると解することが、現行法の解釈としては最も穏当なものであると私どもは信じておる次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ちょっと関連。  いまのような解釈をいまの時点でなさることについてどうこうという議論ではないんですよ、和田君の指摘しているのは。そういう解釈をされる文言の根拠というのは、何もいまの地方自治法でも、あるいは監獄法でもないんではないかと、強いてあなたのような解釈をするならば、これは監獄法と警察法が、いずれも素直に委任として、何といいますか、何ら阻害する条件がなく成立する場合という前提でなければそういう解釈はできない。ところが、警察の建物にしても留置場にしても、国の建物でもなけりゃ国の留置場でもなくなっているわけですから。だから、その留置場をただ代用をいたしますというだけでは不備ではないかと。いまはあなたの解釈のように、使わなければ、代用監獄の必要はあるわけですから、これを急にとめるわけにはいかないから、そういう解釈をして使っているだろうけれども、これは解釈としては不十分じゃないか。だからここでもっと明確に、委任事務なら委任事務、他の法律によって代用監獄の効果を期待するというなら、そのような完全を期するならば、法の完全をまず前提に置いて期する必要があるんじゃないかと、こういう御趣旨だと思うんですよ。いまとしてはこう解釈する以外にないということではなくて、そう解釈することが不完全ではないか、無理があるんじゃないか、だからもっとすっきりしたものにする必要があるんじゃないかと、こういう点も伺っていると思うんです。  一歩進めて、法制局長官、地方自治体が、私どもには法律の根拠がないわけですから代用監獄の事務は拒否しますと言われたって、これ、罰するわけにはいかぬでしょう、いま。そんなあいまいなものではない、もっときちんとしたものをここで新しく制定するの必要というものがあるんじゃないかと、こういう御趣旨だと思うんです。その点は、和田君の御指摘のように、私は、研究もしなけりゃならないし、解決の方法も、これは政府としてはとっていかなきゃならないものではないかと思いますが、いかがですか、この点。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) ただいまの加瀬委員の御指摘、まことにごもっともでございまして、私も先ほど、現在の監獄法第一条第三項は完備したものではない、むしろ不備と言うべきものだと申し上げたのは、そういう趣旨でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、監獄法につきましては全面的な改正を現に法務省で、どの程度進んでおりますか、そこまでは知悉いたしておりませんけれども、改正の作業を進めておるわけでございます。その一環として改正したい、整備したいというのが法務省の考え方のように聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、第一条第三項の規定がほかの現行法令の規定に比べれば不備であるということは覆い得ない事実でございますので、ただいま加瀬委員御指摘のように、代用監獄制度の本質なり、あるいは代用監獄制度を整然と都道府県警察に委任する姿をもっと法律上明らかにするように改正すべきであるということについては私も賛成でございます。そういう方向において検討すべきものであると考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、現行法的にはやっぱり誤りなんだということが明確でないとね、無理やりに解釈をされてこじつけられたんじゃ……。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 無理やり解釈したわけではございませんで、現行法の全体の体系から考えて、この規定を根拠として、先ほど申し上げましたような統一見解に落ちつくんではないかということでございますが、第一条第三項が現行の規定として不備であるということは私もただいま申し上げたとおりでございます。これで、このまんまずっと将来とも進んでいいというふうには考えておりません。いずれ近い機会にこれを明確にすることが必要であるという点については、和田委員、加瀬委員の御説に私も賛成でございます。現在の第一条第三項が、代用監獄制度を定める根拠規定として、代用監獄制度の内容につき、あるいはこの事務を、国の行刑事務を都道府県警察に機関委任する規定として、これで適正なものであるとは考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 少し進めますがね、それじゃ。何も故意にとめてるわけじゃないんですけれども。「地方財政法第十二条の規定は適用されない」と書いていますね。それじゃ何が適用されるのですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 地方財政法の十二条では「地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費については、法律又は政令で定めるものを除く外、国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない。」ということが第一項で規定されておりますが、その規定について、この規定は適用されないものであるということをうたったものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 こういう重要な問題ですね、いわゆる包括的、恒常的に地方公共団体は施設、人員を使っている、そういう問題なんですよ。そういう問題に関して、地方財政法に適用条文がないというのは、それじゃ翻るとどういうことになりますか。――これはそっちですか。どっちですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 結局、この十二条の規定が適用がないということは、この十条の四から前の規定、ここでいろいろ国と地方公共団体の間の費用の分担について規定をいたしておりますが、九条から十条の三まででございますか、十条の三までの規定のいずれかに当たるような事務であるという考え方でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それはまた大変重要なことになってきたな。九条から十条の三のいずれかに該当する事務なんですか、自治省の財政局長。――端的に私の質問にだけ答えてくださいね。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 九条から十条の四までのいずれかに該当すると――十条の四でございます。九条から十条の四までのいずれかに該当するべきものであると考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、具体的にそのどれですか。十条のどこですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) この代用監獄に関する事務というものが、もっぱら国の利害に関係のある事務であるか、またはその当該都道府県なり市町村なりにも関係のある事務であるか、これは先般の予算委員会において、戸籍事務についても同じような問題が生じましたことを記憶いたしておりますが、その事務の内容がいろいろ複雑な様相を呈しておりますので、この九条から十条の四までのいずれに該当するかということを、いずれに入れることが妥当であるかということをいま一義的に決定することはできないと存じますが、もし現在の現行法令を前提とする限りは九条に入るということで、九条に入るけれども、それに対して、地方財政法の規定によらないでと申しますか、この外に置いて、国が一定の負担をしておるというふうに現行法上は解釈せざるを得ないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 九条に入るけれども――後の方は何ですって。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 現行法の解釈といたしましては、十条の四で「もっぱら国の利害に関係のある事務を行うために要する」、、この例示でございますが、一号から九号のようなものでないという前提で物を考えまする限りは、十条でもないし、十条の二でもないし、十条の三でもないということになれば、九条に入ると言わざるを得ない、現行法としては。九条に入るといたしましても、当該地方公共団体は全額負担をいたしますけれども、その負担したものに対して、現在監獄費でございますか、そこから警察費に繰り入れるという限りにおいては、それだけ国が事実上の、事実上と申しますか、この地方財政法の枠を外にいたしまして、枠外において負担をしているということに解せざるを得ないということを申し上げたつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そんなことできるんですか。これはしかし、法制局長官らしからざる答弁なんだけれども、そんなことできますか、九条。自治大臣、これはできますか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 先ほど来申し上げております、私どもは石原君が答弁した考え方を、私も相談をして、石原君が答弁をする場合に、私もそれでよかろうということで石原君が答弁しておるわけでございまして、その考え方はいまの法制局の見解とは違うということを、先ほど申し上げたとおりで石原君が訂正をいたしたわけであります。したがって、行き先はひとつ法制局にお聞きただしをいただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま言われた答弁というのはこの前の答弁ね、訂正前の答弁。いや、私はそうだろうと思うんです。それはちょっと速記録に残しておきましょう。  いま言われたとおり、自治大臣、訂正前の答弁が私はやっぱり正しいんだと思うのですよ。大変無理をされています。いま非常に権威のある法制、局長官さえ、これぐらいのことしか言えない。非常に無理をされているわけです。いまの九条なんということになりますと、いままで地方行政委員会は長年にわたって何をやってきたかさっぱりわからないです。これは自治体の首長経験者、たくさんいらっしゃるんですからね。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 実は私は、はなはだ申しわけないけれども、はっきり事態を、法律解釈の問題としてのこれはもう少し政府部内においてよくはっきりさせることが望ましいと私はいま思っております。ただし、私がこの前あなたの御指摘があったときにお答えをしたのは、法的解釈もさることながら、現実に、これはたとえ明治時代の法律であったにもせよ、その当時は司法省と内務省だったわけですね、内務省所管の建物の中へ司法省のあれが入っておった。これが今度は国と自治体と、こう分かれたわけですね、自治体の建物ということになったというところに問題があって、その間における法的な若干の不備があるということは私はやはり御指摘のとおりだと思うんです。しかし、私が一番この意味で実質的に問題にすべきところは、とにかく地方の建物、公共体の建物を国が使っておるのでありますからして、この負担はある程度――この間言われたように、何か一人五円とかなんとかというような形でもってやられておることは、これはどうも超過負担という感じから見ておかしい、これは直さにゃいかぬということを実は強く主張をいたしておるのでありまして、その意味では、いま法務大臣ともよくお話をしておるんですが、それはひとつぜひ直そうじゃないかと、こういうふうに実質問題の方はかなり解決が前へ進んでおりますから、そこで法律の方はもうしばらくひとつ勉強をさせていただいた方がいいんじゃないかと、私はそういうふうに考えるわけでありまして、そのように委員長においてお取り計らいを願えればまことに幸いであると考えます。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 大体これは超過負担の問題として和田委員が取り上げたと思うんです。それについてのいまの法律解釈は、どうも古い法律の基礎から出ているものだからはっきりしない点もあろうかと思いますけれども、だから法律の方は法律の方として、もう少し将来に向かって改正するなら改正するという方向でもってはっきりさせてもらうが、超過負担の方はひとつできるだけ早く解消するようにお話し合いいただきたいということで、和田委員ひとつこの問題はピリオドを打っていただきたいと思いますが、いかがですか。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ピリオドを打つわけにはちょっといかないんです。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記を起こして。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 きょうの統一見解の前提で、私はその見解を了としませんでしたけれども、統一見解を説明するに当たっての適用項目は十条の四だったのですよ。ところが、ここへきたらいま九条になったのですよ。統一見解というのはこんなものなんですよ。自治大臣の趣旨の問題はわかっていますから、それは触れませんがね。これでぼくに論議を進めさせようとしても大変無理でありましてね、その意味においては政府の統一見解というのはやっぱりなっていないわけです。そこが非常に疑点でありますので、説明が違うわけです。私はこういうことが起こり得ると思って、実はきのう口頭だったけれども、夜になってからこの文書を求めたのです。そのことも申し上げておきます。そして、いま法制局長官から答弁がありましたように、この解釈はしょせん無理ですからね、早急にもう一遍政府の統一見解を出していただきたい。これはいま論議中でありますから、二十六日、明後日までにこの統一見解を出していただきたい、こういうふうにしていただきたいと思います。  そこで、そういう前提に立って、なお二、三の問題を整理する意味で、時間の関係もありますから問うておきたいのですが、統一見解のこの……。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ちょっと和田さん……。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 監獄法の改正については、法務省には法制審議会という基本的な民事、刑事の法令の改正のための審議会がございます。そこに、監獄法の改正について、この秋には法務大臣から諮問が出る運びになっておりますので、それほど遅い時期にはならないと思いますが、必ずその監獄法の改正の一環としてこの問題は明確に規定をいたすということにいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 時間をとってもあれですから、そこの部分はそれであれですが、ただ規定の仕方というのはまだ意見がありますから、若干この質問を続けさせてもらいますが、統一見解の二の、国と地方公共団体相互の利害に関係があるのか、あるいはもっぱら国の利害に関係があるのか、断定できないというんですね。そんな状態が許されるんですかね、統一見解。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) どうも実態問題でございますので、法制局でお答えする限りであるかどうかわかりませんが、この統一見解をまとめた責任から申し上げますと、これはもっぱら国の利害に関係のある事務ではないかといういわば疑問が提示されておるわけでございますが、それに対しまして、現在の代用監獄制度の実態から申し上げますと、代用監獄において被疑者の勾留をやっておる。その被疑者の勾留と申しますのは、犯罪の捜査が当然その責務であり、当該地方公共団体の事務として実施しております都道府県警察が、その被疑者の勾留という制度を手段として利用することが法的に予定されております以上は、その限りでは地方公共団体の秩序の維持に関するものであるということが言えると思います。そのようなことから申しますと、被疑者の勾留のための代用監獄の業務というものは地方公共団体の利害にも関係のある事務であるということで、もっぱら国の利害に関係があるものであるというふうに言い切ることはできないのじゃないかということでこのような文言であらわしたわけでございます。つまり、両方に非常に関係の深い事務というべきではないかということを言ったつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは国家行政組織法二条との関係はどうなりますか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) これは国家行政組織法第二条は、内閣の統括のもとにございます行政機関、それをここでは国家行政組織と呼んでおるわけでございますが、その国家行政組織が内閣の統括のもとに、その所掌事務の範囲及び権限の範囲は明確なものでなければならないという前提でその行政機関の全体がシステマティックに構成しなければならないということで、国の行政機関は相互の連絡がなって一体として行政機能を発揮する。これは日本国憲法のもとにおきまして、三権分立の一翼としての行政の責務を担う国家行政組織のあり方を基本的に掲げたものであると思います。このような第二条によって全体が系統的に組織された内閣及び内閣の統括のもとにおける国の行政機関の事務が、一部地方公共団体あるいは地方公共団体の機関に委任されることがあることは、第二条の規定と何ら矛盾するものではございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 三の「代用監獄業務」ですね、この代用監獄業務というのは何ですか。そんな業務は法律のどこかで規定されておりますか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) ここで「代用監獄業務」と申しましたのは、監獄法第一条第三項で警察官署に所属する留置場を監獄に代用することができるということでいわゆる代用監獄というものがあるわけでございますが、その代用監獄として、第一条第一項にございますような四つの機能を、そこでも、代用ではございますが、行っているわけでございます。その業務全体を指して代用監獄業務と呼んだつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 きょうの法制局長官というのは、「つもり」というのが非常に多過ぎて困るのですがね。私の質問しているのは、そんな業務は法律のどこに規定されているのですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 代用監獄については、監獄法第一条第三項しかいわば規定はございません。もちろんその費用負担については規定がございますけれども、したがって、代用監獄業務という言葉が法令上あるわけではございません。第一条第三項の規定によって俗に代用監獄制度と呼ばれるものがあり、その代用監獄で処理される事務と申しますか、処理される業務と申しますか、それを代用監獄業務と便宜呼んだわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 「国が負担すべき費用」というのはどういう性質のものですか。そして「今後関係省庁において検討される」関係省庁の検討事項、その方向性ですね、何をどういうふうに予想しているんですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 現在の代用監獄制度については、その費用につきましては、警察署内ノ留置場二拘禁又ハ留置セラルル者ノ費用二関スル法律、これは非常に古い法律で、明治三十五年法律第十一号でございますが、その法律によりましてその費用の処理がなされておりますが、そういうものによって処理されている、「国が負担すべき費用」ということはその費用の額について言っているものでございます。  また、「今後関係省庁において検討されるべき課題であると考える。」というのは、その費用の額について不備もございますので、今後関係省庁として法務省、それから自治省、大蔵省また都道府県警察についての所管を有する警察庁と申しますか、国家公安委員会において検討されるべきであるということを言ったつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと話題を変えますが、全国の留置場の数というのは幾つあるんですか。これは法制局長官じゃありませんが、その収容人員、それから留置場はすべて代用監獄として使用されていますか。看守に当たる巡査の人数、それから全国の拘置所の数、その収容人員、それから留置場と拘置所の使用率はどれくらいか。起訴前と後とに分けると双方でどうなっていますか。これは三日のときの質問通告、全部してあるんですけども。

田村宣明警察庁刑事局長

○政府委員(田村宣明君) 一年間の代用監獄の収容人員は、年によって違いますが、大体百四十万前後から百五十万ぐらいでございます。  それから全国の留置場の数でございますが、大体千五百カ所でございます。それで、これはいずれも代用監獄に指定をされて、現在までにされたことがあるというものでございます。  それから看守警察官の数は現在約四千名足らずということになってございます。  それから起訴前と起訴後につきましては詳細な数字はわかりませんが、起訴前のものがほとんどでございます。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 拘置所及び拘置支所の数でございますが、現圧拘置所の方は七庁、拘置支所が百七庁でございます。それから、拘置所及び拘置支所に収容しております被告人及び被疑者の収容人員は、昭和四十九年、昨年におきまして一日平均六千九百名であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 留置場と拘置所の収容率。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 御質問の趣旨は、一日平均人員で警察に入っておる分と、それから拘置所へ入っておる分ということでございましょうか――。概数でございますけれども、先ほど警察庁でおっしゃいました延べ人員を三百六十五日で割りまして、警察の一日平均を出しますと、大体三千八百三十五でございます。うちの方は一日平均六千九百でございまして、約三千九百と六千九百という比率で三分の一と三分の二ぐらい、拘置所の方が多いという勘定かと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 代用監獄にかかわる人件費、それから留置場の使用料、これは全国で幾らになりますか。これ、戦後の大体数字わかりますか。これも前のときに質問通告してありますがね。

下稲葉耕吉警察庁長官官房長

○政府委員(下稲葉耕吉君) ただいま御答弁がございましたように、全国の留置人の看守が約四千人でございます。四千人につきまして、地方交付税上の単位費用が約三百八十余万円でございますので、大体百四十億ぐらいになっております。ただし、これは四十八時間の警察関係の留置の看守と、それから勾留につきましていわゆる代用監獄としての使っている看守と、同じ人間が当たっているわけでございますので、具体的に勾留されておりますいわゆる代用監獄として使用されているものの人件費というのはなかなか出にくい。同じ人間が当たっているような実情でありますので。ただ、その四千人の総額を申し上げますと、そういうようなことになります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 留置場の使用料は。

下稲葉耕吉警察庁長官官房長

○政府委員(下稲葉耕吉君) 使用料というのは、具体的に積算いたしておりません。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記を起こして。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 現在実費弁償金で参っておりますのが、単価が五十年度で三百五十八円でございます。決算状況を見ますと、四十八年度に償還いたしました費額が三億二千百三十六万という金額に上っております。その内訳の詳細は私どもの方で詳細承知いたしておりませんが、雑費として使われておりますのは、いろんな光熱水料とか収容に要します直接の費用等に使われておるものと考えております。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ちょっと和田さんに申し上げたいのですけど、これはそういう数字を詰めて、どれだけ国が持ち、どれだけが地方が持つかというのは、事務当局でもう少し詰めさせていただいて、必要な分は、問題は超過負担ということが中心なんですから、超過負担にならないようにする、こういうことでひとつ、和田さんの御趣旨は十分に了承いたしましたから、そういうことにしていただければ幸いだと思うんですが、いかがですか。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま自治大臣から提案があって、それはそれでいいと思うんですよ、その部分はそれでいいと思う。  私はそれとの関係で、これは本当は超過負担なんて地方が余分なものを、持つべき義理合いでないものを持っているわけですから、それだから法務大臣、いやこれからもう全額持ちます、その趣旨に合わせてちゃんと法律改正しますと言うのなら、話は別です。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 和田さん、これは全額というわけにいかないんですよ。それは警察が警察本来の事務のためにも留置場は使うのですから、その点までも法務省の方の負担になるわけじゃないんですからね。ですから、いままでの負担の仕方が、いかにもこの答弁書を見ますと、食費が一日に三百五十円とか言っていますし、雑費が五円というのでは地方もやりきれぬだろうなと、だれでも思うわけですからね。そういう点については事務当局ですっかり計算させて、大蔵省が入って、そうして不公平のないように国として負担すべきものはきちんと負担するということでなけりゃいかぬ。その点はよくみんなでひとつ和田さんの御要望に応ずるようにきちんとしましょうと、こういう話し合いをいましておったところでございますから、御了承願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 じゃ、非常にこう先に理解が行っちゃったからあれですけれども、二、三ぼくも集約的にこの問題で言うことを言っておきますから。  どうしても、先ほど来申し上げてまいりました、くどいようですが、昨日、政府統一見解を自省治の石原財政課長と警察庁の上野捜査第一課理事官が来られて説明を受けました。しかし、これが前回のこの委員会における政府側答弁をすべて覆すものであって、実は驚いたんです。その論議のいきさつについては先ほど来やったところですから、それ以上触れません。ただ、言っておきたいのは、監獄法一条三項にいう代用監獄というのは、国の監獄が広がっていって、そうして留置場の一部が代用されるようになった。つまり国の施設として使われているのだから国が費用を持つべきだ、これがこの前の政府の答弁のいわゆる背景にあるものです。そうして、私は全くそのとおりだと実は考えているわけです。この趣旨は、いまの法務大臣の御答弁でありますが、十分に生かしていただくということでないと困ると思うんですね。  それから明治以来代用監獄として使われてきたからという説明があったんです。それがきわめてあいまいでありまして、これは事実の追認でしかない。私は直観的に、新しい憲法以降の三権分立のあり方について一体この問題どう理解したらいいんだろうかということを考えたのですけれども、法務大臣、ここの点はどうですか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 私は、国の仕事であるいわゆる行刑事務、それから警察の仕事である犯罪者、被疑者の逮捕とか二十時間勾留とか留置とか、そういう費用分担の問題であって、三権分立の問題ではなくて、これは全部行政事務でございますから、行政事務の配分について費用負担がいままでは国の持つ分が少なかったような感じが非常に強くするわけですから、その費用分担の割合を是正していくという問題であって、立法、司法、行政という三権分立の問題と関係するものではないというふうに理解いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま自治大臣に席を外してもらいますので、法務大臣もうこの一問であれですから。  ちょっとこの認識ね、いま行刑と言われたから、なるほどと、こう思う。監獄というのは司法に属する仕事じゃないですか。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 監獄という言葉が非常にあいまいでございまして、監獄業務の中に刑の執行の業務がございますが、これは刑の執行に関する業務だというふうに思っております。その他の未決拘禁等の問題につきましては必ずしも司法に関する業務というふうには考えておらないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さっき法務大臣の答弁がありましたけれども、ちょっと引っかかるのは、裁判所が認めて検事が勾留する、つまり司法の手続きにより、司法の意思によってということになるわけでしょう。そうして監獄、監獄法。それで三権分立等のことを考えたのですが、いけないですかね。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 裁判という司法の判断、それを執行する行政事務でございますから、非常に司法にきわめて密着した行政であることは疑いないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あとはどうぞ。  ちょっと続けますがね、代用監獄には起訴後の人も拘禁をされるわけですね。また、一カ月以内なら懲役、禁錮の刑も執行してもよいわけですね。そうすると、これは行刑であり司法である。これはいまのところは大臣がそういうふうに答弁されたと理解していいのかな。いいんでしょう、これ、そういうことで。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 御質問の趣旨が必ずしもよくわかりませんが、私申し上げましたのは、刑罰の執行は、地方自治法にあります刑罰の執行という概念だろうというふうに思いますけれども、それが司法であるかどうかということになりますと、地方自治法で言われる司法はもっと狭い概念だろうというふうに考えておるわけでございます。いわば裁判に直接関係しているようなことというのが司法に関するものではないかというふうに思います。そういう意味で、刑罰の執行は、司法と行政というふうに広く分けました場合には、大臣が申されたように司法的色彩は強うございますけれども、行政の作用であるというふうに考えておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私はここに矯正局参事官朝倉京一さん、七〇年三月の「法律のひろば」というのを持っているんですがね、この人の説ですよ。これはさっきから私が言っていることはこの人の説です。「その設備はどこまでも留置場の設備であり、その職員は留置場の警察職員である。組織的に警察の組織であることはいうまでもないのである。しかし、作用的には、監獄の作用そのものである。」そして若干の言葉が続いていって、「また行刑であることにおいては、監獄で行なわれるそれと異なるところはないのである。」これはこういうことですかな。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) それは実は読んでおりませんので、よく理解し得たかどうかわかりませんが、そこに挙げてありますように、営造物としての警察の施設と職員というものが全部代用されてまいりまして、そこで行っておるのは監獄の業務であるということでございます。そこの「行刑」ということが何かいま耳に入ったわけでございますけれども、それが刑の執行ということを言っておるのか、あるいは未決拘禁のことを申したのか、よく聞き取れなかったわけでございますけれども、そこのところの意味は必ずしも私にはよくわからなかったわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この統一見解の説明によりますと、明治以来代用監獄として使っているのだから、国の施設として人的、物的に総体として留置施設を充てる、そういう意味に解さないと説明がつかない、「解さないと説明がつかない」ときのう言われたのですけれども、さっきも言ったように全く無理して説明しようとしているからそうなるんですが、法律と現状とは違う、いわゆる矛盾しているということでしょう。いまの法律は、この統一見解の考え方とは別の規定になっている。「監獄二代用スルコトヲ得」というのは、まさに代用措置であって、前回の委員会で法務省と確認をした、これは米田総務課長が述べられましたが、現実には代用でなく、恒常的、包括的に使用されているのが現状です。だれが考えたってこれは代用じゃないということですね。そういう意味で法律の趣旨に即していない。ここの見解はもうさっき法制局長官といろいろ話し合った中に含まれていると言われればそれまでですが、いいですか。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 含まれておると実は私も考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと自治省に聞きますが、この機関委任が明確でなけりゃならぬと思うのですがね、いいですか、それは。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) もちろん明確であることが望ましいわけでございまして、立法その他を生かしますときには、十分その範囲その他あるいは費用負担、はっきりいたしますように配慮を払うのが当然だと考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後のところ、何ですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) その権限の範囲とか、あるいはその仕事の費用負担とかいうようなことがすべて明らかになるように、立法の際は配慮を払うのが当然であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法制局長官、いいですか、いまの答弁。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 立法の態度としては、ただいま行政局長が申し上げたとおりだろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 きのう人件費について警察法の三十七条が該当するという、そういう説明があったんです。都道府県に要する経費は都道府県が支弁するとなっているわけですね。先ほども述べましたが、司法手続と司法の実体を持つものが、これは都道府県の仕事であるはずがない。もしそうであったならば、地方自治法の二条十項の一「司法に関する事務」とは何を指しているのかということになる。地方財政法十二条二項の五「司法及び行刑」とは何を指しているのかということになる。そうした規定というのは意味をなさないと思うのですが、それはそれでいいでしょうね。これから法律を整備されていくための――全部任せっきりじゃ、また違ったものが出てきたのじゃたまったものじゃないから。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) もちろん、立法の態度としてそういう機関委任事務の範囲その他を明らかにするのは、先ほど申したとおりでございますし、新しい立法に際しての、その辺を明確にすることは当然でございますが、この統一見解に関する限りはあるいは法制局から御答弁いただいた方がいいかもしれませんが、現在の監獄法の規定及び従来の明治以来のいきさつからして都道府県警察に委任をされたものと考える限りは、この地方自治法のこれらの一般原則とは別に、特別の法律でそういう権限が現在あるんだと読まざるを得ないということであろうと推測いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほどもちょっと論議しましたが、地方財政法のどの個条にも位置づけることができない。それはつまり違法だということですね。これは。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 十一条の四には該当しない。そうなりますと、九条へ戻っていくか、そうでなければ十条から十条の三までに書いてあるか、制度としてはそうあるべきものだと私は思うのでございますが、十条の四でもない、ちょっと九条ということも言い切れない。しかも十条以下には列挙がないということになりますと、やはり古い法律と非常に新しい思想の法律との、その間の調整というものにやや不十分さがあるということになるのじゃないかという気がいたしますが。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治大臣はまあ非常に政治家だものだから、金の問題を解決すればこれは終わるという認識で、その一面を委員長の方も強調されましたけれども、もちろんその一面はあるんですけれども、こんな統一見解が出てきたものだから、ちょっとくどいようですが、心配でやっているので、自治省がもっと少し法制局長官に物を言って、こんな統一見解が出るような形でないような形のことにしないと――今度法をいじるときに、そういう立場というものも堅持してもらわなければならぬと思うんですよ。  で、行政組織上ばかりでなくて、私は本質的な人権擁護の面からも実は代用監獄制度というのは問題があって、憲法の精神に沿わないんじゃないかと長官、私は考えるんですよ。これはすでに衆議院の法務委員会でも言及されているので、多くのことを述べません。捜査に当たっている警察官が同時に被疑者の身柄まで拘束する、そういうことが適切なことかどうかというのは、これは事実たびたび問題が生じているようなんですよ。これに対して法務省が責任を負わないという奇妙な状態にあるわけでしょう。これは法務省、どうお考えになっていますか。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 先ほどから法制局もの言っておられますように、いま監獄法改正の検討を進めておりまして、早急に秋までには法制審議会にかけたいと思っておりますが、そこの中の一つの重要問題が、いま先ほどからいろいろ御指摘がございました点でございまして、ただいまの点もあわせて十分に検討を要する問題というふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さらにちょっとつけ加えますと、どうも被疑者、被告人、受刑者の人権が日に日に奪われているのではないかという疑いを禁じ得ません。特に未決拘禁について、代用監獄制度を含めて反省をしなければならぬと思うんですがね。法務省から、どうも私は憲法違反じゃないかと思われる通達が出ている。これは現在も生きている通達でしょう。「昭和二三年一一月二七日法務行政長官通牒矯総甲第一五七六号」、これは「刑務所に於ては、収容者特に未決拘禁者に対しては、一般国民に対すると同様に、その基本的人権を十分尊重しなければならないのであるが、現在各所とも甚だしい拘禁過剰の状態であるのみならず、右翼、左翼又はその他の特殊勢力ある者に於いては、背後にある」云々と、こうなっていまして、そして「図書の閲読 右翼的又は左翼的思想の宣伝を目的とする図書の閲読はこれを禁止する。同様に、政府を破壊し社会を混乱せしめる意図のあるものも之を閲読せしめない。」こういう通達であります。  これは戦前の思想統制と同じような形のものが残っているのじゃなかろうか。未決拘禁者は無罪の推定を受けているのに、思想によって差別を受けることになる。右翼または左翼的思想の宣伝を目的とする図書は多数あります。マルクスの本もレーニンの本もそれに該当することになる。こんな通達が現在までまかり通っているというのは、法務省の行政の基本がちょっと問題であるという感じがするんです。この通達というのは廃止をされて、そして差し入れだとか、あるいは図書だとかの部類の閲読についての現状を総点検をしてもらいたいということをひとつお願いいたします。  それから責任の所在をこれはやっぱり明らかにしてもらわなければ、憲法違反の通達ですから、だれがこれは責任をおとりになりますか。余り長時間かかったから法務大臣、実は大臣から答弁をもらおうと思っておったんですが、お疲れのようだから帰ってもらったんですがね。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) ただいま御指摘の通達がまだ残っておるとは私実は存じませんでして、廃止になっておるものと当然思っておったわけでございまして、なお事実を調べてみたいと思いますが、現実の指導といたしましてはさような内容の指導はもちろん今日やっておりませんので、御指摘のそれが生きているのかどうか、手落ちでもし残っておるとすればまことに申しわけないことだと存じますので、事実を調べます。  それから現実の未決の特に処遇につきまして、文書図画等については非常に慎重にいま指導をしております。御心配のようなことはないようにしておるつもりでございますけれども、なお実情等も十分に検討いたしまして間違いのないようにしたいというふうに存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、いまの答弁は、これは廃止をされているものだと理解をしていた、しかし、もし残っているとするならば早急に調査をして、そうして善処をすると。この善処というのは、当然いまの趣旨で言えば廃止をされるということですね。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) さようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もうそういう結論的な答弁がありましたから、さらに多くのことを申しません。法務省が憲法に違反する通達を出して、三十年近くも刑務所、拘置所の運営に当たってきているというのはきわめて問題でありますから、これはいまの答弁どおりに処理をしてもらって、そうして次回の委員会に報告をしていただきたいと思います。よろしいですか。

長島敦法務省矯正局長

○政府委員(長島敦君) 承知しました。     ―――――――――――――

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、赤桐操君が、委員を辞任され、その補欠として辻一彦君が選任されました。     ―――――――――――――

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 時間があれですから、こっちの方は後日のときの機会に譲ろうと思います。  参考人の方、待たせて非常に恐縮でしたが、そこへちょっと、本当は公営企業をもう少し続けて、ギャンブルについて一点提案をしてからの方がいいんですけれども、そちらの方から入ります。  まず一つは、厩務員の問題であります。この厩務員の全国平均賃金、これを基本給について述べてもらいたい。その場合、最高が幾らで最低は幾らであるか。それから定年が幾つであるか。それから現在の勤続年限は最高、最低、平均はどういうことになっておるか。

水谷剛蔵労働省労働基準局賃金福祉部長

○政府委員(水谷剛蔵君) 大変申しわけございませんが、厩務員の賃金の詳細につきましては把握していないわけでございます。そこで、中央競馬会の資料によって把握いたしたわけでございますが、賃金につきましては、昭和四十九年平均で一カ月の定期給与が約十三万一千円、臨時給与が六万八千円、合計で二十一万七千円というように承知いたしております。それから平均年齢が三十五・八歳ということも聞いております。ただ、先生御指摘のように最高、最低、それから勤務している方の年齢の最高、最低というものにつきましては把握いたしておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 中央競馬会の方でおわかりになりますかね、いまの。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) いまお話がありましたが、給与は、四十九年度の数字を言っておられましたが、五十年の四月で、ことしのベースアップ後でございますが、基本給的な定期的な収入としてありますものが十五万九千九百二十円、それから進上金その他の臨時的な収入を加えまして合計で二十六万九百七十八円、こういうことになっております。現実に個人で一番最高のもの、最低のものでございますが、最高のものが進上金等臨時的な収入を含めまして約五百万円、最低のものの月収が六万三千円程度でございます。  それから定年が六十五歳、それから最低の厩務員、馬手さんが十八歳、そういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまお話がありましたように、平均賃金大体二十六万円ぐらいで、それで進上金が特殊に入る厩務員の人は別ですが、一般的にならしてみると、大変な人権問題ではないかと思われるぐらいの低賃金に置かれている人たちがいるわけですね。中央競馬会は、厩務員との関係をあるいは労使の関係としてはないと主張されるかもしれませんけれども、調教師会が使用者だと一応暫定的に決められているようですが、実質的にはこの調教師会というのは支払い能力がない。そこで、善処のためにこれは努力をされるべき必要があろうと、こう思うのですが、どういうようにお考えになっていますか。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) ただいまのお話で、基本的な定期的にあります賃金も、たとえば同種の機械工というようなものと比べましても必ずしも低くない。非常に低賃金というようなことが馬手さんについては必ずしも言えないのじゃないかというふうに思いますが、定期的な収入以外にさらに進上金等の収入があるわけでして、これはいい馬を持った方と悪い馬を持った方とで違うわけですが、約半数の方が進上金がないというような状態もございますけれども、まあ世間一般あるいはそれ以上の生活ができるような基本給、基本的な定期収入というものは、必ずしもそれは十分とは言えないかもしれませんが、一応受け取っておられるというふうに考えております。  御承知のことと思いますが、競馬は馬主さんが馬を持って、それを調教師に預けるわけです。調教師はその馬の調教をして、りっぱに仕上げて競走に出すということですが、そのときに調教師さんは、毎日の飼い付けであるとか、あるいは馬のいろいろな世話をする方として馬手さんを雇ってお使いになるわけです。調教師会が雇っておられるわけではなく、個々の調教師が一種の経営者として馬手さんを雇って、調教師と馬手との間に雇用関係がある、こういうことでございますが、馬手さんの給与は、調教師さんが馬主さんから馬を預かるわけですが、当然その費用として、馬手さんなどの賃金その他のものを含んで、預託料として馬主さんから取って、まあ一応いろんな企業が自分のつくった商品を消費者に売る代価を取るというような形と同じようなかっこうをとっているわけです。預託料という形で馬主さんから金が入ってそれを払う。それ以外に競争を通じて、進上金と申し上げましたが、馬主が取る賞金のうちの五分が馬手さんに渡る。それが先ほど申し上げました、年額にいたしますと昨年の数字で一人平均で五十二、三万になっていたと思いますが、基本給のほかにそういうものがいろいろある、こういうことでございます。したがいまして、馬手さんというと何か非常に低賃金というようなことがすぐ世間一般には考えられておりますけれども、必ずしもそのようにはなってないということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私、この問題調べていて初めて知ったのですが、いま参考人はいろいろ言われていますが、これらの方々のいわゆる呼称は統一されたんでしょう。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) 従来、法律用語等といたしまして馬丁という言葉がありまして、法律改正がなされませんので、それはそのままになっておりますが、私どもは、馬丁さんというようなことから与えるイメージを払拭するということで、馬手さんという呼称で呼んでおります。私の方から馬手さんに出す賞金の類も馬手賞というようなことで呼んでおります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはしかし、あなたは中央競馬会だから呼び方は勝手だと言われればそれまでだけれども、調教師会との間におけるところの団体交渉を通じて、べつ視感を与えるような呼称はやめましょう、   〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕 これからの呼称としては、厩舎に勤めるところの人という形での厩務員という呼び方に統一をされたのじゃないんですか。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) 厩務員ということを言われる方もおりますが、私どもの方ではいまのところ馬手という言葉でやっております。決して、そういう言葉でああいう職業の方をべっ視をするというようなことは、私ども気持ちとして、また関係者もそういう気持ちは持っておりません。もっと適当ないい名前があればそれによってもいいわけですが、組合にかつてアンケートをしたことがありますが、そのとき大多数の方が馬手という呼び名がいいというようなお話もあったようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 昭和四十九年二月十七日から、これは先ほど私は調教師会と言ったが誤りで、中央競馬会もこれを認めて厩務員とした、こう言われているのは間違いですか。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) 後で調べてみますが、私も聞いたことがございませんし、一緒に来たのもちょっと記憶がないようでございますので、調べてみましょう。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大体私が言っていることに間違いないはずです。四十九年二月十七日からそういうふうに呼称を改めた、これは競馬会も認めた、そういうことになっているようでありますが、ともあれ、その厩務員の人たちを雇い入れる、あるいは解雇をする、そういう場合の手続というのはどういうことになりますか。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) 調教師会に、馬主さんと調教師とでつくりました機関として人事委員会というものがございます。採用試験ももちろんですけれども、解雇のときにもこうした機関にかけて処置をするということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 競馬の施行規定の四十二条によりますと、いま言われた制度があって、そういうものを経過をしてでしょうが、競馬の場長またはトレーニングセンター場長に届け出て、その承認を受けなければならないんですね。これは生きているんでしょう、雇い入れる場合。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) そのとおりの規定でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、私は、中央競馬会に所属をされるところのこれらの方々に届け出て、そして厩務員が雇い入れられる、こういうことになるわけですから、中央競馬会自身がもっと諸般の労働条件について責任を負うべきである。そこでいわゆる労働基準法に照らして、賃金台帳に始まって諸要件というものは、この職場は満たされていますか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) ただいまの御質問でございますけれども、これはあるいは先生御承知かと思いますが、三十二年に私どもの方では、この調教師とそれから厩務員との間の労働関係につきまして、労働基準法上の労働者であるかということを判断をいたしました通牒がございます。この事例につきましては、調教師と馬手の間には、特殊の例外的な場合を除きまして、一般的に労働関係が存し、調教師は労働基準法上の使用者と認められる、こういうことになっておるわけでございます。  この通牒の内容は、どういう理由で労使関係があるか詳細に書いてございますが、これは省略をいたしまして、ただ私どもの監督は、全産業にやっておるわけでございますけれども、特にこの調教師と厩務員との間の関係、これについては統計上把握をいたしておらないわけでございます。結局全般的に私どもといたしましては、労働基準法八条の第六号に該当する事業というのは統計上はその六号の事業場としての統計になってまいりますので、特に競馬関係の事項についてどのくらい監督をしたということは、私どもの方は詳細には承知をしていないわけでございます。ただ、ここに示されております労働基準法上の労働者でございますから、基準法が定めます諸規定を守らなければならないことは当然でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはたとえば病気をして動けなくなると解雇をするとか、あるいは一年三百六十五日休日がないとか、あるいは昇給、退職金制度がないとか、あるいは労災、失保、健保、厚生年金の保険に加入せしめないとか、作業の拘束時間というのが午前三時から午後八時までであるとか、労働協約を締結をしても守らないとか、これはもうたくさんの問題が実は起きています。一遍この辺を総洗い、点検をしていただいて、同時にあなた方が出した、当分調教師が雇用者であるという、これをもう少し抜本的、雇用の主の方を明確にすることが必要だと思うんです。中央競馬会なら中央競馬会ともっと厩務員の職員の団体が接触ができるような、そういう筋道を側面的に立ててやる必要がある。私はそれぐらい、いま言われたとおり労基法に言うところの労働者でありながら、近代生活の流れの中から言うと置き去りにされている労働者群である、こういうふうに述べていいと思うので、そういうふうに処置をされるおつもりはありませんか。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) ただいまのお話でございますが、私どもも馬手さんの給与あるいは福祉関係、厚生関係、こういうことには、同じ競馬をする社会の人でもあり、またそうした生活なり福祉なりの安定がありませんと、ああした競馬、ややもすれば金銭にとらわれて不公正なことが起こるというような素地のある社会であります。したがいまして、そういった点には非常に注意を払っておりまして、給与関係も先ほど申し上げたようなことでございますし、ただいま御指摘のあった政府管掌健康保険あるいは厚生年金保険あるいは労働者災害補償保険、雇用保険その他には全員加入をしておりまして、その負担区分につきまして雇用者等にかなりの負担を持つというようなこともやっておりますし、厩舎従業員の退職年金制度もことしから発足しておりますし、その他共済関係、団体定期保険、あるいはまた競馬会独自といたしましても、宿舎等をつくって貸与するとか、あるいは出張先の宿舎について準備をするとか、あるいは作業場の近くに食堂をつくるとか共同浴場をつくるとかいうようなことについては特別な配慮をしております。労働省の方でもいろいろお調べをいただいて、そういうことはむしろ明らかにして、また私どもやり足りないところがあるかもしれません、御指摘をいただいて、そうした方面には努力をするつもりでおりますが、ただいま申し上げましたように、馬手さんというと何か非常に低社会におられて、福祉関係あるいは厚生関係というようなものに何ら行き届いてないというような誤解が世間にあるようでございますけれども、   〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 実情はただいま申し上げたようなことでございますので、なお私どもの方の監督を得て、足りないところは私どももまた雇用者自体にも努めさせるという努力はなお引き続いてやってまいりたいと、こう思っております。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) 先ほどの答弁の中で私、基準法の八条の六号と申し上げました。これは七号でございます。  いま大澤参考人の方からお答えになりましたように、基準法上の労働者として使用者側の方でも十分に基準法の諸規定を守るように努力をされているということでございますが、先ほど来申し上げておるとおりに、この実態について必ずしも監督機関として正確につかんでおりませんので、御指摘もございましたので、私どもとしてはなるべく速やかな機会に重点的に対象を監督いたしてまいりたい、かように思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 参考人が述べられたようにきれいごとであったならば、私のところに訴えが来るわけがないのでありまして、現実に訴えてこられている方々がいる限りにおいて、この事実は存在をするわけです。もっとちょっとつけ加えれば、拘束時間が十五時間ぐらいになっていて、就業規則が全くごまかしであることは間違いないです。この就業規則はどなたの手によっておつくりになったかということも私は知っています。しかしいま、労働省との関係においてそんなことを言おうとは思いません。しかも超勤手当はない。夜八時を過ぎれば五百円でぷっつりです。あるいはローカル競馬の場合、旅費で片づけていて素知らぬ顔です。超勤も、深夜も計算されません。馬が病気になる、一生懸命にその馬の病気になったのを世話をする、深夜に及ぶ、徹夜で看病しても深夜手当がつくわけではない。こういう事実関係は明確に存在をいたします。  したがって、こういう形のものが存在をしていることを指摘をいたしますし、参考人の方からも大変善意で、それでもなお注意のあった向きについてはこれを受けていこうという態度でありますから、ぞひこの機会に、雇用主確定の問題を含んで、善処方を求めておきたいと思います。よろしいですか。

大澤融日本中央競馬会理事長

○参考人(大澤融君) ただいまお話がありました就業時間等については、確かに労働協約あるいは就業規則、給与の規則とかいうようなものが、非常に明確に一本に統一されてつくられているという点が欠けていると思います。この点については私ども、雇用者である調教師を督励して明確化を図ること等をやらせたいと、こう思いますが、たとえばいまの就業時間等につきましては、就業規則とは別個に合意があるというようなことはございます。しかし、いまいろいろ御指摘がありましたように、われわれまた調教師、雇用者が足りない点というようなことについては、皆さま方から御注意をいただいて、足らざる点は足りるように努力をするというつもりでおりますが、そういうことでございます。

水谷剛蔵労働省労働基準局賃金福祉部長

○政府委員(水谷剛蔵君) ただいま監督課長からも申し上げましたとおり、従来私どもの労働基準監督機関の監督は、ややもしますと製造業的なものに片寄りがちといいますか、そんな傾向もございまして、最近、社会福祉施設等についていろいろ御指摘などもいただきまして、その方にも力を注いでいるわけでございますが、先生御指摘もございましたし、いろいろ問題もあろうかと思いますので、今後十分善処してまいりたいと、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 参考人は結構です。  運輸省、ちょっと労働省の方の答弁との関係がありますから一緒にやってしまいますが、タクシーの深夜、早朝などの営業について、どういう考え方を持っていらっしゃいますかが一つ。それからタクシー運転手の勤務体制は普通どういうふうになっていますか。特に大都市部だけで結構です。

真島健運輸省自動車局業務部長

○説明員(真島健君) タクシーの運転手の労働条件と申しますか、これにつきましては、私ども運賃改定のたびにいろいろと改善を経営者にも要求しておりますが、いまお尋ねの大都市における深夜、早朝の運転手の勤務状況、たとえば東京で申しますと、大体一日二十四時間を八時間ずつに分けまして、三交代制で勤務いたしております。深夜、早朝に勤務するというのは、やはり非常に運転手の方々にとっても大変なことでございますので、これは労働基準法上の割り増し等の賃金が支給されておると承知しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 普通、朝たとえば八時に出庫する人について、夜二時に入庫しますね。つまり十八時間拘束といいますか、うち二時間は仮眠休憩することになっておりますから十六時間実働、この勤務体制について労働省はどういう見解をお持ちですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) これは先生御承知だと思いますけれども、基準法上の規定におきましては、これは原則として一日八時間という原則でございます。なお、三六協定によりましてこれは残業ができる、こういうふうになっておるわけでございますが、ただ、ただし書きの中で変形制の労働時間制、これをとることができるわけでございます。これは四週間を平均して四十八時間であればよろしい、こういう規定でございます。  そこで、タクシー関係については前々から非常に問題がございますので、四十二年に通達を出しまして、基準法の原則以上にこれは一つの準則を立てまして、それでやるということをしておるわけでございます。この通達によりますと、この変形制をとった場合でありましても、自動車運転者の一日の労働時間は原則が十一時間でございます。ただ、隔日勤務の場合については十六時間、こういう準則が立ててございます。また、残業につきましては、一日について二時間以上してはならない。三六協定を締結をいたしましても二時間の限定がある、こういう枠でございます。したがいまして、ただいまおっしゃいましたように、通常の場合でございますと、八時に出庫いたしまして、帰ってくるのが午前二時、これは隔日勤務の場合でございます。そういう面で、現在のこの改善基準の通達に照らしましても、そういうようなことは可能であるというふうに私どもは考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまのこと、運輸省は認められますか。

真島健運輸省自動車局業務部長

○説明員(真島健君) 労働省からおっしゃられたとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで、主としてこれは神戸の中突堤で起こる問題のようですが、私もそこで船から朝早く起きて大変ひどい目に遭ったことがありますけれども、予定の迎えが来てなくて、したがっていろいろなことがありました。私だけでなくて、与党の四国の議員の衆議院の諸君でも大変あるようでありますが、その辺のことが頭に入ってのことでしょうが、ことしの四月十五日付で大阪陸運局から「一般乗用旅客自動車運送事業の適正な運営について」という通達が出ております。この中で4として、「地域の需要に合致した事業計画を定め、利用者の利便を図ること。なお、特に、深夜、早朝におけるタクシーの需要に対応した、一定の輸送力を提供し得るよう対策を講ずること。」と書かれています。これは存在しますね。存在するとすれば、それはどういうことを意味しますか。

真島健運輸省自動車局業務部長

○説明員(真島健君) ただいま先生おっしゃいました通達は、四月十五日に兵庫県の陸運事務所長から兵庫県のタクシー協会の方に出した通達でございます。おっしゃるとおりに第四として「地域の需要に合致した事業計画を定め、利用者の利便を図ること。なお、特に、深夜、早朝におけるタクシーの需要に対応した、一定の輸送力を提供し得るよう対策を講ずること。」とございます。  この趣旨は先生がすでにおっしゃったとおりでございまして、衆議院でございますか、内閣委員会等で、神戸中突堤において早朝四時ごろから六時ごろにかけての着船、フェリー等が着きましたときの乗客が、タクシーがないために非常に不便をしておる、こういう状況は利用者サービスの面から対策が必要ではないかというようなこともございまして、私どもも大阪の陸運局にその趣旨を伝えまして、何か利用者サービスを充実するようなことを考えてもらいたいということは申しておったわけでございまして、それに対応いたしまして、これは法人タクシーの協会に対してこういうような通達を出すとともに、文書は出しませんでしたけれども、個人タクシーも神戸にはございますので、個人タクシーの組合の方々にも、できれば中突堤付近の深夜、早朝の需要に対応するような計画を立ててくれないかというようなことを申し上げた、その通達でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、全く善意だと思うんですよ。思うんだけれども、そこの部分は善意だとしても、たとえば利用者のサービスの充実を図ることということが念頭にあるにしても、就業規則は、これは労使間できめるべきことでありますね。また就業規則に第三者が干渉したり、あるいは就業規則の変更を第三者が要求する、こういうことは、これは違法ですよ、労働基準法の九十二条にある場合を除いては。労働省、そうでしょう。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) まあ先生のお言葉でございますけれども、運輸省の方でも、決して就業規則に関与するという趣旨でこういうような指示を出されておるということではなかろうと私は思うわけでございます。ただ、この運輸事業につきましては、一面に公共的な需要がございます。これにこたえなければならないわけでございますが、しかし、今度は事業者としては、当然労働基準法の規定なり、あるいはこの二九通達を守ってもらわなきゃならぬ。そこで、結局そういうような一方の要請に対してどうこたえていくか、これは使用者の責任の問題であります。また労使間でどういうふうな、そういうような必要性に対して労働条件を定めていくかということでございます。もしも仮に就業規則とか労働条件に第三者が介入するということは、これは当然許されないというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 労働省、のんきなことを言っていらっしゃるけれども、大阪陸運局は四月十九日に「港湾等における旅客輸送対策要綱」という内規をつくっておりますよ。その2の(1)にこうありますよ。「深夜、早朝時における一定の輸送力を確保するため、就業規則等の一部改正を指導する。」――就業規則等の一部改正を指導すると書いてありますよ。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) ただいま御指摘の大阪陸運局長からの通牒の内容を詳細に承知はいたしておりませんが、これは私どもも一般的に就業規則の指導ということはいたしておりますが、ただ、先ほど先生が御指摘になりたような形で、一方の需要を満たすために、そういうような需要を満たすために労働者の方にしわ寄せが行くというような形の就業規則を使用者につくらせる、こういうことは、私は基準局の面から見ましても、これは適切ではないと言わざるを得ないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうだから、さっきの前提がありまして、発想が善意であろうがどうあろうが、労働基準法との関係において、就業規則等の一部改正を指導するということは、たとえば中突堤なら中突堤の需要に応ずるところのもので早朝の勤務なりそういうものを強要する、そういう意味を含んでこれは指導しているのですよね。受ける業者組合の方は、それは何と言ったって陸運局の通達ですから、戦々恐々として受ける。労使間の摩擦は高ずる。こんな状態で、結果的には何にもいい結果は出ないですよ。この辺やっぱり善処される必要がありますね。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) ただいま突然御指摘をいただきましたことでございますので、運輸省ともこの出されました趣旨等十分話を聞きました上で、両省間でこの問題についてどういうふうにするか、十分考えてみたいと思います。  ただ、就業規則は、申し上げるまでもないことでございますが、これは使用者が自分で決定のできる一つのルールでございます。ただ、これは労働省の意見を聞かなければならないことでございますが、その内容が労働条件である、また労働組合があり、労働条件は労使間で決めなければならないことでございますので、そういう面で一方的にこれを改定する、また改定させるために指導した、それが労働者に影響を与えるということは非常に大きな問題だ、かように私は思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 お調べになるということですから、お調べになった結果ということになりますが、私はこの指導というのはとにかく違法である。そうすると、当然責任の所在が明らかにならなきゃならぬ、どこでやったかということ。これはどうしてもやっぱりぼくは役人的な感覚だと思うんです。民間の会社を思うとおりに動かせるという感覚、それとの対応において同人格の労働者とその組織があるという感覚、これがやっぱり欠けているからこういうことが起こると思うんです。したがって厳正な責任の所在とその処分を含んで、こういうことが以後ないように注意してもらいたいと思うんですが、運輸省いいですか。

真島健運輸省自動車局業務部長

○説明員(真島健君) ただいまの大阪陸運局長の通達でございますが、これは十八日に各事務所長に出されたものでございまして、非常に簡単なものでございます。ちょっと全文を読んでみますると、「タクシー業務の適正化と旅客サービスの向上については、機会あるごとに指導の強化を要請してきたところであるが、最近の経済世相のもとで、実車率の低下、輸送回数の減少等が見受けられ、このため、ややもすると乗車拒否、不当運賃の収受等不法行為が発生する恐れがあるので、なお一層、指導の強化を図るとともに、特に、空港、港、主要ターミナル等の多客個所については、基本的な輸送対策を樹立し、十分これに対処できるよう措置されたい。」これが全文でございます。  ただ、いろいろの中身その他の問題について先生御心配のようなことがもしあるとすれば、これは私どもとしても十分注意しなければいけませんことなので、実情を調査の上、労働省と協力して、遺憾のないように取り計らいたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 五十年四月十九日付け大阪陸運局、港湾等における旅客、輸送対策要綱、ここで就業規則部分に触れているわけですから。労働省、結果については委員会に報告してもらいます。いいですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) 運輸省とよく相談をいたしまして、事実を確めた上御報告をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、ギャンブルに入ります。さっきの競輪施行者団体の財政力指数について答弁いただきたい。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 先ほど御質問のございました財政力指数とそれから競輪の施行団体との関連でございますが、財政力指数が〇・三未満の団体、全体で二千五十三団体でございまして、このうち競輪を施行しておるのが三十七団体でございます。それから次に〇・三以上〇・五未満、これの全団体数は七百でございまして、このうち競輪を施行しているのが五十七団体でございます。それから〇・五以上一未満、これの全地方団体数が四百六十五でございまして、このうち競輪を施行しておりますのが百四十六でございます。それから一以上でございますが、五十六団体のうち十七団体が競輪を施行しております。したがいまして、全体では市町村数が三千二百七十四あるわけでございますが、このうち競輪を施行しておるのが二百五十七、こういう数字になっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方交付税では人口急増団体について人口急増補正、つまり数値の代置や、あるいは投資の割り増しというわけで補正を行っていますね。これらの補正の対象となっている団体の総数をお答え願いたいのと、競輪の施行団体の中にこういうような補正の対象団体がどのくらいあるんですか。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 人口急増補正の適用団体につきましては、手元に団体数がありませんので、至急調べましてお答え申し上げたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 至急というのは、いまやっているんですか――。  それじゃ、先ほど申しました公営ギャンブルをやっている団体の中に、一団体で二種目以上の公営競技を行っているというのもあります。競馬と競輪、競輪と競艇、あるいは競馬、競輪、競艇など三種目のギャンブルを施行している団体、その状況を御説明願いたい。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 競馬と競輪をあわせて施行している団体が十四団体でございます。それから競輪と競艇を行っておりますのが二十団体、それから競馬と競輪と競艇を行っておりますのが一団体、それから競馬と競輪とオートレースを行っておりますのが三団体、競輪と競艇とオートレースを行っております団体が一団体、団体数にいたしまして全部で三十九団体となっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自転車競技法では、その立法目的の中で、地方財政の健全化を図り云々と規定をしています。小型自動車競走法にも同じ文言があります。そして人口、財政を勘案をして自治大臣が指定した場合に当該市町村が公営ギャンブルを施行することを許される、つまり違法性を阻却されるということにいまなっているわけですね。いままでの質問に対する答弁を聞いたんですが、どうも私は、まじめに法律の執行に当たっているというふうにはどうしても考えられないのであります。数年前にギャンブル問題を委員会でやり合ったときと何にも変わらぬという感じがして仕方がありません。つまり、競輪の施行が特定団体の既得権化して、財政的に他の団体に比べて必ずしも劣ると思われないものが、非常に長い間ギャンブルをやっているわけですよ。そしてギャンブルを一回やって味をしめたところが、いつまでもギャンブルをやっているわけです。しかも二種類も三種類も、いま答弁をもらったようにやっているところもある。こういうことをしなくては地方財政が健全化されないというのも、実は非常に不思議なことだと思うんです。  調査会の提案にこたえて、自転車、モーターボートについて「交替を可能にするため指定をうけた市町村について指定の理由がなくなったと認めるときは、自治大臣が指定の取り消しを行ないうるよう改められた。」これは財政局編の「地方財政のしくみとその運営の実態」の六百二十六ページで明らかなんです。この方針が確実に実施をされていないんじゃないですか。どうなんです。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 現在その指定の取り消しの制度があるわけでありますが、実際には指定の取り消しをされた事例はないわけであります。御承知のように、競輪、競馬等につきましては従来から非常に長い経緯がございまして、なかなか困難な問題があるわけでございますが、これらは自治省といたしましては、公営競技納付金等の制度を通じまして均てん化の努力をいたしておるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答弁まことにそうなんだけれども、実際にあなた、過去をこう振り返ってみると、あなたが言われるような形になっていないでしょう。財政局長、この辺で一遍総まくり、自己批判が必要じゃないですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 私どももまさに先生の御指摘のような気持ちは持っておるのでございますが、既得権化というお言葉がございましたように、一定年次より前に指定を受けたものについては、これは永久的な形になっております。それとその後に受けたものとのバランスという問題があるわけでございまして、前に受けたものの方に、より恐らく私どもの感覚としては問題がある団体が非常に多いわけでございまして、公平感ということから言ってなかなか実質的にできかねているということでございます。  ただ、私どもの気持ちは、いませっかく公営企業金融公庫へ納付金をいただいて、それでできるだけ安い金利のお金を地方公共団体に貸すという仕組みがありまして、それをいま徐々に進めつつある段階でございます。ともあれ、これを達成をしたい。と同時に、現実の問題として地方の財源というのは起債にいたしましても特別交付税にいたしましても限られた財源でございますので、こういった団体にはできるだけその種の財源を振らずに、未施行団体の方に重点的に振っていくという態度をとってまいりたいと、こう考えております。  もちろん、それで私ども済む問題とは思っておりませんが、いずれにいたしましても、基準財政需要額への算入の問題、あるいは不交付団体の問題を考えれば、これは各省との関連が全部起こってくるわけでございますが、開催権の均てん化という問題にまで将来は手をつける必要がある問題だというふうに考えておりますが、長い歴史がある問題でございますし、いろいろと関連がございますので、いま直ちにその問題について手をつけるということを、度胸をもって言い切るほどの自信はないわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、均てん化ということについて度合いをさらに高めていくということについては、最大の努力をいたしたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 昭和四十五年の四月十四日に、六十三国会のこの委員会で指定基準の明確化についてぼくは質問をしたわけです。そしたら検討することを約束された。その後全く行政面に生かされていないのは、これはだれの責任ですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) いろいろ検討はされたことだと思いますが、なかなか各種の関連から実現がむずかしかったものと思います。これはまあだれの責任と言われますと、自治省の責任ということだと思います。われわれとしては、いまお答えを申し上げたような線で一歩一歩前進するという態度で先生の御指摘に沿っていきたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 何かこの辺になるといつもの財政局長らしくないじゃないですか、答弁が。  指定期限のない施行者についても、実は私は指定の取り消しを行い得ると考えるのですが、これはそういうことになりませんか。現行法上できるでしょう。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 自転車競技法等の規定によりますと、「自治大臣は、指定市町村が一年以上引き続きこの法律による自転車競走を開催しなかったとき、又は指定市町村について指定の理由がなくなったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。」こういう規定がございまして、これらの規定に基づいて取り消すことができるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 だから、現行法だってできるんですから、もっとこの辺財政局長、余り低姿勢にならずに、どしどし思ったことをやってみたらどうですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 御趣旨は非常によく理解できるところでございますが、現実の問題として、一気かせいに行い得るものと得ないものということについては、私どももこの問題に取り組んでみていろいろむずかしい複雑な問題があるということがわかっておりますので、余り性急に取り組むということがかえっていろいろな影響を起こしはしないかということも配慮をいたしておるわけでございまして、いずれにいたしましても、私どもはこの問題については、むしろ施行していない団体、こういった団体側からのほんとに集約された声が出てくるという形になりませんと、なかなかやり切れない一面もあるわけでございます。たとえば市長会等におきましてこの問題が出ますると、市長会の中がまつ二つに割れてしまって、えらい大きな声で叫び合うというような実態があるわけでございまして、私どもとしても一面においてほとほと当惑をいたしていることでございます。いろいろ実態がございますが、申し上げにくいこともございますので御容赦いただきたいと思いますが、一歩一歩前進をするという方向で努力させていただきたい、こう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 一歩一歩前進してないものだから、約六年間全然進んでないというかっこうじゃないか。競馬法は法律改正をして指定がえを行った。法律改正すれば問題ないわけですか、これは。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) それぞれの法律はそれぞれの所管官庁があるわけでございますので、私どもだけの力ではなかなか改正ができないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 昭和五十一年の三月三十一日に指・定期限の来る団体が多いですね。これは幾つぐらいですか。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) 現在期限がついておるのが二百八十六ございまして、これは五十一年の三月三十一日に期限が来るわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 指定期限のないものを含めて、いままでのようなずるずると指定を継続するという、そういう態度ではなくて、明確な指定基準を設定して、そしてそれに基づいて真に必要なものについて指定がえを行うべきだ、これは私の説は間違っていないんじゃないですかね。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) お説は私どもも反論の余地はないと思っております。ただ、政府としては公営企業金融公庫に納付をしてもらって、安い金利の金を地方公共団体にお回しするという制度を発足して、まだその法律の最終の目的までいっておらないわけでございます。少なくともその道をたどりながら、片一方においては徐々に地方債のこういう団体に対する許可を狭める、特別交付税における減額要因としてのウエートを高めるということによって、非施行者団体との間のアンバランスをできるだけ埋めるという努力をしながら、その過程において交付税に算入をする問題、あるいは施行権の問題、少し時間をかしていただいて各省とも検討をいたしたい、これが私どもの気持ちでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 検討ばかりになっちゃうけれども。  この公営競技の売り上げ金の公営企業金融公庫に対する納付金制度ですね、これについては地方財政法の三十二条の二の規定に基づくわけですが、同法の政令附則十七条の二の三項、これが三月二十二日に改正され、結局昭和五十年度は、従来どおりの政令で定める率のまま千分の五を継続することに決定されましたね。いままでの納付金の額は四十五年度が五十四億円、四十六年度が七十一億円、四十七年度が八十二億円、四十八年度が百十四億円、四十九年度見込み約百三十億円、この累計で四百五十一億円ぐらいなんです。これは当時、長野財政局長が説明をした見込みと大体一致していますよ。  この制度は、昭和四十五年度から十年間の暫定措置ということになっております。実施してすでに後半を迎えたですね、これは。いま非常に地方財政困窮してきている。当時長野財政局長は、地方財政の状況等を見た上で率を引き上げるかどうするか、改めて考えたいと言ったんですよ、私に。そうすると、法定限度額の千分の十に対して、政令で定める率を千分の五にとどめざるを得なかった――だと思うのですね、ぼくは長野さんの約束から見れば。あるいは努力したけれどもこうだったということの答弁でしかないのかもしれませんけれども。そんなところにとどめざるを得なかった理由というのは、与党にあるのですか、どこにあるのですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) いろいろとすべてを御承知の先生でございますから御承知のことと思いますが、五十年度の問題につきましては、いろいろ次官以下、〇・五を引き上げるべく折衝いたしましたが、五十年度は〇・五というふうに決めるだけにとどまった。五十一年度以降の政令は決まっておらないわけであります。五十一年から五十四年までにつきましては、明年度以降は必ず〇・五を引き上げて、最終年度までには一・〇に持っていきたいと私どもは考えております。また、持っていく努力をしなければいけないと思っております。  なお、その先の問題でございますが、これはいままでの法制定のときのいろいろの経緯から十年の時限だということになっております。仮にその後に続くということになりますと、毎年の金を使ってしまっていいわけでございます。積み立てから生まれる利子で金利を薄めるということをしないでいい、こういうことになりますと、相当大幅な金利引き下げができる形になります。その辺を頭に置きながら、最終年度に近い年次において、基本的な問題として法律を延長するかしないか、その辺の問題は決着を迫られる時期があろうかと思います。ただ、あるいは先生御指摘のように、こんな制度は生ぬるい、もっと交付税と直接に結びつけるべきだという御意見も各方面からちょうだいをいたしておりまして、そういった基本問題と含めて、五十四年までの間に方向をはっきり見定めていきたいと、こういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 すべきであるはわかったのですが、自信おありですか、これは。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 非常にいろいろとむずかしい難関がございます。自信があるかと問われると、私もちょっとお答えに困るのでございます。ともかく御期待に沿うような結果が出るように最大の努力をいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 納付金が非常に私は少な過ぎると思うのです。私はギャンブル廃止論者でありますから、したがって、実はこういう制度が地方財政の仕組みの中に根をおろし続けることを必ずしも好ましいとは思っていません。しかし、ギャンブルの全廃が現実にはむずかしいわけですから、やはり収益の均てん化の措置を推進させる、そういうことが必要悪として認めざるを得ないでしょう。そうした立場から考えてみまして、たとえば四十七年度の決算で、ギャンブル団体の収益金が二千二十四億二千六百万円あったんですよ。ところが、納付金は八十二億三千六百万円、いかにも少な過ぎると思うのです。この辺は、大臣帰しちゃって予定の時間に見えないものだからあれですけれども、もう衆議院の本会議に入っているから、大臣から答弁を求めるのが本当なんでしょうが、なぜもっと強く押さないのか。さっきの答弁の繰り返しですか、これは。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 私どもはもう全く先生の御見解に賛成なんでございます。いろいろやっていく過程においては、相手もいろいろたくさんあることでございますし、なかなかむずかしい問題があるということで御理解を賜りたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 少し与党の人のいないところでやりましょうか。答弁がしにくいようですけれども、しかし、私たちの意のあるところを十分与党の皆さんにも考えてもらいたいと思いますので、もう少し続けますがね。  特別交付税の額を決定するに当たって、ギャンブル収入が基準財政需要額に比して多額であると認められる、そういう額は控除することにいまなっていますね。多額であると認める基準、四十九年度の特別交付税に際して多額と認めて控除した額、これを示してもらいたいのですがね。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 基準財政需要額の五%を超える部分について、基準財政需要額との比率を求めて逓増的に減額率を定める、そういう形をとっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 額は出ませんか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 四十九年度の特別交付税の算定上減額された額は、道府県分が三十二億八千八百万、市町村分が九百三十五億六千二百万、合計いたしまして九百六十八億五千万でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ギャンブル施行市町村と、そうでない市町村との行政格差が問題になっています。また、いままで説明をされてきたところを聞いても、均てん化措置、不公正是正は少しも解消されていない。きれいごとでは言われているが、まあ改善をされてないのが現状であります。この際、普通交付税の基準財政収入額にギャンブル収益を算入する制度を私は検討すべき時期に来たのではないかと考えますが、これはいかがですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 先ほど来申し上げておりますように、御指摘の基準財政収入額算定方式というものは、均てん化のための強力な一つの方策であると存じます。ただ、公営企業金融公庫への繰り入れという制度がいまあるわけでございますので、その辺のところを考えながら、先生御指摘のように、ぼちぼち検討すべき時期に来ているというふうに私どもは理解をしております。ただ、問題は、競馬、競輪施行団体の中には、いわゆる不交付団体で非常に超過額のある団体があるわけでございます。この団体については、基準収入額算定方式をとってもどうにもならないわけでございます。一番財政的に強い団体を残して、次の段階のものを頭をたたくということは、残ったものが極端に目立つというかっこうにますますなるおそれもございますので、この前も先生に若干お話を申し上げたと思いますが、それよりはもっと基本的な開催権の問題にまで触れるのでないと、いわゆる行政水準をきわめて高度に維持していけるような団体が他の団体に比較して非常に差が出てくる、こういう問題が残りますので、それらの問題も含めて検討したいということを申し上げておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで、私はちょっと提案をここの部分でしておきたいんです。少し検討してみてくれませんか。私の方もできれば修正案を用意をしようと思っていろいろ計算してみたりしていますけれどもね。  いま言ったとおり、基準財政収入額に入れるべき方法を考えるべきであると第一に思う。それからまるまる入れることには、それはならないでしょう。若干残す。それから、富裕団体でギャンブルをやっているところがあるわけですから、ここは財政力に応じてひとつ考えることが必要でしょう。それから不交付団体については、納付金の率を一般より高くして、そして不交付、交付団体のバランスを考えるべきでしょう。それから、それに起債措置を考えてあわせ行えば、私は不公平はなくなるのではないだろうか。私は指数をはじいて、若干の指数も自分なりにはいま考えていますが、そういう五つのことを軸にしながら、一遍自治省の側でも案をつくってみてくれませんか。公開するのがいやならば、おれの方はこれぐらいのことだと。どうです。本当は公開した方がいいと思うんだけれどもね。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) いずれにいたしましても、現実の地方団体の財政に極端な激変を与えることはできませんから、目標をつくりました上では、経過措置をとりながらということになるかと思います。どの程度のものができるか、私どもも基本的にはいままだ直ちに――ぼちぼち研究すべき時期だと思っておる段階で、すぐどうこうという結論にまでにはなかなか到達しにくいのではないかという気持ちを持っておりますことは、先ほどから繰り返して申し上げているとおりでございます。具体的に私の方でも先生の御指摘を承りましたので、試案というところまでいくかどうかわかりませんが、少し時間もかしていただきたいと思いますが、検討させていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまのところは試案というところまでいくかどうかはわからぬが、ともあれ一つのものをつくるという意味ですね。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) なかなかその辺のところがむずかしいのでございますが、勉強させていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 勉強のしっ放しで、何年たってもまた一緒だったと言うのじゃ……。ともあれ、やっぱりこの辺でお互い知恵を出し合って、それなら皆さんの方が知恵があるから余分なことを言う必要はないだろうけれども、一つのものを実らせる努力を約束し合おうじゃないですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 私の方でできますことは、基準財政収入額の問題ということは基本的な問題に絡む問題でございますから、いましばらくおくとして、はっきりお約束できることは、御了解いただけるならば、地方債についても、いまは一般公共事業ぐらいまではお認めをしておるわけでございますが、そういうものも、本年度はもう通知を出しておりますからこれはできませんが、来年からは全部切ってしまう。災害程度のものしかお認めしないという方針をさらに強化をして打ち出す。特別交付税で落とします場合に、どんなに大きい場合でも九割という方式をとっております。これを一定の限度を超える部分は十割にする、そういう強化措置をとるということは私どもで検討して来年は実施をするということにやぶさかでございません。  それからさらに、納付金の率を引き上げるということについても自信があるかというお尋ねでございましたが、自信という表現は私は申し上げませんでしたが、ともかく、先生御指摘のように、率が上がる、その結果納付金がふえる、そういう結果になるように最大の努力をいたしたいと、こう思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ギャンブル収益のある団体に対する起債の許可状況というのはいまわかりますか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) これは個々に調べませんとわかりませんので、御入用でございましたら、四十九年度のものを全部積み上げてお届けをいたしたいと思います。四十九年度、四十八年度ぐらいまでは比較的ギャンブル団体であっても気持ちの上で制限をするという程度のことでございましたが、本年度からはもうはっきり地方債の許可方針の中に、単独事業あるいはレクリエーション・スポーツ施設、そういったものは一切そういうものには認めないぞという線を強く打ち出しております。また、せっかく先生の御指摘でございましたから、災害のような特殊なものを除いてはもう一切来年からはだめだよということを実現すべく、来年に向かって検討したいと申し上げたのはその趣旨でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さっきのやつはまだ出ませんか、急増地域のやつは。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) いま拾わしておりますのでしばらく……。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 じゃ、それも、もう時間ですから、いまのやつと一緒に後で下さい。  公営競技の開催日数を見ますと、昭和三十六年に地方競馬では二千三十七日であったのが四十七年には二千二百六十一日。競輪は三千八百六十二日であったのが三千六百六十二日。それから競艇は三千五百八十二日だったのが三千八百八十五日。オートレースは五百六日だったのが六百三十六日。こういうふうになっている。つまり、競輪を除いてはいずれも開催日数がふえているのですよ。現状より拡大しないという政府の方針が守られていないじゃないですか、これ。

小林悦夫自治省財政局地方債課長

○説明員(小林悦夫君) これらのそれぞれの指定は各省で行っておりますので、詳しいことはよくわからないわけでありますが、海洋博の開催であるとか、そのために特別に開いたのができたりいたしまして、その点でふえているのではないかと考えますが、詳しい点は私どもの方でもよくわからないわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま私の言った数字、間違いないですよ。そういう形になっているので、私たちがいかに真摯に討論をしておっても、片一方ではこういう形のことが現実化していくということでは非常に困ったものです。  入場者の数について見ますと、各競技によって違いますが、大体三十六年当時に比べて二・五倍から四倍ぐらいにふくれ上がっていますよ。各競技場への入場者というのは、延べで、四十七年度においてすでに日本の総人口に当たる一億一千万人を超えた。公営ギャンブルを奨励しないと言っておきながら結果的に見ると現状維持どころではないのであります。  自治省の財政局編の「地方財政のしくみとその運営の実態」を読みますと、これでは収益事業について、「収益事業は、その射倖性の故に健全な勤労意欲を麻痺させるものとして刑法により富銭の罪を構成するものである」と書いてある。まさにそのとおりであると思うのです。私はさっきも言ったとおり、全廃しろなんていうことをいま唐突に言うつもりはない。しかし、自治大臣を初め自治省の皆さん方が、もう少しやっぱりギャンブルの反社会的本質というものを反省して心がけるなら、いまのようなギャンブル天国にはならなかった。やっぱり真剣にギャンブルのはんらんを憂うべきものとしてその対策を講じなきゃならない。私はそう思う。このギャンブルの側面から見ても、三木内閣の姿勢とずいぶん変わっているのじゃないか。いまもう大臣いませんからこれ以上答弁求めませんが、意見としてそういうふうに申し述べておきます。  五省協定に少し入りましょう。  昭和五十年度の地方財政計画は、抑制的な基調を堅持する方針を明らかにされるとともに、地域住民の福祉向上など、財源の効率的運営や重点的配分をうたっております。  その一つとして、地財計画の七の(5)に、人口急増地域の財政拡充の方針が出されていますね。人口急増地域における「義務教育施設整備のための国庫補助負担金を改善するとともに、大規模住宅団地に係る関連公共公益的施設の立替施行制度の拡充を図る」、こうなっています。これは具体的にはどういうことですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) ここで申し上げております、「児童生徒急増市町村における義務教育施設整備のための国庫補助負担金を改善する」ということは、用地取得費補助金におけるいわゆる対象率の引き上げでございまして、前年度の六〇%を六五%に引き上げるというふうなことを意味いたしております。それから、「大規模住宅団地に係る関連公共公益的施設の立替施行制度の拡充を図る」、これも五十年度の予算の中で認められておりますが、住宅公団が実施いたします大規模な住宅団地の開発に関連をして実施される学校その他の公共施設、公益施設についての立てかえの条件を大幅に改善したことを取り上げてこのように表現いたした次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 文部省の方、いまのことよくおわかりになっていますか。

今村武俊文部省管理局長

○政府委員(今村武俊君) 御質問は、いまのことをわかっておるかという御質問でございますか。――理解いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 建設省の計画局がことしの一月に出している、昭和五十年度「計画局関係予算説明資料」にも、日本住宅公団の立てかえ施行制度の改善が具体的に述べられていますね。それをちょっと建設省、読んでくれますか。

大富宏建設省計画局参事官

○政府委員(大富宏君) いわゆる白パンと称する予算の解説書でございますが、「日本住宅公団の関連公共・公益施設整備費の増大を図るとともに、三大都市圏において行う場合の立替資金の償還条件について、次のとおり大幅な改善を図る。」ということで、三百ヘクタールまたは九千戸以上のものにつきましては対象施設は全施設、十年の据え置き期間を含めまして三十年の償還、据え置き期間中の利子は無利子とする。それから百ヘクタールまたは三千戸以上のものにつきましては、学校につきまして、五年据え置きを含む二十五年償還、据え置き期間中の利子は無利子。それから第三番目に、五十ヘクタールまたは千五百戸以上のものにつきまして、学校にありまして、三年据え置きの二十五年償還、据え置き期間中の利子は無利子と、以上でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この制度の意義ですね、いま読まれたやつの意義を確認をしておきたいんですが、一定の要件を満たすものについては、団地開発初期の地元財政負担が過重なので、それを軽減するために、公団の立てかえ資金を地元が償還するのに無利子、据え置きの期間を設ける、その期間の財政の手当てをする必要がある。住宅公団、そういうことですね。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) いま先生がおっしゃいましたとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで建設省、この無利子、据え置き措置というのは今年度から適用されるものですか。

大富宏建設省計画局参事官

○政府委員(大富宏君) そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、五十年度からとしますと、立てかえ分で五十年度の国庫負担対象となるものは過去の建設分ということになりますね。据え置きの期間と利子について、昨年度までといわゆる立てかえ上の変更はないと理解してよいわけですかね。

大富宏建設省計画局参事官

○政府委員(大富宏君) ただいま申し上げました五十年度に新たにとられた措置は、五十年度から立てかえの始まるものについてでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省ですがね、五月中旬に、公団団地の関係市町村に対して、五十年度の地方交付税算定のために、立てかえ金の元利金の数値を求める調査表を出されています。数値のとり方が昨年とこれ異なっている。昨年度までは、立てかえ分の国庫負担対象分は一定事業分のそれと区別がなかった。一般財源分が事業費補正に算入されていた。ところが、今年度は事業費補正算入から除外されていますね。これはなぜなんですか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 従来の、地方交付税の算定上事業費補正の計算をする場合に、立てかえ施行分につきましては、おおむね立てかえによる償還がすぐに始まるというような事情もありまして、一応立てかえ償還ということを無視する形で、通常の事業が行われる前提で事業費補正の算入を行っております。具体的には、これが二カ年に分けて国庫補助金が交付されるという実情から、二年に分けて算入をいたしておったわけであります。ところが、このような算定方式というのは、立てかえ部分につきましては、現実の償還負担はないのに、一応交付税の計算上だけはその年度に負担があるものとして計算をして、いわば交付税計算上のけりは先につけてしまうと、先に事業費算入を行ってしまうという方法をとっておったわけであります。ところが、今回五十年度からこの立てかえ制度がかなり拡充になりまして、大規模団地の場合には、十年間据え置きで十一年目から二十年償還というようなケースが出てまいりました。そうしますと、この段階で従来どおりの方法で交付税の計算をやってしまいますというと、先渡しの期間が早過ぎるといいましょうか、十年後に現実の財政負担が生ずるときには交付税上の財政需要の計算が全くなされないということで、その間の乖離が余り大き過ぎるということから、本年度以降適用になる、新たに立てかえ施行が適用になる事業から、現実の財政負担があるときに交付税算入を行うと、そういうように改正したいと考えまして数値のとり方を変えたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 建設省、立てかえ制度というのはいつどういう事情から始められましたか、これは。

大富宏建設省計画局参事官

○政府委員(大富宏君) いわゆる五省協定と申しますのは、四十二年の六月、建設、大蔵、文部、自治、厚生の各五省の間で協定されたものでございますが、この動機は、宅地開発あるいは住宅建設に伴いますところのいわゆる関連公共・公益施設、これは本来管理者でありますところの地方公共団体が整備すべきものではございますけれども、特に大規模な土地開発あるいは住宅建設につきましては、一時にしかも多額なこういう関連公共・公益施設の整備の負担がかかるものでございますから、地方財政に非常にしわが寄る。こういう状況を避けるために、開発主体でありますところの住宅公団あるいは金融公庫の融資を受けますところの地方公共団体あるいは供給公社等の施行主体が、まず、地方公共団体にかわりまして公共・公益施設を整備しまして、これが補助等が参ったときに長期割賦でこれを償還していただく、いわば地方財政負担軽減の措置として編み出された制度でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 小、中学校の建設費の事業費補正算入は何年度からどういう事情で始められたのか。この五省協定の趣旨を生かす方向であったわけでしょうね、これ自治省か。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 事業費補正制度自身が始められましたのは、たしか昭和三十七年度からでございますが、小、中学校費についていまのような形での事業費補正方式を採用したのは、いまの住宅公団の立てかえ制度よりは前でございますが、正確に何年度からとは、ちょっと記憶しておりませんので、調べましてお答え申し上げたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 事情は。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 考え方といたしましては、従来、小、中学校の建設費、投資的経費の計算は、学級数を中心に算定しておりましたけれども、現実の事業費、現実の投資必要量とそれから学級数とが必ずしも比例関係にない。といいますのは、すでに学校建築の終わったところについても、平均的に投資的経費が算入される場合には、むしろ財政需要の算入が多くなりますし、また現実に建設投資が行われている団体については、これは足りないという問題が起こりまして、その間の調整をはかる意味で、いまのような事業費補正算入方式というものを取り上げたわけであります。なおその際に、小、中学校につきましては、現実の地方負担額ではなしに、文部省の方で調査していただきました補助適格面積と言いましょうか、有資格面積を基礎にいたしまして、投資必要量についてはいわば理論単価によって積算を行うというような方法をとっておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 四十二年度に立てかえ制度ができて、四十三年度に事業費補正算入が始まった。それが七年間続いてきた。で、五十年度は先ほどの答弁で改正されるという。五省協定の趣旨を損うことになるんじゃないですか、これは。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 私どもは、現実の財政負担と交付税の事業費算入の時期を合わせようと、現実の負担のあるときに事業費算入しようという考え方をとっておるわけでありまして、算入額全体を減らすということは全く考えておりません。  なお、参考までに申し上げますと、現在の事業費補正の計算におきましては、人口急増団体等につきましても、いわゆる通常の補助率によって地方負担額を理論計算しております。したがいまして、人口急増団体におきましては、児童、生徒急増団体の場合には、御承知のように補助率が高くなっておりますから、交付税計算上は、まあ現実の補助率が上がった分をいわば無視する形で、より有利な事業費算入を行っております。こういった方法は、今回の改正によってももちろん踏襲するつもりでございます。繰り返して申し上げますが、算入トータルを変えるつもりは全くございません。ただ、現実の負担のあるときに財政需要の計算を行うということが、今回の改正の考えの基本でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ともかく、この自治省の改定案に至るまでの過程で、これは建設省、住宅公団は全部参画されてやったわけですか。相談されてやったわけですか。

大富宏建設省計画局参事官

○政府委員(大富宏君) ただいま述べられました五十年度から始めるという事業費補正の手法につきましては、私どもまだ正式にはお聞きいたしておりません。

上野誠朗日本住宅公団理事

○参考人(上野誠朗君) 私どももまだ聞いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これ、五省協定との関係では、こっちは聞いていないと言うんだけれども、文部省は御存じですか。

今村武俊文部省管理局長

○政府委員(今村武俊君) 存じておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 厚生省はどうですか。――まあとにかくみんな知らぬのでしょう。それでいいわけですか、自治省これ。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) まあ五省協定の問題は、自治省ひとりでどうこうということはできないわけでございますが、五省協定というのは立てかえ施行を中心にした制度でございます。この制度の裏側をどう地方交付税で取り上げていくかという問題でございますので、私どもの方から関係省の方に、いずれきちっとしたものがわかりました段階で御連絡は申し上げるべきだとは思っておりますけれども、これは五省協定そのものの内容ではないと考えております。また、私どもが考えておりますことは、石原君から御説明申し上げましたように、現在とっております、これまでとっておりましたような制度をとりますと、当該団体に対して十年後に生ずるであろう財政需要というものを前渡しする形になります。それはやはり制度としておかしいと、交付税というのは需要を見るというのがたてまえでございます。したがって、十年後に需要が起きたときには、総額で何らこれまでと変わりないように必ず見ます。そういう意味で、私どもとしては理論的に当然の考え方であろうかというふうに存じております。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 速記とめてください。   〔速記中止〕

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) それでは速記を起こして。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もう限られた時間ですから、大蔵大臣に地方交付税法財政計画問題を中心として、さらには予算委員会においてあなたと私との論戦を通じて後始末がついてない問題、国会も会期末でありますので、各省と一緒に一応の結論を得たいと思ってお出ましを願いました。  まず第一に、去る国会に提出されました地方財政白書を見ますと、地方の行政水準の向上というのは物価の安定がないと着実に前進させることができないということ、これははっきりあらわれています。幾ら福祉施設をつくるため予算をたくさんつけてみても、物価が急上昇したり物不足が起こったのでは、事業費は逆に縮小せざるを得ません。そうしたことを、実は白書が対象としています昭和四十八年度地方財政の決算状況というものが数字をもってこれは説明をしているわけです。で、三木内閣が物価の安定を至上命令として、そして経済政策を推進しているのも、そうしたインフレのデメリットを考慮した上だと実は思うのであります。で、まず昭和五十年度末の物価上昇率を一〇%以内にとどめるということは三木内閣の公約でもありますから、大蔵大臣としても全力を挙げてこれに取り組んでいらっしゃるところでしょう。まあ副総理の発言はたびたび聞くのですが、大蔵大臣からの発言を余り新聞やその他で拝見をいたしませんので、そう了解をしてよろしいですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御案内のように、予算編成に当たりまして政府は五十年度の経済の見通しを立てたわけでございまして、その場合に、五十年度末の消費者物価は九・九%以内におさめたい。卸売物価は七・七%以内に抑えたい。その他成長率でございますとかいろいろな仕組みを持った見通しを出しておるわけでございまして、ただいままでのところ、政府としてそれを改定する必要を認めていないわけでございます。その達成に努力をいたしておるわけでございます。私といたしましては、九・九%目標がその他の経済指標とバランスのとれた姿において達成されますように、全力を挙げて協力をしなければならぬと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国、地方における公共料金あるいは消費者米価など、最近消費者物価一般の上昇原因となると思われるところのこういう公共的料金の値上げが課題となっていますけれども、国としてはふところが非常に苦しい状況にあるから、できるだけ値上げ幅を大きくして、そして財政負担を軽くしたいところであると考えますが、大蔵大臣という立場では、これらの値上げについては物価上昇率が一〇%を上回ることはない、こういうような物価対策優先の見地から値上げ幅を抑えていくという決意であると思いますが、いまの答弁との兼ね合いでそう考えてもよろしいですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 政府も大きなこれは集団ですから、公共料金政策につきましても、こういう時期だから思い切って凍結すべきでないかという議論もありますよ、そういう意見もある。それから、そうでなくて、公共料金といえどもこれは聖域でないのだから、それぞれ原価、形成された原価というものを尊重して受益者に負担していただくということでいいんじゃないかという考え方もあるわけですが、五十年度の予算の編成に当たりまして、そういうもろもろの考え方を突き合わせていわば妥協したわけですよ。それで、酒とたばこと郵便料金はいま御審議いただいておるような姿で改定をお願いしようと。電話料金、塩、麦等については、この予算は値上げを予想しないで組もうじゃないかと。鉄道料金についても、五十年度中は値上げというようなことを予想しないで予算を組もうということにいたしたわけなんです。でございますから、思想は、あなた方からごらんになると、どちらに、政府はどう考えているんだということがおわかりにならない面が私はありやしないかと思いますけれども、一応いろんな考え方が予算案という一つの政府の基本の方針を決めたものの中に化体されまして、この分は値上げする、この分は抑えるというようにいたしたわけでございまして、値上げする分につきましては、当然九・九%以内におさまるように計算をいたしてあるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、一言、年度内の国鉄料金の値上げというのは全く考えていらっしゃらない、これはよろしいですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 考えていないわけです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここ最近、〇・五%ずつ二回の公定歩合の引き下げが行われました。さらに引き下げを行わなければならない状態にあると言われます。いつごろ、何%ぐらい引き下げるおつもりですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは日本銀行の、正確に言いますと日本銀行の政策委員会の専権なんでございまして、大蔵大臣から申し上げられる――私の権限でないわけで、人様のことをここで申し上げるわけにはまいりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは日銀も見えていますが、時間がなくなりますから……。  この次引き下げを行った場合に、もちろん、その下げ幅にもよりましょうけれども、預金金利も下げなければならなくなるのじゃないかということを考えますが、この辺は大蔵大臣としてどうお思いになりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) インフレの中でせっかく預金をしていただいておるわけでございますから、これが目減りがしないように配慮しなけりゃならぬことは金融政策の基本だと思いまするし、金融機関といたしましても第一義的な責任であろうと思うのでございます。しかし、金融機関は受信業務と与信業務を行っておるわけでございまして、受信と与信がバランスのとれた姿で行われるわけでございますから、それでまあ飯を食っているわけでございますから、一方はくぎづけにして置いて一方はサービスするというわけにもなかなかいかぬでございましょう。で、公定歩合が将来下がった場合に、それは預金金利を下げる一つの有利に働く要素にはなると思うんでございますけれども、金融機関の資金コスト全体の一つの要素の変化であって、ほかの要素も考えなければなりませんし、それがどのように直ちに預金金利に影響するかということをいま私がここで申し上げるわけにもいかないと思うのでございます。問題は、預金金利と貸出金利というものは相互に依存性を持っておるわけでございます。その依存性をどの水準において保つかということはそのときの状況にまたなければならぬわけでございまして、公定歩合のあり方というのもその一つのファクターであると、これはまあ和田さんに申し上げるまでもなく、そういう仕組みになっておると私は思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 預金金利の引き下げ問題との関連で、法人預金と個人預金とを別扱いにせよという議論、そういう議論があって、大蔵省は主として技術的な理由によってこれに消極的だと聞きますが、私は版金金利の引き下げをもし行うのならば、その際、金利面で法人預金と個人預金を別扱いにして、そして個人の方を法人より優遇するという、そういう措置をとるべきだと考えているんですが、それは間違ってますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういう御議論は両院の大蔵委員会等におきましても相当根強くあるわけでございます。で、それは十分理解できる御議論でございますが、ただ法人というのは何ぞやということになりますと、課税法人だけでも百三十五万ぐらいあるわけなんです。で、この法人の実態というのは、個人と法人との限界なんていうのはもうわけのわからぬことになっておるわけでございまして、大蔵省が技術的に個人と法人とのバランスを考えて、個人預金は優遇して法人預金は云々というようなことが一体技術的にできるかというと、これは大変むずかしい、技術的にむずかしいんじゃないかというゆえんのものは、簡単に法人なんかできるわけでございまして、ただ典形的な法人の場合は、歩積み両建ての関係で、むなしく借金をした金を預金で置いておくなんていうことは非常に不合理じゃないかという点について両院でもいろいろ御指摘があること、私はよくわかるわけでございますが、さてそれに対してどう対処したらいいかということについてはちょっと途方に暮れるわけなんです。しかし、そういう課題は、確かにできるだけこの実態を究明して何か打開の方途があればやっていかなければならぬ課題であるとは、そういう問題意識は持っておりますけれども、こうすればいいんだと、そしてそれはいつごろからやるつもりかなんという、そういう具体的にまだお答え申し上げるほどの余裕はありません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 同じくこの預金金利の引き下げに伴う措置として複利貯蓄ですね、そういう新商品が都銀あたりから提唱されている。これは信託銀行などの長期金融機関からの反対の声が上がっています。大蔵大臣はここらはどういうふうにするおつもりになっているのですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) これ、金融機関の自主性にお任せするつもりでおります。つまり、新商品でございまして、金融機関がそういう商品を開発してこれを世に問うということで、金融機関の責任において、金融機関の負担においておやりになるわけでございまして、私のところへ出てきました案では、今月の末から発足いたしまして、ことし約半年間にその新しい商品に対する、新しい預金に対する応募者が決まって、その方々に対して向こう一年間、一割の金利をごくしぼった対象に保証しようというような案がいま考えられておるようでございまして、これは金融機関が預金者に対するサービスという意味で、金融機関の自主的な責任と判断でおやりいただきたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 預金金利の自由化ということが言われ始めているようです。それはまだいろいろ論議があります。私は、自由化たとえばした場合に大口預金ほど高利になるという現実にかんがみて、これだけはやるべきでないと思っているのです。これは意見を述べておきます。  税法上の貸し倒れ引当金の損金算入限度ですね、これ、期末貸出残高の千分の十への上乗せ分千分の三の撤廃、これはやることに決まったと報ぜられておりますが、そういうことですか、これ一言で結構ですが。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) ただいま検討いたしておるわけでございまして、実行いたすつもりで検討に入っておるわけでございますが、いつからどれだけやるかということをまだ決めたわけじゃございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 新聞に、日経の六月二十一日ですが、「かりに五十年度中に国の歳入不足補てんのため税法上の引当金限度が千分の八ないし千分の七に引き下げられる際には、統一経理基準の引当金限度もそのままスライドして引き下げる方針である」、この点はどうなんですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま申しますように、これは一つの検討のアイテムとして取り上げて勉強しておるところでございますが、日経さんの方で結論を先に出してくれておるようでございますけれども、まだ大蔵省としては結論を出しておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 不動産償却の取り扱いはどうなりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) それも同様、経理基準の内容でございますので、検討中でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これからの問題は実は本委員会ではすでに問題になった部分でありますが、若干違った角度から伺いたいんですが、四十九年度末の日銀の事業税納付の状況ですね。ちょっと簡単に聞かせてください。

中村進日本銀行理事

○参考人(中村進君) お答え申し上げます。  四十九年度の下期の地方税のうち、事業税納付額は五十一億円でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、納付金が急に大きくなった理由ですね、これを聞きたいんです。これは国の財政不足を補う措置ではありませんか。

中村進日本銀行理事

○参考人(中村進君) 納付金が急に大きくなった理由ということでございますが、これは私どもが国の財政を支援するために無理してやったというわけのことではないわけでございます。ここでちょっとくどくなりますが、私どもの決算の方法をちょっと申し上げますと、私ども益金が出ますと、それから配当と積み立て、内部留保の積み立てを行いまして、それに見合いの税金を、これは法人税とそれから地方税でございますけれども、この両者を支払いまして、残りの部分を国庫納付をすることに義務づけられているわけでございます。それで配当はこれはもう固定しておりますので論外といたしまして、内部留保の積立額が多くなりますと、そうすると国税、地方税への支払いもそれに応じて多くなる。その反面、国庫納付金の額は相対的に少なくなる。逆に申しますと、国税、地方税の支払いが少なくなるような、積み立てが少ないような場合には納付金の額がふえるという、相互背反の関係になるわけでございます。  それで、お話しの四十九年度の下期について申し上げますと、私ども内部留保のあり高が大体一応のところまで回復してきましたので、四十九年度の下期につきましては、内部留保の積み立てを余り多くしなかったわけでございます。そのために法人税あるいは地方税への納入が減りまして、それで国庫納付金がふえたという関係になったわけでございまして、決算の仕組みの技術的な帰結としてそういう姿になったわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日銀の納付金については、日本銀行法の三十九条五項の規定、地方税法による事業税を課する場合における所得の計算上損金に算入することになっています。納付金の額は、剰余金から準備金や配当金を引いた額とされているわけです。納付金といえどももともと剰余金で、すなわち利益金であるわけですから、本来なら課税対象になるわけでしょう。だからこそ納付金を課税対象外とするには、いまいった三十九条五項のような規定が必要になる。大蔵大臣、これはそういうふうに考えていいわけですね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) それは立法政策の問題でございまして、いまの制度はそうなっていない。いま中村理事から話がありましたような制度になっておるのでございまして、大蔵省も日銀も特に細工したわけじゃないのです。正直にやったわけなんです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どうもその正直にやったと――ぼくの法律解釈の方が実は間違っていないと思うのですがね、時間がないからこの論戦ができないのは残念ですが。  法人税はたとえば国税ですね。だから、納付金を国に納めた上で、さらにそれに国が法人税をかけるというのはおかしい、それは一種の二重課税になるから。しかし、地方税の事業税と納付金というのはそういう関係にはないでしょう。立法論としては地方税課税してもいいということですか。これは法制局長官、どうです。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) それは結局租税政策をいかに定めるかという問題でございましょうけれども、およそ租税を課する場合において、このような国に対する納付金であるとかあるいは税額というようなものを損金として扱う方が、従来の租税政策の考え方としては適合しているということでこのような規定になっているものと思いますが、最終的には政策の問題に相なってくると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治大臣、いま論議したように、日銀といえども地方行政のサービスを受けているわけです。それだから利益が上がれば地方税を課するのは当然でしょう。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) それはお説のとおりだと私は思うのですけれども、しかし、それは法律の定めるところによって運営をしておるわけですから、それは違法のことをやっておればこれはわれわれとしても抗議をせにゃいかんが、法律に定めるところでやっておれば、いまにわかにこれをとやかく言うわけにはいかない。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もう、ここはぼくは逆だと思う。自治大臣は私の主張に立って少し再考させる必要があると思うんですよ、日銀の方も、大蔵省のこういう措置というのは。いみじくも法制局長官が述べたとおり、政治的な判断が非常に作用をして今度のような決算事情というものがあらわれている。で、第五項の「勅令」にどんなことを決めていますか。じゃ第五項の政令で激変緩和の措置を講ずることは可能でしょう。激変のないように政令で損金算入される額について配慮すべきだ。これは明確に私はそう考えます。したがって、論議ができないときにこれ以上質問しても仕方ありませんから、私はこれは意見として申し上げておきます。ひとつ自治大臣、大蔵大臣の間で、ここのところは協議をしていただきたい、こういうふうに希望だけを申し上げておきます。  そこで大蔵大臣、去る四月二十七日のこれも日経で、日経が先に結論を出してくれたと言われてしまえばそれまでなんですが、地方公共団体中央金庫構想というのが出ています。新聞の報じたところでは、全国知事会やら公営企業金融公庫が中心になって中央金庫を設立する構想を打ち出した、積極的に動き出したと書いてある。その内容として、現在の公営企業金融公庫を改組して中央公庫をつくる、同公庫が全国的な規模で債券を発行する、そして同公庫はこの債券発行で得た財源と政府資金を合わせて、公募債の一部を除いて、企業債だけではなくて、地方債のすべてを引き受けるというんです。地方団体が自治省の許可を得て地方債を発行する際は、公募債を除いてすべて中央金庫が引き受ける。将来は外債も発行できるようにする。さらに、この構想は自治省としても全面的に支持しており、全国知事会などの具体案がまとまったら、五十一年度からでも発足させるように大蔵とも相談している、こう言っているんです。これは大蔵大臣、そうですか。やられるわけですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういうことは私は関知していないんですけれども、私は地方公共団体中央金庫構想というものに対しては賛成いたしかねるわけです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、この残りの部分は後ほど自治省との間で……。  さて、予算委員会でいろいろ論議をしたことに基づいて、そうして予算委員長の取り扱いで資料要求をしたその資料をいただきました。三月二十五日付で大蔵省からもらったこの四十九年度超過負担実態調査結果なんですが、保育所措置費の補助金に係る超過負担率は一四・五%ということであります。これは確認してよろしいですね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私ども、いま御提示になった数字は存じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その私の資料要求に基づきまして、昭和四十九年度の運営費関係超過負担実態調査結果のうち幾つかをピックアップして資料をいただきました。私計算してみたんですが、保育所措置費の例で二十団体の平均を出してみますと、公営の場合に二五・二%、私営が四%、計一六%になりました。さらにここに、指定都市による大都市財政の実態に即応する財源の拡充についてという要望を持っているんです。それによりますと、指定都市平均の実支出額というのは、児童一人当たり一万六千四百円、補助基本額は九千八百円、超過負担額が六千六百円となっています。超過負担率は六七・三%にもなります。さらにまたさきの予算委員会の際に私の方から提示をいたしまして、そうしてそれに対して御見解をいただきました私の独自調査に基づく結果によっても、この保育所措置費補助に係る超過負担率というのはA市で八三・三%、B市で七三・五%に達しています。いずれにいたしましても、大蔵省が示された保育所措置費補助に係る補助負担率一四・五%というのはいかにも低いという感じなんです。これは大蔵大臣どういうふうにお考えになりますか。

名本公洲大蔵省主計局主計官

○説明員(名本公洲君) 厚生省の運営費補助金につきましては、先生御承知のように、三省合同で調査をいたしたわけでございますけれども、それで厚生省の方から先生のお手元にお届けをしてございます一四・五%の超過負担率をはじきました保育所の関係につきましては、調査いたしましたもののうち、国の方の、国において措置すべき超過負担と認められないものにつきましてはこれを除外いたしまして算定いたしました結果でございます。特に運営費のうちで、たとえばいわゆる事業費というようなもの、これらにつきましてはこの数字の中に計上いたしておりません。そういうこともございまして、先生のお示しの数字と違うのかと、かように考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっといま言われたように、保育所のこの措置費補助に係る超過負担率一四・五%というのは、国の基準による支弁の総額を超えて市町村が支出をした額のすべてが積算の基礎として入っておらない。資料作成の際、あなた方が勝手にカットしちまっている。私はこの一四・五%という数字がただ出されたというだけでは、もうこうなると納得できないわけです。その積算の根拠がほしい。だから大蔵大臣にお出ましを願ったんですが、実態調査結果の生のものの資料をやっぱりすべて出してほしいという要求を私はしておるんですね。ところが、二十市分しか出なかったんです。で、二十市分について私自分で計算してみたら、一四・五%にはならなかった。それはいま言われたとおり、すべての市町村についての計算でないから当然でしょう。しからば、一四・五%という数字はお持ちになっている資料すべてを使って得られたかと言えば、必ずしもそうでもないことがいま明らかになった。そういうことになりますと、われわれの共通の認識としての超過負担率というものを確定するためには、少なくとも実態調査結果すべてにわたって生の資料を出していただいて、私たちの手でもう一度率の算定をお互いがさせていただく、こういうことでなければ、どうしてもやっぱり地方の県知事なり市長なりというのは納得できませんよ、これ。私のこの要求というのは理不尽なものではないと思うんです、超過負担問題がこんなに大きくなっているときですから。大蔵省が一四・五%という数字を出された。それで、私が大蔵省からいただいたものを含めて、自分の手持ちの資料を使って同じものをはじき出してみた。それが大蔵省の出した数字と余りにも違う。しかも、大蔵省が一四・五%はじき出すに当たっては、先ほど来、実態調査結果そのままを使ってこれをはじき出したわけではない。とすれば実態調査結果をそのまま出していただいて、共同してこの率を算定してみる、こういう要求は当然だと思う。大蔵大臣、どうです、この要求に応じてくれませんか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) なかなか精密な問題なんでございますが、私は常識的にこう考えるんですよ。和田さんの御質問に対して答えになるかならないか確信は持てませんけれども、超過負担とは何ぞやというところで、あなたとたとえば大蔵省との間に概念規定が違うんじゃないかと思うんですよ。つまり、大蔵省としては、われわれの概念する超過負担というのはこういうものだという頭を持っておるわけです。つまり、もう生の材料を持ってきて、これだけかかったんだから、現実にこれだけの予算の配賦しか受けてないんだから、これだけが超過負担だというのは受け取れませんと。われわれの方は、国として負担すべきものはこういうようにやられた事業で、それで足らないものがありとすればこれは申しわけないからひとつ超過負担の解消に応じましょうという態度ですから、そこがあなたと完全に合えば、あとは計算の問題だから、全然ぼくは打ち合わせもへちまもないんじゃないかとそう思いますが、だから大蔵省の方の超過負担についての考え方、各費目について本来あるべき超過負担をはじき出すべースは、大蔵省や厚生省や共同調査した官庁としてはこう考えておるということで、それをひとつ御吟味いただいて、そこに問題があるかないかを御指摘いただけば、そこでやりとりになるんじゃないかという感じが私はいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私もそこは同感なんです。したがって、そのためにも具体的に生のものを出していただいて、そして共通の広場ができるかどうかという論議をしたい。ところが、そこのところが大蔵大臣出てこないものだから、大蔵大臣、一言出しましょうと、こう言っていただければ、ここで共通の小委員会をどっちみちつくっていくとか、あるいは理事会でやっていくとかといういろいろなことが起こるでしょうけれども、その一言だけです、きょう求めているのは。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは私の方ばかりでなく、関係各省との共同の実態調査をベースにいたしましていろいろ御相談の上やっていることでございますので、関係の省といろいろ御相談してみなければなりませんので、ここで直ちに私からよろしゅうございますと言うわけにはいきませんので、ちょっと相談させてください。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは違うの。あなたのところにあるんだもの。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いや、だけれども、あなたの方へ出すか出さぬか、それをどういうことでいまから御討議いただくかということについては、関係各省で一遍相談させていただきたい。その方がデモクラティックだと思いますよ。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすれば、ぼくはここの問題はいま時間がありませんから、本当はもっとやりとりしたいんですが、しかし理事会にお預けします、取り扱いは。  念のために、先ほど申しましたように、予算の委員長は大変計らっていただきまして、そして整理をされて、委員長として資料要求をしていただいて出してもらったんです。したがって、理事会にお諮り願って、ぜひ原委員長として、私が希望するようにできるようにお願いします。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 後刻理事会でもって御相談いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そういうことで、ここできまったらひとつ大蔵大臣……。  くどいようですが、まず改めて自治省に簡単に確認をいたしますが、地方財政法十一条というのは、これはどういう条文で、それはどういう趣旨で書かれていますか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 地方財政法第十一条の規定は、地方財政法第十条から第十条の三までに列記しております各経費について、国庫の負担すべき割合、あるいはそれのさらにもとになります算定基準、費目こういったものについて、法律または政令でこれを定めるというように義務づけることによりまして、国庫負担金制度の安定を期するという趣旨で設けられた規定であると理解いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、地方財政法十条から十条の三までに規定する経費のうち、予算委員会でも何遍もやり合いましたが、その種目、算定基準、国と地方公共団体の負担の割合、これがこの十一条では法律または政令で定めなければならないとなっている。ところがそうなっていないものがある。すなわち、地財法十一条に国みずからが違反していることになる。このことはきょうお並びの次官の皆さんはいらっしゃいませんでしたが、農林大臣、厚生大臣、建設大臣全部いらっしゃって認められたのです。三月の十二日の参議院予算委員会で私はこれを指摘をして、政府もそれを認めておるわけです。そして、ここに持っていますところの地方財政法第十一条関係資料(未定稿)という資料を提出いただいたわけであります。で、時間があればこの一つ一つについて内容説明を求めたかったのでありますが、もう時間がありませんから、大蔵大臣に時間がありませんからやめます。  そこで、それぞれについて法律改正の要のあるもの、あるいは政令改正をすべきものというものを、これは後からあげつらいたいと思うんですね。この政府に提出していただいた資料に基づいても、実に十五件、予算委員会で大蔵大臣といろいろとやり合いましたが、何と十五件、地方財政法十一条違反があるわけですよ。私は三月二十八日の予算委員会でこの点について次のように質問いたしました。「厚生大臣、農林大臣、建設大臣、これら十五件の違反行為について、この国会中に改められますね」、これに対して田中厚生大臣は、「できるだけ速やかに決着をつけるというお約束をしておりますから、そのような努力をいたします。」と答えられました。安倍農林大臣は、「関係各省との折衝もございますので、十分協議をした上で善処をいたしたいと、こういうふうに考えておるわけであります」。仮谷建設大臣は、「はい、早急に処置をいたします。」と、それぞれ私の質問の趣旨がわかったところ――というのは、建設大臣はすぐおわかりになるようになっていたけれども、あとの二人の大臣はこのときは初めは趣旨がわからなかった。わかったところではこういうふうに答えられたんですね。そこで、厚生省、農林省、建設省なんですが、この大臣答弁を受けて一体どういうふうな作業をして、そして結果がどういうことになったかなんですよ。これ端的に一言ずつお願いをしたい。

中村弘海自由民主党建設政務次官

○政府委員(中村弘海君) 建設省では砂防法第十三条の政令を定めることを準備中でございまして、近く制定の運びとなる予定でございます、

柴立芳文自由民主党農林政務次官

○政府委員(柴立芳文君) 先般農林大臣からもお答え申し上げたわけでありますが、農林省関係の法令のうち、地方財政法の規定と食い違っているものにつきましては、早急に善処するという方向で関係各省とも意見調整を図りつつ検討を進め、次期通常国会に法律案を提出することを目途に検討いたしておるところであります。

山下徳夫自由民主党厚生政務次官

○政府委員(山下徳夫君) 厚生省関係の法令のうちで、寄生虫予防法、それかららい予防法、予防接種法並びに身体障害者福祉法、これらの法につきましては現在大蔵省と折衝中でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで大蔵大臣、いま大蔵省と折衝中のやつを含んで、次期国会というのは実は約束違反ですけれども、とにかく、その方針はこの国会中に出されるということに理解をしてもいいのかということを含んで、大蔵大臣、これどうですか。これは予算委員会での約束事でありまして、国会が延びたからまだ約束はいいんだということなんであって、本当ならとっくに終わっているんですからね。それまでには約束されながらやらなかったんだから、あなた方。これ、大蔵大臣まとめておやりになりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御指摘の地方財政法第十一条関係の法令整備につきましては、関係各省におかれて目下鋭意検討中であると聞いております。大蔵省といたしましては、法令所管の各省からの協議を受ける立場にありますことは御案内のとおりであります。関係各省からの協議があり次第、早急に検討の上法令の整備には協力してまいりたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵大臣、これはこの国会中にめどをつけるということは確認していいですか。できるところももちろんあるんですがね。一部分まだ、厚生省のように、おたくと一緒に相談していて――ところが、厚生省はある意味じゃ一番本質的に問題があるわけですからね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) この国会中という御要請でございますけれども、この国会中は無理ではないかというのが大蔵省の観測でございまして、次の国会までには仕上げねばなるまいということでせっかく努力しておると聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、次の国会までには具体的に提案をされると。もう時間がなくてあれですが、もう少しこの辺も細かくやらなければいかぬのですが、法制局長官、この資料でいただいた「(参考)」というのは何ですか。「(参考)」という部分ですね。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) この「(参考)」と申しますのは、この地方財政法が昭和二十七年に大改正をされまして、この第九条から第十条の四まで、それぞれ国と地方公共団体の負担の割合について、まあいわば原則的な規定を設けました以後に、このような法律が、主要農作物種子法以下の法律が制定をされまして、そこでその姿が十一条の趣旨とやや相異なるものがあるというものでございます。これはいわば公法として地方財政法があることを知りながらそのようなものが制定されたということで、いわば特別規定として考えられる。しかし、国の全体の法制の整備という点から考えれば、これについてもなお検討する必要はあるということで、「(参考)」として提示したというものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、いわゆる地方財政法制定の後にできた、後にできたから前の法律に違反していても構わないということではなくて、そこの部分というのは、当然直さなければならないということを前提とされながらこの「(参考)」ということですか。そう理解していいんですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) それが二十七年以前の――「(参考)」じゃなくて、前の妻の方に出しました十五件のもの、これはもう本来その十一条の規定の定めに従って、国の法制が全体が整備されるのは当然でございますので、法律なり、政令なりが整備されなければならないのに、整備されておらないということでございます。それに対して、この「(参考)」として提示いたしました分は、初めからその十一条の規定があるという前提でつくりながら、その法律自身でそれと矛盾したことを規定しておるということは、いわば特別規定的なものであると。ただ特別規定であるといっても、全体の法制としてはやはり同じような体制で整備することが望ましいから、これについても検討した方がよろしいということでございまして、おのずからそこには、本文の方にございます十五件のものについてよりは、いわば整備の必要の程度がそれに次ぐものであるというような理解をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、この「(参考)」の部分について、農林省と国土庁と建設省、どういうような検討を行っていらっしゃいますか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○政府委員(大河原太一郎君) 基本的な性格につきましては、ただいま法制局長官が申し上げたところでございます。でございますが、すでに、十五件中十件の、地方財政法との規定の整合性を欠くものが「(参考)」以外に出ておりますが、それらの規定とも性格が類似しておるものでございますので、規定の整合性についてはやはり検討しなければならないというふうに考えております。  なお申し上げますと、この十条から十条の三まで書いてございます経費の中には、相当古いものがございまして、すでに行政需要がなくなっておるというような経費等もございますので、それらの経費等につきましても、この際でございますので、詳細に検討いたしまして、先ほど政務次官が申し上げましたように、来国会にはこれを整備いたしたいというふうに考えておるわけでございます。

丸山良仁建設大臣官房会計課長

○政府委員(丸山良仁君) 公営住宅の建設に要する経費の、公営住宅法第七条、補助金等の臨時特例等に関する法律第十八条の問題でございますが、この点につきましては、公営住宅法の特例といたしまして、七階以上の建物について、原則は二分の一の補助でございますが、二分の一以内の補助をすることができると、こういう規定でございます。したがいまして、建設省といたしましては、現在まではそういう運用はいたしておりませんで、すべて二分の一で行っておるわけでございますから、特にこれを直さなければならないというようには考えておらないわけでございます。

斉藤滋与史自由民主党国土政務次官

○政府委員(斉藤滋与史君) 国土調査関係につきましては、種目、負担割りにつきましては、すでに決められておりますけれども、算定基準がまだ決められておりません。非常に算定基準につきましては内容が詳細にわたっておりますので、今日まで通達というような形でやっておりますが、早急に、財政法の立法趣旨に沿うように早い機会に改正をしたいというようなことで作業を進めております。  なお、特定地域総合開発計画に関する問題でありますが、これは二十八年から三十三年にかけて策定されまして、すでに二十一の地域がすっかり計画の終了を見ております。ただ、政令はその当時できておらないわけでありますが、なお特定地域制度については、国土総合開発法の基本的な再検討の中で適切な措置を考えていきたいと、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国土調査法第九条の二あるいは同施行令の第五条の三に基づく国庫負担の額というのは、四十九年度三十八億一千七百二十七万四千円、五十年度四十八億四千九百八十一万二千円。この法律に基づいて現在国土調査に従事する職員の人件費、これは、私の調査によれば、都道府県が負担する人件費の額は、国庫負担金の額に匹敵するほどのものです。これをこのまま放置することは、地方財政法十八条の趣旨に反する。当然来年度の予算要求で、自治大臣はこの人件費を負担の対象とする要求をされると、こう思いますが、その意思を確認をしておきたい。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいまいろいろと関係省からお答えをいたしておりますが、われわれとしては関係省にそれを要求をしてまいるつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで大蔵大臣、その要求は出るわけですね。これで大蔵大臣の答弁の最後にしますが、しっかり受けとめていただけますね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) お答えの前に、先ほど和田委員は複利預金の御質問だったと思うんですけど、私はまた福祉預金と勘違いしまして答えましたんですが、複利預金の方はまだ、民間の一部にそういう意見があるということは聞いておりますけれども、大蔵省としてまだ検討いたしておる問題ではないということをお答えさしていただきます。  それから、いまの問題でございますが、これはまあ将来のことでございまして、いよいよ自治省の方から要求が出てまいったときに慎重に考えさしていただきます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 慎重に善処いたします……。考えるだけじゃ、さっきからこのくらい論議してきて、予算委員会からずっと続けてやってきた、その結果が一つも出ないじゃないですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど私から申し上げたわけでございますけども、まあ超過負担をどう考えるかという問題との関連もあるわけでございますが、そういった関連も考えながら、誠意を持って処理さしていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 農林省、農業委員会等に関する法律第二条に基づく国庫負担の対象となっている人件費の範囲に、共済組合負担金、それから公務災害補償費、退職手当分が含まれておりません。これは地方財政法十八条にもとることはもとよりです。大蔵省ちょっとここの関係聞いてください。この地方公務員の人件費の国公並み平準化を指導する政府の態度としても、実はこれは非常におかしいと思っているんです。共済組合負担金、公務災害補償費、退職手当を当然国庫負担の範囲に含めるべきだと考えておりますが、農林省、それはそのとおりでしょう。

大河原太一郎農林大臣官房長

○政府委員(大河原太一郎君) 農業委員会の職員設置費につきましては、超過負担問題で当省関係としては大きな問題でございまして、実態調査の結果、二年計画で、本年度はとりあえず第一年目として号俸の差の是正を行ったわけでございます。その場合に、設置の場合に、先生御指摘の共済組合負担金その他について、経費の対象についてもこれを是正すべきかどうかという点につきましては、確かに御議論のあるところでございまして、超過負担の相当額、いかなる程度の超過負担と見るべきかというような点についてなお議論も残っておりますので、とりあえず初年度もその是正をしたところでございますが、来年度の予算の検討の際におきましては、対象の問題、経費の対象の問題等につきましても検討をさしていただきたいというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここの部分を、いまぼくは具体的なことを言ったんだから、具体的な部分も含んで。

大河原太一郎農林大臣官房長

○政府委員(大河原太一郎君) 御指摘でございますが、農業委員会につきましては、しばしば議論がございますように、設置の人員の対象でございます。対象自体の問題、員数の問題とか、その人件費の補助対象経費の問題とか、先生の御指摘は後段でございますが、それらを含めて、われわれとしては来年度予算編成までに検討させていただきたいと、しばらく時間をおかし願いたいというように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵省、いまやりとりしましたがね、十分頭に入れておいていただきたいと思います、もう少しこれ突っ込んでどうせ来年度予算までの間にけりをつけなきゃならぬ問題ですから。よろしいですか……。

名本公洲大蔵省主計局主計官

○説明員(名本公洲君) ただいまのお話でございますが、員数の問題につきましては、御要求が出てまいりました段階で、十分私どもの方といたしましても検討してまいるということに相なるかと思いますが、共済組合の負担金その他につきまして、これは補助対象をどこまで見るかという問題であろうというふうに思っております。ことし、五十年度におきまして、委託費につきましては、先生御承知のように、共済組合の負担金等も入れて算定いたしたわけでございますけれども、委託費は国が全額負担すべきものというたてまえでございますので、そういうことの措置を行ったわけでございますが、補助負担金につきましては、どこまでそれを対象にするか、現実に補助事業をやってまいる上におきまして、必要なる部分というものをどこで切るかという補助政策の問題として私どもも考えておりまして、御要求が出てまいりました段階で対象人員数とともに検討をすべきものであると考えておりますけれども、当然入らなければならないというふうなものであるというふうな認識は私どもとしては持っておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこのところは見解が違いますから、後ほどずっと詰めます。とにかくこれを問題として提起をする、こういうことだけ申し上げておきます。  そこで、ちょっと後始末で続けますが、先ほどの地方公共団体中央金庫の問題。大蔵大臣ああいうふうにはっきり言われましたが、これは自治省としては是非をどういうふうにお考えになっていますか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 毎回お答え申し上げておりますように、知事会等からも強い要望がございますし、自治省自体としても長い間の懸案の問題でございます。われわれとしては今後もこれの実現に努力をいたしたいという気持ちに変わりはございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、私は、中央金庫構想は現在の政府の行っている起債の許可制度、後ほどこの委員会で最終的に地方債問題に触れさせてもらいますが、つまり国による自治体支配機構のもとに、さらに金融の実際面を通じて国家の統制強化を図ろうとするものではないかという疑念が最近いたします。このことは政府資金に対する現在の繁雑な制度を見ても明らかだろうと思う。ここは注意しなきゃならぬところだと思うんです。で、私は中央金庫を設立させるという方向が仮に具体化した場合には、これは現在の地方債の許可制度というのは、廃止の方向で大幅に改めるべきだろうというふうに思っています。これは自治省としても十分心にとめておいてもらいたいと意見を申し上げておきます。  そこで自治大臣の地元の問題で一つだけお聞きを、ちょっと五省協定に入る前にいたします。  福井県の清水町で、五月十五日に四十五歳以上の女子職員に対する退職勧奨が行なわれた。本人の同意を前提とすると言っていますから一見問題はないように見えるかもしれませんが、しかし、現実には高齢女子職員だけをねらってさまざまな手段で退職の圧力をかけている。これは実質上の首切りであります。これは自治省も十分把握されていることだと思うんです。ここに清水町長の出した実は「退職勧奨の御案内」という通信文があります。それを読み上げたいところでありますが、時間もありませんから簡単に要約をいたしますと、特に女性だけを対象としている点でこれは不当差別であると考えます。性別定年というのは憲法違反であるとさえ考えています。それから従来の慣行を破って、突然、しかも余りにも一方的であります。内容が退職勧奨の域を超えていると思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになりますか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 清水町におきまして退職勧奨という問題が起こっておりますことは、和田先生御指摘のとおりであります。一般的に、地方団体が新陳代謝を促進して公務能率を増進するという立場から、希望退職を募るといいましょうか、退職勧奨の制度をとっておりますことにつきましては、やり方には若干問題があるといたしましても、一般的には適当な措置だと思っておりますが、今回の清水町の事件につきましては、県を通して調査したところによりますと、若干行き過ぎの点もあるようでございます。そこらの点につきましては、十分よく職員の理解を得ながら話を進めていくということが必要であろうと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 進めていくというよりも、国際婦人年というその年にこれはもう大変けしからぬことでしょう。そこだけはっきりしてください。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 男女について勧奨退職の年齢に差をつけるかどうかという点につきましては、いろいろとこれは男女差別の点で問題になるところでございます。国際婦人年の年だからどうということではございませんが、そこらの点につきましてはよくやはり労働条件その他を考えまして慎重に対処すべき問題だと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それだから、いままで自治省が指導をされてきたのは、この四十五歳のこういう形の定年制のやり方というのはいかぬと、改めなさいと、そういう形で指導をされてきましたか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 自治省といたしましては、基本的にはこの制度はそれぞれの地方団体の独自性といいますか、自主性でやることでございますので、格別何歳でどうしろといった指導はいたしておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いやいや、逆の意味だ。四十五歳で出たやつについて、そういうのはやっぱり好ましくないという態度で接してこられたか、まあ指導ということになれば問題があれば、自治体のいわゆるやり方について。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 今度の場合に特に指導したことはございませんし、いま先生御指摘のように、個別的に何歳がいいとかいったような指導はいたしておりませんが、やはり年齢を幾らぐらいで勧奨するのかという問題につきましては、やはり職員の意向等もございましょうし、町議会の意向といったようなものも考えながら、適切な線で行っていくべきであろうというふうに思っております。今回の点につきましては、若干そういった点では従来の――従来どうも五十歳以上ぐらいのところでやっていたようでありますが、それを町議会とも相談しながら少し年齢を下げようと、近隣町村の関係等もございまして、下げてやったらどうかといったような相談をしておったようでございます。したがって、そこらのところが、職員団体の意見も聞き、町議会の意見も聞くといったかっこうでスムーズに行われたならばまあよかったんじゃないだろうかと、いま考えてみますと、いろいろと慎重に対処すべきであった点があるんじゃないだろうかと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 とにかくこれはやり方としては非常にまずかったと。端的に――時間もないですから。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 非常に歯切れ悪うございますのは、三千の地方団体を個別的に指導いたしておりませんで、県を通しての指導でございまして、いろいろと、たとえばこの職員団体の連合体の代表あたりから聞いたり、地方を通して聞いたりしておりますために、確信を持って言えません。ただ状況から判断すると、ただいま先生御指摘のような問題点があったであろうということを申し上げたわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 特にこれは地元の人が見えてますから、私はこれ以上のことを言いませんが、問題としたいのは方法なんですよ。この退職の勧奨については、清水町の二月の広報で触れられている。そして、何ら事前の話し合いがないまま、小さな町じゅうに知れ渡ってしまったんですね。それから、広報が出て以後組合側は再三話し合いを申し入れたが、町長は全く受け付けない。現在に至るまでただの一度も話し合いの機会が持たれていない。ただ、三月に二回、全職員及び女子職員のみを集めて町長の訓示が行われた。それから一方、対象女子職員の家に何が行われたかと言えば、町長、助役、保守系議員などが説得という形の強迫を行っているわけです。その結果家庭争議が起こる。小さな町でありますから、近所や親戚にもいろいろ言われる。中には御主人が交通事故に遭って、三人の子供を抱えてノイローゼになってしまう。そうなると人権問題ですよ、これは。町のやり方というのは、家庭争議であろうが女性の差別であろうが手段を選ばない、こういう形になっているんですね。家庭争議を起こさせるというような状態をつくっているわけですね。さらに、「退職勧奨の御案内」の末尾に、「御返答がない場合は、勧奨に応じていただいたものとして処理いたします。」と、これは一体何ですか。人の運命を決めるのに、全くこれは常軌を逸してますよ。こういうように、もうもろもろの点で人権擁護上の問題さえ実は発生しているんです。あなた方の立場が、個々の事態に対して直接的にいろいろな指導をしないという立場、それは私も尊重しましょう。ところが、賃金なんかじゃ、おまえ高過ぎるじゃないかと言って指導していて、こういう問題じゃ歯切れが悪いというのは本当は許せないんですがね。で、退職勧奨の理由として挙げられていることはまさにスクラップ・アンド・ビルドの考え方そのものであって、労働者の生活権を一切考慮してないんですよ。自治省は、この清水町の措置というのは好ましくないと、こういうふうに述べられていることも知っていますが、しかし、そもそもこうした事態を生ずる背景というのはあなた方の方にもあったんだと私は思うんですよ。したがって、これはもう正確に事情を聴取して適切な措置をとる必要がある。特に自治大臣の地元でこんな不幸な状態が長い間起こっているという形、しかも私は、この町長はどなたのすぐれた後援会のなにであるかということをみんな知っていますからね、そんな政治的なことをいま出そうと思いません。したがって、そういう点も勘案をしながらこの処理というものを、私は、県を通じてやられるなら県を通じてやられる、間違いであるということを明らかにしながら急いでもらいたいと思うんですが、大臣、この辺どうですか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) その前に。いま御指摘のように、今度の退職勧奨が全般的に間違っていると思いませんが、先生御指摘のような点について適切でないと考えられるものがございます。私もそういうお話を聞きまして、県を通しまして十分町長なり職員団体の意見なりというものを聞いて、適当でない部分は調整してほしということを直接私も連絡いたしました。そこで県の方でも、総務部長を中心にいろいろと調整に当たっているはずでございます。どうもまだはっきりいたしませんけれども、町当局と町の職員組合との間に大体話がつきかけているんじゃないだろうかという話も聞いておりますが、いま先生の御指摘もございますので、改めてまたその後の情報等をとって、適切な措置が講ぜられるように県を通して指導したいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) いまお話を承っておって、また、何といいますか、「退職勧奨の御案内」という文書を見ますと、いささか配慮に欠けておるところがあると私は思います。十分にこれは、こういうことはやはり注意してもらいたいものである。また、注意を今後はすべきものである、こう思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 関連。  時間がないので四、五分でとめたいと思いますが、いま和田委員からもう全部問題出たと思いますが、二、三点だけ伺いたいと思います。私がこれを申し上げるのは、自分の県であるということもありますが、しかし、地方財政が困窮化する中で、ストレートに人員整理という方向に結びつく、こういうことが見逃されるとすれば非常に大きな影響を及ぼしていくと、こういう点で私は自治省の見解と対処を求めたい、こう思います。  いま和田委員がお話しになりましたが、広報にやっぱりこういう勧奨の問題、言うならば労使関係を町の広報を使って全町民に出していくというようなことは、余り望ましいといいますか、好ましくないと思いますが、この点ちょっと行き過ぎがあるように思いますが、どうですか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 先ほどの和田先生の御質問に若干お答えが足りなかったようでありますが、私どもは別段、人件費の問題をいま取り上げておりますが、首切りといいましょうか、そういったことを直接指導した覚えはございません。やはり職員の配置については適正な管理を行ってほしいということは言っておりますが、問題は、いまのところは実は人件費の問題は水準でございますけれども、きょうはそこを言う必要はございませんが。それから広報を使った点でありますが、私も六月の広報をちょっと取り寄せて見ました。そうすると、何か五月の中ごろでございましょうか、地元で相当新聞紙上に出たようでございまして、地元民が真相がわからずに大分騒いだような形勢もあるようであります、純粋な意味で。そこで、町長が、どういうかっこうでこうなったのかという事情を町民にお知らせしたいというかっこうであったと思うのであります。拝見いたしますと。  そこで、その町広報を労使問題について使ったのは適当かどうかということになりますと、そこらのところは慎重に考えてみなければならぬ問題でございましょうけれども、相当地元の新聞に取り上げられて、町民が関心を持っていたということになりますと、ある程度その事情を説明するというのも、場合によっては地方政治としては必要な措置ではなかっただろうか、そういうふうに感じます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 広報ごらんになっているんならいいですが、この広報が町内に全部ばらまかれて、環境的には四十五歳以上の職員の女の方はやっぱり勤めにくいというような、こういう空気ができて、そして町当局は何か八人のところを一人一人訪ねて説得――いい意味では説得ですね、しかしある意味においては一つの圧力をかけて、これはやめざるを得ないというような状況を強制的につくっているということにも私はなると思うんで、その一連の動きを見ると、やはりどうも行き過ぎがあるように思いますが、この点はいかがですか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 実は地方団体におきまして、職員の新陳代謝、それの公務能率の増進といったものをどうしてやるかについては、当局者大変苦心しているところでございまして、定年制の問題等もからんでくるわけでありますが、いろいろな情勢でそれができませんので、地方団体いろいろと知恵を出しまして、こういう勧奨退職制度をとっておりますが、その場合でも、私どもはいままでいろいろと相談にもあずかりまして、個別的にも意見を聞かれたりいたしますと、やはり勧奨退職制度というものは本来本質的には本人の意思によるものでございますから、やはり本人の意思を尊重する立場でやるのが勧奨退職制度の本質だと思います。それであるからこそ、本人の意思を尊重するがゆえにこそ、勧奨退職制度では余り実効が上がらないという心配を、うらみを持っている点もあるわけでございますが、いま先生おっしゃいましたように、個別にうちまで行っていろいろやるといったようなことがあったとするならば、それはやはり行き過ぎの面もあったんじゃないか。その意味では、私は和田先生にもお答え申し上げましたように、この事件については若干当局の方にも反省していただく点があったのじゃないだろうかというふうに申し上げているわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 県当局をいろいろ助言や行政指導されておりますが、県の方はどう言っていますか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) この事案が初めて新聞に出たときに、私どももちょっとどういう状況だということを聞いたのでありますが、当時から地方課が、地方課というものは御承知のように市町村行政指導の窓口でございますが、地方課もちょっとやっぱりおかしな点があるんじゃないだろうかということを言っておりました。そこで、私も総務部長に対しまして、これはいわば地方課の属する部でございますが、総務部長に、若干問題があるようじゃないか、そこのところを問題点をよく解明して、そして十分そういった無理のないように指導すべきじゃないかと。そこで総務部長あたりも町長さんを呼んだりしていろいろと事情をお聞きになったり、それから自治労の県本部の職員とかを集めたりしてお話をされるといったような措置も講じているようであります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 今後も県の方と連絡をとって、事態の収拾のために、助言もしくは行政指導を強化をされる考えはありますか。

植弘親民自治省行政局公務員部長

○政府委員(植弘親民君) 先ほどもちょっとお答えしましたが、私ども一般的には助言、指導するのでございますが、個別的にはとことんまでということになると、若干の障害といいましょうか、問題を蔵しております。もちろん、県といたしましても最終的にはそう強い強制力は持てないと思います。やはり自治体といたしまして、当局がどう考えるかというのが一番大事でありますが、それにいたしましても、常識的でないといいましょうか、適正でない、そういった無理な点があるとするならば、県も当然技術的な指導、助言の立場から協力指導すべきであるし、私どももそういう点については県を通してお願いしたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 最後に大臣に。この間、福井の方でもちょっとお目にかかって耳には入れておきましたが、いま和田委員も言われるように、自治大臣の出身地でこういうことの問題が出るということは、大臣にとっても不本意なというか、遺憾に思っていらっしゃるのではないかと、私はそう推察します。そこで県当局に対して、また直接には町当局というわけにはいかぬと思いますが、県を通して適切な助言、指導等によって事態の収拾をひとつ速やかに図られるように、私は大臣に強く要望いたしたいのですが、その点についての御所信を伺って終わりたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 御趣旨に沿って善処をいたしたいと思います。

原文兵衛自由民主党

○委員長(原文兵衛君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後七時三十九分散会

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