地方行政委員会 第13号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/19
会議録
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十八日、遠藤要君が辞任され、その補欠として井上吉夫君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神谷信之助君 次官通達をめぐる問題についてお伺いをしたいと思います。先般出された次官通達で、財政健全化計画の策定、これを提起をして、そして地方債の弾力的運用の措置を述べておられます。 そこで、まずお伺いをしますが、この計画策定は赤字団体だけを対象にしてお考えになっているのか、それとも赤字、黒字を問わず、より広範な団体を対象にお考えになっているのか、まずこの点をお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕
○政府委員(松浦功君) 私どもで次官通達の中に、健全化のための計画を策定し、当該計画に基づいて財政構造の健全化を図る計画をおつくりになった場合に、地方債の弾力的な運用等による財政措置を講ずることを検討しておると。そうしますというわけじゃなく、検討しておるということを次官通達の中に書いております。その点はただいま御指摘をいただいたとおりでございますが、ここに書いてございますように、財政構造の健全化、要するに高度成長時代のいろいろな――まあこういう言葉を使うとおしかりいただくかもしれませんが、ぜい肉だとかあるいはごみのようなものがたまっているというような事態があり得ると思います。それをきれいに一度オーバーホールし直す、そういう観点での財政構造の健全化ということを考えておりますので、これは地方団体が全く自主的にお決めを願うものだと私どもは考えております。したがって、赤字であるか黒子であるかを問わない、黒字の団体でも、いまのうちに財政構造をよくしておこうというところについては協力をいたしたいと、こういう気持ちでおります。
○神谷信之助君 その計画の内容ですが、それについてどういうような柱が含まれるべきだとお考えになっているのか。すなわち、自治省の方で、この計画の一定の基準といいますか、枠といいますか、そういうものをお考えになっていると思いますが、いかがですか。
○政府委員(松浦功君) これはまだ私どもとしても確定的なやり方というものを決めておりません。自主的に地方公共団体で、ぜひ自治省の考え方に乗って構造の合理化を行いたいという団体が具体的に計画をおつくりになっておいでになる事例が今後出てくるのではなかろうか、そういうものを一つの、たたき台と申し上げては失礼かもしれませんが、ケーススタディというような形で、個々の団体の御意見を伺いながら、ある一つの方程式をつくっていったらどうだろうかという気持ちを持っております。 そこで、そうは申しますものの、われわれが頭の中でどういった点に問題があると考えているかということになりますと、機構の簡素化の問題でございますとか、あるいは定員管理の合理化、あるいはおしかりいただくかもしれませんが、プラスアルファがあるところはどうするかとか、それから給与水準が三五%も高いところは、一体どの程度までどうやって持っていくとか、それからさらには行政経費の中にいろいろ金の使い方もありましょうし、それから補助金等についてもいろいろ問題のあるところがございましょう。そういったものを自発的に御検討をいただいて、年次計画でどういうふうにするというような案を定めていただくのがわれわれの考えている通常の姿ではないかと、こういう気がいたしております。
○神谷信之助君 その年次計画と言うんですがね、それは大体何年ぐらいをお考えになっていますか。
○政府委員(松浦功君) 地方債との関連もございますので、私どもは二年ないし一番長くても三年、そのぐらいの考え方でございます。ただ、これは第一次でおやりになって、それで不足であるから、さらに第二次をおやりになるということでも結構だと思っております。と申しますのは、ここまで申し上げてしまっていいのかどうかわかりませんが、基本的な考え方を申し上げてみますと、たとえばある団体で、人件費、行政経費その他いろいろのものを含めて五十億の節減計画をお立てになる、構造改善のための計画をおつくりになった。それを二年でやるということになりますと、初年度は二十五億、二年度を二十五億、こう仮に計画をおつくりになったとしますと、五十億の合理化計画をきっちりした形でおつくりになったけれども、初年度は二十五億しか財源が浮いてこないわけです。二年目にならないと残りの二十五億は効果が起きない。それだけまっとうな計画をおつくりになったならば、初年度の二十五億はもうすでに財政上効果を生じますが、生じない二年目の二十五億の分について、地方債の発行を認めて差し上げたらどうだろう、そうすると、初年度においてすでにこの合理化計画が全部達成されたと同じ財政効果が生ずる、この考え方がいいんじゃないかと思って、この考え方を中心にいま検討をいたしております。
○神谷信之助君 そこで、具体的にちょっとお伺いしたいんですがね。財政の健全化を図るためにいろいろな方法があると思うのですね。仮に自治体の方が、いまおっしゃるような人件費の抑制あるいは人員の削減、機構合理化、これを一定の程度仮に繰り込んだとしても、自治省から見れば、それではきわめて不十分だと。一方しかし財源は得なければなりませんから、税源拡充のための、たとえば法人の超過課税とか不均一課税とかあるいは法定外普通税の創設など、そういうものも織り込んで、そして歳入を確保しながら福祉その他のいろいろな諸事業をやるというような、そういう計画が自治体の方で自主的に出てきた場合、そうすれば自治省としては、どういうように対応されるわけですか。自治省の、いまおっしゃったような頭の中でお考えになっているような、そういう財政構造自身を変えるような、あなたの言葉で言うならばぜい肉を取り払うようなそういう計画でなければ認めるわけにはいかない、あるいは弾力的な地方債の運用なんかを検討するわけにはいかぬということになるんですか、その点はいかがですか。
○政府委員(松浦功君) 増税の問題とこの問題とは全然別個の問題でございますので、私どもとしては財政構造がよくなる、そういう計画部分だけを取り上げるということを考えております。しからば、やり方が不十分じゃないか、もっとちゃんとしてこなければ合理化計画とは認めないよという言い方が私どもにできるかどうか、その辺のところは私は非常に問題だと思うのです。ですから、自発的におつくりになった計画をお持ちいただくわけですから、それについて私どもが心の中で価値判断をしても、私どもが考えているところまで持ってこなければ合理化計画とは言わない、そういう言い方は私どもはしたくないと思っております。 ただ御承知おきを願いたいことは、たとえば財政規模が三千億の県で五億円の合理化計画を持ってきて、これ二年度でやりますでは、問題になりません。数量との財政的な観点から、そういうものは私どもはお断りすると思います。しかし、給与の合理化がこれじゃ不徹底だと、それは意見としては申し上げるかもしれませんけれども、向こうがこのままでとおっしゃる以上は、計数的に財政的にこれが確かに役に立つし、将来財政構造の問題としてはいい効果が起こるという判断ができれば取り上げるという方向で行くべきじゃないかと思っております。いま申し上げましたように、合理化計画をつくってくれば無制限に起債を認めるというわけじゃございませんから、合理化計画が大きくなればなるほど起債を認める量がふえるという仕組みにはどうしてもせざるを得ない、こう思っておりますが、その辺のところは、個々のケースケースによって私ども良識をもって判断をしていきたい、こう考えております。
○神谷信之助君 先ほどおっしゃった定員の管理の問題とか、それから給与費をうんと減らすという問題、これはいままでの論議の中でも、自治大臣の方は、一遍に一年なり二年なりにやれというようなことを言っても無理な問題なんだと、そういうことまでは言ってないというようにおっしゃっているんですが、これでいきますと、二年ないし三年ですね。これはしかしずっと一定の措置をすれば、人件費ですから後年度へずっと影響していくわけですよね。初年度自身にはそう大きい削減にはならなくても、長期的に見れば一定の影響が出てくる、こういうことになってくるわけでしょう。ところが、いまのお話を聞くと、それが三千億と五億という、これまたそういう極端な例じゃなしに、一定のそういうものというものは出てくる。特に幾つかの自治体で、機構の簡素化なり合理化なり、それから高級職員の一定の整理なり、そういうものを徐々に改善をする方向というのが幾つかのところで出だしてきていますが、その程度が多いか少ないかということについて、自治省としては、それではいけませんとかどうとか言えないにしても、その程度に応じて地方債の運用の範囲というものが変わってくるということになると、実際は自治省の好ましいあるいは望んでいる、そういう合理化計画を持ってきなさいということに結果としてはなるわけです。この辺のところはいかがですか。
○政府委員(松浦功君) 私ども申し上げておりますのは、大臣のおっしゃるように、特に給与費等の問題、あるいは定数管理の問題等につきましては、短期間に結論が出しにくいものもあると思うんです。これを非常に長期の計画にいたしますと、初年度からそれだけの合理化計画が行われたと同じような効果が生ずるためには、二年目以降の起債を全部認めないとそうならないわけです。そうなりますと、余りにも起債というものを二年度以降にいろいろと考えてやらなければならないという問題が起こってきて、起債計画とのずれが起こりますから、二年ぐらいで計画をおつくりいただいて、それが終わったら第二次計画をつくってもらうということでも私は構わないと思っております。しかも、先ほど来先生がおっしゃっておられるように、起債の額が云々ということでございますが、たとえば二年計画でございますと、さっき申し上げたように、五十億の健全化計画をお立てになれば、二年目の二十五億だけ起債を初年度に認めてしまおうと、こういうことでございます。この合理化計画の及ぶ影響の金額がどれだけ大きいかということによって起債額は伸び縮みするということを申し上げているだけでございます。これはもう方程式と同じだと私どもは考えております。
○神谷信之助君 それじゃ次に進みますが、計画の策定に当たって自治省の方はいわゆる指導助言という形で、何らかの介入あるいは関与、こういうことをやるお考えをお持ちなんですか。
○政府委員(松浦功君) たとえば四〇%給与の高いところが五%給与水準を下げるための計画を二年計画でお持ちになった。それが合理化計画であるかどうかということになると、われわれは非常に問題を感じます。ですから、それは私ども指導助言という意味で提言ということはいたします。強制をするつもりはございませんが、指導助言という形のことは当然あり得ていいんじゃないかというふうに考えております。ただ地方団体が自主的におつくりになったものですから、それによってどうしてもとおっしゃるのであれば、先ほどの三千億と五億ではこれは問題になりませんけれども、ある程度一定のまとまったものになれば、地方団体の意向をできるだけ取り入れるという方向で処置をすべきものというふうに考えます。
○神谷信之助君 そこで、さらに聞きたいと思うのですが、自治省の方では、七月一日から地方財務調査官制度を発足させようとしているというように聞いていますが、この目的は一体何ですか。
○政府委員(松浦功君) 御承知のように、いまの財政局の中は、公営企業を除きまして五課になっております。それぞれ所管の行政を持っておりますので、地方公共団体にどういう問題が起こっておるか、地方公共団体がどういう点で苦労をしておるか、そういった面について、ゆっくり御相談に乗るというようなチャンスがないわけでございます。財政課長の場合でございますと、これは特交を何とかしてくれという話ばっかり。それから交付税課長でございますと、交付税の単位費用、 〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 補正係数がどういうお話。地方債課長になりますと、もう全くどこの会館を建てるから地方債を認めてくれと、こういう話ばかり。指導課があるじゃないかとおっしゃいますが、指導課の方も、これはいろいろの業務を持っておりまして、決算統計でございますとか、大変な仕事を持っております。 そういう意味で、指導課の全体的なブランチと申しますか、手足というような考え方で、指導課長を含めて三人の財務調査官を設けて、これを方面別に分けて、西部、中部、東部というぐらいに分けて、それぞれのところで、困った悩みごとがあったり、こういう問題が起こってぜひこういうものをつくりたいのだけれども一体どうしたらいいだろう、そういうような御意見まで全部ここで御相談に乗って差し上げたい。そうしてこの調査官が相談に乗って、なるほどある県の体育館というものはぜひ全体の大勢から必要だというふうに判断をすれば、調査官が地方債課長にこの起債を認めてやってくれということを連絡をする。その場合には、もう地方債課長は黙って財務調査官の意見に従うと、このぐらいの形で財務調査官にある程度の権限を持たして、相談業務の決定と、こういう意図を持って発足をする、こういうことでございます。
○神谷信之助君 そうすると、いまのお話ですと、指導課長とそのほかに三人ですか。
○政府委員(松浦功君) 二人です。
○神谷信之助君 そのほかに二人、合計三人で、全国を三つに分けて、一人で東部、西部、中部と持つわけですね。この財務調査官が大体オーケーと言えば、起債ももらえる、あるいは交付税の点でもいろいろ話が進む、あらゆる権限を持つわけですね、そういうことになるわけですか。これは、自治法上はどういう権限根拠というか、権限を付与するということになりますか。
○政府委員(松浦功君) 財務調査官は財政局の職員でございますから、内部の問題として、財務調査官がこういうものの起債は必要だと認めて、地方債課長に財務調査官から話があった場合には、そのようにしろということは私が指示をするわけでございます。そういう指示をしておけばそういう形になるはずです。これはもう権限とか何とかという問題ではございません。内部の運用の問題でございます。 財務調査官の権限は一体何かということになりますが、これはやっぱり財務の調査、指導、法律的にはそういうことになると思うのでございます。別にこの調査官に法令上特別の権限が与えられる、そういうことはありません。
○神谷信之助君 自治法の二百四十五条、あるいは二百四十六条の権限ですか、どちらの権限になりますか。
○政府委員(松浦功君) 当然、自治法に書いてある財政の規定は全部調査官のところにそういう一部権限がいくというふうにお考えいただく。二百四十五条というのは依頼を受けて調査をする、二百四十六条は、必要がある場合に資料の提出を求めると、この権限は当然分与されるという考え方です。(「徳川幕府のお目付か」と呼ぶ者あり)
○神谷信之助君 いまも出ましたけれども、そうすると、これはなかなか自治体の方から依頼があればやるし、あるいは自治省の方から必要があれば財務調査もやる、こういうことになるわけですね。だから、まさにお目付役といいますか、検非違使みたいな仕事になるわけです。しかも、ちょうど財政再建化計画の策定を次官通達で指示をする、その時期にちょうど合わせてこの調査官制度、これを設けたということは、計画策定に当たっての、調査官自身が助言あるいは勧告を具体的にやるということを予定をしてそういうものの制度を課されるというように考えるんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(松浦功君) 財務調査官は、昨年の予算ですでに私どもとしては政府部内の内部的な事項としては決定しておったわけでございます。それに健全化計画というものを合わせるという形でやったということではないわけです。結果的に健全化計画ということを次官通達の中でうたいましたので、個々の団体の相談事に応ずるということから、ゆっくり話を聞き、相談に応ずるということのためには財務調査官の方がいいだろうと思いますので、恐らくここでまとめていただくということになろうかと思いますけれども、別にそういう意図はございません。 それから、先ほど御指摘いただきましたように、検非違使的だというお話でございますが、私ども二百四十六条で調査に行ったことは実際にはないのでございます。東京都は形式的に、調査に参りましたのは二百四十六条という条文を使った形式にはなっておりますけれども、実質的には、知事さん、副知事さん、口頭でぜひやってくれという御依頼を受けて、ただ正式の文書が来なかったために形式的に二百四十六条の形になったと聞いております。地方団体がいやがるものに対して、私どもは乗り込んでどうこうというつもりはございません。 ただ、二百四十六条というのは、御承知のように、資料の徴収まで入っております。決算統計の細かな分析などをしていただいてお届けをいただかないと、これは御承知のように何もできないわけです。一カ所がこぼれますとどうにもならない。それはあの法律の根拠によって、出さないものは出してくれと私どもは言うつもりでございますけれども、乗り込んで具体的な内容を調査をしてどうこうというような気持ちは持ち合わせておりません。すべて二百四十五条、実質的に二百四十五条、いろいろの都合があって公文書で調べてくれということが言えなくても、少なくとも市長さん、助役さんがおいでになって、あるいは知事さん、副知事さんがおいでになって、ぜひ中身を一度調べてどこに問題があるか教えてくれというお話があった場合のように限定をしていきたい。このことは、私どもとしては間違いなくやっていきたいと思っております。
○神谷信之助君 局長の話は、なかなかきれいごとなんですがね。実際は、いまの自治体と自治省との関係というのはそういう関係になってないですから。 そこで、例の昭和三十年の地方財政再建促進法ですね。あれで、御承知のように、経費の節減、それから税徴収の強化計画、あるいは増税計画、これを中心にした再建計画を作成をする。そして、自治庁長官――当時は自治省じゃない――自治省の大臣の計画に対する条件の付与及び承認が行われる。さらに、計画変更の勧告や、あるいは従わない場合には再建債の利子補給を停止するなどの措置がいろいろ決められているわけですが、つまり、再建債発行なんかの若干の財政措置と引きかえに、自治省が各種の合理化計画を強要するという、われわれはきわめて重大な自治権に対する介入だというように言っておるわけですが、今回のこの健全化計画とそれに基づく地方債の弾力的運用というのは、基本的な考え方としては、再建促進法の手法、やり方を、今度は赤字団体だけではなしに全自治体に拡大をして、そして適用していくというように私ども考えるわけです。そこで、この再建促進法は、当時自治体の財政危機を利用して、そういう地方自治への権力的な介入、統制強化、こういうものを図った悪法だと、私は主張しているわけですが、しかし悪くても法律は法律なんです。ところが、今回はそういう法律的な歯どめもなしに、行政措置で次官通達というものでこれを大体やろうとする、これは一層私は重大な問題ではないか、いわゆる行政権の乱用になりはしないかというふうに思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(松浦功君) 財政健全化計画は強制的な要素を何も持っておりません。あくまで自発的に地方自治体がそういう行動に出られることを期待しつつ、そういう行動に出られた場合についてのことを言っておるだけでございます。したがって、これをつくったから、つくらないからといって他の面での取り扱いに差別をつけるつもりは毛頭ございませんし、これをおやりになった団体の方が将来に向かって財政構造がよくなるわけでございまして、財政運営が楽になるだろうと、こういう善意から出たものでございます。自分で将来の体制をいま固めたいとお考えになるか、次官通達であるからおれの方は反対だからやらないとおっしゃるか、これは地方団体の私は御自由だと思っております。私どもは何も介入をするつもりはございません。
○神谷信之助君 形式的に言うたらそういう言い方になるんですよ。しかし、現実にいま自治体の財政というものはもうにっちもさっちも行かないところに来ていますから、そこで特別に地方債の枠を認めてもらえるということになると、それこそおぼれる者わらをもつかむで何とかしてもらいたいということになってくる。ですから、表面上はもうお願いしたいということになるでしょう。そうしたところにこの財務調査官制度があって、そうしていろいろそういう御苦心については御相談に乗りましょうと、何かきれいな言葉でおっしゃる。それでいろいろ言われて結局自治省の考えている合理化計画を策定をする、そうすれば言うたとおりの地方債は余分に見ましょう、調査官がうんと言えば、地方債課長はそれでもう無条件に地方債の発行は認めると、こうなるんですから、これはまさにそういう非常にきれいな、表向きはきわめて民主的な装いをこらしながら、実際上はもう弱みに落ち込んで困っている自治体を、頭を下げて自治省に頼みに来させるようにしむける、こういう仕組みでしょう。いままで、前の地財再建法の方は、これは法律で、悪法としても法律で決まっていて、それは法律ですから一定の歯どめもあります。今度のは法律じゃないんですから、おっしゃるように、皮肉な言い方をすれば、自治省の側の善意でどのようにでも合理化計画を押しつけることが可能になる、善意で。将来のあなた方の自治体の財政を考えればこうなさらなければ大変ですよと非常におっしゃる。そういうことをやってもらうならこれだけの起債は認めましょう、こうなるんですから。歯どめのかからないまさに善意の発展で、自治体に対する結果的にはそういう支配、介入が行われる、こういうことになるんじゃないですか。
○政府委員(松浦功君) そういうふうにお考えをいただけば、私がここで幾ら百万言を費やしても御納得はいただけないと思います。したがって、これからのわれわれの行動を見て、ただいまの御批判が当たっておればそのときにまたおしかりを受ける、こういうことにさしていただきたいと思います。
○神谷信之助君 それじゃもう少しその点具体的に聞きますが、今度のこの通達の中で、退職手当債の発行を認める問題が提起されていますね。これは、この地方財政法の五条一項には、適債事業について御承知のように厳密な規定を設けて、そして地方債を一般財源に充てることを原則的に禁止をしているわけですね。したがって、この退職手当債というのは、財政再建の特別措置法で例外的に決められてある以外は、現行法上は許容をされていないんじゃないかと思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(松浦功君) 退職手当債は再建特別措置法の二十四条、これに基づいてやることになっております。
○神谷信之助君 だから、再建団体になっていない場合ですよ。先ほどの再建化計画あるいは退職手当債――再建団体になれはその除外例かありますから、退職手当債の発行はできるわけですね。しかし、再建団体の適用になっていなければ――なってなくてもできるんですか、退職手当債は幾らでも。
○政府委員(松浦功君) 再建法の二十四条には、「地方公共団体は、当分の間」、こういうことになっておりまして、再建団体であるかないかを問わない規定になっております。したがって、現在でも、二十四条に合致するような方法をおとりになってうちに申請がありました場合には――ほとんど例がございませんが、お認めをいたしている、こういうことでございます。
○神谷信之助君 これはますます重大ですね。そうすると、再建促進特別措置法に基づく退職手当債を、計画策定と相まってそしてこれをどんどんと必要に応じて認めていくと、そういうことになるわけですか。
○政府委員(松浦功君) そういうことではございませんで、再建措置法の二十四条には、「地方公共団体は、当分の間、職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により職員を退職させる場合」とずっと書いてございまして、「退職手当の財源に充てるため、地方財政法第五条第一項ただし書の規定にかかわらず、地方債を起すことができる。」ということで、全く裸で書いてあるわけです。ですから、ここに書いてございますような、職制若しくは定数の改廃又は予算の減少という形がはっきりした形で職員を退職させる場合、これだけの退職手当がかかりました、これに退職手当を認めてくださいと言ってくれば法律的には認めることは可能になっているわけでございます。これまでにもこういう二十四条にのっとって申請をしてきたところはお認めをしておるわけです。これは健全化計画をつくるとか、再建団体であるとかないとか、そういうことには関係ないわけでございます。
○神谷信之助君 ところが、そうすると何ですか、再建化計画で地方債の弾力的運用を検討すると言っておられるのは、退職手当債以外のことを考えておられるということですか。具体的にはどういうものを考えておられるんですか。
○政府委員(松浦功君) その点、ちょっと説明が不十分で、誤解を先生に与えて申しわけなかったところはおわびいたしますが、こういうことでございます。先ほどのように五十億の合理化計画をつくった。そういたしますと、二十五億、二十五億ということでございますと、計画をつくった年の二十五億は財政的な効果は起きます。残りの二十五億は翌年度の合理化計画が終わらないと効果が起きないわけであります。そこで初年度に、そのまま五十億の合理化計画が行われたと同じような行財政ができるようにということであれば、二十五億の起債を認めなければならぬと。この二十五億は、その団体に、地方財政法五条第一項ただし書き、ここに書いてある事業でなお起債を充当していない部分があった場合には、二十五億を限度として事業債として認めたい、こういうことでございます。
○神谷信之助君 それは別にそういう計画に乗らなくっても、五条一項に基づく適債事業であるなら認めるということはできるわけでしょう。計画がなければ認めない。計画を出したら認める。認めるという限りは五条一項の適債事業であるわけでしょう。適債事業であるなら計画がなくても認めるべきなんでしょう。
○政府委員(松浦功君) これは全体の地方債計画の問題でございまして、その枠内で適債事業に対しての配分を行う。私どもいま考えております健全化計画に対する地方債は、枠を超えてでも、その団体に対して初年度から合理化計画の効果が起こるようにしてやるために認めてやりたいという方向で、大蔵省と折衝をしております。しかも、これらの合理化計画を行われるということは、起債をお認めしても償還能力が高まるわけです。ところが、何にもしないところにお認めすれば、ますます償還能力を圧迫するという形にも財政的にはなってくるわけでございまして、その辺のところは私どもとしては振り分けてまいりたいという気持ちでおります。
○神谷信之助君 そうすると、それじゃいまそういうことで枠外債でこの計画に基づく地方債は考えるということですね。それはどの程度いま額を大蔵省に交渉されているわけですか。
○政府委員(松浦功君) 基本原則としては、枠外債でやるということについて、大蔵省と余り意見の食い違いはないように私どもは思っておりますけれども、額がどの程度になるかは私どもは全然わからないわけなんです。地方公共団体がどれだけの形で私どもの方に自発的に御計画をおつくりになってお持ちいただけるか、それによって額は決まると思います。
○神谷信之助君 いや、仮に枠外にしても、一定の枠外の総枠、これはなしで、自治体の方から言うてくればそれに応じて、これはもう仮に三千団体まで全部かどうか知りませんが、その多くが出してきた、それがどれだけの地方債の総額になろうとも、それはもう文句なしにどんどんと枠外で認めていくと。いわゆる地方債計画の中には組み込まないで、その外の分としてこの計画に基づく地方債については承認をする。その額が何ぼになってもそれはもう無条件に認めるんだと、そういうことですか。
○政府委員(松浦功君) 御承知のように五条一項ただし書きの適債事業、これの起債の充当の残りというものは一定限度がございますから、無制限になるとは私どもは考えておりません。その限度がいっぱいだと思います、適債事業以外に起債を認めるということは違法になるわけでございますから。しかし、どの程度になるかということは、本当にいまの状況では私どもはわからないわけでございます。原則的には地方公共団体の方から御申請があり、私どもの方で、これで財政構造が幾らかでもよくなるという計画を取り上げる、その場合において、いま言ったような方針で大蔵省と折衝して、枠外の起債の発行を認めるようにしていきたいということでございます。 枠外の問題というのは、御承知のように土地などいうものはまるで見当つかないわけでございます。したがって、土地の問題はほとんど枠外に置いて、あらかじめ、出てくれば枠外で起債を認めるということで大蔵省と了解をとっておるわけでございまして、ある年度においては三千億しか出てこなかった、ある年度においては七千億出てきたと、こういうことがあるわけでございます。いまここで計数を申し上げることはかえって御迷惑をかける結果になるかもしれませんので、計数については私ども本当に自信も持っておりませんし、枠も考えておりません。
○神谷信之助君 いや、私が言っているのは、一事業ごとの起債枠を無制限に言っているんじゃないんですよ。どの団体でも、もう幾つの自治体からそれが出てくるかわからぬ。これが無条件になるのかと言っているんです。こちらの横の広がりの方です。これは一つは自治省の方の指導の問題と、それから現実に財政に困っている自治体の現状との関連で、この広がりというのがどうなるかというのは出てくるわけですけれども、それが出てきた場合には、それはもうずっと次々と出てくれば、それに応じて大蔵省と折衝して、それについての枠外債は認めていく、こういうことですか。
○政府委員(松浦功君) 私が申し上げているのは、五条一項の適債事業というのは、地方団体の予算の組み方によって変わりますけれども、大体中身はわかるわけでございます。それにいま起債を一般公共とか一般単独とかいうことで充当しておりますから、国庫補助と起債あるいは寄付、特定収入、そういうものを差っ引いた残りにしか起債は充当しようがないわけです。その金額が一定だからそれを超えることはないだろうという言い方をいたしましたので、あるいは誤解をいただいたかもしれませんが、それが仮に三千億あるとした場合に、合理化計画が一兆円出てきたとしても、三千億しか私ども認めようがないわけです。だから、無制限にこれがふえてくるということは私どもとしてはあり得ないと思います。ただ、原則論としては、地方公共団体から健全化計画が出てきて、私どもの方で、これは健全化計画と認めて起債を認めるべきだというものがどれだけふえたといたしましても、これは大蔵省にお願いをして起債を認めてもらうという方向で折衝する、その方針は先生のおっしゃるとおりでございます。
○神谷信之助君 大体、起債の許可権、これを自治省が「当分の間」という規定をそのまま残して、そうしていつまでも握っているというところに、いま非常に大きな自治体側からの不信があるわけですよ。先ほど、いかに善意だと言っても、その善意というのが怪しいということを私が言いましたら、それはひとつ結果を見てくれという言い方ですけれども、実はそこに問題がやっぱりあるわけですよ。ところが、この地方債問題は、但史的に言うならば、二十二年の十二月の地方自治法の改正で自由になった。ところが二十三年七月の地方財政法ではこれを禁止をして、そして例外として五条一項の適債事業というものを規定をして、その分については起債は自由だということをしながらも、二百五十条で当分の間の許可と、これが今日まで続いてきているわけです。当然これはあのシャウプ勧告のときにも批判をされて、負債の利子を基準とした総額による規制、これをやればそれでよろしいという勧告もされているし、二十五年の地方行政調査委員会も、地方債の事業別審査と許可制をやめて、各団体ごとに発行総額の限度についての許可にとどめるべきだと、こう言っていますね。大蔵省も、政府資金の融資に当たっては、公的金融機関としての立場に立って、いやしくも行政監督的な事業内容の審査に立ち入るべきではないと、こういう勧告もしているが、これもいまだに改善もされていない。諸外国を見ても、この起債の問題というのは、全体として一定の条件は付しながらも、一律許可あるいは一件審査などをやっていないというのが現在の動向ですね。わが国の許可制度だけがそういう行政監督的に起債の許可権を使うというものが残っているんですね。私は、本当に地方自治を――局長もいろいろ御答弁なさっていますけれども、地方自治を育てることを大事にしているという発言を、そういう趣旨のことを何回もおっしゃっているんですが、本当にそういう立場ならば、この二百五十条の「当分の間」という規定は削除する、そして本来の起債制度を、世界的な動向にもなっているわけですから、そういう方向に私は検討する必要があると思うんですよ。この辺、これは政治的問題ですから、政務次官の方からもひとつ御見解を聞きたいと思うんです。
○政府委員(松浦功君) そういう御意見は各方面からも伺っております。しかし、現状の問題として、国の金融政策という面からの地方債の規制というものも必要でございますし、また、弱小の地方公共団体においては、これを野放しにいたしました場合には恐らく金が借りられなくなる、こういう問題が起こってまいります。さらに、政府資金をできるだけ比率を高めていくという自治省の方針からいたしますと、政府資金についてはどうしても大蔵省の個々の監督があるわけです。そうなりますと、むしろ、大蔵省であれするよりは、自治省でそういう意味のお世話をした方がいいという観点もございます。 さらには地方債というものをどの程度発行して、償還割合がどの程度になってきているかということは一つの財政の重要なメルクマールでございまして、財政悪化というものを来さないためにも、やはり、こういう問題は、「当分の間」という言葉の問題はございますけれども、いまの制度が私どもは適当であると考えざるを得ないと思っております。
○政府委員(左藤恵君) いま財政局長からお答え申し上げましたが、確かにこの問題につきましては、地方と国との一つの財政の接点というふうなものにも関連することでもございますし、現在、地方財政が非常にどこでも厳しい情勢であるということで、三千有余の団体が公正な一つの財政運営ができるというふうな点から考えましても、いまお話しのような点につきましては、私は、現行制度で当分やはり続けていく以外にないんじゃないか、このように考えております。
○神谷信之助君 そういうことで今日まで、二十八年間ですか、続いてきているわけですよね。いまも局長の話があったように、各方面からこの起債の許可権を外せという問題はいろいろなところで論議をされて、意見も出てきているわけですよ。国全体の金融とのかかわり合いで、野放しということはそれはどうにもこうにもならぬでしょう。ですから、そういう意味では一定の枠組みは決めなきゃならぬでしょう。政府資金の借り入れについて大蔵省との折衝が要ると、これは自治省がその点では援助する、手助けをするということをやればいいんです。いろいろ困難な、そういうあなたの方のおっしゃる困難だとする理由は、それを乗り越えようと思ったら乗り越えられない問題ではなしに解決できる問題なんですよ。本当に地方自治の本旨にのっとって、自治権の拡充のためにどのようにすればいいのかということを考えるならば、これは方法は幾らもあると思う。ですから、次官、この辺は、これはいつの国会でも論議がされてきているんですが、しかし一向に、具体的にそれじゃそのためにどうすればいいかという検討も十分になされていないんじゃないかとさえ思う。これは、国会でいろいろわれわれが意見を言っても それは聞きっぱなしで終わってしまうということにさえ、悪く言うならばそういうことになってしまうんですね。国会の軽視にも通ずるような重大な問題だと思います。本当にそういう立場に立って、これは私だけじゃなしに、各党からも意見が出ているわけだし、あるいは地方制度調査会その他知事会、市長会からも出ています。そういったいろいろな意見なんかにのっとって検討し、こうやる、しかし、こういう障害がある、その障害はこうすれば解決できるというところを検討しないことには、これはいつまでも解決しないと思うんです。この点について、もう一度はっきりした見解を聞きたいと思います。
○政府委員(左藤恵君) 地方財政全体の問題としてのいろいろな抜本的改正といいますか、抜本的な見直しという問題については、ただいま、地方制度調査会にもいろいろ御検討いただいておる問題でございます。いまそういう段階であるわけですけれども、そういういまの地方債の発行の問題につきましてもそこで御検討いただいておるわけであります。各方面からのいろいろな御意見も伺っておりますが、自治省として、ただいまの考え方としましては、そういった検討を今日までやってきましたけれども、「当分の間」という言葉はありますけれども、いまの段階におきまして、こうした地方債の発行につきましての許可という問題を外すことができないという段階でございます。そういうことでございまして、確かに、御趣旨のいろいろな点についていろいろな面での検討は行われておりますが、そういった状態であるということを御理解いただきたいと思います。
○神谷信之助君 それから、いま、次官通達に基づいて、財政健全化計画の問題と地方債の弾力的運用の問題についていろいろお尋ねをしました。そして そのときにも言いましたけれども、法律上のいろいろな規制というものを抜きに、行政的方法で、自治省の言葉で言えば、善意をもってやるんだと言うのですが、これは何らの歯どめがない。私が指摘したようないろいろな危険も、いわゆる自治権に対する支配介入の危険さえもある。こういう問題ですから――あと、時間がありませんからもうこれ以上言いませんが、そういうやり方はおやめになったがよろしい。次官通達自身の撤回をして、実際に地方自治を育てる立場に立った通達を改めて出し直されることを要求をして、これは回答要りませんから、次の問題に移っていきたいと思うのです。次官通達の問題では、あと、公共料金の問題その他ありますけれども、時間がありませんからきょうはもうやりません。 次は、東京都に対する交付税の特例措置、これらの問題についてお尋ねをしたいと思うのです。 まず、交付税法の二十一条で都などに対する特例が定められていますが、この特例が設けられた根拠、これをまず説明していただきたいと思います。
○説明員(石原信雄君) 交付税法第二十一条の規定によるいわゆる都区合算規定の考え方でございますが、御案内のように、東京都と特別区は、通常の道府県と市町村の関係とかなり異なった関連を持っております。 まず、事務配分でありますが、現在の事務配分につきましては、通常の団体でありますると、消防行政あるいは清掃行政、下水道行政、こういったものは市町村の事務とされております。しかし、東京都二十三区の区域につきましては、特例的に東京都がこれを一元的に処理いたしております。そういう意味で事務配分においてかなり大きな特例がございます。 一方、地方税法の規定によりまして、道府県税、市町村税、それぞれ体系が形づくられておりますが、東京都及び特別区については、地方税法の特例によりまして、市町村民税の法人税割り、それから固定資産税、それから都市計画税、特別土地保有税、それから本年度から創設されることになっております事業所税、これらはいずれも通常の団体であれば市町村が課税権を持っておりますが、特別区の区域については東京都が課税権を持っております。 このように、東京都と特別区は、事務配分及び税源配分の関係が多くの特例を持っておりまして、これをそれぞれ通常の道府県、通常の市町村と擬制して現在計算を行っておりますけれども、そのままの形で算出される財源超過額、財源不足額によって交付税の算定を行うということは非常に不合理な結果を招くということで、これを合算して算定をいたしております。このような合算規定は、現在の交付税法の前身であります地方財政平衡交付金法の当初からそのような取り扱いがなされている次第でございます。
○神谷信之助君 ところで、去年の自治法の改正で二十数年ぶりの特別区自治権の拡充運動がようやく実って、先般も特別区の区長の公選制が行われましたし、それから特別区への事務権限の一般市並み――そのままではありませんか、一般市並みへの拡充も行われた。それから特別区における人事権も確立をされる。こういう三つの課題が大きく前進をしておるわけです。特に、区長公選制が実現をして事務権限が一般市並みに拡充をされました。もちろんいまおっしゃったように、下水道、清掃あるいは消防、こういったものは引き続き都の事務として残っておりますけれども、そういう権限が大幅に移譲されたことによって、特別区が、昭和二十七年来二十三年間続いたいわゆる都の内部的な部分団体としての制限自治体の地位から、基本的には一般市並みの権限を有する基礎的な地方公共団体に向けて前進をしたと私は思うんですよね。したがって、こういう状況の中で、いままでとは違う特別区のそういう権限がふえ、区長の公選も行われる、人事権も持つ、こういう状況になったんですから、いまのように都と区と合算方式をそのまま維持をするという根拠は、私はもう今日なくなったんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
○説明員(石原信雄君) 御指摘のように、本年度から地方自治法の改正が施行されまして、特別区の区長の公選制が実施され、これに関連して事務配分について幾つかの改正が行われつつあります。ただ、現在実施されておる事務配分の見直しといいましょうか、改正は、財政需要の面で見まするときわめてわずかでありまして、先ほど申し上げました財政需要として圧倒的なウエートを占めております消防行政とか、下水道行政とか、清掃行政というものは、依然として東京都が処理することとされております。 それから区長の公選制の問題につきましては、実は御案内のように、現在のように今度の改正前のいわゆる区議会の選挙による区長の選任という方式は、昭和二十七年の地方自治法の一部改正によって実施されたわけでありますが、その以前、すなわち昭和二十七年以前の区長が直接公選制であった時代におきましても、当時の地方財政平衡交付金においてはやはり合算の特例を実施しておったわけでございます。そういう意味で、その区長の選任方式の変更と、それから事務配分の実態というようなことを勘案いたしますと、いま直ちにその二十一条の合算特例を廃止するという実態になっていないのではないか、このように考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 ところが、あなたがおっしゃるように、特別区の財政権限、それから行政権限が、一般市と比べて、下水道とか消防、清掃、こういった広域的一体的に処理すべき事務が引き続き都に残っている、こういう点では一般市とは違う。これははっきりしています。しかし、これを理由に、その都区合算方式が何ら矛盾はなしにそれは正しいということの論拠にはならない。しかも、特別区が、基本的には一般市並みの基礎的な地方公共団体に転化をしてきていることを否定することもまたできないと私は思うのです。この点はいかがですか。
○説明員(石原信雄君) 御案内のように、特別区は、地方自治法上の位置づけとしましては、特別地方公共団体ということで、その事務処理の権限等において依然として大きな特例を持っているということでございます。そういうことから、交付税算定においても特例を維持しているわけでありますが、なお現在の東京都などが主張しておられますように、現在の特別区と、それから現在の都と、それぞれ別々に計算した場合の都の方の財源超過額、それから特別区の方の財源不足額、それが合算される結果、全体として財源超過額になるわけでありますが、それぞれ別個に計算した場合の特別区のいわば市町村分相当の財源不足額を交付税として交付すべきであるという御主張でございますが、これは合算規定があるということでありますので、現在の交付税の計算では、現実の税源配分と現実の事務配分を全然無視して、普通の市町村並みの事務処理、普通の市町村並みの税源を持っているという仮定で計算されます結果、その都分の財源超過額が大きくなり、特別区分の方は反対に財源不足が生ずるという計算になっておるのですが、これはあくまで一つのフィクションであります。もしいまの合算規定をやめるのだということになるとすれば、当然現実の事務処理の実態に応じて財政需要の計算をし、現実の税源配分の実態に応じて財政収入の計算をし直さなければいけないわけです。この正確な計算を私どもはまだ行っておりませんけれども、仮の計算をいたしますというと、このような大きな財源不足は生じてまいりません。現実の一番大きな財政需要は都がやっておるわけでありますから、当然いま計算している基準財政需要額よりもずっと小さくなります。したがって現在、まあ四十九年度の場合ですと、二十三区分で出ております財源不足が五百二十二億でございますが、とてもそういう数字にはならないというように私どもは見ております。
○政府委員(松浦功君) 石原君が非常に細かく技術的にお話を申し上げましたが、達観して申し上げますと、現在道府県分として八百二十三億の超過財源があり、市町村分として五百二十二億の不足財源がある。これは税金の取り方によってこういう形が出てくるわけであります。だから、都区合算規定を廃止をするということになれば、当然いま都分としてとっておる税金のうち相当の部分を区に回さなければならない。そうすれば結果はほとんど変わらないということになってくるはずでございます。これはおわかりいただけると思います。いまの税源配分を前提に計算するとこういう結果になるというだけでございまして、都が取っておる税金の中から市町村の方に税源を配らなければおかしいという形になってくるわけでございます。その辺を考えますと、私はどうも都区合算規定を廃止するということ自体が何か都区に財源が回るような感覚で物をおっしゃっておられるように受け取れるのでございますが、そうはならないのじゃないか、そういうふうに思っております。
○神谷信之助君 どうもそれは、東京都の方では計算をして大体年間五百億ぐらいは出ていくという話になりますね。これは実際やってみなければわからぬですけれども、しかし、問題の考え方としてはおかしいのですよね、あなた方の計算のやり方自身もいまおっしゃるようなことであれば。それは、特別区のいまおっしゃっている調整三税ですね、これは東京都が徴収をしている。その分は東京都の、都分の収入としておって、二十三区分には入れてない。したがって二十三区分の不足額が大きくなっているのだ。これじゃひとつ計算自身がもうおかしくなってくるし、実際には今度都道府県で財源超過団体ですと、その財源超過分は自治省の方に返すわけじゃなしに、富裕団体と言われるところはその財源は自由に使えるわけですわね。都なり二十三区の分、どちらがどうか知りませんが、いま計算の仕方がどうもわれわれの理解とは違っているようですから。しかし、ちゃんと計算をしてみてどちらかが余っている場合は、その余っている分は返すのじゃなしにそこで使えるはずでしょう。たとえば大阪府が不交付団体ですね。余っている財源は自治省へ戻してそしてプールするわけじゃないのでしょう、それは。いいですか。だから、それを東京都と特別区の関係ではプールをして合算をしてしまうというのは、これ自身筋が通らぬことになるでしょう。
○政府委員(松浦功君) 石原君が申し上げておりますように、具体的に申しますと、消防費は区部に入れているのです、基準財政需要額の計算上はあくまでフィクションですから。これはそのときは当然都に移さなければいかぬわけです。そうすると、需要が減ってしまえば交付税の不足額は出てこないのです。ですから、現実の税制というものと現実の事務配分というものをあわせて計算すれば、結果的にはほとんどいまと同じにしか出てきませんよ、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○神谷信之助君 そういう、計算の仕方をどうやっているか、それは知りませんよ。われわれがいままで聞いている話とは大分違いますから、計算の方式は別にして、都分と二十三区分とそれぞれ計算をすると、いまおっしゃったように、税の問題はちゃんとして、フィクションじゃなしに、あるべき府県としての姿、こちらは市町村としての姿でいける。仮にどっちかがプラスが残るとします。残らないかもしれぬが、仮に残るかもしれぬ、どっちかに。都に残るのか、二十三区の方に残るのか知りませんよ。合算してしまえばもうそれはそれで有無相通ずるわけですね。しかし、都道府県と市町村、あるいはたとえば大阪の場合、プラス財源があると、それは全国の都道府県で合算をしてプールするのとは違うでしょう。あるいは市でプラスが出てきたら、それは全国の市町村でプールするのかといったら違うでしょう。そうしたら、都と二十三区とをちゃんと計算をしてどっちかにプラスになれば、こっちがプラスならそれはそこで使いなさい、こちらのマイナスに対してどうしましょうという措置をするのがあたりまえであって、それを合算しちゃうからそこに重大な問題がある。一体、ほかの府県、市町村との関係とはもう全く違った交付税の運用をやっている、こういうことになるわけでしょう。
○政府委員(松浦功君) 御理解をいただきたいのですが、あくまで合算規定というものがあるということを前提に、仮の姿、フィクションを置いた上で交付税計算をしています。したがって、消防費などというものは本来行政経費の負担は都がやっておりますけれども、これは区部の需要に算入しておるわけです。われわれとしては結果的には同じだと思っておるわけです。それよりももっと問題なことは、都と区に仮に分けるといった場合に税金を一体どうするのか。現在都で徴収しておりますものに、本来の市で徴収するべきものを都が徴収しておるものがございます。市町村民税の法人税分、固定資産税、こういったものは都が取っておるわけです。これを全部きちんと置き直せば、どちらかがゼロになってどちらかが三角になるという結果になると私どもは思っております。したがって、いまと何にも変わらないだろう、こう申し上げております。
○神谷信之助君 ですから、そういう調整三税関係なんかは都が徴収しているから、そして消防事業のように、区でやる、いわゆる市町村としてやるべきやつを都がやっているから、そういう事態を調整するために都区の財政調整制度があるわけでしょう。それで調整しているわけでしょう、実際の姿は。それを今度は交付税措置をどうするかという、計算のやり方としてはそれとは別個の問題としてやられるのでしょう。もし都区財政調整制度でやっている、その措置を含めて計算をされるならば、計算をやればできるわけです。私の言っているのは、そうやってあなたがおっしゃるように、どちらが丸か三角かしらぬが、丸か三角になる。あるいはプラスが出るかもわからぬでしょう、ちゃんとしてもう一遍計算したら。これはあなた方はいろいろなフィクションを置いて、そしていまのところでは都がプラスで二十三区分がマイナスだと、そういう計算になっている。それをもっといまの消防の問題や税の問題をちゃんと入れれば、今度は区の方がプラスになって都の方がマイナスになるかもわからない。これはやってみなければ、どういう計算の仕方の割り振りをするかによって違ってきますから。いずれにしても、どっちもマイナスになるかもしれぬ、どっちもゼロになるかもわからぬ。どっちかがプラスでどっちかがマイナスということになるかもしれない。これはどのように区分するか、財政の面でも事務の面でもということにもひとつはかかわる。そうすれば、仮にプラスになったら、さっき言ったようにここで合算してプールするというのが、都道府県、市町村のいわゆる交付税制度のいまの仕組みから言ったら、プールすること自身がおかしいじゃないか、こういう問題ですよ。
○政府委員(松浦功君) いまの交付税計算はあくまでフィクションだということを申し上げておるわけです。したがって、なるほど五百億区部で財源不足が生じているけれども、都で超過額が生じている分と相殺されて三百億財源超過というかっこうになる。これは先生の御指摘になったとおりであります。しからば、いま先生がおっしゃられたように、事務配分と税源とをどう配分するかということになれば、都区を通じて三百億の超過財源があるわけでございます。事務に見合うように私どもは財源を、税源を配分をいたします。結論的に言えば両方とも超過団体になるようにせざるを得ないということになる。そうなれば両方とも超過額があって行かないと、こういうことになる。この点は数学の問題でございまして……
○神谷信之助君 それはフィクションの仕方じゃないか。
○政府委員(松浦功君) いや、フィクションじゃないのですよ、いまの交付税がフィクションだと申し上げておる。先生のように分離しろとおっしゃるならば、何も東京都の方にうんと金が余るように税源配分することが間違いだと言っておるわけです。両方とも、合わせてもオーバーしておるのですから。東京都が二百億オーバーで区部が百億オーバーだというふうに税源配分し直す、そうしたらいまの結果と何も変わらないじゃないか。私どもはそういうふうに考えておる。したがって、この議論は、東京都がいまのような情勢でございますとだんだん税金が少なくなってくる、収入が少なくなってくる、交付団体にだんだん近づいてくる、こういう過程において、全体として東京都が交付団体になってしまうような過程になる場合において、この問題は検討しなければならない問題であろうかとは思いますけれども、まことにむずかしい問題でございます。都と区との間の税源の奪い合いという問題が起こってまいります、とにかく両方足してみれば余っていることは確かなんでございますから。いまの交付税の中で仮に東京都に五百億の交付税をやったとすれば、五百億はその他の団体の分が減るわけでございます。合算して三百億余っているところに五百億の交付税を配るということを、全国の東京都以外の地方団体が納得することはあり得ない。しかも、結果的に東京都に何も損をかけていることになっておらない、私どもとしては確信を持っております。それはいま申し上げたように、両方で超過額がある間は、税源配分というものは事務にちゃんと比例して分けるということになれば必ずそういうかっこうになる、その点はひとつ御理解をいただきたい。
○神谷信之助君 どうしても理解ができませんね。われわれ、だから二十一条の合算方式はもう廃止をすべきだという立場から言っているわけですよ。そうしてちゃんと計算をして、都部がプラスで、区部がマイナスになれば当然交付税で措置をする。
○政府委員(松浦功君) 出せないというわけです。
○神谷信之助君 出せないじゃなくて、二十一条廃止をしてやればできる。
○政府委員(松浦功君) 廃止をしてやってもだめです。
○神谷信之助君 それは出せないとあなたの方はおっしゃるのだけれども、出せなきゃ、あなたしょうがないですよ、どちらもプラスになれば、実際計算をしてみて。しかし、いままでのやつはフィクションでやっているんですから、だからそのフィクションのやり方によって出せるのか出せないのか自由にできますよ、フィクションだから。そういう状況の中で、実際の交付税制度が正しくやられているのかどうかということがわからない状態が都区合算方式の中から生まれているわけです。それで都と自治省との間で論争が起こっているんですよ。だから、そういう不必要な論争をやめようと思えば、あの合算方式をやめて、そしてちゃんと計算をしてどちらもプラスになればこれはどちらも文句が出ない。そういうようにして初めていいわけでしょう。そして今日まで都と特別区との間が対等平等の関係、自治権を持ったそれぞれの団体として都区部の財政調整制度で対等に措置をする、これは事務配分に基づく財源調整を行うのですから、これ自身はそれで私はどうもないと思うんですね。だから、特別区が都の内部的な機関だというたてまえで、いままでの国会における答弁を聞いていますと一つはそれがありました。だからそういう論理は成り立たなくなってきているというふうに私は思うんです。 それからまた、先ほどから消防とか下水道とかそういう事務は都が行っているということですが、しかし一方では、何でしょう、自治省としても、今日の経済情勢の変化の中で、自治体の固有の権限はそれぞれ伸ばしながら、広域的な行政の事務の処理、こういった方針を一面では進めているわけです。だから、府県と市町村との関係よりも密接な都と特別区との関係ならば、そういう広域的な行政事務の一つとして消防や下水道なんかを都が受け持ってやるというのは、何ら特別区が基礎的な自治体と言えないというそういう根拠にもならない。そういうことを広域的に東京都と特別区の事務をどう分担をするか、それで消防と下水道、清掃、こういうものは都がやりましょうと、よそのところでは市町村がやるにしても、広域的なそういう行政については都がやりましょうということ、それを都にやらせるということが、したがって、特別区の基礎的な自治権を持った自治体と言えないという根拠にはならない。そういう点をずっと考えてみますと、私はこの二十一条の都区合算方式というのは、理論的にもまた実際上からも非常にいろいろな問題を持っている。ですから、ここでひとつ自治法改正になって大幅な事務の移譲もあって、そして区長の公選も実現をした今日の段階で、この二十一条の廃止を目指しての検討を私はやるべきだと思うんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(松浦功君) 先ほど来申し上げておりますように、区長が公選の時代からある制度でございますし、また事務の内容が普通の市町村とは違う、税の取り方も全く違うと。そういうことから、結果的には先生のおっしゃられるように、抽象的に両方に分けて両方とも超過額になってくればそれでいいじゃないかとおっしゃいますが、結果は必ずそうなると思います。そういうことを前提にこの制度をいじってみましても、税源をどうするかというときにいたずらな摩擦を起こす、そういった問題点を配慮いたしまして、私どもは当分この制度を改めるという気持ちはございません。
○神谷信之助君 どのように事務を配分するか、どちらがどのように税を徴収し、そして後から配分をするか、この仕組みというのは、どういう仕組みをやったら住民のために効率的な仕事がやれるかという立場で考えるんでしょう。だから、東京都の都民にとって各特別区ごとに税を分けて、そしてばらばらにする、小部分をばらばらにする、その方が便利がいいのか、それともいまのようなやり方でやって、そして都区財政調整制度を設けて、そこでそれぞれの自治体が対等平等の立場に立って処理をするというやり方がいいのか、これは都民の利益の立場に立って考えるのであって、だからそういう措置でやっているだけにすぎないものですか。それが、三税が東京都に入っている、区に入ってないから、ですから、特別区は、二十三区の方は自治体というようにみなすわけにはいかぬ、あるいは市町村並みに見るわけにいかぬ、あるいは消防の事務は都がやっているからそれはみなすわけにはいかぬと、そんな理屈は成り立たない。そこのところを、どのように事務を、この点ではたとえば大阪府と大阪市との関係よりももっと密接な関係を東京都と特別区の関係は持っておるわけです。これは歴史的な経過です。だから、その経過の上に立って、最も便利な効率のいいそういう仕組みをやっておるだけであって、それが特別区が自治体ではないという根拠にはならない、私はそう思うんです。だから、この辺をひとつ、根本的な問題ですが検討してもらうことを特に要請をしたいと思うんですが、次官どうですか。これは特別のこんな措置をやっておるのがおかしい。
○政府委員(松浦功君) 先ほど来申し上げておりますように、別に特別区を自治体でないと言っているわけではございません。ただ、市町村とは少し事務のやり方、税金の取り方が違っている、こういうことを申し上げている。あくまで基準財政需要額と収入額のはじき方の問題であって、技術的に私どもが申し上げておる結果は何にも変わりが出ない。そのためにまた途中において税金の配分問題等について都と区が争いを起こすというようなことが目に見えておる。結果的に変わらないものについてする必要はない。都と区との関係をもっと融和的にやっていただくという前提に立てば、いまの制度の考え方が一番いいと私どもは考えておりますので、この制度は当分続けさせていただきたい、こう思います。
○神谷信之助君 私どもはいまの都区合算方式を廃止をして、そしてそれに基づいてちゃんと他の府県、市町村並みに計算をして、交付すべき交付税があるならば交付する。そしてそれは都の財政調整資金のところに入れればいいんですから、そこで配分をすればいい。今日の制度、現状のもとではそうするのが一番筋道が立っておる、こういうように考えます。この点ひとつ特に再度検討してもらいたいと思います。 あわせてひとつついでにお伺いしておきますが、東京都の交付税の算定についてですが、東京都というのは全国にただ一つしかない仕組みですね。単なる大都市ではなしに首都であるわけです。都は全国に一つしかない。それがそのまま今日の交付税の算定方式で捕捉されるのだろうかという問題です。首都の東京ですから、首都にふさわしい特別の都市的な機能なり、いわゆる首都的機能というものを備えなきゃならぬ。その態容とか、機能というものはこれは一般市とは異なるわけですね。ですから、標準市の十万市、これの標準的平均的な行政水準の確保を基準に測定単位やあるいは基準財政需要額を計算をする。これをもとにして八百八十万の特別区の基準財政需要額を積算をすると、こうなるんです。これによると、いかに補正係数その他で調整を行ったとしても、東京都のみが持ついろんな特性があるわけですから、これは的確な算定ができるわけがないと私は思う。これは無理にそれでやってみますと、どうしても算定のやり方自身が不透明ではっきりしないし、そうして自治体の側からも不信を生むわけですし、そして行政の、自治省の側の裁量の幅というものがどうにでも拡大できるという、そういう内容を持つことになるんですね。こういった問題も内包しているわけですから、しかもそれが合算方式でもってやられると、ますます本当に正しく捕捉されているのかどうかということがわからなくなってくる、ここにもひとつ私は問題があると思うんですが、ここはいかがですか。
○説明員(石原信雄君) 現在の交付税の算定におきましては、法令によりまして、行政権能に差がある場合には態容補正係数の中で行政権能差という形でそれぞれ係数を割り増しを行っております。ただ、現行法制の中で、首都なるがゆえに明らかに他の都道府県、他の市町村と異なった行政権能があるというのがほとんどありませんので、行政権能差補正という形で東京都だけの特例計算は行っておりません。ただ、現実的に都市的な財政需要につきましては、東京都の二十三区の区域と大阪市の区域については、いろいろな財政分析の結果、他の自治体よりもかなり行政が高度化しているという事実がありますので、たとえば消防――行政費ですと、都市計画費、下水道費、清掃費、都市公園経費等々、各行政費ごとに、この両地域において特に需要が割り高になっているという点を反映するように、具体的には態容補正係数の甲の八種地というところに該当するわけですが、これは他の団体よりもはるかに高い係数を適用するという形で、この地域の財政需要をできるだけ反映するように努力をいたしておる次第でございます。
○神谷信之助君 首都としての機能、権能を態容補正の中に込められたとおっしゃっているわけです。確かに態容補正係数の中で東京都が五・三五、大阪が二・九とありますが、だから、いろいろと確かに係数は高いです。たとえばおっしゃったような事業にすれば欠けているということになります。しかし、それだけで十分なのかどうかというのはなかなかわからないですね。ですから、そういったわからないものを含みながら、しかも合算方式になっていてますますわからなくなる。ですから、少なくとも私はさっきからも言ってますが、この合算方式というのは何も税をどっちが取るかという、税の配分をどうするかという問題にまでさかのぼる必要はないので、合算方式を外して、そして現在の仕組みの上でそれにふさわしい算定方法を考える。これはそれほど――しかも別に、答弁によっては技術的に大変困難だという答弁を先ほど局長なさっていますけれども、確かに簡単なことじゃないだろうと思うけれども、一定のフィクションを講じながら計算をされているわけですから、それらを実態に即した計算方式に改めていくならば可能な問題です。しかし、それをやれば、測定単位自身も東京都だけまた別にしなきゃならない問題も出てくるかもしれませんね。そういう問題を全部一つにしちゃって、そして東京都の交付税の算定測定単位をそのまま引用しながら、全体のものを引用しながら処理をするところに、東京都自身の基準財政需要額の測定自身に無理が、不合理が生じている。この辺もやっぱり私はひとつ含めて検討してもらわないと、全国一般のおしなべた十万都市なりと二十三区とをそれだけで処理するということではできないようなそういうものを内包している。それをそのまま用いても正しく基準財政需要額を算定することはできない、こう思うんですがね。これ、ひとっさらに検討してもらうということはできませんか。
○政府委員(松浦功君) 御意見は貴重な意見として承ります。
○神谷信之助君 きょうは時間がありませんから、もうそれ以上細かい話はしませんけれども、私はこれはひとつさらに突っ込んで、そういった問題から正しく基準財政需要額を東京都、特に特別区の算定について正確に捕捉できるようにする方法というのはやっぱり追求しなきゃならぬ、そうしてそれとあわせて都区合算方式を外すならば変わってくるわけですから、先ほどから局長は必ずどちらもプラスになりますとおっしゃるけれども、そうはならないかもしれない、そういった問題を私は感ずるわけです。この点を、きょうはそれを指摘をするだけにします。 次に、もう時間ちょっと過ぎましたがお許しをいただきたいと思いますが、特別区の起債発行に対する特例の問題ですが、これですがね、具体的に調査をしてみますと、特別区の起債の依存度が一般の市町村に比べて極端に低いわけですね。四十七年度で見ましても特別区が三・一%、全国の市町村は一二・三%、こういうことになってきています。これは特別区の起債が始まったのが新しいという問題もあるでしょうけれども、それにしても余りにも差があり過ぎる。今日特別区の事務権限が大幅に移譲されたことに伴って、今後特別区の投資的な事業も増大をせざるを得ないだろう。ところが、現在特別区の区債の許可は、一般市町村と異なって自治大臣の許可制になっていますね。市町村の方は都道府県知事がやる。これはひとつ一般市並みに都知事の方で許可をするというようにすることはできないのかどうか、この点の意見を聞きたいと思うんです。
○政府委員(松浦功君) 特別区の起債配分が少ないのはこれは当然でございまして、清掃、消防、下水、こういったものが全部都の方の起債許可になっておりますので、少なくなるのはあたりまえだと、その点は先生にもよく御理解いただきたいと思います。特別区が発行する地方債について自治大臣の許可という特例が設けられておりますが、先ほど来申し上げますように、都と特別区の間では、税制上も事務配分上も通常の県と違っております。都と一体性が非常に強い、こういう現状を考えました場合に、やはり同じレベルで、自治大臣が都知事と特別区に対してそれぞれ起債許可権を持って調整をしていく方が適当である、こういう考え方でおりますので、いまの制度を続けさしていただきたいと考えるわけです。
○神谷信之助君 特別区の当局なり、あるいは都の抵当者の意見を聞きますと、実際どうなんだと聞きますと、区長名で一件ごとに自治省に対して申請をする、そして自治省の審査、許可を受ける仕組みになっておるわけです。この自治省との折衝は都が行う、したがって一件ごとの緊急性、重要性というのが自治省に十分反映し切れない、そういう面というのがどうしても残ると。いま、今日特別区か特別区として自治権を拡充をして――まだ一定の事業が区に委任をしているにしても進んできているわけですから、そうすると、他の一般の市町村のように、知事の許可という場合のようには弾力的な許可というのができない。それは実際には、東京都と特別区との関係というのは、府県と一般市町村との関係よりもより密接なと言いますかね、そういう状況にあるわけですわね。ですから、一般市町村の起債の許可権を知事に渡しているならば、特別区の方も当然都知事に渡した方が実情に即していいじゃないかと。特に都区財政調整制度でやっている、ここで財源の配分をやるわけです。だから、都に対して特別区の分の起債の枠が示されれば、その範囲内においてその都区財政調整制度との関係で都知事が起債の承認をするという、そういうやり方をする方がより合理的だと。事実聞いてみますと、自治省の担当の諸君の方も、それでなくても事務量が多いのに、特別区のこれから起債の仕事がふえてくる、それを自治省がまたわざわざ一件審査をやらなきゃならぬというこの事務量の点から言っても大変だと。局長も人手が少ないところでなかなか忙しいのだという話をされますけれども、ですから、これは都に回した方がそういう面から言ってもより合理的ではないか。そして知事の方に許可権を渡すならば、特別区の問題も含めて財政調整制度の中で全体を見通して、そして起債の事業も進めていくことができるというようなことが言えるし、事実は自治省の担当の人たちの話もその方がやっぱり筋が通るし、仕事の面からもいいという話さえあるので、局長なり課長の方はなかなかがんとして離さぬようだけれども、私はやっぱり実際常識的に考えてもそうだと思うのですが、この辺はどうですか。
○政府委員(松浦功君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、都と特別区の一体性がきわめて強いがために、かえって起債の許可権は持たない方が私どもはいいというのが本音でございます。私どもは起債は東京都の区部にどれだけというような枠で大体決めておりました。一件審査というよりは東京都の意見を聞いてやっております。ただ、東京都の意見が筋が通らないような意見であった場合に調整をするということでございます。 これ以上申しますと、いろいろ言葉の上での問題が起こるといけませんので申し上げませんが、私が申し上げていることを十分おくみ取り願えれば容易に御理解いただけると思っております。
○神谷信之助君 そういう局長のおっしゃるような問題をいろいろ含んでいる問題ですから、私は再検討してもらう必要があると思うのです。 最後に次官、ひとつこの東京都の財政問題について、交付税の合算方式の問題とそして東京都、特に特別区の交付税の算定基準ですね、この算定方法、算定基準のとり方。全国でただ一つですから、都というのは。首都を持ったその地域の行政権限をどのように測定をするか、この測定いかんによってはうんと変わってくる、こういった問題がある。それからいまの起債の許可権の問題、こういった点で今日まで特例が設けられてきたけれども、区長公選が行われ、そうして人事権も特別区に移り、そして大幅な事務移譲も起こった今日、これらについて総合して再検討をする必要がある、そういう段階にいま来ていると私は思うのです。この点ひとつきょうは大臣おられませんから、その私の意見もひとつ考慮に入れて検討をしていただきたいというように思いますが、その点はよろしいですか。
○政府委員(左藤恵君) 御趣旨の点については十分大臣にお伝えをいたしたいと思います。いまお話をいろいろ伺っておりまして、たとえば特別区が地方自治法の改正で都から事務移譲が行われたということになりましたが、こういった問題につきまして、区長公選の問題以前にもそういった形をとっておったときの状態の問題もあります。そうしたこと等もありますので、非常に問題といたしまして、いま御趣旨のとおりすぐにそういうふうになるかどうかということについては非常に問題が私はあろうと思いますが、非常に広い意味での財政全体の問題、そしてまた東京都のいろいろなあり方の問題につきまして、検討は今後さしていただきたい、このように思います。
○神谷信之助君 以上で終わります。
○委員長(原文兵衛君) 本案に対する午前中の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十七分開会
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿部憲一君 政府に若干御質疑申し上げますが、まず、今後のわが国の経済見通しとして、政府は、高度成長の時代はすでに終わり、安定成長の時代に入ったとして、高度成長時代のいろいろなひずみを是正するために、公共投資主導型の経済、福祉重点、国民福祉向上の経済へと移っていく、こういうことをあらゆる機会に宣伝しております。五十年度の地方財政計画の策定方針におきましても、地域住民の福祉の向上という言葉がうたわれております。本当にこの地域住民の福祉の向上のために地方財政計画が組まれているのでありましょうか。たとえば、地方財政計画の策定方針のうちに、地方債を例にとってみますると、その六に、「総需要抑制の見地から、地方債の増加を極力抑制するとともに、地方債資金における政府資金を増額する」、こうなっております。五十年度の地方債計画では、政府資金が一兆七千百億円と、前年度の一兆四千百億円に対して三千億円増し、すなわち二一・三%増となっておりますが、計画中の政府資金の占める構成比も六〇・三%、前年度と全く同率となっています。これで公共投資主導型とかというようなことが言えるであろうかどうか、お伺いしたいと思います。 また、財政投融資計画の中に占めている政府資金の割合を年度をさかのぼって調べてみますと、昭和三十年の六八%から次第に増額して、五十年度では九五%となっておるのに対しまして、地方債計画に占める政府資金の割合は昭和三十年度八二・五%から次第に減少して、四十九年、五十年度では多少持ち直したとはいえ、依然として三十年代の割合には達しておりません。政府資金は地方債資金の中心的位置を占めておりますし、その原資も郵便貯金、厚生年金積立金、国民年金積立金などで、全国の各地域から集められた零細な資金の集積である点から考えて、地方債資金として地方団体の事業のために利用し、資金を拠出した国民の福祉の向上を図ることが最も適した運用方法でありますし、金利も償還期限も最も有利な資金であることは言うまでもないところであります。公害などに見られる高度成長のひずみを是正し、社会資本の充実、生活環境の整備を急速に促進しなければならない現状を見ますれば、ぜひともこの傾向を転換して、地方団体に良質な資金を供給すべきであると思います。政府が福祉型の財政への転換ということを志向しているとするならば、地方債計画の政府資金構成費六〇・三%などと、前年度と同率程度で、地方債資金における政府資金の増額を図ったなどと言えるかどうか。なぜ一挙に、もう少し高めることができないのか、その点について当局のお考えをお伺いいたします。
○政府委員(松浦功君) 四十九年度と五十年度の政府資金の比率は六〇・三、御指摘のとおりでございますが、実質的には、五十年度の地方債計画の中には、いままで当然縁故資金という考え方で取り扱ってまいりました共済資金等、これを五百億枠外から枠内に組み入れております。それらを勘案すれば、わずかではございますが、六一・四%という数字になっております。御指摘をいただきましたように、各種の関係から、なかなか政府資金の比率を高めることがうまく進んでおらないわけでございますが、地方団体のためにこの比率を高めていくということが非常に効果的な施策であるということは御指摘のとおりでございます。今後全力を挙げて御指摘の方法が実現できるように努力を重ねてまいりたい、このように考えます。
○阿部憲一君 地方債全体といたしまして、いわゆる良質の政府資金の増額を図る一方、また、最近著しい増加を見せてまいります縁故債の資金につきましても、単に指定金融機関だけに頼るのではなくて、新しい方法による資金の開拓も必要であると思いますが、その点、中央金庫の構想というものが新聞にも出ておりましたが、これは事実なのかどうか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(松浦功君) この構想は過去へさかのぼりまして非常に古い歴史を持っておりまして、たしか衆議院の地方行政委員会でもお答えを申し上げたと思いますが、自治省としては悲願とも言うべき問題の一つになっております。ただ問題は、そういう意味での中央金庫ができることが金融政策上いろいろ問題があるということで、大蔵省との意見の一致を見ないわけでございますが、非常にむずかしい厚い壁があるということは承知をいたしておりますが、今後ともその方向で努力をいたすことが地方公共団体のためになるというふうに私どもは理解をいたしております。
○阿部憲一君 政府は、第三次不況対策のために、公共事業契約率を上半期七〇%に引き上げるということでありますが、建設省の見通しでは、地方自治体の財政難が公共事業の執行にとって大きな障害とはならないということだそうですけれども、自治省はどういうふうに考えておられるか。政府のこの不況対策のために地方自治体が公共事業を優先実施した場合でも、その裏負担がきわめて困難な状態であると思われますが、その財源対策をどう考えておられるか、財源対策債の発行や起債充当率の引き上げなどを考えておられるか、その点についてお伺いします。
○政府委員(松浦功君) 国が計上した公共事業、これの裏負担を含めまして地方債計画には全部財源の裏打ちがしてあるわけでございますから、現在国に計上されております公共事業の執行に当たっては、地方公共団体の裏負担について私どもは心配する必要はないという考え方を原則として持っております。したがって、財源対策債あるいは起債の増発、こういうことは考えておりません。ただ、基本的に問題になりますのは、現在財政計画に計上しております交付税が確保できるかどうか、あるいは税収入が確保できるかどうか、これはこれからの経済の先行きにかかってくるわけでございます。加瀬先生からの御質問もございましたが、それらの問題に穴があく場合には、私どもとして穴埋めの方策を何らかの方策で講ずるということをお答えを申し上げております。したがって、現在の地方公共団体の税収入の見通しが私どもが考えているより下にしか取れないというふうに個々の団体がお考えになっているところに対しては、計画上の穴があいたものの補てんという意味での何らかの対策はいく、それを財源対策というふうにお考えいただくなら、そうお考えいただいても結構でございますけれども、税収入が入らない、あるいは交付税に穴があくという部分については私どもとしては埋めたい、こういうことを毎回お答えを申し上げておるところでございます。
○阿部憲一君 国の景気調整の手段として地方債の許可制度というものがいま考えられておりますけれども、このために起債の許可状況の変動が非常に大きくなっております。また、許可制度の運用が地方団体間の財源調整手段としての機能を重視されるために、景気変動に左右される地方財政の年度間調整としての機能が軽視される傾向があります。国の景気浮揚策に協力する自治体にとりまして、結果的に適債事業に予定以上の一般財源を充当せざるを得ません。このことが他の財政需要を圧迫する形となっております。地方財政の自主的、計画的運営のためにも、起債の許可制度、これについて検討すべきであるのじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松浦功君) 先ほどの神谷委員の御質問にもお答えを申し上げたとおりでございますが、国全体の金融政策上の必要性、あるいは弱小団体の起債能力――これ、自由にいたしますと、弱小団体は起債ができなくなってしまいます。それからまた、先ほど御指摘をいただきましたように、政府資金量をふやせばふやすほどやっぱり配分ということをきちんとやりませんと、これは非常にぐあいが悪いという問題が起こってまいります。あるいは起債の発行というものを起債償還額とにらみ合わせながらしていかないと、当該団体の財政を非常に崩すという問題等もございますので、現在の制度はいましばらく続けさせていただきたい、かように考えます。
○阿部憲一君 いましばらくとおっしゃいますが、ということは、結局起債の許可制度の廃止ということについてお考えにはなっておる、しかし、いま実施する、許可制度を廃止する気持ちはない、けれども、いましばらくと言われるからには、三年なり五年なりの経過を見てというお考えかと思いますが、それについてどのくらいの期間をお考えですか、いまのところ。
○政府委員(松浦功君) 私どもとしては、現在の経済情勢が極端に変わるということがあれば別でございますが、そうでない限りは、起債の許可制度というものは残しておくべきだという考え方を申し上げたわけでございまして、いつどうするというような見通しを持って申し上げたわけではございません。
○阿部憲一君 これはいま廃止できないとしましても、少なくとも財政的な公債比率等の客観的な償還能力を基準とした起債最高限度設定方式というのを採用すべきであると思いますが、これについての御見解はいかがですか。
○政府委員(松浦功君) 各団体の一定の何かメルクマールをつかまえて最高限度というものを設けて、その中でなら自由にしたらいいじゃないかというお尋ねでございますが、それは実際問題上技術的に不可能でございます。と申しますのは、五十年に一回庁舎を建てかえなければならないというような団体もございますれば、災害のように、やむを得ず起債をうんと発行しなきゃならない場合もございます。そういうことを全部頭に入れながら計算しようとすると、技術上これは困難になってしまうわけでございます。考え方は私は一つのりっぱな考え方であろうかと思いますけれども、いざ実際の実施に移そうということになると、技術的にきわめて困難が多いというふうに考えます。
○阿部憲一君 公営住宅の建設事情が近年行き詰まっております。その傾向にずうっとあるわけですが、この原因としまして、建築資材あるいは土地価格の上昇もさることながら、住宅建設と並行して実施しなければならない学校、上下水道等の関連公共施設の整備に多額の財政負担を必要とし、自治体の大きな負担となって、建設が進まない原因となっております。御承知のとおりでございます。そこで、この種の住宅関連公共施設の整備につきまして、今年度は国庫補助なり地方債計画上どのような配慮がなされたのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきました公営住宅の建設に伴って必要となります周辺の関連公共施設の整備、このために本年度は大都市地域において都道府県が市町村にかわって関連公共施設を整備する、そういう方策を考えました。総事業費としては五十億円。県負担五億円、国庫負担五億円、それに地方債四十億。この四十億円を都道府県にお認めをして、都道府県が関連施設を整備する、そしてこの四十億円に相当する金は、地方債を市町村にお認めするという形で市町村が府県から分割で買っていく、こういう新しい方式を取り入れております。ただ、この金額で足りるかどうか、そういった問題、いろいろ問題があろうかと思いますが、まだこれについての、こういう形で実行することの申し入れもございませんので、今後地方公共団体の御希望を拝見しながら、国庫補助との関連を見た上で建設省と協議をし、必要な地方債の許可をしてまいりたい、このように考えております。
○阿部憲一君 大都市地域というのは、これはどういう地域を指しておりますか。
○政府委員(松浦功君) いまのところは、大体人口四十万以上の都市ぐらいを頭に置いて検討しておるようでございます。
○阿部憲一君 大都市ですから、人口によって枠を決められると思いますけれども、いまおっしゃった人口四十万以上ということになりますと、たとえば人口がもうちょっと少ない、三十万とか二十万とかいうような都市は対象とならないわけでございますけれども、本年度の公営住宅の建設計画を見ましても、三大都市圏や大規模の都市に限らず、公営住宅は財源難が隘路になって建設がはかどりません。今年度分の公営住宅建設計画戸数が八万五千戸分、この消化も困難な状況であると言われております。地方自治体の負担の軽減措置をさらに進めまして、公営住宅建設の促進を図るためにも、現在の三大都市圏、いまおっしゃった人口四十万以上というような目標と言いましょうか、限定、これをもう少し広げて、現実に即した考え方として二十万ぐらい、二十万以上ぐらいの都市まで拡大すべきであると思いますけれども、この辺についての御見解はいかがですか。
○政府委員(松浦功君) この制度は国庫補助が基本になって動く制度になっておりますので、私どもの方でこの五億円の配り方をどうするということはいささか面映ゆいのでございますが、われわれかいままで建設省と相談したところでは、百万を超えるとか、そういう都市から御希望が余りないようでございます。そういう意味で、この枠の中でやれる限度を考えながら四十万という都市を下げていくという方向についても建設省にお願いをして、検討してもらいたいということをすでに申し入れてございます。建設省の方も、そういう方向でもう少し実態を見ながら検討したいという御意向でございますので、先生の御趣旨を体して再度また建設省にその趣旨をよく申し入れて、そういう方向に動けるように努力をしてみたいと思います。
○阿部憲一君 比較的いわゆる中都市からの希望が少ないということになれば、これはまた問題は別かもしれませんし、緊急を要さないと思いますけれども、私ども考えたところで、やはり四十万という線よりももう少し低めたらというふうに思いますのでお願いしたわけでございます。 また、現行は、現在は、都道府県の借入金利息の年利六・五%、これを超える部分については国の補助対象となっていますが、年利五%程度まで拡大して補助内容を充実すべきだと思いますが、これについての御見解はいかがですか。
○政府委員(松浦功君) ほかの制度との関連で全部同じ率になっておりますので、これは非常に大きな問題でございますので、私どもとしては、できるだけ金利は安い方がいいと思うのでございますけれども、これはこの場で私どもはとかく申し上げてもむずかしい問題だと。私どもの本旨は、できるだけ下げてもらいたい。しかし、ほかの制度と全部同じに横並びで率を定めておるようでございますので、その点ひとつ御理解願います。
○阿部憲一君 厚生省の方、来ていらっしゃいますか。――ちょっと二、三お伺いしますか、厚生省の所管の社会福祉施設整備費に関しまして地方自治体に超過負担が生ずる原因について、あなたの方ではどういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(舘山不二夫君) 社会福祉施設の整備に係る超過負担の原因につきましては、まず第一に、建築単価の差の問題があるかと考えております。これにつきましては、昭和四十九年度において実施いたしました大蔵、厚生、自治三省合同調査によりまして、年度内に補正予算に計上いたしまして単価の引き上げを行いました。昭和五十年度におきましても八・四%の単価の引き上げを行っておりますので、大方解消をしたものであろうと、かように私どもは考えております。しかしながら、施設の種類によりましては、実施面積とそれから補助対象面積との間に若干の差があるということで、この一部の差についてはいまだ問題なきにしもあらずと、かように考えておりまして、今後の問題点であると存じている次第でございます。
○阿部憲一君 これにつきまして、いわゆる建築単価に問題があるというふうにおっしゃっておりますが、この社会福祉の施設全般に通じまして統一的な資料としての標準設計がなかった、これに超過負担の大きな原因があると考えられますのですが、社会福祉施設が制度的にもまた数量的にも整備充実されるためにも、設計、仕様、見積もりからできています標準設計を公表することが必要だと思われますが、これについてどのような検討をなさっておられますか。
○説明員(舘山不二夫君) 社会福祉施設の標準設計につきましては長年私どもも思い悩んでいた問題でございまして、もうこのあたりでそろそろ標準設計というものを確定いたしまして地方公共団体にお示しをしなければならない段階に来たのではないかと考えておりまして、昨年度から研究を具体的に始めております。必要度の高い施設から逐次これをつくりましてお示しをしていきたい、かように考えております。
○阿部憲一君 これは、いまも言われましたとおり、社会福祉施設は態容だとか機能が千差万別、画一的な標準設計で済まされないというような事情もございまするから、長年御検討なさっているにもかかわらず、いわゆる名案ができていないのは遺憾に思っておりますが、これは国庫補助事業として整備される施設でありますから、できるものから順次作成していくようにしてほしいと思うわけでございます。特に、厚生省の所管であります保育所については緊急に整備することが要請されておりますが、社会福祉施設整備費から分離して、義務教育施設に対する国庫補助金と同様に、予備費別枠として拡充強化を図るべきだと思いますが、この点についてどういうふうにお考えですか。
○説明員(舘山不二夫君) 保育所につきましては、社会福祉の施設の中でも最も整備の必要度が高いものだというふうに考えておりまして、社会福祉施設整備費予算の実行に当たりましても、私ども優先的に配慮をしてきているつもりでございます。別枠にした方がより整備が早くなされるかどうかということにつきましては、私どもはむしろ現行の社会福祉施設整備費の予算の中で、緊急度が高いということで重点的に振り向けてやっていった方が、むしろ伸びを高めることにもなるのではないかというふうに考えておりますが、実は、内部にもそういうようなやり方もあるのではないかという声もございますので、検討さしていただきたいと存じます。
○阿部憲一君 以上の点につきまして、厚生省でも前向きに御検討願いたいと思います。 また、再び自治省にお伺いしますが、公明党で先日今国会に、人口の急激な増加に伴う公共施設及び公益的施設の整備に関する特別措置法を提案しましたのですが、これについて御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(松浦功君) これまで自治省といたしましては、人口急増市町村に対する財政措置については、四十六年以降小、中学校の用地に対する国庫補助制度の創設、あるいは小、中学校の校舎建築、幼稚園、消防施設、こういったものの補助率の引き上げを講ずる、あるいはできる限り起債についても政府資金を充当するように運用するというようなことで、これまで人口急増地域に対しまする財政措置を講じてきたところでございます。したがって、公明党御提案の法案を拝見いたしますると、考え方といたしましては私どもと違うところは余りございません。ただ、御提案をいただいているもの自体をいまの制度のもとでこういう形にいたしましたとすると、正直申し上げてべらぼうな金が必要になってまいると思います。そういう意味で、私どもは、先生方のここにお示しいただいた補助率等、若干ここまではいけないのじゃないかというようなものもございますけれども、今後も補助率の引き上げということについては大蔵省に向かって折衝していきたいと思っておりますけれども、現実の問題として、一括してこれだけの法案という形で直ちに提案するということについては、金の問題を私どもは知っておりますがゆえに、ちょっと心苦しい点があるというのが私どもの考えでございます。
○阿部憲一君 御賛同をいただいたので感謝しますが、しかし、お金の問題ということになりますと大変な問題ですが、これとても決して、膨大とおっしゃいましたが、それほど国家財政に大きな負担のかかるような問題ではないとも思いますので、ひとつこの法案についての御趣旨御賛同をいただけたならば、また、この法案の内容の実現のために御協力を願いたい、こういうふうに思うわけでございます。 なお、いまおっしゃった四十六年度に設けられましたこの制度ですね。これは具体的に申し上げますと、児童生徒急増市町村における義務教育施設用地の取得に対する財政援助措置として、用地取得費に対する国庫補助制度や用地取得債の利子補給制度が四十六年度に設けられて、いずれも本年度までとなっておりますが、関係市町村からは、こうした財政援助を来年以降も引き続いて措置してもらいたい、こういう要望があるのですけれども、この存続の見通しについてはいかがでございますか。
○政府委員(松浦功君) 当省といたしましては、全くただいま御指摘をいただきました先生の御意見のとおり考えておりまして、この制度は市町村側からの御希望もあり、なおかつ、私どもから人口急増市町村団体の財政をながめてみた場合に、この制度を廃止することは許されない、こういう気持ちでございます。したがって、この制度を存続するだけでなくて、さらに幾らかでも拡充をするという意気込みで、五十一年度以降もこの制度が存続するようにということで文部省の方にも申し入れ、大蔵省の方ともしかるべき折衝をいたしたいと考えております。
○阿部憲一君 学校用地の国庫補助につきましては、現行の制度六五%の三分の一を三年間にわたって補助するということでなくて、わが党の法案にもありますように、もっと中身を濃くすべきではないかと思いますが、この内容をよくするということも、この存続と一緒に促進実現のために御協力願いたいと、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府委員(松浦功君) 三分の一の補助率の問題について直ちに手をつけるべきかどうかは私どもいろいろ意見はございますが、少なくとも足切り率をもう少し少なくするということについては拡充という形で来年度に要求をいたしてもらいたいと思っております。
○阿部憲一君 同様に、五十年度で期限の切れる新産、工特、首都圏、近畿圏中部圏の整備事業に対する財政援助措置がございますけれども、これらの地域立法につきましても、たとえば鹿島では公害問題がクローズアップされていますが、十年間を総括して、メリットとデメリットをどのように考えておいでですか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 一口で申し上げますと、メリットといたしましては、これらの地域の建設事業に要する財政負担が軽減された、その結果いろいろなことがその部分だけよけいできたようになっているじゃないかというメリットがあったと思います。デメリットといたしましては、いまから考えてみますと、どちらかというと、生産関連、産業基盤、こちらの方にメリットがあって、生活関連事業がおくれていたという意味の、これはデメリットと申していいかと思いますが、そういう傾向が一般論としては見られるのではないかと思います。 ただ、新産、工特という名前であるがゆえに、これらのかさ上げを――期限が切れるわけで、廃止をいたしてしまうということはそれぞれの団体にとって非常に大きな問題でございます。したがって、私どもとしては、できることであれば中身を計画的に変えて、いまの時勢に合う福祉中心のかさ上げというような形にしながら存続をするということがいいのではないかという個人的な意見は持っておりますけれども、そもそもこの新産、工特などという法律は、これは御承知のように国土庁の所管でございまして、その法律がどうなるかによってこちらが決めなければならない問題でございますので、その辺のところはよく整備計画等とにらみ合わせ、国土庁と相談をしながら、それぞれ関連団体に大きな財政的な激変を与えないという角度で検討いたしまして結論を出す、その上で明年度の予算に関連した問題として先生方の御審議をいただくということにいたしたいと考えております。
○阿部憲一君 国の直轄補助事業用地についてでありますが、自治体が国にかわって先行取得して二、三年後に国に買い戻す方法がとられていますが、自治省の調べでは、自治体が抱えている直轄補助事業用地はどれぐらいありますか。
○政府委員(松浦功君) なかなか正確にはつかみ得ないのでございますが、私の方のおよその推計ということでお許しいただきたいと思いますが、約九千億程度のものを抱えているというふうに聞いております。
○阿部憲一君 四十三年の自治省と大蔵省との間の覚書と、これを受けた建設事務次官通達によりますと、国の再取得価額は、その土地の時価に補償費、事務費、それから利子の九%、これを加えた額とされていますが、地価がピークに達しました四十八年度に取得されました土地が約六割と聞いていますけれども、これにつきましてさきに国土庁から発表された全国公示地価動向の五十年一月一日の時点では、全国平均で九・二%も地価が下がっていると、こういうことが発表されていますが、このままでは取得価額と時価との差額を自治体が負担していかなければならないというような事態も予想されますが、これは要するに国の方針に応じて地方自治体が行ったことでございますので、国にも相当責任がある。そうすると、この負担の問題も国として考えなきゃならぬと思いますが、これにつきましては自治省はどんなような措置をおとりになるお考えですか。
○政府委員(松浦功君) 自治省と大蔵省との間の覚書、あるいはそれに基づく建設省の通達、その中では――不注意だと言われれば私ども甘んじておしかりを受けるわけでございますが、地価が下がるなどということはあの時点において全然想定はしておらなかったわけです。現実に地価が下がってくるという傾向が見えてくると、大蔵省との覚書の中で、時価の方が低い場合は時価だと書いてある、こういう事例が出てきたわけで、これは大変だというので、すぐ時価によるというやつは削ってくれということを大蔵省に申し入れ、そしてそれと同時に、建設省からの通牒も改めてほしいということを申し入れをしたわけでございます。まあいろいろ経緯はございましたけれども、そういう不可解な結果になって地方公共団体が損失をこうむるということはいけない、そういうことはあり得てはいけないということについて大蔵省も了承をいたしましたので、事実問題として時価によるというものは通達の中から消えたというふうに御理解をいただいて差し支えないのではないかと思っております。ただいまだ、時価の方が金利及び事務費を積み上げたものよりも低くなった例が出てきておりませんものですからよろしゅうございますが、出てきた場合には、いま申し上げた方向で地方団体に現実に損失をこうむらないようにということは、私どもの方で必ず大蔵省と建設省に実行してもらうということについてはお約束できると思っております。
○阿部憲一君 自治省では、五十年度予算におきまして財務調査官を新設して、地方公共団体の財政の診断指導を個別的にやるということを聞いていますが、具体的な実施方法を伺いたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 先ほど神谷委員の御質問にお答え申し上げたところでございますが、財務調査官の専任は二人でございます。それに指導課長を加えまして三つに全国を分けて、東部、中部、西部ぐらいに分けてそれぞれ受け持ちをきめたい、そしてそれらの調査官の担当する団体でいろいろ特殊事情や問題があって相談に来る場合には、それぞれ担当のところにおいでをいただく、担当はそれぞれの担当地域の中における地方公共団体の問題点というものを常に把握をしておいて、そして財政運営に必要がある場合においては地方債あるいは特別交付税等についての配分にも意見を申し述べる、それによって具体的なそれぞれの団体の実情に合った措置がとれるようにしていきたいというために設けたものでございます。いわば財政相談官というふうにお考えをいただいて差し支えないと思っております。
○阿部憲一君 従来から、交付税は交付税課とか、地方債の配分については地方債課、財政問題については財政課、決算、財政運営の指導には指導課がそれぞれ関与しておりまして、今回の財務調査官の新設はちょっと屋上屋を重ねるというふうにならないかということを心配しておりますが、従来の財政課、地方債課、交付税課と交渉していたこのやり方から、今後はこの財務調査官を通ずる、通す方法に変えるというのですか、ここらのところがちょっと、いま申し上げましたように屋上屋というような感じを受けるんですが、この辺のところ、いかがですか。
○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきましたそれぞれの課もそれぞれ固有のルーチンワークを持っておりまして、何と申しますか、地方団体の方がおいでをいただいても長い時間かけてゆっくりお会いをする暇もない、そういう実情でございますので、財政の状況がこうなっていて、こういうところに問題点があるんだけれども、どうしたらいいだろうか、こういう事業を考えているんだけど財源対策は何かないだろうか、こういうお気持ちをお持ちの団体がおいでになったときに、時間をかけてそれぞれ担当の調査官が話を聞く、そして調査官の判断で、こういうことについては起債を考えてやったらいいじゃないか、あるいはこれは特別交付税の特別の財政需要になるとかというふうに判断をした場合にはそれぞれの課長に通報をする、連絡をして、その意見を聞いて、ルーチンワークとして、この団体にはこうしろ、あの団体にはこうしろということをそれぞれの担当課長が決めていく、こういうルールにしようと思っておるわけでございまして、いままでのやり方に屋上屋を重ねるというのではなくて、財政課長のところにいろいろ相談に来ておったものも調査官のところに相談に行っていただく、こういうことにいたしたいというのがわれわれの考え方で、事務を複雑にするような結果にはならないように私どもも十分注意をしてまいりたいと考えます。
○阿部憲一君 最後に、東京都の問題について自治省に二、三お尋ねしたいと思いますが、東京都は、この夏のボーナスを局長以上二割カットし、一般職員も勤勉手当をカットする方向と私聞きましたが、これについてはどういうふうに、どんな御感想であるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(植弘親民君) 局長級につきましては、御指導のように二〇%カットということを聞いておりますが、現在東京都の局長級は指定職の給料表を用いております。そしてこれは、一般職員におきますところの勤勉手当、それから管理職手当、こういうものを給料の月額、本俸といいますか、これに織り込んでおりますから、一般職員一・七カ月ということにいたしましたのと均衡を考慮いたしまして、約二〇%としたということを聞いているわけであります。これを直ちに適切であるとか適切でないとかいう論評は差し控えるべきと思いますが、現実の給与実態に着目いたしまして、財政実態等考えまして、地方団体がみずから努力するというその努力については敬意を表したいと思っております。
○阿部憲一君 東京都では、義務教育教職員給与費国庫負担金並びに国有提供施設等所在市町村交付金の交付制限、地方道路譲与税の譲与制限を受けております。また、地方税法上法人事業税の分割基準、たばこ消費税の課税標準の算定方法について財源調整を受けている。これらの財源調整の廃止を従来から強く要望しておりますが、税収が著しく伸び悩んでいる今日、検討する必要があると思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(松浦功君) いまいろいろとお挙げになられましたが、私ども財源調整と考えておらない問題もその中に大分入っておるわけでございます。義務教育の国庫負担と地方道路譲与税、これは先生のおっしゃられる財源調整だと思います。東京都の不交付団体としての超過額が現在のような状況である限り、これを撤廃するということは私どもは困難であると考えております。そのほかの問題については税務局の方からお答え申し上げます。
○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。いまお示しのございました数点の中で税務局に関係いたしておりますものを、三つ余りございましたが、お答え申し上げたいと存じます。 一つは、現在法人事業税におきまして、二以上の都道府県にまたがって事業いたしております法人の事業税額につきましては、その課税標準額を関係都道府県で案分をいたしております。その案文をいたします際の基礎といたしまして、当該企業に従事しております従業者の数を使っておるわけでございます。いまお話のございましたように、地方交付税の不交付団体につきましては、本店所在の人数を二分の一という措置をいたしておるわけであります。この点につきましては、御案内のとおり、最近の都市化あるいは情報化の進展に伴いまして、本社の管理部門が非常に強化をされてくるという傾向があるわけでありまして、本社にはどうしても人が集ってくるという情勢が最近顕著でございます。一方、工場所在におきましては、合理化あるいはオートメーション化によりまして人が相対的には少なくなってきておるという傾向はあるわけであります。こういう情勢の中で、本店所在も、あるいは工場部門につきましても、同じ一人当たりということで分割いたしました場合には、どうしても本店所在に集中することが予想されるわけでありまして、御案内のとおり、事業規模あるいは活動量に見合って配分するというたてまえをとりました場合には、いま申しましたように、本店部門を若干薄くして、地方部門に厚くするという措置をとる方がより適切ではないかというふうな考え方に立っておるわけであります。この点につきましては、確かに東京都あるいはその他若干の不交付団体から、先生いまお示しのございましたような意見もあるわけでございますが、何分にも一定の法人事業税額を関係都道府県で案分をいたしておるわけでございますから、お示しのような方法をもし仮にとりました場合には、確かに東京都の事業税額はふえるわけでございますけれども、その他の地方団体の事業税額は食い込まれるということに相なりまして、関係地方団体では非常にこれに対しまして神経をとがらしておるわけでございまして、非常に強い反対あるいは反発というものが十分予想されるわけでございます。 このような形で、結局は一定の財源を地方団体間でどう分けるかということを考えました場合に、いま申しましたような情勢を踏まえまして、本店所在につきまして若干薄く、あるいは工場所在地に相対的にはその分が回るという措置をとるのがより妥当ではないかということで措置をとっておるわけでございます。私ども、先生お示しの点につきましても十分問題意識は持っております。なお今後引き続き検討はいたしたいと思っておりますけれども、いま申しましたように、何分にも地方団体間の配分の問題でございますので、この辺も十分にらみながら慎重にしなければならぬではないかというふうに存じておる次第でございます。 なお、たばこ消費税につきましても、問題の所在は同じようなことになっておるわけでございます。御案内のとおりに、たばこ消費税は、すべての地方団体の自主財源を増強するという意味で昭和二十九年度に創設をしていただいたものでございますが、従来のいわゆる従価方式では税収入がどうしても大都市に集中をしてまいりまして、田舎の県あるいは田舎の市町村ではどうしても安いたばこを吸われる方が多いということで、従価方式をとりました場合には、田舎の市町村、県には相対的に税収入が薄くなるということになるわけであります。こういうことで、昭和三十七年度に、その税率を二%引き上げました機会に、現行のようないわば従量制に近い制度に切りかえたわけでございます。これも三十七年以前のような従価方式に切りかえました場合には、どうしても東京その他大府県に集中いたしまして、田舎の市町村の財源を食い込むことになりますので、この点も関係地方団体の間ではいろいろ問題があるところでございます。私どもこの辺もにらみながら今後とも慎重に検討しなければいかぬだろうと思います。いま直ちにお示しのような措置をとることには大きな問題があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○阿部憲一君 東京都は従来から、二十三区、これを一つの都市として交付税を算定する合算規定を廃止するように要望しています。昨年の地方自治法改正によりまして、特別区が市並みの権能を持つ自治体とされ、公選の区長が自治権に基づく行政を執行することになったわけでございますが、この際、こういった時期に合算規定をどうするか、合算規定を廃止するようなことについてのお考えはありませんか、お伺いします。
○政府委員(松浦功君) 午前中簡単に先生の御質問にいろいろとお答えを申し上げたところでございますが、東京都と区の関係がきわめて特別な関係にある。それから東京都の特別区は、まさに公選制も含めて一つの自治体、はっきりした形の自治体ということになりましたけれども、昔公選制を行っておりました当時からこういう制度はもうすでにあるわけでございまして、したがって、公選制になったからという理由だけでこれを廃止するということはどうかというふうに考えます。技術的にもいろいろ問題がございますし、そういう意味では、この合算の制度というものは存続をさせていくべきだというふうに私どもとしては考えております。
○阿部憲一君 増大する大都市の財政需要に対応するために事業所税が新設されて、その意義は大いにありますけれども、この事業所税を交付税算定上基準財政収入額に算入することは、都市的財政需要に充てるべき財源を自治体共通の普遍的税目と同一に扱うことになって不合理であると思います。都市環境の整備と改善に関する事業を賄うために設けられた財源として、事業所税を基準財政収入額に算入すべきでないと思いますが、この点いかがでしょうか。仮に算入する場合でも、その相当額を大都市需要として的確に基準財政需要額に算入して、都市財源の充実を図るべきであると思いますが、どうでしょうか。あわせてお伺いいたします。
○政府委員(松浦功君) 事業所税を基準財政収入額に算入することといたしましたのは、指定都市等、要するに政令で定められるものを含めまして、これは必ず課税されるという制度でございますけれども、さらには収入の規模が相当多額でございますとか、あるいはこれを基準財政収入額に入れないことによりまして非常に境の団体、要するに五十万で切りますと四十万の団体と五十万の団体の間というようなことになるかと思いますが、財源のアンバランスを生ずる、こういったような理由から基準財政収入額に入れることにいたしました。しかし、後段御指摘のように、収入額に算定する以上、これはやっぱり都市的な特殊の需要があるということを前提に設けた税でございますから、基準財政需要額において必要なものの増額措置を図るということは、先生御指摘のとおり、当然のことであろうかと考えております。
○市川房枝君 私は、主としてきれいな選挙運動を中心として少し伺いたいと思います。 選挙部長はおいでにならないですね。選挙部管理課長さんですか、それから政務次官。――選挙をきれいにする国民運動が始まりましたのは、昨年の暮れでしたね。あれからもう半年たっておりますが、その運動はどんなぐあいに進展しておりますか、まず伺いたいと思います。
○説明員(山本武君) お答えいたします。 選挙をきれいにする運動というのが、昨年の十二月衆議院の決議を受けまして、内閣の声明を伴いまして、選挙をきれいにする国民運動を強力に展開することにいたしました。で、何分昨年の暮れでございましたので、ことしに入りましてから、当面の大きな選挙でございました統一地方選挙を目標にいたしまして、各都道府県におきましては、それぞれ選挙をきれいにする国民運動〇〇県本部というものを設置いたしましたし、その県における明るい選挙推進協議会あるいは報道関係者、選挙関係の選管、そういうものが一致協力して、先般の統一地方選挙においては、選挙をきれいにする運動を進めてまいりました。私どもその状況を顧みておりまして、昨年の参議院選挙における国民の鋭い批判というものが選挙民の間に十分浸透しつつある状況に見受けられます。なお、今後の問題としては、なお一層努力を積み重ねてまいりたい、かように考えております。
○市川房枝君 大体いま伺いましたけれども、特別にこの運動として、いままでと違った運動というものがございましたか。
○説明員(山本武君) いままで二十数年来にわたって明るい選挙を推進するという運動を関係者の御努力によって進めてまいったわけでございますが、今回の選挙をきれいにする国民運動と申しますのは、従来の明るい選挙推進運動に加えて、この際現下の選挙界をきれいにするという重点目標を掲げております。その点で、従来の一般的な啓発活動と違って、ある程度重点的な運動という意味において若干の相違がございます。ただ基本精神は、選挙を正し政治をよくする運動という意味で一貫しております。
○市川房枝君 若干のとおっしゃいましたけれども、若干の内容を具体的に伺いたいんです。
○説明員(山本武君) お答えいたします。 ちょっと言葉が過ぎたかもわかりませんが、選挙を正し政治をよくする運動として、従来、公明選挙運動、あるいは明るく正しい選挙推進運動というふうな一般的、総括的な名称をもって呼んでおりましたが、今回取り上げております選挙をきれいにする国民運動は、重点目標を、衆議院の御決議にもありましたように、第一に国民の政治的意識の向上を目指す、第二に選挙の姿勢を正す、それから第三点に選挙の腐敗をなくすというふうな三つの重要な重点項目を置いています。その点において、まあ若干と申しますと語弊がございますが、アクセントの置きどころが違っておるというふうに御理解いただきたいと思います。
○市川房枝君 具体的な内容を伺いたいと思ったんですけど、やっぱり抽象的なことだけしか伺えなかったんですが、今度の運動が、いままでの明るい選挙の運動と違って、国民運動という言葉をわざわざおつけになりましたね。一体それはどういう意味なのか、あるいは国民運動とおつけになって果たしてそれじゃその点でいままでと違った点は一体あったのかどうか、その点にお触れにならなかったんですが、それを伺いたい。
○説明員(山本武君) お答えいたします。 今回の運動は選挙をきれいにする国民運動というふうに銘打っておりますが、その趣旨は、従来からの明るく正しい選挙推進運動も、これは実質的には国民運動でございました。ただ、名称の上において国民運動というような名称はつけておりませんでしたけれども、このような明るく正しい選挙を推進するというような活動は、何も選挙関係者だけの運動ではなくて、有権者全体への啓発活動でございますので、私どもの理解では実質的な国民運動でございました。今回選挙をきれいにする国民運動という名称をつけましたゆえんは、その点に思いをいたして、現在の選挙界の悪弊を改めるという意味で、一段と、下劣な言葉でございますけれども、決意を新たにして、ふんどしを締め直してやるんだという意味で国民運動というふうに銘打たしていただいた次第でございます。
○市川房枝君 その名前はそれこそ皆さん方役所でおつけになった名前であって、それはまあこの運動は自治大臣が本部長であり、事務所は自治省の中にあって、自治省の皆様方がやっていてくださるので、だから、国民運動という言葉の内容の問題になってくるんですがね。私は、そんな上の方からやるのは国民運動ではないのであって、それこそ国民の中から自発的にといいますか、自主的に起こってくるというか、そういうのが国民運動なんであって、役所がやって名前だけくっつけてやったって、そんなもの国民運動にならないといいますか、と私どもは思うんですけどね。どうもその点で、今度の運動、先ほどから抽象的にいろいろ伺ったんですが、私ども外側から見ていると、前とちっとも違わない、同じようなことであって、皆様方の意気込みはそれは三点ですね、特に取り出してやってくだすったのかもしれないけども、国民の側から言うと、何だかちっとも変わっていないという感じを受けるんですが、それは余り、あれですか、酷評かな。
○説明員(山本武君) まことに御激励を賜りましてありがたく存じておりますが、確かに国民運動というふうなものが国民の間から本当に起こってきて、それが一つの大きな潮流になるということは先生のおっしゃるとおりに歓迎すべきことだと思います。ただ遺憾ながら、戦後二十数年経ました今日です。やはりそういう国民の間から自発的に盛り上がる運動というのは全国的にはございましたけれども、散発的でございました。二十数年来いろいろと民間団体においても御努力願いましたけれども、まだ成果を見るには至っていない。ただ、自治大臣が本部長になってやるのをどうかという御批判でございますが、実は私ども、公職選挙法の規定によりますと、自治大臣、それから選挙管理委員会、こういうものは選挙の啓発を一生懸命やりなさいということが公職選挙法に規定されておりますので、今回の国民運動推進をするに当たって、やはりだれが、どなたがなっていただけるかということを、いろいろと報道機関なり、選挙関係者なり、あるいは民間団体と相談したわけでございますが、公職選挙法にそのような啓発の義務というものが法定されているので、自治大臣になっていただくのが一番よろしかろうというふうな皆さん方の御意見でございました点もひとつ御賢察いただきたいと思います。
○市川房枝君 民間にそういう運動がないんだと、全国的なものはないといいますか、散発的なんだという御批判があったんですが、それは管理課長は新しくといいますか、いろいろお役人はおかわりになっていますけれども、私ども婦人団体、それから青年団あたりと一緒に十何年前から選挙法改正運動協議会というのをつくって、これは中立の団体で、選挙で推薦応援なんかはしないのだ、それこそ政治教育といいますか、という立場で公明選挙連盟とも協力してやってきたわけなんですけれどもね。それはずっと継続してやっていますがね。今度国民運動というのだから幾らかそっちの方へ声がかかるかと思っていたのだけれども、何にも声がかからない。いや、その団体から、政府はきれいな選挙とは一体どういう考えでおいでになるのか、自治省管理課へお願いをして話しに来てほしいと言って頼んでも、忙しいとかなんとか言ってとうとう来てもらえなかったんですよ。それ御記憶でしょうかどうでしょうか。だから、これは前よりもひどいんですよ。前はちゃんと来てもらって、そして私どもは明るい選挙をするための推進員の人たちも集めて、そして選挙の前に皆さん方に来ていただいていろいろお話もずっと伺ってやってきたのに、こういう運動が起こってからはむしろ逆でしてね。それはどうお考えになるんですか。
○説明員(山本武君) 御指摘のように、青年団協議会あるいは先生の熱心にやられております婦人有権者同盟あるいは理想選挙の会と、いろいろと地道に活動されていること、私ども常々存じております。 ただいま御指摘になりました点の、選挙をきれいにする運動について自治省から講師を派遣してくれというふうなお話を聞いておりました。あの際もお話し申し上げたことかと思いますが、実はあの当時私ども、選挙法の改正とか、あるいは政治資金規正法の改正とか、さらには統一地方選挙のいろいろな打ち合わせ等において手が放せませんでした。で、公明選挙連盟等適切なところの講師等もいろいろとお話ししたわけでございますが、何分日程等が繰り合わない。ちょうど一致しないというふうな状況もございましたので、ついつい欠席さしていただいたような次第でございます。
○市川房枝君 いや、お忙しいということもある程度わかりますけれどもね。わかりますけれども、お役人はお一人じゃない、二人じゃない。おいでになるんだから、どなたか来てくだされば、くだされるはずだと思ったのですがね。その点大いに不満、いまでも不満を持っているんですけれども、それはまた別な機会に申し上げましょう。 で、従来の明るい選挙運動と今度の暮れからのきれいな選挙運動とは、これ、別建てになっているんですね、名称も別だし、予算も別だし、それで、地方では選管が中心になって、あるいは地方の全推協といいますか、がやっていてくださるんだけれども、地方にもやっぱりきれいな選挙推進国民運動何々県本部とかなんとかいうものをつくれと、下まで、市までですか、ということで地方では本当は困っているのですよ。一体何がその間に違うのかと、同じでいいじゃないのかということで、本当は動いていないみたいですね、地方では。それで結果は、明るい選挙運動の上へちょいと新しく金を――予算の点はあとで伺おうと思うんだけれども、予算は倍額になったのだと、そこで地方に補助金をお出しになっているのだけれども、それを、いままで使っているのに少し上乗せをして、それで使っているのだという話を聞きますけれども、どうですか、その点は。
○説明員(山本武君) 今回の選挙をきれいにする国民運動というのは、先ほども申し上げましたように、選挙を正し政治をよくする運動のいわば名称でございまして、従来の明るく正しい選挙推進運動と基本的には異なるものではございません。ただ、予算上の措置として、先生御指摘のように、従来のいわゆる常時啓発事業と今回の国民運動経費と二本立てをとっておりますので、先生の御指摘のような状況がややもするとあるかと思いますけれども、私どもの聞いている範囲では、各都道府県においては、今回の衆議院の決議、それから政府声明を契機として、もう一度決意を新たにしてやり直そうという意気に燃えているように私は聞いております。なお、この運動というものは非常にやり方等が、これはというものがなかなかありませんので、それぞれの地方においては皆さん方のお知恵を拝借して全力を挙げてやっている次第でございます。
○市川房枝君 去年これは三木総理が熱心におっしゃって、その意を受けてスタートなすって、私はスタートのときには少し期待を持っていたんですけれどもね。いたんだけれども、半年たってみて、結局もとのもくあみみたいな印象を受けていて大変残念に思っているんですけれども、やっぱりこの問題はむずかしいと言えばむずかしいんですが、結局同じような人が、前と同じ方がというか、地方でも中央でもやっていらっしゃる。マンネリになっちゃって、ちっとも新しい発想が出てこないんですよね。だから、そういう点は私は、国民運動とおつけになった以上、やっぱり発想を変えていくんではないかということも期待していたんですけれども、さっきみたいに、前よりもひどくなっちゃって、官僚的になってきているとかいう印象で大変残念なんですけれども、これはひとつこの機会にもう一遍お考えをいただくこととして、その予算ですね。両建てなんですが、今度は倍額ぐらいにふえたんですけれども、これは皆さんの方でお出しになったこれに細かく出ているんですけれども、国民の方たちもわかるように簡単にちょっとおっしゃってください。
○説明員(山本武君) お答えいたします。 昭和五十年度の選挙の啓発事業関係費は総額で十一億円でございます。このうち、いわゆる従来から常時啓発、常日ごろの啓発事業としてやっておりました関係の経費として六億円、それから選挙をきれいにする国民運動推進事業費として五億円、計十一億円というのが五十年度の予算に定められております。 で、この内容につきましては、その十一億円のうち、都道府県、市町村への補助金が七億三千四百八十九万九千円、それから公明選挙連盟とか、明るい選挙推進協議会とか、あるいはテレビの放送、こういうふうなものに費される予定の経費が三億五千五百十八万六千円、後の残りが九百八十一万五千円でございますが、これが本省の事務費等になっております。
○市川房枝君 皆さん方お出しになっている本部情報を拝見しますと、今度のきれいな選挙運動の本部の方の事業として、ずっといろいろ出ているんですが、その中に、国、都道府県、市区町村でことしは国民参政八十五周年、普通選挙五十周年、婦人参政三十周年記念事業を実施すると出ておりますが、それの内容ですね。その記念事業として一体どんなことをおやりになる御計画か、それを伺いたい。
○説明員(山本武君) お答えいたします。 御指摘になりましたように、ことしは国民参政八十五周年、普選五十周年、婦人参政三十周年という記念すべき年ですので、この機会に国民参政の意義と選挙権の重要性とを再認識いたしまして、明るい選挙を推進するという意味合いにおきましていろいろな事業を計画しております。そのうち主なものを申し上げますと、こういう記念すべき年でございますので、記念式典というものを挙行いたしたい。これは十年前の昭和四十年、二十年前の昭和三十年にも行いました。今回も国民参政八十五周年、普選五十周年、婦人参政三十周年という年でございますので、関係者の方々にお集まりいただきまして、いままで来た道を振り返り、これからの決意を新たにする機会を持ちたいと思っております。その際、二番目の事業としてあわせて選挙に関する功労者の表彰等を行いたいと思います。そしてなお、ことしの十月を普通選挙五十周年、婦人参政三十周年の強調月間といたしまして、中央、それから各都道府県、市町村におきましても講演会あるいは座談会あるいは話し合い活動それから、いろいろな展示会、こういうふうなものを十月に集中いたしまして、この機会に選挙の重要性を松えていただくというふうなことを計画いたしております。 それから次に、国民の各層の方々から組織される記念会というものをつくりまして、従来の十年前にもつくりましたんですが、選挙関係者、それから報道関係者、それから民間団体、婦人団体、青年団、経済界、労働界、こういう方々にお集まりいただきまして、この記念会を設けて、記念論文の募集であるとか、あるいはポスターだとか、記念座談会だとか、そういうふうな事業をいろいろとやっていただくということを計画しております。それからさらに都道府県、市町村におきましては、それぞれ選挙管理委員会なり、あるいは地元の明るい選挙推進協議会が中心となって記念事業を行うという計画になっております。
○市川房枝君 いま申しました本部情報を拝見しますと、予算のところを見ますと、五十周年とだけしか書いてない。五十周年記念のための予算が少し出ていますけれども、さっきから八十五年、五十周年、三十周年というんですけれども、その八十五年なり三十周年のための予算というのはこれに出てませんか。
○説明員(山本武君) いまの記念式典とかあるいは記念事業の事業としては特定いたしておりませんで、ことしの常時啓発事業あるいは選挙をきれいにする国民運動、そういうふうなものの中で十月を強調月間として盛り上げていくというふうなことで考えておりますので、記念事業費そのものとして大きな項目としては計上いたしておりません。その中で処理するつもりでございます。
○市川房枝君 十年前の二十周年記念といいますか、いや、七十五年、四十周年、二十周年ですか、そのときのことを覚えており、それに参加を私どももしましたけれども、これは何も自治省だけの問題ではないけれども、やっぱり政府関係、役所関係のこういう会は、結局は式典といいますか、お祭りといいましょうか、やったんだということだけで、それで、それには相当の国費をお使いになっているんだけれども、それは後に一本何が残っているのかといいますと、あんまり残っていない場合が多いので、今度の記念会も、それを私どもはそうでない本当の実のあるものにしてほしいんですが、私自身からいいますと、特に婦人の三十周年というのが入っておりますので、だから婦人に対しての啓発が――国民全般もそう言えるかもしれないけれども、やっぱり足りないということを私は痛感をしているので、だからこの機会に、何か婦人の政治的な意識を高めるような計画を考えていただきたい。いやもうそれには私どももお手伝いをしてもいいんですけれども、手伝ってもらいたくないというんならこれは別問題で、私どもは私どもで勝手にやることになりましょうけれども、どうですか、それは。
○説明員(山本武君) お答え申し上げます。 ことし、先生御指摘のように婦人三十周年でもございますし、また国際婦人年というふうな記念すべき年でもございます。しかも、選挙人の半分以上はこれは御婦人の方でございますので、やはり選挙をきれいにする運動も、ぜひとも御婦人の方々の御協力を賜らなければ実効を期しがたいと思っております。 なお、ことしの記念事業等に当たりましては、近い将来総会等を開きまして皆様方の御意見あるいは先生の御意見等もお伺いして、そういうふうな趣旨に沿って十分検討し、婦人の啓発のために努力してまいりたい、かように考えております。
○市川房枝君 そういうお言葉でしたら、私の方から押しかけていきますよ。少しわれわれの希望するようなことをやってほしいと思っております。 時間が参りましたけれども、実はあと、この間の地方選挙は一体きれいな選挙であったかどうかということを伺いたいと思ったんですし、それは選挙違反の方も含めて伺いたいと思いましたし、それから最後には、自治大学ですね、自治省が尽力しておつくりになった自治医科大学ですか、医科大学の入学生、これはもちろん男子も婦人も入っておりますけれども、婦人を拒否しているというか、されているみたいだということを関係者の一人から私のところへそれを言ってまいりまして、だからその事実も確かめたいと、まあそれだけあるんですが、簡単でよろしゅうございますから、最初に地方選挙は一体きれいだったかどうか、ちょっと簡単におっしゃっていただきたい。
○政府委員(左藤恵君) 今回の統一地方選挙を振り返ってみました場合に、投票率、そういったものから見られますように、今回の選挙が住民に非常に身近く感じられるものであり、それなりに住民の関心が深かったということもございまして、一般的に見まして、従来の選挙から比べますと、金のかかる選挙という面での批判は少なくなったように思います。違反状況につきましては、悪質な違反というようなことも一部あったようでありますけれども、前回の選挙に比べましても、検挙件数なり人員とも減少しておりまして、そういった意味におきましては、きれいにする国民運動によって一般の、何といいますか、選挙浄化の意識が高まりつつあるというふうにわれわれは考えております。今国会の公職選挙法、公選法の改正法案につきましても、金のかからない選挙の実現というものを目指しておるという状態でございますが、そういったことで一層効果を期待することができるんじゃないかと、われわれはそのように考えております。
○委員長(原文兵衛君) 警察庁、何かありますか、いまの質問に対して。ちょっと説明してください。
○政府委員(田村宣明君) 今回の統一地方選挙の違反取り締まり状況でございますが、五月二十七日現在で検挙総数は一万八千五百四十二件、人員が二万六千三百九十八人となっております。前回昭和四十六年が二万六百十六件で、人員が二万八千六百二十五人ということでございますので、件数、人員ともに一割は減っておるということでございます。それから罪種別に見ますと、買収が一万六千六百八十六件、人員が二万三千五百五十九人で、いずれも全検挙件数、人員のうち九〇%ということになってございます。そのほかは、自由妨害が百八十三件の三百十五人、戸別訪問が四百十件の九百三人、文書違反が四百十九件の七百十八人、その他が八百四十四件の九百三人でございまして、その他のうち八割近くは投票偽造でございます。 それから検挙件数、人員はこのように減っておりますが、警告状況について見ますと、警告件数が四万三千二百七十四件でございまして、前回は三万一千九百八十二件ということで、これは約四割増ということになってございます。中でも多いものは文書違反の三万九千四百十六件がやはり九〇%になっておると、こういうふうな状況でございます。
○説明員(今井実君) 自治医科大学につきましては、自治省といたしましては、建設費あるいは大学の運営経費、こういうふうな資金面のお世話はさしていただいておりますけれども、入学者の選抜方法とかいうふうな大学プロパーの管理運営事項、これはじかには所管しておりません。しかしながら、いまお尋ねがございました事情につきまして大学当局にその方針を聞いてみましたところ、従来ともそうした男女の性別による差別というふうなことは毛頭いたしておらない、厳正公平に入学者の選抜は行ってきているということでございました。むしろ、僻地医療というふうな場におきましては、女性の特性を生かした活躍が大いに期待されるわけでありまして、逆に大いに歓迎するという方針だそうでございまして、この方針は今後とも堅持してまいるということでございました。 なお、現在自治医科大学におります在校生四百三十七人ですが、このうち女子学生は八人でございます。率にいたしますと一・八%、やや低い率でございますが、この八人になりましたのは、自治医科大学としましては、四十七年から四年、四回にわたりまして学生を募集したわけでありますが、この間、総計いたしまして女子学生に対する入学の決定は二十人について入学の許可をいたしたわけですが、残念ながら、その六割の十二人の方が辞退されまして、残りの八人の方がいま在籍されているということでございまして、入学の決定は二十人、約五%ほど女子学生の入学の許可をいたしておるということでございます。
○市川房枝君 ありがとうございました。
○加瀬完君 関連。 選挙の取り締まりのことでちょっと伺いたいのでありますが、たしか四十三年の三月だと思いましたが、警察庁長官と選挙部長の連名で都道府県選挙管理委員会に、立て看板についての禁止の通達が出ているはずです。ところが、その通達に全く違反している立て看板が全国至るところに横行している。これは個人的にも、私は自治省の選挙部に、一体これをどうして見逃しているんだと、返事をもらいたいという依頼をしておきましたけど、何も返事がない。あなたの方は大分取り締まりをよくやったように言っているけれども、少なくも立て看板については取り締まりは全然やっておりませんよ。畑の真ん中だの、道の四つ角だの、全然事務所も何もないところに歴然と立て看板がかけてあるんじゃありませんか。それから誇大な立て看板あるいは広告の類というのも、禁じられておりますのに横行していましょう。今度の選挙で自治省なり警察庁なりがどんな取り締まりをしましたか。何もやってない。それで、非常に取り締まりをしましたけれども検挙件数は少のうございますと言ったって、法律で決められておって通達を出したものが取り締まられていないんだから、検挙件数は少なくなりますよ。取り締まらなければ検挙件数少なくなるのは当然でしょう、これは。連名で通達をしておって、どうしてああいうふうに立て看板を横行さしておるんですか。私の言っているの違いますか。四十三年のたしか三月だと思った、通達を出しているでしょう。何もかまわないじゃないですか。しかも都道府県区を選挙母体にする候補者は億ですよ。立て看板の金額を計算すりゃ億ですよ。これは選挙費用から見れば明らかな超過だよ。そういう諸般の情勢というものを勘案して立て看板に対する禁止の示達を出している、何もかまわないじゃないですか。これは一体取り締まらないのか、取り締まるのか、あるいは出した通達というのはもう無効になったのか、はっきりさしてもらいましょう。自治省だよ、自治省。
○説明員(山本武君) いま御指摘の点でございますが、ちょっと四十三年の通達等持ち合わせておりませんけれども、私の推測するところで恐縮でございますが、先生の御指摘になった立て看板というのは、いわゆる棒ぐいのたぐいではなかろうかと思います。一般に棒ぐいというふうに呼ばれております、たとえばたんぼの真ん中に〇〇先生後援会連絡所、〇〇先生後援会入り口とかというふうなのが林立するというふうな状況の御指摘かと存じます。この点につきましては、従来からこの考え方として、私ども直接取り締まりに当たっておりませんけれども、取り締まりの方は警察当局でございますが、どうも聞きますと、あれは選挙運動としてのものなのか、あるいは政治活動としての後援会の連絡所の表示なのか、その辺が非常にデリケートなように伺っております。なお、この点につきましては、そういうふうな状況等も考えて是正をするべく、公選法の一部改正が国会に提案されている次第でございます。まあ選管といいますか、自治省当局は直接取り締まりに携わっておりませんので、ひとつその辺御了承いただきたいと思います。
○加瀬完君 これは通達をよく見てね、それから御返事くださいよ。自分たちの出した通達を見ておらないで、いまみたいな答えをされても困る。いまあなたのおっしゃったようなことを取り締まる、禁止するということが通達には書いてある。後で適当なときにまた御返事いただきます。きょうは結構です。
○委員長(原文兵衛君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時八分散会