地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/05/29
会議録
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月一日、青井政美君及び上條勝久君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君及び大谷藤之助君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 昭和五十年度地方財政計画に関する件及び地方交付税法の一部を改正する法律案を一括議題とし、まず、昭和五十年度地方財政計画に関する件について説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) 昭和五十年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 昭和五十年度の地方財政につきましては、最近における厳しい社会経済情勢の推移と地方財政の現況にかんがみ、国と同一の基調により、引き続き抑制的な基調を堅持する方針のもとに、地域住民の福祉向上に資するため、地方財源の確保に配慮を加えつつ、財源の重点的配分と経費支出の効率化を図る必要があります。 昭和五十年度の地方財政計画はこのような考え方を基本として策定いたしております。以下、その策定の方針及び特徴について申し上げます。 まず、住民負担の現状にかんがみ、個人の住民税及び事業税、料理飲食等消費税、ガス税等についてその軽減合理化を図ることとしております。また、大都市地域における都市環境の整備のための財源を確保するため、市町村の目的税として、これらの地域の事務所事業所に対して課する事業所税を新たに創設することといたしております。第二に、地方財政の現状に対処するため、地方交付税の所要額を確保するとともに、沖繩県及び同県市町村に対して交付すべき地方交付税の財源を確保するため、引き続き臨時沖縄特別交付金を国の一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることといたしております。 第三に、総需要抑制の見地から、地方債の増加を極力抑制するとともに、地方債資金における政府資金を増額することといたしております。 第四は、抑制的基調のもとにおいて、地域住民の福祉充実のための施策を重点的に推進することといたしております。このため、地方交付税、地方債、国庫補助負担金等を通じて重点的な財源配分を行うことといたしております。 まず、社会的公正の確保に配意しつつ、生活保護、児童福祉、老人福祉、障害者福祉等社会福祉施策の一層の充実を図るとともに、教職員の定数及び処遇の改善、私学助成の拡充等教育振興対策を推進し、あわせて公害対策、交通安全対策、消防救急対策等について充実を図ることといたしております。 次に、上下水道、廃棄物処理施設、教育施設、社会福祉施設、住宅等地域住民の福祉向上のための事業を重点的に進めることとし、また、人口急増地域における公共施設等の整備のための財政措置を拡充するとともに、過疎及び辺地対策事業債の増額、僻地の交通及び医療の確保等過疎地域対策を推進することといたしております。 さらに、公共用地の円滑な取得を図るため、昭和五十年度に限り、臨時土地対策費を算入することといたしております。 第五は、地方公営企業の経営の健全化を図るため、引き続き交通事業及び病院事業の再建を推進するとともに、公営企業債についても、生活関連事業を中心に重点的にその増額と資金の質の向上を図ることといたしております。 第六は、地方財政の健全化及び財政秩序の確立を図る見地から、国庫補助負担事業に係る地方団体の超過負担及び税外負担の解消、定員管理の合理化、既定経費の節減について所要の措置を講ずるとともに、地方公務員の給与改定等年度途中における事情の変化に弾力的に対応するよう配慮することといたしております。また、地方財政計画を実態に即して策定するため、その算定内容について是正措置を講ずることといたしております。 以上の方針のもとに、昭和五十年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、二十一兆五千五百八十八億円となり、前年度に対し、四兆一千八百三十五億円、二四・一%の増加となっております。 以上が昭和五十年度地方財政計画の概要であります。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について、趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 昭和五十年度分の地方交付税については、社会福祉水準の向上、教育の充実等に要する財源の充実を図るため、普通交付税の額の算定に用いる単位費用を改定する等の必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず、昭和五十年度の普通交付税の算定方法については、児童福祉、老人福祉対策等社会福祉施策の充実その他社会福祉水準の向上に要する経費の財源を措置するとともに、教職員定数の増加、教員給与の改善、教育施設の整備等教育水準の向上に要する経費を増額し、また、市町村道、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の計画的な整備を進めることとするほか、過密対策、過疎対策、交通安全対策、消防救急対策、消費者行政及び土地対策に要する経費を充実することとしております。さらに、公共用地の円滑な取得を図るため、臨時土地対策費を基準財政需要額に算入することとしております。以上が、地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 次に、昭和五十年度地方財政計画に関する件及び地方交付税法の一部を改正する法律案について、補足説明を聴取いたします。松浦財政局長。
○政府委員(松浦功君) 昭和五十年度地方財政計画の概要につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足して御説明いたします。 明年度の地方財政計画の規模は、二十一兆五千五百八十八億円で、前年度に比較しまして、四兆一千八百三十五億円、二四・一%の増加となっております。 次に、歳入について御説明いたします。 まず、地方税の収入見込み額でありますが、道府県税四兆五千七百四十一億円、市町村税四兆三千百九億円、合わせて八兆八千八百五十億円でございます。前年度に比べて一兆六千八百九十三億円、二三・五%の増加となっております。増加の内訳は、道府県税については、七千四百八十三億円、一九・六%、市町村税については九千四百十億円、二七・九%となっております。 なお、地方税におきましては、個人の住民税における減税四千四百九億円を初め合計四千八百八十四億円の減税を行うとともに、事業所税の創設等により二百七十四億円の増収を見込み、差し引き四千六百十億円の減収を見込んでおります。 地方譲与税につきましては、総額二千三百二十二億円となっております。 次に、地方交付税でありますが、国税三税の三二%分、四兆四千八十七億円を確保し、前年度に対し一兆二百六十四億円、三〇・三%の増加となっており、この額に、臨時沖繩特別交付金二百九億円を加算いたしまして、総額四兆四千二百九十六億円となっております。 国庫支出金につきましては、総額五兆五千三百六十七億円で、前年度に比し九千九百九十五億円、二二・〇%の増加となっております。これは、生活扶助基準の引き上げ、児童保護、老人医療等の公費負担の充実等社会福祉関係国庫補助負担金、義務教育費国庫負担金の増などが主なものであります。 次に、地方債でございますが、普通会計分の地方債発行予定額は、一兆二千七百四十八億円でございまして、前年度に対しまして二千四百五十八億円、二三・九%の増加となっております。 地方債計画全体の規模は二兆八千三百五十億円で、前年度に対しましては四千九百六十億円、二一・二%の増加となっております。 地方債計画の基本方針といたしましては、総需要の抑制の要請を踏まえながら、住民生活に直接の影響を持つ事業を重点的に推進することといたしております。 資金構成といたしましては、政府資金が一兆七千百億円であり、その地方債資金に占める割合は六〇・三%となっております。 最後に、使用料及び手数料等でありますが、これは最近における実績の増加率等を勘案して計上いたしております。 その結果、歳入構成におきましては、地方交付税が前年度一九・七%に対し、〇・八%増の二〇・五%となり、これに地方税及び地方譲与税を加えた一般財源は前年度六二・四%から六二・八%へと歳入構成比率を高め、反面国庫支出金は前年度に比し〇・四%ウエートが低下しております。 次に、歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費は、総額七兆四千八百十三億円で、前年度に対し四八・八%の伸びを示しております。これに関連いたしまして、職員数については、教育、警察、消防、社会福祉、清掃関係の職員を中心に約三万人の増員を図ると同時に、国家公務員の定員削減の方針に準じ、約七千五百人の定員合理化を行うこととしております。また、本年度においては、地方の実態を考慮し、職員数の規模是正十三万八千人を見込むとともに、補助職員等に係る給与費を一般行政費から給与関係経費に組みかえることといたしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額四兆八千四百十九億円、前年度に対しまして九千六百九十一億円、二五・〇%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは二兆四千四百十億円で、前年度に比しまして四千五百十一億円、二二・七%の増加となっており、この中には、生活扶助基準の引き上げ等を図っている生活保護費、児童保護の拡充等を初めとする児童福祉費、老人医療無料化対策等の老人福祉費などが含まれております。 国庫補助負担金を伴わないものは二兆四千九億円で、前年度に対しまして五千百八十億円、二七・五%の増加となっております。この中では、社会福祉関係経費を充実するほか、公害対策関係経費として三百二億円、給与改定等に対する財源留保として三千億円を計上いたしております。 なお、旅費、物件費について、経費の効率的な使用を図る見地から、二百七十三億円の節約を見込んでおります。 公債費は、総額九千六百六十四億円で、前年度に対しまして千八百四十三億円、二三・六%の増加となっております。 次に、維持補修費につきましては、各種施設の増加及び補修単価の上昇等の事情を考慮いたしまして、前年度に対しまして七百七十四億円の増額を見込み、三千八百六十六億円を計上しております。また、この中には、七十七億円の節約を見込んでおります。 投資的経費につきましては、総額七兆七百七十八億円であり、前年度に対しまして、七千百六十一億円、一一・三%の増加となっております。 直轄、公共、失対事業の各事業は国費とあらせて執行されるものであります。公共事業費のうち、文教施設三二・〇%、厚生労働施設三三・四%、生活環境施設二三・九%の増加等いわゆる生活関連公共投資が増加しておりますが、公共事業費全体としては九・三%の増加にとどまり、総需要抑制策の一環として、事業規模の圧縮が図られております。 一般事業費及び特別事業費のいわゆる地方単独事業費は、総額三兆一千三百六十七億円で、前年度に対しまして、三千九百八十一億円、一四・五%の増加となっております。この単独事業費におきましては、廃棄物処理施設三〇・一%増、都市公園二二・四%増、人口急増対策二三・七%増、過疎対策二九・三%増、交通安全対策等一九・〇%増等生活関連施設の整備充実を図ることとしております。 次に、本年度におきましては、公共用地の円滑な取得を図るため、同年度に限り、臨時土地対策費として一千五十億円を計上いたしております。 また、公営企業繰出金につきましては、地下鉄、上下水道、病院等、国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額四千九十八億円を計上いたしております。 その結果、歳出構成におきましては、給与関係経費は三四・七%で、前年度に対し五・八%の大幅な上昇を示しておりますが、反面、投資的経費は前年度三六・六%から三・八%減少し、三二・八%となっております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。 引き続きまして地方交付税法の一部を改正する法律案についての補足説明を申し上げます。 地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、法律案の内容につきまして補足して御説明いたします。 まず、地方交付税法別表の改正であります。これは、同表に定める単位費用を改正し、普通交付税の額の算定に用いる基準財政需要額を増額しようとするものであります。 次に、改正法の附則の規定でありますが、改正法附則第三項及び第四項の規定は、公共用地の円滑な取得を図るため、臨時土地対策費を設けようとするものであります。 次に、改正法附則第五項の規定は、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部改正でありますが、これは、昭和五十年度における一時借入金の利子相当額を一般会計から繰り入れる特例を設けようとするものであります。 その他の規定は、改正法の施行日を定める等の措置を講じようとするものであります。 補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(原文兵衛君) 次に、地方財政緊急措置法案(参第五号)を議題とし、発議者から趣旨説明を聴取いたします。和田静夫君。
○和田静夫君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました地方財政緊急措置法案に関し、提案理由及び概要につきまして、御説明申し上げます。 自由民主党、三木内閣による自治体職員に対する人件費攻撃が行われている中で、去る三月公表されました昭和四十八年度地方財政白書は、今日の地方財政危機が、まさに自民党政府のインフレと不況政策によって引き起こされたものであることを明確に示しております。 すなわち、田中前自民党内閣の日本列島改造政策を柱とするインフレ政策は、地方財政を水ぶくれの状態に追いやる一方、地価のつり上げ、建設資材の高騰など、行政経費の暴騰によって保育所や学校や住宅が建たないなど、行政水準を著しく低下させてまいりました。こうしたインフレ政策が石油ショックを契機に暴騰インフレに突入するや、自民党政府は、一転して十把一からげの総需要抑制策に転換したのでありますが、この結果、地方財政は企債事業の資金繰りの悪化、税収減などによって深刻な危機に直面したのであります。まさに地方財政はインフレと不況の二重苦にあえいでいるのであります。 こうした地方財政の実態に目を向けず、四十八年度において義務的経費が四二・六%と前年度より一・八%増大していることのみを強調し、自民党・三木内閣が地方財政硬直化を宣伝することは、全く的を得ているとは言えません。自治体の福祉対策費が三〇・四%と高い伸び率を示していることは、老人医療の無料化、児童手当制度の拡充など福祉行政を進めてきた革新自治体の成果であり、自民党政府のインフレ政策による国民生活悪化を防ぐぎりぎりの措置であって、当然な結果と言わなければなりません。 いま重要なことは、福祉の充実を要求する国民の期待に十分こたえられる地方財政を確立することであり、そのためには自民党政府のインフレと不況政策によって引き起こされた地方財政危機の制度的原因、すなわち、三割自治に代表される貧困な自主財源、中央集権的締めつけを改革することであります。この根本的改革を行うためにも、当面地方財政にとって最もガンとなっている膨大な超過負担の解消、地方債制度の民主化及び地方交付税の増額と配分の民主化を緊急に図らねばなりません。これが本案を提案いたしました理由であります。 次に、本案の概要について御説明申し上げます。 第一は、国の責務についてであり、国は、速やかに、国と自治体の事務及び財源の再配分について必要な施策を講ずるものといたしております。 第二は、第二交付税の創設についてであります。地方財政の危機的状況を緊急に改善するため、国税三税の八%をもって第二交付税を創設することといたしております。 第三は、第二交付税の配分についてでありますが、第一種交付税、第二種交付税に区分をして、第一種交付税については、人口一人当り一千一百九十四円、一平方キロメートルにつき三十三万一千二百二十四円を単位費用としてすべての都道府県、市区町村に対し交付することといたしております。第二種交付税につきましては、自治体の民生費の額千円につき二百六十四円及び単独事業の額千円につき百七十三円を単位費用として前々年度の決算に応じて交付することといたしております。 第四は、地方超過負担の解消と国・自治体の財政の健全化についてであります。政府は、地方六団体各一名、関係行政機関の職員六名、学識経験者三名で組織する地方超過負担調査会を総理府に設置し、調査会は過去における超過負担の実情・必要な交付金の額及び今後超過負担を生じさせないための措置等、国・自治体の健全化について調査審議し、内閣総理大臣に意見を申し出るものといたしております。さらに、国は、調査会の答申に基づき、超過負担解消のための交付金を交付することといたしております。 第五は、地方債に関する特別措置についてであります。政府は、地方債の発行許可に関する事項を調査審議するため、自治大臣の諮問機関として地方六団体各一名、関係行政機関の職員三名で組織する地方債審議会を設置するものといたしております。また、各都道府県知事も確聞機関として同様な審議会を設置するものといたしております。なお、国は、地方債に占める政府資金の割合を八〇%とするよう義務づけております。 第六は、本法案の効力についてでありますが、昭和五十三年三月三十一日までといたしておりますが、国は、本法案の失効前において地方財政の抜本的改革措置を講ずべきであります。 以上が本法案の提案理由及び概要であります。慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 次に、国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全化に関する法律案(参第三号)を議題とし、発議者から趣旨説明を聴取いたします。阿部憲一君。
○阿部憲一君 ただいま議題となりました国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全化に関する法律案につきまして、その趣旨を公明党を代表いたしまして御説明申し上げます。 現在、地方公共団体の財政は、極度の危機に瀕しておりますが、その最大の原因は、公共住宅、学校、保育所、ごみ処理施設を初め、生活環境整備に対する国からの補助が不当に低いために生ずる超過負担にあることは多言を要しません。 すでに全国知事会では、昭和四十六年に地方超過負担率は四四・七%となっていると調査結果を発表しており、さらに革新市長会でも、全国地方公共団体の総超過負担額は、過去五年間で一兆円にも及ぶと述べております。地方六団体を初め、各地方公共団体からは例外なく超過負担の解消を求める声が高まっております。にもかかわらず、政府はきわめて限定された国庫補助負担事業に対して若干の解消をするのみで、かつ後追い的措置にとどめ、地方公共団体の要請に対し抜本的な解消策をとるものとなっておりません。 したがって、超過負担の抜本的解消を図るためには、インフレ政策をやめ、補助金制度全般にわたって抜本的な検討を図るとともに、地方公共団体に対し、自主財源を付与し、行財政両面に保障を行うべきであることはかねてから主張してきたところであります。 このような立場から、超過負担に対する国の責任を明らかにし、地方公共団体の財政の健全な運営を図るため、国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全化に関する法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の概要を御説明申し上げます。 その第一は、超過負担の定義につきましては、国庫負担事業に係る国の支出金、負担金、補助金等の地方公共団体に対する支出金の算定基準が、地方公共団体がこれらの事業を実施するために必要かつ十分な金額を基礎としていなかったことと、これらの事業を実施するために必要かつ十分な経費の種目について、国の支出金が支出されなかったことにより当該地方公共団体が支出することとなった支出と定めております。 第二は、総理府に地方超過負担調査会を置くこととし、この調査会は、地方六団体の代表十二名のほか、関係行政機関の代表十二名、その他学識経験者五名をもって構成するものとしております。また、その所管事務は、昭和四十五年度から昭和四十九年度までの間における超過負担の実情調査及びその額の算定並びに今後超過負担が生じないようにするための措置について調査審議することとし、これらの結果を内閣総理大臣に報告及び勧告することとしております。 第三は、国は調査会の実情調査及びその額の算定の結果報告に基づいて、内閣総理大臣が定める額を、超過負担をした地方公共団体に対し、昭和五十年度から昭和五十二年度までの各年度に、特別交付金として交付することとしております。さらに、内閣総理大臣は、調査会の勧告を尊重し、必要な措置をとらなければならないこととしております。 第四は、本法律案の施行についてでありますが、公布の日からとしております。なお、これに要する経費は初年度三千億円を見込んでおります。 以上が、国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全化に関する法律案の提案理由及びその趣旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(原文兵衛君) 次に、人口の急激な増加に伴う公共施設及び公益的施設の整備に関する特別措置法案(参第一二号)を議題とし、発議者から趣旨説明を聴取いたします。上林繁次郎君。
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表しまして、ただいま議題となりました人口の急激な増加に伴う公共施設及び公益的施設の整備に関する特別措置法につきまして、提案理由とその要旨を御説明申し上げます。 人口急増市町村におきましては、短期間かつ急激に増加する人口に対応して、義務教育施設、廃棄物処理施設を初め、良好なる市街地の形成を確保するために都市計画街路、公共下水道の整備等が緊急に必要となっており、この解決が現在地方公共団体の最も緊要な課題となっております。 しかしながら、これらの課題に対して政府は従来から若干の予算措置で対処しているだけであり、そのため地方財政を圧迫し、加えて昨今のインフレと不況の併存という異常な経済状況の中で、これら人口急増市町村等の財政は破綻に瀕しております。 このような現状にかんがみ、大都市近郊における急激な人口増加を防止する基本的な対策及び行財政制度の抜本的な改革が必要でありますが、当面、人口急増によって生じたひずみを国の責任において是正することがきわめて緊要であります。 以上の理由によって本法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、人口急増市町村、児童生徒急増市町村の範囲につきまして、この法律案では、人口、児童生徒の増加数及びその率をとることとし、人口急増市町村とは、国勢調査等による人口が年三%以上で、五千人以上、児童生徒急増市町村とは、学校基本調査による児童が三年間に六%以上で、五百人以上、もしくは生徒が三年間に六%以上で、二百五十人以上増加した市町村としております。 なお、大規模な宅地開発、集団住宅建築により政令で定める一定期間内に人口が三千人以上増加する場合も追加して人口急増市町村としております。 第二は、人口急増市町村施設整備計画、学校施設整備計画の策定についてであります。市町村は、良好な生活環境を確保するため、都道府県と協議の上、当該市町村議会の議決を経て、人口急増市町村施設整備計画等を定め、それぞれ自治大臣に提出することとしております。 自治大臣は、その計画の内容を関係行政機関の長に通知し、その意見を聞き、所要の協力を得て必要な施策が講ぜられるようにしております。 第三は、財政上の特別措置についてであります。 まず、施設整備計画に基づいて行う義務教育施設、公民館、下水道、保育所、一般廃棄物処理施設、道路、公園等の整備に要する経費につきまして、国の負担割合の特例を設けることとしております。 さらに、施設整備計画に基づいて行う事業の経費につきましては、地方債をもってその財源とすることができることとし、その地方債の利子支払い額のうち、年三・五%を超え九・五%までの部分に相当する額を当該市町村に補給をすることとしております。 第四は、このほかの特別措置として、国は、施設整備計画に基づく事業用の用地として国の普通財産が地方公共団体において必要なときは、それらの財産の譲渡に努めるとともに、これらの事業資金の確保等にも努めなければならないこととしております。 第五は、宅地開発等に係る調整措置についてであります。 まずその一は、一ヘクタールもしくは五十区画以上、五十戸以上の規模の宅地開発、住宅の建築を行おうとする者は、当該宅地開発等の計画の概要を市町村に届け出なければならないこととしており、この届け出を受けた市町村長は、その写しを都道府県知事と関係市町村の長に送付するものとしております。さらに、それぞれの市町村の事情に応じて、条例で、これらの規模以下の宅地開発等についても届け出させることができることとしております。 なお、この届け出をせず、または虚偽の届け出をした者には、一万円以下の過料に処すこととしております。また、宅地開発等を行っている者に対して、市町村長は、その宅地開発等の変更を求めることができることとしております。 その二は、関連公共的施設の用地の確保及び立てかえ施行についてでありますが、関連公共的施設を設置すべき地方公共団体の申し出があったときは、宅地開発等を行う者は、その用地を確保するものとし、宅地開発等を行う国、地方公共団体及び日本住宅公団その他これに準ずる者並びに十ヘクタールもしくは五百区画以上の宅地開発、五百戸以上の建築等を行う者は、関連公共施設を設置すべき地方公共団体の申し出があった時には、いわゆる立てかえ施行を行うものとしております。なお、立てかえ施行された関連公共的施設の買い取り費用は、三年以内に支払うこととしておりますが、住宅公団等が立てかえ施行した場合には、十年または二十五年以内に支払えばよいこととしております。 最後に本法律案の施行でありますが、公布の日からとしております。ただし、宅地開発等の届け出に係る規定につきましては、公布の日から二十日を経過した日から施行することとしております。 また、この法律は十年間の時限立法としております。 なお、これに要する経費は、初年度三千億円を見込んでおります。 以上がこの法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(原文兵衛君) 午前中の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時八分開会
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 昭和五十年度地方財政計画に関する件及び地方交付税法の一部を改正する法律案を一括議題とし、両案に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○夏目忠雄君 二、三御質問申し上げたいと思います。 きょうは私は、実は同和対策についていろいろ御質問申し上げたい予定でありましたが、政府の方の御都合で関係者が御出席できないようでございまするので、その問題につきましては一応保留さしていただきまして、種がなくなって弱ったなと思ったら、幸い、日本社会党の方から第二交付税案が提出されましたので、これに対する私の所感を交えながら質問いたしまするので、ひとつ適当に御答弁を願います。 最初にお伺いしたい点は、交付税というものが、私どもいままで市長をやっておりますときは、これは地方の固有財源だということを、自治省が講習会あたりでも、いろんな機会でも言われて、そうだとばっかり思ってまいったのでありまするが、どうも来て、この小一年、いろいろの会合に出て聞きますると、必ずしもそれがはっきりしておらぬ。財政調整交付金の性格が非常に強くて、何も固有財源と言ってえらいいばるとすぐ水を差されるような状況でございまして、政府間に、果たして政府の各省の間に、地方交付税は地方自治体の固有財源であるというもう統一したあれがあるんでしょうか。それとも若干もやもやとしたようなものが残っておるんでしょうか。その点をひとつ最初にお聞きしたいと存じます。
○政府委員(松浦功君) 私どもといたしましては、全く固有財源であると考えておりまするし、各省の間においても、この中に、各省の政策をいわゆる基準という考え方で積算その他の中に考え方を入れてほしいという要望はあります。これはあくまで基準であって、もらった交付税をどう使うかについてその基準で束縛をしよう、そういう考え方は、もう相当この交付税制度が長い間続いてまいりましたので、そういう観念はもうないと、私どもも思っております。
○夏目忠雄君 あくまで基準であって決してひもをつけたものでないということは、局長さんのお話でございまするし、また、法律にもそう書いてありますので、それを了承いたしまするが、そういうふうにして、たとえば今度の大臣並びに局長の補足説明などをそういう目ではちょっとなかなかこれは読み取れないんですね。やっぱりこういう基準を決めたんだから地方はこの基準に従え――従えとは書いてないけれども、従わないとちょっとぐあい悪いぞというように、こうずうっと大臣の説明も財政局長さんの補足説明も、何とはなしにそんなにおいが私にはしてかなわないのであります。 で、具体的にお聞きいたしまするが、それでは公共用地のための臨時土地対策費というものをもらっておる。これなどは、地方によってはもうりっぱにひもをつけられたものだと解釈しておるところが相当数あります。私は、これはそういう解釈ではない、一応の基準であって、何も土地対策費に使わぬでいいものだという考えでやってきておりましたけれども、必ずしもそうでない。特にこういうふうに枠外に持ってきて臨時土地対策費として出しておるというところを見ると、どうも固有の財源だというのもちょっとおかしいというふうにも受け取れますが、どんなものでしょう。
○政府委員(松浦功君) 附則の方に書きましたのは、これを恒久的な制度として続けていくというだけの交付税を確保する実は自信がないという観点から、臨時に附則で入れたわけでございます。これは四十九年度の補正予算に伴いまする地方交付税法の一部改正のときにも附則に入れてありました。引き続き、五十年もう一度やらしていただきたいということでございます。 この臨時土地対策費は、御承知のように、総需要抑制ということから金融が引き締まってまいりまして、そのために非常に土地を入手するための財源に困難しておられる。仮に起債の許可が得られてもなかなか銀行が貸さない、こういうような実態もございまして、地方の土地対策に少し力を入れるべきだという観点から入れたものでございまして、総額一千五十億でそれぞれ地方団体に基準財政需要という形でばらまくわけでございます。 これは土地を必要としないところにも配られる金でございます。土地購入費を必要としておらない市町村等についても配られる金でございます。したがって、この金で土地を買わなければいけないんだということは言うておりません。ただ、これだけの財源措置をしてあるんでございますから、これに相当する部分だけは、土地の地方債をどうしても認めてくれという団体が出てまいりました場合には、その金額だけは差し引いて地方債をお認めをしますよ、そうでございませんと財政計画は狂ってしまいます、そういう御指導は申し上げておりますけれども、土地を買わなかったから返せ、こういう指導は全然いたしておりません。したがって、私どもとしては、はっきりひもつきでないということを申し上げて差し支えないかと思います。
○夏目忠雄君 はっきりしたような、しないような話なんですが、もう一つちょっとお尋ねしたいのは、同和対策費というのが特別交付税の算定基準の中に入っておるようでございます。いま申し上げましたように、算定基準というものはどこまでも一応の目安であって、決してそれを縛るものじゃない、土地についても同じだということになれば、当然同和対策費につきましても同じことが言えるんだと私は思うんですが、それはいいでしょうな。
○政府委員(松浦功君) 特別交付税は、御承知のように、特殊の財政需要があるという角度からその事象をつかまえてそれぞれ算定をいたしているわけでございます。算定の基礎としては、たとえば一億円もらった市があった場合に、算定の基礎としてはこういう経費でこれだけ見ておりますという算定、お示しはいたしておりませんが、私どもとしてはきちんと算定いたしております。しかし、もらった特別交付税をどうお使いになるかは、これは全く地方公共団体の御自由でございまして、私どもとしては一切干渉をいたした事例というのはないわけでございます。
○夏目忠雄君 ちょっと聞き取れなかったんですが、特別交付税といえども単に算定の基準であって、決してそれで縛るものではないというふうに受け取っていいのでございますね。 そこでお尋ねしたいんでありまするが、同和対策費は各地方自治体が非常に困っておりまする問題で、いろいろお聞きしたいんですが、それは保留することにいたしまして、一点だけお願いしたいのは、その特別交付税の算定基準が、つまり第三者に全部漏れなく市町村ごとに漏れているわけでございます。したがいまして、算定基準でありまするから決してこれは第三者に公表すべきものでない、私はかように思うんでありまするが、現実にはこれが漏れておりまして、これだけの特別交付税が来ているのに、おまえの方の村はこれだけ出さないのは何事だということで、実は大変弱っている市町村を私たくさん存じておるのであります。算定基準ということで、あくまでも算定基準なんだ、それに使えと言ってひもつきじゃないということになれば、どういう理由でそういうことを第三者に公表されるのか、また公表をされたのが事実であるかどうか。現実には事実なんですけれども、自治省はどういう必要があって公表されたか。もしくは自治省でないとすれば一体どこなのか、この点について疑問を持っておりますので、お聞きしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 特別交付税の算定方法は、特別交付税の額の算定に関する省令というものを決めておりますので、たとえば災害にどれだけの金を配ったということは外部へ私どもも出しております。しかし、各地方公共団体ごとの各費目別の、たとえば同和事業に幾ら、災害に幾ら、こういうやつは私の方としては原則として公表いたしません。ただ、市町村の特交等につきましては、総枠を知事にお預けをして、知事がその基準に基づいて配分をされておりますので、県の段階においてあるいは一部漏れておるところがあるかもしれないと存じますが、当省としては、費目別、項目別というものは外部へ出さないというのが原則でございます。
○夏目忠雄君 その問題は保留することにいたしまして、せっかくでございますので、ひとつこの第二交付税の問題についてお伺いしたいと思います。 私はきょういきなり見せられたので、実は内容もよくわからないんですけれども、前文はこれはいかぬわね、あんまりただ悪口ばかりであってどうもまずいけれども。しかし、第二交付税をつくれという趣旨は私には了解できるのであります。ただしかしながら、いまの地方自治体の一番問題点は、金が足りないということもさることながら、そうでなくて、自分のことを自分の責任で処理するんだ、これだけの能力と意欲が足りないところに一番の大きな問題点がある。むしろその点に、金が足りない以上に問題点があるんだ、私はこんなふうに思うのであります。現在の地方自治体の予算を実際に私は何回か組んでおりまするが、国の方へ参りまして、各セクションで全部起債とそれから補助金の枠をみんなお持ちになって、しようがありませんから、釣り場に糸をたれるように全部糸をたれまして、そして年度末にその魚をつり上げる。自分の方の地方自治体から言えばせめてこれぐらいの魚がつれればありがたいんだと思うのが、こんな小さな魚しかつれない。それから、この仕事は正直言えば二年後、三年後でもいいけれども、いつつれるかわからないから、まあとにかく糸だけたれておけというやつがどさっとこういうでかい魚がつれてくる。そういうつれた魚をずらずらっと並べて、昭和何十年度何とか予算でございますというわけだ。もしあの金を各地方自治体の市長に自由裁量を許されるならば、こっちを削ってこっちの魚の方をやった方が地域住民の要望により切実に沿うことは明らかで、予算を組むたびに悔恨の情に駆られたのが実に十何回なのであります。 それが実際のあれでございますので、結局は、私は社会党さんのこの第二交付税でもっていきなり八%をということは、恐らく四〇%マイナス三二の八%というものをお持ちになってきたんだろうと思うのでありまするが、ただ金をやるということではなくて、その前に、第一に書いてありまする、「速やかに、国と自治体の事務及び財源の再配分について」と、これも私はまず取り上げにゃいかぬのじゃないか。国の事務の中で、当然地方自治体に任していい問題はたくさんございます。私は過日、予算委員会のところで保育所の例を挙げたり、ごみの理処の問題を例に出しまして、現在、国が一件一件査定をして、おまえのところに、田舎のこの保育所の補助金は何ぼで、起債は何ぼだということを日本全国にわたっておやりになるなんてことをおやめになって、一件一件査定なんかされることはおやめになって、保育所なら保育所というものが関係者が大蔵省と折衝して、そしてこれだけの予算だと組んだら、これだけの予算を子供の数なり何なり、形式的な物差しで結構ですから各県に分配してしまう。一つ一つの査定はやらぬ。これは何も保育所だけでございません。地方道なんか特にその例であります。田舎の道の一本ずつ、中央が一件一件査定される必要は私は毫も認めない。また、現に査定されておるその根拠というものは、地方からみんな積み上げた資料を持っていって、資料を山ほど積み上げて、よしじゃこれにはこれ、これにはこれだけと言うけれども、この資料は地方自治体がみんなつくった資料なんです。だから、たとえば建設省所管によりますると、地方道の問題などは挙げて県に一括して渡してしまう。それを県と市町村で当面は相談しながらやっている。農業関係にだってたくさんございます。一件一件、山地改良だ、草地改良だと言って、小さな山の中まで一つ一つ査定をされる。ああいうむだなことを一切おやめになって、そして、大丈夫この点は地方へ任したって大体いいだろうというめどをつけた事務を片端から譲っていってしまう。それを積み上げていく。私は、当初は国の方だって相当抵抗するから、全部とは言わぬ。全部とは言わぬけれども、少なくとも私はいま例に申し上げたような、学校建築にしろ、保育所にしろ、農道にしろあれにしろ、ずいぶんあるんだ。そういうものを拾い上げて、まあこれなら自治省さんにも立ち会ってもらって、これなら地方自治体に、県へ任せりゃ県と市町村で十分やれますというようなやつだけをしぼって、そして、これだけの事務は地方にお渡しする。ついては財源は、それについての従来の財源はこれこれだから、これこれだけの財源を第二交付税として出しましょう。その数字があるいは六%という数字になるかもしれぬし、あるいは二〇%という大きな数字になるかもしれぬ。そういうことでこの八%という数字をお出しになってくれたのなら、私は即刻大賛成する。 ただ、いきなり、いま困っているのは金だから、金をとにかくとりあえず第二交付税として渡そうというその気持ちは私は悪いとは思思いませんけれども、現に困っておる地方自治体の一番の骨幹は、自分のことは自分の責任でやるんだ、これの欠如であります。しようがありませんから、中央へ行って一生懸命でおねだり行政、物もらい行政、こじき行政と言ってもいい。こじき根性の中で本当の自治が育成されるはずがないのであります。いつまでもこんなことをやっておれば、各セクション、百か二百のセクションでこじき行政をやらしたら、地方自治なんか育ちっこない。多少の財源をやってみたってだめなんだ。だから、どうしても自分の責任で自分のことは――そうすればもう保育所なり学校建築なり、もう中央へ行ったって金一文も出ないんだ、自分の方の財源はこれだけなんだ、この中で何とかやりくりしなけりゃならないなら、これはことしやって、これはがまんして来年やろうという本当の責任ある自治行政が生まれるのだと思うのです。そうでないと、いろいろ言ってきたって、いけないのは自民党政府なんだ、金よこさないからいけないんだと言ってうそぶいておられる。そういううそぶいておられるような地方自治体にしては、私は本当の自治は育たない、こういうふうに思うのであります。御所見をひとつお聞かせ願いたいと思います。これは向こうへ質問できないから、ひとつ大臣の御所見を。
○国務大臣(福田一君) 私は、考え方としてはごもっともな御意見であると存じます。
○夏目忠雄君 局長さんもひとつぜひ。
○政府委員(松浦功君) ただいま大臣がお答えしたことに尽きるかと思いますけれども、国、地方全体を通ずる日本の経済の中で、やはり国、地方がそれぞれ車の両輪として、住民サービスを向上するためにいかにあるべきかという努力を重ねていくということがどうしても必要であろうかと思うのでございます。その意味で、国も責任を持つ、地方も責任を持つという先生の御指摘には同感でございます。
○夏目忠雄君 いろいろ乱暴なことを申し上げましたが、要は、本当の責任を持った地方自治体を育成することに全力を挙げていただきたいということを強く要請いたしまして、質問を終わります。
○加瀬完君 ちょっと議事進行。 いまの御質問者の質問の中に、社会党の提案に対する御質問があったわけでございますが、これは聞いてみますと議題になっておらないそうです。私どもとしては、一緒に議題にして審議をするのが当然だというふうに思っておりますが、そういうことには理事会ではなっておらないそうでありますから、提案者がおりませんから、それにお答えをするのは当を得ないと思いますけれども、御指摘がございましたので、私どもは、おっしゃるように、自治権というものが自治法にも決められておりますし、あるいは財政権にいたしましても地方財政法で決まっておるわけですから、そういう権限というのは当然前提になって事が運ばれるという先生のお考えと、基本は少しも変わっておりません。ですから、そういう前提で、当面の問題の処理にああいうような――これは一つの便宜的な法案でありますけれども、方法をとったらということでありますので、御指摘のような物もらい行政、こじき行政というものを前提にして、こういうふうにすればもっとたくさんもらえるのじゃないか、もらうべきじゃないか、こういう趣旨では毛頭ございませんという点を一言申し上げまして、議事進行に名をかりて恐縮でございますが、議題になっておらないことにお答えをするわけにはまいりませんが、一応それだけは、御質問がございましたので、私どもの立場を申し述べさせていただきます。
○夏目忠雄君 了解いたしました。
○小山一平君 地方財政の危機が叫ばれて、今日くらいこの問題が社会的、政治的問題になっている時代はないように思います。昨年来、知事会あるいは市長会、町村会、各級議会、自治労、あらゆる立場から地方財政に関する強い要望、意見や決議が次々に出ておりますし、第十六次地方制度調査会も、「地方行財政に関する当面の措置について」という答申を出しております。もう地方財政改善はまさに緊急の課題でございまして、きょうそれぞれ提案された諸案件もそれに基づくものだと思います。 そこで、きょうは地方財政問題に関連をして、大変大きいことから小さいことにわたってお尋ねをしてまいりたいと、こういうふうに思うんです。 自治省は、先般来、まず地方自治体の財政困難に陥っている最大の原因は給与にあるという大変積極的な攻撃みたいな姿勢を進めてまいりましたし、去る十六日には、「昭和五十年度地方財政の運営について」という次官通達を出しました。これは例年のことですから、これを出したことについてとやかく言うわけではございません。私は、この問題に対処していくためには、何としても地方団体は地方団体の責任において努力すべき点は大いに努力を払い、また、国もみずからの責任において措置すべき問題あるいは改善すべき課題については誠意と努力を具体的に示していただかなければならないというふうに思うんです。私は、どうも自治省が今日の地方財政に取り組む姿勢と意識の中に、大変憂慮すべき点があるように感じられてならないんです。 その一つは、この財政の危機に対処するに当たって、地方団体に対して大変高圧的な姿勢で臨んでいるのではないかという印象をこれはぬぐい去ることはできません。もとより、地方自治を軽視するという意識は、これは明治以来伝統的に私は存在することを否定をいたすわけではないんですが、三割自治と言われる地方自治がいまますます中央集権化やあるいは官僚統制が強化されて、憲法に現実に規定されている地方自治の精神や機能をいよいよ喪失するようなおそれなしとしない、こういう点がまず一つであります。 それからすでに各方面で指摘をされている、いまもお話が出たところですが、行政事務の再配分であるとか、地方の自主財源の確保であるとか、超過負担の解消であるとか、あるいは起債の運用の問題だとか、国の責任において処理しなければならないという点が大変おろそかにされて、一方的に地方団体に対して要求を突きつけるような姿がまたその一つであります。 私は憲法学者でもないし、憲法の研究者でもございませんけれども、そしてまた皆さんに憲法論争を吹っかけるなどという大それた考えは毛頭持っておりませんが、いまも夏目議員が指摘をされておりますように、新しい憲法で初めて地方自治が憲法上の地位を明確にいたしたのでありますが、それから二十八年も経過したのでありますが、どうも憲法にうたわれている地方自治というものに対する位置づけあるいは基本的な考え方、こういうようなものが非常に明確を欠いている、そこに問題があるように思うんです。憲法の第九十二条あるいは九十四条等々、それぞれ地方自治のことを規定をいたしておりますが、特に「地方自治の本旨に基いて」という言葉がございます。地方自治に対する学者の見解、意見等もいろいろに分かれておりまして、地方自治というものはどういう形でなければならないというまとまった定説があるわけではございませんけれども、私は自治省の取り組んでおられる姿勢の中から、一体地方自治というものをどのように考えておられるか、こういうことに対して大変疑問を感じてならないわけです。そこで、大変これは抽象的でございますけれども、創案の学問的な概念というか観念というかをお聞きしょうとは思いませんけれども、とにかく地方自治の本旨というものを一体どういうふうに受けとめておられるのか、まずその点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(福田一君) ただいま小山さんから、地方自治の問題に関連のある当面した問題について、非常に熱意を込めた御質問があったわけでありますが、私はその前提になっておりますところから申し上げますれば、これは地方と中央というものがそれぞれの責任を分担して、そうして国民の福祉の増進を図っていくといいますか、生活を守っていく、そして平和で豊かな生活を保障するというのが本来の政治の目的であり、また、地方自治自体もそれが本旨ではなかろうかと思うのでありますが、まあ私も余りお役所に勤めておったことはありませんのでありますが、ちょっといま見てみますと、市町村とか県などが、中央に対する場合に何かこう卑屈な感じで対しておられるのじゃないか。最初から、中央はもう非常に強いんだというような感じでいささか物を見ておられる気がする、私はいささかそういう気がする。私は気が少し荒いといいますか、長いこと新聞社に勤めておりましたから、人の上に人なく人の下に人なしという感じで、それが国民全体に徹底しておれば、何もそんな卑屈な態度にならないでも済むと思うのでありますけれども、何かこう先ほど言われたように、徳川幕府以来の因襲が残っておるかどうか知りませんが、そういうところに一つの卑屈な気持ちが残っておるように私は見受けられてなりません。しかし、地方自治というものの本旨を考えれば、それはそこの住民に平和で豊かな生活ができるように努力をし、また住民の意思を十分にくみ取ってそういうことをやっていくというのが目的ではないかと思うのでございまして、その意味において、中央とも十分な連絡をとり、また中央も――といいますか、中央という言葉がいいかどうか別にしまして、政府といたしましても、やはり末端の住民と地方の市町村が接触しておって、非常にいろいろの、中央ではわからないような難問も抱えておるのであるということを頭の中に入れて、自治体その他の意見も十分聞くという、そういう物の考え方で対処していく。市町村も余り卑屈にならないように、また中央も余り高飛車に物を考えないような気持ちでやれば、だんだん私はそういうような弊害はなくなっていくんじゃないかと、こう思っておるわけでございまして、果たして私が申し上げたことが先生の御質問にぴったり当てはまっておるかどうかはわかりませんが、私としては、地方自治というものに対する認識はそのように考えておるわけでございます。
○小山一平君 大臣がいま、地方自治体がどうも卑屈に見えると、こういうふうにおっしゃいました。私はやっぱり国の方で、地方自治体が卑屈になるどころか、自信を持って、自主性を持って、そして自分の任務の遂行に当たり得るように、制度的にもあるいはその他の面でも取り組んでいくという姿勢がないばかりでなしに、あべこべに地方自治体は中央の隷属的末端機関であるかのような意識が根底にあって、そして先ほど来意見もあったように、さまざまな要素で締め上げていく、こういう中に、つい卑屈というか、自治の精神を十分発揮できないような自治体が形成をされてきているという点に私は非常に問題があると思うのです。ですから、私は大臣が自治体のそういう姿勢、形はまずい、もっと自主性を持ち、主体性を持った立場で地方の行政を遂行をしていくということが地方自治の正しい姿であるとお考えくださるならば、これはやっぱり国がそれを可能にするような努力を、さまざまな制度やその他の運営を通じて推進をしていただく、これが必要だと思うのです。そういう点はいかがですか。
○国務大臣(福田一君) 私が申し上げましたのは、地方の市町村その他の公共団体がやはり自主性を持ってもらいたいということでありますが、いま、自治省の方から物をすべて押しつけるような態度が見えるとおっしゃいますけれども、私はそんなふうには――たとえば次官が通牒を出した場合でも、それをそういうふうには思っておりません。こういうことをひとつあなた方は十分考えてやっていただきたいということを、通牒とかなんとかという言葉を出すと、それは上から出す言葉だとお思いになるかもしれないが、あれは通知だとお思いになればいいわけなんです。お互いに通知し合うことは、これはもう当然意思を疎通し合う上では当然でございますから、そういうふうにお考えになれば、私は自治省の役人が何もひとつもいばっておるというように考えないようにしていただきたいと同時に、現実にそういうことがあればひとつ御注意をいただけば、私から十分にその点は自治省の役人に対するというか、官吏に対しましても、公務員に対しましても、私としては注意をするつもりでおります。 でありますからして、そういうふうなことではなくて、一つ一つの問題で、これは中央がどれくらいやらなければならないことで、これは地方としてはどのくらいは当然やってしかるべきものであるかということについて、相互によく意見の交換をし合うということがいま一番必要じゃないかと思っておるのであります。中央から何か物を言ったからそれはもう絶対に変えられないものというわけじゃございません。通牒だって間違っておれば直していいわけなんで、そんなものはちっとも驚くことはないわけであります。そういう気持ちでありますが、しかし、そんなもの出してきて何だと、こう言ったんでは話し合いにはなりません。それはこういうわけでこうだと思うんだがどうだろうという、いわゆる平和裏に、談笑のうちに問題の真相をつかんでそして一歩一歩前進していく、こういう姿が一番望ましい姿ではないかと私は考えておるわけでございまして、私は当委員会に出ておって皆さんの御意見を聞かしていただくときも、そういう気持ちで、いつも御意見のいいところがあればもちろんすぐにでも取り入れなければいけないというつもりでお話を承っておるということだけは、ひとつ御認識を賜りたいと思うのであります。
○加瀬完君 関連。 大臣のお気持ちはわかるのですよ。しかし、大臣がかわればまた考え方が変わるということでは、これは行政機構のあり方としては正しくない。その前に、小山さんの指摘している憲法なり自治法なり財政法なりという運営の基本の法律があるわけですから、その法律のたてまえというものをどう踏まえているか、あるいはおとりになっているか、こういう点で伺ったわけですね。心がけとか気持ちとかというような問題じゃないのですよ。その前に、法律で規定されている規定の考え方というものに疑義があるのに、大臣なりあるいは現在のそれぞれの担当官はどう考えているか、こういう点を伺っているわけですからね。ですから、地方自治行政を行っていく基本的な法律のさらに基本的な条項について、私はこう考えている、これに違背するようなことは自治省としてあり得ないというお答えにならなきゃお答えにならないと思う。それを伺っているんですから、それに対するお答えをひとついただきたい。これは大臣でなくたっていいですよ、担当の方だってかまいませんよ。
○国務大臣(福田一君) いや、私からも一言だけ申し上げますが、それは、この議会政治というものをやっておって、そうして国民の代表として議員が出ておって法律を決めるということは憲法で認められておる。その決めた法律がもし間違っておるということでございますれば、その間違っておる部分についてお互いに率直に意見を交わし合ってそうしてこれを直していくということで、現在ある法律が私たちは間違っておるという考え方で臨んでおるわけではございません。一応私たちはいまのやり方がいいと思っておるけれども、しかし、野党の皆さんがお考えになって、こういうところは具体的にこういうふうに直すことが本来の自治というものを促進する道であると、こういうことでよくお話し合いをしていただくというふうにして、そうして一歩一歩と前進をしていくのである。私は現在の法律を頭ごなしに全部、それはそういうことでおっしゃったわけではありませんけれども、いまの法律というものは、やはり国民の代表であるところの議員が一応決めたものでございまして、それを間違っておれば直すことにお互いに率直に話し合いをする。そうしてその場合には具体的な問題として話を進めていくのがいいんじゃないかと。一般論で言いますと、それはもう政治全体の問題をあれすることになりますから、私はそういう意味で具体的に物事を詰めていただきたいということを申し上げたつもりでございます。
○加瀬完君 もう一問。 誤解があるようでありますから、私どもはいまある法律が間違っているから直せとか、考え方を変えろとか、そういうことを申し上げているんじゃない。現行法をどう大臣なり自治省の当局は踏まえているか。その現行法の考え方に間違いがあるんじゃないかと、こういう立場で小山さんも私も伺ったわけです。政治的な解釈をどうするかという問題じゃないんですよ。いまの財政問題なり行政問題なり、夏目さんが御指摘なりましたように、財源の配分の問題なりあるいは国と地方の行政配分の問題、いろいろあるでしょう。それらを具体的にどうしようかというようなことは、これは政治的に話し合って決めることではありましょうけれども、その前に、現在の法律をどういう立場で認めておるか、この考え方が確認をされませんと土俵が決まりません。土俵を決めて、それからの話は別としても、土俵そのものの法律の解釈がどうも自治省の考え方は違っているんじゃないか、こういう前提がありますので小山さんも指摘をしたのだろうと思うのです。法律の解釈ですから、これは大臣がお答えにならなくても、財政局長がお答えになってもいいです。小山さんの質問に自治省の考えている法律解釈をはっきりここでしていただきたい。それから問題を出発さしたいと思います。
○国務大臣(福田一君) そういうお話でございますれば、どう考えておるかということならば、国会において決まった法律を、これを国家公務員として忠実に守っていくのが、これはやはり自治省の務めであると考えておるわけでございます。
○小山一平君 これは少し具体的にお尋ねしてみたいと思うんですが、これはいろいろの解釈もあろうかと思いますが、たとえば地方自治法あるいは地方公務員法、これらの法律も、地方公務員の人事行政に関してその基準というものを明らかにする、こういうことだと思いますね。したがって、公務員の任用であるとか給与の決定であるとか労働関係等であるとか、そういう細部にわたる人事行政の管理運営に不当に関与するというようなことがあるとすれば、これは自治を破壊する行為になると思います。そしてそういう疑いを持つようなことが自治省の姿勢の中にあるのではないかということを私は具体的には指摘をしているわけです。
○国務大臣(福田一君) 先ほどもお答えをいたしたつもりでございますが、法律を運用するといいますか、行政をやっておる場合に、法律を曲げて解釈をしたりしておってそして間違いがあるという場合は、もちろん御指摘をいただいて、われわれとしてはこれは直していかなければならない、こう考えるわけであります。 ただ、法律の解釈論になりますというと、いろんな意見が出てまいりまして、これは時と場合によっては解釈の問題が非常にむずかしくなる。それから法律自体が余りそういう点を明確にしておらない、そういう条文もございますので、なかなかそういう場合はむずかしいと思いますが、しかし、法律は一応は素直に書いてあると思いますので、それにもし間違ったようなことをしておるということであれば、ひとつ御指摘をいただきまして、われわれとしては直していくようにいたさなければならないと思っておるわけであります。
○小山一平君 このことで余り時間かかってもいけませんが、しかし、このことで私はぜひ指摘をしておきたいと思うんですが、実は地方自治というものに対する憲法上の学問的解釈というものが非常にまちまちでございますが、そしていろんな意見があるわけですけれども、しかし、地方自治というものを固有の地方主権とは認めないというような見解をとる学者の方々でも、この新しい憲法の中に特に地方自治という規定を明らかにしたという歴史的な意義、これは高く評価しなければならないというのが大方の一致したところだと思うんです。そうしてそのことはどういうことかというと、かつて旧憲法時代に、国の行政は中央集権的官僚行政であって、その弊害が非常に大きかった。したがって、この憲法を貫く基本的な体制として民主政治を育て上げていくのだ、そういう点で地方自治というものを位置づけてあると私は思うのです。 そこで、これは恐らくそんなつもりもないし、そんなことをやっておらないとお答えになるかもしれませんけれども、私はいまもこれからも、中央集権的な官僚統制的な方向へ持っていくようなことのないように、私はどうもそういう危険なしとしないと実は思っているのです。御見解いかがですか。
○国務大臣(福田一君) ごもっともな御意見だと思うのでありますが、一番冒頭にちょっと申し上げたんですが、因習的にやはり昔代官とかそういう者がおって抑えつけたというようなあれがあるか、強いものに巻かれろというか、長いものには巻かれろというか、いろいろな表現がありますけれども、本当を言いますと、究極のところを言うと、やはりまだ国民が本当に民主というところに徹底しておらないところがあるのです、全体言うと。それがそういうものの上に立った一つの地方自治体である場合には、やはり何か上から物を言われれば何でも聞かにゃいかぬのかというような感じがありまして、そこに卑屈感が私は出てくるのだと思うのでありますが、そういうことがないようにして、そうしてやはり地方の自治を担当しておる行政官も、あるいは市長その他についても、町村長にしても、伸び伸びとした生活、豊かな表現ができるようなふうに努めなければならない。そうしてそういう卑屈感をなくしていくという努力はしていただきたいと思うのでありまして、したがって、そういうような伸び伸びとした物の考え方から、下から出てくる意見というものがある場合には、これは中央としてはできるだけ受け入れるべき筋合いのものであると私は思っておるのであります。そうして、もしそれが法律上どうしてもできないような仕組みになっておれば、それはこれを直していくということが一番正しい道ではなかろうか、こう考えておるのでございまして、御指摘の、もし中央集権的な物の考え方でいまの自治省の人たちが行政をやっておるという具体的な面がございましたならば、ひとつ御指摘をいただきまして、それは改めるようにさしていただきたい、かように私は考えておるわけでございます。
○小山一平君 これは大変、何といいますか、情緒的な御答弁をいただいたわけですけれども、なかなかこのことをはっきり明快な言葉でやりとりをやることは容易でないと思います。 そこで、今度は局長に、ひとつ地方財政問題などに関連をして、地方自治体とのからみ合いの中で地方自治というものをどういうふうに考えてやっていらっしゃるか、またいくつもりでいるかという点についてお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 先ほど来大臣からもお答えがございましたように、地方自治というものは国の行政の車の両輪をなしているものであって、相互の関連のもとに調和のとれた形でないと、日本の国全体がうまく進まないという関連にあるかと思います。したがって、いわゆる自治と申しましても、合衆国のような基礎にありますものの自治とは違っておりまして、日本の国の存在を前提にいたしました、一定の制限のかかった自治であるとは私ども考えておりますけれども、現在の憲法なり自治法なりで規定されておりますように、その範囲において、大臣がおっしゃられたように、伸び伸びと明るく住民の意思がそこに反映をし、そして民主的な手続によって住民の生活が保障されるということが基本の原則であろうと思うのでございます。したがって、機構の上で機関委任事務というような形がございますために、国が上で地方が下だというようなことがあろうかと思いますが、それも請負関係というふうに受け取っていただきますれば、国の行政と地方の行政というのは、大もとにおいて憲法において脈絡をとっておるということは確かでございますけれども、それぞれ相互に独立した形で、お互いに迷惑をかけないように、効率的に効果が上がるように当然運用されるべきものだと思うのでございます。現在地方財政が非常にいろいろ問題がある。そのためにいろいろの御意見がございますけれども、われわれとしては、現行の制度ということを前提に、やはりたとえば超過負担の問題のように、地方財政法の趣旨から適当でないようなものについては国の責任でこれを直す。それから、こういうことを申し上げるとあるいはおしかりを受けるかもしれませんが、人件費等にやや問題の部分もございます。そういう点については地方の努力で解決をしていただく。そういう形において、地方は全く自主的に御運営をいただくと同時に、その結末については責任を持っていただくということが現在の段階では非常に必要な問題ではないかと思います。 もちろん、私ども現行の制度が万全であるというふうには考えておりませんが、少なくとも現行法でございますので、われわれ公務員としてはこれを遵守をする。この現行の制度をどういうふうに改めるかは、大臣から御指摘ございましたように、国会の先生方が御決定になることだというふうに理解をいたしまして、現行法については忠実にこれを遵守するという立場をとっているわけでございます。
○小山一平君 決して不当に自治権を侵すような考えはないと、こういうことでございます。しかし、あるいは学者の中にもあるいは評論家と言われるような人の中にも、あるいはそれぞれの団体の中にも、今日大分中央集権化が進められるような危険がある、あるいはまた自治権が侵害されるような姿勢があるのではないかというようなことがいろいろ言われているだけに、特に今後そういう点については御注意を払って慎重に対処していただきたいという点を要望をして、このことはこのぐらいにしておきます。 次に、昭和四十九年度の地方団体の決算もだんだんはっきりしてきている段階でございますが、四十九年度決算で赤字団体が増加するとか、そういったような点があるのかないのか、今日見通されている状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 昭和四十九年度の決算見込みでございますが、これは私のほうで地方団体に御照会を申し上げて一定の時点でとっておりますので、その後の決算の技術的なやり方等によって若干変動があるかもしれませんが、私どもがつかみ得る範四での赤字団体の数を申し上げてみたいと思います。 昭和四十八年度で都道府県の赤字団体は二団体、これは東京と大阪でございます。それに対しまして四十九年度の赤字見込み、六団体。東京、大阪、石川、滋賀、京都、兵庫、こういう見通しでございます。それから市町村について申し上げますと、昭和四十八年度の赤字団体は百二十一団体でございましたが、これが二百四団体。八十三団体ふえております。大都市では、四団体でございましたものが四団体。ただし、内容別に申し上げますと、横浜が四十八年度の赤字団体として入っておりましたものが、これが黒字団体に転換をいたしまして、名古屋市が赤字団体になってまいってきております。特別区では一つが二つ。都市では四十九が九十四。町村では六十七が百四。全体合計をいたしまして、都道府県、市町村を通じて、四十八年に百二十三でございましたものが、現在の段階の見通しで二百十という数字になっております。 私ども、当初のいろいろ物価その他の状況を見まして、もっと赤字団体がふえると思ったのでございますが、正直な話、地方税の収入がこの不景気にもかかわらず、若干時期のおくれがあったかと思うのでございますが、思ったより四十九年度では悪化しておらなかった、そういったこと。あるいは先生方の御協力をいただいて、千二百億円の住宅、学校、保育所、これについての超過負担の解消という形で年度末にその金が配られたこと、そういったような要素が重なり合って、私どもが予想しておりましたよりは、赤字団体のふえ方は微増でとどまったという見方をいたしておりますが、それにいたしましても、四十八年度に比べると、団体数で八十七団体がふえておる。五十年度になりますと、この傾向はさらに強まってくるのではないかという見通しを立てております。
○小山一平君 四十九年度の国の歳入に相当の欠陥が出るのではないだろうかということを言われておりますが、どんな見込みになっているか、御承知ですか。
○政府委員(松浦功君) 細かな数字についてはまだ御発表いただけないので、私どもわかりませんが、当初言われておりましたのは、大体八千億の見込みと。それに対しまして政令の改正を行いまして、大体四千億ぐらいの赤字で済むだろうということが言われておったようでございますが、その数字には若干不用額その他の問題があって動いておるようでございまして、私どもといたしましては、正確な数字を知り得ないわけでございます。 ただ、私どもに関係のある問題といたしまして、国税三税が、一体どれだけ四十八年度の交付税の基礎になっておる数字よりも下回ったかということは、これは交付税制度に書いてございますように、精算の問題にからんでまいりますので、重大な関心を持っておるところでございます。現在、私どもの伺っておるのでは、大体二千六百億円程度、国税三税で予定額より収入が少なかったというように伺っておりますが、それの三二%でございますから、約九百億円強のものが法律的には四十九年度において配り過ぎになっておる。逆に言いますと、五十年または五十一年にそれだけの交付税を法律の規定によって精算をしなければならないという形になっております。
○小山一平君 わかりました。 そういたしますと、これは五十年度というのがなかなか大変になると思うのですね。地方税はあとから追うわけですから、四十九年度に国税の歳入欠陥が相当出るということになると、五十年度の地方税の歳入に大きく響いてくる、こういうことになると思いますが、これをどんなふうに見ていらっしゃいますか。
○政府委員(松浦功君) 先生御承知のように、地方税と国税とは少し形態が違いまして、地方税の場合には、住民税は前年の所得を基礎にいたしますから、見込みという要素が余り入ってこないわけでございます。それから、市町村の大きな税金である固定資産税というものは、これは景気の影響を受けません。そういう意味において、国税ほどの影響は受けないかと思いますが、やはり法人系統の税金等は直ちに影響が出てくると考えておりますので、現在の段階で、地方財政計画に計上した地方税が、いまのような景気のままであれば、私は非常に確保することに問題が起きやしないかという心配をいたしておる状況でございます。
○小山一平君 税収の問題と、それから地方交付税と、これは二つ合わさってくるわけですけれども、どういうようなことになるか、これからの推移を見なければ判明をしませんけれども、とにかく計画上の財源というものに欠陥を生じた、こういうようなことになった場合には、これはやっぱり国では何らかの措置をされて、そして計画が計画どおりに実施できるようにするという多分お考えだろうと思いますが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田一君) ただいま御指摘をいただきましたように、諸種の事情によって地方の財政が苦しい状況になるであろうということは考えられますが、当初私たちが地方財政計画というものを出しまして、そうしてそれに基づいて、これはもう地方に通知をいたしておるのでありますから、その財政計画が実行できないといいますか、それに見合った措置がとれないということでは、これは地方はえらい迷惑をされるわけでありますから、これだけはいかなる方途をもってしても確保するというかたい決意を持って当たるつもりでございます。
○小山一平君 そういうお約束をいただいて安心をするわけでございますが、それから交付税に関連しまして、種地区分がいろいろできておるわけですけれども、あれがよくわれわれにわからないのです。どういうことになればどうなのか、あれはちょっと狂っただけでもこれは基準財政需要額に大きくはね返って、地方団体はこのことに大変関心を持っているんですが、合理的というか、公平にこれを決めていく何かルールみたいなものがきちっとあってなされているわけでしょうかね。当然そうだろうと思いますけれども……。
○政府委員(松浦功君) 各種の指標をとりまして、それに点数を付与をいたしまして、合計点で点数の高いものから順番に種地を決めておると、こういうことでございます。具体的に必要でございますれば、交付税課長から諸種の要素について御説明をいたさせますが、もっとわかりやすく言いますと、学校の入学試験というふうにお考えいただいたらどうかと思います。理科、数学、英語というふうに、それぞれ試験をいたしまして、それの合計をいたしまして、三百点までが合格で三百点以下は落第、そういう考え方に似た考え方でございます。ですから、一定の物差しに基づきまする個別指標の点数を足しまして、五十点から六十点までは何極地、六十点から七十点までは何種地、こういう決め方をしているわけです。 したがって、現実の問題として非常にむずかしいのは、抽象的な指標のとり方のいかんによって、わずか一点差で下の段階にきた、上の段階にきたという問題が必ず起こるわけでございます。しかし、この点につきましては、私どもとしては、一点差であるからどうこうするということになりますと、次の段階がまた一点差になってくるわけでございます。ここのところは冷静に、客観的に、指標に基づいてつかまえました点数によって、一点の差であろうとも下は下、上は上という形で厳密に割り切って、そして種地補正というものを行っている、こういうことでございます。 必要でございますれば財政課長から各指標についてのとり方について御説明をいたさせます。
○小山一平君 細かいことをお聞きしても、とても一遍に頭に入りそうもありませんから、それはよろしゅうございます。よろしゅうございますが、これにかかわり合いのある地方団体が、なるほどあそこはこういうことでこうなったのだ、おれのところは、これこれこういうことでこうなったのだというような、納得のいくようなものをやっぱり示していただくように願いたいと思うのです、そうでないと、運動をするとか何とかというようなことがよくあります。しかし、これは一体どうしてそうなるのかという基本のことがわかっていないからだと思うので、そういう点を、納得のいくような手段というようなものはとれますか。
○政府委員(松浦功君) もう十数年にわたって行われている制度でございますので、地方公共団体が、どういうことによって決めておるかということは各地方公共団体ごとによく御承知のはずでございます。ただ、指標のとり方、あるいは指標に対するウエートの置き方を少しいじくりますと自分の方が有利になるというようなことになりますと、非常にいろいろと議論をなさっておいでになる地方団体はございます。したがってわれわれは、これは一カ所動きますと全部全国へ連鎖反応が起きてまいりますので、あくまでいまの指標に取ってかわるべきよりよい方法が見つかれば別でございますけれども、現在やっております制度が私どもとしてはベストであると。あるいは私どものベストという考え方が間違いかもしれませんが、私どもとしてはベストであると考えておりますので、この問題については、陳情などということについては絶対に受け付けるということはいたしておりません。ただ、数値の計算方法にミスがありましては、これは困ります。そういうミスがございました場合には、私ども客観的な資料を点検をいたしまして、直すべきところは直す、こういう態度でこれまでも過ごしてきております。今後もこういう態度で臨まざるを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
○小山一平君 そのことでいろいろ疑義を持ったりするような場合もかなり現実的にはありますから、これはよく納得のいくような説明なり何なりを十分やっていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。 それから人口ですがね。国勢調査を基準にしているわけですけれども、これはずいぶんいまの時代ですから激しい動きがありますので、現在人口を基準にいろいろな問題をやるということはできないですか。
○政府委員(松浦功君) 五年ごとに行われております国勢調査が、国として公認をいたしました人口数でございます。それでない限りは、いま客観的に間違いないという数字はどこにもないわけでございます。戸籍、住民台帳の登録者数ということになりましても、そういうことになりますと、いままでよりさらに事務がおくれるというような事態が起こっても困ります。住民台帳と本当の人口とは必ず一致しておらない、いままでの実例を見ましても。そういう意味からは、何とかそれぞれの年度の正確な人口がわかればそれを使いたいと思いますけれども、現在の段階ではいまのような形をとらざるを得ないだろう。ただそのかわり、それを補完する意味におきまして、ある程度の補正を行いますような場合には、住民台帳同士の比較で、ふえているか減っているかというような判断をするものには使っておりまするけれども、直ちに人口そのものを国勢基本台帳に載せるという考え方は、いまのところございません。
○小山一平君 いまのお話ですけれども、最近のように非常に人口移動の激しいときに、ただ人口どのぐらいかというふうに言うとか言わぬとかなんということは問題ではないのですけれども、この人口をどういうふうにつかむかということによって、財政的にもいろいろ変わってくるというようなことがなければそれで構わないんですけれども、あるんじゃないですか。
○政府委員(松浦功君) 年々動いておりますから、差はあると思います。それを交付税という、客観的な数値を使って制度に乗せるための数字が私どもほしいのでございますが、それが実は見つからないでやむを得ずにこうやっていると、こう御理解をいただきたいと思います。
○小山一平君 それは、国勢調査はまあどこから何と言われても動かすことのできない基本の数字ですけれども、しかし、交付税の算定などあるいは極地の決定などの上にも非常に大きな影響があるのに、そして実際に人口の変化が大きいのに、一年ぐらいならいざ知らず、四年も五年も、そのことについての見直しがなされないというのはちょっと問題があるように思うんですがね。
○政府委員(松浦功君) 御承知のように、国勢調査人口と住民台帳人口の間には必ず数百万の開きがあるわけでございます。したがって、住民台帳を直ちにこの交付税法上の人口として扱うことは不適当であると思って使っておりませんが、人口が急増したり急減したりする団体については急増補正とか急減補正とかいうものを考えておりますが、それは毎年同じような傾向が出てくるということを前提に置いて住民台帳の人数をとりまして、ふえておるところには急増補正をする、減っておるところには急減補正をするという実質的な措置を補正でとっておりますので、ある程度、人口の移動という問題は交付税の需要の中に織り込まれておるというふうに私どもとしては理解をいたしておるところでございます。
○小山一平君 これ、交付税ばかりじゃありませんけれども、交付税のこの配分基準、内容、こういうようなものを私はいま再点検をする必要があるように思うんですが、いまそういうお考えありませんか。
○政府委員(松浦功君) 私どもといたしましては、いろいろ先生方からも御意見を伺います。地方団体の方々からも、こうすべきじゃないかという意見を毎年いろいろちょうだいをいたしております。御承知のように、交付税というのは地方財政計画の一般財源と交付税とを足しましたものから、一定の枠がございますので、需要を勝手に伸ばすということはできませんが、需要の、一定限度の中の需要をどういうふうに割り振りするかということ、配分の技術的な問題についての研究、これは年々怠っておらないつもりでございます。各方面からちょうだいいたしました意見の中で非常に取り入れるべきいい意見は、私ども毎年取り入れてより合理的な方向に持っていくことを考えております。ただ、交付税制度が余りに微に入り細に入りますとわかりにくくなってしまって、むしろ簡素化をすべきだという御意見も国会方面からいただいている一面もございます。それらの点も頭に置きながら、私どもとしては今後努力を重ねていきたい、こう思っております。
○小山一平君 この交付税率の引き上げという問題も大きな問題でございますが、私はここ何年もの間、新しい財政需要が生じたり国が何らかの施策を講じるような場合に、どんどんどんどん交付税の中へこれを持ち込んで、いわば固有の財源と言いながら、密度を薄めて使うということがずいぶん行われてきていると思うのですよね。そこで中には、点検をして交付税の中からその枠の外に出して、そしてこれは一般会計の中に入れるべきものというようなものが私は幾つもあるように思うのです。そういうような検討をされるべきだと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(松浦功君) ただいまの御説には必ずしも私ども賛成しがたいのでございますが、新しい事務が起きて交付税の中に織り込んで密度が薄くなるという御指摘でございましたが、私どもはそういう考え方をいたしておりません。地方財政計画の中に新しい事務が起きれば需要を立てます。それに見合う歳出が何と何であるかということで地方財政計画を立てておるわけでございますから、そういう意味では決して密度が薄まってくるという御指摘のような結果にはなっていないというふうに私どもとしては理解をいたしております。逆に国の側に言わせますと――これはまあ大蔵省、予算査定権を持ったお役所の方からでございますが、補助率を引き上げたりしている部分は皆国費の持ち出しじゃないかという議論が国からなされますけれども、そんなことあたりまえじゃないかと、財政計画でだから国庫補助を見込んでバランスをとっておるのだということを大蔵省に対しても説明をして、これまでそういう方針で折衝してきているところでございます。
○小山一平君 それはまあ自治省の方ではそうおっしゃらなければ話のつじつまが合わないのですけれども、まあ私ども考えますと、やっぱり国が新しい政策を実施をしようというようなときに、既存の交付税の中に入れていく、そういうのがどんどん入っていったのじゃ、とうてい地方の行政水準を高めていくということには私はならないように思うのですよ。恐らく地方財政計画をおつくりになる場合、まあ交付税の配分のための単価決定などをなされる場合も、どれだけの必要があるから交付税は幾らだというのでなしに、ことしは交付税はこのくらいありそうだからそれをどういうふうに分配をするかという、分配の方を皆さんの方はお決めになるのじゃないですか。必要に応じて交付税が決まるのでなくて、交付税の額によって分配の方法が決められてくる、こういうことでしょう。ですから、この財政需要、行政水準の引き上げというようなことをこれから一層努めていくとすれば、三二%に固執をしたり、あるいはその中から、当然国の補助金というふうに位置づけることが適当なような科目についてはそれを見直していくというような検討は、私は当然なされてしかるべきものだ、こう思うのですがね。
○政府委員(松浦功君) 私ども、地方財政において、どれだけの住民サービスが行われてどれだけの経費がかかるであろうという、そちらの方の観点は交付税では全然考えておらないわけでございます。あくまでこれは地方財政計画でございます。地方財政計画が決まりますと、基準収入というのは、地方税収入の、都道府県では八割、市町村では七割五分と、もう法律で決まっておりますから、財政計画に盛られた地方税の一定割合を掛ければ収入の額が出てまいります。そうしますと、交付税の額をそれに乗せたものが需要の最高限度だということにもう当然法律上なってしまうわけでございます。基準財政需要額というのは、二割五分なり二割なりの手持ち財源を残しました形で作成をいたしますので、当然金額的な制限を受けるということになります。地方団体の行政の実態に沿って公平にどうやったら配れるかということを単位費用で決めていく、こういうことであろうと思っております。 したがって、交付税の基準財政需要額が、実態に沿わないから交付税率を上げるべきだという議論は、私どもとしては納得ができないわけでございまして、地方財政計画において地方団体に見ている経費が少な過ぎる、もっとこれを上げるべきだ、ふやすべきだ、そうなれば地方税がふえなければ交付税で埋めるよりほか仕方がないじゃないかという議論の方が正しい議論ではなかろうかというふうに私どもとしては理解をいたしております。
○小山一平君 これは数字の操り方でそれはどうにでも言えることでございますが、この論議はまたの機会に譲らしていただきたいと思います。 それから、これもよく言われているように、機関委任事務が激増している、それによって人員も非常に増加をしている、この事務の再配分について検討をすべきではないかと、こういうことはもうかねてからの意見になっておりますが、いま自治省ではそのことをどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(松浦功君) これは財政局の所管ではございませんが、私どもとしては、そういう御意見が非常に強いので、現在、地方制度調査会に諮問を申し上げて、行政事務の配分がこれでいいのか、それに伴う財源配分がこれでいいのかということについて御意見をいただくべく、御検討をいただいておる段階でございます。
○小山一平君 地方財政計画の中で見ている人員と実際数との間に相当な差異があるというふうによく言われておりますが、これは自治省としてはどんなふうに見ているんでしょうか。
○政府委員(松浦功君) 四十八年度の実態調査に基づきまする財政計画掲上職員数と実態職員数、これとの間には相当の乖離がございます。したがって、四十九年度に規模是正という形で二万四千人、それから五十年度の財政計画で十三万八千人、合わせて十六万二千人規模の食い違いを是正するために、財政計画にそれだけの人数を加えました。したがって、現在では余り大きな差はないというふうに理解をいたしております。
○小山一平君 これは地方団体の方では、まだ相当の差があるというふうに言っておりますが、この調査はいつの調査ですか。
○政府委員(松浦功君) 四十八年の実態調査でございます。
○小山一平君 これまたことしあたり調査されるわけですね。
○政府委員(松浦功君) これまでの慣例で五年ごとに調査をするという形になっております。
○小山一平君 これは、五年ではちょっと長過ぎやしませんか。五年間も同じ人員で維持されていようはずもないし、相当な人員増、特に最近福祉関係の施設などが増加しておりますし、特に福祉政策を優先してやっていくんだと、こういう政府の方針の上からいきましても、私はそういう関連における人員増というものはある程度避けられないと思うんですよ。それを五年間も前のやつで見ていくということになると、その五年目に近い年度の方へいけばいくほど、これによって生ずる計画上の誤差、それによる地方団体の財源不足というようなものが私は深刻になると思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松浦功君) 五年に一度と申し上げているのは、総ざらいということでございまして、各年度において、たとえば学校の先生がどれだけふえる、あるいは警察官がどれだけふえる、保育所の職員が幾らふえるということについては各省から十分実態をお聞きをいたしまして、理解のできるものについてはその年度で補正をいたしております。したがって、その年度の補正が実態と合わなかった部分が五年分集まって出てくるということはある程度できるかもしれませんが、正確な意味で調査をいたしますと、毎年行うというのはきわめて大変なことでございますので、いままでどおり五年間、そのかわり、単年度における見方を十分地方の実態に合うように研究をしていくという態度を続けていったらいかがかとわれわれは思っております。
○小山一平君 そうしますと、毎年皆さんの総ざらいの調査はやらないけれども、各省のやつを集めて、そうして実態に合うような是正は毎年おやりになるというふうに解していいわけですね。
○政府委員(松浦功君) 私どもとしては、地方団体ができるだけそういった面から財政的な負担が出ないようにという配慮はいたすつもりでございますが、いずれにしても、本当の意味での詳しい調査をいたしませんと実態はわからないわけでございまして、われわれとしては、理論的にこれだけのものはふえて当然というものをできるだけ広くつまみ上げていくという態度はとってまいりたいと思います。
○小山一平君 余り人員の差異が生じないような配慮をぜひこれはやるべきであるし、やっていただかなければ困るということを申し上げておきたいと思います。 それから、自治省はこういう点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか知りませんが、地方団体が自分の責任でもない職員を大ぜい持たなくちゃならぬ、こういう問題があるんです。たとえば小中学校の事務職員、養護教諭、これは大変人員を低く抑えて見ていられるために、県は市町村の小中学校へ事務職員あるいは養護教諭を学校運営、教育活動に必要なだけ配置をしない。そのために、市町村はやむを得ず小中学校へ事務職員を派遣をし、あるいは市町村費をもって養護教諭を雇用をしている、こういう数字はたくさんあるのですが、この数字をつかんでおりますか。
○政府委員(松浦功君) いまおっしゃられましたような職種だけについてどうという数字はちょっと私どもつかんでおりませんが、たとえば都道府県自体が法律で定められた定数を超えて置いておるものもあるわけです。そういったものを県、市町村全体合わせますと、一万数千人私どもはあるんじゃないかという見通しでございます。
○小山一平君 私が問題にしているのは、まず県に対して国が見ない。国が見ないから県が見ない。やむを得ず、一番末端の財政力の弱い市町村がそれをかぶる。こういう実態は自治省としても、特に自治体の人員問題など大変やかましくおっしゃっている自治省のことですから、こういう実態は一度ぜひ調査をしてもらいたい。これは私は大変な数になると思うのです。これは私は自分で大変経験して、憤慨をしながらやむを得ずやってきたのですけれども、実は私の市長をやっていた上田市は人口十万、小中学校が二十四校です。これで何と事務職員が、県から派遣されているのが十八名に対して、市が支弁をして派遣をしているのが十八名、養護教諭が十名、これだけで二十八名も、十万の市で学校職員だけで、この部分だけで見ている。これを全国規模に当てはめていくと、これは膨大な数になるのじゃないかと、これは私のところが特にやっているのではなくて、どこでも共通にこれはやっておりまして、そしてみんなこの問題の改善を要求をしてきたけれども、なかなかこれが解決ができないという問題があるわけです。 とにかく、国の責任で財政措置をして人員配置をすべきものをしないために、地方団体がこうして――これは一例ですけれども、よけいな人員を抱える。自治省は、人員が多過ぎるではないか、人件費が多いではないかとこう言われたのじゃ、一番の力の弱い自治体は立つ瀬がないじゃありませんか。こういう点について、これはきょうは文部省からも来ていただいていますけれども、こういう問題の処理を文部省はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(松浦功君) 私ども基本的には、たとえば義務教育の問題でございますと、法律ですべて決まっておるわけでございます。それだけを県が実行しておって、あと足りないところを、住民の強い御希望があって市町村がお置きになるということでございますと、これはちょっと法律上の問題ではございませんので、私どもとしては選択の問題というかっこうで、余り強いことは言えない。ただ、こういう実態があって、この糧の職員が足りないということについては、文部省の方に、法改正をしても実態に合わせるように努力してほしいという気持ちでお願いはしてまいってきておりますけれども、やはり負担法というものの関係があって、国庫の財政の問題からままならない一面があるようでございます。そういうふうに御理解をいただいて、これは法律の問題として御論議をいただかないと、私ども非常にお答えしにくいという一面がございますことを御了承いただきたいと思います。
○小山一平君 これはまことに奇怪なことでして、なるほど法律でそう決めている。その法律に従えば教育活動も最低限保障できるあるいは学校運営もできるというものであるならば、私も何も言いません。ところが、それができないような基準になっているからこういう問題が起きる。それは法律に決めている点が間違っているんだから、直ちに法律を直して改善を図るという積極的な取り組みをしていただかなければ、法律でなっているやつ以上にはできない、できないやつをやるんだからそちらの勝手では、これは幾ら何でも無責任じゃありませんか。
○政府委員(松浦功君) 私どもは、いまの法律の中身が学校教育をやっていくのに本当に適当なものになっているかどうかを判断する能力を持ち合わせておりません。地方の皆さんからいろいろ問題があるということでございますので、文部省の方に検討してほしいということをお願い申し上げておるわけで、これは文部省の方からお答えをいただくべき問題じゃないかと思います。
○説明員(別府哲君) お答えを申し上げます。 学校における教員並びに事務職員の組織でございますが、これはどこまでふやせばそれでもう十分であるかという数字を客観的に明確に出すということはなかなかむずかしい問題でございます。たとえば一クラス当たりの児童生徒の数をどのくらいにするのが最適であるのかということをめぐっては、教育学者の間にもいろいろ御論議があるようでございます。しかしながら、従来、そういった論議は論議といたしまして、文部省といたしましても、よく詰め込み学級であるとか、いろいろの問題もございます。一人一人の子供を大切にする教育を行うためには、教員もふやし事務職員もふやしたいという気持ちがあるわけでございますが、それもやはり全体予算の枠の中での仕事でございますし、また教員の方あるいは養護教員の方などにつきましては、養成計画との関係もあるわけでございますので、年次的な計画をつくってふやしてまいっておるわけでございます。たとえば事務職員あるいは養護教員等につきましても、昭和三十三年、現在の義務教育標準法が制定されました当時は、まだ全国の学校の四分の一ぐらいの学校にしか事務職員や養護教員は配置されていなかったという実態であったわけでございますけれども、それをその後標準法を定期的に改正をいたし、年次計画を重ねて今日までふやしてきたわけでございまして、現時点におきまして、小中学校とも、事務職員におきましてはほぼ五二、三%の学校にまで国庫負担の事務職員を置き得るというところまでふえてまいりました。そこで、さらにこれをふやすために、昨年、昭和四十九年度に第四回目の五カ年計画を策定いたしまして、全国の四分の三の学校に事務職員を配置できるように、つまりこれを七五%まで引き上げようということで、現在その第四次五カ年計画が進行をしているところでございます。すべての学校に国庫負担の事務職員を置くということが理想ではございますけれども、財政的な見地等も考えながら計画的にそれに進めていく。この第四次五カ年計画の期間中だけで、教職員の増員数は、児童生徒の増員に伴うものを別といたしまして、法改正に伴う改善だけをとってみましても、小中学校で二万四千名程度になるわけでございまして、こういう時期、一方においては教員の待遇改善ということで相当大幅な給与の引き上げも行っている一方において増員をしなければならないということでその課題に取り組んでいる次第でござ、います。
○加瀬完君 関連。 いま質問者の質問をてんで理解しておらないですよ。小山委員の問題点として提出したものは、地方が、市町村が学校の事務職員というのを負担をせざるを得ない、そのための経費の支出というものは全然裏打ちがない、これをこのまま見過ごされておっては困るという点なんですよ。法律的に言って、教諭は、専任事務は、教諭のしなければならないことは児童の教育をすることですよね。事務担当の義務はないですよ。したがって、だんだんふやしていって済むという問題じゃない。学級数に応じて、何学級以上は事務職員を置く、何学級以下は事務職員を置かないと澄ましておける問題じゃないんです、法律的に考えて。そうであれば、教育に熱心な地域では、どうしたってそれは事務職員の必置というものが問題になってくると地方が負担をせざるを得ない。養護についても同様です。それが小山さんの経験をした上田では三十名近くになっている。二十八名ですか、二十八名の人件費というのは、これは基準財政需要額にも計算したくたってできないでしょう。先ほどの話に逆戻りしますけれども、基準財政需要額として当然計算したい、これは地方は。しかし、して出したところでこんなものは切られてしまう、計算の方法まで枠が決められているんだから。それなら、これは別途自治省なり文部省なりで法的に財政負担の道を考えてもらわなければどうにもならないじゃないか、こういう点を聞いているんですよ。だんだんやりますとか、五〇%になりましただの、七〇%になりました、将来一〇〇%になりましょうという問題ではない。事務の負担をさすべき法律的根拠が全然ない教員に事務の負担をさせているということが違法でしょう。それなら当然、これは全部県費で持てないなら市町村費で持つようにして、その市町村費に対する財源の措置というものを考えなければおかしいでしょう。たびたびわきから口を出して恐縮ですけれども、あなた方の御答弁は現実を少しも知りません。教員の数がふえてきたとか減ってきたとか、そんなことを問題にしているわけじゃない。どうしてくれるんだと。事実市町村が負担をしなければならない事務職員あるいは養護――文部省だから申し上げますがね。二つも三つもの学校を一人の養護が兼任できますか。長くなって恐縮ですが、いま修学旅行のシーズンですよね。養護教諭は必ず修学旅行についていかなければならない。Aの学校は関西へ行く、Bの学校は東北へ行くと、どっちへついていく。片一方は養護教諭のついていかない学校ができるわけです。あるいは三日関西旅行に行って帰ってきたら、四日目には今度は東北旅行についていくというふうな養護教諭も出てきている。養護教諭を置いたって、養護教諭の能力を発揮できないような状態に置かれているわけです。だから、どうしたって少なくも一学校一人の基準で養護教諭を要求されるし、首長としては置かざるを得ないというその結果が、先ほど小山さんの御指摘なんですよ。これをどうしてくれるんですか。そんなものは置かなくていいというわけにいかないでしょう。しかし財源はない。財源は、自治省は、文部省でいろいろ法律的にきちんと決めてくれれば出しましょうと言うぐらいが関の山だ。文部省はいまのお答え、答えになりませんよ。養護教諭あるいは事務職員を市町村費で支弁をしている団体は、いまのようなお答えでは、しばらく時期が来るまで待ちましょうというわけにはいかないです。もう一回お答えいただきたい。
○説明員(別府哲君) すべての学校で教員は児童の教育に専念をし、事務は事務職員がこれを担当するという状況があるのが理想だとは思います。ただ、教員は教育だけをやっておけばよろしい、直接教育活動以外は一切やらないでいいというふうには私どもは考えないわけでございます。
○加瀬完君 法律にそうないでしょう。
○説明員(別府哲君) 学校教育法二十八条に書いてございます、「教諭は、児童の教育をつかさどる。」というあの法意は、教諭の最も基本的な主たる職務を規定をしておるということで、たとえば従来よく学校の宿直、日直というものに対して、教員がこれに従事することの問題点ということが裁判でも争われたことがございますけれども、その場合も、教員は学校の教育に従事することが主たる職務ではあるけれども、それ以外の学校の管理、事務といったようなことにも当然従事しなければならないというようなことが判決としても示されてございますけれども、そういった点はともかくといたしまして、規模の非常に小さい学校で、現時点の基準では事務職員はなかなか置き得ないというところにおきましては、教員にその事務を担当していただくということで学校の運営を図っているわけでございまして、しかも、毎年その事務職員を置き得る範囲を広げてきているわけでございますので、さらに一層そういった点については努力を続けてまいりたいと考えているわけでございます。 なお、国庫負担事務職員以外の問題につきましても、現在の交付税積算におきまして、学校には事務補助員等についての積算もあるわけでございまして、そういった点を活用していただいて、市町村でいろいろと御努力をいただいているという向きがあることは私たちも十分承知をしているわけでございまして、今後とも文部省でやらなければならない点については、より一層それを充実していくように努力をしたいと思っております。
○小山一平君 これは何としても納得のできないことですね。それじゃあなたはいまの現実の中で、五二、三%と言えば半分の学校には事務職員がおらない。事務職員がおらなくて、これは学校の先生がこういうことも一切やるのが至当だし、やらせようということでやっているんですか。いま現実的にそんなことができる事態だか事態でないか、文部省がそんなことわかりませんか。何言っているんです。これは、日本の教育の責任を負う文部省が義務教育の責任を十分果たさずに、その一端を市町村が背負わされている。こんな理不尽なことで文部省の任務が勤まりますか。そしていまも、学校の先生は教育活動ばかりでなくてもいいんだと、ほかのこともやってもいい、事務の方もやらせてもいいと、こういうことを言ったでしょう。現実的にそんなことができますか。いかに教育の責任をおろそかにしているかということですよ。そしてまた、養護教諭については、養成も大事――養成された教諭がいるから現実的に市町村が養護教諭を市町村費で雇用をして派遣しているんじゃないですか。何言っているんですか。 これは自治省も考えていただきたいと思うのですが、先ほど私も申し上げたように、自治省は、自治省の責任でなくても、他の省にわたっても、国の責任で果たさなければならないことをおろそかにしている。そして、地方団体にそこの責任をおっかぶせている。こういう不当なことを国が平然とやっていることを許しておきながら、地方自治体に対しては人件費だ人員だと言って高姿勢で要求をするという、こういう取り組みが私はいけない。国もやるべきことはやるけれども地方も地方の責任は果たしてほしい、こういうふうにやっぱりやってもらわぬことには、これは片手落ちというものですよ。文部省は、いまこれ全国に私は万を数えると思う。万を数えますよ。あなたの言うように先生の片手間でできるなら、何で全国で万を数える人員をわざわざ雇って、金もないのに財政負担をして、そしてこんな無理をしなくちゃならないのですか。早速にも法律を変えて、そして財源を確保して、こんな理不尽なことを解消をする、それだけのことがあなたの責任で答えられないなら、大臣と相談をして、後でこの委員会に来て答えなさい。委員長、そういうふうにお取り計らい願いたいと思います。
○委員長(原文兵衛君) 課長……。
○加瀬完君 委員長、その前にちょっと、質問させてくれませんか。私の質問に対して答弁ないんですよ。
○委員長(原文兵衛君) 答弁してから……。
○説明員(別府哲君) 標準法の改正につきましては、昨年国会を通していただいたわけでございまして、現在の第四次五カ年計画が、昭和五十三年の三月三十一日までを目途に、年次的に改善を図っていくということで進められているわけでございますので、法律改正を行ってさらに定数をふやしていくという問題については、その後の課題というふうに私どもは考えている次第でございまして、いまここでその法律改正ということをすぐお約束するということは非常に困難ではなかろうか、このように考えております。
○加瀬完君 法律的なことですからはっきりしておきたいと思いますけれどもね。教諭には事務をしなければならない専任義務というのはありませんね。専任義務のない者に命令権は出せないというのは、これは法律解釈では当然なことじゃないですか。これは勤評のときにもたびたび法律問題になった。専任義務のない者には命令権を出すわけにいかない。ですから、現状で教諭が事務をつかさどっておりますのは、これは善意、好意によって行っておるもので、法律の義務範囲において義務を履行しているということにはならないんですよ。これはお認めになるでしょう。その点は、法律解釈がこれははっきりしているわけですから、内閣の法制局でもこの点ははっきり答弁をしているはずです。 もう一度申します。教諭は事務をしなければならないという専任の義務はない。したがって、善意によって事務をすることは可能であっても、何人たりとも、専任義務のない者に命令をくだして専任義務以外のことをさせるわけにはいかない。これは当然な法律解釈だと思いますから、一言あなたのさきの御説明では、教員も事務をするのは当然だと、してはならないということはどこの法律にも書いてないというふうなことをおっしゃっておりますけれども、法律には専任義務というのをはっきり規定してあるわけです。専任義務以外のことをやらなくたってこれは違法にはならない。これはお認めいただきたいと思います。
○説明員(別府哲君) お言葉を返すようでございますが、教諭の主たる職務は教育でございますけれども、学校教育に直接関連の深い事務、学校の事務ということもまた教諭の職務に含まれているとわれわれは考えているわけでございます。そこで、そうではございますけれども、実際に学校の職員組織をどのように構成をし、だれにどういう仕事をやらせるかということは、それぞれの学校の事情に応じて、事務職員が配置されている学校については、できるだけ事務は事務職員が担当して、教員にはこれをやらせない、教員は児童の教育に専念ができるような体制をつくり上げていくということが学校教育上大変大切なことだと考えておりますけれども、残念ながら学校の規模その他で事務職員が配置できない学校におきましては、教員に学校の仕事をやっていただくということも現在はあり得るというように考えております。
○加瀬完君 それはあり得るというのは、教諭が善意をもって事務をしておるからあり得るという客観的な見方も成り立つわけです。さらに細かく言うなら、子供を教える教育上のテストの採点をしたり、成績表に成績を記入したりするということは、これは見れば事務ということになるかもしれぬけれども、直接的には教育作業ですから、これは教員がやることでありますよ。しかし、何人入学して何人卒業したとか、百日ぜきが何人出たとか、出席率が何%であるとかいうことは、これは直接教育事務じゃないですよ。しかし、このごろは学校事務というのは非常に複雑になりまして、片手間にやるようなわけにはいきませんから、大きな学校は、あなたもおっしゃるように全部事務職員を置かざるを得なくなった。規模の一定以上のものに事務職員を置く必要があるなら、小さい学校だって事務職員を置く当然の必要があるわけです。したがって、片手間にはできないような問題でありますから、市町村がこれをかぶってみんなやっている、これが現実だということですよ。だから、これは小山さんの指摘のように、現状は教員がやっておっても、これは事務職員で処理すべきものだと、そういう方向に文部省は対策を立てていくというのが答弁でなければおかしいんです。現実にやっているから、ずっとやらせよう。それは財政局長なら、金がないからそうしましょうと言うのもこれはやむを得ないです。制度を、教育の能率を上げるために制度を進めなければならない文部省の答弁としては、これはその答弁はうなずけないんです。後の方は意見になりますから、お答えをして、また変な答えが出るとまた質問をしなければならないから、これで答えなくて結構です。私の言っていることをもう一回よく検討してくださいよ。
○小山一平君 これはさっき申し上げたように、実際問題として、学校の教諭がその事務を担当してやっていて、そうして問題がないならいいですよ。ところが、それが不可能だから、やむを得ず市町村の負担で事務職員を派遣をしている、これは解消すべきである、このことを、ひとつさっき言ったように、大臣とよく相談をして、そうしてこの問題をどういうふうに処理をするか、責任ある回答を出してください。 それから、次は学校図書館の司書教諭の問題であります。これは学校図書館法の第五条に、司書教諭を置くと書いてあります。ところが附則で、当分の間、置かないことができると書いてある。これは昭和二十九年四月一日に施行になった法律であります。すでに二十年を経過している。一体、当分の間とはどれくらいのところを言うのですか。われわれ社会常識で当分の間というのは、十五年も二十年もを当分の間とは言わないのだよ。文部省は学があるから、当分の間を十五年、二十年と言うのですか。
○説明員(別府哲君) 当分の間の解釈については、法律によっていろいろ違うところがあろうかと思いますが、この学校図書館法におきまして、当分の間置かないことができるというふうに書きましたのは、学校の司書教諭になるためには一定の講習を経た者でなければ司書教諭に発令ができないということになっているわけでございまして、全国の学校に司書教諭を置き得るだけの有資格者を講習するまでの間というつもりで、当初、当分の間という規定は置いたものかと思います。その期間については、なかなか定めがしがたかったというところから、当分の間というような取り扱いをしたものだとわれわれは解釈をしているわけでございます。その後、文部省におきましても、毎年司書教諭の講習会を開きまして、有資格者をふやしてはいるわけでございますけれども、その後、教員の異動がございましたり、ある特定の学校には非常にたくさんの有資格者がおるけれども、そういう有資格者のいない学校もできるというような人事配置上の問題等もございまして、なかなかこの規定を取り外せないでいるというのが実情でございます。
○小山一平君 いま文部省で、あなたはそういうふうに言うなら、司書教諭を何校に置いておりますか。実際に置いておりますか。
○説明員(別府哲君) 現在司書教諭が発令されておりますものは、昭和四十八年の学校基本調査でございますけれども、小学校において三百二十二名、中学校において二百六十二名という数字になっております。
○小山一平君 日本中の小学校の数と中学校の数は。
○説明員(別府哲君) 細かい数字は持っておりますけれども、ほぼ小学校が二万四千校、中学校は約一万校でございます。
○小山一平君 余りばかばかしくてもう質問するのもいやになりますが、一体これは何%になりますか。非常にこれは重大な問題なんですよ。文部省が全くほんの取るに足らない数を特定の学校に置いて、あとの学校には、資格のあるなしにかかわらず、図書館の司書の任務をやっている職員を置いてない学校がどこかにありますか。
○説明員(別府哲君) 学校図書館は学校の基礎的な施設という考え方から、すべての学校に学校図書館を置くこととしております。そこで、その司書教諭は、その学校の教諭をもって司書教諭に充てるという考え方をとってございますので、実際に司書教諭の発令をされているといないとにかかわらず、実際にはその学校の先生が図書館の担当という形をとって、児童生徒の読書指導、その他の学校図書館業務を担当しているという実態でございます。
○小山一平君 これも全くお話にならないのですがね。実際には、どこの学校でも図書館は法律によって設置をしているのですから、その管理に当たる職員なしに図書館の機能は発揮できないんですよ。そこで、いまのように国が司書教諭を置くという措置をとらないので、これは当然県もよこさない。そこまでは市町村も手が回らない。やむを得ずPTAが頼んで、そしてこの仕事をやってもらう。PTAの税外負担が多くてこれはまずいというので、市町村が相当の補助金をPTAに出して賄っている。これが現状です。最近の傾向は、これは事務職員、養護教諭と同じように、それでは余り問題が多い、雇用関係の人権にもかかわる問題だというようなことで、市町村の職員を図書館に派遣するというようなこともやっております。これも、文部省は無責任だと思うんですよ。学校図書館法をわざわざつくって、そして全国の各小中学校に学校図書館をつくらして、その図書館の運営をする人員配置はやらない。さっきの論法でいけば、その仕事も多分学校の先生がやるんだろうなどと、そんな無責任なことではこれは済まされないんですよ。これも緊急の私は課題と思う。二十年もたっているんですから、気が長いにも限度がありますよ。そして、そのために、中にはいまどき三万、四万、五万というような低賃金で、学校のことだからというので図書館の業務を扱っているというような職員、これが非常に多い。これがいま非常に大きな地方の問題になっているんです。一体文部省はこれをどういうふうに解決をしていくつもりですか。
○説明員(別府哲君) お答え申し上げますが、まず司書教諭と、そして現在市町村が別途発令をして置いております図書館担当の事務職員、図書館担当の職員とは別個のものでございまして、司書教諭はその学校の教諭をもって充てる職、そしてその数については、現在の標準法の中でそれもあわせ考えて教諭を配置をしているわけでございまして、その中で司書教諭としての報酬を受けて資格を持っている人を司書教諭として発令をして、図書館指導をやっていただくということでございます。そこで、それ以外の、いわゆる事務職員系統の職員につきましては、現在標準法の上におきましては、大規模の学校におきましては、図書館の規模も大きくなり、図書の購入あるいはその整理という仕事も相当あるであろうということを前提にいたしまして、小学校で申しますと三十学級以上の大規模学校、中学校でございますと二十四学級以上の規模の学校には、図書館事務担当の事務職員として定数を配置をしているわけでございます。さらにそれ以外に、市町村が市町村の経費などにおきまして、図書館担当の事務職員を、さらに一層指導を充実するために置かれているという実態は承知をしているわけでございますけれども、文部省といたしましては、司書教諭というのは、その学校の教員が司書教諭に言うならば充てられるという形でございますし、図書館事務担当の事務職員につきましては、現在のところは、先ほど申しましたような規模の学校ということになっているわけでございますけれども、さらに将来のこの充実については、十分検討してまいりたいと考えているわけでございます。
○小山一平君 全く文部省というところは驚くべきところでございますね。いまのお話では、司書教諭の資格を取らして、そしてこれを兼務で発令をしている、そして補助に事務職員を大規模なところに置くと言いますけれども、さっき育ったように、事務職員は、本来の学校業務を、図書館以外の直接な業務を扱う事務職員も不足をしているので、やむを得ず市町村がこれをかぶっている。そこへさらに学校図書館の職員をかぶらざるを得ない。これが現実でしょう。ですから、文部省とすれば、こういうふうに事務職員にしろ養護教諭にしろ、学校図書館の資格あるなしにかかわらずその事務を扱う者にせよ、本来文部省の責任で設置をすべきものを、こんなにも多く地方の最も財政力の弱い地方自治体に負わせている。この不当な事実を解決をしていくという積極的な姿勢というものを示さなければ、私は承服いたしません。そんな言いわけで実際の学校の運営ができますか。――学校へ行ったことありますか。もう子供も大きいから一度ぐらい行ったことありそうなものだと思うけれども、行ってよくごらんなさいよ、一体どういうふうに学校図書館の運営がなされているか。こういう改善について、これは積極的な取り組みというものを早急にやっていただかなければいけません。いいですか。
○説明員(別府哲君) 標準法の基準その他につきましては、先ほど来御説明をしているとおりでございますけれども、御趣旨はわれわれといたしましてもよくわかるわけでございまして、さらに学校を充実するために今後とも努力は続けてまいりたいと考えております。
○小山一平君 次は、自治省の方へお尋ねしたいんですが、まああの通達によりましても、人件費問題というものが大きく取り上げられている。私、必ずしもこのことのよしあしをここで論じようとは思いません。ボーナスのプラス支給の全廃止と、これについてもそのことのよしあしをここできょうは論じるつもりはありません。ありませんが、こういうことが心配されているんですね。その改善を具体的に図りなさい、早急に図りなさいという指導がなされている。そして、自治省の期待するような姿勢を示せば恩賞的に起債や特交を見るだろう、あるいは期待に沿わないと懲罰的に扱うかもしらぬということが取りざたされている。私はこんな不当なことを自治省はやろうはずはないと思っておりますけれども、実際にはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(松浦功君) なかなかお答えの仕方がむずかしい問題だと思いますが、プラスアルファは全廃してほしいということは何もことし申し上げたわけではございませんで、もう数年来申し上げていることでございます。どれを恩賞と見るのか、見方によって影響があろうかと思いますが、プラスアルファを全廃をいたしますと、これまで特別交付税で九割減額措置をとっていた減額部分がなくなりますので、そういう意味では交付税がふえる形になるかもしれません。これは私は恩賞とか、そういう観念じゃなくて、当然の帰結だと思っておりますが、そういう形はあろうかと思います。プラスアルファをおやめにならないところについては、従前どおり特別交付税で減額要素として立てますから、その影響は当然残ってくると、こういうことだろうと思います。 私どもがいま次官通達の中で健全化計画ということで地方の方にお示しをいたしましたのは、これは私どもは健全化計画をつくらなければどうこうするぞというものではございません。自発的に、いまの財源の中で運営が困難になって住民サービスが低下するおそれがあると、そのために何らかの合理化といいますか、健全化対策をお立てになられたような団体は、その計画が全部実行できたと、できた場合と同じような住民サービスができるような形になるように、できることであれば――まだ検討中でございます、検討しているということを書いたわけでございますが、地方債をつける事業があれば配慮をしたらどうだろうかというのが現在の考え方でございます。 非常に回りくどい言い方を申し上げましたが、もっと端的に申し上げます。ある団体で二十億経費の節減計画をつくった。ところが、これは一年でやるということは激変が来て無理だ。したがって、初年度で十億合理化をし、次年度で十億の合理化を行う、こういう計画をおつくりになったといたします。そうしました場合に、初年度ではまさに十億節減の効果が出ますから、十億だけは何もしなかったよりは住民サービスができるわけでございます。ところが、二年目の十億というのは二年目にならないと効果が起きません。そこで考え方としては、二年目の効果も起きたと同じように、計画をつくった年度で住民サービスができるという形になれば非常にいいんだがなという声が地方団体にたくさんあるわけでございます。そういう場合には、いまの計数で申し上げますと、二年目分の十億を、もし充当すべき事業があるならば少し増加をして認めるということをしてあげたらどうだろうか、そういうことを検討をいたしておりますと。したがって、私どもまだ具体的に、どういう場合にどうだということの結論を得ておりません。そういう努力をしたいということで御相談においでをいただく団体が出てきましたときに、ケース・バイ・ケースでこれからのやり方というものを検討しながら決めていこうというのが私どもの考え方でございまして、決して現在の地方債計画の中からそういう団体に優先的に充当するということを考えておるわけではございません。いま申し上げた金は、起債を仮にお認めするということになりますれば、大蔵省と折衝をいたしまして、現在の地方債計画の外にそれだけの地方債をもらって、合理化計画をお立てになったところにサポートをしたらどうだろうかというのが私どもの考え方でございます。したがって、合理化計画をお立てにならなかったからといって何らかの影響を交付税なり起債に及ぼすというような考え方は、毎回お答え申し上げておりますように、毛頭ございません。
○小山一平君 懲罰的な扱いはしない、こういう点は明らかにしていただきました。しかし、一方は、恩賞的な扱いはあり得るというふうにどうも受け取れます。これは私は大変危険なことだと思うのです。これは自治省も軽々にそんなことはおやりにならぬ方がいいですよ。と申しますのは、これはいろんなそういうプラスアルファなどというようなものを、これは実は私もやめるべきだというので廃止をした経験があります。しかし、これはなまやさしいものじゃないんです。みんなそれぞれの理由があって、それぞれの経過があって、そして理事者と組合の話し合いの上でこれができている問題ですから、これは労働関係などでは、そういう場合にはそれをおおむね既得権利として尊重をするというようなことが社会的通念に私はなっていると思うんですよ。ですから、それをやめていくというんですから、両者がよほど話し合いをして、そうして合意を取りつけてやるとしても、そのための時間と努力というものは、私はなまやさしいものじゃないと思うのです。それを早くにやれば何か特別の優遇策があるからというので、強引にやって、そこに紛争をつくり出すというようなおそれが私は十分考えられる。自治省だってそうでしょう。地方事務官制度の廃止などという問題がもうかねてから課題になっているけれども、これには相手もあることだ、いろんな経過もあることだというので、そう簡単に、やめるべきだ、廃止すべきだという方針には異論はなくたって、できないじゃないですか。自分でやることはなかなか思うようにできないけれども、人のことは早くやりなさいと言ったって――これは私はやることの是非はきょうは論じません。これはまた別の機会にやりますけれども、そういうことで、これはなかなか時間と努力と誠意をお互いに要する課題である。だから、それを余りせっかちに、何かあめを見せびらかして、そしてそういう取り組みを積極的に進めさせるような原動力となって、そして紛争を引き起こすというようなことは私は避けるべきである、ぜひそういうふうに願います。
○政府委員(松浦功君) 私が申し上げておりますことを御理解をいただきたいのでございますが、ある団体で二十億どうしても経費が足りない、しかも検討してみて二十億削るべき余地がある――それが何であるかは私は申し上げません――ということになりました場合に、先生がおっしゃるように、いろいろの問題があって二年間かかるということでございました場合に、初年度十億しか節約ができないとなると、赤字を出さないためには住民サービスを十億低下させなければならぬ、それが困るという御意見が地方団体に非常に強いものでございますから、私は合理化計画ができたと同じ形で住民サービスができるように、先ほどの例をとって申し上げれば、十億だけ地方債という形で、どうせ自分で償還するものでございますから、自己の責任という意味で臨時に立てかえてあげるというような形にいたしまして、住民サービスを落とさないようにしていただいたらどうかという考え方で申し上げておるわけで、しかもこれは、繰り返して申し上げますけれども、健全化計画を立てなかったところにどうこうするというものじゃございません。それだけのものが当該地方団体でまとまってきた場合において、私どもはそういう考え方で臨みたいと思っておりますということを申し上げているだけでございますので、その点はひとつ御了解をいただきたいと思うのでございます。
○小山一平君 考え方はわかりましたが、しかし、地方団体にとっては、いま非常に財政に苦しんでいる折に、特別の起債をある条件によって認めていこうというようなことはこれは大変危険なことだと、こういうふうに私はどうしても考えられてなりません。そこで、その問題については自治省はぜひとも慎重に配慮をして、そして問題を起こすことのないようにやっていただきたい、そういう点を特に強調をしておきたいと思います。 それから次は、地方財政の問題が出てくると、必ず超過負担という問題があるわけです。昨年も一部、その解消のための単価是正が行われました。この取り組みの過程で、自治省が骨を折られたという点については私も多といたします。しかし問題は、地方団体が超過負担だと言っている範囲、あるいは自治省が超過負担だと認める範囲、この間にかなりのずれがございます。このことはやはり両者の間で、超過負担というものを、大体どの範囲のものを超過負担とするかというようなことについての検討がやっぱり私はなされるのが至当だと思うのです。一方的に、地方団体は超過負担がこれだけある、自治省はこれだけだ。両者のそのことについての誠意ある話し合い、検討の機会もなくて、そして両者の言い分を一方交通的に論じているということは、私は超過負担解消を進めていく道筋の上で大変まずいことだというふうに思いますので、どうですか、去年は自治省が中心になって関係各省などとの実態調査もやられたわけですけれども、ひとつ地方の六団体の代表などと、超過負担というものの範囲をどういうふうに扱うかというようなことを話し合い、検討を加えていくというお考えはありませんか。
○政府委員(松浦功君) 六団体で解消のための協議会をつくっておりますので、そことよく連絡をとるということにはやぶさかでございません。ただ、私どもは基本的に、超過負担というのは単価差であるというふうに割り切っております。もちろん、将来の社会情勢なり経済情勢なりというものの推移に伴って、余り常識から離れた補助対象だとかあるいは補助数量だとかいうものはできるだけ将来に向かって直してほしいと、地方団体の御要望等も聞きながら各省にお願いはするつもりでございます。しかし、これは補助政策の問題であって、私は超過負担であるとは考えておらないわけでございます。 超過負担というのは、こういう材料でこういう基準でこれだけのものを建てたら幾らでできるかという場合に、常識的にだれが考えても八万円かかるものを七万円の補助単価だと、これは私は超過負担だと思うのです。ところが、体育館を補助するのは六百平米でございますということが決まっておるのに、九百平米をおつくりになりまして、あとの三百平米を超過負担だと、これはいかがかと思うのでございます。私どもは、大蔵省と各省と論陣を張って堂々と渡り合う自信がございません。単価差については、私どもは全責任を持って将来にわたって各省にもお願いをし、大蔵省とけんかをしてもこれを地方団体のために是正をするという努力は惜しまないつもりでございます。 さらに、先ほどつけ加えましたように、いまの常識では六百平米は低いじゃないかと。まあことしも二割基準面積が上がったようでございますけれども、それをまたさらに八百平米にしてくれとか、そういうことは、これからも地方団体の意見を聞きながら、十分各省にもお願いする、大蔵省にもお願いするという努力は続けてまいりますが、超過負担というつかまえ方で、いかにも各省が法律の精神に真っ向からたがったことをしておるんだというような態度ではちょっと折衝がしにくい問題です。 単価差だけは、私どもはもう本当に国が悪いんだという態度で臨むということで考えております。
○小山一平君 自治省とすればそんなことより仕方がないのかもしれません。しかし、いまの、ちょうど例が出ましたが、体育館が六百平米というものを基準で文部省が決めておる。ところが、学校で実際に教育活動をし、学校運営をしていくためには六百平米ではだめだ、どうしても九百平米なければ機能を発揮することができないという現実があるわけであります。ですから、地方自治体はやむを得ず、六百平米しか対象にならないのに、あるいは九百平米の体育館も建てざるを得ない。だから、地方団体にすれば、これは当然六百平米を九百平米に改正をすべきである、改正をしなければその差額は超過負担であるというふうに考えるのは、これは自治省の立場と違う立場ですから、地方団体がそう考えるのは当然のことだと私は思うんですよ。ですから、実際に文部省あるいは厚生省で決めている基準で済むものを地方団体が勝手に上乗せをしてつくるというのならば、これはおっしゃるとおりです。これは当然自己負担でいくべきものですけれども、実際に必要があるにもかかわらず基準が低いという場合は、これは一体局長、あなたならどうすればいいですか。
○政府委員(松浦功君) 六百平米しか補助対象にならないということは初めからわかっておりますので、私が地方公共団体の関係者であれば、選択の問題として、あとの三百平米は単独事業、継ぎ足し単独という観念で処理をすることになると思います。
○小山一平君 これは私は大変な問題だと思うんです。たとえば、学校の施設であれば義務教育費国庫負担法という法律がある。この法律にはこう書いてあるんですよ。 「この法律は、義務教育について、義務教育無償の原則に則り、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的とする。」と、この第一条にちゃんと書いてある。地方団体は、たとえばいまちょうど義務教育の話が出ましたが、義務教育施設を自分の単独事業でやらなければならない法律的根拠はないでしょう。ありますか。
○政府委員(松浦功君) 私が申し上げておりますのは、六百平米が果たして義務教育の妥当な水準を保つためのものであるかどうか、これは文部省が御判断になる問題であって、私ども専門家でございませんのでよくわかりません、正直な話申し上げて。ただ、六百平米しか補助対象にならないということは現行の制度で決まっておるわけでございます。したがって、それを九百平米に直すべきだという主張は結構でございます。私どもも社会常識に合うように直してほしいということは言っておるわけで、現実にことしは六百平米が七百二十平米まで二割ふえたわけです。そういう努力は重ねますけれども、それが、地方団体がおつくりになったものが合わないから直ちに超過負担だというおっしゃり方には私どもとしてはどうもなじめないということを申し上げておるわけでして、観念として、財政上の処理としては継ぎ足し単独ということになるだろうということを申し上げたんで、六百平米でいいのだということを申し上げておるわけじゃございません。現行の制度ではそう決まっておると。だから、先生おっしゃられるように、それを七百にしろ八百にしろ九百にしろ、こういうふうに御改正をいただくということは私どもちっとも反対じゃない。むしろそういうふうにお願いをしたい。私どももそういう方向で単価差を解消したあとは各省にお願いをしていきたいと思っておるのでございます。いまの段階では、それをふやすより先にまず単価差、一番悪い部分を直さなければいかぬ、これが自治省の基本的な態度だというふうに御理解をいただきたい。
○小山一平君 これは、そういう対象基準の格差というものもあるわけです。そしてそのために自治省は、それが妥当であるのか、それで運営ができるのかできないのか、素人だからわからぬとこうおっしゃる。なるほどそうかもしれません。だけれども、それは明らかにできないから、いまの法律のもとでは、おっしゃるように地方自治体はやむを得ず単独でその余分な部分をふやしているわけです。いまも話が出たように、ことし二〇%ふやした。ということは、去年の基準は適当でなかったという証拠でしょう。適当でなかったからこそ何十%か基準面積をふやしたわけです。ですから、本来そうあるべきものがそうなっていないために、地方団体が乏しい財源をそこへ投資をせざるを得ない。だから自治省が、法律で決められている以上のものを超過負担だと、これは認めるわけにいかないでしょう。これはいいですよ、自治省の立場だから。いいけれども、しかし、現実的にその事業をやらなければならない自治体にとっては、これは超過負担と言わざるを得ない。 〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕 そこで、そういうものが超過負担だと、こういうふうに言っているわけですが、しかし、局長もその規模が妥当なものに改正さるべきであるということですから、そう意見の違いもないと思いますけれども、しかし現実には、いま妥当でない基準が決められているためにどれほど地方団体がそれによって財政的な苦心をしているかという現実を――物好きでやっているわけじゃないんです。小さくて済めば何も大きいものなんかつくりませんよ。ところが、やむを得ずやっているというそのことについての理解はしっかり持っていていただきたいと思います。 そこで、ひとつ今度は、いま学校の話が出たからお尋ねしますけれども、学校の全面改築――まあその他の一部改築でもいいんですけれども、やる場合に、補助、起債をはじきますと、その基準が低いために、単価差はかなり改善されたとしても、低いということが原因となってかなり自己負担が多い。大体全面改築をやりますと、学校の場合ですと、総工費の四〇%は自己財源を要すると思います。大体そのくらいが一般的。かつてはもっとでしたね、大体五〇%ぐらいでした。減ってきまして四〇%ぐらいは出ていると思います。そこで、これもまたいろいろ問題があるんですよ。一体どこに基準を置くべきか。私は、文部省の出す基準というものは、これはそれで最低限機能し得る基準というものを示すべきだ。その基準がなくて現状に合わないものですから、中には学校その他の立場からも際限のない要望、要求というものが持ち込まれるわけですよね。だから、最低限保障のできる基準、それが示されれば、この扱い方というものは非常にやりよくなる。それがわからないので、場合によっては野方図もない要求によって苦心をしなければならないということになる。文部省は、現在規定をしている基準が十分学校教育活動を保障し得る規模であると、こういうふうにお考えになっておりますか。 ―――――――――――――
○理事(安田隆明君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として源田実君が選任されました。 ―――――――――――――
○説明員(西崎清久君) ただいま先生から、学校施設の補助については明確な補助の基準面積が示されるべきではないかという御指摘でございます。先生御指摘のとおり、義務教育施設費国庫負担法に基づきまして私どもが補助いたします場合には、教育を行うにおいて必要最低限度の面積というものが確保できるようにということで補助面積を算定いたしております。それが具体的にはいま先生おっしゃいました施設負担法の政令に書いてございまして、この政令に基づきまして、学校規模別に最低限度の必要な面積を規定しておるわけでございます。たとえばということで申し上げてみますと、小学校の十八学級の場合には三千五百五十九平米でございます。中学校の場合には四千百十五平米、こういうのが現在最低と考えます。市町村の御努力によってこれ以上の面積をおつくりになることについては、私どもとしては、超過負担的な要素ということにもなりましょうし、いかがかとは思いますが、御努力ということでプラスアルファをされることもかなりあるわけでございます。私どもとしては、ここに示されておる面積において、現時点における教育の必要最低限度の面積は確保されておるというふうに考えておる次第であります。
○小山一平君 それじゃ文部省は、いま文部省が規定している基準面積で十分事足りる、最低の事は足りると、こういうふうにお考えになっておりますか。
○説明員(西崎清久君) この基準面積につきましても、沿革的に申しますと、たびたびの改定をしております。昭和三十九年度に一度面積が設定されたわけでございますが、そしてそのときから十年を経過して四十八年度に二〇%の改定をしたわけでございます。その際には、各普通教室以外に準備室を設けるとか、それから視聴覚教室を二倍にする、カウンセラー室とか、それからたとえば器材器具の設置、格納のための部屋を設けるとか、先生方の更衣室のためのスペースを考える、そういうふうな要素を考慮しまして四十八年度に改定を行っておるわけでございます。そういう意味におきましては、現在の基準で必要最低限度の面積は確保されておるというふうに私どもは考えております。
○小山一平君 それじゃ、私は文部省にぜひ言いたいことを……。文部省の規定する学校を建てて、文部省が一度その学校の経営をやってみたらどうですか。文部省の決めた基準で学校をつくって、そうして問に合っている学校が日本じゅうに一つでもありますか。ないでしょう。
○説明員(西崎清久君) 先生のお話でございますが、人口急増地域、これは東京とか千葉、埼玉、大阪、兵庫等におきましては、市町村財政が非常に苦しいという実情にあるものですから、この基準面積の関係におきましては、ほとんど私どもの示しておる基準を超えていないという実態がかなりあろうかと思います。それがいいか悪いかという点につきましては先生の御指摘の点もあるわけでございますが、そういう人口急増地域においては、国の基準面積とほぼ同じような学校を、これは市町村財政もあってのことかもしれませんが、つくっておられる。 ただ、単価差につきましては、先ほど来自治省で御説明のように、非常にその差があったということで、私ども関係各省と御相談をして改定に努めておりますが、そういうふうな実情もございまして、この点については各地域いろいろな実情があろうかというふうに考えております。
○小山一平君 そんな、特殊事情でやむを得ずやっているところは標準になりませんよ。中にはプレハブでやっているところさえあるわけですから。これは語るに落ちるような話ですが、文部省が設定をしておる基準が最低基準であるというならば、何で、途中で基準を改定をして大きくしなくちゃならないんですか。大きくしなきゃならなかったということは、前の基準は適当でなかった何よりの証拠じゃないですか。そうでしょう。ですから、いまだってもこれは大変な問題があるんでして、私は率直に聞きますが、皆さんは、本当は現在の基準では小さい、もう少しなければだめだが、大蔵省へ持っていっても認めてもらえそうもないというようなことで、無理を承知でああいう基準に置いているのじゃないですか。どうもそんなふうに思えてなりません。 〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 私は率直に聞きますが、文部省の専門的にそれを検討して持っている基準といまの基準の間には相当の差があるということを知っている。ありませんか。
○説明員(西崎清久君) ただいま私どもが設定しております基準は、これを詳細に申し上げますと時間がかかりますのでいかがかと思いますが、先ほどちょっと御紹介いたしましたように、各特別教室にはすべて準備室を設けておりますし、視聴覚教室、資料室、図書室、特別活動室、器具器材 教育相談室、更衣室というふうに、いろいろいま必要と思われるそれに対しての積算は入れておるわけでございます。したがいまして、これは先生の御意見ではございますが、私どもの考え方としましては、この基準面積で、一応必要最低限度の教育は実施できるというふうに考えておる次第でございます。
○小山一平君 それじゃ聞きますが、改定をしたでしょう。それは間違って、見当違いをしていたから改定をした。いまそう言っているけれども、これは改定をするようなことにならないという自信の上でそうおっしゃるんですか。
○説明員(西崎清久君) この基準面積の考え方について、先生の御質疑の意味をあるいは取り違えておったかもしれませんが、この基準面積については、先ほど申し上げておりますように、過去からずっと改善を重ねてきておるわけでございまして、改善を重ねてきておるという意味は、よりよく教育が実施運営できるようにという見地で改善を重ねてきておるわけでございますから、今後もこの基準面積について、私どもとして当然一定の時期に、これをまたさらによりよくするというふうな時期として検討の機会はもちろんあろうかと思いますが、現時点でこれがどうかということについては、現在の教育の最低はこれで確保できておるという意味で申し上げたわけでございまして、これで未来永劫改定する必要がないという意味で申し上げているわけでは決してございません。
○小山一平君 それじゃ、いまどこの市町村でも、小中学校の改築をやるときに、文部省の基準でやっているところはない。みんなそれより相当規模を大きくせざるを得ない。それはぜいたくか物好きで、間に合うものをわざわざ大きくやっているとでも言うんですか。市町村はそんな、これで済むものを、この金のないのにわざわざ何で面積を大きくつくりますか。これはもう実際の教育担当者が、これでは最低限の教育機能を持つことができない、こう言うからやむを得ずやっているんですよ。それじゃ、現地の校長やあるいは教育委員会やあるいは多くの先生たちが必要であるという面積は、それは文部省の面積と違うということを一体どういうふうにお考えになりますか。
○説明員(西崎清久君) 各設置者のお考え方、あるいは各学校における先生方のお考えというのは、いろいろまちまちであろうかと思います。たとえば視聴覚教室で視聴覚教育に非常に熱心な先生がおられれば、視聴覚教室は基準の三倍ぐらいは欲しいというふうにおっしゃられる向きもありましょうし、LL教室がぜひ要るんだというふうな熱心な先生のおられる市町村もあろうかと思います。したがいまして、市町村なり、あるいは当該学校のいろいろな御事情で、いろいろな施設について工夫をされることは私どもとしてはもちろん結構なことでございます。しかし、全体の総枠としての規模に応ずる面積については、やはり補助の制度として、私どもとして適用する必要がございますので、全体の規模に応ずる面積というものは、一応私どもで政令で決めておるというわけでございます。したがいまして、個々の実情に応ずる形はいかようでも結構かと思います。
○小山一平君 こういうことなら私は納得するんですよ。いまの面積ではあるいは足りない、もっと面積は広くとるということが現在の一般的な義務教育の実態だと、しかし、いろんな事情でいま若干欠くるところはあるけれども、これからは改善をしていきたいと言うなら、これは正直でいいけれども、これでいいんだと言うのなら私は承服しませんよ。どこでも、それで文部省がいいと言うものを、何で日本じゅうの小中学校が、文部省の言うよりも、わざわざ貴重な財源を投入をしますか。
○説明員(西崎清久君) 先ほど来先生に申し上げておりますように、私どもとしては、必要最低限度の面積としてはこれで結構ではないかというふうに申し上げておるわけでございます。必要最低限度の面積というふうに申し上げておるわけでございまして、その必要最低限度でない望ましい姿としてこの面積が適当であるかどうかについては、先生のおっしゃいますように、いろいろな意見もあろうかと思いますし、その点について、望ましい基準として今後検討すべき点があるのではないかという点があるとすれば、私どもとしても、当然今後の課題としてお預かりをしなければならないというふうに考える次第でございます。
○小山一平君 もういやになってきたからあれですが、文部省は、少なくとも義務教育の責任を負う役所でしょう。そうしたら、少なくとも義務教育が、世間で一般に必要だと言われている以下のものをやって、これがいいんだなんというので――もう少し理想を追求するぐらいの姿勢というものが、やっぱり文部省の当然の私は姿勢だと思うんですよ。どうもそういう点で大変遺憾に思いますが、だんだん時間も過ぎてきましたから、文部省はもう少し文部省の立場で、現実的に責任を負える義務教育の保障を、この法律にも示されているような保障ができるというものを、もう少し現実的にも学問的にも検討をして、そうして一つの模範的なものをつくるというようなことを、ぜひやっていただきたいということを申し上げて、文部省もういいです。 次は厚生省に、保育所その他さまざまな厚生省関係の補助事業がございますが、これはいろいろ申し上げようと思っていたが、大分時間が経過しましたから、具体的なことはやめておきます。ただ、非常に現実に合わないものが幾つもある。これを至急に調査をして、現実に合うような改定を私はすべきであると思うが、どのように考えておりますか。
○説明員(加藤陸美君) 具体的なお話でなく、一般的なお話でございますが、私どもも常日ごろから、おっしゃいますような問題点については問題意識を持って検討を重ねてきておりますし、御指摘のとおり、今後ともそのような努力は続けてまいりたいと思います。 保育所の問題、これは相当各自治体の皆様方に問題意識も持っていただき、また、非常に強い希望もいただいておりますので、その辺は十分意見をお聞きして、できる限り御要望に沿えるように努力してまいりたいと思います。
○小山一平君 それから次官通達の中で、地方団体による公共料金のことが書かれておりまして、これは私はあるいはその真意と反するようなマスコミの取り扱いの部分もあるような気がしないわけではありません。しかし、いずれにしても、受益者負担の原則に基づいて合理的な料金改定をしてもらいたい、こういう御指導でございまするが、いま物価問題が大変重大な段階でございまして、経済企画庁はとにかく何よりも物価抑制を優先的に堅持をする、こういう方針を実はとっております。ことしの三月の時点で消費者物価を前年比一五%以内で抑えることができたと言っておりますし、また来年の三月時点では一けた台にしたいと。したいじゃない、すると、最大目標としてほとんど長官などは公約のようなかたい決意を披瀝しております。そこで、このごろの福田副総理とのやりとりの中で、そのためにはいろんな公共料金の引き上げなどに関連をして、あるいは鉄鋼その他大企業の価格などが引き上げられるような動きというものが非常に見える、だけれども、これは抑え込んでいく、私鉄などの値上げ要求についても、これはことしは抑えていく、公共料金もできるだけ抑えていく、それによって来年一けた台の消費者物価の上昇に抑えると、こういうことを言っております。こういう点にかんがみて、地方の公共料金の引き上げというふうなことが、自治省の何かバックアップだか、お墨つきをもらったような形で全国的に値上げ機運というようなものが出てくるというようなことになると、これは私は大変重要なことだと思うのです。これは自治省は物価にそう影響はないというようなことを言っているようでございますが、そこで、自治省のこの地方の公共料金の引き上げの問題について、経済企画庁あるいは政府首脳と、この問題について、物価問題などに関連をして協議をしてそしてこの通達をつくられたのか、そういうことなしに自治省が独自でおやりになったのか、まずそのことをお聞きしておきたい。
○政府委員(松浦功君) 公営企業の料金といたしましては、病院の問題はこれはもう自治体独自ではどうにもなりません。それから鉄道、バスあるいは軌道等の問題は、これはすべて運輸省の方の認可がかかってまいりまして、運輸省の方がバス運賃につきましては経済企画庁とよく相談をしながらやっておられるようでございます。 当省として問題なのは水道でございます。これが不当に安くされておりまするために一般会計に大きな影響が出てくる。一般会計に大きな影響が出てきますと、また増税とか他とかという形で対処しないと一般会計の方が回らなくなると、こういう問題がございます。それらの点を十分考慮いたしまして、私どもの方で申し上げておりますのは、適正な料金水準を確保してほしいと申し上げておるわけでございまして、すべての団体が私どもは不適正であるとは考えておらないわけでございます。異常に料金を低く抑え込んでおりますために、非常に会計が苦しいという団体が見られるようでございます。そういうところはまず合理化をやっていただきたい、効率化をやっていただきたい。その上で料金はやはり適正なものをお取りいただくということを考えないと、利用する人と利用しない人とに差ができてくるわけでございまして、すべて税金で埋めていいという筋合いのものではない、そういう意味から、適時、適切にこの問題については検討してほしい、こういうことを申し上げたわけで、水道自体につきましては、そう大きく、私どもは計算いたしまして物価に影響が及びませんので、別に経済企画方の庁に御相談をするということはいたしておりません。
○小山一平君 それに関連をしまして、国民健康保険の問題も出てまいります。この国民健康保険の中に非常に重大な問題がありますのは、もとより国民健康保険は、その被保険者が非常に所得が少ない、高齢者が多いという、基盤が非常に脆弱であるので、この運営に大変苦心をしているのが国保のこれが特徴でございます。そこで、現在これを運営をしている市町村が相当な繰り入れをして、この繰り入れが全国的にどのぐらいになっているかというようなことを調査したことがございますか。
○政府委員(松浦功君) 厚生省の方で数字お持ちだと思いますので、厚生省の方から……。
○説明員(下村健君) 国保会計に対する一般会計からの繰り入れでございますが、四十八年度決算で三百十二億円、四十九年度はまだ判明いたしておりませんが、大体四百億を多少超える程度ではないかというふうに思います。
○小山一平君 厚生省は、国保の運営に当たって市町村が繰り入れをするということが妥当なことなのか、間違ったことなのか、やるべきであるのかないのか、簡単でいいです、結論だけ伺います。
○説明員(下村健君) 一般会計で繰り入れられているものの性格、いろいろあるわけでございますが、大まかに見まして三つばかりに分けられるのではなかろうかというふうに思っております。一つは、医療費に相当するものの繰り入れでございます。それから第二番目のものとしては、保険施設費という形で、国民健康保険で保健婦あるいは直営診療所のようなものを経営しているわけでございますが、これに関連する繰り入れがございます。それから第三番目が事務費の問題でございます。 給付費につきましては、保険料と国庫負担で賄うというのが原則になっておりますので、これは私どもとしてはこれに対してむやみに繰り入れをするということについては適当でないというふうに考えているわけでございますが、最近の状況といたしましては、たとえば老人医療費、国の場合ですと七十歳から無料化いたしておるわけでございますが、その対象年齢を引き下げる。その影響によりまして当然医療費が増大いたしますので、保険料にはね返りが出る。その部分を一般会計から繰り入れるというふうな状況もございます。これにつきましては、私どもは一般的の議論といたしまして、年齢引き下げ等のものをむやみにやるべきでないというふうなことを言っているわけでございますので、前提とする問題についての考え方が食い違っておりますので、ちょっと問題が異なってこようかと思っておるわけでございます。 それから保険施設関係の繰り入れでございますが、直営診療所あるいは保健婦というようなものの活動は、国民健康保険の被保険者だけに及ぶものでございませんで、広く一般住民に対してもそのサービスが及んでいる場合が多いわけでございます。したがいまして、これについての一般会計の繰り入れというのも、これはある程度はあり得ることではないかというふうに思っております。 それから第三番目の事務費の問題は、先ほど来、先生からもいろいろ御意見伺っておりますが、超過負担の問題に関連することでございますので、この辺の問題につきましては、厚生省といたしましても、実情に即してこの面での一般会計の繰り入れというものはできるだけ少なくするように今後とも努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○小山一平君 もちろん、自治体が独自に政策的に老人の無料化を引き下げるとか、あるいは所得制限を除くとか、あるいは診療所の問題もあるとかという、そのことは当然繰り入れをやるのがあたりまえの話で、そうでなくて、いわゆる一般的運営費として繰り入れることは適当でない、そういうことでよろしゅうございますね。
○説明員(下村健君) 先生のお話、適正な保険料を徴収した上でというふうに理解いたしますと、そのとおりでございます。
○小山一平君 これ、なかなか適正というのは一体何が適正かという判断が非常にむずかしい。これは地方の議会などで、大体この国保の国保税が高過ぎる、これだけの引導上げは無理ではないかというようなことがあって、そしてやむを得ず一般会計から繰り入れてアップ率をカバーするというようなことがかなり行われているわけですよ。これが私は一番問題である。そこで、国民健康保険の運営に当たっての自治省の指摘なども、これはなかなか容易ならざる国保事業の特質にかんがみて、いわゆる財政調整交付金ですか、この面等も相当な配慮をしていただかないと、国保の健全運営というものは容易でないというこれは独特な条件を持っている、こう思うのです。そこで、自治省の通達にも書いてありました。だから、自治省も知らぬわけじゃないと思って、安心したのですが、厚生省は、自治省も適正な国保の料金にしなさいと、こう言っているけれども、それには厚生省の調整交付金というものが非常に大きな要素を占める事業である、こういうことで、ことしはその問題について、厚生省一体どういうふうに扱われるおつもりですか。
○説明員(下村健君) 国民健康保険の保険料負担でございますが、平均したところで比較をしてみますと、政府管掌の健康保険がございます。これと、給付の条件等が違いますので単純な比較はむずかしいわけでございますが、絶対的な水準で金額面で見ますと、やはり国民健康保険のほうが平均としてはまだ低うございます。ただし、これは私どもとしては給付水準がただいま申しましたように差があるので、それらの条件を割り引きますと、政府管掌健康保険と国民健康保険の平均的な全国平均の保険料で見ますと、大体均衡がとれるような線で推移してきているというふうに見ておるわけでございます。それ以上に全般的な状況が悪くならないように、特に最近は、先生御指摘のように老人医療費の問題でありますとかあるいは高額療養費制度というふうなものがスタートを切りまして、そのまま放置しておきますと負担がだんだん重くなってくる、こういう状況がございますので、負担がそれ以上に重くならないようにというふうなことで、国民健康保険につきましては、従来から総体の医療費に対しまして四五%の国庫負担をいたしておるわけでございますが、そのほかに臨時財政調整交付金という形で、国保が余分に抱えている老人によって負担の増になっているもの、それから高額療養費による負担増というものにつきまして特別の手当てをいたしておるわけでございます。五十年度予算では、既定の国庫補助のほかに、この臨時財政調整交付金等で六百五十億円を計上いたしまして、過剰な負担にならないよう配慮いたしておるわけでございます。
○小山一平君 厚生省には、特にそういう点を配慮をされて、国保の特殊な条件の上に立って――去年は大分臨時の手当てをして、あれで大分助かったようですが、ことしもそういう点は十分配慮していただきたいということだけお願いをしておきたいと思います。厚生省よろしゅうございます。 次は、さっき夏目さんもそういうようなことを申されたのですが、私は、実はこういう点について考えるべきではないかと思うのです。いま市町村道が一番おくれておりますから、まず県道の国道編入運動、あるいは市町村道の県道編入運動というものは大変活発です。というのは、結局道路整備の財源は国が一番何とかでき、次が県で、市町村はうまくいかぬ、こういうことのこれはあらわれだと思うのですけれども、そこで問題になるのは、実は農林漁業金融公庫のお金で、土地改良に対する非補助融資事業というのがあるのです。この中には農道、林道が含まれておる。ところが、実際に市町村の行政を扱ってみると、この融資というものは相当な財源がある。たとえばこれは他の土地改良も加わりますけれども、この非補助の融資財源が四十九年度で三百五十億、五十年度が四百六十億。農道であれば、この融資によって拡幅してばんと舗装までやる事業ができる。ところが、市町村道は残念ながらそういう財源がない、実はこういう矛盾を持っています。 私はこれは大変貴重な制度だと思います。困れば知恵が働いて、市道を廃止をして農道に編入をする。農道に編入をして、農協に相談をして農協の責任で融資事業を行う。市は債務負担行為をやり、農協とは協定を結んでその返済をしていくという、こういう窮余の策を講じる、こういうことが行われるわけですね。これは私は縦割りのセクト行政の大きな欠陥だというふうに思います。そうだからといって、自治省で調査をして、そんなけしからぬことはやってはいかぬなんて言ってもらっちゃ困りますけれども、そういうことをやる場合がかなりございます。 それから林道もかなり――これは土地改良に比べると大したことありませんが、五十年度で十四億の融資枠がある。三分五厘あるいは四分五厘で五年据え置きの二十カ年償還などという、大変よだれの出るような融資の条件でございます。こういう道路財源というものが農林省関係の中にある。 それから有料道路、これは地方公共団体が行う、おおむねは企業局などでやっておりますが、これが各県で取り上げられて、おおむね百三十億台の融資が行われております。 そこで、私はこういうことをなぜできないのか、これだけの融資枠を一つにまとめて、そして県なら県へおろす。そうすると、その地域の実情に応じて選択をして、農道をやる人もあるでしょう、林道を選ぶ者もある、有料道路をやろうという者もある、市町村道をやろうという者もある。それはその地域の特殊事情によって選択すべきものであって、したがって、こういう縦割りで一つずつ制度がおりてくるのではなくて、これを総合して地域の選択のできるような財源にすることができないものか。これができれば、有料道路なんていうものは必要ないと思っていても、有料道路であれば融資を受けられるというので、大した必要のない有料道路をこしらえて自然破壊をしているところもある。ある村へ行ったら、毎日村民が通行する生活道路は狭くてでこぼこなのに、サルかクマしか通らないような林道だけはりっぱにでき上がっているなどという姿を見ることがある。これは縦割り行政の大きな欠陥だと思うんです。そこで、こういうような道路の財源は一つにまとめて、そして地域の自主性に基づいて選択の道を開くというようなことをやれば、同じ財源がどれほど生きてくるか、はかり知れないものがあるということを私は痛感しているわけです。この委員会で、ことしの一月起きた青木湖の転落事故などの道路整備の不行き届きの事件、こういうものなども、こういうような道路財源が、その地域の自主性に基づいて運営できるということになれば、こういう悩みの解消の道も開ける、こういうふうに思うんですが、どうですか。こういういろんな同様の財源などを、縦割りをまとめて、そして地域の選択の上に立って利用できるというような道を検討してみる気はありませんか。
○政府委員(松浦功君) きわめて適切な御指摘でございまして、このとおりできれば非常に結構だと思います。ただ、私はそう簡単にできる問題でないような気がします。と申しますのは、農林漁業金融公庫というものの目的には市町村は入っておらないはずでございます。市町村道というものは、およそ対象にならないはずでございます。農道とか林道とかいう、林業者、農民に利益がいく、それが農林業対策という形であるがゆえに三分五厘の金が出るような仕組みになっているのではないかと思うのでございます。そうしますと、一般の地方行政問題と農林漁業対策というものとがうまく組み合わせられれば、先生のおっしゃる点にぼくはまことに賛成なんでございますが、そこにはいろいろ相当の問題があるんじゃないかという気がしてならないのでございます。したがって、自治省限りで、私個人としては先生のお説にできれば大賛成ですから、検討はしてみますけれども、ここでできるというお約束はとても私にはできかねます。
○小山一平君 こんなこと簡単にできようなんて私も思っちゃいないんですよ、これはなかなか各省の頑強ななわ張りの中でいろんな要素がありますが。ですけれども、実際にはいまおっしゃるように、農林漁業資金というものはこれは農民のために利用されるものである。ところが、農協が金を借りて農道の整備をするなどということがあろうはずがないんです。これはできっこないんです。これは土地改良の中で、土地改良区なんかある部分やっていることはありますけれども。ですから、現実的には農協の名をかりて、地方自治体が利用さしてもらっているという現実の姿がある。そのくらいならば、現実がそうであるならば、そんな不合理なことでなしにもっと合理的にすべきではないか、こういう問題を提起を――きょうは問題の提起なんです。問題の提起をいたしておきたいと思います。これはさっきの夏目さんの意見なども、こういうふうにいろんなものを、地域の実情に応じた自主性に基づく選択の道を開くことが真の地方自治の姿だと、こういうことで、これは大体同じ方向の考え方だと御了承いただければ結構だと思います。 それから最後に、これも予算委員会で申し上げた公営ギャンブル、このよしあしをきょうは論ずるつもりはありません。この収益金の問題について、予算委員会でもこの改善を図るという御答弁はいただいたのですけれども、どうもあの程度のことでは納得がいかない。そうしてこれはそれぞれの法律を見ると、許可、認可等で自治体の権限がかなりそこにうたわれている部分もあります。そうして、これは大体期限を切って認可しているのですかね。それぞれの許可は期限があるんでしょうか。
○説明員(小林悦夫君) それぞれの法律に基づきまして、旧来からやっておるところは別といたしまして、二年の期限で指定しているのが大部分でございます。
○小山一平君 それからあれは自転車競技法でしたか、「期限又は条件を附することができる。」と書いてありますね。だから、この条件というのは、許可をするときに、いろいろ収益金などをどうするなどという条件をつけることも含むのですか。
○説明員(小林悦夫君) 現在のつけております条件は、一部事務組合等で施行しておる分についてはそういう形で行えと、こういうことで行っておりまして、収益金の分配等については特に申し上げてございませんが、制度としては考え得る話だと思います。
○小山一平君 局長ね、この前この問題についてのお答えで、積極的に収益金の問題を進めていくとおっしゃったけれども、どうも、たとえば基準財政需要額に比べて収益金が多ければ、特交でこれを配慮するなんてやってありますが、非常にこれは微たたるもので、問題にも何にもならない。全く野放しだという姿そのままのように思うのですが、いかがですか。
○政府委員(松浦功君) 公営企業金融公庫の納付金を今後に向かって強化をする。さらに地方債の許可に当たりまして、単独事業等、そういう財源を狩っているところにはその起債を認めないということによって、その枠がほかの地方団体に回る、あるいは特別交付税について減額要素に考えて、そこにやらないで済む金がほかに回ると、こういう形でこれからも強化をしてまいりたいと思っておりますが、基本的にはいろいろこれについての考え方があろうかと思います。諸般の情勢によりまして、一気にどうこうするという方策を現在まだ打ち立てておらないわけであります。昭和五十四年が公営企業金融公庫の納付金に関する法律の最終年度になっております。それまでには納付金を一%に引き上げるという目標で、これから努力をしていきたいというのが現在のわれわれの立場でございます。
○小山一平君 時間もありませんから、あとちょっとだけお尋ねしますが、実はこの公営企業金融公庫納付金、これも実際には、昭和四十五年から五十四年まで百分の一以内において政令で定める率で乗じた金額、そうして四十五年から四十九年まで、これは百分の一となっているにもかかわらず千分の五で来ましたね。そして五十年は、その改定の時期であるにもかかわらず、相変わらず千分の五で政令で決められました。これじゃこの公正化を図っていくというようなことの取り決めがいかにも積極的でない、こういう気がするんです。これは何か事情があって、五十年度の政令で決めるせっかくの時点にもかかわらず、この法律で決めている百分の一まで納付を義務づけることができるのに、その半分のままで五十年も継続せざるを得ないという、一体これはどうした理由からでしょうか。
○政府委員(松浦功君) いろいろの事情がございまして、本年度は千分の五ということにいたしたわけでございますが、明年度以降から率を引き上げて、五十四年までには何とか百分の一ということで法律の精神どおりの決着をつけたいということで努力をいたしておるところでございます。 なお、先ほどの基準財政収入に入れたらどうだという御指摘ございました。私どもも先生の御指摘、まことにりっぱな御指摘だと思います。ただ、基本的な問題としてこの問題を片づけるといたしますと、基準財政収入額に入れますと、交付税をもらっている程度の団体についての均てん化は片づきますけれども、交付税をもらっておらないいわゆる不交付団体はまるまる残るということになって、なおびっこがひどくなるわけであります。そこいらの点を考えると、もっと別途の方策を考えないと、基本的にはなかなかこの問題の解決にはならないのではないかというような意見も一部ございますので、私どもといたしましては、当面、いまお答え申し上げたように、公営企業の納付金を引き上げ、特別交付税あるいは地方債等における配慮ということで均てん化の精神を少しずつでも実現していくという方針をとりながら、その中において、先生のおっしゃられました方途を含めまして、より基本的な解決ができるような方途はどういう方途があるかということについて検討も重ねてまいりたいと、このように考えております。
○委員長(原文兵衛君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時三十三分散会 ―――――・―――――