大蔵委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/23
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) これより大蔵委員会、物価等対策特別委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして私が連合審査会の会議を主宰いたします。 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 この際、先ほど開かれました連合理事会の結果について御報告申し上げます。 本日の連合審査会の総時間はおおむね五時間といたしまして、質疑時間の割り当ては、自民三十分、社会百二十分、公明六十分、共産六十分、民社三十分といたします。 なお、零時三十分から二時まで休憩をとりまして、本連合審査会の終了時刻はおおむね午後四時三十分の予定でありますので、御了承願います。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鳩山威一郎君 連合審査会におきまして、公共料金の問題につきまして、大変大事な問題でありますので、二、三お尋ねいたしたいのでございますが、福田企画庁長官は十一時までおいでになりませんので——私はなぜこの公共料金というものが酒とたばこと郵便料金、こういったものに限られたかということにつきまして大変疑問に思っておる一人であります。特に国鉄の経営というようなものは大変もう危機に瀕しておると、こういったときに国鉄の問題は将来に延ばされておるわけであります。そういった意味でこういった点につきましては福田副総理にお尋ねしたいのでありますが、おそらくこれは同僚の議員からもいろいろ質問が出ると思いますのでそれに譲りまして、私は当面議題になっておりますお酒とたばこ、この値上げにつきましてお尋ねしたいわけであります。 消費者物価は本年は一けたに抑えたいと、こういう御意思、これは政府の大方針であろうと、こう思うのでありますが、その中でお酒は恐らく〇・一響くであろう、たばこは〇・六という計算になっておるようであります。この上げ幅の大きいたばこの問題につきまして主としてお尋ねいたしたいのでございます。 衆議院におきまして大変長い間熱心な御審議があったと承っておりますし、本会議に二月二十一日に上程されて四月の二十四日に大蔵委員会で採決されておるわけでありますから、まあ二カ月くらい審議にかかっております。その中で、私は会議録にずっと目を通したのでありますけれども、これに対します大変な疑問点というものは、やはり上げ幅が大きいのではないか、あるいは上げるタイミングがいまがいい時期であるかどうか、こういった点が大きかったように思います。それからこの酒、たばこの値上げが心理的な影響を与えてほかの物資の値上げの引き金になるのではないかと、こういうような心配がなされておる。また、あるいは春闘が政府が予想したよりも労使間の自粛が非常に顕著に出たと、そういった状況のもとでこの酒、たばこにつきまして何らか配慮がなされないかというような点が論議の対象であろうと思います。 まず、大蔵大臣に、端的に結論だけで結構ですがお伺いいたしますが、衆議院の審議の際に、四月の二十三日だったと思いますが、村山委員の質問に対しまして、お酒は、二級酒とかあるいはウイスキーでも二級、しょうちゅうというようなものは増税がないではないか、たばこにつきましてはどうなんだという話があって、四十三年のときにはエコーという新種が出て非常に消費者は助かったんだと、こういうことが言われて、その点は参議院の段階で期待をされているのかどうかというような質問がありまして私もびっくりしたのですが、それに対しまして大蔵大臣は、いや、もう原案どおりでやるんだと、こういう御答弁であったと記憶します。そのとおりと伺ってよろしいか。特に実施期日がおくれておりますから、恐らくそれだけでも数百億近い減収が予想されると思いますが、そういった衆議院の村山議員の質問に対するお考えはいまでも変わっておらないかという点をお尋ねいたします。
○国務大臣(大平正芳君) いまなお変わっておりません。
○鳩山威一郎君 同じ日の佐藤観樹委員の質問にありましたが、今度の値上げ案を見ますと、一級品で百五十円、百二十円というのがあるわけでありますが、その次は八十円のクラスになる、二十本ですが。百円というものがない。百円で買えるというのは庶民としては非常に便利だが、百円というようなたばこを考えておるかという話に対しまして、新しい種類を出すには一年くらいかかるというような泉副総裁の御答弁があったようでありますが、一年もかかって新種を出すというのでは余り意味がないが、その点につきましてのお考えはどうであろうか、お伺いいたします。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。 百円たばこにつきましては、お説のとおり、衆議院段階におきまして御質問がございました。私どもといたしましては、今回の定価改定を行いますと、定価改定後の製造たばこ、シガレットの一本当たり平均単価は六円三十二銭、つまり十本に直しまして六十三円二十銭、二十本入りでいたしますと百二十六円四十銭に相なるわけでございまして、したがって、百円たばこを出しますと、その平均単価より相当安いたばこを出すことになりますので、そういたしますと、どうしてもそれより値段の高い銘柄から需要が移る、あるいは一部におきましては百円より安いものから若干は移るかもしれませんけれども、従来の経緯からいたしますと、大部分は高い銘柄から需要が落ちて百円たばこに行くということになりますので、そういたしますと、予定いたしておりまする収益が確保できなくなりますので、そういう意味では百円たばこにはいろいろ問題がある。ただ、商品体系として見ますと、八十円の銘柄のもの、それから百二十円の銘柄のものの間が抜けておりますので、商品体系としてはやはり八十円と百二十円との間に一つあるのが適当ではないかと、こういう御意見があり、またその点は私どもももっともに感じておるわけであります。したがって、そういう意味では、百円たばこにつきまして種々検討をいたしております。が、まだそれを発売するまでに踏み切ってはおりません。しかし、種々検討いたしまして、いまお話しのように新しいものを出すのに一年もかかるようではとうてい意味がありませんので、いかにしたら早く出すことができるか、そういった面についてもあわせて検討はいたしております。しかし、まだ何分にもそういういろいろな問題点を含んでおりますので、最終的な決定をいたしておりません。
○鳩山威一郎君 確かに、今回の値上げが大幅であるというために、いままで高いたばこから次のクラスのたばこに移るというようなことがあろうと思うのですが、いま実質百円というのが、実はミニ・スターが三十本で百五十円ですから、これは二十本入りにすれば百円になるわけですね。それから今度の改定案を見ますと、実際売れているたばこと売れていないたばこ、これもみんな一律に上げておるという感じがするわけですが、そういった需給関係を考えて、たとえば中級品の中で、これは売れていないのも売れているのもみんな一緒に上げておりますが、売れていないものは百円にするとか、そういうような考え方というのはできないか。少なくとも一年もかかって百円が出たのでは意味がないというので、そういった面の御検討をされたことがあるかどうか、もう一度お伺いいたします。
○説明員(泉美之松君) お話しのとおり、ミニ・スターは三十本入り百五十円に改定する予定でございますので、これを二十本入りにいたしますればまさに百円ということでありますけれども、三十本であの一袋にするということでその包装紙なんかの原価計算ができておるわけでありまして、したがって、それを二十本包みにいたしますと、まず機械から直してまいらなければなりませんし、包装代が三十本の場合と二十本の場合と余り変わりませんので、それだけ収益率が下がってまいります。それから御存じのように、ミニ・スターはかなり細巻きでございますので、三十本でそれほど大きく感じないわけでありますが、二十本にいたしますと、いかにも小さくなりまして、むしろ消費者の方から割り高感が出てくるのではなかろうかという心配もございますので、そういった点は検討いたしましたけれども、実施する考えは出てまいりません。 それから今回の定価改定に当たりまして、売れ行きの多い銘柄もそうでない銘柄も同じように上げているではないかというお話でございますが、これは昭和四十三年に定価改定をいたしました後、主として原料費及び材料費が値上がりし、それに賃金の上昇が加わりましたために、コストが上昇して専売の益金率が低下してまいりましたので、それを回復したいということでありまして、それは各銘柄ともほとんど同じようにコストが上がっておるのでありまして、そういった点からいたしますと、なるほど売れ行きの大量なものも少量なものも一律に上げている点、まあ商売政策としてはどうかという御意見はごもっともに思いますけれども、しかし、原価の点からいたしますと、そのようにある種のものを据え置いて上げないという、そういうふうにいたしますと、その銘柄だけ益金率が低下いたしまして他とのバランスがとれませんので、そういう意味では値上げをそういうものに限って抑えるということはなかなかむずかしい問題でございます。
○鳩山威一郎君 それでは、今回の値上げ案というのは一応原案どおりでぜひともやりたい、こういうお考えだと、こう思うわけでありますが、これからの将来の長い目で、たばこの専売制度あるいは納付金制度と申しますか、こういったものを考えますと、まあお酒とたばこはよく比べられるわけですけれども、お酒の方は、これは諸物価が上がってきますと、民間でつくっておりますから、自然と価格が調整はある程度されておる。ただ、税の負担率が従量税だから下がると、こういう問題だと。ところが、専売制度のもとでは、益金を納めろということでありますから、一般の物価水準に対してたばこだけが長期に据え置かれますと、たばこだけが非常に割り安になってしまうということが起こるわけで、先日の参考人の意見でも、生活必需品の方は普通に上がっていってしまって、たばこなど体に有害なものが非常に割り安になってしまうのはおかしいというような意見すら出たわけであります。しかし、他方では、やはり大幅な引き上げがありますと家計を非常に圧迫するということは、これも紛れもない事実でありますから、どうしてもこれは今後はやはり小まめに定価というものを考えていかなければいけないのではないか。その点につきまして、たしか昭和四十四年ころでしたが、OECDで公共料金につきまして専門家が集まって検討して報告書を出しておる。それによりますと、やはり時期を失せずに小まめに上げていくことの方が正しいのだ、そうすべきだという結論であったわけであります。欧米といいますか、ヨーロッパ各国は、特にたばこにつきましても、あるいは公共料金、国鉄の料金のような問題につきましても、実に小まめに改定をしておるわけであります。そういった点が国会審議は煩わしいとかいうようなことで法案をなかなかお出しにならないというような傾向があるのではないかということすら考えられるわけでありますが、これからの将来を考えまして、特に原料が大変上がったのが昨年でありますから、これは恐らくことしよりも来年以降に出てくるのじゃないかと思うわけであります。来年になりますとまた益金率が下がるという問題がすぐ出てき・わせぬか。そういうことを考えますと、将来、お酒につきましては、いままでの従量税でいいのか、従価税というものを考える必要があるのではないか。また、たばこにつきましても、地方税は消費税になったわけですけれども、国税の部分も消費税に直した方がいいのじゃないか、こういう考え方がすでに税制調査会の長期税制の答申には出ておるわけで、これについて将来どういうふうにしたらいいとお考えになっているか。それにつきましては衆議院で附帯決議が全会一致でついておるわけで、この点につきましてまあいろいろ考えろという趣旨の附帯決議がついておると思うのですが、その点につきまして将来のお考えをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 公共料金をとめておいて一挙に上げるというようなことは余り適切なやり方ではない、無理のないやり方をやるべきではないかという御意見は、私どももよく理解できる御提言であると思います。一方、国会にわれわれが案を出しますと、国会方面の空気というものがどういう空気であるかというようなことも政府としては無関心でおられないことも、御案内のとおりでございます。しかしながら、提案をする方の政府側におきましても、公共料金の改定につきましてはいろいろな意見が部内にあるわけでございまして、鳩山さんのおっしゃるようなやり方で無理なくやろうじゃないかという御意見もあれば、そうでなくて、公共料金はこの際しばらく当分の間凍結すべきじゃないかという意見もわれわれの政府部内にあるわけでございます。したがって、この問題というのは大変むずかしいわけでございまして、今日ただいま御提案をして御審議いただいておる案、これはその他の公共料金体系全体の中の一部でございまして、どういうおさまりぐあいになっておるのかということについての御理解が必ずしもクリアーにいかないということも私はよく理解できるのでございます。しかし、私自身の考えは、鳩山さんの考えと同様でございまして、公共料金なんて無理すべきじゃないと思います。きょうの負担を明日に延ばすということはむやみにすべきでないと思いまするし、今度改定するときにはまた大幅な改定をするということになりまして、決してこれは国民生活ばかりでなく物価政策にも経済政策にもいい結果を生まぬと思うのでございまして、私自身は無理のない小幅な改定を必要な場合にはやってまいることが大事だと考えております。 それから第二の御質問の点ですが、消費税制度に移行すべきじゃないかという、たばこの問題でございますが、そういう御提言も審議会にもあるいはあるわけでございまするし、また、衆議院の附帯決議にも今後の検討を期待する旨の御決議がありましたことを承知いたしております。ただ、これもよく理解できることでございますけれども、こういう制度の改変というのは、関係者全体の祝福とまでいかなくても理解を得なければ動きませんわけでございまして、第一多数の葉たばこ生産業者はまだそういうことに対して大変強い抵抗を示されておるようでございまするし、今日ワークいたしておりまする専売制度に関係しておる多くの方々が、なおいま現行制度でどこに不自由があるのかと、こういうあらしの中によく専売制度によって生産と販売の安定が維持できておるというこのメリットはやっぱり再評価すべきじゃないかという御意見も確かにこれは傾聴に値する御意見であろうと思うのでございまして、私どもも検討にやぶさかではございませんけれども、そういう方面の御意見もまた無視できないものがあるということは、国会の先生方におかれても御勘案を賜りたいものと考えております。
○鳩山威一郎君 ただいまの点につきましてはなおいろいろ御意見を申し上げたいわけでありますが、時間もありませんので、最後に、災害の点につきましてちょっとお尋ねいたします。 ことしは異例なほどひょう害が多いということはもう皆さん御承知のとおりだと思いますが、手元にある資料によりますと、ひょう害の面積が二千四百九十二ヘクタールに及んでおる。その中で全損のところはわずかでありますけれども、被害が出た地域としてはこのように広がっておる。ことしは、御承知のように、長年減反を続けてきたたばこ耕作面積がやっと減反の傾向がとまって若干ふえかげんだと、こういうときであります。こういったときに、おそらくやっとふえた面積以上の面積におきましてひょう害が出たわけでございまして、大変遺憾に思うわけでありますが、この災害につきまして、多年問題になっております農業災害の補償制度とギャップがあるという問題であります。御承知のように、農災の方では七割の保険がもらえるんだけれども、たばこの場合は五割であるという点が多年問題の点であろうと思うのであります。これは片っ方は保険制度で保険料を払っているじゃないかと、こういうことでありますが、しかし、たばこの場合は、全量専売公社が買い上げるわけでありますから、保険制度を別個に設けましても結局は価格の点でそれを考慮しなきゃならなくなると、こういう意味で、私は、たばこの全量買い上げという特異性から見れば、これはもう農災制度と合わせていいのではないかというふうに考えているものでございますが、何らかことしの災害につきまして非常に広いという意味でお考えになっているかどうか。特に一番ひどいのは鳥取県が六百七十九町歩というので非常に広い。その次に新潟であるとかいままで災害のなかった地域に非常に出ておりますので、特別な御配慮をお願いしたいと思うのでありますが、その点いかがでしょう。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、例年、たばこにつきましては、ひょう害、水害、いろいろ災害があるわけでございますが、本年は特にひょう害が大きくなっておりますことは、お話しのとおりでございます。そこで、従来からたばこの災害補償制度につきましていろいろ御意見がございまして、私ども検討いたしておるのでございますが、いまお話しのように、たばこの災害補償制度は、現行の場合におきましては、全損の場合平年度収納代金の五〇%を補償いたしまして、その後だんだん損害率が低くなるに応じまして収納代金とそれから災害補償金との合計額が平年度収入の七〇%に達するようになるまで漸次補償金を逓減する方式をとっております。ところが、ただいまお話しのように、農業共済の場合におきましては、一筆ごとに基準収量の七割、それから農家ごとの場合におきましては基準収量の八割を補償することになっております。もっともこれは七割、八割にさらに前年度価格の九〇%以内ということになっておりますので、一筆ごとでありますと、七、九、六三%、それから農家ごとでありますと、八、九、七二%を補償するということになるわけであります。しかし、ただいまもお話がございましたけれども、農業共済の場合には保険料を払いますので、国庫負担分として見ますと、国庫負担は、最高の場合、いま申し上げました六三%の七割の四四・一%、あるいは農家ごとでありますと、七二%の七割の五〇・四%になっておるわけでありまして、そういった点からいたしますと、国庫負担割合ではたばこの災害補償制度五〇%といま申し上げました四四・一%ないし五〇・四%というのは、一応バランスのとれた数字に相なっておるわけでございます。しかしながら、同じような災害があった場合に、たばこについては全損の場合でも五〇%、農業災害の場合には表向きではありますけれども基準収量の七割あるいは八割を補償されるという点に農民としてはどうもおかしいではないかという感じをお持ちになることと思います。私どもも種々検討いたしておりますが、制度としては国庫負担割合をたばこについてだけ上げるというわけにまいりませんので、いまの補償制度、国庫負担の程度としましては大体バランスがとれておりますので、これを国庫負担割合を引き上げるというわけにはなかなかまいりません。 そこで、私どもといたしましては、農業共済とのバランスを考えて、たばこ作につきましても生産者同士の共済ということを考えて、加入料を取ってそれによっていまの災害補償制度より別の補償制度をつくって農民のそういった災害によってこうむる損害につきまして共済制度を設けていくのが適当ではなかろうかということで、そういう面で現在耕作組合の方たちとも連絡をとって検討を進めておる状態にございます。
○鳩山威一郎君 ただいま御答弁のことは、四十五年の十二月二十九日の申し合わせといいますかで、将来そういった耕作者相互間における救済制度の創設方についてその実現の促進を図るものとすると、こうあるわけでありますが、これはそういった面で検討はなされたと思うのです。しかし、よくよく考えてみれば、保険料を非常に集めてみても、これはお米の場合とやはり違う。たばこは自家消費というものがないのですから、全量専売公社が買ってしまうのですから、そのために保険制度をつくって人手をかけて保険金をずっとみんなから集めて回ってやるというのは非常に手間ではないか。しかも、それはそういう制度をつくれば、当然たばこのコストに算入してやらなきゃいけないわけですから、だから、そういうことを自己保険というわけで自己保険でやっていいんだということを申しておるわけであります。そういう人を大ぜい雇って保険料を徴収するような制度をつくるのは実際むだではないかとさえ思うので、この点は篤と御研究を願いたいのであります。 もう時間が来ましたのでこれでやめます。どうもありがとうございました。
○説明員(泉美之松君) ただいまお話しの昭和四十五年のときの申し合わせ事項と申しますのは、耕作者の方々で広域災害がありました場合に相互補償をするために耕作者の方々が掛金をする、それに対しまして公社が同額を支出いたしまして、それによって十年一回程度の災害がある場合に備えてということで、その制度は実は発足をいたしておるのでございます。ところが、広域災害ということでございますので、一府県について幾らの災害があったというような場合にしか該当いたしません。ところが、ひょう害というのは、御存じのように、ごく限られた地域でしか起きないのでありまして、一府県全体の災害率というようには大きくなりません。そういうことで、せっかくそういう広域災害相互救助制度ができたのでありますけれども、それがひょう害のような場合にはワークしないことになっておりますので、そういう意味で、四十五年のときのお話で設けたのはいまうまく働かない。そこで、それにかわるものをどういうふうにつくったらいいかということで検討いたしておるのであります。
○対馬孝且君 私は、今回の酒、たばこ値上げ法案に関しまして、まず大蔵大臣に対しまして基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 どうも今回の値上げの出方が、非常に国民に納得しにくい提案になっているのじゃないか。つまり、たばこ値上げ、あるいは酒問題を含めまして、仕組まれた一つの値上げの出方になっているという奇々怪々な出方だと、こう言わざるを得ないのであります。それは、いわゆる耕作審議会の場で、大臣ね、会長自身が——この耕作審議会というのは、あくまでもたばこの耕作をどのように栽培をし、国民にサービスをするかと、こういう目的で持たれた耕作審議会で、税制改正の問題を、たばこを値上げをすべきであるというようなことが審議会で出されて、それを待っていたかのように専売公社の総裁が直ちに受けて記者会見をして、平均大体五五%ぐらい上げるべきだと、それをまた今度は政府が、まあ国民のことを考えて四八%ぐらい上げるべきだと。どうも、一連のやり方を見ますと、在来のやり方とは違って、仕組まれた今回の酒、たばこの値上げである。しかも、こういった耕作審議会とか専売公社の総裁が直ちに税制改正に対する基本的な問題に触れる、こういったことは、国民の立場から考えますと、明らかに行き過ぎでありますよ、これははっきり申し上げて。どうもそういう点は大蔵大臣がその点は仕掛けて、仕掛け人として今回の酒、たばこを合理的に値上げをしようという背景があるのではないかと、こういうふうにわれわれは受け取らざるを得ないのでありますが、一体耕作審議会なり専売公社の総裁がそういう意味で直ちに値上げに受けて立ったという姿勢について大蔵大臣はどう考えているかということをお伺いします。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、そういう仕掛け人になるほどの才覚はありません。また、そんな暇もありません。また、対馬先生御承知のように、いまの審議会は政府の手のひらに乗って政府が左右できるようなものではございません。ただ、審議会にそういう御意見があったことは私も知らないわけじゃございません。しかし、今回の値上げについて案を決めましたのは、少なくとも政府の責任で決めたわけでございまして、これは両院を通じてたびたび御説明申し上げておりますように、たばこであるとか酒であるとかいうようなものは従量税的なものでございまして、ほかの諸物価が上がって原価が上がっておるというようなこと、ほかの物価も上がっておるというような場合に、バランスがとれなくなってまいりましたので、見えざる減税が行われておるということでございますので、これを調整する必要を感じたこと、それから第二は、専売益金が不当に落ちてまいりましたので、これをある程度の水準に復元させていただきたいという財政上の必要がございます。そういったことで値上げを検討いたしたわけでございますけれども、しかし、国民の生活、国民の家計ということも考えなければなりませんし、物価政策上の配慮もなければなりませんので、その幅、時期等につきまして十分検討をしてまいりまして今回の御提案になったわけでございますので、決してそんなに仕組んで世論形成をいたすというようなことでは毛頭ないことを御承知願いたいと思います。
○対馬孝且君 私はなぜそういうことを言うかと申しますと、結果的には四八%という異常な値上がりになっているわけであります。 そこで、私は第二点を大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、この前の物価対策委員会でも福田副総理に私は申し上げましたが、まさに福田副総理の名言であるなだらかな春闘ということで、福田副総理のペースの中で春闘は終わりを告げました。まさに組合指導者は首がかかっているわけであります。この際、ひとつ福田副総理にも首をかけて物価一けたを達成をしてもらいたいと、こういうことをこの前物価特別委員会で申し上げました。副総理もひとつその決意でやると、こういう所信のほどを訴えられましたが、しかし、結果的には、公共料金としてこの酒、たばこ、郵便料金、次にすでに砂糖が上がり、電信電話料金、国鉄問題、あるいは灯油がすでにもう値上がりをしているというような、一連の物価が全部上がっているわけであります。この前も申し上げましたが、一けた九・九%に達成しようという福田副総理の決意の中で、四、五月の二カ月間で三・五%も物価が上がってしまっているんですよ。つまり三・五%食ってしまっているわけだ。そうすると、あとは来年の三月までは月々平均〇・六四%で抑えていかなければ、結果的には物価は一けた台にならないということになるわけです。 そこで、私はお伺いしたいのでありますが、この公共料金を値上げをして、一体民間の物価を抑えることができるかという問題なんです。そこで、過般、昨年の十月二日の段階で、物価問題調査会の家計部会で一つの提言がされております。これによりますと、公共料金のあり方としては、つまりナショナルミニマムという考え方に立って、いわゆる公共料金というものはできるだけ廉価な供給をすることが国民のいま求められているナショナルミニマムの基本に立つべきであるということが公共料金のあり方の体系だということが実は家計部会で一つの提言になっているわけです。これはもう大臣も御承知のとおりだと思うのであります。そうしましたとすれば、いま大蔵大臣はお答えになっておりますけれども、結果的にこのたばこの実態を見ますと、公共料金のあり方、ナショナルミニマムという性格からいくならば、こういう四八%も値上がりするような答えが出てこないのではないか。逆に凍結をされるべきじゃないかと、こういう考え方になるのでありますが、この点について、酒、たばこの問題については、御案内のとおり、総理府長官がはっきり言明いたしておりますことは、百七品目の中の十品目は酒、ビールを含めてこれは代表品目であるということを認めております。たばこについては、これまた二十四品目の国民の主要な代表品目であるということをこれまた認めております。こういう品目をあえてこれだけの四八%、酒は平均にして二二%も超えるような値上げをするということは、つまり公共料金、ナショナルミニマムという考え方に反するのではないか。この点は国民の立場からどうしても納得することができません。この点について大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 御案内のように、四十三年に以前の値上げがありまして以来、七年間の据え置きであったわけです。まず、私は、この七年間の据え置きがあったという事実について御注意を願いたいと思うのであります。したがって、四八%というのを七で割りますと、一けたになるはずでございます。四八%は非常に鋭角的な高い値上げじゃないかとおっしゃるわけでございますけれども、いままで七年も据え置いてきた政府としては無理もなかろうという御理解をまずいただくべきじゃないかと私は考えておるわけでございます。しかしながら、そうは言うものの、ことし値上げをお願いした以上は、対馬さんが御指摘のように、これからのCPIに〇・六でございますか、そういう影響を現実に持つことは事実でございます。それは政府の目標に対しまして相当大きな問題を持っておる値上げであることも私ども承知いたしておるわけでございますが、先ほど申しましたように、政府部内におきましても、対馬先生と同じように、公共料金についてはできるだけ凍結すべきであるという御意見もあるわけでございます。また、ナショナルミニマムはできるだけ低く抑えなけりゃならぬということは、よく理解できるわけでございます。さればこそ、政府としては、今日までどの公共料金をごらんになっていただいてもわかりますように、一般の料金水準よりは非常に低目に抑えてきておるわけでございます。たばこ、酒も決して私は例外でないと思うのでございます。そういう前提に立ちまして、ことしは七年ぶりの値上げをここで先ほど申しましたような理由で御提案さしていただいたわけでございますが、政府部内におきましても物価政策上の見地からもいろいろ検討が行われた結果、この程度のことはこの際ひとつお願いしようじゃないかという結論に相なったわけでございますので、ことしの物価政策上の要請と今度の値上げと矛盾するわけでなくて、これを前提といたしましてことしの物価政策が編成されておるというように御理解をいただきたいと思います。
○対馬孝且君 いま大蔵大臣から、四八%は高いではないかというけれども、年率に直せば四・八%じゃないかと、こういう言い方ですが、これはやっぱり国民側から率直な反映をしますと、これまた手品なんですよ、大臣はそんなことをおっしゃっていますけどね。四・八%どころじゃありませんよ、これは。四・八%上がっていると、平均してそうなると、こう言うんだけど、冗談じゃありませんよ。 それじゃ、私ははっきり申し上げますけども、昭和三十九年をまず基準にして考えまして、昭和三十九年の段階ではしんせいが十本入り二十円なんですよ。ハイライトが二一・九%三十五円、それからピースが四十円一〇・九%、それからひびきがこれまた三十円で三・一%、十五円のバットが三・〇%、これは十本当たりの単価であります。そこで、じっと見ていきますと、昭和四十二年十本当たりの単価が、ハイライトがデラックスでもって五十円、ルナが昭和四十二年には五十円、セブンスターが昭和四十五年には五十円、チェリーが六十円、こういうふうにだんだん上がっていっているんですね。私のデータによると、昭和三十九年が十本当たりの単価に直しますと二八・四%ですよ。四十九年には国民が結果的にはたばこの税負担で取られている金が四四・九%だというんですよ。これは手品を使ったって、大臣、だめですよ、こんなことを言ったって。現実にそうじゃありませんか、それは。それじゃ、三十九年時代のしんせいが、朝日が二十本入りの朝日がありますか、いま。三月でパアになってなくなっているじゃありませんか。結果的には、この十年間ずっと見ますと、三十九年には二八・四%、四十年には二九・六%、四十一年には三〇・六%、四十三年には三三・九%、そして四十九年には四四・九、ことしの値上がりを見込むと大体五八・九%のわれわれ庶民のたばこの税金が値上がり、収奪をされるわけであります。こういうことはいままで四十三年以来値上がりしていないではないかと、こう言ったって、これは通りませんよ。これは専売公社のあんた本当にみずから働いている労働者が実態数字を押さえて公表したんですから、これは間違いがあれば反論してもらいたいと思うんですよ。したがって、こういう点から考えますと、上がっていないというようなことを言っていますけれども、銘柄の操作によって結果的には国民は値上がりのたばこがのまされている。この点を考えれば、先ほど言ったナショナルミニマムといういわゆる物価問題調査会の家計部会の提言というものが全く無視されている。こういう点についてどう考えるかということをお伺いしたいと思います。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。 昭和四十三年に定価改定が行われました後、今日までお話しのように新製品を出しておりますので、その新製品につきましては、その新製品を出すときの原価の状況、原料費のほか材料費等を考慮いたしまして私ども製造たばこにつきましては益金率六〇%を目途に新しい銘柄を発売することを考えておりますので、したがって、そういう関係上、新しい銘柄を出しますと、その新しい銘柄は、たとえばセブンスターであるとか、それかららんであるとか、あるいはハイライト・エキスポートであるとか、そういったものは比較的高いものが出ております。しかし、おおぞらのように現在八十円のものも出しております。それからミニ・スターという三十本百円というものも出しておるわけでありまして、決して高いものばかり出しておるわけではございません。ただ、四十三年から今日まで毎年そういうふうに新しい銘柄を出す、あるいは消費者の嗜好が従来のような両切りからだんだんフィルターつきのたばこに移ってまいりまして、その結果単価が上昇してまいっておることは事実でありまして、年々三%程度ずつ単価は上がっております。ただ、四十九年からは三%を切りまして二%台に落ち込んでおります。しかし、それらはいずれも製造たばこ定価法という定価法の範囲内で、御存じのように、一級品、二級品、三級品という最高限度が決められておりますので、その最高限度の中でそういう銘柄を出しておるだけでありまして、昭和四十三年のときハイライトが八十円になりましたのはその後もずっと八十円に抑えられてきておるわけでございまして、単価の上昇がございますけれども、それは製造たばこ定価法の範囲内のことであると御理解いただきたいのであります。
○対馬孝且君 製造たばこの範囲内の定価の改定てあると言ったって——いまのことですよ、三十九年以来結果的には一本当たりの単価は上がっているではないか。上がっているということは、国民の負担がそれだけやっぱり税制に取られておることは事実でしょう、これは。しかし、結果的に申し上げますけれども、それじゃ現実にエコーならエコーという銘柄に対して、一時は買いに行っても品物がないではありませんか。一体こういう状態はどうなんですか。 もう一つ、ぼくは率直に申し上げますけれども、最近小売業者が泣いておるんですよ。どうして泣いておるかといったら、自動販売機でもってどんどん拡大されている、大体十六万台を最近超えている。十六万台の自動販売機で売られているたばこといったら、一体どういう銘柄ですか。ほとんどいま言われた高級たばこと言われるような一級品に属するようなたばこが全部自動販売機の中にちゃんと織り込まれているではありませんか。こういったことは結果的には六〇%という事業益金を維持するために、そこに専売公社なり政府が誘導している一つの政策じゃありませんか。これが何で国民の負担になっていないんですか。現実に上がっているじゃありませんか、そんなこと言ったって。寸前になっていま初めて上がったということは、これはまやかしですよ。そういう点どうですか。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、昭和三十九年度から比較いたしますと、それは御存じのように昭和四十三年に定価改定がございましたので上がっておるのは当然でございます。ただ、昭和四十三年に定価改定をいたしまして益金率が六三%に回復をいたしまして、それが四十七年まではどうやら六〇%台を維持したのでありますが、四十八年に五九・三%に低下いたしまして、また四十九年度におきましては五六・二%に低下してまいっております。したがって、われわれがいかに努力いたしましても、原材料費、賃金の上昇に基づきます益金率の低下というのは相当著しいわけでありまして、このまま放置いたしますれば昭和五十年度におきましては四六%台の益金率に落ちるのではないかということで今回定価改定をお願いいたしております。 それからいまお話がございましたように、エコーは品切れが多いじゃないかという御指摘、まことにごもっともでございまして、実はエコーにつきましては、ここ二年ほどはだんだん消費本数が減ってきておったのであります。ところが、定価改定のうわさが出るに従って消費がふえてまいりました。これは御存じのようにエコーはほかのたばこと違った形のたばこでございますので、特殊の機械を使わないと製造ができません。そこで、私ども、急遽そういうふうに製造機械を改作することといたしまして、部品なども新しくつくっていまその需要に対応いたしまして、本年度定価改定を行いますと、従来は二百億本をちょっと切る程度の消費本数であったわけでありますが、恐らく今回の定価改定後におきましては三百億本程度、つまり五割以上数量がふえるのではないかということを考えまして、いまその手当をいたしておるような次第でございます。 それから自動販売機におきましては、これはどうしても一番よく売れる銘柄を自動販売機にのせるのは小売店としては当然のことだと思いますが、したがって、自動販売機に入れますのはハイライトが一番多く、それからセブンスター、もっともセブンスターは、最近品切れがわりあい多く続いておりますので、そのために自動販売機にセブンスターを入れておるところはわりあい少なく、ハイライトの次はチェリー、それからホープ、そういった銘柄になっております。まあエコーは二百億本ほど売れておりますけれども、全体の銘柄の中では第五位に属しておりますので、必ずしもエコーが自動販売機にない場合がございます。
○対馬孝且君 いま認めておりますように、結果的にはたばこの値上がりというのが三十九年以来年々やっぱり銘柄によってわれわれ国民の負担というものは犠牲にされてきていると、こういう現実はお認めになったと思うんですよ。そこで、銘柄によっては製造その他でなかなかむずかしいといういま答弁ですけれども、これはむずかしいということは国民には納得できないですよ。これはやっぱり政策的にいかに六〇%という税金の、つまり専売公社の益金率に合わせて、その銘柄に政策的に誘導していっているという、こういうこと以外にわれわれ国民としては理解をするというよりも、そういう見方をするのは当然だと思うんですよ。この点について、私は、専売益金の、いま公社の方から言われておりますけれども、これもまた問題があると思うんですよ。それじゃ、昭和三十九年以来専売公社の事業益金というのは変わっていないのかと、われわれの負担というものはそれじゃ相変わらずその当時に凍結されているのかといいますと、とんでもない話ですよ。これも昭和三十九年を基礎にして専売益金のあれを見ますと、三千八百二十七円というのが大体一人当たりのあれが出ております。ところが、昭和五十年今年、まあ百歩譲って四十九年去年の段階でもいいですが、七千円ですよ、一人当たりの事業益金が出ているのは。これは結果的にはやっぱり銘柄の高い質のものが売れていって、それだけ専売益金が高まっているわけですよ。これを逆に言うなら、逆進税として逆に市民の方にツケが回ってきているではないか、その分だけ事業益金はやっぱり上がっているじゃないかということは言えるのじゃないですか。これははっきり申し上げまして昭和三十九年には二千八百二十七円、四十九年には七千円ですよ、専売益金が。 もう一つわからないことは、どうしても六〇%以上にせなければならないと言うのですが、それじゃ、ハイライトの原価を聞きたいんです。これは国が何ぼで——私わかっていますけれども、とりあえず、地方は何ぼで、専売公社に入るものが何%だと、この割合をひとつはっきりしてください。 それから先ほど言った現実に専売益金が昭和三十九年を基礎にして四十九年がどういうふうに変わっているか、この点についてはっきり国民の納得できる答弁を求めます。
○説明員(泉美之松君) 昭和三十九年度におきまする専売納付金は千六百五十一億円でございまして、その前提となる純利益は千七百七十六億円であったわけであります。しかし、その当時のたばこの販売数量は千六百三十三億本でございました。その後、先ほど申し上げましたように、四十三年に定価改定を行いまして、約二割近い定価の引き上げが行われたわけでありまして、その結果、四十八年度におきましては、たばこの販売本数が二千六百七十億本となりまして、約千百億近い数量の増加があったわけであります。その結果、純利益は三千七百四十八億円に上がったわけでありまして、三十九年の倍までにはなっておりませんけれども、その程度にふえました。その結果、専売納付金は三千五百六十一億円と約千九百億円増加いたしておるのでございますが、しかし、製造たばこの益金率といたしましては三十九年当時に比べまして四十八年は下がっておるのでありまして、もちろん、国民全体が消費がふえていきますと、それに応じてたばこの代金も上がりますれば、益金も相対的に上がってくる、これはもうあたりまえのことだと思います。 それから一人当たりの消費本数ももちろんふえていっておるわけでありまして、喫煙者が昭和四十二年が喫煙者率が最高であったわけでありますが、その後健康問題等がありまして喫煙者率は若干低下いたしておりますけれども、しかし、それにいたしましても、一人当たりの消費本数は三十九年当時に比べましてふえております。したがって、一人当たりの消費金額も同時にふえておりますが、しかし、三十九年から今日までの個人の収入の伸びに比べますとたばこ消費の伸びはそれほど多くはございません。 それから先ほどお話しのハイライトの場合におきまして、昭和四十八年を基礎に申し上げますと、二十本入りで申し上げますと、八十円の定価でございますが、そのうち総原価が二十七円五十二銭でありまして、これに小売店のマージンが七円五十銭加わりまして——これは四十八年の場合でございますから七円五十銭加わりまして、地方消費税に二十三円八十九銭参ります。それから専売公社の益金として二十一円九銭が残るわけでありますが、ここの中から内部留保、これはもうごくわずかでありますが、それを差し引いたものが専売納付金として国庫に納付されるという勘定になっております。
○対馬孝且君 いま話がございましたように、結論的に、国民一人当たりのたばこの消費負担というのは、結果的にはやっぱり負担増になっているということですよ、いま認められたように。それはもちろん財政のあり方の問題ですから、これは総体的にはそうだろうけれども、われわれ国民一人一人にしてみれば、結果的には銘柄の品位の向上によって負担増がかさまっているではないかと、これもいま認められたとおりだと思うんですよ。 私は大蔵大臣に聞きたいのですけれども、もうこの段階ですから、いずれにしても、今国会があと数日よりないわけだ。最終末の本当に末期的段階に来ているわけですよ。たばこをもって末期症状になるのじゃないかと、こう心配しているのですけれども、問題は、少なくとも国民は、これだけの公共料金がどんどんいま上がっているではないか、そこへもってきて、先ほど冒頭に申し上げましたように、つまり鉄鋼を初め大企業の値上げも来てきているではないか、もう砂糖、牛乳も値上げをしている、こうなっているではないか、政府みずからが公共料金を抑えないで、民間の酒、たばこを抑えないで、ほかの物価を抑えるということは一体できるのかと、これまた至極当然な話だと思うんですよ。こういう立場から考えれば、総合物価調査会で提言があったように、つまり廉価で安い供給をするという国民の立場に立ってものを考えるとすれば、少なくともやはり国民の考えている線に沿うてこのたばこの問題が処理をされるべきであると、こういう考え方に立っているのでありますが、この点が一体大臣としては考えられないのかどうか、この点をもう一回質問いたします。
○国務大臣(大平正芳君) 公共料金をできるだけ低位に抑えていかなければならぬということは、政府の一致した方針でございまして、ただ、公共料金あるいは公共物価、そういったものも、全体の経済の中で物価水準に影響ない聖域で営まれておる経済行為じゃございませんので、人件費も上がり諸経費も上がる中での産出物でもあるわけでございますので、できるだけ低位に抑えますけれども、この程度はお願いしても無理はなかろうという程度をはかってお願いいたしておるわけでございまして、いま対馬先生御指摘の四十三年から四十八年までの間を見ましても、確かにあなたがおっしゃるとおり消費が高級化いたしまして、十本当たりの単価は確かに上がってきておるわけでございます。しかしながら、その間の国民の年間収入を、最低収入層——第一分位をベースにして計算してみましても、年間収入がその間約二倍、一カ月の消費支出が約一・九倍にその間上がっておるのでありますけれども、たばこの消費金額は十一・三、四倍にとどまっておるわけでございまして、また、消費支出中に占めるところのウエートは、その当時一・六%でございましたが、今日一・一%に低下いたしておるわけでございますので、その範囲内で若干の調整をお願いいたしておるわけでございまして、その点はぜひ御理解を願いたいと思うのであります。しかしながら、これはあなたも御指摘のとおり、国民各層の理解と支持がなければ専売制度というものも運営ができないことでございまするし、また、専売制度を通じまして財政がいま中央、地方を通じまして相当の財源を期待いたしておるわけでございますが、そのこともやはり期待できなくなるわけでございますので、国民一般の消費層の感触というものは十分大蔵省としても専売公社としても心得た上で専売制度の運営に当たらなければならぬわけでございまして、これは経営上の問題、営業政策上の問題、価格政策上の問題、いろいろありましょうけれども、そういった点は御指摘のような消費層の願望、利益というようなものを十分踏まえた上で対処してまいるつもりであります。
○対馬孝且君 時間もありませんから二つだけ基本的な考え方を大臣にお伺いします。 一つは、いまのナショナルミニマムという精神、これは政府みずから確認をしておるわけですから、そういう考え方に立っておるとすれば、具体的な例として、酒の場合は二級酒は凍結をした。しかし、たばこの場合は、一番大衆がのんでいるハイライトなりそういったものが据え置かれていない。たとえば、例ですけれども、こういったナショナルミニマム的な考え方の発想に立って、総合物価調査会の意見等も尊重したとすれば、何でそこらあたりに大衆が一番のんでいるものに対してポイントを当てて国民の要望にこたえるというような関係にどうして立つことができないのかと、これは例ですよ、そういった一つの矛盾があるのじゃないか。それはいま大臣は、国民の消費が二倍に伸びて、たばこの場合は一一・三より伸びてないのだ、その面では国民の所得ということがかえってふえているではないかと、こういう答えですけれども、それでは例をたとえば松下会長は、年間昭和四十七年に十一億円の収益がある。一日に直して三百万円だと。われわれ庶民は年収三百万ですよね、一般庶民の場合は。三百万といったらかなりかせがなければならぬですよ。こういう方と、松下会長のような年収十一億円、一日に直して三百万円という収入の方も、結果的にはハイライトを吸うとすれば同じなんですよ。三木内閣の不公正の是正をするというならば、つまり低所得者層に対して日の当たるようないわゆるたばこなり値上げ問題に関して本当に考えることが社会的不公正の是正に沿うた値上げの改正なり国民の要望になるのではないのか。どうもそこらあたりがポイントを外しちゃって、とにかく税収がかなり収入見込みが減ると。五十年度は二兆円ないし一兆円税収入が不足になると。しゃにむに何かこう六〇%の事業益金だけに合わしてとにかくたばこの値上げをすればいいんだと、こういうことだけがだれの国民の目にも映っているんですよ。国民はみんな素朴に考えていますよ、そういう点では。結果的には低所得者層のわれわれについては税負担というものを持ち出せばやっぱり犠牲になる。高所得者の方については全く税金は軽減される。一つの間接税ですからね、大蔵大臣も知っているように。もっと直すなら、大企業の富裕税をふやすとか、あるいは法人税をふやしたら、こんな税制改革にいや六〇%に固定しなければならぬという理屈はないでしょう、これははっきり申し上げて。ここらあたりがやっぱり自民党の体質という大企業本位、大企業癒着ということを言わざるを得ぬのですね、こういう点では。こういうものが本当にナショナルミニマムとして国民の要望にこたえるようなたばこの今回の値上げの改革案になっていない。こういう点でわれわれは納得することができないということを指摘しておるわけです。この点もう一回、どうですか、もう今日の段階で本当に国民の納得できるような案は出すのか出さないのか、あるいはそういう点に矛盾を感じないのかどうか。この点は、少なくともきょう大蔵委員会と物価特別委員会が連合審査を持ったというのは、国民がいまこれを本当にたばこは凍結をしてもらいたい、値上げはやめてもらいたい、いま公共料金なり一連の物価の値上がり一けたというならば、当分情勢を見守って答えを出すという政府の基本姿勢があってしかるべきではないか、これが素朴な国民の声です。これをやらないとすれば、大企業オンリー、庶民軽視という社会的不公正の是正は看板だけであって、実際はそれをやらないのが今日の政府の態度であるということを言わざるを得ません。もう一回この点について最後にお伺いします。
○国務大臣(大平正芳君) 自由民主党とその政府は、先進諸国と比べまして決してものわかりが悪いわけではないんです。あなたの御指摘の間接税は、先進諸国は五割程度が間接税で得ていますが、わが国は三割程度しか間接税で収入を得ておりませんで、間接税は、あなたがおっしゃるように、これは逆累進でございまして、お金持ちもお金持ちでない方も同じ負担をこうむるわけでございますが、日本の税制というのは直接税に傾斜いたした税制をとっておりまして、しかも、その間接税の中でも、たばこを例にいたしますと、諸外国に比べましてたばこは相対的に私は安く供給さしていただいておると思います。専売益金も先進諸国おしなべて七〇%程度ちょうだいいたしておるにかかわらず、わが国はこの改正を御承認いただいて五六%の水準でございまして、いま先生がせっかく御指摘いただきましたけれども、わが自由民主党とその政府は諸外国よりよほどデモクラティックにやっているつもりでございます。 ただ、しかしながら、あなたの仰せのように、国民の理解と愛情をもってこの制度は守っていただかなければならぬわけでございますので、運営につきまして、また今後の営業政策につきまして、これはよほど消費者の皆さんの利益、消費者の皆さんのニーズというようなものは十分私ども心していかなければならぬことは、あなたの御指摘のとおりでございますので、そういう点は十分心得ていきたいと思っております。
○対馬孝且君 それでは、時間が来たようでございますから——外国との対比の問題では異論があります。これは私もデータを持っておりますけれども、国並びに地方消費税など、全部換算をしてみますと、必ずしもフランス、イタリアよりも日本の場合は安いと、そういう答えにはなっていないという私はデータがございますけれども、時間がありませんから特に大蔵大臣に申し上げたいことは、いま素朴に考えていることは、やっぱり物価一けたを抑えるとするならば、政府はまず身をもってこのたばこと酒税についてはひとつ抑える、当分やっぱり凍結をすると、こういう国民の率直な気持ちに立っているということと、先ほども言った低所得者層も金持ちも同じ間接税の負担によって犠牲が強要されるということについては、やっぱり社会的不公正の是正の基本の精神に反するのではないか。この点の二点だけはひとつ強調申し上げまして、もっと慎重にこの問題については検討して、国民の要望をひとつ本当に考えていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○粕谷照美君 十六日の日に私は朝刊を見ておりましてあっと驚いたわけです。それは、十六日から三日間にわたって、「国鉄は話したい」と題しまして大新聞の朝刊に一ページ全面広告が出されておりました。新聞解説によりますと、運賃の二倍値上げをもくろむ前哨戦であり、この広告費用二億三千万円だとありましたが、しかし、この広告予算については全然制限がなされていなかったと、こういうことが書かれておりました。福田副総理は、なだらかな春闘だと物特の中でも本当に笑いのとまらないようなお顔で御答弁をいただいておりましたけれども、春闘が一三%台にとどまってしまった労働者、そして家庭の大蔵大臣であります主婦にとってみれば、今回の審議されております酒やたばこの法案の大幅な値上げ、そして消費者米価も二けた台に上がるのではないかというようなちまたの声に引き続いて、これ見よがしのこの国鉄のウオーミングアップを見せつけられているわけです。本当に物価は副総理のおっしゃるように年内に一けた台に鎮静するんだろうか、こういう思いがありまして、身の毛のよだつような気持ちであの新聞を見ていたというふうに思います。その国民を前にして、福田副総理は、再度、本当に一けた台で物価を鎮静させるんだという断言をいただけますでしょうか。そして、また、そういうようなことに対しての大蔵大臣の見通しはいかがなものでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄について御心配のようでございますが、国鉄につきましては、ただいまその料金値上げを考えておりませんですから、これは御安心願いたいと思います。 それから、五十年度の消費者物価一けたの目標は、私は、今度の春闘ですね、これがああいう形でなだらかに決まろうとしておる、その背景には、四十九年度の物価ですね、これが一四・二%というところで済んだということ、これが強く響いておると同時に、政府がさらに努力をいたしまして一けた台にこれをおさめると、こういうことを言っておる、これに対する期待もまた背景としてあると、こういうふうに思うのです。賃金、物価の悪循環の問題、これはどうしても解決しなけりゃならぬ問題ですが、そう一挙にはまいりません。これは私は三年かかる三年かかると、こう言っておるわけですが、まあとにかく第一年度は消費者物価一四・二%というところで済んだ。第二年度に当たる五十年度におきましてはこれはどうしても一けた台に持っていきたい。そして、来年五十一年度におきましてはこれはなるべく早くこれを定期預金金利以下に持っていきたいと、こういうことを考えて、とにかく三年がかりで国民の御安心願えるような物価状態に復元をいたしたいと、こういうふうに考えておるわけですが、その大事な第二年度でありますので、一けた台という目標につきましては、これはもう政府としては一致した考え方でございますが、万難を排してこれが実現を期すると、こういうことでございます。
○国務大臣(大平正芳君) いま副総理の述べられたとおりでございます。
○粕谷照美君 大変そっけのない御答弁でありますけれども、福田副総理が、ただいまは考えていないと、こうおっしゃっているわけですが、大体二年後ぐらいにはそういうようなことが出てくるのではないかということを私たちは心配しないわけにはまいりません。それは、今回の酒税、たばこの値上げも、やっぱり一年前にそういうような話し合いが出て、既成事実が着々とつくられて出されているということを考えてみますと、非常に心配しているわけですけれども、ただいま考えていないのではなくて、ずうっと考えないというふうに御答弁をいただければもっとよかったというふうに思うわけです。 ところで、対馬委員の質問とダブる点がありますので、その点は省いて、私は簡潔に別の観点から質問をいたしたいというふうに思います。 国鉄はあのような広告をやっておりますけれども、ところで、専売公社の方では広告は最近どのようなものを出しておりますか、あるいは出しておりませんでしょうか、もし出しているとするならば、年間どのくらいで、一体広告の目的というのは何に置いて出されているんでしょうか。たとえば売り上げをふやしたいというふうに考えて広告を出しているのでしょうか、あるいは未成年者はこのようなたばこをのむのは健康上よろしくない、法律でも認められていない、あるいは妊婦がたばこを吸うことは非常に胎児のためにもよろしくない、あるいは今回の四八%のたばこの値上げというものはどうしても税金を納めていただくためには必要なんだという観点に立っているのか。まあ出していらっしゃらないとすればこのような質問も必要ないわけですが、お答えをいただきたいと思います。
○説明員(斎藤欣一君) お答え申し上げます。 たばこは専売公社だけが独占的に供給しておりますので、言ってみれば国内のほかのメーカーと競争をするという一般の商品とは違っておりますので、外国でございますと、たばこの宣伝のために大変お金をかけているということが通例のようでございますけれども、専売公社はそういうことはやっておりません。ただ、先ほども御質問がございましたように、いろいろ新しい商品を出したりいたします。その場合に、これはどういうものであるかといったこと、商品知識を消費者の方に提供をするという意味で最小限度のことはやっております。ただ、たばこが数年前から健康の問題にいろいろ関係があるというふうなことから、積極的にいわばたばこを売らんかなといいますか、そういった姿勢のものは控えるようにしております。したがいまして、数年前からたばこの広告につきまして、昔は御承知のとおり「たばこは動くアクセサリー」といったようなキャッチフレーズでもって広告をしたことがございますけれども、そういったことは一切やめにいたしまして、一つの自主規制のような物差しをつくりまして、それに合わせましてやっております。ただいま先生からおっしゃいましたような、未成年者は喫煙をやめましょうとか、あるいは火災の防止でございますとか、そういった喫煙の道徳と申しますか、喫煙マナーに関するようなこともあわせて行っているような次第でございます。
○粕谷照美君 もう一つお伺いしたいと思いますけれども、その広告の点について、マナーのことだとか、あるいは未成年者だとかというのは、一体どういうようなものに出しているのでしょうか。目に触れるということが広告の最大の目標であるとすれば、どのような手段をもってやっていらっしゃいますか。
○説明員(斎藤欣一君) あるいは余りお目につかぬかもしれませんが、店頭にポスターがございますが、その中に未成年者は喫煙をやめましょうとか、あるいは自動販売器にも必ずそういった表示をすることにいたしております。それからテレビの、これは大変お金がかかりますので、余りやっておりませんけれども、テレビのスポットなどで、喫煙のマナーの、寝る前にたばこの吸いがらの始末をどうこうといったようなこと、その程度のことをやっておる次第でございます。
○粕谷照美君 私は、酒やたばこが、先ほどの大蔵大臣の答弁ではありませんけれども、公共料金体系とおっしゃいましたから、なるほど体系かなというふうに思うのですが、なぜ、酒やたばこが公共料金なんだろうかというふうな気持ちをいままで持っておりましたけれども、健康を守るという立場からの具体的な行動、あるいは未成年者の喫煙禁止の具体的な行動、これは私も中学生のたばこを隠れてのむことで非常に苦労をしたものですから、そのことで不良化が起こっておりましたものですから、非常に注意をしていたわけです。それで、ここには来ていただくようにお願いをしておりませんでしたけれども、厚生省の児童局長名で昭和三十九年の一月ですからずいぶん古い話になりますが、「児童の喫煙禁止に関する啓発指導の強化」、あるいは公衆衛生局長の名前で「喫煙の健康に及ぼす害について」というのが出されているわけですよね。そういうことから言えば、いま御説明をいただいたように、余りお目にとどまらないかもしれませんけれどもと言いますけれども、たばこ屋さんの室内にあるそのポスターというのは、ほとんど目立たないわけですよね。たばこだけが広告を出しているのじゃなくて、いろいろな広告が張り出されておりますし、それから自動販売機なんというのは、何といいますか、余りそれも目立たないわけですね。それから子供たちが、いままでですと、たばこ屋さんのお店の人と顔を合わさなければ買えなかったわけですから、未成年者の喫煙なんということも、あそこの家の子供はこういうものを買いに行ったなんというようなこともずいぶん注意はできておりましたけれども、自動販売機だったら、もうだれでもいつでもどこでも買えるというような条件になりますので、非常に心配をしているわけです。そういう意味で、専売公社がもっと積極的な態度をとれないものだろうか、それから今後もとる気持ちがあるのかどうかという点についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(斎藤欣一君) 未成年者の喫煙は、御承知のとおり、法律で禁じられておるわけでございます。法律違反の状態というものが起こるということは、私どもも政府機関でございますし、これはできるだけ防止しなければいけないということでございます。そして、しかも私たちが製造販売しておりますたばこという商品からそういったことが生まれてくるということは大変重大な問題だということで、実はこれは警察の方ともいろいろ連絡をとりながら御協力をいただいておりますが、基本的には御本人なりあるいは御家庭なりあるいは教育の問題、そういったことであろうかと思いますけれども、やはりたばこ屋さんの方の態度というものにも関係があると思います。そこで、たばこ屋さんの方にも小売店の方にもいろいろ指導をいたしまして、未成年者にはたばこを売らないように、もしこれに違反した場合にはある程度の制裁と申しますか、措置をとるようなことで、ここ十年ばかり前からそういったことで指導をしておる次第でございます。一〇〇%なかなか徹底しないのは遺憾でございますけれども、今後とも機会があるごとにそういった指導をやってまいりたいと思っております。 〔委員長退席、物価等対策特別委員長岡本悟君 着席〕
○粕谷照美君 私は、たばこの値段が高くなって、これは国民の健康上に非常に害のあるものだからという点で喫煙人口が減るということであればこれはまたやむを得ないことであろうかというふうに思いますが、たばこはもうそんなものではなくて、本当にあすの労働への意欲を沸き立たせるといいますか、疲労回復というような意味でも非常に皆さんが吸っていらっしゃるというふうに考えますと、やっぱりこれは本当に大衆のものであり、公共料金体系の中に組み入れられて考えられるということもむべなるかなというふうに考えないわけにはまいりませんが、さて、その立場に立ちまして、消費者物価の上昇率が前年同月比で十何%、こういうことでありますけれども、実質的に言えば、定期預金の金利の二倍近い上昇率、まさにインフレ状態だというふうに考えないわけにはまいりません。だから、物価抑制は重要な経済運営の基本の一つと考えて、公共料金の凍結は最小限度の政策手段だというふうに思います。嗜好品とはいいましても、大衆の生活とは切り離せないたばこと酒税の値上げは、インフレの被害者に第二弾の直撃弾というふうになったと思っております。たばこの税率は自動車などに比してきわめて高率ですし、非常に安い賃金で働いている人たち、それから働くことのできない人たち、それは身体障害者もそうでしょう、お年寄りもそうでしょうけれども、こういう人たちにとってはまことに過酷な税負担だというふうに思っているわけです。公社では専売益金率が下がったから今回はどうしても値上げをしたい、そういうふうにおっしゃっておりますけれども、六〇%前後なければならないというこの理由を国民はやっぱり納得していないわけです。定価改定なしの四六・五%ぐらいになるだろうという見通しを先ほどおっしゃっておりましたけれども、その四六・五%であってはなぜいけないのか、この科学的な根拠というものを示していただきたいと思います。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。 たばこの益金率六〇%というのは、別段理論的に決まっておる数字ではございません。ただ、わが国の専売制度が始まった当時におきましては七五%ぐらいの益金率であったわけでありますが、それがだんだん低下いたしまして、戦後は初めの間は六五%台、それがだんだんと下がってきまして六二、三%になったのが四十三年の定価改定後であります。先ほど申し上げましたように、それが昭和四十八年度に五九・三%、四十九年度に五六・二%に低下いたしてまいったのであります。しかし、この益金率を私どもが六〇%を目途にと申し上げておりますのは、諸外国のたばこ消費税——諸外国では専売制度をとっておりまするフランスにいたしましてもオーストリーにいたしましても、それぞれたばこ消費税率というのが決まっておりまして、それによりますと、たとえばフランスでございますと、消費税は従量税と従価税とでありますけれども、大体六八%あるいは六九%というふうになっておりまして、このほかに御存じのようにフランスでは付加価値税がございますので、付加価値税が六ないし六・五%かかります。それからオーストリーでございますと、オーストリーは従価税一本でありましてたばこの税率はわりあい低い方でありますが、これが五五%で、そのほかに付加価値税が一六%になっています。したがって、日本の場合の六〇%というのは、こういうフランス、オーストリーといった専売国に比べまして決して高いものではなくて、むしろ低い数字になるわけであります。そのほか、たばこの消費税が比較的軽いのはアメリカでございまして、これは御存じのようにアメリカは世界の葉たばこの最大の産地になっておる関係もございまして比較的低いのでありますが、それでも連邦税と州税を含めますと五〇%ないし六〇%を割りまして、それにカウンティーの売上税がございますが、それを加えますと、それが七・四%程度でありますから、したがって、日本の場合とほぼ同じか、あるいはたばこ売上税が加わる地域、これはまあ州とかカウンティーによって違っておりますけれども、その高い方でいきますと、日本よりは消費税率が高いと、こういう状況にあるわけでありまして、私どもは、そういった点を比較考量いたしますと、まあわが国の場合には一応六〇%程度を目途とすべきではないかというふうに考えておるわけでありますが、しかし、たびたび申し上げておりますように、原材料費及び人件費の高騰のために、今回定価改定を行いましても、昭和五十年度におきましては六〇%になりませんで、五六・九%というのが五月一日に値上げをしたときの数字でございまして、これがおくれておりますので、その益金率はさらに低下するというのが実情でございます。
○粕谷照美君 理論的な根拠がないというのはわかりました。 それから諸外国と比較をされておりますけれども、私は諸外国との比較においてもうちょっと考えてもいいのではないかと思われる部分がたくさんあるというふうに思います。たとえば日本より高いものにはアイルランドなど四カ国ありますし、低いものには西ドイツ、アメリカあるいはフランスなどあるというふうに思いますし、世界的に言えばだんだん低くなってきているのではないだろうか。この国際的動向はやっぱり次第に低下をしているというふうに思いますので、これは何も五六・二%になったから低いとか、あるいは四六・五%だからだめなんだということにはならないだろうというふうに思います。しかし、この問題については、いまここのところでは討論をすることを差しおきまして次に移っていきたいと思います。 先ほどからエコーが品不足だというお話が出ておりましたけれども、五月一日からこのたばこの値上げが行われるというこういう情報を聞いたときに、国民の反応はどのような状況でありましたか。いままだ上がらないでいるわけですけれども、買いだめの現象というんですか、そういうものは一体どういう品種に集中をしておるでしょうか、データがありましたら教えていただきたいと思います。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。 五月一日から定価改定が行われるということで、四月中に消費者の方が相当買いだめをするであろうということを予測いたしまして、私の方も、まあ私企業でございますと値上げをした後売りたいところでございますけれども、公共企業体という専売公社の性格からいたしまして、消費者の方に不便をかけてはいけないということで、できる限り消費者の御要望があればそれに対しましてお売りするという態度をとりました。その結果、四月中は、普通の年でございますと二百四十億本程度売れるわけでございますが、それに比べまして実際の売り上げは四百億本を超えるという状況でありまして、大体百八十億本程度普通の場合に比べると多く売れたのではなかろうかと思っております。そういたしますと、それが一つの仮需要というふうに見られるわけであります。しかし、五月一日に値上げが行われませんでしたので、五月以降は例年の年に比べますと売り上げが若干減っております。これは恐らく四月に買いだめをされたもののうち少しずつ消費されて、まあそれに少しずつ買いだめをしていっておられて、したがって、まあ買いだめとしては余り大きく起きておらないことだと思うのであります。 全体はいま申し上げたような数字でございますが、個別の銘柄になりますと、これは必ずしもこの分が仮需要だということはなかなか言い切れない。たばこの銘柄別の売り上げ数量は月によっていろいろ変動がございますので、必ずしもこれだけの銘柄のものについてはこれだけの数量のものが仮需要だということはなかなか申し上げかねます。 〔委員長代理岡本悟君退席、委員長着席〕 しかしながら、何といたしましても国民の多く買いだめいたしておりますものはセブンスター、ハイライト、チェリー、エコーといったような普通大量に販売されておるものが多いことは当然でございます。
○粕谷照美君 先ほどエコーの売り上げが伸びているとおっしゃいましたので、私はセブンスターやハイライトやチェリーよりもそのエコーが伸びる理由は一体何だろうかということを質問をお伺いしながら考えていたわけですが、私は、値段が上がるのではないかということよりは、生活がそれだけ苦しくなったんだ、国民がやっぱり安いエコーに飛びついていったんだという気持ちがしないわけにはまいりません。そういう意味で、今回大体五〇%値上げになっていく、そういう品種がこれからもいままでどおりの売り上げを維持していくという考え方に立っていらっしゃるのか、あるいはこの安いエコーなどというようなところに集中していくというふうにお考えになるのか、そしてまたエコーなどがずっと売れるような形になっていきますと、皆さんの方で予定をしておりました二千五百五十億ですか、その予定は達成するというふうにお考えになるでしょうか。 それと、もう一つ、エコーが大変安いというんですか、今度買いやすい値段に一番なるというふうに思いますけれども、そのエコーにみんなが飛びついていったおかげでその品不足が出るというようなことは考えていらっしゃらないか。具体的に言えば、一時セブンスターが水銀が入っているのじゃないかなんて騒がれて非常に落ちていった。しかし、そこのところはまた専売公社の広告でもって活性炭素入りのフィルターなんていいましてテレビなどに広告がこう出てきますと、かっこうよさにもつれられてセブンスターが売り切れてもう品不足になっていったなんいうようなこともありますので、私はエコーがうまいとかいいとかということ以前に、まず国民は自分の生活を守ろうという立場でその辺に飛びついていくのじゃないかという気持ちがしてならないものですから、その予測をお伺いしたいと思います。
○説明員(泉美之松君) エコーについて申し上げますと、先ほど申し上げましたように、エコーの販売数量が一番多かったのは昭和四十六年度でございまして、この当時二百三十一億本売れたのであります。ところが、その後四十七年度は二百二十五億本、四十八年度は二百八億本、四十九年度は二百一億本と、年々下がってきておったのであります。ところが、今回定価改定を行いましても、エコーは五十円から七十円に上がるだけでございますので、恐らく定価改定後はエコーに対しまして相当需要が多くなるのではなかろうかということを考えまして、先ほど申し上げましたように、私どもとしましては、これは特別な機械でつくる関係上、機械を改作いたしましてそういった需要に対応するように考えておるわけでございます。今回定価改定をいたしますと、これはまあ過去四十三年に経験があるだけでありまして、戦前には経験がございますが、戦前の経験は余り当てになりませんので、昭和四十三年の定価改定を行いました後、たばこに対する需要が一時減ることになります。今回の場合は四八%という値上げ率でありますから、かなりその程度が大きいのではなかろうか。したがって、私どもの計算といたしましては、定価改定をしない場合にはたばこの売り上げ本数は昭和五十年度におきまして約二千九百億本と見込んでおるわけでありますが、それが定価改定を行いますと約百七十億本ほど減るということを考えておるわけであります。しかし、もちろん、一時、これはまあ常に定価改定を行いますと起きる現象でありますが、こう値が上がったから禁煙するとか、あるいは消費本数を減らすという御決心をなさいます方が出てくるわけでありまして、したがって、喫煙者率も若干落ちてまいると思いますが、しかし、まあそのうちにまたやはり昔を思い出してお吸いになり始めるというようなこともございまして、恐らく数年たたないうちにその消費はもとの状態に返っていくものだと、私どもはそのように考えております。
○粕谷照美君 それをねらっていらっしゃるわけですね、数年たったらまたもとに復元するであろうというふうに。私はちょっと皆さんから考えていただきたいと思いますけれども、国民生活センターが東京近郊の団地の家計調査をやっておりますが、「あなたのお小遣いは幾らですか」という調査をしたときに、大体二万五千円近い小遣いだということになっているんで、日曜日を除けばまあ千円亭主ということになろうかというふうに思うわけです。「家計の中から」つまり奥さんからもらうというのが一万六千五十六円で、「ほかから」というのが八千九百十円になっているんですね。じゃ、その「ほかから」というのは一体どこからもらうのかという調査については、「出張費から」というのが三千七百六十九円ですから、まあ出張するということは大変もうかるというのですか、何か余分なお小遣いをくすねる一番のいい材料になるような感じがします。その次に「貯金からおろす」というのが二千六百七十五円ですから、これも貯金のある人ならいいですけれども、ない人は一体どこから持ってくるのだろうかという気持ちがしますし、その次が問題だと思うのですが、 「ギャンブルから」二千四百六十六円というんですね。このギャンブルというのは一体何かといえば、競馬、競輪、マージャン、いろいろあるというふうに思いますが、そういうようなことができない人たちというのは一体どうするかといえば、やっぱり家計からもらう一万六千五十六円しかないというふうに思うのです。この一日千円のいわゆるミスターサラリーマン氏たちはその千円をどのように使っているかということになりますと、国会の中にもわりと安くておいしい食事がありますが、お昼は平均して四百円と、こう計算をしますと、コーヒーが一杯で二百円、そしてたばこが二箱のんだとしていままで二百円だったものが三百円になりますと、これでもう九百円になっちゃうわけですね。一日の仕事が終わった後で、きょうは暑いからジョッキ一杯やろうかとか、あるいは熱かん一杯やろうかとかというふうな、そういう楽しみさえ奪い去られてしまうようなたばこの値上げだというふうに私は思うのですけれども、いま喫煙人口というものは成人にしてどのくらい、その成人の中でも女性は一体どのくらいいるか。それから先ほど法律で禁止されておりますからと言っていられましたけれども、未成年者の喫煙というのは大体どのくらいあるのでしょうか、お伺いをいたします。
○説明員(泉美之松君) 未成年者の喫煙調査ということにつきましては、衆議院でもお答えいたしましたが、なかなか調査が困難でありまして、私ども未成年者がたばこを吸っているということは事実としてあると存じますが、どの程度吸っているかということについての資料は持っておりません。 いまお尋ねの男女別に喫煙者率というのを調べてみますと、昭和四十年から調査をいたしておりますが、たとえば昭和四十九年で申し上げますと、成年男子の場合は七八・八%が毎日吸うかないしはときどき吸うという方であります。女性の成年者につきましてはその率が一六・七%に相なっております。 それから一日当たり幾ら吸うかというのを平均で見ますと、男性の場合が一日当たり二十二・八本、女性の場合が十五・五本と、こういうふうに相なっております。
○粕谷照美君 私は、未成年者がたばこを吸っているという事実はあるというふうにお認めになっていらっしゃりながらそのことについて資料を持っていないという、こういう態度では困るというふうに思うわけですよね。やっぱりきちんと資料をとる場所というものかあるわけですから、一生懸命に努力をしていただきまして、そのようなことのないようにお願いをしたいというふうに思います。 いまお話になりました成人でもって大体七八・八%、女性が一六・七%も喫煙をしているということになりますと、本当にたばこというものは大衆のものだというふうに考えます。もとから、たばこ銭にもならないとか、あるいはほんのたばこ代ですと、こういうふうな言葉があるように、たばこというものは安いものの代表だったわけですが、いまここのところで五〇%の値上げというのは、もう安いものの代表にはならなくなったというふうに考えないわけにはまいりません。私たちは、ダイヤモンドだとか、あるいは外車だとか、特定の人たちで、しかも裕福な人たちが高率の税金をかけられるということについては、そのことについては認める立場でありますけれども、ほんとに大衆の立場になってあすの労働意欲をかき立てる、こういうたばこだとかあるいは酒税の引き上げだとかの法案に賛成をするわけにはいかないというふうに思いますし、特に超黒字の三千四百二十五億円も黒字になっているというたばこの値上げについては反対をするという立場でいままでの質問をやってまいりました。 さて、時間がありませんから、お酒の方につきましては一点だけにしぼっていきたいというふうに思いますが、いま一級酒、特級酒、二級酒と、こうありますけれども、お酒の普通酒というのは、どのクラスが普通になるのでしょうか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 清酒につきまして普通酒という概念は私ども持っておりません。ただ、従来の経緯によりますれば、こういう増税の場合、減税の場合には、一応増税のときには二級酒は避ける、あるいは減税の場合には二級酒をやるというような形でございますので、御質問の意味がそういったいわゆる高級でないお酒という意味でございますれば、清酒では二級酒とお考えいただいて結構でございます。
○粕谷照美君 ちょっと問題ですね。高級でない酒が二級酒なんですか。二級酒は大衆の酒であるというふうに考えてはいけないんですか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 大衆のお酒という意味が非常に漠然とした概念でございますので私は避けたわけでございます。酒税法上申し上げれば、いわば税率の一番安い清酒は二級酒でございまして、税金の観点からも先ほど申しましたように清酒の二級と、それから清酒の一級と特級というものとはやや考えを変えて従来から対処しておりますし、今回の増税案におきましてもその考えを踏襲いたしております。
○粕谷照美君 いま、二級酒と一級酒、一級と特級で結構ですけれども、どちらの方がたくさん売れているのでしょうか、統計上は。
○政府委員(中橋敬次郎君) 現在は、清酒の中では一級酒が一番ウェートが高うございまして、これが約五割を超えております。二級酒は、二、三年前から一番多いというウエートの座をおりております。
○粕谷照美君 私は、一番出ている一級酒にいま増税をするということがやっぱり問題点だというふうに思うわけですよね。これがもっと高い特級酒なら特級酒を増税するならまだ話もわかりますけれども、飲み屋さんに行きましても二級ってこう言わないと二級酒を持ってきませんね。出されるのが一級酒なんです。そういうことになりますと、一級酒がいわゆる大衆のお酒というふうな形になっているかというふうに思うわけで、私たちはいま、たばこの中でもチェリーだとかホープだとかハイライトだのセブンスターだの一番売れているものに税率を大きくしていく、いまの一級酒にもうんと高い税金をかけていくというやり方は、何だかんだと言いましてもやっぱり知能犯的な大衆課税だ、こういうふうに言わないわけにはいかないというふうに思うわけです。 そこで、お伺いするわけですけれども、一級が高級なのか二級が高級でないのかということについてなんですけれども、酒税法の第三条から五条で言いますと、清酒の定義というのは、米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの、級別は官能検査による、官能検査をおやりになるのは酒類審議会と、こういうふうにありますけれども、ほんとに全製品が検査が行われて、これは一級だ、これは特級だ、これは二級だというふうに言われているなら国民としても理解がいくところですけれども、そういうふうになっていないわけでしょう。そこのところに大変な問題点があるというふうに思います。国民は、二級酒だから低級なんだなんというようなイメージを与えつけられてなかなか飲めないような雰囲気もないわけではありませんし、また、一級を飲んだ方が体のためにいいのじゃないかなんて、こういう気持ちがないわけでもありません。それは、国というものがバックにあるからです。 さて、その一級酒、特級酒の形で言えば、いまアルコールが添加されているいわゆるアル添酒になっているわけですけれども、そのこと自体を国民の前になかなか明らかにし切っていないのではないだろうか。そういうようなことを持ちながら、一級酒はいい酒なんだ、そしてそのいい酒にさらに税金をふやしていく。そうしますと、税金が出ていきますと、業者はそれに便乗いたしましてさらにお酒を値上げをしていくというような動きが出てくるのではないかということを心配しておりますが、その辺の見通しはいかがですか。
○政府委員(中橋敬次郎君) いまお話しのように清酒の中で特級、一級、二級の級別は、メーカーの自発的な発意によりまして審査を受けるわけでございまするから、二級酒で売ろうというメーカーがあれば、あえて審査をいたしませんから、二級酒で売れるわけでございます。ということは、逆に言えば、二級酒の中にもかなりいいお酒がある。税金の負担を軽くしましてむしろその部分は小売価格は安くなって売れるというお酒で、そういう商策をとるところはかなりあるわけでございます。ということは、私は二級酒は必ずしも悪い酒だというものではないということをよく御認識を願いたいのでございます。そういうことでございまするから、むしろ消費者の選択といたしまして、二級酒の中でいいお酒を愛好していただいてもいいわけでございます。ところが、先ほど申しましたように、最近一級酒のウエートが先ほどお答えしましたように非常に高くなってまいりました。その点は、むしろ消費者のいわゆる高級品に対する嗜好の転移ということが私はあるのだろうと思います。従来たとえば二級酒の値段に投じておりましたお酒が、今回の状況を見てみますれば、より高い価格を投じまして一級、特級に移っておるわけでございます。それをなぜ支え、何がそれを支えたかということは、いわゆる消費の高級化、そのまた原因となりますところの所得の向上、あるいは他の一般物価との対比ということでございまするから、必ずしも私どもが一級、特級への奨励ということをやっておるわけではございません。
○粕谷照美君 私は、いま消費の高級化というふうにおっしゃいましたけれども、高級化しているのではなくて、されているわけです。清酒のテレビにおけるコマーシャル、あるいは新聞、ポスターなどにおける広告、ああいうものがみんなそのお酒の中に含まれている。そして当然高く売るためにはいいというイメージを与えなければならないということで、広告料なんかにも含まれてくるわけですから、その意味では、いま御答弁がありましたように、二級酒の中にもいいお酒があるんだ、味のいいお酒があるんだということをもっと積極的におやりになればいいのに、国税にはね返ってくるということから考えてみれば、国の方では一級酒をうんと高級化し、さらにその上に特級酒という位をつけてもっと税金が入ってくるようにと、こういうふうに考えていらっしゃるのではないかというふうに思うわけです。そういう立場に立ちまして、国民の嗜好の最たるものでありますお酒の税金の増税、それからたばこの値上げについては、反対の立場に立っての質問及び意見を申し上げて、終わりたいと思います。
○森下昭司君 まず最初に、先ほど粕谷議員と福田経済企画庁長官との間においての質疑の中で、国鉄の値上げは当分しないというお答えがございましたが、これは何年度までしないということですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄の経理状態、企業状態、これは御案内のとおり非常な重大な局面に臨んでいるわけです。それからこれは企業のいろいろな合理化、近代化もしなけりゃならぬ、同時に料金問題もいずれは解決をしなけりゃならぬと、そういうふうに考えておりますが、これはまあ料金だけの解決というわけにはいきません。もう料金面を含めて企業全体の見直しをして、長期的計画のもとに一つ一つの問題を解決していくと、こういうことにならざるを得ないと思うのです。そこで、国鉄当局、また関係者は、いろいろ国鉄をどうするかと、こういうことを検討しておるそういういま今日の段階でございます。それでありますので、いずれ全体の企業体系をどうするかと、こういう問題の一環といたしまして国鉄料金問題、これは政治課題に乗ってくる。乗ってくるわけでございますが、ただいま五十年度におきまして国鉄の料金改定を行うと、そういうことは考えておらぬと、このことだけは申し上げることができるわけであります。
○森下昭司君 いまの副総理のお答えを聞いておりますと、料金値上げだけ——つまり、一口に言えば国鉄の体質の改善、あるいはその中には政府としてのいわゆる助成、いろいろな機構改革等も含まれてくるわけでありますが、国鉄に対しまして国鉄の財政が非常に赤字であるというようなことだけで料金値上げだけを認めていく考え方はないという理解の仕方でいいのですか。
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおり考えております。
○森下昭司君 次に、私は大蔵大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、先ほど対馬議員の質問に対しまして、四八%のたばこ値上げ率に関して、これを四十三年以降七カ年間つまり七で割れば一けたではないか、裏を返せば、公共料金というものは当然毎年上げるべき要素があればこれを上げても差し支えないというような考え方のもとにこのような御答弁があったと思うのでありますが、その点について大臣の真意をお伺いしたい。
○国務大臣(大平正芳君) 公共料金も、正当なものである限り、原則として受益者が負担していただくべきものであると私は考えています。
○森下昭司君 そういたしますと、よく抽象的にはいわゆる高度な政治判断という言葉が使われるのでありますが、たとえばたばこの値上げ率が四八%に一挙になった、まあ平均でありますが、これはいわゆる高度の政治判断のもとに仰えられてきたというような理解をしていいのですか。
○国務大臣(大平正芳君) これを年々歳々上げるべきであるという考え方も成り立てば、当分経済が安定してまいるまで凍結すべきであるという考え方もある。そういういろいろな考え方の妥協の産物として据え置いたものもあれば、ある程度の値上げを認めたものもあるわけでございまして、今年度は酒とたばこ等につきましていま御審議いただいておるようなラインで値上げをお願いすることにいたしたわけでございます。
○森下昭司君 値上げにはいろいろ値上げの手順の仕方がございますが、特にたばこにつきましてはこれは法律の改正に待たざるを得ない。いわば大蔵大臣の考え方が従来の考え方からいたしますれば受益者負担という原則に立つならば、毎年でも値上げをしたい。しかし、法律改正にもとらなければ定価が改正できないというような点等を考えてまいりますと、他の法律案の審議、あるいは国会運営、もろもろの要素から判断をいたしまして、上げるのを延期しておったというような考え方の方が非常に強いのじゃなかったかというふうに私は思うのでありますが、政策的な判断よりも、むしろ前者の国会で定価の改正をすることが非常に審議上むずかしいというような点に力点があったのではないかと思うのでありますが、なぜ四八%の高率な値上げ、これはもうかってない値上げであります。四十三年が一八%何がしでありますから、かってない値上げであります。なぜ私どもが値上げ率を問題にするかといえば、それはこのいわゆる公共料金の値上げによって他の物価に与えまする影響が非常に強いという点が私は非常に大きな問題になっておると思うのでありまして、先ほどの御答弁の中で妥協の産物だというお話がありましたが、たばこ値上げを四八%平均値上げせざるを得ないまでなぜ定価の改定についてちゅうちょしておったのか、いわゆる前者の考え方が強かったのか、本当に政策的な意味における妥協の産物として今回出さざるを得なくなったのか、この点についてお答えをいただきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 私は去年の七月の十六日に大蔵大臣を拝命いたしたわけでございまして、それまでの酒、たばこの値段について責任ある立場にはございませんでした。
○森下昭司君 私は、これは大臣に就任したとか就任しないとかという問題ではないと思うのであります。そうだといたしますと、大蔵省の中にあるいは専売公社の中に輔弼をいたしまする各級機関の行政上の責任がそこに出てくるのではないかと思うのであります。大臣はそういうお答えでその場を逃れるかもしれませんけれども、一体行政当局者であり当事者でありまする専売公社はどう考えておったのか、泉副総裁にお答え願いたい。
○説明員(泉美之松君) 専売公社といたしましては、御存じのように、昭和四十三年に先ほどお話しの一八・六%の定価改定を行ったわけでありますが、それは昭和四十二年度のたばこの益金率が六〇%を割りまして五九・八%になったからであります。そういう意味からいたしますと、昭和四十八年度に六〇%を割りまして五九・三%になりましたので、専売公社といたしましては四十九年度にたばこの定価改定をお願いしたがったのであります。しかし、諸般の情勢から四十九年度は無理であるということで定価改定を行うことができなかったのが実情でございます。
○森下昭司君 私は、いま泉副総裁もいみじくも言われましたのでありますが、六〇%の事業益金率、これを割ったことが一つの大きな目安になっておるわけであります。それで、一つの問題点は、それと同時に、昭和四十六年の、きょう御質問なさいました鳩山さんが主計局長時代の専売公社との納付金覚書ですね、このいわゆる覚書で一種、二種の納付金を納めるという一つの前提がございますから、当然値上げをせざるを得ないという立場に専売公社が立たされておったのではないかと私は思うのであります。いわば大蔵省当局からすれば、このいわゆる覚書を前提として公社に問題を投げかければ公社は値上げをせざるを得ないということに私はならざるを得なかったのではないだろうかというふうに思うのであります。私は、この納付金覚書の問題でありますが、これはまあいわば会社で申しますと、事業開始時期の、言うならば開始前に今度の事業期が終われば、一年決算なり半年決算の会社もございますが、とにかく半年決算なり一年決算の事業期が終われば、株主に対しまして二割なり一割五分なりの配当をしなさい、前もって株主の配当を約束するような形態ではないかと思うのであります。こういうような民間会社においてたとえて言えば過酷な、要するに決算という後始末をした上の余剰金の処分をなぜ事業の開始が始まりまする前にこういうような納付金のパーセンテージを決めざるを得ないのか、なぜ決めるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(西沢公慶君) 納付金率覚書方式につきましては、これは税制調査会におきましてその必要性が認められたわけでございますけれども、その主たる目的といたしましては、財政収入の確保と公社の経営責任の明確化を図るというところが眼目になっておりまして、そのために国内販売総定価代金の額の一定割合を税相当分としてあらかじめ定めておくことが望ましいであろうということででき上がった制度でございます。
○森下昭司君 そこで、私は、この納付金問題をなぜお尋ねいたしたかとすれば、それが一つの値上げの大きな引き金になっているという点でありまして、大蔵大臣にちょっとお伺いいたしますが、酒は昨年だったと思いますがいわゆる価格が改定されておりますが、自由価格でありますから、大蔵省が関与して幾ら幾らにしなさいと言ったわけではありません。しかし、その後、米価の改定が行われましたし、あるいは世間一般でいいまする人件費、諸材料も高騰いたしておりまして、酒造業界におきましてはいわゆる酒の蔵出し価格を上げたいというような動きが顕著に出ておるというふうに聞いておるわけであります。これに対しまして大蔵省は強い行政指導をして、今日の物価政策等からいたしましてできる限り抑制する方針だというふうにお聞きをいたしておりますが、自由価格でありまするから価格にタッチするわけにはまいりませんけれども、そういう動きに対して、行政指導として大蔵省が強力に御指導なさる御意思があるのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 監督官庁として当然の務めでございまして、今日までも鋭意値上げの抑制につきましては行政指導をやってまいったわけでございますけれども、今後もその方針に変わりはありません。
○森下昭司君 しかし、現実には、大臣、朝日ビールとサッポロビールがもう二十円値上げになりましたし、キリン、サントリーももう時間の問題だと言われております。私、先日の物特で、ちょっと福田大臣はお見えにならなかったので喜多村物価局長にも申し上げておいたのでありますが、キリンビールを扱いまする東京の卸問屋が、小売販売店ともども手数料を実は値上げしているわけであります。現行価格のまま手数料を値上げなさっておる。これはもう全国で全部実施されました。それはなぜかといえば、ビール業界におけるキリンのシエアが六二・何%であると承知いたしておりますが、いわゆるキリンを扱って扱う量が多いためにキリンの値上げがおくれているために卸売や小売の手数料が減退をしているという実態からそのような措置がなされたと思うのでありまして、キリンビールやサントリービールの値上げも時間の問題だと言われております。酒はと申しますと、先ほど申し上げたように、ことしもまた消費者米価の値上げが予想されておりますから、当然二重価格制とはいえ、酒造米もこれは値段が上がるわけであります。価格の上昇は必至であります。こういう問題について、大臣の御所見からいえば受益者負担でありまするから、飲む者が負担する以外に方法はないでしょうという理屈になるのでありますが、そして二番目には自由価格制でありまするから、これを強制的に抑えるわけにいかないということになるのでありますが、これでは私は物価政策上好ましいことではないと思うのでありますが、こういう点についてビール業界——キリンビールであります、この場合は。それから酒造業界——清酒でありますか、この値上げの見通し等についてどういう御見解をお持ちになっているのか、お聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 原価を適正に評価して価格が形成されるわけでございますので、原価要素が大きな増高を来しておるにかかわらずいつまでも据え置くことを強要していくということは、私は行政指導の限界を越えると、思うのであります。やはり適正な価格形成が行われてしかるべきものと思うのであります。自由価格でございますから、しかし勝手に業界でどんどんやられていいじゃないかと、そうも考えられないわけでございまして、行政官庁といたしましては、できるだけそうは言うものの、物価政策には各企業も可能な限り御協力を願わなければならぬという趣旨でやってきておるわけでございます。大蔵省が管轄いたしておりまする酒にいたしましても、塩にいたしましても、たばこにいたしましても、他の官庁が管理いたしておりまする物資行政に比較いたしまして私は決して遜色があるものとは思っていないのでありまして、戦後長い期間におきまして安定供給の任務をともかく価格を抑えながら果たしてきたと思うのであります。いろいろな御批判があろうかと思いますけれども、われわれといたしましてはベストを尽くしてきたつもりでおります。 当面のビール業界、清酒業界の値上げ問題でございますけれども、精一杯私どもは努力してまいりましたし、業界もそれなりの御協力はいたしたわけでございますけれども、状態はいまあなたが御指摘のように、ぎりぎりのところまで来ておるということを私は包み覆い隠そうとは思いません。しかし、これの収拾につきまして業界でも十分思慮ある態度をもってやっていただかなければならぬと思いまするし、行政官庁といたしましても誤りのないような指導を側面からやっていかにゃいかぬと考えておりまして、いつごろどうなるかというような具体的なところまで私はまだ把握をいたしておりませんけれども、相当深刻な局面に来ておるということだけは承知いたしております。
○森下昭司君 福田長官にお尋ねいたしますが、酒で〇・一、たばこで〇・六というのが今回の酒税値上げ、定価改定による物価指数に反映するものだという御説明が再三あったわけでありますが、まず、たばこの四八%という大幅な値上げは他の物価上昇の一つの刺激剤になる。非常に広範な諸物資に影響を与える可能性というものが強い。それから酒は、いま大蔵大臣がお答えになりましたように、行政指導にももう限界があるということをはっきりお認めになっている。大臣は物価指数を本年度一けた台数にしたいということで鉄綱初め各種産業の値上げに対しまして経団連等の懇談会を通じまして抑制策をお講じになってみるというようなことで、一方において経済企画庁は積極的に、言うならば各種生産品の価格上昇を行政的に指導して抑えようとしてみえる。一方、大蔵大臣は、酒という一つの限定ではございますけれども、行政指導の能力には限界があり、またいろいろ私が指摘いたしました諸材料なりあるいはその他の問題を取り上げて、値上げの点についてはこれは包み隠さず実態として認めざるを得ない。しかし、業界が思慮あるサイドをもってやってもらいたいという期待感を持っているという趣旨になるわけでありまして、私、大蔵大臣の物価政策に対する考え方と経済企画庁の考え方と若干差異かあるような感じがいたすのでありますが、この際、福田経済企画庁長官の物価政策に対する、特に酒値上げ問題、キリン麦酒等の値上げ問題を含めた考え方について所見を伺いたいと思うのです。
○国務大臣(福田赳夫君) いまこれからの物価情勢を展望いたしますと、そう暗い面ばかりじゃないのでありまして、私は一けた台という目標を申し上げておりますが、これはもう実現できるし、実現したいと、こういう考え方なんです。大変たくさんの数のある商品でございまするから、その中で上がるものもあれば下がるものもある。現に卸売物価のごときは最近ずっと下げ続けておりまして、最近の状態では、一年間をとりましても二・一%上昇というところまで鎮静してきておるんです。これは消費者物価にもその大勢というものは非常に影響を及ぼすであろう。また、賃金問題がああいう形になってきたということも、昨年に比べると隔世の感があると、こういうようなことでございます。そこで、問題になりますのは、企業側がいま経営状態が非常に苦しいので、そこでそのしわ寄せを製品なり商品の価格を引き上げに持っていこうと、こういう空気があることはある。しかし、それの空気が現実化するということになりますると、これは大変なことになりますので、経済団体にも協力をお願いしておるわけですが、協力は全部凍結状態に置いてもらいたいということじゃないんです。やむを得ないものはありましょうと、しかし、本当にやむを得ない事情のあるものは格別といたしましてできる限りの努力をいたして値上げを自粛してもらいたいと、こういうことなんで、その際には、公共料金につきましては特殊な立場にあるということもまた同時に申し上げておるのです。公共料金も凍結だということになれば説得力は強いわけでございますが、しかし、民間の方におきましては石油の輸入価格が四倍に昨年なったわけですが、それに伴う価格調整というものが粗ごなしではありまするけれども大方済んでおる。しかし、公共料金は、政策的な配慮もありまして、その多くのものが凍結されてきた。そういうようなことで、これをいつまでも今日の状態でほっておくわけにいかぬと、こういう事情もあって、まあ一斉にはやりません。しかし、一部のものにつきましては本年度もやると、こういうことを申し上げ理解を得ておるわけでありまして、酒あるいはビール、そういうものにつきましても、財界に対しましては同じような御協力を申し上げておる。私と大蔵大臣の間の考え方に違いはございませんでございます。
○森下昭司君 時間がございませんので、その程度にしておきたいと思います。 それで、まず泉副総裁にお尋ねいたしますが、先ほどの粕谷議員の御質問に、仮需要が盛んだと、それから従前の例に見られますように、価格が上がれば、当年度つまり価格値上げ後の販売数では若干減るという実はお話があったわけでありますが、先ほどは二千九百億本程度と、あるいは百七十億本程度というような概数の御説明がありましたが、一応当年度の値上げ後の状況は一体どうなるのか。言葉をかえて言えば、五十年度一体どのぐらいの売上本数を見込んでおったのか、そしてどのぐらい売上本数は減少するのか、この点をまず第一にお伺いします。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。 当初、予算におきましては、御存じのように、五月一日改定ということで予算を組んであるわけでありますが、そのときにおきましては、定価改定を行いません場合には、先ほど申し上げましたように、たばこの売上本数は二千九百億本と、しかし……
○森下昭司君 正確に、衆議院では二千九百三億億と言っている。
○説明員(泉美之松君) 二千九百三億本でございまして、それに対しまして定価改定を行いますと、二千七百三十五億本に減少すると……
○森下昭司君 三十二億本だ。
○説明員(泉美之松君) 三十二億本に減少するという見込みを立てておったわけでございます。しかし、定価改定が五月一日からおくれておりますので、この定価改定がいつ行われるかわかりませんけれども、いままでの間に仮需要によりまして相当売れがふえましたので、定価改定後におきましてもいま申し上げました二千七百三十二億本という数字は、四、五十億本ふえるのではなかろうかと、こう予測いたしております。
○森下昭司君 じゃ、西沢監理官にお尋ねいたしますが、このたばこ減少によりまして地方たばこ消費税はどのぐらい減るわけですか。
○政府委員(西沢公慶君) 定価改定をいたしました場合といたさない場合につきましては、その間に二百二十億円の減収が見込まれるわけでございます。したがいまして、これは四十三年度の定価改定の場合も同様でございましたけれども、二百二十億円を補てんするということにいたしております。
○森下昭司君 その二百二十億円を補てんする、これは過去の記録からまいりますと百七十一億本程度の減少があるという前提のようでございますが、いま補てんという言葉を使われましたけれども、実際はこれはつまり先貸し、地方公共団体の側からいけば先借りをしたということになっているのじゃないですか。
○政府委員(西沢公慶君) 先生御承知のとおり、地方たばこ消費税は前年度の一本当たりの平均単価に当年度の売上本数を乗じて、それに一定の税率を掛けて算出されるものでございます。したがいまして、先ほど副総裁のほうから御答弁がありましたように、五十年度におきまして売上本数が減る、それに伴いまして地方たばこ消費税が定価改定がなかった場合に比して減るわけでございますので、それを補てんするというふうに申し上げましたわけでございます。五十一年度以降につきましては、定価改定の単価アップがフルに発動されるわけでございまするので、五十一年度には相当大幅な地方たばこ消費税の増額が見込まれるわけでございますので、そのときに二百二十億円を減額調整をさしていただくと、こういうふうになっております。
○森下昭司君 ですから、それがいわゆる先貸しになるというんですか、先食いなんですよ。つまり、補てんということは、現実に地方公共団体が受けるべき税収入は、いま申し上げたような理由で売り上げの減少で減ってしまうと。これは五十年度の地方財政計画などにも組み入れられている既定事実でありますから、政府としても何らかの措置をせざるを得ないということで、一応先貸しの形で五十一年度の先食いを認めざるを得ないということなんですよ。今日地方財政が窮乏化していることは、これはもう私からちょうちょうと御説明を申し上げるまでもございません。私は、少なくとも、補てんという立場に立ってお考えになるならば、五十一年度でそのことを調整する必要はないのではないか。たばこで定価改定、大衆収奪をおやりになる、そして一方において、地方の住民にとって最も密接な直接的関係のある地方自治に与えまする影響は、このたばこ消費税の減額によって非常に大きな問題が出ておる。二百二十億円は、補てんでなくて、ただ先貸しするだけなんですよ。これは私は何らかのかっこうで検討する必要があるのではないかと思うのであります。特にいまお答えになりました中に、昨年の暮れの税制調査会の答申ということを一つの前提としておみえになりますが、私はたばこのいわゆる納付金と地方たばこ消費税の調整という問題について検討する必要がある。昭和五十一年度以降の売上見込等を参しゃくしてと。この昭和五十一年度以降の売上げを参酌してという意味は、ただ単に五十一年度で単年度で調整をしろという意味ではなく、しかも単純に二百二十億円を引きなさいという意味でもなく、納付金と地方たばこ消費税との関係についてのあり方を根本的に洗い直せというような問題も一つとして含まれているのではないかと思うのでありまして、単純に五十年度は二百二十億円を補てんした、五十一年度返していただきます、そんな制度ではないと理解しておりますが、もう一度お尋ねいたします。
○政府委員(西沢公慶君) ただいま先生御指摘のとおり、税制調査会の答申におきましては、「昭和五十一年度以降の売上見込等を参しゃくしつつ、たばこ専売納付金及び地方たばこ消費税の調整について検討する必要がある。」というふうに述べられておるわけでございます。これは先ほども申し上げました減額調整の問題のみならず、今後地方たばこ消費税と専売納付金のあり方について検討を加える必要があるというところまで含まれているものと思います。
○森下昭司君 ですから、私は、単年度でただ単純計算で二百二十億円引きますよというようなやり方は、今日の地方財政の窮乏状態からいって妥当なやり方ではないということを強調しているのです。大蔵大臣、どうですか、この点について。
○国務大臣(大平正芳君) 中央と地方との財政問題というのは、これはひとり——これは交付税の問題もございますし、それぞれの独立財源の問題もありまするし、地方債の問題もございまするし、全体として考えなければならぬと思うのでございまして、いまあなたの御指摘のたばこ消費税の配分問題という問題につきまして政府がただいまとっておる措置は少ししゃくし定規じゃないかという御指摘でございますけれども、これはこれとして、それではこういう制度にも中央、地方の財政調整の考えを入れてこうしようということをばらばらにやりますと、かえって私は中央と地方との関係を混淆を来たすと思うのでございまして、それぞれの現行制度のあり方によっていろいろ措置してまいりまして、しかもなお、中央と地方との間には調整を要する問題が毎年出てくるわけでございますので、それは総合的に考えさしていただきたいと考えております。
○森下昭司君 過去におきましても、地方交付税の国の借り入れとか、いろいろな問題がありましたし、またいろいろあったわけでありますが、私は特に地方財政の非常な窮乏化の時代、しかも五十年度の地方財政計画の中に組み入れられている。市町村としては当然この地方財政計画を前提にいたしましてもう予算が組まれているわけなんです。来年度もやはり一つの見通しとして何らかの増額を期待しつつ事業編成をおやりになっていることになっているわけなんです。というようなことを考えてまいりますと、私はしゃくし定規に物事を考えるべきではない。もう少し二百二十億円、つまり地方たばこ消費税のたばこ売上減に基づく財政補てんについては今日の状況からいって考えるべきであるということを強く主張して、時間がございませんので、最後に私はたばこと酒の小売店の免許問題についてお尋ねをいたしておきたいと思います。 最初に、磯辺国税庁次長お見えになっていますか。——あなたが衆議院の大蔵委員会でお答えになりました免許制度の一つの根幹として参議院大蔵委員会の議決を一つのよりどころにしておみえになりますが、これは何年の参議院の大蔵委員会の議決ですか。
○政府委員(星野孝俊君) 参議院の大蔵委員会の附帯決議が出ましたのは、昭和三十二年五月十七日の委員会でございます。
○森下昭司君 いまお答えがありましたように、昭和三十二年の参議院大蔵委員会、酒団法の改正案のときにこのような決議がなされておるということを私も承知をいたしております。 それでは、昭和四十五年の衆議院大蔵委員会で行政管理庁長官から免許制度の点について勧告がなされたことを御答弁なさっておる方がありますが、その点については御承知ですか。
○政府委員(星野孝俊君) 当時の吉國長官が国会答弁で行政管理庁の方からそのような勧告を受けたという御答弁をなさっておると、このように承知しております。
○森下昭司君 重ねてお尋ねいたしますが、その内容はどういう内容でしたか。
○政府委員(星野孝俊君) ただいま詳細な資料を持ち合わせませんが、今後将来に向かってできるだけ弾力的に緩和する方向で対処するようにと、こういうふうな勧告ではなかったかと認識しております。
○森下昭司君 大蔵大臣にお伺いしますが、その内容を行政管理庁長官が昭和四十五年衆議院大蔵委員会で小売免許制度廃止の方向で考えるべきだということを実は指摘しているのです。これはいまお話がありましたように、吉國国税庁長官が衆議院の大蔵委員会で認めているのです。ところが、実際問題として免許制度はどうですか、今度のこの酒、たばこの審議を通じましても、泉副総裁も大蔵大臣もがんとして現行免許制度を守るという立場に立って、それは酒税確保だ、いや、向こうは専売益金の確保だなんて、それぞれの理由をつけておやりになっている。そうして、新規の店を許可する場合等については「当該組合の意見を徴すること。」というのは昭和三十二年なんですよ。その昭和三十二年の参議院大蔵委員会における決議を堂々と磯辺次長は衆議院の大蔵委員会でそういう決議もあるんですから免許制度を存続していけないわけはないでしょうという答弁をしている。ところが、その決議の中の第二番目にこういうことがあるんですよ。「酒類の種類等の表示方法を、消費者に容易且つ明確に識別しうるよう改善強化すること。」とあるんです。ところが、消費者連盟にいやいや突きつけられて、いま日本酒造組合中央会を通じまして、表示問題は第一歩なんですね。おけ買いが七六%。月桂冠なんて自分ところの酒は二五%、七五%はおけ買いの酒なんですよ。他人がつくった酒なんだ。だから、この表示問題でも、おけ買いはどこの酒がどれだけ入っているのだということを表示しろといまやっている。中央会は渋っちゃっている。これが三十二年、いいですか、磯辺次長さん、小売免許制度でこの三十二年、古くさい、十八年前ですよ。法律だって時の流れに従って改正せざるを得ないというような時代です。十八年前は公害なんか問題はなかった。いまは公害なんというのは国民の最大関心事で行政の最大事でしょう。この古い証文を持ち出しておやりになっておる。一方においては、大蔵省の所管である表示問題等についてはちっともおやりになっていないじゃないですか。これは明らかに免許制度について酒造業者と大蔵省が癒着しているんだと言ったって過言じゃない。この決議を生かして答弁なさるような心臓の強い一面があるならば、酒類の種類等の表示等について消費者が要求するように改善強化されたとお考えですか、一体。——まだ待ってください、質問しているから。私は、そういうような立場に立ちましたときに、四十五年の行政管理庁長官のいわゆる勧告に従って免許制度は何らかの改善を必要とする、これがまず第一点。時間がありませんのでちょっと集約して申し上げます。第二点は、今年の四月三十日薬事法の距離制限が最高裁で違憲判決が出た。それは憲法二十二条の職業の選択の自由を抑制するからという点であります。しかし、消費者の側から見れば、たくさんの店があればあるほど買いやすいという利点がある。こういうようなもろもろの変化が出ているんですよ。とすれば、私は、酒もたばこも同様であります。距離制限も入っている。需要条件はA地区は何世帯、B地区は何所帯だというふうに五つに分かれている。そして、距離も百メートルから二百メートル、三百メートルと書いてある。こういうようなもろもろの問題点があるわけでありますが、この点について最後にひとつ私は大蔵大臣に聞いておく。酒小売免許制度というものを今後も未来永劫にお続けになる考え方があるのかどうか。これは当然検討すべき要素がある。検討なさるお考え方があるのかどうか、この点について最後にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように、行政管理庁からそういう御意見が出されまして政府部内で検討が行われたことは事実でございます。また、裁判所の方で薬の販売に関連いたしまして判例が出ましたことも御指摘のとおりでございまして、本制度をめぐりまして、政府の内外におきまして種々の意見が出され、評価が行われておりますことを承知いたしております。大蔵省、専売公社、国税庁といたしましては、現行の免許制度のもとで、毎日の仕事をやっているわけでございますので、これをぞんざいにやるわけにはまいりませんで、これはこれとして適正に運用さしていただきたいと思いますけれども、別途御指摘のような問題がございますので、こういう問題につきましてどのように対処してまいるか、十六万と言われる酒類販売業者、二十万と言われるたばこ小売業者の立場も考えなければなりませんけれども、また、そういう世論の動向というものについても十分われわれは深い関心を持たにゃいかぬことは当然でございますので、引続き検討さしていただきまして、適正な結論が出るように努力はいたしたいと思います。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十五分休憩 —————・————— 午後二時五分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会、物価等対策特別委員会連合審査会を再開いたします。 午前に引き続き、酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田代富士男君 午前中に引き続きまして、たばこ、酒の問題につきまして順次質問を行っていきたいと思います。 最初に、製造たばこ定価法及び日本専売公社の法制上の問題についてお尋ねをしたいと思います。 製造たばこ定価法第二条は、製造たばこの品目ごとの定価を決定するに際しての基礎的な考えを規定してあります。すなわち、たばこの品質、規格及び消費の動向を勘案して妥当なものでなければならないという考え方が述べられております。この点につきましては私も理解しているものでありますが、その第二条の後段におきまして、「かつ、適正な専売収入をもたらすようなものでなければならない。」という規定があります。この後段の規定につきましては、私は理解ができません。納得できない点が多い。どういう点かといいますと、まず第一に、法文としてのいいかげんさがある。すなわち、第二条の後段の適正な専売収入とは何か、だれが適正な水準と判断するのか、全く明らかにされておりません。そういう点から、これをどのように大蔵省として認識していらっしゃるのか、また、今回の改定価格がこの法に照らして適正であるという根拠は何であるか、まずそこからお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(西沢公慶君) 専売公社のたばこ事業は、申すまでもなく、財政専売としての特質を持っておるわけでございます。したがいまして、適正な専売収入の確保を目的といたしておる事業でございます。したがって、製造たばこ定価法の第二条にございますように、製造たばこの中に適正な専売収入を見込まなければならないというのは、ある意味では当然のことかと思います。この場合の適正な専売収入とは何であるかということにつきましては、これは国会のいわば議決を経ました予算上の収入額という見方もできようかと思いますけれども、われわれの方といたしましては、それとうらはらの関係になるわけでございますけれども、専売益金率を適度の高さに保っていきたい。その適度の高さというものは、過去の経緯、あるいは諸外国との比較におきまして六〇%程度を目途としておるわけでございます。しかしながら、けさほど来御議論がございましたように、六〇%というのは絶対的な水準ではないわけでございまして、現にいろいろな政策を加味いたしましてこれが五六・九%になっておることは、先生御案内のとおりでございます。しからば、個々の品目ごとの定価に占める適正な益金も同じような考え方に立つべきであろうと思います。原価を償い、かつ専売収入を確保するに足るものでなければならないことは、申すまでもございません。 なお、しからば、この適正さを判断する者はだれであるかというお問いでございますけれども、御案内のとおり、品目ごとの定価は専売公社が大蔵大臣の認可を受けて定めることに相なっております。したがって、適正な専売収入をもたらす定価であるかどうかということの判断は、公社が一義的にいたしまして、大蔵大臣と協議をして定めると、こういうことであろうかと思います。
○田代富士男君 いまの御説明は、後ほどまたお尋ねをしたいと思いますが、あわせてお尋ねいたしますが、いま第二条の規定の説明をしていただきましたが、専売公社法との関係につきましていまから私がひとつ指摘をしたいと思います。 それは、専売公社法第四十三条の十二ではこういうことが述べてあります。「政府は、価格の統制その他の国の政策上の考慮に基き専売品の売渡価格がその製造、販売等の原価より低く定められている場合においては、その差額を補てんするため公社に補給金を交付することができる。」と、このように第四十三条十二で書かれてあります。そうしますと、いま説明していただきました製造たばこ定価法第二条の規定を遵守して品目ごとの定価が決定される以上、いま私が申し上げました専売法第四十三条の十二による価格差等の補給金を交付しなければならない事態は絶対に起きてこないじゃないかと思うのです。そういたしますと、専売公社法の四十三条の十二は、私がこれを理解するならば、国の政策上の配慮に基づいて専売益金を生じないような水準で定価が決められることを想定しているものとこれを私は理解するわけなんです。そうしますと、いま御説明をいただきました製造たばこ定価法の規定によって適正な専売収入をもたらす価格水準での定価の決定を至上のものとして運用した場合には、いまの日本専売公社法第四十三条の十二における統制等の国の政策上の配慮の道を閉ざすことになる、このような矛盾点が生じてくるわけなんです。また、逆にこれを取り上げますれば、統制等の国の政策上の配慮によって適正な専売収入をもたらし得ない低い水準で定価を決めたとするならば、今度はいま大蔵省から説明をしていただきました製造たばこ定価法の第二条後段の考え方に反することになる。こういたしますと、結論といたしまして、日本専売公社法と製造たばこ定価法の関連性についてこれは矛盾する面が出てくる。これに対してどういう見解を持っていらっしゃるのか、これは所見を伺いたいと思います。これは後で大蔵大臣のお考えも聞きたいと思います。
○政府委員(西沢公慶君) ただいま先生が御指摘になられましたように、製造たばこ定価法にありまする適正な専売収入を上げている限りにおきましては、御指摘のとおり、専売公社法四十三条の十二というのは働く余地がないわけでございます。したがいまして、たばこ事業に関する限りは、こういった補給金交付のケースはあり得ないものだと思います。先生の御指摘のとおりでございます。 ただ、この専売公社法四十三条の十二におきましてしからば具体的にどういうケースが考えられるのかということでございますけれども、御案内のとおり、専売公社にはたばこ事業のほかに塩事業がございます。この塩の事業に関しまして塩専売法という法律が御承知のとおりございますけれども、その塩専売法第二十九条第一項の規定に基づきまして、製造用の塩、あるいは塩蔵用の塩、こういったものにつきまして、仮に政府が特定の政策に基づきまして塩を売り渡す場合に、特別な価格をもってそれが原価を大幅に割るようなことを定める場合がなきにしもあらずということでございまして、具体的には仮に政府がそういった特別価格につきまして非常に原価を割るような場合が想定されるかと思います。ただし、現実には、専売公社法四十三条の十二の補給金の交付の規定が適用された事例は過去にはございません。
○国務大臣(大平正芳君) ただいま監理官がお答え申し上げたように私も心得ております。
○田代富士男君 いまの場合は塩の方にすりかえられましたが、私はたばこで質問をしているわけなんです。大蔵大臣、どうですか。たばこの場合はこういう規定があるからどうだと関係性を聞いているわけです。
○国務大臣(大平正芳君) たばこの場合はそういう場合を想定いたしていないわけでございます。
○田代富士男君 たばこの場合は規定してないとおっしゃるが、このように規定してあるから、定価法第二条の精神と専売公社法の四十三条の十二の精神と矛盾する点がある。私は、いま塩の説明をされましたけれども、たばこの上において説明をしてもらいたい。矛盾点を感ずるから、この矛盾を映らかにしてもらいたい、このように私は申し上げましたが、どうですか、大臣。矛盾があると私は言っているんです。
○政府委員(西沢公慶君) 先ほど申し述べましたことに尽きるわけでございますけれども、専売公社法四十三条の十二はたばこの場合には適用がないものと考えております。
○田代富士男君 きょうは時間が制限されておりますから、これはまた別にしたいと思いますが、いずれまたお尋ねをしたいと思います。 次に、製造たばこの最高価格の決定水準及び専売審議会のことについてお尋ねをしたいと思います。 製造たばこ定価法第一条では、製造たばこの種類ごとに等級別の最高価格を定めるように規定されてあります。ところが、この最高価格というものをどのような水準あるいは考え方に基づいて定めるのか、法律上何の規定もありません。また、政令、省令への委任規定も置かれておりません。したがって、最高価格がどのように決定されるのかということは全く理解ができません。何の基準も考え方も明示されてない。ただ単に法文上「最高価格を次のように定める。」という規定のみしか述べてありません。この点について政府はいかがお考えであるのか、明確にしていただきたい。このように、たばこの関係の法律というものは、明確にされていない面が非常に多い。いまも申し上げました日本専売公社法四十三条の十二の問題等も適用があいまいです。そういう点で明確にしてもらいたい。
○政府委員(西沢公慶君) 現在の製造たばこ定価法は、昭和四十年に制定された法律でございます。その前には製造たばこの定価の決定または改定に関する法律というのがございまして、この法律が生きておりましたころは、個々の銘柄ごとにその名称、種類、形式、品質、定価の最高限度が法定されていたわけでございます。それで昭和四十年になりましてこの製造たばこの定価の決定または改定に関する法律をいま少し弾力的にしてはどうかということが議論されました結果、現在の製造たばこ定価法ができたという経緯があるわけでございます。したがいまして、現行定価法が昭和四十年に制定された際に、現に販売されておりました各銘柄のたばこについて、定価法の第一条に規定しておりまする等級別品質を適用したわけでございまして、その際各等級別の最高価格の銘柄の価格をもって各等級別の最高価格にいたしたわけでございます。その後、製造原価の上昇等によりまして、御案内のとおり昭和四十三年に改正をされて今日に至っておるわけでございます。
○田代富士男君 一つお尋ねしますが、製造たばこ定価法によりますと、いまも御説明いただきましたが、製造たばこの価格というものは、第一条においては、種類ごと、等級別に定められる最高価格、それから第二条によりますと、品目ごとの定価と、このように第一条と第二条が二本立てになっているんです。このような方法をなぜとらなくちゃならないのか、その理由をお聞かせ願いたいと思うのです。
○政府委員(西沢公慶君) ただいま御説明申し上げましたとおり、製造たばこ定価法ができまする前は、個別の銘柄につきまして製造たばこの定価の決定または改定に関する法律で決められておったわけでございますけれども、それを機動的にするために現行の法制ができたわけでございますけれども、そのために、第一条におきましては等級別の最高額を決めるにとどめまして、その最高の価格の範囲内で個別銘柄についてはどういうことを原理原則として決めなければならないかということを第二条で決めるようになっておるわけでございます。
○田代富士男君 じゃ、次に、専売事業審議会のことについてお尋ねをしたいと思います。 このことにつきましては、日本専売公社法第九条に基づきまして、大蔵省に専売事業審議会が置かれておりますが、その構成というものは、同条の第四項によりまして、学識経験者、それからたばこの耕作従事者、そういう人々がこの審議会に関係をしておりますが、また公社職員の中からも大蔵大臣の任命される人が参加しておりますが、いま大蔵省以外にもいろいろな審議会がございます。この審議会には、大抵の審議会には消費者の代表というような人が加わっておりますけれども、この専売事業審議会には一般消費者の代表となる人が加わっておりません。こういう点では一方的な審議会になりかねないのじゃないかと思うわけなんです。そういう意味から、消費者の代表といたしまして、そういう意見が反映されるような審議会にするべく改善する余地はないのかどうか、これをお尋ねをしたいと思うのです。
○政府委員(西沢公慶君) 専売事業審議会の委員につきましては、ただいま先生御指摘のとおりの構成になっておるわけでございます。現実には、学識経験者の方が七名、それからたばこ耕作関係者が一名、それから公社職員が一名という現実的な構成になっておるわけでございます。先生の御指摘のは消費者代表のことであったわけでございますけれども、御案内のとおり、学識経験者の中には、これは同時にたばこの消費者でもあるということがございます。たまたま現在の学識経験者の方々を見ましても、たばこをお吸いにならない方もおいでになります。それからたばこをお吸いになる方もおるわけでございます。したがいまして、たばこの消費者のことにつきましては学識経験者の方々が同時にその意見を代表できるのではなかろうかということを考えておるわけでございます。ただし、実際に専売事業審議会の審議におきましては、従来からたとえば公社の方でいろいろな調査をいたしております。消費者のパネル調査とか、あるいは全国たばこの喫煙者率調査とか、あるいはたばこ事業の苦情処理状況と、こういった調査は随時専売事業審議会の先生方にお諮りをいたしまして議論をしていただいておるわけでございます。 なお、公社の方におきましては、随時消費者会議というようなものも開きまして、積極的に消費者の意向をくみ取るべく努力をいたしておることも御理解いただきたいと思います。
○田代富士男君 じゃ、次に質問を移しますが、今日の法体系の中でいろいろな価格の決定等が行われる場合には、国会の議決を要することとされている料金体系が多うございます。その手続上審議会への諮問、答申というものは一つの要件として定められております。ところが、いま答弁していただきました専売事業審議会なるこの審議会は、他の審議会と違いまして、このような一つの方程式と申しますか、こういうものでなくして、こういうような簡単な審議会といいますか、一つの型に当てはまっていない、そういう特異な審議会的な立場にあるわけなんです。そういう意味から、これを法文上にも明確に規定をする必要があるのではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(西沢公慶君) ただいまの点につきましては、御指摘のとおり、専売事業審議会に定価改定を諮らなければならないということは法定はいたされておりません。しかしながら、今回の定価改定の場合も、四十三年度の定価改定の場合も同様でございましたけれども、当然のこととしましてこれは税負担を国民に求める問題でございまするので、税制調査会に諮問をいたしておりますし、また、ただいまの専売事業審議会にも御意見を十二分に聴取いたしたわけでございます。
○田代富士男君 大蔵大臣ですね、いま申されるとおりに、いろいろそういう法定化はしてないけれどもそういうことをやってるというならば、他の審議会と同じようにそれを法文化するというそういうお考えはありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 法文化することを拒むわけでは決してございませんけれども、現行の規定の中で運用上御趣旨のような運用が可能なんでございますので、その限りにおきましてただいま法文改正の必要を特に痛感いたしておりません。
○田代富士男君 次に、製造たばこの問題についてお尋ねをしたいと思います。 製造たばこ定価法によります製造たばこというものはどのように規定されてあるかといえば、御承知のとおりに、「日本専売公社の製造する製造たばこ」ということが製造たばこ定価法第一条の規定に明らかにされております。したがいまして、第二条の製造たばこの品目ごとの定価の決定と、このように明記されております。この方法というものは輸入製造たばこについては適用されないという考え方になるのじゃないかと思うわけなんです。そうした場合、輸入製造たばこについてはどのような考え方に基づいて価格を決定されておるのか、これをお聞きしたいと思います。
○政府委員(西沢公慶君) 輸入たばこの定価につきましては、たばこ専売法三十四条の規定によりまして公社が大蔵大臣の認可を受けて決定することとなっております。そして、国内の製造たばことは異なりまして、製造たばこ定価法の適用はございません。
○田代富士男君 いま三十四条の規定に基づいてやっていると、このように申していらっしゃいますが、輸入製造たばこの価格改定というものは、財政法の第三条の特例に関する法律によりましてこれは国のそういう議決、国会の議決を経なくてもできるというふうにされておりますけれども、いま御説明がありましたとおりに、日本専売公社総裁と大蔵大臣の協議を行った後に公示されているということになっておりますが、私はこのようなことも いま法文上の問題点が明確にされていないという点をるる述べてまいりましたが、こういうところにも明確さがないわけなんです。解釈のしようによってこのようにその範疇においてやっておりますとか、明確にされておりません。そういう意味から、私は、特に財政法第三条の特例に関する法律、これは、御承知のとおりに、戦後の経済緊急事態の存続する間に限ってこれは制定されました臨時的な立法であります。これは御承知のとおりだと思いますが、そこで、いま、経済情勢、社会情勢というものが昔と異なっております、その当時と。そういうことから、こういうことを存在さすこと自身が問題があるのじゃないかと思うわけなんです。そういう意味から、私は、この特例法を廃止し、そうして財政法第三条の本則にもあるとおりの精神に戻すべきではないかと思うわけなんです。一貫して私が言っているのは、法文上のいろいろな矛盾点、そういう解釈できない点があるというところを指摘しておりますけれども、これに対するお考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(西沢公慶君) 輸入たばこの定価が除外されておるというのは一体どういうわけであろうかという御質問だと思いますけれども、輸入たばこの定価は、御案内のとおり、輸入原価を基礎として決定するわけでございますけれども、輸入原価そのものが海外要因によって変動しやすいということ、それが一つの原因であろうかと思います。二番目の要因としましては、輸入たばこ自体がたばこ全体の中に占める割合が、これは昭和四十八年度の数字で申し上げますると、総本数約二千七百億のうちで二十三億程度のウエートしか占めていないというようなこと、さらに輸入たばこはまあいわば特定の消費者の高級な嗜好品であると、こういうふうなことから現在のような法体系になっているのではなかろうかと思います。しかし、現実の問題といたしましては、輸入たばこの定価を決めまする場合には、国内品定価とのバランスということが当然のことながら一番大事なことにされますし、また、輸入原価等も考慮しなければいけませんので、国内たばことの関連ということが常時見直されてそれが基礎になって判定されていっておるわけでございます。
○田代富士男君 いま私が申し上げました財政法第三条の特例に関する法律を廃止するお答えがあるかないかということをお尋ねしましたけれども、これに対するお考えは、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のことにつきましては、今後の経済事情の推移、それから物統令の取り扱い等を見守りながら検討していかなければならぬと思います。
○田代富士男君 次に、専売事業に対しまして質問をしたいと思います。 専売公社及び大蔵当局が考えている製造たばこの価格改定によりまして、専売納付金は四十九年度の補正後三千百五十八億円、五十年度で改定されたとするならば四千七百七十五億円となりまして、差額約一千六百億円が増加すると、こういう数字が一応出ておりますが、一方、地方公共団体の財源となります地方たばこ消費税の方は、五十年度に定価の改定を実施すると、売上本数が減少することによりまして、改定を行わない場合に比べまして減少が予想される。御承知のとおりに、いま一カ月の消費量はふだんならば約二百五十億本ぐらいだと言われておりますが、これが値上げ直後は二百億本ぐらいに減るのじゃないかと、そういうことを勘案しまして二百二十億円減少するという見込みではないかと思うわけなんです。これにつきましては、いただきました資料を見ますと、二百二十億円は国が補てんをして、定価改定が行われなかった場合の見込み額三千六百九十二億円は確保すると、こういうふうに言われておりますけれども、地方財源にとりましては、御承知のとおりに、たばこ消費税は税率が二八・四%と定められている。そういうことから考えた場合に、定価の改定が行われようと、行われないとにかかわらず、全く関係がない。まあ今回の場合は国だけが潤い、地方団体は一つも潤いがない。いままして地方自治体の財源というものは危機に瀕しておるわけなんです。このように国のそういう面だけを考えまして地方自治体の面は余り考えられていない。つきましては、この法案をお出しになる場合に、地方財政あるいは消費者税という観点からどのように検討されたのか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(西沢公慶君) ただいま先生が申されましたように、本年度におきましては地方たばこ消費税は定価改定がなかった場合とあった場合とが同額になるようにいたしたわけでございます。地方たばこ消費税は、御案内のとおり、前年度単価に当年度の消費本数をかけてそれに所定の税率をかける、こういう仕組みになっておるわけでございますけれども、五十年度におきましては、先ほど来のお話のとおり、二百二十億の額を補てんいたしておるわけでございますけれども、五十一年度の地方たばこ消費税の状況を見ますると、恐らくは概算約千億程度地方たばこ消費税は伸びるのではなかろうかというふうに考えられております。したがいまして、今回の定価改定は、国のみならず、地方財政にも相当の潤いを与えることになろうかと思います。
○田代富士男君 今度は消費者の立場からお尋ねをしてみたいと思いますが、製造たばこ定価法改正案は、四十九年の十二月に税制調査会からの答申を受けまして、その趣旨によって今回このような問題が提起されていると思うわけなんですが、この内容は、午前中もいろいろ審議が尽くされたと思いますが、すべてコストアップ分は消費者に転嫁いたしまして、国はそれに影響されることなく確実に十分な専売納付金を獲得することができるわけなんです。公共性の高い専売制度でございますから、このような考え方でよいのかと、これが私は消費者の立場として疑問を持たざるを得ません。なぜなれば、——幸い福田副総理もいらっしゃいますし、あわせてお尋ねをしたいのですが、狂乱物価のときに、思い出していただきたいのですが、民間企業が原材料あるいは人件費等のコストアップをすべて製品価格に転嫁して大幅値上げを行ないました。そのときに政府はどのように行政指導をされたのか、それは企業努力によってコストアップをできる限り吸収し、製品の値上げをできるだけ小幅にとどめるようにと、このように強い行政指導をされたわけなんです。このことを考えていただきたい。そうしますと、私は、このたばこの問題は専売制度です。そうしますと、現在政府がやろうとしているやり方というものは、当時の民間企業の発想と同じ方法によって値上げを強行しようとしている。これは、物価安定を最重点事項として施策を展開しようとされる三木内閣としてとるべき立場ではないと思うのです。この点に対しまして、私は三木内閣の経済問題の一応中心となってやっていらっしゃいます福田副総理にお尋ねをしたいと思います。また、大蔵省の首藤副監理官はこのように言っていらっしゃいます。いまの激動の時代では、民間企業にしても大きな波をかぶっている、公社の規模からいっても多少の借金は仕方がないのではないか、公社というのは元来もうけることばかりではないのだからと、まあクールな御意見をお述べになっていらっしゃる。こういう立場から、私は、大蔵大臣に、大蔵省の副監理官もこういうお考えを持っていらっしゃる、こういう点からどのようにお考えであるのか、お二人からお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価問題は、まあ狂乱当時ですね、あの当時の需給インフレからいま今日の段階はコストインフレ、そういう段階に入っておるわけです。そのコスト段階で、そのコストというものがどうなるかによって物価が動いていく。そのコストの中で、原材料、これはまあその中で浮動要因の多いのは海外要因でございます。それから次いで人件費、それから公共料金、金利と こういうようなことになっている。公共料金がコスト要因として重要な立場にあることは私どももよく理解しておるんです。ですから、コストインフレのこの段階におきまして公共料金を平時の頭で考えるということは妥当でない。つまり、赤字が出てくればとか、あるいは予定した財政収入がないから、その赤字あるいは不足を補てんするというその考え方、これをフルに働かせるということは妥当でない。そこで、予算編成のときも、ずいぶん政府部内でも相談をしたんですが、物価政策から見れば、公共料金、コスト要因を抑えておく、これは望ましいことなんでありますが、同時に、財政の立場があります。また、企業運営の合理化という立場もある。そういう面からいきますと、あるいは国鉄でありますとか、あるいは電信電話公社でありますとか、公共料金を是正しなけりゃならぬ問題もある。まあそういういろいろな公共料金改定の問題に当面しますが、比較的影響の少ない酒、たばこ、郵便料金というものにつきまして本年度においてこれが結着をつけておく。もしこれを本年度もほっておくということになりますると、これは公共料金の改定を要するものが将来メジロ押しに並ぶ。これがまた財政にまた企業の運営に非常に影響があるというので、ただいま申し上げました三つの料金につきましては、これは本年度において引き上げることはやむを得ないと、こういうふうに考えまして、それについての法律案の御審議を願っておると、こういう状態です。もっとも、そういうものがもうみんな抑えられるんだということになれば、物価政策も楽になるのでありまして、一けた台ぎりぎりというようなところでなくて済ませ得るのでありますけれども、いろいろなそういう公共料金問題等も考えまするときに、まあこの一けた台というのが精いっぱいのところだろうかと、こういうふうに思うわけであります。いずれにいたしましても、この公共料金で何が何でも上げちゃうと、そういう考えじゃなくて、必要やむを得ざるものだけに限定してある、また、経済の見通しにおきましても、それらを予定し前提として物価政策も考えておると、かように御理解願います。
○国務大臣(大平正芳君) たばこ専売事業も一つの事業でございます。したがって、これに従事する従業員がございまして、この従業員に対しまして適正な報酬が確保されなければなりません。また、これに対しまして原材料を供給する向きがございます。これに対しまして適正な対価が補償される事業でなければならぬわけでございます。これはまた多くの消費者との関連があるわけでございまして、消費者の利益を考えなければ、立場を考えなければならぬわけでございまして、専売事業のエゴイズムの立場から問題を割り切っちゃいけないと思うのでありまして、それぞれの関係者が適正な立場を評価され、そして適正な対価が補償されていくように考えなければならぬわけでございまして、しかも、これは消費税でいくべきか専売制度でいくべきかということが議論されておるように一つの税金でございますので、税金もまたそういったことを踏まえた上で重くならぬように、また他の税目とのバランスを見ながら均衡のとれたものであるように考えなければならぬと思うのでありまして、今回御審議をいただいておりまするものは、そういった観点からいろいろ吟味いたしまして得た結論でありますので、専売公社ないしは財政当局といたしましての財政収入一本やりの立場からそれに傾斜した考え方に終始しておるわけでは決してないわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○田代富士男君 この論議をやりますと、平行線をたどらざるを得ないと思うのです。大臣の主張と私の主張とは平行線になっているかと思いますが、いま大蔵大臣も申されましたとおりに、消費者の利益、立場を考えてやっていかなくちゃならないと、こういう姿勢が今回の法案にも貫かれているか、あるいは専売公社の経営にも貫かれているかといえば、私はどうもそういう面は受けとめがたい面があるんです。 一つの例を挙げますと、いまたばこの等級別生産状況を見てみますと、特級品が三種類、一級品が十五種類、二級品が五種類、三級品が八種類あります。このように、等級別分布状況や近年におきます新銘柄の開発状況からも明らかなように、専売公社は消費者の嗜好を次第に上級品へと誘導しているような生産の体制に入っている感が非常に強い。大衆的な二級品以下の大衆たばこの品質改良に手を抜かれている。手を抜いていないとおっしゃるけれども、この数字から言いましても一級品が十五種類、こういうことを考えた場合に、専売公社の営利企業の経営方針というような感を受けて仕方がありません。こういう点をどのように大蔵大臣として受けとめていらっしゃるのか。私はこれは大事なことだと思うのです。たとえば経済企画庁では消費者教育ということをやっていらっしゃる。たとえて言うならば、キュウリ一つを取り上げましても、曲がったキュウリもまっすぐなキュウリもキュウリに変わりはない、消費者はまっすぐなキュウリしか買わない、それではだめだと消費者教育がなされている。そういうように消費者教育に対する焦点というものが合わされているけれども、専売公社のやり方というものは、いまさっき私が輸入たばこの価格の問題はどうしてつけられているのかと言ったときに、これはごく一部の人が、いま数字を聞きましたら全体の二千七百億本のうちの二十三億本、まあこれは数字から言っても大したことありませんと、高級な嗜好品であると言う。しかし、だんだんそちらの方向へ誘導されていると、こういうような姿勢は私はよくないと思うのです。こういう点について、大蔵大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(大平正芳君) 事業を営む場合に、需要者の側のニーズというものを踏まえて、それに対してそれを満足させる、それにこたえるということでなければならぬことは御指摘のとおりでございまして、最近、酒にいたしましてもたばこにいたしましても高級品化の傾向が見られるわけでございまして、けさほどからの御質疑にもございましたように、これは専売公社が意識的に誘導しておるのではないかという懸念を表明された先生もおられましたけれども、私どもといたしましてはこれを故意に誘導しておるつもりではないのでありまして、そういう時代の趨勢、そういう消費性向が高級品化してきておるということは、これはもう客観的に紛れもない傾向であろうと思うのでございまして、意識的に誘導している結果じゃございません。ただ、商品経済の今日、新しい商品の開発というのはやっぱりメーカーがいろいろな技術の粋を尽くして工夫して開発せにゃならぬわけでございまして、開発した以上はこれを消費者の嗜好に投ずるようにPRしていくわけでございまして、そういうプロセスが必ずあるわけでございます。したがって、そういうことでそれがある程度、効果をおさめまして、メーカーが宣伝いたします品物がよく売れるということになる傾向を持つこともまた争えないと思うのであります。しかし、これはあくまでも消費者本位の立場を逸脱してはいけないことだと思うのでありまして、メーカーの売らんかなということ一本で貫いてしかるべきものとは毛頭考えないわけでございまして、私どもその点については十分気をつけてまいるつもりでございます。
○田代富士男君 大臣が気をつけていかれるということでございますから、いまのところそれに期待する以外にないと思いますが、あくまで消費者の立場としてやっていただきたいと、これは希望であります。 次に、定価改定を行った場合の五十年度の内部留保額について伺いたいと思います。 専売公社の経理を四十二年以降を見てみますと、一応三公社の中におきましても健全な財政状態が保たれたと思います。四十三年以降四十七年までの内部留保額は、各年ともにおよそ三百三十億から三百八十億円台であったかと思います。そうしますと、今回の定価改定によりまして一応試算されている額は七百十七億ぐらいの内部留保額が確保できると、このように伝えられておりますけれども、これまでの二倍にも達するこのような額をどうしても積み立てなければならないという理由は何か、これを明確にしていただきたいと思います。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、専売公社が内部留保を従来は毎年三百数十億円程度積み立ててまいっておりました。これはどうしてかと申しますと、本来この内部留保と申しますのは公社のたな卸し資産と固定資産及び無形資産の増加額の資金手当ての一つでありまして、年々増加するそういった資産につきまして内部留保をもって賄い、それで不足する分は借入金によってやっていくということであるわけであります。従来は、昭和四十四年から四十七年までは、いまもお話しのような留保の額によりまして実際のたな卸し資産及び固定・無形資産の増加額よりもより多くの留保ができましたために借入金が逐次減少いたしてまいりまして、四十七年までに千億を割るような借入金になったのであります。ところが、昭和四十九年から葉たばこの値上がり、これは日本国内においてもそうでありますけれども、外国におきましても値上がりいたします。それからたばこが売れていきますので、このたな卸し資産は大体二年分を持っておる必要があるわけであります。その数量がふえました。国定資産の方はほとんど変わりはないのでありますけれども、これがふえましたために、四十九年度におきましては、たとえば昭和四十八年の資産増加額が三百五十八億円でありましたのが四十九年には千三百十五億円と、約千億ほども増加いたしたのであります。この傾向は今後五十年、五十一年とさらに続いていくものと思われますので、昭和五十年におきましては定価改定を行いましても約千七百十七億円の資産の増加があるわけであります。したがって、資金手当てといたしまして内部留保を七百十七億いたしましても、借入金はその差額の千億増加するということになるわけでございまして、従来に比べると七百十七億円という内部留保は大き過ぎるではないかという御指摘、まことにごもっともでございますけれども、公社の資金繰りからいたしますと、それでもなおかつ従来減っておった借入金が四十八年からだんだん増加に転じまして、しかも五十年の見込みとしては定価改定を行いましてもさらに千億円の借入金の増加が見込まれるということでありますので、公社の資金繰りとしてははなはだ重要な問題になっておる次第でございます。
○田代富士男君 副総裁がお見えでございますから御意見を受けたいと思いますが、いまいろいろ私質問してまいりましたが、専売納付金・地方消費税の二頭立て馬車方式でいま行われておるわけなんです、簡単に申し上げますと。専売納付金率の法定化あるいは消費税一本化方式にすることによってさらに内部留保を確保いたしまして公社の経営の自主性を高めたいという意見が一部に聞かれます。これに対して副総裁としてどういうお考えをお持ちであるか、この点は副総裁にお尋ねしたいと思います。 それからそれをさらに一歩進める立場でこれは大蔵大臣にお答え願いたいと思いますが、御承知のとおりに、明治三十七年に専売制が施行されまして、それ以来政府主導型の近代化にこの国営事業が果たしてきた役割りというものはそれなりに評価すべきものがあったと思います。ところが、第二次大戦後の民間経済主導型の経済発展を逐げてまいりました現在では、専売公社の機能、役割りも変わらざるを得ない段階に来ているのではないか。こうした国民経済の性格変化と申しますか、そういう中で専売公社がとるべき道というものは変わってこざるを得ないのじゃないかと思うわけなんです。そこで、いま専売公社のこの問題をどうするかということが価格の問題等でいろいろ議論されておりますけれども、そういうことよりももっと、ただいまも私が副総裁にお尋ねしたいと申し上げましたとおりに、公社経営の自主性を高めるというそういう意見もありますから、これをさらに進めまして、これを公社制度から民営論に発展さすお考えはないのか、この点は大蔵大臣に尋ねたいと思います。
○説明員(泉美之松君) お話しのとおり、日本専売公社は、目下、国及び地方団体に対しまして、国に対しましては専売納付金という形で、地方団体に対しましては府県及び市町村別に違っておりますけれどもたばこ消費税という形で寄与いたしております。私どもとしては、専売公社が国及び地方団体にそういった財政寄与をすることは専売公社の最も大きな使命の一つであると思っております。しかし、同時に、消費者にできるだけ安いたばこを消費者の好むような銘柄で提供する、これもまた重要な役割りを占めておると思っております。 ところで、お尋ねの点でございますが、いまの地方消費税の方は、御承知のとおり税率が法律で規定されております。ところが、専売納付金の方は、総利益から総損金を控除して、それから一定の内部留保をした後の金額を国庫に納府するということになっておりまして、こういうふうになっておりますと、専売納付金がふえたり減ったりする場合に、それが公社の努力によってふえたのか、あるいは公社の努力が足らぬで減ったのかということが余り明確にされないうらみがあるわけであります。そこで、何とかして公社の経営責任を明確にすることが大切ではないかということから、昭和四十六年から覚書方式ということで、大蔵省との間で、第一種納付金は五六%とする、これは定価の五六%から地方消費税納付額を差し引いた分を専売納付金とする、それから第二種納付金は、総益金から総損金を引いたものからさらに第一種納付金を引いてその残りの益金に対して一定率の納付をすると、こういうことをやってまいっておりますが、これは大蔵省と専売公社との間のいわゆる覚書でありまして、対外的に効力のはっきりしたものではございません。そこで、私どもとしましては、何とかしてそういう点をはっきりする必要があるのではないか。そういう意味で、いまの第一種納付金なり第二種納付金というものを法律で定めるようにすればそこが明確になるのではなかろうかということで、そういう点を検討いたしておりますが、同時に、いまの覚書方式では一律に五六%というふうになっておりますが、御承知のとおり、一級品、二級品、三級品、それぞれ値段が違いますし、コストが違いますので、そういたしますと、やはり銘柄別に納付金率というものを変えていただかないと、つまり、特級、一級といったような値段の高いものについては納付金を高くする、しかし、三級品のように値段の安いものについては納付金率を低くするという配慮がないと、いまでも銘柄によっては総損金を賄わないような銘柄のものもございますので、全体としては専売益金が出ておりますけれども、銘柄によっては益金の出ない銘柄もあるわけでありますので、そういう点からいたしますと、そういう銘柄別の納付金を決めるのが適当ではないかというふうに思って、そういうことをいろいろ検討いたしております。しかし、現在、御存じのように、世界経済が非常に流動的でありまして、原料の確保につきましても年々大きな変更があるような次第でございまして、そういう点でなかなか銘柄別の納付金率ということを決めるのが容易でございません。したがって、私どもとしましては、さしあたりこの大蔵省との覚書のやり方について銘柄別の考え方を若干取り入れて試行をいたしました後、これを法定するような方向で検討したらどうか、それによって公社の経営責任が明確になっていくだろう、そうすれば公社の自主性もだんだんと発揮できるようになるのではなかろうかと、こう考えておるような次第でございます。
○国務大臣(大平正芳君) 専売公社もそれなりに技術水準の向上、生産性の向上に努力をいたしてまいったつもりでございます。人員が必ずしもふえておりませんけれども、製造数量は大変ふえてまいりましたこと、御案内のとおりでございまして、これまでの時代の要請に応じてともかくもその機能を果たしてきたものと私は評価いたしておるものでございます。今後も生産性の向上には一層努力してまいらなけりゃならぬことは当然と考えております。 ただ、これをこういう状態に置くか、あるいは民営にするかということでございますが、これはひとり経済経営の立場からだけで論ずることはできない問題でございまして、公共企業体というものをどうするかという問題が、これは制度の上からもございますし、労働問題から申しましても大きな問題でございますし、また、先ほど私が申し上げましたように、専売に関係いたしておりまする各層から十分な理解と支持がなけりゃなかなかできないことでもございますし、また、一概に官営が悪くて民営がいいということも言えないわけでございまして、そのあたりは、確かにそういう御提言がないわけではございませんし、私どもといたしましてそういう問題のあることは承知いたしておりますけれども、今日ただいまその問題について確たるお答えを申し上げることはできませんで、ただ精いっぱい時代の要請に応じましていまの経営形態でもって最善を尽くす用意があると御承知願いたいと思います。
○田代富士男君 与えられた時間は参りましたけれども、物価の問題とどういう関係にあるかということを尋ねたかったんですが、まだお酒の問題を聞いておりませんから、割愛しましてお酒の問題をちょっとお聞きしたいと思いますから、委員長よろしくお願いしたいと思うのです、簡単に終わりたいと思いますから。 時間がありませんからまとめてお尋ねいたしますが、不況下におきまして個人消費の低迷が続いておりますけれども、四十九年度の酒税の減税の原因が家計収入の伸び率低下と相関関係にあるとするならば、五十年度の酒税の収入見込みは、改正分を含めまして一応試算されているのが一六%以上というふうに言われておりますけれども、高い伸び率となっているわけなんです。しかし、春闘の賃金値上げ率というものも低かったし、こういうことから考えましても、とても望めそうにないと、このように考えますけれども、大蔵省としてどのように考えていらっしゃるかということが第一点でございます。 第二点は、酒税改正によりまして酒の小売価格が上昇して、一方で家計収入が減少するということは、酒の販売力が落ち、減収するのが常識ではないかと思うわけなんです。大蔵省の税収見込みは、高度成長と経済のV字回復を予測した安易な税収見込みではないかと、このようにとられる面もあるわけなんです。もし大蔵省の見込みどおりいくとするならば、税制改正による小売価格への波及につながらない施策をあわせて行う必要がありますが、そういう施策があるかどうかと、この二点についてまず簡単にお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 五十年度の税収を見積もりました場合には、四十九年度の当時のお酒の消費をもとにいたしましてその後の伸びを見たわけでございます。それで、確かに、清酒全体といたしますと、二級酒が伸びていないものですから、やや落ち目になってきておりますけれども、特級、一級の伸びというのを勘案いたしまして、四十九年度から五十年度にはほぼ横ばいに近い数字で見込んでございます。それからビールの消費は、昨年の夏の天候がビールに幸いしませんで、やや消費が落ちたということがございまするので、これは約一割ぐらい四十九年に対して五十年度は伸びるだろうというふうに見込んでおります。ウイスキーの消費は、年々非常に好調でございまするので、そういう趨勢を勘案いたしまして三割ぐらい四十九年度から五十年度に伸びるだろうというようなことで五十年度の税収を見込んだわけでございます。 そこで、今後一体どういうように酒税の収入が推移するかということでございますけれども、私どもといたしますれば、まだ発足当初でございます。確かに、四十九年度の税収全般は相当の落ち込みをいたしましたし、その影響が五十年度にあることも確かでございまするけれども、先ほど来申しましたようなお酒の消費の見込みでございまするから、ほぼ私どもの見通しでいくのではないかというふうに考えております。 それから今回の増税によりますところの消費価格の上昇が、一体どういうふうに影響をするのかということでございますけれども、酒税の増税は、清酒一級の一五%、それからその他の二二%は、大体、価格にいたしますれば、清酒の一級で四%、特級で七%、ビールで約九%程度でございますし、四十九年度の消費の状況から勘案いたしましても、この程度の価格の上昇ではそんなに影響を受けないのではないかというふうに思っております。したがいまして、増税に伴いましてその他の施策をこの際講ずるということはいたしておりません。もちろん、国税庁の方では、特に従来進めてまいりました清酒業の近代化というものは今後も促進をいたそうということでございます。 それからなお一言つけ加えますと、清酒等につきまして見られますような酒税の納付の状況もございまするから、非常に必要な場合には一カ月の期限を延長するという措置もつけ加えてございます。
○田代富士男君 じゃ、時間がありませんから、最後に大蔵省と経企庁に質問しまして終わりたいと思います。 いまもっと具体的な問題を提示してお尋ねしたかったんですが、結論的に申し上げるならば、大蔵省と経企庁の行き方は、これはいろいろな複雑な問題があると思いますが、大蔵省は経企庁の物価一けた達成の協力姿勢がきわめて消極的じゃないかという、こういう受け取り方がしてなりません。その理由はいろいろあるでしょう。端的に申し上げるならば歳入欠陥にあると言われますけれども、これを穴埋めするために米、麦、国鉄その他、いま、たばこ、酒、そういうものの値上げのキャンペーンを張っていらっしゃいますけれども、物価一けた達成に大蔵省として今後どのように協力されるのか、これを最後にお尋ねしたい。 それから経企庁のお立場といたしまして、いまたばこが値上がりした場合に消費者に対する影響が〇・六%、酒の場合は〇・一%、郵便は〇・二%、また、その他の公共料金等が〇・六%、米が値上がりする場合は〇・七四とか、麦は据え置くとか、いま論議されておりますけれども、こういう数字が出されておりまして、今日現在ですでに三・二%ほど上がっております。それに、いま羅列したこれは単純計算でございますけどもこの数字を入れましても、大体単純計算で五・八四ぐらいなんです。そうすると、九・九%達成を目指してやっていらしゃいますけれども、果たしてこれは達成できるものであるかどうかということを疑問に持たざるを得ません。だから、九・九%の中に織り込んであるとおっしゃるかもしれませんけれども、実際にはどうなるのか。時間があれば具体的な問題を私はお聞きしたいと思いましたが、両省のお立場から最後にお答えを願いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(大平正芳君) 大蔵省は、申すまでもなく、財政それから内外にわたる金融、為替等の仕事を担当いたしておるわけでございまして、こういったものがバランスのとれた安定した姿において推移してまいり、そして国内の物価が落ち着いてまいって、政府の庶幾いたしておりますように一〇%以下にとどまってまいって、安定軌道に経済が乗るというようにいたすために非常に重い責任を持っておる役所であると思っておるわけでございまして、あらゆる方面に真剣に気を配りながら政府の目標達成に精進してまいらなければならぬと思っております。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ経済全体ですね、これはいろいろな面を持っておるわけでありまして、国の経済というか、財政ですね、また、企業の問題、家庭の問題、それらのものが調和をとれた姿で経済は運営されなければならぬ。そういうことで、物価の問題はその中において非常に重要な問題でございますが、物価だけを考えるということになれば、公共料金も何もみんな抑えちゃうということになれば、今度は経済の中で非常に大きな立場を持つ国の経済、財政、これがなかなか重大なところに押し込まれる、こういうこともありますので、そう物価だけに目を注いで他は見ないというわけにはいかないのです。いま大蔵大臣が言われましたように、国の経済が調和のとれた推移をするということを願っておるわけですが、財政もうまくいかなければならぬ。また、景気、つまり企業の方の立場もうまくいかなければならぬ。そういう中において物価の安定を図っている。非常にこれはむずかしいことでございますが、政府一体となって最善の努力をいたしまして、一けた台というのはこれは国民が待望しているのですから、ぜひ実現したいと、こういうふうに考えます。
○山中郁子君 けさほど来からの議論がありましたけれども、初めに経企庁に、いまここの委員会で議論されております酒税の引き上げ、それからたばこの価格の引き上げ、また、同時に逓信委員会において審議をされております郵便料金の引き上げ、それぞれ酒税で〇・一%、たばこで〇・六%、郵便で〇・二%というふうに言われておりますが、消費者物価指数へのはね返りと、それからいま具体的に最も切実にプログラムに上っております消費者米価のもし二〇%引き上げということになるならば〇.七四%上昇させることになるというふうに報道されておりますその数字についての御確認をいただきたいと思います。
○政府委員(喜多村治雄君) 御指摘ございましたように、たばこにつきましては〇・六、郵便につきましては〇・二、酒税に伴いますものが〇・一、それから米価につきましては、これはただ単純な計算でございますけれども、計算上は一〇%引き上げますならば大体〇・四程度というように計算をいたしております。
○山中郁子君 二〇%の場合は。
○政府委員(喜多村治雄君) 厳密な計算をいたしますと、先ほど先生仰せになりましたような数字でございますから、〇・三七掛ける二ということになりますが、実はこれは非常に厳密な計算で、ほかのものが一切上がらないということでございますので、実績と比較対比いたしますときに若干それよりも上回る可能性があるということでございます。
○山中郁子君 これはあらゆる委員会や質疑の場で必ず議論になっておりまして、私もそのことは痛感しているのですけれども、たとえばわずか〇・一%であるから物価に大きな影響を与えないと、いつも政府はそういうふうに言われるわけですけれども、いま物価局長が最後に申されました中身、つまり波及効果を含めればかなり細かい数字だけでない大きな影響をもたらすということは、もうだれも否定できないし、また、実際家計を預っている家庭の主婦の立場から言えば、もう政府の言うことなんかはでたらめだと、こういうことの方が正常な感覚だということになっておりますけれども、そうした問題をめぐって、いま挙げられました三つの問題だけでも足せば〇・九、ほぼ一%になると、こういう状況があります。今年度の三月末までに九・九%以下に抑えるということは私も物価特別委員会で福田副総理から何回も伺っておりますが、きょうはせっかくの連合審査でございまして、大蔵大臣から直接御意見を伺える機会でもありますので、初めに大蔵大臣から、大蔵大臣としてということもありますが、経済閣僚会議の一員としても、また主要な政府の指導者という立場からも、お伺いしたいと思います。 その前に、これは六月二十二日の「日経新聞」なんですけれども、ごらんになっていると思います。これは一面のトップ記事です。「物価一ケタ抑制揺らぐ」と、かなり大きな活字で出ております。「大蔵省が見直し論 米価まず〃震源〃の気配」と、こうなって、かなり詳しく出ていますけれども、大蔵省に見直し論が出ているのかどうかということも具体的な問題としてお尋ねしたいわけですけれども、形式的なことではなくて、本当にこうした形で公共料金がまず引き上げられていくということが物価一けたが揺らいでくるということは、もうだれもが痛感して、だれもがそれを否定してないというのがいま日本国民の常識だと思いますが、この点についての大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 大蔵省は見直しをやるような余裕はありません。鋭意目標達成のために努力をしなければならぬと考えております。
○山中郁子君 余裕がないので見直し論が出てきているのじゃないかとも考えられるのですけれども、たとえば「日経」の一面の記事にこれだけ大きな記事として出されておりまして、かなり具体的な中身でもって報道されているのですけれども、そうしますと、もう一度重ねてお伺いしますけれども、大蔵大臣としては、この記事は全く事実無根であると、こういうことですか。
○国務大臣(大平正芳君) 「日経新聞」の方にお問い合わせをいただきたいと思います。
○山中郁子君 いつもの問題ですけれども、「日経」だけではありません。これはいろいろな新聞で、そのつどそのつど、いま米価の問題でも、政府に言わせればまだきめてないと、考えてもいないと、こういうふうなことがある段階でも、米価二〇%、あるいは麦価が何%といって出るわけです。郵便料金も同じです。電信電話も同じです。そういうことを新聞が勝手に書くんだから勝手にしておいたらいいと新聞に聞きなさいと。私は、大蔵省の中にこういう見直し論が出ているということを新聞が伝えているから、大蔵省の中に本当にこういうものがあるんですかないんですかということを伺っているんです。責任をもって答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 毎日、よく山中先生も御案内のように、何々省首脳が語るとか、政府の首脳が言ったとか、何々省の意向によるとか、いろいろなことで新聞で大変多彩な記事が出ているんです。私もびっくりするんですよ。私ども、新聞にお願いするときにはきちんと申すわけです。われわれがいろいろ検討いたしました結果、こうなりまして、いついつこういたしますということは、新聞に申し上げていくわけでございますけれども、また根も葉もないことが出るわけなんで、全く私も途方に暮れるわけなんです。それを聞かれても、そういう私が存じないことに、また責任が持てないことに、答えようがないじゃないでしょうか。日本のマスコミというのはそれほどの自由を享受されておるので、ありがたい国だと思います。
○山中郁子君 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、それは私の方がびっくりしちゃうのですけれども、いままでこういうことがなされていて、必ずそのようになってきたんです。根も葉もないと言われるけれども、新聞がこう書きます。そうすると、そういうようになってくるんですよ。だから、みんなこうやって新聞を見て、ああ、また物価一けたというのは危ないのかと、こう思うわけですわね。それはいいです。そういうことですから、それはよく認識しておいていただきたいと思いますけれども、もう一つ再度申し上げますけれども、根も葉もないことだということなんですか。つまり、見直し論というのは大蔵省の中には全然いま出ていないと、こういうことですね。
○国務大臣(大平正芳君) 国会で私が責任をもって御答弁申し上げておるので、御信頼いただきたいと思います。
○山中郁子君 午前中の質疑の中に、今回の価格の引き上げが問題になっておりますたばこの喫煙人口ですか、そう、した点についての御質問もあり御答弁もありましたけれども、私はそれと同じような形で、お酒ですね、酒税で大きな影響が出るお酒の、愛飲者人口と言うのでしょうか、そうした数字についての把握があると思いますので、お知らせいただきたいというふうに思います。
○政府委員(星野孝俊君) ただいまのところ、そういう数字を把握いたしておりません。
○山中郁子君 それでは、ぜひ把握をしていただきたいと思います。それでまた、お調べの上御報告をお願いいたします。よろしいですか。——大体でよろしいですよ。
○政府委員(星野孝俊君) これは私の方で調べた数字ではございませんが、日本酒造組合中央会の方で四十八年八月に調査した数字でございますが、これによりますと、男子では六七・三%、女子で二二・六%という数字になっております。ただし、これは酒造組合中央会の方の数字でございます。
○山中郁子君 それで、経企庁の方にお伺いすることになると思いますが、今回の酒税の引き上げとたばこの価格の引き上げによりまして、消費者——というのは、つまりたばこの場合ならたばこ吸う人ですね、お酒の場合ならお酒を飲む人ですけれども、一人当たりの月の実際の支出増ですね、どのくらいに見込んでいらっしゃるかどうか、これもそう正確でなくても結構でございますから。
○政府委員(喜多村治雄君) ただいま手元にそのような資料を持ち合わせておりませんが、総理府家計調査によります四十九年の一月から十二月までの平均によります月支出でございますけれども、これはたばこにつきまして八百八十五円、それから酒類につきまして二千三十六円ということでございます。家計支出に占めます割合は、たばこ〇・七%、酒類一・五%ということになっております。
○山中郁子君 後でようございますので、今回の値上げがされた場合の実質的な支出増ですね、その数字をお伺いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(喜多村治雄君) 早速調べまして御報告いたします。
○山中郁子君 いずれにいたしましても、今回の酒税の引き上げ、たばこの価格の引き上げが国民の暮らしに大きな影響を及ぼすということは、その額が引き上げられることによる支出の増ということだけでなくて、それが波及効果をも含めて物価全体を押し上げるという上で物価鎮静化したことが定着したとは言えないと、これは福田副総理も先回の委員会で言われたわけですけれども、私どもは鎮静化したなどと言えない現状だと思っておりますが、いずれにしてもそれが定着したとは言えないと政府自身が言わざるを得ない状態のもとで大きな問題だということは御異論のないところだというふうに思います。そこで、私はそういう事態のもとにあって、なぜ酒税とかあるいはたばこを引き上げなければならないのか。これはまあ大変初歩的な言い方ですけれども、どうしても疑問が解決をいたしません。きょうは時間が限られておりますので酒税の問題にしぼって質問をいたしたいというふうに思っておりますので、なぜこの時期に、そして実際にも支出増ということになって国民の暮らしを苦しめる根源になるのに酒税を引き上げなければならないのか、その理由について明確に責任のある御答弁を大蔵大臣からお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(大平正芳君) 私ども政府の一翼を担って財政を担当いたしておるわけでございまして、税金を考える場合、歳出を考える場合も、国民の立場についてこれが幸せに通ずるという確信をもってやっておるわけでございまして、たばこを値上げする、あるいは酒の値上げをお願いするということは、直線的に申しますと、あなたが言われるとおりそれだけの国民の負担を伴うものでございますけれども、しかし、そうやることが究極におきまして国民の幸せに通ずるという確信をもってやっているわけでございます。 第一の理由は、たびたび申し上げておりまするように、従量税という性格を持った酒税でございますが、これは大部分が従量税でございますが、従価税と違いましてほかの物価が上がりましても据え置かれたままになる制度でございます。ここ七年間酒税が据え置かれておったわけでございまして、ほかの税は従価税、あれは所得がふえると税金がふえるという仕組みになっておるわけでございますけれども、酒税の場合はそうでないということで、ほかの税目との間にバランスを失ってきたわけでございます。言いかえれば、酒税は見えざる減税が行われてきておるわけでございまして、ほかの税目との間にバランスをとる必要を感じたわけでございます。若干の、千億ばかりのそこに増収を期待いたしておりますが、この増収は国庫の収入として有効に使われるわけでございまして、それなくんばほかに増収の道を考えなければならないはずのものでございまして、まずそういう性格のものであるということでございまして、第二は先ほどもたびたび申しましたように、この引き上げをこの際お願いすることにいたしたということは、ずいぶん長い間据え置かれておりましてほかの税目とのバランスを失墜してまいりましたわけでございますので、この際増徴をお願いするにいたしましてもこの場合の国民生活の実情をよく考えておかなけりゃならぬと存じまして、この値上げの幅につきましてはその点十分考えてまいったつもりでございまして、この前の引き上げのときと七年間の経過を見た中におきまして、国民の生活に対する圧迫はより少なくするような配慮を加えたつもりでございまして、私ども、国民を苦しめるために鋭意考えておるわけではないのでありまして、国民の幸せのために鋭意考えておるのであるということを御理解賜りたいと思います。
○山中郁子君 ほかの税目とのバランスを失しているのでバランスをとりたいというお話でしたけれども、具体的にどのような税目との間でのどのようなバランスが失しているのかということについて伺いたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) たとえば所得税におきましたら、所得が上昇いたしますればその上昇度合いをさらに上回ったところの税負担をしなければならないわけでございます。それから間接税につきましても、従量税と従価税がございます。従量税であれば、消費価格が上昇いたしましても税金は一定でございますけれども、従価税率をとっておりますれば、価格が上昇しましたならばそれに応じての税負担の上昇ということがあるわけでございます。具体的に申せば、間接税ではたとえば物品税などがそれでございます。それからなお酒税の中でも従価税をとっておる上等のお酒がございます。
○山中郁子君 私は初めに申し上げておきたいのですけれども、税収の収入の道がなくなってほかにどこに求めるのかというふうなお話がありましたけれども、これは幾らでもある。何回も私ども共産党はたとえば租税特別措置法による大企業に対する減免税の問題その他を申し上げてまいりました。十分もう大蔵大臣も私どもの主張についてはお聞き及びだというふうに思いますので、ここでそのことについて改めて繰り返しは申し上げません。しかし、いま御答弁がございましたけれども、一番比較しやすいのはやはり物品税だというふうに思います。それで、この物品税の場合、第二種物品税で見てみましても、これは私が議事録によって拝見するところによれば、衆議院の大蔵委員会などでも議論をされてはおります。しかし、やはりどうしても多くの国民が納得できないし、疑問だと思うわけなんですけれども、たとえば二、三例を申し上げますと、ルームクーラーが二〇%、大型冷蔵庫二〇%、ステレオ一五%、ピアノ一五%というふうなこういう数字になっています。現行の酒税をこうしたパーセンテージに直してみますと、これは大蔵委員会調査室の資料でございますけれども、「酒税法の一部を改正する法律案参考資料」として調査室からいただいてあるものですが、この十三ページと十二ページの表を見てみますと、たとえば清酒特級の場合、小売価格に対する酒税の負担率が三二・七%です。一級が二六・六%、ビールの場合は四一・九%、それからウイスキーの場合で特級が四〇・六%、一級で三二・六%と、こういうふうになっております。これは先ほど私が例として高い方のものとして申し上げましたけれども、二〇%とか一五%とか、こういうものより見ても格段に高い——現行でですよ、格段に高い酒税の税負担になっている。これは私は均衡を逸しているということは確かだと思います。逆な意味でバランスが失われているというふうに思います。酒税は高過ぎるというふうに思います。これも誤解のないように申し上げますけれども、私は物品税が安過ぎるということを申し上げているのではありません。私どもは、物品税は当面の問題としても半分ぐらいには減らすべきだと、こうした間接税ですね、そういう考え方を持っております。しかし、均衡の問題を言われるならば、いま申し上げましたように、均衡は確かに逸していて、酒税の方が高い現状になってはいないかと、こういうことを申し上げたいと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 物品税というのは、御案内のように、支那事変特別税としてできた法律です。それから漸次整備されて今日に至ったわけでございます。お酒の税金というのは明治時代からできた古い税金でございまして、もともと物品税なんかなかったんです。酒税というのは、いずれの国におきましても、いずれの時代からも、税源として長く培養されてきた財政商品であったわけでございまして、これはまた消費が一般に普及いたしておる関係上、非常に有力な財源として着目されてきたものであったわけでございます。バランスを言いますと、なかったものができるわけでございますから、二〇%であろうと、一五%であろうと、これは大変なバランスを逆に失墜するわけなんでございますので、後からできました物品税は酒税に比べてあるいは安いかもしれませんけれども、もともとこれはそういう淵源を異にする税目なんでございますので、若干次元が違うのじゃないかと私には考えられるわけでございます。
○山中郁子君 バランスが失われたということが根拠がないということがわかりました。つまり、問題はもともとお酒から税金を取るというためにお酒が生まれてきたからいまでもそうなんだと、こういうお話のようですけれども、私は何も酒税の歴史についてきょう勉強しに来たわけじゃないんで、実際問題としてなぜお酒から高い税金を取られなきゃいけないのか、これは多くの国民が疑問に思っているところですよ。いみじくもおっしゃったようにバランスがくずれたと、こう言われるけれども、バランスは一つもくずれていない。逆に酒税の方が高い。このことについての国民が納得し得る根拠がありますか。いま伺った限りでは何ら根拠はないわけなんですけれども、そのことについて根拠があればお示しいただきたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税といいますのは、先ほど大臣からのお話もございましたように、非常に淵源のあるものでございます。たばこもしかりでございます。酒税、あるいはそれを含んでおりますお酒の値段とか、たばこの価格というものは、安ければ安いほどいいというものではないというのが大体国際的な感覚のようでございます。したがいまして、その税金というのは、やはり国際的にも高いものであります。わが国の酒税も、国際的に比較をいたしまして、いささか高いかなと思われますのはビールでございます。 〔委員長退席、物価等対策特別委員長岡本悟君着席〕 ビールは、私はビールに対する諸外国におけるソフトドリンク的な考え方というのはまだわが国においては定着しないということを常々言っておりますが、そういうものを除きますれば、大体酒税の負担率というものは諸外国とも高いのでございます。それは何かといえば、酒というのは、税金を安くして幾らでも安いのがいいというのではないというのが国際的な物の考え方のようでございます。日本におきましても、酒税というのは古い時代からやはりある程度の税負担をしていただく、たばこについてもかなりの負担をしていただく、それが嗜好品というものだというふうに考えております。
○山中郁子君 ではお伺いしますけれども、ジュースとかコーヒーとかココアというのは、これは五%なんですよね、物品税が。同じようなものですね、お酒とか。いま言われました嗜好品というものだと、こうおっしゃるならば。ですから、私はそれは根拠にならないと、こういうふうに思います。その上での根拠をお示しいただきたい、なぜ酒税でそれを徴収しなければいけないのか。念のために申し上げますけれども、先ほど私が申し上げましたのは、現行の負担割合です。今回の酒税の引き上げが行われますと、清酒の特級で三五・一%、一級で二七・一%、ビール四二・一%、それから特級のウイスキーが四五・五%とまた上がります。それこそ一層均衡を失して酒税がどんどん高くなると、こういうふうな形になっておりますけれども、その点についてのもう一度明確な御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 私が先ほど申しましたのは、お酒とかたばこというものとジュースというものとは国民生活から見まして違っていいのではないかということから言っておるのでございます。ジュースと酒とを同じように国民生活の商品の中で考える方がいいのかということは、余り私は国際的にもまだ慣行としてもでき上がっていないのではないかというふうに考えております。それからお酒の中でそれでは四十三年といまとが一体どういう状態であるかということから今回の増税案をお願いしておるわけでございますけれども、たとえば一級清酒につきまして、昭和四十三年におきましては大体の値段が小売価格で八百三十円でございました。八百三十円の中で酒税は約三百十三円でございます。その負担率は三七・八%でございますけれども、その八百三十円でありました一級清酒というのは、今日千百八十円大体いたしております。昭和四十三年度の特級清酒は当時千百六十円でございましたから、そのときの感覚で申せば特級の値段を投じて一級のお酒を飲んでおるということでございます。われわれはその当時考えておりました特級の酒税の負担は四四%ぐらいお願いいたしておりましたけれども、今回増税をお願いしておりますのは、その当時の特級の小売値段ぐらいの一級を飲まれる方に四四%の当時の清酒特級の負担をお願いしようというものでもございません。あるいはまた、当時の清酒一級の負担率三七・八%まで回復をしようということまでもお願いをいたしておりません。先ほどお示しのように、今回増税をしていただきましても、せいぜいその負担率はそれだけで申せば約三割ぐらいになるということでございます。
○山中郁子君 私は安ければ安いほどいいから幾らでも安くしろというふうなことを申し上げているわけじゃないんです。初めに申し上げました、いまこの時期に物価問題がこうした重要な問題になって九・九%で抑えられるかどうかと言っているときに、いままで税負担の比率はうんと高かったんですよ、お酒は。そのために大衆収奪です。私は率直に言ってそうだと思います。そういうふうにして税金を吸い上げてきたお酒を、何もここでまた上げなくてもいいではないか。抑えることによってバランスはだんだんと均衡されていくことこそありますけれども、上げればよけい酒税の高さということは一層高いものになってくる。そうして、一方では、こういうお酒については、一番最初にお伺いしましたように、かなりの人たちがたばこと同じように嗜好品として毎日の生活の中で欠くことのできないものになっている、そういう現状があります。酒税を引き上げないという方向、つまりよって来る淵源があってというふうな考え方でもって酒税はどうしても税金の収入源として確保しなきゃいけないし、高くてもあたりまえだという考え方を、昔はどうであったかは別として、いまこの時期に変えていく必要があるというふうに私は考えますが、大蔵大臣にそのようなお考えはないでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(大平正芳君) 山中理論としてひとつ私も拝聴いたしましたが、そういう考え方はないわけじゃありません、現にあなたがそうおっしゃるんですから。主張されているんですから。ただ、私は、そういうことはいままでの沿革から申しましても、どうも政府としてはとりかねるということを申し上げておるわけでございます。 いまこういう物価が大事な時期だから遠慮しておくべきじゃないかということ、わからぬわけじゃございません。しかし、私に言わしますと、物価が大事だからと、大事であればこそこういう措置をとらしていただく。つまり、こういう措置をとってバランスをとって資源の配分をバランスのある姿においてやることが物価を安定さしていく基盤をつくることであって、特別なものが不当に安いという状態に置かれることは、資源の配分上決して私は賢明でないと思うのでありまして、そこはどうも山中理論と若干違うようでございますけれども、私はどうもあなたの言われることはわからぬわけじゃないけれども、賛成いたしかねるわけです。 それからまた、もう一つつけ加えさしていただきたいのは、政府の徴税機構というのは長く育ってきておるわけでございまして、また、それに応じた消費の慣行というもの、それから販売の仕組みというものは、税を担った姿において日本でもでき上がってきておるわけでございまして、したがって、こういう歴史的な産物、沿革というものはそれなりにわれわれの財産なんでございまして、酒の税金をちょうだいしない、ほかにじゃコーヒーを上げるかあるいはジュースを上げるかという問題をいま提出されてみても、それにはまたそれの徴税を可能にする地盤をずっとつくってまいらなければいかぬわけです。これはまた非常な努力が要るわけでございまして、いままでせっかく歴代の政府が培ってまいりました徴税の基盤というもの、それだけの人員と組織を擁して国民の理解に支えられてやってきておる仕組みの中で、徴税費をたんと使わないでいま一兆円を超える酒税がちょうだいできるということは、これは大変なことなんでございまして、新しく一兆円の財源をほかに求めるなんというのは容易なことではないと思うのでございまして、よくここまで問題を起こさずに一兆円の酒税を徴収することにやってくれた政府も御苦労であったろうというぐらいに言っていただきたいと思うのであります。
○山中郁子君 よくここまでおとなしくお酒を飲んだりたばこをのんだりして税金を払ってきた国民はばかみたいなものだというふうに思います。 伺いますけれども、いま不当に安いというふうにおっしゃいました。これは私は暴論だと思いますけれども一つはお酒がそんなに不当に安いというふうに政府は認識しておられるのかどうか、経企庁長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 政府の見解というわけじゃございませんけれども、私の率直な感じとしては、コーヒーが一杯二百円だというとき、あの大きな一びんが千五百円だ、千六百円だというのは、バランスからいいますとちょっと安いような感じがいたします。
○山中郁子君 先ほど大臣のお答えの中に若干私の言ったことが誤解されている向きがありましたので、もう一度繰り返し申し上げておきますけれども、私はコーヒーや何かの五%の物品税が安いから高くしろなどと申し上げているわけではありません。物品税はさらに減らすべきだ、そういうことで税負担を軽減すべきだということを申し上げているんです。それを前提としても、なおかつ、このお酒の税金は高過ぎるではないか、こういうことを申し上げました。 時間の関係もありますので先へ進みますけれども、今回の酒税の引き上げによりまして増収が見込まれている額ですね、これを清酒とそれからウイスキーとにそれぞれの見込み額をお願いしたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 五十年度に五月一日から実施ということで予定をいたしております酒税の増収額は千七十億円でございます。その中で私どもが見込んでおりますのは、清酒につきまして二百十億円、ビールにつきまして七百七十億円、ウイスキー類につきまして八十億円、その他十億円でございます。
○山中郁子君 清酒に比べましてウイスキーは大分少ないわけですけれども、この辺の中身についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) それはまさに今回増税をお願いいたしておりますのは、酒税の中で従量税率のもの、しかも高級のお酒についてだけということでございます。なぜそういうことになりましたかというのは、先ほども申しましたように、従価税率でございますれば、価格が上昇いたしますればそれにつれて税負担はふえてきておりますから、今回改正をお願いいたしておりますのは従量税率についてだけでございます。 ところで、清酒におきましてはほとんどが従量税率でございます。ごく一部特級の中でしかも上等のもので従価税率をとっているものがございますけれども、それは数量的に申せば〇・三%ぐらい、ごく微量でございます。それに引きかえましてウイスキー類——いわゆるウイスキーとブランデーが含まれますけれども、その大部分は今日従価税率の適用を受けております。たとえばウイスキーの特級におきましては約七五%、一級におきましては約五〇%、ブランデーの特級におきましては約九七%、ブランデー一級につきましては約九六%という状況でございます。したがいまして、今回の増税でお願いをいたしております収入見込み額の大部分は清酒、ビールということでございます。
○山中郁子君 そうしますと、今回の酒税の引き上げによって税負担の増加はお酒の中でも不均衡があって、強いて言うならば不公正があるのじゃないかというふうな印象を受けます。つまり、清酒の方がみんなぱっと上がって、洋酒の方は、この酒税の改正でですよ、上がる、つまり増税される分というのは相対的にはうんと少ないという、こういう現実だと思いますけれども、この辺の問題はどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(中橋敬次郎君) 従価税率をとっております酒類につきましては、価格が上昇するにつれまして逐次税負担は上がってきておるわけでございます。今回問題にいたしておりますのは、七年間価格は上昇しましたけれども、先ほど御説明しましたように税負担が上昇していないものについて言っておりますから、今回の増収額はウイスキー類について非常に少ないではないかということは、この七年間の価格の上昇がありましたものについてはそれ相応の酒税の増徴があったということでございます。
○山中郁子君 それはよく存じております。問題は、それではそもそもが従量税と従価税となぜ分けてあるのか、なぜ高い方は従価税になって安い方が従量税になっているのか、その辺の基本的な考え方をまずお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 間接税につきましても、いわゆる消費資金に対応いたしましてそれ相応の負担をしてもらうという意味から申せば、私は従価税率の方が適当であると思っております。しかし、間接税というのは非常に歴史が古うございまして、簡便性という観点から従量税をとっておるものがわが国においてもまた各国においてもかなりのものがございます。それをできれば従価税にとれば、そういう負担という観点から申せばよろしいのですけれども、やはりそういう執行面のむずかしさ、それからまた納税者としてもわかりやすいということから、今日もなお従量税制度をとっておるわけでございます。お酒につきましても、実はかなり従価税制度をとるべきではないかという意見がございます。私も、たとえば特級、一級、二級という級税課税を行っております、特に清酒でございますけれども、その級別のイメージというのが消費にかなり影響をしておるのではないか、あるいは味の展開というのが十分できないのではないか、価格の展開が不十分ではないかというような難点がございます。 〔委員長代理岡本悟君退席、委員長着席〕 しかし、そういう従量税の難点あるいは従価税の長所というのがまた逆には従量税の長所、従価税の難点となるわけでございまして、一番問題は、今日お願いをいたしておりますように、価格の上昇に伴って税負担が上昇しないというところが、従価税制度としますればなるべくはその負担が固定しておるということから言いまして、また望ましいという意見を持つ人もあるわけでございます。その辺の観点から言いまして、まだまだいわゆる一般的な消費、特に高級的でない酒類というものにつきましては、今日のわが酒税法の中においても従量税をとり、それからまたかなり値段が高くて従量税制度のもとにおいてはその負担が不均衡であるという上等のお酒につきましては、ある価格帯を設けまして、それを超えるものについては従価税制度をとっておるのでございます。
○山中郁子君 私が申し上げたいのは、先ほどから大蔵大臣のお話がありましたように、今回の酒税の引き上げはどうしてもそれだけ国の財源が要るんだと、要るから酒税を引き上げてそしてその財源を確保しなきゃならぬのだと、これが一つの大きな理由になっています。そうしますと、その結果生み出される増収額を見てみますと、ほとんどが清酒やビール、そしてウイスキー類のその従価税の部分からの増収は、結果的には従価税はいじらないわけですから見込まれないと、こういう形になりますね。相対的に従量税の部分、つまりお話がありました安い部分ですね、安い部分についての増収でもって必要な税財源を賄うという、こういう結果になってきている。これはかなり不公正な中身になるのではないかと、こういうふうに指摘を申し上げているわけですけれども、大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) いま主税局長からもお答え申し上げましたように、従価税の部分につきましては年々歳々価格が上がるに従って税金も比例して上がってきておるわけでございまして、税率が上がらなくても税収が上がってきておるわけでございますが、従量税はそうはなっていない。今度七年間据え置いておったのを改めさしていただくということでございますので、先生のおっしゃる筋道でないと私は思います。
○山中郁子君 そうではないんです。従価税はもともと価格が上がれば上がるというそういう仕組みになっているんですね。それはそうした高い部分から高級品から税金を取ると、そういう考え方でもともとできているわけですよ。だから、スタートラインは一緒なんです、従量税と従価税と。そういう形で最高限度額を設けて二本立てになっているという、こういう酒税のあり方が現実に前提としてあるわけでしょう。これについて意見がいろいろあるかもしれませんけれども、その意見は横に置いて、私も持っておりますけれども、いまそのことに触れるのではないんです。いわゆる酒税の体系がそうなっているこのときですね、この時期にどうしても酒税からこれだけのお金を財源が取りたいと、こういうのが政府のお考えで、それで酒税の引き上げを考えられたわけでしょう。そうした場合に、結果的にその増額分というのはほとんど全部従量税ですね、従量税だけにかかってきている。つまり安い品物ですね、安い品物だけにかかってきているというところは不公正ではないか、結果的に不公正を生み出しているのではないか、こういうことを申し上げているわけです。
○国務大臣(大平正芳君) 前の改正の時期に従量税と従価税の部分がこれだけの格差であったと、今度大きな格差に結果的になっておると、これをもとの格差に近い状態に調整さしていただくということにすぎないわけです。
○山中郁子君 それは議論が平行線をたどるというふうに思いますので先へ進みますけれども、私がいまそういうふうに指摘いたしましたのは、清酒業界というのは圧倒的多数が中小企業者です。そして、洋酒業界というのは御存じのように大企業です。というふうに大まかに分けられますね。そうした場合に、この酒税の引き上げをもっても、業界側に対しても大きく言って大企業を庇護して、そして中小の清酒業者を苦しめるという原因にもなるし、また、消費者側から言っても、高い高級なブランデーやウイスキーを飲む人よりも、ビールだとかそれからお酒だとか安いウイスキーを飲む、そういう人の方に税収がかかってくる。こういう改定の内容は非常に不公正ではないか、こういうことをいま私は申し上げているわけです。 それで、その問題に関連をいたしますけれども、現在清酒業界の大手メーカー、それから中小ですね、それの比率は大体どのくらいかということと、同じく洋酒業界についての実態についてお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(星野孝俊君) 洋酒業界の方はちょっとただいま調べさせていただいて後ほどすぐお答え申し上げることにしまして、清酒業界について申し上げますと、約三千以上の業者がございますけれども、そのうちの九九・六%までが中小企業でございます。
○山中郁子君 そうしますと、ほとんどの清酒業者が中小企業だということになると思います。それでその清酒業界が非常なピンチになっているということももうすでにいろいろ議論があったところですけれども、一つは、いま洋酒の方について把握していらっしゃらないということなんですけれども、洋酒の方は主としてサントリーを頂点にほとんどもう数えるほどのメーカーしかないという実態であることは御存じだと思いますけれども、このサントリーの各品目別のシェアについてお知らせをいただきたいというふうに思います。全部でなくて結構です。特級と一級と二級のウイスキーぐらいで結構ですから。
○政府委員(星野孝俊君) 先ほどのウイスキーのシェアでございますが、これは四十九年度の数字でございますが、国産のウイスキーメーカー全体を一〇〇としました場合のサントリーのシェアが六九・三%、ニッカが二二%、三楽オーシャンが約五%でございます。ただし、これは国産メーカーだけでございまして、これ以外にウイスキー全体としては約一〇%近い輸入洋酒のシェアがございます。 なお、サントリーのウイスキーごとのシェアは、私どもの方では把握しておりません。ただ、ビールの場合につきましては、ビール業界全体に占めるサントリーのシェアは約四・八%でございます。
○山中郁子君 ビールの場合のキリンと同じような事態が洋酒の場合のサントリーということで間違いなく言えるというふうに思います。それで、先ほどからずっと私が質問しておりましたように、洋酒の高い部分が庇護をされているということと関連をするのですけれども、サントリーがシェアをかなり寡占状態で持っています。そして、その上で非常に多額な宣伝費をかけて私ども毎日毎日テレビでいやというほどサントリーの宣伝を見せられているわけですけれども、そうした営業状態でなおかつ高いウイスキーをつくって国民がそれを飲まされているという実態があります。私は結論的に言ってこれは非常に高過ぎるのじゃないかと、こういうふうに思っておりますけれども、実際の数字をいま申し上げますと、たとえば広告宣伝費ですね、これは四十八年三月期決算によりますと、売り上げの四・四%で八十二億円という莫大なお金をかけて宣伝をしています。これはビールの場合のキリンと比較してみますと、キリンの場合は〇・七%の宣伝費ということが出ておりますけれども、これに比べても異常に高い宣伝費だというふうに考えます。で、その宣伝費が高過ぎるという問題と、それから宣伝の内容ですね、内容について非常に問題点があると思いますので、この二つの点について公取委員会の方からの御所見をお伺いしたいというふうに思います。あわせて、宣伝というものの基本的な考え方、つまり宣伝というのは何を宣伝するということによっていわゆる売るということの道具にしてよろしいと考えているのですね。誤大宣伝だとか、虚偽の宣伝だとか、そういうことが言われておりますけれども、そこの柱は何なのかということも含めてお答えいただきたいというふうに思います。
○政府委員(後藤英輔君) ウイスキーの業界でもってサントリーのシェアが非常に高い、それからビールの業界でキリンのシェアが非常に高い、その際にサントリーの広告費がビールにおけるキリンよりも非常に高いということでございますけれども、これはやはり商品のそれぞれの性質等によりまして、たとえばウイスキーなどの場合においては、近年非常に伸びてきた商品であるというようなことから、サントリーが特に高いのか、あるいはウイスキー業者の全体の広告費率が売り上げの中における比率が高いのか、そこらのところを十分に検討いたしませんことには、必ずしもビールにおけるキリンとの比較ということも一概にはできないかとも思っております。 広告におきましては、他の商品あるいは競争業者のものというようなものと比べて自分の売ろうとしている商品がいかにいいのであるかとかあるいは安いのであるかというようなことについて消費者が商品選択をする重要な事項につきまして消費者の商品選択に資するような資料を提供するということは、これは大事なことであろうかと思います。消費者に商品を、どんなにいい品物をつくって売ろうとする場合でありましても、これをたとえば広告宣伝によらないで、もしも従業員、販売員等の数をふやすことにして売ろうといたしました場合なんかにつきましては、これは相当に高い費用がかかります。広告宣伝というのは、そういう場合において非常に効果的な商品選択の情報というものを消費者に提供することができるという意味におきまして、これはやはり競争市場における機能といたしましては非常に重要なものであろうかと思います。 ただ、その内容が、その際に消費者に誤認を与えるようなことでもって、消費者にいかにもいい品物であるかのように言っているけれども実際にはそれほどのりっぱな商品ではない、あるいは非常に安いように言っているけれどもそれはそれほど安いものでは実際にはないというようなこと、これは往々にして消費者の商品知識等のまだ十分でないというようなことから起こりやすいことでございます。したがって、それにつきましては、私どもの方では不当景品類及び不当表示防止法という法律でもって、一般消費者を誤認させるような、つまり、優良誤認であるとか、あるいはまた非常に安価であるというような誤認をさせるような表示は、これは不当表示であるということで取り締まりをすると、そういうようなことによりまして、広告の持っている本来の機能というものが正しく発揮されるようにというふうに私どもの方の行政でも指導しておるところでございます。
○山中郁子君 一般的なお答えがあったのですけれども、まあ「ビールだビールだサントリー」というあれだけのを何回見せられても、いま公取からお話があったように、その中身がどのように他社製品に比べて優秀であって、そして消費者が選択できる材料を提供してくれるかといえば、全くそれはないと言わざるを得ないと思います。いわゆるイメージアップ広告ですよね。イメージアップ宣伝です。私は、そうしたものについての消費者に誤認を与える、消費者にまあきつい言葉で言えばだまして売って、買わせて、そして高いお酒を飲ませていると、こういう実態で、そしてシェアを独占して、価格のプライスリーダーになっている、こういういまの、たとえば具体的に洋酒業界で言えばサントリー、こういう実態をやはり具体的な事実に照らして政府として公取としてもメスを入れていく必要があるのではないかというふうに考えます。それで、こうした莫大な広告費が原価に結局入ってきて、それが価格にはね返ってきているという実態があるのですけれども、洋酒のウイスキーの原価というのは一体どのくらいなのかということについてお伺いしたいというふうに思います。どこか一つの銘柄のあれをとっていただいて結構ですけれども。
○政府委員(星野孝俊君) 個々の企業の原価につきましては、これは企業秘密になっておりますのでお許しをいただきたいと思うのでございますが、ただ、有価証券報告書等が提出されておりますので、それである程度試算するという方法はないではございませんけれども、ただし、その場合には、必ずしも正確な数字を期待するというわけにはまいらぬかと思います。
○山中郁子君 原価が企業秘密になっているということについて意見を持っておりますが、いまはそれでは具体的に清酒について参議院の大蔵委員会に提出をされました資料に見合う程度のもので結構ですので、その辺についての洋酒の原価についてお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(星野孝俊君) 清酒の場合は、実は全国で三千軒以上の業者がございますわけで、そこで、御要望によりまして、ある程度上位クラスと中間クラスとそれから小規模のクラスと、こういうふうに例をとりまして資料を御提出したわけでございますが、ウイスキーの場合には大手メーカーが二社しかございませんので、そういう形での原価資料というものが非常に提出しにくいという事情を御了解いただきたいと思います。
○山中郁子君 二社であろうと三社であろうと、私は、清酒の場合にこうやって提出しているのですから、特別に洋酒だけを提出しないという理由は何らないというふうに思います。それこそ企業を庇護するものだというふうに思いますけれども、この点についてはいかがですか、大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(星野孝俊君) やはり個々の企業の秘密であります原価を公表するということにつきましては問題もあろうかと思いますので、何分の御了承を願いたいと思います。
○山中郁子君 それでは、先ほど問題にいたしました広告宣伝費ですけれども、これはやはり一定の適正な値段に引き下げるという行政指導を行うべきだというふうに思います。そして、それと同時に、これが全部損金算入になっておりまして価格にはね返ってきているわけですけれども、これはやっぱり一定限度は益金として課税をするし、また、原価にはね返る部分を少なくしていくべきだ、この広告宣伝の中身に照らしてですね。そしてまた、同時に、洋酒業界に例が見られますように、これが大きな価格のはね上がりに響いているというそういう実態を見ても、そのような措置をとるべきだというふうに考えておりますけれども、見解を承りたいというふうに思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) 広告費に対して何らかの課税措置を講じてはどうかということは、古くして新しい問題でございます。もちろん、私どもも常日ごろ研究をいたしておりますし、今回のような税収が非常に不足するような事態ということになりまして各般の新しい税収確保の道を勉強いたします際には、もちろんその一つとして検討項目と考えております。 ただ、問題は、広告に対する課税というものはやはり現在やっております交際費に対する課税と並んで言われておりますが、一面、交際費に対する課税は、累次の課税の措置の引き上げにもかかわりませず、交際費というものは年々伸びてきております。したがいまして、いまおっしゃいますように、広告費というものを何らかの税金の特別措置によりまして抑制するという効果は実は私は余り期待できないのではないかということを交際費の動きから考えるわけでございます。むしろ、それは、一つには広告費支出企業についての負担を重からしめる。したがいまして、山中委員のおっしゃいますように、それによってコストを下げ価格を下げるという効果は余り期待できないのではないかというふうに思っております。ただ、問題は、広告というものについても交際費と同じような課税措置というものが可能かどうか、必要かどうかということは、なお私どもの検討課題でございます。
○山中郁子君 古くて新しい問題だというふうにおっしゃったところを見ると、大分前から議論になっているのじゃないかというふうに思いますけれども、どうなんですか、私も全部これを益金に入れろというふうに言っているわけじゃないんですよね。全部損金からはずせと言っているわけじゃないのですけれども、やはりしかるべき一定の限度をもってそのような措置を講ずる検討をすべきではないかというふうに言っているのですけれども、その点については、検討していますということでなくて、そういう方向は考えつつ検討しているということなのかどうか、もうちょった詰めたところの御返答をいただきたいというふうに思います。
○政府委員(中橋敬次郎君) もちろんそういうことはかねがね両院の大蔵委員会についても毎年御議論がございまして、その課税方法につきましても、たとえば現在のような交際費課税のように、支出企業におきましていまお示しのような方法も可能でございますし、広告費を扱っておりますエージェントの方で課税する方法も可能でございます。ただ、問題は、交際費は実は課税が昭和二十九年当時から行われておりましたのは、一つには、交際費によりましていわば受益をする個人の側において何ら課税が行われないいわゆる社用消費ということが非常に社会的にも問題になった経緯がございますけれども、広告費についてはそのようなことはございません。支出しました企業では損金になりますけれども、受け取りました企業ではこれは当然益金に課税されるわけでございまするから、そういった面での難点はございません。そういう点もございますし、課税方法としても私が申しましたような二つの方法、あるいはどの程度が一体、先ほど公取からもお話がございましたように、通常の企業として、あるいは新規開拓を目指す企業として交際費というのが許容されるかどうかというような基準も非常にむずかしい問題をはらんでおります。
○山中郁子君 原価についても申し上げられないというお話で、幾つもの問題をめぐってやはり大企業、大手メーカーの擁護という姿勢がうかがわれるのですけれども、私は、国立醸造試験所の示す計算方法によりますと、たとえばウイスキーの原価問題をちょっと端的に御参考までに私どもが考えるその試験所の示す計算方法によって出したことを御紹介いたしますと、ウイスキーの中身は、原酒とそれから飲料アルコール、それから香料とか着色料とか調味料とか、まあ問題になっている部分もありますけれども、それに水を加えると、こういうことですよね。そうして、そういうもので考えて、本当の原料費ですね、原材料費——びんやなんかも全部抜かして原材料費で考えると、たとえばサントリーのオールドなんかでも、せいぜい二百円程度になるんですね。この国立醸造試験所の計算方法を示して、それで原酒の価格だとかそうしたものに全部スライドさせていきますとね。二百円、せいぜいそのぐらいのものなんですね。それが実際に市販されているのは、いまオールドは二千二百円ですか、というふうにものすごい高いお金になってきて、その中には宣伝費だ何だっていろいろなものが一ぱい入っていると、一体原価はどうなんだろうかというのが国民の大きな疑惑です。そこへもってきて、いままたさらに酒税を引き上げるという問題が起こってきております。オールドは従価税の部分であるということも承知をしておりますけれども、一般論として酒税を上げるということでお酒の値段が上がると、こういう事態になってきています。それで、私は、どうしてもこういういまの示された政府の姿勢ですと、政府は企業の利益というものは守るけれども、その企業によって高いものを買わされて疑問を感じたり生活上の苦しみを味わっている国民の立場にはなかなかよう立ってくれないということは改めて言わざるを得ないというふうに思います。 それで、ここに一つちょっと私参考までに例に取り上げたいと思って持ってきたのですけれども、これはある経済雑誌です。その中に東洋経済の記者がこのように書いているんですね。サントリーの問題を挙げているのですけれども、「サントリーが政府に圧力をかけて、スコッチの差別政策に何らかの新しい手を打つのではないか」ということをイギリスで危惧しているというわけです、イギリスの業界で。それで「かねて、国内では「サントリーは、国税庁の出先機関、いや酒税政策については、国税庁そのものである」というやっかみがあるが、このウワサも、どうやら国際的になったものである。」と、このように書いておられます。これは一経済記者の方が書かれたことではありますけれども、つまりそんなようなことさえ言われているようなそういう疑惑を持たれるという、そういう姿勢というものは私はどうしても払拭していただかなければならないというふうに考えます。とりわけこの物価高のときに酒税を引き上げるということで重要な問題になっている時期です。重ねて大蔵大臣の御所見と、それから物価全体の問題に関して、初めに伺いませんでしたので、最後に福田長官の御意見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 酒税は、もちろん酒造業者は徴税者でございまして、担税者は国民なんでございまして、国民の立場に立ちまして税制を考えていかなければならぬわけでございます。酒類製造業者あるいは販売業者の行政でございますが、これはわれわれが国の立場におきまして厳正な立場に立ってやらなければならぬことは、仰せのとおりでございます。
○国務大臣(福田赳夫君) 酒の増税は、五十年度の予算編成に当たりまして政府が決定をいたしたものでございますが、この決定に当たりましては、五十年度におきまして福祉政策を大いに進めなければならない、文教政策またしかり、そういう歳出要因が非常に多いわけです。他方、わずかではありますが、物価が上昇したそれに対する所得税の減税も行いたいと、こういうような主張もある。そこへ公債の発行、これが二兆円を上回るというような状態、これをどうしても避けたいと、こういうような事情もあり、いろいろ物価政策との調整をどうするかということを相談したわけですが、この際は、たばこのほか、酒、郵便料金、こういうものはひとつ上げようと。特に酒税につきましては、先ほどからるる政府側から説明しておりますが、これは従価税の部門はずっと価格の上昇との調整ができてまいりましたが、従量税部門ですね、これは従価税の税とはなはだ不均衡な状態になってきた。これをこの際是正しようということに相なるわけなんで、全体の経済をどういうふうに進めていくか、そういう中において財政をまたいかにするか、そういうようなことで種々検討をいたしましたが、酒の増税、またたばこの値上げ、またさらに郵便料金の引き上げ、これはやむを得ないと、こういう結論に到達したわけであります。
○政府委員(喜多村治雄君) おくれまして申しわけございません。 先ほどお答えいたしました一カ月のお酒二千三十六円と申し上げましたものがほぼ八十円ぐらい、それからたばこ八百八十五円と申し上げましたものがほぼ六十円。ただし、たばこにつきましては、これは総理府統計局の統計の中にございますたばこというところでございますから、たとえば小遣い費でありますとかそういうところに入っているものは含まれておりません。
○山中郁子君 ありがとうございました。
○中村利次君 インフレの問題が国民の当面する大変重要な問題であって、政治の何物にも優先する重大課題であるというのは、これはもう福田副総理もたびたび国会の答弁を通じてお伺いをしてきたのですけれども、去年の三月に比べてことしの三月の消費者物価は一四%におさまった。これはいろいろな要因がございましょうけれども、鎮静の傾向にあるということは、これは非常に結構な話だと思います。来年の三月には一けたにしようというのが大きなやっぱり政治課題だ。加えて、これは政治的に何にも優先する政治課題というのは、インフレと同時に不況をどう克服するかという不況の問題ですね。これがこのままの状態で進みますと、日本の福祉も文化国家の建設もおかしくなるというのは、これはもう政府だけじゃなくて、すべての一致する見方じゃないかと思うのです。ところが、不況対策というのはインフレ要因を兼ね備えておるわけでありますから、したがって、こういうきわめて重要な課題を同時に解決するという時期に、たとえば民間の製品価格、公共料金等、そういうものについても政府は今後強力な行政指導をやって値上げを極力抑えていこうと、こういうことをこれもしばしば国会答弁等でお聞きをしておるわけでありますけれども、そういうときに、国有国営の専売益金あるいは酒税法を改正して値上げをしようというのは、その看板そのものには私は決してすべてが間違っているということは言えないものがあると思いますが、とにかく異常な時期である、何物にも優先する政治課題を抱えておるときに、どうもやっぱりこの酒とたばこの値上げというものは単純な短絡だという印象はぬぐい切れないと思うのですが、そういう点についての副総理と大蔵大臣の御見解をまず承りたいと思うのです。
○国務大臣(福田赳夫君) 中村さんのいまの御所見は、私もよくわかります。しかし、国の経営というものは、一面だけじゃないんです。多面的ないろいろな側面を持っておるわけで、いまお話しのように、物価を安定させなきゃならぬ、それだけが課題でありますれば、これはもうそうむずかしい問題じゃございません。また、景気をよくすること、これだけが課題であると、こういうならば、これも本当にもうそうむずかしい問題じゃないんです。景気も考えなけりゃならぬ、物価も考えなけりゃならぬ。そこへもっていって、国の財政ということも考えなけりゃならぬ。そういういろいろな側面があるものですから、それを同時に達成しなけりゃならぬというところにむずかしさがあるわけでありまして、それらいろいろな要因がまた相矛盾するような性格も持っておるところがあるんです。それを統合していかなけりゃならぬ。いわば綱渡りみたいなことになりますが、何とかしてその綱渡りの綱を渡り切らなけりゃならぬ。そこにむずかしさがあるわけなんで、お話しのように、非常に物価のむずかしいとき公共料金を引き上げる。しかし、引き上げないでおいたら一体どうなるかということもまた考えなけりゃならぬ。もう五十年度限りの日本国じゃございませんから、そういうことを考えながら、あれやこれや苦心惨たんをしておる。何とかして物価もまた景気も財政もみんな調和をとってひとつこの危局を脱出しなきゃならぬと、そういうふうに考えております。
○国務大臣(大平正芳君) 物価を安定させなけりゃならぬいまは非常に大事な時期であるということで、そのためには公共料金というようなものは凍結していくのが当然のことではないか、それがやり切らぬようでどうするんだという意味の御質問かと思いますけれども、第一、しかく物価政策は私は簡単じゃないと思うんです。公共料金にせよ何にせよ、本来は、きょうの御質疑の冒頭にもありましたように、正当な価格形成が行われて、そしてこの価格経済の中で安定した立場をとることができればいいわけでございますが、それを抑え込んでおきますと、やがてこれが爆発的に是正を要求してくるときは非常に世の中は迷惑するわけでございますし、今日の国民が後世に負担を残すわけでございますから、決してわれわれの名誉とも言えないわけなんで、本来そのことがそういうことなくて、公共料金であれ何であれ合理的に形成されて価格経済が営まれるという姿が私はノーマルな経済だと思うのであります。しかし、中村さんが言われるような趣旨におきまして、いま非常な時局だから公共料金も抑制してしかるべきじゃないかということが理解できないわけじゃないのでございます。できるだけそういう方向で協力はしなけりゃならぬと思っておりますけれども、いま福田さんも言われましたように、こういうときに国の行政を支えて経済を支えてまいる財政がしっかりしておかなけりゃならぬと思うのでございまして、まあ何でも公共料金を抑えますと、結局財政が後でしりをふかなけりゃならぬわけなんでございまして、財政は心配ないのでありましたら、私はもう気前よくやりますよ。やりますけれども、財政はよたよたで、それで福祉だ何だ言ったってそんなものができるはずはないので、やっぱり財政はちゃんとした健全財政を堅持しておかぬといけないのじゃないかと思うのであります。しかし、国民も、また与党も野党も、公共料金を抑えたら物価が静まるんだから、ほかの要求はみんな一応たな上げするから公共料金の歯どめだけおまえやれと、そういうことが国論でコンセンサスが得られればまた話は別だと思うんですよ。ところが、そういうことにはならないで、それもやれこれもやれこれもやれというわけでみんな財政に負担をかけていくなんていうことでは、大蔵大臣として了承するわけにいかないのでありまして、その点は私はやっぱり限度があるのじゃないかと思います。財政の健全化を維持しながらできるだけ物価政策にも協力していかにゃいかぬといういまのスタンスは堅持したいと思っております。
○中村利次君 いや、私は、経済の原則を無視したことをやれとか、あるいは財政のつじつまの合わないことを何でもかんでも要求したりやれと言ったりそういうつもりではないんです。いろいろな国会答弁等を通じて、たとえばたばこにしても、専売益金は外国の場合には七〇%程度、日本の場合には六〇%程度を維持してきたんだが、そいつが四六%程度になるので五七%程度に引き上げたい。一般論として私はそいつを否定するつもりはありませんよ。やっぱりこの現状の認識をどうするか。確かに、財政上のつじつま、数字は合うことは承知していますよ。しかしながら、いずれにしても大変な歳入欠陥等を含めて財源の多様化を求めていかなきゃならないというのは、私はこれは大蔵当局の重大な課題だと思うんですよ。同時に、また、片面では、先ほどから申し上げておりますし、また両大臣の御答弁にもございましたように、とにかくインフレと不況を同時に克服していかなければならないという大変困難にしてしかし達成しなきゃならない重要課題があるわけですから、そういう立場から見ますと、経済原則を無視しなさい、あるいは財政なんか知ったこっちゃないという、そういう議論ではなくて——これは知っていますよ。東京都にしても、かっこいいことばっかりやったって、水道料金なんかだってびっくりするような倍率でことしの都議会には値上げを上程をしなきゃならないというひずみが来ているわけですから、ですから、私どもが言っているのは、そういうことではなくて、不況とインフレのめどがつくまではこれは何とかがまんをしたらどうですかと。民間料金と違って、政府が責任を持って不況とインフレに対策を講ずる、効果をあらしめなければならぬ。酒税にしても専売益金にしても、こういうものとは絡みがあるでしょう。歳入欠陥の絡みもある。大きな政治課題なんですよ、これは。ですから、そういう意味で私は申し上げておるのでして、平常段階でこうしなさいああしなさいということとは違うんです。これはいやそうすると言って両案を撤回されるわけにはいかぬでしょうけれども、しかし、たとえば電話料金にしろ、塩なんかにしても、やっぱり政治をやられたんだ。政治を政府がやられたのですから、それを国民は求めているのですから、どうも国民の認識、印象からすると、これは数字は合っても、酒、たばこの値上げについては前段の理屈を全部否定するものじゃありません。こういう異常状態の中で国民が求めておるのは数字ではなくて政治であるという立場に立てば、何らかやっぱり手法はなかったかということを求めるのは無理ではないと思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 中村さんのおっしゃることはよくわかるんですよ。わかるのでありますが、物価政策ということだけが当面問題だと、あるいは不況対策だけが問題だということになりますれば、相当割り切った考え方もできるわけです。公共料金は全部据え置きだと言えば、何も九・九%一けたぎりぎりというようなそのことを言わぬで、七%台だ、八%台だと、こう言えるわけなんです。しかし、私は常々申し上げているのですが、いまの日本の経済、これは一昨年のあの石油ショックで大変な打撃を受けて、これはまあ三年ぐらい平常化するのにはかかると、こういうふうに申し上げておるわけなんで、まあ早速物価あたりはいま申し上げたとおり七%、八%というところまでことしは持っていきたい。持っていきたいが、しかし、物価だけを考えておるわけにいかぬものですから、そこで九・九というぎりぎりの目標にならざるを得ない。郵便料金、あるいはたばこの販売価格、酒の税、これを据え置きということになったら、これはまた後にずっとむずかしい問題が、いま処置されずに残っておる電信電話の料金の問題だとか、国鉄の料金の問題でありますとか、あるいは塩の問題でありますとか、そういうものと一緒になってやってくるんです。これの処置もなかなかむずかしい。そういうことを考えると、公共料金で調整されていない問題を少し年限をかけて解決していかなきゃならぬ。さしあたりことしは郵便料金だとか酒でありますとか、あるいはたばこの価格でありますとか、そういうことだけを解決しておこうと。まあよほどこれは苦心に苦心をしておる。お気持ちはよくわかりまするけれども どうもお話のような具体的な問題になりますると、そういうそのうまいわけにもいかぬ、かような考えでございます。
○中村利次君 どうも、かみ合ってみたり、離れてみたり、何かしっくりしないのですけれども、私は、だから政治を国民は求めていると思うんですよ。不況、インフレ、非常にむずかしい相反する課題を同時に解決をしなきゃいけない。これは数字合わせでしたら、まあ失礼ですけれども、政府が苦労されているのに失礼かもしれませんが、これはそれほど苦労しなくてもできる。しかし、やっぱり政治をやられた、一部に。それからいまの物価の鎮静傾向にあるという——これは角度を変えまして、という点につきましては、いまの産業活動なんというのは冷えに冷え切っちゃって、このままの状態でいきますと私はこれは回復できるのかできないのか、非常に憂うべき状態にあると思いますよ。そうしますと、いまの物価鎮静の傾向というのは、政府がいままで答弁の中でその理由をいろいろおっしゃいましたけれども、そういう要因もあるにしても、やっぱりこの激しい不況による需要の減退、それから上げたいけれども上げるとかえってそいつがデメリットが激し過ぎるという、そういうものがあると思うんですよ。こういう認識を政府はどういうぐあいにおやりになっておるのか、そこら辺と、国で何とかなる公共料金の値上げと、やっぱり私は絡んでくると思うのですがね。ですから、この絡みが一つ。 それからもう一面では、インフレマインドということが言われますけれども、政府の公共料金を上げますと、インフレマインドをあおることにもなるし、それから便乗を含んで必ずこれは物価高に通じます。たとえばビールが酒税が上がることによって十五円ぐらいのあれが上がりますと、必ずこれは便乗を含んで、大体飲み屋の勘定は上がってきますからね。ちょうど消費者米価を上げたら、うどん、そば、パンまで上がると、こういう因果関係を持っているのですから、総理府の調査あたりで、たとえば酒税の改正によって、都市勤労者の生計費の中での酒類の率は一%である、それを二二%程度上げてみたってそれは幾らでもないんだという計算は成り立たない。これはもう単純計算はそういう計算になるかもしれませんが、そこに国民はやっぱり数字のごまかしを感じ、大変な政治不信につながっていく。何か政治で国民の期待するものをかなえてほしいという、こういうものは非常に強くあると思うのです。時間がないものですからよけいなことをくどくど申し上げましたが、いかがでしょう、そういう点についての政治的配慮を求める声は。
○国務大臣(福田赳夫君) いま国民が一番求めておりますのは、やっぱり物価を早く鎮静させろ、同時に、景気につきましても活を入れるようにしろと、こういうことだろうと思うのです。まさに政府はそういう認識をもって両方のことをやっているんですよ。つまり、両方の目的が到達されるようなという対策をやっておるわけなんです。経済が死滅しちゃってそれでいいものじゃありません。さようなことも考えまして、物価政策との調整は非常にむずかしゅうございますけれども、景気対策もやると、こういうようなことで、政治というものを国民の多くの人が待望すると、そういうこともまた一つの大きな要素として考えてやらなけりゃならぬが、何も政治がないというようなお話ですが、非常に大きな政治を実現するためにいま取り組んでおる。御意見を交えての御質問に対しましてはさようにお答え申し上げます。
○中村利次君 これはなかなかかみ合いませんね。またいずれ機会を改めて……。 ところで、酒税法の改定を当て込んでいるのでしょうけれども、あれは何というんですか、ビールのギフト券、贈答券というんですか、ああいうものが国民の利用が相当なもののようですけれども、いまあれは小売店で発行していませんよね。これは公取あるいは政府なんかで御存じかどうか知りませんけれども、これはやっぱり酒税法、酒の値上げ、ビールの値上げに絡んで先取りをするというのだが、まことにもって国民にとっては迷惑千万な現象だ。たまたま私はそういうことを聞いたものですから、あっちこっちの小売店に問い合わせてもらったところが、どこでも売っていないというんですね。もしそういうものを発行しているところがあると例外だと思うのですが、これはどうでしょう、公取は、独禁法三条に抵触するのかしないのか、あるいは公取の立場から独禁法抵触の疑いがないのか、あるいは何かそういう事実を御存じになっておるのか、何か対応策がおありか、お伺いをしたい。
○説明員(吉野秀雄君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のとおり、現在各ビールメーカーは贈答券を発行していないという事実は承知しております。ただ、この事実が独占禁止法の第三条でいうところの不当な取引制限に該当するかどうかという点につきましては、まずこの事実が各ビールメーカーの共同行為に基づくものであるという事実を認定しなければなりません。ところが、現在のところ、そういった情報を得ておりませんけれども、ただいま先生の御指摘の趣意を体しまして今後ともビールメーカーの販売の仕方等につきましては独占禁止法の観点から十分その成り行きを見守ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○中村利次君 発行していないという点については公取も御存じのようである。これはやっぱり酒税法の改正に絡んだ問題ですよね。絡んでこういう事象が起きているということは間違いない。公取の立場から、法的に抵触するのかしないのかということは、これはにわかにするとかしないとかいう御判断はここでは出ないでしょう。やっぱり私は追跡調査をやっていただいて、こういう法改正があるのに藉口をした、国民にとってきわめて迷惑な事象なんというものは、的確な納得のいくような対応策というものを求めたいと思うのです。そこで、政府に、何かをやる場合にそれを原因として起こるいろいろな事態については、政治がこれに対して手厚い対策を講ずるというのは当然だと思うんですよ。こういう点について何か行政上対応をされたのか、あるいはいまのこういう事態に対して御存じになっておるのかなっていないのか、そういう点についてお伺いをしたいと思う。
○政府委員(星野孝俊君) 先生御承知のように、実は各社によって事情が違いまして、麒麟麦酒社では実は一昨年の秋ごろからビール券は発行いたしておりません。中止してございます。これは、一つには、麒麟社の経営政策にかかる問題だと思いますが、できるだけ計画的な出荷をしてシェアの拡大を防ぎたいというふうな配慮があると、こういうふうに聞いておるわけでございます。それから他の朝日、サッポロ、サントリー等につきましては、この春ごろからビール券の発行がとまっているようでございますが、これは、一つには、増税前の価格で発売いたしました場合に、ビール券の引きかえのときに、仮にもし増税が実現されたような場合には、価格が券面の価格と違ってまいりますので、小売業者の方としてはその差額を消費者の方からいただかなければならないというふうなことになるのではないかというふうな事情もございまして、取引が非常に複雑になるので現在見合わせていると、こういうふうに聞いておるわけでございます。
○中村利次君 そうすると、政府としてもこれは是認する立場をおとりになっておると、こういうぐあいに解していいわけですね。これについては大いに議論がございますけれども、もうあと時間が幾らもありませんから、麒麟が停止しているというのは去年からですか、これはいままでしばしば触れられてきましたビール業界の何と言うんですか、いろいろな問題、どうしようもない問題に抵触してくると思うのですけれども、まあことしの春、サッポロと朝日が百六十円の小売価格を百八十円に値上げしましたよね。ところが、実勢価格といいますか、小売店頭での小売価格というのは、値上げをしないキリンも値上げをしたサッポロ、朝日も百七十円程度に売られておると、こういうことのようですけれども、こういう点についてはどうですか。
○政府委員(星野孝俊君) 酒類の価格につきましては、再々申し上げておりますとおりに、自由価格のたてまえになっておりまして、生産者あるいは流通業者それぞれの判断で自主的に価格を設定することができるようになっておりますので、ただいまのような事情もやむを得ないものと思っております。
○中村利次君 これはやむを得ないと。しかし、あなた、ビールの寡占対策というものがそれじゃ無策だということですか。これは寡占問題研究会なんかで一昨年中間報告があった、その中間報告をどういうように行政上生かされておるのか、そのことも聞きたいですけれども、最終報告を速やかにやるということになっていたのですが、これはちっとも速やかでもなければ、ゆっくりしてやるということでもないようですね。このままでいきますとやらぬという、やっぱり最終報告はできないぐらい寡占問題というのは非常に深刻な問題でしょう。いま言うようにほかのビールメーカーは二十円値上げをした、キリンは据え置きである。これは仮に自由価格なんだからそこには介入しないんだということになると、キリンのシェアなんていうものはますます拡大するんですよね。そうすると、この寡占問題に対しては全然打つ手がないということなんですか。
○政府委員(磯辺律男君) 先生御指摘のように、ビール業界の行政指導といいますか、それからまたその寡占問題、この解決というのは非常にむずかしい問題でございます。私たちは、これは正式の委員会とかそういったものじゃございませんけれども、一昨年の九月、十月、このビール問題のみならず、一般の流通業界等に学識経験のある先生方にお集まりを願いまして、そしてそういった各種のお知恵拝借という意味で国税庁としてはいろいろと御意見を承ったわけでございます。ただ、その場合に、一番問題は、御指摘のように麒麟麦酒というもののシェアというものがこのまま放置していくと非常に拡大する傾向にあるということがやはり大きな問題でございまして、これは御承知のように昭和の初期におきましては三〇%に満たなかった麒麟麦酒が、現在では六二、三%になっておる。しかも、それのシェアが上がってきたということは、これは特に麒麟麦酒が特別な販売方法をとったとか、あるいはいわゆる不当な政策をとったというわけではなくて、これが主として消費者のニードに即応したその結果による。しかも、それが急速に電気冷蔵庫等が普及いたしました結果家庭に麒麟麦酒が入り込むようになったというふうなことから自然発生的になった。もちろん、その背後には、いろいろな各種工場の配置がよかったとか、あるいはラベルが九十年間一貫して変わっていなかったといったような国民間のなじみがあろうかと思いますけれども、いずれにしても、一社だけのシェアがこのままふえていくということに対しては、現在のところ寡占による弊害というものは認められておりませんけれども、このまま放置していったならばあるいはその寡占による弊害が出てくるかもしれないといったのが私たちの大きな問題であったわけでございます。これにつきましてその研究会からいろいろな御意見が出てまいりました。しかし、これはあくまでもビールというものが自由競争をたてまえとし、かつまたその価格というものも自由価格というものをたてまえとしておりますので、国税庁といたしましては強力に法的な措置を講ずるということはできないわけで、あくまでも業界間の、特に麒麟麦酒の自主的な協力というものが必要なわけであります。麒麟麦酒といたしましては、その結論といいますかアドバイスに基づきましてできるだけの協力はしていったやに私たちは承知しております。たとえて申しましたならば、自主的にその出荷につきましては制限したとか、あるいは先ほど御指摘になりましたビール券の発売も自主的にやめたと、そういったこともございましたけれども、ただ、その結果といいましたら、必ずしもわれわれが期待したほどのようなことはございません。その一つには、昨年こういった天候不順等がございましてビールの売れ行きそのものが非常に減ったと、そういうところがございまして、必ずしも期待しておりましたように麒麟の出荷が減って他社の出荷がふえる、その結果シェアというものが平準化されるといったような結果になかなかならなかったわけでございます。しかし、私たちは現在のままでいいとは決して思っておりませんで、今後とも一応このビール問題研究会でいろいろアドバイスいただきました各問題につきましてビール業界を十分に指導してまいりたい。それによって、寡占の弊害というものが現在は出ておりませんけれども、出るようなことがあってはならないと思いまして、その弊害の出ないようなかっこうでこの業界を指導してまいりたいと、かように考えております。
○中村利次君 時間が来ましたから最後にしますが、これは、やっぱり認識がずいぶん違いますよ。現在寡占の弊害は出ていないとおっしゃる。出ているじゃありませんか、もうすでに。サッポロや朝日は値上げしなきゃやっていけない。麒麟は価格据え置きでも余裕がある。ところが、そいつを野放しにしておけば、現在ただいま寡占化はますます激しくなる。これは国民生活に与える影響なんというものは、もう現在すでに寡占化の弊害なんというのが大きく出ておる。このままほっておけばその弊害なんというものはますます拡大されていくという、そういうことだと思いますよ。 それからこれはもう最後ですから、まだいっぱいただしたいことがあったのですけれども、ビールに限って見ましても、ビールは昭和二十五年の十二月にいわゆる酒税を値下げをしているのですが、あるいは二十九年、三十七年等に値下げをし、あるいは値上げをしておりますけれども、昭和二十五年の値上げ前に比べましても、麒麟の例をとると、百三十二円から百六十円と三十円足らずの値上がりでして、これは大変な消費増といいますか、ビールの売れ行きが非常に伸びたということも一つの要因ではありましょうけれども、しかし、ほかの生産の伸びに比べますと、ビールの伸びなんというものは論ずるに足りないくらいですけれども、とにかく物価問題では数字で見る限りは優等生だったんです、四分の一世紀。それを今度は優等生のレッテルを外そうと、こういうことをやろうとなすっているわけですけれども、こういう点について、先ほどから私が申し上げましたようないろいろな政治課題を踏まえて、せっかくの優等生のレッテルを外そうということについては、政治の責任をお持ちになる行政府としてどういうお考えなのか、これはまあ御答弁を求めてもなかなかかみ合うような答弁をいただくことになると思いませんけれども、最後にそのことを副総理、大蔵大臣にお伺いをして、私の質問を終わります。
○国務大臣(大平正芳君) 酒税業界を指導してまいりまして、大蔵省は非常に手がたく指導してまいったわけでございまして、仰せのように、ほかの物資に比べまして比較的手がたく行政をやってきたつもりでございます。それはけさほどからの御答弁にも申し上げたとおりでございます。この姿勢は今後も続けてまいらなければならぬわけでございまして、私ども瞬時も弛緩があってはならないと考えております。しかし、いま、寡占問題も絡みまして大変むずかしい局面に逢着いたしておるわけでございまして、これをどのように克服してまいりますか、非常な知恵と英断が要るわけでございますが、率直に申しまして、いま有効な手だてが私どもの手元にあるわけではございません。といってこれをこのまま放置しておくわくにもまいりませんで、鋭意検討いたしまして、遺憾ない対処をしなければならぬと存じております。
○中村利次君 副総理、もういいですよ。とにかく将来の総理を目指されるお二人ですから、ひとつ政治をやってくださいよ、政治を。国民にかわってお願いをして、私の質問を終わります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御発言もなければ、本連合審査はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後五時九分散会