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75回国会参議院1975/06/26

大蔵委員会 第22号

発言数
539
登壇者
21
会派数
6
開催日
1975/06/26

会議録

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十五日、中西一郎君、赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君、辻一彦君が選任されました。     —————————————

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) それでは理事に辻一彦君を指名いたします。     —————————————

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 前回に引き続きましてまず酒税法の改正の問題からお尋ねをいたします。  酒の販売免許、酒販免許ですね、これに関します前回たしか各委員の御質問に対しまして免許の基準というものをお示しになりましたですね。この免許の基準というものを法律上のよりどころを調べてみますと、酒税法の第十条がその規定のようであります。それが本文は「第七条第一項、第八条又は前条第一項の規定による免許の申請があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、税務署長は、免許を与えないことができる。」と、ですから普通の免許許可の条件とやや趣が異なりまして、原則として免許を与えるべきであるという法はたてまえをとっておるようです。ただ、特定の除外要件というものがありまして、その除外要件を法は一号から十二号まで規定しておるようであります。まず、前回示されました基準というものはどの条項に従って出されているものか御説明をいただきたいと思います。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) それは先生ただいま御指摘の酒税法第十条の第十号で人的要件をつけておりまして、十一号で需給要件等を規定しておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いま間税部長の言われました第十一号を見てみますと、「酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため酒類の製造免許又は酒類の販売業免許を与えることが適当でないと認められる場合」と、この十一号というのは、ほかの号がきわめて具体的に除外事由を特定しておるのに対しまして、かなり広範な権限を税務署長に与えましたきわめて抽象的な規定だと言うことができます。問題は、この酒類の需給の均衡を維持する必要がある場合、その目的として酒税の保全という大目的を掲げまして、その目的上、酒類の需給の均衡を維持する必要がある場合には与えない、それの免許を与えることが適当でないと認められる、その適当でないと認められるというのは、わかりやすくどういう場合か、御説明をいただきたいと思います。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 実例を挙げて申し上げますと、たとえば特定地域に多数の酒類小売業者が集中いたしまして、そこで非常に激しい販売競争が行われ、そのために個々の業者の販売数量が非常に制限されまして、しかもそこで値引き等、非常に極端な価格の混乱が起きる、そういうふうなケースがありまして、そのために小売業者の経営そのものが非常に不安定になる、それでたとえば売上金の回収が不可能になる、したがって、そのために酒税を回収して、これを製造業者のところへ回収するわけでございますが、今度は酒類製造業者のもとにその売上金が返ってこない、そういうために酒税の確保が困難になる、こういうふうな場合が考えられるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いま部長の言われました特定の地域に多数の小売業者がひしめくというような、そういうものは、あなた方が観念的にお考えになるのでしょうか、それとも実際にそういうことがあったとおっしゃるのでしょうか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) これにつきましては実は最近は小売免許制度が維持されておりますので、そういう極端な事態はございませんけれども、実は昔の事例を調べてみますと、この酒類の販売免許制度は、昭和十三年に設けられたわけでございますが、当初の状況を見ますと、不況による需給の停滞から非常な過剰在庫が続きます一方、販売業者が乱立しまして、市場が混乱したためにメーカーが倒産したというケースがかなりあったわけでございます。この数を申し上げますと、大正十四年から昭和十三年の間に二千五百十五の製造業者が倒産いたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 私がお尋ねしたのは、なるほど製造業者はそうだったかもしれませんが、いま酒販免許について主としてお尋ねしているわけで、つまり小売業者が特定の地域に乱立あるいはひしめいて、それで小売業者が倒産したというような事例があったかということです。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 先生の御質問は販売業者の倒産と、こういうことだと思いますが、販売業者の倒産数については私ども具体的には把握いたしておりませんが、現在の場数を申し上げますと、昭和十三年当時の酒類販売業者数が三十五万二千場でございまして、四十九年三月末の酒類販売業者の数が十六万一千場でございまして……

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 四十何年ですか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 四十九年三月末でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 前の三十五万というのはいつですか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 昭和十三年の状況でございます。したがいまして、この間に約十九万の販売業者の数が減少しているわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうしますと、酒販免許の事例だけをとってみますと、余り具体的な実例というものはあったようには思われないわけですね。ですから、特定の地域に小売業者が乱立して経営の基盤が危殆に瀕するというようなことは観念的には考えられるかもしれないけれども、余り現実的なものではないように思うんですよ。  そこで、これは主税局長にお尋ねするわけですが、主税局長、いままで各委員の質問に対しまして、薬事法六条二項に関連する先般の最高裁判所の違憲判決ですね、あれはこの酒販免許にはストレートには妥当しないように思うんだということをるるお述べになったわけですが、その根拠というのは、やはりいま間税部長が言われましたように、余りたくさん免許を与えると、競争が余りにも激しくなって、小売商の経営の基盤が非常にぐらついてまいる。そうすると、売掛代金の回収がうまくいかなくなって、それが売掛代金が今度は卸の売掛代金に響き、メーカーの売掛代金に響いて、結局酒税の保全上困るんだというような御説明のように伺ったんですが、これは間違いないですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 酒類の販売業免許につきまして、酒税保全上ということで御説明しましたのは、いまおっしゃったとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そういたしますと、小売業に関連いたします限りは、特定の地域に酒販業者がひしめいて経営の基盤が危うくなるではないかという、そのあなたのおっしゃるたてまえというのは、観念的には考えられても、具体的の実例というものはないので、どうだろうか、いま間税部長のお話では、昭和十三年には三十五万件もあったんだ、ところが四十九年には十六万件になって十九万件も減少しているんですというような事例にかんがみますと、余りこの酒販免許というものを厳しく考えるということは法のたてまえ上どうでしょうね、合理的なように思えないんだけれども。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) いま間税部長が申しましたのは、免許制度をとりました十三年当時三十五万件もありましたものが、今日の状況では十六万件になっているという事情を御説明いたしたものでございます。確かにその後の免許制度のもとにおきまして、販売業免許については、今日行っておりますようなできるだけ必要には欠かさないけれども、需給の不均衡を招来しないようにという配慮で免許をしてまいりましたから、幸いにしまして、そういったことから、それまでに起こりましたような販売合戦から酒税の保全の心配が出てくるというような事態は防ぎ得ているものだと思っておりますけれども、そういう意味におきましては、その後の状況は、確かにわれわれが頭の中で考えております心配を未然に防止する意味におきまして、販売免許の基準を運用してきたことは事実でございます。それを一体免許なしに野放しにしましたときにどのような事情になるのかというのは、もちろんそれからもうすでにかなりの年限がたっておりますから、やはり観念的と言われればまさにそのとおりでございますけれども、そういった危惧は昭和十三年当時の酒税の高さと、今日の酒税の高さとを考えてみますれば、やはり余り減っていないのじゃないかということが一つでございます。  それから、現にお酒の販売だけにそんなに依存しない販売店におきましては、最近でもときどきちょっと私どもが想像もつかないような値段でお酒を売るというようなことがございますから、やはり販売合戦の因子というものは依然として残っているのではないかというふうに考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 この薬事法の判決を詳細に吟味してみますと、薬店の開設免許についての距離制限というもののよりどころを、薬局をたくさん乱立させた場合に、それが過当競争から経営の不安定を来す、その結果として適正な医薬品の供給に支障を来す、悪質な医薬品を販売するようなことになって大衆の健康を阻害するような結果を来すというようなことば、これは決して現実的な確実な根拠に基づく合理的な判断とは認めがたいんだと、それは単なる観念上の想定に過ぎないということで、こういう距離制限が合理的な規定とは言えないとして憲法二十二条に違反するんだという断定をもたらした根拠になっておるようですね。ですから結局、いま主税局長がおっしゃったように、余り小売店をたくさんやると、それが過当競争で倒産しちゃうんだ、だから、酒税の保全上困るんだということが、いま直ちに——間税部長にきのうから私がそういう事例があったらぜひひとつ聞かしてほしいということで調査をお願いしたけれども、小売店に関する限りはそういう事例がないんですね。だから、どうしてもいまのそういう酒販免許に関するあなた方のお考えというのは、やや観念的に過ぎて実証的でない、つまり現実的でない、これは結局合理的でないということですね。そうすると、第十条第十一号によってあなた方が厳しく設けられた数々の条件というものは、これは間税部長のお話では、これを厳格に適用しているわけじゃありませんと、やや弾力性持っておりますと言うからいいけれども、ただ税務署長が余りこれを厳格に実施されるという事例もないんではないんで、そうなるとこれは結局ひいてはやはり憲法二十二条に違反しやしないかという問題が出てくるわけですよ。だから、もう少しその点はあなた方がこの基準というものが決して絶対のものではないんだと、元来この法の趣旨は原則として免許を与えるんだと、ただ特定の場合だけは除外できるんだという、そういう消極的な規定ですからね、この酒税法の十条というのは。法の趣旨をよく理解して、十分税務署長にそういう趣旨を徹底さしていただくべきだと思うが、この点主税局長と間税部長、両方の御意見を伺いたい。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 免許基準、たとえば距離制限を何メートルにするかということ、あるいはそのメートルの判定におきましてやや弾力性を持つこと、それは行政の運用でございますけれども、基本的に免許基準というもので酒税の保全上需給の不均衡を来さないように免許を与える場合には注意しなければならないという基本原則は、やはり私どもは酒税法上酒税の保全という観点からぜひ守っていかなければならないと思っております。それが一体憲法におきまして営業の自由を保障しておるのと抵触するかどうかということは、一にかかりまして公共の福祉という観点、すなわちこの場合で申せば酒税の保全ということでございまするから、それがどの程度営業の自由を制限してもよろしいかという判断になると思います。で、もちろん私どもも、この酒税法の免許の条項あるいはその運用につきまして裁判所の審査がどのようになるかということはもちろん予断を許しませんけれども、前回薬局の免許につきまして最高裁が判示された論旨を見てみますと、いま寺田委員がお示しのとおり、乱売が起これば薬局の経営が非常に不安定になりまして、不安定になれば不良薬品を販売するおそれがありますという、そこのところがどうも合理的ではないではないかという御指摘があったというふうに私どもは解しております。そこを私どものお酒の問題とはいささか違いまして、私どもは、たとえば販売店の経営が非常に不安定になったときに、不良酒類を売るということで免許制度を考えているわけではございませんで、全く経済的な要因としまして売り掛けの回収というものが酒税を含めましてだんだんむずかしくなってくる、そのことが納税義務者である酒類製造者の経営に大きな支障を来して、酒税の確保ができなくなるということでこの問題を考えておるものでございまするから、薬局の販売免許に対する最高裁の判示そのままがお酒の販売免許にそのまま適用するとは実は思っていないわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いや、主税局長あなた誤解しておられる。つまり片方は適正な医薬品の需給ということにウエートがかかっていて、片方は酒税の保全ということにかかっている、それはわかっているんですよ。ただ最高裁の判決は、薬店が乱立して経営の基盤が危うくなれば、不良な医薬品を販売するようになっちゃ困るんだということが合理的でない、実証的でないと、こう言っているわけだ。これはあなたも読まれたでしょう。それよりは、むしろメーカーの、何といいますか、乱立とか、あるいは現金問屋の安売りとか、スーパーの安売りとか、そういうようないろいろな条件の方が主であって、つまり距離制限が縮まるからという問題によるものではないんだと、だから、そういうものは実証的でないと言っている。で、この酒税の保全というのもやっぱり同じことなんで、つまり乱立をして、そのために酒税の保全が危うくなったという、そういう現実の実例はないんですよ。いま間税部長がそういう事例は把握してないと言う。だから同じように、そういうふうに結局距離制限を撤廃したからといって、乱立して酒税の保全が危うくなったという、危うくなるんだというそのあれが観念的な想定にすぎない、最高裁判所のいう。観念的な想定で、現実的でないんだということに関しては両方共通しているんです。だから、そこのあなた何か理解が、片方は医薬品です、片方は酒税です、その違いは当然わかっている。そのことを言っているんじゃない。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 私が申しましたのは、薬局の問題につきましては不良薬品ということを販売免許の物の考え方の中に介在させておる、そこがどうも販売免許ということと合致しないのではないかということが実は大きな論点だと私は解しております。そこで、寺田委員のおっしゃいますように、実例があってこそ初めて免許による制限が存在理由があるというふうにおっしゃいますが、実は私どもとしましては、そういう実例が起こっては大変なんでございまして、そういう実例が起こらないように事前にいろんな措置を講じますことによって、酒税の保全を図らなければならないわけでございます。そういう事態が起こりそうなところまでまいりまして、そこで夜めて免許制度の実効というのが保障されるというよりは、私どもはそういう事態のなからぬことを願いまして、販売免許制度というのをお願いしておるのでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 あなた方がまず酒税当局として酒税をできるだけ保全しようというお気持ちはわかるし、だからそのためにそういうことを重く見るということはわかるけれども、憲法上、一応営業の自由というものが基本的な人権として保障されている。だから、それが公共の福祉に違反する場合だけは、何というか制限ができると、こういうんだから、その公共の福祉というものはよほど厳密に解して、観念的なものであっちゃいかぬのですよ、実証的なものでなければ。だから、これはこんなことをいま講義する意味はないけれども、基本的人権というものは制限されるための何か公共の危険というものは現実的な、そしてクリアなものでなければいかぬ。クリア・アンド・プレゼント・デンジャーというのがアメリカの最高裁判所の判例にあるわけですよ。だから観念的なものじゃいけない。クリアでしかもプレゼントなものでなきゃいかぬ。あなた方の言う観念的にそうなんですと、しかし、実例はありませんと、しかし、お互いが信じておりますと言うんじゃ、それは根拠が薄弱なんです。しかもこの十条は、各号の一に該当するときは免許を与えないことができるという、免許を与える場合をむしろ原則として見てる。これは憲法二十二条からきているわけでしょうけれども。だから、あなたのように観念的に想定して、そうあっては大変だからやるんですというのは、私としては少しまあ職業の利己主義というか、少し神経質なものに堕しているというふうに考えるわけです。だから、もう少し全体の法体系から弾力的に考えてほしいというのが私の意見なんです。いかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 全体の法体系からこの問題を考えることはまさに必要でございますが、要はやはり公共の福祉の観点からいいまして、営業の自由を制限することが妥当であるかどうかという判断だと思います。そこの公共の福祉を私どもは、寺田委員は観念的とおっしゃいますけれども、一にかかりまして酒税の保全ということに根拠を求めておるわけでございまするから、そういう事態が想定せられるという場合には、やはり公共の福祉の観点から営業の自由の制限ということも許されるのであろうということで、この法律が実は制定もせられておるものと解しております。そこで最後のやっぱり判断といいますのは、どうしましても裁判所の判定に待たざるを得ませんけれども、少なくとも政府部内でいろいろ検討もしましたけれども、こういう観点からの営業の自由の条項の制限ということは妥当であろうというふうに今日も考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 どうしてそう主税局長、まあ我を張るんでしょうかね。あなたは公共の福祉というものを酒税の保全上だって突っ張って、それが観念的でありませんというようにおっしゃるがね、私が言う観念的というのは、その距離制限などをするということによって酒税の保全上——保全ということが危うくなるという、そのことが、断定することが観念的だと言っているんです。何も酒税の保全というものは公共の福祉に違反しないなんてこと言ってやしません。そこを誤解しないように。だから百メートルだ、どうしても必要だなんというようなことが乱立になっちゃって、酒税の保全というものを危うくするんだということが、そういう判断が観念的ではないかと言うんです。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 私の先ほどのお答えで若干適正を欠いたお答えをしたかと思われる点がありますので、補足さしていただきます。私ども小売店の倒産がないという意味では実はございませんで、実は統計をとっておらないものですから、実際に小売店がどの程度倒産したかということが、実数が把握できないと、こういう意味でございますので、ひとつあしからず御了承願いたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 どうしてそう皆、我を張るんでしょうかね。私が言うのは、小売商が倒産する事例というのはないんではないでしょう、それは。だけれども、そういう距離制限なんということを破ったがために、それが乱立を来すことになって、そうして倒産して税金の滞納を生じたというような事例がなきゃいかぬわけですよ。それがなければ観念的になってしまう。実証的でないわけですよ。だから、小売商が倒産したことが過去において一件もないなんということはそれはないでしょう。倒産した例もあるでしょう。だが問題は、あなた方が酒販免許を一定の基準なんというもので距離制限なんというものをしていらっしゃる。それは余りそういうものを厳格に解釈適用してはいけませんよということを言っているんですよ。なんとなれば、そのことのためにそれを距離制限を破ったがために乱立になって倒産して、酒税の保全が危うくなったという実例なんかないじゃないかと、だから、それをあくまでも言い張るのは観念的であって実証的じゃありませんよと言っているんです。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 先ほど私ども計数的に統計がないので把握しておらないと申し上げましたけれども、実は一、二照会して調査したケースがございます。それによりますと、やはりこれは、現在の免許基準のもとで起きた事例でございますけれども、酒類販売業者が倒産したために、製造業者が倒産した事例が、私どもの掌握している範囲内で、関信局の管内で一件、それから福岡県の管内で二件発生いたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それを詳しく言ってください、それじゃ。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) はい、名前申し上げますと……

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いや、いつです。いつ、どこで。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 企業の名前はちょっと御勘弁いただきたいと思うんでございますが、関信局の管内で四十六年に一件発生しております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 どこで。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 関東信越国税局の管内でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 四十六年に二件……。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 一件でございます。  それから福岡局の管内で、四十五年に一件発生しております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 小売屋ですね。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) はい、そうです。小売業者の倒産により清酒製造業者が倒産したケースであります。  それからもう一つは、福岡局の管内で四十七年十一月に一件発生いたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 あなた方がそういうふうにがんばると、どうしてもこっちの方もそれを的確に把握する必要が生じてくるわけです。だから、それは倒産というのはいま言ったように、距離制限を守らないために乱立したために倒産したんですか、どうです。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) そうではなしに、このケースは、現行の免許基準の中であって倒産したケースでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 ですからね、この乱立——それも、その何か乱立が原因なんでしょうか。それはあなたの言う乱立じゃないけれども、距離制限は守っておったけれども、結局過当競争からというふうな的確な証拠でもあるんですか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 詳しい事情はわかりませんが、小売業者の倒産は当然経営不振が原因だろうと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いやいや、経営不振はわかりますが、その経営不振というのはいろいろあるでしょう、原因が。何が経営不振をもたらした原因なんです。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 現時点ではそこまで把握いたしておりません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 ですから、突き詰めていくと、結局小売商が倒産したという事例が三件あったということにとどまるわけですよ。それが距離制限を——つまり危うくするような接近したところに二軒あったために、それが過当競争を生じ、そのために倒産したという実証的な事例にはならないんですよ、だから、このことであんまり長く私もあれする必要はないけれども、しかし、免許制度というのはかなり重要ですからね。これは小売商——小売免許を得たいという人がたくさんあるわけです。それがある程度大衆の利便につながり、そして適当な競争ならば、消費者にそれは利益をもたらす。何となれば、いまでも二級酒を六百八十円で売ってるところがかなりあるわけですよね。だから、それは何も九百三十円で売らなくてもいいわけなんです、売れるんですから、六百八十円で。だから、そういうことに対してあんまり主税当局がそれをいやがって何とかして小売商を少なくしていこうと、価格を維持しようというようなことは、現在の小売商の地位を擁護することにはなるかもしれないけれども、一般大衆の利益にはつながらないわけですよ、消費者の利益には。だから、そういう点をよく考えていただきたい。  そこで、もう一遍間税部長、あなたにお尋ねするけれども、あなた方が言ったこの距離制限とかいうような基準は、決してしゃくし定規に適用するものではないと、弾力的に、そして消費者の利便なども考えて現実に即応したように適用するんだということはっきり約束してもらえますか、どうです。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 現在の免許基準には具体的に弾力条項というものがございまして、規定されておるわけでございますが、その趣旨を尊重しまして、需給の状況並びに消費者の利便等を考慮しながら、実情に即した運営をしてまいりたいと、このように考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それではこの問題はこの程度で終わりますけれども、主税局長、あなたは盛んに、どうしてもがんばるんだけれども、いま言ったように判決の趣旨は、結局距離制限というものが薬事法の適用の場合は、決して、過当競争になってそれが医薬品の不良な医薬品を供給するという弊害を生むんではないんだと、そういうことは観念的には想定されるけれども、原因はむしろほかにあると考えられる、だから、そういうものは実証的でなく合理的でないという判断があるんだから、この酒販免許の場合も、もう一遍その基準というものが本当に現実に合うものかどうかということを、心を細やかにして検討してもらいたいと思う、あんまりがんばらずに。いかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 薬局に関しますところの最高裁の判決が出まして、私どももとりあえずのことでございましたけれども検討いたしまして、先ほどお答えしたような結論に達しております。もちろん私どもは、事は重大でございまするから、いろいろいままでの御質疑の観点も踏まえて検討はいたしたいと思います。  ただ、そこでもう一言つけ加えさしていただきたいんでございますけれども、私どもがあの判決を検討いたしましたときには、距離制限というようなことで乱立を防止しておる。そういうことがなければ薬局の乱立があり、それによって薬局の経営が不安定になるということは最高裁の判決も認めておったと私は記憶をいたしております。ただそこで、そういう薬局経営の不安定ということが医薬品の不良なものを販売する可能性があるということは単なる観念上の想定にすぎずということを言っておりまするので、私が前々からのお答えで申し上げておりますように、経営の不安定が即不良医薬品の販売につながるというところに実は最高裁の指摘があったというふうに思っております。なお、その点に関しましては今後とも私どもも虚心に検討いたしたいと思っております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いまの最高裁の判決の解釈を余り私どももここで論議してもいかぬから、主税局長が虚心に検討するというんだから、それを信じてこの質問はこれでやめます。  次に、先日、近藤委員からちょっとお話があって、主税局長の方がむしろそれを引き取って、いわゆる酒税の段階的課税、これは西ドイツにあるというお話がありましたね。むしろ主税局長の方がそれを積極的におっしゃった。確かに私どもも、まだ十分ではないんですけれども、西ドイツの事例を調べてみますと、あれは出荷量に応じて酒税がふえていくシステムのようですね、どうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 私の記憶では、どうも製成量に応じて、おっしゃいますように多く製成しておるものについては全体の税率が累進的に高くなっておるというように承知をいたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 製成でもそれは出荷でもよろしいが、製成して蔵に置いておいてもしようがないんで、出荷が問題なんです。そういうふうな税制をとることによって、西ドイツは中小のメーカーですね、ビールメーカー、それを保護するという非常に大きな目的を達しておるようです。ですから、西ドイツではかなり小さなビール醸造業者というのが何か三千軒以上あるというふうに聞いておるんですが、日本のように、たとえばビールが、麒麟麦酒が六五%のシェアを持つというような寡占の弊害というものは起きてこないんですね。私どもはどうもいままでの政府のなされ方、大蔵当局の税務行政というものが大メーカーを意識的にひいきにしているというんじゃないかもしれないけれども、結果的にはどうも大メーカーを保護して中小のメーカに非常に冷めたいという、われわれから見ると驚くべき不公平な結果を生じているわけですがね。だから、もう少し大メーカーには大きな負担をさせるんだ、そして中小メーカーを助けるんだというような基本的な理念というものを持ってもらえないもんでしょうかね。どうでしょう。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 私どもは、ドイツのビール税につきまして基本的に消費税としての疑問を持っておるわけでございます。確かに、ドイツにおきましてはおっしゃいましたように非常に数多くの地酒と申しますか、地場のビールをつくっておる業者があるようでございますが、消費税としまして、一本一本のビールの中に含まれておる税金が、たとえばある一定のヘクトリットルまではこの金額でありますと、そのヘクトリットルを超える次の部分に対しましてはより高い税金がかかりますということになりますと、一体値段はどういうふうに決まっておるのか。その一本一本を第一の階層に当たるビールを飲む人と、第二の階層に当たるビールを飲む人との値段もちろん違ってもおかしゅうございますし、そこに含まれておる税金も違ってもおかしいというのが、私どもが実は基本的に消費税として持っておる考えでございまして、零細なる業者を何らかの配慮をしなければならないということになりますれば、それはもはや事業税、法人税も含めてよろしゅうございますけれども、そういった直接税の分野で考えられなければならない問題、だと思っております。そこで、消費税として一体こういう累進課税が製成でも移出石数によっても行われておるということについては、実は基本的に疑問を持っておるわけでございます。しかし、長年の伝統でございまするからドイツではそういうことが行われておるということでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 私は、このビールには税金が一マルクだと、このビールには一・一マルクだ、そんなことをびんに規定したり課税したりすることはそれは不可能だと思いますよ。だから、全体のあなたのおっしゃる醸造高ですか、あるいは私の言う出荷高でもよろしいよ、だから、それを把握することは税務当局としてはできるわけでしょう。だから、それを把握して、あなたのおっしゃるような事業税を累進制にしてもそれは構いません。ともあれ、大メーカーに対しては、それだけの巨大な利益を得ているわけですから、またたくさんの醸造によってコストが下がっているわけでしょうから、そういうものには負担を重くして、中小のメーカーには負担を軽くするという、そういう基本的な理念には立っていただけないものだろうかと言ってお尋ねしているわけですよ。問題はそういう考え方なんですよ。どうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) いま寺田委員はいみじくも、大メーカーは利益が大きいからそれについて課税を大きくして当然じゃないかというふうにおっしゃいましたが、それはまさに私が申し上げましたような、法人税なり事業税の分野でございまして、消費税ということになりますれば、私は何も一本一本のビールにその税金を表示する必要から申し上げているのではありませんで、たとえばわが国の例で申しまして、いまの一本百六十円なり百八十円の中に六十七円の税金が入っておりますけれども、A社の一本百六十円のビールの中には六十七円の税金が入っております、B社の一本百六十円のビールの中にはたとえば四十円しか税金が入っていないということは、消費税としてはおかしいじゃないかというふうに考えているわけでございます。基本的にそれは消費税の性格を逸脱しておるものと私は考えております。それを利益が大きいからA社の方にもっと何らかの税金で考えなければならないとすれば、やはりそれは法人税なり事業税で取るべきではないかというふうに考えておりますので、どうもこの西ドイツのビール税というのは、消費税といいますよりは事業税的な要素がかなり入っておるんのではないかというふうに思っておる次第でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それはそれでもいいんですよ。だから結局消費税というものは、この間も大平大蔵大臣が近藤委員に言われたけれども、消費者から取るんですよと、だから、それを差をつけるというのはおかしいじゃありませんかと大平大蔵大臣反論されましたね。それはわかる。だから、消費者に転嫁される形でなくてもよろしいよ、それは。だからそれはあなたのおっしゃる直接税の形に変えてもいいし、その点は西ドイツの事例というものを、どういうふうに西ドイツがそれを消化しているのかということは、あなた方の調査能力をもってすればすぐおわかりになるでしょう。だから、何にしても大メーカーと中小のメーカーではその間に非常にいわば経済的な強者と弱者なんですから、そういう点で巨大な利益を上げる者に対しては税制の上で弱い者を助けるというような基本的な理念を持ってはもらえないものかという、またもとへ戻るわけです。あなたのおっしゃるその直接税でやろうと間接税でやろうとそれは構いません。出荷高、醸造高に応じて差ができてくればよろしいわけです。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) その点におきましては、実は法人税なり事業税におきましてある程度の段階的な税率というもので設けておりますから、利益の少ない企業につきましては軽減的な税率が働くわけでございます。そういう観点から言えば、まず直接税についてはかなりわが国では配慮をしておるということでございます。  それから、一番酒税の中で考えなければなりませんのは清酒の部類だと思いますけれども、その清酒におきましては級別課税ということを行っております。これは必ずしもそのメーカーの醸造規模に比例はいたしておりませんけれども、大体大規模なメーカーというのは特級なり一級に依存しておる度合いが強うございまするから、そのお酒は高く売れておるわけでございまするので、その中に含まれる税負担というのは特級は一級よりも、一級は二級よりもかなり重い負担を願っております。そういうことはまあ段階的な従量税と私は呼んでおりますけれども、一部従価税的な思想が出ておるわけでございまするから、もう一歩さらにこれを進めて従価税制度を完全に導入してしまえば、より高いお酒を売るメーカーの負担する、メーカーのお酒が負担する税金といいますものは割り高になるということはなお一層貫かれると思っております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いや、そうなるとまた話が違ってくるんで、あなたのおっしゃるその法人税法上の差異というのは、資本金一億円以上の会社あるいは七百万円以上の利益を上げたものが片っ方は四〇%で片っ方は二八%だと、それを指しておっしゃるんでしょうね。それはそれなりに意味があります。だからごらんなさい。麒麟が六五%のシェアを持っておる、そのほかのメーカーが仮に一〇%のシェアしかないという場合の差異の問題がまだそれじゃ解決できないでしょう、そのいまのあなたのおっしゃるのではね。いずれもそれは一億円以上の資本を持っているんだから、そのシェアの非常に天地の差がある会社で。  それからもう一つは、あなたは、日本酒製造業者の場合に、大メーカーは特級、一級が多いんだと、だから、それは税金が多いからもうすでに差がついていますとおっしゃるけれども、なるほどそれはそれなりに言えるんですけれどもね。しかしそうなるとまたおけ買いの問題がそこから出てくるわけですよ。しかし、そういう特級とか一級なんていう、特級の業者なんかでも結局きのうも話が出ましたように、きわめて安い価格で、一升がたしか二百四、五十円になりましたかね、ああいうような価格で皆おけ買いをしてそれで特級のレッテルを張っているわけです、ブレンドして。だから、それはもう税金の多少の差があっても、巨大な利益を上げているということに対するまあ救済方法といいますか、懲罰と言ったら悪いけれども、そういうことの解決にはならぬわけです。何とかしてやはりそういう醸造高であるとか、あるいは出荷高であるとか、そういうことに関してもう少し税の面で考慮が払えないものだろうか、それにはやっぱりあなたが、西ドイツのなぜそれじゃビールがそういうふうな税制をとっているのか、虚心にそれもよく調査をして、とるべきものはとるという態度でなくちゃ、頭からはねちゃってそれはもう困るんです、そういう狭量なことでは困るわけですよ、いかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) わが主税局におきましては、世界各国の税制というのはかなり勉強を長年続けてやっておるつもりでございます。西ドイツのビール税についてももちろん勉強をいたしておりますが、先ほど来申し上げておりますように、その企業の上げます利益に対する課税を一体どういうふうにしたらいいのかということと、それから消費税に対する問題というのは、私どもは別個に考えるべきではないかというふうに従来も考えてまいりました。一体基本的に酒税なり消費税というのが前転をするのか、後転をするのかという問題が実はいま寺田委員がお話になった問題に非常に関係があるわけでございまして、私どもは消費税ということを考えます場合には、後転をするということになりますれば、やはり基本的に税率その他を考え直さなければならないもんでございまして……

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 後転とは何です。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 消費者に転嫁してまいりまして、最終負担が消費者において行われなければならないという基本課題を消費税は持っておると思っておりまするので、どうもメーカーの規模、メーカーの利益ということにその消費税を考えるということはどうもなじみがたいのでございます。しかし、もちろん常々から私どもは世界の税制全般には目を光らせて勉強をしておりますから、これもドイツのビール税だけに限りませんで、今後ともども研究は続けたいと思っております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その点は、いやその程度でとどめておきましょう。  次に、先般ウイスキーの問題で間税部長、酒税課長にいろいろ調査をお願いしておったわけですが、このウイスキーの法制をよく調べてみますと、酒税法施行令の十一条、「法第五条第三項の規定による清酒及びウイスキー類の各級の規格は、次の表に掲げるものとする。」とありまして、その中の表の中にウイスキー特級とありますね、そしてその特級の中に一、二、三とあります。その三号を見ますと、「一又は二に掲げるものを除くほか、アルコール分が四十三度以上のウイスキー」、こうありますね。こういうことになると、結局モルトがかりに〇・五%であっても、アルコール分が四十三度以上あれば、特級のウイスキーであるというレッテルが張れることになるが、間税部長そのとおりでしょうか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) そのとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 これはどうも驚くべきことですね。たとえば私はこの酒税法の問題で興味を持ってサントリー、ニッカなどのテレビの広告というものをよく見てみた。そうしましたところが、いずれもモルトというものが山崎の里に眠って何年も経っているんだとか、それからニッカの場合は当社秘蔵のモルトをふんだんにブレンドしたというようなことを言っている。だから大衆は、ウイスキーというのは、よくなればよくなるほどモルトというものがその中に大変入っているんだ、それはもう何年も経っているモルトで、秘蔵のもんなんだという、そういう先入主を持って買って飲んでいるわけですね。ところが法律上は、そのモルトなんというのは〇・五%でもいいんですよ、一%でも二%でもいいんです、簡単に言うと〇・一%でもいいわけですね。どうだろうか、それは余りにもメーカーに抜け穴といいますか、大変な悪徳商法を、まあそれはわれわれの先輩も専務などをしておる。だから、そういうりっぱな人人がそういうことをやらぬと思うけれども、しかし悪徳商法の例は先般の石油ショックのときに出てきた。大きな会社がみんな変なことをやっているということがわかって国民は激高した。そういう事例がありますから、もうちょっとこの法律というものはそういう点、厳しくした方がいいんじゃないでしょうか。余り事業者のモラルにすべてをゆだねるというような態度はちょっと立法政策としては行き過ぎじゃないだろうか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税法上のウイスキーの定義は、いまおっしゃいましたようなウイスキー原酒そのままのものもございますれば、またウイスキー原酒にアルコール、スピリッツ等を加えましたもので、「香味、色沢その他の性状がウイスキー原酒に類似するもの」というものが入っております。それで特級でございますけれども、原則的にはそういうウイスキー原酒そのものも、仮にそのままで出ますれば、ウイスキー特級になるわけでございますけれども、これはまた余り嗜好上はそんなにウイスキー原酒そのままを飲むということも少ないようでございまするから、事例としてはほとんどございません。一般的にはウイスキー原酒が二三%以上入っておるということでございまして、これはスコッチにおきましても、わが国のウィスキーにおきましても、かなりの程度のウイスキー原酒を素材といたしまして、そしてでき上がっておるようでございます。そこでいまおっしゃいましたように、本当にウイスキー原酒がごく微量入っておって、香味、色沢その他の性状がウイスキー原酒に似ておるという分類の中で、アルコール分が四十三度以上ということでございますけれども、これも実はそういうことは余り考えられませんけれども、非常にウィスキー原酒が少なくて、そうしてアルコール度数は四十三度以上あれば、ウイスキーにおきましてはかなりこの度数というものが品質、香味、色沢その他の性状を左右するものでございますので、いわばその抜け穴を防ぐという意味において、いまかえって御心配のウイスキー原酒が非常に少なくて、アルコール度数を高くしておるものもそれはウイスキー特級の税金を払っていただきますよということにしたわけでございます。しかし現実におきましては、非常にウイスキー原酒のウエートが少なくて、アルコール度数だけ四十三度以上というものはなかなか嗜好にも合わないというようでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いやそういう御答弁だと、これはまたそれじゃ質問していかにゃいかぬですが、主税局長、そんな断定的におっしゃるが、じゃ、メーカーがどの程度つくっているんです、この特級のいまの言う三号の特級を。あなた数量的に把握していらっしゃるんですか。全体の中のシェアどのぐらいか。そういうことを把握せずに、そういうものはないと思いますと、ないんですというようなことを軽々しくこの委員会で断定されちゃ困りますよ。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) いや、私が申しましたのは、ウイスキー原酒を極端に微量にしまして、アルコール度数を四十三度以上にしましても、それはむしろ穴を防ぐという意味において特級の高い税金を負担してもらうということでこの制度ができ上がっておるわけでございます。それで、しからばそういうウイスキー原酒が極端に少なくて、アルコール度数が四十三度以上であっても、なかなかこれは嗜好に合わないということを申し上げたのでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 嗜好に合わないということと、それが現実にあるかないかということは別ですからね。あなたの最初の答弁は何かそれがいかにもないようにおっしゃるから、それは実証的でないでしょう。どのくらい全体に生産高があるのかということを把握しておられない限りは、そういう答弁はあってはならぬでしょう。いかがです。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) ちょっと私はいま御指摘の三号といいますものは、そういったものが余り市中に出回らないということで四十三度以上という制限を設けて、それはむしろ高い税金を負担してもらうということからこの制度はでき上がっておるのでございます。御心配のようなことはないように、むしろこれが四十三度という、ウイスキーにおきましてはかなり重要なアルコール度数ということで制限をしておるという趣旨を申し上げたのでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうすると、それがどの程度出回っておるとか、全体の中のシェアとかいうことはおわかりなんですか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) ただいま御質問の三号分がどのくらい出回っておるかということは私ども把握いたしておりません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 把握していない……。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) おりません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 だから、その把握していないものを、いかにもそれがないかのごとく答弁されてはいかぬのですよ。初めからそういう答弁はあってはならないですよ。そういうものは嗜好に合わないというのだったら、まだあなたの主観だから、これはある程度、それはあなたはそれ好まれないかもしれない。しかし、メーカーがそれを非常に、何というか、味をよくして——いまいろいろな添加物がありますからね、色でさえもカラメルでもってつけておるくらいだから。それを非常に味をよくしていくことができないとは言えませんからね。だから、そういう抜け道をつくるような、こういう規定というものが当然それは改正すべきだと思いますよ。  じゃ、主税局長、あなたね、どの程度ウイスキーモルトが最小限度なければならないと思います。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) これはなかなかむずかしい御質問でございますけれども、ウィスキーの中にも、今日わが税法では特級から一級、二級というのがございますから、非常に上等なウイスキーであれば、ウイスキー原酒のウエートはかなり高いのでございますし、またそれはそういうものとして私どもも飲んでみますと、なるほどこれはウイスキー原酒の量が多いなということは素人ながらにもわかるものもございますし、それからまたかなり安い値段のウイスキーになってまいりますと、ウイスキー原酒のウエートはかなり低くなってきております。しかし、今日だんだん嗜好が向上いたしておりますから、昔のウイスキー二級の中に含まれておりましたウイスキー原酒の量よりは、今日はだんだんふえてきておるのではないかというふうに思っております。それはやはり値段と味をどういうふうに選択するかという問題でございまして、必ずしもウィスキー原酒が一〇〇%に近ければそれじゃおいしいかということになりますれば、私自身は疑問に思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 何かまた話が、あなたは初めはそういうものは嗜好に合わないというふうに断定なさって、今度は必ずしも一〇〇%なくてもいいというように、何か結論がこう逆の方向に行ったようなことになってしまうんですがね。だから、そういう無理に現行法を維持しようという態度でなくて、いいですか、問題は一〇〇%のモルトが必要だなんということを私は言っているわけじゃないのです。特級というのは、元来モルトが二三%以上なくちゃならぬというのがたてまえなんでしょう。だから、それが特級なんだということがこれは本法にうたってあるわけですね。だから、そういうふうな、元来二三%以上モルトがなきやならぬというたてまえがあって、今度一転して、規定の一番最後には、アルコール分が四十三度以上あれば、モルトなんというものは現実としてその分量は問わないんだという、そういう規定なんですよ、実質的には、この三号というのは。それは行き過ぎじゃないかと、何らかこれを是正する必要があるんじゃないかというのが私の質問です。どうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) この点はむしろ私は、寺田委員が懸念せられておる事態を同じように想定して入れたものだと考えております。と申しますのは、ウイスキー原酒の量が非常に少なくて、アルコール度数が四十三度ありましたときにも、往々にして度数でウイスキーというものはかなり味というものが左右されるおそれがございまするから、そういうものは特級でなくて、もっと低い税金で済ませまして、しかしこれはかなり高い値段で売られるおそれもございまするので、私どもはむしろそういうものを穴をふさぐ意味におきまして、ウイスキーモルトの量にかかわりませず、アルコール度数が四十三度以上のものは特級にします。そういう税負担をあえてしてもらいますということで設けておるのでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 だから、あなたのは、ともかくも税金さえ取ればいいんだという考え方なんですよ。アルコール分が四十三度以上あれば、ともかくそれは特級としての税金を納めてもらいますよという趣旨だと。あなたの主観がそうなんでしょう。だから、目的は善意だったかもしれない。税金を取るという立脚点に立って、まっしぐらに行って、アルコール分が四十三度あるんだから特級のらち外に出ちゃ困るから特級なんだといって規定した。それはわかるけれども、片方で大衆は、特級のウイスキーというのはモルトがふんだんにあると思っているわけですよ。ところが、それは確保すべくもない、それはどうでもいいのだという結果になっちゃった、との規定は。そうでしょう。あなた、納得できないようだけれども。それじゃ、これ、メーカーが、モルト一%にして、アルコール分四十三度にしていないという保証はないでしょう。把握してないと言うんだから。どうです。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) 前回の御質問のときに私からお答え申し上げましたですけれども、そのときに、二級につきましても、モルトの混和率、ウイスキー原酒の混和率を七%以上入れるように指導いたしておりますということでお答え申し上げてございますとおりで、一級につきましても一三%以上、二三%未満、特級につきましては二三%以上ということで、各社それぞれその範囲内で原酒を混和しているというようなお答えを申し上げましたとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうしますと、あなたの方は、モルトを七%以上保持するように指導している、こういう趣旨ですか。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) そのとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうすると、簡単に言うと、あなたの方としては、そういう指導をしているから、現実にモルトというものは七%は最小限度、アルコール分が四十三度以上のものでも入っていると考えると、こういうことになるわけだ。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) そのとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 規定は非常に悪いけれども、現場の第一線の人というのは、そこは良心的に一%や二%じゃ詐欺じゃないかと、大衆を欺くものだと、最小限度七%あってほしいということで指導していると言う。そういうことになるわけです。だから、それならばむしろこの三号でも、最小限度七%は必要だというふうに規定した方がいいでしょう。その方が確実です。だって、七%指導したって、それはやってないかもしれない、保証はないんだ。いかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税法上におきましては、アルコール原酒に、先ほど申しましたように、いろいろなものを加えまして、「香味、色沢その他の性状がウイスキー原酒に類似するもの」をウイスキーといたしておりますから、特に、何%ウイスキー原酒を含まなければならないということを規定することは、私どもはいまさしあたって必要なく、むしろそれは業界の消費動向を把握しましたものでやっていってしかるべきではないかと思います。基本的に私は、消費者というのは、そんなに税法だけで左右されるものではありませんから、そんなにウイスキー原酒というものが入っていないものをウイスキーとして売っていって、長く続くものではないと思っております。実際、今日もいろんな角度から、各種類のお酒の間では競争が激しく行われておりまして、やはり、業界、企業としましては、そういった点の努力を行っておりまするから、そういうものは私はやはり企業の判断に任せるのが適当ではないかと思っております。  それで、先ほど来の四十三度の問題でございますけれども、毎々申し上げておりますように、ウイスキーというのは度数が非常に大きな要素を占めるものでございまするから、ここで置いておきませんと、たとえばいまおっしゃいましたように、ウイスキー原酒が七%で四十三度以上のアルコール分を含んで、非常にその性状がいいというようなものになってまいりますれば、私は何も特級の税金を取りたいということではございませんで、かなり高い値段で売られるチャンスがございまするから、それは特級の税金を負担してもらわなければならないということをむしろ逆に考えておるんでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それじゃあなたは、いま答弁なさった現場の方、そういう七%以上はどうしてもモルトがなければならぬという指導をしていると言うけれども、製品を一々検査しているわけじゃないんでしょう、あなたどうですか。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) 国税庁の醸造試験所というところがございます。ここで毎年各社の製品を、市販品でございますが、集めまして審査をし分析をいたしてございます。その結果を見ますと、四十三年以来非常に国産のウイスキーは品質が向上しているということが出てございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それは無差別な抜き取り検査ですか、それとも何か提出さしているんですか。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) 市販品を提出していただいております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうしますと、現実にあなたが提出されたものを検査した結果、ウイスキーのモルトが一番少ないものはどのぐらいあったんですか。特級や一級です。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) モルトの混和率につきましては、官能で判断いたしましても詳細なところはわかりません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 結局そうしますとね、アルコール添加されてわからなくなっちゃうんだから、あなたの言う指導した結果が現実に守られているかどうかという保証はないんじゃないですか。どうでしょう。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 実は先生のおっしゃるような問題がございますので、税務署では原酒の混和率はこれは検査の必要がございますので、チェックしておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いま言う、保証があるかどうかという質問をした。わからなくなっちゃうと言う。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 税務署でチェックいたしておりますから、わかるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 片方はわからないと言っているんですから。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 委員長……。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 ちょっと待って。こちらに私が伺っているのに、あなたはどうして答えを取っちゃうんですか。だから、何か困る答弁されちゃ困ると思ってあなたやっちゃ困るのでね。こっちじゃ、現場の方ではわからないと言っているんだから、変ですよ。だから、答弁をいいかげんにしちゃいかぬ。

川島宏国税庁間税部鑑定企画官

○説明員(川島宏君) 成分的な、それから官能審査ということで、品質のチェックは先ほど申し上げました醸造試験所でやるわけでございますが、その場合に、ウイスキー原酒の混和率というようなことでそういう検査を行っているというわけではございません。品質全体がどうなっているかということで行っておりますので、そこの段階では、原酒の混和率が幾らということは把握いたしておりません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 だからね、間税部長、あなたは品質は大丈夫大丈夫と言うけれども、実際モルトの——いま私が質問したのは、モルトのパーセンテテージを問題にしてきたんです。それはわからないと言う。だから主税局長、あんたは盛んに意地を張って、どうしてもいいんだいいんだとおっしゃるけれども、モルトの要するに量が指導では七尾以上あるように指導していると、こう言うんですよ。いいですか。だけれども、それを実際調べるよすがはないわけですね。だって調べてもわからぬと、こう言うんだから。あなたは品質がいいんだとおっしゃって、そういうふうな消費者の嗜好というものがそれじゃ長続きしませんと、そんなモルトが少ないような製品じゃ長続きしませんと断定するが、実際化学的にわからないと言う。どうしてそんなに意地を張るんでしょうかね。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) どうも今日の酒税法の解釈を、再々お答えしておりますので、意地を張っておるようにお聞き取り願って遺憾でございまするが、現実に税務署の、製造場におきますところの検査におきましては、酒類の移動というものについてはかなり詳細な検査を行っておりまするから、ウイスキー原酒をたとえばびん詰めをいたします、あるいは混和をいたしますというときにはそれは全部資料としてわかるわけでございます。数字はわかるわけでございます。いま鑑定企画官の方で申しましたのは、抜き取り検査をしてきましたときに、官能検査ではわかりますけれども、あるいは成分的に分類のできるものはそこで分析はできますけれども、ウイスキー原酒というものはなかなか抽出ができないということを言っておりましたので、ウイスキー原酒にたとえばそのほかのアルコールを混和し、びん詰めをするという段階には、税務署は全部その数字は持っておるわけでございます。したがいまして、どれだけのウイスキー原酒が移動したか、その混和する場所に、ところに移動したか、それからびん詰めをされて幾ら出たかという段階は全部チェックしておるのでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それじゃその総計を出してみてください、ウイスキー原酒がどれだけ消費されたのか。——私は何もあなた方をやっつけるために質問しているわけじゃないんだ。あなた方ももう少し虚心に答弁してくれなきゃ困る。何でもかんでも、改めるようなことはいやがっちゃって、現行法のとりでを守ろうとする極端なことをおっしゃるから、それだったらわれわれもどんどん深く掘り下げて質問せざるを得ないわけです。じゃ、どれだけ原酒が消費されて、アルコール度がどれだけ消費されているのか、はっきりした明確な資料を出してください。それでなかったら、これ、モルトが果たして七%絶対に最小限度あるという保証は得られないでしょう。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 私どもの方で制度的に入手できますのは、原酒の全国一本での生産量と、それから税関の通関統計によります輸入量、これがわかることになっております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その問題は、私がまた、モルトというものはほとんど輸入物を使っていると、山崎の里に眠っているあれじゃないんだということの立証に用いようと思ったところなんですよ。それはわかる。だけども、現実に、輸入がどれだけのモルトがあって、それから生産がどれだけのモルトがあって、全体の生産量はこれだけで、アルコールの——要するに入荷されたアルコールがどれだけで、だから結局モルトというものは最小限度これだけのパーセンテージは用いられておりますという主税局長のような保証があるならば、それを計数的に出してください。それでなければ、この三号が指導によって七%のモルトは少なくもなきゃいけないんだと、それは指導によらずして、政令でいま決まっていますわね、政令でそういうふうにいたしましょうというならそれでもいいです、納得します。そうでなくて、いやこれはもう守られてんだと、だから政令を改正する必要はありませんとがんばるんだったら、守られているという証拠を出してください。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 私は、制度的にはウイスキー原酒が何%以上常に含まなければならないということは要求をしていないということを申し上げております。いま指導で何%やっておるかということはまた別問題でございます。ただ制度的には、特級——ウイスキー原酒がたとえば二三%以上になりますれば、特級の税金を払っていただかなければなりませんから、税務署においてはそういう点については厳重に監督をいたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いや、モルトが二三%以上あるというのはいいんですよ、それはもう当然なんですからね。それは監督なさることもいいでしょうし、当然のたてまえなんです。ただ、アルコール分が四十三度以上あればモルトのパーセンテージは問わないんだという規定になっているから、それじゃ困るじゃないかといってお尋ねしているわけですよ。消費者にそれじゃモルトが極端に少ないような特級ウイスキーが供給されてしまうおそれがあるじゃないかといってお尋ねしているんです。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) その点に関しましては、毎々お答えして恐縮でございますけれども、今日のわれわれの考え方は、ウイスキーにつきましては度数というのも非常に要素が強うございますし、それから、そういう観点からいいまして、特級となるためには四十三度ということが一つの大きな要素になるということから今日の制度をつくっております。そのときには制度的にはウイスキー原酒の含有量というものの最低限は規定いたしておりません。むしろそういうことで、度数がかなり高くてウイスキー原酒が非常に少ないものをむしろそういうことでは特級として通用させるということで、逆に余り流布しないということを意図してこの制度はでき上がっておることは先ほど来お答えしておるとおりでございます。そういう観点からいいますれば、この際ここのところにウイスキー原酒の最低限度というのを書く必要はないと思っております。しかし、全体的にウイスキーの中にウイスキー原酒がどの程度入った方が望ましいかということは企業の判断でございますし、また、そういうことの観点から鑑定官の方で指導しておることもございましょうけれども、そういうことと、税金の制度としての最低の含有量というものは別に考えてもよろしいんじゃないかということをさっきからお答えしておるつもりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 だから、それが私には納得できないと申し上げてるんですよ。あなたはね、徴税の立場からはウイスキーの原酒がどの程度入っていてもそれは構いませんと、要するに四十三度以上のアルコールがあれば特級として扱うんですよと、そういう立場を貫くんだということをもう強硬に言い張るわけだ。それには徴税の立場からは理解できないことはありません。しかし、それじゃ、モルトが極端に少ないような特級ウイスキーができちゃうじゃないかと。それをあなたは企業のモラルだと、まあときには消費者の舌だとおっしゃるけれども、企業のモラルといったって、この間の石油危機のときにごらんなさい、企業のモラルなんていうものに絶対の信頼を置くことはできないでしょう。また消費者の舌だといっても、それはコカコーラというものはずいぶん愛用されているけれども、あれなども調べてみると非常に原価の安いもので、歯などを入れると歯がぼろぼろに腐食してしまうというような恐ろしいもののようです。だから、消費者の舌をだますことはいまの科学的な進歩のときには決してそんなむずかしいことじゃありません。だから、企業のモラルとか、それから消費者の舌なんていうものに絶対の信頼を置くということは非常に危険なんで、それよりも、あなた方ができることですから、これは大臣の決意と、主税局長が政令をいじろうと思えばわけなくできることなんで、それをまたいま現にあなた方が指導しているとおっしゃる、七%以上のモルトはぜひ入れろということを指導しているとおっしゃるんだから、それならばそれで政令でもその立場を貫いたらどうかと言ってお尋ねしている。——主税局長、あなた意地張るから、大臣ちょっと、聞かれてどうですか、あなたの考えは。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) ウイスキーには先ほど来申し上げておりますように度数でかなりこれは飲めるなという感じがするわけでございまするから、たとえばウイスキーで四十三度以上のアルコール分を含んでおりますれば、ウイスキー原酒の程度が——含有分が低くてもかなりいい値で売れるわけでございます。それはむしろいま盛んに寺田委員が御心配になっておることでございまして、それをむしろ、かなりいい値で売れるならば重い税金を負担してもらうということにいたしますれば、そういうものは出ないということが想定されるわけでございます。それを把握していないからけしからぬとおっしゃいますけれども、考えられることは、四十三度でたとえばいま七%とおっしゃいましたけれども、六・何%の含有で売ればかなりいい値で売れるわけでございます。それはでもウイスキー特級としての私どもが考えております本質からは相当遠いものでございまするから、そういうものをかなり高い値段で売られるよりは、それではそれに特級ウイスキーの税金を負担してもらって普通のウイスキー特級並みの価格で売られればそれはしようがございませんけれども、そういうことであればやはり消費者の選好というのが働きますから、ウイスキー原酒の含有量の多いものの方がだんだん流布していくであろうということでございますので、むしろ私は先ほど来の御議論を伺っておりましてこの三号というのが非常にけしからぬ、けしからぬとおっしゃいますけれども、寺田委員の御心配を私どもも考えて、むしろその穴をふさぐという意味で、四十三度ということだけで特級という重い税金を負担させておるのでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いつまでたっても果てしがない。あなたは四十三度のアルコール分があれば特級の税金を取るんだと、そのことだけをめがけていらっしゃる。私はもう何回も言うけれども、それではウイスキーの本質であるウイスキーモルトというものが何%あるかということの保証にならないじゃないかと、あなたの持っていらっしゃる政令の規定では、ウイスキーモルトというものは一%でも特級になっちゃうじゃないかと、だから指導で七%以上を持たせるというならば、その程度のことば政令で規定したらどうなのかと言っているんですよ。つまりその指導でやることが確実に守られるという保証があればそれは何にも申しません。しかし、現場の第一線の方ではそれはわからないのだとおっしゃるから——わかる、わかるならばそのわかる資料を出してほしいと言っている。これはもう主税局長、何回言ってもあなたがんばるから、大臣いかがですか、あなたのお考えは。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 仮にウイスキー特級の三号の中にウイスキー原酒の最低含有分を制定いたしますとしますときにはそれを下回る仮に七%と決めたとします。それを下回る四%程度ウイスキー原酒を入れただけで四十三度にしましたものはウイスキー一級か二級になるわけでございます。しかし、ウイスキーにつきまして、その四十三度ということは非常に消費者にとっては味がいいということになりますから、かなりいい値段で売れてしまうわけでございます。そうしましたときには、むしろ寺田委員が御心配のようにウイスキー原酒の含有量が非常に少なくしながら四十三度で高く売れるわけでございますから、それはむしろ私どもは封じたいわけでございます。それを封ずる手として私どもは税金取る気持ちでいっぱいだ、いっぱいだとおっしゃいますけれども、そこは特級の税金を下げてもらうということにすればそういうものはだんだんなくなってまいりますというのがこのねらいなんでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 あなたの気持ちはわかるんです。だから、そうすれば高い税金を払ってもらえるんだから、だからなくなっちゃうだろうと、こう言うんでしょう。いや、それなくならないですよ。特級で売れるのだから、特級として売っていく分においては、それだけの利益というものはメーカーにあるんだからなくなりません、売れる分には。だから、たとえウイスキーモルトを一%にして、四十三度にしてどんどん大衆がおいしいから買う、税金はどんどん払う、税金をたくさん取られるから恐らくメーカーは一挙に下げるでしょうったって、特級で売れるものを下げるわけはない、そうでしょう。だから、それがまた税金を取るという立場からはあなたとしては目的を達することでありましょうけれども、しかし、一般大衆から言えば、それは大衆の期待に背くことなんで、大衆はウイスキーモルトがふんだんに秘蔵のものが入っていると思えばこそ特級のウイスキーを飲んでいるのだから、少なくもあなた方が指導で確保しようとする程度のモルトの含有量というものは政令でそれを担保なさったらどうかと言っているのです。大臣おわかりでしょう、私の考えは。いかがですか。あなた主税局長にばかり答弁をゆだねられる、私はもうこういうところは事務当局が余りがんばっちゃって態度を変えない以上は、大臣のこれは決断いかんだと思いますね。大臣にお聞きしているわけです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) つまり行政上の指導におきましては、級別にモルト原酒の含有量を適正に指導をいたしておるということでございますが、施行令の上から申しますと、いま主税局長が言うような、ちょっと回りくどいわけでございますけれども、ああいう規定になっているということでございます。で、素直に指導本位で規定すればいいじゃないかというような御趣旨の御質問と思いますが、それも一つのお考えじゃないかと思いますが、元来この酒税法というような法律は、非常に歴史のある法律でございまして、この一条一条にはわれわれの諸先輩の長いいろいろの経験が込められておるわけでございまして、ここで私が一概にこれはこうしますというなかなか断を下すのもやや僣越かと思いますが、いま寺田委員のおっしゃることも私もわからぬわけではございません。したがって、そういった点は両方の目的は違っておるわけじゃございません。寺田さんも主税局長も別に考えが違っておるわけじゃございませんので、規定の仕方の問題だろうと思いますので、素直に検討させていただきます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 初めからそう言えばこれは五分で片づくことをがんばってがんばってがんばり抜くから一時間もかかってしまう。じゃ、この問題はそれだけにして一応。  それから、国税庁に最後に希望しておきたいんですが、やはり税を取るという立場ですべてを律していらっしゃる、それはよくわかるんですけれども、ただ弱いのは消費者で、だから、消費者連盟なんというのをつくって、一生懸命正直にレッテルを張れとかいうことで抵抗はしているわけですが、しかし、それは消費者がそういう抵抗を一生懸命するけれども、税を取って指導監督の立場に立っていらっしゃる国税庁が一たび采配をふるえば、いとも簡単にできてしまうことなので、いまの生産された製品の内容であるとか、それと広告との乖離というものはないか、実態に即したものかというような点について、これから少し調査と実態の把握というか、そういうことをもう少し強化してもらいたいと思うんですよ。いま大分把握はしておられるだろうけれども、なかなか十分な把握というふうに思えないものだから、よくその実態を調査して把握してくださるように希望したいんだけれども、どうでしょう。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) まず、広告宣伝の問題でございますけれども、やはり広告宣伝、これは金額の問題と、それから内容の問題と両方あると思うのでございますが、内容の方はこれは私どもが余りとやかく言うべき筋合いのものでは、実はなかなかこれは言いにくいだろうと思います。もちろんその内容が非常に消費者に憂良誤認をさせるようなそういうふうな性質のものであるということになれば、これは所管は公取でございまして、公正取引委員会の方で当然そういう点については調査をし、それの予防なり防止措置、そういうものはとられるだろうと思います。  それから、金額の面でございますけれども、金額の面につきましては、これまた会社の営業政策の問題もありますし、それから新分野開拓というふうな場合もございましょうから、これを一々私の方でこの部分の広告は幾らにしなさい、この部分の広告は幾らにしなさいと、こういうふうなことはちょっと適当ではないんじゃないかという感じはいたすんでございますが、ただしかし、酒類が致酔飲料であるということもありますし、余り広告宣伝費をかけて、それが製品原価を押し上げると、そういうことになるということになりますと、これいろいろ問題がございますので、そうした観点から私どもも従来から指導しておるところでございます。  それからもう一つの表示の問題でございますけれども、これは、実は表示は、ウイスキーの場合には諸外国の例を見ましても、アルコール分の高いウイスキー等につきましては現在表示がされてないように私ども聞いておるわけでございます。そうしますと、外国から入ってくるスコッチものやなんかとの関係をどうするかという問題が実は非常にめんどうな問題としてあるんだということを業界筋から聞いておるわけでございまして、その辺のところを今後業界の方でもう少しよく検討してもらう、そういうふうなことにいたしたいと思います。もちろんこの表示の問題は、最終的には私どものところの所管ではございませんで、これは公正取引委員会の所管でございますけれども、そういうことで業界でもこの問題についてはいろいろ研究しておるし、公正取引委員会の方でも外国の事例等を調査をされておると、こういうふうに聞いております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 何か大臣が十二時半までしかお時間がないようですから、酒はそのぐらいの程度にして、今度はたばこの問題に移りたいと思います。  大臣、専売公社なり、それから公共企業体等関係閣僚協議会事務局というのがあるようですが、そういうものの出している、このたばこの問題、専売公社の運営の問題、あり方の問題等についての印刷物をきのうの夜もらって読んでみますと、たばこの民営論ですね、民営論について賛否こもごも紹介されておるわけです。われわれとしてはまたわれわれの意見というものがありますが、この民営論について大臣としてはどういうお考えを持ってらっしゃるんでしょうか。これは専売公社の意見は専売公社の意見としてまた後でお尋ねいたしますが、この基本的な問題について一応大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 理論的な問題といたしまして、専売事業、たばこ製造販売事業というようなものがどういう経営形態であるべきか、どういう所有形態であるべきかということは確かにいろいろな見解があり得るし、いま御指摘の民営論というものも一つの有力な意見であろうと思うのであります。しかし、私ども現実の政治家といたしまして、現行制度のもとでこれをどのように改善してまいるかという問題がわれわれに与えられた課題でございます。したがって、まず、現行の専売制度というものが公共企業体というものとの合体においていま運営されておるわけでございますが、これを民営制度に移すのが是か非かという問題が現実の問われておる問題であろうと思うのでございます。  で、私の見解ということでのお尋ねでございますが、まず、公共企業体から民営に移すためには離脱をせにゃならぬわけでございます。現実に公共企業体に入っておりまして、公共企業体をどうするかという問題、とりわけ公共企業体の労働関係からこれをどのように取り扱ってまいるかということがいまの政府の大きな問題となっていま討議されておるわけでございますから、そういう状態と遊離した議論を申し上げても意味がございませんので、この議論の帰趨を見定めた上で見解を述べなければならぬと思うのでありまして、いまの段階において意見を問われるならば、この公共企業体の閣僚協議会の検討を待って大蔵省としても判断しなけりゃならぬのじゃないかと考える——わめて公式的な見解で恐縮ですけれども、強いて問われればそう答えるよりほかに道はないと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣、これは突然お尋ねしたので大臣の方でもちょっと御準備が不足だったと思いますから余り追及する気持ちはありませんけれども、ただそういう御答弁だとちょっと大変私どもとしましてはまあ不本意なわけで、いわゆる罷業権の問題などとこの問題と絡めて考えるということは非常に誤りですね。と言うのは、日本電信電話公社でも、それから国有鉄道でも皆共通の問題ですから、だから、国有鉄道の問題、スト権と民営論と絡みつくものじゃないんです。電信電話公社でも一緒です、これは。だから、そういうふうに労働権の問題と民営論と何も結びつくものじゃありません。だから、そういうような御答弁はちょっと誤りじゃないでしょうかね。もっと根本的な問題じゃないでしょうか、運営の。どうでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございます。仰せのとおりでございますが、そのそういう根本的な問題をいま議論申し上げますことは生産的でないので、いま現実の当面しておる問題の解明から始めなけりゃならぬのじゃないかというのが私の申し上げておるところでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 まあ大臣がいま労働基本権の問題と関連せしめることは適当でないと、これは私の意見と同様だとおっしゃった。それは私も納得しました。ただ私どもとしましては、民営論というのは非常に危険な要素というものをたくさんはらんでいるということを信じておりますので、まあ大臣は非常に聡明な方でいらっしゃいますから、そういういわゆる一部の企業家の意見に流されるというようなことは毛頭ないということ信じますけれども、そういうことがないように強く希望しておきたいと思います。  専売公社の副総裁、この「日本専売公社意見」という公共企業体等関係閣僚協議会事務局の作成した印刷物をきのう組合の方からいただいて読んでみますというと、専売公社の方では非常に傾向として民営論に対する反対の傾向というものをうたっていらっしゃるように思いますが、どうでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) その点は先般閣僚協議会懇談会におきまして私出席いたしまして公社の意見を申し述べたのがお手元に行っていると思うのでございますが、専売公社といたしましては、過去民営論というのが何度も出てまいりました。公社ができる前にも民営論があったわけでございますが、私どもとしましては、理論的にはそれはたばこの製造販売というのは公社経営でなきゃいかぬという理論はありません。外国でも民営になっているところが多いわけでございますから。そういうふうに思いますが、わが国のたばこの専売制度が七十年間続けて今日に至っておるという現実を基礎にいたしまして、現在の専売公社制度でたばこの製造販売がそれほど大きな問題がなく円滑にやってまいっておる、そういうことを基礎にすれば、民営にするのが適当とは思われないということを申し上げているわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 この日本専売公社の意見の中で、もしも民営にするようなことになりますと、国際たばこ資本というものが、いまの自由貿易の世の中では、早速日本に上陸して日本のたばこ企業というものを押しつぶしてしまうであろう。それから日本のたばこ耕作者の立場というものを、いわばブルドーザーで全部押しつぶすような恐ろしい結果が生ずるであろう。それから、日本の公社の従業員の身分関係というようなものを根底から危うくするという大問題を生ずるであろう、いろんな反対論を掲げていらっしゃいますね。それはいまでも副総裁、日本専売公社の意見としてお持ちになっていらっしゃるのでしょうね。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 仮に、いまの公共企業体でありまする日本専売公社につきまして、専売制度を廃止して民営に移すとすれば、いろんな問題が考えられますが、その中で、いまお話のように、一つは民営にする場合に、一社民営にするのか、それは独占禁止法との関係で問題になるから数社に分割するのかという問題がございます。仮に数社に分割した場合には、必ずや外国のたばこ資本がどれかに接近いたしまして、その外国資本によってその会社が制覇されるということが当然考えられるわけでございまして、御存じのように明治三十七年に製造たばこを専売にいたしましたのは、当時アメリカ資本が入ってまいりまして、そのアメリカ資本の参加しておるたばこが相当数量売れるようになって、将来わが国のたばこ産業のあり方として心配されたから専売に移して、アメリカ資本を排除したわけでございます。そういったことが今度また民営に移す場合に起こり得ないとは保証し得ないわけでございます。そういう問題があります。   〔委員長退席、理事河本嘉久蔵君着席〕  それから、専売制度を廃止した場合、わが国の葉たばこ耕作者、これはこの前申し上げておりますように、現在日本の葉たばこの価格は外国の葉たばこに比べましてかなり割り高になっておりますが、専売制度でありますために、専売公社が一括購入をいたしまして成り立っておりますけれども、もし専売制度でなく、民営になりますと、そういう葉たばこは民営会社は購入しないということになります。製造たばこの専売はやめるけれども、葉たばこの専売は続けるのだというようなことが果たしてうまくいくかどうかということを考えますと、そういうことは葉たばこ耕作者の不安を増大する、ブルドーザーなんというような表現は使っておりませんはずでございますが、そういう不安があるということを申し上げたわけでございます。  それから、専売公社の職員につきましては、現在身分保障の制度がございますが、民営になりますればその身分保障かなくなります。その身分保障があるものを身分保障のないものにする場合に、これはまた御存じと思いますけれども非常に問題が起きるということがございます。  それから仮に民営に移す場合に、現在の公社所有資産をどう評価して、どういうふうにこれを民営に移すか、これはまた実際問題として非常にむずかしい問題でございます。そういった、民営にするとすれば、非常にいろんな多くのむずかしい問題がある。したがって、私どもとしては、民営にするのは適当じゃないのではないか、こう考えておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官にお尋ねいたしますけれども、この公共企業体等関係閣僚協議会専門委員会懇談会というものがありますね、長い名前の。これはもうすでに何回か開かれましたか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 詳細なことは存じ上げませんけれども、私の記憶が正しければ、月大体二回程度のベースで十九回過去に行われたと記憶いたしております。   〔理事河本嘉久蔵君退席、委員長着席〕

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その専門懇というものは、それを管理する官庁というのはやはり総理府になりますか。それともどこになりますか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 内閣官房になっているようでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官、あなたはその専門懇に専売公社の持っている意見というものを、これを余すところなく正確にお伝えになっておられますか。それともあなたがやらなくても専売公社が直接に専門懇に自由に意見を述べ、パンフレットを配るということがいま可能な状態にありますか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 専門懇談会におきましては、各三公社五現業から経営側及び労働側からそれぞれ意見を聴取する機会を設けていただいておりまして、先ほど申し上げましたように、経営形態に関しましてはすでに意見を申し上げました。スト権に関しましてはいずれ近いうちに意見を申し上げることになっております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連。  私は、いずれ正規の時間をいただいて質疑を展開したいと思っておりますが、いま寺田委員の質問に関連して若干の点を触れてみたいと思うのであります。  先般来の審議の過程でも、専売公社当局は、当該所属勤労労働者については現行労働法の適用をするのが至当であろうという趣旨の、こういう答弁がなされ、また最近の総裁は、同じような表明をされてきているように思うのですが、まず、専売当局からこの点について間違いがないか、あるか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) その点は昭和三十九年に阪田元総裁が国会で申し上げまして以来、歴代総裁がそういうふうな方針をとってまいっております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いまの総裁も変わりありませんか。総裁、いま来ていないようですが、だれか、かわって……。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 変わりはございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これに関連しての答弁で、大蔵大臣は閣僚懇において全体の中で決まっていくであろうという、まあ一見あなた任せのような印象を、先般の本委員会でも受けたわけですが、大蔵大臣はいかように考えておられますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) その問題は公企体の経営形態との関連におきまして閣僚協でせっかく審議が行われておるわけでございまして、私もその一員でございまして、したがって、いまそれから独立して見解を申し上げる事由を持っておりませんので、この閣僚協の結論の帰趨を見きわめた上でお答え申し上げるようにいたしたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 閣僚懇では、これは罷業権、スト権一般を一応おくとして、専売に関する限りについてあなたの御主張はどういう御主張をされてきたか、また今後どういう御主張をされるのか、この点を大蔵大臣御自身からひとつお伺いしておきたい。監理官の答弁では、これはもう必要がございませんので。閣僚懇においてどういう主張をされてきたか。今後どういう主張をされようとするのか。これはぜひひとつお聞かせいただきたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) まず、私の方の見解は、監理官をして主張させていますので、監理官からまずお聞き取りをいただきます。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 大蔵省といたしましては、従来から、これはひとり専売公社の問題だけではございませんけれども、三公社五現業のスト権につきましては、次のようなことを理由といたしまして賛成できないという意見を持ってきておったわけでございます。その理由といたしましては、一つは、公社の三公五現の持っておりまする公共性の問題、二番目は当事者能力の問題で、現在三公社につきましてはそれぞれ相当程度の弾力的な当事者能力を持っておるわけでございますけれども、それをさらに拡大するということはなかなか困難であるということにおきまして当事者能力をなかなか広げられないというようなことも二番目の理由として挙がっております。  それから三番目の理由としましては、歯どめがないのではなかろうか、競争原理がほとんど作用しておりませんし、また私企業のように倒産とか、そういうようなおそれもないということで自律調整機能が欠如しておるのではなかろうかというようなことでございます。それからさらにスト権の禁止につきましては、公労法にあっせん、調停、仲裁の定めがある等、公社職員の適正な勤労条件確保についての代償措置も講じてあるのではないかというようなことが理由になっておりまして、従来からこういうふうな意見を持っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 寺田委員が時間が欲しいようでありますから……。それは理由になりませんし、きょうは大蔵大臣に、積極的に閣僚懇でやはり大臣が、それは大蔵三現ありますが、いまの場合は専売、これについて専売当局のいまは答弁、これを実現するように閣僚の一員とし、関係者の一人として積極的にこれが早期実現のために努力する意思があるのですか、ないのですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 専売公社の見解はよく承知いたしております。またそれはそれなりに評価しなければならぬと思いますが、同時に、政府といたしまして、いま監理官から申し述べたようないろんな制約も考えなければならぬわけでございますので、閣僚協の討議に藤田委員の仰せのように積極的に参加いたしまして、この問題について鋭意検討を進めてまいることをお約束をいたしたいと思いますが、いま結論について言及することはしばらく差し控えさせていただきたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣の意見というものはいわば中立的な意見といいますか、そういうふうな印象を受けるのですが、しかし、積極的に参加して大いに検討するというその御熱意は、これはわれわれとしても評価するにやぶさかでありません。文明国の中で専売制をとっておる国、たとえばフランス、イタリー、オーストリーなどでも、これはストライキを禁止しているという国はないわけです。この点はよく大臣においても御認識になっていらっしゃると思います。そういう世界の動向、趨勢というものを見て、日本だけがこの問題で未開発の野蛮な国に陥らないように、その点の御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう、その点だけ。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御趣旨よく心得て討議に参加してまいりたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官、あなたの御論拠というものは、私どもとしては十九世紀的な思想のように思うのですよ。もう少しやはり世界の趨勢というものを考えてくださらなければいかぬ。  それからあなたは歯どめ論ということを盛んにおっしゃるのですが、これはアメリカでも公務員の一般の労働者のストライキが非常に盛んで、私どももアメリカに行ったときに、沖仲仕のストライキというものがもう何ヵ月も続いて、とうとう帰るまでに荷物が手に入らずにそのままになってしまった経験があるのです。しかし、それでもアメリカの国民というものは労働者のストライキの権利というものをしっかりと守っているのです。ただその場合、タフト・ハートレー法で、御承知の大統領の緊急措置権がありますね。法廷にあれしてインジャンクションが出るという。あなた、それを御存じでしょう。それによって歯どめ論といいますか、そういう点をいろいろ調整するようなテクニカルな措置というものが講ぜられるわけですから、やはりそういういろいろな点を前向きに考えていただかないと、ただ労働者の権利が拡大することを恐れるというようなことでは困るわけですが、その点いかがです。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ただいま私が申し上げましたのは、三公社の中での自律的な調整機能というものが現在欠如しているのではなかろうかということでございまして、ただいま先生が御引用になりましたタフト・ハートレー法によるインジャンクションとか、そういったものとはちょっと観点が違っておるのではなかろうかというふうに私は受けとめました。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうすると、あなたのおっしゃったのは、要するに公社の中での当事者能力の問題が非常に困難な問題だ、そのことですか、ちょっとよくわからなかったが。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 当事者能力は現在すでに相当程度弾力化しておるという認識をわれわれとしては持っておりますけれども、それとは別に、やはり現在の情勢のもとでは内部的な自律調整機能が欠如しているのではないかというふうに考えておるわけでございまして、先ほども、一番目の理由としましては公社の公共性。二番目としましては当事者能力をいま以上に拡大することには非常に問題があるのではないだろうか。三番目の問題点として歯どめの欠如というのを指摘したわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その歯どめの欠如というのがよくわからない。それをもっとわかりやすく説明してもらいたい。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 現在の制度のもとにおきましては競争原理というものがほとんど作用していないのではなかろうかと。それから私企業のように倒産のおそれもないというふうなことによりまして、公社なりそういう内部での自律調整機能が欠如しているのではないか。したがいまして、賃上げ要求が不当にエスカレートするようなことにもなるおそれがあるのではないか、こういう趣旨でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 労働者の賃上げ要求が、結局あなたのおっしゃるのではどんなにエスカレートしていってもその歯どめがないと、こう言うのだろうけれども、それは何もあれでしょう、そんなこと言ったら一般の労働問題のもうすべてそんなことは言えるので、民間だって歯どめがないからストライキやめちゃえばいいじゃないかと、こういうことになるわけで、それは余りあれでしょう、やはりそういうことありましても、労働者にいまもうスト権を認めるということが、これは働く者の基本的な人権だということが文明国の、これはまあ法律的常識になっているわけだ。憲法的なもう、日本のように憲法二十八条がなくたって、たとえばアメリカでも、それからイギリスでも、どこでも、ストライキの権利というものを基本的に認めない国というのはないわけでしょう。だから、その議論はちょっと考えてもらわにゃいけませんな。  それから次に、納付金制度についてお尋ねをするわけですけれども、これは大蔵省と専売公社との間で覚書というものが結ばれておりますね。こういうような覚書によって納付金というものが動いていくという制度が果たして合理的なんでしょうか。これは根本的に大臣、あなたこういうような、つまり国民の目に触れないような覚書というようなもの、これによって納付金というようなものがこう決められるというこの制度自体についてどんなお考えでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) それ何も権威のあるもんじゃございませんで、内部の事務の処理の仕方でございまして、外に対して拘束力なんか持つ性格のものじゃございません。大蔵省と専売公社との間の事務の打ち合わせがあったものでございまして、事務当局には財政収入の安定的な確保と公社の経営責任を明確にする意味で、こういうようにお互いに考えようじゃないかと申し合わせたもののようでございます。しかしこれは、寺田先生に御心配いただくような性質のものではございませんで、内部の申し合わせでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 どうなんでしょう、大臣。私は何でもかんでも法律で決めろというのじゃないんですけれども、やっぱりこういうことは、国民がああそうかということで理解できるように、何らか明確な形をとってきちっと決めておいた方がいいじゃないでしょうか、いかがですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) この覚書につきましては、この前の定価改定が行われました後に、消費税制度を積極的に導入してはどうかということが、これはかねがね税調その他専売事業、審議会、その他いろいろな研究会におきましても議題になっておった課題でございますけれども、消費税制度を積極的に導入してはどうかということが諮られたわけでございます。しかしながら、いろいろな情勢によりましてそれが見送られたという経緯がございます。さらに、しからば、消費税制度にかわって納付金率を法定してはどうかというふうなことも議論されたことがございますけれども、これも昭和四十六年度でございますけれども、見送られたという経緯がございまして、そのときにそれにかわってこの覚書を三年程度試行的にやってみてはどうか。目的は、ただいま大臣から御説明がありましたように、財政収入の安定的確保と、それから公社の経営責任を明確化するために、大蔵省と公社との間で結ばれた覚書でございまして、そういった経緯のもとに今日に来ておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 どうもこの内容がはっきりしなくて私どもとしましては不本意ですが、この問題はまた後日に譲ることにいたしましょう。  ただ大臣、このたばこ価格の改定の基礎に益金率が非常に下がったんですということがあるわけで、それが非常に重きをなしているわけです。ただ問題は、物価が上昇してまいりました。それからこの物価上昇というようなものの原因の大部分は、やはり政府みずからがその種をまいたとも言い得るわけです。そういうことを考えますと、余りこの益金率が下がってきたということにこだわるのはどうかという感じがするわけです、基本的に。それからどれだけの益金率がなければならないという目安が別段あるわけじゃなくして、いわゆる過去はこうでしたと、これが下がったのでは困るんですという、非常に根拠が薄弱のように思うのですが、この点いかがでしょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 絶対的にこういうパーセンテージを維持しなければならぬという性質のものではないと私は考えております。政策的に判断して弾力的に配慮していい性質のものと思います。けれども財政収入というものは、ある程度計画性を持っておる必要があると思うんでございます。そうしないと財政自体の計画的な執行というのが不可能でございまするし、展望もなかなかききにくいわけでございますので、一応われわれ目安といたしまして六〇%内外というようなところがいかがなものかというのが、諸外国の例も見ながら、日本としてはその程度のことを考えてきておるわけでございます。それは非常に絶対的にそれではいけないという反証が挙がればこれはともかくでございますが、しかし、そういう私どもが首肯し得る反論もありません。私どもといたしましてはそういうところを大体の目安として遂行していって差し支えないでないかと、そう考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その反証は確かにないでしょうね。ただ問題は、それは物価を押し上げるとか、あるいは大衆の負担になりはしないかとかいうような、別個な見地からする否定的な見解というものがあるわけですけれども、それは衆議院の大蔵委員会でもずいぶん論議がありました。当委員会でもありました。だから、余りこの点について私はさらに繰り返すことはやめますが、大臣は十二時半までですか——それじゃ、あとは午後に……。

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) それでは、午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩をいたします。    午後零時三十分休憩      —————・—————    午後二時六分開会

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  午前に引き続き、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 この専売公社に関係いたします各種の審議会的なものですね、これは全部でどのぐらいありますか。またその委員の人選はどなたがなさるのか、これは専売公社の副総裁と監理官にそれぞれお答えいただきたいと思います。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 大蔵大臣の諮問機関としては専売事業審議会がございます。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 専売公社関係におきましては、たばこの関係でたばこ耕作審議会というのがございます。これは委員の任命は総裁が行います。  それから、塩の関係では、塩業審議会と、それから塩収納価格審議会、この二つがございます。これいずれも委員の選任は総裁が行います。  なお、審議会という名前を用いておりませんけれども、消費者会議というのを設けておりまして、専売公社といたしまして、消費者の声を専売事業の上に反映するということをいたしております。この消費者会議の方は各地で催し、その都度消費者の方の御出席をお願いすることにいたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官、その専売事業審議会というのは委員は何名で、どういう顔ぶれで、そしてどういう職業の方かちょっとわかればおっしゃっていただきたいと思います。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 専売事業審議会は委員が九名でございます。会長を含めまして九名でございます。そして、法律の上で学識経験者と葉たばこ関係者、それから専売公社の職員、そういう三つのカテゴリーがございます。現実には、葉たばこ耕作者の代表者が一名、専売公社の職員の方が一名、それから残り七名が学識経験者のカテゴリーの中に入っております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 御承知のように各種の委員というのが、どちらかと申しますと財界の人などがもう優先的に委嘱される、ところが、いわゆる勤労者の代表というような人は、ついぞ委員に任命されるということがない。まあ最近ちょっと出てまいりましたけれども、きわめて少数なわけですね。で、いまの専売事業審議会というようなものを聞いてみましても、労働組合の代表というようなものはないわけです。ところが、専売事業というようなものは、実は専売公社に働く五万の労働者、これがある意味で支えておるわけで、その比重というものはきわめて大きいでしょう。そういう者の代表もやはり当然入ってしかるべきであると思いますが、監理官御意見どうでしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ただいま申し上げましたように、カテゴリーとしましては三つございまして、その中に公社の職員というカテゴリーがございまして、現に職員の方に入っていただいておるわけでございますけれども、それをもって職員の声を代表していただくと、こういう発想で代表者を一名選んでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官の弁明といいますか、それはよくわかりますけれども、しかし、私がお尋ねするのは、やはりあなたが当然職員の代表とおっしゃるのは、経営陣から選ばれたんでしょう。経営者的な立場にあられる方でしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 現在職員の代表で入ってきていただいております方は、選ばれましたときには課長をやっておりました人でございます。現在は栄転をされまして、熊本の地方局長をいたしております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官、私がいまお尋ねしていますのは、そういう経営者的な立場にある人じゃなくて、いわゆる労働組合の代表的な地位にある人も入ってもらったらどうだろうか。専売公社はそういう経営者の方々と、いわゆる組合の方々と両者が相寄り相助け合って、その事業が運営されているわけですから、労働組合の代表も、そういう重要な審議会には参画せしめてはどうか、こういうことなんですが、どうでしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 現在のたてまえで、法律でまいりますると、労働組合の代表ということはなかなか困難かと思いますけれども、先生のおっしゃっている意味はよくわかりますので、現在御承知のとおり全員埋まっておりますわけでございますので、将来そういうような人を入れかえると、先生方に入れかわっていただくようなときには、労働組合そのものということにはまいりませんけれども、何らか先生のような御意見を考慮しながら考えてみたいとは思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それではその程度にいたしまして。  次に、公共企業体等関係閣僚協議会事務局が作成いたしました「日本専売公社意見」これは公企体関係閣僚協議会専門委員懇談会資料というナンバー五九とありますね。それをよく拝見をいたしますと、現在の予算制度の拘束のもとでは、専売公社の事業がとかく商機を逸するうらみがないわけではないという点の記載があります。ごもっともな意見だと思いますが、この予算制度と商機を逸するという問題で、公社の副総裁はどういうふうにお考えか、その点の御意見をお聞きしたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) いろいろのケースが考えられるかと存じますが、私ども最も痛切に感じておりますのは、専売公社は製造たばこの製造を行ないますために、葉たばこをいかに安く、しかも、いいものを調達するかということが、一番公社の死命を制することになっておるわけでございます。ところでこの葉たばこ、国内産のものは、御存じのように専売でありますから、国産の葉たばこは全部公社が収納するわけであります。それではなお不足でございますのと、それから従来香喫味の原料としてはアメリカの黄色種、バーレー種あるいはオリエント葉と、こういったものを輸入いたしておりましてそこでそういう葉たばこを安く、しかも、いいものをどうやって買い付けするかということになるわけでございますが、外国の場合には、たばこ耕作が自由になっておりますので、したがって、そこでたくさん葉たばこがつくられますと、需要供給の関係でたばこが安くなります。したがって安いときに、しかも、大量にできるわけでありますから、必ずいい品物があるわけでございます。そういうときに大量に買い入れておきたいわけでありますが、年々の予算で外葉購入予算というものが決まっておりますために、そういう事情がありましても、なかなか購入できない。逆に葉たばこの生産が災害等によりまして、生産が少なくなりまして、値段が高くなりましても、やはり御存じのように、葉たばこは二年間貯蔵しておく必要がございます。そうすると値段が高くても買わざるを得ない、こういうことが起きるわけでございます。  そこで、私どものお願いいたしたいのは、現在でもある程度弾力性を与えられておるわけでありますけれども、そういう葉たばこの購入予算につきましては、相当程度弾力性を与えていただきまして、安いときにはたくさん買える、高いときには買わなくてもいい、こういうふうにもっていくことができますならば、専売公社としては大変ありがたい。したがって、予算の上でそういうふうな弾力的な扱いをお願いできないかということを申しておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いま副総裁の御答弁を伺いますと、そもそもそういうふうな弾力的な運営ができるようにするということが、国家が直接生産に携わるんじゃなくして、公社という公法人をしてその製造並びに販売に当たらしめるというそもそもの趣旨がそこにあるわけですからね、それができないというんじゃ、これは仏つくって魂入れずになるわけですね。これはやはりこの問題に関する大蔵省の権威である監理官がもう少しこういう点について何とかお考えになって、そういう隘路を打開するという方法をとってしかるべきだと思いますがどうでしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 予算の弾力性につきましては、先生御案内のとおり、現在流用の制度あるいは予備費の制度あるいは公社の場合には弾力条項というのもございますけれども、このいずれをとりましても一般の、国の一般会計、あるいは特別会計に比べまして相当程度弾力性があるといいふうに考えておりまして、たとえば、項でございますけれども、項の間の流用にいたしましても、一部のものを除きまして、原則として公社限りでできるというふうなことにもなっておりまして、国の一般会計、特別会計に比べまして格段にその点は弾力性があるのではなかろうかと。で、これをさらに弾力化できないかということになりますると、やはりそこにはおのずから予算統制の持っておる意味から見ましてなかなか困難ではなかろうかと、こういうふうに考えております。現にこの葉たばこの問題、ただいま副総裁からお話がございましたけれども、われわれとしましては、確かにそういうことがあるいはあるんではなかろうかと思いますけれども、現実の姿としまして果たしてそういうことで御不自由がかかっているんだろうかというようなことについても、われわれとしてはいまの弾力性の範囲内におきまして十分専売事業を遂行していただけるんじゃなかろうかというふうに思っておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 まあその辺がどうも公社と大蔵省の方との間の意思の疎通が十分でないというふうにわれわれ感ずるわけですね。副総裁の方は商機を逸することがあるんだというお話で、だから、その点の弾力性がもっと欲しいんだということを言われ、監理官の方は流用制度などで賄えると思うと、それを外しちゃ困るんだと、枠を外しちゃ困るんだとおっしゃる。だから、その辺がもうちょっとフランクに双方が話し合っていってしかるべきではないかと思うんですよ。副総裁、公社が一年間に買われる外国製の葉たばこの量それから価格というのがわかりましたら、最近のものだけでも結構ですから、どの程度あるのか。それから過去において、ああもうちょっとこれは安いときだから買っておきたいと思ったが、予算の枠があるので買えなかったというような実例でもあれば、一つでも二つでもお示しいただければと思いますが、どうでしょう。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 外葉の購入量は最近年々ふえておりますが、昭和四十九年度におきましては約一千億円の予算で購入をいたしております。  なお、過去においてそういう予算で困った事例というのは、これはかなり以前のことでありまして、私どもがそういう点を大蔵省にお願いいたしまして、最近は、いまお話しのように、わりあい外葉の購入予算につきまして弾力的な運用が認められまして、去年、おととしはそういうことについて困った事例はございません。しかし、数年前には、そういうことで、せっかく葉たばこがあるので、購入したいと思ったわけでありますけれども、予算がついておらないために購入できなかったという事例がございました。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官、その一千億円の予算で外葉を買っているということのようですね、最近は。で、そのいまの予算制度のもとでお互いにこう流用して賄える金額というのはこの一千億の場合にさらにどのぐらい流用して賄えるんでしょうか。やろうと思った場合、その最高限度はどのくらいなんでしょうか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 流用でございますので、先ほど監理官から御説明ございましたように、普通の官庁の予算に比べますと大変流用の方は弾力性を与えられております。したがいまして、公社の会計の中でどこか余った予算がございますと、必要な方にそれでもって補いをつけることはできます。ただ一体それじゃどの程度の限度があるかと申しますと、これは一つは予備費というもの、予備費は四十億しかございませんが、そのほかのものにつきましては、これまあやってみないとなかなか、決算の段階では確かに多かれ少なかれ若干の余裕が出てまいるわけでございますけれども、これをなかなかあらかじめ幾らであるかということを判定いたしますのは、かなりの年度の後半になりませんと見当がつかない。初めからこの部分は全然とにかくそちらの方に回してよろしいというようなことにはなかなかなりませんし、やっぱりこれはその都度その都度の年の状況によりまして、最近のようにたとえばベースァップでかなりの額を給与の方に流用しなくちゃいけない、あるいは葉たばこの収納価格が予算で見ておりましたより大変上がりまして、そちらの方にもお金を出さなきゃいけないといったような、非常にまあ予算が忙しいような状況になっておりますものですから、その辺のところは一義的にどの程度ということはちょっと申し上げかねる次第であります。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いまのお話伺いますと、外葉の買い付けのための予算が一千億の場合に、ほぼ流用可能と思われるのはわずかにその四%の四十億円にしかすぎないというようなことですから、いまの非常に価格の変動の波の激しい現在の国際経済の中では、流用で大丈夫賄えるという監理官の御答弁ではちょっと納得しかねるものがあるんですが、その点どうでしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 予備費だけでございますと、確かに限られた金額になると思いますけれども、外葉をたくさん、まあ状況によって非常に違うと思いますけれども、たとえば内国葉の方のお金が余る場合もございましょうし、その他年度を見通して節減できるような経費もあり得るかもしれませんし、予備費だけというのはいささか範囲が狭過ぎるんじゃなかろうかと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 余りどうもわれわれを納得せしめるような御答弁ではないように思いますが。監理官、この点、まああなたのお人柄でそういうことはないと思うけれども、われわれが監督するんだという権力的な姿勢で臨まれずに、よく公社の悩みとか苦しみとかいうものを謙虚に受け取られて、こういう商機を逸することのないように、予算制度のいまの枠に縛りつけることが公社本来の目的に沿うかどうか、その点謙虚に検討してみていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ただいま先生のお話を聞きまして、私ども平素そういうつもりでやっておりますけれども、なお足らざるところがありとするならば謙虚に反省をしてまいりたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それではその問題はその程度にいたしまして。  先ほど私が挙げました専売公社意見の中に、給与総額制の問題がやはりかなりのウエートを持って取り上げられております。専売公社の当局としましては、給与総額制という大きな枠がある場合には、それを越えて労働組合との団体交渉の結果、給与の引き上げということができないうらみがあると、どうしてもいいかげんと言っちゃ悪いけれども、まあ中途半端な交渉しかできない。労働組合は不信感を持つ。結局調停、仲裁というような第三者機関のもう手に一切合財ゆだねてしまうということにならざるを得ない。これでは労使関係の信頼は期すべくもないので、何とかこの給与総額制の枠をもう少し考慮できないものかという、そういう悩みを持っているという主張がありますね。この点、副総裁、あなた方の率直なお考えというものをちょっとおっしゃってみてください。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 給与総額制につきましては、御存じのように、給与改善費として五%ふえたところを入れたものが給与総額になっておるわけでございます。したがって、労働組合と賃金交渉をいたします場合におきまして、私どもとしましては、どうしても予算の範囲内ということになりますと、五%を超える有額回答はできない、のみならず、目下のところ五%の範囲内でも有額回答をすることにつきましては財政当局から制限を受けておるような始末でございまして、そういう点からいたしますと、どうしても賃金交渉をしているのに、公社経営者は一体当事者能力があるのかどうか、われわれの給料を決めるといいながら、そういう回答ができない相手を相手にして交渉しても意味がないじゃないかということになってしまうのであります。労使の間で真剣に賃金問題を討議する場合におきましては、所管大臣の承認なりを得ましたならば、その五%を超える金額についても有額回答ができるような措置をとらしていただきたい。もちろん公社が勝手に五%の枠を超えて有額回答をするということではいろいろ問題もございましょうから、それは所管大臣の承認にかからしめて結構でありますけれども、しかし、五%を超える有額回答は一切させない、のみならず、五%の範囲内でも公社が回答するときには財政当局がそれを制約するということでは、公社の当事者能力としては非常に少ないことになりまして、これでは賃金交渉を労使との間で詰めていくことができにくい状況にありますので、そういった点について改善をお願いしたい、こう申しておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 私どもとしましては、これは非常に驚くべき問題なんですね。一体、専売公社という公法人をつくっておる場合に、その総裁が労働組合に対して賃上げ交渉で回答をなし得ない、いわんや予算の許容範囲、つまり五%という許容範囲を認められておる、その中でさえも回答がなし得ない、財政当局からチェックされるということになると、これは何のために独立の公法人としての人格を与えたのかこれはわからなくなってしまう。それならばいっそのこと専売労組と大蔵大臣とが団体交渉をしたらいいじゃないかということになる。これははなはだしい矛盾だと思いますがね。監理官、この点あなたは矛盾と感じられませんか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) お説のとおり、専売公社の場合におきましては、専売公社の利益、専売公社に限りませんけれども、三公五現の場合の利益という概念の中には、当然に独占的な地位に伴いまする部分がその中に入っておるわけでございます。したがいまして、このようなものを公社の給与水準決定の目安にすることはいたしかねるわけでございます。国から与えられました特別な地位の見返りとして国民の納得が得られる客観的、合理的な給与決定の基準が別途必要とされるわけでございまして、それが公社法の二十一条二項というのが設置されておるゆえんだと思いますけれども、そういう意味におきまして、給与総額制というものがやはりわれわれとしては必要であろうと思います。しからば、その金額の妥当性につきましては、これは三公五現全体の予算の問題でございまするので、私から意見を申し上げるのは差し控えたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いま何条とおっしゃったかね、公社法の。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 二十一条の二項でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 なるほど、「公社の職員の給与は、生計費並びに国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」、確かにそういう規定がありますね。ただこの規定のもとにおきましても、たとえば四十九年の賃上げの場合は一般的に三二・九%の賃上げがあった。公労協などでも三〇%に近い調停案とか、仲裁案とかいうものが出ましたですね。そういう場合に、この人件費が五%の枠しかないということになると、この公社法の二十一条の二項をそのまま生かして、監理官の言うように適用しましても、なおかつそれは妥当な回答ができないということになりましょう、五%じゃ。実際あなたこの条文で民間給与、それからその他物価などを勘案すると、五%の枠を当然これは突破しなければいけない、また結果的に突破したんですが、四十九年度は。その場合でも五%の枠をどうしても超えての回答ができないなんといったんじゃ、この条文による適用さえもおぼつかないということになりますね。だから、あなたがそういうふうにおっしゃっても、そういう枠で縛っちゃったんじゃ、いや、その枠内で回答しても抑え切れないのだと、財政当局が拘束するのだということになると、これはむちゃくちゃと言わざるを得ないでしょう、どうですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 賃金につきましては、労使交渉で定めるたてまえをとっておりながらも、ただいまの専売公社法二十一条二項というふうな規定がございまして、給与のあり方について客観的な基準が設けられておるわけでございます。ただいま毎年毎年の具体的な賃金の決定につきましては、先生御指摘のとおり、労使の交渉でいろいろ行われておるわけですけれども、究極的には公労委の仲裁裁定に頼っておるわけでございまして、その仲裁裁定の結果、すなわち中立的な第三者機関による判定が下されまして、中立的な第三者機関でありますればこそ判断の客観性、合理性というものが担保されており、それに基づきまして最終的に賃金が決定されておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 委員長、これは監理官の守備範囲を超えていますから、大臣が来られてこれは大臣にお聞きしたいと思います。

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。   〔午後二時三十九分速記中止〕   〔午後二時五十七分速記開始〕

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣がおいでのようですから、大臣にお尋ねをしたいんですが、いままでの質問はこういうことだったわけです。専売公社には予算上、給与総額の枠がありますね、給与総額制という。その給与には昨年度より五%のさらにアップの枠が与えられておるわけです。ところが、その五%の範囲内で労働組合との賃上げ交渉を受けて、給与のアップを決めることさえも大蔵当局からチェックを受けて決めることができない。いわんやそれを五%超えてなんかとんでもないことだというのが現状のようです。それでは天井のような高い給与ができないと言うんだったらわかるんですが、私どもによりますと、専売公社法の二十一条の第二項ですね、つまり「職員の給与は、生計費並びに国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定め」るという、その法の枠内において決めることでも、五%を超えたら、ましてできない。五%以内でもできない。それでは何も公法人という、国家と別個の人格をつくって、そういう事業を営ましめるというようなことの必要さえもなくなるんじゃないか、大臣相手にもう団体交渉をして決める以外に方法はないじゃないかという結果になりますがね、ですから、何とかもう少し専売公社の総裁に、当事者能力の幅を広げてしかるべきではなかろうかと、こういうのが私の意見で御質問しているわけですが、監理官の守備範囲を超えでいるようですから、大臣のお考えを。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま寺田委員から御指摘の問題の所在は、私もよくわかります。そして公社の方にもっと当事者能力を幅広く与えるべきじゃないかという御意見も、それなりに理由が首肯できる立論であると思います。ただ寺田委員も御承知のように、元これ専売局として政府の中の一部局としてやっておりましたものでございまして、電電公社、国有鉄道なんかと同じようにこれを公共企業体に移すことによりまして、いわゆる当事者能力を若干認めるという方向に政府としては精いっぱい努力をいたしたわけでございます。つまり、沿革的に前より前進したわけなんでございまして、現在の状態が必ずしも満足すべき状態ではないことは御指摘のとおりでございますけれども、こういう姿において公社の自主性、当事者能力の限界というようなものをできるだけ高めよう、広げようということでは鋭意努力をしておるわけでございます。ところが、何さま予算にいたしましても国で決めるたてまえになっておりまするし、また各公企体の間のバランスというようなものも現実には非常に厳しいものがあるわけでございますので、それぞれの当事者能力をふやすという問題は、ほかの公企体についても考えなけりゃならぬ性質のものなんでございまして、いまこれをどうしてどの程度までやるべきかというような点につきまして、確たる御返事ができる用意は私にはないのであります。しかしただ、いまの五%の問題でございますけれども、現実にはそういうことではなくて、公労委の裁定という形で決まってこれを受諾するという姿において問題が解決されておるわけでございますので、この五%が絶対の歯どめになっておるわけでも決してないことだけは御案内のとおりなんでございます。制度の問題として確かに窮屈にはできておりますけれども、現実の賃金決定という問題につきましては、そういう事務的な手だてと別に大きな仕組みで決められることになっておりますことをあわせて御理解をいただきたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣ね、結局この専売公社法の二十一条の二項が許容する範囲ならば、専売公社の総裁が全専売労働組合と自主的に決定して何ら差し支えない道理なんですよ。ところが、法はその範囲で認めているわけです。ただ問題はいま言ったように、予算の枠で給与の総額というものは決まっていますから、だからそれを超えるということになると、専売公社の総裁がなかなか決定しがたいということはわかる。しかし、予算で五%のプラスが認められておるその範囲内で専売公社の総裁が自主的に決定する、しかもその法の範囲内で決定する、それさえもなおかつ大蔵官僚が制約するという必要はないでしょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の理解では、労使の間で五%以内でお話がつけば、それで問題は処理されて少しも差し支えない、文句を言うつもりはありません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 じゃ、これはもうはっきりしましたね。つまり予算の総額がいまあるもののプラス五%というのは認められておるんだから、その範囲内で専売公社の総裁が全専売労働組合と賃金の交渉を妥結するということは、これは自由であって、大蔵大臣として特にこれをチェックする気持ちは全くないと、それでよろしいですな。はっきりもう一度。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 特に制肘を加える必要はないと考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうすると、今度はまた、その五%アップした場合の問題ですがね。それが四十九年の賃上げの場合には、御承知のように大体政府の統計では賃上げが三二・九%だというんです。これ実際私としましては、労働組合のない、持てない労働者、労働組合があっても比較的弱いところはもうそれよりはるかに下なんで、平均が三二・九%にはならないと思いますが、政府はそういうふうにいままで発表しておられるんです。これはどういう意図か、いろいろ憶測はできますけど、ともかく事実としてはそうです。だから、公労委の仲裁裁定なども結局三〇%に近いところで裁定がおりて、結局去年は公務員労働者、それから公共企業体労働者皆三〇%近いところで給与がアップしたわけですね。それはいまのこの二十一条の二項の民間企業や物価など、あるいはそのほかの国家公務員の労働者などとのバランスの中で決められたわけです。だから、合法的なものなんですね。だから、それが公労委などの仲裁裁定なり、あるいは調停案を両者がのんで妥結したものならばいいけれども、しかし自主的に総裁と労働組合とが決めちゃいけない、つまり他力本願ならいいんだけども、自力でやっちゃいけないんだというのが労働関係の本質に実は反するわけですよね。労働問題というのは、労使が自主的に話し合って決めるというのが労働問題というものをスムーズに解決するというたてまえなわけですね。これは労調法なんかもそういうたてまえになっている。労働組合でも団体交渉というものを非常に尊重するというのはそういうところにあるわけです。ところが、この専売などの公企体ではそういう自主的な決定はいけないんだと、しかし、他力本願でほかの国家機関が決めるならいいんだというのは労働問題の本質に反するんです、これ。そこが問題なんです。大臣、いかがでしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 結果から見まして春闘相場というものが春になって出てくるわけでございます。したがいまして、予算編成のときにおきましては、その翌年の、つまり新年度でございますけれども、新年度の相場というものが幾らになるかということは、当然のことですけれども、わかっておらないわけでございます。したがいまして、予算編成上は従来から五%という基準がありまして、その範囲内の交渉は、ただいま大臣がお話ししましたように、自由でございますけれども、それを超えたときには、現実には公労委の裁定というようなかっこうで決着がつけられております。したがいまして、予算をつくるときには、新年度からの賃金を幾らにするかというのがわからないがゆえに、基準として五%のものが予算に組み込まれておるというのが現実の姿になっておるわけです。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それはよくわかっておりますよ。それは当然だけれども、そんなことをいま聞いているのじゃない。それからあなた五%の範囲内なら自由だと言う。大臣もおっしゃる。それはきょう非常にこちらとしては収穫なんで、いままでは五%の範囲内でも自主的な決定というのは実はいろいろ制約があったんです。まあ、それはよろしい。ただこういうことなんですよ。つまり予算の範囲内では五%だと、それはわかっている。ただ、それを超える場合春闘相場を見ないからあらかじめ積めないじゃないかというのはこれはわかるんです。だけど、実際問題として春闘相場がたとえば三〇%の賃上げで平均あったとしましょう。自主的に決定すれば二七%であるかもしれない。だけども、それはいけないのだと、それで実際公労委の調停へいったら二九%、自主的に決定するよりもよけいなところで線が引かれたかもしれない。しかし、これはいいんだと、何となれば国家の第三者機関だ、だから自主的に決定するものはすべていけないのだと、しかし、第三者が決めるものはこれはしようがないのだという、その考え方がそもそもおかしいんですよと言うんです。それを私が言っているんです。つまり労働関係というものは、労使双方が話し合いをして自主的に決定するということが、労働関係の理想なわけですね。そこがおかしいんじゃないかと言っているので、五%のことはよくわかっている。どうですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり公社の場合におきましては、当事者間の能力、当事者能力というものが制度の仕組み上制限があらざるを得ないというところが私は基本になっておるんだろうと思います。そして、現在ありまする仕組みを変えるということは、現在の制度のもとでは非常に困難であるというふうに考えておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 なぜそういう拘束があらざるを得ないのですか。だから、それがおかしいじゃないかと言っているんです。あなたはさっき、そのあらざるを得ないというのはこの公社法の二十一条の二項だと言ったでしょう。公社法の二十一条の二項というのは、要するに民間の賃上げあるいはそのほかの公務員の賃上げ、その他の物価事情などを考慮してそして決めなきゃいけないというだけであって、その範囲内において自主的に決定することもいけないということは書いてないわけです。だから、それは労使関係の基本原則からかんがみて合わないから、だから自主的に決定するように当事者能力を与えてしかるべきではないかと言っているんですよ。これは、だから監理官、あなたに聞いてもしようがない。これはやっぱり大臣、あなたの決断に係ることですから、あなたのお考えを伺いましょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 公企体という経営形態の持つ当事者能力の制約というものは、私の決断でこれを拡大したり縮小したりなかなかできない。それはもう寺田先生も御承知のとおりなんでございまして、ただ私が申し上げたいのは、こういう新たな形態を工夫いたしまして、非常に困難なところをできるだけ当事者能力を与えようというところで、政府は苦心しておる姿を評価してもらいたいと思うのでございまして、予算統制は厳としてございまするし、給与総額制も尊重しなければなりませんし、また料金法定主義というものを貫かれておる中でどのように公社に当事者能力を与えようかという、これまあ大変むずかしい仕事でございますけれども、毎年毎年の経験の中からこういう点少し前進してみようというようなことを逐次図りながら改善を図っておるわけでございます。これを大胆に取っぱずすというような乱暴なことはとても私にはできない相談でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 あなたお一人でこれをお決めになることができないことはよくわかります。いままでのいろいろな法的な仕組みを変えるわけですからね。ただ、主管大臣ですから、大臣は。だからそういう矛盾があれば、その矛盾にメスを入れるということはやはり大臣の権限でもありますしね、御決意にかかっているわけでしょう。ですからそれをお尋ねしているんです。そういう矛盾があるんだから、そこをやっぱり何とか突破することを検討していただかないといけないのじゃないかと、御検討の意思があるかどうか伺っているわけです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 制度の問題として検討しなければなりませんけれども、それよりも何よりも、やはり労使関係というものが平和なもので、信頼の中で生かされていかなければならぬわけでございまして、問題は、公社等における労使関係がさようなものであるように、私ども過度な制肘を加えてこれを損なうようなことがないようにまず気をつけなければならぬと思うのでありまして、で、現実に私は公社の労使関係が非常に不健全であるなどとは考えておりませんで、労使双方の理解でいまの専売公社の事業が円滑に運んでおることに対しまして感謝いたしておるわけです。しかし、この中でさらに制度の問題として当事者能力を取り上げられてもう少し考えてみろということにつきましては、御提示でもございますので、努力はしてみますけれども、本質的に、私が釈迦に説法で申し上げるまでもなく、いろんな制約がございますことは、るる事務の方からも申し上げておるとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣の御苦衷よくわかります。だけど、大臣がいまおっしゃった問題は、労使関係の信頼の問題だとおっしゃったでしょう。まさにそれがいまの当事者能力にかかっているわけですよ。つまり労働組合が何ぼ要求しましても、いま五%の範囲なら自由だとおっしゃったから、それはよろしい。その範囲においては回答すべきものは回答して労働組合の信頼関係を呼び戻すことできます。しかし、それをちょっとでも突破したら、それがきわめて合理的で一般の民間の賃金水準より低くて、物価情勢を勘案しても、きわめて妥当なものであっても、なおかついまは回答できない。いわんや妥結できない。だから、そこに労働組合の不信感を招いて、労働組合と公社との間の労使関係というものはうまくいかない。だから、当然与えてしかるべきものは与えてやることが、それが労使関係の平和、信頼というものを回復するゆえんでしょうということを申し上げているんです。いかがでしょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いろいろ予算にいたしましても、給与の実態にいたしましても、その他公社運営上のいろんな問題につきまして、今日、労使の間の理解と信頼がなくて動くものはございません。でございますから、もうすでにコンクリートのように固められたもので、それ以上弾力がないじゃないかというように見えますけれども、実際そこまで築き上げてくるにつきましては、労使の間でいろんな経過を経て、労使関係が一番経営上の大問題でございますから、それを踏まえた上で、管理者も政府もそういうものをつくって予算をつくり、給与制度をつくってきているわけでございますから、すでにでき上がっておる制度自体、それからすでにでき上がっている予算自体に労使関係の理解と信頼が生かされておるわけなんでございます。でございますから、これは先生が御心配されるより前に、私は相当程度こなれた理解と信頼がすでにあると思うわけでございます。しかし、なお形の上で、その後事態の変化に応じて管理者がもっと広い当事者能力を与えられておった場合に、なお事態に弾力的に対応できる状況になるわけでございまして、それはある意味において望ましいことだと思うんです。で、そういう方向で逐次努力はしてまいったわけでございますけれども、なお大変窮屈なように感じておられるわけでございますけれども、私どもまずなお一層当事者能力の拡大につきましては今後努力いたします。努力しますが、同時にそこまでいろいろ積み上げてきておる中に、労使の間の信頼と理解は相当生かされておるんだということもあわせて御理解をちょうだいしたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 まあ予算を飛び越えて、その範囲ではできない賃上げ問題があるからそこで団体交渉が生じ、妥結の必要が生じるわけですから、なるほど過去においては予算の範囲内で信頼がそこの中に凝結しておるでしょうけれども、物価が上がる、だから賃上げが必要だと、予算の枠を超えて賃上げをしなければいけないんだという必要の生じた場合の団体交渉であり、そして妥結でもあるわけですからね。だから、そこのところは大臣のいまの御答弁間違っていると思いますよ、正直申し上げて。しかし、大臣は当事者能力の拡大に向かって努力しますといまおっしゃったですね。だから、そのお言葉は私信頼します。その御答弁がありましたから、きょうはこの程度でとどめておきます。その大臣の当事者能力の拡大に向かって努力しますという御答弁を、今後本当に生かしていただくように、口頭禅に終わらないように重ねて希望いたします。実行していただけますね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 心得て努力いたします。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 次に、葉たばこの収納価格の問題について、たばこ専売法を読んでみますと、第五条に、「公社は、第十八条第三項の規定により廃棄するものを除き、公社の許可を受けてたばこの耕作をする者(以下「耕作者」という。)の収穫したすべての葉たばこを収納する。」、第二項で、「前項の収納の価格は、毎年公社が定めて、あらかじめ公告する。」、第三項に、「前項の価格は、生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」と、こういう規定になっております。この収納価格を規定しましたこの規定と、それから食糧管理法の規定を見てみますと、第三条の第一項に「米穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所二依リ其ノ生産シタル米穀ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府二売渡スベシ」と、こういう規定があります。第二項に「前項ノ場合二於ケル政府ノ買入ノ価格(政令ノ定ムル所二依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」とあります。この葉たばこの収納をする場合の価格決定の基準と、それから政府が米を買い上げる場合の米価決定の基準と、この二つの条文のたてまえに差異があるのかどうか。これは、まず専売公社の副総裁に御意見を伺いたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 食管法の方の規定は、私、責任を持って御答弁申し上げることができませんけれども、たばこ専売法第五条第三項の規定は、葉たばこを専売公社が収納する場合におきましては、まず生産費を基礎とする。で、これは、先般、当委員会でお答え申し上げたと思いますが、生産費調査というものを毎年行っておりまして、その前三カ年間の生産費の平均というものを出しまして、それにその後の物価及び賃金の上昇率というものを考慮いたしまして、そこで収納価格というものを決定するということに相なっております。食管会計の場合は、米につきましては、御存じのように、生産費及び所得補償方式がとられておるわけでありますが、葉たばこにつきましては生産費補償主義になっておるのでありまして、そこに若干違いがあるかと存じます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 監理官、いまの専売公社副総裁の御意見で伺ってよろしいんですね。つまり、片方は生産費所得補償方式で決まっておる。これは米穀の場合でございますね。それから、葉たばこの場合は、それが生産費補償方式でやっておる。そういう理解であなたも伺ってよろしいですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 副総裁のとおりに考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣、いまのようなことなんですがね。つまり、お米の場合は生産費と所得を補償していく。それは、お米がやはり国民の主要な食糧であるという点に重きを置かれるんだと思います。葉たばこの方は買い上げてやるんだという、何やら官憲的な、いささか封建的なものがその根底に流れておるもんですから、そこで米穀との間にそういう差異があるように思うんですが、私は、それは適当でないと思うのです。事の重要性はともあれ、やはり農民のそういう葉たばこの耕作者の利益というものを守って大切にしていく。片方は主食で片方は嗜好品だというような考え方でなく、同じように、農民の努力の結晶といいますか、それをやはり尊重していくべきだと思うんですが、どうでしょうか、その辺のお考えは。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 耕作者の方々に対する態度といたしまして、政府は、米とたばこの場合変えていいとは思いません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 ちょっといま大臣の御答弁簡単で、真意をよくつかみかねたんですが……。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 気持ちの上でたばこの耕作者、米の生産者に対して態度が二つであっていいとは私は思いません。ただ、あなたも御指摘のように、一方は主食でございまするし、一方は葉たばこであると、そういうことで性格が違いますので、価格の決定方式に若干差異は法文上あるのではないかと思いますけれども、これは技術的なことでございまして、私どもが、一方は買ってやるんだなんという横柄な態度であっちゃいかぬと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大臣がそういうお立場で理解していらっしゃるならば、これはわれわれとしましても大変結構だと思うんです。そうあってしかるべきだと思うんです。  そこで、今度は、そういう立場で、この収納価格——収納という言葉自体が、米穀の場合は買い入れるんで、葉たばこの場合は収納するんだという、そこにもまた封建的な名残りがありまして、これは大臣いつの日かこういう点は改めていくべきだと思うんですよ。そういうことからやっぱり直していかなきゃいかぬので、どうでしょうか、そういう立場でいきますと、いまの買い入れ価格といいますか、収納価格といいますか、これは耕作者の立場というものを十分に守っているだろうか、その点副総裁どういうふうに理解しておられますか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 葉たばこの価格につきましては、御案内のように昨年四四・三三%の大幅な引き上げが行われまして、それに刺激されまして、本年度の耕作面積は、当初専売公社が予定いたしておりました数字を相当上回るような耕作が行われるようになってまいっておりまして、そういう意味では、私どもは、葉たばこの価格が現在は適正になっておると考えております。しかし、御案内のとおり、生産費も最近の物価あるいは労賃の上昇によりまして上昇しておることでございますので、私どもはそういう生産費を基礎に、物価、労賃の上昇というものを考慮いたしまして、その引き上げも考えなければならないということだと思います。したがって、私どもは、葉たばこの価格が適正になりまして、耕作者の方が喜んで耕作してくださるという方向に持っていくべきものだと思います。ただ、葉たばこというのは、御存じのように国際商品でございますので、もちろん米もある意味では国際商品でありましょうけれども、それ以上に葉たばこは国際商品でございますので、何としましても外国の葉たばこより割り高のまま放置することはできません。私どもとしては、何とかして国産葉たばこにつきまして生産性の向上を図りまして、外国葉たばことの間の格差ができるだけ少なくなるような方向に持っていくべきではないか、そういう意味で公社も補助金を交付してまいりましたし、また耕作指導にも十分当たってまいりましたが、今後一層そういった努力をしていきたい、このように思っております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 副総裁のそういう御意見非常に結構です。ただ、私ども細かく計算をしていきますと、葉たばこ耕作者の労働というものは、四十八年の統計では、大体、十アール当たり葉たばこの生産に四百二十六時間の労働を必要とする、そういう規定になっておるようですね、あなた方からいただいたこの赤い本を読んでみますと。四十九年では、この労働時間というのは多少、機械化の関係もあって減っているでしょうね。それがただ、大臣は、米の場合と本来差があってはいけないものだと思うとおっしゃったが、実際問題としては、米価の場合は、米の買い入れ価格の決定の方を調べてみますと、四十九年の米価を決定する場合に、一時間当たりの賃金がたしか七百円ぐらいの割りについているようです。ところが、どうなんでしょうか、葉たばこ耕作者の場合は、それが一時間当たり幾らのようについておりますでしょうか。もし計算があれば、その所要労働時間、収納価格から割り出した葉たばこ耕作者の一時間当たりの平均賃金、そういうものを、もしわかればおっしゃってください。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 米の場合は、手元の資料では四十九年の数字はわかっておりませんが、四十八年で一時間当たりの一日当たり家族労働報酬が四千八十四円になっております。葉たばこの場合におきましては、四十八年では一日当たり家族労働報酬が二千五百五十九円でございましたが、四十九年に、先ほど申し上げましたような大幅な引き上げを行いました結果、これは生産費調査が全部終了いたしておりませんので、全部終了いたしますと多少変わるかもしれませんけれども、現在のところ三千七百十九円に相なっております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 お米の場合四千八十四円ですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 四十八年はそうです。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 四十九年は……。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 四十九年はちょっとまだ、生産費調査の結果が出ておらないと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それから、ちょっと聞き漏らしたんですが、四十八年の……。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 葉たばこの場合は二千五百五十九円でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 いま副総裁がおっしゃるように、お米の場合は、一日当たりの労働賃金が四千八十四円についている。ところが、葉たばこの場合は、四十八年二千五百五十九円であると。そうすると、やっぱり葉たばこ耕作者というものは、お米の場合に比べて六割ちょっとぐらいについているわけですね。ですから、大臣さっきおっしゃったように、本来差があってはいけないものだと自分は理解するとおっしゃったんですが、現実はこういうふうに非常に差があるんですね。国家財政が苦しくて大臣の苦衷は重々お察しはしますけれども、やっぱりこういう差等というものは、可能な限り埋めていかなければいかぬと思いますが、いかがでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私も一々記憶をいたしておりませんけれども、各農産物の原価構成の中で、労賃部分を取り出してみますと、大変ばらつきがございまして、もっとずっと低いのもございます。米が一番高い部類に属しておったと思います。これはそれなりにいろいろ理由があるんだと思いますけれども、私が差等があってはならないと申し上げたのは、そういう生産者に対する政府の態度といたしまして、経済的に見て農閑労働はどうだからとか、あるいは農繁労働であるからとか、それからまた投下資本の関係その他でいろいろなファクターがございまして、賃金の査定というのはいろいろ違っておるものがありましても、生産者に対する態度はやはり謙虚な態度でなければならぬということを申し上げたわけでございまして、みんなに機械的に一律の労働賃金が保障されねばならぬというようなことを私は申し上げたわけではないんです。そういうことはなかなか私はかえってまた悪平等を来すと思うんでございまして、現に政府が関与いたしておりまする農産物の価格につきましても非常なばらつきでございます。これにはそれぞれの理由があるんだろうと思いますけれども、それを一々私も学問的に究明したことはないわけなんです。ただしかし、あなたからも御注意がございましたように、政府は買ってやるんだなんという態度であってはいかぬという点はくれぐれも心していかなければならぬことだと思っております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 大分、大臣の買ってやってやるんじゃないと、そういう態度じゃいかぬとおっしゃる。それから心構えとして扱いに差があっちゃいかぬというところまでは来ていらっしゃるんですね。ですから、私としましてはかなり前進があったと思うんですが、しかし大臣、やっぱりお米の場合は、いま申し上げたように、同じ四十八年度とると四千八十四円です。葉たばこの方は二千五百五十九円です、一日当たり。その差が合理的なものかどうかという問題なんですよね。その対象が主食であり、そして葉たばこであるということで差をつけちゃいかぬということは、これはさっき大臣がおっしゃったわけですね。だから、問題はその労働が本当に片一方は密度が高い、片一方は密度が非常に粗いと、そういうところからきているのか、それともお米の場合は御承知のように、米議員というような方々のすさまじい攻勢に農林大臣が押され、大蔵大臣が押されて高いところに決まったのであって、高いとは思いませんけれども、だけど比較的に高いところに決まったのである。ところが、葉たばこの耕作の場合はそういう政治的なプレッシャーというものは非常にないものだから、そこで、そういう低いところに決まっているんだということになると、その差は決して合理的でないわけですから、そうでしょう。だから、そこをもっと検討していただいて、合理的でないものならば埋めていただきたいと思うんですよ、いかがでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) お米の場合は農家経済を支える柱でございまして、ほかに労働の機会がないかもしれぬ。したがって、この米による収入をまず主要な柱とするという観点から、この労賃というのは相当高目に評価されておるんじゃないかと思います。自余の作物につきましては、農閑期——米の生産のいわば農閑期労働をこなす機会を活用していくという意味で、米に比べて相対的には安く評価されているんじゃないかという感想を私は持っております。  それから、現実に価格決定の場合、市場で自然の形成が行われているわけじゃございませんで、現実に政治的な背景の中で政府が関与して決めている、政府が決めているわけでございますから、その政治的な事情というものは無視できない要素であることは私も認めます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 その政治的な要素は無視できないというのは、私、現実にそうだと思います。そうであるためにそういう差ができたんだと思います。ただ、それが価格決定の要素として合理的なものかどうかということなんですよね。大臣は、政治的な要素が大いに働いているとおっしゃるが、価格決定の場合に政治的な要素があってもしかるべきだと思われるんですか、そうじゃない、それはやむを得ず現実に政治的なプレッシャーがあるから高いところに決まるという結果になるけれども、本来合理的なものだとは思わないとおっしゃるのか、そこはどうなんでしょう。大臣の御答弁は、何か政治的なプレッシャーがあって高くなってもしょうがないんだというふうにもとれますし、そこのところを明らかにしていただきたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いろいろなデータをどのように評価するか、その年、それから内外の置かれた条件をどのように評価するかというような点は、毎年毎年これは事情が違いますから、原則が確立しているわけではないと思うんです。ですから、政治的力が働く原理があるわけでは決してないとは思いますけれども、現に無重力の状態において決められておる価格であるとは私は思いません。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 われわれは無重力の世界に生きておるわけじゃないですからね、それは当然のことですよ。ただ、私はそういう現実を伺っているんじゃないんですよ。つまり、価格決定に当たってそういうプレッシャーがあって決まってもしょうがないというのか、それを本来合理的でないからできるだけ合理的なものに近づけようと自分は思うとおっしゃるのか、そこを伺っているわけです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 根本は、価格というものは市場の形成にゆだねるべきか、このように政府が関与すべきかどうかということがまず問題になると思うんでございます。  第二は、政府が関与せざるを得ない場合におきましても、いまはそうなっておるんですけれども、あなたがおっしゃるようにできるだけ合理的なものでありたいと私は念願しております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 できるだけ合理的なものであると念願していらっしゃるなら、いまの価格差というものが合理的かどうかということをやはり考えていただいて、できるだけ合理的なものに近づけるという努力をなさるのかどうか、その点の立場を伺っているわけです、あなたの御決意を。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 大蔵省としても農林省としても、できるだけ合理的にやりたいということで毎年汗をかいておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 専売公社の副総裁にお尋ねしますが、いまの米価の決定に当たっての労賃に対する評価、葉たばこの収納、まあ買い入れ一緒ですが、に当たって労賃が評価されているその評価、つまり現実には片一方は四千八十四円で片一方は二千五百五十九円である。そんなに大きな差があってしかるべきだと思いますか、それを合理的だと思われますか、どうです。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) お話のように一日当たりの労働報酬だけから比較いたしますと、米とたばこの間にかなりの差があることは事実でございます。しかし、たとえば十アール当たりの粗収入で見ますと、四十八年で米は八万七千百九十六円、たばこは二十二万五千三百十円、それから十アール当たりの労働報酬で見ますと、米は四万三千七百一円、たばこは十三万六千三百四十三円、こういったふうに、三倍程度になっております。したがって、葉たばこというのは、米のように主食で、ほとんどすべての農家がつくっておるものと違いまして、特定の農家だけしかつくっておらない作物でありますが、そういう、米に比較すると、年間を通じて家族労働力をたばこ耕作のために使用して、それによって十アール当たりの収入としては相当いい収入の確保できる作物である、しかも、専売公社が全部買い入れますので、非常に安定した作物であるということは言えると思います。ただ、いまお話の、一日当たり労働報酬といたしましては、御存じのように、米につきましては製造業の労賃で評価いたすことになっております。葉たばこの場合は、従来農村の臨時雇用の賃金で評価することになっておったために、いま申し上げたような四千八十四円と、二千五百五十九円といった差が出ておるわけでございます。  そこで、昨年の葉たばこの収納価格の決定に際しましては、四百二十六時間という労働時間のうち、約百時間ほどにつきまして、製造業の労賃で評価するということにいたしまして、先ほど申し上げましたように、四十九年分の一日当たり労働報酬というものは、三千七百十四円ぐらいに上昇いたしてまいっておるわけです。そういう点では、米の労働報酬の評価のやり方と似通ってきている点があるわけであります。しかし、葉たばこの場合には、先ほどお話がございましたように、労働時間が非常に長い、米の場合には、もうすでに九十時間を切っておるわけでありますけれども、葉たばこの場合には十アール当たり四百二十六時間というような、非常に長い時間を要します。そのためにいろいろ問題があるわけでありまして、私どもとしては、この四百二十六時間も要しないような葉たばこの耕作方法を考えていかなくちゃいかぬ。それには専売公社が葉たばこを購入する場合の購入の仕方の改善によって、相当その労働時間を減らすことができるのではなかろうかというふうに考えまして、本年からそういう点を実験いたしまして、収納のやり方を変えることによりまして、労働時間を相当時間減少させる。私どもとしては、できればいまの四百二十六時間というのを二百五十時間ぐらいまでに持っていきたい、そうすれば、一日当たり労働報酬が相当有利なものになるというふうに考えているわけであります。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 公社が着々とそういう労働時間の短縮のために努力をしていらっしゃる、これは大変貴重なことだと思います。これはまた国際価格にさや寄せしていく、近づけていく上で非常に効果がありますし、引続いてやっていただきたいと思います。  それと、お米の場合は農家の労働を一般製造業、これはたしか三十人以上千人未満の労働者を雇用する製造業の労賃を基準にしていると思いますがね。それで算定をしていく、片一方は農家の日雇労賃で算定をする、これは明らかに合理的でないので、いまはむしろお米をつくる労働の方が機械化して、大臣非常に密度が低いわけです。逆に機械化していない葉たばこ耕作の方が非常にえらいわけですよ、密度が高いわけですよ。しかも、それはこっちはお米の方は全部の労働を、そういう一般製造業の労賃を基準に定める、片一方はわずかに百時間だけ、四百二十六時間のうちの……

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 失礼いたしました、二百時間です。   〔委員長退席、理事山崎五郎君着席〕

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうすると約四五、六%になりますかね、四五、六%だけをその製造業の賃金でやるということになると、ちょっと余り差が激し過ぎると思うんですよ。だから、そういう点を公社もやっぱり大胆に、大蔵大臣が、大平さんこの間あなたは四四・三三%上げられたのは非常な御決意だったというふうにお述べになりましたですね。だけれども、そういう非常に不合理な要素が葉たばこの収納価格にあるわけですよ。ですから、そういう点については、私は公社の方も大胆に収納価格を引き上げるという立場に立っていかれるべきだと思うのです。それはやはりやっていただけるかどうか、これは専売公社の副総裁にお尋ねします。そういう専売公社からの要請があった場合に大臣としては、もう少し、余り、ともかくよく検討して、合理性があればそれを認めるという態度であっていただきたいと思うのです。それぞれにお尋ねをいたします。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、米は日本人の主食であり、また農家がほとんど全部米をつくっておるといった特殊な作物でありますために、米の価格形成につきましては、先ほども大臣との間でお話がありましたようないきさつもありまして、できておるわけでございますが、葉たばこにつきましては、先ほど申しましたように、製造たばこの原料であるということ、それから非常な国際商品でありまして、国際間の取引が非常に多く行われているという点からいたしまして、そうそう高いものにすることには問題があるという点からいたしまして、私どももちろん、先ほど申し上げましたような葉たばこの収納価格決定の方式に従いまして、物価、労賃の上昇、生産費の上昇といったものを考慮しまして、それを引き上げるにやぶさかではございませんけれども、しかし要点は、日本の葉たばこの価格が、国際価格に比べて余り割り高にならないようにしていく、そうでないと、葉たばこ耕作というものが永続しませんので、そういう方向に持っていく、それにはどうするかといいますと、一つには、御存じのように、日本の土地の面積が狭いために、機械化がなかなかできにくい、しかし、平坦なところであれば、現在米についての機械化が相当進んでおりますように、葉たばこにつきましても、アメリカのような大型機械でなくて、中、小型の機械化というものはできると思います。したがって、そういう中、小型の機械化を行う。それから先ほど申し上げましたように、公社の収納につきましてやり方を変えることによって、選別、乾燥に時間を余りとらなくて済むようになることに見込みがついております。そういうことによって労働時間を減らしていく、もちろんその減らした労働時間をただ遊んではいけないので、ほかのたとえば、それによって葉たばこの耕作面積を広げるとか、あるいは他の労働に従事して収入を得るとか、何とか余った労働時間を活用する方策を講じまして農家の所得全体を上げていくと、こういう方向に持っていく必要があろうと、このように考えております。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 収納価格の決定は、仰せのように、できるだけ合理性を追求していくべきものと思います。したがって、公社当局ともよく相談せなければなりませんが、とりわけ収納価格審議会で学識経験者の御意見もよく徴して、御趣旨に沿うように努力したいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それではこの問題はそれで結構でございます。  それから、最後にお尋ねしたいのは百円たばこの問題。これは鳩山委員がこの間の連合審査でおっしゃって、それから一昨日も辻委員からいろいろるる御質問があって、そのときの専売公社副総裁の御答弁が非常に何か明確でないような感じを持っておるわけです。いろいろお立場があって、はっきりおっしゃれないことはよくわかるんですが、ただ、いま製造されたたばこの種類は三十六種類あるようですね。この三十六種類の価格体系というのを見てみますと、現在一番安いものはバットと朝日が三十円ですね。今度は四十円にしてほしいということです。それからしんせい、エコー、バイオレット、これがいま五十円、これを七十円にしてほしいという、それからまた、わかば、これは六十円でありますが、これを八十円にしてほしいというのでありますからして、そうしますと、今度はちょうど百円を境にして、八十円までは四十円から、それから同じように百二十円から上のもあると。しかし百円のがないというんでしょう。これはどうも、なぜ百円のものだけがないのか、また百円のものをどうしてつくってはいけないのか、これは全体とのバランスから考えても理解できないわけですよ、副総裁。だからこれは、全体とのバランスから考えたって、当然百円のものがあってしかるべきでしょう。余り、何というか、監理官が圧力を加えないようにね、そういうことでは困るから。本当にもう少し自主性を認めていただかなければいけない。あなたが余り圧力をかけるからすべてがおかしくなってしまうんで、副総裁どうですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 私の答弁が明確でないというおしかりをいただきまして、大変恐縮に存じておりますが、お話しのように、今回の価格改定を行いますと、ハイライト、エムエフ、おおぞらといった現在八十円のものが百二十円になります。それからその次のわかば、ウルマなど現在六十円のものが八十円になります。その間四十円の開きができて百円のたばこがなくなる、これはお話しのとおりであります。というのは、実は私どもといたしましては、わかばにつきましてこれを百円にいたしたいと考えておったのでありますが、そうなりますと非常に値上げ率が高くなるからというので、抑えられましたために百円たばこがなくなってしまったわけであります。したがって、前回鳩山委員にまた辻委員にお答えいたしましたように、商品体系の上からいたしますと、百円たばこということは考えられる問題でございます。しかしながら、専売公社として見ますと、   〔理事山崎五郎君退席、委員長着席〕 百円ということは、今回の価格改定を行いますと、平均単価が百二十六円余りになるわけでありまして、その平均単価を下回る銘柄になりますだけに、新しくそういうたばこを出しますと、どうしても需要が百円より高いものから百円の銘柄へ移る。もちろん一部は八十円あるいは六十円のものから百円にいくのもありましょうけれども、従来の経験からいたしますと、どうしても高いものから落ちていく方が多くなります。そうなりますと、専売益金は減益になります。まあ本数幾ら売れるかによって減益の程度は違いますけれども、そういう減益になりますと、五月一日実施予定がすでにもう二カ月近く遅くなってまいっております。そういう点からいたしますと、さらに減益になる銘柄を出すのは公社としては非常につらい。のみならず、葉組みの関係それから香料の問題等からいたしまして、百円たばこについてはいろいろ問題があるということを申し上げてまいっておるのであります。その点については一貫した考えを持っておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 じゃ最後に、そういう非常に苦しい面はあるだろうけれども、現実に、いまあなたがお話しになったように、四十円というたばこもあるわけですね。だから、四十円、七十円、八十円というたばこも出ているわけですからして、やっぱり公社の一般消費者に対するサービスという点、大衆の値上げに対する負担、それから不満、そういうものを考えましても、謙虚にやはり大衆のそういう要望に応ずるために、いま、十分謙虚に検討するということだけはあなたとしてもあっていいんじゃないでしょうか、その点だけ伺っておきます。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) この前も申し上げましたように、私ども百円たばこにつきましては、先ほど申し上げましたように、非常に多くの難点があるわけでございますけれども、しかし、お話しのような趣旨もありますので、どういうふうにすべきかということを検討いたしておるという段階でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 最初に、製造たばこの定価法に関連して、労働大臣にわざわざおいでをいただいておりますので、若干伺いたいと思いますが、ことしの六月三日の衆議院の社会労働委員会、ここで、これまで毎回繰り返されてきましたストとその処分という、その悪循環を断ち切るために、労使関係の正常化を前提に、スト処分を今回限りとしたい、そういう意向を表明されておられますね。そこで再確認をしたいのでございますが、この意向の表明は政府の統一した基本姿勢と、こういうように受け取ってよろしゅうございますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 鈴木さんおっしゃるように、いまのストライキ、処分またストライキと、こういうことについては国民全体が、そういうことを避けたいというのが国民共通の考えだと思います。総理大臣も、そういうことは、参議院の予算委員会においても、今度ぐらいは最後にしたいと、こういう希望を申し述べられました。衆議院の社会労働委員会で私が答弁したことに対しての再確認のようでございますが、この際に私は、与野党の皆さん方が御相談されて私に対する御質問でございましたから、それに対してお答えしたのが先日の答弁でございます。  スト権の問題に対しましては、御案内のように、関係閣僚協議会、そしてその中に専門委員懇談会、これは労働者代表の方も入っております。こういう方々が非常に御熱心に御協議されまして、そうした方々の御意見の中から、ことしの秋に関係閣僚協議会としては最後の結論を出したいと、そういうことをいまお願いしていることでございますということを私はお答えしたことでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 日本経営者団体連盟、そこで六月十一日に発表した春闘の賃上げ妥結額の中間集計、これが十二日の日経にも出ておりますが、それを見ますというと、妥結額の平均は一万五千百八十四円、そのアップ率は一二・九二%。一方で三公社五現業の賃上げの額は定昇込みで一万七千百九十九円、アップ率が一四・〇八%ということで、物価上昇のもとで抑え込まれたという結果を生んだと、こういうふうにわれわれ受け取っておりますが、そういう点からして、ことしの春闘は政府・財界主導型の、主導的なものとなったと、そういうように理解をせざるを得ないわけです。その点についてはどう御理解しておられますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) よく政府・財界が一緒になって抑え込んだという話が出ますけれども、賃金の問題は御案内のように、これは労使でお決めになることでございます、私たち政府といたしますというと、三月末消費者物価を一五%程度という話がありましたので、やはり物価抑制ということが実質賃金を確保するゆえんじゃなかろうか。政府もあるいは業界も、さらにはまた消費者の皆さん方も、あるいは組合の方々も、みんなで御協力の結果が三月末消費者物価が一四・二%となった。そういう背景の中に労使の方々が、ただいま日経連のお話のように一二・九五%でございますか、そういうふうな形に今日なった。一部地方ではまだ春闘が片づかないところもありますけれども、そういう傾向である、こう申し上げたわけです。  一方、きのう参議院の本会議において承認案件として皆さんに全会一致で御可決いただいた公労協の仲裁裁定の承認の件、これはおっしゃるように一四・一三%と承知しております。これは話がどうしてもつかないために、第三者機関である公労委の方に仲裁案が持ち込まれて、第三者機関の認定というものを、財政が苦しいときであるけれども——ここにも大蔵大臣がいらっしゃいますが、そうした第三者機関の決定というものを尊重して、これを完全実施するというところに私たちの態度がある、こう御理解いただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いま政府・財界主導型ということについて、それは切り離してくれという話がありました。しかし、ちょうど一年前から生産性本部の金子美雄氏は二二%ということを言い、また日経連は一五%以下と言い、前の春闘が終わった後から高木大蔵次官が至るところで話したのは、一六%以下と言う、こういう一連の動きを、主張を見てみますというと、これは符節を合わせたようにしか考えられないわけです。いま言われたのは、大臣の答弁はわかりますけれども、やはり念を押してもう一度その点は、こういう事実があるけれども、どうなんだと言わざるを得ない。いかがでございますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 率直に私の感じを申し上げますと、昨年は三二・九%でごさいました。これは交渉する力、出す力、こういうものの結果だろうと思います。賃金は労使の交渉でございます。毎年毎年そういうふうにアップ率でいくことが果たして将来どうなるだろうか、こういうことからしまして、私は今日の日本経済からしますというと、高度経済成長と訣別をして、しかも一一・四%の四十年度代、高度経済成長を遂げたものが、今年はマイナス〇・六%でございます。同じケースでマイナスのときに果たしてやれるかどうか。これは国民全体として考えなきゃならぬということを私たちは申し上げたことでありまして、そういう中に、それぞれ賃金の権威者らしい方々がいろんな試算をされるということは、これは思想の自由でございますが、最後はやっぱり労使で賃金を決められた結果がいまのような形になった、こう御理解すべきじゃなかろうかと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それは最後は労使で決めるんでしょうけれども、しかし、そういうような伏線がずっとあって、そうして抑え込まれたという形で、無理やり押しつけられたというような感じがあるんじゃないんですか。ですから私は、どうもやはり一つの大きなねらいが、先ほどの御答弁にもありましたけれども、政府と財界と両方で春闘の賃上げを抑えてきた一つの大きな理由は、大幅な賃上げをやれば物価に響くという、それが大きな点であり、それが誇張され、強調された結果だろうと思うんですよ。そうすると政府は、物価の抑制が政府の方の責任としては、今後残された最大の政治的課題だということになるだろうと思うんですが、そのように理解してよろしいですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) まさにおっしゃるとおりだと思います。今日日本が、専門家の大蔵大臣おられますけれども、やっぱり物価安定ということが、非常に私は人心が落ち着いていることだと、こう思っております。そういう実績と信用の中から、来年度末消費者物価というものを安定さしていくことが、さらにお互いの生活というものを、内容を充実させることになるだろう。そうした問題に対しては、いまから先も、勤労者を守るためにも、国民生活を守るためにも、これは推進すべきじゃないかと、こう考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これが果たしてできるかどうかがいま大きな問題なわけですね。  大蔵大臣にお伺いしたいのですが、政府の昭和五十年度の経済見通し、これに基づいて税制もできてきておりますけれども、それによると、消費者物価の上昇率は、五十年度末で九・九%、前年同月比九・九%以下に抑えるということがかけられている。つまり一けたということです。しかし、いまこの年度初めの四月、五月、こういうところを見ただけでも、すでに三・三%まではもう達してきていますよ、これは。物価が上がってきている。いましかも、ここでも審議していますし、逓信委員会でも審議していますけれども、酒の税金といい、たばこの値上げといい、そして郵便料金の大幅値上げという法案、こういうものがメジロ押しに強行されようとしている。そこで、いままでの答弁から伺っていれば、消費者米価も上がる心配がある。地方公共団体も、こう財政が苦しくてはということで手数料、使用料の、いわゆる公共料金と言えるものでありますけれども、そういう手数料、使用料等の公共料金の値上げも控えている。さらに大手の鉄鋼メーカーが鋼材値上げを公然と打ち出している。こういうように一連の値上げのスケジュールが、こうある。そうすると、これは政府が言うように、一けた台に抑えるということは非常に困難だと見るのが妥当じゃないかと思うのですけれども、そうなりますと、こういう一連の値上げを実施して、果たして本当に一けた台に抑えることができるのかと、その点をぜひ伺いたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 政府はいろいろの目標を立てておるわけです。消費者物価を年度末までに九・九%に抑えたい、卸売物価は七・七%以内に抑えたい、成長率は四・三%程度にしたい、雇用所得は一八%伸ばしたいというようないろいろな目標を持っておるわけでございます。どれをとってみましても、卸売物価は、すでに相当これを下回っておりまするけれども、その他の目標達成は私は容易でないと思います。容易でないからわれわれは目標を設定して努力する必要があるわけでございまして、これが難なくできるのでございますならば、別に心配は要らぬわけでございまして、政府はそういう目標を立てて、その目標を変えていないわけでございますから、その目標をバランスのとれた姿において達成していくべく全政府機能を挙げて努力してまいるということでありたいと思うわけでございます。これができますかできないか、これはいま問うべきではないので、全力投球することが私どものいま任務であると思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまの大蔵大臣の答弁からわかりますように、非常に困難であるけれども、政府としては全力を投球すると、できるかできないかわからないという若干ございましたけれども、そういうことになると、私は先ほどの賃金の問題、春闘の問題と絡んでくると思うんです。最初に私が指摘したように、政府のスト処分は五月三十一日に国鉄の解雇十九人を含む七千人ですか、こういうように新聞に出ています、五月三十一日。そういうスト処分がありました。それを最後のものにする、こういうように言っているわけでありますけれども、賃金が、物価がどんどん上昇するというときに、不当に抑えられたかっこうになれば、しかもこれが、これから酒、たばこ、あるいは郵便料金、そのほかに鉄であるとか、この国会が終わったら一斉に値上げを待っているものは物すごくあるということ、消費者米価を含めて。そういうものでもって上がってくるということになりますと、これは政府の物価政策の無策ということだということになってくる。それで今後も上昇するということになれば、労働者としたらどうすればいいのか、生活を守っていかなければなりません。その生活防衛の手段としてどうしても賃上げ要求をこの秋に出す。つまり秋闘をやらなきやならないことは必至になってくる、じゃないか、こう観測をしないわけにもいかないと思うんです、いまのままですと。その際に闘争が激しくなってくれば、ストが打たれることもこれは十分考えられるのです。その際に政府は、三公社五現業の労働者に対して処分を断行する方針なのか、あるいはこれは先ほどの答弁のように今後は絶対やらないのか、政府の明確な答弁をここでいただきたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) いまお話があったように、ムードとしては業界は値上げを待っているところは非常にあるだろうと、こう思われるわけです。それだけにただいま大蔵大臣もお話しされたように、政府は全力投球しながらこの値上げムードを抑制していくというところに懸命にやっておりまして、それが実現されれば、先生がおっしゃるような秋闘というものはないような形に持っていくことが私たちとしては一番大事なことじゃなかろうか、仮にですよ、仮に先生がおっしゃるように、三公社五現業はそのとき違法ストをしたときはどうなるかと、こういうことはないようにお願いいたしますけれども、やっぱりこれは法治国家でございますから、そういう場合にはないようなことを願いながらも、私たちとすれば違法ストをしないようなことを願いながらも、やっぱり秋闘がないためにも物価抑制に全力を注ぐ、こういう考えでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ここのところは大臣の答弁がすれ違いになっている、最後は。そういうことが仮りにもないように願いながらで終わっているわけですね、違法スト。その違法ストのところを強く言われたわけですから、私はずばりものを聞いたんでありますけれども、その御答弁というのは、やはり処分は断行することもあり得るという意味にとってよろしいんですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) とにかく問題は、いま一番国民が願っていることは物価安定だろうと思います。そのことにとにかく全力を傾注していくというところにひとつ御理解をいただきたいと、こう思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 物価の安定に全力を傾注していくと、そういうような違法ストが行われることがあり得るかもしれないけれども、そういうことが絶対ないようにしていきたいので、物価安定に全力をと言いましたね、そうおっしゃいました。それは違法ストという方にウェートがあるお言葉なんですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) それは物価安定に重点があることでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは非常に大事な点なんです、そこが。というのは、なるほどこの間六月三日の御答弁はこうなっております。しかし、これはこのときの話であります。実際に行われたときはどうなのかという、理論じゃない、事実の場合はどうかということはこれは大きな問題です、はっきり申し上げて。これが不確定であると、いまもまだ違法ストというお考えは変えていらっしゃらない、そうなると、その辺に疑問符が大きく残ってしまうわけなんです。この辺の御答弁はいただけないですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 先ほども申し上げましたように、スト権の問題等々につきましては、ただいま御審議をいただきつつ、この専門委員の皆さん方の御意見を尊重しながら閣僚協で結論出たものを私たちは誠意を持って尊重してやっていこうと、こういう形でございます。そういう中において違法ストなどが行われないことを期待していると、こういうことです。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃ、これはどうもいつまでやっても問答がすれ違いになりそうですから、この辺で終わりますけれども、一方、先ほど申し上げた衆議院の社会労働委員会で労働大臣は、この官公労働者のスト権問題については、全面一律スト禁止の現行制度の再検討を行うために公企体等関係閣僚協専門委員懇談会、この意見を尊重し、誠意を持って検討するということを言われております。これは先ほども御答弁ございました、お話ありましたけれども、そういう政府の統一見解を明らかにしています。問題は、この懇談会です。この懇談会の結論待ちということに現在なっているわけでありますけれども、先ほどは秋ごろという御答弁でした。いろいろ新聞の報道、これは「毎日」でございましたけれども、六月六日に出ていますが、十月末か十一月に結論ではないかというようなことも報道されておりました。一体その結論は秋というならば秋のいつごろなのか、いつごろ提出される御予定なのか、この期日をひとつ教えていただきたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) これはただいま専門委員懇談会で労使の、あるいは当事者のいろいろな意見を聞いているわけでありまして、その進捗状況にもよります。そして秋でございますから、九月といっても秋でございますが、とにかく今秋には結論を出す。かつて公制審で八年かかって三論併記で結論が出ない。それを受けて立ちまして昨年の春のときに、これはことしの秋には結論を出して決着をつける、こういう構えでございますから、その辺の九月か十月かということにこだわらないでひとつ御理解と御期待をいただきたい、こう思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ここで、これはひとつ伺いたいんですが、いままでの官公労の労働者の場合も終戦直後の一時期には民間労働者並みにスト権があった、それが昭和二十三年のマッカーサー書簡に基づく政令二百一号、それから後の公労法、国家公務員法、こういう国内法が順次制定されていって全面一律スト禁止ということになってきている。これまでにこれらの関係法令によって処分になった人はかなりの数字だと思いますが、その数字を明らかにしてほしい。特に本日は専売を論議しておりますので、アルコール専売とか専売関係とかではどうなっているかをちょっとお伺いしたいと思います。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 終戦後と申しますか、公労法施行後ただいままでの処分の総数は約五十万でございます。専売だけで申し上げますと、約七千名でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 処分の内容別でわかりますか。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 全体の数で申し上げますと、解雇が七百三十九名、免職が百二十七名、停職が一万三千七百七十五名、減給が十八万一千三百七十五名、戒告が三十一万五千四百八十八名、合計で五十一万一千五百四名が全体の数字でございます。うち専売公社について申し上げますと、解雇が十二名、免職が二名、停職が四百九十五名、減給が一千八百二十四名、戒告が四千六百八十一名、合計七千十四名でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 公共企業体等関係閣僚協議会の先ほどの専門委員の懇談会、これでいろいろ三公社五現業の経営形態あるいは当事者能力、先ほども議論がここでございました。そういったものについての審議を踏まえてスト権問題の審議に入って、六月十二日には公労協の代表、二十六日には国鉄、電電、専売の三公社当局から意見を聞くことになっていた。しかし、二十六日の専門懇が七月十日に延期されているということを見まして、どうして延期になったのか、この点伺いたいのですが。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 私、閣僚協の事務当局ではございませんが、承知いたしましている範囲で申し上げますと、第二、第四の木曜日が定例日でございますが、二十六日の定例日は委員の出席が非常に少ないということで次回に延ばしたということで、そのほかの特別な理由はないというふうに承知いたしております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは、この人たちの委員の人たちがいまのような都合で出られないということなんでしょう。そういうようなことが延期の理由だというと、それは結論の時期を延ばすというためのじゃないでしょうね。そんなものでやったはずじゃないのでしょうね。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 先ほど大臣からも御答弁がございましたように、政府といたしましては今秋までに結論を出すということで方針を決めておるわけでございまして、決して結論を出すのを延ばすために二十六日の会合を延ばしたということではないというふうに御理解いただいて結構だと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 三公社五現業のスト権の問題で、いろいろ聞くところによれば、依然として政府の部内あるいは自民党内にも専売、アルコール専売、こういうところに、国民生活への影響が少ない、国鉄のように汽車をとめる、電車をとめるというわけじゃありませんので、そういう国民生活への影響度が少ない、小さい公共企業体、こういうところについては民営へ移るということを前提条件としてスト権を与えようかと、こういうような分割論があるというような話を伺っているのでありますけれども、この分割論は一面でいえば同じ公共企業体の労働者の分断策ということになるし、これからの労使問題にもいろいろな悪影響も出てくるのではないかということも考えられる。いろいろなデメリットもある。またメリットもあるかもしれません。メリットのある点もわかります。私も民間の労組にいたこともありますから、そういう点はよくわかるのでありますけれども、そういう分断論に対して、あるいは分割論に対して、労働省としてはどう大臣考えておりますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) おっしゃるように三公社五現業のうちで、国民生活への影響の比較的少ない企業体に対してスト権を認めたらどうかという意見などは、実は公制審の答申の中にもあると私は思っております。ILOの結社の自由委員会などでもそういうことが報告されております。そうしたことがいままで公制審の中に三論併記の中にいまのようなものもありますけれども、これらも一括いたしまして実は権威のあるこのたびの専門委員懇談会に御審議をお願いし、そしてまた閣僚協においてこれの結論を得るのを私たちがお待ち申し上げている、こういうことでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私、この専売の場合のようないわゆる一般の工場労働者と変わらないような状況下にあるわけですね。そういうサービス業とはちょっと違いますから、あるいは林野とか、こういうようなところについてはこれはスト権を、分割をしなくても与えたからといって大きな影響出てこないのじゃないかということを考えざるを得ないわけです。その点いまのままで与えるというようなことはいかがお考えですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) それも実はそういうこともあわせてそうしたところで御研究を願っていると、こう御理解いただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それは研究を願っているのはわかるんですが、大臣御自身あるいは労働省自身としての考えはどうなのか、全部を隠れみののその閣僚協に渡してしまう、専門懇にやってしまうというわけじゃないだろうと思いますけれどもね。基本的な考え方はどういうふうにお持ちなんですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) これは逃げ口実でも何でもありませんが、いま閣僚協にせっかく御審議をお願いしているときに私がどうこうということをちょっとやっぱりこれは言えない立場であることは御理解いただけるんじゃなかろうかと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 さらにここでお伺いしたいのは、公制審で公益委員であった石川吉衛門さん、この方がスト前に第三者機関による調停を義務づける、二番目に、首相にスト中止命令権を与える、付与する、三番目に、首相の請求による強制仲裁の規定を設ける、という厳しい制限をくっつけてスト権を認めようという石川私案というのを発表した。この私案が懇談会でも反響を呼んだと言われており、この私案は今後の懇談会の結論作成の作業に非常に大きな影響を与えるんではないか、こういうような懸念もされておるようでありますが、この石川私案では実質的なスト権抑制につながる、こういうふうにわれわれは思わざるを得ない、そういう内容だと思うのですが、こういうことでは、こんな厳しい制限が二重、三重にくっついた中では、労働基本権としてのスト権の問題の円満な解決なんて当然ならないだろうと思うんですが、その点労働大臣の見解をお伺いしたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 御指摘の石川私案につきましては私も読ませてもらいました。また個人的にいろいろな話をするときに、あの方の御意見などもそういうふうなものであることも承知しております。しかしまた一方、世間においてもこういう大事なときですからいろいろな私案らしいものが出されているんですね。それぞれの考え方が皆出されております。私はそういうものも全部踏まえながら、こうした日本の一番大事な労働基本権の問題のときですから、そうしたものを全部総合ししんしゃくし、そして将来の日本にどういうものがいいかということをこの関係閣僚協において御研究いただいている。それをお待ち申し上げている。その中の一つの参考意見として、だれか呼んで、あるいは話す人などがあるかもしれませんけれども、どの程度に影響力を与えているか、あるいはむしろ軽視されているか、その点は実を言いますと一私はまた内部のことですから存じ上げておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 憲法二十八条でいわゆる団結権、いま言われたようなスト権等も入っておるわけでありますが、そういうものが認められていて、それを憲法十三条でもって、今度は逆に公共の福祉ということに反する場合はというように抑え込んでいる。これは二十八条の方が表なんですか、十三条ばかりが表なんですか、どっちにウエートを置いているんですか。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 現行公労法その他労働法制が現在の現行の憲法に違反するものでないということは、数次にわたりまする最高裁の判決においても確定されているところでございまして、現行法をもってしても憲法違反の問題は起きないわけでございます。ただ、先生御承知のようないきさつがございまして、公制審の答申もあり、それを受けて現在閣僚協、なかんづく専門委員懇談会において御検討いただいております。その結論を待って、どういう結論を出すかということで、現在政府としては閣僚専門委員懇談会の御意見をお待ちしているという段階でございます。憲法問題は当面争点にはなっていないというふうに考えます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまのは十三条ですが、十二条との関係だったらどうなりますか。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) いずれにいたしましても、労働基本権に直接関係ございますのは憲法二十八条でございます。二十八条との関係と、そのほかの条文との関係について、最高裁は憲法違反の問題はないということを判示しておるわけでございまして、十二条、十三条その他関係の憲法の条文含めてそういう判断をしているというふうに考えておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 労働大臣、よろしいです。  それから、私が当委員会で質問をしたことが歪曲されて伝わりまして、えらい迷惑を受けたことがございました。ついこの間のときに酒販の小売免許の問題で質問をしましたところが、どういうわけか、私が質問いたしましたのは、もう免許はかなり自由にされていっていいのではないかという、無制限な自由なんということは一つも言っていないわけでありますが、それがどういうふうに伝わったか知りませんけれども、自由にしろと、こう言ったと、小売を圧迫するものだということで抗議の電話で眠れないぐらいのえらい目に遭いました。これじゃ国会での審議というのは本当に保つことができないというふうに考えざるを得ないわけですが、本当に情けないと思いました。この点は、これは議員お互いの問題でありますけれども、院の権威というか、国権の最高機関としての権威の上からも言論の自由は保障されている最大の府でなきゃならないと思いますから、その点は一つ申し上げておいて、このことでちょっとお伺いしたいのですが、この間公聴会ではお伺いしました例の生協の員外販売の問題でありますが、生協の員外販売について二〇%以下とかいうことがあったりします。しかし、酒については一五%以下が私どもはいいんではないかというふうに思っているのですけれども、この点はどういうふうに現在指導をしているのか、それを伺いたいと思います。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 酒の小売免許に際しましては、原則として特定の設立の趣旨から見て、販売先が原則としてその構成員に特定されている法人または団体である場合には免許しないと、こういう取り扱いになっておるわけでございますが、実際問題といたしましては、地域に生協があります場合に、やはりその生協の組合員と、それから一般の消費者とが混在しているケースが非常に多いわけでございまして、そこで生協に免許を出します場合には、員外利用の許可を取りまして、その員外利用の許可を取った上におきましては、一般の免許申請者と同等の取り扱いをすると、こういう取り扱いになっておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その員外利用のパーセンテージは何%までということはあるのですか、ないのですか。その辺の指導の状況を聞きたいんです。小売の方では一五%以下にしてくれと言っているはずですよ、多分。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) それは厚生省の所管でございますので、ちょっと私、お答えできません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それじゃ連絡をとって調べていただいて、後でお答えをいただきたいと思います。よろしゅうございますか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) すぐ厚生省の方と連絡いたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ここでたばこについて伺いたいんですが、最初は、たばこのクーポン券の問題なんです。たばこのクーポン券というのがありまして、これは私はリコピーをとったのですが、チェリーまたはマリーナとお引きかえください、大阪たばこ商業協同組合連合会というので、こういうクーポン券が出ておりますが、このたばこクーポンのこの引きかえ券について専売公社ではどの程度の把握をしていらっしゃるのですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) この大阪たばこ販売商業連合会でございますが、これが昭和四十四年からこのクーポン券を出しているわけでございますが、参加をしておりますこの連合会所属の組合といいますのが約四十九組合ばかりございますが、このクーポン券は現在のところはチェリーとマリーナ、どうもセブンスターは品薄でございますので、そういう関係があるようでございますが、チェリーとマリーナにつきまして五個、いずれでもいいわけでございますが、五個につきまして五百円券でございますけれども、連合会の方からは小売店の方にこれを四百八十円で売っておりますようであります。それで、その四百八十円で売りました券が、消費者の方には五百円で売られるわけでございますが、その消費者の方がまた別な小売店に参りましてそのたばことかえる場合におきましては、やはりその五百円のものが渡るわけでございますけれども、その引きかえられました券は、連合会の方で四百八十円で引き取る、こういうような形でやっておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 何枚ぐらい出ているというふうに把握されておりますか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) これは四十四年からでございますので、四十九年では七十八万五千枚ということでございますが、四十四年当時は二十八万四千枚ということでございます。ただこれは、ことしの三月からはこの定価が変わるといった事情がだんだん明らかになってきましたので、三月一日から発行を停止しているようでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 このたばこクーポン券というのが発売され始めたのはいつごろでございますか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) 昭和四十四年でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 今度の値上げ案によりますと——このクーポン券一枚で百円のたばこが五個引きかえできたわけですけれども、それが今回は二百五十円差額を払わなければ買えないということになるのか、その点では小売店と消費者との間にトラブルは起きませんか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) これは引きかえ券ということになっておりますが、この券の中に、定価が改定されるような場合におきましては、その引きかえのときの定価で精算させていただきますという記入をはっきりしてございますので、またいろんな機会を通じましてそういう点の周知には努めておるようでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ですが、いま言われた、価格が値上がりの際はその差額を徴収するという、差額分を別に現金でお支払いくださいとこれは書いてあります。書いてあるのは、昭和四十九年度発行の、先ほど御答弁のあった七十八万五千枚の話で、それ以前に発行された券には、この記載がないという話なんですけれども、その点はどうなんですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) 定価改定という事情といいますのは、たばこ専売におきましてはなかなかないわけでございまして、通常の場合を想定しますと、そういう精算をするというようなことは起こらないと思われるからだろうと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、その前の券で持ってきたときには、値上げになってもちゃんと買えるわけですね。それは書いてないんですよ、差額支払えということは。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) その間の事情は私もよく調べてないわけでございますけれども、もう四十八年のものは恐らく全部引きかえが済んでいるんじゃないだろうかと思いますが。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それば推定答弁ですよ。そういう答弁はないですよ。たとえ五枚でも十枚でも残っていて、かえてくれといったら差額を払えと、この券には書いてありませんよ。そういったときには必ずトラブルが小売店と消費者との間で起きてきます。そのときどうするかということを伺っておるんです。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) 私、ちょっと答弁がまずうございましたが、店頭にそういう場合のことを予想いたしまして掲示をいたしておるようでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その掲示はどういう掲示になるんですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) どうも文章そのものを私、承知しておりませんが、事情を聞いておりますと、そういう引きかえの場合の計算の問題につきまして、はっきりと掲示をしておるようでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 このクーポン券の先ほどの答弁からみますと、いまの問題等は必ずトラブルが起きるような気がしてならないですね。特にこれが売られている先が大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山という方面ですからね。必ずそっちの方でそういう点が問題が起きてくる。もしも店頭に掲示があったからといったって、そういったって券には書いてないじゃないかということになりますよ。そういったときのトラブルが起きたときにどうするか。ただ店頭に掲示してあるから小売店でよしなにやれというわけにはいかないだろうと私は思います。それを聞いているんです。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) それは前の券でございますが、これはまたこちらの方の発行しております連合会のあれでございますけれども、三カ月以内でお引きかえくださいということは書いてあるわけでございますが、もしそういうようなことがありますと、これはまたいろんなトラブルがあってもあれでございますので、私どもの方で十分にまたそれらのことにつきましては、今後善処をしてまいりたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それはおかしいですよ。できるだけお早目にお引きかえくださいと書いてあるけれども、三ヵ月以内なんて書いてないじゃないですか、いいかげんなことを。それには書いてあるの、そっちには。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) この券には書いてあるわけでございますけれども。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いろいろあるということは、期限のあるものもある、ないものもあるということですよ。それはトラブルが起きるじゃないですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) それらの点につきましては、よく事情を調べまして、私どもの方でできるだけトラブルのないように、あってはいけませんので、注意をしてまいりたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 どういうふうにやるかを伺いたかったんですけれども、お答えがいただけないようですから、そういうトラブルなんか起きないように。あった場合も、消費者にも、小売店にも迷惑をかけないように公社でかぶるような方法を考えざるを得ないだろうと思いますね。それは考えてください。  それからこのクーポン券の経路、これを見ると先ほどの答弁のように四百八十円云々ですから、本当ならば百円で五つ売れば五十円の利益が小売店にあるところが、これは二十円の利益しかないわけですよ、四百八十円できますと。これは組合から小売店に戻ってくる代金が四百八十円ということだから、こうなるわけだろうと思うんですがね。そうすると、実質百円で売らなきゃならぬというたばこが九十六円というふうになるということですか、これは。専売法違反になってくるんですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) それは券が売られているわけでございますので、たばこそのものが売られておるとは解しておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 このクーポン券では、消費者が使うのに非常に便利だということで始まったんだろうと思います。しかし実際は、これはたばこと同じものでしょう、消費者にとっては。取りかえればたばこになっちゃうわけですから。そうすると、その券については二十円しかもうからないということは、たばこについて二十円しかもうからないということじゃないですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) これは四百八十円で一つの小売店には売られますので、そちらの方は二十円。それから今度は引き取りをされました、消費者からたばこを引き取られました、引きかえの済みましたその小売店につきましては三十円、この両方では一割の五十円ということになるわけです。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 この問題でひとつ、たばこ専売法第六十七条で「何人も、営業の目的をもって、製造たばこに代用する物品を製造し、又は販売してはならない。」とありますが、これは製造たばこを代用する物品というものに入るのか入らないのか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○説明員(佐藤健司君) これはたばこのイミテーションというものだろうと思いますので、この券は入らないと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、製造たばこに代用する物品というのはどういうものを指すのですか。法律にいう。これはたばこと交換できるものは入らないのですか、入ってもいいんですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) たばこ専売法六十七条の「製造たばこに代用する物品」と申しまするのは、公社が製造いたしまする製造たばこに代用できるような、つまりニコチンとかタールの入ったような代替品をつくったり販売してはいけないという趣旨の規定でございまして、公社以外のものがそういうたばこの製造販売はもちろん、たばこに類似するような代用品をつくってはいけない、こういうことでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 この間、同僚議員の矢追議員が質問したお酒の場合の例のひきかえ券とこれとは大分違うようで、こちらの方は、何というか、これは何になるのですか何の券なんですか実際。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) この券は、結局たばこを引きかえることを請求する権利をあらわしておるものでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると金券になるんですか、それとも何の券になるんですか、証券なんですか、何ですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 物品引きかえ券でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは実際はっきりと、じゃ、これがもっともっと高い千円なんていう券になったときは、どうするんですか。今度たばこが値上げになる。なったときに、これは七百円券、八百円券というのになったときは、これは税の問題が起きてきませんかね。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) この券面金額が上がってまいりますと、印紙税の問題は出てくると存じます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いずれにしても、そういったことについての表示もなければ何にもないような、何が何だかわけのわからないようなこの引きかえ券という感じでありますので、やはりそういう点はきちっとそうですね、有価証券になるんでしょうね。そういう点のひとつもうきちっとした権威のあるものにやらせなきゃならない。これはどうですか、主税局長どういうふうに思いますか。これは何だと思いますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) これはいま公社副総裁からお答えになりましたように、私ども印紙税法で考えております物品切手に該当するものと思います。すなわちそれを提示することによりまして、そこに記載されております金額に該当する物品を請求することができるというものと解しております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 切手なんていう表示は、一つも書いてない場合でも切手ですか。書かなきゃいけないんですか、どうなんですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 印紙税法上解釈いたしておりますのは、切手という表示がございませんたとえば食券なども、ごくささいな紙で、そういう用途を果たします物は、物品切手と考えております。ただ、もちろん零細なる金額につきまして物品、印紙税の問題にするには当たらないということから、六百円という免税点がございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 きちんと切手なら切手という表示をさせるように指導を専売公社でしてください。いかがですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 御趣旨の点はよくわかりました。そのようにいたしたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 次に、自動販売機の問題ですが、たばこの小売店では今度の値上げがされると自動販売機の改造をしなければならないことになります。そういうことになってくるわけですが、その改造費が一台平均七万円かかるとかという話を伺っております。小売組合などでは専売公社に対して補助金などの対策、こういうことの要請を行っているということでありますけれども、どういうふうになりましたか、これに対しては。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 自動販売機を改装する必要のあるものが、昨年九月三十日現在の自動販売機の調査をいたしました十六万四千台のうち、改装を要するものが約十二万八千台になっております。で、これにつきましては、衆議院でもお答え申し上げたのでありますけれども、公社といたしましては、前回の四十三年のときには台数が少なかったせいもありますが、改装に要する補助金を支出したわけであります。今回もそういう補助金を支出したいと思いまして大蔵省に対しまして予算要求をいたしたのでありますが、その予算折衝の段階におきまして、全国の小売組合連合会の方から小売組合としては、自動販売機を持っておるのは組合員の約半数であって、改装を要するのはその半数よりももっと少ない数であるから、自動販売機の改装の補助金よりも、むしろマージンを一律に一〇%に早く直してもらいたい。御案内のように、現在はマージンが一律に一〇%にことしの一月一日からなっておりますが、定価改定を行いますと価格が上がりますので、マージンの率を若干調整することになっておりますが、その調整されたものをできるだけ早く一〇%に戻してくださいと、こういうお話がございまして、結局、種種論議のあったあげく、それではマージンを五十一年の一月一日から一〇%に戻す、そのかわり自動販売機の改作に要する費用は小売店が自分で支弁する、補助金は交付しない、こういうふうに決まった次第でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 矢追委員に譲りたいと思いますので、この辺で大蔵大臣にちょっとお伺いしたいんですが、先ほどもいろいろ経済の見通し等についてお伺いしたのでありますが、いまのままでいけば税収不足が相当な額になるだろう、四・三%という成長率も非常に無理だろうということが多くの調査機関からの発表等を見てもわかります。そういうことになると、どうしても赤字国債ということにならざるを得ないんじゃないか。前回もその点について財政法を改正してやったらどうかということを申し上げました。建設国債といっても赤字国債じゃないか、一方で酒、たばこの値上げをやっていっても、片方で大きく赤字国債を出すんでは話にならない。本当のフィスカルポリシーということであれば、こういうときに国債を出して、景気のいいときには全然出さない、こういうやり方が本当だと思うんですけれども、現実には景気のいいときにもたくさん国債を出して、そしていまになるとやりにくくてどうにもならないというような状況になっている。本当に情けないような感じがするわけであります。本来ならば、赤字国債というのはよくないことでありますけれども、建設国債も考えてみれば赤字国債だということなんです。その点、いろいろ新聞の報道等を見ると、大蔵省では財政法を改正して赤字処理の規定を入れるというような動きがあるということであります。  私は、ここで大臣にお伺いしたいのは、一方でそういうものをたくさんやるなら、何も、ここでたばこの値上げをやる必要はないんではないかということが一つ。  いま一つは、財政法を本当に直して、いま言うように、赤字国債で本当のフィスカルポリシーとしての役目を果たさせるような方向をとられるのかどうか。この二つをお伺いしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いまの御質疑には重要な問題が幾つか含まれておるわけでございます。  財政の体質が硬直化しないで弾力性を保持しておるのでございますならば、鈴木委員がおっしゃるように、不景気なときに無理をしなくていいわけでございますけれども、しかくそのような弾力性を持っていないわけでございまして、年々歳々硬直化の度合いは進んでおるわけでございます。したがって、私どもといたしましては、さらにその硬直化の度合いの進行を許すようなことをしてはならないという意味におきまして、歳入につきましても、安易に公債に頼るということにしてはならないと考えまして、ほかの収入の方法を考えたことでございます。第二に、しかしながら、いま御提案申し上げておる酒とたばこにつきましては、歳入目的ばかりじゃなく、全体として税のバランス、税負担のバランスという点を考慮した措置でありますこと、これは申すまでもございませんけれども、たびたびこれまで御説明申し上げたとおり、そういう考え方が含まれておりますことを御理解賜りたいと思います。  第三の問題といたしまして、しかしながら、そうは申すものの二兆円の国債を発行予定いたしておるところへもってきまして、歳入の前途について明るい展望が持てないということもまた事実でございます。その場合の措置についてはどうするかということでございますが、私どもといたしましては、歳入、歳出両面にわたりましてこれから極力努力をしてまいりまして、現行——いま成立させていただきました予算の忠実な執行をやってみたいと考えておるわけでございまして、この予算の骨格を崩すべきでないと思っております。しかし万一、それができないというような場合、それがどこまでできないかというようなぎりぎりの見きわめはまだ秋深くなってからでないと私は見当はつかぬだろうと思うのでありまして、いまここで、ことしの公債発行につきまして増額発行をするかしないかという問題が第一まだ決められない状態におるわけでございます。したがって、発行するとすればどういう性格のものにするかというふうなことも第二の問題としてあるわけでございますけれども、それもまだ仮定の問題でございまして、的確なお答えをいまの段階ではできないわけでございます。ただ、冒頭にも申しましたように、財政の体質を健全に保つ意味におきまして、公債政策につきましてはなるべく依存しないように努めなければなりませんし、万一、国債に頼らなければならぬといたしましても、国債の市場における信用を維持してまいる上から申しましても、また財政法の志向する方向から申しましても、市場消化の原則、建設公債の原則というものは守りたいものと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 初めに、先日、主税局長に主にお伺いをした表示の問題ですが、お酒、ビール、ウイスキーの。ビールについてこの間主税局長は、大体四%前後と承知をしておるので特に書かなくてもよいんだ、ギネスの場合は八%という特に高いので、これは表示をした方がわかりいいということでされておるのだというような答弁がございましたが、私もちょっとそれからいろいろ調べてみたんですけれども、そちらの方でわかりましたら先に言っていただきたいんですが、各ビールのパーセントですね、それから黒ビールのパーセント、スタウトのパーセントわかりましたら。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 今日わが国におきまして、一般的にビールと称せられておりまするのはラベルにも書いてございますがラガービールでございます。ラガービールは、大体あのときにもお答えしましたように四%前後のアルコール分でございます。それが黒ビールということになりますと、もう少しそれより高くて五%ぐらいになっております。それからスタウトになりますと六%から八%前後の度数を示しておる、こういうことになっておると承知いたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 だから、私が言いたいのは、かなりばらつきがある。要するにラガービールの場合、いま言われた確かに三・五から四、あるいは四・五までの間ですけれども、黒ビールになりますと、アサヒビールの場合は六%前後になっていますね。それからスタウトになりますと、アサヒビールは八%前後なんです。キリンでも六.六ないし七とこうなっておりますので、この間の主税局長の答弁だと、大体四%と理解されておるので書かないとすれば、仮にラガービールの場合は書かなくても、黒ビールとスタウトは入れるべきだと思うんですが、ギネス以外は全部入ってないんですよ、パーセントが。答弁と矛盾するように思うんですが、その点はいかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 私は、大体ビールといえば一般的にはラガービヤでございますから、そういうものについての度数というのは一般的のものでございましょうということをお答えしましたし、スタウトとか黒ビールであれば、それと違った度数を持っておりますことは一般的にも理解されておりますが、あえてそれを会社の方で表示するということも、それは適当でしょうということをお答えしましたので、大体一般的にビール——ここで申しますビールはラガービヤのことでございますが、それと黒ビール、スタウトというようなものについて、一々アルコール分を表示させる必要はない。大体ビール、黒ビール、スタウトといえば、どれくらいの度数かということはわかっておりますし、それを表示することによりまして一体何をねらうのかということから考えますれば、あえてそういうことを義務づけることも要らないんではないかという趣旨でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 何かまたこの間より幅が広くなったような答弁のように思うんです。私何人かに聞いてみたんですよ、ビールの度数知っている人、恐らくここの議員さんは皆さん大蔵委員ですから、専門だから御存じと思いますけれども、大蔵委員やっていない方なんか全然——ぼく大分聞いたんですよ。ひどい人になったら二〇%かと言う人もありますし、議員さんでもそうなんですよ。四なんて本当に知らないですよ、みんな、知ってるようで。皆さんは専門だからみんな知ってると思うんですけれども、実際一般の国民の方は全然御存じない。だから、ギネスは八%というのがわかるだけで、あとは何にもわからぬわけですよ。どうして主税局長は一生懸命業者の側に立って、書かせない、書かなくてもいいんだというふうに言われているような気がしてならないんですけれども、そういうことになると、やはり書いてもいいんじゃないかと、こう思うんですけれども、その点いかがですか。方針としてやはり書かす方針で指導すると、まあ、別に法律違反にならぬわけですから、それは書かさなくてもいいかもしれませんけれども、しかし、やっぱり消費者の側に立てば私はあった方がいい。しかも、ウイスキーもあるし、お酒の場合だってみんな知っているわけでしょう。それこそビールと同じ理論が言えるわけですよ。お酒の場合のパーセントはちゃんと、それこそ知っている人は知っているわけですし、にもかかわらずお酒の場合はちゃんと書いてあるわけでしょう。ビールの方は全然書かない。低かったらいいのかという問題になると、今度またこの間議論したサッポロライト等との問題が出てくるわけですが、私はやっぱりきちんと書いた方が親切じゃないかと思うのですが、いかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 私が申し上げておりますのは、一体度数を書かせることがどういう効果をねらうのかということは、制度的に考えなければならないということなんでございます。ビールというものが四%であることを皆さん御存じないから、それを単に認識していただくために法制上その表示をさせる、あるいは指導的に義務としてそれをさせるということは、一体どういう意味があるのかということなんでございます。確かにビールを飲まれるときに、これは四度程度である、あるいは黒ビールをお飲みになるときには、これよりもう少し度数が高いという認識を持っていただくことも一面必要かと思いますけれども、そういうことがなくて、ビールを楽しんでいただければそれでまたひとついいわけでございまして、ビールの中で特に税金が違うからというような意味におきまして、それを示すことがまた必要であるということでございますれば、制度的に考えなければならないと思っております。そういう意味におきまして、いま清酒のお話が出ましたけれども、清酒については確かにアルコール分を法制上表示させる規定になっております。それも厳密には書いてございませんけれども、たとえば十六度以上とか十五度以上ということは書いてございますけれども、それによりますと、大体特級というのは官能審査でございますけれども、品質が優良であるものということで、やはりその一つの要件としましては、ある程度のアルコール度数があるということが要件になっておりますから、そういう認識をその特級という表示のところに持ってもらう、アルコール度数は十六度以上であるということを認識していただくということが、またすなわち特級の分野に入るということの認識を持ってもらうことになるわけでございます。そういうことであれば、制度的に非常に意味があるということなんでございます。そういうことからいいますと、ビールについての度数をあえて法制的に、あるいは指導的に制度として設ける必要はないのではないかというのが、この間からお答えしている趣旨でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ちょっとよく私もわからないんですが、そうすると、いまの理論を全くビールに当てはめますと、いわゆるラガービヤというのはこういうものだと、黒ビールは少し高いんだということでも私は表示しなければならぬということになるんじゃないですか。黒ビールとかスタウトの方がアルコール濃度は高いわけですから、だから、高級かどうかという議論はまたこれは別として、明らかに違うわけでしょう、同じビヤでも、物が。私はギネス以外は何も書いてないから、もしそういう理屈でいかれるなら、黒ビールとスタウトぐらいは書くべきじゃないかということになりませんか。アサヒビール、キリンビール、たとえ前後でも構わないんじゃないんですか。その辺ちょっと、どうしてビールと酒と——じゃビールはお酒じゃないのかということになってくるわけでして、やっぱりアルコール飲料でしょう、いわゆる一般的には酒と言われるものでしょう。そうなるとやはりいまの言われた特級、一級、二級という、同じ考え方がビールの中にも当てはめてもいいんじゃないか、たとえ法律化する、しないは別としても、私はそう思うんですけど、その点いかがですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) 消費者がビールを飲んでおるときに、これは四度ぐらいである、あるいは黒ビールを飲む、スタウトを飲みますときに、これは倍ぐらいの度数があるということを認識して飲んでもらう必要は、これは酔っぱらわないということのためにそれはあるかもしれませんけれども、税金の制度とか品質という観点から申せば私は余りないと思いますんです。先ほど来申しておりますように、清酒につきましてはたとえば特級、一級という区分を設けまして税金を重くいたしております。それから、先ほどウイスキーのところでも申しましたけれども、酒類全般に通じて言えますことは、ある程度度数を高めるということによって味がよくなるということもございまするから、税金の加算が、度数が高くなる一度ごとについて重くなるという制度もございまするから、そういう観点から申せば全くそれは税金の制度本位に考えておることでございますけれども、制度的にそういう必要があるということでございまして、ビールといいますのは、大体そういう区分を消費者にそういった観点から認識していただく必要がありませんで、もう六百三十三ミリリットル入っておれば六十七円という税額、あるいはそれはもうスタウトであれ、黒ビールであれ、その容量に応じました税金を負担していってもらうものでございまするから、そこであえて度数を表示することによりまして、税金上の区分を認識してもらうということはないから、私はあえてそういうものを制度として表示してもらう必要はないんだというふうに考えておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 どうもよくわからぬのですがね。いまのお話だと、要するに消費者というのは絶えず税金を頭にして飲んでいるのかということになるんですよね。お酒の場合はいま言われた税金との関係があるから書くんだと、品質の問題と。ビールの場合は何%できているからと言われましたですね。消費者というのはそこまで深く考えてないと思うんですよ。だから、私は何も税の制度をどうこうと言うんじゃなくて、やはり書く方が親切だと思いますから書かしてはどうかということで、どうして抵抗されるのかよくわからない。  もう一つ、じゃ、ウイスキーはどうなんですか。ウイスキーの場合これははっきり出ているんですね。ウイスキーの度数を表示されている理由は、今度はどうなりますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○政府委員(中橋敬次郎君) その点は、今朝寺田委員からの御質問についていろいろお答えしましたように、度数ということがまたウイスキーの特級、一級、二級の区分につきまして非常に重要な点でございのするので、これは表示いたしておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間が余りなくなりましたので、これまたもうちょっと私も研究してみます、この問題は。  製造年月日の問題、次に入りますけれども、これもこの間、ビールの場合は入れられないというふうなことで機械の議論になってしまいましたが、実はこれはサッポロビールの広告なんです。この中に「その味わいがいのち。製造年月日の新しいものを選ぶことが大切です。」と、こう書いてあるわけですね、この広告には。これはかんビールの広告なんです。かんビールを見ますと、この裏に書いてあるんですね。これ、わからぬですよね、消費者は。これアサヒで恐縮ですけれども、アサヒしかここになかったのでアサヒ持ってきましたけれども、サッポロも同じになっているはずですが、これは83946となっていますよね。これはいつの製造年月日ですか。わかりますか。アサヒビールのかんの見方ですね。ジュースだって皆こうなっているんですね、いま。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) 突然の御質問でございますので、詳細御答弁できませんけれども、それによって会社の方としてはもちろん当然わかるわけでありますけれども、一般消費者の場合にはなかなかそれだけでは確認できないようでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 だから、その製造年月日をここで宣伝していなきゃこれはいいんですよ。これ消費者をだましていることになると私は思うんですけれどもね。この広告がだましているのか、こっちがだましているのか、まあ結局同じだと思うんですけれども、はっきり書いてありますからね、「製造年月日の新しいものを選ぶことが大切です。」と、「その味わいがいのち。」、「黙ってサッポロビール」と、こうあるわけですよね。ところが、製造年月日は確かにあるんでしょう。だけどこれわからないんですよね。だから、その製造年月日、ビールだけではなくて、ジュースも全部そうですね。たとえばポンジュースなんかのかん入りを見ますと、製造年月日かんに書いてありますと書いて、裏で、これわからないですね、全然。そういう、じゃ、製造年月日というのは何のためにあるのか、何のためにつけられているのかということになるわけです。これは後でたばこの問題にも触れますけれども、これはいかがですか。

星野孝俊国税庁間税部長

○政府委員(星野孝俊君) ただいま御指摘のような問題も含めまして、業界の内部でさらに検討いたしましてなるべく早い機会に対処すると、こういうことに相なろうかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 たばこの問題に入りますが、大蔵大臣、たばこの製造年月日はこのたばこに入っておると思われますか、入っていないと思われますか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 入っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 じゃ、どこに入っていますか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) たばこの包装が違うのによって違っておりますが、たとえばチェリーのような、あるいはセブンスターのような軟包裏のたばこでございますと、その中に入っておりまするアルミ箔に入っておる、書いてあるのであります。これも先ほどビールについてお話がございましたが、これはまあ一般の人にはすぐにはわからないようになっております。なぜこれを入れているかと申しますと、公社としましては、常に新鮮なたばこを消費者に供給したい、したがって、古いものは供給しない、そのための物品管理上入れておるものでございます。しかし、これは消費者の方も理屈だけなにすればすぐわかるようになっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大臣にお伺いしますけれども、結局ビールも同じなんですよ、かんだってね。いま言われたように、セブンスターとか、こういうホープはここに書いてあるんですよね。それからみねとかマリーナはここに書いてあるんですよ。なかなか見えにくいんです。これはまた全部番号ですね。この方程式は言ってもいいんですか。——それ発表してください。どういう方程式になっているか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) たとえば、軟包裏のものでございますと、Mとありますのは一月製造のものです。Nというのは二月製造です。順次M、N、O、P、Qと、こう行くわけでありますが、それでわかることになっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 実は私も今度初めて教えてもらって、Rの14とこれ書いてありますから、これは六月十四日製造と…… ○説明員(泉美之松君)十四日ではありませんで、六月……

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 R14て何ですか、じゃ。そうでしょう。そうじゃないですか。いま言われた方程式でいくとそうでしょう。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 失礼しました。そのとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 だから、果たしていま言われた業者だけがわかっておる、あるいは専門の人だけがわかっておるようなものでいいのか、あるいは消費者がわかって初めてこれは古いたばこだから買うのをやめますというふうなのがいいのか、その辺はきちんとして、牛乳の場合はちゃんと日にち入ってますよね、こういう点は少し議論をした方がいいと思いますので、私の場合は、やっぱり消費者の立場に立ってきちんと書いてあった方がいい、こう思うのですけれども、実際去年のたばこだってありますし、ぼくもきょういろんな人の吸っているの全部調べて、一番古いの一月というのがありましたね。あとはまあ、国会の中というのはわりあい新しいたばこが多いので、ここは非常に新しいのばかりです、ここで買われた人はね。そういった点で、この製造年月日の明記、こんな中でわからない、こういうところとか、またこのビールのかんの方がまだ裏ですぐ見えるわけですよ。これは全然、これめくらないとわかりませんよね。これなんか本当にわからないです。見えないですよ。そういった点をひとつ検討していただきたいと思うのですが、大蔵大臣いまの議論を聞いて御感想と今後の所信を……。時間が過ぎてますのでこれで終わります。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) お尋ねの点ごもっともに存じますが、先ほども申し上げましたように、私どもは公社の品質管理上表示して、公社としては三カ月を超えるものは公社からは出荷しないという方針でたばこの供給について管理をいたしておるのであります。それが小売店へ出回った後、消費者の方が買われるまでにはあるいはもう少し日にちがかかったりなどすることがあろうかと存じますが、そういった場合には、公社としましてはたばこについてそういうことのために品質が悪変したような場合には必ず引きかえるように小売店を指導いたしております。そういった意味では、仮にたばこの品質が悪くなっても引きかえることによって、消費者の方に御迷惑はかけないということにいたしておるので、現在の制度で十分ではないかと思っておりますが、しかし、なお矢追委員の御指摘のようないろんな問題もございますので、それらの点につきましてはなお検討さしていただきたいと存じます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御質疑を通じましていろいろ啓発をいただいたことを感謝します。  メーカーあるいは公社、酒にいたしますとメーカーだけがわかっておって消費者には必ずしも分明でないというような状態のようでございまして、それをさらに消費者まで延長すべきではないか。その方が親切ではないかということでございますので、その点はお示しでもございますので検討いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま提出されておりますたばこ定価法の改正案によって約五割ばかりたばこの値段が引き上げられるということになるわけでありますが、このたばこ定価法で決まった定価、これに基づいて公社が銘柄別の定価を決めて大蔵大臣の認可を受けて販売するという形になるだろうと思うのですが、その場合に、小売店はたばこ専売法の三十四条に基づいて、この定価どおりに売らなければならないということになっております。ところが、パチンコ屋さんなどに値引きして売っている小売屋さんがあるということで、いままでいろいろこの国会の中でも論議がありました。私もきょうはこの問題について少し伺いたいと思うのですが、その前にいままでの論議の中ではっきりした点を幾つか確認をしてみたいというふうに思っております。  まず伺いたいことは、この値引き販売というのは、たばこ専売法第三十四条第三項に違反しているという趣旨の答弁が三月七日の参議院の予算委員会で泉副総裁からありましたが、専売法違反だということはやはりここで確認できましょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) それは先般私がお答えしたとおり、またいまお話のとおりでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう一つ確認したいと思いますが、値引き率は平均で約三%だというふうにいままで言われましたが、そのとおりですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) これは約三%と申しましたので、実態は個々の販売業者がその相手方とするパチンコ店等の間で決めておりまして、いろいろ違っておるようであります。恐らく二%ぐらい低いのもありましょうし、それから三%より高いのも若干あると思います。  しかし、いずれにしましても小売手数料の中から吐き出しておるわけでありますから、小売手数料が大体現在は一〇%、それ以前は安いものは八・一%といったものがございますけれども、それをそうたくさん売っては小売店として余りもうけになりませんので、その中から平均として三%、二%ないし四%程度ぐらいの格差はあるものと存じます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それからこの値引き販売の問題は昭和三十七、八年ごろから現在にわたって行われているということと、それから法改正を考えたけれども、なかなか名案がないという趣旨の御答弁があったと思いますが、現在もそのとおりですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 値引き販売が行われるようになりましたのは、お話のとおり、昭和三十七、八年ごろからでありました。そのとろから問題になりまして、いろいろ対策を講じまして、最初はこれは専売法違反でありますから、これを検挙いたしまして罰金を取る、あるいは小売免許を更新しないぞというようなことも措置といたしましたが、なかなかそれによって十分取り締まることができませんので、それでは法改正をということでいろいろ検討いたしましたが、なかなか適切な案がないというのが現状でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それからもう一点、この値引き販売の行われている量ですね、たばこの総販売高の約一割程度だというような趣旨の御答弁がありましたが、それでよろしゅうございますか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) その点も大体一〇%、まあ、ところによって違うと思います、パチンコ店の多いところとそうでないところと違っておりますので、一律には申しかねますけれども、大体一〇%から一二%程度と考えていただいて結構だと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そこで、国税庁の方に伺いたいんですけれども、国税庁あるいは国税局、税務署などがたばこの小売屋さんに課税をするという場合、こうした値引き販売が行われている場合はどういうふうな課税のやり方をなさるのか、それを伺いたいと思います。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) 当然値引き販売が行われています場合にはそれだけ収益が減少するわけでありますから、実質的な収益に従って課税をする。また仮にそれだけを値引きで買っておるといったような場合には、それだけ収益が上がるような場合もありますから、それに対しては収益をプラスして課税するということになります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうすると、値引き販売が行われている、あるいは値引きしたものを買っているということの実態をよく調査して、それに基づいて課税している、こういうことですか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) それは、たとえばパチンコ屋さん、あるいは特定の消費者等が仕入れますときに、それを帳簿上に明らかに安く買ったといったような事実がありましたら、当然それははっきりいたしますし、それからまた、定価で買っても事実上別途それをまた販売店の方からリベートといいますか、そういったものをもらっているといったような事実がありましたら、これは雑益として課税するというようなことがございますので、税務調査上で何らかの形でそういった定価外の売買が行われたようなことがわかりました場合には、もちろんその実態に従って課税するというやり方でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 国税庁の方から、国税局や税務署に対してたばこの小売店に対する課税の場合には大体こういう標準でやれというようなものが、指導が出てるんじゃないですか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) それは大体の標準といいますか、一定のたばこの販売店、小売店等につきましては、標準的な差益はこういったものであるという一つの目安というものは各国税局でもちろんつくっておりますし、それから国税庁でもそういった点については検討いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それではその内容をちょっと伺いたいんですが、一般の小売店の場合、課税所得は大体何%くらいに見ておりますか。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) 標準率は、実は私どもの内規でございまして、公表する筋のものではございませんので、申し上げることは遠慮さしていただきます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 標準率は大体七%、つまり別の言葉でいえば百円については七円というふうに出しているんじゃないですか。どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) おおむねその辺でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 安売りをやっているパチンコ屋さんなどに、これについてはどうですか。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) パチンコ屋さん等に値引きをするとか、あるいはリベートを出すとかということになりますと、その分につきましては所得がないわけでございますから、実態に応じて申告をしていただくということに、そうして課税をするというふうにいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私ここに国税庁の出した商工庶業等所得標準率表というのを持っています。これは全国税務協会というところから出したものですけれども、しかし国税庁が出したものをこういう形でさらに再発行したというものだそうであります。これを見てみますと、おおむねそのようだとおっしゃいましたが、たとえばたばこ屋さんの場合は収益率が八・六%、それから所得率が七・〇%、つまりこの収益率というのは売り上げ金額から仕入れ金額を引いたその差益を売り上げ金額で割った率と、差益率だというふうに説明が前の方についてんですね。それから所得率というのは、これは売り上げ金額から仕入れ金額を引いて、さらにそれから必要経費を引いた、この必要経費というのは人件費、借り入れ利息、地代、家賃などは除いて一般的な必要経費を引いたんだということで、それを所得として売り上げ金額で割ったものが所得率だと、つまり別の言葉で言えば、これは課税標準ということになろうかと思うんですね。七%といいますと、つまり百円について七円と、こういうことになると思うのですね。そういうことがはっきり出ている。それでその一番右の方に運用上の留意事項というふうに書かれて収入が六千万円超のもの、それから出張、括弧して委託と入ってますが、その次に、出張販売が三〇%超のもの及びパチンコ店への販売並びに外国たばこの販売には適用しないこととなってますね。つまり一般的にたばこの小売屋さんには百円について七円という標準率表で課税をしなさいと、いわばそういうことが書かれていて、そうして、しかし、いま言った収入六千万円以上のもの、あるいはパチンコ屋さんへ売っているようなところ、こういうところは百円について七円という標準率は適用しないんだということになっているわけです。いまの御答弁では、それぞれ実態に応じてと言われましたけれども、やはり一般の小売屋さんについて百円について七円という標準率表で課税しているとすれば、パチンコ屋さんに売っている小売屋さんについて、やはりそれと並ぶような標準率を決めているんじゃないでしょうか、指導しているんじゃないでしょうか。大体どのくらいに決めておられるのか、それどうでしょう。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) 特別なものは決めておりません。したがいまして、売り上げを計算いたします場合におきまして、値引きとか、リベートとか差し引かれたものが売上高になるというふうなことで処理をいたしておるわけでございまして、特別な標準率をとっておるわけではございません。なお標準率につきましては、それで課税をするということではございませんで、申告が出ます場合の、私どもが審理をいたします場合の目安でございまして、一般的にその程度の申告が出ておれば特に問題はないと、調査対象にしなくてもいいだろうと、こういうふうな目安でございますので、その点御了解願いたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 パチンコ屋さんなどに売っている小売屋さんについては、百円について四円というふうに指導しているんじゃないですか。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) そういうことはございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 たとえばいま申しました収入六千万円以上のたばこ小売屋さんということになりますと、一般の小さなたばこ小売屋さんと比べてマージン率は低いわけでしょう。大体マージン率はどのくらいになっていますか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 年間六千万円以上の売り上げの場合は七%にいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 つまり普通は一〇%で、いま述べたケースでは七%、つまり三%低いわけですよ。それについてはパチンコ屋さんと同じようにこの標準率は百円について七円ではなくて、いわばそれは適用しないで別途の措置を講ずると、こういうことになっている。ですから、まあ常識から考えますと、その三%マージン率の低いのに応じて課税標準を三%下げて、一般は七円だけれども、このケースの場合には四円というふうにやっているんじゃないですか。同様にパチンコ屋さんに売っている小売屋さん、これも先ほどの御答弁ですと、約三%と、こういうお話があった。これに応じて一般には百円につき七円だけれども、パチンコ屋さんに卸しているときにはそれから三%引いて、百円につき四円という形になっているんじゃないですか、どうですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) ちょっと先ほど私が御答弁申し上げたので誤解を抱かれては困りますので、正確に申し上げますが、年の売上金額六千万円を超える場合には、その超える金額部分について七%でございまして、六千万円までの分についてはそれぞれの販売銘柄グループごとの手数料率が適用になるわけでございます。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) 標準率と申しますのは、私どもの一般的な場合に当てはまる内規でございます。それを外れますところの特殊な場合につきましては、通常の原則に戻りまして、収支計算をした上で適切かどうかという判定をする、また調査をするということになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私ここにあるたばこ販売協同組合が各組合員に出した「部外秘」と書いて、昭和四十九年二月十日付で、「総代各位」というあて先になって、部外秘の下には、「本文書は回覧にはせないで下さい」ということの書いてある文書の写しを持っております。これちょっと参考までに読んでみますと、「昭和四十八年たばこ販売の所得課税について」と、こういうことになって、「標記たばこ販売所得の課税標準が左記のとおり決定しましたので、貴班員に伝達方お願い致します」として、「記」として、「買受定価額一〇〇円に対し七円」、そうして「昨四十七年に同じ」と、こういうことになっております。それで注として、「資料せんの合計額×七%……が課税所得との意です」というふうに注がついている。つまりこのことは、一般のたばこ小売屋さんについては七%、つまり百円について七円というのが課税標準なんですよということを通知したものです。  その次に、こういうことが書いてある。「なお公社」——これは必要上ちょっと墨で消してありますが、「公社〇〇支社と、それから〇〇国税局で協議の結果、左記に該当する販売店については申告に際して当該税務署と個別に協議して頂く含み(了解事項)がありますので、申し添えます」として、その次に、「1 年間買受額が六〇〇〇万円を超える場合」「2出張販売実績額が総買受額の三〇%を超える場合」「3 パチンコ等遊ぎ場への販売実績のある場合」「4 外国たばこの販売実績のある場合」こう書いてありまして、その次に「(概収一〇〇円に対し四円程度)」という注が入っております。「以上」というふうになっているわけであります。特に「本文書は用済後は貴職において焼却して下さい」という字まで入っておりまして、大分厳重なマル秘文書という形になっておりますが、ここで私申し上げたいのは、さっき国税庁の所得標準率表ですね、これに基づいて、まあおおむねそのようですという御答弁もありましたが、大体一般の小売屋さんには百円について七円の標準率が掛けてある。ところが、パチンコ屋さん、つまり約三%の値引きをしてパチンコ屋さんに卸している。そこにはいまこれは了解事項というふうになっておりますけれども、大体百円について四円の標準率で課税をするという了解が成り立ったという趣旨の通達でありますが、そういうこと実際に行われているんじゃないですか、どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○政府委員(横井正美君) ただいま初めて伺いますので、私どもその辺は存じなかったわけでございますが、私どもの承知しておりますのは、標準的な場合におきまして、まあ標準率程度で出ておりますれば、税務署の申告審理においておおむね適正な申告だというふうなことになるようになっておるということ、それから特殊な場合、たとえばパチンコ屋に卸しておりますような場合は、個別に収支計算をして申告をしていただき、私どもも個別に検討するということになっておるということでございます。  で、ただいまの文書は、公社と税務署間で協議が成り立って個別協議になっておるという文書でございましたが、私、恐らくそれは、そういうパチンコ店に卸しておるような場合のような特殊な場合につきましては、たばこ屋さんが個別に収支計算をして、個別に税務署へ申告をし、あるいは申告相談をしなさいと、こういう意味ではないかと、かように考えるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いずれにしても、私はいまの御答弁あるいはそれ以前の御答弁を通じて、非常にこれは重大問題だなという感じを強く抱いているんです。なぜかと申しますと、先ほど専売公社の副総裁が、値引き販売というのはこれは専売法第三十四条三項違反だということを認められたんです。ところが国税庁は、まさに小売屋さんがその違法行為をやっている、それをいわば追認した上に立って特別な課税をやっているという形になっているんじゃないですか。その点はどうですか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) まさに先生が御指摘になりましたように、課税いたしますときには、課税取得の計算に当たりましては、それが違法な取得であろうと何であろうと、取得の実態に従って課税するというのが原則でございますから、たとえ専売法違反の事実がありましても、その実態に即して課税するというのが国税庁の立場でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうすると、国税庁の職員は、これは違法行為があってもそれはそのまま見逃しておいて結構だということになりますか。税法上はあなたが言ったとおり、実際の所得に基づいて課税をするということでしょうけれども、しかし、それだけで済むのかどうか、これはどうでしょう。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) それは恐らく刑訴法第二百三十九条第二項というところの公務員の告発義務に該当する事案として御指摘だと思いますが、国税当局で調査いたします場合に、たとえばかつて食管法等でございましたが、食管法違反の事実によりまして所得を上げたといったような場合がありましても、私たちはその食管法について違反の事実ありということを告発するということはいたしませんで、それについての課税処理をやっているというのが従来からのわれわれの立場でございます。したがいまして、専売法違反ということによりましてたばこの値引き、あるいはそういった行為が行われておるということがございましても、われわれはあえてその刑事訴訟法の二百三十九条第二項というものは適用せずに課税処理をしておるというのがいままでのやり方でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、この値引き販売というものの社会的、経済的な是非をいまここで問題にしようとは思っていないんです。しかし、専売法の三十四条というのが厳然としてある。法があるんです。そして、官吏というものはその法を守る義務が私はあると思う。これは専売公社だけじゃないと思うんですね。国税庁もそのとおりだと思う。しかも、あなた自身が言っておりますように、刑事訴訟法二百三十九条、これは違法の事実を認めた場合の義務というのがはっきりうたわれているわけですね。私は、それをやれと言うわけじゃないんだけれども、少なくとも法のたてまえということからすれば、どうですか、あなた方はやるべきことをやってないということになりませんか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) 税務官吏が税務調査いたしますときには、所得の正確な把握ということをわれわれは義務づけられ、そして同時にまた税法に基づいて権限を行使しておるわけでございまして、したがって、適正な課税ということを中心に考えておるわけでございます。  特にまた課税所得の計算に当たりましては、もちろんこれは税法には書いてございませんけれども、犯罪捜査のためにわれわれの調査権を行使するというのはこれはいまの税法のたてまえから見て誤りであろうかと思います。  ですから、私たちは、税務調査に当たりまして、たとえそういった専売法違反の事実がありましても、税務当局の立場からこれを専売公社に通知するあるいは警察庁に告発するというようなことはやっておりません。これは別途また専売公社そのものの御所管の事項ではないかと考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 国税庁で働いている人たちもこれは国家公務員であることに私は変わりはないと思う。刑訴法二百三十九条は、まさにその国家公務員の義務としての問題を規定しているわけですね、違法行為を認めたときには告発するということでしょう、そうじゃないんですか。  私はこの問題、あまり言いたくないんだけれども、二百三十九条「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と、簡単な条項ですけれども、実に明確ですな。しかも、私は現場の職員について言っているんじゃない、先ほども言いましたように、国税庁が部内資料だということでありますけれども、しかしながら、国税局や税務署に指導方針としてつくっているこの所得標準率表の中にその点がはっきりとうたわれている。売上高六千万円以上の場合、これは別に何ですよ、三%下げて課税標準を決めても、これはあるいは違法行為にはならぬかもわからない。しかしながら、パチンコ屋さんに値引きして売っている。これは専売法違反だということは、さっきの答弁にあったとおりですよ。まさに違法行為をやっている。純法律的に論ずればそのとおりなんです。それを国税庁がその事実を認めて、その事実の上に立って、課税についての手心というと言い過ぎかもわかりませんけれども、一般の小売屋さんとは別のやり方をやれという指示を出している。これは国税庁そのものの責任じゃないですか、こういうことを、違法行為をはっきり認めているということは。どうでしょうか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) 刑訴法第二百三十九条第二項の問題になろうかと思いますけれども、これは私どものいままでの解釈並びに国会におきます法制局長官の答弁等でも示されておりますけれども、われわれの基本的ないままでの解釈としましては、一般的に公務員がその職務を執行するに当たって違法な事実を発見した場合にはこれを司法官憲に対して告発しなければならないというのは、公務員に与えられているプロパーの権限を行使する場合に、この条文が適用されるというふうにわれわれは解釈をいたしております。したがいまして、税務官吏が告発する必要がある場合は何かといいますと、税務官吏がその職務を執行するに当たりまして、告発に値する脱税の事実を発見したといったような場合は、これは税務官吏に対して告発の義務がある。たとえば極端な例でありますけれども、郵政省の職員がはがきをたまたま見てそのはがきの中に犯罪の事実があったといったような場合には、郵政省の職員はそれをもって直ちに警察に通報せなければいけないかというと、それはそういう義務はないというふうにわれわれも聞いておりますけれども、国税職員につきましてもまさに脱税の事実があるといったような場合においては、これを司法官憲に対して告発するというふうな規定だというふうにわれわれは解釈いたしております。また逆に今度は税務官吏が執行するに当たりましては、所得の実態、課税の実態ということを中心に課税をいたすわけでございますから、そこに所得のないところに対して課税するというのは、これはまたかえっておかしな話であって、それに対しては罰則をもって臨むべき事実であろうかた思います。したがいまして、専売法違反の事実を発見したからといって、税務職員がそれを専売公社に対して告発するという義務はないというのがわれわれの解釈でございますし、また値引きすることによって所得が少なければ、その少ない所得に対して課税をするというのがむしろ税務官吏としてのとるべき立場であろうと解釈しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、だから先ほど申しましたように、税法上はあるいは問題ないかもわからぬだろう、それは実態に即して課税するということですよ。しかし同時に、その職務の行使に当たって、違法な行為が行なわれているということを知っていながら、しかも、それの上に立って課税をしている、むしろ国税庁のこの標準率表は、そういうことをもう予定して織り込んで、たまたまそれが発見されたというのじゃない、そういうことを予定して織り込んで、標準率表でもって全国の国税局に対して指示通達、指導をしておるという状況でしょう、こんなばかなことありますか、これは国税庁長官だけじゃない、私はそれを指揮監督している責任にある大蔵大臣自身が、自分の管轄の専売公社の業務についての違法行為が行われている、専売法違反の、それについて違法行為を認めながらやらしているという責任は、これは免れないと思う。その点どう思われますか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ただいまの点につきましては、先ほど来、国税庁当局の方から御説明申し上げておるとおりであろうと思います。すなわち、端的に申し上げまして、課税は実質課税でやらなければならないということが片方にありつつ、専売法違反の事実に対しましては、専売公社の方で専売法違反としてその事実が明らかである場合には、それ相応の措置をとっていく、こういうことになると思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、大蔵大臣の御見解聞いているのです。大蔵大臣いかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 専売事業、これは財政専売にかかるものにつきまして、その財源、歳入の安定確保を損ねるというようなことになりますと大問題でございますけれども、いま御指摘の点につきましては、値引きの慣行というものと、法律規定との間に乖離がございますことは大変残念に思うわけでございまして、何らかの方法でこれを埋めておかなければならぬと思うのでありまするけれども、この慣行を是正するということが至難の技でございますので、私といたしましては、この前にも黒柳委員から御指摘をいただいた経緯もございまして、多角的に判断いたしましてこの規定の改正という方向で問題を処理しなければならないのではないかと、いま考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 満足しない御答弁です。いずれにしましても、私はこれは重大な問題だ、どうしてもこれは国税庁及び大蔵大臣がこうした事実を見逃して、しかもこれは追認しながら、その上に立っての行政をやっているという趣旨から、さらにまあ時間をとってこの問題、質問したいと思いますが、いま私が申しました昭和四十八年分商工庶業等所得標準率表、これ、国税庁の方から資料として提出していただきたいと思う。同時にそういう事実を初めて伺いましたというお話もありました。このたばこ販売協同組合は、これは京都のある区のたばこ販売協同組合の出した通知です。ですからこの実情を調べて報告していただきたいと思う、この点どうですか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) ただいま先生から御要請のございました商工庶業等所得標準率表、これは資料として当国会に提出いたしますについては、これは御容赦願いたいと思います。何分これは内部限りの資料でございまして、しかもそれは、先ほど直税部長の方から御説明いたしましたように、内部の職員が一応申告書の内容を審理するに当たりましてのある一つの目安といいますか、物差しといいますか、そういったものでございますので、これを公の席に提出することにつきましては御容赦をお願いいただきたい、かように考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 後の方はどうですか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) 後の方は、これは大阪国税局の方に命じまして調査いたさせます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 しかしさっきの答弁、おおむねそのようでございますというような答弁では、これは事実関係が明らかにならぬですよ。そうでしょう、所得標準率表を出してもらって、その現物に基づいて私は検討したいと思う。また私が手に入れているものが、国税庁が出しているものと全く同じかどうか、これについてたってわかりませんよ。出してもらわなけりゃ議論にならぬじゃないですか、その点、どうですか。

磯辺律男国税庁次長

○政府委員(磯辺律男君) 繰り返しお願いいたしたいと思いますけれども、ただいま御要求の資料を当委員会へ提出することについては御容赦をお願いいたしたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは了承することはできませんよ。これは理事会でひとつ検討していただきたいと思う。

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) 理事会でもって検討いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、これは国税庁だけの問題じゃないと思うんですね。やはり一番大きい問題は、専売公社そのものの態度だと思います。この通知の中にもこういうことが書いてある。公社の支社と国税局で協議した結果、左記に該当する販売店については申告に際して云々、こういうことになっている。つまり、国税局と公社の支社とが相談をしてこういうことをやっておる、このことは、公社自身が安売り販売を、これを認めているということじゃないでしょうか。しかも、それだけじゃないと思う。税務署と相談をして、そして一般の場合には百円について七円の課税標準で税金をかけるけれども、安売りをやっているいわゆるP店に対しては三%値引きをしている、その分は税金の方で三%いわば安くして課税をいたしましょうということに相談をして決めているわけでしょう。むしろこうした安売り販売を積極的に援助しているということになるんじゃないんですか。あなた自身がこれは法律違反だということを国会で一方で答弁をしておきながら、実際のところは、そういう法律違反の行為を認めているだけじゃない、積極的に援助している。この点についてあなた方はどう思いますか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) いま渡辺委員のお尋ねの場合、専売公社と国税局と相談したというふうになっていますが、それは先ほども申し上げましたように、年六千万円を超える売り上げの場合、これは歩率が一般の場合より六千万円を超える金額について七%に引き下げられております。それから外国たばこの場合も歩率が一般の場合より低いのであります。それから出張販売などの場合にも一般の場合の手数料の中から出張販売するところへ手数料を割いておる、それからいまお話のパチンコ店等の場合にも手数料の中から割り引いておる、こういった事情がありますから、そういうところに課税する場合には、国税局がこういうふうにしたいということで、そういう場合はどういう事例に当たるかということの照会があったときに、そういうのはこういう事例の場合が歩率が低くなるでしょうということを国税局に知らせておるだけでありまして、どういうふうに課税するかということは、当然国税局の権限であり、専売公社の介入すべき問題ではございません。したがって、そういう事実をお知らせするということと、そういう課税をすることを専売公社が助けておるのではないか、法律違反を助長しておるのじゃないかという点とはお話が違うと思います。私どもとしましては、これにつきましては、過去に国税庁と専売公社との間で覚書を交換いたしまして、専売公社の方でそういう値引き販売を発見した場合ならば、これを課税当局に通知する、課税当局の方でそういう値引き販売をしている小売店がわかっておるならば、専売公社から聞きに行った場合にはその点を教えてもらいたい、こういうふうになっておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは重大問題ですね。六千万円超の売り上げのあるところにはマージンは三%下げてやっている。外国たばこ三〇%以上売っているところもそうだ、それからまた委託販売をやっているところもそうだ、これは合法的にあなた方が許してやっていることでしょう。しかしながら、パチンコ屋さんに定価の三%下げて売っているんですよ。これはあなた御自身が一番よく知っている専売法三十四条三項に違反している行為じゃないですか。それをごちゃごちゃにするわけにいかぬのです。一方は合法的な行為、それは国税庁に対して、こういう場合にはマージン率は普通よりも三%低いですよということを言って、そうしてそれに合ったような課税をしてもらうのは当然のことでしょう。しかし片一方は、あなた自身も違法行為ですと言っている。それを認めて、国税庁が課税標準を普通よりも三円、つまり百円につき三円ですから三%ですね、下げて課税することを認めている、積極的にそういう違法行為を援助し協力しているということになるのじゃないですか。とんでもないことですよ、それは。国会では違法行為でございますと、そうして好ましくない行為であるかのごとくに答弁しておきながら、実際のところは、まさにその違法行為を公社自身が援助し協力している、こんなばかなことありますか。国会をばかにするのもはなはだしいじゃないですか。どう思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 専売公社と国税庁との間で覚書を交換している内容は先ほど申し上げたとおりですが、各国税局と地方の専売公社の地方局なり、あるいは支社との間でお話し合いをしておるかもしれませんが、それはあくまでも課税を行う場合のどういう小売人の歩率の実態がどうであるかということを聞かれて、それに対して国税局にこういう事例がありますということをお知らせしているだけでありまして、課税標準をどうするかということについて専売公社の地方局が相談を受けているわけではございません。そういう場合の課税については当然個別に、標準率でなしに個別の処理でやるべきものでありまして、パチンコ店に売っておる場合も値引き率が、先ほど申し上げましたように、一律ではございませんで、その一律でない値引き率について一律の課税をするということは適切な課税の方式とは思いません。したがって、それは当然国税局の方でそういうことを考慮してなさるものと専売公社としては期待しておるわけであります。ただ、どういう場合に歩率がどうなるかということだけ聞かれて、それに対して国税局に答えておるにすぎません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間が来ましたので、私はもう質問をこれで中止せざるを得ませんけれども、いまの答弁、全くそれはもうあなた自身が忠実に守らなければならない専売法そのものを一体何と考えているのだろうかという気がしますよ。京都で行われているこの実態について、特にたばこ販売協同組合が出しているこういう資料、これを取り寄せて実態について調べて報告していただきたいと思うのです。またいま国税庁との間に覚書が交されているというけれども、その覚書も資料として提出していただきたい、それを拝見した上で改めて私は議論したいと思う。いかがですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 京都のそういう事例があるということは先ほどお話がございましたので、その点につきましては至急調査いたしまして御報告いたしたいと思います。なお、重ねて申し上げますが、専売公社としては専売法違反を助長する気持ちは毛頭ないことを申し上げておきます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それから覚書はどうですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 覚書についても提出いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 委員長、最後に一問。  私は大蔵大臣から先ほど御答弁いただきましたけれども、重ねて私申し上げたいのですけれども、このパチンコ店に対する安売りについて、それが社会的に妥当かとか、あるいは経済的に妥当かとかということをここで論議しているわけじゃないのです。しかし、専売法という法律が厳然としてある、専売法三条というのがあって、小売店はこの定価以外の値段で売ってはいけないという趣旨のことがはっきり書かれている。法がある限り、それは守らなければならぬ。法ができてから新しく生まれた慣行ですからね、その点で、もし、こういう慣行を是認するなら、法の改正をそれに適したようにやらなきゃならぬし、もしそれができないということならば、法を厳格に守っていただかなきゃならぬと思いますよ。法の改正というのがなかなか困難だということで、ずるずるべったりにこういうことをそのままにしておくというわけにはいかぬじゃないですか。その点どうなさるおつもりか、最後に伺って質問終わります。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 法律制度と商慣習との間の乖離ということが間々起こり得る歴史的な事実でありますことは、渡辺委員も経済の専門家でございますから御理解いただけると思うのでございます。ただ問題は、これをそのままほおかぶりをいたしまして放置しておくことは私はよくないと思うのでございまして、この前から、黒柳質問を契機にいたしまして提起されておる問題でございまして、私ども、これはやっぱり法改正、商慣習を曲げるということ、なかなか至難のわざであろうと思うわけでございまして、法律をどのように実態に合わしてまいるかという方向で、問題の処理を考えるべきではないかと思うのでございますが、なお引き続き検討さしていただいて、なるべく早くこういった事態は解消しなけりゃならぬと思います。

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) 午後七時まで休憩いたします。    午後六時二十二分休憩      —————・—————    午後七時五分開会

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 まず専売公社にお伺いいたします。  公社としますと、たばこの販売量をふやして収益を上げるということで、そのために喫煙人口をふやしたいということを考えておると思うんですが、その人数はどれぐらいが望ましいとお考えでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 喫煙人口をふやすというようなことは、なかなか人為的にできるものではございません。御承知のとおりわが国の場合、昭和四十二年に喫煙者率が一番高かったのでありまして、その当時は、成年男子の場合には八二%の人がたばこを吸っておりますし、それが今日は七七%にまで低下いたしておるのであります。それから女性の場合は、これは当時に比べまして、当時一八・一%だったのが、いま一七・五%ぐらいで若干しか低下しておりませんけれども、いずれにいたしましても近年、健康と喫煙の問題がやかましくなってきて以来、たばこを吸わない人が、特に老人の場合にふえてまいっているのが事実でございます。したがって、どれくらいの喫煙人口になることが望ましいかなんということは考えておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そういう実情といたしますと、公社としては、たとえば婦人層への開拓とか、いままで吸ってない人に吸ってもらうこととか、そんなことをお考えになり、そういう面からの開発をしているんじゃないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 諸外国に比べますと、確かに成年の女性は、日本の場合喫煙者率が低いのでございます。たとえばアメリカの場合でございますと、成年の女性が三三%喫煙いたしております。それが先ほど申し上げましたように、日本の場合には一七・五%でございますから、約半分に近いわけでありまして、そういう意味では、日本の場合、成年の女性がたばこを吸っていただける可能性はあろうかと思いますけれども、しかし、日本の場合、御存じのように農村の女性は、なかなかたばこを吸うことが家庭の状況からしてむずかしい、都会の場合には、女性でも喫煙しても社会的に余りとがめられない。しかし、農村の場合には、それがむずかしいと、こういった事情がございますので、確かに女性の喫煙者を獲得することが、たばこの販売がふえる原因になろうかと思いますけれども、特にそういうことを目指してはおりません。  それからまた、女性が好むたばこというのを調べてみますと、レギュラーホープ、セブンスターといったようなものでありまして、特に女性向きのたばこということで売れるというような銘柄はなかなかむずかしいように思われます。かつて私の名前と同じで恐縮なんですが、「泉」というたばこを発売したことがあるんですが、これは女性向きということを実はねらったようでありますが、結局成功しなかったのでありまして、そういう点からいたしますと、特に女性向きということでたばこを売り出して、それが成功するということは、ちょっと期待できがたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そういたしますと、現段階では、たとえば婦人層への開拓のための研究開発とか、あるいはそのための商品計画とか、またいままで吸ってない人々が吸うようなための研究開発、商品計画、そういったものは公社にはないと、こうお聞きしてよろしいでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 大体そう御理解いただいて結構だと思います。ただ、公社といたしましては社会的なたばこの傾向からいたしましてできるだけ緩和な、つまりマイルドな、しかも、味のあるたばこをつくっていく、それが消費者の好みに合うだろう、そういうことでそういう銘柄のものの研究はいたしております。また原料にいたしましても、天然にできるたばこだけでなしに、人工原料といったようなもの、あるいはシートたばこをどうやったら味のあるものにできるか、そういったような研究をいたしておる次第でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまの答弁では婦人も含めて未喫煙者の喫煙者への誘導は特に考えていないと、こういったことで承っておきますが、もう一つ問題なのは、これは衆議院でもまた参議院の方の物特との連合審査でも問題になりました高級品への誘導を公社がしているんじゃないか、こういった話がございました。これについてのやりとり見てみますと、これは衆議院では共産党の野間議員がまた連合審査では公明党の田代議員が質問した点でありますけれども、消費者の嗜好を高いたばこを吸うような方向に誘導しているのは営利企業のやり方であって国民軽視じゃないか、こういった指摘がございました。それに対して答弁としては、故意に誘導しているわけじゃない、また需要者が高級品を求めているので、それに対応しているんだと、こういった趣旨であったわけでありますけれども、果たしてそうかどうかということなんです。この点、たとえば答弁の中でも、これ同じ泉さんの答弁でありますけれども、衆議院における野間議員の質問に対してこう答弁しています。一人当たりの消費金額はふえて、そのまま同じ銘柄のものを吸っておれば、今回の値上げによって四八%程度ふえるけれども、実際は定価改定を行うと安い方の品物に銘柄転移が起こるので、実質公社の収入がふえるのは三一%程度にすぎない、こういうことであります。こう見てみますとちょっと矛盾するんじゃないかという気がするんですが、この三一%という数字が果たして正しいかどうか、これは栗林議員からの質問もあって問題でありますけれども、それはそのままとしまして、公社としますと、こういう三一%の方になってしまうので、これを避けるために、要するに安い方への銘柄転移を避けるために高級品への誘導を行うということじゃないかというぐあいに考えるんですが、いかがでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) たばこはもっぱら消費者の消費いかんによって、私どもはその消費需要に対応して製造をやってまいるわけでございまして、消費がくっついてこないのにやたらに製造いたしましてもそれは売れるものではございません。したがって、定価改定を行いました後需要変動がどうなるかということは大変むずかしい予測になるわけでございます。私どもとしては四十三年の定価改定後需要変動がこういうふうに起きたから今回は、あの当時は一八・六%の値上げ率であったわけでありますが、今回はそれを大幅に上回る四八%でございますので、どういうふうな需要変動になるか予測に大変困難を来しておるわけであります。しかし、四十三年の経験から見て相当程度需要の変動があるもの、こう考えて、それに対応した製造計画を立てていきたい。そしてまた今後定価改定が行われました後どういう銘柄のたばこが消費されるかに応じてその製造をふやしていくという製造対応ということを一番大事に考えておるのでありまして、したがって、当面すぐ四八%値上げしたけれども、実際は銘柄転移が行われまして、予算上は五十年度三一・五%の収入増加と、こう見ておるわけでございますけれども、これは五月一日実施の場合でございますから、いつになりますか、もう二カ月はおくれること確実でございますから、そうなりますと三一・五も確保しがたいことになります。ただ定価改定が行われました後でございますと、その収入の増加率は三八・九%、これは先日栗林委員がおっしゃったとおりであります。そういうことを確保するように努めていきたいと考えておる次第でございますが、当面は、何といいましても、先ほど申し上げました需要変動に対応して製造をいかに円滑にやっていくかということが基本になるわけでありまして、それ以上高い値段の銘柄のものが売れるように持っていくという余裕はありそうもございません。それと定価改定を行いますと、どうしても禁煙したり、あるいは節煙する方がふえますので、それによって私どもは百七十億本程度消費が減ると見ておるわけでございます。そういうことがだんだんと月日がたつに従って埋まってくる、その段階で何とか高い銘柄の消費がふえていただきたいものだと、こう考えておるわけであります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは提出していただいた資料によりましても、いままでの例見ても安いたばこは余り生産してない、どうしても高いたばこの方に集中しがちであると、こういったことからいままでの委員会等の中で高級品への誘導をしているのじゃないかという指摘があったわけです。それに対する答弁としては、それは誘導じゃなくて需要者が高級品を求めているんでその結果なんだと、こういう答弁がある一方では、先ほど三一%の話じゃありませんけれども、銘柄転移が安い方へ起きるのだと、この点がどうも同じ人の答弁としては矛盾しているのじゃないかと思うから聞いているのですが、その点に対して端的にお答えいただきたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 公社としては高い銘柄のものが消費嗜好からいって売れていくならばそれに越したことはないわけでありますが、なかなか今日の経済状況でございますと、これだけ大幅に値上がりいたしますと、今まで吸っておったものより安いたばこに移る人も相当出てくると思います。したがって、そういう事態を考えて三一・五の収入金の増加と、こう見込んでおるのでありまして、それを無理に高い銘柄を売っていこうという気はございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は答弁の矛盾を指摘したんですけれども、お答えないわけで残念ですが、これは時間の関係で先に進みます。  そこで、じゃ、今後どんな計画を立てて、どんな銘柄を中心に販売していこうというのか。いままでですと幾つかの重立った銘柄がありました。ハイライト、セブンスター、チェリー、ホープ等あったわけでありますけれども、今後もこういったものを中心にやっていくのか、それともまた新たなものを計画しておるのかどうか、この点はいかがでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 当面は何といいましても従来からの大量に売れておりまするハイライト、セブンスター、チェリー、エコー、それからホープレギュラー、こういったたばこの製造を中心にやっていくつもりでおります。しかし、先日もお話がちょっと出ておりましたように、公社といたしましては、クロスライセンスによって現在は百五十円でありますが、定価改定を行いました後は二百円になる高級品を販売いたしております。これは銘柄は実は外国の銘柄でございますので、日本の銘柄としてそういう高級品も出したいと、そういうことで、先日お話がありましたエプソンというようなのも一つの銘柄として考えておるわけでございます。しかしもちろん、そのほかにそういう高級でないものについても銘柄二、三検討いたしておる次第でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 もっと端的にお聞きしたいと思うんです。  まあ現在の予定ですと値上がりして百二十円から百五十円ものが大体中心銘柄です、現在は。これを五十年度以降は百七十円ものを中心銘柄にしていこうという計画があるんじゃないかと、このように私疑っているんですけれども、その点どうでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 現在の定価では百円銘柄のもの、これが約五三%を占めておるわけでありまして、したがって、これが今回の定価改定で百五十円になるわけであります。私どもはここ当分その百五十円の銘柄のものが販売量の中心をなすだろうと思います。もちろん私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、二百円のもの、あるいは百七十円の銘柄のものを出していきたいと思いますが、これも、何といってもそういう値段の高い銘柄のものは販売数量としては多くを期待することはとうてい困難でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 現実がどうか、また見込みがどうかという問題とは別に、公社としてこれを中心銘柄として売り出していこうと、そしてそれは百七十円のたばこであると、こういったこと本当にないんでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) それは、私どもの計画におきましては、次期中心銘柄ということを期待いたして百七十円のものを出すという考えを持っておりますが、その次期の百七十円のものが将来どの程度のウエートを占めていくようになるかはすぐには期待できないと、こう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そこを聞いているんですよ。どういう見通しを立てているかどうかとは別に、公社としては、現に売れているものは別として、公社独自のものを考えて、それを売り込んでいこうと、たとえば四十九年度のテストマーケットへ出していこう、五十年度のやつへ出していこうと、こういう計画がおありかどうか。そして、私はそのことが、いろいろな委員から問題になっております価格誘導につながっていくんじゃないかと、こういった点からお伺いしておるんです。ですから率直に、昭和五十年度の中心銘柄に予定しているもの、あるいはその段階でテストマーケットへ出すものは百七十円のものであると、そういった計画があればひとつおっしゃっていただきたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) いま計画いたしておりまする主なものを、シガレットについて申し上げますと、一つは、西ドイツのレームツマ社とのクロスライセンス契約によりましてアスターというのを出すことになっております。これは他のクロスライセンス銘柄と同じように、現在の価格でいえば百五十円でありますが、まあ定価改定後に出すことになりますから、二百円を予定いたしております。それからもう一つは、略号で言っておるのでありますが、N−8というのとN−11というシガレットを出すことになっております。いずれどういう銘柄になるか具体的になりますが、これはいずれも百二十円−現価格で言えば百二十円、定価改定後は百七十円になる銘柄のもの——N−11は百二十円で、——いや失礼しました、N−8とN−11はいずれも定価改定後百七十円になる銘柄でございます。  それからさらに将来は、現在の価格で言えば百円、定価改定後は百五十円になる銘柄も目下検討をいたしております。これはただ五十年度には発売はできないと存じますが、五十一年か五十二年になろうかと存じます。  それからそのほか、葉巻及びパイプについて新銘柄を考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いま百七十円のもの幾つか出ましたけれども、もっと端的に申しまして、本当に中心銘柄に据えているものとして百七十円のもの。それからもっと端的に言いますと、先ほど銘柄記号がありましたから指摘いたしますと、H−4の1というものですね、百七十円ものとして考えて、昭和五十年からこれを中心に考えていこうと、こういった計画があるんじゃないでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、国際競争において日本専売公社のたばこだということを評価してもらえるようなものを出したいと考えておりまして、それがいまお話しのH−4の1とH−4の2——これまあ両方出すつもりはなくて、どちらを出すかということで、いまいろいろ検討いたしておるのであります。しかし、これはまあ国際競争に耐え得る銘柄ということで考えておるものでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 単に国際競争力だけではなくて、やはりいままで中心に置いてきたようなものにかわるものとして考えてるんじゃないんでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) まあ、いままであるような、たとえばセブンスターとかチェリーとは、それよりは高いものでありますから、したがって、価格面からいって数量的にそういったセブンスター、チェリーにとってかわるということはなかなかできないものと、こう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ずいぶん時間かけて質問してきて、やっとH−4の1というのが出てきて、それでもまだ正直におっしゃっていただいてないんですが、やはり公社としますとこれをやっぱり中心に売り出して、まあハイライト——いままでのですね、中心の幾つかのものにかわるものとして公社としては期待をしていると。ですから私どもは、いままでの百二十円か百五十円にかわって今度はやっぱり百七十円を中心に据えていこうと、こういう公社の意図があるんじゃないかと、こういうぐあいに伺っておるんですけれども、その点正直におっしゃってくれませんか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) それはもうしばしば申し上げておりますように、価格の高いものが数量的にそう大きなウエートを占めることは期待できないし、そういうことを期待するのは無理でございます。ただ、公社として国際競争を行う場合の中心銘柄は、そういうH−4の1とか、あるいはまあどちらになるかわかりませんがH−4の2と、こういうものだと思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 まあ国際競争と申しましても、結局国内の販売を中心に考えておるんでしょうから、国内でどのように中心的に売れるかということが問題だと思うんです。  そこで、いまの問題ちょっと別の角度からお伺いしたいと思うんですが、先ほどの答弁では、婦人喫煙者層の開拓を特別に考えておったことはないと、こうおっしゃっておるんですが、これもやはり銘柄記号でH−3というものがありますね。これは婦人喫煙者の層の開拓ということを最も中心的なねらいとしていま考えておるものじゃないでしょうか。これは昭和五十年にテストマーケットに投入を考えている、そういったものじゃないでしょうか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) いま近藤先生お尋ねのH−3というものはございません。  それから、先ほど副総裁から御答弁申し上げましたけれども、婦人を特に対象とした銘柄というのは、かつて戦前に日本の場合にも「麗」というたばこをそういう目的で出したことがございます。それから、諸外国でもある程度婦人向けというたばこを出したようでございますけれども、いずれも成功した例というものはございません。私たちが承知している限りにおいてはそういうことはございません。で、さっき副総裁が申し上げましたように、御婦人のいま吸っておられるたばこはホープのレギュラーでございますとか、セブンスターでございますとか、男性に人気のあるたばこがやはり御婦人にも人気があるというようなことで、専売公社としても特に御婦人向きのたばこというものを開発する計画は持ち合わせておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 本当にないんでしょうか。公社では五十年二月六日に企画開発本部が今後の商品計画についてという、こういった文書をつくっているはずであります。その文書によれば、その一つとして、これは数は多くは考えていない、しかしH−3というものを、ねらいとしては女性喫煙者層の開拓、あわせてエムエフ喫煙者層の吸収、そしてターゲットとしまして、未喫煙の若い女性及びエムエフ喫煙者、こう考えています。いままでたばこになじんでいない女性もこれならなじめて、愛煙家になれるんだろうということを期待したことがちゃんと書いてあるんです。いかがですか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) いまのお話は、恐らく薄荷入りのメンソールのことだと思います、エムエフ云々ということから想像をいたしますと。実はそういった仮に資料がございますということを、私はあるいは、企画開発本部の事務方でいろんな勉強をしているわけでございますけれども、その中の内部資料であろうかと思います。まだ経営としてそれがオーソライズされたというようなものではございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そういたしますと、いま申し上げた企画開発本部の今後の商品計画についてと、こういう文書があることは間違いないですね、どうですか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) それはいま申し上げましたように、全社的に承認されたものでございませんから、企画開発本部の中でそういうものがあるのかと思います。私どもは承知をしておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 というと、あるかないかわからぬということですか。と同時に、この文書の作成は五十年二月六日です。そして、この中で投入年度は四十九年、五十年、五十一年、さらに五十四年までありますけれども、もう五十年度に入っているわけですね。となりますと、これはもう現実に動いているものじゃないでしょうか。どうでしょうか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 実は私は企画開発本部長でございませんものですから、企画開発本部の中の計画で、それが全社的ないろんな討論の場に上がってくるまでは存じておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は公社の中身の機構わかりませんけれども、企画開発本部で検討されまして、それで一応報告が出ましょう。そして、それが最高の機関で認められればそれはそのとおり進むでしょうけれども、少なくともいま公社の中ではこういったものが議論をされている。しかも、五十年度の中心銘柄に考えているのが、さっき言ったH−4の1ですから。そして、すでに女性用の開拓として私ちょっと先ほど紹介したような、いままでたばこを吸っていないような人も、女性も親しめるようなものと考えておりますね、そういうものを。しかも、五十年度を考えているんですから、そういうのんびりした話ではないと思いますし、同時に先ほどの三一%の話ではありませんけれども、低い方へ移っていく傾向が出てくる。となれば、高い方への転移ですね、誘導、と同時に喫煙者層の開拓と、これは当然私は考えておるんだと思うんです。ですから、単に機構の中の部分的な問題だと、こうおっねゃいますけれども、しかし、これはやがて公社の一つの見解になってくるはずのものだし、現になっているんじゃないでしょうか。いかがですか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 企画開発本部で十分な討論が、検討を済ませまして、そこで全体の経営のトップにまで上げようということになりますと、そこでまた議論になるわけであります。そこで、少なくとも五十年度、これは先ほど副総裁からもお答え申し上げましたように、定価改定をいたしました後、一体マーケットの状況がどういうことになりますかということ、それに対してどう対応していくかということが一番の眼目でございまして、とても新しい商品を、新製品をマーケットに投入していくというような余裕はなかなか出てこないのではなかろうかと思います。したがいまして、定価改定をお願いしておりますが、もしこれが実現しました暁、その後の市場の動きというものを見ながら、一体、将来の商品計画というものを具体的にどうやっていくか。確かに手持ちとしていろいろなことを引き出しと申しますか、検討しながら持ってはおります。持ってはおりますけれども、一体それを出すのが適当であるかどうか、出すとすれば、いついかなるときに出すのかといったようなことは、いまなかなか見当がつかないと申し上げるのが私は本当だろうと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私の興味の中心は、何がいつ出て、どれくらい売れるかということよりも、こういったものを開発中の公社の考え方が大変興味があるわけです。このH−3について言いますと、投入のねらいの最後にこう書いてあるんです。初めて吸う場合のメンソール製品の吸いやすさに着目して婦人層をねらうんだということなんですね。私これ見まして、一つ連想したんですよ。というのは、よくやくざ映画に出てきますけれども、若い女性を暴行しまして麻薬かなんか打ってしまって、麻薬中毒患者になって、そしてもう抜けられない。そこに乗じてどんどん麻薬で金を吸い上げていく。それとどうも考えが似ているんじゃないかということを連想したんですけれども、こういう考えがおありだということは、たとえばH−4の1につきましても、これを次期中心銘柄として育成するという考え方、ちゃんと書いてありますね。さらに、H−4の2というやつ、これは五十一年度以降の中心銘柄でしょうか、高級品市場を育成する、こういうぐあいに書いてあります。要するに、さらにH−80といいますか、それなどを見ましても、ハイライト層の高級品への誘導に重点を置くと、こう書いてあるんですね。ですから、高級品への誘導を意図してないとおっしゃっておるけれども、表向きですね、中ではこういうことが堂々と討議され、まだこれが正式には決まってないけれども、こういう議論を経て誘導が行われるのじゃないかということなんです。ですから、私は何をどう、いつ出すかということはさることながら、こういう文書がおありですし、その中で公社の考え方がわかるわけですから、これはぜひこの文書を国会に出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) そういった文書があるのかないのか、そういった検討が行われておりますか、どうですかということを早速私、企画開発本部について調べてみたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 あれば、出してくれますね。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) いや、しかしそれは、企画開発本部のまだ内部の検討資料でございますということでございますと、出すのはお許しをいただきたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 時間がないので、まあ内部の検討資料という点から私は出してくれというのじゃなくて、いま申し上げたように、公社の考え方、こういう中からやっぱり価格誘導という、いままで国会でそういったことがない。  それからたとえば女性へ、女性の喫煙者層を開拓するという考えもないんだと言いながら、現実にはっきり文書に出てくるんですからね。その辺が問題だと思うのですよ。そういう点からひとつ出していただきたいというぐあいに考えます。  それからなお、間税部長、きょうちょっとお酒の方の問題も二点ばかり準備していましたが、時間がありませんので、次回に譲りたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 専売公社の方針とかいうようなものはすべて経営の段階になって初めて公社の方針になるわけでありまして、下部の段階でそれはいろいろの議論がありましょう、公社でございますから、四万人の職員がおりますれば、いろいろの議論がございますけれども、それをすべて公社の方針というふうにおとりになられると困ります。先ほど申し上げましたように、N−4の1を次期中心銘柄というように期待することはとうてい無理であります。ただ高級品の中ではこれが育っていくと公社としてはありがたいという銘柄であろうと私は思うのであります。したがって、そういう点はまだ経営の方で考えておりません。書類をお出しすることは、どうかお許しいただきたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 委員長、文書の扱いは後ほど御協議いただきたいと思うんですが。終わります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 最初に、大変改めてになりますが、大蔵省にお伺いしたいのは、たばこ消費に対する税負担の性格というものをどう考えたらいいか。で、お伺いするのは、従量税の性格なのか従価税の性格なのか。で、これは税負担といいましても、なかなかつかめるようでつかめないような漠とした感じがするもんですから、改めて伺うわけです。従来、御議論の中で益金率はおおむね六〇%にしたい、そういう前提で考えると、これまでは七年間をとらえてみますと、事実上減税が進行していたという見方もできないわけではない。これはたしか大臣がそうおっしゃいました。それを踏まえながらこれは従量税的な性格の方を濃く考えたらいい税なのか、従価税の性格を濃く考えた方がいい税負担なのか、どう考えたらよろしいでしょうか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 専売益金は先生御案内のとおりたばこの売上金額から、いわばコストを控除した残額でございます。したがいまして、コストの上昇率が非常に高い水準にありまする場合には、従量税よりもコストアップに弱いという特色がありまして、したがいまして、専売益金の絶対額が減少することすらあるわけでございます。そういう意味におきまして従量税か従価税かと言われますると、もちろん従量税的でございますけれども、いわゆる従量税よりもさらに、何と申しますか意図せざる減税が起こりやすい、かように考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そうしますと、今回御提案の中で理論的根拠は別として、益金率はおおむね六〇というものをめどに考えてまいりたいということを含めていきますと、従価税的な、従価税という言葉を厳格におとりにならなくて結構です。おおむね六〇%益金率を頭においてこの税を考えていくという意味で従価税的な面を持っておりますと、そう考えてよろしいですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 大体さような考え方でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 では次に、もう一つ別の角度でお伺いしますのは、今回たばこの値上げに迫られた理由としまして、専売公社の書き物を拝見しますと、原材料の価格、人件費が年々上昇してまいりました。とりわけ近年の原材料品の異常な高騰が云々と書いてございまして、そのとおりだと思うんですが、この原材料品の異常な高騰というものの中をさらに細かく見てみますと、大きな要因というのは、国内産葉たばこの値上がりだと思いますが、そう理解して大きな間違いはございませんか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 原料葉たばこが売り上げ原価に占める割合はいつも御説明いたしておりますように約六割になっております。したがいまして、原料葉たばこの値上がりというものが益金率を引き下げている大変大きな要因であるということは御指摘のとおりでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いま私が申し上げたのは、国内産葉たばこの値上がりが原材料費値上がりの非常に大きな要素である、そう考えて間違いはございませんかという質問なんです。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) 仰せのとおりでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そこで、お伺いするのは、国内産の葉たばこですが、その収納価格を見ますと、四十三年以降見ましても、常に対前年比増でございます。四十九年前後以降は異常にふえております。これに対して外国産葉たばこの購入価格というのは値上がりはおおむねなだらかでございますし、年をとってみると、対前年比で値下がりの年も決して少なくございません。しかも、それぞれの水準を比べてみますと、国内産葉たばこの方がまことに高いと言わざるを得ませんし、四十九年見込みでございますが、御提出の資料で見ますと、国内葉がトン当たり百十五万五千円、外国葉がトン当たり九十六万一千円、その差が十九万四千円、外国葉というのは国内葉の八三%ぐらいな低位にある、こういう状況にあるわけです。  そこで、公社にお伺いするのは、割り高な国内葉をなぜ消費者が負担しなければいけないのか。逆に言うと、なぜ高くお買いになったのか、伺います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) これは御存じのとおり、わが国におきましては葉たばこは専売制になっておりまして、たばこ耕作者が公社の許可を得て耕作した葉たばこは専売公社が全量これを買い上げるということになっておるわけでありまして、その価格はたばこ耕作審議会の議を経て決定される。そのたばこ耕作審議会の議を経た価格がこの価格でありまして、年々上がっておることは確かでございますが、これは昭和四十三年以降減反政策をとったことと、それから御存じのように、農業の構造変動が起きまして農業をやめる人がだんだん出てきた。したがって、たばこ耕作もやめるということになりまして、一時三十五万人ほどおりました耕作者が現在は十二万人、十一万九千人にまで減ってきておるのであります。そういったことから、そういうふうに減っていってしまうと、将来国内において葉たばこの確保ができなくなって困るではないかということがありまして、年々たばこ耕作審議会でこのような価格引き上げが行われておるわけでありまして、なお、外国葉の場合に下がっているような年がございますが、これは御存じのように、そのときにドルに対しまして円が強くなった年でありまして、大体葉たばこの場合には大部分はドル価格で契約をいたしておりまして、一部ポンド建ての場合がございますけれども、おおむねドル建てでございますので、ドルが弱くなって円が強くなりますと、円貨の支払い額としては少なくて済んでおる、こういう状況であります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 葉たばこの収納価格は、たばこ耕作審議会の議を経て決めますというお答えなんですが、議を経て決めなければいけないというのは、いかなる根拠でそう決まっているんですか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○説明員(斎藤欣一君) たばこ専売法の第五条であったかと思いますが、これで規定されております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私の理解で間違いがなければ、専売法第五条は「すべての葉たばこを収納」——いま五条とおっしゃいましたか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) たばこ専売法第五条でございます。五条の第四項でございます。「公社が第二項の価格を定めようとするときは、公社の総裁は、あらかじめたばこ耕作審議会にはかり、その議を経なければならない。」という規定でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 わかりました。そこで、法律にそう書いてあると、大変これ伺いづらくなるのですけれども、お伺いする理由は、たばこ耕作審議会というのは、それはそれで法律がございまして、「たばこの耕作に関する重要事項を」「審議」とある、収納価格に関するとは別にここに書いてないわけです。そこで、いまの五条の四項の意味なんですが、それは収納価格を決めるときにいろいろ意見を聞かなければいけないということであって、その価格をどう判断するかというのは専売公社総裁の権限である。これはそう理解してよろしいわけですね。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 法律的にはお話のとおり議を経さえすればいいのでありますから、たばこ耕作審議会が答申されたとおりにやらなくてもいいことは法律的にはいいわけであります。しかし、実際問題といたしましてそういうことではなかなか公社の事業の運営ができません。通常の場合耕作審議会の答申どおりやっております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 このたばこ耕作審議会というのは総裁の諮問機関で、「建議することができる。」と書いてあるんですから、恐らくそこまでのことで、それをとるかとらざるかは総裁の権限の中だと思うんです。それを答申どおりやるかやらないかはそのときどきのことだと思いますが、私が伺うのは、専売公社の経営ということを考えてみて、これまでの収納価格というのは妥当な水準だったと御判断されるわけですか。というのは、異常に四十九年前後以降国内産葉たばこの収納価格が上がってきたわけです。で、これが今回のたばこ値上げの大きな要因をなしているわけですが、本来経営として考えたら、それは値上げに訴えるというのはいよいよのことどころか、余り考えてはいかぬことでありまして、従来の経営の枠の中でその葉たばこでやっていけるのかいけないのかということが、総裁としてあるいは公社として一番考えなければいけないことだと思うんですが、その辺の判断というのは公社の総裁——総裁というのは責任者という意味で申し上げているわけですが、それが判断するんですか。それともたばこ耕作審議会がその議を経るということの中で判断をするものと期待をされるんでしょうか。答申どおりということの中身を伺っているわけです。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) その判断はもちろん総裁がするわけでありまして、   〔委員長退席、理事山崎五郎君着席〕 たばこ耕作審議会が別の規定でこの重要な事項について建議できるということになっていますが、これはこの収納価格とは別のことについて建議する。収納価格は議を経さえすればいいわけですから、法律的にはたばこ耕作審議会で議論さえしてもらえばいいということにはなっております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 ですから、私がお伺いするのは、そういう収納価格を決めたというのは、たばこ耕作組合の名によって免責されるわけにはいきませんから、公社としての御判断を承りたい。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 公社といたしましては、従来の価格は年々まあ多少増加、上昇いたしておりますけれども、わりあいなだらかな上昇であったわけでありまして、ところが、御存じのように石油危機に基づく狂乱物価ということで四十八年、四十九年、特に四十九年が四四・三三%といったような大幅な引き上げになってきたこと、これは公社としては従来の形から急激に大幅な値上げに移ったこと、大変残念に思っております。しかし一面では、年々このたばこ耕作面積及び耕作によって生ずる葉たばこの数量が減っていく傾向にありますので、それにある程度歯どめをかけるためにはもうやむを得なかったものとこう考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 その歯どめをかけるというのは、それは専売公社の仕事としてそこまで考えなければいけないことなんですか。それとも葉というのは内国で買おうと外国から求めようと、それはたばこを製造するということから言えばどちらでもよろしいことなんだ、ということになりませんか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 一つには葉たばこについて専売制度がとられておりまして、いわば専売公社は葉たばこについては単に買い手としての立場だけでなしに、本来ならば農林省がやるべきような農政的な仕事も専売公社が負わされておる。そういう立場からいたしまして、外国の葉たばこが安いから外国から買ってきさえすればいいんだという立場を貫くことができない、こういう事情にあるせいでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 大臣、恐縮ですが、一言ここで御見解を伺いたいのは、専売公社の場合、葉たばこについて農政的な配慮もしていかなければいけない。本来これは農林省所管ということになるかもしれませんが、それはそういうわけにもいきませんので、全部専売ということで耕作の許可からできた葉の収納まで全部見ておるわけだから、農政的な配慮を織り込みながらたばこ専売というものをやっていかなきゃいかぬ、こういうお答えなんですが、事実そのとおりだと思うのですが、こういうあり方について大臣のお考えを、というのは、もうそのとおりでいくのは結構だと思いますと、あるいはそれはまた農林省との所管の中であるいは考えていかなきゃいかぬかもしらぬということになるのか、その辺のところを御意見をまず伺いたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 公社の方からのお答えで私もよろしいかと思いますけれども、政府部内のことでございまして、農林省との間の農政上の御相談、御協力は十分遂げてまいらなければならぬと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そこで、重ねてで恐縮でございますが、別に農林省、大蔵省というその権限の持ち合いのことをお伺いしているわけでございません。その農政的な問題が中に入っているということを御確認いただければ、私はこの際十分なわけですが、そこでまあ農政的な配慮で見てまいりますと、米と葉たばこと、こうなりますと、つくっているものは違いましても耕作者農民の立場からしたら両方とも関心がある。で、片方では食管制度がありますし、中に問題をはらみながら生産者米価という価格支持政策的なものが入っている。それと実際の消費者米価との差額というのは税によって埋められているわけです。今度葉たばこの耕作者の側から言うと、同じような保護便益をなぜわれわれが受けられないのかと、ずっとやってきたではないかというものが、先ほどその当事者の公社の方から御返事がございましたように、いま経営がこうだからといって、そうその面だけで収納価格を決めてまいるわけにはまいりません。いわばいまの食管制度が果たしているような役割りというものを、その収納価格の中に組み込みながらやっていかざるを得ません。こういうことに理解できると思うのです。  そこで、いま長々しくお伺いした理由は、本来なら外国産の葉たばこを全部使えばもっと安いたばこが消費者に渡るかもしらぬ。しかし、国内産葉たばこを考えるとそういうわけにいかないから割り高な部分でも収納していかなければいけない。問題はこの差だと思う。で、この差というのは、まあ同じ日本人ではないかという農政的な配慮と相互連帯から、いわば消費者が定価を通じて負担をし合っている、こういう意味合いだと私は理解いたしますが、この点間違っておりましょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) まあ栗林さんが言われるような理解の仕方もあろうかと思いますけれども、私はこう考えます。ちょうど一人の人が株式を持つと同時に預金もすると、株式に対する税制上の措置、預金に対する税制上の措置は違うのです。しかしこれは、別の人格だとすればそれ非常に厳密に比較検討してどちらがいいか悪いかという議論になるわけでございますけれども、現実は、同じ人が株主でもあり同時に預金者でもあるという立場になっておるように、一人の人が多くの場合米もつくっておればたばこもつくっておるわけなんです。したがって、私はたばこの耕作についてそれ相当の対策がなされ、米については米の対策がなされてしかるべきで、米とたばこは同じものでなければならぬというものでは私はないのではないかというように思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いま大臣がお答えのように、同じことにはならないと思います、性格も違いますし、やりようも違うわけですから。ただ、それを見合いとして考えてみた場合に、米の場合には税でその差額分を埋める政策の形になっておりますし、葉たばこの場合どうかと言いますと、いわば消費者が価格を通じて多少短絡をしながらその部分を埋めていく。もう負担という意味では、税であろうが間接的なかっこうで負担をしようが実は同じことになるわけですから、そういう意味のいわば公的な負担関係という意味では近似的な関係にあると言ってもいいんではないか、こういう意味なんですが、重ねて伺いますが、いかがでございましょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 米とたばことはやっぱり違うんじゃないでしょうか。それで、私、財政当局の立場からいきますと、両方ともなるべく迷惑をかけられたくないという立場でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 米にしても葉たばこにしても、どちらかというと、これからの問題が絡みますから大変お答えづらいと思うんですが、私が伺っているのは、むしろそういう生々しい角度をいま大臣からいろいろお伺いして引き出そうということではなくて、問題は、国内産葉たばこの異常な値上がりを中心にして原価が高くなってきて、それを専売公社が負担をする関係になりました。なるほど原価高くなったというけれども、よく考えてみたら、中に農政的な配慮というものが色濃く入っていたと言えるんではないのか。ここまではまあそう言えばそうかもしらぬなというお感じでお聞きだと思うんですが、問題は、そうやって原価が高くなったことと、従価税的な発想からくる税負担を考えますと、なるほど国内葉たばこ耕作者は大変だからこの分高くなる、したがって、高い原価を負担しようと言っているうちに、益金率六〇と言われますと、さらにその公的負担に上積みをして税を負担せざるを得ない。なるほど一般の物価水準ということで考えますと、いまのたばこというのは相対的にどうこうという御議論があろうかもしれませんけれども、ここに来て益金率が大きく落ち込んできた原因というのは、国内産葉たばこの値上がりによるところが多い。それを専売公社の経営という面がありながら、なるほど答申どおり収納価格にしてきたというのは農政的な配慮を無視できなかったから。となれば、その分どうぞ皆さん負担してくださいということでとどめておくべきであって、原価が高くなったから、考えてみたら益金率が六〇を割るから、したがってさらにこうという関係になる筋合いなんだろうか。  実は私はこれを伺いたかった。益金率六〇ということを縦におきますと、原価が一上がった場合には売り値は二・五倍になります。葉たばこ上がったからと言うんなら一上げればいいんです、本来は。ところが、六〇を言われますと二・五倍上げないと間尺に合わない。なぜ葉たばこが上がったんだということになると、話が戻って農政的な配慮じゃないか。それを結局国民は定価というかっこうで負担するんですが、負担をしたことによって二・五倍というのは少しおかしいのではないんだろうか。その意味で、このたばこの価格の中に農政的な配慮が入っているんですから、そのことも加味したたばこの税の取り扱い方、今回で言うと、例の石油ショックの後として国内産葉たばこが非常に高くなった。それを専売公社の経営なり益金額との見合いでどう整理するかというときに織り込んで考えるべきではないかと思うのですが、いかがですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ただいま先生のお話になっておられますることわかります。しかしながら、御案内のとおり過去四十三年に定価改定をやりまして以降、逐年国内葉の収納価格は上がってきております。四・六、三・五、四・三というふうなパーセントで対前年の引き上げが行われてきております。しかしながら、これは公社の私は経営努力だと思いますけれども、そういう経営努力をもちまして四十三年度の益金率六三%が大体六一、二%で今日まできたわけでございます。それが石油ショック以来、葉たばこの問題も含めまして異常な物価高によりましてこの益金率が急激に下がってきたということが今日の定価改定の基本的な原因になっておるわけでございまして、したがいまして、益金率六〇%というのは、葉たばこの収納価格が上がってきてはおりましたけれども、やはり六〇%程度の益金率はずっと維持できておったわけでございますので、今後ともやはり六〇%というのは専売公社の経営目標としては維持していくべき益金率ではなかろうかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私がお伺いしている意味をもう少し申し上げますと、四十三年から七年間定価は動かしてきませんでしたということなんですが、中を見ますと、四十三、四十四、四十五年と益金率はおおむね横ばいに近い形で推移をしてきている。これは公社の経営努力があったことは私はその数字からよくわかります。ここに来て大騒ぎになったのは、四十八、四十九という葉たばこの異常な収納価格の高騰だと思う。ですから、四十三年から七年間という御議論は結構でございますから、なぜ今回これをいじらなければいけなかったかという核心に触れた話をすれば、問題は国内産葉たばこの収納価格の高騰をどう処理するかということではなかったんだろうか。それを考えると、この際は、益金率はさることながら、益金の額として減るのはがまんできないけれども、とりあえずということもできたんではないか。なぜなら、原価が高くなったというのは——原価というと抽象的に聞こえますが、国内の葉たばこ耕作者に対する農政的な配慮を含めながら、本来は諮問をして議論を聞いておけばいいだけの話のたばこ耕作審議会の答申をまるのみしてやってまいりました、こういうことなんです。たばこ耕作審議会というのは、しからば公社の経営を考えて物事を決める能力があるか。大変失礼なことを申し上げますが、公社の責任者は一人も入っていない。これは聞きおくだけにしておかなければいけないのが、公社の経営責任なんだと、ところが、それをまるまる答申でのみました。これは私はずいぶんと無責任だと言わざるを得ませんが、その前にある農政的な配慮ということを考えますとわかる気がします。そんないろんな経過を経ながら決まってきた収納価格の高騰なんですから、それを国民が負担しようというわけですから、そこにまた原価一に対して二・五倍と益金率をかませてくるんです。いかがお考えですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 大変複雑な仕組みになっておりますからわかりにくいんですけれども、端的に申しますと、結局農政的配慮、いわゆる言うところの農政的配慮ということ、つまり、耕作農民の立場を考えて収納価格を上げていった負担をたばこの値段でやるか税金でやるかということに帰するんじゃないかと思います。それで、税金でやるとなれば、法人税なり所得税なりというものでカバーするよりは、税の理論から申しましても従量税的でございまするたばこでやる方が私は適切だと考えます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 従量税的であるたばこでやることを私も適切だと思います。そうあちらこちらに何も会計を分けてということは要らないと思います。ただ、いま大臣が言われた従量税的ということ、プラス今回はそれを従価税的な見方を加えて益金率六〇とおっしゃるから、原価が一上がった場合には二・五倍定価を上げないと、二つの条件満足できないんです。片っ方だけでなぜいけなかったのか。本来従量税的なたばこの中で消化することが適当ですというのは私も異論ございません。そこでとめておくべきであって、その従量税的な性格プラス従価税的な性格をなぜここで二階屋にしなければいけなかったのか。農政的な配慮でまあしょうがないやといってのんでいる側から見ると、ずいぶんとあこぎなまねをしたではないかと言われませんかということなんですが、いまの言葉は取り消すといたしまして、おっしゃったように従量税的な配慮でとめておけなかったのでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 前者は農政的配慮でございますし、あとの六〇%云々の納付率の問題は財政的配慮でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 話題をかえまして、専売公社に対する監督官庁の責任者という意味で大臣に伺います。  収納価格を幾らに決めるかというのは、これはもう人情からいいますと多々ますます弁ずるということだと思うのです。ただ、財政的な問題で、たとえばこの酒、たばこの増税問題にしても大臣が、お気持ちはわかりますが、当局の責任者として言わざるを得ない立場も確かにあると思うのです。同じことが専売公社にもあるのじゃないか。たばこ耕作審議会の言い値どおり答申するというのは、監督官庁の責任者としてどうお考えになりますか。お伺いする意味は、耕作審議会というのは構成しているのは耕作者を代表する者、学識経験のある者十一名以内、本当にそれではだめなんですと言わざるを得ない人が入っていない。それが出してきたもの、これを答申どおりやってまいりましたという経営のあり方というのは、監督官庁としていかがお考えになりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) それはそういう審議会なるもののレーゾンデートルにかかる問題だと思います。そういうものをなぜ置いたかというと、専売公社の専権にゆだねることは適当でないという判断があったと思うのです。それで、そういう審議会の議を経て——それは結果は別にして議を経てやるべきであるという制度の仕組みにいたしたと思うのでございます。しかし、せっかくそういう仕組みにいたした以上、そういう審議会の御答申というものを尊重するのは礼儀であると、デモクラチックでもあると、そういうことを公社の執行部が考えたとしても、それは私は理解できることでないかと思うのでございまして、あなたの御質問は、そういう審議会は必要ないじゃないかということ、その存廃の問題にかかるんじゃないかという感じがしますが、いまどきどの役所におきましても大体そういうパターンの行政をいまやっているわけです、いい悪いは別にして。やって、それで一応の行政的安定というようなものをわれわれはあがなっておるわけでございますが、これをいまやめるかというと、私はそこまで勇気はありません。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いまの大臣が言われたように、そういう行政パターンでやってきてにっちもさっちもいかなくなってきたということだと思うんです。いまにわかに審議会をやめろということを私は言っているのではなくて、問題点がありますという意見と、それからもしそういう行政パターンでやってきたのでいまさらこれはやめるわけにはいかぬとおっしゃるなら、中に正規メンバーとして当事者を入れたらどうですか。学識経験者といっても知らないわけですから、一番実際に物を言うのは本当に御苦労されている耕作者の方々でしょう。とは言いながら、それは耕作者の立場でおっしゃる、それを収納しながら、国際競争を見渡しながら当専売公社の経営をどうするか、それを値上げに持っていかないで、なおかつ財政上の責任を果たすためにどうするかということをこの審議会の中でおっしゃりながらその建議を受けて、でき得ればその答申どおりというのが大臣おっしゃったように行政のいわば平和というものだろうと思うのです。その意味でもこれは中の組成がおかしいんじゃないか。やめろとは言いませんが、ここの中にそういう憎まれ言の一つや二つを言う人を正規メンバーに入れることをお考えにならなければ、そこの平和はあったとしても結局値上げであり、それが場合によって益金率六〇ということをまた言われれば、原価が一上がった分の二・五倍の値上げをわれわれは甘受せざるを得ない。ツケは国民にくるということになりますので、ここはひとつ御配慮の点ではないでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 栗林先生のおっしゃるように、たばこ耕作審議会の委員の構成につきましては、私どもかねてから問題があるとは考えております。と申しますのは、この学識経験者と耕作者代表とだけでできておるわけでございますが、需要者代表が入っておらないのであります。物事を決めるのは、生産者と需要者と両方がおって、そこに学識経験者が加わってどちらが公平かという判断をしていただくべき筋合いのものと思うのであります。現在のたばこ耕作審議会はそういう構成にはなっておりません。そういう点におきまして、私どもは今後この構成については検討すべきではないかというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 なかなかデリケートな問題が絡んだことでございましょうから、検討過程で勇気も要ることだと思いますが、こういったもの一つ一つ直していかないと、私はだめだと思いますし、みんなが寄ってたかっていいわいいわとむしってるうちには、本当に母屋はひっくりかえってしまうじゃないかということの中で、今回の値上げを見直してみますと、最初私が申し上げたように、今回は従量税的な配慮を主にしながら、あの狂乱物価の後始末をとりあえずしておけばよかったんじゃないか、何もそこで六〇などと、さらにきれいな壁の上塗りをして、国民のツケを二・五倍にしたのかという気がしてなりませんが、時間がありませんから、この点については一応保留して続けて専売公社の経営問題、次回またお伺いするということにして、質問終わりたいと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 たばこの問題を論ずるときに、いままでの質疑で、ずっとわかったんですが、専売制ということが非常にこれを複雑で微妙にしているということなんですが、ただその専売制にこだわる余り、あるいは専売ということを優先するために、いわゆる消費者、たばこを吸う人の立場というのが、そこがちょっとお留守になっているような気がしていますので、消費者の立場といいますか、たばこを吸うお客の立場で疑問に思ったことをこれから二、三質問したいと思います。  前回の質問で私はわかったのは、たばこには一級、二級、三級と分かれているけれども、原価というものをそれぞれ級別に聞いてみたらそれほど違ってない、わずか何円という差であったと。しかしお客が手にする場合の小売価格は非常に差があったということだったわけですね。なぜそうなったかについては、何か大蔵大臣もいままでのいろんな先人の知恵とかいろんなことがありましたから、それには余りこだわりませんが、ただ一つおかしいのは   〔理事山崎五郎君退席、委員長着席〕 要するに一級品というのは専売納付金をかなり高く負担させられている品物で、三級品というのはいわゆる専売納付金がかなり低いそういう負担をさせられているようなたばこであるというふうに簡単に考えられるんですが、そう見て大体間違いないですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) 大体においてそのとおりでありますが、三級品の中には専売納付金を負担できない赤字のものもございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 それは多分バットじゃないかと思うんですけれども、そうしますと、どうでしょうか。具体的銘柄を挙げましてセブンスターを吸う人は、バットを吸う人が納付金を負担してないわけですからその分を肩がわりしているんだという見方もまた消費者の立場に立ったら言えますね。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) それは考え方によってそう見ることもできようかと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 いや、これは副総裁、考え方じゃなくて現実にこの益金率でこう見ていっても余りにも違いがあるわけです。ところがたばこというと、どれ吸っても煙吸っているうちに、五割か六割はいわば税金だよと言っているが、しかしそのたばこの銘柄によってはそんなものじゃなくて相当開きがある。これは事実数字で出ていると思うんですよ。考え方じゃないと思うんですね。そうすると、別にそれが悪いというわけじゃないんですが、なぜバットとかしんせいとかが負担する部分と、ハイライトやセブンスターが負担する部分がこんなに開きがあるかということが、当然、吸う人にそういう事実がわかれば疑問になってくると思うんです。余りまだそれは消費者は知らないのかもしれませんがね。そこで今度の定価改定見ますと、まあバットやしんせいのような三級品の上げ幅は確かに低いですよ。低いけれども、それはたまたまそこでその低い分をハイライトやセブンスターの方に転嫁しているだけのことで、結果的にはちょっとおかしいという気がするんですな。なぜこういう、まああえて不公平とかそんなことは言いませんけれども、なぜこうなってしまうのか。極端に言いますと、バットは赤字で、専売納付金も出せない、それからしんせいの場合はかなり益金率も低いとか、なぜこうやって安く売らなきゃならないんですか。バットやしんせいはちょっと不当に安い値段がついているように思うんですよ、セブンスターやハイライトに比べて。先日の質問の原価というものも考えに入れた場合。これがちょっとわからないんで、その辺の説明をしていただきたいんですが、なぜこんなに安く売らなきゃならないんですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) この前も御説明申し上げたかと思いますけれども、原価事情からまいりますると、先生御案内のとおり、一級品も二級品も三級品も、大体品質格差がもともとたばこというものはないものでございますので、原価はそう大差がございません。しかも、その大差のない原価が、昭和四十三年の定価改定以降今日に至るまでの伸びを見ましても、同じような原価のアップ額になっておるわけでございます。したがいまして、原価事情だけでまいりますると、上の方の一級、二級のたばこを、たとえば百円を百五十円にいたしました、八十円を百二十円にいたしましたというふうにしまして、下のゴールデンバット等等におきましてももっと本来は引き上げるべきであろうと思います。しかしながら、原価事情だけでたばこの定価を決めるのはいかがか、やはり低価格品には傾斜をつけるべきではないかと、物価政策の問題も大きく言えばございましょうし、そういった政策的配慮がありましたために、本来は同じようなアップ率で一級から三級を通じて同率で上げるべきところを、そういった政策的配慮で下の方を圧縮いたしました。こういう事情がございますために、先生の先般来の御指摘のとおり、コストと定価とを見まするとその間にひずみがうかがわれるわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そこで、その政策的配慮なんですが、事実それほどたくさん出ているわけではないんですけれども、この政策的配慮の中で物価事情とかいうこともちょっと出ましたが、多分、このバットやしんせいは安いたばこだから低所得者層が吸っていて、ここを上げればかなりこの層に負担になるんではないかと。そこで配慮したというふうにも思えるわけです。そういうことでいいんですか、政策的配慮というのは。もちろんそれだけじゃないようでしたけれども。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 大略そのとおりでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そこで、じゃ改めてお聞きしますが、本当にいわゆる低所得者層、そしてアップ率がほかのたばこ並みにされたらばとても打撃を受けるという層がバットとかしんせい、いわゆる三級品を吸っているんでしょうか。それがちょっとわからないんですが、具体的にデータでそれははっきり言えるんでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) その点につきまして私どもが調べた結果から言いますと、そのただこを吸っている人がどういう銘柄を吸うかということは、必ずしも所得の多い少ないということよりも、その人がたばこを吸い始めたときどういう銘柄のたばこを吸ったかということと、それからその人が常に新しいたばこが出たらそういう新しいたばこへ移っていくという移り気の人であるかどうか、そういった点に絡む点が多いようでございます。調査した結果を見ますと、たとえばゴールデンバットをお吸いになっている方は、わりあい老年の方が多うございます。また、農林漁業または無職の人が多いという結果が出ておるのでありまして、それは結局お年寄りが多いということは、ゴールデンバットが戦後改めて発売されたのが昭和二十四年でございまして、その当時たばこを吸っておられた方がそのままその後もゴールデンバットを吸っておられる。もちろん、その後いろいろ新しい銘柄が出ましたので、常に新しいものに興味をお持ちになって移り気の方は新しい銘柄を吸っておられる、こういうことだと思います。したがって、所得とその吸っている銘柄が低価格品であるかということについては、必ずしも一義的な関連はないというふうに思っております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 私もそういうふうに思うのは、低所得と言ったっていまどれを低所得というかわかりませんけれども、いずれにしてもバットやしんせいはどうも老人とか、いま言ったいわゆる無職の人で、もちろんこの人たちにとっては上げ幅が低いことはうれしいだろうとは思います。だけども、政策的配慮でこういう傾斜をつけたと言われると、いや、それはどうも理由にならないなと、こういうふうに思ってたわけです。そこで、この問題はこういうふうに考えたらいいんじゃないかと思うんです。要するにセブンスターを吸う人あるいはハイライトを吸う人の方が専売納付金、いわば税金をかなり余分に負担しているという事実を要するに知らないままに値上げがこういう数字、アップ率になっていると、ぼくはこの辺ちょっと不明朗というか、すっきりしないんですな。個別銘柄の値段の決め方は前回も言いましたように非常にばらばらで、結局価格決定のルールというものがないと、それは原価事情だけで決められるもんじゃないんだと言われるけれども、お客の立場で、消費者の立場で言えばやはりばらばらの値段を知らないままで買って吸って、セブンスターは税金余分に負担してバットやしんせいはかなり少なくて、という肩がわりしているようなこういう現象が現実にあるんだから、ここはこういう事実もやっぱりちょっとこうはっきり数えた上で、知らした上で理解を求めるのがぼくは筋だと思うんですがね、この辺のことを知らずに、要するに下の方の大衆が吸うようなたばこは低くしているよと、で、一級というのはかなりアップしたよというようなことだけで言われますと、いかにも低所得者層に恩恵を施したように見えるけれども、実はたくさんの人が吸っているのはハイライトやセブンスターやそういうものですから、結局そんな傾斜をつけたことは何の意味もなくて、結局は金取れるところをぱっと上げて、金取れない銘柄は押さえていたというそれだけのことじゃないかと思う。ぼくはそういう不明朗なやり方がいやだから、ここにも消費者、たばこ吸う人に対して全然立場も考えない値段の決め方、つまり今度の価格改定をやっている、これは非常にいやだ、こういうのは絶対賛成したくないということになるんですがね、大臣どうでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の説明がうまければ野末さんも賛成の方に回っていただけるのじゃないかと思いますけれども、実は私も素人でよく的確なお気に召すような答えはなかなかできないんでございますけれども、私の考えでは、人間はそんなに合理的でないと思うんです。先年閣議で年末の物価が問題になりまして、これは時の農林大臣が都内の八百屋を尾行でお回りになったことがあります。そうして、全然同じミカンを、質も全然同じ、大きさも全然同じのミカンを二皿置いて一方六百円という札をつけ、一方は八百円と札をつけておいたら、みんな八百円を買うというんですよ。それから当時ある百貨店の支配人から聞いた話ですけれども、帯に十万円という値をつけて売りに出したところが一つも売れなかった、三十万円と書いたら全部売れている、同じ品物が。つまり非常に情緒的なところがあるんですよ、あなたも私も。それで私は、たばこを買う場合に、いま野末さんが組み立てられたような論理的な道筋を通ってそれで選択されておる方は私は非常に少ないんじゃないかと思います。そんなに深く考えて選択されておるとは思わないんでございます。一番大事はことは、先ほどからも共産党の方々からも御意見がありましたけれども、公社は誘導しておるんじゃないかとか、何か非常に悪意に満ちた御質問でございましたけれども、とんでもないんで、政府は決して悪意とか、全く選択の自由は保障してあるわけなんでございまして、そこへいろんな商品を開発して御選択にゆだねておるわけでございまして、その間の経験の中で比較的これは嗜好に向いておるとかいうことの知恵の累積を一番持っておるのはぼくは専売公社だと思うんです。だから私もこの間お答え申し上げましたように、専売公社の専門家はそれで飯も食べておるんだし、一生そこに命運をかけておるんですからね、そういう方々の知恵は尊重しますよと、だから、私はいまあなたの言うことに答えさしていただくとすれば、専売公社から出てくる案が一番ベストじゃないかと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 それは大臣、まあ人間はそれは合理的なもんじゃないし、それからたばこは特にムード商品みたいなところがありますから、だから値段を、原価を幾らでどうのとぼくが言うように、そんなこと考えて買う人はいないでしょう、だけども、これが値上げとなりますと、しかも、これは税金部分がぐっと上がるということになれば、ただムードだから高い札をつけた方をぱっと買うとか、そういう感じにはなりませんよ。ぼくは、要するに事実を、こういう値上げのときに明らかにするぐらいのことはしなければいけないと言っているわけですよ。だからその点で大臣、結局情緒につけ込んでどさくさにばっと上げちゃうような感じですからね、公社のやり方は。それがいけないとか言うのじゃなくて、それは確かに税金たくさん負担する、一級品で負担させているわけですよ、品質も原価もそれほど変わらないけれども。そういうからくりをきちっとわからせれば別に何でもないけれども、大臣なんて本当ごまかし商法だもの、それでいくと、全く。そうでしょう。同じもの高くつけたらそっち売れるよと。大臣、だから……

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 情緒的だと言っている。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 それは一般の品物はそれでもいい。だけれども、国がやっている、しかも税金をこれからもっと負担してもらおうという商品に、そういう考え方を大臣導入してきて言っちゃ、それはいけないと思います。しかし、とにかく消費者に対してぼくは不親切な、立場を無視したような考え方だ、これが一点。  それから二つ目は、さっき栗林委員からも出ましたけれども、どう考えても、前回もお聞きしましたが、残念ながら国産の葉っぱは値段も高く、しかも品質も輸入に比べてそれほどよくないんだ、しかし、専売制のためにこれを買わなきゃならないという、こういう事情があるために、結局輸入の葉っぱをどんどん入れてつくればいまよりはかなり安くなるかもしれない。それが現実にはできないということがさっきの答えでもありましたが、ここもそうなんですよ。専売ということを抜きにして、とりあえずお客の立場で考えればやっぱり安くてうまいたばこの方がいいわけだから、やっぱり輸入をもっとして安くならないかと、そういう事情を知ればそう考えるのはあたりまえですよね、これは。ただそれができないんだ、この事情を説明する義務があると思うんです。耕作者を、生産者というんですか、とにかく葉たばこの耕作者を保護するための、さっき言った政策的配慮を消費者が協力しているというか、押しつけられているというか、そういう面が現実にあるわけですね。さっき栗林委員の質問でそれがはっきりわかった。その場合もぼくは考えるんですが、幾らそれは消費者が国内の耕作者が困ってもいいんだ、おれたちは安くてうまいのが吸いたいんだ、そういうことばかり言うとは思えないんです。しかし、事実を知らさないというのは、消費者無視というか、不親切でよくないと思う。そういう意味で、やはりこういう値上げ改定という機会に、たばこの原料になっている原料葉たばこの国産葉たばこがいまこういうふうになっている、これを政策的配慮、ある程度税金という形で消費者にも負担してもらっているんだという事実を言った方が、ぼくはすっきりしていいんじゃないかと思うんですよ。それがいやだという消費者よりも、それならばやむを得ないんだなということになるかもしれない、どうでしょうかね、そういうやり方を全部伏せて、何となく益金率下がったんだよ、また負担してくれというふうにすぐ値上げに直結するようなやり方というのは非常に消費者を無視した官僚的発想だとぼくは思う。そういうのはやっぱり言っちゃまずいんですか、大蔵大臣。ぼくはやっぱりそれがすっきりしたフェアな値上げ、一般消費者に納得させるやり方だと思うんですが、どうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 非常に模範答案みたいな質問ですよ、あなたの質問は。非常にまじめな正直な御質問だと思います。そういうように物事を見る見方というのは、ぼくは非常にまじめな見方だと思うんですけれども、合理的な見方だと思うんですけれども、私が先ほど申し上げたのは、人間はそんなに実際は合理的にできていないということをいろいろな実例で申し上げたまでのものでございまして、ふまじめにやっていいなんて全然言っていないわけでございます。ただ、一番大事なことは、ポイントは、消費者の自由な選択を保障しなければならぬということ、それに対して消費者の嗜好に投ずるように考えなければならぬということですが、いまあなたの御質問の中で、できるだけ税金の問題も、原価の問題も、それから葉たばこの国産の問題も、輸入の問題も、これに関連いたしましていろんな問題を消費者に知らせるように努力しなければいかぬじゃないか、そういうことをわかった上でたばこが消費される、あるいは消費されないというような選択の中に、そういう知識が媒体となって働くというようなことは望ましいことである、そのように公社も政府も考えたらいいじゃないかという考え方は、私はまじめな御提言だと思います。それはそういう方向でできるだけ専売公社としても努力はせにゃならぬし、国会の論議というようなものもこれは大変コストがかかっているんですからね、それでずいぶん私は国民は啓発されていると思いますけれども、実はいろいろな方法でそのような知識を、そういう情報を流す、そして選択をされる場合の鑑識眼を肥やしていくというか、それを伸ばすのに役立つように働けということについては私も賛成でございます。そういうふうに努力しなければいかぬと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 ぼくがお聞きしたのは、結局、大臣の言うように人間は情緒的なもので、合理的にばかり考えて生きているわけじゃありませんけれども、しかし、こういう酒とかたばことかそういうものを値上げする場合の根拠とか、理由とか、そういうものはやはり合理的でなきゃいけないと思っているからちょっと疑問の点をお聞きしているわけですよ。  それで、消費者無視というか、不在の値段の決め方をしているなとか、二、三二つばかりお聞きしましたが、もっと今度はいわゆる根本的なことなんですが、前回の質問でもたばこの消費税なんという言葉も公社の方から出ましたけどね、専売収入ということなんです、製造たばこ定価法の中に出てきますけれども、この第二条ですか、「適正な専売収入」というのが何かということを考えてみたんですが、そしてこれが、適正というのはどのくらいなのか、いままでも質問も、それは出てきたんですが、この性格がもうちょっとはっきりしないんですよ。これについてもうちょっと説明をほしいんですが、まあ時間もないですからわりと簡単にお願いしたいんですが……。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ここに、製造たばこ定価法第二条に申しまする「適正な専売収入」と申しますのは、国会の議決を経た予算上の収入額が一応の基準になろうかと思います。で、これとうらはらになりますけれども、先ほど来御議論のありました益金率六〇%を目途とするというふうなことがそのうらはらの関係になっておると思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 益金率六〇%はどこから出てきてこれが適正だという理由はないわけですよね。それからまた、これがまたいけない理由もないんでしたね。ただ、わからないのは、この二条は、その製造たばこの品目ごとの定価ということで決めてあるんだから、セブンスターとかハイライトとかバットとかいう、この定価を決めるときに「適正な専売収入をもたらすようなものでなければ」と書いてあるでしょう。これ、予算上の収入額を基準にしてこれを考えてくるというのはぼくはおかしいと思うけれども、これだけで言えるんですか、いまのお答えを裏づけられるんですか。これは銘柄別の単価を決めているんでしょう。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 個々の銘柄一つ一つにつきまして、ある銘柄が幾ら幾らの専売収入でなければならないというふうな意味での厳密な適正な専売収入というものはなかなか決めにくいことであろうと思います。しかしながら、全体としての専売収入が先ほど申し上げましたように、国会の議決を経ました予算の収入額に見合う、それを各銘柄ごとに配分をしていくと、こういうことになろうかと思いますけれども、これを厳密な意味で定めていくということになりますると、帰着するところはやはり消費税制度を導入するというところになろうかと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 いまぼくがお聞きしたのは、要するにこの第二条にある「適正な専売収入」といった場合には、品目ごとの単価を決める場合にそれが適正な専売収入をもたらせばいいんで、それを予算上の、全体の予算上の収入額から銘柄ごとにそれを配分していってというのは、どうもここからじゃ読み取れないというふうに思ったからお聞きしたんですよ。でもそれをやりとりしていても時間なくなっちゃうから、端的に聞きますが、結局この適正な専売収入というのはじゃ税金だということですね。実質的には税金だということでいいんですね。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) さようでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そこでわかりにくい点が出てくるのは、実質的に税金だったらば、法律できちっと何%とか率を決めるのがあたりまえで、これが、いままで一番わかりにくかったのは、益金率が下がったの上がったのって、こういうことで常に浮動している。この辺なぜこのままにしておくかと、もちろん先ほどの質疑でも出てきましたね、税調でもそういう考えを出しているけれども、何回か検討してもだめだったとか、いろいろありましたが、しかし、どう考えてもだめだったじゃ済まないので、税金であるならば法律できちっと決めるのがあたりまえなんで、なぜそれがたばこに限って決められていないのか、あるいはなぜそれを決めないのか、それがどう考えてもわからないのですが、これはどうでしょうか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○説明員(泉美之松君) お話のとおり、現在の専売納付金は、専売公社法の規定によりまして総益金から総損金を控除し、さらに内部留保を引いたものを納付金として納付する、こういうことになっておるわけでございまして、いわばたばこについて幾らの税負担があるかということは結果的にしかわからないという形になっておるのであります。しかし、それではおかしいではないか。国民、たばこをのむ人に税金相当のものを負担していただくなら、あらかじめそれはどの程度のものであるかということを明確にしておくべきで、公社の経営がうまくいかなかったために、消費者としては相当払ったつもりであっても益金が少なくなる、そういうことはおかしいではないかということが出てきまして、本委員会でもお話がありましたように、昭和四十三年の定改の後に、消費税制度に移るべきだということの議論が非常に強くなりまして、もちろんそれまでに税制調査会なり審議会でそういう意見が出たわけであります。しかし、一挙に消費税に移るということにつきましてはたばこ耕作者の反対があるとか、小売業者の反対があるとか、あるいは専売公社の中の職員にも反対がある、こういうようなことでできませんで、昭和四十六年から四十八年までは納付金率々覚書方式というので、大蔵省と専売公社の間の覚書で運用して、それがうまくいったならば、法律で書こうじゃないかというたてまえできたのであります。ところが、四十六、七、八年は一応第一種納付金率五六%ということでわりあいうまくいったのでありますが、四十八年の後半から御存じの石油ショックによる狂乱物価になりまして、五六%というのは四十九年にはとうてい維持できなくなってしまった。こういうふうな事態になると、覚書方式を法律に直そうと思ったけれども、いますぐにわかにはできにくいではないか、こういう点では、もう少し納付金率法定化について検討しなきゃならぬのではないか。その検討の結果は、いままでのように、同じたばこであればすべて納付金率五六%と考えるのはおかしいので、先ほど野末委員からもお話がありましたように、定価の高いたばこについての税負担分は多いんだ、定価の安いたばこについての税負担分は少ないんだというようなことに銘柄別の納付金率というものを考えたらどうか。それは結局は将来の消費税率という考え方にもつながるのではないか、そういう意味で大蔵省とは、今回の定価改定が行われました後、そういう納付金率の覚書というものを銘柄別に考えていこうではないかということをいま検討し合っておる段階でございまして、そういう検討が進んでいきますれば、いずれそういうことは法律で明確にして消費者にわかっていただけるようにすべきものだと、こう考えております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 いまの副総裁の考え方が消費者に一番、何というのですか、わかるし、それから当然だと。つまりお客——さっきもお話がありましたけれども、生産者と需要者が一緒に商品を、あるいはたばこを盛り立てていくわけだからそうだと思うんですが、大蔵大臣あるいは大蔵省にお聞きしたいんですよ。結局結果的にしかこの額がわからなくて、このままでいくとまた値上げになるかもしれない。何年先になるか知らないけれども。そうすると、また同じようなことで税部分がはっきりしないでうやむやになっていくという事態はぼくはどう考えても好ましくない。やっぱり銘柄によってどのぐらいの専売納付金を、いわば税金を負担しているかというのをこれは一度はっきりさせるべきだと思うんですよ。はっきりさせて、いま言ったように高いたばこは税金も高いですよと、安いたばこは低いですよと、それでこのぐらいの税金を、いわゆる地方税の分もありますけれども、とにかくこれだけ負担しているんだと、はっきりさせないで、あいまいな納付金というような考え方を続けていくのはぼくは絶対にだめで、また値上げしなきゃならない、そういうふうに思います。ですから、問題は、もう時間ありませんから、二点だと思うのですね。要するに、はっきり税金として、これを消費税ということになるか、それとも納付金の率をはっきりさせるのか、それ知りませんが、いずれにしても、消費者に個々の銘柄別に税率はこのくらいだということをはっきりさせるべきだと、この際、この値上げを前に、それが一つと。もう一つは、そんな、また検討するというんじゃ、またいつになってもわからないんで、やはりこれは完全に税金だと、はっきりした形ですぐにでも法律にしていくというのがぼくはあたりまえだと思うのです。その二点について最後にお答えをいただいて終わりにします。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) ただいま副総裁の方から御説明がありましたように、消費税制度を導入するということは、われわれもかねがね基本的にはその方向で進むべきであるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、現状のもとにおきましてはいろいろの困難な点がございます。専売公社をめぐる関係者、小売店、葉たばこの耕作者等々、いろいろな各方面の御理解と御協力をいただかなければなりませんし、その税率そのものを幾らにするかというようなことについてもいろいろと問題がございます。将来の問題といたしましては、当然消費税制度を導入するという方向で考えていくべきものであると思っておりますけれども、いま直ちにというわけにはなかなかまいらないのではないかという見通しでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 もう一つ、第二の銘柄別の納付金率を公表してもらえるという……。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(西沢公慶君) 銘柄別の納付金率につきましても、事情は、消費税制度を導入すると同じように、現状におきましてはなかなかいま直ちにというわけにはまいらないと思います。

桧垣徳太郎自由民主党

○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時五十四分散会

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