商工委員会 第14号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/05/29
会議録
○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動に伴い、現在、理事に一名の欠員が生じております。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に熊谷太三郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(林田悠紀夫君) 石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。河本通商産業大臣。
○国務大臣(河本敏夫君) 石油開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 一昨年の石油危機以来、世界の石油情勢はきわめて不安定な様相を示しており、わが国国民経済の円滑な運営を図るため、従前にも増して石油の安定供給の確保が重大かつ緊急の課題となっております。 この石油の安定供給の確保を図るためには、まずわが国企業による石油開発の推進を図り、これとともに石油備蓄の増強を行うことが必要であります。 政府といたしましては、創立以来七年余にわたり、海外における石油開発の推進母体として活動してまいりました石油開発公団の役割りの重要性にかんがみ、本年度におきまして石油開発公団の投融資規模の大幅な拡大と石油開発関係業務の拡充を図ることとし、また、これに加えて、本年度からの九十日備蓄増強計画の実施に伴い、石油開発公団が新たに備蓄増強に必要な資金の出資及び融資の業務を行うこととした次第であります。 今回の石油開発公団法の一部を改正する法律案は、以上のような趣旨のもとに、石油開発公団の業務の拡充を図ることを目的とするものでありますが、その要旨は次のとおりであります。 第一に、海外における石油等の探鉱をする権利その他これに類する権利を、民間企業への譲渡を目的として取得する業務を追加することであります。 これは、近年の世界的な石油利権競争の激化にかんがみ、交渉力、技術力、情報収集力にすぐれ、知名度の高い石油開発公団が交渉の当事者となって直接に権利を取得することにより、円滑な石油開発の推進を図ることを目的としたものであります。 第二に、産油国国営石油会社が行う探鉱、採取等に必要な資金を供給するための資金の貸し付け業務を追加することであります。 これは、近年産油国が資源主権の見地から有望鉱区を自国のために留保し、国営石油会社の手で自主開発することが多くなっていることにかんがみ、石油の供給等を見返りとする産油国への直接融資を石油開発公団が行うことにより、石油の安定的供給の確保を図ることを目的としたものであります。 第三に、わが国領海及び周辺大陸だなにおける探鉱を、石油開発公団の投融資の対象とすることであります。 これは、わが国周辺大陸だなが最も安定的な石油・可燃性天然ガスの供給源であることにかんがみ、その開発促進を図ることを目的としたものであります。 第四に、石油開発公団の業務の対象である「石油等」の範囲に、オイルサンド及びオイルシェールを含ましめることであります。 これは、オイルサンド及びオイルシェールが石油をしのぐ埋蔵量を持つ石油系未利用資源として注目を浴びていることにかんがみ、わが国としても、このような資源の開発への参画を図ることを目的としたものであります。 第五に、共同備蓄会社の行う備蓄事業に必要な資金の出資及び貸し付けの業務を追加することであります。 これは、資金面、用地面において困難が多い石油備蓄の増強について、石油企業の共同備蓄事業に対する助成を行うことにより、これを強力に推進することを目的としたものであります。 なお、このほか、以上申し上げました業務の拡充に伴い、石油開発公団法の目的の改正、役員の増員等所要の改正を行うこととしております。 以上、この法律案の提出理由及びその要旨を御説明申し上げました。 何とぞ、慎重御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。増田資源エネルギー庁長官。
○政府委員(増田実君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び改正の要旨を補足して簡単に御説明申し上げます。 石油開発公団は、昭和四十二年に設立されて以来、海外における石油・可燃性天然ガス資源の探鉱資金の投融資業務及び開発資金の債務保証業務等を通じて、わが国石油開発の推進のための中心的役割りを果たしますとともに、昭和四十七年度からは、備蓄用原油の購入資金の融資を通じて、石油備蓄の増強を図るための助成を行ってまいりました。 政府といたしましても、このような石油開発公団の役割りにかんがみ、予算及び財政投融資を通じて、石油開発公団に対する助成の拡充に努めてまいりました。特に、本年度は、石油開発公団の探鉱投融資について一千億円の規模を予定しておりますが、これは、いわゆる石油危機の起こりました昭和四十八年の投融資実績が二百八十億円であったことを考え合わせますと、実に三年の間に三倍以上に拡大したことを示しております。 しかし、石油開発公団が、わが国の石油等の安定供給の確保という使命を十分果たしますためには、以上述べましたような資金面での助成の充実と並んで、その石油開発関係の業務の範囲につきまして、近年の石油をめぐる世界情勢に即応した所要の拡充を図ることがぜひとも必要であります。さらに、緊急時の安定供給対策の柱である石油備蓄の増強につきましても、九十日の水準を達するための五ヵ年計画を本年度からスタートさせることとしておりますが、このため、従来からの備蓄用原油の購入資金の融資業務に加えて、備蓄増強のための一層の助成を行うことができるよう石油開発公団の業務を拡充する必要があります。 この法律案は、以上のような趣旨のもとに、石油開発公団の業務の拡充を図ることを目的とするものでありますが、以下、その主要な改正点につきまして、若干の補足説明をさせていただきます。 第一に、海外における石油等の探鉱をする権利等を取得する業務の追加でありますが、これは、石油開発公団によるいわゆる直接利権取得への道を開くことを目的としております。この場合、同公団は、その獲得した権利を一定期間内に民間の石油開発企業に譲り渡し、現実の探鉱や開発は、あくまでもこれら企業の手によって行うこととしております。 第二に、産油国国営石油会社に対する資金の貸し付け業務の追加でありますが、これは、近年、産油国がみずから探鉱や開発を行うことを望む傾向も見られますので、石油開発公団が資金面でこれに協力することにより、石油等の供給を確保できるようにするものであります。 第三に、本邦周辺の海域での探鉱を投融資対象とすることでありますが、これは、従来、領海外の大陸だなにおける探鉱は石油開発公団の目的達成業務としてその投融資対象とされております反面、領海内での探鉱は、対象から外されているという問題がありましたので、今回、これらを一括し、同公団の助成対象として明確に規定することとしたものであります。 第四に、オイルサンド及びオイルシェールを業務対象の範囲に加えることでありますが、これは、最近の原油価格の高騰等に伴い、これらの資源の開発が経済性を持つに至っておりますところから、わが国としてもその開発への参画を図ることが望ましく、石油開発公団の業務の対象に加えて、その促進を図ることとしたものであります。 最後に、共同備蓄会社の行う事業に対する投融資業務の追加でありますが、これは、複数の石油企業の共同出資により設立される共同備蓄会社に対しまして、所要の出資と資金の貸し付けを行うことにより、その事業の推進を図ろうとするものであります。 以上、この法律案につきまして、提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げました。 何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。河本通商産業大臣。
○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 現行の中小企業近代化促進法は、昭和三十八年の制定以来中小企業の近代化に大きな成果を上げてまいりました。しかしながら、最近の中小企業をめぐる内外の環境は大きく変化しております。 第一に、わが国経済が、高度成長から安定成長経済へ移ろうとしていることであります。 このため、組織化による経営規模の拡大、近代化設備の導入等の従来の近代化施策に加えて、技術の向上、新商品の開発に重点を置く施策が必要となってきております。 特に、需給構造の変化に直面している産業にあっては、新商品の開発による新たな事業分野への展開が望まれるわけであります。 第二に、国民のニーズの多様化、福祉型社会への移行に伴い、中小企業に要請される課題が環境の保全、国民の健康の維持増進、資源の節約・再生利用、製品の安全対策等、きわめて多様化しつつあることであります。 以上のような中小企業をめぐる環境の変化に対応して、中小企業の今後の近代化の方向を明らかにし、これに即応する施策を強力に展開していくことは、現下の急務となっております。 このため必要な制度を整備することとし、この法律案を提案いたしました次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、近代化施策の対象となる業種の指定要件を拡大し、国民生活の安定向上の観点から、国民生活との関連性が高い物品または役務を供給する業種についても、その対象に加えることができるようにいたします。 第二は、中小企業近代化計画の計画事項として、新たに従業員の福祉の向上、消費者の利益の増進等を加え、その充実を図ることといたします。 第三は、従来の個々の業種内での構造改善事業に加え、関連事業者との協調による構造改善事業についても助成を行うこととし、より総合的な構造改善を積極的に推進することといたします。 第四は、需給構造の変化に対処するため、新商品の開発等により従前の事業から新たな事業の分野へ進出しようとする新分野進出計画を承認する制度を設け、これを積極的に助成することといたします。 以上のほか、これらの新たな制度に伴う税制、金融上の助成措置に関する所要の規定の整備等を行うことといたします。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。齋藤中小企業庁長官。
○政府委員(齋藤太一君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び改正の要旨を補足して簡単に御説明申し上げます。 中小企業近代化促進法は、その制定当時わが国産業の国際競争力の強化と産業構造の高度化を早急に推進することが重要な課題とされていた事情に対応して、主として、経営規模の拡大、設備の近代化等により生産性の向上を図ることをねらいとしてきたものであります。 しかしながら、わが国経済がいわゆる安定成長経済、福祉型社会へと移行しようとしていることなど、最近における中小企業をめぐる環境が著しく変化しており、今後の中小企業近代化施策は、このような変化に適切に対応できる中小企業を育成すると同時に、国民生活の安定向上に寄与するものであると考えられます。 以上のような趣旨のもとに、必要な制度を整備するため、この法律案を提案した次第でありますが、以下、その主要な改正点について若干の補足説明をさせていただきます。 第一は、本法の近代化施策の対象業種が、従来国際競争力の強化、産業構造の高度化を図るべき業種に限定されていたのに対し、国民生活の安定向上に寄与する生活関連業種についても対象とすることとし、国民生活の充実、生活環境の整備等に寄与する中小企業の育成強化を図ることであります。 第二は、現行中小企業近代化基本計画と同実施計画とを統合して機動的な近代化の実施を図るとともに、従来、計画の内容が生産部門に偏していたのに対し、新たに、従業員の福祉向上、消費者の利益増進、環境の保全に関する事項等を加え、中小企業に対する社会的、経済的要請に十分こたえ得るよう近代化を図っていくことであります。 第三は、従来の構造改善制度が、個々の業種内での構造改善を図ってきたのに対し、最近における環境の変化にかんがみ、これらの業種と密接な関連を有する流通部門、原材料供給部門等の事業との連携を強化しつつ構造改善事業を総合的に推進することが必要であり、このため、これら関連事業者を含めた構造改善計画制度を整備し、必要な助成措置を講ずることとするものであります。 第四は、需給構造の変化等に対処し、今後中小企業の新規事業分野への進出を促進することが一層必要となるものと考えられますので、新商品の開発等により、今後その成長が期待できる新規事業分野へ進出しようとする中小企業に対して、その試験研究の実施、成果の企業化等を税制、金融上助成するため新分野進出計画制度を創設することであります。 以上、この法律案につきまして、提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げました。 何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(林田悠紀夫君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(林田悠紀夫君) 石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中尾辰義君 余り時間もありませんけれども、若干お伺いいたします。 この石油開発公団は四十二年の十月に設置をされまして、それからもう約八年間を経過をしておるわけですが、その間における業務の実績の概要をまず最初にお伺いをしまして、それから、今度の法改正はただいま趣旨説明がございましたけれども、不安定な世界の石油情勢のもとで自主的な石油供給源を確保する、こういうことで石油開発公団の機能の強化、あわせて五十四年度までの九十日分の備蓄の達成ということが大きな柱になっておるわけでありますが、四十二年に石油公団のいわゆる三〇%目標ですか、昭和六十年度までに所要原油の三〇%をわが国の企業の手で自主開発をすると。この目標が果たして今度の改正等によって達成ができるのか、きわめて困難なように思うわけでありますが、その辺の見通しもあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(増田実君) 石油開発公団が昭和四十二年の十月に発足いたしましてからの実績についてまずお答え申し上げます。 石油開発公団が先ほど申し上げましたように四十二年の十月から発足いたしまして、四十九年度末までの実績を申し上げますと、公団の探鉱投融資の累計、これは大陸だなに対する投融資を含みますが、金額といたしまして大体千六百五億円の投融資を実行いたしております。対象企業数は三十三社になっております。なお、五十年度予算には、先ほど趣旨説明の中にございましたように、投融資規模が一千億ということになっております。それからもう一つの業務でございますが、開発資金に対する債務保証を行っておりますが、その実績は約千億円になっております。 それから、この石油開発公団が発足いたしましたときの目的といたしましては、わが国の自主開発を進めまして、わが国が輸入いたします石油の三割をこの自主開発対象にいたすということを目標として掲げておったわけでございますが、この実績について申し上げますと、昭和四十八年度までのわが国の総石油輸入量の中で、石油開発公団の対象及びそれ以外、たとえば、アラビア石油によります輸入、これを合計いたしますと一億八千八百万キロリッターになっております。これは、四十八年度だけの輸入量の中で自主開発対象の石油というものを申し上げますと、比率にして八・五%でございます。その意味で、まだこの三割というものには達しておらないというのが現実でございます。 それから、今後の自主開発原油がどういうようになっていくかということにつきましては、率直に申し上げまして、三割を自主開発の対象といたしますことは、現在の石油をめぐりますいろいろな情勢から考えまして、非常に達成が困難だというふうに思います。 ただ、この自主開発原油につきましては、わが国の企業がみずから石油の開発に当たるというものを対象として考えていたわけでございますが、これ以外にたとえば、いわゆる新しく出てきております直接取引、私どもDDというふうに申しておりますが、この直接取引につきまして長期契約というものができれば、これも日本に対する一つの安定供給になると思っております。それ以外に政府間協定というものによりまして石油の長期引き取りの契約が政府間でできた場合、いわゆるGG取引と申しておりますが、これらも一つの安定供給の対象になるわけでございますが、これらを含めまして今後の日本の輸入石油を、いまの自主開発、それからDD、それからGGというこの三つを合計いたしまして相当な量、つまり三割以上に持っていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 それから、公団が発足されましてから今日までどのくらいの開発会社ができましたのか、それを年度別に、何年度に何社というふうにひとつお答え願いたい。 それから、開発会社の中にいわゆる統括会社というものがあると聞いておりますが、この統括会社が幾つぐらいあるのか、また統括会社というのはどういう目的なのか、どういうわけでそういうのができたのか、その辺のところをお伺いします。
○政府委員(増田実君) まず最初に、石油開発公団が設立されました昭和四十二年以降開発会社が何社ぐらいできたかということについてお答え申し上げます。 現在、石油開発の企業の数は、海外でやっておりますのと、それから本邦大陸だなでやっておりますのと両方含めまして五十九社に達しておりますが、このうち、先ほど御質問にありました石油開発公団が設立された昭和四十二年以降に設立されました石油開発企業は五十一社でございます。それで、これにつきまして年次別にこの五十一社の設立の数について申し上げますと、昭和四十二年十月に発足いたしたわけでございますが、十月から十二月はございませんで、四十三年から年別に申し上げますと、昭和四十三年に設立されました石油開発会社は三社でございます。それから四十四年が五社、四十五年が七社、四十六年が十社、それから四十七年が七社、四十八年が十一社、それから四十九年が七社、五十年が一社、以上合計いたしまして五十一社になります。 それから次に、いわゆる統括会社でございますが、現在ございますのが全部で八社になっております。これらの会社の設立されました理由でございますが、従来石油開発会社がそれぞれの海外におきますプロジェクトを対象といたしまして、いわゆるワンプロジェクト・ワンカンパニーということで、そのプロジェクトを対象といたしまして資金を集めて、技術者を集めて会社を設立して、そしてその特定のプロジェクトに当たるということであったわけでございますが、このやり方に対しまして、なかなか資金を総合的に集めるということが限界があるということから、統括会社というものが新たにできまして、この統括会社で広く資金を集めまして、その統括会社が各プロジェクト会社に出資をするあるいはプロジェクト会社を新しく設立してそれを育てていく、こういう形でこのような統括会社というものができたわけでございます。 一番初めにできましたのが昭和四十四年の三井石油開発でございますが、大体この八社は、いわゆる銀行あるいは商社を中心といたします系列会社その他関連会社が共同して出資いたしまして、そして資金を広く集めて石油開発を推進していこう、こういうことでできたような経緯でございます。
○中尾辰義君 それから、いま公団発足以来五十一社の開発会社ができた、こういうことですが、この五十一社の中でいま投融資も受けながらいまだに成績の上がらない、実績のないような会社がどのくらいあるんですか。
○政府委員(増田実君) いまのお尋ねの、この五十一社の中に操業してないとか、あるいは失敗した会社がどうなったかということでございますが、いまの五十一社の中で三十三社が石油開発公団の融資あるいは出資の対象となっております。 これについて申し上げますと、現在開発中の会社が三社、開発準備中の会社が七社、それから探鉱中の会社が十六社、それからお尋ねの、失敗している会社というのが、いわゆる鉱区を放棄した会社でございますが、この三十三社のうちの七社が不幸にして事業を始めましたが、失敗に終わりまして鉱区を放棄しておる、こういうことでございます。
○中尾辰義君 そうしますと、こういう失敗した七社、これにもかなりの投融資が行ったわけですが、こういうのは債務はどうなるんです。国から投融資を受けたけれども、遺憾ながら失敗をしたと、あとの国からの投融資に対しては、これは債務はないわけですかな、全然。
○政府委員(増田実君) 先ほど申し上げました、鉱区を放棄いたしまして失敗をしたという七社につきまして、この投融資の額が八十八億円になっております。それで、これの中には融資と出資と両方がございますから、出資をいたしました会社につきましては、公団が取得いたしました株券がこれは実質的価値がほとんどなくなってしまった、こういう形になっております。 それから、融資をいたしました会社につきましては、まだ集めました金、たとえば資本金その他が残っておりますので、これらにつきましては返済をさしておりますが、ただ、相当な金を使って後に失敗したわけでございまして、公団のいわゆる投融資の残高、いまの出資と、それからいま御説明申し上げた融資で回収できないこれを合計いたしますと、七企業に対する残高は六十九億円になっております。
○中尾辰義君 ですから、そういうような残高はどうなるのかと私は聞いておる。
○政府委員(増田実君) これは石油開発企業が非常にリスクがある。まあリスクのあるこの事業のために石油開発公団が設立されたわけでございますが、いま先生からお尋ねのありましたこの六十九億円をどういうように処理するかということでございますが、これらにつきましては、いわゆる出資勘定は、これはある時期には失敗した出資勘定ということで、損金に計上するということになっております。 それから融資の額につきましては、残存資産というものを十分調べまして、それに対する回収に努めますが、これにつきましても、回収不可能の分につきましては、これは損金として計上するということでこれを整理せざるを得ないわけでございます。
○中尾辰義君 まあ探鉱開発は、これはいろいろリスクが伴うことはある程度やむを得ない点もあるでしょうけれども、その辺のところやはり国民の金でありますから、周到な準備をしていくようにあなたの方で考えていらっしゃるでしょうけれども、特に要望しておきます。 それから、この統括会社はともかくといたしまして、このプロジェクトの会社にいわばペーパーカンパニーというようなものが、まあ利権獲得のためと言ったら語弊があるかしれませんが、そういうような会社があるやにも聞いておるわけですが、そういうような実情はどうなっておるのか。また、このプロジェクト会社の技術者、資金力、情報力等のこの会社の足腰が果たしてしっかりしているのかどうか。それから、そういうことと関連して、今後の開発体制のあり方について、投融資の効率的な運用等も含めてお伺いしたい。
○政府委員(増田実君) 先ほど御説明申し上げましたように、海外において石油開発に従事しております会社が大体五十近くあるわけでございますが、現在そのうち十数社というものは、これはたとえて言いますと、ナイジェリア石油開発とかあるいはベンガル石油開発等は、いわゆるオペレーターとしてプロジェクトみずからの手で進めておりますが、それ以外に、いわゆるノンオペレーターと申しまして、実際の操業を、これは協力会社、たとえばアメリカのメジャースの開発会社と組んでやっている会社もございます。ただ、これにつきまして、先生から御指摘がありましたように、いわゆるペーパー会社として眠っているわけではございませんので、この会社が協力会社と技術あるいは資金、いろいろの面につきまして、いろいろその開発計画に参画しながら行っておるということでございます。 ただ、わが国の石油開発企業というものは設立後まだ日が浅いわけでございまして、御指摘のように資金力、技術力あるいは経験、それから情報力等の面についてまだ十分でない点がいろいろございます。それで、今後海外の石油開発をさらに積極的に推進いたしますためには、昨年の総合エネルギー調査会の石油部会の中間取りまとめにおいても指摘されておりますように、今後の方向といたしましては、資金調達力、それから技術力等のすぐれた中核企業というものを育成することが必要だと、ことにわが国におきます開発技術者、いわゆる石油の探鉱開発を行います技術者が非常に少ないわけでございます。これらの技術者を有効に活用するために、いま申し上げましたような中核会社が中心になって、そうして石油開発に当二たるという体制が必要だと思っております。 いわゆるペーパーカンパニーということにつきましては、石油開発公団が出資融資しております先ほど申し上げました三十三社につきましては、これはペーパーカンパニーのようなものは全くございません。ただ五十数社いろいろな形でできておりまして、これらの中には非常にいいプロジェクトがあるということで設立したけれども、その後そのプロジェクトがいろいろな事情で消えてしまって、そうして、会社はできたけれども活動してないというのもございますが、先ほど申し上げましたように、公団投融資の対象になっております三十三社につきましては、ペーパーカンパニーのようなものは一切ございません。
○中尾辰義君 それじゃ次に、石油開発技術センターの件につきましてお伺いしますが、石油の探鉱や開発の払術開発を行う機関といたしまして、石油開発技術センターが昭和四十七年七月に設置されたわけですが、この業務の範囲は、探鉱開発及び生産に関する技術の研究、石油技術者の養成、こういうことが掲げられておるわけですが、この技術センターの石油開発技術者が現在わずか四十九名にすぎない、こういうように聞いておるわけです。しかも、技術センターの五十年度予算が公団予算の〇・七%ぐらいしかない。それでエネルギー庁長官は衆議院の商工委員会で、技術センターについては、五十年度に石油資源株式会社の物理探索部の技術者を相当大幅に移して、ここを日本の石油開発技術の中心にしたいと、こういうような答弁があったわけですが、これは技術職員の増加のみならず、組織を拡充、強化することは考えておらないのかどうか、それが一つ。 それから、石油開発技術センターが現在石油開発公団の付属機関にすぎないということになっておるわけですが、フランスの研究体制なんかは、人材の養成、技術の向上等を目的として国立のフランス石油研究所が設立されておる、かなり成果も上げておるというように聞いておるわけですが、もう少しこれを強化したらどうだろう。ですから、技術センターを公団から独立させて、保安技術講習所のように、通産省の付属機関とするような考えはないのかどうか、その二点をお伺いします。
○政府委員(増田実君) 技術センターにつきましては、これは石油開発の技術というものが今後の石油開発を行いますための最も重要な要素でございますので、この点から、先生から先ほどお話もございましたが、昭和四十七年度に石油開発の技術の水準を向上するための機関といたしまして、石油開発公団の付属機関という形で石油開発技術センターを設立いたしたわけでございます。この石油開発技術センターの業務は、石油開発技術に関する研究開発と、それから石油開発技術者の養成を業務といたしておるわけでございます。この事業につきましては、その後逐年拡充をしてきておりますが、さらに昭和五十年度におきましても、先ほどもお話ございましたが、石油開発技術センターに石油資源開発株式会社のいわゆる物理探鉱に関する解析部門、これは石油資源開発株式会社の物理探鉱部に解析関係をやっております部門がございますが、これを石油開発技術センターに統合いたしまして、そしてその強化を図るということを現在五十年度の事業として準備し、今年度中にこれを実現するという計画になっております。石油開発技術の水準の向上とそれから技術者の養成というものは、先ほども申し上げましたように、今後の日本の石油開発というものを進めていくに当たりましては、最も重要な課題だというふうに思っております。そういう意味でこの技術センターの拡充、強化というものを予算面、人員面で私どもは図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 それからこの技術センターを、石油開発公団の現在付属機関でございますが、これを分離いたしてたとえば国の機関とするということのお尋ねでございます。これにつきましては、先ほど御指摘のありましたフランスの国立石油研究所、これは略称でIFPというふうに申して世界的に非常に有名な研究所でございまして、これにつきましては、私ども非常にうらやましいというふうに思っておるわけでございます。 これにつきましてちょっと簡単に御説明いたしますと、これは一九四四年にフランス政府が一〇〇%出資で設立いたしました石油研究所でございまして、この中にはいわゆる技術研究所がありますとともに、さらにいわゆる石油工業大学というものを置いております。ですからこの研究所の機構の中には、石油工業に関します大学が中に設置されておりまして、しかもこの機構が非常に膨大でございまして、この技術研究所だけでも千人、これは技術者それから管理者その他全部を含めましてですが千人を持っておる。それ以外に先ほど申しました大学とか、あるいは情報資料を集中する部局というものを持っております。これにつきましては、一つのフランス政府の石油開発に対する非常に強力な姿勢というものもうかがえるわけでございますが、これに対する予算としては、石油製品に税金を課しまして、そこの収入をもってやっておるということでございます。現在のわが国におきますこの技術センターというものは、先ほども御説明いたしましたように、石油開発公団の付属機関として、規模はこれに比べましてまことに小さいわけでございますが、ただこれにつきましては、先ほど申し上げましたように、その機構の拡充、強化というものを図っていきたいと思いますが、これをフランスの研究所のように独立する機関とするというのが果たしていいかどうかにつきましては、私どもは、現状では石油開発公団の付属機関としてこれを運営さした方がいいというふうに考えております。 と申しますのは、石油開発公団がいろいろ石油開発の事業を行いまして、実務もいろいろ担当してきておるわけでございますが、こういう石油開発の実務というものに非常に密接に関連するセンターでございますので、やはり石油開発公団の中に置きますことによって、この技術の向上がむしろ期せられるんではないかというふうに思っております。ただ、理想といたしましては、先ほどのフランスの研究所のような、独立機関で非常に膨大な予算をもって運営されるということが理想ではございますが、現段階では、やはり石油開発公団の付属機関として日常のいろいろな実務にタッチしながら技術の向上を図っていくのが一番いいんではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
○中尾辰義君 時間がありませんのですね。それから第十九条に、これは「海外及び本邦周辺の海域における石油等の探鉱に必要な資金を供給するための出資」云々と、こう出ておりますね。現行法では「海外における石油等の探鉱に必要な資金」云々と、こうなっておるわけで、今度は「本邦周辺の海域」、これがつけ加えられたわけでありますが、これをつけ加えた理由並びに「本邦周辺の海域」というのは領海ということになろうかと思いますけれども、海洋法会議でいま非常に、海の秩序をいかように守るかということで会議もあるわけでして、領海あるいは経済水域等がいま検討されておるわけです。将来経済水域が二百海里、あるいはまた領海が十二海里等になるような可能性も十分あるわけですが、その辺も含めまして、この解釈をひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(増田実君) 石油開発公団の業務が十九条に掲げられておるわけでございますが、この十九条の規定につきましては、従来、「海外における石油等の探鉱に必要な資金を供給する」ということになっておったわけでございますが、これを今回の改正案で、御審議をお願いいたしております改正内容といたしまして、「海外及び本邦周辺の海域」と、こういうことになっております。これにつきましては、わが国の周辺の大陸だなが最も安定的な石油及び天然ガスの供給源でございますので、その開発を急速に進めていきたい、こういうことでございますが、ただ、これにつきまして、若干詳細にわたるわけでございますが、従来本邦の大陸だなといいますいわゆる領海外につきましては、従来も石油開発公団が投融資の対象といたしておったわけでございます。 これにつきましてはいろいろ議論があったわけでございますが、海外という中に、つまり領海を越えました大陸だなの開発が入るか入らないかということで、これにつきましては、ほかの法令の規定その他との関係がいろいろございましたので、私どもは、海外では当然領海外の大陸だなが入るという解釈であったわけでございますが、内閣法制局と相談いたしまして、そういう解釈は成り立つし、これをやることについてはこの法律について差し支えないけれども、むしろ法令上のいろいろの取り扱いとして、目的達成業務というのが十九条の第一項第七号にございますが、目的達成業務というものでやったらいいのじゃないかということで、こういうことの取り扱いでやっておったわけでございます。 ですから、説明が若干入り組んで恐縮でございますが、従来は領海外の大陸だなにつきましては、目的達成業務ということで石油開発公団の業務対象としておったわけでございます。今回の改正をお願いいたしております趣旨は、この「本邦周辺の海域」ということをはっきり書きまして、いまの領海外の大陸だなのほかに、いわゆる領海内における大陸だなの開発をも対象にいたしたい、こういう考えでございます。これによりまして、領海の中におきます大陸だなにつきましても、非常に有望な地区がございますので、これをも石油開発公団の投融資の対象にいたしたいということで今回の改正案をお願いしておるわけでございます。 この領海につきましては、現在、先ほど先生からお話ございましたように、海洋法会議でいろいろ討議が行われておりまして、領海を何海里にするかという問題及びいわゆるエコノミックゾーンと言っております経済水域の概念、あるいは大陸だな条約との関係で、大陸だなというものをどういうように規定するかということがいろいろ対象となっておりますが、このうち領海の問題につきましては、日本は現在は三海里なわけでございますが、世界の大勢といたしましては、これを十二海里にふやすということが非常に大きく、強く出ております。そうなりますと、従来私どもの方が考えております領海外というのが、三海里外であったわけでございますが、これがこの改正が行われますと、十二海里の中は石油開発公団の投融資の対象にならないということになりますので、この際、領海の中におきます大陸だなの開発をも対象にできるように、しかも、その海洋法会議で結論が出まして領海の範囲その他が広がった場合、あるいはその前にこの領海を広げるということもあるわけでございますが、そういうことを考慮いたしまして、こういうように本邦周辺の海域というものを投融資の対象にいたしたい、こういうことでございます。
○中尾辰義君 この問題は、詳しくいろいろとまた聞きたい点もありますけれども、時間がないんで、大臣に最後に二、三お伺いしましよう。 石油事情の見通しにつきまして、衆議院では大臣の答弁は、昨年混乱をきわめておった世界の石油事情も、方向がほぼ見当がついてまいりました、こういうような答弁でありましたけれども、いまの大臣の提案理由を見ましても、「一昨年の石油危機以来、世界の石油情勢はきわめて不安定な様相を示しており、」云々と、提案理由にもこう書いてあるので、石油事情に対してどういうような認識をしていらっしゃるのか、見当がついたという点、どういう認識でこういう発言をされたのか、その辺をひとつお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) わが国にとりまして石油に関連いたしまして一番大きな課題は、いかにして安定的に石油の供給を受けるかという問題が一つと、それからさらに、安定した価格でこれを確保することができるか、この二つの問題が当面する大きな課題だと思います。一定の必要とする量の確保につきましては、現在需給関係が非常に緩んでおりまして、必要とする石油は世界のどこからでも十分確保できる、しかも日本が欲すれば長期契約も可能である、こういうふうに安定的に供給できるような体制に落ちつきつつあるわけでございます。 それから、第二の石油価格の問題でありますけれども、九月までは一応現行水準の維持ということもOPECでは決めておりますが、最近さらに十月以降の価格をどうするかということについていろいろ検討しているようでございますが、来月にはガボンでOPECの閣僚会議でございます。そこで当然議題になると思いますが、それとも並行いたしまして、産油国と消費国との対話を続けていこうという、こういう大きな動きがございます。 これは、一つは消費国の必要とする油の安定的な供給と、それからできるだけ価格を安定させよう、そういうことのための対話を継続していこう、こういうような趣旨でございまして、そのために、かねて課題になっておりました第一次産品の取り扱いをどうするかということについても、相当前向きの合意が得られつつあるようでございます。そういう意味から私は、石油値上げの動きはありますけれども、産油国、消費国との対話を通じまして、いまは需給関係が大変緩んでおるわけでありますから、そうむちゃくちゃな値上げにならないように、できれば現行水準の据え置きまたはむしろ引き下げの傾向にひとつ何とか持っていくことができないか、こういう意味での対話が望ましい、こういうふうに考えておるわけでございますが、その二つの点につきまして、まずいま現在さほど心配した情勢ではない。つまり供給と価格、この二つの点でさほど心配した情勢ではない、こういう意味で石油事情はほぼ落ちついてきた、落ちつきつつある、こういうことを言ったわけでございます。
○中尾辰義君 短期的な見通しはそうかもしれませんが、ひとつ将来のことも考えていかなければなりませんし、そこでお伺いしたいのは、例の石油危機の際に、あわてて石油外交といいますか、資源外交といいますか、わが国の政府がやったわけですね。その中に三木総理や当時の中曽根通産大臣あるいは小坂さん、三人の特使がアラブ諸国に、中東諸国に行かれまして、三千数百億円にのほる資金供与を約束したことが新聞にも大々的に報道されたわけですが、その後そういうような約束事がどういうように進捗しておるのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 一昨年の年末に三木特使、昨年の一月に中曽根当時の通産大臣、あるいは政府の小坂特使と相次いで中近東を訪ねまして、いろいろな経済協力について話し合ったわけでございますが、その間話を決めました経済協力のうち、政府として進めなければならない約束のものは、これは大体順調にいっておると思います。民間のものに関連いたしましては、いろいろ問題がありまして、順調にいっておるとは言えない状態でございますが、これでは困りますので、先般の総理の施政方針演説におきましても、経済協力のあり方を根本的に量、質、方法、この三つの点においてひとつ再検討するように、こういう指示がございましたので、政府及び民間を含めまして経済協力をさらに推進するためにはどうすればいいかということについて、いま積極的に検討しておるところでございます。なお必要とあらば、政府委員のほうから個々の具体的な経済協力の内容について御説明をいたさせます。
○中尾辰義君 少し具体的に言うてもらわぬと、聞いておるほうもわからぬですからね。
○政府委員(江口裕通君) ただいま大臣がお話しになりましたように、三特使によりまして、一昨年の暮れ以来八カ国の歴訪が行われたわけでございます。その大部分が産油国でございます。当時話し合いの対象になりました借款供与の総額は、約二十四億ドルという数字になっております。七千億を少し上回る数字でございます。その中身につきましては、経済技術協力協定の締結あるいは借款の供与、それからプロジェクトあるいは商品の援助、それから技術協力案件の推進というふうにかなり多岐にわたっておるわけでございますが、具体的に申しますと、このうちで協定の締結の行われましたのは、昨年の八月にイラクとの間で技術協力協定が締結されております。それから同じく本年の三月には、サウジアラビアとの経済技術協力協定というものが締結されております。 それからさらに、先ほど申しました商品援助あるいはプロジェクト援助という点につきましては、エジプトとの間で総額二億四千万ドルの援助の供与が行われております。その大部分がすでに実行段階に入っております。中で一番大きいのは、スエズ運河の開削問題であります。それからその他大型プロジェクト、あるいは技術協力というような問題がございますが、これも政府ベースのものはほぼ順調に推移しておる、かように思っております。 そこで、若干問題があるという大臣のお話でございました大型プロジェクトの問題でございますが、具体的にはイランあるいはサウジ、さらにはイラクというようなところにかなり大きなプロジェクトがございます。この進捗状況につきましては、何分、一つの単位当たりの規模が非常に大きくなっております。いずれも、大きなものは千億あるいは数千億というようなものもございます。したがいまして、一つの企業のベースではなかなか乗りにくい、あるいは乗ったといたしましても、なかなか決断のしにくいというものが非常に多いわけでございます。 それからさらに、技術的に申しましても、その見積もりをいたすだけでも十億、二十億というような金がかかりますので、それでなかなかそれが落ちない。落ちない場合には、企業に対する負担が非常に大きいというような問題もございます。 それから、何分昨年以来、いわゆる世界的なインフレ基調でございまして、非常に諸物価の値上がりが大きいわけでございますので、なかなか見積もりが決断がつかない、それからさらに、その大部分が、現地工事費がかなりウエートを占めております。産油国の方も御承知のように、最近のインフレが非常に高いわけでございますので、そういったことでなかなか決断がつかないということがございます。 それからさらに、その次のファクターといたしましては、技術水準が低い、あるいはインフラも不整備、そういうような相手国の事情もございます。 そんなことで、若干行き悩んでおるものもございますが、概して申しますと、大体企業の体制が整ってまいりまして、政府も支援してまいっておりますので、除々に進展しておるという状況であろうかと存じます。
○中尾辰義君 ですから、その大型プロジェクトの内容はどういうことなのか、その辺、もうちょっと詳しく話してくれませんか。 それから、いろいろ事情はございましょう、資材が上がったとか、あるいは技術者が少ないとか。しかし、この外交問題は何といっても信用が第一でありますし、ただもう石油がほしいためにゼスチュア的なことをやったんじゃないか、こういうような不信を持たれたんでは非常にまずいと思います。そういうことで、多少困難なところがあっても、大臣、これをやっておかないと、いま石油がだぶついておる、いまは安定していると、そうおっしゃっても、また中東問題がどういうふうになるかわかりませんことですから、その点はいかがですか、お伺いします。
○政府委員(江口裕通君) プロジェクトはいろいろの例がございますので、その中の代表的なもので若干御説明を申し上げたいと思います。 具体的にいま大規模な案件で懸案のものは、イラン、イラク、それからサウジに若干ございます。この中で、先ほど協定のできましたイラクにつきましては、一応、十億ドルの借款及び延べ払いによる輸銀資金の授与ということがコミットされておりますが、対象は、主として六プロジェクトを対象としております。この中身は化学肥料、それからLPG、石油精製、それからセメント、石油化学、アルミというような、大体六プロジェクトを当初予定しておりましたが、このうちセメント、アルミ——セメントにつきましてはよその国に入札が入りまして、それからアルミにつきましては、一応当方手一ぱいということで企業が辞退いたしまして、現在懸案のものは残るところの肥料、LPG、石油精製、こういったプラントになっております。このうちで特にいま進んでおりますのは肥料プラントでございます。肥料プラントは総額で約二千億を上回る数字のものでございますが、約百万トンのベースのものでございますが、いま非常に大詰めの段階になっておるわけでございます。 問題点といたしましては、先ほどちょっと申しましたように、経済事情の変動がございますので、たとえば石油危機でございますとか、異常なインフレの高進のような場合には、契約条項をもう一度レビューする、見直す、そうして話し合いをするということに向こうが応じてくれるかどうかというような話し合いを、いま詰めておるところでございます。そういったような問題で、これは大体九分通りいっておりますけれども、最後の一押しが必要である、こんな状態でございます。 それからさらに大規模なものになりますと、石油化学のプラントがございます。これはエチレン規模で二十万トン以下のかなり大きなものでございまして、恐らく相当な金額になろうかと思います。現在日本の関係十数社がございますが、これが一体となりまして計画をつくっておる、そうして向こうと話をしておるということでございまして、これはそういう意味で向こうと話し合いながら進めておる、こんなような状態でございます。 それから、新聞紙上で若干問題になりますイランでございますが、イランにつきましては、石油精製の関係、あるいは石油化学のプロジェクトという問題がございます。しかしながらイランの場合には、さらに、その石油化学の前に話し合っておりました、いわゆるバンダルシャプール・プロジェクトというものがございまして、これがなかなか難航いたしまして、金額が非常に張ってきておるというようなことで、これにいまもっぱら全力を集中しておるということでございまして、先方もこの間の事情については十分了承していただいておりますので、方向といたしましては、先方のオファーについて、石油精製、それから第二の石油化学についても進めたいと思っておりますけれども、まず、とにかく第一を片づけてからやる、こんなような考え方をいたしておるわけでございます。 それからサウジにつきましては、今度例の五カ年計画、千五百億ドルの五ヵ年計画が発表をされました。それとの関連におきまして、わが国に対しても四プロジェクトを中心としていろいろなオファーがございます。そういった問題については、これから先方とよく話し合って進めていく、こういう段階かと思います。
○中尾辰義君 あなた、もうそこでぺらぺら言ったって聞き取れぬから、ひとつ資料で出してくださいよ、いまおっしゃったようなことを、進捗状況を。プロジェクトはどういうふうになっておるか、その中身はどうだとか、あるいは参加企業はどういう企業、会社が参加しておるのか、それをひとつ資料を出してくださいよ。
○政府委員(江口裕通君) わかりました。
○中尾辰義君 それから最後に、これでもう終わりますけれども、この石油外交の面につきまして、前の通産大臣初め非常に今日まで努力されたわけです。河本通産大臣はお忙しいでしょうけれども、まだ中東諸国にも行っていらっしゃらないようだし、実は私も大臣の御意向等も聞こうかと思っておったんですが、この前、二十七日に閣議後の記者会見で、七月中に中東諸国を訪問すると、こういうことが明らかにされたようであります。それでこの訪問先、目的等を具体的にお話を承りたい、このように思います。これは五月二十七日の日経新聞にも出ております。いかがでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど政府委員からも具体的にいろいろお話しをしましたが、中近東諸国との間には懸案の経済協力問題が非常にたくさんございます。さらに、その前に基本的な課題といたしまして、今後中東諸国からいかに石油を——量及び価格の面におきまして、安定的に供給を受けるか、こういう課題もございます。いろいろ問題が山積をいたしておりますので、中近東の重立った国を訪問して、今後の貿易、経済協力の拡大等、懸案の諸問題について話し合いをしたい、こういう意向を持っておるわけでございますが、それじゃいつ行くかということ等につきましては、まだ未定でございまして、目下調整中でございます。
○中尾辰義君 それで、行くことは間違いないですか。たとえば新聞にこう出ておるんですがね。あなた、記者会見でいろいろとおっしゃって、当委員会においてそういう答弁では困るんですよ。記者の方にはサービスよくべらべらしゃべって、所管のこの委員会では余り、そういうことではこれはちょっと理解に苦しむんです。こう出ていますよ。「七月にも中東訪問」、「通産相表明」、「こんどの河本通産相の訪問ではまず日本とサウジアラビア両国の経済技術協力協定に基づく第一回合同委員会を開くとともに、1サウジアラビアでの商船大学設立問題2わが国の協力による、イランでの職業訓練学校設立構想——などについて各国首脳と話し合うものとみられている。」、こういうようなことが出ております。大体あなたの腹の中にはあるんだろうと思いますが、いつごろ、訪問先はどこどこ、どういうような目的で、なるべくひとつできましたら詳しくお話し願いたいと思うんです。
○国務大臣(河本敏夫君) 国会終了後、できるだけ早い機会に先方の都合等も聞きまして、先ほど申し上げましたように、三、四の国を訪問いたしまして、当面の経済協力、今後の貿易の拡大、そういうことについて話し合っていきたい、こういうふうに考えておるんです。実はできるだけ早くということは考えておりますが、具体的にそれじゃ国をどこどこにしぼるか、あるいは当面の話し合いの課題を何にするかということ等につきましてはまだ未定でございます。その新聞記事の中には私の言わないことが大分入っておりまして、そういうことを全部言ったわけじゃありませんので、いま申し上げました程度のことを言ったわけでございまして、あとはいろいろ想像記事等も入っておるのではないかと思います。
○対馬孝且君 まず最初に、石油公団法一部改正に関する問題と間接的に関係のある、灯油価格の引き上げの問題に関しまして二、三この際お伺いをしたいと思います。 それは、北海道では、消費者団体並びに生活協同組合あるいは主婦連などが中心になりまして、すでに出先の通産局長、北海道知事に対しまして元売価格の指導撤廃に関する要請行動が行われております。きょうも実はここに北海道生協連の代表団が、一時に長官にぜひお会いをしたいということで、きのう申し入れをしておるのでありますが、北海道ではまた再び三たびこの灯油が値上がりをする、こういう問題についてきわめて非常に重大な関心を払っているわけであります。 そこで私は、この際まずお伺いをいたしたいことは、北海道新聞を初め毎日、朝日など一連の新聞にも出ておるのでありますが、これを見ますと、政府は、元売価格の指導価格を撤廃をいたしてまいりたい、したがって、その方針を近く決定をして対処したい、こういうことが堂々と新聞報道に相なっているわけであります。それだけに、先ほど言ったように、北海道にとってはこれは米と同じように、この灯油問題というのはもう切実な道民の生活問題でありますから、去年も私、四回商工委員会で質問いたしております。したがって時の中曽根通産大臣にも申し上げておりましたが、ともあれ、価格をひとつ据え置くというような基本姿勢の中で通産省としては取り組んでまいりたい、行政指導をいたしてまいりたいということを再三強調されておりますが、本当にこの元売価格を指導撤廃をするのかどうか、この点まず最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(増田実君) 家庭用灯油の問題につきましては、灯油というものが石油製品の中でも直接民生に関係いたします点から、この価格の動向に、ついては、私どももこれは最も慎重に対処しておるつもりでございます。家庭用灯油につきましては、これは対馬先生御存じのように、去年の六月一日に元売仕切り価格の引き上げを行ったわけでございまして、従来の限度額に比べまして一万二千四百円に値上げをとどめるように行政指導を行ったわけでございます。この一万二千四百円と申しますのは、従来が一万二千九百円でありましたのに、一万二千四百円の範囲内で値上げをとどめるようにということでございました。この結果、現在の元売指導価格というものが二万五千三百円ということになっております。 ただ、これはもう少し詳く申し上げますと、従来の価格に対して幾らまで上げていいということでございますので、各社平均で二万五千三百円ということになるわけでございます。これによりまして、一応四十九年度の需要期におきまして需給の緩和もあったわけでございますが、価格につきましても、また供給の確保につきましても、ほぼ良好な結果を得てきたわけでございます。 ところが、四十九年度の需要期が終了いたしまして今度の需要期、つまりことしの冬でございますが、この家庭用灯油につきましての供給の確保、それから価格の安定を図るということについていかにすべきかということが現在の課題となっております。それで、私どもの方におきましては、現在の指導価格というものをそのまま維特するということではいろいろな問題点が生じてきておりますので、これにつきましての現在の指導価格につきましてこれを撤廃するか、あるいは価格の引き上げをやるかということで、現在この見直しをやっております。目的は、先ほど言いましたように、本年度の需要期に備えまして灯油の供給を確保する、また価格の安定を期する、こういうことでございます。 新聞にいろいろ出ておりますような検討を行っておるわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても家庭用灯油が、先ほど先生がおっしゃられましたように、国民生活に及ぼす影響がきわめて大きいわけでございますので、私どもといたしましては、ことしの冬の需要期に向けましてまず十分な在庫量を確保して、そうして供給の確保をする、また、価格が不当に引き上げが行われることのないようにする、それから、一部に買い占め、売り惜しみその他が行われることのないようにするというふうなことで、今後この灯油につきまして、ただいま先生の言われました趣旨でこの確保と、それから価格の安定というものを図る方策を現在検討いたしておるということでございます。これにつきましてはできるだけ早く結論を出しまして、今需要期の供給の確保を図っていきたいというのが私どもの考えでございます。
○対馬孝且君 ひとつ大臣に基本的な考え方をお伺いしたいのですが、いま長官の答弁では、慎重に検討いたしてまいりたい、供給確保のために検討するというお答えなんですが、大臣、どうなんですか、指導価格を撤廃するのかしないのか、撤廃をした場合については、家庭用灯油に価格がはね返ってくることが明らかであります。値上げになります。この点について大臣としてこの前の中曽根通産大臣の当時の考え方からいきますならば、北海道のこの灯油、東北六県の灯油という問題は重大な生活の問題だから、ともあれ、ひとつ極力特別行政指導をいたして、とにかく需給を安定をしていきたい、この基本方針を貫く、こう言っているわけですが、いま聞きますと、どうも検討する、近く結論を出したいと言うんですが、大臣のひとつ所見についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在灯油の価格は非常に低く抑えられております関係上、工業用にずいぶん流れまして、このままではことしの冬の安定供給というものは大変むずかしいと、こういう状態になっております。そういうことがありますので、ことしの冬の灯油の必要量を確保していくということから指導価格の撤廃をして、そして価格を逆ざやにならぬようにということで、いま検討しておるところでございますが、もし指導価格を撤廃することによりまして、価格に大幅な変動があるとか、あるいは値上がりがあるということであれば、また再びその時点で当然考え直さなけりゃならぬ、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、指導価格の撤廃、こういう線に沿いましていま検討をしておるところでございます。
○対馬孝且君 これ、通産省は慎重に検討していると言いながら、この前も、昨年もそうですけれども、特別行政指導いたしますということは努力をされたようですけれども、標準価格の段階では、標準価格を出します、出しますと言って、四回ですよ、これ。昨年だけで四回私は質問しているんだよ。近く標準価格を出しますと言いながら、最後、結果的には出さずに特別行政指導ということになったわけでしょう、北海道の場合は。 そこで、私ははっきり申し上げるんですが、現実にこれ、日石ですよ、私は情報収集して結果を見ますと、もうすでに日石の広報課で出しているんです。指導価格を撤廃をした場合に、約六千七百円の大体小売価格にはね上がりをする、そして一リッター七円で計算をいたしまして、十八リッター百二十六円という数字をもう日石の広報課が出しているじゃありませんか、これ。恐らく通産省のエネルギー庁長官並びに石油部長がこれを知らぬと私は言わせませんよ。現実にすでに日石が公然と広報課で発表しているんですよ。指導価格は撤廃をされて、大体リッター当たり七円の価格になると、その場合、十八リッター百二十六円、そして指導価格の二万五千三百円が六千七百円に大体上昇する、こういう計算で、この問題はすでにもう北海道の町でPRされているではありませんか。そしていま大臣に聞くと、長官も、いや、検討しています、慎重にいたしておりますと。また委員会が終わったら、すぐ指導価格は撤廃をいたしました、次に値段ははね上がりましたと、こういうふうに、大体去年もやり口がそうなんだよ。私は言いたくはないけれども、やっぱりそこらあたりが、通産省というのは企業べったりだというのは、そういうことに言いたくなるわけだ。きょうも、いま生協連初め主婦連が来ますけれども、私は非常に重大な関心を持たざるを得ないわけですよ。もうすでにそういうことを堂々と北海道の小売業者がPRしているんだから、あなた、そんなこと言ったって。 もっと申し上げますと、北海道の消費者協会、これは道庁がつくっている、道側が指導している消費者協会、これによりますと、この値上げ幅は政府は大体三千円から四千円、キロリットル当たり考えられている、これまではっきりしているんです。これによると、北海道の場合は、大体一世帯一冬に使うのは平均でもって、北海道消費者協会が出されたのは千八百三リッターです。ドラムかんにして九本から十本、多いところで十五本使うんですよ。一冬十万円ということです。昨年の二万五千三百円をリッターに展開をすると、前の石油部長が言ったように、まさしく六百三円ということになっている。当時の価格というのは、長官もう御存じのとおりですよ。ところが、現実に六百三円のその指導価格、言うならばこの行政指導価格というものがことしの四月の段階でどうなっているかといったら、はっきり申し上げますよ、これは一番新しい北海道消費者協会が発表いたしました灯油価格調査表であります。これは道庁のあれであります。これでいきますと、本州価格より大体三十五円から四十円高くなっているじゃありませんか。六百三十五円、六百四十円というのがこの四月現在における北海道の灯油の実勢価格であります、はっきり申し上げまして。本州は五百九十円から五百八十五円、やっぱり相変わらず北海道の灯油価格というのは、これだけの格差がついているんですよ。そこへもってきて指導価格は撤廃をする。さっきの日石がPRしているように、すでにもう灯油価格の値上げがはっきりしている。こうなってくると、いま大臣が言っておるように、もしそういうことが起きれば適正な指導をいたしますという大臣の答弁なんですが、これははっきり火を見るよりも明らかな事実がもう目の前に出てきているんじゃないですか、この時点では。 したがって、私は第一点お伺いしたいことは、慎重に検討していると言うんだが、この段階ではやっぱり元売価格二万五千三百円は凍結をすべきである、これが第一点であります。 第二点の問題は、北海道に関するこの前からの経過もありますから、こういった北海道の実勢価格の状態というものを判断した場合に、特に北海道に関する特別行政指導対策というものをとってもらいたい。とる意思があるかどうか。この二つの問題であります。この点まずお伺いします。
○政府委員(左近友三郎君) 事実関係のことで少し申し上げさしていただきたいと思いますが、日石がそのようなものを出したかどうかについて、私の方も詳細には関知しておりませんが、ただ、いま先生がお話しになりました数字が事実そこまで上げるべきかどうかについては、大変私自身も疑問に思っております。したがいまして、その点については十分検討をいたしまして、そういうものを出してそれまで上げようということをするということについては、十分注意をしたいというふうに考えております。 なお、北海道の価格につきましては、当方でモニターを集めまして調べております価格につきましては、現在のところ北海道については全国の価格と大差がない。たとえば十二月、一月、二月というふうな時点では、むしろ北海道の方が安くなっておるという事実がございます。これは実は昨年、対馬先生からも御指示がございまして、北海道の通産局あるいは道庁その他もろもろの者の努力によってこういう形になったんだというふうに考えております。ただ、四月以降につきましては、全国といいますか、こちらの、内地の方の需要期が終わりましたので、若干形勢が変わっておるかと存じますが、その点についてはわれわれも十分調査をいたしまして、現在の時点で、そういう北海道の方が過大な値上がりのないように指導はいたしたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 これはやっぱり数字をもって私ははっきりしたいと思うんです。いま石油部長が答えておるのですが、これは消費者協会の四十九年三月のあれですよ。価格のあれが、前年度対比をして三八・七%、本州価格にして四十九年の場合は三月の時点では二十五円の本州との格差なんですよ、二十五円。これは四月三十日現在のデータです。そこで、五十年の三月、率直に申し上げます。本州との価格差が三十七円。三十七円ぴしゃっと出てるんです、これ。それから、これは低い方の価格で、仮に通産省が言うような価格で見ていったとしても二十九円五十銭、これは札幌の場合です。それから、私が申し上げた三十七円というのは稚内の場合です。現に北海道では、大臣は北海道のこと知らぬから申し上げたいんですが、いまなお石油ストーブをたいているんです。異常気温ですからね、北海道は六月いっぱい灯油をたいているんだから、現実に。東京のようなこんなわけにはいかないんです。 そこで、私ははっきりここで申し上げ、確認しておきたいことは、指導価格については検討しているというが、二万五千三百円という元売価格というものはやっぱり凍結をすべきではないか。先ほど大臣は中尾さんの質問に、衆議院で答弁したように、供給安定の問題にからんで、安定度という問題の認識については、少なくても供給はほぼ安定をさせると。それから、供給の問題を盛んに強調されておりますけれども、現実の段階で北海道の室蘭にある原油タンカー、苫小牧の原油タンカーはだぶついているじゃありませんか。これは現実にもう北海道の道消費者協会、道庁が言っているんですよ。港に揚がった原油が満タンでもって入り切らぬと言っているじゃありませんか。こういうことが現実にあるのに、一方では業界の言うことばっかり聞いてね。 私は、はっきりこの間も調べたんだけれども、いまだかつて通産省自身がみずから試算をした行政指導価格というのは出したことないんです、標準価格が。私、はっきりわかりました。率直に申し上げるけども、いままでのやり方は、業界が出したデータでもって、大体この辺が手ごろだと言って出してきたのが標準価格なんですよ。通産省自身が実際の数字をもって出したためしは、これは一回もないんだ、はっきり申し上げて。これは私は業界の名前言ってもいいですよ、業界が言っているでしょう、現実に。通産省独自の試案がないではありませんか、われわれはカルテル協定でもずいぶん怒られましたけれどもと。通産省は、それならばほんとに確固たる試算をした数字が一体あるのか、結果的には業界が出した数字をこう並べて見て、大体この辺が手ごろだろうといって、私に言わせれば、適当なところで標準価格を出してきたというのがいままでの実態ではないですか。 私は、もうちょっとやっぱり国民生活のことを考えて——この間物価特別委員会で福田副総理は、私に対してこう言っているんですよ。この灯油問題にまつわるこういった一連の北海道価格差の問題については、これからは絶対に凍結をいたします、格差については縮めていきますから、対馬参議院議員御心配なくひとつ御理解をしてもらいたい、物価大臣がそういう答弁しているじゃありませんか、あなた。ここへ来て通産大臣に聞いたら、いや、供給の問題で片一方では上げなきゃならぬと、片一方では一五%の賃金を抑えて物価を安定をいたしてまいりますと。物価大臣の私に対する答弁は、いや対馬参議院議員、そうおっしゃるけども、北海道の価格差はだんだん縮まっていきますから御心配なく、とにかく来年はほとんど解消になりますよと、私にこう言っているんです。何かどっち聞いたらいいのかわからぬ、全く三木内閣の不統一なんというのは、この辺から出てくるんじゃないですか。国民は信頼していませんよ、そんなことを言ったって。物価担当大臣はそう言って、通産大臣は供給の加減で検討しなければならないと言うしね。この辺やっぱり率直に申し上げますけれども、確固たる信念を持った答弁をしてください。 それから指導価格は、やっぱりはね返ることははっきりしたんだから、日石さんがそう言っているんだから、日石さんが現に書類で出しているんですよ、PR紙で。日石PR紙の社内報でもって明確に出しているんだ、これは。指導価格を撤廃したら上がるということがはっきりしているとすれば指導価格を抑えるべきじゃないか、福田大臣の言うとおり。それから北海道に対しては、今日の実勢価格が値上がりの徴候を示しているので、先ほど左近部長の言うこと結構ですよ。そういう意味では特別行政指導価格もう一回出先の通産省なり道庁にしてもらいたい。これは当然やるかやらぬか、もう一回確かめたいと思います。この二点をもう一回お伺いします。
○政府委員(増田実君) この灯油の価格につきましては、従来、この参議院の商工委員会で対馬先生から何回もこれについての御要望、御要請その他ありまして、私どもは灯油の問題につきましては、従来のやり方その他も十分御説明したつもりでございますが、ちょっと若干くどくなりますが、私どもの考え方を申し上げたいと思います。 と申しますのは、灯油につきましては、これは先ほど言いましたように、直接民生に影響を与える品種でございます。また、先生から御指摘ありましたように、北海道では非常に大量消費するわけであります。これは私も北海道に一年おりましたから、暖房というものがいかに貴重であるかということにつきましては、またこれが生活費の中で非常に大きなウエートを占めるということは、私も身にしみて十分知っておるわけでございます。ただ、私はこの際、この前もこの委員会でいろいろ申し上げましたが、灯油については通産省としてはできるだけ低い価格でやる、しかしながら、それにもまして非常に重要なのは、供給を確保するということが大事だということをここで申し上げたわけでございます。 この灯油の価格につきましては、これは対馬先生十分御存じなことでございますが、従来普通でありますと、灯油というものはいわゆる軽油あるいはA重油に比べて高い。これは品質もいいわけですから高いものでございまして、私どもが行政指導いたします——石油危機の昭和四十八年の冬からいろいろ行政指導を行ったわけでございますが、それ以前の従来の価格というものはA重油、軽油よりも当然高くなっておるわけでございます。それが石油のはね上がりというものを物価対策という関係で、いわゆる行政指導というものをほかの価格を外しても続けてきたわけでございます。ですから、去年の八月十六日にほかの製品の価格は全部外したわけでございますが、灯油についてはこれは行政指導価格を従来のまま、六月の価格をそのまま冬を維持したわけでございます。その結果、現在灯油の価格が二万五千三百円、卸売、元売価格になっておるわけでございますが、たとえば軽油につきましては、これは二月で二万九千四百円平均になっております。A重油につきましても、二万八千六百円から八百円になっておるわけでございます。そういうことで、価格からいいますと非常に不自然な形に現在なっておるわけでございます。この不自然な形で価格を抑えるという政策を続けますと、これがはね返って供給の不足を生むということに、これは業界に対して全部出荷命令するわけにいきませんから、やはりどうしても灯油の得率が減ったり、あるいは灯油を軽油、A重油にまぜて使えばその方の量がふえるわけでございまして、いろいろな方法が事実上できるわけでございます。それで私どもが非常に心配いたしますのは、ことしの冬に、もしその灯油の供給が不足する、そして、ことに北海道あるいは東北の皆さん方に灯油の品不足を来すとすれば、これは私どもの責任は非常に重大である、こういうふうに思ったわけです。 ところが、これにつきましては、やはり価格の問題を直さなければならないという問題に突き当たっているわけでございます。私どもは何も石油業界の利益とかなんとかを考えてこういう問題を考えているわけじゃございませんで、石油、ことに灯油の供給を確保するということについて通産省が責任を負っておる。それにはいかなる方策をやるべきかということでやっておるわけでございます。先ほどの日石が七千円とかなんとか上げるというのは、私は言語道断だと思います。しかしながら、これについて現在の二万五千三百円をそのまま維持して、そして、ことしの冬に一般消費者の方々に全然品不足なしでやり得るかどうかということにつきましては、私どもは非常にその点を心配しておるわけでございます。現実に三月末の灯油のいわゆる在庫数量というものが去年よりも少ないわけでございまして、ことしの冬に向かいます九月に、私どもは供給計画で五百九十一万キロリッターの在庫を確保いたしたいと思っております。去年は幸いにしまして五百八十九万キロリッターまでの在庫ができまして、それで冬の供給におきまして消費者の皆さん方に心配ないように、それからまた理論計算ですと、先ほど先生からも御指摘がありましたんですが、二万五千三百円にしますと、従来の中間マージンをそのままにいたしますと、標準価格が六百三円という計算になるわけでございます。標準価格を通産省が計算して、そして、その後の中間マージンのいわゆる人件費値上がりその他を入れませんでも、六百三円という標準価格の計算になっておったわけです。 この委員会で対馬先生からも、またほかの委員の方々も灯油価格をできるだけ下げる、そして、六百三円というのは高過ぎるんじゃないかという御指摘があったわけでございます。そのときに私どもは、標準価格につきましてできるだけ早く定めたいと。しかし、これにつきましては理論計算をいたしますと六百三円になる。ところが、現実には相当増産させましたもんですから、むしろそれより下がるんじゃないかということで、私どもは標準価格を決める、決めると言いながらこれを決めなかったのは、むしろ決めるよりも供給が相当だぶついている現状からいえば、いわゆる店頭価格というものが六百三円を切り得るということで標準価格を決めなかったわけです。これは、先ほど先生から、標準価格を決める決めると当委員会で私どもが言っておきながら、決めなかったのはどういうわけかという御指摘がありましたので、これについてお答えしたわけでございます。 その結果でございますが、御存じのように、全国平均は六百円を切るということで、灯油が相当だぶつくと。これは一部天候の暖かい、いろいろな影響もあったわけですが、そういうことで標準価格を決めなかったことによりまして、私はむしろ、供給を増加さしてそして現実には理論数値よりも低い価格で一般消費者の方々に灯油を供給できた、こういうふうに思っておるわけでございます。 それから、北海道の問題につきましては、特に北海道は大量消費をし、生活に対しては先生がおっしゃられますように米と並ぶ生活必需品でございまして、この点につきましては、私どもはいろいろな面で北海道価格については、これは当委員会で対馬先生あるいはその他の方々からの御質問に対していろいろお約束もいたしておりましたんですが、これにつきましてはあらゆる努力を重ねたつもりでございます。それで、北海道に対する元売の出荷価格が内地に比べまして高いということについての御指摘がありましたのを、仕切り価格につきましてこれは本州並み以下に下げるように四十九年、昨年の十一月精製各社に対して要請いたしまして、これを実行させてもらったわけでございます。そして、それに基づきまして末端の価格につきましても引き下げの努力をするように各販売業者の方々に通産局が特に行政指導いたしまして行ったわけでございます。これにつきましては、北海道道庁もいろいろの協力をしていただいたわけでございますが、私は、その結果従来の北海道と全国平均との間の格差は縮まったものと、こういうふうに思っております。もちろん、私どもの努力につきまして、まだ十分でないという御指摘を受けるかもしれませんが、私どもといたしましては、北海道の灯油の重要性、それから、一般に石油製品の中でも灯油の重要性について十分認識しながら行政をいたしたつもりでございます。 それで最後に、これに関しましてちょっと申し上げたいのは、やはりいまの二万五千三百円というものを行政指導でこのまま維持するということによって、結果的には供給の不安定を来すという結果が出るというのを私ども一番恐れまして、これを解決すべくこの対策を考えておるわけでございます。 それから、指導価格を外すということが行われましても、外して後はただそのままほっておくというっもりは全くございません。その後の価格の値上がり状況、不当な値上がりをしたかどうか、これを逐一調べまして、十分な監視をしますとともに、また、必要であれば強力な行政指導に戻すということを行いたいと思いますが、やはり供給の確保を行いますためには、現在の二万五千三百円をいじらざるを得ないということにつきまして御理解をお願いいたしたい、こういうふうに思うわけでございます。
○森下昭司君 関連。 いま長々と長官の答弁を聞いておったのでありますが、やや脇に落ちませんので、しばらく、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。 その第一は、いま対馬委員が御指摘になりましたように、一方において灯油価格問題について指導価格の撤廃を言いつつ、最近石連の中に、石油業法の第十条と第十五条の発動を求める声がある。これは灯油問題とは全く逆のことを要求しておるわけであります。一方、不況カルテルの結成ということが叫ばれておりますが、不況カルテルの結成によるのか、あるいはまた第十条、第十五条の発動によってというようなことが真剣に検討されているようであります。全くいま長官の説明と逆のことになるわけでありますが、時間がありませんので詳しいことは申し上げません。 ただ、昨年指導価格制が廃止になりまして自由価格制になりましたが、その結果、いまA重油と軽油の問題を取り上げられましたけれども、その他C重油などは、石油販売会社の思惑どおり値上げが実施されていない、つまり大口需要家が値上げに応じていない。でありまするから、石油会社の思惑の六〇%程度しか値上げが実施をされていないというのが現状ではないかと思うのであります。そのことによっても大幅な実は赤字が存在をしているんであります。その点については、今度は逆に十五条の標準価格を決定してもらって、そしていわゆる何と申し上げますか、赤字を克服する。一方において、灯油は指導価格政策を撤廃して、そして大衆に肩がわりをして会社の赤字を克服していこうとする。こういう私は一貫性のない行政はよもや通産省おとりにならないのではないかと思うのでありますが、十条、十五条の問題についての見解をひとつお尋ねいたします。
○政府委員(増田実君) いま石油業界が、非常に原油価格が値上がりして、そのために製品の販売が逆さやになっていると。新聞に載っておりますように、非常に各社、これは民族系のみならず外資系も赤字決算になっておるということでございますが、これにつきましては、いま先生からお尋ねのその石油業法第十条、第十五条を発動するということについて石油業界がいろいろ言っていることについてどういうふうに通産省は考えておるかということでございますが、第十条は、これは石油の供給計画でございまして、供給計画は四月に決めましたばかりでございますので、これはその後の事情が変われば供給計画が変更いたしますが、現在は、定めたばかりでございますのでこれに基づいて発表いたしておるわけでございます。 それから、十五条がいわゆるその「販売価格の標準額」でございまして、「石油製品の価格が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合に」その標準価格を決めることができるということになっております。それで業界の一部に、標準価格制度というものをこの十五条を適用して定めることについての議論が行われていることは私ども承知しておりますが、私どもは標準価格を決めるということは現在のところは考えておりません。ただ、石油業界が非常に現在赤字で、そのためにエネルギーの基幹である石油産業というものが体質的に非常な危機に陥っているということは、これは現実でございます。
○森下昭司君 最後に大臣にひとつ念を押しておきますが、これは重要な問題でありまして、たとえばいま問題になっておりまする石油公団法の改正問題で共同備蓄会社をつくりますが、九十日備蓄の目標達成の、現在の六十日から三十日ふやすのでありますが、その三十日ふやす用地施設などを含めて、四分の一しか共同備蓄会社が責任を持たない。残り四分の三は各石油会社がそれぞれいわゆる備蓄の責任を負うというようなことになっておりますと、当然石油会社が赤字の上にそれだけの負担はできかねるというようなことにもなりかねないわけなんですよ。したがって、私はいま長官の御説明がありますれば、結局石連は、不況カルテルの認可を公取に申請する以外にこの窮状を乗り切れないというような考え方が強くなると思うのでありますが、その場合でも石油業法の第十五条を発動しないということをこの場で明言できるかとうか、大臣にひとつ。——これは政治的判断です、しっかり答えてくださいよ。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど長官がいろいろ答弁をいたしましたが、日本の基幹産業であります鉄鋼と並んで石油が非常に重大な役割りをしておるわけでありますが、この石油が経営的に非常に弱体になっておりまして、この三月期も非常に大幅な赤字が出ている、大変な苦境に立っている。それから、さらに現状が続きますと、この九月、来年の三月はどうなるかわからない、こういう異常な事態に直面をしているわけであります。私どもは、日本の石油産業がつぶれるということになるとこれは大変なことになりますので、どうすればこの体質を強化して産業の一番の大事な源である石油エネルギーを確保できるか、そのためには日本の石油産業というものをどう体質を強化したらいいか、こういうことにつきましていろいろ検討をしておるわけでございます。 いま御指摘の問題は、石油政策の一環としての備蓄との関連におきまして、価格政策をどうするかという御質問でございますが、現時点におきましては、不況カルテル等を許すというふうなことは考えておりません。まあ将来、いま申し上げましたように、一体どうしたらいいのかということについては……
○森下昭司君 十五条をどうするか。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在十五条を発動するというふうなことは考えてはおりませんが、将来の問題といたしまして、先ほど申し上げましたように、基本的に日本の石油産業全体をどうしたらいいのか、こういうことは当然早急に検討しなければならぬ問題だと考えております。
○対馬孝且君 大臣にもう一回基本的な考え方をお伺いしておきたいのでありますが、私は後から質問しようと思っていましたが、関連いたしておりますから申し上げますが、先ほど言ったように、石油開発公団法の一部改正にしたって、結論的には国の財源を使うわけでしょう。公団を強化をしようと言ったって、これは民間企業につながっているわけだ。あるいは共同備蓄にしたって、これは後から質問しようと思っていますけれども、大臣の談話が新聞に出た。これははっきりしておきますけれども、この財源だって、公債を発行するとか国債を発行するとか、あるいは共同備蓄のための石炭特別会計から金を支出をするとか、こういう言うならば国の、国民の税金をやっぱり石油開発のために使っているわけですよ。 もっと私は言いますけれども、これは後から質問したいと思っているんですが、現実に中国側との間に石油の輸入の開発が将来展望としてはなされるだろう。ところが中国の、中華人民共和国の石油価格というのは非常に価格的には安い、原油は安いと、こういう展望だってこれはあるわけです。したがって、私はいまの場合、この指導価格を撤廃をしたいというのは、先ほど言うようにすでに業界がPRをして、そして値段をつり上げるということを明らかにしていながら、政府がこの指導価格を撤廃をするというところに国民としてはやっぱり問題があるんじゃないかと、ここを言いたいわけです。すでに業界がそういうPRをしちゃっているわけだ。そこへ政府が何か裏打ちしたように指導価格を撤廃していくということになれば、もうはっきり値段がつり上がる、価格を上げるという仕組みの中で組まれているという、こういうことを常識的に考えるのは当然じゃないですか、国民の判断としては。 私は、あえてここで言いたいのは、先ほど長官が言っているんだが、この指導価格を撤廃をして、もし異常な価格になった場合については、とにかく行政指導をもう一回し直してやりますと、こう大臣も言っているんだが、私はこの点やっぱりいまの場合、もうちょっと——率直に申し上げますよ、私は。もう一回公聴会とかという形であらゆる国民各層の声を聞いたり、あるいは業界の声を取りまとめて聞いたりして、そういう段階を経てやっぱり指導価格を撤廃をするかどうかということについての一つの考え方をとってもらいたい、これが第一点であります。 それから第二点の問題は、左近石油部長、長官が言っているように、確かに十二月の一段階では本州価格との格差が縮まったことは事実であります。ところが、長官、これは部長もそうですが、四月はまだ入っていないでしょう。そちらに入っていますか。
○政府委員(増田実君) 三月までです。
○対馬孝且君 三月まででしょう。ところが、四月の段階では実は上がっているのです。先ほども私が申し上げた三十七円という本州との格差がついてきているのです。ですから、こういう問題があるので、北海道に関して去年も特別行政指導を行っていただいて、通産省はそれなりに努力をしていって価格が下がったことは事実であります。これは十二月の段階、一月の段階を見ておりますよ。しかし、四月以降の段階ではまだ本州との差がついてきている。そこに指導価格を撤廃をしていけば、またそれに便乗して業界がやることは事実でしょう。便乗値上げが行われているわけだ、去年の実績でも、北海道では。それは部長だってこの前認めたじゃないですか。ところが、いま日石がすでにこういうPRをしているという現状の中にあっては、私は検討してからというようなまどろっこいことを言わぬで、直ちに出先の北海道の通産局長と北海道庁に対して、こういう指導価格をめぐる動きの中で、仮にいま業界に便乗的な値上げの動きがあれば、私はこれは特別指導をしてもらいたい。この点について、ひとつ直ちにとってもらいたい。これはできないというなら、私は開き直りますよ。これは第二点ですよ。 それから第三点目の問題では、私は率直に申し上げて、去年も申し上げたのですが、工業用灯油とか重油との兼ね合いを盛んに強調されるのですが、大臣、これは、家庭用灯油は安くなっていいじゃないですか、その点では。先ほど言ったように、米と同じなんだから、食糧と同じなんだから、これは問題は政策ですよ。政策的には工業用灯油と家庭用灯油と価格差があってしかるべきだと思うんです。それは、政府が明年の段階では一けたの物価安定をすると言っているのだから、九・九%の物価安定をするために、石油が上がりました、鉄鋼が上がりました——これだっておかしいんですよ。 この前の物価特別委員会では、福田副総理が言っていることは、いま経済企画庁でアンケートをとったら、七〇%値上げをしたいというアンケートが出ていると私は質問しているのですよ。こういう動きに対して福田副総理としてはどういう行政指導を持っているのかということを質問したら、これは、この間の本会議でも言っているように、とにかく大企業の値上げ申請については抑えます、抑えなければ明年の一けた、九・九%の物価安定はいたしませんと、こう言っているわけですよ。そういうことからいって判断をしたとしましても、私は、やっぱりその石油の値上げを、指導価格を撤廃して認めていく。きょうの新聞によれば、また鉄鋼が上がる。こういうやり方では問題があるんだから、私はその点の措置を講じてもらいたい、こういう点を言っているわけです。この点どうですか。
○政府委員(増田実君) 灯油の価格につきましては、先ほどるる申し上げましたんですが、ただ北海道につきまして、四月に内地とそれから北海道との価格の差が出てきておるということは、私、直ちに調べまして、もしそのような状況が今後も続くということであれば、これは直ちに直すようにいたします。 それから灯油の問題につきましては、これは私どもは、先ほどの繰り返しになりますが、灯油がいかに重要であり、また、灯油の価格というものが国民の生活費に響く、ことに北海道、東北では非常に響くということは、これは十分頭に置きながらこの問題に対処いたしておるつもりでございます。単なる石油会社の赤字解消策として灯油を値上げをする、こういう気持ちでこれに対処しておるわけではございません。ただ、いかにも灯油の現在の価格は、やはりほかの価格に比べて不自然に低く抑えられている。こういう価格につきまして、多数の品種があり、そうして関連生産が行われております産業で一つだけを抑えるということにつきましては、これはいろんな無理が出てくるということで、この問題を解決し、しかも、その灯油につきましては、これは先ほども申し上げましたように、十分今後も監視していく、ただ、現在の二万五千三百円の指導価格につきましては、これをやはり外すという形にせざるを得ないということを申し上げた次第でございます。
○対馬孝且君 指導価格については外さざるを得ないというような考え方については、これは納得できません。私はそういう意味では、ひとつ再度大臣にお伺いいたしますが、この指導価格を撤廃するかどうかということについては、各層のやっぱり十分な意見を聞いて、慎重な態度をとってもらいたい、これが一つ。それから、北海道に関する四月以降の実勢価格は、本州と価格差が高まっているということについては、長官が特別指導するということですから、これは結構です。この点一つだけ、いまの指導価格の問題については、そういう各層の意見を聞いて、慎重なひとつ態度をとってもらいたいということについて、大臣の考え方をお伺いします。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来、私からも長官からも申し上げておるとおりでございますが、現在の二万五千三百円という指導価格は逆ざやになっております関係上、今後の灯油の需給を考えますと、この冬の必要量を確保することはいまのままではなかなかむずかしい。どうしてもこの冬を乗り切るためには、指導価格を廃止して、そして一定量を確保するということが必要であるという考えのもとに、いまいろいろ作業を進めておるわけでございまして、これを近く実行いたしました結果、そのために価格に非常に大きな変動を生ずる、それで皆さんに御迷惑がかかる、こういうことであれば、当然その時点におきまして、再び指導価格制に返るかどうかというようなことについて再検討いたしまして、大きな御迷惑のかからぬように十分配慮してやってまいりたいと考えます。
○対馬孝且君 この考え方だけは、やっぱり大臣の答弁では理解ができませんので、これは保留にして、ひとつ慎重な検討をされることを要望しておきます。これだけに時間をとるわけにいきませんから、その点だけひとつ要望申し上げておきたい、こう思います。 それでは次に、本題の石油開発公団法の一部改正に関する問題につきまして、これからお伺いをしたいと思います。 多様にわたっておりますので、時間もありませんから、簡潔にひとつお答え願いたいと思います。 まず、先ほど質問の中で中尾先生の方から出されました問題とも若干関連がありますが、角度を変えまして、エネルギーの需給の問題につきまして、わが国の国民経済の最も重要なエネルギーのあり方の具体的な構想の取りまとめという意味で出されているのが、政府のエネルギー白書であります。これは第一回がオイルショック前に発表されたわけでありますが、私の記憶では、第二回のエネルギー白書というものが発表されていないんではないか。したがって、これを国民の立場から考えますと、重大なエネルギーの問題に関心を払われているわけですから、この総合エネルギー政策の基本的な姿勢をどう考えているのか、これをまずお伺いします。
○政府委員(増田実君) まず、エネルギー政策の総合的な考え方ということについてお答え申し上げます。 この石油危機というものの以前とそれから以後におきましては、わが国のエネルギー政策につきましても質的な転換が出てきておるわけでございまして、従来は石油が世界的に非常に豊富でありまして、また、低廉であったわけでございまして、むしろエネルギーといたしましては、石油への依存度を毎年大幅に高めるということが結果として出てきたわけでございますが、これが石油危機を経まして石油が非常に高価格になり、またその供給について、これは中近東で戦争が起こった場合には、その供給が非常に不安定になるというような問題が出てきておるわけでございます。そういう意味で、石油をめぐります、石油を中心といたしますエネルギーの総合的な基本政策につきまして、新しい政策が立てられなければならない事態に来ておるわけでございます。 これにつきまして簡単に基本方向だけ申し上げますと、まず第一には、今後このエネルギーの確保、特に石油につきましては、消費国、産油国等すべての関係国との協調を図りながら、つまり、国際協調のもとにこの安定的供給を確保していきたい、いくということが第一でございます。 それから第二は、わが国のエネルギーの大宗を占めております石油に関しましては、その安定供給を確保いたしますために、各種の施策を行わなければならぬ、このためには石油の供給地域の分散化、それから産油国との間の直接取引、それから、現在御審議を賜っております石油開発につきまして、海外石油開発の積極的な推進、それからまた他方、緊急時に対処するための備蓄対策の強化というものを図っていかなければならぬ、これが二番目でございます。 それから第三番目は、国産エネルギーであります水力、それから地熱、あるいは国内石炭というものにつきまして、その確保に努めるということでございます。それらについて個々の政策は現在いろいろ検討いたしております。それからまた、いわゆる取り扱いといたしましては、準国産エネルギーであります原子力の開発を積極的に推進し、それによって輸入石油の依存度というものを低めていかなければならない。また、新エネルギーの研究開発を進めていかなければならないという点でございます。 それから第四には、需要面につきましても、新しいエネルギー環境に対処いたしましてエネルギーの節約を図る、これはいわゆる資源、エネルギーの節約というものを国民一人一人が図りますとともに、また、長期的観点からいわゆる省エネルギー型産業構造への転換を行われなければならない、こういうことでございます。 以上申し上げましたようなのが、大体その新しい事態に対処いたしましての総合的なエネルギー政策の基本方向でございます。 白書のことについてはまた——いま御返事……
○対馬孝且君 いましてください。
○政府委員(増田実君) それじゃ——いま申し上げましたのが基本政策でございますが、先生から、エネルギー白書が一昨年出ておるのに対して、その後出ていない、これについての考え方がどうかということでございますので、これについてお答え申し上げます。 エネルギー白書と普通言われておりますものが、正式の名前は「日本のエネルギー問題」ということで、これは資源エネルギー庁が一昨年の七月に発足いたしまして、発足後直ちに作業いたしまして、四十八年の九月二十五日、ちょうど石油の危機の始まります直前に「日本のエネルギー問題」という名前で発表いたしたわけでございます。それでこのエネルギーについて、いろいろ問題点があるということを指摘いたしたわけでございますが、これは白書ということでは銘打ってございませんし、また、定期的に出すということでなくて、そのときの時点の問題点というものを出しまして、現状の分析をいたしまして、最後に、こういういろいろな問題点がある、ついては、その「エネルギー政策の具体化を進めることが今後の課題である。」ということで結んでおるわけでございまして、政策でなくて、一応その現状分析ということで、そのときの問題点を出したわけでございます。 その後石油危機が起こりまして、むしろ先ほど先生がおっしゃられましたように、新しい事態に対処いたしまして、エネルギーの政策の立て直しというのが必要になったわけでございます。そういう意味で、私どもはこの現状分析だけではなくて、やはり新しいエネルギーの政策を打ち立てなければならない、これに基づきまして、去年は政策につきまして各種の検討を行ったわけでございます。その結果、これは先生御存じのように、総合エネルギー調査会の総合部会で、これは昨年七月二十五日でございますが、「中間取りまとめ」ということで発表いたしましたのが、この石油危機後の日本に対するエネルギーの供給が、長期的にどこまでが限界であるか、昭和五十五年度と昭和六十年度を示しまして、ここまでが——以上のエネルギーの供給は非常にむずかしい、また、それに達するのには非常に努力が要るということで、その努力のためにいかなる政策をとるべきかもここに掲げまして、それで発表いたしたわけです。 それからまた、各エネルギーにつきましては、これはその二日前ですが、七月二十三日にやはり総合エネルギー調査会の石油部会で、いわゆる石油の政策の「中間取りまとめ」というのを発表いたしたわけでございます。それ以外にたとえば原子力につきましても、総合エネルギー調査会の原子力部会の「中間報告」という形で原子力発電及び原子力産業の今後のあり方、政策の方向というものを出したわけでございます。それから石炭鉱業につきましては、これは総合エネルギー調査会でなくて、石炭鉱業審議会の総合部会で、新しい事態に処しての石炭の見方というものを出しまして、そして石炭鉱業審議会で、新しい事態に対処いたします石炭政策の見直しというものを引き続きやっておるわけでございます。なお、電気事業につきましても、電気事業審議会の需給部会で八月二十二日に中間報告を出しまして、長期の電力事情の見通し、それからそれに対する政策というものを出したわけでございます。 ということをいろいろ申し上げましたのは、つまり、エネルギーの問題につきましては現状分析ということではなくて、石油危機以後はやはり、エネルギー政策はいかに持っていくかということがむしろ課題になっておるわけでございまして、このいわゆる白書と申しますものも、今後政策が要るということでとめておるわけですが、それを受けまして、いまのように昨年の夏を中心といたしまして各種の政策を打ち出して、これを各新聞紙上でも発表されて、政策につきまして広く一般の意見も聞いておるわけでございます。 それから、それに引き続きまして現在やっておりますのは、昭和五十五年度、六十年度におけるエネルギーの需給がどうなるか、つまり、去年やりましたのは供給についてだけの分析であったわけでございますが、それをさらに広げまして、需給表というものをつくるということで、総合エネルギー調査会の需給部会で、昭和六十年度までの日本の総エネルギーの需給がいかになっていくかというものを現在作業をしております。それに基づきまして各種の政策というものを打ち出していく。また現在、内閣総理大臣を中心といたしまして、各閣僚が出席されます総合エネルギー対策閣僚会議というものが開かれておりまして、総理以下が、今後のエネルギーの総合対策をいかに持っていくべきかということに取り組んでおるというのが現状でございます。 そういうことで、私どもは現段階ではこういう形の白書でなくて、むしろ総合政策を打ち出していきたい。ただ、その総合政策を打ち出すに当たりましては、もちろん現状分析、現状の問題点というものも当然これは一緒に持っていきたいと思っておりますが、いまるる申し上げましたように、政策を現在作業いたしておる段階でございまして、こういうただ問題点だけを分析いたした段階の白書を発表いたすという計画は、現在のところは持っておりません。
○対馬孝且君 総合エネルギーに対する基本的な考え方ということが、一応いま答弁ありましたが、そこで原油にしぼってちょっとお伺いしたいんでありますが、四十九年度の原油輸入量は、国内の不況の反映もあるでしょうけれども、二億七千九百万キロリットルに大体とどまっているという。この昨年の七月に出されました総合エネルギー調査会の総合部会の取りまとめではそういう発表をされておる。そこで、今後の石油輸入量の見通しの問題なんですが、これはずばりお伺いしますが、五十五年度は大体四億ないし四億五千キロリットル、それから六十年度は大体五億ないし六億という数字を見込んでおるという一つの考え方がありますが、しかし、今日の民族系原油開発産油国との関係などを総合的に判断をした場合に、一体安易にそういう見通しを立てることができるのか、私はこういう一抹の、逆にシビアに考えているわけです。そういう問題について、ひとつ今後の石油見通しについてどういう趨勢をたどるかということについて、どう考えているか、これをお伺いします。
○政府委員(増田実君) 先ほど対馬先生に御答弁申し上げましたように、現在、最近の情勢変化を踏まえまして、総合エネルギー調査会の需給部会が中心になりまして、昭和五十五年度それから六十年度におきますわが国のエネルギーの需給がどうなるか、この中に石油が幾らになり、石炭が幾らになるということで、現在検討をいたしておりまして、大体七月ごろには一応の見通しが明らかになる予定でございます。 それから、先ほど先生から御指摘ありました五十五年度、四億ないし四億五千万、あるいは六十年度、五億ないし六億キロリットルという数字は、これは先ほども御説明いたしましたように、昨年の七月にわが国に対するエネルギーの供給の状況がどうかということで、大体この五十五年度、六十年度は去年七月の時点で、非常な政策努力と、それからその成功も見込んでここぐらいまで供給できるのではないかということで発表いたした数字でございますが、今度やっておりますのは、日本の需要がどれくらい伸びていって、それに対しまして石油の供給がどれくらいになるかということで計算いたしておるわけでございます。これ、いま先ほどの数字に比べましては当然低い数字が出てくるわけでございます。 それで、現在石油供給計画に基づきまして、一応昭和五十四年度までの原油の輸入量というものを計算いたしておりますが、これは生だき用の原油を含んでおりませんで、それより若干ふえますが、一応原油輸入量といたしまして発表いたしておりますのは三億二千万キロリットル、これはほかの各種のものをふやしましても、おそらく三億五千万前後になると思いますから、その翌年の昭和五十五年度がこの四億五千万という数字にはなかなかならないわけでございます。そういう意味で、ことしあるいは昨年度の相当な景気の停滞というものがございましたので、これに見合って今後の需要を計算し、今後の石油の供給数量というものを、先ほど申し上げましたように大体七月ごろには発表できるようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○対馬孝且君 それでは七月に、その問題は資料でひとつ明確に出していただきたいと、それをはっきりしておきます。 そこで、自主開発の問題でちょっとお伺いしたいのですが、昨年七月に出されました総合エネルギー調査会の中間報告では、石油の安定確保についてはこれまでの自主開発の原油、これは原油比率は三〇%という目標を捨てて、国際石油資本系の石油協力開発原油及び産油国との直接取引といわれるDD取引ですね、こういう石油というのは、私の感じでは入手方式の多様化をうたっているにすぎないのではないか。したがって、政府はどこまで責任を持って自主開発を一体行うのか、この基本姿勢についてちょっとお伺いしたいのですけれども。
○政府委員(増田実君) 先ほど中尾先生にも御答弁申し上げましたように、四十八年度は自主開発の比率が八・五%ということで、四十二年に総合エネルギー調査会で三割の自主開発、これに基づきまして石油開発公団が設立されたわけでございますが、その後七年たちまして、この三割の目標に対しまして非常に率が低いわけでございます。今後これを三割に持っていくというのは、私どもが一応目標としてはそのまま維持しておるわけでございますが、ただ現実から申しますと、自主開発原油が三割に達することは非常に困難であるし、また、これの達成はなかなか期待できないというのが現状だと思います。ただ、これにできるだけ近づける努力をいたす。 それから、先ほども中尾先生に御答弁申し上げましたように、今後の石油の安定的な供給の確保を図りますために、この自主開発原油以外に、いわゆる長期の直接取引原油あるいは政府間協定原油、こういうものを全部加えまして、そして、できるだけその率を多くいたしまして供給の安定化を図っていきたい、こういうことで考えております。そういう意味で、三割の目標につきましては、非常に困難であるということを率直に申し上げなければならない状況でございます。
○対馬孝且君 そこで私は、一昨年のオイルショックの際に、アラビア石油——わが国の原油の持ち込み量を、メジャー以下のも削減したことは御承知のように記憶に新しいことですね。そこで、このアラビア石油のケースなどを判断をいたしてまいりますと、わが国の場合は、いま答弁ありましたけれども、改めてやはり、自主開発とは一体何かということを具体的に国民の実感で考えていく必要があるんじゃないか。そうなりますと、やっぱり産油国が経営参加をしない場合でも、産油国と石油会社との新規開発契約では、生産段階に加入しておった場合に、産油国側が大幅な権限を持つということになるんではないか。そういたしますと、わが国の輸入割り当てがきわめて低くなってくるんではないか。しかも一方では、原油の九九%以上を輸入に頼っているわが国としては、現在のような流動的な石油情勢の中で、つまり、政府としてこの石油資源開発政策の基本的な態度というものをどこまで自信を持って進めていくのか、この点をちょっと確信のあるお答えを願いたいと思います。
○政府委員(増田実君) ただいま対馬先生から御指摘ありましたように、この自主開発した原油につきましても、これは産油国の政策その他によりまして、その全量を自由に引き取れるわけではございません。また、石油開発につきましては、従来に比べまして困難な状況がいろいろ生じてきております。しかしながら、そういう状況がございますが、私どもが石油開発を日本の石油政策の一つの大きな柱として推進しなければならないと考えておりますのは、一つには、今後の石油の供給源の分散化というものを考えておるわけでございます。そういう意味で、石油開発をできるだけ世界的に分散して行いたいということで、東南アジア諸地域、あるいは中南米その他における石油開発というものを進めていきたいというふうに考えております。 それから、確かに産油国が経営権を全部支配する、あるいは六〇%支配しましたときに、この原油の処分というものについてはいろいろな制約が加わるわけでございますが、しかし、日本が石油の開発に加わりまして、そこの国との間のいろいろな友好を深めていく、あるいはその関係を密接にしていくということは、やはりそれなりにいろいろ産油国との間の効果があるわけでございまして、現在でも各産油国から、いわゆる請負という形で開発に協力してくれという要望がいろいろ出てきております。これらにつきましても、私どもはこれらに参加して、そして産油国との間の経済協力を進め、また、世界における石油の生産をふやすということについて協力していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○対馬孝且君 大臣に、政治判断の問題ですからちょっとお伺いしたいのでありますが、先ほど私、灯油のときも若干触れましたが、いま通産省として、先ほど言ったような原油確保という観点、自主開発という観点から考えました場合、中華人民共和国との間の原油協定ということが安定化をする一つのあれになるのではないか、私はそう考えるわけであります。したがって、長期的な政府間協定についての話し合いを進めているやに聞いておりますけれども、もしこれが実現をすれば、わが国の原油輸入のチャンネルというのがかなり多角化して進むことができるのではないか。もっと言いますと、アラブの石油戦略に対する一つのこれからの交渉力の強化にも役立つということになるのではないか、こういう判断をするわけであります。したがって、政治的な問題でありますから、政府として、中国側との経済技術協力を含めまして、積極的に五年後にひとつ年間五千万トン以上の中国との原油契約を図る、こういったような政治姿勢に立っていられるのかどうか、それともそういう考え方をお持ちかどうかということを含めて、ひとつ政治的判断として大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど申し上げましたように、わが国の石油戦略の第一の問題は、安定供給ということであります。安定供給ということになりますと、これはどうしても輸入ソースを分散化しなければならぬ、こういう問題が起こってくると同時に、日本の力による開発という問題が起きてくるわけでありますが、その点に関連をいたしまして、中国の油をどう考えるかということでございますけれども、現在中国の油は、ことし約八百万トン輸入する予定になっております。昨年は四百万トンでありましたから、ほぼ倍になるわけでございますが、いろいろの情報を総合いたしますと、中国の埋蔵量は非常に多い、それから同時に、今後の生産量も相当大幅に伸びる、こういうことが期待できるわけであります。 ただ問題は、中国の油は品質上ちょっと問題がありまして、幾らでも買えるという性質のものではありません。特にインドネシアの油と競合するという性質のものでございます。そういうことがありますので、日本としても輸入し得る限度があるわけです。大体中国、インドネシアのような油は、日本の場合、ほぼ全使用の大体二割見当が輸入の対象になる、こういうことだと思います。ただしこれとても、いろいろ日本の精製施設というものを改良していけばいいわけでありますけれども、いずれにいたしましても当面はそういう問題がありまして、おのずから買い入れる限度というものがそういうことから限定される。品質の問題とインドネシアの油と競合するという問題、そういうことから無制限には伸ばし得ない。ただしかし、貿易の拡大という意味から言いまして、非常に好ましいことでございますから、今後どれだけ中国との油の取引を伸ばし得るかにつきましては、いま通産省挙げて懸命に取り組んでおるところでございます。まだ結論は出ておりませんが、前向きに取り組んでおるわけでございます。
○対馬孝且君 それでは、石油公団の機能強化の問題につきまして長官にちょっとお伺いします。 いまさら申し上げるまでもないのでありますが、石油政策の最も基本的な課題は、先ほどの法案の提案理由の中にもございますが、石油安定供給の確保であり、最近における海外の石油情勢の変化を考慮すれば、石油資源の何といっても探鉱開発ということ、私も炭鉱でありますからわかりますけれども、重要性が非常に大きいわけであります。したがって、わが国の石油開発の総投資額は昨年の場合は大体二千億程度、先ほどちょっと中尾さんとの関連の答弁もございましたけれども、メジャーの一つであるエクソンの一兆八千億のわずか十分の一にすぎないんじゃないか。したがって、これが百二十社に分かれて利権をあさっているというか、きわめて醜い争いが行われて、諸外国からも資源買いあさりの非難を受けているというのが今日の現況ではないかと、率直に指摘をしなければなりません。 したがって、こうした情勢に対応して探鉱開発を効果的にどう進めるかということについて、今回の改正案によりますと、公団の業務を若干拡充されることになるわけですが、この改正にとどめず、海外の石油資源探鉱開発の資金投資を一元的に実施をする、まあ一元化をしていく、一本に集約体系をとっていくという、そういう機能を付与することも含めて検討して、石油公団が真に海外石油開発の中核体となってその推進母体になっていく、こういうような体制整備を図る必要があるのではないか。もちろん、まあそういう考え方もちょっと強調されたようでありますが、提案している法案の公団のあり方の強化という面からいくと、その点はちょっと法案の条文を見る限りでは、そういった体制までの公団の強化ということになっていないんではないか、こういう感じがするんですが、この点どう考えているかちょっと伺います。
○政府委員(増田実君) いま御指摘のありましたように、現在の日本の海外における石油の開発の体制というものが、非常に小さな、しかも数の多い会社によって行われている、この点についてもっと見直しが必要じゃないか、中核的な石油開発の会社をつくって、それがこれを強力に推進するという必要があるんじゃないかという御指摘でございます。 これにつきましては、昨年の、先ほどもちょっと申し上げました石油に関します総合エネルギー調査会の石油部会の中間取りまとめ案におきましても、現在の開発体制につきまして、これをもっと強力に推進するための方途を見出すべきであるということで出ております。従来、いわゆるワンプロジェクト・ワンカンパニーという形でそれぞれの利権ごとにそれに合いました会社が設立されておったわけでございますが、その後、いわゆる統括会社というものができまして、これが中心になって資金を強力に集めるという形になってきたわけでございます。しかしながら、ただいま先生からもお話がありましたように、その中核的な会社があって、ここが資金力もあるいは技術力も、それから経験も持って、そしてそれが開発に力強く乗り出していくということにはまだなっておらないというのが現状でございます。そういう意味におきまして、これらをそういう方向で今後の石油開発の体制の強化を図っていくということが、私ども通産省の方の石油開発体制の今後の一つの課題だと思っております。 ただ、今回石油開発公団法の改正でお願いいたしておりますのは、いままで石油開発公団ができましてから約七年たっております。それから各種の石油開発の実情というものが、いろいろの経験によってネックというものが見出されたわけでございますが、それら現行法で処理し切れない点を業務の追加としてお願いいたしておるわけでございまして、これによって、石油開発の推進母体と言われております石油開発公団の業務を、現状に合わして強化していきたいということでお願いしておるわけでございます。これと同時に、先ほど申し上げました石油開発体制の強化というものを、これはやはり私どもが努力し、また業界の協力によって、そこに一歩でも近づけていくということをやっていきたいというふうに思っております。
○対馬孝且君 先ほど中尾委員の質問に対しましてお答えがあった問題でありますけれども、日韓大陸だな開発問題に関連いたしまして、違った意味で質問したいのでありますが、日韓大陸棚協定で示されている共同開発区域、これは韓鮮半島南端からかなり離れておるわけでありますが、ここに韓国の開発権を認めることが果たして妥当なのかどうかという問題、そうして、もしも日本がこれを認めるとすれば、この海域は大陸だなからの自然延長ということに区域が発展していくわけですから、この場合やっぱり問題になることは、中国の主張に対してどう受けとめているか、どうこたえていくかということが非常な問題ではないかと見るわけです。先ほど質問ございませんでしたが、この点どういうふうに見ているかということをちょっとお伺いします。
○政府委員(増田実君) 韓国南部とそれから日本との間の共同開発地域につきましては、この地域がいわゆる中間線から日本寄りになっておるわけでございますが、ただ、地域的に言いますと、韓国側の理論では自分の方の大陸だなの延長線上であるということで、これは数年前に自国の大陸だなだということで、すでに鉱業権を数社に与えてしまったという事実が出たわけでございます。 これに対して、当然日本側から厳重に抗議をいたしまして、これについて日韓関係の一つの重要な解決すべき問題ということで残されたわけでございますが、ただ、この地域が石油の相当量の埋蔵の可能性があるということで、これにつきまして両国で紛争を続けたままでは、そのままこの地域は放置されるということで、一応法律上の権利関係というものをたな上げにいたしまして、そしてここを両国間の協定で、共同開発ということで同額の資金を出し、それで生産されましたものをお互いに半分ずつ分け合う、こういう日韓の共同開発というもので現実的に解決することでここの紛争を処理いたそうということで、この協定ができ上がったわけでございます。これにつきましては、もちろん現在いろいろ議論が行われております海洋法会議との関係その他いろいろございますが、これにつきましては、石油の開発を早くしなければならぬと、その重要性から、両者が、妥協と申しますか、協力の事業をやるということで現実的に解決するという形になっておるわけでございます。 それから、先生からお話がございました中国との関係でございますが、中国との関係につきましては、これは中国側につきましては、日本側がこの問題につきましていつでも話し合って、そうしてこの問題を円満に解決し合いたいということで中国側にも連絡しておる状況でございますので、これにつきましては、日本と中国政府との間で今後円満な話し合いが行われるということを前提にいたしてこの問題を解決いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○対馬孝且君 そこで、先ほどの石油備蓄との兼ね合いでちょっとお伺いしたいのでありますが、石油の備蓄を九十日にふやすという計画で、衆議院の段階で備蓄法案が出されるわけであります。いずれ参議院に来ると思いますけれども、現在、六十日から三十日分をふやして九十日備蓄を実現するということを言っているわけですが、結果的には、新たに二千万平方メートルの土地代を含め一兆五千億の資金が必要であると言われておるわけですね。また現在は、水島のコンビナート事件からずっと見まして、タンクの事件が相次いで起きているときに、一体九十日ふやして、今日の世の中は、やっぱり公害問題で住民のコンセンサスを得ることが第一条件だと言っているときに、通産省は九十日分にふやしてタンクをどんどん拡大していくと言ったって、これが一体地域住民に受け入れられるというような、そういう条件の中に置かれているのかどうかという問題ですよ。また、そういう用地が一体確保できるのかどうか、こういう考え方についてどう考えているのかということをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(増田実君) 石油の備蓄につきまして、これはこの前の石油危機の経験その他から見ましても、また、日本の石油依存率その他から考えましても、やはり少なくとも九十日を備蓄しなければならないというふうに私ども考えておるわけでございますが、ただ、これを備蓄するに当たりましては、ただいまのお話ございましたように、備蓄基地というものをどこに設けるか、また、これに対する安全問題をいかにするかということがきわめて重大な問題でございます。ことに、昨年の暮れに非常に不幸な事件であります水島の事故が起こりました。こういうような事故が再び繰り返された場合には、これは備蓄というものは成り立たないわけでございますので、私どもの方といたしましては、この安全性についても十分なあらゆる措置を行って、その上で備蓄を行いたい、こういうふうに考えております。 このために、今回の予算につきましても、この安全調査の費用を各府県に調査費として出しておりますし、また、私どもの方でも、各種の安全に関する調査をいたしております。ですから、その石油備蓄基地というものの建設に当たりましては、保安、安全問題、それから災害対策その他を十分な措置を行いました上で行っていきたい、こういうふうに考えております。また、これにつきましては、もちろんその地域の住民の十分な御理解を得て、そして推進いたしたいということで考えておる次第でございます。
○対馬孝且君 まあひとつ時間に協力する意味で、最後に一つだけそれでは申し上げます。 新聞報道によりますと、通産大臣の談話がここに載っておるんでありますが、これによりますと、備蓄のための財源確保の問題で、消費税を増設をしたり、公債検討もしているというような見出しで、利子補給だけでも五百億円を超すというようなことで、これは五月五日付の工業新聞に出ているわけです。まあ時間がありませんから、中身はもう省略しますけれどもね。 そこで私は、ここで備蓄をするための財源対策についてお伺いしたいんでありますが、これを見ますと、石油消費税の創設をするとか、備蓄公債の新設をするとか、あるいはガソリン税の増税、そのほかに一番私は問題だと思いますのは、石炭・石油特別会計の見直し等が考えられているということが言われているわけであります。先ほど総合エネルギーの基本政策で長官に質問したように、六月末に石炭の答申を得て、ひとつ石炭を見直していきたい、そういうエネルギーの中で石炭の位置づけをしていますという片っ方では答弁して、見直して強化をしていきましょうと、こう言っていながら、片っ方では石炭・石油特別会計からこの財源を充てると、これでは私はちゃらんぽらんじゃないかと思うんだな、言っていることが。いまこそ石炭対策については見直します、ことしはもう全く石炭見直しの勝負の年でありますと、こういってすでに法案が通産省の段階では準備をされている。こういう中で、これはむしろ財源を強化しなければならぬですよ、石炭の対策のためには。しかも、第三セクターというような方式が言われていますけども、これはいいとか悪いとか、これは別の機会に論議しますけれどもね。 そういうときに、何かここで、石炭と石油特別会計だけじゃなくて、石油消費税、かれガソリン税の創設、そのほかに公債の発行なんて、まるで国民の全部、何から何まで物価値上げの折、ダブルパンチで、片方でびんたをはたくというような、こういったような大体物の考え方が、これは私に言わせれば発想が狂ってるんじゃないか。ここらあたりをひとつ大臣の基本的な、新聞に出ているとおりの考え方なのかどうか、それとも本当にこの総合エネルギーの中で石炭を見直すというならば、石炭・石油特別会計から財源を持ってくるという間違ったような考え方を持たないで、当然この備蓄のための特別財源というものは、客観的に見てやっぱりどういうことが一体あるべきなのか、この点を大臣、政治判断の問題ですから、大臣にひとりお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 五月初めに私がそういう談話をしたということは、これは何かの間違いだと思います。そういう発言もしたことはありません。ただしかし、この石油の備蓄九十日というものは、これはどうしても進めていきたいと考えております。そのためには、ことしの分は、御案内のような財源措置を講じておりますが、来年度以降は相当金が要りますので、やはりこの財源にはいろいろ検討していかなきゃならぬ、こういうことは当然起こってくるわけでございます。まあ財源をどうするかということについては、これからの大きな課題だと思います。いまいろいろ検討をしておるところでございまして、具体的にいま申し上げるような段階ではございません。
○対馬孝且君 そこで、それではひとつはっきり申し上げたいのは、石炭・石油特別会計から持ってくるというような考え方はございませんね。これは石炭を強化しようという見直し強化で、財源がむしろ予算上拡大しなきゃならない情勢にあるんですから、この点だけはっきりしておきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 石炭の問題は、現在のエネルギー事情から、私どもも非常に重大に考えております。来月、多分答申をいただけると思いますが、その答申を受けまして、しっかりした石炭政策を樹立したい、こういう考えのもとにいま準備を進めておるわけでございます。したがいまして、どういう形になりましょうとも、石炭の財源は減らすことはございません。むしろふやす方向で考えておるわけでございまして、備蓄政策のために石炭にしわが寄ると、そういうことは考えておりません。
○対馬孝且君 それじゃ、以上をもって質問を終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 他に御発言もなければ、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後一時八分休憩 —————・————— 午後二時三十九分開会
○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安武洋子君 今度の石油開発公団法の改正で備蓄に対する投融資が入っておりますので、まず最初に、備蓄問題に関連して御質問いたします。 まず第一点は、備蓄目標を六十日から九十日にしたその理由をお聞きします。それで、河本大臣は、九十日の備蓄はわが国の基本政策、こういうふうな御答弁をなさっていらっしゃいます。 それから、昨日発表されましたIEAの閣僚会議のコミュニケでも、七月一日までに九十日分に引き上げる決定をすることを確認して、各国がこれに合意をしたというふうに発表されておりますけれども、一体この六十日から九十日にしたその根拠は何なのか、この二点をお伺いいたします。
○政府委員(増田実君) わが国の備蓄政策につきまして、本年度を初年度といたしまして、昭和五十四年度に九十日を目的という目標を掲げたわけでございますが、この九十日の根拠は何かという安武先生からのお尋ねでございます。 これにつきましては、一昨年の石油危機の経験から、その当時は五十九日、約六十日の備蓄があったわけでございますが、こういうような事態に対処いたしますのには九十日では不十分であるということを、前回の石油危機の経験によって私ども知ったわけでございます。この備蓄につきましては大体欧州諸国、これはフランスとかイギリスとか、その他の国々が大体九十日か百十日の備蓄を持っておるわけでございまして、やはり先進の西欧諸国の基準から言いますと、少なくとも九十日分を確保することが必要である、こういうことで、私どもも最低限西欧諸国並みの水準に引き上げたい、こういうことでございます。 それから、先生からお尋ねがありましたIEAとの関係でございますが、いわゆる……
○安武洋子君 いいえ、それは聞いておりませんですよ。私が聞きましたのは、九十日備蓄の理由と根拠です。
○政府委員(増田実君) それじゃ、いま申し上げましたようなことで九十日備蓄の目標を掲げた次第でございます。
○安武洋子君 いまのお答えでは、西欧並みの水準に引き上げたいのと、それから、一昨年の石油危機を経験したから、九十日分を持っていないと国民生活に影響が出るというふうなことのお答えですけれども、それでは九十日備蓄の合理的な根拠にはならないと思うんです。 重ねて大臣にお伺いいたしますけれども、なぜ九十日備蓄がわが国の基本政策なのですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 科学的に九十日ということを立証することは大変むずかしいわけでありますけれども、先ほど長官が言いましたように、大体ヨーロッパも全部九十日またはそれ以上持っている。わが国はそれよりも事情が悪い、ヨーロッパよりも石油事情が悪い、そういうことから、過去の苦い経験等もありますので、この際何とか西欧並みの九十日に引き上げまして、そして石油面での心配を少しでもなくしたい、こういうことで、 一応九十日という目標を掲げたわけでございます。
○安武洋子君 いまのお答えでも私は、合理的な根拠とは言えないと思うんです。資源エネルギー庁発行の資料「石油開発公団法の改正について」、これによりますと、備蓄の目的として国民経済上の安全の確保、それから世界有数の消費国としての責務、こういうことが述べられているわけです。三月二十六日の衆議院の私どもの野間議員の質問に対して増田長官は、この先進諸国の大半の基準である九十日にしたとか、それは非常に合理的な根拠があるというふうには思っていないとか、御自分でこういうふうな御答弁なんですけれども、いまお伺いしていても私は、合理的な根拠があるというふうに思えないわけです。合理的な根拠がない備蓄計画がなぜ国民の安全の確保になるのか、その理由をお伺いいたします。
○委員長(林田悠紀夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
○政府委員(増田実君) いま先生から三月二十六日の衆議院商工委員会で、私の答弁につきまして、それが非常に合理的な根拠があるということではないと、私が野間議員に対して御答弁いたしましたについて御指摘があったわけでございますが、九十日というものの根拠ということにつきましては、先ほど申し述べましたように、前回の石油危機の経験を生かしまして、少なくとも九十日が必要である。 これについてもう少し私が御説明申し上げますと、前回の石油危機におきましては、十月現在の備蓄量は五十九日であったわけですが、これが翌年の二月になりまして大体四十九日に減ったわけでございます。それで、備蓄につきましては、四十九日分あれば相当一月半以上あるという形になるわけでございますが、前回のその時点の経験から言いますと、これが四十五日あるいは四十日を切りますと、たとえば石油の流通経路の問題あるいは生産、いろいろな原油をまぜて生産をいたすわけですが、そこにいろいろな故障が生ずるということで、六十日持っておりましても、実際に食いつぶしのできるのは二十日分ぐらいということが判明いたしたわけでございます。その意味で、六十日分の備蓄というのは、エネルギーの大半を石油に依存しておりますわが国にとりましては非常に少ない量で、これをふやしたいということで、たとえば九十日になりますと、六十日のときに使えますのが二十日分と、倍以上、つまり三十日が加わるわけでございます。 それから、大体この前のスエズの動乱と申しますか、その前の前の中東戦争のときの経験で、欧州諸国がそれぞれ備蓄を行いまして、このときにOECDその他で一応の基準ができたわけですが、このときに欧州諸国は、九十日を持っていこうということでやったわけでございます。これによりまして、すでに前回の、一昨年の石油危機以前に欧州諸国は九十日あるいはそれ以上というものの備蓄をいたしたわけでございます。そういう意味で、九十日というものが一応世界の常識となっておるわけでございます。 それで、衆議院商工委員会の答弁でも、私は、ただ合理的な根拠がないということだけで御説明申し上げたわけじゃなくて、一応常識的な目標としては九十日だと思いますということも野間議員に申し上げておるわけでございます。そういうことで、九十日ということが一応世界の常識になっておる。ただ、九十日あればどんな危機でも大丈夫かということになれば、これは九十日は九十日の分しかございませんから、そこで非常に合理的ではございませんということを申し上げたんで、九十日そのものが合理的でない目標であるというふうに答弁申し上げたわけではないので、その点だけ若干くどくなりましたが、御説明申し上げた次第でございます。
○安武洋子君 いまお聞きしておりましたら、多ければ多いほどいいんだというふうなことにもなりかねないわけですけれども、これはまた後で質問するとして、「世界有数の石油消費国としての責務」、こういうことがうたわれているわけですけれども、これは具体的にどこに対してどういう責務をどういう方法で果たすのか、どういうことを指しているのか、このことをお伺いしたいんですが。
○政府委員(増田実君) 消費国が今度IEP、緊急融通計画というものにそれぞれ加盟しておるわけです。これは御存じのようにフランスは入っておりませんが、それ以外の世界の大消費国は全部加盟しておるわけですが、ここでいわゆる緊急時におきまして融通するシステムができ上がったわけでございます。ここでは消費国が大体同じ備蓄を持つということで、もし石油の供給がとまりましたときに、これは具体的には最初は七%ということが基準になっておりますが、七%以上削減になりましたときに、各国が節約をするとともに自分の備蓄を食いつぶしていく、こういう形になっておるわけでございます。そういう意味で、世界の石油の消費国というものが相当な備蓄を持っておらなければ、自分だけが備蓄を非常に少なくして、そしてほかから融通を受けるということは、これは私どもはそういうことはできない、こういうふうに思っておるわけでございます。
○安武洋子君 いまの長官のお答えは、言葉をかえて要約しますと、世界有数の石油消費国としての責務、こういうのは結局はIEA加盟国に対する責務、これは石油の融通制度で果たしていく、こういうことになると思うのです。これ以外に私は説明のしようがないんじゃないかと思いますけれども、間違いございませんね。
○政府委員(増田実君) これ以外ないということになりますと、私は、日本がやはり相当な石油の備蓄を持ちまして、そして、もし石油の供給が不円滑になりましたときにも、それに耐え得る体質を持っている。これによりまして、たとえば日本は、東南アジア諸国に対していろいろな原料を供給しておるわけでございますから、石油が少しでも供給がとまった場合に、日本の経済というのが直ちに破綻を来して、そしてそこの、日本を頼りにして、日本の半製品その他を使っておりますいろいろな国々に対して原料供給ができないということは、これはやはり世界の中における日本としての責務が果たせられないという点があるわけでございます。ですからIEPの融通機構におきましても、この一定の備蓄というものは持つべきでございますし、また、日本が世界における地位から言いまして、一定の備蓄というものを備えなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
○安武洋子君 いまのことは原則的な問題じゃなく、それは付随的な問題だろうと思うのです。今度このコミュニケの中で緊急融通制度、これが確立されたことはお互いに認め合っておりますね。この効果を確保するために備蓄を九十日分に引き上げる、こういうふうにしてIEAの中でお互いに確認し合っている。そうして石油融通制度を確立していくんだということが言われておりますから、これがあくまでも基本になろうかと、私はこういうふうに思うわけです。 それから次に、IEAとIEPの性格についてお伺いしたいと思うのですけれども、石油危機以降いろいろな経過があったわけです。そしてIEPの作成、IEAのOECD内での設立、こういうことになってきたわけなんですけれども、IEAとかIEPとかこういうものの作成、設立、この経過を説明していただきたいと思います。
○政府委員(増田実君) このIEPの作成、IEAの設立の経緯についてお答え申し上げますが、これは一昨年の十月に石油価格の大幅な値上げ、あるいは第四次中東戦争を契機といたしまして、OAPECによります生産削減、それから石油の禁輸、作給削減というものがあったわけでございます。これらによりまして、石油輸入に依存している石油消費国経済は非常に混乱に陥ったわけでございます。このような事態に対しまして、先進工業国は、このアメリカのキッシンジャー国務長官の呼びかけで昨年の二月、ワシントンにおいて主要消費国が集まりまして、その対策を協議いたしたわけでございます。これがいわゆるワシントンにおける石油消費国会議でございまして、昨年の二月十一日から十四日まで開かれたわけでございます。 この会議におきまして、いろいろエネルギー問題の今後の解決というものが討議されたわけでございますが、このためには、一つには消費国間における協調と申しますか、エネルギー節約とか、あるいはエネルギー源の開発というものを行わなければならない。これらのやり方につきまして、この消費国会議の後、そのフォローアップ機構といたしまして、いわゆるECG、これはエネルギー調整グループというものが、ワシントンの消費国会議の参加国によって設立されたわけでございます。ただ、これにはフランスは参加いたしておりません。消費国会議の方はフランスは出たわけですが、この後のECGの方にはフランスは参加しておらないということでございます。 このECGにおきまして、昨年の秋まで各作業グループが各種の討議をいたしまして、その報告のもとに、いわゆる消費国間の協調体制といたしましてIEP、国際エネルギー計画というものができたわけでございますが、この計画の中の内容といたしましては、緊急時における石油の融通の問題、それから平常時における節約の推進、その他開発に関する長期協力ということ、あるいは産油国と消費国との協力体制というような各種の項目が出ておりました。この協定案が作成された、これがIEPでございます。それから昨年の十一月十五日に、IEPに基づきましてOECDの中に国際エネルギー機関、これがIEAと言われておるものでございますが、これが設置されまして、そうして、ECGに参加した各国がそれぞれこれに参加したということでございます。 大体以上でございます。 IEAというのが国際エネルギー機関でございまして、それでIEPはそのもとになっております国際エネルギー計画と言いますが、この消費国間の協力体制を協定いたしたものでございます。
○安武洋子君 いまのIEAとかIEPの設立、作成でございますね、こういう経過をいまお伺いしたわけですけれども、これはアメリカの指導のもとに、アメリカの石油戦略に基づいてこういう計画が進められ、そうしてIEA、IEPが設立、それからまた作成された、こういうことが明らかだと思いますけれども、そのようにお認めになるでしょうか。
○政府委員(増田実君) いま先生がおっしゃられましたように、IEAはアメリカが非常に消費国間の団結というものを説きまして、そのアメリカがこの設立を非常に推進したということはおっしゃられるとおりでございますが、ただ、このIEPの内容につきましては、これは先ほど御説明いたしましたように、昨年の二月にワシントンで石油消費国会議が行われました後、各国がブラッセルに場所を変えまして、ワシントンの消費国会議に参加いたしました各国の代表がみんなで討議して、そうしてつくり上げたわけでございます。 ですから、その意味では、これのイニシアチブをとってこういう消費国の団結というものをつくろうということは、確かにアメリカのイニシアチブによって行われ、また、キッシンジャー国務長官が非常にそれを強く主張したということはそのとおりでございますが、しかし、このIEPあるいはIEAにつきましては、その後何回もECGの会議が行われまして、各国の意見というものも持ち寄りまして、そうしてできたわけでございます。ですから、その意味ではこのIEP協定につきましても、この内容には日本の意見も相当入っておるわけでございまして、何もアメリカが決めたものにみんな従って、そのとおりのものが実施されているということではございません。
○安武洋子君 これは消費国の団結を呼びかけてアメリカがイニシアをとったというふうなことなんですけれども、IEPの性格、それからIEAの性格についてキッシンジャーが演説をしているんですね。 これはシカゴにおけるキッシンジャーの演説ということで、去年の十一月十四日シカゴで行われておりますけれども、その中で、IEPは、「全面的もしくは部分的禁輸が生じた場合にとられる共同の行動に対し、くわしい青写真を与えるものです。IEPは産油国に対する挑戦ではなく、防御的取極です。」と言いながら、「しかし、IEPは外圧に対して弱い立場にとどまることなく自らの将来を形成しようとの消費国の決意」と言い、そして、このことを「産油国は知るべきで」ある、こういうふうに演説しているんです。しかも「IEAとIEPは、私たちの努力の最初の成果」だ、こういうふうに評価しながら、これは「基礎に」すぎないから、「青写真を実行に移さぬばならない」こういうことで、IEP、IEAの性格が産油国に対して力の威圧を与えるものであることを、産油国はそれを知るべきだ、こう力説をしているわけです。私は、これはやはりアメリカの石油戦略に基づいてこういうものがつくられたという裏づけになろうと思いますし、しかもなお産油国との対決、これをアメリカが基本にしているということは枚挙にいとまがないわけです。 アメリカのキッシンジャー長官のこれは二月三日のナショナルプレスクラブの演説、やはりやっているわけです。これは「エネルギー協力のための戦略」というふうなことで演説をしておりますけれども、この中に、「われわれとわれわれのパートナーは過去一年間IEAにおいて三つの局面における戦略を追求してきました。第一の局面は緊急事態に対する防衛です。われわれは石油またはオイル・ダラーを政治的武器として使用することを思い止まらせるための準備ができていなくてはなりませんし、これが失敗した場合には、実行可能で最も有利な防御体制のうちにわれわれをおいておかねばなりません。このため、われわれは新たな禁輸に対処するためのエネルギー融通計画を設立し、またわれわれの金融制度が撹乱されるのを防ぐための新しい仕組みを創設しました。この段階におけるわれわれの共通の戦略は、完成への軌道にうまく乗っています。」、 それから、「第二の局面は、OPECの石油に対する市場条件を変えることです。われわれが輸入石油の消費を削減し、代替資源を開発するために断固たる行動をとれば、価格に対する圧力は増大するでしょう。この自的を達成するための手段は今IEAないし議会で検討されております。われわれは三月の末までにこれらに関して重要な合意に達することを期待しています。」、これがキッシンジャーの演説の内容なんです。まだ幾らもあるわけですけれども、こうキッシンジャーが意図を明白にしているわけです。これでも通産省の方では、アメリカ主導のしかも産油国との対決を目指している、こういうことをお認めになりませんでしょうか。
○政府委員(増田実君) 昨年の十一月十四日のキッシンジャー演説というのは、非常にきつい口調で言われてます。また、その前後に、世界エネルギー会議におけるフォード大統領の演説もまた相当強い口調で、これが相当産油国側においてもいろいろの議論が巻き起こったということはそのとおりでございますが、ただ、私が申し上げたいのは、国際エネルギー計画というものは、これは確かにアメリカのイニシアチブと申しますか、アメリカの熱意でワシントン消費国会議が発端となってできたわけでございますが、ただ、この内容につきましては、先ほども申し上げましたように、場所をブラッセルに変えまして、そして参加各国がそれぞれ意見を出しまして、その上でできたわけでございます。 ですから、これのでき上がりましたものについて、またキッシンジャー国務長官がいろいろ強い口調でこれに対する解説をしているわけですが、ただ、これに加わりました、たとえば日本とか、あるいはイギリスとかドイツという国々は、産油国との間のいわゆる対話、協調というものの必要性、つまり、IEPというものが産油国との対抗のためにするものではないということを十分意見を出しておるわけでございます。また、でき上がりもそういう形になっておりまして、これは先生御存じだと思いますが、前文にも、「消費国、産油国間でより良い理解を得る機会を促進するため、他の形での協力とともに、目的をもった対話を通じ、産油国及び発展途上国を含む他の石油消費国との協調関係を増進することを希望し、」云々ということで、ここにも産油国と消費国との間のよりよい理解、対話というものをうたっておるわけでございます。ですから、先ほど先生がおっしゃられたいろんな演説のトーンとは、調子とは、各国がみんなでつくり上げました国際エネルギー計画とは、これは、この計画の方は産油国との関係その他いろいろ考えてつくっております。 ただやはり、もし石油というものが供給がとめられる、あるいは大幅に削減されるという場合には、消費国は、その経済のみならず国民生活が非常に大きな打撃を受けるわけでございますから、消費国の立場としては、やはりある意味の自衛の手段を講じなければならないという立場にあるわけでございます。そういうことで、これは攻撃的というよりもそういう事態が生じた場合の自衛手段をここに取り決めた、こういうふうに私どもは解釈しておるわけでございます。
○安武洋子君 キッシンジャー長官は、確かに対話の必要性ということは強調しているんです。しかし、どういう立場で強調しているかということが私は大変大事だろうと思うのです。これはキッシンジャー自身の演説ですけれども、十一月の十四日シカゴで、「消費国間協力の必要性」ということで彼自身が演説をしております。これは、「対話の必要性には同意しますが、それはより強固な消費国間の団結の構築をともなうものでなければならず、私たちのアプローチの中心は消費国間の協調でなければなりません。」こういうことで、消費国間の協調というのも、これは産油国に対決する姿勢の中で打ち出されているわけです。 さらにキッシンジャー長官は、「石油価格の引下げは消費国と産油国との対話によるだけではもたらされないでしょう。石油価格の引下げの客観的条件が整った時のみに下落するのであり、それ以前には下がらないでしょう。」こう言っているんです。「彼らは私たちの社会と経済への損害に対する抗議にも納得しません。」こういうふうに言って、その理由としてあげておりますのが二点あります。「彼らを守るような行動をあまりとってこなかったからです。」そして、「西洋社会は、産油国を仲間とせず、時には搾取したからです。」こういうことを自身は言っております。しかし、西洋社会は産油国を仲間とせずに、時には搾取をしてきたと言いながら、この姿勢を改めるということはどこにも言ってないと思うのです。そういう立場で対話を強調するということで、私は、これは本当の対話ではないというふうに思うわけです。 それから、ことしの三月六日のOPECの首脳会議の宣言でも、相手側はどういうふうに見ているか。これは、「各国の天然資源の所有、開発及び価格の設定に関しての譲渡できない主権的権利をあらためて宣言し、これらの基本的権利、従って各国の主権に挑戦するような考え又は企てはすべてこれを排除する。」、それからまた、「OPEC加盟国が先進国経済の崩壊を意図しているとまでする威嚇、宣伝キャンペーン及び諸々の措置を非難する。」、また、「対立を目指す消費国のグループ化ならびに、OPEC加盟国に対するこのようなグループによる経済的または軍事的侵略の目的をもついかなる計画や戦略も非難する。」、こういうふうに述べております。アメリカを中心とする消費国の結束、これによる産油国との対決、これを首脳会議は厳しく批判をしているわけなんです。これでも通産省は産油国との対決を目指すものであるということをお認めにならないんでしょうか。
○政府委員(増田実君) 通産省と申しますより日本政府の考え方といたしましては、石油あるいはエネルギーの問題につきまして、国際協調のもとにこの問題を解決していきたいという基本的な姿勢は維持しておるわけでございます。そういう意味で、産油国と消費国との間が、対話を通じましてこのエネルギー問題の解決に持っていきたいというふうに考えておるわけです。これにつきましてアメリカが相当強い姿勢を示し、特に昨年の十一月前後にはいろんな演説におきまして、キッシンジャー国務長官が非常に強い口調で演説をしたということは、私どももちろんその情報に対して日本との立場との差を感じておるわけでございます。そういうことで、日本は一貫して産油国との間の対話というものが必要であるという立場を持っておるわけでございますが、先ほど先生がおっしゃられましたように、ただキッシンジャー外交に日本が追随して同じ立場をとるわけではございません。 それから、いまの国際エネルギー計画につきましては、先ほどもるる御説明いたしましたように、これはアメリカが文章をつくったわけでございませんので、消費国各国がみんな共同してそしてつくり上げた文章でございますので、これとそれからアメリカの政策とは別であると思います。それからまた、最近に至りますと、最近ではキッシンジャー演説、それから、パリにおけるIEAの閣僚理事会におけるアメリカの態度その他を見ますと、この昨年の十一月の演説のときの口調とは打って変わっておりまして、産油国との間の対話というものを非常に強くキッシンジャー国務長官も説いておるというように情勢が変化いたしておるわけでございます。
○安武洋子君 大臣帰られましたので——お答えが保留になっているんです。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどの六十日備蓄を九十日にふやすという問題でございますが、科学的根拠を数字を挙げて明確に説明をするということは、これはむずかしいわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、わが国は石油の面で全部輸入に頼っておる、こういう状態でございますので、少なくともヨーロッパ並みの水準は欲しい。同時にまた、IEAの会議等におきましても、やはりこの九十日備蓄という線で動いておる、こういうこと等もありまして、九十日備蓄ということを一応の目標に掲げておるわけでございますが、私は、日本にとりましては、開発も重要であり、節約も重要でありますが、同時に、備蓄はそれ以上に重要である、こういうふうに考えておるわけでございまして、石油備蓄ということを石油政策の大きな柱として進めていきたい、こういうふうに考えております。
○安武洋子君 何かやっぱり、大臣に真ん中で抜けられたので、おかしくなってしまいました。 いま、十一月段階のキッシンジャーの態度と現在は打って変わっているんだと、そういう御認識でございますけれども、じゃお伺いしますけれども、先ほど私が申し上げましたように、いままで彼らを守るような行動をとってこなかった、それから、産油国を仲間としないで搾取をしてきた、こういう態度は一体、じゃどういうふうに変わったんでしょうか。
○政府委員(増田実君) アメリカが産油国を仲間にしなかったとか、あるいは搾取をしたということについては、これはいろいろの解釈になりますから、私どももいまのような考え方、そのまま……
○安武洋子君 いいえ、キッシンジャーの演説ですよ。自分で言っているわけです。キッシンジャーが自分で言っているんですよ、これは。
○政府委員(増田実君) どうも失礼しました。 最近のキッシンジャー国務長官の考え方というのが、やはり産油国、消費国との間の会議を一日も早く開いて、そしてそこで重要なエネルギーの問題を討議しよう、こういうことに変わってきておるわけでございますから、それに応じまして、いろんな対産油国との間の関係というものが改善されていくものと私どもは考えているわけです。
○安武洋子君 それでは、その具体的な保証としてお伺いいたしますけれども、じゃ、石油準備会議で問題になるであろうインデクセーションですね、これ、どういう態度をとっていくとお思いですか。
○政府委員(増田実君) インデクセーションという制度が石油の価格としていいかどうかについては、これは日本自身も私はいろいろ考えるべきだと思います。ですから、インデクセーションというものが今後の石油の価格というものを決めていくものにいいかどうか、それからまた、石油に適用されたインデクセーションというものをほかの一次産品に全部適用するのがいいかどうか、これらについていろいろこれは議論があるわけでございます。ですからその意味で、このインデクセーションについていろいろ産油国の考え——産油国が一番考えておりますのは、自分たちが貴重な資源を売ってそれで取得した外貨というものが減価するじゃないかと、これについて何らかの補償、何らかの減価に対する措置というものを考えてもらいたい。その一つとしてインデクセーションというものが出てきておるわけですが、そのインデクセーションがいいのか、あるいはほかの考え方がいいのか、これらを含めまして、いまの産油国が一番問題としています内容につきまして、消費国と産油国がそれぞれお互いに対話を行うということが必要だと思います。 ですから、そういう意味で、先生がいまお尋ねになりましたインデクセーションについて産油国が非常に強く言っている、それに対してアメリカがどう変わるのかということについては、ちょっといまの段階で、アメリカも賛成するでしょうというふうには私はお答えはできないわけですが、ただこの問題、つまり取得しました外貨が減価するのについてどういうようにしたらいいかということをやはり消費国と産油国が十分話し合うべきだ、こういうふうに思います。また、アメリカが産油国、消費国の対話の再開を述べておるのは、こういう問題についても当然話し合う用意があるということで言っておるものと解しております。
○安武洋子君 宮澤外相がOECDの基金制度を提案されていて、キッシンジャーがそれを支持するということで、十億ドルの農業基金を提供するというふうなことを言っておりますけれども、この中で、貧困諸国が身勝手なことを言ったら、独善的な宣伝を続ける限り貧困諸国は救済に何ら手を打たれないであろう、こう述べております。そして、対決と協力の同時進行はあり得ないと、貧困諸国をこのたびでも脅迫しているわけですね。ですから、せんだってのパリ会議、バリ国際エネルギー準備会議の失敗ですね、このときもアメリカはどういう態度をとったか、これは御存じだろうと思うんです。ですから、私は、いまアメリカがこういう態度を変えたんだと、十一月段階の態度とはいまはずいぶん変わっているんだと、私、そういう御認識は間違いだろうと思います。基本的にはアメリカはその姿勢を変えていない、こういうことだろうと思うんです。で、一体通産省としては、OPECの首脳会議の宣言、これをどう評価なさっているのか、これをお聞きしたいと思います。
○政府委員(増田実君) 三月に行われましたOPECの首脳会議につきましては、これは四月に始まります産油国・消費国会議の準備会議の一応産油国側の主張というものをまとめたわけでございます。その産油国・消費国会議の準備会議におきましては議題その他が討議される。そのときに、エネルギー問題に限定しないで、広く一次産品も取り上げる。それから新しいやはり国際経済の秩序というものをいろんな面で打ち立てる。これには貿易の問題のみならず、先ほどちょっと申し上げましたように、資産、価格の保証とか、いろいろな問題を含めてそういうものを広く取り上げて、そして新しい世界秩序というものを打ち立てていきたいというのが、アルジェにおきます三月のOPEC会議の結論であったかと思います。これにつきましては、確かに産油国の立場として従来の主張というものに裏づけられたものもございますが、その内容につきましては、通産省と申しますか、私が受けた印象としては、相当それが激しく出ておるという感じはこれは否定できないものがあります。 ただ、産油国のいろいろな主張につきましては、なぜそういう主張をしているのかということにつきましては、やはり十分に産油国、消費国の間で話し合って、そしてお互いの解決を求めていくべきだ、こういうふうに思っております。ですから、あのOPEC会議の結論をそのまま全部賛成というのには、それに至る考え方その他十分やはり話し合っていきまして、そして結論を出していかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
○安武洋子君 通産大臣は、三月六日のOPECの首脳会議の宣言をどういうふうに評価なさっていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) ずっと石油に関する世界の流れを見ておりますと、一昨年の十月に第四次中東戦争が起こりまして、それから十一月に御案内のような石油の大幅な引き上げが行われたわけでありますが、その後二月に米国で消費国の会議がございまして、消費国の立場をどうしたらいいか、こういう会議があったわけでございますが、それがずっと変化をいたしましてIEAの結成と、こういうふうに流れてきたわけです。それから同時に、あわせてOPECの方でも、いまお話しのように石油収入を大幅に引き上げまして以来、さらにその収入を守っていくためにインデクセーションとかいろんなことを言っておるわけでありますが、私はずっとそういうふうなやや対立したような動きが、この四月七日のパリの準備会議まで続いておったと思います。しかし、これじゃなかなかいつまでたっても問題の結論に達しないのではないかということで、アメリカも五月の十日前後になりまして急遽態度が変わったと思うんです。 日本は、もちろんそれ以前から、パリの準備会議の失敗の後どうしたらいいかということを国内で相談をいたしました結果、やはり第一次産品問題を取り上げなければいけないのではないか、こういう結論に達しておったわけでありますが、幸いにアメリカもそういうふうに五月の初め以来態度が変わりまして、協調的に話し合いをしよう、こういうことになったわけでございます。OPECの方も、三月のアルジェの会議までは自分たちの立場を主として守っていく、こういう立場で私は終始しておったと思いますけれども、多分私は来月のガボンの会議におきましては、この五月における消費国の変化を受けまして、ある程度協調的な線が出てくるのではないか、こういうふうにも考えております。したがいまして、産油国・消費国会議というものは案外早く開かれ、そして成果がある程度期待できるのではないか、こういうふうに考えております。
○安武洋子君 フランスが、産油国との対決を目指すものとしてIEAに参加しておりませんね。このことをどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(増田実君) 私どもは消費国会議の中にフランスも当然入るべきだというふうに考えておるわけですが、フランスの入らない理由が、一つは、やはり先生がお考えになっておられるように、消費国というものの結合が産油国との対決姿勢になるようになっては困るという考えが非常に強かったことはそのとおりでございます。ただECGで、先ほど申し上げましたように、三月から十一月にIEAができまするまでのいろいろな討議で、その点については各国、ことにイギリスとか日本がいろいろな主張をいたしまして、このIEAあるいはIEPにつきまして、産油国との対決というものを避けるという形でつくり上げていったわけでございますから、本来なら、十一月にIEAが発足いたしましたときにフランスが入る時期であったんじゃないかと私どもは思っております。 また、フランスの中でもいろいろ議論があったように聞いておりますが、ただフランスは、たとえばNATOとの関係とか、原子力関係の協力でも、いろいろなそれと離れたみずからの道を歩むということが非常に多い国でございまして、結局IEPにつきましては、この作業グループでありましたECGに自分が参加してなかった、その参加してないものにいまさら入れるかということをいろいろ言っておったわけでございます。ですから、最初は確かに先生のおっしゃられますように、これが産油国と対決的なものになることを恐れて、そして参加しなかったということはそのとおりだと思いますが、私は、でき上がりましたものはフランスも入るものであったというふうに思うわけでございます。
○安武洋子君 私は、通産省の御判断というのは大変甘いと思うんです。アメリカの対決態度が変わったというふうに先ほど大臣も、それから長官もお答えですけれども、これはあくまでも発展途上国、これを引きつけながら産油国を孤立さしていくんだ、こういうアメリカの戦略、基本姿勢は全然変わっていないと私は思うわけです。で、もう少しそういう甘い判断ではなく、厳格にアメリカがどういう戦略をとっているかということを見ていただきたいと思うわけです。 角度を変えてお伺いいたしますけれども、IEP協定、それから資源エネルギー庁資料ですね、この「石油開発公団法の改正について」こういういずれの資料によっても、石油供給の緊急時を前提とした備蓄となっているわけですけれども、こういう緊急時、これは再び生産削減とか供給削減、これが産油国においてとられるとき、これを考えていることだと思うんですけれども、これは間違いございませんでしょうか。
○政府委員(増田実君) 私どもは、そういう不幸な事態が再び起こらないことを望んでおるわけでございますが、しかし、産油国がやはり石油というものを政治的な武器として使用することが絶対今後ないかどうかということ、あるいは中東に、これは不幸なことでございますが、再び戦乱が生ずるか生じないかということにつきましては、これは非常に不確定な要素があるわけでございます。そういう意味で、もし石油が大幅に削減されるということになりますと、これは日本におきましてはあらゆる面で大きな混乱が起こります。前回の石油危機にもパニック的な現象が一部には起こったわけでございますが、そういうように日本の経済、あるいは生活が破壊されるような状態が起こり得る危険はゼロとは言えない、やはりその可能性はあるということを言わざるを得ないと思います。それに備えるためには、やはり日本としては相当の備蓄を持っていなければならない、また、消費国同士の融通し合うこのシステムに参加していなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
○安武洋子君 じゃ、石油の供給、生産削減、こういうものが中東の戦略が不確定な要素が多いからと、こういうふうなことが前提になってこういう事態が起こる、そういうふうに予測をされているというお答えだったと思うんですけれども、じゃ、このような事態を起こさないようにするにはどういうことが大事なのか、どういう対応をすることが必要とお考えか、これをお伺いいたします。
○政府委員(増田実君) 中東における平和というものが維持され、また、中東におけるいわゆる工業発展というものが進む、それに対しまして日本がいろいろな意味で協力をするということによりまして、いまのような、再び中東に戦争が起こり、またそこが紛争の地となるというものにつきまして、日本としてもいろいろな努力すべき点があると思います。いわゆる経済協力につきましても、これを積極的に行うというのも、その問題解決に非常に役に立つというふうに考えておるわけでございます。
○安武洋子君 一昨年にも石油危機が起こったわけです。いろいろな事情がありますけれども、基本的な問題としては、これは産油国の資源ナショナリズムの高揚による自国資源の処分権の確立、こういうことにあったと思うんですけれども、通産省はいかがお考えでございますか。
○政府委員(増田実君) 自己の土地から産出しました資源について、いわゆるその資源国の恒久主権があるということにつきましては、私どももそのとおりであると思います。ですからその意味では、資源保有国のいわゆる権利というものは尊重しなければならないと思います。ただ、率直に言わしていただきますと、それを政治的な武器として使うのが果たしてその資源主権の一つの行使であるかどうか、これについてはいろいろ議論があると思います。ことに石油とかあるいは食糧というものをとめて、そして政治的解決の手段として使うのがいいかどうか、これについてはやはり議論のあるところであると思います。ただ、従来とやはり世界の情勢が変わりまして、資源主権というものは尊重しなければならないという点については、私どもは全くそのとおりだと思っておるわけでございます。
○安武洋子君 そうしますと、石油の安定供給を図る道は私は、これは供給、生産の削減を前提とした備蓄計画、これは推進する、こういうことではなくって、産油国の資源主権を最大限に認めるという方向で努力する、それが私は一番必要なことだ、こういうふうに思うんですけれども、これは御同意いただけますか。
○政府委員(増田実君) 産油国の資源主権を尊重すべきである、また、いろいろな意味で産油国と対話を行い、あるいはそれに対して協力をするということが将来の石油危機の再発を防ぐための手段であるということは、私はそのとおりだと思います。しかしながら、それにもかかわらず、やはり石油の供給削減というものの可能性は、これは全く否定はできないというところに問題があると思います。そういうような事態をできるだけ避けるようにあらゆる努力をすべきだということは、そのとおりでございます。
○安武洋子君 IEAで計画しているような消費節約や融通制度ですね、それから産油国に対する値下げ圧力、こういうのは産油国への対決を私は強めるものじゃないかというふうに思うわけです。たとえば、ここに例を挙げますけれども、サウジアラビアのヤマニ石油相ですね、これは米国企業協会主催の石油戦略に関する研究会、こういう席上でソーヒル米連邦エネルギー局長の質問に対して答えているわけですが、ここでは、サウジアラビアは、人為的な不足状態をつくり出すために石油を減産する意図はない、こういうふうに述べているんです。それとともに、サウジアラビア並びにイランは、もしやろうと思うならば、値段を下げるかわりに大幅な生産削減をすることはできる、こういうふうに語っております。そして、これは解説を読売新聞が載せているわけですけれども、「ヤマニ石油相の意図は、米国やほかの消費国がたとえ消費抑制に乗り出しても、すぐ生産を制限したりするつもりはないが、もしそれが原油価格引き下げを目標としたものであり、実際にそのような圧力が出てきた場合には、対抗手段として思い切った削減をする用意があることを明らかにしたものとみられる。」と、こういうふうになっているわけです。 さらに、四月一日の読売の記事なんですけれども、「IEAは産油国刺激」という見出しです。これは外務省の招待で来日中の石油問題の専門家ファッド・W・イタイム氏、こういう方です。レバノンの「ミドルイースト・エコノミック・サーベイ」の編集長です。この方は産油国側の専門家として有名な方ですけれども、この方とハンス・K・シュナイダー博士、これは西独のケルン大学エネルギー経済研究所長です。この方が「産油国・消費国の協力の道を探る」、こういうふうにして演説をされておりますけれども、この中でイタイム氏が、「消費国の間では産油国との対立を激化させる兆しがあり、米国主導のIEAでとくに顕著だ。」、こういうふうに述べているわけです。 私がいま申し上げましたこれは例なんですけれども、これではIEAの融通制度と深いかかわりを持っております備蓄計画というのは、生産削減の呼び水になる。きわめて危険なものではないかと思うわけです。このことについてどうお考えか、お伺いします。
○政府委員(増田実君) 緊急融通制度というのは、これは自衛の手段でございまして、もし将来、石油の供給の大幅削減が行われたときに、やはりそのときにあらゆる意味での混乱を招く、消費国としては、その自衛のための一応の措置をしておくということでございますから、これが産油国との対決ということではございません。 それから、いまIEAで節約ということがいろいろ行われておるわけですが、これにつきましては、産油国側も節約については賛成だということで言っておるわけです。この石油というものが人類の貴重なしかも有限な資源でございますので、ここで節約をするということが、産油国に対して敵対の措置だというふうには産油国も解しておらないわけでございます。 それから、先ほどMEESの編集長の発言というのがございました。これはいろいろな発言というのがございますが、しかしながら、現在までの国際エネルギー計画あるいはIEAの行き方といたしましては、産油国と対決するということは、これはこの構成国全部で今後のやり方を決めておるわけですが、それに対してはできるだけ産油国との間の対話、協調に持っていこうというのが現在の体制でございますし、先ほど申し上げましたように、キッシンジャー国務長官も、従来は、消費国の団結がなければ産油国との間の対話というものは無意味ではないかということをいろいろ主張をしておったわけでございますが、やはり産油国との対話、協調というものが必要だということで、最近の演説その他にもあらわれているという状況の変化というものは、私は、先ほど先生から非常に甘いと言われましたのですが、やはりアメリカもそういうように方向を変えつつあるということは認められるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
○安武洋子君 一定の変化というのはあらわしておりますけれども、それはパリの国際エネルギー予備会議の失敗、あれを見ていただいてもわかるように、その当時はアメリカは消費国の協調体制が整っていない、こういうことで批判的な態度をとったということと、それから、産油国の強い希望である一次産品を加えるということにこれは真っ向から反対しているわけです。で、いまなぜ態度を少し変えたかということは、こういう消費国の協調体制が整ったという、そういう産油国に対する姿勢が整ったからこういう対話の姿勢を打ち出してきているということで、私は先ほどから申し上げているように、基本的には姿勢を変えていないということだろうと思うわけです。 私はここで、資源主権の問題についてお伺いしたいと思うわけです。 この政府の資源主権無視、私はこう思うわけですけれども、こういう姿勢というのは、国連における資源の恒久主権に対する決議の態度にもはっきりあらわれているんじゃないかと思うんです。過去、国連における決議にどういう態度をとってきたのか、こういうことを明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(増田実君) 国連におきまして、この資源主権の問題というのが何回も取り上げられまして、特に画期的なものは一九六二年の決議でございますが、このときに資源主権というものを非常にはっきり出しておるわけでございます。このときは、この六二年の決議につきましては日本も賛成であったわけです。ただその後、決議を保留したりいろいろの立場をとっているわけですが、一番問題になりますのは資源主権というもの、資源の恒久主権というものは日本はこれを認めております。そういう意味で六二年の決議も賛成したわけでございますが、しかし、そのさらに資源主権の行使といたしまして、いわゆる国有化あるいは一〇〇%パーティシペーションという問題があるわけですが、そのときに補償の問題が入るわけです。その補償の問題につきましての、ここでいろいろ争いがあった場合に、まず国内法でその資源国の国内法でこれを取り扱う。これはいいわけですが、それが解決しない場合は、国際的な問題としてやはり国際法で取り扱うべきではないかということが日本の立場であったわけです。 ところが、その後の決議その他におきまして、この問題が無視されているということで、日本の従来の主張と違うというところに日本が保留したりその他の態度に出たわけでございます。ですから私は、いま申し上げましたのは資源主権尊重。そして、資源を持っている国が自己の資源を自己の国の経済の開発、それから国民の福利増進のために使うというこの資源主権、恒久主権の思想については日本は一貫して賛成しておるわけでございます。ただ、先ほど言いましたようにいろいろ手続的な問題で、そういうことにつきまして日本の立場をはっきりさせるために保留さしたという点があったということでございます。
○安武洋子君 保留その他でなしに棄権、それから反対ですね。ただ一度だけ、これは大変不十分なものですけれども、賛成ということだろうと思いますけれども。 それから、資源主権に関連して公団の機能についてお伺いしたいと思うんです。 今回の改正で、産油国の国営会社に対する資金の貸し付け業務、これが追加されておりますんですけれども、これは融資買油、それから融資で鉱区権利を獲得する、こういうことを指しているのかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(増田実君) 産油国がみずからの手で石油の探鉱・開発をするというのが、新しい傾向として出てきておるわけです。これは資源主権の思想から言っても当然出てくる帰結でございまして、国内において特に有望な鉱区を自己の手に保有いたしまして、そして政府機関あるいは政府みずからこれを開発するということが行われているわけでございます。 ただこの資源国も、これを開発するにつきましてはいろいろな意味でやはり外国の援助というものを求めているわけでございまして、一つには技術の援助、もう一つは資金的な援助を求めておるわけでございます。そういう意味で、その資源国の石油会社がわが国にそういう意味の援助を求めましたときに、これがやれるようにということで今回十九条の改正ということで御審議をお願いいたしておるわけでございます。具体的に言いますと、いま申し上げましたようなときに日本から資金を供給する、そして資源国の方、いわゆる産油国の方はそれの見返りとして将来出た石油を日本に売ってやると。こういうことで、いわゆる融資買油の契約というものが最近の新しい資源開発として出てきておるわけです。 それで、これにつきましていま先生が、資源主権尊重の観点から言って融資買油というのは、やはり日本がその油を取る点で問題があるのではないかということの御指摘でございますが……
○安武洋子君 まだそこまで私質問しておりませんけれども、じゃ、どうぞ続けてください。
○政府委員(増田実君) この石油につきまして、いわゆる産油国が探鉱・開発、それからその処分というものを資源主権の行使として行うわけでございまして、その一態様として資金を貸してくれた国に対しまして、将来、自分の処分権のある石油を供給を約束する、こういう形でございます。ですから、その意味では資源主権との抵触はないと私どもは考えております。
○安武洋子君 法律に明記してございますか。
○政府委員(増田実君) この産油国がみずから石油を掘る。そのときに日本から資金の援助をもらう、あるいは技術の援助をもらう、それで油は見返りに出さないという場合も、これはあり得ると思います。これは先ほど申し上げましたように、出ました油の処分権というのは産油国がみずから握っておるわけでございますから、油を出す、出さないというのは向こうが決めるわけです。ただ、石油開発公団法に基づきまして、石油開発公団が融資の業務を行いますときに、油が見返りにならないというケースに融資できるかどうか、これが法律的にどうなっておるかというお尋ねだと思いますが、第十九条の「(業務の範囲)」に、「公団は、第一条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行なう。」ということになっておりまして、公団法の第一条におきましては、「石油開発公団は、」「石油及び可燃性天然ガス資源の開発を促進し、石油等の安定的かつ低廉な供給の確保を図ることを目的とする。」ということになっております。その意味で、見返りに石油の約束のないものにつきましては、石油開発公団の投融資の対象にならない。その場合はこれは輸銀でやるとか、あるいは経済協力基金でやるということになります。石油開発公団は、やはりわが国におきます石油の安定的確保に役立つということから投融資を行う、こういうことになっております。
○安武洋子君 じゃ、それでしたら完全なひもつき融資ではないんですか。
○政府委員(増田実君) ひもつき融資と申しますか、将来の約束を伴った融資ということでございます。
○安武洋子君 言葉をかえてもひもつき融資ということだろうと思いますけれども、やはり発展途上国にある産油国、こういう国の発展を本当に心から私は願うなら融資買油、こういう形、それから融資で鉱区利権を獲得するという形でなくて、融資は融資、それから売買は売買、こういうことが相手の資源主権を本当に尊重する立場だと思うんです。やはり相手の国に対等、平等、互恵、相手国の主権を尊重しなければならないと思うわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府委員(増田実君) これは産油国も石油を開発して、そしてそれによって相当の量の石油が出ますと、全部自分の国で消費する場合は別といたしまして、これを対外的に売るという場合には、やはり安定した販売先を確保するということが必要でございます。そういう意味で、先生からひもつき融資とおっしゃられましたんですが、将来の製品というものの安定した販売先を確保するということは、私は産油国、資源国にとっても決して不利、あるいは踏みつけになるものであるというふうには解しておりません。
○安武洋子君 どこと売買しようと、産油国自身が決めることであろう。必ずしも融資を受けたところにそういうふうに売買しなければならないというのは、これは何とおっしゃろうとも私はひもつきだろうと思うのです。この点で昨年の第六回国連資源特別総会における宣言ですね、その宣言の中でも、資源を守るために各国は資源を効果的に利用し、各国の現状にふさわしい方法で利用する権利がある、第二番目には、発展途上国への資金贈与については有利な条件を保障すること、こういう決議をしているわけです。この方向がやはり国際的な流れだろうというふうに私は思います。それだけにいま融資買油ですね、これはひもつき融資だというふうに私は申し上げているわけですけれども、やはり分離をして行っていただきたい、こういうふうに通産省に要求いたしますが、これはいかがでしょうか。
○政府委員(増田実君) 先ほどから申し上げていますように、資源主権を尊重すべきだということにつきましては、私どももこれについては当然のことだと思っております。ただ、いま先生からおっしゃられましたように、産油国側が自分で油田を確保し、それからみずからの手で掘りたいと。しかし、それにはやはり技術とかあるいは資金的な援助が要る。そして今度は、できました製品については、むしろ一定の安定した販路というものを確保するということで石油を売ろうというときに、これが資源主権の侵犯になるかどうかということですと、どうもはなはだ恐縮ですが、私は先生と考え方を異にするわけでございます。産油国が自分のところで産出しました石油をいかに処分するか、その処分権は産油国にあるわけでございます。それで、その産油国が産出した油の一部を日本に分けてやろうというのは、これはやはり資源主権の行使ではないか、こういうふうに思います。ですからその意味で、先生がおっしゃられるように、将来の石油を買うことを約束するということが資源主権の侵犯になるというふうには、私はどうしても納得できないわけでございます。 ただ、向こうが金だけほしい、それから将来の油は、これはまたそのときに応じて自由にしたいということであれば、これは石油開発公団の対象でなくて、先ほど申し上げましたように輸銀あるいは基金がこれを対象としてその融資を行うという方法が開かれておるわけでございます。やはり石油開発公団は、日本のエネルギーの大宗であります石油というものが安定的に確保できる、そして、それによって国民生活というものを繁栄さしていくというために設立されたわけでございますから、そういう意味では、やはり日本の立場で日本の石油を確保するということでこれを運営していかざるを得ない、こういうふうに思うわけでございます。
○安武洋子君 ひもつき融資で石油を確保するための石油開発公団なら、私は要らないと思います。OPECの首脳会議の宣言の中でも、発展途上国の低開発性を特徴づける不均衡というのは、主として外国の搾取によって引き起こされ、促進されたものであるというふうに言っているわけです。開発のための適当な国際的な協力がなかったために、年来一層ひどくなってきたものである、宣言でこう言われているわけですね。私はやはり、この石油開発公団法というのは、備蓄の面でもそれから融資買油、こういうふうな面でも、いま宣言を読み上げましたけれども、いままで外国の搾取によって引き起こされてきた、国際的な協力が得られなかった、こう言っているわけです。こういう方向にこたえるのではなくて、一層資源略奪的な方向を目指しているんじゃないか、こういうふうに思うわけです。この点については先ほどから御意見が合わないわけですけれども、私は、通産省としてはこういう点を一層考え直していただいて、この石油開発公団についても再度検討願いたい。ほかにも問題があるわけですけれども、これはまた後に譲りまして、きょうの私の質問はこれで終わらしていただきます。
○藤井恒男君 最初に、大臣とそれから長官に基本的な点についてお伺いしたいと思うんですが、石油開発政策、それから石油開発公団の基本的なあり方について最初お伺いいたしたいと思います。 わが国における石油政策の最も基本的な課題は、言うまでもなく石油の安定的な供給の確保にあるわけで、そのためには、海外石油資源の探鉱並びにその開発は最も重要な手段であると思うのでございます。現在、わが国の海外石油資源の探鉱・開発は、昭和四十二年度に設立された石油開発公団の投融資などを中心に、いわゆる民間主導型で行われているわけですが、残念ながら、この自主開発原油比率の数字を見る限り、四十八年度がわずかに八・五%、四十九年度の見込みでも一〇・三%にすぎず、昭和六十年度三〇%の目標にはきわめてほど遠いという感じがいたします。 しかも最近においては、サウジアラビアなどの産油国の事業参加の拡大に伴ってわが国の可処分原油が減少して、また、新規地域の開発条件も悪化するなど、石油資源の探鉱・開発は非常にタイトになっておると思います。さらには、石油資源の探鉱・開発における政府間交渉の比重も増加しておりますし、探鉱・開発に関する資金及びリスクが非常に大型化しておる。今後一層こういったタイトな面が強化されていくと予想されるわけです。 こうした情勢の中で、今後、わが国は積極的に海外石油資源の開発を進めていかなければならないわけですが、政府はどのような石油開発を、特にこのようなバックグラウンドの中で展開していこうとしておるのか。また、そうした際に、この石油開発公団というもののポジションをどのように考えておるのか。あるいは政策としてどのような位置づけをしていこうとなさっておるのか。これはきわめて基本的な問題でございますが、大臣並びに長官に最初にこの点について考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(増田実君) 最近の石油開発の環境変化の中で、政府がどのように石油開発を展開しようとしているか、また、石油開発公団についてどのような位置づけをするかということにつきまして、簡単にお答え申し上げたいと思います。 私どもといたしましては、石油の自主開発につきましては、確かに開発条件、いろいろな意味で非常にむずかしくなっておりますが、依然として、相対的には、安定的な石油の供給源を確保するためにこの自主開発が必要である、こういうふうに思っております。また、この石油の自主開発は、石油の供給源の分散化のための有力な手段であるということで、今後、できるだけ石油の供給源を分散化、多様化いたしたいと考えておりますが、その手段といたして、石油の開発を進めていきたいと考えております。また、石油供給の増大に貢献するということが、石油の大消費国としてのわが国の一つの国際的な責務であると考えます。そういう意味で、日本が石油開発を強力に推進するということがやはり国際的な責務であるというふうに考えております。また、この石油開発事業を行いますことによりまして、産油国との関係を緊密化するという有効なる手段でもございます。 これらの理由に基づきまして、確かに、先生が御指摘ありましたように、いろいろの環境の変化から非常に開発というものがむずかしい段階になっておりますが、これを積極的に推進すべきものと考えております。 それから、石油開発公団でございますが、石油開発公団は昭和四十二年に設立されまして、自主原油を、わが国の総輸入量の三分の一を持つということを目標といたしましてできたわけでございますが、これの達成が、先ほどおっしゃられましたようにまだ石油開発公団が投融資しないのを含めまして一割にしか達していないというような状況でございます。ただしかしながら、この石油開発公団は、資金それから技術の面においても、日本の海外石油開発の中核的な推進母体としての役割りを果たしております。そういう意味で、先ほど言いましたような石油開発の重要性の中にありまして、石油開発公団というものがさらにその重要性を増してくるというふうに考えております。今回、石油開発公団法の一部改正で御審議いただいておりますのも、こういういろいろな新しい石油の情勢の変化に即応いたしまして公団の機能拡充をいたしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○国務大臣(河本敏夫君) 大体は長官が申し述べたとおりでございますが、要約をいたしますと、日本の石油政策の基本は、いかにして日本の必要とする石油を安定的に確保するかということと、それをさらにいかに安く入手するかというこの二点だと思います。その二点を実現するために、石油開発公団というものをフルに活用していきたい、かように考えるものでございます。
○藤井恒男君 いまお話のありました点で、長官の言われた石油の自主開発の必要性の中の供給源の分散化、多様化ということは、これはいわゆるソースの多様化を言っておるのですか、それともエネルギーそれ自体、一次エネルギー、二次エネルギー等の、あるいは代替エネルギー等に多角化していくということを指しておられるのかいずれですか。
○政府委員(増田実君) いま私が申し上げたのは、石油の供給源を多角化いたしたい、こういうことでございます。現在日本が輸入しております原油のほぼ八割は中東になっておるわけでございますが、これをできるだけ幅広く供給源をふやしていきたい。これを具体的に申しますと、東南アジアの諸国あるいは中国、それから中南米からも入れまして、供給源をできるだけ多角化した方がいいと思っています。 ただ、総合エネルギー政策といたしましては、これはまあ先ほどの多角化の中に入っておりませんが、総合エネルギーの対策といたしましては、石油の依存度が日本はいかにも高過ぎるわけでございますので、これをやはり低めるというのが総合エネルギー対策の一つの重要な柱になっておる、こういうふうに思っております。
○藤井恒男君 大臣、いまの御答弁の中で、あるいは午前中の討議の中でも大臣しばしばお言葉で出されておるわけですが、この法案改正に当たって最もポイントになるのが、ことにオイルショック以降の問題として供給量の確保ですね。安定供給量の確保。それは量的な拡大ということにも言えるかと思うわけだけど、同時に、大臣のおっしゃる低廉な価格、価格面の施策というものが必要だということをおっしゃっておるわけです。 きわめて平俗的に見れば、いま石油問題ということになると、勢い量ということに視点が移りがちであって、今度の法改正の中でも、われわれはもっぱら量という面に目が覆われがちだけど、大臣はその中で取り立てて価格ということをしばしばおっしゃるわけです。現実に価格が、要するに砕いて言えば、安い石油をたくさん入れるということだろうと思うわけだけど、価格問題に具体的にどのような形で入り得る、あるいは入る施策を考えておられるか、この点概括的で結構ですが、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 価格問題を日本に有利にするためには、やはり日本の立場というものは強くならなければならぬと思うわけでございます。そのために、先ほど来長官が申し述べておりますように、全エネルギーに占める石油の使用量のパーセンテージというものを、シェアというものをできるだけ低くしていくということ、これがまあ一番でございますが、同時に、そのためには節約あるいは省エネルギーということも必要になってくるわけでございますけれども、あわせて私は備蓄を九十日にするということ、これは非常に日本の立場を交渉上有利にする。同時に、消費国全体が九十日以上の量を確保しておくということは、非常に立場が全体として強くなるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 ただしかし、強くするばかりでは、OPECの諸国も立場が非常に強くなっておりますから、なかなかスムーズに事は運びませんので、やはりOPEC諸国の希望するような、第一次産品等を議題とする消費国それから産油国あわせて同じテーブルにつくというこの問題でございますが、石油のほかにこの第一次産品問題を同時に取り上げる、こういう希望を満たす話し合いを続けていく、こういうことも必要かと思います。 さらにまた、自主的な原油を日本がある程度確保しておくとか、三割という目標はなかなかむずかしいようでございますけれども、なお、努力いかんによってはある程度のシェアをふやすこともできるでありましょう。いろいろなことを私はあわせて立場を強くしながら話し合いも続けていく。自主原油もふやしていく、こういういろいろなことをやっていく必要があるのではないかと思います。現在日本の経済の受けておるショックというものは、一挙に価格が四倍になったということが非常に大きな原因になっておる、こういうことを私は考えますと、やはり価格問題は必要量を確保するという問題と同じように重要に考えていかなければならぬ、こう思っております。
○藤井恒男君 長官にお伺いいたしますが、昨年の七月に総合エネルギー調査会がまとめた「中間とりまとめ」というのがあるわけです。私も読ましていただきました。この「中間取りまとめ」は一昨年十月の中東紛争を契機とするいわゆるオイルショックに対処して、自後における石油政策の方向を初めて打ち出したものであろうと思うわけですが、海外石油資源の探鉱開発を行って、自主開発比率を高めておくことが非常に重要であるということをこの中でもしばしば述べておるわけです。 私がお聞きしたいのは、このオイルショック以降、自主開発比率を高めておかなければならないということは、まあ多くの行間を用いて述べられておるわけだけれども、そのための中核的存在である海外石油開発のための石油開発公団のあり方については何も触れておらないわけです。自主開発というものは非常に重要だぞ、それを高めていかなければならないのだよということは述べておるのだけど、わが国としてその開発のための中核的存在を開発公団に求めておるわけだけど、その開発公団のあり方には触れておらないというのは、私はいささか片手落ちじゃないだろうかという気がするのです。 出てしまったものに対して、いまさらとやかく言ったってしようがないのだけど、当然長官もこれらの討議には加わったと思いますので、その経緯、並びにもし開発公団のことにそのとき触れるいとまがなかったのであるなら、こういった環境変化に徴して、石油開発公団のあり方というものを一度総合エネルギー調査会の部会などに諮問してみることが必要じゃないだろうかという気もするわけです。その辺についての経緯とお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(増田実君) いま藤井先生から御指摘ありましたように、昨年七月に総合エネルギー調査会の石油部会の中間取りまとめ案が出たわけでございますが、その中で石油開発公団のあり方につきましては非常に簡単にしか触れておりませんので、確かに先生がおっしゃられるように、この石油開発公団が石油開発の推進母体ということであるなら、これについて、いかにとの自主開発を進めるに当たって石油開発公団が役割りを果たすかということを記述すべきであった、こういう点につきましては、私どももどうも石油開発公団に対する触れ方が少し少なかったのじゃないかというふうに思っております。 ここで触れましたのは、石油の開発についてその重要性を述べ、それから現在の石油開発体制、いわゆるワンプロジェクト・ワンカンパニーという方式についての反省というものが出ておりまして、これをできるだけ強力なものにしていきたい。それから、できれば資金力、技術力、それから経験力を兼ね備えた中核的な石油開発会社というものをつくるべきではないか、そのために石油開発公団が制度的な面でひとつ応援すべきだということで、確かに先生の御指摘のように、石油開発公団のあり方その他につきましての触れ方が非常に少ないわけでございます。当時いろいろな意味で流動的な状況であったものですから、この中間取りまとめ案も若干不完全な形で出ておるわけでございます。 ただ、これにつきましては、午前中も申し上げましたように、日本の総合的なエネルギー政策というものを打ち立てるために現在、昭和六十年度——十年後のエネルギーの需給がいかになるかという一応の予測表というものをつくりまして、そうして、それに至るための施策というものがいかにあるべきかということで今後総合エネルギー対策を打ち出したい、こういうふうに思っております。そのときに、この石油開発公団のあり方その他も十分検討するということでやっていきたいと思っております。そういうことで、また、この総合エネルギー調査会の場を活用いたしまして、個々の委員の先生方の意見を聞きながら、石油開発公団の今後の新しい事態に対応した持って行き方というものを検討いたしたい、こういうふうに思っております。
○藤井恒男君 この「中間取りまとめ」で述べておることは、石油開発公団というものを現在の姿に置いた状態でより資金力、あるいはより技術力を高めるための中核的存在の意義をますます発展させろという意味のものであって、後ほどちょっと私は触れたいと思うけど、その石油開発公団それ自体のポジションについてもっと触れてみるべきじゃないだろうか。それは、外国のこの種のあり方とわが国との相違などにも徴して検討の要がある。ただ、現在の公団をそのままの姿に置いてそこに資金力を付与したり、あるいは、現在技術者が全体の職員の三〇%に満たないというような弱体な技術力を強くするのだというだけのものじゃないんじゃないか、質的な問題が私は必要であろうと思うわけです。これはまた後ほど時間があればちょっと申してみたいと思うわけです。 そこで、もう一つお聞きしたいのですが、石油開発公団の業務内容についてでございますが、たとえば金属鉱業事業団のそれと比較しても、公団の開発体制がいかにも民間任せであるかがわかるわけです。これは元来石油公団というのは、民間に対する資金のパイプ役としてあるものだと言ってしまえばそれまでのことなんですが、私はそれではいけないという前提に立って質問しておるわけなんですけど、一例として海外の地質構造調査をとってみても、それを事業団が行う場合には、その事業費に対して三分の二の国庫補助が行われるのに対して、公団の場合には補助がない、あるいは海外地質構造調査が公団の場合、業務として行えるにもかかわらず現在のところ行われていない、実質的な調査というものは。 海外地質構造調査業務は、六十八国会の石油開発公団法の一部改正の折に当時の鉱山石炭局長も、物理探鉱を公団がやれるようにするのも探鉱開発事業をより的確に行うためであるというふうに答弁もなさっておるわけです。本来この基礎的調査というものは、石油そのものの発見というよりも有望地域の限定という目的で行われるものであって、したがって、企業活動の前段階的調査としての性格を持つものであると私は認織しておるわけです。とするなら、公団は、現在民間の行っている海外地質構造調査の資料の収集業務にとどまらず、今回の法改正によって利権を取得することができるようになるのでありますから、あわせてその海外地質構造調査も公団自身がこれをやるという方向にならないものかどうか、そのことが公団の現在持たされておる立場からできないのか、それとも手間暇がないからやらないのか、その辺のところを聞かしていただきたいと思うんです。
○政府委員(増田実君) 公団が海外の地質構造調査を行うことにつきましては、ただいま先生からお話ございましたように、昭和四十七年に行いました法改正によりまして新たなる業務として追加いたしたわけでございます。それで、昭和四十八年度にはそれに関する予算もついたわけでございます。ところが、これにつきまして、その後海外の事情というのが急速に変わってきておりまして、地質構造調査を公団が単独でするということについては、なかなかその相手国が了承をしないというような事態に逢着したわけでございます。 そういうことで、従来公団が単独で地質構造調査をするという項目で予算が組まれておったわけでございますが、五十年度からこれは相手国と一緒の共同事業として調査をするということに切りかえまして、そしていま先生がおっしゃられましたように、公団がみずから海外に出まして、そして地質構造調査を行うということを今後は共同調査という形でやらしていきたいと思います。この点、せっかく前回改正をいただきまして、そして予算もついたにもかかわらず、幾つかの地質構造調査をやろうとして相手国政府と折衝いたしたわけですが、どうも自分の国に公団が単独で入ってきて、そして石油資源があるかどうか一方的に調べられるのは困る、ただ、日本といろいろ石油の問題で協力し合いたいので、自分たちの技術者と一緒に共同してやるのならそれは受け入れる用意があるということで、そういう形に変えまして五十年度からそういう共同の地質構造調査ということでやっていきたい、こういうふうに考えております。
○藤井恒男君 わが国の海外石油資源開発体制を、先ほどもちょっと私触れたんですが、諸外国のそれと比較すると非常に態様が違う。たとえば同じ自由主義経済をとるフランス、イタリアなどの例をとってみても、どちらかといえば国家主導型で行われておる、西ドイツの場合はやや趣が違うように見受けられるわけですが。こういった国家主導型で行われているところは、顕著に相当程度の効果を上げておるわけです。わが国は目標値を三割というふうに置いておりながら、現在まだ一割そこそこ、とうてい希望する六十年度ですか、に三割というところまではとてもじゃないがおぼつかないという状況にあるわけですが、こういった点どういうふうにお考えか。 フランスのERAP、御存じのように、これをとってみても政府が一〇〇%出資しておる。同時に、単なる民間企業に対する投融資のパイプ役じゃなくて、みずからが石油などの生産、そして貯蔵、輸送あるいは処理、さらには関連事業、一切ですね、事業範囲として海外開発から始まる石油鉱区を多数の子会社を通じ、先ほどのお話ですと、みずから大学まで持ってやっておるというような状況にあるわけなんです。これらとわが国の公団という状況を比較したときに、はたしてどちらが有利であるのか、まあ現状のそれはそれとして、長官の立場として率直にその辺の感触を聞かしてもらいたい。 私は、いまのような公団のあり方というのはいささか中途半端であるというふうに思うわけです。これがオイルショック以前の、しかももう十年も十五年も前の状態であるならいざ知らず、今日置かれている立場、それから先々を見越したときに、果たしてこういった体制でいいのかどうか、外国のそれらと比較してお考えを聞かしてほしいと思います。
○政府委員(増田実君) いま諸外国における石油開発の機関と申しますか、先生が御指摘ありましたようにフランスのERAPあるいはイタリアのENI、これらは全額政府出資でございまして、また相当膨大な資金をつぎ込みまして、みずから探鉱・開発、それから油の引き取りというものまで行っておるわけでございます。これに比較いたしますと、わが国の石油開発の推進母体と言われます石油開発公団は、民間のプロジェクトに対しましてそれを投融資という形で資金的に援助するということでございまして、みずから探鉱・開発するという権限は与えられておらないわけでございます。今回の改正案によりまして一部直接利権取得という道も開かれて、公団みずから外国と交渉いたしまして、そして探鉱をする権利の取得ができるように一部の道が開かれる、こういう改正案が出ておるわけでございます。それにいたしましても、その事業はみずから探鉱・開発することではなくて、将来民間の会社に移すということで、石油開発公団は資金的な援助をするという立場で行うわけでございます。 これにつきまして藤井先生から私に、個人として今後の自主石油開発を促進するためにいまの石油開発公団のままでいいのか、あるいはこういうENIとかERAPのようなものをどういうふうに考えるかというお尋ねでございますので、私の意見を申し上げますと、私は、やはり自主開発を今後進めていくためには、石油開発公団がさらにもう一歩脱皮いたしまして、ENI、ERAPのごとき形態に発展すべきものというのが理想である、こういうふうに思っております。 ただ、現実の石油開発公団が直ちにENI、ERAPのような活動ができるかどうか。これは相当な資金量と、それからまたこれは政府機関ですが、相当自由に活動させるということでございませんと、せっかく政府機関ができましても、予算で縛られあらゆる活動が抑えられたんでは、これはむしろそれだけの活動ができない形になっていくと思います。ENIとかERAPが相当海外各地で活発に活躍しておるわけですが、おそらく自由に活動さして、それに対して相当大幅な資金的援助をその国が、政府が行っているということでございますので、これらの問題を含めましてやはり形態は検討いたさなければならないと思いますが、先生から私の意見ということでせっかくお尋ねでございますので、率直に御返事いたしますと、やっぱり石油開発公団をさらにもう一歩進めるべきだということが私のお答えでございます。
○藤井恒男君 率直に認めてもらったんで、論議ができないんでおもしろくないわけですが、全く私と同じ考えということになれば、もう質問しなくてもいいようなことなんだけど。私は先ほど来ずっと論議してお聞きしておったのは、まさにそこに結論を導こうとしておったわけで、そのために諮問なども行って抜本的に現在の公団を洗い直さなければ、このように小手先で譲渡を前提にする利権取得の権限を業務範囲に加えるというふうななまっちょろいやり方では、現在の石油事情、エネルギー事情に間尺に合わぬというのが私の根底です。長官、大いに応援しますからがんばってもらいたいと思います。 もう言うまでもないことですが、いま例に出しましたERAPなどの場合は、一九六九年末までに、日本が保有する利権の五倍強に相当する百二十七万平方キロメーターの利権を現に持っておるし、なお、一九六九年年間約二千七百万トンの原油を確保しておる。これとわが国と比較するときに余りにも、大臣はまあ一生懸命やるんだと言われるものの、機構が全然なっていないというふうに私は思うわけです。そういった意味で、重ねる形にある程度なるかもわかりませんが、石油開発公団が出しておるこの「石油の開発」という一九七一年六月に出した書物の中の「石油会社の機構」を私は非常に興味を持って読ましていただいたわけですが、公団におられる方たちがみずからいまのような公団ではどうしようもないんだということをこれは切々と訴えておるわけです。まあ公団の方が訴えておるわけですから、文字に書いた形では表に出ておりませんが、外国の例などを引用して述べておる裏は、いまのようなことではだめだ、もうちょっと拡充した、諸外国に見られるような機構体制を持ってもらいたいということを私は訴えておるものと思います。 要するにここで言っておるのは、「主要国際石油会社と言われるものは」、「原油を生産し、輸送し、精製し、製品販売を行なう一貫操業の会社」というのが国際的な通念である。そういう中にあって、わが国の中核的石油公団は、これはまさに資金のパイプ役にしかすぎない。しかも、そのもとに置かれておる各企業は、何といってもこの石油開発企業それ自体が単数のこれは企業であって、「それぞれ独立の経営陣、意志決定機構を持ち、互いに経営的には独立しているので、技術的な情報はそれぞれ互いに秘密にされ、それぞれのごく少数の技術者と経営者の能力の範囲内で意志決定が行なわれるし、互いに独立で計画が進められる。」、「全体として総合的な戦略、全体計画の調整が行なわれる体制にない」。 片方で資金が遊んでいても片方では資金が枯渇する。あるいは片方でプロジェクトを立てて機械を借りても、それの順番を待たなければその次のプロジェクトは機械が借りられない。まあそういった上に公団が乗っかって、そして公団が資金融通をつけるという形において、あたかも親会社的存在の姿に見せかけておるけど、「公団が自ら主体となって事業を行なうことはできず、」結果して、「建前としては民間企業が意志決定の主体である」。これはまさに絵にかけばピラミッドになっておるけど、実態は逆さになったピラミッドである、こういうことをこれは言っておると私は思う。 この辺のところは、やっぱり現在わが国が自由競争経済体制にあるということが大きくのしかかっておることと思うけど、同じ体制の中にあるイタリアのENIにしても、フランスのERAPにしても、果敢に事石油という基礎的なエネルギーに関しては、大胆なドラスチックな方法をとっておるわけだから、思い切って私は検討を加えてもらいたいというふうに思います。 そこでお聞きするわけだけど、現在、やや中間的な立場として統括会社というものが、グループ別に石油開発企業として置かれておるわけですが、この統括会社、現在八社だと思いますが、この八社の統括会社たる条件、あるいはそこの統括会社設立に当たって通産省がどのように指導を行っておるのか、その点を聞かせてもらいたいと思います。
○政府委員(増田実君) 石油の開発会社が、従来プロジェクト別の会社であったわけですが、この数年間いわゆる統括会社というのが設立されておりまして、これが現在八社になっております。それで、これは商社あるいは銀行のグループ別に設立されましたものでございますが、この統括会社が資金の調達を引き受ける。そして、いわゆるそのプロジェクト会社をその系列下に置きまして、効率的に資金あるいは技術者の異動を行っていくということで、先ほど先生から問題点として指摘されましたものを、完全な形ではございませんが、従来の石油開発体制に対します反省からこういうものが生じてきたわけでございます。それで、通産省といたしましても、石油開発を行うのにやはり相当強力な中核企業を育成するというのが必要であるということで考えております。しかしながら、それに至ります段階として、現在のような統括会社ということで資金を分担し、また、系列下にプロジェクト別の会社を置いて、できるだけ機動的に石油開発ができるようにするというのも今後の石油開発を推進していきますための一つの前進であるというふうに考えておりまして、こういうものの設立が行われますときには、それを指導したり、また推進するということでやっておるわけでございます。 ただ、統括会社につきましての欠点を申し上げますと、確かに資金調達力には相当効果を発揮するわけでございますが、しかし、その会社がなかなか技術者を多く持つことができない、また、海外とのいろいろな交渉につきましても、経験が少ないものですから交渉力も弱いということで、統括会社が資金調達と、先ほど言いましたように、若干の各プロジェクト会社間の円滑な相互の技術者の派遣とかそういうことに役立ってはおりますが、私どもが考えております、いわゆる中核的な強力な石油開発会社というまでには至っておらない、こういうことでございます。 最近の傾向といたしましては、統括会社の一つであります三井石油開発が、昨年、帝国石油との間で業務提携を行ったわけでございますが、これも一つの前進であるというふうに私どもは考えています。と申しますのは、三井石油開発の資金調達力と帝国石油の技術、それから従来の経験、これが結び合って石油開発に乗り出すということも、これも一つの前進であると思っております。ただ、今後はこれらの統括会社から強力な中核企業というものが育っていくということが必要だ、こういうふうに考えております。
○藤井恒男君 この石油開発公団の探鉱投融資実績という数値を、私、きょういただいたわけですが、五十年三月までの累計で見ますと、海外については二十九社、千五百三十億、本邦周辺大陸だな、四社、七十五億、トータルで三十三社、千六百五億ということになっておるわけです。対象事業会社の開発状況別投融資割合を見てみますと、開発中が三社で四八・八%、開発準備中が七社で一四・六%、探鉱中が十六社で三一・一%、鉱区放棄が七社で五・五%、こういった数字になっておるわけです。 そこでお伺いするわけですが、この成功したプロジェクト、ここでは開発中ということになっておるわけですが、これらが四八・八%を占めておるんですけど、この原油がどのぐらいの量、いつごろ入ってくる目安になるのか、わかっておったら知らしてもらいたい。
○政府委員(増田実君) いま先生から言われました、石油開発公団が投融資を行います対象企業の中で、すでに開発中となっておりますものの原油の引き取り数量というものが幾らになっておるかということでございますが、四十九年度におきますこの三社の原油の引き取り実績は、全部で千百五十二万キロリッターになっております。この中で非常に大きいのはジャパン石油開発、アブダビ沖でやっておりまして、いわゆるADMAのすでに開発しております国際的な会社にファームインいたしまして、それから石油を引き取っておるわけでございます。これが八百八十七万キロリッター入っておりますから、それを合計いたしまして、全部で千百五十二万キロリッターになっています。 これが今後どういうようになるかということでございますが、五十年度につきましては若干この数字が減りまして、九百二十七万ということでございます。これはアブダビのこのジャパン石油の引き取り数量につきまして、契約上の四十九年の引き取り数量がふえるような形になっておりますが、大体いま申し上げましたように、この三社で千百万キロリッターというものが平年度ベースであるということで、これが五十一年、五十二年若干ふえていくというふうに考えております。
○藤井恒男君 この鉱区放棄が全部で七社、投融資累計の五・五%で、公団の投融資の残高が六十九億円。おそらくこれは全部損金勘定に入っていくと思うわけですが、この種の探鉱開発というものはリスクを伴うもので比率としてはこんなものかとも思うわけですが、この放棄した鉱区をまず認定するに当たって、公団は当初どのような判断のもとに出資を行ったか、あるいは大体この種の投融資を行うに当たつての判定基準というものはどのようなことになっておるか、その辺のところを聞かせてください。
○政府委員(増田実君) 石油開発公団が投融資を行いますときの判定基準でございますが、いろいろの石油開発プロジェクトがございますので、これにつきまして、契約条件とか、それからその鉱区の地質状況、これは地質図その他で調べるわけでございますが、地質状況、それからすでにここで若干の探査を行っておりましたときの資料その他で評価を行う。それからまた、そのプロジェクトの収益性がどうかという計算をさして、これを経理的に審査するということでやっておるわけでございます。 いずれにしましても、石油開発公団が投融資を決定いたします前には、技術面、予算面その他から相当な厳格な審査を行っておりまして、これがいけるということで妥当と認めた場合に初めて投融資が行われるわけでございます。それにもかかわらず、先ほど御指摘ありましたように、相当の件数が鉱区放棄になってこの計画が失敗に終わっておるわけでございますが、やはり石油開発企業というものが相当リスクを伴うわけでございまして、これは相当きつい事前の審査を行いましても、結果的にはこういう失敗プロジェクトが出ておるというのが現状でございます。
○藤井恒男君 先ほど対馬さんも言っておられたように、パーセンテージはこのぐらいのものかもわからないけど、出資の実行に当たってはやはり厳格に達成見込みなどを検討し、同時に広域的な地質構造調査などもあわせ行い、これらの分析結果によって厳格に行うよう今後努めてもらいたいと思うわけです。 次に、海外投資損失準備金制度というのがあるわけですが、この制度は石油開発を促進する税制上の優遇措置ということになっておって、海外石油探鉱開発事業に対する出資者にその出資額の二分の一を準備金に繰り入れ、五年間損金に算入して減税の恩典を与えようというものだと承知しております。この場合、条件となっておる点について私はお聞きするわけですが、認定の対象となるためには、海外石油開発事業会社が探鉱開発または採取の事業を直接行ったり、あるいは今度の国会の改正点である融資買油の場合にのみに限られておる。このために、現在この恩典を受けられない会社が幾つかあるように私は聞いておるんです。 その理由は、石油の精製業もあわせ行っておるからだということですね。この辺は、先ほどわが国の石油会社が構造的な欠陥として世界的、国際的に認められておるような一貫操業の体制をとっていない、どちらかといえば一貫操業の体制をとることがより国際的な石油会社の機構を兼ね備えたものであるというふうに私は申し上げ、長官も、いまはともかく、将来そういう理想に近づきたいんだというふうにおっしゃったわけだけど、探鉱開発、そして精製業をあわせ持っておるがゆえにこの恩典を受けられないということであれば、この税制上の恩典措置というものは非一貫性を持っておるところにスポットを当てておるように見受けられるわけです。総合エネルギー調査会の中間答申にもいま申した一貫体制の確立を強調しておるわけですから、この辺一貫体制を阻害するような海外投資損失準備金制度というのは矛盾した政策じゃないかというふうに私は思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(増田実君) 先生が御指摘ありましたように、海外投資損失準備金制度につきまして、この対象になりますのは石油の探鉱開発事業を行うということで、精製を同時に営んでおる場合にはこの恩典が受けられないという形になっております。その意味で、今後開発部門と精製販売部門と一貫した会社が開発に乗り出すという場合には、この制度は非常に不完全と申しますか、それに合わない制度になっております。ただ、現在までのところでは、この精製を行っているためにこの制度が受けられなかった開発会社というのは、これは現実には出ておらないわけでございます。 現在石油開発事業に従事しております会社の中で、六社がこの海外投資損失準備金制度の適用を受けておりませんが、この六社いずれもがこの制度ができます前からすでに設立されておりまして、その後増資もしてないとかいろいろの理由がありまして、それでこの対象となっておらないわけでございまして、精製を兼ねているためにこの制度を断られたという実績は出ておらないわけでございます。 ただ、今後石油の一貫会社が石油開発に乗り出す形というものが、外国はほとんどすべてそういう形でやっておるわけでございますが、そういうような状態に今後持っていくためには、この準備金制度の適用対象をやはり変えていかなければならないと思いますが、現在までのところはその問題は起こっておりませんので、一応石油の探鉱・開発を行う事業を対象とするということで制度ができ上がっておるわけでございます。先生の御指摘になりました趣旨に基づきまして、将来この精製との一貫という問題が出てきましたときには、この制度の改善には努力していきたいというふうに思っております。
○藤井恒男君 現在四十九社ある海外石油開発事業のうち六社がこの制度を受けていないということは、いま言ったような、精製業も営んでおるがゆえに受けていないと解すべきじゃないわけですか。そうじゃないんですか。
○政府委員(増田実君) ないんです。
○藤井恒男君 わかりました。それじゃその点ひとつよろしくお願いいたします。 ほぼ時間が参りましたので、最後に、大臣と長官に備蓄に対して一括してお伺いして、私の質問を終わりたいと思うわけですが、備蓄については私は三つの要素があろうと思うのです。 一つは、申すまでもないことですが、安定供給の確保、これは価格問題も含むわけですが、これが絶対に必要である。そのためには、いま表に出た論議として、大宗を占める石油について述べられておるわけですが、同時に天然ガス、それからここでは述べられませんでしたが石炭、それからウランの開発、さらにオイルサンド、オイルシェール——これは今度入ったわけですか、これらの代替エネルギーの開発が必要であろうと思うわけです。しかも、これらの開発が資源ナショナリズムという状況の中できわめてタイトになっておる。そういった意味で私は、角度が変わった状態かもわかりませんが、まじめな正しい意味での国際協調というものが必要であろうと思います。 二番目の問題としては、今度は逆に供給面のタイトに備えて需要問題というのを考えなければならない。そうした場合には、省エネルギー対策としての産業構造の転換対策というものが必要であろう。同時に、電力などの二次エネルギー及び石炭対策が当然表に上がってこなければならない。とりわけ電気の供給予備率は、このまま推移すれば五十二年、五十三年はゼロあるいはマイナスということが予想されておるわけで、これまでも電源開発調整審議会で新規着工が認められたものは、開発目標に対して昭和四十七年三二%、四十八年四四%、こういう状況でございますので、この辺の総合的対策を立てなければならない。 同時に三番目の問題は、広義における環境保全——環境問題が必要である。立地公害、輸送を含めた広義の環境問題これは原子力発電所などの電源立地あるいは製油所、パイプライン等の立地、さらには石油備蓄それ自体の備蓄基地の立地などに対する制約が現にあるわけですから、こういった意味の環境保全との競合をどうするか。 総じてこう一、二、三の問題は、広い意味の国民的コンセンサスを求めていかなければこの前進があり得ないわけでございまして、このような点について総括して、私の申し上げた趣旨に照らして大臣、長官からのお答えをいただいて質問を終わりたいと思います。
○政府委員(増田実君) いま藤井先生から、石油のみならずエネルギーの総合的な今後の政策の方向につきましてお示しがあったわけでございます。 私どももエネルギーの安定供給の確保それからタイトに備えまして、需要の問題、産業構造の転換、あるいは電力をいかに持っていくかという問題その他、それからこのエネルギーに伴いますいろいろな環境保全その他の問題ことに、いま立地公害その他の問題につきまして、これは総合エネルギー政策を立てますときに、やはりこの三点というものを常に重要な柱として今後進めていかなければならないものと思っております。 先生がおっしゃいましたように、この総合エネルギー政策というものは、国民のコンセンサスを得ながら進めていくということで、今後のエネルギー政策を私どもも国民のコンセンサスを得ながら推進していきたい、こういうふうに考えております。
○国務大臣(河本敏夫君) いま御指摘になりました問題点は、備蓄、節約、まあ省エネルギー産業への転換を含むわけでありますが、それから新しい開発、ウラン、石炭等を中心とする代替エネルギーの問題、それからさらに、こういう政策を進めていく上において保安関係、環境の保全、こういう問題が特に重要である、こういう御指摘がございました。政府の方でも全く同意見でございまして、こういう諸問題につきましては、先般来、総合エネルギー対策閣僚会議を開きまして目下いろいろ準備を進めておりますが、近く第三回の会合も開かれる予定になっております。あと二回ばかり開きまして、大体の結論、方向づけができる予定でございますが、いま御指摘になりました諸問題をいずれも総合エネルギー対策閣僚会議におきまして十分検討いたしまして、わが国のエネルギー政策を間違いないように持っていきたい、かように考えます。
○藤井恒男君 結構です。
○委員長(林田悠紀夫君) 他に御発言もなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会 —————・—————