商工委員会 第13号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/04/22
会議録
○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 前回に引き続き高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森下昭司君 それでは、二、三お尋ねをいたしたいと思います。 最初に、非常に鳴り物入りで宣伝をされましたいわゆるコンビナート防災法、この法律案が、過去両院の委員会等で今国会に提出ができる、しかも衆議院の予算委員会では、三月中には提出できるだろうという具体的なお答えがあったようでありますが、いまだ提案がされておりませんので、なぜおくれているのか、まず第一にその理由をお尋ねいたします。
○説明員(藤江弘一君) 石油コンビナートに関しますところの総合的防災対策の確立につきましては、総理の指示によりまして自治省が取りまとめの任に当たっているところでございます。しかし、これにつきましては自治省が取りまとめをやるといいましても、実質的には関係各省の共同作成というふうなものでございまして、そのような意味から関係各省も多岐にわたり、かつ関係する法律もたくさんございますので、相互の調査に十分時間をかけなければならなかったということでございます。ただ、近くその調査も終えまして国会提出の運びになろうかと考えております。
○森下昭司君 そういたしますと、その一番の理由というものは関係各省の調整、悪い言葉で言えば、一応各省庁のなわ張り的な問題も出たのかもしれませんが、調整のために時間がとれたという理解でいいんですか。
○説明員(藤江弘一君) 私が申し上げましたのは、むしろ関係する法律が非常にたくさんあると。それでこの法律の私どもの考え方といたしまして、基本的には現在の単体規制といいますか、個別法規についてはできるだけこれを生かして強化してまいる。それで、それらの言い足りない点といいますか、補完すべき点をこの法案に織り込むということを主な柱にしておりますので、各個別法規との調整に時間をかけたという意味でございます。
○森下昭司君 しかし国会で、各委員会で述べられておりまするのは、記録上明らかなように、三月中には必ず提出できるであろうというのが各省庁大臣のお答えであったと思うのでありますが、そういたしますと大臣のお答えは、結局においてはこれが生かされなかったということになるわけでありますが、それは挙げていまお話のあったような関係の法律がたくさんございましたために、調整がおくれたためであるというふうな理解でいいんですか。
○説明員(藤江弘一君) もちろん、各法律間の調整に時間をかけたということ以外に実態上の問題もいろいろございます。で、防災対策として一体何が足りないかという点につきましては、コンビナートの実態に即しまして、それを補うという方向に持っていかなければいけないという点からいたしまして、自治体との調整にもかなりの時間がかかったというふうに御理解いただきたいと思います。
○森下昭司君 じゃ、通産大臣にお伺いいたします。 大臣は、ことしの二月二十八日の衆議院の商工委員会でこのコンビナート防災法の質問に対しまして、一元的な責任体制の明確化が必要であるというようなことで、いまお話がありましたように自治省が進めておる、そこで三月中旬過ぎには基本構想が固まるという御答弁をなさっておりますが、いまのお答えを聞いておりますと、まだまだ調整の段階でありまして、基本構想すら固まっていないような感がなきにしもあらずでありますが、大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いま消防庁から答弁がありましたように、これまでの個々の法規との調整に手間取ったというのが実情でございます。
○森下昭司君 いや、私が聞いているのは、あなたは二月二十八日の衆議院商工委員会で、三月中旬過ぎに基本構想は固まると答えているんですよ。その段階だってもう幾つか他の法律案がたくさんありまして、調整に手間取るというのは予想されているんです。ですから、御答弁なさっているように基本構想があれば明らかにしてもらいたい、こういうことなんです。ないならないでいいんです。
○国務大臣(河本敏夫君) コンビナートの防災を、一元的に指揮命令系統をはっきりしなければなかなか十分な対策ができないというので、今回の法案作成の作業になったわけでございますが、何分にも関係する法律が非常に多いものですから、やはりこの一つ一つの法律と矛盾しないように調整をしていく。案外時間がかかりまして、いま申し上げましたような段階になったわけでございます。
○森下昭司君 じゃ、佐藤立地公害局長にお伺いします。 あなたは、三月中旬から下旬にかけて案をまとめて一本の形に仕上げる、こう御答弁をなさっておりますが、どう思われますか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) もちろん、われわれ事務的に検討する立場といたしましては、総理からの強い御要請の問題でもございますので、われわれとしましても連日連夜この問題に取り組んでまいっておりまして、大体の問題点は当初からある程度予想はされておりましたが、何といいましても、コンビナート地帯に置かれていますところの各装置は非常に技術的にも高度であり、非常に複雑な装置がいっぱいあるわけでございまして、これらの個別の施設についての安全の問題と、それからコンビナート全体をかぶせて防災体制を至急に確立していくということの有機的な連携、この辺についての法律的ないろんな諸問題、あるいはしかもこれも実態的な解明、それによりますところの水島の事故のようなことが二度と起こらないような仕組みが有効的に働く、ワークするにはどういうやり方が一番いいかということにつきまして、実は何案かつくりまして、その中からベストのものを一つつくり上げていこうということで、いろいろ議論も非常に多角的にやっておる関係で、本当にもうまことに申しわけないんでございますけれども、結果的におくれてしまっておるわけでございます。われわれとしても、一日も早く提案いたすべく現在も努力いたしておりますけれども、そういう方向で進みたいと思っております。 —————————————
○委員長(林田悠紀夫君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、小笠公昭君が委員を辞任され、その補欠として森下泰君が選任されました。 —————————————
○森下昭司君 これは一月ほど前の委員会であったかとも私は思いますが、大協石油の火災問題を私が質問をいたしました際に、コンビナート防災法を三月の中旬ないし下旬までに出すというようなお話があったんで、水島事故の調査結果を待たないでコンビナート防災法を出すことは、事故のこの経験を生かすことにならないではないかという質問をいたしましたことがございます。いみじくも局長は、おくれました原因の中に、水島事故の解明の問題をいま答弁なさいましたけれども、当初はそういったことなしに、総理大臣の強い要請であるということで作業が進められ、そしていまになってまいりますと、今度は遅延した理由をそこにお求になる。遅延した理由すべてではありませんが、その一つをそこにお求めになる。私は、コンビナート防災法についてどうも政府側の態度が一貫しないような印象はぬぐい去ることができ得ないのであります。 問題は、いわゆる二月の二十八日の衆議院の商工委員会で、局長みずからが、三月の下旬までには自治省がまとめ上げて一本で出すと言って答えておみえになるんです。いまあなたがお述べになった困難性、どうしてもそれがそのとおりできなかったという困難性は二月二十八日現在でもおわかりになっているはずなんです。それをいまになって、いわゆる出せなかった、近いうちに出すということだけでは、果たして今国会の会期中に間に合わないかもしれないという心配すら私持つものであります。 そこで、最終的に大臣にお尋ねいたします。 大臣は、通産省として自治省に協力しながらもうコンビナート防災法の全きを期したいとみずからも指示され、この委員会でも答弁された覚えを私は持っておりますが、大臣はいつまでに一体自治省と協議して、自治省の資料——いま先ほど消防庁の防災課長が言いましたように、取りまとめの形は自治省でありますが、各省庁間の共同作業でお進めになっておるんです。しかも、産業経済という立場に立てば、通産省は、実質的指導的立場で問題を考えていくのが至当ではないかと思うのでありますが、この点について大臣のひとつ決意をお伺いしたい。いつまでに一体お出しになることができるのかどうか、この期日をはっきりさしてもらいたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど局長も答弁をいたしましたが、実は、作業はもう最終の段階に入っておるわけでございます。そうして、連日その調整をしておるという状態でございますので、そんなに時間はかからないと思います。ただ、何月何日ということはいまここではっきり申し上げられませんが、そう時間はかからない、こういうことだけは申し上げておきます。
○森下昭司君 いや、何月何日までとは申し上げませんけれども、あなたがお答えになっているように、たとえば、もういま四月の下旬に入ってきたわけでありますが、連休明けには出せるとか、会期は五月の二十五日までと私記憶いたしておりますが、十分な審議時間を与えるためには、少なくとも連休明けまでには出さなくちゃいかぬと思うんです。これは一つの目安です。それとも何か政府の方では会期延長のお考え方でもあるんですか。およその目安はこの段階に来て——四月のきょう二十二日でありますが、この段階に来ておおよその目安ぐらい言えるものじゃないんですか。 あなた自身は、もっと私詳しく言うならば、職権的な立場で追及するならば、三月中旬には基本的構想だって固まるなどと言っているんだから、ここで基本的構想を言ってもらいたいぐらいですよ。しかし、あなたの立場を尊重しておおよそのめどだと聞いているんですから、会期のいわゆる残された期間、それから十分な審議期間等を考慮いたしました場合に、いつまでには出さなくちゃならぬという逆算が出てくるわけです。それとも、政府にはそういうめどがなければ、さっき言った、皮肉じゃありません、会期延長をやるか、あるいはコンビナート防災法は今国会で成立しなくてもいいというお考えがあるのか、そんなことは大変なことだと思うんです。だから大臣、はっきりしなさい。いつごろまでに出すんですか。責任の問題ですよ、これ。
○国務大臣(河本敏夫君) 来月上旬ぐらい目途といたしまして作業を進めております。
○森下昭司君 まあ私は、一応来月の上旬という目標は出されましたが、会期等の問題からまいりますと、それでも遅きに失するのではないだろうかという点を非常に危惧いたしておりますので、政府の熱意ある態度を、さらに少しでも、一日でも早く提出できるように御努力を願っておきたいと思います。 次に私は、先般通産省が行われました高圧ガスタンクの調査結果に基づきまして二、三お尋ねをいたしておきたいと思うのであります。 その第一の問題は、調査の結果、いわゆる改善命令と申しますか、そういうようなものを出されたものが若干あります。あるいは防液堤等については、ひび割れが認められたものが全国六十ヵ所あるというようなことが実は載っておるわけでありますが、この改善命令を出されましたガスタンク十社の十三基ですね、これはタンクが製造されて何年ぐらい経過したものですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 全国の高圧ガスタンクあるいは都市ガスのタンクにつきまして一斉調査をやりまして、結果をまとめましてこの間発表いたしたわけでございますが、いま御質問のございました欠陥といいますか、われわれの方といたしましては、高圧ガスにつきましては、石油タンクと構造が違いましてコンクリート基盤の上に乗っておる構造でございまするので、単純に不等沈下という現象とは大分形が違っておりますけれども、一応安全のために、コンクリート基盤が一%以上傾斜したものにつきましては、ガスを抜いて点検するということに踏み切ってやっておるわけでございます。 これはもう高圧ガスタンクにつきましては、毎年一回保安検査をやりまして、いろいろチェックをやっておるわけでございますが、ただいま御質問の欠陥のありましたタンクにつきましての製造月日、ただいま手持ちにはございませんけれども、大体高圧ガスといいまするのは、石油化学工業自体が比較的新しい産業でございますので、総じてそう古いタンクはないわけでございますけれども、また、調べればすぐわかることでございますので、あとで御報告申し上げたいと思います。
○森下昭司君 それはあとでそれじゃ御報告いただきたいと思うんです。 それで問題は、この高圧ガス取締法の第八条に「(許可の基準)」というのがあるわけですね。それを受けて私若干調べてみますと、保安規則等がございますが、いま局長が言われましたような石油タンクと違うと。その違う理由は、下部構造が、要するにセメントのおさらのようなものに乗っているからなんだというお話でありますが、これは保安規則等をながめてみましても、そういうような台座と申しますか、台座の構造については特に指定がしてない、つまり規定がしてないというふうに思うのでありますが、この台座については規定があるのですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 石油タンクにつきましての第八条の許可基準につきましては、タンク本体の肉厚の問題とか、あるいは耐圧性の問題とか、気密性の問題等々についての保安基準はございますけれども、いわゆるタンクが乗っておりますところの基盤そのものについての省令はただいまございません。
○森下昭司君 そこに保安上一つの欠陥があったのではないだろうかと私は思いますが、いま局長がお答えになりました肉厚の問題にいたしましても、別段基準として何ミリ以上の肉厚がなくちゃいかぬとか、あるいは材質についてはこうこうこういった物を使用しなくちゃいかぬとかいうような細かい指示は、事実問題としてないわけですね。保安規則の第十条の第四号では、「二倍以上の圧力で降伏を起こさないような肉厚を有するもの」というような非常に抽象的な表現になっているわけなんです。 そこで、そういう保安規則の非常に抽象的な規定が、法で言う第八条の許可の基準として果たして妥当かどうか、そういうような抽象的な規則で規定することが、法で言う第八条の許可の基準に適合するかどうか。適合というよりも妥当性の方がいいと思うのですが、妥当性があるかどうかという点についてはどういうお考えを持っていますか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 確かに先生の御指摘のように、省令の保安基準の中に数値も入れて規定するやり方も一つあろうかと思います。ただ、この高圧ガス化学産業というものが、非常に日進月歩の技術革新が激しい産業でございまして、それに伴いまして高圧ガスにつきましても、まず、タンクの材質そのものも年々改良されてきておるわけでございます。最近は高張力鋼等も使いまして、できるだけ安全性の高いものに志向いたしておるわけでございます。 そういう観点から、材質と非常に関連のある問題でございますので、一応省令といたしましては、いま先生がおっしゃいましたように、常用圧力の二倍以上かけましても降伏を起こさせないという大綱をかけておきまして、それからさらに、材質に伴いますところの細かい数字的の規定につきましては、補完基準というものを通達ベースで出しておりまして、それには細かい数字的な裏づけを入れさせまして、これによりまして基準の、いわゆる省令の補完をさせまして、あわせて万全を期すという仕組みになっておるわけでございます。
○森下昭司君 実はあれこれと関係がありますが、高圧ガス保安協会ですね、法律の中にあります特殊法人でありますが、この高圧ガス保安協会が、液化石油ガスプラント自主検査基準というものをつくっているわけです。これはおたくの指導によって私はつくられたものだと思うのでありますが、この自主検査基準によりますと、材質の点については規定はいたしてありませんが、検査の仕方については相当細かく指定してあるわけなんです。私はこの法律からまいりますと、どうも高圧ガス保安協会の方に許可の基準についてのすべてをおまかせになっている、検査等についておまかせになっている関係上、保安規則の方に抽象的な表現があるのではないだろうかという感じがいたしますが、法のたてまえからいけば、高圧ガス保安協会は、これはいま私が申し上げたように自主基準でありますから、やはり保安規則の中に明確にいろんな点について規定していくことの方が、私は妥当性があるのではないだろうかというような感じがいたしますが、その点についてはどうですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) この保安協会の役割りの大きな仕事の一つといたしまして、関係業界が日進月歩のこの技術に即応いたしまして常に新しい基準を見直していく、あるいはまた海外の勉強をいたしまして、それでよりよい基準をつくっていく、これは自主保安の体制として絶対必要不可欠な問題でございますので、それは絶えず協会内の大きな技術活動の問題として指導奨励いたしておるわけでございます。ただ、国の基準といたしまして、絶対最低限度守らせなければならないという保安基準につきましては、これは通産省がみずから協会を監督いたしながら、しかも、われわれといたしましてはできるだけ広い範囲の学識経験者の御意見を賜りながらやっておるということでございまして、若干その点は区別しながらやっておるというのが現状でございます。
○森下昭司君 しかし、たとえばさっき質問したガスタンクの検査結果、百分の一以上の要するに勾配の問題ですね、これはちゃんと高圧ガス保安協会の自主基準に載っているんですよ。「貯槽基礎に印した基準点の沈下の不等が百分の一勾配以上となっているときおよび」云々と書きまして、通産省が御調査なさって〇・五%、一%と不良タンクをお挙げになりましたが、その不良タンクをお挙げになった根拠は保安規則ではなくて、いみじくもこの高圧ガス保安協会の自主基準によってあなた方区別しておみえになるんです。通産省が御調査なさって結果を発表するのに、法や規則、施行令等にのっとらないで、高圧ガス保安協会の自主基準にのっとって御発表にならざるを得ないということは、私が言うた本末転倒、法体系の中で明確にすべきものは明確にしていくということが必要ではないかということになると思うのでありますが、これはどう思われますか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 確かにタンクの基盤についての一応安全限界といたしまして、自主基準の中に一%というのが織り込まれておるわけでございます。これはわれわれといたしましては、国が定めます保安基準というのは、当然これは罰則の伴う非常に重要な問題でございますので、やはり制定する場合には、それだけの裏づけがなければいかぬということが最低必要になってまいるわけでございます。一方、業界の定めます自主基準というのは、いろんな海外の勉強をいたしまして自主的に定めることでございまして、これはやはり国家基準よりもある面では進んでおる面が当然あってしかるべきというふうに考えておるわけでございます。 したがって、われわれも決してその基盤の問題について放置しておったということではなくて、先ほど申し上げましたように、国家基準として決めるにはまだ理論的な裏づけが実はなかったわけでございます。しかし、今回あの水島の事故にかんがみまして理論的の解明をまつ暇もございませんので、今回近いうちに省令を改正いたしまして、基盤の傾きにつきましても測量の義務づけを制定いたすことにしておりますし、それから、保安検査の際も基盤の問題をチェックするように変えてまいりたいと思います。そういうことでございまして、まあ確かにいままでそれが抜けておったという問題もございますけれども、そういうようなやむを得ない事情であったということを御了解いただきたいと思います。
○森下昭司君 一応事情はわかりますが、私、一の自主基準をずっと読んでみますると、たとえばいわゆる円筒形貯槽の場合は、「WES規格HW五〇以下の高張力綱を使用した」云々と言って、一応やはり材質の規定というものも参考にされているわけなんです。これは四十八年の二月に制定されているわけですね。ことしになってもう二年以上たっているわけですから、私はやはり局長がそういう御答弁をなさいましても、現にもう高圧ガス保安協会では、実質的にこういう基準を明確に定めておやりになっているという点からまいりますれば、やはり行政上何らかの措置を強化していく必要があると、いまそういう御答弁がありましたけれども、さらに強化していく必要があるというふうに思うのであります。 そこで、もう一つお尋ねしたいんですが、それはさっきの検査結果が参りませんので、私ちょっと質問の内容は的を外れるかもしれませんけれども、開放検査というのがあるわけですね。つくって、製造後二年たったものですか、これは開放検査をしろと、二年以内の。これ、いまのは第一回ですね。それから次は、十五年未満のものについては三年ごとにやれとか、あるいは最初の完成検査後経過年数が十五年以上二十年未満については二年だとかいうような開放検査があるんですが、その開放検査と、さっき言った十三基の改善命令を出したタンクとの関係が実は知りたかったんです。たとえば、開放検査がこの基準どおり行われておれば、あるいは十三基のタンクの改善は未然に防げたかもしれないという感じがいたしますので、そういう点についてお尋ねをしたかったというふうに思ったわけでありますが、書面がありませんので、その点についてはまた後日に譲りたい、かように思います。 次に、今度の改正の中で、タンクローリーの輸送問題についての若干の改正が行われているわけでありますけれども、実は、これは非常に法律上は簡単な表現でありまして、「積載方法及び移動方法について通商産業省令で定める技術上の基準に従ってしなければならない。」ということでありますが、従来は都心地を通っちゃいかぬとか、あるいは管轄をする警察署の許可がなければ通行しちゃいかぬとか、いろんな制度が行われておるわけでありますが、やはり運転をする人でありまするし、そういう点を考えてまいりますと、非常に移動、それから積載の方法という点について省令が一つ問題になってくるのではないだろうかというような感じがいたします。そこで、積載方法と移動方法についての省令の具体的なものはどういう考え方をお持ちになっているのか、それをまず最初にお聞きいたします。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今回の法律改正によりまして二十三条の二項が、通産省に基づきまして所要の措置を講ずるようにということに改められるわけでございますが、現在検討いたしております中身といたしましては、まず、タンクローリーの容量をひとつ制限したらどうかということでございます。 それから第二番目が、容器と車両との位置に関する規制でございまして、これはタンクローリーに載っております容器とリヤバンパーとの関係をどうするか。それから、容器についておりますバルブとリヤバンパーとの関係を規制する。それから付属配管の位置を規制していこう。 それから第三番目といたしましては、たくさん容器を積んでおる場合には、容器相互の転倒、転落防止に関する規制を入れていこう。それから、容器の安全装置をいろいろ規定いたしまして、温度計とか圧力計とか、あるいは緊急遮断弁等々の設置を義務づけてまいろうということでございます。それから、容器の損傷を防止するために高さを示す検知棒をつけさせる。それから保護枠をつけさせるとか、容器内部に波よけ板をつけさせるとか、あるいはバラ積み容器関係につきましては、一定の高圧ガスについての混載を禁止するとか等々の規制をこの際義務づけたい、こう考えております。
○森下昭司君 実は、昨年の高圧ガス及び火薬類保安審議会の答申で非常に私関心を持ちましたのは、答申の五十八ページに「路上点検の強化」ということがうたわれているのです。その路上点検の強化のために、「都道府県等の権限やまたその点検実施方法などについて法令上明確にすべきである。」ということがいま出ているんですよ。だから私は、法改正の積載方法と移動方法だけでは、審議会の答申が十分生かされていないという感じがするわけなんで、この審議会の答申について「法令上明確にすべきである。」ということについてはどうお考えですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 審議会から御答申をいただきまして、この答申を実現すべくわれわれといたしましても当然検討をいたしたわけでございます。ただ、駐車している車の路上点検を都道府県の職員にやらせるということについての法的な権限につきまして、若干問題が提起されておりまして、われわれといたしましては、しかし、この御答申の趣旨に沿う形といたしまして、警察の方と十分に協力体制をしきながら路上点検を実施していくという仕組みをこの中に織り込んで、それでこの御答申の趣旨を生かしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○森下昭司君 それでは私は、安全対策という点については欠ける点があるんじゃないかと思うのです。というのは、タンクローリーを初めとした自動車の構造上の問題は運輸省なんです。したがって、いま局長が御答弁なさったようなことを実際に都道府県がやろうと思いますと、その主体は陸運事務所になるのです、陸運事務所に、構造上の問題は。 それから次に、警察が出てやるというのは、自動車の整備の状況がどうかという点を陸運局と協力をするという形ですから、警察は従的な立場に立つのです。警察を主としようとすれば何らかの法律的根拠、法律に違反した事項は明確に出ているかどうかということが明らかにならなければならない。しかし、現在の警察の実態からまいりますれば、こういうような高圧ガス取締法に基づいて実態を調査して、そうしてやろうというような意欲は全然ありません。したがって、いまの局長の答弁では、実際の現地の仕事をやっている人々からいけば、全く私は実態に即さない答弁だと思う。それはいみじくも答申を無視しておる。もっと言うならば、安定対策に欠けるものがある、熱意がないということにも通ずると思うのです。そこで、最初にお答えになった、都道府県の職員にやらせることが法的に問題があるということを言われましたが、どういうことが問題なのですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 危検物を積んで走っておる車でございますけれども、やっぱり走っておる車を司法捜査権を持っていない都道府県の職員が停車を命じましてそれをチェックするということは、権根としてなかなかとりにくいということでございます。したがいまして、われわれの方といたしましては、路上点検につきましては通産局の都道府県の職員が警察官に入っていただきまして、合同で路上点検を実施する仕組みをいまやっておるわけでございまして、今後ともそういう形で実効を上げてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○森下昭司君 全く私は、この答申を実際本当に、真剣に考えていないと言えると思うのです。これは法令上明確にしろと言っているのですから、いまあなたが言っていることを法令上明確にしてください。どうやってやるのですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) まあ、法制局の方とも十分に協議いたしたわけでございます。したがいまして、われわれの方といたしましてはできるだけ警察、場合によりましては消防署の方とも十分に連絡をとって、そして通行中のタンクローリーの点検をできるだけの密度を上げて点検していくということで、まあ実効を上げざるを得ないということで御了解いただきたいと思います。
○森下昭司君 私は、法令上の根拠というものが必要でありますから、そういうものをやっぱり法律上明確にするということは、当然なこれは答申ではないかと思うのであります。 高圧ガス取締法ですか、警察官の立ち入りを認めていますね。生命及び財産に支障のある場合は云々という警察官の立ち入りを認めています。やはりそれと同じような根拠的なものは、今回のこの輸送上の問題に適合できないかどうか。もしも適合できないとすれば、法律上、その点について改正なら改正をする必要があったのではないかというような感じがいたしますが、その点はどうですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) この六十二条の立入検査の法文を適用して実効を上げる手は確かに一つあろうかと思います。したがいまして、まず警察官が移動中の車をとめまして、とめた車につきまして、一応まあ立入検査の形で都道府県の職員が検査をするということで、先生の御指摘のようなタンクローリーについての実効を上げる手は確かにあろうかと思います。
○森下昭司君 ですから、この答申を尊重する。もっと言葉をかえて言えば、生産第一じゃないんですね、安全第一なんです。これはもう経済界の今日一番の問題点ですね。その安全第一という立場で通産省がお考えになるならば、いま局長がいみじくも、六十二条第二項でやろうとすればというお話があった。ここへちょっと、「あるいはその他必要なこと」とか、「あるいはその他保安に関して」とか入れれば、警察が停車を命じてやることがこれはできるわけなんです。これはいまのところ場所ですね、貯蔵所とか製造所とか、あるいは管理場所とか保管場所とか、そういったところでできるわけですから、答申を本当に生かして安全対策、安全輸送ということをお考えになるならば、私は六十二条の改正を少し行うことによって可能ではなかったかと思うのでありますが、この問題についてひとつ大臣、どうお考えですか。本当に通産省というのは安全対策をお考えなんですか、これで。
○政府委員(佐藤淳一郎君) タンクローリーといいましても、やはり容器その他バルブの問題あるいは付属装置につきまして相当保安技術の基準を決めておりますし、やはり専門家がチェックしなければいけないということもございまして、われわれの方といたしましては、答申の御趣旨を生かす形で、やはり警察官と都道府県職員の技術を持った者と両方の立ち合いのもとでやった方が、より実効が上がるであろうという判断をいたしたわけでございます。
○森下昭司君 だから、法改正をなぜしないかと言っている。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 警察官をして移動中の車をとめさせまして、それから都道府県の職員か現実にタンクの設備につきましてチェックするというのが、現状すでにやられていることでございますので、この現行法の中で十分に答申の趣旨は生かされるであろうという判断のもとに、今回はこういうことにいたしたわけでございます。
○森下昭司君 そうすればあなた、審議会の答申を、審議会そのものの権威を否定することになりませんか。実際に行われておるから法令上明確にする必要はないという説明でしょう。それでは審議会の答申を無視し、審議会の権威そのものすら冒涜するような答弁じゃありませんか。じゃ、答申なんか必要ないじゃないですか。審議会はそうであるからこそそれを裏づけるためにも法令上明確にしろと言っているんじゃないですか。そんな答弁納得できませんよ。どうするのですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) われわれといたしましては、二年にわたる審議会の御答申でございますので、一〇〇%これを尊重するというたてまえでこれを実行に移してまいりましたし、今回の法律改正もまさにその結集であるわけでございます。たまたまこの問題につきましては、法律改正につながっておりませんけれども、われわれとしましては、一応法的の改正が可能かどうかということは法制局とも十分実は協議いたしたわけでございまして、単純にわれわれの考え方で今回の法律改正ができなかったということではございません。要は、やはり都道府県の職員が移動中の走っている車をとめさせる権限を持つということは、法制的に問題であるという御指摘であったために見送らざるを得なかったということでございます。しかし、われわれとしましては、この答申の意味するところの趣旨につきましては、十分に生かすように現行法の中で体制を整えようということでございまして、この点はあしからず御了解いただきたいと思います。
○森下昭司君 六十二条の立入検査、第二項で警察官云々と書いてありますから、私は、この法律を少しく改正すれば十分この答申の趣旨に合う、法令上明確にすることは可能であったと。いま局長の答弁は、この六十二条の問題とは別にいたしまして、都道府県の職員が車をとめることは法律上疑義がある、これは当然だと思うのです。そのことに視点を置かれて内閣法制局と御相談、御協議なさったために、法律上問題がある、ですから明確にできなかった、こういうことになるのじゃないですか。ですから、六十二条の第二項の警察官は云々という項目があって、立入検査権を認めているのです。この場合の、局長の従来の答弁を繰り返せば、警察官だけが行くわけじゃありません、通産局の専門の係官が参りまして、それで専門的知識で関係企業の代表に御質問をなさるということになると思うのです。したがって、再度内閣法制局と御相談なさって、法改正の方向、法令上明確にする方向について御検討なさるお考え方はないですか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 六十二条の二項は、警察官に対しまして立入検査並びに関係者に質問することができるということになっておるわけでございます。 それから、一項の方はそれとは違いまして、要するに、都道府県の職員が高圧ガス施設についての立入検査を実行していくということでございます。したがいまして、先ほど車についての問題点につきましては、いまの論点といたしましては、走っている車をまずとめる権限は警察官が持っておるわけでございますから、警察官にとめていただきまして、その上で合同で検査をやっておりますから、それで都道府県職員の技術官がタンクの設備をチェックするということでやっておるわけでございまして、確かにその点を、先生もおっしゃるように法律で明確にしたらどうかという一つの方向とは、私もお認めするわけでございますけれども、答申の趣旨を生かす方法として、現行の法律の中で十分に私どもとしては担保し得るということもございましたし、それから、何度も申し上げてくどいようでございますけれども、確かに都道府県の職員にそういう権限を持たすということは問題であるという、そういう論点からの相談であったことは間違いございませんけれども、いずれにいたしましても、この件につきましての答申の趣旨を生かす方法としては、一応現行体制の中でいろいろ法制局の論議を経た後で、われわれとしても十分にやり得るであろうという結論に達したわけでございます。
○森下昭司君 幾ら局長が答申を尊重した、答申を尊重したと言ったって、現実に答申を尊重した形になっていないのですよ。私はその答弁じゃ不満です。ただ私は、内閣法制局とどういう御相談とどういう経過があってこうなったか存じません。存じませんが、通産省の面目とか何とかということは抜きにいたしまして、再度協議して、そして答申の趣旨を生かす、具体的な措置をするということが私は必要ではないかと思うのであります。これは審議会が、いま局長が御答弁になったように二年間も審議したものを、全然形になってあらわしてない、実際行われているからいいじゃないですかということでは私は承知できません。したがって、これは今後の検討事項として、一応問題を指摘するにとどめておきます。 時間の関係でそういうことにいたしまして、次は、LPガスの業者と一般ガス事業者との間におきまして紛争が非常に絶えない点がありまして、まことに残念だと思うのでありますが、まず最初に大臣にお伺いいたしますが、大臣がことしの衆議院の予算委員会の分科会で、LP業者が行っておりまする販売行為、非常にそれは公益性は高いという御答弁をなさっておりますが、その考え方は変わりありませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 変わりありません。
○森下昭司君 そこで一番問題になりますのは、何と申し上げましても一般ガス事業者がLP業者に無断と申しますか、通知なくして、勝手にプロパン業者が設置いたしました導管などを廃棄してしまう、そして、廃棄された容器の中にはまだガスが残っているものもありますし、そのガスによって火災等が起きた事例等も聞いておるわけでありますが、そういうようなやり方に対してはどう思われますか。
○政府委員(大永勇作君) いま先生御指摘になりました、LP業者が敷設いたしました導管を都市ガス事業者が断りなく廃棄したり、あるいはその他LP業者の財産といいますか、そういうものに都市ガス事業者が直接手を触れるということは、これは明らかに違法なことであるというふうに思います。
○森下昭司君 この点については、七十一国会の請願の、通産省の出されました処理要綱などにも示されまして、一応紛争が起きないように円満に話し合いをしてというようなことが繰り返されているだけで、実際にはその苦情などが絶えていないわけなのです。この請願処理要綱の中で、あっせんする場所を設けるということが別個に書かれておるわけでありますが、このあっせんする場所というのは、ただ単にたとえば通産局の一室を貸すとか、ただ単に会議室を提供するとかいうだけなのか、それともやや積極的な考え方があるのか、もう少し具体的にやってもらいたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) この両者の話し合いの問題でございますが、実際の解決の事例を見ますと、たとえば、LP業者が都市ガス事業者の器具の販売等を扱うというふうなケースもございますし、それから、都市ガス事業者がLP業者から石油を購入するというふうなケースもございます。それから、立会料その他の形で若干の金銭を授受するというふうなケースもございます。非常に個々別々でございまして、また、その内容も非常に営業活動の具体的な中身に入る問題になるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、そのような問題につきましてはやはり当事者間の話し合いということが一番適当であろうというふうに考えております。したがいまして、たとえばLP業者が都市ガス事業者に対しまして話し合いを申し込んだのに、都市ガス事業者がその話し合いを拒否するというようなことがあってはなりませんので、そういう場合には、都市ガス事業者に話し合いをしなさいという指導はいたすということでございますけれども、役所が積極的にその間に入って、両者の間の調整をしようというふうなことは考えておりません。
○森下昭司君 問題は、その紛争が起きます一番の原因は、無断でその施設を撤去されることが一番大きな原因になっております。いま部長が言われましたようなことでは解決にならないのです。それが起きた後話し合いということになりますけれども。まず最初、けんかでいけばぽこんと一発殴られて、殴った方と話し合えなんて言ったって、殴られた方は、それはふんまんやる方ないですよ。 このまず第一段階の、いわゆるガス会社に対しまして、それは消費者が選択することだという原則でおたくの方はおやりになっていますから、たとえば消費者がLPから都市ガスに切りかえろということになった場合は、何月何日、こういうような区域については工事をする予定であるので、それまでに話し合いの上で円満にひとつ配管等機器を撤去していただきたいというような通知を出さした上で工事をやるというようなことでありますれば、一応話し合いをして云々ということにはある一脈の筋が通るわけなんです。ところがそうでなくて、最初から無断で配管を取っていく、そしてその付近に置いていく、これは保安上からも非常に危険なことであります。でありますから、行政指導で都市ガス会社に対しまして、そういう都市ガスへの切りかえの際の事前通知と申しますか、そういうものができ得ないのかどうかお尋ねいたします。
○政府委員(大永勇作君) 先ほど申し上げましたように、無断で導管等を撤去いたしますことは、いかなる事情があるにいたしましてもこれは違法でございますので、そういうことはないように厳に取り締まりをいたしたいというふうに考えております。
○森下昭司君 そういう違法の場合に、通産局といたしまして厳に処分すると言われますが、具体的にどういうような処置をなさいますか。
○政府委員(大永勇作君) 業務の方法が適切でない場合におきましては、業務方法の改善命令というのをガス事業法の規定に基づいて出すことができることになっております。そういった命令を出すことで改善さしたいというふうに考えております。
○森下昭司君 いままで、失礼ですが全国でどのぐらいお出しになりましたか、これはLP業者のそういった紛争だけに限って。
○政府委員(大永勇作君) 現在までそういった違法行為を理由といたしまして、業務方法改善命令を出したことはございません。
○森下昭司君 そういたしますと、せっかくの法律が死文化しているというふうに感ずるわけでありまして、具体的な事例がたくさん出ているわけなんです。その点についてはどうですか。
○政府委員(大永勇作君) われわれの方といたしましては、たとえばLP業者の導管を勝手に廃棄するといったような、いわば器物損壊的な不法行為の事例につきましては、報告を受けていないような状況でございます。
○森下昭司君 最近名古屋通産局に、岐阜市の人が六人ほどで共同で、ガス事業法第五十一条に基づきまして苦情の申し出をするということになっておりますが、これは通産局へ正式に出されておりますか。
○政府委員(大永勇作君) 四月二十一日現在では、まだ正式申し出はなされていないようでございます。
○森下昭司君 この内容も、いわばいま私が指摘いたしましたようなことが一つの前提になっているわけであります。 なお問題は、これに付随をいたしまして、ガス事業法では第四十五条でいわゆる「(損失の補償)」という項がある。まあ法理論的には若干の問題点がありますが、こういう植物の伐採等を行って補償するぐらいだったら、われわれの器物を破損しておいて補償するのが当然ではないかというのが、一番従来の苦情の内容と違った点であるというふうに理解しておるのでありますが、この四十五条の問題と、いま申し上げた導管等を廃棄処分にしてしまって、いわゆる事実上の権益を侵害するという内容とは本質的にはどう違うんですか。
○政府委員(大永勇作君) 四十五条の規定は、その前に四十三条、四十四条というのがございまして、ガス事業者に対しまして、他人の土地に立ち入ったり、あるいは必要な場合に若干の植物を伐採するという行為を認めているわけでございますが、そういった場合に生じた損失につきましては四十五条の規定によりまして損失を補償しろと、四十三条、四十四条を受けた形の規定でございます。しかしながら、いま先生御指摘になりました、他人の財産に対しまして手を加えまして、それでそういったものを棄損するというふうな場合には、これは明らかに器物損壊等になるわけでございますので、当然民法上から言えば不法行為ということに相なりまするので、このガス事業法の規定が別にございませんでも、損害賠償の対象にはなろうかというふうに考えるわけでございます。
○森下昭司君 業者の中には、ガス事業法の中でやはり補償問題を法律的に明確にしろという意見も非常に強いわけであります。問題は、いま部長がお話しになりましたように、行政指導でガス事業者の違法な行為があればこれを是正し、処分をしていくという筋の立ったことが行われれば、このような問題はそう起きないと私は実は見ているわけであって、そういう点で、もしもこの岐阜瓦斯問題の六人の方が苦情を申し入れた場合、この申し入れの内容によって、確かに岐阜瓦斯に問題がある、ガス事業法によって問題があると、仮の話ですが認定された場合には、必要な処置をなさいますか。
○政府委員(大永勇作君) ガス事業者の行為が、先ほど申し上げましたように不法行為等を含んでおります場合には、当然これは処置をするということでございます。
○森下昭司君 次に私は、ガス事業法の四十条の四の地方ガス事業調整協議会と、いま申し上げました第五十一条との問題等についての関連、それから、LP業者の権益保護というような点について若干お尋ねをいたしておくわけでありますが、衆議院の予算委員会におきまして一応お答えになりました中で、地方ガス事業調整協議会というもので、いま申し上げたLP業者と都市ガス業者との紛争を調整できないかという質問がありました際に、お答えは、法律の解釈とするならば可能だ、しかし、いままではやったことがないというお答えがあったわけでありますが、法律的解釈から可能という点からまいりますれば、私は先ほど申し上げたように、苦情の申し出、これはガス事業法五十一条の「苦情の申出」に際しまして、苦情をどう処理するかということは、法律上規定がありません。施行令とか規制であると思いますが、法律上は規定してありませんが、私はやはり五十一条の「苦情の申出」等の処理の問題、それからいわゆるLP業者と都市ガス業者との紛争の問題、当然これは地方ガス事業調整協議会の議題として、調整すべき問題として取り上げるべきだと思うのでありますが、この点についてさらに詳細にお尋ねいたします。
○政府委員(大永勇作君) 現在、先生御指摘のように、ガス事業法四十条の四の規定によりまして、地方ガス事業調整協議会というのが設けられておりますが、この地方ガス事業調整協議会の主たる仕事は、このガス事業法の中には簡易ガス事業といういわゆるLP事業の小規模導管供給を行っている事業がございまして、この事業につきまして、ガス事業者の供給区域内でそういった簡易ガス事業を認可いたします際に、認可基準に照らしまして妥当かどうかということを判断するためにこの協議会を開くわけでございます。 それで、前回の委員会でもお答え申し上げましたように、法律上はその他の事項というのがございますから、いま先生が御指摘になりましたような事柄についても法律上はかけ得るわけでございますけれども、ただ、先ほど私が申し上げましたように、このLPとそれから都市ガスとの調整問題の中身といいますのが、先ほど申し上げましたように、具体的な金銭の授受でございますとか、あるいは石油を買うとか、あるいはどのぐらい買うとか、あるいはその器具の販売店の代理店等にするとかしないとかいった、きわめて具体的な営業活動の中身に入ってくる問題でございまして、私どもといたしましては、政府機関あるいはこういった公的な機関がそういう具体的な営業活動の中身まで入っていくということは必ずしも適当でないのではないか、そういう意味で、法律上はともかくといたしまして、実際問題としてこの地方ガス事業調整協議会をこの面で活用するということは必ずしも適当でない、やはり当事者間の話し合いによって解決されることが望ましいというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(林田悠紀夫君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
○森下昭司君 法律をそのまま素直に、もっと言えば素朴に読めば、私は、「ガス事業者の事業活動の調整に関する重要事項」ということになっているのですから、当然LP業者にとりましては商圏の確保ということが重要な事項だし、それからガス会社にとりましては、供給区域内についてガス事業法に基づいてガスを供給しなければならない義務があるわけですから、これもガス会社にとりましては当然重要な事項に入ると思うのです。いわゆるこの供給区域、これはもう見直し——時間がないので、もっと細かいことを聞きたいのですが飛ばしますが、供給区域の決め方にも問題があります。 これは四十四年当時の国会でも大分論議されております。行政単位でなくて、もっと見直すんだというようなお話がありますが、現実にどうなっているか、もう少しお尋ねしたいのですが、時間がありませんので飛ばしますが、とにかく、ガス会社にとっても重要事項である、LP業者にとっても重要事項なんです。ですから、法律を素朴に解釈をすれば、官庁が営業の問題のすみずみにまで入ることは差し控えるべきだということは、常識論としても理解することができますが、いま申し上げた趣旨からまいりますれば、私は、この法律を素直に見た場合には、両者の調整活動を、ある意味においては具体的な、すみずみにまで入らなくても、大綱的には調整していただく必要があるのではないか。 それは、いま申し上げたような供給区域内における簡易ガス事業への転化の問題とか、協業化とか共同化とか、いろいろな問題がありますが、そういった点について地方ガス事業調整協議会を活用していくべきである。もしも部長が言われますように、法律の趣旨からいくと現実にはその当時は想定していなかったんだということがありますれば、先ほど申し上げたように、現実に起きている紛争について、ただ通産局に申し出がなかったということでなくて、やはり通産省は厳重な態度をとってガス事業者を処分をする。つまり、積極的に風聞あるいはうわさでも聞いて調査をする、実態を通産局自体が調べてみる、確保する、そういうことが私は必要ではないかと思うんです。申し出がありませんから、紛争としては話は聞いておりますけれども、私どもといたしましてはそういった処分をしたことがございませんということでは、私は問題を残すだけではないだろうかと思うのであります。 そこで、きょうは増田長官お見えになりませんか。——最後にひとつ、いいですか。増田長官かやっぱり衆議院の予算委員会で、営業権というものがあるかないかは非常に判定はむずかしい、しかし、何らかのかっこうで補償問題については、当該ガス会社との間において応分に補償させるというようなことを検討してもいいのではないだろうかという答弁があったんです。その点についてはどうですか。
○政府委員(大永勇作君) 先ほど申し上げましたように、現在、両当事者間の話し合いによりまして若干の立会料等を払っておるケースもございます。したがいまして、われわれといたしましては、やはりこの問題はあくまでも両当事者間の話し合いによって解決することが望ましいというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 これは予算委員会第四分科会の会議録でありますが、ここで増田政府委員は、「国が補償するのは無理だと私は思います。ただ、これにつきまして都市ガス業者が若干の負担をするということは可能かどうか、こういう点についても検討したいと思います。」、さらに、「この問題につきましては検討することはお約束いたします。」とはっきり答えています。いま部長の言われた立会料とか何とかという名目のものじゃないんです。その前にやっぱり補償問題のやりとりがたくさんあるんです。あって、結論としてそういうことを実は増田さんが答えているんです。私は、そういう点について通産省は真剣に検討していただきたいと希望いたします。 同時に私は、先ほど希望いたしましたように、この都市ガスとLP業者の紛争を解決をするためには、たとえば供給区域とかあるいはいろいろな問題があります。ありますが、当面は事前に通知をして、話し合いの本当の糸口をつけてガス会社は工事にかかるという、この素朴な前提条件を守れば相当問題は解決するんではないかというのでありまして、単に申し出がなかったからというので放置するのではなく、積極的に通産局は風聞あるいはうわさ話、そういったものをもとにいたしまして事実を確認して、違法行為があればガス会社に対して厳重な処分をしてもらいたいということを希望いたしまして、質問を終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として佐藤信二君が選任されました。 —————————————
○委員長(林田悠紀夫君) 休憩前に引き続き高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安武洋子君 先日の須藤議員の質問に関連してお伺いいたします。 保安対策を強化する上で、高圧ガス取締法というのは、これは政令とか省令とか、こういうのが果たす役割りが非常に高いわけです。そこで、その省令とか政令がどういう立場でつくられているか、こういうことが非常に重要になってくるわけです。すなわち、企業サイドでつくられているのか、企業から独立して作成されているのか、こういうことがキーポイントになろうかと思うわけです。企業から独立してつくっている、こういう御答弁をされると思うんですけれども、実はそうなっていないと思います。 その例を挙げますと、先日の須藤議員も指摘しておりますし、それに対しての、須藤議員の質問についての報告も通産省からいただいておりますけれども、この中を見てみましても、昭和三十八年の省令改正をめぐる件、これで通産省の御答弁は、私どもの疑問に答えていないわけです。これは自主保安にしたことについて、この文章中、「石油化学工業が生成した直後にあたり、まず業界自身における自主保安の推進が重要な課題でありました。」と、こういうふうになっているわけですけれども、石油化学が生成した直後に当たっているということであればこそ、逆に自主保安の強化は企業責任においてやらせる、それとともに都道府県などによる定期検査も実施をするというのが私は筋だと思います。 これは、昭和三十八年十一月四日の石油化学工業協会の「高圧ガス取締法施行規則の一部を改正する省令案に対する要望書」、こういうものの中で業界か述べておりますけれども、「当業界は——企業の自主検査のみにしていただきたく再三、再四要望して参りました。今日においてもいささかもその要望には変わりありません。」こう言っているわけです。この要望を全面的に受け入れていると思います。それからさらに「保安検査が頻度にわたると、一企業のみならずコンビナート各企業間の生産体制に大きな支障を来たすことになります。」こうも言っているわけです。この要望を入れたということは、明らかに保安を優先させる、それよりも生産を優先させた、企業の利益を優先させた、こういうことをあらわしていると思います。これは通産省の企業寄りの姿勢のあらわれにほかならないと思うわけです。 そこでお伺いしたいわけですけれども、省令の作成に当たって、企業寄りの姿勢を改めていただいて、企業サイドでなく、保安対策の姿勢に立っていただけるかどうかということを私は大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 省令の作成に当たりましては、企業寄りということではなく、公正な立場で、保安の確保ということを第一に考えて作業を進めておるわけでございます。
○安武洋子君 それではお答えにならないわけで、作業をそういう立場で進めてこられたというにはちょっと……、私が先ほど申し上げたこともありますし。 さらにそれでは申し上げますけれども、昭和三十九年五月七日、石油化学工業協会が出している文章なんです。ここには、「石油化学プラントに対する保安検査の廃止を強く当局に要望した。幸いにして協会の要望が当局の認めるところとなり、昭和三十八年十二月公布の同法施行規則の改正および昭和三十九年一月公布の通産省告示においては、下記の石油化学プラントの諸設備については、保安検査が廃止されることとなった。」協会もこのように言っております。ですから私は、いままで企業サイドでやったのと違うか、こういう姿勢をぜひ改めていただきたい、改めていただけるかどうかということをお伺いさせていただいております。
○国務大臣(河本敏夫君) 省令を作成するに際しましては、各方面の意見を聞いておりまして、企業の仮にサイドでありましても、いい意見であればこれを採用する、こういうことでございますが、一方に片寄るということではいけませんので、あくまで公正につくらなければならぬわけでございます。一方に片寄ってつくったということは私はないと確信をいたしておりますが、仮にそういうことがあれば、今後当然改めなければならぬと思います。
○安武洋子君 これも須藤議員が指摘した問題ですけれども、通産省は四十九年度に、コンビナート等保安関係基準について高圧ガス保安協会にこの研究とか調査を委託されております。この研究内容が途中で全文が企業に流されている、こういう事実があるんです。ここに資料がございますが、通常通産省がいろいろな調査を委託なさるとき、こういうことはないと思うんです。これは大変異例なことではないかというふうに私は思います。こういうことは通産省が了解して計画的に内容をお知らせになったのかどうか、この点をお伺いしとうございます。
○政府委員(佐藤淳一郎君) コンビナート等の保安関係基準の作成につきましては、通産省から協会に委託はいたしたわけでございますけれども、それを受けまして協会の中に委員会を設置いたしまして、いろいろ検討を進めていただいてきたわけでございます。一般論といたしましては、高圧ガス保安協会の作成いたします基準は、保安協会が政府に対して意見を述べたり、あるいは関係業界を指導したりするのに協会が必要とした場合に公表、公開することになっております。また、基準作成の過程におきまして、できました保安基準が現場において十分に実行されるということを目的といたしまして、現場の方々の御意見を十分に聴取する必要があるという場合には、そういう意味で企業あるいは従業員の方々の御意見を、こういう案に対してどういうふうにお考えですかというようなことを、作成の段階でお聞きする場合もあるわけでございます。 ただ、当該事業が、先生のおっしゃるような国の委託に基づいてやる場合には、当然委託先の通産省の了解を得て公表するということになるわけでございます。このコンビナート基準が業界の方に一部資料が渡っているんじゃなかろうかということにつきまして、そのどの部分が業界に渡ったのか、ちょっとわかりかねますけれども、あるいはそういうことが仮にあったとすれば、要するに検討段階におきまして、委託された協会が、現場の意見を聞く必要があるであろうということで、業界の方にそういう意味で照会したこともあるいはあったかと思います。それがあるいは社内報か何か知りませんけれども、そういう形で表に出たこともあるいはあったのかもしれません。まあしかし、仮にそういうような目的であったにいたしましても、先生の御指摘のような問題もございますので、現場に対する意見の聞き方についても十分に配慮いたしまして、少なくとも資料が、委託された内容が事前に業界に漏れて、それによって公正な基準がつくられることの妨げになるというようなことが起きませんように、今後十分に注意してまいりたいと思います。
○安武洋子君 いま私がお聞きしましたのは、通産省の了解のもとにこの通産省あての資料の公表が計画的に行われたかどうかということをお伺いしております。 それから私は、全文が漏れていることも言っております。一部じゃございませんね。その点を明確に答えてください。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 御指摘の基準は、通産大臣あてに提出されましたのは五十年の一月十四日でございまして、それ以前の検討段階で、現場の意見を聞く過程で出たものじゃないかというふうに推定いたしております。
○安武洋子君 いま推定されたということは、じゃ通産省は御存じなかったということですか。その点をもう一つ明確にはっきり答えていただきたいです。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 報告前にそういう形で出ておるということは承知いたしておりません。
○安武洋子君 じゃ、通産省は大変これは監督不行き届き、こういうことになりますね、こういうことが行われているということですからね。それを御存じなかったということで、それで通産省の御存じないところに企業側にはちゃんとこういうふうなものが全文流されているということですから、そういう点では私は、通産省が大変監督責任上不行き届きだと思います。この点いかがでしょう。
○政府委員(佐藤淳一郎君) その点については確かに申しわけないと思いますが、ただ、一般的にわれわれが課しております協会の主要な業務の中に、自主的に保安基準あるいはいろんな保安に関する研究問題につきまして十分に討議させまして、これを会員に指導し、徹底させるという役割りも一方に課しておりまして、そういうことで保安基準の意見を十分に現場と闘わすということもいろいろ要請いたしております関係上、あるいはこのコンビナート保安規則につきましても、まあ現場の意見をくみ上げるために、あるいは委員の一部からそういう形で流れたんじゃなかろうかというふうに考えられますので、今後はそういうことのないように、現場の意見のくみ上げ方につきましては十分に気をつけてまいりたいと思います。
○安武洋子君 現場の意見のくみ上げ方については、法的にちゃんとやっていただかなければいけない。公聴会においても聞けるわけですから、やはり私はこの事実については遺憾であったと思います。ですから、こういう点通産省はもう少し監督責任を厳重にしていただきたい。企業寄りと言われても仕方がないというのもここにあると思うんです。 次に伺いますけれども、高圧ガスの保安協会の技術委員会の構成について、せんだっての質問の中にも出ておりましたけれども、これは三十名中業界の代表が二十一名ですね。これは全体の七〇%に当たるわけです。これでは企業に情報かどんどん流れるのはあたりまえです。それから、業界の意思か全面的に反映された技術基準になるのもまたあたりまえだろうと、こういうふうに思います。この保安協会の体質というのは、自動車の排ガス規制の問題でも大きく問題になりましたけれども、中公審を見ていただいても明らかになっております。 私、ここにいまある企業の社内信の写しを持ってきているわけです。これによりますと、次のような趣旨のことが書いてあるわけです。これは第一に答申案の段階ですでに説明を受けている、こういうことが明らかになっています。それから第二番目には、答申案について要望、問題があれば意見を取り上げる、こういうことなんです。それと、しかもまだ重要なことは、この企業から審議会に委員が入っているわけです。この委員を通じて案文を入手した、そうして要望を反映していくということが明らかになっている。個々の委員の名前も出ているわけなんです。これではますます企業から独立して、大切な技術問題ですね、これを決めるのに公正な審議や、それから検討が行われるという保証はないわけです。審議会、技術委員会さらには保安協会、この運営については、私は公正に行わなければならないと思うわけですけれども、企業の代表者をこんなに大量に入れている、こういうことを考え直す、そういう御検討をされるということはございませんか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 協会に置かれております技術委員会の人数は三十人でございますが、大体出身別の構成といたしましては、大学教授が五人、それから政府の研究所関係が三人、その他関連業界の学識経験者でございます。確かにこの顔ぶれを見ますと、一見そのような企業代表の方が多いように見受けられますけれども、この高圧ガスの産業の特性といたしまして、ガス自体の種類が非常に多いわけでございまして、毒性ガスもあれば可燃性のガスがあり、支燃性のガスかあり、それから高圧があり、中圧があり等々の、専門分野が非常に多岐にわたっておりまして、大体その自動車の審議会と違いまして、自動車単体というような問題の検討じゃなくて、非常にそういう多岐にわたるガスの種類別の問題点をこの技術委員会で取り上げなくちゃならないということもございまして、それぞれの専門家をそれぞれ代表させますと、どうしてもこういう形にならざるを得ないということでございます。で、あとは結局運用の面で、そういう公正中立なことをいかに図っていくかということは確かに残された問題でございますけれども、この技術委員会の顔ぶれは、この産業の特性上どうしてもやむを得ない措置でございますので、その点は御了解をいただきたいと思います。
○安武洋子君 この技術の基準を決めるとかそういうことは、単に技術的な問題でなしに、すぐに国民の生命に結びつく重大な問題なわけです。ですから、私は先ほどから企業寄りの立場に立つのではなくということを要求しているのは、こういう国民の命にかかわるからこそ御要求しているわけです。私はこういう問題についてあいまいな態度というのは許せないと思います。ですから、この通産省の責任というのも非常に大きい。で、こういうふうな企業の責任者ばかりを、いかにガスの種類が多いとおっしゃいましても、これだけ入れておけば、先ほどから私が二、三例を挙げているように、企業に情報が流れ、それから企業寄りの基準が出てくるのもあたりまえというような仕掛けになってしまっているわけです。先ほども申し上げたように、社内信にでもそのことが企業の中で言われている。こういう状態を踏まえて、こういう体質を直すためにどういうふうにされるかということを私は御質問しているわけです。その点にお答えいただけますか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) この技術基準といいますか、こういうものを検討する仕方としては、いろいろな手順を踏んでやっておりますが、単にこの協会に置かれました技術委員会の意向だけで技術基準はつくられるものじゃなくて、まず国民全般の、特に地域住民の要請等につきましては、高圧ガスにつきましての審議会がございまして、その審議会の中に一般ユーザーの方々も参加していただきまして、こういう方の御意見も入れまして、現在、高圧ガスの産業におきまして保安上特に問題となる点を常に御指摘いただいておるわけでございます。その御指摘の課題に基づきまして具体的な保安基準を作成する場合に、通産省みずから基準をつくる場合もありますし、それから非常に専門的であり、かつまた現場の意見を十分に反映させなければならない基準につきましては、この技術委員会を活用する等々、ケース・バイ・ケースによりまして運営いたしておるわけでございまして、ただ、先生のおっしゃいますように、つくられるものは公正であり、しかも中立であって、少なくとも国民の要請にこたえるものでなきゃならない、企業寄りであってはならないということはわれわれ常々考えているわけでございますし、そういう観点から、仮に事故が起きました場合も、改善の措置につきましても中立委員だけの構成による保安点検をやらせるとか、そういうこともいろいろ配慮しているわけでございますが、今後ともそういう公正中立ということをたてまえにしてやってまいるつもりでございます。
○安武洋子君 公正中立の担保が組織的にできていないことを問題にしていたのですけれども、あまり明確なお答えじゃないんですけれども、次に進みます。 保安体制の強化ですけれども、いろいろと基準を作成するということは、必要なことです。では、その基準をどう生かすか。これは企業の保安に対する姿勢と、それから通産省の監督指導にあると思います。この点については大臣いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) ちょっと前段に私からお答えいたしますが……
○安武洋子君 端的にお答えください。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 保安についての体制につきましては、要するに、企業全体が上は社長から末端の現場の従業員に至るまで安全第一主義の体制を確立していくということが基本であろうと思います。そういう観点に立ちまして国は法令をつくり、制度を、保安基準をつくり、それを実行せしめるための監督体制を確立する。それから企業側は、自主的な保安体制を確立するためにいろいろの法令上の基準を守るだけじゃなくて、やはり企業みずからが自分の企業の特性に応じた保安の体制を強化していくということが基本であろうかと思います。
○安武洋子君 私、ここに労働省のまとめた「化学工業の爆発事故・原因と問題点」こういうものを持ってきております。この中を見てみますと、この問題点で幾つかいろいろ問題点が挙げられているわけですけれども、共通していることがあるわけです。これは利潤追求第一の合理化体制に問題がある、こういうことが指摘されているわけです。 例を挙げますと、たとえば、「とかく量産と品質の問題に目をうばわれ、また、ときとしては安全対策が惰性的になって忘却されがちになる。」こういうことも挙げられておりますし、また、安全教育は「たえず繰り返されねば効果があがらないものであるのに、その教育に充当される時間が所要時間外である場合がしばしばみられ、十分とはいいがたい。」こういうこともあります。また労働者の不足ですね。これが、「異常事態などを想定した要員の確保や日常の安全教育の円滑な実施をも困難にしている。そしてこれらのことが災害の遠因ともなっているものと考えられる。」こういう指摘があるわけです。つまり、よい基準をつくっても、それを実行する人的配置がされていない、これが災害の遠因になる、こういう指摘なんですけれども、通産省はこういうことに対してはどう処置をなさいますか。
○政府委員(佐藤淳一郎君) 一昨年の頻発いたしましたコンビナートの事故のときも、化学保安対策本部を動員いたしまして、主要なコンビナートについての総点検をやったわけでございますが、そのときにもいろいろ問題点の御指摘が確かにございました。労働省は労働省の立場においてそういう労務確保の問題からの御指摘もされているわけでございます。 確かに設備の合理化改善と労務者の配置の問題というのは、これはうらはらの問題でございまして、合理化が進めば少ない人数で間に合う場合もあり得るわけでございますけれども、事保安の問題につきましては、最低必要人数というのは当然確保されていなきゃなりませんし、その辺を十分に担保させる意味でわれわれの方といたしましては保安教育の中に十分に織り込ませますし、それから、特にいま先生のおっしゃいました万一のことを想定いたしまして、万一の場合の出動体制、あるいは万一の場合の措置等につきましては、危害予防規程というものの中に十分にそういう問題点を織り込ませまして、そこで実効あらしめたいというねらいをわれわれは考えておるわけでございます。 今度も法律改正におきまして、そういう面から危害予防規程の内容につきまして、単に企業だけの判断じゃ十分でございませんので、専門家である保安協会のチェックをさせまして、それで都道府県の認可を得て実行せしめるということに法律を変えておるわけでございます。そういう面からいろいろ御指摘があったことは事実でございますし、われわれとしても反省しなければならぬ点はございますけれども、そういうことで十分にその御指摘を踏まえて改善の方向をたどってまいりたい、こう考えております。
○安武洋子君 まあ、いまのようなことをなさるにしても、通産省が企業に対してどういう姿勢で臨まれるかということが、私は非常に大切だろうと思います。企業はどうしてもこの利潤追求第一に走りやすいわけです。その企業に対しての通産省の態度、これは私、一例を挙げさせていただきますけれども、決してこれは指導監督を、まあ監視ですね、これを厳しくするという立場に立っていないと思うんです。これは問題だと思います。 これは昭和四十六年十二月十日、日本化学工業協会第八百六十三回の常務委員会です。当時の化学工業局長山形栄治氏ですね、これは公害問題と廃棄物処理の発言の中で、公害防止等についての発言をなさっていらっしゃいます。この発言は、いま世論が公害摘発的な姿にまでエスカレートしている。化学工業界は大変だと思うが、公害に対応する態度を騒がれてから出すのでなく、自発的に出すくらいの心構えでないと、世論形成は食いとめることができない。非常につらいところで申し上げにくいが、ぜひそういう態度でおやりくださることをお願いしておきたい。こういう発言なんです。世論形成を食いとめるために公害対策をせよとおっしゃっている。しかも、非常につらくて申し上げにくいがお願いしますと、ひざを屈して発言をされている。通産省ともあろうところがこのような態度では、私はとうてい業界を指導することなどできないと思うんです。一体こういうことをどういうふうにお考えか、こういう姿勢を改めるおつもりはあるかどうかということを、私は大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 事故が起これば、企業は大変な損害をこうむるわけです。たとえば先般の三菱石油の事故等によりまして、企業そのものが数百億円の損害をこうむる、存立そのものにも大きな影響があるというぐらいな影響があるわけでありますから、最近はこの防災ということに対しては考え方が変わってきていると思います。したがいまして、手抜きをするとか防災を軽んずるとか、そういうことではなくして、やはり真剣にこの防災と取り組むというのが私は企業経営の中心でなければならぬ、こう思います。公害対策に対してもそうだと思うんです。 でありますから、御質問を聞いておりますと、何か企業そのものは利潤を追求するためにこの防災対策を軽んずるとか、そういう傾向があるかのごとき御質問の内容にも受け取れましたけれども、そういうことがあっては企業そのものの存立にかかわる、私はこう思います。そういうことから、まあ安全対策というものに対しては十分考えておると思いますし、また、考えさせなければならぬわけでございます。したがいまして、この今回の改正の内容等につきましても、御案内のような内容になっておりまして、決して企業寄りであるとか、あるいは防災対策のために企業にその負担を軽くさせるとか、決してそういうことではなくして、できるだけの防災対策をやっていかせる、こういう考え方のもとにこの法律改正をお願いしておるわけでございます。
○安武洋子君 じゃ、私が先ほど申し上げた四十六年十二月当時の化学工業局長山形栄治氏の発言は通産大臣の意図とは反していて、通産大臣としてはこういうことは好ましくないというふうにお考えで、こういう姿勢を改めていただけるということで確認させていただいて、私は次に移らしていただきます。 次に、公益事業部の方にお伺いいたしとうございます。LNGの問題についてお伺いいたします。 兵庫県の姫路市の妻鹿に大阪瓦斯と関西電力がLNGの基地の建設計画を持っている、こういうことが言われておりますけれども、この計画の概要をお知らせください。
○政府委員(大永勇作君) 兵庫県姫路市におきます液化天然ガスの基地計画につきましては、現在関西電力、大阪瓦斯及び兵庫県においてその構想が企図されているところでございます。詳細な実施計画につきましては、まだ固まっておりませんけれども、概要につきまして両者から聞いたところでは次のとおりでございます。 建設の場所は、姫路市妻鹿白浜地先の埋立地がLNG基地用地として予定されております。 計画規模でございますが、年間輸入量、これはインドネシアから持ってくるわけでございますけれども、三百七十万トンでございます。用地面積百十五万平米でございまして、そのうち埋め立て分が九十九万平米、それから関西電力の用地の一部が約十六万平米でございます。港湾は、十二・五万立米型LNG船の入出港着桟が可能なものでございます。 稼働開始時期でございますが、五十三年十月に一部受け入れ開始をいたしまして、最終完成予定六十年という考え方でございます。 以上でございます。
○安武洋子君 このLNGの計画をめぐって地元において住民の反対運動が起こっていること、これは通産大臣の地元でございますので、大臣、住民が反対していることを御存じでございましょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 一部にそういう動きがあるということは聞いております。
○安武洋子君 「公害なくせ播磨住民連絡会」という住民の組織があるわけです。これはLNGの計画についてきわめて危険ではないか、検討資料がほしいということで大阪瓦斯に要求したんです。私、住民が不安を持つのは当然だと思います。昨年の暮れに水島の三菱の石油、あの重油の流出事故かありました。あれはやはり埋立地ということですから、今度もやはり埋立地にLNGの基地が設置されるということで、不等沈下などが問題になっているときに住民か不安を持つのはあたりまえですし、それからまた、東京湾における「パシフィック・アレス号」、こういう衝突事件もありましたから、瀬戸内海をLNGを積んだ船が移送する、こういうことについても住民が不安を持つのはあたりまえなんです。ですから、住民がそういう検討資料をほしいというふうなことを企業に要求しております。企業は、私は何よりも地域住民に対して誠意のある態度をとるのがあたりまえだと思うんです。しかし、そういう態度をとっていないわけです。 一例として、資料かほしいと、私が先ほど申し上げました「公害なく播磨住民連絡会」が大阪瓦斯に要求したところ、どんな返事が来たかを私は読み上げてみたいと思います。これは単にパンフレットがほしいと申し入れただけなんです。それが、「パンフレット送付の件ですか、当初作成いたしました分は発行部数が少なく、在庫がなくなりました。現在資料部を通じて増刷を依頼しておりますが、何分経費節減の折柄、日時を要するものと思われます。以上のような事情でお約束の十三日までにはお届けすることができかねる状態でございます。」と、これを一体どう思われますか。パンフレットぐらいコピーすることだってできるわけですし、これにかわるものだって送れる。LNG基地、大基地ができるということで、単にパンフレットがほしいという住民の要求に対して、企業がこういう態度をとるというようなことを許しておいていいものでしょうか。私は、これに対してどういうふうにお考えかということを聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) そのパンフレットがどういうものであるか、私は承知しておりませんわけでございますが、ただ、先ほど申し上げましたように、この計画につきましては、現在基本構想がまだまとまってない段階でございまして、今後建設計画等が具体化するわけでございます。具体的な建設計画が決まりましたならば、これは地元に詳細に御説明をして御納得をいただくということが当然必要であるというふうに考えております。 先ほどのパンフレットと申しますのは、恐らくそういったこの計画についての具体的内容というのではなくて、LNGというものかどういうものであるかとか、一般的なパンフレットではないかというふうに私は思いますけれども、ただ、そのパンフレットにつきましては承知いたしておりませんので、この席では何とも申し上げられないわけですが、先ほど申し上げましたように、計画が具体化すれば、当然これはいろいろな資料を提示いたしまして、地元の御了解をいただくというべきものだと思っております。
○安武洋子君 住民が要求しておりますのは四月に入ってからなんです。すでに二月段階で、兵庫県議会ではこの構想を発表しまして、新聞にもわりあいに詳しく構想が発表されているわけです。住民が要求しているのは、先ほどおっしゃったように、LNGとは一体どんなものかというふうなことをやはり知りたいという、このパンフレットですね、パンフレット送付一つについても、こういう態度をとる企業をどうお思いだと、こういう企業の姿勢を許しておいていいものかどうかと、通産省はどう考えられるのか。こういうふうな大阪瓦斯とか関西電力について、住民に対する態度を改めよというふうな指導をされるかどうか、私はそのことをお伺いしております。
○政府委員(大永勇作君) これは一般的に言えば、できるだけ丁寧にいろいろ御要望に対してお答えすべきだろうと思いますけれども、ただ、パンフレットというものにつきましては、恐らくその時点で、パンフレットの残部がないということもあったのではないかというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、地元への説明ということは、これは非常に重要なことでございますので、われわれとしても十分御納得いけるような御説明をするように指導してまいりたいというふうに考えます。
○安武洋子君 いま瀬戸内海の沿岸は大企業が林立しているわけです。現在でも非常に危険な状態だ、こういうふうに言われているわけです。こういうふうなところに、全国でも千葉の袖ヶ浦に続く大LNGの基地ができるわけですね。こういう建設計画というのは、私は大変問題ではなかろうかというふうに思うわけです。しかも埋立地です。水島のあの三菱の事故のように、タンクの破損事故でもあれば、その被害というのは、これは水島事故の比にならない、手のつけようがないのではないかというふうに思います。一昨年の二月に、ニューヨークのLNGのタンクが修理中に燃え上がって、これは死者四十人以上を出しているというふうな大事故もあるわけです。危険性について、県では、国内の三つのLNGの基地ではまだ事故がないと言っていますけれども、これでは安全の保障にならないと思うのです。こういうLNG基地の保安対策についてはどういう構想をお持ちか、お聞かせくださいませ。
○政府委員(大永勇作君) 一九七三年にアメリカにおきまして事故がございまして、これはガスを抜いた後で、中の修理をするために入りましたところが、中で火災が起こった。火災の原因等については詳細は不明でございますけれども、起こったということでございます。 当時、事故がありまして、直ちに調査団を派遣いたしまして見てきたわけでございますが、アメリカにおきましても、これはタンクの中で修理中に起こった火災事故であって、LNGタンクそのものの安全性について基本的な問題を投げかけるものではないだろうというふうに言われておりますけれども、いずれにいたしましても、このLNGにつきましての保安対策ということは、先生御指摘のとおり、まことに重要でございます。ただ、一般的に言いまして、LNGタンクと申しますのは、中に入っておりますのがLNGの液化したものでございまして、これが外部に漏れましても、しばらくたちますと気化いたしまして、空に舞い上がってしまうというものでございます。したがいまして、まあその点石油とは違うわけでございます。 それから、タンクの構造につきましても、鉄のパイプを地面に置きまして、その上にコンクリートの台を載せまして、その上に二重構造になった容器が乗っかっているというものでございます。何分非常に低温、マイナス百六十二度というふうな低温の液体でございますので、保温上の見地から言いましても、そういった二重構造、三重構造の工作物でなければならないわけでございます。そういう意味から言いますと、はなはだ保安の点では比較的安全性のあるものであるというふうに考えておりますが、具体的な安全性のチェックの仕方としましては、これはガス事業法、電気事業法の規定によりまして、工事着手前に工事計画の認可を受けさせまするし、それからガス工作物の位置、使用材料、構造等につきましても技術上の基準に従って審査をいたします。それから使用材料につきましても、低温のものでございますので、九%ニッケル鋼といったような特殊なものを使わせる。それから離隔距離につきましても、第一種保安物件に対しては約百二十メートル、それから第二種保安物件に対しても八十メートル程度の距離をとらせる。それから、もちろんタンクの回りには高さ約二・七メートルぐらいの防液堤をつくらせる。それで、タンクの中の液化天然ガスが一時的に全部出ましてもその防液堤の中で一〇〇%収容可能なような防液堤をつくらせる。その防液堤のへいの上には約十分間のうちにあわで液面を覆ってしまう程度の消火設備を四十数ヵ所にわたってつけさせるというふうな保安対策を講じておるわけでございます。
○安武洋子君 LNGはインドネシアから輸入をされて、五万トンタンカーで運ばれてくる、こういうことですけれども、瀬戸内海は御存じのように一日に六千そうの船が航行しているわけです。で、いまでさえ衝突事故とかそれから座礁事故が相次いでいるわけなんです。ここにさらにLNGを積んだ五万トンタンカーが入ってくるということは、非常に海上交通の安全からいっても私は重要な問題ではなかろうか。ここに答申がありますけれども、この答申の中で、少しは違いますけれども、輸送の保安対策についても、事故が交通事故など外的要因によって発生することもあるために、事故防止策は講じにくいと。ですから、事故発生場所が不特定であり、不特定多数の者に被害を及ぼす可能性がある、このような外的要因に接する機会を極力減少させることが必要である、こういう指摘もあるわけです。それにしましては、こういう瀬戸内海の中に大型タンカーが、しかもLNGを積んで頻繁に入ってくるということは、大変これは保安対策上からも問題ではなかろうかと思います。こういう点についてはどうお考えでございましょう。
○政府委員(大永勇作君) 海上保安の点につきましては、これは海上保安庁で厳重に取り締まりを行っておられますので、本件につきましても、タンカーが運航する段階になれば海上保安庁の方で御検討されまして、厳重な規制を受けるものというふうに理解をいたしております。 ただ、このLNGにつきましては、これはエネルギー政策の観点から申し上げますと、亜硫酸ガス等はもちろん含んでおりませんし、一酸化炭素もございません、非常に公害のないクリーンなエネルギーでございます。そういうことと、それから供給源といたしましてもこれは長期計画で、十五年あるいはそれ以上の長期にわたる契約によって計画的に輸入いたすものでございますから、安定的な確保ができるものであるというエネルギー源でございますので、今後長期的に日本のエネルギー問題を考えていく場合に、LNGの導入ということはやはりわれわれとしては積極的に考えていくべきではないかというふうに考えております。ただ、先ほどから御指摘のLNGタンクの保安の問題、あるいはLNG導入に伴います海上交通の保安の問題等につきましては、これは非常に重要な問題でございますので、万全を期すべくわれわれとしても努力をいたしたいと考えております。
○安武洋子君 いまでも海上保安庁はこれを厳重にやっているわけです。それでも事故が絶えないわけなんです。私はそこにLNGタンカー、五万トンタンカーが入ってくると非常に危険じゃないかというふうなことを言っているわけです。ですから私としては、ガス、電力の監督官庁として通産省はこういうところにLNGの大基地を設置するということを再検討されるべきじゃないか、このように思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(大永勇作君) このLNGにつきましては、先ほど申し上げましたように、やはり省石油という、ふうな見地から言いまして非常に有力な エネルギー源であるというふうに思います。したがいまして、われわれといたしましては先ほど申し上げましたように、これを積極的に推進すべきものであるというふうに考えておるわけでございます。 それから、まあ都市の近くでなくて、もっと離れたところでどうなんだというふうな御意見もあろうかと思いますけれども、このLNGといいますのは、これを気化いたしまして、それからパイプで運ぶというものでございます。したがいまして、これを大消費地から非常に遠方のところに置くということは困難でございます。 現在、大阪瓦斯等で考えております計画と申しますのは、一つには、兵庫県下におきますところの都市ガスの需要の増大、それから、姫路火力におきますところの無公害化ということのためにこれを導入しようというものでございまして、いわば地元の需要にこたえるものでございます。しかもそれはパイプで運びます関係上、消費地から遠距離のところに陸揚げするわけにもいかないというふうなことでございますので、この計画の内容そのものは、まだ本当に詳細な実行計画が定まっておりませんので、出てきたところでチェックをする必要があるわけでございますけれども、基本的には、方向としては私は正しいのではないかというふうに考えております。
○安武洋子君 このLNGの基地の建設について、私は、県、市、それから企業ですね、これは地元住民の意見を十分に聞くべきだ、そうして慎重に事を運ぶべきだ、こういうふうに思うわけです。そこで大臣にお伺いいたしますけれども、こういうLNGの基地の建設については住民の意思を十分に聞き、尊重すべきだ、こういうふうに思いますけれども、大臣いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 住民の意見も聞き、住民の了解も得なければならぬわけでありますが、これは先ほど部長が答弁いたしましたように、数年前に、関西電力の第二期の発電工事に対しまして県の方で非常にシビアな条件をたくさんつけまして、そのうちの一つといたしましてLNGを燃料として使うということ、そういうような条件をつけたわけであります。その条件に従いまして、関西電力がインドネシアにおきましてLNGを共同開発いたしまして、そうして長期契約をして五千三年からこれを燃料としてたく、こういう数年がかりの計画に基づいて、現在いろんなプランが進行しておるわけでございます。当時、地元も県もLNGならばよろしい、こういうことを強硬に主張いたしまして、相当高くついたわけでありますけれども、この計画に踏み切らせたわけでございます。そういういきさつがありますけれども、しかし、いよいよ実行段階になりますと、具体的なプランを住民に示しまして、よく説明をして納得を得るということは大切だと思います。
○安武洋子君 先ほど私は、大阪瓦斯の企業姿勢の問題を取り上げました。住民を愚弄するような態度をとっている、こういうことでは住民の意思を尊重するとか、納得を得ることはできないと思います。ですから、いま大臣お答えのように、慎重に事を運んでいただいて、住民の意思を十分に聞いて、住民の意思を尊重して事に当たっていただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林田悠紀夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 小柳君から発言を求められておりますので、これを許します。小柳君。
○小柳勇君 ただいま可決されました高圧ガス取締法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党の五党共同提案による附帯決議案を提案いたしたいと存じますので、御賛同願います。 案文を朗読いたします。 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、公共の安全の確保を全うするため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、コンビナート防災対策について、近年頻発した事故の教訓を生かし、省庁別保安行政の制約をこえた総合的防災対策を早急に樹立するとともに、そのもとにおける関係法令の整備と整合、関係行政機関の機能の連撃強化、および企業の共同防災体制の確立をはかること。 二、企業内の保安管理組織については、単に工場単位の組織強化にとどまらず、企業経営者をも含めた保安体制の確立に努めるよう指導するとともに、危害予防規程および保安教育計画の作成ならびに保安教育の実施にあたつては、現場従業員の意見を尊重することとし、さらに保安技術有資格者の充足に万全を期すること。 三、高圧ガス保安協会について、業務の拡大、国の財政援助等の拡充強化策が講じられることにかんがみ、その組織、人員、業務遂行など体制全般にわたり、公正および中立性が貫かれらよう、とくに配慮すること。 四、一般家庭の液化石油ガス消費に伴う災害の絶滅を期するため、販売事業者に対する監督・指導の強化に努めるとともに、消費者に対する啓蒙・指導の徹底および消費設備、安全機器等の改善をはかること。 五、高圧ガス保安行政体制を一層強化するため、国および地方公共団体の組織・予算の充実をはかり、必要な人員およびその質的水準を確保するとともに、保安行政に現場従業員および一般消費者の意見を十分反映させることとし、省令の改正等に際してもこの点を配慮するよう努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(林田悠紀夫君) ただいま小柳君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯法議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林田悠紀夫君) 全会一致と認めます。よって、小柳君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの附帯決議に対し、河本通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河本通産大臣。
○国務大臣(河本敏夫君) ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、行政に万全を期する次第でございます。どうもありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十三分散会 —————・—————