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75回国会参議院1975/02/27

商工委員会 第6号

発言数
287
登壇者
20
会派数
4
開催日
1975/02/27

会議録

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣に二つの問題ですが、一つは、独禁法改正の政府案が最終的にきまるようでありますから、その点に対する大臣の見解、あとの問題は、ソビエトのヤクート天然ガスの問題です。  まず、この独禁法改正につきまして、先般もこの委員会で問題になりましたが、通産省の姿勢が大企業べったりで、日本の全体の産業のことを考えてはおらぬのではないか、そういう印象が非常に強いわけです。少しわき道にそれますが、中曽根大臣のころ、私のほうでヒヤリングをやりまして通産省の某課長に来てもらった、そして二時間ばかり見解を聞きましたが、公取試案に全面的に反対、九項目とも反対である、全然取るに足らぬような発言もありまして、びっくりしたのであります。  その後、河本大臣になりまして若干姿勢は変わったようでありますが、本日の各新聞紙の紙面を見まして、通産大臣が一番公取試案に対して大幅に後退のような印象を受ける。特に企業分割、株式保有制限、原価公表について他の閣僚は、今日までの植木長官の取りまとめについてまあまあいたし方ないというようなことであるが、通産大臣は、この三点については相当変わった見解を持っておられる。  私どもは、いまのこの独禁法の改正というのは、国民的立場に立って物価を抑制するために総需要抑制政策をやっている。その総需要抑制政策によって非常に犠牲を受けている企業もたくさんあります。中小企業などは倒産が続出している。その中で大企業などは、なおぬくぬくとして生産を続けておる産業もあるではないか。そういう面からだけとっても独禁法の改正は必要だ、これは一部分でありますけれども。だから国民から見れば、いまの物価を抑制するには独禁法を改正してもらいたい、そういう熱望があるのです。にもかかわらず、その産業を主として監督し、指導する通産省、特に通産大臣は独禁法改正に対して両手を広げて、なるべく現状を改正しない方向に持っていこうとしておられるような印象です。きょう、あすの間に政府案が決まるようでありますが、大筋の大臣の見解をまず承りたいと思うのであります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この独禁法の改正は三木内閣の一つの大きな公約でございます。そういうこともございまして、私も独禁法の改正には賛成であります。前向きに取り組んでおるわけでございます。  ただ、問題点は、独禁法の改正ということは何のためにやるかといいますと、自由主義経済の一つのルールをつくるというためにやるわけでございます。ルールをつくるということはたいへんけっこうなんですけれども、ルールをつくることによりまして産業界、経済界の活力というものが失われる、本末転倒する、そういうことになっては困る、こういう観点から、改正はたいへんけっこうだけれども、産業界の活力が失われないようにひとつやらなければならぬというのが私どもの基本的な考え方でございます。そういう観点からこの問題と取り組んでおるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その産業の活力をそがないようにということは、私どもも生産意欲、あるいは企業経営の意欲をなくするようなことは考えてないわけです。その上に立ってなお弱肉強食のあり方では困る。特に、いまのような狂乱物価を総需要抑制政策によって押えてきておる、これを、手綱を緩めたらまた物価狂乱をあらわす可能性もある。そういうときに、国民的にかつて改正されたこの独禁法をもう一回見直して、そして、この際に自由競争——もちろん自由競争でありますが、その自由競争、自由に競争させることによって物価を下げる、少なくとも上げない、そして国民生活を安定せしめる、そのために学者も、あるいは国民もこぞって独禁法の改正、少なくとも公取試案ぐらいはというのが熱願であった。ところが今日の政府の案、植木長官が苦労してまとめておる案は公取案から相当後退して、その後退した案に対してすら、通産大臣は三点について問題を持っておられる。  じゃ、具体的に言いますけれども、企業分割、これはもう大企業、もちろんそれは寡占企業、独占企業を分割して自由に競争さして物価を上げない、下げる、これは常識的な問題でありましょう。ところが、その企業分割については、もうこれは反対である。そこで企業の一部譲渡、そこまで話が大体まとまりつつある。ところが、一部譲渡にいたしましても、公正取引委員会の命令権については、これは反対じゃ、そういうことを通産大臣は考えておられるようですが、その点についていかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いまちょっとお触れになりましたけれども、過度の寡占状態がございまして、そうして、そのためにいろいろな弊害が起こっておる、こういう場合には当然、これは私は排除しなければならぬと思いますし、やみカルテルの横行などは、これは断固として取り締まらなければならぬ。こういう本来の公取のやるべき仕事は、これは大いにやらなければいかぬ、こういうふうに思っておるわけです。ただ、しかしそのことと、それから今度の改正に際しまして、この企業の活力が損なわれるというふうな内容になってはいかぬということと別の問題である、こういうふうに私は思っておるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこのところを、一つの一企業を見ておられる。分割したりあるいは営業を一部譲渡すると、この企業がもうやけを出して、せっかくここまで来たのに、うちの会社はこれまで大きくなったのに、なぜそういうことをするかといってそれはやられるだろう。諸外国にもそういう例があって、縦割りなり横割りなりやってきておる例がたくさんございますけれども、これはまた専門の時間に譲りまして、いまこの政府案、最終案ができようとしているときですから、いま私が冒頭言ったように、通産大臣は一部の大企業だけを守ろうとしておられるのではないか。他のこれに競争しようとする産業、あるいは国民の側に立って見ているそういう国民の目、考え、そういうものは無視しておられる。それでは通産大臣ではないではないかと言いたいわけです。寡占企業なり大企業の生産意欲なり、あるいは会社を伸ばそうとする意欲をそぐ、その一つのために、この独占禁止法という全部の産業に適用しなければならぬ自由競争の原則を曲げることはならぬのではないか。そこを、なぜ通産大臣が胸を張っていまの大事な法改正を後退しようとされるのか。  けさの、これは新聞情報ですからわかりません、最終案を見てから論議しますけれども、けさの新聞情報だけによりますと、ほとんどもう改正の意味はないです。何のために独占禁止法改正などという重要な課題をこの国会でわれわれは与えられているか。きのうまでの政府案——植木総務長官がまとめたような案よりもなお後退するなら、もう全然それは意味ないじゃないかと思うわけです。  したがって、じゃ、いま一歩原則に返って、通産大臣は、そのだんだん大きくなったたとえばビールならビールでいいです、ビール会社の中で一つ大きくなった。他のビール会社は競争できない、せっかく大きくなったビール会社がこれを一部営業譲渡したら、もうこの大きくなったビール会社は生産意欲を阻害しますよと。じゃ、そのビール会社を守るために、他のビール会社のことを考えないで、そして国民が高いビールを飲むことを見逃してよかろうか。だから、目を少なくとも産業全般に向けていただくのが通産大臣の任務ではないかと思うわけです。この生産意欲なり、あるいは会社を愛する、会社を大きくした、その一部の企業だけを保護する、それが通産大臣の任務ではなかろう、そう思うわけですから、その原則をもう一回御答弁を願います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、あくまで公正な自由競争というものが産業の発展の基盤でなければならぬ、こう思います。でありますから、公正な自由競争という面におきましては、私はいまお述べになりました意見とは同意見なんです。ただ、きのう総理府の方から植木総務長官の考え方を示されました。中には同調できるものもありますし、同意見でないものもございます。後で新聞記者会見がございまして、まだいろいろ話し合い中であるから、具体的な点は一切申し上げませんということで新聞記者会見は終わっておるわけであります。したがいまして、本日の報道には、私の方から言ったことは具体的には何もないわけでございます。そういうことでございますから、いまの段階はまだいろいろ話し合い中でございます。総理府のおつくりになっております案を中心に話し合いをしておるという段階でございますから、個々の問題につきまして私が立ち至ったことを申し述べますのは、いまの段階では適当でないと思いますので、差し控えさしていただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 株式保有制限の問題も、たとえば基準の問題で相当の意見があるようです。それから、原価公表についてはもうほとんど無意味なような、改正する必要もないような意見も持っておられるようですが、そういたしますと、けさ出ている各紙のいわゆる通産大臣の考え方なるものは、大臣が記者会見で述べられたことではなくて、推測記事であって、これから前進することもあるし後退することもある、まだこれで通産大臣の見解として論議することは適当ではない、こういう見解でございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 昨日、植木長官と懇談をいたしました後、私は正式に記者会見をいたしましたが、その席上、具体的なことは一切言わない、こういう話し合いになっておるから、具体的なことについては一切申し上げませんということで記者会見は打ち切っておるわけでございます。でありますから、本日の報道で具体的にこういう報道があるではないか、こういうふうにいろいろ言われましても、その報道を基礎にいたしましてさらに突っ込んだ議論を展開していくということは、本日の段階ではまだいかがかと思いますので、御了解をいただきたいと思うのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 新聞記者も素人でないから、記者会見で言葉の裏表いろんな面から判断して書いておられると思う。大臣の記者会見ではそうであっても、今度は、局長なり担当課長なり、いわゆる通産省全体がこういう方向で大体意見がまとまっておるのではないかということで大臣が記者会見されたから新聞記者は書いておられるんじゃないかと思うし、言うならば、通産省全体の意向というものが、私はただいま申し上げましたように、一つの大企業を守るとか、あるいは独占企業を守るとか、寡占企業を守るとかという、私が冒頭言いましたような、心配をしたような考えを通産省全体が持っておられるとすれば大変なことですね、これは。  通産省は、やっぱり全部の日本の産業あるいは通商を見てもらいませんと、一部企業の利益のために他の企業を犠牲にしてもらっちゃ困るわけですが、大臣のいまのお話では、まあきょうの段階ではこれでは論議できないとおっしゃいます。ただ、明らかに経済企画庁長官あるいは通産大臣の見解の違いというものも書いてあるわけですよ。だからきょう問題にしたわけです。本当はこの問題で私は時間をとるつもりじゃなかったんでありますが、言っているわけですから……。  そういたしますと、いつごろ明らかにされますのか。この新聞によりますと、きょうじゅうには通産大臣と植木長官との話が煮詰まって、近日中に政府案が煮詰まるというようなことまで書いてありますが、通産大臣の腹はいつごろにはわかるのでございましょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、第二回目の会談を、向こうの事情が許せばきょう行いたい、こういうふうに考えておりますが、まだこれは最終的に決まったものではありません。しかし、事が非常に重大な問題でありますから、第二回の会談で合意ができますか、あるいは第三回、第四回と会談を重ねる必要がありますか、そこらあたりの見通しはまだはっきり申し上げかねる段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁長官見えましたから、この問題はきょう論議するつもりじゃなかったんでありますが、各紙とも、きょうあすじゅうに閣僚の意見がまとまるようでありますから、大事な時期ですから意見を聞いておきたいと思うんですが、各紙をずっと見比べてみまして、経済企画庁長官は、まあ総務長官の各閣僚からまとめられたもので大筋了承のように書いてある。通産大臣は、企業分割の問題、株式保有制限の問題、原価公表の問題で、相当違った意見を持っておられて、これがまだ最後に残っておるように思っております。  私どもがこの独禁法改正をいま重要問題として考えていますのは、もう申すまでもありませんが、総需要抑制政策によって物価を下げようとしている、物価を抑えようとしている、そういうときに、大変犠牲になっている企業がたくさんございます。また、総需要抑制政策ではちっとも痛手を受けていない企業もあります。国民側とすれば、とにかくいま一番大事なのは、この総需要抑制政策によって物価を下げる、それには、それによって肥え太るような企業があってはならぬし、いま一番大事なのは、大変大事なことでありますけれども、独占禁止法の改正というものが大きな一つの大事なことである、そう思っているわけです。  したがって、一つの企業の利益のために他の産業を犠牲にしてはならぬし、国民生活を犠牲にしてはならぬ。だからこの際、一、二の寡占企業で、あるいは独占企業で、分割されては困る企業もあろうけれども、それはひとつ目をつぶってもらって、大同のために小異を捨てて、この独占禁止法を改正しようではないか、そうわれわれも考えているわけです。今日までの三木総理の御苦心もそこにあったと思うんですが、植木長官がまとめた案でも公正取引委員会の案から相当後退しているんです。経済企画庁長官としては、今日まで植木長官が努力してきました政府案——まだ最終的にはわれわれわかりません。わかりませんが、福田長官としては、どういう見解を持っておられるのか、聞いておきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、きのう総務長官の話を聞きまして、総務長官の考え方、これは大筋におきまして、まあ非常に苦心をしてまとめ上げたその結果であるということで、これを高く評価します、こういうふうに申し上げたわけです。ただ私も、全部これで私と総務長官が意見一致した、こういうわけじゃないんでございまして、私は一、二の点に対して、このような点、このような点についてなお考えてみてくれぬかという申し入れをしておきました。  まあ、自由市場メカニズム、これは私はこれからの経済の運営に当たって非常に大事だと思うんです。ですから、その自由経済メカニズムが動くような自由競争の仕組みというものは、これは確立されなけりゃならぬ、そういうふうに思いますが、今度の総務長官の話を聞きまして、そういう方向に向かいましてこの総務長官の構想というものは非常な大きな前進となる、こんなような感じをもって受け取ったわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま三木内閣に国民が期待しておるものは、その中にこの独禁法の改正というものも大きな期待があると思います。それはいままでの高度経済成長政策、大企業中心にどんどん日本の経済が発展してきて大変な犠牲を受けたものもある。三木さんでなければこの独禁法の改正はできぬだろうという期待があります。その期待を——公正取引委員会の案すら私どもとしては、わが党としてはもっとまだ不満です。改正も出しています。しかし、国民的に見るなら、少なくともあの線ぐらいまではこの際この国会で改正したいと思っていた。ところが、植木長官のまとめているような案はまたわれわれが失望するようなものですが、それをなお通産大臣が後退させられるとするならば、三木内閣の閣僚として私はまことに残念です。  河本大臣は通産大臣であると同時に三木内閣の閣僚でありますから、十分御存じの上で動いておられると思います。同時に通産官僚、通産省全体が、国民の経済ではなくて大企業優先の経済だというそしりを受けないようにしてもらいたいと思います。私ども商工委員会の末席を汚しておりますから、通産行政に対してはできるだけ一緒になって国民の期待に沿いたいと思ってますから、通産官僚というのは企業寄りだ、国民の生活安定なんか考えてない、そういうそしりを受けないようにしてもらいたい。三木内閣の姿勢から大臣の姿勢、そして局長なり課長が、この際こそ本当に国民の側に足をちゃんと据えて独禁法の改正にも取り組み、これから産業を指導してもらいたいと思うわけです。その期待を持っておりますものですから質問いたしました。願わくば、ここ二、三日のうちにまとまります独禁法の改正が国民の期待に沿いますように、そしてスムースにこの国会を通りますように、通産大臣にも最善の努力をしてもらいたいと思いますが、見解を聞いておきたいのです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、私は独禁法の改正には賛成なんです。ただしかし、角をためて牛を殺す、そういうことがあってはこれはいけませんので、そういうことがないように、あくまでも公正な自由競争、これは守らなければなりませんが、その原則の上に立っていろいろなことをひとつ話し合っていきたい、こういうふうに思いますし、先ほど御指摘がございましたこの国民生活の安定ということがあくまでも政治の中心でなきゃならぬ、この御指摘にも全く同感でございます。国民生活の安定と公正にして自由なる競争、そういうことを主眼にいたしまして、しかも経済の活力は失わない、こういう形でいろいろ今後検討を進めていきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第二の大きな問題でありますが、ソビエトのヤクート天然ガスの開発の問題について質問いたしますが、時間が一時間ぐらいしかありませんから十分な質問ができないと思いますが、ここに東京瓦斯会長の安西さんの論文、論説が載っていまして、大変苦労して調印までこぎつけられたようです。本日は、安西さんが都合がつけば参考人として来てもらって、御苦心談なり将来の見通しについてお伺いするつもりでおりましたが、北海道に行っておられて御出席がない。別の機会にまた御意見を聞きたいと思いますが、この天然ガスの開発及びこれを日米ソ三国で調印にまでこぎつけられたのでありますから、この問題につきまして結論は、私がまず先に考えておることを申します。  これから二十年なり二十五年なり天然ガスをソビエトから日本及びアメリカが買う。それを、ソビエトは社会主義の国でありますから政府が代表しておるわけです。ところが日本の場合、米国の場合は商社の代表が、会社の社長がこれに交渉し調印しています。たとえば中国の栗を百トン、これを日本が買って売る、こういうその場限りの貿易ならこれは商社代表でいいと思う。ところが、これから輸銀で投資をして、そして開発をして、二十年なり二十五年なり日本の経済発展の基礎になる天然ガスをこれから買うというのに、天然ガス株式会社の社長がずっと交渉してきて、そして調印をして、それで東京瓦斯と新日鉄がこれを使っていくんだ、こういうようなあり方でよろしかろうかどうかというのが、この質問する発端です。だから、結論はそういうところへ持っていきますが、私はまた別の方法でやらなければならぬと思うんですけれども、それは後で言います。  そこで、具体的な問題でずっと質問していくんですが、まずこの日ソ経済委員会というものと政府との関係はどんなものでございましょうか。大臣にお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 日ソ経済委員会というのは、御案内のように、わが国の経済界の代表と全ソビエトの商工会議所の会頭とが一九六五年、  いまから十年前にお互いに経済協力を深めていこうじゃないかということで合意に達しまして、基本的な協定を結んだわけでございますが、それに基づきまして日ソ経済委員会というものができておるわけでございます。そして、いろいろシベリア開発等につきまして仕事を進めておりますが、その仕事が具体化いたしますと、政府の方では、ソ連政府との間に交換公文を交換をいたしまして、決まりました仕事を政府としてもバックアップしていく、そういう形にいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 日本に日経連なり経団連なり経済同友会というのがございます。ここに会則もございますけれども、これは非常に自由団体ですね。この日経連、経団連なりあるいは経済同友会というものか、日本の経済の中心、三本の柱——まあ東京商工会議所もございますけれども、この経済団体というのが委員会をつくっている。その委員会から委員を選出して、その委員が各国と経済交流し、経済委員会をつくっている。日本の経済計画というものは——もちろん社会主義国でありませんから、自由経済でありますから、そういう経済団体などの動き、あるいは資料をまとめて経済企画庁は経済計画をやっておると思う。  常識上、各新聞を見たりあるいはわれわれが本を見たりして、日経連なり経済同友会なり経団連といいますと、ちょっと日本の経済代表、言うなら国の経済代表だというような錯覚に陥りやすい。この経済団体の交渉委員といいますか、交渉委員なるものと日本の国益というもの、たとえば天然ガスとかあるいは石炭とか、日本の発展するためのエネルギー源、そういうものを外国に行って交渉する、そういうときに、その経済団体から委員が出ていくわけです、いまさっきおっしゃったとおり。その者に対する日本政府の接触なり指導監督なり、そういうものには何かルールがあるのかどうか。自由に、たとえば電話でいまから行ってまいりますよ、あるいは通産省にだれか経団連から行って、いまからソビエトに行って天然ガスの交渉をしますよと言って、ただそういうふうなものなのか。あるいは何か政府と経済団体との取り決めなるものが、文書なり約束事があるのかどうか。その点、大臣からお聞きしておきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは具体的な問題になりますので、通商政策局長が答弁をいたします。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘のように、シベリア開発プロジェクトを進めるに当たりましては、民間ベースの交渉を前提といたしておるわけでございますが、先ほど大臣からも申し上げましたように、基本契約なりあるいは借款契約に到達した後は、日本政府といたしましてもソ連政府と交換公文を取り交わしまして、そのプロジェクトが円滑に、かつ適時に遂行されるようお互いに約束する形をとっておるわけでございますが、さような立場からプロジェクトの当初の段階から十分連絡をとり、必要な指導助言を行っておるというのが現実でございます。  具体的には、シベリア開発につきましては、一般的にソ連側の方から計画案の提示がございまして、これを民間側が受けまして交渉に入る。で、合意に達したときに基本契約あるいは借款契約を結びまして実施に移す、こういう手順になるわけでございますが、政府といたしましてはその計画の当初から、と申しますことは、ソ連側から提示のありましたプロジェクト案につきまして、その内容を十分説明を聞く、あるいはそれの妥当性についてチェックをするということもいたしますし、それから、交渉過程におきましても随時報告を受けまして、その都度また必要な指導助言を行う、あるいは交渉の妥結に至りました後には、その段階における基本契約あるいは借款契約の内容自体もチェックする、かようなことで十分連絡をとりながら、あるいは必要な国家的見地に立っての指導助言というものを行っておるというのが現状でございます。ただ、御質問のように、日ソ経済委員会と日本政府との間に何らかの文書で取り決めがあるということではございません。  ただ、一言つけ加えさせていただきますと、一昨年、当時の田中総理が、ソ連訪問されました際の共同コミュニケの中に、両国政府がこの日ソ経済委員会あるいはソ日経済委員会の活動を高く評価するといったような表現もなされておりますんで、両国間でいまの形で十分国益を守る立場においてプロジェクトの審議なり実行が確保されるものと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 田中総理とソ連の首脳との声明はわかります。  それから、つながりをいま聞いているわけでして、交換公文とおっしゃいました。で、こちらの代表も聞きたいんですが、その交換公文と経済団体とのつながりというものは、いまおっしゃったように電話連絡とか口頭とか、そういうものだと思うわけです。その交換公文と経済団体のこの日ソ経済委員会なり、あるいは安西さんとの契約というものは文書ではないのではないかと思うんですが、いかがですか。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) おっしゃるとおり、その関係においては文書はございません。ただ、借款契約の場合、いわゆるバンクローンでございますが、これは日本側では輸出入銀行と、それからソ連側の外国銀行との間に契約を取り交わすわけでございますが、こういった段階においても政府は十分タッチできるわけでございますし、まして交換公文の取り交わしということになりますと、これは政府間で公文の交換でございます。それができないとプロジェクトが実際に動き出さないというような問題もございますんで、そういったことを前提といたしまして、十分に国の立場に立っての指導助言というものは透徹しておるものと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 すると、日ソの交換公文はありますけれども、日米の交換公文はこの関係についてはないんでしょう。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 日米の間には交換公文はございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 結果的には、日米ソ三国が調印するわけですから、だから交換公文というのであるから、全般的にはこれは国の責任ですよとおっしゃる。それはまず一つの常識ですけれども、ただ、これを法的にずっと詰めていきますと、日米の交換公文はない、それから交換公文対天然ガス株式会社との契約というものはないわけですよ。ただ、バンクローンでやりますから私は問題にしているんです。国の輸出入銀行の金を使って投資して、後で出たものは天然ガス株式会社が扱うわけです。しかも、それは一年、二年でないんです。これから大体二十五年ぐらいのを持っているでしょう。こういうものを今日のような情勢でよろしかろうか。交換公文は日ソだけあります、日米交換公文はございませんが、結果的には日米ソの調印をいたしておりますと。  もう少しでは具体的に言います。先の方の心配を言いますと、たとえば中東に——そんなことあってはなりませんが、中東に戦争の火がついた場合に、その背後にあるのは米ソでしょうね。たとえばこの間、ユダヤの問題だけでも通商条約を破棄するような事件が起きた。だから、もし中東戦争でも勃発いたしまして、米ソの間に通商上の問題が起こった場合、片や米国と日本は民間ですけれども、ソビエトの場合はこれは政府ですから、だからそういうような問題が起こった場合に、このような形で一体将来よろしかろうか。いま自由主義経済で、三木内閣でありますから、これで大体国民も常識上納得しているようですけれども、たとえば私どもが天下を取って、社会党の天下が来た場合、これはもちろんそのままじゃいきませんね。だから、外務省としてはどうお考えになりますか、こういう扱いを。  あとまた具体的にありますけれども、その問題について外務省の見解を聞いておきたいんです。

木内昭胤外務省欧亜局外務参事官

○説明員(木内昭胤君) 先ほど通産大臣、それから通商政策局長から御説明がありましたとおり、私どもの方は大勢から見まして民間を当事者にしてやっておるわけでございます。その点につきまして、いろいろ二十五年にもわたる場合に不安もあろうという御指摘でございますけれども、これまでの日ソ間のシベリア開発諸プロジェクトの話し合い等、すべて一応順調に推移しておりまして、したがいまして、今後ともこれで大丈夫である、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務省はどのくらいこの折衝の中で、実際交渉の場に何かタッチしておられますか。

木内昭胤外務省欧亜局外務参事官

○説明員(木内昭胤君) 直接的には民間の関係者の方々がやっておるわけでございます。で、事実上先ほどからございましたとおり、借款契約についてはこれは輸銀であるということから政府も非常に関与しておるわけでございまして、それから最終的には政府間取り決めという段階がございまして、その間でももちろん政府が前面に出るわけでございます。したがいまして、実際問題としては、交渉の当初から政府としても重大な関心を持って十分注視しておるというのが実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、今度この商工委員会に出てきようとする、たとえば韓国の大陸だな条約などというものはもうやらなきゃやらぬでいい、民間の会社が韓国に行って、韓国と取り決めをやって、調印してくれば条約も何にも要らぬということにも極論すればなるんだけれども、外務省としては何か一貫したあれがあるんですか。交換公文だけはちゃんとつくっておいて、これは外務省のタッチしていることでしょう。そこから先の調印については外務省はそれでよろしいと。あなたは参事官ですから、政府としてどうかということを……。しかし、きょうは代表して来ておられるから、大事な問題だと思うから。問題、疑問はありませんかね。聞いておきたいのです。

木内昭胤外務省欧亜局外務参事官

○説明員(木内昭胤君) これまでの経験から見まするならば、疑問はないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 福田副総理に聞きますが、このような姿で——私はもう少し結論を言うなら、石油開発公団など少なくとも政府が関与する公団、公社あるいは政府が直接条約を結んで、政府と天然ガス株式会社が取り扱いの協定を結ぶとかね。少なくとも向こうは政府の貿易省が担当してやっているんですから、ソビエト政府ですから。こちらは民間会社でやっている、そうして調印して、これから二十五年の日本のエネルギーを確保するということについて経済企画庁長官としてどうお考えになりますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まあヤクートの天然ガスという話でなく、広くわが国の資源開発活動ですね、これには道筋を一本化する必要はないと思います。時に応じて政府筋が発動する、時に応じては民間筋が主体になる、そういうことの方がこの仕事が進めいい、こういうふうに思います。ただしかし、いま政府筋が直接発動する、こういう道はないわけです。そこで石油開発公団にそういう機能を持たせる必要がある、こういう考え方になりまして、今国会に石油開発公団法の改正案をそういう趣旨でお願いをいたしておるというところでございます。  ヤクートにつきましては、先ほど来いろいろお話がありますが、もう民間が主体になって交渉はしておりますものの、これは全く政府表裏一体としてやっておるわけであります。交渉自体の形は民間でありまするけれども、民間がその交渉を行うに当たりましては、政府に事細かな連絡をとり、協調のもとにやっておる。そして、最後の結末は一体どういうふうにしてあるか、こういうと輸銀です。輸銀がわが国を代表して借款協定に調印をする、こういう仕組みをとっておるわけであります。  まあ今度のヤクート協定というのは、これは試掘、探鉱です。探鉱費の借款協定でありまして、ガスを現実に掘り出す、こういうわけじゃないんです。それに至る過程の探鉱費の借款協定、そこでしかも探鉱費の借款協定が、もしリスクがあればソビエト側がこれを全部負担いたします、こういうことになっておりますので、まあ非常に契約としてはわが方としては安全な契約内容になるわけでありますので、政府が直接これに関与し出動する、たとえば石油開発公団がこれの主体になるという必要、そういう現実的な必要はなかったわけでありまして、輸銀が契約主体になりますけれども、それで十分いま小柳さんがおっしゃられたような趣旨は貫き通されておる、こういう性格のものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまいみじくも長官が言われたことです、私が問題にしておるのは。朝から問題にしていますように、経済団体、もう日本の日経連、経団連、経済同友会などの幹部は、しょっちゅうそれは通産省とも連絡がありましょうし、もう通産省あるいは経済企画庁そのもののような姿で動いているわけです。そこを国民は非常にやっぱり考えるわけです、中小企業、零細企業の諸君は。日経連の幹部、経団連の幹部が向こうへ行って話したら、もうこれは日本を代表して言っている。そういうふうにとるわけです。ただ、それはしかし、あくまで責任をとるときには会社の社長ですね。だから国と国との契約ですから、調印ですから、私はそういうような姿であってはならぬのではないかと思う。いま福田副総理がおっしゃったように、とりあえず一兆立方メーターを出すために日本と米国と一億ドル出すわけです。これはまだ試掘です。問題は、一兆立方メーター出るのか出ないのかという問題が一つあります。  出た場合には、将来日本と米国にガスをもらうわけです。そのもらったガスは東京瓦斯と新日鉄とがとりあえず使うということになっておりますが、そのために液化設備やパイプラインに三十四億ドルかかりますのを日米半分ずつ将来出すということですね。金は国がちゃんとめんどう見てやろうということです。そして、いま天然ガス株式会社、大きな企業が二十一社集まって会社をつくっている。社長に安西さんが、そして改めて調印するわけです。この間のは仮調印ですね、十一月二十三日にパリでやりました調印は仮調印です。それはソビエトがそれだけシベリアの開発を急いでおりますから、幸い安西さんのところへ持っていって、安西さんが精力的にやられたから、政府が出ないでもそれで済んだ。ただ、これからの、たとえば中国、日中問題があります、日朝問題もありましょう。社会主義国とそういう長い国益に関する資源などの問題を一商社に任せるべきではないではないかと思うのです。重ねて言いたいわけです。今度の石油開発公団法の改正もわれわれそういう意味で受け取っているんだけれども、このヤクート天然ガスの問題も何らかの形でもう少し政府が責任を持つ、そういう形にしなきゃならぬのじゃないかと思うんですが、通産大臣いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど副総理もお述べになりましたように、私は海外との経済協力はいろんな形があっていいと思うんです。たとえば国と国との経済協力、それから民間の協力であるけれども、国がこれをバックアップしておるもの、あるいは純然たる民間の協定である、それは画一的な方法でなくしていろんな方法をやれるところに私は日本の強みがあるのではないか、こう思いますので、今度の場合も、私はいままでの進み方で十分ではなかろうか、こういうふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、またさっきの話に返りますが、何らかの形で日米ソの間に、国と国との間で通商関係がうまくいかなくなった場合の責任、そういうものは政府としてはもう全然無関係で——無関係ではないですね、政府の金が出ていくんですから。だから、代表権だけは会社にありますけれども、実質は国民が損するということになりますがね。それでもういろいろ形はあってもかまわぬでしょうが、国はやっぱりもう少し責任を持つような態勢をとらなきゃならぬのではないかと思うんですが、いまの内閣としては、いまの通産大臣の答弁の域を出ませんか。もう一回聞いておきましょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは初めの計画は日本、アメリカ、ソ連と、日米ソと三国が共同してやろうと、これはもうあくまで基本でございます。日本とソ連だけでやるという話ならばスタートを私はしなかったと思うのでございまして、日米ソということがあくまで基本になっておりまして、アメリカの新しい通商法案が通りまして、その結果、シベリアの開発に対する投資も非常に制限を受けておりまして、あるいは事実できなくなるのではないか、こういうことにもなっておりまするし、さらに一九七二年の米ソの間の通商協定も破棄される、こういうふうな動きも出ておりますので、現在のところ日米ソ三国の協力ということが実現するかどうか非常に疑問であるというふうなこと等もございまして、基本協定は昨年調印されましたけれども、借款協定のほうはまだ調印されてない、いま様子を見ておるということでございまして、国益がそこなわれないようにあらゆる注意を払っておるというのが現状でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 借款協定の場合にはどういうサインになりますか。ここでは輸銀の総裁とイワノフ貿易銀行総裁とが、これは仮調印かもしれません、サインしたと書いてあるんだけれども、将来借款協定はどうなりますか。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) ただいま大臣が申し上げましたような事情で、基本契約までは調印いたしておりますが、借款契約はまだ未調印でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 だから、調印するときにはどういう形でだれがサインしますか。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 日本側は、輸銀総裁になると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 安西社長は向こうで仮調印しておられますけれども、最後の金の責任になりますと輸銀の総裁が、国が責任を持つということになるんですね。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) このプロジェクト遂行に必要な資金はバンクローンで行うという話になっております。バンクローンと申しますが、結局輸銀が相手国の外国銀行に金を貸すということになるわけでございますので、契約当事者としては当然輸銀総裁になる、こういうことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 だから、天然ガス参りまして、それを使うのは東京瓦斯と新日鉄だと大体の方向は決まっていますね。だから、使う方の利益、それと今度、後の事故の場合の責任、それから長期の国策としてのいわゆる政治的な意味、この三つの問題があるわけです。そこを私は問題にしているんです。だから、現状としてはもうやむを得ぬ、もうこれはここまで来ているんだから、皆さんもなかなか答弁苦しかろうけれども。それじゃ、これに限定しませんよ。将来たとえば日中、日朝、社会主義の国とのいろんな長期の国策的な問題ありましょう。それでもこのような形で構いませんとは言わぬと思うけれども、私のいまの心配に答えてください。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 小柳先生の御趣旨もわかるわけでございますが、一つには相手側の国の考え方、これは契約でございますから、こちらだけで一方的に決めるわけにいかない、相手方とも意見を交換をしながら詰めなくちゃいけないといった問題もございますし、それから、決してお言葉を返すつもりではございませんが、民間べースでやる場合のメリットもあるわけでございます。というのは、いまの二十年ないし二十五年ということになりますと、非常に大規模の開発になるわけでございます。そうすると、将来ともにそれの引き取り保証ということの問題が出てまいるわけでございまして、その場合、国が引き取り保証をするというのはいかがかと思います。むしろエンドユーザーを入れた、たとえばこの場合にはシベリア天然ガス株式会社というのが昨年設立されておるわけでございますが、そういった民間ベースで、しかもエンドユーザーを入れまして長期的に引き取り保証するということも一つの大きなメリットかと思います。  ただ、民間ベースでやったものを政府が交換公文でこれの裏づけをするという形をとっておりますが、御心配になるような点につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、よく政府の意図を体してやれるように、あるいは長期のエネルギー的な考え方と結びつくように、それを反映するように、そのデメリット分は十分とそこでカバーするように配慮して、慎重に指導いたしておるということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁長官に質問いたします。  天然ガスのこれからの見通しですね。全体のエネルギー計画、エネルギーの需給見通しを三月末に立てられるようでありますが、長期エネルギー計画の中で現在のような石油、あるいは原子力、石炭などの中で天然ガスというものをどういうような位置づけをしようと考えておられますか。この産業構造審の答申では、五十五年度を五・八%、六十年度を六・六%ぐらいに見込んでおるようです。しかし、現状はまだ〇・四%ですからね。このヤクートの天然ガスが幸いに一兆立法メーター出たら、あるいはこの計画に乗るかもしれませんが、これはまだばくちですね。どういうように考えておられますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) わが国では長期エネルギー計画といいますか、そういう見通しを一つ持っておるわけです。それがいま小柳さんの御指摘の数字かと思いますが、石油事情が非常に大きな変化をしておる、その変化に応じましてわが国のこれからの総合エネルギー対策、構想をどういうふうにするかということは根本的に見直しをしなきゃならぬ、そういうことになっております。  先般、この席でも申し上げましたが、わが国としては、これからの長期の経済社会のあり方につきましていままでの構想とは全く違った新しいその行き方を考えなきゃならぬだろう、こういうふうに思いまして、いまその長期経済社会構想、これの検討に入っておるわけですが、まずその前提といたしまして、いまお話しのこのエネルギーを一体どういうふうに考えるかということを決めなきゃならぬ、そういうことで、いま政府としては国会でなかなか多忙の時期でありますので、国会の事情が許すというような段階になりましたならばその相談に入らなきゃならぬだろう、こういうふうに考えておるわけです。  まあ、石油に非常にいまわが国のエネルギーは依存しておりますが、何とかして石油への依存度を幾らかでも減らさなきゃならぬということは当然だろうと思うんです。その際、天然ガスの問題があります、また石炭をどうする、こういう問題もある。水力発電をどうするという問題、原子力発電の問題もある。それから地熱発電、太陽熱あるいはその他非常に先の長い問題でありますが、核融合問題やいろいろあります。ありますが、それらを全部検討いたしまして、なるべく速やかに、新しい情勢下における総合エネルギー対策をどうするかということを決めていきたいと思うんです。いままであります計画、これは全部根本的に見直さなきゃならぬ、こういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この間私、新潟の石油の掘削を視察に参りましたが、いま常磐沖も近く見に行こうと思っていますが、現場第一線の諸君は非常に一生懸命研究しながらやっているわけです。それで異口同音に言っているのは、金がない、あれも民間でやっています。石油開発公団など、ただそういう民間に金を貸してやらせるだけでなくて自分でやる、これからそういうふうに変身すると思いますけれども、もう少し根本的にエネルギーをみずから開発するという、そういう対策なり決意を内閣がしなきゃならぬのではないかと思うんです。非常に言いにくいんですけれども、大臣も官僚、役人の皆さんも一年か二年一生懸命そのポストをやっておればそれで済むというようなことで、案外現場で十年、二十年この試掘をやっている諸君の熱意なりを本当に取り上げてないのではないかと心配するんです。  石油の開発にしても、あるいは石炭問題もそうですが、根本的に自分でやると。外国から輸入するのも、もちろんそれはやらなきゃなりませんけれども、自分でやるという体制をとって、その中でいまの天然ガスの位置づけなんかもしなきゃならぬと思うわけです。その自主開発の問題について、エネルギー庁長官もおられるからエネルギー庁長官から意見を聞いて、あと通産大臣の見解も聞いておきたい。もう予算審議に入っておりますから、いま予算を十倍にせよとは言いません。ただ出先の諸君は皆言っている、少なくともいまの予算の十倍ぐらい欲しいと。それから民間の会社の社長もそう言っていますよ、先生、金がないからですねと。もうちゃんと枠が決まっちゃう。だから長官、いま中東の問題も険悪な事態、しかも、石油で日本の経済がしょっちゅう揺さぶられるような時代、あってはならぬと思う。長官の決意を聞きたいんですがね。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 一昨年の石油危機を契機といたしまして、わが国のエネルギー事情が根本的にこれを考え直さなければならない事態に来ておると思います。そういう中におきまして、このエネルギー資源、ことに石油、天然ガスをできるだけ、日本の大陸だなその他の開発を促進するということを一つの大きな政策目標としております。ただ、これも先生御存じのように、日本の大陸だなあるいは日本の近辺におきまして、現在いろいろの探鉱その他が行われておりますが、全体のエネルギーの解決になるほどの大きな数量を期待するということは、現在ではまだそこまで達しておりませんが、しかしながら、一番安定的であるのはやはり国産エネルギーであると思います。  そういう意味で、先ほど先生も挙げられましたんですが、去年の七月にエネルギーの供給の面の分析をいたしまして、この結論を総合エネルギー調査会で発表いたしたわけでございますが、これによりますと、国内の石油及び天然ガス、これは先ほど申し上げました大陸だなの開発でございますが、これにつきまして、昭和六十年度におきましては、一応目標といたしまして千三百万キロリッターないし三千万キロリッターを置いておるわけでございます。この数字が実現可能であるかどうかにつきましては、これはいろいろ議論がございますが、私どもとしましては、できるだけ日本近辺の開発について援助し、また促進していきたい、こういうふうに考えております。その意味で、国内の石油、天然ガスの開発につきましては、資金の供与その他につきましても援助をするということでやっております。  一応予算の面で見ますと、大陸だなの石油開発の関係では、昭和五十年度予算といたしまして、これは日本開発銀行から大陸だな石油開発の融資の枠といたしまして三十五億円を組んでおるわけでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど長官が申し述べましたように、わが国が独自のエネルギー、特に石油、天然ガスを開発するということは、これは非常に重大な課題でございます。これはもうどうしてもやらなければならぬ課題でございます。  ただしかし、問題が幾つかございまして、一つは、果たしてそういう事業をやれる能力を持つための企業、事業体をどうすれば育成できるかという問題でございます。これは一つは資金の面もありますけれども、一つは技術者の面、技術者が非常に少ないということでございます。いまたくさんなそういう企業体がありますけれども、技術者がほとんどいない、こういう大きな課題もあります。つまり、実質的な体制を整えるというような問題が一つあると思います。  それからもう一つは、最近は資源ナショナリズムという動きが非常に顕著になっておりまして、たとえば中近東の諸国におきましても、メジャーのような、リヤド協定のようなものがございましても直ちに変更されて、一九八二年までの間に順次五一%までにシェアを増加していくという基本協定がありましても、直ちにそれが変更されて、一〇〇%の資本参加とかそういうふうに一方的に変更をされる、こういう危険性もあります。あるいは、中南米諸国のように、一方的に資産が接収される、こういうふうな動きも顕著であります。また、先ほど御指摘がございましたように、国際情勢の変化、紛争等によりまして、それを理由にまた接収される、こういう動き等もありますので、やはりこの日本近海ということに主力を置くべきである。海外に出ていく場合には、最近のそういう動向を考えながらよほど慎重にやらなければいかぬ。と言いましても、全部を危険だ、危険だということで何にもやりませんと、これは大変困るということでありますから、そこはよく考えながらやらなけりゃいかぬ、こういうふうな問題があると思います。  いずれにいたしましても、そういうむつかしい問題がたくさんあるわけでございますけれども、日本のエネルギーというものは非常に弱体でございますから、とにかく何とか日本のエネルギー体制というものを強化しなければならぬ、こういう大きな課題、ただいま御指摘のとおりだと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁に二問質問いたします。  総合計画局長、経済団体の中に専門委員会がたくさんあるわけだ。それでもう勉強しておられる。それと、あなた方の経済企画庁の中でどういう接触をしておられるかということです。各経済団体の専門部会では、やっぱりそれぞれ専門委員がおりまして、日本の将来計画なりあるいは自分たちの仕事の計画をやっているわけだ。それと国の経済企画庁とはどういう接触を持ちながら経済計画をやっておられるか、その点をお聞きしておきたいんです。

小島英敏経済企画庁総合計画局長

○政府委員(小島英敏君) いままで民間でいろいろの中期、長期の見通しを立てられたところがございますけれども、この計画なり見通し自身は政府の計画とは直接関係がございませんので、これは特に整合性を図る必要はないわけでございますけれども、民間のいろいろな団体、あるいは日経センターその他のシンクタンクみたいなところでいろいろの作業をやられまして、見通しの数字なりあるいは政策のあり方なりというものについていろいろいい意見もあるわけでございますので、これは経済計画をつくります場合、経済審議会に諮問いたしまして、審議会の中にたくさんの分科会その他の委員会をつくって作業をいたします場合に、専門家としてこの委員にお加わりいただく、あるいは専門委員として参加していただくということは前からやっておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは最後の問題ですが、福田副総理に副総理として聞きますが、シベリア開発の、シベリア開発協力プロジェクトがたくさん提案しているわけです。たとえばチュメニ油田開発、ヤクート天然ガス開発、サハリン大陸だな石油ガス探鉱、南ヤクート原料炭開発、それから第二次KS協定、パルプ工場建設などを提案しておるわけです。  その中の、いまやクートガスの話をいたしましたが、シベリア開発に対するわが国政府、わが国の態度、幸い、このヤクート天然ガスの場合は向こうから意欲的に安西さんのところに持ってきた、で、早く話がまとまったようですが、ソビエトから提案がありましても、日本の政府がもたもたしておったから安西さんの方に話が行ったんじゃないかという気もするわけですよ、安西さんのこの論文を読んでみまして。だから、政府というのはやっぱり、大臣もそうだけれども、あんまりむつかしい問題はもう、さわらぬ神にたたりなしで、なるべく先に先にこう持っていかれるので、政府はもう役人即商社と同じですからね、それとの感覚のずれがあるんじゃないかと思うんですが、これだけこう提案されている。日本ではいま言ったように資源も大変少ない国ですから、シベリア開発に対して国として、たとえば石油開発公団なりあるいは石炭開発公団をつくってもいいでしょう。私どもはいまの石炭もあと、やっぱり公社でやるべきだという見解です。石炭公社をつくってちゃんと二千五百万トンあるいは三千万トンを確保すべきだという見解ですが、その石炭公社でこういうシベリアに行って石炭を探鉱する、それも必要であると思うが、日本の将来を考えてこういう提案が出ているのを一体どう処理しようとされるのか、質問いたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) わが国は、世界じゅうから資源を求めて、それに手を加えてまた世界じゅうの市場にこれを売りさばくと。そこでわが国の経済は維持されておるわけでございますから、資源を安定的に入手し得る状態をつくっておくということは、わが国経済社会を安定させるための最大の要件である、こういうふうに考えますが、いま資源というその中でも大事なエネルギー資源、こういうものになりますと、非常に偏在をしておるんです。申し上げるまでもございませんけれども、そのほとんど大部分をアラビア地区に依存をしている。そういう状態で一朝アラビアで異変が起こるということになると、もう本当に壊滅的な影響をわが国としては受けなければならぬ。そういうことを考えると、偏在しておる資源、これを、もう少し資源補給源を分散しなければならぬ、こういう基本的な問題があると思うんです。そういう立場から見まして、さて、どこにそういう安定した資源源を求めるかということになりますと、やはりシベリアというものもその一つです。あるいは中国というものもその一つです。ですから、そういうわが国の基本的な考え方からすると、私はシベリアのエネルギー、これにわが国は深い関心を持たざるを得ない立場にある、こういうふうに考えるわけであります。ただ、あそこは地域的に非常に寒いところである。そこで、これを開発しましてわが国に持ってくる、その過程におきまして幾多の困難があるわけであります。その困難を克服するというむずかしい問題もある。ですから、資源がある、あるからすぐそれを持ってこいというような簡単なわけにこれはいかないわけでございまして、そういうような点は民間の専門家がいまこれは精細に調査する必要がある。そういう調査ができ、そして、日ソ間でそれをどういうふうに開発していくか、また、わが国に開発されたものをどういうふうに供給するかというような点につきましてよほど確めて、それからでないと本式な軌道に乗るというわけにはいかぬと思いますけれども、とにかく資源という問題から見ますと、シベリアというのは豊富な資源、特にエネルギー資源があるわけですから、そういうことを踏まえまして、私は、民間のいろんな検討が熟するというような段階になりますれば、政府は前向きの立場でこれにサポートを与えるという姿勢でいかなければならぬだろう、こういうふうに考えます。  その政府がサポートする、あるいは政府が直接乗り出すという方法につきましては、在来の方法もありますが、今回石油開発公団、石油につきましては石油開発公団の機能を拡充して、公団自体がそういう事業に参加するというような道も開かれようとしておるわけでございまするから、まあそれはいい。その他のいま御指摘の石炭だとか、あるいは木材だとか、いろいろの資源がありましょうが、そういうものにつきましては、いまこの特殊な政府機構をつくらなければ事が動かないというような事情はない、こういうふうに私は思いまするけれども、もし必要があるという場合におきましては、そういう機構を設けることはもとよりこれはやぶさかでないわけでありますが、現状におきまして、そういう機構がなければシベリアの資源の開発輸入というものが動かないという状態ではない、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問は終わりますが、期待、希望だけいたしておきます。  冒頭に申し上げましたように、三木内閣に独占禁止法の改正を期待するところが非常に大きいわけですから、きょうは副総理と通産大臣おられますから、ここ一両日でまとまります独禁法改正案というものは、国民の期待に大きく反しませんように改正されることを期待いたします。  いま一つは、日本の大きな経営者団体というものが一部大企業の代表になりませんように、同時に、日本の産業代表になりませんように、日本の産業代表として諸外国に行ってもちゃんとやっぱり日本の通産省、日本の政府がそれを保証しながら最後の責任は国が責任を負うというような体制の方向へ、いまのヤクートの問題に関連しまして将来は考えてもらいたいと思います。今度の問題については、安西さんの功績を高く私は買っていますし、機会があればまた安西さんに来てもらって、意見をいろいろ聞きたいと思っているところでありますが、どうぞひとつ、特に独禁法改正に対する私どもの期待に沿うように政府の今後の御健闘を期待いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 去る二月の十六日に火災が出ました大協石油の四日市製油所問題、それから石油タンク不等沈下に関しまして質問いたしたいと思います。  まず最初に、大協石油の四日市製油所の問題でありますが、最近のコンビナート事故における恐ろしさというものは昨年の暮れの水島事故で明らかであります。三重県四日市は、早くから石油精製のためのコンビナートが形成されておりまして、非常に公害の激しいところであります。また、公害の補償を求めた裁判が行われまして、数社による複合汚染地域における公害補償として非常に全国の注目を集めたところでありますが、結果におきまして公害患者側が勝訴をいたしたところでもあります。最近に至りましても、昨年は中部ケミカルの四鉛化チタンが漏れた事故や、あるいは四月三十日には、日本アエロジル四日市工場から液体塩素が漏れまして、住民一万人以上が目やあるいはのどに痛みを感じたところであります。したがって、非常に日ごろから石油企業を初めといたします重化学産業に対しましてその安全性を求めていたところであります。  この四日市製油所は、いまから二十年前の昭和二十九年の十月十五日に石油貯蔵タンクが爆発をいたしまして、これが他に延焼いたしまして、タンク四基、危険物貯蔵所あるいは溶剤、製ろう装置など、工場施設のうち約四万平米が火災を起こしまして、三十三時間も実は燃え続けた過去に前科がございます。まだこの火災の原因については明らかにされていないところでありますが、今回の火災に際しましても、会社側がいち早く静電気による自然発火説を実は唱えているところであります。  まず最初に、この火災につきまして石油企業を監督する立場から通産当局の見解をお尋ねをいたします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 二月十六日の大協石油の火災事故につきましては、私ども、こういう石油精製企業あるいは石油タンクにおきます保安の問題につきましては、昨年水島事故がありまして、これが多大な影響を付近に与えまして、また非常な被害も生じておった事故が発生した後に、またこのような火災事故が発生いたしましたことにつきまして、きわめて遺憾に思っておりますし、また、私どもとしては、この防災体制というものをさらに強めて、こういうような事故、そしてそれに基づいての周辺に対する被害、人心の不安ということを招かないようにあらゆる努力を重ねたいと思っております。  そのために関係官庁、まあ消防庁その他とも連絡をとっておりますし、また石油業界に対しまして数回にわたりまして、これは大臣からも私からも、この防災の問題についてはさらに総点検を行い、また、いろいろ防災のための予防措置を新たにさらに追加して設けるように指示しておるところでございます。冒頭に申し上げましたように、今回の大協石油の事故につきましては、こういう事故がまた再び繰り返さないように私どもはあらゆる努力を傾けたい、こういうふうに思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ一般的なお答えであります。  私は特にお尋ねをいたしたいのは、火災が鎮火いたしましたすぐその火災鎮火後の記者会見で、会社側が、先ほど質問いたしましたように、静電気による自然発火だということを述べている。こういう態度をどう思うかという点を実はお尋ねをいたしているわけであります。後ほど警察当局にもお尋ねをいたしますが、あるいは消防庁にもお尋ねいたしますが、いまだ私は今回の火災についての原因は明らかでないと思います。にもかかわらず、いち早く自然発火説を出す、こういう企業の態度を通産当局としてはどう思われるかということをお尋ねいたしておるのでありまして、重ねて御質問いたします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 火災が発生しました後、種々の記者会見が行われておりまして、これにつきまして大協石油の責任者あるいは現場関係者の申し述べたことにつきまして、相当な批判が出ているということは私ども聞いております。それからまた、新聞にいろいろ出ておりますことにつきまして、私どもの方から大協石油の責任者を呼びまして、実際そういう発言をしたのかどうかということで一応これを問い合わせし、また、指導もいたしておるわけでございますが、いま先生のおっしゃいました静電気の発生で起こったということを言って、あたかも不可抗力と申しますか、ということで述べたということが一部新聞に載っておりまして、相当批判を呼んでいることについて私どもも承知しておるところでございますが、会社側に聞きましたら、静電気ではないかということを言ったのが記事として、責任を静電気発生ということで、そこから事故原因をあたかも決まったかのように言っているようにとられたわけです。これはそういうことで申し述べたのではありませんと。  またもう一つ、この火災事故が発生いたしました後、いわゆるエアホームをタンク内部に注入いたしますチャンバーがありまして、これがうまく作動しなかったんではないかという問題が記者会見のときに出まして、そのときの受け答えの中に、こういうタンクの事故は不可抗力で発生するということを責任者が言っている、これは非常にけしからぬということで、これにつきましても私どもが直ちに責任者を呼びまして、この事実を調べたわけでございますが、これにつきましても、タンクの火災事故が不可抗力的に発生する、こういうことは絶対に申しておりません、ただ、先ほど申しましたタンクチャンバーが不可抗力によって作動しないということはあり得ますということを私どもは言っただけですと。真相はこれはどちらにあるかあれですが、私どもが確かめたところでは、そういうことを発言したところが、あたかもタンク事故は不可抗力で生ずるのだということで、非常に無責任な発言をしたように報道されている、こういうふうに申しております。  私どもとしては、こういう事故が発生いたしまして付近の住民には非常な多大の不安を呼び、また、迷惑をかけておるわけでございますから、こういう事故が発生した後に、やはり会社としては非常に相済まないという態度をとるべきであり、また、発言についても、事故原因が究明されている途中で、あたかも自分に事故の発生の責任がないというような発言をすべきでないということで指導しております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで警察庁の方へお尋ねいたしますが、現在捜査中でありますので、いろいろ具体的なことがお答えをいただけないかもしれませんが、三重県の県警本部といたしましては、昭和二十九年の火災事故と相対的に比較をいたしまして、非常に今回の火災が類似的な点が多い、たとえば漏れたタンクがいずれも固定式屋根の形であったという点、それから火災がタンク内部で発生をいたしまして、固定式の屋根を破って火が燃え上がっているという点、それから三番目の問題は、タンクの内容物は違いますが、いずれも油を移送中に事故が発生しているというような点が非常に類似をしておるんじゃないだろうかという点に立ちまして、いわゆる、午後三時五分に火災が発生をいたしておるのでありますが、午後三時現在までは自動統計計測値によりますと異常は認められていない。その三時から三時五分までの五分間の間にタンク内に油が異常流入したことが原因ではないだろうかという点について、グラフの上でそのことが明らかになっているようでありまして、その点が火災の大きな原因ではないかと実は言われているわけであります。この点について、現在までの捜査過程の中で事故の問題と思われる点がありますれば具体的なお答えをいただきたいと思います。

鎌倉節警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(鎌倉節君) お答え申し上げます。  二月十六日に発生しました本事件につきましては、所轄の四日市南警察署に直ちに捜査本部を設置いたしまして、現在捜査員四十名で捜査中でございます。  捜査の状況としましては、現在関係者からの事情聴取あるいは現場の実況見分等の段階でございまして、専門家等の御協力を得まして出火原因の究明に当たっておる段階でございまして、これ以上のことは現在の段階ではちょっとわかりかねます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 消防庁といたしましては、四日市の消防本部が中心になりまして原因を追求しておみえになるようでありますが、消防庁がいままで得られました事実についてお答えをいただきたいと思います。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 大協石油の火災事故につきましては、いま御指摘のように、四日市市の消防本部におきまして警察当局及び県の協力も得、さらには適切な学識経験者の援助も得て、その火災原因調査に当たっておる段階でございます。消防庁といたしましても、このような事故が相次いで起こるということになりますと大問題でございますので、別途消防研究所を中心にいたしまして、おおむね十五人前後の人数によりましてプロジェクトチームをつくりまして、並行いたしまして火災原因調査を進めております。その結果によりまして今後の保安基準の強化を進めてまいりたい。  先ほど警察の方からもお話がございましたが、私どもの方は現在、そのプロジェクトチームによる現地調査を二十六日から二十八日まで実施いたしておりますが、現段階では、当該タンクの油の抜き取りをやっておる状況のようでございまして、三月四日ごろまでそれがかかるというふうに聞いております。したがって、現段階では捜査面におけるフローチャートと申しますか、そういうものを中心にいたしまして調査を進めておるという状況でございます。したがいまして、御指摘の火災原因についての種々の問題につきましては、なお具体的なお答えにまで至りません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 捜査一課長にお尋ねをいたしますが、先ほど私が指摘をいたしましたデータによりまして、油の異常流入が三時から三時五分、火災発生までにあったということは、これは三重県の県警本部が確認をして報道されている事実なんですが、こういった点について警察庁としてまだ具体的に御報告が得られていないんですか。

鎌倉節警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(鎌倉節君) ただいま消防庁の方からもお答えがございましたように、現場の実況見分をやっておる最中でございまして、目下検証の準備中という段階でございます。ただいま御指摘のような点については、私どもまだ報告を受けておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ非常に私残念なことだと思うのでありますが、御報告がなければ仕方がないと思いますけれども、最初にお話をいたしましたように、昭和二十九年の火災と非常に類似しておるという点、それもやはり油の移送中であったということ、今回もいわゆるこの五分間の間にタンク内に急激に油の量がふえているということ、これは会社側の自動測定の記録計にあらわれているのです。これを三重県の県警本部が押収いたしまして調査をいたしました結果、なるほどこのことが事故原因につながるのではないかという点について行っておりますので、警察庁としても具体的事実についてひとつ私は御指示を賜っておきたいと思うのであります。  そこで、エネルギー庁長官にお尋ねいたしますが、昭和二十九年の火災は、これはいまだもって事故原因が不明だと言われておりますが、今日でもそのように通産当局は理解しておみえになりますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今度の事故が起こりました後、二十九年にも先ほど先生がおっしゃられました非常に大きな事故がありましたので、重ねてこれは事故が起こったわけでございまして、二十九年の事故につきましても、私どもの方から大協石油の当時の関係者に尋ねたのでございます。事実は先ほど先生のおっしゃられたとおりでございますが、その事故原因につきましてはいまだにわからない。これは外部説とか、いろんなのが出ておるようでございますが、警察当局からもいろいろお調べになられましたし、また、これにつきましては社内にもいろいろうわさが出たようでございますが、先生がおっしゃられましたように、これの原因はいまだに不明だということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは捜査一課長にお尋ねいたしますが、前回の火事は原因不明のままであるといまお話がありましたけれども、私どものいわゆる知り得たところによりますと、当時三重県県警本部は大協石油四日市工場の作業員が、これは当時ワスラー原油と言っておりますが、約八百リットルが入っていた第三号原油タンクに摂氏八十度ないし百四十度のC重油を混入作業中、二つの重油がまざり合ったため爆発性のガスが発生し、さらにタンクの天井鉄板の金属が膨張して機械的な摩擦を起こして、その火花で点火、爆発をしたといたしまして、当時工場の責任者でありました製造部の中村という精油第一課長を業務上失火の疑いで書類送検をしたということが明らかになっておりますが、この事実についてお答えをいただきたいと思います。

鎌倉節警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(鎌倉節君) 二十九年の事件につきましては、ただいま先生のおっしゃったとおり、所轄署におきまして捜査しました結果、当時の事故によりまして亡くなられました同製油所の製造部精油第一課長の中村智当時三十七歳による業務上失火の疑いがあるということで、昭和三十年の二月九日に同人を津地検の四日市支部に書類送検をしております。  その内容につきましては、第三号タンクに八十度Cの重油を約二十五時間にわたりまして送油したために、貯留ガスの温度が上昇しまして、天蓋の膨張による鉄骨の衝撃によって生じた火花がガスに引火した疑いである、こういうふうになっております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、警察当局といたしましては二十九年火災は、事故原因は不明ではなくって、いまお話がありましたように明らかに作業員の操作ミスだ、そういう事故だというふうに断定になって、送検の手続をとられたというふうに理解していいですか。

鎌倉節警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(鎌倉節君) そういうことでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで大臣、話し中ですね。いいですか、大臣、いいですか、質問しますよ。  いま資源エネルギー庁長官は、二十九年火災事故はいまもって原因が不明な火災だった、こういうお話が示唆されているわけです。というのは、警察庁の捜査一課長からのお話の要旨では、私が指摘いたしましたとおり、二十九年の火災事故は、明らかに作業員の操作によるミスが原因だと言っておるのであります。今日でこそこのようにコンビナートの火災事件あるいはコンビナートの事故が大きく取り上げられておりますが、もう私は、やはりコンビナートを形成した当時から、こういった防災上の問題については通産当局が十分な配慮をしておらなければならなかったのではないだろうか、こう思うのであります。  それが二十年たっても、会社側が事故の原因が不明でしたよと言えば、通産当局は、ああ、そうですか、そうですかと言っておるようでは、私は全く防災の問題についてほんとうに通産当局が過去のデータを調べ、あるいは過去の結果を、先ほどの消防庁次長ではありませんが、過去の実態を調べて新しい防災対策に資していくというような態度が見られないのは、実は非常に遺憾だと思うのでありますが、二十年たって警察当局はちゃんと操作員のミスだと言っているんです。なぜ通産省はいまだもって事故は原因不明だと、こう認識なさっているのか、理解に苦しむところでありまして、保安問題に対する通産省、特に大臣の見解をこの機会にお尋ねいたしておきます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、コンビナートのみならず、わが国の産業政策を進めていく上におきましては、最大のこれからの課題は何かというと、環境とそれから防災、この二点に尽きる、かように考えております。そういう意味におきまして、最近、コンビナート内におきましていろんな事故が続発しておるということは大変遺憾に思っておるわけでございます。そこで先般も、コンビナートの代表的な企業の代表者及び重立った業界の代表者を集めまして厳重に注意をいたしますと同時に、本日も地方の通産局長会議を召集いたしまして、特に防災問題につきまして厳重注意をしたわけであります。  それは、こういうふうな災害が起こりますと地域の住民に対して非常な不安を与える、御迷惑をかけるということだけではなくして、日本の産業そのものに非常な不信感を与える、産業政策を進めることができなくなる、こういうふうな非常に重大な課題を抱えておるわけでございます。でありますから、通産省といたしましても、また私といたしましても、防災ということは最大の課題である、こういう決心のもとに取り組んでおるわけでございます。政府のほうにおきましても先般、総理からこの点について特に御注意がございまして、防災体制の一元化強化、これを至急図るように、こういう御指示もございましたし、その線に沿いまして目下鋭意努力をしているわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 大臣が異例な警告を出されたということは私、新聞で知ったわけでありますが、ただ単に警告したからこれが防げるというものじゃございません。それはやはり各企業の態度に私は問題があると思うのです。現にいわゆる大協石油の密田社長は、事件発生後四日市へ参りまして、ぬけぬけと「昭和二十九年にも同製油所で重油タンク四基で火災があったが、その時は原因がつかめなかった。」、あくまで現在でも二十九年の火災は原因不明だと言っているのです。私は、捜査一課長のやりとりをお聞きになっていれば、火災の原因がどこにあったかということはもう明瞭であります。ただ残念なことは、捜査一課長がお答えになりましたように、当時の中村さんという第一精油課長がやけどのために、言うならば裁判控訴以前にお亡くなりになった、控訴権の放棄のために裁判が行われなかったという事実が残っているわけであります。  しかし私は、いま申し上げたような経過からまいりますれば、これは明らかに作業員によるミスであることは事実であります。にもかかわらず、大協石油の社長はいまだもってこういうことをぬけぬけと言っておみえになる。通産省もいまエネルギー庁長官にお尋ねしますと、二十九年の火災はいまだもって原因不明だと認識しておると言う。全く私は、企業と通産省は何をやっているか、むしろ、企業の横暴を通産省は規制をしないで見逃しているんじゃないかというような感があるわけであります。そういう点についてただ単に一片の警告、一片の通告によって問題が解決するのではない。私は強くこのきょうの委員会のやりとりを大協石油の社長に伝えて、重大な反省を求めてもらいたいと思いますが、大臣どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 確かに企業に問題があると思います。  そこで、これまでは通達だけで済ましておったわけでございますが、これではいかぬ、やはり代表者を呼んで直接注意を喚起しなければいかぬということで呼んだわけでございますが、同時にあわせまして、警告いたしました内容もきわめて具体的にわたっておりまして、いろんな対策を指示したわけでございます。もちろん、これをフォローアップしていかなければならないと思いますが、今後防災ということに対しては格段の注意を払っていきたいと思います。  なお、先ほどお話しの二十年前の火災の問題でございますが、私はその事情を詳しく知りません。しかし、不明というのはいつまでも不明だと言わないで、大体の見当はつくのではないか、私はこう思いますので、いずれにいたしましても、それに対していたずらに逃げ口上のようなことを言わないで、やはり進んで責任をとる、こういう形で積極的に対策をとるということが望ましい、こう思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いつまでも不明というお言葉をいま使われましたが、先ほどの捜査一課長とのやりとりを聞いていただいておれば、いつまでも不明じゃないんですよ。当時もう昭和二十九年の十月の十五日の火災が起きて、それから年内に送検されたんでありまするから、もう二十九年の暮れには作業員のミス操作による火災だということがわかっているんですよ。私どもが聞いているのは、そういうことが明らかになりつつも通産当局は今日まで事故は原因不明だったと認識しておったというし、企業はぬけぬけと、再び火災起こしておきながら、二十九年の事故も原因が不明でしたよと言っている。こういう企業の態度について通産当局が厳重な注意や指導や警告をし、是正を求めなければ、大臣が何回異例の警告をお出しになってもコンビナートの防災の万全を期することはできないですよ。したがって、二十九年当時の火災をいまだもって反省をしないような大協石油の社長に対しまして、大臣なりエネルギー庁長官なり通産省は、厳重な警告を発する意思があるかどうかということを聞いたんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 改めて本日この委員会においてもお話でございますから、重ねて会社を呼びまして、十分なる注意を喚起いたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に消防庁にお尋ねいたしますが、このいわゆる固定式の屋根の石油タンク、この火災を発生いたしました一〇二号タンクは固定式の屋根タンクで、火災が発生いたしましたときには、地上に設置してありまする消火剤の送入口がございまして、それがパイプでタンクの中に消火剤が入って消火をするというような仕組みに実はなっているわけでありますが、このタンクは毎分九千六百リットルのいわゆる吐水量を持っておるというぐらいたくさん口がつけてあったわけであります。消防法では六カ所であったそうでありますが、一〇二号タンクは八カ所つけてあった。ところが、実際には火災が発生して、いま言ったように毎分九千六百リットルの吐水量を持っておりますから、三十分ぐらいで泡沫剤がざあっと入って消火ができるというような計算がなされておったわけでありますが、実際は消火剤がうまく入らずにたくさんの灯油が燃えた、そして四時間も燃え続けてしまったということになるわけであります。その結果を見てみますと、火勢——火の力で、肝心の消火剤を送るパイプが曲がってしまって、消火剤のあわがうまくタンクの中に入らなかった、これがうまく消火できなかった大きな原因だと実は言われているわけでありまして、全くこういうことを考えてまいりますと、漫画的な要素ですね。消火装置があった、そして消火剤を送り込む、しかし、パイプが火の力のために、正常な働きを示す消火剤がうまく到達しなかった、結果論からまいりますと、ひどいことを言えば消火装置がないのも同然ですね。これについて四日市消防本部からどういうような御報告がありましたか、また、消防庁はどういう確認をいたされましたか、それを最初にお尋ねいたします。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 詳細につきましては、現在参っております実地調査が終わりました段階でさらに御報告申し上げたいと思いますが、私が現在聞いております範囲内でお答え申し上げます。  まずホームチャンバーと申します固定消化設備の放射口でございますが、御指摘のように八口ございまして、二口は屋根が落ち込みまして、最初に火が噴き出た部分にあったようでございますが、その二つの口は完全に外を向いたりいたして中に入らなかった。これは確かに設備として私はもう少し将来考えていかなければならない問題だと思います。六口の方は動いたというふうに聞いております。  それからいま一つの問題は、これは半固定式の消火設備と申しまして、自動的にあわ消火剤などが流入するのではなくて、化学消防自動車を口につけまして、そこからあわを注入する、こういう仕組みの消火設備でございます。したがいまして、その化学自動車をくっつけますのに若干のそごがあったのではないかというふうに私は想像いたしております。  なお、この曲がったという話は、私は今現段階では公式には聞いておりません。  それから、御指摘のように、確かに固定式あるいは半固定式ではもちろん不十分でございます。したがいまして、消防自動車なり、スクアート車なり、その他によりますあわ消火剤の投入、これは四日市の現地においても急遽やったわけでございますが、これを整備しなければならぬということをかねがね措置してまいっておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 自動消火装置でなくて固定式、半固定式、いろいろいまお話がございましたが、こういう装置、自動消火装置でないものですね、こういうものは全国の石油タンク内に大体何%占めているわけですか。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) ちょっと御質問の……。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 屋根が上下する垂下式というのですか、こういうものは自動消火装置と聞いているのですが、固定式の屋根のものは、主にいま申し上げたように消防車がついて、そしてあわを振り込むような式になっているのですね。こういう自動式でない消火装置というのは全石油タンクの中の何割になっているのですか。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 自動消火装置といたしましては、申し上げるまでもなくいわゆる固定式で、化学自動車をくっつけなくとも自動的にあわが流入するという方が有用でございますので、私どもといたしましては、固定式に切りかえるようにという強い指導をいたしております。したがって、半固定式というのはそれほど多くないという現状でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それほど多くないというのじゃなくて、調査しないのですね、答えられないということは。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 現在手元に資料を持っておりませんが、概数として申しますと、非常に少ないということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 資料がなければそれ以上言いませんけれども、そういうようなものは今日非常に重要な問題でありますから、あなたの方の守備範囲からいけばある程度何%ですと自信を持って言えるようにしていただきたいと思います。  それからもう一つ、一〇二号のタンクの問題で、火災の発生原因ではないかとも思われておるのでありますが、いわゆる引火防止装置ですね、フレームアレスターと言うのですか、この引火防止装置というものを、一〇二号タンクは十一年前から消防法によって設置を、つまりつけなければならないのに、一回つけたものを、完成後一年たった十一年前にこれを除去してしまったということが四日市消防本部によって指摘されておりますが、消防庁は確認しておりますか。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 御指摘のように、通気管を設け、その通気管に引火防止のための細目の銅の網等による引火防止装置を設けることを義務づけております。四日市消防本部の報告を受けておりますが、大協石油の当該タンクにはそれがついていなかったということで、私どもまことに遺憾に存じております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私の知り得たところによりますと、なぜそれを取ったかという問題について、大協石油側は、「灯油の場合、揮発性ガスは少ないし、102タンクは十二メートルもの高さなので、外部の火がタンク内に入るケースは考えられない。」これは向こうは事故の原因はありませんよということを強調したと思うのです。「引火防止装置を付けるとむしろ、目詰まりによる事故が考えられ、ないほうが安全。また、万一、通気管から火を吸入しても同装置では連続した火災を防げない」。これは全く消防法を無視し、装置そのものをいわゆる機能がないんだと断定しているのですね。言葉をかえて言えば生産第一主義なんですよ。企業というものが安全第一ということを考えないで、この言葉の中には生産第一主義の姿勢があらわれている。しかも、引火防止装置をいま言ったような理由でつけないとするならば言語道断です。大臣、こういった企業の態度をどう思われますか、消防法違反なんですよ。生産に邪魔になるから取っちゃったというのです。こういう大協石油の態度を——大臣に聞いております、どう思われますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 大変遺憾に思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは消防庁といたしまして、今後大協石油に対してどういうような処置をされますか。全タンクを御点検になりますか、四日市製油所について。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 先ほど申しましたように、消防庁といたしましても、かかる事故が再発することを絶対に防止しなければならぬと考えておりますので、現地調査を繰り返して実施いたしたいと思っております。その中におきまして、ほかのタンクにつきましても徹底的に調査研究をいたしたいと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ私は、最初から申し上げましたとおりに、二十九年火災と類似な点が多い。二十九年が作業員の操作ミスによる事故である。大臣も警告するというお話がありました。そして、いま引火防止装置を取り上げましたように、具体的にはそういった重要な安全装置をはずしてまで生産に従事しておる。私はそういった点について、消防庁並びに警察当局に対しまして厳重な検証と事故原因の究明に当たってもらいたいし、また、事故原因が明確になれば、今度は堂々と公表していただきたいし、同時に関係各官庁——私は昭和二十九年に警察当局の送検は通産当局に御連絡があったと思う。しかし、二十年たってみますと、ないと言われますとそれまでかもしれませんが、そのときには事実をやっぱり公表していただく、事故の原因はどこにあったか。  私はいつも申し上げるのでありますが、原因が不明だということがよほど住民に大きな不安を与えることは否定できないんです。コンビナートと一緒に暮らしている四日市の市民は、原因不明では、いつ、どんな状態で火災が起きるかわからないんです。また、いつ、どんな状態で酸素やガスが漏れてくるのかわからないんです。原因を明らかにし、それを公知することによって住民の不安を解消するのが私は行政の責任ではないかと思うのでありまして、いま申し上げたように、原因を究明し、原因が明らかになればこれを公表して、住民に安心感を与えていただきたいということを、まず事故問題については希望しておきます。  次に私は、これも本当からいくと公益事業局だと思うんですが、お見えにならなければ大臣でもエネルギー庁長官でもいいですが、操業停止問題と市民生活の問題とに関連をいたしまして、四日市には合同瓦斯という都市ガスの供給会社がございます。約二万七千世帯と申しますから、四日市市の約五七%を供給いたしております。しかし、この合同瓦斯が都市ガスの原料といたしまして、大協石油から日量三万トンのガスを供給してもらっているわけであります。  今回の事故が起きましたときに四日市市長は、直ちに全面操業停止を行政処分としてやろうという決意をいたしたのでありますが、合同瓦斯会社から四日市の災害対策本部に対しまして、それは困る、もしも全面操業停止が長引けば——大協石油はあれはたった三日自主的な操業停止をやっただけですから——長引けば都市ガスの供給はとまる、そのために市民生活に非常に大きな影響がある、したがって、全面操業停止はぜひひとつやめてもらいたいという申し入れがなされているわけであります。これはまた逆に見れば、いわゆる大協石油が稼働しない限り都市ガスがとまるという厳然たる事実が背景にありまするから、企業側は強くなってまいりまするし、面従腹背的な性格になり、安全を無視した生産第一主義——先ほどから私が指摘しておりますような生産第一主義を肯定化しようとしていることは否定できないと思う。こういうような事態に対しまして通産当局がとり得る措置としてはどういうものがあるか、ひとつ具体的にお尋ねをいたしたい。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) この合同瓦斯への原料ガスの供給の責任を持っております石油サイドとしての答えを申し上げたいと思いますが、四日市地区にそれにかわるべき供給源というもので、石油会社としては昭和四日市石油がありまして、名古屋通産局といたしましては、その供給源としての検討もやったわけでございますが、残念ながら合同瓦斯との直結パイプがございませんし、ガス自身は水素を主体とするものでございますので、パイプ輸送以外ではなかなかむずかしいということでございましたので、これについてはあきらめざるを得ないということでございました。  なお、緊急な措置といたしまして、この大協石油から水素ガスの供給を受けております協和油化という会社がございますが、そこから逆にそこの水素ガスを一部流用してもらって緊急な措置はいたしたわけでございますが、協和油化自身はまた別途の操業をいたしておりますので永続するわけにはいかないということで、この合同瓦斯への供給というものを大協石油で継続せざるを得ないという結論になったわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは全く、市民感情から申し上げますと、実は非常に理解に苦しむところであります。本来は、公害を出し、かつ、大きな影響を与えたのでありますから、行政処分として全面操業停止でありまするとか、必要な措置をすることが必要であります。ところが、やれば市民生活の混乱が免れないということになりますれば、会社は、先ほど申し上げたように、言うならば、全面操業停止はあり得ないという前提で物事を考えていく傾向になりがちであります。  大協石油は、私は、先ほどから二、三指摘いたしましたように、通産省の指導も何のその、安全対策も無視してやっておりまするから、そういう危険性があると思うのであります。これは一面におきまして、地方自治体に公害防止に対する熱意を失わせるような結果にもなっておりますし、また、いま申し上げたように、パイプがないというお話でありますが、やはり、罰は罰、行政処分は処分として受け、そうして市民生活はこれを確保していくというのが私は一つの行政の筋ではないかと思うのであります。協和油化から若干のいわゆる輸送は行われたようでありますが、私は、やはりそういうように特定の会社と、公害を発生する会社と市民生活が影響を受けるようなそういう体制というものを、今後改善していく必要があるのではないか。  合同瓦斯会社に対しましても、数社から供給を受けて、一社がとまってもその他の会社から供給を受け得るような体制をつくるのか、あるいはそういう場合は、仮名称でありますが、緊急供給センター的なものを常時地区に用意しておいて、そうして供給は、会社がとまればそのセンターから市民生活を確保するために供給をするとかいうような、従来と違った体制づくりというものが行われなければいけないのではないかというような感じが私はいたします。ただ単に、通産局から、合同瓦斯会社がもらっておりまする原料のガスを他の石油精製会社から受けなさいという申し入れをしただけではこれは解決にはならないと思うのでありますが、将来のこういった問題を想像いたした場合に、これをどう体制づくりに変えていくのか。その点について、もしもお考えがあればお伺いいたしておきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いま森下先生からのこの問題の指摘と、これに対してどういうふうに措置すべきかということでございますが、いまのこのガス供給が、これはある一つの会社から原料ガスが供給されますと、そこの会社がとまった場合には——これは事故以外でもいろいろな原因でガス供給がとまることもあるわけでございますが、そういう意味で、そのほかの近辺工場が共同でガスを提供できるような措置を考えるべきではないかということだと思いますが、これにつきましては、私どもも技術的に検討をさしていただきます。やはりそれだけのパイプを敷くというようないろいろな問題もあります。また、ガス料金等の問題もいろいろございますので、これがどれくらいの費用がかかり、それから、ガス料金に対してどれくらい響くかということも考慮に入れまして、そうしていまの問題点が解決するのにはどういう方法が一番いいか、検討さしていただきたいと思います。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういう点に対しては、ひとつ希望として、やはり不時のそういった問題を考慮に入れてできる限り対策を考えていただきたいと思いますが、先般、通産省が一月二十日を目途にいたしまして、各通産局を通じまして、全国の製油所、油槽所などの事故防止のための総点検を行って、その結果と対策を早急に報告するように指示されたというふうに私どもこの委員会で実はお聞きをいたしたわけでありますが、その後の報告はどうなっているのか、まず最初にそれをお伺いします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 一月二十日までに各石油精製業者に対しまして保安上の問題点を報告さしたわけでございますが、私どものほうは、これは先生御存じのように、そのタンクの再点検、あるいはその不等沈下の問題、これは消防庁のほうでやっておりますので、私どものほうが検討を命じ、また、点検させましたのは、災害が起こった場合の事故対応体制をいかにするか、それからその連絡体制をどういうふうにするかということが主でございます。それ以外には消防庁の総点検に協力するようにという指示をいたしたわけでございます。私どものほうに来ました報告は、いま申し上げました防災規程がどうなっているか、あるいは災害が起こった場合にそれに対する対応をどういうようにしているか、それから連絡体制がどうなっているか、こういう点でございます。  これにつきまして各企業からの報告が参っておりますが、これを、私ども報告を照らし合わしまして、また専門家の意見も聞きまして、不十分なところは直す、あるいは、非常に防災体制についてほかにも及ぼす点があればそれを他にも指示するということでございます。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 実は、これは名古屋通産局管内の数字ですから、その後どうなったかわかりませんが、とにかく、二月二十一日現在、名古屋通産局管内の愛知、三重、石川、富山の石油関連会社の二十社に対しましていま長官が言われたような報告を求めましたところ、二月二十一日現在、そのうちの六社だけが報告をいたしまして、他の十四社はいまだ未報告であります。一体これは、いま言われましたような石油タンクの防災対策について本当にやる気があるのかと実は私言いたくなるような数字でありまして、若干の報告は来ていると思うのでありますけれども、いま長官が言われましたように、全国の関連の会社からどのぐらい報告が来ているのか、実態を明らかにしていただきたい。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私のほうは十二月二十一日付で報告を求めまして、それで期限を一月二十日に出せということでやっておりますが、これにつきましては三十二社から報告が出ております。それで、いま先生がおっしゃられました通産局に対する報告でございますが、これは緊急を要したものですから、私どものほうはむしろ資源エネルギー庁扱いにしまして、直接資源エネルギー庁に報告を出す、それで通産局にも十分連絡するように言ってあったわけです。おそらくいま御指摘の点は、資源エネルギー庁の本庁のほうには報告が来ておりますが、通産局に対する連絡があるいは一部おくれているということだと思います。この点につきましては、私どもの方から通産局にも同様な報告をするように指示するつもりでおります。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それは長官が言われますように、三十二社はちゃんと報告を求めることが新聞にも書いてございました。しかし、実際には各地域地域における油槽所や製油所の形態というものが非常に違っておりますし、個々それぞれ状況も条件も違うと思うのであります。でありますから、画一的な、本社だけで長官が言われるように報告を求められましても、実際には私は、やはり各通産局ごとに実態を把握して、その油槽所なり製油所に適合した防災対策の報告を求めるということが正しいんじゃないかと思うんです。ですから、長官のもとにおける三十二社の報告だけではなく、いま後段でお話があったように、各通産局からもそういう通達を管内の企業に出しているわけですから、支店なり支社なりに。それはそれなりに私は報告を求めて、防災の全きを期していくことが妥当ではないかと思うのであります。そういう点についていまだ報告がない企業が多数あるということが名古屋通産局管内でも明らかになっておるんで、さらにひとつ報告を求めて万全を期してもらいたいというふうに希望しておきます。  時間がありませんので飛びまして、不等沈下問題でちょっとお尋ねいたしておきます。  最初に、不等沈下問題で消防庁の調査が終わったわけでありますが、消防庁長官がある新聞の談話の中で、この調査の終わった時点でタンク自体をめぐる問題はそれほどないと思うがと言っているんです。タンク自体をめぐる問題はそれほどないと。一体これはどういう意味なんでしょうか。次長からお答えを願うことは必ずしも妥当ではないかとも存じますが、この点について、タンクの安全性すら問題になっているときに、消防庁長官が、タンク自体をめぐる問題はそれほどないと思うというような談話を出すことは、これはあくまでも、市民感情、国民感情からいくと逆なでするような感じがいたします。その点について次長から見解があればお尋ねいたします。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 一月中に行いました緊急点検につきましては、タンクの本体及びその付属物、それからタンクの地盤の問題、さらにその他防油堀等について緊急点検をいたしたわけでございますが、タンクの本体と付属物につきましては、たとえば、亀裂が生じていないかとか油漏れが出ていないかとか、そういう点に重点を置いて調査したわけでございますが、その中で、タンクの本体自身について見ますると、若干の油のにじみが出ているとか、そういうものはございましたけれども、たとえば、底版に亀裂が出ておって、それが大事故につながるというふうなものは見受けられなかったということは事実でございます。  ただ一つ、総点検前に、十二月の中旬でございますが、横浜で一部底版に亀裂が出てミナス重油が流出したのがございましたが、それ以外につきましては、そういう大事故につながるタンクの構造自体のものはない、こういう認識でございましたのでそういう長官談話が出たのではないか、かように考えます。決して、絶対安全ですという意味で申し上げているものではないと私は考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは一昨日、中尾委員からもタンクの問題について、いまそれを規制するものは何かと言われて、JIS規格しかない、と。しかもそれが、小さなタンクを想像して、いまのような十万キロリットル、十五万キロリットルなんという巨大な石油タンクを想像してないという工業技術院長の御答弁があって、私も唖然としているわけなんです。さらに、いまタンクの付属物というお言葉を使われましたが、基礎工法自体だってこれを規制するような法的根拠は一つもないんですね。  もっと率直に言えば、基礎をどこが一体所管をするのかという問題になりますと、消防庁の所管なのか、建設省の所管なのか、通産省の所管なのか、これは明らかでないんです。消防法によればタンクの安全性というか、火災の問題だけが出ているわけでありまして、基礎まで消防法は規定してないところに実は問題があるわけなんですよ。これは、三月中旬に御提出になるというコンビナート防災法の中でいろいろと生かされてくると思うんでありますが、そういうタンクをめぐる問題が非常に大きく論議されているときに、私は、このような表現は非常に妥当性を欠くというふうに実は思っているわけであります。  次に、亀裂の入った防油堀などが三百基にも上っているということは企業に油断があったということ。油断という言葉は私は妥当かどうか、この場合。企業が安全管理を怠ったためにこういうような問題が起きたんであって、油断したからこんな問題が起きたわけじゃないんです。それはやはり、企業の姿勢というものを消防庁自身が指摘をするために調査を行ったのでありまして、油断があったから亀裂ができたんだという表現は、これは私は、国民感情、今日のコンビナートにおける火災なりあるいは事故をどう見ているか、軽く扱っておみえになるんじゃないかというような感じなきにしもあらずであります。それは、長官でありませんからその程度にとどめておきます。  そこで今度は、調査をされました結果について、石連——日本石油連盟に対しましていろいろと指示をされておるようでありますが、ところが、石連の会長は、百九基ものタンクを短期間で油を抜き、点検することは技術的に不可能だと言っているんですよ。消防庁は、聞くところによると、四月中に百九基のタンクの油を抜いて点検をいたしたいという希望を持っているようでありますが、この石連会長の発言と関連をいたしまして、消防庁は、百九基のタンクの点検はいつまでにおやりになるのか、明らかにしておいていただきたい。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 私どもは、総点検中ではございましたが、一月二十三日でございますが、不等沈下の状況を調査いたしました結果、特に沈下程度の著しいものにつきましては、油を抜いて内部の徹底的な開放検査をすることを各市町村の消防当局に指示したわけでございます。確かに、油を抜いて内部の徹底的な開放検査をいたしますことは時間もかかりまするし、また、その油を移しかえる場所等につきましてもいろいろ問題があると思いますけれども、先ほど来御指摘のような、種々の国民的な不安というものを考えますと、困難は可及的に排除いたしまして、私どもはできるだけ早急に徹底的な検査をしてもらいたい、かように考えておるわけでございます。各都市の消防機関におきましても、個別の会社とその手順につきましても、いま一斉にやっておるところでございます。すでに相当程度進んでおるところもございます。したがいまして、消防庁長官が言っておりますように、私どもといたしましては、原則的には四月中ぐらいにはその実施を完了したい、かように考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に大臣にお尋ねいたしますが、このコンビナート防災法——仮称でありますが、関係する省庁は非常に多い。先般の衆議院の予算委員会では、消防庁長官が三月中旬をめどに出すというお話があったわけでありまして、さらに大臣といたしましても、十九日に通産当局に、通産当局として事務的に防災法を立法するに当たっての検討を命じられたというふうに聞いておるわけでありますが、いわゆるコンビナート防災法の主体というものは自治省の消防庁が中心でつくることが妥当とお考えになっているのか、石油企業を総合的に監督するという立場の通産省が、コンビナート防災法の指導的立場に立ってつくっていくのが妥当と考えておみえになるのか、その点ちょっとお聞きいたしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 法案の取りまとめは、自治省が各省からいろいろな参考資料を集められまして、取りまとめの役をいま進められておるわけであります。その結果、新しい法案ができまして、通産省が中心になって防災体制をやれということになればそういうふうにいたしますが、まだ結果ははっきりいたしておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そうすると、通産省といたしましては、先般のこの消防庁の長官が衆議院で、三月中旬にはコンビナート防災法——仮称ですが、出したいということを答弁されましたが、それに事務的に合わせて協力して出す、出すことに協力していくという考え方ですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま自治省が中心になって取りまとめられておるわけでございますが、それに対して通産省は協力しておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 といたしますと、ちょっと私一つだけこの機会に聞いておきたいんでありますが、従来開かれておりました当委員会におきまして、水島事故の原因というものが明らかになった上で今後のコンビナート防災対策に資していきたいというのが、私は通産省側の終始一貫した原則的な態度ではなかったかと思うんであります。そのために水島事故調査委員会というものが実は設けられているわけでありまして、この一月十四日の当委員会でも、いわゆる佐々木消防庁長官は、水島事故調査委員会に「でき得る限り早い時期、」に、つまり「三月中」ということです。三月中旬じゃなくて、「三月中ぐらいまでに一応の結論は出していただきたいということを委員会のほうにお話ししてあります」と答えているわけです。いま私が申し上げましたように、二月二十日の衆議院の予算委員会では、三月中旬をめどに防災法を提出すると言っておみえになる。そうなりますと、防災法を立案して提出するまでに水島事故の原因が明らかにならないことになります。明らかにならないまま、つまり、水島事故の教訓を生かさないでコンビナート防災法というものは提出されることになるわけでありますが、この点について私は若干の矛盾を感じるんでありまして、消防庁なり通産大臣のお考えがあればお尋ねいたしておきたいと思います。

森岡敞消防庁次長

○政府委員(森岡敞君) 御指摘の水島の事故につきましての原因調査委員会は、自治省におきまして学識経験者による委員会を構成いたしまして、鋭意審議を進めていただいておりますが、これはその調査結果に基づきまして、先ほど御指摘のありましたタンクの構造でありますとか、あるいは材質、あるいは地盤の問題、あらゆる面を含めまして今後の安全基準を確立するための技術的な部門を含めた調査をしていただいておるわけでございます。したがいまして、それに基づいて私どもが考えておりますのは、それらにつきましての消防法あるいは政令、省令というふうな既成の保安基準を強化をしていくということを考えておるわけでございます。  別途予算委員会で自治大臣が発言いたしましたのは、先ほど通産大臣からお話がございましたように、要はコンビナートにおける防災体制を考えていきます場合に、どちらかといえばばらばらになっておるではないか。それを一元化し、あるいは総合的な防災体制を確立する。それはハード面もソフト面も含めましてというふうなことではないかと私どもは理解しておるわけでございます。したがいまして、個々の危険物施設、タンクでありますとか、いろいろな施設についての保安規制の問題は原因調査委員会の結果を待ちたい。しかし、総合的な保安体制の確立につきましては、これは早急に結論を得たい、各省庁といま協議をいたしておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、やはり事故の原因をいうものが明確になって、具体的にそれに対応する対策というものがつくられていくというふうに思うわけなんです。たとえば、いま水島事故の原因がタンクの構造上に問題があれば、それはそれなりに生かしていかなくちゃなりませんし、不等沈下問題に原因があれば、それはそれなりに生かしていかなくちゃならぬわけでありまして、私はやはり具体的な原因というものが究明されて、それに対応する対策というものがつくられていくべきだというふうに考えておりまして、いまの御答弁をいただきましたが、若干コンビナート防災法案提出の時期と、それから水島事故調査委員会の結論というものとの間における連携というものに矛盾を感ぜざるを得ません。  私は、そういうような意味に立ちまして、いろいろこの委員会でも論議をされてまいりましたが、石油タンクそのものが、今日さきに指摘されましたように、明確な科学的安全基準と申しますか、国民が納得できる科学的な安全基準がない、そこに一番大きな問題点があるのではないだろうかというような感じなきにしもあらずでありまするので、十分そういう点もおくみ取りいただきまして、コンビナート防災法の全きを期していただきたいという希望を申し上げて質問を終わります。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五十分まで休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      —————・—————    午後一時五十九分開会

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 経企庁長官お見えになっておりますから、不況対策につきまして若干お伺いします。  大臣も十分御承知のとおりの経済状態でございまして、長期にわたる総需要抑制、金融引き締め等によりまして倒産、失業者が続出している。きのうはまた新聞情報では、一月度の鉱工業生産では戦後最大の落ち込みを示している、こういう状態であります。まあ政府も、さきに不況対策の案を一応発表なさったわけでありますが、年度末を控えまして、さらにまた三月は相当の失業者、倒産等も考えられるような非常に厳しい状況になっております。そういうことで、大臣の答弁につきましても、予算委員会の答弁等も新聞情報では心得ておりますけれども、改めて、今後経済政策は、いまの経済情勢をどのように判断をされているのか、また、これからの対策をどうお考えになっていらっしゃるのか、まずその辺からお伺いいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま、未曽有の混乱から脱出いたしまして、それで新しい成長路線へ乗っかるという、ちょうど過渡期といいますか、調整期間といいますか、そういう段階であります。そういう段階で経済の情勢はどうなっているかというと、非常に基本的な問題である国際収支、これはまだことしの年度、四十九年度で五十億ドルぐらいの赤字が出るというのですから、これはまだ楽観を許しませんけれども、しかし昨年度、四十八年度に百三十億ドルの赤字だというのに比べますと、かなりの改善であります。  それから物価のほうは、卸売物価は横ばいというか、やや下向きの横ばいというくらいの気持ちの推移になってきておりますし、消費者物価も御承知のように、これももう横ばいとまではいきませんけれども、かなり鎮静化してきておる。そういう状態ですが、その反面、物価抑制政策、その摩擦現象といたしまして御指摘の不況現象が出ておるわけです。そして鉱工業生産は減る、それから雇用の情勢は悪くなる、国民経済全体としてマイナス成長、こういう四十九年度の総決算になりそうであります。  私どもはそういう局面に対処いたしまして、二つのことをにらんでいまかじ取りをしておりますが、一つは、もう日本の経済を夢よ再びといいますか、過去十数年間のような高度成長路線に復元させることはむずかしい——むずかしいというよりか、これはすべきじゃない。そこで、そういうふうになってはならない、静かな、控え目な成長路線、それに乗っけるように経済を誘導するということと、当面の物価の問題が再び混乱してはならないし、同時に、そのためにとる政策が不況現象を余りに極端にいたしまして、社会不安というようなものを起こすというようなことにつきましては、これは絶対避けていかなければならぬ。私どもが歩んでいる道はそういう意味におきまして、非常に狭い道でありますから、その狭い道をつつがなく通り抜けたい、こういうことが私どもの考え方の基本でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 大体そういうふうな答弁は何回も聞いておるわけですが、いまのような調子でこれから向こう一年間いろんな問題がまだこれから出てくるわけですけれども、どういうような景気の経過をたどっていくのか。これは実際、中小企業者にいたしましては非常に判断に困っているんですね。政府当局のいろんな談話等が新聞等にも出ておりますが、大蔵大臣、日銀の総裁、福田副総理、いろいろ金融政策にいたしましても、今後の財政政策にいたしましても、どうも見ておりますというと、ちぐはぐなところがぽんぽんと出ている。したがって一体、実際不況対策にしっかり取り組んでくれるような、くれないような、まあこれはいろいろな問題も控えておりますので非常にむずかしいとは思います。ですからこの際、大臣はどうお考えになっていらっしゃるのか。一応経済の見通しでは四・二%の経済成長率、物価は年度中ですか、九・九%、こういうような数字が出てはおります。出てはおりますけれども、実際このように仕事はなし、金は幾らかゆるんだような感じもせぬでもないが、実際は仕事はなくて困っている。第一次不況対策も出してはおりますけれども、さっぱり仕事は回りてこない。一体これからの見通しはどういうように立てたらいいのか、中小企業等は非常に困っているようなわけなんです。ですからこの際、その見通しを大臣からお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、道は非常に狭く険しいのです。その道を誤らないようにいかなければならぬ。その立場から言いますと、二つ大きな問題があるのでありますが、一つは差し迫った賃金交渉、この問題が過去の惰性で動いていくというような、そういう結末になりますと、これは日本の経済というものはかなり不安定なものになっていくだろう、あるいはそれが高じていくと非常に破局的な場面にまでつながっていくだろう、こういうように思います。  それからもう一つは、ただいまお話のありました不況対策、先ほど申し上げましたように、これは物価を再びまた乱す、そういうようなことにもなってはならないし、同時にまた、不況の行き過ぎというようなことで、日本経済がもう冷え切って、ぬくもりを持ち得ないというようなことになってもまた困る。その辺の調整がうまくいくか、このかじ取りがうまくいくか、こういう二つの問題ですが、後のかじ取りの問題は、これは大体において政府の責任です。これはかじを誤たないようにやってまいる。  前の賃金交渉の問題、これは労使の責任においてきめる問題で、政府はそれに介入するという立場はとりませんので、まあこれが新しい時代に即した賃金交渉という形で、妥当な結論を得ることになることを私は本当に心から願っておるわけです。私は賃金交渉、つまるところは、これは企業の存立にも非常に大きな影響がある問題でありますので、労使が本当に新しい時代、それに即した企業運営はどういうふうにあるべきかということを話し合えば、おのずから妥当な結論が出るに違いない、こういうふうに考えておりますが、そういう前提に立ちますと、これは私は先々の日本経済というものは明るい展望を持ち得る、こういうように思っておるわけであります。物価はかなり安定度を進める。それから、そういうことになりまするから、同時に、家庭におきましても先々の見通しを持ったたたずまいということができまするし、企業の方も、これも先々をにらんでの企業形成ということが成り立つ。そこで経済全体としては、いま今日は非常に雲は厚うございますが、だんだんとその雲も薄くなって、五十年度の下半期におきましては薄日も差すかと、こういうような状態になるであろう。  それをまた裏から言いますと、とにかく総需要抑制政策がこれだけ続き、また減産、操業短縮体制は企業においてかなり進行しておるわけでありまするから、そういう過程を通じまして、在庫投資、これが底をつく時期を迎えるであろう。その時期がいつになるか、これは判断が非常にむずかしいんですが、ことしの一−三月説というものも強く存在しておったわけですが、これは多少ずれてきております。それじゃ四−六かというと、これも私はずれ込んできておるんじゃあるまいか、そういうふうに見ますが、その辺がしかし、峠になりそうな気持ちがするんです。で、在庫調整が片づくという段階、これが経済が自立、反転をする、そういう時期になるわけですが、しかし、経済が自立、反転をして上昇過程に転ずるか、転ずるその時期まで今日のこの経済をほっとくわけにいかぬ。  そこで今度は、政府の政策効果というものを考えざるを得ないのであります。そういうことを考えまして、先般来、総需要抑制政策という基本方針は変えませんけれども、その枠の中において財政上、金融上できるだけの配慮をしようというので、この間第一弾は発したわけでありますが、情勢の推移によっては、三月下旬ごろになろうかと思いますが、第二弾の措置も考えなければならぬかなと、こういうふうに思い、いまこの経済情勢の推移を静かに、また、注意深く見守っておる、こういうことでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 ですから、一応不況は、第一弾け放たれたわけでありますけれども、あの第一弾の中身というものに対して、効果の面からこれが非常にどうも、不況対策というよりか手当てをしたという程度じゃないか、そういうような批判があるわけですね。実際、地方を歩いてもそんなような話です。その効果というものは非常に批判されておるわけです。それで効果がないとすると、やはりこの次考えられることは、金融政策としては公定歩合の問題だとか、あるいは預金準備率とか、そういったような問題が出てくるわけですが、こういう点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、まずそれからお伺いします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 経済が活況に向かうということは、まず需要が何らかの形で起きてくる、こういうことを意味するわけでありますが、需要とすると、その大宗は何といっても消費需要です。国民全体の生活のための消費需要であります。それから次いで大きな要因は、これは産業設備需要、それから、これと肩を並べて、中央、地方の財政需要といいますか、それからさらに引き続いて輸出、こんな要因に分けられると思うんです。そこで、国民消費需要というのは従来は景気の動きにそう大きな影響はなかったので、大体が財政とそれから産業需要、この二つが大きな政策上の効果を生ずるという状態でありましたが、今回は従来と違いまして、国民全体の消費需要というものが沈滞をしているという現象があるわけです。  これはなぜかといいますと、これは非常に複雑な多様な要素からそうなっておるんじゃないかと思います。非常に物の価格が上がった、上がったその高い商品に対する拒否反応というか、そういうこともあるようであります。また、物価が上昇した、その上昇が収入の増加を消した、手元が実質的に苦しい。そこで、この不安な家計をどうするかということになると、何が何でも節約だというようなムードが出てくるとか、あるいは狂乱のとき、さあ、先にいったら高くなるぞというので、テレビを買います、電気洗たく機を買いますとか、かなりそういう買い付けが行われたという要因もありましょうし、いろんな要素があると思うのです。とにかく、国民の消費が非常に沈んでおるというのが今日の総体としての経済形態、これの特徴的なものになってきておるわけです。  私は、しかし、そういう国民が動向を示すということは、物価が安定し、しかも先々の物価なんかについての見通し、それを国民がつけ得るような状態になるという、そういう経過を経ながら、非常に沈滞した生活、そういうものがだんだんと是正されていくんだろう、こういうふうに思います。しかし、さらばといって、前のように混乱以前のような状態に家庭の態度が復元するかというと、私はそうじゃないと思うし、また、それは思わしくないと思うんです。やっぱり家庭においても省資源、省エネルギー、物を大切にしよう、こういう考え方がだんだんと定着してくる傾向になりましょうし、また、私どもはそのための努力をしなければならぬと、こういうふうには考えておりますが、インフレが落ちつき、経済の見通し、先々が立つようになりますと、とにかく安定した国民生活、そういうものを背景として消費も安定してくるであろう、こういうふうに見ております。  また、設備投資につきましては、インフレが鎮静するというのに伴いまして復元をするというふうに考えますが、これもまた混乱以前のような高い設備投資、そういうものはなかなかこれは出てこないだろうと思う。一つは、一昨年のあの狂乱のとき、そのとき直前のあの経済の過熱、ああいう段階におきまして、先々もまた経済は活況を呈するだろうという展望のもとに、企業においては大きな先々を見ての投資をしております。ですから、設備能力というものを日本経済は非常に過剰に抱えておるということを考えますと、前のような勢いで設備投資がどんどんと復元するということは私は期待できませんし、また、そういう状態は好ましくないと思いまするけれども、しかし、設備投資が上向いてくる、先々の展望ができるということで、そういう状態になってくるだろうと思いますが、多くは期待できないと思います。  そこで、現在のこの景気の沈滞、また雇用の悪化に対してどういう政策をとるかというと、やっぱりこれは政府がそのための有効な手段を発揮しなきゃならぬと思うのです。  それは第一は財政、第二は金融であります。それで、この金融と財政、これはその間どちらが有効な手かというと、私は財政だと思うんです。金融は、先ほど申し上げましたように金融をなだらかにしても、そう設備投資がにわかに活況を呈するというわけにはいかぬだろう。しかし、金融によって、たとえば住宅投資でありますとかなんとか、そういうものはこれはこれは推進し得るわけでありますが、とにかく主力は財政だ、そういうようなことで、先般、十項目にわたる対策を打ち出しておりますが、その主軸を財政に置いておるわけです。とにかく、この一月−三月の間におきまして一兆四千五百億円の公共事業の投資をやろうというんですから、これはかなり大きな力を持つであろう、そういうふうに思いますが、それを補完する意味におきまして、住宅金融でありますとか、あるいは金融政策の若干の緩和をしますとか、いろいろな手段を講ずるという考え方をいたしておるんですが、静かに、それらによってどういう情勢が出てくるか、日本経済の状態はどうなるかという姿を見きわめましてまた今後の対策を必要があれば考えたい、こういうふうに思っております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 インフレ、物価のことに対する対策も当然のことでありまして、それはよくわかるわけです。ですから、財政の面がいま私が言ったように公共事業一兆四千五百億と言いましても、これは実際実需を呼ぶまでなかなか時間がかかる。もう御存じなんですから。まして地方自治団体には余り金がないし、人件費がオーバーして赤字のところも多い。ですから、国の直接投資と言いましても、これまた契約段階から金が入るまでかなりのずれがあるんです。だから、一−三月、三月というたってもうあと一カ月しかないわけですな。まあそういうことで、心理的に公定歩合ということもどうなんだということを考えてお伺いしたわけですけれども。  それで、これはちょっと私、調べてみたんですが、過去の不況においてどういう手が打たれたか。四十年不況のとき、あなたが大蔵大臣、初めて赤字公債を発行したときですよ。このときは景気の底が四十年の十月から十二月。公定歩合の引き下げは、それ以前、四十年一月、四十年四月、四十年六月と三回引き下げられておるわけです。財政の面では、四十年六月、公共事業支出の繰り上げ、それから財政投融資の追加が四十年七月と十一月、いずれも景気の底をつく以前に手を打ってあるんですね。今度四十六年不況の場合、これは景気の底が四十六年十月から十二月、このときも公定歩合の引き下げはボトム以前に四回ほどなされておりますし、さらに、公共事業の施行促進が一回、財投の追加が二回、こういうような経過をたどっておるわけです。それから景気が回復するまでは公定歩合を引き下げてから大体一年ぐらいの経過がかかる。  そういうことから判断して、今回は財政の方が先だ、春闘も気になる、物価も一応は、まあ政府の言うような線に近づいてはおるけれども、先行きまだはっきりわからない、こういうようなことをおっしゃっているわけですね。また海外からのドル等も入ってきておりまして、過剰流動性なんかもいろいろと心配されている状態でありますし、金利の差もあるでしょう。ですから、いま私がここで大臣にいつ下げるんだと、こんなことを聞いてもおっしゃらぬと思いますけれども、大体のめどは見当つかないんですか。そうしないと、財政、財政とおっしゃるその財政がどうもずれちゃって、さっぱり第一線の現場の方には金が回ってこない。来月はもう少し厳しくどかんと落ち込むんじゃないか、こういうようなこと。失業者が出る、失業手当は出さなきゃならぬ、レイオフはまたふえてくる、それへまた雇用保険法で金を出さなきゃならぬ、そういうような社会的な面もあるわけです。その辺のところをはかりにかけてどう判断していらっしゃるのか、どういうふうにかじを取られるのか。かじの中身は余りおっしゃらぬようです。かじは取らなきゃならぬが、こっいが聞きたいのはかじの中身なんです。その辺いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) いろいろ景気政策と関連して手段があるんですが、主軸をなすのは何といっても財政と金融ですね。金融は、仮に緩めましても、先ほど申し上げましたようにすぐ旺盛な設備投資というところにはつながってこない、こういうふうに思うんです。かなり過剰の設備を持っているという状態、しかも相当高い操業短縮をしておるという現況から見まして、なかなか設備投資は混乱以前のような状態になるなんということは考えられません。したがって、金融を緩和いたしましても多少のそれは影響あると思います。需給の関係から見まして、設備投資をした方がいいという業種もあるわけでありますから、そういう方向へ資金が回っていくという若干の効果はありますが、しかし、金を企業に貸した、そして企業が金を借りた、その企業が事業を始めるわけですから、金が出た、それから企業が需要を喚起するという、そういう効果が上がるには間があるんです。  そこへいきますと、政府の方は、これは政府自体が企業者ですから、これは決断すればすぐ、瞬間というか、多少の手続は要りまするけれども、需要の喚起ということにつながっていくわけであります。やっぱり即効的な影響力を持つその手段というものは私は財政である、こういうふうに考えるわけですが、さしあたり、とにかく一−三月一兆四千五百億円の支出をする。それで様子を見て、そうしてそれがどういう影響を持つか、その影響の結果によりましてはまた第二の手段も考える、こういうことを申し上げておるわけですから、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、私どもの歩いている道は非常に狭い道なんです。ひょっとして間違いますと、これはまた物価の反騰を来さないとも限らない。そこできわめて注意深く、しかも、現実に展開されておる不況業種に対する対策、こういうものも講じなきゃならぬ、こういう立場、そういうきわめてむずかしい段階に細心の注意を払いながら政策を進めていく、こういうことであります。  なお、公定歩合というお話でございますが、少し大局的に見ますと、いま日本の物価情勢は、需給インフレの段階は終わりまして、そうしてコストインフレの段階になってきておる。そういう段階におきまして、コストと言えば一番大きなのは原材料であり賃金であり、それから続いて金利負担だと、こういうような問題。そういう中における企業の金利負担、金利コスト、こういうことを考えると、これは公定歩合を下げて全体の金利水準を引き下げたいところなんです。しかしまた、皆さんも非常に大きな関心を持たれる目減りの問題という問題もあるわけです。公定歩合を引き下げ、全体の金利水準を引き下げるということになれば、預金金利の方も引き下げるということになってくるわけでございますが、その辺も政治的に大きく配慮しなきゃならぬ。  いま今日のわが国の公定歩合、これはどういう水準にあるか、これは諸外国でも引き下げを行っております。特にわが国と非常に関係のあるアメリカにおいても引き下げを行っております。しかし、金利水準という立場から見まするときに、アメリカとわが日本の間にそう大きな乖離ができておるという状態ではありません。金利の乖離を原因としてわが国に資金が流入するというようなまた現象も起こってないんです。多少流入する現象はあります。ありますけれども、これは金利差とは見ておりません。そういう状態でありますので、非常に長い目で見ると、金利はもう少し下がったがよろしい。そして、インフレ下のコストを軽減をするということが好ましいんでありまするが、いま直ちにいろいろの副次的な影響のある公定歩合を動かすことが妥当であるかということを考えてみますと、いまはその時期ではない、こういうふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それは大臣のおっしゃるように、金利を〇・五くらい下げてみたところで、大企業はともかくとして、中小企業はそれよりか金の量を広げた方が、窓口規制を広げた方が即効的にはあると思いますよ。あるとは思いますけれども、やはり心理的な影響といいますか、それが大きくやっぱり作用するんじゃないかと思うんですね。ですから、いずれはこれはやらなきゃならないと私は思います。このままの状態で金利だけはほおかぶりしていくんだと。そうもいかないと思いますよ、どうしても。まあそれは春闘を大臣が気にしていらっしゃるのかどうかわかりませんが、ですからお伺いしたわけです。  また、預金金利の面だって、それはいろいろとやり方はあなた方の方で検討しておいてください。実際、今日インフレを招いたのは何といっても政府の責任ですから。また、貸し出しの方にしましても、私は、言えば幾らでもあるんです。大企業なんか、政策金融で金利を安くしてあるところもあるけれども、こういう際に、産業戦士である労働組合なり、あるいは一般の中小企業者が営々として働いて家でも建てようというような場合は、実際その福祉金利みたいなものをつくって、大企業の政策金融に対抗するくらいのことをやったって不思議でないと私は思うんです。こういうことはまたひとつお得意の、あなたの方でちょうどお年寄りの預金の利率を上げられたように、考えてくださいよ。時間がありませんので……。  それで、財政の方がどうしても先になるんだ、こうおっしゃったわけです。それでまあ一次をやった、一次の対策をやったが、それがどうもあんまりもう一つ評判がよくない、しかし、まあ二次も考えているんだ、こういうことでございますが、一次の中で公共事業なんか、これは官公需の方も、中小企業の官公需も三〇%以上ぐらいにしたいということですが、すでに昨年の年末あたりにもう三〇%近くあたりに来ているんじゃないですか。そういう点をもう少し大臣は経済の統括責任者として検討してもらわないと、これは金は回ってこないですよ。それが一点。四〇%ぐらいにしたらどうかと思います。——まあ一つ聞きます。それいかがです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 官公需につきましては、なるべく中小企業に回るようにというふうに考えながら各省で工事の契約なんかをしておりますが、最近の傾向では二九%ぐらいになってきておるわけです。それを努力をいたしまして三〇%を目標にして官公需の中の中小企業のシェアをふやそうと、こういうんですが、これはもう一%ふやすというのもこれはなかなか簡単じゃないんでありまして、精いっぱいの努力をしてみよう、しかし、できますれば別に三〇%というのにこだわる考えはありません。もっともっとやっていいんですよ。いいんですけれども、この厳粛なる国会において何%にするなんていうて、これはいいかげんなことも言えません。ですから、三〇%を目標にして、まずそれを実現をする。もしそれを足がかりといたしましてそれ以上に伸ばし得るというのでありますれば、またそれ以上の努力をいたしたい、かように考えます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それから、この民間の住宅ローンの拡張につきましても、第一次対策にも出ているわけですが、あれは具体的にはどのように拡張されるんですか。それはいかがですか、大蔵省にちょっと。

清水汪大蔵省銀行局総務課長

○説明員(清水汪君) 御指摘の民間の住宅ローンにつきましては、このところ強力に民間金融機関の努力を要請しておりますが、特に最近のところで具体的に申し上げますと、たとえば都市銀行の場合でございますと、一−三月期の窓口規制の枠がございますが、その貸出増加額の中で少なくとも一割以上は住宅ローンの方に確保するようにと。さらに実際問題として、私どもは各金融機関の計画なども徴しまして指導いたしまして、いまのところですと、むしろ一二・三%ぐらいはそちらの方に向くのではないか、このような状況になっております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それで大臣、やっぱりあなたもさっきおっしゃったように、産業設備をするよりもむしろ福祉的な意味を持つこういった住宅の面においても力を入れたいと、そういうようなお話でしたが、それならそれでもう少しこういう点を考慮したらどうかと思いますよ。すでに住宅金融公庫におきましては四十九年度分、これは三万戸の追加、あれはもう満杯になっておりますね。それからあと二万戸、これは五十年度の分を追加をしたい、ただしこれは受け付けだけである、金は出ませんよというようなこと、それなんかももう少し手心を加えてみたらどうか。あれなんか、もういっぱい、満杯で殺到しておりますね。それから、住宅金融公庫の貸出限度は三百五十万円ですか、あれだけじゃできないので、どうしてもこれは民間の住宅ローンとセットで金を借りて、そして家を建てる。こういうことであわせて民間の方ももう少し御配慮を願ったらどうだろうと思うわけですよ。  それで、数字的に私は資料をもらって調べてみたんですが、全国銀行の場合、四十九年の四−六で大体住宅ローンのシェア、これが総貸出増加額の一五・一%、四−六でですよ。七−九で一三・一%、十−十二で一一・三%、これ、だんだん下がってきておるわけです。今度は相互銀行の方を見ますというと、昨年の四−六で一六・九%、七−九で一六・九、十−十二で一二・八と、ぐっと下がってきております。今度はまた一−三月はいまのお話では大体一〇%か一一%ぐらいだ、こういうことでありますが、これなんかは福祉政策にも合うわけですし、また、いま国民が非常に住宅難で困っておるわけですから、こういうとごろはいかがでしょう、もう少し御配慮願えぬか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど、私どもは長期的な経済運営の問題と当面の景気を踏まえての問題、この二つの問題があることを申し上げましたが、私はそういう中で住宅は非常に重視しなければならぬと思っています。つまり、低成長期にいずれにしても長期的には入っていくわけですから、その低成長期におきましては、高成長という時代と非常に違いまして、国民の生活環境の整備、これを重要視しなければならぬと思うんです。高成長期には国力の大きな部分を次の成長発展に使うというパターンになるわけですが、安定成長期になりますと、生活環境の整備というようなことが主軸というか、非常に大きな柱になってくるわけで、その中で住宅投資、これは何としても特に重要視しなければならない、こういうふうに考えております。それから同時に、当面物価対策と不況対策とこれをどう調整するかという局面におきましても、やはり、そういう長期的な問題をとらえてやっていかなければならぬ問題だろうと思うんです。  そこで、景気対策としての需要喚起をどうするか、そうなると住宅、これをまず取り上げるべきだ、こういうふうに考えるんです。住宅はそういう意味においても、福祉社会をつくるというふうな意味においても大事でありますが、同時に、住宅投資をいたしますと、これがわりあいに各業界になだらかに幅広く影響を及ぼしてまいる、こういうことでございます。鉄材にいたしましても、木材にいたしましても、あるいはセメントにいたしましても、あるいは家具、これはいろんなものがありまするから、そういうようなことで非常に幅広く影響力を持つ。そういうようなことも考えながら、これはまあ住宅問題というのは今日の景気局面に対する施策としても重要視する、こういう考え方でやっておるわけで、そういう局面から政府金融のほうでも住宅の金融をふやす。また同時に、市中の金融機関に対しましても、これと相呼応してやっていただくように要請をしておる、こういうことで、いまお話しのような筋で努力をしておる、こういうふうに御了承願います。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 中尾君、時間がありません。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 まあそれで大臣、努力をすることとか、一層がんばるとか、そんなことだけじゃわからないですよ、それは聞いている方は。非常に前狂言が多くて結論が一行しかないんです。  私が聞いているのは、こういうようなところはあなたの趣旨に合うているわけでしょう、住宅政策というのは。しかも、その住宅ローンのシェアが総貸出増加額の中でずうっと減ってきているんですから。もう一遍言いますよ。全国都市銀行で昨年の四−六が一五・一%、七−九で一三・一%、昨年の十−十二で一一・三。相互銀行は、昨年の四−六で一六・九、七−九で一六・九、十−十二で一二・八。で、今度いま銀行局が話をすると、それを一〇%から一一ぐらいにするといったら、まだこれはぐっと下がるじゃないですか。これはあなたの趣旨と反対過ぎる。これは、そういう点いかがですか。

清水汪大蔵省銀行局総務課長

○説明員(清水汪君) とりあえず数字的な問題につきまして御説明さしていただきますが、全国銀行で確かに御指摘のように、四十九年中の四半期を見てまいりますと、貸出増加額の中におきます住宅ローンへ振り向けたパーセンテージにはかなりのでこぼこがございます。これは全体の金融引き締めの枠の中での問題でございますが、もう一つ実際の増加額の数字のほうも御注目いただきたいわけでございまして、これで見ますと、全国銀行の場合に昨年の一−三月期が二千三百億、以下二千六百九十億、三千五十億、三千三百億というような傾向になっておるわけでございます。もちろん、御指摘のように、これをもって十分と申し上げるわけにはいかないかと思いますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、さらにこの振り向ける割合を幾らかでも高めていくように強く要請をしてまいりたい、このように思っております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 急ぎましょう、あまりもう時間がありませんのでね。  それで、その金額はふえたって、それはあなた、昨年の物価は一番高いのでも二五%ですからね。それじゃ、三月で大臣がおっしゃるように一五%にしたいというんですから、あんまりそう変わらぬと思います。建築資材も上がっておるわけですからね。これは大臣、ひとつまた検討してみてください。あなたの趣旨に合うているんですから、住宅業は。  それで最後に——もうこれで終わりますけれども、まあ二弾、三弾以後も考えていると、こういうようなことでありますから、二弾、三弾について幾らかまあ希望もあるように思われるわけですが、二弾、三弾はまあ大臣の腹の中にはどういうのがあるのか。そんなものはまた閣僚会議で相談してからと、そういうような御答弁か知りませんが、あなたはやっぱり経済の統括責任者だから、大体腹にはもうおさまっておると思うんですが、いかがでしょう。これでもう終わりますからね。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まあ、景気がこういう局面になればこういう手というような手は、これはいろいろ考えております。おりますが、その景気がどういう局面になるかという判断ですね、それが問題なんです。そこで先ほどから申し上げておるんです、三月中、下旬までこの経済の情勢をよく見ようと。その状況を見ます。そうして、まあこの程度の対策が必要かな、こういう決定をいたすということで、いまどういう施策を考えておるということを申し上げますと、またそれはそれなりにいろんな複雑な影響もあろう、そういうふうに思いますので、それは差し控えさしていただきますが、十分心得ておるということだけは御承知願います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 きょうは、先般合意されました国際エネルギー計画に関連して質問をいたしたいと思います。  国際エネルギー計画は、その内容から見ましても石油の実態から見ましても、国際石油会社の協力なしに実施することはできないと思いますが、この計画に対する国際石油会社の意向はどんなものか、また、話し合いの進展のぐあいはどうなっているのか、通産省からもこの会議に参加されていると思いますので、聞かしていただきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いま先生がおっしゃられましたように、IEA——国際エネルギー機関の活動、特に緊急事態における石油の融通に当たりましては、各石油会社、特に国際石油会社、メジャースといわれておりますが、この石油会社の協力がなければその円滑な運用はむずかしいわけでございまして、その意味で国際石油会社の協力を得るということでこの制度が円滑に運行されるものと思っております。  それでお尋ねの、国際石油会社がこの国際エネルギー機関に対してどういう態度を示しているのか、協力的であるのかどうかということでございますが、私どもがいままで知り得ました情報では、これは通産省からもこのパリの会議に出席しておりますが、そこで聞きました範囲内では、国際石油会社もこれに対して協力をするという態勢を示しておると聞いております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 国際エネルギー計画ですね、IEPの第二十七条第一項につきまして、石油会社の意向はどういうふうな意向を示しておりますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 国際エネルギー計画の協定第二十七条に、情報の提供ということが規定されておるわけでございますが、これらの情報提供につきましては、提供いたしますのは各参加国が提供することになっておりますが、その提供いたします情報の内容といたしましては、それぞれの国の管轄権のもとで操業する石油会社に関する各種の情報を出す、こういうことになっている。ですから、それぞれの国にある石油会社の情報を提供する、こういうことになっております。これらにつきましては、特にメジャースですからアメリカあるいはイギリスがこの情報をそれらの会社から収集して提供する、こういうことになっておりますが、これらの情報につきましては、まだその内容が具体的にどこまでやるということにはなっておりませんが、一応これらの情報については国際石油会社もできるだけ情報を提供するということになっております。  ただ、ここでお答えしておかなければなりませんのは、その経営の非常に秘密に属するところまで情報を提供するということは、なかなかむずかしいということをメジャースの一部が言っておりますが、ただ、そこまでの情報になるかどうか、これらは今後この情報の内容を決めることによりまして決定されることであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この参加している各国が情報を出すと言っても、その情報はやはり石油会社が出さないと出ないわけでしょう。そこで私、それじゃ具体的に聞いていきますが、石油会社がその国々の施策に協力するかどうかという問題ですが、あなたは協力するというたてまえでしょう。それじゃ個々に伺っていきますが、法人組織ですね、それは協力するということははっきりしているのですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 二十七条の第一項の(a)から(j)まで情報提供の内容が書いてございますが、法人組織という先生のいまのお尋ねの第一番目の(a)に該当いたします内容は、これはその国にあります石油会社がどういう組織になっているか、どういう会社があるか、こういう項目でございますから、これについては当然これも周知の事実でございますから、問題はないと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ(b)の財政組織ですね、貸借対照表とか、損益計算書及び支払われた諸税、こういう問題について情報を提供することに協力しますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 二十七条一項の(b)の「財政組織」、ただいま先生おっしゃられましたように財政組織といたしましては、具体的には「(貸借対照表、損益計算書及び支払われた諸税を含む。)」、こういうことになっておりますが、これも各石油会社が一般に発表いたしておるものでございますから、これの収集は当然協力されるものと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 一つずつ伺ってみますが、それでは「資本投資実績」についてはどうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いままでの事項につきましては、これは大体公表されているものでございますから、私は何ら問題ないと申し上げたわけでございますが、先生お尋ねの一項目ずつ(c)からあと(j)まで移るわけでございますが、これらの資料提供の内容、方法につきましては、現在まだIEAで検討中でございますから、具体的にどこまでの資料の提出を求めるかということが最終的に決定されておりません。ただ、いまお尋ねの(c)号の「資本投資実績」、これは諸外国あるいは国内において各石油会社がどういうように資本投資をしているかということの報告ですから、これも当然協力を得られるものと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これ、一々私は聞きますが、重要なんで確かめていくわけですが、そうすると(d)の「原油の主要な供給源の獲得のための取極の内容」、これも提供しますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 各石油会社がどこから原油を獲得しているか、それから、その獲得のための取り決めという点でございますが、この点につきましてはどこが供給源になっているか、これは当然わかることですからそれほど問題ありませんが、その獲得のための取り決めの内容ということになりますと、産油国とそれから国際石油会社との間の購入契約、あるいは長期協定というものが対象になるわけでございます。それで、これにつきまして、その取り決めの内容を全文出すということになるのか、あるいはその取り決めの内容の概況を報告するのでいいかということによってやはりニュアンスが違うと思うんです。それで、先ほど申し上げましたように現在IEAで、国際エネルギー機関でこの情報資料の提供の内容及び方法について検討中でございますので、この取り決めの内容がどういうところまで要求されるかによりましては若干私は、これは個人的な見解も含めてですが、問題があるのではないかと思います。  といいますのは、やはり産油国とそれからメジャース——国際石油会社との間に商売上のいろんな取り決めがあるわけですから、これを全部そのまま出せということにもしなりましたときには、ここに相当議論が行われるのではないかと思います。ただ、概要ということであればこれは問題ない、こういうふうに解釈しております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その次の(f)の「子会社及びその他の顧客に対する入手可能な原油の割当(基準及び実績)」の情報を提供する、こうなっておりますが……。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この子会社あるいはその他の顧客に対する原油の割り当てでございますが、この実績は、これは当然各国の通関統計その他で出てきますから問題ないと思いますが、基準というのがもう一つ入っております。それで基準もどこまでのものを求めるかによりまして、やはりそれに対する対応の仕方が違うんじゃないかと思いますが、非常に概括的な基準であれば当然これについては協力を得られるのではないかと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ(g)の「備蓄」の問題ですか、これも情報提供することになっておりますが。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 「備蓄」に関する情報は、これは提供を受けられるものと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その次の「原油及び石油製品の原価」という問題がありますね。これはどうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ここが恐らく一番問題の点ではないかと思います。原油及び石油製品のいわゆる価格でなくて、その原価がどうなっているかという問題でございまして、私も去年アメリカのメジャースその他アメリカへ行きまして、この情報提供につきまして意見をいろいろ聞いたことがありましたが、そのときにこの原価というものについてはこれは企業にとっては非常にそれぞれ秘密の事項もあるし、これについてIEA——、国際エネルギー機関で原価を要求することになっているけれども、原価として非常に簡単な内容であれば、それは自分たちは協力するけれども、非常に細かい原価公表ということになるといろいろ問題があるということを言っておりました。  ただ、これにつきまして先ほど冒頭に申し上げましたように、この情報提供は各参加国が、つまり石油会社が所在しております国が出すわけでございまして、この原価が果たして各会社別の個別原価になるのか、あるいは一応その国における石油会社の原価の平均数値を出すのか、ここら辺がまだきまっておりません。そういうことで、やはり原価の要求につきましては、私は若干いろいろ議論は行われると思いますが、この要求します内容が一応リーゾナブル、合理的なものであり、それからその企業の秘密の細部までわたらないものであれば、これは協力を得られるものと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、もう一つは「子会社への引渡し価格」ということですね。価格の問題でも情報を提供するということになっておりますが、どうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先ほど申し上げましたように一番問題になるのは、私は原価だろうと思います。この「子会社への引渡し価格」につきましては、これはその年の平均価格とか、あるいはそういうような形で一応の傾向を把握するというものであれば、これは当然出すことに各石油会社は協力すると思います。これが一つ一つの取引別に出すということになりますと相当議論があると思いますが、これも繰り返して申し上げておりますが、国際エネルギー機関で現在その内容、方法を検討中でございますから、その内容が確定しないと、果たして協力を得られる、得られないということはここではっきり申し上げられない次第でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 このほかに「理事会が全会一致で決定するその他の事項」ということがありますが、いままでお話を伺っていると、重要なところは果たして情報が得られるのかどうかということがはなはだ不安定な状態ですね。最も重要な(h)項の「原油及び石油製品の原価」また「価格」、そういうことが全然きまっていないですね。じゃ皆さんはこの会議に出られて、こういう取り決めをどういうふうに受け取って、それでどういう態度で帰ってみえたんですか、これは。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この国際エネルギー機関、それから緊急時の場合における石油の融通制度につきましては、これは先生が冒頭おっしゃられましたように、国際石油会社、いわゆるメジャースと言っております会社の協力がなくてはなかなか円滑に動かない。そのためにはこれらの会社ができるだけ情報を提供し、いわゆる透明度——トランスペアレンシーと言っておりますが、透明度を確保するということが国際エネルギー機関を設立します前のいわゆる作業部会で非常に問題になったわけでございます。そこの結論によりまして、いま先生が逐次挙げられましたような内容の資料を国際エネルギー機関に集める、こういうことになっております。  ただ、これにつきましては、企業の非常な秘密になる点まで全部そろえなければ国際緊急融通制度というものが動かないかどうかということになりますと、私は、一々の原価の細部までこれを全部把握しなければ緊急融通の制度が動かないということではないと思います。ただ、先ほどの各項目についてやはり概況と申しますか、それについての情報というものが一般的に得られるその必要性というものがどこまでであるかということが、現在国際エネルギー機関でいろいろ討議され、結論を出そうとしておるわけでございます。ですから、先生のおっしゃられるように、いままでの全項目につきまして非常な細部までなければ緊急融通の制度が動くか動かないかということになりますと、私はその情報については、やはり一つの合理的な線である程度以上の情報を得られればそれが動く、こういうふうに思っております。  また、これは付け加えてちょっと申し上げますが、従来、先ほど言いました国際石油会社の透明度というものは非常にはっきりしていなかったのが実情であったわけですが、今回、この国際エネルギー機関ができまして、これらの項目について相当な情報を得られるということで相当な前進が行われる、それによりまして、やはり世界的な石油に関します消費国の協力体制というものができ上がっていくものと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 時間がありませんから簡単にしていきますが、二項には「各参加国は、その管轄権の下で操業するすべての石油会社が」いままで述べました「1にいう参加国による義務の履行に必要な情報を当該国へ提供することを確保するため、既に一般又は政府の利用に供されているような関連情報を考慮して適切な措置を執る。」こうあります。えらい外交文書で非常に理解がむずかしいような書き方ですけれども、結局各参加国が、その管轄権のもとで操業するすべての石油会社が、1にいうところの義務の履行に必要な情報を提供することを確保するために適切な措置をとる、こういうことだと思うのですが、それじゃ、日本の政府は適切な措置をどういうふうにおとりになるんですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 情報の提供につきまして、各参加国の中には日本も入っているわけでございます。そういう意味で、日本も自国の石油会社の活動状況について情報を提供しなければならないわけでございます。ただ、この情報の提供の内容につきましては、先ほど申し上げましたように、国際エネルギー機関、その中に緊急時問題に関する常設作業部会というのがございまして、これが現在どういう情報の具体的内容が必要かということを詰めておるわけでございますから、これにも日本が参加しておりますので、日本の意見もいろいろ出て、そして結論が出るわけでございます。それで、これが決まりましたときに、情報を日本政府から国際エネルギー機関に提供するわけでございますが、私どもはこの石油に関する各種の統計、これは指定統計もありますし、それから石油業法に基づいていろいろの報告をもらっておりますので、その範囲内及び各社の協力を得てこの情報が提供できる、こういうふうに思っております。  ただ、これにつきましても、先ほどいろいろ先生からも問題として言われておりました原価という問題につきましては、これはやはり一定の限界があるというふうに思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私はずうっと各項目にわたって質問をして、あなたがお答えになったんですが、それは各石油会社の意見と受け取っていいんですか。石油会社の意見じゃない、あなたの意見と受け取るのですか、どうなんですか、そこを念のために伺っておきたい。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私の意見です。これにつきましてはいろいろの情報その他を聞いておりまして、それで先生に答弁申し上げているわけで、ただ自分で思いついて御返事申し上げているつもりはありません。ただ、まあ石油会社にはいろいろそれぞれ意見がありますから、それを一応私なりにまとめて御返事申し上げたつもりでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 石油会社の意見を私は聞いているんです。ところが、石油会社の意見はともかく、やはりあなたの意見がここへ出てきているわけだな。あなたは石油会社を代弁しているということになりますよ。通産省は石油会社の代弁者ですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 通産省は石油会社の代弁者ではございません。ただ、先生からこれらの問題についてどうかというお問い合わせでございます。それにつきまして、石油会社の意見と申しましても、石油会社は何十とございますし、これは世界の石油会社ですから、それの全部の意見をここに申し上げることは不可能でございますし、また、実際にそこまではできておりません。ただ私が答弁申し上げましたのは、現地に出張しました者が、一応メジャースの考え方はどうかということを各国の代表から聞いたり、また私どもも、日本国内における石油会社に、この問題についていろいろ折に触れて話し合った、そういうものをまとめて御報告申し上げているわけでございまして、先生のおっしゃられるように代弁者として申し上げているわけではございません。通産省としてまとめた、業界あるいは世界の各石油会社の考え方というものを私なりに整理して申し上げたつもりでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 だから、あなたなりに述べたからあなたの意見ということです。それは石油会社の意見じゃないですよ。それならば、石油会社の意見でないものが、あなたがこうだろうと思って述べたということは、やっぱし代弁ですよ、通産省の意見じゃないですか。私はそのことをはっきり言っているんです。もしもいままで述べられたことが石油会社の意見とするならば、ほとんど石油会社は重要な点で協力しないということになる、そうでしょう。原価の発表、情報も提供しない、そういうことでしょう。  最も重要な点は、石油会社は、秘密の情報だとか何とかいうことで協力しないということをはっきり言っていることになると思う。ところが、石油会社はそう言っているかどうかわからぬ、これは私の意見ですと言うから、通産省が代弁したことになりやしませんか。これは石油会社の意見です、あるいは石油会社はそこまで言っていませんが私たちはこう思います、これは通産省の意見ですと、こうどちらかはっきりしてください。そうでないとこの約束そのものが宙に浮いちゃうですよ、これは。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いままで私が各項目について述べましたのは、石油会社、これは国際石油会社あるいは日本の石油会社からのいろいろの情報を取りまとめて私の意見として、つまり通産省の意見として申し上げたわけでございます。ですから、その意味では石油会社の意見をそのままの形で申し上げたわけでございませんが、大体石油会社の考え方がこういう傾向にあるということを通産省として申し上げたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 はい、わかりました。それじゃもしも石油会社の意見だというならば、どの会社がどういう意見を持っているか資料を出してください。それであなたが、石油会社は多分こういう線だろうというお答えをしたのならば、それは石油会社の意見ではなく通産省の意見だと私は受け取らざるを得ないのです。それ以外によりどころはないですよ。そこのところを。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) そういうことではっきりさせろということでしたら、いままで私が申し上げたのは通産省の意見ということでおとり願いまして結構でございます。  それからもう一つ、先ほど先生言われましたが、これらの資料提供についてほとんど協力がなされてないんじゃないかということをおっしゃられましたが、私自身としては相当な協力が得られる、それから、従来に比べては非常に国際石油の透明度が増すというふうに思っております。  それから、先ほども申し上げましたが、この緊急融通組織にとって必要な情報というのは、私はある一定の限界を設けていいと思います。ですから、これらの項目について細部まで全部わからなければ動かないという問題ではない、こういうふうに思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣、いままでの質疑を聞いていらしてどういうふうにお考えになりますか。こういうあやふやなことでいいんでしょうか。国際的な取り決めにわざわざ出席して、そこで話をつけていたんですが、その内容を伺うと、今のように何が何だかわからぬような状態なんです。これでいいんですか、通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まだ、具体的にどうするかということについては細かい詰めは今やっておるところでございまして、そのうちにその細部まで決まりますと、おのずから明らかになると思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 きょうはそれ以上はそれじゃ追及しないことでおきますが、それでは次の質問に移りましょう。  二月初めに開かれたIEAですね。緊急時の問題に関する常設作業部会が開かれて、石油業界から構成される国際諮問委員会を、十ないし十五社で構成するよう勧告したとの報道がありますが、大体どのような石油会社が構成メンバーになると予想されますか。また、日本からはどこがこの構成メンバーになるのか聞かしていただきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今のお尋ねは、国際エネルギー機関に設置されます国際諮問委員会——IABの構成メンバーの問題でございますが、これは先生も御存じのように、現在まだIAB——国際諮問委員会は発足しておりません。その準備の委員会が現在開かれて、これの設置につきましていろいろの討議が行われているということでございますが、この国際諮問委員会のメンバーをどれくらいにするかということにつきましていろいろ意見が出ております。それにはやはり十ないし十五社ぐらいが適当ではないかという意見も出ているということを私どもも承知しております。  それでは、もし十ないし十五社になった場合にはどのような会社がこの構成メンバーになるだろうかというお尋ねでございますが、やはりいわゆるメジャースと言われています国際石油会社というものがまずその対象になると思っております。それから、それ以外の各国の石油会社の代表がこれに加わるということで、大体十五あるいは二十以内という構成メンバーで発足するものと予則しております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 日本からは。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 日本からはこれに対してどうするかということでございますが、私は、わが国としても国際石油情勢を的確に把握し、また、この緊急融通体制というものの円滑な運用に資するために、日本の石油業界から参加するということが望ましいと考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 じゃ、具体的に伺いますが、日本からそれに参加するメンバーですね。それは石連とか石鉱連が参加するのですか、どういうことなのですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この参加の形式でございますが、石連と石油鉱業連盟で参加するのか、あるいは具体的な会社、たとえば、石油を外国で採掘しておりますアラビア石油が入るとか、あるいは日本の石油精製が入るか、これについてはまだきめておりません。石油連盟、それと石油鉱業連盟、この二者が団体の形で入るのか、あるいはそれぞれの部門の代表的な会社がこれに参加をするのがいいかどうか、若干いままだその準備会が開かれている段階でございますので、それらの報告を待ちまして、この諮問委員会が発足するまでには決定いたしたい、こういうふうに思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 諮問委員会が発足するのはいつごろか、それまでには公表されるということですね。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 諮問委員会が発足するときには日本がどういう形で入るか、当然これは一般的にはわかるような形になるわけです。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 まだいつごろのという見通しは立たないのですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) まだはっきりわかっておりませんが、三月中には発足するのではないか、こういうことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 三月中には発足して、そのときはどうしても公表しなきゃならぬというようなことで、もうすでにいま選考が始まっているところだろうと思うのです。まだ何にも考えていないということではないと思うのですが、いまここで御答弁ができるならば答弁しておいて、日本ではこうこうこういうのを予定しておりますと言ってもらってもいいし、言えなければ言えませんとお答えになるならばそれでもいいんですが、どうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) まだきまっておりませんので、現在の段階ではどういう形で入るかはいまのところ言えないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この二月五日から三日間パリで開かれました世界エネルギー機関——、IEAですね。その理事会で、参加各国の間ですでに決定されているエネルギー節約政策及び今後実施される新政策を考慮して、一九七五年末までのIEA諸国の石油輸入制限目標を二百万バーレル・一日当たりに設定したとせられておりますが、この中で日本はどのぐらい削減すると意思表示をされたのか、伺っておきたいと思います。通産省の関係者の方もこの会議に出席されているはずですから、お答えができるはずだと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ただいま先生がおっしゃられましたように、二月の国際エネルギー機関のいわゆる理事会が開かれまして、そこで消費国の節約目標、一日当たり二百万バーレルという数字がきまったわけでございます。それに対する日本がどれくらいの割り当てになっているのかというお尋ねでございますが、ここで決定されましたのは国際エネルギー機関参加国全体としての努力目標だけでございまして、各国別の節約量の内訳あるいは割り当てはございません。それから、二百万バーレル・一日当たりという数字はこれは努力目標でございまして、各国に対して拘束するということにはなっておりません、ので、一応目標の設定が行われた、こういうことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私が耳にしているところでは、この二百万バーレルのうちの半分はアメリカ、残りの半分を各国、こういうふうな記事も出ていたように思うのですが、そういうことなんですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) アメリカが百万バーレル・一日当たり節約するというのは、たしか二月の初めにフォード大統領の演説に、これはアメリカの中のエネルギー政策として、自分の国は一九七五年年末には、百万バーレル・一日当たりの節約に持っていくことを目標としているということを発表いたしたわけでございます。そういう意味では、アメリカは一応大統領が一つの目標を発表いたしたわけでございますが、これがこの二百万バーレルの中の半分という割り当てになっているわけではございません。一応積算のときに、アメリカの大統領が発表したものが参考になったことは当然だろうと思いますが、二百万バーレルの中の百万バーレルはアメリカ分という割り当てにもなっておらないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 日本としても大体それに対する意見をお持ちだろうと思うのです。意見なしではこれは話にならないと思うのです。日本はどの辺にめどを置いているのか、どうなんですか、そこ、ずばりと言ってください。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 日本は、先ほど申し上げましたように、この二百万バーレルの中の国別割り当てはありませんから、日本は幾らというのはございませんが、これは日本としても節約を進めようということで内閣にも「資源とエネルギーを大切にする推進本部」の発足、それに基づきまして本年度と申しますか、昭和五十年度におきます節約を大体九百万キロリッター、これは原油換算でするということになっております。これが製品別その他の換算をいたしますと、大体十五万バーレル・一日当たりという数字になっておりますが、これと、それから先ほどから議論になっております二百万バーレル・一日当たりということにつきましては、直接の関係はないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そこで、たまたま数字が出てまいりましたが、日本としては一日・十五万バーレル、九百万キロリッター、そういう目標にしているということなんですが、その目標をどういうふうに算定したのか、ここでその算定の根拠といいますか、それを示していただきたい。ただ漠然と九百万キロリッター、十五万バーレルではちょっとわからないので、そういう数字が出た以上その算定の根拠をここで述べていただきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私どもの方でこの十五万バーレル・一日当たりの節約を計算いたしました根拠でございますが、まず、計算いたしましたのは四十七年度の消費、これは部門別で非常に細かくなるわけですが、この消費実績を出しまして、これをベースにいたしまして、その前後数年間のいわゆる傾向値を入れまして、そして算定しました結果、大体節約をしなければ日本における石油の総量というものが三億キロリッター——これは若干の端数は省きますが——の見通しになるわけでございます。これに対しまして昭和五十年度の想定需要というもの、これも油種別に全部計算いたしておるわけでございますが、それは節約効果、ことに去年相当な節約をすでに行っておるわけでございますが、それらの数値を入れまして油種別の需要の積み上げ計算をいたしたわけでございます。それによって出ました数値と、先ほどのただ傾向値、そのまま伸びて節約をしない場合の数値との間の差が九百万キロリッターに若干端数がついておりますが、の数字が出ておる、こういうことでこの節約の数字を出したわけでございます。  それで、非常にくどくど申し上げましたけれども、簡単に言いますと、節約をしないで石油を消費した場合の数量と、それから、積み上げまして節約の実績その他を入れて行いました数量との差が九百万キロリッターということになるということでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 時間が迫ってきますから、次の質問に移ります。  その削減するための計画及び方法をひとつここで、どういうふうに減らすかということです。計画があるだろうと思いますので、ちょっと簡単に述べてください。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) それじゃ簡単に要点だけ申し上げますが、まず産業部門につきましては、産業部門の中にも工場その他の生産部門と、それから事務所、いわゆる管理部門と二つありますが、管理部門につきましては従来の消費に対しまして一〇%節約、これはつまり、節約のない場合に比べまして一〇%節約を要請いたしておるわけでございます。  それから、いわゆる工場の生産部門につきましては、各主要工場には原単位の計画を提出していただきまして、つまり使用の効率化計画というものを出していただきまして、それをまた今度実績でチェックするということで、これは原単位工場ということで協力していただくということでございます。  それから、一般民生部門につきましては一〇%の節約を行う。つまり、普通の家庭におきましても暖房をできるだけ節約して二十度以上に上げない、あるいは電気、電灯を節約するということで、各御家庭、あるいは自動車を使用しております、いわゆるマイカーを運転されている方々に一〇%をめどにして節約していただくという、一つの国民運動的なもので協力していただくということになっております。  それから役所でございますが、各役所、これは暖房とか自動車のガソリンとかその他ありますが、これにつきましては一二%の節約をしていただく。  これらにつきまして、なかなか一〇%といいましても、実際の仕上がりにおきましては相当差が出てくるわけでございますが、一応目標として一〇%節約をしていただくということで、いわゆる国民運動、それから消費の節約ということで国民の御協力のもとにこの節約を図る、こういうことになっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これは私の意見になるかもわかりませんが、いま話を伺っていると、産業部門で一〇%、それから民生部門で一〇%と、民生部門に対する削減率が非常に重いような感じがするんですね、これは。やっぱり通産省の頭の中には産業重点主義というような、民生部門を軽視するというような考え方がこういう中にもあらわれてきているように思うんですが、これは私の意見で、それを言ったって、私の言うことをあなたがああそのとおりでございますと答えるなら結構ですが、答えないでしょう、おそらく。だから、これは意見にしておきましょう。しかし、私はそう思いますよ。同じような率で削減するということは民生部門を軽視したやり方だということは、これは、私のみならず、おそらく国民はみなそういうふうに考えるだろうと思っております。  で、先ほど出てきました理事会の問題ですが、キッシンジャーの石油下限価格ですね、最低価格制定について、説明が米国代表からなされたと伺っておりますが、これに対する通産大臣の見解を私は伺っておきたいと思うんです。通産大臣は御存じでしょう、この問題は。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私から大臣の前に……。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いや、衆議院の予算委員会で宮澤外務大臣が述べているのですが、はなはだ消極的な答弁しか聞けないわけです、この問題について。そこで、エネルギーの主管大臣としての考え方をここで私は伺っておきたいと思うんです。ああいうきめ方でいいのかどうかですね。あれは最低価格をきめているのです、下限の。しかし、上限はきめてないんです。だから、下はこれ以上下げてはいけませんよということなんです。上はどれだけ上げても差し支えないですというきめ方なんです、キッシンジャーのやり方は。そういうきめ方でいいものかどうか、ひとつ主管大臣の意見を伺っておきたい。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 事務当局から最初……。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ちょっと経緯だけ申し上げて、大臣からあと基本的意見を……。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 簡単に答えてくださいよ、あまりおしゃべりでなく。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) はい。  このフロアプライスの制度がきッシンジャー構想として出ているわけでございますが、これの出ました理由は、やはり石油というものが有限であり、また、非常に不安定なものである。その解決策としては、代替燃料を大幅に開発して、この石油に対する依存度を減らそう。ところが問題は、この代替燃料につきましては相当なコストがかかるということで、これを開発するにつきましては大きな危険性を伴う。しかも、その石油の方は、これは先生御存じのように、現在、十ドル四十何セントしておるわけでございますが、たとえばサウジアラビアの原価は、これは十一セントか十二セントということで、百分の一ぐらいの原価になっておるわけでございます。まあそういうことから言いますと、代替燃料を開発するというに当たりましては非常な危険性がある。それを解決するためにフロアプライスという最低価格制度を設けて、そうしてある一定のリスクについても踏み切れるようにしようというのがこの考え方の基礎にあるわけです。ですから、このフロアプライスを設定することによりまして、代替燃料の開発を行い、それによって世界的に燃料の供給をふやして価格の安定あるいは供給の安定に持っていこう、こういう趣旨になっておるわけでございます。それにつきまして、ただ日本は、この代替燃料の開発その他につきましてはアメリカと非常に事情が違います。また、国々によってそれぞれこの問題に対しては意見が出ておるというのは、先生御存じのとおりの実情でございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) このキッシンジャー構想は、私はまだ具体的に本当に固まっていないと思うんです。抽象的にああいうふうな構想を打ち出しておりますけれども、しからば、具体的に細かい数字を当てはめて一体どうするんだ、こういうことになりますと、固まっていないと思います。アメリカ政府の部内においてすらこの問題をめぐって論争がございまして、フォード大統領自身が、これはアメリカ政府の政策であると言わざるを得ない、こういう状態でございますから、日本の政府といたしましても、正式の態度を表明いたします前に、アメリカの政府から公式の、しかも具体的な見解の表明をしてもらいたい、あるいはまた説明をしてもらいたい、こういうふうにいま思っておるわけです。それがありませんと、いろんなことは言われますけれども、政府としての正式の見解は私は申し上げるのは適当ではない、こう思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この問題はまだ少し質問したいんですが、ちょっと時間が迫ってきておりますからおきます。  私の質問の意味は大臣わかってくださったと思うんです。キッシンジャーは最低価格だけ決めているんです。上の価格は何も決めてないんです。これはどれだけ上げてもいい。そういうやり方で、石油がない日本がどういうふうになるかという点は、こういうやり方に賛成なのか反対なのか、まあ簡単に言えば大臣はどういうふうに思っているかということなんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 最低価格だけ決めて天井がないというふうに言われますけれども、やはりそのこともアメリカ政府から、本当にそうなのか、そういう構想なのかということを正式に説明を求めませんと何とも言えない、こういうことでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 わかりました。  日本がIEP——国際エネルギープランに参加するためには、国内的にさまざまな措置をとる必要があると思いますが、政府としてどのような準備をしておるか、進行状況について少し聞かしていただきたいと思います。言葉少なく、簡単に要領を得た答弁をしてください。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 簡単にお答え申し上げます。  現行法のもとでこれに協力できる、こういうふうに思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 現行法とは、石油適正化法などのことなんですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 石油適正化法あるいは石油業法、それから貿易の管理令その他の現行法の運用でこれに関する運用ができる、こういうふうに思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 できるかできぬかは、この次の機会にひとつ論議しましょう。  日本はIEPに参加することによりまして、第二十七条第一項に定められた情報をIEAに報告するために、情報を入手するための適切な措置をとることになっておりますが、どのような措置を準備していらっしゃいますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先ほども申し上げましたんですが、現在まで指定統計あるいは石油業法に基づく報告、その他私どもがいろいろ石油会社から取っております報告がございますので、それらのどこまで出すか、これから内容が決まるわけですが、それらの報告に基づきましてこの情報を提供するということで考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 政府は、いま政府が進めているような準備で確実に情報が集まる保証があるとお考えになりますか、どうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) まだどういう情報の内容になるか決まっておりませんので、これに対して確たるお答えができないわけですが、私どもは現在の準備、現在の法律に基づく各種の報告で十分間に合う、こういうふうに思っておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 たとえて言いますと、先ほど伺った(h)項の「原油及び石油製品の原価」など、これは情報が集まると保証されますか、どうですか、そこをひとつ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 原価につきましては、有価証券報告書に原価の項目もありますし、それからまた、これは各社から協力をお願いして取るわけでございますが、まあアメリカのメジャース、あるいは英国系の石油会社が出すものにつきましては、日本の会社も同等の資料は協力して出してもらえるものと私どもは思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 石油会社から集まってくる情報の信頼性の問題でございますが、あなたたちはどういうふうに考えていらっしゃいますか。一昨年から昨年にかけての石油危機の際にも、石油会社サイドからの情報をうのみにした、通産省は。それで大変な混乱をしたわけでございますが、今度は石油各社が集まって協議することになっておりますから、商売上なかなか本当の情報を提供しないとも考えられると私は思うんです。これらの情報についてチェックはどのようにしていくつもりか、その体制はどうなっておるのか、伺っておきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この報告につきましては、石油会社が相談して決めるわけでございませんで、IEAが、つまり準政府機関みたいなIEAが決めるわけでございます。それからこの報告の問題でございますが、私どもは、実績その他でございますから、これは当然正しい報告ができるものと、こういうふうに考えております。  それから、先生からいま、石油会社のその報告は正しくないんじゃないかと、石油危機のときを挙げておっしゃられましたのですが、まああのときに石油連盟から出ました資料の中で、先行きのカット率につきまして確かに実際よりは大幅なカットを予想いたしました数字が出て、これが非常な影響を及ぼしたという事実はあったわけでございますが、今回これで出します数字というのは、現実の数字、実績その他でございます。ですから、石油会社が集まってそうして予想をする数字ではございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 ちょっと、これは石油会社が情報を提供するんでしょう。その石油会社の情報をわれわれは信頼ができない感じがするんです、各社相談してやるんだしするから。それをもう政府当局は石油会社の情報を、出してきたらそれをうのみにするんですか。どういうんですか。どういうふうにそれをチェックしていくかということを私は伺っているんですよ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私どももその石油会社から出た数字をそのままうのみにして、そうしてそれをこういう国際機関に出すわけではございませんで、もちろんその数字に疑問があればそれをチェックいたしますし、また、各社のを比べましてそこでいろいろ検討もするということで、日本政府の責任で資料を出すわけですから、石油会社の数字をそのままにはいたさないわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたのは、これらの項目は、これは従来の実績その他の数字でございまして、業者が集まって、適当な数字をつくってそしてごまかすという性格のものでないということを先ほど申し上げたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これは国際的な問題ですからね。日本の出した情報が、通産省がだまされるのはそこで済むかわからないけれども、国際的なうそをつくことになるわけです。そういうことは好ましいことじゃないと思うんです。だから、石油会社が出した情報は国会へ報告しますか。ここで、商工委員会で発表しますか。資料として出しますか、どうですか。われわれも責任を感じますよ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) これは、ちょっと御相談してこの結論を出したいと思います。こういう数字、実績はIEA、これは国際機関ですから、外国にもわかるわけですが、一応機密保持の義務がいろいろかかっております。そういう数字でございますので、先生に申し上げるのはいいんですが、こういう性格の数字ですから、具体的にこの数字をどういうように取り扱うか、御相談しながら決めていきたいと思います。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 須藤君、時間です。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 お隣の次の安武さんの時間を少し私はもらいますから、二人で二時間でございますから——どれだけもらうかわかりませんが。  石油業界より構成される国際諮問委員会に、日本は、先ほどのお話ですと、石油連盟や石油鉱業連盟が一緒になって参加するように聞きましたが、そのとおりでございますね、そのとおりならそのとおりと一言お答えくださったらいいんです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先ほども申し上げましたが、この国際諮問委員会——IABはまだ発足しておりません。それからどういう形で参加するか、石油鉱業連盟、石油連盟の形で参加するか、あるいは個別企業の形で参加するか。これはこの国際諮問委員会が、先ほど申し上げましたように、大体三月中には発足する予定でございますので、それまでには決めますが、現在のところは決まっておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 IEPによる国際諮問委員会の設置は、国際的な石油カルテルを国際機関で合法化するもんだと言って言えないことはないと私は思います。日本の国内に問題を置きかえて考えてみまするならば、石油連盟が緊急時の原油や石油製品の移動などについて実際的に協議しなければなりませんが、これは独禁法に違反する共同行為に該当すると思いますが、どう考えておられますか、公取委員会と通産省に伺っておきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私からまず……

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 公取委員会から来ているんですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) おられます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これは公取委員会が先にお答えになるのが私は筋道だと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ちょっとこの国際諮問委員会の性格、事実だけを御説明いたしまして、それで公取委員会からは御意見を申し上げることになると思いますが、国際諮問委員会の性格につきまして、この国際諮問委員会は、この名前のとおりの諮問委員会でございまして、ここで決定その他を行うわけではございません。先ほどから問題になっております緊急時のいろいろの措置が円滑に動くために、この国際エネルギー機関の活動に対して協力する、援助する、それでいろいろ意見を出すというのがこの内容でございます。ですから、ここで談合をいたしまして、数量を決めて、そこで決定をするという形ではございません。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○政府委員(熊田淳一郎君) この国際諮問委員会の性格、ただいま御説明ございましたけれども、まだ具体的にはっきりしないようでございます。また、諮問委員会、まだ発足もしておりません。わが国からどういうような企業あるいは団体が参加するかも決まっておらない段階でございまして、どういうふうにこの諮問委員会は運営をされるか、また、どういうふうにわが国の企業が関与していくかということがはっきりいたしませんと、それが国際カルテル的な動きをするものかどうか、また、それがわが国の独禁法とかかわり合いが出てくるのかどうかというようなことが明らかになりませんので、いまの段階では、私ども、何とも申し上げかねるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 通産省の方ね、石連がその中へ入るということは、もうすでに決まっていることでしょう。あなたたちの中で、政府もそのような指導をしているはずだと思うんですが、そうでしょう。それで、話をもう少ししますが、その石連があれしないで、IEPがやるんだから、要するに独禁法に触れないという話です。しかし、日本国内において、私は、日本国内に問題を置きかえてみればよくわかると言って話をしているんですが、石連が緊急時の原油や石油製品の移動ですね、そういうものについて、実際に協議しなければそれはできないと思うんですよ、報告も……。その協議をすることが、これは独禁法の共同行為に該当する、公取さん、私はこういうふうに言っているわけです。どうですか、こういう行為をしても、これでも独禁法に違反しないんですか。日本の石油会社がそういうことをやっても、それは独禁法に違反しないという見解ですか、公取さんは。そうじゃないでしょう。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○政府委員(熊田淳一郎君) これはその諮問委員会の運営の仕方でございまして、諮問委員会の中でそういうような討議が行われるのかどうか、そこのところがまだはっきりいたしませんので、何とも申し上げかねるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、諮問委員会というのは一体何をやるんですか。そういう緊急時の問題などをいろいろ諮問を受けてやっていくというのが諮問委員会の任務じゃないですか、これは。あなたのように諮問委員会、何にもやることの内容はわからぬと言うなら、諮問委員会というのは何をやるんですか。一体どういうことをやろうとしているんですか、公取はどういうふうに受け取っていますか。じゃ諮問委員会について。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○政府委員(熊田淳一郎君) この国際エネルギー計画に関する協定の十九条でございましたか、その7項に、この国際諮問委員会についての規定がございますけれども、これはその「措置の効果的運営を確保するために機関を援助するため招集される。」、こういうふうに規定がしてあるわけでございますけれども、この援助の仕方というものも、どういうふうにやるのか、具体的にはまだわかりませんし、もう少しこの諮問委員会の運営の仕方というものがわかりませんと、私どもは判断をいたしかねるわけでございますが……。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 通産省はどうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 諮問委員会につきましては、まだ発足しておりませんし、この内容がどうかということについては、まだ確定しておらないわけでございます。独禁法との問題につきましては、私どもは十分これは注意をしてこの問題を取り扱うつもりでございまして、そういう意味で、代表をどこにするかという問題につきましても、関係省庁と十分打ち合わせをした上で結論を出したい、こういうふうに思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、こういう問題についてはただいま検討中なんですか、どうなんですか、通産省。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 検討中です。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 検討中と言うならば、その検討の方向と内容を知らしてください。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この国際諮問委員会が現実にどこまでの仕事をするかということにつきましては、一応私どもが聞いておりますのは、国際エネルギー機関の理事会に対しましていろいろ助言を行うための諮問機関である、それでこれは決定機関ではないということで聞いておるわけでございます。ですから、その内容であれば、いまの独禁法の問題はないんではないかと思います。それからまた、その代表の出し方その他につきましては、これはいまの独禁法との問題にもからみますので、こういう点について検討をする、そのためにはやはり関係省庁と十分お打ち合わせして最終的に決めたい、こういう方向の検討を行っているわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 最後、最後の質問です。  緊急時に、政府の指導のもとに行われると言いましても、共同行為には私は変わりはないという考え方です。緊急時とそれ以外のときとの区別が、どのようにしたら分けることができるのかという問題も起こってきますね。また、このような協議をベースとした共同行為の波及を、どのように防ぐのかという問題も出てくるわけですね。そのように、このような問題がたくさん出てくると思うんですが、このままでいきますれば、石油業界には合法的にカルテルを認めることになりかねないが、公取と通産省の見解はどうか、それを伺っておきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 緊急時がいつ発動されるかということにつきましては、これは石油の供給が現在の案では七%以上を切った場合ということになっていますが、それの判定その他は国際エネルギー機関の理事会で決まる、こういうことになっているわけです。それが発動になりますと、世界的に緊急状況になるわけでございますので、そういう判断からいたしますと、石油需給適正化法の緊急時の発動ということであの法律が発動される。発動されますと、通産省の各種の指示その他が行われるということになっていくものと思っております。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○政府委員(熊田淳一郎君) この国際エネルギー計画が今後実施されてまいります過程におきまして、あるいは国際カルテル的な行為、あるいは国内的にもカルテル行為に当たるような事例がもしも出てくるといたしますとこれは問題でございますので、私どもは十分に今後の推移を注意して見守ってまいりたいと思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 小規模事業者の経営指導員についてお伺いいたします。  経営指導員の任用とかそれから罷免、日常の管理、これは当然商工会、商工会議所で行われるものです。国費の補助金も出しており、商工会議所等の監督省庁である通産省、それから中小企業庁に経営指導員の運用が適切に行われているかどうか、この点についてお伺いしたいんです。もちろん監督権があるわけですから、経営指導員の問題の基本的なことをお尋ねいたしますので、お答えいただきたいと思います。  経営指導員の任命に当たって、商工会議所または商工会以外の任意の団体に推薦を委任する、その推薦を全面的に尊重して受け入れる、そして任用をする、こういうやり方をとることが一体あるのか、また、このようなやり方ができるのかどうかということをお伺いいたします。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 経営指導員の任命を行いますのは、商工会なり商工会連合会、あるいは商工会議所でございますので、その商工会、商工会連合会あるいは会議所等が任命するに当たりまして、各方面から人材を集めるという意味で、いろんなところの意見を聞くということは絶対ないということはないんだろうと。その人材を求める際にどういう方法をとるかということは、それぞれ商工会議所なり商工会、商工会連合会の方針の問題であるというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 経営指導員の日常の業務、それから人事管理、それを商工会議所以外の任意団体に委任することがありますか。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 経営指導員を設置するのは商工会、商工会連合会あるいは商工会議所でございますので、その管理についてはそれぞれその設置に当たる商工会、商工会議所、商工会連合会等が当たるべきものと考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、もう一つ伺いますが、小規模経営改善資金制度の運用に当たって、これはすべての中小業者に対して公正に行われなければならないと思いますけれども、経営指導員以外の任意の団体の推薦によって金融のあっせんの可否ですね、できるかできないかということ。一体決められるものなんでしょうか。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 小企業経営改善資金の貸し出しは国民金融公庫が行うわけでございますが、その前提として商工会、商工会連合会あるいは商工会議所の推薦を要件といたしております。それで、その推薦に当たりましては、一定期間それぞれの団体に配置されました経営指導員の経営指導を受けているということを要件にしておるわけでございますので、あとそれの推薦に当たりまして、その経営指導員の経営指導以外のものを要件にするということは、通常の場合はないだろうというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ、今度は具体的にお伺いいたします。  具体的には、兵庫県における同和地区の経営指導員、まあ同和担当指導員ですね、この採用、任免、管理について、いま、先ほど基本的なことをお伺いいたしましたが、その基本どおりに行われているかどうか、この点をお伺いいたします。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) お答えいたします。  私ども、先ほど次長から御説明いたしましたように、指導員の任命につきましては、一応都道府県が補助金を出します際に、それに対して国が補助をするという立場から補助金を出しておるということでございまして、人選につきましては都道府県及びそれぞれの商工会議所あるいは商工会、商工会連合会というふうなところにおまかせをしてあるということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 具体的に知らないというお答えでしょうか。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) それぞれの商工会なり商工会議所の経営指導員の個々の任命につきましては、私どもは直接タッチいたしておりませんので、したがって存じておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 個々の任用とかそういうことでなく、私は基本的なことを三つお伺いいたしました。その基本的なことどおりに兵庫県におけるこの同和地区の経営指導員の採用、任免、管理、それらが全般的として行われているかどうか、そのことをお伺いいたしております。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) 兵庫県の実態についてのお話でございますが、きわめてつまびらかに存じておるというわけではございませんが、趣旨どおりに行われるべきものと考えておるわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 趣旨どおりに行われてない例を私は挙げます。  兵庫県商工部長と、それから兵庫県同和企業連合会、後ほど全部以下は「兵企連」と申します。そこの兵企連の理事長との間で、同和担当経営指導員の採用について覚書が取り交わされております。これは私、この二月の二十一日に兵庫県の商工部の次長小山茂氏、この方にお会いいたしましたし、その席には商工部の総務課員の長谷川さんも同席されております。それから、これは昨年末、総務課長石井慶介さんもお答えでございますけれども、そのときにこういう覚書が取り交わされているということを認めておられます。これは商工部が認めているだけではなくて、この内容については昭和四十七年、両者の間——これは商工部長と兵企連の理事長の間ですね。この兵企連の推薦を受けた者は全面的に受け入れる、こういう内容である、このような覚書を交わしたので、その趣旨に従うよう県から指示があったと、姫路商工会議所の説明もこのようになっております。  それからまた、兵庫県の商工部の総務課長の説明でも、兵企連に対して業務執行の管理を委託している、こういう覚書を裏づける発言をされております。  ですから、いま兵庫県の現状というのは、商工会議所は、商工会もです、単に書類を通過さすだけです。商工会議所本来の役割り、これは形骸化されてしまっているわけです。一体、私がいま申し上げたような覚書が取り交わされ、商工会議所はこの任用に関してただ書類を通過さすだけと、こういうやり方は、私は法に定められた商工会議所、商工会の役割り、これを全面的に否定しているものというふうに思いますけれども、いかがお考えでございましょうか。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) 兵庫県の覚書というお話でございますが、兵庫県につきましてそのような覚書が締結されているということは、私ども実は聞いておりません。したがいまして、それにつきましてここで申し上げることは非常に困難であろうかと思いますが、ただ、同和問題につきましては、本来非常にむずかしい問題でございまして、各地の実情に応じまして、各都道府県の自主性を尊重しながらやっていくというようなことも考えざるを得ないんではないかというふうには思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 覚書が交わされているかどうか、実情御存じないというお返事、この点について申し上げますけれども、私はそういうお答えでは困るので、一昨日、早々とこういう実情についてお調べになるようにと、また昨日も重ねてこの点申し入れております。電話一本かければ、私どもにも県がお認めになっていることです。ですから、おたくのほうにそういうことを調査しようという気持ちさえおありになれば、すぐにわかることなんです。それをいまだにそういうふうなお答えをなさるということについては大変遺憾に存じます。  それから、調査をなさらないまでも、こういうふうな覚書というものは全面的に兵庫県も認めている。だから、先ほど申し上げたように、結局、商工会、商工会議所が形骸化されてしまって、他の任意の団体の推薦を全面的に受け入れて、この同和担当の経営指導員が採用されているということについては原則が曲がっていると思いますけれども、再度お尋ねいたします、いかがお考えでしょう。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) いまお話しのようなことを私ども残念ながら承知いたしていないわけでございますが、非常に行き過ぎがあります場合には、当該都道府県の小規模企業対策に対する補助金交付官庁としての立場から、不当干渉にならない限度におきまして当該都道府県に対し助言を行ってまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 これは中小企業庁御自身もこういうふうに明らかに「経営指導員必携」というものとか、あるいはいままで再三通達をお出しになっているわけです。その通達にもこれは明白に違反しておりますし、またこの通達に基づいて兵庫県自身がここに運用規程というふうなものもつくり上げております、こういうものに明白に私は違反していると思うんです。一体、これどういうふうにお考えでございましょう。通達も重ねて出しておられます、何だったら挙げてもよろしゅうございますか。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) 通達には、いま先生仰せられましたように、会議所等は地域商工業の総合的な改善、発達を図るための公共性の高い団体であることを自覚し、慎重かつ公正に行うよう留意するものとする、という通達の主たる内容といいますか、関連の部分でございます。したがいまして、私どもはこれに従って公正を欠くことのないよう運用をはかりたいということをかねがね思っているわけでございまして、そういうふうな運用方法をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 経営指導員の任命については、ここに基準が設けられております。同和担当についてこの基準を外れてもよいというのは、ただ一つ、適切な人材が得がたい場合に年齢制限を外してもよいというふうなことしかないわけなんです。任意の団体にその採用を全面的に推薦を依頼して、それを全面的に受け入れるというふうなことは明らかに私は基本的な原則に外れているということを申し上げているわけです。これはまた県、商工会議所、これは中小企業者の育成を図る義務と権利を持っているわけですけれども、これをも放棄していると思います。いままでの討議を聞かれて、一体、通産大臣はどのようにお考えでございましょう、お伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 行き過ぎの点がありましたならば、これは県を通じまして、もう一回よく調査をしたいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまの任意の団体に推薦を依頼して全面的に取り入れて採用するということは行き過ぎではないでしょうか。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 最初にも御説明申し上げましたように、経営指導員の採用に当たりまして、広く人材を募るという意味でいろいろなところの推薦を求めるということは一般的にその同和指導員に限らず十分あり得ることでございますが、ただ、先生御指摘のように、全面的に特定の団体の推薦以外には受け入れないというような事態がもしありますならば、そしてその結果としてその経営指導員の人選において適正を欠くという点がございましたら、それは小規模企業対策推進という観点からいろいろ問題もあるわけでございますので、最初にも申し上げましたように、小規模企業対策が公正に行われるようにという観点から十分その趣旨の徹底を図っていく考えでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 河本通産大臣は兵庫県御出身ですので、兵庫県の実情は私はよく御存じであろうと思います。いま大変重要なことは、この兵企連という団体が一体どんな団体かということも大変重要なわけです。  私どもの党が十二月の臨時国会でも、そして今後の通常国会の中でも再三再四取り上げておりますけれども、端的にあらわれているのが兵庫県のあの八鹿町の八鹿高校事件です。先生七十名余り、これは十数時間にわたって集団リンチを加えたというふうな、首謀者などが一部逮捕もされておりますけれども、こういう集団暴力をふるうという暴力集団であるし、また同和行政の私物化、これを図って利権を手に入れている利権屋集団でもあるというふうなことで、私どもは部落解放同盟兵庫県連、すなわち解同朝田派のこの企業連というのが内部の組織だということをまあ大臣も御存じでしょうけれども、これは申し上げたいわけです。これは彼ら自身でもそのことをちゃんと認めているわけです。私はここに議案書を持ってきております。第四回の兵庫県同和企業連合会の議案書なんですけれども、この議案書の中でも「同盟員でない企連会員は、存在し得ません。」と、こういうことをちゃんと書いております。それから兵庫県議会で十二月の七日決算特別委員会で、わが党の安田県会議員の質問に対して、県当局自身も解同の内部組織である企業連とはっきり答えているわけです。  このように大変問題がある——問題があるということをおいても、任意の政治団体です。こういう任意の政治団体に対して経営指導員の任用権を全面的に委任しているということは、これは常識を明らかに超えた大きな誤りです。それとともに、昭和四十二年十二月十九日の中小企業庁の「「同和地区経営指導指針」について」の通達、ここに持ってきておりますけれども、この中でも「この事業は同和地区の小規模事業者の経営改善あるいは同和地区の経済振興が本旨であるので、同和担当指導員は政治的な角度から同和運動そのものに従事すべきでないことはもちろんである。」、お出しになったのでよく御存じだろうと思いますけれども、こういうふうにも規定されております。この規定にも私は明白に違反していると思います。  この点について、兵庫県の責任というのはまことに私は大きいと思いますし、同時に監督省庁である中小企業庁の責任も私は見逃すことができないと思います。直ちにこの任用について、誤っておるわけですから、改善指導を行っていただきたい。これが一点です。そして本来のあり方に戻すように私は要求しとうございますが、この点について中小企業庁の長官とそれから河本大臣の御回答をお願いいたします。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 第一点の現状について、もし中小企業庁の指導の方針に違反しているという実態がございますれば、これは私どもも補助金の交付官庁としての立場から県に対して一定の措置をとる必要があると考えますので、十分県を通じて状況の実態を聴取いたしたいと思っております。  それから第二の、今後の任用の問題でございますが、経営指導員の任用につきましては、私どもはその補助金の交付の基準といたしまして一定の要件に該当しているかどうかというのを判断しているわけでございまして、あと具体的にどういう人物を経営指導員に任用するかどうかということは、第一議的には、それぞれの経営指導員を設置いたします商工会、商工会連合会あるいは商工会議所が判断をし、しかもその事業につきまして補助をいたします県がその設置について補助金交付の要件に該当しているかどうかというのを判断する、こういうことでございまして、あくまでもその人物が同和地区の小規模企業の経営改善の指導を行うについて適当であるかどうかという、一定の準則につきましては補助金の交付の要件で判断するわけでございますが、その一定の基準に該当している中で、どういう人物を選ぶかというのはあくまでも経営指導員を設置いたします個々の会議所なり商工会、商工会連合会の判断すべきものである、こういうふうに考えておるわけでございますが、ただ、その任用の結果といたしまして、もしその事業の実施について公正を欠くということでございますならば、それにつきましては十分公正を回復するように、その通達の趣旨の周知徹底を図っていきたい、こういうふうに考えます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま御指摘のようなすべての事実につきまして、実情を県及び商工会議所から至急に報告をさせます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 先ほど長いお答えで要点を得ないんですけれども、推薦の基準が合っていないということを私は申し上げているんです。お答えをもう少し端的にお願いしとうございます。  次に移らせていただきますけど、同和担当の経営指導員の採用の問題で私申し上げましたけれども、こういう採用を誤ったやり方をしているところですから、管理もまた誤っているわけです。明確に示されている基準に合わないわけですね。  それはどういうことをしているかというと、四十九年の七月ごろからですけれども、通勤不可能な一部の者を除いて、そのほとんどを集中管理方式といいまして、兵企連に集中管理方式、これをとっているわけです。ですから、いまのところ同和担当経営指導員十二名中、尼崎から姫路、神崎までの九名、これを兵庫県の兵企連の本部に集中管理しているわけです。商工会議所の職員を兵企連が集中管理する、商工会議所は全くその人事管理ができないわけなんです。姫路商工会議所の一例を挙げますけれども、北林伸敏、こういう人は一度も出勤していない、何の実績報告もない、だから実績評価についてもできない、こういうことなんです。ですから経営指導、これは定められたとおりには全く行っていないわけですね。  しかも、この同和の担当指導員に対する貴重な国費、人件費、これは企業連本部に送付されているわけです。商工会議所の役割りというのは同和担当指導員については人件費だけを企業連本部に送付するだけと、こういうことになっておりますけれども、こういう人事管理が行われてよいものかどうか、このことをお伺いさせていただきます。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 再三申し上げますように、経営指導員を設置いたしますのは商工会議所なり商工会、商工会連合会でございまして、当然、補助金の交付を受けて設置いたしました以上、その目的に即して経費が扱われるという意味から、十分その設置母体である会議所等は経営指導員の管理を行いまして、その勤務の態様なり、またその勤務の結果、成績等について十分フォローしていくことが必要であるというふうに考えます。もし先生御指摘のようにいろいろな問題がございますならば、これはまたしかるべくその補助金交付の趣旨に沿って県を通じて是正をさせる必要がある、こういうふうに考えます。  ただ、同和地区の経営指導員につきましては、一つは地区のいろいろな特殊性という問題もございまして、ただ会議所なり商工会の事務所に出てきて、座って客を待つというわけにもまいらない面もございますので、現地にかなり長期にわたって出張をして巡回指導を大いにやるというのが必要な場合もいろいろございますので、その辺、勤務の態様なりが果たして妥当なものであるかどうかというのは個々のケースに即して判断せざるを得ない面があるわけでございますので、兵庫県の問題につきまして、大臣もお答え申し上げましたように、早急に県を通じましてその辺の会議所の経営指導員の実態について事情を調査いたしたい、こういうふうに考えます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 だれも同和担当の経営指導員が長く出張していて、会議所に座っていないからけしからぬなんて一言も言っていないんです。もう少し端的に物事をとらえてお答えいただきたい。  人事が完全に兵企連に集中管理をされている、商工会議所の職員がそれでいいのかどうか、実は具体的に端的にお伺いしておりますので、もっと端的にお答えください。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 集中管理をされているかどうかというのは、これから調査をいたさなければわからないわけでございますが、要するに会議所が管理者としての責務を全然果たし得ない状態にあるということであれば、これは是正をさしていく必要があると思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまおっしゃったように、完全に人事管理ができない状態に置かれている。しかも、私は、一昨日、この点については簡単に兵庫県では実情が把握できるので、お調べいただくようにということを申し上げております。きのうも重ねて申し上げました。大変おたくの官庁はこういう点調べる御意思がないとしか思えないような態度です、いまのお答えは。そういう点は私は大変遺憾に思います。  それから、次に移らせていただきますけれども、経営指導を行っていない、こうとしか思えないような状態がたくさんあるわけです。その現象を私は申し上げます。  一つは、通常業務を行ったら、当然、長く出張しているとか、その地区に入っているとか、こういうこともあり得るわけです。そういうときには必ずこれは交通費それから超過勤務手当、こういうものが要るわけですけれども、そういう時間外手当とか超過勤務手当というのが一度も請求されていない、こういう点があります。しかも姫路地区では北林伸敏という人が経営指導を行わないので、同和地区の方が一般窓口に来る、ですから一般窓口で一般担当の経営指導員がこの業務を行っている、こういうことがあるわけです。  ですから、こういう同和の経営指導員というのが趣旨どおりに部落内の商工業者の振興発展に一体寄与するものかどうか、こういうところ、中小企業庁の長官通達にもこの点はっきりうたわれているわけですからね、寄与すると一体お考えになるのでしょうか、この点をお伺いいたします。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 経営指導員が経営指導の事業に当たっていなければ、それはまさに寄与していないということになると思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、このおたくの指導の中にも、こういう指導の効果が上がらない場合は逐次配置転換等によって資質の向上を図るべきである、こういうことを言っておられます。ですから、こういう経営指導員については私はやはり罷免さす、新しく採用し直すべきだ、このことを要求申し上げたいと思います。  それから次は、この解同朝田・小西派ですね、これは同和担当経営指導員を完全に私物化しているわけですけれども、この私物化をもっと完全なものにするために、優秀な能力を持っている、しかも部落解放に熱意を持っている指導員、採用されている指導員を次々にやめさせていっております。この人たちは基準に明確に合致しているわけです。これも例を挙げさしていただきます。  それは兵庫県の商工会連合会の所属で、但馬地区の同和担当経営指導員河島豊氏、この方は解雇されているわけですけれども、解同朝田・小西派の同盟綱領、規約、運動方針、この三つについての意見を述べないからと、こういう理由で解雇されているわけです。私はその資料をここに持ってきております。河島氏からも事情を聞いているわけです。河島さんという人は自分なりに一生懸命同和担当経営指導員としてやってきた、だけれども同じ事務所にいた解同北但協議会の西野重幸さん、この人が解同の綱領、規約は認めるけれども、いまの運動方針は間違っているのではないかと言ったことから解雇された、一方的に口頭で解雇されたけれども、それでは今後のこともあるので西野さんについて何とか考え直してもらえないかというふうな発言をしたことから、この河島さんも西野さんと同じ事務所にいたわけです。そのかぎを取り上げられてしまっております。かぎを取り上げたのが和田書記長という人ですけれども、かぎを渡してくれと再三要求しましたところ、このかぎについては運動方針、これを認めれば渡すというふうなことを言っています。この河島さんは締め出されてしかたなく指導帳簿だけを持ち出して各地区に巡回指導している。そして三月の納税時期が迫っている中で大変地区の皆さんに迷惑はかけているけれども、自分としては綱領、規約、運動方針についてどう思うか書け、それと引きかえにかぎを渡すと言われたけれども、私はかぎのこととそのことは何の関係もないので現在まだ和田書記長に提出しておりませんと言っておりますけれども、これは当然です。こういう結果、この河島さんは解雇をされてしまったという事実があるわけです。それは彼らの文書の方でも明らかになっています。河島さんがそれを提出をしないから今後はこれはもう適任者でない。それを兵企連本部に通告したというふうなここに彼らの文書が出ているわけです。  それからまた、神戸商工会議所の織田長文こういう方がいらっしゃいます。いらっしゃいましたと言うのが正しいです。この方は同和担当指導員としては法人申告の能力もあって大変評価の高かった人です。この人もまた先ほど言いました河島さんと同じような理由でやめさせられている。それから姫路商工会議所の岡崎哲幸さん、これは先ほど私が例に出しました北林という人の前任者です。これは余りにもまじめ過ぎたことがあだになって、解放運動に熱心でない、こういう評価をされて事実上やめさせられた。商工会議所の評価は非常にまじめで能力ある人で、記帳、税務など学習もまじめであった、こういうことを言っているわけです。こういう非常に基準に合い、評価の高い人が任意団体のこういう綱領、規約、運動方針を認めないから、これで解雇されていくわけです。それに対して兵庫県の当局がどう言っているか。われわれは関知しない、だれを指導員にするかは兵企連である、こう平然と言ってのけているわけです。行政の責任を投げ出している。解同朝田・丸尾派に屈服した姿勢をさらけ出しているのです。  この結果彼らがどういうことを言っているか。第四回の彼らの総会の運動方針です。この中に「国費、県費補助の経営指導員を兵企連が運動発展の立場から配置していく。」このように書いてしまっているわけです。こういうことを平然と述べている。兵庫県当局の責任というのは私は大変重大だと思いますけれども、こういう状態を放置してきている中小企業庁の責任もまた大変重要だと思うのです。こういうような状態を私は一日も放置することはできない。このような状態を一体どのようにされようとするのか。いま私が申し上げたような状態が一体正しいのか、こういうことを大臣と長官にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いずれにいたしましても、いろいろな事実をお述べになりましたが、その事実につきまして兵庫県及び商工会議所から正式の報告を至急にさせまして、その上で善処をいたします。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 大臣のお答え申し上げましたように、早急に県なり会議所を通じまして実情を聴取いたしまして、それに基づきまして適切な措置を講じたいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私が申し上げたことは、すべて証拠のある明白な事実なんです。ですから私は、これは調査をなさってくださるということでけっこうなことなので、ぜひこういう事実判明の上については国庫補助の打ち切り、そういう措置をやっていただきたいということを御要望いたします。  会計検査院来られておりますでしょうか。——会計検査院にお伺いいたしますけれども、先ほどからの討議を聞かれていて、こういう状態の中で国庫補助をしているということについてはどうお考えでしょうか。

桜木拳一会計検査院事務総局第四局長

○説明員(桜木拳一君) まず一般論としまして、国庫補助金の検査につきましては、その実施した事業が補助対象として適格なものであるかどうか。それから、事業費は適正に清算されているかどうかというふうな点に着目して検査いたしておるわけでございまして、ただいま御指摘の兵庫県の具体的事実につきまして、私承知いたしておりませんでしたわけですが、経営指導員につきましては、補助金の交付対象として要綱に基づいて定められておる点に該当しているかどうか、それから、経費の清算が適正に行われているかどうかという点から、検討、検査するというたてまえである、こういうふうに思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 会計検査院として、こういう先ほどからの討議はお聞きだと思うのです。そういう点について、国庫補助は正しいと思うでしょうか、適切に支出されているとお考えでしょうか、補助金が。

桜木拳一会計検査院事務総局第四局長

○説明員(桜木拳一君) 先ほど申し上げましたように、その具体的事実につきまして私承知しておりませんでしたが、いずれにしましても、国庫補助金は適正に経理されなくてはいけないということが主眼でございますので、もしそれに反したような事実があれば、これは困るというふうに考えます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いま任用、解雇、それから人事管理、そういうことで全部不当きわまりないものであるということを申し上げました。しかも、その上になお同和担当経営指導員によって小規模経営改善資金融資制度、これが運用されているわけですけれども、これはひとつ書類を差し上げたいと思います。大臣、これごらんください。  これは兵企連の同和地区経営担当指導員にあてた文書です。ここの中でごらんいただいたらわかるように、「一応経営指導員一人につき五百万円を推薦枠とし残余の枠の割当については」云々というふうに書いてあるわけです。そしてその終わりに、これによって「推薦業務を開始せられます様お願い致します」と、こういう文書が出ております。これは中身は後で詳しくごらんいただくとしても、この文書があらわしていることは、完全にこの融資というものを彼らが掌握して、彼らが行っているということが、この文書一つでも明らかになっているわけです。それから「経営指導員が融資申込みを受付けた場合、推薦依頼書、調査書(チェック)推薦付属書記入の上これらを一括兵企連本部事務局に提出すること。本部事務局は之を確認の上、関係商工会議所、商工会に送付する。」こうも書いてあります。これは裏側です。これは指導員ばかりか、融資面でも、兵企連が完全に運用を掌握しているという事実を如実に示しております。この実情を一体どのようにお考えでしょうか、この点をまずお伺いをいたします。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) 小企業経営改善資金でございますが、これは御承知のとおり、経営改善普及事業の一環として行われておりまして、経営改善指導員の推薦により、商工会議所なり商工会の審査会というもので判断をいたしまして、推薦するかどうかということで運用されているわけでございまして、私ども会議所なり商工会を通じまして、なるべく経営改善指導というものが公平に徹底するような方向で運用するようにという、御承知のとおりの通達でやっておりまして、そういう趣旨をなるべく徹底していくようにやっていきたい、こう思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いま確かに小規模経営改善資金の融資制度、この要綱をちゃんとお出しになっていらっしゃいます。同和についても、どのように融資すべきかというのが出ているわけですけれども、差し上げましたこの文書をごらんいただいてもわかりますように、融資の全部の運用についても、またその手続についても、すべて兵企連に集中されるということについて、これは正しいのですかということをお伺いをして——これは明らかにこれに違反しておりますので、いろいろな通達、何から、見てもこれは正しいと言い得ないわけです。だったらどのように対処なさるのでしょうかということをお伺いをいたしております。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) いまの推薦に関連するお話でございますが、私ども先ほどから御説明申し上げておりますように、この国民金融公庫で融資しますにつきまして、推薦する決定権を持って決定いたしておりますのは、商工会議所なり商工会の審査会というふうなところで実は決定をいたしておるわけでございまして、その前の段階で経営指導員が推薦といいますか、一応判断をしたものをそこへかける、こういう仕組みでございます。したがって、その前の段階でいろいろなことが地区によりあるいはあるかと思いますが、商工会議所なり商工会の審査会において公正な決定がされておるということであれば、その点では問題はないんではなかろうか、このように考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 お答えになっていないわけですね。私がお伺いしたのはそういうことじゃなしに、この書類も差し上げているのは、この融資面全部が——ごらんになっていらっしゃいますか、全部これは兵企連の書類なんです。商工会議所の書類じゃないんですね。こういう融資枠について融資枠を経営指導員に割り当てたから、この通達に基づいて融資事業をやってくださいということを書いてあるわけです。その割り当て方も、兵企連の会員数によって割り当てるというふうなこともはっきり書いてあるわけです。そして、この手続方法も兵企連本部に持ってこい、そうじゃないですか、兵企連の事務局に提出することと、こういうことになっておりますんですよ。どこにもこういうおたくが出されている通達に基づいた手続には合致しないわけなんです。その点について正しいんですかどうかということをお伺いしております。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) 若干議論がちょっとかみ合わずに恐縮でございますが、おそらくこの文書は、われわれの通達を前提にして出されておるのではなかろうかという感じがするわけでございます。  なお、小規模経営改善資金につきましては、御承知のとおり、特に厳格な枠というものを設けておるわけではございませんので、一般のそれぞれの地区別に割りましたものがあるわけでございまして、経営指導員も一般の指導員ももちろん同和の方々のめんどうを見てもいいわけでございますし、その辺はあまりかたく考えるものでもないような感じもするわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 そういうことを言ってるんじゃないわけです。これ、兵企連の会員にしか融資枠、この融資が受けられないということをあらわすわけなんです。私はこの点については「会員は、解放同盟の同盟員に登録し運動しなければ、今後は、兵企連の会員としての権利をうしなう」、彼らはこうはっきり書いているわけです。それから、同盟員でない企連会員は存在し得ませんということも彼らの議案書にははっきりしているわけです。ですから、こういう運動方針を掲げておりますから、これにもはっきりしているように、同盟員でなかったらこの恩恵は受けられない。私は、部落内の商工業者というのは全部恩恵に浴さなければいけない、それがこの趣旨だろうと思うんです。ですけれども、そうでなくって部落内の企業者の中にも歴然と差別を持ち込んでいるではないかということを一つ挙げているわけなんです。この点いかがでしょうか。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(藤原一郎君) その兵庫県の、先生おっしゃいますところの兵企連の実態につきまして、私どもつまびらかにいたしておりませんので、若干理解が行き届かないかと思うわけでございますが、このいただきました文書によります限り、ちょっと私どもの現在出しております通達とこれとの関連性、これがそれに正面から反しておるというふうに言えるかどうか、もう少し詳しく読んでみたいと思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では具体的な例を挙げます。兵庫県出石郡出石町というところに木村繁造さんという八百屋さんがあります。経営指導をずっとしてもらっていた人です。この経営指導員は先ほど出ました河島豊さんです。この河島豊同和担当経営指導員を通じて小規模経営改善資金の融資あっせんを申し込んだわけです。この木村氏というのは兵企連の会員でもあったわけですけれども、この解同出石支部の支部長とか書記長が、木村さんが日ごろ解同に協力しない、こういうことを理由に推薦の印を押さなかったわけです。河島さんは、この印がないままに規程に従ってこの手続をとって書類を兵企連の本部に提出したわけです。そうしたら兵企連がチェックをしてこれを没にした、融資が受けられなかった、こういう事実があるわけです。これはお調べいただいたら歴然とします。これはただ一つの例ではなくて、こういう例は枚挙にいとまがないわけです。私が申し上げたいのは、三木首相は社会的な不公正をなくす、こう言われておりますけれども、兵企連がこの金融制度までも私物化している、だから部落内に明らかに差別を持ち込んでいるではないかということを私は言いたいわけです。それから、これはもちろんこの通達にももとるわけです。法的にも正しくないわけです。それから私が数々指摘したように、この制度の運用方針いろいろお出しになっておりますね、それに合致しているところが一つもない、ほとんどが明白に違反している。このやり方を私は正さなければいけないと思うのです。そのことこそが社会的な不公正をなくすことだ、こう申し上げたいわけです。  いま、たくさん中小企業者の深刻な不況状況が出されておりますけれども、そういう不況な状況を考えるときでも、中小企業者の要求に公平に沿うことだ、こういうことを是正することが中小企業者の要求に本当に沿うことだということも私は申し上げたい。行政は元来公平でなければならないわけです。その公正がこういうふうに投げ出されてしまっている。これは兵庫県だけではない、大阪でもこのような状態があるわけです。全国的にもあるので、私はぜひこの際調査をしていただきたい。そうして、行政としては公平にもとの姿に、本来あるべき姿にこういう問題を正していただきたい。兵庫県の責任は非常に重大です。積極的にこのやり方に加担をしているということは許せないと思いますけれども、こういう県の行政、全くこの任意団体に行政権まで委任してしまっているという状態について、政府はこれをやはり直させるように指導をしなければいけないと思います。ですから私は、この同和担当の経営指導員、これは正しくない採用をされている分については直ちに罷免をする、こういうことも含めて、商工会議所についても商工会についてももとのあり方に戻すように監督を強化すべきだ、このように考えますけれども、いかがでございましょうか。大臣と長官の御答弁をいただきとうございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、ただいまお述べになりました事実につきまして、県及び商工会議所に至急実情を調べて報告をするように指示をいたします。その上でいろいろ対策を立てたいと思います。

小山実中小企業庁次長

○政府委員(小山実君) 大臣のお答え申し上げましたように、早急に県なり会議所を通じまして実情を聴取いたしまして対策を講じたいと思います。  なお、余分なことかもわかりませんが、中小企業の指導、振興という業務は、同和地区の産業の振興も含めまして、地方公共団体が何と申しますか、固有の事業としていろいろやっているわけでございまして、中小企業庁といたしましては、それを国家的見地から適当な分野について補助し、助成していく、こういう官庁でございますので、いろいろ末端の事業のやり方につきましては、中小企業庁が県を通じていろいろ監督指導をしていく、こういう立場にございますので、公正の確保という点につきましても、そこにおのずから国の一つの立場上限度があるという感じもいたしますが、そういう範囲内におきまして、できるだけ是正すべきものは是正する措置をとっていく、こういうふうに考えております。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 時間です。よろしいですか。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私の時間まだ三十秒残っていると思います。大変私にはお厳しいようですけれども。  最後にお願いいたします。これは小さな問題でなく、行政そのものが任意団体によって、その行政権、これを委任して私物化されているという重大な問題ですので、私はぜひ調査をして適切な措置をとっていただきたい、そのことを強く要望いたしまして質問を終わらせていただきます。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十分散会

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