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75回国会参議院1975/01/14

商工委員会 第2号

発言数
213
登壇者
26
会派数
5
開催日
1975/01/14

会議録

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨年の十二月二十八日に竹田現照君が委員を辞任され、その補欠として鈴木力君が選任されました。     —————————————

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、原油輸入に関する件について、本日の委員会に全日本海員組合安全福祉部主任江間教夫君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まず最初に、北海道に北瓦斯という会社がございますが、今回大幅な料金の値上げ改定をされました。この問題に関しまして大臣の基本的な姿勢についてお伺いをしたい、こう考えます。  三木政権が所信表明でも明らかにいたしておりますように、ともあれ清潔な政治、そうして、対話を通して国民の物価安定のために最優先に施策を行なってまいりたい、特に公共料金につきましては抑制をいたしてまいりたいというやさきに、札幌通産局は、特に昨年のあの事故によって悪名高い北海道北瓦斯の現行の料金より平均五四・五六%値上げを認めました。これはまさにこの一年間に、四十八年十二月の時点に比べますと、一年間で一挙に九七・三%、二倍の値上がりをしたわけであります。昨年の秋の変則公聴会といわれました、まさに機動隊に守られながらあの異常なまでの公聴会で世論が、非常に消費者が憤りを感じているさなか、加えて御案内のように、昨年の十月、北瓦斯の調整作業によってとうとい七人の人命が奪われました。こういった事故のいまなお遺族補償の問題、刑事事件の問題などについては未解決の段階であります。  こういう情勢の中で、なぜ急いでこの認可をしなければならないのかという問題につきまして、消費者団体はまさに憤りを感じまして、ここ七円以来、札幌通産局長あてに対しまして抗議行動が展開をされております。もしこの態度が改めらわない限り、不払いも辞さないという消費者側の強い意向に立って行動が行なわれているんであります。私はこの問題を、さきの十一月に開催をされました商工委員会で、前の中曽根通産大臣に対しまして、この料金改定の問題については今後いかに取り扱うかということをあわせて質問いたしております。当時、中曽根通産大臣は、一切のこの災害が、事故が解決をして、人心を安定をした中で値上げ問題については慎重に取り扱っていきたい、こういう答弁が私に対するお答えであります。  しかるにもかかわらず、今回何ら消費者団体に対するコンセンサスもなければ、関係団体に一言の話し合いもなくて値上げに踏み切ったという問題であります。私をして言わしめますならば、まさに殺人犯に対しましてボーナスを与えるような今回の値上げではないか、こういうふうに私はあえて言わざるを得ないのであります。こういう問題に関しまして、私はひとつ大臣の所見をお伺いしたいのでありますが、まさに官僚独善的な今回のやり方に対して、慎重を期して中曽根通産大臣は、あの公聴会の問題の際にも、ともあれ住民との対話を通す、こういうことが原則であるということを言いながら、今回、関係団体、住民の消費者団体の対話がなかったしこういう問題を含めて、今回の値上げに対する態度についての基本的な姿勢について、大臣の考え方をお伺いをしたいというふうに考えます。第一点、まずこの問題からお答えを願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 御指摘のように、値上げの認可をいたしましたが、その一つの理由は、事故が起こりましてから全部のガス器具の点検を克明にやりました。今後の保安対策も十分するようにいろいろ指導し、それに対する対策も終わり、さらにまた社長の交替等も実現をいたしました。経営は、御案内のように非常に悪うございまして、大幅な赤字が出ております、経営の行き詰まり寸前である、こういうような状態等も考えまして、いま言われました、問題がまだ二つ残っておるわけでございますが、それは刑事責任の問題と補償の問題これはまだ最終的に解決しておりませんが、当面の問題は一応全部解決し、会社の実情がこれ以上たえられないと、こういうことで認可をしたわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 私は、いまの大臣の答えは答えになっていないと思うのであります、経営が苦しいという一語に尽きるわけでありますけれども、問題はやはり、経過があるということを、大臣がかわって、現地の実態に即していないんじゃないかと私は指摘をしなければなりません。なぜかならば、三木総理大臣は、ともあれ清潔と誠実と対話なんだ、これが私の内閣の信条でありますということを何回も訴えられているじゃありませんか。この間の本会議の席上でも訴えているじゃありませんか。対話のためには労働団体にも会う、あるいは関係団体にも会う、いろいろな各層に対話を通すと、こう言いながら、対話を通してないじゃないですか。  一月九日の北海道新聞に、これに載っていますけれども、いま大臣が、ほぼ事故の安全性については安定をしたと、こう言っておるけれども、これに載っておりますけれども、被害者の一人の声として、いまなおガスの安全性については恐怖におののいている。それは、ガス湯わかし器が異常な音を立てて音鳴りをすることがいまだに聞こえる、これは不安全ではないかと、こういうことが一月九日の北海道新聞の庶民のなまの声ということで訴えられているではありませんか。  こういうやさきに、しかも私は、現地にこの前調査団で行った際に、出先の諸口通産局長に対しまして私は申し上げました。局長、値上げの際にはひとつ特に関係の、理解をされていない方々に対して、形式的な公聴会とかそんなことよりも、こういう住民側のコンセンサスを得られるような処置をぜひとってもらいたい、こう言ったときに、諸口通産局長は、全くそのとおりである、先生、慎重にひとつ事を運びたい、こう言っているにかかわらず、対話の対策が一つもとられずして、しかもこれがいまなお住民の不安感なり、住民側が納得していない、今日のほんとうに通産官僚に対する不信であります。大臣、この点について私はお伺いしているんですよ。こういう対話を通さないで、今回の値上げに踏み切ったという態度は那辺にあるのか、まさに企業べったりと言わざるを得ないのではないか。なぜ対話を通す時間がなかったのか、対話を通されていないではありませんか。いまなお作業が不安全であるというなまの声が反映されているじゃありませんか。この点に関してもう一度大臣の所見をお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 保安の問題についての御質問がございますが、これは専門的な説明を要しますので、政府委員から答弁させます。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(大永勇作君) 依然として安全な供給体制になっていないじゃないかという地元の新聞記事でございますが、私はその記事はまだ読んでいないわけでございますが、何ぶん、この前の問題のような事故が起こりましただけに、消費者としては、心理的には脅怖感というのはまだ依然として残っているとは思いますけれども、われわれが通産局から聞いたところによりますと、専門的な立場からいたしますると、現状は安心していい供給状態になっているというふうに考えているわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 したがって、私はもう一度大臣に基本的な——事実の問題よりも、今回の値上げについては白紙に返して、住民のコンセンサスを得られていないのですから、対話も通されていないのですから、約束どおり。これは、現地の通産局長は対話を通してやりますと、こう言っているのだから、やらなかったという事実に対しては白紙に返して、もう一回住民のなまの声を聞いて、この認可を与えるかどうかということをきめてもらいたい、きめるべきである、こういう態度について、もう一回住民側の対話を通すかどうかということについて、大臣の所見をお伺いします、

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 中曽根前通産大臣のこのあと始末の問題、値上げの問題についての御発言の速記録は私も読みました。そこで、先ほども申し上げましたように、全部の器具についての点検、それから今後の保安対策、こういうことを十分いたします、と同時に、それから社長の交替、こういうことも実現をさしたわけでございます。  それで、企業の現状が先ほど来申し上げておりますように、大幅な赤字が出ておりまして、もう限度にいまきている、こういう事情でございますので、今回値上げに踏み切ったわけでございます。先ほども申し上げましたように、まだ刑事責任の問題と補償の問題は残っておりますが、補償の問題につきましては、鋭意いま進めているところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 大臣、対話を通していないと、対話を通しますという約束があるというのです、私は。現地の通産局長もそれをやりましょうと、こう言っているのですよ。ところが、消費者団体をはじめ全道労協、労働団体、それから婦人会議、こういう消費者団体の対話が通されていないと、こう言うのです、私は。ですから、もう一回この対話を通すという場を設けるべきじゃないか。かりにこれから、値上げはいたしました、不払い問題が起きますということになったらどうなりますか。お互いに不払い運動はかってにやんなさいと、北瓦斯の経営というものに対しては協力体制ができないではないですか。あなたが考えているように経営安定をしたいと思っても、結果は経営安定にならないでしょう。私が言っているのは、今日の段階で、この間通産局長が東京に来ておって不在で留守だったから、もう一回関係者と会って、この問題については十分に団体側の、反対側の意見を聞くと、こういう措置をどうしてとれないのかということを聞いているのですよ。これをやるべきじゃないですか、あなた。それがなされていないから問題だということです。  もう一つお伺いしたいことは、現実に北瓦斯が引き金になっているじゃないですか。この前私も心配をしておりましたが、北海道瓦斯の値上げが今回は北海道全般のガスの値上げの引き金になりはしないか、こういう心配を私はしておりました。現実に引き金になったではありませんか。これ4一月十二日の北海道新聞に出ていましたが、旭川瓦斯は、現に今月の末に三〇%前後の値上げの申請をいたしたいということが明らかになったではありませんか。結果的には北海道瓦斯の値上げが引き金になって旭川瓦斯が値上げ申請を行なう、近く室蘭が行なう、函館が行なう、こういう値上げの引き金になっているということは事実でしょう。これが明らかになった。事実が証明していろではありませんか。私はこの二点をもう一回お伺いしたいのです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 対話の問題についてはごもっともでございますから、さっそく、消費者に十分に説明をして納得してもらうような手続をとるように指示いたします。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 もう一点お答えになっていないですね。この北瓦斯が契機になって、北海道全体のガス値上げの引き金になりはしないか、これは当時通産当局は、そういう懸念はないということだったんです、現実に旭川はすでに今月末に申請をいたしますと、こう言っているのですよ。この点どうなんですか。話を聞くと、二月初めに室蘭瓦斯が値上げをしたい、こう言っているのです。申請を出したい、こう言っているのです。こういう問題、機械的には絶対にそうなりませんと、こう言っていながら、現実には値上げになっているじゃないですか。申請の動きが始まっているじゃないですか。この点について大臣どうですか、政府側として。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(大永勇作君) 事実の問題でございますので、私のほうから御答弁申し上げたいと思いますが、先生いま御指摘のように、旭川瓦斯その他地元の中小ガス会社の値上げの問題が出てまいることが予想されるわけでございますけれども、これは北海道瓦斯が値上げをしたからうちも上げるということではございませんで、やはり、主原料でございますブタンあるいはナフサ等が最近また値上がりをしておりますので、そういったそれぞれ独自の経理的な苦しさということからいたしまして、値上げの申請をいたそうとしているものでございまして、まあ時点から見ますと、確かにそういう原料値上がりの時期でございますので、次々と出てくるわけでございますけれども、これは決して、北瓦斯が値上げをしたからということではないというふうにわれわれとしては考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは詭弁であって、北瓦斯が値上げをしたから旭川瓦斯が申請を出してきたのじゃないなんという、もっともらしいことを言っておりますけれども、現実に旭川瓦斯が申請をした理由の一つの中に「北瓦斯の今日における現状と相まって」と書いておるじゃないですか。「北瓦斯の認可が行なわれたので、われわれ旭川としましても認可申請をしたい」と、こういうのが出ておるのですよ、現実に。そんな詭弁を弄したってだめですよ、そんなこと。はっきり申し上げて。どう言ったって、やっぱり現実に北瓦斯の認可が認められたから旭川瓦斯としても値上げ申請に自信を持ちましたと、こう言っているじゃないですか。そういうごまかしの答弁をしたってだめですよ、そんなことは。すなおにそういうことについて、北海道瓦斯の値上げの申請が契機になって、これから行なわれる旭川なり室蘭なり、あるいは函館なりという一連の動きがあるに対しては慎重な態度をとるならとると、私はこういう答弁にならなければならないと思うのです。この点がまず一つ。この点どうですか、ごまかしの答弁はだめだよ。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(大永勇作君) 私はまだ、その旭川瓦斯の社長等がそういう話をしたということは新聞等で承知しておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、全国的に中小ガスにつきましては現在原料値上がりのために値上げの申請が次々行なわれているということは事実でございます。ただ、われわれといたしましては、審査にあたりましては、あくまでも便乗的なものはもちろん排除していくという強い態度で臨みたいというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それで、私はガス企業のあり方の問題につきまして、今回の北瓦斯の重大災害、それから、今日の北瓦斯の経営実態を分析をしてみまして大臣に基本的な考え方をお伺いしたいのでありますが、私は、少なくとも今日の消費者団体のやっぱり動きなどから一連のあれを見まして、在来の形式的な公聴会は改めるべきだ、ただ賛成者だけ、特定のボスを集めて、そして料金改定はいかがですかなんという、こういうやり方ではなくて、ほんとうに庶民を中心にした値上げ申請に伴う審議機関の設置というものをしてはどうか、これが第一点であります。  第二点の問題は、もはや私企業という段階では限界に来ている。現実に私は北海道瓦斯の分析をしてみて、年に二回も値上げしようということですよ。しかも、あの事故が七人もの犠牲者を出すに至ったということは、これは現地に商工委員会の調査団で行った一行がみんな同意見であったように、いかに拙速主義的なあの調整作業の結果が今日の七人の犠牲を招いたか。北海道道警本部が現実にすでに一応の中間報告を出しているではありませんか。こういう観点から考えますならば、少なくともガス企業なんというものはもはや私企業の段階ではないのではないか。むしろやはり公営化をして、これに国が一定のやはり助成をして方向を与えて、むしろ人命の安全性、住民へのサービス、こういった面での検討をする段階に来ているのではないか。  いま一つの問題は、事前協議制という問題について考えてみてはどうか。一年に二回も値上げするような無計画、無節操のようなやり方ではなくて、具体的な展望に立った値上げを庶民に与えるということが必要ではないか。何も、何でもかんでも反対と庶民は言っているのじゃないんですよ。上げ方についてもっと住民のコンセンサスを得られるようなことが必要であるし、消費者側のなまの声を聞いてもらいたい。幾らでも改革の提案がある。こういう問題等含めて考えますならば、こういう点について、これからの課題の問題でありますけれども、通産省側として、大臣としてこういった方向について、ガス企業全般の問題の基本姿勢について再検討していただきたい、こういうふうに私は考えるのでありますが、検討する余地があるかどうか。この点、ひとつ大臣の基本的な態度を聞きたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ごもっともな御質問でございまして、ガス事業全般、特に大都市のガス事業全般につきましてガス事業大都市対策調査会というものがございまして、ここで問題をいろいろ取り上げまして根本的に検討することにいたしております。第一回の会合は来たる二十二日に開くことになっておりまして、御指摘のような点をあわせて検討していきたいと思っております。  なお、公聴会のあり方につきましては、これは賛成者だけを集めまして公聴会を開いても、これはもう意味のないことでございますから、今後のあり方につきましては、御趣旨のような点を取り入れまして遺憾ないように期していきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま大臣から私の質問の要点である、住民側と話し合いをすることを行政指導するという約束をされましたので、この点は早急にひとつ出先の補産局長に指示をしていただいて、現地反対側の消費者団体との間の話し合いを持ってもらいたい、これはよろしゅうございますね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 十分話し合いをするように指示をいたします。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それから二点目の問題は、今後のガス企業全般のあり方の問題、公聴会のあり方の問題、審議会の設置の問題、料金改定の場合の事前協議制の問題、あるいはいま私が申しましたように公営化の問題等、全般について検討されるということについてお約束できますね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 調査会をさっそく開きまして、検討いたします。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 わかりました。  それから第三の問題として、私は、特に先ほど遺族の問題に触れましたが、非常に遺族の方々がいまなお憤激をしておりますことは、一応北海道瓦斯会社があの事故を起こして、われわれ調査団が行くまでの間に、びた一文の弔慰金を持って現地に遺族を慰める、あるいは責任を感ずるという態度がなかったんです。これはここに調査団で行かれた桑名先生、須藤先生もおりますけれども、われわれが行って初めて、北海道瓦斯会社の専務があわてふためいて、われわれに勧告されて弔慰金を持っていったというのが事実であります。  こういった北海道瓦斯の独善性というものは改める必要があるのではないかという意味で経営刷新を私は要望しまして、社長以下交代をしたわけでありますが、遺族補償の問題について、三百万円をもってはい終わりというような、こういう印象を実は与えているわけであります。率直にそういう手切れ金だというふうな言い方が遺族に伝えられているそうであります。非常に憤りを感じておりまして、人間をばかにするなということであります。北瓦斯のこういうやり方というものについては、本来ならこういう金は出せないんだけれども、まあ参議院の先生方や政府側の御意見などもあって出したんだと、何かこう恩恵を与えたような言い方をしてこの弔慰金を置いていったと。この弔慰金を突き返してやったということが言われております、私のところへ封書で現実に来ています。  北瓦斯の社長以下経営刷新はされましたけれども、この北瓦斯の態度について、私はもう一回通産省として現地の局長なりを通して、少なくとも遺族補償に対しての、補償だけの問題ではなくて、やっぱり雇用問題を含めて親身になって最後の責任を世話をするという、こういう行政指導があってしかるべきじゃないか、この点について私は、政府側の態度を最後にお伺いをしたいと思います。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(大永勇作君) 通産局から遺族に対しましては、とりあえずの措置としまして北瓦斯が払いました、死者につきましては三百万円、それから中毒症状につきましては三万から五十万円を贈っておるわけでございまして、それに対しまして通産局としては、もちろん金を渡せばいいということではございませんで、遺族等に対しましては、心からおわびをするという態度で臨むように指導していると思いますけれども、なお御指摘のような問題があるといたしますれば、さらに重ねてそういう指導をするように通産局に申し伝えたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 以上、北瓦斯の料金改定問題災害問題にまつわる問題は終わります。  それから次に、灯油問題につきまして一、二若干質問を申し上げたいと思います。  これも灯油問題は、九月四日の物価特別委員会以来、商工委員会を通しまして前後四回私は質問いたしました。ただいま、昨年の十二月二十四日現在の北海道消費者協会の灯油価格の実勢価格に対する調査結果の資料を私は持っております。これによりますと、大体六百円を割っている率が三二・一%それから六百三十円から七百円台までが六七・九%という大体数字であります。傾向としましては、大体三割が本州並みのレベルに近づきつつある。しかし、総体的にまだ六七・九%というのが十八リットル六百三十円から七百円台になっております。  私は、この下がった結果につきまして私なりに判断をいたしますと、第一点は、やっぱり備蓄が九月末の需給計画の中で、六十万キロリットルを二〇%もこえる七十二万キロリットルにのぼったということが、つまり、備蓄がだぶついたという傾向が値下がりを示した理由の一つだろうと、こう考えます。第二の理由は何かといいますと、この前私が申しました共同集団購入であります。共同の集団購入の生協連などを中心にいたしました全道的な動きに刺激をされまして下がったというふうに考えます。第三の問題は、通産局の行政指導という一面が私もそれなりに功を奏したものと見ています。  ただしかし、私は、今日の段階で率直に申し上げなければならぬことは、十二月十七日付河本新通産大臣の記者会見が非常に北海道では気になるわけであります。気になるということは、一日十五万バーレル、一バーレルは百五十九リットル、年間九百万リットルの節約をはかりたいということで、つまり、消費量の三%を節約をするということがあの新聞記者会見の談話でされました。ところが、この談話が出て以来、節約をするということは、結果的には供給が不足現象になってくる、つまり、備蓄でだぶつく傾向が逆に減ってくるんだから、今後灯油を安く売ることはできないんだ、こういうような業界の便乗という動きが露骨に実はあらわれつつあるということが、消費者協会から率直に訴えられております。したがいまして、私はこの点につきまして、第一点の質問としましては、まず、本州並みレベルにもう一度行政指導を強めてもらいたい、これが第一点であります。  それから第二の問題は、いわゆる通産大臣の真意がどこにあったかは別にいたしましても、河本大臣の発言による業界の便乗について通産局側として厳に指導してもらいたい、これが第二であります。  それから第三の問題は、今後の灯油確保のあり方の問題といたしまして、私は、民生用灯油の政策料金制度というものを検討してみてはどうか、こういう点につきまして、制度化の問題につきまして検討してもらいたい、こういう以上三点の問題についてお伺いをしたいと思います。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) ただいま御質問がございました灯油問題につきましてお答え申し上げたいと思います。  まず、昨年の秋以降北海道の灯油価格が本州に比較いたしまして割り高であったという現実から、われわれのほうも、道庁とも協力をしながら、元売り、販売業者を指導いたしまして、極力本州並みにいたすように努力をしてまいったわけでございます。ただ全体として、われわれの調査でまいりますと、大体本州並みになったと思っておりますが、先生御指摘のように、やはり北海道の広い地域の中には、まだまだ十分でない点もございますので、これにつきましては、引き続き指導を強化してまいりたいというふうに考えております。  それから、いまお話のございました、節約とからめて何か灯油の供給が不足しがちになるかのごとき話があるというお話でございますが、これはもう全く大臣がお話しになった真意を曲解するものでございまして、そういうふうな意味ではなくて、われわれは消費者側でいろんな貴重な石油資源を節約してもらうということを考えておるわけでございまして、供給側を故意にしぼって、現在のような備蓄があって供給に余裕があり、それで値が上がらないという事態を解消しようというふうなことは毛頭考えておりません。したがいまして、いまの問題につきましては、実は私も年末にそういうふうな話を聞きましたので、早速北海道の通産局長に連絡をいたしまして、元売り業者とかあるいは販売業者がそういうことを言うことがないように指導をさせることにいたしております。これにつきましては、まだもし指導が至りませんならば、何回でもこの問題はよく周知徹底させるようにいたしたいと思っております。  それから、第三点の民生用の灯油の政策料金制度の問題でございますが、これにつきましては、原油の値上がりが非常に大きかった過去一年の間、やはり原油の値上がりというものを灯油価格に反映させざるを得なかったという事情がございますが、今後につきましては、原油の値上がりの傾向自身が若干頭打ちの傾向を見せております。したがいまして、そういうことも頭に入れながら検討いたしたいと思っておりますが、これについては、むしろ単に灯油のみならず生活必需物資全体についてどうするかという問題もございますので、関係官庁と相談をしながら検討いたしてまいりたいというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いまの左近石油部長のほうからの第一の点は、ひとつ行政指導を強力に進めてもらうようにしてもらいたいと思います。  第三の問題で、これはきょう答弁いただくということでなくて、検討してもらいたいというふうに提起をしておきたいのであります。  それは、一つはことしは間に合わないにしても、来年の冬の段階に備えて灯油についての基本的な——緊急石油立法二法かございますか、石油業法を一部改正してみてはどうか。その改正の目的としましては、特に民生用灯油の安定のために、灯油の用途別地域別供給計画というものを策定実施してみてはどうか。地域的な用途の供給計画というものを策定してはどうか。  第二の問題は、生産流通業者の責任供給の明確化。それから行政指導の監督権限の強化としまして、私は地方自治体につまり標準価格の権限委譲、指導価格というものを権限委譲してみてはどうか。こういう点についても検討していただきたい。  それから、道内の場合は自給率の向上ということが重要でありまして、精製基地の拡大強化、それから輸移入基地の整備、これをひとつ体制整備を確立していただきたい。  次の問題は、備蓄体制の強化といたしまして、大臣も新聞で訴えられておりますが、ことしの予算にも若干ついたようでありますけれども、備蓄量増加のための、いわゆる最大消費目標というものは六十日分が九十日分というふうに目標が設定されておるようでありますが、これに対応する北海道、東北六県のつまり備蓄計画といいますか、こういうものを事前に明示をしてもらいたい。これはひとつ検討していただきたいというふうに考えます。  それから、輸送力の増強に伴う道東、東北内陸部のそういった値上がりの趨勢に対して、先ほど私が申しましたように民生用灯油の消費の制度価格方式というものをつくって、これに政府が一定の財政措置を講じてその分だけを、ひとつ価格差を補償するというような検討が、当然北海道、東北六県は犠牲になるわけですから、この点のひとつ将来の検討をしていただきたい。こういう問題を提起をいたしておきますので、この点ひとつ検討していただくようお願い申し上げたいと思います。  あと最後に一つだけ。  砂川鉱のさきの爆発に関連いたしまして、先ほどの北瓦斯の問題と関連をして、重大災害が相次ぐ北海道の現状でございますが、結論的には、現地に政府の学術調査団を入れていただきました。この点は率直に感謝を申し上げます。したがって、その学術調査団が入った後の——端的でよろしゅうございますが、水力採炭であってもあれだけの事故が発生をしたという直接原因が明らかになったのかならなかったのか。なったとしたならば今後どういう対策があるのか。この点が一つ。  二つ目は、遺族補償の問題についてその後どういう対策と措置がとられたのか。これは労働省の関係者もきょう来ていると思いますので、この二点だけお答えを願いたいと思います。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 先ほどの先生の検討事項の御提案でございますが、われわれも十分趣旨を体して検討いたしたいと思います。ただ、その中にはほかの物資の関係もございまして、なかなか実現にはいろいろ問題がある点もあろうかと思いますが、しかしながら、灯油の供給安定ということを考えた上で、いかなる対策を講ずべきかということは慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(佐藤淳一郎君) まず、技術調査団の件につきまして御報告申し上げたいと思いますが、年末の二十六日に現地調査をやりまして、それから正月休みもずっと検討していただいておったわけでございますが、その検討結果を踏まえまして、一月の十日に第二回目の検討会を開いております。できるだけ早く結論を出したいということで急いでおりますけれども、最終結論までにはまだ若干時間がかかるわけでございます。  したがいまして、いま詳細どういう結論になるか、まだ申しかねるわけでございますけれども、途中われわれ政府側もいろいろ調査団に、技術検討の場で一緒に入っておりますので、若干先生の御質問の要点を経過の問題として報告申し上げますと、特に水力採炭なるがゆえに今度の事故が起きたというような見解はいまのところ出ておりません。要するに、一般的にああいうガス爆発でございますから、炭鉱におきますところのガスとある種の着火原因と両方の要因によりまして今度の事故が起きたであろうという推定でございまして、おのおのそのガスの発生した原因なり、着火原因をそれぞれいま詰めておる段階でございまして、水力採炭という採炭方法そのものの構造的欠陥があったという指摘はいまのところございません。  それから、第二番目の遺族補償の問題でございますが、これは政府側からお支払いいたしますところの厚生年金保険法に基づきますところの遺族年金と、それから、労働省の労働者災害補償保険法に基づきますところの遺族補償年金、葬祭料、遺族特別支給等が支払われますし、それから会社からは弔慰金、香典等が支払われるわけでございます。政府側が支払うものにつきましては、労働省の関係は来ておられますので、あとでお答えいただきますが、大体においてすでに遺族の方々から申請済みでございまして、それぞれ手続が進められております。  問題の会社が支払うものにつきましては、まず弔慰金につきましては、こういう場合におきますところのお支払いいたします額についての労使間の協定がございます。その協定の額に、今度こういうことに対しまして申しわけないという気持ちで、さらにそれに二百万円程度上乗せをいたしまして会社側が支払うことになっております。これは二月一日に支払うことになっておりますが、一部はすでに内金として支払いが済んでおるわけでございます。もちろんこのほかに、各個人別の退職金というものは別途支払われることになっておるわけでございます。

山口全労働省労働基準局補償課長

○説明員(山口全君) 労災関係の補償についてお答え申し上げます。  労災給付につきましては、去る一月七日にそれぞれ請求が提示されております。監督省におきましては、それについて昨一月十三日支給決定をし、それぞれ通知をいたしております。年金は年四回支給されますが、今回の遺族の方についての第一回の支払いは、二月の支払い期から行なわれることになっております。なお、十五名の遺族のうち二名の方から前払い金一千日分の請求がございました。これについては、昨一月十三日送金済みでございます。  以上でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 先ほどのお答えで了解をいたしましたが、特に私は、最後に要望としまして、立地公害局長にお願いしたいのは、問題は、現在水力採炭方式であってもああいう爆発が起きた。そこに何らかの火源があったんではないのか。そうすれば、やっぱり水力採炭は安全であるということにはならないんだという働く者の組合感情というのは、従業員の感情はそこにありまして、現在離山ムードが出ておるというのが実態であります。ただ私は、そういう意味でも、一つは、保安第一主義という大臣の答弁もありますように、そういう安全性に立った確固たる原因の明確化と、今後の採炭方式に対する指導というものを明確に出していただきたいということを要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 この機会に二、三点について質問いたしてみたいと思います。  まず第一の問題は、非常に不況が深刻化しつつあるというようなことから、景気を刺激する政策に転換を望む声も出ております。河本通産大臣にお伺いをいたしますが、たまたま新しい内閣の大臣になられた河本さんが内閣成立後の記者会見で、物価は安定の度を加えておる、したがって、不況対策が重要であるので、今後は景気刺激策を考えていくべきだという、実は会談の内容が報道されているのであります。また、本年一月七日付の報道によりましても、同様趣旨のことが載っておるのでありますが、この点について、五十年度予算の批判や意見は別といたしまして、決定後の新しい情勢の中で大臣のお考え方はどうであるか、まず最初にお尋ねをいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 当面の最大の課題は、物価を安定させること、物価を上げない、できるだけ押えていくということ、ここにあると思います。そのために、御案内のように、総需要の抑制策が昨年来ずっととられておるわけでございますが、幸いにいたしまして、最近の動向を調べてみますると、卸売り物価は大体横並びの状態で安定してまいりました。消費者物価も、この状態では三月末には前年同月比大体一五%をこえることはまずない、こういう状態になっております。それ以降の問題といたしましては、春闘という大きな問題がございますが、これが妥当なところで解決されるならば、来年度、来年昭和五十一年の三月消費者物価一けたということも必ず私は実現できるであろう、こう考えておるわけでございますが、そういうふうに物価の動向が非常に落ちついてまいりました。  一方、経済界の実情を見ますると、月間約千二百件の倒産がございますし、それから、昨年の十月末では七十五万の失業者が出ておりまして、この状態では三月末、年度末には百万をこえる、こういう危険性もありますので、この際、ある程度景気の調整策というものを検討していく必要があるのではないか。物価が落ちついても、一方におきまして倒産が激増する、失業者が町にあふれる、こういうことでは困りますので、経済政策の転換ということを当然検討すべき段階に入りつつある、こういうふうに考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 最近、ヨーロッパにおきましては、西ドイツでありますとか、あるいは米国などにおきまして、いま大臣が言われましたように、景気を刺激しなくちゃいかぬ。非常に不況対策の一環といたしまして具体的には、アメリカでは公定歩合の引き下げというような金利的な措置がなされているようでありますが、いま大臣がお述べになりましたことにつきまして、具体的にいま通産省といたしましてとり得る政策としては何があるのか、これをまず最初にお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これから検討すべき課題でございまして、いますぐ景気政策の転換をやるというわけではございませんで、やはりこれには二、三ヵ月のきめこまかい準備を必要とすると思います。どういう順序でこれを具体的に進めていったらいいかということにつきましては、通産省だけでは解決できない問題等もありますので、政府部内全体のコンセンサスを必要とする問題でございますので、これから至急に作業を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 大臣のお考え方はある程度理解することができるのでありますが、この三木内閣におきましては、やはり大平蔵相が相当強いいまなお総需要抑制策をとるべきだという考え方をお持ちのようでありますし、また副総理、そして経企庁長官としてお見えになりまする福田さんも、一応総需要抑制策は基調として堅持すべきだということを実はお述べになっているわけでありまして、ひとり、どちらかと申しますと通産大臣が緩和をすべきだというような、やや急先鋒のお考え方をお持ちになっておるのではないだろうかというふうに私どもは理解せざるを得ないわけでありまして、今後、私はこの点については、大臣の具体的ないまお話のあった、二、三ヵ月後にきめこまかい政策を行ないたいというそのことにまず第一に期待をいたしておきたいと思います。  それから、第二の問題といたしまして、総理府総務長官のもとにおきまして、独禁法改正については私的な懇談会が実は設けられております。実は私、昨年の十一月末の物価対策委員会でも問題にいたしたいと思ったのでありますが、天谷審議官が「エコノミスト」に昨年、一市民というお断わりはしてありますが、実は独禁法改正についての御見解が載っているわけであります。このいわゆる改正案の前提といたしまして、「エコノミスト」の編集局は、「天谷氏は、通産省内にあって実質的には“次官補”的立場にあり、政策決定にきわめて重要な役割を果たしている。「一市民の資格で」と断ってはいるが、ここに掲げた改正試案に対する反論は、独禁政策に関する通産省の考え方を知るうえで、有力な手がかりとなろう。」、いわば事実上の通産省の考え方を代表したものではないかということに実は尽きるわけであります。それは私も、時期的には過ぎておりますので、また、いま申し上げたように懇談会等も設けられておりますので、この問題については見過ごそうと思ったのでありますが、本年に入りまして再び最近の  「エコノミスト」を読んでみますると、この天谷論文を前提といたしまして、独禁法は後退させるべきではないという前提で二人の大学教授の実は討論座談会が載っているわけであります。したがって私は、大臣がおかわりになりましたけれども、通産当局にまだ根強い天谷論文に象徴されるようなこういうお考え方があるといたしますならば、重大な問題があるというふうに思うわけであります。  その中で、私は特に一つの問題点として二、三指摘をいたしておきたいことは、たとえば第一段階では、民間の自主調整が必要だ、第二段階では、通産省などのいういわゆる政府権力による行政指導が必要である、第三は、恒久的な統制が必要だという点についてお述べになっておりまして、その中で、公正取引委員会は第二段階の行政指導に対してはきびしい論告を加えられる、そうすれば残るところは、第三段階の恒久的統制ということしかならないではないか、こういうように行政介入は法律をもって行なえと言ってお見えになりますが、いわゆる食糧管理法でありますとか臨時金利調整法、あるいは外国為替貿易管理法等の例によっても明らかでありまするように、「この種の例外立法がたくさん制定されると、独禁法の保障する自由競争は、刑務所の中庭における運動の自由ほどの意味しかもたなくなってしまう」、まことに私は不遜な表現だと思います。あるいはまた、その文章のあとのほうにもたくさんありますが、時間がありませんので、私は問題にするのは別の機会にいたしますし、また、天谷さんお見えになりませんから、ここで論争しようと思いません。  この独禁法の問題について、いわゆる最終的な結論的めいたことといたしまして、「たとえば米国独禁法と同じ独禁法が、今日ただいま、日本社会に君臨しなければならない、原始独禁法の「復古」こそが善である、などと考えるのは、歴史的色盲のたぐいであろう。」というんですね。公正取引委員会を実は非難してお見えになるんです。こういう問題を取り上げれば、いろんなたくさんの指摘する点がありますが、きょうはこの二点に実はとどめておきたいと思うのであります。大臣がおかわりになる前の論文でありまするので、このようなお考え方で大臣が独禁法問題について対処してお見えになるというふうに私は考えたくないのでありますが、この機会に、ひとつ河本通産大臣の独禁法改正に対するお考え方がありますればお尋ねをいたす次第であります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 独禁法の改正問題は、これは三木内閣の大きな課題でございまして、御案内のように、総理も、自由主義経済には一つのルールが必要である、そういう意味で独禁法の改正が必要であると、こういう趣旨のことを述べておられるわけであります。でありますから、内閣全体として、これはもう積極的に取り上げるという態勢のもとに、いま総理府で、御案内のように、検討しておるわけであります。同時に、あわせて自民党としても検討しておると、これが現状でございます。通産省といたしましては、この内閣全体の意向を受けまして、独禁法の改正は当然しなければならぬと、かように考えております。  ただしかし、いま総理府と党のほうでそれぞれこまかい作業が具体的に進んでおりますので、この段階で私が一つ一つ申し上げることは適当ではない、こういうふうに思います。ただ、通産省といたしましては、自由主義経済には一つのルールが必要ではありますけれども、この独禁法改正によりまして、経済界の活動の活力というものがそこなわれてしまうということになりますと、これはもうたいへんでございますから、そういうことのないように十分配慮をしていきたいと、こういうことだけは考えておるわけでございます。  個々の問題については申し上げるのを差し控出たいと思いますが、なお、天谷論文につきましては、私は読んでおりませんので、ここでは見解を申し上げるのを差し控えたいと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 天谷論文はまだお読みになっていないということでありますが、少なくともこれは常識上、それからいま大臣が御答弁になりました経過等からまいりますれば、当然天谷さんの考え方というものは通産省としては持っていない、こう私は御言明願っても差しつかえないものではないだろうか。新しい観点に立って、いま懇談会で改正の内容等について煮詰めておるわけでありますし、大臣が御答弁になりましたように、自民党関係筋、野党だってそれぞれ独自の法案を出して.おりますが、それぞれ各政党間でも討議をいたしておりまする関係であります。  もうこの論文の内容は、非常に公正取引委員会を敵対関係に置きまして、その前提でものを言っている、まことに私は不遜な論文だと思うんであります。先ほど私がわざわざ編集子の前提の御紹介を読み上げましたのも、そこに意味があるわけでありまして、少なくとも私は、天谷論文のような考え方だけは持っていないということはお答えいただきたいと思うのでありますが、その点はどうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いずれにいたしましても、天谷論文というものは通産省とは全然関係ありません。天谷君個人の意見としての発表であるわけである、かように考えます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まことに残念な答弁であります。確かにいま大臣が言われたように、形式的には個人の見解でありましょう。しかし、先ほど私は断わって、前文の編集子のことばをわざわざ御紹介をいたしましたように、もう次官補という立場にあるということ、通産省を代表する意見であるというふうに見て差しつかえないとか、通産省の考え方を知る上におきまして有力な手がかりでありますというようなことでありまするから、編集子の意図がどこにあったか、また、天谷氏がその編集にこたえて、どういう意図で論文をお書きになったのか、これは明らかであります。まことに遺憾だと私は思います。今後私は、通産省の公務員の各位に厳重な反省を促しておきたいと思います。  次に私は、きょう実は主題にいたしておりました愛知県を中心にいたしました繊維問題について、若干お考え方をお尋ねをいたしておきたいと思うんであります。  私は、繊維をめぐる環境は決して好転はしていないという実は認識を持っているものであります。現に名古屋を中心にいたしました民間の信用調査機関の調査によりましても、本年の上半期の繊維の企業の倒産は昨年後半期並み、また、手形の決済が集中いたしまする三月には、一部上場会社でも倒産の危険があるのではないかという三月危機説というのがすごく強調されているわけであります。そういうような中におきまして問題になっておりまするのは、もう各衆参両院の委員会で繰り返し強調されました輸入規制の問題があります。  この輸入規制の問題について、いわゆるガット条項等を発動することはなかなかむずかしいということに政府側の答弁が終始相なっているわけであります。しかし、昨年生糸の輸入制限をおやりになっているわけであります。その根拠は国内法だけであります。でありまするから、いわゆるガットのセーフガードの発動等の問題は、国際間の問題となるおそれがあるということを考慮しつつ取りきめられるべきであろうということを私どもは推測をいたしておったのでありますが、生糸輸入問題は、輸入一元化という口実のもとに、事実上の輸入制限が行なわれております。これは国内法だけであります。でありまするから、国際間の問題等について、やはりガット条項がありまする以上、私は大胆に二国間取りきめを行なう必要があるという考え方は実は変わっていないわけであります。  そこで、昨年の十一月であったかと思いますが、政府におきましては、輸入監視体制をつくろうではないか、つまり、行政指導によって大口の輸入商社の窓口規制を行なっていくというようなお考え方を発想されまして、その具体的な発足は十二月になるであろうというようなことが実は報道されているわけでありますが、この輸入規制問題と、いま申し上げました政府自身が行政指導による事実上の輸入規制を行なう監視体制をつくる、この点についてどのようになっているのか、まず最初にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 繊維の問題についてのお話がございましたが、繊維の不況は非常に深刻なものがありますが、大体現状では、昨年の秋が私は一番の底であったと思います。現在は幾らか持ち直しておるというのがただいまの状態であろうと思います。ただしかし、お話のように非常に深刻でありまして、きわめて重大な状態になっておる。これは私どももその認識を持っておるわけでございます。ただ、二国間協定とか輸入制限とか、こういう問題になりますと、日本の繊維全体から見ますると、まだ輸入よりも輸出のほうが相当多いと、こういう問題もありますし、さらに、わが国は貿易立国でございまして、貿易によって経済活動が行なわれておる、国民生活が行なわれておるというような現状を考えますと、貿易制限を伴うような形の協定というものはよほど慎重に考えていかなければならぬ、こういうことで現段階ではやるべきではない、こういう考え方に立っておるわけでございます。ただ先ほども、三月末には重大な事態に立ち至るおそれがあると、こういうお話がございましたので、三月末にはお話のようなことにならないように、金融的にも十分配慮をしていくように考えております。  なお、二国間協定その他結びませんでも、やはり窓口になります商社を行政指導いたしまして、その輸入について十分配慮をさせるとか、あるいはまた、この政府間の情報交換、あるいは民間べースにおける情報交換等を通じまして、具体的にあまり不法な輸入等が行なわれまして大きなダメージが起きませんように、これは具体的な問題として十分配慮していくことは可能だと、かようにいま考えております。  なお、監視体制の問題につきましては、政府委員より答弁をさせます。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) この輸入のウオッチシステムのことについて、大臣の答弁を補足さしていただきたいと存じます。  繊維の、特に繊維製品の輸入の状況につきましては、伝統的に実は繊維あるいは繊維製品は輸出産業ということでまいってまいりました。したがいまして、輸出の状況等についての迅速正確な把握につきましては、従来からいろいろ制度あるいはシステムがあったわけでございます。ところが、この数年来繊維製品の輸入が急速にふえてきております。先生御指摘のように、この繊維製品の輸入という問題が非常に重大なことになってきております。これに対しまして、的確な手を打つということは、やはり何と申しましてもそのもとになっておる実態がどうなっているかということをまず把握する、そこでの問題点は何であるかということをまず把握する、これが一番大事なことだと思っております。  そこで、従来はもちろん通関統計、これが中心であったわけですし、通関統計でもかなりこまかいことは把握することができたわけでございますけれども、これではやはり何と申しましても足らぬわけでございまして、そこでこの輸入のインボイス統計、これを今年度から整備を始めてきております。これは、少なくも昨年の一月からの輸入の状況についての詳細な統計を、あるいは調査庁やり、この統計を整備するということで、これはすでに実施をしてきております。六カ月分くらいはすでにできておるわけでございますが、これか一刻も早く昨年の一月にさかのぼって整備をする、これは現在作業中でございます。  その次に、輸入の波打ちぎわと申しますか、そこでつかまえることよりも、さらにどうなるだろうかという先行指標でつかまえる、これがやはり手を打つために必要なことでございます。そこで契約の段階でつかまえるということで成約の統計、これの詳細な調査に着手しております。これは大蔵当局の御理解を得まして、今年度若干でございますけれども、約七百万円でございますけれども、予算をつけてもらいました。すでに調査もしております。十二月からこの成約の状況をつかまえるということで、現在調査を実施しておるわけでございます。幸いに来年度につきましては、相当の予算も一応現在の段階でつけてもらえそうな空気でございます。で、これができますると、数カ月前に状況をつかむことができるわけでございまして、そういう数字、あるいは状況等を踏んまえまして的確な、かつ強力な行政指導をやってまいりたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いま大臣から、二国間協定の問題は、まだ日本が繊維輸出国だというようなお話があったんでありますが、これはちょっと数字が間違っているんじゃないかと思うんです。私どもの調査によりますと、四十八年度、原材料を加えまして日本は貿易収支だけでは五億七千万ドルの実は赤字になっているんです。ですから、大臣が言われた論出が輸入をオーバーしているから二国間協定には慎重だということは、事実とちょっと私相違していると思うんですが、その点どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 数字のことは政府委員から答弁させます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私の聞いているのは、赤字になっているかどうかということを認識しているかどうかという問題なんだよ。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私の認識では、赤字にはなっていない、とにかく繊維関係はまだ輸出のほうが多いと、こういうふうに理解をしておるわけです。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 じゃ政府委員、答弁しなさいよ。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) 大臣の答弁を補足さしていただきます。  繊維の貿易を論ずるときに、日本が伝統的に輸入しておりました原綿あるいは原毛でございますが、繊維の原料を含めるか含めないかによりまして問題はかなり変わってくるわけでございます。四十八年が一番問題な年でございまして、四十八年の数字を申し上げますと、いまの原綿あるいは原毛の関係を含めて考えますると、実は輸入のほうが四十八年は多かったわけでございます。ただ、原綿あるいは原毛を含めて考えるのがいいのか、あるいは、特に産業あるいは企業にとりましてやはり非常に問題なのは製品の輸出入ということになるわけでございまして、その製品の輸出入という観点でながめますると、四十八年はいろいろ問題の多かった年でございますけれども、依然として輸出のほうが多いと、こういうことになっております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ私はそういう答弁があるだろうと思いましたのですが、私は大臣に一言申し上げておきたいことは、とにもかくにも、前提としていま局長が述べられたいろんな条件はあるにいたしましても、四十八年は原材料費を含めて計算をいたしますと貿易収支は赤字であったと、こういう認識がなければ、幾ら繊維危機対策だ、繊維危機対策だと言ったって、問題の解決に焦点の当たるような政策は生まれてこないのですよ。この点は非常に苦言を呈して申しわけございませんけれども、そういう認識を十分ひとつお持ちになって対策にあたっていただきたい。時間がありませんので、私、もっとこの問題については深くお尋ねをいたしたいのでありますが、監視体制については、ただ単に通関の手続の中から問題を数量を出したというだけにとどまらず、積極的に生糸のように国内法だけでも事実上の輸入規制をすることができるのでありまするから、監視体制の行政指導強化という点についてさらに具体的構想をまとめて早く実施してもらいたいということを強く希望しておきます。  次の問題は、この間、金沢の北陸機械が会社更生法で更生の申請を出しました。これはもう不況の長期化によるしわ寄せは当然であります。また、私どもの名古屋におきましても、国内のドビー生産の八〇%、輸出いたしまするドビーものの九〇%を生産しておりまする山田ドビーという会社が、ついに百三十名、従業員の二割以上にあたる百三十名の一時帰休を実施せざるを得なくなったわけであります。繊維関連倒産企業として繊維機械工場は指定されておりますので、それはそれなりに融資なりそれらの方法が講ぜられておりますが、最近の例は、不況の深刻化に伴って、融資の制度がありましても担保能力がない。つまり、担保としてもう入れるべきものは全部入れて、借りるものは借りてしまった、でもこの状況ではやっていけないということなのでありまして、非常に担保力の不足から、せっかくの融資制度を生かし切れないという面が実は出ているわけであります。こういう点については、私は担保物件の見直し、いわば物価の上昇に伴って、やはり担保物件も評価をし直してスライド制に持っていく、そして、いわゆる資金融資制度を生かしていくという考え方に立つべきではないだろうかと思うのでありますが、この点についてどう考えていられるのか、お尋ねいたします。

森口八郎通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(森口八郎君) 御指摘のように、銀行に金を借りたくてもだんだん担保がなくなってきまして、いろいろな金融制度を講じましても事実上借りられなくなるという点は、先生の御指摘のとおりであります。ただ、担保の評価がえの問題につきましては、事は銀行行政の問題であります。基本的にはやはり担保の評価がえの問題については銀行と企業の間で話し合いをするというのが基本的な筋道ではないかというように感じるわけであります。なお、当然いろいろな金融貸し付けを行なっております各種銀行におきましても、企業の倒産ということはやはり債権の保全上非常に大きな問題があるわけでありますから、なし得る限りの担保の評価がえは、当然私どもの指導に従ってやり得るだろうというような考え方は持っておりますが、基本的にやはり両者間の話し合いにゆだねなければいたし方がないのではないかというように考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 たいへん時間がありませんので、この問題は、私はぜひ政府系の中小三金融機関だけでも実施できるように検討していただきたいことを要望しておきます。  たいへん時間がないので申しわけございません。せっかく予定いたしました労働関係について質問は省かせていただきます。  最後に私、公正取引委員会に不況カルテルの問題について二点ほどお尋ねいたします。  その一点は、この不況カルテルが二ヵ月間という短い期間では、在庫の減少もまた市況の安定もできないと実はいわれております。したがって、業界の中には、再延長してもらいたいという声ももうぼつぼつ出始めているように聞いておるのでありますが、二ヵ月たって不況カルテルを再延長する事態が来ると予想しているのか、またその場合になってみなきゃわからんという前提もありますが、再延長する考え方があるのかどうか、この点がまず第一点であります。  それから第二点の問題は、これは紡績業界や羊毛業界だけではなくて、染色でありますとかいろいろなところからも出てくる可能性というものがあるわけでありまして、今後他の繊維業界から出されてまいりましたものについてはどう対処していくか、この二点についてお尋ねいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 不況カルテルの問題につきましては、いまお話しのように二ヵ月ということになっておりますが、とにかく二ヵ月で全力をあげてみる、やれるだけのことは全部やってみる、そして二ヵ月たった段階において、これをどうすべきかということについてまた検討する、そういうふうに考えておるわけでございます。

野上正人公正取引委員会事務局経済部長

○政府委員(野上正人君) 不況カルテルにつきましては、これは例外的緊急避難的なものとしてわれわれは取り扱っているわけでございます。認可申請の内容その池も十分検討いたしまして、まあ二ヵ月という線を出したわけでございます。それで現在延長の申請も出てきておりませんので、先生もおっしゃったとおり、何とも私お答えできかねますが、もしも延長のお話があれば審査を行ないたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 私は、過日水島で起こりました三菱石油の事故の問題についてお伺いをしたいと思います。  今回の事故につきましては、付近の住民に対する危害もさることながら、今後の石油政策の推進に影響することは非常に甚大なものがあるというふうに深刻に受けとめていかなければならないと思うわけであります。また瀬戸内海の漁場面積というものが約一万九千平方キロメートル、そして広島、徳島、香川、兵庫などの六県約七万人の漁民の方々の生活の場でもあるわけでございます。そうやった立場から今回のこの事故がどういう原因で起こったのか、そしてまたこの事故に対する処置というものをどういうふうに処置しているのか、それとさらに、将来にわたっての展望を立てながらこの問題に対処していかなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、まず水産庁並びに通産省のこうやった各関係省庁の長の方々の決意を最初に伺っておきたいと思います。  瀬戸内海につきましては、皆さんも御存じのように、日本有数ないわゆる漁場であります。いまは近海魚が一つの頭打ちになっておる関係上、こうやった内海に対しましては、いろいろな水産物のいわゆるとる漁業から育てる漁業へと大きな転換を迎えているわけでございます。そうやった意味からも、この瀬戸内海における位置づけというものは非常に大きなものがあるのではないかと思うのです。  そうやった意味から、まず最初にお伺いしておきたいことは、今回の処置あるいは将来に対する処置。この処置とはいわゆる瀬戸内海を再び優良な漁場として確保、回復をさせる意思があるかどうかということでございます。これはばく大なお金が要る、資金が要るということもいろいろと論議をされております。一説には一兆あるいは二兆円というふうにいわれておりますが、よく考えてみますと、本四架橋を三本を一本にしてその資金を回せば、この瀬戸内海のいわゆる浄化作用というものはできる、こういうふうに考えているわけでございますが、まず、この点について水産庁の長官並びに、これは水産庁だけの決意ではどうしようもないものでございますので、通産大臣のいわゆる決意等もあわせてまず伺っておきたいと思うのであります。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、瀬戸内海はわが国の沿岸漁業の非常に重要な漁場でございます。すなわち沿岸漁業生産の約四分の一、それから栽培漁業におきましては生産高の約四割弱が瀬戸内海で生産されているわけでございます。さらに今後の需要等を考えますと、中高級魚の生産を上げていかなければならぬわけでございます。その場合には、やはり養殖、増殖が非常に大事になるわけでございまして、瀬戸内海はそうした点から見ても非常に良好な漁場でございます。したがいまして、われわれといたしましては、今回の事故は非常に残念なことでございまして、一日も早く漁場を復旧し、瀬戸内海の漁場をさらによい漁場にしていかなければならぬというふうにかたく決意している次第でございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) さしあたっての問題は、補償をどうするかということだと思いますが、これはただいまの段階では、会社側で十分補償の力はありますと、こう言っておりますけれども、しかし補償額いかんによりましては、あるいは限度を越えるというふうなことも予想されますので、その場合には、政府としても何らかの措置を講じていかなければならぬのではないか、こういうふうに考えております。  なお、総合的な今後の対策につきましては、農林省、運輸省それから環境庁及び消防庁と総合的に相談をしていかなければならぬ、かように考えておりますが、とりあえずこの油の流出を今後どうやって予防していくか、こういう当面の対策につきましては、通産省とそれから石油業界とが合同の委員会をつくりまして、近くその委員会を発足させる、かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 私が申し上げた趣旨と少し答弁が違うようでございます。というのは、瀬戸内海が有数な漁場であるというこの認識の上に立って質問をしているわけでございますけれども、その点については重々こちらも承知の上でございます。問題は、今回のこの事故が、まあ報道によりましてもあるいは私たちの調査によりましても、これはもう非常に長期にわたる多額な費用が要るということはもう当然想定されるわけでございますけれども、そうやったばく大な費用をかけてでももとの漁場に返す意思があるかどうかという、その決意に立った上での施策でなければならない、私はこういうふうに考えているわけでございます。  そうやった意味で、今回、この瀬戸内海をもとの優良な漁場に戻すためには、いわゆる清掃作業その他の処置が一兆円とか二兆円とかいわれておるけれども、そうやったばく大な費用をかけてでもこの瀬戸内海を再び優良な漁場にする意思があるかどうかという、この点をお伺いをしているわけですから、これに的確に答えていただきたいと思うんです。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、瀬戸内海を優良な漁場に戻さなければならぬというふうに思っているわけでございます。そこで、そのためには、今回の事故によって漁場がどの程度よごれているかということと、さらにその実態を正確に把握しなければならないわけでございます。一例を申し上げますと、油がモにどういうふうにしみ込んでいるか、それによって漁場に対する影響が違ってくるわけでございます。  したがいまして、事故が起こりまして直ちに水産庁におきましては、そういった問題を検討する研究者を集めまして、今後の検討を進めるのにどうしたらいいかというようなことについて相談をいたしまして、継続的に事態の推移をフォローしていく、すなわち事故が始まった最初の段階からずっとフォローしていって、どのような影響が出てきているかということを把握し、それを把握した上での対策をとらなければならないというふうなことで、いろいろ仕事を進めておるところでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 瀬戸内海は、真ダイ、ヒラメなどの有数な漁場であるばかりではなく、アジ、ハマチ、カツオなどのいわゆる回遊魚が産卵から稚魚の時代を過ごす場所でもありますし、その瀬戸内海がこのまま放置されれば死の海となり、水産庁は瀬戸内海を日本有数の漁場として一応位置づけをしておられるようではございますけれども、これはいずれにしましてもたいへんないわゆる作業になってくることは事実でございます。  で、先ほどから私が何度も、二回にわたっていま念押しをしたわけでございますけれども、ばく大な費用がかかることは当然なことであり、また日本の英知を集めながらこの解決に対処していかなければならないわけでございます。そこで特に皆さん方にお伺いをしておきたい事柄があるわけでございますが、瀬戸内海の海水が外海の海水と入れかわる交換率は学者によれば年間〇・四%と、こういうふうにいわれておりますし、約百億トンの水が全部入れかわるためには百年かかるという人もおりますし、五十年あるいは六十年かかるという学者もいるようでございます。いずれにしましても今回の大量なああいう汚染状態がはたして自然の浄化作用が期待されるだろうか、こういうふうに考えますと、自然の浄化作用を越えたいわゆる被害であるということは、これは十分私たちも皆さん方もおそらく認識をされておられることだと、こういうように思うわけでございますが、はたしてこの瀬戸内海の海水の交換率が年間にどのくらいの交換率を持っているのか、あるいはまたこの水が実際に外海の水と交換をするには何年ぐらいかかるのか、これをどのように想定をされてこれに取り組んでおられるのか、まずその点についても水産庁あるいは海上保安庁、どちらでもけっこうでございますが、そういう最近のデータがありましたらお答えを願いたいと思います。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) 私どもも瀬戸内海の水は六十年に一ぺんしかかわらないとかいろいろなことを聞いておりますけれども、その点につきまして、水産庁自体は、それを正確に判断するデータをただいまのところ持っておりません。

庄司大太郎海上保安庁水路部参事官

○説明員(庄司大太郎君) 瀬戸内海の海水の交換については、水路部で潮流観測をやっております関係上、興味は持っておりますが、本格的に観測、測定をしたことはございません。ある学者によりますと数十年という説もございますが、一方の学者では四年あるいは五年ぐらいで何とかなるんじゃないかという説もございます。問題は気象とか海象すべてに関連しますし、瀬戸内海の地形が非常に複雑でございますので、なかなか一義的な答えがまだ出せない状態でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうしますと、この瀬戸内海の問題につきましては、私がこういうように唐突にこういう困難な問題を質問したということにお考えになっていらっしゃるかもしれませんけれども、しかし瀬戸内海のいわゆる汚染状態については、これはもう汚濁防止法とか瀬戸内海の環境保全法とか、いろいろな法律ができておりますし、現実に過去にでき上がったこうやった法律と真剣に取り組むという、そういう体制があるとするならば、当然こうやった海水の動向についても研究をしておく必要があったのではないかと、もしかりに研究がなされておるとするならば、いまの段階でどういうふうな大体結論が出ておるのか、そこら辺がわかればお答えを願いたいと思うのです。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 本件につきましては、われわれのほうで聞いておりますところは、環境庁がこの瀬戸内海の特別法に基づいてその研究をするということになっておるということでございますが、いまのところまだ結論が出たというふうには存じておりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 では、問題はですね、どういう研究をなさっているのか、どういういわゆるプロジェクトをつくっていらっしゃるのか、そこら辺はどうなんですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(佐藤淳一郎君) まあ今度のようなタンク事故を想定してではございませんけれども、瀬戸内海に立地いたしますところの工場の排水あるいはこれから立地しようとする工場群の予想される被害を想定いたしまして、いろいろ調査研究をいたしますために、呉市に工業技術院の大型水理模型を約一年半前に完成いたしまして、ここで瀬戸内海のこういう汚濁関係をモデルとして実地に試験する体制を整えておるわけでございます。しかし、これは一般の工場排水を想定いたしまして、瀬戸内海の環境保全をできるだけ保っていこうというねらいでいろいろなシミュレーションの手法を入れながらやる仕組みでございますが、今度のような大事故にはたしてこれが使えるかどうか、この点もわれわれのほうで一応まあ検討していこうかなという段階におるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 この瀬戸内海の今回のこの問題は、ただ単に対症的な療法では根本的な解決にはならないと思います。そうやった自然の浄化作用、こうやったものも含めた上で根本的な対策を立てていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございますが、じゃそろそろやっていこうかなと思っておりますという、そういう答弁をもらったんじゃ、そうでございますかとあっさり引き下がるわけにはまいりません。積極的にこうやった問題と取り組んでいくという姿勢がなければ、この瀬戸内海は死の海からのがれることはできない、こういうふうに私は考えるわけでございますが、どうですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(佐藤淳一郎君) あの水理模型をつくったねらいは、まさに瀬戸内海という非常に大事な海をできるだけきれいにしていくという姿勢でつくった模型でございますので、御提案の趣旨も十分に頭に入れまして検討いたしてみたいと思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 現在の水産の被害高が約百十四億ということでございますが、この問題は、先ほどの答弁では、五年か六年ぐらいで片づくんじゃなかろうかというような想定をなさっているようでございましたけれども、はたしてこんなことで解決がつくというふうにわれわれは考えておりません。そうやってまいりますと、この瀬戸内海の沿岸漁業というものはその解決のつく期間ほとんど壊滅状態になるわけでございます。そうすると百十億、百二十億の被害でおさまらないことは事実でございますが、こうやった問題に対してどのように対処していこうとお考えになっていらっしゃるのか、まずそこら辺もあわせて冒頭にお聞きしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 被害の問題は、直接の被害と、操業ができなかったという意味での間接的な被害、その他また間接のまた間接というふうな被害と、いろいろ範囲があろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、企業としては被害については全責任を負うと、こういう姿勢で臨んでおるわけでございまして、先ほどもちょっとお答えいたしましたように、企業のできる限度ではもちろん企業がやるわけでありますけれども、それをこえる分についてはやはり政府のほうとしても何らかの措置を考えて協力してやらなければいかぬであろう.かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 一説によりますと、いわゆるこの漁場から年間約七十万トンの漁介類があがってくる、金額にしますと約一千四十億円というふうな金額があがっておるわけでございますが、こうなってくると、これはもうばく大ないわゆる補償額になってくるわけです。これは一企業では当然できないような事態に追い込まれていくおそれは十二分にあるわけでございますが、この点も頭に入れながらいま大臣はお答えになったんでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは責任はあくまで企業側にあるのでございまして、企業が全責任を持って処理しなければならぬことは当然でございますが、いま私が申し上げましたのは、金融面での企業に対するいろんなあっせんをしてやるとかめんどうを見てやるとか、そういうことをある程度やってやらなければならぬ、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 それではまだまだ不十分だと思うんです。  こういうふうに漁場が失われてしまいますと実際漁民の方々は仕事を失う。皆さんも新聞で御存じと思いますが、一部養殖業をやっておられた方がもう瀬戸内ではだめだということで、二年、三年と続いたこうやった被害のために韓国に進出をして韓国で養殖をやりたいということで、いよいよ国外へ退去するというようなそういう事態まで起こっていることは事実でございます。そうやった事実を踏まえながらこの問題に対処していかなければこれはたいへんな問題になる、こういうようにわれわれ考えるわけでございますが、その点について水産庁の長官はどういうようにお考えですか。

内村良英水産庁長官

○政府委員(内村良英君) まず漁業の立場からいきますと、このたびの油濁事故が瀬戸内海の環境的な条件にどういう影響を与えたかということについて実態を把握する必要があるわけでございます。  そこで先生御案内のように、十二月の二十三日から一月の三日まで関係県は漁業を禁止していたわけでございます。そこで一月の四日から試験操業という形で底びき、一本釣り、その他あらゆる漁業について魚をとってみまして、その魚が油臭魚になっているかどうかということを分析したわけでございます。今日までのところ岡山県と徳島県からは油臭魚は発生していないという報告を受けております。香川県はまだ報告をよこしておりません。そこで油臭魚が非常に広がってくるということになりますとこれはもう漁業に対する影響が非常に大きいわけでございます。そこで、今後、海底の——特に底魚はずっと海底にいるわけでございますから、海底の状況等にはどういうような環境上の影響が出てくるかというようなことも随時調査いたしまして、その状況によってまた対策が違ってくるわけでございますから、現在のところ、先ほど申し上げましたように状況把握に全力を尽くしているところでございます。なおこの環境の状況の変化につきましては今後も継続的にこれを追及していかなきゃならぬというふうに考えているわけでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 関連。  大臣にお伺いしますが、今度の補償の問題ですが、まだ的確には把握されておりませんし、新聞等には百億をオーバーするようなことが書いてある。いまあなたから御答弁がありましたように当然これは企業側が負担しなきゃならない。けれども、いま額の面からいってはたして三菱石油がそれを払えるのかどうか。あるいはまた今回の原因がはたしてどこにあったのか、施工の段階にあったのか、設計の段階にあったのか、基礎工事の段階なのか、タンク自体のいろんな欠陥があったのか、その辺がはっきりしないというと三菱だってはっきりできないというようなことを言っているでしょう。そうしますと、この問題は補償だって相当長くなるんじゃないかと思うんです。だらだらとやられたんでもこれは被害者としては困るし、ですから金融の措置を講ずるというような答弁もありましたが、金融は金融として、政府が加害者といいますか事故を出しました企業にかわりまして代払いをするとか、そういうような措置は考えていらっしゃらぬのですか、いかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 企業にかわって代払いをするということについては考えておりません。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 いや、代払いといっても政府がまるきり払えというわけじゃないですよ。本来は企業側が払うべきものであるが、それは私が申し上げたように原因が那辺にあったかはっきりしてもらわないというと、たとえば設計の段階は千代田化工がやった、基礎工事は熊谷がやって、タンクのほうは石播がやったとか、そこで責任のなすり合いをやっているうちにこれはなかなか解決もおくれてくるし、そういうわけだから私は聞いておるのであって、だから政府に払えとは言っておりませんが、そういう企業側の原因がはっきりするまで、とりあえず企業にかわって政府が払っておくとか、あるいはまた金融の面で処置をするとか、金融の面で処置をするというようなことはいまさっきもちょっと答弁がありましたが、ですから企業にかわってこれは政府が払えという意味じゃありませんよ、原因がはっきりするまで企業にかわって政府が概算で幾らか補償を払っておくとか、そういうようなことはお考えになってないのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 問題がいろいろあるようでございますが、一つは、いま御指摘のように設計者に責任があるのか、あるいはタンクをつくった者に責任があるのか、あるいは実際に工事をした者に責任があるのか、いろいろ問題はありますけれども、これは内部の問題でありまして、三菱石油といたしましては自分が全責任をとって表面に出て話をしますと、そういう態度でございまして、そういう話をしながら、一方において内部の話を交渉していく、そういうことになろうかと思うんです。  ただしかし、この補償の内容につきましては、実は、ノリの補償等につきましても各地によりましてそれぞれ計算の単価が全部違うわけなんです。それから人夫賃等につきましても、これも計算の単価が全部違いますし、そういうことから三菱石油自身も一体これをどうしていいのか非常に困っておるような気配もありますので、農林省にもお願いをいたしまして、農林省のほうから、できることならば関係の各府県の水産部等を窓口として統一ある一つの基準というものを出してもらう、統一のある計算をしてもらう、そういうふうにひとつ協力してやっていただきたいということをいまお願いをしておるわけです。そういうふうにしますと計算も早くなりますし、したがって補償をどの程度やったらいいか、妥当な数字はどこかというようなこともおのずから結論が出てくるであろう、こう思います。  そういう問題もありますし、しかし、それが非常に長引くと、結局、その間漁業者が非常に困るというふうな場合には、これは生活資金を何らかの形で融資をするとか、こういうことについても当然あっせんをしてやらなければならぬ、こういうふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 大臣、融資は金を貸すことですから、その辺で一番問題になるのは、いつも金利なんかがつくじゃないかということなんですが、その辺のところも当然これは考慮してくれるわけですか、あなた一存にいかぬかわからぬが。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 問題はまだそこまでいっておりませんので、そういう問題が出てくれば、これはもう生活資金でございますから、そういう点については十分関係者と相談をいたします。

桑名義治公明党

○桑名義治君 時間が非常に短いので詳細にわたっての質問はできませんが、個々にわたって少々現実問題として質問しておきたいと思います。  現在、日本の各地に群集するコンビナート、これの総点検をやられるとかいうお話がございますが、それはいつをめどにしてやられるわけでございますか、指示をしたわけでございますか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) この施設で今回問題になりましたタンクについては、これは消防法の問題でございますけれども、事故が発生いたしまして、われわれのほうも、問題が重要であるということで、昨年の発生後、石油精製の各社に対しまして、石油精製工場の施設全体、それから保安の状態等々を再点検をいたしまして、その結果を一月の二十日までに報告を出せということを指示しておりまして、そういう点で石油精製の運営自体の点検は現在やらしております。  しかしながら本件の問題になりますタンクにつきましては、現在、消防庁のほうで原因を究明しておられますし、その原因の究明の結果に基づいていろいろ措置をなさるというふうに伺っておりますので、われわれ通産省といたしましては、その御点検、御指導というものに十分協力をしてまいりますし、また関係の会社は十分御指導に服するようにというふうな指導をしてまいりたいというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 コンビナートの総点検については、いま各精製会社に保安体制の再点検を指示して、一月の二十日までに報告をせよというお話でございますが、これはただ単に会社にまかせた総点検であるならば、私はこれはもう効果がどれほどあるかということは疑いたくなるわけです。問題は、いわゆる関係省庁——消防庁あるいはまた通産省、こうやった関係省庁が直接にこの総点検をやることが好ましいんではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、そうやった意図はございませんか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 消防庁といたしまして、昨年の暮れに、各市町村の消防機関に対しまして、屋外タンクについての総点検を通達いたしております。これは特に大規模タンクにつきまして、地盤の状況、油漏洩の状況等を一応外形的に点検をするということを指示いたしておりまして、大体一月一ぱいにその点検を終えるようにということを通達いたしたわけでございます。  なお、現在、事故原因につきましての事故調査委員会を設置いたしまして、でき得る限り早い時期、三月中ぐらいまでに一応の結論を出していただきたいということを委員会のほうにお話ししてありますけれども、その結論を待ちまして、さらに詳細なる点検を引き続いて行ないたいというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 今回の事故の発生した時点から考えまして、一つの大きなひずみというものは、要するに非常にそれぞれの所管が分かれているというところにも一つの問題があるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございますが、こうやった、いまから先、現在は石油が七十日分の備蓄から九十日分の備蓄にする、こういうような方針も発表されているわけでございますが、そうなってくればまだまだ大量ないわゆるコンビナートの建設等も考えていかなきゃならぬわけですし、今後、コンビナートの建設については半官半民的ないわゆる色彩の強いものをつくるというようなお話でございます。そうやった意味からも、これはもう少し各省庁が統一的ないわゆる体制をこしらえながら責任の所在を明確にして、そして国民の皆さま方が安心できるような体制がなければ九十日の備蓄という問題も非常に困難な事態におちいってしまうんではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、このいわゆる各省ばらばらの体制を一元化する考え方がないかどうか、この点についてまず通産大臣からお伺いをしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 確かにいま御指摘のような大問題があるわけでございますが、今度のような事故は初めてでございまして、確かに十分な準備それから機敏な対応、こういう点に若干欠ける点もあったと思います。これを契機にいたしまして関係の者がそれぞれ緊密な連絡をとりまして、あらゆる場合を想定いたしまして、二度とこういうことのないようにひとついろいろと対策を立てていく、そういうことが必要だと思います。まあこれをどうしたらいいかということにつきましては、今後、関係者が寄りまして至急に相談をしたい、こういうふうに思っております。  なお、備蓄の問題についてのお話がございましたが、備蓄は現在の石油事情のもとにおける国際的な義務でもありますので、やはり先ほど御指摘もございましたタンクの安全性、備蓄基地の安全性ということが明確になりませんとなかなか進めにくい点もあろうかと思いますので、まずそういう点を明らかにして、そして備蓄政策というものを進めていきたい、かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 今回のコンビナートの油の流出について、海になぜ流れ込んできたか、これをひとつ考えてみますと、いわゆるタンクがあって、タンクのぐるりに防油堤がある、このタンクと防油堤のいわゆる距離がやっぱり問題ではなかったかということが一点あります。それから、この消防法による基準というものが非常にいわゆるちゃちな基準である、いわゆる幅が非常に持たせてございますけれども、少なくともああいう石油タンクから油が流出しても防油堤で完全におさまるというだけの広さがもちろんこれは必要ではなかったかというふうにも考えるわけでございますし、今回の事故そのものがいわゆる鉄板の収縮関係の計算が間違っておったんじゃないかとか、あるいは溶接がおかしかったんじゃないかとか、あるいは埋め立て地であったために陥没したんではないか、まあこういうような事柄が予想されているわけでございます。  すなわち埋め立て地にこういうふうなコンビナートが今後も立つわけでございますが、上水道の場合には非常に沈下ということも予想しながら十分過ぎるほどいわゆる底版をかたくしている、あるいは構造をとっているというふうに規制されているわけでございますけれども、ところが、こうやった今回のコンビナートの場合にはそこら辺の配慮も欠けていたんではないかというふうに考えられるわけでございますが、この防油堤の問題それからこの面積ですね、タンクを取り巻く防油堤の面積、それからこの埋め立て地の地盤沈下の問題、この三つの問題をどういうふうに現在お考えになっているのか、各関係の省庁でお答え願いたいと思います。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) まず、今回の事故にあたりましては、タンクにつけられました階段がその油の流出によって流されて、それが防油堤を破りました関係で油が外部に漏れたということが非常に大きい原因になっているわけでございます。  そこで一つの問題としましては、いま御指摘ありましたように、現在のタンクと防油堤との距離というものをもう少し長くとっておいたらこの油漏れということがなかったではないかという問題が一つでございます。ただ、この点は、この防油堤とタンクの間を離して防油堤を設置いたしますというと、防油堤の部分の面積が非常に大きくなってまいります。そういたしますと油漏れに伴う火災事故が発生いたしました場合には、火災になる面積が非常に大きいために、火災防御の面から見ますというと非常なマイナスということになるわけでございます。そういう意味におきましては、火災面から見ますと防油堤とタンクとの間はできるだけ短い距離にして設置したほうがいい、こういう問題があるわけでございます。  それからまたさらに、この防油堤の容量というものは、現在の消防法におきましては、原則的にはタンク容量の二分の一、さらに数個のタンクを一つの防油堤で囲みます場合には、最大のタンクの容量の二分の一プラス他のタンクの容量の十分の一の合計量が防油堤の中におさまるということを基準にして設置いたしておりますが、この量がはたして適当であったかどうか、こういう点になりますと、今回の場合におきましてはちょうど六つのタンクが一個の防油堤で囲まれておりましたために、事故のありましたタンクの全量が流出いたしましても防油堤で、防油堤の破壊がなければ、おさまる量であったわけでありますけれども、防油堤の破壊ということがございましたために流れた。そこで、この防油堤につきましてもっと高さを高くして、いわば全量を収容できるだけの防油堤の容量にしたらどうだろうという問題が一つあるわけでございます。  そういたしますと、いま防油堤の高さは一・五メートルというものを最高限にいたしておりますけれども、これ以上の高さになりますというと、毎回の点検の問題、それから事故が発生いたしました場合に防油堤の内部において作業をする人間の危険防止という点からいたしますと、防油堤の高さはやはり人間が通常の活動状態において容易に越えられる高さであることが望ましいという問題もございます。そういうことで、いま設置いたしております防油堤につきましては、場合によりますれば二重の防油堤方式というものがむしろ望ましいのではないだろうかということもいま検討をしているところでございます。  まだ事故の原因が明確になっておりませんので、現在の段階におきましては、タンク自体の設計の問題それから地盤と地質の問題、それから溶接を中心にした工事施工の問題それから独立階段というものが現在の事故とどういう関係があったのか、現在のこの事故のありましたタンク  の独立階段というものがあれでいいのかどうか、こういう問題、あるいはまた最終的には事故に際しましての会社側の操作の問題、この操作が適切であったかどうか、こういう点につきまして、各面にわたりまして現在調査をいたしております。できるだけ早い時期に結論を得まして、それに対応する措置を考えていきたいというふうに思っております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 地盤沈下の問題はどうですか。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) 地盤沈下につきましては、このタンクの基礎工事というものが現在たくさん設置されております一般の屋外タンクとやや異なる基礎工事をしておるということは事実でございます。その点につきまして相当詳細な調査が必要であろうというふうに考えておりますが、ちょうど独立階段のところで油漏れが発生をしたということは、この独立階段とタンクの両者の基礎の間に地盤沈下について競合した原因が発生したのではないかというのも一つの原因の推測の問題点でございます。確かにこの水張り検査の段階におきまして若干の地盤沈下というものが認められる状況にあったわけでございますので、そうした地盤沈下というものがタンク全体について問題を起こしたのか、通常な形と違った独立階段を設置いたしたためにあの部分にひどい沈下が起きたのか、この辺はもう少し調査を待たなきゃいかぬというふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 いまの地盤沈下の問題でちょっとお伺いしますが、政府の調査団が行っておりますな、あの報告が新聞報道で出ておりますが、あれによりますというと、もう一年前からタンクが傾いておった、こういうような記事が出ておりますね。お読みになったでしょうが、しかもそれが地盤の下等沈下に原因している点もあるようであるというような意味のことが書いてありますがね。で、あの辺は、長官も御存じのように、あの埋め立て地は相当ヘドロが下のほうにたまっているし、その上にいろいろな砂を埋めてこうやっているわけですが、どらも地盤沈下ということのウエートが私は非常に大きいような感じもするのですがね。それで、あなたのほうでこれは消防法に基づいて危険物の規制に関する政令があります。これを見ますと「屋外貯蔵タンクは、」「地震及び風圧に耐えることができる構造とする」と。ですから当然これは地盤沈下の基礎工事、地盤の強化、こういうものもこれ入っておるわけですね、これが一つ  それから、あそこは毎年地盤が沈下をしておるやに私は聞いておるんですが、定期的に地盤沈下が一年間にどの程度沈下をしているのか、そういうようなデータをとっていらっしゃるのか、全然わからぬのか、これはもうわからぬというのは非常に問題ですよ。しかし現地じゃわかっているようなことも私は聞いているんですが、その辺のことはいかがでしょう。

佐々木喜久治消防庁長官

○政府委員(佐々木喜久治君) タンクの建設にあたりましては、底版をどういう状態におくかというのが非常に技術的に問題があるようでございます、といいますのは、タンクが建設されますと、そこに大きい容量の油が貯蔵されるわけでございますので、底版の建設にあたりましては、ちょうどまん中辺をやや高くして周囲を低くするいわば構造にして建設をして、一定時間の経過とともに平らになるというようなことを前提にしながら建設をされるということでございます。  この調査いたしました時点におきまして、この地盤の状況というものが設計に対してどの程度の状況になっているかということの調査記録がございますけれども、ちょうど独立階段を設置いたしました近くにありましたこの調査地点におきまして、約十センチ程度の沈下量が見られておるわけであります、これは五十メートルの直径に対しまして十センチでありますから、大体許容される範囲内の沈下であるというふうに判断をして、この竣工の許可をしたわけでございますが、その後、そのタンクの基礎がどういうような地盤の変化を起こしているかということにつきましては、地元におきましては、まだ新設のタンクであるということから、調査をしておらなかったというのが現状でございます。  この点につきましては、今回の事故調査委員会におきまして、さらにその地盤の変化の状況というものをもう一度この検査時点からどういう変化を起こしているかということは十分調べ直すつもりでございます。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめて、午後零時四十分まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後零時四十七分開会

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 休憩別に引き続き産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 三菱の石油の流出事故についてお伺いいたします。  私、昨年の十二月二十五日に質問をいたしました、そのときに資源エネルギー庁長官は私の質問にお答えになって、三菱石油は保安対策については非常に注意を払っている企業である、また、今般の事故についても、結果として大事故になっているが、それは三菱の保安体制が不十分であったということではない、このように御答弁をなさっていらっしゃいます。私はそのときに、神戸の油槽所の防油堤にパイプが貫通している、その穴詰めもできていないというふうなことをあげましたわけですけれども、そういうことをあげるまでもなく、すでにもう事故後十日もたっていたわけなんです。長官のこの御認識はいまも変わっておりませんのでしょうか、お伺いいたします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ちょっと声が、かぜをひいて失礼いたしますが、昨年の二十五日に、神戸の油槽所での保安体制につきまして安武先生から御指摘ありました件、私はあの場でお約束申し上げましたので、直ちにあとで実情を調査いたしたものにつきまして御報告さしていただきます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それはけっこうです。だから、いま認識が前のときと変わっていらっしゃるかどうかということをお伺いしていますので、その点だけ端的にお答えくださいませ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 認識は変わっておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃお伺いいたしますけれども、三菱は保安体制が十分な会社であるという認識は変わっていらっしゃらないとおっしゃいました。じゃ、その保安体制ですけれども、事故が起こった直後にとられた三菱のこの体制は十分だったんでしょうか。その点お伺いいたします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 三菱が事故の直後にとりました措置につきましては、これは結果論から見ますといろいろ問題点は確かにあるんじゃないかと私も思います。ただ、それにつきましては、たとえば隣のタンクとの間をつないだということにつきましては、これは普通のああいう形の事故には当然するべき措置ということになっております。しかし結果的には、それによりまして油の流出量がふえているということで、これらの点につきましてはいろいろ反省すべき点があると思います。  それからまた、三菱石油の水島製油所につきましては、私が先ほど申し上げましたように、保安が万全であったかどうかということにつきましては、たとえば油の回収船が注文中でまだ着いてなかったというような点、確かに御指摘になるような不完全な点がございます。ですから、その点完全であったとか、何ら問題となる点がないということで申し上げたんでないということをつけ加えて申し上げたいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 まず事故が発生しましてから通報ですね、消防署に四十分おくれております。で、海上保安本部に六十分おくれております。しかも、最初に要請されたのが救急車ということなんですが、こういう点についてはどうお考えなんでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) これらの事実も私ども報告受けております。八十度から九十度の油が出ておりまして、それに対して救急車を呼んだということが誤りかどうか、それから、消防車をなぜ呼ばなかったかというようないろんな問題ありますが、御存じのように、火災は発生はいたしておらないわけでございます。ですから、これらの問題につきましては、現在その処置の適否につきましては、いろいろ専門家の先生と検討をいたしております。ただ一がいに、三菱の事故直後にとった措置というものが不十分であったということは言えないんではないか、こういうふうに思うわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 通報が四十分おくれるということは、事故の場合は最初がたいへん肝心だといわれております。おたくのほうでも、私が持っております「瀬戸内CTS調査報告書」でも、油の流出については何よりも早期発見が大切だと、こういうふうにいっておられるにかかわらず四十分もおくれている。そして、しかもこれは倉敷の消防署長が指摘をしておりますけれども、こういう大量の油が流れているにもかかわらず、最初に救急車を呼ぶというふうなことは、保安要員、オペレーターの質的に低いというあらわれでないか、ふだんの保安体制、そういう教育がなっていないのではないかというふうにもいわれております。そして、これは通報をおくらしているのは、この水島の事故後に発生した十二月二十六日のゼネラルタンクですね、大阪の堺の。ここでも通報が五時間もおくれている。これは石油企業一般に秘密性、閉鎖性、排他性があるそのあらわれじゃないかと思うわけですけれども、こういう四十分も通報をおくらしている三菱、これでもまだ優秀な企業、保守対策について十分な配慮をしている企業だとおっしゃるわけでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先生誤解のないように申し上げたいと思いますが、私は三菱石油を弁護したり、また、三菱石油のとった措置を、事実に反してこれをかばうというつもりは全然ございません。ですから、その意味で三菱石油につきまして十二月に大体、それからきょう先生から御質問があった段階で、保安体制については三菱石油としては相当やっているということを申し上げたわけでございますが、これは事実をいろいろ調べまして、そしてやはり保安の取り扱いその他不十分なことがありましたら私は率直にそれを認めます。また、そういうことが今後絶対に起こらないように、私どもの責任をもってこれを矯正するということをいたすつもりでございます。ですから、その意味におきまして私が三菱石油につきまして、この各種の行動につきましてこれを弁解するつもりは全然ございません。確かにいまそういう点から申しますと、通報がおくれているということは、これは確かに問題にすべき点であるということを認めます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ、三菱はどんなオイルフェンスを持っておりましたでしょうか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) ちょっと手元に資料がございませんので、さっそく調べまして。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私の調査では、三菱のオイルフェンスは小型なわけです。これは大型にかえなければいけないということになっておりましたけれども、五十年の七月十五日まで経過措置で小型を持ったままなんです。これは、大型に買いかえようと思えばその日でも買いかえられる。それを買いかえもしないでこういうオイルフェンスを持っていた。しかも当日、このオイルフェンスが切れているわけなんです。海上保安庁さんのほうでこのオイルフェンスを張られたわけですけれども、海上保安庁さんのほうも最終的には一万五千メートルこのオイルフェンスが余っていた。張っていないわけですね。切り込み湾の入り口だけ張っているけれども、水島港そのもの全体は閉鎖をしていない。私はこれはけしからぬことだと思うんです。十二月の前、十一月に水島海上保安部が音頭をとってこのオイルフェンスを張る演習をしているわけですね。このときに十二メートルの波風があって、オイルフェンスが役に立たないということが証明されております。ですから切り込み湾の入り口にも張る、そして、水島港の入り口にも十重二十重にやはり張っていくというふうなことがなければいけないと思うんです。これは一万五千メートルも残している。しかも、三菱は小型のオイルフェンスしか持っていなくて、大型に買いかえていなかった。こういう点についてはどうお考えでございましょう。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私がいまのようにオイルフェンスをかえることを三菱が、これは海上保安庁からだろうと思いますが、言われて、そして、それをかえるのがおくれたという事実は知っておりません。もしそういう事実があるんでしたら、ひとつこれについては直ちにかえるべきであった、こういうふうに思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それと、火災発生どきの体制というのは確かに少しはございます。しかし、油が流出するという対策については全くなおざりにされている。  これは、ここにあります「瀬戸内CTS調査報告書」の中にもいろいろとこの対策が書いてございます。これに、大きな石油基地をつくるにもかかわらず、この点——CTSのタンクですね、タンクについてはタンク本体です。耐風対策とか、耐震対策、豪雨対策、タンクの浮上防止対策、それからこれはタンクの基礎対策です。これには落雷及び静電気対策、防爆対策、消火対策、やっと石油流出防止対策とガードベースンと出てくるわけです。タンク本体の保安対策にはこの石油の流出が入っていない。そして基礎対策に初めてこれが入ってくるわけですね。しかもそれはガードベースンだけと。防油堤についてもいまの法規では最大事故が考えられていない防油堤で役に立たない、企業全体を包むような防油堤が必要じゃないかといわれているわけですけれども、大きなCTSをつくるについても、石油の流出事故についての万全策が講じられていないということです。ですから、これは業界全体が流出対策をなおざりにしている、こう思いますけれども、この点いかがでございましょう。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今回の事故につきましては、安武先生も御存じのように、本来であれば、亀裂が生じて油が流出いたしましても、防油堤の中でとどまるわけでございますが、ちょうど油が噴出しましたところにはしごが立っておりまして、それが倒れて、そして防油堤をこわしたという二重の事故が重なっておってできたわけでございます。これらにつきましても、当然予想すべきであったというおしかりを受けるわけでございますが、私どもとしては、当初は防油堤の中で全部油はとどまるということでこれは消防庁のほうもそういう御解釈でタンクの建設の認可をしておるわけでございますが、今回この貴重な体験、ことに非常に沿岸の漁民の方々その他に御迷惑をおかけした重大な事故が起こったわけでございますので、私どももこういうものが絶対に起こらないようなどういう体制をとるべきか、関係官庁と協力して、そして御趣旨に対するような保安体制を築きたい、こういうふうに思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 こういう事故に備えて企業の防災マニュアルをつくるべきでないか、この点はいかがでしょうか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおりだと思います。従来の防災のマニュアルはございますが、ただし、いまのような点についてもっと慎重に、また、油の流出なんかについても何段にも防止対策が講じられるようなことも考えなきゃいけないというふうにわれわれ考えますので、そういう点について検討いたして、もっと改善してまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 先日のこの商工委員会の席上、これは十二月二十一日です。油の海上流出量は、通産省は一千キロリットルと報告されておりますけれども、この数字はその後変化ございませんか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 海上の油の流出量は、調査の過程でいろいろ数字が出ましたが、現在の段階では、実は海上への流出量は幾らかということがまだ確定しないということになっております。したがいまして、一千キロというわけではないというふうにわれわれは考えております。ただ、これについては関係官庁とも御相談をしておるわけでございますが、まだ正確な数量は把握できていないというのが現状でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 三菱石油側は、この海上への流出量を発表しておりますか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 途中では流出量幾らというふうな推定の量を出したようでございますが、現在はその量は別に固執はしておりませんで、現在については関係官庁の判断に従うという態度でおるようでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 児島漁連の漁民たちはこう言っております。会社に聞くと、二百キロリットルだと、こういうふうに答えた。ほんとうのことを教えてもらったら協力のしようもあったんじゃないか、被害をもっと少なく食いとめられたんじゃないか、こういうふうに過小に流出量を企業は言っているというふうな事実があります。今度の大きな事故の特徴といいますのは、三菱石油が事故後適切な処置を怠っていたということが一点です。それから流出量、これを過小に発表したということです。やはりこの流出量は大きく見積もって初めて十分な対策が立てられるんじゃないかというふうなことで、関係者に適切な処置をとる判断を誤らせております。  ですから、いま海上に油が流出して一カ月もたっているのに的確な流出量を発表しないけれども、常識的に考えまして推定油量ぐらいは発表されるはず——これは倉敷消防署本部は七千キロリットルと、こう発表しております。ですから、三菱石油はほんとうにこういう重大な事故を起こしたその責任を心から感じているのかどうかというたいへん疑いを持つわけです、常識的に推定沖量を発表するとか、そういう態度を示してもよいと思うわけです。ですから、三菱石油は事故を起こした第一当事者、加害者なわけです。それとともに大切なことは、事故の処理の適切さを欠いた、まわりの人にも適切な判断を誤らせたということで事故を大きくしたという重大な責任者です。  よごしたところはどういうところかといいますと、これは国民の宝である瀬戸内海です、そして漁民からは漁場を奪い、漁場を奪っているだけでなくって、この関連業者の生活も脅かしております。しかもそれだけではなく沿岸住民に多大の被害を与えている。だから、その補償についても、私は前回の質問でも御要求したように直接間接、それから将来にわたってもこの被害の予想がされるわけです、ですから、将来予想される被害についても全額を誠意をもって支払うべきだ、私はこう思いますけれども、通産省はそのように指導されておりますでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 三菱石油に対しましては、今回の事故につきましては、この補償の問題につきまして誠意をもって当たるように、これは事故発生直後から私どものほうで指示しております。また、会社のほうもこの補償の問題については、自分か発生者である——これは最終的な事故の責任というものは今後の調査によって明らかになるわけでございますが、少なくとも自分が事故発生地点の責任者であるということで、私のところでこういう補償について誠意をもって当たります、こういうことになっております。また、私どももこの事故の補償につきまして、三菱の今後のこの問題の処し方について十分注意を持って見守るつもりでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 もう少し具体的にお答えくださいませ。私は前回の質問でもこの御要求したわけですけれども、また重ねてお聞きしているわけです。  直接被害、これは目に見えますけれども、間接的な被害というのもたくさんございます。観光業者とか旅館とか、それからお魚屋さんとか釣り具屋さんとか、えさ屋さんとか小料理屋さんとかというふうにたくさんあるわけです。そういう間接的な被害、それから将来予想される被害といいますのは、中和剤なども使っておりますけれども、そういう中和剤が非常に毒性があるというふうなこともいわれているわけです。で、漁場を回復させるためには相当な時間がかかる。そういう将来予想される被害も問わずに、やはり全額誠意をもって支払うべきでないか、こういうふうに指導されるべきでないかということを聞いておりますので、その点明確にお答えくださいませ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 直接漁場に対しましていろいろ被害が起こっているわけでございますが、ただいま安武先生が御指摘になりましたような間接被害と申しますか、あそこの漁場がしまったことによりまして、たとえば例をあげますと、釣り舟の方あるいはそのえさを売っておられる方、それからその先へ行きますと釣り具ということで、間接被害というものをどこまで見るかという問題につきましては、これはやはり私は限界があると思いますが、しかし、少なくとも損害をこうむられた方々につきましては誠意をもって補償すべきだ、この考え方で三菱石油に対しても指導していくつもりでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 直接間接を問わず、被害のある方には誠意をもって三菱はそれに接していくようにということで指導なさるということでございますね。  で、一月の十日に三菱石油の渡邊社長が記者会見をされております。この被害の補償については企業の存立ぎりぎりまでと、こうおっしゃって、数十億の規模なら何とかできる、こういうふうに言われております。しかし、現在直接被害だけで百二十億近くになっておりますし、それからこの油の回収費用、これも一日二億円以上と、こういうことがいわれているわけです。ですから、すでに数十億円になっている。こういうことで、三菱石油が自社の企業存立を第一に考えて被害補償に臨む、こういう態度をとるなら、三菱石油の存立は成り立ちますけれども、被害をこうむった漁民や全般的にこれに関連している人たち、被害住民の存立は成り立たない。通産省に、こういう点、三菱石油はどういう姿勢をとるべきかということをお尋ねいたします。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 被害の補償につきましては、先ほど申し上げましたように、三菱石油に対しては誠意をもってこれに当たるように私ども指導しております。ただ、もちろん会社にとっては支払う限界というものがあると思いますが、しかし、その限界につきましても、これはその手持ちの金とかなんとかという限界ではなくて、もっと長期的な意味での限界というものもいろいろあると思います。ですから、この点につきましては、被害の額がはっきりいたしましてから、場合によれば政府としてどういうことで補償していくかということも考えなければならないというふうに思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 企業の存立云々よりも、やはり被害を受けた人たちの要求を解決するという姿勢に企業は立つべきだというふうに確認させていただいてよろしゅうございますね。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この点につきましては、この三菱石油の支払い能力という問題もございますので、私どもとしてはつまり誠意をもって被害を及ぼした方々に対して補償を行なう、これにつきましても、通産省も誠意をもってこれを指導するということをお約束いたす次第でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 三菱はこのたびの事故について被害の算定人四人を雇い入れております。これは漁民も、私たちの要求を値切るためではないか、こういう疑惑を持っているわけです。漁民の被害を算定するということは非常にむずかしゅうございます。これは普通につとめている者の被害というものは直ちに算定できるわけですけれども、漁民の被害というものは非常に複雑です。その場合に、やはりいままでの収入の平均が目安になると、こういうふうに考えるわけですけれども、私は、三菱は漁民の要求を値切るのではなくて誠意を持つというのは、ほんとうに漁民の要求をすなおに受け入れると、こういう態度で交渉すべきだと思いますが、通産省いかがお考えでございましょう。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先生御指摘のとおりだと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 そして、その被害ですね、その被害の補償について、直接間接、将来補償を問わずに、全額これは三菱が行なうべきだというのはあたりまえのことなんですけれども、その際に被害者の方が統一して交渉される、このことはもちろんけっこうなことです。だからといって、三菱側から窓口を限る、一本化すると、こういうことではなくて、観光業者も旅館の方も、釣り関係の業者の方も魚屋さんも、まあ運搬業者もありますね、いろいろな方がおられるわけです。漁を休んで監視に当たられる方もおられるわけです。こういう方すべての団体、個人を問わずに交渉の窓口を開くべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 交渉のやり方その他につきましては、これは先生も御指摘のように、非常に広範な被害が出ておりますし、また、漁民の方が直接被害になっておりますので、やはり支払いする順序とか、それからまた一ぺんに全部にお会いすることはできないという技術的な問題その他があります。いずれにいたしましても、私が先ほど申し上げましたように、こういう事故が発生いたしましたことについての損害の補償につきましては誠意をもって当たるということでございます。  それから各県にまたがった被害も生じておりますので、また補償の単価が違いますと、一たんそこできまりました、またその訂正と、いろんな問題が従来の私どもの経験から起こっております。そういう意味で、これはまあ三菱が要求するというよりも、これに関係する各県あるいは中央官庁でできるだけこの補償という問題が円滑に行なわれるように統一的に協議をするということが必至ではないかと、こういうふうに思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまおっしゃる趣旨に反対というわけでなくて、私が御質問申し上げているのは、統一的に交渉されるということはけっこうだけれども、しかし、すべての団体、個人を問わずに三菱は窓口を広げてその交渉に誠意をもって応ずるべきだと、こう思うがどうかということをお尋ねしております。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) これの交渉については、もちろん誠意をもって当たるべきが当然だと思います。私ども聞いているところでは、夜半過ぎて午前何時までもこの交渉でお会いしているということが連日行なわれているということを聞いております。できるだけ誠意をもってこの問題については当たるように、私どものほうは、問題あるようでしたらまた三菱石油に対しまして十分な指導をいたしていきたいと思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ、すべての団体、個人を問わずに誠意をもって交渉の窓口を開くべきだというふうなことで確認させていただいて、次に移らせていただきます。  海上保安庁さんにお伺いいたします。海上保安庁さんは、事故の情報が入って以降の措置について問題はなかったと、こういうふうにお考えでございましょうか。

山本了三海上保安庁警備救難部長

○説明員(山本了三君) 三菱石油から水島の海上保安部が油流出につきましての情報を入手いたしまして、その後海上保安部長は船艇を現場へ急派いたしております。そうして流出油の状況を至急調査を命じております。その後この油流出に対しまして対策を、逐次手を打ってまいっております。で、私どもの考え方といたしましては、現地の保安部が打った手は、その段階段階においては一応当を得たものであるというふうに考えます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 先ほども触れましたけれども、一万五千メートルのオイルフェンスを余していたということ、切り込み湾の入り口にだけ張ったということ、そして水島港の航行規制を行なわない、水島港を閉鎖せなかったということ、この点についてはどうお考えでございますか。

山本了三海上保安庁警備救難部長

○説明員(山本了三君) オイルフェンスの、現地に、水島の地区にありました量は約一万五千メートルでございます。このオイルフェンス中使いましたのが約五千メートルであります。  それから、もう一点のオイルフェンスの展張状態でございますが、おっしゃるとおり川崎の切り込み港湾に第一次のオイルフェンスを展張いたしております。で、その後このオイルフェンスの油せきとめの効果、こういったものの現状を見ながら逐次オイルフェンスの展張場所並びにその量を追加いたしております。それで合計いたしますと、約九カ所ぐらいにオイルフェンスを展張いたしております。−で、オイルフェンスの性能でございますけれども、オイルフェンスというものは、先生御承知のように潮流——海水の流れが約〇・七ノット程度をこしますとオイルフェンスの下から油が漏れて出ると、そういう性能でございます。あるいはその下から漏れて出るのと、波が高い場合には上からでもやっぱし越します。そういった関係から、当時、港の入り口にも張ったらどうかという御意見でございますけれども、現在のオイルフェンスの性能で申し上げますと、港口に——港口は約千四百メーターほどございますけれども、ここに張った場合に、これが有効であるというふうに私どもは考えられません。オイルフェンスの性能というのは、現段階ではそういったところを閉鎖するような能力はございません。そういうふうに私どもは考えております。したがいまして、現地で張らなかったのは、これは性能から見て当然であったろうと、こういうふうに一応考えます。  それから、航行規制についてどうであったかという質問でございますけれども、川崎の切り込み港湾の中は航行の禁止をいたしております。で、それ以外のところの水域につきましては、一応油の海面の流出状態が港全体にわたっていなくて、川崎の切り込み港湾とそれから水島の港の東側に片寄って、まん中のところは一応航行できる状態にございました。そういった関係から川崎の切り込み港湾以外の部分につきましては航行を禁止しなかったと、そういう状態でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 漁民は、潮流もよくわからない者がああいうオイルフェンスを張るということで非常に有効でなかった、自分たちに相談してくれたらほんとうに有効にオイルフェンスを張ってあの被害を食いとめられただろうと、こう言っております。私は、航行規制もしないし、オイルフェンスも不十分な張り方しかしない、これでは海洋汚染防止法の第三十九条三項、そうして第四十一条の一項、こういう規定の努力を怠ったということになる。また、航行規制については、港則法の第三十七条に基づき当然行なわれるべきなのが行なわれていないというふうで、たいへん遺憾な措置だと、こういうふうに思うわけです。この点、海上保安庁さんも十分現状をもう一度認識されて、反省をしていただきたいというふうに私は御要望申し上げます。  それから、現在瀬戸内海地域における製油能力です。これは四十八年末で日産約二百五万バーレルになっておりますけれども、これは全国の製油能力の何%に当たるんでしょうか、お答えいただきとうございます。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 全国の比率といたしましては、大体三六%程度になるだろうと考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 環境問題を度外視して、そして経済性のみを追求した結果、こういう結果が瀬戸内海周辺にいまのお答えのように石油基地、石油タンクを林立させるというふうな結果になっていると思うわけです。それで五十年度予算では、石油備蓄対策として千九百億近い予算が組まれております。で、備蓄増強につとめるということも先ほどお答えになっていらっしゃいました。これにたいへん私は問題があると思うわけです。石油タンクの安全性についてもいま国民的な疑惑が広がっております。  それから、水島の三菱の事故ですね。水島には千六十四基のタンクがあるわけです。三菱は三百七基、そのうちの最新鋭のタンク一基がこわれただけでこれほどの大事故になっているわけです。しかも水島はわが党が反対している新産都市法の優等生だと、こういわれているようなところで発生しているわけです。それにまた経済性を先行さしてタンカーを大型化しているというふうなことで、マラッカ海峡、危険なところを大型タンカーが航行するということで、三菱の油を積んだタンカーが事故を起こしているというふうなことで国際的にも問題になっているわけです。これはひしゃく対策国への、わが国に対する警告だというふうにも思うわけです。こういうタンクについても、それからタンカーについても全く大型化がどんどん進められて、これが野放しと、そしてこれらの安全性の阻害要因が放置されたままになっている。これらの法的整備や安全対策の調査も不十分だというふうなことで備蓄増強に乗り出すのは世論に逆行すると思いますけれども、またこういう大きな事故、これを再び繰り返すというふうなことにもなりかねません。この点についてどうお考えか、通産大臣にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 備蓄の問題は、日本の国民経済全体の上からいってもどうしても必要でありますし、また、日本の置かれております国際的な立場から考えましても、これはどうしても必要だと思います。ただ、御指摘のように、これを進める上におきましては安全性ということを非常に考慮していかなきゃならぬ、あらゆる角度からこの点は考慮していかなければならぬ、かように考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 あらゆる点から考慮って、具体的にどういうふうに考慮を払われようとしているんでしょうか。私は再三申し上げますけれども、「瀬戸内CTS調査報告書」、これ一つを見ても、タンクの安全性というものが確保されるようにはなっていないわけなんです。そういう点で、私はいま安全対策なおざりでの備蓄政策を見直していただきたいと重ねて御要望いたしますが、いかがでございましょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 備蓄政策を進める上におきましても、今回の水島の事故が発生いたしましたのを機会にいたしましても、私は安全性の問題はやはり根本に立ち返ってよく検討する必要があろうと思います。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 時間がありませんから……。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は先般、決算委員会で淡路島の津名CTSの問題について、安全上疑義があるということで質問いたしました。今回の事故を通じて兵庫県も反対の態度を表明しておりまして、これが世論になっております。私どもの党は、十二月二十三日政府に対して行なった申し入れの中でも指摘しておりますように、すでに死の海と化しつつあるこの瀬戸内海の沿岸には石油精製施設、それから石油基地の新増設、これはやめるようにということを申し入れております。こういうことを申し入れして私は質問を終わりたいと思いますけれども、通産大臣いかがでございましょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 御質問の点につきましては、ただいま結論を出すということは留保さしていただきたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 いま安武さんが質問なすった新産都市の問題につきましては、私たちは政府が新産都市構想を打ち出したときに、やはりこれは空気の汚染、水質の汚染はじめ産業公害を起こすという点で、そういう安易な考え方に対して私たちは反対の態度をとってきたものなんです。ところが政府は、だいじょうぶだということであれをやりましたが、今度新産都市の模範都市だといわれておった水島でああいう問題が起こった。  そこで私は、いろいろ質問の点はありますが、まず聞いておきたいことは、通産大臣、ああいう瀬戸内海とか、大阪湾とか、東京湾とか、伊勢湾というような場所——内海ですね、そこに石油備蓄タンクをつくるということに対して大臣はどういうふうに考えていらっしゃるか。少なくともはああいう場所は不適当な場所だと、こういうふうに考えておりますが、大臣のお考えを伺いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 水島の事故等につきましては、先ほど来いろいろ答弁をしておりますように、いま調査中でございまして、その調査結果等も待ちまして判断をしなければならぬ問題だと思いますが、瀬戸内海とか、あるいはまた東京湾とか、そういうところに今後新増設を認めない、こういう結論をいますぐ出すということは早い、こう思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、調査の結果を待って判断するということですが、調査の結果を待たなくても、もう現実にあらわれた状態でよくわかると思うんですね。日本の沿岸漁業の最も重要な宝庫であるところの瀬戸内海、あそこが油でよごされてしまう、漁業が非常に打撃を受けるというようなことはもう事実わかっていることでしょう。だから、そういう事実に基づいて、そういう場所に今後タンクをつくることが適切かどうかということを私は伺っているのですから、調査もくそもないじゃないですか、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今回の事故にはまだ最終結論を申し上げるのは早いのですけれども、偶然の要素などがだいぶ重なっておりまして、そういう点を十分考慮しながら、たとえば防油堤についていろいろな改良を加えるとか、そういうことをやるならば事故を一〇〇%防止するということも可能であると、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 今日、六十日分の備蓄をしているわけですが、六十日分の備蓄を今度九十日分にふやすというわけですね。六十日分の備蓄で、要するにそれを備蓄するための地上面積ですね、どれだけ面積が必要なのか。九十日分にふやすならば、それのまた半分それにプラスということになるのか、六十日分と九十日分の必要な面積を出してもらいたい。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 現在備蓄しておりますのは大体六十日分でございますが、それを備蓄しておりますタンクの用地でございますが、これは製油所の中でタンクだけの地域というものを考えますと、大体千六百八十万平方メートルぐらいあるというふうに計算をいたしております。それで今後九十日にふやすということになりますと、大体この量よりもまだ少し多いぐらいの面積が要るという計算になっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 三十日分ふえて、少し多い程度で済む勘定なんですか、どうなんですか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) この三十日分と申しますのは、五年後の使用量に対しての三十日分でございますので、実は五ヵ年後の消費量がどうなるかというのが非常に大きな問題でございまして、現在われわれがはじいておりますものは相当な量になっております。これからの石油の消費節約というようなものが進行いたしますとその量も変わってまいります。したがいまして、その量はまだ不確定でございますが、はっきり申し上げにくい数字でございますので申し上げなかったのですが、大体いまの千六百八十万よりはもう二、三百万平方メートルくらい多いという数字が現在試算では出ております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 九十日分備蓄するについては、新しい場所を選定してタンクの建設をすることになっていると思うのですが、どこに新しく建設するか知らしてもらいたいと思うのです。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 九十日の備蓄については、各企業からもいろいろ計画をわれわれは聞いておりますけれども、現在の既存の敷地を利用するというものと、それからさらに新しい土地を取得するというものがございますが、新しく土地を取得するものについては、まだ最終的に確信が持てない企業が非常に多うございます。したがいまして、いまのところ新しい敷地についてはどこということは確定いたしておりません。これはやはりいまお話しのありましたような安全対策等々もはっきりした上で、地元の御了解を得た上でこういうことはきめていくべきものである、われわれはそう考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 まだ場所がきまっていないというのでは意見を戦わすことはできないようなことですが、しかし、もうすぐ迫ってきておる九十日分備蓄の問題について、いまだ場所すらも、予定地すらもないということでははなはだできるかできないかということになってしまうわけですが、予定地もまだきまってないのか、それが一つですね。  それから、いままではタンクを地上につくって、そうして備蓄してきたわけですが、そのタンクの危険というものは、水島にあらわれたのみならず、神戸でも問題が一つ起こっておる。タンクがこわれたという問題ですね。そういう不安定なタンクのみに依存するのか、それとも今後は地上のみじゃなしに地下にタンクをつくるのか、水上にタンクをつくるのか、水中につくるのか、いろいろな方法を考えているだろうと思うのですが、そういうことは考えていないのかどうなんですか。どういう場所へどういう形のタンクをつくる計画をいま通産省で立てておりますか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 最初の御質問でございますが、九十日備蓄は五年間で達成する計画でございますが、その前半、二年ないし三年近くは現在企業が確保しております用地に建てるもので大体まかなわれ得るというふうな予測がございまして、それから先が新規立地ということになりますので、現在の時点では新規の立地についてはまだ確たる候補地がきまっていないというのが現実でございます。  それから第二の点でございますが、備蓄の場所につきましては、九十日備蓄の段階、つまり、五年間の段階ではどうしても現在のようなタンク一いう施設によらざるを得ないと思いますが、将来備蓄を続けていきます過程においてはそれ以外の備蓄の方法ということも考えざるを得ないということで、いろんな研究は行なわれておりますけれども、現在、まだこの現在のタンクの備蓄にかわるような有効な備蓄方法というのは実用化していないというのが現段階でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もう一つだけ。  先ほどもだれかマラッカ海峡のタンカーの座礁の問題で質問なさいましたが、新聞によりますと、太平洋海運の社長さんが、今後も二十六万トンまでは押し通すんだというえらい強い姿勢を示しておるようでございますが、そういう態度であそこがやすやすと通れる状態であるのか、通産省として、大臣はあの問題をどういうふうに把握していらっしゃるのか、今後の方針はどうなのか伺っておきたいと思うのです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この問題は、私から答弁するよりも運輸省のほうから答弁したほうがいいのではないかと思いますが……。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 運輸省来ていますか……。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) やはりもう少し現地の反響等をよく調べまして、沿岸三国がどういう態度に出てくるのか、そういうこともよく調べませんと、一方だけでこうすると言いましても、なかなか正確な結論は出ないと思うのです。でありますから、関係三国の出方を見た上で検討すべき問題だと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 重要な、政府が苦しい立場に立つと、いつもまだ調査中だとか、よく調査しないと答えられませんと言って逃げ口上されますが、もうタンカーが座礁してから相当の日がたっているのです。国際的にも問題になっているとき、通産省としても、あれは運輸省の関係だからわれわれ知らぬという顔はできないと思うのです。通産省としても業界を指導していく上ではっきりとした態度を私は示すべき段階だと思っているのです。まだわからぬというようなことでは、それはどうも怠慢ですよ、私はそう思います。そんなことでこれから通産行政やっていけないじゃないですか。もっと即刻に調べて、そして通産省としての方針を積極的に出す必要があると思いますが、どうですか大臣、そんなことで済みませんよ。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これまで多年にわたりまして喫水二十一メーターまでのタンカーが事故を起こさないでずっと通ってきたわけです。その延べの数にいたしますと何万隻というふうになると思います。たまたま今度ああいう事故が起こったわけでありますが、それに対して先ほど申し上げましたように、あそこに関係をする沿岸の三国がどういう態度に出てくるのか、その向こうの出方を見ませんと、こちらでこうするんだと、こう言っても、それはそのまま結論として通らないと、こう思いますので、技術的に通ることは可能であっても、沿岸三国の態度を見た上で結論を出したい、こういうことでございますから、これはこれでいいのではないかと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣、向こうが意見を述べないうちにはというようなことばですが、向こうが黙っていれば今後もああいうことを起こしてもいいというものではないと思うのです、国際的に。向こうが黙っておっても、日本で自主的にああいうことが起こらぬように最善の方法を立てていくという姿勢が私は必要だと思うのです。すべて相手が黙っていればいいという、ほおかぶりで通るということはよくないと思います。だから私は、積極的に通産省が誠意をもって指導すべきだというのが私の考え方なんです。そういう態度がないじゃないですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この問題は、実際私からお答えするのはこれは筋違いなんですけれども、運輸省のほうから専門の係官が実は何名か行っておるのです。それが帰りまして、事情をよく聞きまして、それから結論を出さないと、軽々には言えないと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 私、午前中の質疑を聞いておりまして、たいへん遺憾に思うわけでございますが、大臣、もう少しこの繊維の問題を勉強していただきたいと思うのです。何といっても現在の不況の中で最も不況のあおりを受けておるのは繊維産業そのものでございますし、その統轄の責任者が大臣でございますから、そういった意味で私苦言を呈しておきたいと思います。  たとえば、午前中の質問の中でも、繊維産業の不況の原因には幾つかの問題があるわけだけど、輸出入の問題についてお答えになった中で、繊維産業はまだまだ輸出産業であるかのような発言をなさり、しかも、現在の統計数字がそのようになっておるかの御発言があったわけです。繊維産業はもろもろの素材によって部落が分かれておるわけでございまして、私、その一つの例をあえて、きょうは時間がありませんけど、大臣に申し上げてみたいと思うんです。  それは縫製業界についてでございますが、縫製業界などの状況を見る限りにおいては、この輸出入バランスというものは、大臣がお考えになっておるのとはもう全く逆でございまして、輸入の二、三年来の伸び率というのはまさに驚異的のものなんです。大体輸出入バランスということになると、通産省はきまったように、四十八年に急激に輸入がふえて、四十九年は何とか鎮静化したというようなお話が出るわけでございますけど、実際はそうじゃない。通関統計の取りようといいますか、なかなかこれむずかしい内容がありまして、たとえば工業製品の中にも製品としての繊維が含まれておる、あるいは製品の中の、いわゆる繊維品の中の雑品、雑品の中にも製品が含まれておる。  そういうものを全部抽出してまいりますと、現在の縫製品関係、布帛縫製品関係だけを取り上げてみると、内需に占める比率が大体二〇%、二〇%程度は輸入品によって占められているという数字を私は持っておるんです。こうなってまいりますと、中小零細企業を主体にする縫製業界においてはまさに死活問題だということになるわけで、ために輸入規制という動きがいまだに根強く叫ばれておるわけです。で、これは縫製業界だけじゃなくて綿糸それから織物、さらに絹織物、合繊織物、衣類、ニット、こういうところはことごとに輸入規制ということについて強くアピールしておる状況です。  政府は、いまのところはわが国の立場として、資源のないわが国の立場、そして貿易立国であるというようなことから、貿易の自由化のたてまえをくずしてはならないという方針をお持ちのようでございますし、その意味するところも私はわかるわけだけど、一面、一昨年発動したガットの国際繊維貿易協定第三条の政府ガードというものは、国際的に認められたこういう状況に立ち至ったときの条項でございますから、日米繊維交渉のときにアメリカがわが国の繊維を包括的に規制したときのアメリカの輸入量というのは、内需に占める比率がせいぜい三%、それでもって今度の新協定による第四条、二国間協定で包括規制をしたわけです。今回の場合は、縫製品一つをとってみると二〇%に及ぶ状況で、しかも、そのために中小零細企業が塗炭の苦しみにおちいっている、こういうバックグラウンドがあるということを前提にすれば、いままでずっと政府が取り続けてきた自由貿易主義、あるいは貿易立国ということだけでこの問題を等閑視できるものかどうか、この辺のところを総括的にまずお聞きしたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私も、繊維の問題は非常に大きな問題である、こういうふうに認識をしております。そこで、就任以来何回かこの繊維の問題につきまして、事情も詳細聞いておるわけでありますが、御案内のように、製品関係では、やはり全体としては輸出のほうが多いわけなんです、輸入よりも。それから四十八年の統計というものは、例の仮需要が非常に起こりまして、大量の原料を一時に輸入した、こういうこともございまして、必ずしも全体を将来予想する正確な数字では私はない、こういうふうにも考えておりますし、しかも、問題になっております近隣の数ヵ国との貿易関係を見ますると、全体の貿易といたしましては、日本側から考えますと非常に大きな出超になっておりまして、輸入ははるかに金額的に少ない、こういう状態でございます。  アメリカの例が出ましたけれども、アメリカの場合、例の繊維問題が起こりましたときには、日本から向こうへ輸出する金額が約八十億ドルであって、向こうから買う輸入の総額はその半分である、四十億ドルである、こういうふうな貿易の態勢がありましたから、結局ああいうふうな繊維協定ということになったわけでありますけれども、いま御指摘の、日本の近隣数カ国との関係はアメリカと事情が違いますので、そういうさなかにおきまして、二国間貿易を結んでこの繊維の問題で制限をしていくということは、他の貿易全体に当然これは影響が出てくるわけでございます。のみならず、これが導火線となりまして世界各国で制限貿易が始まる、こういうことになりますと、貿易立国をもって立っております日本としてはたいへんなことになる。ましてや、先般アメリカで新しい通商法が成立いたしまして、それを機会に新しい国際ラウンドをやっていこうと、こういうさなかでございますから、いま御指摘の問題については、十分慎重に考慮していかなければならぬというのが私の考え方でございます。  しかし、事態が非常に深刻でありますから、これに対する対策というものはあらゆる角度から考えていかなければならぬ、特に当面、金融の面から十分配慮していかなければならぬ、こういうふうに考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 それで私、きょう時間があまりないから、詰めてお話しする機会がないと思っておったんだけど、少し数字を申しますと、布帛衣料品でいいますと、昭和四十六年の輸入量は九十四億七百万円、四十七年が百二十五億、四十八年が五百五十四億、四十九年の一月から七月までが七百十三億、四十六年の輸入額を一〇〇とするなら四十七年が一三三、四十八年が五八九、四十九年の一−七月が七五八、これが布帛衣料品の輸入の状況です。これに対して、この布帛業界が輸出しておる金額は三百七十五億です。この数字を見たら、もう明確に輸出入のバランスというものがおわかりだと思うんです。しかも、この衣料品業界というものは二万五千事業所がありまして、三十万人がこれに従事しておるわけです。そのほとんどが中小零細企業です。こういったべらぼうな数字が出るんです。これを繊維として全体で包括すると、繊維のたとえば原綿も輸入しなければならない、あるいは羊毛も輸入しなければならないということになるから、バランス上見た数字が、あたかも四十九年に輸入が少し減退して、ほぼ旧に復してきたかの印象を持つわけだけど、中を掘り下げてみるとこういう数字になる。これではもう、日本の一番最後の繊維の段階を扱っているアパレル業界というものは壊滅的な打撃ということになる。  だから、わが国のたとえば和装品関係、世界では着物を着る民族というのはわが国だけしかないわけです。この和装品関係においても着物としてすでに外国から輸入してきておる。たとえば韓国で着物を着る人はいないわけなんですよ。それが着物がわが国へ入ってくる。そのために二十七日に通産省ですわり込みをなさる予定だけど、たとえばつむぎ業界、あるいはこれに同調しておるところの和装品関係の業界は壊滅的な打撃を受けておるわけですね。もう成り立たない。こういう状況にあってもなお、わが国は貿易立国であるから、国際間で認められたこの問題の発動はできない。それは韓国のほうが大事だということになるなら、一体この協定は何だということになる。あるいは、いま言うところの三十万人ほどのアパレル産業に従事している者はみんなもう転職しろ、それは韓国にやらすのだ、すなわち、それが国と国とにおける分業体制なんだということで済むかどうか。こう考えてくると非常に問題は深刻なんですよ。  だから、通り一ぺんのお答えだけでは本来この問題は済まない。いま私はわかりやすく縫製品業界のことを言っておるわけだけど、生糸業界においてしかり、あるいは綿工連においてしかり、あるいは寝装品においてしかり、すべての分野でこういう問題が積み重なって日本の繊維業界というものが成り立っておるわけです。直接従業員だけでも百七十万人おるわけですし、家族を入れると優に八百万から九百万、だからわが国の就労人口のもうほんとうに七、八人に一人は繊維産業でめしを食っておるという状況にあるわけですから、大臣、そうそう簡単にこの問題を扱ってもらったら困る。どうですか、その辺のところを含めてもう少しお答えをいただきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま大島つむぎの問題が出ましたが、主として韓国との関係ではありますけれども、これは問題は幾つかありまして、韓国製品であるということが非常に認識しにくい、こういう点にも一つの問題があろうかと思うのです。したがいまして、いま韓国から入るものは韓国製品であるということが明確にわかるようにすれば、その影響が相当縮小されるのではないか、こういう問題もありますし、それから、窓口がやはり商社になっておりますので、その商社を通じて輸入についてはよほど考慮するようにと、こういう指導もいたしますし、それから、韓国政府との間にいろいろ情報を交換いたしまして、事態が紛糾しないようにお互いに話し合っていく、こういうことも可能だと思います。でありますから、いまいろいろそういうことを進めておりますので、もう少し事態の推移を待った上で結論を出したい、こういうふうに思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 金融の総需要抑制のもとに引き締めにあって、何とか年を越してきておるわけですね、中小企業は。さらに、いまだに大臣は、昨年の十一月ごろに繊維は大底をついたという御認識のようでございますが、現実に川中から川下に至っては受注がない。しかも工賃が切り下げられておるという状況の中で、かりに中小の対象とする政府系三行に融資ワクを設けても、現実に既往の負債で担保能力もなければ、負債だけでもう手いっぱい。しかも、金を借りたところで仕事がなければ、これはどうしようもない。そういったことで、かりに政府系三行が金をかなり積んで玄関先に持っていっても、ないよりそれはあるほうがいい、生活資金として、ということにはなるかわからないけれども、現実にはそれは根本的な解決にはなっていないわけですね。  だから需要を喚起するということ、同時にそれはカルテルとか、いろいろな方法が講ぜられておるけれども、しかし、やはりそういったカルテルが行なわれ、あるいは需要が喚起されるというか、場つなぎの金を貸すというものの、しり抜けとしてこういうぐあいに輸入品が入ってくれば何にもならないわけなんです。昨年も秋口から輸入品は漸減傾向にあるということを通産省はお述べになっておるわけだけど、ふたを開いてみると、たとえば縫製品に関してはこういった数字が現に出ておるわけですね、減っておるどころかふえておるという状況なんだから。この辺のところはひとつ大臣、よく腹に据えて対策を講じていただきたい。私はお願いします。  そこで、輸入問題について私は通り一ぺんの形じゃなく、かりに輸入の問題を扱おうとしても、やっぱり国民的なコンセンサスが必要だと思うのです、対外的にも。そういった意味で、たとえばカナダなんかの場合には、現に繊維衣料委員会というような、俗称TCBといっているわけです。豪州なんかもIACという産業援助委員会というのがあって、こういった政府系の諮問機関で輸出入問題を扱っておるようです。わが国でも、大臣の私的諮問機関でもけっこうだから、何かこの種の委員会を持って、消費者の立場からも、あるいはそこで働いている労働者の方も、経営者も、学識経験者も入れて、輸出入問題をどうしていくのかということを一ぺん検討なさったらいかがか。片やまた、わが国繊維産業の海外投資という問題もあるわけですね。それがまたリターンして輸入を仰いでおるという問題もあるわけですから、輸出入問題について、一度大臣の手元で、この種の委員会を持って抜本的に検討を進めてみるというようなことを、私提言をしたいと思うのだけど、いかがでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) たいへん建設的な御意見を承ったわけでございますが、そういう方向で一ひとつ研究してみたいと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 局長お見えだから、局長にこれはこまかい問題だからお聞きしますが、仮より機の共同廃棄という問題が、昨年の八月ごろからかなり私煮詰まっておると思うのです。仮より業界もたいへんなピンチに立っておるために、この際、構造的に転換をはかろうということで、共同廃車事業を起こそうということを聞いておるのです。その後かなり月日がたっているのに、まだ発動していない。どの辺に原因があるのか。こういった共同廃棄事業ということになると、中小企業の振興事業団のかなりな金を食っていくことになるわけだから、その辺もにらみ合わせて、現在の状況と見通し、そうして、それに対する通産省としてのお考えをお聞きしておきたいと思います。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) お答え申し上げます。  仮より機を設置しております業者の方々は非常に零細でございまして、機屋さんやあるいは合繊メーカーの注文を下請でやっておる形でございます。しかしながら、いま先生がおっしゃいましたように、数年にわたりまして過剰設備に悩んできておるものでございますので、二の際、業界の体質改善としては過剰と見られる設備を共同で廃棄をしよう、こういう動きが昨年出てきております。で、昨年来いろいろ話を進めてきておりますが、何ぶんいま申しましたように零細な企業、あるいは数が多い、あるいは関連する業界も多いというようなことでいろいろ問題点がございます。しかしながらより糸、撚糸工業組合、その連合会で熱心に進めてまいりました。このほどおおよそにおいて煮詰まってきたわけでございます。  これを政府といたしましてもバックアップをする態勢でございまして、いま御指摘の中小企業振興事業団のほうに、その共同廃棄のための資金を、私どものほうも用意をいたしまして、案が煮詰まればゴーということで、われわれのほうもこれをサポートする態勢でおるわけでございます。大体において話は煮詰まってきたというふうに聞いておるわけですが、もう一歩というところで、最後に関連業界との話の詰めをやっておるということでございます。  で、今年度及び来年度、中小企業振興事業団のほらにもこの事業をやり得るだけの資金はほぼ確保できる見通しでございますので、近々のうちに発足できるし、たぶん今年度内からこの事業がスタートできるというふうに見通しておるわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この場合、国としては、いまのより工連等の話し合いの内容で受け皿としての資金の用意ができておるというお話でございますが、県のほうですね、仮より業界というものは産地性にあるわけだけど、希薄なところと非常に濃度の濃いところがあるわけです。濃度の濃い県、たとえば福井県とかいうような場合には、県としても重点施策として四分の一の資金の積み込みができるわけだけど、そうじゃない非常に希薄なところでは県としての四分の一の負担、予算化ということが非常にむずかしいということも私聞いておるのだけど、その辺のところはどうなっておるのですか。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) 先生御指摘のように、非常に繊維のウエートが県の産業の中でも大きいというところにつきましては、今年度からスタートできる分の経費負担を確保したということも聞いております。ただ、全国に散在しております業態の業界でございますので、県によりましては、まだその一割の自分で負担する分を計上してないところもあろうかと思うわけでございますが、これはこの事業の計画が煮詰まっていよいよ実施に移るという、その事態の進行に応じまして、私どものほうも地方の県に働きかけまして、国もやる、県のほうもひとつ応分の負担で、ともにこれをうまく成功させようじゃないかというふうな働きかけもするという状況でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 ひとつその点よろしくお願いいたしたいと思います。  ついでにもう一つお聞きしますが、織機特例法による、いわゆる無籍織機の廃棄という問題が、すでに一昨年十一月一日に施行された織機の特例法によって義務づけられておるわけですね。五年間に四万台を廃棄するということになっておるわけだけど、その後こういった不況だとか、それから買い取り価格の問題などでこの動きが私、とんざしておるんじゃないだろうかと思うんです。この辺のところ、ある程度形を整えていかなければ、たしかこれは五十二年までに終了しなければならない問題だと思うし、かたがた仮より機と同じように、織機においても廃棄という問題がぼつぼつ出てきておるんだけど、この無籍織機との関連においてどうしていくか。たとえば事業団による資金を充当できかねるというような問題もあって、ちょっと混線しておるように私見受けるんです。現在無籍織機はその点どういうふうになっておるか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) この織機登録特例法に基づく織機廃棄の問題がいま先生から御指摘になったわけでございます。先ほど申し上げましたのは、仮より機の共同廃棄の問題でございますが、もちろん織機につきましても、過剰設備という問題は現在でもあるわけでございますが、私どもの基本的な考え方といたしましては、ただいま先生も御指摘になりましたように、織機登録特例法による過剰織機の処理、これを私どものほうは、昨年の経緯もございましてまず推進をいたしてまいりたい。ですから、この仮より機がやろうとしておりますような一般的な廃棄は、この特例法による処理をまずやってからという考えでおるわけでございます。  そこで次に、では特例法に基づく織機の処理の状況はどうかということでございますが、これは各業界団体がございまして、これが中心に計画をつくり、推進しておるわけでございます。で、この最近の状況は、これは各村によりまして若干早いおそいという関係はございますけれども、一般的に申しますと、非常に各業界とも熱心にこの問題に取り組んでおるわけでございます。  その状況をちょっと参考までに申し上げますと、四十九年度、これは政府の認可がこの廃棄処理のためには要るわけでございますが、四十九年、昨年の三月に、四十九年度にどのくらい廃棄をするかということにつきまして、私どものほうが内々に聞いておりました織機の台数は全部で、綿スフ、絹人絹、毛、麻、タオル、この五つの業界があるわけでございますけれども、この五つの業界全部で、五千三百台を四十九年度として廃棄をする予定であるということを聞いておったわけでございますけれども、その後さらに業界のほうではいろいろ検討を進めました結果、最近に至りましては約倍以上にふえてまいりました。約一万三千六百台、これを廃棄をしたいというようなことが私どものほうにきておるわけでございます。これは年度ごとに通産大臣の認可が要るわけでございます。先ほど五千三百台というのを四十九年度分ということで一応認可をしておるわけでございますけれども、こういうように業界がさらに積極的にやろうということでありますれば、われわれのほうはこの四十九年度に、さきに認可いたしましたこの廃棄の計画の変更も、もし変更申請があればこれを喜んで受け付けて、認可をいたし、より拡大された計画での実施をわれわれのほうも支援したい、こういうふうに考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この新しい七〇年代の繊維産業のあるべき姿というものを追い求めていく場合に、最も重要なのがこの流通問題の改善であるということを各方面から指摘されておるわけですが、このほど、それの一つとして取引改善委員会というのが発足した模様ですが、大体どの時点で、どういう方向でこの委員会を進めて、結論に導いていこうとしておるのか。現在どういった内容について主として論議を起こしておるのか、聞かしてもらいたいと思います。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) 取引改善委員会は、これは昨年の新しい繊維の構造改善の法律案を国会で御審議をいただきました際にも、種々御意見かいただいた非常に重要なことをやる委員会というふうに存じているわけでございます。で、先生の御指摘にありましたように、この流通とかあるいは取引という問題に関しましては、繊維の生産に関することと同様に非常に重要な柱である、繊維産業の体質改善を進める上に重要な柱であると、私どももそう認識しておるわけでございます。で早くこの取引改善委員会を発足させるべきであるということで、私ども昨年来いろいろ努力してまいったわけでございます。幸いに商工中金の高城理事長がこの委員長を喜んで引き受けていただくことになったものですから、昨年十二月から発足をしたわけでございます。十二月に第一回の会合を、十七日の日でございますか開きまして、今月下旬に第二回を開く予定にしておるわけでございます。  で、どういうことを審議されるのかという御質問でございますが、これは先ほど申しましたように、繊維の構造改善の法律を国会でいろいろ御検討いただきました際に、その問題は幾つかの骨格がそのときに出ておるわけでございます。その趣旨に基づきまして運営をいたすつもりでおりますけれども、とりあえず繊維の関係業界——非常に多数ございます。メーカーもございますし、流通部門もございます、あるいは繊維産業で働いている方々の御意見もありましょうと考えまして、五十数団体につきまして、この委員会にどういうことを期待するか、委員会で何を取り上げてもらいたいかというようなことにつきましての意見を現在とっております。で、近々のうちにこれはまとまるかと思いますが、そういう関係の人たちの意見も聞きながら、有効適切な審議を進めてまいりたいというふうに考えております。  いつごろまでにどうだという御質問もございましたけれども、流通なりあるいは取引なりの問題これは新しくして古い問題でございます。非常に複雑多岐、関係するところも多方面にわたる問題もございますし、これから新しく切り開いていかなければならない未開拓の分野もございますということで、何年の何月までに終わるということはいまここで確とは御返事申し上げられないわけでございますけれども、しかし、事は重要であると同時に、急ぐものですから、特に急がれている問題につきましてその辺から取り上げて解決をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 まあ、おそらくこの流通の取引改善委員会の発足に伴って顕在化してきたと思うのだけれども、最近業界紙などを見ると、百貨店と問屋の間におけるこの不公正取引というものが大きくクローズアップしておるわけで、百貨店側からの押しつけあるいは返品、それからマネキン、派遣店員の問題などが年ごとに悪どくなっておるということを私、業界紙などで見るわけです。私も、一昨年も昨年も委員会で、公正の方も来ていただいて、派遣店員の問題など、これは公正取引の問題ですから、早急に改めるべきだということを指摘し、公取としても、年次ごとの計画を百貨店側に提出させて段階的に解消の方向に向かっておりますということだけど、私が見るところ、それどころかいまいうところの押しつけ、返品あるいは派遣店員の増大というものが逆に進んでおるというふうに見受けるんです。いずれこれは改善委員会を通じてということじゃなく、現にそういったアンケート調査段階で問題が出てきておるのであれば、私は、やっぱり行政指導として正しい方向に手を向けていかなければならないと思うんですが、この辺どういうふうに把握しておられますか。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(野口一郎君) このいま先生の御指摘になった点が流通取引条件の上で非常に大きな問題だという点は、私どもよく存じております。最近に至りまして、先生の御指摘のように、この問題がなかなか重要な問題になってきたということをよく耳にいたすわけでございますので、たぶん関係業界の意見聴取の中にもこれは一番大きな柱として出てくるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。先ほど申しましたように、いろんな問題が、委員会として取り上げる問題は数多くあろうかと思いますけれども、いま先生のおっしゃったようなこと、これは緊急を要する問題だということで、優先的に取り上げてまいりたいと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 それじゃ繊維の次に、今度私は家庭用のプロパン事故の問題についてひとつ質問いたしたいと思います。  最近、家庭用プロパンガスの爆発事故が非常に大きくなっておる。ことに住宅がアパートという、密室化というような状態になって、一度爆発するとたいへんな惨事を引き起こしておるわけです。これは通産省の資料でございますが、LPガスによる死者だけを見てみても、昭和四十五年が四十八名、それから昭和四十六年が三十四名、四十七年が五十三名、四十八年が五十九名、四十九年が四十一名、これだけの方がLPガス、家庭用プロパンガスによってなくなっておる。それ以外にこの負傷者などということになるとばく大な数字になるわけで、プロパンガスを使用している家庭も全国で千七百万世帯ということでございますから、都市ガスを使用しておる方たちを優に五百万世帯も上回っておる。国民生活に、いまやもう家庭用プロパンガスというのは不可欠の熱源になっておるわけで、しかもこういった事故が続発しておる。その安全対策というものが私きわめて重要であろうと思うのです。主としていままでこの委員会でも、コンビナートなどにおける工業用の高圧ガスについては、爆発事故などが起きれば現地派遣をしたり委員会を開いたりするわけです。そういった爆発事故は非常に表に出るけど、死傷者ということになると、家庭用プロパンガスのほうがはるかに大きいわけです。しかし、いままでもこういった問題を扱ったことが全然ないわけです。私、ぜひ通産省としてもこのプロパンガスについての対策を真剣に考えてもらいたいというふうに思うわけなんです。  そういった意味で、まずこの事故の概要等をどのように認識しておるか、最初にお聞きしたいと思います。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(佐藤淳一郎君) いま先生がお述べになりました死傷者の数、あるいは事故の頻度等は御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましても、同じ私のところで高圧ガスの保安の問題をやっておりますけれども、それ以上に最近のプロパンガスの保安の問題につきましては頭を痛めておりますし、対策に苦心を払っておるわけでございます。  これの原因につきましては、いろんな関係の機関もございますし、われわれ都道府県ともいろいろ分析いたしておるわけでございますけれども、非常に一般家庭でお使いになっている関係もございますし、原因必ずしも明確に分析されているわけではございませんけれども、六〇%ないし七〇%程度は残念ながら末端におきますところの使用される方々の不注意というものもあるわけでございます。そのほかに、やはり一般販売業者に対しまして十分に設備の点検をやっていただくということを法律で定めておるわけでございますが、これにつきまして、必ずしも十分に徹底しておるわけでございませんので、もちろん使用される方々の注意ということは十分に今後ともお願いするにいたしましても、やはりわれわれの指導の対象としましては、販売業者なり、それから関係機器メーカー等について特段と注意を喚起しまして、できるだけ事故の起こらないような機器を開発していくということはもちろんですし、それから、販売業者の方々も五万軒という非常に大きい数でございますけれども、こういう方々の保安意識を十分に徹底させ、あるいは教育もさせまして、いろんな角度から多角的にこういう事故が起こらないような体制をとるべく、日夜苦心しているというのが現状でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 今月に入って、事もあろうに千葉県の市原の出光興産中央訓練所、これは出光興産がプロパンガスの販売業者を訓練をする場所なんだけど、その訓練する場所で爆発が起きて十五人が死傷する、あるいは周辺の三百戸が屋根や何かが吹き飛ぶという事故が起きておるわけです。これはもう一体どういうことになっておるのだと。使用する側から見れば、業者の訓練所でプロパンガスの爆発が起きているというとほうもないことになっておるわけなんだけど、この辺のところをどういうふうにごらんになっていますか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(佐藤淳一郎君) ことしに入りまして、一月三日の午前八時五分に、出光興産の中央訓練所におきまして爆発事故が起きたわけでございます。われわれとしましては、とにかくこういうLP関係の事故が起きないようにということで、訓練もいろいろ指導してまいったわけでございますが、事もあろうにこの訓練所で事故が起きたということで、非常にショックを実は受けておるわけでございまして、まことに申しわけないと思っておるわけでございます。  事故の原因につきましては、非常に大きい事故でもございますし、常識的にはわれわれもちょっと考えられない事故でもございますので、徹底的に調査するというたてまえをとっておりまして、いま原因につきましては、千葉県とそれから警察によりまして調査をやっている段階でございまして、その結果を待ちましてしかるべき対策をとりたい、こう考えておるわけでございます。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 藤井君、それじゃあと一問ほどで……。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 あとそれじゃ二問ほどで……。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 一問で。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 それじゃまとめて言いましょう。まとめて言いますから、まとめて答えてください。  一つは、先ほどもちょっとお話の中にあったんだけど、この八割ほどが使用者の使用ミスだというふうに言われるわけなんです。しかし、使用ミスということでこれは死ぬわけですからね、爆発して。しかも、先ほど言ったように、大勢の人たちが現に使っておるし、現にこれだけの死傷者が出ておる状況の中で、使用ミスだからといってこれは済むかどうか、これは私、まあきついことばで言えば責任転嫁じゃないかというふうに言わなければならない。やっぱり使用ミスを来たさないような、PR活動だけじゃなく、具体的な措置を講ずるべきだと思うんです。  それから、業者の監督不徹底ということだけど、業者が五万軒あるというふうに言われますが、この業者それ自体が、たとえばお米屋さんであるとか、ほとんどが兼業としてやっておるわけでしょう。この辺のところのチェックを私はもっと真剣にやるべきだというふうに思います。それをどう考えておるのか、そいつをお聞きしておきたい。  それから、営業停止、その他行政処分ということを通産省も考えておる。そのためには都道府県を通じて販売業者の督励に当たるということだけど、都道府県としてそれだけの対応策があるのかどうか、これを聞いておきたい。  それから、安全器具の開発について、義務的に安全器具をつくってそれを使用させたいということだけど、安全器具を義務的につくって使用させていくということは、消費者にそれだけのものを全部負担さすことになるわけでしょう。消費者にしてみれば、命にかえられないということかもわからぬけど、これまで安全という状態のもとで使用を認めてきたものを今度義務づけして、これを使用者、消費者に——聞くところによると、一つの器具だけでも、たとえばブザーが鳴るような仕組みの器具であれば四千円ほどするということだけど、千七百万世帯に全部負担せよということになるのかどうか、これをもう少し私は検討しなきゃいかぬというふうに思うわけです。  それからもう一つ。ガス漏れによる爆発になっておるわけだけど、たとえば非常に普通の都市ガスと比べてにおいが薄い、そして重たいために下にたまってしまい、拡散しないというようなことも原因かと思うんだけど、それが発見できるように、たとえば着色する。家庭用プロパンガスを着色して、漏れたら、もう子供が見てもわかるというような方法がとれないか。かりにそういう方法をとるとすれば、これは使用者には負担をかけずに、もっと有効な事故の事前防止というものができると私は思う。あるいはもっと臭気を増すというような方法だって私は考えられるというふうに思うわけだけど、ただ器具を開発して、その器具を使用者に負担せしめて安全を確保するんだということは、あまりにも私は使用者に一方的に問題点を押しつけ過ぎるというふうに思うわけです。その辺のところを全部ひっくるめてお答えいただきたいと思います。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(佐藤淳一郎君) 原因につきましては、われわれとしましては、大部分が一般の方々の不注意に基づく事故ではございますけれども、たとえ不注意がありましても、それが事故につながらないような安全な消費器具を普及することが必要であろうと思っております。通産省といたしましても、瞬間湯わかし器、それから風呂がま、風呂バーナー、元せん、ストーブにつきましての安全装置の装着を義務づける旨の省令改正を最近行なっております。また、消費者教育のためには、第一線で消費者と接触しております販売業者の日常の消費者啓蒙が必要でございますので、販売業者に対しまして消費器具の調査義務を完全に履行するとともに、毎日の販売活動を通じまして、消費者に対しまして保安のための啓蒙活動を果たすよう指導をいたしております。  しかし、なおより根本的な対策といたしまして、昭和五十年度予算では次のような措置を講ずる予定になっております。すなわち、高圧ガス取締法に基づきます特殊法人であります高圧ガス保安協会に、LPガス消費者保安センターを設置いたしまして、テレビ、ラジオ、新聞等、各種の手段を活用しまして、LPガスの特性を配慮した本格的な啓蒙を行ないますとともに、新興住宅等を中心といたしまして、消費家庭の点検指導を実施してまいりたいと思っております。  また、消費者の不注意がありましても、これが事故につながらないように、安全な燃焼器具の開発等をはかるために、いま申し上げましたLPガス消費者保安センターに付属研究所を設けまして、専門スタッフによりますところの事故防止のための機器の開発、それから、先生いまおっしゃいました着色、着臭の方法、あるいは立ち消え防止対策の研究等の事業を行なうことにいたしております。  それから、一般家庭の設備改善に伴いますところの負担増の問題が一つございますが、これらにつきましては、月々少額のお金で設置できるように、たとえば資金運用部資金を活用したリース制度を創設いたしまして、ガス漏れ警報器等の強力な普及をはかることといたしまして、いま金融債引き受け等の措置も検討中でございます。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 江間参考人には、御多忙中のところを御出席をいただき、ありがとうございました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 他党からも質問があったようでありますから、私、要点を簡潔に質問してまいります。  きょう取り上げる問題は祥和丸事件の対策です。それから、今後のこの輸送原油を安全に日本に輸送するには一体どうするのか、この問題を関係省庁に質問いたしますが、通産大臣にまず質問いたしますのは、聞くところによりますと、この対策を外務省と運輸省が主体でやって、通産省はアウトサイドに置いてある、この事故対策の主体に入ってないと聞いている。で、この大型タンカーというのは、実は原油を運ぶだけの問題ですね。もちろん運航上の問題あろるいは外交上の問題は、それは担当はありますが、こういうふうな事故を起こして将来のこの原油の輸送に不安がある。そういうのに、通産省がこの対策の打開に入っていないということを聞いておりますが、いかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これはまあ当面の問題は、マラッカ海峡を今後通航する上におきましてどういうふうな反響が沿岸三国から出てくるか、それから、マラッカ海峡を大きな船が安全に通航できるのかどうか。こういう、主として航路と航海及び関係三国との外交関係でございますから、通産省はこの問題には直接介入しておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでいいんでしょうかね、直接介入していないと言ってこう胸を張って答えておられるが。  実際、この大型タンカー、われわれは以前からもう二十万トン以上ぐらいのタンカーはつくるべきじゃない、これはわが党の方針です。操船上も問題がありますし、もし事故が起った場合のあとの公害を考えますと、そのようなタンカーはつくるべきじゃないと言うが、海運界及び業者は、経済性を追求して大型へ大型へと進んでおる。で、大型タンカーの問題というのは、私はもう運輸省の問題ではなくて通産省の問題だと思うのです。その事故が発生して、今後一体、この九十日備蓄ということを言っておられるが、そういうものを考えなきゃならぬというときに、この事故対策は運輸省と外務省にまかせますと、そういうことでいいんでしょうかね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これまでシンガポール海峡を通航した大型タンカーは、延べに直しますと何万隻に上がると思うのです。そして航路の測量等も十分に行なわれておりますし、かってこういう事故がなかったわけです。でありますので、いま運輸省のほうで係官を派遣せられまして、事故の原因について具体的に調査をしておられますので、いま私からとかくのことは申し上げませんけれども、私は相当偶然の要素が重なっていると、こう思います。  それから、二十五万トン以上のタンカーをつくるべきではないと、こういうお話がありましたが、大体これまで技術的にシンガポール海峡を通れるのは二十五万トンまでであると、そういうふうな観点からほとんど全部の船が二十五万トンまでである。日本には例外的にそれ以上の船も若干ありますけれども、これは初めからロンボク海峡を通るという予想のもとにつくられたごくわずかな船でございまして、大部分は二十五万トンまでの船になっている、こういう状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その問題はまたあとで聞きましょう。  運輸省に、この事故発生後どのような措置をされたか。今後また発生する可能性があるが、今後どうされるか。現在の緊急な問題についての報告を求めます。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○説明員(浜田直太郎君) お答えを申し上げます。  今回の事故の発生はまことに遺憾でございます。運輸省といたしましては一月七日早朝、シンガポール海峡タンカー事故対策班というものを運輸省の内部に設置いたしまして、海運局の次長がとりあえず班長となりまして、関係各課長等を集めまして、一刻も早く海上に流出いたしましたところの油の除去等に関するいろいろな施策を、外務省等の協力も得まして、できるだけ各関係の三国政府等に連絡をとってやる体制をつくったわけでございます。同時に、海運局の富田外航課長、それから海上保安庁の水路部の水路技術国際協力室長をやっております者を現地に派遣いたしまして、沿岸三国の政府との緊密な連絡に当たらせると同時に、日本との連絡も緊密にするように指示して飛ばしたわけでございます。  同日、また運輸、外務両省の連絡協議会を設置いたしまして、これは私どもの政務次官が長となりまして、とりあえず当日第一回の会議を開きまして、油の除去のために必要な資材、あるいは現地にそれらの指揮を円滑に行ないますための要員の派遣、あるいは油の除去のために必要となりますところの資材の供与というようなものを決定いたしたわけでございます。その後、作業は順調に進んでおりまして、現在のところ約一万五千トンの油の抜き取りに成功いたしておりますが、問題は、本船を事故なく安全に離礁いたさせまして、船底の状況その他を調査の上、自後の対策を立てるということでありますが、現在の状況で作業が進捗いたしましたならば、あと数日中に離礁することが可能であろうかという情報に接しております。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、本船の事故によりますところの被害を最小限に押えるべく外務省等の協力を得まして、最大限の努力を現在傾注しているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸省も外務省もあとでこまかくは質問しますけれども、現状を見ると、操船は民間の海運会社が責任を持ってやっているんだと。で、操船上のミスはこれはどうも船長のほうにある、なぜこういうふうな座礁をしたのか、そういうような感覚がいまのこの政府の考えのようです。以前からこの大型タンカーがあの海峡を通ることについては相当問題がある、昭和四十二年ごろから問題にしています。イギリス海峡で大型タンカーが座礁した、油がロンドンのあのイギリス海峡をおおった、そのころから問題にしまして、大型タンカーが通ることについては相当われわれは再々この委員会で問題にしてきた。それを今度事故が発生したら、これは民間の問題だ、賠償責任についてもこれは民間だということで、ただ運輸省も外務省も上から高く見ていて、何だか指導ぐらいかそのくらいの感覚、あとは賠償責任もこれは民間ですよと言う。また特に、この民間の海運会社の社長は、いや、今後ともあすこは通りますよと、そういうことを豪語しているようです。  一体、二億八千万キロリットルのこの油を確保しなければならぬことは、日本のいまのこれは至上命令である。この油を確保するために大型タンカーがあの浅瀬を、喫水二十二、三メートルのところを縫っていま歩いている。それを民間の会社まかせにしておいて、事故が起こって、あとはまたこれも民間まかせだというようなことで、今後の対策についても、ちっとも国民の納得するような対策か出ておらぬ気がする。運輸省としてもう一回、それでは一体今後どうするのかというのと、けさの新聞を見るというと、会社の発言については軽率だという、そういうふうな勧告も出たようでありますが、各海運会社に対して具体的にあの直後どういう指導をされたか、そのことをお聞きいたします。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○説明員(浜田直太郎君) まず、会社の社長が現・場で、今後とも航行を強行するのであるという強気の発言があったという趣旨の報道がありましたので、事実を確かめました上、私から、残留いたしております会社の責任者を通じまして、今後三国の感情を刺激するようなことは厳重に慎むようにという通告をいたしました。  また、事故発生後私どもの反省の一つといたしまして、情報の摂取がおそかったということがございます。したがいまして、当日直ちに海運局長名をもって、今後かような事故が発生した場合の連絡を即時とるようにという厳重な通達を発しました。  それから、その後、運輸大臣から日本船主協会にあてまして通達を発しまして——ちょっと読ましていただいてよろしいですか。    大型タンカーの安全対策について   最近大型タンカーの事故が相次いでいるが、このような大型タンカーの事故は、人命、環境、水産資源、沿岸施設等に多大の損害を与え、その影響するところが極めて甚大であるので、大型タンカーの安全対策については更にこれを徹底的に再検討するとともに、その結果を確実に実行し、事故の絶滅を期するよう傘下会員に徹底されたい。   特に今回のシンガポール海峡における大型タンカーの重大事故にかんがみ、マラッカ・シンガポール海峡を通航する場合の通航方法、操船方法等に関する具体的な安全対策につき貴協会において早急に検討をおこない、その結果を報告されたい。  かような通達を運輸大臣名で日本船主協会に一月十日付でもって送りました。  現在、この通達を受けまして、日本船主協会では専門家からなりますところの委員会を設けて、少しでも安全な対策を研究中でございますが、何ぶんにも技術的に非常にむずかしい問題がたくさんございますので、早急な結論というのは現在むずかしいとは思いますが、できるだけのことをやっておると聞いております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いままで海運業あるいは造船業を指導してこられた運輸省として、このような事故が発生して、これからどうしようと考えるか。いま通達は出しておられるようだ、船主協会で考えよと。少し責任が、無責任じゃないですかね。船主協会で考えよ。あの事故を起こした当主、この山地三平社長は、いや、あればもう操船のミスでございまして、今後も同じにやりますと言っているでしょう。おそらくそういう意見が通るでしょう、船主協会は。運輸省として、たとえば海員組合は喫水十五メーター以上及び十五万トン以上の船は、もうあの海峡を通してもらいたくないと、そう申し入れをしておりますが、この問題についでどう考えますか運輸省は。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○説明員(浜田直太郎君) マラッカ及びシンガポール海峡の通航制限に関する問題でございますが、これには主として沿岸の三カ国の問題であると思われますけれども、同時に、それだけの問題ではありませんで、現在国連の場で検討されておりますところの海洋法問題の焦点の一つでもございます。といいますのは、当該海峡を通過いたしますのは世界海運各国の船が多うございますので、かような海峡の通航の問題とも関連いたしまして、これらとあわせて具体的な応急策を考えなきゃいかぬ、こういうことではないかと思います。  で、当マラッカ、シンガポール海峡につきましては、先ほど通産大臣もちょっとお触れになりましたけれども、昭和四十四年以来沿岸の三カ国との協力によりまして、この海峡の水路測量等を行なってきており、近くこれが完了する予定であった時点でございまして、その点まことに不幸でございました。しかしながら、この結果を踏まえまして、関係諸国と協力をしながら、同海峡の通航に関する具体的な安全対策の早急な確立をはかる必要があると思っております。しかしながら、先ほど申しましたように、多数の国の船舶がこの海峡を通過しておるという状況でありますので、この海峡の通航に関する具体的な安全対策というものを確立するということは、最終的にはIMCOその他の場における国際的な合意が必要であろうかと存じておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そのIMCOの問題はあとで聞きますが、外務省に、今日までとってこられた措置、それから沿岸三ヵ国の機運といいましょうか、感情、それから、インドネシアなどは補償要求も考えておるようですが、これからどうされるか、こういう現状と将来の見通しについての答弁を求めます。

中江要介外務省アジア局次長

○説明員(中江要介君) 外務省といたしましては、今回の事故は先ほど運輸当局のほうからもお話がございましたように、マラッカ海峡の航行の安全を何とか確保するために、沿岸三カ国とともに協力していこうというやさきに起きたものであるだけに、非常にこれは重大なものだというふうに受けとめまして、まず最初の外務省の目標は、正確な情報を収集して、そして、わがほうの運輸当局と密接に協力して対策を打ち立てようということで、この事故の状況、それからその事故が沿岸各国に衆知されるに伴いまして、それぞれの国がそれぞれの国の反応を示して、いろいろの意見なり論評が出ておりますが、そういったものをできるだけ忠実に集めまして、そして、日本のこれからのこの地域における航行の安全の問題とからめて検討していこうという姿勢でいままで臨んできたわけでございます。  現在までの実際の状況は、ただいま海運局から説明がありましたとおりでございますけれども、外務省としては、先ほど来先生もおっしゃっておられますように、一タンカーの本件事故にとどまらない長期的なこのマラッカ海峡、シンガポール海峡の航行安全の問題この問題は、沿岸諸国の間ではかねてからIMCOの希望もございまして、測量を実施すると同時に、どういうふうな方法でこの航路の安全を保つのがいいかということが議題になっておったわけでございますので、引き続き沿岸諸国と協議していかなきゃならないのは当然でございますけれども、同時に、これも先ほど言及がございましたが、国際連合の海洋法会議というもので、世界的に国際海峡というものの法的地位がいま練り直されておる段階でございますので、そういった国際社会の大きな流れというものも見失うことなく、この大事な地域の航行の安全について沿岸国の利益、日本の利益、それから、この地域全体の利益というものからどういう方法がいいかという点については、一そう真剣に考えなきゃならないということで臨んでいるというのが現状でございます。  いまおっしゃいました補償の問題につきましては、当初は沿岸いずれの国もまず油濁防止ということに全力を注ぎたいということで、油濁防止のために日本政府としてできるだけの協力をしようということで、人員、機材の現地への派遣あるいは調達、そういった問題について、出先の大使館も側面的には十分協力してきたと思っておりますが、最近インドネシアのほうから、もう損害がいよいよ明らかになってきた、この損害については補償要求するつもりであると。これは当然のことであろうと思うのです。で、損害補償の問題は、これは事故原因とその被害の範囲がはっきりしてまいりますと、その損害の処理、補償の問題というのはございますと思いますけれども、現段階では、もっぱら油濁の防止と事故原因調査というところに重点が置かれている、これが現状でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 インドネシアのほうからは、損害をどのくらい言ってきているんですか。

中江要介外務省アジア局次長

○説明員(中江要介君) インドネシアからは、損害の具体的な額なりあるいは状況については何ら言及がなくて、わがほうの出先の日本の大使に言ってきておりますのは、損害があれば、これについてインドネシアとしては補償を要求することあるべしと、こういうことで、幾らについてだれに対してというような具体的な話は、まだ外交チャンネルではございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 領海十二海里の問題とひっからめて、この事故が今後どういうふうに発展すると外務省は考えていますか。

中江要介外務省アジア局次長

○説明員(中江要介君) 領海の幅員の問題は、これは今回の事故は実は非常に狭いシンガポール海峡で起きておりまして、海峡の境界線をどうするかという問題が理論的にはあるわけでございますけれども、現実には、シンガポールとインドネシアの間にこの海峡の境界線というものはすでにきまっておりまして、今度の事故はその境界線からインドネシア側で起きております。したがって、本件事故に関連して幅員の問題つまり、領海の幅の問題というのは直接は起きてこない。ただ問題は、この事故に刺激されて、一般に国際海峡の航行安全の問題を議論とするという場合には、いろいろの海峡の地理的条件によって領海の幅員の問題海峡の境界線の問題というものは起きるかと思いますけれども、この問題に関連しては、その問題は具体的な問題にはなってない、こういうことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的な問題がありますが、大臣が三時までのようですから、江間参考人に大臣の前で参考意見を聞いておきたいんです。  まず、ずっと言いますからお答えください。時間が三時十分までしか私の持ち時間ありませんものですから。  一つは、あの事故をどうお考えになるかということ。  それから、マラッカ海峡における航路上の欠陥はないか。私、いまここに海図を持っておりますがですね。  それから第三は、具体的にはどのような欠陥があるかということ。  それから、船主協会ではどのような指導をしておるのか。また、その指導をどのように考えるかということ。  それから第五は、過去にどのような船底接触事故があったか。  それから、全日本海員組合ではどのような対処方針を出しておるか。  それから第七、ロンボク海峡を通航する場合、安全や日数など、どのような問題があるか。  また、ロンボク海峡を通航するときの経済上の問題はどうか、この八点でございますけれども、簡単に御答弁願いたいと思います。参考意見を聞かしてください。

江間教夫全日本海員組合安全福祉部主任

○参考人(江間教夫君) それでは、簡単にお答えいたします。  祥和丸の事故につきましては、私たちもまことに遺憾であるし、残念に思っておりますけれども、マラッカ海峡の現状とそれから航路上の欠陥ということから考えまして、これは当然起こるべくして起こったというように私たちは考えております。  その理由といたしまして、先ほど来るる問題になっておりますように、船型を次々と大型化いたしまして、最近は二十五万トン、これは重量トンでございますけれども、二十五万トンぐらいまでが次々とマラッカ海峡を通っております。大型化しますと、当然船の喫水というのは深くなりまして、現在では船主協会は、一九・五メートルの喫水までは通航できるというような指導をしておると聞いております。それから大きくなりますと、まあたとえば祥和丸の例をとってみましても、船の長さは三百二十メートル、幅は五十二メートル以上、深さは二十六メートルというような、もうほんとうに大きなタンクでございます。これを狭いところで、しかも浅い海域にどんどん導入しておるわけでございますから、これは非常に操船一つをとりましてもむずかしいわけでございます。  また、シンガポール海峡はマラッカ海峡の中では最も狭い海域で、最も浅い、しかも、浅い部分が航路の中央付近にまで張り出しておるというような非常に困った海域でございます。まあ過去におきましては、マラッカ海峡というのはインド洋と太平洋を結ぶ重要な拠点でございますから、帆船当時からこの部分を使いまして通航をしておったわけでございます。ところが先ほど申しましたとおり、船が大型化しまして初めていろいろな不都合な点が出てまいりました。まあこれらにつきましては後ほど、どういう事故例があったか具体的にお示しするといたしまして、実際にはこれは船主協会、石油連盟、それから造船工業会などがたび重なる船艇の接触事故、これを憂慮いたしまして、昭和四十三年にマラッカ海峡協議会というものを設置いたしまして、ここで三国と協議をいたしまして測量を始めております。  これも先ほどから話が出ておりますけれども、航路標識の設置、あるいは海図の改補というようなことを進めてきたというふうに聞いておりますけれども、実は昨年末にやっと第四次の測量が終わったところで、目下これは海上保安庁の水路部のほうに報告しておる段階でございます。したがいまして、まだここらにつきまして精測をした海図というものは出ておりません。ところが、四十三年ごろから次々と船を大型化いたしまして現在に至っておるわけでございます。こういうことで非常に危険な海域に次々に乗り入れておったということは事実でございます。  これは私たちのほうでも従来から絶えず言ってきたことでございますけれども、つい最近になりましても、これは山下新日本汽船の光珠丸というやっぱり二十万トンクラスの船からの報告で、これは船主協会が推薦をいたしておりますマラッカ海峡の中での一番狭い部分のシンガポール海峡、これの推薦コースの上付近にたまたま新しい浅所が発見されたという報告が昨年の四月の十三日に出ております。そういうことを見ますと、実際に二十万トンクラスで喫水が十九・五というような船を通しますとなると、これは新聞紙上なんかでも出ておりましたけれども、ほんとうの狭い部分というのは可航水域としてせいぜい三百五十メートルから四百メートルぐらいのところを通さねばならない、その付近は、各通航船舶の集まるところであり、しかもその辺は漁場となっておる関係で、漁船の出没しておる回数が非常に多い、非常な航海の難所でございます。この航海の難所を、片方ではマラッカ海峡協議会というようなものを設置をいたしまして水路の精測をしておる、あるいは航路標識を設置したというようなことで、半ば無言の圧力と申しますか、強要と申しますか、船舶のほうでは非常に心配をしながらその通峡を余儀なくされておる。  現在も毎日百何十隻という船が通っております。現在でも通っておりますけれども、そういう非常に苦労をしておるということだけは事実でございます。特にこの狭い部分につきましては、潮流が二・五ノットから三ノットぐらいの速力がございます。ところが大型船というのは、もし速力をゆるめますと、操縦性能というのが著しく悪くなります。それから、浅い海域に入りますと、これまたさらに操縦性能が落ちまして、非常にむずかしい。再三再四むずかしいことを申しましたけれども、そういう中で日本の原油を輸送する動脈を確保しておった、これこそ船員の非常な努力であったと私も自負をするものでございます。  それから次に、船主協会がどういう指導をしておったかということにつきまして簡単に申しますと、マラッカ海峡の浅い部分というのは三カ所ございます。一つは東側の入り口付近と、それから先ほど申しましたシンガポール海峡、さらにずうっとインド洋寄りに、ワンファゾムバンクというのがございます。この三ヵ所が、深さで二十三メートルの水深があるということで、先ほど申しました十九・五ぐらいが適当であろうというような指導をいたしまして、マラッカ海峡協議会などでは一部分航路標識の設置はいたしましたけれども、まだ精測を、先ほど申しましたように海図が出ておりませんけれども、精測をしておるということです。  そういう中に、一方通航というのを、これは船主協会が指導をいたしまして、世界に呼びかけておりますけれども、いまだ世界的にオーソライズされてはおりませんけれども、シンガポール海峡の一番狭い部分を安全に通航できるような指導をしております。ただ、これも国際的にオーソライズされないということで、全部の船あるいは国際的に各国の船が入るわけなんですけれども、他の船にまで周知徹底していないのか、いまだに一方通航の原則というのは必ずしも守られておらない、これが現状でございまして、今後も、たとえばIMCOの場でこれは一方通航帯をきめるのだとか、あるいは海洋法会議の問題であるとかいうようなことを考えられますけれども、よしんばIMCOの場におきましてこれが審議されましても、これが実際に批准をしていない国の問題があります。それから、それを周知徹底する期間がございます。これらは相当の年月を要するというおそれもありますので、ここらは非常にまず問題があるというような理解をしております。  それから、潮流が激しいということを先ほど申しましたけれども、実はこの一番狭い部分の海峡部分で、潮流が激しいために、浅い部分、浅所が絶えず移動するというようなことがございます。ですから、マラッカ海峡協議会できょうはかったものも、来月になったらあるいはその部分が深くなっておるかもしれないというようなおそれもあると、これは過去にも各船からの報告がありまして、その事実は報告されておるところでございます。  次に、過去にどういうような船の事故があったかということにつきまして、簡単に申し上げます。  私たちのほうで入手できる範囲というのは、非常にごく限られた範囲でございます。これは船からの、乗り組み員の報告、あるいはマラッカ海峡協議会からの報告、あるいは海上保安庁からの報告というようなことを総合いたしまして、私たちがキャッチをしております事故の例、まあ具体例申し上げますけれども、それはほんの一部分ではないかと思います。と申しますのは、たとえば船底を軽くすって、大過なく、まあ底がへこむぐらいで通ってきた船は、そのまま次のドックに入りましてこっそりと申しますと、これはニュースとして報道されなかった範囲で処理をしておるというのが実態でございます。  具体的に申しますと、日本船の場合について見ますと、昭和四十二年に東京丸、これは東京タンカーの船で十五万重量トン、この船が船底接触を起こしております。それから昭和四十六年、これは照国丸、照国海運の二十五万トン型の船です。これも同様船底接触を起こしております。それから昭和四十七年に明原丸、これは明治海運の二十一万トン型のタンカーです。それからつい最近で海燕丸、これは商船三井の二十一万トン型のタンカーですけれども、これにつきましては、どこで座礁したのかちょっとはっきりわかりませんけれども、座礁をして帰ってきております。それから今度の昭和五十年の祥和丸二十四万トン、太平洋海運というように続いておるわけでございます。  それから、外国船の例を見ましても、昭和四十六年にはS・ニアルチエス号、これはリベリアの二十一万トン型のタンカーでございます。それから同じく昭和四十六年にはアラビア号、クウェートの二十一万トン型のタンカー、それから四十七年にはJ・ボウル・ゲッティ号、これはちょっとトン数は不詳ですけれども、英国のタンカーでございます。それから同じく昭和四十七年のミラタ号、これも二十一万トン型の英国船。それから昭和四十八年にはペリネーション、これは四万トンのイタリア船。これらがそれぞれ船底接触を起こしているわけでございます。これは船底接触の事例でございますけれども、たとえば衝突を起こしたとかいうような事例をあげましたら、枚挙にいとまがないくらい非常な海難事故の多い場所であるということがおわかりだと思います。  次に、これは全日本海員組合が、じゃどういうような対処を従来からしてきたかと申しますと、大型船の建造はとにかくやめなさいと。これはぼりばあ丸、かりふおるにあ丸という大型船の事故がございましたあと、さっそく運輸省あるいは関係業界に申し入れて、いろいろな問題があるから、まず安全確保の上から大型化するのをやめなさいということを言っております。  その一つは船体の強度の問題、その一つば航行の安全の問題、さらには環境保全の問題でございます。この三つの問題を一つの柱といたしましてやってまいったわけでございますけれども、ここでまた私たちは、あらためてシンガポール海峡においては喫水十五メートル以上の大型船、重量トン数で十五万トン以上の船舶、これらはより安全なロンボク海峡などを通航しなさいということを、これはさっそく船主協会などに申し入れをいたしまして、目下これは協議中でございます。  いずれ何らかの回答か出てくると思いますけれども、ただ私たちは、もしも国際的なルールができまして、シンガポール海峡が十分しゅんせつをされまして、航路幅が十分確保できるというようなことができた暁にはこんなことは申しません。まず、いまの未精測で、しかも非常にあぶない、航路幅も十分ないというようなところには入れないで、安全な航路を迂回して通りなさいということで折衝を進めております。したがいまして、これは国際的には隣接三国の問題もありましょうし、それから海洋会議の問題なんかも関連をしてくる問題だろうと考えております。また、もしも国際的に大型船が、私たちの言っております喫水十五メートル以上の船は、ロンボク海峡を回れということになりますと、これはまた非常に願った事象になるというようにも考えております。  次に、マラッカ海峡とロンボク海峡を通航する船舶の経済上の問題でございますけれども、これはきょうの朝日新聞なんかにも、船主協会と石油連盟が一緒になりまして計算をした試算の結果が出ておりました。それを見ますと、コスト増になるのは全体から見まして〇・二%ぐらいであろうと。それから、原油の価格にして一トン当たり百二十五円ぐらいじゃないかというような試算をしておりましたけれども、実は船主協会はこれは独自にやられておりますんで、私たちのほうでもいろいろ検討しております段階でございます。もしも両者を比較するとなりますと、これは新聞でもありましたとおり、行きも帰りもロンボク海峡を通るとなりますと千百マイルの増加になります。したがいまして、十五ノットの船のスピードで走りますと三日間の日数を要します。三日間というのはこれは船主協会に言わせますと、一日約一千万ぐらいのコストがかかるのだから、約三千万だというような言い方をしております。  実はこれは、先ほど来申しましたとおり、シンガポール海峡の浅い部分、しかも狭い部分を通峡するために、各船ともペルシァ湾を出てインド洋に入ったらすぐに速力の調整というのをいたします。と申しますのは、その狭い部分をできるだけ明るい日中に通って、しかも、満潮時に通りたいというために調整をするわけでございます。そういう調整をするとかれこれ約二十四時間ぐらい、約一昼夜ぐらいの調整期間というのがかかるわけです。そうしますと、よしんばロンボクを回って三日よけいにかかったということは、その調整期間を入れますと、一日ぐらいはセーブできるのじゃないかということがいえまして、さらに船主協会あたりがはじいておりますそのコスト増よりも減少するということは当然考えられます。  それから、先ほど申しました一千万円という一日当たりのコストでございますけれども、これも計画造船でつくったものか自己資金船であったのかなどによりましても、それぞれ金利の問題等が違いますし、それから、減価償却の問題なんかも違ってまいります。ただ言えることは、海運界におきましては、減価償却というのは非常にもうかったときには多くする。極端に申しますと、もうかったときには三年も四年も償却をするというような、これは過去のいろいろな実績がございまして、必ずしも全部が全部一千万というふうに判断はできません。だから経年変化と申しますか、建造以来の経過年数がたった船につきましては、このコストが著しく安くなるということはいえると思います。そういうことから考えますと、これらも若干マイナス要素になるので、さらに価格そのものについては安いものにつくであろうと私たちは判断をしております。そういうことで、これが即石油へのはねっ返りになるだろうというような懸念は、私たちは全く考えておりません。  まあそのほかいろいろあったと思いますけれども、大体、先ほど質問がありました回答でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 時間が参りましたから、運輸省に一問と通産省に一問。  運輸省に対しましては、いまの貴重な参考意見がありましたが、海運、日本の場合は原油を輸送するというのは、これは国の大きな一つの経済計画の柱であるけれども、輸送する船の動きは海運会社にまかせてある。したがって運輸省としては、いろいろ航路の変更などを指令するというか、指導するだけの意欲もなさそうだし、権限もないようですけれども、いまの話で聞きましたように、専門屋が喫水十五メーター以上、重量トン十五万トン以上はあの海峡を通るのは危険ですと言っている。これを、国内はもとよりでありますが、IMCOに反映して早急に何らかの対策を立てる決意があるかどうかお聞きいたします。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○説明員(浜田直太郎君) 御指摘のとおりでございまして、早急にマラッカ海峡通過のための具体的な安全策というものを、とりあえず現在日本の船主協会で考えておりますが、それらのものとマラッカ協議会等の意見との調整をいたしました上で、IMCO等の場にはかるべく最大の努力を傾注する所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣に聞くつもりだったんですけれども、大臣が時間の都合で退席されたから、ひとつ通産省を代表して言ってもらわなければ困るんだが、初め冒頭に言ったように、この大型タンカーというのは、海運はもちろん運輸省の監督下にあるけれども、その需要、目的は通産省なんですね。もう少し自分のものとして考えてもらわなければ困る。水島のあの原油の貯蔵基地の問題も同じです。輸送してきたものを、これをタンクに入れる、いわゆるその重油なり石油をエネルギーとしてちゃんと確保していくのは通産省の任務ですね。したがって、たとえば二十五万トン以上のタンカーについては無理だといえば、そういうものも人ごとでなくて考えてもらわなければ困るし、水島の問題についてはあれだけの事故が起こったのだから、あれに類似したことが起こらぬように対策をしてもらわなくちゃ困る。だから、省の権限の分野の分担の問題もありましょうけれども、いま運輸省と外務省でやっているその中にちゃんと積極的に入っていって、そうして、この航路の通行については安全であろうか、もしも、どんどんあれに事故が起こった場合には備蓄量だって困るでしょう。そういうものもありますから、輸入原油の輸送確保については、あるいはその貯蔵については、もう少し積極的に、通産省が責任を持ってその指導監督の体制をとってもらいたいと思います。いかがでしょうか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(左近友三郎君) 先生おっしゃられますとおり、わが国の基礎エネルギーでございます石油の安定的な、あるいは必要な量の確保というのが通産省の責任でございますので、それに関係いたします輸送問題等も絶対になおざりにすべきでないということは、お説のとおりでございます。  今回の事件に関しましても、当面の問題については担当の各省に御連絡をしながらいろいろお願いをしておるわけでございますが、今後の問題につきましては、われわれも、先生のおっしゃるように、よく関係の官庁と御連絡をしながら、わが省の本来の任務でございますエネルギーの確保というものを安定的に進めていきたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問を終わります。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十三分散会

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