社会労働委員会 第14号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/05/27
会議録
○委員長(村田秀三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月十七日、野坂参三君が委員を辞任され、その補欠として星野力君が選任されました。 —————————————
○委員長(村田秀三君) 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○目黒今朝次郎君 目黒ですけれども、与えられた時間が三十分ということでありますが、その三十分の時間の範囲内で一つだけ緊急な問題について、大臣なり関係者の考え方を聞きたいと、こう思うんです。 それは五月に入ってから、サッカリンの使用緩和の問題についていろいろ新聞に出ておるわけでありますが、ある新聞は、完全に業者寄りの問題であるとか、一体厚生省はどっちを向いているんだと、こういう批判の新聞記事も二つ三つあるわけであります。 きょうは時間がありませんから、その詳しいことについてはまた次回に譲るとして、まず冒頭、食品衛生調査会の添加物部会——この調査会の委員の構成について、昭和四十七年六月十二日、衆議院の社会労働委員会におきまして、当時の斎藤厚生大臣とわが党の山本委員が議論をやりまして、一定の方向づけが出た。同時に附帯決議も含めてこの調査会のあり方について、大臣答弁並びに社会労働委員会の附帯決議があるわけですが、この内容について大臣御存じでしょうか。
○国務大臣(田中正巳君) 率直に言うて、ただいまの問題について存じ上げておりません。
○目黒今朝次郎君 厚生行政を預かる厚生大臣が、この衆議院の社労委なりあるいは参議院の社労委の附帯決議について存じていないというのは不届き千万だと思うんですが、一口で言いますと、この調査会については従来学識経験者の代表が入っておるわけでありますが、消費者の代表が入っていない。したがって、消費者の代表を入れるように、次の委員の改選までに考えなさいというのが四十七年六月十二日の社労委における当時の齋藤厚生大臣とわが党の山本委員のやりとりで、結論的に次の改選の際に三ないし五ぐらいの委員が入るように配慮したいという大臣答弁でけりになっているというのが第一点です。 第二点は、いろんな食品の添加物については安全性もさることながら、できるだけ添加物は使わないような方向で今後指導しよう、努力しようと、そういう点が一つあるわけなんですが、この二つが私が質問したことでありますが、この件について関係局長、大臣が知らないそうでありますから、関係局でこの二つの件について確認して結構ですか。
○政府委員(石丸隆治君) 食品衛生法でございますが、この食品衛生法は本来食品から消費者の健康を守るという、いわゆる消費者保護の見地に立ってこの法律が制定されておるものでございまして、したがいまして、ただいま先生御質問の食品衛生調査会の機能につきましても当然この趣旨に沿ってこれが運営されているものと考えておるところでございます。 しかしながら、この食品衛生調査会の委員の構成について申し上げますと、これは非常に専門的な事項について御検討、御審議願っている委員会でございまして、そういった意味合いから、従来この食品衛生法第二十五条にその委員の構成の要件が書いてあるわけでございますが、これにやはり学識経験者をもってこの委員に充てるということになっておるわけでございます。しかしながら、従来からこの委員会等におきまして、この食品衛生調査会の委員の構成についていろいろな御質疑あるいはその御意見等も承っておるわけでございまして、われわれといたしましては従来からこの学識経験者の範囲内において、しかも消費者の意見を代表するような立場にある人をできるだけこの委員として発令いたしたいというようなことで従来から対処してまいっておるわけでございます。 この委員の人数等でございますが、先生、もうすでに御案内と思いますけれども、消費者的な立場に立っての委員といたしましては、これは薬剤師の先生でございますけれども、主婦連の高田ユリ先生、あるいはこれは医者でございますけれども、国民生活センターの宗像委員、そういったふうに、できるだけ消費者の立場に立っての御発言ができるようないわゆる学識経験の人を委員として任命するよう努力いたしておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 局長ね、そういうことを全部前提の上に、いまあなたが言ったことを、学識経験者であるとか衛生法の第何条であるとか専門家であるとか、そういうことを全部前提の上に議論されているんですよ。いまあなたが言ったようなことも齋藤大臣が答弁をして、それを追い打ちをかけて話をされた結果として、やはり消費者の代表を入れようと、そういうような結論になったという、まあ私、時間がないから、時間があれば議事録を全部読むんですがね、時間がありませんから、局長が言ったことを、前提を全部百も承知の上でさらに消費者の代表を入れようと、考えましょうと、次の改選期にやりましょうと、こうなっているんですよ。ですから、その点を全部卒業した上で厚生大臣が言っているということを考えた際に、四十九年二月、改選期がありましたね、去年の二月が改選期だそうでありましたが、その改選期の際にこの齋藤厚生大臣の国会答弁が実施されていないということについては確認していいですか。
○政府委員(石丸隆治君) この人数の点につきましては、前齋藤厚生大臣がたしか四、五名というような表現をされておられるわけでございますが、必ずしも四、五名までにはいっておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、この四十七年当時高田委員だけであったものをさらに国民生活センターの理事の先生にもお入りいただいているというような方向で、できるだけ消費者の立場に立っての御発言を期待できるような先生に委員におなりになっていただいている次第でございます。
○目黒今朝次郎君 私はどうせ詭弁を使われたって、いま先ほど何回も言うとおり、そういう学識経験者という前提を踏まえた上で答弁していると、いわゆる消費者代表、消費者の団体の皆さんから推薦を受けた消費者代表という性格の方は遺憾ながら入っていないということで私は断定せざるを得ない。高田ユリさんとかなんとか話がありますがね、それは従来学識経験者で入っておった方であって、そういうことを踏まえた上の議論ですから、したがって現在の調査会にはいわゆる消費者代表が入っていない、こういう認識を私は崩すわけにはまいらぬ、こう思うのです。これは私は時間があればとことんまで追及します。われわれは入っていないと思っている。従来の調査会でやった、その従来の調査会が今回、四月三十日でしたか、從来のを一キロ、一ミリグラムですか、緩和するということでいろいろ作業をやられたわけですが、その作業の中で二つぐらいだけね、ちょっと時間があったら聞いておきたいのですよ。サッカリンそのものにはいわゆる発がん性がないけれども、不純物にあるらしい、こういうおたくの見解で会が進められたと、ところが不純物については、日本の研究機関が全然研究しないで、外国の三つの何か資料があったそうですね。その外国の資料によって不純物については問題ないという形で委員会が押し切られたという新聞記事並びに関係者からの話があるわけですが、不純物がどうも臭いと言っておる不純物について、外国の資料で日本自体が究明しないまま、安全だという断定を下すことができるかどうか。なぜ不純物について日本側として調査をしようとする努力がないのか、この件について一点お聞きしたい、こう思うのです。
○政府委員(石丸隆治君) サッカリンの不純物、特にその不純物の中で、オルトトルエンスルホン酸アミドと、それに基づきます膀胱腫瘍との関係につきましては、いろんな意見があるわけでございます。それで、今回そういったいろんな各国のデータ等を参考にいたしまして決定がなされたわけでございますが、その際わが国のデータとして、そういったものがないではないかということでございますが、これはまあ、いろいろだだいま先生の御指摘の、外国の三つのデータというのがどれかちょっと明らかでございませんけれども、確かにそういった外国のデータも使っておりますし、またわが国におきまして、今回調査会において一番の大きなデータとして、重要なデータとして採用されましたデータが国立衛生試験所の池田博士の行いました実験でございまして、この池田実験が一つのいわゆる不純物と申し上げましょうか、そういったわが国で使用されるサッカリンを使ったものでは膀胱腫瘍を発生しないという一番のよりどころになったわけでございます。なおそのほかに、先生御指摘のように外国のいろんなデータもこれに採用いたしております。
○目黒今朝次郎君 それから突然変異の究明が行われなかったという新聞記事があるのですが、これはどうですか。
○政府委員(石丸隆治君) 先ほど先生おっしゃいました三つのデータというのが、恐らく突然変異のことを先生御指摘になったと思うのでございますが、外国にこの三つのデータがあったわけでございます。さらに今回わが国におきまして、国立のがんセンターの、これは杉村研究所長でございますが、その杉村所長に急遽実験を行っていただきまして、これに基づいてこの突然変異性が認められないという実験データがあるわけでございまして、ただこの食品衛生調査会におきましては、従来から公表されたデータのみを資料として採用するという一つの取り決めがあるわけでございまして、そういう意味におきまして、今回国立がんセンターで実施いたしましたデータにつきましては、これはまだ公にされたデータではないわけでございまして、まあ個人的にわれわれが手に入れたデータでございますが、審議の際これも参考にさしていただいております。
○目黒今朝次郎君 委員長にお願いしたいのですが、今後この問題で六、七点ほど疑問の点があるのですが、時間がないので不十分ですが、ただ言えることは、冒頭申し上げた非常にこの消費者運動に問題のあるこれらの問題について、四十七年以来議論になっておる、調査会に消費者の代表が入っていないということ、それからいま不純物であるとか突然変異の問題について国内的な問題が行われていないという問題、それからもう一つは、これも時間があれば一問一答で聞きたいのですが、四月三十日のいろんな委員会の運営について、きわめて厚生省サイドで一方的にリードをされたという、委員の中から私に対してそういう申し出があるわけなんです。それから委員会の資料が十分に議論されないままやられた。それから東京のつけもの売りの業者の方々の動向が、一部新聞にあるような非常に国民に疑惑を与える問題がある、こういう点から考えますと、私は本委員会でもう少し時間をかけて議論をして、国民が納得する段階でこのサッカリンの問題について厚生省の告示をする、そういう慎重な配慮をしてほしい。また一部聞くところによりますと、ある政治勢力が厚生省に圧力をかけている。これは私はこんなことないと思うのですが、あったら大変なので、そういうこともいろいろ言われているわけでありますから、そういう疑惑を解いてからこの問題について告示という方向に、私は慎重に扱ってほしいということを社会党を代表して申し入れたいと思うのです。これに対する見解を聞いて、この問題に対する質問を終わります。
○政府委員(石丸隆治君) この問題につきましては、さらに今回の、これは諮問・答申という形をとっておりませんが、意見具申という形で調査会の御意見をいただいておるわけでございます。その御意見の中にも一つの条件がつけられておりまして、特に容器包装に入れられていないバラ売りの食品等に対しますサッカリン使用の表示をどうするかという、ぜひこれを表示しろというような条件がつけられておるわけでございまして、そういった条件を今後いかに満たしていくかというような実際上の問題もございますので、さらに慎重に検討いたしたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 大臣、いまあなた前段知らなかったからこうやっているのだけれども、いま言った局長の答弁、いわゆる本委員会で十分議論して問題の解明をきちんとしてから、国民に疑惑を与えないような形でサッカリンの問題を解決をすると、そういう姿勢について、締めくくりについて大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) 本件はまだ告示をいたしておらないわけでございまして、私まだ決裁をいたしておらぬわけでございます。したがいまして私がこれをいかに扱うかということについて目下考慮中でございますので、各方面の御意見をよく聞いて、本問題について対処をいたしたい、かように思っておりますが、委員会の審議ですべてが解明されるまでと、こうおっしゃられても、私もまたいろいろと問題があろうと思いますので、その辺は彼此勘案をして、しかるべき了解に達した節にひとつやるという方向で取り進めさしていただきたい。要は常識的な線でできるだけ皆さんの御納得を得るように心がけることはそういたしたいというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 そんな回りくどい答弁なら大臣あえて聞きませんよ、私も人間だから。少なくともこの委員会であなたが冒頭、前の齋藤厚生大臣の質疑を知らないと言っているでしょう。そんな不勉強な大玉ありますか、あなた。冗談じゃあないですよ。だから少なくとも私はこの委員会で質問したいと社会党として申し出ているんだから、一応ひとつ次の委員会ぐらいで十分聞いて、その委員会の審議の過程で十分な配慮をしたいというぐらいの誠意ある答弁ないんですか。
○国務大臣(田中正巳君) いまのサッカリンについての御質疑は実は急な御質疑でございまして、私、不勉強だと言われては仕方がございませんが、何分にもこれだけ広い役所の、しかも長い間かかった速記について私が全部知っているというのは、かりに目黒さんが私の立場に立っても、なかなかそう簡単には私はいかぬだろうと思うんであります。しかし、まあ皆さんの御意見もありますんで、できるだけ皆さんの御意見を踏まえてこの問題を処理をいたしたいというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 まあ、時間がもったいないからやりとりしません。そのことをひとつ次の委員会で十分議論してその中で国民の疑惑を解いて、あなたは行政の政治的立場で判断してもらうという慎重な配慮を重ねて要請いたします。 次は児童手当の問題ですが、これだけちょっともう一回教えてもらいたいのですが、この前わが党の浜本委員が質問した際に、今回の改正で第一条から「国」という字を取っておりますね。「国」という字を削除をしているんですが、私は議事録を読んでみて、どうして「国」という字を取るのか、国の責任を回避するようなずるい考えであるんじゃなかろうかと、こんな気がしてなりません。したがって、「国」という字を第一条から、目的の項から削除した本当の意味をもう一回、おさらいになりますが、聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(翁久次郎君) 改正前の第一条は、御指摘のとおり、「この法律は、国が、精神又は身体に重度の障害を有する者について、特別児童扶養手当等を支給することにより、これらの者の福祉の増進を図ることを目的とする。」とあるわけでございます。ただいま御質疑がございましたように、改正後の第一条につきましては、「この法律は、精神又は身体に障害を有する児童について特別児童扶養手当を支給するとともに、精神又は身体に重度の障害を有する者に福祉手当を支給することにより、」云々となっております。これは福祉手当につきましては、この法律にもございますけれども、在宅の重度の身体障害、精神障害のある人に対して福祉の措置として手当を支給する。その手当は、国及び都道府県において割合を決めて、国は十分の八でございますし、都道府県は十分の二でございますが、割合を決めて支給するということにいたしておりまして、したがいまして、従前の規定でございますと、国が全額を支給する特別児童扶養手当について規定しておりますので、そういった点の誤解をなからしめるという意味において「国が、」という字句を取ったのでございます。したがいまして、新しくこの法律におきまして、特別児童扶養手当の次の項には、第三条は明らかに「国は、」という主語を入れているわけでございます。そういう使い分けをいたします関係上、この第一条におきまして「国」という主語を取った、それだけのように私どもは解釈いたしておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 それはこの前浜本委員のあれに答えたとおりなんで、議事録に載っています。私、どうしても、悪い考えか知りませんがね、「国」という字を取って将来の福祉手当などが都道府県の負担に、——実態になってますけれども、これを逐次国が言い逃れをして地方自治体の方にその責任を転嫁していくと、そういうきわめてずるい考えでやったんじゃないかという気が答弁を聞けば聞くほどしてならないんです。国と地方自治体であるならば——たとえば心身障害者対策基本法ありますね。この第一条の目的にちゃんと「国、地方公共団体」の責任においてと、これはやっぱり国と地方公共団体の責任をきちっ、きちっとしているんですね。そうすれば、「国」という字をそのまま現存して、「、地方公共団体」の責任云々というふうに追加をするのが私は常道であって、わざわざ「国」という字を削除する必要がないではないか、こういう気がするんです。これは初めての福祉手当ですから、今後の何年か後に性格論争になるんで、私はやっぱり「国」という字は残すべきじゃないか。したがって、あなたが言ったことについて足りなかったら、地方自治体の責任ということをどっかで追加すればいいんだと、やはり主体は国だという点を目的にきちっとしておく必要があると、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(翁久次郎君) 御意見、よく承りました。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、第三条では明らかに「支給要件」で「国」という字を用いておりますのは、従来の特別児童扶養手当について国の責任を明記しているわけでございます。私どもは、現在の在宅に対しまして、施設に入っている人に対しては、十分の八と十分の二の負担区分で福祉の措置を講じてまいっております。これは従来から全然変更いたしておりません。福祉手当につきましても、今後このような負担区分について変更し、また国の責任を軽からしめようという意図は毛頭持っていないわけでございます。したがいまして、この一条ないし三条、それから後に出てまいります負担区分につきまして御理解をいただきますならば、この点の誤解はお解きいただけるのではないかと思いますが、なおわれわれの取り組み方としては、決してこの問題を国から都道府県に転嫁するものであるというようには毛頭考えておりませんので、御了承いただきたいと思うのでございます。
○目黒今朝次郎君 私はやはり納得できませんな。あんたがおる間はいいけれども、あんたがかわってしまうとどうなるかわかりませんから、やはり小学校卒業生にもわかるように、あなたが心配であるならば、国及び地方自治体の云々というふうにきちっと目的を明確にしておくべきであるということを再度要求して、これは要求ですから……。私は同意できません、遺憾ながら。 それから時間がないから、次に福祉手当ですがね。この問題は、率直に言って、在宅の方ということですね。 それから、それでちょっと聞くのですが、施設に入っている方は、この前石本先生の質問に対して大体二十三万円だと、そういう答弁をしていますね。医療費が約十三万円で重症指導費が七万円ですか、医療費、それから小遣いとか雑費が七千円と、合計で二十三万円。 この在宅の方は、これができますと、前の一万八千円と四千円で二万二千円もらえるわけですね。これはいいですな。 それで私が聞きたいのは、自分の都合で病院に入っておる重度の心身障害者、この方はどうなるのでしょうか。在宅でない、施設にも入っていない、いわゆる私立の病院に入っている方、この方方はどういう扱いになるのでしょうか。
○政府委員(翁久次郎君) これは、ただいまの御質問については私どもはこのように考えておるわけでございます。要するに、治療を受けるために入院しておられる方につきましては、この治療の結果によって症状が軽快することが期待されるわけでございます。で、この福祉手当は重度の身体障害あるいは精神障害によって日常生活に非常に支障を生じている人について支給するものでございまして、状態としてはこういった障害が継続・固定しているということを前提に考えているわけでございます。したがいまして、施設に入っておられる人はこれを除外いたしまして、原則として在宅の人々に対して手当を支給する。したがって、入院治療、加療しておられる人は軽快することが期待されるという意味におきまして直ちにはこの手当の支給対象にならないのではないか、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、この前の予算委員会で、厚生大臣、私、植物人間の話をしましたね。それでいま局長の答えをお伺いしますがね。植物人間という方はいわゆる重度の心身障害者に、身体障害者ですか、入るのですか、入らないのですか、植物人間。
○政府委員(翁久次郎君) 私、専門家ではございませんので的確なお答えになるかどうかは、それは疑問でございますけれども、私どもが対象としております人々は、先ほど来申し上げておりますように、症状が固定している、そうしてその固定した状態が継続しているということを前提にしているわけでございます。で、そういった意味におきまして、治療、加療という状態にある方については、なおその症状が軽快し得る可能性があるというように考えておりまして、その判断につきましては、個々の症状によって認定していく以外にないのではないか、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 では、さらにお伺いしますが、この前齋藤大臣に善処を要望して、この前、厚生大臣ではなかったかな、あなたでしたかな、予算委員会で答弁したのに、昭和四十八年には百万円、昭和四十九年には百五十万円の植物人間に対する研究費を仙台の東北大の鈴木教授にお払いして研究しているんだと、そういう答弁がありましたね。四十八年、四十九年、合計二百五十万もかけて調査したんですから、私の認識では完全植物人間はおたくが答弁したとおりに具体的に適合する症状だと、こう私は思うんですが、研究結果についてどんな報告が来ているんでしょうか、四十九年、四十八年。
○政府委員(佐分利輝彦君) まず四十八年度の研究は全国的な疫学調査の研究でございまして、全国に患者がどれぐらいいらっしゃるかという調査研究が行われております。また四十九年度の研究は治療方法の改善に関する研究でございまして、まだ的確な結論は出ておりませんけれども、特殊な薬品を頸動脈に注入いたしますと、意識が突然戻ることがあるというようなデータ等も報告されておりますが、今後さらに研究を続けていただく必要があろうと考えております。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、私がこの前聞いていた限りでは、いま局長が言ったやつはまあ九十九分の一だね、意識が戻るというのは。いままで三十何人のうちでたった一人、女の子が戻ったということだけで、大体確率はどんな辛く見ても九十分の一あるいは九十九分の一だと、そういうのが大体確率らしいんです。ですから、そういう確率から見ますと、局長ね、もう市立病院で受療して回復ということはまあ万が一あり得ても、ほとんどもう固定された状態の私は重身障者だと、こう見ても間違いないと、こう思うんです。でありますから、厚生大臣も近く来てもらえると、こういう話でありますから、私もぜひ行ってみたいし、同時に全国三千名の方がおるわけでありますから、その全国のことも私あちこち六カ所ぐらい見て回りました。ほとんど仙台と同じです。結論から言うと、私は少なくともこういう方方について、この前は、予算委員会では医療の問題、受療の問題を話しましたが、せめて看護あるいは介添え手当と福祉手当的なものはこういう方方にやっぱり支給するというぐらいの最大の私は配慮と努力をしてほしい。われわれも努力するにやぶさかでありません。そういうことについてぜひ研究課題として早急に取り組んでもらいたいということをひとつお願いしますが、いかがでしょうか。
○政府委員(翁久次郎君) ただいま御指摘ございましたように、いわゆる入院加療の際における介護手当の増額あるいは医療費におけるその面の配慮、こういったことも含めまして、ただいま御指摘の点については十分検討を加えてまいりたいと考えております。
○目黒今朝次郎君 この前申し上げたとおり、仙台市は七十五万、宮城県は七十五万、百五十万ですね。それからいわゆる労働大臣も言ったとおり、一般の方の基金で入院時には三万円その他に毎月二万円、全部プールにしてやっと地方自治体が抱えているのですから、これが全国で三千名もおるわけですから、ひとつ最大の努力をしてこの今回の福祉手当の新設に当たって最大の努力をしてもらいたいということを再度要望して、時間が来たようですから質問を終わります。大臣、いかがですか、ひとつ最大の努力を要請しますが……。
○国務大臣(田中正巳君) いわゆる植物人間についてのいまのお話、ことに宮城方式というものについて、いろいろと目下検討をいたしております。結論をいまここで明確に申し上げる段階ではございません。 なお、前段の御質問の福祉手当に関しては、私はかなりの、一〇〇%とは申しませんが、かなりの方がいわゆる福祉手当の受給者になれるものではなかろうかというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 終わります。 —————————————
○委員長(村田秀三君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○柄谷道一君 障害者福祉年金の受給者は約四十二万人、特別児童扶養手当受給者は約五万人、合計四十七万人存在すると厚生省の統計は示しているわけであります。しかし今回福祉手当の支給対象者である重度障害者を二十九万八千人と押さえておられます。その理由を率直にお伺いいたしますが、これは財政上の理由によるものでありますか。
○政府委員(翁久次郎君) これはもっぱら症状に着目いたしまして、日常生活に支障を生ずる程度の重度の身体障害または重度の精神障害を持っておられる人を対象といたしました結果、約三十万という数字が出た次第でございます。
○柄谷道一君 そういうことになりますと、身障一級は大体問題なく適用される、二級は常時介護を必要とする者と、しからざる者が混在をする、したがって二級の中から該当するものを拾い上げる、こういう結果になると思うわけであります。そのことは非常にこの基準を複雑にしているということを指摘せざるを得ません。現行の障害者の別表で同一等級にある者が、ある者は選択をされ、ある者は選択されないという結果になるということになりますと、これは本人にとりましても介護者にとりましても、やはり割り切れないものを残すということは、これは争えないと思うわけであります。大臣も議事録を見ますと、衆議院の社労委員会でわかりにくいものになった、しかし常時介護を要する者が制度や行政のひずみによって漏れることがあってはならぬと、こういう答弁をされております。私はまあ、むしろ大臣の本当の真意は、一級、二級は大体救い上げていきたいと、しかしまあ、財源上の問題もあるので、とりあえずそのような措置をとらざるを得なかったというのが真意ではないか、こういうふうに思うのですが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(田中正巳君) 何分にも、この福祉手当につきましては、常時介護を必要とするものについて、まあ介護を必要とするような方だから何がしかのひとつお手当をしてあげたいというところから始まったものでございまして、これが創設をされるときのバックグラウンドについては柄谷先生も御存じだろうと思います。そこでわれわれもいろいろ苦心をいたしたのですが、これにぴったりした別表のクラシフィケーションがあれば一番よかったんですけれども、やはり従来の別表の等級を使うということになりますると、一級は問題ないのですが、二級についてどうも常時介護を必要としない者が、明らかにしない者が散見されるわけでございますので、一時は私も悩みまして、いっそのこと一級だけにしてしまおうかと思いましたが、それじゃかわいそうだということで克明に拾うようにということから、二級の一部を拾ったわけでございまして、決して財政上の理由ではございません。全然なかったかと言えばそれはうそになるだろうと思いますけれども、しかし実際問題としては、そういう基準の引き方、常時介護を必要とする者は別表の二級の中に明らかな者はどの程度だろうかと、そういう観点からむしろ親心で拾い上げたものですから、したがって二級の中に、ある者は入り、ある者は入らぬというかっこうに実はなってしまったわけでありまして、わかりにくくなったということはそのことを指すわけでございます。財政上の理由だけから割愛したということでは毛頭ございません。
○柄谷道一君 福祉手当はこれ、三木内閣の目玉商品でございます。新聞紙上にも大きく取り上げられましたし、大臣もこの委員会における所信表明で、特に在宅の障害者に対する福祉施設の拡充に重点を置いた、こう強調されているわけであります。しかしこの金額を見ますと、四千円、一日当たり約百三十円にこれは当たるわけでございまして、結局この金額から見ますと、いわゆる見舞い金程度のものと、こう理解せざるを得ません。衆議院の三月二十日の社労委員会で、山下政務次官、翁局長もそのことを認めておられる発言をされているわけでございます。とするならば、これ、相当の福祉手当の額ということになりますと厳密な精査が必要であろうとは思いますが、見舞い金程度の四千円ということになりますと、あえて割り切れないものを残すようなこの基準というものを果たしてつくる必要があったんだろうか、こういう私は率直な疑問を持たざるを得ないわけでございますけれども、これについては大臣どうお考えでございますか。
○政府委員(翁久次郎君) ただいま衆議院社労委における速記録をお示しでの御質問でございますが、御質問に対するお答えといたしまして、精神的、肉体的な特別の負担に対するいわば補償という意味におきます手当であるということを申し上げたわけでございまして、見舞い金そのものずばりという意味で申し上げたわけではないのでございます。私どもといたしましては、やはり本来の制度といたしまして、重度のしかも在宅の、そして日常介護を要するような人に対する福祉の措置を講じたいということがねらいでございまして、したがいまして、その範囲においてこの制度を発足する、御指摘のように四千円がそれにふさわしいかどうかについては御議論もあろうかと思いますけれども、ただ、いままでの特別児童扶養手当、これはダブルハンディに対する手当がすでに三千円でございましたので、これなどを勘案した上で四千円といたしたわけでございまして、これは今後のわれわれの改善の中身はむしろ手当の中身であろうというように考えておりまして、その対象につきましては、私どもは制度本来といたしましては重度ということを中心に考えてまいりたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 社会保障制度審議会は「支給対象の範囲及び制度の運用については公正を失しないよう特に慎重な配慮が望まれる」、こういう答申を大臣にいたしております。時間がありますと個個の内容について指摘したいんでございますけれども、私は率直に言って現行の福祉手当支給の対象というものが果たしてこの審議会の答申というものに十分こたえるものであるかどうかにつきましては、なお若干の疑点を持つものでございます。なお、制度創設時でもございますので、この点につきましてはひとつ大臣、今後継続して、わかりにくいというものから脱却をして、やはり公正な適用の範囲というものが確立されるように、なお引き続いての御検討をこれはお願いをしておきたいと、こう思います。 それから所得制限でございますけれども、この福祉手当、この所得制限はございましても制限内で大体対象者の九八ないし九八・五%をカバーしておるということをこれは厚生省が発表しておられます、私、内々聞きますと。すると、所得制限にひっかかる人というのは一・五ないし二%前後ということにこれはなるわけでございます。四千円という見舞い金という性格から見まして、あえてこの福祉手当に所得制限をつけなければならない——相当の額であれば当然所得制限の発想は生まれてくると思うんですが、見舞い金程度のものにその種の所得制限をあえてつけられた真意はどこにあるわけですか。
○政府委員(翁久次郎君) ただいまのような御意見もおありかと存じますが、繰り返し申し上げますように、重度の障害者に対する福祉の措置ということを出発といたしましたものでございまして、これと同じような他の制度につきましても所得制限の措置は講じられているわけでございます。ただ所得制限の額そのものにつきましては年年改善を見ているわけでございまして、ただいま御指摘がございましたように、おおむね一〇〇%近い人が保障されております関係もありますので、額の改善につきましては今後とも努力をしてまいるといたしまして、所得制限そのものの撤廃ということについてはいかがであろうか、かように考えている次第でございます。
○柄谷道一君 まあ、いろいろ異論、意見のあるところでございますけれども、私は横に形式上並べるということも必要でございますけれども、それぞれの金額なりそのものの持つ性格というものによって、これはやはりそう四角四面な基準ではなくて、やはり配慮を要するべきものとしからざるものという温かみのある配慮が今後は必要ではないか、制限緩和ということも必要でございますけれども、今後の一つの課題として厚生当局においても御検討を願いたい、こう思います。 それから時間の関係で次へ移りますけれども、わが国のこの医療施策の中で、在宅の施策というのが立ちおくれている、これは一般に指摘されているところでございます。その意味で、今回の法改正は一歩前進したことを評価するものでありますけれども、在宅の重度身障者を抱える家庭の精神的、経済的な負担というものはこれははかり知れるものではありません。介護をする人はパートで働くこともできなければ内職も十分にできない、付添介護人をつけようと思えばこれは高額でその利用も意に任せない。山下政務次官も、これは大臣不在の委員会でございましたけれども、衆議院で、老齢福祉年金が発足の趣旨と違って生活費の一部となっているように、この制度も小さく産んで大きく育てたいと、こう答弁されております。したがいまして、私、大臣に率直にお伺いするんでありますけれども、明年度この金額についてはやはり飛躍的といいますか、増額について大臣としての積極的な御努力をされるという趣旨にこの答弁を理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(田中正巳君) 福祉手当は何分にもことし創設された制度でございますので、いろいろ今後改善の余地があろうというふうに考えております。ただいまのところまだこれについて確定的な御答弁を申し上げるところまで検討は進んでおりませんが、これについては範囲、所得制限等々いま柄谷先生御指摘の問題がいろいろありますが、もし許すならば私は金額の点についてこれを積極的な姿勢を——全部やれればけっこうですけれども、なかなかさようにまいらぬという場合には、金額の点について今後歩を進めていくという方向をとりたいものだというふうに考えておるわけでございますが、いま幾らにするとかあるいは必ずこうするとかいうふうに申し上げられませんが、気持ちだけを吐露しておきたいと思います。
○柄谷道一君 大臣のせっかくの御努力を期待をいたします。 在宅の問題になりますと、さらに家庭奉仕員、ホームヘルパーという問題が浮かび上がってくるわけです。現在、身障者に対する家庭奉仕員は全国で千二百名、重度身障児に対して千二百名と、余りにもその数が少ない、これは指摘するまでもないと思います。さらにこういう点を考えますと、今後老人、身障者、重度身障児等を包括いたします総合的ヘルパー制度というものを確立をいたしまして、総合運用によってその密度を濃くしていくという配慮が今後の厚生行政の中に必要ではないか、こう思うんであります。その点に対する大臣の所見と、もう一点、私は一昨日、大臣とともどもに重症身障児を守る会の大会に出まして、私自身も非常に感ずるところ多かったわけでございますけれども、緊急一時保護制度の創設について大臣から非常に心温まるごあいさつを受けまして、私も意を強くしている一人でございます。これからの問題になろうと思いますけれども、これらの点を含めまして、総合した在宅医療体制の確立について大臣として今後前向きに積極的に御検討願う意欲であると、こう理解するんでございますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(翁久次郎君) 前段のホームヘルパーの点につきましてお答え申し上げます。 御指摘のように、身障並びに重症心身障害児、それから老人ヘルパー、合計いたしまして一万二、三千になるかと思いますが、御承知のとおり、身体障害者あるいは重症の障害児をお持ちの御家庭は市町村の場合きわめて散在しております。したがいまして、数の拡充もさることながら、彼此融通した総合的なヘルパー制度ということをわれわれも考えていかなければならぬと存じております。 きょうあたかも神戸でヘルパーの研修会をいたしております。ただいま御指摘のような線に沿った検討を今後の課題といたしたいと、かように考えております。
○国務大臣(田中正巳君) 在宅対策というのは、この種のも一のについておくれていることは御指摘のとおりで、今後伸ばしていく方向として十分私どもは考えにやならぬ分野だろうと思っております。 ヘルパー等々につきましてもいろいろ具体的な御提案がございましたが、検討をいたしていきたいと思っております。 それから、いまの一時保護制度につきましては非常に体験のある、現実の御家庭から出た一つのニードだろうと私も受けとめておりますが、実際問題としてこれを一遍に全国各地にやるということについてはなかなか実はただ金の問題だけじゃございませんで、あの種のお子さんをどういう形で一時的にお受けしていいか、中にはまた、あの節に私ちょっと申しましたけれども、手がわりのそのお子さんについて経験のない方々にお預けすることがなかなかむずかしいという声も聞きますが、しかしそんなことばかり言ってても仕方がございませんから、私は明年ひとつテストケースでこれについてやってみたいというふうに実は思っているわけでございますが、これらについてもう少し具体的な点について詰めて、また皆さんの御協力を仰ぎたい、かように考えております。
○柄谷道一君 これまた本当に御努力を期待をいたします。 次に、政府は今国会でILO百二号条約を批准する予定であるということを聞いているわけでございますが、これは厚生大臣というよりもむしろ国務大臣として批准案を一体いつごろ提出をされる御予定であるのかお伺いします。
○国務大臣(田中正巳君) たしか三月七日の日の閣議で批准案件を決めまして国会にお願いをしているところだというふうに思っておりますので、この後はひとつ国会でできるだけ早く御審議を賜りたいというふうに思っております。
○柄谷道一君 そうしますと、このわが国の現状を見ますと、ILO百二号条約の中で家族給付部門が要件から遠く離れていることはもう御承知のとおりであります。特に四十四条関係の給付内容は四十八年所定給付総額三千四百三十六億円必要なのに対して七百五十億、昭和五十年度でも千五百億程度でございます。金額の上積みとともに、その支給の対象にいたしましても第三子からの支給対象というのは世界的にもきわめて少ない、大部分は第一子及び第二子より支給されていることも御承知のとおりであります。国際的にこのILO百二号条約の中の家族給付部門の立ちおくれというのはあらゆる面をながめてもこれは事実でございます。大臣は四月十五日の本委員会におきまして日本におきましては給与体系の問題もあり、いま一度踏み込んだ検討が必要ではないか、こういう御答弁をされているわけでございます。しかし、私は社会保障制度審議会が昭和三十七年八月二十二日、次のように答申をいたしております。簡単ですからこれ読んでみます。「児童手当の問題は、人口問題としても、家族制度の問題としても、きわめて重要な問題であり、慎重な考慮を要する点が多い。詳細についてはなお検討を期したいが、雇用構造の変化からみて、まず被用者に対する社会保険として発足させる。全国民に実施するのはつぎの段階であるが、被用者以外の国民のうち一定所得以下の者については被用者と同時に実施すべきである。支給対象とする子はこれらの者の扶養する子女で義務教育終了前のものとし、なるべく第一子からすべきである。」、こう出されているわけであります。多々ますます弁ずという意味ではございませんが、この趣旨に沿うために将来展望としては第一子より支給をしなさい、しかしそれが一挙にできないとするならば、財源との関連、給与体系との関連等を考慮して、当面保険制度としてでも一子、二子はこれを拾い上げていくべきではないかというのがこの制度審の答申の意味であろうと、こう思います。自来これ十三年経過しているわけでございます。給与体系上の問題、財源の問題というその理由でこの十三年間これらの問題が今日に放置されているということは、私は政府のこれは怠慢ではないかとすら指摘せざるを得ないのであります。今後の家族給付、いわゆる児童手当の発展というものに対する厚生省としての方針を承りたい。
○政府委員(上村一君) 三十七年に社会保障制度審議会が答申を出されましたときの内容はいまお話になったとおりでございますが、四十六年に私どもが児童手当法を制定いたしましたときには、被用者あるいは被用者でない者を区別することなく全国民にまで一応広げたというふうに考えられます点は、三十七年当時の答申よりも、範囲の点においては進んでおるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、その後児童手当法を制定いたします際の制度審議会の答申、それから今回の制度審議会にお諮りいたしました際の答申の際には、そのいろいろ今後の根本的な検討について私ども一の方に宿題を投げかけられておるわけでございます。ただ、児童手当の問題と申しますのは、前からもいろいろお話が出ておりますように、児童福祉の分野でいろいろ緊急を要するような事項等もございまして、根本的にどうこうするというところまではまだ私ども考え方をまとめておる段階にはなっておらないという状況でございます。
○柄谷道一君 私はこの児童手当を社会保険制度にすることの適否を言っているわけではないのです。いま局長言われましたけれども、被用者のみでなく、全国民を対象とした児童手当制度の必要、これはもう問題はないんです。しかしそれは三子からしかできないとするならば、全国民を網羅するものは三子、二子と漸次長期的に行くにしても、その経過的なプロセスとして一時的に低所所得者及び被用者については保険制度でこれをカバーするという、これは現実的プロセスを一つ示唆したのがこの制度審の答申ではないかと、こう私は理解するわけであります。これ以上の議論はもうあと残された質問時間五分しかございませんので、きょうは問題指摘だけにとどめますけれども、やはりいつまでたってもこれでやむを得ないのだという、そういう姿勢ではなくて、やはり国際的水準に到達するために、どういうプロセスとどういう手法というものがあるのか、このことに対してはもう少し積極的に前向きの検討というものがなされるということでないと、私百年待って、これは国際水準に達するということができないのではなかろうかと、こう思いますので、この点もひとつ大臣としての意欲的な検討をお願いをいたしたい。 それからあわせまして、私はILO百二号条約と言いますと、母性給付も要件から外れていることはこれまた明らかでございます。この問題について同じく制度審が答申いたしておりますけれども、この答申内容は時間の関係で朗読することは省略します。よくこの問題を指摘しますと、政府は出産は疾病のカテゴリーに入っていない、それから慣行料金を診療報酬体系に組み入れるということになりますと、他の体系にも非常に大きな影響を与えるので技術的にも非常に問題がある、この二つの理由をもちまして現物給付化の困難性を主張されているのであります。私はこれらについてはぜひ今後ともの検討が必要でございますけれども、一歩譲って現行の現金給付という制度を踏襲するにしても、その六万円という最低基準は、ちょっと現実からすでに離れているのではないかと、こう思います。これは民間の病院ではありません。国立相模原病院での一例でございますけれども、本年の二月二十五日に出産をいたしました私の知人から、いろいろ資料を取りますと、通院料七千七百七十円、十回分であります。入院十一日分、十四万三千十円であります。産後一カ月間の健診が千五百円、それから入院中のリース代千五百円、その他胎盤処理料等の雑費が約七千七百円、合計いたしますと、十六万二千四百三十円というのが出ております。これは現実に本年二月、国立の相模原病院で分娩した場合の分娩の実態でございます。一時、私も社会保険審議会の委員をしておりますときに、六万円によりましておおむね現物給付に近い線に到達できたと言ったわけでありますが、その後の諸物価の高騰、その他の要因から、現在の六万円では、実際要する分娩諸経費の三分の一程度しかカバーできていない。この問題は、診療報酬体系の検討とも何とも別個でございますので、それらの抜本的な検討は引き続き行うとしても、現金給付のひとつ見直しというものが必要な時期ではないかと、こう私は思いますが、これに対する大臣の所信をお伺いします。
○国務大臣(田中正巳君) ILO百二号条約は、必ずしも現物給付にしろとは言っておらないわけで、本人負担のないようにしなさいと、こういうことを言っておるわけでありまして、そうなってまいりますと、現物給付には言うべくして実はいろいろと問題があるわけでございまして、私もいろいろ検討しておりますけれども、一朝一夕には簡単にはいかないんじゃないかということをおそれているわけです。そうなれば、先生がおっしゃるように、現金給付の面において改善を加えなければならぬ。せっかく一遍アプローチしたものが、また先に行ってしまったというのが現下に置かれている実情のようでございますので、これはひとつできるだけ早い機会に現金給付で実勢から余り乖離しないように改善を加えなければいかぬ、とりあえずはそういう方向でいきたい、かように思っております。
○柄谷道一君 ILO百二号条約批准というものが、九部門中四部門を満たしているから批准要件はいいんだというだけにとどまらずに、特にいま言いました出産、そして家族給付、こういう面につきましても、この批准を一つの契機として、より積極的な行政の姿勢というものを強く要求をいたしたいと思います。 で、最後に、時間が参りましたので、私は、予算委員会の分科会でも大臣に御質問したのでございますけれども、この種の委員会を開きますと、老人対策の問題、医療の問題、母性保障の問題、児童の問題、さらに医療福祉施設の問題など、まさにこれは要求といいますか、要望は無限であると思います。しかし、これを現実に施策に移していくための財源ということになりますと、これは有限でございます。時たまたま昭和五十一年から新経済社会発展計画がスタートをする。これに対応するものとして社会保障五カ年計画というものも厚生省でひとつ検討をしたいということもたびたび述べられているところでございます。私は、その社会保障五カ年計画に当然中期計画と、これらの社会保障拡充に対する諸要望というものに対応して、そのウエートと、順序というものを、順位というものをどのように盛り込んでいくべきか、これらについてもこの計画の中で明示されるものと期待いたしておりますけれども、その点に対する所見をお伺いをいたします。
○国務大臣(田中正巳君) おっしゃるとおり、社会保障につきましても、計画性を持たなければならぬし、政策の選択、プライオリティーというものをこの際考えていかにゃならぬということは、私もかねがね考えているところであります。そこで昭和五十一年から新経済計画というものが策定されるならば、それとの見合いにおいて、この種の中期計画というものを立てたいと思っておりましたが、いまのところはっきりいたしませんが、どうも現在の経済情勢を踏まえて、五十一年から発足できるかどうかということについて、経済企画庁等でいろいろな論議が行われているということを聞いておるわけでございまして、もし、向こうが五十一年から発足できなくて、五十一年中に策定し、五十二年からということになると困るなと、こう実は思っておるわけですが、基本の姿勢はいまだ私としては中期計画を立てることについて崩しておりません。 なお、いま私が最も悩んでいることは、こうした激動する経済情勢下にあって、本質的な一体経済動向と、一時的な経済動向とをどう見分け、どのような形でもって社会保障を伸ばしていくか。短期的に現在の経済情勢、財政状況を見て、下手にこれに乗ってやったならば、私は妙に萎縮した経済計画ができやしないかと、これは先生方皆理解ができるだろうと思いますが、もう少し長い目でやはり見ることをしなければならぬ。ここにこの種の中期計画、社会保障の長期計画を立てる場合において一番私はむずかしい段階にいまあるのではなかろうかと思っておりますが、基本的には乏しい財源の中でも、できるだけこれを伸ばしていきたいと思いますが、財源全体を今後経済成長の過程において、どのようにこれを長期的に見渡すか、これがなかなかむずかしいところであろうというふうに思っておりますので、基本の方向として社会保障を伸ばしていくという場合に、誤りなきを期したいというふうに思って、せっかく腐心をしているというのが現在の私どもの心境でございます。
○柄谷道一君 時間が参りましたので、これ以上の質問はまた次回に譲りたいと思いますけれども、よく総論あって各論なしということが言われているわけでありますが、事社会保障に関しては、総論もなしというのが現状の率直な実態だろうと、こう思うわけであります。そこに社会保障問題の混迷もありますし、いろいろ迷い、前進しないという大きな阻害の要因になっていると思いますので、これは非常にむずかしいし、かつ重要な問題でございまして、各政党の意見も総合しなければならないと思いますが、ぜひ厚生当局におきましても、そうした確たる中期計画の策定について、広く意見を徴しながら、一日も早く確立されることを要望して、私の質問を終わります。
○山崎昇君 各委員からかなりな細かな質問等もございまして、相当問題点も明らかになったと思うのですが、締めくくり的に私の方から二、三お伺いをしたいと思います。 その第一は、先ほど目黒委員からもお話がございましたが、この法律案の第一条から「国」という言葉がなくなって、そうして、その一つの問題点として負担区分が十分の八は国で、十分の二は都道府県で、こうなりました。都道府県でやるこの十分の二の財政負担というのは、お聞きをしますというと、地方交付税でやるようでありますね。なぜ私は今度の法改正でこの問題だけ都道府県に十分の二負担させるのか、どうしてそれを地方交付税という方式でやらなければならぬのか、なぜ全部国でやれないのだろうか、これが一つ疑問になります。さらに私はこの問題は法定の支給でありますから、自治体で自由裁量権がございません。自治体である程度自由裁量権がある、上積みをするとかなんとかという問題なら、地方自治体の財政である程度やることもあり得ると思う。しかし、今度の問題は全部これ法定ですから、自治体に自由裁量権がないのです。そういうものをなぜ「国」という言葉を削って、この負担区分をしなければならないのか、この辺がどうしても先ほどの答弁では理解できないものですから、もう一遍この「国」という言葉を削ったことに関連をして、自治体に一部負担をさせるというやり方をとったのか、お聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(翁久次郎君) 重度の障害者に対する福祉の措置といたしましては、従来施設に入所をさせる、それから在宅につきましては、在宅のいろいろな援護措置を行う。これは御承知のとおり地域に密着した自治体なり、あるいは大きく言えば国の責任でございます。特別児童扶養手当につきましては重度の身体障害、重度の精神障害を持っております特別なダブルハンディの人に着目して、とりあえず国がこれに対して特別児童扶養手当制度として発足したわけでございます。 今回のこの制度の改正につきましては、先ほど申し上げましたように、福祉の措置として在宅の人と、それから施設に入っている人と、こういった両方を踏まえて、それに対する国並びに都道府県あるいは市町村の福祉に対する姿勢を明らかにするということがこの制度の一つの基本につながっているものと考えているわけでございます。御承知のとおり、施設につきましては措置費をもちまして国が十分の八、これを入所させております都道府県、市におきましてそれぞれ残りの十分の二を負担しているわけでございます。したがいまして、地域に住んでおられてそして入所できない、こういった重度の障害者に対する福祉の措置として施設入所との関連等勘案いたしまして、十分の八、十分の二という負担区分を設けたのでございまして、国がやはりこういった重度の障害者に対する福祉の措置に対する一つの新しい姿勢というものを在宅を制度として導き出す、これに対する都道府県なり市町村の応分の責任を明らかにするということがこの趣旨でございます。 問題はあと財政問題になるかと存じますけれども、これはただいま御指摘がございましたように、都道府県、市町村全体の交付税という制度でこれをカバーしていこう、こういうことにした次第でございます。
○山崎昇君 それはおかしくありませんか。たとえば憲法の二十五条から言ったって、国が全部責任を負わなければならぬこれは行政ですね。ただ、実施に当たって自治体をどう協力させるかということはあり得ると思う。それから、施設の場合は、これは運用上の問題が入ってまいりますから、私は多少の幅があると思う。ところが、いまの特別児童扶養手当にいたしましても、法定費用ですと、たとえば四千円と決まれば、自治体でそれをどうすることもできませんね。全部国が決めて国が実行する以外にないじゃないですか。だから、どうして負担だけは二割、十分の二を都道府県だけにやらせてそれで姿勢を示したということにはならない。これは、私はどうしても納得できない点なんです。さらにこれはやがて額が大きくなってくる、あるいは将来社会福祉全体の問題と関連してきて、自治体の財政というものと関連をしてくると思うのです。そういう意味で言うならば、少し極端ですけれども、国は一体の責任を逃れて自治体におんぶさしていくという考え方がこの中に入ってきているのじゃないだろうかという疑いすらある。そういう意味ですから、私はやはりこれらの問題をやるときには、実施の段階で自治体に協力させることはあり得るとしても、実際の責任は国が全部持ってすべきではないだろうか。交付税はずいぶん幅があるんですよ、交付税のやり方は御存じのとおり。そういう点からいきまして、これは納得できませんから、将来もう一遍この点については考えてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 それから、時間がないので、はしょってまいりますが、特別児童扶養手当の性格は先ほど答弁もございましたが、一体これは、性格は私どもどういうふうに理解しておったらいいのか、これは介護的な手当も入っているのか、見舞い金なのか、あるいは本当に生活が困るから何か国で全部めんどう見るという一部の考え方が入っているのか、どうもこの性格がわかりません。あわせて今度つくられました福祉手当というものの性格も一体何なんだろうか、これも。先ほど見舞い金というようなお話であったと思うんですけれども、これは見舞い金か、そうでないかによって私はこれからのあり方が違ってくると思うので、この二つの性格についてお聞きをしておきたい。
○政府委員(上村一君) まず特別児童扶養手当の方でございますが、三十九年に重度の精神薄弱児を持ったその親御さんに手当を出すということでスタートいたしまして、その後範囲を広げて今日の特別児童扶養手当になったわけでございます。 目的としましては、結局、精神なり身体にハンディキャップのある子供を抱えておられる親御さんというのは、介護ということもあるでしょうし、それからいろいろな経費がかかる、そういった家庭のいろんな負担に着目をして、そういった家計の援助をすることによってそのお父さんなりお母さんというものがハンディキャップのある子供を十分養育できるようにと、そういうところにねらいがあるわけでございます。特別児童扶養手当の性格でございます。
○山崎昇君 福祉手当は……。
○政府委員(翁久次郎君) 福祉手当につきましては、在宅の重度の障害者に対しまして、先ほど申し上げましたように福祉の措置の一環として、日常生活に常時介護を必要とするような人々の持っております精神的な、あるいは肉体的な負担に対する何らかの対応ということに着目した手当というように考えております。したがいまして、ある意味におきましては、先ほども御質問がございましたように、見舞い金的な意味もございましょうし、あるいはある意味におきまして、いわばそういった物質的な負担という意味においては若干の補償的な意味があるわけでございまして、何といたしましても、当初に出発いたしました特別児童扶養手当の三千円というものもある程度額を決定する場合の一つの要素として考えましたので、現在四千円ということで出発しているわけでございます。
○山崎昇君 実はいま性格をお聞きをしましたのは、いま、あなたの方の説明によるというと、生活補助の考え方も多少入っている、介護的な意思も多少入っている、福祉手当の場合には見舞い的な要素も多少入っている、こうなりますね。そうすると、どうも一言で言うと、私どもなかなか理解しにくいんですね。なるほど対象は違いますよ、対象は違いますが、一体なぜこんなに複雑にせんきゃならぬのかということが一つあるし、もし、いまあなた方が言われるようなことであるならば、なぜこれが、たとえば特別児童扶養手当の場合ならば一月、五月、九月の三回払いなのか、あるいは福祉手当ならば二月、六月、十月の三回払いなのか。これは国民年金のときに私は一括して聞きたいと思っておったんですが、関連をしてお聞きをしておきますが、もし生活補助も一部入る、介護的な要素も入るということになれば後払いということは私はおかしいのではないかと思う、それは。なぜかと言うと、いまのようにインフレがどんどん高進したり物価が上がっていくとするならば、当然その月はその月である程度見てやらなきゃなりませんね、これが一年三回で後払いにするということは、性格から言うと私は合わなくなってくるんじゃないだろうか。そういう意味で言うならば、当然行政事務的には私は多少複雑さが入ってくると思うけれども、毎月払いにでもすべきものではないだろうか、こう思うんですが、重ねてこの性格と支払いの方法と関連をしてお聞きをしておきたい。
○政府委員(上村一君) 特別児童扶養手当の性格は、先ほど申し上げましたように障害児を抱えているといろいろと金がかかる、そういった家計の支出が余分にかかるのでその一部をカバーしようという趣旨で出すものでございます。そして障害児を抱えたという実態に着目をしまして、そういう実態があれば手当を出すということになりますから、何と申しますか、一定の事情が推移した後で、つまり法律の言葉をかりれば、その四カ月なら四カ月たった翌月に過去四カ月分を払うというふうなシステムをとっているわけでございます。現在、年金初めいろんな所得保障的な給付がございます。それは、物によりますと年に四回払い、あるいは年に三回払い、あるいは年に二回払いというのがあるわけでございますが、結局は事務が非常に繁雑であるというところに尽きるというふうに考えております。
○山崎昇君 いや、それは、ですから事務の繁雑性ということは私もわからぬわけではない。それは支払いをする側の論理であって、いまあなた方が性格論として、多少であっても生活の補助ということになっている。介護的という要素になっている。そうすると一番最初に、これは支給すべき対象の人かどうかと決めるときには、多少のおくれはあり得るかもしれない、しかし、一たん認定をされたら、それに対する支払いは当然支払いを今度は受ける側からの論理に立って私は考えてみる必要があるんじゃないか。いまのように、さっきも申し上げましたけれども、これだけ物価がどんどん上がったり、インフレの時代に、せっかくのあなた方のやつは、もらったときには、使いでのないようなと言ったら少し言い過ぎになりますけれども、かなり貨幣価値としては急落しているときにもらうということになる。私は当然これは後払いにすべきものではないんじゃないかと思うんですね。ですから、たとえば特別児童扶養手当の場合は一月、五月、九月が支給期になっていますが、なぜ一月、五月、九月にしたのか、これもわかりません。あるいは児童手当の場合は二月、六月、十月になっている。一般の年金の場合は年四回になっている。私は、一番弱者と言うならば、一番その人が精神的にも苦痛があり、ほかの生活とハンディがあると言うならば、前払いまでにいかぬにしても、もっと、弱者救済という立場から言うならば、毎月でも、多少の繁雑さはあっても支給すべきものではないのかと思うんです。これは一気にできないかもしれない。私は年金の場合に郵政省呼んで聞いておりますが、なかなかオンラインの設定等もあって、いますぐ困難だというので、五十三年ごろをめどに検討していますという話もありました。しかし、いずれにしても私は、厚生省という立場から言うならば、本当に弱者の救済をする、こういう困ったところに救済をすると言うならば、当然支払いを受ける側の論理に立ってもう一遍これは再検討すべき事項じゃないかと思うんですが、どうですか、これは大臣から聞いておきたい。
○政府委員(上村一君) まず、最初のお話しになりましたいろいろな制度によって支払い時期が違うと申しますのは、お託しになりましたように、郵政官署における窓口のふくそうを避けるというきわめて技術的な点だけでございます。 それから、こういった支払い期日をどうするかと申しますのは、一児童扶養手当あるいは福祉手当だけの問題じゃございませんで、各種の年金あるいは恩給等にも関連のある問題でございますから、いま直ちにどうこうするということは、私の方としましてはお答えしにくい点、御了承いただきたいと思います。
○山崎昇君 実務的にはあなた答弁しにくいでしょう。それは関連することは私だって承知していますよ。しかし、少なくとも厚生省の態度としては、それぐらいのことを私は考えるべきじゃないかと言うんです。いまここで毎月払いにしますとかどうなんということは、それは言える問題じゃないかもしれない。それは支払いの技術の問題もあれば、実務取り扱いの実情もあるでしょう。あるでしょうが、先ほど来聞いている性格から言うならば、後払いにすべきものではないと私は思う。そういう意味では、厚生大臣、これはひとつ私は厚生省で、本当にあなた方が弱者を救済すると言うならば、やっぱり支払いを受ける立場の論理にもう少し立ってもらってこれは検討してもらいたい。もちろんこれは年金も関連してまいりますから、すぐとは言いませんけれども、少なくともこれに対する熱意だけ私は示してもらいたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(田中正巳君) 理論的に申しますると、先生のおっしゃっていることは私は正しいというふうに思います。しかし、どうも厚生行政、これだけの広いいろいろな給付を扱っておりますると、実は事務の問題というものも没却をできないということを私も役所へ入ってかなり強く感じているわけでございまして、理想から申すと、私は毎月払いというのがよろしいと思いますが、そういう方向で、したがって理想に近づけるように努力はいたしますものの、私、いまここでもってそういう理想に一遍に到達するということについて申し上げることが簡単ではない、あるいはうつかり言うと食言になるということになろうと思いますので、姿勢だけは踏まえて、今後努力の方向を進みたいというふうに思います。
○山崎昇君 なかなか歯切れ悪いのだ、よさそうでね。私だって公務員生活二十五年もやっていますから、実務的なことは承知いたしておりますよ。だが、これだけ多くの問題がやっぱり提起をされてきたら、たとえば年三回払いを四回払いにするとか、あるいは四回であったら五回にするとか、少なくともそれぐらいの検討が私はあっていいんじゃないか、それぐらいのことは厚生省みずから検討していいんじゃないだろうかと思っているんですよ。いますぐここであなたが、毎月払いにしますなんということを言えるわけでもないし、またそれだからといって、私は食言としてどうするという意味じゃない。少なくともしかし厚生省の態度としては、もう少し支払いを受ける立場の人の論理に立ってこの問題というのは考えてもらいたいということを強くこれは要望しておきたいと思います。 それから関連をしまして、いまこれつくったばかりでありますから、いますぐどうということにならぬかもしれませんが、一体厚生省は、これから特別児童扶養手当というものと福祉手当というものを、どっちに重点を置いてこの重度心身障害の方々の問題というのをやっていくんだろうか。これは福祉手当、今度できたばっかりですから、まだお考えがないかもしれない。ないならないでいいけれども、将来の展望として、これをつくるに際して、あなた方はどういうふうにされていこうというのか、もしお考えがあれば一言聞いておきたい。
○政府委員(上村一君) 特別児童扶養手当は、今回の法改正で国民年金の二級相当の障害の者にも支給することにしたわけでございます。したがいまして、その二級の障害、それから一級の障害、それから一番重い者はその上に福祉手当がつくということになるわけでございますので、そのどれを先にし、どれを後にするかというべき筋合いのものではない、一緒に並んで私自身としては発展さすべきものであるというふうに考えております。
○山崎昇君 それから次に、もうはしょって聞きます。 児童手当で二、三お聞きをしておきますが、所得制限はこれは撤廃できませんか。これはたとえば中央児童福祉審議会の答申を見ましても、所得制限は制度としてやっぱりこれを行わないようにすべきだと、こうなっておる。なかなかこれがやられてないんですが、撤廃をするという考えがないかどうか、まずお聞きをしておきたいと思うのです。
○政府委員(上村一君) 児童手当でございますが、児童手当の中で、被用者と被用者でない者と両方に出しておるわけでございますが、そのいずれも公費で相当部分をカバーしている。被用者の場合は全額公費でございます。そういったものについてはやはり一定の所得制限はつけるべきではないかというふうに考えるわけでございますが、ただ、毎年その所得の伸びに応じまして従前の支給水準は維持できるよう限度額を引き上げることにしておるわけでございます。児童福祉審議会が所得制限の撤廃について示唆されました一つの考え方としまして、その児童福祉という観点に立って、と申しますのは、その所得保障的な観点よりも児童福祉的な観点に立てば、どの子供に出してどの子供に出さないというふうな考え方はおかしいんじゃないかというお気持ちがあったというふうに承っておりますが、現行の制度は、やはり三人以上の子供を抱えて、したがってその家計が余分にかかる者に対し、ほとんど公費でその生計費の一部をカバーする形で出すわけでございますから、やはり所得制限というものは全然撤廃するというわけにはいかないんじゃないかというふうに考えます。
○山崎昇君 しかし、たとえば被用者の場合には、事業主の負担が十分の七ぐらいですね。それから国庫負担が十分の二、県、市町村の負担がおのおの十分の〇・五ぐらいだ。こういう程度の公費負担の割合には、たとえば社会保険なんかの場合は、所得制限しないというのが大体の通例だとぼくら聞いている。もしそうだとすれば、なぜ児童手当の場合だけこの被用者の場合でも所得制限をやっているのか、これはやっぱり不合理ではないだろうか、だから当然児童手当という性格からいくならば、所得制限というのは私は撤廃をすべきではないだろうか。特にゆうべたまさか「11PM」でスウェーデンの社会福祉の放映をやっていまして、私もあれ一時間見ておりました。私も昨年フィンランド、スウェーデン、デンマークに行ってきましたから、いずれは私の見た目で皆さんに質問してみたいと思っているんですが、ゆうべのあれ見ても、やっぱり金持ちであろうが貧乏人であろうが、国の制度として支給するものは当然そういう所得に関係なく支給すべきだという考え方でやっているようでありますね。あれをゆうべ私は見ておりまして、実はこの所得制限というのは、やっぱり日本の場合でも撤廃すべきじゃないだろうか、こう思うのです。重ねてこれは聞いておきます。
○政府委員(上村一君) お言葉を返すようでございますけれども、結局児童手当をどう考えるかということになるわけでございまして、私どもやはり三人以上の子供を抱えた家庭に対する家計費の補助だという点にアクセントを置いて考えるものでございますから、どうしてもそういう必要性の高い家庭、したがいまして所得制限ということが起きてくるのではないかというふうに考えるわけでございます。
○山崎昇君 そういう答弁になるとこれはやはり児童手当の性格論争がまた出てくる。あなた方の言うように、子供さんがたくさんいるから生活が少し困るだろうからめんどう見ましょうという考え方がそもそも発想として誤りじゃないか。そんなら児童の福祉なんということにならぬじゃないですか。多少やるから、——そうじゃないのでしょう、本当に児童というのは、子供というのは将来その国をしょって立つ原動力ですから、大事に育てるという意味で児童手当ということは第一に考えなければならぬですね、基本的に言うならば。だから、それは改めて私はやりますが、どうもあなた方の発想というのは、何か金を幾らか恵んでやります、そうしたら生活が少しよくなるでしょう、そのかわりまた回収する分はこれだけ取りますよというやり方であって、本当の意味で言う、児童手当にいたしましてもその他にいたしましても社会保障的な考え方というのはないんじゃないだろうかという疑問をまた改めて持ってきます。これは改めてあなた方長期計画なりあるいは中期計画なり出すでしょうから、その際に社会保障の性格をめぐってまた論戦になると思うけれども、いずれにいたしましてもいまの考え方をやはり改めてもらって、これもひとつ検討しておいてもらいたいと思うのです。 そこで、先ほども柄谷委員のほうから児童手当をなぜ第一子からできないのかと。私は余り勉強しておりませんが、聞いてみますというと児童手当の制度をとっているのが世界で大体六十六カ国だというのですね。そのうち第一子が五十五カ国、第二子が六カ国、第三子からやっているのが四カ国、その四カ国というのは何かと言ったら、南アフリカ連邦と北ベトナムとマウリティウスと日本だけだ。これだけ日本の経済が進んで大変だと言っているときに、余りにもみじめではないだろうか。なるほど制度ができてからまだそう日がたっておりません。ですからこれから皆さん方は根本的な制度改正なり長期計画なり立てるのだろうけれども、それにしても余りにも現状はこの児童手当を見るならば世界の水準から言うとみっともない、恥ずかしい、こういうことを考えるとき、財政問題あるけれども、なぜもう少し私は踏み込めないのだろうか。そういう意味で、いま第三子ですが、少なくとも第二子にいついつまでにするとか、第一子にいついつまでにするとか、そういう考え方がないかどうか、まず第一点お聞きをしておきたい。 それから第二は、人口問題研究所の発表を見ますというと、これから少しの間は日本はなるほど人口は二千万ぐらいふえるようでありますが、いずれにしてもやがて停止人口になってくるというふうに言われております。そうすると、第三子からということは、いまの問題ではありませんが、将来この問題を考えるというと、児童手当としてはナンセンスになってくるのじゃないか、こう私ども考えさせられます。特にいま日本の扶養家族というのは平均一・九ぐらいですね、二までいかない。将来は大体夫婦子供二人というのが一つの原型になってくる。そういうこと等も考えるときに、この児童手当の第一子、第二子という問題は、人口問題と関連して私はきわめて重大じゃないかと思うのですが、きょうはこれに対する見解だけ聞いておきたいと思います。
○政府委員(上村一君) 児童手当を一子から支給いたしますと給付費総額が現行の九倍ぐらいになるわけであります。二子から支給いたしますと四倍ぐらいになるというふうなことで、国なり地方団体なり事業主の負担が急激にふえるということもございますので、慎重に考えなければならない問題であるというふうに思っております。いまお話しになりました将来人口との関係の問題でございますけれども、将来人口の動向によって児童手当についても新しい課題が出てくるということは当然だろうと思いますが、現行の制度が、先ほど来お話し申し上げたように、増し足しという点に着目をしておりますので、平均的な子供よりも余分な子供——余分と言ったら語弊がございますけれども、よけいな子供を持った家庭に対する援助としてはそれなりの意義は十分あるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○山崎昇君 これは児童手当をもらう最初の子供はよけいな子供じゃね、これはとてもじゃないが、(笑声)まあ取り消しますね、いずれにしましても、国際水準から言って余りにも恥ずかしいです。これは大臣、ひとつ早急に御検討を願いたい。 あわせて、もう時間でありますから、もう一点お聞きしておきますが、国民年金あるいは厚生年金等については自動スライド制というものが入ってまいりました。それから共済年金等については、これはいま賃金スライドになっております。ところが児童手当法だけはこの自動スライド制というものが導入されていない。だから去年の場合には、国民年金あるいは厚生年金等の場合には、九月という実施期日が仮に政治的にきまったとしても、一応対策ができておる。しかし児童手当だけはそういう体制がないのですね。なぜこの児童手当法だけは自動スライド制が導入できないのだろうか。先ほど来言われておりますように、第三子でありましても、やっぱり生活費がかかる。一定の所得は制限をして、その範囲内ですから、当然あなた方が考えているのは生活補助的な意味も多少あると思います。そういう意味で言うならば、当然そのときの経済条件に合わせるように法体系も整備をすべきではないか。なぜ児童手当法だけは自動スライド制の導入ができないのか、しなかったのか。この点だけ聞いておきます。
○政府委員(上村一君) まだ現行児童手当法では児童手当の額につきまして、法律で「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」という明文の規定があるわけでございます。そして額を決めましたのは、いまお話しになりましたように、自動的なものじゃございませんで、予算編成の際に決めることになるわけでございますが、少なくとも四十九年度、五十年度につきましては、その年度の前年度との消費物価指数の伸び、五十年度の場合ですと二二%というものを乗じまして、少なくとも児童手当の額は現状の実質的な価値が維持できるように努力をしてまいっておるわけでございます。
○山崎昇君 最後にいたしますが、児童手当の場合にはただ当初予算で組んだきりでしょう。ところが厚生年金とか国民年金は、年度の途中でも変えているではないですか、自動スライドという形で。それは政治的な変更かもしれません。そういう意味で言うならば、児童手当についても、生活の一部でありましても補助的な要素があるというなら当然私はすべきではないだろうか。たとえばいまここで幾らと上げていますね、五十年度で。しかしこれは来年度の予算編成のときにことしの物価を考えてまた上げるでしょう、当然上げなければならぬでしょう。その途中で上げるという考え方はありますか、それじゃ。たとえばことしの九月ですか十月ですか、年金等が一部改定になりますね。そういうものと関連をさして、それじゃ九月か十月ごろにこの児童手当についても変えるという考え方があるのかどうか。そういう意味で言うならば、私は当然児童手当法にも自動スライド制というものを導入すべきではないかと思っている。これは導入する意思があるかどうか、厚生大臣にきょうは一遍聞いておきたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) この種のものを自動スライド制にするか、あるいは先を見てフォーキャストの上で上げていくか、いろいろ手法としては議論のあるところだろうと思います。いろいろ議論はございますが、福祉年金についても自動スライド制はございません。むしろ自動スライド制よりももっと意欲的に、最近実は上げているわけでありまして、あれを自動スライド制にしておったならば、今日の金額は確保できなかったということを考えるときに、ある意味でスライド制を置かなかった方がよかったと、まあ児童手当法についてもかようなことも考えられるわけでございますが、一つの御提案でございますので、私としては検討はいたしますが、これについていずれが一体有利であるかという点については、にわかに判断ができないのではないかというふうに思います。
○委員長(村田秀三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村田秀三君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村田秀三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○山崎昇君 私は、ただいま可決されました特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党共同提案の附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯議(案) 政府は、次の事項の実現に努力すべきである。 一、児童扶養手当、特別児童扶養手当、児童手当及び福祉手当の支給額を一層増額する等支給内容の改善充実を図ること。 二、扶養義務者等に対する所得制限を更に緩和すること。 三、児童手当制度はILO第一〇二号条約の基本的事項の一つであることにかんがみ、長期的展望にたって、積極的に改善を図ること。 右決議する。 以上です。
○委員長(村田秀三君) ただいま山崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村田秀三君) 全会一致と認めます。よって、山崎君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、田中厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田中厚生大臣。
○国務大臣(田中正巳君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたす所存でございます。
○委員長(村田秀三君) 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村田秀三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(村田秀三君) 次に、母性保障基本法案を議題とし、発議者中沢伊登子君から趣旨説明を聴取いたします。中沢君。
○中沢伊登子君 それでは、御指名によりまして、母性保障基本法案の提案理由の説明を申し上げます。 母性は、子が心身ともに健やかに生まれ、かつ育つための源として女性に固有な特性であります。 したがって、これを尊重し保障することは、世代を担う健全な子の育成を保障することであり、後代の発展に寄与することはもちろん、わが国の歴史を通して形成された女性べっ視の弊風がいまなお残る現状を改め、民主社会にふさわしい真の男女平等を実現させる意義がきわめて深いのであります。 日本国憲法の公布以来、女子の権利保障や女性保護の目的のもとに労働基準法、母子福祉法、母子保健法、勤労婦人福祉法及び女性保護と深いかかわりを持つ児童福祉法等が制定、実施されてきましたが、このうち、労働基準法を除く他の立法は、社会の変化、発展の過程で女性保護に関する社会的欠陥を補完する意味で措置されたものであって、女性の人たるの尊厳、その尊厳なるべき母性の保障という立場からの立法措置はいまだ行われていないのであります。 したがって、本法案の制定により母性保障にかかわる諸制度の再検討を行うとともに、本来の母性保障にかなう新しい体制を確立し、あわせてわが国民全体の社会生活並びに私的な生活面においても、母性の尊重を軸とする新概念の形成を図ることは、わが国社会が健全かつ民主的発展を期す上で必要不可欠と信ずるのであります。 以上申し述べましたことが本法案を提案いたします根本的な理由でありまして、以下法案の内容について簡潔に説明申し上げます。 第一章総則においては、本法案の目的と理念を明らかにするとともに、本法案が、母性保障の総合的な施策を推進する基本法であって、すべて母性の尊重とその保障の理念のもとに、国、地方公共団体はこれを実現する責務を負うこととし、また、国会への年次報告、施策の提出を求めること等を規定いたしております。 第二章では、母性保障思想の高揚を図るため、国、地方公共団体が教育その他の手段を通じて健全な母性に関する知識の普及、母性保障思想の高揚に努めねばならないことを規定いたしております。 第三章では、すべての女子が毎年一回以上の健康診査を受ける機会を与えるよう必要な施策を講ずることといたしております。 第四章では、妊産婦に対する施策として、無料の保健指導、栄養補給等を行い、助産についてもその無料化を進め出産に伴う物品あるいは手当金を支給しようとするものであります。 第五章では、女子労働者及び労働者たる妊産婦に対する施策を定めたものでありますが、女子労働者の労働条件として、安全衛生、労働時間、深夜業、危険有害業務、生理休暇等、その安全及び健康を保持するようにしなければならないこと。また女子労働者が、妊娠、出産、育児の機能を有することを理由に不利益な取り扱いを受けることのないように規定するとともに、さらに妊産婦に対しては勤務時間の変更、通院休暇、つわり休暇、軽易作業への転換、補食時間、産前産後の休暇、育児時間、有給の育児休業等を与え、十分に母体を保護しなければならないこと等を規定いたしております。 第六章では、勤労婦人たると、家庭婦人たるとを問わずその負担を軽減し、婦人として最小限に必要な知識を正しく得さしめるため、国、地方公共団体が保育施設の整備拡充のほか、妊産婦ホームヘルパーの派遣、母子保健センターの設置等によって、妊産婦世帯の家事手伝い、出産、育児等の相談、指導等を行うよう規定いたしております。 第七章では、母性保障政策を総合的かつ効果的に推進するため、一定数以上の婦人代表を含めた審議会を設け、内閣総理大臣または関係大臣の諮問に答えるとともに必要に応じ意見を具申するよう定めております。 以上きわめて簡単ではありますが、法案内容の説明を申し上げました。 何とぞ慎重審議の上、速やかに御可決くださるようお願いいたします。
○委員長(村田秀三君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(村田秀三君) 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案、及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中厚生大臣。
○国務大臣(田中正巳君) まず、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 年金制度については、昭和四十八年に厚生年金及び国民年金を中心に、給付水準の引き上げと物価スライド制の導入を柱とする改善充実が行われ、昨年においても福祉年金額の引き上げ、物価スライドの繰り上げ実施などの改善が行われたところでありますが、その後における経済社会情勢の変動にかんがみ、最も受給者の多い福祉年金の内容をさらに充実させるとともに、拠出制年金についても物価上昇に対処した措置を講じていく必要があります。 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、福祉年金額の引き上げ、厚生年金、拠出制国民年金等の物価スライドの実施時期の繰り上げ等を行うとともに、拠出制国民年金の保険料の適正な改定を行い、年金制度の充実強化を図ろうとするものであります。また、本法案は年金福祉事業団に政府が出資できることとするための所要の改正を行うことといたしております。 以下、改正法案の内容について、概略を御説明申し上げます。 第一に、福祉年金の額につきましては、老齢福祉年金の額を月額七千五百円から一万二千円に、障害福祉年金の額を一級障害について月額一万一千三百円から一万八千円に、二級障害について月額七千五百円から一万二千円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を月額九千八百円から一万五千六百円に、それぞれ引き上げることといたしております。あわせて老齢特別給付金の額を月額五千五百円から九千円に引き上げることといたしております。 第二に、昭和五十年度における物価スライドの実施時期を、厚生年金及び船員保険については昭和五十年十一月から同年八月に、拠出制国民年金については昭和五十一年一月から昭和五十年九月にそれぞれ繰り上げ、あわせて国民年金の五年年金の額を昭和五十年十月からさらに月額一万三千円に引き上げることといたしております。 第三に、厚生年金または船員保険の被保険者で、六十歳以上六十五歳未満の低所得者に支給する在職老齢年金につきまして、支給対象者の標準報酬月額の限度額を四万八千円から七万二千円に引き上げることといたしております。 第四に、拠出制国民年金の保険料につきまして昨年に引き続き段階的に引き上げを行い、その額を現行の月額千百円から三百円引き上げ、千四百円とすることといたしております。 第五に、年金福祉事業団につきまして資本金の規定を設け、政府が予算で定める金額の範囲内において出資できるものといたしております。なお、福祉年金の額の引き上げは本年十月から、厚生年金及び船員保険の改善は本年八月から一拠出制国民年金の保険料の額の引き上げは昭和五十一年四月から、年金福祉事業団に関する改正は本年九月から、それぞれ実施することといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十年八月広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者につきましては、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により健康診断及び医療の給付を行うほか、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により特別手当、健康管理手当その他の手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持向上によりその生活の安定を図ってまいったところであります。 今回の改正は、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律についてでありますが、その内容について御説明申し上げます。 改正の第一点は保健手当の創設であります。爆心地から二キロメートルの区域内で被爆した者は、原子爆弾の放射線を特に多量に浴びておりますので、その健康保持を図るため、特別手当または健康管理手当の支給を受けていない場合、新たに、保健手当を支給することとし、その額を月額六千円とするものであります。 なお、保健手当の支給対象者には、原子爆弾投下当時に、爆心地から二キロメートルの区域内で被爆した者の胎児であった者をも含めることといたしております。 改正の第二点は特別手当の改善であります。特別手当は、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律に基づき、いわゆる原爆症である旨の厚生大臣の認定を受けた被爆者に対して支給されるものでありますが、この特別手当の額について、現に当該認定に係る負傷または疾病の状態にある者に支給する特別手当の額を現行の月額一万五千円から二万四千円に引き上げ、当該認定に係る負傷または疾病の状態にない者に支給する特別手当の額を現行の月額七千五百円から一万二千円に引き上げるものであります。 改正の第三点は健康管理手当の改善であります。健康管理手当は、原子爆弾の放射能の影響に関連があると思われる造血機能障害等の特定の障害を伴う疾病にかかっている被爆者に対して支給されるものでありますが、現在は、その支給要件の一つとして四十五歳以上という年齢制限がありますので、今回の改正においてこの制限を撤廃するとともに、その支給額を現行の月額七千五百円から一万二千円に引き上げるものであります。 改正の第四点は介護手当の改善であります。現行の介護手当は、介護を要する状態にある被爆者が現に介護に要する費用を支払って介護を受けている場合に支給することとなっておりますが、今回、その支給対象者の範囲を拡大し、重度の障害者につきましては、介護に要する費用を支払わずに介護を受けている場合にも介護手当を支給することといたすものであります。 これらの改正を通じまして被爆者の福祉を一層増進しようとするものであります。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(村田秀三君) 以上をもって、趣旨説明の聴取は終わりました。 両案の自後の審査は後日に譲ります。 本日の審査は、この程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後四時五十六分散会 —————・—————