社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/04/15
会議録
○委員長(村田秀三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法案を議題といたします。 まず提出者衆議院社会労働委員長代理理事竹内黎一君から趣旨説明を聴取いたします。竹内君。
○衆議院議員(竹内黎一君) ただいま議題となりました下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 御承知のとおり、現在、国は、下水道の緊急かつ計画的な整備等を促進している状況にかんがみ、本案は、一般廃棄物処理業等が下水道の整備等により受ける著しい影響を緩和し、あわせてその経営の近代化及び規模の適正化を図るため、市町村が合理化事業計画を定め、その業務の安定と廃棄物の適正な処理を図ろうとするもので、その主な内容を申し上げますと、 第一に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定による市町村長の許可または市町村の委託を受けて屎尿処理を行う業、その他下水道の整備の促進等により、重大な影響を受けると考えられる政令で定める業を一般廃棄物処理業等とすること。 第二に、市町村は、下水道計画等との調整を考慮した上、一般廃棄物処理業等についての合理化事業計画を定め、都道府県知事の承認を受けることができること。 第三に、市町村は、合理化事業計画に基づき合理化事業を実施することとし、この場合、国は、市町村に対し、必要な資金の融通またはあっせんその他の援助に努めること。 第四に、一般廃棄物処理業者等は、合理化事業計画の定めるところにより事業の転換を行おうとするときは、その計画を市町村長に提出し、認定を受けることができることとし、国または地方公共団体は、当該認定を受けた一般廃棄物処理業者等に対し、事業の転換を行うのに必要な資金につき、金融上の措置を講ずるよう努めること。 第五に、合理化事業計画に従って事業の転換を行おうとする一般廃棄物処理業等の従事者に対し、国または地方公共団体は、職業訓練の実施、就職のあっせんその他の措置を講ずるよう努めること等であります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(村田秀三君) 以上をもちまして趣旨説明の聴取は終わりました。本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(村田秀三君) 次に、特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中厚生大臣。
○国務大臣(田中正巳君) ただいま議題となりました特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 特別児童扶養手当は心身に障害を有する児童の福祉の増進を図るため、児童扶養手当は母子家庭の児童の福祉の増進を図るため、また、児童手当は次代を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資する等のために支給される手当制度として、逐年その改善に努めてきたところでありますが、これら児童に対する施策の向上に加え、在宅の障害者に対する施策のより一層の充実が、今日における緊急な課題として強く要請されております。 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、これら手当の額を引き上げ、特別児童扶養手当の支給対象障害児の範囲を拡大するとともに、新たに重度の障害を有する者に対し福祉手当を支給することにより、これらの制度の充実を図ろうとするものであります。 以下改正法案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、今回新たに設けられた重度の障害者に支給される福祉手当についてであります。 福祉手当は、精神または身体に重度の障害があるため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある者に対し、障害による特別の負担に着目して、月額四千円を支給することといたしております。 また、福祉手当の支給は、重度障害者の住所を所管する福祉事務所を管理する都道府県知事及び市町村長が行うこととし、福祉手当の支給に要する費用は、国がその十分の八を、都道府県または市町村がその十分の二を負担することといたしております。 第二に、特別児童扶養手当については、その月額を従来の一万一千三百円から一万八千円に引き上げるとともに、対象となる障害程度を拡大して、新たに国民年金法別表二級に相当する程度の障害を有する児童について月額一万二千円の特別児童扶養手当を支給すること等といたしております。 第三に、児童扶養手当については、その月額を九千八百円から一万五千六百円に引き上げるとともに、支給対象となる児童について、国籍要件を撤廃し、支給要件の緩和を図ることといたしております。 第四に、児童手当については、その月額を四千円から五千円に引き上げることといたしております。 なお、これらの法改正につきましては、昭和五十年十月から実施することといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(村田秀三君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○石本茂君 私は、この法案の一部改正に当たりまして、関連の事項でございますが、二、三点お尋ねしたいと思います。 まず初めに、ただいま病院等に入所いたしております児童に要します全体経費と申しますか、いわゆる人件費とか、運営費とか、すべてを含めましたものを総合いたしまして、入所児童一人当たり一体幾ら今度の予算で経費としてかかりますものか、この一点お伺いしたいと思います。
○政府委員(上村一君) 重症心身障害児施設に入っております子供一人当たりの月額の経費はおおむね二十三万円でございます。その内訳を申し上げますと、医療費が十三万八千円、重症指導費が八万七千円、日常生活諸費が七千円でございます。
○石本茂君 そこで、施設等をどんどんと増設されておるところでございますが、いまなお家庭におります重心者もおりますが、この方たちのパーセンテージは一体まだどれくらいあるのか、いわゆるその在宅療育者でございます。 それから、あわせまして、施設の整備計画と申しますか、非常に配慮をされておりますけれども、この機会に一体いつになりましたら全部の要保護者が施設に入りますのかどうか、その辺も確認をさしていただきたいと思います。
○政府委員(上村一君) 重症心身障害児の施設の整備でございますが、前からの計画で、昭和五十年度までには重症心身障害児を収容するのに必要なベッドを確保したいと考えておったわけでございます。 そして、昨年の五月に現在施設に入れる必要のある子供がどのくらいいるかということを調べまして、その結果、千百床の病床の整備を図ることにしたわけでございます。 それで、いまお話の総数がどのくらいおるかということでございますが、昨年の五月に調べましたときには約一万九千人ぐらい、正確に申しますと一万八千九百九十八人ということになるわけでございますが、その中で施設に入れる必要のある者が一万三千四百人、したがいまして、施設に特に入れる必要がないと考えられました重症心身障害児というのは約五千五百人でございます。
○石本茂君 いまお話がありましたように、施設の整備も非常に努力をされておりましても、なおかつ昭和五十五年と申しますとまだ五年あるわけでございます。この児童は、私は減るんじゃなく、むしろふえていくだろうと予想するわけでございますが、そこで、非常に気になりますのは、予算額等につきましてはだんだん増額されておりますので、その点は私も敬意を表しますけれども、むしろ親の立場、家族の立場といたしますと、言葉は悪いかわかりませんが、わずかの経費がかりに上がりましても、実際その子供を療育、あるいは看護してまいります立場から言いますと、むしろそういう在宅者に対します介護の手といいますか、あるいはまた専門看護職等の巡回訪問と申しますか、そういうものが非常に私は要求されておりますし、これがむしろ目下直ちに必要としている問題じゃなかろうかと考えるわけでございますが、その辺、当局といたしましてどのように考えていらっしゃるのか。はっきり申しますと、訪問看護指導等がどのように行き渡る——訪問看護でございますね、その辺の今後の施策でございますが、これを一体どのように具体的にお考えになっているのか、その辺をもう一遍確認しておきたいと思うんです、この機会に。
○政府委員(上村一君) いま私、御説明申し上げました重症心身障害児のためのベッドの整備でございますが、昭和五十年度でございます。ですから本年度でございます。したがって本年度中に昨年五月調べました施設に入れる必要のある子供さんを入れるベッドを整備したい。それで一応その目標は達せられるのじゃないかというふうに思うわけでございます。 それから家庭で療育をいたします場合に、いま御指摘になりましたように、障害児でありましても、できる限りその親あるいは兄弟姉妹と一緒に家庭の中で生活できればそれにこしたことはないわけでございます。そこで在宅対策が強調されるわけでございますが、その在宅対策の重要な柱は、いま御審議いただいております特別児童扶養手当という、家計の支出をできる限りカバーしてやろうという現金給付の仕組み、それからいまお話がございましたその各種の相談指導ということになるわけでございます。 で、各種の相談指導としましては、一つは公的機関による相談指導がございます。これは児童相談所とか、あるいは精神薄弱者の更生相談所、あるいは保健所が中心になりまして実施をしております。 それからもう一つは民間団体——民間団体と申しましては、主として親の会ということになるわけでございますが、親の会に対しまして助成をいたしまして、お互いにそういった子供を抱えた経験からくる助言なり、あるいは指導誌を配布するというふうなことも考えておるわけでございます。 同時に、重い心身障害児につきましては、家庭奉仕員を派遣することによりまして介護なり、相談なり、助言をする、こういうふうな在宅対策というものをこれからも進めてまいりたいというふうに考えております。
○石本茂君 局長のお話でございますと、大体まあ今年度中に入所希望者は一応入所できる設備はいたしますとおっしゃっているわけでございますが、私は勘違いいたしました。しかし、本当にそれができるでしょうかという私はやはり危惧の念を持ちます。 それからまた、そういう子供を抱えております父母等にいたしますと、いま申されましたように、そこにみんな入れておもらいしたいという気持ちと、できることなら家庭でやはり養護していきたいという気持ちを持っている親があるわけでございますので、申されましたもろもろの相談所等も、これは当然あるべきものですし、また活用しなければいけませんが、私が申しておりますのは、やはりその家庭一軒一軒に入り込んでいって、そうして両親が安心し、家族が安心してその児童をしっかり抱えながら、生命の維持、あるいは生活の完全を図っていくべきだ、その意味におきましての家庭の訪問対策ですね、はっきり申しますと、それを要望しているわけでございます。 重ねまして、私が心配しておりますのは、仮に施設が全部できた、要ベッドが全部できた。その場合に、ベッドはできました、施設はできました、しかし本当にその子供たちを、児童を安心して受け取れるだけの人的体制ができるのだろうか。これはもちろん看護婦とか介護者の問題とかございますが、その辺についての現状と、それからいま申されました施設が整備された時点での見通しと申しますか、その辺の御勘考をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(上村一君) いま御指摘になりましたように、重症心身障害児施設で看護婦さんなり、あるいは保母さんを確保するという問題は、非常に困難な状況にあることは事実でございます。その背景に一般的な看護婦さんの不足があるというふうに考えられるわけでございますが、そこでの対策といたしましては、一つはそこで働く人たちの労働が過重にならないように配慮するということでございまして、本年度も重症指導費というものについて引き上げを行って、できるだけ大ぜいの職員で重症心身障害児のお世話ができるようにするということ。 もう一つは、給与の改善ということになるわけでございます。重症心身障害児のベッドの六割ぐらいは国立療養所で整備しておるわけでございますが、国立療養所の場合には特に給与の二〇%相当額の調整額を支給することによって優遇措置を講じておるわけでございます。それから各種の民間の施設につきましてもこれに準じました措置を講じまして看護婦さんの給与を手厚くすることによって確保したいというふうに考えておるわけでございます。
○石本茂君 非常に配慮されております現実はよく承知しているところでございますけれども、実際に施設などへ行ってみますとやはり人手が非常に足りませんし、仮に定員はありましても、国立機関は別でございますが、民間に行けば行くほどなかなか人員確保が困難だというのが現状でございますし、あわせましていま申されました健康管理と申しますか、特に腰痛症でございます。新しい施設はわりあいに年齢的に少さい子供が多うございますのでいいのですが、非常に古い歴史を持っておりますところに参りますと、もう体はどんどん大きくなって体重はふえておりますということで、非常な苦労がいまついてまわっております。たとえば島田療育園等の古いところに参りますと、これはとても子供を扱うという状態ではございませんので、そんなことから腰痛症等の問題が大きく出てまいっておりますので、私は給与等の改善ももちろん必要でございますが、いま申されました人員の大量の確保というものをここで計画されませんと、どんなによい施設をおつくりくださいましてももう人的関係問題から壊れていってしまうのではないかという懸念を非常に大きく持っているわけでございます。これは一つの要望になるわけでございますが、その辺を含めまして、国立機関はわりあいにまだ施設が誕生してからの年限が浅うございます。浅うございますことと、わりあいに行き届いた管理体制ができてきております。私がいま非常に心配しておりますのは経済的に非常に困惑しております民間の福祉施設等における体制でございますが、この辺は局長いま申されました、そういう職員等の給与の改善ということだけで将来を展望していらっしゃるのか、あるいはまた、その他の施設運営等に関するいわゆる設備の件でございますが、そういうものの改善、改革というところにまで政府は大きく手を伸ばそうというお気持ちなのか、その辺もこの際もう一遍確認しておきたいと思います。
○政府委員(上村一君) 重症心身障害児の施設の場合には、他の福祉施設と違いまして措置費の中で給与を積み上げるような積算をしておりませんで、医療費と重症指導費というものがその施設運営の財源となる、そういうことになっておるわけでございます。そこで考え方としましては、何と申しますか、重症指導費をふやすことによりましてその施設であるいは保母さん方をふやすような財源措置を講ずる、あるいはその施設で何と申しますか、手を省くような機械を整備するとかというふうなことによりまして、御指摘になった腰痛の防止に努めておるわけでございますが、厚生省としましては昨年調べました時点で、重症心身障害児施設で約百名ぐらいの労災認定の患者があったという事実もございましたので、できる限りこれは未然に防止したいということで、労働省と共同いたしまして研究会を設けて研究を進めまして、昨年の七月に中間報告をいただいたものでございますから、その結果に従いまして施設設備の改善なり健康管理の徹底ということを指導しておるわけでございますし、同時に省力化の機械を整備するための金を一施設に二百万円補助することによりまして、できる限り働く人々の負担の軽減を図ってまいりたいというふうに思っております。
○石本茂君 私は最後に大臣にお伺いをし、お願いをしたいわけでございますが、これは長い間私ども現場を含めまして言ってきたことです。医療というみなしをいたしますと、医師の数あるいは看護婦の数等が非常に厳しい条件を持ってまいりまして、人員は非常にたくさん調いましても、いわゆる看護等の面からいきます一類とか二類とか特類とかということに入り切らないわけでございますが、その辺、療育を中心とするのか、あるいは医療ということで今日、将来を含めまして突っ走っていくのか、私はその辺にちょっと疑問を持つわけです。と言いますのは、看護婦の数は少ない、しかし介護員として非常に多くの人員を入れている、ところが類別看護にはとても入れないということで大変苦労している施設があるわけでございますけれども、この辺を今日ただいまの情勢で、将来ともいわゆる看護婦と無資格者との比率というものを押し切っていくのか、看護婦の数がかりに足りませんでも、介護をする人員の数がはるかに多いというようなことでこれは検討されていくのか、私はこの辺をやはり特殊機関でございますので、医療が重点するということをよく知っておりますけれども、何かちょっと私自身一つ納得しかねているわけでございます。 それからもう一つ、これは大臣に要望でございますが、ぜひ今後施設の中の医療、そして養護というものの増強、増進をお願いしとうございますけれども、先ほどお話のありました在宅児童につきましての優遇措置といいますか、この措置方については本当に十分に充実化していっていただきたいことを心から念願としているものでございます。 以上、お伺いとお願いをあわせまして私の質問は終わるわけでございます。お願いいたします。
○政府委員(上村一君) まず重症心身障害児施設の性格を看護体制とのからみで将来どう考えるかという問題でございます。御指摘の点、これからの検討課題であるというふうに理解しておるわけでございますが、重症心身障害児の場合にはどうしてもこれも障害による医学的な管理が必要であるということが大前提になりますので、常時医学的管理が必要であるならば、その施設の形態というものは病院という形をとらざるを得ない。病院という形をとりますと、どうしてもその主な財源というのは、医療費、そしてその医療費にからませました重症指導費ということになってまいるというふうに考えるわけでございます。それで昨年の医療費の改正等で、重症心身障害児施設の場合の医療費の面からする改善措置というのも相当よくなりましたし、それに応じまして昨年の補正でも重症心身障害児の指導費を増額するような手だてを講じたわけでございますが、御指摘になりましたような年長児でしかも体重の重い子供を大ぜい抱えておるような施設、御案内のように重症心身障害児施設——最初はいまから十二、三年前にスタートさせたばかりでございますので、千差万別でございますが、これからこういった障害児の施設をもう一遍体系的に見直してみる必要があるのじゃないかというふうな、何と申しますか、問題意識は持っているつもりでございます。 それから在宅児童の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、いろいろな対策をとっておりますし、いま御審議いただいております今回の法案でも、いままでは重症心身障害児の家庭には特別児童扶養手当が支給されておるわけでございますけれども、今度の特別児童扶養手当の増額と、福祉手当の創設、合わせますと一人月額二万二千円というものが在宅の重症心身障害児について支給されることになりますので、こういった家庭が抱えておられます経済的な問題の何と申しますか、解決には相当役に立っていただけるんじゃないかというふうに期待いたしております。
○国務大臣(田中正巳君) 重症心身障害児・者対策について石本先生のいまのお話を聞いておりまして、私まあ、この問題についての問題点というのをあれこれ指摘をしておられるということを私も聞いておって、大きな問題点はほとんどお触れになってたように私は思います。私も早いころから重心問題ずいぶん扱ってまいりましたが、行け行けということで今日ここまで参りましたが、いま先生の御指摘になったような問題が露呈をしてきたというふうに感じているわけであります。 まあ、施設整備を一体どこまでやるのか、一千一百床でいままでの調査では一応ということですが、今後一体これに対するニードがどういうふうに出てくるか、これを受けとめて今後の整備は考えにゃなるまいと、それから職員の確保、労働過重の解消、こうした問題も実はもうすでに社会的な問題になっているわけでございますので、これ等についてどう対応していくか。これは調整額あるいは指導費といったような金の面でやりますか、さらに労働過重、特に重いお子さんの件についてはやっぱり機械化を進めにゃなるまいというふうに——私は国内ばかりではなしにヨーロッパの施設を見てかなり進んだ機械化をやっているところを私は見ましたもんですから、ああいう面についてひとつ投資をしていかにゃなるまいというふうに思っているわけであります。いままでは、施設をつくる、何とかそこへ収容をして曲がりなりにもやってきたというふうな、ここでもって深い検討が必要になってきたというふうに思っております。なお私、ケースを考えてみますと、在宅がいいのか施設収容がいいのかという問題ももう少し掘り下げて考える必要があるんじゃないか。できれば在宅がよろしいと、こういうことを言いますが、本当にそれがいいのかということについて、単に親御さんの御希望などというそういったような感情論だけで問題を律していいのか、ケース・バイ・ケースであろうと思われますが、そのお子さんの症状等によってこれはやはり決めるべきものであろうというふうに思って、これについてもさらに一段と深い検討と施策が私は必要な段階に来たんではないかというふうに思っておるわけであります。今後こうした問題、いろいろな問題について重症心身障害児・者の問題については施設は一応来るところまで来ましたが、これでもってひとつ見直す段階に来たというふうに思っておりますので、単にいままでの路線を突っ走るということだけではなしに、こうした児・者に対する施策をいま一度根本的に考える機会が来たというふうに思っておりますんで、それぞれの関係者の方々の御意見なりお知恵をくみ取って、ひとつこれについて今後改善を加えていかなきゃならぬというふうに思っているところでございまして、いまここでどれがいいとかどうすべきだということについて申し上げる段階ではございませんが、とにかくここまで参りましたんで、今後はひとつそういったようなことについて検討と施策をいたしていきたいというふうに思っております。 なお、在宅について、施設収容の場合と国の施すお金の金額が非常に違っているということは、これは在宅がおくれているという一面もございます。在宅対策がおくれている一面もございますが、したがいまして在宅については今後やはりもっと施策を厚くしなきゃならぬ。その意味では金額がふえていくだろうと思いますが、しかし端的に在宅と施設収容とのお金の面を対比して、単純に対比して考えることは、私は必ずしも正しいものではないというふうに思っておりますが、こういったようなことが在宅者対策に対しての今後の施策を高めていく、厚みをかけていくということについての一つの重要な示唆になるであろうというふうに思っているわけであります。 —————————————
○委員長(村田秀三君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、星野力君が委員を辞任され、その補欠として野坂参三君が選任されました。 —————————————
○片山甚市君 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部改正案に関して御質問するに当たり、心身に障害を有する児童の福祉の増進のための措置、また今回の新たな重度の障害者に対する福祉手当などに関連して、その内容についてはまだまだ十分でないと思いますが、このことを質問するに当たって、まずこれに関係することについて大臣にお聞きします。 実は、アジア精神薄弱者福祉連盟がわが国の福祉連盟と共催をして、本年十一月わが国において第二回アジア精神薄弱者会議を開催する計画が進められておりますが、このことについて御承知と存じますが、この際、その後援態勢といいますか、どういうことになっておるか、明確に言っていただきたいと思います。
○政府委員(上村一君) 第二回のアジア精神薄弱会議が、いまお話しになりましたように、アジアの精神薄弱者福祉連盟と日本の日本精神薄弱者福祉連盟の共催で、ことしの十一月から東京で開かれることになっておるわけでございます。それで、目下の予定でございますけれども、厚生省、文部省、労働省、それから地元の東京都等が後援をする予定にいたしておるわけでございます。それで、どういうふうな援助をするのかというふうなお話でございますが、昭和五十年度の予算におきましては、国庫補助金としまして四百万円計上いたしております。
○片山甚市君 実は、社団法人日本精神薄弱者福祉連盟は、第二回アジア精神薄弱者会議を日本で開くということになり、いろんなそういう機関の人たちが集まってつくられたものと考えますが、どうですか。
○政府委員(上村一君) いまお話しになりましたように、日本の精神薄弱児施設を運営しておられる人々、あるいは精神薄弱者の親の会を組織しておる人々、それから職業指導等をやっておられる人々、それから教育を担当しておられる方々の団体、まあ、そういった団体がまとまりまして日本精神薄弱者福祉連盟というものを組織されたわけでございます。
○片山甚市君 実は、アジアの人々を日本に呼ぶということになって、にわかづくりにこれは団結したというか、統一されたというように印象を受けますが、それではありませんか。
○政府委員(上村一君) にわかづくりではございませんが、こういった国際的な会議を持つに当たりまして、日本側としての責任団体というものを一つまとめる必要があるということで、先ほど申し上げました四つの団体の方々が寄り合ってつくられたものでございます。
○片山甚市君 いや、わかりました。実は、この会の運営について、会議をするのについて、約五千万円のお金のうち約三分の一に当たる二千万円が日本船舶振興会から補助金、寄付金としてあるわけです。非常に大きいと思いますが、厚生省としてはどう思いますか。
○政府委員(上村一君) 私ども、こういった国際的な会議もそうでございますし、それから民間の社会福祉施設についてもそうでございますが、日本船舶振興会でありますとか日本自転車振興会等からの補助金、公益事業補助金と申しておりますけれども、それに期待しておる面が非常にあるわけでございまして、この二千万円というのは、大きいと思うかどうかと言われますと非常に判断に苦しむわけでございますが、思い切って助成をしていただいたものであるというふうに考えております。
○片山甚市君 実は、マニラ会議の際に、精神薄弱者問題に関するアジアの常設機関をつくり、アジア各国間の協力と人や情報の交流を密にすること、その必要が認められたその結果として、マニラ会議の参加者十八カ国の代表の署名によっていわゆるアジア精神薄弱者福祉連盟が誕生したと、こういうことで、日本からは菅先生がおいでと、こういうことに議事録上なっています。それで、第二回の会議終了まで事務局が日本に置かれることになった。こういうように、実は国際的ないわゆる責任を負ってつくられておるものについては、この施策として十分ではないというふうに感じます。すなわち、この東京会議は、アジア各国の精神薄弱者福祉対策がまだこれからという段階にありますので、同じアジアの先進国——経済的にですが、先進国である日本に学ぼうという意欲から開かれることになったというように聞いております。どうしても、日本ではどのようにこういうものがやられておるのかをやはり知りたい、学びたいと、こういうふうに聞いておるんですが、今後これらの国際協力のあり方について、それでは厚生省としてはどのような援助をしていかれますか。
○政府委員(上村一君) いま御指摘になりましたように、アジアの国々の精神薄弱者の福祉事業と申しますか、そういうものは、こう申しちゃ少々失礼かもわかりませんけれども、余り高い水準ではない、きわめてわずかの先覚的な指導者のあるところが行われておるというふうな状況でございます。社会福祉の関係の仕事といいますのは、それぞれの国の社会的な風土に根差しておる、そういった社会的な風土を背景にして進めなければならないわけでございますので、同じアジアの国の日本として、日本の精神薄弱者対策必ずしも世界に冠たると申し上げるほどではございませんけれども、アジア諸国の福祉対策について力をかすというのは非常に望ましい方向ではないかというふうに考えて、今回日本で第二回の会合が開かれるにつきましても、教育あるいは福祉、あるいは治療技術、そういった精神薄弱者対策全般につきまして、わが国が現在持っております技術を伝えたいと思いますし、関係施設なり機関の見学もしてもらいたいと思いますし、それからいろいろな問題についても討論を実施するようにしてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。この会議、この秋でございますので、まだしばらく間があるわけでございますが、その会議でそれぞれの国々からどういう要望があるかはまだ明確じゃございませんけれども、そういった状況を見ながらわれわれとしても協力できるものは協力していくというふうに考えてまいりたいと思っております。
○片山甚市君 この会議がやはり成功するように厚生省としては最大限いろいろな面で協力をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(上村一君) もちろんそうする覚悟でおります。
○片山甚市君 くどくなりますが、日本の代表が外国でいろいろな約束をしてまいりますと、国民——民間外交みたいなものでありますから、やはり実効が上がらないと日本の国民に対する信頼が失われるということで、特に要望を強くしておきます。 次に、今回新設される福祉手当について御質問をします。四千円の算出根拠について、衆議院でも議論をしておるようでありますが、明確にしてほしい。性格があいまいであることはかえって今後に問題を残すと思います。文書にありますように、障害による特別の負担に着目をして、常時介護する人たちに対するお見舞いなのでしょうか、手当なのでしょうか、そういう点について明確にお答えを願いたいと思います。
○政府委員(翁久次郎君) 御指摘のございました、今回新たに創設いたしました福祉手当の額でございますが、これは従来特別児童扶養手当の中にございました特別福祉手当、これは御承知のように重度の身体障害と重度の精神薄弱のダブった、いわゆる重複した人に対して支給しておったものでございますが、この金額が三千円で四十九年度から発足したわけでございます。今度新たに福祉手当といたしましたものにつきましては、これは重度の身体障害、重度の精神障害、いずれもいまお示しのありましたように常時介護を要する人々に対しまして、その特別の精神的あるいは肉体的な負担に対する福祉の措置としての手当の額でございます。したがいまして、この金額につきまして、直接的には現在ございます特別福祉手当三千円、これを総合勘案いたしまして四千円ということにいたしたのでございまして、この厳密ないわば算定根拠というものにつきましてはただいまのところ、あるいは衆議院でもお答え申し上げましたけれども、内容としていわゆる精神的慰謝と申しますか、あるいは肉体的な負担に対する慰謝と申しますか、そういうことを含めた額でございまして、必ずしも介護あるいは監護そのものに着目した金額ではございませんので、いわゆる精密なる算出根拠というものはないわけでございます。 〔委員長退席、理事山崎昇君着席〕
○片山甚市君 精神的慰謝というようなことで三千円を四千円にしたということ、現在の経済情勢から考えられたと思いますが、それにしてはやはり少ないという感じを受けるのはやむを得ません。それぞれのいままでの、衆議院でも議論をされておりますから繰り返しませんが、やはり福祉手当については特に額的に少ない感じを受ける、これはもう善処をしてもらわなきゃならぬと、こう思います。 で、福祉手当をわずか出した、それもですけれども、いわゆる在宅障害者の福祉政策で、各般で充実しなきゃならぬと、まあ三千円を四千円にするだけが在宅の障害者の福祉施策ということはないだろうと。そこで、今回出されておる在宅重度障害者福祉電話の設置の問題についてでありますが、障害者対象の電話が計画されているのですが、予算書を見ると千二百個くらい、わずか一年間でこのくらいのようでありますが、非常にこれでは少ないように思います。そこで、せんだって逓信委員会でお聞きしたんですが、国鉄でもいわゆる身体障害者については応分の負担をしておるのですから、電電公社も応分のこれは負担をしてもう少し広げていくというような考えはないか。それで、まず厚生省の考えを聞いて、その後で、電電公社がどのように考えておるかお聞きをしたい。
○政府委員(翁久次郎君) ただいまお示しのございました福祉電話の問題でございますけれども、確かに五十年度の予算で千二百台、これはことしから新たに発足したものでございます。心身障害者対策基本法の二十三条に、その第二項に明らかに、日本国有鉄道は、運賃の軽減等について配慮するように努めなければならない、まあ、こういった根拠がございまして、現在国鉄につきまして、国鉄の御配慮によりまして割引制度がとられているわけでございます。今度の福祉電話につきましては、私どもといたしましては重度の障害のために外出困難である、いざというときに連絡しなければならないという必要を大いに感じまして、とりあえず千二百台ではございますけれども発足いたしました。これを設置することがまず第一番であろうというように考えております。 〔理事山崎昇君退席、委員長着席〕 なお、これは御承知のように、いわゆる地域における福祉のサービスという性質のものになろうかと思います。したがいまして、別途心身障害のモデル都市というようなものも予算上措置をいたしておりまして、こういったこととあわせ兼ねて市町村のいわゆる地域における福祉サービスで足らざるところを補っていただくということが必要ではないかと考えております。ただ、ただいまお示しの電電公社等におかれてこれが割引あるいは無料にするという措置がとられるならばこれは大変ありがたいことでございますけれども、私どもとしてはまず設置すること、それから地域におけるサービスを充実するということをまず当面の目標にいたしまして、なおいまお示しの点等につきましては今後の課題として十分御相談してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○説明員(玉野義雄君) お答え申し上げます。 私どもの方では、現行法制上は減免ができるようになっておらないわけでございますが、国鉄の方、国鉄運賃法でそれが決まっておりまして、したがいまして、現在では先生おっしゃいますように、私たちといたしましては、身体障害者の方等につきましては、市町村で負担していただいておるというのが現状でございますが、いずれにしましても、こういういろんな福祉事業があるわけでございますが、それを国としてどういうふうなバランスで考えていくのか、その辺の方針が決まりますれば私たちもそれによって対処していきたい、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 いや、電電公社が法律上、法制上減免をすることになっておらない、そういうことを言われておるんですけれども、実は電話というものがもう生活必需品になってしまって、大体生活上なくてならないような状態になっている。特に重度障害者など、在宅の者にとっては命にかかわる問題、そういうことで厚生省が努力することはわかるけれども、一番それを設置して運営しておる、そういうところでは、国の一つの機関でもある電電公社、政府機関でもあることでありますから、当然国鉄程度のことを負うべきだという主張をします。そして、今回公社が開発しようとする福祉電話と称されるものが広く多くの者に使われてみて、その結果いわゆる在宅者の重度障害者などの方々にどのように利用され、あるいは便利になるのか、ということを明らかにしてもらいたい、こういうことを、まず特別手当を出す問題の前にその周辺として強く要求をしておきたいと思います。 その次に、先ほどの特別児童扶養手当の増額についてでございますが、昨年来私も要求してきたところでありますが、まだまだ額が十分でない。先ほどお話がございましたけれども、収容施設にいる子供たちの場合には国は子供一人についてどのぐらい補助をしているのか、重度の方々、いわゆる重症心身障害児——施設によって違いますけれども、二つに分けてどういうことになっておるか、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(上村一君) まず重症心身障害児施設でございますが、五十年度の予算で子供一人月額二十三万二千円でございます。それから精神薄弱の大人の施設の場合には月額一人八万八千九百円でございます。子供の施設も大体八万八千六百円というふうな数字でございます。
○片山甚市君 大臣は単純にいわゆる施設に収容されておる者と在宅の者とを比較することについては賛成できない、こうおっしゃっています。単純にいたしませずに、こう見ておりますと、今回の特別児童扶養手当の増額については一万八千円ということになっておるのでございますか、——今回の改正により合わせて二万二千円になったとしても均衡をとった措置としては十分でないように思います、なぜならば、この二十三万二千円というのはそれぞれの施設に働く人々のお金もたくさん入っておるんですから。しかし、先ほどから御質問のあるように、在宅対策について今後どのようにやっていくのか、いまきちんとしたどちらがいいかということは言えないと大臣言っておりますけれども、しかし在宅者に対する力の入れ方はまだ弱い、こういうふうに思いますが、この法案を通過さしていくと言いますか、可決をしていくに当たってどのようにバランスをとっていくのかについてのひとつ考え方をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) いま在宅重度障害者に対する対策でございますが、さっき私が申したように、単純に施設収容者との対比を金の面だけで考えるのは必ずしも正確じゃないと思いますが、しかしそれだからといって在宅者についての施策をこの際これ以上進めないなどということは毛頭考えておりません。今後在宅者についてはこれをさらに——施策がおくれているということに着目をいたしまして、今後これを向上さしていくという方向で熱心にやっていきたいというふうに思っております。これについては、施策は単に所得の面だけを考えて一元的にやるだけではなしに、諸般の施策をこの際積み上げていくと、現に施設収容についてはやはりそうしたいろんなもののコンバインしたものがいまの施策の中に入っているわけでございますので、そうしたものとの対比においていろいろと今後施策を積み上げていきたいというふうに思っております。 なお、いまの福祉手当につきましては、決して私もこれで十分だとは思っておりません。これについては金額の問題と対象範囲の問題と二つあるということも私は存じております。何分にも本年創設されたものでございますので、いろいろな経緯がございましたが、私としてはこの程度から始めていって今後ひとつ何とかこれをもう少しりっぱなものにしていきたいというふうなことを考えてはおりますが、初年度の施策としてはこの程度で私はなきよりもましというふうに考えて実施に踏み切ったわけでありますので、今後お互いにこれについては努力を払っていきたいというふうに思っております。
○片山甚市君 それでは特別児童扶養手当の対象者はどのぐらいになりますか。特にそのうち学齢期の数は幾らでしょう。
○政府委員(上村一君) 特別児童扶養手当の対象数は約四万六千人というふうに考えておるわけでございます。これは現在の状況でございます。改正になりますと合わせまして七万三千人ぐらいに私どもなるんじゃないかと、と申しますのは、今回中度の子供にも特別児童扶養手当を支給することにいたしましたので、そこでどのくらいかということでございますが、私ども全体としてつかまえた数字はございませんが、二年前の四十八年の三月に年齢別にサンプル調査をいたしてやってまいりますと、それをもとにして六歳から十四歳の子供が特別児童扶養手当をももらっております中で約五五%おるわけでございます。そこで人数を計算いたしますと、母数を四万七千人といたしまして約二万五千人ぐらいというふうにお考えいただいたらいかがと思います。四十八年の調査では特別児童扶養手当、これはそのときには重度だけでございますが、もらっておる者の中の約五五%が六歳から十四歳の子供、小学校、中学校の子供でございます。
○片山甚市君 このような質問をしたのは、この子供たちの就学状況がどうなっているのかということを知りたいからです。厚生省はどうでしょう。文部省はどうでしょう。
○政府委員(上村一君) 私どもで把握しております子供の就学状況というのは文部省からいただいた数字でございますが、いかがいたしましょうか。——それで申し上げることにいたしましょうか、あるいは文部省お見えでございますから……。
○片山甚市君 文部省でよろしい。
○説明員(国松治男君) 障害児の数でございますが、私ども昭和四十二年にいたしました実態調査に基づきまして障害児の出現率というものを出しておりますけれども、その出現率に基づきまして学齢にある子供の数にその出現率を掛けまして、そして障害児の数を推定をいたしておるわけでございますけれども、現在推定対象が約五十四万というふうに押さえております。その中で非常に重いお子さんがどれだけいるかという推定をさらにするわけでございますけれども、重いお子さんというふうな概念をどういう程度で押さえるかというふうなことによりまして、それぞれ数字が異なってまいります。私どもの方は教育の方の立場で、たとえば精神薄弱について重度がこのくらい、中度がこのくらいというふうな数字を押さえております。その重度の方につきましては、また別の出現率がございますので、必要ならばそれを申し上げますが、いま全体の障害児の数というのはいま申しましたように五十四万人というふうに推定をいたしております。
○片山甚市君 そういたしますと、就学状況はどういうことになっておりますか。
○説明員(国松治男君) この五十四万人に対しまして教育をする場といたしましては、御承知のように盲学校、聾学校、養護学校それから小学校、中学校に置かれます特殊学級というふうな場があるわけでございますけれども、この盲学校、聾学校、養護学校及び特殊学級に学んでおる数は十七万人という数字になっております。一方、義務教育段階にありながら就学の猶予、免除ということになっておりますのが一万九千人ほどおりますので、残りの三十五万人ほどの数というのは小学校、中学校に就学をいたしておるというふうに把握をいたしております。
○片山甚市君 実はこの心身障害児の子供たちが三十五万人程度普通に小中学校に通われておる、こういう中で勉学をしておるということになりますと、いまの子供たちに対する教育のおくれをつくらないためにも、定数についてもっと少なくしないと追いついていけないんじゃないか、ついていけない、切り捨てられるんじゃないかという心配をいたしますが、そういうことはございませんか。
○説明員(国松治男君) この五十四万人に対しまして、現在、盲学校、聾学校、養護学校及び特殊学級がございますけれども、私どもこの現在の数がまだ十分であるというふうには思っておりません。御承知のように、養護学校につきましても、五十四年にこれを義務化するということを目指しまして、いまその整備を大いに進行しつつあるところでございます。もう一つ、特殊学級の方につきましても一現在の数では非常に不足であるということで、これも年次計画を立てて数をふやしていくというふうにいたしております。この数がかなり整備されますと、こういった盲学校、聾学校、養護学校あるいは特殊学級で学ぶべき子供たちがそれぞれ適切な教育の場に就学して、そしてそこで適切な教育を受けるというふうなことになって、そこを目指して現在努力をいたしておるところでございます。
○片山甚市君 実は、この子供たちがすべて教育を受ける機会を得たいという考えで特定の特殊学級とかあるいは養護学級、学校とかいう特定のところに入れなきゃならぬと考えていません。普通の小中学校に入ってやれるようにする。そうすると、小中学校のいわゆる一人当たりの先生の教育をする生徒の数をもう少し減らさなきゃならぬ。そうしなければ、いまでも詰め込みであって、そのまま切り捨てになっておる。いま三十五万人の人が心身障害児童で一般の学校におるというだけに、普通の健全な者でも相当取り残される今日ですから、そういうふうに思います。一段とお願いをしたいと思うんです。 で、いまお聞きをしておると、厚生省の方は大体文部省のお仕事だということになっておるようでありますが、実は、子供たちのめんどうを見ておるのは、施設などでは保母さんや職員の方が見ております関係から、その療育の問題についてやはり厚生省と文部省が力を入れて一緒になってやってもらいたい。そういうことでは、これらの生徒の障害の状態とか治療、教育、就学の状況などについて、施設に入っておる者、また入ってない者、両省が共同して実態調査をするようなことを願いたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(上村一君) いま御指摘になりましたが、厚生省でも総合的な障害児の福祉の立場から、教育の問題についても関心があるわけでございます。いま文部省からお話しございましたように、文部省でも昭和五十四年度を目標にいたしまして就学促進を図っておられるわけでございますが、私どもの方でも昨年の四月に、これまで精神薄弱児の通園施設というのは就学猶予なり免除になっておる子供を対象にしておりましたのを、そういう要件を撤廃いたしますとか、あるいは重い精神薄弱児の子供、これは重度等というのに入れておるわけでございますが、そこでも就学猶予とか免除というような要件を課しておりましたのを撤廃して、教育を受けやすいような条件をつくるように努力しておるわけでございます。 そこで、施設に入っております子供で、就学の免除なり猶予を受けておる者の割合でございますが、ちょっと古うございますが、四十七年の数字、手元に持ち合わせがございます。それで一番免除率が高いのが精神薄弱児の施設でございまして、精神薄弱児施設に入っております子供の三二%ばかりが就学の免除、猶予を受けております。で、あと目の見えない子供につきましては六%、それから耳が聞こえない、聾唖の子供につきましては四%、それから肢体不自由児につきましては三・四%ぐらいが施設に入っております子供の中で就学の免除なり猶予を受けております者の割合でございます。
○片山甚市君 もう時間が来ましたから最後に別のことをお聞きするんですが、せんだって公明党の矢追さんの方から予算の分科会でお聞きをしておりました竜神村のたん白尿の子供について、先日、用がありまして向こうに行きまして聞いてみますと、竜神村の手をつなぐ親の会がございまして、会長は古屋邦彦さんというんですが、その人はその村の教育長でございます。で、この間の答弁によると、県の教育委員会などにそのような実態が入ってこないと、上がってきておらないというような御答弁でございましたですね。その事情が十分わからないと、県の衛生部と言いますか、教育委員会などに上がってこないということでありますが、しかし、この竜神村の手をつなぐ親の会の会長が村の教育長である、こういうことになると、はて、どういうことになるのか。昭和四十八年に調査をしたけれども、県はこれに対して放置しておったということになっておるようであります。これは和歌山県としては省の方からのいわゆる指導もあって四月の十六日からでございますが、十六、十七、十八、三日間ほどの間に全員の児童の調査をすることになっておるように聞いていますが、それは間違いないでしょうか。
○政府委員(上村一君) 三月二十九日の分科会で私どもの担当課長が矢追さんの御質問だったと思いますが、御答弁したわけでございますが、厚生省でも県の衛生部に対しまして、事態の確認を行うために事情を聞いたわけでございます。その時点では県衛生部でも実態は十分つかんでいなかった。しかし、直ちに県の方でも関係機関と連絡をとりまして、そしていま御指摘になりましたように、二つの対策を立てることにしたわけでございます。 まず、学童の尿たん白のスクリーニングの調査でございますが、四月の十五日に保健所、衛生研究所のメンバーから成ります調査班を派遣いたしまして、十六日から十八日までの三日間、村内の小学校の子供、中学校の子供全員について三日連続、早朝尿の検査をするというふうに聞いております。 もう一つは、残留農薬なり重金属を主体とした水質検査をすると、ただ、これにつきましては県の報告では、六カ所の飲用水を調べた結果、農薬あるいは重金属、そういったものの異常はまだ出ておらないということでございます。
○片山甚市君 この問題は、御承知のように竜神村は、一つは森永の砒素ミルクの中毒事件で三十八名ほどのその子供が、子供というか、もう大きくなりましたけれども、おられます、追跡調査の結果。もう一つは四十名ほどの障害者の方がおられます。村じゅうで言うと、御承知と思いますが、五千九百名のうち二百名程度が大人子供を含めて身体障害者といいますか、障害者ということで報告を私は聞いておるのですが、そのような条件が幾つかあってテレビにも出ますし新聞にも出てまいります。これは特殊な問題じゃなくて、こういうことになれば厚生省がいち早く手をつけて善処をしてもらわなきゃいかぬ。県の方の足取りが非常に鈍いという感じを受けるのですが、いま局長がおっしゃったように、ようやく腰が上がったようでありますが、さらに水質検査の結果、これが特に谷の水とかあるいは井戸水、雨水というのを使うようになっておるだけに、水道の問題について具体的に検討をしてもらいたい。 このようなことで、残留農薬があるなしにかかわらず、やはり山村でありますから非常に水道の便がよくない。水はきれいということでありましたけれども、どうもそのあたりは検査をしてみなきゃわからぬ。こういうことですから、いまから十年ほど前に水道施設の設置の問題がありましたが、地元負担四〇%、残り六〇%がそれぞれの個人負担ということになるのでやまったということを聞いていますけれども、これはこの機会に水道の完備ができるようにお願いをしたい。 以上です。
○政府委員(上村一君) 県が直ちに——県の腰が重かったというふうな御指摘があったわけでございますが、先般も予算委員会の最後の日でございましたか、私お答えいたしましたように、こういった検査というのは新学期が始まりませんと学童を一斉に検査することができないというふうな事情もございまして、四月の十六日からになったというふうに聞いておるわけでございます。 それから飲用水の問題は、御指摘になりましたように、流水を飲んでいる戸数が非常に多いというふうな実態があるようでございます。そういった点につきましては、県が調査いたしました結果を私どもよく聞きまして、今後の方策をどう進めるか、これはやはり県の衛生部が一次的な担当ということになるわけでございますから、相談しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○浜本万三君 まず、法体系に属することになると思うのですが、一つ伺いたいと思いますのは、特別児童扶養手当法の中で今回重度障害者、これは大人でございますが、これを包含されるようにされておりますが、その理由を伺いたい。
○政府委員(翁久次郎君) 特別児童手当法の中で大人の身体障害、あるいは重度の精神薄弱の人々に対する手当を包含することの理由につきまして御質問がございました。従来の特別児童手当法の中におきましても、実は重度の身体障害と重度の精神薄弱の重複した人につきましては子供から大人に通じまして特別福祉手当を支給しておったのでございます。で、今回のこの体系につきまして、やはり特別児童扶養手当におきましても、あるいは福祉手当におきましても、障害の程度に着目して手当を支給するという点におきましては共通な問題でございまして、そういったことを理由といたしましてこの特別児童扶養手当法の中で子供から大人を含めました福祉手当の支給という総合的な体系を包含した次第でございます。
○浜本万三君 いまのお話なんですけれども、しかし手当法ということで児童と大人とを同一の法体系にまとめることはむしろ無理があるのではないか。私の見解としましては、大人の場合にはやはり大人の法律があるわけなんでございますから、この場合、身体障害者福祉法の中で解決をするようにされることが望ましいのではないかと思いますが、重ねてお尋ねをしたい。
○政府委員(翁久次郎君) 確かに御意見のような体系のつくり方もあろうかと存じます。ただ、経過的に申し上げますと、先ほど御説明申し上げたように、特別児童扶養手当法の中で、従来から大人、子供を含めた特別福祉手当という支給制度がございましたので、これを基本にいたしまして、今回もその体系の中に組み入れたということでございまして、これでなければいけないということではございませんが、いま御指摘のございましたような方法もありますけれども、私どもとしてはこれが一つの方法として採用したということでございます。
○浜本万三君 非常にわかりにくい体系になると、かえって支給する方もそれから給付を受ける方もなかなか理解しがたい点があると思いますので、将来、大人の問題は大人の問題として、先ほど申しました身体障害者福祉法の中で解決をするように考慮される気持ちは大臣ございませんでしょうか。
○政府委員(翁久次郎君) むしろ問題は特別児童扶養手当というような名前がいささかわかりにくい点がございます。したがいまして、たとえば児童手当であるとか、特別児童扶養手当というような、手当にそれぞれの特別あるいは児童扶養というような名称がございますのが、いま御指摘のようにわかりにくい一つの理由かと存じます。こういった点につきましては、やはり手当の性格に着目した内容にすることが一つ考えられるのではないかというようなことを含めまして、私どもとしてはやはりこの問題は、ただいま御指摘がございましたようなことを含めて、将来の一つの検討課題というように考えております。
○浜本万三君 次の問題は、法の目的の中における国の責任というようなことになるかと思うのですが、お尋ねしたいと思いますのは、今回の改正案によりまして、特別児童扶養手当については、支給障害児の範囲の拡大及びその額が引き上げられております。しかしながら、改正案は法律の目的から「国」という文字を削除なさっておられると思うのであります。福祉増進ということは、もちろん国の責任であることは言うまでもないと思いますが、今回の改正案でなぜ国の責任が不明確であるように「国」という文言を削除なさったか、その理由についてまず伺いたいと思います。
○政府委員(翁久次郎君) 御指摘がございましたように、今回の法律の第一条では、「この法律は、精神又は身体に障害を有する児童について」云々とございまして、旧法の「この法律は、国が、」という、その「国が、」の字を削っているわけでございます。これは、実は今回の福祉手当は、支給をいたします実施機関が都道府県あるいは市町村、主として福祉事務所になるのでございますけれども、こういった実施機関において支給をするわけでございます。これをそのまま「国が、」ということで支給するということになりますと、若干用例上混乱を生ずる疑いがございますので、そういった点で落としたにすぎないのでございまして、この法律の根本にございます国の責務、これが落ちるということはいささかもないと信じておりますし、法体系全体がやはり国の大きな責任になっているわけでございます。このことは身体障害者の福祉法におきましても、あるいは心身障害者対策基本法におきましても同様でございまして、いま申し上げた、全く技術的な理由が一つの理由としてこの文言を削った次第でございます。
○浜本万三君 言われるように、県が十分の二持つと、したがって国だけじゃないじゃないかというこの考え方もわかるのですが、しかし、最近の福祉立法としましては原則的に法文の中に国の責任を明らかにしたものが非常に多いと思うのです。たとえば、児童福祉法、身体障害者福祉法、心身障害者対策基本法、老人福祉法など、こういうものが非常に多いわけなんでございます。ですから、むしろいまの技術的な問題で国という文字を外せば、かえって最近における事務委任という形で地方自治体に国の仕事を押しつけて、そしてお金は渡さない。こういう問題が指摘されるというふうに思うので、むしろ特別児童扶養手当法につきましては国の責任を明らかにするように国という文字を削減すべきではないのではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(翁久次郎君) ただいまお示しがございました心身障害者対策基本法あるいは児童福祉法または身体障害者福祉法等におきましては別項を立てまして、国の責務というような項目を立てて、その中でこの条文を書いているわけでございます。ただいま、先ほど申し上げました「国が、」ということを削りましたのは、この目的の中で「支給する」ということに重点を置いた規定がございましたので、したがいまして、技術的な理由で削ったわけでございまして、この法律は基本になります心身障害者対策基本法を受けておりますことはるる申し上げたとおりでございまして、私どもといたしましてはいまお示しのあったような誤解は全くないように努力もし、またそういうことのないことを信じておる次第でございます。
○浜本万三君 わかりました。そういう考え方できちっとやっぱり国が責任を持ってやってほしいというふうに思います。 次は障害等級を一元化してほしいという気持ちがあるものですから、その関係についてお尋ねをするわけなんですが、障害児と重度障害者の別表が異なっていることは申し上げるまでもないと思うのですが、なぜ異なっておるのかという疑問があるのですけれども、その理由を伺いたいと思います。
○政府委員(翁久次郎君) 特別児童扶養手当法におきます特別児童扶養手当を受ける障害児の等級表でございますが、これはこの法律のこの支給の目的が、精神または肉体、身体に障害がありますために、いわば通常の社会に出て仕事をし、稼得を、いわゆる収入を得る、あるいはそれを監護する御両親がその子供さんのために精神的肉体的な負担によって相当なマイナスを受けるということに着目して等級を決めているのでございます。新たに設けました福祉手当制度におきます障害等級は、先ほど来申し上げておりますように、常時介護を要する程度の障害を持った人に対して手当を支給するということで、その目的が若干異なりますために障害等級表が異なってきているわけでございます。お示しのように、できるだけこういったものをわかりやすく単純化することが必要なことは申すまでもございませんけれども、ただいま申し上げたような目的に従った等級表ということで分けられているということで御了承いただきたいと思います。
○浜本万三君 障害等級は各種の法律によって本当にもういろいろ違うわけなんですが、これはやっぱり一元化するということが行政の簡素化、さっき申しましたように受給者としてもよくわかるということが考えられますので、私はこれは早急に研究をして一元化すべきではないかという考え方を持っているんですが、これはやっぱり大臣の方で重要な政策ですから、どういう考え方を持っておられるか、聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) この話は前から実はあるわけでございまして、理想としては、いま言うとおり、一元化した等級表をこさえることがよろしいんですが、どうもやっぱりこれは別表になっていますが、その法律の志向するところがそれぞれ違うものですから、それに合わせて若干の差異が出てきているということで実はいままでこの問題が解決をしないんですが、それはそれとしても、もう少し何とか努力をしたらよさそうだというふうに思っているわけですが、どうも大臣に就任してから率直に言ってここまで手が回りませんものですから、今後ひとつもう少し検討してみたい、かように思います。
○浜本万三君 福祉手当などの問題について続いてお尋ねをしたいのですが、先ほど片山委員からもお尋ねがあったんですが、従来の特別福祉手当とそれから今回の改正案の福祉手当、どういうふうにこれは違うのかということがどうもまだ理解 に苦しむのですが、もう一回局長からお答えいただきたい。
○政府委員(翁久次郎君) 従来ございました特別福祉手当は、子供から大人を通じまして重度の身体障害と重度の精神薄弱が重複している人、いわゆるダブルハンディと簡単に申し上げますが、この人々を対象とした手当、したがいまして、その名称も特別に一般の人よりも、一般の障害者よりも特別な態様であるということに着目して特別福祉手当ということになっておったわけでございます。ちなみに対象数が約七千七百名程度でございます。 今度の福祉手当は、重度の身体障害、いわゆるシンプル、重度の精神障害あるいは精神薄弱、こういった人々を包含いたしまして大人から子供にかけてそれを対象としておるわけでございます。三十万人を予定しているのでございます。したがいまして、特別という字句を取りまして広い範囲に及ぼしますので、福祉手当ということにいたしたいと考えておる次第でございます。
○浜本万三君 わかりました。 それから特別児童扶養手当の場合ですが、もちろん対象範囲の拡大というお話がさっきございましたんですが、それだけならば、さっきのお話もあったんですけれども、従来の名称のままでもいいんじゃないかという気持ちがするのですが、いかがですか。
○政府委員(翁久次郎君) 確かにそういった御意見もおありであろうかと思います。ただ、私どもといたしましては福祉手当ということを一般化することによって対象も拡大し、そうして福祉の措置を広くするという意味合いを込めて特別という字を落としたわけでございまして、いまお示しのあったような御意見も十分おありと思いますけれども、私どもとしてはそういう配慮で福祉手当にしたということで御了承をいただきたいと思います。
○浜本万三君 福祉手当ですが、これは在宅対策の一環としておやりになるということの説明がございました。それで片山委員からも重度心身障害施設の一人当たりの運営費二十三万円ですか、それと比べると低いではないかいうお話があったのですが、その福祉手当四千円というのは、結局特別児童扶養手当と合わせましても二万二千円ということで片山委員も恐らく施設運営費の約十分の一ではないかということを申し上げたんじゃないかと思うのです。私はやっぱりこの点につきましては相当五十年度では厚生省も思い切った政策をやりたいのだというお話がさっきあったので、前向きの答弁としては承っておるんですけれども、やはり四千円というものは余りにも低いという気がしてならないのです。そこで、この手当は何といっても理由はどうつけよううとも付添看護に相当するもののように私は思うわけなんです。付添看護に相当するものだとすれば、その手当は相当やっぱり高くなければいけないというふうに思います。これをもう一度私の方からもできるだけ早い機会に再検討をして増額をするようにしてもらいたいと思いますが、大臣、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(田中正巳君) お説のとおり、この福祉手当の金額は決して私はりっぱなものだとは思っておりません。しかし、この手当が創設をされるいきさつ、経緯というものが実はあるわけでございまして、まあ、それだから少なくてやむを得ないんだと、こういうことではございませんが、実はこれは当初から予算要求をしておったものではございませんで、私が厚生大臣に就任した後、ということはもう十二月の予算査定の直前にこれは追加要求をしたという特別な事情がございまして、予算編成の骨組みができたところへ、俗な言葉で言うと割り込んだというようなかっこうの経緯がございますので、必ずしも皆さんの前に胸を張ってお答えをするような性質のものではないということは、私もさように自覚をしております。それだからこそ、今後ひとつこれについては性格ももっとはっきりしなきゃならぬし、対象範囲ももっと検討を必要とするかもしれません。同時に、金額についても、これについてはまた検討をしなきゃなるまいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、私もずいぶんこの手当を創設する場合にいろいろ考えました。しかし、やっぱりこの際制度を創設した方がよろしいだろうということで始めたものでございますので、今後ひとつ、余り積極的なことを言いますと問題になりますので、私としてはできるだけの検討をいたすということにさせていただきたいというふうに思います。
○浜本万三君 おおむね社会福祉関係は五十年度で見直すという、そういう発言が前の厚生大臣に非常に多いわけなんですが、その一部を田中厚生大臣が就任早々実施されたということは高くというわけにはいきませんが、評価をしたいと思うんです。したがって、いずれにしましても、早く増額をしていかなきゃいかぬ、こういう考え方がお互いにあるところでございますので、どの程度の目安で大臣は検討されて具体的な案を考えられるか、その点、もう少し遠慮なくひとつおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) これは私としても、これを検討して施策を向上させる、充実させるということについては異論がございません。しかし、こいつは本年創設をいたしましたものですから、これの平年度化というやつが大体一つ頭にあるわけでございまして、さらにそれを増額するということについては相当の努力が必要だろうというのが率直なところであります。したがいまして、いまここでどういうふうにするかということを申し上げる段階ではございませんけれども、こうした平年度化と、それと金額のアップというような二つの問題をこなす、ダブルハンディを乗り越えなきゃならぬわけでございますので、いま少しく検討をさせていただきたい。予算要求までにはまだ数カ月ございます。その間ひとついろいろと考えてみたいと、かように思います。
○浜本万三君 じゃ、大臣の再度の善処を期待いたしまして、三カ月後にもう一遍質問をさせていただきたいというふうに思います。 続きまして、児童手当の問題についてお尋ねしたいと思うんですが、児童手当制度は暫定措置として段階的実施を行って、今日では不十分ながら一応完全実施されておると思います。すなわち、昭和四十七年一月から五歳未満の児童、四十八年四月一日からは十歳未満の児童、四十九年四月一日からは義務教育終了前の児童に及びまして、そういう意味では完全実施ということになっていると思います。完全実施いたしまして昭和五十年度には制度の改善に着手すると前の齋藤厚生大臣は言明されておられるわけでございます。つまり、昭和五十年度はこの手当については見直したいのだという気持ちを発表されておるんですが、政府はどのように充実、改善をなさるおつもりか、これは数カ月後にはわかりませんでしょうか、いまわかっておる時点で大臣の見解を承りたいと思います。
○政府委員(上村一君) 昭和五十年度になった場合にどう考えるかというふうなお話があったことは事実でございます。五十年度私どもとりました措置は四千円から五千円に手当の月額を上げた、これは実質価値を維持するためのものでございます。それで、根本的な問題と申しますのは、たとえば二子の拡大の問題等々あるわけでございますが、二子まで拡大いたしますと、現行の約四倍ぐらいの費用がかかります。それからまあ各方面から御指摘ございますように、現在の社会福祉あるいは児童福祉ではおくれている部面が多々ございます。特に社会的に見て弱い立場にある人に緊急かつ重点的にいろいろな施策をやらないといけないというふうなことがございますので、いま直ちに児童手当を根本的にどうするかにつきましては、もうしばらく時間をかしていただきまして、慎重に検討さしていただきたいと思っております。
○浜本万三君 今後の国会でILO百二号条約ですか、これが批准される予定になっておると思うんですが、わが国の児童手当制度はその最低基準を満たしていないというふうに思います。そこで、ILO条約の最低基準にいつごろまでに到達する目的で作業を進められておるか、そういう点についてまず最初にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(上村一君) 児童手当はILOの百二号条約の家族給付の部門に該当するわけでございます。条約の中には、給付の理由であるとか、保護対象の範囲、あるいは給付の種類等々がありまして、そういった点の基準は満たしておるわけでございますけれども、一番問題になりますのは給付の総額でございます。給付の総額をILOの基準に照らして見ますと、昭和四十八年度の場合でも基準の約四分の一ということでございます。それから四十九年度、五十年度でも、基準に照らしまして約四分の一ぐらいでございますから、義務受諾は全く不可能な状況でございます。今後の義務受諾の見通しでございますけれども、先ほど児童手当の根本的な見直しについて申し上げましたように、なかなか制度の抜本的な改善を図らない限り、ILOとのからみではむずかしい。しかも、児童手当以外に児童福祉、社会福祉でいろいろな問題があるということでございますので、直ちにはこういった水準に達することは、ちょっと正直申し上げまして不可能であるというふうに考えております。
○浜本万三君 金額の問題と、もう一つは対象範囲の問題、二つあると思うんですが、まず対象範囲の問題について、ILOの調査などを調べてみますと、九十五カ国のうちで六十六カ国が児童手当制度を実施しておる。その中で、第一子よりというのが五十五カ国、したがって八〇%以上ということになりますが、二子よりというのが六カ国、それから三子よりというのは、まあ日本と南アフリカ共和国、北ベトナム、もう一つ私、知らない国なんですが、四カ国ほど名前が挙がっておるわけですが、つまり対象範囲は日本も狭い、それからなお金額も水準に達しないと、そうしますと、両方とも国際水準に照らしてまことにお粗末だと、ことに経済大国というふうに一時申しておったような事情もございますと、なおこの問題が落ち込んでおるということが考えられるわけです。そこで政策としては、対象範囲を広げるのか、広げると、二子以上にすればさっきおっしゃったように四倍予算が要るというお話でございましたが、水準を引き上げるのか、両方を考えるときに、大臣としてはどちらにウエートを置かれてこの問題に取り組まれようとしておるのか、ひとつ見解を承りたいと思います。
○国務大臣(田中正巳君) わが国における児童手当制度のあり方、これは私は相当問題があるというふうに実は思っているわけであります。 で、いまILO百二号条約のうちの家族給付に関連して、児童手当制度をどういうふうに扱うかと、こういう御質問がございましたが、ILO条約は、あの九項目中たしか三項目を合格すればよろしいということになっておるというゆえんのものは、やはりILOといえども各国における社会経済情勢というものの特殊性を考えて、それぞれの国においてやはりなじむものとなじまないものがあろうというふうなことの配慮も若干あるものというふうに思うわけであります。 そこで、わが国においての児童手当、いろいろ私は制度創設のころに深く関係をいたしました。ヨーロッパの国々と日本の間にはこの種のものに対する客観情勢のかなりの違いがあるということを私は当時知りました。一番大きいのはやはり給与のあり方でございます。ヨーロッパの国々はいわゆる能力給主義でございまして、したがって、子供が大きくなるころには非常に家庭の出費は大きい、しかし必ずしもこれに対して所得が伴わないというところから、まあ今世紀の初めごろにこの家族手当制度というものがほうはいとして出てきたというような歴史的な背景があるようであります。日本におきましては、いわゆる年功序列型賃金というものが——これのよしあしについてはいろいろまた労働政策上問題がございますが、そうした給与体系というもの、その上に諸外国にはほとんど見られないいわゆる家族手当というような、企業から支出をされる、支弁をされる特殊な手当というものがあるということなどを勘案いたしますると、この間にあって一体どういうふうに日本の児童手当制度というものをこれ位置づけるかということについては、かなりの問題があろうというふうに思うわけであります。ヨーロッパあるいは諸外国でこの種の制度があるから、それを単純にそのまま対比をしてどうのこうのというようなことについては、いま一歩踏み込んだ議論が必要じゃなかろうか。さらに私は、どうもヨーロッパの国々で驚いたんですが、スイスにおける児童手当制度の発生というものがありまして、これは一番最初山間部農民に支給をいたしました。これはどうも日本で言うと開拓地に対する一つの所得水準を埋めるためにやったもののようであります。次に平野部農民にこれをなにする、これは農業と他産業との格差を是正するために社会保障を利用したというふうに考えられるわけであります。その後、若干都市における勤労者にも支給をするようになったが、金額がえらい違うということでございます。こうしたいろいろな背景を持って各国ではいろいろとやっているわけでありますから、一概な国際比較というものはできないというふうに思います。今後、わが国における児童手当のあり方については、もう少ししさいに検討を私はいたさなければいかぬというふうに実は思っているわけであります。
○浜本万三君 範囲の問題について先ほど言いましたんですが、六十六カ国中第四子はソ連だけで、日本が第三子よりということになっていますから、六十六カ国中、順位をつけますと、非常に、最低の適用範囲国であるということがわかると思います。 それで、金額の問題についても、子供の養育費の調査を見ますと、生計費に占める養育費の割合が、四十七年度で三人の子供を合計いたしますと、三八・七%、一人当たり一万一千円。四十八年度はこれが一万三千円に上がっておりますから、なお昭和五十年度は相当上昇しておるものというふうに思います。 そこで、どちらを優先させるかという点につきましては、確かに、大臣の御答弁のように、制度全体の問題と考え合わせなければならぬということはわかるわけでありますが、支給対象範囲の問題も、支給金額の問題も、いずれにいたしましても再検討いたしまして、抜本的に改正をするということが必要であるというふうに思いますので、早急に検討をしていただきますように、特段の要請を申し上げておきたいと思います。 最後にお尋ねしたいことは、厚生省の所管で児童福祉の目的とする、たとえば児童手当法、それから児童扶養手当法、特別児童扶養手当法の金額や所得制限を比較をしてみますと、昭和四十六年当時の状況と相当内容が変わっておると思います。つまり、創設当時は二法よりも児童手当法の方が優位にあったというふうに思うんですが、今日ではそれが劣っております。たとえば、児童手当は四十六年の創設当時には三千円で、児童扶養手当が二千九百円、特別児童扶養手当が二千九百円、今日では五十年度の計画を見ましても五千円、一万五千円、一万八千円−一万二千円というふうになっているように思います。それから、所得制限を見ましても、四十六年当時は児童手当の場合が二百万円で他の二法が百八十万円でありましたものが、五十年度の見込みでは、これは六人家族の場合でございますが、四百十五万円対八百七十六万円というふうに、大変劣っております。これはやっぱり同じように歩調を合わせる必要があるんじゃないかということが考えられるんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(上村一君) まず、金額の点でございますが、児童手当が発足いたしましたときは三千円であったということは、その場合のほかの手当よりも有利であったと言えると思うんです。ただ、児童扶養手当、これは生別母子に対して出される手当でございますから、母子福祉年金の額にリンクしてきた、それから特別児童扶養手当もその母子福祉年金、つまり児童扶養手当の額にリンクしてきた。昨年からそれを障害福祉年金の額にリンクするようにしたわけでございますが、端的に申し上げますと、児童扶養手当なり特別児童扶養手当というものはそれに見合う福祉年金の額にリンクしてきた。そうして、その額が上がってまいりましたのは、その福祉年金の性格というものが、たとえば、老齢福祉年金に言われますように、敬老年金的なものからより生活保障的なものに変わってきたので福祉年金の額が大いに上がってきたということが言えると思うのです。 で、児童手当の場合には、これは、一つは、一般的な児童福祉と、それから大ぜいの子供を抱えておる場合の家計の援助ということでございますから、それだけで生活保障をねらうというふうな性格のものではないということはあるわけでございます。したがって、その児童手当は、制度発足当初から性格は余り変わっていないのに——全然変わっておらぬわけでございますが、それに対比される各種の福祉手当の方が性格が次第に変わりつつあるというのが金額の相違ではないかというふうに考えます。 それから、所得制限の限度額の問題でございますが、いま比較されましたのは児童手当の受給者本人、つまり子供を抱えているお父さん方の所得制限と、それから児童扶養手当なんかの場合の扶養義務者の所得制限を対比されてまいったわけでございますが、児童手当の場合には受給者本人の所得制限だけがございまして、その受給者であるお父さんなり、お母さんのさらに扶養義務者、そういった者の所得制限はもともとないわけでございます。 それから児童扶養手当なり特別児童扶養手当というのは、その子供、たとえば生別の母子の場合には、父と生き別れの子供を抱えているお母さんについての所得制限、それから特別児童扶養手当の場合には障害の子供を抱えているお父さんなりお母さんに関する所得制限というもののほかに、そういった手当を受ける人の扶養義務者の所得制限があるという——やや複雑な申し上げ方をして恐縮でございますけれども、所得制限の仕組みがだいぶ違っておると。そして児童手当をもらうお父さん、お母さんの所得制限と、児童扶養手当なり特別児童扶養手当をもらうお父さん、お母さんの所得制限を比べますと、児童手当の方が依然高いような状況になっておるわけでございます。扶養義務者の所得制限がうんと高くなりましたのは、結局は、福祉年金等について、本人の所得制限はさることながら、本人の扶養義務者の所得制限をできるだけ緩和していこうというふうな政策的な目標がございまして、昭和四十八年からでございますが、大幅な扶養義務者の所得による支給制限というのはほとんどないに等しいような改善が図られました結果、扶養義務者の所得制限と児童手当の受給者本人の所得制限を比べると大きな開きが出てきたということでございますので、所得制限の仕組みが違いますから、これを直ちに合わせるというわけにはまいらないんじゃないかというふうに考えます。
○浜本万三君 以上で終わります。
○委員長(村田秀三君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会 —————・—————