社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/02/27
会議録
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず委員の異動について御報告いたします。 昭和四十九年十二月二十八日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君が、また一月三十日山崎五郎君が委員を辞任され、その補欠として鹿島俊雄君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(山崎昇君) 次に、労働問題に関する調査を議題といたします。 労働行政の基本施策について長谷川労働大臣から所信を聴取いたします。長谷川労働大臣。
○国務大臣(長谷川峻君) 社会労働委員会の御審議に先立ち、当面の労働行政について所信を申し上げ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 世界経済は、インフレと不況の中でかつてない試練に直面しておりますが、わが国でもその例外ではなく、戦後初めて実質経済成長率がマイナスになるという景気停滞のもとで労働情勢は厳しさを加え、失業の増大、賃金の不払い等の問題が生じているところがあり、また、物価の動向も鎮静化しつつありますが、なお楽観を許さない情勢にあります。 このような事態に対し、政府は総力を結集して問題の解決に取り組んでおりますが、これらの諸問題は、いずれも勤労者の生活に密接に関連する問題でありますだけに労働行政の責務は重大なものとなっております。 しかも、このような困難な状況の中で、額に汗する勤労者がひとしく報われる社会をつくり上げることこそ、今後のわが国経済社会の安定した発展の基盤となるものであり、そのためにも国民の大部分を占める勤労者及びその家族の福祉の充実に取り組むことが必要であると考えております。 私は、こうした見解に立って、当面、次の六つの事項に重点を置いて労働行政を推進してまいる考えであります。 第一は、経済変動等に対処する総合的雇用対策の推進であります。 最近の雇用失業情勢は、昨年十月以降求職が求人を上回り、一時休業や人員整理が増加するなど厳しい局面を迎えておりますので、前国会において成立した雇用保険法による雇用調整給付金制度を活用し、実態に即した的確な運用を図ることにより失業の防止に努めるとともに、失業保険制度、職業転換給付金制度等を活用しつつ機動的な職業紹介、職業訓練を実施し、失業者の生活の安定と再就職の促進を図ってまいる所存であります。 さらに、本年四月以降につきましては雇用保険制度によって失業補償機能を一段と強化するなど雇用対策に万全を期してまいる考えであります。 職業訓練につきましては、景気停滞下においても技能労働者がなお相当不足している状況及び生涯にわたる能力開発の重要性の高まりに対処して、技能検定制度の拡充等により技能労働者の地位の向上を図るとともに、新規学卒者のみならず在職労働者の職業訓練にも重点を置き、公共職業訓練の刷新、事業内訓練の振興、公共職業訓練と事業内訓練との連携の強化を図り、技能労働者の養成確保と生涯訓練体制の確立に格段の努力を傾注してまいる所存であります。 第二は、中小企業労働者、高年齢者、心身障害者等改善のおくれがちな人々への対策の強化であります。 中小企業に働く人々の労働条件等の改善を促進し、その福祉を増進することは、社会的公正を確保する上でも重要な課題であり、特に、現下の景気停滞に際しましては、中小企業労働者の労働条件の確保を図ることが要請されております。このため、労働条件、職場環境、福祉施設等の改善を中心に中小企業に対する指導援助を強化することとし、労働保険の全面適用、事業内職業訓練に対する助成の拡充等を図るほか、特に中小企業退職金共済制度につきましては、本制度による退職金給付の大幅な改善を行うこととし、今国会に中小企業退職金共済法の改正法案を提出することとしておりますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。最低賃金制につきましては、制度の対象となる労働者のほとんどにその適用が及ぶに至っており、今後とも実効性ある最低賃金の推進に努めてまいる所存であります。 また、福祉優先の理念に立った社会の建設が強く要請されている今日、高年齢者、心身障害者の職場の確保と福祉の向上を図ることば国民的課題であります。高年齢者につきましては、高年齢者雇用奨励金の新設等再就職援助対策の強化、能力開発の推進にあわせ、定年延長を積極的に図り、また、心身障害者につきましては治療から社会復帰までの一貫した総合リハビリテーション体制を確立するとともに、就職援護措置の拡充、企業の受け入れ体制の整備等によりその雇用機会の拡大を積極的に推進してまいる考えであります。 第三は、勤労者財産形成政策の拡充を初めとする勤労者福祉対策及び労働安全衛生対策の強化であります。 新しい時代の福祉対策の柱として取り組んでまいりました勤労者財産形成政策につきましては、さきの国会において財形制度の充実を内容とする勤労者財産形成促進法の改正法案が廃案になりましたが、本年は新たな観点からこれを見直すとともに持ち家建設の促進、財形貯蓄の援助の充実等について一段と拡充強化することとし、同法の改正法案を今国会に提出することとしておりますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 また、週休二日制の普及促進、勤労者福祉施設の整備等につきましても引き続き努力を重ねてまいります。 さらに、働く人々の生命と健康を守ることは国民福祉の基本であり、いかなる経済情勢下においてもゆるがせにできない問題でありますので、従来にも増して労働安全衛生対策の充実強化を図るとともに不幸にして災害をこうむられた方々に対しましては、その保護に万全を期してまいる考えであります。特に、最近問題になっております職業がん等の職業性疾病の予防対策を強力に進めるため、その基礎ともなる作業環境の適正化を図るべく作業環境測定法案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。 第四は、勤労婦人・勤労青少年対策の推進であります。 勤労婦人につきましては、勤労婦人福祉法に基づき、従来から諸般の施策を積極的に講じてまいりましたが、特に本年は国際連合提唱の国際婦人年でもありますので、育児休業制度の普及促進、職場における男女平等の促進等に一層の努力を払うとともに、国際婦人年記念事業の実施等国際婦人年の趣旨に沿った諸活動を積極的に展開する所存であります。 また、勤労青少年につきましても勤労青少年ホームの設置等福祉対策の充実に引き続き努力してまいりますが、来年度におきましては、新たに勤労青少年指導者大学を開設するなどの施策を講ずることといたしております。 第五は、社会経済情勢の変化に応ずる合理的労使関係の形成であります。 物価の安定を図りつつわが国経済を静かで控え目な成長路線に円滑に乗せていくことが現在の最重点政策課題となっている中で、再び春の賃金改定期を迎えることとなりましたが、私といたしましては関係労使に国民経済的視野に立った節度ある態度を要請したいと存じております。もとより、賃金は本来労使が自主的に話し合って解決すべきものであり、政府としてはこれに介入する意思は有しておりません。しかしながら、その動向いかんはわが国経済の前途に多大な影響を及ぼすことになりますので、労使双方がその社会的責任の重さを十分に自覚し、対話と協調の精神にのっとり、この問題の平和的かつ合理的な解決を図られることを期待するものであります。 労働省といたしましては、トップレベルの労使、学識経験者から成る産業労働懇話会を開催し、関係者相互の理解を深めることに努めておりますが、今後とも同懇話会の充実とあわせて産業、地域、企業等各レベルにおける労使コミュニケーションを促進し、もって相互理解の増進と合理的労使関係の形成に資してまいる所存であります。 なお、公共企業体等労働委員会の事務の円滑な遂行を期するため、同委員会の委員の定数を増加することを内容とする公共企業体等労働関係法の改正法案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 第六は、変動する国際環境に対応した多角的労働外交の展開であります。 近年の国際化の進展に伴い、世界各国の相互依存、相互補完の関係はますます強まっており、一国のみによる繁栄の追求あるいは国民福祉の向上は実現困難となっております。特に、わが国においては、資源エネルギー問題を見ても明らかなように国際協力の必要性は他国に倍するものがあります。 このような情勢に対し、労働行政の分野においても、ILO条約の批准の促進、ILO、OECD等の国際諸会議への積極的参加等を通じ国際機関の諸活動への積極的協力を図る一方、職業訓練の分野でも国際協力の強化、在外企業労働問題についての研究指導の充実、レーバーアタッシェの活動の強化等を推進し、わが国の国際的地位に応じた責任と役割りを果たすべく、多角的な労働外交を展開してまいる所存であります。 以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信を申し述べました。 各位の一層の御鞭撻と御協力をお願いする次第であります。
○委員長(山崎昇君) 次に、昭和五十年度労働省関係予算につきまして政府から説明を聴取いたします。橋爪会計課長。
○政府委員(橋爪達君) お手元に配付いたしました資料によりまして昭和五十年度の労働省関係予算の概要を御説明申し上げます。 一ページ目に、最初に予算規模が出ておりますが、その真ん中の欄が五十年度要求額でございまして、一般会計につきましては二千五百二十八億百万、前年度に対しまして五百三十四億二千五百万の増加、伸び率にしまして一二八・八%ということでございます。 次に、労働保険特別会計でございますが、五十年度に一兆四千八百十一億八千七百万を計上いたしておりまして、前年度に対しまして三千五百二十九億八千三百万の増加、二三一・三%の伸び率でございます。 勘定別の内訳は省略いたしまして、次に、石炭及び石油対策特別会計でございますが、五十年度におきましては百三十億九千三百万を計上いたしておりまして九億九千四百万の増加、一〇八・二%となっております。 以上、一般会計、特別会計を合計いたしまして重複分を引いたものが所管総計でございますが、五十年度におきましては一兆七千四百七十億八千百万ということで、前年度に対し四千七十四億二百万の増加、一二〇・四%の率となっております。 以下、主要事項について御説明申し上げます。 第一の柱は中小企業労働対策でございますが、その一番目は中小企業退職金共済制度の改善でございます。その中身は二ページの右側の内容のところに掲げてありますが、一般の退職金共済につきましては最低四百円、最高四千円でありましたのを最低八百円、最高一万円に引き上げる。それに応じまして国庫補助対応額を四百円から八百円ということで倍増にいたしております。特定業種につきましてもほぼ同様の措置がとられることになっております。 二番目の労働時間は省略いたしまして、三番目の中小企業向けの福祉施設の関係でございますが、これにつきましては二ページから三ページにかけまして八種類の福祉施設が掲げてございます。全体的に言いまして個所数は若干減らしましても単価の増額を図ったという内容になっております。 次は、安全衛生対策でございますが、その一番下にございます安全衛生融資につきましては前年度に対しまして二十二億の融資枠の増額を図った次第でございます。 四ページへ参りまして、5は省略いたしまして6の事業内職業訓練の関係でございますが、これにつきましては雇用保険法に基づきます能力開発事業として整備を図ったわけでございまして、その主眼は補助対象を従来中小企業の共同団体だけであったのを単独の中小企業にも拡大したということと、さらに補助率を従来の四分の一から三分の一に改善したということでございまして、それによりまして運営費、施設費とも補助単価は相当大幅に増額をいたしているわけでございます。 七番目は省略いたしまして、五ページの八番目の労働保険の全面適用関係でございますが、この四月一日からの労働保険の全面適用に対処いたしまして、特に零細企業を把握するため事務組合の育成指導のための経費を大幅にふやした次第でございます。特に従来の事務組合に対する報奨金の充実等に合わせまして五人未満事業所の資格得喪届け出事務に対する助成を新規に予算化しております。 次は、第二の改善のおくれがちな人たちへの福祉向上対策でございますが、その一番目は心身障害者福祉対策でございます。その細目はいろいろ書いてございますが、本年度の主眼といたしましたのは先ほどの大臣の所信表明にもございましたとおり総合的なリハビリテーション体制の推進でございまして、その(1)に書いてあります総合せき損センターというのを新規に建設することにいたした次第でございます。これは重度脊損者に対しまして治療から社会復帰まで一貫して短期間に行おうというための施設でございます。心身障害者の雇用対策につきましては従来からの対策を拡充改善したという内容でございます。 六ページへ参りまして同じく身障者の訓練関係につきましても訓練校なりあるいは訓練科をふやすという内容のものでございます。それから被災労働者に対する援護措置の充実ということで、介護科、社会復帰資金の貸付額等の増額を図った次第でございます。 次は、高年齢者対策でございまして、これも種々の対策を講じておりますが、その内容の3にあります高年齢者雇用奨励金の支給というのが新規でございまして、五十五歳以上の高齢者を雇用するものに雇用奨励金を支給するという内容でございます。 それから四番目として、職業訓練受講奨励交付金の支給というのがございますが、これは定年予定者に対しまして公共訓練を受けさせる事業主に奨励金を支給するということで、これも新規でございます。その他のものにつきましては、従来の対策を拡充改善したという中身のものでございます。 七ページへ参りまして、出かせぎ労働対策、家内労働対策等につきましては、従来の対策を拡充したということで、説明を省略させていただきます。 第三番目の柱は、財産形成政策でございますが、この中で予算に関係のございますのは、その内容の一に書いてあります中小企業助成金制度の新設でございまして、これは中小企業の事業主が財形貯蓄を行う従業員の貯蓄に上乗せして給付金を支給するという場合に、国がその一部を、そこに書いてありますような率で援助するという内容でございまして、五十一年度から実施するということにしておりますが、このために五十年度予算におきましても一般会計から一億円の出資金を計上している次第でございます。 それから、次は八ページへ参りまして、第四の柱としまして、勤労者の福祉対策の関係でございますが、1は省略いたしまして、二番目の勤労婦人、勤労青少福祉対策でございます。 その一が、勤労婦人福祉対策でございまして、(1)に、育児休業制度を実施する企業に対しまして奨励金を交付するという育児休業奨励金の制度を新規に予算に計上してございます。 それから五十年が国際婦人年に当たりますので、その記念の事業をいろいろ実施する予算を計上しているわけでございます。 それから勤労青少年福祉対策の中では、(1)にあります勤労青少年指導者大学講座の開設が新規に予算に計上しておりますが、これは地方公共団体等の勤労青少年福祉施設におきまして青少年を指導するための人員を養成するために新規の大学卒に対しまして手当を支給しつつみっちり教育を行おうという、こういう中身のものでございます。 3の余暇施設につきましては省略させていただきます。 次は、九ページへ参りまして、労働環境に関する対策でございますが、これは安全衛生対策ということでございまして、その内容は一々御説明申し上げませんが、九ページから十ページヘかけまして種々の安全衛生のための予防対策、それから現場の監督指導を強化する、それからさらに、不幸にして労働災害にかかられた方につきましては援護措置を拡充するという中身のものでございます。 次は、十一ページへ参りまして、総合的な雇用対策ということでございます。 1と2は省略さしていただきまして、三番目の経済変動に即応する雇用調整対策といたしましては、この一月からすでに実施しております雇用調整給付金を、そこにありますように百四十二億計上しておるということでございます。 次は、四番目の産業構造の変化等に対応する雇用対策としまして、1の職業転換給付金制度の充実でございますが、これにつきましては、就職指導手当、あるいは訓練手当等を四〇%以上の大幅な引き上げを行っております。その他の雇用奨励金等につきましても単価を改善しております。 それから2の大量雇用変動の場合の雇用対策、さらに十二ページへ参りまして、特定産業の離職者に対しましての援護措置、あるいは4の炭鉱、駐留軍、沖繩離職者対策等々につきましても、きめ細かく従来の対策を拡充改善してまいる。手当等につきましては額の改善を図っておりますし、事業的なものにつきましてはその単価を改善しておる次第でございます。 それから六番目の地域雇用対策でございますが、この中で新しいのは、一番目の雇用機会不足地域における雇用促進対策でございまして、雇用機会が非常に不足している地域に進出して、地元の人を雇用するという事業主に奨励金を交付する。また、その従業員の移転のための経費を助成するというのがそこに書いてあります地域雇用促進給付金の支給ということで、これが新規でございます。 二番目の農村地域への工業導入の関係、あるいは三番目の工業再配置に伴う雇用対策の推進関係、こういうものにつきましては、従来の対策を改善、拡充するということでございます。 次は、十三ページの特別の配慮を必要とする人たちへの雇用対策でございますが、一番、二番はすでに出てきておりますが、三番目の同和地域住民のための雇用対策につきましては、そこにありますように、就職資金の貸付額を増額するとか、あるいは訓練を推進する等のほかに、一番最後にあります自動車運転訓練の補講の実施ということで新規に予算に計上しております。 それから八番目の雇用促進住宅は五十年度五千戸、雇用促進融資につきましては二百二十二億ということで前年度より二十億の増額を図っております。 それから十四ページへ参りまして、雇用保険関係でございますが、雇用保険の中での失業給付費につきましては、そこにありますように、千三百億余を増額いたしまして、一般受給者五十万四千人、短期特例受給者五十二万四千人という受給者を見込んでいるわけでございます。なお、雇用改善、能力開発、雇用福祉の三事業費の関係が括弧になっておりますが、いままで御説明申し上げた中にこの三事業に属するものがあるわけでございまして、重複するためにここに括弧に掲げてあるわけでございます。 次は十番目の失対事業関係でございますが、失対事業につきましては、労力費を二二・七%アップしております。特定地域開発就労事業につきましても、その事業費単価を引き上げております。 次は十一番目の養成訓練の関係でございますが、これは雇用保険法の施行に伴う整備法によりまして、職業訓練短期大学校というのを新たに設置するということにしたほか、公共職業訓練校につきましては、すべて整備充実を図っております。 十五ページへ参りまして、成人訓練の関係では、やはりこれも新規に成人訓練向けの専門の訓練施設としまして、技能開発センターというものを新設するということが新規でございます。そのほかに、二番目の有給教育訓練休暇助成制度あるいは職業訓練受講助成制度、こういうものを新規に予算化いたしまして、成人訓練あるいは成人教育の機会を確保するということを図っている次第でございます。 技能検定につきましては省略さしていただきまして、十六ページの労使関係の予算の関係では、従来からやっております労使関係の安定とか、あるいは多国籍企業対策のほかに、四番目にあります勤労者教育福祉会館ということで、勤労者のための総合的な会館のための調査費を計上しているわけでございます。また、五番目には公労委の機能強化を図るために委員の公・労・使二名ずつの増員を図っている次第でございます。 第八は、労働外交の関係でございますが、これは十七ページにその中身がちょっと出ておりますが、国際交流を促進する、あるいはレーバーアタッシェを増員するということと、低開発国に対する職業訓練を通じて国際協力を拡充するという内容でございます。 最後は労働行政体制の整備充実でございますが、ここに掲げてありますのは、労働情報関係の開発、あるいは提供機能の強化の予算を主眼としてここに掲げてあるような額を五十年度予算で計上してあるということでございます。 以上、非常に簡単でございますが、昭和五十年度の労働省関係の予算の概要を御説明申し上げた次第でございます。
○委員長(山崎昇君) 次に、労働問題に関する調査について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○片山甚市君 ただいま労働大臣から六項目にわたるところの所信の表明をいただきました。一つ一つこれから御審議を願うというか、お互いに本物かにせものかということを確かめるときでありますから、いわゆる三木さんがよく言う不公正の是正や対話と協調を強調されたと考えます。これを具体的な内容で確かめながら、議会が空転をしないようにお願いをしたいと思います。 長谷川さんは、せんだって雇用保険法を制定することについて全くまっしぐらに押し込んできたという感じであります。なるほど、前の田中さんのときにもそうでありましたけれども、これこそはおれの仕事だと胸を張っておられた。昨日は野末陳平先生の質問に対しても、相当青田刈りをやらせないぞなどと意気込んでおられる。それは労働官僚として、また労働省として文部省に負けないようにしてもらわないと、どっかで言うたけれども、どっか行ったらしょばっとしておるというのではどうにもならぬ。そこで私は当面の雇用問題に関する一時帰休の問題についてまず大臣初め皆さんにお聞きしたいと思います。 昨日の読売新聞によりますと、一時帰休は三千八百社、対象人員が少なく見積もっても二十五万七千余名に上るであろうと書かれています。労働省が支給対象として指定をした三十九業種は適用労働者数にして五百八十六万人の五%に達する、約二十五万人、こう言われるのでありますけれども、今後このような形でいきますならば、雇用調整給付金で、この急増を賄っていけるのかどうかということについてお答えを願いたいと思うのです。私は、なぜこういうことを言うかというと、この一時帰休によって失業者が企業の中に抱え込まれて顕在失業者にならないだけのことであり、不況は政策的につくられている。またいわゆる計画的な景気の冷え込みをつくることが、日本政府にとって春闘というところに、いわゆる目当てをしておると考えておるのであります。すなわち、できるだけこの春闘で政府が言う物価を一五%に押え切るならば賃金もその線に押え込みたいということで、雇用保険法が利用されて、おるように感じられますが、そのようなことはないのかどうか、まずお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(長谷川峻君) 皆さん方の御熱心な御審議によりまして、さきの臨時国会において雇用保険法案が可決されたこと、その中に雇用調整給付金の問題がありまして、普通法案は四月一日から実施するのでございますが、こういう情勢であるから十二月の二十五日に可決されたこの法案を一月一日から実施せよという強い御要請がありました。私はやはり人生において、いつも申し上げておりますけれども、個人の経験からいたしましても、やはり失業ほど苦しいことばない。そこで、この雇用調整給付金が役に立って街頭に失業者として出されないで済むというところに皆さん方の御意見もあったと思いまして、一月一日から実施をして今日に至っております。 物価一五%という問題は、これはいまの世界の悩みは、いかにしてインフレを押えるかということだろうと思います。どこの政府も苦悩しております。そういう中において消費者物価を一五%に押えることは、これは春闘対策でも何でもございません。かりに月給を持って家へ帰る、奥さん方が毎日毎日物価が上がったらこれは大変なことでございます。不安があります。そういう意味からしますというと、国民生活全体のために、私は一五%の消費者物価、このためにこそ皆さん方の御支援などをいただきながら、私の役所は働いている諸君あるいは生活協同組合に買い物に行っている奥さん方、こういう人々と日常接する中においての物価問題であるということで強力に物価、一五%になるように推進してきたことでもございます。それがようやく達成されることでありまして、私はこれは国民生活全般の問題として考えているということで御理解をいただきたいと思うのであります。 なお、雇用調整給付金の、これを実施することによって、春闘対策というふうなことじゃなくして、一人でも私はいまの場合に外に失業者として出さない、これが至るところにおいて皆さん方からもう少し業種を拡大してやるべきじゃないか、三分の二中小企業の諸君にやる、そういうふうなところがいいんだということで、いろいろまた地方の業種の実態等々をお伺いしているところでありまして、片山先生、私たちはそういうふうな考えでやっていることを改めてひとつ御理解のほどを願いたいと思います。
○片山甚市君 いま大臣は雇用調整給付金についてこのままでいけるのかということについてはお答えを願えませんでしたから、あとでお答えを願 いたい。 各企業の雇用調整はきわめて私は作為的であり、春闘前の不況旋風を巻き起こすためにやっていると考えます。たとえばソニーが一時帰休に踏み切ったときに、日経連首脳が、中身は微々たるものである、高等戦術ですな、と言った記事が載っておりました。まさしく、いわゆる経営者の根性丸出しであります。また、東洋紡績が昨年末実施した希望退職二千二百名余りございました。ところが雇用保険法が成立するとすぐさま全員を復職させました。それはパートタイマーや女子職員がやめる者が多かったと言います。そんな見通しもつかないで何万人の人を雇っているというのはわかりません。これはいわゆる失業保険をただ取りすると考えられるのでありますが、私は納得できないのですが、これはいかがですか。
○国務大臣(長谷川峻君) 雇用調整給付金の一番の前提は労使の話し合いによって持ってきた、それを前提として私のほうでいろいろ規模とか、いろんな問題を精査してかけるわけでありまして、現にこれはこの法案が通過したあとで、組合の皆さん方に、私たちは本当に団体の団体長が大ぜい集まってお礼なども言われたことでありまして、私はこれ、一資本家、大企業のどうのこうのという問題じゃなくして、私たちは勤労者を中心に考えている。それが大企業であろうと中小企業であろうと、しかも後でまた政府委員から答弁いたさせますけれども、その適用しているところの事業所の数、あるいはその勤労者の数、こういうものをおわかりいただきますならば、いまのような御疑念は払っていただけるのじゃなかろうかと思います。 さらにもう一つ、当初の予算で間に合うかというお話がございましたが、これは私は、こういう非常の場合には、やっぱり皆さん方の御要望に応じて、中小企業に手厚くするためにも、業種拡大ということをするためには、いささかの、金の少しぐらい多い、少ないぐらいは問題にしないで、政府当局の方に私は理解をしてもらう努力をしているということもひとつ御理解いただきたいと思います。
○片山甚市君 つまり雇用保険の雇用調整金については私たちか見ると、−報告を受けないとわかりませんが、大企業への土盛りとなっていると考える。せんだって電機労連の委員長が発表しておりますけれども、電機業界は三十八社の内部留保金として一兆五千億円にも上っているそうであります。つまり彼らは成長産業の一つとして、もうけにもうけてまいった。耐久消費財でございますが、短い期間で使い捨てをし、昨日も節約型冷蔵庫だといって電気をたくさんとることになったということ、衆議院でも社会党松浦議員に追及されて、さてどうしようかということで、あわてふためいておる。このように金をもうけるためには手段を選ばない、こんなような状態でありますの で、御承知のようにモデルチェンジをどんどんやって使い捨て、修理をさせない、こういうことをやってきたのがいまの経済なんです。静かな安定、そんなことを言ったって、そんなこと思っていませんよ。虎視たんたんと、春闘さえ済めば、ばあっとまた物を上げてやろう、こう考えておるのが財界の相当の大物であります。ですから、できるだけ労働者には、これから一年間苦しんでもらおうという、労働大臣は経済成長を考えられるし、あるいは消費者物価についても考えておられるだろうけれども、これ、欲得の世の中です、資本主義というのは。もうけよう、得しようと思っておるんですが、なかなかそういきません。こんな考えでいますと、いわゆる今度の不況について、ちょっとやそっと金がなくなったとかなんとか言っておるけれども、私はわからない。このいわゆる雇用調整給付金を当てにして一時帰休をするというようなことをすることは、雇用保険法をつくった趣旨に合わないように思う。不況というものを本当に利用して、もうけるときには、昨年は五倍も六倍もの配当金を支払うほどのもうけをした業種、言いませんけれども、いつかそういうことありましたね。それがいま不況だ、不況だ、不況だ、不況だと何遍でも唱えておるというようなことは納得できない。そういうことについて、まず私は労働省が実態をどのように把握されているか。いま関係の者に発表させるとおっしゃいましたから、雇用調整給付金がどのように、いわゆるいま渡されておるのかということについて御説明を願い、私の疑問に答えておらいたいと思います。
○政府委員(遠藤政夫君) 雇用保険法によります雇用調整給付金の制度が一月一日から実施に移されまして、一月末現在で私どもの手元に、一月及び二月につきまして、体業の計画が労使間の協定に基づいて事前に届け出がありました分でございます。その実数を申し上げますと、全体で三千三百九十一事業所でございます。そのうち大企業、いわゆる三百人以上の企業規模の事業所が三百六、中小企業が三千八十五、こういうことになっておりまして、それによります休業予定延べ日数が三百四十六万一千八百五人目、こういうことになっております。これは二月の休業の事前届け出の分がまだ全部含まれておりませんので、一月、二月全体の合計になりますと、これを若干上回ることになろうかと、かように考えております。で、これにあらわれておりますように、いま御指摘の大企業中心ということでなくて、件数におきましては圧例的に中小企業が多うございますし、休業延べ日数にいたしましても、中小企業のほうが上回っております。中小企業の不況切り抜けのための雇用調整措置のために非常に活用されておりまして、こういうことによりまして、十二月の後半から一月にかけての失業者の発生率が大体落ち着いてまいっておりますので、この雇用調整給付金制度の効果がこういう面に具体的にあらわれてきているんじゃないかと、こういうように考えております。 それから、ただいま御指摘ございましたソニーにつきましては、確かに新聞で報道されておりますように雇用調整のための休業が行われておりますけれども、これは雇用調整給付金制度の活用をいたしておりません。申請も出てまいっておりません。それまでに至らない程度の小規模のものでございます。それから東洋紡につきましては、確かに昨年の秋、二千二百人余りの一時解雇がございました。その間、組合と会社側の間で復職闘争が行われておることも承知いたしております。本年に入りまして、この雇用調整給付金制度が実施されることになりまして、東洋紡からも各工場について、休業に対する給付金制度の適用の申請が出てまいっております。ただその際、ちょっと先生の誤解じゃないかと思いますが、過去におきまして、昨年の秋に解雇されたうちの二千人余りが再採用ということで会社に復職させられておりますが、この復職させるか、させないかによって給付金制度の適用があるか、ないかということとは全く無関係でございます。仮にこれを復職させなくとも、現在の各工場におきます休業規模が適用基準を上回れば、当然給付金制度の適用を受けることになります。私どもとしては、むしろ二千数百人解雇されて、いわゆる失業状態にある人が一人でも多く復職させられて、会社に採用になって、職場が確保できるということは、私どもの雇用保険法の趣旨から申しましても、大臣が再三申し上げておりますように、失業者を一人でもなくす、少なくするという趣旨から私は大変結構なことだと思っております。このことによって給付金制度が適用になるか、ならないかということは全く無関係でありますということを申し添えさせていただきます。
○片山甚市君 いま御説明があって中小企業三千八十五業種が適用された、こういうようにお聞きしました。金額は大体幾らになりますか。
○政府委員(遠藤政夫君) これは、この事前の届け出の計画によりまして具体的に、一月中に休業をいたしました実績をもとにして給付金の申請が出てまいるわけでございます。この数字から推察いたしますと、私どもが当初五十億程度を予定いたしておりましたのが、大体七、八十億程度になるのではないかと、こういう予想をいたしております。
○片山甚市君 それでは、いまのいわゆる雇用調整給付金については、中小企業の労働者に対して恩典を与えたというか、失業を招くことがないように措置をされておる、こういうように言われておるんでありますから、それはそれでいいと思います。これから私たちが心配をいたしますのは、大企業は二分の一、中小企業は三分の二でございますが、賃金の格差が非常に狭まっておるといえども、その総額の支払い額が一つの会社単位にどのようになるのかということ、会社の数は少なくても、もらう金がどのようになるのかということは非常に大きな関心をもって、次のときに具体的に一月、二月の結果についてお聞きをしたいと存ずるところです。 さて、先ほど大臣の方から最低賃金の問題について触れておられました。経済企画庁は二月二十四日の日に「「転換期における企業行動に関する調査」結果について」というものを発表されました。その三十二ページにこのように書いてあります。 「価格動向」として、「一、今後一年程度の主力製品価格の見通し」について、「今後一年程度の主力・製品価格については、全産業で七〇・五%もの企業が「上昇する」とみている。製造業と非製造業に分けてみると、「上昇する」は非製造業(八二・五%)が製造業(六五・六%)を上回っており、しかも非製造業で「かなり上昇する」の割合が比較的高い。前回調査(四九年三月実施)と比較してみると、「上昇する」とみる企業割合は全産業で二一・六ポイント、製造業では二五・二ポイント低下しているが、業種別にみると、「上昇する」は石油、石炭(九〇・九%)、輸送用機械(七九・三%)、鉄鋼(七八・六%)などで七割以上も占めており、これらの業種を中心に先行き上昇期待感にはなお根強いものがあるといえよう。」こういうように書かれておるのであります。私はこのような情勢を見るときに、これから春闘に関係なく、春闘が終われば物価を上昇させようという非常にコスト面におけるところの要求が出ると思いますが、労働省はそれに対してどのように見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(長谷川峻君) いまお読みになった資料、私手元にありませんから確かなお答えになるかどうかわかりませんけれども、政府といたしましては、ことしの三月末の消費者物価を一五%に抑えるというところに一生懸命やってもまいりました。その結果でしょう。一五%以内に抑えられるような形になりました。そしてまた、昭和五十年度の予算を組むに当たりましては、来年三月末の消費者物価を一けた台——一〇%以下に抑える、これを中心にしてやってまいりましたので、私たちがいまありますものは、どういう時代でもそうですが、コストプッシュというふうなことでなかなかインフレマインドがまだまだなくなっておりません。そういうことからしまして、やっぱり、一〇%以内という来年三月の消費者物価のためにいままで以上のひとつ努力をしなきゃならぬ、こう思いながら、大企業の場合に私たちがよくお目にかかりました場合には、企業の社会的責任として、失業者を出さないことが一つ、余裕があるならば物価を抑えてもらいたい、値下げしてもらいたい、こういうことを要請しているわけであります。
○片山甚市君 すると、来年は物価が一〇%以内になるようにというお考えだそうですが、私たち三月が一五%におさまるとしても、いまのような状態でありますならば、賃金引き上げいかんにかかわらず物価の上昇の計画的なものはつくられつつある。労働者の賃金を四月にそれを見込んで私は改定をせなきゃならぬと思います。いわゆる物価上昇というのはあらかじめ織り込まれると思いますが、労働省はそれに対してどのような見解を持っておりますか。
○政府委員(道正邦彦君) お答えいたします。 賃金改定に当たりまして、労使間でいろいろの基準によって行われるわけでございますが、その場合に、物価問題が非常に大きな尺度になることは当然かと思います。ただ、政府としてどう思うかというお尋ねでございますが、従来、政府といたしましては、賃金問題につきましては絶対に介入しない、労使の自治に任せるというたてまえを一貫して貫いてきておりますので、どうあるべきかというお尋ねに対しましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○片山甚市君 それは表面のことでございまして、中労委へ行きましても、公労委へ行きましても、政府の顔色をうかがい、大蔵省の顔色をうかがい、特に労働大臣がどんな顔をしておるかということでものを決めておると思われる節が昨年のいわゆる一時金の問題でございました。田中さんがつぶれて三木さんになる間、うろうろしておって何もできなかった。そうですね。対話と協調の三木さんができましても、何ともかんともできないうちに話がつかなかった。何もしていない、何もしていないと言うけれども、官公庁の労働者は、政府の考え、これが大きく賃金を決めるんですよ。お知りですか。春闘の中心がけしからぬというのは、官公労だというのは、それが主力ですよ。決めない、決めないと言って、決めておるじゃないですか。そんなことは言っちゃいけませんよ。民間の賃金を言うておるのじゃないんです。公務員の賃金を言うておるのであります。 さて、雇用労働者は約三千六百万だと言われておるうちに、わずかに千二百万足らずが組織労働者です。それはあなたのおっしゃるように、勝手に決めたらいいと言われる。そのうちで、まずたくさんな国家公務員、地方公務員、公共企業体の労働者はいわゆるそれぞれの国会の承認を得たり、束縛を受けて、自主的に決められるなどというようなことはナンセンスなことです。それならば、それぞれの当事者能力を与えなさいと言えば、大変でございましょう。それを羊頭狗肉の、ああ言えばこう言う、こう言うたらああ言うという答弁になるのであります。だから、それは一貫してくださいよ、当事者で決めるんなら当事者で、労働者全般の話をしておるのですから、きょうは。当事者一般では決めさせません、決められぬところもありますよ、こう言わなきゃならぬ。それをまるで労働省や政府が何も関与しませんよと、そんなことは言ってもらいたくない。関与して欲しいんです。どんなことかと言うと、実はいわゆる未組織労働者に対する賃金というものについてどのように決めるかというと、最低賃金制度が行き渡ったので、これを拡充し、内容をよくしたいという意味のことを先ほど大臣、所信表明されましたね、最低賃金制について。そこで、私が申し上げるのは、いわゆる雇用労働者に対する一般的な問題として、労使間で決めなさいというのは、それは実際全部の労働者のことを言っておるのか、これからも官公庁の労働者についてフリーハンドな形で決めるようになるんでしょうか、非常にむずかしいことですが、お答えください。
○政府委員(道正邦彦君) 専門家の先生、もう十分御承知のことでございますけれども、毎年賃金改定が春に行われます。先行するのは民間の企業でございます。で、労使間で話がつかない場合に中労委があっせんをするということはございますが、いずれにいたしましても、民間のいわゆる相場といわれるものが決まってまいります。そういうものを受けまして、国鉄その他三公社五現業等の賃金が公労委の場で決められて、それはしかし、仲裁裁定の形で出れば、政府としては完全実施するというたてまえで臨んでおります。また、人事院の勧告によりまして非現業の給与が決まってくるわけでございますが、四月時点に遡及して調査をするわけでございますので、民間の賃金あるいは三公社五現業等の賃金が調査には反映される。そういうものをもとにして、民間準拠というたてまえで公務員の給与が決められることは御承知のとおりでございます。
○片山甚市君 民間の賃金が決まらなければ公労法の適用下の労働者の賃金も、あるいは人事院関係の労働者の賃金も決まらないようにしてあるのが当然だというお話ではございます。それは知っています。それがいいのかどうかについて、民間が決まらなくてもそれはそれぞれ決める権利があると私は考える。民間が決まらなければ公労法の労働者や国家公務員の賃金が決まらない。均衡の問題はあなたの方が言われておるんです。そんならば、実際上介入したことになるから、——これは意見であります。答弁は必要ありませんが、納得できない。そのようなことはよろしいが、雇用労働者の三千六百万のうち、二千四百万人が未組織労働者です。組織を持たない人たちに対する問題として社会的不公正の是正というならば、最低賃金制をきちんと保障すべきだと考える。それば、先ほど大臣が、制度ができております、内容をと言われる。だれがそれでは内容をよくするのか。組織労働者ですか、そうではないでしょう。これは国の制度としてつくられなきゃならぬ。 昨年の一月二十五日以降、春闘共闘委員会と労働大臣との交渉が五回行われ、基準局長との交渉が六回。かなり交渉が行われて、その結果、四月十二日には次の了解事項が締結されております。その事実について間違いないかどうか。出席者は、組合、田村副議長、海老谷最賃対策委員会の事務局長、広瀬中賃委員、井田総評常幹、省からは遠藤職安局長、渡邊基準局長が出て最賃に関する労働省との了解事項として、最低賃金について、一つ、今後の最低賃金制のあり方については広域最賃の設定、その他制度運用の改善について中央最低賃金審議会の場でさらに検討を進める。なお、全国全産業一律最低賃金制については、労働省として今後検討する。議事録の確認として、労働省としての検討は一年間をめどとし、その間引き続き春闘共闘と話しをするという意味に書かれております。当面する最低賃金行政として、賃金物価事情の急激な変化に対応し、最低賃金の実効確保の立場から中央最低賃金審議会の答申を聞き、現在決定されている最低賃金の効率的な改正を速やかに行うという確認をされておりますが、これが事実とすれば社会的不公正の是正ということを、三木内閣のことでありますから一カ年間の検討の結果、現在どのようなことを検討し、全国全産業一律最賃についての意見を持っておられるのか。このことについてお伺いをし、速やかに全国全産業一律最賃制ということによって実は二千四百万の未組織労働者に対する保障を確立すべきだと思う。組織労働者一千二百万は、あなたがおっしゃるようにそれぞれ賃金を決める場所があります。文句を言う場所があるんです。何も言えないところの者に対してどうするのかということについて、地方に対する包括最賃の問題もございましょうが、これが十分でない、こう考えておるから全国全産業一律最賃についてどういう一年間の検討をし、いま進んでおるのかということについて、四月十二日に向けて、一年間ですからまだ時間がございますけれども、大臣のお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(東村金之助君) ただいまのお話でございますが、事務的な問題をまずお答えいたしますと、全国全産業一律最低賃金制については、確かに労働省として今後検討をするという形になっておりまして、その後私どもといたしましては、わが国における賃金構造の格差問題さらには諸外国における最低賃金の実施状況等々について鋭意検討分析をしているところでございます。 御承知のとおり、昭和四十五年に中央最低賃金審議会からこの一律問題についての御答申をいただいております。その御答申の中身は、現在のような産業別、地域別に格差が大きい場合には一律の問題が無理ではないかというような趣旨でございますので、その辺を踏まえながら全国一律最賃制についての検討を進めているわけでございます。まださらに検討をしなければいけませんし、皆さん方の御意見を聞かなければいけませんが、現在はそういう段階でございます。
○片山甚市君 格差が地域的に大きいということをどういうように埋めていくのかということはまだ結論が出ておらないのでとおっしゃる。しかし日本の国の生活条件は非常に似てきた。大都会であろうと田舎であろうと同じような状態になった。先ほども過疎に対する工場進出の問題まで出されておる。安い労働力のところへ工場が出ていって、ちょっと受注がなくなったらすぐにつぶれておるじゃないですか。この間も、秋田県でありましたか山形県でありましたか、せっかく工場が行ったけれども、いわゆる不況だということになれば一番先につぶれておる。そして村挙げて工場を誘致してみたら、ばかをみた、こういうことで嘆いておるじゃないですか。そういうところでちゃんとそういうようなことについてのいわゆる保証を取りつけなきゃいかぬ。やはりあなたたちのお考えになっておるのは、中小企業を守るというよりも大企業を中心としてもののさしがねをしておる。労働組合があるようなところを中心にしてものを決めておる。労働組合がないところにどのような形で全国的に産業を持っていくのか、安定させていくのか。いわゆる消費回復をしなければ経済回復の安定ができないし物価安定もないのです。ところがそういうような面について論議をすると、これは時間がありませんから、とにもかくにも、全国全産業一律最賃をどの線でいくか別としても、このようにしてとにかくこれだけは国民生活を保障しようではないか、働く者二千四百万人は日本政府は抱きかかえてやろうではないかということをしなければならぬ。ところが、失業はかわいそうだから、いや人間の悲劇だから失業しないようにしようじゃないかと言いながら、その失業の内容が、いわゆる賃金について大変な差があるとすれば大変私は残念であります。その点についてきょうは詰めるべき場でありませんから、あなたたちがあまり熱心でないということだけ確認をしておきたい。 次に、失業問題についてお聞きします。失業、雇用情勢は深刻の度を加えてきて、各方面の報告を受けておるところですが、経済企画庁は、一月段階ですでに完全失業者は百万人を超したと推計をし、先ほど読売新聞等で言うと二十五万人程度がいわゆる調整金をもらっておるという。これは相当大きいものだと思うんですが、労働省は、一月から三月には百万人の失業者が、一・九%超すのはまず確実ではないかというように言っておるように聞きますけれども、担当官庁として責任ある報告を本日願いたいのは、完全失業者はどれだけ、失業給付を受けておる者、それから失業率、地域的に見て特に問題のあるところはどこか、有効求人倍率について先日発表されておることについて余り変わりはないか、お答えを願いたいと存じます。
○政府委員(遠藤政夫君) お答えいたします前に、先ほど確認をしておきたいということで御指摘ございました先ほどの会議に私の名前が出ておりましたが、私は出席いたしておりませんので御了解いただきたいと思います。 完全失業者につきましては、最近に総理府の統計局から発表がございまして、十二月の完全失業者が八十三万人、一・六%ということでございます。私の方はこの完全失業者の統計を持ち合わしておりませんので、総理府の発表によります数字が完全失業者ということで御了解いただきたいと思います。求人倍率につきましては、同じく昨年の十二月に有効求人倍率〇・八〇でございまして、それが一月になりまして〇・七一ということに相なっております。 で、地域的に見ますると、これはまあ全国的でございまして、もちろん大都市地域と、それから農山村地域ではその差はございますが、ただいま手元に詳細な資料を持ち合わせておりませんので、後刻御要請によりまして詳細な御報告をいたしたいと思います。
○片山甚市君 御報告受けて、納得しかねますけれども、仕方ございません。 実は、特にせんだって新聞でも報告されました沖繩の浦添市で、三名の職員を雇うのに九百名ほどが受けに行った。特に、そのうち駐留軍関係の、アメリカ軍基地に働く人たちが二百名ほどが来たというふうに聞いておるんですが、沖繩県に対する特別な措置というものはどのようになされておるのかお聞きをします、それでは。
○政府委員(遠藤政夫君) 確かに沖繩におきましては、本土と違いまして非常に限られた地域で雇用の場が狭いという関係がありまして、失業率も全国一般の失業率に比較いたしますと約三倍近い率を示しております。中でも駐留軍の基地関係の離職者が相当滞留いたしておりまして、御指摘のような事態が生じております。 新聞の報道によりますと、浦添の市役所の職員採用募集に対しまして三百倍、三人を採用するのに九百人殺到したという新聞記事でございまして、私どもは実態はどうなのか確認はいたしておりませんが、沖繩県下でこういった市役所の職員関係は比較的給与の高い職種でございますために、こういった新卒の、高卒者の新規就職予定者等がこれに殺到したものだろうと考えております。 まあ、それはそれといたしまして、沖繩県下でこういった失業者の再就職という点につきまして、非常に従来から御指摘ございますようにむずかしい問題がございまして、私どもは沖繩本島内における訓練施設の拡充を図り、技能者の養成に努めますと同時に、こういった人たちを本土へ向けて再就職を図りますような、いわゆる移転就職、広域職業紹介等に力を入れてまいりました。幸い、昨年の十月から、従来本土向けの再就職奨励策に対して、県当局それから関係団体等も非常に強い抵抗がございましたが、ようやく昨年の十月からこの広域対象地域としての指定を、県当局も労使関係者も納得をしていただきまして、そういう点で努力をいたしておるわけでございますが、しかしそれにいたしましても昨年の秋以来本土におきましても御承知のような求人、求職の状況でございますので、なかなか思うような計画どおりには進んでおりませんけれども、今後ともこの沖繩県下の失業対策につきまして再就職等に万全を期してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○片山甚市君 いまお聞きをしましたように、沖繩県は祖国復帰してから以来、いいことが一つもございません。海洋博をやるといっても、物価の高騰や公害が起こるばかりで、いわゆる復帰して何がよかったのかということが言えないような状態ですから、特に労働省としてもよくわかると思いますが、対処してもらいたい。 で、昨日、決算委員会でございましたか、採用取り消しの問題についてお答えをしておるようでありますから、もう一度確かめておきたいんですが、新聞によりますと、取り消された者は二百七十九名、自宅待機千五百三名というように報告されておりますが、私たちはここに日本私立大学連盟の資料が手元にあるんですが、非常にずさんな雇用の仕方をしておる、契約の形をしておるということについて、非常に不満であります。この種の内定の取り消しというのは戦後は幾たびか不況はございましたけれども、きわめて異例なことであり、いわゆる去る一月の三十日、衆議院の予算委員会でも吉國内閣法制局長官は、一般的に言えば期待権の侵害と言って、不法だと、こういうふうに言っております。日経連の宮本事務局長は、採用の内定の形式も文書や口頭などいろいろなものがあり、雇用契約が成立しているかどうか疑わしい、こういうような調子。大体採用試験をしておいて、何か言葉であろうと何であろうと、口約束というのは知らぬというのは、これはもう大体三百代言じゃないですか。人間というのは口で言うのが一番大切で、文書でするのは信用せぬから判押しよるんでしょう。信用している者同士が判押しますか。信用せぬから調印するんですよ。そうでござんせんか。そういうような態度が、今度のいわゆる青田刈りの問題で云々と言われるけれども、そうじゃなくて、人間を軽視をする、人の心を傷つけておるというような、痛みを感じない、人を物や金にかえていくという、いま今日の問題だと考えるんです。 私は日魯漁業が昨年の末に内定の辞退を勧め、本人の希望があれば子会社や関連会社へあっせんすると説明したが、一月になって採用不可能、子会社あっせんも不可能などという文書連絡をした。これは明らかに契約上の詐欺だと考える。昨日もお話があったようにトーヨーサッシや東洋電具などが慰謝料や見舞金を幾らか払ったということで示談で済ませたと。お金で済ませると思うものではない。いや、その人の人生にとっては出発点をつまずかせたということになる。こういうように考える。 労働大臣は指導すると新聞では発表してますが、具体的にいかなる指導をどこに行い、どのような結果をもたらそうとしているのか。少なくとも労働基準局に当該者から申し出があれば措置をし公表をする、いわゆる企業の実態に基づいて具体的にこのようにしなさい、こう言えるように三木さんの方がお決めになってやるべきでないかと思いますが、労働大臣、この問題胸を張っておれに任しておけと言っているようですからお答えを願います。
○国務大臣(長谷川峻君) 高度経済成長のあふりで企業の諸君が人事管理は非常にルーズだということを今度はまざまざと感じました。おっしゃるとおり、若い諸君が学問をして自分の体と学問と合わせてこの企業を選んで、その試験を受けて、そして内定、それは書式がそれぞれ違うでしょう。法律的にはどこでそれが雇用契約を結んだかということはなかなかむずかしいという話も聞いております。しかしながら、私はこれは大変なことでございますので、労働省としては、大学の場合は労働省を通じて就職をするわけじゃありませんので、把握はなかなかむずかしゅうございます。中学校、高等学校は職安を通じて全部調べました。そうしますと、中学校、高等学校は内定取り消しはされたものの、いまの時代でございますから、それぞれ就職をしているようなかっこうでございます。しかし、大学の場合は国立大学でさえもそういう内定取り消しがあったとも聞くし、私立大学連盟の方の資料もいただき、私自身も電話をかけて模様も聞くと、やはり若き心をむしばむようなことを私はやっぱりやるべきじゃない、こう思います。そして、そういう会社の仮に人事部長が、自分の子供がよその会社を受けて内定取り消しをされたら一体どういうことになるか。そういうことまで訴えながら、いずれにいたしましても、第一段階は私のところにも内定取り消しをされた者が個人的に来て、よその会社を受けるように私はお手伝いいたしましたけれども、そういう諸君に直接聞きますというと、本当に身につまされます。でありますから、公表は最後にいたしましても、まずこれは私は撤回させることの方が大事じゃなかろうか。日経連の宮本君の話が出ましたが、日経連でさえもそう言うている。私はこういうふうに経済団体あるいは国会あるいは政府、一切が大ぜい声を上げることによってこういう若き諸君を大事にする風潮というのを、この際身につけてもらわなければいかぬ。ですから、場所のわかったところ、会社のわかったところは私の方でも手を尽くしながらこの撤回運動をいまやっておって、三、四解決したところもあります。それをずっと押し進めて、それでどうしてもだめな場合には、ときにその会社を公表して来年から、君はこの会社を受けるだろうが、この会社はこういうことを去年したんだというぐらいの公表を私はやるべきであろう、こういうことでいま準備を整えているところであります。
○片山甚市君 それでは時間ございませんから急いで……。 不払い賃金、いわゆる倒産をした会社のものについてのことは雇用保険法審議のときに申しましたけれども、実は一時帰休制度で調整金をもらえるというのはまだいいんですけれども、倒産してどうにもならなくなったのを年内に何とか法律的な措置もとろうかと言っておりますが、これは焦眉の急を要する問題として、いわゆる何としても具体的な措置をとってもらいたい。倒産をして賃金不払いになっておる、労働債権はたな上げになっておるということにならないようにしてもらいたい、これはもう繰り返して申し上げます。で、年を越して臨時国会か何かで措置をとるというわけにはまいりません、こういうふうに申し上げておきます。 そして次に、このごろは会社の中間管理者が、課長さんあたりがどんどんと不況ということで賃金カットを一〇%か何%かやられていますけれども、イギリスやドイツへ行きますと、それらは、その人たちはアソシエーション、いわゆる協会をつくりまして、管理者の協会をつくって、そんな勝手なことを、べらぼうなことをさしておりません。日本の国ぐらいですよ。管理者と言えば経営者だろう、上から言うたら賃金引いたらいいだろう。これは中間管理者といえども勤労者です。社長かどこかで重役会議で勝手にばっと決めて、労働権の侵害をするようなことはやめた方がいいと思うんですが、やられた方がいいですか。これ、会社と死なばもろともになりませんよ。どこの会社でも課長かどこか、わずかに一生懸命苦しんで、課長になった途端に勝手に、やあ賞与は減らします、やあ何は減らします、何にも言えない、こんなことはいわゆる社会の不公正——これはもらい過ぎだったというのだったら初めから言いなさい、それは。中間管理者がもらい過ぎだったとあんた言うけど、そうじゃないんでしょう、大体。違いますか。うつ病といって、精神的にも物すごく苦しんでおるのはその中間管理者じゃないんですか。労働者から文句は言われる、上からは抑えて物を言うなと言う。たくさんなんですよ。大臣、お知りですか。いや、われわれはそれは働く者の底辺から言えば最低賃金制のものを言うた。その中にもそういう人がおる。こんなようなことはヒューマンじゃないですよ。ばさっと切る、こんなに血も涙もない。日本の国が栄える道理がないですよ、大臣、心配せぬでも。心配するのならもっと相談をして、その人たちとともに嘆く。違うんですよ。まあ、いまのとおりやっとけば、労働組合が賃上げする相手だから、あれ抑えたらやりようないから、こういう式でしょう、お恐らく。そんな根性がなけりゃそんなことできませんよ。裏の裏あるんじゃないですか、裏の裏の裏の裏の裏のある国ですから、こういうふうに思います。 で、まとめて言いますと、インフレ、不況の責任は私たち労働者にあるのじゃなくて、経営方針にあります。経営をやっておる者がすかたんをして、解雇をしてみたり一時帰休をしてみたりしとる。こういうことについて、このようなときに春闘を抑さえるというようなことのないように、われわれの要求が、いわゆる働く人たちの願いが実っていくようにしてもらいたい。労働省としては、何といっても物価の安定をし、雇用を安定させる。しかし、これから一年間、われわれから言いますと、働く人々、庶民の生活が安定するためには物価に追い越されたのじゃ困りますから、そのときには確実に保障されるようにしてもらわなけりゃならぬと思っておるのです。 次に、そういうことで申し上げて、私は先ほど職業病の問題について大臣の方からも職業がんの話をされました。そこで、日本電信電話公社に対して質問をし、労働省が出しました「基発五九号」についての御回答を願いたいと思うんです。まず、日本電信電話公社に対して聞くのですが、電電公社は、頸肩腕症候群という罹病者の内訳はどういうことに今日なっておるか。そして頸肩腕症はなぜ起こったのか。医学的に解明されておらないというのにかかわらず、特定の職場に大ぜい起こっておるということであります。こういうようなことで、この病気の症状を呈する者は怠け者だ、仕事がいやだからだというように烙印を押しておるようでありますが、そのようなことを考えておるかどうか、どうしたらこれが治療できるのか、治すことができないというのならば、それはそこで起こったことでありますから、これは公社の責任、いわゆる事業の責任として全面的に責任を負うべきだと思いますが、簡単に答えてもらいたい。
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。 まず最初に電電公社の頸肩腕症候群の罹患者の現状でございますが、本年一月末現在で全国で三千百七十七名の罹患者が生じております。これらの罹患者は、いずれも公社の健康管理医がこのような病名で治療を要するというふうに診断したものでございますので、私どもは、これらの方々に対しましては病人といたしましてこれの治療あるいは一日も早い職場復帰のできるような対策をいろいろ講じておるところでございます。 病気の扱いといたしましては、おおむね過去に非常に多かった結核と同程度のような重要視した扱いをいたしております。 それから発症原因でございますが、昨年二月二十二日に頸肩腕症候群プロジェクトチームというものを公社内につくりまして、約二十五名のお医者さん方にいろいろ検討をしていただきましたが、その結果といたしましては、作業機器の問題あるいは物理的な作業環境の問題作業時間の問題、作業形態の問題体力の低下とか体調不調の問題体質、性格等、いろいろな要因が指摘されております。これらをちょうだいいたしまして公社内にこの対策委員会を山本総務理事を委員長につくりまして、これをいろいろな形で具体化するという方策を立てております。 また、労使関係におきましては、昨年、従来の対策につけ加えまして、頸肩腕の皆さんが治療を受ける病院の種類をあるいは数を一層増しましたり、あるいは、はり、きゅう、マッサージ等の治療代を従来より引き上げたり、そういうような、あるいは勤務時間を、作業時間を短縮したり、そのような労使の合意を見たところでございます。 その他もろもろの対策を講じまして、一日も早くこの病気が職場からなくなるようにという努力を継続いたしております。
○片山甚市君 薬はたくさんくれるそうですが、医者はいやいや診ておるようだ。こんなものは怠け者が来ておるというように思っておるようでありますということを言うたのですが、それはお答えはないのです。職場でもそのように見せさすような状況が出ておるというように泣いて私に訴える人がおります。いわゆるこれは神経的な問題でありますから、外から見たらわかりません、ちょっと見ただけでは。そうするとマッサージなど受けたいと言っても医者によると、それはおれはきらいだと書かないそうです。そういうような病気について治す方法がまだわからぬものならば、あらゆる可能性を追求すべきだと思うのです。労働組合と幾ら協約結んでも、医者は専門分野以外のことについては、おれは関係ない、こういうことでやらない人もあるし、気分が向いたら書いてくれるそうであります、診断書を。こんなことばないようにしてもらわなきゃならぬと思います。私たちが知っておる関東逓信病院に対する関係職員のそういう人たちは余り安心した信頼感を持っておらないように感じられるということです。病院の関係といわゆる労使関係などで話をしたことが一致をしておるかどうかきちんと確めてもらいたいと思います。 さて、病気が好きで遊びたいから怠けておるんだというように頸肩腕症候群の人を公社が見ておるのかどうなのかということについて考えて、痛みがあることについて認め、痛みを早く消退させる、なくしていくということについて積極的なことをやってもらいたい。それは少なくとも薬をもらっても飲まない人が大半だと聞きました。飲めば胃が悪くなる、食飲が進まなくなるというようなこと。たくさんくれるそうですね、その電電公社の関係のお医者さんは。そういうように言われていますから、お薬の前にやはり精神的な圧迫の解消だと思うのです。 昭和四十九年に全電通労働組合が調査したのは、聞き取り調査七分会、アンケート調査三十五、合計四十二分会を見たところ、八千六百七十六名ですが、そのうち罹病者が八百四十八名もございました。いまのように二百何名でございませんで、全部調査したところ、それはあなた方の好きな目標による管理——高橋達夫という人がおりまして、関東の通信局長などをやりました。いわゆるそれぞれの経営調査、出張などということで、物、人間の命を全部金にかえる。生体を取らなければ幾らもうけた、年休を取らなければ幾らもうけた、早く出てきて仕事してくれたら幾らもうけたという計算ばかりして、すべて人間を金にかえた男ですが、このことを生体実験をやったところが全部起こっておる、重点的に。そういう労務管理が、特に女子の職場は、御承知のように婦人の職場というのは人が行きません。そうすると係長になりたい、主任さんになりたいということになると、それをえさにしてどんどんどんどんと締めつけた。これが婦人の職場におけるところの精神的な圧迫、いわゆるストレスです。御承知のように、いまおっしゃいましたように交換台の問題もございましょう。背面パトロールということで、ネコが忍び寄るような形で締めつける形もございましょう。時間がございませんから簡単に言います。そういうようなことを考えてみますと、どうしても私は、電電公社がねらっておる目標による管理というような締めつけをやめる以外に解決の方法がない。職場環境に基づく精神的な圧迫だと考える。しかも、冬は暑くて上着を脱がなきゃならぬ、夏は毛布を腰に巻かなきゃ仕事ができないようなところがたくさんいまある。機械を中心とした職場から起こった問題として考える。仕事の量の前に、先ほどおっしゃったように職場環境の問題が非常に大きな問題だと思います。ですから、そういう点で電電公社が労使間で約束したことを具体的に守っておるのかどうか。しかも、多発をしないためにどのようにするのかということについては、もっと熱心にやってもらわないとこれは解決をしないことだと思います。いま反論されるなら別でありますけれども、私が調べた限りでは、いわゆる人間の心をさいなませる心因的な要素をたくさん持った作業管理方式から起こっておると思います。ぜひともこれを改めてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。 確かにこの病気が出始めたころは公社の中にも怠け病だというような見方をする人がないとは言えなかったと思います。しかし、現時点におきましては、最初私が申し上げましたように、これは厳然たる病気である、医者が認めた病気であるということで対処いたしております。 それから、ストレスの問題でございますが、先生の御指摘のとおり、まあ、これは先生の持論でもあると私ども拝察しておりますが、職場の温かい人間的な目を持った管理、こういうものが一番重要だということで、いろいろな点でこうした問題については今後も十分最善の努力を尽くしてまいりたいと思っております。
○片山甚市君 労働省にお伺いするんですが、「基発五九号」によるいわゆる改正点については、いままで広義の頸肩腕、狭義の頸肩腕というのがありまして、その態様としては狭義であったということになっておったんですが、これはおおよそ今度の改正は広義の頸肩腕を含むというように解釈してよろしいでしょうか。
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のように、旧認定基準では頸肩腕症候群を広義と狭義に区別いたしまして、原因となるべき症患の明らかでないものをいわゆる狭義の頸肩腕症候群と、こういうふうにいたしておりました。で、業務上・外の認定上問題となるのは、ただいま申し上げました、原因となるべき症患の明らかでないもの、つまり旧認定基準における狭義のものでございますが、そういうものでございまして、今回の改定では、原因が明らかでないもののみをいわゆる頸肩腕症候群として取り扱うこととしておるわけでございます。つまり、狭義のものを頸肩腕症候群といたしまして業務上・外の認定問題の基準を考えていると、こういうことでございます。
○片山甚市君 そうすると、今回改定をした要点は何なんですか。改定をされた、前よりも変わったところは何なのですか。
○政府委員(東村金之助君) いろいろございますけれども、ごく大ざっぱに申し上げますと、まず頸肩腕症候群の定義、性格、こういうものを医学の進歩等に合わせて明らかにしたこと。 それから、認定基準の対象とする作業の態様を、従来は手指作業ということが中心でございましたが、それに対しまして上肢作業まで含めたということ。 三番目は作業の態様、作業の従事期間、業務量、こういう問題について表現が抽象的であったわけでございますが、それを具体的にわかるようにしたこと。 さらには、鑑別診断に用いられる神経及び血管圧迫テスト、そういうものの技法等を例示したこと等々でございますが、全体的になるべく平易にわかりやすいようにということが一応試みられております。
○片山甚市君 そうすると、労働省では大むね三カ月程度でその症状が消退するというふうに考える、いろいろな治療をすれば。そういう三ヵ月という根拠は何ですか。
○政府委員(東村金之助君) 他に基礎疾病ないしは素因がなくて、業務が発症の原因となったような頸肩腕症候群につきましては、適切な療養をするならば三ヵ月程度で症状が消退するというのが医学常識であるというふうにされておりまして、お医者さん方の御結論をいただいたので、そのようにしたわけでございます。なお、三ヵ月を経過しても順調に症状が軽快しない場合には、恐らく他に疾病があるのではないかと考えられまするので、鑑別診断を行う必要があるというふうにしたわけでございます。
○片山甚市君 この改正に当たって、業務量のことを書かれておりますが、業務量は個々人の業務量であると解してよろしゅうございますか。
○政府委員(東村金之助君) 当該労働者の業務量を考えるというわけでございますので、当該労働者については、その人の個人の業務量でございます。比較される方の人たちは、いわば同種の労働者、同性の労働者の一般的な業務量と、こういうことになるわけです。
○片山甚市君 時間が足りませぬので、この「基発五九号」について基本的にまた引き続き意見を述べたいと思います。これで終わります。
○目黒今朝次郎君 先ほど委員長から言われましたとおり、今度社労に参りましたのでかわいがってもらいたいと思っております。 きょう、私は主として片山委員とダブらない立場から、労働基本権の問題についていろいろ質問したいと思います。しかし、いま片山委員の質問の中で、若干気になることが二つ三つありますから、簡単に確認なり、あるいは考え方を教えてもらいたいと思います。 一つは、これは一月七日、社会党が予算要求で、労働大臣は不在でありましたけれども、労働省とやった際に、失業保険法の給付の関係、いま三十九業種指定になっておると、各地方で申請をする際に地場産業、下請の下請。そういう地場産業の方々が申請に行った際に、三十九の業種指定ではないということで門前払いを食わされる例があっちこっち出てきていると、こういうような苦情をわれわれ受けておるわけであります。いま大臣の答弁を聞いておりますと、そういうことはないように、できるだけどんな地場産業でも、余り業種指定にかかわりなく、実態を十分調べてやりたいと、そういうふうに受け取ったのですが、そういう業種指定にかかわりなく、実態を十分に考えて措置するというふうに運用について解釈していいかどうか、この点を第一点お伺いいたします。
○国務大臣(長谷川峻君) 雇用調整給付金は、おっしゃるように当初三十九業種を指定いたしました。しかし、こういう雇用不安のときでもございますし、それからまた趣旨が、三分の二中小企業ということでもありますから、いろいろなお話も承りながら、そういう先生がおっしゃったような趣旨に沿うて検討もし、またそういう形において改めて近日中にいろいろ陳情の出たものを精査いたしまして、御期待に沿うようにしたい、こう思っております。
○目黒今朝次郎君 ありがとうございました。ぜひそういうことで地場産業なり孫請の方々の救済に当たってもらいたい、このように要請しておきます。 それから、これは余りいいことじゃないんですけれども、二月十日の日本経済新聞を見たんですが、工藤編集委員と遠藤職安局長の対談の中で、先ほど片山委員が言ったとおり、この運用に当たって労使で合意すればいいんだというところに、かっこうつけてアベックでやってもうけるだけもうけろと、取れるだけ取れと、そういうあくどいことをやられても、まあ、こういう時勢ですからやむを得ませんな、こういう意味に受け取れる対談を私は目に受けとめたんです。同じことが、これもまた言いにくいことなんですけれども、一月二十日ごろの某紙によると、これは八木良夫日立製作所専務さんの話ですが、これもまあ、いま言った対談と同じような、いわゆる高度経済成長政策で肥満体質になったと、この肥満体質になった日本の経営をこの際荒療治をもって体質改善するしかないと、だからあらゆる手段を尽くすんだ、そのあらゆる手段の目玉商品にこの失業保険法の給付という点があるんだと、こういうことを言われておるわけですね。そして、高度経済成長の際にはインフレでわれわれは苦労し、不況になれば失業で苦労すると、どっちにいっても労働者なんですね。それで、日立などについては内部留保が二千億あるいは三千億とも言われております。内部留保に手をつけるということについては全然考えないで、何が何でも荒かせぎでぼろもうけしてやれと、こういう経営者の発想ですね。それに労働組合が一部乗っかって、いわゆる保険法を悪用するということについては私は本来の趣旨に反すると思うんです。少なくとも企業が自分の持っている内部留保、あるいは在庫品、これをできるだけはたいてはたいて、どうにもならなくなったら初めて生きておる人間である労働者をどうするかと、こういうふうになって、それでもどうにもならなくなってひとつ失業保険の給付を頼むというのが私は筋道だと、こう思うんです。ですから、これはなかなか大臣に聞いたって本音は出ないだろうけれども、少なくともこういう誤解を国民に与えるような私は経営の姿勢ということについてはどうしても納得できませんから、大臣があっちこっち、産労懇とか、あるいは経営者と会っているようでありますが、そういうことについては、もしもこの問題について大臣の考えを聞いて、——私は大臣といえどもそれは結構でございますなんということは言わないと思うんですよ。やはり悪用だ、本来の筋に戻す、本当に困っている者に対する給付だ。それで、重点はやっぱり中小企業だと、こういう線で運用されることをぜひ要望して、この間の経過があったならばぜひこの際国民の前に明らかにしてもらいたいし、あるいは八木日立製作所専務についても、しかるべき機会に国民の誤解を解くやっぱり姿勢を示すべきだと、こう思いますがいかがでしょうか。
○政府委員(遠藤政夫君) 二月十日の日本経済新聞の紙上に掲載されました私と日本経済新聞の工藤論説委員との対談の記事の中に、この雇用保険法によります雇用調整給付金制度の、まあ文字づらから見ますると、私がその制度の悪用、乱用を認めるかのような誤解を招いた点は確かにきわめて遺憾だと思います。あの対談は、実は一時間半余り対談をいたしまして、その内容を要約されて記事にされましたために、その前後に対談の対象になりました問題が要約されておりますために、非常にそういう誤解を受けたことだと思いまして、その点は私は大変申しわけないと思っております。実は先ほども御質問がございましたが、東洋紡が昨年の十月に二千二百名余りの解雇をいたしました。昨年の暮れにこの雇用保険法が成立いたしまして、その機会に、従来組合と会社側で復職闘争が行われておりました。その話し合いの結果、千数百人——二千人近い人が希望によりまして復職するということになったわけです。その一方、東洋紡の各工場におきまして休業のやむなきに至った者についてこの雇用調整給付金の適用を受けたいと、こういうお話がございました。私どもは、適用の基準に照らして、この対象になり得るものだと考えまして、その手続が進められておるわけでございますが、その点の指摘がございまして、一方で解雇した者を復職しながら片一方で給付金の適用を受けようというのは乱用、悪用じゃないかと、こういう批判があるけれどもどうだ、こういう御指摘がございました。で、先ほどもお答えいたしましたように、これは復職させたからといって、それが条件になって給付金の適用を受けるわけではございませんで、復職させるか否かはこれは給付金の適用いかんとは全く関係ないことでございます。で、したがいまして私どもは、その復職のいかんにかかわらず、一時休業の実態がこの給付金制度の適用を受け得るか否かという審査をいたしました上で、基準に該当しておれば適用が受けられる、こういうことでございますが、との復職の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、一人でも失業者を少なくするというのがこの給付金制度の目的でもございますので、その趣旨からいたしますと、会社側が組合との話し合いの上で二千人に及ぶ人たちを復職させて職場に復さしたということは大変結構なことだと、それを、内容を本当によくおわかりにならない方々が、一見悪用、乱用だというふうに誤解をされるとするならば、そういうこの利用の仕方、活用の仕方というのは私は結構だと思います。むしろ、そういうことによって余力ができて復職させることができるということであれば、この制度の趣旨から言って私はかえって結構なことだと、こういう趣旨のことを申し上げたわけです。それが前後が要約されまして、その部分だけ、悪用、乱用結構だというふうに受け取られたことは、これは私の言葉が足りなかったせいもございましてまことに遺憾だと思うわけでございます。 それから日立のお話は、確かに私も新聞紙上で見た記憶がございますが、これにつきましても、確かに内部留保とかあるいは配当の面もこの適用の基準要件としてしんしゃくすべきではないかという議論も確かに審議会等で一部ございました。しかしながら、これは時期的な問題、内部留保がどれだけあるか、あるいは配当がどの程度に持続されるか、あるいはこれを技術的にとらえる方法等につきましてもいろいろ問題がございまして、むしろこういった、できるだけいい状態になって、人員整理を避けるための制度の趣旨から言って、そこまで立ち入って要件とすることについては問題がある、こういう審議会の労・使・公益三者一致した意見でもございまして、私どもは、業績の低下の状況によって業種指定をし、その指定された業種に属する企業で、一定の規模以上の休業計画をつくって、これが労使の協定なり合意の上に届け出があり、申請があればこれを適用をする、こういうことにいたしておるわけでございます。各方面からいろいろ誤解を招くような表現あるいは記事等が出ましたものにつきましては、私ども極力そういう誤解、御批判を避けるような措置をとってまいりたい、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 私は、労働省は労働者のやっぱり味方なんですから、勤労者の味方なんですから、少なくともそういう発言なり、問題のとらえ方についてマスコミから誤解を受けたり、そういうことがないように私は十分な配慮をしてほしい。この東洋紡の問題などについても、私をして言わしめれば、世論の勝利だと思うんですよ。ですから、そういう点ではこれ以上とやかく申しませんが、ぜひそういう配慮を常にやって労働行政を進めてほしいということをお願いいたします。 それからもう一つ、採用取り消しの関係で、横浜地裁の判決がありましたね、——あれは先月ですか。この横浜地裁の判決について特に、これはまあ要点だけ言うと、採用内定通知が雇用契約申し込みに対する承認であり、その発送によって雇用契約が成立したと、こういうまあ判決が、これは横浜でしたか、出ているようですが、これはやっぱり今後の採用取り消しの問題なり、あるいは採用延期の問題なり、こういう問題に対する一つの労働指導の目安と、てことして考えてしかるべきだと、こう私は思っているのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(東村金之助君) 横浜地裁の判決そのものを十分承知しておりませんが、ただいま先生御指摘のように、採用内定の通知というものがあったと。この採用内定の通知にはいろいろ種類がございます。様式とか内容がいろいろございます。しかし、採用内定の通知によって労働契約が成立するということも十分ございます。で、判決もいろいろ出ております。そういうふうになれば、これはもうそこで労働契約が成立するわけでございますから、それを取り消すということになればいわゆる解雇と、こういう法律問題が生ずるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 時間がありませんから、そういうことについて十分配慮をお願いしたい。 それからもう一つだけ、時間がありませんが、この新聞、——これはいつだったかな、失業保険受給率の四%という問題について、これは四月一日から発効する保険金の全国一律給付延長の基準として四%という点が労働省で策定したいと、こういう新聞記事が載っておったのですが、これは百万人の失業者を肯定するという側面もありますので、この間の事情について簡単でけっこうですから御説明願って、あときょう御説明願って、私も勉強して次回に譲りたいと思いますから、この関連について、四%の問題について御説明願いたいと、こう思うんです。
○政府委員(遠藤政夫君) 雇用保険法の規定の中に、失業給付の全国一律延長の規定がございます。どういう基準で全国一律延長の発動をするかということで中央職業安定審議会でいろいろ御検討いただいたわけでございます。私どもはこの全国一律延長発動の基準といたしまして、通常の受給率のおおむね二倍程度ということを一応のめどに検討いたしておるわけでございますが、そういたしますと大体五%というような数字もはじかれるわけでございます。ただ、労・使・公益三者一致した意見といたしまして、五%というのは高きに失してこの全国一律延長という制度を発動する機会がなくなるのじゃないかと、こういう御意見もございますし、今後、全面適用になりますと、小零細企業の受給者が増加するということも十分予想されます。そういたしますと、余りに低くすると、これはいわゆる制度がやたらに発動されるということになって、かえって制度本来の趣旨を失うことになりはしないか、こういう全く反対の意見もございまして、ただいまこの点につきまして一体どの程度に定めるのが最も法律の趣旨に照らして妥当であるかということを検討中でございまして、近く結論を出した上で最終的に確定をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 じゃ、それについてはまた次回でやるとして、私はこの春闘をいま控えておるわけでありますが、先ほど最賃の問題などがいろいろありましたが、私はこの労働基本権の問題について長い間それなりに関心を持ってきた者でありますから、去年の春闘の段階で、総評と政府の交渉で、ことしの秋を目途にこの問題について決着をつけると、そういう話が行われて、現在、進展しておるわけでありまするが、時期も時期でありますから、公企体閣僚協の今日までの動向なり問題点などについて概況を御報告願いたいと、こう思うんです。
○政府委員(道正邦彦君) お答え申し上げます。 公共企業体等関係閣僚協議会といたしましては、三公社五現業等のスト権問題は、四十八年九月の公制審答申においても三論併記となっているように、きわめてむずかしい問題であるという認識のもとに、その結論を出すに当たりましては、各界の方々の専門的な御意見を十分お聞きする必要があるという考えのもとに、二十名の方々を専門委員に委嘱し、目下御検討を願っているところでございます。で、専門委員の方々においては、毎月二回定例的に懇談会を開催しております。実は本日も第十二回目の会合が開かれることになっておりまして、関係の組合、三公社の組合の代表の方々から意見を承るということになっております。 検討の進め方につきましては、公制審の答申におきまして、「政府としては、」「可及的速やかに争議権の問題を解決するため当事者能力強化の検討とあいまって、三公社五現業等のあるべき性格について立法上および行政上の抜本的検討を加えるものとする。」とされているとおりに、争議権の問題と当事者能力、経営形態の問題とは深い関係にあると考えられますので、関係閣僚協議会としては、専門委員懇談会の御同意を得て、まず当事者能力、経営形態の問題を検討し、これらの問題とからめて争議権の問題の検討に入るという方針で検討を進められているわけでございます。この方針に基づきまして、専門委員懇談会におかれましては、まず当事者能力、経営形態の問題について所管の官庁あるいは三公社等の当局及び関係組合から説明ないし意見を聴取することといたしまして、現在までに所管官庁及び三公社等の当局からの説明ないし意見の聴取を終えて、目下組合の意見を承るという段取りになっていることば先ほど申し上げたとおりでございます。 今後の予定といたしましては、三月以降、労働基本権の問題の検討に入るということになっております。
○目黒今朝次郎君 まあ一通り聞いたんですが、具体的にお伺いいたします。 三木総理は、実行のできないことは約束しない、公約しないということを再三言っているのですが、ことしの秋までに結論を出すと、こういうことについて三木内閣においても再確認されておるかどうか、これをまず聞きます。
○国務大臣(長谷川峻君) 三木総理大臣も、まあ対話と協調、こういうことでやっておりまして、事あるたびに、私にも、労使の非常に正常な、そしてお互いが信頼し合えるような関係を早くつくりたいという話をよくされています。私も・日本のために、これは一番大事なことだと、こう思っておりますので、おっしゃるとおり、秋までに結論を一まあ、そういう意味できょうも専門委員会の方々もお集まりいただいたので、そうした意味でのずっとフォローをしていきたいと、こう思っております。
○目黒今朝次郎君 じゃ、そのように公約を実現してもらいたいと思います。 それでなお、いま説明の中で、閣僚協の下に専門委員会があると、こういうことですが、時間がないから私、省略して結論だけ申しますと、この専門委員会が具体的な問題を洗うと、こういうまあ立場にあると思うのです、いまの説明からしますとね。そうしますと、私は、私も十何年近くやってきたのですが、この専門委員のメンバーですね。二十名のうち、——これは私の割り振りか悪かったら訂正してください。いわゆる経営者、どこそこの社長、相談役、監査役、いわゆる経営者という立場で、私の記憶では、あらゆる面について反対の意向なり発言などせられた方々が十三名、経営者の方たちが十三名。それから俗に言う学者、会社側、企業に関係ない俗に言う学者が四名、それから労働界の代表が総評と同盟で二名、それから評論家が一名、そうしますと、こういう構成の中で、私はこの専門委員の方々に、いまから議論しなくても結論はわかっていると、こんなふうに私は考えるんですがね。この専門委員の選出に当たって、こういう片寄った問題の提起の仕方、審査の仕方というのは非常に私は納得できないと、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(道正邦彦君) いろいろな見方からいろいろの御批判があろうかと思います。ただ、政府といたしましては、事柄の性質が非常に複雑であり、特に労働基本権の問題と密接に関係ある経営の問題等も同時に検討せよというのが公制審の答申でもございまして、そういう公制審の答申の趣旨に沿って検討を行うために委員の人選を行ったわけでございます。おっしゃるように、労働側の代表と目される方はお二人でございますが、具体的な名前は申し上げませんが、非常に有力な方がお入りになっておるわけでございまして、まあ数のバランスもあるかと思いまするけれども、労働側の意見も十分にお述べいただくし、結論に達するまでには組合の方々の意見も承るわけでございますので、委員の人選から結論がどうなるというふうな予断を持って臨むのはどうだろうかというふうに考えるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 私は納得できませんね。ここにも私、名簿を持っておりますから、たとえば池田さんとかいう方はどういう方、石原さんという方は、今里さんという方はどういう方。そして十年間どういう点で御批判があり、どういう文書があったか皆知っています。こういう方々が、いまのその閣僚協の最もネックになるやつを議論するといったって議論する前に結論出ていると言うんです私は、議論する前に。それは公制審でも、私も公制審やらせてもらいましたけれども、公制審でも同じでしょう、公制審でも。公制審で公益委員の方々と労働者側というのは、ある程度意見が接近してきたと、どうにもならなかったのが使用者側代表だと。だから三論並列という答申になってしまったと、三論並列。公益委員は公益委員、労働者は労働者側、それから使用者は使用者、その使用者側の意見のいわゆる経営論、あるいはいま労政局長がいみじくも言った当事者能が論、その当事者能力論に大方賛成する方々の意見を持っておったメンバーが十三名なんですよ、これは。十三名、だから公制審のやり直しです、これは。ですから私は、そういうことについて、時間がありませんから、きわめてこの専門委員会は政府寄りのベースの専門委員であって、本当にスト権問題について、基本権問題についてILOの条約などを勘案しながらやろうという積極的な立場の専門委員会の構成ではないということだけは、この際はっきり言っておきたいと思っております。これは私の意見ですから……。 それでなお、具体的にお伺いいたしますが、この当事者能力論、それから経営論という前に、私は公制審の答申を受けて政府はILOの勧告、結社の自由委員会、こういうものについては十分に尊重してやると、そういうふうに私は承っておるんですが、ILOの勧告とかそういうものについて、原則的に政府はこれを受け入れると、こういう立場であるかどうかについて、まずお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(道正邦彦君) 専門的な国際機関の見解、これはILOに加盟している各国が、やはり尊重すべきものと思っております。で、ただ先生も専門家でいらっしゃいますから、十分御承知と思いますけれども、三公社五現業の職員のストライキ、争議権につきましては、これに直接触れた条約等はございません。で、ILOがこの問題を討議する場としては結社の自由委員会でございます。また、結社の自由委員会の決定により、また政府も受け入れることを決めまして、いわゆるドライヤー勧告、——ドライヤー委員会ができまして勧告が出されることは御承知のとおりでございます。いろいろの機会に結社の自由委員会、あるいはドライヤー委員会が触れておりますけれども、基本的な考え方としては、日本の場合の三公社五現業について、これを一括してどうだという議論はILO、結社の自由委員会、あるいはドライヤー委員会はしてないように理解いたしております。たとえばドライヤー委員会の報告にございますが、こういうことを言っておるわけでございます。「その活動の中断が社会に対し現実の困難をもたらす企業と、このような中断が公共の利益により少ない程度において影響する企業」例として、たばこ専売事業をあげております。「との間で区別がなされていない」と、また「造幣局、印刷局、アルコール、塩及びたばこの専売事業の職員の争議権に関する状況を再検討することが望ましいことに注意を喚起する」ということを結社の自由委員会第百三十九次報告で言っております。そういうことでILOの見解は、私どもとして十分今後参考にしなければならないというふうに思っておりますが、一律にどうだということをILOが言ってないということだけは御理解を賜りたいと思います。
○目黒今朝次郎君 いまちょっと失言だと思うんですが、このILOの勧告を参考にしてという言葉がありましたけれども、これは失言だと思うんですが、私はこれはやっぱり尊重し、というのがたてまえだと思いますが、いかがでしょうか。後ほど御答弁をちょうだいいたします。 それで、私はいま言われたことについて結論から申し上げますと、あなたが言ったとおり、公労協なり公務員なりで一括して云々という場がないことについては、私も承知いたしております。ですから運輸業なら運輸業、通信業なら通信業、あるいは食品なら食品と、そういう業種別におのおの検討されて、おのおの結社の自由委員会なりあるいは総会において議論されておると、こういうふうに理解しておりますから、その点についてはひとつ言葉のあやでなくて、問題に焦点を合わせるようにお願いしたいと思っております。そうしますと私は、いま局長が読んだ問題からも含めて、少なくとも、ILOの結社の自由委員会、あるいはドライヤー勧告、これから見ますと原則的にはやっぱりストライキはあるいは労働基本権は保障さるべきだと。その保障した前提に立って必要最小限度に、どこをどうチェックするかというのが、私はILOの勧告なりあるいはドライヤー委員会のたてまえだと、こんなふうに私は理解をしておるわけであります。少なくとも公制審における公益委員の方々も、私は前田会長を初め、そういう受け取り方をしながら、議論を進めたけれどもまとまらなかったと、政府側の反対に遭ってと、こういう経過があるわけであります。でありますから、私はこの公制審の答申なり、ILOの勧告なり、ドライヤー勧告などから考えますと、専門委員会の位置づけはやはり原則的に基本権を認める。認めた上で当時者能力なりあるいはいろんな経営形態なり、こういう問題についてどうなんだろうかということを専門的に検討する。そのためにはいわゆる民間の代表も数多く入れると、こういう構成と運用をするのが私は積極的なことでなかろうか。私をして言わしめれば、現在の専門委員会は第二次公制審、第二次公制審のやり直しだと、こう言っても過言ではないと私は受け取れるんですが、現に公制審で苦しんだ私としては、そんな感じがします。ですから、きょうこれ、公制審の専門委の岩井専門委員からもらいまして、皆持っています内容、これは全部公制審の専門委員会で議論した資料と同じ資料です。ただ、日時が、三年前の日時と今日の日時が、その日時の変更だけであって制度面、内容面はみんなイコールですよ、これは、出している資料は。ですから、こんなむだなことをやめて、私はやはり前段で申し上げた方向の取り組みが、本件問題について早急に決着をつけると、こういう道ではなかろうかと、こんなふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(道正邦彦君) 先ほどILOの結社の自由委員会のリポート、あるいはドライヤー勧告を参考にするというのは、少し足りないんじゃないかという御趣旨のお尋ねございましたが、実は一昨昨年の春闘のとき以来、政府といたしましては、一貫してILOの条約勧告についてはこれを理解し、慎重に対処するという立場を一貫してとってきております。またILOも百三十九次報告の序文におきまして、結論としては公制審の答申に従って、要するに公制審の答申が出たということを踏まえて、その後の結社の自由委員会の報告でございますが、「公制審の答申に従って適当な措置を採用するよう、また、この報告において委員会が表明した原則及び考察を考慮に入れるよう希望を表明する」ということを言っておりまして、あくまでこの問題の決着をつけるのは日本であると、国内で公制審の答申も出ておることであるから、それに従って、しかし結社の自由委員会の表明した原則及び考察には考慮をしろと、こういう希望を表明しておるわけでございます。なお、後段でお尋ねございました資料が同じだというお話ございましたけれども、精力的に専門委員懇談会で検討を進めておりまするし、その過程でいろんな資料でいろんな意見が交わされております。私どもの理解するところにおきましては、やはり経営の問題であるとか当事者能力の問題につきましては、先般の公制審の審議の場合以上に相当突っ込んだやりとりが行われておるように理解いたしております。
○目黒今朝次郎君 もうこれ以上堂々めぐりをやってもしようがありませんから、古くて新しい問題新しくて古い問題ですから。私をして言わしめれば、本当に政府がどういう決断をするか、その決断に私はかかっていると思うんです。当事者能力の問題についても、たとえば国鉄の、いろんな話題になっていますが、国鉄の問題についても、一体東京と大阪で貨物なり旅客なりを扱ういわゆる分野を、分布を見てみますと、私鉄とかあるいはハイタクとか、そういうストライキ権のある方々が扱っている旅客の総数は、東京は六、四ぐらい。六が民間、四が国鉄、スト権のないの。大阪へ行きますと七、三。七が民間、三が国鉄、そういう分布に輸送の事情が変わっているわけですね。貨物についても同じことが言えるわけなんで、貨物はもっとひどい、国鉄の占める割合が。ですから、国鉄が北海道から九州まで云々ということについては、もう輸送構造そのものが、いわゆる理由としてきわめて薄弱になりつつあるという点も言えるわけなんです。 それから新幹線がおくれますが、新幹線は運転だけが本物であって、整備はほとんど民間なんです。民間はスト権があるんです。民間はスト権がある。整備の皆さんがストライキをやれば国鉄はじたばたしたって新幹線はとまるんです。そういう雇用構造が変わっている。あるいは市役所に行きますと、戸籍をとる、あの戸籍をとるのは皆いわゆる部外委託ですね。部外委託者ですから、部外委託者がストライキをやれば戸籍の発行はみんなとまってしまうと。公務員もそう変わっている。ですから、そういう雇用構造をやっぱり十分に考えると、この問題は専門委員会で当事者能力がどうの、あるいは経営形態がどうのと言って議論するよりも、政府が本当に国際条約に従って決断をして、決断した上でどういう日本的な整備をするかということに問題の焦点が移ってきているんではなかろうかと、そんなふうに私は考えます。これは意見ですから、その点を十分に考えてひとつ早急にことしじゅうに結論が出るように、春闘段階でこの問題のためにストライキを誘発することのないように、行政府の的確な指導をお願いしたいと、こう思ってこの問題を終わります。 次に、労働争議に関して警察といいますか暴力団といいますか、そういうのが非常に介入しつつあるということが非常に最近多くなっておるわけでありますが、きょうは委員部の方を通じて、私も連絡が悪かったんですが、そういう警察署関係などについてお願いしたわけでありましたが、今回はできませんでした。ですから、きょうは労働大臣のところで問題だけ提起しておきますから、ぜひ今後の問題について総合的な施策をお願いしたいと、こう思っておるわけであります。 まず、二つ、三つ例を申し上げますと、大阪の片岡運輸の殺人事件というのは御存じでしょうか。——この問題について私は労使関係から発生した問題だと、こう思っておりますが、どういう受け取り方をしておりますか。
○政府委員(道正邦彦君) 片岡運輸の事件についていろいろな経過がございましたが、労使紛争のポイントは、組合が二つに分かれまして対立が激化したということを背景に組合事務所の貸与をめぐって起きております。ただその後、エスカレートと申しますか、いろいろの経過を経まして暴力事件に発展し、なかんずく死亡事故が出たということはまことに遺憾でございます。いかなる問題でいかに労使紛争が激しくなりましても、暴力は絶対に排除すべきであり、まことにそういう観点から遺憾と思っております。ただ本件につきましては警察がすでに捜査を始めておりますので、暴力事件の処理につきましては警察の判断に待ちたいというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 こういう際に、まあ具体的にお伺いしたいんですが、こういう事件が発生した際に、労働省としては、まあ、おたくは、大阪労働部ですね、大阪なら大阪労働部、あるいは労働基準局などを通じて、こういう組合が自主的につくられて、それが団体交渉をする、あるいは行動を起こす、こういうものに介入すること自体がこういう問題を誘発する私は根本的な問題だと、こう思っているわけですよ。ですから、そういう問題について介入することがいかぬと、やはり組合は組合として当然認められた組合であるから、どういう運用をしようと、暴力であろうと、それは自主的に決めるんだという組合自主権の確立ということについて、経営者側はもう少しきめ細かい指導なりあるいはきめ細かい教育なり、そういうことをすればこういう問題は私は発生しないと、何か組合が出ると組合を罪悪視して、犯罪視してそれをやっぱりつぶしてしまう。そういうことが常に中小の場合に行われておるということがこういうものを生み出す原因ではなかろうかと、その辺に対する労働省の認識と指導の仕方、たとえばこの片岡運輸に対してはどういう指導を具体的にやったかということがあれば聞きしてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(道正邦彦君) 労働関係から不法な実力行為を絶対に排除するということは当然のことだと思います。そういうたてまえで昭和二十九年に労働事務次官通達をすでに出し、各県の労政当局に周知徹底を図っております。ただ最近、片岡運輸を含めましてあちこちで暴力事件が起きているという事態にかんがみまして、昨年、この事務次官通達の原則を踏まえつつ最近の動向にかんがみまして、さらに補完する通達も出し、暴力事犯の根絶に努めておるところでございます。 で、片岡運輸事件につきましては、事件発生の直後、現地の大阪府の労政機関等を通じまして、まず情報の的確な判断に努めると同時に、関係業者あるいは関係業界の指導に格段の努力をするように指示をいたしたところでございます。
○目黒今朝次郎君 私はこの問題に関心を持ちまして、運輸委員会で運輸大臣などを通じ、自動車局長などを通じて、いわゆるこういう不正、不公平なことをやったものについては立入検査をやって一時免許の取り上げなり営業停止なり、そういう処分をすべきじゃないかと言って要請したわけなんです。ところが私のところに、きのうですか、二月五日に大阪陸運局長から片岡運輸の代表取締の片岡さんという方に警告書というのを渡したという書面をもらったんです。これは内容を見てみますと、全然この問題に触れていないわけですね。ですから、監督官庁である運輸省からはどうにもならない。労働面からは単なる行政指導の域を出ない。するとやっぱり紛争は起きほうだい、これが繰り返されると、こういう事態になっているんですが、これらの点についてもう少し政府側でも、私は、労働大臣なり、冒頭言ったとおり、労働大臣だけではありませんから、これらの問題については運輸省と十分に相談してみて、こういう事故の再発を防ぐためにどういう手だてが必要かと、こういうことについてぜひ配慮してほしい。また、一面から見ますと、労働基準局であるとか、あるいは労働委員会に問題を上げているんですよね、提訴をしているんです。提訴をしているけれども、労働委員会としても、なかなか権限の問題、それから物理的な人員の問題、あるいは事務局の体制の問題などから、問題を受けてもなかなか入れないと、入る方法もなかなかないという点でありますから、労働委員会を強化、育成して、こういう問題の再発を防ぐということについても、私の一つのアイデアとしてどうだろうかということでもありますから、これらを含めて、ぜひお願いしたいと思っております。 時間がありませんので、このほかに、これは鹿児島の昭和市丸交通、これも十一月九日、それから三多摩の寿観光、この二つは、もう片岡事件の一歩手前までいっています。それから十一月、月に三件起きております。それから、これも、きのう、おととい私も行ったんですが、大阪の港湾における問題、これは港湾労働法をつくるまでにいろんな歴史的な、手配師の関係があったことは、時間がありませんから省略しますが、こういう問題を考えますと、大阪港湾にも、これは大阪の株式会社上組という資本金五十億、業界総合ランクでは業界第二位と、これだけの大会社においても、片岡事件と同じような背景と問題点が常にかもし出されて、ストライキが繰り返されていると、こういう問題などがありますから、私は専門上、運輸関係を拾ってみたんですが、運輸関係だけでも、これだけの問題があるわけでありますから、これらの問題について、十分に実態を調査をして、そして再発のできないように、少なくとも殺人事件なんというのが起こらないような配慮を、ぜひ、お願いしたいということを要望をしておきます。これは要望ですから結構です。 それからこれも非常に、あんまりきれいなことばじゃないんですけれども、この前、私は青森に行ったら、青森の親類へ行ったら、こういうことか載っていたんです、これは何新聞ですか、——「刑事がスパイ強要」、七五春闘に対してこういうことが出ておりました。これは朝日新聞の二月十六日、それから毎日新聞の二月十六日、陸奥新聞の二月十六日、それから地元のデーリー東北、こういう新聞に出ておったわけでありますが、こういうことについては、簡単に言いますと、動労がこの春闘でどういう闘いを組むのか、いつどこでどういう闘いを組むのか、ストライキの規模はどうなんだ、おまえはその会に参加しているか、こういうことなどについて、大体二十六項目、それも最初はお茶を飲まないか、ちょっと来てくれないか、一杯飲もうじゃないか、そういうことでだんだん、だんだん最初はつき合っておったら、最終的に二十六項目の、書かれたんです。こういう事件があったわけです。もう詳細については時間がありません、言いません。こういう問題で、同じことが門司、私にいま入っているのは門司、新潟、高崎、四国の高知、これでもう必要があれば何月何日に何のたれ兵衛、相手の警察官の名前は何のたれ兵衛——全部資料持っています。こういうことが春闘対策として行われているとすれば私は重大な問題だと、こう思うのです、焦点が春闘ですから。ですから、そういうことについて、一体労働大臣はどういう考えを持っておられるか、これもやっぱり政府部内の私は調整が必要だと思うんであります。対話と協調を幾ら言ったって、どんなに国会を通してテレビで言ったって、末端の現場ではこういうふうに警察官を通じて情報がキャッチされているということになりますと、どんなに労使関係を正常に戻せと言ったって、私は大変だと、こう思いますから、これに対する大臣の考え方なり、今後の指導方針について伺いたい、こう思うんです。
○国務大臣(長谷川峻君) 近代労働運動に暴力は、これは絶対にいけないことでございまして、そういうことは私たちは事あるたびに、いま政府委員からも答弁しましたように、よく理解してもらうように努力を続けているところであります。いまの青森の話、あるいは運輸省所管のいろんな問題がありましたが、私は、あなたが参議院で、運輸委員会で質問したのを偶然速記録見たんですよ、まあ自分の郷里から出た、新しい議員さんとして初めてやったやつを見たんですが、それと同時に、やっぱり公制審にもお入りいただいて、公制審八年間のむずかしさもおわかりいただいたということが一つ。もう一つは、やっぱり専門委員というのは、御調査を願うためにやっているんで、これは関係閣僚協が最後には責任を持って秋までに決めると、これをまず御理解いただきたいと思います。 それからただいまの事件は、私はいま初耳ですけれども、これはどういう形で、どういうふうな方法で、何が、だれがどういうことをやったのかというのは、全然これは初耳です。それというのも、やっぱりあなたの元の委員長としてのウエートが高いもんだから、非常に注目されるという面もありゃせぬかと、こう思うんですが、いずれにいたしましても初耳でございますから、調べてみます。 それからもつ一つ、運輸省所管の問題がたくさん出ましたけれども、こういう暴力事犯が拡大しないように、事あれば何かの機会に、それぞれの関係閣僚に私は私の方から申し上げて、円満な方向にいくように推進したいと、こう思っております。
○目黒今朝次郎君 ぜひそういう指導と強化が末端まで届くように、中間地帯で足踏みしないように、末端まで徹底するような配慮をぜひお願いしたい、こう思います。 それから、時間があと五、六分しかありませんから、最後に、これも非常に、まあ国鉄側が来ておりますから、国鉄側と労働省あるいは政府部内の調整をお願いする事件だと思うんでありますが、結論だけ申し上げますと、昭和四十七年十一月五日、午後十時十分発の北陸線のトンネルにおいて火災事故が発生いたしまして、森田さん外二十九名、黒田さん外五百六十名が、前段は亡くなって、後段は中毒、ガス障害を起こし、そうしていまなお病床で寝ているという不幸な事故が起きて、国鉄全体としては、大きく社会から問われた問題であります。しかし、労働者という立場から見ますと、本件問題については、国鉄にはいろんな規程があるわけでありますが、列車火災が起きた場合には、まず列車をとめて、それから燃えている火を消す、どうしても火が消えないと判断した場合には列車を切り離して旅客、お客さんを安全な方に待避をさして、列車を切り離す、そうしていくと、こういうことが国鉄の内部規程なんです、国鉄の。そのように理解をしておるわけですが、山岸常務、その理解で間違いありませんね。
○説明員(山岸勘六君) 大体そういうことでありますけれども、規程的には、異常を認めた場合には、できるだけ早急にとまりなさい、もしできればトンネル、橋梁等を避けなさいと、こうなっているわけでありますが、北陸トンネルの場合には十三キロ八百のトンネルの、片方からは五キロ五百、片っ方に対しましては八キロというような中間点に近いところでたまたまとまっておりますので、北陸トンネルに関する限りは、先生の御理解で結構かと思います。
○目黒今朝次郎君 結局、労働者としては、国鉄の内部が決める規程ですね、諸規程に従ってやったわけなんです、いま山岸理事が言うとおり。それで、当時この問題は多くの批判を呼びましたけれども、機関助手はもう殉職をしちゃったと、それで機関士は意識不明のまま助かった、いろんな措置をして、車掌も助かった。それで、物理的に国鉄側全体の責任があるとしても、当時の機関士、車掌としては万全の策をしたということで、不幸な事故の中にあってもよくやったという点で国鉄総裁表彰という話も出たり、そういう話が出て、結果的には二号俸抜てきというふうな措置を現在受けておるわけなのであります。 ところが、この問題について去年の十二月の二十七日、業務上過失致死罪でこれは起訴になったんです。それで、ここから問題が発展するんですが、労働者として安全規則に定められた措置を全部万全にやって、業務機関からいわゆる表彰というところまでいった。そういうことをやった機関士と車掌さんが別な面からこれは罪人扱いされて、法廷に被告人として立たされる。このことについて一体労働者保護という点から見てどうなんだろうかという点がどうしても私自身も結論が出ないんです。国鉄側にいろんな質問をしましたけれども、国鉄側もなかなかこの問題に対しては結論が出ない。そうしますと、私はこれはやはり運輸省なり国鉄なりあるいは労働省なりというところでこの相矛盾する問題点について、一体労働行政、運輸行政あるいは安全行政から言った場合にどの措置をとるのが一番いいのかということを早急に意思決定をして労働者に知らせないと、同じことが繰り返されると、こう思って非常に私自身も悩んでいるわけなんです。まだ法廷は開かれておりません。これは三月か四月には法廷が開かれる、こうなるわけであります。その法廷でどういうとらえ方をすべきなのか、非常に私も悩んでおるわけなんでありますが、これらの問題についてひとつ国鉄側なりあるいは労働省側に何か調査があれば述べてもらいたいし、なければ私はこの問題については後ほど意見を申し上げたいと思うんですが、情勢についてあったならばぜひお聞かせ願いたい、こう思うんです。
○説明員(山岸勘六君) この問題につきましては、先生先ほど御指摘のとおり、国鉄といたしましては関係者の表彰を行い、万全を期したものと、こういうふうに判断いたして今日まで措置してきたところでありますが、御指摘のとおり、残念ながら検察庁の起訴という事態を迎えたわけでありますが、私どものこの事件に対する判断といたしましては、その後も毫も変わっておりません。したがいまして、私どもといたしまして、弁護士を二名これに充て、法廷におきまして、この弁護士等を通じ私どもの見解、意思というものを明確にしてまいりたいと、このように考えておるわけであります。
○国務大臣(長谷川峻君) 事件の内容、事故のあったことは聞き、あるいは非常にそういういろいろな問題は聞きましたけれども、こういう法廷に問題が入ったという話はいま初めて私は伺いました。司法事件になったものに私の方の口からいまとかくの意見は差し控えたいと、こう思っております。
○目黒今朝次郎君 ですから、いま国鉄側としては考え方が変わってないと。変わってないということは、機関士や運転士、そして車掌は、いわゆる国鉄の内部規程に従って最大限の努力をしたものだと、そういうことが変わってないと、そういう趣旨だと思って受けとめていきたいと思っております。 それから、私は、そうしますとやはり、現に走っているんですからね、現に走っているんです。三月十日開通の博多新幹線は半分がトンネルです、四六%。トンネルの中で走っていると同じです。でありますから、少なくとも私は、国鉄側が過去二年間北海道なりあるいは宮古線を使っていろいろな試験をやっているけれども、試験そのものについてもまだ結論が出ないという段階で、そういういろんな客観情勢の中で、しかし現実にハンドルを持っている機関士と車掌さんは、その日その日の判断を迫られるわけであります。でありますから、私は、この問題についていま国鉄側なりあるいは労働省の労働者保護という立場から、早急にこういう判断に困る条件において刑事責任を問うというのは、私は一番酷だと思う。労働者に対して一番酷だと思う。こんな酷な状態を一日も早く解消するようにお願いしたいし、そういういまだに判断がつかない条件の中で起きた事故に対して司法が追及するということについては、やっぱり人間的に私はちょっと問題があるんじゃなかろうかと。追及されるなら国鉄全体が責任があってしかるべきであると、私はそういう考えなんです。ですから、たった一人の機関士、運転士とか車掌を追及しないで、国鉄全体がどういう責めを社会に負うかというのが私は北陸事件の問題の解決だと、こう思うんです。ですから、そういう角度でこの問題についての今後の御配慮をお願いいたしまして、時間が来たようですから質問を終わります。
○国務大臣(長谷川峻君) いまのお話は大変大事なことだと思うんです。博多新幹線開通は大変な大事業でございますし、また円満にこれはずっと、円滑に安全に私は走ることを……。 きのう国鉄労組の諸君と会ったときに、トンネルが非常に多いと、六割以上。だから、私にも一遍乗ってくれと言いましたから、東海道新幹線も乗ったから、機関室で一緒に乗ろうと、こう申しておきました、自分でやっぱり体験しなければいけません。 それと同時に、いまのようなお話は、いずれ運輸大臣とお目にかかったときに、きょうこの話があったことと、私の感じでひとつ相談するように申し上げておきましょう。
○目黒今朝次郎君 はい。
○委員長(山崎昇君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十五分再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 —————・————— 午後一時五十四分開会
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、労働問題に関する調査について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小平芳平君 先ほどの労働大臣の所信表明に対しまして、基本的な問題について若干質問をいたしたいのであります。 これは午前中も質問が出ておりまして、答弁もございましたが、最初に、雇用調整給付金につきまして、労働省の御答弁によりますと、一月、二月、——二月の途中までの集計で三千三百九十一事業所ですか、当初五十億円程度を予想していたが、七十ないし八十億円くらいの雇用調整給付金がかかるであろうというふうに答弁なさったかと私聞いておったわけです。で、五十年度予算は、きょうのいただいた資料の御説明によりますと、雇用改善事業二百七十二億円、うち雇用調整給付金百四十二億円というふうになっておりますので、このままいきますと、三事業の予備費三百三十一億円、これまでも使ってしまうような勢いで今後とも雇用調整給付金の伸びが伸びていかれるというふうに予想されますか。それとも、簡単に、結論だけは先ほど御答弁ありましたが、いかなる事態が生じてもお金が足りないということは言いませんというふうなふうに結論的におっしゃっていたように伺いましたが、その辺の事情について御説明いただきたい。
○政府委員(遠藤政夫君) 雇用保険法によります雇用調整給付金の予算面の措置につきましては、ただいま先生から御指摘のあったとおりでございますが、今後の見通しといたしましては、これは、いろいろ不確定要素もございますが、これからの経済情勢がどういうふうに進展してまいりますかにもよりますが、五十年度の経済見通しが一応実質成長——いろいろこれも見方がありますが、ある程度見込まれております。そういたしますと、私どもとしましては、一応この一−三月がこういった経済危機に伴う一時休業その他のこういった雇用調整措置が一番大きく数字の面にあらわれる時期ではないか。四月以降ももちろんこういった措置が続くわけでございますが、四月以降、新年度に入りまして新規に出てくるものは四十九年度よりはかなり下回るのではないか、こういうふうに考えられますので、一応来年度、五十年度予算に計上いたしております百四十億——もちろんこれが足りなければ、いま御指摘のように、予備費三百三十一億ございますので、十分賄い得るわけでございますが、そういった予備費を全部使用し尽くしてなおかつ足りないような形にまでこの一時休業、雇用調整給付金制度の対象になるこういった措置が発展するとは私どもは考えておりません。そういう状況でございます。
○小平芳平君 そういうことを私も望むところでございますが、それともう一つ、これも先ほどお話が出ておりましたが、全国一律延長ですね、失業給付の全国一律延長給付のめどについて、この点は先ほど御答弁ありましたが、結局いま検討中ということですか。ちょっと、簡単で結構ですから……。
○政府委員(遠藤政夫君) 先ほど御答弁申し上げましたように、この法律の立案当初におきましては、全国延長の発動基準として一応五%程度が適当ではないかと、こういう腹案を持っておりました。これに対しまして、二月六日の職業安定審議会の答申におきまして、百分の五という数字になりますと、最近のこういう実勢から見て、不発に終わるような恐れが多分にあるのじゃないか、こういう御懸念もございますし、また今後、小零細企業の適用が進んでまいりますと四月一日から全面適用になります。そういたしますと、こういう小零細企業でばかなり離職率が高くなることが予想されます。そういたしますと、これをいたずらに低めることはかえってこの制度の趣旨に反することになりはしないか、こういう一方の御議論もございました。どこらあたりにするのがよりこの制度の本来の趣旨に沿うことになるかという点を十分検討の上で、当初予定した五%については所要の補正を加えた上で基準を設定するようにと、こういう御答申をいただいております。その趣旨に沿いまして、近々、四月一日からの施行でございますので、遅くとも三月中旬ごろまでには最終的にこの発動基準を設定いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
○小平芳平君 これからの見通しでございますので、先ほどの御答弁のように、一−三月が底で、四月からはやや上向くだろうと、少なくとも新規発生率は下がるだろうということでいきますと、要するに、全く見通しですから何とも言いかねるわけですが、この全国一律延長という、給付の延長ということが近々あり得るような事態が発生するというふうな態度で臨まれるか、あるいは、まず今回の不況はそこまではいかなかろうという態度で臨まれますか。
○政府委員(遠藤政夫君) 私どもといたしましては、これはまあ今後の予測でございますので、確定的なことは申し上げかねますけれども、十二月−一月に失業の発生率が大体横ばい程度でとどまっております。こういう状況から見ますと、例年の傾向等も加えて判断いたしますと、やはり先生御指摘のように四月以降はやはり若干失業の発生率は落ちてくるんじゃないか、こういうことから予測いたしますと、雇用保険法で予定いたしております個別延長あるいは広域延長、それから訓練に伴います延長、それで最後に一定率の全国的な失業を上回った場合の全国一律延長という制度がございますが、その前段の個別延長なり広域延長なり、こういった措置で十分支え得るのではないか、したがいまして全国一律延長の発動をいたすまでには至らないで済むんではないか、支え切れるんではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 それから、これは新聞報道で読んだだけですが、二月十八日の閣議で植木総務長官は、一月は推計百六万人の失業者が発生したと推計されるということですが、三月は百二十七万人に達する見込みということを発言し、閣議了解を得たというふうな記事になっておりますが、これはいかがですか。
○国務大臣(長谷川峻君) 総務長官からいま先生がおっしゃったような数字が出されました。これは持っているデータを、一月分のものを発表して、あとは二月、三月というのは推定数字でございますということでございました。これは閣議了解というほどのものじゃなくて、報告という形だったろうと私はそう理解して戻ったわけであります。
○小平芳平君 労働省は先ほどの局長の御答弁では総理府の発表、完全失業者は十二月八十三万人、 一・三%というふうに申されましたですか、これ以上の数字は持っておりませんというふうにおっしゃってたですが、そういうことで政府の政策立案上、ちょっと困ることがありませんか。労働省のほうでいまのような雇用調整給付金にしましても、あるいは失業給付の一律延長にいたしましても、労働省がいろんな政策立案をしなければならない、しかし、その基礎になるデータというものは、総理府は推計すると、それに対して新聞には労働省の遠藤局長はそんな推計は当てにならないみたいに出ていた新聞もあったかと思いますが、しかし、いずれにしても、総理府の発表以外数字ありませんというふうにおっしゃっていて、先ほどのような御答弁で大丈夫かどうかということです。
○政府委員(遠藤政夫君) 私は完全失業者についてのお尋ねでございましたので、完全失業者の具体的なデータとしては総理府の労働力調査による数字しかございませんということをお答えいたしたわけでございます。ただ、私どもは、実はこの完全失業者につきましては、いま大臣からお話ございましたように、総理府のほうで十二月の八十三万に対して統計学上一定の方程式を使って類推をすれば、一月は百六万になるだろうと、こういう数字が一応学問的と申しますか、統計学上、そういう数字が出るという報告があったようでございますが、私どもは去年の夏以来こういった経済情勢からいたしまして、例年のいわゆる十二月−一月、それから一月−三月の季節的要因を考えあわせますと、おそらく完全失業者というデータが百万を超えるであろうことは当然予想しておかなければならないし、それに対応するだけの私どもは行政的な措置、予算措置を講ずるという考え方で行政を進めてまいったわけでございます。そこで、具体的に私どもはむしろ完全失業者のデータよりも、失業保険金の受給者の推移を見てまいっております。十二月は五十三万でございますが、一月は九十万という数字が出ております。この九十万の中には、いわゆる御承知の季節的受給者が三十数万含まれておりまして、実質的にはやはり五十四、五万あるいは三、四万という数字になっておりますが、こういう人たちに対して今後の再就職あっせんなり失業保険金の支給あるいは給付延長といった問題が起こってくるわけでございます。ただ、先ほど来の御質問で、一−三月から四月以降どうかという傾向についての御質問でございましたが、この失業保険の受給者のデータにいたしましても、十一月まではかなり急激にいわゆる失業保険の受給者が増加しておりましたが、十二月から一月にかけまして大体横ばいで、対前年比で一三・四%程度にとどまっております。二月も恐らく同じような程度の発生率にとどまるんではないかと思っておりまして、これはまさしく雇用保険法によります雇用調整給付金制度によって歯どめが効いた、私どもはこういう判断をいたしておりまして、こういう情勢が続くならば、かつ、加えて一−三月が底で、今後経済情勢も横ばい、本年度後半になって上向いてくるであろう、こういう予測が行われておりまして、そういう情勢を考えあわせますと、先ほど申し上げましたような、お答えいたしましたような雇用・失業情勢で推移できるんではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 労働大臣としましては、現在のこうした労働情勢を踏まえまして、総合的雇用対策の推進という立場から、今後の経済運営につきまして何か発言されたように新聞で伺ったこともありましたが、過去のことはけっこうですから、現時点でどのように考えられますか。
○国務大臣(長谷川峻君) 私は経済対策閣僚会議に労働大臣として入りまして、これはまあ役所の諸君の話を聞きますと、そういう経済閣僚会議などに従来は労働省からは入っていなかったと、それを重視するゆえんのものは、やはりこういう大事なときであるから内閣全体が労働省を考えてくれたものだ、それというのも、やっぱりこういう不況とインフレと、そして雇用不安ということでございますから、私は私の立場からしまして、とにかく物価の一五%というものが最大、とにかく経済政策の最大なものである、これをとにかくあくまで実現してもらうように経済官庁はやってもらいたい、たとえば年末年始の個別物資の上がらないようにすること、でありますから汽車が妙な運行をすればそういうことにどれだけ響くか、大雪が降ることによって東京に、すぐ野菜が上がってくる、野菜、食料品はお互いの生活の中の四〇%を占めておりますから、そういうきめ細かい、私は発言などもし、一方にはこういう情勢ですから雇用保険によって、皆さんのおかげでこれだけ期待もされ、実効も上げておりますが、さて、この滞留する、何というのですかね、山谷とか釜ヶ崎とか、そういうところの諸君がやはり滞留したんじゃ困るから、そういう中小企業の一般的手当てもするだろうけれども、そういう雇用関係については特にひとつ重視して考えてもらうように、こんな発言なども従来してまいりました。いずれにいたしましても私は中小企業あるいはもっとそういう毎日働く諸君、こういう問題についてこうしたときに特に配慮するように時折発言もしているわけであります。
○小平芳平君 その発言される御趣旨はわかりますが……。 それでは、次の問題へまいりますが、最低賃金制度について、もう先ほど来お話が出ておりましたが、大臣の所信表明の中では、わが国の「最低賃金制につきましては、制度の対象となる労働者のほとんどにその適用が及ぶに至っており、」というふうな所信表明でありまして、それで制度そのものに、労働団体からの要請にもかかわらず制度そのものに検討を加えようというような御趣旨は全くないように受け取れます。実際問題現在の、局長から御説明いただきたいことは現在の最低賃金は地域別、産業別にどのくらいの金額で決まっているか。
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘がございましたように、現在地域別、それから産業別に最低賃金を実施しておりますが、申し上げるまでもなく公・労・使三者構成によってその金額を決定し、それを尊重して決めるわけですが、まず地域別最賃について申し上げますと、大体千六百円から千七百円台が多くて、中位数で千七百十八円ということになっております。それから産業別では千八百円台から二千百円台が多くて、中位数では二千六十九円程度ということになっております。
○小平芳平君 したがいまして、「制度の対象となる労働者のほとんどにその適用が及ぶに至っており」ということで、このわが国の最低賃金制度はよくできているというふうに言う受けとめ方でいいかどうかということをお尋ねしたいわけなんです。こうした地域別で千七百円——日額千七百円あるいは産業別で二千六十九円——二千六十九円と言えば月約五万円ですよ。ですから、そういうことでそれは従来のわが国の最低賃金制度はそういうことでやってきました。やってきましたが、これからの新しい経済へのいまの転換期においてこうした最低賃金制度についても検討しようという取り組みは労働省としては全くないのかどうかということをお尋ねしたい。
○政府委員(東村金之助君) ただいまの御指摘でございました中位数についての数字を前提にしてお話ございましたが、実は最低賃金は先ほど片山先生からお話ありました未組織労働者を対象にして労使交渉とか組織されていない労働者が対象になっているわけでございます。そういうところの賃金を調べまして、その労働者が低賃金であると いうことを是正しようという趣旨のものでございまして、ただいま申し上げたような最低賃金によりまして大体ごく大ざっぱに申し上げますと、そういう低賃金層の一割ないし二割ぐらいの労働者がそれによって賃金を是正されることになると、場合によると半分ぐらいの労働者がそれによって是正されるという事態も生じまして、そういう意味ではかなり最低賃金制の実効性というものを引き上げるという効果が上がっているというふうにわれわれは考えるわけでございますが、ただ、労働組合等から御要望のございます一律最低賃金制についてという問題につきましては、昭和四十五年に中央の最低賃金審議会で一応の答申を得ておりまして、それによりますと、現在の地域間、産業間等に賃金格差がかなり大きく存在しているという事実を確認せざるを得ず、現状では一律最低賃金制の実効は期待し得ないという御答申も実はいただいているわけでございます。この格差そのものはこの御答申をいただいた時点と現在とはそれほど変わっておらないというところでございます。さりながら、そういういろいろの各方面からの申し入れ等ございますので、この問題については労働省で検討を重ねていこうという姿勢でございます。しかし、これは最低賃金制度の基本にかかわるような問題でありますので、あくまでも慎重に取り組んでいきたいと、このような姿勢で考えているところでございます。
○小平芳平君 ですから労働大臣、そこまでは午前中もお話がありましたし、そこまでは私も承知いたしております。大臣の所信表明もそういう御趣旨であろうと思います。私がいま申し上げている趣旨は、新しく転換しようという、福祉社会をつくるとかあるいは福祉優先の政治にしようとかあるいは安定成長経済に移行しようとか、そういうふうにあらゆる面でそういうふうに転換が要求されているこの時期に、ただ四十五年にこうだったとか、現在はどうだということだけで、労働団体の要求をただそれだけで相手にしていていいものかどうかということを私は申し上げているわけです。
○国務大臣(長谷川峻君) 昨年春闘共闘委と話をしたときあるいはまたその後で衆議院でいろいろお話があったときにこの問題が出ましたので、労働省としてもひとつ資料を集めて勉強しましょうと、こう私は申し上げたのであります。ところが、一方考えてみますというと、いまも局長からお話がありましたが、これは最低賃金というものは地域、業種で三千二百万の諸君がもうカバーされているわけでして、それを今度全国一律というときになったら、非常に地域のまだ産業性の伸びてないところと東京のようなところの差が十対六ぐらいあるわけです。それを一体どこでそういう一律に引いた場合にどうなるか。ですから、組合の会議の議事録なども拝見をしましても、一体そこで決められたときに、そこじゃ払う能力のないところは一体どうなるんだと、こういう議論なども出ていることも承知しておりますし、それであればこそでしょう。四十五年になりますけれども、労働組合の大幹部も入っておられるような中央審議会において、日本の産業間、地域間の格差がひどいから、一律というものは制度の基本にかかわるものだから慎重に図らなければいかぬのじゃないかという答申が出ているというように私は理解を持ちつつ、一方においては世界において全国一律の最賃をやっておる国は一体どことどこだろうと、そういうところの産業は一体どうなっているだろうと、こういうことからいたしまして、レーバーアタッシェを通じ、大使館を通じたりして、なかなかこれは調べにくいことでございますけれども、そちこちの資料をいただいているようなところもあるわけでして、これは先日も労働四団体の諸君から、私と井出官房長官の前で、ぜひひとつこれを御考慮願いたいという陳情書を改めてお受け取りいたしたところでございます。
○小平芳平君 私は、いま公明党として提案した最低賃金法案につきまして説明することはいたしませんけれども、あるいは最低賃金全国一律に対する考え方、それに地域上乗せをするという考え方、そういうようなことについては私はこれ以上申し上げませんけれども、いま、まさしく発想の転換というこの時期に、従来と同じ姿勢で前進がないのはおかしいですよということを申し上げているわけです。 それから次に、週休二日制の普及促進につきましても大臣が所信表明で触れておられます。この点について私は二つの点お答えいただきたいと思うんですが、第一は、官公庁において週休二日制を実施するかしないか、するとすればどういう段取りで実施しようということが考えられるか、それが第一点です。 第二点は、金融機関において週休二日制が実施されるかどうか。新聞にはあれこれ伝わってきてはおりますけれども、あるいは労働省の一存でいかない面もいろいろあるでしょうが、労働省の立場として、いま申し上げた二点についてどのように基本的にお考えか伺いたい。
○政府委員(東村金之助君) ただいま二点について問題が提起されたわけですが、官公庁の職員の勤務条件の問題でございますが、週休二日制の問題でございますが、これは御承知のとおり労働省が直接所管しておるわけではございません。ただ、勤労者の労働条件向上という、そういう使命を持っております労働省といたしましては、そういう立場から官公庁職員の週休二日制の実施についても積極的な役割りを果たしていきたいというふうに考えておるわけです。で、具体的には週休二日制の問題について人事院等においていろいろ検討されておるところでございまして、いわゆる試行計画というものがいま検討中ということになっております。 それから、金融機関の問題でございますが、これもいわば週休二日制を展開していく上の大事な産業でございます。そういう意味で労働省としても重大な関心を持っておるわけでございますが、われわれの立場といたしましては、この週休二日制というのはあくまでも労使の自主制を尊重しながら、実情に合った形の週休二日制を取り入れていくというのが基本的な考え方でございます。 ところで、銀行等金融機関の問題でございますが、現在でもこういう金融機関についての週休二日制はほかの産業に比較してかなり普及しております。しかし、さらにそれをもう一歩進めるということになれば、土曜閉店という問題が出てくるわけでございます。その土曜閉店ということになりますと、そのことが取引関係に及ぼす影響であるとか、利用者の便宜であるとか、さらには銀行法十八条の制約もあるということがございますので、いままでいろいろやってまいりましたが、これらの関係を考慮の上で、とにかく関係者間で一つの結論が得られるよう労働省としても働きかけてまいりたいと、かように考えております。
○小平芳平君 当然それば関係者間で結論を得ることが必要要件ですが、労働省としての考えはどうかということを伺っているわけです。
○国務大臣(長谷川峻君) 金融機関の場合にはただいまのように銀行法第十八条がございます。そこで、私の承知しておりますところでは、労働省の方からいち早く実は大蔵省にこの週休二日制についていろいろ考えてくれということを申し入れなどもしておった事実がございます。一方また、こういう委員会などにおいても、せんだっても衆議院の予算委員会などにおいても銀行関係の諸君、あるいは信用金庫の諸君、そういう方々を参考人にしてどういうふうな体制になっているかというふうな話などもありました。いずれにいたしましても、そういうふうな御審議の中に労使できめることでもありますし、また銀行法の改正という問題がございます。取引など問題等々も、直ちに金融に、経済活動に影響するところもありますから、それにかかわらずやはりいまから先もこれが推進に労働省としては御加勢していきたいと、こう思っております。
○小平芳平君 そうしますと、金融機関については労働省の方から大蔵省に対していち早く実現を要請するということですね。要請してきましたと。それから官公庁はどうでしょう。これは確かに基準局長が答弁するのはおかしいと言えばおかしいですが、けれども、衆議院で六月くらいから週休二日制を試みに実施しようというような新聞で報道もあったので尋ねておいてほしいというふうにお願いしておいたんですが、いかがですか。
○政府委員(東村金之助君) 官公庁と一般に申しますると、まあ一般の国家公務員でございますが、これは人事院のほうの所管になります。ただし、われわれとしても重大な関心を持って一生懸命積極的にやりたいと思います。 それから、衆議院の職員の問題につきましては、これは人事院とは別の体系になっておりまして、御指摘のように目下衆議院の事務局におきまして今国会閉会後に職員の半数ずつが交代で土曜日に休む方法で週休二日制を試み的に実施するということを検討しているということを承知しております。
○小平芳平君 そうすると、労働省では、労働大臣は労働省の職員に対してどういうふうな感じをお持ちになりますか。
○国務大臣(長谷川峻君) 労働省もなるべくそういうふうな方向に持っていけばいいんでしょうけれども、いまのこの職安関係の窓口事務などもありますので、やっぱり全体のバランスといいますか、そういう人事院あたりのそういう動きの中にやっぱりやっていかなきゃならぬと、こう思っております。
○小平芳平君 労働大臣、まさしくこの全体のバランス論でですね、それでいま私が申し上げているような金融機関といいましても各いろいろな金融機関があるし、官公庁といいましてもいろいろな、まあ官公庁という言葉の中に入らない、厳密に言えば入らないですね、われわれが素人考えで官公庁と思っているところもあるかもしれません。すべてそれが全体のバランスということで、こう横ばかり見ていてですね、で、労働省も何か二年くらい前まではばかに熱心だったけれども、この二年くらいは鳴かず飛ばずで、どうしてあんなに労働省が引っ込み思案になっちゃったのかというような陰口さえ私は聞いたことがあるのですが、そういう横見ばかりしないでどこかで何かを踏み切ろうと、あるいは踏み切るべきだというような意見は出てきませんですか。
○政府委員(東村金之助君) お言葉ではございますが、まあ銀行とか公務員の問題を爼上に上せられますとそういう御印象を受けられるかもしれませんが、実は中小企業と一般民間の事業者に対しましてはわれわれは地方の機関を動員いたしまして週休二日制の普及にいろいろの手を尽くしております。特に地方における業者の団体等を結成した場合には、補助金等を流しながら週休二日制というものが行き渡るようにと、しかもそれを計画的に漸進的に行き渡るようにというふうにまあ指導ないしは援助をしていると、こういうことでございます。
○小平芳平君 いや、ですからそういうふうにね、労働省が中小企業に対し地方に対し御熱心にそういう政策実現に努めてこられているという、その労働省の職員に対して、この問題は大臣どうお考えになりますかってさっきお尋ねしたわけですがね。で、いずれにしてもあれじゃないでしょうか。官公庁とそれから金融機関が週休二日制を実現すれば、まあ相当数に行き渡ったということになるのじゃないでしょうか。つい今日でも土曜日にこう私たち電話しましても通じないところが多いわけですよね。職場はもう週休二日制を実施しているところが多いわけです。そういう点で、この日本だけがいつまでも週休二日制が実現できないということもあり得ないことですから、どこかで踏み切るべきじゃないですかって、労働大臣にひとつその点だけお答えいただきたい。
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、民間の方がやる場合には、いま局長が御答弁申し上げたようにいろいろ助成措置といいますか、あるいは助言などもしておることば御承知おきのとおり。そしてそれが進んでいることも目に見えております。私は、役人の場合はですね、古いと人がおっしゃるかもしれませんけれども、こういう非常に大困難の時代ですから、やっぱり国の先頭に立つ者は少し後からそういうものを受けると、こういう姿勢のほうがいいんじゃなかろうか、こういう感じであります。これが全体のやはり公務員は国民への奉仕でございますから、こうした雇用不安、インフレ、それを何とかみんなで乗り越えていこうという御審議、そしてみんなが勉強しているときに、やはり国民に奉仕する者は、まず皆さんが少しでも進んだ後からでもいいんじゃないか、こういう感じであることを御理解いただきたいと思います。
○小平芳平君 その後からがもうそろそろよさそうじゃないかということで、——それはよろしいです。結構です。 ちょっともとへ戻って恐縮ですが、雇用保険法に対しまして、四月一日から全産業が強制加入となる。加入しない場合六カ月以下の懲役または五万円以下の罰金となっているが、最初の、よく企業者に内容が理解されるまでは指導を重点にして罰則の適用はしないようにしていただきたいという、こうした中小企業からの要望が出ておることはよく局長御存じと思いますが、この点についてどういう段取りで進めていかれますか、お伺いしたい。
○政府委員(遠藤政夫君) これは先般臨時国会におきまして雇用保険法案の御審議の過程におきまして、法律が成立いたしますと五十年四月一日から全面適用になります。したがって、これによりまして事業所数にして小零細企業百万くらい程度、これを一つ一つシラミつぶしに適用手続をとりますことは事実上不可能に近い状態でございますので、現実の問題としては適用手続が済まない小零細企業が相当数出てくることも私ども予測しているわけでございます。こういった面を事務的には事務組合制度を大いに活用し、奨励することによってできるだけ完全把握に近づくように努力をいたしてまいりますけれども、現実にはそういう未適用事業所が残ると。これに対しましては罰則の規定がございますけれども、現行の失業保険法におきましても未適用のために罰則を適用した事実はございませんし、と同時に未適用であったからといってその未適用事業所から離職をした人たちがこの雇用保険によります失業給付を受けられないというようなことにならないように、この前審議の過程でも申し上げたとおりでございます。したがいまして、いま御懸念の点は御懸念無用かと存じます。そういう運用をしてまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 そのほかですね、中小企業団体からの要請書が労働省へも行ってるかと思いますが、私がこれで一々やるとちょっと時間がありませんので、結論的にちょっと一言だけ確認していただきたいことは、中小企業団体から雇用保険法に対する、当時雇用保険法案に対するメリットがないじゃないかと、ただ強制加入だと言われて、そして特に三事業の分については中小企業が、あるいは特に五人未満の零細企業がメリットが全くない、ただ保険料取られるだけじゃないかと、零細企業の経営者は。そういう点についての強い要請があり、陳情があったことは御承知のとおりですが、この点につきまして、現時点で別に変わったことはないと思いますけれども、四月一日を前にしてどういう体制で行かれるか、簡単でいいですから御説明いただきたい。
○政府委員(遠藤政夫君) 特に三事業の面についての御指摘かと思いますが、法案審議の過程におきましても中小企業関係の団体からしばしばそういう御要請、陳情を承っております。私どもは、たとえばいま現実に施行されております雇用調整給付金制度にいたしましても、適用の条件なり休業規模の取り方にいたしましても、中小企業に特段の措置を講ずるということによりまして、現実に申請の出てきた結果を見ましても中小企業の方が圧倒的に多い。総日数におきましても中小企業の方が多くなっておる、こういう結果が出ておりますが、その他雇用改善事業あるいは能力開発事業、雇用福祉事業につきましても同じような趣旨で大企業と中小企業には明確に差を設けまして中小企業に手厚くするような措置を講じておりますし、また予算面でもそのような措置を講じておるわけでございます。今後ともそういった趣旨を十分尊重しながら運用してまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 では次に、砒素の健康被害に対しまして労働省では、私が何回か当委員会で質問し問題提起いたしたことですので同じことは余り繰り返しませんが、要するに、労災保険の打ち切り補償五万円、これが砒素による健康被害者に対する補償のすべてであった。それに対して私がお聞きしたいことば、皮膚と鼻だけ、皮膚と鼻の障害だけを取り上げるからそういうことになるのであって、実際には内臓疾患、いろいろな全身的な障害を訴えていると、したがって打ち切り五万円はおかしいという趣旨で何回か問題提起いたしておりましたが、その後どうなりましたか。
○政府委員(東村金之助君) 休廃止鉱山における砒素中毒問題につきまして、ただいま御指摘のように内臓疾患をどう取り扱うかということがございまして医学的な検討が要請されてきているところでございます。このことにつきましては現在環境庁におきまして宮崎、島根両県に委託するなどをいたしまして研究を進めているという段階でございます。環境庁とわれわれ密接な連絡をとりながらその研究結果が出され次第所要の措置を講じてまいりたいと、つまり、そういう内臓的な問題も含められるということになれば、御指摘のように障害等級の認定の基準についてもそこでもう一度見直さなければいかぬ、こういうことでございます。
○小平芳平君 そうすると、環境庁待ちであって、労働省は一切自分の方でそうした補償基準についての検討はしておりませんということですか。
○政府委員(東村金之助君) 問題が問題でございますので環境庁を中心にしてやるということでございますが、もちろんわれわれとしてもその調査研究、検討に参加いたしまして、早くこれが出るように努めているところでございます。
○小平芳平君 ですからね、それがどういうことを努めているか、いつ発言しても検討しています、努めていますだけでは問題がけりがつかないわけです。 岡山大学の自主検診班が土呂久、松尾地区で相当長期間にわたって、また相当数のお医者さんを動員して自主検診をした、その結果を現地で発表されたということは御存じですか。
○政府委員(東村金之助君) 岡山大学医学部の検診班により宮崎県の松尾鉱山地区の住民等の健康診断を昨年十月に実施したという点については承知しております。ただ、健康診断の結果の詳細についてはまだ私ども十分把握しておりませんが、内容が判明した場合には必要な措置を講じて十分参考にしてまいりたいと、かように考えております。
○小平芳平君 環境庁からいただいた資料によりますと、この砒素による健康被害検討委員会では検診の項目をずっと挙げまして、認定に必要な要件として、そして必要な項目をずっと挙げていきまして、最後に「なお、皮膚、鼻粘膜及び末梢神経障害以外の所見については、砒素との関連の有無について、今後更に研究することが必要である。」と。まあ環境庁のほうで今後さらに研究の必要があると言って、環境庁がその後何やっているか私はよくわかりませんが、労働省はもう同じことだと思うんですね。この皮膚と鼻と末梢神経以外については、砒素との関連の有無についてさらに検討の必要があるという、その見解は同じことだと思うんですが、ただ問題は、今後さらに検討するということがどこで何をやっているか。何もやってないんですか、結局は。
○政府委員(東村金之助君) 検討そのものは続けられていると思いますが、私自身いま具体的には承知しておりませんが、いずれにいたしましても、ただいま先生御指摘にございました岡山大学の検討の結果であるとか、環境庁の結果であるとか、そういうものを総合して、現実の問題こしては早く対処するような方向をとっていきたい、かように考えております。
○小平芳平君 局長が御存じないようでは検討は全然してないですね。たとえちょっとしたことでも検討していたら、もう大げさに言うじゃないですか。それが全然御存じないなんて言うんだったら、何もしてないということでしょう、恐らく。ただ、前回東村局長が就任して間もないころ、私は同じように、去年の夏ごろでしたか、やはりそのときは岡山大学の青山助教授の、このときは単独で現地検診をなさって、その結果、こういうことが必要だということを私は局長にるる申し上げたことがあるのです。その後、どうも一人の検診では心もとないというので、先ほど申しますように、相当数、大ぜいのお医者さんとまた一週間かそれ以上の長期にわたって土呂久、松尾地区の住民の自主検診をなさった。これはたしか八十八項目にわたって調べていらっしゃる。ただ皮膚と鼻だったら二項目でしょう。こんな皮膚と鼻だけじゃなくて、そういうたくさんの項目にわたって、訴え出を持っていらっしゃる方全員に対して親切丁寧な検診をなさって、この結果を現地で発表しておられます。ひとつ大臣、局長に言っても同じことですから、大臣から早く——砒素による健康被害者と言いますと、もう年配者が多いんです、実際問題、廃鉱ですから。砒素による健康被害者は大ぜいいろんなケースがあるわけですが、いま私が問題にしている方は笹ケ谷鉱山とか松尾鉱山という廃鉱の元従業員だった方ですから年配者が多いわけです。これらの方々の職業による被害ということが単なず鼻と皮膚だけでいいものかどうか。そうじゃない、これこれこういう全身的な障害があると現に訴えているわけです。それを大学の研究班が一生懸命追跡調査もしていらっしゃるわけです。こうしたことは早く取り組み、早く結論を出していただきたい。そうでないと全く同じ地域に住んでおりまして、こちらの片方の方は公害健康被害の救済法に認定になりますと公害健康被害者としての救済になるわけです。ところが隣の方は、全く同じ地域に住んでいても一足先にこの職業上の被害者という認定を受けちゃった人がいるわけです。公害健康被害より先に職業上の被害という認定をされた人がいるのです。すると、公害健康被害の方は御承知のようないろんな補償があるわけですね、健康被害補償法による補償がある。ところが労災補償の人は五万円で終わりなんですから、一年か二年前五万円、それだけ打ち切り補償をもらってあと何にもないわけですから、そういうことは非常に狭い地域社会でそういう差別が起きるということは困ると、もうそれは御想像いただきたいのです、どれほど現地の人が困っていらっしゃるかということは。したがいまして、大臣が指示なさって、そういう問題は皮膚と鼻だけで済ませるのはおかしいと、再検討せよというふうに作業を進めていただきたいのです。
○国務大臣(長谷川峻君) 先生がそういう宮崎の廃鉱その他の砒素の中毒に対し、非常に御熱心なあるいは御自身で足を運んでの御調査、その上にまた岡山大学のそうした大規模な調査団の結果を待ちながらの建設的な御意見、まさに同感いたしますので、本日の質疑を通じまして、いずれ環境庁長官に会ったときなど早くそういうデータに基づいての結論を出していただくように私の方からもお願いしてみます。
○小平芳平君 環境庁でも進めてまいりますが、環境庁の方にはもっと私、別の面で言いたいことがあるわけですが、いま労働省の基準局におきまして、労災補償に認定、職業上と認定した人のケースのことを申し上げたわけです。したがいまして、この点はひとつ基準局においてもその気になってしっかりやれと、そういう趣旨でお願いしたいわけです。
○国務大臣(長谷川峻君) ここにおりますから大丈夫です。
○沓脱タケ子君 それでは大臣の所信表明に関連をいたしまして二、三の点についてお聞きしたいと思います。 まず最初に、午前中の審議からずっと問題になっておりましたように、いま雇用・失業情勢の大変不安定な状況の中で、三月には百二十七万の完全失業者が出るという見通しだというようなことまで言われておるという中で、特に午前中も問題になりましたように、一時帰休の問題が非常に問題になっておる。特に雇用保険法案の審議の過程でも私どもいろいろと質疑の中で心配をいたしましたけれども、そういった心配がいろんな形で散見をしてきている。午前中から問題になりましたから繰り返しませんけれども、東洋紡の問題あるいは日立の発言の問題、さらにはまた遠藤局長の御発言が新聞に発表された等々、これは心配したとおりのことが起こってきているのではないかというふうに国民の中に疑或を広げていっているというふうに一つは思うわけです。逆に一番中小企業の倒産等が、昨年末でも開聞以来というほど中小企業の倒産数がふえている。で、これは法案審議のときにも言われたんだけれども、中小企業を救済するのが中心的な課題なんだというのは繰り返し大臣もおっしゃっておられましたけれども、午前中にもいろいろ御意見が出ておりましたように、中小企業が一番体質も弱くて、大企業がレイオフをやらなければならないというふうな時点では中小企業は先に倒産をしていっている、倒れていっているというふうな事態の方がこれは多いわけですよ。そういう中でそれでは中小企業が救済をされていっているのかというと、これは局長などもいろいろ御意見がありますけれども、結局指定業種でないというためにやむなく倒産あるいは首切りというふうな結果がたくさん出ているわけです。で、このことが非常に大問題になっておりますけれども、昨日も参議院の決算委員会では、したがって業種も一両日中に拡大するのだというふうな御意見が出されましたし、きょうも近くというふうにおっしゃっておられたわけですけれども、そこで私、具体的な問題でひとつお聞きをしたい。どういうことが起こっているかということなんですね。 これはたまたま一昨日聞いたわけですけれども、茨城県の筑波郡にある中小企業で、守谷精工という、はかりの製造業なのですね。で、これは業種に入っていないわけです。ここでは、三月の仕事の見通しもなくなった、それから累積赤字もたまったので、何とか一時帰休でもやってしのぎたいということで労働組合に話をしておった、そこで、せっかくできておる制度だから政府の援助も得たいということで雇用調整交付金の申し込みに行ったら、あなたのところは指定業種ではないから適用できませんということになったわけですね。で、しようがないので、結局労働組合と折衝の結果、——十人ですけれどね。ここのいきさつを見ますと、十人の労働者を首を切らなければならないというところまで追い込まれているということなんですね。 基本的には、こういうことがいろいろ起こっているという問題が非常に重大な問題。片方では、新聞で喧伝をされるような、先ほど申し上げたような大企業の言動の問題これが出てまいりますと、これは私ども審議の過程で申し上げた、大企業にはうまくいくかもわからないけれども、中小企業にはこれは本当に救済になるのかどうかという心配をいたしました点が非常に具体的に端的にあらわれてきているとしか見られないわけです。国民もそう思いますよ。その点で、たとえば業種を広げるとおっしゃる。私は、基本的には業種を広げるどころではなくて、いまの状況の中では中小企業は全部適用されてしかるべきだというふうに思うのですけれども、その点どうでしょう。
○政府委員(遠藤政夫君) 雇用調整給付金制度の対象になります業種の指定につきましては、昨年の暮れに七業種、次いで引き続き三十二業種、現在三十九業種が指定されておりまして、全製造業の中の約六〇%がこの対象になっております。後で追加いたしました第二次指定の三十二業種は、産業分類の小分類、細分類について指定いたしておりまして、その大部分が中小企業が対象になっております。で、目下検討いたしております第三次の指定業種につきましては、五十数業種申請が出ておりまして、非常に細々とした小零細企業が、その大部分がその対象になっております。目下検討いたして、早急に決定をいたしたいと思っております。 そこで問題は、こういう不況だから中小企業全部指定したらいいじゃないか、要するに指定を外してしまって中小企業を対象にしろという御説でございますけれども、私どものところにもこういった、大企業、中小企業問わずでございますが、いわゆる業種の指定の対象にならないような業種、これは業種指定の基準が、過去三ヵ月間に生産実績を五%以下下回っていると、それから雇用面の指数も同じような基準がございますが、こういった基準に照しまして陳情のございました業種を調べてみますると、生産実績はむしろ逆に上がっている、こういう業種がございます。ところが、そういった生産実績が上向いているし、雇用面でも指数が落ちてないということは、その業種としては不況業種とは認められないわけです。にもかかわらず、いまお挙げになりましたような事例で、個別の企業について見ますと、やはり行き詰まって人員整理をせざるを得ないというような事例も承知いたしております。しかし、それは不況の影響によってそういうことになったのではなくて、あるいは経営が放漫であったためかもしれない。いろいろほかの理由による経営の行き詰まりということが考えられるわけでございます。この雇用保険法で予定しておりますのは、いわゆる不況によって休業のやむなきに至った場合、あるいは人員整理に立ち至らざるを得ないものを事前に食いとめようという趣旨でございますので、不況の影響がなくて経営上のいろいろなほかの要因によって行き詰まってきたもの、それについてまで広げることについては、これは法律制度の趣旨からしていかがかと、こういうふうに考えるわけでございます。したがいまして、そういったものを除けばできるだけこういう不況の実態に即して中小零細企業がこの制度の適用が受けられるように私どもは細心の注意を払ってこの業種の指定なり指定された業種に属します各企業の休業に対する助成措置を講じてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 私が申し上げておるのは、そういういま局長のお答えじゃなくて、適用業種でないというて断わられていると、そのために首切りをしなければならない。あるいは、倒産に追い込まれる。こういう事態が起こっているということを申し上げているのです。これはいま局長がおっしゃった、いわゆる雇用調整交付金の対象になる業種の中で、経営実態がどうかという、適用になるのかならないのかというその中身の問題とは別なんです。適用業種なのかどうかという、適用業種ではありませんという、その以前にアウトだと言われておる。これは拡大すると言っておられるけれども、近く拡大するとおっしゃっておられるけれども、たとえばいま私が出しました問題、はかり製造業、こういうものはどうなんですか、それじゃ。端的にそう聞きます、ややこしいから。
○政府委員(遠藤政夫君) いま沓脱先生のおっしゃることと全く逆なんでして、いまの御設問の事例は、その当該業種が不況の影響を受けてないということなんです。要するに、生産実績を上回っているし、業種全体としてはいま台ばかりか何か計量器の話があったと思いますけれども、その業種について見ますると、この個別のケースの問題じゃなくて、当該業種が適用を受けてない業種であるということは、その業種の生産実績が上回っているし、雇用指数の面につきましても、この雇用調整給付金の適用業種として指定するには、そういう下回った指数が出ていない、こういうことなんです。したがって、それがなおかつ、ほかの不況業種と同じように人員整理をせざるを得ないようなはめに陥っているかどうか。これはほかの要因によってそういう問題が起こっているのではないか、こう申し上げておるわけです。したがって、指定業種であれば、もちろんその経営内容に格差があると思います。各企業は全部一律に同じような状態にあるわけではありませんので、経営内容が比較的いいものも、あるいはぎりぎりまでいっているものも、これはいずれもあると思いますけれども、そのいずれについても労使間の話し合いによって休業が決定すれば、それに対してこの給付金制度が適用される、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、局長のいまのお話では、はかり業界というのは不況業種ではないと、こうおっしゃるわけですね。私は基本的に、いま労働省は失業の防止に努めるということが最大の課題だということでお話が、これは大臣の所信表明の第一課題ですね。そういう立場から言えば、これは中小企業だっていろいろな業種の中でも、経営の内容というのは個々によっていろんな要因による変動や差はあると思うのです。しかし、そういう場合に、たとえばはかり製造業というのは不況業種ではないから、これは適用しないというふうなことを機械的におやりになったら、これはどういう要因で起こっているかは別といたしまして、失業者をつくり出すということについては防げない、これだけは事実です、現実の問題として出ているのだから。だから、本当に雇用調整交付金の運用というのは、失業者を失業防止するというたてまえで活用していくのかどうなのかという力点の置き場所ですよね。その点、ちょっとはっきりしなきゃ困るんじゃないかと思うのですがね。現にこれは、あなたのところは適用外やと言って断られたので、十人首切りますと言うているのですよ。それは見殺しでもよろしいと。本来それは、そこの経営者は経営手腕が足らぬからやと、そんなあほな話だったら雇用調整交付金、またこれは大分問題が別に派生してくると思うのです。
○政府委員(遠藤政夫君) この雇用調整給付金制度は、確かに失業者を一人でも少なくしよう、出さないようにしよう。企業が不況で行き詰まった際に人員整理にまでいかさないように、事前に措置をしよう、こういう趣旨から設けられた制度でございます。したがって、そういう事態がどういうことによって起こったか、それによって一応の区切りがつけられているわけでございまして、したがって、そこの不況業種であるかどうかということがまず大前提であるわけです。不況業種であろうとなかろうと、中小企業がそういう経営行き詰まりで人員整理をする、解雇をしなければならぬ。これは失業者を出さないというたてまえから言えば救うべきではないかと、こういう御趣旨だと思うのです。であるならば、それはもちろん結構でございます。御趣旨はそのとおりでございますかもしれませんけれども、であれば中小企業であろうと大企業であろうと、放漫経営の結果、大企業はつぶれざるを得ない。これは失業を救うのが目的だから大企業にも金を出せということになりはしないかと思うのです。失業者を出さないということの目的、それだけに限定するならば、これは私は大企業、中小企業を問わずそういう事態だったら雇用調整給付金を出して救えと、もし法律と制度の趣旨がそういうことであるなら、それも一つの方法かと思いますけれども、この雇用調整給付金制度は御承知のとおり、不況によってそういう事態に立ち至った場合、それを人員整理、解雇から救おう、失業者を出さないようにしよう、こういう趣旨、そこに歯どめがありますので、その範囲内で、その枠の中でその制度の趣旨を最大限に生かして、私どもは中小企業、大企業を問わず、そこからこの不況のために失業者を出さないようにしよう、こういう運用をしてまいるわけでございます。私は、はかり製造業が第一次、第二次の指定に入っておりません。したがって現実にそういう申請があっても適用外でございますということで安定所の窓口で断られたかもしれませんが、いま第三次の指定の申請が五十数業種来ております。その中に申請の要望が入っております。で、具体的にはかり製造業が第三次の指定に入るかどうか、いま私手元に資料を持っておりませんけれども、実態を十分精密に審査をいたしまして、最大限にこういう事態は救済できるように措置をしてまいるつもりでございます。
○沓脱タケ子君 第三次の適用拡大の中に要望として入っているということで、十分検討を進めたいという御意見ですから、これはできるだけ救済をするように適用の道を広げてもらいたいと思います。 ただ、局長のような御意見になりますと、これは一言だけ言うておかなければならぬと思うんですが、中小企業であれ、大企業であれ、放漫経営をやって、そうして失業者を出さなきゃならないような状態になった場合にというような言い方をなさったですけれども、そんな、大企業は、たとえば一時帰休をやる場合だって内部留保を莫大に抱えたってやっている場合だってあるわけですよ。中小企業は、内部留保をだぶだぶ抱えて倒産をするというふうな中小企業はないんですよ、実際には。これは中小企業と言たっていろいろあると言えばそうですけれども、いま問題にしているのは零細ですわ、むしろ。零細という言葉は余り使いたくありませんが、非常に体質の弱い企業の中で、そんな内部留保をだぶだぶ抱えて、首切りをしたり、一時帰休を考えざるを得ないということはあり得ないわけですよ。そういった基本的な違いというものを一緒に、同列に扱って、雇用保険法の適用、特に調整給付金の適用についても同列にものをおっしゃるという点には、やっぱり私ども心配している点が依然として払拭し切れないと思うんですよ。そういう点で、大臣にこれはお伺いをしておきたいんですが、具体問題を出しましたが、これはぜひ、現に労働者が失業をすると、首を切られるというところに来ているわけだから、これは救済の道を何らか講ずる必要があると思うんですが、救済適用の道をひとつ考えてもらいたいと思うんですが、御見解を伺っておきたい。
○政府委員(遠藤政夫君) 沓脱先生の御指摘でございますけれども、私は大企業、中小企業を問わず、いずれの場合も経営が行き詰まって工場が閉鎖になる、会社が倒産する、そういう事態になったときに、大企業だから失業者をほっといてもいい、中小企業だから救えと言われることには私は納得できませんということを申し上げているんで、大企業が内部留保しながら解雇する、こういうことを結構ですと申し上げているわけじゃ決してございませんで、いずれの場合も倒産して失業者を出すことについては、私はそれは食いとめざるを得ない。ですから、中小企業なるがゆえにこれを無条件に適用しろとおっしゃることについては、私は、それはこの制度の趣旨からは納得できないことでございますと申し上げているわけです。御趣旨は結構でございます。
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、法案の過程において沓脱先生のいろいろ御意見のあったことは十二分に承知しておりますが、この法案が通過した今日、期待をされていることもおわかりいただいていると思うんです。そこで、いまこの二人のやりとりを聞いておりまして、私たちは、大企業だから助ける、中小企業だからいじめるなんということは全然ありませんで、それはやっぱり労使が話し合って、勤労者がそういうふうな、こういう法律の枠内に入って安心してもらいたいということでございます。これが一つ。 もう一つは、中小企業に対しましては、私なんかもそうですが、これはもう親子代々夜逃げのできない私は事業主だと思うのです。それだけに、、皆さんの御意見の中にもあったように、二分の一中小企業にこの雇用調整交付金を交付するということに対しての御賛成を得たゆえんだと思って、そういう気持ちで全体を前向きに考えている姿勢をひとつ御理解いただきたいと、こう思う次第です。
○沓脱タケ子君 いろいろひっかかる御答弁がたくさん出るのでものを言わにゃならぬですけれども、申し上げていると持ち時間が非常に短いわけでございますので、またひとつ問題を預けておきます、ちょっと御答弁納得できない点もありますから。しかし、具体的に出しました具体問題については、ひとつ解決のための前向きの検討をよろしくお願いしたいと思いますが、どうですか。その点だけ言ってください。
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま申し上げましたように、はかり製造業についても要請が出てまいっております。で、この業種指定の基準に照らしまして、生産実績、業績、それから雇用面のいろいろな指数、こういった面をしさいに検討いたしまして、最大限に法の趣旨に沿って運用を図ってまいるつもりでおります。
○沓脱タケ子君 それで、この失業問題に関連していろんな問題点が起こっているわけですね。もう一つ、そういう種類の問題を、具体的な問題なんで、これはひとつ労働行政上生かしていただくために具体問題を提起したいと思うのですが、それは日魯漁業の東北支部の白鷹工場というのですが、そこでは昨年の十一月の三十日、五十歳以上の臨時工の女の労働者を首切っているんですね。それから十二月七日には、五十歳未満の臨時工、婦人労働者を首を切って、合計百二、三十名程度首を切られたようです。で、その方たちは、ここで問題が二つ出ているのですが、十年内外の勤続をしておるのに、臨時工だということでそこでは失業保険の適用をしてなかったという問題。そこで、首を切られて、失業保険の問題が問題になって、そしてそれが監督署で指導を受けたら、遡及の手続をやって支給決定が九十日になったというわけです。で、御本人たちは、私たち十年も勤めているのにどうして九十日しかもらえないのかということで追及をしたら、これは監督署では、その業務取り扱い要綱の取得の事務手続ということで最低六ヵ月でも支給できるようにという救済措置を適用して六ヵ月遡及をして、それで九十日の適用をしたというわけです。これはちょっと間違っているのと違うかと。一つの問題は、まあ日魯漁業の東北支社というのは大工場なのに、どうして臨時工とはいえ十年間も勤務しておるような従業員に対して失業保険の適用を怠っていたのか。これを怠っていたということはけしからぬわけですが、それをどうして指導してこなかったのかという点ですね。で、こういう問題は、不況になって首切りが起こってから露見するという問題、前にも私ちょっと触れたことがありましたけれども、そういう問題たくさん出てくると思いますが、こういう点で、この人たちは当然二年間の遡及をして、最低百八十日の失業保険を受け取ることは可能じゃないかというふうに思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(遠藤政夫君) 実はただいま御指摘のございました件、先ほど先生から御指示がございましたそうで、山形県の方に問い合わせておりますが、何さま、こういった緊急の事態で、出先の第一線の事務がふくそういたしておりまして、まだ実態のつまびらかな報告を聴取いたしておりません。したがいまして、具体的な事例について、この具体的な内容につきましてお答えいたしかねますけれども、実は先般、この委員会で沓脱先生が大阪のダイキン工業のパートタイマーで同じような事例、御指摘がございましたと思います。その際私お答えいたしましたけれども、まあ、これもダイキン工業に匹敵するような日魯漁業という大きな会社の出先工場のようでございますが、もしそうだとすれば、一般的に失業保険の適用はあったのだろうと思います。その中でこの部分の人たちだけが適用してなかったと、しかもそれが五年、十年の長きにわたっておったということは私自身非常に不可解だと思います。それが、ほうっておかれたのは果たして会社だけの責任なのか、あるいは労働者、労働組合もそれに関与しておったのかどうかそういった点、私はもう少し詳細に検討してみたいと思いますけれども、まあ、それはそれとしまして、この解雇された事態に対してさかのぼって、遡及適用をして保険給付を実現できることになったということは、私は結構だと思いまして、その取り扱いが適切ではないかという御指摘でございますけれども、従来の取り扱い、私どもの指示に従って実施いたしておるようでございます。いまのお話であれば。私はこれで適切な措置をとったものだと考えております。
○沓脱タケ子君 いや、九十日の支給ということで決定したのが適切な措置だと思われるとおっしゃるんですか。しかし、あれでしょう、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の四十一条ですか、それから失業保険法の二十条の二で、二年間の遡及はできるということになっているんでしょう。で、そういった点での扱いについて職業安定所の指導が適切でないのではないかというふうに私は疑いを持っているわけです。そこで、いま局長、山形県の話で、調べているけれどわからぬとおっしゃっているんだから、わからぬけど適切だと思われるんですか。
○政府委員(遠藤政夫君) 実態がつまびらかになっておりませんので、具体的な内容について私からお答え申し上げることは、現在むずかしゅうございますけれども、いまの先生のお話の内容からすれば適切な措置をとったと私は考えております。
○沓脱タケ子君 ようわからぬなあ、その意味が。わからぬのなら、調査の結果、適切であればいいですよ。しかし、私どもはこの話を聞いて安定所の指導が適切ではなかったのではないかと、取り扱いが適切ではなかったのではないかという疑いを感じますので、それで調査をお願いしたんですけれども、調査の結果、そういうことであれば、適用を拡大して百八十日の支給ですか、その範囲では二年間の遡及になれば、そういうふうなことの適用を考えるかどうかということですね。それははっきりしておいてもらわぬと、わからぬけど適切だなんてなことだったら、ちょっと理解に苦しみますよ。保留せにゃしようがない、そんなことを言ったら。
○政府委員(遠藤政夫君) 私はあくまでも実情がつまびらかになりません事態で、これに対してどうであるかということは申し上げかねますけれども、先生のいまのお話の内容だけからすれば急遽適切な措置をとったものだと考えております。いずれにいたしましても、具体的な内容を詳細に報告いたさして検討したいと思います。
○沓脱タケ子君 しかし、詳細、一遍調査をしていただいて、委員会でなくてけっこうでございますので、後ほどひとつお知らせをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(遠藤政夫君) 報告を聴取いたした上で先生のところへ御報告に上がります。いずれにいたしましても、こういうこの前の例もございますけれども、こういった大会社、大企業の出先で十年間もほうっておかれたと、こういう事態が起こるということは、私はまことに腑に落ちないと思います。どうしてそういう事態が起こっているのかよく調べてみたいと思います。
○沓脱タケ子君 私はまあ、たまたま事例を出したのは不況対策、特に失業者を出さないという立場で、労働省が第一義的な課題としてお取り組みになるというのにやはり末端では、国民の中ではこういったいろんな諸問題が起こっている、これは全く永山の一角の一、二の例にすぎないわけなんで、そういった点をひとつ踏まえて、ほんとうに労働者の失業防止につとめると同時に、いまある制度の活用についても労働者の生活安定を確保できる立場で運用していただきたいという立場でお尋ねをしたわけです。ひとつその点を踏まえて進めていただきたいと思います。 時間の都合がありますから次に参りますが、次にお伺いをしたいのは、これは昨年の四月にも本委員会で実はお尋ねを申し上げて、適切な御指導を要請申し上げた住友海上火災保険の件なんですけれども、これは昨年の質疑の結果、労働省といたしましては住友海上火災に対して一定の御指導をなさっていただいたようです。ところが、その後、いろいろと、まあ、これはいろんな問題を抱えた会社のようでございまして、いろんな問題が起こってきております。 その一つは生理休暇の手続問題なんです。これはまあ私、生理休暇の取得状況等について全国的な統計等、労働省からの御発表の点など、その他学者の人たちの統計なども拝見をいたしておりますけれども、大体、婦人労働者の総数の、これは労働省統計では四十八年度二一・二%ですね、生理休暇を取っておる人は、請求をしている人たちは。で、これは非常に取得率が低いんじゃないかというふうに思いますが、その原因というのは、これは人手が足りなくて休めないというようなこともあるだろうと思いますし、同時に手続の問題というのが非常に大事だと思うのですね。手続が繁雑で取りたいけれども取れないということも、これは職場によってはあるわけなんです。ところが住友海上の場合、これは手続上取りにくいんじゃないかという事例に該当すると思いますので、それでちょっと御見解を伺いたいなと思っているんです。 資料はお手元へお渡ししたと思いますけれども、ちょっと拝見して驚いたのですが、これは会社に出す資料なんですけれども、毎年一月一日付で届け出を会社に出しておくわけです。これ、どない書いてあるかというと、「生理休暇願」「私は、生理日の勤務が非常に困難な体質であります。ついては、必要のつどお届けいたしますから、所要日数の生理休暇を受けることを、あらかじめ御承認下さるようお願いいたします。以上」、そこまでだったらいいんですけれどもね。こない書いてあるんですね。「本人は上記のような体質に相違ないことを証明いたします。証人(父、母、兄、姉、医師等)」と書いてあるわけですね。これを提出しておかなければ休みが取れないというわけなんですけれども、これはずいぶん取りにくくなっておる手続上の問題ではないかと思いますが、婦人少年局の御見解いかがでしょう。
○政府委員(森山真弓君) 生理休暇は生理日の就業が著しく困難な女子が請求した場合に与えるべきものであるということになっておりまして、その手続を特に複雑にするということはその制度の趣旨に反すると考えますけれども、この、いま先生がお挙げになりました文言の届けというのを一読いたしましたところでは、特にこの届けを出さなければ、あるいはこの届けを出すことによって許可がおりなければ生理休暇が取れないというものではないように理解いたしますので、特にこれが複雑で繁雑であるというふうには考えない次第でございます。
○沓脱タケ子君 私はちょっと不思議だと思ったのは、まあ願いを出すと、しかも一月一日に出しておかなかったらその都度申し出てももらえない。これは一つのまあ予約制ですよね、一つは。それからもう一つは、証人というのが「父、母、兄、姉、医師等」と書いてあるでしょう。そうしたら、地方から働きに出てきている若いお嬢さんが一人でアパートででも生活をしていたら、郷里におるお父さんやお母さんの一証明でいいのかどうかという問題が出てくる。それから一緒に生活をしていたとしても、父や兄ですね、そういうことを証明するというのにふさわしいかどうかということが一つです。これはしかも医師の証明を受けなければならないというのなら、これは非常にはっきりしているわけです。しかし「父、母、兄、姉、医師等」となっている。医師の診断と父や兄の証明とが同等に扱われるという点でも、これはどういう見解なのか非常に理解に苦しむわけなんですけれども、そういうことをわざわざ予約制にしなければならないというのは、やはり取りにくくしている複雑な手続というふうに、これは労働省の御見解に抵触するんではないかと。むしろ母性保護の立場から言いましても、権利を抑圧するというふうな恐れがありはしないかというふうに思うわけなんですけれども、そういった点はそういう非常に複雑で、こんなわざわざ一人生活しておる人だったら医者へ行かなきゃならぬわけですね、もらおうと思えば。これならわざわざ医師の証明がなくては、原則として証明がなくては、請求があった場合にこれは与えることができないというようなことにしちゃいかぬという精神に反するんじゃないかというふうに思うんですけどね、その点ちょっと御見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(森山真弓君) 生理休暇は、先ほど申し上げましたようにあくまでも本人の申し出ということをたてまえにいたしておりまして、それ以上のいろいろな手続を要求しているものではございません。ただし、特に何か証明が必要であるという場合にも、むしろ医師の診断ということですと、先生がおっしゃいましたようにわざわざお医者さんに行かなければならない。また、医師の診断というのは相当厳格なものでございますので、やや複雑な手続に類するものになるかと思いますが、私どもの解釈といたしましては、そういうものではなくて、むしろ同僚の証言でありますとか、そのようなものを例に挙げまして、簡単なもので足りるというふうに考えておりますので、別居しております場合はちょっとむずかしゅうございますから、同僚の助けを借りるということがよろしいかと思いますが、同居しております肉親でございましたら、医師の診断書よりはむしろ簡単なものではなかろうかと考えます。
○沓脱タケ子君 御見解はそうだと思うんです。私、これ見て驚いたんだけどね。共働きで核家族の人だったら医者へ行くしかしようがないんですよ、夫というのはないんだから。(笑声)非常にナンセンスみたいな証明の仕方なんですよ。証人には夫はないんですからね。「父、母、兄、姉、医師」ですよ。夫はない。 これはやっぱりもう少し、それは女子労働者が母性保護の立場から生理休暇が取りやすいような指導というのが必要ではないかというふうに思うんですよ。局長の御見解を伺いましたからね、そういうふうな立場でお進めいただきたいと思うんです。 もう一つ、これは法律違反だとは思わないんですけど、ずいぶん大変だなあと思いましたのは、同じ住友海上火災なんですがね、就業規則を見てみますと、有給休暇ですね、休暇の取り方なんですけれども、就業規則の三十六条にこういうことが書いてあってちょっと驚いたんですが、「欠勤または休暇により居住地を離れる場合は、その事由、発・着および宿泊場所等を部・室・店長に届けなければならない。」と、こういうふうなことが書かれているんです。最初に聞きたいのですけど、年次有給休暇というのは労働者が自由に使える休暇なのかどうか、最初にそれを伺いたいんです。
○政府委員(東村金之助君) 年次有給休暇は、一定の条件が満たされた場合に労働者が請求があればそれを付与するわけです。その付与された年次有給休暇を使うことは労働者の自由でございます。
○沓脱タケ子君 そうだと思っていたら、こういう就業規則に「事由、発・着および宿泊場所等」と書いてあるんですね。これはきちんと備えて書いて出さなければもらえぬそうですわ。だから、極端に言うたら新婚旅行に行くので有給休暇を取ったとしますね。そうしたら、何時の汽車でどこへ行って、最初の晩はどこへ泊まって、二日目はどこに泊まってというのを皆書かぬともらわれへんと。こういう労働者固有の休暇まで全部管理するというやり方というのは果たして妥当なのかどうか、これは私は非常に疑問を感じるので局長の御見解を伺いたいですがね。
○政府委員(東村金之助君) ただいまの問題は就業規則にそういうものが記載されているというお話でございますが、就業規則といいますのは本来事業場で働いている場における問題ないしはそれに付随する問題だと思うのです。したがいまして、社会的に見て合理的な理由が何かあれば、たとえば人員の配置があしたどうするとか、人員配置以外にもいまおっしゃったようなことが必要であるという合理的理由があればこれは別ですが、そうでない場合に内容を、その趣旨を私もよくまだ拝見してませんが、そうでないならば、合理的理由がないならばちょっと問題だと、好ましくないと思います。ただ、いずれにしましてもお話ございましたように、法律違反とか何か言う前に、やっぱり就業規則の問題は労働側の意見も聞かなきゃいかぬということがありますので、労使でよくお話し合って、これがどういう趣旨でできているのか、どういうところまで考えているのかということを明らかにした方がいいんじゃないかと、かように考えております。
○沓脱タケ子君 これは私は、まさに労働者固有の休日、全く自由であるべき労働者固有の休日まで会社が管理するという点で、超憲法的な就業規則だというふうに思うんですよ。実際に本当にこの就業規則に書いてあるとおり書かないと、なかなか休暇を与えられないということで、事故まで起こっておるんです。若干具体例があるからちょっと読みますとね、これはちょっと古くなりますけど、どの程度厳しいかということの事例がある。昭和四十四年十月二十九日の午後、労働者の名前はちょっと言いませんけど、ある人が有給休暇の申請書を課長に提出したところ、課長が、どうしたんだね、どこかへ行くのかね、君がどうしているか知っておくんだ、係長を通して来いと言って申請書を突き返したので、本人は係長席に持参したところ、係長は、どういう用事だね、どこかへ出かけるのかと質問をし、理由がわからなければ判を押せないと言って申請書を突き返した。さらに、就業時間の十五分前に再び本人が、係長の不在であったために課長に申請書を出したところ、課長は、どういう用事で休むのか、そんなことが言えないなら会社をやめて、わがままの通るところへ行け。君が理由を言わないのなら、たとえばどろぼうに行くために休むと判断してもよいのだねと言い続けられて、本人、——婦人労働者ですが、途中で気分が悪くなって血の気が引いて倒れてしまった。で、病院に担ぎ込まれて診断をしてもらったら、精神の緊張から来る末梢神経炎だという診断をされたというふうな、まさに人権問題にもなるようなことまで起こってくわけですよ。ですから、そういう点では、これは就業規則だからということではありますけれども、確かに労働者固有の権利である休日の管理がここまで厳しくやられなければならないかというふうなこと、これはやはり労務政策的にも権利も抑圧する一つのまた姿ではないかというふうに思いますので、これは適切な指導が必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(東村金之助君) おっしゃるような例がどの程度あるのか、私ども存じ上げませんけれども、先ほど申し上げましたように労働基準法の年次有給休暇があるならば、それ以外の有給休暇というのはまた別でございますが、年次有給休暇であるならば、やはり労働者が請求した場合にはそれは与えると、ただ、その際に、理由を聞くこと自身は、聞いてはならぬということはございません。ただ、それを条件にするとなるとまた問題だと。いずれにいたしましても、そういう年次有給休暇を与えるに当たって、余り条件だとか、やかましいことを言いながら実際には取れないようにするということになったら、これは問題だと思います。したがいまして、ただいまお話ございましたので、早速どういう事情になっているのか、問題があるようだったら適切な指導をしていきたい、かように考えております。
○沓脱タケ子君 ここはいろんな問題を抱えた会社なんですね。住友海上という会社では解雇問題も起こっているんですね。これはまあ係争中の問題ですので、私はそのことについて特に申し上げようと思っていないわけですけれども、しかもその解雇もこれは問題にすれば問題があるんですけれども、ちょっと触れますと、こういうことなんですね。組合を分裂させるというふうな形で攻撃かけられて、そして分裂したわけですよ。そうしたら前の組合の幹部四人を首切ったという問題なんですけどね、これはまあ係争中だからいいですよ。で、昭和四十三年八月二十九日に、しかも東京の地裁はその場合に会社に対して、労働組合の幹部なんですからね、誠実に団体交渉を行うようにというふうな仮処分出したんです。ところがそれもちゃんとやらずに首切ったという経過なんですが、四十三年の十月の十六日に首を切っているわけですね。で、その後係争中になっている。その事件というのはことしの五月に判決がある見通しですけれども、そういう問題というのはこれは全国的に探せば幾つかはある。私はこのケースを聞いて思ったんですけれども、四十三年に起こった事件で、係争中なんですね。で、一審の判決がことしの五月だというんでしょう。こうなりますと、この判決の結果また会社が控訴する、また最高裁へ控訴するということになったら、一生労働争議で、係争で終わるというふうな結果になりかねない。そこで問題だと思いますので、ぜひ大臣に聞いておきたいなと思いますのは、こういった問題これは結論が出たら、本人の一生の、将来も考えて控訴、控訴で一生を裁判で台なしにするというようなことのないように、これはその人の一生というものを考えて、判決が出た場合に労政局が一定の指導をするとか、こういう労働行政上適切な措置というのは要るんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(道正邦彦君) ことしの五月に一審の判決が出るということでございますので、先生のお尋ねの中にもございましたように、判決が出る前に一定の判決を前提として労働省としてどうするかというふうなことを述べることも私は適当でないんじゃないかと考えます。一般論といたしまして、その判決が早く出るということはもういかなる裁判においても望ましいことでございまするし、特に御指摘ございましたように、身分にかかわる問題については早いほうがいいにこしたことはないと思います。ただ事案によりましては非常に複雑なケースもあり得るわけでございますので、ある程度時間がかかるということもまたこれやむを得ない場合もあろうかと思います。また、その第一審の判決が出たら控訴等をしないで労政局が間へ入って話をつけたらどうかという御趣旨の御質問だと思いますけれども、判決が出たときに両当事者がその判決に対してどうするか、これもまた当事者の自由に反してやるということもできないわけでございます。まあ、いずれにいたしましても相当長期間にわたるケースでございますので、私どもも五月の第一審の判決がどういうことになるのか注視しているところでございます。
○沓脱タケ子君 そんな話だったら、別に聞く必要ないんでね。そうじゃなくて、これは解雇無効の判決が出たというふうな場合には、また会社が控訴、二審でそういう結論が出たらもう一遍最高裁へ控訴と、こうやられたら、二十年も裁判食ったら一生台なしになりますわ。そうではなくて、七年、八年も争って、そうして判決が出て解雇無効の判決ということになったような場合には、そういう労働者の一生というふうなものも考えて一定の助言なりあるいはその指導なりというふうなことをやる必要があるんではないかというふうに思うので、申し上げたんですがね、それはいま局長がおっしゃった点は一般的なことで、特に労働省でなくたって、どこの役人さんでも全く同じことをおっしゃるだろうと思うんですが、そんなことを聞いているんじゃなくて、労働行政の一端としてそういう点については考えるべきではないだろうかということですよ。
○政府委員(道正邦彦君) 先ほどもお答えいたしましたように、労働者の身分にかかわる問題でございますから、裁判も早ければ解決も早くなされることが望ましいことは、もう全くおっしゃるとおりだと思います。思いますけれども、判決に対してどう措置をするかというのは、これは第一義的には当事者が決めることでございますので、判決が出る前にどうこうするということをここで申し上げるのは適当でないということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○沓脱タケ子君 まあ、言いにくい点もあろうと思いますけれども、そういった労働者の一生というふうなことを考えてみた場合、また判決が出た場合にでも御見解を伺うようにしましょう、前もって言うのは言いにくいということなら。 あと、もう時間が余りありませんので、あと一点お伺いをしておきたいと思いますのは、職業病の関係なんですけれども、職業病というのは労働省の統計によりましてもずいぶんふえておるわけですね。四十二年には二万四千五百七十二件が四十七年度には三万八百六十九件というふうにふえていっております。そういった点は客観的にも大変な問題であると同時に、労働者の中でも大問題になってきておるわけでございます。特に私はきょうは余り具体的な問題で御質問申し上げる時間的な余裕もないんですけれども、いま問題になってきておる一つは、保母さんたちの中で頸腕とか腰痛症とかいうのが非常に具体的な問題になってきておるということでございますが、その点について特に労働省の体制の問題そういった点を含めてお伺いをしていきたいと思うわけです。まあ具体的に見てみますと、この問題というのは、これはこううまく処理をされていっているというのはたくさんなくて、昨年の五月二十日の兵庫県の地方公務員災害補償基金から出ておる弁明書というものを見ましたけれども、こういうふうなことになっているわけですね。これはやっぱり保母さんなんですが、池本ひふみさんという方が請求人になっているんですが、これが却下をされている。その却下の原因というのは何かというと、「審査請求人に内在する因子が発症の原因となったと考えられる。」ということで、その本人の体質が問題なんやということで却下をされているわけです。これはこういうことが頻発をしていくということでは大変だというふうに思うのですけれども、そこでちょっとまとめてお伺いをいたしますが、労働省では、こういうふうな点について、職業病の認定、それに関する災害科学研究というふうな点、そういう点についてはどういう取り組みをしているのかという点を、最初にお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(東村金之助君) ただいま最初にお話ございましたように、職業病の問題は、件数としてもかなりふえておりますが、その中でも頸腕とか腰痛とか、その他発症の機序といいますか、医学的な分析、結論というのはなかなか得にくい問題がございます。 そこで、私どもといたしましては、行政ベースもさることながら、やはり専門家の御意見を聞かなければいかぬということで、頸肩腕症候群とか腰痛については、かねてからその予防ないしは補償に万全を期するという観点に立ちまして、大学病院とか労災病院、そういうところの災害医学とか労働衛生学等を専門とするお医者さん等を中心に委託研究をお願いいたしまして、その研究に基づきまして、予防対策の樹立とかあるいは労災の業務上外の認定とか、そういうことのデータにしているわけでございます。 なお、いま私申し上げましたのは、頸肩腕ないし腰痛のやや広い範囲の話でございますが、保母さんの問題は、確かに頸肩腕症候群等については、最近労災の給付請求が増加してきております。そこで私ども四十九年度におきましては、この保母さんの問題に限りまして、保母等の健康障害に関する研究というものを追加委託して、その成果を待っておると、こういう段階でございます。
○沓脱タケ子君 私は、本来職業病とか労働災害というのは、病気になってから保険を適用するというのが能ではないと思うんですね。労働者の健康を守るという立場で、職業病を予防する、労働災害を発生しないように予防するという立場でお金を使うということが、きわめて大切ではないかと思うんですが、労働省の予算を拝見をいたしまして、これは資料をいただきますと、災害科学研究委託費というのが、昭和四十五年が千八十万、それから四十六年が千八十六万、四十七年度同じくで、四十八年度が少しふえて二千百六十万、四十九年度千七百四十四万で、大体一年間に十項目ないし十三項目の疾病の調査を委託していらっしゃるということなんですけれども、これはきわめて貧弱ではないかというふうに思うんです。一疾病に対しての調査委託というのは、百万から、この金額平均割りにしても百二、三十万、百万ないし百二、三十万というようなことでは、きわめて微々たるものではないかというふうに思うんですね。しかも、いただいた資料を見ますと、こういった委託研究の具体的な措置状況というのは、こういう結果は、業務上・外の認定基準等を策定するために設置された専門家会議における検討のための参考資料、あるいは個別事業の業務上・外の認定に当たっての参考資料というふうに明記されているんですね。つまり、いまやられている委託研究というのは、病人が出てきたと、職業病らしきものが出てきたと、これが職業病と認定するか、そうでないかという判断をする基準だけを研究しているというふうにすぎないと思うんです、これでは。こんなことでは、これは労働者の保護をするというふうなのとにはほど遠いんではないかというふうに思いますので、特にこの点については、本来大臣の所信表明の趣旨から言われましても、ここは力を入れなければならない点だと思うんです。特に私はそのことに気がつきますのは、たとえば地方自治体とかあるいは民間では、すでに集団でそういった予防も含めての調査研究というのが非常に進み出してきているわけです。たとえば、私の手元にありますのは京都の工場保健会職業病管理部というこれは財団法人ですがね、ここでは一定のスタッフを集めて、今後の対策の課題というふうな点で、作業条件をどうしたらいいかとか、あるいは設備等を、環境の改善と充実をどうしたらいいかというふうなこと、あるいは健康管理対策の推進をどうすればいいかというふうなことを、予防を含めての調査研究というのが、民間ですでにやられ出している。あるいは東大阪市でもこれは大学にも委託をして、独自にそういった観点での調査をやっておられる。尼崎でもそういうふうにすでに進められているというふうなことになっております。そこで昨日も参議院決算委員会でも指摘がされて御承知だと思いますけれども、いわゆる監督業務をやるのにまともに道具も持たさぬと非常に少ない監督官に仕事をさしている。たとえば、早く言うたら照度計もろくにない。だから災害が労働災害なのかどうか、職業病なのかどうかということを、はっきり認定をしていくために、監督指導するのに器具も持たさぬとやっているというふうなことが、きのう指摘されたと思うんですが、そういう監督行政についてもこういう不備がある。 それから職業病あるいは労働災害を防ぐためのいわゆる予防対策をも含めての研究体制ですね、これは大学とか研究者個人に委託をして研究するというだけではなくて、すでにやられている民主的な、民主的なというか経験のある先生方あるいは研究者、そういった人たちをも含めた研究体制というものをつくって、これは当然業務上・外の認定はもちろんのこと、労働者に職業病が発生しない予防体制をどうしたらいいか、労働災害を防ぐためにどうしたらいいかというふうな点も含めての研究体制をつくることが急務だと思うんですけれども、その点についての御見解を伺いたい。
○政府委員(東村金之助君) いまの最初に御指摘ございましたように、労働災害の問題は補償の問題よりはむしろ予防の問題じゃないか、まさにおっしゃるとおりでございまして、私どももそういう角度から問題を取り進めているつもりでございます。で、いろいろ先ほど申し上げました頸肩腕とか腰痛について調査研究委託をやっておりますが、そういうものも何も障害の認定というだけではなくて、もう少し広く予防についても活用するように、また現に活用しております。この点はさらに予算の問題もございますが広げていきたい。 なお、つけ加えますと昭和五十年度は三千万円をあれですけれど要求しているような形になっております。 民間のいろいろの研究であるとかあるいは研究機関の成果であるとか、こういうものも積極的に取り入れながら、冒頭申し上げましたように、とにかくなかなかむずかしい問題で、個人的な研究が同時に医学会のコンセンサスを得るという形になかなかなりにくい問題もございますが、先生の御指摘のような方向を私も考えておりますから、何とか予防の方に重点を置いていきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 しかも、私お聞きしましたら、この予算というのは労災特別会計から出ているんだそうですね。そうしたら労災特別会計から出ているお金なら、それはもう病気になった人に、災害を受けた人に……。
○委員長(山崎昇君) 時間が過ぎています。
○沓脱タケ子君 はい、最後です。 災害を受けてから疾病にかかってから給付をするというのじゃなくて、むしろその労災特別会計のお金を使うのならば、予防対策にもっとお金を使って万全を期する必要があるのではないかというふうに思いますので、これは大臣に最後に御見解を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(長谷川峻君) まさに先生がおっしゃるように、予防というのは大事でございます。私なんかも電話局なんかへ行ったとき、頸肩腕症候群の体操の図なんかあると、そいつを一緒にやろうじゃないかと、やっているかと言って話を聞きます。いまから先も予防体制の充実は御意見のとおりやってまいりたい、こう思います。
○柄谷道一君 去る七十四回臨時国会で雇用安定を目的とする雇用保険法が制定されたわけであります。本日いろいろ御指摘はございましたけれども、たとえば繊維産業のような場合、不況の度は一層深刻化はしておりますけれども、この法案が成立したことによって解雇件数は著しく鈍化をいたしております。御指摘がされました東洋紡問題もこの雇用保険法の制定が約二千名に及ぶ労働組合の復職闘争を成功に導きました。こういう意味におきまして私は、本法案を評価するものでございますけれども、四月一日よりの施行ということを考えますと、昭和五十年度は労働行政をより積極的な面に展開する一つの転機で私はないかと思うのであります。雇用労働者自体本年度の予算及び四月一日以降の雇用保険法の具体的施行について期待もし注目をしているというのが率直な実態であろうと思います。この法案に積極的に賛成した者の一人といたしましてその目的を完全に生かすという意味から以下数点について質問をいたしたいと思います。 政令、省令及び予算の内容が伴いませんでしたならば画竜点睛を欠くといいますか、仏つくって魂入れずという結果になることを非常に恐れるものでございます。 質問時間が私の場合三十分と限定されておりますので、要領よく質問をいたしますから、簡潔にかつ率直に、簡明にお答えを願いたいと思います。 質問に入る前に、一昨日商工委員会で、同僚の藤井委員の方から業種指定の問題について質問をいたしております。その趣旨は行管の決定いたしております、決めております産業分類でございますが、これは相当以前につくられた産業分類でございまして、現在の産業実態に必ずしもマッチしていない。たとえば、従来染色工場の一部門として包装梱包部門があった。しかしその部門は近代化に伴いまして数社が共同で別の包装梱包会社を設立をいたしました。繊維製品専門の包装梱包事業を営んでいるわけであります。しかし、産業分類からいたしますと、これは商業・サービス部門に入ってしまいます。しかし、その工場で扱っている部分はあくまでも染色工場から流れてくる製品の最後の処理でございます。繊維産業が操短をやれば当然包装梱包の業種もそれに伴って操短をいたします。しかし、これからは現行の産業区分においては不況業種に指定がされない。通産省から出ております中小企業近代化促進法の一部改正では、今後の構造改善ではそれらの直接関連する業種は一つの産業とみなして一貫した近代化促進を推進するという法律を通産省自体が出しているわけです。労働省としては労働者を保護するのがその目的でございますから、私は通産省より以上にきめの細かな配慮が行われてこれは当然ではないかと思うわけです。商工委員会の質問は必ずしも満足すべきお答えを得ておりませんので、この点は時間の関係から質問という形ではなくて、ひとつ前向きに労働省としても業種の内容について実態に即するように御検討を賜わりたい、こう思います。 以下質問に入りますが、その第一は、全国延長給付の発動基準についてであります。労働省から前もっていただいた「最近の雇用失業情勢」の資料によりますと、十二月の完全失業者八十三万人、失業保険の受給人員は九十万五千人、これは昭和二十二年以来の高い受給人数である。かつてなかった人数であると言われております。かつて雇用保険法審議の際に論議された有効求人倍率も〇・七一にすでに一月は下降しているわけです。労働情勢まさに深刻と言って過言ではないと思います。しかし、このような状態であっても十二月の受給率は二・〇五でございます。労働省が中央職安審議会に諮問いたしました五%というのはあまりにもその率が高過ぎまして、これを発動するということはちょっと間々ないのではないか。当然これは引き下げるべきであるというのが私の意見でもあり、中央職業安定審議会からも強くこれが指摘されているわけでございます。大臣としてこれを引き下げる意思をお持ちかどうか。 さらに、関連して二月二十三日の日経及び二十五日のサンケイに労働省はこれを四%とするという報道がなされておりますけれども、その真偽はどうか、お伺いします。
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま御指摘のように、当初この法案審議の過程におきまして、私どもは全国延長給付の発動基準といたしましては五%程度ということを考えておりました。しかしながら、法律が成立いたしました後、中央職業安定審議会におきましても、高過ぎてこれではこの制度が設定された趣旨が生かされないんじゃないか、当然引き下げるべきである、こういうおおむね一致した御意見もございました。ただ、先ほど申し上げましたように、小零細企業の全面適用ということによって給付が増加するおそれが多分に見込まれますので、そういった点も十分考えた上で適正な発動基準を考えるように、こういう御答申をいただいておりますので、その線に沿いまして実態に即した発動基準を定めてまいりたい、かように考えております。
○柄谷道一君 ただいまの答弁は、五%は引き下げる意思であると理解してよろしいですか。
○政府委員(遠藤政夫君) 審議会の御趣旨もそういうことでございますので、そういう方向で検討いたしておる次第でございます。
○柄谷道一君 私はちなみに、昭和三十一年から四十九年までの十九年間の受給率を単純平均をいたしますと二・三二%なんですね。遠藤局長は大体倍程度ということをいま答弁されたんですけれども、私としますと通常過去十九年、約二十年に及ぶ受給率の五割を増す、これは相当深刻な雇用情勢である。そういう点からしますと、三・四八ぐらいが導き出されるわけでございまして、私といたしましては少なくとも全国延長の発動基準は三・五%あたりが適当ではないか、こういう考えを持っているわけでございます。したがいまして、新聞で報道されております四%にもこだわることなく、さらに現実に即して雇用保険法の目的が生かされる発動基準を制定されるように、これは強く求めたいと思います。 次は、雇用調整給付金の支給対象となる休日の規模でございます。これまた諮問案では三分の一、中小企業は四分の一と諮問いたしまして、これは実態にそぐわないのではないか。さらに考慮を加えるようにという審議会の答申がなされていることは御承知のとおりであります。私はよく産業の実態を知っていただきたいと思うのですけれども、たとえば弱電のような場合は規格品をつくっておりますから、一カ月なり二カ月集中して操業短縮を行うことが可能なのであります。しかし季節性の多い繊維ということになりますと、一時期に集中して操業短縮をやることができない。相当高度操短率ではございますけれども、慢性的に操業短縮をやることによって景気調整を図っていく。そういうように、産業によっていろいろ実態が違っているわけでございます。そういう実態からすると、どうも三分の一、四分の一ではほんとうに失業を予防しようというこの趣旨が生かされないと思いますし、かつ諮問案によりますと、週休二日制をとるところはほんとうに月の大体半分ぐらい休まなければ中小企業でも適用されないということになるわけでして、労働大臣の所信表明の中に週休二日制の普及、促進ということをうたっておりますけれども、諮問案ではかえって週休二日制を阻害すると、こういう逆の欠陥を招く危険すらあるわけでございます。この点について率直な担当局長の所見を伺いたい。
○政府委員(遠藤政夫君) この休業規模の基準につきましても、御指摘のような審議会の御意見がございまして、また三分の一、四分の一ということを一律にいたしますことにつきましては、確かに週休二日制を実施、促進をしている場合と、依然として週休一日で操業が行われている場合と、これに対して非常に不均衡を生ずるおそれもございます。そういった実態を十分見きわめました上で実情に沿ってこの制度の趣旨が生かされるように基準の設定をいたしたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 ただいまの答弁で諮問案にはこだわらずに再検討する意思だとこれを受けとめますけれども、私は、この法の精神からいたしまして、基準というものはなるべく落として、そしてその失業予防の目的を果たすようにする、しかし、これが安易に便乗されないようにチェック機能を強化する、これが私は法の精神に沿うものではないかと思うわけでございます。そういう観点からしますと、私、いろいろ過去の三ヵ月間の動態等を私なりに計算をいたしますと、大企業四分の一、中小企業五分の一あたりの基準がほぼ適当ではないか、これに伴って便乗を防ぐチェックの方法を強化する、こういうことが労働行政としては適当ではないかと思考いたしますので、この点大蔵の抵抗が強いやに聞いておりますけれども、労働大臣ひとつこの点はしっかりがんばっていただいて、ほんとうにこの法が生かされる基準が制定されるようにお願いをいたしたい。大臣のひとつ決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川峻君) 朝からのこの委員会でも雇用調整給付金の問題については非常に御期待いただき、またそれが失業の歯どめになっているということについても御認識いただき、また一方業種指定の拡大、追加というふうなことが各委員さんからお話あること、それだけに非常の際には非常なやはり覚悟でやらなければならぬということでいままでやってまいりました。おっしゃるとおり、ことしは労働問題に対しては大変な年でございますから、いままで局長が申し上げたこと、私も再確認いたしまして、皆さんの御期待に沿うようにやりたい、そのための財政的な問題は私は大蔵省に時折話をいたしておりまして、こういうときにこそ金は使い惜しみするなと、こう申し上げております。
○柄谷道一君 大臣のただいまの決意に大いなる期待を持ちまして今後の経緯を見たいと思います。 次に第三点は、常用就職支度金の受給資格についてでございます。私はきょう大臣の所信表明をずっと伺ったわけでございますが、高齢者雇用促進ということは非常にこの文章の中に強調されているわけですが、中年者の雇用促進ということが所信表明の文言の中からはないわけでございます。私は、確かに五十五歳以上の者に対して常用就職支度金を支給する、これは高齢者雇用促進の有効な一つの手段であろうと思うんですけれども、現在の雇用情勢、失業情勢を見ておりますと、中年の再就職というのがきわめてむずかしい情勢にあることは、これは多くの説明を要しないと思うんです。まあ、こういう点にかんがみまして、中央職安審でもこれを四十五歳まで引き下げることによって高齢者とあわせ中年者の雇用促進を行うべきではないかという具申がされているわけでございます。私も全くそれに同感なわけでございますが、これに対しての労働省の局長の御意見をお聞きしたい。
○政府委員(遠藤政夫君) 昨年の暮れの臨時国会におきまして、この雇用保険法が成立いたしました際に、衆議院でもそうでございますし、当委員会におきましても附帯決議等におきまして、この法律の施行、運用についていろいろと御意見が決議に行われております。私どもは、もちろんこの決議を十分尊重しながらこの運用をいたしてまいりたいと思っております。同時にそれを受けまして、中央職業安定審議会でも、こういった点につきまして細々と御注文や御意見が出されております。私どもはこの附帯決議なり中央職業安定審議会の御意見を、この答申を十分尊重しながら運用上の諸基準を定めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。ただいま御指摘の点につきましても、確かに最近有効求人倍率が非常に落ちておりますが、三十歳未満あるいは四十歳未満につきましては依然として倍率一を超えております。四十五歳以上になりますと、御指摘のように大変むずかしい状況になっております。この制度の趣旨がそもそも就職困難な人に対して常用就職支度金をという制度でございますので、そういった実態をわきまえながら答申の趣旨を尊重して設定をしてまいりたい、かように考えております。
○柄谷道一君 これと、まあ答申と関連があるんですけれども、定年延長の奨励金につきましても、これは中小企業に限定しているわけであります。まあ労働省の中小企業の基準は三百人未満ということでございますから、これはよく実態をお考え願いたいんですけれども、三百人未満の企業というのは定年制のないところが多いわけでございまして、定年制の存在するのは大企業ないし中堅企業にその傾向が見られるわけです。したがいまして、まあ五十五歳なり、五十六歳なり、五十七歳で定年退職をする、その者が一体どこへ再就職しているのか、そのほとんどの者が中堅企業なり中小企業に流れている。そういうふうに考えてまいりますと、むしろこの定年延長は、現在定年制というものが現存している大企業なり、そしてこの受け皿である中堅企業というところの定年制を延長しなければ、ほんとうの意味での定年制延長の趣旨が生かされないというのが私は率直な実態だろうと、こう思うわけです。したがいまして、この定年延長奨励金をやはり中小企業に限定しているということについては、まあ十分実態はおわかりなんでしょうけれども、やや実態と離れた一つの施策ではないか。そういう面で範囲の拡大ということが当然必要だと、私は一挙に大企業までということは予算上いろいろの措置もあるでしょうけれども、少なくとも中堅企業程度までこの奨励金の制度の範囲を拡大することが、新しい五十年度の労働行政としてしかるべき姿ではないかと、こう思うわけです。この点に対するひとつ所見をお伺いいたしたい。
○政府委員(遠藤政夫君) 労働省におきましては、この数年来定年延長につきましてはいろいろな行政指導あるいは援助措置を講じてまいっております。いま御指摘のように、定年制を設けておりますのは比較的大企業に集中しておる、こういう実態からいたしまして、この定年延長奨励金を中小企業に限定しております来年度の予算措置につきましては、逆に大企業は定年延長しなくてもいいんじゃないかというふうに受け取られる面もございます。そういった意味におきまして、むしろ大企業が率先して六十歳まで定年延長してもらいたい、こういう趣旨でございますので、今回はたまたま法律の成立が昨年の十二月の押し詰まった段階でございまして、予算的に非常に制約ございましたけれども、来年度はぜひ御趣旨の線で大企業にまで拡張するように努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 いままで四点質問いたしまして、いずれも前向きの積極的な姿勢をお示し願ったわけでございますけれども、まあ答弁だけに終わるということではなくて、これが実効あるものとして実現するように御努力を願いたい。といいますのは、もうこの政令、省令が出されますのは、遅くても三月中旬までには出されるわけです。ということになると、もう社労委員会として次のときにこれを取り上げようと思いましても、それは政令、省令の交付後でございます。これを再びどうせい、ああせいということにつきましては、いろいろまた問題も出てくるわけでございますから、次の社労等で努力を評価するという実績を示していただくようにこれは期待をいたしておきます。次に五番目は、交通遺児等の母子家庭の寡婦対策でございますが、前回の雇用保険法に関連いたしましてこれに対する附帯決議が行われたわけでございます。私は聞き及ぶところによりますと、月九千円一年間の支給ということを労働省のほうで決定されたと聞いておるわけですが、この予算案の内容という欄を見ますと、新規であるにかかわらずその字句は一言一句出ておりません。これは出ていないけれども、私の聞き及んでおりますように、すでに予算としてこの中に組み込まれているというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま御指摘のように、当院の附帯決議におきまして、この「交通遺児を抱えた寡婦」対策ということが御指摘ございましたので、私どもは来年度の予算措置の中でこの寡婦に対する雇用奨励金制度を新規に取り入れたわけでございます。予算項目といたしましては、雇用改善事業の中の「高齢者等雇用奨励金」という「高齢者等」というところの中に含まれているわけでございます。
○柄谷道一君 それで理解いたしましたけれども、私は、たとえば御主人を突然交通事故で亡くされた、しかも子を抱えておられる、その方が家庭婦人であった場合、本当に何らの職がない、手に職を持っていないわけです、技能も持っていないわけであります。しかし、その人が一家の生活を支えなければならないということになりますと、その奨励金というのは、これはもちろん一つ有効でございますけれども、あわせて手に職を持っていない寡婦というものについて、やはり職業訓練なり、職業訓練期間中の配慮というものを行うことによって、質の高い労働に就労することができるという体制をつくるということが、これが伴いませんと、単に金だけやるから雇えよだけでは、本当に一家の大黒柱として長い生涯を送っていこうという人についてはどうも片手落ちの施策になるのではないか。その意味におきまして、職業訓練及び訓練期間中の生活保障等について寡婦対策としてどのような具体策をお持ちなのかお伺いいたします。
○国務大臣(長谷川峻君) 寡婦を含めて、婦人の就職促進を図るために、まずもっぱら婦人を対象として公共職業訓練校——これは全国に八校ございます——設置して、一般の公共職業訓練施設において婦人に適した職業訓練の実施につとめております。これが一つ。 もう一つは、このような職業訓練を受ける人のうち、失業保険金受給資格者に対しましては、訓練期間中給付期間を延長いたします。そういう措置を講じており、また失業保険金受給資格のない中高年齢者等に対しましては、訓練手当を支給してその受講の促進を図ってまいるところであります。 なお、今後ともに寡婦の就職促進のために、職業訓練については関係者の意見を徴しながら十分に研究してまいりたいと、こう思っております。
○柄谷道一君 時間が三十分ということになりますと、ほとんど聞きたいことが聞けないわけですが、もう一点御質問いたします。 私の調べましたところによりますと、一国の総理大臣が施政方針演説の中で、婦人問題に触れられたというのは戦後二回しかないようでございます。そのうちの一回が三木さんが今回特に施政方針演説の中で、国際婦人年ということに関連して、「婦人の地位向上に」格段の努力をしたいということを触れられております。ところが、その趣旨はまことにけっこうなんでありますが、それではその本会議で沖繩の海洋博の問題に触れられていないではないかという、ある党の質問があった場合に、施政方針というのは何でもかんでも触れるわけにはいかぬので、特に重点的なものを抽出をして施政方針に盛り込むんだという答弁にしては、労働省の勤労婦人対策の予算は、青少年を含めて一億八千八百万円、まことにその総理大臣の気魄とは、金額はいささかさびしい感を受けるわけでございます。 レクチュアの際に、一体これで何をされるのか、こういうことを聞きましたところ、中央大会を開催する、婦人の主張のコンテストを行う、海外の会議に対して代表を派遣する、さらには記念刊行物を発刊をするという話でございまして、どうも総理大臣の高通なる行政姿勢と比べまして、その中身まことに相整っていないというのが私の受ける率直な感じでございます。 で、しかも、本日の労働大臣の所信表明の中には、わざわざ「育児休業」奨励という字句を強調されているわけですが、これまたその内容は、一企業に対して八万円を支給する。本当にそれが大臣の六つの柱の一つとして挙げられた育児休業を含む婦人対策のこれが内容かと思いますと、はなはだこれまた残念に思うわけでございます。 で、どうしてこのような内容にしか婦人対策の予算を組み得なかったのか、この点についてひとつ率直にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(森山真弓君) 大変国際婦人年につきまして御激励をいただいたお言葉で、ありがたく拝聴いたしたいと思います。 国際婦人年という題をつけまして予算の項目として挙がっておりますものを勘定いたしますと、合わせて約二千二百万いただいておりますが、その中身は、いま先生が御指摘になられましたようなものでございます。しかし婦人の対策は、国際婦人年の記念行事だけではございませんで、ほかに従来からやっております勤労婦人福祉対策、その他各省にまたがったいろいろなものがございまして、それらを合わせますと相当の額になるというふうに解釈をいたしております。 労働省の婦人少年局の予算の、あるいは事業計画の中にも国際婦人年という題をつけてはおりませんけれども、婦人のための対策がいろいろございまして、ただいま先生がおっしゃいました育児休業制度の導入奨励金も、おっしゃるように大変ささやかな額ではございますけれども、初めての試みといたしまして芽を出したということでお認めをいただきたいというふうに思います。 これから、こういう点について一層力を入れていきたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 もっと突きたいのですが、時間がありませんので、要望にとどめますけれども、育児休業の問題一つにしても、今回の予算でこれだけであったというその事情はわかるような気もしますけれども、何か子供だましの、これはただ名目をつけたという程度にしか率直に受け取れないと思うのです。この点、ひとつ大臣、来年は本気になって、こういう金額の増額について、なるほど育児休業制度を普及さすために労働省は本腰を入れてるわいという姿勢を具体的にあらわしていただきたい。 と同時に、これは最後の質問でございますが、私はいま婦人の中で母性保障基本法を制度してもらいたいという意向が非常に強くなってきているわけでございます。現在の法律は非常に多岐にわたって、これを制定する、たとえば老人憲章のような、児童憲章のような一つの基本的な基本法的なものがいま存在をしない。私はやはりこの国際婦人年に最もふさわしい行事というものは、こうした次の世代を生み、そして次の世代に日本を継承していく婦人というものについて、やはり諸立法の基本となるべき母性保障基本法というか、憲章というか、そういうものを制定することこそが本当に国際婦人年にふさわしい一つの行事ではないか、こう思うわけです。その点についてわれわれは議員立法として出そうということでいま法案を準備いたしておりますけれども、これは議員立法を待つまでもなく、本来総理大臣の施政方針からいたしましても、内閣が率先してこれらの問題に対する法案を準備し、議会にこれを提案されるべきが私は至当であろうと思うわけであります。これは厚生省にもまたがる問題でございますので、ひとつ大臣、閣議の中で積極的にこのような発議をして、厚生大臣ともども国際婦人年はいいみやげを残した、こう言われるような実績をぜひ上げるように御努力を願いたいという強い希望を持つものでありますが、大臣のお答えを求めて私の質問を終わることとします。
○国務大臣(長谷川峻君) 育児有給休暇などについて、小さく生んで大きく育てるのが母性の特徴でございますので、これはひとつしっかりいまから御期待に沿うように大きく育てて、ことしは国際婦人年、来年はそれを記念してこんなふうにうまくやったというものをつくりたいと、こう思って御期待に沿いたいと思います。
○柄谷道一君 基本法はどうですか。
○国務大臣(長谷川峻君) 基本法の問題につきましては、おたくのほうでいろいろお考えになっている話も聞いておりますが、私のほうでもまたいろいろいままである問題等々を勉強しながら研究してみたい、こう思っております。
○柄谷道一君 終わります。
○委員長(山崎昇君) 本調査につきましては、本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(山崎昇君) 次に、作業環境測定法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。長谷川労働大臣。
○国務大臣(長谷川峻君) ただいま議題となりました作業環境測定法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 作業環境の測定は、有害な業務を行う作業場につきその空気環境その他の状態を正確に把握し、労働者の健康にとって適正な作業環境を確保するために行うものでありまして、労働衛生対策の基礎となる重要なものであります。このため、労働安全衛生法では、一定の有害作業場について定期に作業環境の測定を行うことを事業者に義務づけているところであります。 ところで、作業環境の測定は、作業環境中の微量の有害物について行うものであり、そのための十分な知識と特殊な技術とが必要であります。 このため、労働省では、適正な作業環境測定を確保するための法制の整備が必要であると考え、それに関する構想を、昨年二月中央労働基準審議会に諮問いたしましたところ、同審議会から適当である旨の答申をいただきました。 その結果に基づいて、作業環境測定法案を作成し、ここに提案した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。 第一は、この法律の目的であります。 この法律は、労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関し必要な事項を定めることにより、適正な作業環境を確保し、もって職場における労働者の健康を保持することを目的としております。 第二は、作業環境測定士及び作業環境測定機関についてであります。 作業環境測定士とは、労働大臣の登録を受け、事業場における作業環境測定の業務を行う者をいうものとしておりますが、この登録を受けるには、作業環境測定士試験に合格し、かつ、所定の講習を修了することを必要とすることにより、作業環境測定の能力の公的な担保を図ることとしております。また、作業環境測定機関とは、登録を受け、他人の求めに応じて事業場における作業環境測定を行うことを業とする者をいうものとしておりますが、この登録を受けるには一定の基準に適合していることを必要とするとともに、登録を受けた作業環境測定機関について所要の監督、指導を行うことにより、その業務の適正化を図ることとしております。 第三は、作業環境測定士等による作業環境測定の実施についてであります。 事業者が、労働安全衛生法の規定により作業環境測定を行うことを義務づけられている作業場のうち一定のものの作業環境測定を、みずから行うときはその使用する作業環境測定士に、他の者に委託して行うときは作業環境測定機関に、これを実施させなければならないこととしております。 その他この法律案におきましては、指定試験機関、指定講習機関等につきまして所要の規定を設けることとしております。また、その附則において、施行期日につきまして、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとし、作業環境測定士または作業環境測定機関による作業環境測定の実施の義務づけその他については公布後二年または一年以内で政令で定める日から施行することとする等所要の規定を設けることとしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(山崎昇君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(山崎昇君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障制度等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十七分散会 —————・—————