公害対策及び環境保全特別委員会 第11号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/06/25
会議録
○委員長(藤田進君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 青木一男君、羽生三七君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君、鶴園哲夫君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(藤田進君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
○徳永正利君 私は、新幹線の新幹線鉄道騒音にかかる環境基準の設定に関する問題点につきましていろいろと質問をいまから進めてまいりたいと思うのでございますが、副総理のお時間がないようでございますので、一問だけ副総理に御意見、御所見を伺いたいと思います。 これは最後の締めくくりでございますけれども、環境基準の告示というものについてはいろんな問題点があるわけでございますが、いずれにしましても、この告示に当たりましては政府全体がやはり責任を持つという体制でなければならないと思うのであります。特に財政的な裏づけ、あるいは新幹線の環境基準につきましても、国の経済力あるいは投資配分の観点から見て、この基準をどういうふうに位置づけるか、また各種交通機関の基準達成等のバランスから見てこの基準はどうあるべきか、必要な財源はどういうふうな方法で確保するか、それから実施体制、特に自治体の果たすべき役割りはどうなんだろうか、それから実施に必要な法的措置、たとえば土地利用の規制などについてどういうふうにすべきか、また、達成期間の意味は一体何か、準備期間等はどういうような点が必要かということ等々について、そういうようなものを総合的にやはり下固めをやった上で告示ということになりませんと、私は環境基準の告示のしっ放しに終わるおそれがあると思います。しかも、しっ放しということは政治不信へ次にはつながっていくわけでございますから、この答申に当たりましては政府全体がよくそういう点に立って御検討いただいて、その上で、しかも国鉄は普通の基準とは違うと思うのです。国が直接もうやらなければいかぬ問題でございます。人にやらせる問題じゃなくて、国が責任を持ってやらなければいかぬ問題でございますから、特に私はその点にあって慎重であってほしい。また、そういう裏づけ等についても総合的な検討を加えられた上で政府の責任において告示する、そのぐらいの態度をとってほしいというふうに思うわけでございます。 この点につきましては副総理はすでに分科会におきまして私の所見に対して同感の意を表していただいておるわけでございますが、まず最初にこの点について御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま徳永さんのお話、この前予算委員会の分科会でお伺いをいたしたわけです。あのときもお答えしたのですが、お答えは同じようなことになりますが、私はもうお話の御趣旨は全く私徳永さんと一緒です。つまり、告示をすると、した以上告示をしっ放しというわけにはいかぬ。これは責任を持って国鉄は実行をしなければならぬ。国鉄は国の公共企業体である。こういうことを考えますと、この告示をするにつきまして非常に慎重でなければならぬと思うのでございます。 政府といたしましては、いま環境問題は国民の大変な関心問題である。それですから環境問題につきまして、国鉄がいろいろ問題を処理する、そういう際には国としても、自身が重大な関心を示し、また国としてもできる限りの協力もしなけりゃならぬ。そういうふうに思いますが、いずれにいたしましても告示が出た以上はこれは実行するんだという立場に立つわけでありまするから、その告示を出すに当たりましては非常に広範な角度で検討いたしまして、それが果たして実行できるのかできないのかという判断を決めた上でこれを行うべきである、こういうに考えます。
○徳永正利君 副総理ありがとうございました。お立ちいただいて結構でございます。 環境庁長官は、そばでいまの副総理の政府を代表しての御答弁をよく聞かれたと思います。環境庁長官のひとつ御所見もあわせて承りたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私はただいまの答弁を聞いておりまして、私ども答申を受けてその内容というものを見なければわからないわけでございますが、ただいま中公審で鋭意検討中でございますから、その内容を答申をいただきまして拝見をいたしまして、当然必要があれば副総理、総理その他関係の方面に御相談をしなきゃいかぬとかように考えております。
○徳永正利君 当然必要があればではなくて、当然必要があるわけなんです。環境庁で金を持っているわけでもないし、あるいは環境庁の指示どおり大蔵省が動くわけでもないと思います。ですから私は騒音は厳しい結論が出ると思います。あるいはなお、厳しくても厳しくなくちゃならぬと思います、将来は。しかしそれがいまどうこうと言うんじゃないんです。やるからにはきっちり、国が告示というのを約束したからには、いま副総理言われたように約束を実行しなきゃならぬ。実行するには一体どういう手だてが要るかということを十分政府全体でお考え合わせいただきたい。そうして政府の責任においていま公害基本法の、後から出てまいりますけれども、環境庁長官の専管事項になっておりますが、そうじゃなくて、ただおれは勧告すればそれでしっ放しだということであってはいかぬと思うんです。そのことをいま副総理にお尋ねし、副総理が、そうじゃない政府全体の責任においてやるんだ、告示したからにはできるようにきちんと政府も協力し裏づけを出すんだ、ということをおっしゃっているわけです。どうかそのようにお取り計らいを願いたいと思いますが、運輸大臣、私は運輸大臣に、こういう問題は勧告を受けられるのは運輸大臣である、運輸大臣はこういう問題について将来ともいろんな勧告が次から次と出てくると思います。在来線の問題も出てくるでしょうし、あるいはまた私鉄の騒音の問題も出てくるでしょう。いろんな問題が出てくると思うんですが、その事前に閣議等において、こういう勧告はひとつ閣議の関係大臣の協議の上で告示をするようにしてくれぬかというくらいのお願いをされる意思があるかどうか、ひとつちょっとお聞きしておきます。
○国務大臣(木村睦男君) 新幹線騒音の問題は、いま中公審の部会で検討をいただいておることは御承知のとおりでございます。近く答申が出ると思います。答申を受けて環境庁長官が告示をされるわけでございますが、環境庁長官が告示をされるということは、すなわち政府が告示をするということになろうかと思います。したがって、告示される前には当然国鉄を監督いたしております運輸省、運輸大臣にもいろいろと連絡等当然あることだと、かように思っておるわけでございます。
○徳永正利君 私の言うのは、当然御相談はあるでしょうけれども、みんな金の裏づけが要るわけなんです。特にこの新幹線の公害問題なんかは銭がなければ何にもできないわけなんです。それを一体政府は、環境庁長官と運輸大臣が二人が話をしたって銭が出っこないのです。そのときにはこういう告示をやる、告示をやるからにはこれは国民に対する政府としての責任を果たさなければならぬ、大蔵大臣はこれに対して裏づけを出せ、こういう告示をやるからという政府全体の——それは閣僚ですから政府の責任にあるのは決まっていますけれども、そういう全体のことによれば閣議決定でこれをやってくれというぐらいの勇気を出して閣僚諸君の協力を求めるような、あなたはやる気持ちがあるかどうかということをちょっとお聞きします。
○国務大臣(木村睦男君) そこで、そこから先の話がこれからになるわけでございますが、告示を見まして当然運輸省といたしましては出た以上は告示を実行しなければならないということは先ほども企画庁長官が話されたとおりでございます。私も同じように考えています。そうすると、現在私が想像しております限りではかなりきびしい基準が出るんではないか。それが告示になりそれを実行するということになりますというと、既存の新幹線関係だけでも二兆あるいは三兆と推測をしておりますけれども、相当な費用がかかる、また技術的にも完全にその基準を実行し得るだけの音源対策がまだできるというはっきりした見通しも立っておりません。研究はいたしております。ですから財政的にも、また技術的にも、これをどう受けとめてやるかという段階になりますというと、ことに財政的の問題につきましては大蔵省、経済企画庁関係閣僚と十分相談をしてその告示を受けるかどうかということを決めなければならぬというふうに私は考えています。したがって、閣議決定するとか、しないとかという問題は問題といたしまして、少なくともそれに応じただけの措置は閣僚の間で十分とらなければ私としても責任が持てない、こういうふうに考えております。
○徳永正利君 これはあなたがそういういま希望を申されるだけで、隣に環境庁長官が、実際告示をされる方がおるのですから、いままでの副総理の御答弁、それから運輸大臣のいま希望と申しますか、所感を述べたわけでございますけれども、環境庁長官はどういうふうにこの答申が出たとき——出てみなければわからぬというような答弁でなくって、出るのはもう目に見えているのですから、どういう答申が出るかは別として、きびしいものが出るだろうということはみんな認めているわけでございますから、出てからよく考えますというような木で鼻をくくったようなことを言わぬで、いま副総理それから運輸大臣の言ったことを受けて環境庁長官はどういうふうな手順をお踏みになるお考えですか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 中公審の答申は政府として尊重するということは基本的な方針でございます。したがって、答申を受けましたらその答申の趣旨を尊重して私どもは行政上必要な措置をとる、その場合に環境基準についてはこれは告示をやらなければなりません。環境基準について告示をやりながら達成基準等について全然触れないというわけにはなかなかいかない。これはいままでの例を見ましても、公害基本法の九条に基づく環境基準というものを決めまして、その目標を達成するための一連の関連のものでございますから、どうしても、それじゃどういうような機関で達成をしなさいということに私どもとしては触れざるを得ないわけでございます。私はもちろん、この答申の趣旨を政府としてやはり尊重する以上、政府の財政当局から、運輸当局から含めまして、ぜひそれを達成するようにするために必要な諸政策については、これは十分ひとつとってもらわなければいけない、これは当然のことだと思うのです。というのは、政府以外の民間の場合に考えてみますと、こういう環境基準を決めた、それについてこういう排出基準を決めたというと、全部、どんなに企業が苦しくとも何とかかんとかやって、工面をしてでもやっていかなければいけない、不況であろうと好況であろうとやっていかなければいかぬときに、政府がやるべきものを、それは実は金がなかなかないからちょっとこれは相当ひとつ待ってくれとかどうとかということは、なかなかこれは私はどうかなと思うのです。ただ問題は、国鉄の必要な資金というものは当然これはもうコストでございますから、国鉄というもののいまのあれから考えますと、一般会計で出そうと、大蔵省が認めて金を出してやろうと、予算づけをしようと、あるいは料金でいこうと、いずれにしても国民の負担なんですから、私はやっぱり国民全体の理解と協力を得なければこれはできない。そのためには国会の方の御協力も得なければいけない、当然国会で料金値上げは反対だとか、公共料金は一切だめだなんて言われて、環境基準だけはやれと言われても、実はなかなかうまくいかないんじゃないかと思うので、そういう意味で、国を挙げて取り組んでいただかなければいかぬのでございます。しかし、私ども環境庁としては、どうしてもこの環境基準を守るためにできるだけ早く目標を達成していただきたいという基本姿勢だけはこれはやっぱり貫いていかなければ、国民の健康を守る立場の私の責任は全うできない。そのためにいま先生がおっしゃるようないろんな機関に呼びかけをして、そして相談をしてやるようにするという努力をするのは当然のことでございますから、それはもう御趣旨と私はちっともたがわないつもりでおるわけでございます。
○徳永正利君 どうも、最後の方はやや私の質問に答弁らしきものの言葉になってきましたけれども、前段は全然環境庁のことばかりおっしゃって、答弁になってないと思うんです。私はそういうきびしい答申を、勧告をしちゃいかぬとかなんとかということをこれほども触れているわけじゃないんですよ。尊重されて答申されるのはいい、まだきびしいものに将来はしていかにゃいかぬということなんです。ただ、尊重しておやりになる場合に、右から左に審議会を隠れみのにして、審議会が言うてきたからおれの知ったこっちゃない、やっちまえというような無責任な行政というものはあっちゃいかぬ。行政の責任において告示するからには、やっぱり国民に対して行政の責任をとらなければいかぬ。それは政府がとるわけなんです。憲法にもちゃんと書いてある。それで、環境庁長官はそれをやる場合に、しかるべき関係閣僚とよく相談して、私はこれをやりますよ、皆さんやるから協力をしてくれと、その何といいますか、意思の統一を見ておやりにならぬと、環境庁は国民の健康とあれを守るのだと、だから審議会というものがあるじゃないか、審議会が答申するのはあたりまえのことだ、答申が出たらそのままかどうか、とにかく尊重してやるのだと、そういうことじゃなくて、政治をやらなければいかぬのですから、その告示が政治不信につながるようなことがあっちゃいかぬということを私は心配してお願いしているわけです。私の趣旨はおわかりいただけましたでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は先生の御心配と御趣旨は十分わかっております。環境庁は基準を決め、それに至る達成のいろいろな方途を決めましても、自分がやるわけじゃありません。やっぱり国鉄なり、運輸省なり、あるいは財政当局なり、関連のところが全部やっていただかなきゃいかぬわけでございますから、当然そういう意味においては、政府一体となってこの問題の処理に当たってもらわなければだめなわけでございます。同時に、国民全体の理解も得なければいけないわけでございますから、そういう意味で、先生の御趣旨は私は十分理解した上で申し上げているつもりでございまして、これはもう私どもだけで一人で力んでみたってできるわけではありませんので、実施官庁というものが、またそれをいろいろ裏づける関係の官庁というものが、当然これに協力してもらわなければできないことでございます。同時に、それはすべて国民に返ってくる問題だから、国民の理解と協力を得なければできない問題だと、こういう認識の上に立って申し上げているわけでございまして、したがって、そういう認識の上に立って考えれば、当然先生のおっしゃるように、私はそれぞれの所管の関係者に十分理解を得まして、この告示をその他の手続を進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
○徳永正利君 わかりました。副総理もおっしゃるように、はっきりとお考えを述べておられるのですから。経企庁長官じゃないのです、きょうお呼びしたのは。三木内閣の副総理——きょう総理をお呼びしようと思ったけれども、総理をこの問題だけでお呼びするのはどうかと思いまして、かわって副総理に来てもらったわけでございますから、その点を両大臣はよく御理解をいただきたいと思います。 もうそこまで言ったら、あとは大したことはないんですけれども、時間もございますからちょっとやってみたいと思います。 環境庁が四十六年の九月二十七日に審議会に諮問してからもう三年何ぼになりますが、この中公審における検討の経過、それから予想される答申の内容、こういうものについておわかりだったら御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私から大筋を言いまして、あと詳しいことがあれば局長からお願いしたいと思いますが、望ましい環境基準としては、七十ないし七十五ホンというものを環境基準としてどうも御答申をいただけるような趨勢にあるようでございます。これが望ましい環境基準としてお決めいただく場合の、その達成期間といいますか、こういうことにつきまして種々御議論がいまございまして、なかなか答申の最終的な案がまとまっていないというのがいまの中公審の振動部会の現状でございます。
○政府委員(春日斉君) 新幹線の鉄道騒音にかかわります環境基準につきましては、騒音振動部会の下部機関でございます特殊騒音専門委員会で、去る四十八年の八月以降二十四回にわたりまして慎重に審議が行われました結果、本年三月に専門委員会の報告がまとまって、騒音振動部会に提出されたわけでございます。で、部会におきましては、この特殊騒音専門委員会の報告をもとに、三月二十九日以降、現在まで六回にわたりまして審議が行われております。特に、騒音防止に関する技術的な可能性の問題、あるいは各種施策の実施体制の問題、あるいは所要経費の問題、こういった面から慎重な検討がなされてきたところでございまして、近く答申が得られるものと期待しておるわけでございます。
○徳永正利君 この専門委員会の報告の内容を見ますと、達成がむずかしいと言って主張している向きがあるようですが、それは何が達成がむずかしいのか、運輸大臣、おわかりだったらひとつ御答弁を願います。私は告示をしたら、もちろん先ほどのお話のように、大蔵省も何もみんなしてこの告示を守るという決意のもとに告示されるということでございますから、そうなれば金も相当の裏づけを出してもらわなきゃなりません。また、人手の問題もあるでしょう。一番最初に八項目私は並べましたが、そういうような問題等々を検討してやれば私は達成できぬことはないと思う。非常に達成が困難だというようなことを専門部会の中で言われておるようでございますが、それはどういう点か、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(後藤茂也君) お答え申し上げます。 新幹線を所管いたします運輸省といたしまして、ただいまもお話がございました専門委員会が三月にまとめられた報告書、これがただいまの部会の御討議のいわば素材になると承知いたしますけれども、この報告書に述べられておりますいろんな達成期間についての考え方、これにつきましては、私どもはただいまの国鉄の現状、ただいまの新幹線の騒音の音源対策についての技術開発の今後の見通しと、こういったようなものを勘案いたしまして、そこで報告書に掲げられておりまするような達成期間というものはきわめて厳しく、現実に照らしてみますと非常にその実現が困難であるという考え方を持ちまして、先生御指摘のように、部会にも私どもの考え方を説明させていただいております。 さらに詳しく御説明申し上げますと、七十−七十五ホンという基準が報告書には掲げられております。現在の鉄道の技術、今後の技術開発の見通しから申しまして、短期間に実際音源をその程度まで下げるということは、非常に的確に見通すことはできない。したがいまして、このような基準を実際上満足させるためには、音源対策もさることながら、沿線にお住まいの方の防音工事をいたしますとか、希望されるお方の立ち退きについて買い取りをいたしますとか、そういった障害防止対策が実際上主たる対策にならざるを得ないのではないかと思います。そういったことを進めますのに、たびたび言われておりまするけれども、その対象となります家の数は、東京から博多までの現在走っております新幹線のみにつきましても相当の数に上りまして、これをそのような措置をいたしますにつきましては、いろんな準備が要る。現に、昨年以来実際に国鉄はきわめて小規模ながら八十五ホン以上の地帯についてそれをやっております。その経験から見ましても非常な準備体制が要る。もちろん、その措置を進めますのには財源が要る。もちろん要員も要る。また、関係の公共団体の御協力もいただかなければならない、こういうことでございます。申すまでもなく、ただいま国鉄は経理的にきわめて破産に近い状態になっておりまして、その再建問題を私どもは一方では是が非でも解決をしなければならない立場に立っておりますので、そういうことと考え合わせますと、この報告書に掲げられておる達成期間というものを厳格に、誠実に達成するということは非常にむずかしい、事実上不可能ではないかという見通しを立てておりまして、御説明申し上げている次第でございます。
○徳永正利君 事実上不可能であるという声が非常に小さかったが、確かにおっしゃったと思いますが、しかし、勧告が出たら、これは全力を挙げてあらゆる困難を克服してこれをやらなければならぬ。これはもう努力目標の基準であるということであるわけなんですけれども、国民はそうはとりません。出たら、しかもどういうふうな答申になるか、告示になるか知りませんけれども、達成できなければ減速までやれということまで言われるんじゃないかというようなことが新聞で報道されているわけなんです。そうなったら、住民は、もう持って行くところは裁判よりほかないと私は思います。そういうような混乱を起こしちゃいかぬから、先ほど来前段でいろいろ御意見を述べ、御所見を伺ったわけなんですが、国鉄、運輸省はそういう点については、告示が一たん出たからにはそれに対して全力を挙げてやってもらいたいと思います。 環境庁にお尋ねしますが、新聞報道によると、六月二十一日の部会で、国鉄だけでは基準の達成は困難との判断から、答申本文の中に政府への要望を織り込むようなことになったというようなことが伝えられておるようでございますが、その点はどうなんでしょうか。その辺の答申があった場合に、政府として告示に当たってこの点を十分検討しておやりになるわけでございますか。その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私が聞いておりますのは、部会の審議の中で、国鉄が現在の状況においてなかなかこれを達成するには困難が多い、したがって国鉄だけに、やれるじゃないか、あるいはやるべきだというようなことを幾ら強調しても、政府が財政当局を含め一体的になって、国鉄が実行できるような体制をつくり上げてやらなければ、国鉄の言うように、確かにこの問題はとうてい実現できないんじゃないかという考え方が支配的になってまいりまして、それで環境基準は次のように、あるいは達成期間についても次のように部会としては考え答申するけれども、とにかく政府が一体になってこの国民の健康を守るために、それが実現できるようなあらゆる施策をやれと、こういう強い意思表示が答申の本文としてなされるやに承っておるわけでございますが、いまその辺のところはまだ受け取ってみませんと、どういうような表現になりますか、あるいは私が申し上げたようなことになるのか、そのほか審議会の権限の中には建議というのもございますしいろいろございますから、どういうような形になるのか、私はまだそこまでは実は打ち合わせといいますか、そういうことを承っておりません。ただ、いま申し上げたような趣旨の政府に対する強い要請というものを盛り込んだ答申になるようだ、またそうしなければこれがなかなか達成困難だから、審議会としても強く政府にその点を要望する、訴えるというようないま空気であるように聞いておるわけでございます。
○徳永正利君 中公審の振動部会で答申案が決定されるといたしますと、手続的にはその答申がすぐに環境庁長官に提出される運びとなるわけでございますか。それが一つ。 それから、さきの排気ガスの規制値の答申のときは、私ちょっと記憶にないんですけれども、何か環境庁長官が、これは非常に重大な問題だからさらに中公審の総会にかけることを要請した——これは会長がおやりになることですから権限はないと思いますけれども、要請したような記憶がある、やられたんじゃないかというような記憶があるんですが、まあそれはともかくとして、これだけの大問題でございますから、中公審の総会にかけた方が望ましいとお考えになりますか、どうでございますか。その点をもしも御所見があったら承りたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 中公審のやり方は中公審自体で決めておられますので、今度の振動騒音部会で案が固まったといたします、きまったとしますと、それを会長の了承を得て私に答申を持っておいでになる、こういうことになります。それが第一点。 それから、第二点のお尋ね——おまえはこれだけの問題だから総会にかけた方がいいと思うのかどうなのかということでありますが、これは、もうこの前のときにそうでしたけれども、私が着任したときに三木総理から、国民的な重大な関心のある問題だから慎重にさらにひとつ審議をしてもらうようにという御指示があり、そのときに総理には、私から、それは、おっしゃる総理のお気持ちはお伝えをいたしますけれども、しかしこれは中公審の独自の運営の自主性を持って決めることでございますので、この点はよほど注意して、総理の指示だからこうやりなさいというようなことはできませんよ、だけれども、あなたのお気持ちは会長にはお伝えをしましょう、その結果中公審がどういうような態度をおとりになるかはこれは保証できませんよと、中公審は自主的に、やっぱりいろいろなやり方について、運営の方法なり、その他万般、自主的に決定する機関なんだから、政府が余りそれに関与することはよくありませんよ、しかし、あなたの気持ちはよくわかりますからその辺のところはお伝えいたしましょうということで、いたしました。まあ結果的には、中公審でも、これは大問題だからというので総会におかけになり、総合部会におかけになって答申をいただいた、こういう経過であります。
○徳永正利君 そこで、私は大問題と言ったのは、この問題もそうでございますが、鉄道騒音というのは新幹線だけにとどまらぬと思います。私は横須賀沿線に十年ばかり住んでおったんですが、これは大変なものなんです。屋根が文化がわらだったもんで、三月に一遍くらいかわらが二、三枚はどうしても割れて、振動はひどいし、友達でも泊まりに来ようものなら、——横須賀線は朝の一番の貨車が四時ごろに走るんです、いまはどうか知りませんけれども。そうすると、大概地震と間違えて、びっくりして飛び起きる。そのくらい振動はあるし騒音は激しいわけですけれども、私の子供はそこで生まれたのですが、子供は全然平気なんですね。環境になれるんでしょうね、生まれたときからゆすっておくというと。私どもは十年近く住んでおっても、気にはなっておったけれども大したことはなかった。しかし、私は八十ホンなんというような騒音は、在来線はざらじゃないかと思うのです、私のそういう住まいの経験からすると。 そこで、運輸省は、一体はかったことがあるのかどうなのか。八十ホンの騒音というのは全国的にどのくらいあるか、どういうふうに推定しておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(後藤茂也君) 在来線につきましては、非常に多種多様、また、たくさんございます。したがいまして、十分な測定の実績を持っているわけではございませんで、きわめて若干の測定データに基づいて御説明申し上げます。 きわめて一般的に申しまして、都市の中の高架線におきましては大体七十ないし八十二ホン程度でございます。また、非常に音を立てます鉄橋を渡りますその付近の騒音は八十五ないし九十五ホン程度でございます。ただ、これは、非常に在来線の場合にはレールの規格、車両の構造が多種多様でございますので、いま申し上げましたのはごく一例でございます。
○徳永正利君 そこで、新幹線のこの騒音の答申も出るという段階で、もう旬日ならずして出るだろうと思うのですが、運輸大臣、私は、新幹線の騒音が出たから新幹線はひとつこれでやりましょう、一生懸命走りますというようなことでなく、こういうものはやはり住民の不平の出る前に先取りをしていかなきゃならない。ところが、在来線に手をつけるとなると、これは私鉄もございますでしょう、またその鉄道が敷かれてから家を建てた人もあるでしょう。まあいろいろ、多種多様だと思うのです。しかし、そういうものの対策はどうしようというふうにお考えですか。あるいは、いままで何かお考えになっておったのかどうか。あらばお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(木村睦男君) ただいまいろいろと問題になっておりますのは新幹線が中心で議論をされておるのでございますけれども、徳永委員のおっしゃるように、在来の鉄道についても同じ問題でございます。 〔委員長退席、理事栗原俊夫君着席〕 たとえば七十五ホン−八十ホンといいますと、新幹線ならいけないが、普通の鉄道ならよろしいというわけのものではございません。そこで、新幹線につきましては国鉄はせめて八十ホンに保とうということでいままでいろいろと方法を講じてまいってきておるわけでございます。そうしますというと、在来の鉄道につきましてもやはり八十五ということを標準でいままでも研究をいたしておるわけでございますし、今後も大体八十ホンということを中心に考えてきておるわけでございますが、そこでその八十ホンよりも厳しい規制が基準になって、それを守らなければならないということになりますというと、これは新幹線、一般在来線両方含めまして大変なことになるわけでございまして、こういう厳しい基準のもとでどうやるかということはまだ具体的な方法を立てるまでに至っておらないわけでございまして、そういう問題もあるものですから、今回の規制の基準の決まり方には非常に実行の上で危惧をいたしておるのもそこにあるわけでございます。基準が一たび出ますというとわれわれもその基準を守りたいわけでございます。しかし、守るのには守るだけの準備と研究と手順が必要でございますので、それらを考えて、出た以上は守れる状況のものを出していただきたいということがわれわれの希望であるわけでございまして、一般在来線についての厳しい基準についてどうするかという問題はこれからの問題になるわけでございます。
○徳永正利君 環境基準は、これは環境庁長官にお尋ねしますが、基本法で「維持されることが望ましい基準」というふうに書いてあるわけなんですね。この九条をここに私は書き抜いてきたんですが、公害対策基本法第九条、「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準を定めるものとする。」、今度お定めになるのもこれだろうと思うんです。行政上の政策のいわゆる努力目標であるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 大体そのとおりでございます。政策目標、こういうふうに考えていただければいいんじゃないかと思います。
○徳永正利君 しからば、今度の問題は別にして、いまの環境基準といわゆる許容の限度、受忍限度、その関係はどういうふうに理解をしたらよいか、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(城戸謙次君) 環境基準と許容限度、受忍限度の関係でございますが、大気汚染防止法だとかあるいは騒音規制法等で「許容限度」という表現を使っております。ただ、これはあくまで規制基準との関係、あるいは規制基準そのものとしての許容限度という考え方でございまして、環境の条件との関連での許容限度という考え方はとっておりません。また、受忍限度でございますが、これは社会生活を営む上で各自が受忍すべきであると認められる限度を言っておるわけでございまして、これを超えました場合にその行為が違法性を持つということで民事上の責任が生じ、損害賠償をしなきゃならない、こういう意味合いにおきまして、裁判等で使われておる概念でございまして、法律上は受忍限度という考え方はないわけでございます。
○徳永正利君 わかりました。 そこで、公害対策基本法の中に、国の環境基準確保の努力義務、それから施策実施義務が実は明記されておるわけなんです。これはもう読むまでもないと思います。そこで、新幹線騒音に係る環境基準を諮問した当初から、これは四十六年に諮問しておられますが、その当初から、この環境基準設定に当たっての鉄道騒音規制策、それから騒音防除の対策、それから周辺対策、まあ音源、周辺いろんな対策があるんですが、これをどのような法的規制をとったらいいか、あるいはまた行政措置としてどういうふうにやったらいいかというようなことを頭の中に描いておられましたか。また、現在はどういうふうにこれを考えておられますか。これは環境庁、運輸省、両方から、あったらお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(後藤茂也君) お答えいたします。 現在、新幹線の騒音につきましては、環境庁のお定めになりました暫定基準というもので国鉄に指示をいたしておりまして、国鉄の新幹線は現在音源対策としてとりあえず八十ホンを超えないような各種の施策を行っております。また、一方では、どうしてもそれで八十ホンを超えている各種の地域のうち八十五ホンの地域について障害防止対策、つまり買い取るとか、防音工事とか、そういったような施策を進めるべくいろいろとやっております。これらのことをいたしますにつきまして、国鉄でございますので、運輸省の一般的な監督権に基づく指示ということで、実際の国鉄がいろいろとやるその根拠になります法律というものは新たに必要だとは考えておりませんし、それでいま進めております。 で、将来こういった基本的な新幹線の防止対策というものを進めるに当たりまして将来の検討課題といたしまして、現在考えておる、検討中、勉強中であるということはこれから申し上げる二つ三つのことでございます。一つには、沿線の土地をいろんな形で住民の方に迷惑のかからないように立ち退きの補償をしたり進めていくわけでございますけれども、そのことの実施体制を仮に設立するときに、たとえば飛行場でやっておりますような周辺整備機構といったようなものを考えるといたします。そういったものの体制づくりのためには法律によることが望ましいと思っております。
○徳永正利君 今後これの対策につきましても、あるいは行政措置で進めるのか、あるいは何か立法措置が要るのか、いろいろ問題があろうと思いますが、十分御検討の上万全を期していただきたいと思います。 最後に、私は重ねてお願いをしておきます。時間は十一分しかもうありませんから少し早うやめますが——ありませんから早うやめるというのはおかしな話だけれども、私の同僚の鶴園君が質問を始めますからこれで私は質問を終わりますけれども、新幹線の騒音に係るいわゆる環境基準の告示に当たっては、一番最初に申し述べましたが、速記録を読めと言ってもあなた方読まれぬからもう一遍よく耳に入れておいてもらいたいと思います。まず、国の経済力、投資配分の観点から見て、この基準をどういうふうに位置づけるかということが一点、それから各種交通機関の基準達成度のバランスから見てこの基準はどう一体あるべきか、それから必要な財源はどういうような方法で確保するか、実施体制、特に地方自治体の果たすべき役割りは一体何か、またどういうふうな要請をするか、実施に必要な法的措置は一体どうするのか、いまいろいろ御説明ございましたが、これをやるからには土地利用規制などが要るだろうと私は思うんです。航空機騒音だってそうなんです。あれはもういろんなことをやっているけれども、こっちで土地を買収したかと思うと、もうその隣には新しい家をちょんちょこちょんちょこつくっていくと。成田なんてのはもう歯ぎしりをするけれども、どうにもならぬというようなことが繰り返されているわけなんです。まあ今度の場合はそういうこともないでしょうけれども。そういうようないわば土地利用規制というものはどうするかというようなことも考えていかなきゃならぬ。また達成期間の意味は一体何なのか、準備期間を含めて一体どういうふうに達成期間というものは要るか等々、まだあると思いますよ、私が気のついたところちょっちょっと書いてみただけですけれども。こういうものをさっきは閣議決定と言ったら、どちらの両大臣ともへっぴり腰で閣議決定というようなことをおっしゃらないけれども、まあ関係閣僚とは十分協議して、そうして間違いのないように実施できるような告示をやるということを三木内閣を代表して副総理以下言っていただいておりますから、私はそれに信頼しておるわけですが、こういうようなものを、いわゆる政府のいわば関係閣僚の統一見解を求めて、少なくとも総合対策のための立法も必要でしょう。あるいは財政措置、そういうものをちゃんと検討の上で環境庁告示となることをまあ同時に推進といいますか、告示と同時推進、同時決定と、それほど詰めた言葉じゃございませんけれども、そのぐらいのおつもりでひとつ慎重な、しかも実行のできる責任のある告示というものを政府の全体のひとつ責任の上に立っておやりいただくことを最後に一言お願いを申し上げまして私の質問を終わらしていただきます。何とも、答弁はもうそうやると言って、前言っていただいているのですから、もう強いて要りません。これで終わりますが、ありがとうございました。ただ、質問をしたからには、少なくともその日は最終までここに座って他の諸君の質問を聞くというのは、これはもう議員の私はマナーだと思うんです。しかし私申しわけございませんけれども、帰ってまいりますけれども、あるいは途中で暫時中座することがあるかもわかりませんから、その点あらかじめお許しをお願いしておきまして、私の質問を終わります。
○鶴園哲夫君 私はきょう二つの問題につきまして環境庁初め関係省庁にお尋ねをしたいと思います。 一つは地熱発電の問題であります。もう一つはこの委員会でもたびたび問題になりまして、今日でも、現地でも非常に大きな問題になっております大隅の開発、志布志湾開発の問題であります。持ち時間は一時間半ということになっておりますので、この二つの問題についてお尋ねをしたいと思います。 まず初めに、地熱発電の問題でありますけれども、通産省の方が将来のエネルギーの問題で大変長い二〇〇〇年——いま一九七五年でありますが、二〇〇〇年というようなところを目標に置きまして、サンシャイン計画というのを立てて、そしてエネルギーの開発に一生懸命努力をしておられるわけです。そのサンシャイン計画の中に地熱発電が入っております。そして、いまこれが四十八年に若干の予算がつきまして、さらに四十九年に八億じらいの予算がついて、本年、五十年度に十九億ぐらいの予算がつきまして、進められておるわけであります。しかし、この地熱発電というのは、いろんな意味で大きな問題を持っておりますし、特に自然環境の破壊という問題、これは一番大きいと思うんですけれども、それと公害の関係で、またいろいろ未解決の問題を大変抱えておると思っております。そういう立場からお尋ねをしたいわけですけれども、まず通産省は、きょうはエネルギー庁の石油部長が商工委員会に出ておられるようであります。そこできょうは課長が見えていると思うのですけれども、伊藤さん見えていますね。 まずこのサンシャイン計画の中における地熱発電の地位というものについて簡単に聞かしていただきたいと思います。
○説明員(伊藤栄一君) サンシャイン計画では、新しいエネルギーといたしまして数十年後にエネルギー需要の相当部分を賄い得る新しいクリーンエネルギーといたしまして、当面太陽エネルギー、地熱エネルギー、合成天然ガス、それから二次エネルギーとしての水素、この四つをテーマに取り上げておるわけでございます。その中で地熱エネルギーはその包蔵量が莫大であること、それから純国産のクリーンエネルギーである、そういうような理由から高く評価されておりますので、その大規模な開発は新技術の開発を前提としておる、そういう観点から現在の技術ベースにおきましても相当程度の開発は可能でありますが、これをさらに大規模に開発するための長期的な展望に立ちます新技術の開発、そういったことでこれを積極的に推進しようと、そのようにしているわけでございます。
○鶴園哲夫君 この地熱発電を、大変長い話なんですけれども、しかしいまお話のように、新技術の開発あるいは純国産のエネルギーだということ、さらに地下に大変大きなものがあるというようなところから、積極的に進めようというお考えのようでありますが、昭和六十年度にこの地熱発電というのはどのぐらいの比重を占めるものか伺います。
○説明員(伊藤栄一君) 昭和六十年におきますエネルギーの試算につきましては、総合エネルギー調査会で昨年まとめたものでありますが、その中で、地熱につきましては最大六百万キロから最小限百万キロ、これを試算いたしておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 次に、現在すでに四カ所の地熱発電がこれは発電をやっておりますし、それから建設及び計画中のものが三カ所、計七カ所あるわけでありますが、既設のものは大体まあ一万キロワットアワーの程度のものと言っていいと思います。で、いま建設または計画中のものが大体五万キロワット・アワーというこれは大きな規模なものになるわけでありますが、問題はいま申し上げましたこの七つの地熱発電、これがいずれも自然公園の中に、一つだけがはずれていますね、北海道の森という発電所、これが一つはずれておりますけれども、あと六つが、一つを除いて全部が国定公園、国立公園の中にあるという、これが私はこれから問題にし、またしなければならぬ問題だと思っているんですけれども、ことしの予算で全国の十二カ所の地熱発電の精密調査が約八億円の金を使って行われるわけですが、この間、聞きますと、この中の一カ所ぐらいは国立公園から除かれておりますが、この十二カ所ともいずれも国立公園のごく近接したところで、精密調査を行われる予定になっているようであります。鹿児島に問題になっております霧島、それと開聞岳、阿蘇の問題がありますが、いずれも国立公園でありますけれども、そのごく近接したところで栗野で一カ所、それから牧園町で二カ所、さらに開聞岳ではすでに精密調査が終わっているようでありますけれども、これはいずれも国立公園にきわめて接近しているわけですよ。素人目には国立公園の中にあるじゃないかというぐらいにきわめて接近しているところにあるわけです。鹿児島の場合は三カ所ともそうです。それ以外のところも、先ほど申し上げたように十二のうちのほとんど全部、一カ所ぐらいはずれているぐらいで、国立公園あるいは国定公園にきわめて近接してあるわけです。ですから普通の人が見ますと、これは国立公園の中ではないかというふうに思うんですけれども、実際は精密に言うとはずれているらしいですね。ですからもうきわめて近接して行われているわけです。そこでまず一つの開聞岳のやつですが、これは国立公園になっておるんですけれども、ちょっとはずれて山川町で掘ったわけですね。掘って基礎調査をやって、精密調査もやったわけですが、これが中止になったというふうに言われているわけです。これが今後どうなるかということと、それから霧島の国立公園に接近していて、これから精密調査を行われる栗野の一カ所と、それから牧園町の二カ所、これはどのような形で精密調査が行われていくのか、まずその点をお尋ねをいたします。
○説明員(伊藤栄一君) 開聞岳周辺につきましては私ども前年度、四十八年度に基礎調査を実施いたしました。四十九年度、昨年度ボーリングを実施いたしまして、精密調査として、地下温度も測定したわけでございます。先ほど先生御指摘がございましたけれども、これは途中若干の事故がございましたが、調査といたしましては年度末に一応完了いたしたわけでございます。この地区の今後の開発につきましては、現在それらの調査結果を評価いたしまして、さらに開発事業者が決まりました段階で調査井を掘り、さらにその開発の規模を決めていく、それに当たりましては当然関係法令の許認可のほか、地元の御了解の上で開発に着手される、そのように考えております。 それから五十年度精密調査を実施いたします霧島地区でございますが、お話のように牧園町と栗野町におきまして合計三本のボーリングを予定いたしております。現在、地元県に私どもの計画を御説明した段階でございまして、これは昨年度基礎調査としまして地熱の一般的な広域の調査を実施いたしました。その結果、いま申し上げます三地点でボーリングするのが適当である、そのような評価をしたわけでございます。今後この地区につきましては、このボーリングの結果等を持ちまして、この地域の開発期待量、そういったものを試算して、開発に当たりましてはその事業者決定の上でその実施の指導をしてまいりたい、そのように考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 その開聞岳の近くで掘りましたやつが五百メートルぐらい掘って塩水が多いというところで、塩水が多いというとどうしても機材その他を腐食をしますから、そこでそのままになるんじゃないかというふうに見られておるわけですね。基礎調査をやった、そして精密調査をやった、結論はそうだと、しかしここで新しくそれをやろうという企業が出てきた場合に、再度精密調査とか何とかやるわけですか、それとももうこのあとは企業がやるわけですか。
○説明員(伊藤栄一君) 私どもで実施いたしております精密調査は各地点数本の構造試錐と称します地層の柱状サンプルを取るわけでございまして、地下構造をこれで知るわけでございます。掘り上がったあとでその地温の変化を測定する、そういった基礎的なデータを得るわけでございます。地熱発電の実施に当たりましては、地下の蒸気性質、それから蒸気量、その他の特性を調べた上でありませんと発電の具体的な詳細が決定いたしませんので、その調査井の段階は各企業が実施する、そのように掌握しておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 すでにその企業その他は決まっておるわけですか。
○説明員(伊藤栄一君) 現在開聞岳地域につきましては、企業は特定して決まっておりません。二、三の社が検討を行なっておる、このような段階でございます。
○鶴園哲夫君 そこでまあ話をいろいろ聞きますというと、先ほど私が申し上げましたように、現在既設のものを四カ所、これはいずれも自然公園の中にあります。それから計画及び建設中のものが三カ所あるわけですが、そのうちの一カ所を除きまして後はこれまた自然公園の中にある。このことは自然公園の中にどえらい大きな発電施設が持ち込まれるわけですね。ですから井戸を石油採掘の技術で掘る。それは三本か四本か五本か知りません、大変なものをつくらなければならぬだろうと思いますし、さらにそれを冷却する大変巨大な施設をつくらなけりゃならない。これは丸ビルぐらいのでっかいものをつくらなけりゃならない、それにいま普通の発電の施設をつくる。そしていまのところ一カ所、松川だけは蒸気でありますが、あとは全部熱水ですから、熱水の配管網をめぐらさなければならない。さらに鉄柱の送電塔をつくっていかなけりゃならない。いま一万キロワットですが、今後のやつは大きな型になって五万キロとなるということになりますと、これは少なくとも坪数にいたしましても十万平米、十五万平米というようなものが要りますし、その中に、いま申し上げたような大変な施設が持ち込まれると、その建設するための資材のために道路も持ち込まなければならないというような形で、一見して国立・国定公園の景観を大規模に壊すという印象を非常に強く持つわけなんですよ。今後これから六十年度に進められようとするのが最低の規模で百万キロワットということになっておりますが、まず二百万キロワットというような形になりますと、これは五万キロワットのもので言いますれば四十ぐらいのものをつくらなければいけない。先ほど申し上げましたように、いま精密調査をしているところは国立・国定公園に本当に接近してつくられているわけですね。いかにもその国立・国定公園が壊されるのじゃないかという感じを非常に強く持つわけなんですけれども、こういう国立・国定公園の中にそういうものが続々できていくという可能性が非常に強いわけですね。実際上は国立・国定公園でなくて非常にすれすれのところにできたとしても、これはもう国立・国定公園をつぶしているのじゃないかという感じをだれしも持つような形でできようとしつつあるわけです。 そこで、環境庁にお尋ねをしたいのですけれども、いま七つの中の六つが国立・国定公園の中にあるわけですけれども、そういう国立・国定公園の中にこういうどえらい大きな、国立・国定公園の景観を大規模に物理的に壊すようなものをつくるということについてどういう許可をしていらっしゃるのか。いままで許可してこられて、これはできておるわけですから、どういう考え方を持っていらっしゃるのかという点をお尋ねいたします。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 地熱発電所につきましては、それを設置するについて、先生おっしゃいますように、たくさんの地熱発電井——井戸ですね——が掘られるとともに、また大規模な発電施設とか、あるいは輸送用のパイプ網とか管理施設、施設の造成用の機械、資材運搬というようなことのための相当の道路というようなものをつくるというようなことで、相当あの地域の自然に手をつけるというようなことで、自然環境の保全上相当の問題があるという問題意識を私ども持っているわけでございまして、しかしながら一方におきまして、いろいろとエネルギー問題ということも非常に重要な問題になってきつつあるわけでございまして、その研究、実験あるいは調査というようなことは、これはやっぱり進めていく必要がある面もあるわけでございまして、したがいまして、そういう現段階ではまだ研究、調査の段階あるいは実験の段階ということで、先ほど先生もおっしゃいましたような国立・国定公園内には、国立公園に五カ所、国定公園内に一カ所、合計六カ所について実験的な意味において認めておるわけでございまして、現段階におきましては、その六カ所以外に認めるということは考えておらないわけでございます。
○鶴園哲夫君 六カ所は国定公園、国立公園の中に実験的な、あるいは調査研究的なという意味合いにおいてつくることについて許可をした、それ以外については考えていないんだというお話でありますが、先ほど私申し上げたように、五十年に十二カ所井戸を掘るわけですが、精密調査をやるわけですが、それがすべてといっていいぐらい自然公園にきわめて接近しているということは、国定公園、国立公園の中に許可されないことになったから、したがって、そのごく接近したところに、外れたところにつくらざるを得ないというようなことになっておるのではないかと思うんです。鹿児島の場合も、これは先ほども申し上げましたですが、開聞岳もこれは国立公園ですし、霧島もこれは国立公園です。ですが、いま進めておりますのはごく接近している。本当にようあったなあというぐらいのところに始まっているわけですね。ですから、形としては完全に国定公園の中でやっておるじゃないか、国立公園の中でやっておるじゃないかという印象をだれしも持つぐらいなところで始まっておるわけなんですね。私は、ですから、言うなら国立公園あるいは国定公園、こういうところに今後の地熱発電の適地というもののほとんどがあるというふうに見なければならぬのじゃないかと思うんです。が、しかし、そこの中は許さない、許可しない、それは当然だと思う。これは自然を守っていく、国立・国定公園を守っていく、景観を損なわないという環境庁の立場からいえばこれは許すべきでないというふうに思うんですね。ですが、許さないということになりますと、いま言ったようにごく接近している、よう見つけたなあというところへ、私に言わせればもぐり込んだような形で始まっている。そして、そこへ先ほど申し上げたような大変な大きな施設ができるんですから、これは水力発電どころの騒ぎじゃないんです。聞いただけでも大変に大きなものができる。いま五万キロワット・アワーという程度にしましても、これは面積もどえらいし、それから施設その他は大変でかいですね。いかにも景観をつぶしてしまうという感じを私は強く持っておるんですけれども、環境庁はそういう立場なんですが、通産省はそういうことは余り気にしていないという考え方になるのかどうか、通産省の方はどういう考え方なのかというふうに思うんですけれども、そんなことは構わないんだというお考えですか。
○説明員(伊藤栄一君) 現在、私どもは基礎調査の後を受けて精密調査を実施しておる段階でございまして、これらは、さらに開発になります過程におきましては自然公園地域は当然その関係法令のお許しいただける範囲ということで考えておりますし、さきに御指摘のございました景観問題、熱水問題等は十分周辺に影響がないように各企業を現在も指導しているところでございますので、そういう点の配慮は今後とも十分してまいりたい、そのように考えております。
○鶴園哲夫君 そこで、昨年、一昨年あたりから、そして現在もそうですが、この地熱発電の議員立法が相談されておるわけなんです。私も手元に議員立法の案をもらいましたですが、地熱資源開発促進法という議員立法の案がまとまりつつあるわけですね。まとまっていると言っていいですね、案となっておりますが、いずれも問題なんですけれども、問題点はたくさんありますが、その中で第九条に、地熱発電といっていいんですが、地熱発電の調査あるいは施設の設置、それから地熱資源の採取、そういうものについて自然公園法あるいは温泉法その他の法律の規定による許可その他の処分をするに当たって、各関係省庁は円滑に進むように協力するという条文があるわけなんですね。私は、先ほどから申し上げているように、地熱発電の適地というのは、ほとんど大部分について、もういまの例からいいまして九九%というのが国定公園、国立公園にある。しかし、そこは許可しない。そこでごく近接した周辺にやらざるを得ない。それが地熱発電の障害というふうに受け取られているんじゃないだろうかと思う。その障害を取り除くには、これは自然公園は環境庁が速やかに許可するということが最もいいと思う。それにはこれは環境庁がそういう法律を出すわけはないわけだ、たてまえからはっきりしておるわけですから。そこで、こういう議員立法というものが相談されて、第九条でそういうような形で調査についても、あるいは採取にしても、施設にしても、自然公園法等々の許可について協力せいと、配慮せいという形で進めようとしているのではないかという私は疑念を非常に強く持つわけなんです。言うならば、この議員立法の焦点というのは第九条にあるんだというように、印象を非常に強く受けるわけなんです。これは私は、日本の数少ない国立公園、国定公園、こういうものを今後われわれが守っていく上について非常に重大な問題だというふうに思っておるわけです。その点について追加して申し上げたいんですが、先ほど申し上げた通産省の方から話がありましたように、これから昭和六十年にかけてできる地熱発電というのはまず百万キロワットというふうに言っていいと思うんです。百五十万にいたしましても、二百万にいたしましても、どっちでもいいんですが、百万キロワットとしてそれが六十年度のエネルギーの中に占めている割合というのは〇・三%なんですね。ごくわずかなものです。そういうごくわずかな〇・三%というような、どうやってみても、これはうまくいってみても〇・四か〇・五ぐらいにしかならないそういう発電のために、貴重な国定公園、国立公園というものの景観が大規模に物理的に破壊されていくということは、これは国民は絶対容認しないと思うし、合意できないと思うんです。しかも、これが今後十年、二十年に続いてわたっていきますとなりますれば、これは日本の国立・国定公園の中は完全に破壊されてしまいます、これじゃ。そのわずかな発電のためにそういった大変な犠牲をこうむらなければならないということはこれは耐えられないし、国民の合意は得られないと私は思うんですけれども、そういう議員立法が進んでおるということについて通産省も十分御承知だと思う、環境庁も御承知だと思うんですが、それについての考え方があったら、まあ感想でもいい、感想ぐらいなものですな、これは議員立法ですから。感想でもあったらちょっと聞きたいと思いますね。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 法案の問題については、まだ具体的には伺っておるわけではございません。そういう案のようなものがあるというふうに伺っておりますが、基本的な考え方といたしまして環境庁といたしましては、地熱発電につきましては、まだいろいろな調査、実験の段階でありまして、先ほどの自然環境の保全上の問題とか、あるいは有害物質からくる公害問題とか、いろいろな基本問題がございますので、そういう解決が図られないままに、現段階におきまして実用化を促進をするというようなことを急ぐということは国策としては適切でないというふうに思っておるわけでございまして、先ほどの法文の九条の関係につきましても、エネルギー問題の緊急性を強調されておるんだと思いますが、これが国立・国定公園等の自然環境の景観の地の開発の便宜を図るという趣旨であるとすれば、遺憾ながら私どもはそういう考え方には賛成しかねるというふうに思うわけでございます。
○国務大臣(小沢辰男君) いま試験的に国立公園、国定公園の中でやっております、六カ所ございますか、これを私着任しまして聞きまして、 〔理事栗原俊夫君退席、委員長着席〕 どうしてこんなのを認めたのかなと思ったんです。最も景観のいい場所、十和田とか、その他鹿児島県だったと思いますが、そうしたら、いや、国立公園時代——厚生省時代に試験的なあれとして認めたんだと、こういうことでありまして、私は、やっぱりわが国のエネルギー政策全体というものをようくひとつ将来にわたっての技術開発の状況等も踏まえて考えていかなけりゃいかぬのじゃないだろうかと。基本的には私先生の考えと同じで、自然破壊それからまた地熱発電による公害的な側面を考えますと、これは慎重の上にも慎重を期してもらわなけりゃいかぬ。現在、たしか国立公園、国定公園の中で行っているものの発電計画というのは二十二万キロだったと思います。いろいろ御要望等あったんですけれども、私どもは非常に慎重なもんですから、そこで国立公園、国定公園以外の地域を選んでいま研究を進めておられるわけでございます。私は、やっぱりわが国のエネルギーというものは、将来一体どういうふうにあるべきかということを、もっと遠い将来まで考えてエネルギー政策の見通しをつけて決めていただきたい。 御承知と思いますが、三木総理が座長になりまして、内閣にエネルギー問題の閣僚懇談会を持っております。まだ私に呼び出しはございません。関係省はそれぞれ関係のあるときに呼び出しがあるということになっております。地熱発電の問題が出れば当然呼び出しがあるだろうと思うんですが、核融合の問題が、恐らく私のいろいろ聞いている範囲では、あるいは二十五年なり三十年なり先には見通しがつくんじゃないかと言われるような今日、また原子力発電というものの比重が、安全性の問題が解決をされていけば、相当このエネルギーの現在の見通しというものは変わってくるんじゃないかと思うんで、わずかいまの二十二万、将来それが百万になり百五十万になろうと、非常にウエートの少ないエネルギーでありますから、なるほど国産のクリーンエネルギーかもしれませんけれども、そういう点を考えますと、貴重な、日本の自然の最もいいところでないと何か地熱発電というものができないような、いまのところはそう言われておる、このやっぱり価値判断というものを考えますと、私どもはもう少し慎重になってほしいという気持ちでございまして、国会で御意思が決まるものを行政当局がこれを批判したり云々するわけにいきません。が、私ども環境庁として考えますと、しかもまた日本のエネルギー全体を考えた場合に、もう少し慎重であるべきじゃないかという気持ちでございます。
○鶴園哲夫君 この問題は、自然公園を物理的に破壊していくという、その点が一つ心配でありますと同時に、もう一つは、公害の点について、クリーンエネルギーだというような言い方がされるわけですけれども、何せ、いま試験中のものは七ケ所でありますが、一ケ所だけが蒸気であって、あとは全部熱水であります。それで一キロぐらいあるいは一キロ五百メートルぐらい井戸掘る。そこから大変な熱水を吸い上げているわけです。別府で言いますというと、大体別府の温泉量というのは一時間に二百トンぐらいの温泉を吸い上げているわけですけれども、五万キロのものがあそこへできつつあるわけですが、五万キロのものができますと、一時間に二千トンという大変な熱量のものが、熱水が吸い上げられるわけです。しかも温泉は五十メートルから百メートルぐらいのところから吸い上げているのですけれども、それ以下の深層のところからそれの十倍ぐらいのものを引き上げなければならない。したがって中に、もちろん蒸気も入っておりますし、それから熱水が入っている。その熱水の中に大変濃度の高い砒素が入っている、さらに硫化水素が入っている。その硫化水素の処理の問題について、あるいは砒素の問題について、これは大変な量ですから、ことに十万キロ出ますと一時間に四千トンという熱水が吸い上げられる。その中に入っている砒素というものはこれは大変なもんです。そこで、いま若干、浅いですが、七、八百メートルぐらいの井戸を掘って、そこへ還元していく、注入していくというやり方を進められておるわけです。しかし、その還元井戸を掘って大変な量のものを注入しておるわけですけれども、一体注入した後どうなるんだろうということについて、あるいは掘った還元の井戸の容量はどの程度あるのかという点についても大変それが不明なんですね、不明確だと思うんです。さらにいまの硫化水素にいたしましても、いまのところ一万キロ程度の小規模のものですが、これが五万キロになってくるということになりますと、これまた大変だと思うんです。どうしても脱硫装置をつけなきゃならぬというようなことになってくるだろうと思うんです。大変な脱硫装置じゃないかと思いますよ。ですから、これは決してクリーンなものではないと、大変その意味では公害の意味から言ってもまだまだ疑問のある、危険性のあるものだというふうに私は思うんですけれども、その点について世上よくそれをクリーンなエネルギーだというふうに言われるもんですから、私はそう思っていない。温泉は先ほど言いましたように小さな温泉——別府は大変湯量の多いところですが、一時間に百トンぐらい、五十トンぐらいで大体温泉というのはやっておるわけですけれども、その近くにいま言ったように二千トンなり四千トンなりという形になってしまって大変な湯量を取ってしまう。そうするというとこれは温泉に対しても非常に大きな影響を及ぼしてくるだろうと思うんです。いまはなくても、これが五年たち十年たった場合に、これは上の方を通っているその下の方を先取りしてしまうわけですから、大変な量を先取りするわけですから、この温泉そのものにもこれから何年かたったら問題になってくるんじゃないかというふうに思うんです。ですから決してクリーンなものでもないし、それからそのクリーンさについても、処理の仕方についても大変に疑問がある。私も、工業技術院で出されましたこの地熱発電についてのいろんなことを書いてあります論文等を見せてもらって、いずれもまだ検討中、調査中で、これからの問題として考えておられるんですけれども、そういう点についてどういうふうに通産省側としては考えていらっしゃるのか。
○説明員(伊藤栄一君) 地熱発電に伴います公害問題は、御指摘のとおり熱水としまして出てまいりますその中に砒素が含まれておるわけでございますが、これにつきましては現在各発電所とも熱水を生産するものにつきましては全量地下還元すると、そういうことで指導しておるわけでございます。地下還元は御指摘のように生産井が通常千数百メートルほどございますが、それに近い若干浅い井戸に戻すと、そういうことで一応還元技術は完成しておると、そのように考えておるわけでございます。 なお、これがどういった循環をするかというようなことにつきましては、さらにその確証を得るべくサンシャイン計画の研究テーマの一つとして今後確認していこう、そのような現在動きになっております。それから一方大気中に出ますものとしましては硫化水素などございますが、これにつきましては現在発電規模におきましては特に問題は起こっておりません。将来これが大規模になりまして五万キロ、十万キロになった時点では、先生御指摘のように脱硫方法が採用されることになろうかと思いますが、硫化水素の脱硫につきましてはすでに各種の工場におきまして実績を持っておりまして、技術的には完成したものと、そのように考えております。
○鶴園哲夫君 還元井の問題ですけれども、大分の別府の近くの八丁原で五万キロワット・アワーの大規模なものが建設中でありますが、これが還元井戸を五つ掘ったら五つともだめだということになっておるようです。それで還元しようにも還元できない。そこで、これは割れ目に当たらなかったからだということで、またいろいろやらにゃいかぬだろうと思うんですが、これは今後これから五万キロワットの大きなものができてきますとそういった問題も十分出てくるでしょうし、それから容量の問題については大変だと思うんです。それから温泉との関係が大変重大だと思うんです。大変なものですから、五万キロで毎時間二千トンという熱水を吸い上げられてしまう。三百度から四百度というような熱量のものを引き上げられてしまったらその上の層から取っておる温泉だってこれは大変なことになってくるというふうに思いますし、硫化水素の問題だってそうだと思うし、決してだからクリーンなエネルギーというふうにはなかなか言えない。今後の問題として非常に研究をしなきゃならぬし、調査をしなきゃならぬし、そういう意味では私は実験段階だと思うんです。 そこで締めくくって私はこういうふうに考えておるんですが、いまの地熱発電というのは環境庁から話がありましたのですが、私もこれを見てみまして、確かに着想として、非常に日本は火山が多いわけですから、火山の中にある地熱というものを一キロ掘る、あるいはさらに進んで将来は二キロ掘るという形の中で地中の熱水というものを取るという考え方はあると思うんです。ですから、そのことが先ほどから申し上げているように大変自然公園の中にこれはもう集中すると言わなければならぬと思うんです。そうしますと、これは先ほど言ったように物理的にこわしてしまう。しかも出てくる発電量というものは、先ほど私が申し上げたように十年たって〇・三%ぐらいじゃないだろうかと、非常に小さなものだと、そのため日本の自然というものが物理的に大規模に勝手な破壊を受けるということは、これは国民がなかなか合意しないと思うんです。しかも、これはきわめて実験段階である、試験的にやっているというふうに言っていいと思うんです。そういうものを促進するような議員立法が進められると、しかもそれは自然公園の中に調査もできるのだと、あるいは発電所もどんどんつくれるのだというような形の議員立法が進められるという、あるいはそういうものが相談が行われているということについては大変私ども大きな疑問を持つわけなんです。むしろ私は反対ですね、こういう考え方につきましては。環境庁長官の意見を伺いましたので、通産大臣にも来てもらうとなおよかったと思いますけれども、そこまで至りませんでしたけれども、私はそういう考え方をもちましてこの問題についてはひとつ終わりたいと思っております。 それから次に志布志の問題でありますが、志布志湾は御承知のとおりに四十四年を初年度にいたしまして十カ年計画の新全総の中に、有名なところではむつ小川原、そして北海道の苫小牧、四国の高知の宿毛、そして鹿児島の志布志湾というのがこの新全総の中に乗っかりまして、そしてまあしておったんですが、しかし苫小牧なり、それからむつ小川原にあっては若干動いております。いろいろ経緯がありましたが、若干動いておるのは御承知のとおりであります。そこで、この新全総はもう御案内のような形になっておるわけでありまして、そこで新しく三全総というものがいまつくられつつあるわけですが、これはできれば五十一年からの十カ年計画と、そして経済企画庁の経済社会基本計画との調整をとりながら三全総の策定が行われていると。で、国会等におきますところの国土庁の説明では五十年の末、来年の三月末ごろにはというお話のようでありますけれども、まあ一番大きな問題は成長率の問題だろうと思いますけれども、いろんな問題があって、私どもが見ておりますと大幅におくれている。で、三全総は来年の秋ごろになるんじゃないだろうかと、そういうような言い方も行われておるわけですけども、その点についての進みぐあいを伺いたいと思います。
○説明員(向井清君) お答え申し上げます。 お尋ねの俗に申します三全総についてでございますが、本年四月二十一日に七十一回の国土総合開発審議会が開かれまして、そこにおきまして新しい全国総合開発計画の調査、審議をお願いいたすとこのように相なった次第でございます。政府といたしましては、先ほどお話ございましたように本年度中に策定する予定ということにしておるわけでございます。ただ、この計画と申しますのは、国土総合開発につきましての基本となる重要な計画でございますし、それからただいまの諸般の情勢からいたしまして検討すべき諸問題というのが多々ございますので、これをどのような手順で策定を進めてまいるかという具体的な問題につきましてはまだ明確になっておらないと、このような段階でございます。
○鶴園哲夫君 この新しくできますところの第三次全国総合開発計画、俗称まあ三全総と言っておるわけですが、この三全総の中に問題の志布志湾が入るかどうか、取り上げられるのかどうかという点についてお尋ねしたいわけです。後ほどこの問題についてもっと詳細に論議をしたいと思っておりますが、取り上げられるのかどうかという点ですね。
○説明員(向井清君) お答え申し上げます。 ただいまお尋ねの志布志湾関係の開発計画につきましては、御案内のとおり以前の新全総におきまして地方別構想というところに触れられておるものでございますが、これにつきましてはこの新全総との関連づけもございまして地元において具体的な検討が進められておるという段階でございます。また、さらに環境事前調査というものも進められていることは御案内のとおりだと思いますが、これらの検討調査の成果を待ちましてこの計画の三全総における位置づけというものを考えてまいりたいとこのように考えておる段階でございます。
○鶴園哲夫君 そうすると、まあいまの中では、現在の段階ではこれが三全総の中に組み入れられるか、入れられないか、まだ未定であるということですか。
○説明員(向井清君) お尋ねの件でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、具体的な内容の検討調査によりましてすべての基本的な方向が決まるかと思いますので、その成果を待ちまして位置づけを決めてまいりたい、このようなつもりでおるわけでございます。
○鶴園哲夫君 じゃ、まあいまのところは未定だということですね。実際はまあいろいろ調査も進められております。ことしも予算が組まれまして進められておりますが、まあそういったものも検討の上でということですが、まあ三全総がどういうことになるのかという点、関連もありますわな。新全総を追っていくというわけにはもう絶対いかないわけであって、新しく第三次全国総合開発計画をつくられる、その中身にもよると思いますけどね。 そこで、次に通産省にお尋ねをしたいのですが、この開発というのが、油との関係が基礎になるものですからね。そこで油の問題について、四十八年度実際に年間消費した石油の量ですね。いまは備蓄がふえてまいっておりますから、ですから実際に四十八年度に消費した量は原油に換算してどの程度のものか、これをお尋ねします。そいつと四十九年度に実際に消費したもの。それから五十年度はいま始まったばかりですが、まあいずれの官庁でも見通し、見込み等を立てるわけですから、五十年度に実際消費する石油というのが原油に換算してどの程度のものと見通されておるか。この三つをお尋ねします。
○説明員(山中正美君) 四十八年度でございますが、二億三千四百十三万八千キロリッターでございます。それから四十九年度は若干減りまして二億一千九百八十四万四千キロリッター、五十年はこれは見込みでございますけれども、私ども、石油業法でいわゆる供給計画によるのでございますが、その供給計画の中で算定しております数字は二億二千八百四十八万八千キロリッター、ちょうど四十八年と四十九年の間でございます。ただ、この数字はあくまで原油の生だきあるいは製油所等で自家消費している分は含んでおりません。 以上でございます。
○鶴園哲夫君 そこで、四十八年が二億三千万、まあ端数はちょっと切り捨てましてですね、二億三千万と、四十九年が二億二千万キロリッター、それから五十年が二億二千万キロリッター程度ぐらいというお話ですね。まあ通産省の見込み、政府の見込み、で四十八年は三億キロリッターだったと思いますね。その意味から言いますと、大変油が節約をされたということになるわけですし、輸入はそう減っていないと思いますが、これはまあ備蓄に回わったり何かしているのだろうと思うのです。 そこでお尋ねをしたいのは、私昨年のちょうど四月にこの委員会で、当時石油部長でありました、いまエネルギー庁の次長やっております熊谷さん、石油部長といろいろこの問題についてやり取りをしたわけですが、まずこの四十九年度末の石油の精製能力、その四十九年度末の石油の精製能力というのは六百二十六万バレルだと、こういうお話です。で、五十年度末にもこれと同じ六百二十六万バレルだと、そこで問題はその石油審議会が答申をいたしまして凍結になっている分が百十三万バレルあったわけですね。まあ当時はあったわけです。これはどうなっているのか。当時いわゆる凍結というふうに言われた百十三万バレル、これの許可はどうなっているのか。そして現在その精製能力というのはどのくらいあるのかという点ですね。
○説明員(山中正美君) お答えいたします。 なお、先ほど私が申し上げた数字はあくまで生産量でございまして、先生御指摘の三億キロリッターに対する数量といたしましては、大体二億八千万キロリッターぐらいと考えております。だから、三億キロリッターが二億二千万キロリッターになったのではなくて、これは生産量でございますから、輸入量からいきますと、三億キロリッターに対するのは大体二億八千万キロリッターぐらいと考えていただきたいと思います。この辺ちょっと誤解が、私の説明不足がございましたけれども、御訂正いただきたいと思います。 それから、現在の能力でございますけれども、四十九年度末で五百六十六万バレルでございます。で、四十八年に石油審議会で御答申いただきました百十三万バレルでございますけれども、これは一応四十九年の九月時点で再度石油審議会からその凍結を解除するような方向で御答申をいただきました。現実問題といたしましては凍結ということは現在行っておりませんけれども、先ほど御紹介申し上げましたように、石油の消費量が従来の高度成長時と違いまして、石油ショック以後一応横ばいのかっこうになっておりますので、現在その百十三万バレルにつきましては、いずれも工事の着工をいたしておりません。 以上でございます。
○鶴園哲夫君 私が先ほどお尋ねしたのは、四十八年度、四十九年度の実際年間の石油の消費量、それを原油に換算したらどれだけになるのかというお尋ねをしたわけです。それで、私は大体二億五千万キロリッターぐらいではないかというふうに見ておったんですけれども、大変少ない数字が出たものですから、いささかちょっとあれしたんですけれども、実際は二億五千万キロリッターぐらいのものじゃないですか、四十八年、四十九年というのは。
○説明員(山中正美君) 具体的に消費量というのは非常に判断がむずかしいわけでございますけれども、輸入量からいきますと大体二億七千万キロリッターから二億八千万キロリッターの間を推移している。それで、在庫量は若干はふえておりますけれども、大体五百万キロリッターくらいのオーダーでしかふえておりませんので、一応二億八千万キロリッターの消費といいますか、精製ロスあるいは自家用燃料等にも使っておりますので、若干の差が出てくる。それから一番大きな差は原油の生だきでございまして、これが二千数百万キロリッターございまして、こういうのをトータルいたしますと、先ほど御紹介申し上げました二千三百万キロリッターから積み上げていきますと二億七千万キロリッターないし二億八千万キロリッター、こういうことでございます。
○鶴園哲夫君 そこで、いわゆる凍結されたと言われた百十三万バレルというものについては答申が再びあって、そしてそれは許可してある、ですが実際上はその建設には入ってない、いまの石油の事情から言いまして、その他の事情から言って、なってないと。それからもう一つ。あなたの発言と熊谷さんの発言が違うのは、四十九年度に六百二十万バレルという施設が四十九年度末に六百二十六万バレルあるんだと。そして、そういう話があって、そしていま百十三万バレルというものが凍結になっていると、こういう話なんです。これは会議録を私持ってきてますよ、ここへね。そういう発言しておるわけですよ。食い違うな。熊谷さんに来てもらって、おれ言ったんだけどなあ、きょう。
○説明員(山中正美君) 先生御質問のあるいは私どもの熊谷次長が御回答申し上げました六百二十六万バレルというのは、四十六年までの答申分が全部で合計いたしますと六百二十六万バレルになる。それから私が申し上げました五百六十六万バレルというのは現在稼動中のものでございまして、四十六年答申でもなお建設中のものあるいは未着工のものもございます。その差が出てきているんだと、こういうふうに考えております。
○鶴園哲夫君 それじゃ、稼動中のものが六百二十六万バレルあるというわけですね。
○説明員(山中正美君) 五百六十六万バレル。
○鶴園哲夫君 幾ら。
○説明員(山中正美君) 五百六十六万バレル。
○鶴園哲夫君 五百、大分違うね。
○説明員(山中正美君) それで先生の御質問、あるいは熊谷次長がお答え申し上げましたのは六百二十六万バレルでございます。
○鶴園哲夫君 それじゃ稼動中のもの並びにその許可しているもの、そしてその後凍結を解除したもの、つまり百十三万バレルですね。これを合わせますと稼動中のものそして許可しているもの含めると幾らになるんですか。
○説明員(山中正美君) 六百二十六万バレルと百十三万バレルを足した数量でございまして七百三十九万バレルでございます。
○鶴園哲夫君 よし。やっと合いました。 いや、ぼくは熊谷さんの答弁をゆうべちょっと詳細に検討してみたんですよ。これはやっぱり答弁というのはよう聞かぬといかぬですね。よう聞かにゃいかぬし、なかなかお役人というのはうまいですからね。よく検討してみましたよ。 そこで、そうすると、許可したもの並びに稼動中のものを入れると七百幾らになるわけですね。
○説明員(山中正美君) はい。
○鶴園哲夫君 よし、わかった。それで合った。七百三十九万バレル。その後石油審議会は答申はしてないというわけですな。よし、わかった。 そこで問題は新全総の中に入っておって、そして実際動いている苫小牧とそれからむつ小川原、そこにはどの程度のものを想定されておるんですか。
○説明員(山中正美君) 石油審議会で御答申いただく前提といたしましては、一応石油の精製会社等から申請があったものについていろいろ御審議いただくことになっております。そういう意味で、現在苫小牧あるいはむつ小川原、志布志等につきましては立地事情もまだ定かでない現在では全然その点を検討しておりません。 以上でございます。
○鶴園哲夫君 そこで、七百三十九万バレルというものが処理する能力を、稼動中のもの、許可しているもの、持っている。さらにいままだ検討はしてないが具体的にはその新全総の中に入って動いている——若干動いているというわけですね。若干動いているむつ小川原、そして苫小牧、これは計画としては大きなものでしたですね。計画としては大変大きなものだったけれども、実際は恐らくそうはないでしょう。まあいろいろ聞いてみますと、二つ合わして百万バレルかな、百五十万バレルかなという感じですね。 そこで、いま七百三十九万というのはもう許可してあるいは稼動しているわけだ。それにいま言った百万か百五十万足すということになれば、どうですか、その精製能力というものは今後十年間はこれでいいということになりゃしませんか。私が石油の量を聞いたのもそういう立場から聞いたわけです、どの程度年間に使うのかと。それで、これから通産省としては産構審の方が五億だとか何とか言っておりますけれども、いまの状態から言いますれば十年後に四億ちょっとぐらいの四億二、三千というところじゃないでしょうか、原油としては。四億二千万という程度の原油であるとすればいまありますものとこのむつ小川原のものを加えて十分能力を持っているというふうに言って差し支えないんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○説明員(山中正美君) 私ども石油審議会の先生方に御審議いただきまして、一応今後五年間のいわゆる石油の需要量というのを御答申いただきました。それに基づきましていわゆる生産設備の計画というのをあわせて御答申いただいたものでございます。その中では一応現在のところ、先ほど御紹介いたしました数字で需給が間に合うということで、五十四年までには一応現在の許可数量の中で当然やっていける、こういうふうに考えております。
○鶴園哲夫君 石油審議会の方は自分の産業の話ですから、多いほどいいということでやるわけでしょうが、しかし、これは総体的な、総合的なものとして考えていかなけりゃならぬわけですし、これからの経済の成長率との関係も非常に密接ですけれども、私がいま原油の関係からいって二億七千万から二億八千万キロリッター、これが十年後にどの程度になるか、大体の想定としては四億二、三千万キロリッターだろうというふうん思うんです。列島改造で言いました七億五千万キロリッターなんというのは、これはまあとても話にならぬわけであって、新全総で言っておりました四十四年を基点にして十カ年計画で言っておった四億九千万キロリッターというものも、とてもとても手も足も出ないという実情じゃないかと思うんです。で、せいぜい言って四億二、三千万じゃないだろうかと。そうしますと、先ほども私が言いました七百三十何万バレルの許可並びに稼働中のもの、それから、これからのむつ小川原、そして苫小牧等々を入れますというと、ほぼこの程度のものをこなすものはすでにあるというふうに言っていいんじゃないかと、こういうふうに私は思っているわけであります。そこで続くわけです。 そこで再び三全総に戻りまして、それから鹿児島の問題に戻るわけであります。 鹿児島の志布志湾は言うまでもなく新全総の中に入っておった。そして、百万バレルの工場をあすこにつくる。それを起爆剤にしてあすこへ大産業地帯をつくろうというわけだったんです。それで、その案が出ましたのが四十六年の十二月です。これが大変住民の反感、反対を受けまして、白紙に戻りまして、そして四年たちまして、ことしの二月にまた第二次案というものが出たわけです。「新大隅開発の方向について」というやつですね。「新大隅開発の方向について」というものが、短いものですが、出たわけです。それは当初の予定の百万バレルから三分の一程度、三十三万バレル程度のものを考えているようですね。まああすこは、これは新全総にものっておったように、明らかに工業の集積は全然ないところですよ全然ないと言ってもいいです、こういう工業の集積は全然ない。で、港湾としては、言うまでもなく宿毛、そしてここの志布志湾、かつて連合艦隊が堂々と入港したところです。すぐそこまで、大変に深い海です。で、田中角榮さんが通産大臣のときに当地にも行ったんですが、これは見逃すわけにいかないと、こんないい深い海がある、これは四十万トンなり、三十万トンなりとかすいすい入るところは日本ではそんなにないんだという話だったんですが、確かにそういう海を備えている。同時にしかし、ここは大変な国定公園です。いま日本じゃないぐらいの国定公園ですね、ここは。そこに石油コンビナートをつくらなければ、あすこは産業基地としてはできていない。突如として造船所ができるわけにいきませんし、突如として何か機械工業が、でかいものが来るわけにいかない。どうしてもこれは最も港湾を利用して、そうして入ってくる石油というものを基盤にして、それを起爆剤にして、そうして機械工業が入ってくる、造船が入ってくる、食品工業が入ってくるという産業地帯というものをもくろんでいることは、もう当然な話なんです。もう新全総では明らかでした。そこで私は、先ほど言ったようなことから言いますれば、これをこれからつくる三全総の中に取り組む必要はないではないか、石油を起爆にしてあすこをやろうというんですから。しかし、石油はもう設備はあります、これは十年は。三全総がこれは十カ年計画ですから、十カ年計画である以上、これに取り組む必要ないじゃないか、こういう文句を言いたいわけなんです。どうですか。
○説明員(向井清君) むつ小川原並びに苫小牧との関連においていろいろお話あったわけでございますが、先ほどお答え申し上げましたように、三全総につきましてはこれから作業を詰めてまいるという段階でございまして、むつ小川原並びに苫小牧におきましても、新全総におきまして地方別の構想、あるいは計画ということで触れられておりましたものを、これとの関連におきまして、地元において計画案ないし計画の骨子というようなものが逐次まとめられておりますので、それぞれ数字的なものも出ておるわけでございますが、これにつきましても志布志と同じようにやはり環境上の問題というものの未検討な課題が残っておりまして、環境事前調査というものを行いつつあるという段階でございますので、それらの調査結果の成果をやはり見ました上で見込みを立ててまいると、その際にいろいろお話ございましたような石油政策全体の動向というものも勘案しつつ、全体の位置づけ、見込みというものを考えてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 まあ私は、石油を起爆にして、むつ小川原にしましても苫小牧にしても、やっているわけです。それで鹿児島の志布志湾の場合におきましても、石油を起爆剤にしてやらざるを得ないということだと思うんです、あすこに大変な大きな工場地帯をつくろうと思えば。また新全総もそれがねらいであるし、三全総もまたそれがねらいなわけなんです。その場合に、先ほど私が積み上げていったように、事情が大変変わってきた。石油の量というものが十年後に七億五千万キロリッターになるなんというのは、だれも考えない。あるいは新全総がつくっておった四億九千万キロリッターというようなものももう考えられないと、これはもう考えられないと皆言っておるんですから、これなものはとても考えられない、手も足も出ないと。通産省としてはいま許可をし、これから許可をしようとするむつ小川原、苫小牧、それをこなすだけで精いっぱいと、これから十年の間は——というふうに見なきゃならぬのじゃないか。そうすれば、この石油を起爆にした大開発というものは、志布志湾は三全総の中に取り組む必要はないと、私はそういう論理なんですよ。それはどうですか、審議官。
○説明員(向井清君) お答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げましたように、全体計画の中に一環としての検討でございますとともに、それぞれの地元におきますところの環境問題等々の諸問題の調査検討ということが絡んでおりますので、それらをやはり総合的に判断いたしまして全国的な計画の中に位置づける、あるいは見込みを立てるということになろうかと存じておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 なかなか進まないようですね。それはもう事態変わっちゃっているんですよ。まあ地元はこれは大変なんですね。この間も九州じゅうの人が集まったんですよ。大変だったですな、反対の気勢を上げましてね。賛成している面もあるんですよ。漁業補償は何千万出るとかというようなことで賛成をしている人もいますけれども、ですが、反対はまた大変なんです。これはむつ小川原ほどの騒ぎじゃないです。 そこで、今後は環境庁長官にお尋ねをしたいわけでありますが、これはまあ歴代の長官に御意見をちょうだいいたしておるわけです。まあ初代の長官というのは大石さん——これは大石さんが初代じゃないらしいですね。ちょこっとだれか十五、六日前にいらっしゃたそうですね。われわれは大石さんが初代だと思っているのですけれども、まあ初代でいいと思いますが、初代の大石長官には、これは九九・九%解除しないという大変ないい発言をいただいたわけです。それから、小山長官も、これは宮崎の方なもんですから、事情もよく御存じで、そこで現地へ行かれまして、そして現地の方々に対しましてもこれは許可するわけにはいかぬというお話をなさったわけです。ですから、こういういま志布志湾というのは、長官まだおいでにならぬもんですから残念なんですけれども、この間宮崎においでなさったときにちょっと足を伸してもらおうと思ったのですけれども、やむを得なかったのですが、何せ、これはもういま日本に残っている最後のところじゃないでしょうかね。とにかく十七キロが一望におさまるのですから。湾曲しまして、こっちの端に立ちますと十七キロ全部見えるわけです。りっぱなもんですよ。そして陸地の方に約一キロにわたりまして松林が生えていまして、白い砂浜で大変なところです、これは。いま国立公園だ、国定公園だといったって、どこが国立公園か、国定公園かわからぬですよ。あそこだけはきちっとしておるのですから、あのなぎさから沖へ二キロですから、海岸線から二キロ、そして海岸線から一キロ陸地、この十七キロに及ぶ湾曲したところが一望におさまるのですよ。大変なところです、これは。これは、私は環境庁長官として——最後に残っているきれいな松林ときれいな砂浜の湾と、何にもないです、ここには、余計なものは。これを開発のために国定公園を解除するのだとかいうようなことには私はならぬと思いますですね。ですから、歴代長官もそういう御発言をいただいておるわけですけれども——いただいておるというとちょっとばかり妙な話ですけれども、小沢長官にもそれはそうだというふうな発言をしておいてもらいたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私の任務は、美しい自然景観を守り、これを後代に伝えることが私の任務でございますので、私は開発が任務でございません。したがいまして、おっしゃるように私はまだ拝見いたしませんが、りっぱな松林や、りっぱな海岸というものはできるだけ保存をしていかなければならないと考えております。 本日は、先生初め現地をよく知っておられる与野党の先生方おられますので、私がこんなことを言うのはどうかと思いますが、承りますと、開発も大隅半島は遅れておるからしてほしい、同時にまた自然景観も守ってほしいというのが偽らざる何か現地の方々の希望じゃないかと思うわけでございまして、この両方が達成できるような方途をいかに見出していくかということが政治ではなかろうかと考えておるわけでございますので、どうぞひとつ先生方も御協力を願って、私どもの任務を達成できて、そしてまた地元の方々が納得するような開発もできるような方途をみんなで知恵を出し合っていくのが本当の政治じゃなかろうかと思いますので。しかし、私の立場から言いますと、自然景観というものは非常に貴重で、だんだん失われていきますから、これはぜひ守っていきたいという気持ちでいっぱいでございます。
○鶴園哲夫君 長官はそれでいいのですよ、おっしゃるとおりでですね。これは環境庁長官としては、残り少なくなっているああいう国定公園、大変なもんですよ。私は国定公園にしてもらいたいと思っているんですけれども、格上げしまして。大変なところです。これを解除することはいかぬというのは当然の話だと思うのですね。この大隅開発がおくれておりますのは、長官、いま出ましたから、この問題はとにかく十年かかっているのです。ですから、あそこは農業と漁業について、そして観光についてのそういう考え方が大変取り残されているのです。これでごちゃごちゃ、ごちゃごちゃもんできたもんですから、農業も大変おくれております。鹿児島の中でもまだおくれているのです。観光の関係についてもおくれているのです。この国立公園、国定公園というものを活用したいというこれは観光業者、大変な大きな観光関係は熱心なんですけれども、これまたおくれております。漁業がまた——これはまあ当然そうです、埋め立てようという考え方が十年来あるわけですから、漁業施設も大変おくれておるわけです。ですから、この問題をまず手がけるということが必要だと思っています。いまあそこの関係に、大隅町に大変大きな規模の畜産基地がつくられつつあります。いま一カ所進めております。大隅町に三カ所ぐらいできるでしょう。それから直接志布志湾にも一カ所できるでしょう。それから高山町にも一カ所できるでしょう。大畜産基地がなろうとしているわけなんですけれども、十年来この話があるものですから、地価が大変上がりまして、野立ちの——野に立っているやつ——不動産の看板が一ぱいなんですよ。それから街頭に立っている不動産の看板が大変ありまして、地価が上がってまいっている。困っているのですよ。ですからこれはここの関係じゃありませんから、改めて農林水産委員会で論議したいと思いますけれども、ただここでちょっと長官に伺っておきたいのですけれども、もし仮に、もし仮にですよ、あの十七キロある海浜の海岸線の中の六キロなり七キロなりというのを埋め立てた場合に、そうして埋め立てられてそこに工場ができる、煙突が林立をする、そうして停泊の波止場がたくさんできちゃって、煙がもうもう立ち上がっているということになりますと、これはもう志布志湾のいわゆる国定公園の景観というものは、あの雄大な景観というのはこれは完全に損なわれるということになる。その場合に、国定公園というふうには残らぬと私は思うのです。景観が崩れちまったもの、完全に損なわれたものを国定公園ということにはならないと思うのですけれども、仮にということでお尋ねをするわけです。
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど申し上げたのが私の基本姿勢でございますので、いま仮にそういう開発が行われまして工場地帯になった場合に、現在指定されている国定公園を、もう意味がないから解除することになると思うがどうかというお尋ね、その前に、そういう開発行為が行われる前に国定公園をどうすべきか、またどうしなければならぬのかということが起こってくるのであって、たとえ想定であっても、実はそのままにして開発が行われて、工場が立って、船が着いて、煙突が林立して、そうなったときに国定公園の解除という問題ではなくて、やはりその前の問題だと思いますので、どうも、もし仮にそういうことを想定するとすれば、もう当然国定公園をいかにすべきかということを先に解決しなければ、そういう事態にならぬと思うのでございます。私も実はまだ鹿児島県から正式にどうしたいということを全然受け取っておりません。いろいろなうわさを聞いたり、それから新聞も拝見したり、それから三月でございますか、知事さんが地元で発表されたということについての書面は県の出張所の方が参考までに私どもの係のところへ配付をされましたのは見ておりますけれども、その後正式な御協議なり、あるいはそういう考え方で進みたいがという御相談なり、そういうことはまだないものでございますから、何とも私いま申し上げるわけにいかないわけでございまして、環境庁の基本姿勢は先ほども申し上げたとおりでございますから、問題が起こりましてから、いろいろひとつ検討さしていただきたい。特に自然保護については、私は慎重にやるべきである。
○鶴園哲夫君 それじゃもうこれで終わります。環境庁長官のおっしゃいますように、自然環境というものは守らなければならない、志布志湾について、国立・国定公園について守らなければならぬというお話を伺ってこれで終わりたいと思います。どうも。
○三治重信君 私はきょうは大気汚染の問題に限りまして関係の方々に御質問をしてみたいと思います。 ちょうど環境庁から「公害の状況に関する年次報告」も出され、その中にも詳しく報告されておりますので、今日までの大気汚染の歴史と申しますか、いろいろの事件等が起きているわけですが、それを総括して、一応いろいろそういう問題を反省しながら、大体適正な判断の結論が出ればと、こう思って問題を整理してみたわけですが、よろしくひとつ御答弁をお願いいたします。 まず第一に、大気汚染の発生源が固定発生源、移動発生源とあるわけなんですが、こういう現在把握されている大気汚染の発生源が問題にされた年度から今日まで、大体どういうものが多くなり、どういうものが少なくなってきたか、また、この大気汚染の発生源の中でいま一番困っている、また、量が減らしにくいというような問題、そういうものをどう考えておられるか、ひとつまず最初にお願いします。
○政府委員(春日斉君) 御承知のとおり、私どもは大気汚染にかかわります環境基準を決めておるものに、二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、それから光化学オキシダント、この五物資があるわけでございます。今後そのほかに、私どもは、炭化水素あるいは鉛の環境基準、こういったものについても中公審でただいま御審議を願っておるところでございますし、今後弗化物とか、アルデヒド等の問題、プライオリティーに応じてつくっていかなければならぬと思っております。その中で一番大きなものは、何と申しましても二酸化硫黄の問題であろうと思います。二酸化硫黄は昭和四十一年をピークといたしまして着実に減少傾向をたどってきております。非常に、これは国、地方自治体並びに企業等の努力の結晶であろうと思います。少なくとも四十八年は四十二年当時の半分程度にまでは下がってきておる。これは今後とも総量規制の導入等によりまして、さらにこれは下がってくるであろうと考えられます。問題は、一酸化炭素でございますが、一酸化炭素も四十五年ごろまで着実に下がってまいりまして、それ以降横ばいの傾向でございます。炭化水素もほぼ横ばいの傾向と見てよろしいと思います。ただ、問題は二酸化窒素でございますが、これは年次によっても違いますが、やや微増の傾向にあることは事実でございます。しかし、二酸化窒素におきましても、地域によって違いますが、その大きな排出源でありますところの自動車の排気ガス、これは炭化水素でも同じなんでございますが、その五十年度規制、さらには五十一年度規制によりまして大幅な減少計画が軌道に乗りつつございます。今後ともこの点は減っていくものと、かように考えております。
○三治重信君 そういうふうにして把握されておられるのに、この報告書によると、何というんですか、測定局という言葉が出ており、また、それぞれいまおっしゃった規制をした種類ごとに測定局の数や何かが出ているわけなんですが、どうも読んでみると、その測定局が一つずつ別々にできているのじゃなくて、大気汚染の各物質をいろいろ総合的に測定しているんじゃないかと思うわけなんですが、そういう総合的なやっと、また、個別なやっと、どういうふうに分れており、また、そういうものが現在、全体としてどれぐらいの数か、どうもこの読んだ中と、それぞれの規制物質ごとに測定局の数や増減なんかが出ておるんですが、全体を鳥瞰した、いまのこういう規制物質の測定の何というんですか、数。
○政府委員(春日斉君) 私どもがいわゆる測定局と申しておりますのは、国設のもの、それから都道府県並びに指定市の設けておるもの、それから全く指定市ではございませんが、市町村が独自でつくっておられるもの、そのほか大学とか、研究室とか、企業とか、いろいろございますが、前の三者でございますが、私どもといたしましては、硫黄酸化物が一番歴史が古く、かつ測定局が整備されておりまして、全体計画としては千三百五十七ぐらいのモニタリングステーションをつくろうと思っておりますが、すでに硫黄酸化物につきましては測定局は千を超えておるはずでございます。それに続きまして窒素酸化物の測定局、あるいは最近は光化学オキシダントの測定局、炭化水素の測定局と、順を追ってふやしております。しかしながら、すべてが一度にできるわけではございませんので、徐々に総合的にすべての観測ができるようにしてまいりたい。硫黄酸化物については、ほぼ千とお考えいただいてけっこうでございます。
○三治重信君 そうすると、硫黄酸化物の測定局が一番多くて千で、その中に、この報告書によると窒素酸化物、いわゆる二酸化窒素の分が四十八年で二百二十八カ所、それからいまの光化学オキシダントで四百二十五局となっているんだが、これは二酸化硫黄の測定局と一緒になっているものか、全然別のものか。
○政府委員(春日斉君) 測定器は、もちろん、物質ごとに違うわけでございますが、局はほぼ同じだと思います。ただ、自動車の排ガスを中心にいたします測定局などは特別につくっておりますから、こういったものはまた別でございます。
○三治重信君 一応、数をお聞きして、後でその機能をまたお尋ねしますが、また一方、今日まで大気汚染による被害、ことにその中で光化学スモッグによる被害が一番多いかと思うんですが、患者が累計で四十八年末までだと思うんですが、十三万人にも達していると、こういうふうな報告になっているんですが、 〔委員長退席、理事栗原俊夫君着席〕 その被害を受けた十三万人の中でどの程度のものか。また、後でお聞きしますが、重症患者が出たとかいうようなこともありますが、大気汚染によるこういう被害の患者の程度、まあたとえば入院をした者がどれぐらいかかって治るんだとか、入院しないまでも被害者のうちでどういうような被害の患者が多いのかということをお尋ねいたします。
○政府委員(春日斉君) 本年について申しますと、光化学スモッグの発生状況は、六月十四日現在でございますと、全国の注意報発令回数が三十八回で、被害届け出人数が六千八百九十七名ということになっておりまして、昨年同期の百五回、一万一千百四十九名に比べますと、いずれも減少いたしております。それから、ただ被害届け出人数がふえておるのは全国で東京都と神奈川県の二つでございまして、あとの都道府県はすべて減っておるわけでございます。しかし、これからが本番でございますから、ことしは昨年に比べてさらに減るであろうというような予測を軽々に立てるわけにまいりませんが、注目すべきことは、昨年及び一昨年はいわゆる重症被害の届け出がなかったのでございますが、ことしは町田市それから佐原市、ここで数名届け出があったわけでございます。しかし、いずれも一日あるいは数日で退院しておるようでございまして、これがまあいわゆる届け出があった重症被害でございます。もちろんこれがすべて光化学スモッグによる真の患者かどうかということは今後の検討にまたなければならぬと考えております。
○三治重信君 そうすると、その患者の結局症状というんですか、病気はいわゆる一般に言う公害病というだけのことなんですか。どういう被害の中身というんですか、病気の中身は。
○政府委員(橋本道夫君) 光化学スモッグによる被害について届け出た人の人数につきましては、いま大気局長からお答え申し上げたとおりでございますが、その中に患者というのは一体どれぐらいおるのか、私どもはいまそのケースの問題として持っておりますが、ここに大阪あるいは川崎で詳しく調べたデータを見ますと、川崎のデータでは、医療機関にかかったという人は大体〇・三%ぐらいであると、それからほとんどこれは皆学生でございまして、川崎市がそういうときのための医療費を設けておるんですが、それを使った実績は、一週間ほど前聞きましたが、一件も実績はないということでございます。それからよく新聞に出ております非常にきつい症状が出た人の状態はどうであろうかと、これは大阪で大学病院が大阪府等と組みまして網の目を張っておってそこで起きたものを詳細に調べたデータというものを見てみますと、意識がおかしくなったというケースの話がよく出ておりますが、大体全体で一番長い人で十二分ぐらいの状態で、平均すると少しぼうっとしたというのは八分ぐらいの時間であるというようなことでございます。あるいは四肢がしびれたというお話の人等を見ますと、平均して大体一時間半程度というような状態でございまして、目が刺激されるとか、そのような点につきましては大体一時間半から二時間ぐらいというようなところでございまして、病院から出られた後二週間後とか、二カ月後とか、一年間のフォローアップを全部いたしておりますが、それでは異常はないということでございます。そういうことで、私どもの方の公害健康被害補償法の関係で中央公害対策審議会の環境保健部会の中で、一体この公害健康被害補償法の対象疾病として光化学スモッグによる被害者を取り上げるべきかどうかということの議論をいたしました場合に、これは現在までの詳細な医学的な知見ということでは、確かに症状としてはつかまえられるが、光化学スモッグによる病気の患者という形ではこれはそういう形で医学的には決めるわけにはいかない、いま言ったような一過性のものであるということで将来検討の課題でありまして、私どもも非常に関心を持っておりますが、患者さんとして扱うというところまでに、われわれは現在のところ一部のごくわずかな人が短な間医療機関にかかったというケース以外には対象としては取り上げておらない、こういう状態でございます。
○三治重信君 その点ももう少しまたあとでもう一遍具体的な事例で御説明願いたいと思うんですが、それと公害等調整委員会の活動報告の中にある四十七年一万五千九十六件とか、四十八年の一万四千二百三十四件、公害等調整委員会に大気汚染の関係で苦情が申し込まれたということとの関連はどうなんですか。
○政府委員(橋本道夫君) 公害等調整委員会の方に出てまいりますものは、どういいますか、民事の一つ手前で準司法的な機関ということになりますので、大気汚染にかかわるもろもろの苦情で役所に——そこに出ております統計はたしか自治体に上がってきました大気汚染についての苦情であると思います。そういうことでございますので、中には光化学スモッグ等もございましょうし、あるいはそのほかには野菜とか果実がその被害があったというようなものもございましょうし、あるいは煙がきて煙たいというので、問題のケースもあるでしょうし、それをすべて健康被害という形で把握するわけにはまいらないというぐあいに考えております。私どもは苦情統計として承知をいたしておりますが、健康被害としては分けて考えております。
○三治重信君 そうするとこの健康被害の新聞によく出るやつは公害等調整委員会の苦情の件数ではないんだ、こういうことですか。
○政府委員(橋本道夫君) 健康被害の人数としてどう把握しておるかということでございますが、公害健康被害補償法というのが動いておりまして、その前に四十五年以降、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法というものを引き続いてやっておるわけですが、そこで指定地域の中でこの大気汚染による四つの指定疾病がございまして、その指定疾病の患者として認定された患者さんの数というのが、これが最も公式に医学的な評価も入って、しかも法律上も公害による健康被害としての患者であるというぐあいに把握しておるものでございます。そういうことで、これは先ほど先生の御指摘があった苦情統計とは全く質を異にしております。
○三治重信君 それで、この自動車の排気ガスの規制の行われるに当たっての各種の人たちが議論をされた記録から、若干古いことですが、引っ張り出してみたいと思うんですが、そのうちで一つは、日本の自動車の密度はアメリカの八倍だ、だからアメリカよりか非常に厳しく自動車の排気ガスを規制しなければならぬ、こういうことについていわゆるこの大気汚染の自動車部会でそういう議論が出た、それを新聞の社説で非常に支持したというんですか、それを引用して日本はアメリカよりか非常にそういう自動車の密度が高いから、また一説には平地面積ではアメリカの八倍も密度が高い、こういうような議論から非常に厳しい排気ガスの規制をやらなくちゃいかぬという議論から出発したというようにとられている部面があるんですが、しかし実際は何と申しますか、一番自動車の多いロサンゼルスの地区の自動車の燃料の消費の密度からいくと、ロサンゼルスを一〇〇にして東京都は六〇%程度だ、こういう記録もある。それから環境庁の方で東京湾岸のやつを調べられたこの排気ガスの量からいくと一九%だと。またさらには、パリの市部の地域がちょうど東京の二十三区と似ていると、地域的な広さは大体同じぐらい。そうすると、パリの市地域の中で排出される自動車の排出ガスの量を一〇〇とすると、東京二十三区では五四・五%程度だと、こういうようなことが私が勉強した記録の中にあるわけなんですが、一体日本のこういう自動車の排気量の密度というのは、やはり自動車の数とか平地の面積ということでなくして、やはり一定の地域で自動車から排出される量がどの程度かということの方のが正しいような気がするんですが、こういう三つの問題、三つというんですか、二つの、いろいろ学者が書いている、またマスコミで書いている中で、当局はどういうものを大体正しい考え方だととられておりますか。
○政府委員(春日斉君) 御指摘のように、かつて平地面積当たりの自動車保有台数の比較、これはアメリカに比べて八倍というようなことはあったわけでございますが、これはわが国の急速なモータリゼーションの進展を示す一つの指標として、平地面積当たりという一つの何と申しますか、単位を用いたわけでございます。まあ十数年前はアメリカと日本と平地面積当たりという単位をとってみると、ほぼ同じであったのが、十数年たつとアメリカに比べて日本は八倍になっておる。このモータリゼーションのすさまじさというようなことは、十分今後の窒素酸化物の規制、これをやらなければならぬと、こういうのが真意であると思います。したがいまして、どういう単位をとるかというのは先生の御指摘どおりでございまして、たとえば、人口千人当たりの自動車の保有台数を一九五七年と七二年というふうに日米で比較すれば、五七年に比べて日本は七二年までに約二七・九%、九倍ぐらいにふえておる。アメリカはわずか一・四倍だと。このモータリゼーションのすさまじさということは、ほうっておけばアメリカよりはるかにひどくなりますよ、こういうような一つの何と申しますか、ヘルスエデュケーションと申しますか、例を示したことでございます。 ただ、御指摘のように、アメリカを一〇〇として自動車の排ガスは、日本の場合はどのぐらいかというお尋ねもあったわけでございますが、私どもは五十年度規制を始めておりますので、アメリカに比べますと、一台当たりの排ガス量は、アメリカを一〇〇とすれば、日本の場合、一酸化炭素で二三、炭化水素で二七、窒素酸化物では六三となっております。窒素酸化物については、御承知のとおり五十一年度についてさらに約半分に強化する、こういうことでございます。 ただ、日本及びアメリカの幾つかの都市について、自動車の排ガス量を試算したらどうなるかということでございますが、これは算定根拠が非常にむずかしいものでございますので、単純な比較は私直ちにできないものと考えております。
○三治重信君 そういう問題については、そうすると結局大気汚染の各国の——これからまだ五十一年は暫定値になっているわけなんで、暫定値後いわゆる諸外国との排気ガスの規制の問題が出てくる。そういうときに結局、何と申しますか、モータリゼーションはアメリカを初め先進国各国の比較になると思うんです。そうすると日本のいわゆる今後の自動車の排気ガスをやるのに、アメリカですらこうだ、ヨーロッパでこうだと、それに日本がそういう国よりかさらに非常に厳しくやるのはおかしいじゃないかと、こういう議論が出た場合に、これに対して日本だけ特別に自動車排気ガスを厳しくしなくちゃならぬという理由について、どういうふうに説明したらいいんですか。
○政府委員(春日斉君) 御承知のように、日本のモータリゼーションというのは、今後ともぺースはダウンしてまいりましょう。ことに東京、大阪のような大都市では、保有台数はふえても、走るべき道路のキャパシティーというものが満杯であるために、交通総量というものから考えれば、むしろ横ばいなことが現状でございます。そういう点から見れば東京、大阪よりはむしろその他の都市、ことに中都市等は今後ますます東京、大阪の轍を踏んでくることは事実でございます。そういう意味で、やはり自動車の排気量規制というものをやっていきませんと、行き詰まった東京、大阪の轍を踏むことになろうかと考えます。 それからまた東京、大阪というような大都市は、依然として窒素酸化物の環境基準を超えることがはなはだしいものがございます。そういう意味で、私は日本の大気汚染の現状からしても、これは他の国々の規制がどうであれ、日本は日本としてまだ減らしていくドラスティックな方法をとっていかなければならぬであろう、かように考えております。
○三治重信君 そういう環境庁の方では、この自動車の排気ガスの規制は、今後ますます何と申しますか厳しく規制をしていく意向のようですが、ここでひとつ横浜国大の北川名誉教授ですか、この人があるところで書いているのだと、いわゆる光化学スモッグによる重症被害のやつは、自動車排ガスではなくて、むしろ何と申しますか逆転層現象によってできるもので、自動車排ガスよりかむしろ非常に航空機のようなものの排ガスの方が可能性が強いんじゃないかというようなことを言っているわけなんですが、これは非常に少数説かと思うんですけれども、この意見についてどういうふうにお感じになりますか。
○政府委員(春日斉君) 私どもも北川先生のお説は拝聴いたしております。これは一つのお考えとして、仮説として、私はおもしろい仮説だと思いますが、しかしそれが学会の主流かといえば、必ずしもそうでないということでございます。御承知のとおり、光化学スモッグはその原因が何と申しましても、炭化水素と窒素酸化物、それに紫外線が当たって光化学オキシダントが発生する、それを中心として起こるものだというのが一つの源流なんでございますが、ただそのほかにもいろいろな説がございます。 〔理事栗原俊夫君退席、委員長着席〕 たとえば、発生源別でいえば、工場主犯説とか、あるいは人によれば自動車主犯説とか、北川先生のように航空機主犯説、中にはごみ焼き場の排ガス主犯説いろいろあります。また重症被害に対する原因汚染物質をとってみましても、単なるオキシダントだけではなくて、アクロレイン説とか、シアン化合物とか、硫酸ミストとか、あるいは硫化水素とか、複合相乗説とかいろいろございますし、まあそれを現象別に分けても、あるいは地域の特性別に分けましても、いろいろあるわけでございます。要するに、特定のどんぴしゃりとした決め手がいまだない。われわれも、それから学会も、まだまだ光化学スモッグにつきましては検討していかなければいけないものと考えます。その中の一つとして、北川先生のお説は考えておるわけでございます。
○三治重信君 それから、一番新聞をこうにぎわしております学校の、ことに、小中学生の被害事件でございますが、これについて、四十五年ごろからのやつは、東京都の公害局を初め、自動車の排ガスによる光化学スモッグの被害だと、こういう記事が非常に主力を占め、またそういうふうなことで大体認識されてきたんだけれども、その中で、それの異端説として学習院大学の香山教授のごときは、これはいわゆる何というんですか、心理的パニック状態による一種の集団ヒステリー状況だというようなことが言われておるんですが、これと、それからもう一つは、やはりオキシダントの被害では、先ほどの説明のように、目がちかちかするとか、少しいわゆる気分が悪いというのが普通であって、しびれたり、意識を失ったと、わずかの間でも、そういうのはいわゆるこういうような排気ガスの光化学スモッグの原因とは非常に言いにくいと、言うならば、いわゆる光化学スモッグにおける被害でも軽度の、目の刺激とか、のどの刺激みたいなもので、いわゆる広範にわたってそういう被害届けが出るようなのは、いわゆる排気ガスを中心としたような光化学オキシダントなんだけれども、特定なところに集中して重い症状とか、悪寒とか、しびれとかいうような、ことにこれは学校が多いんですけれども、一番初めは杉並の立正高校、それから練馬の上石神井南中学とか、こういうようなところの重い症状のようなのは、先ほどおっしゃったように長くて一時間か一時間半、したがって届け出て、行ったときには大体回復しているということで、後でいろいろの心因説だとか、ヒステリックのパニックだとかいうふうなことに今日までなっているようなんですが、こういうものに対して、結局光化学オキシダントでは、医学上からいくと軽度の、そういう目とかのどの器管の刺激の程度であって、そういうような倒れるとか、しびれとかいうようなのは光化学のオキシダントがあるかもしれぬけれども、やはりそれだけでそんなになるんじゃなくて、もっとほかの原因があるんじゃないかというのが、ことしの新聞の記事なんかで、いわゆるHC説とか、光化学の中でも今度は非常なほかの原因が一つ加わってきたんじゃないかと。新聞によると、ことしのやつでは、朝日なんかは炭化水素型とか、それからもう一つは——まあそんな光化学でもいわゆる凶暴化した光化学だとかいうような表現になっているんですが、その点は、症状としてはどうも一番初めのときと、ことしが特別凶悪化したというようなことが書いてあるんですが、私がこうずっとたどってみると、そんなに症状としてはどうも違わぬようで、むしろだんだん実体がはっきりしてきたような気がするんですが、その点についてどうか。
○政府委員(春日斉君) 先ほども仰せのように、ことしの光化学はいわゆる炭化水素型の光化学スモックであるということ——あるとすれば——そういうものは私ちょっと考えられない、まあひとつの俗称——そういうものがあるかどうか知りませんが、その点は学問的な問題ではないと思います。ただ、ことしの光化学スモッグはどうやら工場関係の炭化水素が大きな引き金になってるんではなかろうかというような意味だと解釈いたしますが、それはともかくといたしまして、光化学スモッグはことしは凶悪化したかというお尋ねでございますが、先ほど申しましたように、確かに去年及びおととしは、いわゆる重症被害という届け出がなかったわけでございますが、ことしは町田市とか、佐原市に、ごく少数例ではあるがあると、そういう意味からすれば、去年、おととしより凶悪化したのかもしれません。しかし、その前年から考えれば、立正高校のころから考えれば、そういうことも言えないのではないか、これはもう先生の御指摘のとおりだと考えております。ただ、重症被害というものは、すべて光化学スモッグと考えるのは間違いなんだと、これは全くほかの原因ではないかと決めつけるわけにもいかぬのが現状であろうと考えております。
○三治重信君 こういうふうに、一遍、何というのですか、光化学のやつで目まいがしたとか、また、しびれを感じたのは、非常に、何というのですか、繰り返すということがよく出ているんですが、その本人は、そういうことに対して、一度かかると、ほかの人よりかいわゆる重複度が多いというふうに出ているんですが、そういうこと、並びに、そういうことから心因性とか、神経性とかということが言われているんじゃないかと思うんですが、医学的にどうなんですか。そういう光化学スモッグにかかったといわれているものが、同じ人が何回も繰り返す、ことにそういう一遍かった人は、二回、三回と非常にかかりやすいと、こういう問題はどうなんですか。
○政府委員(春日斉君) よく、そういうことを私も伺ったことがございますが、現実問題として、そういう届け出あるいははっきりした報告、私どももいただいておりません。今後とも、そういったことは十分検討していかなければならないと私ども考えております。
○三治重信君 先ほどの御質問で答えがはっきりしなかったのは、いわゆる軽度なやっと、重度なやつと、そういう光化学スモッグでは軽度なのが普通なんで、いわゆるこの前の立正高校や、それからことしの重度のようなやつは、そういうオキシダントによる光化学スモッグ、光化学でもオキシダントじゃないんじゃないかとこういう説、むしろ、いわゆる硫黄酸化物が入ったもんだと、硫酸ミストというのですか、まあよくわからないんですが、そういうふうなことについては、若干そういう疑いが考えられる、こういうことですか。
○政府委員(春日斉君) はっきり申せば、まだ何もわかってないということであろうと思います。重症例の医学的な定説については、まだまだ固まっていないわけでございます。これは私どもも何とか重症被害をつかまえて、どういうふうにその原因を確めるか、昨年もいろいろ網を張って検討してまいったのでございますが、不幸にしてまだ十分な成果を得ていないということで、今後ともこれは続けてまいるつもりでございます。
○三治重信君 そうしますと、非常に自動車の排気ガスやまた固定発生源からのいわゆる大気汚染の浄化のいろいろな規制が行われておるわけですが、こういう問題、そういう量を規制していくと、こういう結局大気汚染による公害の被害というものも少なくなるであろう。また、少なくしなくちゃいかぬということからだろうと思うのです。そういう問題について結局患者の原因、いわゆるこの大気汚染ということによるそういう病気というのですか、非常な苦痛の訴えが出るやつを除くということについての研究は、どういうところでいまやっているか。また、こういう問題について大体目標を、一般的には光化学スモッグが出てくるから、排気ガスや固定発生源のやつを一生懸命で抑えなきゃいかぬ。ところが、それによってこういう光化学スモッグがそれほど減らない、あるいはそれがたまに出ると非常に重症患者が出る、こういうふうになってくると、規制される方も大変な苦痛なんだけれども、規制してみてもそういう問題が、正体がわからぬこう言われると、規制される方にしてみれば、非常に、何たることだ、こういうことになるのじゃないかと思うのですが、したがってそういう大気汚染による公害の疾病についていろいろの原因を調査、研究されておるのでしょうが、大体そういう問題について結局研究をどういう方向で、またどのくらいの規模で現在行われているのですか。
○政府委員(春日斉君) 実は自動車の排気ガスの規制は、何も光化学スモッグだけを対象にしているわけではございませんので、先生御承知のとおり、窒素酸化物はそれ自体で非常に有害でございます。ことに、呼吸器系の疾患のもとになるわけです。いわゆるぜん息、慢性気管支炎というものの原因になるわけでございます。そういう意味からして、自動車の排ガス規制というのは非常に重要になってくるわけでございます。確かに、炭化水素の場合は光化学スモッグとの関連において、私どもは規制をしておるわけで、したがいまして、自動車の排ガス規制と申しますのは、いまも言いましたように、決して光化学スモッグの重症被害だけを目当てにしているものではございません。そういう意味で、窒素酸化物というものは非常に、何と申しますか、呼吸器系疾患に関する重要な素因である、こういう立場をとっておるわけでございます。
○三治重信君 そうすると、先ほど一番初めのときに炭化水素のいわゆる規制基準をいま研究中だ、こういうふうな話があったのですが、この炭化水素のいわゆる環境基準の規制はどういう目的なのですか。
○政府委員(春日斉君) これは先ほども申しましたように、炭化水素はそれ自体ではそれほど大きな有害性がございません。これはむしろ光化学オキシダントの生成物質としての意味がある、そういう意味での規制でございます。
○三治重信君 そこで、通産お見えになったですか。——じゃ、その点は一応終わって、今度は石油の問題について御質問しますが、ガソリンの無鉛化対策が行われておるわけなのですが、このガソリンの無鉛化対策はどういう目的でやっていられるのか、まあ私が読んだある報道の中には、アメリカでガソリンの無鉛化のことを規制をやって、それを業者から無鉛化規則に対して反対の裁判が、ことしの一月の二十八日にはワシントンの連邦上訴裁判所では、公害の規制に当たっては規制側に有害の挙証責任があり、規制に違反する企業側が無害を立証する必要はない、こういうような判決で、いわゆる鉛の規制の規則の廃止の判決がなされた、こういうふうに言われているのですけれども、まだガソリンに加えられておる鉛に対する人体というのですか、そういうものの有害、いわゆる健康に、命に害があるという証拠というのですか、そういうものの研究は出ているのですか。
○政府委員(大薗英夫君) ガソリンの無鉛化は、本年の二月からレギュラーガソリンについての無鉛化を行政指導で実施をいたしたわけでございますが、この無鉛化を実施をいたしましたのは、四十五年以来大気中の鉛の人体への影響ということが大変問題になりまして、鉛につきましては大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法におきましても有害物質というふうに指定をされておりますし、鉛による人体への健康被害、こういうふうなことを防止をする目的でガソリンの無鉛化を実施をいたしておるわけでございます。先ほど御指摘のように、アメリカにおきまして最近EPAの決定に対しまして裁判が行われたということは承知をいたしておりますけれども、本件につきましてはEPAにおきましてもさらに上告の準備等を進めるというふうなことでございますので、私どもは鉛の無鉛化というのは、人体に対する影響の防止というふうな観点から進めていかなければいけないものだというふうに考えております。
○三治重信君 その無鉛化を通産省は進めていかれるというのですが、先ほど申し上げたようにどういう害があるのだ、こういうやつに結局アメリカの公害局の方がよう説明できなかったみたいじゃないかと思うのですが、日本では四十五年の五月に柳町事件としていわゆる柳町の交差点の鉛の汚染中毒患者が出た、こういうことから始まったと言われておるのですが、私の承知しておるのでは、それの中毒患者と言ったのはある団体の健康診断であって、東京都の公害研究所ではそういう鉛汚染の患者ではない、こういうふうになったと、こういうふうに承知をしておるわけですが、やはり柳町交差点の鉛の汚染、中毒患者問題は、いわゆる鉛の中毒患者は出なかったと、こういうふうに理解していいのですか。またいわゆるこの自動車の排ガス中に含まれる鉛の害によってどういう病気、いわゆる公害患者というものが具体的に出ているかどうか。
○政府委員(春日斉君) 鉛の人体影響の問題でございますが、従来から職業性暴露に関する鉛の中毒問題は、いろいろ研究報告が行われておったわけでございますが、大気中におきます鉛の低濃度の汚染の関係については、これは十分に解明されていなかったわけでございます。そこにいわゆる柳町事件というものが起こりました。それを契機として、鉛の量と反応との関係についての判定条件ですか、クライテリアを設定するために、四十五年の十月に当時厚生省でございましたが、生活環境審議会の中に専門委員会を設けて検討を開始しているものです。私ども、四十六年の十一月からは、いわゆる環境庁の中公審の大気部会の中に設けた鉛の環境基準専門委員会で検討していただいておるわけでございます。本年度中にも委員会の報告は出される見込みなのでございますが、先生の御指摘のように、私どもがその過程におきまして、最近数年間のわが国の大都市の鉛の平均濃度等を調べてまいりますると、最高で約一・五マイクログラム・パー立米というのが平均のようでありまして、この程度の濃度では、人に対して認めるべき影響は、現在のところ認められない。しかし、もちろん局地的には汚染があるのかもしれません。そういった患者としては、まだ出ていないと思っております。ただ、放置しておけば、ガソリン中の鉛というものが蓄積する、そうしてそれによって、将来鉛の中毒患者が出ないとも限らない、こういうのが現状であろうと考えております。したがいまして、通産省が無鉛化対策を御指導になっておるわけでございまして、大都市におきます大気中の鉛は今後漸減してまいるであろう、かように考えております。
○三治重信君 炭化水素の環境基準の設定の準備が進んでおるらしいのですが、これがもしも規制になると、いわゆる石油の精製工場や、それから塗装関係や、印刷の塗料なんかが非常に化学的にたくさん発生する、それの規制の問題が出てくるという話を聞いておるわけなんですが、先ほどの炭化水素の規制は、オキシダントの発生を防ぐために規制をすると、こういう問題になっているようなのですが、炭化水素の規制については、通産省の方はこの石油の方の面においては、準備が進んでおるのですか。
○説明員(山中正美君) 石油タンクからの炭化水素ガスの発生防止でございますけれども、私ども四十八年度に当時の鉱山石炭局長名で、石油リファイナリー各社に対しまして、一応石油からの炭化水素というのは、もっぱら原油あるいは揮発油のタンクから発生するものでございますので、その種類の、いわゆる揮発性の石油ガスが発生するタンクにつきましては、五千キロリットル以上のタンクについては、浮き屋根式に変えるように行政指導をしているところでございます。また、なお具体的には、昨年度からいわゆる東京大学の永井先生を中心にいたしまして、石油産業における炭化水素ガス防止トータルシステムの研究調査というものを御依頼いたしまして、大体成案を得まして、その結果に基づきまして今後指導していきたい、こういうふうに考えております。 以上でございます。
○三治重信君 いろいろ大気汚染の物質が原因であるようですが、これは単に物質の量ばかりでなくして、これに気象条件が非常に影響するのではないかと思うのですが、この報告書にも気象台の中に汚染の情報の気象所を設けているというようなことが書いてあり、私も先ほどのオキシダントを中心とする大気汚染の公害について、いろいろの原因、また現象について未解明の部分がずいぶんそのものにもあるわけなんですけれども、気象の影響、気象の流れというものが非常に解明されることによって、ずいぶんまた実際が解明されると思うのですが、気象庁の方はこういう問題についてどういう研究や実態の調査をやっているか、またそういうものについて、いわゆる研究について、実際の事件について、気象条件について解明できるような体制をしいておられるかどうか。
○説明員(竹内清秀君) まず初めに、大気汚染の研究の面を分けますと、大体三つないし四つに分かれるかと思います。一つは大気汚染物質の発生源の問題、それから大気中でのそういう大気汚染物質の遺留、拡散の問題、それから大気中における汚染物質の変形、あるいは変質というような問題それから最後に環境濃度に関係するような問題、つまりそれの影響とか、濃度の測定法というような問題でございます。しかしながら、気象庁が主にやっておりますのは、途中で申し上げました大気中での遺留、拡散かと思います。その様子を申し上げますと、過去十年以上前から主に気象研究でございますけれども、そこが中心になりまして、大気汚染に関連して、大気の遺留及び拡散の研究をやってきました。近年大気汚染が大きな社会問題となるに及びまして、関係官庁などから資料も非常に多く出てきましたので、都市や工場地帯の大気汚染の解明や、あるいは大気汚染の削減等の施策に資するため、気象の分野からの研究を行っているわけでございます。現在では普通やっております平常研究と申しますか、そういうもののほかに、国土庁の予算によりまして、関東南部大気環境調査、それから秋田湾の地域大気環境調査をやっておりますし、環境庁の予算によりまして、大気汚染気象に関する環境アセスメントの研究などを実施中でございます。
○三治重信君 時間がなくなって、本当に一つつまらないことで申しわけないのですが、ひとつ私は大気汚染物質の、単に排出量の規制を捉えるばかりでなく、日本における、そういう大都会における気象条件をしっかり研究していただくと、ずいぶん解明が早くなるだろうと思うのです。 最後に一つ、総量規制が始まって、都市の交通規制の問題がときどき言われますが、金沢市で、石川県警が一人乗りの乗用車の通行を規制しようとしたら、非常な反発が出て、十分なことができなかったというようなことがあったようですが、総量規制による大都市の交通規制というものについて、警察庁の方はこの報告書ではいわゆるバスレーンとか、二、三書いてありますが、基本的にこういうものが排気ガスの規制によって、総量規制で自動車の交通規制をこちらの方からやらなくちゃならぬという場合に、いまは何か一〇%程度の削減の交通規制の案をいろいろ考えておられるようですが、これを超えてさらにこの金沢市でやったように二割とか、二割五分とか、こういうふうなことをやるというようなことについて、交通体制ということでなくて、交通量の規制ということからいって可能かどうか、またこういう問題について、警察関係の方ではどういうふうないろいろの研究、調査が行われているか。
○説明員(森郷巳君) いま先生お話のように、私ども警察におきましては、昨年から全国的に都市における総合交通規制というものを実施いたしております。実は金沢市において行われました規制もその一環として行われたものでございます。総合交通規制のねらいは、実は交通を安全にしかも交通公害等の障害を少なくして、都市機能の十分な発揮ということを目標として行われているものでございます。この基本的な考え方といたしましては、たとえば規制のやり方なり、自動車交通総量の削減なり、あるいは自動車以外の交通主体の地位の回復なり、そういったことにつきましては共通の要素を持っておりますが、具体的なやり方につきましては、やはりその都市、その地域によってかなりやり方といったものは違ってくるだろうというふうに考えております。たとえば十万以上を例にとりましても、東京、大阪のような巨大都市があるかと思えば、地方おいて金沢のように、戦災を受けることなしに昔の名残を残しているというふうなところもございますし、また都市の機能から言いましても、工業都市あり、商業都市ありというぐあいにいろいろの形態がございます。また、交通の流れから見ましても、一点集中型の都市もあれば、大都市周辺部のように、通過交通の多い都市もあるというぐあいに、かなり都市によって違っておりますので、具体的な適用につきましては、いろいろの手法があるだろうというふうに考えております。金沢の場合には、やはり金沢に適した、言うならば金沢市の都市形態なり交通の障害の発生状況なり、あるいはこれまでとってきた対策なり、そういったものによってとられた一つであるというふうに私どもは考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、やはり交通規制、都市総合交通規制を通じて自動車の総量を減らしていきたいと、それによって安全を図り、円滑化を図り、あるいは交通障害を除いていこうという考え方でございます。 ところで、いまお尋ねの、一〇%削減が可能かどうかということでございますが、私どもはことしから十大都市について一〇%削減計画というものを打ち出しました。これはこれまでそれぞれの都市において行ってまいりました交通規制の効果、それをもとにいたしまして、一応それぞれの都市ごとの目標値を決めてやるという形にしているわけでございますが、いまのところ過去の実績に基づいて一〇%程度の交通量削減は可能であろうというふうに考えておりますが、しからばこれ以上可能かということになりますと、実は私どもといたしましても、それ以上の問題についてはちょっと自信を持って、たとえば二〇%、三〇%減らすというふうなことは言い切れないというような状況でございます。いずれにいたしましても、やはり四十九年中における交通総量、これを五十年、五十一年の二カ年間にわたって十大都市について一〇%削減していきたいというような考え方でございます。 なお、これにつきましては、私どもといたしましても十分体制を組みながらやっていかなければならないというふうに考えておりまして、先生お尋ねの、これについてどういうような打ち込み方をしていくのかということでございますが、やはり今後の交通規制の内容を十分に検討しながら、全体としてどの程度交通量が減るものなのか、そうしてまた、規制を実施した後にどの程度の効果が出るものなのかということにつきまして、部内、部外の学識経験者等も含めた研究会といったものをつくりまして検討してまいりたい、このように考えております。
○委員長(藤田進君) 本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会 —————・—————