公害対策及び環境保全特別委員会 第10号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/20
会議録
○委員長(藤田進君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件につきお諮りいたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に日本道路公団理事三野定君、水資源開発公団理事松村賢吉君の出席を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(藤田進君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○井上吉夫君 私は鹿児島湾の水銀汚染調査に関係いたしまして御質問をいたしたいと思います。 去る四月八日に水銀汚染調査検討委員会環境調査分科会の検討の結果が発表になったようでありますが、その検討結果の概要について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 水銀の汚染問題につきましては、この一両年、全国の水銀につきまして汚染状況を一斉点検いたしまして、それぞれ魚の漁獲停止等の措置をとってきておるわけでありますが、いま先生が御指摘になりました鹿児島湾の水銀汚染の問題につきましては、他の地区と違いまして汚染原因がどうも明らかではないと、こういったことがございましたので、いろいろその後調査を重ねまして、ことしの四月に現地において検討会を開催した経緯がございます。その結果を申し上げますと、鹿児島湾につきましては、漁業者の方々には非常に御迷惑をかけているわけでありますが、七魚種につきまして漁獲の自主規制を実施しているということでございますが、問題はその原因につきましていろいろ思い当たるところを探求いたしました。たとえば、鉱山あるいは温泉から出ているのではないか、あるいは火山灰が関係あるのではないか、桜島から降った火山灰があるいは影響があるのかないのか、農薬については近くに農薬工場があるのかどうか、そういったこと、それから農家で農薬の平均使用の状況がどうであったか、そういったことにつきまして調査いたしましたし、それからあるいは事業場の関係から何か原因があるのではないかというぐあいにいろいろ総合的に考えられる原因を探求いたしました結果、しかしそれらのいずれにつきましてもどうも決め手になるような原因はない、むしろ嫌疑は薄いのではないか、こういったことになりまして、つまるところやはり鹿児島湾の水銀汚染の問題は、湾の湾奥部全域にわたる高濃度汚染の主たる原因は、やはり鹿児島湾の海底火山活動に伴う水銀の排出によるのではないか、こういう疑いが出たということになっております。しかしながら、これはまだ断定ではございませんで、いろいろ火山学者なんかの御意見も伺いましたし、その他いろいろの学者の御意見に従いますと、まだ学術的な根拠は十分ではないので、さらにこの問題の原因究明につきましては追求する必要があるということでございまして、四月当時の検討委員会の結論では、海底火山活動によるものではないかという疑いがあるというところが結論でございます。
○井上吉夫君 概要の御説明をいただきましたけれども、表現としては火山活動にその水銀排出の主たる原因があるのではないかというぐあいに疑われるとしてありますけれども、いまお述べいただいたように、たとえば農薬であるとか、あるいは流入河川の状況だとか、あるいは周辺に水銀を排出するような工場があるかどうか、そういうような幾つかの要因を検討した結果、いずれもそういうあたりにはほとんど原因として考えられないというぐあいになっているように伺うわけです。さらに火山活動が激しい時期には水銀濃度が非常に高くなって、さらに水温もその周辺で高いというようなことからいたしまして、他の原因として考えられそうなやつを調べた結果ほとんどそういう面から出てこない。一方では、火山活動の激しいときにかなり高い濃度の水銀が検出されるということからいたしまして、現実問題としては火山活動に一番大きな原因があるのではないかというのがきわめて有力な材料として考えられるというぐあいに報告書では見るわけですが、表現上疑いがあるとはありますけれども、現段階においては、まずいまのところこれ以外にそう大きな要因としては考えられないというぐあいに受けとめられると思うんですが、調査を委託されて種々検討された環境庁としては、いま私が申し上げましたような解釈をいまの段階ではしておられますか。
○政府委員(大場敏彦君) いま先生が御指摘になりましたように、水温の関係とそれから水の中に含まれている水銀濃度との関係、それから火山爆発との関係、この関係からして、やはりかなり濃厚な関係があるのじゃないかと推察もしております。それから一方、底質の問題につきましてもいろいろコアボーリングをしてみますと、やはり海底噴火、桜島の噴火とは無関係ではない、むしろ関係があるのではないだろうか、こういう推定をしているわけでありますが、科学者の良心といたしまして慎重に、科学的エビデンスというものはまだ完全にはつかまえていない、いういった慎重さから、先ほど申し上げましたように主たる原因は水銀の排出によることが疑われる、こういった慎重な表現になっているのではないかというふうに理解しております。
○井上吉夫君 大体いま考えられる原因は火山活動ではないかというぐあいにきわめて有力に考えておられるというところまではわかりましたが、問題は四十八年の十一月に鹿児島の中央卸売市場に垂水から漁獲をいたしましたタチウオで非常に高い濃度の水銀が検出されたということからにわかに問題が大きくなりまして、そうして現在では七魚種について漁獲の規制をしているということでありますけれども、なお、調査検討の期間の問題を考えてみますと、報告書にもありますように、学術的な面でも、あるいは実際上の調査の面にいたしましても、きわめて短期間に一応の調査を終えたという段階でありますから、今後におきましてもかなり長期にわたって、しかもやっぱり定期的に調査をする必要があるのではないか、とりわけ環境庁所管の分について考えますと、水質であるとか、あるいは底質であるとか、そういう調査については引き続きひとつ環境庁において県と一緒になって調査を進めていくについての指導なり、あるいは助成なりを含めて引き続き定期的な検討を進めていくということが私は必要だと思うんですが、そういうことの御用意があるかどうかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 関係地域住民の方々に対する十分なる御説明あるいは漁業者の方々に対しての御説明をする意味で、やはりもっともっと知見というものをあいまいにしないで探求する必要があるということは御指摘のとおりだろうと思います。ことに火山活動によるのではないかということになりますれば、火山の噴火に伴いまして排出される重金属は単に水銀だけではなくて、あるいはカドミだとか、あるいは砒素だとか、その他の重金属もあるいはあるかもしれません。そういう意味で、やはり水質なり底質につきまして、単に水銀だけに着目しないで、もう少し広範な形で重金属というものに着目して、火山活動と関係があるかどうかということをもう少しフォローしてみたい。そういう意味で水産庁の方で御担当になる魚についても同様な問題があろうかと思っております。御指摘のとおり、まだ科学的知見が十分でないということからこういう慎重な結論になりましたので、それをもう少し解明するような調査というものは当然やはり地域住民の方々に対しての責任上続行すべきものと考えております。
○井上吉夫君 その必要性も十分認めておられますし、環境庁としても引き続き定期的な調査などをやりたいということでございますので、ひとつ十分な解明ができるまでの調査をぜひこの機会にお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、文部省の関係についてお伺いをいたしますが、報告にもありますように、少なくともこの問題についてはかなり広範な調査を必要とする、そして現状ではまだ学術的な根拠というものが十分解明されていないということであります。したがいまして、こういう面の調査をぜひやっていただきたいと思うわけでございますが、とりわけ海底噴火の位置であるとか、あるいは規模、そういうことでありますとか、あるいは噴出物質の種類であるとか、あるいは量の把握、そういうものを含めまして海底火山活動の状況などの学術的な研究というのがきわめて必要だと思うわけです。そういうことについて文部省としてどういうぐあいに対応されようとお考えですかお伺いをいたします。
○説明員(七田基弘君) お答えいたします。 文部省関係といたしましては、昭和四十九年に火山噴火予知計画というものを測地学審議会を中心にいたしましてつくりまして、それを関係省庁の方に建議をいたしております。その第一次の火山噴火予知計画に基づきまして火山研究を現在進めておるわけでございますが、先生御指摘のような点につきましての研究といいますものは実は従来非常に手薄であったというように思われるわけでございます。と申しますのは、火山噴火予知計画の前の、以前からやっておりました火山研究といいますものは、概しまして地球物理的な手法を使いまして研究が行われてきた。しかし、まあその後のいろんな学問的な進歩もございますし、やはりこれは地球化学あるいは地質学、そういうようなほかの領域も含めたやはり研究をしていかなきゃならないというのが、このいわば火山噴火予知の計画の骨子でございます。そういうような火山噴火予知計画の趣旨にのっとりまして、文部省といたしましては、これを総合的に、まあ全国のいろんな火山を中心にいたしまして研究を進めておるわけでございますけれども、先生の御指摘のございました地球化学的なその火山の噴出物の研究につきましては、昭和五十年度におきましてはとりあえず科学研究費で海中噴火による火山島の生成とその変化に関する基礎的研究というのを進めることにいたしております。 〔委員長退席、理事栗原俊夫君着席〕 これは東京工業大学の教授の小坂丈予さんが中心になりまして、幾つかの国立大学、あるいは国立防災科学技術センターも入っておりますが、そういう研究者の方の総合的な研究でございます。この研究によりまして火山から噴出いたしますいろいろな生成物の研究を進めていくわけでございますが、さらに先生いま御指摘のございました鹿児島湾の問題につきましては、さらに研究者の方々とも御相談の上、必要なものを科学研究費等により援助していきたいというふうに考えております。
○井上吉夫君 文部省としても十分の研究を進めていきたいというお気持ちわかりました。ぜひ、かなり大がかりに私は調査をしていただきたいと思うんですが、調査報告書、分科会の報告によりますと火山活動と水銀濃度との間に非常に大きな関連があるというようなふうに報告書の中にあります。たとえば調査時期について、八回にわたって調査をしたけれども、四十九年の五月と七月、さらに五十年の三月に集中して検出された。四十九年の七月の調査結果に水銀濃度最大値〇・三七ppm、検出率二三・八%というピークがあらわれたというぐあいにあります。ちょうどこの時期は、四十九年の六月前後と五十年の二月に火山噴火活動というのが非常に活発な時期と合致している。さらにその間の期間では幾らも検出されてない。とりわけ四十九年の十月と五十年の一月という火山活動が活発でなかった時期はほとんど水銀が検出をされていないというようなことが出ておりますので、きわめて強い因果関係があるということが類推されると思います。さらに底質調査をした内容を見ますというと、火山活動が活発であったであろう時期、底質の火山灰の直下において一番高い濃度が検出をされている、下に行くに従ってその濃度が落ちているというようなことなどからいたしますと、どうもやっぱりこの因果関係として火山活動と水銀濃度というものが非常に強い結びつきを持っているというようなぐあいにうかがわれるわけです。ということになりますと、従来火山活動の予知なり地震予知というようなことについて、従来は恐らく海の底質の調査という形と結びつけての予知というものは幾らもなかったのではないかと思うんですが、従来のこの火山活動の予知について新しい手法として私はこのことが大きく結びつくのではなかろうか、少なくともそういう意味でも非常に大きな意味を持つ。 さらに、いま学術課長から御説明がありましたように、従来地球物理学的な面からの火山予知という面に片寄って、地球化学的な面からのとらえ方というのも、新しい火山予知について非常に大きな一つの新しい手法として大きな意味を持つのではないかというようなことが感じられるわけであります。もちろん直接には鹿児島湾奥で漁業を営んでいる、とりわけ二百戸前後の漁家が年間一億余りの漁獲があって、これで生計を維持しているという人々が、この規制によって生活のもとを奪われているという直接的な問題もありますけれども、広く申し上げますと、いま申し上げましたような学術的な意味で非常に大きな価値を持つというような感じがいたしますので、ぜひひとつ積極的に文部省においてこの面の調査活動というものを進めていただきたいというぐあいに考えるわけです。そのことについて重ねてひとつ御説明をお願いいたします。
○説明員(七田基弘君) お答えいたします。ただいま先生が御指摘になりましたように、やはりこういう火山のような地球現象といいますものは、総合的な把握が必要でございます。従来あるいは見逃されておったいろいろな事実が、あるいはその火山活動と結びついて新しい原因の解明につながるということもあり得るわけでございますし、同時にそういう新しい研究があるいは結びつかないように見えたものが、場合によりますと火山の噴火予知に結びつくということも考えられるわけでございますので、私どももなるべく広い観点からこういう火山を見ながら、火山を最終的な目的としながら進行していきたいというように考えております。
○井上吉夫君 これはもう、ひとり文部省だけの問題じゃございませんけれども、環境庁の方にもお願いをしておきたいわけでございますが、従来この公害対策という問題のとらえ方は、工場廃液等の人為的なものから起こってまいります対策というのに焦点が置かれてまいりましたけれども、鹿児島湾の水銀の場合等は原因がどこにあるかはっきりしない、少なくとも原因者というのが企業という形で結びつくものではありません。いわゆる自然的な問題でありますので、それだけに原因者にその負担を求めるということもできないわけでございますが、しかし私どもが生存をいたします限りにおいては、その原因が企業に基づくものであれ、自然のものであれ、何としても私どもはやっぱり良好な環境の中に生活をしたいという願いに変わりはないわけでございますから、どうしてもこういう自然災害等については、自然に起こってまいりますような問題については、とうてい一地方公共団体あたりで対応することはきわめてむずかしい。まして学術的にその根拠が解明されなきゃならぬということになりますと、非常に手間のかかる、期間も要する、そして専門的な学問的な知識を必要とする、まあそういう背景がございますので、ぜひひとつ両省ともただいまお答えをいただきましたけれども、積極的にひとつこの問題に取り組んでいただくように御要請を申し上げておきたいと思います。――文部省の方はもう結構です。 そこで、次に当面の問題として被害漁業者に対する救済措置につきまして、水産庁の方にお伺いをしたいと思います。 先ほど来申し上げておりますような事情によりまして、鹿児島湾、とりわけ湾奥の地域におきますとりあえず濃度の高い七魚種について規制が実施されている。原因が解明されるまでにはかなりの期間もかかりましょうし、そして仮にその原因が解明をされましても、少なくとも鹿児島湾奥部におきましての、とりわけ底魚については、いずれにしても高い濃度の水銀が検出されるということになりますと、漁獲を緩める、あるいは規制を緩めるわけにもまいりかねる。となりますと、当然漁業で生計を営んでまいっておりましたこれらの漁家は湾内から出て漁業をやるか、あるいは底質魚ではなくて、中層魚あたりを対象にして漁業を営むということをやるか、いわゆる漁法なり、漁場なり、そういうものを切りかえざるを得ないというぐあいに思うわけです。いままで手なれておりました漁法等をかえるわけですから、相当やっぱり苦労をするということは必至であります。そして、それこそもう現実の生活の問題がかかっているわけでございますから、十分そういう条件は御認識いただいておると思いますが、まず第一に鹿児島湾奥部の、とりあえずそれでは切りかえるとした場合の漁業資源がどういう分布になっているかという、資源の調査も必要になってこようかと思います。漁業資源の問題であるとか、あるいは漁場の条件、さらに新漁法の開発、そういうことについての調査なり、あるいは指導、さらに助成ということを求めたいわけでありますが、そのことについてどうお考えでございますか。
○説明員(佐々木輝夫君) 鹿児島湾の奥の水銀汚染の問題に関連いたしまして、いま先生御指摘のように、やはり当面の対策としては漁業転換を考えていく以外に漁業者の積極的な救済対策というのがございません。この地区につきましては、長崎にございます水産庁の西海区水産研究所が中心になりまして、県の試験場等と十分連携をとりながら湾奥の資源状態の調査につきましての指導であるとか、それから一部すでに昨年あたりから、これは湾口に近い方でございますけれども、鹿児島湾内でも場を造成して、そこでトコブシ等の資源を造成する、こういったような試験事業につきましても、県と打ち合わせの上で、国として助成をいたしております。それから湾外につきましてもアジ、サバ等の新しい漁場の形成機構、あるいは魚の分布、こういったものを調査すべく、国の研究所と、それから関係の鹿児島県その他の数市の協力も求めまして、調査事業を始めておりますが、こういったことを一層今後充実いたしますとともに、特に鹿児島湾内の湾奥の方の資源状態なり、漁場条件につきましては五十年度から先ほど申し上げました水産庁の西海区の水産研究所自身も魚の回遊状況であるとか、あるいはどういう資源がどんな食物連鎖を通じて中で一つの雰囲気を形成しているかとか、こういったやや基礎的な資源実態につきまして自分でも調査をやるというつもりでいま設計をいたしておる段階でございます。
○井上吉夫君 お答えをいただきましたけれども、いま申し上げましたように資源の関係なり、あるいは漁場条件なり、新漁法、さらに積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思うんです。 次に、湾奥部の漁場再開発のために当然低質魚から中層魚ということが漁獲の主体にならざるを得ないと思うわけですが、そのために実施する魚礁の設置、中層魚礁が開発されておると聞くわけですが、そういう魚礁の設置なり、あるいは寿命がかなり短くて漁獲に結びつくようなそういう種類のもの、さらに養殖関係で種苗の放流事業、そういうようなことが考えられると思うんですが、こういうことに対しての助成対策をどういうぐあいにお考えになっているか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(佐々木輝夫君) 最初にお尋ねのございましたいわゆる中層魚礁、浮き魚礁とも言っておりますが、これにつきましては将来のやはり一つの資源開発の方向ということで、国といたしましてもかなり積極的にいままで技術開発を進めておりますが、現在までの試験の結果では、まだ中層に浮かべますシェルターの係留技術にいろいろ技術的な問題がございまして、どうも底の方へ設置するいわゆる魚のアパートのように安定性がないということで、残念ながらまだ実用化段階に入っておりません。しかし、こういった問題につきまして、将来特に中層の浮き魚、回遊魚等につきまして、一つの新しい漁場形成技術というような期待も持てますので、五十年度からは、大型の人工魚礁を設置するためにいろいろな技術あるいは漁場条件の調査を国自身がやります中で、いま御指摘のございました浮き漁礁につきましても、農業土木試験場、それから東海区の水産研究所等が中心になって、いままでに増して、実際的な、実験的な現場での技術開発に力を入れて進めたい、かように思っております。しかし、まあいま申し上げましたように、直ちに事業化するにはいろいろ問題がございますので、鹿児島県下では当面、海底の方になりますけれども、大型の漁礁の設置等を湾外で進めるというようなことを中心に、いま県と御相談している段階でございます。 それから二番目にお尋ねございました種苗放流の関係でございますが、これも今後の沿岸漁場のいろいろな資源の造成を進める上で有力な今後の新しい技術ということで、国としても過去十年間近く相当力を入れて進めてまいっておりますが、現在の段階ではすでにクルマエビあるいはマダイ等についてはほぼ実用化に近い段階までまいっております。四十九年度にも、鹿児島県内でクルマエビを大体一千万尾ぐらい、マダイを三万尾ぐらい、湾内と湾外とを通じまして放流をいたしておりますし、それについて国で助成をいたしておりますけれども、昭和五十年度はいま申し上げましたクルマエビとマダイについて、特に鹿児島湾内を中心に新しい資源を造成し、そこで種苗を、クルマエビ等でございますと、かなり成長も早うございますので、いまの水銀の蓄積ということもまず余りないだろうという想定がつきますので、そういったところに力を入れて今後も進めてまいりたい、かように考えております。将来また、県営でいろいろな種苗の生産施設をつくる場合等についても、それについて国としては積極的に協力をするというつもりで検討中でございます。
○井上吉夫君 次に、被害漁業者のそれこそ直接の対策ということに移っていきますが、被害漁業者が漁法や漁場の転換を行う場合、かなりな経費を必要とするわけでございますが、これに要する経費の助成ということについてどうお考えか。さらにかなりな金額も必要となってまいりますので、被害漁業者に対する低利の漁業資金であるとか、あるいは当面の生活資金、こういうものについての低利資金の融資、そういうことについてどういうぐあいに対応しようと考えておられるか、お伺いいたします。
○説明員(佐々木輝夫君) いまの漁法なり漁場の転換が必要であるということで、それには資金上の問題ももちろんございますし、それから湾外等に出ますときにはいろいろな漁業調整上の問題がございますので、県と相談をしながら、たとえば立て縄釣りであるとか、あるいは湾内での養殖業であるとか、そういったものの可能性をいま相談をしておる段階でございますけれども、そういうものを進める上で、資源関係は別にいたしまして、いまの資金の問題について、直接いま国が個々の漁業者について転換資金等を補助金のような形で助成する道がございません。これはどうも、ほかのいろいろな助成とのバランスからいって、なかなかどうも早急にはむずかしいというふうに考えております。問題はその場合に相当資金が必要になりますので、資金の何か有利な条件でのあっせんができないかということに重点を置いて、いま関係課で県とも協議をしておるような段階でございますけれども、たまたまこの地区はいわゆる大隅地区として、五十年度から第二次の構造改善事業の実施地域に入っております。五十年度から大体四カ年計画で今後構造改善事業を進めるわけでございますが、この構造改善計画の中で、今後、要するに育成し得る経営目標ということにいまの関連漁業者の方々を積極的にしむけて転換していきたい、そういう中で必要ないろんな共同施設についても、県の事業に対して国としても助成することを用意いたしておりますし、それから個個の漁業者の方々につきましても、いわゆる構造改善資金を活用していただいて、いまのような転換を少しでもやりやすいような方向でお手伝いをしてまいりたい、かように考えております。
○井上吉夫君 最初に申し上げましたように、四十八年の十一月にタチウオにまず高濃度の水銀が検出された。それから、現在では七魚種の規制をしておるわけですが、鹿児島県といたしましても、当面この関係者が非常に生活にまず困る。そして漁法なり漁場の転換をするにいたしましても、かなりな技術も身につけなきゃならぬし、あるいは機材なり、船なりいろんなものについて転換のための資金が必要になるというようなことからいたしまして、四十九年度で生活資金の融資を六千八百八十八万ほどやっております。予算措置といたしましては、このほかに湾奥部の七水域あるいは魚種の七汚染魚種、検体にいたしまして千百五十八検体買い上げをし、あるいは用船等によりまして三百六十三万円の予算の補償をしている。さらに漁業転換相談関係の経費に五百七十六万を組んでいる。五十年度では漁場や漁法の転換のための資金を五千万、それから生活関係の資金を六千八百八十九万、そのほか既往債の償還据え置き等についての利子助成等含めまして一億二千一百六十九万の措置をしておる。鹿児島県内で、鹿児島湾内に発生した問題でありますから、直接地元が対応することは、ある意味では当然かとも思いますけれども、大変地方財政の窮屈な中で引き続きこういうような措置をずっと続けるということは、県にとりましてもかなり大きな負担になってまいる。で、これらの措置についてほとんど無利子資金としての貸し付けを実施をしておる。いま御説明のように、現在のこういうことに対する措置として、個人漁家に対する助成という措置がないということは私も承知をしております。しかし、もしこの被害というのが、原因者がはっきりわかっているものであるならば、その原因者に出させる、負担をさせるという手段がありますけれども、自然災害の場合はこういうものが全くない。これはひとりこの問題だけでなくて、風水害その他の災害等を受けた場合も、まだまだ災害を受けた個人に対する対応というものは全体として私は十分でないと思います。義援金的な金の集め方ということで被害者を救済する手段というのが従来からずっと続いているわけですけれども、私はやっぱり次第にこういうものについては、社会全体が公的な仕組みという形の中で見るということをだんだんと考えていかなきゃならぬものではなかろうかというぐあいに考えるわけです。いま直ちに水産庁にそのことを強く求めるというぐあいにいたしましても、そのとおりやろうなんという答えはむずかしいと思いますけれども、いま申し上げましたような事情下にありますから、先ほど説明のありましたような新しい漁業構造改善事業等を通じて関係漁家ができるだけ低利の長期の資金が借り入れができ、それに所要の裏打ちを県で実施をして、そして、できるだけ早く生活の面でも、あるいは仕事の面でも立ち上がりができるような、そういう対応の仕方をひとつ国と県が一緒になってやっていただくということに、さらに格段の御努力をお願いを申し上げたいと思います。 最後に、私は鹿児島湾奥の水銀に関連をしてずっと質問をいたしてまいりました。で、大臣まだお見えでございませんでしたけれども、環境庁としても一年そこそこ、一年足らずの調査だけで、まだまだ学術的にも十分調査を続けていかなければならぬということを認めていただきました。積極的にそれに対応していこうという御返事をいただきました。一部分で起こったことであるとか、あるいは自然災害であるというようなことのために看過することのないように、ひとつ学術的な意味でも、あるいは地球全体の問題として取り上げましても、さらに被害を受けた関係者はその原因が自然のものであれ、あるいは企業等によるものであれ、受けた被害というものについては被害に変わりはないわけでございますから、そういうものについては、いま途中で御意見として申し上げましたように、行く行くは、こういう問題が間々発生するわけですから、公的手段によって個人災害まで助成するという、そういうような方向にどういうぐあいにして移行できるか、なかなかむずかしい問題だとは思いますけれども、あるいは閣議等通じて、できるだけ災害というものが公的な手段において救済の手が進められるようなことも、ひとつこの機会にあわせ頭の中に入れて、そして、そういう方向に時代が進むように御考慮をいただきたいと考えるわけです。総まくりで大変恐縮ですけれども、大臣の御見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(小沢辰男君) 大変おくれて参りまして恐縮でございました。おっしゃるように、この問題は、私ども引き続き調査をしまして、十分解明ができるように今年も引き続き努力をしてまいりたいと思います。 それから財産被害の問題、これはおっしゃるように、もし海底火山が原因ということになりますと自然災害的なものでございます。特定して加害者があります場合には非常に補償問題の解決ということが容易なわけでございますが、本当にお気の毒だと思います。ただ現行制度ではなかなかそれが思うようにいっていない。私ども今度公害に関する財産の損害についてどういうふうに考え方をまとめていくべきかということを、今年度予算を計上しまして、いま学者の方々、経済あるいは法律、そういう専門の方々約七、八名依頼をいたしまして検討を願っておるわけでございます。そこで、その場で、その検討の対象としては特殊な例外の問題でございますから、いままでは予定をしておりませんでしたけれども、当然そうした公害から発生する損害という点としては同じわけでございます。ただ原因が特殊な事情にある。私、ぜひ先生方にこの問題の実情を説明しまして、どうあるべきかという、何か御所見があればぜひ承って、それを背景にしまして先生がおっしゃいましたような水産担当の農林大臣なり、あるいは大蔵大臣なり等とよく相談をしまして、何らか方法があるものか、災害関係の個人補償というとなかなか困難だと思いますが、よく、ひとつ十分おっしゃることを、あるいは実態、実情というものを頭に置きまして検討をさしていただきたい、かように思います。
○井上吉夫君 環境庁も、文部省も、水産庁も、かなり積極的な対応の姿勢を示していただきました。 なお、いままで申し上げておりませんでしたけれども、一体この水銀汚染が自然現象による水銀汚染、それと工場排出等による有機水銀等と全く同じような人体への被害を及ぼすものであるかどうか、こういうことなどにつきましても、単に水銀だけの濃度で同じように規制することが妥当であるかどうか、これまたやっぱり学術的に問題の残るところでないかと思うのです。もちろん、そういうことが解明されない段階においては、同じような規制値を適用して万一に対応するということが必要かと思いますが、自然界に存在いたします、あるいは空気の中に、あるいは水の中に、そういう中には他の幾つかの重金属類が一緒に混在するわけでございますから、そういうものがどういうぐあいに相互に影響するか、プラスという形で影響するか、あるいは相殺してかえって被害を少なくするという形で影響するか、いろいろ問題があることだと思います。私が聞いた範囲でも、学説的にもいろいろまだまだ究明の必要があるというぐあいに伺っているわけです。まして、さらに加えて言うならば、魚体に蓄積いたしますそのメカニズムなどもなかなかに容易に解明のできない問題でありますから、先ほど学術課長も述べておられましたように、これらを学術的に、学問的に究明、解明をしていくということについてはさらにやっていきたいということでございましたけれども、こういう万般なことについてひとつさらに積極的に対応していただくようにお願いを申し上げまして質問を終わります。
○浜本万三君 私、海洋汚染、瀬戸内海汚染などの問題と、最近問題になっております赤潮問題などを中心にいたしましてお尋ねをいたしたいというふうに思います。 まず最初に、海洋汚染の状況などにつきまして保安庁の方にお尋ねをしたいと思いますが、おられますか。――ことしの四月だったと思いますが、保安庁から発表されました海洋汚染の状況を拝見いたしまして、昭和四十九年には周辺海域の汚染件数が二千六百件余りになっておるということが報告をされておることを知りました。大変なことだというふうに思っております。 そこで、まずお尋ねをいたしたいのは、最近の海洋汚染の状況というようなものにつきましてお尋ねをしたいと思います。
○説明員(山本了三君) 海洋汚染の発生状況につきまして御説明いたします。 海上保安庁が昭和四十九年に把握いたしました海洋汚染の確認件数は二千三百六十六件となっております。で、この三年間ほどの確認件数を比較してみますと、四十八年が二千四百六十、四十七年が二千二百八十三、四十九年度が二千三百六十六でございますので、まあ横ばいの傾向ではなかろうか、そのように考えます。で、これらの汚染を把握いたしております海域は、東京湾、伊勢湾、大阪湾、それに瀬戸内海、この四海域でございまして、全体の約六三%ほどがこの四海域において発生いたしております。汚染を種類別に申し上げますと、油によるものが千九百八十五件、約八四%でございます。で、これは例年とほとんど同じ傾向でございます。油以外のものが三百八十一件、うち赤潮が百七十五件となっております。排出源別に申し上げますと、船舶からのものが五一%で大部分でございます。それからその中でも船舶の油によるものが千百七十一件と、これも非常に多い。排出源不明の油によるものは七百八件であります。この排出源不明の油の発生件数は、四十七年をピークといたしまして、だんだん少なくなっております。わが国周辺の海洋汚染の発生状況は、大体以上のとおりでございます。
○浜本万三君 いま伺いますと、確かに大変なことだというふうに思っておるんですが、特にその中で、大阪湾並びに瀬戸内海の汚染件数というのが非常に多いように思います。先ほど報告をされました、四十九年度におきましても二千三百六十六件のうち大阪湾と瀬戸内海の汚染件数は約千件、いわば四十数%を占めておるんじゃないかというふうに思うわけでございますが、瀬戸内海は、御承知のように、六十年に一回しか海水が変わらないと、こういうふうに言われておりまするので、瀬戸内海の汚染ということは、一回汚染されますと相当長期にわたって影響が出るし、場合によっては回復しがたいと、こういうことも考えられるわけでございます。 そこで、特にこの瀬戸内海及び大阪湾などにおける 〔理事栗原俊夫君退席、委員長着席〕 汚染の原因などにつきまして特徴があればお知らせをいただきたいと思います。
○説明員(山本了三君) 汚染の原因でございますが、先刻一部申し上げたのでございますけれども、排出源別に見ますと、船舶からのものが四五%程度、それから陸上からのものが一二%ぐらい、そういう傾向であります。船舶からの要するに汚染が海洋の場合には圧倒的に多いと、そのように思われます。 で、原因別にもう少し瀬戸内海方面等の海洋汚染について申し上げますと、故意排出またはバルブ操作の誤りで油あたりを排出するというのが非常に多くて三百八十五件、八三%あたりはこういう故意排出またはバルブ操作の誤りによる油の取り扱い不注意による排出と、そういうことになっております。また海難によるものも若干ございます。たとえば瀬戸内海におきましては、四十八年には四十三件、四十九年には五十件、そのようなことになっております。
○浜本万三君 いまお話ございましたように、瀬戸内海の汚染源と申しましょうか、それは船舶による油汚染というのが相当多いというお話でございますが、結局保安庁としてはそういう船舶による油汚染を取り締まるということが非常に重大な仕事になっているように思うのですが、取り締まり対策といいましょうか、そういうものについてお尋ねしたいと思います。
○説明員(山本了三君) 海洋汚染の取り締まり対策でございますが、海上保安庁は、巡視船艇、航空機、こういったものを動員いたしまして、海上の海洋汚染の監視取り締まり体制をしいております。東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海につきましては、航空機でもって毎日二回は必ず上空から監視をいたしております。この航空機と船艇の立体的な運用を行いまして発見した海洋汚染事犯につきましては、船艇が早速その当該船舶を追尾、逮捕すると、そういうふうないわゆる立体的な監視を行っております。こういった船艇、航空機によります立体監視のほかに、海上保安庁の出先機関であります保安部、保安署、管区本部、こういったところには鑑識用の器材、こういったものを逐次整備いたしております。船艇、航空機で試料を採取いたしましたもの、こういったものにつきましては、こういった部署の鑑識器材でもって基準を超えておるかどうかといった分析を行うと、そういうことをいたします。 それから、ただいま私、油を主体として申し上げましたけれども、工場排水あるいは産業廃棄物、こういったものにつきましては、年に二回は、海に面しておりますいわゆる臨海工場のすべての排水溝につきまして、排水基準を逸脱していないかどうか、そういった検査をいたします。それから、特に瀬戸内海におきましては、そのほかに特別な取り締まりとか、それから一斉取り締まり、こういったことも行います。また、産業廃棄物等の排出につきましては、そういう産業廃棄物、あるいは屎尿、生活廃棄物等を排出できるいわゆる海域、これを飛行機を飛ばして監視をすると、そういった体制をしいております。油、それから工場排水、それから産業廃棄物等の監視体制については、大体以上のとおりでございます。
○浜本万三君 いずれにいたしましても、あれだけ瀬戸内海が汚れておるということなんですが、しかも摘発件数もまだ原因不明ということになりまして、相当まだ放置をされているように思うのです。一層ひとつ積極的な取り締まり体制というものを強化していただくように要望しておきたいというふうに思います。 次は、環境庁の方にお尋ねしたいと思うんですが、四十八年の十一月に瀬戸内海臨時措置法というものが施行されまして、瀬戸内海をきれいにすると、こういう政策が進められておるわけでございます。特にその政策の中で、第一は工場排水の規制、それから、直接的にはこの臨時措置法には関係ございませんけれども、政策としては家庭汚水の汚濁防止、さらに三番目には、埋め立て規制ということが行われておるというふうに思うんですが、これらの問題が瀬戸内海の臨時措置法が施行されました以降、どのように具体的に進められておるかということが伺いたいわけであります。 まず、最初の工場排水の規制措置というのは、法律が施行されまして、すでに二年になろうとしておるわけなんでございますが、どの程度のものがどの程度まで改善されたか、そういう改善の現況につきましてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) まず工場排水のCODのカットでございますが、瀬戸内海の臨時措置法で向こう三年間に段階的に二分の一にカットするということを求めておるわけでありまして、そのために昨年の当初に、四十七年当時の瀬戸内海のCODの量の半分がちょうど千三百四十五トンでございましたのを、それを向こう三年間に半分にカットするというぐあいに割り当てをいたしまして、そうして各府県におきまして、自分の府県に割り当てられた汚濁負荷量の限度内に自分の府県の排水汚濁量をおさめると、こういう措置を条例の制定、あるいは補助的に公害防止協定の締結等で担保しております。その措置はすでに昨年じゅうに各県とも完了している、こういった次第でございます。 なお参考までに申し上げますと、産業廃水の負荷量の削減のスケジュールでございますが、条例等で担保されておりますのをサムアップいたしますと、昭和四十七年の負荷量が、先ほど申し上げましたように、CODで――これは産業廃水だけでございますが千三百四十五トン、これを一〇〇%ということになりますと、四十九年の末に千百四十五トン、これが八五・一%でございます。それから五十年末に九百二十トンに落とすということになりまして、これが六八・四%、五十一年末に法律に命じておりますように、六百七十三の五〇%に落とす、こういった計画になっております。
○浜本万三君 計画はよくわかるのですが、現在の進行状態というのは、そうしますと大体順調に進んでおるわけですか。
○政府委員(大場敏彦君) 進行状態ということのお尋ねでございますが、恐らくそれは水質に反映されているのかと、こういった御趣旨だろうと思うのですが、残念ながら先ほども申し上げましたように、二分の一CODをカットするというドラスティックな、――これは私はかなりトラスティックな政策だろうと思うわけですが、それはまだ効いてきておりません。したがいまして、四十八年、四十九年の水質の調査では、必ずしも瀬戸内海の水質の汚濁の進行がとまったというぐあいには申し上げられないのは残念でございます。
○浜本万三君 いずれにいたしましても、まだ目的に沿って完全にその成果を確保していないと、こういうお答えのように思うのでありますが、この点は一層ひとつ推進をしていただくように要望しておきたいと思うわけです。 それから、第二の家庭汚水による汚濁防止対策の問題なんですが、これは第三次下水整備等のいろんな政策も講ぜられておると思うのでございますが、この点についての状態はいかがでございましょう。
○政府委員(大場敏彦君) 工場排水は規制の強化という形で対応できるわけでありますが、家庭排水ということになりますと、そういった手法ではできないわけで、これは御存じのとおりでございますが、結局、下水道網の整備ということに大半は尽きるのではないかと思うわけであります。これにつきましては、環境庁といたしまして、長官も予算折衝の段階におきまして、やはり下水道の予算の獲得に精力を注いでいただいた経過もございますが、瀬戸内海につきましては、去年、正確な数字いまちょっと手元にございませんが、普及率が大体二六%程度というような段階でございます。ですから、まだこれも残念ながら本格的に瀬戸内海の下水道網が他の地区に比べてそんなに飛躍的にふえているというような状態ではございません。ございませんが、今後やはり問題は、生活排水というところに大きく問題があるわけでございますから、その点につきましては、精力的に今後予算の増強に力を入れてまいりたいと思っておるわけであります。
○浜本万三君 家庭汚水の中で特に最近問題になっておりますのは、合成洗剤の問題があるというように思うのですが、これは最近瀬戸内海におきまして、赤潮が例年よりも二カ月も早く発生したと。赤潮の大きな原因の一つに富栄養化という問題が言われておるわけですが、その原因に窒素、燐酸ということが挙げられておるわけでございます。したがって、これまで政府の方も合成洗剤の中に二〇%程度燐を使っておったようでございますが、一五%にカットしたということは一つのこれに対する施策であったろうというふうに思うんでございますが、やはり二〇%が一五%になったといたしましても、年間二十万トンぐらいの燐が流入することは、大体判断できるわけでございます。したがって、特に瀬戸内海における赤潮対策の重要な政策といたしましては、合成洗剤の使用禁止ということも一つの問題ではないかというふうに思うんでございますが、その点につきましていかがお考えでございましょう。
○政府委員(大場敏彦君) 瀬戸内海における燐の排出源といたしましては、家庭排水がかなりのウエートを占めております。もちろん工場排水も多うございますが、その中の家庭排水の中で大きな原因といたしましては、やはりいま先生が御指摘になりました合成洗剤の中の助剤として使用している燐酸、これが大きなウエートを占めておることも事実でございます。ことしの一月から従来の二〇%の含有濃度の合成洗剤を一五%に下げろと、こういった形で指導を通産省にお願いいたしまして、メーカーの方も協力をいただいているわけでありますけれども、環境庁といたしまして率直に申し上げましてこれでは不十分だと思っております。さらにもっと大幅に下げる必要があるのではないか、でき得ればなかなか技術的にむずかしい問題でございます。洗浄効率とかそういった問題がありますので、簡単にはいかない点もありますけれども、もっともっと低濃度の助剤の開発が望ましいと、それまで何もしないというわけにいきませんから、一五%よりさらにもっと積極的に燐の濃度というものは下げていきたいというふうに通産省にも強力にお願いしているところでございます。
○浜本万三君 私はまあ非常に問題になっております合成洗剤の使用禁止ということを念願しておるんでございますが、先ほどお話がございましたように、それまでの措置としてできるだけ燐の含有量を削減していきたいというお話でございました。折衝されておる通産省の御意向はいかがなんでございましょうか。
○政府委員(大場敏彦君) まだ具体的な数値についての御返事はいただいておりませんが、私自身も通産省経由だけじゃなしに、メーカーの幹部の方をお呼びいたしまして、燐の濃度の引き下げについて要請しております。その結果、具体的な返事はまだもらってはおりませんけれども、かなりドラスチックに下げていく用意があるという内意といいますか、そういう感触は私はもらっております。
○浜本万三君 それではせっかくの環境庁の考え方でございますので、できるだけ早く実現をしていただきますように要望しておきたいと思うわけです。 次の埋め立ての問題なんでございますが、まず、埋め立てが今日瀬戸内海でどの程度行われておるかということがもしおわかりになればお尋ねしたいと思いますが、それはわかりませんですか。
○政府委員(大場敏彦君) ちょっと細かな数字は、私の方では集計しておりますが、いま手元にございませんので、後ほど届けさしていただければありがたいと思います。
○浜本万三君 まず環境庁の埋め立てについての基本的な考え方につきましてお尋ねをいたしたいと思うんですが、環境庁はこの瀬戸内海の臨時措置法ができまして以来、原則的には埋め立てはすべきものでないと、こういう見解を持っていらっしゃると思うんですが、なお、この際、長官の方から基本的なお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 答申をいただいております中に埋め立ては厳に抑制しろと、こうございますので、その答申の趣旨を体して臨んでおります。
○浜本万三君 その場合、よく問題になりますのは、いわゆる公共施設がどうしても必要なんだから、したがって、埋め立ての規制を排除したいと、こういう考え方がよくあるわけなんでございますが、原則的な考え方と、それから公共施設で必要なために埋め立てをしなければならない、そういう考え方との調和ですね、それはどういう点でとっていらっしゃるんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 環境庁といたしましては、公共用施設だから埋め立てはいいというぐあいに単純には考えておりません。それもやはり厳に抑制すべきの中に入るものと考えております。ただ、どうしても緊急やむを得ざる公共施設の建設、たとえば下水道とか、そういった積極的に水質浄化に役立つような場合には、その場合には、しかも同時にアセスメントをして環境影響評価をいたした上で、そうして判断をいたしたい、かように考えておるわけであります。
○浜本万三君 埋め立てをいたしますと、大なり小なりいろんな被害を住民に与えることになるわけなんですが、埋め立ての間接被害の問題につきまして今月の五日だったと思いますが、環境庁長官は衆議院の公害特別委員会で海水浴ができなくなるといったような間接被害を受ける沿岸住民に対しては何らかの補償をすることが望ましいというような意味のことを発言されておる記事を私は見たわけなんでございますが、これはどういう真意で御発言をなさったんでしょうか、長官から伺いたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) お尋ねの点は予算委員会の第一分科会でことしの二月二十七日に私が田中委員の質問に答えまして申し上げた点だろうと思うんでございますが、こういうふうに私申し上げております、環境庁としては、入浜権というお尋ねがございましたので、そういう権利とか法律論、これは法務省の方の所管でございまして、私どもがこの点の法律論を展開することは遠慮しておきますと、それとは別に政治姿勢としてやはりその住民の方々ができるだけ砂浜を回復したい、あるいは散策のためのいろいろな環境を回復したいということにつきまして、できるだけの御援助を申し上げるという政治姿勢で臨むべきものと思いますと、こういうことをお答えをいたしております。しかも、突然のお尋ねだったもんですから、十分検討が進んでおりませんし、理解も行き届かぬ点が、これは各省それぞれ同じじゃないかと思いますが、そういう点で財産被害というふうに見るのか、あるいはどういうようにこれを見たらいいのか、よく勉強させていたきたいと、こういうふうに私お答えをいたしておるわけです。
○浜本万三君 私の手元にございますのは、これ読売新聞なんでございますが、「埋め立てなどによって、海水浴ができなくなるといったような間接的な被害を受ける沿岸住民に対して、何らかの形で補償をすることを検討していきたい」と、こういうように言明されておるわけなんですね。そうすると、いま長官からお話をいただきました内容とは多少ニュアンスが違ってくるというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私いま読み上げましたこの日のことを記事としてとられまして、たしか翌日か、そういう記事が出たんじゃないかと思いますが、これ以外に私、こういう御質問をいただいてお答えしたことはちょっと記憶にありませんので。
○浜本万三君 いずれにいたしましても、はっきりしておきたいと思うのですが、何らかの形で補償をするということを検討したいという御真意であるかどうか、その点もう一回はっきりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) その後田中先生がさらに政府に対して入浜権に関する質問主意書というのを御提出になりました。それにつきまして政府が統一見解をもってお答えをいたしてございます。その中にもお答えを申し上げておるんでございますが、「一般的に言えば、美しく、楽しい海浜を奪われたという理由だけで、補償を請求することは困難であると考える。」、しかし、政府としても「国民の健全なレクリエーションの場を確保するためにも、環境の保全をはかることは極めて重要」ですから「一層その推進に努めてまいりたい。」というふうにお答えをしておるわけでございます。なお、さらに「〃健全なレクリエーションの場を確保する〃ため政府の具体的方策を承りたい。」という御質問につきまして、「個別の地区の問題については、地元で具体的な施策がまとまれば、政府としてできることがあるかどうかについて慎重に検討したい。」と、こういうふうに政府からこの質問主意書についてはお答え申し上げている。いま私どもの政府としての考え方は、この申し上げました質問主意書に対するお答えに尽きているわけでございます。
○浜本万三君 それでは別の角度からちょっとお尋ねするのですが、最近いわゆる環境権という問題が大変議論になっておるわけでございますが、環境権について長官はどのような考え方を持っておられるでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は法の確定的な解釈を申し上げる政府の責任者でありませんので、まだ私の環境庁長官としての立場のお答えになりますが、先ほども答弁書を読み上げましたように、政治姿勢としては十分それらのいわば住民の何といいますか、環境に対する欲求というものを踏まえて政治上の施策をとっていかなきゃいかぬけれども、権利としてなじむかどうかということについては、これはまだ私ども確定的な見解を持っておりません。
○浜本万三君 いずれにいたしましても、ある一定の開発をすることによって受ける沿岸住民の被害というものに対してやっぱり政府は何らかの積極的な前向きの姿勢をとるということは一般的には長官のお答えでよくわかるわけです。しかし、やはり生活全体を脅かされるということにつきましては、主張する住民の要求に答えて何らかやっぱり措置をしていくということが必要になってくるというふうに思います。そういう点で、今後の問題につきましてはより積極的に住民の方に向いたそういう政策をとっていただくように要望をしておきたいというふうに思います。 それから、海田湾の埋め立て問題については長官御承知でしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 海田湾につきましてはいろいろ公有水面埋立法の手続きが進行中でございまして、地元に対してのいろいろの関係図書の公告縦覧を終わって、いま県が免許権者として免許すべきかどうかということについていろいろ調査分析をしている段階というふうに聞いております。
○浜本万三君 そういう段階でございますので、きょうは特に海田湾の問題についてお尋ねをしようとは思いませんが、一般的な問題につきましてお尋ねをしたいというふうに思うわけでございます。 私が思いますのに、最近における環境行政の急務といたしましては、アセスメントの確立とその科学的予測の情報を住民に公開をいたしまして、そして住民との合意を取りつけるということが一番重要な事柄になっておるというふうに思うわけでございます。ところが環境庁の方から指導されておりますアセスメントの項目を見ますと、人の命と健康をおろそかにしておるようなそういう気がいたすわけでございます。環境庁から最近出されました公害の状況に関する年次報告などを見ましても、その点はやはり住民との接触を十分したり、あるいはまた人の命と健康に関することを今後とも調査をしていかなきゃならぬ、こういう趣旨の内容が載っておるわけなんでございます。つまり、アセスメントの項目は、現在指導されておる内容だけでは不十分ではないかというふうに思うわけなんでございますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(城戸謙次君) 環境影響評価につきましては、一つは制度面でどういうような制度をつくっていくか、先生いま御指摘になりましたような住民の参加等の問題を含めましての制度化の問題、もう一つはアセスメントの調査の項目あるいは評価の手法こういうもの、二面にわたりまして検討しているわけでございます。後段のアセスメントをやる場合の調査項目あるいは評価手法、こういうものにつきましては実は去年の六月に中央公害対策審議会の防止計画部会の中にございます環境影響影響評価委員会から中間報告が出ております。これには相当の大きな項目につきまして調査をするということが予定されておるわけでございます。もっとも、これは前提としましては大規模開発を想定したものでございますから、さらにいろいろな規模のものにつきましてこれをどういうぐあいに当てはめていくかというようなことにつきまして現在さらに検討を進めているところでございます。
○浜本万三君 広島の海田湾の問題につきましても住民の方からアセスメントの内容につきましていろいろな意見が出ておるわけなんでございますが、特にそれらの意見を考えてみますと、結局風土あるいはまた自然環境、住宅環境あるいはまた環境保全、洪水や浸水の防止などというようなものについても十分なる配慮がされていない。あるいはまた窒素、燐酸の予測が行われていない。そういう点が強く出されておるわけなんでありますが、アセスメントの項目に不十分な内容があるとすれば、早急にその改善を行って住民との合意を取りつけるということが必要だと思うのでありますが、その点今後の考え方についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 先生おっしゃる点は全く基本的にはそのとおりだと思いますので、できるだけいろいろな角度からする詳しいアセスメントを実行していただきたい。私は具体的な経過をよく存じませんので、いま申し上げましたような基本的な考え方、趣旨で指導を担当の部局から県にいたさせたいと考えます。
○浜本万三君 開発に当たってアセスメントの問題が非常に問題になるとすれば、環境の影響評価の基本法というようなものをこの際つくる必要があるのではないかというふうな気がするわけなんであります。特にこの法律の作成に当たりましては、何といっても住民との関係をうまく改善するということが第一の原則になると思います。それから第二は環境保全優先の原則、第三は公開の原則というようなものを基本にいたしまして、できるだけ住民との摩擦が起きないようなりっぱな法律をつくっていくということが必要だと思うんでありますが、その点長官はどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(小沢辰男君) そういう趣旨でただいま中公審にもお願いをして検討を願っております。来るべき次の通常国会には何とか法律の形で御審議をお願いをしたいというつもりでございます。 なお、まだ内容決まっておりませんが、考え方の具体的な点につきましては担当局長から申し上げます。
○政府委員(城戸謙次君) いま先生述べられましたことを含めまして制度の場合一番問題になります主なことを申し上げますと、一つは評価を実施する実施主体をどうするか、それから環境影響評価を実施します対象事業をどういう範囲にしぼるか、また実施の時期をどういう段階で実施するか、それからいまの御指摘になりましたような結果を一般に公表し、さらに住民の意思をいかに反映するか等々、まあいろいろあるわけでございまして、専門委員会を中公審の中に設けまして現在検討を進めているところでございます。
○浜本万三君 次の問題は、五十一年にはまあ時限立法の瀬戸内海臨時措置法というものが切れるわけでございますが、この瀬戸内海臨時措置法は、政府の方針によりますと、瀬戸内海の環境保全の基本計画を定めるまでのまあつなぎということになっておるわけなんですが、早急にその基本計画を立てなければ瀬戸内海臨時措置法の時期も過ぎてしまう、こういう状況になっておると思うんですが、現在基本計画の策定に当たってはどの程度作業が進んでおるんでしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 環境臨時措置法は基本計画の策定をわれわれに命じているわけでありますが、この基本計画の策定につきましては、ことしの二月にすでに瀬戸内海環境保全審議会に御諮問を申し上げて、それで、それを審議するために計画部会をことさら設置した、こういった経過になっております。で、現在われわれのところでいろいろな計画の内容、骨子についていませっかく勉強中でございまして、その大体の骨格というものが集まりましたらば審議会において議論をしていただきたい、こういうふうに思っております。いろいろまあ水島だとかそういったことが重なりましたのでちょっと作業はおくれておりますが、鋭意努力したいと思っております。
○浜本万三君 できるだけ早くひとついい法案を、基本計画を策定していただくように要望しておきたいと思います。 それから、赤潮の問題につきまして続いてお尋ねをいたしたいと思います。 先ほど申しましたように、ことしは例年に比べると二カ月も早く赤潮が発生をいたしまして、まあ大変な被害がすでに出始めておるわけでございます。ある学者の予測によりますと、ことし梅雨ごろには赤潮が大発生いたしまして、相当な被害が出るんではないかという予測すら行われておるわけでございます。 そこでまずお尋ねをいたしたいと思いますのは、ことしの赤潮の現状をどのように把握されておるか、水産庁の方から伺いたいと思います。
○説明員(佐々木輝夫君) ことし五月の二十日ごろに播磨灘の家島の周辺を中心にしまして例年よりかなり早く鞭毛藻類の赤潮が発生し、漁業被害が発生いたしました。しかし、それまでの経過を見ますと、大体四月ごろまでの発生件数というのは特別に前年、前々年あたりと大きく違ったところはございませんでしたけれども、いま申し上げました五月中旬の鞭毛藻類の発生というのが例年に比べて異常であったというふうに考えております。 で、ことしの状況を全体として専門家の意見等もいま聞いて検討中でございますが、赤潮の発生の基盤と言われています過栄養と申しますか、海水中の栄養塩類の存在状態というのは特別に四十九年、四十八年と著しく変わっているとは考えられませんけれども、もう一つの赤潮の発生の誘因といいますか、直接のきっかけになりますいろいろな雨の降り方であるとか、あるいは日照、気温の変化、こういったようなことをいろいろ専門家に聞きますと、どうもことしは七月の下旬、梅雨明けごろに集中豪雨が局部的にかなりあり得るんではないか、台風の接近ということも七月末ごろにはやはり考えられないことはないというような見通しがあるようでございまして、こういう状況が重なりますと局部的にいま申し上げた有害な赤潮の発生ということを心配しておく必要があるというふうに考えております。
○浜本万三君 現在までの赤潮被害というのはどの程度なものでございましょうか。
○説明員(佐々木輝夫君) ことしの五月の二十三日、二十四日ごろに出ました赤潮被害は、県の報告によりますと兵庫県下で一番集中しておりまして、家島周辺で死にましたハマチが三万尾でございます、金額にいたしまして約五千万円という報告を受けております。で、大体同じ時期に徳島県下でも若干被害がございましたが、これは大体三百三十尾程度ということで余り大きな被害ではございません。総じてことしの現在までの被害状況は特に例年に比べて著しく被害額が大きいということではございませんけれども、先ほど申し上げましたようなやや早期に有害赤潮が出たというようなことで、今後の問題を漁業者等が心配しておる、こういう状況でございます。
○浜本万三君 ことしの赤潮の原因は例年と余り変わったことはないというようなお話もちょっとあったんでございますが、特にことしの赤潮の特徴ですね、それは何か特徴的なものはないでしょうか。たとえば油による原因、油の汚染が原因をしておるとかいうようなことはございませんか。
○説明員(佐々木輝夫君) ことしの赤潮の発生の特徴は、先ほど申し上げましたように、時期的に例年ですと七月の下旬ごろにはどこかで局部的に有害赤潮とされている鞭毛藻類の発生があるのですが、それが早く出たということが一つございます。この原因につきましてはいろいろ専門家も検討しておりますが、実は的確な原因の摘出はできませんで、ことしの冬から春ごろにかけてかなり例年に比べると雨が多かったと、それで気温もまた一時的にはかなり高かったというようなこともかなり原因しているんではないかと、こういうような見方もございますけれども、端的にことしの赤潮の発生の機構を具体的に説明するまでには至っておりません。 で、ただいまお話もございました油の汚染との関係でございまするけれども、従来からも瀬戸内海の中でもまた外海でも船舶等の廃油による海洋汚染事故というのはかなりの件数ございまして、その各事故ごとに赤潮発生との関係が直接いろいろ因果関係があるということでいままで問題になった例というのは実は経験がございませんで、ことしの問題として果たして水島の流出油等々の関係があるかどうかということについても従来の知見ではちょっと判断ができません。今後、赤潮の発生機構の解明をさらに掘り下げてやります中で、いまのような油濁との関連等も赤潮生物の増殖の一つの刺激要因になるかどうかということを含めて検討してまいりたいと、こういうことを考えておる段階でございます。
○浜本万三君 ことしの五月の十九日だったと思うんでございますが、それぞれの中央紙に発表された記事によりますと、香川大学の辰巳先生と岡市先生が油の油幕でプランクトンが異常発生し、赤潮の大発生のおそれがあるという発表をなさっておられるわけでありますが、その範囲というのがこの水島の油が流出し漂っておる地域に見られるという発表があるわけなんです。しかも、それを特殊な遠隔探知法で確認されたという新聞報道がなされておるんですが、その点についてはどのようにお考えでございましょうか。
○説明員(佐々木輝夫君) 赤潮の発生機構の解明をさらに進めるという観点から、水産庁でも赤潮問題について専門家にお集まりいただいて種々検討いたしておりますが、その中にいまお話の出ました香川大学の先生にも御参加をいただいております。そこでいろいろお話し合いも専門家の間でしていただいているわけですけれども、私どもの理解しています範囲では、香川大学の先生の赤潮発生と油汚染との関係の一つの見解の根拠というのは実験室的にある非常に薄い濃度で赤潮プランクトンを培養しますと、たしか〇・〇二ppmということでございましたが、それが一番増殖の効果を持っておる。それより少なくても多くても赤潮プランクトンの発生が少ないということから、油汚染も何らかの関係をしてるんではないか、水島の油というふうに必ずしも限定しての話ではなくて、この因果関係も今後解明をしていかなければいけない、こういう観点でお話しになっているということで、先ほど申し上げたように私どもの方も直接水島の油の問題といますぐ結びつけられるかどうかは今後の検討課題といたしまして、油汚染一般が赤潮問題とどういう関係にあるかということをいろんな要因の一つとして考えたいと、かように考えておるわけでございます。
○浜本万三君 十八日だったと思うんですが、環境庁の方で三菱の水島事故で油が流出したけれども、水質、生物にもう影響がなくなったという発表をされておるわけなんです。しかし、同じ十八日にはNHKのニュースセンターの九時の報道では、香川県のアクアラングクラブが香川県の一浜辺を調査いたしましたところ多数の油のかたまりがまだある、砂を掘れば砂の中にもある、こういう報道がなされておったわけです。そういたしますと、いかにも政府の環境庁の発表というのがそらぞらしく感じるわけです。それと前後いたしまして、水島の三菱石油の操業が今月中に行われるであろうというふうな予測もされておるところから、結局それにあわせて環境庁が報告をしたんではないだろうか、こういう疑いが多くの国民の皆さんから持たれておるというふうに思うんです。 なお、六月十九日の新聞報道によりますと、環境庁の発表を聞いた漁民は大変怒っている、こういう報道がなされておるわけなんです。私は確かに環境庁で調査をした結果、部分的には影響がないという判断をとられたかもわかりませんけれども、先ほど申したような影響がありとするところが非常に多いわけなんです。これに対しまして、一体長官はいまの時点でどのように考えられているでしょうか、感想を伺いたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) いま水質等について御指摘がございましたが、せんだって私どもが発表いたしました調査結果では、いろいろ測定値等から判断すると、水質等につきましては事故を起こした直後の時点ではもちろんのことでありますけれども、油分等あるいはCOD等高い値を示しておりましたけれども、それが二月、三月というぐあいに経過いたしますと発生前の測定値とほぼ同じような値に戻っていたということを申し上げたわけであります。 それから生物相への影響等につきましては、これは何も影響がないということを断定的に報告をしているわけじゃありませんで、現在までのところ影響があるというようなデータは見つからなかったというようなことがやや正確な言い方であります。もちろん生物相への影響というものは、ライフサークルという形で見なければなりませんから、この二月あるいは三月だけの短い期間だけのデータでは不十分でありますし、もっと長い期間にわたってその変化というものは慎重にフォローしていく必要があるだろう。したがって、そういうものは継続して監視し、調査も継続する必要があるというのがわれわれの考え方でございます。その点のところが、もう影響はなかったんだ、全然今後もないんだというぐあいに伝えられているとすれば、それはややわれわれの本当の気持ちとは違っている次第でございます。
○浜本万三君 いずれにいたしましても、今度の環境庁の報告に対しましては、先ほど言ったように、沿岸漁民の皆さんは非常な不信感を持っていることは間違いないと思います。私は、この種の問題を学者先生の調査の結果発表されることもそれはやむを得ない場合もあると思うんでございますが、やはり十分沿岸漁民の皆さんの気持ちも考えながら発表をするということが必要ではないかというふうに思います。 それから環境庁は、昭和四十九年七百九十万円、五十年にも約一千万円の予算で赤潮の予知技術の開発をなさっていらっしゃるということを伺っているのですが、これはいまどの程度進んでおるんでしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 赤潮の研究につきましては、四十年の前半からずっと基礎的なメカニズムを研究してきております。それについての知見をベースにいたしまして、いまの研究の重点といたしましては、赤潮を発生予察技術といかにして――初動的な段階で発生を予察して、それに対応する初動的な動作というものをきちんとして被害の防止をするといったことに重点があるわけでございますが、これは環境庁だけでなくて、水産庁とも、ともども御協力をいたしまして発生予察事業を実施しております。環境庁で現在実施しております発生予察事業は、どちらかと言えば水産庁が赤潮のメカニズムそのものをつかまえて、プランクトンとか、あるいはいろいろな生物相への変化というものをつかまえて発生予察の材料にするというのとは違いまして、別の角度から、つまり現象面をつかまえて、たとえば水面の色がどういうぐあいに変化したとか、そういった現象面をつかまえて、ああこれは赤潮が発生するんじゃないかというような、そういった形での予察技術の確立に努めている。具体的に申し上げますれば、リモートセンシング、たとえば航空写真等を撮りまして、そうして海面のいろいろな変化というものをつかまえまして、それが赤潮の発生の端緒であるというぐあいに利用できるかどうか、こういった研究をいま続行中でございます。
○浜本万三君 政府の方も一生懸命やっておられるということなんですが、いずれにしましても、赤潮が発生をいたしまして漁民は被害をこうむる。そして問題を提起すると、研究をします、調査しますということでなかなか問題の解釈はできない。そこに大きな不満があるわけでございますので、いずれにいたしましても、具体的な対策を早く確立をするように要望をしておきたいと思います。 時間が参りましたので、最後に漁業補償の対策につきまして伺いたいというふうに思います。 先ほどからお話がございましたように、相当の被害がございますし、また被害が予測をされるということになるわけです。一般的に言って、原因者がはっきりしておれば、それは原因者が補償しなきゃならぬわけですが、今回の赤潮の場合には、その原因が不明確だと、こういうことで漁民の皆さんが非常に困っておられるわけでございます。で、この赤潮によって被害を受けた漁民に対しては、政府はどのような対策を講じられておるか、政府の考え方をお尋ねしたいと思うんです。水産庁に……。
○説明員(佐々木輝夫君) 従来、有害赤潮で被害を受けます主な業種が、漁業の中でも特に魚類の養殖業、魚類の中でもハマチが一番弱うございまして、ハマチ養殖の被害が最も大きな被害になっております。それで、この問題につきまして、何らかの、原因の究明と並行いたしまして、別途に救済策が必要だということで、四十九年度から、現在実施しております漁業災害補償制度の中の魚類の養殖共済の中で、こういった赤潮による被害が出た場合の損害の補てんをしようということで、昨年から実は実施をいたしております。ただ、今回出ました家島の周辺のハマチの被害につきましては、ちょうど端境期に当たっておりまして、共済組合が共済契約に基づいて補てんの責任を持つ期間の終わった後といいますか、始まる前に、ちょうどたまたま谷間に入っておりまして、この共済制度による補てんができませんでしたので、一面では漁業の養殖業の変化、実態に合わせまして、共済の仕組み、共済規程の改定等を、現在、兵庫県下で検討するように水産庁としても指導いたしますと同時に、今日の被害漁業者に対しましては、兵庫県下の公害対策基金等を活用して、今後の経営の持続ができるように手当をしようということで、県とも打ち合わせ、検討中でございます。
○浜本万三君 いまの共済制度による救済でございますね、何か七月から実施するということになっているらしいんですけれども、そうすると、五月の被害については事実上できないということになるわけなんですが、それを何か考慮していただきまして、今回、五月からの被害について適用できるような考え方はできませんでしょうか。
○説明員(佐々木輝夫君) これは法律制度上の問題ではございませんで、共済の運用上の問題として、実はハマチの一年魚と二年魚をいま六月一日で調べております。兵庫県の共済規程におきましては、一年魚につきまして共済責任期間の終了日を三月三十一日で切っております。二年魚につきましては、六月一日以降、この実態に合わせて、ある幅を持った中で毎年決めるわけですが、六月一日から一応引き受けようと思えば引き受けが可能である、それは翌年の五月三十一日まで可能なんですが、当歳魚、一年魚につきまして、大体内海のいままでの養殖の実態が三月までにはすべて出荷してしまうというのが通常でございましたので、掛金率との関係もあり、三月三十一日で切っていたというところに問題がございます。そこで、それを実態に合わせて終年引き受けができるように改正することが、全体の漁業者の方の経営上の立場から見て適切であるかどうか、このことをいま県の共済組合段階で検討中でございます。
○浜本万三君 いずれにしましても救済できるように、前向きで取り組んでいただきたいと思います。 いよいよ最後になりますが、今度漁業被害の問題を中心にいたしまして鳴門漁民、香川漁民の皆さんが訴訟を提起されておる報道がなされておるわけなんですが、これに対しまして政府はどういう考え方で応訴されるのか、法務省の方、来ておられましたらひとつお答えいただきたいと思うんですが……。
○政府委員(貞家克己君) 鳴門市の関係でございますが、徳島地方裁判所に訴えを提起されたのでございます。国を被告とする訴訟でございますので、法律によりまして法務大臣が国の代表者ということになりまして、私どもで訴訟の遂行に当たっているわけでございます。ただ、所管庁、関係行政庁が非常に多岐にわたっておりますので、各方面に御協力をお願い申し上げ、いろいろ調査を御依頼申し上げているわけでありますが、この訴訟は、本年の四月十八日に第一回の口頭弁論が開始されたという段階でございます。目下、これから訴訟が進行するという段階でございます。 私どもといたしましては、関係各庁の御調査によりまして、十分事実の詳細を調査いたしまして、それに基づきまして法律上の主張をいたしまして、裁判所によりまして事案の真相が的確に解明されまして、適正迅速な裁判が下せるよう、鋭意努力する覚悟でございます。
○浜本万三君 環境庁長官に最後に考え方を伺いたいんですが、結局、こういうものは早く解決をするということが一番望ましいと思います。環境庁が介入されまして、徳山湾では調停が成立したというふうな話も聞いておりまするし、早く解決をするということになりますと、環境庁が積極的に漁民の皆さんとも話をしながら問題の解決を図っていくということが望ましいと思うんですが、最後に長官のこの問題に対する御意見を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 公害被害の救済につきましては、できるだけ早く解決をするということが一番大事な点でございますので、今回のような調停が行われまして、徳山湾等について解決を見たことは、非常に私ども喜ばしいことだと思っております。が、一方、赤潮の裁判の問題につきましては、これはそういうような趣旨で、関係者が御了解願えれば、また一つの方法かとは思いますが、現在、裁判の進行中でもございますので、いま窓口は法務省でございます。私どもとしては、このような問題が起こらないように、早く発生原因の究明、あるいは予察技術の開発等を進めまして、また、一方、根本的には窒素、燐の問題、これがいま技術的な点で特に規制の方法等についてのめどが立たないものでございますから、なかなか規制の基準をつくり得ない、また下水の普及が先ほどのような状況でございますが、これをいまの普及率を上げましても、窒素、燐の第三次、四次処理の高度な処理というものの技術が確立されませんと、燐、窒素を特に少なくするということが、いまの現状の下水道の処理、終末処理ではまだできてないわけでございますし、それらを総合的に対策として早く進めていきまして、赤潮の被害が起こらないような事態を一日も早く迎えたいという念願でいっぱいでございます。 裁判につきましては、できましたら関係者間の了解を得て、徳山湾のような調停の方に向かっていければ非常にありがたいと考えておるわけでございます。
○内田善利君 私はきょうは佐賀の原発の事故の問題と、それから中央高速道路の排気ガス公害の問題について質問したいと思います。 まず最初に原子力の問題ですが、佐賀の玄海原発ですけれども、営業開始を来月に控えて九州電力の玄海原発一号機が去る六月十日、試運転中に関電の美浜一号機、二号機に続いて同じような放射能漏れを起こしたわけですが、原発事故がこのように相次いで起こっている中で、地元住民もですが、私どももこの原発が安全かどうか確認する意味で注目をしておったわけですけれども、また九州電力の方でも安全性については総力を挙げていた、このように聞いておりますが、この事故を起こしてのショックが非常に大きいわけでありますが、その原因については蒸気発生器の熱交換用の約七千本の細管からの水漏れ、放射能漏れということなんですが、理由はどのようになっておりましょうか、まず科学技術庁にお伺いしたいと思います。
○説明員(中村守孝君) お答えいたします。 九州電力の玄海発電所一号炉につきましては先生いまお話がございましたように、本年二月に初めて電気を発生いたしまして、現在試運転中でございましたが、六月十日午前八時二十分に蒸気タービンの下にございますコンデンサーという、蒸気を冷却する装置がございますが、そのところで放射能の異常が検出されましたので、試運転中でもございますので、直ちにもろもろの計器等もチェックしつつ原子炉を停止して調査に入ったわけでございます。本発電所は試運転中でございまして、現在通産省で使用前検査ということで検査を実施中の発電所でございまして、最終的にまだ合格書を出した発電所ではございません。それでいろいろな部分についての検査を実施中のものでございます。そういうこともございまして、直ちに通産省の電気工作物検査官が現地に派遣されましてこの故障の状況等については調査したわけでございます。通産省の方からの御説明が適当かと思いますが、私の方から申し上げますと、まずどこでそういう蒸気漏れが起きたかということについて調査をする方法といたしまして、蒸気発生器というものがございまして、それが原子炉の水とタービンを回しますきれいな蒸気との間の媒体をする装置でございます。その装置のところで漏れが起こったのではないかという疑いを持ちまして、まず水圧テストということで水圧をかけまして、漏れがあるかどうかということを調べましたところ、蒸気発生器の細い管がたくさんございますが、それの一番外側のパイプに該当するところで水漏れが発見されたということでございます。ただいままでわかっておりますのはそういうことでございまして、今後さらに渦流探傷テストという、ちょっと技術的な用語で恐縮でございますが、そういう試験を行いまして、その管のどの部分に漏れがあるのか、そしてその損傷の状況はどの程度のものであるかということにつきまして詳細な調査をいたすわけでございます。その調査結果が出ませんと美浜発電所で起こりましたようなものと同一のものかどうかということは即断いたしかねるわけでございまして、現在までのところは蒸気発生器の最外側の細管に損傷があったということだけ御報告さしていただきたいと思います。
○内田善利君 非常に弁解めいた答弁が行われたわけですけれども、私がお聞きしているのは、基本的な質問の姿勢は、美浜一号機、二号機があのような事故が起こっていま運転を停止している。大体同じ原子炉でありながら同じようなところで同じ水漏れが起こっているということですが、水圧テストは恐らく前にもうやられたのじゃないかと思うのですが、事故が起こってからやられたというのは私には腑に落ちない。事故が起こって初めて水圧テストをして蒸気漏れがわかった、水漏れがわかったということでは納得ができない。 それからそういう細管ですけれども、大体美浜のを参考にして、角があるところは角を取って丸くして、中の腐食剤も燐酸ソーダからヒドラジンにかえたとかいろいろ私は聞いているわけです。ですから質問に端的に答えていただきたいのですが、三菱重工の神戸造船所でその細管をつくったということですけれども、そのつくる段階において厳密なテストがなされたのじゃないかと思う。これは通産省の方でOKがあったと私は聞いております。そういうことがあって、しかも七月には操業開始という段階で、試運転だ試運転だ、試運転中だからこの事故は考慮していただきたいと。私はこれが一号機ならばそういうことも考えられますけれども、美浜でもそういう事故が起こっている。また万全を期してきた、七月には営業開始、二月からもうすでにやっておる、そういう段階で起こってきている。だから、この安全テストは一体なされたのか、なされなかったのか、この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(高橋宏君) 先生のお尋ねでございますが、まず先ほど科学技術庁から説明のございました水圧テストは、なぜ先にやらずにいまごろやったかという御質問でございますが、ただいま科学技術庁から御説明いたしました水圧テストと申しますのは、本件は、放射線モニターが警報を発した、すなわち一次側を二次側でどこかで漏洩が発生した、そういうぐあいに技術的にまず判断されるわけでございますけれども、その場所がまずどこかという確認がなされることが緊急でございます。そのための試験方法として、たとえば二次側に水を張りまして圧力をかけておきますと、漏れる個所がありますとそこから水が漏れる。それを下からながめまして漏洩個所を確認する。そういう目的の試験でございます。一般的な健全性を確認するための水圧テストではございませんので、補足いたしておきます。 では、事前にどういう検査をしておったかというお尋ねでございますけれども、先生御指摘のように日本におきます加圧水型の原子炉は美浜がまず第一号機、代表的なものとなっておりますが、ここで御指摘のような蒸気発生器の漏洩故障が起きた。その対策は別途いろいろと検討をいたしておりますが、そういうことも頭に置きましていろいろな方法を、玄海におきましても実は考えられる方法は講じておったわけでございます。たとえば水処理を変える、あるいは試運転段階で点検を十分行う、美浜において発生した個所等についてはさらに念入りに調査するというようなことをやらして試運転を慎重にやっておった段階なんでございます。その段階で実はこういうことが起きたということ、それ自体大変私ども遺憾に思っておりますが、そういう前提でいままでにやった検査の方法、項目を概要御報告いたしますと、まずこの蒸気発生器が工場において製作されます段階におきまして、私ども溶接検査と呼んでおりますが、次のようなことをやっております。すなわち、まず細管の材料が仕様書どおりかという確認……。
○内田善利君 安全であったかなかったか聞いているんです。
○委員長(藤田進君) 簡潔にやって下さい、簡潔に。
○説明員(高橋宏君) はい。私どもがやりました検査の、たとえば水圧試験もその場合にやっておりますが、あるいは液体探傷試験というのもやっておりますが、その段階におきましては、この蒸気発生器の健全性は健全であるという判断をしたわけでございます。
○内田善利君 私は一〇〇%完璧でなければテストもしていけない、何もしていけない、実験もしちゃいけない、そういう立場で言っているわけじゃないんです。いままで何回も事故が起こってきて、「むつ」原子力船の場合も、また原子炉の場合も非常に何といいますか、これで安全なんだろうかという国民の声があるわけですね。それに対して今度は原発は大丈夫だろうと、こう期待しておったにもかかわらずこういう事故が起こったもので、非常に不安がなくなってないわけですね。そういった立場でいま質問しているわけです。私などから見れば同じようなところで、同じ場所で同じ細管から水漏れがしたということは全く何をしていたんだと、こう言わざるを得ないわけですね、素人的な立場ですけれども。これが別の個所で起こったというようなことならばまた問題は別ですけれども。そういうことでお聞きしているわけですが、検査、安全性のテストということもこれだけ同じようなかっこうで起こるならば、やはり第三者機関等で強力な検査機関で安全性をテストした方がいいんじゃないかと、このように思うわけですね。この点はどのようにお考えでしょう。
○説明員(高橋宏君) まず最初にお断りしておきたいことは、本件は外部に対する放射線影響は全くなかったということでございます。 次に先生御指摘のように、蒸気発生器にかかわる故障である、トラブルであるということはおっしゃるとおりでございますが、たとえば美浜の一号と二号とではその蒸気発生器の中の漏洩の起きた場所が全く異なっております。それから世界でたくさんの同型炉が動いておりますけれども、やはりあちらこちらこの蒸気発生器の漏洩というものが起きておりまして、その場所並びに原因もたくさんございます。必ずしも一つの原因と発生個所ではございません。大きく分けますと四つか五つのパターンがあるかと思いますが、そういうことでございまして、試運転中非常に短期間にこういう事態が発生したということにつきまして私ども若干首をかしげておりますが、そういう意味からも今後の詳細点検で十分その事態を確認いたしまして適切な措置をとっていきたい、そういうぐあいに考えておる次第でございます。
○内田善利君 当日、六月十日の八時二十分に事故が起こって、六月十二日の午後六時まで地元はつんぼさじきに置かれておったと、こういうことなんですが、これは安全協定があったにもかかわらず通報がなかったと、こういうことですが、通報体制が全くできなかったということ、これは非常に問題だと思うのですね。衆議院でも問題になっておりますが、これでは避難体制も何もあったものじゃないと、やはり原子力基本法の民主、自主、公開の公開に当たるかどうかわかりませんが、とにかく協定に基づいて通報を早くすべきであったと、このように思うのですが、この点はどうでしょう。
○説明員(高橋宏君) 九州電力が、県との協定書の文面がございましたにもかかわらず、約十二時間くらいだと思いますが、通報がおくれたということにつきましてはわれわれも遺憾に思っております。県当局からも九州電力に対しまして今後の協定履行につきまして警告文が送付されたというぐあいに聞いております。私どもも、この安全協定と申しますのは、電気事業者が地元の代表である地方公共団体に対しまして、この安全問題について十分連絡を密にして地元関係の理解と協力を得るという趣旨で締結したわけでございまして、結果的にこのことがそういう信頼関係に大きなひびを生じたということはきわめて遺憾でございまして、今後このようなことのないように連絡をいたしまして十分指導してまいりたいと思います。
○内田善利君 八時二十分に事故が起こって、通産省に報告があったのが十時から十時半までの間ですね。そうして十九時三十分ごろ県に報告がなされておると、これは間違いないと思いますが、この通産省の方に十時から十時半までに連絡があって、報告があって、その後県の方では十九時三十分までに大分時間があるようなんですが、この間通産省はどういう指示を九電になさったんですか。
○説明員(高橋宏君) 私どもがこの第一報を受けましたのは、いまお話のありましたように十時過ぎでございました。これは電話でございまして、その内容は八時二十分ごろに復水器の抽出排気管に取りつけられたモニターが警報を発した。したがって、これから負荷を下げて停止をして調べる手はずにしたい、そういう内容であったわけでございます。私どもは、それ以後につきましては、その場合の外の放射線モニターの指示がどうであったかを調査いたす、あるいはこのモニターが警報が鳴ったというが、その設定値並びに警報発生値はどうであったかというようなことを調査いたして事実の確認をさせておったわけでございます。
○内田善利君 住民への通報についてはどのように指示したのですか。
○説明員(高橋宏君) 私どもは、まずそういうこのトラブルの実態を確認するということが第一でございまして、そういうことでございましたが、九州電力自身はこの地元との協定等に基づいて措置をするということが当然かと思います。
○内田善利君 指示は全然なかったわけですね。これは西日本新聞ですけれども、名前は言いませんけれども、佐賀県の方では――新聞に出ているとおり申し上げます、十日十九時九電から「事故発生報告を受けてから、十一、十二日と九電側の説明を受けながら「状況を正確に掌握したうえで発表するよう国から言われていた」」と、このように新聞に出ているわけです。ですから、国からは、九電の説明を十一、十二日と受けながら状況を正確に掌握した上で発表するように言われていたと、これが事実ならば、私は国こそ県に対して早く通報しなさいと、ただし、これは炉内の事故であって環境モニターの方は何も作動していないんだから安全だと、はっきりその状況を教えてあげれば、これが本当の私は行政の態度じゃないかと思うんですが、試運転中だから県民をいたずらに刺激するといけないからとか、そういうことで通報をおくらす方が私は県民に対していたずらに刺激を与えることになるんじゃないかと、こう思うんですが、この点はいかがですか。
○説明員(高橋宏君) 私どもはそういうような指示をしたことはございませんで、私どもが県との連絡でやっておりましたのは、県独自にもやはりこの状況を調査しておるという報告は他に連絡はいたしております。十一日、十二日と九州電力を佐賀県がお呼びになりまして、いろいろ事情聴取をいたしたり、十二日の午前中もいたしておるようでございますが、そういうわれわれのつかんでおる情報と県の情報との整合、その他につきましてはいろいろ連絡し合いましたが、先生のおっしゃいましたような事実は、私は存じておりません。
○説明員(中村守孝君) 私どもでも、六月十日の十時過ぎに九電の方から電話で連絡がありましたので、本件につきましては、九電においても初めてのトラブルでもあったこともございますので、ほかのケース等のことで、県の方には速やかに連絡しておくようにという指示はいたしました。一般への公表ということにつきましては、一般にこういう問題については地元等の御意向等も聞きながら、発表の時期等について検討しておるわけでございますが、一般にそれが、いわゆる事故と称するものであれば、もちろん直ちに発表するわけでございますが、試運転中のものでもあり、試運転中にはいろいろな調整等のことで停止することもしばしばございます。本件の放射能につきましては、環境への漏れということはきわめて微少な問題でもございまして、直ちにどうこうということでもございません。いろいろ試運転中のトラブルも多く、調整、停止するというようなことからも、これは国として直ちに発表することではない、地元の方で発表する御意向があれば、それはもう地元の情勢で発表されるのはよろしかろうという判断でございましたが、地元から御相談がありましたときは、若干その故障が起こりましてから時間がたっていた経緯もございまして、一般に、そのときにこういう発表についてどうかということについて連絡が事務方の方にありまして、一般には、こういうことについて地元で発表するようなときについては、国でも一緒に発表するような体制にしておりますが、事態を正確につかんで発表するようにしておりますという話を申し上げたわけでございます。地元の方からどうしようかという御相談のありましたのが時間がちょっとたち過ぎておりましたこともございまして、もう少し、たとえば水圧試験の結果等がわかった段階での発表というようなことも考えられるんではないかということもございまして、そういう相談を受けましたときに、直ちに一般に発表したらよろしいでしょうという指示はいたさなかったわけでございますので、まあ結果的でございますが、かえってその発表が、一般への公表がおくれたこと自体が非常に不信感を増大したという点において、むしろ私どもの方から積極的に県に発表を指導すればよかったかということをいま反省しておる次第でございます。
○内田善利君 中村課長さんは試運転中だった、試運転中だったと言われていますけれども、試運転中であろうと操業中であろうと、やはり検出装置が動いたというのはこのままいったら大量の事故が起こるぞという警報装置なんですから、これもし一〇〇%フル回転中だったら、いよいよ大変だと思うんですね。試運転中であった、あるいはフル回転中であった、にもかかわらず、検出装置が動いたということは、警報を発しているわけですから、そのための警報装置だと私は思います。事前に知らせるための警報装置だと思う。それが動いたということは、やはり大量事故につながる。それは試運転中であろうと操業フル回転中であろうと同じじゃないかと、こう思うんです。
○説明員(中村守孝君) お答えします。 ただいまの先生のお話でございますが、この発電所の運転出力は当時一〇〇%だったら大変ではないかと、こういうお話でございますが、これは九〇%の出力で運転しておりますので、試運転中とはいえ徐々に出力を上げてまいりまして、すでに九〇%並みの出力を上げてございます。定常のいわば運転状態のときと変わらないわけでございますので、一〇〇%のときだったら大変だったろうと、こういう御理解は間違いでございますので、一言申し上げさしていただきます。 それから警報の点でございますが、これは原子力発電所に限らずいろいろな工場プラントでもそういうことでございますが、特に原子力発電所の場合、いわゆる多層防護という観点に立っていろいろな段階で処置をとると、事故に発展する段階までの過程にいろいろな段階がございます。原子力発電所の場合は、その多層防護の観点に立って、いろんな装置をつけている最初のいわばとりで、その最初のとりでが破れたら途端に事故というものではないわけでございまして、しかし、最初のとりでが破れたときにすぐ手当てをすると、常にその多層防護の一つの一線が破れたときにそれをすべて補修して直すというのが原則でございますので、一般にそういうできるだけ早い機会に故障の小さな段階で発見するというように、いろんな段階で警報等も設定しております。そういうことで、今回のSG――蒸気発生器事故以外でもいろいろな機械がたくさんございますが、それらの機械の運転不調等について警報装置がいろいろついております。その警報装置が鳴ったら事故だと、あるいは事故として報告しなければならないということにはちょっと――むしろそういう警報というのは所内の運転員に警告を発すると、で、迅速適切な処置をとり多層防護の第一線を確保するということが主たるものでございますので、そういうぐあいに御了承いただきたいと思うわけでございます。
○内田善利君 非常に軽く見ておられると思うのですけれどもね、試運転と――一〇〇%、九〇%動いてたということであるならば試運転じゃないじゃないですか。完全に動いてたんです。だから言葉でごまかさないでほしいと思うのですね。もしそれだったらなお大変だと私は思います。それと住友化学でしたっけ、あすこの警報装置が動かないでガスがたくさん漏れて付近の方々が大変迷惑したことがございますが、これは警報装置が動かなかったわけです。これはたまたま動いたからそういう警報をしてくれたわけですから、その点やはりもう少し警報装置を重視していただきたいと思うんですね。時間がありませんからこれで私は終わります。 大体わが国の原発はもう六基すでに運転をストップしている。動いているのは東海と島根と高浜の三基だけが動いている、しかも稼働率は七〇%と非常に低い。そういう実情ですから、もう少しこういう原発の立地の場合は安全点検をきつくやっていただいて、特に私が提唱しております第三者機関でチェックしていくという方法を講ずるなりしていかないと、まだまだこういう事故が起こるんじゃないかと。まあ科学技術庁の中村さんの方ではそういう事故がたくさんあるんだと、こういうことですが、同じような蒸気発生器からこういう事故が起こるようなことがないように、今後注意していただきたいと思うし、基本法の民主、自主、公開の原則はあくまでも守っていただきたいと、このように思いますが、いかがですか。簡単にお願いいたします。
○説明員(中村守孝君) 私どもはささいな故障にも厳重な目を光らせて設置者を指導いたしております。本件蒸気発生器につきましても、外国の例を引いて大変恐縮でございますが、こういう蒸気発生器の故障漏れがありましたときには引き続き運転を継続している、継続を許す――ある量までの漏れは許すというのがアメリカNRCの態度でもございますし、それから、蒸気発生器の細管の損傷につきましても、五〇%以上肉が薄くなったものは使わないようにするけれども、それ以下のものであればよろしいというアメリカの態度でございます。これに対してわが国は、漏れが出たら直ちにもうとめる、運転はさせない。それから、損傷のあった配管につきましては、五〇%でなくて、損傷がいまの技術で検出される限度――二〇%でございますが、それであればもう直ちにその使用をとめるという厳しい考え方に立って対策をとっております。蒸気発生器はただいま一例でございますが、そのほかについても厳重な態度で臨んでおりますので、先生のいまのお話になりましたような趣旨を体しまして、われわれ今後とも厳重に対処していく所存でございます。
○内田善利君 次に、時間の関係で、中央高速道路の北烏山住宅地区からの騒音、排気ガス公害、これをなくするためにということですけれども、建設されたシェルター、これに関する問題について質問したいと思います。この問題については、先日すでに小沢環境庁長官は現地を視察なさっており、実態がどのようなものであり、周辺に及ぼす影響についても認識をお持ちになっていると思います。そして、地元の方々の心配を理解なさったことと思います。地元の方々は、長官がはだ身で感じられたことを、建設担当者である日本道路公団、その他監督官庁の建設大臣に対して、地元住民の健康を守るという立場に立ってお話ししていただいているものと期待しているわけでございますが、そこで、まず建設の当事者である道路公団にお尋ねいたします。 この北烏山住宅の騒音対策のためにシェルターをつくることを合意したわけですが、この合意されたのはいつなのか、そして、交渉をなさってから何年目ぐらいにシェルターの建設に立たれたのか、それと工事費は幾らか、まずお伺いしたいと思います。
○参考人(三野定君) お尋ねの件でございますけれども、御承知のとおり、世田谷区の烏山北住宅におきましてシェルターをつくることに合意いたしましたのは一昨年、すなわち昭和四十八年の十二月のことでございます。その以前の経過を簡単に申し上げますというと、この高速道路の建設につきまして建設大臣の施工命令をいただきましたのは昭和三十七年の五月でございます。その後、放射五号線、補助二百十九号線等との計画調整がございまして、これを東京都の御指導のもとにやっていただきまして、昭和四十一年の七月にこれらを含めて都市計画決定がされたものでございます。その後さらにいろんな協議を東京都と行いまして、昭和四十四年の六月に地元に私どもの計画の説明を行ったわけでございます。その際に、このシェルターをつくりました世田谷区の烏山北住宅団地におきまして、まあ環境問題につきましていろんな論議が沸騰いたしました。また同時に、この団地の東側に当たります杉並区の高井戸地区におきましてもやはり環境問題についての論議が行われました。その後、この二つの組織に対しまして私どもは東京都の関係部局と御一緒に話し合いを重ねまして、一昨年の十二月に環境対策を含む基本協定を締結いたしました。この基本協定につきましては、北烏山住宅の協議会とそれから高井戸の公害対策協議会というものと両方に対しまして別々の協定を結んだわけでございます。 鳥山地区のシェルターの工事費は九億円、この関連いたします移築棟の費用等を含めまして九億円ということになっております。
○内田善利君 いまるる経過をお話しいただいたわけですが、この二百四十五メートルのシェルターですね、このシェルターができたこのところは、この協定書に基づいてできておるわけですが、これができた後、出入り口のところに排気ガスがそのまま出てくると、こういうことで現地の方々が排気ガスの浄化装置を設置してほしいと、こういう要望が道路公団の方には出てるわけですね。で、この方々は中央高速道路絶対反対とか、そういうことを叫んでおられるわけでもないし、シェルターをつくったために出入り口の方の住民の方々がもろにその排気ガスの被害を受けていると、そういうことで、何らかの方法でこの排気ガスがもろに出てくるのを防いでほしいと、こういう願いから高井戸地区公害対策協議会という協議会が発足して、これはもう道路公団の方でも認められておりますことはいまおっしゃったとおりですが、ごり押ししているそういう協議会でもありませんし、シェルターの設置もこれは反対したわけでもありません。しかし、これができるために出入り口の方で排気ガスをもろにかぶってくると、こういうことについてはやはりこの住民の方々の要望も入れるべきじゃないかと、このように思うんですが、まあこの協定書についてはまた後で申し上げますけれども、道路公団の方ではこの協定書をあくまでも堅持して、そういった浄化装置をつくる必要はないと、このようにお考えなのか、二百四十五メートルのシェルターができた結果やはりガスが充満すると、やはりここは何とか方法を講じなきゃいけないと、そのようにお考えなのか、その点をお聞きしたいと思います。
○参考人(三野定君) シェルターより排出されますガスにつきましては、私どもでこれによってまあどういうガスの出方になるかということをもちろん検討をいたしましたわけでございます。その結果、まあ私どもの推定計算によりますと御心配になるようなことにはならないというふうに考えまして、そういう点で必要のないということを御説明をいたしておるわけでございますけれども、まだなかなか御納得をいただけないという状態でございますが、シェルターの長さもその辺のガスの量のことも考えまして判断をしたような次第でもございまして、私どもとしてはいまのところ環境基準を上回るような状態にはならないというふうに考えておるわけでございます。
○内田善利君 いま環境基準とおっしゃったが、環境基準とは何の環境基準なのか。 それから、推定値を出したとおっしゃいますが、これは一酸化炭素の推定値なんですね。一酸化炭素だけの推定値を、これはどこでどなたが分析されたのか。推定値というのは一体何なのか、この二点まずお伺いしたい。
○参考人(三野定君) この排気ガスの濃度に関します推定は、私どもで、すなわち日本道路公団で行ったものでございます。推定は、四十八年度における自動車排出ガス規制値を基礎にいたしまして計算いたしたものでございます。で、協定書には一酸化炭素だけの数字が出ておるわけでございますけれども、そのほかのものにつきましても一応の計算はいたしておるわけでございます。
○内田善利君 「一応の計算」とおっしゃいますが、このいただいた協定書によりますと、COが出口から三十メーターのところまで計算して、三十メーターのところで大体一・のオーダーのppm、ゼロメーターのところで同じく一・五から三・四ぐらいまでのオーダーのCOの推定値ですね。ところが、これはCOだけですが、そういう同じようなトンネルの場合にどういうふうな排気ガスの状況か、もうすでに道路公団の方では御存じと思いますけれども、飯倉トンネルは長さ約百メーター、このシェルターは排気口も何にもないわけですけれども、それでも二百四十五メーター、飯倉トンネルは長さ百メーター、それでも非常にガスの量が多いわけですね。特に三・四ベンツピレンが東京都内の平均値が一・五マイクログラムですけれども、この飯倉トンネルでは十・八マイクログラム、こういうふうに非常に多いという例。それから、時間がありませんので言いますが、千代田トンネルですね、三宅坂換気所付近では一酸化炭素はもうあなたのおっしゃるような一・幾らのオーダーじゃないんです。一酸化炭素は排気口で四七・五ppmあるいは六二・〇ppmあるいは三九・四ppmとか、一・のオーダーは一つもありません。三〇・〇とか、中には一五三ppmあるいは一九三ppmというような一酸化炭素が出ているわけです。それから、窒素酸化物になりますと、これは最低が七七で最高が一六四というようなそういう窒素酸化物が出ている。あるいは鉛の場合は環七でも一・〇マイクログラムぐらいですけれども、この千代田トンネルの場合は二十・一マイクログラム、こういうふうに非常に鉛、窒素酸化物が多いわけです。 それからもう一つ、これは横浜大学の加藤先生の資料ですけれども、これはトンネル内のCO、一酸化炭素だけを調査してありますが、一酸化炭素はわあっと広がっていくのじゃなくてかたまりになって出ていく、そういうことでその一・幾らのオーダーじゃないんです。十台とか二十台、あるいは四十幾つというのもあります。そういう非常に一酸化炭素が多い。それと比較しますと、協定書に盛られた、皆さんと協定に使われたこの一酸化炭素の推定値というのは一・幾らのオーダーなんですね。しかもこれは推定値です。そういうことで、もう一回道路公団の方で排気ガスについては検討をしていただきたいと思うんですね。ほかの資料と比べて、向こうはシェルターですが、こちらの方はトンネルですから。千代田トンネルの場合、それから飯倉トンネルの場合、それから横浜大学の先生の場合、変わらないと思うんですね。シェルターの場合は太陽熱に鉄板が熱せられまして、むしろ私はひどいんじゃないか、そう思いますが、そういった風洞実験と言いますか、そういった実験をなさったのか。どういう推定値なのか。私は住民の方々よりもむしろ私はこれに対して非常に不満を覚えるわけですが、いかがでしょう。
○参考人(三野定君) ただいま首都高速の飯倉トンネルのお話もございましたし、千代田トンネル等のお話もございました。大体飯倉あるいは千代田トンネルの測定でございますけれども、飯倉トンネルではトンネル内部の比較の測定であろうと思います。また千代田トンネルにつきましては、トンネルの中の排気ガスを全部集めまして高い塔から排出をさせます、その塔のところでの測定であるというふうに思いますが、環境基準に定められております数値は、これは車道その他一般公衆が通常生活していない地域は除いてございまして、この車道等で適用するものではないと私どもも思います。それで、その意味におきまして、私どもは出てきます排気ガスが両側に拡散をいたしまして、そして一般公衆の生活しておられる場所においてどうなるかと、こういうことを検討したわけでございます。その点におきまして大分話が違うではないかというお話は、そういう点の差ではなかろうかと考えております。実際に私どもでも高速道路と同じくらいの長さのトンネルを持っておりまして、換気装置をつけない自然換気でやっておる同じぐらいの長さのトンネルが幾つかございます。それらにつきましては私どもも私どもなりに実測をいたしておりますけれども、その結果から判断いたしましてもこの烏山におけるシェルターの出口の私どもの推定は大体合っているんじゃなかろうか、こういうふうに考えておりまして、著しく違うというふうには思っていないわけでございます。 なお、横浜の山手トンネルでございますけれども、これは最近開通いたしまして、二往復、往復分離がされたようでございますけれども、実測をされました当時は往復二車線の、一つの穴の中で往復の方向の車が通っているというトンネルでございまして、非常に自動車の動き方が違う。私どもの場合は往復が分離をされておりまして、上りと下りはそれぞれ別の穴を通っていく、したがいまして、私どものいままでの実測から見ましても、それぞれの穴におきまして空気に対するピストン作用と申しますか、が車によって行われまして、かなりその辺の自然換気がよく行われる。横浜の場合は同じ穴で上下方向の車がすれ違いますので、その辺がかなり違うのではなかろうかと思いますし、またこの出てまいります排気ガスの拡散につきましては、この出口の周辺の地形状態が非常に影響をすることは明らかでございまして、山手トンネルの場合かなり狭い谷になっておりますので、大分事情が違うのではなかろうかというふうに、これはほかの場所のことでございますので私どもの推定とある程度違っているところがあるわけでございますけれども、そういう実際の条件の違いというのがあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。しかしながら、いろいろなかなか御理解をいただけないことでもございますし、私どもはもう一度その点をよく検討してみることにやぶさかではございません。そういうふうに考えております。
○内田善利君 非常に、「思う」とか推定値で要を得ないわけですが、私は資料を要求いたします。この推定値を出された根拠になる資料を要求いたします。そして、どこで調査したら何ppmあった、どこの地点は何ppmあったということを明細を書いて報告していただきたいと思います。ようございますね。
○参考人(三野定君) わかりました。
○内田善利君 それと三カ所いろいろおっしゃったわけですが、これを反復またしておりますと時間がありませんので後ほどに譲ります。譲りますが、「思う」ということで言われますと私も反論がしにくいのですけれども、明らかに一・幾らのオーダーと、二〇とか三〇とか四〇とかいうオーダーは違うわけですね。これは排気口から出てきたとか換気口から出てきた、いろいろおっしゃるとおりあるかもしれません。しかし、こういうふうにトンネル内の排気ガスについての論説なのですから、排気ガスはどうだという論説なのですから、その中から出てきている論説なのですから、そう道路公団の方のおっしゃるようなそういう大変な食い違いは私はないのじゃないか、こう思うわけですね。その点もはっきり解明していきたい。それで実測されたその実測の場所、実測値、これを明確にひとつ教えていただきたいと思います。そういう道路公団の姿勢ですから、なかなかシェルターができていよいよ二百四十メーターの両方から出てくる排気ガスが交通状態で決してそういう被害が起こらない、こうおっしゃっているわけですね。本当にそういう被害が起こらないのか、非常に私は疑問に思うわけです。自動車が排出ガス規制によってNO もCOもHCも少なくなると思いますが、両方から出てくる排気ガスが付近の住民の方々に影響を本当に与えないのかどうか、道路公団は与えないとおっしゃっているわけですね、ですから浄化装置もつくらない、こう言明されておるわけですが、直接これをごらんになった環境庁長官はどのようにお感じになったかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私全くいままでの経過なり先入観というものをなくして現地へこの火曜日に参りました。ただ、いま開通して車が走っているところじゃないものですから、どうも本当は出入口まで行って、もし走っておればいろいろその状況等も見たかったのですけれども、時間もありませんでしたし、下の方でいろいろシェルターの状況を見て、いままでの一般のいろいろな道路の状況等も頭に置きながら見てまいりました。地元の方々からいろいろ要望も承ってまいりました。それで早速帰りましてその日のうちに道路公団の総裁に来ていただきまして、私がこういうような要望を受けとめておると。私は個人で見た感じで、シェルターのつくり方についても、二十九日でありますが、私は建設大臣やったような関係上あるいは前からいろいろ見ておった感じで、もう少しつくり方がなかったかなと思いましたけれども、あの際は道路公団と地元の方々それから国会議員の方々が中に入っていろいろ相談をされてつくられたものですから、これは最もいい、しかも相当の金をかけてつくられたわけでございますから、これはでき上がってしまっておりますし、総裁、三野理事等と帰ってお話ししたのですが、いま三野理事がおっしゃったようないろいろ従来の経過並びに調査の意見もいまと同じような意見を聞きました。しかし、環境問題というのはやっぱりそこに常時住んでいる人の気持ちというものを度外視して、どうも理屈や数字だけでいくわけにもなかなかいかないと思うのです。緑地帯をある程度あの付近につくるなり、あるいは技術的に可能でありまして、もちろん一つの投資でございますから、いろいろ予算との関係で制約もあるかもしれませんが、技術的に可能なことであるなら、できるだけ早く要望に沿ってほしいというのが率直な環境庁長官としての気持ちでございます。ただ、技術的に可能であるかどうか、要望を承りましたときには、静岡、御殿場でございますか、あの辺のどこかでそういう計画があるというようなことを地元の方が聞いてこられて、それと同じようにしてほしいという御要望がございました。それも聞いてみましたらまだ技術的にはっきりしないので、いろいろ検討している最中だということでございました。現実に車が走ってみまして、いろいろやってみませんとなかなか正確なデータを得ることは、少なくとも現地においてはできないと思うのでございますが、いまお挙げになりました類似のトンネルの問題については、私どもも、いままでそういうデータがあったのかないのかよく調べまして、行ってきたばかりでございますから、道路公団や建設省の皆さんにも申し上げる際に、お互いデータのとり方が違って争っておってもしようがありませんし、環境庁としてその点の正確さを期することは必要じゃないかという印象を強く持ってまいりました。したがって、千代田トンネルにいたしましても現在の首都高速なり、あるいは東名高速といいますか、そういうような点の調査のデータをできるだけ客観的に納得いくようなデータを私としては早急に得たいという印象を強く持ちました。そうして両者の間に立ってできるだけ円満に早く話し合いがついて道路公団も事業の開始ができ、住民の方々も、まあまあこれならば納得していこうというような点を見出すように努力していかなきゃいかぬということを率直に私感じまして帰ってまいったわけでございます。
○内田善利君 長官が現地を見てこられてのいろんな御意見ありがとうございました。これを受けて建設省の道路局長さんでも政務次官でもけっこうでございますが、きょうは現地の方も何名かお見えのようですから誠意ある御答弁をお願いして私の質問を終わります。
○政府委員(中村弘海君) 道路公団の説明によりますと、現段階では現在規模のシェルターでは環境基準を上回る公害は発生しないものであると考えておるようでございます。そういうところからこの住民の理解が得られませずに話し合いが中断しているところでございます。そこで、私どもといたしましては、ただいま道路公団三野理事からも申し上げましたように、必要とあれば再検討するというふうなことも言っておるわけでございますから、ただいまの環境庁長官のお言葉もございましたように、環境庁などのお力などもおかりしまして、十分関係者の御協力のもとに、とにかく土俵に上ってもらわなきゃいけないわけでございますから、上っていただいて必要な検討、話し合いを十分行いまして合意を得るように日本道路公団を指導していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○内田善利君 最後に委員長にお願いしたいと思います。 まだ自動車動いてないわけですが、そういう日本で初めてできた二百四十五メーターのシェルターでございますし、環境問題についてはいろいろ現地を視察することが必要じゃないかと思いますので、機会を見て現地視察を当委員会でしていただきますよう御検討お願いいたしまして私の質問を終わります。
○委員長(藤田進君) 内田委員の御要望につきましては後刻理事会で協議をいたします。 なお、本件につきましては私のところにも資料を付して陳情が寄せられておりますので、環境庁、建設省、道路公団一体となって具体策を立て、地元民の善処を含めて御納得のいくようにひとつ努力を要望しておきます。
○近藤忠孝君 きょう私は長良川を中心に濃尾平野の治水、水利用、地盤沈下、さらに自然保護の問題について質問したいと思うんです。大変多岐にわたり、またいろいろむずかしい、また今後にかかわる問題でありますので、きょうはいわばその入り口的な質問になるかと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 これらの質問をする前に、まず環境庁長官にお伺いしたいんですが、この長良川をどのようにお考えになっておられるか。むしろ、長良川に対する印象はどんな印象をお持ちであるか、まず御答弁いただきたいと思います。長官のいま持っている感じだけでいいです。
○国務大臣(小沢辰男君) 私、上から下まで通ったわけではありませんし、いま問題になっておる地区の河口付近は水郷の県立自然公園に指定をされておることは承知しておりますが、そこへもまだ行ってないのでありますが、しかし付近には足を入れたことがございます。自然環境というものは樹木も鳥獣も含めてのことではありますが、一方においてやっぱりきれいな洋々たる川が流れているということは一つの大きな私は自然環境であろうと思います。しかも、長良川はそういう意味においてちょうど伊勢湾に注ぐ非常に重要なそうした景観を持ち、また利水の面からも非常に大きな効用を持つ重要な河川の一つである、これ以外にはいまちょっとお答えできません。
○近藤忠孝君 私が期待した答弁は、この程度の大きな川としましてはダムの一つもない、いわば自然がまだ残されている河川だ、このように期待しておったのですが、そういう御認識はお持ちでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) この河口ぜきの問題が出ましてから私聞いてみまして、上流、下流を通じてダムが一つもないということを知ったわけでございまして、その意味においては先生のおっしゃるとおりの川だろうと思います。
○近藤忠孝君 このダムが一つもなかったこの河口にいま問題になっております長良川河口ぜきができることになったわけであります。 そこで、建設省にお伺いしたいのは、この河口ぜきの工事の進捗状況と総事業費、これの内訳、さらに五十年度までの執行状況について御説明いただきたいと思います。
○説明員(佐々木才朗君) お答えいたします。 長良川の河口ぜきにつきましては、内閣総理大臣が決定いたしました水資源基本計画というものがあるわけでございますが、それを受けまして建設大臣が水資源開発公団に事業実施方針を指示いたしまして、それを受けて水資源開発公団が事業実施計画というものを関係方面と相談いたしましてつくりまして、建設大臣が認可するわけでございます。その手続はすべていま終わっております。 それから、総事業費の問題でございますが、二百三十五億円ということになっております。現在までの使いました事業費は約四十四億円でございます。
○近藤忠孝君 さらに総事業費とその内訳はどうなっておりますか。
○説明員(佐々木才朗君) 工事費が約百七十億円でございます。六十五億円は測量試験費であるとか、用地補償費であるとか、そういったものを考えておりまして、現在総計が二百三十五億円でございます。また、五十年度まで執行済みの四十四億円の内訳といたしましては、十三億円を河道工事その他に使いました。三十一億円が測量試験費、用地関係の諸費と、そういうことになっております。
○近藤忠孝君 この河口ぜきの目的は利水が目的なのか、治水が目的なのか、どちらが主目的でしょう。
○説明員(佐々木才朗君) 治水と利水と両方に利用いたします施設でございます。
○近藤忠孝君 私きょうお聞きしているのは、両方の目的があるにしましても、どちらを主目的にしてつくるものであるか、この点いかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 河口ぜきの成り立ちでございますが、伊勢湾台風が三十四年にございまして、非常に長良川が大きなはんらんをいたしました。また三十五、三十六と相次いで従来計画いたしておりました高水量の倍にも匹敵するような非常に大きな洪水が出まして非常な惨害をこうむったわけでございます。それをどういうふうに対処していくかということが非常に問題になったわけでございます。堤防のかさ上げであるとか引き堤であるとか、こういったことになりますと非常に周辺に与える影響が多うございますので、むしろ、河道を下へ掘り下げて高水量を下げながら流していくということが治水面で一番いいという結論になりました。さて、そうなりますと、河道を掘りますと塩が入ってまいりまして沿線の利水その他に影響がございます。そういう観点から塩どめのせきをつくる必要がある、塩どめのせきをつくれば、結局従来塩が入っておったところが真水になるわけでございます。あわせて利水に使えると。利水面にいたしましても、いわゆる地盤沈下等が非常にあの地域に起こっておりまして、そういった地盤沈下等の公害を防止するためには地下水を表流水に転換する必要がある、そういったことも考えあわせて治水と利水両方に利用する施設をつくろうじゃないか、こういうことになったわけでございます。
○近藤忠孝君 それはそれとしてお伺いしておきます。 そこで、次にお伺いしたいのは、この長良川流域のいままでの計画、高水流量というんですか、それがいままでの二倍の毎秒八千立方メートル、こうなっておりますが、このうち毎秒五百立方メートルをダムで調整するというぐあいに聞いております。この建設予定地はもう決まっておるのか、いかがでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) ダムの適地の調査といいますのは、やはり水系全般にわたっていろいろやらなければならないわけでございますが、工事実施基本計画をつくりまして十年になるわけでございまして、その間いろいろ調査をいたしまして、具体的な候補地点といたしましては板取川のダム、これが候補に挙がっておるという現状でございます。
○近藤忠孝君 候補に挙がっている段階というわけですが、それは、かなり建設省としては具体的にそれを進めようという、こういった状況でやっておられますかどうですか。
○説明員(佐々木才朗君) 予備調査という段階と実施調査という段階と、それを経ました建設段階、こういうふうにダムのスケジュールは三段階に分かれるわけでございますが、いま予備調査中の段階でございまして、ダムの可能性を確めるという段階にございます。それが煮詰まってまいりまして、これならいいじゃないかということになれば実施調査という段階になるわけでございますが、そこまで参っておりません。
○近藤忠孝君 そうしますと、板取ダムにつきましてはまだいまの段階では可能性を確めている段階とお伺いしておきますが、そのほかに阿多岐ダムですね、それについて実施調査段階、このように聞いておりますけれども、これについてはどうなっているんでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) これは支川筋につくります小さいダムでございまして、支川筋の直接の防災を目指しておるわけでございます。これにつきましては、県の要望もございますので、実施調査段階に入っております。
○近藤忠孝君 このダムの貯水能力、これはどういうぐあいでしょうか。さらに、国の方でこれは補助されるんだと思いますが、その補助の内容と、工事完成とすると大体いつごろを目指しておられるか、いかがでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) 貯水容量は約二百二十万トンでございます。高さが五十七メートル程度のものを考えております。補助の内容は、治水効用分について河川法に基づいて補助をすると、こういうことになっております。
○近藤忠孝君 工事完成予定は。
○説明員(佐々木才朗君) 御存じのような予算の状況でございますので、実施調査にかかったばかりでもございますし、まだちょっと先行きのめどを申し上げる段階ではございません。
○近藤忠孝君 それから、このすぐ近くを流れております木曽川、揖斐川、これにつきましては、資料によりますと、流量改定を昭和四十年に行っておりますが、続いて四十三年に行われております。四十三年には、いままでの計画高水流量につきましてはこれは同じですが、基本高水流量につきましては一万四千から一万六千になっておりますね。それから揖斐川についても同様に四十三年に改定になっておりますが、四十三年の時期にこれを改定したという理由は何かございますか。
○説明員(佐々木才朗君) 御存じのように、新河川法ができましたのが昭和四十年でございまして、そのときに、従来持っておりました計画に一部手直しをいたしまして、木曽三川の工事実施基本計画をとりあえずつくったわけでございます。その段階で、木曽川、揖斐川等につきましてはちょっと未調査の部分がございましたので、その辺を合わせて四十三年にやったように記憶いたしております。長良川は、ちょうど伊勢湾等の関係がございまして非常な問題があったもので、これは四十年にいまの計画、先ほどの計画を入れたわけでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、長良川については四十年の改定で十分であると、その後必要はないと、こう理解してよろしゅうございますね。 そこで、河口ぜきの問題でありますけれども、先ほど、目的としては治水の目的も、利水の目的も両方あると、このように聞いたわけでありますが、しかし、文献と申しますか、「土木工学ハンドブック」というやつ、土木学会編ですが、それによりますと必ずしもそうでないようにうかがえるわけです。たとえば、その千九百八十ページを読んでみますと、こう書いてあります。「河口ぜきは、河川の最末端において、従来は塩水と混交してしまい、淡水としての利用が不可能であつた残水の全部または大部分を、河口ぜきを建設することにより利用可能にしようとする構想」であると、こう書いてございますし、さらにその後の方で、「特に大河川下流部の都市用水需要の増大に伴つて、今後大きくクローズアップされてくるであろう」「利水面においては河川の最末端において、水の高度利用を図ろうというものである」、こういう指摘がありますし、さらに長良川河口ぜきについても指摘してありまして、「長良川河口ぜきは、長良川・揖斐川瀬割堤の最先端付近に河口ぜきを設け、現在未利用のまま残されている」「水を全量利用しようとするものである」、「今後発展を予想される若い中京地帯にとつて、これに対する期待はきわめて大きい」と。「土木工学ハンドブック」という、むしろ、治水をかなり考えるはずのこの説明の中にそのことが余り触れられていないで、利水の方が触れられていると。ですから、地元の皆さんは、これは治水目的ではなくて利水目的じゃないかと、こういった批判が出てくるんですが、こういったところに根拠があるんじゃないかと思いますけれども、先ほどの御説明と関連していかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 先生御案内のように、まあダムと申しましても、これは利水のダムもあれば、治水のダムもあるわけでございますし、また利水と治水と合わせました多目的ダムというものもあるわけでございます。土木学会のその提起のよしあしというのは、まあちょっと別にさしていただきます。一つのものをつくるとき多面的な効用も持たせると、また持ったものをつくるというのが一番よろしいわけでございます。長良川の河口ぜきの場合につきましては、先ほど申しましたような効用を現実に具備しておるわけでございます。
○近藤忠孝君 いや、私がこういった文献を示して申し上げたことは、従来の考え方から申しますと治水よりも結局利水のためという理解がずうっときたんじゃないかと、この点の経過を聞いておるんですが、いかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 古くからのいきさつを申しますと、先ほどの総理大臣の決定の基本計画によって水公団へ移管する前に建設省自身で予備調査をやった段階がございます。これはやはり伊勢湾台風等の後を受けまして川をどうしたらいいのかという観点から調査を進めてまいったわけでございます。その段階で治水――とにかく伊勢湾の惨害はもう二度と繰り返さないようにと、川をどうしていけばいいのかと、この発想から長良川の河口ぜきの構想が生まれてきたという歴史的事実もございます。
○近藤忠孝君 それではこれは場所はどの位置になるのかということと、特に利水との関係で取水口の位置は河口ぜきからどのぐらい上流になるのか、この点はいかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 距離表で申しますと五キロ幾らであったと思いますが、その地点に建設いたすことにしております。三重県の地内になると思います。それから取水口の位置でございますが、これはできるだけせきに近接した位置につくりたいと、こういうふうに構想しております。
○近藤忠孝君 それから先ほどの予算の中ですが、その中で取水口及び利水のための導管の建設費はこの予算の中には入っておりましょうか。先ほど百七十億円でしたね。
○説明員(佐々木才朗君) はい。取水口等は利水の専用施設でございますので、これには含まれておりません。
○近藤忠孝君 そうしますと、この予算の百七十億円の内訳としてせきのための費用が百七億円ですね。それから河道工事その他で六十三億円と。この六十三億円の中に含まれてないということですね。
○説明員(佐々木才朗君) はい。
○近藤忠孝君 そうですか。そこで、この水の量の問題ですが、毎秒たしか二二・五トン取水するわけですね。そうしますとこれは日量百九十四万五千トンということになるわけでありますが、さらに年間はおよそ七億九千万トンというこれは莫大な流量になるわけでございます。この水をどこでどのように利用するか、こういった計画などはできておりましょうか。
○説明員(佐々木才朗君) 木曽川水系の水需給の総合的な計画につきましては、当時は経済企画庁が担当いたしております。また現在は国土庁の水資源局が担当いたしておるわけでございますが、この木曽川水系の基本計画をつくりますときに、昭和六十年の水需要を経済企画庁で見通しまして、約百二十二トン毎秒というようなものの需要があると、それについていろいろな施設をつくって水を供給していかなきゃいけないのではないか、その中にこの長良川の河口ぜき建設事業というのが入っておるわけでございます。まあ水の使い先は濃尾地区あるいは北伊勢地区、こういうふうなことになっておるわけでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、木曽三川の全体の利用ですね、これは一応計画が立っていると、しかしたまたまこの長良川河口ぜきから取れる毎秒二十二・五トンの利用計画についてはまだ具体的には決まっていない、こう聞いてよろしいんでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) そのとおりでございます。
○近藤忠孝君 これは全部工業用水ですか。上水はありましょうか。
○説明員(佐々木才朗君) 先ほど申しました百二十二トンという昭和六十年目標の木曽三川の水需要の内訳は、水道が約四十トン毎秒、工業用水が六十トン毎秒、農業用水が二十二トン毎秒、こういうことになっておるわけでございます。御案内のように、水の需要が非常に逼迫した地域でございますので、できるだけ有効な水配分をしなきゃいけないということで、公団事業につきましては初期にその水を張りつけて配分は固定してしまわなくても、公団が借入金によりましてある程度先行的に事業を実施できる仕組みになっております。まあ竣工間際になって、その時点で本当に何が一番困っておるかというようなことをながめながら最終決定いたしたい、こういうふうなことでございます。
○近藤忠孝君 この件とは別のいままでの例で、大体建設途上の段階で、もうすでに水利権が決まっているというのが多くのダムとかせきを設ける場合の先例だったと思うんですが、今回の場合には、いままでのそういう先例とは違った状況である、こう理解してよろしいんでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) 直轄でやりますダムでありますとか、補助事業としてやりますダムは公団のように借入金制度がございませんので、当初建設に着手する段階で水の配分量を決め、費用を負担させながら事業を執行する仕組みになっておるわけでございます。公団の事業につきましてのみ、先ほど言いましたように非常に水需給の逼迫した地域における大規模なプロジェクトをやるわけでございますので、後決めができるような仕組みになっておるわけでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、今後この水の配分が決まっていくことになると思うんですが、この水の配分を決める場合には、三重、岐阜、愛知三県、さらに大蔵、自治、国土、通産、厚生、農林それぞれの各省が協議して決めることになると思いますね。その場合に水を利用する側、企業の側の意見、こういったものなども聞いて決めると思いますけれども、この点いかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 水配分の決定の最終的な手続は、事業実施方針にいま入っておりませんやつへ盛り込むという形になるわけでございます。この場合主務大臣は建設大臣でございまして、いまおっしゃられたような関係各省、関係県に協議もしくは意見を聞いて決定するわけでございます。そのほかに協議あるいは意見聴取の相手はございません。法律で決まっております。
○近藤忠孝君 そうしますと、今後決まっていくということで、実際、具体的にこの水をどこへどう持っていくのかということもまだ決まっていないと、このようにも伺えますけれども、そのとおりでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) おおむね当初から言われておりますことは、濃尾地域あるいは北伊勢地域の水というふうなことになっております。
○近藤忠孝君 北伊勢の方へも持っていくんですか。
○説明員(佐々木才朗君) 濃尾と北伊勢という供給区域を想定いたしております。
○近藤忠孝君 濃尾の場合に、今度具体的にどこの地域あるいはどこの方の工場とか、こういったようなことはまだ決まってないですか。
○説明員(佐々木才朗君) 先ほど申し上げたとおりで、まだ決まっておりません。
○近藤忠孝君 愛知県営水道、工業用水道事業計画図という図面がありますけれども、これをごらんください。(資料を手渡す)それごらんいただきますと、実線部分はもうすでにできている部分ですが、点線が計画図ですね。そうしますと、長良川河口ぜきから海を渡って対岸へいくと、対岸の工業地帯で利用されると、こういう計画がすでにはっきりとできておるんですが、いままでの答弁とは大分食い違ってまいりませんでしょうか。北伊勢の方へはいかぬでしょう、それ。
○説明員(佐々木才朗君) こういった施設そのものの敷設計画等につきましては、これは県なり市なりがやることでございまして、直接私の方がタッチいたしておりませんので、ちょっと詳細はわかりかねますが、まあ愛知県のことでございますから、こういう愛知部門につきましてこういう計画をしておるんであろうと、こういうふうに思います。
○説明員(岩崎八男君) ただいまの地図、どういうものかちょっとあれでございますけれども、私どもがいま承知しております限りでは、このせきの工業用水道事業、これは全く決まっておりません。それで現在御承知の愛知用水道というのがございますけれど、これはいまその一部についてパイプを建設しておりますけれども、これの水源は当初岩屋ダムから予定されておったと承知しております。かつ、それの当初の計画は、おっしゃるとおり海底を通りまして知多半島の臨海部に持っていく、こういう計画だったと承知しておりますが、ただその知多半島臨海部の用水需要というのが当初からかなり変わってまいりました。一方、御承知のとおり地盤沈下問題というのがあって、現在あそこをどうにかせぬといかぬ、こういうのがますます強くなってまいりました。したがって、現在その一部について幹線道を建設しておりますけれども、それをどういうふうに活用していくのか、あるいはその水源を、いまの岩屋ダムあるいはいまの河口ぜきとどういうつながりになるかわかりませんが、そういうのとどうつなげていくのか、こういうのについてわれわれ、いまむしろ早く計画をつくってくれと、私どものあれは水源よりむしろ供給地区を早く確定してくれと、こういう感じで県と鋭意やっているところでございますけれども、いまおっしゃいましたような方向でいっておるとは承知しておりませんです。
○近藤忠孝君 すでに河口ぜきにつきましては、先ほど予算のとおり一定の予算がついてもう進んでおりますね。しかし、先ほどの建設省の話では、これは将来各省協議して決めるもんであって、企業の意見も特に聞かぬということですね。その決める中では、やはり立場上建設省は一つの中心的な役割りを果たすと思うんですが、その建設省が知らぬうちにそれほど県の段階で決まっているという点で私は疑問を思うわけですよ。いままで全然相談なかったのかどうか、その点いかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 私は少なくとも相談を受けておりません。
○近藤忠孝君 そうしますと、県が勝手につくったということになりますが、またいまの通産省の話ですと、まだこれでもう確定的なもんじゃなくて、いままでの水利用の状況も違ってくるので、今後必ずしもそれが必要かどうかわからぬ。何もトンネルをくぐって知多半島までいく必要はない、こういったようなぐあいにも聞こえますけれども、この点いかがですか。
○説明員(岩崎八男君) 現実はそういうことで、工業用水道事業網としてどういう形にすべきかというのについては、いま愛知県について新規の形、どうするかというのは全く決まっておりません。ただ必要である、これだけはもう一〇〇%確実でございますので、その水源手当てというのはできるだけ早く済ましたい、こう考えております。
○近藤忠孝君 用水事情が変わってきたということは、当初言われたように、何も海底をくぐって知多半島へ来る必要もないという趣旨のようにも伺えるわけですね。全体としては必要であると、こういう話になるわけでありますけれども、しかし一方では用水量の変化があって必ずしも必要でないという話が出てくる半面、全体の量の必要量は変わってこない、必要であるという、この辺は矛盾していやしませんか。そのことをなぜ申し上げるかと申しますと、これはことしの三月二十四日の中日新聞でありますけれども、せっかく工業用水をつくったけれども、買い手がなくてずいぶん見込みが狂った、こういった記事が出ております。たとえば北伊勢工業用水、これは日量七十二万トンでありますけれども、その半分を売るのがやっとだという状況です。さらに木曽川右岸用水、これは岐阜県内ですが、五十二年操業、日量十七万トンで全く見通しがついていない、こういう状況が新聞に報道されています。もしそうだといたしますと、現実に何ら根拠もなく、単に将来必要だということでこの河口ぜきをつくろうとしているのじゃないか、またほかの用水もつくっているのじゃなかろうか、そのように思うのですが、その点、いかがですか。
○説明員(岩崎八男君) 地域的に若干の変動があると私は申し上げましたので、御承知のとおり岐阜、愛知では、たとえば愛知県でいえば、いま地下水百七十七万トン――四十七年でございますが、最近は四十七年しか出ておりませんので、四十七年で百七十七万トン汲んでおります。こういうものは、やはりその相当部分を転換させなければいけません。同様に北伊勢についても四日市の所要部分につきましては転換させました。しかし、その残部についてなお地盤沈下問題がございまして、こういうところを転換させていくということもございます。それからもちろん新規需用もございます。一般に工業用水道はやはり十年といった先行性を持った投資でございますので、その間、景気変動あるいはそういう成長率の違い等から来くる若干の時間的ズレというのはやむを得ない、避けられない事情でございます。そういう意味において、たとえば現在、最終的には必要であるとしても、現在差しあたりすぐやられる水源をどこへ回すかという判断になりますと、名古屋地区につきましては、私はむしろそういう地盤沈下地域の地下水転換に向けらるべきではないか、こう考えておるわけですが、愛知県もそう考えておられると思いますが、現実は、いろいろな技術的難点から、なおその具体的な工業用水道事業網の計画まではいっていない、早急にそれを詰めるべくいま努力しておる、こういう事情でございます。
○近藤忠孝君 地盤沈下の問題に入ってきましたので、地下用水の汲み上げ問題をお伺いしますが、これは通産省からいただいた資料で、岐阜県、愛知県、三重県の昭和三十三年から四十七年までの地下水使用量の推移というものを見ますと、たとえば岐阜県は昭和三十三年二十九万六千トンであったものが、年々増加してまいりまして、四十七年には九十一万一千トン、それから愛知県の場合には三十三年に六十七万三千トンであったものが四十七年には百七十七万三千トン、こうなっております。一方、三重県の場合は、三十三年には十五万六千トン、それがずっとふえてまいったわけですが、四十六年に三十四万八千トンで一番ピークに達しましたが、四十七年では三十万五千トンと、逆に減っているわけです。この理由は三重県の場合にはかなり水を節約してうまく使うようになった、そのことが原因であると聞いているわけですね。となりますと、この地下水利用の例一つとりましても、先ほどおっしゃったような、将来必要だというようなことは、こういった単に一つの例を見ても、ずいぶん違ってくるのじゃないでしょうか。いかがでしょう。
○説明員(岩崎八男君) 節約は十分必要でございます。ただ、三重県でどうして、絶対量としても、こういういわば経済の拡大してきております十数年の間で、地下水用水量について最近そういう鈍比傾向を見せておるかということは、やはり一番大きな効果は、工業用水法の指定地域にここの四日市の主要部と楠町を指定して、ここについては、従来地下水をくんでおったものについて、昭和四十四年に転換命令を出しまして、それ以後一年間で工業用水に転換すべしということにいたしました。この効果がやはり一番大きかったんではないかというふうに考えております。もちろん、一般的な節約というのは、この間も一般的に申しますと、各地域について進んでおります。ただ、それ以上にやはり水の使用量が多かったということがほかの県についてはこういう結果になっておるのではないかと、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 環境庁にお伺いしますが、環境庁からいただいた濃尾平野地下水用水量等実態調査という数値をいただきましたけれども、ここでも岐阜、それから愛知、三重という調査がありますけれども、これは正確なものでしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 間違ってはいないと思っておりますが。
○近藤忠孝君 一見して奇異に感じますのは、愛知県と岐阜県、これを比較しまして、用水量がほぼ同じ、逆に場所によっては岐阜県が多いという、こういう結果が出てますね。これはだれが見ましても、名古屋市だけでも二百万の都市ですね。工場の数からいきましても、これは比較になりませんし、むしろ岐阜県というのは比較的工場がまだ少ないわけです。となりますと、この結果そのものをごく簡単に見ただけでも、大きな数字を見ただけでもその点ずいぶん違うのじゃないか。たとえば、数字を申しますと、工業用の場合、愛知県の場合には百二十三万九千トン、それから岐阜の場合には、これは岐阜、大垣、四日市、桑名、全部合わせましても百五万トンですね。となりますと、これはずいぶんずさんな調査のように感じますが、いかがですか。
○政府委員(大場敏彦君) これは、私どもは関係県に委託いたしまして、県が各事業所、つまり用水の需要者でございますが、アンケートでとった調査だというふうに聞いております。
○近藤忠孝君 となりますと、これは今後の県に対する指導の問題だと思うんですが、アンケート調査がずいぶん県によって違ったんじゃないかというぐあいに感ずるのです。私も愛知県と岐阜県の調査に行ってきまして愛知県の関係担当係官と会ったのですけれども、本当にそう正直に言っているのかといいますと、どうもその点自信を持ってないようなことを言っておったわけです。となりますと、用水量がどうかというのは、今後の地盤沈下の対策の問題で大変必要ですし、代替水の問題でも必要だと思いますし、特に今後地盤沈下の関係の法律ができた場合に、既存の用水がどれだけかということを決める上でも大変大事な問題ですけれども、そういう点で一見して大変ずさんな資料であります。いまの局長の答弁を聞きましても、県のアンケートだということで、大変自信のない答弁のようですので、これはひとつ各県を督励しまして、しっかりした実態に合った数値、これを出すように御指導願いたいと思います。と同時に、もう一つ調査でわかったのですけれども、間もなく規制されるとなりますと、既得権を確保するために、なるたけ大きな管を報告するとか、現に上げておる用水量じゃなくて、可能な用水量、最大限を報告するとか、今後そういう問題も出てくるかと思うのですけれども、この点にどう対処していかれるか、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 御指摘になりましたように、われわれの調査に甘さがあったのならば、それはまさに今後の規制の根拠になるデータでありますから、さらに県にもよく照会いたしまして、資料の的確性につきましては努力いたしたいと思います。それから、その過程でただいままた御指摘がありました、いわゆるかけ込み的な形で過大な報告をするということにつきましても、厳しくチェックするよう県を指導したいと思っております。
○近藤忠孝君 また長良川の問題に戻りますけれども、先ほども建設省の方の説明で話がありましたが、この地域は地盤沈下がひどい地域ですね。そうして現にこの付近の堤防がどんどんどんどん沈下をしております。このことは本年二月の行政監察局の指摘によりましてもこういう指摘があるわけです。河川堤防、高潮堤防は全部が沈下をしている、堤防の過重による圧密沈下だけではなく、それ以上の沈下を軒並みに示す不等沈下による亀裂、内部の空洞化が進んでいる、こういう指摘が行政監察の結果であるわけですね。特に堤防の内部の空洞化というものは一番堤防としては弱くなるのじゃないでしょうか、せっかく堤防がありましても、内部が空洞化した場合一ぺんでふっ飛んでしまうわけですね。こういうような状況があるわけでありますけれども、こういった状況は把握しておられましょうか、建設省いかがですか。
○説明員(本間俊郎君) 長良川の下流部の高潮堤防でございますが、先生御指摘のように、昭和三十七年に、伊勢湾の台風がございまして完成いたしました。その後平均いたしますと、おおよそ一メートルから一メートル五十センチ沈下しております。でございますから、この高潮堤の緊急かさ上げ工事ということが必要になるわけでございまして、これを現在計画を立てまして、今後五年程度で概成しようということで努力しているところでございます。ただいま先生言われました堤防の空洞化でございますが、これにつきましても十分に堤防の調査を行いまして、たとえば漏水があるような場所などを重点的に調べまして、そういった事故のないような措置を講じていく方針でございます。
○近藤忠孝君 いまも答弁のとおり一メートル五十センチも沈下しているという、大変な地域ですね。さらにその原因というものは、その付近は長島温泉とか、蟹江温泉とか、幾つもの温泉がありまして、その温泉のくみ上げ、あるいは温泉を薄めるための水のくみ上げで莫大な地下水のくみ上げが行われているところです。これは十分御承知だと思うのです。そのことからみまして、実際河口ぜきをつくった場合に、こういう地域に大変重量のある、しかも規模の大きい、こういうものをつくった場合に、不等沈下の問題が起きてきて、せっかくつくっても比較的短い期間に問題が起きやしないか、そういう点では工法上大変困難な問題があるかと思うのですが、これについてはいかがですか。
○説明員(佐々木才朗君) 河口ぜきをつくりますにつきましては、地盤の調査等も十分にいたしまして、全国の河川にせきをつくった例がたくさんございますので、その辺の工法、あるいはさらに新しい工法を十分研究いたしまして、支障のないような設計を考えております。
○近藤忠孝君 つくるときはみんなそう言ってつくるのですが、できた後でいろんなところで問題が起きているわけです。現に私自身も見てまいりましたけれども、たとえば水門の下はずっと深くまでくいを打ちますから、そこは比較的沈下は少ない。沈下しているにしましても比較的少ないわけですね。そのすぐお隣の堤防、水門のそばについている堤防、その方は下のくい打ちが少ないものですからずっと下がっていく。こういった現象がずいぶんあるのです。これは、このすぐ近くの鍋田川というところがありますね。そこに水門があるわけですが、これぜひ写真をごらんください。(資料を手渡す)その左手にある方が水門部分です。そして右手が堤防部分です。堤防の方はそれだけでも五十センチ以上ですね。比較的短い期間にそれだけのものができているわけです。それは建設省の中部地方建設局のおつくりになった地盤沈下の実態とその対策というところにも出ております。全く同じものですね、(図を示す)この部分なんですが。となりますと、いま十分調査をして万全な対策をとると申しましても、何百メートルにもわたって、あるいはもっとずっと深く全部不等沈下しないようにくいを打つことも、決してこれは可能だとは思いませんね、予算の制約がありますから。となりますと、それと同じような事態が起きないという保証があるのでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) 今回公団が事業を実施いたすにつきましては、ある程度取り合いの部分も込めまして、本体だけでなしに取り合いの部分も込めまして一体的にそういったことを配慮しながらやるようになっております。
○近藤忠孝君 それはわかるのですよ。それはわかるけれども、本体のすぐ近くの部分を同じようにやりましても、やったその次がまたありましょう。相手は海とか、あるいは川ですから、ずっと続いているわけですよ。どこかしらにそういう差が出てくる部分は必ず生ずると思うのです。そうでなければ伊勢湾全部堤防を同じようにしなければこれはいかぬわけでしょう。その点本当に自信を持てるのでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) かたいものとやわらかいものとのつなぎ目にはそういうことが起こり得るわけでございますが、やわらかい部分の一部まで込めまして、かたいものとなじみよくつくっておきますれば、その次に続くやわらかいものとの間は、これは非常になじみがよくなるわけでございます。そういうことによって影響をだんだん消していくという形になるわけでございます。
○近藤忠孝君 そういたしますと、現在の工法からいくとその鍋田川のようなことは絶対に起きないと、こうお伺いしてよろしいのでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) そういうふうに当然思っております。
○近藤忠孝君 あなたがそうおっしゃっても、実際起きた場合あなた責任負えるかどうか、これは別の問題ですけれども、それはそういう点では、その工事の点についてはそういう実例があるわけですから、その点は十分に対処されるべきだと思うのです。というよりもむしろ、そういうような問題がある以上、河口ぜきそのものについてもっともっと根本的な検討が必要だと私は思うのです。そこで、基本的にはこの河口ぜきの必要性の問題なんです。というのは、河口ぜきをつくりましても、底自身がずっと沈下しているわけですから、ですからいま言ったような堤防との亀裂は、仮にあなたが言うとおり起きないにしましても、全部が沈下してしまって用を足さなくなる可能性もあるのじゃないか。それほどこの地域は地盤沈下の激しい地域だと思うのですが、その点確信を持てるのでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) まあそういった意味も込めまして、早く地下水依存を表流水に切りかえて国土全般の沈下を防ぐということが一番大事なことだと思っております。
○近藤忠孝君 そういたしますと地下水くみ上げをやめるということに期待をしていいようですね。しかし、これは建設省も十分御承知のとおり、地下水対策というのはほとんど進んでいないんじゃないでしょうか。地下水対策が進んでおれば、もうとっくの昔に終わっていますし、現に、ほとんど、特にこの濃尾平野は地下水対策が進んでいないわけです。その点どう理解されておりますか。
○政府委員(大場敏彦君) 濃尾平野についての地下水の規制の問題でございますけれども、現行法によります地域の指定は、工業用水法に基づきまして、名古屋市南部、四日市の東南部、三重県の楠町、こういった所を指定しておりますが、御承知のとおり地域的にはまだわずかであります。したがいまして、あと愛知県条例とか三重県条例とか名古屋市条例、そういった条例で補完的に地域を指定いたしまして、県あるいは市がその他の用水をも含めて工業用水だけじゃなしに規制をしておりますが、この地帯の実態を考えますと、対策としてはまだまだ広範のゼロメートル地帯もございますし、もう少し徹底した地下水の規制というものが必要であろう、かように考えておるわけであります。
○近藤忠孝君 そういたしますと、この濃尾平野の地盤沈下対策、地下水くみ上げ対策の問題としますと、現在ある法律と条例に期待をしている、条例に頼っているということですね、そうでしょう。
○政府委員(大場敏彦君) 私は現在活用し得る現行の法制というものを申し上げて、活用しているということを申し上げたわけでありますけれども、やはり根本論としては、現行法制ではいろいろな問題点があるということは、これは私どもが中公審からいただいている答申にもるる書いてあるわけでありまして、そのために新たな立法というものを制定すべくいま懸命に努力中であるということであります。
○近藤忠孝君 環境庁懸命に御努力されたようですけれども、どうも環境庁の案がなかなか通らないようですね。それで本当は別の案が今国会に出てくるだろうと思っておったのですが、それもどうも延びたようだというぐあいに聞いております。となりますと、地盤沈下対策というものは特にこの濃尾平野ではなかなか期待できないとなりますと、先ほどの河口ぜきの問題になりますけれども、これはどんなぐあいに沈下するのか、それはやっぱり現在の規制状況、現在の沈下状況をもとに考えなきゃいかぬと思うのですね。 そこで、これも、私実際現地に行って見てきた状況からひとつ指摘したいと思うのですけれども(資料を手渡す)、これは伊勢湾台風のあとに高潮対策として名古屋港の前面に設けられた高潮対策用の堤防です。そこで一枚目のやつ、人が立っていますが二メートルとあります。満潮時はそこまで水が来るというのです。ということは、つくったときよりも二メートルもその部分が沈下しているということを意味していると思います。そうなりますとあと上の方も幾らもありませんから、高潮が来れば一遍に波が越えてしまう、現にそういう状況になっています。ですから地盤沈下状況がいかに激しいか。それから二枚目、三枚目の写真は、これはそのすぐ近くの小学校です。小学校へ行ってみますと、これも学校の本体部分はくいを打ってあったのです。ですからそこは比較的沈下しているにしても沈下が少ないのですね。ところが、本体部分以外、これはくいを打ってないものですから、もうすでに亀裂が生じてます。もっとひどいのは廊下なんです。その薄暗いところが廊下ですね、廊下の下は全然くいも打たずそのままになっているんですから、土だけのものですから、土の部分がへっこんじゃって、縦の部分の壁をゆすりますと動くんですね。これは海部郡佐屋町の永和小学校でありますけれども、そういうような状況なわけです。そういう状況で、しかももっと深刻なのは、この写真ごらんください。これは伊勢湾台風のときに家の軒まで水がきたという水位です。そばに私立ってますけれども、私百七十センチあるんですよ。その百七十センチあってちょうど手を伸ばしたところがその当時水がきたところです。そこまできたわけですね。ですから、これはすでにあらわれている資料によりましても、いまその地区がすでにそのときよりも八十センチ沈下しているというんです。となりますと、三メートルです。付近一帯が三メートルもの水がきてしまうということになりますと、全部死んじゃいますよね。それほどいま沈下の激しいところであります。長良川河口ぜきも、ちょっと離れたところですけれども、基本的には同じような実態だと思うわけでありますけれども、そういうところに河口ぜきを設けて本当に大丈夫なのか、その点いかがでしょうか。
○説明員(佐々木才朗君) 先ほど先生も御指摘になりましたように、本体はきちんとしておるのが通例でございまして、やわらかい部分との取りつけの問題であると、こういうふうにわれわれは思っておるわけでございますが、これにつきましては諸般のやり方があるわけでございます。これは水公団にも十分申し伝えまして、しかるべき設計をなす仕事をやらせていきたいと、こういうふうに思っております。
○近藤忠孝君 先ほどの答弁と同じですから、とても期待できませんし、私が指摘したのは、河口ぜきの部分も一緒に沈下をして、河口ぜきの役割りをせっかくつくっても果たさない時期が早晩くるだろうという指摘なんです。と同時に、これは地元の人々がずいぶん反対があるとおり、河口ぜきつくることによって、いまだ流域に一つもダムのなかった川にダムができて、そのことは自然を破壊するという問題ですね。この自然破壊の問題はまた後にお伺いしますが、地盤沈下の問題で長官にひとつお伺いしたいのは、こういう深刻な事態に対してこのまま先に行ってしまったら一体どうするのか。あすにでも伊勢湾台風と同じような状況がこないとも限らない。こういう事態に対して、長官としてはどういうおつもりで対処されるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私はあくまでも、まだ法案の提出をあきらめておりません。それでいま鋭意努力をいたしております。私は実は新潟市でございますんで、一番の先進県、水溶性ガスの規制をやりまして、非常にまあ沈下をとめてようやくよくなったんですが、沈下のためにきれいな自然環境の柳の小道というものを全部川を埋めてしまわなければいけなくなった。水の都と言われた市内がいま川もほとんど一本もない。そうして、そのかわり二十カ所ぐらいポンプをつけて大騒ぎをしている都市になってしまったんですが、とにかく地盤沈下は一応のめどはついて片づいている。それから地下水の規制を徹底的にやらなきゃいかぬと思うんです。ですから、そのために代替用水が必要なんですから、私は技術屋でありませんし、所管でありませんから、いまの河口ぜきの場所がいいのかどうかわかりませんけれども、できるだけこの地盤沈下地帯における代替用水の確保のために、資源公団なり建設省がお考えくださることは大賛成なんです。ただ、私は場所についての先生と建設省のいろいろやりとり、この判定はできません。それで、まあ法案といっても法案ができなければ困るんですから、まああらゆる現行法の通産並びに工業用水の中にある規定、あるいは未利用水の規制の問題の法律、その他まあできるだけ現行法の中で早急にひとつ行政措置でやれるものはできるだけやっていただくと。その意味で、全般的にまあ法律の行く末を見た上で考えたいと思いますが、やはり地盤沈下そのものの総体的な責任は私の方ですから、何とか私どもの方で具体的に必要な事項を各省に施策として要求する必要があると認定した場合には、勧告権の発動も辞さない、こういうつもりであります。
○近藤忠孝君 本当はきょう九十分質問する予定でしたから、この後まだいろいろ地盤沈下の問題でもたくさん問題がありますし、それから水利用、代替用水とか、その問題でももっともっとこれは詰めなければならぬ問題があると思うんですが、委員会の都合でもうそろそろ終えなければいけないので、この程度にしたいと思います。ただ、きょうの質疑をお聞きになっておわかりのとおり、いろんな問題、河口ぜきの問題一つめぐりましても、地盤沈下の問題から、それからこれから聞こうと思っておった自然破壊の問題から、もう大変な問題がやっぱりあるわけですね。そういう点では、きょうの質問はひとつ糸口にしまして、これから多く質問していきたいと思うんですが、最後にお聞きしたいのは、この河口ぜきの自然環境に及ぼす影響についてはどう理解されておるか、この点とそれに対する対策ですね、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 長良川河口ぜき事業につきましては、工事主体である公団が現在環境影響評価を実施をしつつあるというふうに聞いておるわけでございまして、まあ自然環境保全上配慮さるべき問題もあると思いますので、その評価の結果を聞いた上で、また私どもも自然環境の保全が図られるように対処、対応してまいりたいと、まあ必要な助言をすべきようなことがあれば十分検討していきたいと、そういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 私がお聞きしたのは、具体的に、たとえば岐阜県自然環境保全連合とか、地元でも幾つもの自然を守ろうという団体があります。現にこれは局長のところへも陳情に昨年行っているはずです。ですから、実態はおつかみだと思うんですが、この河口ぜきをつくることによって、いままでダムやせきが一つもなかったこの自然の川がどう変わっていくのか、その点についてどういう理解をされておるのか、この点が私の質問なんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) まあいろいろお話も伺っておりますし、またこの河口ぜきの具体的な実施計画はできておりますけれども、まだ実施に移されておらない段階で、詳細の中身は私どもも承知しておりませんけれども、まあいろんな自然の景観上に与える問題とか、あるいはこの河口の河口ぜきの上流あるいは下流地域にいろいろな水鳥の生息というふうなこともありまして、そういうものにも当然影響が及ぶわけでございまして、そういう点について私どもも今後よく検討していきたいというふうに考えます。
○近藤忠孝君 まだ検討中で調査もないようなんですが、たしかこれは昨年環境保全連合の代表が局長に会ったときには、この自然への影響について調査をしたいと、さらに建設省とも話し合いを検討したいと、こういったような回答をされておるようです。まだその具体的な影響については調査がないということは大変残念なことだと思うんですが、特に長官に要望したいんですが、きょう余り質問できなかったんですが、自然への影響あるいは漁業への影響ですね、これまた大変な問題なんです。そのことが一つの理由になって裁判さえ起きている状況なわけですから、そういう点で、いまの局長の答弁のとおり、自然への影響の調査もされてないようですね。となりますと先ほど来述べてきたような大きな問題があるこの河口ぜきがさらに自然破壊につながってくる。ダムが一つもなかった川に一番の大もとにダムができて自然を根本的に破壊する可能性がある、こういう状況ですので、この問題については少し重視をされまして対処されるように要望しまして、質問を終わります。
○委員長(藤田進君) 本日の調査はこの程度といたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会