公害対策及び環境保全特別委員会 第4号
- 発言数
- 274 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/28
会議録
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 山崎竜男君、川野辺静君、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君、上原正吉君、浜本万三君がそれぞれ選任されました。 また、神沢浄君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、三菱石油株式会社水島製油所の重油流出事故に関する調査を行います。 この際、参考人の方々に対し、本委員会を代表いたしまして一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の方々にはお忙しいところを本委員会の調査のため御出席をいただき、まことにありがとうございました。 昨年十二月十八日に発生いたしました三菱石油の重油流出事故は海洋汚染問題、石油コンビナートの問題など大きな社会問題となっております。本委員会におきましても、政府側から報告を聴取する等、重大な関心を寄せてまいったところであります。本日は三菱石油露木常務取締役、香川大学岡市助教授、東京大学浅原教授の御出席をいただき、御意見を聴取いたしたいと存じます。 なお、浅原参考人は都合により午後から御出席いただくことになっておりますので御了承願います。 本日の議事の進め方でございますが、まず参考人の方から御意見を聴取したあと、委員の質問にお答え願いたいと存じます。 それでは、露木参考人にお願いいたします。
○参考人(露木高良君) 露木でございます。 このたびの水島重油の流出事故によりまして大変各方面に御迷惑をおかけいたしましたことをまず最初におわびを申し上げます。 このたびの重油の流出事故は普通の事故と異なりまして非常に大きな社会問題にまで発展をいたしまして、広く国民の皆さま方に本当に御迷惑、御不安を与えましてまことに申しわけないと思っております。この事故の発生の経過等につきましてはすでに国会の方でも御報告を申し上げておりますので、その後の油の防除、清掃の経過、それから被害をおかけいたしました漁業関係初め関連の業界の方々に対する補償の関係、その辺につきまして概略御報告をまずいたしたいと存じます。 油の防除でございますが、国を初め地方自治体、地元の方々、特に直接被害をおかけいたしました漁業関係の方々の御協力を得まして、またさらには海上保安庁、自衛隊等まで御援助をいただきまして、現在までのところ、海上に浮遊しております油につきましてはこれはほぼ回収を完了いたしております。ただ、海岸線に付着いたしております油、これがなかなか、回収と申しますか清掃と申しますか、そういう面が困難をしておりまして、二月に入りましてからもっぱら海岸線の清掃に全力を挙げまして、自治体の方々それから地元の方々と御相談をしながら御協力をいただきまして、現在二月末を一応のめどといたしまして極力清掃を進めてまいっております。本日は二月の末日に当たるわけでございますが、この二月末の時点でさらにもう一度、地方の自治体の方々や地元の方々とさらにもう一遍見直しをいたしまして、そしてさらに残っております部分を三月以降清掃を続けていくと、こういうことに相なっております。 それから補償の関係でございますが、一番大きな被害を及ぼしました漁業関係の補償でございますが、十二月の末に越年資金と申しますか、そのような形で補償の一部を支払いをいたしまして、それから一月末に漁連さんの方とお話をいたしまして、そして少しまとまった形での補償を一月末に仮払いとしてお出しをいたしまして、一部二月にまたがりておりますが、現在までに四県を合わせまして八十六億六千五百万円、これを二月末までに漁業補償といたしましてお支払いをいたしております。さらに三月になりまして、現在私どもの方とそれから漁連さんの方とそれぞれ海事鑑定人をお願いをいたしまして、損害の調査を取り進めておりますが、これが三月の初めにはほぼ概算の損害が判明してくるのではないかという期待をしております。そういたしましたらば、この海事鑑定人の手による損害の額の査定額と申しますか、それを踏まえまして、三月できるだけ早い時期に漁連さんの方と私どもとでお話し合いをいたしまして、何とかできるだけ早くこの漁業関係の補償の清算をいたしたいと、漁業組合の方の方々もできるだけ早い方がよろしいという御希望でございますので、私どももかようなことはできるだけ早くきちっとした形にいたしまして、そして本来の生業に安心してついていただけるような形が一日も一早く来ることが望ましいと存じまして、何とか三月中にはこの漁業補償の関係を全部決めてしまう形にしたいというように存じて取り進めております。 それから次に、関連の被害の補償でございますが、この方は大変業種も多岐にわたっておりまして、私どもも最初のうちは防除の方に忙殺をされまして、多少立ちおくれぎみになっておって大変申しわけなかったのでございますが、一月下旬ごろから極力そちらに人手を増強いたしまして、それ以来お申し出のあります方々につきまして詳しく事情を伺って、そしてできるだけこの方も早くお話をまとめてまいりたいということで鋭意やってまいっております。現在四県につきまして、それぞれに対策本部に窓口を置きまして、お話し合いをしている次第でございますが、この関連被害の補償につきましても漁業補償と並行いたしまして、何とか三月いっぱいには終了するようなつもりで現在やっておる次第でございます。 それから次に、安全防災の関係でございますが、このたびの事故にかんがみまして、万が一にもかようなことが再び繰り返されては相ならぬわけでございますが、水島の方につきまして消防御当局の方にいろいろ御指示をいただきまして、タンク、装置の点検整備を進めてまいっております。 それから、再びかようなことがあってはならぬわけでございますが、安全に安全を見まして、従来の防油堀の外側に製油所全体をもう一つ防油堀でもって取り囲むという工事を急遽取り進めてまいりまして、二月末——本日にはこれが完了をすることと相なっております。 その他あらゆる面につきまして今回の事故を反省いたしまして、安全防災の点につきましては特にいろいろとやれることはすべてやるというつもりで取り進めてまいっております。 いずれにいたしましても、今回の大変大きな事故を引き起こしまして、各方面に本当に御迷惑をおかけいたしましたことを重ねておわびを申し上げまして、私の御報告を終わりたいと思います。
○委員長(鶴園哲夫君) ありがとうございました。 次に、岡市参考人にお願いいたします。
○参考人(岡市友利君) 岡市でございます。 先ほども露木さんの方からお話がありましたように、重油汚染の問題についてはもう先生方がよくその実情を御存じだと思いますので、最近まで私が文部省からの科学研究費を中心に調査した内容、まだかなりの部分が計画中あるいは調査中のものがございますが、そういうものを取りまぜて御報告させていただきたいと思います。 ただ、今回の重油汚染というのは、考えてみますと決して偶然に発生したものではないように思います。四十八年に瀬戸内海における油汚染の発生件数、これは海上保安庁の調査でも二千六十件であると、そのうち瀬戸内海では五百三十八件、約四分の一強の汚染があるわけです。そういうことを考えてみますと、これは偶発したというように言われておりますけれども、タンクの破損そのものは偶発であっても、石油汚染が起こる素地といいますか、そういうものは瀬戸内海に十分あったというふうに考えております。 で、私はこれまで十年間香川大学におきまして赤潮の研究を主に行っておりました。そういう立場から調査を進めてまいりまして、これまでのところ海水中のプランクトン——これはまあ海水中に浮遊している微生物ですが、動物性のものも植物性のものもございます。それの生態がどういうふうに変わっていくか。それから岡山大学その他の関連大学等の御協力を得まして、海津生物がどういうふうに変化していっているかということ、それから付着油が——まあ海岸その他に付着している油が一体現在どのぐらい残存しているか、それをかなり光学的な手法も入れまして調査してみよう、そういうふうな大きく言えば三つの柱で現在調査を進めております。 海水中の現在の油分量というものは、私たちが当初予想したよりも多少少ないというのは事実のようでございます。高松市の調査によりましても、一月十六日の二十三検体分析しました油の量が〇・四PPm——まあPPmというのは百万分の一濃度でございますが、一リットルの中に〇・四ミリグラムあるということになりますが、それが五検体、〇・三PPmが二検体と、いわゆる環境基準の〇・一PPmを上回る海水が二十検体もありまして、かなり瀬戸内海の水がやはり汚染されていたということは実証されておりますが、一月の二十七日になりますと、〇・一PPmを超えるものが八検体とかなり減っております。そういう意味では、海水中に溶け込んでいる油分量というのは、かなり問題ありますが、少ないようには思います。予想したよりは少ないように思います。 ただ、海水中に残存している成分が一体どういうふうな変化を受けて、それがまた生物にどういうふうな影響を与えるのか、そこのところが非常に重要な問題のように思います。で、漂着油——海岸につきました油の中にも、やはり芳香族系のといいますか、まあ生物に多少なり、あるいはときには非常に重大な影響を与えるような成分がやはり三〇%ぐらいは残っているということが私たちの調査でも大体わかっております。で、今後こういうものがさらに海岸に置かれまして水温なり気温が上がってきますと酸化していきます。光の作用でも酸化いたします。そうなったときにどういうふうな有害成分が出てくるか、この調査をまず早急にしなければいけないだろう、そういうふうに考えております。 で、プランクトンにつきましては、十二月の三十日に私たちが調査を行いましたところ、当時まだ厚さ数センチの油のかたまりがたくさん流れておりました。その直下の水を取ってみますと、従来瀬戸内海で普通に見られておりましたプランクトンはいませんでして、無色の鞭毛藻というものと付着性の珪藻だけが認められました。これはやはり非常に異常なことだというふうに考えております。ただ、現在そういう影響は一応消えてはおります。ところが、二月の十四日に再度調査をいたしてみますと、海水中のプランクトン、主として珪藻類ですが、これは魚のえさにもなります。そういったものが今度は逆に異常繁殖をしている様子がうかがわれます。 よく私たちは、海洋観測の際に三十センチの白い円板を海水中につり下げまして、上から何メートルぐらい見えるかと、つまり濁りのぐあいをそういう透明度ではかりますが、その透明度深というのが四メートル以下であったと、つまり円板を四メートルも下げないうちに見えなくなる。普通瀬戸内海で夏でも五メートルを割りますと、これは汚れていると私たちは判断しているわけですから、非常に珪藻類がいまになってふえてきておる。このことが恐らく水温が上がったときの赤潮発生に結びつくのではないかと、私はそれをいま懸念しております。で、外国の報告でも、現在私たちも計画中でございますが、油が〇・一PPmよりもかえって低いところではプランクトンの増殖を促進するという報告があります。もちろん、〇・一PPmではプランクトンの成長は阻害されていきます。ちょうど前半の一月中は〇・一PPm以上のところにあって、恐らくプランクトンの増殖はかなり阻害されてきた。ところが、二月になりますと、油がだんだん減ってきますと、逆にいろんな理由があったと思うんですが、その一つは、先ほど言いましたような油成分の光合成促進作用というようなものもありまして、プランクトンがふえてきたように考えております。こういういま御説明したプランクトンは植物プランクトンですが、これを動物性の小さいプランクトンが食べまして、それで増殖していくわけですが、この動物プランクトンについては、まだ十分調査はされておりません。ただ、外国の例では動物プランクトンに油が何%かは着く、体重の〇・一%とか一%ぐらい付着することが知られておりますので、そういう影響は出てくるだろう。 それからもう一つは、夜光虫というプランクトンがおりますが、その体内にどうも重油が入り込んでいる形跡が一、二の証拠で見られます。動物プランクトンは小さな油滴を食べ込みまして、消化管の中に持ち込んでしまう。そういうことも知られておりますので、やはり植物プランクトンに見られたような変化が今後動物プランクトンにあらわれてくる可能性があると思います。 で、これは後でまた処理剤のことが報告されると思うわけですが、処理剤の使用に関して私どもが一つ懸念していることは、たとえば重油そのものでは余り毒性はない。それから処理剤そのものでは余り毒性がない。ところが、これが両方複合してきますと毒性が出てくるというか、毒性が強くなることがわかっております。ことに、そういった毒性というのは大きな生物、つまり大人になった生物に対してではなくて、ウニであれば卵だとか、エビ類であればふ化したばかりのまだ変態途中の生物、子供の段階にかなり影響する。イセエビなんかでは一PPmの濃度、これは現在では瀬戸内海では油濃度としてはありませんが、一PPmで子供から変態していく過程が阻害されると言われているわけです。不適当な処理剤の使い方をすれば、沿岸部分で重油の濃度が一PPmに上がることは十分予想されるところでございまして、こういう事態を避けるような処理剤の使用を今後考えていかなければならないというふうに思います。 そのほか、海岸生物の中では、御存じのようなフジツボだとか、カメノテという岩にくっついている生物があります。そういうものは案外強くて、油がかぶった後、少なくとも自分の体の表面の油が取れますと、やはりえらを出しまして呼吸しているのが認められております。ただ、移動性の小さな貝類、こういうものがやはり減少しているのではないか。 それから、よく岩の上についておりますヒザラガイだとか、カサガイとか、こういうふうに岩にべたっとついている貝があります。これは多少、今度は移動するわけです。ところが、油がかぶっておりますので、くっついたまま移動できないで二カ月ぐらいそのままにいる、それをはがしますとそこのところだけ油がない。結局そういった、ひどく移動しませんが、多少移動するような生物が行き場所がないというのが現状のようです。海草類については少なくとも大きな海草はわりあい丈夫に残っているようですが、これも、私が心配するのは、やはり増殖器に入りまして胞子という種を出しますが、そういうものにどういう影響があるかというようなこと、こういうことが心配されております。 余り長くなるのでこの辺で終えたいと思いますが、私が高松におりましてこの重油汚染問題を見ておりますと、やはりPCB問題と同じように瀬戸内海沿岸の住民の精神の荒廃を招くような様相がないではない。たとえば家庭の主婦がすでに高松周辺でとれた魚はなかなか買わない、スーパーマーケットへ行って冷凍のカレイなんかを買ってきて食べている。やはりそういう場所では、ここでとれた魚はおいしいよといって食べられる、そういう食事をしながら自分の周辺の郷土を愛していく、それがさらに全日本の問題、日本はいい国だというふうな考え方につながると思うのですが、単に海が汚染されたというだけではなくて、そういう問題が徐々に浸透してくるのではないか、そういうことを非常に心配いたします。現在瀬戸内海の漁獲高というのは約四十万トンでございます。日本全体の漁獲高は一千万トン超えますので、量的には非常に少ないように思われます。しかし、沿岸の漁獲高のうちの約四分の一——この四十万トンというのは約四分の一を占めます。さらに、そのとれたものほとんどが漁業者の手を経て一般住民に食べられている。これは外国へ売り渡すものでもなければ、肥料に回すものではなくて、本来食べるものとしての四十万トンということで、瀬戸内海の漁業をやはり今後正常な形で維持していくこと、このことが非常に重要なことではないかと思います。 私、言い過ぎたようなことがあるかと思いますが、さらにもう一つつけ加えさせていただきますと、瀬戸内海における公害問題というのは、現在いろいろな地方自治体が入り組んでおりますためにいろいろめんどうな問題がございます。たとえば、愛媛県で起きたパルプ廃水が香川県に流れてくる、ところが香川県と愛媛県との間で十分話し合いができないというような問題とか、今回のように岡山県で発生した事故が香川県に被害を与える、そういう実情を考えてみますと、環境問題というのはこれは単に一県とか、一地方の問題ではなくて、まさに瀬戸内海全体の広域行政の中で解決されていかなければならない問題ではないかと思います。現地に重油対策本部が設置されたときに、かなり私たちはその活動に期待したわけです。比較的それが早期に解散されたということは多少失望の念もございます。今後環境庁あたりの瀬戸内海対策室、そういうものが充実されていくことを実は希望しまして、よけいなことまでつけ加えましたけれども御報告さしていただきました。
○委員長(鶴園哲夫君) ありがとうございました。 それでは質疑のある方は順次御発言願います。
○金井元彦君 まず露木参考人にお伺いをいたしたいと思います。 今回の事件は私どもといたしましては瀬戸内海を三年間で水の汚染を半減しようというぐらいに実は非常に意気込んで議員立法までしてやっておりましたのが、その逆だということで非常に重大視をしているわけでございますが、事件が発生いたしましてからあなたの方のところの社長さんが各委員会等でお述べになっているところを伺いますと、非常に誠意を披瀝して何でもやる、再びこういうことを起こさない、こういう姿勢を示しておられることは大変結構だと思うのでございますが、さらに念を突くようでありますけれども、ただいま補償の問題につきまして面接被害あるいは間接被害等についてはこれを十分補償する、また、しつつあるという旨のお話がございましたけれども、私これには相当後世症が出てくるんじゃなかろうかと、こう思うのでありますけれども、これにつきましても同様になさるのかどうか、その辺のところを伺ってみたいと思います。
○参考人(露木高良君) まことにむずかしい問題でございまして、私どももどのようなことに相なるのかちょっと想像がつきませんのでございますけれども、いま国の方でもいろいろ御調査を進めておられますので、その結果が明らかになりましたときに、よくお話を伺いまして善処したいと思っております。
○金井元彦君 次に、この問題が起こったについていろいろ新聞記事等が出ておりますが、まずこの施設につきまして、三菱石油がどこまで指図をされ、それから関与をされておるかというふうなことについて少し伺ってみたいと思います。 と申しますのは、今度のこのタンクができましたのは四十八年でございますか、それについて、基礎は千代田化工がやった、それからタンクの本体は石川島播磨がやったというふうなことのようでありますけれども、それについて、これは何の新聞だったか忘れましたけれども、こういう記事があるのでございますが、「タンクの基礎工事をした千代田化工建設とラダーを含めタンクを設計、建設した石川島播磨重工の間で「どの社の責任でラダーの基礎工事をしたか」をめぐり、トラブルが起きている。」と、これはラダーが壊れたということが防油堀を破壊したというようなことで大変問題になっておるようでありますが、「巨額の補償問題がからんでくるだけに、両社とも必死の攻防だが、この事実は、工法などの話し合いを十分しないまま基礎工事とタンク本体の建設を別別にしたことを暴露した。三菱石油は、事故が起きた二七〇号タンクを含むタンク十一基と直接脱硫装置を四十七年はじめ、工費約百三十億円で千代田化工に発注。千代田化工は脱硫装置などプラントの建設とタンクヤードの基礎工事を自社でし、タンク本体は石川島播磨重工へ発注した。基礎工事のうちサンドパイルなど、特許工法による地盤改良工事以外は熊谷組を通じて」倉敷の「東洋工務店に孫請けさせた。一方、二七〇号、二七一号両タンクのラダーの基礎工事は、東洋工務店が四十八年八月下旬から九月上旬までに行った。」云々というふうな記事があるわけでありますが、これで見ますと、ある程度大ざっぱなことで、あとは千代田化工なり石川島播磨の方で詳細なものは全部つくられるのか、それとも三菱さんの方でもっと詳細にいろんな指示をなすって、それで発注をされておるのか。どうもその辺、任せっきりといいますか、あるいは向こうでできたものをただ見てやるとか、あるいは値段の問題とか何かに重点がいったのではないかという疑いを起こすような点があるように思われますので、どの程度まで指図をされ、あるいは関与されておるかというような点伺いたいと思います。
○参考人(露木高良君) 私申しわけないんでございますが、その方担当をしておりませんので、詳しい事情をちょっとこの席で申し上げかねますのですが、私の知っております程度で申し上げたいと思いますが、この千代田化工の方は水島製油所をつくりますときからずっと請負い業者としてやってまいっておりまして、そんな関係もございまして、千代田化工がプライムコントラクターとして今度工事に携わっておった。その下で石川島播磨、熊谷組さん、この御両社がタンクの本体と基礎の方をおやりいただいたというように聞いておりますが、その辺のところで当社の方の技術者もその都度都度、いろいろ報告は受けて関与はしてまいっておると思いますが、ただ千代田化工さんにしましても、石川島播磨さんにしましても、熊谷組にしましても、それぞれ業界の第一流の経験のあるお会社でございますので、相当お任せをしてやってきたことも事実かと思っております。 私の知る範囲ですとその程度でございますが、よろしゅうございましょうか。
○金井元彦君 御担当でないようでありますので、あまりそれ以上申し上げてもどうかと思いますけれども、ただ私ここでこのことを申し上げますのは、一月二十三日の衆議院の環境委員会で、社長が出られまして、それで、今度のタンクは比較的新しい工法を使ってやっておりますというふうなことを述べておられて、設置につきましては事前に十分の検討を加えておりますということを御答弁になっておるわけなんです。そうしますと、かなり今度のタンクについては三菱さんとしても細かい点まで指図をされたのではなかろうか、こう思う点があるわけです。したがって、今度起きている問題について、材質の問題であるとか、基礎の問題であるとか、溶接の問題であるとか、いろいろ問題があるようでありますけれども、私は、終局はやはり三菱さんの責任においてやられることですから、まあ今後のこともあり、やはり相当責任を持って事前にその注意をされるということが必要でなかろうかという点と、いま一つは、やっぱりいろいろに分かれて発注されれば、それを総合したものについて、双方のちょうどジャンクションするところで問題の発生の可能性が大いにあるんではなかろうか、こういうような点についての注意を喚起したいし、またそれについての、いやそれはこういうことでちゃんとしてあるんだと、われわれが安心できるようなことであるのかどうか、そういう点を伺いたかったわけなんです。 そうしますと、この問題はその程度にいたしまして、生産がだんだんに以前に比べて非常に大きくなっておる、巨大化しておる、なおまた高度化しておる。その方は非常に進んでおるわけですが、これに伴うところの安全性の問題というものが果たして並行していっておるかどうか。まあ、タンク一つ例をとりましても、一万トンぐらいのことで済んでおった時代と、いまのように五万トンとか十万トンというようなものになってくると、安全性の問題にもやはりそれに伴って違ってこなきやならんのじゃないか、こういうふうに思うのです。ところが、安全性の方は取り締まり法規とか、あるいは基準だとか、そういうようなものがもとになってできておるが、生産の進むに伴ってというわけになかなかいかない、やっぱりときどき改正をされるというふうなことでありますので、やっぱりこういう点は私は生産をされる方がそれに伴うところの安全性の問題というものはこれはやはり自主的に並行してされるべきものではなかろうかと、こういうふうに思うのでありますが、そういう点にちょっと御見解を伺いたいと思います。
○参考人(露木高良君) 先生の申されますこと、そのとおりだと思います。私どもも、私どもなりに安全につきましては十分注意をしてきたつもりではございますけれども、今回のような事故が起きまして反省してみますと、まだまだ反省すべきことが多々ございますと思います。その点、これを契機にいたしまして将来特に自主的な面での安全防災対策というものをさらに強化するということで現在取り進めておりますが、この点は先生のおっしゃるとおりだと思っております。今後も十分これを契機にいたしまして注意をし、さらにこの体制の強化ということを図ってまいりたいと思っております。
○金井元彦君 まあ会社の態度はそれで結構だと思います。 そこで、これはあるいはこういう席じゃお話がしにくいかと思いますけれども、おそらく今回の事件についても会社としては安全基準というものは全部守っておられたと、こう思うんですね。ところが現実には大きな事故が発生した。その中には技術的にまだこれから解明されるべき問題があるかもしれませんが、しかしとにかくああいうふうな大きな問題になった。この中にはやはり今度は事故が起きてからのいろんな対策についてのまずかった点も含んでおるとは思うんですが、そこでこれは率直にこう言っていただくことが将来のためになると思うんですが、今度はあなたの方からごらんになって、一体基準にしましてもあるいはまたいろんな順守すべきような問題にしても、これがこういうふうにしておいてくれたらこういうことにはならなかったと思うんだというふうな点が私はあるんじゃなかろうか、いまは事故を起こしたということで非常に恐縮をしておられて、ちょっとでも発言をして妙なことになっちゃ困るといって御心配だろうと思うんですけれども、そういう点を今度はやはり一番面接されておりますので、会社の方からごらんになってやっぱりこうこういう点はこういうふうにしておいてもらえばこういう大事件にはならなかったと思うという点があろうかと思うんです。この間何か読んでおりましたら、新聞だったと思いますけれども、エッソがこれやはり同じような事件を起こしたことがあるようでありますが、そのエッソが今度は自分のところの技術研究所でいろんな、特に基礎構造あたりについてこうこういうふうに自分の方はしておけばよかったと思うという点を率直に発表をして、それでまあ他社の参考にも供したという点が出ておりますが、私はこういうことはやはり共同でやるべきものだから会社の方で何も遠慮されないで、こういう点はこうしておくべきであったというふうな点を多分痛感しておられる点があると思いますので、そういうことをひとつ率直に述べていただきたいと思います。
○参考人(露木高良君) 大変ありがたいお話でございますが、これは私どもといたしましても、こういう体験をいたした当事者でございますので、うちの技術者もいろいろと考えるところがあろうかと存じます これはいまの私の気持ちとしてはそういうことに触れることさえも申しわけないというような気持ちでおりますが、しかしこれはやはり日本全体のこういう安全、防災に対しての将来の、少しでもこれを安全を期し防災の完璧を期していくための手がかりにもなることかと思いますので、私どもの技術魔にもよくその趣旨を申しまして、適当な形で私どもの考えるところをこれはまた先々申し出さしていただきたいと、このように思っております。
○金井元彦君 いまのところはまだ途中でもありますし、政府側の調査委員会も調査しておるところでありますから、ちょっと発表しにくいかと思いますが、私はぜひこれはひとつ会社側として、一番直接しておられるのですから一番よくおわかりだと思いますので、これはむしろ公共のために積極的な態度で将来のために御発言を願いたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いします。 それでは次に海上保安庁の方にちょっとお尋ねしたいと思いますが、今度の事故につきまして海上保安庁は非常に御苦労になったことばみんな認めておるところでありますけれども、しかし事故発生後の処置についていろいろ批判する者もあるわけです。ちょっとその辺のところでわかりにくい点がありますので、この際明確にしておいていただいたほうがいいんじゃないかと思いますのは、事故が発生をいたしまして油が海に流れ込んできた、ところが港口閉鎖したらああいうふうに広がらなかったのではないか、もっと早く閉鎖したらいいんじゃないか、それを閉鎖しなかったのはまずかったんじゃないかというふうな話を聞くのでありますが、これについて実際はどうであったのか真相を伺いたいと思うんです。何かこの中の川鉄の切り込みのところはふさいだと、しかしそうでない港の出口をふさいだらよかったのではないかというふうなことが言われておるが、その点はどうであったのか、なおまたオイルフェンスの使い方なんかについて、相当量がまだ残っておるにもかかわらずあれを十分使っておらないんじゃないかと。これは波が高かった、切れたと、いろんな話があるようでありますけれども、その辺のところも果たしてどうなのか。何かその辺のところにもう一つはっきりしないために、いかにもその辺の処置をもうちょっとうまくやればああいうふうに広がらないうちに済んだんではないかという疑念が残っておりますので、そういう点少し詳細に解明をしていただきたいと思います。
○政府委員(寺井久美君) ただいまの先生の御質問、港口閉鎖の関係でございますが、これはオイルフェンスによって港口閉鎖をしたらという御趣旨かと存じます。事故発生の通知を受けましたのが十二月十八日の午後九時三十八分ごろでございますが、直ちに当庁の巡視艇、それから民間の作業船が出動いたしまして、まず川鉄の切り込み海湾部分の入口を閉鎖すべくオイルフェンスの展張作業に入ったわけでございます。ただ、当時暗夜でございまして作業が非常にむずかしかったということ、それからまた油の流出量が予想外に多かった、この二つの理由から、この第一次に展張いたしました切り込み港湾のオイルフェンスが十分に作用しないうちにどんどん油が拡散をしていったわけでございまして、十九日の早朝にはすでにもう油が対岸の日本鉱業サイド、あるいは川鉄化学といった方の岸壁に漂着しておりましたので、これらの拡散防止のために両岸沿いに数回にわたりましてオイルフェンスの展張をいたしました。で、先生御指摘の水島港の港口を閉鎖する可能性がなかったかということでございますが、この水島港湾の入り口は千四百メートルほどございまして、これにオイルフェンスを展張したらとまったのではないかという御意見があるわけでございますが、ただ現在のオイルフェンスの性能から申しますと、あるいは強度から申しまして、当時の風、潮流等の関係からとてももたないというのが事実でございまして、かつその時点で、つまり夜が明けた時点では浮遊油はほとんど港湾内に、といいますか、水島港の中央水路、入り口のそういうところには油がなかったわけでございます。したがいまして、二つの面から現実に油が充満していなかったという点と、それから張りましてもオイルフェンスがもたないという物理的な二つの理由から、オイルフェンスの展張を翌日の十九日には行わなかったわけでございまして、この判断は間違いではなかったというふうに考えております。
○金井元彦君 ただいまの点でやや明らかになったわけでありますが……。 ちょっと水島の問題から横へそれるかもしれませんが、それに関連をいたしましてお尋ねをしたいのでありますけれども、瀬戸内海の汚染の大部分というものが油であるというふうに見られておるようであります。これは海上保安庁でお出しになっておる資料を見ましても、汚染の大体もう八三、四%というものが油だということをまあ言う。また、国全体の海の汚染の中でも瀬戸内海と大阪湾を含めたもので大体半分はもうその区域だと、すると非常にこの区域というものは集中的に対策を講じなきゃいかぬ場所であるし、しかも、瀬戸内海というのはわざわざ臨時措置法を出すぐらいに、これは、ぜひともきれいにしなきゃならぬというところであるわけでありまして、そういう点から申しますと、この海をきれいにするということについて実際に執行力を持っておるのは、それは海上保安庁だと、こう思うのであります。臨時措置法も環境庁の所管にはなっておるようでありますけれども、環境庁は何ら実力を発揮できる出先を持っておらない。どうしてもこれは海上保安庁にまたなければならぬわけでありますが、ところがこの油が出るということについて、今回のようなのは異例といたしましても、平素において船から相当出しておる。しかも、それが特に夜間あたりに出すことが非常に多いと、こういうことを言われている。で、保安庁の資料によりますと、これが年々ふえてきておると、三年間に半減しようなんて言っておる際に年々ふえておるのじゃ、これは何のことだかわけがわからない。これはやはり取り締まりが相当できる体制を私はつくる必要があるように思うのです。特に夜間取り締まりができるというふうなことが必要です。聞くところによりますと、赤外線利用によって、航空機からの発見というようなことが行われておるそうでありますけれども、その辺のところ、われわれ素人でよくわからないのですが、どういうふうにそれが有効にできるものであるか、こういう仕組みでできるのだということと、いま一つは現在の人員、それから装備では、これはとうてい所期の目的が達し得ない、どの程度のことをもっとやればできるのか、とにかく臨時措置法というものが単なるお題目に過ぎないことに私はなるのじゃないかという懸念を多分に持っているのですけれども、やはり臨時措置法をやる以上は、臨時措置法が実行できるようなことをやらなければいかぬのじゃないかと、こう思うのですが、そういう点についてひとつ率直な見解をお聞きしたい。
○政府委員(寺井久美君) 海上保安庁といたしましては、従来から海洋汚染防止に力を注ぎますために、組織、要員、器材等の整備を図ってきております。で、現在航空機三十三機、巡視艇三百八隻を効率的に活用いたしまして、沿岸海域を立体的に監視いたしておりますが、特に瀬戸内海、東京湾、伊勢湾という地域におきましては、毎日航空機を少なくとも二回飛行させまして、これに巡視艇、船艇を連携運動させまして、監視を続けております。で、なお付言いたしますと、瀬戸内海における監視体制を強化いたしますために、四十九年度におきましては、瀬戸内海を管轄する管区の海上保安本部に海上公害監視センターというのがございますが、これを海上公害課に直しまして、組織強化いたしますとともに、人員の増強を図っております。また航空機の支援が非常に大切でございますので、福岡に航空基地を増設いたしまして、これを、監視の体制を強化いたしまして、また五十年度におきましても、引き続きこういった組織あるいは船艇、航空機の増強を図っていく方針でございます。で、ただいま先生御指摘の夜間赤外線によって海水をチェックするという方法でございますが、航空機にこうした夜間監視装置をつけまして、油と海水の温度差による反応を赤外線でつかまえるわけでございます。温度差でございますので、必ずしも油だけが出てくるわけでございません。これはかなり判断に経験を要しますので、昨年来ずっと試験的にやっておりまして、ようやく昨年の半ば、後半から実用に供されるという段階に現在至っておりまして、実例といたしましては、瀬戸内海で二件ほど夜間の排出、現に油を流して走っておる船をつかまえております。この技術的な改善と相まちまして、この方法がかなり有効に働いていくだろうと思います。つまり夜見えないからそうっと流しておこうという、非常に不心得な船もございますので、こうして空から夜でも監視をしているという実態がわかってまいりますと、それなりに注意を喚起していくということになるのではないかというふうに考えております。 なお、瀬戸内海の油のこうした汚染件数が非常にふえておるということでございますけれども、大阪湾を含めまして、私どもが確認をいたしました件数といいますのは、四十七年、四十八年、四十九年、やや漸減の傾向にございますので、私どものこうした監視体制がだんだん浸透していっているというふうに考えております。
○金井元彦君 航空機とか監視艇などをどの程度にふやせばもっとしっかりやれるんですか。
○政府委員(寺井久美君) これは、現在航空機が毎日二回というふうに申し上げましたけれども、これは固定翼それからヘリコプター両方ございまして、交互に飛んでおります。先生御指摘のように、夜間はヘリコプターが実はこういう装置が積めないものでございますから、固定翼で飛ばなければならない。こういう、たとえば夜間必ず二度飛ぶとか、そうした監視体制のつくり方によりましてどの程度が十分なのかという点は非常にむずかしい点なんでございますが、私ども、発生件数等から考えまして逐次やっていくという体制にございますが、夜間飛んでおるということだけでも相当の効果が出てまいります。したがいまして、航空機を今後少しずつ整備をいたしまして夜間の監視体制の強化をはかってまいりますことが大切ではないかというふうに考えます。
○金井元彦君 オイルフェンスとか中和剤とか吸着板とか、こういうのを最低限度このくらい置けというような何か基準があるわけですね。これは保安庁じゃないんですか。消防庁になるんですか。
○政府委員(寺井久美君) 海洋汚染防止法に基づきまして、一定のオイルフェンス、油処理剤等を保有させることを義務づけております。同時に、海上保安庁といたしましてもこういった除去用の資器材というものを一定の基準——まあ私どもが大体考えておりますのは、こういうコンビナート地区におきましては一万トン程度の船のタンクですね、これが壊れた場合を想定いたしまして、海上保安庁といたしましては所要量の少なくとも四分の一を、オイルフェンスならば四分の一程度を備蓄をするという体制をとっておりまして、主要港湾——東京湾、伊勢湾、大阪湾といったようなところ、まあコンビナートの所在する地区では整備が終わっております。で、オイルフェンスは、旧式のものは高さが二十センチ、下のスカート部分が三十センチでございますが、これをさらに大型のものに変えることになっております。いまのものよりは性能がよくなっております。
○金井元彦君 次に、消防庁の方にお伺いをしたいと思いますが、今回のこの事故は、一つは埋め立て地の地盤ですか、あるいはタンクの下の地盤というのですか、これの不等沈下が大きな原因だと、こういうふうに言われておるようでありますが、過般調査をされまして、二月十五日までに報告をとって、その一応の調査結果を出されたようでありますが、まあそのごく要点と、それからこれはもうすぐにでもやはり対策を講じなきゃいかぬと思うんですが、基本的な問題は別として、とにかくそれに対しての補修といいますか、応急の措置というものをどういうふうにされようとしているのか、その点ちょっと伺いたい。
○政府委員(森岡敞君) 水島事故の発生にかんがみまして、他のコンビナート地域のタンクにつきまして再びこのような事故が生ずることは絶対回避いたさなければならないというわけでありますので、消防庁といたしましては、一月に、一万キロリッター以上のタンク、及び水島で事故を生じました高張力鋼を使用いたしましたタンクを中心に緊急点検を各消防機関を通じていたしました。その結果が今月中旬にまとまりましたが、概要を申し上げますと、まずタンクの本体あるいは付属物につきまして不良個所が認められたものが三十一基でございます。で、側板あるいは屋根の部分から若干の油漏れが出ておるというふうなものもその中に相当含まれております。それから基礎及び地盤の状況でございますが、不等沈下を生じておりますタンクのうちで特に著しい不等沈下を生じておると認められますものが百九でございます。で、特に著しい不等沈下という判断の目安でございますが、一応私どもは不等沈下量の直径に対する割合が二百分の一を超えるというものを特に著しい不等沈下量があるものという目安にいたして指導いたしております。そのほか、防油堀あるいは配管、通気管等につきましても点検をいた、しましたが、防油堀に亀裂を生じておりましたり、あるいはパイプの通っておりますところの目詰めが不十分であったりいたしましたものが全体で三百十八でございます。配管、弁等に不良個所がございましたのが七十一でございます。それから通気管、消火設備等に問題がございますのが百三十七でございます。ただ、これらは一つのタンクについて何と申しますか、集約しておりません、それぞれの不良個所を申しておりますので、その点御了承いただきたいと思いますが、いずれにいたしましてもこういう状況でございますので、まず私どもといたしましては、タンク本体に不良個所のございますものについては、早急にその不良個所を補修あるいは是正をするという指示をいたしております。各消防当局から企業に対しましてその旨の指示をいたしております。それから不等沈下が特に著しいタンクにつきましては、油を抜いて開放検査をするよう指示いたしております。で、開放検査の内容は、いわゆる非破壊検査というものでございます。磁粉探傷試験あるいはバキュームテストというふうな方法によりまして、タンク底板あるいは側板に亀裂、漏れ等が生じていないかどうか、これを調べるという措置を講じております。ただ、タンクの油を抜き、これだけの試験をいたしますことについては若干の期間が必要でございます。現在それについて鋭意各企業に指示をして進めておるところでございます。で、その結果、底板あるいは側板等に不良個所が発見されましたならば、その部分については当然その補修なり是正を早期に行う、こういうふうな対応策を講じていきたい、かように考えております。
○金井元彦君 その地盤の不等になっているものを補修するというのはどういうやり方をするのですか。
○政府委員(森岡敞君) 現在、いままで御説明申し上げましたのは、内部の非破壊検査の結果、底板等に不良個所がありました場合にその部分の補修をするということでございます。問題は、沈下の著しいものにつきまして地盤の修正を行うのか、あるいはそれをどういうふうなやり方でやるのかということでございますが、これにつきましては個々のタンクごとに実態もかなり違うように私どもは見受けております。で、やはり地盤の修正を必要とするものは砂を入れましたりあるいは砂を取りましたりするというふうな形で、かなり技術的ないろんな方法があるわけでございますが、こういう形で地盤を修正をする必要性があるものはそれを行っていく、こういうことであろうかと思いますが、しかし、そういうふうにいたしますと、今度はそのあとの安定を考えなければなりませんので、その安定度を保障するために一定の期間また検査を行うとか、何らかの方途を考えてまいらなければなりません。それにつきまして各市町村の消防当局からこの百九基のタンクにつきましては具体に状況報告を受け、学識者の意見も聞きながら措置を考えていきたいと、かように考えております。
○金井元彦君 何か自治省の話によると、一番大事なのは地盤なんだと。地盤が本当にしっかりしていればブリキ一枚でもいいんだというふうな極端な言い方をする人もあるわけです。私はこの地盤の問題が非常に重要だと聞かされておるんですけれども、これはあれですか、事前にはどういうふうな検査といいますか、あるいは消防庁として検査が直接されるんですか。そうでなしに、これはもう自主的にやらしておくんですか。あるいはまたどういうふうな検査方法、基準というのがあるのか。その辺のところはどうなんでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 現実にタンクを建設いたします場合には、設計、施工の段階で地盤の状況をよく調べ、その地盤に対応し得るような基礎工事を行い、硬度計算をするということにいたしていると思います。それから、また各消防当局におきましてもそういう実態を踏まえて完成検査の際にいろいろチェックをしておるわけでございますけれども、しかし、率直に申しまして、そのタンクの地盤なりそれに対応する基礎工事の設計、施工基準と申しますか、あるいは工法、それをこの保安基準の中に現在入れておりません。これを入れることにつきましてはなかなか技術的にむずかしい面もあるわけでございますけれども、しかし、私どもはいずれにいたしましても、これだけの事故が発生いたしたわけでございますので、タンクの地盤なりあるいは基礎工法につきましてのかなり前進した詳細な規制基準というものを保安基準の中に入れるように考えてまいりたい。それにつきましては、先ほど来何度もお話が出ております本件の事故原因調査委員会でいろいろあらゆる面から検討していただいておりますので、その御報告を待ちまして、いま申し上げたようなことで保安基準の強化を図ってまいりたいと、かように考えております。
○金井元彦君 今度の事故にかんがみて、特にコンビナート、全体としてのコンビナート防災対策法というふうなものを早急につくって国会へ出したいというふうなことを新聞紙上で散見しているんですけれども、それは、ごく一番の要点は一体どういうふうな点で、またいつごろを目標にお考えになっているのか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○政府委員(森岡敞君) 現在コンビナートには石油あるいは高圧ガスその他の危険物がかなり集積をしておるわけでございます。しかし、それに対する規制と申しますか、保安面での対応は、政府におきましても消防庁あるいは通産省あるいは労働省というふうに分かれております。また地方公共団体におきましても、府県知事あるいは市町村長というふうにそれぞれ責任分野を決め、監督あるいは保安命令を出しておるわけでございます。そういうふうな形による保安基準の定め方のみでなくて、もっと総合的な目で防災体制を立てるというふうなことが必要ではないかという御指摘をかねがね承っておるわけでございます。基本的に一口で申しますればコンビナート法というものを制定いたしますとすれば、政府も地方公共団体もそれぞれ総合的な防災体制をいかにして組むか、確立するかということに基本があろうと思います。それと同時に企業におきましても、先ほど来お話が出ておりますような各種の防災のための施設、装備というものを徹底して持ってもらうということが必要であろうと思います。そういうふうなことを含めましたものが恐らくコンビナート法というものを考えます場合の重点になってくると思うのでございますが、私どもといたしましては、大臣の指示を受けましてそれぞれ関係省庁とも協議をいたしておるわけでございますが、三月中旬にはまとめ上げるように指示をいただいております。ただ、非常に広範多岐にわたりますので作業がややおくれぎみなのでございます。できるだけ大臣の私どもに対する指示に間に合うように結論を出したい、かように思います。
○金井元彦君 環境庁長官に伺いたいと思いますが、毎回各委員会でいろんな同様なお話が出ておるかと思いますが、私は環境庁はむしろ何というか、今回の場合は被害者の立場に立っておるんじゃなかろうか。取り締まり官庁というものはそれぞれにあって、環境庁は総括的に見ておるけれども、何というか、何も持っておらぬ、きれいにしなければならない、こういう責任を背負わされているような被害者的な立場に立っておる、こう言ってもいいんじゃなかろうかと思うのですが、いままでいろいろ各方面で出ました話を総合されまして環境庁長官として今回の事件にかんがみてこれこれのことはぜひひとつ早急に実現しなければならぬというふうな御所見があろうかと、こう思うのですけれども、それらの点をちょっとかいつまんでお述べをいただければ非常に結構だと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は今回の事故の経験にかんがみまして考えております三つの重要な問題があろうかと思います。 まず、防災体制といいますか、防災対策の総合的な強化を図らなければならない。どうもやはりいままでの消防法に基づく基準、これが少し、これだけ大きな石油化学の発達というものを考えてみますと、しかもそれがほとんど海岸の埋め立て地に行われてきたということを考えてみますと、少しどうも緩かったんじゃないかという反省をいたしておるわけでございます。 それともう一つは、やはり各省それぞれのいろいろ権限がございまして、これが総合的に統一された防災体制の強化の線につながっていなかったんじゃないか、こういう反省をいたしております。したがって、現在自治大臣が中心になりまして、ちょうど総理の御指示によって総理と私と自治大臣と御相談申し上げて早急に防災——とういう名前になりますか、あれですが、コンビナートの保安防災対策の法律をいま練っていただいているわけでございますけれども、その中には、もう各省のそれぞれ権限だとか、縄張りとか、そういうようなものをやめてもらって、ひとつ何とか一元的に、自治省といいますか、消防庁のほうで相当の強い防災体制が確立できるような法律にしてもらって、私のほうからは注文つけておりますのは、立地の点についてもある程度関与ができるような法律にもしてもらいたいし、それから先ほどいろいろ防災体制の設備について言われましたが、私どもからしますと、企業自体が一たん事故の起こったときに備えつけておかなければならないような設備内容等についても、たとえば、瀬戸内海で油回収船が一どうも国のほうで準備しているのは、大阪湾に最近配置されようとする進んだ回収船が一隻と、それから水島に一隻、東京湾に一隻というような現状ではだめなんでございますので、これらの点についても十分内容として義務づけを織り込んでもらいたいというふうにも考えたりいたしておりまして、どの程度までいきますか、いま自治大臣が中心になってやっておられますが、大いにこれをバックアップしまして相当防災体制の総合的な強化にひとつぜひこれが役立つ法律にしてもらおう、こう考えております。そうして今後はひとつ事故を絶対に起こさないような体制をいろんな面で縛り上げていくという考えがまず第一だとおもいます。 それからもう一つは、いま環境庁が中心になりまして、各省庁の協力を得て瀬戸内海の総合調査をやっております。この総合調査の方を徹底的にひとつ行って、きょう先生おいでになっておられますが、いろいろ学者の方の御意見も承ったりして早く総合調査というものを、しかも徹底してやりたい。資料をお手元にお配りしてありますが、相当の広範な調査をやりたい。これをやったその結果に基づいて、瀬戸内海の浄化対策というものをひとつつくり上げて実行に移すということが大事じゃないかというふうに考えます。それともう一つは、先ほど岡市先生のほうからお話がありました、やはり瀬戸内海全体をきれいにするためには先生が広域行政の中で解決していかなければいけない問題がたくさんあると、こういう御意見もお述べになっておられます。まさに私どもも同感でございます。いまの行政組織なり、あるいは国と府県のいろいろな権限の分担から見まして、どういうようなことをやったらいいかいろいろ悩んではおりますけれども、何らかそういうような方向を見出すようにしていかなければ、十一府県と、それから三大市がございますので、いろいろ瀬戸内海のこの臨時措置法に基づいて本当に瀬戸内海をきれいにしていくという場合には、これらを広域行政の中で解決をしていかなきゃいけないのがたくさんありますから、こういうような体制をどういうようにしたらいいかという点をさらに突き詰めて検討していきまして何らかの解決を見出していったらどうだろうかと、このまあ大体基本的な三つの考え方を私自身はいま持っておるところでございます。
○矢田部理君 露木参考人にお尋ねしたいと思いますが、いま政府自身が大学の先生などを呼んでまいりまして、本件事故の原因調査委員会をつくり事故原因の究明に当たっておるわけでありますけれども、三菱石油としては独自に調査をされておるのかどうか、もし調査をされておるとすれば、どういう陣容で、どの程度までその作業が進んでおるのか、その内容等についてまずお聞きかせいただきたいと思います。
○参考人(露木高良君) 今回の事故が、大変大きな事故になりまして社会問題になってしまっておりますので、私どもといたしましては、これは私どもの手でこの原因につきましてとかく申し述べますことは、これは当を得てないのではないかと、一に公の調査の結果をお待ちをいたしたいというような気持ちで現在おります。
○矢田部理君 そうしますと、公の調査待ちで、企業としては独自の調査、原因究明等はしていないということでしょうか。
○参考人(露木高良君) 私どもは私どもなりに技術者の者たちがやってはおりますが、これにつきましては、この場での発言は差し控えさしていただきたいと思います。
○矢田部理君 そこで、一つ問題にしたいと思いますのは、十二月の二十六日の段階で岡田総務部長が事故の責任について発表された。その発表の内容を見ますと、「対外的な責任はともかく、事故の原因については、三菱側に落ち度はなかった、と確信している。今年二月に完成したタンクが破裂するというのは、欠陥資材、設計ミス、溶接ミスといったことしか考えられない。」と言って、事故の原因について逃げの姿勢をとっておられることが第一であります。のみならず、今後「コンビナート建設は全国的に難しくなっており、政府も石油備蓄の増大政策をとるなら、企業に責任を押しつけず、国としてやるべきではないか。」あるいはまた、本件事故は一種の災害と見て、国等も手を打ってもらえたら被害は少なくなったのではないかというようなことで、言ってみれば、三菱自身の、企業自身の責任なり原因について逃げようとしている姿勢が大きく打ち出されておるわけです。最近はやや慎重になって、第三者の判断を待ちます、言うことを差し控えさせていただきます、と言っておられますけれども、一体これはどういうことなのでしょうか。
○参考人(露木高良君) まことに身の縮む思いでございまして、その記事は私もその当日の朝見まして、大変とんでもないことだとびっくりいたしまして、社長も、これは大変なことだと。で、本人を呼びましてきつく申しましたのですが、これは何か個人的な立場で——しかし、総務部長でございますから個人的ということが言えるかどうかはわかりませんが、本人自身は個人的な立場でお話しして、少しお話しをしたときとは違った形には何かなってしまったというようなことでございましたが、いずれにいたしましても、とんでもないということで、当日すぐ私岡山のほうに参りまして、夜遅く県のほうにも、県知事さん、副知事さんのほうにも、私どもの会社としてそういうことをさらさら考えておるわけではございませんと。大変どうも申しわけない記事が中央で出ておりますので、まだ岡山には出ておりませんかもしれませんけれども、どうぞひとつ御勘弁をいただきたいと、私どもの会社としては全く考えていませんことでございますということで、私も当夜遅くおわびに駆けつけたような次第でございまして、その記事につきましては全く申しわけございませんが、これは個人的に本人が——そういう形に結果的にはなってしまった、申しわけないということで、本人も恐縮しまして、すぐに新聞社のほうにも、大変自分の一存で勝手に個人的なことを申し述べたので申しわけないということで、御了解を得たいと言っておわびに上がったり、あちこちおわびに上がったような始末でございまして、大変申しわけございませんが、そのような気持ちは全く持っておりませんので、どうぞひとつ御了承いただきたいと思います。
○矢田部理君 言い過ぎを認め謝罪をされたからそれ以上追及するのも何でありますけれども、とするならば、第三者機関の判定もさることながら、みずから原因を究明し、三菱側としてどこに落ち度があったのか、まずかったのかを明らかにする方法も一つではないでしょうか。その点で、いま三菱側として調査をされた中でこの点は三菱としてまずかったというようなことがあれば、具体的に出していただきたいと思います。
○参考人(露木高良君) いまの段階でこの原因が実際にどういうところにあるかということがまだわかっておりませんのです。いろいろこれは私どもでそれぞれ技術者がまだ考えておりますが、私どもとしてもまだまとまった形になっておりません。今度の事故がいままでに例のないことでございまして、まあそういうことから、やはり公の先生方の御調査を待ちまして、その上で私どもといたしましても今後気をつけていかなければならぬことは十分に気をつけていきたいと、こういうふうに思っております。
○矢田部理君 それでは関連してお伺いをしたいと思いますが、消防法の第十四条の二という規定がございます。この十四条の二を見ますと、自主的な保安規定といいますか、ここでは「予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。」と書いてありますが、防災のための予防規程をどのように定められておりますか。その点をお伺いいたします。
○参考人(露木高良君) 私、ちょっと手元に具体的なものを持ってまいっておりませんのでございますが、もしまた必要でございましたら後刻お届けさせていただくことで御容赦いただきたいと思いますが……。
○矢田部理君 具体的でなくても、大綱でけっこうでございますから、どんな予防規程を防災のために定められておるのか。これは非常に重要なことだと思うのですね。危険物の取り扱い等々に関連して幾つかの消防法上の規定、あるいはそれに基づく政令、規則等がたくさんあるわけでありますけれども、その中のみずから防災をするための基本規定がこの予防規程だと思うわけでありますが、その基本に係る問題点をどういうふうに基準化されておるのか、定めておられるのか、大綱だけでもわかりませんか。
○参考人(露木高良君) その点につきましては、防災規定、安全規定、製油所のほうでもってつくってあるわけでございますけれども、私、手元に持っておりませんし、ちょっとそのほうの担当でない者でございますから、ここで申し上げまして間違っておってもいけませんので、改めて、もしあれでございましたらばお届けをさせていただくようにさせていただきまして、御勘弁いただきたいと思います。
○矢田部理君 これだけ大きな事故を発生させ、あるいは社会的な問題にもなり、政治問題にもなっている問題点について、みずからの防災に関する基本規定、がどうなっているか。単に書類をもってこなかったというだけではなくて、これを踏まえないでその責任の所在を明らかにすることはできないのじゃありませんか。 関連して伺いたいと思いますが、同じように消防法では、十四条でありますが、危険物施設保安員というのを置かなければならぬことになっております。この危険物施設保安員というのは置いているのかどうか。その人員、その人たちに対する教育、あるいは専門的、技術的な知識をどの程度持っておられるのか、その点を次に伺いたい。
○参考人(露木高良君) 何人ということはちょっとここで申し上げられませんが、私の聞いているところによりますと、教育は定期的に繰り返してやっておるというように聞いております。
○矢田部理君 もう一度。
○参考人(露木高良君) 教育のほうは定期的にやっておるということを聞いております。で、一定のテキストでやっておるのではないかと思っておりますが、繰り返し定期的にはやっておるというように聞いております。
○矢田部理君 抽象的に教育を定期的にやっているかどうかじゃなくて、この水島にどのぐらい配置をし、どんな資格を持ち、どんな技術的、専門的な力を持っておられるのか、その関係を具体的に伺いたい。
○参考人(露木高良君) ちょっと申しわけございませんが、私、ただいまここで具体的に何人がどのような資格の者を配置しているかということを申し上げかねるんでございますが、申しわけございませんですが。
○矢田部理君 この点も、法律で特に定めて、義務として配置しなければならぬ。その専門的、技術的な知識がどの程度になっているのか、どういう配置をして、その人たちはどう動いてきたのか、これも会社の最高責任者の一人がいまだに把握しておられない、あるいは説明ができないということでは、どうも事故原因について本当に具体的に当たっていないんじゃないか、責任を感じていないんじゃないかという感じを強くせざるを得ないわけでありますけれども。 そこで、第三点目の具体的な質問といたしまして、先ほど申し上げました予防規程などを置いて、みずからもこのタンク等について検査、点検をしなければならないはずになっておるわけでありますが、このタンクの支障、問題等についてどういう検査、点検をこれまでやってこられたか、当該タンクでけっこうですが、その点についてお答えください。
○参考人(露木高良君) 当該タンクでございますか、今度の事故を起こした。
○矢田部理君 はい、事故を起こしたタンクでよろしい。
○参考人(露木高良君) 私、具体的にちょっと技術屋でないものですからお答えができにくいのでございますが、申しわけございませんが。
○矢田部理君 それは担当でないとか技術者じゃないということはわからないわけではありませんけれども、少なくともこれだけ重大な事故が起きて、事故前の防災体制はどうなっていたのか、どこがまずかったのか、これはいろいろその原因については取り上げられておりますけれども、みずからも少なくとも消防法に基本規定が置いてあるわけでありますから、この規定に基づいた体制はうまくいっていたのかどうか、問題がなかったのかどうかというようなことは少なくとも調べられてしかるべきだと、あるいは知っておられてしかるべきだというふうに思うわけでありますけれども、企業内部としてどんな検査や点検をやってきたか、全く御存じないんですか。
○参考人(露木高良君) これ抽象的で申しわけございませんですが、私ども安全対策というのは、平素から非常に社長もやかましく言っておりまして、製油所のほうでもこの点につきましては、ずいぶん意を用いてやってまいっておるはずでございますけれども、私、具体的に先生の御質問にお答えできませんで申しわけございませんが、その点につきましては十分にやってきておったとは信じておるのでございますが、それでひとつ御了承いただきたいと思います。
○委員長(鶴園哲夫君) ちょっと委員長発言いたしますけれども、露木参考人、いま矢田部君のほうから発言ございまして、不明瞭な点がございますので、午後休みの時間が一時間ございますから、その間に御準備をいただきまして、午後ひとつ御答弁いただくようにお願いいたします。
○参考人(露木高良君) そうさせていただきます。
○委員長(鶴園哲夫君) 関係者がおいでいただくといいんですが、きょう見えてないようですから、関係の方も御出席いただいて、答弁できるようにお願いしておきます。
○矢田部理君 それじゃその点に関する質問は一応留保しておきまして、事故前に、事故を起こした二百七十番タンクというのがすでに不等沈下を起こしておったというような事実関係は社内では知っておられたのでしょうか、それともわからなかったのでしょうか。
○参考人(露木高良君) その点につきましても午後にあわせて御報告をさしていただきます。
○委員長(鶴園哲夫君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を起こして。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後一時六分開会
○委員長(鶴園哲夫君) 委員会を再開いたします。 午前に引き続き、公審及び環境保全対策樹立に関する調査を行います。 まず、午前中の質疑で留保されました露木参考人の答弁を願います。露木参考人。
○参考人(露木高良君) 先ほどは失礼いたしました。 先生から御質問のございました安全防災体制の点につきまして、お答えをいたしたいと思います。 最初に組織の面でございますが、組織の方は所長直属の安全課という安全防災関係の専門の職制を設けておりまして、ここに二十二名配置してございます。それから安全会議を実施しております。これは製油所内の課長以上によります中央安全会議、これを三カ月に一回以上開くということでやっております。それから安全課長及び係長の係長安全会議というのを二カ月に一回以上ということで定期的に開いております。それから安全推進員安全会議、これは安全課長が主になりまして、安全関係の推進を特に図るという推進員を設けまして、これは毎月一回以上ということで会議を開いております。それから職場安全懇談会、これは各職場単位に毎月一回以上これを開いております。それから点検パトロールの点でございますが、安.全点検パトロール、これは所長が毎月一回所内全般をパトロールする、それから各職場ごとにパトロールをする、これは後ほどタンクについて詳細申し上げます。それから安全総点検委員会というものを設けております。これは法規、官庁の行政指導に基づきまして、安全管理の組織、それから設備、操業の方法、教育その他あらゆる安全関係の事項につきまして、安全点検を随時に行うということで、この委員長は所長がなっております。それから、これは平素のことでございますが、非常事態の場合の体制としましては、緊急事態マニュアルをつくっております。これに基づいて平素教育をしておりますが、これは非常事態対策要領、海上清掃隊行動基準、消防隊行動基準、それぞれこのようなマニュアルがございます。それから日常の訓練でございますが、製油所全体といたしましては、消火訓練それから装置の緊急シャット訓練、これは各職場をそれぞれ事故現場に想定いたしまして、毎月一回これを行ってきております。それから職場単位の訓練でございますが、これは化学消防車操作訓練、緊急シャット訓練、それぞれの職場においての緊急シャットの訓練、これを随時やってきております。それから宿直者訓練、これは宿直者が交代で当番制でやっておりますので、これに対しましては特に消防車の訓練とそれから連絡方法の訓練ということを年に二回やっております。それから、海上流出の場合の訓練、これは海上保安部の方の御指導のもとで随時これをやってまいっております。
○矢田部理君 お話の途中ですが、私が伺っているのはそういう一般的組織や状況について伺っているのではなくて、具体的に幾つかの事例を示して問題点を指摘してお話をしているので、端的に、時間がありませんのでお答えをいただきたいと思います。
○参考人(露木高良君) それで、いまのような一般的なことをやっておりますが、具体的に二百七十番、事故のありましたタンクについて申し上げますと、タンクの点検でございますが、これはタンクのパトロールが一日に七回、これは従来とも行ってきております。これは目視による点検、漏洩がないかどうかということで目視点検をしております。それからタンク本体につきましても目視による点検をやってきております。それから付属品のベントバルブですとかあるいは液面計とか油温計とか、こういうものにつきましては月に一回ずつやってまいっております。それから同時に、タンクの点検につきましては、先ほど御説明しました安全課の方の保安パトロール、これが一日に一回ずつ、消防設備関係の点検をいたしてきております。このような点検をいたしまして二百七十番タンクにつきましては事故の発生いたします前まではパトロールによる何らの異常を認めてはいなかったのでございますが、突然ああいうような事故が発生した、このような次第でございます。 それからもう一つ、先ほど先生の方から御質問がございました、二百七十番タンクが不等沈下を前からしておったのではないかというお話がございましたですが、これは百三ミリ程度の不等沈下が従来からあることは承知しておりましたが……
○矢田部理君 何ミリですか。
○参考人(露木高良君) 百三ミリです。ですから五百分の一見当に相なりますでしょうか、その程度の不等沈下がございまして、これは承知をいたしておりましたが、業者の方の意見としても、これはこの程度ならば別段差し支えないだろうということで使ってきておった次第でございます。 以上で終わります。
○委員長(鶴園哲夫君) それでは、浅原参考人に御意見を聴取いたします。
○参考人(浅原照三君) 私自身が東京大学で有機応用化学方面の研究者でございまして、どちらかと申しますと、石油の問題あるいは今度ジュリアナ号以来、特にクローズアップしてまいりました流出油の処理剤というふうな問題につきましての私の考え方、また運輸省の研究というものを通じまして、私たち東京大学のグループで行いました実験、それらにつきまして私の所見を述べさせていただきたいと思います。 従来、非常に誤った言葉が伝わっておりまして、何かと申しますと中和剤というふうな言葉をお使いになるんですが、中和剤と申しますと、石油の中に何か劇毒でもあるような感じを人文社会系の方には与える恐れがあるだろうというふうにも思いますし、また、私のような自然科学屋の中でも化学量はいわゆる中和反応というふうなことの方に考えてしまいますので、これはやはり外国で使われているような処理剤——処理剤と申しましてもこれは油を拡散、分散させる作用を持つようなものを一般に言っている次第でございます。 で、最初は有名なトリー・キャニヨン号時代にイギリスが全力を挙げて吸着剤でございますとかあるいは分散剤というふうなものをまいたわけでございまして、これによる被害調査あるいはまたこれについての種々の追跡結果につきましては、すでにイギリス政府機関から発表されたとおりでございまして、皆様方御承知かと思いますが、非常にあの当時、生物に対する影響力というものは大きかったわけでございます。で、私がジュリアナ号時代に検討いたしました、私たち東京大学のグループでやりました検討結果では、かなり生物に対する影響力ということがある。きょうおいでになっていなかったのでございますが、こちらの東海区水産研究所あたりとも協力いたしましてやった結果では、大体あの当時のものでございますと二〇〇PPm程度、処理剤並びにあの当時流出した油をまぜたものに対しまして行ないましても、かなりの生物に対する影響力があったわけでございます。 前内閣におきまして何か私たちが聞かされましたのは、田中前首相からの御要求で手を荒らさない洗剤というふうな意味で、特に食品添加剤として厚生省でお認めになっているようなものを配合例を業界に言いつけられたこともありまして、それの検討にも私も加わったことがございます。そういう経験をもとにし、また日本の周囲の状況が非常に変わっておりまして沿岸養殖場の状態が非常に大きく広がっておりますので、これに対する影響力というものは考えていかねばならない、そういう立場に立ちまして、私たちはこの五カ年間ばかり生物に対する影響を見てきたわけでございます。 これは水産学の権威でございます檜山教授を委員長といたしまして特にそういうふうな委員会も別に持って、種々、化学屋とそれから水産学の方方が協力してやってまいりましたわけですが、このジュリアナ号時代の教訓というものを生かしまして、現在ではちょうどあの当時の六百倍程度水産生物に対する影響力が薄まったものというふうなものが拡散剤として使われています。このために非常に油を——油と申しますか、私自身は石油連盟にお願いいたしまして大体標準となるB重油を——今回の水島の場合はC重油でございますけれども、B重油を、しかも脱硫も何もしていないものでございますが、そういうものにつきまして実験を行いました結果、まずいまのような食品添加剤及びそれに準ずるような組成のものを対象といたしまして現在まで実験を繰り返してまいりました。これによりますと、まず物事には絶対安全であるというふうなことは、なかなかそこまでは——いろんなやはり人間にも個人差かございますように、生物によりましてもかなりの個人差もございますし、また実験方法の適、不適というふうなこともございますが、それらのことを踏まえた上でかなりの精度の高い方法でもって検討いたしました結果、現在では一まあなぜ海産物が対象なのにいわゆるほかの川の中にあるようなメダカのようなものを対象にするかというふうな御質問があるかと思いますが、これはいつでも入手しやすいというふうな意味から、まず最初にはヒメダカを対象とし、それから檜山名誉教授の御提案でいろんな下等動物についてやるほうがいいだろうというふうなことから、ウニ類でございますが、バフンウニでございますとかムラサキウニというふうなものについて試験いたしました結果、この流出油処理剤のみを使った場合では、現在では一番いいものでございますと二万PPm程度の濃度のものでもいわゆる半数が生存し得る。いわゆるLTMと書っておりますが、そういう数値のものも市販されておりまして、まずいまのところは間違いがなさそうでございます。 それに対しまして今度は、いろんな油類が乳化しているような状態の場合にはどのような影響があるかと、それもやはり同時に検討しなければならない。これは私たちが行いましたのは、やはりスタンダードを何か置かなければならないということで、サウジアラビア物を原料としたものから出発いたしましたB重油を使っての実験でございますが、それを三対一の程度にまでまぜ合わしまして実験を行いましたところ、やはりその当時は、ジュリアナ号当時の非常に拡散能力はよくてもむしろ生物に害があるというときには、流出油処理剤のほうの影響が強く出てきたんでございますが、そのようなB重油と処理剤をまぜてまいりますと、やはり幾らかの相乗効果と申しますか、複合的な作用がございまして、五〇〇〇PPm程度まで値が下がってまいりました。しかし、これはかなりばらつきがあるようでございまして、中には八〇〇〇PPmというふうな実験値も出ております。いずれにいたしましても、ジュリアナ号当時の二〇〇PPmというふうな値から見ますと、飛躍的に向上しているのではないか、そういうふうに勘案している次第でございます。 それでは成魚に対して、大きな魚に対してどのような影響があるかということも、これを追跡実験をしていく必要がございます。そのために大体私たちが対象にいたしましたのは食品添加剤的なものでございますので、脂肪酸、普通皆様方が食用に供しておられます食用油の中のグリセリン分を取ったような、そういう脂肪酸と申しましてもオレイン酸でございますが、オレイン酸という酸と、それからポリオキシエチレンと、エチレングリコールと一言われておりますものの、エステル系でございます。このものにつきまして、その中の一番端の炭素のところを、放射能を持った放射性の炭素で置きかえたもので実験を行ったわけでございます。水槽中にそのようなものを分散させて、そしてその中で成魚、かなり大きな魚でございますが、それはもちろんそういうふうな大きな魚の場合でございますけれども、そういう相当成熟したものにつきましては確かに日を置いて、ある一週間なら一週間ばかり水槽の中に置いておいて、それを取り出しまして、また新しい海水の中に入れてきますと、二日目ぐらいから次第にその流出油処理剤の中に含まれているいわゆる放射性の分子が減少していくことを明らかにしたわけでございます。でございますので、これを追跡的に一カ月ばかりやりますと、ほとんど二分の一程度には落ちるということから考えますと、単に、いわゆるよく言われておりますように、界面活性剤を含有しておりますために、どうしても内部のえらの部分に吸着すると、そのために非常に影響があるんだと言われていたことを、科学的に一つの証明方法ができたんじゃないかと思っております。しかしながら、このことが同時にすべての微生物に言えるかというと、そうでもございませんで、やはり非常な小さな、いわゆるプランクトン系統のものでございますと、ある程度取り込んでいるようでございます。これは放射線——それでも取り込んではいるんでございますが、その繁殖過程においてやはり減少はしております。でございますので、取り込んでから後も一放出しているのではないかと、まだこれは絶対的な結果としては言えませんですが、そのような実験結果が得られました。 そのようなことから今度の流出油の処理に当たりましては、まず岸壁の部分とかいろんなところ——この前のジュリアナ号の場合には、非常に幸いいたしましたことは、新潟県のあの悪天候のために、波によりましてかなり油が流出し、東大の徳田助手が現地に赴きましてサンプリングをいたしましたところ、プランクトンの量がもとと同じぐらいの数になっているというふうなことを言っておりましたところ、ある程度きついものでも、これは恐らく波の影響及び潮の海流の影響非常にございますので、今度の瀬戸内海の場合に比べると、なかなか比較していいかどうかはわかりませんが、そのような影響下に置いて使いましたものよりも、非常に処理剤そのものが本質的に向上しているということを皆様方に知っていただきたいわけでございます。これは運輸省の受託研究として海難防止協会の下で委員会を持ちまして、五年近く行ってきた実験でございまして、すでに水産庁の方々やそういうところでもすべて浸透しているかと思ったんですが、なかなかそういうふうな考え方が普及していないようでございます。 それからまた今度の流出油そのものについての私、これは応用化学者としての浅原の考えでございますけれども、今度の原油がC重油ではございますけれども、このものがすでに接触的な方法で脱硫してございます。直接脱硫、硫黄分をかなり取っている。このために、私自身まだ現地のサンプルを取り寄せたばかりでございまして、事実私が二週間前に香川県、それから徳島県の方の現状、現在漂着している油の現状を見てまいりまして、この部分を資料としてサンプリングしてくれということをお願いいたしまして、いまこれは実験に入ったところでございますが、まずその現在の状態におきましては水分がかなり含まれた状態で乳化しております。それからその油そのものも直接脱硫しておりますので、確かにいろんながん発生物質として騒がれておりますようなべンツピレンの量でございますとか、あるいはそういうふうな芳香族系のものというふうなものがどの程度なっておるかと申しますと、いわゆる普通に市販されているC重油に比べますと、やはりこれは減少していると考えざるを得ないわけでございまして、私自身まだこのサンプルについては分析をいたしておりませんでございますが、ただ現在、昨日のことでございますが、ちょうど現地からいただきましたそのサンプルが届きましたので、私の研究室でちょうど学位論文の審査中でございましたので、私は出られなかったんでございますけれども、私の部屋の者が研究やってみましたところ、非常に簡単に乳化して除去することができるということはわかったわけでございます。でございますので、まず処理方法としてはそのような方法もいいのではないかとも思うわけでございますが、何分これが必ず無害であるとか、人間に対してそのようなものがまだ溶解——あるいは海草中に付着したり、波に巻き込まれて底どろのいわゆる底質部、この底質部と申しましても、今度の流出油が巻き込まれた底質油そのものなのか、これはなかなかわかりかねる点でございますが、底質油部分なんかの分析というものもこれから私のほうの早野教授とともに行っていきたいわけでございますが、処理剤に関します限りはまた確かにまず重点的に申し上げたいことは、処理剤そのものが格段に品質の向上を示したと。 第二の点といたしましては、重油類がまじりましたときには確かにある程度の相乗作用と申しますか、というものが出てくることは事実でございます。しかし今度の場合、私たちがスタンダードに使いましたB重油とそれから直接脱硫したC重油の場合にはそれほど大きな差はないのではないかとも思っておりますが、これはまたそのような点につきましては生産会社の三菱石油さんがまたほかへ、公定機関に試験を御依頼になっていらっしゃるでございましょうし、また岡市先生なんかも種々御検討になっていらっしゃいますが、私の立場から申しますと、そのようにまず流出油そのものが向上し、また相乗効果はあるけれども、それほど大きいものとは言えない。ということは、逆に申しますと、流出油処理剤の質がよくなったためにそのような重油の影響というふうなものが出てきたとも思われるわけでございます。ただ現在瀬戸内海というところが特殊の、いわゆる皆様方御承知のように、海の銀座と言われているようなところでございますために、種々の廃棄物がやはり不法投棄されているというふうなこともございまして、何が影響しているのかということの根拠を突きとめるというところには、これはもう瀬戸内海の沿岸に面していらっしゃいます大学の方方が協力され、また私自身現在学術会議の会員でございまして、環境委員会の委員もやっておりますので、そのようなことは今度も総理府に対しまして学術会議から要望いたしまして、瀬戸内海のこの汚染した状態を徹底的に検討して最もよき方法をとるようにということを総理府にも御要求いたしておりますような立場をとっておりますが、こういうものが最後にまず微生物の中では蓄積され、それが成魚の中で、成魚の表面からは吸着されなくても、それが大きな魚のえさの状態になったような場合にそれが人体にどういうふうな影響を及ぼすかということが大きなまた問題点でございまして、これはまた厚生省の方々が御担当になって研究を進めていただいているわけでございまして、ただ界面活性剤というものは御承知のように使い方によっては避妊剤にもなるというふうなことが言われておりますので、こういうものを散布いたします時期につきましては非常に考慮しなければならないわけでございまして、特に養殖漁場の盛んなところというふうなところになってまいりますと、散布いたします場合にも産卵期を必ず外してやらねばならない、そのために、産卵してそれがいわゆる稚魚にかえる率というものに影響を及ぼすようなことがあっては困るわけでござ いまして、そのような稚魚の、いわゆる産卵後の影響ということについても水産学の教授の方々と協力してやってみましたところ、確かに六PPmあたりからかなりの影響が出てくるようでございますが、できるだけ早い機会に、もしも——これは私個人の意見でございますが、こういう処理剤をまくという場合にはそういうふうな種々の点を考慮して行わねばならないということを私の意見として述べさせていただきたいと思います。
○委員長(鶴園哲夫君) ありがとうございました。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 途中、中断があったのでありますけれども、午前中の質問に対する露木参考人の答えはかなり一般論的な感じになっているわけですけれども、私がお聞きをしましたのは、たとえば消防法十四条に基づくところの危険物施設保安員 というのを置いているのかどうか、置いているとすれば、その人たちに対してどのような専門的技術的な力を持たせているのか、その人たちが具体的にどんな点検なり調査なりをやってきたのか、もうちょっと詰めてお答えいただきたい。
○参考人(露木高良君) お答えいたします。 ただいま先生のほうからお話のございました保安員を置いております。この本人の能力と申しますか、これは機械工学を出た者とそれから応用化学を出た者、それを配置しておりまして、その下に一般の人を配置するという形をとっております。 それからもう一つは、タンクの検査の基準でございましょうか、先生の御質問は。
○矢田部理君 置いておくなら置いておくで、それでいいです。その次聞きます。 その人たちは、タンクのある地盤の変化とか、タンクの構造、施設等に異状があるかどうかというようなことを調査、点検する能力は持っているんですか。
○参考人(露木高良君) どの程度ということになりますと、ちょっと私もわかりませんのですが、機械工学を出た者と応用化学を出た者を配置しておりまして、その人たちが専門に平素安全点検をやっておりますので、十分そういう点検をし得る能力を持っておると思います。
○矢田部理君 そうすると、なおさらお聞きをしなければならぬのですけれども、この事故というのは、たとえば地震が起こったとか、他に一定の外圧が加わってきわめて突発的に起こってきた事故ではないように私たちから見ても思われるわけですね。それ以前から一定の兆しなり、徐々にではあるが何らかの変化があって、最終的には底板の破断などに至ったというふうに考えられるわけですけれども、専門的な角度で、言ってみれば、一般的なパトロールではなしに、専門的、技術的な角度でこの事故の一番近い時期でいつ点検をし、その点検のときの状況はどうであったのか、お答えいただけますか。
○参考人(露木高良君) ちょっとお答えが少しそれるかもしれませんのですが、今度のタンクの事故が、どうもこれは私の個人的なあれになりますんですが、わからないのではないだろうか、突発的にむしろ起きた事故のような気がいたしておりますが、この点につきましては、いずれ公の調査機関で結果がわかってくることかと思いますが、これは普通の点検ではちょっとわかりにくい事故であったんではなかろうかと個人的には思っておるんでございます。 それから普通タンクの点検と申しますと、普通の油漏れ、そういう点を主にして従来は点検をいたしておりまして、これは先ほども申し上げましたように、一日に七回ということで点検をしておりまして、その段階では異状を全く認めなかったという状況でございました。 以上でございます。
○矢田部理君 突発的かどうかということについては、あるいはまだ最終的には確定をしないかもしれませんけれども、先ほどもお答えがありましたように、たとえばかねてより再三ミリ程度の不等沈下がわかっておるわけだし、あれはもともと埋め立て地でありますから地盤は軟弱であった、等々あわせて考えますと、単に外圧が加わったとか、地震が出てきて——おそらく耐震性の対策もそれなりには立てておられたんだと思うんですけれどもね。そういう何らの外部的な変化なしに、要因なしにやっぱり起こったということになれば、内部的にというか、タンクなり地盤の中に一定の兆しなり変化が当然予想されて、そういうところはおそらく点検、調査をしてこなかったのじゃないか。ただ日常的に見回っていて、油が漏れているかどうか、どっかの部品がこわれているかどうかという点検だけしかやってこなかったのじゃありませんか。 そこで一つだけ関連して伺いたいと思うのですが、この二百七十番タンクの地盤がすでに再三ミリ程度不等沈下をしておったという事実は、いつごろのことなんでしょう。それからそれを発見したのはいつだったのか。それから事故直前それがさらに変化していたのかどうか、その点の調べはついているかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○参考人(露木高良君) 百三ミリと申しますのは、このタンクの建設当時でございまして、水張り試験をした直後でございますから、四十八年の十一月十二日の時点でございます。その後の事故直前の不等沈下の状況は、これはばかっておりませんのでわかりません。
○矢田部理君 だから私はくどくお聞きをしたいわけなんですね。当時百三ミリ程度では心配ないというお話でありましたけれども、いわばもともと地盤が軟弱なところにつくられた。その当初の段階でもう不等沈下があった。とすれば、その状況がさらにどうなってくるのか、どう変化をするのかということを追跡調査してしかるべきだと思うのですね。多少大学を出て専門的、技術的知識を持っておられる人を配置されたといっても、そういう部分については全然調べておらなかったのでしょう、わからなかったというのは。不等沈下の状況がさらに進行しているのかどうか、変化があるのかどうか、それは点検、調査はその後はしていないわけですか。
○参考人(露木高良君) この問題につきましてはどうも私、専門外でございますので、ただいまの状況としましては、いずれにいたしましても公の機関の原因の調査結果に待ちまして、その上でもっていろいろなことがわかってくるかと思いますので、ここでは私、お答えをちょっとできかねますので、御了承いただきたいと思います。
○矢田部理君 調査原因を全面的にお伺いしているわけじゃなくて、水張り検査の時点ですでに百三ミリの不等沈下があったと言われる。その不等沈下部分がその後どういう変化をしたのかは、いろいろな安全対策をやっておられたと言われておるけれども、その後の変化については調査をしていないのですね、企業としては。そのとおりでしょうか。
○参考人(露木高良君) いたしておりません。
○矢田部理君 そこで消防庁にお尋ねをしたいと思うのです。 消防法によりますと、先ほど申し上げました危険物施設保安員を置くことになっておりますね。危険物取扱者という要員を配置するほかに、取り扱いとは別に施設保安員というのを置くことに定めた理由はどういうことだったのでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 施設保安員を置くことを義務づけております理由は、危険物に関する規則でも定めておりますように、製造所等の構造なり設備を政省令で定めております保安基準に適合するように維持するために定期あるいは臨時の点検を行う、あるいはその行った措置を記録し保存をする、異常を発見した場合には適当な措置を講ずるというふうな各般の業務を定めておりますが、そういう業務を行うための施設保安要員の設置を義務づけておる、こういうことでございます。
○矢田部理君 この消防法の規定に私は問題があると思うのですが、危険物の取扱者については資格試験がございますね。試験を受けて一定の技術的、専門的知識を持った者等を取扱者に認めることになっておるようですが、もう一方の危険物施設保安員については資格要件がない、これはどういうわけなんでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 危険物取扱者につきましては石油類を直接取り扱う場合の技術資格を求めますので、率直に申しましてその資格の範囲というのはある程度限定されてまいります。そういう限定された技術についての資格試験を行っておるわけでございますが、施設保安要員ということになりますと、かなりその範囲が広くなってまいるだろうと思っております。先ほど来御指摘のあります一般的なパトロールのような保安業務から、さらにかなり施設物の構造なりあるいは基礎なり地盤なりというふうなものの全般にわたる保安点検ということに相なりますので、一定の資格を義務づけるといたしましても、なかなかその決め方がむずかしいという面もあるのではないかと思いますが、しかし、御指摘のように、その中で特に技術的な要素について的確な点検ができなければいけない部分もあるわけでございますから、それについては私どもは今後施設保安要員の技術資格なり、そういうものについて突っ込んだ検討をしてまいらなきゃならぬ、かように考えております。
○委員長(鶴園哲夫君) 委員長発言しますけれども、さきに消防庁のほうで緊急調査やられましたね、不等沈下について。現場に行きますと、消防庁には不等沈下を調べることのできる人はいないわけですよね。そこで土木事務所の援助を請うてやっておる。それから会社は不等沈下を調べるような技術者いないんですね、現場には。そういう点をいま矢田部委員が逐次御質問になっておるのだろうと思うんですよ。
○政府委員(森岡敞君) いまの委員長のお話でございますが、私ども一月に緊急点検を実施いたしましたが、消防機関にも御指摘のようにかなり技術に格差がございます。特に政令指定都市でありますとか、あるいはコンビナート地域の大きなものを抱えております地域の消防機関では大学卒の技術者をかなり養成いたしております。したがいまして、相当数の市町村ではみずからの技術消防職員を持ちまして、かつ、みずからの機械というものを持ちまして不等沈下の測定を行いまして、ただ技術職員もかなり、それほどは充足されていない、あるいは機械についても問題があるという地区につきましては、御指摘のような土木職員あるいは土木の所有しております機具を用いましてやったという事例もございますけれども、全部が全部土木におんぶした、こういうものではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○矢田部理君 では端的に伺いますけれども、いま会社側のお答えでは、すでに水張り試験のときに百三ミリの不等沈下があった、それは消防庁としては、これは現地でしょうけれども確認をしておられるのかどうか。そういう状況が最初の段階にあったときにそれがさらに変化するか、どういう動きを示すのかを監視をして見守っていくような体制があったのかどうか、あるいは企業に対して何らかの勧告をしたのかどうか。その点はいかがですか。
○政府委員(森岡敞君) 私どもが承知いたしております範囲内では、倉敷市の消防本部はいまの百三ミリの不等沈下の状況を覚知し、それについての措置を要請したという事実はございません。
○矢田部理君 具体的にどういう措置を要請したんですか。
○政府委員(森岡敞君) 不等沈下が百三ミリあったという事実については消防本部は覚知していなかったわけでございます。したがいまして、それについて具体的にどうせよという指示をしたという事実はないわけでございます。
○矢田部理君 そうすると、会社ではすでに水張り試験のときに五三ミリの不等沈下があったと言う。最終的に完成検査、その前に水張り検査をやる、そのときにはそういうことを調べないんですか、消防署としては。
○政府委員(森岡敞君) 水張り検査をいたしました際には、張った水の漏れがあるかないかとか、あるいはそれによって鋼板にひずみが生じていないかどうかとか、そういうふうな事実を点検いたして検査をしておるわけでございます。不等沈下につきましては、いままで率直に申しまして、不等沈下とタンクの安全性の問題についての技術的な面での検討が私どもは十分究明されていなかったということがあると思います。そういう意味合いで、不等沈下の状況に基づいてそれをどうするというふうな消防本部・機関における完成検査上の措置というものはほとんど行われていないということでございます。
○矢田部理君 それは本来はやるべきなんでしょう、いま委員長からも御質問がありましたけれども。本来はやるべきなんだけれども、体制がなかったのかどうか。と申しますのは、もともとタンクなどは法令上に基づいても堅固な地盤、基礎の上に固定すること、固定しなければならぬというふうになっているわけでしょう。この規定から言うならば堅固な地盤であるのかどうか、基礎がそうなっているかどうか、十分固定されたかどうかということは、当然のことながら水張りの後に完成検査もやるわけですから詰めなきゃならない、調べなきゃならない義務があるんじゃありませんか。
○政府委員(森岡敞君) 御指摘のように政省令におきましては、堅固な地盤または基礎の上にポンプはつくらなければならないということを明確に規定しておるわけでございます。ただ問題は、その場合、堅固な地盤ないしは基礎というものの構造上の技術的な基準につきまして、いままで省令によって明確なルールが決められていないということでございます。この点は、確かに御指摘のように地盤なり基礎工法に関する保安基準で技術的にきちんと決まっていないというところに私どもは問題があると、いま大きな反省をしておるわけでございます。しかし事実といたしましては、いままではその辺のところが十分決めていないというふうなことであったわけでございます。今後の問題としてこれはぜひ整備しなければならぬと思っておりますが、率直に申しまして、いろんな議論もございますので、先ほど来お話の出ております事故原因調査の結論が出ますれば、それを踏まえてこの保安基準の詳細な強化をいたしたいと、かように考えておるわけであります。
○矢田部理君 通常タンクを建設する場合には、消防署に申請書類などを出すことになるだろうと思いますね。その申請書類がそのとおりかどうか、たとえば工法等についても十分ボーリングなどをして堅固な基盤の上に載せることができるようになっているのかどうかということを調べて建設の許可を出すのでしょう。さらには、でき上がったあとでも水張り検査なり完成検査をして最終的に操業を認めるということになるだろうと思うのですがね。その際に申請された書類どおりに工事が行われているのかどうか、そういう点検はどういうふうにやってきたのですか。とりわけ私が疑問に思うのは、企業から出した申請書類だからということで、言ってみればその書類に書かれてあるとおりかどうかということについて直接調査をしたり裏をとったりして許可をするのではなしに、書類審査で盲判を押してきたのじゃないか。少なくとも、体制の問題もありますけれども、そういうことを検査する力量なり体制ができてなかったのじゃないかという感じがしてならないのですが、その点いかがですか。
○政府委員(森岡敞君) 当然設計書なりあるいは施工方法につきまして十分書類を審査し、かつ現実の施工が設計書どおり行われていなければならない、その点のチェックは検査する以上はやらなければならぬ、これは当然のことだと思います。ただ、お話の中にもありましたように、消防機関の中でも技術職員の配置につきまして非常に整備をしておりますところと若干そういう面ではおくれているところとございますので、そういう意味合いでは率直に申しまして具体的な検査の内容につきまして格差がある、これは私は否定できないと思います。
○矢田部理君 消防庁はタンクができ上がる段階で先ほど申し上げたようないろいろな検査をしますけれども、でき上がって後、操業中定期検査をやるようなことはあるのでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 検査につきましては、一つは、先ほど来お話のございました予防規定に基づきます自主的な保安検査とそれから消防法の立入検査権に基づきます消防当局の検査と二種類あると思います。この水島の当該タンクにつきましては、私ども現在まで調査いたしましたところでは、五月に油を入れましてから事故がある日までの間、立入検査は実施いたしておりません。そういう意味合いでは、私は保安点検に欠けるところがあったということを大変反省いたしておるところでございます。
○矢田部理君 言いかえれば、最初の段階では検査するけれども、その後定期的に監視をする、あるいは検査をするという体制には法制上もなっていないわけですね。随時立入検査をすることができる。これも体制がなければほとんどやられていないという点ではいまお話もありましたけれども、消防庁としても特に大きなビルとかコンビナート地区とかあるいは危険物を取り扱っている地区についての立入検査の体制、これにやはり抜かりがあったのじゃないかという感じがするのですが、そのとおりでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 一般論として申すのはいかがかと思いますが、やはりこの点について申しますと、私は完成検査後さらに頻繁に立入検査をして保安点検をなすべきであった、かように考えます。同時に、それをやりますためにはお話の中にもございましたが、技術職員の整備拡充を行わなければなりません。私どももそういう要請に今後力を尽くさなければならぬと思っております。
○矢田部理君 そういう点でこれは若干私が気づいた点だけ申し上げましたけれども、消防法上もいろいろ問題がある。加えて、消防法に基づいた体制も十分にとられていないのが現状じゃないかというふうに考えるわけですが、もう一点だけ関連して伺いたいと思うのですが、防油堀があった。その防油堀がはしごが壊れて破壊してしまった。防油堀というのはそんなに簡単に壊れるものなんですか。その防油堀の構造なり強度等についてはどういうふうになっているのでしょうか。これについてもしかるべきものがつくられてあればそれで済むというものなんですか。はしごがとれた程度で、あるいはそれがぶつかった程度で壊れる程度のもろいものなんでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 防油堀の構造につきましては、危険物の規制に関する規則で「鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート又は土で造り、かつ、その中に収納された油が当該防油堀の外に流出しない構造であること。」、こういうふうに定めております。したがいまして、通常の場合に防油堤が壊れるということは、こういう構造でやりますと私は予想はできない。ただ、今回の吹っ飛びましたラダーの基礎は大変重いものでございます。同時にそれが、防油堀の位置がラダーにかなり近かったということで、重いラダーの基礎が吹っ飛んで、それで防油堀を壊してしまった、こういう状態になったものと考えます。
○矢田部理君 いずれにしても、その程度のものも持ちこたえ切れないような防油堀では、結局、物の役に立たないわけでありますけれども、消防庁に対する最後の質問として、消防庁が中心になって事故原因の調査委員会がずっと開かれておりますね、この調査はどの程度まで進んできたのか。その中で確定的ではないにせよ、どういう事実が判明してきたのか。さらには、今後三月末をめどにと言われておりますけれども、具体的にいつごろ結論が出せるのか。企業のほうもいろいろ調査をしているのでしょうけれども、むしろあなた方のほうの調査待ちみたいなポーズをとっておられるわけです。非常にこれは国民が、とりわけ現地の被害者等が注視しているところでありますが、その作業状況を、現在までに明らかになった点、今後の見通し等についてできるだけ具体的にお答えいただきたい。
○政府委員(森岡敞君) 当初この事故原因調査委員会の結論は大変忙しい日程ではありますけれども、私どもは三月末までに最終的な結論を出していただきたいということを委員の諸先生にお願いいたしております。ところが、あとでも申し上げますように、いろんな面の試験検査、実験検査を行わなければなりませんが、そのうちの最も重要な部分の一つであります底板の破断面を切り出しまして、それを電子顕微鏡その他の機械によりまして精密な検査をする、この作業をいたさなければなりませんが、その作業をいたしますためには、現在のタンクの天井部分が御承知のようにぐらぐらになっておりますが、あれをそのままにしておいてはなかなか切り出せないということで、結局、労働安全上の問題もございまして、最終的にそれを切り出し得るのは三月の下旬以降ということにならざるを得ないわけでございます。そういうことで、しかしそれで結論がおくれるのでは困るということもございますので、そういういろいろな実験研究、試験研究をやらなきゃならない部分につきましては先に延ばしていただいて、とりあえず三月いっぱいでいままで調査をした事実について述べ得る事故についてひとつ御報告を願いたい、最終的な、そういう詳細な試験研究まで行った結論については、若干二、三カ月延びてもやむを得ない、こういうスケジュールで現在委員会のほうは進めていただいておるわけでございます。 どの程度まで進んでおるかというお話でございますが、御承知のように、大きく分けますと地盤基礎の問題、タンクの構造の問題、構造の中には材質あるいは溶接というふうな問題もございます。それから先ほど申しました、最終的には破面の切れた状況によってどこからどう切れたのかというのが基本的に重要な問題でありますので、そういう点を徹底的に調べる。さらには操作上問題があったのかなかったのかという問題も含めて、全般的にいま取りかかっていただいておるわけでございます。したがいまして、いまの段階でとりあえず具体的にこの部分はこう明確になったというふうに申し述べる状態にはまだ立ち至っておりませんので、御了承願いたいと思います。
○矢田部理君 いま聞いた程度のことは私もわかっているのですけれども、たとえば地盤が軟弱であった、それが一つの有力な原因じゃないかというような観点に立ってきたんですか、こないんですか。その結論だけでいいです、時間がありませんから。
○政府委員(森岡敞君) 地盤も一つの問題として取り上げられております。特に先ほど来お話しの、ラダーを入れたことによる地盤の変化があったのかなかったのか、その辺も一つの重要なポイントとして調べられております。
○矢田部理君 それから海上保安庁にお伺いします。 海上保安庁が油の流出事故に備える対策として一番基本に考えなきゃならぬのは、先ほどもお話がありましたように、港口をオイルフェンス等で封鎖をする、そして流出してきた油があれば、油回収機なり回収船で回収をしていくということが基本だと私は思うんですけれども、どうも海上保安庁がとった措置というのは、回収船が当時なかったということもあった、処理剤で分散、乳化させる、こういうことに重点を置き過ぎたんじゃありませんか、その点いかがですか。
○政府委員(隅健三君) 油の処理につきましては、ただいま先生の御指摘のとおり、初期の活動と申しますか、が必要でございまして、そのためにはオイルフェンスを張って吸着、回収船によって回収すると。たまたま当方ではアメリカに発注いたしております油回収機がまだ到着いたしておりませんでしたので、これはできませんでした。そこで、われわれといたしましては、処理剤につきまして、これは漁民の了解なくしては使わないということでございまして、一応港内では約八百キロリッターの処理剤と、それから備讃瀬戸西部、すなわち大槌島から西の方で大体二百キロリッターの処理剤を使っておりますけれども、この処理剤については非常に制約がございましたので、われわれとしては……
○矢田部理君 質問してないので、簡単に。
○政府委員(隅健三君) もう一つの油吸着剤を使用いたしました。
○矢田部理君 そこで、問題は処理剤でありますけれども、いまも両先生から御指摘がありました。といいますのは、処理剤そのものの毒性は従前から比べると弱くなってきている、しかし、これは無害とは言えない、絶対安全だとも言えない、加えてこの処理剤と油が一緒になった場合には毒性が強まるという御指摘があったですね。ところで、海上保安庁が法令上の根拠として基準となるべき海洋汚染防止法施行規則第三十三条の二というのを読みますと、ここに対生物毒性に関する基準が出されております。この基準はいわば処理剤だけの基準ですね。処理剤と油が一緒になった場合には複合的な毒性といいますか、毒性が強まるということについての警戒はないように思われるわけなんですが、複合した場合にどういう結果が発生するのか、どういう問題点が出てくるのかということについて具体的に実験なり分析なり大丈夫なんだという資料はあるんですか。資料と根拠はあるんでしょうか。
○政府委員(隅健三君) この点につきましては、私の方で油処理剤の海洋環境に与える影響の研究というものを試験研究委託でお願いをいたしました。先ほど参考人の方からお話がございましたように、東大の名誉教授の檜山先生を委員長といたしまして、いろいろヒメダカの件あるいはウニの受精の影響その他をいろいろの方法をもって試験、検討をお願いをしております。
○矢田部理君 時間がないのでどうしようもないのですけれども、たとえば政府のやっておられる東海区水産研究所などからも、油処理剤の性能がよくなったからあるいは低毒性ということになったから使用しても差し支えないという議論は間違っている、汚染処理のたてまえからは希釈拡散を積極的に行うのは誤りである、こういう指摘が出されている、政府筋からも。もちろん学者の先生方からも非常に重大な疑問が提起されている問題について、きょう本当は細かくお伺いをしたかったわけでありますが、漁民の同意云々ということも一つはありましょうけれども、もっと慎重であるべきだし、少なくともそれを第一義的に考える油処理の仕方、これはやっぱり間違いだというふうに私も思いますので、その点改めて答弁は必要ありませんが、十分に注意をし、こういうことの使用については十分な検討をすべきだということを申し上げておきたいと思います。 それから最後にもう一点だけ、せっかくおいでいただいておりますので、時間ではありますが、警察庁にお尋ねをしたいと思います。 本件事項にかかわるいろんな調査がなされてきておるわけでありますけれども、警察庁としても、刑事責任追及のためにこれまで捜査というか、をやってこられたと思うんです。これは、かかわると思われる法律上の問題点は、たとえば水質汚濁防止法であるとか、海洋汚染防止法であるとか、さらには岡山県の漁業調整規則であるとか、いろいろあろうと思うんですけれども、いま中心的に問題点とされる責任追及の根拠法令、これはどれなんでしょうか。
○説明員(星野鉄次郎君) ただいま先生御指摘のようないろいろな法律について総合的に検討しておるわけでございます。どれが中心かということでございますけれども、一つ水質汚濁防止法という問題もございますし、岡山県海面漁業調整規則という問題もございます。いずれにいたしましても、それらの構成要件の該当性その他につきまして現在鋭意調査を進めておる段階でございます。
○矢田部理君 もう一問。確かにこの水質汚濁防止法十二条一項あるいは岡山県海面漁業調整規則三十四条、これはその該当性が十分に問題になり得る法律だと思うんですが、もう一つ私が調べた限りで言うと、消防法の十条三、項というあたりもこれは十分に検討をされて捜査を積極的に進めていただきたいと思うわけなんです。どうも新聞筋の伝える状況によりますというと、警察筋は事故調査委員会のこれまた結論待ちと、他のいろいろな捜査問題点が出るまで後ろに下がっていて、余り積極的な行動をしておられないように見受けるんですけれども、実際どんな捜査を今日までしてきたのか。たとえば参考人とか関係者などの取り調べも終えたのかどうか、その辺警察庁として独自にどの程度まで進めてきているのか、その問題点は何なのか。たとえば今度のオイル流出事故に関しては、一昨年秋の石油ショックのときに、石油不足をつくり上げるためにタンクに必要以上に油を入れ過ぎたんじゃないかというような疑いも持つ人がおります。そういうような点についてより積極的に、これは表向きはなかなか出にくい問題でありますけれども、また私がここで言うのもなんでありますけれども、どの程度詰めた調査をしているのか、捜査をしているのか、その点捜査の状況と問題点、今後の見通し等について最後にお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(星野鉄次郎君) 岡山県警察といたしましては、この事故当初から、刑事事件に該当することもあり得るという立場から、警察独自としていろいろ調査を進めておるわけでございます。先ほど来いろいろお話ございましたようないろいろな法令、正直申しまして、これはぴたりという法令ではございませんので、これらの構成要件に該当するかどうかというようなことにつきまして事実関係を明らかにするため、警察といたしましても現場の実況の見分でありますとか、それから関係者からの事情聴取、これは特定の罰条をとらえての捜査ということじゃございませんので、関係者の事情聴取等を鋭意進めておるわけでございます。まあお話の出ております消防庁の事故調査委員会の調査結果、これも非常にそういうものを参考にしなきゃいかぬと思いますけれども、そういった点を十分勘案いたしながら、できる限り早期に結論を出したいと、かように考えております。
○矢田部理君 ちょっといまの質問であれですが、これだけで終わりますが、その関係者の事情聴取はほぼ終わったんでしょうか。それから具体的にいつごろまでをめどに捜査を終了するつもりなのか、その点簡単でけっこうです。
○説明員(星野鉄次郎君) 関係者の事情聴取はかなり進んでおりますが、いまどの程度ということでございますけれども、予定しておるもののまあ大まかに言って半数ぐらい終わった段階じゃないかと思うんでございますけれども。 それから、めどでございますけれども、まあいつごろと言われましても、ちょっとこれ調査問題がございますので、いま明確に直ちにいつまでということを申し上げられません。まあできる限り早くということで御了承いただきたいと思います。
○委員長(鶴園哲夫君) 先ほど委員長が発言いたしましたですが、補足いたしておきたいと思います。 私、申し上げましたのは、鹿児島の消防庁を調べまして、それから有名な哲人基地を調査に行きまして、そこで技術者がいないということを申し上げたわけでございまして、岡山並びに三菱のことを申し上げたわけじゃないということをつけ加えておきます。
○小平芳平君 露木参考人にお伺いいたしたいのでございますが、せっかくおいでいただきまして当委員会に御出席いただいているわけでございますので、先ほど来の御答弁は、申しわけないという一点ばりであって内容について一向お触れになりませんでした。で、ただ、あの事故直後私も伺いまして、そして直接工場長さん初め幹部の方からお話を伺ったこともありますし、それからまた、新聞にも再三報道されていることもございますので、そういう当然わかっていることは、やはりこの際、そういう手抜かりもありましたということは、そういうふうにやっぱおっしゃった方がいいじゃないかと思うのであります。 で、まず第一に、確かに安全体制といいますか、防災体制といいますか、これに対していろんな体制がとられているということを先ほどお述べになりましたが、要するに火災に対する訓練とか、火災を想定しての訓練はやったけれども、海上へ油が流れるというような今回のような事故を想定しての訓練はやってなかったと、だから思いがけない事故だったということじゃないですか。それが第一点です。 それから第二点は、そうした、これだけの大工場で、これだけの危険物が貯蔵されておりながら自動警報装置がないということですね。ですから、五人ですか、保安要員、先ほど来保安要員、保安要員とおっしゃっておりますが、五人の方が交代で自転車で工場内を回って歩くわけでしょう。それだけが頼りであって、自動警報装置はなかったと、そういうものはこうした近代工場でつけることができないのかどうかですね。つければつけられるのにつけてなかったというと、やっぱりそれもいまから考えれば手落ちだったということになるんじゃないでしょうか。その二点についてどうお考えでしょうか。
○参考人(露木高良君) 最初の御質問の、今回のような海上流出事故、これに対しての訓練をやっておったかどうかということでございますが、これは遺憾ながら、こういう大量の海上流出事故の訓練はいたしておりませんでした。ただ、タンカーの油が漏れたときというような程度のことまではやっておりましたんですが、今度のような大量の流出事故に対する訓練はいたしておりませんでした。 それから次にタンクの警報装置のことでございますが、これが異常にレベルが上がりましたり異常に下がりましたり、特に高いとこと低いとこにつきましてだけは警報の装置がありましたのですが、順次下がっていくというような状態のときには警報装置がつけてございませんでした。これはいかにも残念でございましたです。これにつきましては、その後、県の方あるいは倉敷市の方からもいろいろ御指示をいただきまして、現在警報装置をつけることを検討中でございます。しかし、残念ながらその事故当時にはそのような警報装置がございませんでした。
○小平芳平君 それから、この点はちょっといまのところお答えいたしかねるかもしれませんが、四万四千キロリットル流出したという点ですね。この発表がありましたが、陸上に幾ら、海上に幾ら流れたかということはその後わかりましたかどうか。 それから最初海へ流れたのは二百キロリットルくらいというようなことで、工場側としてはいかにもこの事故を過小評価して、対応策がおくれた大きな一つの原因になったというふうに指摘されておりますが、その点はいかがでしょう。
○参考人(露木高良君) 最初の御質問のタンクの流出油でございますが、これは総量で四万二千八百八十八キロでございます。現在までに回収をタンクにいたしましたのが二万六千四百から二万七千四百ぐらいであろうかということでございます。これはやはり確定した数字が出ておりませんのは、水分がまざっておって、何か乳化をしているような状態で、なかなか測定が明確にできないというように聞いております。それからドラムへ回収した量、これが二面キロ程度、それから製油所内にあと多少はあちこちに付着して残っているものもございましょうけれども、流れ出たのがおおよそやはり国で発表されましたような七千五百から九千五百というその間へ入ってくるんではなかろうか、いまのところ明確に何キロが流れたかということがちょっとわかっておりませんのでございます。 以上のようでございます。
○小平芳平君 いや、私がお尋ねしている要点は、海へ流れたのはどのくらいかという点と、それから最初二百キロ流れたというようなことで、そういう事故そのものを過小評価したことが対応策のおくれになったのではないかという点ですが。
○参考人(露木高良君) この海へ流れましたのは後になりまして、大体いま申し上げましたような程度の数量かということがわかったわけでございますが、その当時、これは私が聞いておりますところでは、ちょうど夜間でございまして、海へ流れている事実はよくわかっておったのでございますが、どの程度流れたかということは、結局翌朝になりまして、製油所の責任者がオイルフェンスを張った切り込み港湾の中に油があるのをながめまして、そのときにはもうすでに何か港の方には油の姿がなかった、視界にはなかったような状況でございまして、実際には、ですから流れ去ってしまっていたと申しますか、そういう状況ではなかったのかと思いますが、そういうことで、者としましては、大体これでまあ二百キロ程度ではなかろうかと推定をいたしましたようでございます。そのときには、実際にはもう大量の油がもっと遠くへ流れていっておったというのが実情でございまして、それが夜間の関係と、もう一つは、その当時タンクの破損した周辺の油の処置に忙殺をされておりまして、それから装置をとめたりいろいろ応急措置をとっておりました関係上、所長としましては二百キロ程度であるという推定をしまして、それを発表をしたと。これは後になりますといかにも残念なことでございますけれども、これは数量を過小に言おうというような意図はどうもなかったようでございます。これは推定の見誤りと申しますか、そういうことだと思います。 以上でございます。
○小平芳平君 わかりました。 それから次に、私は環境保全という、きれいな海を取り戻すという、そういう観点から、こうした大事故、油事故による環境破壊、海の汚染、汚濁あるいは死の海に化していくというようなことを、これはもうだれが考えても防がなくちゃならないということは共通の願いであるというふうに確信いたしております。 それで次に、そういう観点で運輸省にお尋ねいたしたいのですが、いま問題にされているのはタンク群が問題にされておりまして、このタンク群で不等沈下が起きる、あるいは今回のような大量流出事故が起きたというようなことが問題になっているわけですが、そのタンク群から数十メーターか百メーターくらい離れたところに桟橋がありまして、港がありまして、桟橋がありまして、ここからタンクヘ油をこう持ってくるわけであります。ところが桟橋の事故というものが非常に多いという報告があるのであります。水島でも昭和四十八年三件の、そうした桟橋から余り離れてないところで事故があったように聞いておりますが、その点把握しておられますか。
○政府委員(竹内良夫君) 私どもその事故については存じておりません。
○小平芳平君 じゃ、水島港というものは安全に設計されておりますか、現在において。それはいかがですか。
○政府委員(竹内良夫君) 私どもこの水島港の計画に際しましては、これは昭和三十七年につくったわけでございますが、その際、港湾管理者の計画を提出してもらいまして、運輸大臣といたしましては港湾審議会の議を経まして決めたわけでございます。私どもは安全な港であると思っております。
○小平芳平君 そうしますと、水島港へ船が入る。これは専門家の指摘です。私の指摘じゃなくてある専門家の指摘によりますと、第一この港は水深に問題があると言うのですよ。それは問題がありませんか。あるいは何トンの船が入るように設計されているのか。当初は水島港というパンフレットを見ると、昭和二十三年は一千トンの船舶を対象にという、昔はそういうことであったのですが、その後水島港湾計画とか、水島コンビナート計画とか、いろんな段階を経て今日になっておりますが、特に三菱石油の六号桟橋というのは何トンの船を対象に設計し、何トンの船が出入りしているか。 それから第二点としては、船が桟橋へこう入りますが、要するに停泊地がない。航路だけあって停泊地がないという指摘についてはどうか。 第三点は、幅が四百メーターしかない。そこへ大型船が入っていって着岸し、そこに非常な危険があるという点はいかがですか。三点。
○政府委員(竹内良夫君) 本港湾の計画は、実は昭和三十七年につくりましたときに決めましたところは、航路の水深は十六メートルでございます。航路の幅はいまおっしゃいましたように四百メートルの計画を決定したわけでございます。で、この決定の計画の裏づけでございますけれども、この目標といいますか、対象の船といたしましては当時十万トンの船が満載で入港するということを想定いたしまして計画を作成したわけでございます。その結果いろいろなデータを集めまして、水深十六メートル、幅を四百メートルの航路にしたというわけでございます。 それから三菱の六号桟橋でございますが、これは昭和四十年二月に改良いたしまして、そのときの設計対象の船舶は、十三万トンの船が満載で、一秒間十五センチメートルの速度で接岸するという計画をしております。この六号桟橋の前面の深さは十七メートルになっております。で、現在出入りは何トンぐらいのものであるかというお話でございましたけれども、これには現在二十万トン以上の船が着いているはずでございます。ただし、この際には満載のものではございませんで、他港で一時荷物を揚げまして、二次輸送の形で船足を軽くしてやってきた船が着いているはずでございます。 それから第二番目に、停泊地がないのではないかという御質問でございましたけれども、前面の、三菱の前のところでございますが、あそこには船を回転させるだけの泊地をとっているわけでございます。 それから三番目に、航路の幅は先ほど申し上げましたように四百メートルしかないではないかと、こういうお話でございますが、これは大型船が行き会うというには狭過ぎますけれども、一方通行には差し支えないというふうに考えております。この港におきましては、港長の指導によりまして大型船の行き違いはないようにいたしまして、一方的な通航を指導しているということでございますので、そういう調整と相まちまして安全であるというふうに考えておる次第でございます。
○小平芳平君 ちょっと聞き漏らしましたが、一分に何メーターで接岸するというのですか。
○政府委員(竹内良夫君) 一秒間に十五センチメートルでございます。 それでちょっとつけ加えますと、大型船につきましては一秒間に十センチメートルの速度で接岸することを指導していると聞いております。
○小平芳平君 それは一秒に十センチとか、十五センチとか、どうやってはかるんですか。
○政府委員(竹内良夫君) 専門は海上保安庁の方かとも思いますけれども、船長がそれをコントロールすると思います。
○小平芳平君 要するに目見当でやっているということですね。船長の熟練に頼っているだけということ……。
○政府委員(竹内良夫君) 当然船長の熟練でございますけれども、現在では速度計もつけましてコントロールをするということをやっているようでございます。
○小平芳平君 それから水島に限らず、桟橋利用中の事故が非常に多いですね。これは各港ごとに具体的にどういう事故があったかという具体例をずっとこう港湾局で収録したもののようですが、ですからいまおっしゃるように、設計上何ら心配はない、いかにも安全のように答弁されますが、現実問題、こういうふうな具体的な事故が起きているんです。それに対して何ら対策を考えようという考えはないのですか。海は汚れっ放しですよ。
○政府委員(竹内良夫君) 実は、その桟橋の事故例がどういう事故例かちょっと私存じませんが、桟橋に接近する船が壊れたというような事故例でございましょうか。
○小平芳平君 港湾局長でしょう。港湾局ですよ。これも港湾局ですよ。で、その中を、ちょっと抜粋したものを読みますと、たとえば、これは御存じでしょう。室蘭港で四十年五月二十三日、ノルウェーのタンカーが接岸中、操船上のミスで桟橋に激突し、タンカー火災及び海上火災を起こした。——これは御承知でしょう。あるいは、四十三年二月、千葉港桟橋へ着いたときに、操船のミスにより第三ドルフィン及び荷役ステーションに衝突、大破させたというふうになっていますがね。こんなふうに出ているんです。あるいは、堺、係船荷役中のタンカーから、バルブ操作ミスで原油が落下し、作業船が沈没の事故発生、あるいは、和歌山の下津接岸時、接岸するときに本船が荷役桟橋に衝突、大破、そういうことが起きているということを港湾局で、そういう報告をこうやってまとめながら、どういう対策をしているんですか。ただ、安全だから大丈夫ですと言うだけじゃ、本当に海がきれいになるかというと、逆になっているじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(竹内良夫君) その衝突、大破は、やはり船の操船上の問題が非常に大きな問題であると思います。もちろん、原油が流れた云々のことに関しましては、その操作の、船の油の方の操作の問題、あるいは荷役の操作の問題であるかと思います。岸壁そのもの、あるいは係留施設そのものの欠陥によってそのような事故が起きている例というのはきわめて少ないんではないかというように私は感じておる次第でございます。
○小平芳平君 これ、「船員しんぶん」、「操船ミスだけではない」「水島港の大型船乗揚げ事故」。操船ミス事故だけではない。——それは「船員しんぶん」の記事ですが、それで次に、もう一つ具体的に、鹿島の港には公共の防波堤、南防波堤という公共施設があって、それで外航航路、外の港の航路、要するに船の通る航路があるわけですね。船の通る航路を囲むようにして防波堤ができている、その公共施設へ私の企業が桟橋をくっつけて、そこで荷物の積みおろしをしていると、こういうのは差し支えないんですか。
○政府委員(竹内良夫君) 鹿島の南防波堤の一番根元のところに二十万トンのドルフィンをつくりまして、そこから鹿島石油が油を荷役しているということは事実でございますが、この防波堤にくっつけてはおりません。防波堤から百五十メートル離しましてドルフィンをつくっております。ただし、そこからパイプが通ってくるわけでございますが、そのパイプは防波堤を一部利用しているという現状でございます。この使い方につきましては、全部法的な手続その他を経まして、合法的にやらしてる次第でございます。
○小平芳平君 これは私は山で育ったものですから、港のことはさっぱり疎いのですが、専門家の意見を言ってるわけですよ。こうした船が通るための航路があるわけでしょう。船が通るための航路へそういう私の企業が桟橋をくっつけるということは、合法かもしれません。しかし、この桟橋の、安全、港の安全を考えた場合に、そういうことが大変結構なのかどうかということです。しかも、これは御承知のように曲がり角ですね、三十度くらいの。船としてはこうした航路を三十度くらい曲がるということは一つの技術が必要だというお話です、私はよくわかりませんが。こうした曲がり角のところへ、そういう公共施設のところへ突き出してあります、確かに。突き出してあるほどに船の邪魔にならないのか、港の安全を図るという上においてこうしたことが結構なことなのかどうかということです。
○政府委員(竹内良夫君) 結論的に言えば、安全であるということを申し上げますけれども、実は港——東京湾とか、大阪湾とか、あるいは瀬戸内海、非常に安全な場所でございますが、そういうところ以外のところにつくっていかなくちゃいかぬという場合には、非常に苦労した計画のつくり方をするわけでございます。鹿島の場合には、ああいう鹿島灘という外海に面しまして港をつくったわけでございまして、そこにいろいろな石油あるいは鉄鋼の工場を誘致するというような性質の港でございまして、あのような防波堤の裏にもしそういうドルフィンをつくらないとすれば、外につくるか、あるいは中につくるかというような選択もしなくてはいけない。いろいろ考慮いたしましてあのような形をとったわけでございまして、その計画の審査に当たりましては安全に関しては十分考慮しているつもりでございます。
○小平芳平君 法律的には、航路があると、しかも港の中の限られた航路があると、そこへ何か邪魔な施設ができたら、それは法律的にはどういうことにするんですか。
○政府委員(竹内良夫君) 鹿島のところでございますが、航路には突き出してはいないんではないかと思います。この二十万トンのドルフィンの計画につきましては、港湾審議会におきまして、これは相当議論いたしまして決定しているところでございまして、その後そのところにドルフィンをつくるということに対しましては、港湾法の三十七条という港湾管理者の許可の事項がございますが、そういう手続に従いましてつくったわけでございまして、一民間会社が全体を阻害する云々というようなお話は当たらないわけでございます。
○小平芳平君 いや、それはある専門家がそういうふうに言っているから、私はそう言って、いかがですかって尋ねているわけです。 それで、いや、私がいま法律的にはと言うことは、そういう港内の航路の邪魔をしたと、邪魔をするような施設をつくったら、それは排除しなくちゃいけないでしょう。それはどういう法律で、だれが排除するんですか。
○政府委員(竹内良夫君) 航路の上には物はつくらせません。手続がございまして、水面を占用する、あるいは水面の上に工作物をつくるという場合には、港湾管理者の許可を必要とする、あるいは港長の許可ですか、港則法によりまして港長の方の手続が必要でございまして、ほかの船の支障になるようなことは海湾管理者や港長が許可をしないというたてまえになっております。
○小平芳平君 もちろん、許可はしないでしょうけれども、にもかかわらずつくったら、どういう法律で排除するんですか。 それから、もう一つ局長、これが航路から外れているかどうか見てください。
○政府委員(竹内良夫君) このドルフィンは航路から外れていると、まあ泊地に面するわけでございます。この鹿島石油のドルフィンは泊地に面しているというように解釈していいんじゃないかと思います。 それから、勝手に物をつくらせるということはほとんどないわけでございまして、途中もしその航路の上にだれかが物をつくろうとすると、これは時間がかかりますし、当然、港長にいたしましても、港湾管理者にいたしましても撤去させるわけでございます。許可なく仕事をしている者に対しては撤去させるということになっております。
○小平芳平君 小沢長官、まあ高度経済成長時代はそういうふうに、少しのすき間でもあれば——泊地というのは船をこうとどめておくところですが、そこへ桟橋をつくって、ほかにみな桟橋のつくり場所がないからつくらせたんだと言うんですが、もっと安全ということを基本にして行政というものは動かないものかどうか。先ほど来、危険があるということは一言も言わないで、ただ安全だ、安全だと、で、こういうふうな事故例を示すと、これは操船、ミスだろう、それで操船ミスで片づけられたんじゃ——それは明らかな操船ミスも起きるでしょうけれども、もっと基本的に桟橋とか、港とか、そこから何十メーターか離れたところには先ほどのタンク群があるわけですから、貯蔵タンク群があるわけですから、もっとそういう点安全ということを主眼にした港湾行政というものは考えられないんですか。
○政府委員(竹内良夫君) その点は全く先生のおっしゃるとおりであると思います。確かに、過去の時代におきまして、相当狭い港しかつくり得なかったというような事情があったと思います。今後ばその点を十分考えたところの余裕のある港にしたいというように考えております。たとえば、苫小牧等におきましても、十分そういう点も考慮したような大きな港等を計画しつつあるわけでございますけれども、いままでは確かに余裕のない港であったと、そういう点で絶対安全かと言われますと、それはもうはるかに余裕のある港に比べれば安全でない方に近い形であったということは否めないと思います。ただ、いままでつくってきた港湾の一つ一つの計画につきましては、安全とやはり経済性というものを十分考えながらやってきたと、そこに全力を投入してきたということは言えると思うわけでございます。
○小平芳平君 最後に変なことを言うね。安全と経済性に全力を投入したとはどういうことですか。ですから、私が申し上げている趣旨は、先ほどから申し上げている趣旨はおわかりだと思うんですよ。ですから、この船長のミスというそういう一々船長のミスで片づけられては困ると、先ほどのあれにもそう書いてあるでしょう。——まあいいです。それは要するにもっと安全というものを主眼にした港になっていただきたい、災害と環境破壊がもうとめどなく起きるようなことのないようなそういう港にしていただきたいというのが私の主張であります。 それから、かりに一たん油が海へ流れたら、これを有効に処理することが可能かどうか。先ほど来処理剤がある、吸着剤がある、オイルフェンスがあると言うんですが、何方トンという大量の油が一たん海へ流れたら、それを安全に回収することは全く不可能だと、こういう結論じゃないですか、いかがですか。
○政府委員(隅健三君) 海上保安庁におきましては、トリー・キャニヨンの事件、それから新潟のジュリアナ号の事件の教訓を得まして、初期活動によって油を防除するという、タンカーからの流出事故を中心に考えてまいりました。今回の事故で非常に大量な油が急に、短時間に流れるということについては、この措置は非常にむずかしいということを痛感いたしました。
○小平芳平君 非常にむずかしいじゃなくて不可能ですということでしょう。特に新潟の場合は、オイルフェンスは日本海の波が荒くて効き目がなかったと一生懸命おっしゃっていたですが、瀬戸内海はそんなに水島港波はなかったんですが、今度は潮の満ち干で全く効き目がなかったというわけでしょう。ですから、全く大量の流出事故に対してはオイルフェンスというようなものも気休め的な、免責的なものでしかあり得なかったということが何より今回それを証明している。うそだと思うなら何万トンの油をいま海へ流して回収を実演させてみればいいんですね。そんなことできるわけないということだと思うのですね。いかがですか。
○政府委員(隅健三君) まあ海上保安庁といたしましては、大量流出油対策につきまして、オイルフェンスの性能向上あるいは油回収船、装置の開発、それから最悪の場合には処理剤あるいは吸着剤の使用ということでやってまいりましたけれども、やはり急速な時間に大量な油が流れまして、これが拡散をいたしますと、その対策というものは非常に困難であるということでございます。
○小平芳平君 ですから、海上保安庁から港湾局に対しましても、非常に困難だから安全第一でやれというふうに意見を言ってください。 それから環境庁長官、そうした点についての御意見いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私の立場から言いますと、とにかく油を海上にいかなる形の事故であろうと流してもらいたくないわけでございますので、本当に安全の上にも安全性を第一義に考えてすべてのそれぞれの部署部署を守っている役所の方から考えていただくようにお願いをしたいと思っております。この点は対策本部等まだ実は現地の者は一応引き揚げてこちらにそのまま置いてございますから、対策本部で各省庁といろいろ話し合いをしている中におきましても、今後は本当にあらゆるところでそういう面の十分注意をしていただいて、できるだけ改善策を早急に立てていただいて、流れたらなかなかいま先生がおっしゃるように回収は容易でないわけでございますので、もう出さないということに主眼を置いていかなきゃ——当然のことでございますが、まああらゆるひとつ注意をしていただくようにお願いをいたしたいと、かように考えます。
○小平芳平君 ひとつ小沢長官から運輸省に対しましても安全第一でいけと主張していただきたいのです。 それから最後に、岡市先生にお尋ねしたいのですが、これは先生からこうしたことをいまお答えをいただこうということは御無理かもしれませんが、魚によりまして、瀬戸内海の魚を食べたために中毒症状が起きているんじゃないか。で、口のしびれとか湿疹、下痢、腹痛等が起きているというような報道をされておりまして、あるいは県警で、保健所等で調査されておられるかと思いますが、先生地元におられまして、非常に先ほどのPCBと同じ現象だというふうな点に私強く心を打たれたわけでございますが、こうした魚を食べたことによる中毒症状というようなことについて、このことに関連した御意見で結構でございますから、ございましたらお伺いいたします。
○参考人(岡市友利君) ただいまの御質問に関して香川県は実は魚を分析しまして、中和剤と——中和剤と言うのはよろしくないということですから、油の処理剤と重油成分とは関係ないということを一応公式の見解として発表しております。それで、口のしびれとか、下痢、嘔吐というようなことが上がっているわけですが、口のしびれというのを私が漁民によく聞いてみますと、どうもこれは香川県地方の方言のようで、口の中が渋くなるということを口がしびれると言うようなことで、ちょっと医学用語で言う口のしびれ、これは麻痺毒のような、神経性毒のようなものではどうもなかったようだと。で、全く下痢がなかったかというと、これは多少疑問でございまして、やはりあの現象は高松地先だけでかなり人数が出てきたわけですが、それ以外の漁民に聞きましても、やはり下痢はあったんだということは私どもは聞いております。香川県の調査の中で少し足りなかったと思うのは、生物試験を並行しなかったところにちょっと問題があるかとは思っております。
○内田善利君 最初、消防庁にちょっとお伺いしますが、前回本委員会でこの問題を取り上げましたときにお聞きした問題なんですけれども、完成検査をした場合、二百七十号タンク——ほかのタンクは全部そのまま合格になっておりますが、当該事故のあった二百七十号タンクだけが補修後合格、こういうふうになっていることでお聞きしたわけですけれども、その当時はまだ的確な答弁がいただけなかったわけですが、一遍補修したところはやはり何でももろいわけですね。私はその補修したところが何らかの作用で油が漏れるようなことになったんじゃないかと、そう疑って質問したわけですが、その点はどのようになっておるのか、まずお聞きしたい。
○政府委員(森岡敞君) 前回御質問がございました際に私ども十分なお調査が行き届いておりませんでしたので、お答え申し上げますが、その後綿密に調査いたしました結果、当該二百七十号タンクについては、完成検査時にいわゆるバキュームテストをいたしました。その際に一カ所漏れがございました。それを補修いたしまして合格をした、御指摘のような事実がございます。ところで、私どもその漏れがあり補修をして合格した個所がどこであるかということをかなり徹底的に当該会社その他につきましていま調査しておるわけでございますが、現在のところ判明いたしておりません。で、お話のように、一遍補修をすれば弱いんではないかというふうな御質問でございますが、その辺のところは、その個所も判明いたしませんので、私どもとしては現段階で的確なお答えができにくいわけでございますが、いずれにいたしましても、この問題も先ほど来申し上げております事故原因調査委員会におきまして一つの事実といたしまして十分御調査いただこう、かように考えております。
○内田善利君 これは四日市の火災事故と違いまして、水島の場合は一応物理的な私は事故だと思うんです。ですから、跡がきちっと残っておりますし、一部補修したところであるかどうか、また検査したのは、千代田加工に発注して播磨重工業がやったわけでしょう。そういった方々に聞けばこの事実はどこだと、すぐわかることだと思うんです。わからないということは私は想像するんですけれども、わからないわけですから、どこを補修したか。ですから、その亀裂の個所であったんだなと、こう判断する以外にないと思います。だれもが、だれしもがそういうふうに私は的確な判断を下すだろうと思うんですが、火災事故その他による事故でありませんので、ひとつこの点はきちっとした検査報告があるわけですから、一部補修したところはどこだったということは大事じゃないかと思うんです。この点ひとつ早急にその場所を発見していただきたい、このように思います。発見できないということはその場所であったと判断する以外に私はないと思います。 それから海上保安庁にお聞きしますが、公害課のほうで調査された結果は、陸上からのタンク漏れが四十八年度は九十七件、それから四十九年度は七十八件、大体毎年百件近くタンク漏れがあっているわけですけれども、こういったことをこの間お聞きしましたときには消防庁の方は全然御存じなかったわけですが、やはり監督官庁である消防庁と、また海上保安庁との連絡といいますか、こういう点がうまくないじゃないかと言ってこの間質問したわけですけれども、この点はいかがなっておりますか。
○政府委員(隅健三君) 陸上からの油の汚濁件数につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたとおり、四十八年が九十七件、四十九年は一月から九月までで七十八件を数えております。この件につきまして海上保安庁と消防庁の間に連絡があまりよくないのではないかというお話でございますが、私の方はそれぞれ保安部あるいは保安署がこれを担当いたしております。常に消防署とは緊密な連絡をとっておりますので、そのようなことはないとは思いますけれども、今後さらに海上保安部署に対しましてこういう件については連絡を緊密にするように指示をいたします。
○内田善利君 この件、消防庁にももう一回御答弁願いたいと思いますが、もう一つお聞きしたいということは、この間も現地の対策協議会のことについてお聞きしたわけですが、この対策協議会の法的根拠ですね、があってつくられているのか、あるいは自発的にできているのか。お聞きしますところによりますと、自発的に各地で六十一カ所ですか、対策協議会ができておるということですけれども、自発的なこういう協議会ができてこういう事故に対して対策を講じておられるということですけれども、もう少しこの人たちの待遇とかあるいは出動状況とか、そういったことに対する報酬とか、そういったものを何か法的に根拠をつけてあげるとか、このままほうっておくんじゃなくて、これを土台にしてもっと進歩発展させたらどうかと思うんですが、この点はどのように考えておられますか。
○政府委員(隅健三君) ただいまの先生のお話は、各地六十一カ所に海上保安庁が中心となりまして設けた流出油災害対策協議会のことだろうと思います。これにつきましては、確かに自発的と申しますか、海上保安庁が呼びかけまして、石油関係企業等を中心といたしますそれぞれのコンビナート、あるいは地区の企業の構成員の方たちにお集まりをいただきまして、防除資器材の備蓄であるとかあるいは訓練であるとか、そういう連絡をとることになっておりまして、これの構成員に対する待遇改善はいかがかというお話でございますが、この点につきましては、私の方といたしましてはそれぞれの企業においてお集まりをいただくことになっております。参加された方について海上保安庁として手当を支給するとかそういうことは考えておりません。
○内田善利君 そうすると企業の方で手当てをしているわけですか、現在。
○政府委員(隅健三君) これにつきましては大体会社の従業員の方がこれの構成員になっております。構成員と申しますか、実際に訓練その他に出動しておる、それからそれの関連会社、たとえばタグボートの会社、これはタグの船員が操船いたしまして、オイルフェンス等を積載いたしまして展張をするということで、大体企業の中での職員によって訓練その他の活動をいたしております。
○内田善利君 参考人にお伺いしますが、岡市参考人にお伺いしたいことは、先ほど話がありましたように、瀬戸内海は非常に事故が多いわけですね。聞くところによりますと、地中海はもう目には見えないけれども石油の薄い膜ができてしまって、温度が五度Cぐらい上がって水分が蒸発できなくて、異常気象になっているというふうに聞いておりますが、このままいったら瀬戸内海もそのような運命をたどるんじゃないかと心配するわけですが、この点はどうなんでしょうか。
○参考人(岡市友利君) 瀬戸内海の問題は油だけではなくて、ほかのまだ赤潮問題、そういうものを非常にたくさん抱えておりまして、地中海とはまた違った問題点があると思います。ただ、油膜ができまして、それで温度が数度上がるかというところにつきましては、まだ冬場の水温を私たちはかっておりますが、この十年の間に特にひどく上がったという印象はないんです。現在八度半くらい、まあ例年の温度、あるいは多少高いかという気はしないではないですけれども、いまおっしゃったような高い温度にはなってないように思います。今後はまだ赤潮問題その他抱えていかなければならないだろう、そういうふうに考えております。
○内田善利君 浅原参考人にお聞きしますが、先ほどもちょっとお伺いしたんですけれども、油処理剤を使った場合に、油処理剤の成分が分解をしてくる恐れはないか。それと、重油は非常にたくさんの成分を含んでいるわけですが、その重油の成分との複合関係、こういった点については、まあ油処理剤そのものは危険はないと、このように承っておりますけれども、その辺の重合による、あるいは複合による、あるいは分解による障害、そういうものはどのようにお考えになっておるのかお聞きしたいと思います。
○参考人(浅原照三君) それでは、いまの御質問に対してお答えを申し上げますが、先ほど少し私の言い方が悪かったのか、あるいは誤解されたかもしれないんでございますが、確かに油処理剤の分解性、これはいろいろな角度から実験いたしまして、海水中から取りましたバクテリアでそれを、まあこれは実験室的でございますけれども、分解実験をやりましたところ、大体八日目ぐらいで油処理剤、それからまたその場合はB重油でございましたが、両方ともほとんど五〇%近く分解する。これはかなりいい条件でございます、もちろん、培養基を入れておりますので。でございますので、かなり分解する。しかし、これはもう一般的の理念でございますけれども、そういうふうに炭酸ガスと水で、まあできれば好気性下で分解してくれると非常にありがたいことなんでございますが、炭酸ガスと水で分解するわけでございますけれども、芳香族系のものがわりあいに分解しにくい。これもまたほかの、東大の農学部の農芸化学の方々と協力いたしましてやりましたところ、そのようなバクテリアもかなり最近発達しておりまして、そのようなものも今後は次第に分解をするんじゃないかというふうに考えております。しかし、分解すれば当然発熱いたします。エネルギーが発散いたします。このエネルギーをどのように解決するかということは、今後のまだ課題になるかと思いますが、それほど大きな熱量ではございませんですが、いま先ほどの岡市先生がおっしゃったことに関連してお答えいたしておきます。 それから複合してと、まあ本当は複合という言葉は変なんでございますが、ただ朝日新聞の小説の有吉佐和子が複合汚染なんていう言葉を使うもんですから、そのほうがおわかりやすいと思ったんですが、私たち専門的立場から申しますと相乗効果と申しておりますが、現在のところは最もいい油処理剤の場合は、それはヒメダカのようなものでございますが、そういうふうなものの場合は大体先ほど申しましたように、かつてのジュリアナ号当時でございますと、拡散ということに重きを置き過ぎたためにかなり悪いということで、せいぜいよくて六〇〇PPmぐらいのところでもメダカが半数は死ぬというふうなことで、あのときは八日ぐらいでございますが、そのぐらいでやったんでございますが、現在はそれが二万PPmか三万PPmに上がっている。それがB重油三に対して処理剤を一程度加えてやりますと、その生物に対する影響力というものは、二万程度のものを使いますと、これは非常にこのデータの取り方は先ほども申しましたようにむずかしゅうございますけれども、三千PPm程度にまで落ちるものもございます。また中には八千から九千PPmという程度でとどまっておりまして、いずれにいたしましてもジュリアナ当時から考えますと、そのような相乗効果を考慮いたしましても十数倍の生物に対する影響力は低下しているというふうに考えていいのではないかと思う次第でございます。 で、今般の——それに関連事項でよろしゅうごさいましょうか、委員長、もう少し一それに関連いたしまして、別に私は企業側に立つ者でも何でもございませんですが、今般流出いたしましたC重油というふうなものと、それでは標準に使ったような、そういうアラビアのサウジアラビアでつくりましたスタンダードのB重油とどの程度違うか。むしろB重油の方が、スタンダードに使いましたB重油の方が全然脱硫も何もかけておりませんものでございますから、硫黄分も、それから全体の分子の大きさも、そういうものも幾らか大きな、標準に使ったものの方がむしろ複雑な性能を持っております。そのことは分析結果から——私たちの一般に市販されているC重油、それから脱硫いたしましたC重油、それからまた脱硫しないC重油、それからまた一般的に市販されているB重油というふうなものをいろいろ検討いたしまして、いろんな機器、たとえばNMRとか、いわゆる機器分析を行いました結果から見ましても、私たちの使いましたB重油と今般の流出いたしました、直接脱硫いたしましたC重油の間にはそれほど大きな違いはないというふうに考えられるわけでございます。
○内田善利君 消防庁にちょっとお聞きしますけれども、佐賀県のシェル石油の新佐賀油槽所の爆発事故の問題ですけれども、去る一月二十六日爆発したわけですが、私も行ってみまして、パイプラインの船の船着き場からタンクまでわずか三十二メーターしかないんですね。そこに直角に曲がっているところが九カ所もあるわけです。そこを油が通った後、重油系あるいは軽油系通った後、約二十センチの合成ゴムのボールを通しておるわけですね。そして追い出しておるわけですが、ちょうどボウリングのボールみたいな重さですけれども、五・八キロですか。それが直角になったところをドーンドーンと、こう上がっていくわけですね。そして油を追い出していくわけですけれども、あれを見まして、わずか三十二メーターのところに直角になったところが九カ所もあると、そういうところで、私に言わせれば、こんなことをしないでも船着き場からずうっと通したら一番いいんじゃないかと、そう思ったんですけれども、こういったやり方が果たしていいのかどうか。爆発事故によって壊れたところを見てみましたけれども、継ぎ目の溶接したところは非常にもろい。先ほどタンクのこともお聞きしましたが、継ぎ目がもろいわけです。中から手を当てますと、ひっかかるわけです。パイプの中を中からこうやりますと溶接した部分がひっかかる。そこをボールが通っていくわけです。そうしますと、ボールは帯電体ですからこれはもう静電気を帯びることは間違いない。警察庁のテストによりますと、五百ボルトぐらいに静電気がなったそうですが、そういう電気が発生すれば爆発するのは当然だと思いますが、こういったやり方いいのかどうか。それと、どこのパイプラインもそうですけれども、これはパイプライン事業法成立のときに問題になったことだと思うんですけれども、圧力をかけて油を移送するわけですね。沖繩の場合は二百五十トンです、一平方メーター当たり二百五十トンの圧力で米軍の基地に送っているわけです。グヮーといって音がするわけです。それから佐賀の場合もドンドンドンと通っていく間に非常に不安を現地の住民の方が覚えるような音がする、そういうことなんですが、こういったパイプラインのあり方、これも石油タンクのこういった機会に総点検をすべきじゃないかと、このように思うんですが、こういった点について消防庁のお考え、をお聞きしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 佐賀県のシェル石油福富油槽所におきます爆発事故の内容は御指摘のとおりでございます。それで、この船の着きますバースからタンクまで油を移送いたします配管の中におきまして——ピグ装置と言うようでございますが、油を移送し終わった後、残量の油をピグという合成樹脂製のボールを圧縮空気で押して取り除くという工程が用いられており、それが、そのピグを圧送し始めて面後に爆発が起こったという事実でございます。で、こういう形による残量油の圧送装置は相当あちこちで使われておるようでございます。また、その場合に水で押す場合、あるいは空気で押す場合といろいろあるようでございますが、しかしいずれにいたしましても、御指摘のように、この佐賀の場合には配管が非常に屈折をいたしておりまして、それが他に比べて少し極端ではないかという感じがあるようでございます。現在、佐賀大学の教授の応援も得まして、地元におきまして、いま使用停止を行い、原因をせっかく究明いたしておりますので、私どももその状況を逐一報告を受け、このような方式につきましての安全対策を早急に立てたいと思います。また、一般的にパイプラインにつきましては、先般来その技術基準についても定めたわけでございますが、一層その保安点検と申しますか、安全対策の強化を図ってまいりたいと、かように思います。
○内田善利君 最後にもう一言お尋ねしますが、そこの防油堀ですね、〇・八メーターです、高さが八十センチ土盛りしてあるわけですが、非常にこれでいいのかなと、一たん油が漏れたら、一番大きなタンクの容量の半分プラス全タンクの十分の一だけあふれたら、この防油堀大丈夫ですということなんですけれども、それは法規に従ってそういうふうになっていると思いますが、ああいう土盛りの八十センチの防油堀、これは法規であるならば改正する必要があるんではないかと、このように思ったわけですが、この点どうなのか。それから、ここのタンクをつくった住民の方にお聞きしたんですけれども、その工事に立ち会った、非常に下底が波を打っていたけれども、あれでよかったんですかねと、こういう話なんですが、薄い板を使うことは間違いありませんが、つくるときから底は波を打っていたと、ナンバースリーとナンバーフォアのタンクですけれども、最初からそういう波があるような、だれが見ても危ないなと思うような、そういうタンクがつくられているのじゃないかと思うんですけれども、こういう点に対する対策、こういった点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 防油堀の容量及び高さにつきましては、現行の政令基準で定めておりますものを早急に改善いたしたいと考えております。いままでは高さは、消防活動——消防ポンプ自動車なり化学自動車がタンクに火災が起こりました場合に消防活動に従事をする、そういう観点で高さをどちらかといえば一・五メートルに制限しておると、こういうふうなこともあったわけでございます。今回の事故にかんがみまして、これはむしろ、そういう観点ももちろん必要でございますが、流出事故に対応するという点に重点を置いて改善をいたしたいと思っております。 それから佐賀のこのシェル石油のタンクの建設段階の状態でございますが、その辺のところは私まだ十分承知いたしておりませんが、当該消防本部におきましては、この事故がありましてから総点検を実施をいたしまして、現在原因を調査するとともに、ほかの施設につきましても改善措置を指示するように検討中でございまして、私どもも地元の状況を十分報告を徴しまして遺憾のないよう図ってまいりたいと、かように思います。
○内田善利君 もう時間が参りまして申しわけありませんが、最後に一言大臣にお伺いしたいと思いますが、タンク問題と同じようにパイプラインも私は非常に危険性があると、特に工場内における、あるいは石油コンビナート内におけるパイプライン、これはタンクローリー車とかその他、移動するタンクよりも安全ということでパイプライン事業法によってできたわけですけれども、沖繩の例をとりましても、また今回の例をとりましても危険性が非常に大きいと、こう思います。特にエチレン系を基本とする。パイプラインにおいては十分点検をする必要があると、こう思いますが、こういった総点検についてはどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほども申し上げましたように、私ども、とにかく安全第一にすべての役所で考えていただかなければいけない立場でございますので、設置法には、環境保全のための私には一応関係行政機関に対する勧告権等もございますので、そうした意味でそれぞれ関係の機関の長に、御趣旨に沿うような、できるだけ安全対策を第一にするすべての施策を行っていただくようにお願いをして、事故の再発を防止するように徹底したいと、かように考えます。
○沓脱タケ子君 それでは最初に露木参考人にお伺いをいたしますが、朝からお伺いをいたしておりますと、三菱石油の事故で社会問題化しておると、まことに申しわけないとおっしゃっておられるわけですけれども、なかなか具体的にはお答えがなくて、事故原因についてもおたくの方では独自に究明はしているけれども、言うのは差し控えさせていただきたいと、こういうふうな形になっておるんですが、そういう社会問題化するような事故を起こして、本当に住民や被害者、損害を受けた人たちに対して全く申しわけないということで、誠実な態度で対処しようというふうにお考えになっておられますか。
○参考人(露木高良君) 先生のおっしゃるとおりでございます。誠実に対処してまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 で、私は、それでは被害を受けている人たち、あるいは近くに住まっておる地域住民の皆さん方が、今度の事故が原因究明がされないままできているわけですからね、しかも操業が続けられていっておるという段階では、またいつ何が起こるかわからないという不安を持っているわけですね。したがって、当然住民としても、これは原因究明について無関心でいられないというのが実情だと思うのですけれども、おたくの方では事故原因の調査については、政府のタンク事故原因調査委員会にお任せをしておるので、公的機関以外の方による点検や調査はこの際御遠慮を申し上げたいという御回答を「瀬戸内海の環境を守る連絡会」という住民代表の方々にお返事をなさっておりますけれども、それはどういう御見解ですか。
○参考人(露木高良君) 先生のおっしゃいましたそのとおりの御回答を申し上げておるんでございますが、これはいまのところ、国の調査の途中でございますので、差し控えさしていただいておるということでございます。
○沓脱タケ子君 いや、その点では自分の方で調査をしている点についても発表はしないと、特に、国会で聞かれてもお答えにならない。住民の皆さん方は大変毎日心配をしているわけです。ですから、ぜひ点検や調査についても住民も立ち入らしてほしいという要望をしておるんだけれども、これはお断りになっておる。公的機関以外のところは、この際は御遠慮申し上げたいとおっしゃっておられるんですが、公的機関というのはどこどこのことをおっしゃるんですか。
○参考人(露木高良君) 原因調査委員会でございます。
○沓脱タケ子君 そうしますと、事故原因調査委員会には要請される資料は会社側としては全部御提出になっておられますか。
○参考人(露木高良君) 全部提出しております。
○沓脱タケ子君 それでは事故調査委員会に提出をされている資料については国会へ御提出いただけますか。
○参考人(露木高良君) ちょっと私の判断ができかねますので、ひとつもし国会のほうで御必要ということでございましたら、事故調査委員会の方にお話をいただけないかというように考えますが。
○沓脱タケ子君 いや、私は特に露木参考人に申し上げておりますのは、原因究明の事故調査委員会を信頼しないというんじゃないんです。むしろ、一日も早く原因を究明をしていくという立場からいいましても、今後の防災体制の確立というのが急がれているわけですね。したがって、先ほどからの質疑の過程をお聞き及びのとおり、まだはっきりしてないわけですよ。そういうことでございますから、これは事故調査委員会でも鋭意御調査をいただく、国会の立場でも究明をしていくということで、一日も早く、これは究明をすることが必要であるというふうに思うわけでございまして、しかし住民には立ち入りを御遠慮していただきたいと、こうおっしゃっているんだから、国会には御提出はいただけますかと、こういうことですよ。
○参考人(露木高良君) 私もいま申し上げましたように、原因調査委員会の方ではまだ調査が中間段階でございますので、それに私どもだけでなくて、請負業者の方もそれぞれ先方からの御要求でデータを出しておるようでございますし、いずれにいたしましても、私どもの手からお出しをするのでなくて原因調査委員会の方にお求めをいただきたいというように思いますが、それでいかぬことになりますんでしょうか、よくわかりませんのですが。そういうふうに私、考えますんですが。
○委員長(鶴園哲夫君) 委員長が発言しますけれども、いま、御発言のように三つぐらいの会社が関係しておりますし、事故調査委員会でもやっておられますから、いまの沓脱君の資料の問題につきましては後刻理事会におきまして相談をいたしたいと思います。
○参考人(露木高良君) そのようにさしていただきます。
○沓脱タケ子君 これは私は事故調査委員会を信頼しないというのではなくて、一日も早く原因を究明し、その防災対策を確立するということのために、これは国会としても究明を急ぐ必要があるというたてまえでお願いを申し上げているので、その点お間違いのないようにお願いしたいと思います。 それから、もう一つお伺いをしたいと思いますのは、水島では新しいタンクが、比較的新しいタンクが裂けて大事故になったわけでございますね。そのほかの古いものを含めて、今後の防災体制をどうしていくかという点で、これは非常に重大な問題なんです。これはおたくだけではなくて、全国的に重大な問題なんですが、そこで、これは消防庁にお聞きをした方がいいのかと思いますけれども、午前中のお話では、これは自治省が中心になって三月中旬をめどにしてコンビナートの防災法というものを準備しているというふうなお答えがありましたけれども、午前中の質疑の中では、防災体制の内容がどういうふうに確立されていくかという点についてはもう一つはっきりしなかったんですが、どういう点、どういう点、どういう点が柱として検討されているかという点を少し具体的にお伺いしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) いわゆるコンビナート法という総合的な防災対策法を考えます場合には、まず第一に、政府の各省庁及び府県市町村がそれぞれ保安基準を定め、あるいは保安監督、措置命令を出すことになっておりますけれども、それが石油あるいは高圧ガスというふうなそれぞれの種類によりまして分かれております。分かれておりますことは、一面において専門的な分野からの技術的な検討を行ってやるわけでございますから、その面のメリットがあるということももちろん言えるわけでございますが、反面ばらばらになりがちで、その間の総合的な仕組みが確立されないというデメリットがあるわけでございます。そこで、そういう点をやはり基本的に総合的な保安基準なり、保安監督なり、あるいは保安防災計画なりがつくれるような仕組みを打ち立てるというのがこの法律の一つの基本的な課題ではないだろうかというふうに私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、現在個々のタンクにつきましては、消防当局機関が設置認可をしたり完成検査をしております。高圧ガス施設につきましては、通産大臣でありますが、都道府県知事に機関委任いたしまして、都道府県知事が行っております。それらを一括するということよりは、それはそのままむしろ強化をいたしまして、それらを総合的にながめるという、ながめて保安指導していくような体制を立てるというふうなことを中心に考えるべきではないだろうか。そうでありませんと大変膨大な保安法規になってしまいまして、動きがとれなくなるような感じも私どもとしてはいたしておるわけであります。 それからいま一つは、いろんな防災施設あるいは防災の人員でございますが、それにつきまして、現在企業もある程度の自衛防災施設を持ち、自衛防災人員を持っておるわけでございます。もちろん十分ではございません。地方公共団体も備えておりますし、また政府の海上保安庁その他の機関におきましても持っていただいておるわけでございますが、それらをさらに強化をしていくということをこの法律で一つの課題としてとらえたらいかがであろうか。その他いろいろございますが、基本的に大きな問題としては、私どもとしてはそういうふうな点を考えていきたい。そのほか各省からいろんな御意見が出ておりますが、それらをどう取りまとめていくかということにいま鋭意苦心をいたしておりますので、大要以上申し述べました。
○沓脱タケ子君 そうしますと、いまある各省に持たれておる権限を強化するということを中心にやっていくということですか。
○政府委員(森岡敞君) いまございます個々の法令によります規制は、それはその面で強化をしていかなければならぬと思います。先ほど来お話がございました、たとえば消防の守備範囲で申しますと、防油堀の問題がございますが、防油堀につきましては、いまの防油堀の容量とか高さを思い切って改善いたしまして、もっと防御する容量をふやすということを考えなければなりません。さらにまた、その防油堀が万一壊れた場合に二次防油堤といいますか、三次防油堀といいますか、そういう二重、三重の防御措置をやっぱり考えていかなければならないと思っております。そういうような面につきましては、個々の法令でその規制内容を強化をしていくということがぜひ必要であろうと、コンビナート法の方は、それではなくて各省庁及び各地方公共団体がやっております規制なり、あるいは保安計画なりというものを思い切って総合化していくような仕組みを考えたらどうであろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、内容につきましてはこれからでございますので、一つの私見として申し上げておりますので、御了承いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 そうすると、いまのお話を伺っておる範囲ではもう一つはっきり具体的につかめないわけですけれども、たとえばこういうのはどうするか。先ほどもお話が出ましたけれども、タンカーが接岸しているときに火災を起こした場合どうするか。で、これは近くのコンビナートのタンクなどに燃え移るという危険があるという場合、これは考えてみますと、実際上タンカーが燃えたときには海上保安庁でしょう。それが岸へ燃え移ったという場合にはこれは消防庁でしょう。あるいは接岸をしておる船に火が出て、それが岸へ燃え移るというふうな場合の対策はどうするかというふうなことですね。実際上権限がいまそれぞれのところにあるわけですから、そういう点などもコンビナート防災法というふうなものがつくられる場合には、そういった点が一体どうなるのだろうかというのが非常に心配になるわけですね。これはどうですか。
○政府委員(隅健三君) 海上の火災につきましては、海上保安庁は消火に当たります。消防庁との長官同士の協定をいたしまして、接岸中の船舶、それから造船所のように上架をしております船舶の火災につきましては、原則として消防庁の方でおやりいただきまして、海上保安庁がこれに御協力を申し上げると、それからさらにタンカーの火災については両者が協力してこれに当たるという、一応そういう原則の協定を締結いたしております。
○沓脱タケ子君 そうすると、今度のコンビナート防災法の法案作成の中には、そういった点は除外されるということでございますか。
○政府委員(森岡敞君) 現在の仕組みは、ただいま海上保安庁の方から御説明のあったとおりでございまして、いわば接点については相互応援協定という形で、いろいろな内容の措置を、対策を講ずるということになっておるわけでございますが、それが本当に機動的にいっているのか、問題はないのかという御指摘は、私はごもっともな面があると思います。したがいまして、これらの点もやはりコンビナート法を考えます場合に、さらに緊密な連携をとるような体制をどう考えるかという一つの検討課題だと思います。
○沓脱タケ子君 けさ、午前中、海上保安庁では監視船やしゅんせつ船を増強するというふうにお話がありましたけれども、どのくらいのトン数で、どのくらいの能力まで増強をして配備するのか、ちょっと具体的に聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(隅健三君) 午前中、海上保安庁が油監視のために航空機、船艇を増強するという御説明をいたしました。これにつきましては、五十年度の、ただいま御審議をいただいております予算におきましては、性能のいいベル212というヘリコプターを一機、それから二十三メートルの快速の巡視艇を二隻、それから油回収船と申しますか、油回収装置、これは一時間七十五トンと記憶しておりますけれども、アメリカ・ロッキード社製の、アメリカのポストガードが使っております機材を四十九年度に二機、それから五十年度に一機、そういうことで油の回収あるいは油の監視の増強を考えております。
○沓脱タケ子君 それでは時間が余りありませんのでもう一つ岡市参考人にお伺いをしたいのですが、午前中の陳述でお伺いをいたしましたが、油の流出による影響調査の中で、プランクトンに及ぼす影響あるいは沿岸の藻類に対する影響、そういった点などの御報告を伺ったわけでございますが、先ほども同僚委員からそれらを食べた魚の人体に及ぼす影響等が出されておりましたのですが、食物連鎖で短期間に濃縮されて、そうして魚介類によって人体へその影響を及ぼすというふうな点については、これはまあ現在の大量流出の問題についてはなかなか調査が十分ではなかろうとは思いますけれども、そういった点での想定はどういうふうなことでしょうか。といいますのは、たとえば水俣病の場合でも、あれは魚介類による食物連鎖によって濃縮されて人体に非常に被害を与えていっているというような経過からいたしまして、そういった点はどうだろうか、特に瀬戸内海というふうな対流する海域におきまして、しかも沿岸各地からは重金属その他の毒性物も相当な量で流入をしておるというふうな関係などを考えまして、そういった点ではどういうことが予想されるかという点についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(岡市友利君) いまの御質問に対してでございますが、まず魚がそういった重油成分その他のものを濃縮する過程でございますが、よく一般に食物連鎖という言葉が使われるわけですが、海水魚の場合には、むしろえらからやはり入る場合がかなりあるのではないか。それからもう一つは、海水魚はまことに奇妙なことですが、水を飲むわけです。いつも外の海水の方が浸透圧が高いために水が奪われる、その水を補給するのに海水をわざわざ飲んでいるわけです。そういった経路から入る異物というものもかなりあるのではないか。水俣病に関連いたしまして熊本大学などの調査では、やはりどうも食物連鎖だけでは説明のつかない濃縮過程がある、そういうことがわかっております。ですから今度の場合につきましても、ただ単に食物連鎖だけではなくて、直接入るような場合もあるのではないか。それから先ほど浅原先生から、油処理剤、非常に一定毒性になったと言われております。私もそれは化学的に事実だろうと思いますが、ただそういう油処理剤その他を使いますと、これはPCBなどの生物濃縮係数が十倍からときには百倍に高まることがあるという、報告を——報告といいますか、実験を東京水産大学あたりでしております。そういう意味ではかなり問題があるのではないかと思います。ただ現在の流出重油については、いまのところ私たちはプランクトンに濃縮されて、それがしかも魚に移行しているという科学的なデータは得ておりません。そういうことでございます。よろしゅうございましょうか。
○沓脱タケ子君 私はそういったまだ原因も十分つかめないというふうな中で濃縮がなされていくというふうなおそれがあるとすれば、これは当然系統的に、継続的に調査をやっていくというふうな機関が必要ではないだろうかというふうなことを思うのですけれども、それはどうでしょうか。
○参考人(岡市友利君) 実はもちろん環境庁、水産庁等でも、その調査を続けているわけですが、文部省の方でも、これは岡山大学の学長が中心になりまして、瀬戸内海環境改善に関する総合的研究という大きな研究班を組んでおります。その中に重油汚染による瀬戸内海東部海域における生物環境変化に関する研究というのをつけ加えてもらいまして、四十九年度三百万、五十年度三百万と、そういう形で研究が継続できるように現在されております。五十年度以降についても私たちはやはりこの研究は必要であろうと、そういうふうに考えております。
○沓脱タケ子君 最後に、環境庁長官にお伺いしたいんですがね、これはいまも、将来的な追跡調査というのは当然必要だろうということが参考人からの御意見で出ておるわけですが、これに関連をいたしまして、先ほどから絶対にもう油は流さないように、危険を防除するようにというふうに長官は力説をされているんですけれどもね、私はこの機会に、瀬戸内海の臨時措置法によって、いま継続中ですけれども、実際に瀬戸内海の汚染源になっておる点、これはもう一遍見直して対処し直さなければならないのではないかという気がするわけです。その点で一つは、たとえばあれですね、きょうはもう時間がありませんから細かく伺うつもりはないのですが、たとえば瀬戸内海地域へ輸入されている原油量というのは、昭和四十九年では全国で二億七千万キロリッター、瀬戸内海は全国の約三分の一陸揚げされているんですね、瀬戸内海各港へは。九千万キロリッターなんですよね。これが大体船で、タンカーで運ばれて、全部吸引をされるとしても、これ厳密に見ても〇・一%は洗浄水の中に残るというふうに言われているわけです。そういうことになってきますと、九千万キロリッターなんですね。だから、その〇・一%だから九万キロリッターというふうなことにもなるわけですよ。そういった点で、たとえば船舶から出る油類、これの管理の問題ですね、これは港湾の問題ですよ当然ね。これは環境庁の監視下にないわけです、管理下に。そういう問題、あるいは陸上からの、いわゆる油類の工場廃液についての処理の問題ですね、これも一つずつ言えばずいぶん矛盾があるわけですね。陸上での廃液の責任は厚生省でしょう、実際にはね。産業廃棄物という点では厚生省が管理するというふうなかっこうになってしまっているわけです。そうして環境庁は海水の水質汚濁だけが問題になっているわけです。こういう形だけで、瀬戸内海の臨時措置法だけでは、これはまあ継続してこのままやったんではとてもじゃないが瀬戸内海の汚染を防止するということ、あるいは美しい海を守るというようなことは不可能だと思うんですけれども。片やコンビナート防災法を総合的な観点でつくろうという時期なんですね。そういう時期に際して、瀬戸内海の汚染防止について環境庁としては、それらの汚染源、すべての状況の汚染源をひとつチェックして見直して対策をとる必要がないかどうか、私はぜひ、あると思うんですけれども、長官の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 基本計画をつくりますことがこの法律のまず第一の命題になっておりまして、私どももその審議会を過般二十一日に開きまして、諮問をいたしました。一方、御承知のとおり調査を進めております。それから瀬戸内海を汚染する原因になるべき工場排水なり、生活排水なり、あるいはまた海上の油濁の問題なり、陸上の施設から出るそうした有害といいますか、その汚濁の原因になるものについては、いま先生のおっしゃったタンカーの〇・一%になるのか、私知識はちょっと持ちませんけれども、そういういわば廃油の処理、最後のですね、そういうものは、あるいは陸上にそれぞれ廃油施設を持って、そこへまとめることができないのか、いろんな問題ありましょうけれども、とにかくいずれにしても、この審議会でいま先生のおっしゃったような点も含めた十分検討をやっていただきまして、計画をつくっていただきたいと思って始めたわけでございます。ですから、私どもとしては、臨時措置法そのものを強化していただくことについては、実は私着任以来、何とかあの法律をもう少し強化できないかといろいろ事務当局とも話をしたのですけれども、まあ研究してみましょうということでいま作業を実は進めております。しかし、これは議員立法でございますので、一方、私、各党の皆さん方にもぜひ御検討も願って、それから成立の過程のことをちょっと承っている範囲では、いま先生がおっしゃったようなこともいろいろ議論になったと、しかし、まあ結論としてああいう形に落ちついたというふうにも聞いておりますので、これから私どもも勉強して何とか瀬戸内海のこの環境保全臨時措置法の強化を図っていきたいと思って検討いたしておりますから、また、衆参両院の当委員会の先生方においても御検討願いまして、相協力してひとつ、強化する方向には私ども賛成でございますから、いろいろ検討を願えれば幸いだと思っております。
○近藤忠孝君 最初に、岡市参考人にお伺いしますが、私も見てまいりましたけれども、今回の水島流出事故によりまして油の到達した海岸という海岸、まあ濃淡の差はありますけれども、潮の満ち干の幅だけなっていますね。その油の生物などへの影響がどうなのか、またこれを除去することが可能なのか、この点についての御見解を聞きたいと思います。
○参考人(岡市友利君) 現在、海岸に漂着した油のうちで岸壁についた油と、それから砂だとか砂れきの下にもぐり込んだ油と二つ考えられるわけです。で、いまでも、たとえば浅瀬を大きな船が走りますとスクリュウに巻き上げられまして、その油の、これはまあ油塊まで大きくはありませんが、小さな、径にしますと一ミリとか、そのぐらいの油のかたまりが下から浮いてまいります。そういうものが出てまいりますと、これからいろいろな魚なりエビ、カニ類の子供がふ化してくるときにまず第一に付着すれば、まずこれは、そういう小さな生物の生育は全く阻害されるというふうに思いますし、それから少しずつ水温が上がってきますと、その中の可溶性成分が出てくるのではないかという心配をしております。で、岸壁その他についた油にしましても、これはただそのまま、油の性質のままついているのではなくて、やはり自動酸化なり鉱酸化を受けましていろんなものが出てくるだろう。そういうふうな物質が一体どんなものであるか。これはまあ浅原先生のほうでも分析されるようでございますが、私たちも、そういう物質の中に魚なり人体に影響のあるものが含まれる可能性があるのではないかということで研究は進めております。で、これからの三月から五月ぐらいにかけてのそういった海洋生物のふ化期について非常に懸念はしております。
○近藤忠孝君 除去の可能性はどうでしょうか。
○参考人(岡市友利君) どうも失礼いたしました。 で、除去の可能性につきましては、現在、方々で砂はすくい取ったりなんかしておりますけれども、これが本当に、香川県では場合によっては百五十キロとか二百キロとか言われておりますが、その海岸線全部が果たして可能なのか。しかもそれが、ただ単に陸上に上がった部分だけではなくて、水深にしまして一メートルとか二メートルとかいうようなところにも油が入っているようでございます。私たちも早急にそれを除去する可能性を考えたいというふうに思いますが。
○近藤忠孝君 現在の段階では研究中ということですね。 次に、露木参考人にお伺いしますけれども、先ほどから被害に対して誠意をもって補償すると、こういった意見が出ておりますけれども、しかし、その補償の根拠として法的責任があるとお考えになって、そして補償していくつもりなのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(露木高良君) 法的責任の問題、たいへんむずかしい問題でございまして、私どもといたしましては、とにもかくにも事故の責任者でございますので、補償に誠心誠意当たるという気持ちで取り進めております。
○近藤忠孝君 法的責任がむずかしいとは大変異な御意見でありましてね、これは民法七百十七条に土地の工作物の設置、保存の瑕疵、こういう規定がありますね。もう当然検討していると思います。これにそのものずばり当たるのじゃないですか。そういうふうに、私は過失であると思うのです。その点いかがでしょう。
○参考人(露木高良君) その問題、いろいろ私どもも考えておるところでございますが、あの法律の具体的な事例と申しますか、過去の判例と申しますか、そういうふうな関係も、こんな大きな事故がございませんので、どういう範囲にどういうことになるのか、その辺も私も法律の専門家でもないものですからわかりませんのでございますが、社内で申しておりますことは、いずれにしましてもそういう問題はさておいて、とにかく事故の当面の責任者でございますので、あくまでも誠意をもって補償に当たっていくのだと、こういうことで社内としては考えております。
○近藤忠孝君 これは大変大事な問題なんです。これはいまのところは企業として負担が可能な範囲の補償要求ですね。しかし、だんだんこれは、いまもお話のあったとおり、これはものすごい損害ですよね。果たして企業として通常の方法で負担できるかできないか、こういう問題が出ましたときに、法的責任があると思って責任を負うというのと、そこははっきりしないけれども、とにかく払いますというのじゃ、恐らくその段階によって違うと思うのです。恐らくいまのお考えでは、そのときになったら法的責任はないから、わからないから払えないと言って一定の時期から逃げてしまう可能性さえあるのじゃないかと思うのですよ。 そこで、私はいまの段階に改めてお伺いしたいのです。これほどはっきりした民法七百十七条の規定に該当すると考えているのか、しないと考えているのか、どちらですか。
○参考人(露木高良君) 検討をさしていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 これはすでに本年一月の農林水産委員会におきまして、私、農林大臣に質問したのです。そうしましたら、農林大臣は法的責任あると、民法上の責任あると言ったのですよ。しかし、私は企業は恐らくそうは言わぬだろうと、もし企業がそう言わなかったとき、あなたどうするのかと聞いたのです。そうしたら、そんなことないと言うんですよ。じゃ、あなた責任負うのかと言ったら、責任負いますと言うのです。しかし、いまあなたのお考え聞きますと、わからぬということでしょう。法的責任があるかないかわからぬと言うのです。そういうことは間違いないですか。そうしますと、私、今度農林大臣にもう一度聞かなきゃならぬ。この点、いまあなた国会の場で、法的責任はわからぬという立場なのかどうか、この点明確にしていただきたいと思うのです。
○参考人(露木高良君) 法的な責任が、いまの先生のおっしゃる民法上のそれがあるかないかということを、実は私専門外の者ですからちょっとここでお答えがしにくいのでございますが、ただ繰り返すようでございますが、社内的には、とにかくいろいろと問題もあろうけれども、事故の責任者なんだから、誠意をもってとにかく当たるのだと、こういうことで終始して現在おりますので、その点につきましてはさらによく検討をさせていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 払うのはあたりまえの話であって、問題はどこまで本当にあなた方が責任を負うつもりでおるのかどうかということが問題なんですよ。その場合に、法的義務がありと思って負うのと、そこはともかくわからぬけれども、しかし、そのくらい払いましょうと、これでは被害住民安心できません。いついかなるときに会社がそっぽを向いちゃうかわからぬ。だから私聞いているのですよ。しかし、いまの段階では、法的責任についてはわからぬというのが正式に国会に対する御意見であると、こうお聞きいたします。よろしいですね。
○参考人(露木高良君) 検討さしていただきますというお答え……。
○近藤忠孝君 だから、しかしいまわからぬということでしょう。
○参考人(露木高良君) はい、そういうことでございます。
○近藤忠孝君 現在の段階ではわからぬということでしょう。
○参考人(露木高良君) はい。
○近藤忠孝君 事はきわめて重大なことでございますので、これは引き続き問題にしていきたいと思います。 それから、先ほど沓脱委員の質問に対して、住民の調査の問題でありますけれども、国の調査の段階だから住民の代表の調査はお断りしていると、こういうことでありますね。これは、何か国のほうから、国が調査しているんだから住民代表入ってもらっちゃ困るというようなこと言われているのですか。
○参考人(露木高良君) 特にこちらから照会をしたわけではございませんので、そういうことを言われてはおりません。
○近藤忠孝君 そうしますと、これは三菱石油独自の判断であると、こうお聞きいたします。
○参考人(露木高良君) そうでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、なぜ被害者である住民が入ってくるのをお断りになるんでしょうか。
○参考人(露木高良君) 先ほどのお答えを繰り返すようでございますけれども、事故のタンク、これはまだ調査中ということでございますので、一切のほかの方からの御要望がありましてもこの際は御遠慮をさせていただきたいと、このように考えております。
○近藤忠孝君 具体的に調査の日がダブって、そして具体的な差しさわりがあるというのだったら具体的に断れるわけです。しかし、いまのお話ですと、全面的にお断りになっていると、しかし、住民にいたしますと、被害者にしますと、どうして自分たちがこんなひどい目に遭ったのか、その原因を究明をしたい、これはあたりまえの話です。それを拒否するということは、いわばそういう被害者に対して、被害者の立場からの原因究明をあなた方がお断りになっているということになると思うのです。この点ではすでに前例があります。三井金属神岡鉱業所が、これまた、イタイイタイ病の被害者が何度行っても全部断りました。しかし、裁判終わったあと協定結びまして、もういついかなるときでも住民代表が来たら入れると、その費用は会社が負担するという協定結んだんです。私は三井にできて三菱にできないはずないと思うので、三菱もぜひともこれは住民の皆さんの代表の調査をさせるように要望したいと思うのですが、いかがでしょう。
○参考人(露木高良君) 現在のところ御遠慮をさせていただきたいと思いますが、重ねてのお話でございますので、検討させていただきます。
○近藤忠孝君 次に、損害の範囲でありますけれども、漁民の皆さん、海事検定協会の鑑定を依頼しておるようです。会社のほうもそれなりに調査をしておるようでありますけれども、この損害の範囲ですが、当然漁業として得べかりし利益ですね、これを補償すると思うのですが、そのほかに慰謝料までもお払いになるおつもりがあるかどうか、この点いかがでしょう。
○参考人(露木高良君) 明確に慰謝料というような形でお支払いするかどうかということはまだ考えておりません。ただし、この海事検定人の検定結果が出ました段階で、漁業組合さんのほうとよくお話をして最終的にはお決めしようと、このようにお話し合いをしてございます。
○近藤忠孝君 この点も大事な問題でして、当然補償の話のときには重大な問題になります。そして日本海事検定協会の鑑定書というのは、これは漁業そのものに対する被害、要するに得べかりし利益に対する被害の鑑定です。当然漁民の皆さんはそれ以外に、たとえばこういう検定協会へ依頼した手数料とか、あるいは会議費とか、漁協自身の調査費とか、それに加えて慰謝料、こういったものを要求すると思うのですけれども、それに対して基本的にどういうお考えで臨むつもりか、その考えをお聞きしたいと思います。
○参考人(露木高良君) ただいまの先生のお話の中のいろいろな経費類のことも、すでに漁連さんのほうからもお話が出てございまして、そういうものも含めましてお話をこれから最終的にしてまいるということになっております。
○近藤忠孝君 昭和四十八年一月十日に、水島沖で座礁したクリスタルコブス号というタンカーの事故がありましたけれども、この点は御存じでしょうか。
○参考人(露木高良君) 聞いてはおります。
○近藤忠孝君 聞いているどころじゃなくて、これは大変な被害が出た事件でありますけれども、油の買い荷主、これは三菱石油水島製油所です。この点は御存じですか。
○参考人(露木高良君) 承知しております。
○近藤忠孝君 要するに、あなたのところへ行くタンカーが座礁して、そして大量の油を流して漁民に被害を与えたという、こういう事件です。この事件の扱いでありますけれども、先ほど私が申し上げたとおり、日本海事検定協会の鑑定を得まして、そしてその額が五千七百八十一万ですね、それに先ほど言ったいろいろのものを加え、慰謝料も加えて八千万余の請求書を出した。ところが、実際には鑑定だけしか払わない、こういう事例が現にあったわけです。大変漁民の皆さん不満です。あなた方がこういう前例を踏んでいくのかどうか、この点についての御見解を聞きたいと思うんです。
○参考人(露木高良君) クリスタルコブスの方は私の方に入る油でしたのですが、補償の当事者は船の方ではなかったかと思うんですが、私ども今度の事故につきましては、そういう前例を余り考えずに漁連さんの方と十分に話し合って決めていくということで、すべてお互いに十分納得してやっていくという立場をとっておりますので、御了承いただきたいと思います。
○近藤忠孝君 その部分はたいへんけっこうなお答えでありますのでいいと思うんですが、ぜひ慰謝料分も十分にお考えいただきたいと思うんです。ただ、やはり漁民にとりましては海の破壊というものは今後永遠に続く生活の破壊につながっていくわけで、その点に対して全然見ないというこの場合の船会社の態度、これは大変いかぬということでありますので、こういう前例は決して踏まないようにということを要望したいと思います。 次に、事故発生の原因についていろいろお話がありましたけれども、一つは監視体制です。先ほどお話しのように人間によるパトロール、これが唯一の監視方法だというぐあいに受けとめているわけでありますが、自動警報装置などこれを設けて、常時完全に監視できる体制、これをつくるお気持ちがおるかどうか、この点いかがでしょう。
○参考人(露木高良君) 先ほどもちょっと触れましたのでございますが、県や市の方からも自動警報装置のことにつきまして御指示をいただいているようでございます。その点について現在検討を進めております。できるだけそのような方向にしたいと思っております。
○近藤忠孝君 消防庁にお伺いいたしますけれども、こういう自動警報装置は現段階の技術で可能な状況にきているのかどうか、この点いかがでしょう。
○政府委員(森岡敞君) 自動警報装置につきましては、いろんな施設につきましていろんな型の自動警報装置がございますが、あらゆる事故を全部漏れなく自動警報装置に統一的に乗せるということは、私は技術的にはちょっと問題があるのかもしれないと思います。しかし、いずれにいたしましても目視、目で見るだけでしか監視をしないというのは不十分な点がございますので、できるだけ広範囲な部門につきまして自動警報のシステムができますように技術的にも検討し、また法令的な改善もそれに応じて考えてまいりたいと、かように思います。
○近藤忠孝君 私、昨日消防庁の方にお伺いした点によりますと、タンクから油が減っていく、いわゆる目減りによって警報していくということは大変困難であって、いまの技術ではむずかしいんだと、要するに流出のことを常時監視することが困難なんだという話を聞いたのですよ。その点いかがでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 現段階では技術的にむずかしい面があるのではないかと思いますが、技術のことでございますので可能な範囲内で研究をしてみると、できるだけ研究をしてみるというふうに私どもとしては考えたいと思います。
○近藤忠孝君 そうしますと、先ほど露木参考人が言われたことは研究中のものをつけるということになるのですわね。まだいまのところは完成してない、むずかしいという話なんです。そうしますと、簡単に消防庁などの御意見に基づいて設置しますという意見でありますけれども、現実それが具体的な可能性がまだできてないということになりますと、結局はできるまでは今後も人の目で監視する以外にない、そういう結果になりますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(露木高良君) 何か従来のは非常に幅の広い範囲の警報の装置のようでございましたのですけれども、それをもう少し幅を狭めまして、断続的にはなりますけれども、ある範囲にいったときには警報が鳴るというような形ができないかどうかということを検討しているようでございます。私も技術的なことをそれ以上ちょっと詳しく存じませんのですが。
○近藤忠孝君 ともかくもまだ検討中であって、具体的にいつどういう完全なものができるという段階じゃないと思います。ですから、まだしばらく国民としてはほんとうに心配しなければいかぬと、こういう事態であるということが明らかになったと思います。 そこで、さらに次に入りたいと思いますが、今回の水島の流出事故は、いわば急激に一気に大量のものが出たという点では、いわば急性の汚染ですが、同時に、先ほど来お話しのとおり慢性的な汚染です。ずいぶんあるようです。これが合致して本当にいま深刻な事態になっているようでありますけれども、これは海上保安庁のデータによりますと、毎年毎年大変に海洋汚染事故がずいぶん起きています。その中で一番瀬戸内海などは油によるものが多くて、たとえば昭和四十三年ですと、油によるもの三十六件、四十四年は六十三件、四十五年は百十四件、四十六年は二百五十三件、四十七年は四百八十件、その後のデータはちょっとここにありませんので、もっと多くなっていると思うのでありますけれども、ともかくも件数は瀬戸内海だけで全国の——全国が全部で二千八百八十三件、確認されたものだけでですね。ですから二七%、約三〇%近く瀬戸内海で油流出事故が起きている、こういう状況に現在あるわけでございます。そこで、果たしてこういう油の流出について海上保安庁として十分取り締まっているんだろうかどうか。先ほどもお話がありましたけれども、現実本当にこれがわかったものはごく一部であって、わからないものはたくさんあるし、現実に取り締まれない状況じゃなかろうかと思うのでありますけれども、その点いかがでしょうか。
○政府委員(隅健三君) 海上保安庁におきましては、各保安部、保安署におきまして、一つは陸上からの排水口を定時的に検査をいたしております。それから海上におきましては、午前中にお答えいたしましたとおり、一日に二回固定翼あるいはヘリコプターをもって空中から監視をいたしております。 なお、海上交通安全法の施行を兼ねてはおりますけれども、二十四時間、巡視艇を瀬戸内海では明石海峡あるいは備讃瀬戸、来島海峡のところに配置をいたしておりまして、これが公害監視に目を光らしております。そういうことで船艇の増強をするに従いまして、またわれわれのいろいろの訓練と申しますか、教育成果が上がるにつれて、この発見の件数がふえてまいっております。今後ともさらに一段の努力をしたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 確かに検挙の件数などもふえていることは事実のようであります。しかし、私はこの検挙している状況あるいは監視できる状況は本当にごく一部なんだろうというぐあいに考えるわけです。 そこで具体的にお聞きしたいのですが、実際油流出事故その他海上における事故が発生した場合に、その状況が直ちに海上保安庁の方に通報される体制になっているのかどうか、この点いかがでしょうか。ということは、具体的に船長から——油を流した船長はわかりますね、船長から直ちに海上保安庁の方に報告されることになっているのかどうか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(隅健三君) 海洋汚染防止法第三十八条によりますと、大量の油が排出の場合には、この油を積載していた船舶の船長、あるいは船舶の中にいる者、あるいは油が管理されていた施設の管理者は、直ちに海上保安庁の事務所に通報するということでございます。そのほかに、われわれは海上汚染防止モニター制度を採用いたしておりまして、各漁業組合等にお願いをいたしております。それから最近はタンカーあたりの事故は、座礁あるいはタンカーが事故で油が漏れた場合には直ちに最寄りの保安部署へ通報がございます。そういうことで、意識的に油を流すという故意犯は別といたしまして、その体制は次第にでき上がっているんではないかというふうに思っております。
○近藤忠孝君 法のたてまえではそういうことになっているようでありますけれども、私の調査によりますと、聞いてみたのですが、そういう流出事故が起きた場合に船長はどうするのかと聞きますと、まず真っ先にやることばエージェントすなわち保険代理店に通報するのです。そして、この保険代理店が保険会社、海上保安庁、船主にそれぞれ通報するでしょう。ちゃんとここで聞いてきたのだから間違いないと思います。となりますと、ずいぶん通報がおくれるのじゃないかということがまず第一点。 それからもう一つ、最近外国籍の船がずいぶん入ってます。年々ふえております。そうしますと、外国の船長ですね、日本の言葉はわかりませんね。果たしてうまく報告できるんだろうか。こういった点で、実際に事故が起きてからも通報までに時間がかかる、あるいは通報しないで逃げてしまう、そんなものがずいぶんあるんじゃなかろうか。この点の実態についてどういう把握をしておられるか、いかがでしょう。
○政府委員(隅健三君) ただいまの、まず保険の代理店に通報するということでございますが、大型の船がそういうことをしているのかもしれませんが、少なくとも小型の船が過失によって油を流した場合には、やはり最近のこういう情勢で直ちに海上保安庁の部署に連絡をしてまいってきております。それから原因不明の流出油がございました場合には、やはり付近を航行しておりました船舶の調査、それからその油を採取いたしておきまして、それの成分の分析、これは後ほど容疑船が挙がりました場合に、その油を照合するためにその油を取っておりますけれども、航空機あるいは巡視船艇によりまして、原因不明があったときには、その油がどのぐらいの濃度の油で、どのぐらいの範囲に広がっておるかということは、直ちに本部の方へ通報されるシステムになっておりまして、これが相当の場合には全管区に、あるいは関係管区に通報が直ちになされる体制になっております。
○近藤忠孝君 体制になっていることはわかっておるんです。しかし、実際そうなってないところに問題があるので、私は先ほどの一つの例を申し上げたんでありますけれども、今後ますます船が大型化になり面すし、十万トン、二十万トン、三十万トンという船が入ってまいります。そうなりますと、いまの話だと小さい船は報告が可能でありますけれども、しかし、大型はそうなっていない。むしろ保険会社を通じてくるということで、保険代理店を通ずるというようなことになりますと、これはますます大変になってくると思うので、ぜひこの点に対するこれからの指導、そして規制ですね、少し厳しくやっていただきたいと思います。 そして実際そういう状況ですから、こういう油流出その他の事故について原因不明が本当に多いんです。これは先日香川県から入った報告書によりますと、昭和四十年以降でありますけれども、こういうデータになってます。昭和四十年には流出で報告された件数が四件中四件とも不明である。四十一年は報告件数五件中不明四件。四十二年は五件中三件不明。さらに四十五年になりますと、八件中六件不明。四十六年は八件中四件不明。四十七年七件中四件不明。四十八年は九件中四件不明。この辺、四十八年ごろは大体大型化してきておることもあるかと思いますが、こういう不明件数が本当に多いんです。これは何も瀬戸内海、香川県だけじゃなくて、愛知県でも調べてみましたらば、昭和四十八年一年だけの報告でありますが、十件の報告中八件が不明になっています。これはやはり海上保安庁の監視体制が、たてまえと実際、本当に違うという実例を具体的に示していると思うのでありますから、よけいこれに対する対策をとっていただきたいと思うわけであります。 少し時間がありましたので、最後にお聞きしたい点は、こういう背景はこれは本当に輸入原油量の増大、いわば高度経済成長に伴ってコンビナートがどんどんでき上がってきたということにあることは明らかです。それに従って船舶の増大です。そして、さらに海難の増大ということだと思うのです。先ほどもお話ありましたけれども、銀座通りだと言われておるわけでありますが、まあ陸上の銀座通りではたまに歩行者天国があるわけですが、海はないんですもんね。逆にタンカー天国のようです。これもきのう調査してわかったんですが、十万トン以上のタンカーが入ってくる場合、漁船は全部どくそうですね。漁船を全部どかしてタンカーが入ってくるわけです。これはまさにタンカー天国ですよ。で、こういう状況があるわけでありますけれども、これに対して海上保安庁は実際どういう体制をとっていったらいいと思うのか、事故をなくすためにどうしたらいいと思うのか、この点についての見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(隅健三君) ただいま漁船が全部のくというお話でございました。これは大型タンカーが海上交通安全法に定めます東京湾の浦賀水道を初めといたしまして、瀬戸内海では明石海峡、備讃瀬戸、来島海峡、水島航路というような十一の航路を航行する場合には、漁船が一応退避するということになっておりますが、そのためには前の日の正午までに航路の航行予定時間を海上保安庁に通告させます。それから事前にわれわれは出漁しております関係漁協を通じて、こういう船が何時に通りますよということを通じまして、漁船の操業の安全をはかるとともに、各航路に巡視船艇を全部出しております。それから大型タンカーにつきましては警戒船をそれぞれの船会社がつけております。これが事前に、ただいまから巨大タンカーが来る、巨大船が来るという通知をして避航をさせていただいておりますが、しかし一方、先生もおっしゃいましたように、海上は船舶交通の場であるとともに漁業の操業の場でもございますので、この両者の調整をはかるために水産庁の方にもお願いをいたしまして、漁業操業安全協議会というものをつくっていただきまして、通航船舶の動静など出漁船にあらかじめ通報いたしまして、操業、避航についてのいろいろの指導をお願いをしております。
○近藤忠孝君 実際、瀬戸内海の特に狭水道、狭い水道ですね、ここにおける事故は特に多いようですね。全国の四〇%もあるという。これは海上保安庁の記録によってそうなっておるわけです。これは結局は三菱石油など瀬戸内海沿岸にできたコンビナートに入っていくタンカーなどの巨大船、それがどんどん数がふえてくる。時間ないので統計は申し上げませんけど、これはものすごい数であります。トン数はますますふえていく、ますます大型化しているという、そういう実情だと思うわけです。 そこで、最後に環境庁長官にお伺いしたいんでありますが、こういう状況の中では、一方では石油の九十日備蓄、これを行う、ということで現に予算もつけられております。予算が合計八百八十五億円もついている。こういういま申し上げたような危険な状況、陸上のタンクなどに対する監視体制の不備、それから小平委員が指摘した港湾における体制の不備、そしてまた海上における全くほとんどは不明になってしまう、原因不明で放置されているような、こういう海上における監視の不備、そういう中にどんどんどんどんタンカーが入ってきて、しかもそれがコンビナートに積み込まれていく。こういう状況の中で、このような石油備蓄をこういう予算をつけて進めていいんだろうかどうか、これはぜひ環境を守る、こういう立場からこれについての検討の必要が、再検討の必要がありゃしないか、この点についてのお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、石油備蓄の政策を環境庁からこれを一切とめてしまうというわけにもなかなかいかない、権限もございませんで、ただ、たとえば東京湾とかあるいはいまの瀬戸内海とか、そういうような閉鎖的な、比較的閉鎖的な、しかも汚濁が非常にいままでの実績から見てもあるようなところについては、この立地の場合にひとつできるだけ下げていただくように私どもの立場からお願いをして、特に瀬戸内海についてはもうこれ以上ふやしてもらわないように、できるだけのひとつ努力をしてみたいと思っているわけでございます。全国的に見てその結果どういうような立地の適地があるのか、私よくわかりませんけれども、少なくとも大事なこの瀬戸内海については、もうこれ以上考えてもらいたくないという気持ちで、ひとつ通産その他関係の方面にあらかじめ申し入れをして善処してもらいたいと考えておりますので、本当にこの海上油濁の問題は実に頭の痛い問題でございます。全部航行を禁止するわけにもいきませんし、そうかといってなかなかとらまえにくいような汚濁の事故が相当ございます。やはり各省庁の持つ法律上の権限と行政の能力で最大限努力をしていただきまして、何とかひとつそういうことのないように、だんだん減るように、皆無になるように努力をしてもらう以外にありませんので、今後もひとつ環境庁の立場では十分私も内閣全体の問題として考えていただくようにこれからも努力をしていきたい、かような決意でございます。
○近藤忠孝君 どうも大変弱々しい発言でしてね、通産省の方はだれかやろうと言うのに、環境を守る先頭に立っている長官がそういうことでは本当に心もとないと思いますので、ぜひ体を張ってやっていただきたいと思います。と同時に、もう一つ先ほど露木参考人が言ったあの事件について法的責任があるかどうかわからない、こういう見解でありますけれども、これは安倍農林大臣ははっきりと法的責任があるという立場で進めていると言っているのですね。いまこういう発言をお聞きになって一体どうお考えなのか、この点についての御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 民法の規定を具体的にこの一つのケースで適用できるかどうかの判断は、やはりこれは最終的には司法当局がやるべき問題だと思います。私も法律はかつてだいぶ前に習いましたけれども、先生のような日常法律の番人としていろいろやっておられるような方と違って、いま私、的確に法律解釈のあれを申し上げることはできませんが、私は、民法上のやっぱり責任は故意または過失による責任ということになるわけでございますので、したがって、その場合に、果たして今回の事故が故意または過失というものをどこでどういうふうに判断をしていくかということになりますと、これはやはり専門委員会におけるこの事故の調査の結論を十分見た上で、やはり判断をされていくのじゃなかろうかと思います。ただ簡単にPPPの原則という、これはまあOECDのあの原則は、いわば公害防止のための負担というものを、公害防止を積極的に進めるための非常に大きな担保の問題としてあれが出ておるわけでございますので、即そのままある一定の事故による財産被害、公害の財産被害について全部適用できる問題でもありませんし、やはり司法当局が責任を持った判断をすることによって、どちらかの結論を出すべき問題だと思いますので、いま私どもが専門家でもない、その責任にある地位でもないのに、ここで民法上の責任があると、あるいはないという判断をすべき問題ではないので、やはりこれは法務省当局に十分私も聞いてみますけれども、そういうところで公の立場で明確に判断をすべき問題だと思いますので、環境庁の長官として、民法上の解釈について、この場合の確定的な解釈の見解を申し上げるわけにはいかないということはこれは先生も御了承願えると思います。
○近藤忠孝君 終わりますが、農水の議事録をごらんくださいよ、私はその問題だけで十五分間やったのですから。ひっくり返し繰り返し危ないと思ったから本当に何回も繰り返したのですよ。そのときは大丈夫だと言ったのですからね。閣内不統一ですよ。ですから、これは農林大臣が法的責任ありと言って、環境を守るべき環境庁がそうでない、わからぬという、こういうことでは大変不満であります。しかし時間がありませんで、私の質問はこれで終わりますが、ぜひ農林大臣と同じ立場に立って、閣内自身を統一していただきたいということを申し上げて質問を終わりたいと思います。
○委員長(鶴園哲夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。 参考人の方々には長時間にわたり御出席いただきまして、まことにありがとうございました。感謝申し上げます。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査のため、三月七日、参考人の出席を求め、石油コンビナートの環境保全に関する件についてその意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、なお、その人選等につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十八分散会 —————・—————