公害対策及び環境保全特別委員会 第2号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/19
会議録
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本日の委員会に参考人として、公害防止事業団理事長熊崎正夫君の出席を求め、同事業団の事業及び予算について説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 公害対策及び環境保全の基本施策について、小沢環境庁長官から所信を聴取いたします。小沢環境庁長官。
○国務大臣(小沢辰男君) 第七十五回国会における参議院公害対策及び環境保全特別委員会の御審議に先立ち、私の所信を申し述べます。 申すまでもなく、わが国における環境問題は深刻かつ多様なものとなっており、その解決は緊急な政治課題の一つであります。 環境行政は、人の生命及び健康の保護を図ることを第一義とすべきことは言うまでもないところであります。また、発生した公害や自然破壊について、その対策を講ずることが必要であることはもとよりでありますが、公害や自然破壊がもたらす結果の重大性、回復の困難性を考えると、このような事態を未然に防止するための方策を徹底することがより重要であると考えます。 私は、環境庁長官として、このような基本的認識に立って、国民の理解と協力を求めながら環境行政の積極的な推進のために全力を尽くす覚悟でありますが、当面次の事項を重点として努力してまいりたいと考えております。 第一は、環境保全長期計画の策定であります。 長期的、総合的視野のもとに環境行政を推進するため、従来から環境保全の長期的展望について検討してきたところでありますが、来年度において、昭和六十年度を目標年次とする十カ年計画を策定し、達成すべき環境保全の目標とこれに到達するための各種の施策を明らかにする所存であります。 第二は、環境影響評価の充実強化であります。 公共事業その他各種の開発行為を行うに際しては、それが環境に及ぼす影響について事前に十分な科学的評価を行うことが必要であり、従来から、その手法の開発や問題点の解明に努めているところでありますが、さらに、これを効果的に実施するための制度の確立について検討を進めてまいります。 第三は、汚染防止のための総量規制の実施の促進であります。 大気汚染について、昨年総量規制方式を導入し、まず硫黄酸化物について実施することとしたところでありますが、今後はその対象地域の拡大を図るとともに、その他の大気汚染物質についても速やかに適用を図るべく調査検討を行うこととしております。また、水質汚濁につきましても、総量規制方式の導入を急ぐため、調査検討を進めてまいります。 第四は、自動車及び高速輸送機関に係る公害対策の総合的は推進であります。 自動車排出ガス問題については、昨年末の中央公害対策審議会の答申に基づき、規制を強化する措置を講ずることとしているところでありますが、さらに答申で指摘された各種の対策を協議するため、政府に自動車排出ガス対策閣僚協議会が設置され、関係各省庁が協力して鋭意検討を進めているところであります。私としては、結論を得次第逐次実施に移し、大気保全対策の万全を期する所存であります。 また、新幹線、航空機等の高速輸送機関による公害防止対策につきましては、環境影響評価、規制措置、障害防止措置等の総合的対策について検討を進めることとしておりますが、特に新幹線騒音については環境基準を早急に設定したいと考えております。 第五は、自然環境保全対策の推進であります。 わが国の国土を無秩序な自然破壊から守り、美しく豊かな自然環境を保全してこれを後代に伝えることは環境行政の大きな使命であります。先般、いわゆる緑の国勢調査の結果を取りまとめましたが、私は、この貴重な資料を活用して、先に述べた環境保全長期計画の策定に取り組むとともに、環境影響評価、自然環境保全地域の指定等にも役立て、より科学的かつ積極的な自然環境保全対策を推進してまいる所存であります。 第六は、調査及び試験研究の充実強化であります。 昨年三月、筑波研究学園都市に設置された国立公害研究所につきましては、その施設や組織の整備を進めているところでありますが、これを中核として、公害の防止等に関する試験研究の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。 また、わが国における環境汚染状況等の調査は今後とも鋭意実施してまいりますが、特に海洋汚染に対する国際的な関心が高まりつつあることにかんがみ、日本近海における汚染状況を把握するとともに、その汚染のメカニズムの解明を図るため、総合的な調査を実施することといたす所存であります。 第七は、公害による健康被害の救済対策であります。 公害健康被害補償法を昨年九月に施行し、さらに新たな対象地域の指定が行われたところでありますが、今後とも同法の適切な運用を図ってまいりたいと考えております。 第八は、瀬戸内海の環境保全対策であります。 昨年末の水島における重油流出事故は、瀬戸内海の環境に深刻な影響を及ぼし、水産業等に甚大な被害を与えております。政府は、この事故対策の緊急性にかんがみ、対策連絡会議及び対策本部を設置し、油の回収、被害補償等の円滑な実施を期してまいったところであり、また、関係各省庁の緊密な協力のもとに、油による環境汚染状況、水産生物の生育環境に及ぼす影響等総合的な環境調査を実施することといたしました。私といたしましても、これとあわせて、瀬戸内海環境保全臨時措置法の趣旨にのっとり、今後の対策に万全を期してまいる所存であります。 以上、私の所信の一端を申し述べましたが、環境行政の一層の推進のために、今後とも本委員会及び委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、昭和五十年度環境庁関係予算及び昭和五十年度各省庁の環境保全関係予算について順次説明を聴取いたします。信濃官房長。
○政府委員(信澤清君) 昭和五十年度の環境庁関係予算案についてその概要を御説明申し上げますす。 昭和五十年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は三百二十六億九千七百六十三万九千円であり、これを前年度の当初予算額百五十四億七千六百九十六万円と比較すると、増加額は七十二億二千六十七万九千円であり、その増加率は四六・七%であります。 次に、予算要求額の主要な項目について御説明いたします。 第一に、公害対策について申し上げます。 まず、大気汚染等防止対策及び水質汚濁防止対策については、環境基準の設定及び各種規制基準の強化を引き続き計画的に推進するほか、新たに日本近海における海洋汚染防止対策の確立に資するため必要な調査を行うこととしており、また、蓄積性汚染、自動車公害、新幹線の騒音及び振動並びに悪臭についての対策を確立するための調査を行うなど九億六千三百六十七万円を計上しております。 このほか地盤沈下及び廃棄物対策費として七千七百六十五万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億六千三百三十一万円をそれぞれ計上するなど、公害規制を強化する等のための経費として総額十二億四百六十四万円を計上しているところであります。 次に、公害監視設備整備費については、発生源監視設備整備費の充実を図るなど地方公共団体の監視測定体制の整備を重点として十四億三千九百十九万円を計上しております。 環境保全企画調整等の経費については、環境影響評価の実施を促進するための経費、環境保全長期計画を策定するための経費のほか、新たに瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づく基本計画の策定に必要な経費を計上し、これらを合わせて一億五千百四十七万円、また、公害防止計画についても一千三百二十五万円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、公害健康被害補償対策費についてであります。公害健康被害補償法に基づく被害者救済対策の推進を一層充実するほか、新たに水俣病センターを設立することとし、これらの経費として五十七億四千九百二万円を計上しております。 公害防止事業団については、その事業規模を一千百七十億円に拡大することとし、これに伴う事務費等の助成費として二十四億八千四百二十九万円を計上しております。 公害の防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一層促進するため、総額四十一億一千八百五万円を計上しております。 このうち国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として二十八億四千六百二十二万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究機関等における試験研究の総合的推進を図ることとしております。 また、光化学スモッグに関する調査研究費一億八千二百万円、化学物質の審査判定のための基礎調査研究費一億二百万円、水質汚濁に係る総量規制導入のための調査研究費六千七百万円など、公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁及び自然環境保全等に関する調査研究費として八億三千百八十三万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として四億四千万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的な調整を図ることとしております。 さらに国立公害研究所に必要な経費として十二億四千二百二十七万円、公害研修所に必要な経費として一億一千百五十二万円を計上しております。 以上、公害対策費の総額は百六十六億一千三百七十四万円であり、前年度の当初予算額に比し、六十四億九十一万円の増額となっております。 第二に、自然環境の保護整備対策について申し上げます。 まず、自然公園等維持管理に必要な経費として四億四百十四万円、交付公債による民有地の買上げ制度については、新たに国定公園にも拡大することとし、その事業費総額を六十億円と予定し、このために必要な経費として、五億四百五十九万円を計上しております。 鳥獣保護については、従来に引き続き渡り鳥の保護対策を推進するとともに、新たに自然保護行政と天然記念物行政との調整に基づいて特殊鳥類等の保護事業を行うなど一億四千三百四万円を計上しているところであります。 さらに国立公園等の整備を図るため必要な施設整備費として二十三億二千百七万円を計上しております。 以上のほか、新たに自然環境保全目標基準を作成するなど自然環境保全対策費として七千九百十九万円を計上しておりますので、自然環境の保護整備対策費の総額は三十四億五千二百四万円であります。 なおこのほか、建設省所管予算として、国立公害研究所の施設整備のため二十四億五千七百十一万円、公害研修所の施設整備費として七千九百七十九万円がそれぞれ計上されております。 また、国立公害研究所の施設整備に係る官庁営繕の国庫債務負担行為として三十五億三千三百万円が予定されております。 以上をもちまして昭和五十年度の環境庁関係予算案の御説明を終わります。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、城戸企画調整局長。
○政府委員(城戸謙次君) 各省庁の昭和五十年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。 まず、歳出予算について御説明いたします。昭和五十年度における環境保全経費の総額は三千七百五十一億円となり、前年度の当初予算に比べ三百五十五億円、一〇・四%の増加となっております。 このうち一般会計分は三千三百九十四億円と前年度の当初予算に比べ二百四十六億円の増加となっており、各特別会計分は三百五十七億円と前年度の当初予算に比べ百九億円の増加となっております。 次に、事項別に予算の主要な項目について御説明申し上げます。 第一に、各種基準等の設定につきましては、総額五億七千五百万円を計上しております。この経費は、環境庁等におきまして環境基準及び排出基準の設定等の推進を図るためのものであります。 第二に、監視取り締まりの強化につきましては、総額二十七億五千四百万円を計上しております。 このうち主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして大気汚染及び水質汚濁の状況を監視測定するため大気汚染監視等設備整備費九億九千八百万円、水質環境基準監視費三億九千八百万円を計上しております。 また、環境庁、厚生省及び通商産業省におきまして各種化学物質による環境汚染を防止するため化学物質審査規制対策費四億六千八百万円を、運輸省におきまして自動車の排出ガス検査体制の整備を図るための経費三億六百万円、海上公害の監視取り締まり体制の整備を図るための経費三億四百万円を、警察庁におきまして各種公害関係事犯の取り締まり強化を図るための経費三億七千三百万円をそれぞれ計上しております。 第三に、公害防止事業助成につきましては総額七十三億六千三百万円を計上しております。 このうち主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして、公害防止事業団助成等経費二十四億八千四百万円を計上しております。また、農林省におきましては、漁業に係る公害の防止、漁場環境維持保全等のための経費十億六千八百万円、赤潮被害をてん補するための養殖共済における特約の掛金補助に要する経費一億三千七百万円を計上するとともに、畜産公害の防止を図るため畜産経営環境保全集落群育成事業費十七億五百万円を計上しております。さらに通商産業省におきましては、金属鉱業等に係る鉱害を防止するため、金属鉱業事業団運営費七億九百万円を計上しております。 第四に、公害防止関係公共事業等の推進につきましては総額二千八百四十九億八百万円を計上しております。 このうち主要なものといたしましては、まず、下水道の整備を促進するため、建設省等におきまして下水道事業費一千七百九十二億円を計上するとともに、特に来年度からは、新たに三次処理施設の建設、特定環境保全公共下水道の整備に着手することとしております。 また、水質環境基準の達成等のため、公共下水道について特別の地方債及び国庫補助金の分割交付制度を導入し、事業の大幅な推進を図ることとしております。 さらに、廃棄物対策といたしましては、廃棄物処理施設の整備を促進するため、厚生省、運輸省等におきまして廃棄物処理施設整備費二百七十一億百万円を計上しております。 次に、特に最近におけるヘドロ汚染、農用地の土壌汚染等いわゆる蓄積性汚染の問題に対処するため、農林省におきましては、カドミウム等による汚染農用地の客土事業等に要する経費として三億二千万円を、運輸省におきましては、港湾内の汚泥しゅんせつ事業に要する経費として十五億六千五百万円をそれぞれ計上しております。さらに通商産業省におきましては、休廃止鉱山における鉱害防止事業に要する経費として十七億八千万円を、運輸省におきましては、一般海域の清掃事業費として八億六千二百万円を、また、建設省におきましては、海域浄化対策事業費として一千四百万円をそれぞれ計上しております。 また、防衛施設周辺及び公共用飛行場周辺における騒音問題に対処するために、学校等の防音工事助成、家屋の移転補償等を行うこととし、防衛施設庁におきまして二百九十六億五百万円、運輸省におきまして二百三十四億千二百万円をそれぞれ計上しております。 このほか都市における産業公害を防止するための緩衝緑地整備事業費として、建設省におきまして二十七億五千五百万円を計上し、また、地盤沈下対策として、農林省におきまして地盤沈下対策事業費三十一億六千五百万円、通商産業省におきまして工業用水道事業費十九億四千二百万円等をそれぞれ計上しております。 第五に、公害防止調査研究の推進につきましては総額二百四十八億八千万円を計上しております。 このうち主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして各省庁の試験研究機関等における公害関係の試験研究の総合的推進を図るための経費として二十八億四千六百万円、公害研究所に必要な経費として十三億四千二百万円を計上しております。 次に、農林省におきましては、農林漁業における環境保全的技術に関する総合研究を推進するため四億六千万円の経費を計上するとともに、新たに休廃止鉱山関係地域においてカドミウム吸収抑制土壌改良事業を実施する等、土壌保全対策を推進するため九億三百万円を計上しております。 さらに通商産業省におきましては、産業公害防止技術の開発を促進するため重要技術研究開発費補助金二十四億二千万円を計上し、窒素酸化物の除去技術等の開発を重点的に進めるとともに、太陽エネルギー等の無公害な新エネルギーの開発を推進するため新エネルギー技術研究開発費三十六億一千五百万円を計上しているほか、大規模な工業立地に伴う環境汚染を未然に防止するため産業公害総合事前調査費として三億九千万円を計上しております。 第六に、公害被害者保護対策の充実につきましては総額七十億六千三百万円を計上しております。 このうち主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして、公害健康被害補償対策のために必要な経費として五十七億四千九百万円を計上しております。 このほか原因者不明の漁場の油濁による被害を救済するための経費として農林省におきまして一億九千四百万円を計上しております。 第七に、自然保護対策の推進につきましては総額四百二十一億一千万円を計上しております。 このうち主要なものといたしましては、まず、自然公園等の維持管理のため、環境庁におきまして四億四百万円を計上しております。 また、都市環境の緑化等を推進するため、建設省等におきまして都市公園及び国営公園の整備のための公園事業費として二百七十六億五千五百万円を計上しております。 次に、自然環境の中で良好なレクリエーション施設を整備するため、環境庁におきましては、自然公園等施設整備費三十三億二千百万円を、運輸省におきましては、観光レクリエーション施設整備費二億四千三百万円を計上しております。 さらに、開発等に対して自然環境や史跡を保護するため、民有地の買い上げを実施することとし、環境庁におきましては総額六十億円の交付公債を予定し、これに必要な経費として五億五百万円を、また、文部省におきましては、四十二億円の経費を計上しております。 このほか港湾における緑地、遊歩道等を整備するため、運輸省におきましては、二十億四千四百万円の経費を、また、海産の環境整備を図り、その利用の増進に資するため、運輸省、建設省等におきまして七億四千五百万円の経費を計上しております。 さらに、鳥獣保護対策の充実を図るため、環境庁におきまして一億四千三百万円を計上しております。 以上申し上げました事項のほか、主要なものといたしましては、大気汚染地域等における公立小中学校の児童生徒の特別健康診断、移動教室及び学校環境の緑化促進事業を推進するための経費として、文部省におきまして六億四百万円を、廃棄物対策の一環として、クリーン・ジャパン運動の展開、廃棄物の再生利用の促進のための経費として、通商産業省におきまして三億二千三百万円をそれぞれ計上しております。 次に、公害防止関係財政投融資について御説明いたします。 昭和五十年度における公害防止関係財政投融資は、全体として、事業規模または貸付規模において総額七千八百三十八億円を予定し、前年度の当初計画に比べて二千五百十六億円の増加となっております。 まず、公害防止事業団におきましては、事業規模において千百七十億円と前年度に比べて三百五十億円の増加を図り、中小企業等の公害防止施設の整備等を促進することとしております。 また、日本開発銀行におきましては、貸付規模において千四百十三億円と前年度に比べ三百三十三億円の増加を図ることにより、企業の公害防止施設等の設置を円滑化するとともに、水銀汚染防止のための苛性ソーダ製法転換等を重点的に推進することとしております。苛性ソーダの製法転換につきましては、北海道東北開発公庫におきましても百億円の貸付規模を予定しております。 次に、中小企業金融公庫におきましては、貸付規模を三百億円に、国民金融公庫におきましては、貸付規模を五十億円にそれぞれ拡充することとしております。また、農林漁業金融公庫におきましては、畜産経営環境保全施設に関し三十億円の貸付規模を、金融鉱業事業団におきましては、金属等の鉱山の鉱害防止工事等に関し三十七億円の貸付規模を、また、日本私学振興財団におきましては、私立学校の防音工事等に関し四億円の貸付規模をそれぞれ予定しております。さらに、東北開発株式会社におきましても、騒音防止工事に関し二億円を予定しております。 このほか地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進するため、地方債計画において四千七百三十二億円を予定しております。 最後に、公害防止関係の税制改正措置についてその主要なものについて御説明いたします。 まず、昭和五十一年度の自動車排出ガスに係る保安基準に適合する乗用自動車に対する物品税について、その課税標準を昭和五十年度においては四分の一、昭和五十一年四月一日以降右の保安基準に適合しない乗用自動車の生産が認められる期間の終了する六ケ月前までの間においては八分の一(窒素酸化物の排出量が一キロメートル走行当たり平均値で〇・六グラムを超えるものにあっては十分の一)をそれぞれ減額することとしております。 また、電気を動力源とする乗用自動車で右の保安基準に適合する乗用自動車と同種のものに対する物品税について、その課税標準を右の措置が適用される期間三分の一減額することとしております。 このほか所得税及び法人税における公害防止用設備及び廃棄物再生処理用設備の特別償却制度について、対象となる設備の範囲を拡大するとともに、公害防止用設備及び無公害化生産設備の特別償却制度について、対象となる設備のうち適用期限の到来するものにつき、その期限を二年延長することとしております。 さらに、事業協同組合等が公害防止事業団から譲り受けた土地を再譲渡する場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、適用対象となる組合員等を中小企業者に限定した上、その適用期限を二年延長することとしております。 以上をもちまして、昭和五十年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、公害等調整委員会の事務状況について説明を聴取いたします。小澤公害等調整委員会委員長。
○政府委員(小澤文雄君) ただいまから公害等調整委員会が所掌しております公害紛争の処理に関する事務の概況につきまして御説明します。 公害等調整委員会は、従前の中央公害審査委員と土地調整委員会とが統合され、総理府の外局たる行政委員会として昭和四十七年七月一日から新しく発足したものでございます。公害等調整委員会は、公害紛争処理法の定めるところにより公害に係る被害に関する民事上の紛争についてあっせん、調停、仲裁及び裁定を行うとともに、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うこととなっております。このあっせんについては、昨年の公害紛争処理法の一部改正により同年十一月一日から新たに設けられたものであります。なお、従前の土地調整委員会の任務であった鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整を図るという職務も行っております。 続きまして、これらの事務の概略について御説明します。 第一に、公害等調整委員会が行います公害紛争についてのあっせん、調停及び仲裁は、ともに紛争解決の基礎を当時者の合意に求めるものでございますが、当委員会が管轄する公害紛争は、人の生命、健康に重大な被害を生ずる公害に関する紛争、農作物や魚介類など人の生活に密接な関係を有する動植物またはその生育環境に五億円以上の被害を生ずる公害に関する紛争、新幹線鉄道及び航空機の運航により生ずる騒音に関する紛争並びに被害地、加害地が三つ以上の都道府県の区域にまたがる公害に関する紛争でありまして、いずれも社会的に重大な影響を有し、かつ、広域的な見地から処理することが適当と考えられるものであります。なお、当委員会の管轄に属さない公害紛争につきましては、公害紛争処理法に基づいて全国の都道府県が設けております都道府県公害審査会等が行うあっせん、調停及び仲裁の手続により処理されております。 第二は、公害紛争についての裁定でございますが、裁定制度は、昭和四十七年九月、公害紛争処理制度を充実強化する施策の一環として設けられたものであります。これには責任裁定と原因裁定の三種類がありまして、ともに訴訟手続に準じた手続によって紛争を処理することとなっております。まず、責任裁走と申しますのは、公害による被害について損害賠償に関する紛争が生じた場合に、被害者からの申請に基づいて、その相手方の損害賠償責任の有無数及びその範囲について判断するものであります。一方、原因裁定と申しますのは、公害紛争においてこの解明が困難で当事者間の争いの中心となることが多いところの被害と加害行為との間の因果関係について、当事者からの申請に基づいて、その有無を明らかにする裁定であります。 第三の事務は、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うことであります。住民から申し立てられる公害に関する苦情の数と内容は、その地域の環境問題の指標的な意味を持つと同時に、また、公害苦情は公害紛争の前段階的な性格を有しているものでありますので、その適切な処理を図ることは、公害紛争の発生の事前防止という面におきまして、きわめて重要な機能を果たすものであります。このような公害苦情の適正な処理の重要性にかんがみ、公害紛争処理法においては、これに当たるべき地方公共団体の責務を明らかにし、公害苦情相談員の制度を定めておりますが、公害等調整委員会は、地方公共団体が行う公害苦情の処理について指導、助言、協力等をすることとなっております。 次に当委員会の事務処理の概要をもう少し具体的に御説明申し上げます。公害紛争の処理に関しまして昭和四十九年に当委員会に係属しました事件は、調停事件六十五件、責任裁定事件六件の計七十一件で、このうち調停事件二十七件、責任裁定事件二件、計二十九件の処理を終了しております。 昭和四十九年中に手続が係属した六十五件の調停事件の内訳を見ますと、不知火海沿岸における水質汚濁による水俣病事件が四十件、渡良瀬川沿岸における鉱毒による農業被害事件が五件、大阪国際空港周辺地域における騒音による生活環境被害事件が十九件、徳山湾における水質汚濁による漁業被害事件が一件であり、申請人総数は約三万一千名に上り、とりわけ大阪空港騒音調停申請事件は申請者の数が一万九千余名に上るマンモス事件となっております。 係属した調停事件六十五件のうち昭和四十九年に新たに申請があった事件は二十五件であります。 紛争処理の終結しましたものは二十七件で、不知火海沿岸における水質汚濁による水俣病事件が二十三件、患者数二百三名、渡良瀬川沿岸における鉱毒による農業被害事件が四件、申請者数九百七十一名であり、いずれも調停が成立して終結したものでございます。これらのうち水俣病事件は、水俣病と認定された患者に対するチッソ株式会社の損害賠償について、患者個々人ごとに会社との間の調停を成立させたものであります。また、渡良瀬川沿岸における鉱毒被害事件は、足尾銅山から排出される廃棄物鉱滓が水田等に流入したことにより農作物被害をこうむった渡良瀬川沿岸の農民と古河鉱業株式会社との間における補償をめぐる事件でございまして、八十年にわたる紛争の歴史的な重みに加え、被害と加害行為との間の因果関係の立証、損害額の算定等が非常に困難な事件でございましたが、鋭意調停手続を進めた結果、被害が最も広範囲であった群馬県毛里田地区の農民九百七十一名について、昭和四十九年五月、会社側との間に調停が成立し、過去の全期間についての補償の問題を含め両当事者間の紛争について円満に解決したものであります。 その他の事件については、目下鋭意調停手続を進めているところであります。 また、裁定事件については、昭和四十九年七月に最初の申請があってから同年中に計六件の責任裁定の申請がございました。その内訳は、富山市及び大阪市におけるビル建築工事に伴う地盤沈下による建築物損傷事件が三件、東大阪市における大阪国際空港の航空機騒音による健康被害事件、東京都新宿区における地下鉄工事に伴う騒音、振動、地盤沈下による営業損害事件、長野県中野市におけるカドミウム汚染による農作物等被害事件がそれぞれ一件であります。 このうち二件については申請の取り下げがあり、り、手続が終結しておりますが、他の四件は目下審理中でございます。 次に、昭和四十八年度の全国の公害苦情の実態について申し上げます。当委員会の調査によりますと、その総件数は約八万七千件となっておりまして、昭和四十二年度から引き続き増加を続けてきた総件数が前年度に比べわずかに減少しております。 これらを公害の種類別に見ますと、騒音、振動に関する苦情が最も多く、全苦情の三分の一、すなわち三三%を占め、次いで、悪臭が二三%、水質汚濁一八%、大気汚染一六%の順であり、これらで全体の約九割を占めております。また、苦情件数を市町村別に見ますと、苦情件数の多い人口二十五万以上の都市では前年より五・八%減少しているのに対し、人口二十五万未満の市では一・八%、件数の少ない町村では二五%と、それぞれ前年より増加しております。 このような事態を踏まえまして、公害紛争処理法施行令の一部を改正し、本年四月一日から、公害苦情相談員を置かなければならない市を、人口二十五万以上の市から人口十万以上の市に拡大する等の措置をとっております。 引き続き昭和五十年度の公害等調整委員会の予算案について、その概要を御説明します。 昭和五十年度の総理府所管一般会計歳出予算のうち公害等調整委員会の予算の総額は二億七千八百四十万円でありまして、これを前年度の歳出予算額二億三百七十九万二千円と比較いたしますとと、七千四百六十万八千円の増額となっております。その内容は、当委員会に係属する事案の審理及び一般事務処理のための経費四千二百七十四万九千円、公害紛争の処理について都道府県等と連絡協議するための経費五百四十七万二千円、公害の因果関係の解明に要する調査のうち、特に専門的、技術的要素の強いものを外部の研究機関に委託するための経費二千五十九万四千円、公害苦情の実態を調査し、その処理について地方公共団体の職員に対する研修指導等を実施するための経費一千三百四万二千円のほか、あとは人件費であります。 以上が昭和四十九年中に公害等調整委員会が行ってまいりました公害紛争の処理に関する事務の概況及び昭和五十年度の予算案の概要でございます。 なお、公害等調整委員会設置法第十七条に定められております昭和四十九年の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、追って所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、公害防止事業団の事業及び予算について説明を聴取いたします。熊崎公害防止事業団理事長。
○参考人(熊崎正夫君) 公害防止事業団の事業の概況について御説明申し上げます。 当事業団事業は、発足以来造成建設事業において契約締結百十件、約八百四十億円、貸付事業では千七百二十二件、約千九百億円、合計しますと約二千七百四十三億円の事業を手がけてまいりました。 その内訳としまして、共同公害防止施設は十七件で十八億円余りを投じ、すでに十三件について完成譲渡いたしております。共同利用建物は二十二件、約百三億円について契約をし、そのうち十件が完成いたしております。工場移転用地は、契約五十四件中三十八件がすでに完成しておりまして、事業費はおよそ三百八十億円に達しております。 また、共同福利施設はすでに十一件が完成し、現在施工中の六地区を含めた総事業費は約三百三十三億円に達する見込みであります。 一方、貸付事業でありますが、昨年来企業からの借り入れ申し込みが殺到し、本年度は十二月末までに、すでに二百四十件余、約三百六十八億円の貸付契約が行われるに至っております。 次に、当事業団の昭和五十年度予算案については、環境庁御当局より御説明がありましたとおりでございまして、契約ベースで千百七十億円、その内訳は造成建設事業二百七十億円、貸付事業九百億円であります。前年度と対比しますと、総額で四二・六%、造成建設事業で二二・七%、貸付事業で五〇%の伸び率となっております。 以上のような事業量の増大に応じ、それを遂行するための事務費等として、人員三名の増員等を含めて二十四億八千三百万円余、前和度に比しまして五六・二%増の交付金予算となっております。 以上簡単ではございますが、公害防止事業団の事業及び昭和五十年度の予算案につきましての概況でございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(鶴園哲夫君) 以上で所信及び説明の聴取を終了します。 本調査に対する質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○井上吉夫君 先ほどの環境庁長官の所信表明に関連をいたしまして、まず環境保全長期計画についてお伺いをいたします。 六十年度を目標年次とする十カ年計画を策定するというぐあいに述べておられるのでございますが、その長期計画の内容と策定の時期の見通しについてお伺いをいたしたいのであります。 なお、いまからこの作業にかかって、そして昭和六十年度を目標年次とする環境保全の目標を設定し、それに到達するもろもろの施策をその中に含めてまとめていくという構想でありますが、この際お伺いいたしたいのは、この環境保全の目標の設定のまとめ方についての基本的考え方についてであります。たとえば、大気なり水質なり、いま非常に汚染の問題で困難になっておりますもろもろの環境汚染について、全国的な基準を設定しようという形で考えられるのか。言うまでもなく、環境汚染の状況は、域によって非常に大きな差があるわけでございますが、そのようなことからいたしまして、地帯別にそれらの到達すべき目標を設定するという考え方に立つのか。先ほど申し上げましたように、全国一律に環境基準の目標というものを定めるという、そのような形でまとめることを考えておわれるのか。 なお、現在とりわけ産業立地の密度の高いところでは、きわめて大きな汚染状況下にあるわけでございますが、そういうものを含めまして、現在の汚染の状況を大幅に低下するという、そういうことをねらいとする形でこの目標の設定、長期計画をまとめようと考えておられるのか。一方では、低成長時代に入ったとは言いながら、なおたとえば自動車の台数もおそらくふえるでありましょうし、あるいは各種の企業も、必ずしも現在の状況よりも少なくなるということはなかなかに考えられないと思うわけでございますが、そういうことからいたしまして、最低限現在の汚染の進行をとめるという、そういうことを基本の考え方としてとらえようとされるのか。いま申し上げました私の疑問を含めて、環境保全長期計画の内容と策定の時期の見通しについて、まずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) この長期計画は、原則としてあくまでも全国的な環境保全水準と、これを達成するためのいろいろな施策について示すものでございますから、原則としてはあくまでも全国的な水準の決定と、それに必要な施策等を、示すものでございます。しかし、先生のおっしゃるように、非常に地域によってやはり特殊性がございます。特に汚染の著しく進んでおります地域、たとえば東京湾とか、あるいは瀬戸内海とかその他、あるいは都市でいいますと六大都市というような状況等を考えてみればわかるわけでございますが、それらのところにはこの水準だけをなかなかすぐ達成をしようといっても困難な点がございますけれども、したがって、必要に応じ地域の特性、特殊性というものに応じた対策を樹立していかなければならないわけでございます。それはおっしゃるとうりだと思います。したがって、そのための基本的な指針は、この長期計画の中に入れていきたい、かように考えておるようでございます。 それから進行をとめるということに主眼があるのか、あるいはさらに改善をはかっていくというところに主眼があるのかというお尋ねでございますが、これは進行をとめるだけではやはり目的を達成できませんので、当然それ以上に進んで積極的に改善をするやはり考え方で、長期計画というものを昭和六十年を目標にしてかくあるできだというものをつくり上げていきたい、かように考えているわけでございます。 なお、もし足らない点がありましたら、局長から答弁いたさせます。
○井上吉夫君 時期。
○国務大臣(小沢辰男君) ちょっと忘れまして大変恐縮でございますが、いつつくるかということでございますが、五十一年から六十年の十カ年の長期計画ということでございますので、五十年度中に何とかまとめまして、成案を得て五十一年からという考え方でおるわけでございます。
○井上吉夫君 恐らくまあ年度後半において、まとめられた成案を検討する時期が来ようと思いますので、これ以上細部にわたって御質問申し上げませんが、ただいま長官からの御答弁のありましした趣旨を了とするわけでございますけれども、私もかりに全国的な基準という形で設定をします場合に、きわめて厳しい基準という形で実施をして、六十年度を目標としてそこに到達しようということになりますと、いま汚染の非常に激しい地域については容易に到達ということができないというような厳しい基準になっても問題がある、かといって全国的基準のゆえにかなりゆるい基準ということになりますと、まだその水準に達していない、きれいな地域というのもそこまでは差し支えないんだというような、そういう物の考え方で対応いたしますと、私は、日本全体の環境をこれ以上悪くしない、ないしすでに汚染の進んでいるところについては積極的にこれを改善をしていくという、そういうたてまえからいたします場合になかなか全体としてまとめる場合の問題点が出ててくるような気がいたします。したがいまして、片や全国的なあるべき目標を設定すると同時に、現在かなりな汚染の進行の地帯については六十年度を目指して、可能な限りの人間の知恵と技術を駆使して到達すべき目標というものを、しかも片面では実現の可能性を十分に踏まえながら設定をするという、そういうような内容としてつくり上げられることを希望いたしておきたいと思います。 第二番目に、環境影響評価、いわゆる環境アセスメントについてお尋ねをいたしたいと思います。 従来から、その充実強化については大変必要性を強調されてきたところでございまして、去年の七十二国会におきます、昨年二月十四日、当時の三木長官の所信表明を見てみますと、おおむね今回の場合と以たような内容といたしまして、「公害の発生及び自然環境の破壊を未然に防止するため、各種の公共事業の実施及び地域開発について、その計画の各段階において環境に及ぼす影響の内容及び程度、環境破壊の未然防止策等について事前に十分評価を行なういわゆる環境アセスメントをさらに積極的に推進することとし、そのための手法の開発、審査体制の強化等をはかってまいりたい」というぐあいに述べておられる。 そこで、まず第一の質問といたしましては、三木環境庁長官が昨年述べられてから一年になるわけですが、きわめて具体的な形での答弁はかなり無理があるかもしれませんけれども、この一年間を通して見て、いわゆる事前評価というものはどの程度その手法において開発され、進歩してきているかお伺いをいたしたいと思います。 並びに第二問といたしまして事前評価についての期間の問題でございますが、これはもちろん、その種類なり範囲なり内容によってかなり期間に差はあると思いますが、一般的な場合の、この事前評価の期間はどの程度かかるかということ。 それから第三点といたしましては、所信表明の中で「効果的に実施するための制度」を確立したいというぐあいに述べておられるわけでございますが、一体この「効果的に実施するための制度」というのはどういうものを考えておられるのか、以上お伺いをいたします。
○政府委員(城戸謙次君) 第一点の手法でございますが、この点、一つは環境保全の水準をどういうぐあいに設定していくかという手法、またその水準を達成できるかどうかという意味におきまして、各種の開発行為がもたらす影響の予測の手法、まあいろいろあるわけでございます。私どもとしましては、この問題は非常に技術的な問題も含みますので、中公審の防止計画部会の中に小委員会を設けまして、去年の一月から検討を続けてまいったわけでございまして、六月になりまして中間報告をいただいております。その場合に、アセスメントを実施する場合の一般的な留意事項と、それから評価の尺度として、いま申し上げました環境保全水準をどういうぐあいに考えていくかということと、それから三番目にはどういうような項目につきましてどういうような調査をし、それから予測の手法はどういうものを当てはめていくかと、こういう点が挙げられているわけでございます。 なお、この中の最後の調査とか予測の手法につきましては、さらに今後検討するということで各種の指針がつくられるようになっているわけでございまして、現在その作業をいたしているわけでございます。日本の大気だとか水質等に関連しました予測手法は、シミュレーションを中心として世界的に見ましても非常に進んでいるわけでございますが、実際にどのやり方をとるのが一番いいかというようなことは必ずしも公式に確定されておりませんので、そういうことを現在作業をしているわけでございます。さらに予測手法を今後ともできるだけ確実でやりやすいものにしていくということについて努力をしてまいりたいと思うわけでございます。 第二番目が、影響評価にどのぐらいの期間が必要かというお尋ねでございますが、この環境影響評価を行う場合の前提としまして、大気だとか水質等の環境質の現況と、あるいは動植物の状態と、こういうこととともに、気象だとか水象だとか、そういう自然的諸条件に関しまして基礎的な情報が整備していなきゃいかぬというのは当然のことでございます。それで、これらの基礎的情報を把握するために、いまのお尋ねは、どのぐらいの期間がかかるかということでございますが、これは開発の規模とか、あるいは種類とか、地域の自然的条件等によりまして一概に言えないわけでございますが、少なくとも工業立地開発等を行います場合には、四季の変化に伴います環境状態を十分に把握できるようなものでなきゃいかぬと、こういうぐあいに考えているわけでございます。 それから最後の、第三の制度の問題でございますが、これに関連いたしましては、現在中公審の防止計画部会の中に専門委員会を設けまして検討をしているところでございます。実は専門委員会が発足しましたのは最近でございますが、その前も十月から検討委員会を設けまして、立法化を含みます制度面の方向づけをしていこうということで現在やっているわけでございまして、できるだけ早く結論を得るように努力してまいりたいと、こう思っているわけでございます。 なお、審査の体制の整備等につきましても、去年の七月から環境審査宝を局内に設けますし、関係の各局にも審査官を置く等、できるだけ関係各省からいろいろ持ち込まれますもの等を中心に審査の充実を期そうと、こう努力しているわけでございます。
○井上吉夫君 時間が十分ありませんので、この環境アセスメントについてかなりな時間をかけて議論をいたしたい問題もないわけではありませんけれども、ここではさらに希望を申し上げておきたいと思います。 いま説明のありましたように、環境の事前調査、こういうことについてはかなりな期間を必要とするということは明らかであります。そのようなことから、従来は、開発計画がどこかに出た、それでその計画の段階に対応しながら進めていくということに通常なっておったと思いますので、そのために事実上の開発というのがかなり遅れるという、そういうことが出てまいっております。で、もちろん自然環境の保全というものの大事さをいまさら強調する必要もございません。しかし、一方では、どうしても必要な一つの公共事業その他の開発、そういうことを考えてみますと、必ずしも開発等の計画が出た段階から事前調査にかかるということでなしに、もっと幅広く、できれば全国的に一つの事前調査というものをまとめ上げていくという一つの考え方というものを取り入れながら、にわかにすべてのことについて直ちにできるだけのなかなか陣容とかいろいろな問題の隘路があろうと思いますけれども、考え方としてそういう基本的考え方を取り入れながら事前調査というものをさらに積極的にやっていただきたい。そのためには、所信表明の中にもありましたように、この事前調査の手法というものがもっともっと進歩しなければなかなか容易ではないと思いますので、そういう面についてさらに積極的な御努力を要請をいたしておきたいと思います。 次に、予算にございました、公害健康被害補償法に基づく被害者救済対策についてお伺いをいたしたいと思います。 昨年たしか十八億程度見てありましたこの予算が、三倍余の五十七億四千九百万円が計上されまして、この被害者救済対策の推進を充実したいというぐあいに述べておられる。そこで、この内容について、三倍にふえたというのは法の適用が去年九月だったという問題もありますけれども、一人当たりの金額も大きく伸ばすという形なのか、対象人員の増というのが基本になっているのか、この内容についてお伺いをいたしたいのが第一点。 並びに、この項におきまして水俣病センターを建設するという予算も含められておるようでございますが、この水俣病センターについての規模なり内容、さらに完了はいつごろをめどとして考えられておるのか、お伺いをいたしたいと思います。 次に同じく予算に計上されております鳥獣保護についてお伺いをいたしたいと思います。 一億四千三百余万円をもちまして「渡り鳥の保護対策を推進するととに、新たに自然保護行政と天然記念物保護行政との調整に基づいて特殊鳥類等の保護事業を行う」というぐあいに説明をされたわけですけれども、ずばり言いまして、私の出身である鹿児島県の出水はツルの問題を抱えておりますので、この一億余の予算は出水のツルの場合にも適用される性格のものであるかどうか、お伺いをいたしましておきたいと思います。
○政府委員(城戸謙次君) ただいまの補償法なり水俣病センターの問題に関連いたしまして、補償法につきましては御指摘のように平年度化の問題あるいは認定者数の伸びの問題等ございますが、これは後ほど部長から御説明申し上げます。 水俣病のセンターでございますが、熊本の水俣病は現存の公害による健康被害の最も悲惨な状態の象徴であって、ほかの公害による健康被害と非常に異なった深刻な歴史をたどっているわけでございます。水俣病センターを、このような熊本の水俣地域におきます水俣病発生の経緯等の特殊な事情にかんがみまして、特に同地域に建設いたしまして、患者に対する保健サービス、水俣病治療研究の推進等を図ることを目的として建設しようとしているわけでございまして、この具体的な内容をどういうぐあいにするかということは、今後関係の地方公共団体、専門家の御意見、さらに必要に応じまして患者の要望を十分聞きながら今後検討してまいりたいと思っておりますが、現在私どもとしましては水俣病患者に対します保健療養等に係る身近なきめ細かい相談センター的、保健サービスセンター的な機能と、患者とその家族に直接触れ、真に患者の保健福祉に資するための研究を進めるにふさわしい、現地において必要な各種研究を行う中核的なセンターとしての機能、この二つを持たせることにしたらどうかというぐあいに考えておるわけでございまして、このようなセンターの具体的な設立スケジュールにつきましては、細部にわたって五十年度に入りまして検討し、その結果に基づきまして全体計画を固め、これに見合いました土地の取得とか建物の設計をしていこうと、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
○政府委員(橋本道夫君) 公害健康被害補償対策費の問題でございますが、五十年度におきましては五十七億四千九百万円になっておりまして、四十九年度に比して三〇四・九%、三倍強になっております。この三倍強になっております理由は、一つは平年化をいたしましたことで、四十九年度は九月からの半年ということになっておりましたが、十二カ月になっておるということと、もう一つは地域指定の拡大ということがございまして、地域指定の拡大による対象人員の増加ということが一番大きな要素を占めております。 一人ずつの問題についてはどうかという御質問でございますが、一人ずつの給付の問題につきましては、介護加算及び療養手当というところにおきまして原爆対策等との横並びで給付が若干増加をしておるということがございますが、障害補償費等につきましては、昨年御説明をいたしましたように、四十九年度において五十年度の分を先取りした指定の形になっておりますから、そちらのほうは変化はございません。もう一つは、地方自治体の事務費の問題が非常に大きな問題でございまして、その点におきまして、地方自治体に対する二分の一の補助の事務費の増額につきましての単価の増があるということでございます。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 出水市のツルの保護の問題でございますが、これは、環境庁といたしましては、現在、鳥獣保護法に基づきまして鳥獣保護区を設定いたしましてその保護増殖に当たっておるわけでございます。また、他方におきましてそのツルの保護のためにカモがたくさんやってきまして、五万羽ほどやってきて、それが農業あるいは水産物に対して著しい被害を与えているというようなことにつきましては、現行法におきまして有害鳥獣の駆除という制度に基づきましてその被害の防止に対処することになっておるわけでございます。そこで、この予算との関係でどうかというお尋ねでございますが、天然記念物の仕事を、保護管理を環境庁で一元的にやるということにつきまして、これは、内容といたしましては、国立・国定公園等わが方のいわゆる守備範囲といいますか、規制のできる地域の中に生息している鳥獣については私どものほうで保護管理、増殖を行う。それから、そのゾーニングの問題とは別にいたしまして、絶滅しつつある鳥獣、これは鳥で言いますと二十八種類、獣のほうで言いますといま三種類ほどあるんですが、それにつきましては地域に関係なく環境庁のほうで保護管理を行うということになっておりまして、したがいまして、その関係の予算は、文化庁のほうの予算を減額いたしまして環境庁のほうでその予算の措置をとったわけでございます。 出水のツルにつきましては、従来、文化庁のほうで、あの地域のいわゆる天然記念物であるツルの生息地としての指定がなされておりまして、それに基づいて給餌等の経費といたしましては毎年五百八十万円ほどの手当てがされておるわけでございますが、この関係は先ほど申し上げましたようなことで、つまり、国立・国定公園外であり、絶滅しつつある鳥獣でもないということで、従来どおり文化庁のほうでその予算的措置をはかり、また執行していくということになるわけでございます。
○井上吉夫君 水俣病関係については、患者の状況などもう御承知のとおりでございます。私はもうすぐ隣で、全く一衣帯水というよりも直接の区域の一端に位をいたしますので、水俣病の状況なりもろもろのことを承知しておりますだけに、根本的な治療の対策等を含めて、そういうことに対応できるセンターをできるだけ早くつくっていただきたい。 建設完了のめどについてのお答えはございませんでしたけれども、この際、あとでお答えいただくとして、できるだけ早く完成をして地域民の期待にこたえていただきたいと思います。 それからツルの関係についてはいまお答えありましたけれども、私は、この際申し上げたいのは、貴重な天然資源として保護をしたいのはやまやまである。私どもの出水の市民も挙げてツルを大事にしようという空気の中にはありますけれども、ノリを養殖している人たちとか、あるいは農作物の被害とか、そういう関係でかなりな問題を醸しておるわけです。したがいまして、先ほど、文化庁で五百数十万円のえさ代等を見ているという形で言われましたけれども、これは、環境庁、文化庁が連携をとりながら、私は、もっとえさ場をうんと広げるか、えさ代をうんとよけい見るかいうことでツルを一定区域に定着させるというやり方、一方では、有害鳥獣としてのカモ——五万程度と言われましたけれども、七、八万から十万とすら言われております。このことの駆除対策についてはもっと機動的に駆除が実施できるような対応の仕方を含めて、ぜひ自然の保護と同時に農漁民等についての被害ということがないような対応の仕方を、これはひとりツルの問題だけではなくて、おそらく全国的に天然記念物等に対してのこれを持続し保護していくための予算は決して十分ではないというぐあいに私は関係の人方から聞いておりますので、文化庁だ、あるいは環境庁だということでなしに、両方合議しながらひとつ十分に対応できるような対策を講じていただきたいと思います。 最後に、自然保護、環境保全と開発の関係について一点だけお伺いをいたしたいと思います。 御承知のとおり、一地域におきましても、片方では自分が住まいをしております近くに適当な働く場がないためにいわゆる開発を求め、あるいは企業の誘致を求めるというそういう考え方と、さらに一方では、自然をあくまでも保護していかなければならぬというそういう考え方とが御承知のとおり併存をしておるわけであります。郷里を離れて、そして一家の大黒柱が妻や子供と別に生活をしなければどうにもやれないという、そういう生活ができないという状況が現実の問題としてあるわけでありますから、絶えず自然保護と開発の問題というものは併存をしながらこの二律背反の要請をどのように調和するかという、それが現実の私は一番の政治課題だというぐあいに考えるわけです。だから環境庁においては自然保護環境保全が最も優先すべき自分の守備範囲だから何が何でもこれさえ守ればいいというそういうことでは行政なんというものは回転をしないというぐあいに私は考えます。そのようなことからいたしまして、確かに原則的には環境庁における仕事の主たる部分はそこに置かなければならぬことは明らかでございますけれども、開発との関連というものを長官はどのように考えておられるか。 さらに、この際具体事例といたしまして南アルプスのスーパー林道問題について、たしか五十七キロ程度の延長の中で千五百メートル余りを残してそれをどうするかということでずいぶんと紙上をにぎわした問題がございましたが、その後どのようになっておるか、最終的な始末に対する環境庁としての対応をどういうぐあいに考えておられるか、開発と自然保護との関連を含めながら、この事例への御回答もいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 国民生活を適切な度合いで向上さしていかなければならないということはこれは当然だと思います。そのために国民の経済活動あるいは生産活動、消費活動というものが行われていくわけでございます。私は環境行政が経済との調和というような表現でなくて、環境行政というのは、こうした国民の消費生活なり、あるいは生産活動というものに適切な環境保全の見地からする統御を加えていくのが私どもの環境行政だと考えておるわけです。したがって、国民の生活向上のために必要な活動、経済活動というものを一切否定する立場に立つわけにはもちろんいかないわけでございます。しかし、やはりその活動が環境保全の見地から適切なコントロールを受けていかなければ、やはり一方において人間の生活にとって大事な環境保全というものは守られていかないわけでございますので、それはひとつ適切な環境保全の見地からするコントロールというものはやっていかなければならないだろう、基本的にはこのような考え方でおるわけでございます。 まず、具体的な問題としておっしゃったスーパー林道の問題あるいは先生のところの例の大隅半島の開発問題。私は南アルプススーパー林道については地元の方々が自分たちの生活権の問題だということでぜひ完成をしろという要望を持っておられることはよくわかります。 ただ、問題は二十二、三億かけまして両方からできてまいりましたこの道路の一体性格というものが、果たしていかなる機能を果たす道路になっているのか。また道路の形態として、本当に道路の専門家が、これは十分道路としての機能を果たしていると考えて受け取るような性質の道路になっているのかどうかという点もよく検討してみなければならない。 それから最後の一番峠の大事なところが残っておるわけでございますが、これについて、果たしてその道路だけをいままでのような林道の計画で許しても、先ほど言いました二十二、三億かけてできました道路そのものの機能というものが果たして機能を果たし得るだけの道路であるのかどうかという点も検討しなければならない。 それから残っている峠の道路をつくりまして、もしそれ、考え方としては地元の発展のために何か高速自動車がどんどん通れるようなりっぱな観光道路に全部仕上げたいんだ、それが地元の発展のためなんだと、こうおっしゃるんですけれども、果たして一体地元のためになる道路になるだろうか。というのは、どこか二時間や三時間、向こうの都会の人が本当にぐるぐる利用して日帰りで帰ってしまうような形になっては、これは地元の振興のために果たしてなるんだろうかという点も考えてみなければいかぬのではないだろうか。 もう一つは、もちろん自然保護の観点から、一たん破壊されたものは回復できませんので慎重にしなければならない。ですけれども、ただ、この南アスーパー林道は、私は新潟県で妙高のあれを、自分の郷里でありますけれども、反対をしてやらせないという方針を出しましたのと違いまして、国立公園時代にが厚生省時代に全体計画を承認しているわけなんです。承認しておって、その部分については改めて設計を持ってきなさいよという条件づきの全体の承認になってしまっておるわけなんです。それを環境庁は引き継いで、価値観の変動によって自然を守るということの方がより強く出てきたことで、いまあそこだけがわれわれが自然保護の考え方からいわばストップしているというような状況でございます。そういう行政の一貫性から見ますと、一たん全体を許可したものではないか、それをなぜ一体、あと何%ぐらいわずかしか残っていないのに許さないんだというのが促進派といいますか、替成派の方々の意見でございます。ただ私は、先ほど言いますように、果たして、ただしゃにむに道路をつくることが地元のためになるのか。本当に林道としての機能だけを考えておっしゃっておるのか。あるいはそのほかの別の、いままでのやつももっと改良して道路行政の方へそれを林道から譲り渡して、一般の道路としてどういう性格の道路として機能させようとして言っておられるのか、この点もよく慎重に検討しなければ、ただ許可をして、条件づきの許可だったんだから早くやってくれというだけでは、地元のためにも私はそうならぬような道路になってはいかぬ、こう思いまして、慎重に検討しておるわけでございます。 で、大隅半島等につきましては、私どもはまだ非常に開発のおくれている、ほんとうに仕事を求めておられる地域だということはよくわかります。わかりますが、その計画を、先ほど言いました、先生のおっしゃった、事前にできるだけ県側でも環境アセスメントを十分にやっていただいて、そしてわが方の自然環境の保全あるいは海岸のいろいろな白砂青松のあの貴重な国定公園の一部をどういうふうに維持していくのか、そういう点も十分伺いまして、私はその開発との調和点を見つけることができれば大変結構じゃないかと思いますけれども、ただ、この前から、御承知のように経過がございまして、あの大事な国定公園の松並木については、私どもやはりこれは将来のために残していかなきゃいけない、こういう考え方も強くございますものですから、将来、県からどのような計画が出てまいりますか、それをよく承りました上で、また十分環境アセスメントをやりまして、その上で結論をつけるべき問題だろうと、かように考えておるわけでございます。
○井上吉夫君 もう時間が参りましたので……。
○栗原俊夫君 環境庁長官から所信の表明をいただきました。その中で、環境行政は人の命及び健康の保護を図ることが第一義だと、こう述べております。まさにそのとおりだと思うんでありますが、昨年末、三木内閣ができました後、それぞれ大臣になられた人たちの抱負を語るシリーズが朝日新聞に連載されておりました。その中で、小沢長官は、環境行政は人の命及び健康の保護をするのにきわめて重要な職責なんだが、やはり何といっても経済生活というものも必要なので、産業の発展と十分調和をとりながらこの職責を万全を期して遂行いたしたいと、このような談話が載っていたやに思います。今日の環境庁の長官、このような考え方には変わりはございませんか。その点、環境行政に対する政治姿勢として、まず、お尋ねをいたします。
○国務大臣(小沢辰男君) 御引用になりました記事は、たしか日本経済か何かの方と個別にお会いしたときの模様が出た記事じゃないかと思いますが、あそこの記事の中にございますように、経済との調和を全く無視することはできない−全く無視することはできないという表現になっておりまして、先生のおっしゃるように、経済との調和を図りながら進めていくという表現にはなっておらないと、私はその点は注意したつもりでございます。私、先ほど申し上げましたように、私は経済との調和という文言が、基本法の審議の過程で国会で修正になっておるわけでございますから、いやしくも環境行政を推進する場合に、ただ経済との調和を考えていくという考え方は持ちません。しかし、先ほど言いましたように、国民生活の向上のための一定の経済活動というものは、これはだれしも否定できないと思うんでございます。その場合に、私どもが環境保全の見地から適切なコントロールをしていく。ただ調和でなくて、私どもの環境保全の見地からこれを統御するという言葉を私はよく使わしていただいているわけでございますので、そういう姿勢で、人の健康と良好な環境を保全をしていきたいと、かように、それを重点にして、もちろん、この適切な統御を加えていくと、こういうことでございます。
○栗原俊夫君 それはただいま説明を聞いてやはりそうだろうと、こねように思っておりますが、前の毛利長官のときにもお尋ねをしたんですが、農村で病虫雲を排除するのに、BHCとかDDTというものが用いられたときに、農民ままさにわれわれの神が来たというような歓迎の仕方をやりました。しかし、その後どうもこれが人間の命にかかわり合いがある、こういうことの中で、販売禁止というきわめて厳しい措置が講ぜられております。ここには何ら妥協もない。禁止でありますから、売ることを禁止すれば無論これはつくれるはずがないんですが、こういう措置について、環境庁の長官としてどのような評価をなさっておりますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 人の健康にまさに直接的な被害を与えるようなものは、これはもうたとえそれが生産活動として必要なものであっても、当然勇気を持って禁止すべきものと思います。
○栗原俊夫君 これから重大な環境行政を担当される長官であります、本日の所信表明でも、各般にわたって、公害の関係、環境保全の関係について、所信の表明がされておるわけでありますが、これらをやっていく一つの指標として当面問題になっておるのは、やはり五十一年度の自動車の排気ガス規制の問題だと思うんです。これにどう対応するかが、いろいろと長官がお述べになっておるけれども、それをどのような形で実行に移されるかの一つの指標になるかと思くんです。したがいまして、許された時間、その点を中心にひとつお尋ねをしてまいりたいと思うんですが、いま問題になっておる五十一年規制のもとという、四十七年の目標設置の告示ですね、これは一体どういうものなんだろうかと。で、もちろん私も素人ですが、長官も必ずしも専門的なこういう方面の達人ではないと思います。政治家として行政委員会の答申、あるいは下僚、各部課長、局長の、いろいろの意見を聞いて、これを長官が政治家として判断し、決断をする、ここに小沢環境行政があり、ひいては、かつて、この店開きの初代の長であった三木内閣の行き方さえ判断する一つの指標になるかと思うんですが、四十七年のこの告示は、諮問を受けてそしてこの年度からはこうするんだよということを告示しておる。この中で一番やはり問題になるのは、NOxの〇・二五グラムの問題だと思うんですが、技術の面からと、それから一方、人の命を守る、健康を守る、こういう観点から設定された目標値であると、私はこう受けとめておるわけなんですが、〇・三五グラムで五十一年規制をやった場合に、大気の汚染状況はどのようにして変化をし、浄化をされていくか、どういう積み上げの中でこの〇・二五グラムというものが目標値として設定されたのか、この点について、これは大気保全局長の方で結構でございますから、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(春日斉君) 御承知のように、四十七年の十月、中間報告を当時の中公審がされました。それを受けて告示が行われたのは先生のおっしゃったとおりでございます。当時、しからば〇・二五というものはどういう性格のものであったかと申しますると、これは答申自体に述べられておりますように、防止技術の開発可能性について検討して、規制目標の達成には実用面においてきわめて困難であるという見解はあったんですが、実用化を含めて必ずしも不可能ではないという中公審の御意見に基づいて〇・二五というものが設定されたわけでございます。したがいまして、当時におきまして技術開発を促進させることを目的といたしまして、大気汚染防止の見地からできるだけ高い目標を掲げて努力させると、こういう意味であったわけでございます。したがいまして、この答申自体にもやはり述べておりますように、健康を守り、生活環境を保全するという前提のもとにこのような〇・二五グラムというものは一つの目標値として、高い目標値として定められたものだということが言えようかと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) ちょっと、いま先生の御設問と少し別の面から説明をしているようでございますので……。生生がおっしゃったのは環境基準から見て〇・二五というものはどの程度の環境基準を、大気の汚染状況を想定してその〇・二五というのが出てきさかと……。
○栗原俊夫君 そうなんです。
○国務大臣(小沢辰男君) こういうお尋ねでございますが、当時は御承知のように、今日のような窒素酸化物についての環境基準というものはまだ設けられてなかったわけでございます。その後、私どもは窒素酸化物についての平均値が〇・〇二ですか、三ですか、PPmということを環境基準として窒素酸化物についてきめたわけでございますが、当時は要するにマスキー法というものにならいまして、窒素酸化物の排出量を、理想値としては、理想の目標としては、九〇%カットぐらいにもっていこうというのが出てまいりまして、それについて技術的な開発の可能性はどうだと、いろいろ審議をされた結果の中間的なこの考え方から、いま大気局長が言ったような意味で、なかなか困難だけれども、あるいはこれから技術開発を促進すれば達成可能ではないだろうかというようなことで、高い理想値として掲げておけという意味のその答申を受けた行政方針をあそこに出したと、こういうようなことであろうかと思います。
○栗原俊夫君 話を聞くと実はがっかりするんですがね。もちろん行政委員会に諮問をする、諮問から答申が上がってくる、それをうのみにしているようなことではだめなんでね、やはり少なくとも環境庁という役所がある以上それはどこまでも参考であると。したがって、これを完全にそしゃくして、そしゃくの上で環境庁の責任で告示をすると。答申で言ってきたからそのまま告示をしましたというようなことじゃ、これは話にならぬと思うのですよね、これは。したがって私が聞きたいのは、〇・二五グラムというものを目標値として設定した以上、固定発生源もこのようにチェックしていくんだと、それから五十一年からの新しい車は、こう規制をするとこれがふえていくだろう。そして、未措置の車はだんだん減っていくだろう。そうすれば何年かの後にはこれでいけば大気環境はこうなるんだと、こういう少なくとも目安があって初めて目標値はこれなんだよと、こう出てこなければこれは話にならぬじゃないですか。特に局長は健康と命を守る本職のお医者さんだと私は聞いております。そんな、特に技術的なところへ主力を置くような自動車専門委員会から出てきた数値が、そのままするするするっと上がってきたものをこれまたうのみにして、そして告示をしておる、そういうことだったんですか、この数字は。
○政府委員(春日斉君) 御指摘の点でございますが、これはたとえば東京湾沿岸の一部三県につきまして自動車から排出されます窒素酸化物の総排出量と申しますものを、一応計算いたしてみますると、昭和四十年当時は年間約九万トン出ておったわけでございます。ところが、その後急速なモータリゼーションで、四十五年から四十七年にかけて二十一万トン時後と倍増してまいりました。ピークを示したわけでございます。これはいままでの実態でございます。しかし、四十八年度以降はそれを何とかして減らそうということで、いわゆる四十八年度規制というものを実施いたしました。それからさらに五十年度規制の実施がことしの四月から行われてくるわけでございまして、このピークの排出量というものは漸減していくことになるわけでございます。しかし、先生がおっしゃいましたように、しからば五十一年度の規制の〇・二五という目標値あるいは暫定値その他で推移したらどうなるかという推定をいたしますには、まあいろいろな実は前提が要るわけでございまして、たとえば、私どもは東京湾沿岸の車の交通総量というものは四十八年度以降も二%前後増加するという前提で計算いたしてみます。そういたしますると、五十年度末には、四十三年あるいは四十四年ごろのレベルに窒素酸化物は落ちてまいります。これは四十八度規制と五十年度規制だけで落ちてまいります。もし五十一年度規制を行わないといたしましても、いわゆる五十年度規制を行うだけで五十六年、五十七年ごろまでは漸減を続けてまいりまして、四十二年当時の大気のレベルまで下がってまいります。いま五十一年度規制を当初の目標どおり〇・二五グラムにいたしますると、窒素酸化物の八年達成時期である五十六年度当初の時点あるいはまあ五十五年度末と申してもいいと思いますが、−では昭和四十年当時のレベルにまで減少いたします。一方いわゆる暫定値を二年行い、それ以降は〇・二五グラムに移行したと、こうした場合でも、ほぼ四十一年当時のレベルまで下がってくると推定できるわけでございます。 そこで、ここに暫定値を適用し、しかもディーゼルあるいは軽量トラックの規制を約三〇%くらい強化すると、こういうものを加えてまいりまするとほぼ下がってまいりまして、五十六年度の初めでは大体四十年度レベルに下がってまいります。ちょうど〇・二五グラムの目標値をそのまま実施したと同じ効果を示すわけでございます。さらに六十年度末のころになりますると、こういうディーゼルあるいは軽量トラックの規制強化をいたしますれば、〇・二五グラムを乗用車に適用した場合に比べまするとさらに減少するということが推定できるわけでございまして、そういう意味で、私どもはこの昭和四十年ころの空に返すという二とは、若干の時間はかかりますけれども、五十一年度規制あるいはその暫定値、それにディーゼル車の規制等を加えることによって達成することは十分可能である、かように推定いたしておるわけでございます。
○栗原俊夫君 話を聞けば一応なるほどなあと思うんですけれども、そういうことは世間にはちっとも伝わっておらぬですよ。五十一年度規制を四十七年に告示しておきながら、一般に伝わっておるのは、どうも技術的にそこまでいけないから後退するんだと、こう受けとめていますよ。じゃ、一体おれたちの命の方はどうなるんだいと。そっちの方で適当にかじをねじ曲げて、われわれの命の方はどうなるんだい、〇・二五グラムでおれたちの命、健康は守ってもらえるんだと、こう思っているわけだ。とにかく告示では出ているけれども、一般では法律と同じようにあれを受けとめていますよ。それがねぎ曲げられておる。しかも、技術でできないからと。それじゃおれたちの命はどうしてくれるんだ。〇・二五グラムでわれわれは命と健康を守ってもらえると、こう受けとめている人たちに、これを後退したら、もちろんその対象自動車のほかにいま話したようなトラックとかディーゼルとかいろいろこういうことをするんだと、だから〇・二五グラムをこうしても汚染度はこういうカーブを描いて、命や健康には御心配はないんだよということがなぜ言えない。そういうことをおそらく審議もしておるんだろうから、そういうことをなぜ密室でもって傍聴を禁止してやっておるか。しかも、それが完全な公開をしないという姿でなかったということが判明しておる。本当に委員会は公開を拒否して完全にやられておったんですか。ひとつ答えてください。
○政府委員(春日斉君) まず前段のことでございますが、私が申し上げましたのは、すでに衆参どちらでありましたか、私記憶いたしてないんでございますが、参考人として大気部会長の伊東先生からも私が申したようなことはすでに申し上げておるわけでございます。なお、私が申し上げたようなことはいろいろの段階で公表いたしておるわけでございます。 それから最後に密室ということでございます。私どもは、中公審の自動車公害専門委員会の討議と申しますものは、中公審のいわゆる規約と申しますか、内規と申しますか、それに基づきまして公開の形で行っておりますが、その審議内容の多くは報道機関等を通じてほぼ公表いたしておるところでございます。しかしながら、それゆえに全く公開だと強弁するつもりはもちろんございません。
○栗原俊夫君 長官にこれは特にお尋ねと同時に要望するんですけれども、とにかく環境庁自体の行政が公害とか開発したいというものを自然保護という形でチェックする立場ですからね、ほかの人たちに喜ばれるようなことをやっておったんじゃ、これは話にならぬのですよ。それは恨まれ恨まれ人間の命を守る役所が環境庁なんだから、喜ばれ喜ばれ、いわゆる企業とか開発して金もうけをしようなんというやからに喜ばれるようなことをやっていたんじゃだめなんです、これは。そこで、ただいま局長も話しておりました。しかし、一般にはそうなっておらぬ。これだけ重大な問題を、しかも公開の原則だと言っておるけれども、すでに公開の原則は被れておる。国民が皆大変な心配しておる。確かにいろいろ運営の規約上そういうことになっておるかもしれません。しかし、それは別にそれでなくちゃならぬというものじゃないんですから、それこそ長官の政治的判断でこれは公開をすると。それは員数を整理するとかそういうことはあってもいいと思いますけれども、とにかく開心の深い人たちの目の前で論議する。そして、なるほどそうかと、こういう形でないと、まるでこれは話になりませんよ。率直に私の感じ方を言うと、大気保全局長は、これは実際公害を防止して人の命を守る、その第一線の部隊長であるにもかかわらず、どうもそういう任務を真っ当に果たしておらぬような感じがする。これはどうですか。本当に大気保全局長の職務というものを−まあそこで言えと言っちゃ少し酷に過ぎるから言いませんけれども、その職責を完全にあなたは果たしておると思いますか。あなたはその職責の適任者とみずから自負しておりますか、ひとつ自信を持って答えてみてください。
○政府委員(春日斉君) 私は、健康を守り生活環境を保全するという最大の環境庁の使命を自覚して、大気保全行政に誠心誠意努めておるつもりでございます。
○栗原俊夫君 それはね、少しはそれはやはり心も持ってるんでしょうから……。まあまああれだけ関係者が大騒ぎをしておるときに、これは公開できないんだというときに、一方の問題の企業側の人を入れて、そして、これは全国の国民というよりもやはりこの問題で悩んでおる六大都市、七大都市、こういうものがあるんですよ。その代表ぐらい、そっちを入れるならなぜ入れる配慮はできないんですか、あんた。一体何なんです、それは。メーカー側のやつを入れて、そっちはだめだよと。それで守っているんですか、あんた。そうじゃないでしょう。職をむなしゅうしているんじゃないですか。曲げているんじゃないですか。いま一遍答えてください。
○国務大臣(小沢辰男君) その点は、中公審の委員の任命につきましては、これはやっぱり中公審の委員となりますと、これは内閣総理大臣の任命でございますし、専門委員の委嘱は環境庁長官がやるわけでございますので、もし御非難があるとすれば、これは当時人選をいたしました局長にあらずしてやっぱり長官の責任だと思いますので、ひとつその点は御了承をいただきたいと思います。
○栗原俊夫君 そういうことをあえて長官が言いますので言いますけれども、まあまあ惰性に流れることなしに本当に環境庁というものの責務というものをね、まあちょうど環境庁と公取あたりが同じような立場ですよ、これは。いやがることをやらなければならない役所なんですから、これは。いわゆる時の産業、こういうものを推し進める人たちに、言うならまあやみ討ちを食うぐらいの覚悟でやらなきゃ本当に職務を完遂できない立場の役所であるんですから。ひとつそういう意味合いで、部下、下僚についても、やはりしっかりと指揮棒を振って、さすが三木内閣のもとで行われる環境行政だというようなことをしっかりやっていただきたい。 そして、最後にこれは要望ですが、衆議院の特別委員会でも、なかなか長官、がんこに議事録の発表を拒否しておるようでありますけれども、これは政治的な判断でですね。見せないと言うからおかしいんですよ、さあごらんなさいと見せたらどうですか。見せられないものがあるわけじゃないでしょう、これ。それならみんなさらっとするんですよ。見せない、見せないと言うから、何かあるんだろうと、こうなる。当然ですよ、それは。その点についてはひとつ高度の政治的な配慮で、われわれの要求にこたえるように善処してもらいたい。このことをお願いして、時間が参りましたので質問を終わります。
○国務大臣(小沢辰男君) 私、先生のおっしゃること、非常によくわかります。ただ、私もそういう方向で、今日のところは検討いたしますということにさしていただきたいと思うんです。 というのは、やはり中公審の和達会長もその点を非常に心配をされまして、過般総合部会を開かれて、議事運営についてどうするかということを検討されております。来月早々にも第二回目の総合部会をお開きになって議事運営についていろいろ国会で、あるいは世間で問題にしている点を含めて、自主的に決定しようというふうな努力をされておられますので、審議会の、どういうような運営のやり方をするか、また議事録をどういうふうにするかということについて検討されておりますので、自主的な立場をお持ちの中公審と離れて、私がそういたしますといまここで言明はできないものですから、慎重な答弁をさしていただいておりますが、私としては先生のおっしゃることはまことにごもっともだと思います。そういう線で、よく先生方とも相談をしつつ検討してみたい、かように考えておるわけでございます。
○久保亘君 私は最初に、一昨日二月の十七日に鹿児島県が発表いたしました「新大隅開発の方向」と称する開発構想について御意見を承りたいと考えております。この新大隅開発というのは、すでに御承知のように、四十六年の十二月に、鹿児島県が新全総に沿って計画し、「新大隅開発計画」と題しました志布志湾臨海巨大開発構想を引き継ぐものであります。この四十六年の十二月に発表されました構想では、起爆剤として石油コンビナートが計画され、そのためにその石油企業の大体の構想は日産百万バーレルの精油所と、年産エチレン換算八十万トンの石油価格を含むものでありました。この計画はその構想が余りにも巨大でありましたことと同時に、この計画の進め方が大変非民主的で、官僚的であるという批判もありまして、公害や事故による災害を心配をいたします住民の抵抗によって凍結され、その後、国の経済成長路線の大きな変化や、一次産業の見直しというような必要に迫られまして、第二次の試案をまとめるといいながら、なかなかその計画が出てこなかったものでありますが、四月の統一地方選挙を前にして、第二次試案の「方向」という題によって一昨日発表をされたものであります。この試案の計画の方向というのを見てまいりますと、その内容は具体的な計画を一切伏せております。ただこの中で総合福祉とか環境保全とかいうようなことを正面に据えながらも、なおこの「方向」の中でかなり明らかになっておりますのは、精製段階までを含めた石油企業を起爆剤とするという考え方においては、先回の「新大隅開発計画」の構想をそのまま引き継いでおります。ただ、その規模を国内においてすでに立地している最大の規模までとするという制限を加えているだけであります。そのことは結局「新大隅開発計画」の第二次試案の中身として依然として石油企業を持ち込むということ、そしてそれは臨海部にとなっておりますから、志布志湾を埋め立てて、そして石油企業を三十三万バーレルを限界として、ここに誘致をしよう、こういう構想だと考えられるのであります。したがって、この構想について私がお尋ねしたいと思いますことは、一つは環境庁にお尋ねいたしますが、第一次試案が提出をされましたときに、環境庁は志布志湾を含む国定公園の指定解除については、大石長官以来非常に慎重な態度をとられまして、住民の要請に対して理解ある態度を示してこられたのであります。その後歴代の長官もそのような立場をとりながら、国定公園の指定解除についてはきわめて慎重な態度をとってこられました。しかし、今回この問題が統一地方選挙の公約的な形で争われて、そしてそのことが住民の同意を得たという形をもって、具体的な計画がその上に構成をされていくということになりますならば、住民の間にあります不安は非常に大きなものがあるわけであります。 それで環境庁長官にお尋ねしたいのですが、この「新大隅開発の方向」をごらんになったかどうかしりませんが、この新大隅開発の方向について環境庁長官は事前に協議を受けられていたかどうか。それから「新大隅開発の方向」と称する具体的な計画を持たない、ただその中に志布志湾の埋め立てと精製段階までの石油企業の立地をすでに具体的に前提としているこの計画の方向によって、国定公園の指定解除に同意を与える判断が可能であるかどうか。私はこのような抽象的な「新大隅開発の方向」というものの段階では、国定公園の指定解除に対する環境庁の判断は絶対にできない。できないということは、国定公園の指定をしているこの自然の環境の保護という立場に立てば、現段階において国定公園の指定を解除することは環境庁としてはできない、こういうようなことになろうと思うのでありますが、この点について長官の率直な御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 歴代の環境庁長官が国定公園の指定の解除については非常に慎重に臨んでこられたという先生のお話、私も当然そうあるべきだと思います。私も国定公園の解除についてはこれはもう当然慎重にしなければならない。これは当然のことだと思っております。「新大隅開発計画」を知事さんが何か発表されたというニュースは承りましたが、その内容がどういうものであるかどうかにつきまして、まだ詳細に文書も受け取っておりませんし、私自身が。係の者は重大な関心がありますので、その「方向について」という書面をもらっておるようでございますけれども、私自身まだ詳しい計画について全然承っておりません。国会の先生方から、あるいはぜひやるべきだという御意見、あるいはぜひやるべきでないという御意見を承っておっただけでございまして、きょう井上先生と久保先生、両方から若干のお尋ねがあったという、そういう状況でございまして、この計画が私どものほうに出てきました段階において私は十分よく環境保全の面からも、また環境アセスメントを事前に十分やらなければいかぬ問題でございますので、そういう点も含めまして慎重に検討していきたい、こういう気持ちでおります。
○久保亘君 ということは、今度示されましたものは、最初に出ましたいわゆる一次案と称するものに比べますと大変簡単なパンフレットでございまして、そしてこういうような考え方で計画をつくりたいというものであります。したがって、長官、いいですか、この「新大隅開発の方向について」というパンフレットをもって国定公園の指定解除などの判断を下すことは絶対に不可能である。しかし、この中には国定公園指定の解除を前提としなければならない方向が示されておる。だからその点について非常に問題があるわけであります。だから、具体的な計画案の段階がもし到来すれば、その段階でしか環境庁としては判断は困難であると、このように考えてよろしゅうございますか。そしてさらに、その計画が出た段階で、あなた方としては環境アセスメントも環境庁独自の立場でおやりになって、その上でなければ判定は下しがたい、判断は下しがたい、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 当然そのとおりでございまして、私どもまだ——何かいま聞きましたら、係のほうには出張所からいま先生お示しのパンフレットを届け出られたそうでございますが、先生おっしゃるように、私ども詳細な説明をお伺いして、それからさらにアセスメントの場合でも、県でおやりになったものを、われわれのほうでよくそのアセスメントの内容を検討いたしまして、十分であるかどうかを慎重に検討するのは当然のことだと思っております。
○久保亘君 この「方向」の中には、自然環境の適切な保全ということに関して、前回の計画案と比較いたしますと、それらの点についてはかなり進んだ意見が述べられております。これらの点を注目をしてまいりますと、環境庁としては自然環境の適切な保全、それから志布志湾一帯の環境保全や学術的貴重性、そういうようなものに立てば、この国定公園の指定解除については決して、開発の要請があるからといって、軽々しく判断すべきものではない、このように思っております。その点については、大石長官、小山長官、これらの方々がかなり明確な姿勢を現地の住民にも示されたところであります。私は、このような方向が具体化していくとしますならば、その段階で長官も当然現地を訪ねられまして、現地の実態をみずから確認をされると同時に、住民の意向についても、単なる文書によらず、長官みずから確かめてこの判断の重要な参考とせらるべきだと考えておりますが、その点について長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は責任者として当然ある時期には現地を見せていただきたいと考えております。 それからアセスメントの場合は、当然これは住民にやはりそのアセスメントの結果を周知徹底をさせなければならないと考えております。そして地元の説明を十分やりまして、その了解のもとで進めていかれる、これは知事さんも当然おやりになるだろうと思うんでございます。したがって、現在のところは、私どもとにかく慎重にこの計画について、出てまいりました場合に、先生おっしゃいましたような、私どもは自然保護の見地から十分慎重の上にも慎重に検討してまいりたい、かように考えます。
○久保亘君 通産省お見えになっておりますか。——じゃあ通産省にお尋ねいたしますが、この鹿児島県のこの開発計画は、もちろん開発のサイドから起爆剤としての石油を非常に重要視しているものと考えるでんすが、一方では、通産省が九十日備蓄計画の一つの石油戦略をお持ちなんでありまして、この一環として鹿児島の志布志湾に一定の任務を通産省として押しつける。そのようなことはなかろうと私は思っているのでありますが、何かその点について、県と通産省との間に石油戦略上の話し合いがこの開発に関して持たれたことがありますか。
○説明員(箕輪哲君) 従来、鹿児島県庁との間でいろいろその経緯、進め方、あるいは地元の情勢、あるいはいま先生のお示しになりました「新大隅開発の方向について」という考え方について、おおよそのことは連絡を受けておりますけれども、具体的な計画の内容につきましてはまだ説明を受けておりません。したがいまして、先生がいま申されました石油備蓄についての役割りということにつきましても、具体的なことはございません。
○久保亘君 きょうは時間が非常に少ないので、新大隅の問題につきましては、いま長官のほうで慎重に対処するということと、それから具体的な計画の段階で自分も現地を見ていろいろ判断をしたいということでありますから、ぜひ慎重な取り扱いをお願いしておきたいと思います。 次に私は、鹿児島湾内にあります日石喜入基地に関連をして二つの問題をお尋ねしたいと思うのであります。 一つは、この日石喜入基地にあります、現在すでに建設を終わり、使用中あるいは検査寸前のものを含めまして五十四基の巨大なタンクがあります。この五十四基のタンクのうち、水島の事故が起こりましてから再点検をいたしまして、最初このタンクをつくりました建設企業の技術者をして会社側が検査をいたしましたところ、五十ミリ以上の不等沈下のありますタンクが四基発見をされております。それからその後県が改めて調査をいたしましたところ、かなり違ってまいりまして、五十ミリ以上のものが五基となっております。そして、日石側としては、不等沈下の大丈夫という基準を大体五十ミリというところに置いて考えているのだそうであります。そうすると、企業側が考えている五十ミリのラインを超えるものがすでに五基存在をするということであります。そのうち一基はまだ検査完了前、つまり未使用のものであります。 で、こういうようなタンクの不等沈下があらわれておるのでありますが、私がきょうお尋ねしたいと思いますことは、消防庁がタンクの不等沈下の安全性の目安を直径の〇・五%に置いているということについて、はなはだ不審な気持ちがするわけであります。鹿児島のタンクは、十万キロのタンクが直径八十二メートルございます。それから十五万キロのタンクは百メートルを超えております。そうすると、〇・五%ということは、四十センチないし五十センチの不等沈下が起こっても消防庁の目安に関する限り安全である、こういうことになってくるわけであります。これでは消防庁が示している不等沈下の目安が非常に問題があるのではないかと考えます。で、この点について消防庁の意見を聞きたいと思うのです。——私は質問をずっといたしますから、それぞれ答弁される方は書いておいてください、時間がありませんので。 それから巨大タンクの検査や監視について自治体消防に一任されている現状では問題があるのではないか、これも消防庁のほうからお答えいただきたい。 鹿児島の日石喜入基地があります喜入町には常備消防がありません。したがって、このタンクの完成検査はこの喜入町にかわって県が行うのであります。県はもちろん常備消防は持っておりません。県の消防防災課の係官が行って検査に立ち会うという形でしかできないのであります。そしてもしこの喜入の日石原油基地に災害が起こりました場合にはだれが出動するのか。喜入町とこの消防協定を結んでおります鹿児島市消防が出動するのであります。ところが、鹿児島市消防はこの日石喜入基地のタンクについては全然検査の権限もなければ、かねてはそのことについて何も知っておらぬのであります。では、この災害に対する防御体制というのは大丈夫なのであろうか。これだけの巨大な基地を設定する以上は、当然その基地の存在する自治体に対して常備消防を義務づけるということは、私は当然のことではないかと思います。もし自治体の財政負担上問題があるならば、そこに基地をつくるその企業が消防税として自治体に負担すべきものだ、こう考えるのでありますが、自治体常備消防の存在しないところに巨大タンクが六十基もつくられるということについて消防庁はどのようにお考えですか。 それから日石喜入基地の防油堤はいずれも複数を一緒に囲んでおります。一基ずつでやっておらぬのであります。なぜそうしているか。土地を企業の利益の面から効率的に利用するためには、いまの消防規則二十二条によれば、一基を囲めば全収容量の二分の一を防油堤で防がにゃならぬのであります。二基一緒に囲めば三基目のものは一〇%でいいのであります。十五万キロを四基囲んでおります。四基囲めばあとの三つは一〇%でいいから、この防油堤の総収容量は一基分の八〇%しかないのであります。そのようなやり方が消防法の上で認められているということは、余りにも企業の側に有利に解釈され過ぎているのではないか。もちろんその言い分があります。一基ずつ囲めば半分だが、四基一緒に囲んでおけば八割までとまるじゃないか、二つ一緒に壊れることはないという理屈を言いました。しかし、それなものであろうかと私は思うんです。特に鹿児島のようにいま非常に爆発の心配があります桜島をすぐ目の前にしておりますこういう基地の場合に、大災害の際には、もちろん防油堤がそのときには役に立たないと思いますけれども、しかし、もしも防油堤が役に立ったとしても、同時に二基、三基流出を起こしました場合には、とうていこの防油堤は役割りを果たし得ない。だからそういうような防油堤の設定の仕方というのが認められておってよいのかという問題であります。まだほかにもいろいろあります。 それで最後に資源エネルギー庁のほうにお聞きしたいのは、鹿児島の湾内のように火山の活動が非常に活発であり、しかも狭い入り口から湾内に入ってきて鹿児島湾の湾奥に行きますとほとんど水の入れかわらない、こういうような条件のところで今日のような流出事故が起きたり、タンカーの衝突事故が起きたり——現に鹿児島湾においてもつい先日スラツジ船の転覆があったのであります。こういうような状況の中で、これ以上鹿児島湾内の石油立地を考えることが妥当なのかどうかということについて消防庁の側の意見も伺いたいし、資源エネルギー庁のほうの意見も伺いたいと思うのであります。日石喜入基地は現在の巨大な、東洋一と言われる六十基のタンク群のほかに、さらに南のほうへ第三期埋め立てを申請いたしておりまして、これがもしも許可になりますと、現在の規模よりもはるかに大きなものがもう一つできてくるのであります。このような状態を、五十万トンタンカーがあの狭い鹿児島湾に出入りをするというような状態の中で立地を認めることが妥当なのであるかどうか。今日の石油企業をめぐるいろいろな災害等を考えながらぜひひとつ率直な意見をお聞かせいただきたいと思うのであります。 次に、いま申し上げました鹿児島湾入り口において起きましたスラッジ運搬船第五輝丸の沈没事故について。この第五輝丸は百九十二トンの船でありまして、二百七十五トンの東京タンカー所属のタンカーのタンククリーンをやりました後、バラスト水を処理しました後に残るスラッジを四国の新居浜の処理場へ運んでおるのであります。ここで問題になりますのは、この第五輝丸というのは村上陸男という船主が船長を兼ねて所有しておる百九十二トンの船であります。この船を新居浜海運に所属をさせまして、新居浜海運はさらに集油船舶株式会社に用船として出し、集油船舶株式会社は日東工業に又貸しをいたしまして、この日東工業の下請として第五輝丸は日石基地に陸揚げされておりますスラッジを四国まで運んでおったのであります。こういうふうに何段にも又貸しをされております自分の所有船をよそに預けて商売をしている船長ですから必死の思いで金もうけをやるのです。それでこの船が転覆しましたときには、海上保安庁が波浪注意報を出しておりまして、そうしてこの船は四日の夜は途中山川港に避難停泊をしておったのであります。ところが、波浪注意報が解除されないままこの船は朝早く山川港を出まして山川沖で荷崩れのために転覆した、こういうことになっているのであります。そうしてそのスラッジ船の転覆が起こりますと、私はけしからぬと思っているのでありますが、日石喜入基地がまず言いましたことは、スラッジはタンカーのタンクの鉄さびや砂などとの混合物であるから比重が大きい、しかもビニール袋に入れてあるから絶対に浮き上がってはこない、流れ出ても、油分は二%だから、全く被害を起こす心配はない、こういうことを言って、鹿児島県もそれをうのみにして発表したのであります。ところが、このスラッジ船が積んでおりまして沈みました四千袋以上のこのスラッジを結めました、ビニール袋ではありません、麻袋のように編んだ袋であります、これが直ちに浮き上がってきまして、あわてふためいてこの回収の指示をしたのは沈没から五時間たった後であります。そうしてこの沈没船が沈めましたスラッジは、いまなお三千袋は回収されないまま海底にあると言われております。そうして回収したと言っているものも空の袋だけ引き揚げておるのです。あとは水島に学んでひしゃくとポリバケツで海の上に浮いたやつを取っておるのであります。そうしてその被害は湾内の沿岸だけではなく、すでに種子島、屋久島の海岸に及び、漁業に重大な被害をいまも拡大しつつあります。このようなものに対して私が最初船の雇用関係を申し上げましたのは、船の事故であるから責任は船主ということになるのであります。そうすると、一そうしか船を持たないこの村上という船主が一切の責任を負う。日石に、あんたのほうの責任は何だと聞きましたら、東京タンカーが日石基地におろすスラッジが機橋を汚さぬように監督するのがわれわれの仕事である、こう言っているのであります。それならば、住民としては知事や企業が、ここに企業が進出してくるときに、われわれはこの日石基地から発生する公害や災害については絶対的な安全性を持っているから、諸君はこのことに対しては大丈夫だから賛成しろということで、そうして住民の中に反対があったものも押し切ってやったのであります。ところが、現に事故が起こってみると、タンカーのスラッジ処理などは全部下請下請と出されて、企業は何の責任も負っていないということがはっきりするのであります。だから、このようなスラッジ運搬船などについての企業の責任を法的に明確にする必要はないのかどうか。この点について、どこが担当になりますか、その責任のある答えをしてもらいたい。 それから海上保安庁が注意警報を出しているにもかかわらず、夜明けとともに出航したというこは船長の責任でしょう。しかし、そういうふうに下請下請でやられている以上は、この船主としては乗組員たった三人の船なんです、金もうけせにゃならぬから、ずっと上で利益をはねられているから一生懸命やらにゃいかぬ、多少の危険を冒してでもやらにゃいかぬといういまの企業の冷酷なやり方が、このような惨事を招いたものだと私は考えております。そういう意味でスラッジの処理や運搬について最終段階まで第一義的に原因者であります日石喜入基地が責任を負うべきことを政府として明確にすべきものだと考えております。この点について御見解を承りたいのであります。
○説明員(永瀬章君) 先生御指摘の不等沈下の問題でございますが、これはタンクが完成後傾きまして、その傾きが必ずしも一様でございません。この一様でない傾きのために何らかの支障が起こることも大きい場合には考えられますので、こういう傾きについて、昨年の暮れに指令を出しまして緊急な調査をいたさせました。新聞紙上等に〇・五という数字が報道されておりますが、これは消防庁といたしまして、この数字以下の数値のタンクにつきましては安全であって、それ以上は危険であるというような考え方で申し上げたものではごがいませんで、これは一応の内部検査をして、そして安全性を確かめる、このための一応の目安として〇・五という数字は実は申し上げているわけでございまして、この数字で取りまとめて今後とも考えていくということではございません。 なお、水島の事故にかんがみまして、この事故原因を調査いたしますところの事故原因調査委員会を私ども発足させていただいておりますので、この先生方にも御相談申し上げまして、どれくらいの数値のものから一応の検査をすればいいのか、これは御相談申し上げ、御意見を承って今後の査察の基準にいたしたいと考えております。ただ、先生御指摘の大きなタンクの場合には、数値が大きくても〇・五にならない、あるいはこれは、〇・五というのは千分の五でございますが、千分の五といっても数値が大きくなるじゃないかというお話がございますが、実は、この傾きといいますのは角度であらわすべきものでございます関係で〇・五という数値をとっておりまして、非常に大きく傾くと、これは側板の方にも底板の方にも力がかかってまいりますが、傾きが小さければそれほどでもございませんので、実は、絶対値でなくて傾きで危険を——危険といいますか、その不等沈下の状態をあらわすべきものだと、これ一般にも言われておりますので、私どももさよう考えております。 次の御質問の喜入町のような小さなところに任せてる、あるいは消防機関がこのタンクその他の危険物の規制をやっているのはおかしいではないかという御趣旨ではなかったかと思うのでございますが、現在の消防法の体系におきましては消防本部署を持っておりまして、かなり整備された体制のところに、現地に密着する災害関係の問題でございますので、その場合、当地の市町村長に許可権あるいは査察権、監督権をゆだねております。ただ、消防本部署がございませんところは消防団だけ、事務は役場でやるという形になりまして、どうしても専門家が置けませんので、こういう地域につきましては、県の消防防災課が実際に権限を行使する、権限者は知事でございますけれども、このような体制にしております。
○久保亘君 それはわかっているんだよ。
○説明員(永瀬章君) 今後、喜入につきましては消防本部署を設置するように勧奨いたしております。これはできるだけ早い時期に完備させたいと考えております。先生御指摘のように、喜入のような大きな基地がございますところは、事故が起きましたときに専門的な素養を持って即刻ある程度の消防体制で臨むことが必要でございます関係上、やはり喜入には幾ら応援体制があろうといえども常備体制を整えさせるよう努力いたしたいと思っております。 なお、鹿児島市あるいは指宿の消防本部、これは組合でございますが、ここらが応援体制を結んでおります。応援体制を結んでおりますところは、応援体制を結んでいるという責任から現地の状況は喜入に行きまして、あるいは喜入から説明を聞いて対処できる内容を把握しているはずでございます。 次の、こういうところに巨大タンクをつくるのはどうかという御趣旨でございますが、これにつきましては、都市の災害の問題も同様でございまして、できました場合に私どもとしては対応策を講じていくという形が通常の形でございますので、そこに完成したら消防力を付与していく、つくらせるという形で現在までやってまいりましたし、今後もそのような形で推進いたしたいと考えております。 それから防油堤の容量の問題でございますが、これは現実的な実態といたしまして、タンクの場合に空きタンクと充てんタンクと両方ございますので、従来は平均値的な数個、これをもとにいたしまして二分の一という数字を実は出しております。しかし今回のような災害、水島のような災害を考えてまいりますと、満タンのときにどうなるかとかいうことにも相なりますので、この容量につきまして現在検討を続けてまいっております。ただ困りますのが、防油堤を余り高くいたしますと看視ができませんし、水島のような場合でも漏れが外から発見できないという関係もございますし、また災害時にバルブ操作その他で中へ入らなければならない、あるいは消火活動で人らなければならないということもございまして、広い防油堤全部にはしごをつけていくというわけにもいきませんので、その辺の兼ね合いで余り高過ぎるのも作業上の人命の問題がございます。
○久保亘君 広げるんだよ。
○説明員(永瀬章君) ただ、これ、広げていく問題がございますが、既存のものをどうするか、実はここに頭を悩ましておりまして、新設のものは規定を変えれば広い空地、防油堤の容量あるいは広い敷地はとれますけれども、既存のもののほうが現実的に問題でございますので、これをどのようにして容量を確保させるか、これについて現在検討を続けてまいっております。 次のお尋ねの導入のような立地問題でございますが、私どもも、先ほど申し上げましたように、余りこういう場所は必ずしもほかの場所と比べますと安全ということは言えない感じがございます。しかし、この場所がどのような危険を持つかということは、いろいろ御意見もございましょうし、私ども端的にこの場所がいいの悪いのということは必ずしも申し上げられませんが、やはり私どもの災害を防除する立場からいたしますと、余り危険なところに手に負えないようなものはできるだけ設けていただきたくないということは申し上げられると思います。 以上でございます。
○委員長(鶴園哲夫君) 消防庁の藤江防災課長、ありますか。
○説明員(藤江弘一君) ございません。
○久保亘君 資源エネルギー庁……。
○委員長(鶴園哲夫君) 資源エネルギー庁は松村精製流通課長。
○説明員(松村克之君) お答えいたします。 石油の備蓄につきましては、一昨年秋のオイルショック以来、日本といたしましても当時の六十日程度の備蓄では国民生活を防衛する上からも非常に不安があるということで、私どもといたしましては九十日備蓄の達成ということを五年の間に達成したいという一つの政策を立てているわけでございます。そのためには今後貯油量あるいは貯油施設を増大するということが当然必要になってくるわけでございますが、一方では水島の事故等を契機といたしまして保安問題、安全問題、公害問題といったことが非常に重要な問題であるということになっているわけでございます。これは当然のことでございまして、私どもといたしましても、たとえば鹿児島のような山紫水明の地において事故を起こすというようなことはもうこれは当然あってはならないことでございまして、私も現地を見たこともございますけれども、今後消防庁あるいは海上保安庁、特に問題としていま先生のお話のございました鹿児島湾というものは非常に入口が狭い面もございます。あるいは桜島というものがありまして何といいますか、操船といいますか、船を操るのには非常なむずかしい面もあるというふうなことも聞いておりますが、そのあたりは海上保安庁等の御指導もいただきまして、できる限り完全な技術をそこにアプライしていくということと、それと当然のことでございますが、地元の理解といいますか、地元がお認めいただけない限りはこれは当然できないわけでございますから、そういった点についてはできる限りの努力をするようにということを企業のほうに指導していたわけでございます。
○説明員(山本了三君) ございません。
○説明員(鮫島泰佑君) ただいまの御質問の内容ですと港湾局ちょっと直接のお答えする内容ございません。
○説明員(阿部雅昭君) 船舶の責任の問題について御質問ございましたのでお答えいたします。船舶を原因とする損害賠償の責任につきましては船舶所有者が賠償責任を負うというのが確立された原則というふうにわれわれ考えてございます。今回の船につきましても船舶所有者——これは実際には個人の船主さんでございますが、個人の船主が保険、たとえばPI保険をつけるというような形で、賠償責任が生じた場合には責任を負うというような体制になっておりますが、従来海運局といたしましては、特にタンカー等につきましてはそういう災害を想定し、いざという場合には十分賠償責任がとれるように保険に入るような指導をいたしております。 なお、国際的にはこういう油濁による民事責任を賠償するための条約がすでに成立しておりまして、一九六九年には油濁民事責任条約、七一年には国際基金条約というのができておりますので、この辺につきましてわれわれとしては今国会にその条約を批准し、それを受けるための国内法といたしまして油濁損害の賠償に関する法律案というものを提出すべく現在準備中でございます。これにつきましては、一定トン数のタンカーについては強制保険を義務づけ、それによって損害賠償させる、さらにその賠償額が足りない場合には荷主側が拠出する国際基金から賠償するといったような内容になってございまして、いずれもこの国会において御審議いただくよう現在準備中でございます。
○委員長(鶴園哲夫君) 通産省の喜入基地の拡張第三期計画、これについての考え方はどうですか。
○説明員(松村克之君) ただいま御説明いたしましたとおり、私どもの立場からいたしますと、九十日備蓄ということはこれは五年の間にぜひ達成をしたい。そのためには全体といたしまして相当な石油基地の増設が今後必要になるわけでございますが、そのために必要な保安面の強化、あるいは住民との意思の疎通といったようなことについては、今後企業を十分指導していきたい、こういう立場でございます。
○委員長(鶴園哲夫君) さっきも質問のありましたスラッジの問題についての賠償責任問題ですね、これは環境庁何かありますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私のほうは特別に直接関連はないわけでありますが、先ほどちょっと運輸省から言われました条約の問題、それに基づく国内法の問題、これに関連しまして、提案前に十分運輸省ともいろいろ財産被害の問題についての観点が、私どもとやはり心腹には関係ありませんが、原因としては今度の事故についてもいろいろありますので、十分協議をしていきたいと考えております。現在のところ直接私どもは関連はございません。
○久保亘君 時間が過ぎましたので終わりますが私は、企業と関係をしてくるスラッジの公害防除の責任について企業側に負わせるというようなことをきちんとすべきじゃないかということをお尋ねしているのです。 それからもう一つ、資源エネルギー庁のほうは、第三期計画の膨大な計画をああいう湾内に持ち込むということが妥当であるかどうかということをお聞きしたのです。あなた方答弁をしておりませんから、この点については、改めて文書ででもよろしゅうございますから、答弁を明確に私の方へお返ししていただきたい、こう思います。
○委員長(鶴園哲夫君) それでは文書で……
○説明員(松村克之君) 私、御答弁申したつもりでございましたが、言葉が足りませんでございましたら補足させていただきたいと思いますが、現在第三期計画を日本石油基地が進めていることは私どもも承知しておりますけれども、これは埋め立ての問題でございますので、通産省の許可認可といったこととは関係がないわけでございますので、私ども一般的なこととして、御説明したわけでございますが、今後そういった大規模な施設の設置が、たとえば海上交通上問題があるかどうかといったような点については、それぞれ関係諸官庁の方で御審議をいただけるものと私どもは思っております。
○久保亘君 消防庁やってほしくないと言っているのだからね……。
○委員長(鶴園哲夫君) それでは、午前の審議はこれで終わりまして、大臣の都合もございまして大変昼食の時間が短くて恐縮でございますけれども、二十五分間休憩して、一時十分から始めたいと思います。 午後零時四十六分休憩 —————・————— 午後一時十七分開会
○委員長(鶴園哲夫君) 委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。
○小平芳平君 きわめて短時間でありますので、要点だけ質問をいたします。答弁なさる方も簡潔に御答弁いただきたいと思います。 第一に、土壌汚染防止法に基づく特定有害物質として砒素を指定するのはいつか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私ども昨年八月に諮問をいたしまして、今日まで六回の審議を行っていただきまして、近く答申がいただけるという段階になりました。おそらく、遅くも来月上旬には答申をいただけるんじゃないかと思いますので、答申をいただきましてできるだけすみやかに決定をいたしたいと考えております。
○小平芳平君 私の提出した質問主意書に対する政府の答弁は、ただ中公審に審議をお願いしているということだけであって、そうした具体的な答弁がまるでない。で、これはきのうやきょう問題提起していることではなくて、私が最初島根県津和野町笹ケ谷鉱山の農業被害を国会で取り上げましたのは昭和四十七年です。この砒素の被害を地元の人たちが訴えているのはすでにもう百年も前からです。明治の初めからなんです。 そこで、農林省も大変遅まきながら試験田をつくり、調査をしたと。で、農林省から簡単にその結果を述べてください。
○説明員(工藤健一君) 笹ケ谷地区の砒素の現地試験の概要という御質問でございますので、簡潔に申し上げたいと思います。 笹ケ谷地区の長福という試験地とそれから内美という二つの試験地につきまして、昭和四十六年度から四十八年度まで三カ年調査をいたしました。で、長福という地区の土壌の砒素の濃度は三三六PPm、それから内美という地底の土壌の砒素の濃度は二八PPm、したがいまして、非常に高濃度のところと、比較的低濃度といいましょうか、二八PPm程度のところの二つを選びました。で、十センチの客土をいたしたところと客土をいたさない地区の水稲収量の三カ年、平均をとってみますと、長福の地区ではいわゆる客土をしない対象区が三カ年平均百二十八キロでございます。それから客土をしたところが三百三十三キロでございます。それから内美圃場では、客土をしない区が三百五十五キロでございます。客土をしたところが四百十九キロということで、非常に高濃度のところは約六一・五%の増収になっております、客土をすることによって。それから内美圃場のほうは一五%程度の増収になっております。こういう結果に相なっておる次第でございます。
○小平芳平君 そういうように、四十八年で結果が出ているわけです。四十六年、四十七年、四十八年度三カ年計画で被害の調査をやった、その結果、六割減収になっている——六割一分幾らですか、したがって、四割そこそこしか収穫がないわけでしょう。それだけの被官を受けておりながら、四十九年——もう五十年の春を迎えようというのにいまだに特定有害物質に指定ができていないというのはどういうことですか、一体。
○政府委員(大場敏彦君) 昨年、砒素の指定の問題につきまして中公審に諮問いたしましてから半年たって、非常に遅延していることにつきましては、私どもまことに申しわけないと思っています。ただこの問題は、農作物に与える影響の度合いが地域によって非常にばらつきがある。それからまた、同じ地域の中でも、先ほど農林省のほうから御説明いたしましたように、六一・五%あるいは一五%というぐあいに土壌によってもばらつきがあるわけでございます。それをどういう基準で指定したらいいか、こういった問題が実はあるわけであります。単純に一本で指定してしまうと、引き方によっては落ちこぼれが出てくるし、あるいは引き方によっては必要でもない、減収が大してないところでも土壌改良をしなければならないというぐあいに指定するということになりかねない、こういう問題がありますので、その辺の兼ね合いをどうするかという問題が実はあったということ。それからもう一つは、いろいろ現実の調査データはあるわけでありますけれども、土壌中の砒素の濃度、それから現実の収量と関係をいろいろ分析してみますと、確かに砒素の濃度の変化に応じて米の収量の変化というものはあり得るわけでありますけれども、しかし、米の収量の変化にはいろいろな要因がからまっていることも事実でございます。土性の問題もありますし、それから天候の問題、あるいは栽培技術の問題がございましょうし、あるいは水管理の問題、こういった問題があるわけですから、そのうちどれだけ砒素が寄与しているかということを分離することはなかなか技術的にも事実上むずかしい、こういった問題がありまして、実は手間取っておったという関係があるわけであります。そういったむずかしい事柄がありますだけに慎重に御審議を願っておるわけでございますが、また同時に、委員の方々も現場に行って、実地にやはりそのところを見てみないとよくわからない、こういった御希望もございまして、現実に土壌汚染地域の代表的なところにも行っていただきましたし、そういった形で審議をお願いした関係上、時日を要したということでございますが、いろいろ過去六回にわたりまして審議を重ねました結果、議論も整理されてきております。整理されてきておりますので、近々、先ほど長官がお答えいたしましたように、結論を出して審議会に答申をいただきたいと思っております。
○小平芳平君 むずかしいと言いますけれども、この中央公害対策審議会というものの存在が自動車排気ガスで企業寄りということを厳しくいま批判されているそのときに、一体中公審で審議しているということ一本やりですから、政府の、内閣総理大臣からの答弁は。そこで、中公審で審議していらっしゃるという土壌部会の方の名簿をいただきました。そうしますと、金属鉱業事業団理事長とか、あるいは日本工業立地センター理事長とか、まるでこういう企業代表者が入っていて、そしてこの中で一体農家の米つくることがわかってる人はどなたがわかってるんですか。
○政府委員(大場敏彦君) 委員は十五名の方々に土壌部会の委員をお願いしておりますけれども、いろいろ農芸化学の学者、あるいは農業土木の学者等、農業に関しまして、ことに有害物質と農作物の生育阻害についてそれぞれ権威の方々に参画していだだいておりますので、農業のサイドからの意見がこの土壌部会で反映されていないということは私どもはないと、そういう学識経験者の権威の意見も十分に反映されておるというふうに私ども理解しております。
○小平芳平君 いや、ですから、平塚さんという方は金属鉱業事業団理事長でしょう。伊藤委員という方は日本工業立地センターの理事長でしょう。こうして企業代表が入っていて、一体被害者代表はどなたですかって聞いている。
○政府委員(大場敏彦君) まず、いま先生がお名前を挙げました委員の方々でございますが、これは私ども公害に関しての学識経験者という形で、鉱山について、あるいは冶金についてそれぞれ専門的知識を持っていらっしゃる方々にその専門的知見を拝借するために委員として御就任願っているわけでありまして、あくまで、学識経験者というステータスで御審議を願っているわけであります。それから農業被害者としての、つまり農作物被害のサイドからこの問題を見ると、こういう立場の者はいるのかいないのか、こういった御指摘でございましたが、たとえば弘法先生、これは東大の農芸化学の先生でございますし、それから三井先生、この人も東大の農芸化学の専攻でございます。八幡先生、これは東大の農業土木でございますが、土地改良の権威でございます。それから上村先生、これは京都大学卒業で農芸化学専攻の先生、こういった方々に農作物被害についての御造詣を披瀝していただいているということでございます。
○小平芳平君 そうしますと、平塚委員は土呂久とか東邦亜鉛に関係しておられたということはそのとおりですか。
○政府委員(大場敏彦君) 平塚委員が現在金属鉱業事業団理事長という現職でございますが、過去お若いころに、もういまから三十年ぐらい前だそうでございますが、土呂久とかあるいは東邦亜鉛に関係していらっしゃったということは聞いております。
○小平芳平君 そういうように鉱毒を流した方が入っていてですね、実際米の減収に悩んでいる人が入っていないというのはおかしいです。そう思いませんか、常識で考えても。いま挙げられた、それでは、三井委員ですね、三井委員は渡良瀬川の基準をつくるときにどういう発言をされたか御存じですか。あるいはいまこの十三人の委員、専門委員を除いた十三人の委員の中で東大の教授、名誉教授が六人、ほかの大学が二人、過去役人をしていた人が二人、こういうことでだれが被害の実態を代表して発言できるのですか。いま東大教授で学識経験の深い方だと局長いわれますけれども、東大の公害自主講座の宇井さんのところで、中公審の委員のメンバーの方法をいろいろ技術的な面あるいは住民運動の面からチェックされて、朝日新聞にも出たことがあります。これで見ますと、住民運動にマイナスという人が六人、印のない人が七人、そうして住民運動にこの人はプマスになったという人まゼロ、こういう実態を御存じですか。また、どう思いますか。
○政府委員(大場敏彦君) ただいま御指摘ありました宇井純さんがどういう評価をこの土壌部会のメンバーの方々になさっているか私どもは承知しておりません。おりませんが、先ほど申し上げましたように、農作物生理それから有害物質の農作物に及ぼす影響、そういったことについてのやはりオーソリティーを私どもは御参加願っていると、こういうふうに考えております。
○小平芳平君 じゃあね、先ほど挙げられた四人の方はどういう著書がありますか、どういう論文がありますか。
○政府委員(大場敏彦君) 私、現在その著書名あるいは論文名を知っておりません。
○小平芳平君 それ知らないで、ただ権威者だと思っているんですか。
○政府委員(大場敏彦君) まあこれはいろいろ環境庁部内で——この当時私はおりませんでしたけれども、環境庁部内で権威の方々を、どの方々を委嘱申し上げたらいいかということを皆さんで御相談になって、そうしていろいろな人の意見をお聞きして、この方がいいというぐあいに委嘱申し上げたということだろうと私は理解しております。
○小平芳平君 自分はいけなかったと言うけど、それはそうでしょうけどね、まあ小沢長官もその当時はいなかったわけだけれども、もっと中央公害対策審議会というところは公正中立な運営をする、あるいは公開の運営をする、あるいは被害者の代表を加える、こういう考えにもう全面的に切りかえるべきだと思いますが、長官いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 将来の問題といたしまして、委員の方々の人選につきまして、あるいは補充なり、先生おっしゃるような御趣旨での充実を図っていくということについては私も十分検討いたしたいと考えておるわけであります。
○小平芳平君 ですから、もっと審議は公開にする、あるいは被害者の意見を直接聞く、そういう運営の方法を考えるべきでしょう。
○国務大臣(小沢辰男君) 被害者の方々の意見を十分聞くようなやり方、これも含めましていま和達会長にいろいろと内部で御議論を願おうと、こう思っております。そのやり方等につきましてはどういう方々がいいのか、この点はあるいは一部の方は公聴会をやったらどうだというような御意見もございますが、そのやり方等についてもいろいろと検討を要する面もございます。それから、公開非公開の問題についても、やはり委員の人選と絡むわけでございますが、まあ公正に選ばれた委員でございますと、当然その委員のお互いの討議というものが傍聴やあるいはその他のことによって制約を受けない自由討議の場がやはり大事でございますので、そういう点も十分考えながらいかなる形でそういう実を上げていくかということについても中公審でこれから御検討を願って自主的にひとつおきめ願っていこうと——人選をする権限は内閣にございますけれども、議事運営についてのやり方やそういう問題については自主的に中公審で御決定願わなきゃいかぬものですから、その点はいま私がこうしなさいああしなさいという指示をちょっとできる立場にございませんので、会長ともよく御相談をいたしまして、中公審自体としてそれらの問題をどういうふうに今後改善をしていくかということについて御検討を願っておると、こういう段階でございます。
○小平芳平君 まあそう苦しい御答弁はされますけれども、私が先ほど来申し上げていることは、被害者が鉱毒被害を訴え始めてすでに百年近くなる。それから鉱毒ため池をつくって少しでも鉱毒がたんぼへ入るのを防ごうとして県がつくったのが昭和二十七年、二十八年のことです。農林省が試験田をつくってやったのが四十六年、七年、八年のことです。被害者としては市へ行っても町へ行ってもけりはつかない。県へ行ってもけりはつかない。国会で審議しょうとしても中公審でいまやってますと、この一点張りで、一体日本の政治はどこでやられるんですか、ただ質問しても中公審でやってますというだけの返事で。被害者として一体、泣くにも泣けない。日本の政治はどこでやられているんだ。で、長官が先ほど来この運営については中公審で検討していただいておりますとおっしゃるのですが、中公審のメンバー自体は補充なり何らかで入れかえなくちゃいけないと長官は一方で発言されながら、しかも運営についてはいまの中小審で相談してもらいましょうと言っている。その辺ちょっとおかしくありませんか。
○国務大臣(小沢辰男君) 委員の人選につきましては、やはり一たん御委嘱をした方の任期等もございますので、私どもはそれらを考えて円満にそういう御趣旨が通るようなやり方を考えなきゃいけないわけでございますので、私がいまの現実の中公審の当面の公開なり非公開なりの問題あるいは議事録整理の問題、あるいは住民の意見を聞く手段、方法等の問題、そういう点は当面でもやはり継続していろんな問題を審議しておりますから、当然なるべく早く決定をしていただき、また今後の人選のあり方の問題として先生あるいは各委員からもそういうお話がございますので、今後の人選のあり方として検討をしたいということを申し上げておるわけでございますので、まあ今後の人選を検討いたしてまいりますまで中公審は従来どおりでけっこうですというわけにもなかなか現存の世論から見ていかないものですから、会長も後腐心をなさって自分たちの議事録のとり方、あるいは公表の仕方、住民の意見の聞き方、あるいは審議のやり方等について、部会として、あるいはまた総会でいろいろ御検討願っておる、両方並行してやはり考えていかなけりゃいかぬ問題じゃないか、かように考えます。
○小平芳平君 それでは結論としまして、長官、そういつまでも中公審に預けてあるというだけでは日本の政治はどこでやるわけですか、一体。被害者が百年来嘆いていることをですね。ですから、ただ中公審にお願いしているというだけじゃなくて、いついつを目標に指定をし、工事を始めますと、こというふうに決めてください。
○政府委員(大場敏彦君) 先ほどからたびたび御指摘がありますように中公審の審議がおくれておりますが、農林省及び通産省の御協力を得まして、来月早々には答申をいただいて、そして指定基準を明確にし、それから対策地域を指定して、引き続きできるだけ早く現地の実情に即して工事の着手という段取りを進めていきたいと思っております。
○小平芳平君 そういうことをもう何年も局長は言ってるから、ですから大臣がはっきりもうこうしますと、これが政府の方針ですと、というふうにしましょうと言ってるんです。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は実は率直に言いまして、今月中には何とか専門部会で意見をまとめてもらいたいとお願いをしております。ただ御承知のとおり、中公審の従来のやり方でございますと、それが部会——失礼しました。部会で今月中に結論をつけてもらいたいと要望しておるんでございますが、部会で決定をしたものを会長の答申という形で私どものところへ御提出を願っておったわけでございますけれども、自動車排ガスについて国民的な問題だから慎重に審議をしろというような御意見もございましたんで、部会の結論を答申にしないで、総会を開き、部会を開いてという手順を踏んで慎重にやられて二十七日の答申になったわけでございますが、御承知のとおりでございます。砒素の問題についてももしそういうような手順が必要だということになりますと、総会とか総合部会とかいうもので御了承得なければならなくなりますと、先生方の御都合等も伺ってきますので、それが急に、私ども事務当局のように、局長集まれ、ぱっと決める、こういうわけになかなかいかなくなるわけでございますが、私としてはおそくも三月上旬にはどうしてもほしいと、そして基準を決定したい。決定いたしますと、あとは地域をすぐ行政上の措置として指定をできるわけでございますから、そういたしましたらあとは農林省の方と相談をして改良事業をやっていただくと、こういうことになりますので、おそくも三月の上旬には私どもとしての責任を果たしたい、かように考えております。
○小平芳平君 それから、先ほど局長はむずかしいむずかしいと言っておられたですが、農林省に伺いますが、農林省からいただいた資料によりますと、砒素によってそのまま稲作をすれば六割も減収になるので、今度は水管理指導により極端な節水灌漑法がとられていると、こうなっております。農林省は節水、要するに乾かして米をつくるように指導しているんでしょう。ところが、乾かして米をつくると今度は重金属が余分に蓄積するということを御承知でしょう。いままで出たこともないカドミウム米が発見されて、それでカドミウム米が二十二・八六トンですか、現在凍結されている米が三・六ヘクタール。そうすると農林省は一方で乾かしてつくれといって、乾かしてつくったらカドミウム米でこれはだめだ、食べられない。一体どこの責任ですか。
○説明員(工藤健一君) 先生いまお話しのように、砒素の場合ですと水を落として節水栽培した方が非常に被害が少のうございます。また、御存じのように、カドミウムの場合にはできるだけ水を張りまして栽培した方が被害が少ないと、こういう作物の生理からこういうことになっております。したがいまして、非常にいわば忠ならんと欲すれば孝ならずというような効果といいますか影響があるわけでございますから、こういう意味からしましてなるべく早く客土事業をやりまして、そういう水管理等による操作がなくても被害が出ないようにいたしたいということで、先ほど来お話がておりますように、基準が決まりますれば私の方は取り急いでそういう工事計画等の準備を進めたいと思っている次第でございます。
○小平芳平君 時間が来ますのでこれで終わりますが、長官ですね、おかしいと思いませんか。農家に対しまして砒素が多いから干してつくれと言って、それで真夏になるべく節水と言う、そういうことを節水と言うのかどうか存じませんが、乾かしてつくると、今度はカドミウムが蓄積したと言って凍結されているのです、米が。これはどこにも責任をとるところないでかす。
○国務大臣(小沢辰男君) どうしても二律背反的な現象が起こり得るわけでございますので、これはもう何としても早く客土事業をやりまして、そうすれば両方とも解決するわけでございますので、できるだけ急いで指定された地域の客土事業をやっていただくと、こういうことに全力を挙げたいと思います。
○小平芳平君 いや、責任。
○国務大臣(小沢辰男君) 公害被害にかかわります財産責任の問題、特にカドミ米の問題等についたり、あるいはその他の被害に関するいわば財産被害なわけでございますが、これにつきましては今年度予算で調査費を新たに計上いたしまして、果たしてどういうような考え方の基準でそれぞれこの問題を解決していくかということを検討することになっております。原因者がはっきりしているものはその責任がもう明確にとられるわけでございますけれども、原因者が不明な場合は、あるいはまた不特定多数で把握がなかなか困難だというような場合には当然なかなかいまのところでは解決をされていませんので、その点は私ども共通の考え方だけは今年度中、五十年度中に整理いたしまして、そしてそれぞれの農作物であれば農林省なりあるいは水産物であれば水産庁なりで明確な対策を決めていくというふうに持っていきたいと思っているわけでございます。——
○委員長(鶴園哲夫君) ここで委員の異動について御報告いたします。 本日、神沢浄君が委員を辞任され、その補欠として沢田政治君が選任されました。 —————————————
○沓脱タケ子君 それでは私は、所信表明に関連をいたしまして、緊急課題のいま一つであります五十一年規制に関してお聞きをしたいと思います。時間の都合がありますので、ごく簡単に聞いていきたいと思います。 昨年来、中公審の答申をめぐりまして、企業べったりであるという国民の疑惑が非常に広がっております。で、ことしになりまして、御承知のように、衆議院の予算委員会におけるわが党の不破書記局長を初めその後一連の質疑の中で明らかになったのは、国会や国民に対しては中公審は非公開ではあるけれどもメーカーには全く筒抜けだ、それだけではなくて、業界代表は自由に出入りをしていたということが明らかにされております。しかも環境庁がそれを許可していたという驚くべきことであります。 そこで、私はこの問題に関連をいたしまして具体的にお聞きをしたいのでありますけれども、中公審の内規によって非公開であると言うんです、先ほどからの各委員の御質疑に御答弁ではそういうふうに言っておられる。ところが、環境庁から御提出になっております、「大気部会における委員外同席」括弧して「(傍聴)者」というふうにお書きになっておる、それから「自動車公害専門委員会における委員外同席」括弧して「(傍聴)者」というふうな資料が提出をされておりますが、これによりますと、「自動車公害専門委員会における委員外」「(傍聴)者」という中で、日本自動車工業会の青木技術部長というのは全部どの会にも御出席になっております。これは、先ほどの御答弁によりますと、委員の選任は内閣であるけれども運営は委員会であるというふうに長官もおっしゃっておられるんですが、自動車公害専門委員会に青木技術部長が全部の委員会に御出席になっておるのは、その都度委員会の了承を得て出席をしているんですか。その点はどうですか。
○政府委員(春日斉君) 御指摘のとおり、青木某が自動車公害専門委員会に家本委員の随行者として出席いたした事実は御指摘のとおりでございます。この場合、自動車公害専門委員会の事務当局として許可をしたと、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、これは家本元委員の随行者という形でずっと出席をしたと、その許可については委員会が許可をしたんではない、事務当局として環境庁が許可したと、こういうことですね。——いやいいですよ、いまの答弁のとおりだから。 それからもう一つそれではお聞きをしたいのは、大気部会では、資料によりますと、八月三日の第十回大気部会にもこの青木技術部長という人が出席をしておる、それから第十一回の十二月十日の大気部会にも同じく青木技術部長が出席をしておられますが、これは大気部会の御了承を得られているんでしょうか。どうでしょう。
○政府委員(春日斉君) これはやはり事務当局である私の責任において認めたということでございます。
○沓脱タケ子君 そうしますとね、長官、先ほどのお話と大分違ってくる。委員会では内規で非公開というふうに決めてあるので長官としては何にも即答を、国会においてさえ即答できないとおっしゃった。ところが、御都合によってはあれでしょう、事務当局あるいは局長の責任で許可をしておられるということが明らかになった。これはどういうことですか。 時間がないですからもう一つ聞いておきたいんですがね、大気部会の二回も、これは環境庁が、春日局長がお認めになっておる、お許しになった。それからもう一つ、これは衆議院で明らかになりましたのは、八月の三日の第十回大気部会では日産自動車の社長の岩越さんが出席をしておられる。これは局長が許可をして出席をさせたということをお伺いしたんですけれども、この青木技術部長というのは大気部会二回にどういう資格で出席を許可されたんですか。
○政府委員(春日斉君) 岩越氏が傍聴いたしましたときにその随行者として、それから川又委員が出席いたしましたときその随行者として出席いたしました。
○沓脱タケ子君 そうすると、青木という自工会の技術部長の人は、家本さんと川又さんとそれから岩越さん、この三人の随行者なんですね。随行者というのは秘書ですか何ですか。
○政府委員(春日斉君) ある意味では秘書——秘書と申した方がいいと思います。まあ私どもは手足と申しますか、かばん持ちと申しますか、適切な言葉見つかりませんが、秘書という感覚で結構だと思います。
○沓脱タケ子君 そうすると、青木さんという自動車工業会の技術部長は、家本さんの秘書でもあり川又さんの秘書でもあり岩越さんの秘書でもあり、三人の秘書というんですか。——そんなばかなことありますか。だって、川又さんというのは日産自動車の会長さんでしょう。岩越さんは日産の同じく社長でしょう。本来家本さんというのは日野自動車の方じゃないですか。その全然違った会社の方々ね、しかもそういう社長や会長やそういう方々の、一人の人間が秘書だなんてなことをどうして認定しているんですか、論拠何ですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 衆議院でもるるこの問題についてお尋ねがございました。私はそのとき率直に、そういう措置をしたことが、その事実そのものが不注意であったと申し上げておきましたが、ただ、先生が、その事実だけで、業界は非公開でありながら自由に出入を許した、それを環境庁が許可しているというところまでは、少し私は実は、その当時の経過から見ますと、そういうようにおっしゃるのは私どもとして少しまあ極端ではないかというふうに思うわけでございます。なぜかなれば、青木さんは、これは家本委員が出席をされあるいは川又さんが出席をされるときのいわば随行者として、いろいろ御自分が審議をし意見を述べる際に必要なアシスタントとして連れてきたものでございまして、出席をしても意見を述べたりあるいはそれについて採決に加わるというようなものではございません。それから岩越さんの問題は、これは川又さんという人を委員にしましたのは、日産自動車の長い間の経験とその学識を買って委員にしたわけでありますが、たまたま一日だけ御本人が病気で来れない、自分が今後審議をやり結論を下す際の重要な判断にしたいからかわりの人を、ちょうど日産の会長と社長でございますので御出席をさせたと。しかし私どもとしては委員の代理は認めませんので、そういう川又さんの、熱心な今後御討議をするために、一日、その内容を知っておらないと正確な判断ができないという場合に、そのかわりとして傍聴を許したということでございまして、実は事務当局と申して環境庁がと、まあ実体は局長は同じでございますけれども、やはり専門委員なり部会なりに出ております春日局長というのは、その部会なり専門委員会の事務局としての機能で出ておるわけでございまして、その意味においては、当時の委員長なり部会長の御了解を得て、その部会の御了承のもとにそういう事実が行われたと、こういうことでございまして、環境庁がよろしいかよろしくないか、一々決めまして、それで後かってに入れているというようなことではないと、このことだけは御了承いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 だって、出席を許可したのは事務当局で、私だと、こうおっしゃっているんですからね。だから、私は国会としては非常に怒りにたえない。というのは、婦人団体だって国民の健康の非常に重大な問題だからということで傍聴も要求している。国会からは再三にわたって議事録の公開ということをこれは要求しているんですよ。ところが非公開だ非公開だと言って全然出さなかった。これは先ほどから各委員もおっしゃったとおりです。 特にナンセンスなのは、八月の三日というのは岩越さんは傍聴者なんでしょう。傍聴者の秘書まで認めるというくらいだったら——こんなの聞いたことないですわ、傍聴者の秘書の入室を認めるなんというのは。傍聴者の秘書というようなものはあるんですか、大体。そんなナンセンスなことを平気でまかり通らしておるというふうなことであれば、長官いろいろ言を左右にされますけれども、これは国民や国会には非公開でメーカーには筒抜けで出入り自由だと言われたって、反論のしようありますか。しかも、川又さんの代理で云々と言っておられたでしょう。傍聴だというのに川又さんの席に座ってた、これは十四日の衆議院のあれですがな、参考人質疑の中で言っておられます、八田さんが。顔は知らぬけれども、川又さんの席に座ってた人が岩越さんだということは後で聞いたと言っておられますよ。そんなあんた傍聴者を委員席に座らせるとか、でたらめなことないですよ。採決に参加しないなんてあたりまえです、そんなことは。実にあたりまえのことをしゃあしゃあと言って、肝心のことをどうしてはっきりせぬ。だから、委員の選任は内閣だ、運営は委員会の自主性でと、ずっと一貫しておっしゃっている、きょうは。ところが、委員会にお諮りをしたんですかといって聞いたら、いやそうじゃなくて事務当局——環境庁が許可した、こう言っているんですよ。この予盾はどうします。
○国務大臣(小沢辰男君) 私先ほど申し上げましたのは、大気局長が委員会なり専門委員会に出ておる資格は、環境庁の行政庁としての責任者たる局長として出ておるんではなくて、その委員会なり部会の事務当局として委員長を補佐し、部会長を補佐する意味の春日局長として出ておるわけでございます。まあ同一人でございますから、しかし、それを許可したんだというようなことを言われれば、環境庁だと言われてもこれについて一々抗弁をするということは、これは私はいかがかと思いますけれども、実態は法的にはそういうことになっておる、したがって、委員長なり部会長の御了承を得、御相談の上で随行者の入室を認めておったと、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 いや長官、いまのことは本当ですか。 局長ね、その都度それじゃあれですか、部会序なり自動車公害専門委員会委員長なりに御相談少して許可したんですか。いまそうおっしゃったじゃないですか。そうなんですか。
○政府委員(春日斉君) ただいま長官からも御説明がございましたように、事務当局の私が委員長の意を体して許可をしていると、こういうことでございます。 なお、八田参考人から岩越さんが川又さんの席に座っておった云々という御発言がたしかあったと思います、がそれは八田参考人の御記憶違いでありまして、全く岩越さんは委員席に着いた事実はございません。
○沓脱タケ子君 同一人で、局長が委員長の意を体してって何ですか。あなたが許可をしたら、委員長の意を体したということは、委員長が許可を命じたということに理解してよろしいか、それじゃ。あなたの独断じゃないんですね。その辺はっきりしましょう。
○国務大臣(小沢辰男君) 私が申し上げているのは、春日局長がまあいわば二重人格を持っておるわけでございまして、委員会の事務局としての立場、それで審議に参加をし議事を整理したり、いろいろやっておるわけでございますから、その事務局が判断で出したと、こういうことでございまして、それが委員長との関係において意思の疎通が欠けておったかどうかという事実はまた別問題でございます。
○沓脱タケ子君 そんな詭弁を弄しちゃいかんですよ。 春日局長ね、あなたは事務局として出席をしていたのかどうか、これは別の問題ですよ。だけど、委員長の意を体して許可をしたとういのはあなたがおっしゃった。委員長が許可をしてということに理解してよろしいんですね。あなたの独断であるのかないのかということだけはっきりしましょう。
○政府委員(春日斉君) 私は、直接一々部会長なり委員長に御相談を申し上げまして、直接御意見を承って決めたわけではございませんけれども、おそらくこの問題は委員長のお考えもそうであろうということで私が独断で許可をしたと、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 まあ独断でおやりになったということなので、これはいろいろ言を左右にされますけれども、国民から見たら明らかに国会や国民に対しては非公開、メーカー側に対しては全く筒抜けで出入り自由と、こういうやり方でやった答申などというものについては国民は信頼できない、当然白紙にしてやり直すべきです。したがって、国民の疑惑を晴らすためには当然公開にするべきです。また、過去の議事録については当然公開をするべきです。長官の見解を聞いて終わります。
○国務大臣(小沢辰男君) 公開、非公開の問題は、先ほど来申し上げておりますように、ただいま和達会長も、非常に重要な問題でございますので、総合部会で検討をいたしておられる最中でございます。したがって、その結論が出ないのに、私がここで公開をすべきだ、すべきでないということを私の立場で申し上げることは差し控えたい、こう申し上げておるわけでございます。 議事録の整理されたものを公開するかどうかということにつきましても、当然これは委員会の議事規則の問題でございますので、委員会が自主的に判断をされることでありますが、私どもとしては、今後のあり方としてそういうような点も十分考慮すべきではないかなあというふうに所見は持っております。ただ、これを委員会に、会長に申し上げることはできますけれども、この御決定はやはり中公審自体で十分御審議をして決定をされる必要があるんじゃないか、そちらの御決定に、自主的な判断にまつべき問題だ、かように考えております。
○沢田政治君 私は、カドミウムとイタイイタイ病の因果関係について質問するわけでありますが、この際、誤解を招くと困りますので、私の立場を明確にしておきたいと思いますが、公害に対しては必ず原因者がある、これはやっぱり原因者がその損失というものを負担をすると、この原則というものは永久に変えるべきじゃないと思います。と同時にまた、少なくとも生命や人体に危険がある、こういう場合においては、完全に詰めができなくとも、その被害者なり人命を守るという立場から遅滞なくやはり行政がこれに対応するということも、結果論として試行錯誤があったとしても、私はその動機としては当然なすべきことであったと、こういうように立場をはっきりしておくものであります。 そこで、公害行政の見地から、行政側でイタイイタイ病が公害病であるという第一号の認定をしたことも、その限りにおいては、その動機においては、私は今日の時点において間違っておらぬと思うわけであります。たとえば、その後においても、ぜんそくの問題とか、あるいは水俣病とか、いろいろ取り上げられまして、公害病と認定されて今日に至っておるわけでありますが、国民の理解も学説もこれにさしたる異論がなく今日までまいっておるわけです。ところが、イタイイタイ病について、特に、まあ原因者と目される企業側——この議論は別でありますが、自由なるべき学問の場所でも、果たしてイタイイタイ病がカドミが主因であるかどうか、疑問説を含め、いろいろな説がなされておると思うわけであります。これは非常に珍しいケースだと私は思っております。まあ加害者と目される企業側からのみそういう問題が大きく提供されるならば、これは意とするに私は足りないと思っていますが、被害者と目されるじゃない、現に被害者であるお米をつくっておる、これは全然責任のない方々、むしろ加害者じゃない被害者の方々も、果たしてどっちが本当かという疑問を数多く提起してきておるわけであります。自分のつくったお米が、これはもう売れないし、何か罪悪行為をしておる、果たしてどっちが本番なのか、お役所はやっていいのか悪いのか、食っていいのか悪いのか。ある人はやはり食品衛生法に基づく一PPm以上のカドミの含有量のある米は食べないし、生産農家でも、おれは何十年前から食べて何ともないから、もう取りかえる必要はない、せっかく行政側が交換してあげますよ、食べない方がいいですよと言っても、食っている方もあるわけですね。ここに私は大きな問題があると思います。したがって、やはり学問は学問の場であって、行政は行政の場であるから、われ認定したが関知せずということでは私は行政の責任を全うしたと思わないわけです。だからといって、私は自由な学問の場に強引に行政が介入して、その学問というものを一つの方向に引っ張っていくということも、やはり一抹の危惧を感ずるわけであります。が、しかしながら、より多く学問というものが討論し、データを並べて、そうして真因を追求していくという場所を提供していくという義務は、少なくとも私は行政側にあると思うわけであります。こういう角度からお聞きしたいと思います。 私もある程度——かつて二、三年、まあこういう仕事じゃありません、本当の末端の末端の鉱山におったことがありますので、それなりに関心を持っておるし、ある程度の文献等も見ています。そこで、私もこれは正直に言ってわかりません、断定できません。これはもう専門家じゃないから断定することなんておこがましいことだと思いますが、過般、文藝春秋で何かリポートしたようでありますが、あれを見て、長官として——いや私もまあ行政措置として特に人体に関係ある問題についてああいう措置をとったということは、これは一〇〇%了としますが、このままの態度で、学問の分野だからおれは知らぬということで行政がこのままいっていいのかどうか。現に加害者と目される人じゃなく、被害者という方々も非常にどっちが本当かという疑惑を持っておるわけなんでで、いまの現状のまま黙って行政がほかぶりしていいのかどうか、この点について長官の所信を私はお伺いしたいと思うとです。
○国務大臣(小沢辰男君) 私はやっぱり環境行政というものの基礎には本当に科学する心というもとが非常に大事だと思っておるわけでございます。その意味で、いやしくも不分明なままにいろいろな問題について重要な決定を下していくということはできるだけ慎重にしていかなければならないと思いますが、ただ、厚生省以来、また環境庁にはなりましてからも、来年度もまたいま御審議願っておる予算の中に計上してございますが、このイタイイタイ病に対する特別研究班の研究費というものを計上して、毎年その道の権威の方々に非常にたくさん討論をしていただいてきておりますが、なおかつ、まだその結論が出ないわけでございます。そういうような非常に医学的にも困難な判定を要する問題について文藝春秋のあの方も私はそう専門家ではないと思うのでございます。との記事が出たからといって、それについて私が何といいますか、全く医学的に素人である私が政治家なり行政庁の責任者としてこれについて批判をするということは、私は厳に慎むべきだし、慎重であるべきだ、要するに、この研究班の研究の結果を踏まえた上で私どもの正式な見解を表明すべきだと思いますので、いま文勢春秋の記事について所見を求められましても私はどうもお答えができないわけでございまして、そういう基本的な態度であることだけ申し上げておきます。
○沢田政治君 もちろん私も文春の記事でどうこういう態度をとれということを迫っておるわけじゃありません。もちろんあの内容についても、どちらが正しい、どちらが正しくないという立場でももちろんありません。これは学問の問題として大いに議論をして、近い将来において真因というものを究明して、科学というものを全うしていただきたいというのは私も長官の気持ちといささかも変わりないわけですが、内容に触れたくはありませんが、ただ、仄聞するところ、またいろいろ聞くところによりますと、説はこれは学説でありますからいろいろな説があってもいいと思います。これは百家争鳴ですね。その方が科学の向上、発展のために望ましい環境であるということは十分これは私も承知をいたします。ただ、カドミ主因説あるいはビタミンD欠乏骨軟化症説とか、遺伝性疾患とか、疑問説いろいろありますね、風土病とか。しかし、どういう研究をされておるかわかりませんが、少なくともそれを実らせるような舞台だけはやはり組んでやるべきじゃないかと思うのであります。科学のことは学者に任した、おれはその結論が出てから行政を行うぞということではいかぬと思います。これは教育の問題でも議論になりますが、内容に介入していいかどうか、そういう環境をつくるということが行政の任務だというようなむずかしい議論はいたしませんが、そういう議論もあるわけでありますが、少なくとも国民の一部、加害者と目されない方々もどっちが本当かということを迷っておる。しかし、行政としては一つの措置をとったことは決して悪くはありません、結構でしょう。したがって、行政の立場としても一面においては学問を発表させようという一つの行政の責任というものがあるわけでありますから、これは当然それなりの場所を提供する機会を与えるというような、また経費的な援助をするということは、決して国家利益とか国民利益にぼくは相反するものではないと思うわけです。しかし、内容を見ますと、これは学者にしては大いに自信というものがあっていいと思いますが、人間関係あるいは感情関係、こういうことでなかなかおのずから持っておるものを公開しないい。正々堂々と爼上に上せて、大目的である科学を全うさせたいと、真因に近づきたいと、こういう方向に現状においては非常にむずかしいというように私としては感ずられるわけです。でありますから、いずれがよしあしではなく、反対する者も疑問を持つ者も否定する者も、たとえば遺伝性疾患であるならばこれはやはり病気の再生産をすることになるわけでありますから、事人体に関する問題だと思うんです。これは単なる杞憂かもわかりません。そうだとするならば、これはゆゆしい問題だと思うわけですから、そういう反対、否定、疑問また他説を唱える者も一応環境庁として場所を与えて百家争鳴ですね、このやはり真因に迫っていくという一つの行政努力というものを当然すべきだと思うんです。従来の、いままで研究したんだからそれを惰性によってやるということじゃなく、抜本的にそれぞれの異説のものを集めて、出し合って、英知を集めて科学というものを一歩一歩段階的に向上させるということも行政の任務じゃないかと私は思っていますので、どういう形でそういう行政努力をするのか、これはまあ原則論で言えば学問の分野に行政が入るなとか政治の介入、それはわかりますよ。しかし行政の分野でもやはり責任があると思うんですよね。これはやっぱり何か所信をはっきりしてもらわなければ私は答弁としては納得できないと思うんです。
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃる基本的な科学的な考え方についてはそのとおりだと思いますす。お尋ねの内容につきましては、専門的事項でございますから保健部長からお答えさせます。
○政府委員(橋本道夫君) どういう研究体制を持ってやっておるかということにつきましての御質問でございますが、まず初め認定に至りますまでの問題を手短に申し上げます。 認定に至りますまでの問題は、最初にイタイイタイ病の問題は昭和三十年に萩野博士等の報告が出まして、三十四年ごろカドミウム説が萩野博士から唱えられました。そのカドミウムの証明ということについて、岡山大学の小林教授及び同朋大学の吉岡教授が加わられてカドミウム等の証明に当たられました。その後、昭和三十六年から富山県の特別対策の検討委員会がありましたが、三十八年から昭和四十年にかけまして厚生省と文部省と両方から金沢大学の総合研究班に研究費が出されまして、その総合研究班の研究報告といたしまして、このイタイイタイ病には要困としてカドミウムがかんでおる、カドミウムが全然かんでいないという説は非常に少数であり、またカドミウムがほとんど関与していないという説もこれは全く少数であるということで、しかしどこからカドミウムが来たかはそれは触れないという結論が四十二年の一月にされました。当時厚生省、私がやっておりましたが、この四十年から研究費が初めて入りましたので、鉱山の周辺と同じような問題があるかどうかということを四十年度から調査を始めております。四十二年一月の金沢大学の研究班の、カドミが要因としてかんでおるということはどうから来たかはわからないということでございますから、カドミの由来につきまして四十二年に調査研究費を投入いたしまして、そうしてそのカドミの由来をずっと調べへみると、自然界にあるごく微量のもの以外には神岡鉱山からのものしか見当たらないということのレポートを得ました。それだけの調査研究の成果に基づいて行政上初めて、公害認定ということばはあのとき初めて使われましたが、法律用語でも何でもございません。公害対策基本法が昭和四十二年にできましてからら、そこで公害にかかわる被害であるか否か、公害として防止措置をとるべきかどうかということについて当時の厚生大臣が見解を明らかにされたわけです。公害認定ということと同質のものが行われたのは何かといいますと、四日市の大気汚染と慢性気管支炎が昭和四十年に行われた、これが事実でございます。ただ、公害認定ということばを使っておりません。それ以降、昭和四十四年から——その厚生省の見解の中では腎臓がやられて次に骨がやられる、しかしその人々はこのカドミウムの長期の大量慢性暴露がある、これは非常にその地域の特性でございます。そのほかは年齢とかあるいは栄養とか、そういういろいろほかの問題がからんでおって複合してなっておるということでございまして、イタイイタイ病単独疾患とするという立場をとっておりませんで、そういうことで四十四年から構成されました研究班はイタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒といたしまして、そしてイタイイタイ病にはカドミウムは重大な要因としてかんでおるという立場をとりながら四十四年以降研究をずっと続けてきておるわけでございます。 その研究につきましては、四十四年、四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、これだけの年次にわたりまして分科会を設けまして、非常に総合的な研究をいたしつおります。臨床の各分野のエキスパートが集まっておりますし、公衆衛生の各分野のエキスパートも集まっておりますし、そのほかの方々も集まっておられまして、現在日本のカドミウムの研究水準はスウェーデンと並んで世界最高水準にございます。これはWHOにおきましても、あるいは世界労働衛生学会の重金属中毒委員会、昨年の秋行われましたが、それにおきましても、明らかに日本の水準というのは最高水準に来ておるということは事実でございます。そういうことでございますが、それではカドミウムとイタイイタイ病の関係が完全に解明されておるかというと、完全に解明されておりません。これはまだ問題がございます。要因としてかんではおるが、まだ解明されていない。腎蔵の機能障害を起こすというころまでは、これはほぼ解明されたといってよいだろうと思います。ただ、障害の程度がどう評価されるかというところに現在問題が残されております。米の基準は腎蔵の障憲を指標として出しておりまして、これはイタイイタイ病のような骨にまで至るまでにまず腎臓の問題があるわけでございますから、腎臓のところでそれをやったわけでございます。問題は腎と骨の関係ということでございまして、腎性骨軟化症というところについて幾つかの説がありまして、カドミウムが全くなくても腎臓から骨に至るという説をとる人はまずほとんどございません、現在のところ。これはほかの要因がかんでおるということです。あるいはカドミウムが腎臓には関係しておったが骨の方には何ら関係してなかった、栄養だけの問題だという仮説はありますが、これはまだ非常に少数でございます。で、この腎臓の障害とそれからその骨の方の障害とに対して、先ほども申し上げましたような更年期の問題とか栄養の問題とかか、そういう問題がみんなからんで悪循環をなしてイタイイタイ病ときう形をとったのだろうという一種の折裏の立場でございますが、厚生省見解というのはその立場をとっておりまして、それを公害行政の立場から出してわけでございますから、学問の結論ではございません。厚生省の見解が出ましても、裁判の結論が出ましても、これはいずれも学聞の最終結論ではございますん。そういうところで、現在の段階におきましては五つの部会を設けまして、イタイイタイ病に関する研究と、カドミウム汚染の人体影響に関する研究と、カドミウム中毒に関する実験研究と、カドミウム中毒の病態生理と、イタイイタイ病及びカドミウム中毒の鑑別診断という五つの部会に分かれてやっておりまして、いろんな研究班の中でこれはもう賛否両論の先生方が全部入っております。これほど公正な研究班はないというぐらいに私たちは感じております。そういうことで、いろいろの御意見が、学者の方々にいろんな説があるのはこれは全く自由でございます。いずれの方も自由にやっていただけます。学者の方々のおっしゃるのは、行政や裁判での結論は学問の最終結論ではない、学問のあり方が行政や裁判の結論よりはずれることを言ったらそれに対して圧力をかけるのはこれは学問の自由の侵害であるということの御議論でございまして、厚生省の認定あるいは実行に移した措置に対しては何ら異議はないということが現状でございます。
○沢田政治君 まあ言われる趣旨はよくわかりますが、しかし一部でもそういう疑問がある、こういう場合にはこれをやはり疎外するとか、どっちに加担するとかという立場はとるべきじゃない。やはり国民のしては健康に関する問題でありますから、真因を追求して突きとめていただきたいというのは、これはがんでも何でも同じなわけですね。そういうことだから、これは予算とか機会とか、そういう場所提供を惜しまずに、やはり偏見にとらわれずに、行政が必ずしも正しいかといったらそうでもない、裁判でも間違うことがあるわけでありますから、間違っていると即断するわけじゃありませんから、そういう方向を助長していただきたいと思うんですね、この点については。 それと、次に大蔵省にお伺いするわけですが、冒頭に申し上げましたように原因者が明確な場合は原因者負担というのは、これは動かされない一つの柱だと思うんです。ところが、これは原因者がなかなかない、あったとしても責任が明確じゃない、しかも明治以前だなんということになるとと、これはもう責任の所在を云々しても始まらぬ話なんで、そこで現在まで一PPm以上のいわゆる食品衛生法に基づく汚染米は、これは買わぬわけだ、米じゃないのだから。米じゃないという立場をとっておるのだから。しかし、これはもう公害病が世論に上る前から農民としてはこれはつくっておったわけですね。それで生業を営んでおった。それを買わぬ、どこでも買わぬということになると、これは一つの社会不安になるわけでありますから、今日まで地方自治体がこれを引き受けておったわけですね。今日の地方自治体も非常にに地方財政の危機といわれておるわけなんで、したがって環境庁の方で大蔵省に対してこれを国が買い上げたらどうかという予算要求をしたようです、私はよくわかりませんが。したがって、予算を要求したこの理由、あるいはまたこれの算定をゼロにした理由、それと同時にまた、自治省がそのまま地方自治体にこれをおんぶさしていいのかどうか、そこに鉱山があったのだからおまえの県は損してくれと言っていいのかどうか、この点はどうも私は議論的にも行政上の態度としてもすっきりしないわけですね。この点をひとつお伺いしたいと思うのです。
○説明員(宮下創平君) お尋ねのように、五十年度の予算編成におきまして、編成事務の大詰めの段階で、これは先生環境庁と申されましたが、農林省から追加の要求がございました。その内容は、大きく分けますと四つばかりになりますが、一つは、いま御指摘のカドミウム米の、汚染米の県が買い上げた場合の需用費につきまして、国が補助してほしいということと、それから二番目には、カドミウムの汚染米が発生した地域において行われます休耕でございますが、休耕した場合の農家の補償の問題、それについて補助をしてほしい。それから公害防除の特別土地改良事業というのを実施しておりますけれども、そういう土地改良事業を実施している場合の休耕期間の補償の補助をしてほしいと、それからまたカドミウムの吸収抑制のための土壌改良資材について新たに投入費をめんどう見てほしいというような追加の要求が確かにございました。私どもの方で検討いたしました結果、上記のうち環境の汚染防止コストとか汚染防除のコストにつきましては、これは一般公共の利益につながることでございますし、政府がその一部ないし全部を負担するということは妥当かと考えまして、土壌改良資材は新たに補助いたすことにいたしまして、約八千三百万ばかりの補助金を新規に計上いたしたわけでございます。それから、これに関連いたしまして、公害防除特別土地改良事業につきましても、これも同様な考え方に基づきまして、昨年二億五千万円くらいのものでございましたが、三億二千万円と増額を図っておる次第でございます。 ただ残りの汚染米の買い上げの問題と農家の所得補償の問題につきましては、これはいま先生御指摘のように、基本はやはりPPPの原則によりまして、原因者が負担するのがあたりまえでございますが、当然でございますが、御指摘のような事情で原因者が不明であるとか、あるいは資力がない、あるいは複合的であるというようなもろもろの事情によって被害補償が直ちに行い得ないという場合に対処する仕方として国の補助金を要求したものでございますけれども、私から申し上げるまでもなく、人身障害につきましては、公害健康被害補償法という法律がございまして、人身障害の補償関係につきましては制度的に確立しております。しかしながら、物損の補償につきましては、ただいま問題になっておりますところのカドミウム米のほかに、たとえば私の所管しております農林省関係でも油濁の問題、原因者不明による油濁の問題、油の害ですね——等がございまして、これも同種の問題として要求があったわけでございます。私どものほうといたしましては、こうした物損の問題はより基本的なやはり原則に立ちまして、個々のそういう被害ごとに解決をはかるべきではないかという基本的な考え方に立ちまして、環境庁にお願いいたしまして、来年度環境庁に六千万円の調査費を計上して、物損に関するカドミウムの被害あるいは油濁被害等々の物損に対する実態調査並びにそれに基づきますところの原則を検討願いまして、その基本原則にのっとって明年度以降検討しているということが妥当ではないかということで予算措置をいたしたわけでございます。それから買い上げ費補助につきましては、地方団体の財政負担になるわけでございますが、これは昨年の場合も特別交付税等によって財源措置が行われているように聞いておりますし、それから明年度もこれは基本的なそういう問題が解決されるまでの暫定措置として、特別交付税等において措置されるものと期待しております。
○沢田政治君 特別交付税で考慮をしておると、こう言われておりますが、金に色はないわけですから、果たして特別交付税で汚染米買い上げ分、ならされておるかどうかということは、当該県としては非常に疑問を感ずるわけですね。これは明確ですから、原因は。汚染米を買い上げているわけですから。したがって、しかもこれが原因者が不明確な場合でも、やっぱり国家の行政行為というものは若干かんでくると思うのですね。たとえば明治以降で官山——国がこれを経営した時代もあるわけです、ある鉱山、ある県では。しかもこの原因者がなくなった場合でも、その認可、許可行為、鉱山行政の認可、許可行為は、これは中央政府がやるわけですから、施業案に基づいてこれを許可すると、これは危険じゃないだろうという、国家行政としてこれを認可して、その結果が農民に対して被害がいっておる、農民に被害を及ぼされないから、住民対策として県がやるということでありますから、これはもう明らかにある程度行政も関係していることだと思うのです。全然責任はないと言えないわけですね。そういう場合、いま言った議論で、何かかんかみんな突っ込んで特交でこれをめんどう見ていくほうがいいのかどうかと、私はさらに疑問を感ずるわけなんで、将来もこの姿でいくのかどうか、この際明らかにしてほしいと思うのですね。
○説明員(宮下創平君) 私からお答えすることが適当であるかどうか、環境庁に先ほど申しましたように六千万円の調査費を計上してございますので、その検討の結果を待ってこの問題に対処してまいりたいと、かように考えております。
○沢田政治君 農林省にお伺いしますが、食品衛生法では一PPm以上は食べちゃいかぬ、食っちゃいかぬと、これはもうきわめて明確で、そのとおりでけっこうですが、準汚染米ですね、これはもう政府に二つの基準があるのがおかしいじゃないか、どっちが正しいのだと、ぼくは過去、去年だったと思いますが、当委員会で質問したことがありますが、いや基準は一つだと、ただし一コンマ以下〇・四PPm以上のものは食糧が過剰でもあるし、消費者の好みもあるし、無理して売らなくてもいいのだから売らぬのだと、平たい言葉で言えば、そういう答弁がありました。しからば食糧が足りなかったならば売るのかと言ったならば、わかったようなわからぬような答弁をしておるわけですが、この量も膨大なものだと思うのです。また現に流通に回らない、政府は買い上げてくれるのだけれども、流通に回らないような米をつくっておる農業、特に農家の生産意欲に非常に悪影響を与えておることもこれは事実なわけですね。したがって、今日といえども害はないけれども売らぬという立場をとるのかどうか。そうなるならば、消費者が好まぬということになるならば、たとえば、食べている人もありますから、これは、自家生産している人は。害があるならこれ以上食わしちゃいかぬですよ、これは。ところが、まあ食っておると、そういうことでありますから、消費者が好むならばこれを配給に回すのかどうか。あるいはまた一説によると、外国から準汚染米をほしいと、こういう引き合いがあるとかないとかいう話も聞いています。害がないというならばこれは売るか、貸与をするか、贈与をするか、どうするのですか。いままでの説からいくならば、害はないのだからくれてやってもいいようなものじゃないですか、純粋な理屈から言えばですね。
○説明員(志村光雄君) 食糧庁は、現在一以下〇・四までのものにつきましては、再三申し上げておりますし、また御案内のとおり、国民感情を尊重しまして、配給の操作に支障が出ないように——たとえばせっかく精米にして小売店に持っていく、消費者が買いに来るといったときに、これはどうも配給辞退をいたしますというようなことになってしまいますと、配給の操作面でもいろいろ支障がございますので、そういうことを配慮しながら配給をいたさない措置を四十四年からとってまいってきておるわけです。その間いろいろ議論がございまして、相当の量がすでにたまっておるわけでございます。これは先生御指摘のとおりでございます。ただ、そのたまった一以下〇・四は、準汚染米というような言葉は私たちは全然使っておりませんし、そういう言葉もございません。ですから、少なくとも食糧庁が買っておりますものは、食管法の規定どをり主食として適用できる米を買っておるわけですから、当然配給してしかるべきものと考えております。そこで、消費者が希望すればという仮定で御質問されますけれども、消費者が配給を希望すれば、私たちといたしましては当然配給をしたいという気持ちは十分持っておるわけですから、配給を希望されるならば配給をいたしたいというふうに考えております。かりに、たとえば過剰米の輸出、相当量いたしたわけですけれども、日本米の東南アジアでの評判は非常によろしゅうございまして、その後も多少欲しいというような希望もありますけれども、かりに一以下〇・四までの米でもよろしいから輸出してほしいというような御希望があれば、これもそういうことで考えていいんじゃないかというふうに考えております。
○沢田政治君 一つだけ。 それで、食管会計は、これは生産者米価を値上げするたびに大きな政治問題になるわけですが、これは無限に——有限だかもわかりませんが、常識的に、言ってどんどんふえていくわけですね。したがって、この利用方法ですね、これどう考えておられるのかどうか。もうともかく国民感情で、これはたまっていってもやむを得ないんだということも一つの見方ですよ。しかし、少なくとも国家が生産をさせ、買って、しかもこれは相当の国家資金というものも投入しておる。その赤字が累積していく、それを黙って積んでおけばいいんだということも、これは行政として怠慢だと思うんですね。これの他に対する転用ですね。まあ食えと言うのか、濃度を薄めるとか、こういうものの研究等をしておるのかどうか。将来これは転用ができぬということになると、どういう処置をするのか、最後ですね。どういう場でどういう処置をするのか。海に投棄するのか、焼却をするのかですね。これも何というか、公害というものがかんでおるわけですから、これは重要な問題だと思うので、どうするんだといういま即答を求めるのも酷だと思いますが、どういう方向に向かっておるかということをお聞かせ願いたいと思うんですね。 以上で終わります。
○説明員(志村光雄君) ですから一以下〇・四までのもので、国民の御理解が得られて、消費をいたしたいということになれば配給をいたす気持ちは十分持っておりますということを重ねて申し上げておきたいと思いますが、現在持っております米につきましては、すでに学者その他、事業の面からいろいろ研究をいたしておりまして、昨年からの合板の接着剤用の増量材としてカドミウム米の処理をいたすことに着手をいたしております。大体、これがのりの需要でございますので、順調にいけば年間一万二、三千トンの処理ができようかというふうに考えておりますが、残念ながら、たまたま合板の業界、不況カルテル等やっておる状況でございまして、多少景気が好転すればさらに数量はふえるかと思いますけれども、現在そういう中で接着剤用の増量材として処分を始めております。 それから、今後さらにどうするかということでございますが、すでにいろいろと御指摘もありまして、えさに使えないかと——あるいはえさに使いますということになりますと薄めるというような結果になろうかと思いますけれども、えさに使えないかということで予備試験的な実験をいたしております。で、今年は、五十年度予算におきましては、畜産の養鶏あるいは肉あるいは豚等にカドミウムの汚染米を配合したものを与えまして、それから生産されます生産物——肉、卵等の中へ移るカドミウムの量、排せつ物に出てまいりますカドミウムの量等の調査をいたす試験を実施いたすようにいま予算を要求いたしております、約八百万円程度でございますけれども。そういうようなことで、目鼻がつきますればその時点でまた処分の方法を検討してまいりたいと思います。
○内田善利君 所信表明を承ったわけでございますが、まず第一番目に、「わが国における環境問題は深刻かつ多様なものとなっており、その解決は緊急な政治課題の一つであります。」と、こういう文章が冒頭にあるわけですけれども、「深刻かつ多様」ということはどの大臣もいままでおっしゃってきたように思うんですけれども、これを具体的にどのように受けとめていくかということが問題ではないかと思います。そして「環境行政は、人の生命及び健康の保護を図ることを第一義とすべき」であるということですが、この問題も、いままでの開発その他公害問題を考えてみますと、どうしても二義的にしか考えられていない。先ほどから問題になっている排気ガスの問題でも、人の健康、生命、これを第一義的に考えた行政措置とは思えない、こう思うんです、あとで質問いたしますが。そういったことを考えますと、どうしても「深刻かつ多様」な問題になった根本原因を究明し、そしてそれに対する対策を講じていかなければならないと、こう思うんです。自動車をどんどんどんどん町の中に入れた。これは自然現象ではなくて人為的な問題だと思うんです。また、過疎過密対策ということで「日本列島改造論」が言われたわけですけれども、過密にしたのも過疎にしたのも、これは自然現象ではなくて、私はやはり人為的な問題だったと思います。で、そういったことを考えますと、自動車台数がふえてきた、この自動車の台数のことには触れないで、人間の健康、人の生命を根本に考えないで、どんどんどんどん自動車の台数がふえてきている、この辺にもやはりメスを入れて、本当に人の生命、健康の保護を図るならば、こういった点にもう少しメスを入れて根本的な抜本策を講ずることが環境行政ではないかと、このように思うんです。この点についてどのようにお考えか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 基本的には先生のお考え、私どももそのとおりだと考えております。やはり一九六〇年から非常に高度成長時代に入ってくるに従いまして、急速に石油化学を中心にした産業形態が飛躍的な成長をしてきたわけでございます。それと同時に、日本も自動車文明といいますか、そういうことが非常に短時日の間に進んでまいりましたので、それらの点を考えながらく今後の環境行政を、人間の健康を守り自然を保護するという観点から十分コントロールをしていかなければならないと、かように考えておるわけでございます。
○内田善利君 「当面次の事項を重点として努力してまいりたいと考えております。」と、まあ努力事項でございますが、その第一として「環境保全長期計画の策定」ですね。十カ年計画を策定して昭和六十年度を目標年次とすると、こういうことですが、その昭和六十年度は一体どういう姿に環境保全をされようとしているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) まさにその点を審議会で十分検討願いまして、その上で来年からの十カ年計画を立てたいと、こう考えておるわけでございまして、まだその目標位を持っていないわけでございますから、したがって、私どもは今年中に、年度内に何とかこの基礎的な作業を終えまして、そして五十一年から六十年までの十カ年計画を立てていきたいと、かように考えておるわけでございます。
○内田善利君 「従来から環境保全の長期的展望について検討してきたところでありますが、」と、こういうわけですね。ですから、六十年度は何をするのか、どういう姿にするのか、やはりそういうものなしに大臣は検討させていらっしゃるわけですか。
○国務大臣(小沢辰男君) あまり具体的にはなっておりませんけれども、環境保全の長期ビジョンに対するいろいろ御審議を願って、その中間報告だけは取りまとめをいただいているわけでございます。それらを基礎にはいたして検討を続けているわけでございますが、なお中公審にそうした専門の部会を設けていただいて、あらゆる学識経験のある方々から六十年の目標値を定めていただきたいということで、いませっかく御審議をお願いをしているというのが現状でございます。
○内田善利君 今度の大臣はひとつそういったビジョンを掲げて、みずからそういう六十年度はこういうふうな環境にしたいという、やはりビジョンを掲げて指導していかれることを要望したいんです。というのは、瀬戸内海でああいう事故が起こりましたが、地中海はもうある学者によりますと油がずっと、われわれの目には見えないけれども、表面を覆ってしまって水分の蒸発ができなくて温度が上がっている。北太平洋もほとんどもう油で覆われてしまった。こういうことになりますと、瀬戸内海もいまのままでいったら全部、われわれの目には見えなくても、おそらく油で表面が覆われてしまって、水分の蒸発ができなくなって、気象異変が起こってくることはもう目に見えておると思うんです。そういったことにしてはならないと思うんですね。ですから、長期的な展望、これは非常にけっこうだと思うのですけれども、十年後はこうしたいというものを長官持っていただいて、そして審議会にかけていただいたほうが私はいいんじゃないか、こう思うのですけれども、何もなくてかけておられるわけでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど申し上げました長期ビジョンの中間報告というもので御審議を願うときにたたき台を出さなければいかぬと思うのですが、現在のところまだその長期ビジョンの中間報告を見ましてもそう具体的なところはございませんし、それから全国的な緑の調査につきましてもようやく昨年一年かかりまして調査をいたしまして、その結果がまとまった段階でございまして、これをさらに突き詰めて、実は私どもの、先生おっしゃるようなこうしたいという目標をきめていかなければいかぬものでございますから、環境庁発足以来わずかな年限でございますので、まだそこまでいっていないことははなはだ残念でありますが、これからどうしてもひとつ長期の目標を立てて、その目標に向かって日本全体の環境保全が十分に実施できますようにいたしたいという念願で私どもはいまのところ真剣に努力をさしていただいているわけでございますので、いま今日現在でどうも何かあるかと言われましても、まだ遺憾ながらそこまでいっていないわけでございます。
○内田善利君 それならばこの第一項目に持ってくる価値はないと思いますね。いまから環境行政をしっかりやっていこうという立場から冒頭に掲げて、第一項目に長期十カ年計画を発表なさっているわけですから、そういう程度の長期計画ならばまだまだこれに載せるべき問題じゃないと思うのです。何といいますか、思わせぶりな、そういう内容だと私は思います。もう少し具体的なものを持ってこういう第一項に掲げるべきじゃないか。長官初めての所信表明にこういう、私に言わせればお粗末な、内容のないものを持ってきて所信表明というのはちょっとお粗末じゃないかと、こう思います。あっと、見た瞬間に私はいいぞと思ったけれども、長官に聞いたら何もないと、非常にお粗末な環境行政を思わせると思います。何かありましたらひとつ……。
○国務大臣(小沢辰男君) いや、実は大気あるいは水ですね、それぞれ環境基準というものを持っているわけでございますが、総合的にやはり一つの目標を掲げていかなければいけないと思いまして、これは今年度中にどうしても非常に重要な私どもの指針としてつくり上げたいというので第一番目に掲げたわけでございます。それともう一つは、御承知と思いますが、五十一年からすべて国土全体の中での各省庁の開発計画というものを見直していこうというので、いわゆる新しい全国の総合開発計画というもの、あるいは経済発展計画というものを五十一年を基点にして考えていくわけでございますから、環境行政が後追いになりますと困りますので、やはりそういうような計画をつくる際に環境問題からひとつ先行して意見を出したいという気持ちもあるわけでございます。その点は、長いこと先生方の方から、後追い行政になっておるじゃないか、何か事件が起こって、あるいはどこか道路をつくるというときに、許可するかどうかだけ一生懸命になってやっているような行政ではだめだというおしかりを受けている環境庁としては、この環境保全長期計画がやはり基礎になっていかなけりゃならぬので、そして、あらゆる役所の行政につきまして私どもが先行して意見を申し出得るような態勢に持っていきたいということでございますから、私は、第一に持ってきたゆえんもそこにあるということで御了承いただきたいのでございます。
○内田善利君 時間の関係で次に移りますが、「第二は、環境影響評価の充実強化であります。」とあるのですが、先ほど久保委員の質問のときに、大隅開発の問題で、県でやったものを検討すると、こういう答弁があったのですが、環境アセスメントですね。県でやったものを検討すると、こうなりますと、県が開発計画を立てて、それでやろうとするそのアセスメントを、環境影響評価を県がやったのでは、評価にならないと私は思うのです。いままでそれをやってきたから全部失敗してきたわけです。法律に基づかない環境アセスメントは、過去十年来ずうっとやってきて全部失敗している。それは企業がやった、あるいは開発する側がやった、こういうことで失敗してきている。また今度も、大隅開発の問題は県でやったものを検討することにすることは当然であると、このような長官の答弁があったのですが、この点はそのとおりですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 公害行政については、国会で前から、とにかく県に権限をおろすべきだという御議論がずっとございまして、それを受けまして、私ども実施部隊を持っておりませんものですから、できるだけ県にそういうものを、いろいろ行政の内容をおろしてきておるわけでございます。ただしかし、いま先生おっしゃいますように、県がアセスメントをいたします場合に、こちらからどういう点についての環境影響評価を持ってこいということを十分連絡をいたしまして、同時に、持ってきたものを十分精査をいたしますので、ただ開発をやりたいという県の側のアセスメントだけをそのままうのみにするということではございません。
○内田善利君 この環境影響評価のやり方ですが、手法ですが、まだどの方法がいいか決定してないようですけれども、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(城戸謙次君) 環境影響評価は大気、水、あるいは自然、それぞれの問題について調査をし、評価をしていくわけでございます。その中で大気だとか水、こういうものにつきましては、日本におきましては相当いろんな調査あるいは予測の手法というのは進んでいるわけでございまして、私どもは、こういうものを取り入れて積極的に確実なアセスメントをしていくように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたのは、そういういろんな問題を全部集約しまして、一つのまとまった手引きのようなものにでき上がっていない、これをつくり上げていこうということで現在やっているわけでございまして、防止計画部会の中の環境影響評価小委員会で中間報告としてとりあえずまとまったと、その中で、さらに今後の検討に残されています調査・予測手法の指針というのを具体的にまとめ上げて印刷したものにして、どこの県、あるいはどこの市町村でもいろいろこういうことをおやりになる場合に、いつでも参考にしながら具体的なアセスメント報告書をつくれるようなことをいまやっているということでございます。
○内田善利君 いままでの環境影響評価の手法は、環境庁方式あり、通産省か式あり、また運輸省方式あり、まちまちであったわけですが、そしてまた、各企業がやったりあるいは県がやったりして、その結果、結論としてはよろしいということになっていながら被害者が続々とあちこち出てきているという実情。ですから、これを歯どめするための環境影響調査がこういうことでは環境影響調査にならないと思うんですね。ですから、これは一日も早くその手法を決定して、これならば環境影響評価は大丈夫と、そういうものを早く決める必要があると思うんです。その点は大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) そのとおりだと考えております。
○内田善利君 それから第四でございますが、一言お聞きしたいんですけれども、自動車排気ガス規制の問題、先ほどちょっと質問があったんですが、〇・二五グラムですね、NOxの五十一年規制の〇・二五グラム・パー・一キロメートル走行距離とNOxの環境基準〇・〇二PPmと関係があるかどうか、この点をお聞きしたいと思いますす。
○政府委員(春日斉君) 先ほど長官もお答え申し上げましたように、確かに昭和四十七年の十月に中間報告をいただきました当時まだ窒素酸化物の環境基準は制定されていなかったわけでございます。したがいまして、当時〇・二五の目標値と申しますのは環境基準とそのままリンクしておったわけではないと言ったほうがいいと思います。ただし、四十八年の五月に窒素酸化物の環境基準というものが設定されました以上、いわゆる五十一年度規制の目標値たる〇・二五はその環境基準を達成するための有力な手段の一つであると、こういうことでございますので、先生の御指摘のように、現在においてはリンクしたものと考えて差し支えないと思います。ただし、直接窒素酸化物の環境基準〇・〇二PPmからいろいろ数的にあるいは数式的に導き出された〇・二五グラムではないと、こういうことが言えようかと思います。
○内田善利君 それでは、中公審から発表になりました五十一年規制と〇・〇二PPmは直接はリンクしてないと。それから固定発生源の排出総量、NOxは総量規制はないわけですが、そういったものとは関係ありますか。
○政府委員(春日斉君) もちろん固定発生源の排出規制の問題は、これは窒素酸化物の環境基準を達成するための、これまた移動発生源と並んで大きなものでございます。したがいまして、これは、ことに四十八年にやはり決められておりますので、これはそういう意味ではさらにつながっておるということが言えようかと思います。つながりが自動車に比べて深いということは言えようかと思います。で、要するに、窒素酸化物の環境基準を満たすためには、移動発生源はいわゆる五十年度規制、五十一年度規制によって減らしていく、それから固定発生源の場合は、四十八年に定めました排出規制の強化並びに対象の拡大によってこれまた減らしていく、そうして〇・〇二を達成しようというわけでございます。
○内田善利君 その次に、第七でございますが、健康被害の救済対策ですけれども、きょうの冒頭に、現在「環境問題は深刻かつ多様」ということですが、私は水俣病ほど深刻な、そして多様な、悲惨な汚染問題はないと思うのですけれども、この水俣病の皆さんが、認定待ちの方が二千七百名もいらっしゃる。そして検診は当然のこと、認定も滞っておると、こういうことなんですが、この水俣病の認定制度をもう少し変えたらどうなのかと、こう思うのです。先日は、二月七日ですか、環境庁と県と被害者の皆さんと三者会談があったのですけれども、この結果、環境庁はどのように対策を講じられるつもりなのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(橋本道夫君) いま御指摘のとおり、二千七百以上の万が待っておられるということは、私どもも非常に心を痛めておるところでございます。先日参りまして、患者会の九派の方と県とわれわれとお互いに話し合いをしたわけでございますが、そのときの私どもが受け取ったその考え方としましては、その認定審査会の再開という問題につきまして、大阪からお見えの方は反対ということばをはっきりおっしゃいました。申請者協議会の方は、非常な不信と批判を投げかけつつも、再開については、私の申しました意見に対して、部長の意見のとおりということになりまして、ほかの方は一日も早く再開をしてほしいと、そういう御意見でございました。ただ、それにはいろいろ大事な要件がございまして、この事務次官通達で示されたいろいろな救済の基準をはっきり守るという問題とか、あるいは疫学を重んずるとか、あるいは認定審査会を再開したときに、この間の夏の検診のときの方々でこの審査で認定に至らないという人の場合には、もう一度医師をかえて診察をしてほしいということ、及び認定審査会の方が現地に来て患者さんと話し合う機会を持ってほしい、そういう幾つかの要件がついておるわけでございます。全体として共通いたしておりますのは、ぜひとも、水俣病について長い経験とまた非常な熱意とを持っておる自分たちが信頼している人が納得のいくやり方でしてほしいということは共通しておりまして、現在十名の委員の中でまだ一名審査委員が決まっておりませんが、精神神経科の教室からぜひとも入ってもらうということは、これは必須の問題であるというぐあいに感じております。そういうことで、一日も早くあと一名の精神神経科の方の問題を解決をして早急に認定審査会を再開するのが必要だということを私は知事さんにも具体的にお話を申し上げた次第でございまして、現在、最終の努力をいたしておるところでございます。 認定の問題につきましては、この患者さん方は、納得のいく権威のある認定をしてほしいということは、これはまあ非常に強くおっしゃいましたことでございまして、実は私どももっと簡略なことでいろいろ言われるのかという気を初めいたしておりましたが、そうではございませんで、県議会からの要請で、非常な高汚染地域ではこの神経症状があれば検診をしなくて認定してくれという要望があったのですが、それは環境庁としては現実にそういうことはできないということを申し上げたわけです。というのは、そういう認定といいますのは、この救済特別措置法の公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法認定でもなければ公害健康被害補償法の認定でもない、全く別途の性格のものであるということで、そういうことはできないということを申し上げたわけでございますが、患者さんたちからも質問がございまして、ここに書かれてあることは、健康被害補償法やあるいは健康被害救済特別措置法でいう認定と法的には全く異なるものであるということを申し上げましたところ、そのような認定は私たちはもう絶対拒否をするということでございまして、権威のある方がきっちり納得のいく認定をちゃんとやってくれ、また検診もやってくれと、そういうような御要望でございました。 で、御指摘の、検診やそういう体制をもう少し何とかできないかということでございますが、これは人手につきましてはもう絶対的な制約がございます。 これはもういかんともしがたいものでございます。また病気のむずかしさということもこれも全く大事なポイントでございまして、この点はなかなか御理解のむずかしい点かと思いますが、やはり神経内科、耳鼻科、眼科及び必要な場合に精神神経科の方もこれに加わられるというような検診の進め万は、やはりきっちりした認定ということにはどうしても必要でございまして、そのところで私どもは、患者さんたちの強く要望しております疫学的な条件ということと、それから次官通牒で従来示された線をもう少し具体的に明らかにするということにつきまして鋭意現在努力中でございまして、この医学の専門の方々と、総力を結集した方と相談をいたして、その方法をできるだけよいものに改良していきたいという努力を現在いたしておるところでございます。
○内田善利君 やはり何らかの対策を講じないと、まだ水俣湾の中には大体最高四〇〇PPmぐらいの水銀を含んだヘドロがあるわけです。魚も泳いでいるし、またそれは外海に、まあ網は張ってありますが、通じておる。こういう二五PPmぐらいから四〇〇PPmぐらいまでの水銀を含んだヘドロ、そこにすむ魚、魚介類を今後やはり十年ないし二十年あるいな三十年と食べていった場合、一体どうなるのかという問題ですね。まだ水俣湾の埋め立ての問題も解決できておりませんし、被害者の方も続々と水俣病であるかどうか解明する非常にむずかしいという方々ではなくて、もう明らかに水俣病であると私たちが見ても想像される方々がおられるわけです。昨年の十一月でしたか十二月、環境庁に不服申請に来られた方も、申請の途中倒れられた方がおられましたね。ああいう方々がたくさんおられるわけです。ですから、あの水銀を含んだヘドロがある以上はまだ危険性があるし、また、チッソがほんとうにアセトアルデヒドを製造しなくなったのは昭和四十三年ですから、それまでは流れ続けていたわけですから、やはりこういったことを考えますと、抜本的な、国がもう県に任せるのじゃなくて、厚生省なり国がそういった認定をやるぐらいの気持ちでやっていかないと、これはいつまでたっても私は水俣病は救われない、こう思うんです。ですから、こういった面で対策を講じていただきたい、これが一つ。 それからもう一つは、せんだってチッソと興銀が開銀に三十九億円の特別緊急融資をお願いしたと、こういった問題についての政府の姿勢ですね、PPmの原則からすれば当然チッソが負担をすべきでありますし、責任を持つべきでありますし、興銀も同時に責任を持つべきであると、こう思うんですね。私はチッソだけじゃなくてやはり興銀にも責任があると、行政にも責任がありますけれども、やっぱりチッソと興銀に責任があると、こう思うんです。いままで開発を促進してきた興銀でございますから、たとえ公害被害者救済に使うのでなくても、設備投資ということであっても私は関係は同じではないかと、こう思うんですが、この点はどのように大臣はなさっているのか、この二点お聞きして、私の質問を終わりたいと思うのです。
○国務大臣(小沢辰男君) ヘドロのしゅんせつ事業につきましては、非常におくれておって恐縮なんでございますけれども、これが第二次公害を起こさないような手法のいろいろ検討に手間取ったわけでございまして、その具体案もどうやら出ましたので、あとは県とそれから運輸省の港湾当局でこの事業を実施してもらおうと。ただ、当然そのやり方等について漁業者の御納得を得なければなりませんので、いまその説明を十分やって、御納得を得たら、直ちに着工に移りたい、まあその前に負担問題を解決しなければなりませんが、そういうことで、今度は何とか五十年度中には実施をひとついたしたいと、かように考えておるわけでございます。 それから、いまのチッソの融資問題でございますが、これは環境庁としての問題ではございませんで、チッソが千葉において設備投資をするものに、その設備投資に対する開発銀行の融資の問題でございますので、それぞれ通産、大蔵等で御検討をいただいておるものと思っております。ただ、結果的に患者の救済についてのチッソの力がそれだけ増してくると言うと語弊がありますが、支障を来さないようになるという結果については、私ども患者救済の立場から見まして大変結構な話だと思いますので、そういう面でこれがある程度実現することを期待をいたしておりますが、融資そのものは、このチッソが患者補償に対していろいろ負担をする、この負担の能力を補てんすためではございませんで、千葉の工場に対する設備投資の融資であるということでございますもんですから、私どもとしては、通産、大蔵のやるべきことでございますし、また検討して可否どちらかに決定をすべき事項でございますので、環境庁の実は私、大臣として、それについていいとか悪いとかいう意見を申すべき立場にはないわけでございます。ただ、それが行えた場合に、結果的に見て患者の補償が円滑にいくということであれば、大変結果としては、私ども患者——を救済をする立場から見て、大変結構ではないかと、こういう考え方を持っているにすぎないわけでございます。
○内田善利君 最後に一言。時間超過いたしましたが、大臣、公害を出して人体をあやめた、そういう企業活動は正常な企業活動と思われますか。この点はいかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) あのような結果を起こした企業活動は正常な活動ではないと思います。ただ、望むならば、当時からすでにそうした健康被害についての学問的な立場が確立しておって、行政の面からもこれを十分指導すべきではなかったかと、そういう点について当時のいきさつ等、私よくわかりませんが、はなはだ遺憾な結果を招来したんではないか、かように考えます。
○委員長(鶴園哲夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を起こして。
○近藤忠孝君 きょうは五十一年規制問題にしぼって質問する予定でありましたけれども、先ほどイタイイタイ病とカドミウムの関係について真因を明らかにしろと、こういう質問がございましたので、この点若干質問させていただきたいと思います。 この問題につきましては、私自身、昭和四十三年以降かなり深くかかわりを持ってきた経験からこう考えます。まず、原因論争としての因果関係、その立証はすでに確立をしている、そして、その後のメカニズムについての研究がかなりなされておりますけれども、それは治療法の確立すなわち患者の救済という面からの学問的な究明であろうと、このように理解しておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(橋本道夫君) 司法上の判断とかあるいは行政上の判断をするという蓋然性といいますか、そういう法律、行政上の問題としてはそういう割り切りでやるということにはなっておりますけれども、純自然科学的には腎から骨にかけるというところにはまだ完全な解明はされておらなくて幾つかの仮説が現在走い合っておると、こういう段階で、それにカドミウムがかんでいるということは否定できないが、どの程度であるかというところには学問研究は今後まだ非常に必要であると、こういうことです。
○近藤忠孝君 ですから、カドミがかかわりを持っているという点については否定できないと、しかし、それはかかわりの度合いの問題ですね、となりますと、原因に関係がある、いわば原因論争としては確立をしていると、そう理解すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(橋本道夫君) 法律家としてはそういう議論が当然ありましょうが、その考え方を自然科学の医学者に押しつけることは学問の自由を阻害する場合があります。
○近藤忠孝君 次に、五十一年規制問題に入ります。 昨年十二月五日に自動車公害専門委員会で五十一年規制について報告書が出されましたが、同時に、「自動車の窒素酸化物排出低減のための技術に関する評価」、いわゆる技術評価というものが出されました。その中で、特に検査の問題、これについてお伺いしたいと思います。 この技術評価の五十一ページによりますと、「型式指定のための試験は、新車及び一定走行条件で三万キロメートル耐久走行後の自動車を一台ずつ提示してそれぞれが規制目標価を下まわるものでなければならない。さらに、組立ラインにおける抜き取り検査で個々の車両は許容限度(最高値)を満足することは勿論、検査車両の四半期の平均値が規制目標値を下まわることが要求されている。」ということで、ここで規制目標値というのが二つ出ておりますが、この規制目標値はそれぞれもうすでにきまったでしょうか。
○政府委員(田付健次君) いま先生からの新車に関します品質管理上の基準値でございますが、初に運輸省の方へ持ってまいりますときの審査のための新単または耐久試験軍の合格すべき基準値は、これは告示あるいは保安基準に定めますところの、平均値でございます。それから生産を開始いたします、その後に。開始をいたしまして、四半期ごとに平均値管理をさせておりますが、そのときの平均値も、先ほどお話しいたしました告示または保安基準に出ております平均——間違いました。平均値は、実は告示のほうと保安基準に出ておりませんので、もう一度訂正して申し上げます。告示と保安基準に出ておりますのは最高値でございます。そこで、その最高値から生産管理上の幅をとらせまして、どの車もその最高値を超えないということをさせませんと、大量生産がアウトになりますので、その幅をとりました下の目標値を一応定めなければなりません。で、その目標値にいたしましておりますのが、実は、たとえば五十一年規制を議論いたしておりますが、五十一年の議論の最中に出てくる〇・六とか〇・八五という数字であり、五十年のときには一・二という数字でございました。その数字を持ちまして運輸省の審査に参りますときには、その車の状態が新車であれ耐久車であれ、その平均値と言われているものを超えてはならない。それから審査を終わりまして型式指定を受けますと生産を開始いたしますが、その段階で抜き取り検査をしたときの四半期の平均値も、いまお話しした平均値を超えてはならないということで管理をさしていくわけです。
○近藤忠孝君 そういたしますと、前回答申のあった数個がここでいう規制目標値である、そう理解してよろしいでしょうか。と同時に、この五十一ページの一番下の方に、「規制値を設定する際にはこれらのことに留意する必要があろう。」、ここに規制値とありますね。この規制値と上の方で言っている規制目標値というのは同じものかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。下から四行目ですね。
○政府委員(田付健次君) 五十一ページにございます下のほうの「規制値を設定する際には」という規制値は最高値の意味であると思います。それから前の方に書いてございます規制目標値は、先ほど御説明しました〇・六、〇・八五等の平均値を意味しているものと思います。
○近藤忠孝君 そういたしますと、規制の平均値ですね、いま、言われた規制の平均値、これが今回答申になったものですけれども、いわばこれは熟した言葉なんですね。それに対してここでいう規制目標値というのは、いろいろな討議に出ましてね、初めて見る、言葉なんです。どうしてこういう言葉を使うのか。しかも八田委員長が十二月六日の当委員会で説明しましたが、運輸省認定についていろいろ説明しました。その際にも常に平均値、平均値、平均値を下回ってはならぬ、こういう説明をされておるわけです。そうしますとかなり明確であり、しかもしばしば使われて熟した言葉なんです。ここでなぜ規制目標値という大変概念の不明確のものに変わったのか、その点について御答弁願いたいと思います。
○政府委員(田付健次君) 内容的にはもう先生よくおわかりかと思いますので御説明は省略いたしますが、最大の原因は実は現在の法制度上にございます。それはなぜかと申しますと、平均価の議論をいたしまして一応線がまとまりますと、先ほどお話ししたスリッページその他を加えた管理幅を足しますと最高値が出てまいります。最高値をなぜそれでは決めなければならないかということが御理解いただけるとお答えになると思いますが、実は環境庁はその最高値を決めますと告示するだけでございます。あとその実施は運輸省の方で確保いたさなければならないたてまえになっておりまして、現実には道路運送車両法という法律に基づいた道路運送車両の保安基準という省令の中にその数字を決めることになっております。実は車両の保安基準といいますのは、車両法の立て方からいいましてどの車でも満足しなければならないというたてまえになっておりますので、平均値的にこうあってくれればいいというのではなくて、どの車どの新車をつかまえてもこの最高値以下でなければならないということに、実はエブリカーのシステムになっておるものですから、どうしても平均値的な規制ができない、現在の制度においてはできないということが最大の原因かと思います。 それから、いままで公害のいろいろな目標の議論をいたしますときに、なぜじゃ平均値の議論をするかということでございますが、専門家の方に申しわけありませんと思いますけれども、たとえて例を挙げますと、技術的には同じものを、絶対的に同じものをつくるということは不可能でございます。同じ棒をつくるにしても直径が全く同じにはできません、非常にデリケートな差がございます。したがいまして大量生産する自動車を対象にしてある一つのデータを達成させようといたしますと、やはり大量生産という性格から一つの生産上の目標値というものを示してやらないといけない、その目標値の周りに多少データがばらつくということにどうしてもならざるを得ないということがございますので、従来公害の目標を達成する場合のエミッションレベルというのは平均値的な概念で目標を設定し議論をしてまいったわけです。で、それでじゃ実際上支障がないかということでございますが、先ほどお話ししましたように、技術的には同じ生産設備で、同じような方法でつくり上げてまいりますので、細かい点ではばらつきが当然出ますけれども、ある一つの目標値に設定いたしますと大体その付近に集中してくるということがわかっておりますので、一応それで公害のレベル議論はできている、それがいわゆる平均値、平均値と申しておりました目標値でございまして、それと最高値との言葉を何かの形で分けないと混同いたしますので、恐らくこのリポートでは規制目標値と言いましたのがいわめる平均値であったのだと思います。ただ、平均値というと、通常のわれわれの日常用語としては熟してありますが、こういう公害問題だけについてリポートをまとめる場合には、特に常識的に言う平均値と紛らわしくないように、さらに規制目標値という一つの言葉をつくって書かれたものだと私は理解しております。
○近藤忠孝君 目標値という言葉、概念ですね、いわば達成を目指すべき目標で、達成できるかどうかわからない、こういう数値のことを言うのだと思いますね。実用化の段階の運輸省の検査の基準になるべきものでしょう、この技術評価と言われていのものはですね。その問題、一つです。 それからもう一つは、この技術評価の原案がありましたね。これが自動車専門委員会で討議される一つの素材となった原案があります。その原案にははっきりと平均値と書いてある、規制の平均値。そして、それはわかりやすかったわけやす。いままでの議事メモ見ましても、全部平均値、規制の平均値ということで討議されている。それが突然、いわば目標値という、達成すべき目標値ですね、要するに到達できるかどうかわからない、そういう不明確な概念に変わったことにたいへん疑問を感ずるものです。その点を本当にわかりやすく御説明を願いたいと思います。
○政府委員(田付健次君) 後段のほうの御説明から先に申し上げた万がよろしいかと思いますが、この原案の作成の過程で、私直接そういうふうに直した経過を聞いておりませんのでそれはわかりませんが、私も技術屋ですので後でこの文章を読みました点から言いますと、はっきり申し上げられることは、そういうごまかしをするために変えているというふうに考えられません。順に御説明いたしますが、先ほど先生は、平均値というのは達成できるかどうかわからないというふうにおっしゃいましたが、………
○近藤忠孝君 いや目標値。
○政府委員(田付健次君) あ、規制目標値、すなわち通常言う平均値、これは達成できないようなものではないかとおっしゃいましたが、実は技術的に私たちが大量生産をいたします場合には、たとえば棒鋼の直径を十ミリにしなさいという場合のその十ミリが、実は平均値、目標値でございます。ですから達成可能なんですね。達成可能ではありますが、十ミリぴったりで全くの誤差なしにそれをつくれということが実は技術的にできませんので、十ミリ、プラス・マイナス何ミリという誤差をつけまして、公差といいますが、その中に製品ができればよろしいという組み立て方で私どもは実際に物をつくり、世の中の品物ができ上がっていくわけです。そういう意味で私どもは平均値を議論しておりますので、達成不可能ではないのでありまして、そこから多少ばらつくかもしれない、しかし、大体そこへ集中してしまうということにおいては実現可能性のある値であります。ただし、それをもってじゃ直ちに検査上の基準にできるか、規制値にできるかということでございますが、先ほど御説明しましたように、ぴったりその値になりませんで、少しばらつきますので、仮に悪い方にばらついても、ある一定限度を越えてはならないというふうにはっきりしませんと、これは白黒がつけられませんので、そのときに最高値という値を出しまして、そこで押さえているということでございますから、これに書いてあります規制目標値が、すなわち平均値と言われているものは、直ちに検査上の基準になるという性格のものでないことはいまお話ししたことでおわかりいただけるかと思います。
○近藤忠孝君 そうしますと、いまの説明では、この技術評価の原案には平均値とあったのが、ここでは規制目標値に変わったという、この事実はお認めになるわけですね。
○政府委員(田付健次君) ちょっと私、その事実は、まだその原案を詳しく見ていなかったというわけではありませんけれども、直されたかどうかについてはちょっといまここでお答えできないのですが、後ほど確かめまして、また先生の方に御連絡さしていただきます。
○近藤忠孝君 ここに、この議論に参加しておった小林さんおられますけれども、おわかりでしょう、あなた自動車の専門家なのだから。そうでしょう。
○説明員(小林育夫君) 私、どういうふうに直したかという経緯についてはあまり記憶がないわけでございますけれども、恐らくこれは想像で申し上げて非常に失礼でございますけれども、そこに書いてございますように、「検査車両の四半期の平均値が」と書いてございますので、その後つながりといたしまして、「規制平均値を下回ることがが」と言いますと、非常に文章上混乱を起こすということで直したのではないかと、私、実際ははっきり記憶しておりませんのでわかりませんけれども、恐らくそんな理由で直されたのだろうと思います。詳しくは調べてみませんとはっきりしたことは申し上げられません。
○近藤忠孝君 ともかく原案に平均値というものがあったということは間違いないようですが、われわれがこのことに、いまの説明があったにもかかわらず疑惑を持つのは、それなりに根拠があるのです。要するにかなり熟した言葉であり、明確な言葉が、このような不明確な概念に、しかもあまり使われていない概念に変わったということにやはり一つの原因があるのじゃなかろうか、このの疑惑を持つわけなんです。そのことについてこれからお聞きしていきますけれども、これはこの間不破さんが明らかにした自動車公害専門委員会の審議会議事録ですが、これによりますと、十二月五日の議事です。こういう面がありますね。開発実験車、要するに型式指定の場合ですね、その平均値とそれから生産車、クリーン車ですね、の平値均のずれがある。この点が家本委員から強調されまして、それに小林さん、それからさらに片山委員も賛成しまして、ラインオフ直後の車両はすり合わせ不足のため開発実験車に比べて排出ガス量が増加する、こういう字句を入れよう、この技術評価の中に入れよう、このことを小林さんも賛成しているわけです。要するに量産した車の検査の場合にはつくりたてのほやほやで、あちこちがざらざらしている、だからNOXの値が大きくなる、そのことを十分に考慮して規制値をきめるべきだ、これはメーカーを代表して出ている家本さんがそういう要望をしている。そのことがこの技術評価の中に挿入されたのです。これはもともと原案には、ここにある、いま私が指摘した字句がなかったのですね。それがそういう議論の結果ここに入っているわけです。要するに、そのことをやらぬとやっぱりメーカーにきつ過ぎるから入れようという議論があって入っている。この事実をお認めになりますか。
○政府委員(田付健次君) 私、その委員会に直接出ておりませんでしたので、この「3」の「プロダクションスリッペーヅ等」と書いたこのパラグラフがなぜここに挿入されたかの経緯については、先生のおっしゃっておったとおりであるかどうかちょっと答えができません。ただ、現実の問題として御指摘のようにスリッページそのものがございますから、やはりある程度の幅を持った中で先ほどお話しした、たとえばある一定の直径の棒をつくると同じような考え方で車の生産管理をさせませんとむしろ不安定な車が出てまいりますので、そういう意味ではスリッページとか制作誤差を含めた、幅を与えた平均値というもので管理させるというのが正論であろうかと思います。それでなお冒頭に先生から非常にあいまいで疑惑があるというお話のように承りましたが、ここに書いてございます「規制目標値」は、通常私どもが、あるいは新聞など五十一年度規制の議論をやっておりますが、あの中に出てきております平均値だと思っていただければよろしいと思います。
○近藤忠孝君 その説明はそれでもういいのですけれども、にもかかわらず疑惑を持たざるを得ないということなんです。 そこで小林課長、あなたその議論に参加してしかも発着しているのですから——そうでしょう、家本委員がさっき言ったことを提案しましたね、要するにずれがあるからそいつを考慮しろと。それに対してあなたは、運輸省の規定の説明の次にクリーン車と開発車のならしの差を入れればよい、こういう提案までしているわけですよ。要するに、どこに入れるか、すなわちその技術評価の五十一ページの入れる場所まであなた指示しているわけです。思い出したでしょう。
○説明員(小林育夫君) よく思い出せませんけれども、しかしこれは事実を事実としてそういう「評価」に入れるということでございますから、事務局としてこの原案の修正については、私どもが先生方の御意見を聞いて直すということは当然でございまして、私はその正当なる事実をここに入れるということについては、一つも不思議はないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 私はこのことを入れたのがいいか悪いかを聞いているのではなくて、原案になかったものを入れたんだろうと。しかも、あなたもそのことに賛成をしていたんだろうと聞いておるんです。これは議事メモにちゃんとあるんだから間違いないんです。
○説明員(小林育夫君) 議事メモにあるから間違いないというお話でございますけれども、私どもその議事メモのとおりであったかどうかということは、はっきり記憶がございませんし、私がその当時はっきり申し上げたかどうかということは、いま明らかにいたすことはできません。しかし、この文章がそういう御提案があって入れられたということは事実であろうと思います。
○近藤忠孝君 ここで私が指摘したいのは、ともかくこの議事メモは、まさに討論の経過を正確に表現している。しかも、それが具体的に原案になかったものが歴然と入っているというその事実を指摘したいわけです。要するに、ここの専門委員会で議論されたことがかなり技術評価に反映しているということを申し上げたいわけです。 そこで、さらに次に進んでいくわけでありますが、この議事メモによりますと、規制値〇・六さらに〇・八五と、こういったことがいろんな議論の結果決まったわけですね。その後リードタイムのことが議論になりまして、お互いにリードタイムの期間は言えないけれども、心にとめることを議事録に残すと、こういったこともこの議事メモに明らかであります。その後でこういう議論がされております。八巻委員が、〇・八と〇・九を足して二で割るというのはひっかかると。そういう発言をした後、プロダクションスリッページの聞発目標値と規制値の関係を運用面で考えられないかと。なぜクリーン車の四半期の平均値を規制しないといけないのか、こういう問題提起をしています。この点は、あなた出ていなかったからわからぬかもしれませんが、小林さんどうでしょうか。
○説明員(小林育夫君) そういうクリーン車の云々という話は記憶にございませんが、現在のやり方では——現在のやり方と申しますか、五十年度から決められたやり方では、実際の規制をやると、実際の平均値が下回る結果が出るという旨の御指摘があったことは事実でございます。
○近藤忠孝君 先ほどからあなたは、そういう議論があったかわからぬということを言うわけですけれどもね、議事録あるんでしょう。それをわからぬと言うのだったらひとつ出してくださいよ。どうですか、議事録はあるんでしょう。それを出して、あなた初めてわからぬとかないとか、それは言えるんですよ。——どうですか。
○説明員(小林育夫君) 私どもの議事録と申しますのは、一言一句書いたものではございません。しかも、こういう討議があったという議事の内容を書いてあるものでございますので、どなたがどういう発言をされたかということは、私どもの議事録を見ても定かではございません。
○近藤忠孝君 じゃ、この議事メモを信用する以外にないじゃないですか。 そこで、さらにこの中身について聞いていきますけれども、八巻委員はさらに、検査の運用上の問題点を改善すれば〇・八でもよいのではないかと、こういう発言をしています。これは検査のやり方次第では、規制値を決めても、実際にはそれより緩やかな結果になるということを、要するにゆとりを持たせる結果になると。現に八巻氏は、はっきりとゆとりを持たせると書いていますね。で、要するに八巻委員が、そういう検査のやり方によって、〇・八五と決めたけれども、〇・八でいいじゃないかと、こういうことが可能だということをここで言ったんじゃないでしょうか。この点について御答弁を求めます。
○説明員(小林育夫君) 先ほども申し上げましたように、五十年から実施されるやり方では、実際の最高値、これはNOXで言えば一・六で五十年の場合は押さえておりますけれども、それが平均値としては一・二グラムでございます。ただ、一・六グラムで押さえまして五十年のやり方をすれば、平均値が恐らく一・二を下回って一・一とか一・〇八とかそういうことになるんであろうと、そういう指摘がございまして、これは平均値で運用する場合の規制にそぐわないんではないかと、実際よりも低い値になるということは検査方法が厳し過ぎるのではないかという旨の御指摘がありましたので、平均値がちゃんと一・三なら一・二になるような試験方法をとったらどうかというような御提案があったことは事実でございます。
○近藤忠孝君 要するに試験方法がきつ過ぎるから、それを少し緩めようという、こういう議論をされたわけですね。 そこでさらに聞きますが、家本委員は盛んに、合理的な検査のあり方、こういったことを盛んに言っています。そしてしばしば、運輸省が動きやすい形を残してほしい、これは規制値決めましても、検査のやり方で実際に緩くなるようなそういう可能性を議事録にとどめよう、こういったことを盛んに言っておるのですけれども、その点どうですか。
○説明員(小林育夫君) 先ほどから申しておりますように、実際の平均値が私どもの規制いたしますと申しますより御答申をいただきました平均値に合うような方法でやったらどうかという御提案でございます。
○近藤忠孝君 そういう議論があって、これは今度あなた自身の発言です、「議事録は外に出すものではない。議事録に入れてもよいが、本日の席には関係者がいるので、十分分っているのでないか。記録には強い要望があったと記入の外、関係官庁でも十分検討する。」、こう言っております。これはいわば規制の検査のやり方をこれから十分考えようと、それを各官庁で十分検討しょうと、こういったことをここであなた言っておるわけです。まさにここで一つの規制値を決めながら、規制値の平均値を決めながら、しかし検査方法によってそれがさらに動く可能性をここでお互いに論じ、かつ、そのことを関係官庁で検討しようということを言って、それを議事録に、このように確認している、そう考えざるを得ないんですが、それについての答弁を求めます。
○説明員(小林育夫君) 私は多分その後に言葉を継ぎ足したはずでございます。今後の問題としてそういう測定法の問題は検討する必要があるかもしれないけれども、少なくとも現時点では、それは五十年からの測定法でございますから、現在まだそういう軍が出ないで、しかも、そういう実績がない現在においてはむずかしいであろうと、将来の問題としては検討すべきだろうということを言ったはずでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、私が指摘した事実は言ったこと間違いないわけです。 それで、じゃ将来の問題として検討しようということになりますと、一体どんなことを検討しようと言うのか。
○説明員(小林育夫君) 重ねて先ほどから申し上げておりますように、家本委員からの御指摘あるいはほかの先生の御指摘というのは、いまの五十年に決められた運輸省の測定法によれば、平均値一・二グラムのものが一・一とか、それをさらに下回るような値でなければ実際には生産できないい、そこに問題があるのである、実際の規制というものは平均値を満足すれば、これは法制上の話は別としまして、実態上は平均値を満足すればいいのであるから、それが確実に守れるような測定法にしていこうと、そういう意味でございます。
○近藤忠孝君 運輸省にお伺いしますけれども、運輸省としてはこの検討しようという、それについてはどういうふうに検討されましたか。
○政府委員(田付健次君) 現在のところ五十年までにやってきております審査方法は、ただいまのところ変えるつもりはございません。ただNOX規制値が厳しくなりますと、これも大変恐縮ですが、技術的な問題でございますけれども、非常に厳しいところをねらわせるために、たとえばたとえを、言いますと、的の黒丸の直径が小さくなりますと同じ腕でも当たる確率が少し違ってまいります。そういうことがございますので、その辺の技術的な配慮は加える必要があるかと思いますけれども、いま私どもやっております方法を大幅に変えるということはいまのところは考えておりません。
○近藤忠孝君 一つ前の小林課長の発言では、いまのでは厳し過ぎるという、こういった発言がありました。それを検討しようということですね。そうしますと、国民も国会も現在やっている制度——検査制度です、それを前提として〇・六がいいのか、あるいは〇・四がいいのか、あるいは〇・二五がいいのか、これを議論しているわけです。ところがいまのお話ですと、現状では厳し過ぎる、そして五十一年、まあこれは将来ですね、五十一年のときにはいまの話はどうなるかわからぬ、こういったことになるわけです。どうでしょうか。
○説明員(小林育夫君) そういうことにはならないわけでございます。と申しますのは、そこで指摘しておりますのは主として生産ラインにおきます抜き取り検査のやり方の問題でございまして、新車の運輸省における認定のためのテストの方法を変えるという話ではないわけでございます。したがいまして、実際に町に市販されます車の平均値というものは、先ほど申しましたように一・二グラムと規制してあるものが実際には一・一グラムあるいはそれ以下になるということでございまして、実際に御答申をいただいておりますのはそれが一・二グラムになればよいのではないかという御指摘でございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、量産の際の抜き取り検査、四半期ごとにやっているこの方法ですね、これについてはどうなんですか。
○説明員(小林育夫君) ですから、そのいまの、現在のやり方をやると非常に平均値を下回らなければ実際には生産できないという御指摘が家本委員その他の委員からあったわけでございます。で、それにつきましては先ほど私が申し上げましたように、実際にはこれは五十年からやるものです。で、一部の税金を減免されております車についてはこれと同じやり方をやっておりますけれども、これはまあ非常に特殊なエンジンでございますので、一般的にこれを適用するといいますか、この例をもってほかのものを考えるというわけにはまいりませんので、私はまだやっていないものについてこれを変えるとかなんとかいうことは非常に無理であろうと、で、将来本当にそのやり方が、決められた平均値を大きく下回らなければ、その抜き取りに合格しないような検査方法ならば、その時期において検討をしたらよろしいであろうと、そういう意味の発言をしたわけでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、五十一年規制については具体的に抜き取り検査、四半期ごとのこの検査を変える可能性があるんじゃないでしょうか。
○説明員(小林育夫君) それは私どもで実施するわけではございませんので何とも申し上げられませんけれども、少なくとも先ほどの整備部長のお話では変えるつもりはないというお話でございますので、同じ方法がとられるというふうに私どもは理解しております。
○近藤忠孝君 まあ変えるつもりはないという発言はありますけれども、しかしこの専門委員会で議論されておったのは、このことも検討しようと、こういうことが議論されたんでしょう。
○説明員(小林育夫君) 議論されたといいますより、そういう旨の御指摘がありまして、ですから、それについては実際にまだ五十年に実施して実績もないものについてそういう議論をするのは早過ぎるのではないか、将来それが事実ということが明らかになった段階で検討すればいいということを私は申し上げたわけでございます。
○近藤忠孝君 ですから五十年の実績によっては変える可能性があるということになると思うんです。この議事メモのやりとりを見てみますと、家本氏が「リードタイムと合理的な検査のやり方をどの様な形で残すのか。」と、それに対して八巻氏が「検査の運用上の問題点を改善すれば、〇・八でもよいのではないか。〇・八五は別として、今後の問題として検討してほしい。」、さらに家本氏が「マル運が動き易い形を残してほしい。」と、まあこれは議事録に残せという意味だと思います。それを受けて小林課長が先ほど言ったとおり「議事録は外に出すものではない。議事録に入れてもよいが、本日の席には関係者がいるので、十分分っている」、いま言っていることはわかっているということでしょう。五十年の実績によっては将来この検査方法を変える可能性があるということはわかっているということ、そういう趣旨だと思うのです。「記録には強い要望があったと記入の外、関係官庁でも十分検討する。」、こうなりますね。そうしますと、これを見る限り一つの密約があったのではないか。やはりこの問題を、将来検査方法を変えることを一つの前提としよう、口では変えないと言っておりますけれども、しかしこれを将来実績によっては変えるかもしれぬ、そういうことが前提となってみんな腹の中にしまって、しかも腹の中にしまったということをこの議事録にこのとおり書いた、いかがでしょうか。
○説明員(小林育夫君) たびたびでくどいようでございますけれども、私が申し上げているのは先ほどから反反申し上げたことでございまして、将来変えるという前提で皆が了解したということではございません。
○近藤忠孝君 いや、変える前提だったらたいへんな話ですよ、そうでしょう。変える前提だったら、せっかく〇・六とか〇・八五をきめても、その数値は全くどっかに飛んでしまうわけだから、もしそんなことをきめておったら、全員首です、そんなもの。そうでしょう。そういうことじゃなくて、そういう可能性を論じて、前提として、将来決してこの検査制度は固定的のものじゃないということがここで論ぜられ、かつ確認されたんだろうと言うのです。
○説明員(小林育夫君) 測定法並びに測定機器というのは日進月歩でございまして、それは常に変わってきております。自動車につきましても、アメリカにおきましても七二年の測定法と七五年とは変わっております。したがいまして正しい値を測定する方法があればそれを採用するというのは私は当然のことだろうと思います。
○近藤忠孝君 私の質問は四半期ごとに抜き取り検査という、八田委員長が当委員会でも得々としゃべられたこの現在の検査制度、それ自身がどうなるかわからぬという、そのことを聞いているんですよ。そんな技術的な検査のことはどうか、そんなことじゃないです。
○説明員(小林育夫君) 先ほどから何遍も申し上げておりますように、そういう問題点の指摘がございまして、私は、そういう実際に車が出てきて本当にそれが下回るということであれば、逆に言えば最高位の決め方が悪いということにもなるわけでございます。ですから、そういう問題があればその時点において検討すればよいのではないかということを申し上げたにすぎません。
○近藤忠孝君 ともかく、もういまの議論の経過の中で、大切な検査制度そのものも決して安泰ではないし、いわばそういった議論を前提にして〇・六あるいは〇・八五という数値が出てきたんだということがはっきりしたと思うんです。ですから、国民の側からしますと、この中公審の議論が全く信用できないわけです、枠がはっきりしないわけですから。そこで大臣行かれましたので、次官にお伺いしますけれども、今後こういう検査制度を絶対にいじらずにきちっとやっていく、それが前提になっているんですからね、そういった決意があるかどうか。さらにこれは運輸省にあとでお伺いしますけれども、運輸省としてこの〇・六、〇・八五という、これが先ほどの規制目標値である、こういうことでありますけれども、これは絶対今後動かさぬ、〇・六、〇・八五というそういういわば平均値というとらえ方をして、われわれは数値自身には不満がありますから、それを守れと言うことはありませんけれども、ともかくもいままで言われておった平均値としてこれを守っていく気があるかどうか、この点についてお伺いします。
○政府委員(田付健次君) このリポートに出ております、この先ほど来御指摘のありましたいろんな議論と別にいたしまして、私ども運輸省としては定められた許容限度を確保するという義務がございますので、従来の方針を早急に変えなければならないという事態が発生しない限りは従来どおりの方針でまいりたいと思います。ただし、先ほど来お話ししたような事情もございますので、技術の進歩あるいはNOxレベルのむずかしさに対する許容限度の管理幅の問題、そういう点につきましては今後とも研究はしてまいりたい、こう思います。 それから第二の、平均値を守るかというお話でございますが、私どもは、許容限度として告示されました最高価のベースになりました平均値は、それは当然管理上従来どおり守ってまいりたい、こういう気持ちでおります。
○委員長(鶴園哲夫君) 速記をとめて。
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を起こして。 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
○委員長(鶴園哲夫君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 来る二十一日、公害及び環境保全対策樹立に関する調査のため、参考人の出席を求め、自動車排出ガスの昭和五十一年度規制に関する件について、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会 —————・—————